平成23年(2011年) 第 6回 沖縄県議会(定例会)
第 6号 10月 3日
嘉陽 宗儀
 

 非常に残念です。厚労省に行っても潜在的な感染者について調査をやれと言ったら、前向きに検討しますと言うのに、沖縄県は前向きに検討するとも言わないので非常に残念。改めてこの問題を取り上げていきます。
 実は、私の妻が4月13日に体調を崩して入院をしたら、検査の結果、病気は、この沖縄・九州に多いATLV―1抗体成人T細胞白血病というものでした。医者からの詳しい説明がありました。これは九州・沖縄に多くて、沖縄の人口でいうと大体7%から8%の人がウイルスを持っていて、多くは何事も問題なく天寿を全うする。その中で持っている人の2000人に一人がこういった白血病リンパ腫という血液の病気を引き起こす。今現在のところ有効な治療方法がありませんというものです。実際のところ有効な治療法がないものですから、若い人であれば移植を考えるけれども、リスク・影響が大きいために65歳で切っています。移植に耐え切れない、合併症で命を落とすことが多くなる。年齢的にいうと移植は無理である。化学療法をやってもよくもっても1年、そのぐらい厳しいと考えられる。抗がん剤はあるけれども、抑えはするが治すことはない。これを今後どうするか。1つは抗がん剤治療をやっていくかどうか、かなり厳しい病気ですから、治療しても抗がん剤の副作用も出ます。そういったことを考えていくと、治療をやっていくかどうか、もう一つは対処療法といって経過を見ていく方法もあ
る。何もしなければ、余命は多分半年か3カ月以内になります。もしやれば2年、2割の人は生きている可能性があります。ATLという病気自体がリンパを腫瘍化するリンパの中でも司令塔みたいな細胞が腫瘍化するために免疫系統が崩れていく、機能しなくなる。そのために病気は免疫不全を来す。それによりいろいろな感染症を起こすことになる。抗がん剤を使うことにより一層免疫力が落ちるので、感染症が命取りになる。これが一番問題です。
 医者の説明を聞いて私は愕然としました。当初、妻の命は余命3カ月と言われても、現実問題としてなかなか受けとめがたいものでした。しかし、事実を直視しこの病気と闘い、妻の命を何とか助ける方法を見つけ出そうと家族で話し合いました。
 私は、これまで自分の健康を守るために自然科学を人体に適応する立場で取り組んできましたので、その見地で妻の病気と向かうことにしました。人間の体には自然治癒能力という神秘的な力があり、それで免疫力を高めれば身体を守ることができると考えています。そして、ATLについていろいろ調べてみました。するといろいろなことがわかってきました。この病気には効果的な治療薬はなく、専ら抗がん剤の投与しかない。すると白血病が死滅し免疫力が低下し感染症で命取りになるということがわかりました。それであれば自然科学の見地で考えて、抗がん剤で失う量よりも白血球をふやすことができれば助かるのではないかという仮説を立てました。普通の白血病は白血病細胞が増殖して骨髄を占拠してしまうために、正常な造血細胞が骨髄から追い出されて正常な血液はつくれなくなり、造血能力を失うので移植しかありません。しかし、成人T細胞白血病・リンパ腫は、通常の白血病と異なり異常なリンパ球がリンパ節を初めとするリンパ組織で増殖する病気で、骨髄が阻害されるということは少ないので造血障害はないということがわかりました。つまり、骨髄移植をしなくても免疫力をアップさせれば
白血球をふやすことができるという結論になります。だから、人体に備わっている免疫力を高めるために最善を尽くすことが重要だということを確認しました。
 そこで、家族でその仮説について話し合い、免疫力アップ大作戦を実行してみることになりました。そしてがん治療中は適切な治療を受けることとし、3週間に1回の抗がん剤治療を行うことになりましたけれども、免疫力を高めるためにあらゆる可能性を追求して取り組むことにしました。いわゆる免疫療法です。それにはがん体質の改善が何よりも重要だと判断しました。まずは妻の体質改善です。まず、人間の体が効率よく機能するために障害になっているものを取り除くことから始めました。早寝早起きに努め、低体温ががんのすみかになっているので、体温を37度に近づけるために足湯や食事療法を行い、漢方薬、体の中のさびを落とし、活性酸素を取り除く、便秘を解消するなど懸命な努力をしてきました。さらに、ATLのレトロウイルスに抑制効果があると発表されたシークヮーサーの香り成分に含まれているという「ベータカリオフィレン」を入手し活用しました。これです。(資料を掲示)
 この闘病生活で妻の健康は大分よくなり、9月7日のCT検査の結果、症状は寛解――治療と言わないで寛解でがん細胞が消失しているという説明がありました。そして、化学療法による抗がん剤の投与も終了と告げられました。妻の命は助かったことになります。これからは再発防止に力を入れていくことになります。
 私がまさにみずからの実践で人間の体についていろいろ研究して、知事にもいろいろ助言したことがありますけれども、やはり可能性があるのに対して担当者が真剣になって取り組むということをしないでは助からないですよ。さっき部長もおっしゃいましたけれども、発症したら助からない、これが今までの学説。しかしそれが正しいとは限らない。あらゆる可能性があるというのを追求すべきですよ。私は自分の妻だからやったわけじゃない。多くの県民がこれを見ていて私が6月議会に取り上げてから多くの方々から問い合わせが殺到しているんですよ。何とかしてほしい。しかし、うちの身内のだれだれがこれこれで亡くなりましたという話がたくさんありますよね。私はそういう沖縄の独自の風土病に対して、やはり沖縄県の福祉行政、医療行政が真剣になって向き合って、研究機関をつくってやるべきだと思うんですよ。そういう意味で知事、今、民間でもこの問題を私はいろいろ話し合いをしていますけれども、血液専門の医者が集まって研究・対策をするとかいろいろ動きがあります。
 そこで聞きますけれども、県独自でやるためにはやっぱりこういうことに対応できるような医者の養成も必要だと思うんですよ。部長、ATL、血液専門の医者が今、県内に何名いますか。

 
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