平成14年(2002年) 第 1回 沖縄県議会(定例会)
第 5号 2月26日
 


○議長(伊良皆髙吉) これより本日の会議を開きます。
 日程に入ります前に報告いたします。
 説明員として出席を求めた教育委員会委員長翁長孝枝君は、所用のため本日及び明日の会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として教育委員会委員長職務代理者宜保美惠子君の出席を求めました。
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○議長(伊良皆髙吉) 日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案から甲第34号議案まで及び乙第1号議案から乙第36号議案までを議題とし、質疑に入ります。
 質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
 宮里政秋君。
   〔宮里政秋君登壇〕
○宮里 政秋 おはようございます。
 通告に基づいて一般質問を行います。
 最初に、米軍基地及び返還跡地の環境調査と地位協定の見直しについて伺います。
 北谷町美浜の米軍基地射撃場跡地から油状の物質が入った大量のドラム缶が見つかり、土壌汚染が明らかになった問題は、基地内及び返還跡地について徹底した環境調査の必要性を教えています。
 政府は、日米安保条約及び地位協定に基づき、基地を提供しているものとして米軍の基地使用の実態を絶えず調査・点検し、使用実態が基地提供の趣旨に違反した場合には、その是正のために対米交渉を行うのは国民に対する国の当然の義務と言わなければなりません。しかし政府は、これまで一度も米軍基地の実態を調査・点検し、是正を求めたことはありません。
 政府が米軍基地白書を作成していないことは重大と言わなければなりません。県は、基地内及び返還跡地の本格的な土壌汚染、水質汚濁の調査を緊急の問題として国に強く求めるべきであります。
 米軍基地に起因する環境問題を列挙すると、1つ、実弾演習による水資源及び森林の被害、2つ、原子力艦船の出入港による海洋汚染、3つ、廃油流出による河川・海域汚染、4つ、PCB汚染、5つ、基地内工事による赤土汚染、6つ、飛行機燃料、洗浄剤による土壌・水質・海洋汚染等々、いずれも過去の米軍基地に起因する環境汚染の実態であります。
 米軍基地が沖縄に構築されてから半世紀以上、環境保護の立場から基地内の調査・点検が一度も行われなかったことは、行政の問題意識が希薄であったことが影響していると指摘しなければなりません。
 アメリカの連邦環境政策法は、国防総省に対しても大統領命令により海外における国防総省の活動につき連邦環境政策法の遵守を命じています。
 ところで、日米地位協定第4条第1項は、米軍の原状回復義務を免除し、返還時の現状のまま返還すれば足りると規定しています。しかし、同規定は、米軍が許容されない違法な方法、すなわち基地提供の趣旨に違反して提供施設及び区域を使用した場合についてまで原状回復を免除したものでないことは理の当然と言わなければなりません。
 韓国と米国政府は、在韓米軍基地で環境汚染が発生した場合、基地所在自治体が基地内に立ち入って共同調査を実施できるよう先月の1月28日に米韓地位協定の改定がなされたことが明らかとなりました。基地内の汚染のみならず、基地返還前に韓国側が米軍基地内の環境汚染の事前調査が可能になったのであります。
 北谷町美浜における米軍の廃油不法投棄事件を契機に、基地内及び返還跡地の環境調査を徹底して実施できるよう政府に強く求めることが必要です。米韓地位協定が改定されました。日米地位協定が改定できないはずはありません。今こそ日米地位協定の抜本的見直しの世論と運動を一段と強化しなければなりません。
 そこで、基地提供の趣旨に違反して提供施設及び区域を使用した場合、基地内の違法行為に行政罰を下せる県条例を検討すべきだと思います。知事の御見解を伺いたい。
 次に、宜野湾市で発生した米軍ヘリからの落下物事件について伺います。
 さきの決算特別委員会で、私は、昨年6月13日、宜野湾市で発生した米軍ヘリからの落下物事件について関係者の事情聴取はなされたのか、最終的にはどのように取り扱ったのかとこのように質問いたしました。県警本部の稲嶺刑事部長は、次のように答弁されました。本件事故を起こした当事者は3名の海兵隊員で、米軍当局において処罰する予定だったが、7月上旬から中旬に米本国に帰国したとこのような連絡があった。県警は直ちに事情聴取できなかったことについて極めて遺憾であると抗議し、今後、同種の事案の発生の際には早期に報告と情報提供すること及び県警側からも関係者の事情聴取を行えるようにすること、このようにアメリカに申し入れたとこのような答弁でした。
 そこで警察本部長に伺います。
 帰国した米兵にどのような処分が科されたのか、県警は掌握しているのか、お答えいただきたい。
 知事にお伺いします。
 処分を予定していた海兵隊員を帰国させたことについてどのように対処したのか、お答えいただきたい。
 次に、米軍基地問題について。
 嘉手納基地からフィリピン軍との合同演習に名をかりたテロ掃討作戦に米軍部隊が送り込まれています。さらに、キャンプ・ハンセン基地内には米陸軍特殊部隊用のテロ対策訓練施設の建設も計画されています。アメリカの対テロ戦争の後方基地として沖縄基地の役割が改めて問題になっています。
 代表質問でも指摘したとおり、ブッシュ大統領は一般教書で北朝鮮、イラン、イラクを名指しで「悪の枢軸」と決めつけて軍事攻撃も辞さない姿勢を明らかにしました。
 名護に建設される新基地は、テロ戦争の拠点基地になる危険性が極めて高いと言わなければなりません。1月7日付の米軍の準機関紙「星条旗」は、沖縄に配備予定のオスプレイは対テロ作戦に必要、強制進入作戦に必要と書いています。
 ハワイ、グアム調査で基地の高官は、個人的見解と断った上で、沖縄配備もあり得ると発言しました。
 フィリピンのテロリストに2人のアメリカ人が人質に今とられています。このテロリスト攻撃のための拠点基地が日本では沖縄です。米軍基地がテロの標的にされかねないという不安から観光客のキャンセルが相次ぎ、沖縄の観光産業に致命的打撃を与え県経済を直撃いたしました。テロ攻撃の拠点基地が建設されれば取り返しのつかない事態を招きます。絶対に新基地を建設させてはなりません。
いま一度知事の御見解を承りたい。
 世界の自然保護団体は、沖縄のサンゴ礁は世界の財産として保護することを求めています。ところが、知事はリーフ上を基本に基地建設を進めることを初めて明らかにしました。辺野古地区の代替施設等対策特別委員会は、新基地建設の場所について、米軍機の騒音や環境への影響を考え、陸側に近いリーフ内及びリーフ上は除外することを決めました。ところが、リーフ外は困難という点で国、県、市の認識は一致しているとして地元に圧力をかけました。8つのメニューを提示してどちらを選ぶべきかはあくまでも地元の意思だと説明しておきながら、リーフ内、リーフ上は除外すると地元が決めたら、リーフ外は困難と政府の意向を押しつけたのであります。そのことはもともとリーフ外いわゆる洋上、これは選択の余地のないものを8案に入れて地元に選択を迫ったもので、まさにまやかしの手法ではありませんか。御答弁いただきたい。
 リーフ上は地元の意思と考えているのか、御答弁を求めます。
 長さ2600メートル、幅730メートルに及ぶ巨大な鉄板でサンゴを覆えば辺野古の海の生態系に大きな被害が出るのは目に見えています。アメリカの世界戦略のためにこれ以上自然環境を破壊してはなりません。振興策と引きかえにヤンバルの美しい自然を破壊することは歴史の検証に絶対に耐え得るものではありません。いかなる振興策も自然の恵みには勝てません。新基地建設をきっぱり拒否すべきです。知事の御見解を改めてお伺いします。
 次は、知事の政治姿勢について、15年使用期限問題について質問いたします。
 我が党は、普天間基地の無条件返還を要求しています。新基地建設には断固反対であります。条件が満たされれば容認するという立場にないことは申すまでもありません。
 ところで、15年使用期限問題は、稲嶺知事が98年の県知事選挙で、本島北部に軍民共用の新空港を建設し15年使用期限をつけると公約したことに始まります。
 ところで、知事は99年10月、公約は使用期限を設けることだったが選挙中に県民の我慢の限界として15年とした、期限は検討し直さなければならないと述べ、15年にこだわらない公約撤回とも受けとめられる姿勢を示しました。ところが、自民党県連が強く撤回を求めたため数時間後に発言を撤回したことがあります。今日、与党議員からも、稲嶺知事は15年問題を任期中に解決する意思があるのかと、知事の政治姿勢に強い不満の意見が相次いでいます。
 昨年9月の定例議会一般質問で、安里進議員が次のように質問いたしました。「15年使用期限の問題解決は、これまでの経過からして大変厳しいと私は認識しております。知事は各議員の質問に対し毎回、着工前までに何らの進展もなく進むことはあり得ないと断言しているが、自信を持ってそう言っているのか。」、これは安里議員の質問。これに対して稲嶺知事は、「名護市が受け入れ条件としていることから、着工までに何らの進展もなしに進むことはあり得ないと考えております。」、知事は与党議員の質問にまともに答えていません。
 さらに、決算特別委員会で翁長政俊議員は次のように述べました。15年問題が解決しなければ基地建設は拒否しますと、強い姿勢で臨まないとだめですよと、このようにただしました。
 これら与党議員の質問の核心は、15年問題に対する稲嶺知事の政治姿勢に対するいらだち、不満、不信の表明と言わなければなりません。
 知事は、これら与党議員の質問の趣旨をどのように理解されておるか、お答えをいただきたい。
 御承知のように、日米安保条約は期限が設定されておりません。日米安保条約第10条は、「いずれの締約国も、他方の締約国に対しこの条約を終了させる意志を通告することができ、その場合には、この条約は、そのような通告が行われた後一年で終了する。」となっています。すなわち、条約本体は期限が設定されていないのであります。したがって、個々の米軍基地の提供に当たってあらかじめ期限を設定することは条約上想定されていません。条約上想定していない使用期限を基地提供の立場にある日本政府が対米交渉に持ち込むことは、対米追従の日本外交では期待できません。現に、政府は15年期限問題をアメリカに伝えるだけで、政府の意思として対米交渉したことはこれまで一度もありません。
 しかも昨年末に、田中前外務大臣は、着工までに解決することは困難と表明しました。着工までに困難とは、知事の任期中は実現できないことを意味します。政府が着工までに困難と表明した以上、みずからの公約に責任を持つというのであればきっぱりと移設に反対すべきではありませんか。お答えいただきたい。
 それとも任期中、これまでどおり着工までに何らの進展もなしに進むことはあり得ないと主張し続けるのか、あわせて御答弁いただきたい。
 基地建設と引きかえに振興策を引き出させた知事には、15年問題できっぱりした態度はとれない、このような批判が寄せられています。基地受け入れの条件である15年問題をあいまいにしたまま引き続き立候補されるのか、御答弁いただきたい。
 公約とは、任期中に実現する県民との約束を言うのではありませんか。任期中に15年問題を決着つけるのか、それとも次の県政にゆだねるのか、御答弁をいただきたい。
 最後に、代表質問との関連で、キャンプ・ハンセン内の米陸軍特殊部隊の訓練施設の問題で、我が党の玉城ノブ子議員が質問いたしました。親川公室長は、どんな施設をつくるのか詳細に調査しなければ対応できないと。とんでもない話。これはアメリカ議会で380万ドル、これは日本円にして4億6700万。これは施設と特殊部隊の兵隊の給料も入っていますが、これが議会で通っている。しかも、これはアメリカの会計年度では2001年10月から2002年度の9月までに予算を執行しなければなりません。9月です。いわゆる実態調査をしなければ対応できないというものではない。
 これは最初はキャンプ・シュワブということだったと。公室長が米軍に問いただしたら、キャンプ・ハンセンということなんだ。これは議会でこの予算が通っていることも全部知っている。詳細に調べなければ対応できないという施設の問題じゃないんです。すぐこれは中止するよう要求をすべきものであります。
 それから代表質問に関連して、知事は畜産農家の皆さんと会って実情をつぶさに聞いたと、前向きに対処したいとこのように答弁されましたが、具体的な問題については農水部長に答弁させました。農水部長、具体的問題、何にも答えてないんです。
 再度価格補償を初め生産資材、輸送コスト、競り市場手数料、交通費などの助成をすべきです。各市町村やっているんですから。
 農水部長、もう一回具体的に答弁いただきたい。
 以上。
○知事(稲嶺惠一) 宮里政秋議員の御質問にお答えをいたします。
 使用期限問題の進展と明確化及び与党議員の質問趣旨について、この問題に一括してお答えをしたいと思います。
 県は、基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情から、県民が許容できる範囲として、普天間飛行場の移設に当たって整備すべき条件の一つに代替施設の15年使用期限を設けたものであります。また、名護市も受け入れ条件としていることから、県としては、着工までに何らの進展もなしに進むことはあり得ないと考えており、着工までには政府から一定の方向性が示されなければならないと考えております。
 与党議員の質問は、15年使用期限問題の解決を促進したいとの趣旨であると考えております。
 次に、15年使用期限問題の決着についてとの御質問にお答えをいたします。
 先ほども申し上げましたように、15年使用期限問題については、県としては、着工までに何らの進展もなしに進むことはあり得ないと考えており、着工までには政府から一定の方向性が示されなければならないと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 米軍基地及び返還跡地の環境調査と地位協定の見直しについての中の、基地内の違法行為処罰のための県条例についての御質問にお答えをいたします。
 日米地位協定第3条第3項は、「合衆国軍隊が使用している施設及び区域における作業は、公共の安全に妥当な考慮を払つて行なわなければならない。」ことを規定し、また同第16条では、日本国の法令尊重義務を規定しております。しかしながら、政府は、一般国際法上、外国の軍隊が駐留する場合に、地位協定あるいはそれに類する協定に明文の規定がある場合を除いては、接受国の国内法令の適用はないとの見解を示しております。
 このようなことから、提供施設及び区域内での米軍や米軍人等の行為を規制するような条例を制定することは困難であると考えております。
 次に、宜野湾市で発生した米軍ヘリの落下物事故についての御質問にお答えいたします。
 航空法第89条は、航空機から物件を投下することを禁じ、同法第150条で罰則規定が設けられておりますが、米軍に対しては、「日米安保条約第6条に基づく日米地位協定の実施に伴う航空法の特例に関する法律」により航空法の当該条項の適用が除外されております。県としては、合衆国軍隊が演習等の諸活動を実施することに対して、航空法等の国内法を適用する旨を明記するよう日米地位協定の抜本的な見直しを要請しているところであり、今後とも機会あるごとに粘り強く訴えていきたいと考えております。
 次に、米軍基地問題についての幾つかの質問に順次お答えをいたします。
 まず、新基地を建設させてはいけないがどうか、また新基地は建設拒否すべきであるという2点の質問に一括してお答えいたします。
 普天間飛行場の移設については、市街地の中心部にあり、市民生活に深刻な影響を与えていることから、その早期返還を県政の重要課題として取り組んできたところであります。
 代替施設の具体的建設場所については、地元の意向を踏まえたリーフ上の案とし、環境面、技術面等を考慮し検討すること、規模については、軍民共用飛行場を前提に、さらなる工夫について検討すること等「代替施設基本計画主要事項に係る取扱い方針」に基づき協議されることになっております。県としては、代替施設は移設先及び周辺地域の住民生活に著しい影響を与えない施設計画とし、住民生活への配慮や自然環境への影響を極力少なくするよう引き続き国に要望していきたいと考えております。
 次に、リーフ外案の提示についての御質問にお答えをいたします。
 リーフ外案を含む3工法8案につきましては、代替施設協議会で積み重ねてきた協議を踏まえ示されたものであると理解しております。
 次に、リーフ上は地元の意思と考えているのかという御質問にお答えいたします。
 さきの代替施設協議会において、名護市長は、代替施設の位置については、地元から提案されたリーフ上を含めた位置で検討してもらいたい旨述べております。
 他方、県内部での検討では、技術的には現場条件や施工性等からリーフ外は厳しく、環境上からは、航空機騒音等の生活環境や藻場等自然環境の保全を図る観点から、県はリーフ内は厳しいと判断し、リーフ上を基本に、地元の意向等を踏まえ、検討を進めていく必要がある旨述べております。これら県や名護市等の意見を勘案し、同協議会において具体的建設場所についてはリーフ上の案とし検討を進めていくことなどの「代替施設基本計画主要事項に係る取扱い方針」が合意されたところであります。
 次に、我が党の代表質問との関連の中の、米陸軍の訓練施設建設についての御質問にお答えをいたします。
 県は、今回の米陸軍の訓練施設建設についてのマスコミの報道があった12月21日、施設の建設位置、施設の具体的な規模、またその内容、施設を使って行われる訓練の内容などの事実関係を在沖米軍、外務省沖縄事務所、那覇防衛施設局に確認したところ、外務省沖縄事務所及び那覇防衛施設局からは調査中であるとの回答があり、米軍からは、当該施設は既存の訓練施設の建てかえであり、キャンプ・ハンセン南側に建設する予定である、現時点で提供できる情報は以上であるとの回答がございました。県としては、さきに照会している事項の詳細を把握した時点で、同施設の建設が県民生活及び産業経済に影響を与えることのないよう適切に対応していきたいと考えております。
 以上でございます。
○警察本部長(太田裕之) 帰国した米兵の処分についてお答えいたします。
 事故関係者の処分については、数次にわたり在沖米海兵隊外交政策部に対し照会をしたところ、同外交政策部次長から、適正な処分が下されたと聞いているが、刑法犯ではなく軍紀違反としての処分であることから、その内容は公表できないとの回答を受けております。
○農林水産部長(天願貞信) 我が党の代表質問との関連でのBSE被害に対する県独自の助成についてお答えいたします。
 県においては、県独自の子牛の価格安定対策事業により再生産が可能な子牛価格を補償しております。今年の1月現在で、体重240キロから310キログラムの規格子牛の平均取引価格は、県内が約23万7000円で、全国は28万7000円であります。
 今年1月の子牛取引価格により補てん額を試算すると、子牛1頭当たり約3万から4万1000円の補てんとなり、契約見込み頭数2万7000頭に対する年間の補てん金の支出総額は約8億から11億円程度の予定であります。
 また、国においても子牛の生産者補給金や出荷助成金等により1頭当たり5万5000円の助成を支援することから、農家の実質的な手取り額は、県の保証基準価格の27万円を上回る32万5000円となり、農家の再生産が確保されることになります。
 子牛の輸送費等の助成については、国の助成事業により1頭当たり県外購買者に対して1万6000円、県内購買者に対して5000円が支給されることになっております。県としては、今後とも畜産農家の被害軽減を図るため効果的な支援策を講じていく考えであります。
 以上であります。
○宮里 政秋 答弁漏れがあります。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午前10時30分休憩
   午前10時32分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 私は、立候補すると明言したことは1回もございません。関係者と御相談をすると申し上げましたので、この話は直接つながらないと思います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午前10時33分休憩
   午前10時34分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 宮里政秋君。
   〔宮里政秋君登壇〕
○宮里 政秋 知事、答えにくくもあるんでしょう。
 ところが、着工までは困難ということはもう非常に明確ですよね。いわゆる政府が、外務大臣が着工までにはこれは困難と言っているんですから、これはあんたの任期中に着工しないことははっきりしているでしょう、11月までしか任期はないんですから。あと六、七カ月でこの工事着工ができるはずはないでしょう。
 結局15年問題というのは、政府が着工までには困難だと言っているんですから、あんたの任期中にはこの問題は解決しないことははっきりしている。そうであれば、公約に責任を持つのであればきっぱり拒否しなさいと、これを私は言っているんです。これが前提ですよ。
 ところが、引き続き県政を担当して15年問題を解決するのか、あるいは次期県政にゆだねるのかということになるから、私はやって、あなたに質問しているんですよ。もう一回御答弁いただきたい。
○知事(稲嶺惠一) 県としては、着工までに何らの進展もなしに進むことはあり得ないと考えており、着工までには政府から一定の方向性が示されなければならないと考えております。
○宮里 政秋 この問題は与党・野党を問わず同じ答弁をずっと繰り返している。
 私は、政治家としてみずからの公約に責任を持つのは当然ですよ。だから、与党の議員の皆さんも決算特別委員会でも一般質問でもあなたの政治姿勢はおかしいですよと。言葉はそう言わないにしても、15年問題についてしっかりしたイニシアチブをとりなさいと、翁長政俊議員も言いましたでしょう。それから比嘉勝秀議員は、問題は政府とあなたの間でちゃんと15年問題に決着をつけてやったらどうかと、これは勝秀議員が質問していますよ。まともにあんた答えてない。いわゆる15年問題はもう困難なんですよ、完全に破綻しているんだ。だからあなたみずからの公約である以上、15年問題が破綻したら新基地建設はきっぱり拒否する、これが公約に通じるんじゃないかというんですよ。
 知事、稲嶺知事、もう一回答えてください。
○知事(稲嶺惠一) 着工までには政府から一定の方向性が示されなければならないと考えております。今後、全力を尽くします。
○糸数 慶子 通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
 まず、知事の政治姿勢について。
 普天間基地の県内移設について伺います。
 15年問題について。
 先ほども出ましたけれども、使用期限という最も重要な条件があいまいになったこういう状況の中で、今、あたかもその条件が守られるような幻想を県民に与えている知事の責任は大きいのではないでしょうか。15年使用期限の公約はどうするのですか。知事の任期中に解決しないときはどうするのでしょうか。もし不可能なら移設受け入れをきっぱり拒否する意思はあるのでしょうか、お伺いいたします。
 次に、軍民共用問題について伺います。
 知事は、第8回代替協で、「軍民共用飛行場の運用については、民間部分のあり方を含め、県が主体となって取り組んでまいりたいと考えております。」と述べていますが、軍民共用空港の管理運営は県か、国か、明確にしていただきたい。
 また、軍民共用でスタートし採算が度外視できる国策空港も15年使用期限が実現されるなら、その時点で採算性が問題になります。もし民間空港として採算性に見通しがなければ使用期限も無意味です。ましてや撤去不可能であるだけに県民に負の財産を押しつけることになります。同空港が地域経済の発展の拠点になり得る民間機能としていかなる空港活用産業や臨空産業を想定しているのか、産業立地の実現可能性についても伺います。
 位置と工法についてはリーフ上を基本に3工法8案で進めるのでしょうか。それとも新しい別の案があるのでしょうか、伺います。
 日米両政府との対応については、知事はこれから秋までの任期中はこれまで日米両政府に述べてきた姿勢で対応されるのですか、伺います。
 次に、環境問題について。
 国連環境計画は、ジュゴン生息状況報告書の中で近い将来絶滅する可能性があると警告しています。普天間飛行場移設候補地の水域は国の天然記念物ジュゴンの生息地であり、第一級の自然保護地域であります。そもそも県の厳正なる保護を図る区域、最高ランクに指定されている海域に基地を新設すること自体無謀であります。県は、世界の自然保護の趨勢や世論に抗しどうやって条件をクリアして代替基地を建設しようとしているのですか。また、保護策についても伺います。
 次に、日米地位協定問題について。
 政府内で県が要求した11項目について、個別・具体的に検討は行われているのか、進捗状況を伺います。
 北谷町美浜の米軍射撃場跡地の廃油ドラム缶投棄事件について、汚染物質の原因者等の特定作業及び費用負担は政府の責任であることを明らかにすべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 撤去作業を含めた環境浄化についてのマニュアルをつくるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 廃油の分析結果を明らかにし、地域住民の不安を取り除くべきだと思いますが、いかがですか。除去作業はこれで終わりなのか、伺いたい。
 次に、旧日本軍飛行場問題について。
 基本的な方向性と解決策について。
 課題と進捗状況と将来展望について伺います。
 まず、振興計画の分野別計画策定スケジュールが発表されましたが、6月の国会審議に間に合うよう戦後処理の最重要未処理案件として上程することは可能ですか。
 もしくは他府県における同事業の戦後処理と同様にしかるべき解決策がなされるよう知事の政治判断を求め、知事の決意を伺います。
 次に、沖縄平和賞について伺います。
 予算措置については12月定例会で、平和賞の創設についてはお手盛りの予算による平和賞ではなく、趣旨を県民に広め賛同する県民からの浄財を集め、一定額に達した後に改めて平和賞創設のための県負担を予算化することを求めました。また、県も資金の公募を呼びかけることになっておりましたが、県民への対応はどうなりましたか。
 次に、選考基準について。
 「沖縄平和賞制度概要」の中に、顕彰対象を3分野に分けて挙げていらっしゃいます。国内には被爆医療に携わった故永井隆博士を顕彰する「永井隆平和賞」や、被爆体験を通して世界に原爆の悲惨さを訴え続けてきた故谷本清牧師にちなんだ「谷本清平和賞」などがありますが、いずれも理念、趣旨が明確であり、被爆体験を基礎にした広島、長崎の核廃絶に向けた取り組みは、時には国の政策とぶつかりながら一貫した姿勢を保ち続けてきました。3分野から1人または1団体を絞り込むというのは、この一貫した理念に反するのではないでしょうか。
 沖縄県が自治体として平和賞を創設するからには、何よりも沖縄の視点が重要だと思います。地域が独自の平和賞を設ける意義は、国の視点とは異なる視点が存在することを示すことにこそあると思われますが、いかがでしょうか。
 また、顕彰対象分野と受賞対象者をどこまで広げるのか。広げ過ぎた場合、県民の間からなぜ金のない自治体がそこまでするのか、どの程度効果が期待できるのかという疑問に知事はどうこたえられるのか、御見解を伺います。
 次に危機管理につきまして、今回の不発弾に対する危機管理のマニュアルの作成について伺います。
 沖縄不発弾対策協議会が昭和49年5月に設置されています。同協議会には国、県もかかわっていると考えますが、県はどの部局がどのようにかかわっているのか、具体的な活動状況について伺います。
 今回の不発弾の庁舎内持ち込みに関しましては、無事に撤去されまして安堵の胸をほっとなでおろしているところなんですが、この経緯を伺いますと、戦争体験のない若い職員の不注意だと思います。危機管理という視点で考えますと、不発弾処理対策のマニュアルがあるにもかかわらず職員に周知徹底させてないことが問題と考えます。今後、全庁的に危機管理マニュアルの周知徹底をしていただきたいと思いますが、いかがですか。
 さらに、職員研修の際に処理対策も義務づけていくことが必要だと思います。市町村の職員にも枠を広げていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、テロの影響で激減した修学旅行、団体客に安心して来県していただくために、沖縄は安全に快適に学習や観光ができることをコンセプトに沖縄観光総合危機管理マニュアルを作成していくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、観光産業の振興策について伺います。
 平成14年2月8日閣議決定されました沖縄振興特別措置法について伺います。
 その第6条の中に、知事は観光振興計画を策定するとありますが、策定については民間の意見をどう反映させるつもりか、また、どのような協議機関で作成していくのか、伺います。
 観光振興地域は、現在何カ所指定しているのでしょうか。
 次に、第8条の中で外国人観光客の誘致、第9条の中で国際会議等の誘致を国際観光振興会が行うことになっていますが、どのような機関なのか、お伺いします。また、その活動費は国の方で措置するのでしょうか。
 次に、第21条環境保全型自然体験活動について、(1)点目、保全利用協定の目的とその内容について伺います。
 (2)点目、同活動の推進に必要な資金の確保、人材の育成、情報の提供について伺います。
 次に、観光行政の現状と課題について。
 観光リゾート局とコンベンションビューローの役割分担について伺います。
 観光リゾート局の組織体制について、(1)点目、企画・立案、マーケティングなどの専門分野の強化が必要と思いますが、ことしの組織改正でどう反映させていくのか、伺います。
 通常業務に加えて専門的知識と経験が要求されるポストと考えますが、適正な人事配置がなされているのか、人事異動のシステムについて伺います。
 次に、観光産業は総合産業と言われておりますが、農林水産業や他の分野への経済波及効果は調査されているのでしょうか。また、他分野についても産業連関、産業育成を視野に入れてどう連携を図っていくのか、お伺いいたします。
 次に、公共事業のあり方について。
 小泉内閣は、来年度の公共投資関係費を今年度比10%削減するという方針を通しております。それに反映される県の公共工事の具体的なあり方について。
 中城湾マリン・タウン・プロジェクト(MTP)について伺います。
 (1)点目、与那原地区の事業計画に見直しがあるのでしょうか。
 同事業に対して県住宅課と県港湾課のそれぞれの対応に違いがあるようですが、それについて具体的にお伺いいたします。
 次に、泡瀬地区臨海部の土地造成事業について。
 平成12年度の中城湾港における入港実績と需要実績について伺います。
 当該事業の必然性及び緊急性について担当部長の具体的な説明を求めます。
 土地利用計画にあるホテル、コンドミニアム、コテージはどの部局が担当しているのか、それぞれの担当部局での同事業の進捗状況について伺います。
 沖縄市域内でのホテルの稼働率について、平成12年度の状況を伺います。
 ホテルの需要見込みとして、県は泡瀬地区への宿泊見込みとして5.27泊としている根拠を示していただきたい。
 埋立必要理由書にある琉球大学の海洋研究所、そして本部、辺野古にある「国際海洋環境情報センター」はどう違うのでしょうか、伺います。
 扇国土交通大臣も、泡瀬干潟は「自然の宝庫と認識している」と国会答弁をしておりますが、知事の御見解を伺います。
 次に、大宜味村地先公有水面埋立事業について。
 県は、村の提出した環境影響評価準備書について予測評価のやり直しを要求していますが、指導内容を具体的に伺います。
 公共用地、住宅用地不足を大宜味村は言っておりますが、町村合併等に求める発想の転換が必要ではないでしょうか、県の御見解を伺います。
 次に、医療・福祉問題について。
 新多機能病院(仮称)・子ども病院について伺います。
 沖縄県周産期保健医療協議会の専門部会での小児部会の具体的な検討事項について伺いたい。
 医師・スタッフ確保のためにどのような手だてを講じていくのか、お伺いします。
 那覇病院を研修医指定病院にし、将来の人材確保に貢献する気はないでしょうか、お伺いします。
 次に、復帰30周年記念事業に位置づけられていますが、同事業にどう反映されるのか、具体的な事業概要を伺いたい。
 次に、久米島病院について。
 公立久米島病院の診療科目と医師の確保について、特に産婦人科医師の確保など住民のニーズにこたえられているのか、伺います。
 次に、看護大学院構想について。
 県立看護大学において大学院設置を検討しているとの報道がありましたが、進捗状況について伺います。
 「新たな沖縄振興に向けた基本的な考え方」での位置づけについてお伺いいたします。
 次に、女性・人権問題について。
 北谷町で発生した米兵による女性暴行事件について、当初予定の判決日程が3月に延期されましたので、判決結果に対する知事の所見と今後の対応策については取り下げますが、先日行われた最終弁論で、米兵の集まる場所に行く日本人女性は性的交渉の黙示的な同意をしている人が多いという弁護側の主張には、これがよき隣人と称する人々の本音かと怒り心頭に発しております。来月の判決に注目したいと思います。
 次に、DV問題について。
 昨年10月13日に「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」、いわゆるDV法が施行されましたが、法律の名称に掲げられているように、この法律の一番の目的は暴力の防止と被害者の保護です。女性たちが期待しているのは、配偶者暴力相談支援センターがどこに置かれるのか、法律に基づいた支援センターの支援内容がどのように図られるかというところです。
 ところが、組織の設置条例に配偶者暴力相談支援センターを婦人相談所とするという経過措置を想定しているので、3月までは女性相談所でもよいのかもしれませんが、4月以降はきちんと配偶者暴力相談支援センターを置くべきだと考えます。
 女性相談所は売春防止法に基づく組織であり、DV法に基づく組織はあくまで配偶者暴力相談支援センターで根拠法が全く違います。組織規程がないと支援センターの看板は掲げられないのではないでしょうか。DV法12条3項で、配偶者暴力相談支援センターの職員に暴力に関して相談または保護を求めた事実の有無云々という規定がございますが、組織条例がないままで支援センターの職員の発令ができるのでしょうか。発令ができなければ沖縄県は保護命令に関する相談はすべて警察で行うことになるのでしょうか。
 DV問題については、意識啓発を積極的に取り組んでいる県の姿勢については高く評価しておりますが、問題は被害者の保護にあり、DV法は被害者の保護対策を求めているのです。
 そこでお伺いいたします。
 DV法施行後の相談件数と一時保護問い合わせは具体的にどの程度ありましたか。平成11年から13年までの件数について伺います。
 一時保護施設の増設はどう対応されたか、お伺いします。
 老朽化が著しい女性相談所を改築し、平成16年度に供用開始になるとの計画は進んでいるのか、進捗状況を伺います。
 DV支援センターの運営事項はどうなっているのでしょうか。
 (1)点目、なぜ条例で設置しなかったのか、理由を伺います。
 条例で支援センターを設置しなくても支援センターの職員として発令ができるでしょうか、お伺いします。
 他府県では午後10時までの相談時間の延長等が議論されているように聞いておりますが、県はどのように検討されているのでしょうか。支援センターの運営事項全般についてお伺いいたします。
 以上、質問を終わりますが、答弁によっては再質問いたします。
○知事(稲嶺惠一) 糸数慶子議員の御質問にお答えいたします。
 最初は、15年使用期限問題の解決についてでございます。
 15年使用期限問題については、県が移設に当たって整備すべき条件とし、また名護市が受け入れ条件としていることから、閣議決定された政府基本方針にも示されているように、政府においてしっかり受けとめられていると考えております。県としては同問題について着工までに何らの進展もなしに進むことはあり得ないと考えており、着工までには政府から一定の方向性が示されなければならないと考えております。
 続きまして、日米両政府との対応についてお答えいたします。
 15年使用期限問題については、基地の提供責任は日本政府にあることから、政府が責任を持って早期に解決すべきものと考えております。
 次に、旧軍飛行場用地問題の解決策及び知事の決意について一括してお答えいたします。
 県議会及び県内51市町村議会において、「沖縄県所在旧軍飛行場用地の早急な戦後処理を求める意見書」が採択されたことを重く受けとめております。県としては、旧日本軍による住民の土地の接収方法や代金の支払い並びに終戦後の米国民政府による所有権認定作業にはさまざまな問題があったと認識しており、旧軍飛行場用地問題に関して国が何らかの戦後処理を行う必要があるのではないかと考えております。
 なお、同問題の検討状況については知事公室長から答弁させます。
 次に、泡瀬干潟についての見解についてお答えいたします。
 泡瀬干潟は、シギ、チドリ類など渡り性水鳥類の飛来地として、また底生生物等の生息場としてその役割は重要であると認識しております。したがって、当該地域については開発と自然環境との整合を図ることが必要であると考えております。そのため、泡瀬地区の事業計画に当たっては、当初、陸続きであった埋立計画を既存陸域から約200メ-トル離した出島方式とし、埋立面積を縮小する等環境保全対策に配慮した経緯があります。
 また、野鳥園や人工干潟の造成等環境保全措置を講じるとともに、学識経験者等で構成する「中城湾港泡瀬地区環境監視・検討委員会」の指導・助言を得ながら干潟環境の保全・創造に努めていくこととしております。
 次に、公立久米島病院の診療科目と医師確保についてお答えいたします。
公立久米島病院は、内科、外科、小児科、産婦人科等を標榜して平成12年4月20日に開設されたところであります。
 開設年度の患者数は、入院が延べ6854人、外来が延べ2万1581人となっており、久米島からのヘリコプター搬送件数は66件で、11年度の119件から約半分に減少しております。
 さらに、平成13年10月からは医師を1名増員し救急医療体制の充実を図る等、住民のニーズに対応した医療の提供を行っているところであります。
 産婦人科医師については、現在、他医療機関からの応援により対応していますが、来る5月から常勤医師を確保する予定として関係機関と調整しているところであります。今後とも公立久米島病院の医療提供の向上に努めていきたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 知事の政治姿勢についての幾つかの質問に順次お答えをいたします。
 まず、リーフ上の3工法8案で進めるのか、別案があるのかという御質問にお答えいたします。
 さきの代替施設協議会において名護市長は、代替施設の位置については、地元から提案された「リーフ上を含めた位置で検討してもらいたい」旨述べております。
 他方、県内部での検討では、技術的には現場条件や施工性等からリーフ外は厳しく、環境上からは航空機騒音等の生活環境や藻場等自然環境の保全を図る観点から県はリーフ内は厳しいと判断し、リーフ上を基本に地元の意向等を踏まえ検討を進めていく必要がある旨述べております。
 これら県や名護市等の意見を勘案し、同協議会において具体的建設場所についてはリーフ上の案とし検討を進めていくなどの「代替施設基本計画主要事項に係る取扱い方針」が合意されたところであります。同方針では、防衛庁等が中心になってリーフ上案での具体的建設場所や最適な工法等について検討を行うこととされており、次回は防衛庁長官からこれらの検討結果の報告を受け、基本計画案の策定に係る協議を行うこととされております。
 次に、軍民共用空港の管理運営と空港活用型産業の立地可能性についての御質問にお答えをいたします。
 軍民共用飛行場は、普天間飛行場の代替施設であることから、その管理権は米側に帰属するものと考えておりますが、旅客ターミナル等専ら民間が利用する地域の管理運営の主体や、滑走路や進入灯など米軍と民間が共用で利用する施設の区分及び管理等について、今後、関係機関で協議する必要があると考えております。県としては、民間部分のあり方を含め、県民にとって望ましい形となるよう県が主体となって取り組んでまいります。
 軍民共用飛行場を活用した産業については、貨物サービス業、貿易等関連産業などの空港関連産業に加え、情報通信関連産業や金融関連産業などの集積が見込まれます。県としては、空港活用型産業の立地に向け、国の支援を得ながらその実現が図られるよう全力で取り組んでいきたいと考えております。
 次に、代替施設の環境問題についての御質問にお答えをいたします。
 普天間飛行場代替施設については、さきの代替施設協議会で決定された「代替施設基本計画主要事項に係る取扱い方針」に基づき、具体的建設場所を地元の意向を踏まえたリーフ上の案とし、環境面、技術面等を考慮し検討することとしております。代替施設の基本計画が策定された後、環境影響評価が実施され、より詳細な検討が行われるものと考えております。県としては、ジュゴンを含め自然環境への影響を極力少なくするよう引き続き国に対し要望していきたいと考えております。
 なお、事業者が行う環境影響評価とは別に、環境省においてジュゴンの全般的な保護策を検討するため、ジュゴンと藻場の広域的な調査を沖縄周辺海域において実施することとしており、県としても協力をしていきたいと考えております。
 次に、地位協定見直しの進捗状況についての御質問にお答えをいたします。
 日米地位協定の見直しについては、県が平成12年に要請した11項目について外務省内部で検討が行われているものと思いますが、現在、日米両政府間で正式に話し合われているのは第17条の被疑者の身柄の引き渡しに関する運用改善についてであると承知しております。県としては、日米両政府において県の要請している環境問題なども含めた11のすべての項目について、日米地位協定の抜本的な見直しに取り組んでいただくよう、今後ともあらゆる機会をとらえて要請していきたいと考えております。
 次に、北谷町のドラム缶投棄問題との関連で、原因者の特定作業及び費用負担についての御質問にお答えをいたします。
日米地位協定では、基地返還後に汚染が見つかった場合、米軍の原状回復義務は免除されており、また軍転特措法においても原状回復に関する措置が具体的に規定されておりません。
この問題については、2月11日に、このような状況を一刻も早く改善すべく国が早急に対策をとることを決定した旨の嶋口防衛施設庁長官の発言がございました。これを受けて、県は、今後同様な問題が起こった場合の対応についてルール化しておく必要がある旨、同長官に申し入れるとともに、2月12日に開催されました三者協の場においても、今回のような事案が発生した際、米軍も含めた対応についてルールづくりをする必要があると申し入れたところであります。
 次に、旧軍飛行場用地問題の検討状況及び新振計での位置づけについての御質問にお答えをいたします。一括してお答えをいたします。
 県としては、旧軍飛行場用地問題の解決を国に要請するに当たっては、1つ、嘉手納基地土地所有権確認訴訟においては国の所有権を認める判決がなされたが、接収用地の返還を求める協議会の要請を実現するための根拠を何に求めるのか。2つ、那覇空港や嘉手納飛行場のように現に使用している国有財産については、国有財産法での処分は不可能であるが、どう考えるのか。3つ、宮古、石垣では既に農地法に基づいて耕作者に払い下げられた土地がある。4つ、読谷村では読谷飛行場地域開発整備計画を作成し、農業生産法人を設立するなどして計画を進めようとしているが、それとの整合性をどう図るのかなどの点について整理する必要があると考えており、これらの問題点について、現在、協議会と意見交換を続けているところであります。
 なお、「新たな沖縄振興に向けた基本的な考え方」の中では、「戦後処理問題への対応を引き続き推進する」こととしておりますので、この旧軍飛行場用地問題についても検討の結果、戦後処理問題として位置づけられるのであれば新振計での対応は可能であると考えております。
 次に、平和賞の資金を公募することについての御質問にお答えをいたします。
 沖縄平和賞の運営に必要な資金につきましては、基本構想において当面は県の財政支援を中心に対応し、将来的には県民参加型の仕組みを含めた財政基盤の整備が現実的であるとしております。このことを踏まえ、今後、本賞の周知を図りながら県民参加型の寄附の仕組み等について検討してまいりたいと考えています。
 次に、選考基準について、沖縄平和賞における沖縄の視点と効果等についての御質問にお答えをいたします。
 沖縄は、かつて琉球王国時代、万国津梁、いわゆるアジアの国々をつなぐかけ橋として活躍した時代があり、平和を大切にする独特な文化をはぐくんできた歴史があります。また、悲惨な戦争体験や戦後の米軍施政下の歴史を通して平和と人権のとうとさを肌身で感じており、この事実と教訓を正しく継承するとともに、恒久平和の創造に努めることは私たちの責務であります。
 沖縄平和賞は、沖縄と日本の平和がアジア・太平洋地域の平和に密接に関係することから、この地域での平和実現に貢献する方を顕彰するものであります。本賞は、アジア・太平洋地域における平和の構築と維持を促進し、沖縄の平和にもつながるものであり、広く国内外から評価されていくものと考えております。
 沖縄平和賞におけるアジア・太平洋地域は、具体的な国名等を特定しておりません。地理的な広がりとしては、西太平洋をベースに沖縄という地域が顕彰することの意味づけとなる沖縄との歴史的交流、沖縄からの移民交流、沖縄戦・在沖米軍基地の3つの視点から「沖縄平和賞」の目的、理念にふさわしい対象地域を選考段階で個別・具体的に判断することとしております。
 以上でございます。
○文化環境部長(永山政邦) 撤去作業のマニュアル作成についてお答えいたします。
 県では、今回の北谷町におけるタール状物質入りのドラム缶の撤去作業については、環境省の定めた「土壌・地下水汚染に係る調査・対策指針」に沿って同町に対し、対象物質や土壌及び撤去場所の特性等を十分に把握し、周辺住民の健康及び環境に影響が生じないよう安全に撤去し、運搬、保管を行うよう指導・助言しているところであります。現在、一時保管されているドラム缶等の処理に当たっては、飛散・流出を防止するなど、廃棄物処理法に基づき適正に処理するよう処理業者等に対し指導・助言していくこととしております。
 分析結果及び除去作業についてお答えいたします。
 県では、1月30日、タ-ル状物質入りのドラム缶が発見されたとの連絡を受け、翌1月31日にタ-ル状物質及び公共用水域、地下水、土壌等周辺環境のサンプリングを行いました。 その分析結果は2月14日に中間報告を行いましたが、タ-ル状物質についてはPCB等有害物質6項目について不検出、または自然界に含まれている数値と比べ大差がないことが判明しております。また、公共用水域、地下水及び土壌についてはすべて環境基準値以下であり、環境への影響は少ないものと考えております。すべての分析結果については近く公表できるものと思っております。
ドラム缶及び汚染された土壌の撤去作業については、北谷町が2月5日に着手し、2月16日に完了しております。
 不発弾の危機管理についてお答えいたします。
 県においては、不発弾等を発見した場合は最寄りの交番または警察署に通報する等の基本的な不発弾の取り扱いや処理体制について沖縄県地域防災計画に定め、これまでも職員への周知を図ってきたところです。また、市町村及び広く県民に対しましては、国、県、市町村及び関係団体で構成する「沖縄不発弾等対策協議会」が作成した同様な趣旨のパンフレットを配布するなど周知を行ってきております。
 今回の件につきましては、発見現場における基本的な対応が不十分であったとの反省から、直ちに──2月18日でございますが──総務担当課長会議を開催し、不発弾の取扱マニュアルの職員への周知徹底を図ったところです。今後とも、新規採用の職員研修会や講演会等いろいろな機会を通して周知を図っていきたいと考えております。
 次に、保全利用協定の目的とその内容及び環境保全型自然体験活動の推進について一括してお答えいたします。
 沖縄振興特別措置法案において、沖縄の自然的特性を生かした観光として環境保全型自然体験活動、いわゆるエコツーリズムを推進するため、事業者が自然環境を大切にした質の高いエコツアーを実施することを支援する措置が盛り込まれております。
 保全利用協定につきましては、エコツアーの案内及び助言を業として行う者が協力してエコツーリズムの実施に関する保全利用協定を締結し、それが自然環境の保全、自然との触れ合いの観点から適当である旨の県知事による認定を受けることができる内容となっております。
 環境保全型自然体験活動の推進の具体的な内容と、指導者やガイドの育成及び講習会の開催等については、今後作成される観光振興計画に盛り込んでいくこととしております。
 続きまして、大宜味村公有水面埋立事業の指導内容についてお答えいたします。
 大宜味村地先公有水面埋立事業についての環境の保全上の意見は、埋立地は半永久的に存在することから、埋め立てに当たっては面積を必要最小限とする必要があること、沖縄海岸国定公園内における39.7ヘクタールもの埋め立てで、法線の形状が景観上大きな影響があると考えられることなどの環境上の問題点を考慮して意見を述べております。
 意見の主な内容は、埋立面積の縮小と潮流シミュレーションを行って法線の見直しを行い、現況の海岸線に沿った、より潮流変化が少ない法線を検討することなどであります。
 また、埋立地に隣接する砂浜で希少種であるアカウミガメ、アオウミガメの産卵が確認されていることから、ウミガメに与える影響などについて予測・評価をやり直すことなどの意見を述べております。
 以上であります。
○観光リゾート局長(糸数昌宏) 危機管理マニュアルの作成についてお答えします。
 突発的な事件等に対処するための危機管理については、観光のみならず全県的な観点から別途検討すべき課題と考えておりますが、緊急事態にも耐え得るよう本県観光の基盤強化を推進してまいりたいと考えております。
 次に、観光振興計画の策定についてお答えします。
 観光振興計画は、上位計画である沖縄振興計画のアクションプランとして位置づけられており、関連業界や市町村からの意見を参考に県において作成するものであります。
 次に、観光振興地域の指定についてお答えします。
 現在、本部町の海洋博公園地域、名護市のカヌチャ地域、ブセナ地域、北谷町の北谷西海岸地域、玉城村の前川地域、平良市のトゥリバー地域、上野村及び城辺町の宮古島南岸リゾート地域、石垣市の川平地域、宜野湾市の宜野湾西海岸地域の9地域が指定を受けております。
 次に、国際観光振興会についてお答えします。
 国際観光振興会は、国際観光振興会法に基づき設置された特殊法人で、海外における観光宣伝や外国人観光客に対する受け入れ対策、国際会議の誘致と開催支援、その他外国人観光客の来訪の促進に必要な事業を行うことにより国際観光の振興を図ることを目的としております。また、その活動費用につきましては、国庫補助金収入と賛助会員からの会費収入等が中心となっております。
 次に、県とビューローの役割分担についてお答えします。
 観光リゾート局は、本県観光の振興に係る基本的な政策及びその具体的な計画・立案、観光統計に関する調査・分析並びに市町村や観光関連団体育成等の行政施策を担っております。
 一方、観光コンベンションビューローは、本県への観光誘客プロモーション事業や誘客イベント、観光客受け入れ対策、コンベンションの推進等具体的な事業の実施及び観光関連業界の総合的な取りまとめ、指導育成等観光行政の補完的役割を担っております。
 次に、観光専門分野の強化についてお答えします。
 今回の観光リゾート局の組織改正は、統計分析や企画・立案、部局間の横断的調整機能を強化するとともに、昨今の多様化する観光ニーズに的確に対応するため、誘客・宣伝等のマーケティング機能の強化を図るものであります。
 次に、観光産業と他産業との連携についてお答えします。
 県では、平成13年度に専門機関と共同で「県内における旅行・観光の経済波及効果」の調査を行いました。同調査によると、観光関連産業の県内総生産に占める割合は7%で、建設業の11.4%に次いで高くなっております。
 また、他産業との連携につきましては、現在、「沖縄県観光・リゾート・コンベンション推進本部」において庁内関係部局との連携を図っておりますが、今後、行政、産業界、学識経験者等から成る観光・リゾート産業振興連絡協議会(仮称)を設置し、新規産業の育成も視野に入れ、農林水産業や製造業等関連産業とのさらなる連携・強化を図ることとしております。
 以上でございます。
○総務部長(當銘直通) 適正な人事配置、人事異動のシステムについてお答えいたします。
 人事異動は、公正公平を基本に人材の積極的な登用と的確な活用を通して職員の士気の高揚、組織の活性化及び公務能率の向上を図ることとしております。
 観光部門につきましても、組織体制の強化にあわせて専門的知識、能力、経験を有する職員を配置する等適正な人事に努めていきたいと考えております。
 以上です。
○土木建築部長(屋比久孟尚) 公共事業のあり方について順次お答えいたします。
 まず、与那原地区の事業計画の見直しについてお答えいたします。
 西原与那原地区の土地利用計画につきましては、埋立地の概成に伴い与那原町から大学誘致案等が示されたことから、平成10年度末に県、地元、学識経験者で構成する検討会を設置し、今後の新たな土地需要の考え方等を踏まえた土地利用の方向性について検討しております。この中で、住宅用地の利用計画については当面現行計画どおり対応していくこととしております。しかし、当該用地の利用が開始されるのが平成18年度以降となることから、県としましては、地域のニーズ等を踏まえつつ、より効果的な土地利用が図られるよう柔軟に対応していきたいと考えております。
 次に、マリン・タウン・プロジェクトにおける中高層住宅の計画の考え方についてお答えいたします。
 西原与那原地区の土地利用計画においては、那覇広域都市計画区域内で増加する人口に対応して必要となる住宅用地のうち、その一部を確保する計画となっております。その際、持ち家と借家の割合を国勢調査の結果をもとに設定し、借家分については中高層住宅形式で用地を確保することとしております。当該中高層住宅の整備については、現在のところ具体化した計画はありませんが、今後、西原町や与那原町とも調整の上、地域のニ-ズに整合した整備が図られるよう検討したいと考えております。
 次に、中城湾港の入港実績と需要実績についてお答えいたします。
 中城湾港新港地区における平成12年の入港船舶実績は、外航旅客船、穀物運搬船、鉄くず運搬船、砂砂利運搬船等778隻が入港しており、最大船舶は、旅客船ではスタークルーズ社の4万トン、貨物船では砂砂利運搬船の4万6000トン等が入港しております。
 また、港湾取扱貨物量は平成12年実績で109万6000トンとなっており、計画値とほぼ同量の貨物が取り扱われております。
 貨物の内容は、農産品としてトウモロコシ、その他雑穀、金属機械工業品として鉄鋼、金属製品、鋼材、化学工業品として窯業品、コークス、化学肥料、鉱産品として原塩、砂砂利、軽工業品として砂糖、特殊品として動植物性製造飼肥料、金属くずとなっております。
 次に、泡瀬地区の必然性及び緊急性についてお答えいたします。
 沖縄市を含む本島中部圏東海岸地域は、那覇市など西海岸地域への都市機能等の集中により活力が低下しており、平成12年度国勢調査のデータをもとに計算すれば、沖縄市の失業率は11.7%で県の失業率9.4%を大きく上回る等、雇用創出効果のある新たな経済振興策が求められております。そのため、中城湾港泡瀬地区においては集客性の高い機能を導入し、産業の核を形成するための拠点地区開発を行うこととしております。
 当該事業は、中部圏経済の活性化に資するのみならず、県の主要施策である特別自由貿易地域を支援する新港地区の港湾整備とも密接な関係があり、新港地区への企業誘致を促進し、本県経済の振興を図る上でも早急な整備が必要であります。
 また、当該事業の早期実現は地元沖縄市民の長年の悲願であり、昨年行われた早期整備を求める署名運動においては沖縄市民から約8万5000人の賛意が得られたことから、当該事業に対する地元の要請は極めて強いことを再確認したところであります。県としては、今後とも国や沖縄市と連携の上、当該事業を強力に推進してまいります。
 次に、ホテル、コンドミニアム、コテージの担当部局及びその進捗状況についてお答えいたします。
 中城湾港泡瀬地区埋立事業ではホテル、コンドミニアム、コテ-ジ等を計画しており、当該用地への企業誘致は県及び沖縄市が行うこととしております。
 当該事業は、工事着手後約7カ年の工期を要し、その後、上・下水道等のインフラ整備を行い、土地利用が開始されるまでには相当な期間もあることから、現時点においては人工ビ-チや海浜緑地の整備等企業誘致に向けた魅力ある周辺環境整備のあり方等について検討を進めているところであります。
 企業誘致については、当面は社会・経済情勢の変化や企業の動向等の把握に努め、誘致に当たっての具体的な条件提示が可能となり次第、沖縄市とも協力しながら本格的に取り組んでいく考えであります。
 次に、沖縄市内のホテルの稼働率についてお答えいたします。
 沖縄市内には平成12年度時点で10軒の宿泊施設があり、そのうち収容人数100人以上が2施設、その他は100人未満の小規模な施設となっており、すべてビジネスタイプであります。これら宿泊施設の稼働率は10ないし90%と大きなばらつきがありますが、平成11年度の平均稼働率は50%となっております。
 次に、宿泊見込みの根拠について御説明いたします。
 平成4年に策定された重点整備地区整備計画調査報告書において、本県の観光について長期滞在型を進める観点から、新規に整備されるリゾ-ト施設については宿泊日数を5.27泊としており、泡瀬地区においてもその考えで宿泊施設の計画を行っております。
 当該宿泊日数は、現在、第4次沖縄県観光振興基本計画審議会において議論されている宿泊日数2.74日から3.74日と比較すると長目となっておりますが、この平均宿泊日数は県全体の新旧あらゆるタイプの宿泊施設の平均であります。県では、「新たな沖縄振興に向けた基本的な考え方」において、長寿・健康をテーマとした滞在型観光を推進していくこととしており、泡瀬地区では高齢者向けのホテルやコンドミニアム、コテージといった長期滞在に適した宿泊施設を計画していることから、将来の観光振興策に沿った計画となっているものと考えております。
 次に、泡瀬地区の海洋研究施設と本部や辺野古の「国際海洋環境情報センター」との違いについてお答えいたします。
 近年、沖縄近海では与那国の海底遺跡を初め海底資源に関する海洋調査船による調査・研究が活発に行われており、泡瀬地区においては、これら調査において採取されたサンプル等の整理や分析を行うための施設として海洋研究施設用地を位置づけております。
 名護市にある「国際海洋環境情報センター」は、海洋科学技術センターが名護市から管理委託を受けて運営しているもので、国際的な海洋・地球環境等に関する資料の収集、電子化等を行い、海洋・地球環境情報を発信するための施設と聞いております。
 泡瀬地区に海洋研究施設が設置された場合、そこで調査・研究された成果が「国際海洋環境情報センター」において集積され一般へ情報提供されていくものと考えております。
 また、本部町にある「熱帯生物圏研究センター」は、主にサンゴ礁やマングローブ水域に生息する動物の生命機能等について研究するための施設であり、サンゴ礁より沖合の海底、深海等の調査を目的とする泡瀬地区の海洋研究施設とは性格が異なるものと考えております。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) 塩屋地先公有水面埋立事業についての御質問にお答えをいたします。
 大宜味村の塩屋地先公有水面埋立計画によりますと、同計画は、大宜味村の地域振興はもとより、本島東海岸の幹線である国道331号と国道58号が結節する地理的条件を生かして本島北部の振興を考慮した拠点づくりとするため、当該地域において核となる地区を形成し、新たな産業を興すための産業施設用地の確保及び定住基盤の創出等を行うものとされております。
 ヤンバル北部は、貴重動植物類が多く生息する山々や沢部が現存し、その他に優良農地として積極的な活用がなされ土地利用転換が望めない状況にあることや、新たな産業振興施設用地や宅地の供給が極めて困難であることなどから、本地先が最も条件の整った場所として埋め立てを行うものであるとしております。
○福祉保健部長(新垣幸子) 医療・福祉問題について、沖縄県周産期保健医療協議会の専門部会での検討事項についての御質問にお答えします。
 沖縄県における小児医療のあり方を検討するため、沖縄県周産期保健医療協議会の専門部会として小児・周産期医療部会を設置し、これまで3回開催いたしました。その中で、小児医療の各専門分野の意見を聞く必要があるとして小児救急、小児循環器医療など21の医療システムに分け、それぞれ10人前後の専門の先生方に検討を依頼し意見を出してもらいました。部会ではこれらを検討の上、今年3月末までには意見を取りまとめ、新病院における機能等を勘案し可能な限り基本設計に反映させていきたいと考えております。
 続きまして、医療・福祉問題の大学院設置の進捗状況及び新たな沖縄振興新法での位置づけについての御質問に一括してお答えいたします。
 現在、看護大学では大学院の開学時期を初め設置する研究科等について検討をしております。今後は、関係者や有識者等で構成する検討委員会を設置してさらに検討を進めていきたいと考えております。また、「新たな沖縄振興に向けた基本的な考え方」では県立看護大学における大学院等を設置推進すると位置づけております。
 女性・人権問題についての御質問のDV防止法施行後の状況とその対応について一括してお答えいたします。
 平成13年10月のDV防止法施行後の女性相談所における相談、一時保護は、月平均で電話相談47件、来所相談49件、さらに各種問い合わせ件数も70件となっており増加の傾向にあります。同伴児を含めた一時保護については月平均延べ38人となっており、一時保護施設の利用者増への当面の対応としては既存施設の改修を行い、居室増の作業を進めております。女性相談所の施設整備につきましては、建設予定地等の課題がありますが、整備が必要な施設の一つとして検討を進めております。
配偶者暴力相談支援センターの運営事項についての御質問にお答えします。
 「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」第3条では、「都道府県が設置する婦人相談所その他の適切な施設において、当該各施設が配偶者暴力相談支援センターとしての機能を果たすようにするものとする。」と規定されております。したがいまして、同相談支援センターの機能については、条例によらずとも女性相談所の所掌事務として沖縄県行政組織規則の改正での対応が可能であります。
 なお、新たに果たすべき機能に対応するため、新年度より婦人相談員の増や心理療法士の配置を行うこととしております。
 それから、追加して御質問のありました職員の発令のことにつきまして、先ほど相談センターが、女性相談所がその機能を果たすということになると申し上げましたので、それぞれの取扱機関名、あるいは機関の長の対応となる旨の回答を厚生労働省から得ておりまして、特に配偶者暴力相談支援センターの職員での発令の必要はなく、女性相談所の職員として配偶者暴力支援センターの業務を行うことになりますので、先ほど申し上げましたように行政組織の改正等を予定して対応することにしております。
 それから、夜間10時までの相談等についての御質問がございました。
 現在、女性相談所では電話・来所相談を土日、祝祭日においても対応しておりますが、勤務時間外においては緊急一時保護についてのみ現在対応しております。さらなる相談時間の延長については、他府県の対応状況等も参考にして検討しているところです。
 以上でございます。
○病院管理局長(新田宗一) 県立高度多機能病院(仮称)の医師等の確保についてお答えいたします。
 県立高度多機能病院(仮称)は、救命救急医療や周産期医療等の母子総合医療など高度・特殊医療を担う病院として整備していく計画であります。これらに対応する医師等の人材の確保につきましては、県立病院間の人事交流等による人材の適切な配置、県立中部病院で実施している医師の臨床研修等を活用した人材の育成・確保等を図るとともに、琉球大学等大学医学部との連携や、県外で活躍している中部病院の臨床研修修了医など県内外から広く優秀な人材を招致し対応してまいりたいと考えております。
 次に、現那覇病院を研修医指定病院にすることについてお答えいたします。
 臨床研修病院の指定を受けるためには施設や病理解剖実績、指導体制等で一定の基準を満たす必要があります。現在、建設を進めております高度多機能病院は臨床研修指定病院を目指しております。したがいまして、病理解剖実績など指定に向けての条件整備を現在の那覇病院においても進める必要があると考えております。このため、平成14年度において現那覇病院の解剖室など一部施設の改修を行うなど、指定に向けて取り組んでいるところであります。
 次に、復帰30周年記念事業への位置づけについてお答えいたします。
 復帰30周年記念事業は、本県の本土復帰30周年の大きな節目を契機とし、新たな世紀を切り開く飛躍のスタートとなるよう22の事業を記念事業として位置づけているところであります。県立高度多機能病院建設事業については、県民の医療ニーズに対応し本県における医療の充実に貢献し、多くの県民が参加、利用するとともに、その効果を享受できる事業であり、県財政が厳しい状況にある中で高度多機能病院建設事業が記念事業に採択されましたことは、そのような事業内容によるものと考えております。
 以上でございます。
○糸数 慶子 再質問をさせていただきます。
 まず、知事の政治姿勢の中の普天間代替施設の15年使用期限問題についてですが、知事は、従来ずっと答弁を伺っていますと、一定の方向性が示されたというふうにおっしゃっていらっしゃいますけれども、この一定の方向性というのは次のうちのどれなんでしょうか。
 例えば1点目、15年使用期限の肯定または否定の回答ですか。
 それとも日本政府と沖縄県との問題の交渉開始の時期のことでしょうか。
 この今2点申し上げました上記以外のことなら、その場合の方向性の意味は何か、お伺いしたいと思います。
 それから、旧日本軍飛行場問題については、これまで代表・一般質問でやっておりましたけれども、きのうの答弁の中に知事が前向きな形で検討していく、きっちり整理していく努力をしたいということを高く評価いたしますが、ただ、それぞれ個々の旧日本軍飛行場には問題があるわけでして、例えば解決に向けて具体的な動きが今あるのは読谷の補助飛行場の問題なんですが、その現状について絞って伺いますと読谷村の取り組みの状況はどういうふうになっているのか、お伺いしたいと思います。
 次に、県とのかかわりについてお伺いします。
 さらには、国・政府サイドの支援状況についてお答えをいただきたいと思います。
 答弁によって再々質問いたします。
○知事(稲嶺惠一) 糸数慶子議員の御質問にお答えいたします。
 私が方向性──もう一度申し上げますけれども──私が申しましたのは、着工までには政府から一定の方向性が示されなければならないと考えておりますと申し上げました。
○知事公室長(親川盛一) 旧軍飛行場用地問題に関連して、読谷村における取り組み状況と支援状況についての御質問にお答えします。
 現在、読谷村におきましては、飛行場地域の開発整備計画を策定しまして農業生産法人を設立するための作業を行っていると聞いております。県は、今後ともそれについて一日も早く読谷補助飛行場の返還につなげるよう支援してまいりたいとこのように考えております。
○糸数 慶子 知事に、先ほど一応一定の方向性についてはどれなのかということを具体的に提示いたしましたけれども、再度お伺いしたいと思います。
 着工までには一定の方向性が示されるということをおっしゃっていらっしゃいますが、それはその15年使用期限の肯定なのか否定なのか。
 それから、日本政府と沖縄県の問題、その交渉開始の時期についてなのか。その2つ以外でしたら、その場合のその方向性の意味は何かということを伺っております。再度御答弁お願いいたします。
 それから、今、知事公室長は、旧日本軍飛行場の問題、特に読谷のことについて答弁がありましたけれども、実際には読谷飛行場の問題については読谷村あるいは総合事務局、那覇防衛施設局とともに読谷飛行場の跡地利用促進連絡協議会を設置したり、読谷飛行場の黙認耕作地問題解決要綱、そういうことを実際に作成して具体的な諸活動を今実際にやっているじゃないですか。
 その飛行場の問題は、まず基地所在市町村の活性化特別事業、いわゆる島懇事業などで関係する事業も実際にあるわけで、具体的な事例、進捗状況について伺っておりますので、再度御答弁をお願いいたします。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
    午前11時48分休憩
    午前11時52分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 糸数議員の再質問にお答えいたします。
 その一定の方向性というのは何かということですが、一定の方向性というのは私ども県としては、既に整備すべき条件としてこれは名護市とともに15年使用期限の問題を提示しておりますので、その進展に向けてのより一歩先方のしっかりした考え方をこちらに当然着工までに一定の方向性が示されなければならないということを申し上げております。
○知事公室長(親川盛一) 読谷飛行場に係る進捗状況についての御質問にお答えをいたします。
 この問題につきましては、議員御指摘のとおり現在読谷村あるいは国の機関等々で今読谷補助飛行場跡地利用促進連絡協議会を設置いたしまして、鋭意協議しているわけでございますけれども、この中で関係者間で各種の跡地利用計画案を作成し、そして協議・調整が進められている状況であるという段階でございます。
○糸数 慶子 知事は、施政方針の中でも、それから公約の中でもこの15年使用期限の問題、解決するとちゃんとおっしゃっていらっしゃいますけれども、それについて今具体的にどちらから、3つ提示して、その事例以外のもし何かがあればということで伺いましても、これに対しては全く聞いている者にとっては何ら進展もない。一定の方向性という割にはちっともその方向性が見えないような答弁をしていらっしゃいますけれども、本当に知事の秋までの任期中にこの問題が本当に解決されるのかどうか。県民にとっては大変注目しているところですけれども、やはり私たちから考えましたら知事の公約、本当に任期中にこれが解決しなければ、移設可能性、それがなければしっかり拒否する意思があるか、再度お伺いしたいと思います。
 それから読谷飛行場の問題なんですが、これに関しましては具体的に読谷村の飛行場跡地利用促進連絡協議会、あるいは耕作地の問題解決要綱があって具体的に会議を開いたり、実際に進展している状況もあるかと思うんですが、それを実は知事公室長にお伺いしたわけなんですが、再度御答弁をお願いしたいと思います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午前11時57分休憩
   午後0時  再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 糸数慶子議員の再々質問にお答えをいたします。
 県としては、15年使用期限問題は私どもの条件として出しておりますので、着工までには政府から一定の方向性が示されなければならないと考えており、今後それら問題が早期解決するよう引き続き全力を尽くして頑張ります。
○企画開発部長(与儀朝栄) 読谷飛行場跡地利用促進連絡協議会についての質問にお答えいたします。
 同協議会は、平成8年10月11日に設置されております。構成メンバーが那覇防衛施設局、それから沖縄総合事務局、沖縄県、読谷村等の4者で構成されております。これまで協議会が9回開催されておりまして、その主な内容を申し上げますと、読谷飛行場跡地利用基本計画、現地調査体制づくりについての検討とか、それから読谷飛行場用地内黙認耕作地問題解決要綱についての検討、その後、約4回ほど島田懇談会のプロジェクト事業や同解決要綱等についての検討がなされております。
○糸数 慶子 残り時間もわずかでありますけれども、ただいまの答弁に必ずしも満足はしておりません。1分13秒残っておりますけれども、残りはまた予算特別委員会に続けたいと思います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後0時2分休憩
   午後1時20分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 午前に引き続き質問及び質疑を行います。
 小波津浩利君。
   〔小波津浩利君登壇〕
○小波津浩利 こんにちは。
 お昼のひとときですが、しばらく時間をかしてください。
 一般質問を行います。
 まず、大きい1、米大統領の「悪の枢軸」発言について。
 1、米大統領は、イラン、イラク、朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)をテロ支援国家として決めつけるなど、「悪の枢軸」発言を繰り返しておりますが、これに対する知事の見解を求めます。
 2、隣国朝鮮とは、武力による封じ込め政策ではなく、対話路線で門戸を開くべきだと思います。そこで、知事は緊張緩和に向けて朝鮮との間で自治体外交、文化交流などを進める考えはありませんか。
 大きい2、沖縄への対テロ訓練施設建設問題について。
 1、米陸軍は2002年9月までにキャンプ・ハンセン中部訓練場南側にテロ訓練施設を建設すると報じられておりますが、その具体的な場所、施設内容などの概要を明らかにしていただきたいと思います。
 2、同施設が建設されますと、今回以上に観光産業などに大きな影響を及ぼすと思いませんか。
 3、着工前に明確に反対表明をすべきではありませんか。
 大きい3、沖縄平和賞について。
 その1、沖縄平和賞は、その基本構想と現実の運営では大きな乖離が生じております。再度原点に返り、中立性・公平性の確保、県行政から民間団体への事務委譲、県民参加の導入、資金の公募など、各面から大幅に運営を改める考えはありませんか。
 2、その基本である中立性・公平性を確保するためには、いかなる場合でも時の権力者から自由、中立が保障されなければなりません。
 そこで、ア、運営母体である沖縄平和賞委員会の委員の構成を中立・公平に見直すとともに、会長である知事、副会長である副知事は退く。したがって、会長、副会長は委員会で互選する。
 イ、受賞候補者の中から受賞者を選考する選考委員会の委員を全員知事が任命するやり方を改める。例えば平和賞委員会の推薦とする。
 ウ、受賞候補者を推薦する推薦人──今回国内550人、国外450人と聞いておりますが──は、「推薦人選定方針」に基づいて選定したと説明しておりますが、具体的にはどの機関で選定したか。平和賞委員会か、同事務局すなわち知事公室か。また、その推薦人を公表すべきではありませんか。
 エ、推薦人から受賞候補者たちが推薦されますと、この名簿は運営母体である平和賞委員会へ報告され、議論されますか。それとも直接選考委員会に提出されるのか。また、その受賞候補者たちは公表されるべきだと思いますが、どうしますか。
 その3、負担金について。
 ア、当初、財政については県負担と市民・民間団体からの寄附で賄うことになっておりましたが、なぜ全額県負担になったのか。募金は呼びかけたのか。
 イ、負担金は法令または契約上の根拠があるべきではありませんか。その支出根拠は何ですか。また、県補助金等交付規則に基づく負担金請求手続はとられておりますか。
 大きい4であります。普天間代替基地建設問題について。
 その1、さきの日米首脳会談は、15年使用期限問題に言及することなく閣僚間で協議させていく、外相会談では国際情勢を踏まえて相談していくと、またしても先送りになりました。つまり、15年問題はこの2年間全く進展していないということになります。だが、知事はこれらの会談を評価する談話を発表しておりましたが、何を評価したのでありますか。
 2、知事は晩さん会で大統領、国務長官らと面談したようですが、そこで何を要請なさいましたか。
 3、一方、中谷防衛庁長官は、「SACO最終報告には15年問題は入っていない。また米側も困難であるという認識は変わっていないと思う。」と語り、あたかも15年問題は日米両政府と関係なく沖縄県知事が要望しているにすぎないというみたいなことを言っております。これが政府の本音ではありませんか。
 4、基地問題の犠牲を負わされる形で、今県の環境行政は国際的な警告を浴びせられていると言っても過言ではありません。国連環境計画はジュゴン生息状況報告書の中で、沖縄周辺のジュゴンが米軍演習や漁網による混獲などのため近い将来絶滅すると警告。保護区の設定など保護計画の立案を勧告しました。県は、政府任せではなく、さきの国際自然保護連盟の勧告とあわせて真剣にこれを受けとめ、地元として早急に保護対策を講ずるべきではないでしょうか。
 5、環境省が計画したジュゴン生息調査は、ジュゴンが最も多く生息し、代替基地建設で危機にさらされている本島東海岸を除外すると伝えられ、大きな失望と不満が起こっております。明らかに代替基地建設に支障のないようにした意図的な調査方法であり、県は自然環境を守る立場であれば、この海域からこそ調査を開始するよう求めるべきではないでしょうか。
 6、米・英・カナダの国際的なサンゴ礁研究グループは、世界で緊急に保護が必要とされているサンゴ礁として沖縄など10カ所を選定し、特に沖縄は最も貴重なサンゴ礁地域であると発表しました。しかし、こうした中で代替基地建設をサンゴ礁の広がるリーフ上に選定したのは県みずから環境破壊のお手本を示すことになりませんか。
 7、指摘されているサンゴ礁保護のため長期的な対策を立てるべきではありませんか。
 大きい5であります。海洋深層水施設の建設について。
 その1、平成12、13年両年度にわたって国頭、糸満の2海域で取水適地調査が行われましたが、その結果はどうなっておりますか。
 2、14年度予算に基本構想策定費が計上されておりますが、その事業内容は。これは内閣府の14年度予算の意味であります。
 3、一部に可能性調査であって建設が前提ではないという情報もありますが、事実はどうですか。
 4、施設建設に向けた今後の事業スケジュールはどうなっておりますか。
 大きい6、北部地区学生宿舎の運営についてであります。
 名護市に島田懇事業によって市内在県立4高校に通う北部全域の生徒を対象とした北部地区学生宿舎が間もなく着工されますが、その運営に当たる舎監及び調理人について県負担が求められております。県立高校の合同宿舎であり、県が予算措置を行うべきだと思いますが、どういうお考えでありますか。
 7、モズク養殖業の育成について。
 その1、県内養殖水産業に占めるモズクの状況はどうなっておりますか。
 2、農畜産物への助成制度に比べて水産業の支援が弱いのではありませんか。モズク生産者に対する生産手段──漁網や用具類や船など──がありますが、これらへの補助制度はどうなっておりますか。
 3、水産物調整保管事業はどのようなものですか。モズク業に適用された実績はありますか。生産者は価格調整のため20キロ缶当たり月60円の倉敷料──これは倉庫料のようですが──を負担していると言われておりますが、県及び市町村の対応はどうなっておりますか。
 4、生産者販売価格は平成12、13年ともキロ当たり130円前後で、平成11年のキロ当たり309円に比べて半値以下の状態になっておりますが、助成策はありませんか。
 最後に、生産量はあるが価格が不安定という需給アンバランスが特徴的にあらわれておりますが、これを克服するために広域的な市場開拓を急ぐべきではないでしょうか。
 以上であります。
○知事(稲嶺惠一) 小波津議員の質問にお答えいたします。
 最初は、「悪の枢軸」発言についてであります。
 世界の現状は、冷戦が終結したものの依然として民族や宗教の対立などから数多くの地域紛争が発生しております。また、地球規模の環境破壊、貧困など多くの深刻な課題が存在しています。これらの平和を脅かすさまざまな課題を解決し、平和共存の世界を実現していくためには世界の人々が相互理解に努め、国際連合を中心として連帯して問題の解決に当たることが望ましいと考えております。
 次に、日米首脳会談の評価についてであります。
 さきの日米首脳会談において、沖縄の負担を軽減するため閣僚レベルで建設的な議論を行うことが話し合われたことや、外相会談で15年使用期限問題を含む普天間飛行場の移設・返還問題や日米地位協定における刑事裁判の手続など個別の問題に関しても話し合われ、今後とも緊密に協議していくことが確認されたことを評価するものであります。
 次に、大統領及び国務長官への要請についてであります。
 ブッシュ大統領歓迎晩さん会において特別に要請をする時間を与えられたわけではありませんが、ブッシュ大統領にお会いした際に、次の機会にはぜひ沖縄県へ御来県いただきたいと、沖縄の米軍基地について考慮してほしいと申し上げました。
 なお、同発言については、パウエル国務長官、ライス特別補佐官及びベイカー駐日大使にもお伝えしたところであります。
 次に、中谷防衛庁長官の発言についてのお答えでございます。
 15年使用期限については、基地の提供責任は日本政府にあることから、政府が責任を持って早期に解決すべきものと考えております。
 同問題については、閣議決定された政府基本方針にも示されているように、政府においてしっかり受けとめられていると考えております。15年使用期限問題については、県が移設に当たって整備すべき条件とし、また名護市が受け入れ条件としていることから、県としては、着工までに何らの進展もなしに進むことはあり得ないと考えており、着工までには政府から一定の方向性が示されなければならないと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(親川盛一) 米大統領の「悪の枢軸」発言についての御質問に順次お答えいたします。
 まず、朝鮮民主主義人民共和国との交流についての御質問でございます。お答えいたします。
 朝鮮民主主義人民共和国と本県は、これまでの自治体レベルでの交流や文化・芸能交歓等の実績はなく、国情もよくわからない状況にあります。北朝鮮との関係につきましては、今後我が国との国交が回復し、対話と協調を前提とした友好交流が図られることを期待するものであります。
 次に、米陸軍の訓練施設の建設概要、観光産業への影響及び建設反対の表明についての3つの御質問について一括してお答えをいたします。
 県は、今回の米陸軍の訓練施設建設についてのマスコミの報道があった12月21日、施設の建設位置、施設の具体的な規模、またその内容、施設を使って行われる訓練の内容などの事実関係を在沖米軍、外務省沖縄事務所、那覇防衛施設局に確認いたしましたところ、外務省沖縄事務所及び那覇防衛施設局からは調査中であるとの回答があり、また米軍からは、当該施設は既存の訓練施設の建てかえであり、キャンプ・ハンセン南側に建設する予定である、現時点で提供できる情報は以上であるとの回答がございました。県としては、今後、詳細な情報を把握した上で、同施設の建設が県民生活及び産業経済に影響を与えることのないよう適切に対応していきたいと思います。
 次に、沖縄平和賞関連について順次お答えいたします。
 まず、沖縄平和賞基本構想と現実の運営の乖離についての御質問にお答えをいたします。
 沖縄平和賞基本構想において、運営母体については一定程度の県の関与を通して組織力、資金力の核の一つを形成するとともに、組織、資金を含めて市民・民間団体を中心とする幅広い主体の関与を導入できる仕組みを通して中立性・公平性の強化を図るため、将来的には新たな財団を設立することが望ましいとされております。
 沖縄平和賞は、これから実施する事業であることや財団の設立にはさまざまな手続を経る必要があることから、当面は任意団体による運営が現実的であるとしております。こうした基本構想の趣旨に賛同して、県内の経済、教育、行政、マスコミ等各種団体、企業の代表者等で構成する沖縄平和賞委員会が設立されたものであります。
 なお、当面は基本構想に示されているとおり、財源については県の財政支援を中心に対応し、将来的には県民参加型の仕組みを含めた財政基盤の整備が現実的であると考えており、今後県民参加型の寄附の仕組み等について検討してまいりたいと考えております。
 次に、平和賞委員会の委員構成と会長等の選び方についての御質問にお答えいたします。
 沖縄平和賞委員会の構成員は、基本構想にもあるとおり、中立性・公平性を確保する視点から沖縄の各界各層を代表する団体の代表者等で構成されております。
 会長、副会長につきましては、沖縄平和賞委員会総会において全会一致で選ばれたものであります。
 また、受賞者の選考に関しましては、有識者で構成する選考委員会が実質的に行うものであり、選考委員会委員には知事を初めとする県関係者は入っておりません。このことは、中立性・公平性は十分に確保されるものと考えております。
 次に、沖縄平和賞選考委員会委員の任命方法についての御質問にお答えいたします。
 沖縄平和賞の事業を円滑に実施するために、沖縄平和賞委員会総会では「選考委員会の委員選定要領」を定め、同要領に基づき会長である知事が選定することについて全会一致で承認されたものであります。
 会長は、同要領に定められた「県民の視点」、「国民の視点」、「国際平和の視点」等の観点から本賞にふさわしい有識者を適正に選ぶことになります。このことから、選考委員選定の公正さは確保されているものと考えております。
 次に、推薦人の選定と公表についての御質問にお答えをいたします。
 推薦人は、沖縄平和賞委員会総会において決定された「推薦人選定方針」に基づき、一般に公開された人名録データベース等を活用し、「平和」に加えて「アジア」、「国際関係」など、本賞と関連のあるキーワードにより事務局が機械的に検索・抽出したものであります。
 推薦人の氏名については、沖縄県情報公開条例第7条第2号の規定の趣旨を踏まえて公開できない情報であると考えます。
 なお、類似顕彰制度においても非公開としております。
 次に、受賞候補者名簿の公表などについての御質問にお答えをいたします。
 推薦のあった受賞候補者につきましては、詳細調査の結果も含めて直接選考委員会に提出し選考いただくこととしております。
 受賞候補者を公表した場合、候補者のプライバシーの問題や外部からの選考委員への圧力がかかるおそれがあるなどが考えられます。これを踏まえて基本構想においては、中立性・公平性を確保する観点から、選考過程は非公開で行うことが望ましいとうたわれており、平和賞委員会としても基本構想の考えに基づき非公開としております。
 なお、受賞候補者の氏名につきましては、沖縄県情報公開条例第7条第2号の規定の趣旨を踏まえて公開できない情報であると考えております。
 次に、県負担金と市民・民間団体からの寄附、募金についての御質問にお答えをいたします。
 基本構想では、資金の確保について幅広く個人から寄附を募る県民参加型の仕組みや、運営組織独自の財源確保等の必要性とともに、制度創設の初期段階では寄附等を財源として期待することは困難であるとうたっております。
 本賞は、これまで基本構想を策定する過程においてシンポジウムや地域説明会などを通して賞の理念や顕彰対象等の周知を図ってきたところであります。今後は、本賞の周知を図りながら寄附金のあり方や募金方法等を検討していきたいと考えております。
 次に、負担金の法令上の根拠などについての御質問にお答えいたします。
 負担金は、法令によって地方公共団体が負担するもののほかに、地方公共団体が任意に各種団体を構成している場合に、その団体の必要経費に充てるための費用の支出等があります。沖縄平和賞委員会への支出は後者に該当するものと理解しております。支出に関しましては、「沖縄県補助金等の交付に関する規則」及び「沖縄県財務規則」に基づき適正に執行するものであります。
 次に、普天間代替基地建設問題についての御質問に順次お答えいたします。
 まず、建設場所をリーフ上としたことについての御質問にお答えします。
 代替施設の建設については、地域住民の生活に十分配慮するとともに、自然環境への影響を極力少なくすることを移設に当たって整備すべき条件の一つとしております。
 代替施設の具体的建設場所について、県内部での検討では、技術的には現場条件や施工性等からリーフ外は厳しく、環境上からは航空機騒音等の生活環境や藻場等自然環境の保全を図る観点から、リーフ内は厳しいと判断いたしました。
 名護市からは、代替施設の位置については、地元から提案されたリーフ上を含めた位置で検討してもらいたいとの意向が示されました。
 さきの代替施設協議会においては、これらを受け、具体的建設場所については、地元の意向を踏まえたリーフ上の案とし検討を進めていくなどの「代替施設基本計画主要事項に係る取扱い方針」が合意されたところであります。県としては、自然環境への影響を極力少なくする施設計画となるよう引き続き国に要望していきたいと考えております。
 以上でございます。
○文化環境部長(永山政邦) ジュゴンの保護対策についてお答えいたします。
 ジュゴンの保護につきましては、国としてもこれから実施する「ジュゴンと藻場に関する広域的な調査」の結果を踏まえ、漁業関係者を初めとする地元の理解を得つつ、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」に規定する国内希少野生動植物種に指定することについて検討していく考えであると聞いております。県としても、長期的視点に立ってジュゴンの保護対策に取り組むことは重要であると認識しており、できるだけ協力してまいりたいと考えております。
 環境省のジュゴン生息調査を本島東海岸域から調査することについてお答えいたします。
 環境省の調査におけるジュゴンの分布調査については、目視情報の多い本島北東部海域を初め、これまで目視確認の少ない本島北西部海域も含め調査することとしており、特に一部報道がなされたような東海岸を除外して調査されるものではないと聞いております。
 なお、調査は航空機による目視調査、地元住民からの情報収集調査が実施されることとなっております。
 次に、サンゴ礁保護のための長期的な対策についてお答えいたします。
 県は、サンゴ礁を保全するため沖縄県漁業調整規則によりサンゴの採取の禁止やオニヒトデの駆除を行っております。また、良好な状態にあるサンゴ礁の一部につきましては、法律に基づき自然環境保全地域や自然公園の海中公園地区に指定して開発等の規制を行っています。さらに、赤土等流出防止条例、水質汚濁防止法や県環境影響評価条例によりサンゴ礁海域の保全に対処しております。
 また、環境省が東アジア海地域でのサンゴ礁保全に係る拠点として、石垣市に設置した「国際サンゴ礁研究・モニタリングセンター」における種々の成果を活用してサンゴ礁の保全に努めてまいりたいと考えております。
 以上です。
○企画開発部長(与儀朝栄) 海洋深層水施設の建設に関して、国頭、糸満での取水適地調査の結果についてお答えいたします。
 内閣府は、平成12年、13年両年度にわたって「沖縄における海洋深層水の有効利用に関する調査」を行っており、平成12年度において本島内数カ所を比較検討し、辺戸岬地域と糸満市南部地域の2カ所が取水地として優位にあるとしております。
 また、平成13年度は利用施設のあり方を検討するために、需要に関するヒアリング調査や事業採算性の検討など、今後、事業を進める上で必要な事業可能性に関する調査を行っており、現在、報告書の取りまとめに向けて作業を進めているところであると聞いております。
 次に、平成14年度の事業内容、可能性調査であって建設が前提でないこと、今後のスケジュール等について一括してお答えいたします。
 平成14年度の事業内容は、平成12年度及び平成13年度の調査に引き続き需要把握調査や海域調査を行うとともに、これらの結果を踏まえ、海洋深層水の利用可能性や必要性についての考え方を盛り込んだ海洋深層水利用基本構想を策定する予定であると聞いております。
 海洋深層水施設建設の要否については、同構想に基づく考え方を踏まえ、事業主体や事業採算性等についての総合的な検討を行い、客観的に判断されていくものと考えております。
○教育長(津嘉山朝祥) 北部学生宿舎の舎監及び調理人の管理費の県負担についての御質問にお答えをいたします。
離島・遠隔地域の高校生を対象とした北部学生宿舎が沖縄県米軍基地所在市町村活性化特別事業(島田懇談会事業)として計画され、平成15年度より供用開始の予定となっております。
 これまで北部学生宿舎管理運営協議会会長などから、舎監及び調理人など管理運営について県で対応してもらいたい旨の要請がありました。県教育委員会といたしましては、北部地区高校長会や関係機関等から広く意見を聞き、どのような支援・援助ができるのか事業主体である名護市とも十分に話し合っていきたいと思います。また、文部科学省や県の関係部局と調整をするなど対応策について検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○農林水産部長(天願貞信) モズク養殖業の育成について、モズク養殖業の現状と生産者に対する補助制度について一括してお答えいたします。
 県産モズクは、本県の特産品として全国生産量の9割以上を占めております。
 平成12年度の本県養殖生産額は69億6000万円で、品目別にはクルマエビが35億7000万円、モズクが19億3000万円、その他魚類等が14億5000万円となっており、モズクの養殖漁業に占める割合は28%となっております。最近5カ年間の生産量は6000トンから2万トンと変動がありますが、近年は豊作傾向にあります。
 生産額については、価格が高騰した平成11年度を除きますとおよそ8億円から19億円で、1キロ当たりの価格は110円から190円で推移しております。
 生産者に対する助成としては、水産業構造改善事業による種つけ施設、加工場等の共同利用施設の整備を行っております。
 漁船、漁網等の購入に対しましては、沿岸漁業改善資金による無利子貸付制度や漁業近代化資金による低利融資制度があります。
 また、モズク等の一元集荷に必要な資金に対する利子補給を行い、漁協経営の安定化、流通の改善に努めております。
 次に、特定水産物調整保管事業についてお答えいたします。
 特定水産物調整保管事業は、豊作で価格低下が予測される場合、生産量の約1割を買い取って保管し、市況が好転した時点で出荷することにより価格の安定化を図ることを目的とした事業であります。
 事業の実施については、財団法人沖縄県漁業振興基金が事業主体となり、買い取り、保管及び販売を県漁連に委託して行うものであります。
 事業に必要な資金については、県が2700万円、市町村が1600万円、生産者等が3900万円を拠出して基金を造成し、事業実施に備えております。
 事業の実績でございますが、試験的に実施した例がありますが、事業実施の前提条件である計画生産体制が不十分なため本格的な実施は現在のところ行われておりません。県としては、モズク価格の安定化を図るため、本事業が有効に活用できるよう生産、集出荷及び販売体制の整備・強化に努めていきたいと考えております。
 次に、モズク価格低下に対する助成策と市場開拓について一括してお答えいたします。
 モズクの単価については、価格が高騰した平成11年を除き近年は1キロ当たり110円から190円で推移しております。
 価格低下に対する助成制度はありませんが、価格の安定化を図るためには計画生産体制を構築することが最も有効と考えております。このため、県漁連、関係市町村及び漁協等で組織する沖縄県モズク養殖振興協議会において毎年目標生産量を設定し、計画生産体制の確立に努めております。
 モズクの市場開拓については、モズク等特産化総合対策事業により系統団体とともに国内外での販売促進を行っております。
 具体的には、首都圏並びに香港、上海など海外での販売促進の実施、モズク料理レシピの作成及び紹介、各種イベントへの出展等による消費拡大を図っております。県としては、今後ともモズク養殖業の安定的な発展を図るため、流通加工対策等各種施策を総合的に推進してまいりたいと考えております。
 以上であります。
○小波津浩利 1点目は、知事、北朝鮮との関係ですが、実績がなく国情がわからないというような答弁がありました。それは、交流がないから国情がわからないのは当たり前でありまして、今の日本政府の状況もそのことを物語っていると思うんです。
 たまたま私、もう随分前に25年前に北朝鮮に行ってまいりましたが、思ったことは、どうしてこんなに近い国が遠い関係になっているんだろうというこのことであります。しかし歴史的には大変深いつながりがありながら、北朝鮮との関係というのは植民地状態でさえまだ解消されてない、このことが清算されないまま戦後50年余も経過しているわけですね。
 一方、残念なことに沖縄には対朝鮮半島に矛先を向けた米軍基地が存在する。この緊張関係を緩和するためにも沖縄の方がとるべき方法はいろいろあろうと思うんですが、やはり歴史的なつながり、歴史的背景を尊重するならば、沖縄こそが自治体外交、あるいはいきなり自治体外交が難しいのであれば、伝統的な琉球芸能の紹介などを通しながら文化交流を深めていくことも一つの方法だろうということでこのことを提起しているわけであって、全く国情をわからないという一言で片づけず、先例地の例も含めながら、検討しながらぜひ再考をお願いしたいと。御答弁をもう一遍お願いいたします。
 それからテロ訓練施設ですが、知事公室長、中部訓練場の南側というとこれは大体予想がつくわけで、現にその地域の宜野座村の福山区には10年前に建設された都市型訓練施設があるわけですね。このことは承知でしょう。
 一方、米軍側は同地域の既存の施設を建てかえるものだということになれば、一般的な想像としてこれは、その福山区の施設を建てかえるのかなという、これは想像することは常識ですよ。そのことを指しているのか、あるいはまた別に建てかえるという言い方で別の場所に新しいのをつくるのか、それは想像はあるでしょうが、いずれにしてもこのことを想定している。この地域というふうにまず見ていいかどうかという点ですね。
 それから2点目は、もっと調査しなければ態度が表明されないという言い方ですが、どこまで調査すれば態度が表明できるんですかということであります。
 皆さん方が問い合わせている調査項目はおよそ3点でありました。位置(場所)、それから規模、訓練内容。これは、例えば米側は訓練内容まで明らかにすると思っているんですか。訓練内容まで公にしてくるなら結構なことですが、そのことは通常明らかにされない。しかし、大体場所が決まってテロ訓練施設を新しくつくりかえるということがわかっている以上は、それこそその時点で態度を表明すべきじゃないかということであります。これが2点ですね。
 3点目、時期の問題です。アメリカの会計予算年度は9月までですから、9月までに建てかえるとするならば、これも常識的に考えてもうそろそろ着工の段階に入るでありましょう。これは幾ら調査をしたって時期を失したら、着工され始めたら、仮に反対の態度を表明したっておよそ無意味になるんではないでしょうか。この調査時期のタイムリミットの問題、それから……、ちょっと待ってください。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後2時2分休憩
   午後2時2分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
   〔小波津浩利君登壇〕
○小波津浩利 さて、比嘉副知事、今、本をアワティーハーティーして取りに行きましたが、ここに「山死して国栄え 山死なば村滅ぶ」というあの10年前、恩納村における都市型訓練施設反対闘争の記録がございます。私、当時から、恩納村長でありました比嘉副知事の先頭に立って闘っている姿を見て大変感銘を覚えたわけでありますが、この本の序文の中で比嘉当時村長は、「私たちの願いは、いつの日にか「基地のない恩納村に生活がしたい」この一言につきます。」という序文をつくりまして闘争記録があるわけですが、さて、この都市型訓練施設の中断に追い込んだ恩納村長として、今、同じキャンプ・ハンセン内に同類施設が建設されることについていかようにお感じになっているかどうか。
 それから、それこそ副知事が先頭になってこの施設建設の反対に立ち上がるべきではないでしょうか。この点をお伺いしたいと思います。
 平和賞についてであります。
 募金は呼びかけたんですか。初めから市民団体に、あるいは団体に呼びかけることはしなかったんでしょうか。
 それから、これは負担金の関係ですが、100%県負担の運営になって、金は出す。私は、具体的に4つの点を提起しているんですが、口も出す、これが今の平和賞の運営の状況になっていると思います。
 そこで逆にお伺いいたしますが、ちょっと答えられていませんから。平和賞委員会の会長、副会長にどうして知事、副知事がつかなければならない理由は何でしょうか。知事、副知事でなければならない理由ですね。
 それから選考委員10人、これは一番重要な機関ですが、この10人全員を知事が任命、指名しなければならない理由は何でしょうか。これは中立性・公平性を保つためにこの疑念がどうしても解けないわけであります。ですから、それぞれ知事がそこに関与しなければならない理由についてお答え願いたいと思います。
 それから推薦人の公表、受賞者候補者の公表の場合も同じ趣旨ですが、ノーベル平和賞でも各種の文学賞の場合でも大体受賞候補者というのはノミネートというんでしょうかね、受賞候補者たちは大体数名に絞られて公表されてくるわけですね。これは何もプライベートな問題ではない。各種賞についてよくある例でありまして、それらを含めてどういう方たちが候補者に上がったんだろうか。その中からどういう方たちが候補者に上ってきたんだろうか、なるほどその選考過程を見てこの人に絞られてきたんだなということがわかるような、このことをやるべきではないかということもあわせてお答え願いたいと思います。
 普天間問題は時間がなくなったですね。あすの我が玉城同僚に譲るといたしまして、とりあえず以上お願いいたします。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後2時7分休憩
   午後2時9分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 小波津議員の再質問にお答えします。
 朝鮮民主主義人民共和国との交流の問題でございますが、私自身も北朝鮮には行っておりますし、そして先方のセットした予定を実は全部変えていただきました。公式日程というのがあったんですけれども、これは佐久川先生と非常に向こうにはお近い、お供をしてまいりまして公式日程があったんですが、私の方で実は要望させていただきまして、いわゆる全く予定のなかった農業、工業、商業、それから一般の料理店にまで行ってまいりまして、日程を私の要望どおりにしていただきまして大変に感謝をしているような状況でございます。その意味で今後、これは国と国というより地域と地域の交流というのは非常に将来とも世界の各地、各国とこれは親密な交流を図るということは大変重要だと思いますので、北朝鮮との関係につきましては、今後、我が国との国交が回復し対話と協調を前提とした友好交流が図られることを期待するものであります。
○副知事(比嘉茂政) 小波津議員の質問にお答えいたします。
 まさか10年も前に終わったあのことが県議会で質問されるとは夢にも思いませんで……。当時の状況からすると、私ども恩納村では都市型訓練施設なるものが余り住民地域に近いということ、それから、これからリゾート地を形成していく上で極めてまずいということが反対の理由でありました。それは村民こぞって同じ意見でありました。そういうことで私が村民代表として頑張ったわけであります。
 今回の問題につきましては、きのう来、代表質問等で知事公室長が答えているように、今後詳細な情報というのを把握した上で対応しなければならないと思っております。今、私は県の一員でありますから、その一員として十分役目を果たしたいと思っております。
 以上です。
○知事公室長(親川盛一) まず、テロ訓練施設は以前に建てられたものなのか、その地域と見てよいか、どこまで調査すれば態度を表明するかという御質問だったと思います。お答えをいたします。
 まず、この地域につきましては、米軍側は、現在答えられるのは中部訓練場の南側というだけであると、この中部訓練場というのはどこどこかということを聞きますというと、キャンプ・ハンセンの訓練地区とキャンプ・シュワブの訓練地区とを合わせたところが中部訓練地域だということで、具体的にじゃ、キャンプ・シュワブなのかと言ったら、先ほどお答えいたしましたとおりキャンプ・ハンセンの南側地域であるということでございます。
 それから、どこまで調査すれば態度表明するかということですが、我々は鋭意、先ほども申し上げましたとおり建設の位置、施設の具体的な規模、内容、施設を使って行われる訓練の内容などを細かく今照会しておりますけれども、これは照会してまだ回答がない段階で態度を表明するということがなかなか難しいわけでございます。
 しかしながら、やはりその施設の建設が県民生活あるいは産業経済に影響を与えることのないように今後とも適切に対応していきたいと、こういうことで適宜・適切に対応していきたいと、こういうぐあいに考えております。
 それから、時期を失したら無意味になる、調査時期のタイムリミットの問題でございますけれども、我々は機会あるときに米軍あるいは外務省、那覇防衛施設局に照会をいたしております。しかしながら、先ほどお答えいたしましたとおり外務省沖縄事務所あるいは那覇防衛施設局からはまだ調査中であるという回答のみで、そして米軍からは先ほどお答えいたしました限りでしか今のところ回答できないと、詳しいことは国防総省に聞いてくれと、こういうことでございます。
 そこで、我々は現在、ニューヨークにおります嘱託員を通して鋭意その情報収集に当たっているところでございます。したがいまして、このタイムリミットはいつかということになりますというと、これは情報を得次第、適切に対応していきたいとこういうことでございます。
 それから、沖縄平和賞に関連する質問にお答えいたします。
 まず、募金を呼びかけたのかということでございましたけれども、先ほども基本構想の中で回答もいたしましたとおり、まずこの平和賞の立ち上げに当たりまして将来的には住民参加型の募金を徴収して、それを財源とすることが望ましいと。しかし、当面は県の負担によるのが望ましいと、こういう報告がございまして、我々としては今後この募金の収集の仕方等々を検討しながら、将来的にはその組織をつくっていきたいということで考えているところでございます。したがって、今、募金呼びかけをしたかということについては、現在はやっておりません。
 それから、金も出す、口も出す平和賞委員会に知事、副知事が出なければならない理由は何かということでございますけれども、やはりこれは知事がこの本会議場において県民の皆さんにこれを約束いたしまして、知事みずからこれを先頭になって進めていかなきゃならぬということで各界各層に呼びかけをいたしましたところ、多くの賛同を得まして、そういう各界各層の方々が平和賞委員会を設立いたしまして、その中で、会長には知事ぜひやってほしいと、こういう全会一致で決まったところでございます。そういうことでございます。
 それから、選考委員10人を知事が任命しなければならない理由は何かということでございますけれども、先ほども申し上げましたとおり、総会において「選考委員会の委員選定要領」を設けまして、それに基づいて会長、あなたがこれを決めてやりなさいと、こういう全会一致の決定を得て作業を進めているわけでございます。たまたま知事が会長になったということで、全会一致で会長になったということでございます。
 以上でございます。(発言する者多し)
 これは「たまたま」と言って大変失礼しました。全会一致をもって会長は知事に選任されたところでございます。
○小波津浩利 テロ訓練施設の調査問い合わせ時期のタイムリミットの問題ですが、もう少し明確に答えていただけませんか。この時期を逸すると取り返しのつかないことになることは百も承知で、どの調査内容がわかった、あるいは時期的にはいつの時点ではっきり態度を示したいということを、少なくともこの部分は明らかにしてください。
 それから2点目に、もし既存の施設の建てかえということであれば、その場合は容認するんですか。
 それから、平和賞の問題は、これは皆さん方はもう事前に原案をつくっているんです。会長・知事、副会長・副知事、選考委員会は知事が選ぶと、実施要綱及びその選定要領まで全部つくって、初めて12月27日に総会をやって皆さん方に提案して全部これはもちろん全会一致で承認されていますよ。しかし、これは皆さん方の意向でしょう。そこで生まれた案ではないんです。
 ですから知事、本当に今後この平和賞委員会を全県民的なものにしたいのであれば、少しこの提案を真剣に受けとめて検討してくださいよ。この部分は知事のお考え方も明らかにしてください。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後2時21分休憩
   午後2時22分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 沖縄平和賞につきましては、これは長い間議論をされました。あくまでも一番大事なのは公平公正ということでございます。その意味で今回の案につきましては、当初から例えばフォーラムを開いて多くの県民の方々の御意見をお聞きし、また各界のお方のいろいろな御意見を聞きながら公平公正な案が練られたわけでございます。今後とも、この沖縄平和賞がいつまでも時代に残るように、私がやめた後でもいつまでも残るように公平公正な方向に持っていくように努力してまいります。
○知事公室長(親川盛一) 陸軍の訓練施設の関係で、どの調査内容がわかった段階で態度表明するのか、あるいは既存の施設であれば容認するのかという御質問に一括してお答えをいたします。
 県といたしましては、訓練施設の詳細を把握した時点で県民生活及び産業経済に影響を及ぼすことが明らかになるのであれば訓練施設建設について厳しく対応してまいりたいと、このように考えております。
○平良 長政 一般質問を行います。
 1、復帰30年問題について。
 (1)、復帰して30年、知事として変わったもの、変わってないものの認識は何か。これからどのような沖縄像を描き、どうしようとしているのか。
 (2)、政府の沖縄施策の30年の変遷をどのようにとらえているか。
 (3)、現在進められている新法、新計画で沖縄経済の自立は達成されると考えているのか。釣り具として十分か。不十分とすれば何か。
 (4)、所信表明で「海兵隊の訓練を県外へ移転」と「在沖米軍兵力の削減」を打ち出したが、具体的にもう一歩進めてあと10年内に、新しい振計が終わる2012年までに海兵隊の撤退の実現を打ち出すべきではないか。
 (5)、沖縄開発庁から内閣府沖縄振興局と組織変更されて沖縄施策はどうなったか。プラスになったのか、マイナスなのか。
 (6)、2月17日、18日の日米首脳会談に沖縄側から何を要求し、どのような成果があったか。
 2、観光立県について。
 (1)、観光客のキャンセル数と被害額、県経済への影響についてどうか。
 (2)、観光客数の対前年との比較、2001年10月から12月はどうか。
 (3)、観光業界から基地災害、国策被害としての補償要求が出されていますが、どのように考えますか。
 (4)、もう一度9・11テロのような事件があったら沖縄観光はどうなるのですか。
 (5)、9・11テロで明らかになったと思いますが、基地と観光は両立しないとの認識についてはどうですか。
 (6)、緊急融資制度も、借りることができない、時間がかかり過ぎる等不評が多かったと聞いております。緊急融資と言いながら、借入申し込みから融資決定まで何カ月もかかったり、融資決定も申込額の半分の例もあったようですが、もっと国策被害という点から配慮すべきではなかったのでしょうか。県は傍観していいのでしょうか。点検はどうなっているのか。
 (7)、県のリピーター対策はどうなっていますか。リピーターが満足する商品を提供しなければリピーターはふえません。リピーターをふやすため沖縄の魅力を再発見し、沖縄観光の活性化を目指す民間の旅行業者が多数あります。これらの民間の沖縄観光活性化への取り組みに対し、県として観光情報の提供や発信、観光インフラの整備、仕組みづくり等の条件整備を積極的に行い、官と民が協力してマーケットニーズに合わせた沖縄の企画商品化を図っていく必要があると思いますが、どうですか。これらの取り組みが結果として、観光の仕組みが沖縄に残り沖縄の魅力向上につながり、地域活性化に大いに貢献していくと思います。
 (8)、OCVBは、民間観光業界からの出向等協力をお願いして民主導へ切りかえてはどうでしょうか。
 (9)、県、ビューロー、市町村観光協会、観光関連業者が一堂に会して沖縄観光誘客等を目的として沖縄観光プロモーション協議会を設立すべきと思いますが、どうですか。
 (10)、県主催の各種イベント等に対する取り組みが遅く、航空会社や旅行会社の商品造成に間に合わないケースが散見されております。効果的な広報宣伝活動になっていないと言えるでしょう。改善すべきではありませんか。
 (11)、観光立県を目指すため観光リゾート局を部へ昇格すべきと思いますが、どうですか。部昇格で総合産業としての観光部門を機能強化させ、予算と要員、専門家の確保を図らなければならないと思います。沖縄観光振興だけを考える部長がいてもいいと思うし、いなくてはならないと思います。地方分権一括法で部局の数も協議から届け出に変更されました。あとは県のやる気だけではありませんか。
 (12)、県民の翼として来年3月、沖縄―東京路線への参入を目指している「レキオス航空」についての県の認識と支援策についてどうですか。
 (13)、2002年度も今年度以上に予算を投入して誘客キャンペーンを続けるべきだと思いますが、どうでしょうか。
 3、バス統合問題について。
 (1)、知事は、バス統合問題で昨年12月議会で私の質問に対して、準備会が立ち上がった時点で県として全力を尽くして頑張りたいとの答弁をいたしておりますが、準備会設立後、どのようなことに全力を尽くされましたか。
 (2)、知事は準備会の代表者等と直接お会いいたしましたか。
 (3)、県は、バス統合問題でどうしようとしているのですか。
 (4)、余剰人員対策の進捗状況はどうですか。
 4、雇用問題について。
 (1)、雇用問題について。
 ア、県内の雇用状況の現状とその打開に向けての県の方策は何ですか。
 イ、雇用拡大のためには雇用開発推進機構をもっと活用すべきではありませんか。
 (2)、ワークシェアリングについて。
 ア、県のワークシェアリングについての見解は何ですか。
 イ、オランダ型ワークシェアリングについてどのように考えていますか。
 ウ、県、経営協、連合沖縄3者で県内ワークシェアリングの推進について話し合う考えはありませんか。
 エ、県庁内ワークシェアリングについてはどうですか。例えば、県庁職員が時間外勤務を5%やめればどれだけの予算が節約され、何人の臨職を雇うことができるのですか。兵庫県では2億円で170人の雇用拡大になったといいます。週4日、30時間、月収は定額制で15万5000円、これは正規職員の初任給を時間換算した額とのことであります。
 5、PFI事業について。
 (1)、県のPFI事業の取り組みはどうなっていますか。
 (2)、民間主導でモノレール旭橋駅周辺地区の再開発事業が進められておりますが、民間の知恵と努力に報いる行政の支援も必要だと思います。県は、この事業にどう取り組んでいきますか。
 6、尖閣列島の油田の日中共同開発について。
 (1)、沖縄経済の自立のため尖閣の開発が県の最大のプロジェクトと思います。産業界への波及効果として8兆3000億円、1万人の雇用創出があるとも言われております。まさに金のなる木であります。事業は沖縄が主張しないと始まりません。
 ア、県内シンクタンクに調査・研究を依頼してはどうですか。
 イ、県庁内での対策室、担当部署を設置してはどうでしょうか。
 7、我が会派の代表質問との関連については、15年問題でやりたいと思います。
 ちょっと休憩してください。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後2時32分休憩
   午後2時32分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
○平良 長政 失礼しました。15年問題について、我が会派の伊波栄徳さんの代表質問で、15年問題が解決しなければ知事は責任をとりますかという質問に対して、知事は、仮定の問題には答えられないという答弁でありました。
 これは仮定の問題ではないと思うんですね。15年問題で、いわゆる知事が幾ら全力を尽くすと言っても、着工までに進展がない場合は2つの方法しかないと思うんです。1つは、進展がないので受け入れを拒否する。もう一つは、どうぞもう努力したけれどもできないので、何年でもお使いくださいというか、この2つしかないので、知事はどちらを選択をするか、まず答えてほしいと思います。
 まず2の選択の場合、どうぞお使いくださいという場合は、やはり戦前・戦中・戦後を通じて沖縄差別やウチナーンチュの心、あるいは人間としての尊厳性とか、自治の精神とかを完全に打ち砕くもので、身も心も政府に売る行為となって県民としては絶対認められるものではないと思います。
 また同時に、2の選択をした場合、政府は稲嶺知事に感謝の意を表しても、昨年四軍調整官が発したように、やはり心の中では「ばかな腰抜け」と思うのではないでしょうか、これは政府はですね。
 辺野古移設では大きなアキレス腱が2つあると思います。1つは、言うまでもなくジュゴンの問題と、もう一つは15年問題でしょう。15年問題を乗り切る方法として、東京サイドでは稲嶺をおろして15年問題をクリアする選択肢もあるとのうわさがまことしやかにささやかれております。
 知事は、次の知事選に立候補するかどうかまだ明らかにしておりませんが、もし立候補する決意が固まった時点では日本政府に対して公約である15年問題を解決しなければ立候補しない、立候補できないと明言をすべきではありませんか。
 以上です。
○知事(稲嶺惠一) 平良長政議員の御質問にお答えいたします。
 最初は、復帰30年でどのような沖縄像を描いているかについてお答えいたします。
 復帰以来、空港、港湾、道路等の社会基盤等の整備が進み、その変化には目を見張るものがあります。また、観光・リゾート産業が発展し、情報通信関連産業の集積も進んでおります。さらに、医療・福祉施設や学校教育施設等の整備が進み、県民生活は確実に向上してきております。
 しかしながら、一方において県民所得は全国に比べ低く、格差の残る分野も依然として存在し、経済の自立につながる物的生産等の産業振興の立ちおくれ、高い失業率や財政依存の構造、広大な米軍施設・区域の存在等いまだ残された課題も多いと認識しております。
 21世紀初頭における沖縄振興については、「格差是正」から「魅力ある地域特性の発揮と不利性の克服」へと施策の展開方向を順次切りかえることにより自立的発展への歩みを確実なものとし、我が国の社会経済の発展に貢献するという積極的な位置づけを基調に進め、平和で安らぎと活力のある沖縄県の実現を目指していきたいと考えております。
 具体的には、活力みなぎる産業が展開する民間主導型の経済社会、アジア・太平洋地域の発展に寄与する地域社会、安らぎと潤いのある環境と共生する社会、多様な人材が活躍する社会を目指してまいります。
 次に、自立は達成されるか、釣り具として十分かについてお答えいたします。
 新法案は、県の基本的な考え方を十分反映し、産業振興のための特別措置を大幅に拡充するとともに、高率補助制度など現行沖振法の特別措置を継承して盛り込んでおります。
 また、世界的視野に立脚した科学技術の振興や国際化の推進、駐留軍用地跡地利用の促進及び円滑化等の特別措置を新たに盛り込むとともに、法律の条文数が現行の58条から120条に倍増するなど、本県の自立的発展に向けた新たな制度的基盤にふさわしい充実した内容になっております。
 しかしながら、制度だけで自立が達成できるものではなく、空港、港湾等の基盤整備に加えて、産業界が優遇税制等を活用し積極的な事業展開を図るなど主体的な役割を果たすことが重要であります。県としては、多方面にわたる人材育成に重点的に取り組むとともに、企業誘致や県内産業の振興に全力で取り組む考えであります。
 次に、海兵隊の撤退の実現についてお答えをいたします。
 県は、海兵隊の訓練の移転及び海兵隊を含む在沖米軍兵力の削減についても、基地の提供責任者である国において米国政府との間で協議する必要があると考え、昨年3月関係大臣に対し要請を行ったところであり、今後とも在沖米軍の兵力削減及び訓練の移転を日米両政府に積極的に働きかけていきたいと考えております。
 次は、日米首脳会談についてのお答えでございます。
 県は、米軍基地から派生する諸問題の解決を図るため、日米地位協定の抜本的な見直しや海兵隊を含む在沖米軍兵力の削減、普天間飛行場の早期返還の実現等についてこれまでも機会あるごとに日米両政府に求めてまいりました。今回の日米首脳会談においては、小泉総理から沖縄の負担を軽減するため閣僚レベルの議論を提案され、ブッシュ大統領はこれにこたえて建設的な議論を行いたい旨述べたと聞いており、日米両首脳の沖縄の米軍基地問題への取り組みの姿勢を評価するとともに、今後閣僚レベルの議論が積極的に行われることを期待するものであります。
 次に、バス統合準備室の設立後の対応についてお答えいたします。一括してお答えいたします。
 バス統合について、統合準備室の代表者等と公式にはお会いはしておりませんが、現在、同室においてバス4社が朝日監査法人に調査を依頼して作成した統合案の検証等を行っていると聞いております。今後、検証結果等を踏まえ、新会社の事業計画が明らかになった段階で県として支援が可能なものについては全力で取り組んでいきたいと考えております。
 次に、雇用の現状と対策についてお答えいたします。
 本県の平成13年平均の完全失業率は8.4%と若年者を中心に依然として厳しい雇用状況にあります。本県の雇用状況を改善していくためには、企業誘致を初め情報産業、観光産業等の振興による新たな雇用の創出が不可欠であり、各種の産業振興策を推進してまいりました。その結果、これまでに情報通信産業等の企業誘致により4000人余の雇用を創出しており、引き続き戦略的な企業の育成や誘致活動を積極的に推進してまいります。
 また、現下の雇用状況に適切に対応するため、現在、緊急地域雇用創出特別交付金事業等沖縄県総合雇用対策に基づく各種の緊急対策を実施しているところであります。
 特に、新規学卒者等若年者については、現在、調査検討中の「若年者総合雇用支援システム」を早期に具体化し、人材育成から就職までの一貫した支援体系を構築する予定であります。今後とも、沖縄振興特別措置法(案)において拡充された各種の制度等を最大限に活用し、産業振興と一体となった雇用対策に取り組んでまいります。
 次に、雇用開発推進機構の活用についてお答えいたします。
雇用開発推進機構は、設立以来、産業振興と有機的に連携した雇用開発や人材育成に積極的に取り組んでおります。これまでに企業の新規創業、経営拡大に対する支援や従業員の人材育成に対する支援等により約3000人の雇用を創出しております。
 本県の雇用状況を改善していくためには、県、市町村、民間が連携し、産業振興と一体となった雇用対策を機動的に推進していくことが重要であり、同機構の体制の強化を図りつつ今後とも積極的に活用してまいりたいと考えております。
 次に、15年使用期限問題が断られた場合の受け入れ撤回についての御質問にお答えいたします。
 15年使用期限問題については、県が移設に当たって整備すべき条件とし、また名護市が受け入れ条件としていることから、閣議決定された政府方針にも示されているように、政府においてしっかり受けとめられていると考えております。
 同問題については、基地の提供責任は日本政府にあることから、政府が責任を持って早期に解決すべきものと考えております。15年使用期限問題については、着工までに何らの進展もなしに進むことはあり得ないと考えており、着工までには政府から一定の方向性が示されなければならないと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 政府の沖縄施策の30年の変遷についてお答えいたします。
 復帰後、政府は、本県の基礎条件の改善と振興発展を図るため3次にわたって沖縄振興開発計画を策定し、諸施策を推進してきました。
 第1次振計及び第2次振計では、本土との格差の早急な是正と自立的発展の基礎条件の整備を図るため諸施策が総合的に講じられました。その結果、社会基盤の整備が進み、本土との格差も次第に縮小するなど着実にその成果が上がり、特に昭和50年の沖縄国際海洋博覧会の開催は本県社会資本の飛躍的な整備をもたらしたものと評価しております。しかしながら、産業経済面においては内外の厳しい経済情勢もあって企業の立地が期待していたほどには進展しないなど、本県の厳しい経済社会は依然として改善されず、2次にわたる振興開発計画によってもなお自立的発展の基礎条件の整備は十分ではなかったと考えております。
 3次振計では、広く我が国の経済社会及び文化の発展に寄与する特色ある地域としての整備という新たな視点が加味され、これまでの本土並みという一元的な施策から他地域にない沖縄の独自性に着目した多元的な施策が進められていることは、時代の潮流や沖縄の特性を的確にとらえたものであると考えております。特に、サミット首脳会合が本県において開催されたことや、グスク及び関連遺産群が世界遺産に登録されたことは県民に大きな自信と誇りを与えたものと考えております。
 また、「沖縄経済振興21世紀プラン」が策定され、観光・リゾート産業や情報通信産業等の産業振興施策が展開されております。これらの施策は、平和で安らぎと活力のある沖縄県の実現に向けた新たな沖縄振興計画に反映させてまいりたいと考えております。
 次に、内閣府への組織変更は沖縄にとってプラスかについてお答えいたします。
 昨年1月の中央省庁再編に伴い、沖縄開発庁及び内閣官房内閣内政審議室の沖縄問題担当室は、他省庁より一段高い位置づけにある内閣府の中に沖縄担当部局として発足しました。これにより国の沖縄振興への取り組みが一本化され、従来以上の強力な体制となりました。この体制のもと、今後の沖縄振興を力強く支える法律、制度の案が策定されました。「沖縄振興計画」の策定に向けても沖縄担当部局を挙げて取り組んでいただいており、内閣府への組織変更は沖縄にとってプラスになっていると考えております。
 次に、県のPFI事業の取り組みについて。
 県においては、平成14年1月、PFI事業導入の手引書となる「沖縄県PFI導入指針」を策定したところであります。今後、PFI事業については、PFI導入指針に基づき県庁内に設置されたPFI推進会議等において導入を検討していきたいと考えております。
 次に、モノレール旭橋駅周辺地区再開発事業への県の取り組みについてお答えいたします。
 モノレール旭橋駅周辺地区再開発構想は、民間施行による市街地再開発事業等の導入が予定され、今後の都市再生を進める上でモデル事業となるものであり、県としても構想の実現に向けて積極的に協力していく考えであります。
○観光リゾート局長(糸数昌宏) キャンセル数と被害額、県経済への影響についてお答えします。
 修学旅行を含む団体旅行客のキャンセル数は、2月20日現在、2120団体、24万7627名となっております。
 県が、昨年9月末で想定した平成13年の入域観光客数は466万人でありましたが、同時多発テロの影響を受け、結果としては433万人にとどまりました。それにより平成13年における観光収入額は209億円の減少となり、県経済に及ぼす影響は291億円の減少と試算をされております。
 次に、観光客数の対前年との比較についてお答えいたします。
 平成13年10月から12月までの入域観光客数は89万7500人で、前年同期間の110万6900人に比較して20万9400人、約19%の減少となっております。
 次は、国への補償要求についてお答えします。
 観光客のキャンセルの要因と米軍基地の関係については、一概には否定できませんが、国においては同時多発テロ発生後、速やかに沖縄観光振興会議や政務官会議等を本県で開催するとともに、関係大臣の沖縄への派遣や緊急キャンペーンの実施、本県への応援ツアーの実施を各種団体に呼びかけるなど所要の措置を講じていただきました。その結果、本県観光は回復基調にあります。県としましては、今後とも国や関係団体との連携のもと、引き続き誘客キャンペーンを実施してまいりたいと考えております。
 次に、同時多発テロのような事件が再発した場合の沖縄観光についてお答えします。
今後、このような不幸な事件が起こらないよう願うとともに、緊急・突発的な事態にも耐え得るよう本県観光の基盤の強化を推進してまいりたいと考えております。
 次に、基地と観光についてお答えします。
 観光客のキャンセルの要因と米軍基地の関連については、一概には否定できませんが、県としましては米軍基地の整理縮小を着実に推進していく一方、本県経済にとって観光産業は重要な産業であることから、観光振興施策を積極的に展開してまいりたいと考えております。
 次に、リピーター対策についてお答えします。
 県が実施した市場調査の結果、沖縄を訪れる観光客に占めるリピーターの割合は約5割となっており、特に7月から9月にかけては6割から7割となっております。県としましては、こうした市場動向を踏まえ、観光客の多様なニーズに対応できる魅力ある企画商品や観光資源の開発、受け入れ体制の強化を図ってまいりたいと考えております。
 次に、沖縄観光コンベンションビューローの民間からの出向受け入れについてお答えします。
 財団法人沖縄観光コンベンションビューローは、本県の観光行政を補完し、観光関連業界を取りまとめる民間の推進母体として重要な役割を担っております。同財団では現在、企画部門、コンベンション振興部門において航空会社、旅行会社、情報通信企業、金融機関等観光関連業界を初めとする民間企業からの派遣職員を受け入れております。今後も、外部組織との人材交流について引き続き積極的に取り組むよう指導し、観光関連業界等の動向、意見等について的確に対応し得る体制の強化を促進してまいりたいと考えております。
 次に、沖縄観光プロモーション協議会についてお答えします。
 現在、本県の観光コンベンションの誘致拡大に関する具体的な方策等を協議するため県、沖縄観光コンベンションビューロー、観光関連業界で組織する「沖縄観光コンベンション推進協議会」が設置されていることから、今後市町村観光協会も網羅した形での組織の拡充・強化を検討してまいりたいと考えております。
 次に、県主催のイベントの改善についてお答えします。
 県では、沖縄の暖かい冬をアピールする「花のカーニバル」や中高年を対象とした「サントピア沖縄」を開催し、県外からの観光客の誘致や旅行商品の販売などに効果を上げております。また、秋口の「大琉球・まつり王国」においては、主催イベントの実施日時や場所、内容等の調整に時間を要し臨時の旅行商品として販売されております。今後はさらにより早いイベント情報の発信に努め、より効果的な観光客の誘致に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、観光リゾート局の組織についてお答えします。
 観光リゾート局の組織については、統計分析や企画・立案、部局間の横断的調整機能を強化するとともに、沖縄観光コンベンションビューローとの役割分担を明確にし、誘客、宣伝等のマーケティング機能の強化を図るため改正する予定であります。今後の組織強化については、他部局の行政施策との関連性や業務量等を勘案し引き続き検討してまいります。
 次に、最後でございますが、新年度の誘客キャンペーンについてお答えします。
 平成14年度においては、県内外における各種誘客プロモーション事業、修学旅行誘致対策事業、復帰30周年記念事業、エコツーリズム推進事業、健康保養型観光推進事業、世界帆船大会セイルコリア2002事業などの各種誘客キャンペーン事業を実施していきたいと考えております。このため、平成14年度における誘客キャンペーン関連の当初予算は7億5005万6000円を計上しており、平成13年度の当初予算6億3630万3000円と比較して1億1375万3000円、約18%の増加となっております。
 以上です。
○商工労働部長(花城順孝) 緊急融資制度の点検についてお答えします。
 緊急融資制度については、県のみならず、政府系金融機関や地銀3行においてもそれぞれ独自の資金を創設し、米国における同時多発テロ発生後、経営の安定に支障を生じている観光関連業者への支援を推進してきたところであります。
 特に、沖縄振興開発金融公庫においては、中小企業者に加え、大企業向けの緊急特別融資制度も創設し融資条件も極めて優遇された支援措置を積極的に推進しており、制度創設後平成13年10月から平成14年1月末までの実績は件数にして218件、融資額は61億3300万円に達しております。同公庫によりますと、融資に当たって個別案件によっては特殊な事情により期間が長引くことがあるが、申込企業の資金需要に的確に対応できるよう審査の迅速化に努めているとのことであります。県としては、なお一層の審査の迅速化が図られるよう申し入れを行いたいと考えております。
 なお、県の制度融資や政府のセーフティーネット保証制度を活用した融資につきましては、中小企業者を取り巻く昨今の厳しい経済状況を踏まえ適宜実績を把握するとともに、弾力的な運用により融資の円滑化が図られるよう金融機関等へ申し入れているところであります。
 次に、ワークシェアリングについての見解及び経営協等3者による話し合いについて一括してお答えをいたします。
 ワークシェアリングについては、沖縄県経営者協会や連合沖縄がそれぞれ検討を始めており、国においても「政労使ワークシェアリング検討会議」を設置し実務者レベルでの検討が進められております。県としては、こうした県内外の動きを踏まえ、本県に適したワークシェアリングのあり方や課題等について重要な検討課題として調査・研究を進めたいと考えており、沖縄県経営者協会及び連合沖縄とも積極的に意見交換等を行ってまいりたいと考えております。
 オランダ型ワークシェアリングについての御質問にお答えします。
 オランダ型ワークシェアリングは、フルタイム労働とパートタイム労働の賃金や社会保障上の差を撤廃し均等待遇の原則に基づく就業形態の多様化を図る「多様就業対応型」と言われ、1982年の政労使によるいわゆる「ワッセナー合意」を契機として推進されました。その結果、当時の12%の失業率が最近では3%以下に大きく改善し、ワークシェアリングの成功事例とされております。
 「ワッセナー合意」の主な内容は、企業は雇用確保に努力し時短を行う、労働組合は賃金抑制に協力する、政府は社会保障負担の軽減や減税を行うこと等であり、これによってオランダの産業の競争力を高め企業投資を活発化させ雇用増を図るというものであります。ワークシェアリングは、その国、その地域の産業構造や労働市場等を踏まえ、かつ労使のコンセンサスを基本として実施されることが重要であり、県としてはこのようなオランダモデルの研究等本県に適したワークシェアリングのあり方や課題等について関係機関と連携して調査・研究を進めてまいりたいと考えております。
 次に、尖閣諸島周辺油田の調査・研究及び県庁内の対策室の設置について一括してお答えをします。
 本県に賦存する天然ガス、石油等鉱物資源の重要性については十分認識しております。このような観点から、平成11年度には本県における鉱物資源について沖縄群島における石油、天然ガス等に関する調査を実施し、現状の把握、課題の整理等を行いました。また、今後策定される沖縄振興新計画においては、沖縄県の産業振興に寄与する方向で石油資源等の調査及び開発の促進を位置づけるべく調整をしていきたいと考えております。
 ところで、尖閣諸島周辺海域の鉱物資源の開発については、平成12年8月9日、参議院外交防衛委員会における審議の中で外務大臣より、中国との間で境界画定が問題となっている水域における試掘については、諸般の事情を勘案して、鉱業法に基づく鉱業権の取得のための出願があった場合において許可または不許可の処分を留保している旨の答弁がなされております。県としましては、このような国等の動向を見守りながら引き続き情報収集等を行ってまいります。
 以上でございます。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) レキオス航空についての御質問にお答えをいたします。
 レキオス航空につきましては、那覇―羽田路線への新規参入を計画しており、航空運送事業の許可に向けて取り組んでいると聞いております。
 国は、航空会社間の競争の促進、利用者へのサービス向上を図るため国内航空分野における需給調整規制の廃止、運賃制度の認可制から事前届け出制への移行を内容とする「改正航空法」を平成12年2月1日より施行しております。これにより路線への参入、運賃設定が自由にできるようになりました。今回のレキオス航空の新規参入は、こうした規制緩和の流れの中での動きと理解しております。県としましては、那覇―羽田路線への就航が実現されれば同路線の一層の競争が促進され、県民など利用者の利便性の向上につながるものと考えております。
 県のレキオス航空への支援策につきましては、今後の就航に向けた動きを踏まえ、可能な支援策については検討してまいりたいと考えております。
 次に、バス統合についての御質問にお答えをいたします。 
 バス統合で県はどのような取り組みをしているのかという御質問でございます。
 バス統合につきましては、基本的には当事者が主体的に取り組むべき問題と考えておりますが、バス事業の公共性や経営環境の変化等を踏まえ、県としてもバス4社の代表者や国と意見交換等を重ねてきたところであります。今後、バス統合準備室において新会社の事業計画が明らかになった段階で、県として支援が可能なものについては全力で取り組んでいきたいと考えております。
 次に、余剰人員対策についての御質問にお答えをいたします。
 バス統合で予想される余剰人員対策は、重要な課題であると認識しておりますが、具体的な余剰人員がどの程度になるかは、今後、バス統合準備室、労組、バス4社間でその内容が詰められるものと考えております。県としては、バス統合準備室の事業計画の中で具体的な余剰人員が生じた場合、その内容を把握した上で雇用あっせん等の対策について庁内の関係部局や国の関係機関との連携を図りながら対応を検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○総務部長(當銘直通) 県庁内ワークシェアリングについてお答えいたします。
 県庁内におけるワークシェアリングの導入については、県内外の民間企業の動向や他都道府県における導入状況等を踏まえながら、今後とも調査・研究していきたいと考えています。
 なお、平成12年度の普通会計決算ベースで知事部局職員の時間外勤務手当5%相当額を試算すると約4500万円となり、1年間を雇用する非常勤職員に換算するとおよそ27人分となります。
 以上でございます。
○平良 長政 再質問を行います。
 まず海兵隊の問題ですが、2点です。
 兵力削減でいいんですが、今4軍あるわけで、事件・事故の数とか、あと米国内の世論とか考えますと、やはり海兵隊に的を絞って撤退要求をすべきではないかということです。
 もう一つは、前県政は2015年までにすべての基地をなくするという「基地返還アクションプログラム」を出しましたが、稲嶺県政の中であと新しい振計の10年、2012年までということで時期を明示して海兵隊撤退を県民運動としてやったらどうかと、時期の明示の点です。
 それから15年問題ですが、知事は全力を尽くすとか、一定の方向性が示されなければならないと言っているわけですが、アメリカも問題にしない15年なんて期限を切ることはもってのほかというのか、軍事上考えられないと言っているし、日本政府も困難だといって、ただ知事が言うからアメリカに伝言しようというその程度でしかないわけで、恐らく難しい。その場合にどうかと聞いているわけで、受け入れ拒否するのか、あるいはどうぞ使ってくださいと最終的に言うかということを答えてほしいと思います。
 それからもう一つは、知事が11月知事選に出る場合に──もし出られるとしたらですが──やはり15年問題を解決しなければ立候補しないと、それだけ公約なんだということをきちっと言うべきだということもお答えをしてほしいと思います。
 それから2番目の日米首脳会談の件ですが、閣僚レベルで話し合おうと小泉さんは言っているわけですが、私が聞いているのは、その会談前に知事は小泉さんに会ってどういう要求をしたのか。例えば日米地位協定見直しや15年問題もぜひ日米首脳会談で取り上げてほしいとか、言ったのかということを聞いておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、政府の沖縄政策30年の変遷についてですが、少しタイトルが大き過ぎたんだろうと思いますが、いろいろ答弁をいただきましたが、私は例えば絞って前県政と今の稲嶺県政の変化はどうかということを考えてみますと、やはり前県政の場合は政策協議会をつくって官邸直結だったわけですが、今は開発庁とか内閣府の権限が復活をして役人主導、あるいは政策協議会の形骸化が進んでいるのではないかと思いますし、2番目には、やはり前県政では県民の気持ちを胸を張ってダイナミックに要求をしていく姿勢から、今はやはり基地を認めるから振興策をくれというようなことに示されるように、やはり政府のあめによる懐柔作戦にはまって、県民分断を許してしまったとも言えるだろうと思います。
 それから3番目に、政府の対応も沖縄に償いという気持ちから、現在はもう安保、基地優先、そういうところに変わってきたのではないか、そういうふうに思いますが、知事は政策協議会の形骸化とか役人主導ということについて、そういう変化についてどう考えているのか。現在の例えば新法新計画の交渉の中でも、やはり政策協議会に持ち込んで重要な問題を解決を図るというのではなくて、沖縄担当部局に持ち込んで役人とやりとりをして、そしてうまくいかなければ取り下げるという、そういうことになっているのではないでしょうか。
 観光問題です。
 災害補償要求については、間違いなのかどうか、それははっきり聞きたいと思います。
 原因者は国ですよね、観光の落ち込みは。風評被害もそうだし、基地提供も国です。そういう意味で国に対してやはり災害補償要求をするのは当然ではないか。それがないと、今後とも例えば沖縄の観光問題は終わったみたいな形に言わせないためにもしっかりその辺は追及すべきだというふうに思います。
 リピーターの件では、ある新聞のシリーズでこういうことを書いてありますね。福岡から1万6800円のツアーで来た50代の女性グループは、沖縄は3回目。今回は安いから来たけれども、もう見るところも余りないし、次は別のところに行くわというふうに言ったということです。
 例えば、ある旅行社で「日本の旬」という取り組みがあって、各地の魅力を再発見、掘り起こして商品化する、地域活性化を図るというそういう取り組みをしているので、やはり県はきちっとそれに対応した観光インフラ整備や仕組み、整備などを積極的にやってほしいというふうに思います。
 商品造成についても遅いと。「大琉球・まつり王国」も10月にありますが、6月に説明会というんですから、もう6カ月前には商品は終わっているということであります。
 それからバス問題は、やはり今のままではもう統合もおぼつかないのではないかというふうに思います。県は、準備会ができれば全力を尽くすといって、準備会ができたのに今度は全容が明らかになってからといって話になりません。もう今月からは需給撤廃が出ておりますので、赤字路線も届け出して6カ月では廃止にできるわけですから、やはり統合して体力をつけて全県各地にバスを走らせなければならないというふうに思います。
 バスは単なる輸送の手段ではなくて、やはりそこで暮らす人々の思いや地域の未来を運んでくる宝物だと思います。知事がイニシアチブをとって動くべきだと思いますが、知事の決意はどうでしょうか。
 再開発事業については、初めての民間主導の事業でありますので、県議会でも超党派で支援をしていくべきだというふうに思っております。
 尖閣列島の共同開発については、やはり宝の持ちぐされであると思うし、まず動くことが先だと。石垣が地番ですから沖縄が声を上げないとどうしようもないわけで、国はこう考えているから様子を見たいという、つまり国追随の姿勢ではなくて、国言いなりの姿勢ではなくて、沖縄がやはりこうだと考えて国を動かさないといけないというふうに思いますので、担当の部署を置くなり、それから予算をつけるなり、ぜひお願いをしたいと思います。
○知事(稲嶺惠一) 平良長政議員の御質問にお答えをします。
 最初は、小泉さんに何を事前に話したかという、今回のブッシュ大統領の件につきましては、小泉さんとは直接は事前にお話をしておりません。しかし、先ほどお答えで申し上げましたように、私どもは基地から派生する諸問題の解決のために日米地位協定の抜本的な見直し、海兵隊を含む在沖米軍兵力の削減、普天間飛行場の早期返還の実現についてこれまで機会あるごとに日本政府の関係者に求めてまいっております。
 次に、15年の問題でございますけれども、これは仮定の問題でいろいろ御質問等ございますが、それについては直接お答えできません。
 私としては、基本的には基地の整理縮小を求める沖縄県民の気持ち、そして基地の固定化を避けるという気持ちを十分に私としても受けとめておりまして、先ほどから申し上げましたように、この点につきましては着工までに日本政府から何らかの方策が示されると、それに向かって全力を尽くして頑張ります。
○知事公室長(親川盛一) 海兵隊に絞って兵力削減をしたらどうかということと、2012年までに海兵隊兵力削減計画をしたらどうかという趣旨の御質問に一括してお答えをいたします。
 海兵隊を含む在沖米軍兵力の削減は、沖縄県民が背負っている過重な基地負担の軽減を図るため、在沖米軍兵力に占める存在が大きい海兵隊を中心とした兵力の削減を県民の基地負担の軽減というトータルな視点から求めるものでありまして、昨年3月関係大臣に対しましても海兵隊の訓練の移転及び海兵隊を含む在沖米軍兵力の削減について要請をしたところであり、今後とも日米両政府に対して積極的に働きかけていきたいとこのように考えております。
○企画開発部長(与儀朝栄) 沖縄の振興施策は沖縄政策協議会が形骸化し、基地を前提とした振興策となっていないか、また国の償いも見えないのではないかという再質問にお答えいたします。
 昨年7月に国に提案した「新たな沖縄振興に向けた基本的な考え方」は、県振興開発審議会における審議、県議会における議論及び県民フォーラムにおける意見聴取等を踏まえ取りまとめたものであります。
 このたびの沖縄振興特別措置法案は、県の基本的な考え方を十分反映し産業振興のための特別措置を大幅に拡充するとともに、高率補助制度など現行沖振法の特別措置を継承して盛り込んでおります。また、世界的視野に立脚した科学技術の振興や国際化の推進、駐留軍用地跡地利用の促進及び円滑化等の特別措置を新たに盛り込むとともに、法律の条文数が現行の58条から120条に倍増するなど、本県の自立的発展に向けた新たな制度的基盤にふさわしい充実した内容となっております。
 また、新法案は、去る1月25日の第18回沖縄政策協議会において審議され了承されております。
 以上であります。
○観光リゾート局長(糸数昌宏) まず国に対する補償要求についての再質問でございますが、これにつきましては先ほど申し上げましたとおり、同時多発テロ以降、国におかれましては緊急キャンペーンの実施、あるいはいろんな形での沖縄観光支援のための措置を講じていただきまして、その結果、本県観光は現在回復基調にあります。ですから、今後とも県としましては国や関係団体との連携を密にして引き続き本県観光の振興を図ってまいりたいと考えております。
 それからもう一つは、リピーターの件でございますが、確かに議員おっしゃるとおり、魅力の再発見ということで再度来ていただく観光客に対しては、やはり地域のさらなる魅力を提供しなければいけないと考えておりまして、今後マーケティング活動を強化して、要するに市場の動向あるいはその観光客の求めるのが何なのかということをひとつ市場調査等に力を入れまして、今後魅力的な企画商品や観光資源の開発と受け入れ体制の強化を図ってまいりたいと考えております。
 それから次に、商品企画が遅いという御指摘でございますが、これにつきましては確かにこれまで誘客効果をより高めるためにいろいろイベントの内容を変えまして、そのために会場を変えたりしまして、そういったことで対応がおくれたこともございますが、今後は主催イベントの内容を早目に決めまして、その日時、会場等につきましても十分企画に間に合うような形に持っていけるよう改善してまいりたいと思っております。
 以上です。
○商工労働部長(花城順孝) 石油資源の件でございますが、県内に賦存する天然ガス、石油資源等の開発については、本県の振興にとって重要な課題といいますか、大きな可能性を持つものであると認識をしております。
 そのような意味でも今後とも情勢を見きわめながら的確に対応してまいりたいと考えております。
○平良 長政 何かあしたジュールクニチーと焦っている人が多いようなんで、1つだけ質問して、3つは簡単に要望したいと思います。
 質問は15年問題ですけれども、知事はなぜ15年かというときにやはり県民の基地に対する気持ちがもう許容範囲だということで15年とこう言って、これは選挙公約の大きなものであったわけですが、さて選挙、もし出るとなるとそれが解決していなければ公約を実現できなかったということで、やはり知事の出馬ができないと我々は考えますが、その辺はどうでしょうか。
 要望です。
 まず1点は、日米首脳会談ですね。あらゆる機会をとらえてと知事は言っていたけれども、今回そういう大事なときに話をしていないということは残念至極です。たしか1996年の4月の橋本・クリントン会談でも沖縄側から要求して兵力構成を見直すという文言が入ったというのは記憶に新しいところなんで、小泉さんは「聖域なき構造改革」と言ってまさに基地の一国二制度は沖縄にあるわけで、その構造改革させるために全力を尽くしてほしいと思います。
 それから、バス問題もやはり知事が先頭になって動くことが統合への第一歩と思いますので、これもよろしくお願いしたいと思います。
 それから尖閣ですが、情勢を見きわめてとかさっきよりは少し前進した回答があったんですが、国が言うからもうしようがないんではなくて、やはり歴史を動かすという立場でぜひ頑張っていくべきだというふうに考えますので、ぜひ担当部局を決める、予算もつけるという形でお願いをして終わりたいと思います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後3時33分休憩
   午後3時34分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 15年問題についての御質問でございますけれども、私はあくまでも着工までに何らの進展もなしに進むことはあり得ないと考えており、着工までには政府から一定の方向性が示されなければならないと考えております。その方向に向かって全力を尽くして頑張ります。
○議長(伊良皆髙吉) 以上で本日の一般質問及び議案に対する質疑を終わります。
 本日の日程は、これで全部終了いたしました。
 次会は、明27日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後3時35分散会

 
20020105000000