平成24年(2012年) 第 1回 沖縄県議会(定例会)
第 5号 2月27日
 


○議長(髙嶺善伸) これより本日の会議を開きます。
 日程に入ります前に報告いたします。
 説明員として出席を求めた教育委員会委員長安次嶺馨君は、別用務のため本日から29日までの会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として本日の会議に教育委員会委員安里政晃君、28日の会議に同委員会委員新垣和歌子さん、29日の会議に同委員会委員宮城奈々さんの出席を求めました。
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○議長(髙嶺善伸) 日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案から甲第34号議案まで及び乙第1号議案から乙第55号議案までを議題とし、質疑に入ります。
 質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
 当銘勝雄君。
   〔当銘勝雄君登壇〕
○当銘 勝雄 おはようございます。
 社民・護憲会派の当銘勝雄でございます。
 私にとりましては、本日の一般質問で最後の本会議質問になりますが、2期8年目あっという間に過ぎ去った感じがいたします。
 8年前、県政に臨むに当たって「自治の確立、産業の進展と経済の自立」を柱に掲げた。自治については、明治から今につながる琉球処分、アメリカ統治による自治権の剥奪、人権無視の社会で行政にかかわってきた。それが自治意識を強くさせた。
 かつて米軍統治下にあったときに、時の高等弁務官が沖縄には自治はない、「自治は神話」とやゆされ、財政援助も少なく、むしろ統治者として日政援助が米軍の援助を上回ることを牽制したものでありました。このような背景から自治権は抑圧され、産業経済も進展せず、貧乏県が続いて今に至っております。
 平成21年には憲政100周年の節目を迎えました。そのときに思い浮かんだのが建議書でありました。琉球政府から新生沖縄県の時を経て、じかに建議書を知る者が少なくなっているときに、復帰対策要綱総点検と建議書作成にかかわった者として、県民の心の中に刻んでほしいとの思いを込めて本会議で所感を述べたものであります。全県民が待ち望んだ祖国復帰に対し、余りにも県民を失望させる復帰対策が進められようとした。それに対する琉球政府主席は、政府に物申す建議書を作成したのであります。しかし、それは政府に届かぬまま幻に終わったのであります。行政主席がそれを携えて羽田におりたときには、国会は議決をしてしまった。
 県議に当選して、この思いを堅持して議会活動、政治活動を展開してきました。しかしながら、過去の議会活動を振り返っても、産業、経済問題に増して米軍基地問題に翻弄され、多くの時間を費やしております。その割には、今なお基地問題の改善がなされないもどかしさが残るのであります。
 けさ、野田首相は初めて県庁を訪問された。民主党政権になって3人目であります。怒りのカードで迎えられた鳩山首相、同様に歓迎されない野田首相。沖縄県民の米軍基地の負担軽減を掲げ、普天間問題を進展させるための来沖でありますが、しょせんそれは国民向けのメッセージであって、私たち県民が望まない普天間飛行場の解決手法は、新たな基地建設を押しつける何物でもないからであります。
 2月20日発行の照屋寛徳衆議院議員の著書「沖縄から国策の欺瞞を撃つ 構造的沖縄差別を問う!」と国政における沖縄問題を中心に書かれております。中でも、2009年は琉球処分から130年、民主党が歴史的政権交代を果たした年、鳩山党首は選挙戦で、普天間飛行場は「国外、最低でも県外」と公約し、県民の期待は大きく、新政権によってこれまでの構造的差別の政治が大きく変わると期待された。しかし、鳩山首相は「抑止力」の観点から辺野古移設に回帰させ、県民の信頼を失った。さらに、今度は「抑止力」発言は「方便」だったと告白し、ますます県民の信頼をなくしたものであることが記述されております。
 アメリカ政府も日本政府の進め方に業を煮やし、パッケージの進め方を変えたにもかかわらず、政府は沖縄もうでを始めております。野田首相の本日の来沖はそのものであるというふうに思います。
 新たな沖縄振興制度や一括交付金制度の実現には、県議会も一生懸命取り組んでまいりました。それと引きかえに新たな基地を認めてくれとの要求には、県民の総意として応じられません。政府は、真剣に県外・国外移設を検討すべきであります。これが県民の望む真の負担軽減であります。
 時あたかも毎週日曜日は、1972年の沖縄返還協定をめぐる密約をドラマ化した「運命の人」が放映されております。それに先立ち、政府は、新聞記者の名誉回復をしないと閣議決定しておりますが、沖縄問題は密約で葬られているのであります。
 そこで質問いたします。
 1、改正沖縄振興特別措置法について。
 (1)、県が沖縄振興計画を策定できるように改正される方向であるが、首相が定める基本方針に沿うという一定のたが、縛りがはめられることになると県の主体性の確立はできないのではないか。
 (2)、計画において一定の制約を受け、さらに一括交付金の要求段階で政府の関与になれば骨抜きになるのではないか危惧するものであります。
 (3)、一括交付金の一部(123億円)の事業化が保留され、4月以降の補正予算に先送りされましたが、自由度のきく交付金制度の足かせにならないのか伺います。
 そこで、主な事業は何か、保留の理由は何か、補正されなければ実質的に交付金が目減りするが、どうなりますか。
 (4)、一括交付金の基金運用制度の導入について。これについては代表質問でもありましたが、それ以外について答えてください。
 2、改正米軍跡地利用促進法についてであります。
 跡地利用促進法は、待ったなしに3月31日に切れます。これまでの跡地利用促進法には多くの問題があっただけに、改正の方向は政府案に対し自公や社民党などの野党案が提出され、政府案に比べて野党案のほうが改善の方向にあると思われるが、どのような調整がなされているか気になります。
 そこで質問します。
 (1)、政府案と野党の共同提案とは大きな隔たりがあるとされるが、県が提出した改正案との違いは何か。
 知事は、自民党の代表質問の答弁では、自民党案は県の要望に近いと言い、野党の質問への答弁では、政府は県の要望をよく取り入れていると発言しているが、何が本当かわからない。明確に答弁してください。
 (2)、国会審議の中で県はどう対応していくか問います。
 3、政府税制調査会が決定した沖縄関連税制の概要を問います。
 大きな4、知事の施政方針関連であります。
 (1)、県立病院事業の経営形態については、経営再建検証委員会による結果を踏まえ検討することとするとしておりますが、委員会の権能、性格、構成メンバーについて伺います。また、平成24年度の一般会計からの繰入額59億円は前年度に比べ25億円も少なくなっているが、委員会の提案によっては変更もあり得るのか問います。
 (2)、農村漁村の活性化を図るため、都市と農村の交流事業や就業機会の創出に取り組むとなっているが、具体的に事業の中身、種類、予算規模、箇所数を伺います。
 (3)、世界水準の観光・リゾート地の形成で多様な機能を備えた統合リゾート施設の研究・検討を継続すると記述しておりますが、どのようなリゾート施設か、これまでの成果を伺います。
 (4)、農水産業の振興で、沖縄型共済制度の充実強化に取り組むとなっておりますが、適用作目及び共済の仕組みについて問います。
 (5)、台湾との農林水産業分野における技術研究交流を促進すると記述しておりますが、福建省との技術交流は終了するということになるのか問います。
 5、米軍基地問題について伺います。
 普天間飛行揚の移設については、多くの国会審議を通じて少しずつではあるが国民がわかるようになったというふうに思います。しかし、政府は、国会審議で「普天間飛行場の一日も早い危険性の除去を図るため、沖縄県と話し合って辺野古に移設する」と答弁を繰り返しております。さらに、質問者の多くは首相が直接沖縄を訪問し、じかにこれまでの失言、失政をわびて解決を図れとのやりとりが多くあります。この根底にあるのは、メアの沖縄県民はゆすりの名人発言や一部の辺野古容認発言、北部の山村地域振興との引きかえなど少数の誘致賛成があることに政府の思惑を感じます。また、知事が明確に辺野古移設反対を言わないことにも望みをかける要因をつくっているというふうに思うわけであります。
 そこで質問します。
 (1)、アメリカ上院議員において辺野古への普天間移設予算を認めないとし、嘉手納統合案を示している。知事の所見を問います。
 (2)、2月8日の日米協議の共同発表で、在沖縄海兵隊のグアム移転と沖縄本島嘉手納以南にある米軍の5施設・区域の返還を普天間移設と切り離して先行するとしているが、これまでのパッケージ主張の変更をどういう背景にあると考えるか問います。
 (3)、パッケージ推進の変更は普天間の固定化が懸念されるが、知事の所見を伺います。
 (4)、2月18日の田中防衛大臣の知事面談は防衛省の要望で非公開にされたが、なぜ公開にしなかったのか、密談するものがあったのか問います。
 (5)番目は取り下げをいたします。
 6、環境影響評価書について。
 (1)、未明に守衛室に届けられた評価書に対する所見、沖縄防衛局へ何らかのアクションを起こしたのか問います。
 (2)、県環境影響評価審査会は2月8日に答申され、生活環境や自然環境の保全は不可能とされた。知事の所見を伺います。
 (3)、26項目175件の不備が指摘され、事実上辺野古代替施設建設計画を否定したと報じているが、知事は辺野古移設反対を明確にすることになるのか問います。
 (4)、オスプレイの配備は当初ひた隠しにしてきたが、評価書段階で記述し、滑走路の長さ1600メートルとした。アメリカ側の検討の結果1800メートルになったが、ハワイの評価書では2146メートル以上が必要と判明した。防衛省の県民だましに翻弄されてはならない。所見を伺います。
 (5)、審査会会長が答申に当たって、県知事意見について審査会意見や住民の声を尊重していただけるものと期待するとコメントしておりますが、どう認識するか問います。
 (6)、県議会は、11月議会で米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対し、環境影響評価書の提出断念を求める意見書を可決したが、これに賛同して元知事や前知事、大学教授など各界の県内有識者が党派を超えて声明を発表した。沖縄県民の声を代表するものと思います。知事意見にどう反映させるか伺います。
 7、TPPについて。
 (1)、日米の事前協議は昨年末行われる予定であったが、今年に持ち越した。その背景は何であったと考えますか。
 (2)、日本のTPP参加について、米国においてかつて自動車の輸出国であるアメリカに日本の自動車が入り込むと懸念がなされ、一部反対する向きもあるようだが、米国がTPPを進める背景は何か、知事の所見を問います。
 (3)、我が国がTPPに参加した場合、本県の農業の破壊、地域の崩壊につながると懸念がなされているが、知事はどのような対策を講じてきたか伺います。
 大きな8、農業問題。
 (1)、政府は、TPP交渉参加を前提に農業再生基本方針を定めたが、本県の農業再生は可能と考えるか伺います。
 (2)、関税撤廃による農林水産省の試算で、さとうきびは輸入物と品質格差がなくすべて置きかわり、牛肉、豚肉においても肉質が高級なもの、銘柄豚を除いて20ないし30%しか残らず、本県の主要農産物が壊滅する。政府へどう要請したか問います。
 (3)、農業再生基本方針は規模拡大が主体であり、遊休農地は再生可能エネルギー事業導入が示されているが、農業再生方針のつけ足しにしかならない。どう認識するか問います。
 (4)、本県における6次産業化支援の取り組みを聞きます。
 大きな9、試験研究機関のもとの所管部への移管について。
 (1)、平成16年の企画部への移管に伴い研究部門の人員が大幅に削減され、特に農業試験場と畜産試験場が大きく削減されている。現業部門への移管に当たっては原状回復を図るべきではないか問います。
 (2)、農水産業の衰退に対応して、生産物の付加価値を高める6次産業化が進められているが、本県における研究部門における研究課題や項目等取り組みの現状について伺います。
 (3)、定員削減によって大きく期待できる研究課題がありながら進められていない状況があった。定員算定をしっかりやって体制を強化し、研究成果を図るべきではないか伺います。
 (4)、本県は唯一亜熱帯気候で栽培作目も違い、病害虫なども違い、国や他県の試験研究データが適用できず、県独自の研究体制強化を図らねばなりません。類似県と比較して研究体制はどのような状況になっているか伺います。
 以上であります。
○知事(仲井眞弘多) おはようございます。
 当銘勝雄議員の御質問に答弁いたします。
 第1に、改正沖縄振興特別措置法に係る御質問の中で、基本方針と県の主体性の確保についての御質問にお答えいたします。
 国の基本方針に基づき県が計画を定めるという法制は、離島振興法や東日本大震災復興特区法など、国と地方自治体が適切な役割分担のもと、地域振興を推進するためのあらゆる法制において考え方が採用されているシステムであります。
 沖縄振興特別措置法は、財政・税制上の特別措置が盛り込まれ、他の地域振興法に例を見ない画期的な法律となることから、沖縄振興につきましては国と県とがそれぞれ役割と責務を分担し、協働して取り組むべきものと考えております。このことから、国が沖縄振興の意義及び基本的な方向性を示した基本方針を定めることは、沖縄振興に関する国の責務、そして県との協働関係を明確化するためであり、県の主体性は十分発揮できると考えております。
 次に、環境影響評価に係る御質問の中で、審査会からの答申に係る御質問にお答えをいたします。
 沖縄県環境影響評価審査会からの答申では、評価書で示された環境影響の予測・評価の結果や環境保全措置の内容につきまして不適切な事項を示した上で、当該事業は環境の保全上重大な問題があると指摘しております。また、評価書で示された環境保全措置などでは、事業実施区域周辺域の生活環境及び自然環境の保全を図ることは不可能との意見が述べられております。
 県といたしましては、同審査会の答申を尊重し、知事意見に盛り込んで、去る2月20日に意見を述べたところでございます。
 その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁させていただきます。
○副知事(上原良幸) 知事の施政方針関連についての御質問で、沖縄型農業共済制度推進事業の内容についてお答えいたします。
 沖縄県は、台風接近が年平均7.4個と全国平均の約2倍もある台風常襲地域であり、過去20年間平均の農産被害額は約22億2000万円となっております。その影響から本県の共済掛金率は高く、特に園芸施設共済では全国平均の2.8倍、さとうきびでは1.3倍となっております。
 そのため、県では、沖縄振興特別推進交付金を活用した沖縄型農業共済制度推進事業において、ハウス等を対象とした園芸施設共済とさとうきびを対象とした畑作物共済について農家負担掛金を全国平均並みに軽減するため、約1億3000万円の予算を計上しているところであります。その効果としては、現在の園芸施設共済加入率15.8%、また畑作物共済39%から、平成26年度を目標に、それぞれ70%に改善を図っていく考えであります。
 以上であります。
○企画部長(川上好久) 改正沖縄振興特別措置法についての御質問の中で、一括交付金の要求段階での政府の関与についてお答えいたします。
 沖縄振興一括交付金につきましては、沖縄振興に資する施策の主体的かつ効率的な展開を図るための自由度の高い交付金として創設された趣旨を踏まえ、できるだけ国の関与を排除した簡素な事務手続とする必要があると考えております。
 このため、沖縄県としましては、沖縄振興一括交付金に係る事業計画の作成や交付手続を規定する要綱等にこうした沖縄県の要望が可能な限り反映されるよう国と意見交換を行っているところであります。
 次に、一括交付金の基金運用についてお答えいたします。
 沖縄県としましては、基金を活用することで高い事業効果や円滑な事業実施が見込まれるものについては基金事業としての対応を検討しているところであります。このため、今後作成される交付金制度要綱等において、基金事業への活用が可能となるよう国へ求めているところであります。また、あわせて事業費の翌年度繰り越し、さらなる対象分野の範囲の拡大なども国へ求めてまいりたいと考えております。
 次に、改正米軍跡地利用促進法についての御質問の中で、改正跡地利用法の政府案及び野党案の県案との違いと国会審議における県の対応についてお答えいたします。これは2の(1)と2の(2)が関連いたしますので一括してお答えさせていただきたいと思います。
 改正跡地利用法の政府案においては、原状回復措置の徹底、返還前の基地内立入調査、給付金の始期を引き渡しからとしていることなど、おおむね県の要望を反映していただいているものと考えております。また、自民党など野党6党により共同提案された法案については、国の責任を踏まえた跡地利用の推進を基本理念に盛り込んだこと、給付金の支給を土地の使用収益の開始までとしたこと、国による公共用地先行取得の実施と土地の譲渡所得の特別控除を5000万円としたことなど、今後の跡地利用を効率的に進める観点からよく取りまとめられた法案であると考えております。
 県といたしましては、今国会において議論を尽くしていただいた上で年度内に新たな法律が成立するよう、現在、与野党の党首や衆参両院の関係議員の皆様に対し理解を求めているところであります。
 次に、政府税制調査会が決定した沖縄関連税制についての御質問の中で、沖縄関連税制の概要についてお答えいたします。
 平成24年度以降の主な沖縄関連税制としましては、地域指定制度において県知事の地域指定により全県への展開が可能な観光地形成促進地域、産業高度化・事業革新促進地域が創設されたほか、那覇港・那覇空港周辺地域等を対象に臨空・臨港型産業の集積を図る国際物流拠点産業集積地域が創設されております。さらに、情報通信産業特別地区、金融業務特別地区などの特区制度において進出企業の足かせとなっていた「専ら」要件が緩和され、所得控除率が40%へ拡充されるなど、アジアと競争力のある税制措置が講じられております。
 観光振興の観点からは、特定免税店制度の適用対象に海路客が追加されたほか、航空機燃料税軽減措置について、本土と宮古島、石垣島または久米島間が追加されるなど、制度の拡充が図られております。
 その他の税制措置としましては、新たに駐留軍用地の買い取りに係る譲渡所得控除制度が創設されたほか、復帰特別措置法に基づく酒税、揮発油税等の軽減措置について、県民生活及び産業経済の安定の観点から現行制度の継続が認められております。
 沖縄県としましては、これら沖縄関連税制を積極的に活用することで本県の産業経済の振興並びに県民生活の安定を図ってまいりたいと考えております。
 次に、TPPについての御質問の中で、日米の事前協議についてお答えいたします。
 TPPは国家間の交渉であり、日米の事前協議がことしに持ち越された理由については、政府からの情報提供もないため、県が正確にお答えすることは困難でありますが、報道等によりますと、米国内における業界団体等に対する意見募集の開始がおくれたことなどが要因として考えられます。
 次に、米国がTPPを進める背景についてお答えいたします。
 外務省が公表した資料によりますと、米国がTPPを推進する意義としては、アジア・太平洋地域への米国の輸出を拡大し、米国経済及び雇用の回復を図るとともに、アジア・太平洋地域におけるリーダーシップを維持・強化すること等が挙げられております。
 TPPは、沖縄県も含め全国に大きな影響を及ぼすことから、強い関心を持って状況を注視してまいりたいと考えております。
 次に、試験研究機関のもとの所管部への移管についての御質問の中で、試験研究機関の人員体制についてお答えいたします。これは9の(1)、9の(3)が関連いたしますので一括してお答えをさせていただきたいと思います。
 試験研究機関の人員体制については、試験研究課題の選択と集中を基本として、部の定員管理計画等に基づき適切に配置しているところであります。具体的には、沖縄県の産業振興に向けて多様化・高度化する研究ニーズに対応するため、試験研究評価システムによる各試験研究機関の研究課題の適正な評価、重点研究課題の設定などに基づき、人員の適切な配置並びに予算の適切な配分に努めております。さらに、人材の育成や各試験研究機関との連携を図ることにより、研究機能の強化にも努めているところであります。
 今後とも、試験研究機関においては、農林水産技術の向上並びに農林水産物生産の増大に寄与することを目的として試験研究を行う役割を担ってまいりたいと考えております。
 次に、研究機関における6次産業化への取り組みについてお答えいたします。
 農林水産業における6次産業化の進展には、農林水産物またはこれを原材料とする新商品で生産並びに販売に関する新技術の導入が重要であり、当該新技術の研究開発の推進が必要であります。
 県としましては、各試験研究機関においては、試験研究推進構想等に基づき地域資源の活用や地域特産物の導入、加工による特産品開発に向けた品質管理、加工技術、流通システムの開発等に取り組んでいるところであります。
 次に、類似県との研究員体制の比較についてお答えいたします。
 各県における農林水産業の現状や課題、推進すべき方向性等についてはさまざまで、研究開発に係る研究員体制を単純に比較することは困難だと考えております。このようなことを踏まえた上で、類似していると思われる九州地区における平成20年度の農林水産関係研究員数を見てみますと、平均123名で、福岡県が198名、鹿児島県が197名、宮崎県が133名で、次いで沖縄県が122名となっております。
 引き続き、試験研究機関においては、農林水産技術の向上並びに農林水産物の増大に寄与することを目的として試験研究を行う役割を担ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○総務部長(兼島  規) 改正沖縄振興特別措置法に関する質問のうち、沖縄振興交付金の保留した理由等についてお答えいたします。1の(3)のア、イ、ウは関連しますので一括してお答えいたします。
 平成24年度予算の編成に当たっては、沖縄振興交付金の対象事業の範囲や交付要綱等も示されない中で対応する必要があり、全額を当初予算には計上できませんでした。
 沖縄県としましては、これから作成される交付制度要綱等において、基金事業への活用や事業費の翌年度繰り越し、さらなる対象事業の範囲の拡大など国に求めてまいります。今後、国の交付要綱等も踏まえ、平成24年度の早い時期での補正予算の編成を念頭に調整を進めていくこととしております。
 また、国においても必ずしも当初予算に全額計上することを求めているものではないと理解しているところであります。そのため、交付金の一部を保留したことが交付金の目減りの原因になることはないと考えております。
 以上です。
○福祉保健部長(宮里達也) 経営再建検証委員会の役割、委員構成及び一般会計繰出金についてお答えいたします。
 県では、「県立病院のあり方に関する基本構想」に基づき、病院事業局が取り組む経営再建の成果を検証するため、外部有識者で構成する経営再建検証委員会を設置しております。同委員会は、財務管理、経営管理に関する識見を有する公認会計士及び税理士3名、病院経営に関する実務に精通している者として病院経営に携わっている方2名、合計5名の委員で構成されております。
 委員会は、県の意思決定の参考とするために有識者等の意見を聴取するいわゆる「会合」の位置づけであり、「経営改善が実現したか」及び「持続的な経営の健全化が達成される見込みがあるのか」の2項目を専門的視点で検証することが役割となっております。この検証項目である持続的な経営の健全化の達成見込みについては、病院事業局が試算する収支推計をもとに検証しており、推計の前提条件である繰入金そのものに関する検証や提案を行う役割はありません。
 検証委員会では、繰入金等推計の前提条件に変更があれば、それを反映した収支推計をもとに、今後改めて持続的な経営の健全化の達成見込みについて検証が行われることになると考えております。
 以上であります。
○農林水産部長(比嘉俊昭) 知事の施政方針関連についての中で、都市と農村の交流事業や就業機会の創出の取り組みについてお答えします。
 農村漁村の活性化を図るためには、都市と農村の交流や就業機会の創出が重要であります。県では、都市と農村の交流を進めるため、農業体験農園、交流施設、農産物直売所など地域における受け入れ施設の整備等を支援しており、その結果、平成22年度の交流人口は約120万人となっております。
 さらに、都市と農村の交流を一層推進するため、農林水産業活性化推進拠点整備事業により平成24年度予算として約3000万円を計上しているところであります。事業の内容といたしましては、地域でグリーンツーリズムを実践する施設の情報発信や受け入れの窓口となる組織体制の構築、組織運営や体験指導等を行う人材の育成、農業体験メニューの開発の調査などを行うこととしております。これらに加えて、地域資源を有機的に活用するため、伝統文化を初め既存の交流施設や観光施設などを生かした新たな施設の整備構想を検討することとしております。また、就業機会の創出については、農業生産基盤の整備や拠点産地の形成等による新規就農者の育成や農林水産物の生産から加工・販売まで行う6次産業を兼ねる雇用の創出を図るため、アグリチャレンジ6次産業化支援事業に約1000万円を計上しているところであります。
 県といたしましては、今後とも関係機関と連携し、都市と農村の交流促進及び就業機会の創出に取り組んでまいります。
 次に、福建省との技術交流についてお答えします。
 福建省との農業技術交流につきましては、平成6年から平成13年にかけて、毎年福建省側と沖縄側で交互に交流された沖縄・福建省サミットの分科会として取り組まれてきました。平成13年10月に開催された第7回沖縄県・福建省サミットにおいて双方の交流が定着し、同サミットは一定の役割を終えたとして終了しております。
 福建省との農業技術交流の再開につきましては、農林水産分野での必要性や関係者の意見などを踏まえて今後検討してまいりたいと考えております。
 次に、TPPについての中で、TPPへの対応についてお答えします。
 TPPは、原則としてすべての品目で関税撤廃を目指しており、本県の農林水産業が壊滅的な影響を受けることが懸念されております。そのため、県では、JA等関係団体と連携し、平成22年10月から国に対してTPP交渉に参加しないよう適切に対応するとともに、農林漁業者が安心して生産に取り組めるよう万全の対策について適宜要請を行ってきたところでございます。また、全国知事会や平成23年11月22日に開催された「TPP交渉参加阻止・さとうきび政策確立沖縄県農業代表者集会」へ参加するなど、さまざまな機会を通じてTPPに参加しないよう求めてきたところでございます。
 今後とも、本県の農林水産業の懸念について国に訴えるともに、県民及び国民合意のないままTPP協定に参加しないよう強く求めてまいりたいと考えております。
 次に、農業問題についての中で、国の農業再生基本方針で本県農業の再生が可能かについてお答えします。
 国は、平成23年10月25日に「我が国の食と農林漁業の再生のための基本方針・行動計画」を決定し、新規就農の増加や規模拡大の加速、6次産業化、再生可能エネルギーの導入促進など7つの戦略を提示したところであります。その中で、農地の集積については、平地で20から30ヘクタール規模を目指すとしております。
 本県の農家の経営規模は約1.6ヘクタールで、比較的土地利用面積が大きい南北大東においても約7ヘクタールとなっております。特に、本県の基幹作物であるさとうきび生産農家の約8割が1ヘクタール未満の零細規模でございます。このことから、国の方針に基づく農業再生については厳しいものと考えております。
 次に、関税撤廃に対する要請についてお答えいたします。
 TPPは、原則としてすべての品目で関税を撤廃することが前提となることから、県内の農業に大きな影響が出ることが懸念されております。本県においても、さとうきび、パイナップル、肉用牛、水産物などで影響が出ることが懸念されており、農林水産省が示した考え方を踏まえて計算したところ、直接影響額が約580億円、関連産業等への波及も含めると約1420億円の影響が出るものと試算されます。特に、さとうきび生産が主要な産業となっている離島地域においては、人口の流出、産業や経済の衰退など地域社会に及ぼす影響が極めて大きいものと考えております。
 そのため、県では、国民の食料安全保障の確保と国内農業への影響などの観点から、TPP交渉に参加しないよう適切に対応するとともに、農林漁業者が安心して生産に取り組めるよう万全の対策について、農業団体等と連携し国に要請しているところであります。
 次に、再生可能エネルギー事業等に対する認識についてお答えします。
 国は、東京電力福島第一原子力発電所の事故を契機として、再生可能エネルギーによる自立分散型のエネルギー供給システムの実現を図ることが喫緊の課題であるとしております。このため、農山漁村の再生可能エネルギーの生産に利用可能な資源活用方法の一つとして、遊休農地の発電施設等の利用が検討されているところでございます。
 県といたしましては、農村・漁村地域におけるダムやかんがい排水施設などの維持管理の観点から、再生可能エネルギーの利活用は必要であると認識しております。
 次に、6次産業化の取り組みについてお答えします。
 県では、農林漁業の振興を図るため、食品メーカー等と連携して商品開発に取り組む農商工連携や農業者がみずから農産物の加工・販売などに取り組む農林水産業の6次産業化を推進しているところであります。具体的には、地域資源に着目して、県産農産物付加価値向上推進事業により地域内生産者や加工グループ等と連携した加工品開発、県内食品メーカー等と連携した加工品開発、大手食品メーカー等と連携した加工品開発による全国展開など3つの加工品開発モデルの構築を実施しているところであります。また、平成23年度からはアグリチャレンジ6次産業化支援事業により地域資源を生かした加工品の試作開発支援、食品加工基礎講座や企業派遣研修など加工技術習得の支援、商品化に必要な加工機材等の整備支援などに取り組んでおります。その成果といたしましては、宮古島マンゴーとトウガンのコラボパイの商品化、学校給食向けのトマト、フルーツパパイヤのペーストやジャム、ホテル向けのタンカン調味料などの試作品が開発されております。
 さらに、平成24年度は県産農林水産物を活用した加工品の商品化を高めるため、モンドセレクションの国際的な評価認証等の取得を支援するプレミアム加工品開発支援事業などにより6次産業化を強化してまいります。
 以上でございます。
○文化観光スポーツ部長(平田大一) 知事の施政方針関連について、統合リゾート施設の内容とその成果についての御質問にお答えいたします。
 現在、沖縄県において検討している統合リゾート施設とは、だれもが楽しめるテーマパーク、劇場、シネマコンプレックス、ショッピング・グルメモール、スポーツ施設、国際会議場、ホテルなどにカジノを含んだ複合施設のことであります。
 これまでは、主にシンガポールをモデルとしたファミリー層を中心のアミューズメント・リゾート型やビジネス層を中心としたMICE誘致型の2つのスタイルを検証してまいりました。と同時に、県民に対しましても、随時説明会やシンポジウムなどを開き、意見交換を展開をしてまいりました。
 これらを踏まえた上で、今後、沖縄独自のアート、エンターテインメント施設構築への模索、また、仮に導入した場合のそれに伴う経済効果の分析及び懸念事項に対する対策など、これまで以上に研究すべき内容が見えてきたことを議員がおっしゃるところの成果とし、今後とも国の動向を見据えながら、さらなる研究・検証・検討を進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○知事公室長(又吉 進) 米軍基地問題についての御質問の中で、米上院議員等が示す嘉手納統合案についてお答えいたします。
 嘉手納統合案については、レビン米上院議員らによる提案のほかさまざまな報道がなされておりますが、現在、日米両政府において正式に協議は行われていないものと承知しております。嘉手納飛行場周辺市町村は、現在でも過重な基地負担を強いられており、さらに負担が増加するような案は断じて受け入れることはできません。
 県としましては、日米両政府に対し、引き続き普天間飛行場の県外移設及び早期返還の実現に向け真摯に取り組むよう強く求めてまいります。
 次に、日米共同報道発表についてお答えいたします。
 去る2月8日、日米両政府は、在日米軍再編計画に関する日米共同報道発表を行ったところであります。この中で、日米両政府は、普天間飛行場の辺野古移設に引き続きコミットするとともに、在沖海兵隊のグアムへの移転と嘉手納以南の土地の返還を、「普天間飛行場の代替施設に関する進展から切り離すことについて、公式な議論を開始した。」としています。
 今回の発表に至る背景については、両国政府からの具体的な説明がなく承知しておりません。
 在沖海兵隊のグアム移転と嘉手納飛行場より南の施設・区域の返還は、県民の要望している米軍基地の整理縮小につながるものであり、日米両政府は地元の意向を踏まえた協議を行っていただきたいと考えております。
 次に、普天間飛行場の固定化についてお答えいたします。
 去る2月8日、日米両政府は、在日米軍再編に関する日米共同報道発表において、「普天間飛行場の代替施設に関する現在の計画が、唯一の有効な進め方であると信じている。」としております。県は、地元の理解が得られない移設案を実現することは事実上不可能である旨、繰り返し申し上げてきたにもかかわらず、日米両政府が辺野古移設案を推進する姿勢をとり続けていることには疑問を呈さざるを得ません。
 県としましては、喫緊の課題である普天間飛行場の危険性を放置することは決してあってはならないと考えており、日米両政府に対し、普天間飛行場の県外移設及び早期返還の実現に向け真摯に取り組むよう引き続き強く求めているところであります。去る2月17日には、軍転協を通じ、今回の日米共同報道発表について同様の趣旨を政府へ緊急要請したところであります。
 なお、普天間飛行場の固定化については、去る2月6日の参議院予算委員会で、野田総理が「固定化の懸念は承知しており、そうならないよう全力で協議を進める」旨の発言をしております。
 次に、田中防衛大臣との面談を非公開としたことについてお答えいたします。
 去る2月18日の田中防衛大臣と知事の面談については、防衛省側の要望により冒頭部分を除き非公開としたところであります。県としましては、面談の公開・非公開にかかわらず、閣僚等と率直な意見交換を行うことが重要であると考えております。
 今回の面談においては、田中防衛大臣から、去る2月8日に発表された在日米軍再編計画に関する日米共同報道発表について説明があり、日米協議を始めることや普天間飛行場は固定化しないという趣旨の発言がありました。知事からは、これまでパッケージの切り離しを要請してきたところであり、日米両政府は地元の意向を踏まえた協議を行うとともに、普天間飛行場の県外移設を求めたところであります。
 次に、環境影響評価書についての御質問の中で、オスプレイの配備についてお答えいたします。
 沖縄県としては、オスプレイが過去の開発段階において死亡事故を起こしていること等から県民が不安を抱いており、十分な情報が示されない現状では当該配備については反対であります。
 沖縄県が提出したオスプレイ配備についての質問文書に対し、昨年12月、政府から2回目の回答がありましたが、回答できていない項目があり、引き続き県民生活への影響など十分な説明を求めているところであります。
 なお、先ほどの普天間飛行場の固定化についての御質問に関連して、本日、知事は野田総理と会談を行いましたが、その席におきましても普天間飛行場の県外移設を求めたところであります。
 以上でございます。
○環境生活部長(下地 寛) 環境影響評価についての御質問の中で、評価書の未明の持ち込みについてお答えいたします。
 環境影響評価制度の趣旨は、事業の実施による環境影響について適正な配慮を図るとともに、その手続を通して事業に対する住民等の理解に資することでもあります。こうしたことを勘案しますと、事業者として適切な方法ではなかったと考えております。
 次に、辺野古移設反対を明確にすることについてお答えいたします。
 環境影響評価制度は許認可制度ではなく、環境影響評価の手続について定めた手続法令であり、同制度における意見は「環境保全の見地からの意見」に限られております。
 県としましては、審査会からの答申を踏まえ、名護市長、宜野座村長及び住民等からの意見を考慮し、環境保全の見地からの意見として「辺野古移設案は環境保全上重大な問題がある」、「評価書で示された環境保全措置等では、生活環境・自然環境の保全を図ることは不可能である」と意見を述べたところであります。
 次に、住民等意見の知事意見への反映についてお答えいたします。
 環境影響評価法及び沖縄県環境影響評価条例で定める評価書段階の手続におきましては、住民等の意見を聴取する手続は定めておりません。しかしながら、本案件に係る評価書については、新たにオスプレイの配備などが明らかになったことから、審査会及び県において住民等の意見を聴取し、知事意見の形成に当たって考慮しております。
 次に、評価書提出断念の意見書及び声明についてお答えいたします。
 当該事業に係る評価書は平成23年12月28日に送付されており、行政手続法上、県に到達した文書は、その受け取りを拒否することはできません。
 県としては、当該評価書が客観的かつ科学的に妥当なものであるか沖縄県環境影響評価審査会に諮問し、その答申を踏まえて去る2月20日に知事意見を述べたところであります。
 以上でございます。
○当銘 勝雄 時間が少ないですからかいつまんで言いますが、沖縄型の共済制度について1億3000万円の予算措置をしたということで、それは特にさとうきびと園芸施設が中心になるということですが、これは今後もずっと続くかどうか、そこら辺はどうですか。
○農林水産部長(比嘉俊昭) それを続ける方向で検討しております。
○当銘 勝雄 ぜひそういうことで進めてほしいと思います。
 さとうきびについては、15%しか加入していないと。これはほとんど加入されていないのと同じで、これを高めないと、せんだっての5月台風になりますと、ことしは65万トンですか、そこまで落っこちてしまうというふうになるわけですから、ぜひそこら辺はきちっとやってください。
 それから、試験研究機関についてですが、九州各県との比較の数字がありましたが、確かに数字上は九州各県と似ているんじゃないかなと思います。しかし、さっき僕は質問主意書で述べたように、沖縄は沖縄独自でほかの試験研究は適用できないんですよ。ですから、沖縄独自の定数があってしかるべきだと、そういう考え方はどうですか、そこら辺は。
○企画部長(川上好久) これは先ほど申し上げましたとおり、各県とも当然農林水産業の課題、そしてまた推進すべき方向性は異なる部分がございます。その中で単純な比較はできないわけでございますけれども、沖縄県は沖縄県としてそういう122名という人員を適正に、試験研究が適切に執行されるような体制として措置されているというふうに理解をしております。
○当銘 勝雄 そこで企画部長が適正に処理されるというふうにされると困るんですけれども、やはり私は、さっきのほかの質問でも、例えば研究機関における6次産業化に向けてのどういうような研究をやっているのかと、こういうことも質問しました。それから農林水産部に対しては、6次産業化の支援の取り組みはどうなのかということを聞きました。今、沖縄の農業というのがどんどんどんどん衰退してきている。今後、食料自給率という観点から、あるいはまた雇用、農業の推進という観点からも、今言うところの6次産業化をどんどん進めていかないといけないと思うんです。しかも、沖縄にとっては亜熱帯という特性を持つ気候ゆえにこれができる。例えば、その中で薬草類なんかは多年生の植物が多いわけですよ。例えば、県外ですと、ことしみたいに鹿児島まで雪が降っちゃうと。雪が降ったらもうだめなわけですからね。そういうふうに、沖縄だったらそれが多年生植物でもずっと有効に活用できると、こういうことになりますから、そういう意味で試験研究体制というのは、まず沖縄県はほかに比べて、知事、ぜひそこら辺をやって沖縄の産業をつくっていくと。これは農業だけじゃないんですよ。6次産業化というのは、農業から基本的には第2次産業、そこに結びつくわけですよ。さらに今度はお土産品とかをつくりますね。観光にもつながるというようなことで、私は、6次産業化というのは本当に沖縄にとっては重要なものだというふうに思うんです。知事、そこら辺、何か前回の議会では知事は非常にやる気があるような感じでしたが、どうでしょうか、沖縄の試験研究を強化するということに対して。
○知事(仲井眞弘多) 当銘議員の御質問の趣旨には基本的には私は賛成で、やっぱり試験研究機関というのは、沖縄独自の自然環境、その他ありますので、しっかりとみずから試験研究し、新しいものを生み出す、新しい方向に進むためのものですから、人員も、それから研究費がなければ研究は進みませんから研究費も抜本的に見直していきたいと考えております。
○当銘 勝雄 時間がありませんから、TPP関連で、農業再生基本方針とかができたわけでありますけれども、部長、農林水産省あるいは政府がつくったこの方針では沖縄の農業にとっては全然救いにならない。さっき部長も言っていたが、全国的にも1.6ヘクタール以下の農家が多い、沖縄は1ヘクタール以下が多い。じゃ、これは20ヘクタールから30ヘクタールの平地におけるものとか、あるいはまた水田農業についても規模拡大すると言っているんだが、じゃ、ほかの農家はどうするのということが出てくるわけですよ。結局20分の1から30分の1になってくると、あとどうするのと。沖縄の特に離島地域についてはどうするのかという、これがないわけですよ。
 しかも、つけ足し的に再生エネルギーをつくるためのものを遊休農地についてもやると言っているんだが、じゃ、農業方針じゃなくて、再生エネルギーをつくるための太陽光発電を入れるとかこういうふうなことでは、これは農業再生方針と言えるかということなんですよ。そこを最後にひとつ……。
○農林水産部長(比嘉俊昭) 今、議員がお話しのとおり、20から30ヘクタールではやはり沖縄の農業の中では厳しいような状況でございます。そういう意味で、国に対しては、やはり沖縄というのは今言う1人当たりの耕地面積が小さいということで、20ヘクタール、30ヘクタールではなくて、やはりそこの地域に合った農業の展開というのを図る必要があるんじゃないかなということで、事務レベルですけれども提案しております。
 それから、再生エネルギーについては、これは先ほども答弁しましたけれども、ダム等の維持管理については、やっぱりかなり費用がかかると。太陽エネルギーを入れると大体30%ぐらいの経費節減につながるということですので、そういう意味では、直接再生が主体となるのではなくて、やはり農業の一つの支援という意味で県としては理解をしております。
○当銘 勝雄 ありがとうございました。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午前11時8分休憩
   午前11時24分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 西銘純恵さん。
   〔西銘純恵さん登壇〕
○西銘 純恵 こんにちは。日本共産党の西銘純恵です。
 一般質問を行います。
 1、知事の政治姿勢について。
 (1)、環境影響評価審査会は、辺野古の「環境保全は不可能」と答申しています。けさは、来沖した野田首相に抗議行動を行いました。知事は、「辺野古移設は不可能」と言うだけでなく、県民の総意を実現させる立場で、野田首相に普天間基地の無条件全面返還を要請し米国政府との交渉を求めるべきです。
 (2)、環境影響評価書に後出しのオスプレイの配備が明記されたが、ハワイの環境アセスでは45デシベルでコウモリの保護が求められています。辺野古アセスではどうなっていますか。
 2、保育所問題について。
 (1)、保育所に入れないと仕事を失うという不安を持つ母親の切実な訴えがあります。待機児童は何人か、どれだけ解消したか。待機児童をゼロにするための保育所の増設計画を伺います。
 (2)、沖縄振興交付金を活用して、認可外保育園の認可化で待機児童解消を図る県の計画は10カ所だが、予算は幾らか。30カ所つくれば1800人の待機児童が解消できるが、抜本的に待機児童解消を図るべきではありませんか。
 (3)、現在の保育所の正規雇用と非正規雇用の割合について、正規雇用できるように運営費の増額を求めること。
 3、学童保育所について。
 (1)、全国に比べて公的支援のおくれた学童保育所に、沖縄振興予算で抜本的に支援を行うことについて。
 (2)、民間施設利用の学童クラブへの家賃補助、指導員の研修や賃金補助、幼稚園児の保育など、県が独自に支援を行うことについて。
 (3)、希望するどの子も学童クラブに入所できるように母子・父子家庭や低所得者が入所できるように保育料軽減のために補助をすること。
 4、民間住宅の耐震診断の補助制度で、新年度に実施する予定の市町村はどこか。補助内容と額を問う。全県への拡充について及び耐震改修工事や撤去費用にも補助を行うことについて。
 5、住宅を失ったり、失う世帯に対する緊急の対策として家賃補助を行うこと。
 6、県立病院について。
 (1)、県立病院は、救命救急など県民の命を守る医療機関です。八重山病院で産婦人科の医師が不足して出産ができない事態となっています。必要な医師人数を正規で確保しないことが原因ではないか。病院現場の要求した医師、看護師などの職員の増員数はそれぞれ何人で、病院事業局が認めたのはそれぞれ何人か。要求の3分の1しか認めていないが、その根拠を問う。現場の必要とする職員を確保することについて。
 (2)、12年度の一般会計からの繰入額は、1病床当たりにすると全国と比べてどうなっているか。全国並みに繰り入れをすべきです。
 (3)、地方公営企業法第17条2の1号に定める救急医療の繰入額は、かかった経費を一般会計から繰り入れするものとなっています。総務省の担当も収入を充てないと明言していますが、本県の繰り入れはどうしていますか。
 7、特別養護老人ホームの待機者は何人ですか。最長は何年待ちになっていますか。待機者の状況を把握したことがありますか。実態調査を行うことについて、待機者ゼロに向けて早急に増設をすべきです。
 8、後期高齢者医療制度について。
 (1)、年齢で差別する後期高齢者医療制度は即時廃止を求めるべきです。
 (2)、4月から保険料はどれだけ引き上げられるのか。全国と比べて均等割額、所得割率はどうなっているか。普通徴収の収納率はどうですか。
 (3)、後期高齢者医療制度の保険料滞納者は何人か。短期証は何人ですか。保険証がない未更新ととめ置きはそれぞれ何人ですか。滞納者の生活実態調査を行い、困窮者に免除を行うこと。
 (4)、短期証を発行している自治体は何カ所ですか。病気の高齢者が心配せずに医者に通えるように、老人保健制度のように1年有効の保険証を交付すべきです。
 9、国保税は高過ぎるため払いたくても払えない負担能力を超えた額となっています。国保税を引き下げるために県が法定外の政策的補助を行うことについて。
 10、がん対策について。
 (1)、がん患者の経済的負担を軽減するために財政支援を行うこと。本島でがん治療を受けなければならない離島の患者のために交通費の支援、及びがん拠点病院などの付近に宿泊施設を借り上げて経済的負担を軽減すること。
 (2)、がん対策推進条例に財政支援を講じること、患者の就労支援、患者会の参加した協議会の設置などを明記した実効あるものにして今議会に提案をすることについて。
 11、児童福祉について。
 (1)、子供の貧困調査はなされましたか。3市の母子寮への新年度の予算措置はどうなっていますか。母子寮と児童の一時入所施設を増設すること。
 (2)、コザ児童相談所に一時保護所を開設したが、虐待を受けた児童の保護施設に専門職員を増員すること。
 12、教育行政について。
 (1)、臨時教員を全国並みの正規採用に踏み出したが、2011年度の小中学校と県立学校の採用者は何人か、うち待機者は何人だったのか。前年度の採用は何人だったか。12年度の採用予定はそれぞれ何人か。うち待機者の数は何人か。県立学校で待機者が多いのはなぜですか。学校統廃合計画が待機者の採用を阻んでいるのではありませんか。
 (2)、学校給食に放射能測定器を導入して、食品検査して公表すること。
 (3)、新年度から中学校で武道が必修になるが、安全面が危惧されています。学校の保健体育の授業でけがをした事例があれば件数、うち柔道を原因とした件数とけがの内容について、体育教師の研修など安全対策を問います。
 13、20代の青年が脱法ハーブの購入費目的で強盗事件を起こしています。浦添市内の中学校近くで脱法ハーブの販売店があったが、実態を掌握しているか。県内の店舗調査をしているか、実態と対策を問います。
 14、米軍基地問題について。
 (1)、米軍牧港補給基地は、国道58号の渋滞道路と浦添の市街地に隣接しています。住民や観光客に恐怖と不安を与える一切の軍事訓練の中止を要請すること。
 (2)、日本国の法律の及ばない米軍牧港補給基地内に県の予算8億円で米軍郵便局を建設する法的根拠を問います。米軍思いやりの郵便局建設を中止すべきです。
 (3)、浦添市域の14%を占める牧港補給基地は、早期返還を求めるべきである。新都心を参考にした場合の返還後の経済効果、雇用効果はどれだけか。牧港補給基地の返還跡地利用の障壁となる新軍港建設はやめさせるべきではないですか。環境アセスのための1億7300万円の予算執行をやめさせるよう政府に要請することについて。
 第32軍壕問題については、質問通告後に報道がなされた重大問題であり、議事課に連絡してあり、先例を踏まえて質問します。
 知事は、我が党の嘉陽議員の質問に対し、「慰安婦」、「虐殺」で異なる証言がある中で、県が責任を持つ説明板にそれを入れるのは適切でないと考える。文言削除は撤回しないと答弁しました。これは仲井眞知事の歴史認識を疑わしめると同時に戦争体験者や研究者、県民の怒りを呼び起こしています。
 質問します。
 日本軍による住民虐殺、慰安婦問題は今や歴史の定説です。知事が勝手に削除した行為は、県民に対する重大な背信行為です。削除した文言の即時復活を求めます。
○知事(仲井眞弘多) 西銘議員の御質問に答弁をいたします。
 知事の政治姿勢に係る御質問の中で、普天間飛行場の無条件全面返還についての御質問にお答えいたします。
 県といたしましては、これまでの経緯等から、普天間飛行場の無条件撤去が実現するとは考えがたく、日本国内の他の都道府県への移設が合理的かつ早期に課題を解決できる方策であると考えております。
 次に、後期高齢者医療制度に係る御質問の中で、後期高齢者医療制度の廃止についての御質問にお答えいたします。
 国は、後期高齢者医療制度の廃止について、「社会保障・税一体改革大綱」に位置づけ、関係者の理解を得た上で、平成24年度通常国会に関連法案を提出することとしております。現在、新たな制度で多くの高齢者が加入することとなる国民健康保険の財政面を含めた構造的な課題につきまして、国と地方の協議の場において検討がなされております。
 沖縄県といたしましては、今後とも国の動向を注視するとともに、必要に応じ全国知事会を通して、我々の意見を出し連携して対応してまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁させていただきます。
○副知事(与世田兼稔) 西銘純恵議員の保育所問題のうち、沖縄振興交付金を活用した待機児童解消策についてお答えいたします。
 待機児童の取り組みとしては、平成24年度予算案において、沖縄振興一括交付金を活用し、待機児童対策特別事業10億695万円を計上しております。そのうち、認可化移行支援については2億7000万円を計上しております。
 県としましては、一括交付金及び安心こども基金を活用し、引き続き市町村などと連携を図りながら、認可化促進及び保育所整備等により、潜在的な待機児童も含めた解消を図ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○環境生活部長(下地 寛) 知事の政治姿勢についての御質問の中で、オスプレイの騒音による影響は辺野古アセスではどうなっているかについてお答えいたします。
 普天間飛行場代替施設建設事業に係る評価書におきましては、コウモリ類に対する航空機騒音の影響について予測・評価は行っておりません。また、代替施設においてオスプレイが運用された場合、北部訓練場等へ飛行することが想定されますが、そのような飛行経路等の記載もありません。こうしたことから、「哺乳類の出産・育児期を考慮した予測が行われていない」、「オスプレイの航空機騒音や、離発着時における下降気流及び高温排気ガスによる北部訓練場内の施設周辺の動植物へ与える影響について、環境影響評価を実施する必要がある。」と問題点を指摘した知事意見を述べたところであります。
 次に、32軍壕問題について、文言の即時復活についてお答えいたします。
 今回の説明板設置は、第32軍司令部壕があったという事実と壕がつくられた経緯や役割、壕があったことによる影響を知らせることが目的であります。慰安婦や壕周辺での住民虐殺についてはさまざまな証言があり、県として事実の確証が持てないため掲載しないこととしたものであります。沖縄戦全体における慰安婦の存在や住民虐殺を否定したものではありません。
 以上でございます。
○福祉保健部長(宮里達也) 待機児童数と保育所整備計画についてお答えいたします。
 待機児童の解消については、安心こども基金及び保育所入所待機児童対策特別事業基金を活用した保育所整備等により、平成20年度から22年度までに3124人の保育所の定員増を図ってまいりました。しかしながら、平成23年10月1日現在、なお3043人の待機児童が存在しております。そのため、平成24年度においては、認可外保育施設の認可化促進事業で10カ所600人、安心こども基金事業で29カ所900人、合わせて1500人の定員増を図る計画であります。
 保育所の正規・非正規雇用の割合についてお答えいたします。
 県内保育所において、平成23年4月1日現在、保育士や調理員等で雇用されている9035人のうち、正規雇用者が3862人、非正規雇用者が5173人となっております。そのうち、保育士については7100人で、正規雇用が44.4%、非正規雇用が55.6%となっております。国においては、保育所運営費における保育単価については、施設の規模や地域区分別に定めており、主任保育士加算や職員の勤務年数に応じた加算等を設けております。県としましては、新規開設予定の保育所については、保育の質の向上を図る観点から、正規雇用率を6割以上にすることを指導しているところであり、既存保育所についても、段階的に正規職員率の引き上げを図ることを求めるなど、引き続き指導助言を行ってまいります。
 放課後児童クラブへの支援についてお答えします。
 沖縄県の放課後児童クラブについては、民立民営が多く、保育料が高いなどの課題があることを踏まえ、放課後児童クラブの支援強化のため、平成24年度当初予算案において、沖縄振興一括交付金を活用し、放課後児童クラブ支援事業として6528万円を計上しております。その内容は、市町村における放課後児童クラブの公的施設へ移行する計画策定支援や家賃補助、老朽施設の改修・修繕への補助を行うこととしております。
 沖縄県としましては、今後とも一括交付金を活用し、放課後児童クラブの支援の充実に取り組んでまいりたいと考えております。
 続きまして、放課後児童クラブへの県独自の支援策についてお答えします。3の(2)と3の(3)は関連しますので一括してお答えします。
 放課後児童対策の着実な推進を図るため、放課後児童クラブへは、人件費を含む運営費等の補助を行っており、指導員の研修についても引き続き行ってまいります。また、幼稚園児については、「放課後児童クラブ」の補助対象児童に幼稚園児を加える特例承認を毎年国と協議の上、行っているところであります。さらに、放課後児童クラブの公的施設移行促進支援や家賃補助を行うことにより保育料の引き下げを図り、低所得者世帯等の負担軽減にもつなげていきたいと考えております。
 続きまして、家賃補助についての中の住宅を失ったり、失うおそれのある世帯に対する家賃補助についてお答えします。
 離職により住宅を失ったり、失うおそれのある世帯に対しては、福祉事務所において、就労支援とあわせて家賃を支給する住宅手当緊急特別措置事業を実施しております。また、緊急かつ一時的に生計の維持が困難となった世帯に対し、社会福祉協議会において「緊急小口資金」の貸し付け制度が実施されております。これらの制度のほか、福祉事務所においては、生活に困窮した相談者に対し、個々の生活状況に応じて、生活保護等の支援を実施するなど、住居の確保も含め生活支援を行っているところであります。
 続きまして、特別養護老人ホームの待機者状況と増設についてお答えいたします。
 特別養護老人ホームの入所申込者数は、平成23年10月末時点の速報値で約2400人となっております。そのうち、施設入所の必要性が高い高齢者は約1000人となっております。高齢者福祉施設等の整備については、市町村計画を踏まえた「沖縄県高齢者保健福祉計画」に基づき取り組んでいるところであります。平成24年度から26年度までを期間とする次期計画においては、特別養護老人ホーム等を約1050床整備することとしており、施設入所の必要性が高い方については、おおむね対応はできるものと考えております。なお、最長何年待ちかについては、調査項目にないため把握しておりません。
 続きまして、後期高齢者医療制度の保険料の状況についてお答えします。
 沖縄県後期高齢者医療広域連合によりますと、現在50万の賦課限度額を55万円に引き上げることなどにより、1人当たり平均保険料は5万5087円から5万6223円となる見込みで、差し引き1136円引き上がる見込みとのことであります。国の後期高齢者医療制度に関する資料によりますと、平成23年度における全国の保険料の均等割額の平均は4万1700円、所得割率の平均は7.88%、本県の均等割額は4万8440円、所得割率は8.80%となっております。また、平成22年度における普通徴収の収納率は、全国で97.72%、本県96.06%となっております。
 続きまして、後期高齢者医療制度の保険料の滞納者についてお答えいたします。
 沖縄県後期高齢者医療広域連合によりますと、平成23年6月1日現在における滞納者は4274人となっております。また、平成23年12月末現在における短期証発行者は343人、未更新者は369人、とめ置き者は21人となっております。県としましては、保険料徴収を担う市町村に対し、滞納者の生活実態等を把握の上、納付相談等において保険料の減免を含むきめ細かい対応を行うよう助言しております。
 続きまして、短期証発行自治体数及び1年有効の保険証の交付についてお答えします。
 沖縄県後期高齢者医療広域連合によりますと、平成23年12月末現在で短期証を発行しているのは、26市町村となっております。短期証の交付につきましては、納付相談の機会をふやすことを目的としておりますので、保険料の納付状況にかかわりなく、一律に1年間有効の保険証を交付することは、保険財政を安定的に運営していく観点から、厳しいものと考えております。
 県としましては、今後とも、市町村等に対し、滞納者の生活実態に応じたきめの細かい対応を行うよう助言してまいります。
 続きまして、国保税の中の、国保税を引き下げるため県が法定外の政策的補助を行うことについてお答えします。
 国民健康保険制度は、国・県の公費負担及び被保険者の保険税等を財源として、保険者である市町村の責任により運営されるものであり、県独自の支援を行うことは困難であると考えております。市町村国民健康保険は、低所得者及び高齢者の割合が高く、医療費の増加に対し十分な保険税収入が確保されにくいという構造的課題を抱えております。このようなことから、国は、平成24年2月17日に閣議決定された「社会保障・税一体改革大綱」の中で、保険者に対する支援策の拡充により財政基盤を強化するとともに、保険料軽減の対象についても拡大するとしております。県としましては、全国知事会を通しその確実な実施を要望しているところであります。
 続きまして、がん対策についての中の、がん患者の経済的負担の軽減に向けた施策についてお答えします。
 離島地域においては、専門医が少なく、さらに症例数も少ないなどから放射線治療など、高度な医療機能の維持が困難な状況にあります。このようなことを踏まえ、県では、本島の医療機関を受診せざるを得ないがん患者に対し、交通費負担の軽減に向けての施策を検討していきたいと考えております。また離島・遠隔地から受診する場合の宿泊施設について、本県では平成20年度から財団法人沖縄県保健医療福祉事業団が、NPO法人「わらびの会」に委託して「がじゅまるの家」を運営しており、当面はその利用促進を図ってまいります。
 続きまして、患者関係者等からの要望を受け、今議会へがん対策条例を提案することについてお答えします。
 今回、提案を予定していた条例案では、「がん対策に関する施策を推進するために必要な政策上の措置を講ずるよう努めること」、「患者の就労支援を含め、さまざまな施策を検討すること」や「患者会等から定期的に意見を聴取すること」などを内容とする規定を盛り込んでおりました。この条例案に対し、患者会等から「施策実施に向けて積極的な文言へ修正すること」、「患者への就労支援」や「協議会の設置」等について明記してほしい旨の要望があり、引き続き議論を深めたいとの意向がありました。県としましては、これらの要望を受け、患者や医療関係者等で構成する連絡会等でさらなる意見交換を進めながら、よりよい条例を制定したいと考えており、その検討に時間を要するため、今回の提案を見送ったものであります。
 続きまして、児童福祉に関する事項の、子供の貧困調査及び母子寮等の増設についてお答えいたします。
 子供の貧困については、支援の状況把握と並行して、現行の施策の課題等を洗い出していくことが重要であると考えております。このため、関係課が所管する施策等の実施状況や課題を整理するとともに、効果的な支援方法を検討しているところであります。母子生活支援施設については、児童福祉法第55条に基づき、運営費の4分の1を県が負担することとなっており、平成24年度当初予算では、施設を設置している那覇市、浦添市及び沖縄市の3市合計で2973万円を計上しております。母子生活支援施設及び児童の短期入所生活援助事業については、今後、市町村や関係団体と意見交換を行い、望ましいあり方について検討していきたいと考えております。
 続きまして、コザ児童相談所一時保護所への専門職員の増員についてお答えします。
 県では、一時保護を要する児童の増加に伴い、受け入れ体制の拡充を図ることが課題となっていたことから、平成22年度よりコザ児童相談所一時保護所の整備を進め、去る12月20日に女子寮を先行開所したところであります。一時保護所の職員については、経験者や有資格者を中心に配置する必要があると考えていることから、児童指導員や保育士を初め生活指導専門員、学習指導嘱託員及び心理療法嘱託員などの専門職員を配置しているところであります。さらに、来る4月から男子寮を開設することから、児童指導員、生活指導専門員及び学習指導嘱託員を増員配置することとしております。
 続きまして、違法ドラッグの実態と対策についてお答えいたします。
 県では、違法ドラッグと疑われる製品を販売している24店舗を把握しており、浦添市の店舗については、2月16日に立入検査を実施し、違法ドラッグが疑われる製品については、販売しないよう強く指導したところであります。県におきましては、違法ドラッグの乱用を防止するため、違法ドラッグに関する啓発ポスター及びリーフレットを作成し、学校、ゲームセンター、ディスコ等へ配布するとともに、県の広報媒体を利用した啓発を実施しているところであります。県としましては、今後も引き続き県警等関係機関と連携し、合同で立入検査を実施するなど監視・指導を強化していくこととしております。
 以上であります。
○土木建築部長(当間清勝) 民間住宅の耐震診断の補助制度についてで、民間住宅の耐震診断と改修等の補助についてお答えいたします。
 本事業は、昭和56年6月以前に建築された民間住宅の所有者等が実施する耐震診断及び改修等について助成を行う市町村に対し、沖縄振興特別推進交付金を活用して補助を行うものであります。平成24年度の事業費は3546万円で、那覇市、浦添市、うるま市において実施する予定であります。本県の住宅の多くが鉄筋コンクリート造であり、その耐震診断・改修費用が木造に比べ高額であることから、本事業では補助率の拡充や補助対象限度額の引き上げにより県民の負担軽減を図り、住宅の耐震化を促進していきたいと考えております。今後、本事業の実施を他の市町村に対しても働きかけていくとともに、除却費用についても補助対象とすることを検討していきたいと考えております。
 次に、米軍基地問題についての御質問の中で、牧港補給地区内の郵便局建設中止についてお答えいたします。
 県道港川道路の整備に伴う米軍基地の一部返還については、平成17年6月に沖縄防衛局に申請手続を開始し、郵便局の移設補償などを条件として、平成20年11月に日米合同委員会で承認されたものであります。港川道路は、国道58号の慢性的な渋滞緩和や沖縄西海岸道路とのアクセスを目的として整備するもので、県としては、那覇都市圏の交通円滑化や県民生活の利便性の向上のため返還条件を受け入れたものであります。米軍郵便局の移設は、港川道路の整備に伴うものであり、原因者である県が「沖縄県の公共事業の施工に伴う公共補償基準」に基づき補償するものであります。
 以上でございます。
○病院事業局長(伊江朝次) 県立病院についての御質問の中で、病院からの要求人数と定数111人増員の根拠についてお答えいたします。
 定数改正については、病院からの347名の増員要望について現場調査やヒアリング等を行い、医療提供体制の確保や経営への影響等を総合的に検討し病院長へも説明を行った上で、病院事業局として定数改正の考え方をまとめ、総務部との協議を経て111名の増員を行うこととしたところであります。職種ごとの内訳につきましては、医師が70名の要望に対し42名、看護師などの看護部門が140名の要望に対し52名、リハビリ等のコメディカル部が131名の要望に対し19名、事務等の管理部門が6名の要望に対し増員なしとなっております。なお、これらを合計した113名から現業職の退職不補充等によるスクラップ・アンド・ビルドを行った結果、定数条例に係る改正数は111名となっております。
 次に、1病床当たりの繰入金についてお答えいたします。
 本県の平成24年度当初予算における病院事業への繰入金を1床当たりにすると、256万5000円となっており、直近のデータである平成21年度地方公営企業年鑑に基づいて全国と比較した場合、全国平均504万2000円に対し247万7000円の差となっております。1床当たりの繰入金については、救急医療、周産期医療、小児医療等の政策医療分野と一般診療分野の割合の違いにより多寡が出てくるものと考えております。
 次に、救急医療の繰入金についてお答えいたします。
 地方公営企業法等では、救急医療の確保に要する経費として、収益を伴わない医師等の待機や空床確保経費等を繰り入れ対象としておりますが、本県ではこれに加えて救命救急センターの運営費等、救急医療の提供に要する経費を含めて積算しており、繰入金の算定に当たってはこれらの費用から診療に伴う収入を控除しているところであります。
 以上でございます。
○教育長(大城 浩) 教育行政についての御質問で、教員の採用状況についてお答えいたします。
 平成23年度の新規採用者は小中学校で358名、県立学校で129名、うち継続登載者は小中学校で246名、県立学校で82名となっております。なお、平成22年度の新規採用者は267名となっております。また、平成24年度の新規採用予定者は小中学校で338名、県立学校で123名、うち継続登載者は小中学校で45名、県立学校で75名となっております。県立学校の待機者につきましては、中長期的な計画に基づく各年度の採用者数の平準化、児童生徒数や学級数の増減、勧奨退職者数の増減等に適切に対応するためやむを得ず行っております。
 次に、放射能測定器導入と検査結果についてお答えいたします。
 財団法人沖縄県学校給食会におきましては、放射性物質の検査を専門機関に依頼し、検査結果をホームページ上で公開しております。県教育委員会としましては、今後、民間等に検査機器が整備されることから、検査について市町村等に周知し、測定器活用を促すとともに、検査結果公表の啓発に努めてまいります。
 次に、武道の必修化に伴う安全対策等についてお答えいたします。
 独立行政法人日本スポーツ振興センターの統計によりますと、平成22年度、本県中学校の授業でけがをした件数は503件と報告されております。そのうち、柔道の授業中に発生したけがは6件で、その内容は骨折が5件、捻挫が1件となっております。県教育委員会としましては、「学校体育武道指導者養成講習会・認定講習会」を通して指導者の資質向上及び安全に留意した武道指導を図っております。
 以上でございます。
○知事公室長(又吉 進) 米軍基地問題についての御質問の中で、牧港補給地区における訓練についてお答えいたします。
 県としましては、米軍の訓練等により県民に被害や不安を与えることがあってはならないと考えております。県は、去る2月14日、沖縄防衛局に対し、同基地が市街地に隣接していることから事実確認を行うとともに、県民に不安を与えることがないよう米軍に強く働きかけるよう申し入れたところであります。これに対し、米軍は、今回の訓練が軍の内規上禁止された場所で行われたことを認めた上で謝罪するとともに、再発防止を約束したとのことであります。
 次に、新軍港建設をやめさせることについてお答えいたします。
 去る2月8日、日米両政府は、日米共同報道発表において、嘉手納飛行場以南の土地の返還を、「普天間飛行場の代替施設に関する進展から切り離すことについて、公式な議論を開始した。」としております。日米両政府は、牧港補給基地を初めとする施設・区域の返還について、地元の意向を踏まえた協議を行っていただきたいと考えております。那覇港湾施設の浦添埠頭地区への移設については、平成8年のSACO最終報告で合意され、平成18年5月の「再編実施のための日米のロードマップ」においても移設を条件に全面返還されることになっております。また、平成13年11月には浦添市長が受け入れ表明を行い、平成15年1月の第4回那覇港湾施設移設に関する協議会では、浦添埠頭地区への移設を浦添市、那覇市ともに了承し、現在、同協議会等において、環境影響評価を含め移設に関連した諸措置等について、国・県、地元自治体等で協議・調整が進められているところであります。
 県としましては、嘉手納飛行場より南の施設・区域の返還が実現されれば、県民の要望している米軍基地の整理縮小につながるものと理解しており、今後とも、国、地元自治体等と連携して那覇港湾施設の移設に取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○企画部長(川上好久) 米軍基地問題についての御質問の中で、キャンプ・キンザー返還後の経済・雇用効果についてお答えいたします。
 県では、平成18年度に普天間飛行場等、嘉手納飛行場より南の5つの基地について、那覇新都心並みに整備・発展した場合を想定し、その経済効果等を試算しております。これらの経済効果につきましては、周辺市街地への経済的影響や返還から収益発現までの時間を要すること等を留意する必要がございますが、それによりますと、キャンプ・キンザーにおける商業活動に伴う経済効果が1976億円、誘発雇用人数が約1万6000人となっております。 
 以上でございます。
○議長(髙嶺善伸) 質問の途中ではありますが、時間の都合もありますので西銘純恵さんの再質問は午後に回したいと思います。
 休憩いたします。
   午後0時10分休憩
   午後1時23分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 西銘純恵さんの再質問を行います。
 西銘純恵さん。
○西銘 純恵 再質問を行います。
 最初に32軍壕の件ですけれども、知事は文言の復活はやらないということで答弁されました。20年前、1992年6月25日の県内の新聞を持っておりますけれども、これには32軍司令部の「日々命令綴」という軍の文書がありまして、その記事とそれからこの中に従軍慰安婦、日本人女性12人、沖縄女性10人ということで綴られていたという、これは20年前の記事なんですね。これをしっかりお読みになってこの歴史の真実についてしっかりと記述をする。今この32軍壕の中で削除した文言をもとに戻す、即時復活ということで、もう一度知事の歴史認識を問いたいと思いますし、事実を確認していただきたいということで質問いたします。
 これ資料をお上げします。よろしいですか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後1時24分休憩
   午後1時25分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 環境生活部長。
○環境生活部長(下地 寛) 今ちょっと新聞の切り抜きをいただきましたけれども、今回の32軍司令部壕の説明板設置について、さまざまな報道などによって削除とかそういった形での誤解がありますのでしっかり説明をしたいと思います。
 まず基本的にこの説明板設置ですけれども、これは平成19年に沖縄平和祈念資料館がつくった冊子です。学識経験者それから学芸員などの手によってまとめられておりまして、この中で特にあの32軍壕については2ページにわたって相当詳細に書いています。これを説明板としてそのまま設置してもいいんじゃないかというぐらいにしっかり書いてあります。しかしこの中には、「慰安婦」とか「住民虐殺」というものは書いておりません。このほかのページにはあります、ほかのページには。「住民虐殺」もそれから「慰安所」があったということも。こういったこの資料をもとに我々は首里の琉潭近く――これは文化財保護地域ですけれども――その中で説明板をつくるということになりましたけれども、非常に限られたスペースであるということで大体大きさも90センチ掛ける120、畳1枚に足りない大きさの中でどれだけの説明が書けるかということで苦労したわけですね。そういうこともありまして、設置板の形状であるとか、それから中に入れる内容、それには写真を入れる、それから図面も入れるさまざまな形でそれを見やすいようにしなくちゃいけないということ、それから日本語だけじゃなくて言語もできるだけ多いほうがいいんじゃないかというふうなこともありまして、一応基本的に4言語使うということに決めまして、そういった意味でこの長い2ページにわたる文章の中から、我々の理想としては日本語にしては400字ぐらいが適切だろうというようなことを考えまして、こういった考えを検討委員会に話をしまして、この冊子に載っている32軍壕に関する記述をたたき台として出しましてこれを参考にしながらぜひ矛盾についても絞ってくださいということをお願いしたわけです。検討委員会を2回開いていただきましたけれども、その中で我々がこの資料をもとに出したたたき台以外に、今問題になっておりますように慰安婦の存在ということを記述してほしいとか、それから周辺で住民虐殺があったという記述を加えるべきだということで委員から意見があって、検討委員会としてはそれは記載すべきだと記述すべきだということで最終的には私に文書が来たわけですけれども、これまで述べてきておりますように、確証が持てないということ、それからもともとこの説明板の設置はここに32軍壕があったというこれの背景とか役割とか、その存在によって首里近くの文化財がかなり喪失したと。そういった事実をしっかり書くことが大事だというそういう判断のもとに、今回この説明板を最終的に私が決定したということであります。
○西銘 純恵 文字数に限りがあるとかいろいろ言っていますけれども、いずれにしても今の問題は沖縄戦の歴史を塗りかえようとしているというこの右傾化に対して本当に警鐘が鳴らされているんですよ。だから、しっかりと知事がもう一度これを復活をするという立場でやってほしい、これは指摘して次に移ります。
 保育所の件ですけれども、子育て世帯の生活は大変厳しいんですよね。今、所得が低くなっているし、夫婦共働きしないと子供を育てることができないと。それで保育所に子供を入れたい。だけれども、先ほどの数字では3000名保育所待機児童解消したと言われましたけれども、知事にもお見せしました。10月時点で3043人待機児童がいるというこの数字というのは、例えばこれは浦添市のものですけれども、10月時点で浦添市は269人待機児童ですとやっていました。でもこれは既に2月1日のを見ましても907人ということになりますので、3倍の開きがあるんですよ。だから、先ほど2億7000万という待機児童解消の予算はあるよと言っても足りないと。これを10億ではなくて30億とかぽーんとやらないと今の働く皆さんは産休が明けても子供を預けられない、仕事ができない、やめないといけない、このような状況にあるということをぜひ知事自身に知っていただきたいんですよ。この件について県政の重要課題と考えるんですけれども、知事の見解を伺います。
○福祉保健部長(宮里達也) 議員の御指摘のとおり、待機児童、子育てにとっては非常に重要な問題と考えております。我々としては待機児童特別対策事業等で認可化促進を進めているところでありますけれども、これを強化していきたいと思います。
○西銘 純恵 強化の中身が見えないんですよね。ちゃんと数字で示していただきたい。これは今後も追及したいと思います。
 次、後期高齢者医療制度についてですが、沖縄県の高齢者というのは、本当に沖縄戦の中で幼くして肉親を失ったり戦火を生き延びてこられたんですよね。そして戦後27年間だって、その後幾多の困難の中で暮らしてきたと、生き抜いてきたと。この皆さんに対して、高齢者への手厚い支援、対策こそが沖縄振興の大きな柱になるんではないですか。だけど、後期高齢では減免についても市町村に任せているとこれじゃ大変ですよ。やっぱり、高齢者の皆さんの特別な対策が必要だと思いますが、知事いかがでしょうか。
○福祉保健部長(宮里達也) 高齢化の進展に伴い、医療費が増大していく中で、この保険制度を守っていくというのもまた一方の大切な使命でありますので、今保険財政が非常に厳しい状況もありますので、そういう全体的な状況を勘案しながら慎重に対応していく必要があると考えます。
○西銘 純恵 医療や保険に財政を投入しないという政治があるからですよ。だから沖縄県政、何よりも優先して高齢者の立場でやるべきじゃないかということを言っています。知事にぜひそこを考えていただきたい。
 次に移ります。
 米軍郵便局の問題ですけれども、知事にはこれをお上げしましたが、(資料を掲示) これは県道建設のために赤い線で牧港補給基地を返還をさせた境界線です。この中でピンクの色は米軍郵便局なんですね。これは基地の中にあるのを沖縄県民の税金、国民の税金で8億円かけてどうして建設するのかと。基地の中にある住宅建設について建築確認申請、所在市町村でとりますか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後1時34分休憩
   午後1時36分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 土木建築部長。
○土木建築部長(当間清勝) お答えします。
 民間の場合は建築確認をしますが、米軍施設の場合は建築基準法で計画通知という手続を行っております。
○西銘 純恵 日本の法律適用をされていないということですよね。基地の中で、日本の法律を適用しているのがありますか。あるんでしたら、何法に基づくどういうことをやっているということを明示してください。
○土木建築部長(当間清勝) 今回の郵便局のようなものがその該当事例に当たります。
 今回、議員おっしゃるように基地の中ではありますが、郵便局についてはゲートを移設する必要があって、そのゲートの取りつけ道路のつけかえに伴いまして郵便局が支障になるということでそれで移設の必要があるということで、ゲートの機能を回復するために郵便局を補償するものです。その法律の根拠は原因者である沖縄県の公共事業の施工に伴う公共補償基準でございます。
○西銘 純恵 私、わざわざこの図面を皆さんに取り寄せて見せたんですよね。基地の中、県道にどこも当たっていないですよ。県道をつくります。何百メートル離れているほかの人のおうちを補償しますということがあるんですか、ないでしょう。だからこの皆さんが言う公共補償基準というのも、そして道路、県道をつくる原因者である県が負担をしなければならない。これはもう通用しない、ごまかし。だから、米軍郵便局、私、副知事に本当にお答えいただきたいと思うんですよ。こんなのはもうやめさせる。県民負担で1坪132万円、8億円、これから延々とこのようなことをやることをもうやめさせるという立場をとるべきじゃないですか。米軍にも日本政府にも言うべきじゃないですか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
    午後1時38分休憩
    午後1時39分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 与世田副知事。
○副知事(与世田兼稔) 西銘議員の御指摘は、なかなか検討しなければいけない重大な問題だとは思っておりますけれども、まずこれまでの経過の中で国等もいろいろ調整した結果として、公共事業を施工する場合、当該事業の起業者がその負担を行う必要のある問題だと。道路をあけるに当たっていわば郵便局が支障になると、そういうふうな意味においては、米軍が郵便局の移転が自分たちの機能堅持のために一定程度の面積、距離を必要とするとこういう状況の中から移転補償を要件としているとそういう経過がございましたので、いわば公共補償基準、そういう要綱などに基づいて沖縄県は補償しようというふうに考えているとこういうことでございます。
○西銘 純恵 皆さん、公務員ですから、根拠法に基づいて仕事をするわけですよ。お金は出すにしても何をするにしてもすべて法律でしょう。ないのに米軍がこれを県道はあなたたちがつくるから補償しなさいとねじ込んでもねじ曲げられてもそのような方法でいくと、お金は払いますと、こういうことが通るんですか。もうこういうのはやめさせなさいということでどうして言えないんですか。法律ないですよ。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後1時41分休憩
   午後1時42分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 知事公室長。
○知事公室長(又吉 進) 同様の議論につきましては、御承知のように国会でも笠井先生と政府の間のやりとりがあったというふうに聞いております。先ほど一般論に関しましては副知事が答弁したとおりでございます。そのときに政府の回答というのは、これは「ベテランズクラブ」の件でございます。つまりこれは浦添市の案件ですけれども、今回お申し越しの件については、浦添市側が道路を通すために土地の返還を求めた、すなわち事業の起業者が浦添市に当たるということから負担の理由が発生したものと承知しておりますということで、政府においていわゆる起業者原因であるということが示されているわけでございます。このことにつきましては、例えば従前、先生がおっしゃっておられる地位協定の関連でありますとか、そういうことにつきましては、現在外務省に照会をしてございます。
 したがいまして、そういった政府の見解もしっかり踏まえて県としても判断をしていきたいと考えております。
○西銘 純恵 私、政府がどうのこうのじゃないんですよ。これを見てどうですか、違法でしょう。法律ないでしょう。だけど、やっているということが、これを県がこういうやり方をもうやりませんと一言言えばいいじゃないですか。こんなことを何にのっとってやるんですか。それを聞かないといけないんじゃないですか。しっかりと検討してください。回答も同じ答弁じゃ困ります。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後1時44分休憩
   午後1時45分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 土木建築部長。
○土木建築部長(当間清勝) お答えします。
 港川道についてはこの米軍基地の一部返還ということで、平成17年に沖縄防衛局に申請手続して日米合同委員会で決定されています。それを踏まえて、やはり私たちとしては西海岸道路のアクセスが交通渋滞緩和のためにどうしてもその事業が必要だということで公共補償基準に基づき法律的にはそれで進めるという考えでございます。
○西銘 純恵 日米合同委員会で日本側が負担をする、それを沖縄がやるということを一言も書いてない。前にもやってきました。だから、副知事が言われたように検討する重大な問題、しっかり検討してこれをやめさせるという立場でやってください。
 次、移ります。
 軍港についてです。那覇の軍港が浦添に移設建設されることに関して県民は基地の強化と思っているんですよ。県は負担が軽減されると言っているのはなぜですか。
○知事公室長(又吉 進) 那覇港湾施設というものは、この県都那覇に存在しておりまして、その活用の可能性等については那覇市、県ともに大変大きな期待をしているわけでございます。したがいまして、この基地が返還されるその地域が使えるようになることは、大変今後の県勢の発展のために有用であるとそういう意味でございます。
○西銘 純恵 那覇の軍港がなくなる、期待しますよ。浦添に新しい軍港ができる。県民は、市民はとんでもない迷惑物なんですよね。だから聞いているんですよ、負担軽減じゃないでしょうと。浦添につくられる新軍港の位置、形状、面積、水深、どうなっていますか。
○知事公室長(又吉 進) 平成15年1月に第4回の那覇港湾施設移設に関する協議会というのがございまして、その場で代替施設は現在も那覇港湾施設の57ヘクタールから35ヘクタールに縮小されて、浦添埠頭地区に移設されることなどとして位置及び形状案が示されております。これに関しましては、県、那覇市、浦添市が了承をしたところでございます。
○西銘 純恵 その後、集積場の14ヘクタールがプラスされて49ヘクタールになったことは御存じでしょう。
○知事公室長(又吉 進) 平成18年5月の米軍再編協議の最終報告でそのように示されております。
○西銘 純恵 ほかにこの軍港の制限水域50メートル、それと軍港の底辺は700メートル、縦は820メートル、集積場つきの49ヘクタール、そしてその西の海に350メートルから450メートルの3つの大型艦船の回頭水域ができる。こういうのも御存じでしょう。
○知事公室長(又吉 進) 公表されている限りで承知しております。
○西銘 純恵 今の那覇軍港の水深はどうですか、大型艦船の出入港はどうですか。
○知事公室長(又吉 進) 済みません。今資料がなく、承知しておりません。
○西銘 純恵 那覇軍港をつくりかえる、移設するというのは米軍の要求なんですよ。1974年に全面返還をすると那覇軍港言われて動いていない。それは移設条件つきだったからですよね。今、水深9メートルなんですよ。そして、転回できないの、中に大型船が入って。使い勝手が悪い、だから別のところにつくりかえる。これが那覇軍港の移設問題ではないですか。これは、米軍の要求でしょう。
○知事公室長(又吉 進) 申しわけないんですが、その経緯については今資料を持ち合わせておりませんで、ちょっとお答えしかねます。
○西銘 純恵 休憩願います。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後1時49分休憩
   午後1時49分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
○西銘 純恵 これは知事、今の浦添の埋め立てられた、ここキャンプ・キンザーですね。(資料を掲示) 西海岸、この海なんですよ。すごいまだイノーが残っている海、ここが西海岸なんですよ。そしてここがこれから埋め立てをされようとしている軍港までできるところなんですね。その後、那覇港管理組合、ここもみんな埋め立て予定なんですよ。計画は4500億円の埋め立てなんですよ。それで軍港なんですけれども、これは土建部からいただきました。(資料を掲示) これが先ほどの境界ですね。そこに今浦添が埋め立てを24年度からやろうとしています。これ、那覇港管理組合が埋め立てをしようとしています。軍港がここです、49ヘクタールの軍港ですね。この環境アセスが今年度1億7300万円かけて入ってくると。だけれども、ここもここも埋め立てをするんであれば同時に環境アセスが必要になってくるんですよ。この環境アセスについて今どこまで進んでいますか。
○知事公室長(又吉 進) この2月に第20回の移設に関する協議会がございまして、防衛省からは那覇港湾代替施設の環境影響評価については、24年度予算案に方法書作成に係る経費6500万円を計上したというふうに説明がなされております。現在課題となっておりますのが、この環境アセスは4事業者が一体となって実施するのか、また事業者ごとに実施するのか。さらにその費用負担割合、那覇港の移設先の防衛省、浦添市、那覇港管理組合、国土交通省といったところが今協議を進めているというふうに承知しております。
○西銘 純恵 那覇港管理組合のこの埋め立て、総事業費どれだけですか。県が関係していますから、答えてください。
○知事公室長(又吉 進) 休憩お願いします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後1時51分休憩
   午後1時53分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 土木建築部長。
○土木建築部長(当間清勝) 大変申しわけないんですけれども、資料を今持ち合わせておりません。
○西銘 純恵 知事、ここ牧港補給基地ですね、早期返還を求めています。そして1900億の経済効果、1万6000人の雇用があると。早期返還ですよね、嘉手納以南。さらに、ここはもっと早期にという考えがありますよね。早期返還と軍港は新たにつくられるということの整合性あるんですか、この海は先ほど見せました豊かな海なんですよ。自然の海なんですよ。ここの埋め立てをどうしてやる必要があるんですか。一切なくしていいんじゃないですか。今の状態のまま返還をしてまちづくり、県都づくりできるんじゃないですか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後1時54分休憩
   午後1時55分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 土木建築部長。
○土木建築部長(当間清勝) 那覇港については、国際流通港湾を推進するための必要な施設でございまして、あとは牧港補給基地の返還後のまちづくりについては浦添市のほうでその青写真を描いていますので、そういったまちづくりのための施設の規模でございます。
○西銘 純恵 知事に先ほどお上げしましたが、今2月までにとっている浦添市民に対する軍港問題に対するアンケートなんですね。今266、第1集計やっていますが、軍港に賛成というのは5%です、反対が79%。この軍港問題が出て共産党は何度か市民アンケートをとっていますけれども、ほぼ75から79、変わらないんですよ。賛成は5%なんですよね。これは市民自身がそうだし、市民としても軍港なんてこの浦添に絶対につくらせないと。そしてせめて第1次埋め立てでなされたここでとどめてほしいと。ここはイノーなんですよ、タコがいたり、本当にここは自然の宝庫なんですよ。豊かな資源の宝庫なんですよね。こういう海をさらに最後の那覇港管理組合も入れてここみんな埋め立てるんですよ。牧港補給基地の274ヘクタール、そこに匹敵するぐらいの埋立計画が今の那覇港管理組合の埋め立てと浦添に来る軍港なんですよ。撤回するべきじゃないですか、こんなのはやめさせるべきじゃないですか。埋め立てはだめということじゃないですか、どうですか。
○知事公室長(又吉 進) アンケートの結果については承知しておりません。これは答弁の繰り返しになりますが、那覇港湾施設の浦添埠頭地区への移設につきましては、平成8年のSACO最終報告で合意され、ロードマップでも全面返還されることになっております。平成13年11月には浦添市長が受け入れ表明を行い、平成10年1月の那覇港湾施設に関する評議会では浦添埠頭地区への移設を浦添市、那覇市とも了承し、現在この協議会で環境影響評価を含め移設に関連した諸措置等について、国・県、地元自治体等で協議・調整が進められているところであり、県としては進めるべきだと考えております。
○西銘 純恵 市民の声を聞いてください。
 以上です。
○仲宗根 悟 県民の皆さん、こんにちは。
 議席18番、社民・護憲ネットの仲宗根悟であります。
 2012年2月定例会、予算議会において行政一般について質問をいたします。
 さて、県民の皆さん、皆さんは「ヤマンムスーブ」を御存じでしょうか。毎年、年の暮れ、12月に1株から山芋の重量がどれぐらい取れるのかなと、そういう勝負、競技がありますが、これを「ヤマンムスーブ」と言っておりまして、読谷村も盛んに行われております。恩納村や、この間、今帰仁での新聞も掲載されておりまして、全県的に広がりつつあるなという思いですが、この「ヤマンムスーブ」はもともと石川山城、楚南山城とそれから伊波部落で戦前から勝負をしたというようなお話があるようなんですけれども、これは正月向けに各農家が正月クヮッチーの一品として栽培をして、今度は私のほうはできが非常によかったよとか、あるいはヌーガ ヤームノー ウッサナーグヮールアンナーというようなことからスーブが始まったというふうに栽培農家はお話をしております。農家にとっては1年間の楽しみの一つでありまして、掘り起こすときには非常にわくわくするんだそうであります。四、五キロの種芋を4月に植えて、そして年末まで成長を見ながら掘り起こすさまは非常にわくわくするんだというようなことで、最近では200キロを超すものも、それから300近いものもあるんだというようなことで、スーブ好きの血が騒ぐ様子がございまして、よそからも見学に来るなど、この山芋ツクヤーの交流の場でもあるんだというようなことで、しばし山芋談義に花が咲いているというようなことであります。
 私たち読谷村も、実はメッカであります山城の部落から優勝者を招聘して山芋の講習会が開かれるようです。非常にこの辺も地域おこしにつながっているなというふうな思いがあります。
 さて、私自身ですが、今回つくってみました。ところが、思うようにはいきませんで、ことしはリベンジしたいなというふうに思います。どうぞ皆さん、御期待をいただきたいと思います。
 さて、具体的に一般質問を行いたいと思います。
 まずは、知事の政治姿勢に関して伺いたいと思います。
 (1)、平成24年度予算編成の大きな特徴は何なのか伺います。
 (2)番、日米両政府が沖縄に駐留する海兵隊のグアムヘの移転を普天間基地の移設と切り離し先行して進める再編見直しを発表したということでありますけれども、このことは何によるものだと考えているか伺います。
 (3)、今回の変更についてアメリカ側の報道官は、「問題の一部を優先させて解決するだけで最終的には合意したすべての問題を解決させる方針だ」として普天間基地の辺野古への移設を進める方針に変わりはないんだとしています。このことについて見解を伺いたいと思います。
 (4)番目は、「沖縄21世紀ビジョン」についてです。「沖縄21世紀ビジョン」の住民説明会を実施をするとしております。どのようなものなのか、内容を伺いたいと思います。
 (5)、南米ボリビアの教員派遣事業についてです。この件は廃止となるようでありますが、ボリビアに住むウチナーンチュに波紋や不安が広がっているとしております。事前の協議がなされなかったのかどうか。ボリビアのほうは事業の継続を訴えているようでありますが、県の見解を伺いたいと思います。
 (6)番目は、消防広域化計画について伺わせてください。これまでの協議会での協議はどのようにされていたのか。そして県はどのようなかかわり方だったのかお聞きをしたいと思います。
 2番目は、雇用対策に関してお聞きをいたします。
 (1)、今春卒業予定の高校生の県外求人が震災の影響もあり減少しているとのことであります。その対策、取り組みについて状況を伺いたいと思います。このことは、昨年夏ごろの求人説明会での参加企業が非常に少ないと、減少しているんだと厳しい状況が伝えられたわけですが、その対策が求められておりました。その後の対応をどうされたのか、お聞きをしたいと思います。
 (2)は、ハローワークと県の連携でありますが、求職者の利便性向上を目的に就労支援拠点を開設するとしていますが、その取り組みについて伺いたいと思います。
 (3)番、県は、特定従業員満足度調査の報告書を発表しました。その内容はどのようなものなのか。そしてまた、その結果を受けてどのように生かされていくのか伺わせてください。
 3番目は、地域を支える産業の育成に関してお聞きをいたします。
 (1)、特別自由貿易地域において、立地する企業の初期投資の軽減、そして早期操業を支援する目的の賃貸工場整備事業の概要を伺いたいと思います。入居企業が控えてのことか伺わせてください。
 (2)は、県産品の販路拡大での県外等への展示会、そして商談会等の戦略的な施策展開を支援するとしています県産品拡大展開総合支援事業、その内容を伺いたいと思います。
 (3)、消費者ニーズに合った飲みやすい泡盛の提案、古酒商品の開発及びテストマーケティングなど、ターゲットを絞る販売戦略により「飲みやすい泡盛」、「付加価値のある古酒」それぞれの市場を確立し県外出荷拡大を図るということを目的とした泡盛マーケティング総合支援事業、その状況がどうなっているのか、そこら辺を伺わせてください。
 4番目は、観光振興に関してであります。
 (1)、ことし7月から9月に上海―那覇間の運航が予定をされていますクルーズ船に法務省の職員を同乗させ、航行中の船内で入国審査を実施すると伝えたとするが、上陸が円滑に行われ多くの時間を下船後に使えるのは大きなメリットだと思います。今後の入国審査手続の迅速化の要望に対する法務省の対応はどうだったのか伺いたいと思います。
 (2)、クルーズ船寄港が年々増加傾向にあり経済効果も期待できるとされ、かかる旅客ターミナル整備について観光関係団体から要望が出されておりますが、そのことについて県の見解を伺います。
 5番目に、農林水産業の振興に関してお聞きをいたします。
 (1)、昨年4月に在沖米陸軍トリイ通信施設内のビーチへ石を積み上げた工作物は、漁業関係者から周辺海域への影響を懸念し早期の撤去を求められておりました。このほど撤去に至ったわけでありますが、その経緯について伺いたい。
 (2)、今期のさとうきびの収穫が本格的に始まっております。収穫量の見込み、そして品質はどのようになっているのか伺いたいと思います。
 (3)、農林水産の振興においては、有望作物の開発や研究等は農家や事業従事者の生活の安定、雇用の拡大につながる重要な事業だと認識をいたします。沖縄の農林水産の姿を描き戦略的に構築して、研究機関を人も物もまたさらに充実すべきものだと思うんですが、県はどう考えているのか見解を伺いたいと思います。
 6と7は、環境行政に関してであります。
 環境省は、琉球諸島をユネスコ世界自然遺産に推薦することを決めたとしております。登録に向けての機運醸成を図る取り組みが必要ではないか、県はどう考えていますか伺いたいと思います。
 7、温室効果ガス排出量削減計画の進捗状況はどうなっているのか伺いたいと思います。
 8と9は、企画部に関してであります。
 8番、大規模駐留軍用地跡地利用推進費について伺いたいと思います。
 9番目は、沖縄県の試験研究機関の企画部一元化から各部局に戻すとしておりますが、その理由は何なのか伺いたいと思います。
 我が会派の代表質問との関連については割愛させていただきます。
 以上であります。
○知事(仲井眞弘多) 仲宗根悟議員の御質問にお答えいたします。
 第1に、知事の政治姿勢の中で、辺野古移設を堅持する政府の方針についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 県は、地元の理解が得られない移設案を実現することは事実上不可能である旨、繰り返し申し上げてきたところであります。それにもかかわらず日米両政府が辺野古移設案を推進する姿勢をとり続けていることは、疑問を呈さざるを得ません。
 県といたしましては、日米両政府に対し、引き続き普天間飛行場の県外移設及び早期返還の実現に向け真摯に取り組むよう強く求めてまいる所存でございます。
 次に、観光振興に係る御質問の中で、クルーズ船旅客ターミナルの整備についての御質問にお答えいたします。
 那覇港におけるクルーズ船旅客ターミナルビルにつきましては、観光団体などから観光振興や経済効果が期待されるとして早期整備の要請があります。そのため、那覇港管理組合が事業主体となって本年度に基本設計及び実施設計を行い、平成24年度に建設工事に着手をし、平成25年度の完成を目指す計画となっております。
 その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁させていただきます。
○副知事(上原良幸) 琉球諸島のユネスコ世界自然遺産登録についての御質問で、自然遺産登録に向けた機運醸成についてお答えいたします。
 奄美・琉球諸島地域が世界自然遺産に登録されることは、本県の自然環境のすばらしさが世界に認められることであり、自然環境の保全や地域振興の面から意義あることと考えております。そのため、県におきましてはヤンバル地域の国立公園化に向けた取り組みや外来種対策としてのマングース防除事業、琉球弧自然フォーラムの開催などの普及啓発活動を実施しているところであります。
 このような中、環境省が「奄美・琉球諸島地域について、地元の関係者と十分な調整を図り、できるだけ早期の世界自然遺産登録を目指して準備を進める」との方針を示したことは大変喜ばしいことと考えております。
 県としましては、今後とも地元自治体や関係機関と連携しながら、早期の世界自然遺産登録を目指していきたいと考えております。
 以上でございます。
○副知事(与世田兼稔) ハローワークと県の連携による就労支援拠点についてお答えします。
 沖縄県では、国の出先機関の原則廃止に向けたアクションプランに基づき、ハローワークの職業相談・紹介業務と県の生活・就労相談支援業務を一体的に実施し、求職者の利便性の向上を図ることとしております。実施に当たっては、失業者の多い那覇市及び中部に相談窓口を設置し、平成24年4月に開所することとしております。
 沖縄県としては、この取り組みも含め、公・労・使が一体となって設立する沖縄県雇用対策推進協議会(仮称)において、求職者に対する総合就業支援拠点の形成についても取り組んでいくこととしております。
 以上でございます。
○総務部長(兼島  規) 知事の政治姿勢に関しての質問のうち、平成24年度予算編成の特徴についてお答えいたします。
平成24年度予算におきましては、「沖縄21世紀ビジョン」に基づいた5つの目指すべき将来像の実現に向けた諸施策の展開を基本に、離島の振興、失業率の改善などの課題解決に向けた取り組みや、地理性、自然環境、歴史的事情など、本県の特殊事情を踏まえた施策に取り組むことを基本的な考え方として、新たに創設される沖縄振興交付金を積極的に活用したところが大きな特徴であります。
 それによりまして、離島住民が住みなれた島で安心して暮らし続けることができるよう、交通コストの負担軽減などによる定住条件の整備を行うこととしたほか、世界水準の観光・リゾート地の形成や情報通信関連産業の高度化・多様化に向けた取り組み、臨空・臨港型産業など新たなリーディング産業を育てる施策などにも取り組むこととしております。また、これまでの沖縄振興予算では対応が難しかった子育て支援、離島における介護サービスの充実といった福祉分野や、学力向上に向けた取り組みなど教育分野にも沖縄振興交付金を活用したところであります。
 次に、試験研究機関を関係部局に戻す理由についてお答えいたします。
 本県の試験研究機関は、客観的・統一的な評価結果を優先的に研究予算に反映させるとともに、分野の異なる研究機関相互の連携を図ることを目的に、平成17年度に企画部に一元化いたしました。しかしながら、試験研究と普及の連携に課題があることから、試験研究評価システムの運用等、一元化したメリットを生かしつつ、平成24年4月1日から農林水産部及び商工労働部に試験研究機関を移管し、産業振興に努めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○知事公室長(又吉 進) 知事の政治姿勢に関しての御質問の中で、再編見直しの発表についてお答えいたします。
 去る2月8日、日米両政府は、在日米軍再編計画に関する日米共同報道発表を行ったところであります。この中で、日米両政府は普天間飛行場の辺野古移設に引き続きコミットするとともに、在沖海兵隊のグアムへの移転と嘉手納以南の土地の返還を、「普天間飛行場の代替施設に関する進展から切り離すことについて、公式な議論を開始した。」としています。今回の発表に至る背景については、両国政府から具体的な説明がなく承知しておりません。在沖海兵隊のグアム移転と嘉手納飛行場より南の施設・区域の返還は、県民の要望している米軍基地の整理縮小につながるものであり、日米両政府は地元の意向を踏まえた協議を行っていただきたいと考えております。
 次に、消防広域化計画についてお答えいたします。
 平成18年の消防組織法改正により、都道府県は、市町村による自主的な消防広域化を推進するため、「消防広域化推進計画」を策定することとなりました。沖縄県におきましては、平成20年3月に「沖縄県消防広域化推進計画」を策定し、全市町村参加の「県域1ブロックによる消防広域化」を推進することとしました。これを踏まえ、那覇市長を会長とし、市町村長で構成される協議会において、平成22年度から消防広域化に係る組織体制のあり方や財政上の課題等について協議が行われてまいりました。しかしながら、那覇市を初めとする4市が、将来的な財政負担の懸念等を理由に当該協議から離脱する方針を明らかにしたことなどにより、去る2月9日に開催された「第5回沖縄県消防広域化推進協議会」において、「県域1ブロックによる消防広域化」の実現は困難であるとのことから、同協議会の解散の方針が決議されたところであります。このことから、県としましては、現行の「沖縄県消防広域化推進計画」は見直しが必要になるものと考えており、来年度、県が市町村と連携のもと、消防体制の課題や充実強化策等について幅広く検討する新たな検討会議を設置することといたしました。
 県といたしましては、同会議の中で本県における消防広域化のあり方について改めて市町村と意見交換し、地域ブロックでの消防広域化等の可能性を含め十分検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○企画部長(川上好久) 知事の政治姿勢に関しての御質問の中で、「沖縄21世紀ビジョン基本計画(仮称)」の住民説明会等についてお答えいたします。
 沖縄県では、今年度「沖縄21世紀ビジョン基本計画(仮称)」の策定に向けて幅広く県民意見を募るため、県内5圏域ごとに計画の説明会を各4回実施し、800人余の一般県民の皆様の御参加がありました。また、インターネット等を活用した意見募集も行い、合計で650件余の意見等が寄せられたところであります。さらに、沖縄県振興審議会や市町村、各種団体も合わせると合計で約2900件の意見等が寄せられております。
 沖縄県といたしましては、このような多くの意見等を参考にして、よりよい計画の策定に努めているところであります。
 次に、農林水産業の振興に関しての御質問の中で、試験研究機関の充実強化についてお答えいたします。
 農林水産業の発展に寄与する試験研究機関の充実強化につきましては、試験研究評価システムによる適正な評価と、重点研究課題の設定などに基づく予算及び人員の適切な配分に努めているところであります。また、効率的な試験研究を推進するためには、施設や測定機器の整備など研究環境の充実を図る必要があります。そのため、老朽化した水産海洋研究センター及び森林資源研究センターについては、平成25年度の供用開始に向けた移転整備を行っております。さらに、近年多様化・高度化する研究ニーズには人材の育成、各試験研究機関との連携を図ることにより対応してまいりたいと考えております。
 次に、大規模駐留軍用地跡地利用推進費についての御質問にお答えいたします。
 同推進費は、大規模駐留軍用地跡地及びその他計画的な開発整備が予定されている駐留軍用地跡地等の利用推進を図るために行う跡地利用計画の策定や、その具体化を進めるために実施する調査に係る費用です。当該事業は、平成23年度までは内閣府一括計上の補助事業として予算措置されておりましたが、平成24年度より沖縄振興一括交付金(仮称)の沖縄振興特別推進交付金に含まれることとなっております。平成24年度の県予算案では、宜野湾市と共同して行う普天間飛行場跡地利用計画方針策定調査に係る委託費などを計上しております。
 以上でございます。
○教育長(大城 浩) 知事の政治姿勢に関しての御質問で、教員のボリビア派遣事業についてお答えいたします。
 当該事業につきましては、「ボリビア国沖縄県民移住地の教育施設へ現職の教員を派遣し、本県出身移住者の子弟等への教育を行うことにより、これら子弟の教育の向上を図ること」を目的に、25年余にわたり26名の教員を派遣してまいりました。昭和61年度の派遣当初、ボリビア国では行われていなかった体育または音楽等の情操教育を目的としておりましたが、現在ではこれらの授業も行われており、所期の目的は達成されていると考えております。
 今後は、引き続き関係機関と調整し、ウチナーンチュのチムグクルの継承等を含めた事業の可能性について検討してまいりたいと考えております。
 次に、雇用対策に関しての御質問で、新規高卒者の就職支援についてお答えいたします。
 沖縄労働局の調査によりますと、平成24年1月末現在の高校生に対する県外求人数は前年同期と比較し8.0%減少しており、大変厳しい状況となっております。
 県教育委員会としましては、沖縄労働局や県商工労働部等と連携し、県内外求人開拓や企業合同面接会の実施、県内経済団体等への雇用確保の要請を行っております。また、全県立高校に就職指導を支援するコーディネーターやジョブサポーター等を配置し、就職決定までの継続的な個別支援を行っており、今後とも高校生の就職支援に努めてまいります。
 以上でございます。
○商工労働部長(平良敏昭) 雇用対策に関する御質問の中で、沖縄県特定従業員満足度調査報告書の内容とその活用についてお答えいたします。
沖縄県では、情報通信関連企業及び県内他業種における従業員の労働環境、勤務実態、満足度等の状況を把握するため、平成22年度において初めての試みとして「沖縄県特定従業員満足度調査」を実施しております。調査は、県内に就業する16歳から65歳までの男女を対象に、調査対象従業員の概要、勤務状況、職場環境、勤務先での教育訓練、ワーク・ライフ・バランスの改善の5項目について、会社訪問や街頭でのアンケート調査等により実施し、約3800人からの回答を得ております。
 県としては、平成23年1月に調査報告書を取りまとめ、県のホームページ上で閲覧が可能となっていることから、経営者等が今回の調査報告書を参考に、雇用環境の改善や従業員マネジメントへの対応等に活用してほしいと考えております。
 雇用環境の改善は、従業員のモチベーションや生産性の向上にもつながり、企業業績のみならず産業振興全体にも大きな影響をもたらすことから、県としても、本調査報告書を企業誘致や県内情報通信産業の雇用拡大施策に活用していきたいと考えております。
 続きまして、地域を支える産業の育成に関する御質問の中で、賃貸工場整備事業の概要及び需要についてお答えいたします。
 特別自由貿易地域の賃貸工場については、現在、一般の賃貸工場23棟と素形材賃貸工場1棟に合計25社が入居しており、残り2棟についても入居の見通しがついております。このため、今回、新たに戸建て6棟と長屋建て2棟の合計8棟を整備することとしております。これらについても多数の企業と折衝しており、そのニーズが高いことから、早期に入居が決まっていくものと考えております。
 同じく地域を支える産業育成に関しての中の、県産品拡大展開総合支援事業についてお答えいたします。
 本事業は、県産品の県外や海外での販路拡大を総合的に展開するため、沖縄振興一括交付金を活用して次年度予算に計上している新規事業であります。具体的には、食品製造業・流通業に対する県外・海外展開支援として、バイヤー招聘や商談会等のビジネスマッチング、県産品宣伝のためのメディア招聘や販売促進のためのプロモーション、マーケティング調査、商品開発支援、専門家による指導助言等を行うほか、新たに工業製品に対する海外展開支援の取り組みとして、専門家による個別相談や企業派遣、商談同行を行うとともに、海外バイヤー招聘等のビジネスマッチングを行ってまいります。
 続きまして、泡盛マーケティング総合支援事業の状況についてお答えいたします。
 本事業では、卸売業や飲食店等を対象とした泡盛セミナーを東京、大阪、名古屋で開催したほか、大規模商品展示会に出展するなど、県内泡盛メーカーの販路拡大を支援しております。また、一般消費者向けには、女性や若者を対象とした泡盛試飲会を東京と大阪で開催し、強い酒のイメージがある泡盛のおいしい飲み方や泡盛カクテルといった新しい飲み方を紹介し、泡盛ファンの拡大に取り組んでおります。さらに、古酒については、県外展開の戦略商品としてそのブランド構築を図っていくため、テスト販売商品の銀座わしたショップでの実演販売やネットでのテスト販売等を実施し、その魅力を発信しております。泡盛は重要な地場産業であり、県としては、今後も引き続き業界と連携し、県外、さらには海外への販路拡大に取り組んでいく考えであります。
 以上でございます。
○文化観光スポーツ部長(平田大一) 観光振興に関する御質問の中の、クルーズ船の入国審査の改善についてとの問いにお答えいたします。
 県においては、これまでも政府に対し、クルーズ船の乗客の入国審査手続の簡素化及び体制の拡充強化等による審査の迅速化について協力を求めてきたところであり、去る1月26日にも改めて法務大臣あてに要請したところであります。この要請において、議員も御承知のとおり法務省からは、ことし中国から沖縄に寄港が予定されている乗客定員3000名を超える大型クルーズ船――ボイジャー・オブ・ザ・シーズといいますが――について、5名の入国審査官を中国に派遣し、沖縄に向かう船の中で入国審査が行えるよう、海外臨船審査で使用する臨査機器などの持ち込みについて、中国政府と調整中との説明があったところであり、環境改善に向けた兆しが見えてきたところであります。
 県としましては、今後ともクルーズ船における迅速な入国審査の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○農林水産部長(比嘉俊昭) 農林水産業の振興に関しての中で、トリイ通信施設内の海岸工作物の撤去についてお答えします。
 トリイ通信施設内の海岸工作物については、米陸軍によって平成23年4月21日にビーチ施設の一環として設置され、周辺海域漁場への影響が懸念されておりました。県といたしましては、地元読谷村から施設撤去の要望を受け、4月26日に米陸軍に対し、基地内工事の事前の情報提供、工作物の漁業活動に影響ないよう撤去を含めた対応などについて要請を行いました。それに対し、米陸軍から、基地内工事の事前連絡、漁業活動に影響があった場合は対応するとのコメントを受けました。その後、地元からの再三にわたる撤去要望の結果、平成23年12月2日に開催された米陸軍と読谷村、読谷村漁協及び沖縄防衛局による四者協議会において、米陸軍から工作物の撤去方針が示され、平成24年1月24日には具体的な撤去方法等についての説明がありました。それに基づき1月30日から撤去工事を開始し、2月4日に完了したとの報告を受け、2月16日には地元読谷村を含む米陸軍、沖縄防衛局、県で撤去完了を確認したところであります。
 次に、平成23年産さとうきびの生産見込みと品質についてお答えします。
 平成23年産さとうきび生産は、生育初期の低温や日照不足、たび重なる台風の襲来及びイネヨトウ被害等から、前年産の82万トンに対して約65万トンと大幅な減産が見込まれ、今後とも厳しい状況となっております。また、カンショ糖度の品質は、2月上旬現在で分みつ糖が前年の12.3度に対して11.9度、含みつ糖が前年の13.5度に対して14.3度となっております。そのため、県といたしましては、昨年の9月から製糖工場、JA、市町村、研究機関等と連携して、さとうきび緊急生産回復対策に取り組んでいるところであります。
 具体的な対策としては、さとうきび増産推進大会等による適期肥培管理技術の周知徹底、伊是名村や本島北部で異常発生したイネヨトウの防除対策、さとうきび増収に向けた普及啓発用リーフレットの作成・配布等を行っております。さらに、来期の生産回復対策として、気象災害等に迅速に対応した「きめ細かなさとうきび生産見込み生育調査」の実施、気象条件等に基づいたさとうきび栽培改善情報の発信強化対策、品種ごとの栽培マニュアルの策定などに取り組んでいるところであります。また、平成24年度はさとうきび生産体制構築事業等に加えて、国の産地活性化総合対策事業を活用して病害虫防除、ハーベスターや防除機の導入等により生産対策に取り組んでいく考えであります。
 以上でございます。
○環境生活部長(下地 寛) 温室効果ガス排出量削減計画についての御質問の中で、その進捗状況についてお答えいたします。
 県では、2003年に沖縄県地球温暖化対策地域推進計画を策定し、2010年度における県内の温室効果ガスを2000年度比で8%削減することとしておりましたが、直近のデータとして確定できる2007年度には11%増加しており、目標は達成できておりません。こうしたことから、2010年度に新たに「沖縄県地球温暖化対策実行計画」を策定し、2020年度に2000年度レベルまで削減することを目標としております。同計画では、県民、事業者、学識経験者及び行政関係者から成る沖縄県地球温暖化対策実行計画協議会を設置し、進捗管理を行うとともに、全排出量の約3割を占める運輸部門について専門部会を立ち上げ、重点的に施策を推進し着実な削減を図っていきたいと考えております。
 以上でございます。
○仲宗根 悟 それでは再質問をさせていただきますが、まず知事公室長の消防広域化計画についてお聞かせいただきたいと思います。
 そもそも論になろうかと思うんですけれども、この消防の沖縄一元化といいましょうか、こういった広域の必要性というんですかね、一くくりにしたほうがいいんだというようなどういった考え方で一元化に持っていこうとしているのか、まず必要性についてお聞かせいただけないですか。
○知事公室長(又吉 進) 本県の消防をめぐる状況と申しますのは、他県に比べて大変厳しい状況にございまして、やはりこの広大な海域に島が点在しているという特殊性、さらに消防職員の充足率が人口比で他県の半分といったそういった消防力が必ずしも十分ではないという状況がございます。このため、現在、沖縄県には18の消防本部があるわけですが、その本部を一つにまとめまして、まとめた形で隣接する市町村への出動体制を迅速にするでありますとか、あるいは数少ない限られた消防資源を共有することによって効率的な運用を図る、さらに管理部門の消防職員を現場に配置することができるといったメリットを目指して消防の広域化計画といったものを県において策定をいたしたわけでございます。ただ、消防組織法上、その消防の担い手というのは市町村ということになっておりまして、その市町村の考え方を十分尊重するという形で県が音頭を取る形でこの消防広域化を推進してきたところでございます。
○仲宗根 悟 今、お話がありましたとおり、小さな消防署あるいは3つ、4つ重ねて機能を強化した市町村事務組合形式でやっているところもあるわけですよ。ところが、小さいなりに一くくりにしたらもっと強化ができるんじゃないかというような意味で一元化をねらったということであるんですけれども、その実際に務めている現場の防火・防災にかかわる消防の皆さんが、本当に一元化したときに機能強化が図られると思っているのか、あるいはみんな一つにくくられますので、人事異動も含めてこういった心配があるのかどうか、そういった現場の皆さんの声はいかがなんでしょうか。
○知事公室長(又吉 進) そういう現場の声、例えば広域になった場合、人事異動がどうなるかとか、さらに言えば人件費の負担をどう考えていくか、人件費に限らず消防費に係る自治体の負担というのはその財政状況によって随分格差がございまして、そういったものをどうならしていくかと、そういったさまざまな課題について、これは十分研究・検討しようということで、平成22年度に消防の広域化に関する研究協議会、さらに平成23年度は消防広域化に関する任意の協議会といったものを立ち上げまして、そこで十分議論を尽くしていただくという予定でございました。
○仲宗根 悟 こちら私のほうも現場といいましょうか、現役の方々にまず聞いてみました。そうしたら、やはり一元化することによって指令の出し方ですとか、すぐさま対応が可能だと、できやすいんだと。現在だと隣同士があるものですから――やらないことではないんですが――支援体制というようなシステムの中で少し一元化におくれが出るのかなという意味では機能は強化できるというようなお話をいただきました。ただ、現場の皆さんと財政を預かる市町村ですか、そういった事務方の皆さんとちょっと食い違う点があるのかなと。お金の帳簿で見る側と、あるいは実際に働いている側との相当な乖離が生じているのかなと思うんですが、今後その検討に入ると、これからの協議会をまた含めてやるんだと。あるいはまた、1ブロックが少し拡大したブロックの意味で、先ほどこのブロック形式でも検討していくんだというようなお話なのか、その辺いかがでしょうか。
○知事公室長(又吉 進) 先ほど答弁させていただいたように、一たんは全市町村下で1県1消防という形で動いて検討を進めていたわけですが、今年度になりまして4つの市が、議員がおっしゃったような課題も含めて参加は困難だということを表明されて、先般の協議会におきましては、これは一たん白紙に戻そうというような決議がなされたところでございます。したがいまして、県としましては、もう一度原点に戻って、これは消防広域化を断念するというよりも、先ほど申し上げましたようにブロックごとにまとめることができないかといったことも含めてもう一度組み立て直していこうというのが県の考えでございます。
○仲宗根 悟 知事公室長が最終的にはもう一度一元化に向かって進めていきたいんだというお気持ちはよくわかるんです。しかしながら、どうも県のこれまでの反省も新聞にも載っておりますけれども、意見がまとまらなかった理由の一つに、明確に支援策を示し得なかった県の責任じゃないかというような言い方をされている市町村もありますし、やはり県が指導しながら市町村の財政負担を課題といいましょうか、そういったことをどうするのかと、これが示されない限り、またどんなに検討されても同じようなことになりかねないんじゃないかというのが市町村の今までの言い方、とらえ方だと思うんですね。これに対して県は本当に解決していくんだ、そして一まとめにするんだというお気持ちの中で、市町村からのこういった課題を克服しながら進めていこうというようなおつもりなのか、その辺いかがでしょうか。
○知事公室長(又吉 進) 例えば、各市から離脱を表明された市町村からの御意見として、メリットが見えないということや、それから将来の財政負担が心配で、それについて解決されていないという意見があって、結果的にこの協議会の中ではそれに対する結論が出なかったわけでございます。そういった反省というんですか、そういった経緯も踏まえて、新たに来年度、この消防広域化に限らずもっと幅広い意味での消防力の強化といった観点から議論するわけでございますが、その中で財政指導のあり方でありますとか、市町村負担のあり方といったものも改めて違う観点から検討していきたいと思っております。
○仲宗根 悟 今申し上げましたとおり、この市町村の今懸念を持っている、前がよく見えなくて県も示し切れなかったのかなと思ってはいるんですが、例えば私たち読谷、嘉手納、北谷のニライ消防本部でも事務組合をつくりながら、分署の消防施設をつくるわけなんですね、箱物。3つの市町村はそれなりの負担行為をしてきていて機能強化を図ってきたわけですが、そういったのが全県一円になって、向こうもつくりたい、こっちもつくりたい、それがどんどん出てきた場合は、私たちの負担というのはどういうことになるのかと、それが見えなかったという部分があると思うんです。その辺をクリアをしながらやっていけるのかどうか。そしてさっき申し上げましたとおり財政的な各市町村の負担分について県が補てんできるのか。あるいはどういった方法があるのかということを皆さんで議論する場をもう一回設けたいと、それから一元化に向かっていきたいんだというようなお話なんでしょうか、いかがですか。
○知事公室長(又吉 進) 今、おおむね議員がおっしゃったとおりです。ただ、その財政負担につきましては、今後自治体ごとに全体の財政の中で消防に充てる経費と、どれぐらいを消防力に充てているかというのはばらつきがございます。そういったことを調整しつつ、やはり県としてもできるだけのことはやっていくということでございます。
○仲宗根 悟 ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 今度は農林水産のほうで比嘉部長にお願いします。
 トリイビーチの石積み工作物、漁業関係者もその周辺海域への影響を非常に懸念して撤去を求めていたわけですが、先ほど御報告がありましたとおり、4月の初めごろ発覚をしたと。そして、早速21日に協議会が集まってお話をしたと。そして、きょう27日には早速比嘉部長を初め県当局の関係要路への迅速な撤去要請がなされたという意味では、この今回の撤去にスピードといいましょうか、1日近くたってはいるんですが撤去に至ったという意味では、今は高く評価をしたいと思うんです。また、今回、米軍側も非常に気を使ったのか、最初、工事をするときには汚濁防止の膜を広げていなかったのが、今回、撤去の際に汚濁防止膜も設置をしながら工事をしたということで、漁業関係者もほっと胸をなでおろしているのかなと思うんですが、こういった米軍へのしっかりした要請を重ねるとやってくれると、またできたということでいい見本をつくったのかなと私自身そう思っているんですよ。ぜひ農林水産部のこういった要請のあり方、交渉の仕方をぜひ皆さん、米軍に対して学んでいただきたいなというのが要望の一つであります。
 さて、今期のさとうきびですが、収穫量は台風の影響をもろに受けているということでありますけれども、地域的には違うのかなと思うんです。幸い私たちの地域では糖度のほうは昨年よりは少しだけよかったと、この辺が幸いかなと思っているんです。県の平均は、先ほど部長がおっしゃったように去年より悪いところもあるし、含みつ糖に対しては少しはいいのかなというふうなことではあるんですね。そしてまた、さとうきびに関して共済制度が強化をされているという意味では補償を補てんするというのも一つの方策ではあると思うんですが、農林水産全体を見ましても、やはりここは安定した収益性の高い作物をこしらえるとか、非常に戦略を持ってさらにその研究機関、私は充実が必要だというふうに思っているんです。現場の部長としてこの辺の考え方はどうなんでしょうか。
○農林水産部長(比嘉俊昭) 先ほどもさとうきびについてはたび重なる台風があったということで、成長しそうなときに台風が来てなかなか成長し切れないということがあって、そういうことで今回こういうことになっております。将来、今後の試験研究も含めての話ですけれども、やっぱり安定供給というのは大変重要でありますので、まず台風とか干ばつに強い新種をさとうきびについてはしっかりつくることが重要じゃないかなと思っています。それと、やっぱりそのターゲットというのは、市場は県外しかございませんので、そこを見据えた輸送性にすぐれた品種開発とか、そういったのを手がけることによって安定したものができる。それと、品種だけではなくて、やはり台風ですからやっぱりそれなりの施設を強化することによって市場側から求められる数量をしっかり確保するということになると思います。それとあわせて、やはり沖縄には独特の島野菜というのがありますので、そういう意味ではそういった機能性の高い品種開発をしっかりやっていくと。そういうことで全体の農業を支えていくという話になるのかなというふうに思っています。
○仲宗根 悟 私たち会派の中でもこの研究機関の視察に行ってまいりましたけれども、先ほど老朽化したから建て直して充実させるんだというようなお話ではあるんですが、これは物も非常に大事だとは思うんですが、やはりかかわる人たち、たくさんの研究をしてくださいと言いながら、これが本当に対応できていないんじゃないかというふうに思っているんですね。例えば、水産海洋センターで最近新聞に出ていたクロマグロの仔魚ですか、それの採取に役立って資源管理に役立つとしているわけですよね。そして、北部の林業、農業、畜産業3つ合わせた循環型でやるようなシイタケの栽培ですとか、そして畜産センターの新たな種雄牛「勝群星(かつむるぶし)」、そういった開発もされて非常にブランド力が高まって出てきているわけですよね。
 こういった一つ一つ挙げてもいい成果が出てきていると思うんです。読谷村にも非常にかかわりがあるのが「ちゅら恋紅」、それが1株から取れる量が今までの品種よりもたくさん出てきているということで非常に成果は出てきて、非常に農家にも喜ばれているんですよ。ですから、そういった形でやればやるほど私は結果がどんどんどんどん出てくると思うんですよ。ですからやはり研究機関をもっと充実させて、将来の沖縄の農業を、こうやってきたんだという戦略を持ってやる必要があるんだと思うんですが、それはいかがですか、部長。
○農林水産部長(比嘉俊昭) 議員おっしゃるとおり、現場にはいろんな作物がありまして、そこを吸い上げて新しい品種をつくるというのは大変重要だと思います。そういう意味でも先ほど議員がおっしゃったように、加工という面ではやはり加工をすることによってそこにまた産業が生まれるし、そういう意味では付加価値の高い6次産業とかそういった仕組みをつくることによって地域に雇用も生まれるし、それから生産も拡大するということでは大変重要だと思います。そういう意味では、今後やはり農業試験場あるいは各試験場が農林水産部のほうで出てきますので、そういう意味ではその研究、普及、行政と一体となった取り組みをすることによって生産も拡大するのではないのかなというふうに思っています。
○仲宗根 悟 新規就農も年間300人を育成するというようなことをこれから展開をしていくわけですから、この研究機関の充実・拡大が非常に重要になると思いますので、頑張っていただくことをお願いしたいと思います。
 最後に、米軍再編についてなんですけれども、日米両政府は米軍再編計画、すべてパッケージでなければ成立しないよとこれまで言ってきたわけですが、今回のこの共同発表は、パッケージでなくてもいいですよということがはっきりしたわけですよね。ですから米国内のこの事情、あるいは軍事予算でいかようにも変えられるということが今回示されたというふうに思うんです。この流れは、先ほどは日米発表がないからよくわからないと言っていましたが、通説にはこの米国の財政逼迫が流れのようであります。財政難であればなおさら新しい基地にかける予算も惜しいんだろうというふうに思うわけなんですが、ここは知事も地元の理解が得られない辺野古移設は事実上不可能であると。普天間基地の危険性の除去の実現のためには県外を先に移設先を求めるべきだということで、きょうの首相ともそういった交渉をしているということであるわけですが、あと一つ加えるならば、辺野古につくる予算をどうぞ移設費に回してはどうかということを首相に、あるいは日本政府に沖縄県知事から進言をしてみてはどうかなというふうに思うんですよね。もう基地じゃなくて世界自然遺産にするんだというようなことをもっと大きく述べていただいたらどうかなと思うんですが、最後に知事、どうでしょうか。
○知事(仲井眞弘多) いい御提案だと思いますから、受けとめさせてください。機会を見て、そういうことを言うことができる機会があればそういうお話もテーマにしてみたいと思います。
○仲宗根 悟 ありがとうございます。終わります。
○新垣 清涼 こんにちは。
 社大・結の会、新垣清涼、一般質問を行います。
 まず基地行政についてでありますが、(1)、在日米軍再編見直し協議について。
 2006年の日米合意は、普天間飛行場の辺野古移設、海兵隊のグアム移転、その後嘉手納より南の米軍施設の返還が行われるというパッケージで成り立っていた。今回このパッケージを外し、在日米軍再編の見直しは海兵隊の移転は米側の戦略的決定であり、米側の都合によるものである。2006年の日米合意を米側から放棄してきたと見るならば、普天間の辺野古移設についても仕切り直しが可能であると思われる。野田政権にはそのような気配が感じられませんが、知事の見解を伺います。
 (2)、環境影響評価書に対する知事意見について。
 沖縄防衛局が環境影響評価書に盛り込んだ保全処置では、周辺の生活環境や自然環境は守れないとした県環境影響評価審査会の答申を尊重されたということでこれまで議論されておりますので、答弁は求めません。よろしいです。
 (3)、普天間基地の早期閉鎖・返還と跡地利用計画の取り組みについてでありますが、普天間基地の返還問題はやはり普天間基地の危険性の除去ということが原点ではなかったでしょうか。普天間基地の早期返還要求と跡地利用計画は国・県・宜野湾市でどのように取り組まれていますか。県のかかわりはどのようになっているのか、伺います。
 (4)、爆音被害からの救済策についてであります。
 国が定めた防音工事指定区域は、爆音被害の実態と合っていません。そのために、嘉手納や普天間基地周辺住民は日常的に爆音被害を受けています。実態に合った措置が必要ではないでしょうか。救済策を伺います。今月23日の新聞報道によりますと、政府は米軍嘉手納飛行場周辺の特に騒音の激しい区域について住宅防音工事の助成措置を拡大する方針を示したとあります。従来と拡大後はどのように変わるのか伺います。
 (5)、オスプレイ配備計画についてであります。米軍は早くからオスプレイの配備計画を明らかにしていましたが、日本政府はひたすらそのことを隠してきました。政府は、政府が進める政策について、国民・県民生活に悪い影響を与える、あるいは及ぼす可能性のあるものについて明らかにしないところがあります。原子力発電所の放射能漏れ事故についても、国民より先にアメリカに情報提供がなされたと後になって報道され明らかになっています。オスプレイ配備について県の対応、取り組みを伺います。
 (6)、県内における枯れ葉剤汚染についてであります。
 マスコミ報道によると、退役軍人等の証言からベトナム戦争の時期に沖縄でも枯れ葉剤が保管、あるいは使用されたとの可能性が懸念されています。県は外務省などに問い合わせたがその事実については確認がとれなかった旨の答弁がありましたが、県民の健康に影響を及ぼす、あるいは及ぼすおそれがありますから、やはり独自に調査をする必要があると考えます。その実態調査など県の取り組みを伺います。
 2、農林水産業の振興についてであります。
 (1)、食料自給率について。
 食料自給率とは、県民の食料をどの程度賄っているかを示すことだと理解しています。県民が食する米や野菜、豚肉や牛肉はどのぐらい賄い、どのぐらい足りないのか、それを示すことによって足りないものを生産奨励して自給率を高めることができるのではないでしょうか。米や野菜、豚肉や牛肉の生産高と県産品での充足率はどうなっていますか。また豚肉、牛肉などの飼料の県産自給率はどうなっていますか。
 (2)、地産地消推進計画についてであります。
 地場産業の育成、あるいは県産品の愛用など地産地消の取り組みはいろいろと取り組まれていると思いますが、学校給食やホテル等での県産食材の使用率はどうなっていますか。今後の取り組みについて計画と課題についても伺います。
 次(3)、6次産業化の推進についてであります。
 沖縄県は亜熱帯地域に位置し、沖縄独特の農水産物が数多くあると思います。それらの物産にいかに付加価値をつけ多くの皆さんに利用していただくかが自立発展への道と考えます。その取り組みについて伺います。
 次に3、離島対策行政についてであります。
 (1)、離島での定住条件整備事業についてでありますが、生活コスト、交通コスト、学ぶ権利、医療等について取り組みを伺います。
 4、定時・定速の公共交通システムについては取り下げます。
 5、交通安全対策についてであります。
 (1)、国道58号伊佐バス停近くの横断歩道の停車線の移動について。
 前回も伺いましたが、地域から納得がいかないという声があり、再度質問させていただきます。県内には本部長の説明に合わない箇所がたくさんあります。停車線をセットバックさせることで、駆け込みをしようとする運転意識が働き、事故の発生が懸念されるという説明を受けました。そのデータがあれば示していただきたい。そして、その後どのような対策がとられたのかお伺いします。それでも現在、横断歩道の白線から離れて停車線があるのは県内に数多くあります。そのことの説明を求めます。
 (2)、交通事故ワースト交差点の安全対策についてであります。
 交通事故ワーストワンに宜野湾市の旧伊佐交差点が挙げられています。事故の特徴、曜日や時間帯あるいは天気などにも関係があるのでしょうか。どのような対策がとられていますか、その効果はどうでしょうか。そのほかのワースト交差点の対策と効果について伺います。
 (3)、交通信号機の設置基準についてであります。
 先日も代表質問でありましたが、県内には交通信号機の申請が数多くあります。今回の一括交付金で一気に解消することはできないでしょうか。また、してはいかがでしょうか。信号機の設置基準について伺います。
 次に6、生物多様性地域戦略策定について伺います。
 (1)、COP10で新たに立てられたこれから10年の20の目標とありますが、それは何でしょうか。
 生物多様性地域戦略策定の今後の予定について伺います。
 次に、私学支援事業についてでありますが、宜野湾市にはアメラジアンスクールがあります。その設立の経緯について伺います。そしてその支援策についても伺います。
 8番目に、会派代表質問との関連についてでありますが、がん対策条例の制定提案見送りについて。
 県提案に対する患者会の要望が多々あって検討するということになっているようですが、次回まで検討するということで患者会の意向に沿った形にするということで理解してよろしいでしょうか、伺います。
 以上です。
○議長(髙嶺善伸) ただいまの新垣清涼君の質問及び質疑に対する答弁は、時間の都合上休憩後に回したいと思います。
 20分間休憩いたします。
   午後3時8分休憩
   午後3時30分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 休憩前の新垣清涼君の質問及び質疑に対する答弁を願います。
 仲井眞知事。
   〔知事 仲井眞弘多君登壇〕
○知事(仲井眞弘多) 新垣清涼議員の御質問に答弁をいたします。
 まず第1に、基地行政に係る御質問の中で、普天間基地の早期閉鎖・返還についてという御質問にお答えいたします。
 普天間飛行場の危険性の除去は喫緊の課題であり、一日も早い移設・返還の実現が必要であります。県としましては、日本国内の他の都道府県への移設が合理的かつ早期に課題を解決できる方策であると考えております。日米両政府に対し、同飛行場の県外移設及び早期返還の実現に向け真摯に取り組むよう、引き続き強く求めてまいる所存でございます。
 次に、農林水産業振興に係る御質問の中で、地産地消推進計画の取り組みについての御質問にお答えいたします。
 沖縄県におきましては、地産地消を推進するために「沖縄県地産地消推進計画」に基づきまして、第1に、地産地消推進体制の強化、第2に、学校給食、観光関連施設、そして量販店などにおける県産食材の利用の促進、そして第3に、県産食材のメニュー開発・普及、そして伝統料理の伝承などなど7つの推進方策を定め、関係機関と連携をしながら各種事業を実施いたしております。
 具体的には、第1に、市町村地産地消推進計画の策定、第2に、県産食材利用の「おきなわ食材の店」を134店舗へ登録を拡大しております。第3に、フードアドバイザーや地産地消コーディネーターの配置によりまして県産食材利用の促進などを実施いたしております。さらに、平成24年度は県産食材レシピサイトによります学校給食メニューの献立情報の提供や、直売所を利活用しました生産者とホテル・飲食店とのマッチングを図るなど、地産地消の推進に取り組んでいるところでございます。
 その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 基地行政についての御質問の中で、在日米軍再編見直し協議についてお答えいたします。
 去る2月8日、日米両政府は、在日米軍再編計画に関する日米共同報道発表を行ったところであります。この中で日米両政府は、普天間飛行場の辺野古移設に引き続きコミットするとともに、在沖海兵隊のグアムへの移転と嘉手納以南の土地の返還を、「普天間飛行場の代替施設に関する進展から切り離すことについて、公式な議論を開始した。」としています。政府の説明によれば、具体的な内容については、今後の両国政府の協議の中で調整されるとしていることから、県としましては、今後の協議を重大な関心を持ちつつ注視してまいりたいと考えております。
 次に、嘉手納や普天間基地周辺の爆音被害の救済策についてお答えいたします。
 県は、嘉手納飛行場及び普天間飛行場における航空機騒音等の軽減を図るため、政府に対し、防音工事対象区域の拡大等、騒音対策の強化拡充についてあらゆる機会を通じて求めているところであります。昨年12月の軍転協要請に対する政府回答によると、「現在、嘉手納及び普天間飛行場周辺に設置している航空機騒音自動測定装置の測定結果を踏まえれば、住宅防音工事の対象区域となる第一種区域を拡大するような状況にないが、両飛行場の飛行態様の変更や航空機騒音に係る環境基準の改正・施行等も踏まえつつ、必要な調査の実施について検討していく」とのことであります。
 県としましては、今後とも引き続き軍転協等関係機関とも連携しながら、航空機騒音対策の強化拡充を政府に対して強く求めていきたいと考えております。
 次に、オスプレイ配備についてお答えいたします。
 県としては、オスプレイが過去の開発段階において死亡事故を起こしている等から県民が不安を抱いており、十分な情報が示されない現状では当該配備については反対であります。沖縄県が提出したオスプレイ配備についての質問文書に対し、昨年12月、政府から2回目の回答がありましたが、回答できていない項目があり、引き続き県民生活への影響など十分な説明を求めているところであります。
 次に、枯れ葉剤に関する県の取り組みについてお答えいたします。
 今回の報道を受け、県では外務省沖縄事務所に対し、報道内容の事実関係について確認を求めたところであります。これに対し、外務省は、米国に対し当該退役軍人に対する補償について現在事実関係を照会しているとのことであります。県としましては、県民の不安を払拭するため、引き続き事実関係の確認を求めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○企画部長(川上好久) 基地行政についての御質問の中で、普天間基地の跡地利用計画の取り組みについてお答えいたします。
 普天間飛行場については、その大規模性や地理的位置などから、沖縄全体の振興に影響が及ぶものと考えられることから、国・県・宜野湾市が連携して跡地利用計画の策定に向けて取り組んでおります。平成18年2月には、県と宜野湾市において、「普天間飛行場跡地利用基本方針」を、平成19年5月には「跡地利用計画の策定に向けた行動計画」を策定しており、今年度は広域的観点からの公園・緑地等について検討を進め、次年度には「跡地利用計画の中間とりまとめ」を行う予定としております。その後も自然環境や文化財の調査などをさらに進め、計画内容の具体化を図り、地権者や県民等とも意見を交換し、跡地利用計画の策定につなげていきたいと考えております。
 次に、離島対策行政についての御質問の中で、離島での定住条件整備事業のうち生活及び交通コストについてお答えいたします。
 離島振興に当たっては、離島の果たしている役割にかんがみ、負担をともに分かち合い県全体で支え合うという理念のもとに取り組むことが求められていると考えております。
 生活コストの軽減につきましては、小規模離島を中心に生活必需品の価格を低減するための実証事業として1億3296万円を計上しております。交通コストの軽減につきましては、16億8114万円を当初予算に計上し、離島住民、離島出身高校生及び小規模離島の交流人口等を対象として航空賃及び船賃をそれぞれ低減することとしております。
 県は、市町村及び関係事業者と連携し、これらの事業を着実に執行することにより離島の定住条件を整備し、離島地域の振興を図っていきたいと考えております。
 以上でございます。
○農林水産部長(比嘉俊昭) 農林水産業振興についての中で、食料自給率の現状についてお答えします。
 食料自給率につきましては、国において品目別の食料自給率については示されておりません。そのため、食料自給率についてはカロリーベースで示すことになっております。本県の平成21年の食料自給率は、カロリーベースで34%となっております。
 次に、6次産業化の推進についてお答えします。
 県では、農林水産業の振興を図るため、食品メーカー等と連携し商品開発に取り組む農商工連携や、農業者がみずから農産物の加工・販売などに取り組む農林水産業の6次産業化を推進しているところであります。具体的には、地域資源に着目して、県産農産物付加価値向上推進事業により、地域内生産者や加工グループ等と連携した加工品開発、県内食品メーカーと連携した加工品開発、大手食品メーカー等と連携した加工品開発による全国展開など3つの加工品開発モデルの構築を実施しているところであります。また、平成23年度からは、アグリチャレンジ6次産業化支援事業により、地域資源を生かした加工品の開発支援、食品加工基礎講座や企業派遣研修など、加工技術習得の支援、商品化に必要な加工機材等の整備支援などに取り組んでおります。その成果といたしましては、宮古島マンゴーとトウガンのコラボパイの商品化、学校給食向けのトマト・フルーツパパイヤのペーストやジャム、ホテル向けのタンカン調味料などの試作品が開発されております。さらに、平成24年度は、県産農林水産物を生かした加工品の商品力を高めるため、モンドセレクションの国際的な評価認証等の取得を支援するプレミアム加工品開発支援事業などにより6次産業化を強化してまいります。
 以上でございます。
○教育長(大城 浩) 離島対策行政についての御質問で、学ぶ権利に係る離島での定住条件整備事業についてお答えいたします。
 本事業では、一括交付金を活用して、複式学級の課題解消のため、非常勤講師を配置すること、関係部局と連携した児童生徒の交通費の負担軽減を図ることなどを計画しております。
 県教育委員会としましては、今後とも離島地域の振興に向け、関係部局等と連携して教育環境の整備に努めてまいります。
 以上でございます。
○福祉保健部長(宮里達也) 医療の確保は離島における定住条件の重要な事項であります。県では、離島における医療の充実を図るため、琉球大学と連携した医師修学資金等貸与事業や県立病院での臨床研修事業を実施し、医師の安定確保に努めております。また、平成24年度からは、専門医派遣巡回診療事業などを実施し、離島診療所において専門医の診療が受けられる仕組みづくりを図るなど、離島における定住条件の向上に努めてまいります。
 続きまして、がん条例の6月議会提案での患者会の要望はかなうのかについての問いにお答えいたします。
 がん条例の制定に当たっては、患者関係者を含め、県民各層で構成する連絡会等の意見を聞き、可能な限り反映していくことを基本に検討してまいりました。今後とも、連絡会等であった意見・要望等をできるだけ反映できるよう、引き続き関係各部と調整を重ねながら6月議会への提案に向けて努力してまいります。
 以上であります。
○警察本部長(村田 隆) 交通安全対策についての御質問の中で、国道58号伊佐バス停近くの停止線の移動についてお答えいたします。
 今回の停止線の移動につきましては、停止線と横断歩道の距離は1メートルから5メートルとする設置基準に適さないこと、停止線と横断歩道の距離が離れることでいわゆる駆け込み車両と横断歩行者との接触事故が懸念されること、国道の赤信号の時間を長くしなければならず、国道車両へ及ぼす影響が大であることなど幾つか問題があることから、再度平成23年10月17日、所轄の宜野湾署において路地からの車両の流出状況や、周辺の交通量の調査を実施いたしました。その結果、通勤時間帯における路地から国道58号への車両の左折、国道から路地への左折は数台で利用頻度が低かったこと、また停止線を移動した場合、幅員約3.5メートルの狭隘な当該市道を利用する車両が増加することが予想され、かえって生活道路内における安全性の問題も出てくることなど停止線位置を変更することは適当ではないと判断しております。なお、県内で停止線を下げたことによる交通事故の発生状況についての統計はこれまでにとったことはありません。
 次に、交通事故ワースト交差点、いわゆる「危険な交差点ワースト10」の安全対策についてお答えいたします。
 県警察では、交通事故総量抑止の観点から、人身事故の約5割を占める交差点事故について、平成21年から県内100カ所の交差点を指定し、交通安全施設の設置等各種対策を推進しております。特に昨年は人身事故につながる物件事故をも含め、事故増加率の高さや体感的に危険と思われる10カ所の交差点を「危険な交差点ワースト10」に指定し、重点的に対策を強化しております。具体的な対策としては、県民に注意喚起を促すため、マスコミや県警ホームページ等での公表、出退勤時間での制服警察官による立哨警戒と積極的な警笛指導、道路管理者と連携した交通安全施設の設置等による交通環境の整備等を推進しております。その結果、「危険な交差点ワースト10」の人身事故の増減率については、平成23年中、対前年比でマイナス11件、増減率マイナス19%と一定の効果が認められたところであります。
 なお、危険な交差点ワーストワンの伊佐交差点の具体的対策につきましては、道路管理者と連携した注意看板や視線誘導表示板の設置、道路のカラー舗装など交通安全施設を設置して事故防止対策を強化しております。
 県警察といたしましては、引き続き本年も安全対策を強化する所存であります。
 次に、交通信号機の設置基準についてお答えいたします。
 信号機の設置基準については、警察庁から「信号機設置の指針」が示されているところであり、この指針に基づいて検討しているところであります。主な判断基準としては、人身事故の発生状況、近隣に小中学校、幼稚園、保育所、公園、病院などがあるため交通弱者の安全性を確保する必要があること、信号機の設置により交通量の多い従道路の車両、歩行者の交通渋滞を緩和できること、道路の新設により新たに必要とされる場合、その他近接する信号機や横断歩道から一定の間隔があることから交通渋滞を招かないことなどがあり、県警察では個々の設置要請箇所を調査し、総合的な観点から判断しているところであります。
 県警察といたしましては、今後も県民のニーズにこたえながら必要な予算を要求していく所存でありますが、一括交付金の活用につきましては県警察ではお答えする立場にありませんので、答弁を差し控えさせていただきます。
 以上でございます。
○環境生活部長(下地 寛) 生物多様性地域戦略策定についての御質問の中で、COP10で立てられた20の目標についてお答えいたします。
 2010年に愛知県名古屋市で開催された生物多様性条約第10回締約国会議において、生物多様性の損失をとめるための効果的かつ緊急な行動を実施するに当たっての目標が立てられており、「愛知目標」と呼ばれております。その内容は、鳥獣保護区等の保護地域の拡大、外来種対策、絶滅危惧種の保護、脆弱な生態系への影響を最小化させるなど、20の個別目標が掲げられております。現在策定中の沖縄県生物多様性地域戦略におきましても、これら20の目標を踏まえつつ、専門家やNPO等の意見を聞きながら目標と具体的な行動計画を定めていきたいと考えております。
 次に、私学支援事業についての質問の中で、アメラジアンスクールの設立経緯、支援についてお答えいたします。
 アメラジアンにつきましては、平成9年にアメラジアンの保護者等が「アメラジアンの教育権を考える会」を結成し、実態調査、教育環境改善、公的助成を国や県に要請しております。その後、平成10年6月に無認可の民間スクールとしてアメラジアンスクールが開校しております。
 県におきましては、平成13年度から、アメラジアンスクールに通学している児童生徒に対して日本語の読み書き等を指導することにより学籍校への円滑な復帰を図る目的で日本語等指導者派遣事業を実施し、2名の指導者を派遣しております。
 以上でございます。
○新垣 清涼 在日米軍再編見直しについてでありますが、政府は在日米軍見直しをめぐり、沖縄の米海兵隊の一部約1500人を岩国基地に移したいとの米側の打診について、それを拒否することを決めて山口県等に伝えたという報道があります。政府は、山口県と岩国市の強い反発を受けて岩国移転は困難と判断したようでありますが、沖縄県では2010年1月の名護市長選挙、それから2月の県議会での全会一致による普天間の国外・県外を求める決議、そして4月の県民大会、さらには11月の知事選挙でも県外移設を求める知事が当選をされました。そういう意味では、沖縄県の声は今一つになっていると思うんですね。沖縄県はそういう意味でノーですよと言っているのに、それについてはさらに政府は私たち沖縄に米軍基地を押しつけようとしています。岩国については地域で反対が起こったからすぐに取り下げたとこういうことがあるわけですよね。このことについて、政府は沖縄県に米軍基地を押しつけようとしていますけれども、その点について知事はどういうふうにお感じになっていますか、考え方をお聞かせください。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後3時55分休憩
   午後3時56分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 今の御質問が2つに分かれている感があるんですが、普天間の移設につきましては、基本的には県外だということで、きのうからきょうにかけて総理がお見えになったときにも申し上げましたし、1週間ほど前に軍転協の総意として基地に係る話について外務、防衛、官邸に要請に行きました。そういう中では無論これは普天間の県外移設、そしてパッケージにされている辺野古パッケージをこれをリンケージといいますか、これを緩めてもらいたいというかねてからの話を我々も改めてまた1週間でしたか10日ほど前でしたか、要請をしているところです。
 ですが、前半に議員のおっしゃったこの岩国の話というのは報道で出ているようで、実はこれ確認できておりません。ただ、日本政府はアメリカとの間でパッケージを緩めるなり外すなりして返せるものから返す。そして海兵隊の8000人のグアム移転というのは今4700という数字が出たり引っ込んだりしておりますが、ここら辺も実はちゃんとした正式な情報ではありませんので、実はこの今のリンケージを外してどうするかというのはこれからしか結果が出てこないと思っております。ただ、押しつけといいますか、我々の言うことに特に辺野古移設は事実上不可能だというようなことに対しても日米共同発表のあの路線でしか言っておりませんから、きょうも総理には申し上げましたけれども、県外ですよという話はずっと申し上げているところでございます。
○新垣 清涼 私たちもやはり新聞報道等によってしかわからないわけですけれども、アメリカのほうからその岩国の提案があって、それを日本政府は岩国の地域の方が反対をしたからすぐそれはやりませんと、山口県のほうにそういうことをおっしゃっているわけですね。だけど、沖縄県がこれだけ束になったという表現になるわけですが、沖縄県の知事を初め県民の意思として県外ですよと、県内移設は知事の言葉で言うならば実現不可能だということなんですよ。だから、それでもやっぱり政府は沖縄に押しつけようとするこういう方策について、私たちはやはり何かもっと違う策を考えなければいけないんではないのかなと思っています。そういう意味で、答弁の中にも強くだとか、引き続きとかとおっしゃっているんですが、やはりそこをもう一つ知事を先頭にして要請行動をするとか、アメリカに行くとか、あるいは本土の各県にそういう派遣をして沖縄の基地の現状それを訴える。そしてこれは福島の原発事故もそうなんですが、ほかの地域で嫌がるものをそういうところにうまく真実を隠しながらというとちょっと語弊がありますけれども、そういった国民に被害を与えそうなものについては明らかにしないで、そのことを政府の政策として押しつけていこうとする、あるいは頼んでいこうとするようなことに私たちはしっかりと反撃しないといけないと思うんです。そういう意味で知事のこの沖縄の基地問題の解決の方策をひとつ決意を伺いたいんですが、よろしくお願いします。
○知事(仲井眞弘多) 議員の御要求は、もっといろんな策を考えて具体的な行動をしっかり起こせるように新しい策なり、戦術も考えるべきじゃないかという御提案だと思うんですが、ぜひまたいろんなお知恵をかしてください。私たちはアメリカに行ったり、いろんな向こうでの研究者の世界との接触、無論政府関係もそうなんですが、議員もそうですが、そういうものを通じたやり方、それから今度はアメリカ・ワシントンDCにコレスポンデントといいますか通信員みたいな感じの情報収集の人を置いたり、調査系の会社と連携をしたり、場合によったらこれから先沖縄の事務所のようなものを設置しようかから始まっておりますが、また一方で、国内ではやはり今直接内閣官房や総理大臣を初め担当の防衛大臣、外務大臣に直訴をしている形になっているわけですが、政治主導の民主党政権の中でもなかなか実務のところまでおりにくい状況であることは確かです。ただ、今度のパッケージを外すとかいうような形で、きょうも野田総理の表現で「論より証拠」であるとか、具体的なことをしっかりやりたいというようなことで具体的な行動を外務大臣を初め起こし始めているということはそれなりに評価はすべきだろうと思うんですね。ただ、どういうわけか沖縄の我々が希望している結果に近い状態がなかなか生まれにくいという、これは彼我の国力の差なのか、外交力、防衛力の差なのかわかりませんが、なかなかブレークスルーできないというのも現実です。ですから、私もじくじたるものがあるわけですが、ぜひいろいろなお知恵は提案していただいて、しっかりそれを踏まえながら我々行動を起こしていきたいと考えているところです。
○新垣 清涼 今アメリカ・ワシントンに沖縄事務所、あるいは通信員という形で設置を予定されているということですので、ぜひアメリカの動きを皆さんも察知されていていろいろ情報をとらえていると思うんですね。やはりその動きにさっと対応していくということがこれから必要だと思います。日本政府なかなかアメリカには自分たちの要求を言えないような気がしてなりません。そういう意味でやはり私たちも同じ日本国民として扱ってもらうならば、やはり同じ人権を守ってもらうならば県民の声をしっかりと伝えることに知事はこれからも頑張っていただきたいと思います。
 次に、爆音被害についてでありますが、実はこれは22年度の普天間基地からの飛行経路です。(資料を掲示) 場周経路を防衛局が調査したもので御存じだと思うんですが、この図を見ても宜野湾市のほとんど上空を飛んでいるんです。ですから、すべてが防音工事指定区域に入ってもおかしくないような状況なんです。残念ながらその飛んでいる図は出ているんですけれども、音が示されていないんです。それで道一つを隔てて本当に3メートル、4メートルぐらいの――例えば私が住んでいるところは喜友名区というところですけれども、そこは公民館の前の通り、3メートルか4メートルの道路があります。これで上と下、右と左、指定区域から外れているんです。だからそういうことをやはり私たちは普天間爆音訴訟団の中でも訴えています。残念ながら、被害を訴える場合に被害者がそれを立証しないといけないということがあって、こういうことを示してもなかなか認めてもらえないんです。ぜひそれを県のほうで、こういった実態があるということはもうこれは防衛局が示しているわけですから、それを国に求める。あるいは県もそういった市民・県民のそういう被害を調査をされて訴えていくことが必要だと思うんですが、どうでしょうか。
○環境生活部長(下地 寛) 今、普天間飛行場、嘉手納飛行場の周辺で、23年、今年度防音工事の対象区域の近傍で助成対象から外れている地点、ことしは全体として30地点測定をしておりますけれども、そのうち9地点が今の議員お話の地点に入っておりますけれども、現在その結果については取りまとめをしております。近いうちに調査結果は公表しますけれども、この中でやはり非常に防音工事の対象に近いような騒音が出ているところもありますので、しっかりこの後精査をした上で公表したいと思っております。
○新垣 清涼 調査されているということですが、その結果はいつごろ出る予定でしょうか。
○環境生活部長(下地 寛) 23年度分については、今年度中にはしっかり出したいと考えております。
○新垣 清涼 ぜひまたそういったものを活用しながら、普天間基地周辺の住民のために爆音訴訟団もそういった資料を活用しながら、市民の生活向上のために役立てていきたいなと思っていますので、よろしくお願いします。
 次に、食料自給率なんですけれども、部長、カロリーベースだというとなかなか県民の生活に生産の実態が合わないと思うんですね。それでやはりどういった食品、食材が県内で不足しているのか、どういった食材が充足されているのか、こういったことも必要ではないかと思うんです。それを知ることによってやはり拠点産地、あるいは生産の増産奨励といいますかそういった取り組みができるんじゃないかなと思うんですが、この辺を調査される予定はないんでしょうか。
○農林水産部長(比嘉俊昭) これは国の考え方なんですけれども、日本の食料自給率については無論まず1つは、国際機関や各国の統計により把握が可能になり、それから生命と健康の維持に不可欠な食料を示すものとしてカロリーベースが用いられている状況がございます。そういう意味では、国が重量ベースで今出していませんので、ただどういう出し方ができるかこれは国との調整になりますけれども、ちょっとこれは研究させてください。
○新垣 清涼 国はそういう方針であるかもしれません。でも、例えば生産しても外食産業なんかだとほとんどの残ったものを捨てているところもあるわけですよ。そういうのをカウントされているということになると、やはり実態に合ってないんじゃないかなと。であれば、せめて沖縄県だけでもそういったどこで何がどれだけ生産されていて、ちゃんと県民の需要に合っているのか。もちろん県の農畜産業なんかですと、よりいいものを、高品質のものを求めているところにつくって出すという外貨を稼ぐという意味でもそれは大事だと思うんですが、じゃ、県民の胃袋は満たされているのか、そうでなければ何が必要なのか。私は沖縄の1次産業にもっと力を入れてほしいなということもあって、ウチナームン応援団の一人としてそういう意味で何が今求められているのか、そういうことをやっぱり調査して、そして新しく農業を始めたいという青年たちに、これをつくれば君たちはもうかるんだよみたいな提案をしていくことが必要だと思いますので、ぜひそういう取り組みをしていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 あとアメラジアンスクールについてなんですが、現在アメラジアンスクール70名ほどの子供たちが通っていて、1人当たり毎月3万円の授業料の負担をしているようです。そうすると、大変保護者の負担があるんですね。そういう意味で教育長、所属学校には多分在籍している子供たちの国からあるいは県ですか、子供たちの学校教育のために1人当たり幾らか支払いをされていると思うんですが、この学校はそういう任意のNPOでやっている関係上、そういった補助をもらっていないんですね。先ほど答弁がありましたのは、教員を2人派遣しているということでありました。それ以外に学校運営が非常に厳しいということで、私学の中に入らないかもしれませんけれども、こういう特定法人が沖縄の人と外国人の間にできた子供たち、要するに登校拒否といいますか、そういった子供たちを集めて大事に教育しているわけですから、そういう支援が求められていると思うんですが、どうでしょうか。
○教育長(大城 浩) それでは私のほうからお答えいたします。
 このアメラジアンスクールにつきましては、私ども関係市町村教育委員会に対しまして、対象児童生徒の就学つまり出席扱いとか、あるいは卒業認定等についての指導助言をしているわけでございます。ですから、これからもこの学校やあるいは関係市町村教育委員会と調整を促していくとそういったスタンスで取り組んでいきたいと考えております。
○新垣 清涼 教育長、それと予算的な面もぜひ考えていただきたいんですね。
 卒業認定についても出席扱いについても、県内すべてが同じ歩調じゃないんです。学校の先生に聞きますと、宜野湾市や近隣もそうなんですが、ちょっと離れたところになるとなかなかそういう扱いをしていただけないところがあって、毎年毎年説明に行かないとできないということをおっしゃっているんですね。その辺をもう一度教育長のほうから各学校に通達を出すなり何かしていただけないものかなと思っていますが、どうでしょうか。
○教育長(大城 浩) 基本的には不登校のためのアメリカンスクールということを伺っておりまして、当然そういった不登校児童生徒への対応は大変大事でございます。と同時に、学籍校への円滑な復帰といいますかそういったことも大変大事なことでございますので、ぜひ関係市町村委員会と調整をしながら議員の御要望が反映できるように取り組んでいければ幸いでございます。
○新垣 清涼 以上です。終わります。
○瑞慶覧 功 皆さん、こんにちは。
 社大・結の会、瑞慶覧功です。
 いよいよこの顔ぶれでの議会も最後となりました。大変御苦労さまでした。特に、今期限りで勇退される辻野ヒロ子さん、当銘勝雄さん、當山眞市さん、吉元義彦さん、大変お疲れさまでした。皆さんとは委員会のメンバーとして、あるいは海外交流団として、そしてゴルフの仲間としておつき合いいただき、楽しい思い出がたくさんございます。大変お世話になりました。今後は、それぞれの地元で元気に御活躍されることを御期待申し上げます。そして、既に勇退しましたが、宜野湾市長になられた佐喜真淳さんには、市民のために頑張っていただきたいと思います。そのほかの皆さんは、またこの場で再会できますようにお互い頑張りましょう。
 質問に入ります。
 1、知事の政治姿勢について。
 「アメリカヘ米軍基地に苦しむ沖縄の声を届ける会」による訪米要請行動についての見解を伺う。
 次に、ダニエル・イノウエ上院歳出委員長は、普天間の辺野古移設問題で、判断材料として6月の県議選挙の結果を注目していると述べ、与党多数になったら知事や県議会も再び辺野古移設を容認するだろうとの見方をしています。大変失礼な発言だと思いますけれども、知事はこのことをどのように受けとめているか伺います。
 次に、6月の選挙で与党多数となった場合、県外移設の方針が変わることもあるのか伺います。
 次に、稲嶺名護市長の米軍普天間飛行場の辺野古移設断念を訴える訪米行動についての見解を伺います。
 2、基地問題について。
 米軍の枯れ葉剤問題について。
 毒性はサリンの2倍、青酸カリの1000倍で、植物や水、大気などを通して体内に入ると奇形やがんを誘発させると言われるダイオキシンを含む枯れ葉剤。米退役軍人省が、2人の沖縄からの帰還兵に対し枯れ葉剤による健康被害を認め、補償に応じていることがわかりました。
 11月議会で公室長は、外務省からの回答として、米側から改めて過去の記録を確認した結果として、沖縄へ持ち込んだことを示す資料は何ら確認できなかった。また、退役軍人の証言には疑問があり、信憑性があるとは考えていないとの報告をされていました。
 伺います。
 米退役軍人省は、2008年9月と2010年7月に因果関係を認め補償に応じたとのこと。大きく矛盾するとしますが、見解を伺います。
 次に、矛盾する原因は外務省か米軍か、どちらに問題があると考えるか伺います。
 次に、沖縄への持ち込みが明らかとなる新事実が判明しました。直ちに調査すべきであると思います。見解を伺います。
 日米地位協定問題について。
 昨年1月、19歳の與儀功貴君を自動車事故に巻き込んで死亡させた米軍属の公判が去る22日に開かれました。新聞報道にもありましたけれども、被告の態度には反省の色がみじんもありませんでした。本当に情けなく、與儀君がふびんでなりませんでした。
 知事の所信表明にもあるとおり、運用の改善だけでは不十分です。翁長議員も代表質問で熱く訴えておられました。地位協定の改定は、全国の74%の米軍基地を押しつけられている沖縄県民の人権にかかわる大事な問題です。知事を先頭に、私たち県議会議員が一丸となって改定を実現させていこうではありませんか。
 伺います。
 県は、米軍人等により被害を受けた者が迅速かつ十分な補償を得るためには、国内法の整備を含め日米両政府の法的責任で被害者の損害を迅速に補てんする制度を設け、被害者の補償を受ける権利を法律上明確にする必要があるとおっしゃっています。
 その実現に向けて、県はどのように取り組んでいるのか伺います。
 次に、実現に向けての課題と今後の具体的な取り組みについて伺います。
 嘉手納基地より南の基地返還問題について。
 返還の内容について伺う。
 次に、キャンプ瑞慶覧、牧港補給地区は一部返還としているが、内容を伺う。
 3、教育問題について。
 県立高等学校編成整備実施計画(案)について。
 県教育庁は、地域及び保護者の理解を得ることが最も重要とし、説明会や学校関係者等と十分に調整を図りながら編成整備を策定するとしています。
 北谷高校再編、クラス数の変更に至る経緯について伺います。
 次に、地域や保護者の理解は得られているのか、学校関係者とはだれか、十分な調整はどう図られているのか伺います。
 次に、北谷高校再編に関するパブリックコメントに寄せられた意見について伺います。
 4、観光・産業振興について。
 観光振興について。
 知事のトップセールスにより、台湾からの新規路線の開設が相次いでいます。
 日本と台湾の航空自由化協定に伴う就航の概要と誘客数、経済効果を伺います。
 次に、知事のトップセールスで航空各社から要望された点について、どのように解決していくのか伺います。
 次に、クルーズ船客1人当たりの経済効果と航空客1人当たりの経済効果を伺います。
 産業振興について。
 従来の金融特区や自由貿易地域、特別自由貿易地域の問題点と新制度について伺います。
 次に、新制度は、アジア諸国と競争できる制度になっているか伺います。
 5、国際交流について。
 琉台技術研究交流中断問題。
 ことし4月から企画部に一元化されていた試験研究機関が各部に戻されるとのこと。本来そうあるべきであり、評価したいと思います。そもそも交流の中断の原因も、現場と企画部の認識のずれにあったと思います。
 昨年2月以降、台湾との技術研究交流が中断しているが、交流再開に向け台湾側との交渉はどうなっているか伺います。
 次に、県教育庁のボリビア教員派遣廃止問題。
 私は、34年前、1978年にボリビアの沖縄移住地に10日間滞在しました。ボリビア移民の特徴としまして、ほかの南米移民と違い、戦後移民が多いということでウチナーンチュの集団入植であったことです。最初の入植地は、井戸水は牛が飲んでも下痢をするようなところで、次に移ったところは、現地の地主とのトラブルなどがあり、3度目にしてやっと現在の移住地コロニア・オキナワにたどり着いています。そして、ジャングルを切り開いて、やっと収穫というときになって大洪水に見舞われ踏んだりけったりで、多くの人が沖縄に帰ったり、隣のブラジルやアルゼンチンなどの県人を頼って移っていきました。大変な苦労の末、現在約6700人の県系人がいて、コロニア・オキナワには900人が住んでおります。
 日系人約1万1000人ほどですが、そのうちの60%はウチナーンチュです。これらの皆さんは教育熱心ですから、近い将来、県系人の大統領が誕生しても不思議ではありません。その根底にあるのが日本人としての誇りであり、ウチナーンチュとしてのアイデンティティー、チムグクルです。
 県は、廃止の理由をボリビアに特化しているとか、成果が見えないとしていますけれども、コロニア・オキナワに行けばわかるはずです。教員派遣継続要請のために、はるばるボリビアから同胞2人が来県しました。
 伺います。
 嘆願書、要請内容について。
 次に、教育庁は、同胞306人の署名と嘆願書を受けて、今後の交流のあり方をどのように考えるか伺います。
 6、沖縄の文化振興について。
 メジロ愛玩、観賞目的の捕獲禁止問題。
 11月議会での答弁では、「今後特別な事由を認めるかどうかについては、他県の動向やパブリックコメント、沖縄県自然環境保全審議会の審議を踏まえつつ慎重に検討していく」との答弁でした。その後、パブリックコメントはどうであったか、審議はどうなったか伺います。
 次に、愛玩者はお年寄りも多く、朝はさえずりで目を覚まし、えさや水をやる。それが日課であり、生きがいにもなっています。沖縄の文化としてぜひ残していただきたい。見解を伺います。
 以上、御答弁をよろしくお願いします。
○知事(仲井眞弘多) 瑞慶覧功議員の御質問に答弁をいたします。
 まず第1に、知事の政治姿勢についての中で、6月県議選の結果次第で県外移設の方針が変わるとの見方が議員のダニエル・イノウエさんからあったという御趣旨の御質問にお答えいたします。失礼ですが、これは1の(2)のアと1の(2)のイが関係していると思われますので一括して答弁させていただきます。
 ダニエル・イノウエ上院歳出委員長の発言につきましては報道等により承知しておりますが、どのような趣旨で発言されたのか明らかではありません。
 県は、地元の理解を得られない移設案を実現することは事実上不可能と考えております。これまで政府に対し日米共同発表を見直し、普天間飛行場の県外移設及び早期返還の実現に向け真摯に取り組むよう強く求めてきたところであります。去る2月17日には、軍転協を通じまして同様の趣旨を政府へ緊急要請をしたところであります。普天間飛行場の県外移設を求める考えに変わりはありません。
 次に、観光・産業振興に係る御質問の中で、台湾との航空自由化協定に伴う経済効果についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 日本と台湾の間で昨年11月に航空自由化協定が締結され、航空会社の新規参入が容易になってまいりました。現在では、華信航空が台中と那覇との定期便を週2便計画・申請いたしておるようです。そしてまた、台北と石垣のチャーター便を週2便考えているそうです。そして、復興航空が台北と那覇との定期便を週7便計画しているそうです。そして最後に、遠東航空が高雄と那覇とのチャーター便を週一、二便就航を計画しております。そして、これらすべての路線が就航したと想定いたしますと、年間入域観光客数は約3万6000人、そして経済効果といたしまして約30億円が見込まれております。
 その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 知事の政治姿勢についての御質問の中で、訪米団要請行動についてお答えいたします。
 「アメリカへ米軍基地に苦しむ沖縄の声を届ける会」が訪米して、米国政府や連邦議会議員、シンクタンク等の関係者と面談等を行ったことは承知しております。さまざまな人がそれぞれの立場で沖縄の実情を伝え理解と協力を求めることは、沖縄の基地問題の解決を進める上で意義があると考えております。
 次に、名護市長の訪米行動についてお答えいたします。
 稲嶺名護市長が去る2月6日から11日の日程で訪米し、米政府や議会、シンクタンクの関係者等と面談や講演等を行ったことは承知しております。普天間飛行場の移設先とされている地元市長の立場から名護市の考え方を伝えたことは、意義のあることだと考えております。
 次に、基地問題の御質問の中で、枯れ葉剤に関する補償についてお答えいたします。2の(1)のアと2の(1)のイは関連しますので一括してお答えいたします。
 今回の報道を受け、県では、外務省沖縄事務所に対し報道内容の事実関係について確認を求めたところであります。これに対し、外務省は、米国に対し当該退役軍人に対する補償について、現在事実関係を照会しているとのことであります。
 また、米国防総省長官府の声明として、我々は引き続き日本政府との緊密な連携に徹します。将来、仮に沖縄におけるオレンジ枯れ葉剤の貯蔵・使用、または沖縄を経由した輸送を示す何らかの証拠が発見された場合、おくれることなく必ず日本政府と共有いたします旨の声明が出ております。
 県といたしましては、日米両政府は、県民の不安を払拭するよう十分な説明を行う必要があり、引き続き政府に対して求めてまいりたいと考えております。
 次に、同じく枯れ葉剤の調査についてお答えいたします。
 現在、外務省において事実関係を詳しく承知するため米側に確認を行っているところであります。県としましては、引き続き新たな事実関係も含め情報収集を行っているところであります。
 次に、被害者補償の明確化に向けた課題及び取り組みについてお答えいたします。2の(2)のアと2の(2)のイは関連しますので一括してお答えいたします。
 県は、被害者の迅速かつ十分な補償を図るため、公務外の事件等の補償について日米両政府の責任において補償が受けられるよう、日米地位協定第18条に明記することを政府に対し求めております。現在、民主党政権では「日米地位協定の改定を提起する」としておりますが、政府からはいまだ改定の具体的な方針が示されていないことから、昨年10月19日には玄葉外務大臣に、去る1月23日には田中防衛大臣に対し知事が直接要請を行ったところであります。
 県としましては、引き続き軍転協や渉外知事会等とも連携しながら、日米両政府に対し粘り強く日米地位協定の見直しを求めてまいります。
 次に、嘉手納より南の基地の返還内容についてお答えいたします。
 去る2月8日、日米両政府は、在日米軍再編計画に関する日米共同報道発表を行ったところであります。この中で、日米両政府は普天間飛行場の辺野古移設に引き続きコミットするとともに、在沖海兵隊のグアムへの移転と嘉手納以南の土地の返還を、「普天間飛行場の代替施設に関する進展から切り離すことについて、公式な議論を開始した。」としています。政府の説明によれば、具体的な内容については今後の両国政府の協議の中で調整されるとしていることから、県としましては、今後の協議を重大な関心を持ちつつ注視してまいりたいと考えております。
 次に、キャンプ瑞慶覧、牧港補給地区の返還内容についてお答えいたします。
 2010年5月の日米共同発表において、嘉手納以南の施設・区域の返還については、「再編実施のための日米のロードマップ」に従って着実に実施されることを確認し、加えてキャンプ瑞慶覧のインダストリアル・コリドー及び牧港補給地区の一部が早期返還における優先分野であることを決定したとしております。これまで政府からその具体的な内容について説明がなく、県としては、今回の日米共同報道発表に伴う今後の両国政府の協議を重大な関心を持ちつつ注視するとともに、早期返還を求めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○教育長(大城 浩) 教育問題についての御質問で、北谷高校再編の経緯についてお答えいたします。
 当該校のクラス数の変更につきましては、外部有識者で構成されました懇話会や地域説明会での意見等を検討した結果、変更したものであります。
 次に、合意形成についてお答えいたします。
 学校や学科の再編・統合等につきましては、県民の理解を得ることが最も重要であると考えております。実施計画案の策定に当たりましては、各地域や学校において保護者や地域住民、関係機関・団体及び教職員に対して説明、意見交換を行ってきたところであります。現在、県民の意見等を集約しているところであり、さまざまな観点から庁内で検討しているところであります。
 次に、北谷高校再編に係るパブリックコメントについてお答えいたします。
 当該校のパブリックコメントにつきましては、北谷高校の選定理由について、不登校経験者や発達障害のある生徒を1つの学校に集めることについて、心因性の不登校や発達障害のある生徒に対する支援が充実することについてなどの意見が寄せられております。
 次に、国際交流についての御質問で、教員のボリビア派遣事業についてお答えいたします。5の(2)のア及び5の(2)のイは関連しますので一括してお答えいたします。
 平成24年2月7日、オキナワ日本ボリビア協会から派遣教員制度継続を要請する嘆願書が提出されました。
 当該事業につきましては、ボリビア国沖縄県民移住地の教育施設へ現職の教員を派遣し、本県出身移住者の子弟等への教育を行うことにより、これら子弟の教育の向上を図ることを目的に、25年余にわたり26名の教員を派遣してまいりました。昭和61年度の派遣当初、ボリビア国では行われていなかった体育または音楽等の情操教育を目的としておりましたが、現在ではこれらの授業も行われており、所期の目的は達成されていると考えております。
 今後は、引き続き関係機関と調整し、ウチナーンチュのチムグクルの継承等を含めた事業の可能性につきまして検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○企画部長(川上好久) 観光・産業振興についての御質問の中で、知事トップセールスでの航空会社要望の解決についてお答えいたします。
 知事が訪台した際に各航空会社から、那覇空港に就航するに当たって観光客誘致のプロモーションの必要性、着陸料の減免等の財政支援、国際線ターミナルビルの改善について要望がありました。
 観光客の誘致については、台湾からメディアや旅行社を招聘しての事前視察の実施や沖縄PRの一大イベントの実施、各種メディアを活用したプロモーション事業を実施してまいります。
 財政的な支援については、新規就航や既存路線の増便に対し、1年間ハンドリング経費やX線保安検査経費に対し助成を行い、国際定期便の活性化を図ってまいります。
 現国際線ターミナルビルの改善については、新国際線ターミナルビルの供用開始を急ぐとともに、それまでの間の緊急的な施設・設備の改善を関係機関と協力して早急に進めてまいりたいと考えております。
 次に、国際交流についての御質問の中で、琉台技術研究交流再開についてお答えいたします。
 琉台技術研究交流の再開については、昨年沖縄県側から台湾へ赴き、交流再開に向けて意見交換を行ってまいりました。その結果、本年1月18日に台北駐日経済文化代表處那覇分處を通じて農業委員会から、交流会を再開する旨の連絡を受けたところであります。
 このことから、沖縄県としましては、県立試験研究機関及び台湾側と平成24年度の交流会の開催に向けて具体的な調整を始めたところであります。
 以上でございます。
○文化観光スポーツ部長(平田大一) 観光・産業振興についての中の、クルーズ船客及び航空乗客の1人当たりの経済効果についてとの御質問にお答えいたします。
 沖縄県が実施している観光統計実態調査では、平成22年度における観光客1人当たり消費額は、クルーズ船乗客については約2万円、航空乗客については国内客が約7万1000円、外国人観光客が約8万3000円となっております。また、観光消費による観光収入は、クルーズ船乗客が約26億円、航空乗客については国内客が約3881億円、外国人観光客が約125億円と推計しております。
 以上でございます。
○商工労働部長(平良敏昭) 観光・産業振興についての御質問の中の、従来の金融特区や自由貿易地域、特別自由貿易地域の問題点と新制度、それからアジア諸国と競争できる制度になっているか、4の(2)のアと4の(2)のイは関連しますので一括してお答えいたします。
 現行の自由貿易地域と特別自由貿易地域、あるいは金融業務特別地区の問題点については、細かく言えばさまざまな問題点がありますけれども大きく申し上げますと、まずは税制上の優遇措置が必ずしも十分ではなかったこと、もう一つは、「専ら」要件など使い勝手の問題がありました。
 今回の沖振法改正においては、現行の自由貿易地域と特別自由貿易地域を発展的に解消して、那覇空港や那覇港周辺を加えた「国際物流拠点産業集積地域」制度において法人課税所得の控除率引き上げ――これは現行の35%から40%に引き上げることになりますが――や「専ら」要件の一部緩和などが認められたところです。これは金融業務特別地区においても同様でございます。
 アジアとの競争力についてはさまざまな観点から見なければなりませんけれども、税制面に限定して見た場合、法人課税所得の控除率が現行の35%から40%に引き上げられること、また、我が国の法人税の基本税率が現行の30%から25.5%に引き下げられることから、実効税率が約19%となります。これはほぼアジア諸国に近い税率となります。
 沖縄県では、当該制度や那覇空港の貨物ハブを活用して、国内外市場を目指す高付加価値型産業や金融関連業の立地を促進してまいります。
 以上でございます。
○環境生活部長(下地 寛) 沖縄の文化振興についての御質問の中で、メジロについてのパブリックコメント、審議会の状況についてお答えいたします。
 県におきましては、第11次鳥獣保護事業計画を策定するため、平成23年11月16日から1カ月間パブリックコメントを実施しておりますが、メジロについての意見は寄せられておりません。一方、読谷村、西原町及びうるま市議会のほか、メジロ同好会などからメジロの愛玩飼養目的の捕獲を認めてほしい旨の陳情などがなされております。
 こうしたことから、県としましては、九州各県の動向調査を行うとともに、市町村の要望や陳情などを踏まえつつ、3月中旬に予定している沖縄県自然環境保全審議会の答申を受け、メジロの愛玩飼養目的の捕獲許可の取り扱いを定めていきたいと考えております。
 次に、メジロの飼養を文化として残すことについてお答えいたします。
 沖縄では、明治以前からメジロの飼育が趣味・娯楽の一つとして親しまれてきており、伝統的な鳥かごづくりなどが行われてきたことは理解しております。
 しかしながら、国の指針では野鳥は本来自然のままに保護すべきであり、原則としてメジロの捕獲については許可しないこととしております。
 県としましては、沖縄県自然環境保全審議会の答申を受け、メジロの愛玩飼養目的の捕獲許可の取り扱いを定めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○瑞慶覧 功 まず米軍の枯れ葉剤問題ですけれども、県の情報提供申し入れに対して、日米両政府の対応は余りにもちょっといいかげんというか、そういうふうに映るんです。県が国を通して米国政府に情報提供を求めているんですけれども、経路はどのようになっているのか。どの部署のだれが、いつ、どのようなルートで照会して、以前のこういった回答に至ったのか、県はこれを把握しているでしょうか。
○知事公室長(又吉 進) 県としましては、これは外務省が一義的に関与する案件だということで、外務省沖縄事務所を通じまして米側に照会するということをやっております。
○瑞慶覧 功 そういった具体的なルートというか、そういうものは把握していますか。
○知事公室長(又吉 進) いつ、どういうルートで米側に当たったかということは承知しておりませんが、今回の報道については退役軍人省等にもアプローチしているやに聞いております。
○瑞慶覧 功 補償に至ったというそういう具体的に報道されているわけですから、余りにもずれがあるんですよね。やはりもっとそういった強い姿勢で事実関係を究明すべきだと思うんですけれども、どうでしょうか。
○知事公室長(又吉 進) 議員のおっしゃるとおり、この問題の背景には、やはり報道によって県民が非常に不安を抱いているということがございますので、そういうものを払拭するだけの情報をしっかり提供してほしいというふうに再三申し入れているわけでございます。
○瑞慶覧 功 次に、嘉手納基地より南の基地返還問題ですけれども、キャンプ瑞慶覧を抱える自治体では、この部分的な細切れ返還ではまちづくりが難しいという懸念の声が上がっているんですけれども、県は関係自治体の声は把握しているのか、要望等について伺います。
○知事公室長(又吉 進) 従前から基地の細切れ返還につきましては、その使い勝手を大変悪くするという意味で、これは軍転協の中でもしっかりお話を聞きまして国に要望してございます。
○瑞慶覧 功 ぜひお願いします。
 次に、北谷高校再編問題ですけれども、地域では町長を先頭に再編反対の署名運動に今取り組まれております。とても今理解が得られているというような状況ではないと思うんですけれども、教育長、見解を伺います。
○教育長(大城 浩) 住民大会が昨年の12月12日でしょうか、また北谷町の町長を含めて要請も12月15日にございました。そういう中で、私どもが策定いたしました案につきましては、今いろんな角度から意見の集約をしている状況でございます。その中で、実は当初予定していました前期の位置づけを、この実施計画案では中期計画に位置づけております。あくまでも案ですけれども、またこれから庁内で意見集約をしていく中で対応を検討していきたいというふうな流れでございます。
○瑞慶覧 功 本当に地域教育にかかわる大事な問題です。教育長、答弁の中で3月までには結論を出したいみたいなことをおっしゃっていたんですけれども、やっぱりこれは北谷高校以外の再編問題でもあちらこちらから今大問題になっていると思うんです。3月とかそういう短期間に本当にそういった理解を得られるのか疑問なんですけれども、それは3月ありきではちょっと厳しいんじゃないかと思うんですけれども、その辺どうですか。
○教育長(大城 浩) 先ほどの答弁で申し上げましたけれども、やはり学校や学科の再編・統合等につきましては、県民の理解を得ることが最も重要であると考えております。ですから、今さまざまな観点から意見を集約しながら検討をしているということでございます。
○瑞慶覧 功 次に、ボリビア教員派遣問題ですけれども、2010年の行革プランで事業廃止が盛り込まれて、これまでの事業効果等を検証した上で今後のあり方を検討するとの方向が示されました。この間、昨年ウチナーンチュ大会でボリビアからも宮城県人会長を初めたくさんの方が来県しているわけですけれども、その際、この問題について意見交換はされたんでしょうか。
○教育長(大城 浩) はい、意見交換を行っております。
○瑞慶覧 功 ボリビアに特化している理由や成果が見えないとの指摘にこたえられないという説明をしたとあるんですけれども、やっぱり指摘にこたえられないというのはちょっと認識不足じゃないのかなと私は思うんですけれどもね。やっぱり説明能力というか、そういった部分が不足しているのではないかと思うんですよ。やっぱりこの問題は、少なくとも説明責任がある者が現地に行って、そういった現場というものをしっかりと見て判断していただきたいと思うんですけれども、どうでしょうか。
○教育長(大城 浩) 実は、答弁でも申し上げましたけれども、私ども25年余にわたりまして26名の教員を派遣してまいりました。そういう中で、当初の派遣のための目的が、もう既に現段階ではそういったことが行われているということで所期の目的が達成できていると、今回はそういった視点からの対応でございます。
 もちろん先ほど議員が御指摘のように、議員は34年前にボリビアに10日間滞在したとかということで、かなり御苦労をしながらボリビアの状況を把握していることを先ほど痛感をしております。そういう中で、私どもも何とかしたいという思いはありますけれども、今後は、やはりさまざまな国際交流の視点からいろんな対応があるでしょうから、そういった視点からボリビア国の子弟等と沖縄県の児童生徒が国際交流を通していく中で、また別の意味での交流ができないか今研究をしている段階でございます。
○瑞慶覧 功 後退ではなくて、しっかりともっと前向きに進めていただきたいと思います。
 次に、メジロの愛玩、鑑賞目的の問題ですけれども、国の方針では、原則としてメジロの捕獲許可については禁止であると。都道府県知事が特別な事由があると認める場合に限り許可するとあるんですよ、知事。沖縄の文化、このソーミナーを私たちは小さいとき、中学生のころまではみんな養っていたと思うんですけれども、本当に沖縄の文化だと思うんですよね。ぜひこれは認めていただきたいと思うんです。もし、これが今回でだめだということになると、たくさんの犯罪者をつくることになると思うんですよ、これはもう絶対に間違いなく。だから犯罪者にしないでいただきい。これは環境問題でそういうふうに言っても、やっぱり生きがいですのでやめないと思います。私も担当していましたので、登録しているのはほんのわずかですよ、たくさんいます。ぜひそこら辺よろしくお願いします。知事、どうでしょうか、一言。
○環境生活部長(下地 寛) メジロの捕獲禁止になりますと、とりますと犯罪になりますので、そんなことは決してあってはいけないと思います。いずれにしても、今九州各県の調査をしておりますけれども、捕獲禁止を知事が特別な許可で認めるというのは、今長崎県だけが検討しているということで、ほかの県はみんな禁止の方向ということになっております。
 そういう情報もありまして、今年度捕獲許可をとっている方が571件でございます。これまでは30件とか110件ぐらいとか、そういうことで物すごい少ない捕獲許可だったんですけれども、ことしはある意味で駆け込みということで物すごい捕獲許可をとっております。それに飼養登録が平成22年度は209件ありますので、この感じからいきますと780名の方が飼養できるということになります。
 メジロの成育期間というのは基本的には7年近い期間でございますので、仮にきょう捕獲禁止になったとしても7年程度は飼養できるという状況でございますので、かなり飼養している方にとっては期間的には十分じゃないかというふうに考えております。
○瑞慶覧 功 環境生活部長に幾ら聞いても、そういう問題じゃない。私は文化の面で言いたいんですけれども、平田部長か本当は知事にお答え願いたかったんですけれども、ぜひ御検討をよろしくお願いします。
 次に、観光振興についてですけれども、沖縄から台湾への観光客誘致の必要性についても指摘されています。一昨年の6月議会で、私は沖縄から台湾への観光客数について質問したんですけれども、そのときの答弁は、正式な統計はないというふうにおっしゃっていたんですね。しかし、その後、数字の把握に努めていきたいと言っていたんですけれども、1年半経過した今、沖縄から台湾への観光客数は把握されているでしょうか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後5時4分休憩
   午後5時5分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 文化観光スポーツ部長。
○文化観光スポーツ部長(平田大一) 今、沖縄から台湾への観光客数は把握していないようでございます。
○瑞慶覧 功 1年半前は約2万人ほどという話だったんですけれども、これは交流の基本だと思うんですよね。やはり一方通行では長続きしないと思うんです。逆にこちらから向こうに行くという、台湾は、知事よく御存じのとおり、食事もおいしいし、故宮博物院を初めすばらしい観光地もたくさんあるし、まず治安もいいと。ぜひそれはこちらからもアピールしてあげる必要があると思います。そこら辺の方策は何かお持ちでしょうか。
○文化観光スポーツ部長(平田大一) 議員御提案のとおり、今実態をしっかりと把握していくことが非常に大事だと思っております。今後、ぜひ検討して数の把握に努めてまいりたいと思っております。
○瑞慶覧 功 那覇空港は既に手狭で、新規就航する場合でも朝の早い時間帯、7時着とかですね。ということは向こうからは5時ぐらいに集合して出発しないといけないというようなこともあるんです、夜遅い時間とか。その対策として考えるのが、宮古空港とか既存の空港を経由する周遊型の誘客だと思うんですけれども、そのためにはCIQ、そういう施設の整備が必要になってくると思うんですけれども、県はどうお考えでしょうか。
○企画部長(川上好久) 今議員が言われるとおりでございまして、既に台湾から石垣のほうにもチャーター便が飛び始めて、また宮古のほうにも飛び始めております。そういう意味では、必ずしも那覇空港だけじゃなくて、周辺の大きな離島には海外から直接乗り込むような時代になっていますので、その環境整備もしっかりやっていきたいというふうに思っております。
○瑞慶覧 功 前向きにお願いしたいと思います。
 最後ですけれども、クルーズ船客です。先ほど1人当たりで空とは2万円と6万円ということで結構差があるんですけれども、やっぱり食事も寝泊まりも船の中、滞在時間も6時間前後ですかね。誘客のメリットというのはどういうところにあるんでしょうか。
○文化観光スポーツ部長(平田大一) 最近は、クルーズ・アンド・フライといいまして、今、飛行機も合わせた形のツアーも始まっております。なおかつ、非常に短い時間の中でありますけれども、宿泊はおっしゃるとおり船の中でございますが、一度に来る人数は3000人から2000人と非常に多い数が見えますので、そういった意味では、我々は、逆に言うとどうやって消費額を落として上げていくかということをもう少し考えながら、これからクルーズ船のしっかりとした戦略も組んでいきたいというふうに思っております。
○瑞慶覧 功 リピートにつながればとてもいいことだと思いますので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 以上です。ありがとうございました。
○渡嘉敷喜代子 こんにちは。
 社民・護憲ネットの渡嘉敷喜代子です。
 2007年9月、教科書の改ざん問題で多くの県民の反発を買い、10万人の県民大会が行われたことはまだ記憶に新しい。県民の多くはだれに強制されるわけでもなく、みずからの意思で宜野湾市の海浜公園に集まりました。日本兵のいるところでは集団自決があり、民間人の命が奪われたことは、多くの証言者や著書によって明らかにされています。それだけに教科書の改ざんに対する県民の怒りは頂点に達しました。県民大会後、さらに新たな証言が出てきたにもかかわらず、なぜ八重山で昨年のような教科書問題が起きたのか。はたまた今回、第32軍司令部壕の説明板から「慰安婦」、「住民虐殺」の文言の削除を県みずから歴史を偽造する行為に驚きました。
 私はかつての平和祈念資料館の展示物から、住民に向けられた銃が消え、手ぶらで突っ立っている日本兵の人形を思い出しました。残酷なことであれ、目を背けたくなるようなことであれ、事実は事実として伝えていくことが大切であります。
 私は、フィリピンで戦争体験をしました。5歳ではありましたが、異常事態であっただけに、ジャングルでの逃避行のことは鮮明に覚えています。次の避難地に母や兄たちが移動している、留守役で足を破片で負傷した父と2人で避難小屋で待機していました。そこへ2人の日本兵がやってきて鉄砲を突きつけ食料の要求をしました。父は食料の上に座って小刀でつめを切っていたので難を逃れましたが、隣の人は、私の母から分けてもらっていたなけなしの米を奪われました。異国の地では、米兵も敵、暴徒と化した現地のフィリピン人も敵であり、唯一の味方であるはずの日本兵も敵でした。それだけに平和祈念資料館を改ざんした県の対応そのものが理解できませんでした。
 そして今回のこと、県みずから歴史を改ざんする行為は看過できません。質問通告後に起きた事例であり、先例を踏まえ議事課の許可を得ていますので、第32軍司令部壕説明板からの文言削除についての質問をします。
 (1)、検討委員会からの答申を受けての文言の削除はだれの責任で行われたのか。
 (2)、委員会から提示された「慰安婦」、「住民虐殺」を削除するに当たってどういう調査に基づいて行われたのか根拠を示されたし。 
 1、知事の政治姿勢についてお尋ねします。
 (1)、一括交付金による予算計上のあり方について。
 ア、21世紀ビジョンとのかかわりや、中長期的・継続的な展望を持って平成24年度予算は計上されているのか伺います。
 イ、県内自治体、議会、諸団体等々からの要望や意見がどう反映されているのか伺います。
 (2)、2月8日、日米両政府により米軍再編見直しが行われた。知事の所見を伺います。
 (3)、新設される地域安全政策課設置の内容と目的を伺います。
 (4)、知事の所信表明で、普天間の辺野古移設について「地元の理解が得られないので事実上不可能」とし、状況によっては県内やむなしとの余地を残していると思うしかありません。さらに県外移設についても言及しなかったことは、日本政府に期待を持たせたのではないか、お尋ねいたします。
 (5)については削除いたします。
 (6)、辺野古移設に係る環境影響評価について、当該事業は一たん実施されると現況の自然への回復がほぼ不可能な不可避性の高い埋立地に飛行場を設置する事業であり、環境影響が極めて大きいと、環境保全が不可能と結論づけました。ならば、事業自体を行うべきではないと踏み込んだ意見になってもよいのではないかと思われます。県審査会からの厳しい指摘を踏まえて事業自体行うべきではないと明記すべきではないかお尋ねいたします。
 (7)、普天間基地の跡地利用についてお尋ねいたします。
 ア、跡地利用計画についての進捗状況をお伺いします。
 イ、新軍転法とのかかわりはどうなっているのか。また、平成24年度予算で普天間基地関係はどう措置されているのか伺います。
 (8)、平和賞の財政負担について、どのような状況にあるのか、発足時の趣旨は生かされているのか伺います。
 (9)、1月27日、観光関連イベント「沖縄ナイトin東京」で川端沖縄担当大臣、玄葉外相、沖縄出身の女優、そして観光業界のそうそうたるメンバーが一堂に会し、2000名規模の最大イベントに知事が不在、会場からひんしゅくを買ったことについての説明を求めます。ちなみに、1月27日は宜野湾市長選での佐喜真淳さんの総決起大会に参加していたようであります。公務よりも優先すべきものであるかについてお尋ねいたします。
 2、観光行政について。
 (1)、戦略的誘客活動推進事業(55億5000万円余)、観光客受け入れ体制整備事業(5億5463万円余)、沖縄・中国観光交流推進事業(2億5902万円余)等々の事業内客と効果を伺います。
 (2)、文化観光スポーツ部の今年度の予算(128億8236万円余)は、前年度の予算(63億6919万円余)の2倍以上102.3%の伸び率に対して、福祉保健部2.3%の伸び率、予算編成の優先度をお伺いします。
 3、県立病院予算措置等についてお尋ねいたします。
 (1)、繰出金について。
 ア、総務省繰り出し基準による繰出金は幾らだったのか。
 イ、病院事業局は、財政当局へ幾ら概算要求したのか。その中に離島増嵩費も入っていたのかお尋ねいたします。
 ウ、病院間の黒字と赤字の相殺は不適切であります。それはどのルールに基づいて行われているのか。来年も横の相殺もするのか、新しいルールづくりも考えているのかお尋ねいたします。
 (2)、職員定数についてお尋ねいたします。
 ア、現場から出された職員増の要望をだれがどんな根拠に基づいて査定するのか。今回111人の増に対して現場は納得しているのかお尋ねいたします。
 イ、知事の事務部局、企業局、病院事業局の条例定数と配置定数を示し、所見を伺います。
 ウ、そもそも毎年定数条例の改正をすること自体異常であり、定数枠の拡大で、病院事業局及び病院長の経営判断と責任のもとで人員配置が行われる運営体制を望む声があります。意見を伺います。
 4、教育行政について。
 (1)、離島からの高校進学の実態についてお尋ねいたします。
 ア、本島への進学者の数と居住実態を伺います。
 イ、公立寮増設の必要性をお伺いします。
 ウ、仕送り額の実態は把握されているのかお尋ねいたします。
 今、高校再編計画の中で、大規模な統廃合が行われております。そのことについて離島だけではなくて本島内でもこのような状況が起こるのではないかということで質問いたしました。
○議長(髙嶺善伸) ただいまの渡嘉敷喜代子さんの質問及び質疑に対する答弁は、時間の都合上休憩後に回したいと思います。
 20分間休憩いたします。
   午後5時19分休憩
   午後5時43分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 休憩前の渡嘉敷喜代子さんの質問及び質疑に対する答弁を願います。
 仲井眞知事。
   〔知事 仲井眞弘多君登壇〕
○知事(仲井眞弘多) 渡嘉敷喜代子議員の御質問に答弁いたします。
 まず第1に、知事の政治姿勢の中で、地域安全政策課の設置の内容と目的についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 戦後60年余りにわたって、県民は過重な米軍基地の負担を担っており、基地問題の解決は、長年にわたり沖縄県の重要な政策課題となっております。しかしながら、復帰40年を迎える現在もなお、沖縄県に依然として在日米軍専用施設の約74%が集中し、県民は過重な負担を背負い続けております。また、沖縄の基地問題は、我が国の安全保障のあり方の中で日本国民が等しく考えるべき課題であり、国会の議論を見ても国民の理解が不十分だと考えております。こうした状況を踏まえ、私は、沖縄県が独自に基地問題や、その背景にあるアジア地域の国際情勢や日米地位協定等を調査・分析をし、県の基地政策を確立する必要があると考えております。このため、南西地域の島嶼防衛を初めとした我が国の防衛政策、そして米軍の世界再配置検討の状況、普天間飛行場の県外移設などにつきまして研究を行うこととしております。そして本年4月からこれらを専門的に研究する地域安全政策課を設置することといたしております。
 次に、同じく知事の政治姿勢の中で、所信表明で県外移設に言及しなかったことについての御質問にお答えいたします。
 普天間飛行場の危険性の除去は、喫緊の課題であります。「一日も早い移設・返還・跡地利用の促進」が必要なことから、知事提案説明要旨において、その旨申し上げたところでございます。県は、地元の理解を得られない移設案を実現することは事実上不可能と考えております。これまで政府に対し、日米共同発表を見直し、普天間飛行場の県外移設及び早期返還の実現に向け真摯に取り組むよう求めてきたところであります。去る2月17日には、軍転協を通し同様の趣旨を政府へ緊急要請したところであり、普天間飛行場の県外移設を求める考えに変わりはありません。
 その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁させていただきます。
○副知事(上原良幸) 知事の政治姿勢についての御質問で、「沖縄ナイトin東京」に知事が不在だったことについてお答えいたします。
 県におきましては、ことし1月に沖縄観光の新たな魅力を発信することを目的に、「沖縄観光キックオフプロジェクト2012」として、知事を先頭に東京や大阪における航空会社や旅行会社へのトップセールス、観光事業者等を対象としたセミナーや商談会などのプロモーションを展開いたしました。沖縄ナイトはこのプロジェクトの一環として実施しており、東京、大阪、いずれの会場も過去最多の方々に御参加いただき盛会裏に開催いたしました。
 なお、東京会場には知事にかわって私が出席いたしましたが、知事の欠席につきましては来賓の方々に事前に御説明申し上げ、御理解いただいたものと認識しており、沖縄ナイトの開催目的については達成されたものと考えております。
 以上であります。
○総務部長(兼島  規) 知事の政治姿勢に関する質問のうち、24年度予算と21世紀ビジョンや中長期的・継続的な展望とのかかわりについてお答えいたします。
 平成24年度予算におきましては、「沖縄21世紀ビジョン」に基づいた5つの目指すべき将来像の実現に向けた諸施策の展開を基本に、離島の振興、失業率の改善などの課題解決に向けた取り組みや、地理性、自然環境、歴史的事情など、本県の特殊事情を踏まえた施策に取り組むことを基本的な考え方として新たに創設される沖縄振興交付金を活用したところであります。県におきましては、今後も引き続き沖縄振興交付金を活用して継続的に「沖縄21世紀ビジョン」の実現に向けて取り組んでまいります。
 次に、沖縄振興交付金の予算計上に当たっての諸団体からの要望等が反映されているかという趣旨の質問にお答えいたします。
 平成24年度予算におきましては、新たに創設される沖縄振興交付金を最大限に活用することとして編成したところであります。各部局においては、沖縄振興交付金に関連し、諸団体からの要望等も踏まえて予算要求されているものと考えており、これらの要望、意見にも適切に対応したところであります。
 次に、観光行政に関する質問のうち、文化観光スポーツ部及び福祉保健部の予算に関連した予算編成の優先度についてお答えいたします。
 文化観光スポーツ部の予算につきましては、これまで主として補正予算で対応してきた観光関連予算を、年度当初からの執行を確保する観点から当初予算に計上したことなどから大幅に伸びたところであります。一方、福祉保健部の予算につきましては、経済対策に関連した各種基金事業が今年度で終了や縮小されたことも影響し、伸びは小さくなったところであります。しかしながら、増嵩する社会保障関係費に対応したほか、子育て支援や離島における介護サービスの充実といった事業などに沖縄振興交付金を活用するなど、福祉保健部の予算についても適切に対応したものと考えております。
 次に、県立病院予算措置等に関する質問のうち、知事部局、企業局及び病院事業局の定数についてお答えいたします。
 平成23年4月1日現在の知事部局の定数は、下地島空港特別会計及び下水道事業特別会計支弁に係る職員を除くと、条例定数が4448名、配置定数が3869名となっております。企業局は条例定数が359名、配置定数が249名となっており、病院事業局は条例定数が2496名、配置定数が2495名となっております。知事部局と企業局は、簡素で効率的な行政運営を目指し、段階的に定員を削減していることから、条例定数と配置定数に差が生じております。
 病院事業に係る定数につきましては、これまで病院事業局と総務部でお互いに業務量を精査し、必要数について条例定数を改正しているため、配置定数との差が生じておりません。
 以上でございます。
○知事公室長(又吉 進) 知事の政治姿勢についての中で、米軍再編の見直しについてお答えいたします。
 去る2月8日、日米両政府は、在日米軍再編計画に関する日米共同報道発表を行ったところであります。この中で、日米両政府は普天間飛行場の辺野古移設に引き続きコミットするとともに、在沖海兵隊のグアムへの移転と嘉手納以南の土地の返還を、「普天間飛行場の代替施設に関する進展から切り離すことについて、公式な議論を開始した。」としています。政府の説明によれば、具体的な内容については、今後の両国政府の協議の中で調整されるとしていることから、県としては今後の協議を重大な関心を持ちつつ注視してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○環境生活部長(下地 寛) 知事の政治姿勢についての御質問の中で、知事意見で「事業自体行うべきではない」と明記することについてお答えいたします。
 環境影響評価制度は許認可制度ではなく、環境影響評価の手続について定めた手続法令であります。そのため、同制度においては、「環境保全の見地からの意見」に限られており、事業の可否について述べることはできません。
 県としましては、沖縄県環境影響評価審査会からの答申を踏まえ、環境保全の見地から、当該事業は重大な問題があると述べたところであります。
 次に、平和賞の財政負担などについてお答えいたします。
 沖縄平和賞は、アジア・太平洋地域における平和・非暴力の実現、人間の安全保障等の実現を理念として、当該理念の実現に貢献する活動に対して贈賞してまいりました。これまで5団体が受賞し、平和賞受賞を励みとして現在も精力的に活動を続けております。平和賞に必要な事業費は、基金を創設した支援募金及び県からの負担金であります。県からの負担金の支出状況は、贈賞のあった平成22年度は1962万7000円、贈賞のない平成23年度は536万6000円となっております。
 県としましては、今後とも「沖縄平和賞」の贈賞を通して平和を希求する沖縄の心を世界へ発信し、恒久平和の創造に貢献していきたいと考えております。
 次に、新聞報道に係る緊急質問に関連して、検討委員会からの報告の変更は知事が行ったのかについてお答えいたします。
 説明板の説明文につきましては、検討委員会からの報告を受け、部としての考え方をまとめ、知事にこの考え方を説明し承諾いただいた上で私が決定したものであります。
 次に、「慰安婦」、「住民虐殺」削除の根拠等についてお答えいたします。
 今回の説明板設置は、第32軍司令部壕があったという事実と、壕がつくられた経緯や役割、壕があったことによる影響を知らせることが目的であります。慰安婦や壕周辺での住民虐殺については、さまざまな証言があり、県として事実の確証が持てないため掲載しないこととしたものであります。沖縄戦全体における慰安婦の存在や「住民虐殺」そのものを否定したものではありません。
 以上でございます。
○企画部長(川上好久) 知事の政治姿勢についての御質問の中で、普天間基地の跡地利用計画の進捗状況についてお答えいたします。
 普天間飛行場については、その大規模性や地理的位置などから、沖縄全体の振興に影響が及ぶものと考えられることから、国・県・宜野湾市が連携して跡地利用計画の策定に向けて取り組んでおります。平成18年2月には県と宜野湾市において「普天間飛行場跡地利用基本方針」を、平成19年5月には「跡地利用計画の策定に向けた行動計画」を策定しており、今年度は広域的観点からの公園・緑地等について検討を進め、次年度には「緑地利用計画の中間とりまとめ」を行う予定としております。その後も自然環境や文化財の調査などをさらに進め、計画内容の具体化を図り、地権者や県民等とも意見を交換し、跡地利用計画の策定につなげていきたいと考えております。
 次に、新特措法と24年度予算措置についてお答えいたします。
 政府は、去る2月10日に改正軍転特措法案を閣議決定したところでありますが、その主な内容としましては、1点目に、原状回復措置が徹底されること、2点目に、返還前の基地内立入調査の実施が制度化されること、3点目に、給付金の始期を引き渡しからとしていること、4点目に、公共用地先行取得の際の5000万円の譲渡所得特別控除の制度が設けられることなどおおむね県の要望を反映していただいたものと考えております。また、平成24年度の普天間飛行場の跡地利用に係る予算については、宜野湾市と共同で実施する調査費として2000万円を計上しているところであります。
 以上でございます。
○文化観光スポーツ部長(平田大一) 観光行政についての中の、戦略的誘客活動推進事業や観光客受入体制整備事業、沖縄・中国観光交流推進事業の内容と効果についてとの御質問にお答えいたします。
 戦略的誘客活動推進事業は、外国人観光客やMICE誘致の拡大、季節の特性を生かした国内誘客の推進、離島の魅力を活用した観光の促進等を目的に、市場特性に対応したきめ細かな誘客活動を推進するため、総合的なプロモーションを展開するものであります。
 観光客受入体制整備事業は、観光危機管理体制の構築等を推進するほか、イベントや観光メニューの開発などを促進することで、魅力的で安心・安全な観光地の形成を図るものであります。
 沖縄・中国観光交流推進事業においては、日中の観光事業者間の交流促進や、福建省との友好関係を活用した中国との交流拡大を推進することとしております。
 県としましては、戦略的誘客活動推進事業による誘客の拡大、観光客受入体制整備事業による観光客の満足度の向上等を図ることにより、観光客数や観光消費額などの増加を図るほか、将来の需要拡大につなげていきたいと考えております。
 以上です。
○病院事業局長(伊江朝次) 県立病院予算措置等についての御質問の中で、繰出基準額及び概算要求額と離島増嵩経費についてお答えいたします。3の(1)アと3の(1)イは関連しますので一括してお答えします。
 平成24年度の繰入金については、総務省の繰出基準に基づき、小児医療、高度医療等のいわゆる政策医療の収支差を算出し、同一の項目内で病院間の黒字と赤字を相殺した後、各県の判断とされている項目間の相殺を行った結果、試算額は約51億円となりました。具体的な予算編成作業においては、病院経営への影響を考慮して項目間の相殺を行わないこととするとともに、特地・準特地手当等の離島増嵩経費の2分の1の2億円や、離島病院への経営支援として計2億円を措置したことで概算要求額を約59億円としたところです。
 次に、繰出金の病院間の相殺についてお答えいたします。
 本県においては、繰り出し対象となっている政策医療の同一項目内で病院ごとに黒字と赤字が生じた場合は、地方公営企業法の関係通達に基づき相殺を行っております。現在の繰出金の積算方法は、地方公営企業法の趣旨を踏まえたものであると認識していますが、県議会での審議等を初めさまざまな指摘、意見が出されたことを受け、今後、他県の状況等を調査研究し、見直しについて検討していきたいと考えております。
 次に、定数111人増員の根拠と病院の理解についてお答えいたします。
 定数改正については、医療提供体制の確保や経営への影響等を考慮する必要があることから、今年度病院事業局内に人員体制検討チームを設置し、検討を行ったところであります。具体的には、病院からの347名の増員要望について現場調査やヒアリング等を行い、増員の必要性や緊急性、人材確保の見通し、経営への影響等を総合的に検討し、病院長へも説明を行った上で局として定数改正の考え方をまとめ、総務部との協議を経て111名の増員を行うこととしたところであります。
 次に、定数枠の拡大による人員配置についてお答えいたします。
 地方自治法第172条第3項は、「職員の定数は、条例でこれを定める。」と規定し、具体的な運用においては、業務量を精査し、事務執行のために必要な職員の数を定数条例で定めることとしております。病院事業においては、同法に基づき7対1看護体制の導入等に係る職員の増員について施設基準等から業務量を精査し、経営への影響等を総合的に検討して必要な職員の数を定め、関係部局と協議した上で定数条例の改正手続を行ってきたところであります。このことから、業務量等の根拠を確認することなく、あらかじめ定数枠を定めて定数条例で規定することについては、適切でないと考えております。
 以上でございます。
○教育長(大城 浩) 教育行政についての御質問で、本島への進学者数と居住実態についてお答えいたします。
  離島出身生徒の就学状況調査によりますと、平成23年5月現在、本島の県立高等学校へ進学している離島出身の生徒は、598人となっております。居住実態につきましては、本島内の寄宿舎への入寮者は155人、1人でアパートに住んでいる者76人、兄弟姉妹でアパートに住んでいる者207人、兄弟の家に住んでいる者10人、親戚・知人の家に住んでいる者87人などとなっております。
 次に、公立寮増設の必要性についてお答えいたします。
 離島出身の生徒が、安心して学習や生活ができるよう支援することは大切なことであります。県教育委員会としましては、一括交付金を活用して、離島・僻地出身高校生の寄宿舎を含めた複合施設として、「離島児童・生徒支援センター(仮称)」を計画しており、関係団体等との調整を進め、早期実現を目指し取り組んでまいります。
 次に、仕送り額の実態についてお答えいたします。
 離島出身生徒の就学状況調査等によりますと、寄宿舎入寮者の1カ月の必要経費は平均4万3000円程度、寄宿舎入寮者以外につきましては、平均8万1000円程度となっております。
 以上でございます。
○渡嘉敷喜代子 知事にお尋ねします。
 知事にとっての所信表明というのはどういうことでしょうか。
○知事(仲井眞弘多) 新しい年度に向かって予算などなど重要なものを含んだ県政運営の基本の考え方でございます。
○渡嘉敷喜代子 まさにその県政運営、これからやっていくことをその所信表明の中で言わなきゃいけないわけですよね。今回、県外移設が消えたということに対してそれは他意はないと言うけれども、これはとても大切なことだと思うんですね。そのことが抜けたことに対しての説明をお願いいたします。
○知事(仲井眞弘多) 先ほども御説明しましたとおり、私は、普天間飛行場は辺野古では事実上不可能というのもちゃんと申し上げております。そして、県外だということも内外にこれは申し上げていますから、議員がおっしゃるほど書いてない書いてないというような意味での意味は特にありません。はっきりと私は県外と申し上げているんですから。
○渡嘉敷喜代子 どうやら宜野湾市長選以降、知事の姿勢がちょっと揺れたかなという思いがしてならないんですね。地元の理解が得られないということはこの方ずっと言ってきました。これは本当に評論家的で他人事で第三者的だと。じゃあなたはどう思うのということを聞きたいわけですよね。そういうことに答えなくて、先ほどのダニエル・イノウエ上院議員からも言われたように、やはり県議選後に変わってくるんじゃないかというようにして、知事の動向に日米両政府がすごく敏感になっているということ、そういうことですよね。それでやはりアメリカ側でも知事は「ノーサンキュー」と言っていないということで、まだ落としどころがあるんじゃないかというような状況になっているかと思います。きょう野田首相も来ていますけれども、ニュースで見た限りにおいては県外ですよと。辺野古は難しいよ、時間がかかるよというのはこれは知事の意見であって、相手がどう思っているかわからないわけですよね。ですから、そこではっきりと県内移設は反対だということを言わなきゃいけないと思うんですけれども、そのあたりはどうお考えですか。
○知事(仲井眞弘多) これは、議員がそういう表現をお使いになるからといって、私にそういう表現を使いなさい、はいわかりましたというわけにいきません。これは恐らく議員のお考えと私の考えはそもそもかなりのところで違いがあるんで。ただし、辺野古の移設につきましては、事実上辺野古は不可能だというのははっきり申し上げているんですよ。これは私の結論ですから、そういうふうに御理解ください。
○渡嘉敷喜代子 2月26日の新報で稲嶺前知事のインタビューでこんなことを言っています。「県政として正面から考え方を出し、日本政府にぶつけると同時に、日本国民に対して考えてもらうことに大きな意味がある」ということを言っていますね。知事はこれをお読みになったかと思いますが、このことについてどう感じましたか。
○知事(仲井眞弘多) ちょっと休憩。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後6時16分休憩
   午後6時16分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) どうしても反対だと言えということを言われても、私は渡嘉敷議員と考え方が基本的に違う部分があると思います。ですから同じ表現はやっぱり適当ではないと私は思っています。事実上不可能ということ、そして政府に向かってきちっと日米両政府に向かって真っ正面から申し上げているつもりですが。
○渡嘉敷喜代子 ちょっと休憩してください。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後6時17分休憩
   午後6時17分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 渡嘉敷喜代子さん。
○渡嘉敷喜代子 平成22年の6月議会での知事とのやりとりの中でこんなことがあります。
 まず平成22年の2月議会で、厳しいということはどういうことかと聞いたときに、「行政実務上のある種の弾力性は残さないと、物事は答えは出ない」ということを答えました。そしてその弾力性とは何かということに対して、22年の6月議会でこんなことを言っています。「行政実務と行政責任がある行政機関のまとめ役、長としては、絶対的にこれはノーであるとか、絶対的にイエスであるというようなオール・オア・ナッシング――これは表現として適当かどうか、ちょっともう一回厳密なところ必要なんですが――そういう態度で物事に対応するというのは極めて危険もある。」。そして、「絶対的なたった1つの答え、判断しか持たないというのは、私ども行政実務上の現実、処理をする中では非常に危険になる可能性すらあると私は思っています。」と。「ぎりぎりのところでも可能性というのは幾つかの方向に向かって持っておくべきだという意味も含んでおります。」というようなことを答えております。
 それでここでの可能性というのは何なのか。それから宜野湾市長(当時)の、それから名護市長も反対の態度をとっているけれども、実務上の違いはあるかと聞きましたときに、知事は行政機関の責任者としての点ではほとんど違いはないということを言っているわけですね。そこでなぜ知事はあなたが反対と言うから私も反対と言わなきゃいけないのかという言い方をするけれども、じゃこのように行政上あるいは実務上というようなその危険性、可能性というのは一体何ですか。その反対と言えない理由。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後6時19分休憩
   午後6時20分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 今、議員の御質問がたくさんあったように思うんですが、まず1つ、行政の責任者の一人としてあらゆることの判断に弾力性を残すというのは、これは一般論としてはもう当然のことだと私は思っていますよ。さらに今度は辺野古の例にそれを戻したときに、22年6月というのは4月25日の県民大会があって、私が鳩山さんにしっかり頑張れという趣旨のたしか演説をした後で、6月というのはなぜ辺野古に回帰したかの説明を民主党としてマニフェストと違う結論を導いたことの説明、納得のいく説明をしっかりしてくれとこう言っていた時代です。ですから、あのときとそれから22年9月議会でも私は、もうこういう状況になっては辺野古移設というのは実現可能性において非常に厳しい、しかもこれは事実上不可能だということを申し上げてきたわけです。ですから、それが私の答えですが。
○渡嘉敷喜代子 やっぱり知事も行政を預かる者としてそれは幾つもの選択肢が必要かと思います。でも、その前に政治家なんですね。そういうことでの政治判断ということも今はそこでやらなきゃいけないという状況があるかと思うんですよね。そのことについてどうお考えですか、政治家としての政治判断。
○知事(仲井眞弘多) 政治判断であれ、何判断であれ、渡嘉敷議員のおっしゃっているような表現を使えということには、使いますということは必要ないと思うんですが、これはもう常識的判断として。
○渡嘉敷喜代子 かつて、知事は県内移設を容認してきた立場上、それが言えないのかなということも考えられるわけなんですけれども、そこで今本当に反対と言えないから日米両政府はとてもそのことについてまだ落としどころがあるというような感じでやっているわけなんですよ。野田さんについてもそうだと思うんですね。66年間、沖縄に基地を押しつけて申しわけなかったと。それなのになぜ辺野古なのかということは、やはり知事が県内移設反対ですよとはっきり言えば、そのこともまた違ってくるのかなという思いがしてならないんですね。だから、それ反対する人は反対すればいいということじゃなくて、やっぱりここでしっかりと反対なのは反対だ、だめなのはだめだということをしっかりと言うことが大切だと思うんですよ。知事、今回の再編の見直しで1500名の訓練を岩国に移すと言ったときに、岩国の市長は即反対しましたでしょう。そして、防衛大臣もそれから外務大臣も岩国がすごく負担が重いのでそれはありませんと。じゃ沖縄は負担は重くないのかという思いで知事はそのあたりでやっぱり今この時期に反対だということをしっかりと言わなきゃならない時期だと思うんですよ、いかがでしょうか。
○知事(仲井眞弘多) この渡嘉敷議員の言う表現を使え使えということには、私は全く賛成しません。したがって、私がずっと申し上げてきた事実上不可能、辺野古。そして、県外であるという以外の表現は使いません。
○渡嘉敷喜代子 アメリカでもダニエル・イノウエさんとかが県議選後に状況は変わるであろうと。今、知事がどう揺れていくかとそのことに期待しているということも言われているわけですよね。
 そのことをもう一度お尋ねしますが、そのことは絶対にあり得ないと、辺野古は絶対だめですよということを言えるのかどうかですね、再度お尋ねします。
○知事(仲井眞弘多) 県外だと言っております。そしてその日米両政府なりこの議会が、議員が何かいろんな意見を言ったからと言って、私の態度で私を犯人説にするのだけはやめていただきたいと。その政府にはっきりおっしゃったらいいじゃないですか、あなた自身が。私どもの知事がそんなことだからあなた方そう考えるのはしようがないねという意味でしょう。とてもじゃないが、そういう論には私はとてもとても理解が不能ですよ。
○渡嘉敷喜代子 知事、おかしいですよ。沖縄の長でしょう。私が言うのと知事が言うのと全然違うんですよ。そういう言い方はちょっとおかしいと思います。もうこれはこれで終わります、もう堂々めぐりですので。
 では知事にお尋ねしますけれども、病院事業局の定数条例についてお尋ねします。病院事業に関しての任命権者はだれでしょうか。
○渡嘉敷喜代子 いや、知事から答えてください。
○知事(仲井眞弘多) いいえ、一心同体です。
○総務部長(兼島  規) 法令の話ですので、局長の任命権は知事にございます。
○渡嘉敷喜代子 今その病院事業局の定数の問題とかで、いろいろ病院事業局と病院内で調整して、そして財務課との調整をしているという状況なんですけれども、やはり定数枠をしっかりと拡大してその中で病院長、それから病院事業局長の中でしっかりと運営していくと、そうあってほしいという病院長からの希望もあるわけですよね。もし、そういうことをやったときに知事の権限を侵すことになりますか、総務部長。
○総務部長(兼島  規) まず定数条例というのがそういった形でまず議会の議決にかからしめるという形でありますので、増員する場合についてはやっぱり執行部はかなり慎重にやります。当然、一たん採用しますともう生涯賃金を面倒見るという形になりますので、定数を増員する場合については、極めて慎重に議会の議決にかからしめているわけですから、定数条例を提案して議会の審議をいただくというこれが定数条例が設けられた趣旨なんですね。今おっしゃるように枠を持って、その枠の範囲内で自由にやるという話になってきますと、もう定数条例の趣旨を少し逸脱するような形になりますので、もしそれをやるのであれば、172条の職員の枠の中から飛び出るしかないんです。それは、ある面で独立行政法人化すればこれは定数条例の枠外ですので、病院事業局長の責任でもってその定数については自分たちの経営責任でもってそれはできることになろうかと思います。
○渡嘉敷喜代子 鳥取県の鳥取中央病院の院長ですね、やはりその病院事業局長の采配によってその病院内の人事権も持っているわけなんですよね。これが今の全適でやられているわけです。そしてその3年間において病院の経営形態を何とかして黒字に出してほしいということで84億円のお金を繰り出しましたね、県は。そういうことで、やはりその病院事業局の局長の采配でもってやっていくということは、とても大切かと思うんです。それは、鳥取県のその中央病院でできるのになぜ沖縄ではできないのかという思いでならないんですね。そのあたりはどうお考えですか。私は任命権者は知事ですから、知事にお答えをお願いしたいと思います。
○総務部長(兼島  規) 鳥取県の例を出しているんですけれども、その実態というのがちょっとわからないんです。多分鳥取県も定数条例を持っているのであれば、その定数条例の範囲内でその条例を訂正せずに、要するに増員の要求が定数枠いっぱい使っていなくてその範囲内でやっているかと思うんですね。もしその定数条例を増員するのであれば、やっぱり鳥取県としても定数条例の改正案を知事のほうから議会に出して、それで議会の審議をいただいて、そこから定数条例を改正して病院事業を経営するという形になろうかと思っています。
○渡嘉敷喜代子 今総務部長がおっしゃったこと、それはとても大切なことだと思うんですよね。定数の条例というのは今は本当にかちかちでしか人員配置はやってませんよね、病院事業局に対して。300名余りのその要求に対して111名とか、リハビリについては七十何名かの要望に対して19名しか認めていないというような状況で本当に病院運営ができるのかということがその現場の声なんですよね。そういう皆さんでもってかちかちの人員配置をしているわけですよ。それをもっと拡大して、拡大したからすべて病院ではそれを使うということではありませんので、企業局も同じです。そういうことで、もっと柔軟性を持ってそれができないのかということなんですが、どうでしょうか。
○総務部長(兼島  規) 先ほども知事部局、それから企業局の定数のあきがあるというお話をしました。実を言いますと、この10年前に私どもの知事部局のほうも定数条例と配置実数がぎりぎりだったんです。極めて厳しい状況の中で、増員の定数条例を改正するかどうか迷いましたけれども、何とかしのいで、それから定員削減計画というのを設けましてこの10年間で約570名ぐらい定員を削減しています。その関係であき定数はたまたまあいたというだけなんです、結果的に。私はこれは本来の趣旨でないと思っていますので、近々これにつきましてはあき定数をこんなに設ける必要はない。そういうことを設けますと、まさに議会のチェック機能を無視することになりますので、条例定数を減数して定数条例を改正すべきだと思っています。
○渡嘉敷喜代子 総務部長、本当に問題をすりかえてはいけないんですよね。今、知事部局は余裕があるからそれをまた減数の定数をやろうというようなことであってはならないですよ。本当に病院というのは人をふやせばそれだけ利益が上がっていくということですよね。それであるだけに、その利潤によって職員の給料も払っているわけです。知事部局と全く違うんですよ。そういうことでそういうすりかえていくようなことは私はどんなものかなと思います。
○総務部長(兼島  規) 先ほど来説明していますように、確かに知事部局600名ぐらいあいていますけれども、じゃあ600名を議会の議決を諮らずに知事部局が――300名でもいいんですけれども――増員するということに対して、議会はチェックする機能はないんですよ。そういったことで、その定数条例を設けた趣旨を逸脱されると思いますので、そういうことではなくて、やっぱり増員するのであれば議会に諮るわけですから、しっかり審議していただくという意味でその増員の必要性を議会に説いて、そして議会の承認をもらってやるというのが私は筋だと思うんですよ。そういった意味で3年たって今回もし可決していただきますと、約300名ぐらい、この3年間で増員を認めることになります。これは議会のある面で協力、議会の理解のもとにこういう形で条例定数を上程して審議していただいて認められたものだと思っています。そういう手続が本来の筋だと思っています。
○渡嘉敷喜代子 議会においての定数条例のその人数どうのこうのじゃなくて、やっぱりその定数を何名とかというんじゃなくて枠を広げていく柔軟性があってもいいかと思うんですね。それはもちろんその議会の承認を得なきゃいけないことです。そのあたりはまた病院事業局と知事部局との違いはあると思います。
 次に行きます。
 地域安全政策課についてお尋ねしますが、この政策課についての職員数と職種についてお尋ねしたいと思います。
○知事公室長(又吉 進) 現在のところ、課長を含めて12名でございます。そのうち、1人は任期つきの研究員という形で、その他は一般事務職でございます。
○渡嘉敷喜代子 先ほど総務部長が財政が厳しい中でと言っている割には、何で12名の職員が配置されなきゃいけないのかという思いがするんですね。この中にやはり係でまずは発足していってもいいんじゃないかという思いがするんですよ。例えば、沖縄県内においてもシンクタンクもあるし、そして情報を得てその理論武装をして日本政府に当たっていくことはとても大切なことかと思います。日本政府が動けば動くんですよ。そういうことで、理論武装して情報収集して意義を持たせていくというのはとても大切なことなんですけれども、なぜいきなりその12名の職員でなくちゃいけないのか、その中にやはり1人は嘱託になるんでしょうか。すべてあと11名は県の職員ということなんですか。
○知事公室長(又吉 進) この地域安全政策課は現在あります返還問題対策課これを改組し、そこに増員をする形で設置するものでございまして、実質的に増員は5人ということになっております。そのうち任期つき研究員というのは県の職員として採用するという予定でございます。
○渡嘉敷喜代子 安保を研究するに当たってやはり同じ会派の新里議員からも指摘がありましたように、やっぱり県の政策の判断とかどういう視点で対応していくのかということがとても求められていると思うんですよ。今回のその32軍司令部壕についてもやはり知事の姿勢が今問われているわけですから、そのあたりもやはり文言修正をしていくとかということが大切かと思います。もしそれができなかったときに本当に政策課の設置そのものが危ういのではないかという思いがします。
 知事、お答えください。
○知事公室長(又吉 進) 課の新設の趣旨というのは、先ほど知事からの答弁があったように、これはやはり沖縄の基地問題というものに対してなぜ沖縄にこれだけの過重な基地負担があるのか、あるいはなぜ海兵隊等が必要なのかということに対して、なかなか日本全体でこの問題を共有するに至らない。さらに、さきに沖縄県が発しました海兵隊の抑止力とは何か等の質問にもなかなか誠意のある回答が返ってこないという状況の中で、県みずから海外のネットワークを含めてしっかりと研究していこうという趣旨でございますので、これは当然ながら沖縄県民の意向に沿った形の研究になっていこうと思います。
○渡嘉敷喜代子 今回のその32軍司令部壕の説明板の中から、「慰安婦」とか「集団虐殺」とかがあったということを削除したことについて、どうやら安保容認のほうからの巻き返しがあったというようなことを聞いておりますけれども、そういうことであるだけにやはりこの政策課の姿勢というものが今問われていると思うんですよね。それをあわせて知事にお尋ねしますけれども、今回、その文字板の修正はやる気ありますか。
○知事(仲井眞弘多) 先ほど知事公室長が答弁しましたように、まず今ある課というのは返還問題対策課ですが、これを名称変更して数人要員をふやすということで、返還問題対策課そのものの名称が変わるという点だというふうに、それとあとはいろんな安全保障関係の研究をしっかりやっていく要員をふやすということです。
 それともう一つ、今おっしゃったその32軍壕の説明板に慰安婦の部分、そしてその虐殺がその周辺であったとかなかったという、部長が何度も説明していますように事実が確認されていないものを県の説明板に書くということ自身は、やっぱりこれは適当でないと思いますよ。それをどうしても書けとおっしゃる理由のほうがむしろ非常に理解しがたい。そして、県のほうで出した案文にそういうものがこう書き込まれているんであって、改ざんという言葉も全く不適切だと私は思っていますから、撤回するどころかむしろそうやってきれいに整理して事実が確認できているものに限定するというのはもう当然じゃありませんか。
○渡嘉敷喜代子 終わります。
○山内 末子 皆様、こんばんは。
 本日最後となりました。また、任期期間中最後の私も一般質問となりました。
 この4年足らずの間、沖縄を取り巻く環境、政治環境・情勢は目まぐるしく変化をしてまいりました。政権が自公政権から民主党政権へとかわり、普天間基地は「最低でも県外」から辺野古へと回帰をいたしました。また、自公県連は、普天間は県外へと逆に方向転回で県議会が一つになりました。知事も県外へと姿勢が異なり、この件では県民が一つになり、アメリカの情勢も変化をいたしてきました。議会での辺野古建設への疑問、撤回を提起する動きも出ており、このほどの米軍再編見直しの発表と沖縄側にとっては一筋の光が差し込んできたと言っても過言ではないと思っております。
 沖縄・米国が変化する中で、政権がかわっても頑としてその状況を受けとめ切れず辺野古にこだわる悲しきかな日本政府。辺野古への呪縛から解き離れられない日本政府、その政治を解きほぐすにはより一層の県民の結束が必要だと思っております。ジェットコースターのように戦後66年、そして復帰から40年、政府にぐるぐると振り回されておりますが、今こそ知事と議会がしっかりと信じ合って、支え合って県民の望む方向へときちんと着地できるよう努力を続けていきたいものです。
 それでは一般質問をいたします。
 まず1点目に、知事の政治姿勢について伺います。
 (1)、米軍再編計画見直しが示されました。今後、グアム協定見直し、国会での審議、政府間協議が進められると承知をしております。そのような中、政府は米国が示した岩国への分散移転について、いち早くこれ以上の岩国への負担はお願いしないという見解を示しました。このような条件下、この見直しの実現可能性と知事の見解を伺います。
 (2)点目に、「普天間固定化阻止」というスローガンが県内移設容認といった誤ったメッセージとして政府に送られている危険性があります。これまでの質問でもありますが、妥協を許さない知事の明確な意思表示が必要です。決意を伺います。
 (3)点目に、1月の「米国へ基地被害を訴える会」の行動、さきの稲嶺名護市長の米国要請行動により多くの米国議員、世論へ沖縄の実情が届けられました。その評価につきましては、先ほど答弁がありましたので、この件については答弁は要りませんが、知事の訪米計画について伺います。
 2点目に、一括交付金について伺います。
 新年度予算を前に多くの県民の期待がこの一括交付金に寄せられております。創造性を持った活用を展開していかねばと思っております。
 (1)、県・市町村の配分について、市町村について決定したとの報道がありますが、その取り組み方法、自主性を確立していく上での課題、対処策について伺います。
 3点目に、観光政策についてです。
 新年度予算の大幅増に見る観光施策のウエートは、まさに本県の観光への期待度があらわれております。総合的に、そして整合性を持った観光の姿をつくり上げていきたいものです。
 質問いたします。
 (1)、カジノを含む統合リゾートの説明会・シンポジウムの取り組み状況と今後の計画についてお聞かせください。
 (2)点目に、シンポジウムで示されました問題点、懸念事項の内容とそれに対する県の対処策について伺います。
 (3)点目に、外国人観光客誘致の拡大には通訳ガイドの養成が急務ですが、地域限定通訳ガイドの養成状況とその計画について伺います。
 4点目に、枯れ葉剤使用問題についてです。
 (1)、2009年、退役軍人省は、1971年のレッドハット作戦で枯れ葉剤が沖縄に貯蔵され、撤去されたことを認めました。退役軍人が次々と証明をしております。米政府はその事実はないとし、日本政府は調査をしないとしておりますが、退役軍人省は、このほど2人の元軍人の補償を決定いたしました。その証言に基づくと、沖縄県全域が被害を受けているという可能性が高く、県民の不安はさらに大きくなっております。真相究明を急ぐべきだと考えます。先ほど来ありますが、県独自の姿勢を伺います。
 以下の取り組みについてお聞かせください。
 ア、枯れ葉剤について、元基地従業員の証言、情報を収集する。
 イ、米退役従業員の証言、情報を収集する。
 ウ、高濃度汚染地域(ホットスポット)と推測される地域の土壌調査、水質調査を行う。
 エ、北谷町や名護市は調査を予定しておりますが、その連携についてお聞かせください。
 5、畜産業関連について。
 (1)、国頭村における畜産業者の放牧による被害拡大の状況、今後の改善策、県の対応について伺います。
 (2)、畜産業における県内の放牧運営の状況を伺います。
 (3)、指導管理の必要性から条例制定の計画はないか伺います。
 6点目に、教育行政について伺います。
 (1)、石川保健所跡への「泡瀬特別支援学校分校」の計画進捗状況について伺います。
 (2)、人材育成策として留学制度を含む語学教育の拡充が求められておりますが、計画を伺います。
 (3)、県指定史跡伊波城址跡整備計画が進展しておりません。今後の方向性を伺います。
 7、福祉行政について。
 (1)、新年度における認可外保育園への支援策について、新規だけをお願いいたします。
 (2)、認定こども園の制度化により本県の保育環境、幼児教育環境にどう影響するのかお聞かせください。
 (3)、県立病院改革について、定数条例と現況との乖離に対する改善策をお伺いいたします。
 8、メジロの件についてです。
 先ほどもありましたが、沖縄特例を求める上で、また犯罪者を生まないように引き続き伺います。
 メジロ捕獲禁止条例に対する県の検討状況はどうなっているのか。また、市町村、県民意見の集約はされているのか。各市町村における飼育に対する意見書の採択状況を伺います。
 9、地位協定改定に向けて日米での協議機関の設置について、総理の前向きな姿が示されております。強固に求めていくべきですが、決意を伺います。
 10、伝統文化の保存・継承と産業創出の取り組みについて伺います。
 (1)、三線の伝統工芸品認定、伝統工芸士認定に向け作業が進められていると承知をしております。その取り組み状況を伺います。
 (2)、県産材質の確保(琉球黒檀やクロキの植林等)に対する取り組みを伺います。
 (3)、紅型、漆器、陶芸等文化の継承と産業との共存について支援体制の強化が求められておりますが、見解を伺います。
 11、防災対策について。
 (1)、3・11東日本大震災からもうすぐ1年を迎えます。県・市町村では震災を教訓に独自の各種対策が図られております。指針であるべき県の防災計画の見直しが急がれますが、その策定状況を伺います。
 (2)、県内の自主防災組織の取り組みについてです。
 12月議会で県内の自主防災組織率は8.9%と全国平均75.8%と比べて極めて低いことが判明いたしました。防災活動において地域の自主防災の組織化は最も重要であることは皆目承知のことです。取り組み状況と組織化に向けての県の対策を伺います。
 以上、よろしくお願いいたします。
○知事(仲井眞弘多) 山内末子議員の御質問に答弁いたします。
 まず第1に、教育行政に係る御質問の中で、留学制度や語学教育の拡充についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 「沖縄21世紀ビジョン」に掲げる「多様な能力を発揮し、未来を拓く島を目指して」、沖縄振興一括交付金を活用し、国際性に富む人材育成留学事業を推進してまいりたいと考えております。この事業によりまして、高校生を1年間、そして大学生を含む社会人を6カ月から2年間、アメリカ、欧州、そしてアジア諸国へ派遣し、海外留学生の派遣拡充を図ってまいる所存でございます。また、学校教育におきましても、英語立県沖縄推進戦略事業に取り組むことによりまして語学教育の充実を図り、国際社会で主体的に活躍できる人材を育成してまいる所存でございます。
 次に、福祉行政に係る御質問の中で、新年度における認可外保育施設への支援策についての御質問にお答えいたします。
 認可外保育施設への支援につきましては、平成24年度予算案に沖縄振興一括交付金を活用しました待機児童対策特別事業として、10億695万円を計上いたしたところでございます。その内容としましては、これまで基金事業として実施してきました保育所入所待機児童対策事業と県単独の新すこやか保育事業を統合し、運営費の支援や給食費対象日数等の拡充、そして待機児童の解消と認可外保育施設の質の向上を一体的に取り組んでまいる予定でございます。
 沖縄県といたしましては、今後とも一括交付金を活用し、子育て支援の充実に取り組んでまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 知事の政治姿勢についての御質問の中で、米軍再編計画見直しの実現可能性についてお答えいたします。
 去る2月8日、日米両政府は、在日米軍再編計画に関する日米共同報道発表を行ったところであります。政府の説明によれば、在沖海兵隊のグアム移転及び嘉手納以南の土地の返還を普天間飛行場の移設から切り離し、グアムへ移転する海兵隊の部隊構成及び人数についても見直しを行うとしておりますが、具体的な内容については、今後の両政府の協議の中で調整されるとのことであります。いずれにしましても、在沖海兵隊のグアム移転と嘉手納飛行場より南の施設・区域の返還は、県民の要望している米軍基地の整理縮小につながるものであり、日米両政府は地元の意向を踏まえた協議を行っていただきたいと考えております。
 次に、普天間固定化阻止と県内移設容認についてお答えいたします。
 県は、地元の理解が得られない移設案を実現することは事実上不可能である旨、繰り返し申し上げてきたにもかかわらず、日米両政府が辺野古移設案を推進する姿勢をとり続けていることには疑問を呈さざるを得ません。
 県としましては、喫緊の課題である普天間飛行場の危険性を放置することは決してあってはならないと考えており、日米両政府に対し、普天間飛行場の県外移設及び早期返還の実現に向け真摯に取り組むよう、引き続き強く求めてまいります。去る2月17日には軍転協を通じ、今回の日米共同報道発表について同様の趣旨を政府へ緊急要請をしたところであり、本日の知事と野田首相の会談の中でもその旨を申し上げてございます。
 次に、知事の訪米計画についてお答えいたします。
 知事は、これま3回の訪米を行い、米政府、議会関係者等に沖縄の実情を訴えてきたところでございます。今般の日米共同報道発表の進捗状況を踏まえつつ、効果的な訪米が実施できるよう、今後、時期及び活動内容等について十分検討してまいりたいと考えております。
 次に、枯れ葉剤に関する元基地従業員、米退役従業員からの証言、情報収集についてお答えいたします。4の(1)のアと4の(1)のイは関連いたしますので一括してお答えいたします。
 今回の報道を受け、県では外務省沖縄事務所に対し、報道内容の事実関係について確認を求めたところであります。これに対し、外務省は米国に対し、当該退役軍人に対する補償について、現在事実関係を照会しているとのことであります。
 県としましては、県民の不安を払拭するため、引き続き事実関係の確認を求めていきたいと考えております。
 次に、北谷町や名護市との連携についてお答えいたします。
 県は、昨年10月、軍転協を通じ日米両政府に対し、退役軍人等の枯れ葉剤に関する証言について、事実関係を早急に確認し、地元自治体等へ説明を行うよう要請したところであります。枯れ葉剤の問題について、北谷町では、ハンビー地区周辺における環境調査を実施するとともに、名護市においては、辺野古区近隣住民から聞き取り調査を行う予定であると聞いております。
 県としましては、今後も地元自治体との連携も図りながら、引き続き新たな事実関係も含め情報収集を行ってまいりたいと考えております。
 次に、日米地位協定の協議機関の設置についてお答えいたします。
 去る2月9日の衆議院予算委員会において、日米地位協定見直しについての協議機関設置の提起に関し、野田総理大臣は、「よく検討させていただきたい」と答弁されております。現在、民主党政権では、「日米地位協定の改定を提起する」としておりますが、政府からはいまだ改定の方針等が示されていないことから、県としては、引き続き軍転協や渉外知事会等とも連携しながら、沖縄政策協議会の米軍基地負担軽減部会等を通して粘り強く協定の見直しを求めてまいります。
 次に、防災対策についての御質問の中で、沖縄県地域防災計画の見直し作業の進捗状況についてお答えいたします。
 県におきましては、東日本大震災を受け、昨年9月中旬に取りまとめられた「沖縄県地震・津波想定検討委員会」の提言内容や、昨年12月末に見直しが行われた国の防災基本計画の修正内容等を踏まえ、沖縄県地域防災計画の見直し作業を進めているところであります。特に、本土から遠く離れ多くの離島が散在し、四方を海に囲まれた本県の特殊性を勘案し、地域や学校等における実践的な防災訓練、防災教育の充実、沿岸部の低地等における津波避難対策の強化、本土からの応援が到着するまでの自活体制の確立と、本島から離島等への迅速な応援体制の構築などにつき、これまで関係機関との連携のもと検討を進め、本年3月末を目途に津波避難対策の強化等に重点を置いた沖縄県地域防災計画の見直しを行う予定です。
 なお、国においてもハード対策等について、来年度以降も引き続き防災基本計画の見直しを図る予定であり、県におきましても、適宜来年度以降も沖縄県地域防災計画の見直しを図ってまいりたいと考えております。
 次に、県内の自主防災組織の取り組み状況と組織化に向けての対策についてお答えいたします。
 県におきましては、災害時の被害を最小限に抑えるためには、県や市町村の取り組みだけではなく、住民の防災意識の向上や地域ぐるみの防災活動が重要であると考えております。県内における自主防災組織は、地域の防災訓練への参加や住民の避難・誘導訓練の実施、炊き出し訓練の実施など、地域に根差した活動を展開しております。
 一方、県内組織の状況につきましては、平成23年4月1日現在、41市町村のうち17市町村で組織され、組織数は110団体、自主防災組織が組織されている地域の世帯率である組織率は8.9%であり、全国平均の組織率である75.8%に比べ著しく低い状況にあります。このため、県においては、自主防災組織の結成を促進するため、新たに昨年10月、約100名の参加者による自主防災組織リーダー研修会を開催するとともに、平成24年度には新規事業として、自主防災組織の核となる人材や消防団員の候補者を対象に防災研修を行う「地域防災リーダー養成研修事業」を予算計上しているところであり、今後とも各市町村等と連携し、自主防災組織の結成促進や活動支援を行ってまいります。
 以上でございます。
○企画部長(川上好久) 一括交付金についての御質問の中で、県・市町村の配分、取り組み方法、自主性を確立していく上での課題等についてお答えいたします。
 沖縄振興一括交付金1575億円のうち、ソフト事業に係る沖縄振興特別推進交付金803億円につきましては、継続事業200億円を除く603億円を、県分300億円、市町村分303億円とほぼ均等に配分しております。また、市町村間の配分につきましては、先日開催された沖縄振興市町村協議会において、市町村分303億円のうち約21億円を均等割とし、残る約282億円を市町村、職員等で構成するワーキングチームで作成した配分基準により配分することが決定されております。
 また、ハード事業に係る沖縄振興公共投資交付金771億円につきましては、そのほとんどが継続事業であることを勘案し、事業計画等をもとに県分463億円、市町村分308億円で配分したところであります。
 沖縄県としましては、沖縄振興一括交付金の活用により、沖縄の持続的な発展のための社会・生活基盤の整備に加え、産業や観光の振興、雇用の確保、離島の定住条件の整備、子育て支援など、これまでの国庫補助制度の枠組みでは対応できなかった県民ニーズを反映した施策を展開してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○文化観光スポーツ部長(平田大一) 観光政策についての中の、地域説明会、シンポジウムの取り組み状況及び今後の計画についてとの御質問にお答えいたします。
 統合リゾートに関する地域説明会については、昨年10月から1月にかけ、本島北部、中部、南部のほか、宮古及び八重山地域において計6回開催したところであります。説明会においては、統合リゾートをめぐる最近の動向、新たな「沖縄統合リゾートモデル」とその経済波及効果及びカジノ導入に伴う懸念事項への対策などについて説明を行った後、参加者と意見交換を実施してまいりました。また、2月8日に沖縄コンベンションセンターにおいて、「国際観光と統合リゾート」をテーマとしたシンポジウムを開催したところであります。
 県としましては、県民が統合リゾート導入の是非を判断するために必要な情報の周知や意見交換を目的として、今後も引き続きシンポジウム等を開催していく予定であります。
 同じく観光政策についての御質問の中の、シンポジウムで示された問題点、懸念事項とそれに対する県の対処策についてとの御質問にお答えいたします。
 シンポジウムにおいては、県内に統合リゾートを導入する際の問題点としまして、国際観光地としてのブランドの確立や、那覇空港を初めとした交通インフラの充実が急務であるとの意見が出されました。これらの問題点につきましては、「沖縄21世紀ビジョン基本計画(仮称)(案)」において、沖縄観光ブランドの形成に向けて自然・歴史・文化などを活用し、沖縄独自の付加価値の高い観光を推進するとともに、交通インフラの整備につきましても、那覇空港の沖合展開や国内外の航空路線の拡充などに取り組んでいくこととしております。また、懸念事項としましては、沖縄観光のイメージダウンにつながるのではないかとの意見や犯罪資金が持ち込まれる可能性があるのではないかなどの意見が出されましたが、統合リゾートは、沖縄観光の魅力を向上させ、世界じゅうから観光客を呼び込む可能性のある施設にしなければならないものと認識しており、仮に、統合リゾートを導入するとした場合に懸念されるあらゆる課題等に対しましては、厳格に対応できるよう、また、不安要素につきましても議論が深まりますよう、今後とも徹底した調査研究を行ってまいりたいと考えております。
 同じく観光政策についての御質問の中の、地域限定通訳ガイドの養成状況と計画についての御質問にお答えいたします。
 沖縄県において、外国人観光客に対し外国語で有償ガイドを行うことのできる通訳案内士142名のうち、県内のみで活動できる地域限定通訳案内士は98名であり、その内訳は、英語43名、中国語44名、韓国語11名となっております。地域限定通訳案内士の養成については、平成19年度から沖縄県において観光庁と連携し当該試験を実施しているところであり、今後とも継続して実施することにより人材の育成確保を図るとともに、制度の周知・広報を強化し、受験者の増大や有資格者の活用等を促進してまいります。
 一方、当該試験は語学の難易度が高く合格率が低い状況にあるため、外国人観光客が急増する中において、特に中国語の通訳案内士の確保が課題となっております。このため、国の沖縄振興特別措置法改正案においては、一定の語学力を有する者が研修等により通訳ガイドを行える「沖縄特例通訳案内士制度」が盛り込まれたところであり、県としましては、同制度の活用も図り、質の高い通訳ガイドを育成することにより、外国人観光客にも十分満足していただける受け入れ体制を強化したいと考えております。
 以上でございます。
○環境生活部長(下地 寛) 枯れ葉剤使用問題についての御質問の中で、汚染地域と推測される地域の調査についてお答えいたします。
 枯れ葉剤の問題につきましては、外務省は、米側から、改めて過去の記録を確認した結果として、当時米軍が枯れ葉剤を沖縄に持ち込んだことを示す資料は何ら確認できなかった旨の回答があったと発表しております。
 県におきましては、平成12年度から一般環境中における大気、水質及び土壌のダイオキシン類濃度の調査を実施するとともに、平成15年度からは基地周辺の河川の水質及び底質のダイオキシン類調査についても実施してきております。これまでの調査結果では、いずれの地点も環境基準を下回っております。
 県としましては、引き続き基地周辺のダイオキシン類調査を実施するとともに、情報収集に努めていきたいと考えております。
 次に、メジロの捕獲禁止についての御質問の中で、各市町村における飼育に対する意見書の採択状況等についてお答えいたします。
 県では、第11次鳥獣保護事業計画を策定するため、平成23年11月16日から1カ月間、パブリックコメントを実施しておりますが、メジロについての意見は寄せられておりません。一方、読谷村、西原町及びうるま市議会のほか、メジロ同好会などからメジロの愛玩飼養目的の捕獲を認めてほしい旨の陳情等がなされております。
 こうしたことから、県としましては、九州各県の動向調査を行うとともに、市町村の要望や陳情などを踏まえつつ、3月中旬に予定している沖縄県自然環境保全審議会の答申を受けて、メジロの愛玩飼養目的の捕獲許可の取り扱いを定めていきたいと思います。
 なお、市町村等からの意見につきましては、那覇市が1年間の猶予期間を、西原町が高齢者への配慮を、大宜味村、北谷町がこれまで同様、捕獲を認めるよう要望をしております。また、議会意見書としまして、読谷村、西原町、うるま市から、これまでどおり1世帯1羽の飼養ができるよう要望がなされております。
 以上でございます。
○農林水産部長(比嘉俊昭) 畜産業関連についての中で、放牧養豚による被害の状況及び今後の改善策についてお答えします。
 国頭村で養豚を営んでいる経営者の牧場は、畜舎がなく野放し状態で飼養されているため衛生状態が悪く、近隣の農作物にも被害が出ております。また、最近は当該牧場から豚が脱さくするようになり、公道に豚が出現しているため事故なども懸念されております。
 県としては、これまで経営者に対して現場指導及び文書指導を行ってきましたが、改善されていない状況にあることから、去る1月16日に県と村で話し合いを行い、2月末までに牧さくの設置などの脱さく防止策を講じることを指導し、同意を得たところであります。引き続き同経営者が適切な飼養管理をするよう、村及び関係機関と連携して監視・指導を徹底していきたいと考えております。
 次に、県内豚の放牧状況と条例制定についてお答えします。5の(2)と5の(3)は関連しますので一括してお答えします。
 県内の放牧形態の経営状況は、平成21年度には9戸、約1040頭でありましたが、平成23年10月現在では沖縄本島北部を中心に19戸、約1400頭が飼養されており増加傾向にあります。これらの放牧養豚経営については、飼養管理が十分守られていない状況もあり、脱さく、汚水などの苦情があることから、関係機関と連携して改善指導をしているところであります。さらに、県では放牧養豚に対する適正な管理を行う必要があることから、「放牧養豚に対する指導マニュアル」の作成を進めているところであります。
 なお、条例制定については、国や他県の状況を見ながら検討してまいります。
 以上でございます。
○教育長(大城 浩) 教育行政についての御質問で、泡瀬特別支援学校分校の進捗状況についてお答えいたします。
 特別支援学校編成整備実施計画(案)では、泡瀬特別支援学校の通学区域が広いこと等に伴う課題の解消に向け、中部地区に平成27年度をめどに分校を設置する予定としております。
 県教育委員会としましては、3月に予定している同計画の決定を受け、関係部局と協議を進め、設置に向けて取り組んでいきたいと考えております。
 次に、伊波城跡の整備計画についてお答えいたします。
 本城跡は昭和36年に琉球政府の史跡として指定され、本土復帰とともに県指定史跡となりました。本城跡の整備につきましては、うるま市が事業主体となって進めるものであり、城跡整備の基本構想等の策定に向けた基礎資料を得る目的から、平成元年度と平成13年度から15年度に遺構確認調査を実施したと伺っております。
 県教育委員会といたしましては、うるま市の意向を聞きながら、整備について指導助言していきたいと考えております。
 次に、福祉行政についての御質問で、総合こども園(仮称)の影響についてお答えいたします。
 本県は、歴史的な背景から、公立幼稚園の多くが小学校に併設され、幼小の交流が日常的に行われております。現在、国で検討されている総合こども園(仮称)は、市町村において複数年保育や保育機能の拡大、施設・設備の拡充等の条件整備が必要であると考えております。
 県教育委員会としましては、同制度の制度化に伴う影響について、市町村及び関係団体等と意見交換を重ねながら、国の動向を注視していきたいと考えております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(宮里達也) 総合こども園の制度化による本県の保育環境への影響についてお答えいたします。
 国は、本年1月末に、「子ども・子育て新システムに関する基本制度とりまとめ」において、学校教育・保育及び家庭における養育支援を一体的に提供する総合こども園(仮称)の創設などを示しております。国においては、税制抜本改革とともに、平成24年通常国会に関連法案を提出し、平成25年度から段階的実施を目指す予定としております。
 本県においては認可外保育施設が多く、公立幼稚園はほとんどの小学校に付設され、5歳児保育において重要な役割を果たしているなど、他の都道府県と異なる子育て環境にあることから慎重な検討が必要であります。さらに、新システムにおいては財源確保などの課題があることから、県としましては、市町村及び関係団体等と意見交換を行いながら、国の動向を注視してまいりたいと考えております。
 以上であります。
○病院事業局長(伊江朝次) 福祉行政についての御質問の中で、定数条例と現況との乖離に対する改善策についてお答えいたします。
 定数改正については、医療提供体制の確保や経営への影響等を考慮する必要があることから、今年度病院事業局内に人員体制検討チームを設置し検討を行ったところであります。具体的には、病院からの347名の増員要望について現場調査やヒアリング等を行い、増員の必要性や緊急性、人材確保の見通し、経営への影響等を総合的に検討し、病院長へも説明を行った上で、局として定数改正の考え方をまとめ、総務部との協議を経て111名の増員を行うこととしたところであります。
 以上でございます。
○商工労働部長(平良敏昭) 伝統文化の保存・継承と産業創出の取り組みについての御質問にお答えいたします。その中の、三線の伝統工芸品及び伝統工芸士の認定の取り組み状況についてお答えいたします。
 沖縄県では、三線の県伝統工芸製品への指定に向け、沖縄県三線製作事業協同組合と、手続や申請書の記述内容などの意見交換を継続的に行っており、現在、同組合には技法や工程、伝統的な型、製造事業者などに関する資料収集と整理を行い、申請書の作成を進めているところであります。同組合としては、3月に開催する組合の総会決議後に県への申請を行う予定としており、県としては、その申請を受け審議・検討を行い、平成24年度中に指定していきたいと考えております。また、三線技術者の県工芸士の認定につきましては、三線に関する認定基準を策定し、次年度から三線も対象品目とし、候補者の推薦を受けつけていく考えであります。
 同じく伝統文化の保存・継承と産業創出の取り組みについての御質問の中の、県産材質確保の取り組みについてお答えいたします。
 三線さおの主要な原材料である県産琉球黒檀は、現在、確保が困難な状況にあり、主に外国産を活用しているところであります。しかし、この外国産原材料についても、今後、輸出制限が強化される可能性があります。そのため、県では、イスノキなどの県産材を圧密加工し、琉球黒檀と同等以上の比重を有する代替材を開発し製品化したところであります。
 なお、この圧密加工代替材については、在庫県産材や外国産木材の調達がまだ可能なことなどから、その普及と県内外への販路拡大は今後の課題となっております。また、琉球黒檀の植林については、琉球古典音楽団体と関係自治体で取り組まれており、沖縄県三線製作事業協同組合においても、琉球黒檀の植林事業を検討しているとのことであります。
 次に、文化の継承と産業との共存への支援体制強化についてお答えいたします。
 紅型や織物、漆器、陶器等の伝統工芸は、産業として発展する過程で技術や技法の高度化が進み、すぐれた意匠の製品が生み出され、質の高い文化として継承されてきました。そのため、これらを発展させていくためには産業としての振興が重要であり、技術や技法の後継者育成に加え、伝統技術を生かした新たな製品開発の促進やその販路開拓、人材育成や製品開発等の拠点施設整備などについて、産地組合や試験研究機関、県立芸術大学、流通事業者等と連携し取り組んでまいりたいと考えております。これらの取り組みにより、本県の貴重な文化が継承されるとともに、伝統工芸などの文化資源を活用した文化産業の創出につながるものと考えております。
 以上でございます。
○山内 末子 一通り答弁ありがとうございました。
 まず、再質問の中で、一番最初に商工労働部長にお伺いいたします。
 三線につきましては、伝統工芸品、それから工芸士の認定につきまして、これは9月に提案をいたしましたが、その後、着々と認定に向けて取り組んでいただいていることに対しまして本当に心から感謝を申し上げます。この文化の保持・継承として称号を与えることというのは、やはりそのつくり手の皆さん方がそれぞれ切磋琢磨をしながらさらなる磨きがかかっていくという上では、その文化を継承していくという上で沖縄県の宝にますます磨きがかかるということですので、そういった観点から本当にますますの称号認定につきまして御努力をお願いいたしたいと思います。
 ところで、肝心のその原材料の確保につきましては、もちろん商工労働部長のお話にありましたように、本当にクロキ(黒檀)が戦争でほとんど消滅されましてほとんどが輸入に頼っていると。今、実際に県産品を使って、クロキ、県の琉球黒檀を使ってどれぐらいの県産品が使われているのか、その割合についておわかりでしたらお願いいたします。
○商工労働部長(平良敏昭) 残念ながら県産材と国外産の比率というのはデータは今のところ持ってございません。
○山内 末子 私、三線組合に聞いてみましたら、100%に近いものが輸入に頼っているんだと。そうなってきますと、やはりこれは沖縄の文化、それの産地が外国産だということは、これはもうこれからの文化を保持していくということで大分乖離が出てくるかと思いますので、今、代替材につきまして努力をしているということですけれども、クロキについては100年以上のものでないと製品として使われないと。そういうことですので、これはほかの材料でかわることもできるでしょうけれども、やはり専門家から言わせると琉球黒檀(クロキ)での製造というのが一番の沖縄の財産だということで、そういった観点からしますと、今、座喜味城址の近くで行っておりますが、それをちょっと見てみますと、3年の事業計画の中で、ほとんど雑草が生い茂っておりまして、この管理がどうなっているのかというような状況が生まれてきているんですよね。そういった観点から、やはりこのクロキ(琉球黒檀)をしっかりと確保していくということは、これは県の仕事としてやっていかなければならないんじゃないかというふうに思いますが、その辺についてもう一度お考えをお聞かせください。
○商工労働部長(平良敏昭) 沖縄の伝統的な三線、そういうものをきちんと守り、そして発展させていくという点では、やはり県産の琉球黒檀をしっかり植林していくということは大事だと我々も認識しております。これは関係各部と連携して取り組みをしなければなりませんし、市町村とも連携する必要があると思っております。ただ、問題は、本当に県産材料として使えるまでに議員御指摘のとおり100年ほどを要するということですので、県はイスノキなどの県産材を圧密加工して、琉球黒檀と同等以上の比重を有する代替材の研究開発して提供しているわけですが、まだやはり外国産材が調達可能ということでほとんどまだ活用されてないということで、あわせて琉球黒檀の植林と連携して、まず当面の間はそれをやっていく必要があると考えております。
○山内 末子 当面はそれでいいと思います。しかしながら、やはりこのクロキをきょう植えても100年後にしか製品にならないわけですから、ここにいるだれもがその事業を見届けることができないんですよね。一番若い大議員でも絶対できないですよ。だから、そういうことを考えますとやはりこれはしっかり取り組んでいかなければならない。きょうすぐにでも取り組んでいかなければならない事業だということを考えていただきたいと思います。何も無理して新たに土地を確保してその事業を進めるとかではなくて、例えば糸満の平和創造の森あたりに何かしらのクロキの里、クロキの森ですとか、それは農林水産部あるいはほかの課と連携をしながら、自然の森ですとかいろんなところで植林をしていくという事業ということも考えられるんですよね。そういった観点からぜひこれについてはしっかりと、今年度の一括交付金、これは沖縄県の特色を生かしてですので、戦争で焼却されたそのクロキを復活させる事業といたしましては、その事業と、そして沖縄県の文化、伝統を守っていく事業としてそういった予算の使い方もできると思いますので、そういった観点からも各課連携をしてしっかりと取り組んでいただきたいと思いますが、農林水産部長、どうでしょうか。
○農林水産部長(比嘉俊昭) 今のクロキにつきましては、森林計画の調査によりますと、県内に自生する黒檀は150ヘクタールで、おおむね4万本が点在するというふうに推定されております。また、本土復帰以降、造林事業によりまして6ヘクタール、3万本が造林をされております。さらに20年度から22年度にかけて読谷村と野村流古典音楽保存会が沖縄三線の伝統原料を確保する目的で、3年間で2590本のクロキを確保している状況でございますけれども、先ほど100年近い樹齢がないとなかなか使えないということでございますので、今現在、おおむねの話ですけれども、大体60年生以下の原料になっているということで、そういう意味では先ほどありましたように、そういう材も使えますし、今後またいろいろな事業で対応を検討する必要があるというふうに考えております。
○山内 末子 ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 それでは知事公室長、お願いいたします。
 まず、地位協定についてですけれども、この件につきまして、先ほど瑞慶覧議員からもありましたけれども、先日、米軍属の判決がありまして、1年6カ月の量刑が下されましたが、その不服申し立て、控訴をいたしております。被告からすると、これまでの中で免許停止5年間が一転して実刑になったということ。これに対して不服なんですけれども、これは我々からすると当然の量刑だとは思っておりますが、その皆さんたちからすると、やはり地位協定に守られているという感覚、その感覚があったがゆえにとても重い量刑に感じたんじゃないかというふうに思っております。そういう意味では犯罪とか事故を抑止していくためにも、地位協定の改定というものは絶対に必要になってくるということですよね。これを見てみますと、見直しだけではどんなことがあってもこれは全然解決にならないなというのがはっきりしたと思います。その件についてどうでしょうか。
○知事公室長(又吉 進) 今般の交通事故をめぐる一連の措置につきましては、いわゆる検察審査会の意見を受けた形で、初めて外務省において地位協定の運用改善が行われまして、公務中の軍属の引き起こした交通事故について日本側が裁判権を行使したということで、これは初めてのケースでありまして、それはそれで運用の改善につきましては一定の前進であったと考えております。しかしながら、今、議員がおっしゃったように、やはりこの地位協定の存在というものが――これは知事が何度も言っておりますが――米軍人のいわゆる犯罪等に対する非常に甘い認識等を生んでいるのではないかというそういう考え方もございます。いずれにいたしましても、県としましては、地位協定の運用の改善では不十分であり、その抜本的な見直しをしていただきたいということを言い続けることにしております。
○山内 末子 この件につきまして、25日の沖縄タイムスの報道によりますと、今回、米軍再編によりましてオーストラリアに海兵隊の一部が派遣されるということになりましたが、その中からやはりオーストラリアでもこの沖縄での犯罪が多くなっていること、多発についてはやはりこの地位協定の壁があって米軍優位になっているということでの犯罪が多くなっていることが懸念されているということで、これをしっかり調査をしていくというようなそういう報道が出ているんですよね。そういうことを考えますと、犯罪の抑止のためにも協定の改定というものは本当にこれはもう私たちは沖縄県民として、また日本国民としてしっかりと求めていかなければならないと思うんです。先ほどありました、総理は国会の中でも協議機関の設置に向けて大変前向きな答弁をしておりますが、きょう知事は総理とお会いして、何らかのそういった協議機関設置について、地位協定の改定に向けて総理からお話があったかと思いますが、その辺の内容とその感想について、どういう感想を持っているのかお聞かせください。
○知事(仲井眞弘多) 総理からは、今、議員おっしゃったように協議機関といいますか協議の場といいますか、そういうものを置きたい。その協議というのも日米合同委員会とか、これは渉外知事会で2年ぐらい前に一度やったことがあります。ですが、あれがそのまま途絶えているものですから、例えばああいう場を使ってその糸口を見つけるといいますか、そういう方向でやっていってはどうだろうかという御意見はありました。ぜひそれはやっていただきたいと。これは日米合同委員会は日米の両政府だけが入っているんですが、これに渉外知事会とかローカルのガバメントも参加する形でいろいろな基地に起因する問題、課題を解決するための場をつくろうと、こういう御提案だと思っております。私もそれは非常に結構なことなので、ぜひもう一度つくり直して進めていただきたいと申し上げました。
○山内 末子 これまで総理が3人目になりましたが、大分これは大きな前進だと思っております。これまで本当に改定を掲げて求めてきたことが協議機関ですとか合同委員会の中での協議ですとか、そういった形で一歩踏み込まれた形になっておりますので、ぜひ地位協定改定というのはもちろんこれは大きな目標ですけれども、ただスローガンだけを掲げながら改定せよ改定せよではなくて、しっかりと技術的なこと、作業をどうしていくんだというところを攻めていくというような意味ではこれからもしっかりと頑張っていただきたいと思います。公室長におきましては、本当にその改定を拒む理由ですとか、なぜ改定がなかなかうまく進まないのかというその拒む理由というのはいろいろあると思いますけれども、そういうものを全部検証しながら、しっかりと一つ一つ丁寧にこれからその協議の場が出てくるわけですから、ぜひしっかりと頑張っていただきたいと思います。
 それから続きまして公室長、枯れ葉剤の件ですけれども、今褒めましたが、ちょっと苦言を呈したいんです。日米両政府の中では本当にまだ退役軍人省の回答を待つとかそういったことに終始しておりますが、退役軍人省の中ではもうそれは退役軍人等を認定をしているんですよ。ということは公文書が出ているわけなんです。公文書というのは、これは我々の行政の中ではしっかりと見られる状況があるわけですから、何も政府にお願いをして、またそれを待っているとかではなくて、今現実に起こっているのはこの沖縄県内の本当に県民の命と財産、健康が危惧されているわけですから、そういう悠長なことを言っている場合ではなくて、できる作業はすべて自分たちでやってくださいよ。それが少し足りないと思っております。待つではなくて、ぜひこれはお願いをしたいと思います。
 休憩お願いします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後7時41分休憩
   午後7時41分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
○山内 末子 その退役軍人の中で、北部訓練場で仕事にかかわりながらそこで被害を受けたという方々の証言があるわけですよね。この間、私、行ってみました。そうしたら、その基地の跡、モータープールというんですか、そこの近くの森林の中が、これを見てください。(資料を掲示) 今、知事のほうに見せてありますが、周りはもう本当に雑草、雑林が生い茂っている中で、その地域だけがこのように草ひとつ生えてない状況がずっとあるということは地域の皆さんも心配をしているんです。専門家の皆さんからしても、そこを見てみるとなぜここの部分だけ、ここの地域だけこういったふうに草がひとつも生えてこないんだろうということの懸念があるわけですよね。北部の訓練場の近くでは、もう多様な在来種の奇形が多く出てきていることもあるもんですから、そういった意味でそういう事情があるわけですから、ぜひここは調査をしてください。これだけはっきりとしたものが出ているわけですから、調査についてもう一度お願いをいたします。
○環境生活部長(下地 寛) 環境調査につきましては、そこにそういう枯れ葉剤があったと、枯れ葉剤があることによってダイオキシンが混入するわけですけれども、そういうふうな場所が特定できない限りはそういう調査というのはやっても余り意味がないと思うんですけれども、そういう情報がしっかり入るように知事公室とも連携しながら情報収集には努めていきたいと思います。
○山内 末子 情報収集にしっかり努めると言って待っている状況ではなくて、積極的な情報収集をお願いしたいと思いますが、先ほど言いました元基地従業員の情報収集につきましては、沖縄県駐留軍離職者対策センターですとか、そういったところを利用することもできますので、そういったところについての取り組みをどう考えているかお聞かせください。
○知事公室長(又吉 進) 退役軍人省が補償を認めたということは報道で知っております。この報道には我々も注目をしておりまして、退役軍人省がいつ、いかなる形で、どういう根拠を持ってこの方々の被害を認めたかということにつきましては大変重大な関心を持っております。このことにつきましては防衛省を通じまして米側に問い合わせておりますけれども、今のところ回答は返ってきておりません。いずれにしましても、これは議員おっしゃるように、県民が不安を持つ事象でございますので、十分調査を求めていきたいと考えております。
○山内 末子 カジノについてですが、いつまで検証、それから検討を続けるんですか。
○文化観光スポーツ部長(平田大一) お答えいたします。
 現在、国のIR議連、これが上程されるかどうかというところがありますけれども、いずれにしましても、これまでの研究・検証する中で新たな研究すべき内容というのが少し見えてまいりました。1つは、やはり先ほど申し上げましたけれども、この沖縄独自のアートであるとかエンターテインメントのコンセプト、そういったものも含めしっかりもっと検証しなければいけないということ。それから、仮に導入をした場合、経済波及効果、これが本当にどれぐらいあるのかということをもっと分析しなきゃいけないんじゃないかと。それから懸念事項に対する対策なども、もう我が部だけではなくて、もう少し全庁的にしっかりとした検証をしなければいけないんじゃないかと。このようないろんなものが出てきておりますので、今後、県民のコンセンサスを得ることが前提になりますので、県民が判断できるような論点を示して整理していくこと、県としての説明義務を果たすことが義務だと思いますので、そういった意味で言うならば、それができるまでしっかり検証・検討を続けていきたいと思います。
○山内 末子 県民のコンセンサスはどのようにして図っていきますか。
○文化観光スポーツ部長(平田大一) この点に関しましてもこれまで種々申し上げてまいりましたけれども、まだどういう形で、どういう単位でそういった形でいわゆる地域・地方にこのIRの導入の形があるのか、まだ国のほうからも示されてない状態でございます。ですから、そういった形を見据えながら、それに沿った形で県民コンセンサスをとることになろうというふうに思います。
○山内 末子 法整備が今年度もされるような予定があると聞いておりますが、その国内の競争力にどう戦っていくんでしょうか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後7時46分休憩
   午後7時46分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 文化観光スポーツ部長。
○文化観光スポーツ部長(平田大一) まさしくおっしゃるとおりだと思います。国内のみならず、むしろ海外の観光客をどう入れていくか、非常にそういう面におきましては空港インフラの件、それからこの懸念事項に対する対策・対応、そういった部分はしっかりとやっていかなきゃいけないと思いますので、今後、研究・検討・検証していきたいと思います。
○山内 末子 知事、私たちも訪米をしたときに、もっともっと沖縄の声を聞きたいという議員が本当に多かったです。メールを下さいというような議員も多かったです。訪米でしっかりとその沖縄の声というものを示すということが、やはりこれは政府と協議することも大事ですけれども、そのことをしっかりと示していくことをぜひお願いをしたいと思います。この続きにつきましては6月議会でしっかりとやっていきたいと思いますが、帰ってきますので、待っていてください。答弁をお願いします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後7時48分休憩
   午後7時48分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) まだ次の訪米についてきちっと決めておりませんが、いずれにしましても年度明けたら県外へというのをどう効果的に政府に――アメリカ側ですよ――意思決定ないしはそういう方向を選ばせるかというと、かなり上のほうでないとどうもだめなんじゃないかという感じを私は持っております。ですから、ここはどういうふうに道筋をつけて話をするかをずっと今研究中ですから、お帰りになったころには方向が御報告できるかもしれません。
○山内 末子 ありがとうございました。
○議長(髙嶺善伸) 以上で本日の一般質問及び議案に対する質疑を終わります。
 本日の日程はこれで全部終了いたしました。
 次会は、明28日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後7時49分散会

 
20120105000000