平成 7年(1995年) 第 6回 沖縄県議会(臨時会)
第 1号 9月19日
第 1号  9月19日
 

議 事 の 概 要
平成7年9月19日(火曜日)
午前10時開議
日程第1 会議録署名議員の指名
日程第2 会期の決定
日程第3 米軍人による女子小学生暴行傷害事件に関する意見書   
日程第4 米軍人による女子小学生暴行傷害事件に関する抗議決議
日程第5 米軍AV―8Bハリアー攻撃機墜落事故に関する意見書
日程第6 米軍AV―8Bハリアー攻撃機墜落事故に関する抗議決議
日程第7 フランス及び中華人民共和国の核実験に反対する意見書
日程第8 フランス及び中華人民共和国の核実験に抗議する決議
午前10時30分閉会

○議長(嘉数知賢君) ただいまより平成7年第6回沖縄県議会(臨時会)を開会いたします。
○議長(嘉数知賢君) これより本日の会議を開きます。
 日程に入ります前に報告いたします。
 本日、下地常政君外11人から、議員提出議案第1号米軍AV―8Bハリアー攻撃機墜落事故に関する意見書、議員提出議案第2号米軍AV―8Bハリアー攻撃機墜落事故に関する抗議決議、議員提出議案第5号米軍人による女子小学生暴行傷害事件に関する意見書、議員提出議案第6号米軍人による女子小学生暴行傷害事件に関する抗議決議、西銘恒三郎君外15人から、議員提出議案第3号フランス及び中華人民共和国の核実験に反対する意見書及び議員提出議案第4号フランス及び中華人民共和国の核実験に抗議する決議の提出がありました。
 その他の諸報告については、お手元に配付の文書により御了承願います。
○議長(嘉数知賢君) 日程第1 会議録署名議員の指名を行います。
 今期臨時会の会議録署名議員は、会議規則第114条の規定により
   6番 翁 長 雄 志 君 及び
   12番 宮 良   作 君
を指名いたします。
○議長(嘉数知賢君) 日程第2 会期の決定を議題といたします。
 お諮りいたします。
 今期臨時会の会期は、本9月19日の1日といたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(嘉数知賢君) 御異議なしと認めます。
 よって、会期は、本9月19日の1日と決定いたしました。
○議長(嘉数知賢君) この際、日程第3 議員提出議案第5号 米軍人による女子小学生暴行傷害事件に関する意見書及び日程第4 議員提出議案第6号 米軍人による女子小学生暴行傷害事件に関する抗議決議を一括議題といたします。
 提出者から提案理由の説明を求めます。
 下地常政君。
   〔下地常政君登壇〕
○下地常政君 この後、米軍ハリアー機墜落事件の件で再度壇上に立たせていただくことになりますが、このような米軍基地関係事故で何度もこういう臨時会を開き、そしてまた壇上に立って説明をしなきゃならないこの沖縄の現状に、まず最初に怒りを表明させていただきたいと思います。
 県民御承知のように、去る9月4日午後8時過ぎに、本島北部の住宅街で買い物帰りの女子小学生が3人組の米軍人に車で拉致され乱暴されるという極悪非道な事件が発生し、県民の間に大きな衝撃と怒りが走っております。
 このおぞましい事件の内容は、所属部隊も異なる米兵士3名が共謀の上、基地内レンタカーを借り出し、何ら抵抗するすべも持たない少女を襲うという極めて作為的、そしてかつ計画的な事件であります。しかも、あろうことか県警察本部がこの凶悪犯罪の容疑者の逮捕請求をなしたのにもかかわらず、米軍捜査当局は日米地位協定を盾にその身柄引き渡しを拒否しており、そのことが県民の一層の怒りと反発をかき立てているのであります。
 これまで米軍人軍属により引き起こされたこの種の凶悪事件を振り返ってみますと、昭和50年には白昼海水浴に来た女子中学生の頭を石で殴り気絶させ暴行した事件、昭和60年には勤め帰りの日本人女性を車で拉致して暴行した事件、平成5年には車で拉致し嘉手納基地内で暴行した事件、その他殺人、強盗、窃盗など非人間的凶悪事件が数多く繰り返し発生しております。
 私たちは、今米軍の占領下にあるのでもなければ、また異民族米国の統治下にあるわけでもありません。我々は、日本国憲法のらち外にあるのでもなく、他国の治外法権下にあるわけでもありません。
 また、我々は限定された自治を恩恵的に与えられただけの自治領でもなければ、権利と意思を封じられた植民地にいるわけでもありません。それなのにこのような凶悪事件の発生を許し、この少女暴行事件も行きずりの観光客による単なる事件とは質を異にし、私たち日本国が条約に基づいて駐留を認めている米兵による暴行事件であるということはまことに憤激この上ないことであります。
 このような立場から、私たちはこの米軍の綱紀が著しく乱れ、そしてまた過去の事件を何ら反省しないばかりか、戦後50年経過した今なお占領意識を持って県民の生命財産を無視しているこのあり方を絶対に許せるものではありません。
 以上、申し述べた理由により本県議会は今回の事件に対し厳重に抗議し、事件の発生防止を要請するため両議案を提出した次第であります。
 以下、意見書を朗読させていただきます。
   〔米軍人による女子小学生暴行傷害事件に関する意見書朗読〕
 次に、抗議決議につきましては、内容が意見書と同じでありますので、案文の朗読は省略いたしましてあて先だけを申し上げます。
   〔米軍人による女子小学生暴行傷害事件に関する抗議決議のあて先朗読〕
 以上、提案理由の説明を終わりますが、慎重に御審議の上御賛同賜りますようお願い申し上げます。
 なお、両議案につきましては、その趣旨を関係要路に要請するため議会代表を派遣する必要があるとの意見の一致を見ておりますので、議長におかれてはしかるべく取り計らっていただきますようよろしくお願いします。
 なお、この際、所管の委員長として申し上げますが、意見書を単なる言葉や文言の羅列に終わらせることなく、県民の広範かつ強い怒りに沿ったものとしてふさわしい要請団となるよう、すなわち前例にとらわれずできるだけ多くの議員が参加し、議長みずからが団長として、そして所管委員長が副団長となる強力な布陣を組まれてはいかがなものか希望を申し添えて、私の提案理由にかえさせていただきます。
○議長(嘉数知賢君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。
   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(嘉数知賢君) 質疑なしと認めます。
 これをもって質疑を終結いたします。
 この際、お諮りいたします。
 ただいま議題となっております議員提出議案第5号及び第6号については、会議規則第37条第2項の規定により委員会の付託を省略いたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(嘉数知賢君) 御異議なしと認めます。
 よって、両案については委員会の付託を省略することに決定いたしました。
○議長(嘉数知賢君) これより議員提出議案第5号米軍人による女子小学生暴行傷害事件に関する意見書及び議員提出議案第6号米軍人による女子小学生暴行傷害事件に関する抗議決議の2件を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 ただいまの議案2件は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(嘉数知賢君) 御異議なしと認めます。
 よって、議員提出議案第5号及び第6号は、原案のとおり可決されました。
○議長(嘉数知賢君) 休憩いたします。
   午前10時11分休憩
   午前10時12分再開
○議長(嘉数知賢君) 再開いたします。
 この際、日程第5 議員提出議案第1号 米軍AV―8Bハリア一攻撃機墜落事故に関する意見書及び日程第6 議員提出議案第2号 米軍AV―8Bハリア一攻撃機墜落事故に関する抗議決議を一括議題といたします。
 提出者から提案理由の説明を求めます。
 下地常政君。
   〔下地常政君登壇〕

○下地常政君 ただいま議題となりました議員提出議案第1号及び第2号について、提出者を代表いたしまして提案理由を御説明申し上げます。
 去る9月1日午後2時ごろ、沖縄本島の西方約80キロの鳥島近海に、嘉手納基地を発進した岩国基地所属の第542海兵航空中隊所属のAV―8Bハリアー攻撃機が鳥島付近で空対地模擬弾訓練中、海上に墜落する事故が発生しました。
 ハリアー攻撃機が墜落した事故現場は、鳥島射爆場制限水域外であり、同水域は好漁場になっていて久米島漁協を初めその周辺離島漁協及び沖縄本島の西側海域に面した読谷、浦添、那覇地区漁協等の漁船が常時多数出漁し、カツオ、マグロを初め引き縄漁、ソデイカ漁、トビイカ釣り漁、一本釣り漁などが行われている水域であります。
 また、同鳥島近海では昭和62年7月、同島北方航行中のマレーシア船籍の貨物船が米海軍機の訓練中に投下した模擬爆弾を被弾し、操航室にいた甲板員が右手を切断するという事故が発生した経緯があり、一歩間違えれば大惨事を引き起こしかねないだけに漁業関係者を初め県民に強い衝撃を与えております。
 復帰後、本県における米軍航空機の墜落事故はこれまで35件発生しております。そのうちハリアー攻撃機の墜落事故は昨年8月17日の粟国島近海への墜落事故などこれまで5回も発生しております。本県議会はその都度関係機関に対し厳重に抗議し、事故原因の究明と再発防止を強く要請しているにもかかわらず、依然として墜落事故が続発していることに対し、県民は強い憤りを感じております。
 ちなみに、県外でのハリアー攻撃機の墜落事故を申し上げますと岩国でも3機の墜落事故が発生しております。
 このような事故の続発はハリアー攻撃機の性能そのものに欠陥があり、また航空機の安全管理面に疑念を抱かざるを得ず、このような航空機の本県への飛来は極めて危険でり、断じて容認できるものではありません。
 以上、申し述べました理由から、今回の事故に厳重に抗議し、同機の本県への飛来と訓練の即時中止を関係要路に要請するため両議案を提出した次第であります。
 意見書を朗読いたします。
   〔米軍AV―8Bハリアー攻撃機墜落事故に関する意見書朗読〕
 次に、抗議決議につきましては、内容が意見書と同じでありますので、案文の朗読は省略いたしましてあて先だけを申し上げます。
   〔米軍AV―8Bハリアー攻撃機墜落事故に関する抗議決議のあて先朗読〕
 以上、提案理由の説明を終わりますが、慎重に御審議の上御賛同賜りますようお願い申し上げます。
 なお、両議案につきましては、その趣旨を関係要路に要請するため議会代表を派遣する必要があるとの意見の一致を見ておりますので、議長におかれましてはしかるべく取り計らっていただきますようよろしくお願いいたします。
○議長(嘉数知賢君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。
   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(嘉数知賢君) 質疑なしと認めます。
 これをもって質疑を終結いたします。
 この際、お諮りいたします。
 ただいま議題となっております議員提出議案第1号及び第2号については、会議規則第37条第2項の規定により委員会の付託を省略いたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(嘉数知賢君) 御異議なしと認めます。
 よって、両案については委員会の付託を省略することに決定いたしました。
○議長(嘉数知賢君) これより議員提出議案第1号米軍AV―8Bハリアー攻撃機墜落事故に関する意見書及び議員提出議案第2号米軍AV―8Bハリアー攻撃機墜落事故に関する抗議決議の2件を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 ただいまの議案2件は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(嘉数知賢君) 御異議なしと認めます。
 よって、議員提出議案第1号及び第2号は、原案のとおり可決されました。
○議長(嘉数知賢君) 先ほど可決されました議員提出議案第5号及び第6号並びにただいま可決されました議員提出議案第1号及び第2号については、提案理由説明の際提出者から、その趣旨を関係要路に要請するため議員を派遣してもらいたいとの要望がありました。
 よって、お諮りいたします。
 議員提出議案第5号及び第6号並びに議員提出議案第1号及び第2号の趣旨を関係要路に要請するため議員5人を派遣することとし、その期間及び人選については議長に一任することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(嘉数知賢君) 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
○議長(嘉数知賢君) この際、日程第7 議員提出議案第3号 フランス及び中華人民共和国の核実験に反対する意見書及び日程第8 議員提出議案第4号 フランス及び中華人民共和国の核実験に抗議する決議を一括議題といたします。
 提出者から提案理由の説明を求めます。
 西銘恒三郎君。
   〔西銘恒三郎君登壇〕
○西銘恒三郎君 ただいま議題となりました議員提出議案第3号及び議員提出議案第4号について、提出者を代表して提案理由を申し上げます。
 東西冷戦構造の終えんという大きな国際情勢の変化の中で、国際社会は新しい核秩序の形成に向けて努力を続けており、地球環境と生態系を破壊し、人類の生存をも脅かす核兵器廃絶に向けた国際世論は確実に高まってきております。
 このことを踏まえ、核拡散防止条約延長・再検討会議は、国連本部で全体会議を開き、核拡散防止条約の無期限延長を全会一致で決定し、21世紀の世界の核秩序の中核となる新たな核拡散防止条約の体制が形成され、核廃絶への着実な一歩を踏み出したやさきに、中華人民共和国の地下核実験に続きフランスが核実験の再開を強行したことは、核廃絶を願う国際世論を無視した国益優先の独善的な行為であり断じて容認できるものではありません。
 これら人類の敵とも言うべき一連の核実験は、国際的取り決めに反するばかりでなく核保有国の核開発競争を助長するものであり、人類の平和共存と繁栄へ向けての切実な願いを踏みにじる暴挙であると言わざるを得ません。
 とりわけ我が国は、さきの大戦において広島、長崎に投下された原子爆弾により約20万人のとうとい人命を失い、戦後50年を迎えた今日においてもなお40万人近い被爆者が原爆症の苦しみの中で厳しい生活を余儀なくされております。
 このような悲惨な戦争の教訓を継承し、人類を破滅に導く核兵器の廃絶を訴え、世界の恒久平和の確立に寄与することは、我々に課せられた最重要な課題でもあります。
 以上のことにかんがみ、人類の恒久平和と繁栄を確立する観点から本案を提出した次第であります。
 案文を朗読いたします。
   〔フランス及び中華人民共和国の核実験に反対する意見書朗読〕
 次に、抗議する決議につきましては、その趣旨が意見書と同様な趣旨でありますので、案文の朗読を省略しあて先のみを申し上げます。
   〔フランス及び中華人民共和国の核実験に抗議する決議のあて先朗読〕
 以上、御説明申し上げましたが、慎重に御審議の上御賛同賜りますようお願い申し上げ、提案理由の説明を終わります。
○議長(嘉数知賢君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。
   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(嘉数知賢君) 質疑なしと認めます。
 これをもって質疑を終結いたします。
 この際、お諮りいたします。
 ただいま議題となっております議員提出議案第3号及び第4号については、会議規則第37条第2項の規定により委員会の付託を省略いたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(嘉数知賢君) 御異議なしと認めます。

 よって、両案については委員会の付託を省略することに決定いたしました。
○議長(嘉数知賢君) これより議員提出議案第3号フランス及び中華人民共和国の核実験に反対する意見書及び議員提出議案第4号フランス及び中華人民共和国の核実験に抗議する決議の2件を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 ただいまの議案2件は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(嘉数知賢君) 御異議なしと認めます。
 よって、議員提出議案第3号及び第4号は、原案のとおり可決されました。
○議長(嘉数知賢君) 休憩いたします。
   午前10時27分休憩
   午前10時29分再開
○議長(嘉数知賢君) 再開いたします。
 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 今期臨時会の議会活動状況は、後ほど文書をもって報告いたします。
 以上をもって本日の会議を閉じます。
 これをもって平成7年第6回沖縄県議会(臨時会)を閉会いたします。
   午前10時30分閉会

 
19950601000010