昭和50年(1975年) 第 7回 沖縄県議会(定例会)
第 5号 12月16日
第 5号 12月16日
 

議事の概要
昭和50年12月16日(火曜日)
午前10時2分開議
日程第1 一般質問
日程第2 甲第1号議案から甲第11号議案まで及び乙第1号議案から乙第15議案まで(質疑)
   一般質問及び質疑
    1 瑞慶覧長方君(社大党)
    2 島田 哲男君(社大党)
    3 親川 仁助君(共産党)
    4 伊波 広定君(共産党)
    5 岸本 利実君(社会党)
    6 岸本忠三郎君(社会党)
    7 吉田 光正君(革新クラブ)
午後3時26分散会

○副議長(古堅実吉君) 平良議長が地方6団体による地方財政危機突破大会出席のため上京されておりますので、議長にかわり私が議長の職務を行います。よろしくお願いいたします。
○副議長(古堅実吉君) ただいまより本日の会議を開きます。
 日程に入ります前に報告いたします。
 本日、知事から、お手元に配付いたしました議案8件及ぴ昭和49年度沖縄県歳入歳出決算13件並びに昭和49年度沖縄県一般会計、特別会計歳入歳出決算審査意見書、昭和49年度基金の運用状況書、同審査意見書、昭和49年度主要施策の成果に関する報告書の提出がありました。
 次に、きのうまでに受理いたしました陳情は13件で、そのうち特別委員会に付託すべきものを除く11件は、お手元に配付の陳情文書表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたしました。
 また、人事委員長棚原勇吉君は、別用務のため本日の会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として、人事委員会事務局長知花繁行君の出席を求めました。
 その他の報告については、お手元に配付の文書により御了承願います。
○副議長(古堅実吉君) 日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案から甲第11号議案まで及び乙第1号議案から乙第15号議案までを議題とし、質疑に入ります。
 質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
 瑞慶覧長方君。
   〔瑞慶覧長方君登壇〕
○瑞慶覧長方君 御通告申し上げました2件についてお尋ねします。
 まず第1に、農業問題、特にその中でも畜産問題についてお尋ねします。
 いま沖縄県における牛肉、特に輸入牛肉が非常識きわまりない量が県内に入り、そのために畜産農家がそのしわ寄せをもろに受けて、畜産生産農家が総合事務局に押しかけるなど非常に緊迫した情勢であります。
 その中で、実はけさの新聞も、こういう総合事務局の発表をしております。「牛肉2倍に高騰 外国産の輸入割り当て遅れ品薄」これは明らかにそういった背景をとらえた総合事務局の意図的な報道だと私は見ております。
 なぜそういうことを申し上げるかというと、8月の時点で、畜産日報から見て、沖縄県全体に入っている輸入牛肉は4265トン、8月だけで645トン、9月が721トン、総計で4986トン、10月は561トン、総計で5547トンが10月までに入っているわけです。これから見ても、在庫量が底をついて、いま輸送途中のものを合わせて300トンしかないなどという報告を総合事務局はいましております。これはでたらめきわまりないと思うんです。その在庫調査をしておるかというと、立入検査はしていない、業者からの報告だけで発表をしております。
 そういう背景をとらえて、お尋ねをします。
 その報道によると、県から何らの意見もないのでおくれておるという文章も中に入っております。  
 実は、沖縄県における去年までの生産頭数は、11年前の39年に1万9000頭余りから、去年は3万7000頭に相当数ふえております。これは約1.9倍、1戸当たりの飼養頭数にしても、11年前の1.9頭から4.8頭で、これも2.82倍、約3倍にふえております。
 逆に、屠殺頭数は、昭和42年6035頭も県内屠殺したのが、去年わずか997頭、これは5分の1であります。
 逆に、食肉、いわゆる輸入量は、昭和39年621トンののが、去年は4179トン、ことしはすでに10月までに5547トン、これは実に7倍であります。
 こういうふうに畜産県と言われておる沖縄県が自分たちで生産したものは県内で消費できずに、高い運賃と斤減りをやって本土に持っていって売らなけれぱならない。そして、県内の消費の9割が輸入牛肉によって抑えられておる。こういう背景を持っていながら、なぜ、あえて外国産の牛肉を年間5500トン以上も入れなけれぱならぬのか。しかも、輸入実績を上回る割り当てを去年もやっております。去年は6000トン余りの割り当てしております。
 これについて、農林水産部は、いままでに代表質問等でもいろいろあったんですが、さらに明確な答弁を要求します。
 さらに、牛肉が2倍になったなどと言っておりますが、これは業者のもうけが2倍になったという話なんです。業者のもうけが2倍になったと、(「でたらめだよ」と呼ぶ者あり)じゃ、でたらめでない証拠を申し上げましょう。
 ロース、これが港価格――CIF価格が1586円で入ったのが末端では幾らになるかというと、2000円から2050円であります。もも肉、749円の港価格が末端小売り価格で1100円から1500円であります。胸たれ肉、プリスケットは、368円で入ったのが900円、現在は1300円になっております。これは輸入業者が、畜産農家が大会を開いて輸入割り当てをどうせ規制するだろうと、そうなれば、いまのうちに入れなければならぬということで、いま抑えているわけなんです。
 今度幸いに、県の努力でもって2億円という出捐金を本議会の予算に出ております。そして、いわゆる畜産価格安定公社の設立のめどがついた。これは大変すばらしいことです。高く評価します。
 しかし、公社を設立しても、こういったいわゆる権限ですね。いま総合事務局が割り当てをし、しかも割り当ての公表がない。そして、在庫の立入調査をやり、価格調整を当然やるぺきなんです。
 本土における事業団においては、消費者の立場、生産者の立場を考えて、競り値のいわゆる指し値が成立しない場合は差しどめストップをしております。そういうことによって価格の操作までやっております。そして、在庫の立入調査までやって、毎月報告をしております。
 ところが、政府直轄である総合事務局は、そういう発表もしない。割り当て数量も発表しない。業者あたりの配分比も発表しない。いまタクシーでさえ、ちゃんと配分数量まで公表しておる。なぜ輸入牛肉は発表しないのか、そこが疑惑の問題になるわけです。
 そういう意味で、今後、設立される公社の権能の中に、そういった権限まで当然公社が持つべきだと思うんですが、この設立計画の中で、そういうものも入っておるかどうか、今度の計画で入っているかどうか。
 さらにもう一つは、畜安法ではそういった調整、指導しなければならぬようにうたわれておりますが、現在、総合事務局はそういうことをやっておらぬ。だから、どうしても今度の公社の権限として、これを移譲すぺきだと私は主張しております。農林水産部の方としてはどうお考えか。
 それからもう一つ、これだけのぺらぽうなマージンをいま取って、業者はもうかっております。私の計算では、大きな輸入割り当てを受けた商社は年間これだけの数量が入れば、当然あの割り当て量から見て、第1次マージンだけで年間5億円も差益が出る勘定になります。
 この差益金、これが公社設立の場合に、これをいわゆるかつての課徴金のように積み立てて、生産農家への奨励金等に振り向ける方策を立てなければならぬと思うんですが、これもこの公社設立の計画の中に入っているかどうか、これもお尋ねします。
 時間がございませんので、次は2番目の質問に入ります。
 通告申し上げましたが、金武湾、与勝海域におけるいわゆるCTS、三菱の埋立工事による海流の変化、さらに海域の汚染、これは去る一般質問で自民党の平良一男議員が、社大党の調査は選挙目当てのいわゆるでたらめなものであると、こういう発言がありましたが、これは天下の公党の調査に対する干渉もはなはだしいし、自分たちがそうだからといって他党までそういうふうに、いわゆるひがみ根性で発加することはやめてもらいたい。
 私たちは、地域住民からの要請を受けて、浜部落の区長、漁業組合長、その他漁民とともに、現地に舟を借りて調査をしました。たとえぱ、あのヘドロですが、これは実物――向こうから採取してきたものなんです。見てください。
 いいですか、こういうふうな粒子の細かいどろが、採砂された後に深いところで2メートル、浅いところで1メートル、こういうどろが現実にたまっているんです。そして、表面の海は、こういった乳白濁色になっているわけです。
 私は、CTSの賛成、反対は抜きにして、現に起こっているこういった公害をちゃんと調べて、それに対するいわゆる原状の回復、さらには漁民に対する補償、これを当然やるべきだという立場からお尋ねをします。土木部及び公害対策即、さらに農林水産部、この関係する3部局にお尋ねします。
 さらに、浜部落の宜野池原の浸食、これも深いところで25メートルから30メートル内部に欠壊が行われております。そして、護岸も決壊されております。これは当然海流の変化による浸食というだけが原因ではないでしょう。私たちも、そういう断定はしておりません。これには各種の要因が加わっているでしょう。
 しかし、あれによって海流の変化が生じ、浜部落の隣のいわゆる砂丘も5分の1決壊しております。約2000平米米が流出しております。現地の漁民の発言は、この埋め立てによって、あるいは海中道路ができて、その海流の変化によって海流が10倍も早くなっているところがあると言っております。
 それから皆さんも海中道路を通っておわかりだと思いますが、右側と左側では潮位、いわゆる潮の高さがはっきりと差があることがわかるはずです。ですから、私は、これは現実に起こっておることですから、具体的な、科学的な調査をぜひ実施してほしい。同時に、これに対する因果関係を明確にし、そして漁民に対する補償を十分にやらなけれぱならぬと思います。いいですか、そこで、公害対策諌は、早速こういう実態の調査をやっていただきたいと思います。あるいは、やっているならば、その見解をお聞かせ願いたい。
 それから農林水産部は、漁民が訴えております。かつては刺し網、建で干し網が20本も向こうで建てられたというんだが、現在は皆無であります。それから浮原の方、ところが浮原は米軍の演習地になっております。そこしかないと、建て干し網が建てられるところは。しかし、そこは岩盤が固くてにくいと、あれを解放させて、ぜひ向こうに漁場の確保をしてほしいという訴えがあります。いわゆる、甲イカ、白イカ、ウニ、これがほとんど漁獲皆無であります。そういった、いわゆる漁民の被害の実際の調査を農林水産部はなさっておられるかどうか。また、今後ぜひこれはやってほしいと思うんですが、これについての御見解。
 それから土木部としては、あの道路は、私たちの調査によれぱ、海から砂を取って埋め立てに入れた、そしてあれだけの面積の埋め土の中から粒子の細かいいわゆる粘土質の粒子があの架設道路、さらには埋め立ての道路、護岸を通して、あれは大きな粟石を一番底は土台に積んで、その上にさらに積んで道路をつくっております。そこから、こういった非常に細かい粘土の粒子がいわゆる漏れていって、土砂を取った低いところに、このどろが2メートルもたまっているわけです。ですから、潮の流れ、あるいは風向によってこれが濁って、表面はこういう乳白濁色を呈しているわけです。ですから、これをぜひ土木部としては、その調査、それからあの設計図をもとにして、その流出との原因をぜひ究明していただきたい、それに対する御見解をお伺いします。
 それから護岸及び宜野湾原の決壊については、これは当然復元をし、さらにもとの畑を復元しなきゃならぬと思うんですが、その御計画、これについてもう一遍はっきりした御答弁をお聞かせ願いたいと思います。
 それから道路ですが、入口の方に三菱の従業員と思われる青年たちが、あの道路の半分を柵をつくって立入禁止の札を立てております。もちろん、半分は通れます。向こうに四、五名の青年たちが常時待機しております。これは土木部してどういう御見解か、あるいは向こうに対して注意を勧告されたことがあるか。これは当然管理者は、村だと思います。ところが、話によると、村長から当分はああしてくれという三菱に話があって三菱はやっていると聞いておりますが、道路として一たんできたものは賛成者であろうが、通るのが当たりまえであって、道路を半分封鎖するという話はどこからも通らぬと思うんです。
 そういうことについての土木部長の御見解をお聞かせ願いたいと思います。
 以上、お答えを願いたいと思います。
○副議長(古堅実吉君) 環境保健部長。
   〔環境保健部長 照屋善助君登壇〕
○環境保健部長(照屋善助君) お答え申し上げます。
 順序不同でございますが、ヘドロの問題について環境保健部としてお答え申し上げます。
 県は、与勝、金武湾海域を昭和50年3月、公共用水域の環境基準の海域の基準としては、最高であるA類型として設定しております。
 水質保全のため水質監視を続けているところでございますが、これまでのところ水質の測定項目であるCOD、PH、溶存酸素、大腸菌、カドミウム、水銀等などから判断する限りにおいては、大きな変動は見られません。
 ただ、いま御指摘なされましたとおりヘドロの問題につきましては、海洋汚染については、これまで調査項目に入っておりませんでしたので、公共用水域の監視の立場から早急にその実態調査を行いたいと考えております。
○副議長(古堅実吉君) 土木部長。
   〔土木部長 安里長徳君登壇〕
○土木部長(安里長徳君) 土木部関係のものについてお答えいたします。
 設計上との関係については、これは設計書あるいはその当時の工事の方法等を検討して、これがいまのヘドロとの関連があるかどうかを検討していきたいと思います。
 それから道路の封鎖の問題でございますが、これはすでに竣工許可もいたしてございますので、市町村道に編入されておると思いますので、この件につきましては、実態を調査して適切な措置をとっていきたいと思います。
 それから浜比嘉島の決壊の件でございますけれども、この件につきましては、これは地元側の陳情は、道路と護岸とを一緒にやってくれとこういう陳情でございましたので、この件につきましては、この道路それ自体は、県道には基準として編入できませんので、したがいまして村道に編入していかにゃいかぬと、こういうようなことになろうかと思います。
 そういうことで、軽費の諸負担もございますので、これの施行等については、村側とも十分に連絡調整をして対処していきたいと思います。
○副議長(古堅実吉君) 農林水産部次長。
   〔農林水産部次長 島崎盛武君登壇〕
○農林水産部次長(島崎盛武君) お答えいたします。
 牛肉の特別割り当ての件でございますが、御指摘のとおり大量の安い牛肉が入りまして消費者サイドとしては非常に有利でございますけれども、生産者の方は非常に厳しい状態にございますので、この特別割り当てにつきましては、県の牛肉の振興を図るという意味から最小限度に割り当てをしてほしいということで要請をしております。
 実は、昨年まではその調整がございませんでしたけれども、ことしになりましてからその調整をやるようになっておりますので、今後はその方向で努力をしていきたいと、かように考えております。
 それから畜産公社が、その差益金は取れるかということでございますが、これにつきましては、畜産公社の中の畜産物総合需給調整事業がございますが、この中でこの権限が与えられれば畜産公社で対応したいと、かように考えております。
 次に、漁業被害調査の件でございますが、現在特にやってございませんけれども、非常に広範囲に、しかも専門的な技術が必要となりますので、今後関係部局と調整をいたしましてなるべく早く実施していきたいと、かように考えております。
○副議長(古堅実吉君) 瑞慶覧長方君。
○瑞慶覧長方君 あと1点だけ土木部長に質問忘れましたのでお尋ねしますが、あの海中道路ですね、あれは現在橋1つなんですが、本来は設計で3つだったと思うんです、当初は。
 それで、あれは、どうしても今後の影響も考えてあと2つ追加すべきだと思いますが、これについてどうお考えですか。
○副議長(古堅実吉君) 土木部長。
   〔土木部長 安里長徳君登壇〕
○土木部長(安里長徳君) お答えいたします。
 これは相当長い距離でございますので、当初のいきさつを聞いてみると、その3つで交渉しておったようでございます。
 しかし、現在、これは村道でございますので、その村道の工事にかかわることであり、また負担にかかわることでありますので、村当局と調整連絡をとって措置していくということにしたいと思います。
○副議長(古堅実吉君) 島田哲男君。
   〔島田哲男君登壇〕
○島田哲男君 私は、さきに通告いたしました3点のことについて、順を追って所見を述べながら質問を行いたいと思います。
 まず第1番目には、地方財政の危機打開についてお伺いいいたします。
 このことは、きのうまでの幾人かの質問者からいろいろと問題提起がありましていろいろ解明されてまいったわけでございますが、大変大事なことであり、私もこのことに触れ、当局の御見解をお伺いしたいと思います。
 地方財政危機の要因は、まさしく国の高度経済成長政策から生じたインフレ、不況、それに伴う総需要抑制にあることは、きわめて明白であり、また高度経済成長政策から生まれた税制と財政制度が中央集権化されていることにも大きな要因があるかと思うのであります。
 さらに、私は、地方財政危機に大きな拍車をかけていることに超過負担の問題を重視せざるを得ないのであります。
 一昨日の新聞報道によれば、全国知事会、全国市長会等地方6団体がまとめた49年度の地方超過負担の実態調査結果では、何と45項目に及ぶ6360億円という膨大な額に上っていることでも明らかであります。
 地方財政法19条では、国の負担金、補助金等支出金の額は、地方公共団体が当然事業を行うため必要かつ十分な金額を基礎として算定されなければならないのに、実際は補助単価が著しく低く、あるいは必要経費が補助対象からはずされるなどが挙げられるわけですが、特にわが沖縄県及ぴ市町村は、その特異性に起因して他県に見られない必要不可欠な事務事業等の人件費に対する国庫負担のあり方も重視しなければなりません。
 ちなみに、私が調査したある市町村の例を挙げますと、国家委任事務に携わる職員は、国民年金をはじめ11の項目にわたる事務事業に198名が従事しておりました。その人件費が何と5億5100万円に対し、国庫補助はわずか33%の1億8700万円となっております。
 また、基地あるがゆえに必要不可欠の基地政策には1100万円の人件費を要しているのに対し、国庫補助は全くゼロでございます。
 そこで、お伺いいたしますが、本県における国家委任事務及び基地対策関係事務に対する人件費の超過負担の額は、いかほどになっておりますでしょうか、お伺いいたします。
 また、国に対しては、抜本的対策を立て、超過負担の解消にくじけずに当たるべきと思いますが、御当局の御見解を承りたいと思います。
 次に、税制の面から県税である自動車税及び市町村税の軽自動車税についてお伺いいたします。
 このことは、きのうの上原議員の質問に対する総務部長のお答えも若干ありましたが、あえて私もこのことを指摘して申し上げたいと思いますが、アメり力合衆国軍隊の構成員等の所有する自動車に対する自動車税の特例措置によってその税率は、県民に課されている税率に比べ、きわめて低く抑えられていることであります。日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及ぴ安全保障条約第6条に基づき、施設及ぴ区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う地方税法の臨時特例の法律の規定による低い税率で課されているのであります。
 同じ地域に住み、しかも同じ道路を使用しながら税額に差があることは全く不合理だとしか言えません。駐留軍の少ない他県ならともかく、特に本県のように膨大な基地に配備されている米国軍隊の構成員は、とても比較にならないほどの数であります。したがって、その所有台数も他県の比ではないということであります。
 私は、さきに税務課からその資料をいただきましたが、実はそれを見て予釦以上の金額に驚きと憤りを覚えたのであります。
 資料によりますと、今年度4月30日現在、県税関係の課税台数で1万2492台で、自動車税が9371万4000円で、これを県民同様の課税に直しますと、4億4036万8000円の税収となるわけで、その差額が3億4665万4000円となっております。 
 また、市町村税の課税台数は1916台で、2140万円の税収に対して、これまた県民同様の税率でいくと551万8000円となり、その差額は337万8000円であります。両方を合計いたしますと、何と3億5003万2000円の巨額の数字になっております。すなわち、県民同様の課税率になると、3億5000万円余の財源確保ができるということであります。
 この問題は、日米安保条約に基づく特例によるものであるだけに、とても県民として容認できるものではありません。市町村においても、軽自動車税の特例措置に強く抵抗を示して改善を要望しておりますが、県といたしましても、政府に対し、積極的に強く要請していくべき考えがありますかどうか、御所見を承りたいと思います。
 第2番目に、対米請求権放棄についてお伺いいたします。
 復帰前、27年にわたる米合衆国の沖縄統治期間中において、米軍による土地接収、米軍人軍属等の不法行為、その他米軍基地の存在によって県民がこうむった被害に関する対米請求権は、沖縄協定において包括的に放棄されたことは周知のとおりであります。
 しかし、たとえ政府が沖縄協定で県民の対米請求権放棄を認めても、そのことは、県民が国に対する請求権の放棄までも認めたことにはならないと思います。
 県当局といたしましては、渉外部を中心に各分野にわたる精力的な調査に取り組み、すでに第1次、第2次の請求事務がなされたと聞いています。情勢はきわめて厳しく、複雑多岐にわたる問題だけに当局の御苦労を多とするものであります。
 ところで、問題を提起してお伺いいたします。
 軍用地の中に取り残された非軍用地のことについてでございます。これは嘉手納弾薬庫地区に隣接する沖縄市倉敷の嶽山原にある21万6300平米の私有地で、私有財産でありながら戦後30年間何ら利用することもできずに放置されている現状であります。すなわち、戦後このかた、軍用地に接収はされておりません。該非軍用地は、嘉手納弾薬庫地区に遮断されているため自由に出入りができなかったために財産価値を失うとともに、都市建設の面でも大きな支障となり、生活環境施設の整備や公共施設等の建設配備が困難となり、少なくとも自治体の行政推進の上からも問題となっております。
 幸いにして、昭和49年度は、国の責任において559万5000円分の損失補償金が支払われてはおりますが、嘉手納弾薬庫の解放がない限り、その活用ができません。
 この地域は、戦前、県立農林学校の演習林付近で、沖縄唯一の国頭、島尻の接点と言われてきたところであり、戦後30年全くもったいない遊休地域であります。
 そこで、当局の御見解をお伺いしたいことは、このようなケースがまだほかにもあるのではないかと思われるわけであります。復帰時までの27年間の損失、すなわち米国軍隊の使用施設のために生じた財産的損失は、当然請求権を放棄した国が補償すべきであると思うのであります。当局の御見解を承るとともに、請求できないかどうか、慎重な御配慮をお願いしたいと思います。
 第3番目に、国道330号線の早期整備についてでございますが、この路線は、旭橋から沖縄市照屋十字路を結ぶ中央線で、国道58号線及び329号線の交通渋滞緩和に極めて大きな役割を果たしたものであります。現在、安里から宜野湾市嘉数間は、伊祖トンネルの開通によってすばらしい快適道路として県民に大きく利便を与えております。
 しかし、それから以北の該道路が復帰後何ら整備されないまま放置されており、十分機能が発揮されず、交通安全の面からも憂慮されております。歩道はもちろんのこと、側溝も皆無の状態であり、しかも路傍は雑草で荒れほうだいの個所も多く全く不快道路と言わざるを得ません。特に、普天間から沖縄市入口間には既設の照明灯もありながら、最近は全く点灯されておらず、夜間の歩行は危険なところであります。
 国は、他の国道同様早急に整備していただきたいと思うのでありますが、県としては国に対してこの整備について折衝されたことがありますか。また、国の整備計画を御存じでしたらお聞かせ願いたいと思います。
 なお、該道路と関連して、県道20号線のことについても若干触れたいと思います。
 沖縄市上地のいわゆる嘉手納第2ゲートを起点とする高原原までの20号線は国道320号線と結ぶ重要道路であるが、照屋―高原間がいまだに開通されてなく、地域開発と住民生活に大きく支障を来しております。県としては早急に解決する計画がありますかどうか、お伺いいたします。
 また、起点の嘉手納第2ゲートからさらに嘉手納基地内を通る第1ゲートまで延長させて、国道58号線と結ぶことによって、県道20号線の果たす役割と機能がますます発揮するものと思われます。このことは、基地内道路の開放というきわめて厳しい問題とは思いますが、基地撤去の立場からも知事は政府に対し、強くこのことについても要請していただきたいと思いますが、知事の御見解をお伺いいたしまして、一応質問を終わります。
○副議長(古堅実吉君) 企画調整部長。
   〔企画調整部長 平良清安君登壇〕 
○企画調整部長(平良清安君) お答えいたします。
 地方財政の危機打開と関連いたしまして、国の委任事務はどうなっておるか。これらの委任事務によって地方財政の超過負担はどうなっているかという御質問にお答えいたします。
 現在、この委任事務につきましては、地方財政の危機、硬直化と関連いたしまして、全国的に各地方自治体、さらには全国知事会でも検討しているわけでございますが、一応、地方自治法別表第1から第4までの事務を検討いたしますと、現在委任事務は784件となっております。
 本県は特に軍関係の渉外事務等もございまして、そういう面での他都道府県よりもより過重な点があろうかと思いますけれども、さらには最近国土利用計画法の施行などがございまして、現在県で調べたところ、そのうち28件について超過負担の事実があるんじゃないかというふうに見ております。
 ただ、その負担割合等につきましては、10分の10、あるいは2分の1等いろいろございまして、その対応の仕方によっても超過負担の算出についてもいろいろ問題点がございまして、はっきりした数字はまだつかめておりません。
 これらの委任事務につきましては、全国知事会におきましても専門的に検討されておりますけれども、一応の検討の段階といたしまして、廃止すべき事務として31件、国の事務というよりも県へ移譲すべき事務として26件、さらに国に返すべき事務として26件、市町村へ移すべき事務として20件等々が一応検討されております。真に地方自治の確立をするためには国、地方を通ずるそれぞれの機能の分担の明確化と事務と、さらにこれを両立する財源の再配分などが抜本的に改革されなければならぬとこういう観点に立ちまして、全国知事会をはじめ、各都道府県自治体でも行っておるわけでございますので、県といたしましてもこの委任事務につきましては、さらにこれらの調査検討を待って引き続き検討するとし、超過負担額についても今後引き続き調査していきたいと、こう考えております。
○副議長(古堅実吉君) 総務部長。
   〔総務部長 赤嶺武次君登壇〕
○総務部長(赤嶺武次君) 最初に基地対策費についてお答えいたします。
 基地対策費としてはざっと一般財源で見積もっている額が3億9264万9000円ほどあります。これは軍用地の転用を含めた土地利用計画の策定、基地渉外の問題、軍離職者対策の問題、離職者の転職のための職業訓練問題、過去及び現在の基地公害と補償の問題など基地に関連する多種多様の特殊な行政事務を処理しなければならない事情にあります。そのために財政需要も極めて多額になっているわけであります。
 これまでの事業名を申し上げますと、まず第1番目に、基地渉外課員が入ります。それから基地関係業務費、軍用地転用計画費、沖縄駐留軍従業員健康福祉センター設置事業費、旧第4種従業員離職対策費、沖縄駐留軍離職対策センター費、沖縄駐留軍関係離職者再就職助成金、能力再開発訓練費、専修職業訓練校整備費、雇用対策事業費、雇用対策推進費等、こういう11項目からなる項目について私どもとしては一般財源の持ち出し分について、先ほど申し上げました金額については特交需要として要請しているところでございます。その3億9264万9000円の基準財政需要額分を差し引いて、残りの3億2055万7000円が実質的な特交需要としての要請額になっております。
 以上、基地対策の回答をいたしておきます。
 次に、超過負担についてでございますが、超過負担についてはこれまでも再三申し上げているとおり、全国知事会を通して全地方自治体の問題として今後も積極的にその解消に強い折衝をしていく考えであります。
 それから自動車税についてでございますが、御指摘のとおり合衆国軍隊の構成員等の私有車両等に対する自動車税の課税台数等税額等については御指摘のとおりでございます。これについては、20年ぶりにちょうど50%の税率改正を行って現年度から実施されているところでございますが、しかしまだ一般車両並みにきていませんので、きわめて低い税率になっておりますので、もっともっと改正させるために、これを全国的な問題として渉外関係主要都道府県知事会議においては、去る12月の6日にその改正方が採択されております。そして、同会の議長――青森県知事でございますが――から総理大臣はじめ関係機関に対して要請しているところでございますので、今後もその改正実現方についての積極的な取り組みをしていきたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○副議長(古堅実吉君) 渉外部長。
   〔渉外部長 大島修君登壇〕
○渉外部長(大島修君) 御質問のありました放棄対米請求権の経過と、それから沖縄市倉敷嶽山原などのような近傍財産補償の問題についてお答えいたします。
 先ほどもお話がありましたように、米国が沖縄占領して復帰までの間の県民の請求権につきましては、沖縄返還協定第4条1項によって放棄されました。そして、日本政府がそれを肩がわりすると、こういうことになりまして早速県はこの問題を重要事項の1つとして取り上げまして、各市町村に対して啓蒙し協力を仰ぎまして、47年に全市町村長によりまして協力を得て、知事が会長で沖縄返還協定放棄請求権等補償推進協議会を結成いたしまして、昨年の7月に第1次請求分をまとめて請求をいたし、さらに今年7月に第2次分の請求をまとめて請求いたしました。この協議会で請求項目は御承知のとおり13項目でございまして、昨年約4万8000件余り、金額にして645億円余、それから今度の第2次請求が――ほかの5項目と昨年のものの追加分で――件数にいたしまして7万3000件余、金額にしまして514億円余、計1次、2次含めまして12万件余り、金額にして1150億円余の罰求をいたしております。
 第1次請求分につきましては、すでに施設庁において総括調査が終わりまして、これから細目について各事業についての調査をすると、こういうことになっております。ただ、まだ国においてそれの処理機関が明確な決定がなされておりません。処理の方針と処理機関の決定がなされておりませんので、今後その処理機関を早く決めてもらう。それから処理の方法について細目にわたって決定してもらうと。調査だけは施設庁でやるということで一応現在なされております。そして、県に対しても1次、2次の問題について各事案についてのいろいろな調査を現在依頼されておりますので、県といたしましても市町村と協力して今後引き続きその調査、そして早急な支払いについて努力していきたいと、こう考えております。
 さらに、先ほど御指摘のありました倉敷の嶽山原などのような近傍財産補償でございますが、御指摘のように嶽山原は知花弾薬庫が接収されたときにフェンスで囲まれてしまいましたので、その嘉手納の飛行場、それから弾薬庫等に囲まれまして、いわゆる袋小路みたいになって嶽山原が利用できない、そこに通ずる道が阻害されてしまったと、こういうことで被害をこうむっております。これは近傍財産の補償という形ですでに2500万円の請求を国に対して額としては出してあります。これは放棄請求権の中に含めて出しております。これに類似したものが他にあるかどうかということでございますが、662件ございます。金額にして2億3000万円余の額をまとめまして、662件を政府に対して放棄請求権の請求としてすでに提出済みでございます。
 以上です。
○副議長(古堅実吉君) 土木部長。
   〔土木部長 安里長徳君登壇〕
○土木部長(安里長徳君) まず、330号線の整備についてでございます。これは国道330号線は県の方で管理している部分と国の方で管理している部分がございまして、国の方の指定区間というのは、沖縄市から浦添市の西原までの延長約15.5キロでございます。これは当然国の方の管理でございますので、その整備計画につきまして国に照会いたしましたところ、次のように連絡はございました。
 整備計画それ自体は、まず県道、これは昭和50年からその沿線については55年の間に整備をするということでございます。さしあたり50年度におきましてはDEのところから真栄原部落までと、こういうようなことでまず50年度は歩道とか照明とか、そういうような工事をすると、こういう連絡を受けました。
 さらに、この路線は、相当に交通量も混雑してまいりましたので、将来はバイパスも考えるというようなことで現在調査を進めていると聞いてございます。
 それから照明の問題でございますが、これは前の議会にも指摘がございまして、実はこれは連絡をしたところ、向こうとしても調査をして検討すると、こういうようなことでございましたので、私たちとしては解決していると思いましたが、再度この件につきましては要請をいたしまして、いまの御指摘の点の解決をしたいと思います。
 それから県道20号線の未供用区間のことでございますけれども、この区間につきましては昭和50年度から国の予算もつきまして、その路線をどうするか、どこを通すかということで地元と調整をいたしましたが、最近になって地元と調整も終えておりますので、現在測量設計をいたしておるところでございます。これが完了すれば用地の交渉も入ることができます。さらに、この件につきましては、51年度も継続いたしましてその整備に当たっていく所存でございます。 
 それからもう1点は、いまの第2ゲートから58号線までの道路の問題でございますが、確かに御指摘のように第2ゲートから国道の58号線まで路線をつなぐというと、網的には大変いい形態に構成されてまいります。しかし、これは復帰をする前にこの件についてはUSCARと話し合いしたいきさつがございますが、そのときはだめでございました。網的には必要でありますので、この件は何せ嘉手納飛行場の中を横切ることでありますので、基地と大いな関係がございます。それで、私たちとしては防衛施設局と話し合いをしてみたいと、このように考えてございます。 ○副議長(古堅実吉君) 島田哲男君。  
   〔島田哲男君登壇〕       
○島田哲男君 先ほどちょっと質問が漏れておりますので、追加質問をいたしたいと思います。
 ただいまの330号線の整備のことについてでございますが、特に先ほどもちょっと交通安全の面で指摘いたしましたが、非常に歩行者にとって危険きわまる不整備道路でございます。そういった意味で交通安全対策として交通環境整備を早急にやらなけれぱならないと考えております。特にバイパスの付近では昨今よく死亡事故が多発している現状であり、そういう意味でも応急なる交通安全施設を整備していただきたいと思いますが、警察御当局のこれに対する330号線のそのような施設について、あるいは歩道をつくる以前の応急措置としてガードレールなり、そういった計画がおありかどうか、お伺いいたして私の質問を終わります。
○副議長(古堅実吉言) 警察本部長。
   〔警察本部長 加藤晶君登壇〕
○警察本部長(加藤晶君) 交通事故の多発でございますので、私どもの方といたしましては、とりあえずその面に人員を配備いたしまして、それを防止したいと考えております。
 なお、安全施設を現在設備する用意があるかということでございますが、これはまだそこまで計画をしておりません。対症療法といたしまして、とりあえず警察官を配置して、重点的にそういったところで完璧を期するということに努めたいと考えております。
○副議長(古堅実吉君) 親川仁助君。
   〔親川仁助君登壇〕
○親川仁助君 休憩願います。
○副議長(古堅実吉君) 休憩いたします。
   午前11時1分休憩
   午前11時2分再開
○副議長(古堅実吉君) 再開いたします。
○親川仁助君 私は、さきに通告いたしました事項について質問し、関係各部長にお答えを願いたいと思います。
 本県農業の昭和49年の耕種別生産額の実績を見ますと、サトウキビの173億3400万円に次いで、野菜が86億8200万円で、第2位を占めています。
 しかし、その供給、需要の関係を見ますと、昭和48年が需要9万3660トンに対し、生産は7万3600トン、またわずか1029トンが県外に移出されたのに対し、県外から2万2341トンが移入されています。しかも、本県から移出される野菜は、キャベツ、カボチャ、ニンジンなど数えるほどの種類しかありませんが、他府県から移入される野菜は種類も多く、多量に投入されております。
 年中温暖な気候に恵まれ、せっかく地の利を得ていながら、しかも耕種別生産額においてもサトウキビに次ぐ重要な地位を占める野菜が、県内需要を充たし得ていないばかりか、大量に県外から移入しなければならない現状にあります。
 沖縄における野菜農業は、長いアメリカ軍の占領支配のもとで、幾ばくかの米軍特需があったほかは、人口30万人足らずの那覇市を中心とした消費地を対象に、都市近郷農家の間に発展してまいりました。
 復帰後の今日においては、その自由な流通が全国に拡大され、増大する需要に応じて全国各地から大量の野菜が本県市場にも流入し、県内生産農家をも圧迫するに至っています。
 しかも、米軍支配下で、限られた特殊な地域の経済圏を形成していた琉球政府の時代よりも、日本の一地方自治体となった今日の沖縄県は、これに行政的に対応することも一層困難なものとなっています。
 こうした状況のもとで、振興開発計画が目指す野菜農業を本県農業の基幹作目の1つとして位置づけ、生産を拡大するためには、今日の情勢に対応した生産と流通を整備し、農協や生産組合による共販体制を早急に確立し、京浜、阪神など大量消費地に市場を開拓し、地の利を生かして、特に端境期をねらっての大量移出を実現しなければなりません。
 そういう意味では、昨年から東京神田の市場に出荷されたサヤインゲンが注目されます。市場での評判もよく、ことしは本県から出荷される野菜としては初めて1億円台の記録をつくるだろうと新聞も報道しております。私自身、長い間その生産に従事してきた者の1人として、心からうれしく思うものであります。
 本県からのことしの出荷計画は120トン、知念、玉城、東風平の各村、沖縄市の美里、具志川市などが主産地となっていますが、知念村では農協の販売事業で、すでにサトウキビに次ぐ主要な作目となっています。
 このサヤインゲンに限らず、本県産の野菜が本土市場を開拓し、確固たる地位を築き上げ定着するためには、さきに申し上げました生産と流通の整備はもとより、なお幾つかの早急に解決しなければならない問題があります。
 それらについて、以下、質問いたします。
 その1つは、病害虫の防除の問題です。とりわけ、ウリミバエの完全駆除は、本県野菜農業の振興と本土市場開拓の上で、県が全力を挙げて取り組まなければならない課題です。
 幸い、本県農業試験場では、世界的にも注目されている不妊化による駆除方法が確立され、既に久米島においてテストが実施されていると聞いておりますが、その成果を伺いたい。同時に、県がこのウリミバエの完全駆除についてどのような計画を持って対処しているかも伺いたい。
 あわせて、現在、サヤインゲンの出荷に当たっては薫蒸処理を行っていますが、それだけではなお不十分として、農林省では、包装をさらに厳重にするよう求めていると聞いております。生産農家では、これ以上諸経費がふえることに不安を抱いていますが、事実はどうか、伺いたい。
 第2に、輸送費や諸経費をどう軽減するかという問題です。
 確かに本県は、気候、風土において、台風災害という点を除いては、野菜農業にとって恵まれていると思います。しかし、大消費地から遠隔の地にあるという不利な条件も抱えており、輸送費など諸経費をどう軽減するかは本県野菜農業の振興にとって重要な問題です。これら諸経費について、サヤインゲンに例を取ってみます。
 現在、航空機による輸送を行っておりますが、2キログラム詰め1ケース当たり輸送費が169円となっています。手数料、その他諸経費を含めると、1ケース当たり実に567円となっています。販売価格の3分の1近くの販売経費がついていることになります。他府県でつくれない冬場をねらっての移出で、いまのところ何とか割高に売れているから引き合うわけですが、これでは決して安定したものにはならないと思います。
 将来、本県での野菜の生産が拡大され、大量に輸出されるようになれば、国鉄による高速の冷凍船の就航など実現させなければならないと考えますが、それを含めて輸送経費を軽減するため、県としてどのような対策を検討しておられるかを伺いたいと思います。
 なお次に、我が党の上原亀一郎議員の代表質問との関連でお伺いしたいと思います。それは野菜価格安定基金による価格差補てんのことについてであります。
 過去7カ年の市場価格の推移をもとに基準価格を算定し、その85%を補償基準価格とし、市場取引価格がこれを割った場合に、その差額を補てんする仕組みになっています。このような仕組みは、決して農民の要求に正しくこたえるものではありません。農民の要求は、あくまでも再生産を確保し、農家が安心して生活ができるよう生産費及び所得補償方式による価格差補てんです。
 長い革新府政の歴史を持つ京都府でも、その方向で努力と改善が続けられています。本県でも、この基金制度の創設については高く評価しますが、さらに農家の要求にこたえるべく、生産費及び所得補償方式による価格差補てんを目指す方針をこの際明らかにすべきです。御見解を伺います。
 次に、南部農林高等学校の浸水問題について伺います。
 御承知のように同高校周辺の豊見城村長堂、金良及び南風原村津嘉山一帯は、近年急速に市街化が進み、宅地造成のための埋め土が行われ、しばしば浸水騒ぎに見舞われております。とりわけ、低地帯にある南部農林高校では、再三にわたる校庭はおろか、教室にまでも浸水、やむなく臨時休校にするなど、ひどい状況に置かれています。
 我が党県議団は、さきに現地をつぶさに調査し、そのすさまじい状況を見てまいりました。生徒が丹精込めて実習農場で栽培したキュウリがせっかく花を咲かせ、実をつけながら水害に見舞われ、連続3回とも収穫できなかったとの説明も受けました。校庭の北側を流れる長堂側は、土手に雑木が茂り、水面に倒れたりして、これが水の流れを相当妨げていることもわかりました。応急措置として、長堂川の土手の雑木を伐採し、川底をしゅんせつする必要があり、同時に、不備な校庭内の排水施設を完備する必要があると考えます。
 この河川の改修や校庭内の排水工事については、これまでにも各関係者に対して、学校当局から陳情がなされています。
 幸い、今回の補正予算で、長堂川については1000万円の予算が補正計上されて喜んでいますが、これだけでは問題の解決にはなりません。どうしても並行して、先ほど申し上げました校庭内の排水路工事がなされなければ、来年の雨季には、また同じような浸水騒ぎを引き起こすのではないかと心配するものであります。
 それで、土木部長及び教育長に次のことを伺います。
 まず、土木部長に伺いたいと思いますが、この補正予算が成立すれば、早急に工事を施行し、来年の雨季に備えて万全を期すべきだと考えますが、その執行体制はどうなっているかを伺います。
 また、長堂川に限らず、雑木やごみなどの障害物が川の中に相当に見受けられ、これが降雨時の水はけを悪くしていることも考えられます。これを除去することによって、浸水防除にかなり役立つのではないかと考えますが、どうでしょうか。
 河川管理のため人員の配置など、現在どのような対策措置がとられているかも伺いたいと思います。
 県民を浸水の被害から守るためには、早急に主要な河川の改修工事を完了しなければならないことはもちろんです。現実には、多額の予算、かなり長期の年月が必要ではないかと思います。それでも浸水騒ぎは毎年繰り返されるわけですから、日常の管理を強化することによって、例えば常時パトロールし、障害物を除去させるなど、そのような措置はできないものかどうか、伺います。
 次に、教育長に伺います。
 さきにも申し上げましたように、南部農林高等学校浸水問題は、長堂川の改修だけでは完全な解決はできません。校庭内の排水工事が並行して進められなければ、来年雨季には、またもや浸水騒ぎを引き起こすことは必至です。
 県教育長として、どのような実施計画を持っておられるのか、具体的に説明していただきたいと思います。
 また、同校校庭には、村道か農道かはよくわかりませんが、道路が通っております。こういうことは、学校管理の上からも問題ではなかろうかと思います。おそらく、豊見城村管理の道路だと思いますが、村当局とも話し合い、速やかに何らかの措置をすべきではないでしょうか、御見解を伺います。
○副議長(古堅実吉君) 農林水産部次長。
   〔農林水産部次長 島崎盛武君登壇〕
○農林水産部次長(島崎盛武君) お答えいたします。
 沖縄の場合、非常に温暖な気候で、野菜等につきましても当然自給以上に生産されるべきでございますけれども、諸要因等のためになかなか野菜が時期的には移入されているような状態でございますが、先ほど親川議員が御指摘のとおりサヤインゲンにつきましては、ことし特に他府県におきまして秋冬野菜の産地の植えつけ面積が減りまして、野菜価格は高騰したために、沖縄産のインゲンが見直されております。
 昨年、49年12月から50年5月の前期は431トンでございましたが、今期は11月17日から開始されまして、すでに30トン移出しております。5月までに、いわゆる前期に比べまして、今期は約180トンを予定しておりまして、金額にいたしまして約1億2000万円予定をしております。
 サヤインゲンの移出の場合、ウリミバエ等の発生を防ぐために、植物防疫法によりまして薫蒸処理を行っておりますが、特に航空輸送によりまして週3回、主として関東の市場へ出荷しているという状況でございます。
 従来、沖縄の場合、品質が悪いためにいろんな面で問題がございましたけれども、関係者の努力によりまして次第に改善されまして、今期は好評を博しているというようなことでございますので、今後とも沖縄の有利な条件を生かしまして、安定的供給と諸経費の軽減によりまして農家所得の確保と経営の改善を図っていきたいと、かように考えております。
 それからサヤインゲン等の県外移出についての諸経費の助成でございますが、1ケース当たり約538円とわれわれは推定をしておりますが、これにつきましては包装材料及ぴ運賃の一部を助成をしております。
 諸経費の軽減につきましては、合理的な集出荷の推進を図りながら、取り扱い手数料の軽減も含めた経費節減を図れるよう農協及ぴ経済連の指導を強化していきたいと、かように考えております。
 それから野菜の県外移出の状況でございますが、経済連の地方卸市場の取り扱い手数料は、果物が7%、野菜が8%でございます。これは農林省が卸市場の生鮮食料品の流通の合理化と健全な経営の維持を図るための設定でございまして、これによりまして、手数料は、果物7%、野菜8.5%でございますが、この範囲内でございますので、やむを得ないと考えておりますが、今後は県産野菜の県外出荷の奨励を図るために、特に経済連としては、県外出荷の場合は5%に軽減をしてございます。
 この手数料は、健全な県外出荷の増大を図るために必要な手数料でございますが、今後、出荷量の増大に伴い、集出荷の合理化と流通の近代化を促進することによりまして手数料の軽減方が図られるのではないかと、かように考えております。
 それから野菜の補償基準価格の生産費補償方式の採用でございますが、現在、補償基準価格の設定につきましては、経済連中央市場の価格を参考にして設定をしておりますが、今後、生産費調査の実施あるいはその充実整備を図るとともに、基金の充実強化を図りつつ、漸次、生産費価格による生産費補償をたてまえとした基準価格の設定を検討してまいりたいと、かように考えております。
 それからウリミバエの実情でございますが、ウリミバエの発生によりまして沖縄のいろんな農産物が本土に移出できないというのが大きなブレーキとなっておりますので、この撲滅といたしまして、まず久米島の不妊虫放飼による撲滅実験事業をやっておりますが、まず薬剤による事前抑圧防止によりまして、これは50年2月で完了しておりますが、当初の計画どおり発生密度が20分の1に減っております。その結果によりまして、先ほどお話がありましたとおり不妊虫の放飼防除に入っておりまして、毎週約200万匹のさなぎを200カ所の地点で継続して放飼をしております。
 沖縄本島におきましては、現在、薬剤による抑圧防除を実施中でございますが、今後、久米島の実績等を勘案しながら撲滅防除を検討していきたいと、かように考えております。
 以上でございます。
○副議長(古堅実吉君) 土木部長。
   〔土木部長 安里長徳君登壇〕
○土木部長(安里長徳君) 2つの質問、つまり長堂川の治水の問題と、それから河川の管理の問題でございます。
 まず、長堂川の治水の問題としては、いま御指摘のように良堂川の上流付近が相当に造成工事が進み、そのためにその土砂あるいは雨量が相当に入ってこの付近の浸水の大きな要因になっております。
 それで、まず私たちとしては、現在、長期計画と短期的な計画の2つに分けて進めてございますけれども、長期計画というのは、下流の方から、現在、国場川の上流の方に向かい、さらに長堂川の工事と、こういうような形で現在進めておりますが、何しろまだ相当な日にちがかかります。したがいまして、こういう長計は予算獲得と一緒に進めていきますが、短期計画としては、まず琉糖の前に灌漑用の相当古いせきが講じられておりました。このせきを取ろうということで、南風原村当局と琉糖に申し出まして、現在、これが話がつきまして工事をしているところであります。これは相当なせきになって落差がありますので、このせきを取れぱ、この長堂川は先ほど御指摘のところの南部農林高校のところもある程度は浸水せずに済むんじゃないかというような理解に立って現在進めております。
 さらに、そのせきの問題だけじゃなく、これは2級河川の方の山川橋までにつきましては、先ほど補正の件が出てございましたので、その補正でもって相当な期間にわたって土砂がたまっておると思いますので、まず補正した分でしゅんせつの工事をして河床を下げていきたいと思います。
 それからその高校のすぐ体育館の近くでございますが、そこには災害工事が出ております。その工事は今度50年度で災害査定をしていただきましたので、この工事は豊見城村で一応やりますけれども、これもあわせてやっていく次第でございます。
 それから河川管理の問題でございますが、これは御指摘のように、特に都市地区、部落地区においては相当なごみの量がほうり込まれております。そういうことで、今度、公物管理を担当する職員を土木事務所に設けまして、これは河川だけではございませんが、道路の占用の問題、それから河川の占用の問題も含めまして1人配置しておりますが、またそこまで十分にごみを捨てるところだとか、監視が十分に行き届いておりません。しかし、安謝川の上流みたいに大変ごみが堆積しているところは予算等を講じてこの除去をすると、今後もそういう予算で除去をしていきたいと思いますが、何にしてもこれは私たちのそのごみを処理する以前に、そこに住んでいる住民自身がこの川は自分の川であるということを認識して大事にして、ごみ捨て場と間違えないような、そういうような認識が必要かと思います。それで、そこについては新聞紙上あるいは立て札等を通じて宣伝の活動を継続していくと同時に、汚いごみの処理もしていきたいと思います。
○副議長(古堅実吉君) 教育長。
   〔教育長 池村恵興君登壇〕
○教育長(池村恵興君) 南部農林高等学校の浸水問題、それから校内を通っている道路問題についてお答えいたします。
 御指摘のとおり、これまで校地内浸水のあるたびに校地内のみの対策で客土や盛土等の暫定的な措置を講じてまいりました。幸い、今回、土木部の河川工事が完成するようでありますので、それと並行しまして、校地内の排水については全面的に手を加えていきたいと、こういうふうな計画を持っております。計画につきましては、51年度で一応校地内の排水溝の整備ができるような措置をし、それから農場内の排水溝につきましては51年と52年の両年にまたがって対応していきたいと、こういうふうな計画を持っております。
 次に、校地内の道路の措置でございますが、このことは村当局とも十分話を詰めまして、校地内から別の場所に道路を変更するように折衝を強く進めていきたいと、こういうふうに考えております。
 以上でございます。
○副議長(古堅実吉君) 親川仁助君。
   〔親川仁助君登壇〕
○親川仁助君 ただいまの河川の管理についての土木部長の答弁に対して、再質問したいと思います。
 私の質問は、現に長堂川の状況を見まして、そこには周囲に雑木が茂り、倒れた木がそのままになっておって、それが雨降りのときに、ごみやあるいはいろいろなものがそこにかかって水はけを悪くしているということを私は指摘し、そういうことがないように河川の管理を十分やってもらいたいという私は趣旨の質問をしたわけでありますが、部長の答弁では、これは住民がもっと注意すべきだと、住民にその責任を転嫁するような答弁では納得できません。もちろん、住民に対して協力を求めるということはそれでよいと思いますけれども、同時に県としての管理者としての責任を果たすべきだと思います。
 そういう点からの答弁をもう一遍お願いします。
○副議長(古堅実吉君) 土木部長。
   〔土木部長 安里長徳君登壇〕 
○土木部長(安里長徳君) 舌足らずでいささか誤解を与えたようでございますので、しかし、これはいまの住民に対する御協力もいただきながら、皆さんの捨てないような形でやっていきたいという希望を私は持っております。
 それからいまの御質問のあれにつきましては、その灌木等というようなものについては、今年の補正もございますので、そういうことで河川管理者としてやるべきことについては私たちも積極的に努力いたしていきたいと思います。
○副議長(古堅実吉君) 伊波広定君。
   〔伊波広定君登壇〕
○伊波広定君 私は、まず知事、教育長に文化の退廃と道徳の危機、この点について御見解を承りたいと思います。
 いま私たち日本国民は、政治的危機、経済的危機、そして文化の退廃と道徳の危機、この3つの危機に直面しております。
 我が党の上原亀一郎議員の代表質問でも指摘しましたように、B52の飛来と基地の強化、フォード・アメリカ大統領の核の先制使用もあり得るとの日本国民に挑戦するような発言、米韓合同司令官が朝鮮半島における9日作戦の発表、今国会における坂田防衛庁長官の在留邦人保護のために自衛隊の出動もあり得るという発言等々、アメリカのアジア戦略に呼応する姿勢を国民の前に浮き彫りにしています。
 また、国内においては、小選挙区制の導入による自民党一党独裁の日本型ファシズムの再現をねらっております。これが政治的危機であります。
 また、経済的には、完全に破綻した高度経済成長を取りつくろうために打ち出された不況対策は膨大な赤字国債を発行し、酒、たばこ、郵便料金の値上げにも見られるように国民を収奪して、大企業奉仕の不況とインフレをますます激化させる国民生活を破壊に追い込むところまできております。これが経済的危機であります。
 一方、文化、道徳の面でも退廃文化のはんらんと道徳の危機は多くの国民の心を痛めております。子殺しの異常な流行、トロツキスト暴力集団による内ゲバや殺人、爆弾事件は、(「製造元はどこだ」と呼ぶ者あり) 自民党がつくったんだ。善良な市民までも巻き添えにして彼らの暴力の犠牲にしています。また、幾つかの大学は彼らの暴力の支配のもとに置かれ、善良な学生がまともに授業も受けられない状態です。右翼暴力団は、白昼撃ち合いをやって暴力の町をつくり出しています。テレビは、11PMの番組を見てもわかるようにポルノ映像が私たちの茶の間にまで遠慮会釈なしに侵入してきております。また、年間11億冊以上も出版されている週刊誌は、その内容たるやヌードとポルノで埋められ、自動販売機の出現も相まって手軽に青少年の世界に入り込み、その心をむしばんでおります。
 沖縄におけるシンナー乱用は、50年度後半期で中高生が130人、一般少年が119人補導されております。私たちが各小中学校を回って聞いたところでは、毎日のように学校に入ってきてシンナーを乱用していることが学校の話でわかりました。補導される件数は氷山の一角にしかすぎないのであります。このシンナー乱用が麻薬、覚せい剤へとエスカレートしていくことも、県の薬務課の調査で明らかになっております。
 49年度厚生省の麻薬白書によると、麻薬取締法違反全国で436件のうち、沖縄173件で、39.7%を占めています。沖縄における麻薬中毒及び経験者は約4000人と推定されています。その内訳は米軍人軍属3000人、日本人1000人、そのうち80%が20代と推定されているのです。このことをみても、いかに沖縄の青少年が長年にわたるアメリカの占領支配の中で、心身ともにむしばまれてきたかということが明らかであります。
 49年度県教育庁の調査によると、本県の長欠児小学校299人、うち39人が学校ぎらい、中学校354人のうち197人が学校ぎらいになっています。大学から差別をして、政府自民党の教育政策は受験本位の詰め込み主義になり、指導要領や教育課程にも見られるようにできない子をつくり上げているのです。そういうことをして、子供の夢を奪って、全国的に学校ぎらいの子供たちをつくり出しているのが実情であります。そして、夢を奪われた生徒たちが、この子たちをせつな的な快楽の方向に追い込んでいるのです。
 沖縄県立教育センターが、高校生1940人を対象に行った沖縄県公立高校における性教育の実態とその指導に関する研究によりますと、性欲を感ずることがあるかという質問に対し、ないと答えたのは男子では1年生9.5%、2年生5%、3年生0%、女子では1年生32.5%、2年生28.3%、3年生21.2%となっております。
 さらに、性欲の処理をどのように処理しているかとの問いに対し、セックスでと答えたのが男子で1年生10%、2年生23.6%、3年生26.7%、女子では1年生10%、こういうふうに答えは出ております。これはセックスで処理しているという答えについては選択肢が不明確で、これが直ちに性交かどうかということは疑問であります。
 さらに注目したいのは、そういった刺激を何によって受けたかということでは、高校生では雑誌、書籍と答えた者20.8%、ヌード写真、看板と答えた者17.6%、テレビのシーンと答えた者14.9%となっております。
 性を侮べつするものは人間とその歴史を否定することになります。私たちは、健全な性生活は人間の生存と生活の重要な基盤として重視する立場に立っております。
 しかしながら、新日本婦人の会の調査によりますと、いままで高校で問題になっていた妊娠中絶模合、これが那覇市内の中学校の男生徒がやられていることが明らかになっております。2つの学校であります。私たちは大きな衝撃を受けました。また、いままで中高校生、一般少年に乱用されていたシンナーが小学生までに行われているということも明らかになっております。ですから、うちの子に限ってと果たして自信を持って言い切る親が何人いるかと思います。私は、未来の主人公である青少年に責任を持つのは、いまの主人公である私たち大人の責任であると思います。
 高度経済成長の中でつちかわれてきた文化の退廃と道徳の危機は、一刻もゆるがせにできない問題として私たちに迫ってきているのであります。とくに沖縄は麻薬の例を見ても明らかであるように、アメリカ帝国主義の占領支配が県民の心と健康までもむしばんできたことを率直に認めなければならないと思います。
 しかし、私たちは、不良マスコミやポルノを法と権力で規制すべきであるとは考えておりません。この問題は国民的合意の上に話し合いを持ち、国民の良識でこれを規制していかなければならないと考えております。
 いま私が申し上げましたような、日本全国そうでございますけれども、特に沖縄の場合に、麻薬の問題にしても、シンナー乱用にしても、そして子供たちの青少年のセックスの問題にしても、沖縄の実情が、いま短い時間の中で申し上げたことでもこれだけのことでございます。
 知事の御見解と、そして教育長として今後これにどういうふうにして対処していく方針を持っておられるか、お伺いいたします。
 次に、小中高校における主任制度について教育長にお伺いいたします。
 私は、民主教育について何回かここで発言をしたことがあります。戦後、日本の教育は、戦前の天皇制教育の反省に立って、教育の専門職である教師の自由と権利を保障することこそが、教育と学問の発展にとって何にも増して重要なこととして、国家権力の教育への介入を否定し、教育委員の公選制と教科書の画一化と検定を廃止しました。
 しかし、アメリカ帝国主義による朝鮮侵略戦争以来、日本独占資本の復活、それと社会主義諸国に対する敵視政策と同時に教育の反動化も急速に進められ、教委の公選制の廃止、教師の勤務評定と全国学力テストの実施、教頭の法制化、いままた中間管理職をつくって教育の管理行政を強化する主任制度の強行に見られるように、わが国教育の反動化は急速に進められつつあります。
 これは学校運営に主任制度を設け、教育委員会や校長などの命令の執行者として手当を支給し、教師間の分断を図りつつ、教育を自民党政府の管理下に置こうとするもので、中教審路線の重要な一環であります。永井文相の理屈づけも教育条理に反するものです。いままでばらばらであった管理面と教育指導面をそれぞれの学校において調和させると言っております。そのものであると言っていますが、学校運営を管理と教育活動の2面に分けること自体おかしな話です。学校の運営と管理は、国民の期待にこたえる教育活動のためにあるものであるからであります。永井文相は、この教育原理を否定し、学校管理を教育活動に優先させるという誤りを侵しています。
 いまある職務分掌は、部長あるいは主任として、教師が互選をしています。この民主的な方法を省令を改悪して主任を教育委員会の任命制に変え、手当を支給して制度化するということを私たちは重視せざるを得ないのであります。しかも、国会において我が党の山原議員の質問に、文部省の初中局長は、職務命令も出せると断言しております。
 教育長は、前に、中根議員の代表質問に対し、まだ内容はわからないが、学校現場に混乱が起こらないように対処するといったような答弁をなさいましたが、教育長の基本的な考えを承りたいと思います。
○副議長(古堅実吉君) 屋良知事。
   〔知事 屋良朝苗君登壇〕
○知事(屋良朝苗君) ただいま御指摘がありました青少年問題、これは沖縄の今後取り組んでいかなけれぱならない最も根本的な問題だと思っております。
 沖縄の青少年は、戦前は非常に健全であったと思います。非常に素朴ではあったと思いますけれども、非常に健全であったと、一番健全であったところの沖縄の青少年が、戦後はおそらく全国でも最も不健全性が濃縮された姿で沖縄にあらわれておると、こういうようなことも言われているのでございます。
 子供たちの育成というようなことは、それは先天的要素もありますけれども、後天的な要素も非常にある。そうすると、後天的な影響ということになるというと、いわゆる社会の影響、家庭の影響、学校の影響等いろいろとあるわけでございますけれども、あれだけ素朴で健全であったはずの沖縄の青少年が、特にその心配になるようになったということは、その後天的影響ということを考えたときに、沖縄の社会が他府県と異なる一端はどんなところにあるのかと、こういうことを考えなけれぱならない。そう考えるというと、私は決して責任をほかに転嫁して安易におるというつもりはありませんですけれども、他府県と沖縄との環境の違いというようなものは、やっぱり戦争というような忌まわしい事実があって、あれに非常に荒らされて沖縄社会はぶち壊されたと、そしてその後は、やはり国の戦後処理の手段として異民族支配に置かれたと、それは異民族支配に置かれたためにアメリカはここを統治する、その統治するのはたくさんの基地を維持するために、生み落とすために統治をしたと、こういうことになるわけであります。
 要するに、戦争の手段となって祖国防衛のたてとなり、悲惨な体験を持ち、環境をつくり出し、それから戦後は、やはり国の戦後処理の手段的立場、方便的立場に置かれて、異常な状態に置かれてきたと、その中に子供は生まれ、教育され、育てられたと、いろいろのことがありまして、そういう影響を私どもは見逃がしちゃいかないと、こう思います。そういうのが、純真であった、健全であった沖縄の青少年にさらに強い影響を与えたと、こう思うのであります。
 ところが、私どもは復帰したと、復帰というのは、沖縄の手段的立場から脱却するところの第一歩であります。でありますから、復帰して数年たっております。今後はさらに沖縄の社会あるいは経済、あらゆるものの健全な立て直しということが沖縄の重要な課題になろうかと、こう思います。その健全な立て直しというところの基本的なものに青少年の心の持ち方、健全性、そういうようなものの立て直しというようなのはきわめて重大であると、こういうふうに考えております。
 そこで、私は、復帰もして数年もたち、それから記念行事も終わってじみちに沖縄問題というのが内容的、内面的に目を向けて取り組まなけれぱならぬ時期に当面していると思うのであります。
 そういうときに当たって、私は今後の沖縄の重大なる課題は、この青少年に目をやり、学校教育に、家庭教育に、あるいは社会環境に目をやって、すべて共同の責任、連帯な責任ということによって子供たちを見守るという連帯意識、こういうものを確立して、これは守って育成していかなけれぱならぬだろうと、こう思っております。
 そういう基本的理念に立って、家庭に呼ぴかけ、学校に呼ぴかけ、あるいは社会に呼びかけてこの問題には取っ組んでいきたいと、こう決意をするものでございます。
○副議長(古堅実吉君) 教育長。
   〔教育長 池村恵興君登壇〕  
○教育長(池村恵興君) 文化の廃退と道徳の危機についてただいま知事から御答弁がございましたが、基本的には知事の御答弁のとおりであります。
 ただいま伊波議員からいろいろの問題が指摘されました。御指摘のように、児童生徒あるいは青少年の校内外生活が好ましからぬ傾向が増加しつつあるということは大変残念でございます。
 青少年の健全な成長は沖縄県民の大きな願いでありますし、私もこれまで強い関心を持って、その育成に努力してまいったつもりでございます。 しかしながら、最近の青少年の非行が増大の傾向にありまして、特に去る10月末から11月の初旬にかけまして、中学生等によるところの非行事件が3件ばかり次々と起こっておりますことは大変残念で申しわけなく思っております。
 県教育委員会としましては、生徒児童につきましてこれまでいろいろと対策を講じ、指導助言をしてきております。たとえて申しますと、1点目に、各種研修会や講習会あるいは研究発表会などを開催しまして、この問題について検討してきております。年間80回ばかり開催いたしております。
 さらに、生徒指導実践記録を各学校に配布しまして、実践面を示して指導が具体的になるように努力しております。
 3点目に、生徒指導推進校、6校ございます。道徳教育研究校、4校ございます。――指定などをして指導者の資質向上と必要に応じて市町村教育委員会の指導助言に当たってまいっております。
 さらに、社会教育活動を通じて、PTAや青少年指導者等の養成あるいは団体助成及び青少年教育施設の整備促進に努力してまいっております。
 しかしながら、この問題は、不良マスコミによるところの異常な刺激、家庭の放任、社会の無関心等の風潮もございますので、その方の改善にも努力する必要があろうかと思います。
 また、各家庭、地域社会の関係各行政機関の連携を強化するとともに、広く県民運動を展開しまして、青少年の健全育成に当たる必要を痛感いたしております。
 今後、この問題につきましては、いまさっき知事からも御答弁がありましたように、一層の努力を払ってまいりたいと、こういうふうに考えております。
 次に、主任制の導入につきまして、この質問は前に中根議員からもありまして、その御質問に対しまして、私は次のようにお答えしました。
 小中高校に主任制を導入することについては、現在のところ文部省から何らの通知は受けておりません。
 その内容については、新聞で報道される程度しか承知しておりません。
 報道によると、文部省における主任制度の性格づけはまだ明確でないようであり、その取り扱いも流動的でありますが、教育長としましては、現場に混乱を来さないように十分な配慮が必要であるというふうなお答えを申し上げました。
 先ほど伊波議員から教育長としての基本的考え方を聞きたいというふうな御質問でございますが、教育基本法の第10条、教育行政の中に、「教育は、不当な支配に屈することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものである」。(2)としまして、「教育行政は、この自覚のもとに、教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立を目標として行われなければならない」と、こういうふうにうたってございます。この教育基本法の10条の条項が私の基本方針でございます。
 以上、お答えを終わります。
○副議長(古堅実吉君) 伊波広定君。
   〔伊波広定君登壇〕
○伊波広定君 いま教育長は、教育基本法の10条、これはいかなる権力にも屈してはならない。これはりっぱであります。
 戦前の天皇制教育の反省の上で、日本国民は、平和で民主的な国をつくるという宣言が憲法であり、その基礎をなす、基盤をつくるところのものが、教育はこうでなくちゃいかぬというのが教育基本法であります。
 いましかしながら、私が申し上げましたように、自民党政府は、校長、教育委員会、さらに教頭職を法制化する、そして中間管理統制、いわゆる管理と統制で教育の現場をがんじがらめに縛っていくというのが、自民党の今度の主任制度であります。
 この主任制度に対して、わが党は当然反対する立場に立ち、そしてこれがいかに教育基本法の精神を侵しているかということを私たちはここではっきりさせ、そしてこの22日に大蔵省のいわゆる態度を決定する、手当なんかがあるんで、22日に最終的には大蔵の態度が決定すると。そこでいまもたもたしておりますけれども、ぜひ教育長は革新県政、教育基本法を守り、憲法を守る立場にある革新県政の教育長としてのとるべき措置、これを明確にして、対処していただきたいという要望を申し添えまして、質問を終わります。
○副議長(古堅実吉君) 休憩いたします。
   午前11時57分休憩
   午後1時17分再開
○副議長(古堅実吉君) 再開いたします。
 休憩前に引き続き質問及び質疑を行います。
 岸本利実君。
   〔岸本利実君登壇〕
○岸本利実君 まず、教育長にお尋ねをいたします。
 最近の教科内容が非常にむずかしくて、ついていけない子供たちが多いと聞いておりますが、教育長は、その点どのように判断しておられるか、この子供たちの対策について御所見を伺いたいと思います。
 次に、父母負担の実態と解消策について。これが地財法で禁止されているのでありますが、実態としてはまだまだあるのでありますから、その実態と解消策についてお伺いいたします。
 その次に、この点は知事にお答えを願いたいのでありますが、地場産業の育成と中国貿易の促進についてであります。
 近時、不況、倒産、失業、雇用の問題が大変論じられておりますが、わが党は一貫いたしまして地場産業の育成、具体的には地元業者への発注の優先、県産品優先使用運動を強力に提言をし、促進してまいったのでありますが、今回提案いたしますことは、中国との貿易の促進についてでございます。
 本土の事例を見てみますと、日本海に面している秋田県、山形県、新潟県等におきましては、日本海沿岸地帯振興連盟を結成をして貿易振興に努めているのでありまして、いずれの県におきましても知事が先頭に立って県単独事業としてモスクワで総合見本市を開催するなどのこともやっておりますし、もちろん財政的な助成をやって大変促進に努めておるのであります。
 本県は、復帰後、中国視察団もふえ、友好関係も日に日に深まってまいっておりますが、貿易につきましても、49年度は前年度に比べまして2.5倍の貿易量、貿易と申しましても現在のところ輸入でございます。50年度は、すでに6月段階で30億円、おそらく今年中では前年度の五、六倍の輸入量になろうかと思うのでありますが、これを片道貿易だけやるのではなく、沖縄の産品を有無相通じて友好を進める意味から輸出もどんどん考えるべきであると、このように思うのであります。
 12月8日の新聞を見ますと、中国向け輸出の動き活発化と不況打開を目指す動きが報じられております。日本国際貿易促進協会沖縄支部におきましては、大変熱心に沖縄に事務所設置以来――72年からでございますが――10回にわたって春と秋の広州における交易会に参加をし、沖縄の業者を積極的に案内をして300社近くの業者が参加をいたしております。
 しかし、取引商社だけ連れていっても向こうとの技術的な問題、価格の問題等煮詰まりませんので、次の春の交易会においては、沖縄の生産に携わっている企業、特に化学薬品、農薬、肥料、鉄鋼業等の方々も行ってもらおうと着々いま準備中で第1回の会合が持たれていることを聞いております。
 この国貿促は、行政分野がやる以前に地固めとして非常に有意義な事業をやっておるのであります。したがいまして、他県の例もありますし、積極的に県は、このような団体の事業を育成していくべきものだと思います。行く行くは、中国との貿易は、政経不分離の原則に従いまして、県が直接に先頭に立ってやっていただくことが望ましいのでありますが、さしあたりこの国貿促の事業を促進する意味で財政的な助成をすべきと思いますが、知事の御所見を承りたいのであります。
 次に、畜産振興策につきましてこれまでも論じられておりますが、執行当局、議会におきましても特別措置を速やかに撤廃するという方針を打ち出しておりますけれども、さしあたり現在の制度下においてもできることと言えば、特別割り当てを努めて規制していくという方向と、本土におきまして畜産振興事業団がやっている調整金の問題であります。本土の畜産振興事業団におきましては、安くなってくる外国物に対して調整金を取りましてそれでもって国内の畜産の振興に充てている。このことは、沖縄においても現制度下でもやろうと思えばできないことはないはずでありますから、ぜひそのことを実施させることがこれからの本県における畜産公社等の設立ともかみ合わせてぜひ必要かと思いますので、この実現についてやっていかれる御意思があられるか、農林水産部の御返答をいただきたいのであります。
 次に、パインの振興策についてでありますが、かつて砂糖が非自由化品目であった場合に、沖縄の粗糖を取り扱う業者に優先的にその実績に応じまして外貨を割り当てしておりました歴史がございました。それを見習いまして、パインにつきましても、沖縄産パインを――これは本土需要のごくわずかでありますから、20%前後でありますから――全量引き取ってもらう、その実績に応じて外割りは発券してもらうと、そういうことは過去の歴史にもあったことだし、伺も無理なお願いでもないし、十分政策的に可能なことであろうと。このことが、さしあたり実現されるならぱ、大変振興上有利lごなるものと思います。
 ところが、先ほどの畜産にしましても、パインにいたしましても、国策の名において沖縄の地場産業、このような産業がむしろ非常に苦しいところに追い込まれていっているのが実情じゃないかと思います。政府のえらい方々が外国を歩いてみますと、いろいろの突き上げが来る。うちの牛を買ってくれ、うちのパインを買ってくれと。そういう国策に押されて安いものをどんどん入れてきて、パインなどは現在に至るまで自由化品目ではないはずでありますが、外割りの操作によりましては全く自由化以上の害悪を及ぼしているというのが現状であろうかと思います。
 国策の名においてCTSが置かれ、このような畜産、パインについても全国の半分以上の割り当てを沖縄にしわ寄せするといういまのあり方というものは、私どもはどうしても納得がいかない。その点で、先ほどの畜産における調整金の問題、パインの取り扱いについて沖縄産を全量引き取ってもらってその実績に見合った外割りの発券の仕方を強力に政府に折衝して実現を図っていただきたい。このことに対しての農林水産部の見解をお聞かせ願いたいと思います。
 次に、財政危機の原因と打開策についてでありますが、けさもいろいろと論じられたところでありますが、やはり人件費、定員の削減と申しましても、行政事務というものは普通の企業と違いまして、人員を減らす、あるいは人件費を減らすということでもこれは限りがあることであります。
 したがいまして、一番やっぱり何が基本かと申しますと、これまでの国、地方を通ずる財政のあり方を是正していかなければならない。
 ところが、このような困難な時期においても、国は従来のシステム、制度を変えようとしていないのであります。その制度の中で、一番非常に困ることは、企業優遇の不公平税制が是正されることが実現を見ていないということであります。
 その1つといたしまして、本県に関係することを申し上げますと、スタゲフレーション下になりますと、企業は赤字でありましたという形でほとんど税金が納まらないのであります。
 ここで、税務課の資料がございますが、10億円以上50億円未満の会社で、年間5000円だけの県民税の均等割りを納めている会社が34社あります。私の年間の所得は379万4000円で、年間の税額が27万1200円であります。10億円以上の資本の企業が2社も年間にわたって1年間で5000円の均等割りしか納めないといういまの不公平税制、これはどうしても納得がいかないはずであります。
 これは段階別に見ますと、5000円以上1億円未満の企業で5000円だけの均等割りを納めている企業の数が594、1億円以上10億円未満の企業で同じく5000円だけの均等割りを納めているのが34社です。
 このように私ども勤労所得の徴税のあり方とこの企業の税儲のあり方の不公平さというものは、これは耐えられないところであります。したがいまして、そろそろ幾つかの県においては、この企業がいまの税法上ですべて内部留保を差し引いて利益がなかったから課税できないというシステムを改めて外形課税に持っていこうと、こういう動きがあるのであります。
 この点につきまして、県といたしましても十分実情を把握し、国に対してその是正を求めていくことが必要であろうかと思います。
 ちなみに、去る11月12日の衆議院の地方行政委員会における決議の中に、このような基本的な是正すべき点がすべて網羅されておるのであります。
 第2番目に、現在のシステムのまずさは、生産優先の地方財政計画から福祉優先型への政策転換がまだ行われていない。したがって、国の補助負担事業の見直しがぜひ必要である。このことも国会における決議の中に強く指摘されております。これがなされないから超過負担の解消はいまだになされていない。
 超過負担は、44年度に1度調査されましたが、千二、三百億円の超過負担がございました。3カ年計画で解消しようといってやってみたんでありますが、45年に見直しをしましたら、これが倍にふくれ上がっておるのであります。
 また、つい最近の調査につきましては、けさに触れました6000億円の超過負担、これは毎年かえってふえているような現状にあります。このことは、高度経済成長下で道路、港湾その他の生産基盤の場合には、超過負担なしに国が直結で大方やってきたものが、福祉の面になりますとほとんど地方自治体の方におんぶされている。このような中から、こういうことが出てくるわけであります。この点を抜本的に政正しない限りどうにもなりません。
 それから財源の中央集中、交付税におきましても、41年以来、母税3税の32%の繰入率は変わっておりません。これを変えない限り、年々物価は上昇する、事業量はふえる、そういう中でピンチになるのは当然のことでございます。
 次に、法律で禁じられている地方に負担をかけていけないという国の委任事務の激増、このような抜本的な解決をしなければ地方財政はよくならないと思います。
 人件費の見直し、必要でございましょうが、このような基本的な面に対する地方自治体から国への要求を詰めていかないといけないと思いますが、総務部長の御見解をお伺いいたしたいと思います。
 次に、医師の確保対策につきましては、琉大医学部の設置は一体どうなるのか。かつて政府は、無医大県の解消を旗印にしてやってまいりましたが、総需要抑制のもとで、これが実現を見ておりません。
 次に、国立医療機関が沖縄は圧倒的に少ないのであります。そのことによって私どもが、他県と差別をされている現状にあります。これをぜひ是正する必要があるが、関係部局はどのように考えているか。
 それから中部病院の研修医制度は、日本で1つの特色あるものとされておりますが、この医師の養成は国の責任において果たされるということ で、文部省は無医大県の解消を言うておりますが、現に沖縄でやっている中部病院の研修医制度につきましては、国は2500万円ぽっきりただ支出するだけで、県は毎年経常経費として2億円以上を支出しております。
 このように予算項目を洗ってみますと、国が負担すべき事業において県が負担しているのがたくさんあります。混血児の問題についても、これは明らかに国籍の問題であり、国の施策でありますが、喜友名にある国際福祉事務所に対してこれも600万円以上の毎年の費用を県が負担しております。
 このようなことを解消しない限りは、財政も屈迫するわけでありますが、中部病院に対する国の助成、これを大幅こ要求していくべきではないか。
 次に、医師の研究につきまして、ぜひとも復帰前にありました研究費の支給を行って医師が喜んでここに定着するようにすぺきであると思うが、以上の4点につきまして環境保健部長の御答弁を求めたいと思います。
 時間がありましたら、再質問を行いたいと思います。
○副議長(古堅実吉君) 教育長。
   〔教育長 池材恵興君登壇〕
○教育長(池村恵興君) 教育行政の御質問こつきましてお答えいたします。
 第1点は、教科内容についていけない子供たちが多いと聞くが、教育長はどう判断しているか、またその対策はどのようにしているかという御質問でございます。
 教科書の程度が高くて、指導事項も多過ぎるために学習に困難を来している児童生徒が全国的にふえつつあると言われております。私のそのように理解しております。
 文部省においては、昭和48年11月に教育課程審議会を発足させまして、児童生徒の学習負担の適正化を図り、基本的事項の指導を徹底するための教育内容のあり方についてという事項のほか2項目を基本として諮問をいたしております。その結果、去る10月の18日にその中間まとめが発表されました。それによりますと、現在の教科内容の過密性がある程度是正されるものとして予想しております。
 県教育委員会としましては、まず各学校に対して各教科の指導資料を配付しまして学習指導の資料の提供をいたしております。
 2点目に、教材の精選と指導事項の重点化を図るように学校訪問を通じて助言をいたしております。
 3点目に、前の1、2の事項と同時に、学習指導方法の改善に努めるよう助言をいたしております。学習指導方法にもいろいろありますが、その効果を上げるためにはプログラム学習、発見学習、グループ学習等の研究、実践あるいは教育機器の導入によるところの学習効果の効率化などであります。
 なお、県教育委員会としましては、今議会の金城議員の御質問にもありました学習意欲高揚対策、これを推進しておりますが、その対策の中でもこの問題を積極的に取り上げてその打開策につきまして努力していきたいと、こう考えております。
 2点目の父母の負担の実態とその解消策でございます。
 昭和48年度の教育費のうちで私費負担の状況を年間1人当たりの額で見ますと、本県の市町村立小学校では1901円、これは総教育費の1人当たりの額の1.1%に当たります。これに対して全国平均は1033円で、総教育費の0.5%、本県は約2倍と、こうなっております。
 次に、県立高校では本県が7554円、これは総教育費の3.3%に当たります。これに対しまして全国平均は6342円、これは総教育費の2.3%、また障害児学校では本県が4377円、これは総教育費の0.4%に対しまして全国平均は2521円で、総教育費の0.2%。いずれにしましても約2倍ばかり沖縄県の方が私費が多いというふうな状況になっております。
 その理由として考えられますことは、本県は学校施設整備に要する経費が他県の場合より短期間に集中されていること。それから市町村立小中学校においては小規模市町村が多く、財政的にも弱い状況にあること。さらに、人口に占める教育人口密度が他県よりも高いこと、そういうことで教育費の増大を招き、教育活動に必要な経費が不本意ながら十分予算措置できてないということが考えられます。
 県教育庁としましては、父母負担の計画的な軽減策を推進するよう努力しておりますが、今後とも国に対しましては交付税の基準財政需要額の改善を要請するとともに、市町村教育長研修会等を通じて予算編成の時点で、少なくとも基準財政需要額を確保し、これによって父母負担の軽減のため努力するよう一層の指導強化を図りたいと、こう考えております。
 3点目の教員人事交流について申し上げます。
 教職員の人事異動は、教職員の適正配置と人事の刷新によって本県教育の振興発展につながるものでなければならないと、こういうふうに考えております。
 そのために県教育委員会では、毎年、県立学校教職員及ぴ県費負担教職員人事異動方針を定めまして、それに基づいて人事異動の仕事を行ってきております。しかしながら、全県一円の広城交流や僻地と平地との交流は必ずしも円滑には進んでおりません。それで、広く各界の意見を反映した人事異動方針をつくる必要を考えまして、去る9月に県費負担教職員人事異動審議会というものを設置しまして、広城交流と僻地、平地校の交流についての審議検討をお願いいたしましたところ、それが11月21日に答申を出してございます。
 その答申の内容は、広城交流を推進するため交換教員制度や校長、教頭の全県的な交流を促進する必要があるということが1点。2点目に、僻地校と平地校の交流を推進するために僻地学校及び平地学校勤務点数制の採用。3点目に、行政のとるべき措置としまして、僻地教育指導主事の設置、僻地教育諸条件の整備、こういう3つの柱からなっております。
 昭和51年度の人事異動方針では、、その答申を受けまして従来より積極的な広域交流を打ち出したいと、こう考えております。
 しかし、人事異動は御承知のように教育行政当局のみによってなし得るものではありません。教育職員の皆さんが沖縄の教育をひとしく分担するという連帯意識のもとに協力してもらわなければよい解決はないのでございます。
 今後とも教職員の理解と協力を求めながら、児童生徒に対する教育の機会均等と教職員の生活と権利の保障にパランスのとれたような人事行政を推進していきたいと、こう考えております。
 終わります。
○副議長(古堅実吉君) 屋良知事。
   〔知事 屋良朝苗君登壇〕
○知事(屋良朝苗君) 地場産業の育成と中国貿易についての見解はというところの御質問でありましたけれども、沖縄の地場産業というものはどうしてもこれを振興しなけれぱならぬということはたぴたぴ言われておることでありますから、いまさらここでちょうちょうする要はございません。
 地場産業の育成を図るためには県内需要、これは自給自足体制をこれによって整えて、それだけにとどまらず、県外あるいは海外にもこれを移出あるいは植出するような方法を考えていかなければならぬだろうと思います。そして、需要の拡大、そして市場を開拓していかなけれぱならないだろうと思うのであります。
 ところで、いま県外における販路開拓につきましては、物産あっせん事業あるいは県外見本市あたりは全国各県にも持っておりまして、引き続きこれを非常に活発にしていかなけれぱならないと、こう思います。沖縄の観光産業を盛んにして、沖縄に人をたくさん来さしむるというようなことと並行して、今度は沖縄のそういうふうな地場製品をずっと全国各地が買ってもらうような、こういう施策も講じていかなけれぱならぬだろうと思っておるんであります。
 次に、中国貿易についての御質問がありました。
 1972年9月の日中国交正常化後、中国貿易がクローズアップされてまいっております。本県においても復帰後活発になっておるように思います。昭和49年度の実績は貿易総額14億円と、こう言われておりますけれども、しかしこれはほとんど輸入ばかりでありまして、輸出はほとんどないという状態でございます。
 そこで、対中国貿易の窓口となっている日本国際貿易促進協会沖縄支部が最近県内製品の輸出について中国側に打診したところ――これは先ほども御指摘がありましたが――段ボールとか鉄筋とか鉄線、肥料及ぴ農薬といったようなものは輸出品目として有望ではないかと、こう言われておるようでありますので、さらに慎重にこれは検討、研究いたしまして、当該業種並びに他に必要とする品物につきましては、これは指導を行っていってぜひだんだん活発にしていきたい方向だと、沖縄の地場産業を盛んにする一つの大きい方向になるだろうと、こういうふうに考えております。
○副議長(古堅実吉君) 労働商工部長。
   〔労働商工部長 前田朝福君登壇〕
○労働商工部長(前田朝福君) ただいまの中国貿易の点について補足いたします。
 中国貿易につきましては、昭和48年に約3億4000万円の輸入、それから昭和49年に10億7000万円、そして昭和50年は1月から8月までの実績で約51億円の輸入というふうなことになっております。
 そして、輸出につきましては、いまさき知事からも御説明があったわけでございますが、段ボールとか鉄筋、肥料、農薬などについて有望だというふうな情報を得ております。
 したがいまして、県としては、現在、県、それから国貿促の沖縄支部、それから工業連合会、そして業界、4者が集まりをしましてそれにどう対応していくかというふうなのを協議いたしております。去る11日に第1回目の協議会を持っております。今後さらに検討を続け、そしてでき得れば春の広州交易会の方で取引ができるような体制に持っていきたいという程度の努力をしていただきたいと考えております。
 そして、いまの輸入にしても、今後の輸出の問題にいたしましても、いずれにしても国貿促沖縄支部の努力に負うところが非常に大きいわけでございますし、それに対する補助につきましては、私どもとしても前向きにそれが実現できるような立場で努力をいたしていきたいというふうに考えております。
○副議長(古堅実吉君) 農林水産部次長。
   〔農林水産部次長 島崎盛武君登壇〕
○農林水産部次長(島崎盛武君) お答えいたします。
 畜産部門の特別措置につきましては、前からお話申し上げておりますとおり、畜産農家に対しましては非常に不利な条件が重なっておりまして、沖縄の畜産振興に大きなマイナスになっております。
 そういったこと等を考えまして、できるだけ早い機会に特別措置を開始したいと考えておりますが、特に現段階でできるものはないかということでございますが、牛肉の輸入調整金につきまして、現在、本土では畜産振興事業団と日本食肉協会が輸入牛肉から調整金を徴収いたしまして、国内の畜産振興に寄与していることは御指摘のとおりでございます。ところが、沖縄の場合、直接輸入業者が輸入いたしまして市販しているのでこの調整金は徴収をしておりませんが、今後、畜産公社の設立等もございますので、関係機関あるいは関係者と話し合いまして、この調整金が徴収できるように調整をしていきたいと、かように考えております。
 それからパインアップルの問題でございますが、確かにパインアップルの現状は厳しいものがございます。特に石油危機を背景とした経済混乱、大幅な需要の減退、そういったものが滞貨を生じた大きな原因でもございます。
 また、従来、県産品が幾分品質が悪かったというようなこともありまして、非常に不利な条件があったわけでございますが、県といたしましては県産品の優先消化を常に要請をしておりまして、冷凍パインかん詰製造に当たっての行政指導の強化、外国産品の全面輸入禁止等を訴えているほかに、ただいま御指摘がありました全量引き取りにつきましても、農林省を通じて強く要請をしているところでございます。
 以上でございます。
○副議長(古堅実吉君) 総務部長。
   〔総務部長 赤嶺武次君登壇〕
○総務部長(赤嶺武次君) 外形課税の是正についての見解ですが、先ほども資本金別の欠損法人等についての御指摘がありましたが、49年度の実績はそのとおりでございます。
 なお、敷衍して申し上げますと、49年度の実績を見ますと利益法人の50.3%に対して欠損法人が49.7%でございます。 50年度の見込みとなると利益法人が落ちるんじゃないかと見ております。 40%程度になるものと見込んでおります。したがって、欠損法人が60%で、4対6の割合になりはしないかというふうに見込んでおります。ますますそういった点から問題が出てくるんじゃないかと見ておるわけでございますが、そこでこの外形課税の点については、私どももこれまでも地方税の充実強化を図る観点から、事業税の課税標準に収入金額あるいは付加価値額を要素とする外形課税の導入をして、節税の不均衡の是正と県税の安定を図る、そういうことで国に対しても要求しているるわけでございます。
 なおまた、県民税や法人税割りの税率の大幅引き上げ、こういった法人取得課税の都道府県への配分割合も高めてもらいたいというようなことで、国に対してこれまでも要求してきているわけでございますし、今後もなお一層、その実現に力を尽くしていかなきゃならないだろうというふうに考えているわけでございます。
 次に、人件費の見直しだけじゃなくて、もっと基本的な面からの、制度的な面からの見直しをしなければならぬじゃないかということについての見解でございますが、そのとおりだと思います。
 財政構造上にあらわれている人件費高というものは、割合が高くなっていることは御承知のとおりでございますが、ただそういった現象面だけの問題で解決がおさまるものでないこともまた無論当然のことでございます。したがいまして、何といったって根本的な原因に立って、そして抜本的な対策を追及しなければならないというふうに考えております。
 その意味で、全国知事会でも、各ブロックの知事会においてもそういう方向に立って地方財政の安定した運営を図るためには、地方財源対策について抜本的な方策を講ずる必要があるということで、国に対しても自主財源の増強を求めて要求しているわけでございます。
 そして、きょうも御指摘がありましたように、41年来32%として据え置きされている地方交付税の繰入率の32%をもっと引き上げてもらいたいというようなことで、地方交付税の増強についての要求を行っております。社会福祉施設、生活環境の整備、高等学校の急増対策等増高する地方財政需要に適合した財源を確保するとともに、引き続く厳しい社会経済情勢に機動的かつ弾力的に対応できる財政運営を保障するため地方交付税の税率の引き上げを行い、その総額を増強し地方一般財源の安定的な確保を図ることを求めて、いま地方交付税の増強についての国への要請をしているところでございます。
 なおまた、超過負担についてでございますが、この超過負担の解消についても49年度において、自治、大蔵、関係省庁共同による実態調査が行われたのは御承知のとおりです。その結果、解消措置が講じられているわけですが、なおいろんな問題がありますので、積極的に解消措置を講じていきたいというわけでございます。これは実際とかけ離れている現行の低い補助基準に基づいて設置されているために、依然として実勢費用との差が著しくなっているわけでございます。そしてまた、数量差と対象差についても解消措置がいまなおとられてないというようなことなどからして、これも今後の重要問題としてその実現に努力していくような方向にあるわけでございます。こういう抜本的な国がやるべき措置を解決していくような方向に進めていることを申し上げて、御説明にかえたいと思います。
○副議長(古堅実吉君) 環境保健部長。
   〔環境保健部長 照屋善助君登壇〕
○環境保健部長(照屋善助君) 御質問の医学部の問題、それから国立医療機関の問題、研修の問題の中で国の補助額の増加の問題、並ぴに中部病院の運営についての国庫補助の問題についてお答え申し上げます。
 まず、医学部の設置の問題でございますが、琉球大学の移転統合計画と医学部設置計画はセットになっております。両者を並行して同時に進めるとの意向が明らかになっております。
 したがいまして、県といたしましては、琉球大学が新キャンパスにおいて教養学部を開設する昭和53年度に医学部の学生が受け入れられるよう関係市町村並びに関係機関の協力を得て受け入れ準備を整えているところでございます。
 琉球大学の移転統合問題も医学部設置問題も文部省及び県といたしまして、ともに御存じのように10年来の懸案事項ではあります。これを速やかに解決するためには、全県の協力態勢も強化し、いわゆる外回りの整備、俗に言う環境整備――道路、上下水道、電力、電話、ガス及び医学部独自の協力事項を逐一解決していく所存でありますので、現在その方向に向かっておりますし、毎月1回ずつこの問題について事務当局としての環境保健部並びに琉大側と会合をもちまして、もうすでに5回に及んでおります。
 次は、国立医療機関の問題でございますが、現状といたしましては、本県にありますところの国立関係のものを病床別で挙げてみますと、金武保養院が350ベッド、琉球精神病院が350ベッド、琉大附属病院が400ベッドと、こういうふうになっております。
 この中で、いわゆる国と県のそういうふうな病院の比率、いわゆる病院関係での比率を申し上げますが、現在、本県は、県立病院が大体83%に対して全国が大体19%ということでありますので、本県は他府県に比較して県立病院の数が極めて多いと、比重が大きいということになります。
 国立病院に至った場合には、本県は約17%に対して全国が18%、やや全国平均並みにいっていると、こういうふうな状況になっております。
 市町村立病院におきましては、本県はゼロで、全国は58%、すなわちここで市町村立病院としては皆無、そして県立病院が全国が19%に対して本県は83%というふうな他県にない異常な状態にあるということでございます。
 しかし、なおかつ、これらの国立の施設が、特に一般ベッドを含めての施設がふえてもらうべくいろいろ努力し折衝しております中で、現在、国立療養所沖縄病院――これは仮称でございますが、宜野湾に建設中で、これは大体昭和52年度で完成予定で、このベッド数が当初は600ベッドという予定で、そのうち結核が350、それからリハビリテーション100、小児慢性疾患が100、一般が50ということの当初の計画でございましたが、いわゆる諸物価の騰貴によってこの600ベッドの目標完成は若干延びるようであります。
 なおそのほかに、せんだって新聞にもございましたんですが、われわれが聞くところによれば、昭和51年度の沖縄開発庁の予算の中で、ちょっと数字は詳しく覚えておりませんが、約500万円ぐらいだと思いますが、すなわち社会保険相乗り病院を沖縄に建設すべく、そのための調査費が計上されるやに聞いておりますが、この所管は生活福祉部になっております。そういうふうなことでも聞いているということをここで申し上げているわけなんです。
 次は、研修医制度の問題でございますが、お説のようにこれは非常にユニークなもので、日本でもかなり高く評価されているものでございまして、俗に言うアングロアメリカン方式で採用されて、そして県出身の医学生の帰還と定着並びに医療水準の向上に大きく役立っております。
 さて、これについての国庫補助の件になっておりますが、これにつきましては、昭和49年度では国が1498万円、それに対して県が1億6139万円、50年度におきましては国が1991万円、これに対して県が2億5324万円と先ほども御指摘のように、かなり県の持ち出し分が大きいわけでございます。
 しかし、医学臨床研修制度というものは、全国横並びにされているせいでありまして、この分については、いわゆる国の制度に乗っていっぱいいっぱいその規定どおりの国庫補助をいただいております中で、本県派遣医師という制度がありまして、その派遣医師制度の枠の中で何名か中部病院に来ていただいて、そしてそれらの方々もこの研修医の事業に携わっているということでございます。
 次は、中部病院の国庫補助の問題でございますが、一応振興開発計画によりましていろいろと中部病院に付設される設備費等については、4分の3という工学の補助率がついておりますが、中部病院の運営費についての国からの補助はほとんどないという状況であります。
 しかし、私たちといたしましては、せんだって代表質問の中にもお答え申し上げましたが、いわゆる医療基盤の弱い本県に、復帰に伴っていきなり本土の保険医制度、すなわち現物給付制度が導入されて、そのしわ寄せが中部病院に来ている、あるいは県立の医療機関にきているということは事実でございますので、これらの事実に基づきまして、私たちは今後もそういうふうな時点をとらえて、国に対して何かの方法でもって国からこれらのしわ寄せについている、いわゆる通常他の県で行われている医療の業務についての補助ができやしないかというようなことで折衝しているところでございます。
○副議長(古堅実吉君) 岸本利実君。
○岸本利実君 医師の研究費のことについてお尋ねしたんですけれども、これはお答えなかったんですが。
○副議長(古堅実吉君) 環境保健部長。
   〔環境保健部長 照屋善助君登壇〕
○環境保健部長(照屋善助君) 医師の研究費の問題で、何かさっき国庫補助との絡みというふうな印象が残っていたもんですが、そうでなくていわゆる県としての研究費については、県の方でそれに月額ということでなしに半期に約10万円ぐらい確保してございます。
○副議長(古堅実吉君) 岸本忠三郎君。
   〔岸本忠三郎君登壇〕
○岸本忠三郎君 通告を申し上げました洗剤問題についてまずお尋ねをいたします。
 御承知のように中性洗剤が、学者や一部の研究機関によってその人体に及ぼす悪影響や環境に及ぼす影響などが化学的実験を経て発表されてから久しくなりますが、最近では中性洗剤を使わない運動が6県を除く41都道府県に広がり、特に学校給食では野菜、果物洗いには水洗いで十分だという東京都の方針に京都、大阪、岡山が同調し、また東京の帝国ホテルあたりでも野菜や果物洗いには一切洗剤を使用しておらず、また新宿の伊勢丹のデパートでも家庭用品売り場には、もはや中性洗剤を売ってないと、こういう状況なようであります。
 私は、先月、東京で開かれた洗剤公害を考える全国連絡協議会に出席をして、あらためて中性洗剤の持つ害毒について再認識させられたのでありますが、全国から集まった学者や研究団体及び消費者や被害者、薬剤師などから報告された事柄は、わが沖縄県でも決して無視すべきものではないことを痛感いたしましたので、以下、洗剤の持つ問題点を指摘をし、若干の見解を求めておきたいと考えております。
 すなわち、ママレモンやチェリーナあるいはブルーワンダフル等々の商品名で呼ばれている中性洗剤の中に含まれている界面活性剤としてのABSという化学合成物質が非常に問題なようであります。
 このABSは、石油を原料としてつくられる中性洗剤の主成分でありますが、これは各家庭で食器や衣服の洗剤に一般的に、しかも何の疑いもなく使われていることは、日常私たちが経験をしているところであります。
 ところが、このABSは、食器や野菜及び衣服を洗った後もこれに残留し、皮膚や口から体内に入り込み、ガンの発生を助け、奇形児や胎児の死産の原因をつくり、血液の中に入ると赤血球や白血球を減少させ、肝臓に入れば1000万分の2グラムという超微量でも肝臓に障害を残すというのが実験データで発表されております。
 主婦が毎日洗たくをすれば、ABSが皮膚から吸収され、いつの間にか肝臓障害をおこすということになります。
 また、ABSを含んだ中性洗剤は、昭和三十四、五年頃から普及し始めましたが、このころから主婦の手の荒れや子供の肌荒れが非常に多くなり、現在、家庭の主婦の30%は洗剤による皮膚障害を起こし、病院に通っていると言われているのであります。
 また、このABSは、家庭用水から地中にもぐり込み、河川に流れ出て他の物質、たとえばPCBやBHC、水銀や砒素などの高塩素化合物や重金属と水の中で化合し、新たな物質に変化し、生態系を著しく損なうという研究報告もなされております。
 他方、ABSとともに中性洗剤の中に含まれている洗剤補助剤としての燐酸塩の自然環境に与える決定的な悪影響は、内外の学者の一致をした通説になっているようであります。
 燐酸塩が大量に都市河川や海に流れ込み、水中の富栄養化を助け、水中藻の異常増殖という現象を生み、その結果として水中の酸素が不足をし、魚やその他の生物を死に至らしめるというのでありますが、このことは洗剤メーカーの集まりである日本石鹸洗剤工業会みずからが認めるところであります。
 また、ことし8月20日付の毎日新聞は、「合成洗剤への第三の警告」という見出しで川崎市の保健所の医師グループが行った2つの実験データを報道いたしております。これによりますと、公立病院などで洗浄滅菌された注射器にかなり高濃度のLAS――これはABSと同じ石油化学物質でありますが――これが残留し、このLASが敗血症の原因と見られる緑膿菌を以上に増殖させるので、中性洗剤による医療器具の洗浄は、やめるべきであると警告をいたしております。敗血症は主に病院内感染による医原性疾患と言われるだけに、病院関係者の間でも大きな反響を呼んでいるようであります。
 ABSによるこれらの環境汚染の問題や生態影響などは、いずれも三重大学や名古屋市立大学、札幌医科大学や横浜国立大学などの多くの学者やあるいは自治体の研究機関が、動物実験や海外での研究等をまとめて得て出された結論であるだけに、このことは、一部の学者の説にすぎないとして無視するわけにはまいらないと思います。
 ところが、いつものことでありますけれども、厚生省やメーカー側は、これらの学者の意見を退けて洗浄の目的からはなはだしく逸脱しない限り人の健康を損なうおそれがないと主張し、いまだに中性洗剤は大量に生産をされ、消費をされております。
 しかし、無害を主張する厚生省自体、昭和48年10月、2000万円をかけてLAS、AES及びAOSを成分とする中性洗剤について経皮吸収による生能影響の問題、洗浄効果及び残留性の問題の研究を行うことを決めたが、その総合結果はまだ出ていないありさまであります。特にこの毒性検査については、来年の春にしかその結論が出ないと、こういうことであります。
 厚生省は、ABSの毒性問題が多くの学者から指摘されたので、ようやく使用基準を定め、非脂肪酸系の界面活性剤の濃度を0.1%以下と食品衛生法では定めたが、どこの学校やレストランまたは家庭でも、この使用基準は守られておりません。
 私は、洗剤のように環境や人体に対して完全に開放されており、老人や子供に至るまで日常容易にいつでもどこでも手に入る上、環境への付加量や人体への摂取量が異常に多い化学物質は容易に市販されるべきではないと考えますし、また厳密な研究の成果を経ずして認可されてはならないと考えるのであります。被害者が出てからは、もうおそいと言わなければなりません。
 現在の独占企業と言われるメーカーや政府は、逃れることのできない科学的な証拠を突きつけられたときにはじめて有害物質の生産を中止し、または中止させるという態度をとり続けております。
 AF2は、昭和29年から20年間使われていましたし、犠牲者を出したあげくようやく昭和49年になって製造販売が禁止されたことは皆さん御承知のとおりであります。
 PCBによる被害者は、まだその痛みに耐えかねているような状態です。特にPCBについては1954年に生産が開始され、1966年にはすでにスウェーデンの学者がその害毒性について研究論文を発表し、その後もヨーロッパやアメリカでも多数の学者がその有毒性を発表しても、なお日本ではその生産を続け、1968年に北九州でいわゆるカネミ油事件が起きてから4年後になってようやくメーカーと厚生省は、その有毒性を認める始末であったことも、皆さん御承知のとおりであります。
 きょう、ここで私が取り上げた中性洗剤の害毒性については、厚生省やメーカーが幾ら無害を主張してみても、国民はもはやそれを信じようとしないのはむしろ当然なのかもしれません。
 先月17日から京都で日本学術会議主催による国際環境保全科学会議が開かれましたが、その中で日本の学者グループを代表して前の一橋大学の学長でありました都留重人氏は、現代技術が抱えている暴走性を指摘をしながら、日本の科学者は水俣病患者のためにほとんど何もなし得なかった、こういうことを反省した後に、現在の科学者のジレンマは、科学的因果関係がはっきりしないうちに犠牲者を出し、また余りにも専門分化した科学が、本来科学がなし得る目的から離れてしまっていることだと述べております。
 この科学者の持つジレンマは、また私たちのジレンマでもあります。農薬や食品添加物としての化学物質は1日に100種類以上も私たちの口の中に入っているということが言われております。難病奇病と言われる病気が、私たちの回りに余りにも多いのに驚きます。後期死産、先天異常児の出産が、ここ10年間で2.5倍にふえているということも私たちは注目をしなければならないと考えます。私たちは、いまこの異常な環境に連帯して立ち向かい、未来への豊かな環境をつくらなければならない瀬戸際に立たされていると言えると思います。
 さて、ABSの問題と少し話が横にそれてしまいましたけれども、私はこの集会から帰ってきて、早速、この正体不明のABSを含んだ中性洗剤がわが沖縄県でどのような状況なのかを調査をいたしてみました。そうしましたら、何と沖縄における中性洗剤による汚染度が平地当たり本土に比べ2倍、すなわち本土の場合は1平方キロ当たり5466キロでありますのに対し、沖縄の場合は何と1万1247キログラムとなっているのであります。これはスウェーデンの360キロ、アメリカの475キロ、イタリアの1920キログラムと比べると、沖縄の1万1247キロというのはまさにこの正体不明のABSによる土壌汚染度が沖縄は世界一高いということになります。また、1世帯当たりの消費量も本土の5倍近くになっております。つまり、本土における中性洗剤の使用料が1世帯で1年間に約20キロであるのに対し、沖縄の場合は99キロ、すなわち1世帯当たり1年間で約100キロを使っているということになるのであります。
 また、琉球大学の家政科による調査結果がことしの第7回沖縄県公衆衛生学会でも発表されましたが、これによると那覇市内のほぼ100%の家庭で中性洗剤による食器洗いが行われ、40%がいまだに野菜や果物洗いにも使用されており、食品衛生法に定められた使用基準を守っているのはわずか3%であり、原液のまま台所に置いてあるのが何と78%もいるという驚くべき事実が明らかにされております。特にひどいのは、豚の臓物を洗濯機の中に入れて中性洗剤の原液をその中に入れて洗濯機を回して、それで臓物を洗ってレストランなどで出しているという実例もあるようでございます。
 また、洗った後の食器に残留するABSもレストランの場合で基準値の4倍、学校給食では実に発表を差し控えたくなるほどのABSが子供たちの食べる食器の中に残留をしています。水道水の場合にしても0.5PPM以下の基準があるにせよ、WHO――世界保健機構でありますけれども、これの基準値が0.2PPMであってみれば、コザ浄水場における0.3PPMというものやあるいは0.4PPMというABSの残置量を見逃すことも私たちはしてはいけないと思います。那覇保健所職員と玉城村役場の人尿から最高3.60PPMのABSが検出されておりますけれども、県としてはこれらのABS問題について全く手を施してないということに対して私は非常に残念であります。
 そこで、環境保健部長にお尋ねをいたしますけれども、48年4月に食品衛生法が改正されて非脂肪酸系の界面活性剤の使用濃度は0.1%以下と定められましたけれども、沖縄県の管理する病院、福祉施設及び市町村の管理する保育所や給食施設における界面活性剤の使用濃度についてお知らせをいただきたいと思います。また、その使用法をどのように指導しているのか、指導したことがあるのかについてお尋ねをいたします。
 第2点目については、ABS、LASの場合も同じでありますけれども、このことについて厚生省やメーカー側は使用法を守れば安全であると主張いたしておりますけれども、これについての県の態度をお聞かせをいただきたいと思います。
 第3点としては、先ほども指摘しましたように沖縄における中性洗剤の使用が異常に多いのを見た場合、何らかの消費者教育を強力に実施する必要を私は痛感をいたしておりますけれども、このことについて県の立場をお尋ねをいたします。このことについては、生活福祉部長かもしれませんけれども、消費者教育についてお尋ねをしたいと思います。
 次に、教育長にお尋ねをいたしますけれども、東京、大阪、京都、岡山などでは、学校給食の場では中性洗剤による野菜、果物洗いはその必要がないとの通達を出しまして、目下、これが実施をされているようでありますけれども、沖縄県にその意思があるのかどうか。現在、学校給食の場でも野菜、果物を中性洗剤でどんどん洗っております。そのことについて教育長の見解をお尋ねをしたいと思います。特にこの点については教育長に明確に答弁をいただきたいのでありますけれども、先ほども申し上げましたけれども、厚生省による毒性試験の結果がまだ出ていない段階で、特に抵抗力の弱い児童生徒の食器洗いにABSを用いることは非常に危険であり、即刻廃止をし、石けんに切りかえるべきであると私は考えております。
 次に、職業病の問題でありますけれども、職業病の問題については後へ回したいと思います。
○副議長(古堅実吉君) 環境保健部長。
   〔環境保健部長 照屋善助君登壇〕
○環境保健部長(照屋善助君) 御指摘の中性洗剤についての環境保健部に対する御質問の中で、その濃度が実際にどういうふうにして各職場あるいはそういう関係したところで使用されているか、あるいはこれに対して指導をなさったかということについて申し上げます。
 先ほど御指摘のように、確かに厚生省の48年4月28日におけるところの告示によりますと、その使用基準といたしましては0.1%または0.5%以下としているということでございますが、これにつきましては、ここで細部にわたる資料を持ち合わせておりませんですが、最近、県内の14校の給食施設の食器を調査いたしましたところが、中性洗剤の濃度がきわめて高いというふうな事実が発見され、しかもそれは水洗いが不十分であるということに基づいているということがわかりまして、この件についてはそういうふうなことを指摘し、かつ指導しております。
 このために、いわゆる中性洗剤を洗浄に使用する場合には適正な濃度で薄められた後、しかもまた十分な水洗いを行うよう衛生教育の機会を通じて折りに触れて指導してきている次第でございます。
○副議長(古堅実吉君) 生福活祉部長。
   〔生活福祉部長 吉元嘉正君登壇〕
○生活福祉部長(吉元嘉正君) お答えいたします。
 福祉施設関係につきましては、これから十分に調査しまして実態を把握したいと思っております。
 なお、一般的な消費者行政につきましても、消費者モニター等を活用しましてそのような実態を把握するとともに、また中性洗剤の持つ性能、組成等につきましても、十分に正確なる消費者行政を指導していきたいと思っております。
○副議長(古堅実吉君) 教育長。
   〔教育長 池村恵興君登壇〕
○教育長(池村恵興君) 学校給食に洗剤を使用していることについての御質問がありましたが、現在、給食の場合には、野菜、果物の洗浄には洗剤は使用させておりません。ただ、食器のデンプンや油脂等の洗浄には洗剤がなければ洗浄効果が上がらないということで、正しく使用するよう指導はいたしております。
 そこで、御質問の他県では使用禁止の通達を出しているが、沖縄県はそれを出す意思があるかどうかという御質問でございますが、このことにつきましては環境保健部とも十分協議し、他県の事例等も参考にしながら前向きに対処していきたいと、こういうふうに考えております。
 以上でございます。
○副議長(古堅実吉君) 岸本忠三郎君。
   〔岸本忠三郎君登壇〕
○岸本忠三郎君 環境保健部長ですね、各部長、非常におざなりな答弁をしておりますけれども、非常にこれは県民の健康、それから子供たちの健康に与える非常に重大な問題でありますので、いま少しひとつまじめな答弁をいただきたいんですけれどもね。環境保健部長は折に触れて指導しておると言いますけれども、県の言うならば施設あるいは県が給食をしているいろいろな施設がございますけれども、こういったところでさえ原液を使って食器洗いをやっているんですよ。
 ABSは、水洗いが不十分だから落ちないんだよと言っているんですが、水洗いをしても落ちないんですよ、ABSというのは。もちろん、幾らか落ちますけれども、ほとんど落ちないというのが多いんです。ですから、これは水洗いをすれば十分だというものじゃないんです。ABSそのものを禁止しなければいけないんですよ。
 それから生活福祉部長は、十分な対策を立ててという答弁をいたしておりますけれども、私が質問報告を申し上げたことについて何一つ皆さんは議論をしていないんじゃないかと思うんですよ、いま少しまじめにひとつこのことについて取り組んでいただきたいと思います。
 それから教育長は、中性洗剤を野菜、果物洗いに使われておりませんといいますけれども、、使っていますよ、いまじゃんじゃん、これは、どうなんですか、これは使っていないというのはどこでどういう保証があるんですか、これは。中性洗剤をぼんぼん使っていますよ。学校現場の各給食現場を回ってごらんなさいよ、これはどこでも使っております。そのことについてお答えをいただきたいと思います。
○副議長(古堅実吉君) 環境保健部長。
   〔環境保健部長 照屋善助君登壇〕
○環境保健部長(照屋善助君) ただいま御指摘の環境保健部所管関係の施設についての資料は持ち合わせておりません。また、それが行われてないということであれば、早速行うように指示いたします。
○副議長(古堅実吉君) 教育長。
   〔教育長 池村恵興君登壇〕
○教育長(池村恵興君) ただいまの御質問でありますが、使用しないように教育庁としては指導助言しておりますが、ただいまお話のように実際使用しているとすれば問題でございますので、十分調査をして、さらに強力に指導していきたいと、こういうふうに考えております。
○副議長(古堅実吉君) 吉田光正君。
   〔吉田光正君登壇〕
○吉田光正君 本員は、一般質問の最後になろうかと思いますけれども、前に通告いたしております事項について所見を織りまぜながら質問をいたしたいと思います。
 まず最初に、政府管掌の社会保険でございますけれども、この問題についてお伺いいたしたいと思います。
 このことについては、すでにこれまでの質問者の質問もございまして一応の方向性はわかっておりますが、せっかく通告しておりますので、もう一応お伺いしたいと思います。
 本県のお医者さんの数とか、あるいは病床の数とか、その他の医療施設等のいわゆる医療事情というのは、これは統計的な数字を挙げるまでもなく全国で一番悪いということでありまして、その実態は全国平均の大体2分の1以下というふうに一般的に言われております。
 県民の健康の維持増進を図るために、これまで県としても並み並みならぬ努力が傾注されていることはよく理解しますし、また医療施設の整備強化というのもなかなか一朝一夕に増加させるということは、これまでの経過からいたしましても、なかなか手間暇、金のかかる問題でございます。したがって、県の施設とかいうものだけじゃなくて、いろいろな機会をとらえて医療施設の充実を図っていくということが県民の健康を維持増進することからして非常に緊要なことかと思います。
 それで、復帰後の政府管掌の社会保険の状況をまず資料的に見てみますと、沖縄県は前の御答弁にもありましたけれども、数少ないところの黒字県の4県のうちの1県になっております。そこ黒字の実態がどの程度あるかと言いますと、昭和48年度のものを見ますと25億6900万円、40.1%が黒字になっている。あるいは49年のもの、これはまだ確定的ではないかと思いますけれども、21億7700万円が黒字になる予想でございます。
 他の都道府県がほとんど赤字になっており、また沖縄県だけが、あるいはわずかな県が黒字になるということ、特に沖縄県民が他の府県より病気をしないということであれば非常に結構なことではありますけれども、必ずしもそうではないと思います。もちろん、保険制度というのが相互扶助関係でありまして、全国一元的に管掌されておりますので、単一県のみをとらえてこの問題を論ずることはあるいは当を得ない面があるかもしれませんけれども、本県は医療の消化基盤が脆弱である、不整備であるという理由によって黒字になっているということが予想されます。
 したがって、県民が保険をかけても必要なときに必要な医療を受けることができないうらみが十分にあります。特に本県のような離島県におきましては、この医療整備の充実は急務であると同時に、また県民として、この黒字が医療施設の不整備による要素が大きいということであるならば、この医療施設の整備を要求するということは、これは当然な権利として主張すべきかと思慮いたします。
 また、整備をするにしても、この大きな金額の黒字でありますので、それに対応する医療施設の整備をする場合においても、この黒字額から見ますと、これは十分沖縄県に対応してしかるべきだというふうに本員は考えるわけでございますが、このような保険の実態から見まして、県としては、これまでこの問題をどうとらえ、あるいはこれにどう対処して、この保険制度の持つ本来的な目的達成のために、県民の健康の維持増進のために、これの活用がどういうふうに図られなければならないかと、県としてはどのように対応しようとしているか。あるいはこの問題に対して、政府としてはどういうように対応しようとしているかという件について、まずお伺いいたしたいと思います。
 もし、沖縄に、これまでの御答弁によりますと、各保険の総合的な医療施設をつくるという計画があり、開発庁ですでに500万円の調査費が予定されているというようなことでもございますが、もし施設するとすれば、やはり医療人の確保の問題、そういったような問題が考えなければならないかと思いますが、1つの大きな施設をするためには、どうしても四、五年は時間的にかかってしまいますので、その間において、環境保健部あたりでは、この医療人の対応ということに対して、一応いまのところこれがまず実現すると仮定するならば、どういうふうな対応の仕方をしようとしているか、この点についてもお伺いいたしたいと思います。
 次に、含蜜糖の価格安定の問題について、これはこれまでの質問者がたびたび質問をしておりますので、また答弁もなされておりますので、いまさら質問の要もございませんけれども、しかし多くの離島を抱えている本県といたしましては、この問題がいかに重要な問題であるかということを多くの質問者が質問していることによっても、これは非常に重要課題であるということを示しているかと思います。
 また、離島振興の対策の立場からしても、この離島においてやはりこのキビ作というのが非常に重要な基幹作目でもありますし、今後とも離島においては、離島の産業の中核的なものとして、保護と振興対策を寸時もこれはゆがせにできない課題かと思います。
 これに対して、政府といたしましては、いわゆる当分の間の特別措置が講じられているわけですが、すでにこれが時間的な問題が論じられておりますので、これは相当早い機会に、やはりこれは一つの制度的なものへと強力に推し進めていかなければならないし、また制度的な保護策を講ずることによって、離島の含蜜糖の問題が将来とも安心してつくれるというように対応をしなければならないかと思います。 
 これにつきましては、すでにいろいろと御答弁もなさっておりますけれども、しかし、今後ともこの問題については、真剣に取り組んで御努力していただくことを強く要望したいと思います。
 以上、一、二点をお伺いいたしまして、本員の質問を終わります。
○副議長(古堅実吉君) 生活福祉部長。
   〔生活福祉部長 吉元嘉正君登壇〕
○生活福祉部長(吉元嘉正君) お答えいたします。
 政府管掌保険財政における黒字の問題と医療施設拡充の問題についての御質問だったかと思います。
 御指摘のとおり医療保険制度は、国が全国的に一元的に実施されているものでございますので、一応単純な見方としましては、本県の保険財政の収支を見る限りにおきましては、先ほど御指摘のとおり全国4都県の1つとなっているわけでございます。
 原因につきましては、種々考えられるわけでございますが、一般的に言えることは、本県の医療事情が他県に比べ、極度に低いということでございます。
 ちなみに、厚生省統計情報部衛生統計課による昭和49年度の医療施設調査の病院報告から見ますと、病院関係で人口10万人に対しまして、全国平均では7.5の施設の数になっておりまして、沖縄県の場合は3.0の施設数でございます。
 また、有床数、これはベッドでございますが、有床数にしましても、同じく人口10万人に対しまして、全国平均では1042人に対しまして、沖縄の場合は611人、それぞれ全国平均の約2分の1にしか達していない状態でございます。
 したがって、病院等の数から見ますれば、沖縄県民の医療についての受診の機会の均等というのは、他県に比べまして多分少ない状態にあるということなど、それにまたもう1つの要員としましては、標準報酬が比較的高いということなどもあわせまして、保険財政の黒字の要因の大きなものと言えるかと思っているわけでございます。
 保険財政の問題は、県単一で考えるべき性質のものではないかとは存じますが、医療施設の計画は県全体の問題として考えるべきことでございまして、県全体としましては総合医療基本計画、これは環境保健部が計画しているわけでございます。それによって現在策定されつつございますが、社会保険サイドの保健施設としましては、保健施設の設計は、当初、失業予防対策の一環としまして、被保険者等の健康の保持増進を目的としたいわゆる健康管理センターといったようなものを以前に構想があったわけでございますが、本県の医療事情は――先ほど申し上げましたように――他県に比べまして極度に低いと、そして県民の医療の確保の面から最も必要としているのは有床、ベッドであるということなどから、その健康管理センターの構想は一応たな上げにしまして、病院の性格を持つ施設に位置づけるという方向に変わってきたわけであります。
したがいまして、本年7月には、厚生省に対しまして、本県に社会保険病院の設置が実現しますよう要請いたしました。さらにまた、8月には、先般もお答え申し上げましたように、来県しました主管厚生大臣に対しましても、知事から直接強く社会保険病院の設置を要請しているところでございます。
 また、これに関連しまして、本県の場合は、職域保険の対象者が限られていることから、職域の総合病院、すなわち共同の職域病院の構想を持つ必要があるということなどから、国におきましては沖縄開発庁が中心になりまして、社会保険庁、厚生省との横の連絡もとりつつ、来年度には調査が実現するよう今年度の概算要求には調査費が計上要求されているということを承っているわけでございます。
 したがいまして、県としましても、この計画を――いまの構想をさらにバックアップする意味におきまして、今後その実現方に強力な要請をしていきたいと、このように考えている次第でございます。
○副議長(古堅実吉君) 農林水産部次長。
   〔農林水産部次長 島崎盛武君登壇〕
○農林水産部次長(島崎盛武君) 含蜜糖の価格安定の特別措置でございますが、御指摘のように「当分の間」というものがございまして、これについては県としても、今後断続的に折衝いたしまして努力したいとかように考えておりますが、御指摘のように含蜜糖の生産地は、主として分蜜糖が生産できない離島地域でございますので、当該離島地区の経済上、きわめて重要な地位を占めているわけでございます。
 そういったことから、含蜜糖の保護対策といたしまして、沖縄振興開発当別措置法第5条第2項、同法施行令第2条第2項によって含蜜糖の価格安定措置がとられているところであります。
 もし、この保護策が打ち切られますと、当該地域の糖業、ひいては糖業しかない離島におきましては、重要な経済破綻がくるわけでございますので、御指摘のとおり制度的な保護策を今後とも講じていただくよう強く要請していきたいと、かように考えております。
○副議長(古堅実吉君) 環境保健部長。
   〔環境保健部長 照屋善助君登壇〕
○環境保健部長(照屋善助君) 御質問の社会保険相乗り病院の受け入れの問題でございますが、実は今月の初めに、沖縄県におけるところの医療マスタープランを、県に医療機関整備審議会というのがございまして、第1次素案をそこに提示して審議をいただいている段階でございます。
 この中に、いま予想される機関として、今御指摘の社会保険相乗り病院、それから先ほど琉大附属病院、それから現在豊見城に経営中の医生協病院等全部含んでのマスタープランになっております。その中で、受け入れについての検討が進められておるということでございます。
○副議長(古堅実吉君) 以上をもって通告による一般質問及び議案に対する質疑は終わりました。
 これをもって質疑を絡結いたします。
 ただいま議題となっております甲第1号議案から甲11号議案まで及び乙第1号議案から乙第15号議案までは、お手元に配付してあります議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
○副議長(古堅実吉君) 休憩いたします。
   午後2時58分休憩
   午後3時5分再開
○副議長(古堅実吉君) 再開いたします。
 日程第3 昭和50年第5回議会認定第1号から認定第3号までを議題といたします。
 各決算に関し、委員長の報告を求めます。
 決算特別委員長。
   〔決算特別委員長 中根章君登壇〕
○決算特別委員会(中根章君) ただいま議題となりました認定第1号から認定第3号までの3件について審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 この案件は、9月定例会において本委員会に付託されましたものでございますが、委員会においては慎重に審査する必要があるということで閉会中も継続して審査することにいたしたものでございます。
 閉会中においては、11月25日から27日まで、12月4日及び5日の5日間において、環境保健部長、企業局長、代表監査委員を説明員として委員会に出席を求め、慎重に審査を行ってまいりました。
 審査に当たりましては、特に予算執行が議決の趣旨に即応して適正かつ効率的に執行されているかどうか。その結果、公営企業の運営が常に企業の経済性を発揮するとともに、本来の目的である公共の福祉を増進するように運営されているかについて慎重に審査した次第であります。
 それでは、審査の過程における質疑の主なものについてその概要を御説明申し上げます。
 まず、認定第1号についての質疑では、事業の経営成績についてみた場合、対前年度比で給与費が49.4%、材料費36.1%の増加を示しております。これが赤字の要因となっていると思うがどうか、また人員増をせねばならなかった理由と、これからの赤字対策についての質疑がございました。
 これに対しまして、材料費は、大部分が薬品である。薬品代は、投下すれば完全に返ってくるので赤字の原因にはならない。人件費等が赤字の要因である。たとえば、中部病院では24時間オープンで診療体制をとっており、ドクターの方からは看護婦をもっと増員せよとの要求がある。他県の県立病院では夜間の入院患者はほとんどいないが、中部病院では約4割が夜間入院で、しかも重症患者である。これに対応するためにも、人員の増加はやむを得ないものがあり、この救急医療制度が病院の赤字を相当進行させる原因となっている。
 赤字対策としては、収益管理を徹底的に推し進めると同時に、費用を適正に執行していくということで職員の定数管理の面から問題を整理し、職員の資質の向上についても研修を行っている。
 また、病院の組織面においても、来年4月に向けて再点検をし、円滑な運営ができるようにしたい。さらに、できるだけ収益管理のかね合いで基準看護の引き上げ等によって収益の増加に努力したいとの答弁がございました。
 次に、旧琉球政府からの引き継ぎ医業未収金の一部を時効により不納欠損処分をしたものなどで前年度に比較して1522万6000余円、約80%も増加している。病院事業が苦しい中でこれだけの不能欠損を出し、しかも時効にかからないよう法的な権利を行使することができなかった理由について説明を求めましたところ、強制執行するような行政指導はしていない。
 不能欠損の内訳を見ると、外来患者が大部分である。琉球政府時代は1ドル内外のものが相当数あって、これが積み重なって膨大な数字なっている。病院としても金額の多寡にかかわらす、できるだけ徴収に努力するよう指導しているとの説明がございました。
 さらに、地方公営企業法第17条の2及び同施行令第8条の5において、病院事業のうち看護婦の確保を図るために行う養成事業に要する経費、伝染病に関する医療に要する経費、救急医療を確保するための経費及び集団検診、医療相談等保健衛生に関する行政事務に要する経費は、一般会計において負担するよう明確に打ち出しているが、一般会計からの繰り出しが順調でない理由について質疑がございました。
 これに対しまして、財政当局とは機会あるごとに協議しているが、財政事情が悪化していることもあって、必ずしもわれわれの希望するとおりにいっていない現状であるとの答弁がなされました。
 次に、認定第2号及び認定第3号についての質疑では、47年度、48年度を通じて監査委員の意見書でも、施設の合理的配置と人員計画は将来の課題と言えようと指摘し、企業局はこれまで一貫して企業努力をやっていきたいと言ってきた。しかしながら、49年度決算においても、同じように指摘されている。企業局は、これまでどのように企業努力をしてきたか、具体的に説明を求めましたところ、不要地の返還については鋭意努力しているところである。
 まず、辺野古の浄水場については、名護市と協議が整い、事実上、施設を無償で移管して、辺野古ダム施設の地料は名護市が肩がわりすることになっている。
 与座浄水場は、糸満の境界で切って配置がえし、その分を返還すべく糸満市と協議中である。その他各市町村にある施設は、ほとんど移管してあるとの説明がございました。
 また、一時借入金については、借入先、借入目的、借入月日と返済月日、その間の利子及び3月末での現金預金の額等についての質疑があった後、3月末で31億円余りの現金がありながら、3月31日に琉銀から3億円借りて17日間の利子129万円を支払っていることは、企業局の資金計画のずさんさを暴露するものである。これに対する見解はどうかとの質疑がございました。
 これに対し、本来、企業局の収支予算は、赤字執行ができないと言われている。ただ、どうしても充当しなければならない場合は、一時借入金で帳じりを合わすようなやりくりをせざるを得なかった。現金はあったが、これは国庫補助金であり、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律の趣旨を尊重してこれを転用することにも問題があったし、しかも支払いが4月に予定されているような状況の金であるので、万一これを使った場合、結局、補助金に穴があくということになると決算の帳じりも合わなくなるので、自治省の指導も受けてそのような措置をとったとの説明がございました。
 さらに、帳じりを合わすためということであれば、3月31日に借りて4月1日に支払えばよいのではないか。これはどうしても理解できないので、監査委員の意見も聞くべきであるということになり、代表監査委員の出席を求めてこの点についての見解をただしましたところ、代表監査委員は一時借入金には利息がつくわけですから、企業内においては資金繰りを適切な計画によってチェックして、できるだけ借入額と借入期間を少なくするよう運用すべきであるとの説明がなされました。
 さらに、代表監査委員の意見もあり、しかも財政の危機の折から県民の血税をむだにしたという反省に立って、今後どのような責任をとるつもりであるかとの質問に対しては、当時はやむを得ない措置だと思っていましたが、先ほど代表監査委員の意見もあり、企業局として資金計画のまずさがあったことも認め、今後は十分検討して適切な措置をとりたいとの答弁がなされました。
 以上が質疑の概要でございますが、採決に当たりましては、認定第2号については別紙のとおりの意見書を付して全会一致をもって認定すべきものと決定し、認定第1号及び認定第3号についても全会一致をもってそれぞれ認定すべきものと決定いたしました。よろしく御審議のほどをお願いいたしまして、報告を終わります。
○副議長(古堅実吉君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。
   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(古堅実吉君) 質疑なしと認めます。
 これをもって質疑を終結いたします。
 これより昭和50年第5回議会認定第1号から認定第3号までの決算3件を一括して採決いたします。
 各決算に対する委員長の報告は、いずれも認定すべきであるとするものであります。
 お諮りいたします。
 ただいまの決算3件は、委員長の報告のとおり認定することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(古堅実吉君) 御異議なしと認めます。
 よって、昭和50年第5回議会認定第1号から認定第3号までの決算3件は、委員長の報告のとおり認定されました。
○副議長(古堅実吉君) 日程第4 陳情13件を議題といたします。
 各陳情に関し、委員長の報告を求めます。
 土木委員長。
   〔土木委員長 森田孟松君登壇〕
○土木委員長(森田孟松君) ただいま議題となりました陳情13件は、第5回議会閉会中継続審査に付された事件でございますが、委員会においては、11月12日、委員会を開き、慎重に審査いたしました結果、全会一致をもってお手元に配布してあります審査報告書のとおり、採決の上、知事に送付することを適当と認め、その処理の経過及び結果の報告を要求する措置を講ずることにいたしました。
 以上で報告を終わります。
○副議長(古堅実吉君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。
   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(古堅実吉君) 質疑なしと認めます。
 これをもって質疑を終結いたします。
 これより、ただいま議題となっております陳情13件を採決いたします。
 お諮りいたします。
 各陳情は、委員長の報告のとおり決することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(古堅実吉君) 御異議なしと認めます。
 よって、ただいまの陳情13件は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
○副議長(古堅実吉君) 日程第5 陳情第494号及び第496号の付託の件を議題といたします。
 お諮りいたします。
 陳情第494号及び第496号は、海洋博特別委員会に付託の上、審査することにいたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(古堅実吉君) 御異議なしと認めます。
 よって、陳情第494号及び第496号は、海洋博特別委員会に付託の上、審査することに決定いたしました。
○副議長(古堅実吉) 日程第6 乙第16号議案から乙第23号議案まで及び認定第1号から認定第13号までを議題といたします。
 知事から提案理由の説明を求めます。
 屋良知事。
   〔知事 屋良朝苗君登壇〕
○知事(屋良朝苗君) ただいま議題となりました乙第16号議案から乙第23号議案まで及び認定第1号から認定第13号までの議案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。
 まず、乙第16号議案から乙第23号議案までの8件の議案につきまして、一括して御説明申し上げます。
 本件は、いずれも1億円以上の工事請負契約を締結するため、地方自治法第96条第1項の規定により議会の議決を求めるものでございますが、乙第16号議案から乙21号議案までは、小禄高等学校体育館外5校の体育館建設等工事に係る請負契約を締結しようとするものであり、乙第22号議案及び乙第23号議案は、北部農林高等学校及び沖縄水産高等学校の産振施設建築工事の請負契約を締結しようとするものでございます。
 これらの工事は、沖縄振興開発5カ年計画の第4年次分で国庫補助により行うものでございますが、各工事とも事業量が大きく設計審査事務及び関係各機関等との諸調整に日時を要したことにより、当初において提案することができませんでしたが、教育諸施設の整備を早急に実施する必要があることから、今回追加提案した次第でございます。
 次に、認定第1号から認定第13号につきましては、昭和49年度沖縄県一般会計決算及び昭和49年度沖縄県農業改良資金特別会計外11件の特別会計決算について、議会の認定に付するものでございますが、決算審査に慎重を期するため議案提出がおくれ、やむなく追加提案する運びとなったものでございます。何とぞ慎重に御審議の上、議決していただきますようよろしくお願い申し上げます。
○副議長(古堅実吉君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。
   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(古堅実吉君) 質疑なしと認めます。
 これをもって質疑を終結いたします。
 決算については、12月3日の議会運営委員会において、15人からなる決算特別委員会を設置して審査することに意見の一致を見ております。
 よって、お諮りいたします。
 ただいまの議題のうち、認定第1号から認定第13号までについては、15人の委員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することにいたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(古堅実吉君) 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 次ぎに、お諮りいたします。
 ただいま設置されました決算特別委員会の委員の選任については、委員会条例第5条第1項の規定により
   平良 哲 君         嵩原 久男君
   翁長 助裕君         与座 康信君
   金城 英浩君         島田 哲男君
   大城 真順君         与那覇寛長君
   盛島 明秀君         親川 仁助君
   大田 昌知君         上原亀一郎君
   比嘉 昇 君         中根 章 君
及び吉田光正君を指名いたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(古堅実吉君) 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
○副議長(古堅実吉君) ただいま決算特別委員会に付託いたしました決算を除く乙第16号議案から乙第23号議案までについては、文教厚生委員会に付託いたします。
 休憩いたします。
   午後3時24分休憩
   午後3時25分再開
○副議長(古堅実吉君) 再開いたします。
 ここでお諮りいたします。
 委員会審査及び議案整理のため、明17日から20日まで4日間休会といたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(古堅実吉君) 御異議なしと認めます。
 よって、明17日から20日まで4日間休会とすることに決定いたしました。
 なお、21日は日曜日のため休会であります。
 休憩いたします。
   午後3時26分休憩
   午後3時27分再開
○副議長(古堅実吉君) 再開いたします。
 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 次会は、12月22日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、決定次第通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後3時26分散会

 
19750705000010