平成13年(2001年) 第 4回 沖縄県議会(定例会)
第 5号 10月 3日
 


○議長(伊良皆髙吉) これより本日の会議を開きます。
 日程に入ります前に報告いたします。
 9月19日から28日までに受理いたしました請願1件及び陳情24件は、お手元に配付の請願文書表及び陳情文書表のとおりそれぞれ所管の常任委員会に付託いたしました。
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○議長(伊良皆髙吉) 日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案から甲第4号議案まで、乙第1号議案から乙第16号議案まで及び認定第1号から認定第3号までを議題とし、質疑に入ります。
 質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
 大城一馬君。
   〔大城一馬君登壇〕
○大城 一馬 おはようございます。
 一般質問をいたしたいと思います。
 まず、知事の政治姿勢についてであります。
 去る9月11日、米国での同時多発テロは、全世界を恐怖に陥れました。一瞬のうちに多数の人命を奪い、世界の経済にも大きな打撃を与えましたが、たとえどのような政治的理由であろうと卑劣なテロ行為は許せるものではありません。憎むべき犯罪集団の早期検挙で厳正な処罰を行うとともに、一日も早く治安の回復を目指すべきだと思います。
 ところで、米国は同時多発テロに対して報復戦争と宣言していますが、今最も優先的課題は報復攻撃ではなく、国家間の外交による解決とテロ事件の再発防止ではないかと思います。
 今回のテロ事件は、在日米軍基地の75%が集中する沖縄県民に深刻な影響を与えることを憂慮せざるを得ないものがあります。米軍基地への報復テロの可能性が指摘されているからであります。
 質問いたします。
 知事、今回の米国での同時多発テロ事件に対しましてどのような所見をお持ちか、お伺いいたします。
 米政権は、同時多発テロに対して報復戦争として位置づけていますが、沖縄県知事は報復戦争を是とする立場をとるんですか、御所見を賜りたいと思います。
 報復戦争となりますと、在沖米軍基地に対する報復テロの可能性が指摘されていますが、知事はどのようにとらえていますか。また、報復テロから県民を守るために知事及び日本政府はどのような対応策を考えているのですか。
 テロ発生の事前警戒情報やテロ当日の米軍の最厳戒態勢状況が沖縄県に伝えられなかったとの報道がありますが、事実でしょうか。知事の見解をお伺いいたします。
 今回のテロ事件は、在沖米軍基地の強化・拡大につながるおそれがあると言われていますが、沖縄県民は基地の整理縮小を望んでいます。知事の明確な姿勢を示していただきたいと思います。
 次に、基地問題についてでございます。
 普天間飛行場代替施設についてお伺いいたします。
 知事が県民に公約した15年使用期限問題について、今日まで残念ながら日米両政府の対応からは何ら進展もなく暗礁に乗り上げている現状ではないかと思いますが、あえて今議会でも質問させていただきます。
 1、知事公約の15年使用期限問題はどのように進展していますか、御説明していただきたいと思います。
 米国政府は、これまで再三再四15年使用期限については否定してきました。今回のテロ事件でますます状況は厳しくなっていると思いますが、知事は現在でも米国が15年使用期限を了承すると思っているのですか、明確な答弁を求めます。
 日本政府は、普天間代替施設協議会で3工法8案を地元に示しましたが、9月10日の沖縄タイムスの社説によりますと、「年末の予算編成までに合意形成を図るべきだ。そうでなければ、来年度予算や沖縄振興新法づくりに影響がでるかもしれない」と政府・自民党サイドから聞こえるようになったと取り上げていますが、15年使用期限など県や名護市が示した条件整備が実現しない中での発言だとすれば問題であります。この報道についての真意はどうなっているのでしょうか。
 米国での同時多発テロ事件は、普天間飛行場移設にどのような影響が生じると思いますか。
 普天間飛行場の県内移設は15年使用期限問題などの条件も整備されず、またテロ事件によって沖縄の米軍基地は出撃基地に使用されて報復テロの対象にもなり得るとのことでますます危険性が増大しています。この際、知事は、基地の県内移設を撤回し、県外、国外への移設を打ち出すべきだと思いますが、知事の御所見をお聞きいたします。
 日米地位協定について質問いたします。
 去る6月29日に北谷町美浜で米兵による婦女暴行事件が発生いたしました。今回もまた犯人の米兵の身柄引き渡し問題が日米地位協定の壁に突き当たりましたが、県民は大きな憤りをあらわにしています。
 県が政府に要望した11項目の日米地位協定の改定はどういう場で協議され、どのように進展していますか。
 また、県民の総意は地位協定の改定ですが、日本政府は運用の改善に終始しています。知事は政府の対応についてどのように認識していますか。そして、日米地位協定の改定に向けて知事の強い決意を改めて表明していただきたいと思います。
 沖縄新大学院大学についてでございます。
 情報環境技術、バイオテクノロジー、海洋科学などを対象分野とする世界最高水準の大学院大学設立構想が打ち出され、8月31日には検討委員会も立ち上げられ、いよいよ設置に向けて動き出しました。
 質問いたします。
 大学院大学を沖縄に設置する意義と設置に伴う波及効果について示していただきたいと思います。
 8月31日、第1回の大学院大学検討会で構想の骨子が提示されていますが、具体的に説明してください。
 設置場所の決定は検討会でなされるんですか。
 大学院大学の開校までのスケジュールはどうなっていますか。
 次に、大学院大学の南部島尻への誘致についてでございます。
 南部振興会や南部市町村会、島尻地域振興開発推進協議会は、数年前から大学設置を目指して県や関係機関に要請行動を展開してきました。今回の大学院大学設置構想は、南部島尻へ大学の設置をという今日までの思いに時宜を得た大プロジェクトであります。去る6月29日にはいち早く南部振興会などが県に誘致要請を行っています。
 そこでお尋ねしますが、県内の大学は那覇以北に集中しており、人材育成や地域振興においてバランスがとれてないと思うんですが、知事の所見をお伺いいたします。
 南部振興会などの今日までの南部島尻への大学の設置要請に対しましてどのように受けとめていますか。
 大学院大学をぜひとも南部島尻へ設置していただきたいと思いますが、知事の御所見をお聞かせください。
 与那原町議会では9月21日、町内21団体で構成する「マリンタウン与那原まちづくり推進協議会」の要請を受けて県が進めているマリン・タウン地域内に大学院大学の設置要請決議がなされましたが、知事はこのことをどのように評価していますか。
 次に、県単一農協構想についてでございます。
 1994年に8農協構想で合併した広域農協が誕生しましたが、残念ながら現実は赤字経営を余儀なくされています。1998年に5農協構想が打ち出されましたが、合併が進むことなく今回の単一農協構想が発表されました。
 同構想につきまして質問いたします。
 県単一農協構想が打ち出された経過を説明していただきたいと思います。
 これほどの広域合併を打ち出すからには当然のことながら組合員や地域の合意形成は十分に取りつけていると思いますが、どうなっていますか。
 各農協が抱えている不良債権、土地建物などの不良資産の実態はどうなっていますか。
 合併に際し赤字農協に対する公的資金導入があり得るのですか、その額はどの程度ですか。
 これまでの広域合併後の農協経営の反省からしても県単一農協ありきでよしとするのですか。むしろ現在の赤字農協の経営健全化が優先された後でもいいのではないでしょうか。
 JA南風原町ほか3黒字経営農協が県単一合併構想に不参加と表明していますが、その理由は何でしょうか。
 また、3農協の不参加は県単一合併構想にどのような影響を及ぼすと思いますか。
 次に、国道329号与那原バイパスを延伸する西原バイパスの事業推進についてでございます。
 国道329号与那原バイパスを延伸する西原バイパスは、マリン・タウン地区内の主要幹線道路と結節するため重要な役割を担っている道路計画であり、今後の宅地分譲、企業誘致、海洋レクリエーション施設などの整備活用のためにも早期の事業着手が求められています。
 そこでお尋ねいたします。
 (1)、国道329号与那原バイパスを延伸する西原バイパスの必要性の位置づけをどのように認識なさっていますか。
 (2)、与那原バイパスは、平成12年に都市計画決定がされて現在くい打ち作業に入っていますが、西原バイパス事業が遅滞しています。同事業の早期着手のためにはまず都市計画の決定が急務と思いますが、今後の具体的スケジュールを説明していただきたいと思います。
 最後に、佐敷町で発生しました通り魔事件についてお伺いいたします。
 去る8月1日夜、さとうきび畑に囲まれたのどかな集落で突然の連続殺傷事件が発生、主婦の城間ハルさんが亡くなられ、児童2人を含む6人の被害者が出ました。城間さんの御冥福をお祈りし、傷を負った被害者の皆さんの一日も早い心身の御回復を切望するものでございます。
 それにしてもショッキングな事件でございました。6月の大阪府池田市の小学校児童殺傷事件が生々しく残っている時期で、教育関係者や地域にとってその心情は察するに余りあるものがあります。二度と起きてはならない事件だと思います。
 質問いたします。
 8月1日発生しました佐敷町の通り魔事件の概要を説明してください。
 被害者への補償を万全にやっていただきたいと思いますが、どうなっていますか。また、被害者あるいは地域への支援はどうなっていますか。
 被害を受けた児童の精神的なショックははかり知れないものがあると思いますが、ケア対策はどのようになっているのですか。
 6月8日に発生しました大阪府池田市での児童殺傷事件は、教育界を初めとする各方面に深刻な波紋を投げかけましたが、佐敷町での事件は教訓になり得なかったのでしょうか、お尋ねいたします。
 あと、答弁によりまして再質問をいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○知事(稲嶺惠一) 大城一馬議員の御質問にお答えをいたします。
 最初は知事の政治姿勢についてのうち、同時多発テロ事件に対する所見を聞きたいという御質問と、次の米国はテロに対して報復戦争と位置づけているが、是とする立場かという2つの御質問に一括してお答えいたします。
 今回の米国におけるテロ事件に強い衝撃と怒りを感じております。テロ行為は、世界の平和を脅かす極めて卑劣な行為であり、とりわけ今回は日本を含む世界約80カ国の一般市民が犠牲になるなど、米国のみならず世界に対する挑戦であり、決して許すことはできません。このような事件が二度と起こらないよう世界各国が一致協力して対策を講じていく必要があると考えております。
 県としては、事件直後から県系人及び旅行者の安否や在沖米軍基地の状況の確認に努めるとともに、外務省沖縄事務所等へ県民生活に支障が生じることのないよう要望したところであり、今後とも情報収集に努め適切に対応してまいりたいと考えております。
 次に、同じく知事の政治姿勢について、今度の事件は在沖米軍基地の強化・拡大のおそれがあると言われている、県民は基地の整理縮小を切望しているが、知事の姿勢を聞きたいとの御質問にお答えをいたします。
 今回の米国におけるテロ事件に強い衝撃と怒りを感じています。テロ行為は、多くの人命を奪い世界の平和を脅かす極めて卑劣な行為であり、決して許すことはできません。県としては県民の意向を踏まえ、本県に所在する米軍基地の整理縮小を着実に推進する必要があると考えております。そのためには、SACO合意事案の着実な実施により計画的、段階的に基地の整理縮小を図ることがより現実的で実現可能な方法であると考えており、現在、その実現に向けて国と連携を図りながら取り組んでいるところであります。
 なお、SACO合意事案がすべて実現されたとしても、沖縄には依然として在日米軍専用施設面積の約70%が存在することから、SACO合意事案以外についてもさらなる米軍基地の段階的な整理縮小に取り組んでいきたいと考えております。
 次の基地問題について、15年使用期限問題はどのように進展しているかについてお答えいたします。
 普天間飛行場代替施設の15年使用期限問題については、基地の提供責任は日本政府にあることから、政府が責任を持って早期に解決すべきものと考えております。同問題の解決については、これまでもあらゆる機会に政府に求めてきたところであり、さきの第7回代替施設協議会においても政府に対し早期解決を強く申し入れたところであります。
 15年使用期限問題の解決については、県が移設に当たって整備すべき条件とし、また名護市が受け入れ条件としていることから、着工までに何らの進展もなしに進むことはあり得ないと考えております。
 次に、基地問題について、現在でも15年使用期限について米国が了承すると思っているのかについてお答えいたします。
 先ほども申し上げましたが、普天間飛行場代替施設の15年使用期限問題については、基地の提供責任は日本政府にあることから、政府が責任を持って早期に解決すべきものと考えております。同問題については、閣議決定された政府基本方針に示されているように、政府においてしっかり受けとめられていると考えており、政府に対しその解決を粘り強く求めていきたいと考えております。
 次に、同じく基地問題のうち、普天間飛行場の県内移設を撤回し、県外、国外への移設方針を打ち出すべきではないかとの御質問にお答えをいたします。
 普天間飛行場については、市街地の中心部にあり、市民生活に深刻な影響を与えていることから、その早期返還を県政の重要課題として取り組んできました。県としては、県、地元市町村の要請に基づき日米両国政府が精力的に協議を行い合意に達したSACOの合意事案を着実に実施し、実現可能なものから一つ一つ解決していくことが基地の整理縮小を促進する現実的で実現可能な方法であると認識しております。
 同じく基地問題のうち、知事は政府の対応をどう認識しているかという御質問と、次の地位協定の改定に向けた知事の強い決意を改めて聞きたいと、2点について一括してお答えいたします。
 県は昨年8月、日米両政府に対し「日米地位協定の見直しに関する要請」を行ったのを初め、これまで機会あるごとに日米地位協定の見直しの必要性を強く訴えてきたところであります。
 このような状況の中、去る6月、北谷町で発生した事件を契機に日米地位協定の見直し問題が大きくクローズアップされ、7月の衆議院外務委員会において「日米地位協定の見直しに関する件」が決議されました。また、全国知事会において平成14年度の国に対する要望の中で日米地位協定の見直しが取り上げられるなど従来にない動きが出てきており、県の要請がその実現に向けて一歩ずつ前進していると認識しております。
 一方、政府は、日米地位協定については運用の改善を進め、これが十分効果的でない場合には地位協定の改正も視野に入れていくとしております。県としては、米軍基地から派生する事件・事故や環境問題などから県民の生命財産を守るためには、日米地位協定の抜本的な見直しは不可欠であると考えており、今後とも政府において日米地位協定の抜本的な見直しに取り組んでいただけるようあらゆる機会をとらえて要請していきたいと思います。
 次に、沖縄新大学院大学について、沖縄に設置する意義と波及効果はどのようなものかについてお答えいたします。
 本県に世界最高水準の自然科学系の大学院大学が設置されることは、本県の目指すアジア・太平洋地域の交流拠点形成に寄与するばかりでなく、ポスト3次振計の目玉事業になるものであり、極めて有意義なものになると考えております。また、我が国の科学技術の創造に貢献するのみならず、本県の学術・研究水準の向上にも寄与するものと期待しております。
 次に、大学院大学の構想の骨子はどのようなものかについてお答えいたします。
 本県に設置が予定されている大学院大学は、教授陣及び学生の過半数を諸外国から受け入れ、かつ教授陣は世界的権威のある研究者を招聘するため身分も非公務員型とし、講義は英語で行うという先例のない画期的な構想となっております。研究内容については、ITを初めバイオロジー、環境科学、ライフサイエンスが有望とされております。
 次に、大学院大学の設置場所の決定は検討会でなされるのか、開校までのスケジュールはどうなっているのか、この2つの御質問を一括してお答え申し上げます。
 大学院大学については、およそ3年後を目標に開校することとしておりますが、立地場所並びに具体的なスケジュールについては、今後、検討会の議論の中で明らかになるものと考えております。
 次に、同じく新大学院大学について、県内の大学は那覇以北に集中してバランスがとれないと思うがどうか、それとぜひとも南部島尻へ設置してほしいと思うがどうかという2つの御質問を一括してお答えをいたします。
 現在、県内には、国立大学を含めて8校の大学・短期大学が設置されておりますが、設置場所についてはおのおのの大学の設置運営者の立地環境等を熟慮し決定したものであると考えております。
 なお、大学院大学の設置場所については、今後の検討会の議論の中で立地環境等が明らかになっていくものと考えております。
 次は、県単一農協構想についてのうち、赤字農協の経営健全化が優先されるべきではないかという御質問と、黒字3農協が不参加を表明しているが、その理由と合併への影響はどうかについてお答えをいたします。関連して一括してお答えします。
 県単一JA構想は、農業を取り巻く厳しい社会経済環境の変化に対応し、強固な経営基盤を確立するため平成13年3月の第16回JA沖縄大会において決議されたものであります。
 JA沖縄グループでは、同構想を実現するため県下全JAの代表者等で構成する合併推進本部委員会を設置しております。現在、同本部委員会のもとで経営困難JAの赤字処理と合併に向けた財務調整、合併後の経営計画の樹立等の課題解決に向けた取り組みが行われているところであります。
 特に、経営困難JAの赤字処理については、平成14年4月のペイオフ解禁までに救済合併を行うことが全国支援を受ける上で必要となります。このため、県としては、同構想の実現を支援するため単一JA合併支援対策班を設置し、経営困難JAの経営改善計画について指導を行っているところであります。
 こうした中、一部のJAにおいて合併参加を見送るとの動きが見られます。その主な理由としては、合併後の経営計画及び赤字JAの財務改善の実効性に対する懸念などが考えられます。現在、合併推進本部においてこうした懸念に十分こたえられるよう合併後の経営計画の策定に取り組んでおります。また、合併に向けた合意形成を図るため理事や組合員にも経営計画を示し、粘り強く議論を尽くして理解を求めていきたいとしております。
 県としては、県単一JA合併構想が実現するよう合併の合意形成に向けて積極的に支援していきたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 大城一馬議員の知事の政治姿勢についての中の、在沖米軍基地に対する報復テロの可能性と、報復テロから県民を守るため県及び政府はどのような対策を考えているかという御質問にお答えをいたします。
 今回の米国におけるテロ事件に強い衝撃と怒りを感じております。テロ行為は、多くの人命を奪い世界の平和を脅かす極めて卑劣な行為であり、決して許すことはできません。県としては、県民の生命、生活及び財産を守る立場から、今回の事件が県民生活及び県民の人権に支障を及ぼすことがないよう関係機関に強く要請するとともに、日米合同委員会で合意された事件・事故の通報体制等を最大限に活用し、米軍等との連絡及び情報収集に努め、あわせて警察及び消防等との連絡の緊密化を図っているところであります。
 次に、同じく知事の政治姿勢の中の、テロ事前情報が県に伝えられなかったとの報道があるが事実か、それはなぜか聞きたいという御質問にお答えいたします。
 県は、テロ活動に関する事前の情報については米国大使館からも国からも通報を受けておりません。県は、テロ事件発生後、同事件に関する情報等の提供を関係機関に強く要望しているところであります。
 次に、基地問題についての中の、政府は3工法8案からの選定を提示したが、マスコミ報道によると年末の予算編成までの期限をつけていると言われているが真意はどうかという御質問にお答えいたします。
 尾身沖縄担当大臣は訪米後の記者会見で、地元の意見がまとまるまで待っている、こちらから特別期限はつけない旨の発言をされており、御指摘のことについては承知しておりません。
 次に、同じく基地問題についての中の、米国の同時多発テロ事件は普天間飛行場移設にどのような影響が生じると思うかという御質問にお答えいたします。
 普天間飛行場の移設については、現在、代替施設協議会において基本計画策定に向けて協議が進められているところであります。
 第7回代替施設協議会で報告のあった3工法8案については、地元説明を行ったところであります。今後、名護市長において地元住民の意見、要望を取りまとめ、次回協議会でその報告を行うこととされております。県としては、国から示された案について県内部において検討を進めているところであり、今後、地元の意向を踏まえながら総合的に検討していくこととしております。
 次に、同じく基地問題についての中の、地位協定の見直しは具体的にどのように進展しているのかという御質問にお答えいたします。
 去る9月9日のサンフランシスコで行われた田中外務大臣とパウエル米国務長官との会談において、外務大臣から日米地位協定の運用改善の協議を進めたい旨の発言があり、これに答えてパウエル国務長官も協議を進めていきたい旨の発言があったと聞いております。
 また、ことし3月の日米合同委員会で刑事事件の容疑者となった米兵の起訴前身柄引き渡しについて、平成7年の刑事裁判手続に関する日米合同委員会合意における「その他の特定の場合」の明確化を図ることが確認され、8月23日までに2回目の専門家協議が開かれたと承知しております。
 協議の中では、被疑者の人権問題、すなわち取り調べに際しての弁護士や通訳の同席、代用監獄制度など日本の司法制度における問題点が米側から指摘されたと聞いております。県としては、米軍基地から派生する事件・事故や環境問題などから県民の生命財産を守るためには日米地位協定の抜本的な見直しは不可欠であると考えております。
 また、県が求めているのは第17条の被疑者の身柄の引き渡しだけでなく、環境問題なども含めた11項目について見直しを要請しているものであり、今後、日米両政府において県の要請している11項目のすべてについて日米地位協定の抜本的な見直しに取り組んでいただけるようあらゆる機会をとらえて要請していきたいと考えております。
 以上でございます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 沖縄新大学院大学について、南部振興会などの大学院大学誘致要請をどう受けとめているか、与那原町議会がマリン・タウン地域内に設置決議がなされたが、どのように評価するかについて一括してお答えいたします。
 尾身大臣から大学院大学構想の提唱がなされて以来、南部振興会を含む多くの市町村、団体から誘致要請があり、このことは大学院大学に寄せる期待が大きいものと理解しております。
 また、与那原町議会の誘致要請決議については、他の地域と同様、大学院大学誘致に対する積極性のあらわれとして評価したいと考えております。
○農林水産部長(天願貞信) 県単一農協構想について、今日までの経過はどうか、それから組合員や地域の合意形成はどうか、公的資金の導入もあり得るか、その額について、関連しますので一括してお答えいたします。
 県単一JA構想は、農業を取り巻く厳しい社会経済環境の変化に対応し、強固な経営基盤を確立するため平成13年3月の第16回JA沖縄大会において決議されたものであります。
 JA沖縄グループでは、同構想を実現するため県下全JAの代表者等で構成する合併推進本部委員会を設置しております。現在、同本部委員会のもとで経営困難JAの赤字処理、合併に向けた財務調整、合併後の経営計画の樹立等の課題解決に向けた取り組みが行われているところでございます。
 合併に向けた合意形成については、組合員や地域住民に経営計画を明示し理解や協力を求めることにしております。県としては、現在、各JAに対しまして理事会を通して組合員への説明を行い理解を得るよう指導しているところでございます。
 また、経営困難JAにおいては多額の赤字を抱え自己処理が困難なことから、全国相互援助制度や貯金保険機構からの資金援助を要請することになります。
 支援要請額につきましては、県による財務確認検査の結果を踏まえまして今後具体的に検討することにしております。県としても、県単一JA合併構想が実現するよう、合併の合意形成に向けて公的支援も含めて積極的に支援していきたいと考えております。
 次に、続きまして不良債権や土地建物などの不良資産についてでございますが、県下28JAの平成12年度の財務状況については、合併推進本部による財務確認作業等により適正かつ公平に検証されております。
 不良債権や不良資産については、今後、合併に向けた財務調整や経営計画に関する論議の中で検討されるものと考えております。
 以上でございます。
○土木建築部長(屋比久孟尚) 与那原バイパスを延伸する西原バイパスの事業推進について、西原バイパスの位置づけをどう認識しているか、西原バイパスの都市計画決定の具体的なスケジュールは、この2つの御質問に一括してお答えいたします。
 西原バイパスは、与那原町与那原から西原町の東海岸域を経て中城村和宇慶に至る延長約5キロメートル、4車線の国道バイパス計画で、西原町の国道329号の交通渋滞緩和や広域道路網の形成及び地域開発プロジェクトの支援等を目的とした主要な幹線道路と位置づけられております。このため、県といたしましても早期整備を図る必要があると認識しており、都市計画決定に向け、現在、事業者である国道事務所や関係市町村等との協議を進めている状況であります。
 当該道路の都市計画決定に当たっては、道路ネットワークの整合や道路整備の緊急性及び地域住民の合意形成状況等を踏まえて、全延長約5キロメートルのうち与那原町与那原から西原町小波津までの延長約1.7キロメートルについて平成13年度末を目標に都市計画決定の手続を進めているところであります。
 なお、都市計画決定後は早期に事業化が図られるよう国に働きかけていきたいと考えております。
○警察本部長(太田裕之) 佐敷町で発生した通り魔事件の場合についてお答えをいたします。
 本年8月1日午後7時15分ごろから同日午後7時30分ごろまでの間に、佐敷町小谷において25歳の男性が両親や通行人など6名(うち子供2名)を次々と包丁やかまで切りつけ、帰宅途中の主婦を死亡させ、両親やウオーキング中の男性、空き地で遊んでいた子供2名の計5名に重軽傷を負わせた事案であります。
 急訴を受け、パトカーや自動車警ら隊、機動捜査隊などが直ちに現場に急行し被疑者を捜索中に、パトカー乗務員が上半身裸で包丁を所持している男性を発見し職務質問をしようとしたところ、包丁を振りかざして立ち向かってきたことから、銃刀法違反の現行犯人として制圧逮捕し、その後、殺人未遂等で再逮捕しております。
 次に、被害者に対する支援と補償についての御質問にお答えをいたします。
 本件につきましては、まれに見る凶悪かつ特異な事件であり、被害に遭われた方の心痛ははかり知れないものがあるというふうに思われたことから十分な支援が必要と判断いたし、事件発生と同時にいち早く被害者支援班を編成し対応をいたしました。
 具体的には、発生と同時に支援要員を現場に派遣し被害者や遺族の意向を伺い、その意向に沿って収容先病院での付き添い、自宅周辺での警戒などの必要な保護措置、そして捜査経過等の情報提供などを行いました。また、県教育委員会、佐敷町及び学校関係者等関係機関との連携を密にし、緊急対策会議や防犯対策会議を開催したほか、沖縄県臨床心理士会とも連携し、被害児童の心のケアや少年補導職員による登・下校時の付き添いなども行い、被害の回復・軽減に当たったところであります。
 次に、補償についてでありますが、「犯罪被害者等給付金の支給等に関する法律」に基づきまして、故意の犯罪行為により亡くなられた被害者の遺族の方や障害が残ることになった被害者の方、重い障害を受け、または疾病にかかり長期の入院治療を余儀なくされた被害者の方に対し、一定の要件に該当する場合に社会連帯共助の精神に基づき国が犯罪被害者等給付金を支給する制度がございます。この制度については既に該当する御遺族に対し、所轄の警察署において詳しく申請の諸手続について御説明を申し上げたところであります。
○教育長(津嘉山朝祥) 佐敷町で発生した通り魔事件について、被害幼児・児童への心のケアなどの対策はどうなっているかとの御質問にお答えをいたします。
 佐敷町における殺傷事件に幼児・児童が被害に遭い心身ともに傷ついたことは、教育を預かる者として心が痛み耐えがたいものがございます。
 当該幼児・児童の心のケアにつきましては、事件の翌日に町教育委員会と連携を図り、県臨床心理士会の協力を得て専門家によるカウンセリングが行われております。また、町教育委員会を事務局に、臨床心理士や県警サポートセンター指導員、学校関係者等で構成する「心のケア」支援連絡会議を開催いたしますとともに、継続的なカウンセリングを行うなど当該幼児・児童の支援を行っているところであります。
 現在、当該幼児・児童は元気よく登校し、他の幼児・児童と仲よく学校生活を送っているとの報告を受けております。
 県教育委員会といたしましては、当該幼児・児童が心身ともに安定し充実した学校生活が送れるよう、今後とも引き続き町教育委員会や関係機関・団体との連携を図り積極的に支援をしてまいりたいと考えております。
 同じく佐敷町で発生した通り魔事件について、大阪府池田市での殺傷事件は教訓になり得なかったのかとの御質問にお答えをいたします。
 大阪・池田市の殺傷事件は、余りにも痛ましく全国民に大きな衝撃を与えました。現在、各学校におきましては教職員、PTA、地域社会が連携をし再発防止に取り組んでいるところでございます。
 県教育委員会といたしましては、同事件を教訓として学校における幼児・児童生徒の事件・事故防止及び安全確保に関する通知文等により指導の徹底を図ってまいりました。
 佐敷町における事件はまことに不幸な事件でありますが、被害に遭った幼児・児童が学校での指導等を守り、大声を出して逃げるなどの行動をとり、けがが大事に至らなかったことは不幸中の幸いでありました。また、幼児・児童等の心のケアを県臨床心理士会や県警少年サポートセンター等関係機関が連携をし迅速に対応したこと等が評価できると考えております。
 県教育委員会といたしましては、危機管理マニュアルを作成し、同種の事件等の未然防止に万全を期する考えであります。今後とも家庭及び地域社会、警察等と連携を図り、幼児・児童生徒の安全確保に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○大城 一馬 再質問いたします。
 まず、知事、この同時多発テロについてですけれども、私は、いわゆるアメリカの報復戦争、これに対して沖縄県の知事として、130万県民を守る立場の知事としてこの報復戦争、これを是とする立場かと明確に問うています。
 知事の答弁を聞いていますと、代表質問からあるいはきのうの一般質問を通じてアメリカの立場、あるいは世界の動き、あるいは我が国の動き、このことを述べているだけで、やはり知事としてどういう立場をとっているのか、これを私は明確に示していっていただきたいと思っております。
 次に、テロの事前情報の件ですけれども、知事公室長はこれまで強く事前情報の提示を要望しているというような答弁でございます。テロ発生から約20日経過しているんですけれども、一体その後の動き、返事はどうなっていますか、お聞かせ願いたいと思います。
 次に、15年使用問題でありますけれども、知事は今議会でも、とにかく何ら進展もなく全く棚上げされたままで進むことはあり得ないと、そして日本政府の責任でもって解決すべきと、そして昨年の閣議決定を重く見ていると、こういう答弁が繰り返されております。ところが、その割には日本政府は閣議決定をどう思っているのかと。
 つい最近も小泉さんとブッシュ大統領が会談いたしました。その件に関しまして一言も触れない。そして我が国の政府高官、外相や尾身大臣、そして防衛庁長官あたりも米国の政府高官と会談しております。そのときの一連の行動等を見ますと、沖縄側はそう言っている、沖縄の知事さんはそう言っている、いわゆる明確に日本の責任で、日本の立場は一言もアメリカに要望してないわけですね。その件につきましてどうお考えですか、知事の御所見をお願いしたいと思います。
 以上、答弁よろしくお願いします。
 次に再々質問をいたします。
○知事(稲嶺惠一) それでは大城一馬議員の再質問にお答えいたします。
 知事の立場を、再度基本的な立場をということでございますが、私は一貫して言っておりますのは、今回は日本を含む世界約80カ国の一般市民が犠牲になるなど、米国のみならず世界に対する挑戦であり、決して許すことはできません。このような事件が二度と起こらないよう世界各国が一致協力して対策を講じていく必要があると考えておりますというのが私の一貫した考え方でございます。
 なお、15年使用期限問題につきましては政府はどう受けとめているかということでございますが、先般の慰霊祭に来られた小泉総理の発言、それから全国知事会におきましての発言で従来の総理にはなかった、沖縄の基地問題は単に沖縄の問題ではなく「国民的課題」であるということで強く受けとめているということを明確に出されました。
 そこで、私どもとしてはさらにそれを強く主張することによって、さらに一歩一歩進むよう努力いたします。
○知事公室長(親川盛一) 大城一馬議員のテロの事前情報についてのその後の返事はどうだったかという趣旨の御質問にお答えいたします。
 テロ活動に関する事前情報につきましては、現時点におきましても入っておりませんが、県としては、同事件に関する情報等の提供を関係機関に強く要望しているところでありますが、このテロに関する事後報告というのが若干寄せられてきております。
 それは、事件の概要については、例えば9月11日に4機の米国の民間航空機がハイジャックされたとか、そういったのは寄せられておりますが、事前情報については現在寄せられてなくて、我々としても関係機関に強く求めているところであります。
○大城 一馬 再々質問をいたします。
 15年問題ですけれども、知事、私は日本政府が米国政府にどういう立場を主張したか、それを問うているんです。何も国内で小泉さんがどうのこうのというのは聞いてないんですよ。
 そして知事公室長、要するに関係機関に要請したのは、事前情報は提供するという返事があったのですか、どうですか。
○知事(稲嶺惠一) 15年使用期限については、6月30日の日米首脳会談において小泉総理から沖縄の問題として15年問題及び在沖米軍基地に関する問題について両国の関係省庁で緊密に協議させたい旨の発言がなされております。これに対してブッシュ大統領は、使用期限は困難な問題であるとしながらも、普天間飛行場の移設に関しよく相談していきたい旨の発言をしております。
 同問題については、閣議決定された政府基本方針に示されているように、政府においてしっかりと受けとめられていると考えており、政府に対しその解決を粘り強く求めていきたいと考えております。
○知事公室長(親川盛一) 大城一馬議員の再々質問の中の、関係機関への要請は事前情報があったのかどうかと、こういう趣旨の御質問だったかと思いますけれども、先ほどもお答えいたしましたとおり、事前情報については米国大使館等から、あるいは国からも通報は受けておりませんということでございますが、県としては、去る9月12日に外務省の沖縄事務所あるいは那覇防衛施設局、米外交政策部等に対しまして、情報の提供及び県民生活に支障が及ぶことのないよう十分配慮してほしいと、こういう要請をいたしております。
 その後、先ほども申し上げましたとおり、その事件の概要、これまでの概要等につきましては報告が来ておりますと。それは先ほども申し上げました発生日時だとかあるいは場所だとか、こういったものについては来ておりますと。その後のこちらからの要請に対する国側の対応としては今のところそういった、事後のものについては来ておりますが、これからの状況についてはまだ来ておりません。
○兼城 賢次 所信を述べながら質問をいたします。
 先日は、県医療の中核的役割を担う県立中部病院の新築開院落成式が行われました。とりわけ中北部地域の住民が待ち望んでいた完成でございます。移転作業が始まりましたが、遺漏なきをお願い申し上げます。中北部出身議員が協議会をつくったことが思い出されますが、県立中部病院の御奮闘を期待申し上げます。
 雇用失業問題でございます。
 沖縄の7月の完全失業率が8.9%、8月が9.2%と発表されました。県政不況のそしりは免れません。小泉総理誕生は、長引く不況で将来の不安を持ちながら何かやってくれるものと期待を担っての登場でした。だが、皮肉にも「聖域なき構造改革」を掲げる小泉内閣は、不良債権処理を加速的に進めるというそのことが失業者を増大させることは間違いありません。この予測は内閣も認めているわけですから、これまで以上の厳しい失業者が予想されます。
 本土他府県に比べても県内の雇用失業問題は厳しい状況が長く続いております。県は国の関係機関、民間団体と協力して失業者の受け皿となる雇用安全網の具体化を含め、雇用対策の拡充を急ぐべきだとの指摘もあります。短期的な対策も必要ではありますが、中長期的な職業訓練、技術習得がなされなければ雇用失業問題もいつまでも完全失業率日本一で生活の不安は将来の夢も描くことができません。現今の失業問題を年齢、能力、賃金、地域の雇用のミスマッチと言われますが、県内における雇用のミスマッチは単純なものではありません。
 政府の公共事業見直し削減が県内の公共事業依存が大きいだけにその影響も大きいのであります。労働移動も言われておりますが、事は容易ではありません。着実な雇用対策が進められなければなりませんが、既存の制度や施設を見直し、利用することも大事なことであります。
 ところで、職業訓練校としてなじんでいますが、正式名称職業能力開発校が具志川市と浦添市と2校あります。時代に対応した職業訓練がなされ、その時代を担ってきたのであります。今求められているものは何か、何をやるべきかが問われています。
 そこで、次のことをお聞かせいただきたいと思います。
 職業能力開発校の役割、職業能力開発校の就職状況、訓練指導員の常勤充当率、それと第7次沖縄県職業能力開発校計画についてでですが、既に第6次の計画は3月31日で終了しております。いまだ7次計画が整ってないようでありますけれども、こういう時期に開発計画等についての考え方をお聞かせください。
 県道新36号線は、地域住民にとっては便利で喜ばれている道路であります。これまでスムーズに流れていた雨水が県道新36号線完成後、周辺農地に冠水し菊栽培農家に大きな被害を与えております。幸い、冠水畑は7月にかさ上げして冠水は免れておりますが、その周辺は相変わらず水浸しであります。
 そこでお聞きいたします。
 県道新36号線完成後の周辺農地の状況について。
 排水口直下の畑地が冠水し放棄されていることについて。
 天願地区港ですが、石川漁協具志川支所入り口の台風16号による道路決壊についてお伺いいたします。
 漁協支所への通行にとどまらず、海岸に出入りする市民の利用する道路であります。確かに迂回道路もありますが、整備されていないことと、漁民からは迷惑であることが訴えられております。煩わしさもあって利用者にも迷惑をかけていると漁協組合員も気を使っております。それに、決壊し、ひび割れしている直前には釣り具販売店があります。危険な状態であり早急な整備がなされなければなりませんが、復旧の見通しはどうなっているのか、お聞かせください。
 次に、金武湾港天願地区の改修整備計画についてお伺いいたします。
 以前にも質問いたしましたが、漁港の狭隘化、漁船の係留の困難、構造上から天願川からの土砂堆積やホテイアオイの流入などが邪魔になること、台風時における浮き桟橋の破損など被害があります。いつまでもこのような状況で済ますわけにいきません。次期港湾整備5カ年計画での事業に取り組むとのことでありますが、その進捗状況、計画はどうなっているか、お聞かせください。
 次に、天願川はんらんについてお伺いいたします。
 台風16号の雨量にもよりますが、これまで余りなかった被害が最近はたび重なり、被害が広がり大きくなっています。今回の台風16号による天願川はんらんによる床上浸水、農作物、家畜の被害もこれまでの被害を上回るようであります。とりわけ川崎区の大嶺さんは、9月8日午前5時ごろからみるみる浸水し、玄関から出られず窓口から脱出し屋上のタンクの下で子供たちと2時間も雨に打たれて救助を求めております。連絡がとれて警察や消防署が到着したのが1時間後の午前8時ごろで、水が引き始めて自主脱出しました。隣の宮城さんも2階に避難したものの、警察へ連絡したものの連絡がとれませんでした。被害が多発し関係機関も多忙をきわめたと思いますが、今回の連絡の行き違いはどうして起こったのでしょうか。これからも起こり得る災害でありますので、関係機関でもぜひ検討していただきたい。
 さて、天願川整備についてはこれまでも取り上げてきましたが、遅々として進まない事態にいら立ちを覚えております。今回の被害の広域性と大きさは異常雨量だけでは周辺住民は納得できません。河川の狭隘部分を前倒ししてでも早急に対応してもらわなければ住民は雨のたびに戦々恐々の思いです。財政が厳しいというのであれば、それなりの対応をしなければなりません。しゅんせつやカーブの修正など可能な対応をすることです。悔しい思いをしている被害者に仕方がないというわけにはいかないのであります。早期整備を含めて対応をお聞かせください。
 次に、農林水産業についてお聞きいたします。
 キャンプ・コートニー射撃場でのヒジキの鉛蓄積について、このことが明らかになった2月定例会から6月定例会にかけて質問をいたしました。復帰30年余りも地位協定との絡みからも実弾射撃が身近なところで行われていることも意外でした。それ以上に新聞によると、米軍は1998年に約60トンの鉛が蓄積され、環境調査の実施の結果、射撃場は閉鎖となりました。それにもかかわらず海兵隊報道部は利用者が少なくなったとか、司令官は海水浴として利用するためだというものでした。鉛による環境汚染は明白にもかかわらず、このような報道や発言は市民や県民を愚弄するものです。環境整備との整合性からも納得できるものではありません。
 そこでお聞きいたします。
 県は、外務省や那覇防衛施設局に改善の申し入れをいたしておりますけれども、その対応についてお聞かせください。
 次に、さとうきびの生産についてお伺いいたします。
 さとうきびの生産高も台風の影響もあってことしも厳しいものが予想されます。基幹作目は耕地面積だけではなく経済波及効果は3.4倍との指摘もありますので、生産高だけでははかれない基幹作目たるものがあります。放棄地や荒蕪地を法人化してさとうきび生産団地の実現に向けて法人化が進められ、農地利用とさとうきび生産の活性化として期待されたものであります。
 先日のシンポジウムにおける法人組合からの支援策の提起は生産者として切実なものであります。これから育成していく上で欠かせぬものであると考えますが、当局の支援はどうなっているのか。失業率が高い県内で農業の労働力吸収や波及効果からも十分配慮されるべきだと考えますが、どうですか。
 次に、松くい虫被害対策についてお聞きいたします。
 新聞の投書欄に松くい虫の被害についての声が多く紹介されております。なぜこれまでに放置するのか、何とかできぬものか。松は県民に親しまれ、シンボル的植栽です。今の被害のありさまは無残過ぎます。嘆くだけではどうしようもないのですが、県当局は5年で松くい虫絶滅計画を発表しておりますが、5年の間に松は枯れてしまうのではないかとの声もあるが、5年で大丈夫か、計画の実現性についてお聞かせください。
 次に、我が会派の友寄議員の質問との関連で質問をいたします。
 15年使用期限は日米政府とも否定的であり、知事の要望をなし崩しに辺野古に飛行場建設を強行した場合、知事はどう対応するかという先ほど大城議員からの質問もございましたけれども、これからも国に対して15年使用期限を強く求めていくとのことであります。
 私どもが懸念するのは、外交は国の専権事項で国が最終的に判断することであり、判断するまでは求め続けるということだけでしょうか。求めたが国の判断ですということで、国のなすがままにやむを得ないことなので受け入れるということなのか、お聞かせください。
 物事にはおのれが求めたものと、結果として出てきたものが異なる場合があります。そのとき知事はどう対応するのですかと聞いているのです。強く求めますという意思表示だけでは非創造的で議論をおとしめるものです。知事の意思表示が否定されたときのことを前提とした質問をしているのです。すべて物事が求めたとおりかなえられると考えるのは小児病的思考と言わざるを得ません。時には相手の要求が受け入れられない場合、相手にどう対応すべきかを憶測し配慮されるのが知事の政治的判断として求められます。知事も日米政府に要求が受け入れられないときの覚悟というものを県民のために示すべきであります。
 あえて伺います。
 知事は、15年使用期限問題を日米政府が受け入れないときどういう決意があるのか、お聞かせください。
 テロ事件では、アメリカでの出来事が直接的に沖縄に影響を与えました。しかも本土他府県は沖縄の危険を分かち合うというのではなく、修学旅行を自粛するという始末であります。
 昨日は観光業者と県の話し合いがあったようですが、基幹産業にこのような影響が出てくる、これが安保の島沖縄の実態であります。基地のある限り攻撃の標的にされる不安があり、現実化することは基地ある限りだれも否定できるものではありません。そのあらわれが在沖米軍の厳戒態勢であり、本土他府県の旅行自粛ではありませんか。辺野古への新たな基地建設は、テロの不安が現実的なものとしてかいま見せた現実でありますが、知事はどのような見解を持っておられるか、お聞かせください。
○知事(稲嶺惠一) 兼城賢次議員の御質問にお答えいたします。
 我が会派の代表質問との関連について、15年使用期限について国の判断を受け入れるということかということと、次の15年使用期限問題を日米双方が受け入れないとき知事はどうするのかという2つの御質問に一括してお答えいたします。
 普天間飛行場代替施設の15年使用期限問題については、基地の提供責任は日本政府にあることから、政府が責任を持って早期に解決すべきものと考えております。その解決については、これまでもあらゆる機会に政府に求めてきたところであり、さきの第7回代替施設協議会においても政府に対し早期解決を強く申し入れたところであります。
 15年使用期限問題の解決については、県が移設に当たって整備すべき条件とし、また名護市が受け入れ条件としていることから、着工までに何らの進展もなしに進むことはあり得ないと考えております。同問題については、閣議決定された政府基本方針に示されているように、政府においてしっかり受けとめられていると考えており、政府に対しその解決を粘り強く求めていきたいと考えております。
 次に、我が会派の代表質問との関連について、基地のある限り攻撃の標的にされる不安が現実化することはだれも否定できるものではないと、どのような見解を持っているのかということについてお答えいたします。
 今回の米国におけるテロ事件に強い衝撃と怒りを感じています。テロ行為は、多くの人命を奪い世界の平和を脅かす極めて卑劣な行為であり、決して許すことはできません。県としては、県民の生命、生活及び財産を守る立場から、今回の事件が県民生活及び県民の人権に支障を及ぼすことがないよう関係機関に強く要請しています。
 また、日米合同委員会で合意された事件・事故の通報体制等を最大限に活用し、米国で発生した同時多発テロ事件及びその後の日米両政府の対応等に関し、外務省沖縄事務所等を介して情報収集に努めているところであります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○商工労働部長(花城順孝) 雇用失業対策について、(1)の職業能力開発校の役割についての御質問にお答えします。
 職業能力開発校は、職業能力開発促進法に基づき設置された施設で、労働者の職業の安定と地位の向上とあわせて地域社会の発展に役立つことを目的として設置されております。そのため、職業に必要な技能及び知識の習得を志す人たちに対して必要な職業訓練を実施し、有用な技術を持った人材を養成する役割を担っております。
 同じく雇用失業対策について、(2)の職業能力開発校の就職状況についての御質問にお答えいたします。
 平成12年度の職業能力開発校訓練生の就職率は72.3%、就職者数は県内で361人、県外へ35人の計396人であります。ちなみに、高校卒業者等を対象とする普通課程の就職率は87.1%、就職者数は149人となっており、また離転職者を対象とする短期課程の就職率は65.5%、就職者数は247人で、普通課程の修了生の就職率は短期課程の修了者より高い傾向となっております。
 次に、同じく雇用失業対策について、(3)の訓練指導員の常勤充当率についての御質問にお答えをいたします。
 職業能力開発校における訓練指導員は、正職員──これは常勤でございますが──及び嘱託職員──これは非常勤でございます──をもって充てており、平成13年度の県立職業能力開発訓練指導員に占める正職員の割合は56%となっております。
 嘱託職員は、先端技術の導入や時代のニーズに合った訓練科目の編成のためには必要であり、正職員と嘱託員の構成については将来の科目編成のあり方、県の財政状況、職員定数等を踏まえ今後とも総合的に判断をしていきたいと考えております。
 ちなみに、九州7県での正職員の占める割合の平均は77.7%となっております。
 同じく雇用失業対策について、(4)の第7次沖縄県職業能力開発計画についての御質問にお答えをいたします。
 第7次沖縄県職業能力開発計画では、産業振興と一体となった人材の育成を基本方向として考えております。具体的には技術革新や新規成長分野などに対応できる人材の育成、雇用の安定・拡大のための職業訓練の充実、労働者の自発的な能力開発の推進、物づくり技能の振興、職業能力開発施策の推進体制の整備の5項目を実施目標として検討しております。
 以上でございます。
○土木建築部長(屋比久孟尚) 県道36号線冠水の対応について、県道36号線工事後の周辺農地の冠水状況について、排水口直下の畑地の冠水、放棄について、2つの御質問に一括してお答えいたします。
 県道36号線バイパスは、沖縄市登川から具志川市平良川間の延長3.1キロメートルについて昭和56年度から平成10年度にかけて整備し供用しているところであります。
 本路線の排水計画については、土木工事設計要領に基づき設計・施工したところでありますが、具志川市兼箇段地区についてはバイパス建設後、周辺農家より農地の冠水被害があったこと、及び一部農地の放棄があった旨の説明を受けております。
 当該地区は排水路が未整備であることから、具志川市においてバイパスの下流域から順次整備していくものと聞いております。県においても、現在バイパス建設と冠水の因果関係を調べるため調査業務の発注手続を進めているところであり、その結果をもとに今後の対応を検討していきたいと考えております。
 次に、石川漁協具志川支所への入り口の道路の決壊、復旧についてお答えいたします。
 今回の台風16号の豪雨により、石川漁協具志川支所入り口付近の具志川市道103号線及び天願川の河川護岸が延長約60メートルにわたって決壊しております。
 当該箇所の復旧については、河川護岸と具志川市道が兼用工作物であるため河川管理者と道路管理者が協議を行い、県で災害復旧事業として実施することにしております。このため、県においては「公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法」に基づく災害復旧事業の採択に向け諸手続を進めているところであり、早期に復旧工事の着手に努めてまいりたいと考えております。
 次に、金武湾港天願地区の改修整備計画についての御質問にお答えいたします。
金武湾港天願地区につきましては、荒天時における土砂流入対策や港内静穏度の確保等施設整備の必要性を認識しており、現在、防波堤及び係留施設等の配置計画や構造、港湾計画の変更等について国と協議を進めているところであります。県としましては、当該地区の早期事業化が図られるよう今後とも鋭意努力してまいりたいと考えております。
 次に、天願川はんらんについての床上浸水の状況について、早期整備の取り組みについて、この2点についてお答えいたします。
 台風16号による時間最大雨量101ミリメートルという異常降雨によって、具志川市を流れる2級河川天願川においては上流部の未改修区間ではんらんし、川崎地区や栄野比地区等において床上浸水13件の被害が発生しております。
 天願川につきましては、河口から上流の栄野比地区までの約6.5キロメートルについて整備を進めているところであり、平成12年度までに河口から約2.6キロメートル上流の赤田地橋まではおおむね整備を完了しております。赤田地橋上流の整備については、上流部の川崎地区や栄野比地区等において浸水被害が発生していることから、順次上流側まで用地取得を進め、暫定掘削により川幅を広げていく計画であります。平成13年度は鋭意用地取得を進めているところであり、あわせて川幅を広げる予定であります。
 また、御指摘の狭隘な箇所やカーブの修正及びしゅんせつにつきましては、地元の意見を聞きながら現地調査を行い、河川敷内のしゅんせつ等については速やかな実施を図るとともに、用地取得の必要な区域については地権者等の協力を得て対応していきたいと考えております。県としては、天願川流域の浸水被害を解消するため地域や地権者の協力を得て用地取得を図り、早期整備に取り組んでいく考えであります。
 以上でございます。
○知事公室長(親川盛一) 兼城賢次議員の農林水産業についての質問の中の、キャンプ・コートニー射撃場でのヒジキの鉛蓄積について県の対応を聞きたいという御質問にお答えをいたします。
 県は去る8月9日、米軍から、これまで米軍が独自に実施していたキャンプ・コートニー内の環境調査に関する報告書を受け取りました。この調査報告では、過去に使用された推定量約49トンの鉛弾がレンジ跡地及びその周辺海域に散在し、堆積していると思われること、レンジ跡地において一部の土壌がJEGSの基準値を超えて検出されていること、着弾地域内に生育するヒジキにバックグラウンド値より高い値の鉛含有量が検出されていること、また米軍はヒジキの採取について、ヒジキに含まれる鉛の許容レベルに関する基準がないため日本政府によって基準が設定され、安全性が確保されるまでの間、採取を制限すると結論づけております。
 キャンプ・コートニーにおける環境汚染問題につきましては、地元具志川市を初め周辺海域の漁業従事者から、その解決方について日米両政府に対して要望がなされてきたところでございます。県としても、この調査結果を踏まえ去る9月18日、外務省沖縄事務所、那覇防衛施設局に対し、食の基準に係る海藻中の鉛の許容濃度の究明及び当該海域に生育するヒジキの鉛含有量の安全確認、政府による環境影響の補足調査、周辺海域に残存する鉛弾の除去、レンジ跡地の土壌浄化、周辺海域及びビーチにおけるモニタリング調査の継続実施について要請したところであります。また、米軍にもほぼ同様の要請を行っております。
 県としては、今後とも地元具志川市等と連携しながら、キャンプ・コートニー旧クレー射撃場における環境問題の解決に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○農林水産部長(天願貞信) 農林水産業について、さとうきび生産法人組織の支援策についてお答えいたします。
 本県のさとうきびは、近年、農業者の高齢化、遊休農地の増大、他作物への転換等により減少傾向にあります。このような中にあって、効率的かつ安定的な経営体としての認定農業者や農業生産法人など、本県さとうきび作を担う経営体の育成が緊急な課題であります。このため、県においては、市町村、農協、地区協議会等関係機関と連携を図りながら生産法人の育成に取り組んでいるところでございます。
 さとうきび生産法人は、設立間もないこともありまして運転資金の確保、経営面積の拡大及び経営管理能力の強化等が課題となっております。県としては、生産法人への支援として経営基盤強化資金、農業経営促進資金等の融資を行っております。また、農地保有合理化事業、新さとうきび・糖業再活性化事業等によりまして農地の利用集積を促進しております。
 法人の経営管理能力の強化を図るため、農業改良普及センター、農業会議、さとうきび生産法人連絡協議会等において経営研修を行っているところであります。さらに、農業生産総合対策事業等の補助事業によりハーベスター等の機械導入支援も行っております。今後とも、生産法人の経営安定を図るため必要な支援を行ってまいりたいと考えております。
 次に、松くい虫根絶計画の実現性についてお答えいたします。
 松くい虫の根絶計画は、マツノマダラカミキリの生態メカニズムに即した方法に基づき効果的な防除を実施する考えであります。具体的な防除方法としては、カミキリが羽化する4月から6月にかけては薬剤防除による防除を行い、産卵時期の5月から9月までの被害木について徹底した伐倒駆除を実施いたします。松くい虫の根絶計画については、平成14年度以降、年次的に所要の予算措置を行い、被害木の徹底駆除を実施する考えであります。
 また、本県の緑資源、木材資源としてのリュウキュウマツを保全するための条例の制定についても検討をしております。その主な内容は、私有林等「その他松林」の防除に関する補助規定、被害木の移動に関する制限規定、森林所有者等の防除に関する義務規定等を骨子としております。条例の制定と予算措置、県民参加の「松くい虫ゼロ大作戦」の実施により松くい虫の根絶を図ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○兼城 賢次 知事、我々から同じ質問を何度も受けて同じ答弁をする。
 知事、自分の政治的な哲学というのがないのかなという思いもあります。
 今回のテロ事件でもわかりますように、アメリカがあれだけの厳戒態勢をとるし、旅行も自粛するということはそれだけの危険性があるわけですから、その危険な品物を沖縄にもっとつくろうというようなことだけはどうしてもやめてもらいたいという思いがあるわけです。それについてひとつお答えください。
 商工労働部長、職業能力開発校の役割についてお聞きしたわけですが、先ほど沖縄の場合に非常勤が多いと、九州に比べても。九州は77%が常勤、沖縄は46%です。
 これは当事者からすれば、非常勤という制度は学校で担当する業務は制約される、あるいは支障があると。はっきりこれは非常勤の場合には授業以外は見てはいけないと。ところが職業能力開発校といいますのは、いろいろな授業において職場に行ったり、あるいは開拓地に行ったり、いろいろこういうことをするわけです。そういうような役目ができないのが非常勤なんですよね、これは。ですから今のような失業率が高いところでは、こういうものにももっと積極的に取り組むべきじゃないかということなんです。ところがこういう非常勤の場合は、それだけにとどまらず人材の確保が難しいと。
 それと今部長が答えたようにですね、ここで訓練された出身学生は高い就職率を持っています。訓練すれば本土にも行けると。これは数字が出ていますから、皆さん方はこれを承知しておられる。あえてこの組織図から見ると、製図科なんていうのは臨時で対応しているわけですよね、臨任で対応していますね。
 こういう状況で学校の教科とか、こういうものはできませんよと。皆さん方は現場から話を聞いていると思いますよ。知事もそのことを十分に把握しているかどうか。お願いします。
 それと新36号線ですが、裁判に訴えていると思います。こういうことを聞いておりますか。被害が出ていることで……。
 松くい虫も「その他松林」が全部やられていますから……。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午前11時42分休憩
   午前11時44分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 商工労働部長。
   〔商工労働部長 花城順孝君登壇〕
○商工労働部長(花城順孝) 再質問にお答えをいたします。
 嘱託職員、非常勤職員の割合が44%という現状でございますが、これにつきましては、積極的な意味におきましては先端技術の進展とか時代のニーズに合わせて職業訓練科目というのは対応していく必要がございます。そういった部分に対応するために正職員で対応し切れない部分もどうしてもございますんで、そこを非常勤の嘱託職員で対応していくという積極的な意味合いもございます。
 ただ、正職員をこれからどのように定数の問題として検討していくかということにつきましては、県の財政状況、職員定数の問題もありますので、そのあたりからの検討の必要もございます。そういった意味でいろんな要素を総合的に検討して正職員と非常勤職員の比率のあり方については検討してまいりたいと思います。
○知事(稲嶺惠一) 兼城賢次議員の方から、ただいま稲嶺は哲学があるのかという大変厳しいお話がございました。
 この基地の整理縮小につきましては、これは多くの県民が求めており、私も多くの県民の意を体しながら一歩一歩、これはベストな方策はない以上、ベターな方向に向かって全力を尽くしていきたいと思います。
○土木建築部長(屋比久孟尚) 県道36号線を管轄する土木事務所に本人からこういった被害があったということで話は出ているんですが、まだ正式には出ておりませんので、これからまたいろいろと調整します。
 先ほど申し上げたんですが、この冠水と県道36号線とのそういった調査、因果関係を今、先ほども答弁したんですが、そういったことを県ではやっております。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午前11時47分休憩
   午後1時21分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 午前に引き続き質問及び質疑を行います。
新里米吉君。
   〔新里米吉君登壇〕
○新里 米吉 こんにちは。
 一般質問を行います。
 1、教育問題について。
 私は、去る2月定例会の代表質問で「総合的な学習の時間」について質問をしました。
 「総合的な学習の時間」については、学習指導要領が施行される来年度、つまり平成14年4月から小中学校で本格実施されます。現在、移行措置で実施されておりますが、各学校が創意工夫を生かして横断的、総合的な学習や生徒の興味・関心等に基づく学習などができるよう新たに創設されたもので、当然のことながら教科書はありません。
 そのような中で多くの教師たちが大変な苦労をし取り組んでおります。
 県教育委員会も平成12年12月に「総合的な学習の時間実践資料集(小中学校編)」を作成し、学校や関係機関に配布して現場の要求にこたえる努力をされました。昨年発行の実践資料集は、総合的な学習の時間Q&Aと簡単な取り組み例が中心になっており、移行措置における現場の要請にこたえられる内容であったと思いますが、その後もっと具体的で豊富な内容を持つすばらしい実践が報告されております。
 その中の一つが当時の与那原東小学校4年2組担任宮城アケミ教諭によって「山原船がきた海辺の町」として1冊の本にまとめられました。私は新聞で本が発行されたことを知り、与那原東小学校の校長を通して宮城教諭にお会いし本も贈呈されました。また、事前に校長にお願いをして6年生の総合的な学習の参観もできました。
 私は読書が趣味ではありませんが、宮城教諭の193ページに及ぶ本を2日間で読み終えることができました。子供たちが失敗しながらも自分たちで課題を見つけ、地域の関係者にお会いし、インタビュー等をして調査をし、自分たちで次の課題や取り組みを考え行動する。そしてそれぞれの取り組みの中から子供たちが自信と誇りを持ち成長していく様子がよくわかります。
 私が本の要約をすることは困難ですので、大まかな理解をしていただくために当時の4年2組又吉香澄さんの作文、洋人君のお母さん(新里みどりさん)の手紙を紹介します。
  「馬車スンチャーのコースを歩いて」 又吉香澄
  私は、総合の時間を通して馬車スンチャーのことがよく分かり、与那原の良さがとてもよく分かりました。ふだん「歩こう」なんて自分の口からでるものではありませんでした。けれど私たちは馬車スンチャーの気持ちを知ろうと首里まで歩く決意をしたのです。心の中では、「歩けるだろうか」と不安や少しとまどいもありました。でも、「自然を見つけながら、自分の足で歩くというのが、どんなに楽しいか。」また「馬車スンチャーは荷物を運ぶ馬をあつかうのだからとてもすごい苦労やがんばりがあったのだろう。」ということが分かりました。 「人にたよったりめんどくさがったり」。前の私には、それがたくさんあったと思います。けれど今では進んで勉強したり、はずかしがっていたインタビューも自分から「やりたい」といえるようになりました。このように総合を通して私は自分が変わったと思います。
  また、まだ総合をやっていない人はやってみてください。きっと、自分の町が大好きになるはずだから……。だって私は、前よりももっともっと与那原町が大好きになったから。
  「一人ひとりが力を発揮した総合」 新里みどり(洋人くんのお母さん)
  「大好き与那原湾─山原船がきた海辺の町─」と題して、子どもたちが半年かけて地域の人、特にお年寄りの方達に接し調べ学習を進め、レポート作成・発表とすばらしい活動を見せてもらいました。与那原のことが好きになり、お年寄りと友達になり、さらに未来の与那原像へと発展させていった力は、「すごい。」の一言です。 夢のある与那原町として子ども達は、歌であったり、山原船を再び与那原の海に浮かばせたり、クッキーやパンの形にして、思い思いに表現! 子どもの力はあなどれない。一人ひとりが力を秘めているのだなあと感じさせられました。我が子のことですが、日頃ノーテンキでこれっぽっちも自分で考えて行動するという態度がみられず、言われたことだけする。何度も言い聞かせるという日常で、今回の調べ学習は、本人には、困難なことであったに違いない。 ところが周りの子ども達に押される形でありながら、なんとか形を作り上げそして発表の段階まで持っていけたことは、誉めてあげたいと思っています。「やればできる。やろうと思えばできる。」と大いに自信が持てたのではないかと思います。 この経験を生かし、自ら目標を定め、それを追究するための行動を奮い立たせる力がもっともっと育っていったら……。 子どもの成長が楽しみです。
と手紙を寄せています。
 このようなすばらしい実践は多くの教師に紹介し、みんなで共有してそれぞれの教師や各学校の実践に参考にし、その中から学校独自の取り組みを発展させていくことができると思います。
 そこで質問します。
 (1)、総合的な学習についてすばらしい実践報告がされている。本格実施に向けてこれらの実践報告をどのように活用するか。
 次に、性教育について質問します。
 厚生労働省の厚生科学研究のアンケートによると、「性感染症の予防法について、十代を中心とした若者の大半が、「恥ずかしがらずに堂々と教えてほしい」」との結果が報道されました。日本では長い間、性について語ることがタブー視され、恥ずかしがられてきました。私たちが小中学生のころは学校で性教育を受けたことがありませんでした。しかし、私たちが中学生のころもかなりの生徒が生理や夢精があり、そのことを教えてくれる大人も少なくて、現実に起きたことにショックを受け、一人で悩んだりしたものです。
 現在は、私たちの時代よりはるかに多くの問題を抱えております。援助交際、テレホンクラブ、ツーショットダイヤル、エイズ、そして社会は性情報がはんらんし、大人が恥ずかしがっているうちに子供たちは興味本位の性情報に困惑させられていると思います。私は、小学校段階からの性教育が必要だと思いますが、(2)、小学校における性教育の現状はどうか。これからどのように進めるかについてお聞きします。
 教育の状況は、いじめ、暴力、不登校、高校中退、学級崩壊等深刻な状況であります。40人の一斉授業で画一的、詰め込みの教育から、生きる力、考える力を育て、子供の個性を伸ばしていく教育に転換していくには30人以下学級の実現が望まれます。
 公立小中学校の学級編制は、国の標準に従い各都道府県において基準を定めるという制度の基本は変えないが、都道府県教育委員会の判断により児童生徒の実態を考慮して特に必要があると認められる場合には国の標準により定められる1学級の児童、または生徒の数を下回る数を基準として定めることを可能とする制度改正が行われ、平成13年度において学級編制の弾力化が12都府県以上で実施されています。特に秋田県と新潟県では小学校1、2年生で30人程度の学級編制が実施されており、沖縄県でも学級編制の弾力化が望まれます。
 (3)、平成13年度に学級編制の弾力化を12都府県以上が実施している。沖縄県も当面来年度に向けて小学校1年で35人以下学級の実施を検討してはどうか。
 次に、基地問題に移ります。
 与党代表質問で、政府は地位協定改定に消極的、海兵隊を含む兵力削減も進まないという趣旨のことが述べられました。知事も5月の訪米において日本政府の努力が足りないと不満を表明され、9月11日の全国知事会で基地問題は「国民的課題」と強調、会議後日米会談で日本側の代表者は、沖縄サイドはこう言っている、沖縄の知事はこう言っていると話されるが、その表現は全くおかしいと述べ、当事者意識を欠いた日本政府の対米交渉のあり方を批判したと報道されています。
 最近、日本政府のふがいなさが目につき、憤りを感じたのは、北谷町の事件後政府の閣僚たちが地位協定改定に積極的発言をし、その後しばらくするとトーンダウンして日本政府みずから運用改善を唱えたことでした。
 渡久地政弘前連合沖縄会長は、去る9月26日のシンポジウムで、「日米両政府は、県民運動が盛り上がっている時はあたかも要求にこたえるかのようなポーズを取るが、あらしが過ぎると県民無視の姿勢を繰り返す。」と述べております。まさしくそのとおりであり、このことは昨日の夕刊で報道されている米国防総省の国防戦略見直しや自衛隊の海外派兵に異常なほど積極的であるが、沖縄の基地問題に対しては他人事のような対応をする日本政府の態度に明確にあらわれています。
 後世、稲嶺知事は難しい時代によくやったと評価されるためには、政府に対する知事の厳しく強い姿勢と対応が求められています。
 そこで質問します。
 片山総務相の、これだけお金をかけて15年でやめると言ったら大変だとの発言は日本政府関係者の本音だと思うが、片山発言に対する知事の見解を伺いたい。
 (2)、北谷町で起きた米空軍兵による女性暴行事件についての三者連絡協議会に関して、橋本大使が外出禁止を要求するのは取り下げてもらえないかと知事に要請したと報じられたが、それは事実か。事実であれば知事の見解を伺いたい。
 (3)、9月6日に米政府は、沖縄など在日米軍基地にテロの危機が迫っているとの情報を日本政府に知らせたが、県には伝えられなかったと言われているが事実か。事実であれば知事の見解を伺いたい。
 (4)、沖縄の基地問題が進展しないのは日本政府の姿勢に大きな要因があると思うが、知事の認識を伺いたい。
 次に、カジノについて質問します。
 8月21日、県内の経済10団体で組織する県経済団体会議は、ゲーミング(カジノ)導入のための制度創設を政府と自民党実力者に要請したことが報道されました。
 私は、かつてマカオとラスベガスに旅行したとき、スラグマシンに挑戦し10分間程度経験したことがあります。とりわけラスベガスでは、1日かけて3000人以上と5000人以上収容のホテルを数カ所回り、カジノも見学しました。ラスベガスのカジノは観光と結びついて暗いイメージを払拭し、観光客などが気軽に楽しんでいる雰囲気がありました。私もラスベガスのようにやれるなら沖縄も考えていいと思ったほどです。しかし冷静に考えますと、ラスベガスのように成功させるには莫大な資金が必要で県内企業ではとても実現できるとは思いません。中途半端なカジノだとむしろばくちの暗い側面が強くなり、沖縄観光の健全なイメージが損なわれ、むしろ観光客数が減少することも懸念されます。
 県振興開発審議会でカジノが取り上げられたようですが、十分な議論ではなかったと言われています。まして県民の間で議論されておりませんし、県民世論にもなっていないと思います。
 また、沖縄と同じ島嶼地域で温暖な気候を有し明るい健康的観光地としての環境を持つハワイが、ハワイの健康イメージを壊すからとの理由でカジノ導入を州議会で否決したと言われており、むしろこのことに関心を持つべきだと思います。
 そこで質問します。
 (1)、県経済団体会議は、ゲーミング(カジノ)導入のための制度創設を政府と自民党実力者に要請しているが、カジノについての知事の考えを伺いたい。
 (2)、カジノについて県民の合意形成はできていると思うか。
 以上、質問を終わりますが、答弁によって再質問します。
○知事(稲嶺惠一) 新里米吉議員の御質問にお答えいたします。
 最初は基地問題について、片山総務相の発言に対する見解を聞きたいというお答えでございます。
 御指摘の発言について、そのような報道がなされたことは承知しております。
 普天間飛行場代替施設の15年使用期限問題については、基地の提供責任は日本政府にあることから、政府が責任を持って早期に解決すべきものと考えております。同問題については、閣議決定された政府基本方針に示されているように、政府においてしっかり受けとめられていると考えており、政府に対しその解決を粘り強く求めていきたいと考えております。
 次に、基地問題について、沖縄の基地問題が進展しないのは日本政府の姿勢に大きな要因があると思うが、認識を聞きたいというお答えでございます。
 SACOは、普天間飛行場の全面返還を含む11施設、約5002ヘクタールの土地の返還を内容とするなど、沖縄県民の基地負担の軽減を図るため日米両国政府が真摯に協議を行った結果と理解しております。
 また、去る6月23日の「慰霊の日」に小泉総理が沖縄全戦没者追悼式に参列されたときに、沖縄の抱える諸問題の解決は重要課題であり、基地問題は全国の問題として取り組んでいきたいとの発言がありました。また、7月に田中外務大臣にお会いしたときも、日米地位協定の問題については内閣全体の問題として受けとめてまいりたいとの発言もあります。衆議院外務委員会においても7月10日に国会の委員会では初めて「日米地位協定の見直しに関する件」が決議されました。このことは、政府及び国会においても沖縄の基地問題が全国の問題として認識されてきているあかしだと思います。
 県としては、今後も国民全体が沖縄の基地問題をみずからの問題であると認識していただけるよう機会あるごとに訴えていきたいと思います。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○教育長(津嘉山朝祥) 教育問題について、総合的な学習についてすばらしい実践報告がなされている、本格実施に向けてこれらの実践報告をどのように活用するかの御質問にお答えをいたします。
 「総合的な学習の時間」は、平成14年度から全面実施されることになっており、本県におきましては移行期間である平成12年度からほとんどの小・中・高等学校、特殊教育諸学校で取り組みが始まってございます。各学校におきましては、国際理解、環境、情報等の課題について創意工夫を生かした特色ある教育活動が実践をされ、これまでの教科ではできなかった生き生きとした活動が取り組まれているとの御報告も受けております。
 県教育委員会といたしましては、各学校の取り組みの支援をするため各校種別の指導資料を作成し活用の促進を図ってまいりました。さらに、平成13年11月には、「総合的な学習の時間実践事例集」を作成し、各学校や関係機関に配布する予定でございます。
 また、文部科学省の研究開発学校の先進事例や県指定研究校等の実践、あるいは県立教育センターや個人の研究等についても広く紹介をしていきたいと考えております。今後、各学校がこれらの資料を活用し、創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開していけるよう支援をしていきたいと考えております。
 同じく教育問題について、小学校における性教育の現状はどうか、これからどのように進めるのかの御質問にお答えをいたします。
 学校における性教育は、生命の尊重・人間尊重・男女平等等の精神に基づき人間としての生き方やあり方を学ぶ極めて重要な意義を持つものと考えております。
 小学校における性教育は、男女の体の違い、命の大切さ、男女の区別なく仲よくする態度、エイズに関することなどの内容を低学年では主に道徳の授業で、中・高学年では保健の授業や道徳、「総合的な学習の時間」等で指導をしております。
 県教育委員会としましては、最近の児童生徒の性的成熟が早まっていることや性意識が変化していることを踏まえ、各種研修会等を開催し指導者の資質の向上を図っております。今後は、専門医や保健婦等の医療関係者などを積極的に活用した指導や家庭との連携による指導など、教育活動全体を通して性教育を一層推進してまいりたいと考えております。
 同じく教育問題について、平成13年度に学級編制の弾力化を12都府県が実施をしている、沖縄県も当面、来年度に向けて小学校1年で35人以下学級の実施を検討したらどうかの御質問にお答えをいたします。
 今回の教育改革関連法の大きな柱の一つに教職員定数に関する法律の一部改正がございました。その内容といたしましては、都道府県教育委員会の判断により、児童生徒の実態を考慮して特に必要があると認められる場合には、国の標準により定められる1学級の児童または生徒の数を下回る数を基準として定めることが可能になったところであります。
 なお、県教育委員会としましては、2学期より平良市を含む4地区の小学校1年生について40人学級を緩和するための学級編制の弾力化に踏み切りました。今後は、「第7次公立義務教育諸学校教職員定数改善計画」の趣旨を踏まえて引き続き少人数授業の拡充に努めてまいりますとともに、小学校1年生等の多人数学級については、学校生活への早期の適応や望ましい学習習慣が形成される大事な時期であることから、学級編制の弾力化に今後とも取り組んでいきたいと考えております。
 以上でございます。
○知事公室長(親川盛一) 新里米吉議員の基地問題についての中の、三者連絡協議会における事件防止の協議に際し、橋本大使が外出禁止を要求するのは取り下げてもらえないかと要請したと報じられたが事実か、事実であれば見解を聞きたいという御質問にお答えをいたします。
 御指摘の橋本大使の発言は、三者連絡協議会において発言されたものではございません。それ以前に県が米軍人等の夜間外出制限を求めても米側がそれに応じる可能性が乏しいという当時の米側の状況を情報提供したものであったと理解しております。
 次に、同じく基地問題についての御質問の中の、米政府は在日米軍基地にテロの危機があるとの情報を日本政府に伝えたが、県には伝えられなかったと言われているが事実か、事実であれば見解を聞きたいという御質問にお答えをいたします。
 県は、テロ活動に関する事前の情報については米国大使館からも国からも通報を受けておりません。県はテロ事件発生後、同事件に関する情報等の提供を関係機関に強く要望しているところであります。
 以上でございます。
○観光リゾート局長(糸数昌宏) カジノについて、1、県経済団体会議の制度創設に関する政府等要請について、2、カジノに関する県民の合意形成についてに一括してお答えします。
 県内の経済団体におきまして、ゲーミング等多様なエンターテインメント創出のための論議があることは承知しております。
 沖縄県振興開発審議会においては、「多様なエンターテイメントの可能性について調査検討する。」との答申がなされ、「新たな沖縄振興に向けた基本的な考え方」に盛り込んだところであります。県としましては、本県観光振興のための多様なエンターテインメントについて諸団体等からさまざまな意見がありますことから、先進地の状況や県内各界の意向等について慎重に調査・検討してまいりたいと考えております。
 以上です。
○新里 米吉 ちょっと、休憩。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後1時50分休憩
   午後1時51分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 観光リゾート局長。
   〔観光リゾート局長 糸数昌宏君登壇〕
○観光リゾート局長(糸数昌宏) ただいまのカジノに関する県民の合意形成についての質問についてお答えします。
 ただいま申し上げましたとおり、ゲーミングを含む多様なエンターテインメントにつきましてはさまざまな団体から、あるいはまた新聞等にもありますように個人からもいろんな意見の開陳がございます。そういったことでございますので、今おっしゃるとおり合意形成というのはまだなされてないと思います。ですから、それについて私どもとしましては先進地の状況はどうなっているのか、それからまた県内各界の今のいろんな意見をいろいろお伺いして意向等について調査・検討してまいりたいということでございます。
 以上です。
○知事公室長(親川盛一) 橋本発言についてでございますけれども、これにつきましては、外出禁止要求について取り下げを求めたという事実はないということで橋本大使も会見されておりますし、また県におきましては、先ほど申し上げましたとおり県が米軍人等の夜間外出制限を求めても米側がそれに応じる可能性が乏しいと、こういう御説明があったと聞いております。
 そして、これも三者連絡協議会の事務打ち合わせがありますけれども、その中で県として外出禁止制限を議題として挙げておりますので、それをめぐっての話し合いの中でもそういう説明があったわけでございます。
○新里 米吉 カジノについて知事はどのように考えておられるか、できたら知事の見解も伺いたいと思います。
 それと日本政府の、私が今列挙したようないろんなこと、それからこれまでの日本政府の対応、最近では元防衛施設庁長官の前に発言したことと全く同じことをまた最近も新聞で出しているという、この辺も含めて日本政府の対応についてどう思っておられるか、お答え願えればと思います。
○知事(稲嶺惠一) カジノを含むゲーミングの問題については、先ほどのお答えのように今県民の皆様方の御意向をお伺いをしている段階でございます。多くの皆様方のお考えのもとによって今後検討していきたいと、こういうふうに思っております。
 それから基地問題もございましたけれども、御承知のように基地問題というのは大変難しい問題でさまざまな考えがあるわけです。しかし、沖縄は沖縄側の立場としてあくまでも在日米軍基地の75%を占めていて、県民が基地の整理縮小を求めているという、それをバックに受けまして知事としても今後とも力強く整理縮小を求めていきたいと思っております。
○玉城 義和 一般質問を行います。明確にお答えください。
 1番、基地問題について。
 (1)、沖縄の米軍基地が新たなテロの対象になるのではないかとの指摘と地元の不安が高まっているが、知事の認識はどうか。また、それらを防ぐために知事としてできることは何か。
 (2)番、今回のテロ事件で普天間移設問題はどのような影響を受けるか。
 (3)、15年問題について県と日本政府及び日米両政府の交渉の進捗状況はどうか。
 (4)、第7回代替協で提案された3工法8案について、県庁内のどの部局でどのような対応がされているか。また地元と名護市、県と名護市との協議はどうなっているのか。また今後の日程はどうか。
 2、北部振興策について。
 (1)、平成12年から13年度にわたり決定された北部振興事業にはどのようなものがあるか。
 (2)、両年度で決定済みの予算の累計は幾らか。
 (3)、北部振興策のあり方は当然に中南部圏とのかかわり方、ひいては沖縄県の県土の有効利用や将来の我が県のあり方と深く関連するものである。したがって、現在の連絡会議や行政組織を強化・拡大、統一機能を高め、県の主体性を発揮すべきと思うがどうか。
 (4)番、北部振興事業基本構想事業は3000万円をかけて取り組まれているが、14年度からはこの基本構想に基づいて事業実施に移せるか。
 3、観光振興について。
 (1)、平成4年度にスタートした第3次観光基本計画は、国際水準のリゾート、戦略的産業としてのリゾート産業、環境、社会と調和したリゾート産業等が基本だが、最終年度に当たりどう総括するか、また達成度はいかほどか。
 (2)、第4次基本計画における入域客目標を幾らにするか。また基本的考え方として、観光収入(A)=観光客数(B)×1日1人当たり消費額(C)×滞在日数(D)のうちのどの指数を重点的にとらえるか。
 (3)番、沖縄観光の観光客数の伸びに比べて観光客1人当たり消費額は、昭和62年の11万2600円をピークに長期低落傾向にある。その中で特に土産費や交通費の減少があるが、その理由は何だと考えるか。また、ここ数年新しく開発された土産品にはどのようなものがあるか。
 (4)、財布に金を残して帰すことはいわば不満を残して帰すことだと思う。その解消のためには魅力的な土産品の新たな開発は特に重要だと思う。民間だけに任せず官民一体となった研究開発体制が必要と思うがどう取り組むか。
 (5)、豊作貧乏という言葉が観光業界にあるが、観光客の増加の割にホテルの経営が非常に厳しい現状にある。それぞれ規模別に県内ホテルの稼働率、総消費単価、営業収入、経常利益はどうなっているか示されたし。
 (6)番、リゾート型ホテルを初めとして客消費単価の落ち込みを高い稼働率で補うという現象があるが、特に人件費を圧縮することによって辛うじて利益を上げるということが行われ、従業員のパート化が行われている。これらの実態を県は把握しているか。また、観光・リゾート産業による雇用の確保という観点からどう対応するか。
 (7)、エコツーリズムやグリーンツーリズムなど観光の多様化と、また団体旅行から個人旅行へと流れは変わってきている。現在の我が県の観光施設はほとんどが立ち寄り型観光になっていることから、これらに対応できないと思われる。新10カ年計画でいかに対応していくか。
 (8)、少子・高齢化社会という社会構造の変化は当然に観光客の年齢構成に変化をもたらし、観光シェアの上位を中高年齢者が占めるものと思われる。いかなる対応が必要か。
 (9)、沖振法による観光振興地域と「沖縄トロピカルリゾート構想」に基づく重点整備地区の現状はどうなっているか。
 (10)、夏季のピーク期とボトム期(平成11年で約20万人の差)の解消をいかにして図るか。
 (11)、点在するリゾート施設を面として広がりを持たすことは極めて重要。多様な機能を備えたリゾート空間の創出のために観光基盤整備事業を制度的に行う必要があると思うが、第4次基本計画ではいかように位置づけられているか。
 (12)、「大琉球・まつり王国」等4大イベントの集客能力はいかほどか。また、各エージェントの商品開発時期とまつりの企画との関係はどうか。間に合っているかどうかですね。
 (13)、観光立県というからには県民がそれぞれの立場で何らかの形で観光産業に参入していることが最も重要である。基本計画(素案)に言うように地域経済活性化の牽引力となる観光・リゾート産業でなければならない。そのためには観光客の増加が各産業の振興に直接結びつかなくてはならない。リーディング産業という割には県民にその実感がない。基本計画(素案)は「観光・リゾート産業に対する県民の理解と意識は必ずしも高くない」と嘆くが、理由はまさにそこにある。第4次基本計画の最大のテーマでもあると思う。どのような施策で対応するか。また、平成11年度で観光産業がもたらした他産業への経済波及効果はいかほどか。
 4、「鉄軌道導入可能性調査」についてでございます。
 (1)、何を目的にし、また調査結果から得られたものは何か。
 (2)、鉄道利用者予測結果についてそれぞれの根拠を明らかにされたし。
 (3)、平成11年度実績でバス乗客1日当たり11万5000人に対して鉄道開業時とした――これは調査のですね――平成27年度において、国道330号A路線における乗客9万3992名、モノレール利用者3万7592名からしてバスの利用者は結果として何と26万4000名にも達することになる。これは調査の結果です。公共交通利用率を12%と、県の仮定の上ですね。これは、この間バス利用者が一貫して減少している現実と著しく乖離している。また、鉄道導入によってバス利用者が増加するという――これは主としてバスを利用するということです――矛盾に逢着している。このような結果をどう説明するのか。また、このような非現実的な調査を前提に採算を論じることは全く不当だと思うがどうか。
 (4)番、密室で数字をいじる調査ではなく、「NPO・沖縄南北縦貫鉄道を実現する会」の20万余にわたる県民署名等も踏まえ、県民の必要調査や意向調査等基本的かつ総合的な調査をする考えはないか。
 (5)番、県の新たな総合交通体系基本計画には、鉄軌道を含む新たな交通システムの調査・検討はどのように位置づけられるか。
 5、いわゆる小泉改革について。
 (1)番、知事はどう評価するか。
 (2)番、小泉改革による地方交付税交付金のカットなどにより沖縄県においては7700人の失業者が出てくる(沖国大の富川先生)との試算も出されているが、それについて県の見解を問う。
 また、我が県にはどのような影響があると考えられるか。
○知事(稲嶺惠一) 玉城義和議員の御質問にお答えいたします。
 最初は基地問題について、15年問題について県と日本政府及び日米両政府の交渉の進捗状況はどうかについてお答えいたします。
 普天間飛行場代替施設の15年使用期限問題については、基地の提供責任は日本政府にあることから、政府が責任を持って早期に解決すべきものと考えております。同問題の解決については、これまでもあらゆる機会に政府に求めてきたところであり、さきの第7回代替施設協議会においても政府に対し早期解決を強く申し入れております。
 15年使用期限問題の解決については、県が移設に当たって整備すべき条件とし、また名護市が受け入れ条件としていることから、着工までに何らの進展もなしに進むことはあり得ないと考えております。
 また、6月30日の日米首脳会談において小泉総理からは、沖縄の問題について15年問題及び在沖米軍基地にかかわる問題については両国の関係省庁で緊密に協議させたい旨の発言がなされております。これに対しブッシュ大統領は、使用期限は困難な問題であるとしながらも、普天間飛行場の移設に関し、よく相談していきたい旨の発言をしております。同問題については、閣議決定された政府基本方針に示されているように、政府においてしっかり受けとめられていると考えており、政府に対しその解決を粘り強く求めていきたいと考えております。
 次に、小泉改革についてどう評価するかということのお答えでございます。
 小泉内閣の「聖域なき構造改革」については、社会保障制度改革等のように国民の痛みを伴う部分もありますが、人材大国と科学技術創造立国の実現を目指す等、全体として危機的状況にある日本経済の再生に向けた改革であることから、基本的には評価すべきものと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 玉城義和議員の基地問題についての御質問にお答えをいたします。
 まず、沖縄の米軍基地が新たなテロの対象になるのではないかということについて認識はどうか、またそれらを防ぐためにできることは何か聞きたいという御質問にお答えいたします。
 今回の米国におけるテロ事件に強い衝撃と怒りを感じております。テロ行為は、多くの人命を奪い世界の平和を脅かす極めて卑劣な行為であり、決して許すことはできません。県としては、県民の生命、生活及び財産を守る立場から、今回の事件が県民生活及び県民の人権に支障を及ぼすことがないよう関係機関に強く要請するとともに、日米合同委員会で合意された事件・事故の通報体制等を最大限に活用し、米軍等との連絡及び情報収集に努め、あわせて警察及び消防等との連絡の緊密化を図っているところであります。
 次に、同じく基地問題の中の、今回のテロ事件で普天間移設問題はどのような変化を受けるかという御質問にお答えいたします。
 普天間飛行場の移設につきましては、現在、代替施設協議会において基本計画策定に向けて協議が進められているところであります。
 第7回代替施設協議会で報告のあった3工法8案については、地元説明を行ったところであります。今後、名護市長において地元住民の意見、要望を取りまとめ、次回協議会でその報告を行うこととされております。 県としては、国から示された案について県内部において検討を進めているところであり、今後、地元の意向を踏まえながら総合的に検討していくこととしております。
 次に、同じく基地問題の中の、3工法8案についての県庁内での対応及び地元と名護市、県と名護市の協議はどうなっているか、今後の日程はどうかという御質問にお答えいたします。
 先ほども申し上げましたが、第7回代替施設協議会で報告のあった3工法8案については地元説明を行ったところであります。今後、名護市長において地元住民の意見、要望を取りまとめ、次回協議会でその報告を行うこととされております。
 県では、示された案について技術的観点、自然環境及び生活環境の保全等の観点から土木建築部、農林水産部、文化環境部と意見交換を行っているところであります。
 また、名護市と連携して地元の行政委員等に対する説明に向けての調整を行っているところであります。名護市では、あらゆる機会を通じて地元の意見等を聞いているところと承知しております。県としては、名護市等地元の意向と県庁内部の作業を踏まえ総合的に検討していきたいと考えております。
なお、今後の日程については、県内部の検討状況や地元意見の集約状況等を見きわめながら定めていく必要があると考えております。
 以上でございます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 北部振興策について、平成12年から13年度にわたり決定された北部振興事業にはどのようなものがあるか、両年度で採択予定額を含む決定済みの予算の累計は幾らかについて一括してお答えいたします。
 平成13年度9月までに決定された北部振興事業は、公共事業では道路、港湾、漁港及びかんがい施設等の基盤整備に係る事業や海岸保全及び高潮対策等の防災施設の整備に係る事業が決定され、事業費累計は約23億8000万円であります。
また、非公共事業では、事業を実施するために必要な構想策定及び調査事業や情報通信関連産業、観光・リゾート産業及び農林水産業等の振興を図るための事業が決定され、事業費累計では約94億9000万円であります。これらの事業費を合わせますと約118億7000万円となります。
なお、平成13年度事業の未採択事業費が約5億7000万円となっており、これを含めますと総事業費は約124億4000万円となります。
 次に、同じく北部振興策について、北部振興策の強化に向けて現在の連絡会議や県の組織を強化・拡大し、県の主体性を発揮すべきであるについてお答えいたします。
 北部地域の振興を図ることは、北部圏域のみならず中南部地域の居住環境の改善にもつながり、県土の均衡ある発展を図る上からも重要であると考えており、県としても全力で取り組んでいるところであります。
 具体的には、北部振興事業が円滑に実施できるよう、北部振興推進連絡会議等において地元市町村との活発な意見交換を行うとともに、平成12年度から広域市町村圏事務組合に1名、さらに平成13年度からは企画調整室北部駐在に2名を派遣するなど組織強化にも努めているところであります。今後とも地元市町村の意向を尊重しつつ、連携を図りながら北部振興策の着実な推進に向けて積極的に取り組んでいきたいと考えております。
 次に、同じく北部振興策について、平成14年度からは北部振興基本構想をもとに事業実施に移せるかについてお答えいたします。
 北部振興事業基本構想策定事業は、基本方針で定めた4つのゾーンの特性を踏まえ、それぞれの地域資源を活用した振興事業のあり方について北部広域市町村圏事務組合が主体となって調査しているものであります。県としては、来年度以降、この基本構想をもとにそれぞれの地域特性を生かした具体的な事業が実施されていくものと理解しております。
 次に、小泉改革について、小泉改革によると地方交付税交付金のカットなどにより7700人の失業者が出てくるとの試算について、県の見解と本県への影響についてにお答えいたします。
 試算は、小泉内閣の構造改革について公共投資関係費・地方交付税交付金など一定の前提を仮定して数値化したものと理解しております。構造改革自体は各分野に及ぶこと、それが相互に作用することなどから現時点でその影響を全体として数値化して見通すことは困難であると考えております。しかしながら、構造改革は極めて重要な課題であると考えており、政府の動向を注視しつつ的確に情報収集しその対応に努めていきたいと考えております。
 公共投資の依存割合が高い本県に及ぼす影響は大きいものがあると考えますが、関係省庁との連携を図り沖縄振興に必要な施策・事業が確保できるよう最大限努力してまいります。
 ちなみに、内閣府沖縄担当部局の平成14年度予算概算要求・要望においては、前年度1.4%増の規模となっております。
○観光リゾート局長(糸数昌宏) 3、観光振興についてのまず(1)、第3次観光振興基本計画の最終年度に当たりどう総括するか、また達成度はいかほどかについてお答えします。
 第3次観光振興基本計画は、1、国際的水準のリゾート開発、2、経済の自立化に向けた戦略的産業としてのリゾート産業の育成、3、自然環境、地域社会と調和した秩序あるリゾート開発を基本方向にそれぞれの施策に取り組んできたところであります。
 その結果、リゾートホテル等の宿泊施設や観光関連施設の整備を初め自然環境、地域社会との調和を図りつつ観光関連の基盤整備に努め一定の進展を見ております。また、航空路線の拡充や各種誘客キャンペーンの展開等により観光入域客数はおおむね順調に推移してきております。
 一方、関連産業への経済波及効果につきましては、県内産品の供給体制や商品開発力の弱さなどもあり、関連効果は十分とは言えない状況にありますことから、今後強化していく必要があります。
 続きまして(2)、第4次観光振興基本計画における観光入域客数の目標及び観光収入算定の基本的な考え方について。
 入域観光客数の目標設定につきましては、現在、策定に向けて取り組んでいる平成14年度からの第4次観光振興基本計画において、今後の観光動向や航空路線の輸送能力、県内の宿泊施設の収容能力、水資源の供給体制の見通し等を総合的に踏まえ、沖縄県観光審議会の審議を経て設定したいと考えております。
 なお、観光収入の算定につきましては、従来、入域客数と1人当たり消費額をもとに推計しておりますが、新たに滞在日数をファクターとして考慮できるかどうか、審議会で論議してまいりたいと考えております。
 (3)、観光客1人当たり消費額の土産品費や交通費減少の理由は何か、また新しく開発された土産品にはどのようなものがあるかについてお答えします。
 観光白書によりますと、全国的に個人消費は足踏み状態となっており、平成12年の国内宿泊観光レクリエーションは旅行回数、宿泊数、消費額ともに減少しており、団体、法人の旅行需要は景気の先行き不安等を背景に引き続き低迷状況が続いております。
 県内における観光客1人当たり消費額の土産品費や交通費の減少につきましては、近年のリピーターの増加傾向や全国的な個人消費の足踏み状態に伴うものと考えております。
 また、ここ数年で新しく開発された土産品につきましては、自然海塩やウコンなどの健康食品、ゴーヤーやシークヮーサー、紅芋などを活用した食品類、織物などの工芸品が開発、製品化され土産品として市場に流通しております。
 (5)番目でございます。県内ホテルの稼働率、総消費単価、営業収入、経常利益のホテルの規模別状況についてお答えします。
 平成13年3月に沖縄振興開発金融公庫調査部が公表した「1999年度ホテル経営状況」によりますと、都市型タイプの年平均客室稼働率は81.6%で、リゾート型タイプの客室稼働率は71.7%となっております。
 また、宿泊客1人当たり総消費単価につきましては、都市型タイプでは1万4680円で、リゾート型タイプでは1万5623円となっております。
1社平均営業収入につきましては、大規模都市型ホテルが22億7900万円で前年比マイナス1.5%、中規模都市型ホテルが4億1100万円で前年比5.1%の増、大規模リゾート型ホテルが45億6200万円で前年比5.6%の増となっております。
 経常利益率につきましては、大規模都市型ホテルが3.0%で前年比2.5ポイントの増、中規模都市型ホテルでは3.1%で前年比マイナス1.3%、大規模リゾート型ホテルでは3.8%で前年比2.8ポイントの増となっております。
 (6)番目に、リゾート型ホテル等の客消費単価の落ち込みや人件費の圧縮などについて、観光・リゾート産業の雇用の確保という観点からどう対応するかとの質問にお答えします。
 平成13年3月に沖縄振興開発金融公庫調査部が公表した「1999年度ホテル経営状況」によりますと、調査対象ホテル10社の企業財務データでは、高い稼働率で低下傾向にある客消費単価の落ち込みを補うことにより営業収入を維持し、利益を確保するという結果が報告されております。
 また、固定費につきましては、従業員数の削減やパート化により人件費を抑制していると報告されております。このことにつきましては県としても重要な課題として認識しており、観光・リゾート産業における雇用の確保という観点から観光の振興をより一層推進し、関係機関等との連携のもとに雇用機会の創出を図るとともに、各種講習会の開催等により人材を育成し、雇用条件の向上に努めてまいる所存であります。
 (7)番目、観光の多様化、個人旅行家の流れに対応した観光施設のあり方について、それから(8)番目、今後の中高年齢者層の観光客増加への対応について一括してお答えします。
 エコツーリズム等の体験・滞在型観光など多様化する旅行目的や増大する個人旅行客にも対応した魅力ある観光・リゾートづくりを図るため、本県のすぐれた自然環境や独自の歴史・文化等の地域資源を有効に活用するとともに、体験施設や触れ合いの場づくり、また歴史資源の保全・整備と関連周辺施設の整備等を積極的に推進してまいりたいと考えております。
 また、今後増加が予想される中高年齢者層に対しましては、温暖で快適な自然環境と健康・長寿に適した生活環境、食文化等を生かし、ウェルネス型の健康・保養をテーマとした滞在型観光・リゾートを目指すとともに、これを支える人材の育成などにも努め、健康・保養に資する総合的な国民保養の場の形成を図ってまいる所存であります。
 (9)番目、沖振法による観光振興地域と「沖縄トロピカルリゾート構想」に基づく重点整備地区の現状はどうなっているかについてお答えします。
 観光振興地域につきましては、現在9地域が指定を受けており、指定後これまでに14の観光関連施設が設置されております。また、「沖縄トロピカルリゾート構想」における10カ所の重点整備地区ではこれまでに31の施設が設置されております。県といたしましては、今後とも関係市町村との連携を密にしながら観光振興地域等の整備促進を図ってまいりたいと考えております。
 (10)番目です。入域観光客数のピーク期とボトム期の解消をいかにして図っていくかについてお答えします。
 入域観光客数の通年平準化を目指して「サントピア沖縄」等4大イベントの誘客活動や、県外のテレビや新聞等を総合的に活用したキャンペーンを4大都市圏を中心に展開してまいります。
 修学旅行につきましては、現在、秋口に集中する状況にありますことからその受け入れ時期の分散化を図ってまいります。さらに、平準化対策としての国際会議を初めとする各種コンベンション及び海外観光客の誘致等を関連業界との連携のもと、一層強化していくことにしております。
 (11)番目です。観光基盤整備事業を制度的に行うため、第4次観光振興基本計画ではどのように位置づけているかについてお答えします。
 本県では今後、観光・リゾート産業が県経済におけるリーディング産業としてさらに発展していくためには、広がりと奥行きのある観光・リゾート拠点を形成する必要があると考えております。このため、公共が駐車場、公園、人工ビーチ等の必要な観光関連施設の整備促進を図るとともに、あわせてホテル等民間の観光関連施設を集積させるなど各種関連事業が包括的、効率的に行えるよう検討しております。
 次に、(12)番目です。4大イベントの集客能力はいかほどか、また各エージェントの商品開発時期と、まつりの企画との関係はどうかについてお答えします。
 県では、4大イベントとして「沖縄海のカーニバル」、「大琉球・まつり王国」、「サントピア沖縄・ふれあいフェスタ」、「沖縄花のカーニバル」を実施し、1年を通して全県的な誘客に努めております。平成12年度の4大イベントの集客数は県内外を含め約308万人で、イベントの開催は沖縄の観光振興に大きく貢献しております。
 また、各エージェントの旅行商品の企画は遅くとも4カ月前までには固まることから、イベントの内容を早目に決定し、より効果的に観光客が誘致できるよう取り組んでいるところであります。
 最後に(13)番目です。1、観光・リゾート産業に対する県民の理解と意識を高めるための施策について、2、観光・リゾート産業の経済波及効果について一括してお答えします。
 第4次観光振興基本計画(素案)におきましては、基本方向の柱の一つとして県民と行政が一体となった受け入れ体制づくりを掲げております。そのため、観光・リゾート産業が本県のリーディング産業であることをより一層県民が理解、認識し、「美ら島づくり」に一人一人が積極的に取り組むことが県民の役割として重要であります。
 県といたしましては、「めんそーれ沖縄県民運動推進」の強化や経済波及効果についての周知など、本県のリーディング産業である観光・リゾート産業に対する県民の理解と意識を高める施策を展開してまいりたいと考えております。
 なお、観光・リゾート産業の経済波及効果につきましては、平成12年度に調査を実施し、現在集計分析を行っているところでありまして、近々取りまとめを行い、県民に対して公表してまいりたいと考えております。
 以上です。
○商工労働部長(花城順孝) 観光振興についての(4)、新たな土産品の研究開発についての御質問にお答えいたします。
 新たな土産品などの開発については、沖縄県中小企業製品開発費補助金等による資金的な支援及び工業技術センター、工芸指導所による技術的な支援を行っております。これまでに新たな製塩法による自然塩の開発、乾燥モズク、ウージ染めなどが県の支援により製品化されております。今年度は焼き物と琉球漆器を組み合わせた製品の開発、県内の柑橘類を利用した土産品の開発へ補助金の交付が決定され、来年度の市場投入に向けて工業技術センター及び工芸指導所との連携による研究開発が開始されております。さらに、トロピカルテクノセンターにおいては民間企業との連携により紅白の「豆腐よう」やモズクを利用した健康食品などが製品化され、土産品として市場に流通しております。
 県としましては、新たな土産品の開発は製造業の振興のみならず観光関連産業に波及する経済効果が大きいことから、今後とも関係部局並びに関係機関との連携を密にして魅力ある土産品の開発に取り組んでまいります。
 以上です。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) 鉄軌道導入可能性調査についての御質問にお答えをします。
 まず第1の御質問ですが、可能性調査についての目的とその調査結果についてお答えをいたします。
 鉄軌道導入可能性基礎調査は、総合交通体系基本計画の策定に向けて公共交通インフラの整備のあり方を検討するための基礎資料を得ることを目的に鉄軌道を想定した場合の概略ルート、需要予測、概算事業費、事業採算性及び事例の検討を通して概略的整備課題や期待される効果等について取りまとめたものであります。
 鉄軌道の導入については、交通サービスの改善のみならず都市構造の誘導、地域振興、環境負荷の軽減及び経済活動の活性化などをもたらし、これからの本県の発展に寄与することが期待されます。
 その一方で、鉄軌道と一体となった市街地整備のあり方、既存市街地の分断への対策及び土地利用の変化に伴う交通への影響など都市や地域、交通体系に関する政策や現状の抜本的な見直しが必要、県民の根強い自動車に対する利用意識の改革が必要、整備手法や補助制度及び事業主体などのあり方を含めた新たな助成制度の創設等が必要、鉄軌道沿線を含めた地域全体が鉄軌道整備の効果と課題をとらえ、その上で支えていくだけの覚悟が必要、沖縄の景観や自然環境の保全・調和、関連事業を含めた膨大な事業費用が必要など、検討すべき課題についても多岐にわたるものと考えております。
 次に、(2)番目の御質問で、鉄道利用者予測結果についてそれぞれの根拠を明らかにされたしという御質問にお答えをいたします。
 それぞれの鉄道、LRT、それからルートとも同じ考え方でございますが、鉄軌道の需要予測をするためには交通機関分担率の設定を行う必要がありますが、本土と沖縄の公共交通利用の意識や整備水準の違い等があることから、今回の調査においては平成9年度の総合交通体系調査フレームを前提とし、公共交通利用率につきましては全国パーソントリップ調査における国内他都市を参考に12%として推計しております。これらをもとに公共交通利用OD表を作成いたしまして、鉄軌道やバス網から成る公共交通ネットワークにおいて時間最短経路に交通量を配分して鉄軌道利用者を推計しております。
 (3)番目の御質問ですが、鉄道開業時におけるバス利用者とモノレール利用者の乗客の調査において、バス利用者が一貫して減少している現実と著しく乖離し、鉄道導入によってバスの利用者が増加するという矛盾があるけれども、どのように説明するかという御質問です。
 鉄軌道導入可能性基礎調査は、総合交通体系基本計画の策定に向けた基礎資料を得ることを目的に取りまとめたものであります。本計画(素案)におきましては、将来あるべき陸上交通ネットワークとして過度に自家用車に依存しない公共交通網の実現を目指していること、また鉄軌道導入の実現に当たっては、これを支えるバス網の充実についても必要不可欠であると考えていることであります。
 本調査は、本県が鉄軌道を有しないため公共交通の機関分担の予測が難しいことから、国内他都市を参考にして公共交通利用率を12%に条件設定した上で鉄道利用者を推計したものであります。
 (4)番目の御質問です。「NPO・沖縄南北縦貫鉄道を実現する会」の20万余にわたる県民署名等も踏まえ、県民の必要調査や意識調査等基本的、総合的な調査をする考えはないかという御質問です。
 軌道系を含む新たな交通システムにつきましては、地域特性や需要特性に応じた柔軟なシステム運用のあり方など多様な視点から検討する必要があります。このため、平成12年度に実施した鉄軌道導入可能性基礎調査で得られた整備効果や課題を踏まえながら、本県に適した公共交通システムを目指し、現在策定を進めている「沖縄県総合交通体系基本計画」の中で検討するとともに、平成14年度からスタートする「沖縄振興新計画」の中で引き続き調査・検討を進めることが重要であると考えております。
 御提言のあります県民の意識調査等につきましては、こうした調査の過程で実施されるものと理解をしております。
 (5)番目の御質問です。県の新たな総合交通体系基本計画には、鉄軌道を含む新たな交通システムの調査・検討はどのように位置づけられるかという御質問です。
 軌道系を含む新たな交通システムにつきましては、平成12年度に取りまとめた「沖縄県総合交通体系基本計画」(素案)の中の「第3章 総合交通体系21世紀ビジョン」の中で、(軌道系交通システムや幹線バスシステム等の導入検討)などの形で記述されております。同素案をもとに総合交通体系基本計画の策定に向けて、現在、学識経験者、運輸事業者、利用者代表等で構成されます沖縄県総合交通体系整備調査委員会及び庁内の部局長等で構成する沖縄県総合交通体系推進委員会での検討が進められているところであります。
○玉城 義和 休憩。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後2時40分休憩
   午後2時48分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 観光リゾート局長。
   〔観光リゾート局長 糸数昌宏君登壇〕
○観光リゾート局長(糸数昌宏) 今の質問ですが、結局、先ほど申し上げましたとおり、私どもはこれまで観光収入の算定につきましては従来入り込み客数と1人当たり消費額をもとにして推計しているわけです。ただしかし、先生おっしゃるように、確かにこれからはやはり入り込み客数だけじゃなくて泊数をふやすということも大きな今後の課題ですから、ですからそれについて今後そういう場合の消費額はそれもファクターとして入れるべきかどうか、そこら辺については今後いろんなシミュレーションもやりながら審議会で論議してまいりたいということでございます。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後2時49分休憩
   午後2時49分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
○観光リゾート局長(糸数昌宏) ですから、これにつきましては審議会の中で実際上滞在日数をファクターとしてすぐ使えるのかどうか、そこら辺もシミュレーションをやりながら検討してまいりたいということでございます。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) 先ほどお答えをいたしましたけれども、言葉が足りないところがあったかもしれません。もう一度御説明いたします。
 鉄軌道導入可能性基礎調査は、あくまでも公共交通利用率を12%とした条件設定のもとで鉄道利用者が幾らぐらいになるかを推計したものであります。バス利用者の数値を求めるものではありません。
 本調査の結果として、先生御指摘のとおりバスの利用者が現在よりも大きくなるという御指摘がありますけれども、県といたしましては、今後過度に自動車交通に依存しないための公共交通体系の再構築を図り、マイカーから公共交通へのシフトを促すための方策を検討する必要があるものと考えております。このことから、鉄軌道導入の実現に当たっては、これを支えるバス網の充実についても必要不可欠なものであると考えているところです。
 そしてOD表を使ってやりましたけれども、そのマストラネットを作成するときに2015年のマストラネット、それを公共交通網の中のバス網まで整備されるものとしてのマストラネットを作成した上での見込みでございます。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後2時53分休憩
   午後2時55分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 玉城義和君。
   〔玉城義和君登壇〕
○玉城 義和 再質問をいたします。
 まず基地問題で3工法8案についてでございますが、先ほどからの議論で県庁内で議論されているということでございます。
 土建部長、それから農林水産部長、文化環境部長、それぞれ何回、どういう会議をされているかですね。どういう内容か、まとめの時期はいつか、これをそれぞれ各部長からお願いをしたいと思います。
 それから、先ほど知事の答弁もございましたけれども、この15年問題を含めて3工法8案、今日の基地問題の非常に混迷はどうして起こっているかということであります。私は1つは、まず知事が地元の合意がないまま受け入れてしまった。そして受け入れ条件の一つとてまだ実現をしてないのに受けてしまったと。こういうまず辺野古ありき、県内移設ありきと、こういうことをなされたことに一つ原因があるんではないか。
 そして同時に、この15年期限問題のように極めて国家間の外交・防衛にかかわる問題を知事は選挙の戦術的にお使いになったと、こういうところに私は大きなボタンのかけ違いが始まったんじゃないかとこう思うんですね。今日の3工法8案の処理の仕方も政府が沖縄県に投げ、沖縄県は名護市に任せて、名護市はまたそれを辺野古などの3区に落としていくと。そして地元の合意を早くつくれ、つくれと、こういう仕方に私は非常に政治手法に問題があるのではないか。このことが地元を大変混乱をさせている原因になりますし、このことがまた日本政府の思惑も絡んで何といいますか、与党からも今議会はたくさんいろんな意見が出ていますように、一種の基地移設狂想曲みたいなことを奏でているんではないかとこういうふうに思うんです。
 したがって、知事、ここまできますとやはり地元の混乱、そして県民の混乱を収拾する方法は私は白紙撤回とこういうふうに申し上げたいわけですが、知事としてはやはりここはこの事態を凍結をして改めて日米の交渉を始めていくと、仕切り直しをするということが私はある面でこの混乱を収拾して解決に向かう方法ではないかとこういうふうに思うんですが、知事はいかがでございましょうか。
 それから北部振興策ですね、これは私が調べた範囲では累計額は既に300億を超えているわけですね。これは事業費全部累計予定額を入れると300億を超えていると。これは公共・非公共を合わせた事業費でございます。そして今部長が上げていただいたように、非公共はほとんどが調査事業と。公共は港湾改修だとか道路建設、高潮対策で、これはある面で言えば一般の自治体の予算で行うべき事業なんですね。必要な事業ですよ、もちろん。必要な事業ですが、これをあえて何でこの振興事業で1000億円の枠内でやるのかということに私どもは非常に疑問を持っているわけですね。
 同時に、全体的に政策の積み上げもないものですから、なかなか事業の芽出しもできない。新しいものが出てこないと。こういう状況でそのまま続けていきますと、今もう既に2年間で300億が使われているわけですね。そうしますとあと6年ぐらいでこの1000億の枠はなくなっちゃうんじゃないかとこう思うんですよね。そういうことを続けていきますと、今のような状態でこの事業を実施しても、積み重ねていっても本当に15万とか20万という北部振興につながる事業になるのかどうかということは、これは私のみならず与野党を含めて、各市町村長も全部持っている悩みなんですね。その辺をどうするかという問題があるわけです。したがって、私は、幾ら既に出ているんですかということをお聞きをしているわけですね。だから既にもう300億円も出ていると。2年間で300億ですから、これは6年ぐらいでは恐らくなるかもしれませんね。
 そういう意味で申し上げているのでありまして、できれば知事、私は1つ提案ですが、1000億のうちの7割ぐらいはプールにして北部全体の振興に使うという、そういう手法がとれないものかとこういうふうに思うんですね。その辺をぜひ聞かせていただきたいとこういうふうに思います。
 観光問題でございますが、県のこれまでの審議会などの数値を見ますと600万という数字が出ているんですね、2011年で。これとの整合性はどうするかという問題でございます。
 私が何を重点に置くかというのを申し上げたのは、必ずしも人数だけではないと思うんですよね、観光客というのは。だからハワイも99年、98年から人数から総収入に切りかえているんですよね。だから基本的な戦略をどこに置くのかと、10年後。だから聞いているんですよ。どっちも大切なのはわかりますよ、それは。ただし人数だけふえて豊作貧乏になっちゃ困るわけですよ。だから1人当たりの消費額をふやすとか、あるいは滞在日数を延ばすことに重点を置くとか、それが1つの政策の選択の決定でしょう。だからどっちかとお聞きをしているわけですよ。ハワイなんかもう既に人数から総収入に切りかえていますでしょう、98年、99年から。だからそういうことをやはり選択していかんといかぬ時期だろうと。人数だけで競うような時期ではないだろうということがあるもんですから、この4つの質問のうち、どっちかということを聞いているわけですから、ちゃんとお答えをいただきたいと思うんです。
 それからもう一つ、局長、個人消費が落ちているのは全国的傾向であるとか、あるいはリピーターが多いからと言ったんではこれはもうおしまいですよ、話は。沖縄県の責任では何もないという話になってしまって打つ手がないわけでしょう。
 私は、ここで観光お土産品をどうするかということが一番重要だと思っているわけですね。だからそういうことを申し上げているんで、この20年近くで2万1400円から1万7900円にまで落ちているわけですよね、どんどん土産品は落ちている。だから土産物を買わさんと個人消費は伸びない。交通もそうですし、いろいろありますが、お土産品というのはその点では重要だと思っているわけです。したがって木製品とか、あるいは海産物だとか、農業製品だとか、各産業に連関するようなそういうものをきちっと研究開発をして売り込めとこういうことを言っているわけです。だからそういう意味の組織をつくったらどうかということでございます。
 それからホテルの経営が非常に悪いと、豊作貧乏と言われているのは、これはもう御承知のようにエージェントやあるいはキャリアが全部部屋を押さえてしまっているわけですね。9割ぐらいは部屋を押さえると。そして売れるときは逆に利益を取ると。キャンセルすれば、これはノーペナルティーで払わぬでもいいと。こういうある面で言えば沖縄のホテルの首根っこを、言葉は悪いけれどもキャリアやエージェントが押さえていて、生きるも死ぬもそのエージェント任せと、こういう状態はよくないということですよね。したがって、もっと沖縄県の観光振興予算をふやして、私は1%論ですが──余り根拠はありませんが──要するに総売り上げの1%ぐらいは誘客費として取って、それでもっと主体的に売り込んだらどうかと。キャリアの依存度を低めることが私は重要だと思うんですよね。
 鉄軌道については、局長、これは答えになっていませんよ。
 それは確かにそうでしょう。鉄道の導入の調査だからね。鉄道の人数をとるのは当たり前のことです。ただ、その結果、26万人というのが出ていますよと。これは余りにも現状と離れていませんかと。その場合に、この12%という利用率が高かったのか、あるいは鉄軌道の乗り手を低く見積もったのか、どっちかじゃないですかと。そのときにはもう一回現実に余り合わない調査は練り直してみて、現実とすり合わせてみて再調査をする必要があるんじゃないですかと、こういうふうに言っているわけです。その数字をもとにして予測をされたらたまらないと。これは県の予測は、60年かかると言っているわけでしょう、赤字解消までに。こんなことを出したらだめだと。
 だからもう一回その辺のことをお答えをいただきたいと思います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後3時4分休憩
   午後3時7分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 県内受け入れの問題についてお答えをいたします。
 普天間飛行場の代替施設の県内受け入れの件につきましては、基地の固定化や米軍専用施設に対する県民感情への配慮から15年の使用期限を設け、さらに新たな基地負担を担う移設先及びその周辺地域の振興開発を図る施策として飛行場機能を活用するとの観点から軍民共用を公約として掲げ、県民の支持を得たものであります。県としては、現在の普天間飛行場の移設に係る協議を着実に進めることが普天間飛行場の早期返還につながるものと考えております。
○企画開発部長(与儀朝栄) 再質問にお答えいたします。
 平成12年度から13年度にわたり決定された北部振興事業費の完了見込み総事業費累計は幾らかについてお答えいたします。
 平成12年度から13年度にわたり採択予定されている事業を含む北部振興事業の完了見込み総事業費累計は、公共事業費で約141億1000万円、非公共事業費で約160億9000万円となり、合計302億円となります。ただし、この事業は平成12年、13年での完了じゃなくて、道路、港湾とかいろいろありますので、例えば公共事業によっては平成17年度以降も含む全体の完了事業であります。それから非公共事業につきましても、物によっては平成16年までかかるものもありますので、12、13年度の事業じゃなくて、全体、最終的に完了するものも含めて302億円となります。
 なお、当該事業につきましては、今後事業を実施する過程で変更が見込まれる額であります。
 以上です。
○観光リゾート局長(糸数昌宏) 再質問にお答えします。
 まず1つには、入り込み客数より泊数、あるいは消費額を重視すべきじゃないかということだと思いますが、確かに入り込みはふえたけれども収入がふえないとかいろんな問題が今出ているわけでございますが、私どもとしましては、一応今回そういったことでまず従来どおりの入り込み客数、そしてあわせてやはり泊数をふやすことによって消費額がふえるということで、じゃ、その泊数をどの程度までふやせるのか、そういったことも含めまして今回いろんなシミュレーションをしておりますので、これを審議会の中で論議していただきまして決定してまいりたいと。これはもちろん最終的には行政が決めるわけですが、やはり私どもとしてはそういうシミュレーションに基づいて専門家の方に論議していただくということでございます。
 それからもう一つ、土産品のことだったと思いますが、土産品につきましては、これにつきましては確かに土産品の開発は非常に重要でございまして、やはり本当に観光客に気に入られるような土産品の開発ということで、これにつきましては私ども商工部門あるいは農林部門とも調整しながら、ぜひそれは何といいますか、開発に努力してまいりたいと思っております。現在、さっき申し上げましたとおりいろんな健康食品、食品類、あるいは織物等の工芸品が開発・製品化されているわけでございますが、やはり他府県等を見るといろんなのがございます、海外のものも。ですから、そこら辺についてはやはりもっと研究開発に努力する必要があると思っております。
 それからもう一つは、キャリア・エージェント依存度を低める必要があるんじゃないかと。
 これにつきましては、確かに沖縄の観光がこれまで伸びてきたのはキャリア・エージェント主体によるパック旅行、団体旅行が非常に比重が大きかったわけでございますが、昨今、だんだん団体、パック旅行から個人旅行あるいはグループ旅行、家族旅行あるいはフリープラン型というんですか、そういう形でいわゆる目的型の旅行というのがかなりふえてきております。それから、先ほど申し上げましたエコツーリズムだとかですね。ですから私どもとしましては、今後はそういうようなこれまでのような団体、パック旅行向けだけの受け入れ体制じゃなくて、そういう個人型あるいはフリープラン型等の旅行形態の変更現象に対応できるような受け入れ体制の整備、そういったことを業界も一緒になって考えて、今後はキャリア・エージェント依存度を低めるといいますか、そういうことを促進してまいりたいと思っております。
 以上です。
○玉城 義和 観光客数600万人との関係は……。
○観光リゾート局長(糸数昌宏) これは先ほど申し上げましたように、例えば今後10年間の観光入り込みの目標をどうするかにつきましては、これはおっしゃるように600万人とか、700万人とか、1000万人とか、いろんな話があります。しかし、これについてもやはり1つのキャパシティーの問題があります。宿泊施設は大丈夫なのか、あるいは航空機の座席は大丈夫か、そういったことがありまして、これについても今那覇なんかでシミュレーションをしておりまして、これもやはり審議会で明らかにしてまいりたいと思っております。
 以上です。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) バス利用者の利用推計値についての御質問でございます
ので、お答えをいたします。
 バス可能性調査報告書でセットしております公共交通利用率、これにつきましては、本県が鉄軌道を有しないことから50万から100万人の人口から成る主要都市の平均値や、広島、鹿児島市などの実績値を勘案いたしまして12%として設定をし鉄軌道利用者を推計をしております。この調査におきましては、自家用車から脱却するために将来的な公共交通ネットワークのあり方として南北及び東西方向の幹線バスシステムを初めとするバス機関のサービス水準が現在よりも増大することを見込んだものであり、現在の状況のままで鉄軌道を導入するという想定のものではありません。
 この可能性調査そのものが、先ほども御答弁申し上げましたように、軌道系を含む新たな交通システムについて概略的な効果と課題を探るという意味で基礎的な調査資料でございますので、これを受けまして効果と課題が見えてまいりましたので、軌道系を含む新たな交通システムについてを地域特性や需要特性に応じた柔軟なシステム運用のあり方など、多様な視点から検討を進めていく必要があります。この可能性調査報告書で得られた課題や効果等を踏まえながら、本県に適した公共交通システムを目指して現在作業を進めているところであります。
 先ほどもお答えいたしましたように、今後とも14年度からスタートをする沖縄振興新計画の中で、改めて各種の調査等が必要でありましたら調査を続けていくことになると理解をしております。
 以上です。
○土木建築部長(屋比久孟尚) 玉城県議の再質問、3工法8案についてそれぞれの部でこれまで何回検討したかという御質問だったかと思いますが、土木建築部では、これまでの県内の土木施設の施工あるいは実績等、そういった経験を踏まえまして3工法8案について土木技術的な面から随時検討しているところでございます。
○農林水産部長(天願貞信) 農林水産部においてはどのような検討を行っているかということでございますが、普天間代替施設予定水域は名護漁協が所有する共同第5号漁業権が設定されております。同水域においては、名護漁協所属の組合員により刺し網漁業や一本釣り漁業等が行われております。また、予定箇所の内側には名護市が管理する辺野古漁港が位置しておりまして、漁船の出入港の際の航路が設置されております。
 このため、3工法8案がこれら漁業の対象となっている動植物に与える影響及び漁港利用上の影響について検討しているところでございますが、関係部局との調整については随時関係課同士が調整をしているという状況でございます。
 以上でございます。
○文化環境部長(永山政邦) 文化環境部の対応でございますが、自然環境及び生活環境の保全の観点から海生生物、藻場、サンゴ及び生態系への影響、航空機騒音等の影響につきまして部内に検討委員会を持ちまして検討を続けております。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後3時21分休憩
   午後3時21分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 牧野副知事。
   〔副知事 牧野浩隆君登壇〕
○副知事(牧野浩隆) 玉城議員の御質問にお答えいたします。
 北部振興の予算を例えば7割ほどプールして独自にお使いになったらいかがかというような御指摘でございますけれども、この提案はありがたく受けとめたいと思います。
 実は、我々もそういう自由に使える金があれば非常にやりやすいわけでございますけれども、これはただの金を使うんではなくて日本の国家予算、財政を使うわけでございますから、財政法にのっかってやっていかなきゃならないというそういう制約がございます。ですからそれを、日本の財政制度の根幹にかかわることでございます。もちろん我々も黙っていたわけではなくて、公共・非公共の50、50の分け方も地元の市町村の首長たちもあるいは我々も実際に仕事をしていく場合に公共よりも非公共に使いたいなという場合もあります。
 そういったことも含めて政府等にお願いしたいこともございますけれども、これは財政というのは法律の根拠に基づいてやっていくわけでございますので、一応そういうのを交渉したこともありますけれども、今の段階ではやはり現行の財政制度の枠組みの中に沿ってしか運用できませんので、7割ほどプールしたいという気持ちはありますけれども、非常に難しい問題でございます。しかしながら、そういう問題意識は持っておりますので、いい御提案ありがとうございます。
○玉城 義和 牧野副知事、別に財政法を無視しなさいと言っているわけではないんで、今のような何となく分けてしまってなくなっちゃうようなことはやめられて、工夫をされるべきだと。6割でもいいし7割でもいいし、共通のものとしてもうちょっと時間を置いてゆっくり考えたらどうかとこういうことを申し上げていますので、ぜひ検討してください。
 観光問題も基本計画、もうあとわずかでできるわけですね。この時期になっても人数がまだ発表できない。これは県議会が議論できないわけですよね。非常に重要なことを10年前からきょうの来ることはわかっているわけですから、これができていないことは非常に残念に思いますね。
 それから、交通にしても肝心な部分が説明ができないということで新しい計画が発足すると。私はそういう意味でこれは全部同じことですが、もうちょっとやはり計画性を持って個々に議論を積極的にやるというそういう構えを私は執行部は持っていただきたいとこういうふうに思います。時間がたてば議会が終わるということじゃなくして、積極的な議論をもっと一緒にやってほしいと。
 知事、いかがですか、ひとつ決意を聞かせてください。
○知事(稲嶺惠一) 玉城議員の、最後の決意を聞かせてほしいと。
 大変結構な御質問だと思っております。十分私どもは心がけまして、今後とも十分な論議が交わせるように努力をしたいと考えております。
○宮里 政秋 通告に基づき一般質問を行います。
 特殊法人の見直しについて質問します。
 今、住宅公団や住宅金融公庫の廃止・民営化が小泉内閣の特殊法人見直しの焦点に浮上しています。
 我が党は、特殊法人見直しについて沖縄開発金融公庫の関係者と意見を交わしました。関係者の意見は、沖縄はいまだ自立的経済の発展を確立するに至っておらず、県民所得は全国の7割、失業率も8%を超えるなど依然として厳しい経済状況にある。公庫ローンは長期低金利が特徴、不況の中で民間に政策金融は期待できないと、民営化には反対です、このような説明を受けました。
 ちなみに、沖縄開発金融公庫の貸付残高は約1兆7000億余で、県内地銀トップの琉球銀行を約6000億円上回り、県内の金融機関の36.5%を占める存在であります。
 沖縄開発金融公庫の融資は、産業開発資金、中小企業資金、生業資金、生活衛生資金、住宅資金、農林漁業資金、医療資金等々豊富な融資メニューが特徴であります。それはいずれも県経済に果たす役割は大きく、公的部門としての充実こそが求められています。
 また、教育の機会均等を保障するために設けられた育英会の奨学資金制度も見直しの対象になっています。中小企業関連の金融機関の縮小・廃止など民営化の方向です。それぞれどう対処されるのか、御答弁いただきたい。
 沖縄開発金融公庫が民営化されたら県経済にどのような影響があるのか、これらの特殊法人の民営化には反対すべきと思うがどうか、御答弁を求めます。
 次に、沖縄県信用保証協会の業務の改善について質問いたします。
 長引く不況のもとで県内の中小業者の営業、暮らしはますます厳しくなっています。年間1万人がサラ金等の問題で裁判所に駆け込んでいます。借金が原因の自殺、家庭崩壊、倒産、失業に追い込まれる深刻な事態は後を絶ちません。不良債権の早期処理は中小業者への融資のストップ、担保の回収となって県内中小業者はさらに厳しい状況に追い込まれています。
 このような中で必死に頑張っている中小業者の切実な要求は、金融機関等の貸し渋り、保証渋りの解消であります。無担保・無保証人の融資制度は、県内の中小業者にとっては資金繰りの面でまさに命綱であり、中小業者を倒産の危機から救い県経済に大きな役割を果たしております。
 ところが、保証協会の設立の目的にそぐわない審査が行われ、保証人なしで申し込んでも、保証人を求め担保まで要求する事態が明らかになっています。すなわち、無担保・無保証人制度が形骸化されているのであります。さらに、不良債権処理を名目に必要以上に審査を厳しくし、回収が強化されています。また、中小業者本人の希望で民主商工会の立ち会いを求めているのに、保証協会はそれを拒否しています。常日ごろ中小業者を援助し、その営業実態を正確に把握している民商に立ち会ってもらうことは保証協会にとっても業務の遂行上支えになるはずであります。
 制度融資の円滑化に向けて県として保証協会への適切な指導を強く求め質問いたします。
 (1)つ、無担保・無保証人制度が形骸化されていますが、どのような改善指導を行うのか、お答えいただきたい。
 (2)つ、中小業者が負担になるような必要以上の書類の提出が求められています。例えば収支内訳書の提出、期限後申告、修正申告等自主申告権を侵害する審査が行われています。調査の上、適切な指導を求めるものであります。御答弁をいただきたい。
 信用保証申し込み時の立会拒否は現在も行われているのか、立会拒否は改めるべきだと思うがどうか、御答弁を求めます。
 (4)番目に、保証協会への県の出資金は8000万円にすぎません。中小業者の営業、暮らしを守る立場から一層の充実が求められています。県の出資金を増額すべきだと思うがどうか、御答弁をいただきます。
 次に、大宜味村地先公有水面埋立事業について質問いたします。
 大宜味村では、塩屋から安根にかけて大規模な海面を39.7ヘクタール埋め立てる計画であります。埋立事業の目的は、沖縄本島北部地域の振興のために当該地区に新たな産業施設の確保を行い、大宜味村における定住基盤を拡充することとなっています。
 平成13年3月に大宜味村は県に対し、公有水面埋立事業に係る環境影響評価書を提出しています。これに対し、県の意見書を要約すると次のとおりです。1つ、景観上大きな影響があると考える、2つ、評価ランク1に指定されている宮城島への影響も考えられる、3つ、塩屋漁港の砂浜において希少種に指定されているアカウミガメ、アオウミガメの産卵が確認されていることであり、当該事業の実施によりその砂浜の一部が消失することから、当該砂浜地域での埋め立てを回避する必要がある、以上が県の意見書の概略であります。
 それはまさに当該公有水面は埋め立てるべきではないという県の厳しい指摘と理解されます。自然環境の保護・保全に努力されている文化環境部の姿勢がうかがえます。
 沖縄海岸国定公園の風景・風致保全の立場から、当該公有水面の埋立免許を許可すべきではないと思うが、御答弁をいただきます。
 次に、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の活用について。
 沖縄の文化遺産が世界の注目を浴び、文化の島として沖縄が世界に記憶されるようになりました。喜びとともに、いま一度郷土の文化と歴史に思いをめぐらし、人類共通の遺産としての保存・継承に努力する責務が新たに我々に課されているのではないでしょうか。
 「子どもサミット」で沖縄の中学生が「私たちの身の回りにある御嶽が、エジプトのピラミッドや中国の万里の長城と同じ価値があることを知った。後世に残していくために、今後も守っていこう」、このように呼びかけました。文化の島沖縄を世界の記憶へ、このことは県民みんなの願いです。
 そこで津嘉山教育長にお伺いいたします。
 首里城など世界遺産文化群の生徒たちへの活用を積極的に推し進める施策を展開してもらいたいと思います。
 すぐれた郷土の文化や歴史を学ぶことは郷土のよさの発見につながり、ひいては郷土を愛し郷土に誇りを持つ心の育成につながります。「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の学校用の副読本を発行して郷土の歴史教育として学校教育に取り入れてはどうか。津嘉山教育長の御所見を伺います。
 本員の調査によると、那覇市内の学校で首里城を見学して学習に取り入れた学校は9月現在で6校にとどまっています。世界遺産学習のための生徒たちの見学料は免除すべきだと思います。ちなみに、他府県では国宝の姫路城、島根県の松江城、大阪の岸和田城など学習見学は無料になっています。関係当局への折衝も含めて津嘉山教育長の御決意を伺いたい。
 次に、県営住宅修繕工事の指名競争入札について。
 県住宅供給公社は、県営住宅の修繕工事の発注方法を変更してグループを編成させ、グループごとに一括入札させようとしています。深刻な不況の中だけに分離・分割で入札参加の機会を均等に保障することが県内業者の保護・育成につながるのではないのか。従来どおりの発注方法をとるべきだと思うがどうか、御答弁いただきます。
 次に、代表質問との関連でお伺いいたします。
 我が党は、外間久子議員の代表質問で卑劣な無差別テロ根絶について知事の政治姿勢を伺いました。ところが知事の答弁は、「テロ行為は、世界の平和を脅かす極めて卑劣な行為であり、世界に対する挑戦であり、決して許すことはできません。このような事件が二度と起こらないよう世界各国が一致協力して対策を講じていく必要があると考えております」との答弁でした。
 今回の無差別テロは、乗客、乗務員を乗せた旅客機そのものを凶器にして巨大な高層ビルを破壊し、そこに働く人々を殺りくするというまさに卑劣きわまりない極悪非道な犯罪であります。命を奪われた膨大な人々の無念さを思い、その家族、友人らの悲しみに思いをいたしながら、満身の怒りを込めてテロ行為を糾弾するものであります。
 そこで知事に伺います。
 この蛮行は、米国への攻撃にとどまらず国際社会全体に対する攻撃であり、世界の法と秩序に対する攻撃であります。問題は、この卑劣な犯罪に対して国際社会がどのように協力し、どう対処するのか、そのことが今問われているのであります。
 国際法及び国連憲章は、報復、制裁、これを禁止しています。国際法で禁止されている報復を行えば無法を無法と呼べなくなり、大義を失います。軍事力で報復することはテロ根絶に有効でないばかりか、報復の武力行使は報復のテロを生み、無数の新たな犠牲者を生み出し事態の泥沼化を招くことになります。無法者に対しては軍事力による報復ではなく、法に基づく裁きこそ最も有効で理性的な対応だと思うがどうか、知事の明確な御答弁を求めるものであります。
 次に、小泉首相は米大統領と会談し、自衛隊による輸送、補給、自衛艦による情報収集などアメリカのテロ復讐への支援を表明いたしました。
 そこで知事に伺います。
 このことは、日本国憲法が厳しく禁じている国際紛争の解決の手段としての武力の行使、武力の威嚇そのものではありませんか。それは周辺事態法を拡大解釈して対米軍事協力の範囲を地球的規模に広げるものであります。まさに憲法が禁止している集団的自衛権の行使ではありませんか。知事の御見解を求めるものであります。
 最後に、原潜の寄港情報を報道機関に公表しないことについて、原潜はテロ攻撃の対象になる危険なものだということを日米両政府が認めました。ならば、危険な原潜は寄港させないことが最も有効なテロ対策ではないのか。それを非公開にするということは県民の生命、安全より米軍の軍事機密を優先するというもので許せません。県民の生命、安全を守る立場から、テロ攻撃の情報はすべて公開にすべきです。知事の御答弁を求めるものであります。
 以上、答弁によって再質問を行います。
○議長(伊良皆髙吉) ただいまの宮里政秋君の質問及び質疑に対する答弁は、時間の都合上、休憩後に回したいと思います。
 休憩いたします。
   午後3時38分休憩
   午後4時3分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 休憩前の宮里政秋君の質問及び質疑に対する答弁を願います。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 宮里政秋議員の御質問にお答えいたします。
 特殊法人の見直しについてのうち、沖縄開発公庫も民営化の対象であるが、県経済にどのような影響があるのか、これら特殊法人の民営化には反対すべきだと思うがどうかという御質問にお答えいたします。
 最近公表された「改革工程表」において、国は「全ての特殊法人等を対象とする「特殊法人等整理合理化計画」を年内に策定」する方針を示しており、この中で沖縄公庫の取り扱いについても示されるものと考えております。
 沖縄公庫は、本県の経済社会において政策金融機関として大きく貢献しており、民間主導の自立型経済社会の構築を目指す本県にとって今後も重要な存在意義を有するものと考えております。今後は「特殊法人等整理合理化計画」の策定状況に注意を払いつつ、内閣府及び沖縄公庫とも連携を密にして対応してまいりたいと考えております。
 次に、我が党の代表質問との関連について、小泉首相は自衛隊によるアメリカのテロ報復への支援を表明したが、それは周辺事態法の拡大解釈であり、憲法が禁止している集団的自衛権の行使ではないかとの御質問にお答えします。
 今回のテロ事件に関して、自衛隊の海外派遣問題等が現在国会で議論されているところであり、憲法の精神に沿って処理されるものと理解しております。いずれにしましても、県としては県民生活及び県民の人権に支障が及ぶことがないよう関係機関に協力を求めたいと思います。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○教育長(津嘉山朝祥) 特殊法人の見直しについて、教育の機会均等を保障するために設けられた育英会の奨学資金制度も見直しの対象となっています、どう対処されるのかとの御質問にお答えいたします。
 日本育英会は、日本育英会法に基づき経済的理由で修学が困難な学生や生徒に対し学資を貸与することによりその勉学を支援し、教育の機会均等に寄与する目的で設立された特殊法人であります。現在、国の行政改革大綱によりすべての特殊法人等の事業及び組織の全般について、内外の社会情勢の変化を踏まえ抜本的な見直しが行われております。
 本県では、復帰後これまでに約3万人の高校生と約5000人の大学生が育英会奨学金制度の恩恵を受け、困難を乗り越え勉学を全うすることができました。なお、平成12年度における新規奨学生は高校生1345人、大学生646人であります。
 県教育委員会といたしましては、同制度は本県の教育に果たす役割が極めて大きく重要であると考えており、都道府県教育長協議会等を通して採用定数枠等の拡大を要請しているところであります。
 次に、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の活用について、琉球王国のグスク及び関連遺産群の学校用の副読本を発行して歴史教育として学校教育に取り入れたらどうかとの御質問にお答えをいたします。
 「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の世界遺産登録を契機に、地域の歴史的・文化的資産への生徒の関心も大いに高まってきており、学校においても「総合的な学習の時間」における取り組みが行われつつあります。
 県教育委員会といたしましては、学校教育における世界遺産の活用をさらに推進していくため学校用の副読本を計画し、現在、編集委員会を組織して作業を進めているところであります。
 その内容といたしましては、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」が世界遺産に登録された意義や、その保存・活用などについてそれぞれの発達段階に応じたものとなっております。小学校高学年生用、中学生用、高校生用の副読本を作成し、全生徒を対象に平成14年3月までに各学校へ無料配布する計画であります。
 次に、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の活用について、世界遺産学習のための生徒たちの見学料は免除とすべきと思うがどうかとの御質問にお答えいたします。
 児童生徒が世界遺産を学習するに当たり、見学料金が免除されることは郷土学習を進めていく上で大切なことだと思います。
市町村が管理運営する遺産につきましては、それぞれの市町村がそれぞれの自治体の考え方に基づいて見学料金が設定されておりますが、教育上の目的で当該市町村の学校から申請がある場合には見学料の免除が行われているところでございます。
 また、首里城跡の場合には国の設置する施設で全国の国営公園にかかわることから、児童生徒の見学料の免除は困難であると聞いております。
 今後、世界遺産を教育上の目的で広く活用していく上からも、児童生徒の見学料の無料化について関係機関の協力を求めていきたいと思います。
 以上でございます。
○商工労働部長(花城順孝) 特殊法人の見直しについて、(2)の中小企業関連の金融機関の縮小・廃止、民営化の方向についての御質問にお答えいたします。
 政府の特殊法人見直しにおいて、行政改革推進本部事務局から中小企業関連の金融機関についても廃止・縮小、民営化についての検討を行うよう指示が出されているところであります。
 しかし、所管省庁である経済産業省及び財務省としては、当該金融機関が中小企業者向け政策金融としてリスクの高い中小企業への資金供給や民間金融機関の呼び水的役割も果たしていること、また中小企業者への円滑な資金供給を行い、中小企業者の経営基盤の安定と成長発展を促進していることなどその役割は極めて大きいことから、引き続き政府系金融機関としての存続が必要であるとの意見を提出していると聞いております。県といたしましても同様の認識のもと、今後の動向を注視しつつ対処してまいりたいと考えております。
 次に、沖縄県信用保証協会の業務の改善について、(1)、無担保・無保証人制度についてどのような改善指導を行うのかという御質問にお答えいたします。
 無担保・無保証人制度は、県単融資制度において小規模企業対策資金で運用しております。制度創設の平成4年度には4500万円の融資枠でスタートしましたが、その後平成5年度から8年度にかけて毎年融資枠の増額を行い、平成9年度には融資枠を撤廃するという大きな改善を図ってまいりました。さらに、保証限度額も当初の450万円から現在では1000万円まで引き上げております。
 今後とも無担保・無保証人制度の周知に努め、従業員数や納税等の制度要件を満たし、事業の継続性や返済能力などがある場合には制度の趣旨を踏まえ適正な対応を行うよう指導してまいります。
 同じく沖縄県信用保証協会の業務の改善についての(2)、中小企業者が負担になるような必要以上の書類の提出を求めないよう指導を行ってほしいという御質問にお答えいたします。
 信用保証協会は、中小企業者や金融機関から迅速な審査事務処理を求められております。このような要請にこたえるため、信用保証申し込みに係る書類を全国統一様式にし、電算処理による審査支援システムの構築に取り組んでおります。同システムには標準化された資料が不可欠であり、収支内訳書による電算登録が必要であるとの確認を行っております。
 審査に係る書類の提出については、適正な判断を行うために求めているものであり、償還能力の判断についても申告所得のみではなく事業計画、将来性、経営者の経営能力等も加味して判断しているものと理解しております。今後とも中小企業者の負担になるような必要以上の書類の要求がないよう、また信用保証付与に係る審査が適正に行われるよう指導してまいります。
 同じく沖縄県信用保証協会の業務の改善について、(3)、信用保証協会の立会拒否は改めるべきと思うがどうかという御質問にお答えいたします。
 今回の沖縄県信用保証協会の立会拒否については、全国信用保証協会連合会にあてた平成12年12月25日付中小企業庁長官と金融庁監督部長連名の「信用保証制度の適正な運用について」の通知に基づく措置としての第三者の介入の排除であることを確認しております。県といたしましては、当該措置の運用に当たっては行き過ぎた対応にならないよう指導してまいります。
 次に、同じく沖縄県信用保証協会の業務の改善について、(4)、保証協会への県の出資金を増額すべきと思うがどうかという御質問にお答えいたします。
 信用保証協会は、中小企業者への適正な信用保証の付与により金融の円滑化を図ることを目的として設立された機関であります。この設立目的を効果的に発揮し、中小企業者の経営の安定化並びに一層の成長発展を促進するためには、信用保証協会そのものの経営基盤の強化を図っていくことが必要であります。このような観点から、県においては昭和42年度から保証協会に対しての出捐を行っており、これまでの累積額は53億6732万5000円、内訳を申し上げると、県負担分が18億6384万8000円、国負担分が35億347万7000円に達しております。
 中小企業者への信用保証の付与を広く実施し、新たな経営展開を促進するためにも引き続き信用保証協会の経営基盤の強化が必要であり、今後とも国と協調して出捐を行っていくことが必要であると考えております。
 なお、出捐額の増額につきましては、積極的に対応してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○土木建築部長(屋比久孟尚) 大宜味村地先公有水面埋立事業について、沖縄海岸国定公園の風景等の保全の立場から免許すべきではないと思うがどうかについてお答えいたします。
 大宜味村地先の公有水面埋立事業につきましては、現在、事業者である大宜味村が埋立願書出願に向け関係図書の作成作業等を行っていると聞いております。公有水面埋立願書が出願された場合は、県知事は公有水面埋立法に基づき公告・縦覧を行い、地元市町村及び環境部局等の意見を聞いた上で公益上の観点から総合的に判断して免許の適否を決定することになっております。
 大宜味村地先の公有水面埋立免許の適否につきましては、同村から埋立願書が申請された段階で関係法令に照らし適切に判断していきたいと考えております。
 次に、県営住宅修繕工事の指名競争について、沖縄県住宅供給公社は県営住宅の修繕工事の入札方法を変更しようとしているが、従来の入札方法を続けるべきではないかとの質問にお答えいたします。
 県営住宅の修繕工事につきましては、沖縄県住宅供給公社へ委託しており、平成13年9月末現在、128団地、1万6795戸がその対象となっております。従来の発注方法は1件ごとの個別分離発注のため、一括発注に比べて諸経費が割高になっていたことや、相見積もり等による随意契約発注のため競争原理が生かされていない状況でありました。
 このたび変更される発注方法の特徴は、すべての修繕工事に共同企業体方式による競争入札を導入し全登録業者に入札参加の機会が与えられることであります。その結果、従前と比べて透明性、客観性及び競争原理が確保されることとなります。また、工事費の縮減が見込まれることから、その分を環境整備事業等の執行に充てることでより一層居住環境の向上が図られるものと考えております。
 以上でございます。
○知事公室長(親川盛一) 宮里政秋議員の我が党の代表質問との関連についての3つの質問事項について順次お答えいたします。
 まず、テロ根絶のためには軍事力による報復ではなく、法に基づく裁きが最も有効で理性的な対応と思うがどうかという御質問にお答えをいたします。
 今回のテロ事件につきましては多くの国が非難しており、また去る9月12日と同月28日に開催された国連安全保障理事会において、テロ行為者を法の裁きにかけるための決議が全会一致で採択されました。これに基づいて世界的な合意形成が図られつつあると理解しております。このような事件が二度と起こらないよう世界各国が一致協力して対策を講じていく必要があると考えております。
 次に、危険な原潜は寄港させないことが最も有効なテロ対策ではないか、見解を聞きたいという御質問にお答えをいたします。
 我が国への原子力潜水鑑の寄港につきましては、昭和39年8月28日、政府が米国の通常の原子力潜水艦が我が国に寄港することについて同意することを決定し、この旨を米国政府に通報したと発表しております。県としては、日米安全保障体制を認める立場から、原子力潜水艦の寄港については政府の方針に基づき寄港を容認するものではありますが、日米両政府においては原子力潜水艦の安全性の確保に万全を期していただきたいと考えております。
 次に、県民の生命、安全を守る立場からテロ攻撃の情報はすべて公開すべきだと思うが見解を聞きたいという御質問にお答えいたします。
 県は、去る9月20日、外務省沖縄事務所を通じて国から、米国で発生した同時多発テロへの対応に関して9月19日に小泉総理大臣が発表した今次事件への我が国の対応措置の中で、我が国における米軍施設・区域の警備強化が課題となっていること及び米側から要請を受けたことを踏まえ、現在の事態が続いている当面の間、原子力潜水艦の24時間前の寄港通知について公表を差し控えていただきたい旨の要請を受けました。県としては、現在、具体的な脅威に関する情報等を有しているわけではありませんが、県民の間に混乱を生じさせないためにも国の要請を体して原子力潜水艦の24時間前の寄港通知については、当面、公表を差し控えることにいたしました。しかしながら、地元勝連町及び沖縄県水産業中央会には従前どおり24時間前通知を行うとともに、原子力潜水艦の入港時及び出港時等の放射能測定調査を実施し、その結果についても従前どおり地元勝連町を初めマスコミ等へ公表したいと思います。
 県としては、今後とも県民の生命、生活及び財産を守る立場から、県民生活に影響を及ぼすおそれのある事案については情報収集と公表に努めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○宮里 政秋 休憩。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後4時25分休憩
   午後4時26分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 宮里政秋君。
   〔宮里政秋君登壇〕
○宮里 政秋 知事に再質問いたします。
 先ほどテロ問題は知事公室長が答えましたけれども、やはりこの問題は知事が直接御答弁していただきたい。そのことを前提にして再度質問いたします。
 テロ事件の問題では我が党の外間久子議員の代表質問でも、また同僚議員からも繰り返し報復攻撃の中止を求める質問がなされました。ところが知事はどの議員に対しても全く同じ答弁の繰り返しに終始しています。これは与党、野党を問わず議員に対する知事の答弁というのは、知事の政治姿勢を県民にアピールする上で絶好の機会ではありませんか。事務方が書いた答弁書を読み上げるだけでなく、知事自身の本音を語るべき。
 特にテロ問題というのは、沖縄から出撃する、報復攻撃をしたら標的にされるわけですから、そういう不安が県民は大きいんです。安保は賛成する、基地容認する、それとは別なんです。立場の違いを超えてどんな立場の人でも沖縄から出撃したら今度は標的にされるかもしらぬ。多くの県民が不安を抱いているでしょう。それはまさに県民の生命、安全にかかわることなんです。これは県政の最高指導者として県民の生命、安全にかかわる問題は事務方に答弁させるんじゃなくて、知事、あなたみずからが答弁すべきだと私は思います。本音を語ってほしい。
 テロ発生後の沖縄の現状はどうなっているか、まだ報復戦争が現実のものになっていない。基地周辺では深刻な事態が起きています。黙認耕作地から農民が締め出され、農作物の収穫に重大な支障を来しています。救急車両が基地内道路を事実上使用できない事態も起きています。1万6000人の観光客が沖縄旅行をキャンセルしています。報復戦争が現実化したらテロの標的にされるのではないかという不安から沖縄観光の中止がさらに相次ぐことが予想されます。リーディング産業として位置づけられている観光産業に致命的打撃を与えることが考えられます。
 これは新聞ですが、「県は危機感足りぬ 観光業界、焦り色濃く キャンセル数「もっと多い」」、これはきのうの局長の答弁をさらにね。そうじゃありませんよということ。これは深刻ですよ、事態はね。私は、知事を初め執行部の皆さんは事態の深刻さにちょっと疎いというか、感じていないんじゃないか。事態は非常に深刻だと私は思う。
 それで知事の答弁を再度求めるんですが、悲惨な戦争体験をした我が沖縄県の県民の心情に思いをいたして、知事が沖縄から出撃することに賛成か反対かと問われたら、まだこれに対してはっきり物を言わない、答弁しないということは、県民の生命、安全に責任を負う知事としてはちょっと問題ですよ。
 稲嶺知事、安保賛成、基地容認だからといって、それに反対したからといって何も問題ありませんよ。沖縄の県知事が沖縄の基地から出撃することに対して小泉総理大臣だって文句言えますか。沖縄県知事がそういうふうに沖縄の基地から出撃しちゃいかぬということをあなたが議会で答弁する、これはやはり沖縄の知事の言うことは理解できますよと言うんでしょうが。何の矛盾もない。だからやはり主体性を発揮して県民の生命、安全を守る最高指導者という立場から責任ある答弁を求めるものであります。
 どうぞ知事。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後4時31分休憩
   午後4時33分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 今回の米国におけるテロ事件につきましては多くの国が非難しており、また去る9月12日と28日に開催された国連安全保障理事会において、テロ行為者を法の裁きにかけるための決議が全会一致で採択されました。これに基づいて世界的な合意形成が図られつつあると理解しております。このような事件が二度と起こらないよう世界各国が一致協力して対策を講じていく必要があると考えております。
○宮里 政秋 知事ね、知事がどう思うかですよ。こういう卑劣な行為については知事も私も見解は一緒。こんな卑劣な犯罪を許さない。問題はこの卑劣な犯罪行為にどう対処するかなんだ。あなたは沖縄の知事でしょう。攻撃はだめですよとどうして言えないんですか。
○知事(稲嶺惠一) 今回のテロ事件については多くの国が非難しており、また去る9月12日と28日に開催された国連安全保障理事会において、テロ行為者を法の裁きにかけるための決議が全会一致で採択されました。これに基づいて世界的な合意形成が図られつつあると理解しております。このような事件が二度と起こらないよう世界各国が一致協力して対策を講じていく必要があると考えております。
○安里  進 一般質問の前に、このたびの米国における同時多発テロ攻撃は、平和と民主主義の根幹を揺るがす世界人類と文明に対する挑戦である。このような残虐なテロを断じて許すことはできない。この事件で犠牲となられた多くの世界の人々に心から哀悼の意を表するとともに、その御家族と関係者の方々に対し心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。
   〔議長退席、副議長着席〕
 また、県内では台風16号により被害に遭われた各市町村の方々に心からお見舞いを申し上げ、一日も早い復旧ができるよう願うものであります。
 それでは一般質問に入ります。
 まず、1番目に基地問題についてであります。
 9月11日に起きたアメリカの同時多発テロ事件によって、世界は今いつ戦争が起こるかわからないという緊迫した情勢が続いていて、日本も同盟国としていや応なしに影響を受けるわけだが、中でも沖縄県は75%の米軍基地を抱え一層緊迫度を増しており、SACO合意事項の進展も危ぶまれはしまいかと危惧されているところであるが、知事はどう認識しておられるかお伺いし、次の質問をいたします。
 (1)、普天間基地の代替施設問題について。
 名護市が求めている使用協定等について実務者連絡会議で話し合いが進められているようだが、その内容と進捗状況を説明願いたい。
 イ、代替施設の15年使用期限の問題解決は、これまでの経過からして大変厳しいと私は認識しております。知事は各議員の質問に対し毎回、着工前までに何らの進展もなく進むことはあり得ないと断言しているが、自信を持ってそう言っているのか。普天間基地が市街地の真ん中にあるので大変危険だから一日も早く移設するという原点に立ち返って別の選択肢は考えられないのかどうか、お伺いします。
 移設先である名護市への働きかけが私から見ても、うちの市会議員からも消極的であるということで、私もそう思うが、県は移設先を決定してから名護市と何回話し合いを持ったか。
 代替施設工法である3工法8案に対し、どこまで煮詰まっているのか、名護市や地元辺野古の話し合いはなされているのか。辺野古区では、去る9月12日に代替施設等対策特別委員会を設置してその取り組みに一生懸命だが、それを知っていますか。その会に対する支援・協力をする考えはあるかどうか、お伺いします。
 2番目に林野行政についてお伺いします。
   フマリスシラリヤ  世ヌ中ヌナライ
   沙汰ン無ン者ヌ  何役立チュガ
 これは1730年代に琉球の産業政策を確立した政治家であり土木技術者で、「順流真秘」や「山林真秘」を書き残した具志頭親方蔡温の詠まれた句であります。
 蔡温は、1735年に羽地大川の改修をし、また羽地と屋部間を運河を通す計画や、一時期名護への遷都説を唱えた方でもあります。また、彼は55歳のときに、琉球治山技術の根本的な対策のために国頭郡9カ間切の山林巡視に出かけて山ごもりして1年かけて調査をしております。
 天願農水部長、あなたはヤンバルの山を回ったことがありますか。当時蔡温が残した実績は今でも生き残っています。その1つが270年余頑張っている治山・治水や林政の象徴とも言うべき蔡温松でございます。
 さて、この蔡温松が今松くい虫にやられ絶滅の状態に瀕しているばかりか、後継の若い松まで瀕死の状態にあります。新聞紙上によると県はいろいろと考えを発表しているが、いま一度県の松くい虫に対する認識と対策について質問をいたします。
 1つ、平成13年度の森林病害虫防除費は2億2646万5000円が当初予算に計上されているが、これはどこの市町村を主に実施あるいはまた実施予定か、市町村別に予算と面積、本数等を示せ。
 2、リュウキュウマツは県木であります。今、森が真っ赤になって怒っています。県木のリュウキュウマツは絶滅に瀕しているが、その具体策を示せ。
 3番、県の文化環境行政の概要によると、「「緑の美ら島」の創生を目指して」を基本理念に庁内各関係課から成る「県総合緑化基本計画推進協議会」を設置し緑化施策を総合的、体系的に推進しているところであるが、今、リュウキュウマツは、この推進協議会は一体何をしているんだと真っ赤な顔をして怒りを込めて訴えているが、文化環境部長はその声を聞いたことがありますか。
 失われゆく緑の件について何回会合を持ち、農水部に提言したのか、部長の答弁を願い、今後の方針と対策についてお伺いしたいと思います。
 本県の産業振興の中で観光産業のウエートは大変高いが、観光・リゾート産業の振興に当たっては自然環境、地域社会と調和をした秩序あるリゾート開発をその基本方向として展開する必要があると言っているが、今、森は赤く枯れて県木のリュウキュウマツは泣いています。秋が来て本土では紅葉ツアーがあるが、沖縄には紅葉ツアーいらっしゃいと新しいメニューを持っていってその話をしているのか、観光リゾート局長の認識と対応についてお伺いします。
 これだけ蔓延しているが、本当に5カ年で食いとめることができるか、県知事の、これは県知事の面目にかけて知事の決意をお伺いいたします。
 次に、教育行政についてお伺いします。
 1番、特に最近いじめ、不登校、学級崩壊、薬物使用による中学生の死亡事故、中学生、高校生の援助交際、大阪の池田小学校で8名の先生、生徒が殺傷されるという事件、また8月12日、県内浦添で発生したカセットコンロ用のボンベからLPガスを吸って中毒死した事件等々、教育界の危機が深刻な問題となっているが、県教育委員会はこのような現状をどう認識しているか、その対策はどうなっているか、お伺いいたします。
 2番、青少年による援助交際、薬物による事件・事故の状況はどうなっているか、またその対策はどうなのか、県警本部長にお伺いいたします。
 3番、全国的に治安教育が悪化している。生徒同士によるいじめ、自殺問題、自己のうっぷん晴らしのため治安を阻害し、社会世相を無視する暴走族等の行為に対し教育委員会や県警はどう対応しようとしているか、学校の安全管理についてお伺いいたします。
 4番、兵庫県の中学校教諭がツーショットダイヤルで知り合った中学生の少女を高速道路に転落させ死亡させた全く信じられない事件は、これは対岸の火事として片づけられない問題であります。このような不良教師を出さない対策はどうなっているか。
 以上の教育の危機的状況を踏まえて次の5番、名護聖人程順則の聖諭「六諭衍義」副読本の普及・啓蒙についてお伺いしたいと思います。
   フミラリン好カン  スシラリン好カン
   浮世ナダヤスィク  渡イブシャヌ
 これは名護聖人と言われている名護親方程順則の詠まれた句であります。
 今、少年の心の荒廃が叫ばれる中で、戦後教育のあり方を反省し、21世紀の教育の方向性を見きわめるとき、子供たちの心の教育は避けて通れない重要な課題であります。
 六諭は、確かに封建社会の秩序を整え、それを維持するための教諭であるが、現行の道徳教育の基本であり、人間としての心づくりをしていくための不可欠の不易な価値を持つものと考えるのであります。
 この「六諭衍義」は1708年、程順則が中国から琉球に持ち帰り、琉球で広く読まれるようになりました。これが薩摩に渡り、さらに江戸に上ったとき徳川吉宗に献じたので、吉宗は荻生徂徠に和点を命じ、さらに室鳩巣に和訳をさせ、非常な勢いで各藩に広まって以来200年、日本各地の寺子屋で道徳教育としてだけでなく語学の教本として子弟の教育に用いられました。この六諭というのは、人が人として守るべき6つの教えであります。
 では、この「六諭衍義」を紹介いたします。
 父母に孝順なれ、長上を尊敬せよ、郷里は和睦せよ、子孫を教訓せよ、おのおの生理に安んぜよ、非為をなすなかれ、この6つであります。親孝行しなさい、目上の人を尊敬しなさい、仲よくしなさい、子や孫を教え導きなさい、自分の仕事に励みなさい、悪いことをしてはいけません、この6条の教諭であります。
 今、新潟県の長岡の米百俵が大変話題になっているが、人材育成は大変重要であることは言うまでもありません。この偉大な先人の教えを学校教育の基盤として教育活動のあり方を追求し、日々の「六諭のこころ」の実践によって家庭、地域の教育の根幹として生き続けることになり、子供たちの心身の健全な発達を促し、「未来を拓くたくましい子」という教育目標が達成されるのではないかと考えます。
 名護市立名護小学校は、県教育委員会や名護市教育委員会から「心の教育」の研究指定を受け3年目を迎えて、この「六諭のこころ」を学校経営の根幹に据え、全職員一丸となって教育活動を展開しているところであります。
 そこで、この実践例を時事通信発行の「内外教育」という月刊誌7月号に「私の学校経営」という中で、「「六諭」による心の教育の推進」と題して名護小学校の安田校長が投稿したら大変な反響を呼んでいるようです。これであります。(資料を掲示) ちなみに、青森県の校長会や佐賀県の高等学校、それから那覇市立教育研究所等々が研修に行きたいとの申し込みが多く来ているようであります。
 また、名護市教育委員会ではこの名護親方の「六諭衍義」について三、四年生向きの社会科の中にこういう副読本を出しております。これであります。(資料を掲示)
 私は、歴史は繰り返されるのでこのような偉大な先人の残したことは今こそ世に広めるべきであると思いますが、どうですか、教育長。
 教育長は、名護親方程順則の銅像のあるすぐ隣の家から奥さんをもらっているので、私は何かしら名護親方程順則と津嘉山教育長とは運命的なものを感じているのですが、この「六諭衍義」の副読本を発刊し沖縄県下、いや全国にこの教本を広めたら聖人教育長として歴史に残ると思うがどうか。
 次に6番目、県立名護商業高等学校の再編・統合についてお伺いいたします。
 県立名護商業高等学校は、環境の整った学校として20年の歴史を刻み、確実にその成果を上げて優秀な人材を数多く輩出し、沖縄県並びに北部地域の発展に寄与しました。平成12年には学校が主催する教育活動、地域に開かれた学校だとの評価を受けております。
 PTA活動においても、三水会と称し毎月第3水曜日にPTA評議委員会を持ち、職員、父母が一堂に会し、学校教育に対して情報交換や論議を深めることが伝統となっており、そのような堅実な歩みのもと、平成13年11月10日には創立20周年記念事業を予定し、その成功に向けPTA、同窓会、職員が一体となって取り組んでいるところであります。
 このような節目の年に、県教育長から突然寝耳に水と言っても過言ではない県立名護商業高等学校と県立北部工業高等学校の再編・統合案が示されたことは、驚きを通り越して憤りを覚えていると関係各位は言っております。
 名護市議会は、県立名護商業高等学校の存続を強く求める決議をして要請しているが、県教育長の答弁を求めます。
 また、県は北部振興ということで人口20万人を想定していろいろな角度から取り組んでいるが、北部振興策と相反するのではないか、その整合性はどうなっているかお伺いします。
 最後に、嵐山ゴルフ場問題についてであります。
 今帰仁村の嵐山ゴルフ倶楽部など国内5ゴルフ場を経営するゴルフ西洋が、会社再建のためゴルフ場の会員に会員権預託金の債権放棄を求めていることについて、県内に居住する390名余の会員が不満を持ち、「嵐山ゴルフ倶楽部会員の権利を守る会」を結成し、この問題について県当局や県議会に要請しております。
 この嵐山ゴルフ倶楽部は、北部地域の振興という名目で沖縄県当局及び今帰仁村と隣接する市町村の協力を得て開場したにもかかわらず、預託金債権の請求が開始されることを忌避するため、債権を譲渡する形で責任を回避しようとする旧株主の道義的責任について県はどのように考えているか、次のことについてお伺いします。
 1、経営権が譲渡されるに伴い、会員権の預託金、債権の放棄が通告されているが、その実態と県としての対応策についてお伺いします。
 2、本県の観光振興の面からゴルフ場の果たす役割は大きく、県内ゴルフ場の経営状況はどうなっているか。また、今回の嵐山ゴルフ場の預託金債権放棄が他のゴルフ場に及ぼす影響はどうなっているか、質問をいたします。
 以上でございます。よろしくお願いします。
○知事(稲嶺惠一) 安里進議員の御質問にお答えいたします。
 最初は基地問題について、15年使用期限問題について、知事は着工前までに何らの進展もなく進むことはあり得ないとしているが、自信があるのかという御質問にお答えいたします。
 普天間飛行場については、市街地の中心部にあり、市民生活に深刻な影響を与えていることから、その早期返還を県政の重要課題として取り組んできました。
 15年使用期限問題の解決については、県が移設に当たって整備すべき条件とし、また名護市が受け入れ条件としていることから、着工までに何らの進展もなしに進むことはあり得ないと考えております。同問題については、閣議決定された政府基本方針に示されているように、政府においてしっかり受けとめられていると考えており、政府に対しその解決を粘り強く求めていきたいと考えております。
 次に、林野行政についてのうち、1つは、県木のリュウキュウマツは絶滅に瀕しているが、その具体策はどうかという御質問と、被害が蔓延しているが、5カ年で食いとめることができるかと、その決意についてとの御質問に一括してお答えいたします。
 リュウキュウマツは、沖縄らしい景観を形成するとともに、貴重な木材資源であります。県においては、県木であるリュウキュウマツを松くい虫の被害から守るためこれまで防除対策を講じてきました。しかしながら、私有林等「その他松林」は自主防除が基本となっていることから、資金、労働力等の面から十分な駆除ができない状況にあります。このため、市町村等と連携し、私有林等「その他松林」の防除対策を強化する考えであります。
 県としては、県木であるリュウキュウマツを保全するための条例の制定と予算の確保に努める考えであります。さらに、松くい虫の根絶を図るため平成14年度から5カ年計画で県民参加の「松くい虫ゼロ大作戦」を実施してまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 安里進議員の基地問題についての質問について順次お答えをいたします。
 まず、使用協定等について実務者連絡会議で話し合いが進められているが、その内容と進捗状況を説明してほしいと、こういう御質問にお答えをいたします。
 実務者連絡調整会議は、これまでに5回開催されております。第1回目は平成12年11月21日に開かれ、今後の取り組みについては閣議決定に沿って取り組むことが確認されております。第2回目は平成13年2月1日に開かれ、代替施設の使用に関する協議事項及び名護市内の既存の米軍施設・区域に関する事項のうち、名護市内の既存の米軍施設・区域に関する事項から先に話し合いがなされることが確認されております。第3回目は平成13年3月6日に開かれ、既存の施設・区域に係る事項についての話し合いがなされております。第4回目は平成13年3月30日に開かれ、既存の施設・区域に係る事項について話し合いがなされ、爆破訓練場の移設先地調査の検討結果の報告がなされております。
第5回目は平成13年5月29日に開かれ、既存の施設・区域に係る事項について話し合いがなされ、キャンプ・シュワブ内爆破物処理場(EOD3)から発生する騒音等を軽減するために同処理場を移設することで協議が整っております。
 名護市が求めている代替施設の使用協定については、引き続き実務者連絡調整会議において話し合いが進められることとされております。県としては、今後とも名護市と連携して市の要望が実現されるよう取り組んでいきたいと考えております。
 次に、県は移設先を決定してから名護市と何回話し合いを持ったかという御質問にお答えをいたします。
 平成11年11月22日に県が普天間飛行場代替施設の移設候補地を選定してから今日まで、名護市とは国内外での要請行動や代替施設協議会等に向けての事前調整等のほか、あらゆるレベルで機会あるごとに話し合いを行っております。県としては、名護市とより連携を深め、移設問題が円滑に進むよう努めていきたいと考えています。
 次に、3工法8案に対し、どこまで煮詰まっているのか、名護市や地元辺野古の話し合いはなされているのかという御質問にお答えをいたします。
 第7回代替施設協議会で報告のあった3工法8案につきましては、地元説明を行ったところであります。今後、名護市長において地元住民の意見、要望を取りまとめ、次回協議会でその報告を行うこととされております。県では、国から示された案について技術的観点、自然環境及び生活環境の保全等の観点から関係部局と意見交換を行っているところであります。
 また、名護市と連携して辺野古区など地元の行政委員等に対する説明に向けての調整を行っているところであります。県としては、名護市等地元の意向と県庁内部の作業を踏まえ総合的に検討していきたいと考えております。
 次に、辺野古区が代替施設等対策特別委員会を設置したことを知っているか、その会に対する支援・協力をする考えはあるかという御質問にお答えいたします。
 辺野古区が代替施設等対策特別委員会を設置したことについては承知しております。県としては、地元の努力に対し敬意を表するとともに、同委員会からの要請等があれば説明などの協力をしていきたいと考えております。
 以上でございます。
○農林水産部長(天願貞信) 林野行政について、平成13年度の森林病害虫等防除費はどこの市町村を主に実施する予定か、市町村別に予算と面積、本数等についての御質問でございます。
 平成13年度の松くい虫による被害木は、平成13年9月15日現在の調査で約1万6000立方メートルとなっております。
 森林病害虫等防除予算につきましては、当初予算の2億2000万円に加えまして9月補正予算に約1億1000万円を計上し、私有林等「その他松林」などの防除を行う考えであります。
 既決予算分の事業実施につきましては、被害量が大きく対策が急がれている国頭村を初め名護市、具志川市ほか10市町村に割り当て内示を行い防除に現在取り組んでいるところでございます。引き続き補正予算を活用した防除の実施につきましては、私有林等「その他松林」の被害が発生している31市町村を対象に今月中に割り当て内示を行い、防除を実施していく考えであります。
 以上でございます。
○文化環境部長(永山政邦) 林野行政について、県総合緑化基本計画推進協議会における松くい虫被害に対する会合の開催状況、今後の方針と対策についての御質問にお答えいたします。
 県では、県土緑化の基本理念や基本方針を示すとともに、各部局・委員会において個別的に進められている緑化事業を体系化するなど、県土緑化を総合的に推進していくため「沖縄県総合緑化基本計画」を平成12年4月に策定しました。また、森林の保全、公園緑地の整備、緑化技術の確立などの諸施策の進行管理を行うため、庁内の関係課から成る「沖縄県総合緑化基本計画推進協議会」を設置し、平成13年2月に幹事会、3月には協議会を開催し、現在、事業実績並びに事業計画の取りまとめを行っております。松くい虫被害の防除対策につきましては、沖縄県総合緑化基本計画の基本理念、基本方針を踏まえまして「沖縄県総合緑化基本計画推進協議会」において全庁的な取り組みがなされることになっております。
 続きまして嵐山ゴルフ場問題について、経営権が譲渡されるに伴い、会員権の預託金、債権の放棄が通告されているが、その実態と県としての対応策についてお聞きしたいとの御質問にお答えします。
 新聞報道等によりますと、御質問の嵐山ゴルフ倶楽部については、預託金の返還をめぐってゴルフ場と会員との間で対立しているものと理解しております。ゴルフ会員契約については、双方の合意に基づく契約であり、県としての介入は好ましくないと考えております。双方の話し合いにより解決されるべきものだと理解しております。
○観光リゾート局長(糸数昌宏) 林野行政についての中の、観光・リゾート産業振興の観点からの松くい虫被害の認識と対応についてお答えします。
 本県独特の亜熱帯の自然景観は、本県観光の貴重な資源であり、伝統的なリュウキュウマツの植林帯はその一要素として重要な役割を担っております。このような中、松くい虫の被害につきましては本県観光振興の面から見ましても憂慮すべきことと認識しております。松くい虫の防除対策につきましては、本県の森林保全及び自然景観保全の観点から適切な措置が講じられるよう関係部局と連携を密にしていきたいと考えております。
○教育長(津嘉山朝祥) 教育行政について、ガス吸引による死亡事故や児童生徒を巻き込んだ性に関する事件、殺傷事件など教育を取り巻く状況が深刻な問題になっているが、県教育委員会の現状認識と対策はどうなっているかとの御質問にお答えいたします。
 報道等で御承知のとおり、LPガス吸引による死亡事故や性に関する事件、殺傷事件の発生は、児童生徒の健やかな成長を図る上から極めて憂慮すべき状況にあると受けとめております。一連の事件・事故の背景には、学校教育や家庭教育の問題、児童生徒を取り巻く社会環境の悪化、心の問題などが絡み合っていると考えております。
 青少年の健全育成を図るため、学校、家庭、地域等がおのおのの役割を果たしつつ、連携を一層強化し一体となった取り組みが極めて重要であります。これらのことを踏まえまして、県教育委員会は9月11日にすべての保護者や学校関係者、大人及び子供たちに「県教育長緊急メッセージ」を発するとともに、緊急対策会議の開催や危機管理マニュアルの作成など事件・事故の未然防止に努めているところであります。
 また、学校においては、道徳教育等の充実を通して豊かな心をはぐくむとともに、自己存在感や有用感を高め、みずからの夢や希望に向かって一歩一歩着実に歩んでいく児童生徒の育成に努めてまいりたいと考えております。
 次に、同じく教育行政について、大阪府の池田小学校や本県の佐敷町で起きた殺傷事件を踏まえ、学校の安全管理はどのようになっているかについてお答えいたします。
 県内外のたび重なる児童の殺傷事件を受けてますます危機管理の強化を図る必要があると考えております。各学校においては立て看板の設置や来校者の確認、校内巡視及び防犯訓練を行うなど幼児・児童生徒の安全確保に努めております。各市町村教育委員会におきましても携帯ブザーの配布、看板の設置、門扉の整備や巡回警備等独自の取り組みをそれぞれ行っております。
 県教育委員会としましては、学校における安全管理についてより一層の周知徹底を図るとともに、新たに不審者の侵入等に対する危機管理マニュアルを作成し各学校へ配布する予定であります。また、特殊教育諸学校等に監視カメラ、警報ブザー等を設置するため9月補正予算に計上したところでございます。今後とも学校、家庭、地域社会、市町村教育委員会、警察等関係機関との連携を強化し、事件・事故の再発防止に努めてまいりたいと思います。
 同じく教育行政について、兵庫県の中学校教諭がツーショットダイヤルで知り合った中学生の少女を高速道路に転落させ死亡させた事件、このような不良教師を出さない対策はどうなっているかとの御質問にお答えいたします。
 教職員による不祥事は、児童生徒と教師の信頼関係や県民の教育に対する信頼を損なうなど、その影響ははかり知れないものがあります。このため、県教育委員会としましては、全学校に「人権ガイドブック」を配布し、「人権委員会」の設置、「人権を考える日」の設定等教職員の人権意識の高揚を図り、不祥事の未然防止と自浄作用のある職場環境づくりに努めるよう指導しております。また、教職員の初任者研修や教職5年経験者研修、教職10年経験者研修、職務研修等すべての研修を通してセクシュアルハラスメントの防止や体罰の禁止、その他の不祥事について注意を喚起し服務規律の確保に努めております。
 なお、教職員の不祥事に際しては本人及び管理者の責任について従前にも増して厳しく対処しているところであります。今後とも、教職員一人一人がその職責を一層自覚し、絶えず自己研さんを含め全体の奉仕者として職務に専念するよう強く指導していきたいと考えております。
 同じく教育行政について、名護聖人程順則の「六諭衍義」の教えを副読本として発刊し普及・啓発すべきだと思うが、教育長の見解を伺いたいとの御質問にお答えいたします。
  本県は、古くから海上交通を発展させ、東南アジアを初め諸外国との交易を背景に琉球王国を形成し、独自の薫り高い文化を生み出してまいりました。その間多くの偉人を輩出したことは本県の誇りであります。中でも「六諭衍義」の教えを広めた程順則は名護聖人と呼ばれ、200年以上を経た今日でも県民に親しまれているところであります。
 県教育委員会におきましても、道徳教育用郷土資料「守礼」の中で程順則を初めその他の先人の生き方を取り上げ、「守礼の邦」沖縄で大切にされてきた「礼節を重んじる心」、「ユイマールの心」及び「進取の気性」などを培い、道徳性の育成に努めているところであります。
 また、県指定「心の教育」研究校名護小学校においては、学校長を先頭に「六諭のこころ」の実践を通して「未来を拓く心を育てる教育活動の在り方」をテーマに研究に取り組んでいただき、大きな成果を上げております。今後、郷土資料「守礼」の一層の活用を通して郷土の発展に尽くそうとする児童生徒の心情や態度を育てるとともに、名護小学校の実践に学び、その成果を広く県内外に普及し「心の教育」の充実に努めてまいりたいと思います。
 同じく教育行政について、県立名護商業高等学校の再編と統合案についての御質問にお答えいたします。
 県教育委員会では、平成14年度を初年度とする新たな「県立学校編成整備計画」の策定に先立ち、今年9月に全体計画の骨子となる「県立高等学校編成整備実施計画中間まとめ」を公表したところであります。
 この中間まとめの中で、名護商業高校については、北部工業高校と再編・統合することにより商業と工業の融合を図り、情報教育を中心とする新しいタイプの総合実業高校──仮称でございますが──として位置づけております。この新たな学校では、北部圏域で進められている国際的金融情報拠点の形成など情報通信関連産業の振興や加工製造業などの新事業の創出を担う創造性豊かな人材の育成を図ることとしております。これまで計画策定の過程において校長会、PTA関係団体、産業団体、教職員団体など広く意見交換をしてきましたが、引き続き各地域に設置いたしました「教育施策に関する地区協議会」や関係団体等と調整を図りながら、計画の策定完了を平成13年度中を目途に作業を進めてまいります。
 なお、編成整備計画策定後におきましても、児童生徒数の増減等著しい状況の変化があった場合においては、適宜必要な見直しをするなど適切に対処していきたいと考えております。
 以上でございます。
○警察本部長(太田裕之) 援助交際、薬物による事件・事故の状況についてお答えいたします。
 まず援助交際、つまり少女買春の実態とその対策についてであります。
 少女買春で警察が取り締まった事案は、平成12年中は15件8名、被害少女は12名、平成13年は9月30日現在で34件19名、被害少女34名と大幅に増加をしております。この背景には、大人社会のモラルの低下がある一方で、発育途中の少女等が小遣い欲しさにアルバイト気分で気軽にテレホンクラブ等を利用して大人の相手をしているという実態があります。警察本部では、このような児童買春事案の増加及び大人社会のモラルの低下など社会秩序の悪化を憂慮し、県福祉保健部、県教育庁との連携により本年9月20日、緊急対策会議を開催して児童買春の実態を報告するとともに、各部局が緊急に対策すべき事項を確認したところであります。
 警察としましては、1つ、街頭補導活動、福祉犯罪の取り締まりの強化、2つ、被害児童の支援、学校訪問による指導活動の推進、3つ、テレホンクラブなどホテル業組合に対する指導の徹底、4つ、沖縄県少年育成ネットワークを活用した広報・啓発活動の推進などの対策を強化しております。
 また、児童買春事案を誘発する大きな要因の1つとなっていますテレホンクラブなどの営業につきましては、今年の6月、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」いわゆる風適法、これらの改正によりまして18歳未満の少年等がテレホンクラブなどを利用できないようにする規制が強化され、来年4月1日をめどに施行されることとなりました。県警察としましても関連条例を改正し、この種事案の取り締まりを強化していくこととしております。
 次に、少年の薬物による事件・事故の実態とその対策についてお答えします。
 少年による覚せい剤事犯は、平成12年中、3件3名、平成13年は8月末現在で2件2名、シンナー乱用事犯は平成12年中、31件31名、平成13年8月末現在は10件10名となっております。また、毒劇物ではありませんが、プロパンガスの吸引事犯は平成12年中、3件で7名補導、死亡が1名、平成13年8月末現在で1件6名補導、死亡が1名となっております。
 警察本部では、これら薬物などの危険性、有害性及び薬物に絡む事件・事故の発生状況などから、県教育委員会、学校等と連携して薬物乱用防止教室を開催するとともに、街頭補導活動の強化、被害少年のサポート活動及び家庭訪問による支援活動などを強化しているところであります。
 次に、治安を阻害し社会世相を無視する暴走族などの行為の対応についてお答えします。
 平成13年8月末現在で暴走族の検挙は53名であります。そのうち中高生が17名で全体の32%を占めております。また、暴走族を見学に来る期待族は中高生が多く、暴走族と期待族が一体となって携帯電話による連絡をとり合い、暴走行為をあおっている状況にあります。これら期待族が警察官に対し投石をしたり、また暴走バイクを注意した一般市民に暴行を加えるなどといった悪質な事犯も発生しております。 このため、県警察としましては暴走族対策隊を中心に交通、少年、地域等の各部門の総合体制で暴走族グループを重点とした検挙・解体、各種法令を活用した暴走族の徹底検挙、暴走族対策推進員による加入阻止活動、暴走族を許さない環境づくりなどの対策を重点的に推進しております。
 暴走族対策は、取り締まりとあわせてその根源的な解決を図るための対策が必要であります。こうした観点から、警察部内の各部門の連携はもとより、教育委員会や沖縄県少年育成ネットワークにおける対策を初め家庭、学校、地域社会と緊密な連携をとりながら中高生暴走族対策連絡協議会の開催、深夜における少年補導活動の強化、暴走行為抑止のための道路管理者対策の強化、暴走行為をする青少年を地域活動に積極的に参加させるなどの諸対策を推進しているところであります。
○商工労働部長(花城順孝) 嵐山ゴルフ場問題について、県内のゴルフ場の経営状況はどうなっているか、また今回の嵐山ゴルフ場の預託金債権放棄が他のゴルフ場に及ぼす影響はどう考えられるかという御質問にお答えをいたします。
 県内ゴルフ場の利用者数は、税務統計によりますと平成11年で平均約6万人となっており、昭和62年の約8万人をピークに減少傾向にあります。また、県内ゴルフ場の経営状況は「特定サービス産業実態調査報告書」によりますと、1ゴルフ場当たりの年間売上高は平成3年及び平成6年が約8億4700万円、平成9年は約7億6500万円と下降傾向にあります。
 嵐山ゴルフ場の預託金債権放棄が他のゴルフ場に及ぼす影響につきましては、各企業の経営内容や経営方針によって異なると考えておりますが、具体的にどのような影響が出るかについては現時点では予測はできません。
 以上です。
○池間  淳 一般質問をやる前に、知事にお願い、あるいは提言といいますか、やっておきたいと思います。
 去る9月29日、沖縄県においては県高校新人陸上競技大会が行われました。そのときに「800メートル」、これにすばらしい記録が出ました。そしてまた翌日、ドイツのベルリン・マラソン大会において高橋尚子選手、これが世界で初めての2時間19分台のすばらしい記録を出して世界に感動を与えました。大変すばらしいことであります。
 この2人に共通する点があります。この2人は、やはり自分を信じて走った。信ずることだと。そしてそれに向かって、勇気を出して向かっていくことだと。これは前半飛ばして、そして中盤飛ばして、終盤になればもっともっと飛ばしていくと。それが記録をつくっていく大きな前提だというふうなことで、それに向かって自分に自信を持ち、そして勇気を持って当たった、その結果があのすばらしい結果を生んだというふうなことであります。
 どうぞ知事、知事が3年前に誕生いたしました。自分の公約した公約に向かって本当にまっしぐらにどんどんどんどん走ってまいりました。2年間大変すばらしい走りだったと私は思っておりますが、ここ3年ぐらいに入ってきて、ちょっとアクセルが緩んだような気がいたしますんで、その点、いま一度踏み返していただいて、すばらしい自分のあの公約に向かって頑張っていただきたいというふうにお願いを申し上げまして一般質問をいたします。
 那覇港管理一部事務組合設立に向けたスケジュールと課題について。
 21世紀の沖縄県の発展を大きく左右する事業の1つに那覇軍港移設後の整備、浦添の西海岸開発があると思います。これらの事業を一日も早く着工するためにもこの那覇港管理一部事務組合は早急に設立しなければならないと思います。
 県、那覇市、浦添市は、浦添市の西海岸の開発と港湾整備には莫大な予算が必要だということで単独で整備開発することが無理な状況であり、三者で一部事務組合を設立して港湾の整備をするために努力していることは御承知のとおりであります。ハブ機能を有した国際流通港湾として整備するためには、これまでの港湾整備計画を改訂して平成15年から始まる次期港湾整備計画に盛り込まなければなりません。そのためにも従来の港湾整備計画改訂は不可欠であると承知しております。
 御承知のとおり、那覇港湾の整備や浦添市西海岸の開発のめどがつかないために、1994年に事業採択された那覇北道路が建設中止されたり、国道58号の交通渋滞の解消のために大きく貢献する西海岸道路が浦添で分断されて県民生活に多大な支障を与えております。このようなもろもろの問題解決のためにも早急に一部事務組合を設立して那覇港湾整備や浦添市西海岸の開発をしなければならないと思いますが、最近のマスコミ等では、那覇港管理一部事務組合の設立は厳しい状況にあり、来年、平成14年4月1日スタートは無理なような報道がなされております。
 稲嶺知事が誕生し、翁長那覇市長が誕生し、儀間浦添市長が誕生をしてこの組合の設立に向けた条件は整ったと安心をしておりましたが、どのような課題が出てきたのか、那覇港湾移設に向けた振興策の協議等県の課題解決の取り組みと設立に向けたスケジュールについてお伺いいたします。
 農業振興策についてお伺いいたします。
 本県の農林水産業をめぐる状況は、我が国経済社会の国際化が進展する中で農産物の輸入増加に伴う国内外の産地間競争の激化、農村・漁業者の高齢化と離島地域における過疎化を初め新たな「食料・農業・農村基本法」の制定等著しく変化しており、これらの変化に適正に適応していくことが必要であります。
 このような状況を踏まえ、今後より一層に進むことが予想される国際化の進展や沖縄経済の自立化に向けた活力ある農林水産業の振興を目指すべく、県では平成11年2月「農林水産業振興ビジョン・アクションプログラム」が制定され、戦略品目や安定品目に指定された作目等々の生産拡大に関係者が一丸となって取り組んでおり、県民はその成果に期待しているところであります。
 さて、平成12年から13年期の本県のさとうきび生産量の実績によると80万4725トン、これは前年期よりも15万3481トンも減少し、復帰後2番目に少ない生産実績となっております。減少の理由としては、農林水産部は、3月ないし5月にかけて長雨による日照不足、8月から11月の台風襲来による塩害など阻害要因が重なり、県全体で単位収量が大きく低迷したと発表しております。
 さとうきびの生産量が気象条件に左右されやすいとはいえ、現状のままで推移すると「農林水産業振興ビジョン・アクションプログラム」で掲げる100万トン達成は難しいのではないでしょうか。このような気象条件は毎年予想され大きな課題となっております。毎年襲来する台風の被害や塩害等を未然に防止を図るため、関係機関が一体となってそれらの課題解決に向けて早目に試験研究等に取り組んでいただくようお願い申し上げ、以下の項目についてお伺いいたします。
 (1)、さとうきび生産法人の推進体制について。
 農林水産部は、さとうきび生産法人による借地型大規模経営パイロットファームの育成のため平成13年度までには26法人が設立され、平成15年度までに46生産法人を目標に取り組んでいると伺っております。これは大型化、機械化による低コスト化で生産性を高めることを大きなねらいとしております。特に離島地域では大型化、機械化を追求ができない地域が多くありますが、小規模地域を含めた今後の対応策についてお伺いいたします。
 (2)、さとうきび競作会の栽培技術手法の普及について。
 県は毎年さとうきび競作会を開催し、生産量の最も多かった耕作者を対象に県知事やJA農協中央会長名で表彰しております。本年の競作会では宮古下地町の友利恵治さんが10アール当たり収量は16トンを超え、ここ数年の県平均は7トン前後で推移し、その差は大きいものがあります。友利さんの栽培手法と他の農家との栽培方法はどこがどう違うのか。単に県の栽培指針による指導だけでなく、例えば友利さんの栽培技術を参考にしてモデル実証展示圃を設置するなどして地域に普及・拡大を図る指導体制が必要であります。
 このすばらしい競作会の優良な成果については、どのような方法で他の農家へ普及・啓発し利活用されてきたのか、これまでの取り組みの経緯についてお伺いいたします。
 (3)、交信攪乱によるハリガネムシ防除実証事業について。
 平成13年2月18日の新聞報道によりますと、農業試験場と関係機関は平成12年度から15年度の4年間にかけて南大東島において性フェロモンを用いたハリガネムシ交信攪乱という手法で全国でも珍しい大規模な防除実証事業を実施しております。南大東島では年間約6500万円の農薬がハリガネムシ防除用に使われているが、被害を食いとめるには至っていないとのことであります。
 この交信攪乱法による防除用資材経費は、年間約1600万円程度の低コストで環境に優しい新たな害虫防除法として生産者はその成果に期待しております。南大東島における実証事業の成果を踏まえ、これまで特に被害発生の多い地域にはこの新しい技術、環境保全に配慮した交信攪乱法を導入し、本県さとうきび生産量の向上に取り組むことが最も重要であると思います。
 したがって、今後はこれらの発生被害の多い地域等において早急に防除計画等を策定しまして、被害軽減防除を実施する必要があると思いますが、県の今後の防除推進計画等についてお伺いいたします。
 (4)、さとうきび等農業共済について。
 農業災害補償制度は、農家が掛け金を出し合って共同準備財産をつくり、災害により損害が発生したときに共済金の支払いを受け、個々の農業経営の安定と農業生産力の向上を図る目的で設立され、本県では昭和47年に農業共済制度がスタートしております。その間、農作物、家畜、さとうきび、果樹及び園芸施設等で災害を受けた農家はその共同の財産から共済金が支払われるなどして、農業共済制度は本県の農業経営の安定に重要な役割を果たしてきたことは御承知のとおりであります。
 しかしながら、本県の基幹作物であるさとうきびの共済への加入状況は昭和58年産以降年々低下傾向にあります。特に、本県には自然災害にかかわる台風の襲来等に伴う被害や塩害、干ばつ被害及び病害虫等の被害が毎年予想されます。それらの被害を想定して個々の農家も当然農業共済に積極的に加入する必要があると思います。県でもその対応策として10年間余り市町村や関係機関・団体と協力体制を密にして普及推進強化に取り組んできたとのことでありますが、次の2点について部長にお伺いいたします。
 本県の基幹作物であるさとうきびに対して共済加入率が依然として低いのはなぜか。県のこれまでの取り組み体制等に特に問題はなかったのか、今後の対応策等についてお伺いいたします。
 台風16号による畑作物被害等に対する農業共済の支払いについてお伺いいたします。
 具志川村、仲里村、渡嘉敷村、渡名喜村、粟国村、座間味村における農林水産関連共済金の支払い状況の内容等について詳細に御説明願います。
 (5)、生活改善対策特別事業等について。
 ①、農村女性グループ及び地域ブランド起業支援事業について。この件については平成9年の2月議会でも取り上げさせていただきました。
 平成9年2月議会で農村女性グループ起業支援事業等についてお伺いしたところ、「女性起業家の育成と地域産物の商品化に向けて特産品づくり講習会や消費者との交流会等を開催し、加工技術及び経営管理技術等の向上を図っております。」とのことでありました。平成11年ないし14年度には地域ブランド起業支援事業として地域農林水産物に付加価値をつけ、地域特産品の開発及び規模の拡大を目指す女性起業経営の育成を図るべく、特産品開発の研究や加工機械器具等の整備等に取り組んでいます。したがって、農村女性グループ及び地域ブランド事業内容、実績等々これまでの経緯や今後の課題等についてお伺いいたします。
 地域の特産品の販路拡大について。
 これまで各地の農業改良普及センターの技術指導等を受けながら、市町村の生活改善グループ員は数々のすばらしい商品開発を行うなど毎年農林水産大臣や県知事その他の機関長などから表彰を受けております。優秀な特産品を開発しながらも市場販路が開拓されないなどして受賞のみに終わった地域特産品が各市町村に数多くあると聞いております。平成8年から12年度の約5年間に農林水産大臣、県知事、その他関係団体から表彰されながら、市場販路の拡大が十分確立されない地域特産品はどのぐらいあるのか。地域の特産品として定着、販路拡大を図るにはどうあるべきか、行政側のこれまでの支援体制の経緯はどうだったか、また今後の支援体制はどのような手法で対応すべきか伺いたい。
 畜産環境対策について。
 「家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律」が平成11年11月から施行されたのに伴い、畜産農家は今後5年以内に管理基準に適合する堆肥化処理施設等整備をする必要があります。環境対策に関する農家の認識が特に低いため、事業の円滑な推進を図るには再々事業説明を行う必要があります。農林水産部のこれまでの畜産環境対策関連に対しての取り組み状況と今後の課題及び対策についてお伺いいたします。
 松くい虫については省略させていただきます。
 我が党の代表質問との関連について。
 土木委員会は9月26日に台風16号による被害状況を渡嘉敷村と沖縄市で現場調査を行いました。渡嘉敷村では村道阿波連線が陥没し阿波連区は孤立した状態になっております。渡嘉敷村の阿波連区は観光地となっており、道路の復旧は急務であります。今のところ村が船を出して約30分ないし40分かけてこれは生徒の通学、観光客や生活物資を運んでおりますが、天候が悪くなるとそれもできなくなり、阿波連区は完全に孤立してしまいます。このような状態が長引くことにより観光客から敬遠されていく事態も予想され、観光収入で経済を支えている村民の生活に大きな影響を及ぼすのではと心配をしております。村民生活の不安を一日も早く取り除くためにも道路の復旧、迂回路の建設をしていただきたいと思います。
 ところで、村が負担しているこの通学路の船にかかる費用、そして今村民が出て、けもの道──すなわち陸路がないものですから木を伐採してけもの道をつくって阿波連区に行くという道をつくっておりますが──その道にかかる費用について県が負担していただけないかどうかについても御説明願いたいと思います。
 また、沖縄市においては浸水による被害を受けた安慶田、松本、知花、白川地域等を調査いたしました。浸水した原因についてはそれぞれの地域でそれなりの原因はありましたが、結局は比謝川水域の不整備が原因だというふうに私は思っております。
 被害に遭った市民の方々は、今でも雨の日は眠れない日が続いているとのことで精神的負担ははかり知れません。この精神的苦痛を一日も早く解消するためにも原因解決に向けて早急に取り組んでいただきたいと思います。これは次に小渡議員が詳しく説明するはずでありますから、これは要請とさせていただきます。
 よろしくお願いします。
○知事(稲嶺惠一) 池間淳議員に冒頭に大変叱咤激励をいただきましてありがとうございました。一生懸命頑張りたいと思っております。
 それでは農業振興策についてお答えをいたします。
 農業振興策のうち、農村女性起業グループ及び地域ブランド起業支援事業についてと、次の地域の特産品の販路拡大について、この2つの質問を一括してお答えをいたします。
 農村女性起業グループは、地域農林水産物に付加価値をつけ地域の特産品として販売し、農家経済の向上を図ることを目的に現在94グループが活動しております。
 地域ブランド起業支援事業は、平成11年度から農村女性起業グループを対象に加工施設等の整備と特産品の開発に対し助成を行っております。これまでに地域特産品として紅芋ようかん、マンゴーゼリー、パパイアジャム等菓子類や漬物類などで414品目が開発されております。現在、販路については「道の駅」などの直売コーナーや各種イベント、インターネットによる販売を行っており、消費者から好評を得ております。
 県としては、農家経済の向上を図るため特産品のブランド化や県内外への販路拡大等を積極的に支援してまいります。今後とも女性起業グループを育成するとともに、地域の食材を生かした特産品の開発を促進してまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 那覇港管理一部事務組合の設立について、一部事務組合の設立について12月議会に提案できるのかについてお答えいたします。
 平成14年4月に那覇港管理一部事務組合を設立するためには、平成14年1月までに総務大臣に対し一部事務組合の設立許可申請を行う必要があります。
 当面の課題は、那覇軍港の移設に伴う振興策等国の支援に関して協議する場を立ち上げることと、三者が合意できる管理形態、負担割合を見出すことであります。平成14年4月に一部事務組合を設立することについては、去る8月20日の推進協議会において三者の共通認識として再確認しているところであり、ことし12月の県、那覇市及び浦添市の各議会において一部事務組合の設立に向けて議決できるよう鋭意努力しているところであります。
○知事公室長(親川盛一) 池間淳議員の那覇港管理一部事務組合の設立についての質問事項の中の、那覇港湾移設に関する協議会のあり方と進捗状況はどうなっているのかという御質問にお答えをいたします。
 那覇港湾施設の移設につきましては、去る7月10日に浦添市長から県に対して移設作業の促進、移設に関する話し合いの場の設置等について要望があり、県は浦添市の要望等を国に説明しました。これを受け、去る8月24日には中谷防衛庁長官から、国、県、地元自治体で構成する「那覇港湾施設移設に関する協議会」を設置するとの意向が示されました。
協議会の構成員につきましては、浦添市、那覇市双方からそれぞれの立場での意見があり、現在、両市と調整しているところであります。県としては、両市の理解と協力を得て協議会が早期に設置されるよう努力しているところであります。
那覇港湾施設の移設につきましては、新たな提供施設の内容や移設条件の整備など多くの課題があることから、これらの課題を一つ一つ解決するため今後この協議会等において国、県、関係自治体で十分協議していきたいと考えております。
○農林水産部長(天願貞信) 農業振興策について、さとうきび生産法人の推進体制についてお答えいたします。
 さとうきび生産法人の育成については、市町村、農協、地区協議会等関係機関との連携を図りながら取り組んでおります。また、去る8月に生産法人の経営管理能力等の向上を図るためさとうきび生産法人連絡協議会を設置し、推進体制の強化に努めているところでございます。
 生産法人は、設立間もないこともございまして運転資金の確保、経営面積の拡大及び経営管理能力の強化等が課題でございます。このため、県といたしましては、生産法人に対して経営基盤強化資金などの融資や農地保有合理化事業などによりまして農地の利用集積を図るための支援を行っております。
 また、法人の経営管理能力を強化するため農業改良普及センター、農業会議、さとうきび生産法人連絡協議会等におきまして経営研修を行っているところでございます。今後とも生産法人の経営安定を図るため必要な支援を行っていきたいと考えております。
 続きましては、さとうきび競作会の栽培手法の普及についてでございますが、さとうきび競作会などで表彰される優秀な農家の栽培手法は、さとうきび栽培指針に基づいた堆きゅう肥、緑肥の施用、深耕作業などによる徹底した土づくり、優良品種の栽培、病害虫の適期防除など適正な肥培管理であります。
 県としては、これら優秀な農家のすぐれた栽培技術を一般の農家への啓蒙、啓発・普及を図るため、さとうきび研究会や各地域のさとうきび生産振興協議会等において事例発表会等を行っているところでございます。また、各農業改良普及センターが発行する普及所便り、農協情報誌等により紹介するなど普及・啓蒙に努めているところでございます。今後ともすぐれた栽培技術の普及に努め、さとうきびの生産振興を図っていく考えでございます。
 次に、交信攪乱によるハリガネムシ防除実証事業についてでございます。
 性フェロモンを利用した交信攪乱によるハリガネムシ防除実証事業は、平成13年から15年までの3年間で南大東島において実施をしております。今年6月の調査結果によりますと高い防除効果が確認されており、防除実証事業により南大東におけるハリガネムシは激減するものと考えております。県としましては、本事業の成果を踏まえまして他の地域におきましても交信攪乱によるハリガネムシの防除を実施していく考えでございます。
 次に、さとうきび共済の加入率が依然低いのはなぜか、県の取り組み体制等に問題はなかったか、今後の対応策についてでございます。
 さとうきび共済の平成12年度の加入率は、農家戸数ベ-スで県平均24.1%と非常に低い状況にございます。各地域の加入率でございますが、国頭郡27.8%、島尻・中頭郡22.6%、宮古郡で15.7%、八重山郡で49.1%となっております。
 加入率の低い要因としましては、栽培農家の高齢化、それから兼業化の進展、共済意識の低さなどによるものと考えています。県としましては、加入率の向上を図るため農業共済普及推進事業等によりまして加入推進協議会の開催や農家への加入の説明会、リ-フレット等による普及・啓発に努めているところでございます。今後とも市町村、JA等関係機関と連携を図りながらさとうきび共済の加入率の向上に努めていく考えでございます。
 続きまして、台風16号による畑作物被害等に対する農業共済についてでございます。
 台風16号によるさとうきび、野菜、花卉、果樹等の被害金額は約7億円となっております。農業共済加入農家の被害に対する支払い予定額は約1億2000万円を見込んでおります。その内訳としましては、さとうきびが6900万円、園芸施設が4500万円、水稲が100万円を見込んでおります。
 農家への共済金の支払いにつきましては、さとうきび、水稲につきましては収穫後に損害評価を行い共済金が支払われることになります。
 園芸施設共済につきましては、台風後速やかに損害評価を行い2カ月後に共済金の支払いが行われることになります。
 続きまして、宮古地域における畜産環境対策の取り組みと今後の課題及び対策についてでございます。
 宮古地域における家畜排せつ物の処理状況につきましては、畜産農家1442戸のうち12%に当たる177戸の農家が野積みや素掘り等で処理している状況にあります。これらの農家については、平成16年11月の家畜排せつ物処理法の施行前に処理施設の改善が必要であります。
 このため、県としましては、宮古地域における環境対策を強化するため生産農家やJA、市町村に対し家畜排せつ物処理法の施行に関する説明会や関係農家に対する処理施設の改善指導を行っているところでございます。
 しかしながら、宮古地域においては小規模農家が多いこと等もありまして、畜産環境対策の取り組みは進展していない状況にございます。県としましては、今後宮古地域の改善を要する対象農家に対しまして、関係機関と連携しながら補助つきリース事業や国庫補助事業等による環境保全対策事業等によりまして畜産環境の改善対策を推進していく考えでございます。
 以上でございます。
○土木建築部長(屋比久孟尚) 我が党の代表質問との関連について、台風16号による渡嘉敷村の村道阿波連線災害復旧の現在の状況と見通しについてお答えいたします。
 今回の台風16号により、渡嘉敷村の村道阿波連線は延長約200メ-トル、幅約50メートルにわたって道路が決壊し全面通行どめとなっております。
 村道阿波連線は、渡嘉敷地区と阿波連地区を結ぶ唯一の幹線道路であることや、被害が大規模で本復旧にはかなりの期間を要することから、仮設迂回道路を早急に開設する必要があると考えております。現在、渡嘉敷村と迂回道路のルートや工法等を検討し国との協議を進めているところであり、早急に迂回道路の建設工事に着手し交通機能の確保ができるよう取り組んでいるところであります。
 さらに、迂回道路の開設までの応急的な対策として仮設歩道の建設を進めているところであり、傾斜が厳しい箇所には階段を設けることも検討しているところであります。県としては、仮設迂回道路の建設費用についても災害復旧事業の国庫負担制度が活用できるよう努めていく考えであります。
 仮設歩道、本復旧等もすべてどうにか補償できないかという御質問だったんですが、仮設歩道については厳しいと考えておりますが、本復旧の事業費、そして仮設迂回道路等につきましては公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の中で活用していきたいと考えております。
○副議長(髙良政彦) 休憩いたします。
   午後5時58分休憩
   午後6時  再開
○副議長(髙良政彦) 再開いたします。
 農林水産部長。
   〔農林水産部長 天願貞信君登壇〕
○農林水産部長(天願貞信) 知事からもお答えをしましたけれども、特産品につきましては414品目といったかなり数もございまして、主なメニューもちょっとあれですが、紅芋ゼリーとか、モズクを活用したものとか、県内で生産される農産物を加工したものがかなりございますが、今おのおのの売れ行きとか、それからどのぐらいのものがよく売れているかということにつきましては、手元に現在資料ございませんので後ほどお届けをしたいと思いますが……
○池間  淳 後で資料をください。
○農林水産部長(天願貞信) よろしいですよ。
○副議長(髙良政彦) 休憩いたします。
   午後6時1分休憩
   午後6時3分再開
○副議長(髙良政彦) 再開いたします。
 総務部長。
   〔総務部長 當銘直通君登壇〕
○総務部長(當銘直通) 船にかかる費用の件につきましては関係部局と調整の上、検討してまいります。
○小渡  亨 こんばんは。
 会議規則にのっとりまして手短に一般質問を行います。
   〔副議長退席、議長着席〕
 1、中城湾港泡瀬地区事業について。
 私は、11年前の平成2年に沖縄市議会議員に当選して以来、市議2期、県議2期と選挙戦を戦ってまいりました。その選挙戦に臨んで第1の有権者に対する公約は、この東部海浜開発事業、泡瀬地区事業の完成でありました。
 最近、にわかに出てきた「泡瀬干潟で遊ぶ会」や市民グループと言われる人々がこの事業の是非を問うということで沖縄市住民投票条例を提出しましたが、沖縄市議会の圧倒的な反対でこの条例案が否決されました。これにより沖縄市民の願いが早期着工にあることが示されたにもかかわらず、当初の予定であった8月着工が先送りされてしまいました。非常に不満であり残念であります。
 そこで質問です。
 (1)については十分に理解していますので答弁の必要はありません。
 (2)、クビレミドロはどうやって繁殖するのか解明されてもなく、また移植技術も確立されてないと言われております。環境監視・検討委員会が満足するような移植が不能となった場合にはこの事業は中止となりますか、答えてください。
 (3)、知事は、土地造成後の利用計画の見直しを着工もしてない8月24日に発言しております。この発言により事業推進派あるいは反対派それぞれが誤解を招いて混乱をさせております。あえてあの8月の時期に発言しなければならなかった知事の真意を説明してください。
 (4)点目、事業主体である国や県は、もう既に埋立工事等を発注し契約をしております。一つ一つの工事名と契約年月日、契約額、工事内容、その工期等を説明してください。
 また、その発注額は全体の何%になりますか、教えてください。
 (5)、事業がおくれると平成15年工期完了の新港地区に予定している特別自由貿易地域(FTZ)の利用も当然おくれてきます。この新港地区と泡瀬地区の事業は一体であると私は思いますが、知事の認識はどうですか。
 (6)、新港地区のしゅんせつが不能となった場合、既に新港地区で埋め立てた2次、3次の埋立事業が港としての機能が全くなくなりますが、その損失は工事費からして幾らになりますか。
 (7)、新港地区のしゅんせつ土砂の受け入れ先は泡瀬地区以外にどこが考えられますか、答えてください。
 (8)、8月着工を市民は期待しておりましたが、着工できなかったことは今までの準備事業あるいは準備段階に国や県は法的に誤りをしたのか、答えてください。
 (9)、この事業について沖縄市民の合意は得られていると知事は判断しますか。
 (10)、着工はいつになるのか、説明を求めます。
 次に2、台風16号による沖縄市における浸水被害について。
 浸水被害に遭った人たちの話を聞くと、夜明け前の朝4時から6時にかけ一気に1階の床上1メートル70ぐらいまで水が上がったそうであります。子供を暗い中、2階に上げ、これ以上水が上がってくると死ぬかもしれないという恐怖の中で、消防等の救援もなくただ震えていたというふうに述べておりました。優良な住宅地を提供する目的で土地区画整理事業を完了した地域です。その地区内に県道があり、その県道で2メートル近くも水が上がり、県道沿いの住宅で乗用車が完全に水没することは絶対にあってはならないことであります。私は、この被害を単なる100年に一度、あるいは50年に一度の異常気象という言葉で片づけたくはありません。
 そこで(1)、松本、知花、白川、安慶田地区で浸水した原因を説明してください。
 (2)、それぞれの地区の今後の浸水防止対策はどうなりますか。
 (3)、被害の実態と補償、救済手段はどのようなものがあるのか、説明を求めます。
 3番目、マングースについて。
 狩猟で捕獲できる鳥獣は「鳥獣保護及び狩猟に関する法律」で厳格に定められており、マングースはこの法律によると非狩猟獣であります。つまり保護獣であります。
 沖縄本島においてはマングースが生活圏を広げ北上し続けており、泡瀬干潟の沖合にいるにわかに騒ぎ始めたクビレミドロより、県民にとっては身近で大切な絶滅危惧種のヤンバルクイナがあと10年で全滅するとも言われております。県は全力を挙げて世界じゅうで沖縄のヤンバルだけにしかいない希少動物の保護に努めなければなりませんが、いつまでマングースを非狩猟獣にしておくつもりなのか、説明してください。
 4番目、運転免許行政における手数料と委託料について。
 この件について、私は何回となく県警に是正方をお願いしております。いまだ抜本的な解決がなされておりません。本部長も新たに着任し問題を認識してもらう意味で再度質問します。
 運転免許行政において、県警はサービスを受ける利用者から手数料を受け、本来、県警が行うサービスを利用者の利便性あるいは県警の人員不足、その他物理的理由により指定自動車教習所に業務を委託しております。その委託する委託料と実際の仕事量が全く合理性に欠けると私は思います。
 質問します。
 (1)、仮免許業務2種類、取得時講習業務4種類、職員法定講習業務3種類、高齢者講習について県警と委託先が行うサービスの内容を説明してください。
 (2)、委託割合が29%から94%までありますが、それぞれの算出根拠を求めます。
 (3)、私は、現在の委託割合は不公正、不合理であると考えております。本部長は、現状の委託割合は妥当な数字と考えておりますか、答弁を求めます。
 5番目、普天間飛行場移設15年使用期限について。
 私は、基地の15年使用期限問題について、理想としてこれを掲げることは問題はないと思います。しかし、政策として主張するには不透明、不確実な国際社会において大変問題があると思います。私も含め15年使用期限について疑問を持っている県民は少なくありません。
 そもそも15年使用期限設定がどのようないきさつで知事の政策になったのかも理解できておりません。15年という年数の根拠もわかりません。知事を支える与党第一党である自民党会派の中でこの問題が議題になったのは議員総会でたまたま話し合った二、三回だけであります。集中的に討議したこともなく、意見の統一はいまだ図られておりません。さらに、知事あるいは県執行部とこの問題についての政策調整はこの3年間皆無であります。県民の悲願であると言われている普天間飛行場の移設の足かせになっている15年使用期限について、原点に立ち返って質問します。
 (1)、3年前の知事選当時、ファジーな15年程度が望ましいでありました。しかし、昨年12月の議会答弁で15年に確定しております。そのいきさつを説明してください。
 (2)、この政策を決定するときに与党である県議はどなたか参加しておりますか。
 (3)、オール・オア・ナッシングの大田革新知事を破り稲嶺県政が誕生すれば、行き詰まっていた基地問題が動き出すと県民は大いに期待しておりました。しかし、この3年間全く動く気配はありません。さらに、今回の代表質問の答弁を聞いても、今後動くであろうという要素は残念ながらありませんでした。袋小路に入ってしまった移設問題であります。この責任はどこにあると知事は考えますか、答弁を求めます。
 6番目、米国における同時多発テロ事件について。
 この事件で亡くなられた罪もない80カ国にも及ぶ人々の無念さは言葉では言いあらわせません。深く御冥福を祈るだけであります。そして、国際テロを完全に撲滅しなければなりません。ブッシュ大統領は、これは事件ではなく戦争と呼び、国際テロリスト並びに支援国に対し大規模かつ長期にわたる総力戦を宣言しております。
 我が国は当然、在日米軍も参戦するこれまでにない新しい形の戦争に対し、我が国自身の安全保障上の問題であるとして全面的に支援・協力することを表明しております。知事は、厳戒態勢に入り完全武装で警備を実施し始めた在沖米軍、その他政府機関に対し、事件の情報を速やかに県側に連絡しなければ困る旨の発言をしておりました。
 そこで知事、情報をいち早く収集し県民の安全を第一に考えることは当然であります。さらに、このような世界共通の敵に対し我が国の一県として作戦に従事する米軍並びに自衛隊に対し、我が国の安全保障上の問題として沖縄県がどのような支援・協力をすべきであると知事は考えますか、答弁してください。
 7、情報通信産業振興支援事業について。
 県は、県内に誘致されたコールセンターなどに東京─沖縄間の高速大容量の回線を借り上げ無償で提供する新たな形の支援事業を始めます。
 そこで以下の質問をします。
 (1)、現在、補助を受けている企業は23社あり、約100メガ程度の容量であります。新規事業では600メガから2.4ギガの大容量になりますが、この容量の必要性の根拠を示してください。
 (2)、これは現在23企業が企業規模を拡大するということなのか。
 (3)、県のこの方針を受けて新規に参入する企業はありますか。
 (4)、来年度の内閣府概算要求にこの予算を盛り込むことはできませんでした。政府からの財政支援の見込みはどうなっておりますか。
 (5)、財政支援がどうしても得られない場合、この事業は先送り、あるいは中止するのですか。
 (6)、現在は第二種電気通信事業者である株式会社TTCがNTTなど第一種電気通信事業者から専用回線を大口割引で仕入れておりますが、新規事業では県が直接大容量回線を借り受けるのですか。
 (7)、大容量高速回線を借り受ける企業の選定方法はどうなっておりますか、答弁してください。
 1回目の質問を終わるに当たり、答弁を予定している人にお願いがあります。
 質問者は質問項目を分けるに当たり、推敲に推敲を重ねて最大公約数的に分けております。答弁に当たっては、質問者をばかにしたような質問項目を一括し、まとめた答弁はやめてもらいたい。お願いします。
○知事(稲嶺惠一) 小渡亨議員の御質問にお答えします。
 最初は中城湾港泡瀬地区事業について、知事が土地利用について発言した真意についてお答えいたします。
 8月24日の定例記者懇談会の際の発言は、記者から土地利用についての質問があったことから、土地利用については当初計画に固執せず、時代時代の経済情勢やニ-ズに整合させて柔軟に対応すべきであるとの基本認識を示したものであります。
 なお、現土地利用計画については、観光産業の動向や沖縄市の地域活性化策に沿ったものとなっていることから、現時点においては見直す考えはありません。
 次に、同じく中城湾港泡瀬地区事業について、新港地区と泡瀬地区は一体の事業と思うが、その見解はどうかについてお答えします。
 泡瀬地区については、本島中部圏東海岸地域の活性化を図ることを目的に、地元沖縄市を中心に環境保全策も含めて長年検討や調整が行われ今日に至っている事業であります。
 また、新港地区については、那覇港への港湾機能の過度の集中を是正し、県土の均衡ある発展を図る等の目的で流通加工港湾としての整備を進めているところであります。
 泡瀬地区埋立事業を実施するに当たっては、新港地区の航路整備により発生するしゅんせつ土砂を埋立資材として有効活用することによって経済的かつ効率的な事業推進が図られるものであり、新港地区事業と連携をとって進めることが重要と考えております。
 次に、普天間飛行場移設の15年使用期限について、知事選当時は15年程度が望ましいということであったが、確定したいきさつを説明してほしいというお答えは、15年使用期限については公約の中で「一定期間に限定し」としておりますが、平成11年11月、県が代替施設の移設候補地を選定した際、15年期限を設けることが基地の整理縮小を求める県民感情からして必要であることを移設に当たって整備すべき条件の一つとして設定したところであります。
 次に、同じく15年使用期限について、この政策を決定するとき協議に加わったのはだれかということのお答えでございます。
 移設候補地選定に当たっては、普天間飛行場・那覇港湾施設返還問題対策会議を開催するとともに、庁議及び三役会議を開き移設候補地を決定し、15年使用期限を含め4項目について移設に当たって整備すべき条件として設定したところであります。
 続いて同じく15年使用期限について、この3年間動かないが責任はどこにあると考えるか、それのお答えでございます。
 普天間飛行場代替施設の15年使用期限問題については、基地の提供責任は日本政府にあることから、政府が責任を持って早期に解決すべきものと考えております。同問題の解決については、それぞれの立場でさまざまな考えがあると承知しておりますが、県が移設に当たって整備すべき条件とし、また名護市が受け入れ条件としていることから、着工までに何らの進展もなしに進むことはあり得ないと考えております。県としては、今後とも引き続き政府に対しその解決を粘り強く求めていきたいと考えております。
 次に、同じく同時多発テロ事件について、今回のテロ事件に関し米軍並びに自衛隊に対し我が国の安全保障上の問題としてどのような支援・協力が考えられるか、知事の見解を聞きたいという点にお答えします。
 今回の米国におけるテロ事件に強い衝撃と怒りを感じています。テロ行為は、多くの人命を奪い世界の平和を脅かす行為であり、とりわけ今回は日本を含む世界約80カ国の一般市民が犠牲になるなど、米国のみならず国際社会全体に対する新たな脅威と考えております。このような事件が二度と起こらないよう世界各国が一致協力して対策を講じていく必要があると考えております。
 今回のテロ事件に関して我が国の具体的な支援等については、去る27日の小泉首相の衆議院本会議の所信表明演説でその基本的な方向性を示したばかりであり、今後の国会の議論を見守っていきたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○土木建築部長(屋比久孟尚) 中城湾港泡瀬地区事業について、環境監視・検討委員会が満足するクビレミドロの移植が不能な場合、工事は中止かどうかとの御質問にお答えいたします。
 県知事から事業者への中城湾港泡瀬地区の埋立承認書には、第Ⅱ区域のうちクビレミドロが生育している箇所の事業の実施については、環境監視委員会の検討結果を踏まえることとの留意事項が付されております。
 このことから、クビレミドロが生育している箇所の工事着手にはクビレミドロの移植技術の開発が必要であります。このため、工事はクビレミドロが生育していない第Ⅰ区域から施工していくこととしており、事業者においてはその間に環境監視・検討委員会の専門家等の指導・助言を得ながら移植実験や室内増殖技術開発試験を実施し、クビレミドロの移植技術の開発に努めていくこととしております。
 次に、国、県が契約済みの工事名と工事内容、契約額、工期と全体に対する割合はどうなっているかについてお答えいたします。
 中城湾港埋立事業については、平成12年12月19日に埋立承認及び免許を得ております。
 沖縄総合事務局における工事発注・契約状況は、中仕切り、余水吐き等の護岸工事で11件、約19億円、仮設道路や仮設桟橋等築造工事で8件、約15億円、合計19件で約34億円の工事が発注されております。
 これらの工事の工期は、おおむね平成13年3月から平成14年2月となっており、埋立事業費約489億円に対する発注済み工事の割合は7%となっております。県事業については、国の工事工程に整合させる必要があることから、国の工事の進捗状況を見てから着手時期を判断することとしており、現時点において工事は発注しておりません。
 次に、新港地区のしゅんせつが不能となった場合、その損失は工事費で幾らかについてお答えいたします。
 新港地区の第1次埋立区域約180ヘクタ-ルについては、平成5年度までに西埠頭の港湾施設や用地造成の整備も完了し、現在有効利用されております。
 第2次及び第3次埋立区域約213ヘクタ-ルの整備については平成5年度以降に取り組まれ、平成12年度までに約760億円が投入され、用地の埋立造成をほぼ完了し東埠頭の港湾施設の水深7.5メ-トル岸壁6バ-ス等が概成しております。今後、東埠頭のしゅんせつが不能となった場合は、これらの港湾施設が使用できないことや埋立地が有効活用されないことが想定されることから、そうした事態にならないよう取り組んでいきたいと考えております。
 次に、泡瀬地区以外にしゅんせつ土砂の受け入れ先としてどこが考えられるかについてお答えいたします。
 中城湾港新港地区の航路・泊地から発生するしゅんせつ土砂は、およそ710万立方メ-トルと大量で軟弱なシルト質となっており、その処分には広大な受け入れ場所を必要としております。このため、近傍の既存陸域には処分可能な敷地がなく、また海洋投棄については漁業権が設定されていることや、土砂の拡散による環境への影響が大きいことから適切ではないと考えております。したがって、受け入れ先として泡瀬地区が最も合理性にかなっていると思います。
 次に、予定した着工が遅延されたが、国、県は法的に誤ったのかについてお答えいたします。
 中城湾港泡瀬地区埋立事業については、平成12年12月19日に埋立承認及び免許を取得し、公有水面埋立法に基づき埋立願書に沿って事業を進めていくこととしております。
 当該事業を実施するに当たっては、環境への影響をできる限り低減するため藻場の移植を行うこととしております。これまでの実験結果から藻場の移植は可能であると判断しておりますが、本年7月31日に開催された環境監視・検討委員会において環境保全対策に万全を期するため、当面は機械化施工による広範囲な藻場の移植に取り組み、その結果を踏まえて総合的に判断した上で工事に着手することとなったことから、着工予定が当初計画よりおくれたものであります。
次に、泡瀬地区埋立事業について沖縄市民の合意は得られていると思うかについてお答えいたします。
 中城湾港泡瀬地区埋立事業については、地域の活性化と自立経済の発展に寄与するものとして地元の34市民団体や経済団体から成る「沖縄市東部海浜リゾ-ト開発推進協議会」から早期実現の強い要望があり、また沖縄市議会においては3度にわたり全会一致で整備促進の決議がなされております。
したがって、当該事業推進に対する地元の合意は得られているものと受けとめております。
 次に、着工の予定はいつかについてお答えいたします。
 中城湾港泡瀬地区埋立事業については、環境監視・検討委員会の意見を受けて機械化施工による広範囲な海藻移植に取り組んでいるところであります。護岸工事等の埋立工事への着工については、移植結果等について環境監視・検討委員会で検討を行い、その結果等を踏まえて総合的に判断していきたいと考えております。
 次に、台風16号の沖縄市における浸水被害について、松本、知花、白川、安慶田・照屋地区の増水した原因は何かについてお答えいたします。
 今回の台風16号による被害は、時間最大雨量101ミリメートルという異常降雨により河川や雨水幹線等土木施設の設計基準を超えた雨水が排水施設に流れ込んできたこと等複数の要因が重なり合って発生したと考えられますが、それぞれの地区の原因についてお答えいたします。
 まず、沖縄環状線沿いの沖縄市松本地区は、土地区画整理事業の実施とあわせて道路及び下水道の排水施設が整備されておりますが、今回の異常降雨によって周辺地域の排水施設で処理できなかった雨水が同地区に集中し、道路や下水道施設による排水が円滑に行われず浸水被害の発生へとつながったものと思われます。
 また、比謝川については、現在改修事業を鋭意進めているところでありますが、今回被災のあった知花、白川、安慶田・照屋地区については一部未改修部分があり、通水断面が確保されてない状況にあります。
 まず、知花地区については、知花橋下流のアカギ群落の保全について環境保護団体との調整等に長期間を要したことから事業着手がおくれ、現在未改修の状況にあります。
白川地区については、福地橋から与那原川との合流点付近までの用地取得を進めておりますが難航しており、未改修の状況にあります。
安慶田・照屋地区については、国道330号の暗渠と下流の約300メートル区間が未改修の状況であります。
 以上のように、比謝川沿いの各地区には未改修部分があり、通水断面が確保されてないため今回の異常降雨によって増水しはんらんしたものであると認識しております。
 それぞれの地区の今後の対策はどうするのかについてお答えいたします。
 まず、松本地区の対策としましては、道路管理者である県において路面水を迅速に排除するための道路側溝等の改築を行うとともに、路面清掃に努めていきたいと考えております。
 また、沖縄市においては雨水が円滑に下水道施設へ排除できるよう市道の側溝等を改築し、早期の浸水解消に努めるとの報告を受けております。
 知花地区については、知花橋下流のアカギ群落のある区間について環境団体とのアカギ保存の調整に長期間を要しましたが、解決を見たことから平成11年度より用地買収に着手し、整備を進めているところであります。今後とも地権者や地域の協力を得て用地取得を図り、早期整備に取り組んでいく考えであります。
 白川地区については、福地橋下流の軍用地内の用地取得を進めているところであり、今後とも地権者の協力を得て用地取得に取り組むとともに、那覇防衛施設局と調整を図りながら早期整備に努めていく考えであります。
 安慶田・照屋地区については、国道暗渠は国道管理者と県が連携して整備を図ることにしており、平成13年度には国道管理者において実施設計を行う予定であります。また、その下流の未改修区間については、水辺プラザとして県の河川改修事業と市の公園事業が連携して整備を図ることとしております。県は、平成13年度から用地買収に着手しており、市は平成14年度から着手予定であります。今後とも国や市と連携を図りながら早期整備に取り組む考えであります。
 また、河川内の堆積土砂や倒木等については、知花橋下流は撤去作業を実施しているところであり、その他の地区についても早期実施を図る考えであります。なお、軍用地内における堆積土砂等についても那覇防衛施設局と調整を図りたいと考えております。
 県としては、今回のような被害を解消するため沖縄市や地域の協力を得て事業用地の取得を進め、これら土木施設の整備推進を図るとともに、適切な維持管理に努めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○文化環境部長(永山政邦) 台風16号の沖縄市における浸水被害について、松本、知花、安慶田地区等の被害の実態と補償、救済手段はどのようなものがあるかの御質問についてお答えいたします。
 沖縄市における特に被害が大きかった地区の被害の実態については次のとおりであります。
松本地区は、床上浸水70棟、床下浸水2棟、車両台数129台。知花地区は、床上浸水128棟、床下浸水12棟、車両台数289台。安慶田地区は、床上浸水111棟、床下浸水15棟、車両台数113台であります。照屋地区は、床上浸水97棟、床下浸水8棟、車両台数66台となっています。
 次に、被害の救済手段としまして沖縄市に災害救助法を適用し、被災世帯に対しタオル、鍋、布団、炊飯器などの生活必需物資、児童生徒に対してはノート、鉛筆などの学用品の給与等応急救助を実施しました。
被災者の救済については、家財の3分の1以上の損害を受けた床上浸水被災世帯に対しては、年収等に応じ150万円から350万円を限度に災害援護資金の貸付対象となります。そのほか、沖縄振興開発金融公庫においては、災害復旧住宅資金融資制度により住宅の建設、購入、補修等の資金融資を行っております。県としましては、被災の状況に応じた各種制度の活用を積極的に支援していきたいと考えております。
 次に、マングースは非狩猟獣となっているが、その真意は何かとの御質問にお答えします。
 狩猟の対象となる鳥獣は、「鳥獣保護及び狩猟に関する法律」の規定に基づき環境大臣公示によりマガモ、キジ、クマ、イノシシなど47種類を定めております。狩猟鳥獣は生息数、農林水産業等に対する害性、狩猟の対象としての価値及び資源性を総合的に勘案した上で、環境大臣が農林水産大臣と協議して指定することとされております。
 マングースについては、本県の貴重な野生生物に被害を及ぼしているため駆除事業を実施しているところでありますが、狩猟鳥獣に指定することにより駆除の促進が期待できることから、同事業から得た生息数や害性等の知見を踏まえて指定について国と調整していきたいと考えております。
 以上です。
○警察本部長(太田裕之) 仮運転免許業務など10種の委託業務について、公安委員会及び委託先が行うサービス内容についてお答えをいたします。
 まず、仮免許業務、すなわち仮免許試験補助業務、それと仮免許証作成・交付業務の2種類については、それぞれその一部を沖縄県自動車教習所協会に委託しております。
 委託している仮免許試験補助業務の内容は、申請受理、学科試験、適性試験及び技能試験の立ち会いなどであり、仮免許証作成・交付業務の内容は、仮免許証や仮免許台帳の作成、仮免許証の交付事務などであります。
 一方、公安委員会が行っている業務は、仮免許試験補助業務が試験問題の作成、採点確認合否判定、試験実施結果の点検、月報・年報の作成。また、仮免許証作成・交付業務が申請書・手数料の確認、仮免許証の用紙の印刷・刻印、月報・年報の作成となっております。
 次に、教習所の教習を経ないで免許試験に合格した者、いわゆる一発試験の合格者でありますが、指定自動車教習所において一定の講習を受講する取得時講習は普通免許、大型二輪免許、普通二輪免許の3種類であり、沖縄県指定自動車教習所協会にその内容を委託しております。
 その委託内容は、まず普通車の場合、座学が2時間、一般道路及び高速道路走行実技2時間の講習であります。
 次に、大型二輪車と普通二輪車の場合は座学が1時間、教習所コース及びシミュレーター等の実技2時間の講習を行います。そして普通車、大型二輪、普通二輪共通の講習として応急救護措置要領の講習、座学が1時間、応急救護措置実技2時間があります。
 なお、公安委員会で行っている業務は、取得時講習の教示、取得時講習通知書の作成交付、同講習修了書の確認であります。
 次に、指定教習所職員講習の業務委託につきましては、技能検定員、教習指導員及び副管理者に対する3種類の講習を沖縄県指定自動車教習所協会に委託しており、その内容は、教習指導員講習としては座学が5時間、教習所コースにおける運転技能実技4時間、また技能検定員講習は座学が4時間、模擬検定実技6時間、さらに副管理者講習は座学6時間の講習であります。
 公安委員会は、講習通知、講習資料の作成、講習受験者の確認などを行っております。
 次に、高齢者講習の業務委託につきましては、座学が1時間、シミュレーター等実技が2時間の講習を指定自動車教習所──これは11カ所でございますが──ここに委託をしております。
 公安委員会は、講習対象者の電算入力、講習通知書の作成、郵送による通知及び講習結果の確認をしております。
 次に、委託料の算出根拠についてお答えをいたします。
 仮免許にかかる委託料につきましては、仮免許試験補助業務関係が人件費として申請受理、学科試験、適性試験の立ち会い、合格発表にかかるもの。その他の経費として事務消耗品費、申請書等印刷製本費、会場使用料、光熱費、建物の維持修繕費、適性検査機器購入費、通信運搬費を、さらに仮免許証作成・交付事務関係は人件費として仮免許証作成、仮免許台帳作成、交付にかかるもの、その他の経費としてパソコンレンタル費等に基づき算出をしております。
 次に、取得時講習につきましては、人件費及び物件費として会場借り上げ費、車両借り上げ費、シミュレーター減価償却費と維持修繕費、印刷費、資料費、教育用教材費を、指定自動車教習所職員講習につきましては、人件費及び物件費としての車両及びコースの借り上げ費、資料費を、高齢者講習につきましては、人件費及び物件費としての会場借り上げ費、視聴覚教材費、運転適性検査機器費、車両借り上げ費、印刷費、教材費をそれぞれ算出根拠にしております。
 したがいまして、委託業務の種類や内容により経費が異なりますので、御指摘のように29%から94%までの委託率の割合に差異が生ずることになります。
 次に、手数料に占める委託料の割合が妥当かどうかについてお答えします。
 運転免許業務を委託する場合は、その業務に伴う人件費、物件費を勘案して積算し、委託する側──これは公安委員会でありますが──と委託先の両者で契約を交わしております。
 なお、本年度は受託者からの要望、意見等を踏まえ、種々検討した結果、仮免許試験補助委託料を47円引き上げ870円に、また仮免許証作成交付委託料も47円引き上げて351円に見直しを図ったところであります。
 今後とも委託先の要望を踏まえつつ、他の手数料と同様でありますが、物価、合理化要素等を考慮し、必要であれば見直すべきものは見直すこととなります。
○企画開発部長(与儀朝栄) 情報通信産業振興支援事業について、現在23社で約100メガの支援が600メガから2.4ギガになるが、その根拠は何かについてお答えいたします。
 現行の通信コスト低減化支援事業における通信回線総容量は、平成12年度末時点において約155メガ・ビーピーエスとなっております。今後の回線容量につきましては、既存進出企業23社の企業規模拡大及び今後発展が期待できるデータセンター、CG制作、アニメ制作関連等大容量のデータや画像を扱う新規参入企業の誘致による通信回線容量の増を見込んだものであります。
 次に、同じく情報通信産業振興支援事業について、これは現在の23社が企業規模を拡大するということかについてお答えいたします。
 今後の回線容量の増につきましては、既存進出企業23社のうち、3社についてコールセンター及びデータセンター等の企業規模拡大を見込んだものであります。
 次に、同じく情報通信産業振興支援事業について、新規参入する企業はあるかについてお答えいたします。
 新規参入予定企業については、これまで11社の立地相談を受けているものと今後発展が期待できるデータセンター、CG制作、アニメ制作関連等大容量のデータや画像を扱う新規参入企業の立地を見込んだものであります。
 次に、同じく情報通信産業振興支援事業について、来年度の内閣府概算要求には入っていないが、政府からの財政支援の見込みはあるのかについてお答えいたします。
 東京─沖縄間及び沖縄県内(北部、中部、南部)の伝送路及び伝送設備については、通信事業者からの賃借及び買い取りを予定していますが、それに対する補助制度がないこと等により国庫補助が困難な状況となっております。
 次に、同じく情報通信産業振興支援事業について、財政支援が得られない場合、事業の見直しがあるのかについてお答えいたします。
 当該事業は、国の財政支援が困難であるため県単独事業として位置づけ実施するものであり、見直しはありません。
 同じく情報通信産業振興支援事業について、現在はTTCがNTT等から回線を大口割引で仕入れ、企業に安値で提供しているが、平成14年度情報通信産業振興事業は県が直接NTT等から大容量回線を借りるのかについてお答えいたします。
 新支援事業におきましては、東京─沖縄間及び県内那覇─北部間の高速大容量回線を県が直接通信事業者から借り受けるものであります。
 次に、同じく情報通信産業振興支援事業について、大容量高速回線を借り受ける企業の選定方法は何かについてお答えいたします。
 高速大容量回線を借り受ける企業の選定につきましては、公募による企業からの提案内容を十分審査の上、公平公正に選定していく考えであります。
○小渡  亨 普天間飛行場移設15年使用期限について再質問を行います。
 15年使用期限について、知事は日本政府にげたを預けたような答弁を繰り返しております。となりますと、知事は、この15年問題を設定する昨年12月以前に基地提供者である政府と使用期限の協議をしたことがありますか。協議も全くなしに15年を挙げるというのは、これは行政運営上大変問題があると私は思います。行政運営というのは根回し、事前調整、これは全体の9割を占めます。それをお答え願います。
 次に、同時テロ事件について、これについては危機意識が全く感じられません。きょうの新聞でも、県の基幹産業である観光業界に知事あるいは観光リゾート局長が考えている以上に大変な打撃を与えており、さらに与えつつあります。今のように米軍基地イコール危険あるいは怖いということを殊さら以上に主張し続けるならば、危険なところに観光に来るはずはありません。沖縄観光は衰退するだけであります。このテロ撲滅作戦は長期にわたると言われております。
 今県がやらなければならぬことは、県民挙げてテロリストは許さないと、テロは絶対に許さないという県民運動を起こすと同時に、そして沖縄には世界最強の米軍が駐留していると、沖縄は最も安全であるというぐらい知事がアピールしなければ観光客は来ません。それをどう思うのか答えてください。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後6時54分休憩
   午後6時57分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) ただいま、根回ししなければ大問題であるというお話がございましたけれども、この件につきましては平成11年12月28日に正式に閣議決定をしております。「普天間飛行場の移設に係る政府方針」というのがこれは3枚にわたっております。その中で「使用期限問題」というのがあります。「政府としては、代替施設の使用期限については、国際情勢もあり厳しい問題であるとの認識を有しているが、沖縄県知事及び名護市長から要請がなされたことを重く受け止め、これを米国政府との話し合いの中で取り上げるとともに、国際情勢の変化に対応して、本代替施設を含め、在沖米軍の兵力構成等の軍事態勢につき、米国政府と協議していく」ということで、沖縄県と移設先、そのほかの細かい問題、環境の評価の問題、代替施設の機能の問題、使用に関する協定の締結の問題、協議機関等の設置の問題、実施体制の確立等を含めまして、地域振興等を含めて正式にその移設にかかわる政府方針の中で取り上げております。
○観光リゾート局長(糸数昌宏) テロ事件が沖縄観光に及ぼす影響に対する対応についてお答えします。
 現在、県におきましては観光客の皆様の不安を解消するために所要の対策を講じているところでありますが、さらに昨日、行政と観光関連団体で組織する対策会議を開催し、再度代表団を県外へ派遣することや各都道府県の修学旅行担当者を招聘し、本県の現状を理解させるなど今後の対策を検討したところであります。県といたしましては、観光リゾート局内において臨時の対策班を設置し、今後とも観光関連団体との連携のもと、緊急対策を実施してまいる所存であります。
○議長(伊良皆髙吉) 以上で本日の一般質問及び議案に対する質疑を終わります。
 本日の日程は、これで全部終了いたしました。
 次会は、明4日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後7時1分散会

 
20010405000000