平成23年(2011年) 第 6回 沖縄県議会(定例会)
第 4号 9月29日
 


○議長(髙嶺善伸) これより本日の会議を開きます。
 日程に入ります前に報告いたします。
 説明員として出席を求めた公安委員会委員長幸喜徳子さんは、別用務のため本日、30日、10月3日及び4日の会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として本日及び10月3日の会議に公安委員会委員安里昌利君、30日及び10月4日の会議に同委員会委員翁長良盛君の出席を求めました。
 また、説明員として出席を求めた選挙管理委員会委員長阿波連本伸君は、所用のため本日の会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として選挙管理委員会委員長職務代理者佐和田清君の出席を求めました。
 その他の諸報告については、お手元に配付の文書により御了承願います。
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   〔諸般の報告 巻末に掲載〕
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○議長(髙嶺善伸) 日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案から甲第3号議案まで、乙第1号議案から乙第17号議案まで、認定第1号から認定第23号まで及び諮問第1号を議題とし、質疑に入ります。
 質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
 大城一馬君。
   〔大城一馬君登壇〕
○大城 一馬 おはようございます。
 一般質問トップバッターでさせてもらいます。
 早速、通告に従いまして質問に入りたいと思います。
 まず、基地問題についてでございます。
 (1)、「沖縄クエスチョン」での知事発言について。
 ア、去る9月20日、ワシントン大学で開かれた有識者会議、いわゆる「沖縄クエスチョン」で、沖縄県知事として初めて米国で普天間飛行場の県外移設を求め、辺野古移設の日米合意見直しと普天間の固定化も無理と知事は明言しましたが、その発言は日米両政府にどういう影響を与えていると認識しているのですか、知事の所見をお伺いいたします。
 イ、レビン、ウエッブ、マケイン上院議員らが進めている米議会国防権限法は、普天間飛行場の名護市辺野古移設見直しを含めて嘉手納統合案を検討することが盛り込まれているとされていますが、このことにつきまして知事の所見をお伺いいたします。
 ウ、同日に日米外相会談で日米合意を進める方針を確認しております。知事の所見を求めます。
 エ、9月22日、オバマ大統領と野田総理の日米首脳会談が行われ、普天間飛行場についてオバマ大統領は、結果を求める時期に来ていると発言し、野田総理は、日米合意どおり名護市辺野古への移設を進めると表明しております。知事の姿勢を真っ向から否定する発言と認識しておりますけれども、知事の率直な御所見をお伺いいたします。
 (2)、辺野古域での防衛省の中江防衛事務次官が知事に辺野古への移設計画に基づく環境影響評価について、12月までに評価書を提出すると伝えたとされております。知事の認識をお伺いいたします。
 イ、手続的には来年6月ごろ、公有水面埋め立てを知事に申請するとなるようですが、明確に不許可を表明すべきではないでしょうか。知事の決意を示していただきたいと思います。
 次に、次期知事訪米についてでありますけれども、私どもは去る2月議会での代表質問の中で、次期訪米はオール沖縄、すなわち沖縄県、県議会、市町村長含めてオール沖縄で訪米要請すべきと提案しましたけれども、今回は知事が行かれまして大きな成果、効果があったと認識しております。今後、この訪米につきまして、まさにオール沖縄で行くことは考えられないかどうか、今後の対応についてお聞かせください。
 次に、基地問題解決に向けた今後の具体的な取り組みと知事の決意をお伺いいたします。
 新たな沖縄振興計画について。
 政府は、重点政策対象4項目の中でただし書きとして沖縄振興を含むと明記しました。所見を伺います。
 沖縄県が求めています3000億円の一括交付金については、制度設計が明記されておりません。実現に向けた県の対応についてお伺いいたします。
 次に、不発弾処理問題についてでございます。
 南風原町のサマリヤ人病院内での不発弾処理実施で多くの問題点が指摘されました。去る9月9日、南風原町議会での意見書で国に求めた事項、1、公共・民間工事を問わず磁気探査を義務化し、探査及び処理にかかる費用のすべてを全額国庫負担にすること、2、避難等による住民の経済的損失を補償すること、3、不発弾撤去を加速化する仕組みづくりを早急に図り実施すること、4、不発弾処理に関する法律を速やかに制定すること。
 以上の4事項について質疑がなされましたけれども、県の対応策についてお伺いいたします。
 県町村会長の城間俊安南風原町長は、次期沖縄振興計画に処理時の安全対策費も求めると表明していますが、県の対応をお伺いいたします。
 行政機関の対応の鈍さがマスコミ等で指摘されています。所見をお伺いいたします。
 次に、児童虐待対策についてでございます。
 (1)、県内の現状についてお伺いいたします。
 (2)、県の事業棚卸しについて、多くの指摘事項がなされております。
 ア、未然防止と早期発見対策についてお伺いいたします。
 イ、虐待者(親)の支援策についてお伺いいたします。
 ウ、県民への普及啓発の強化策についてお伺いいたします。
 次に、台風15号の被害についてでございますけれども、迷走の台風15号の影響は、南北大東島に2週間近く定期船が入港できず、村民生活に多大な影響が出ています。また、島の基幹作物でありますさとうきびへの塩害被害も懸念されております。
 (1)、大東島での被害状況についてお伺いいたします。
 (2)、支援策についてお伺いいたします。
 最後に6番目、県選管による選挙公報見送りについてでございます。
 (1)、来年6月の県議選挙での選挙公報見送り理由の説明を求めます。
 (2)、選挙公報は全国的に導入が広がっています。また、県内市町村でもその動きがございます。昨年、与那原町で初めて条例化されて、そしてことしの2月の豊見城の市会議員選挙で実施されております。そして来年11月には那覇市長選挙で導入されることが検討されているようでございますが、導入を見送った県選管の見解を求めるものでございます。
 (3)、県選管対応は有権者の知る権利、そしてまた、有権者に対する情報開示を阻害しているのではないかと思いますけれども、見解を求めたいと思います。
 以上でございます。
○知事(仲井眞弘多) おはようございます。
 大城一馬議員の御質問に答弁いたします。
 まず第1に、基地問題についての御質問の中で、「沖縄クエスチョン」の知事発言が日米両政府に与えた影響はどうかという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 今回の訪米におきましては、「沖縄クエスチョン」で有識者等に対しまして普天間飛行場移設問題を直接説明する機会を得ましたことや、レビン、ウェッブ、そしてマケイン米上院議員の皆さんと面談をし、辺野古移設は極めて困難で見直しが必要との見解が示されたことは、日米両政府の政策に一定の影響を与え得るものと考えております。
 次に、同じく基地問題に係る御質問の中で、日米外相会談及び日米首脳会談に関する知事の所見いかんという御質問にお答えいたします。1の(1)のウと1の(1)のエは関連いたしておりますので、恐縮ですが一括して答弁させていただきます。
 日米外相会談及び日米首脳会談では、これまでの日米両政府の方針が再度示されたものと受けとめております。普天間飛行場移設問題の原点は、同飛行場の危険性の除去であります。一日も早い移設・返還の実現が必要です。固定化は決してあってはならないと考えております。日米両政府におかれては、辺野古移設か普天間飛行場の固定化かという硬直した考え方ではなく、柔軟性を持って普天間飛行場の県外移設の可能性について追求すべきであると考えております。
 同じく基地問題に係る御質問の中で、今後の知事訪米についてという御質問にお答えいたします。
 アメリカ政府や連邦議会等の関係機関に沖縄県の実情を伝え理解と協力を求めることは、沖縄の基地問題の解決を進める上で重要であると考えております。
 今後の対応につきましては、効果的な訪米活動が実施できるよう、情報の収集や分析等に努めながら検討してまいりたいと考えております。
 オール沖縄での訪米につきましては、これまでの成果も踏まえ検討をさせていただきたいと思います。
 次に、新たな沖縄振興計画に係る御質問の中で、政府が重点化措置の対象4項目の中に沖縄振興を明記したことについての御質問にお答えいたします。
 野田総理は、去る9月13日の所信表明において、「沖縄の振興についても、積極的に取り組みます。」と述べておられます。また、9月15日の衆議院代表質問において、「来年度以降の新たな沖縄振興策については、沖縄の優位性や潜在力を生かした自立的発展につながるよう、しっかりと検討してまいりたい」と答弁しておられます。平成24年度予算の概算要求組替え基準における記述は、沖縄振興に積極的に取り組む政府の姿勢を示したものと理解をいたしております。
 その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 基地問題についての御質問の中で、米議会の法案内容についてお答えいたします。
 米国の国防権限法案に、辺野古移設見直しと嘉手納統合案を検討することが盛り込まれているかは現在のところ明確ではありませんが、日米両政府は、日米合意に基づき普天間飛行場の辺野古移設を推進するという方針でございます。
 一方、今回の訪米において、レビン、ウェッブ、マケイン米上院議員らと知事が面談した際に、辺野古移設案は極めて困難であり見直しが必要との見解が示されており、米議会において柔軟な考え方も出てきているものと認識しております。
 県としましては、嘉手納統合案につきましては、嘉手納飛行場周辺市町村は現在でも過重な基地負担を強いられており、さらに負担が増加するような案は断じて受け入れることはできません。
 次に、環境影響評価書及び埋立申請に対する知事の認識についてお答えいたします。1の(2)のアと1の(2)のイは関連しますので一括してお答えいたします。
 9月1日、中江防衛事務次官は、去る6月に県が提出したオスプレイについての質問文書に回答する目的で来庁されました。この中で、その他の基地問題についてもさまざまな意見交換を行いましたが、環境影響評価書や埋立承認願書の提出される時期等について政府から明確な方針は示されておりません。
 県としましては、地元の理解が得られない辺野古移設案の実現は事実上不可能であり、一日も早い普天間飛行場の県外移設・返還を求める考えに変わりはありません。
 次に、今後の具体的な取り組みについてお答えいたします。
 県は、これまで軍転協や渉外知事会等とも連携し、訪米を含むあらゆる機会を通じて騒音を初めとする基地負担の軽減や米軍基地の整理縮小を求めてきました。また、米軍基地負担軽減部会において沖縄の基地負担の軽減に向けた議論が行われているところであります。さらに、今後取り組む総合的安全保障の研究の中で、基地問題の解決促進に向けた効果的な方策についても検討する等、軍転協とも連携しあらゆる機会を通じ基地問題の解決を政府に対して求めてまいります。
 次に、不発弾処理問題についての御質問の中で、不発弾処理に係る南風原町議会の意見書への対応についてお答えいたします。
県は、不発弾処理につきましては、戦後処理の一環として国が責任を持って取り組むべきものと考えております。
 意見書につきましては、まず1点目、磁気探査の費用につきましては、公共工事における磁気探査に加え民間工事の磁気探査については、現在も広域探査発掘加速化事業において実施しているところでありますが、さらなる促進のため、県においては、新たな沖縄振興に係る国への制度要望として、民間が行う開発等における磁気探査費用の全額国庫負担制度の創設を要望しているところであります。2点目、避難等による住民の経済的損失の補償については、現在のところ国の補助対象となっていないため、県としましては、今回の事例を踏まえ、市町村と連携し、補償費用のさらなる拡充について引き続き国に要望してまいりたいと考えております。3点目ですが、不発弾処理の加速化については、県において平成22年度に「沖縄不発弾等対策中期プログラム」を策定するとともに、予算面においても本年度の不発弾磁気探査の国庫補助予算額が大幅に増額されたところでございます。4点目、不発弾処理に関する法律の制定につきましては、県としましても、法整備のあり方を含めた対応について引き続き検討しているところでございます。
 次に、次期振計における不発弾処理に係る安全対策費の対応についてお答えいたします。
 県におきましては、新たな沖縄振興に係る国への制度要望として、民間が行う開発等における磁気探査費用の全額国庫負担制度の創設を要望しているところであります。今回の南風原町サマリヤ人病院における不発弾処理においては、土のうやライナープレート等の防護壁の設置及び撤去に要する費用に加え、病院のガラス窓の防護対策として実施した畳やパネルの設置費用についても新たに国の交付金の対象と認められたところであります。
 県としましては、市町村と連携し、不発弾処理に係る安全対策費など補償費用のさらなる拡充について、引き続き国に対して求めてまいります。
 次に、南風原町の不発弾処理における行政機関の対応の鈍さへの指摘についてお答えいたします。
 今回の南風原町サマリヤ人病院における不発弾処理につきましては、7月25日の不発弾発見後、直ちに南風原町は自衛隊等関係機関と処理方針等について協議を開始し、その後、重病患者など避難困難者の対応等については、8月24日に南風原町「不発弾処理対策協議会」が開催され、8月26日には「沖縄不発弾対策協議会連絡会」、9月2日の「沖縄不発弾等対策協議会」において、国・県・市町村等の関係機関のほか、病院関係者の意見も踏まえ院内避難の方針が確認されたところであります。また、沖縄総合事務局により「沖縄不発弾等対策協議会」要綱が改正され、実務担当者による連絡会が開催され対応方針について検討されるなど、不発弾処理における関係機関の協力体制は適切に実行されたものと考えております。
 以上でございます。
○企画部長(川上好久) 新たな沖縄振興計画についての御質問の中で、沖縄振興一括交付金の実現に向けた対応についてお答えいたします。
 去る9月20日に閣議決定された平成24年度予算の概算要求組替え基準において、新たな沖縄振興政策が日本再生重点化措置の対象分野とされたことや、「沖縄振興予算については、一括交付金に関する地元の要望を十分に踏まえ、予算編成過程において検討する。」とされたところであります。
 沖縄県としては、今後の予算編成過程において沖縄の要望を踏まえた沖縄振興一括交付金の制度設計がなされるとともに、新たな沖縄振興に必要な額が確保されるよう、県民各界各層、議会、市町村の御協力を得ながら、引き続き国に対して働きかけてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(宮里達也) 児童虐待の県内の現状についてお答えいたします。
 県の児童相談所が対応した児童虐待相談処理件数は、平成19年度440件、20年度408件、21年度435件、22年度420件となっており、年度により増減はありますが、高どまりの状況にあると考えております。また、平成22年度に市町村が処理した児童虐待相談処理件数は680件で、児童相談所と市町村を合わせた件数では1100件となっており、前年度の1138件から38件の減少となっております。
 続きまして、児童虐待の未然防止と早期発見対策、県民への普及啓発の強化策について、4の(2)のアと4の(2)のウは関連しますので一括してお答えします。
 事業棚卸しにおいて、児童虐待防止を図るには親や社会全体への意識改革、周知、啓発とともに広報の充実を図ることが必要とされたところです。今後は、児童相談所と関係機関の連携をより強化するとともに、市町村要保護児童対策地域協議会の設置促進、運営支援を行うなど、児童虐待の未然防止と早期発見に向け児童及び保護者へのきめ細かい支援を強化してまいります。また、児童虐待の通告義務等の周知について、マスコミ等を積極的に活用するとともに、講演会の開催、ポスターの掲示やチラシ等の配布など、県民に対する広報啓発の充実を図ってまいります。
 続きまして、虐待した親への支援策についてお答えします。
 事業棚卸しにおいて、虐待に対するケアだけでなく親への支援についてきめ細やかな対応を行う必要があるとされたところです。児童相談所においては、親子関係の再構築を目的に、虐待を行った親に対し親子の適切なかかわりについて適宜指導を行っているところでありますが、これらの指導をより効果的に行うため、親支援プログラム等も参考にしながら、親支援の取り組みを充実させていきたいと考えております。
 以上であります。
○農林水産部長(比嘉俊昭) 台風15号の被害についての中で、大東地方における台風15号の被害状況と支援策についてお答えいたします。5の(1)と5の(2)は関連いたしますので一括してお答えいたします。
 大東地方における台風15号の被害は、9月21日現在、さとうきびで倒伏や葉片裂傷などにより約8600万円と見込まれております。
 県といたしましては、収穫への影響を最少限に抑えるため、関係機関と連携しながら、根の露出や根離れの対策のため、土寄せなどの栽培管理の指導を実施しております。また、農業共済の加入農家については、損害評価後に農業共済金が支払われることになっております。さらに、農家の経営安定を図るため、農業制度資金等の償還猶予を行うとともに、農林漁業セーフティネット資金借り入れに係る利子助成を行うこととしております。
 以上でございます。
○選挙管理委員会委員長職務代理者(佐和田 清) おはようございます。
 大城一馬議員の御質問にお答えいたしますが、本日は委員長が別用務のため本会議に出席できませんので、甚だ僭越ではございますけれども、かわりに委員長職務代理者の私、佐和田からお答えをさせていただきます。
 御質問は3項目でございますので、順次お答えをしたいと思います。
 まず、選挙公報の見送りについてお答えいたします。
 県議会議員選挙において、選挙運動の一つとしての選挙公報を発行するかどうかは、従来から行われている選挙運動との関連や選挙公報を発行することによる投票率の向上など、啓発効果についても当委員会において総合的に検討してまいりました。
 県議会議員選挙における選挙運動については、従来からも新聞広告、はがきによる選挙運動に加え新聞報道等の実態からして選挙公報で示される候補者の氏名、経歴、政見等はカバーされているものと考えております。選挙公報を発行することによる啓発効果については、各都道府県あて照会した調査結果に基づきますと、選挙公報公布後も投票率が低下した都道府県が多く、効果は限定的であると思われます。
 なお、国会でインターネット等を利用した選挙運動に関する公職選挙法の改正が議論されている状況にあること等にかんがみ、選挙公報の発行については今後の状況を見きわめながら引き続き検討してまいりたいと考えております。
 次に、選挙公報の全国、市町村導入の広がりについてお答えをいたします。
 選挙公報は、国政選挙及び知事選挙においては選挙運動の一環として、義務制選挙公報として公職選挙法でその発行が規定されております。一方で、都道府県の議会議員選挙における選挙公報は、任意制の選挙公報として当該団体の自主的な判断にゆだねられ、選挙運動に選挙公報を加えるかどうかを判断することになっております。都道府県議会議員選挙については、選挙公報に係る条例を制定しているのは、現在47都道府県のうち36都道府県となっておりますが、県内の市町村の選挙については、豊見城市と与那原町が制定していることは承知いたしております。
 次に、有権者の知る権利の阻害についてお答えをいたします。
 選挙公報には候補者の氏名、経歴、政見等を掲載することになっております。選挙公報の内容については、立候補受け付け後、候補者自身で行う選挙運動の中で公表されること、選挙期日告示の翌日には候補者の氏名、本籍、住所、生年月日、党派、職業が選挙長により告示されること、県内の各投票所においても氏名及び党派名を掲示されること、県議会議員選挙時に県内のマスコミ等により候補者についての記事が取り上げられていることなどから、県議選においては選挙公報を発行しないことにより候補者の情報の量が低くなることは少ないと考えております。
 以上であります。
○大城 一馬 まず最初に基地問題、主に「沖縄クエスチョン」での件について質問をさせてもらいたいと思います。
 きのうの私ども会派の代表質問で瑞慶覧功議員から、今回のこの「沖縄クエスチョン」での知事発言、評価をするという表現をしております。まさにそのとおりでございまして、やはり今回、知事が米国でしっかりと県外移設を訴えた。そしてまた、普天間の固定化も無理だということを訴えた。これは、やはり地元のワシントン・リポート誌の記者も知事発言をこういうように評価しています。すごく明確なメッセージだったという表現で見ておりますけれども、私はやはり今回の知事訪米は、先ほど冒頭で申し上げましたように大きな成果があったということを評価し、そしてまた、私自身認識をしているところでございます。この中で、知事は沖縄の状況を無視した辺野古への強行は全県的な激しい基地運動につながると、これまたかつてない強い調子の発言でございました。
 さらにまた、きのうもこれまた出ましたけれども、沖縄県知事が、とりわけスタンスの違う保守的な政治家が、ブルドーザーと銃剣という表現を米国内で使ったということは、私ども会派の中でもすごいことを知事は発言をしているというような話も出ております。
 そういう意味では、私はやはり昨年の知事の普天間の県外移設の表明から今日まで、一歩一歩この問題解決に知事が真っ向から強い意思で、決意で取り組んでいるというふうに思っております。ただ、地元の県知事のそういう思いとは裏腹に、同じ日、日本の外務省・外務大臣、そして我が国の総理が日米合意の推進と、全く知事の意思、決意をないがしろにするようなことをニューヨークで発言している。このことは、私は新聞報道で見る限りは、県民も非常にこのことについては憤りを感じているというふうに思っております。
 きょうは質問ではなくて、しっかりと知事、これからも県民の先頭に立ってどんどん引っ張っていただきたいということを激励して、この件につきましては質問は終わらせてもらいたいと思います。
 そして、次期訪米も先ほど私ども会派から申し上げましたように、ぜひそのことも実現していただければと思いますけれども、今、我が会派のメンバーから知事の決意という助言がありますから、改めてこの基地問題解決に対する、とりわけ普天間の名護市辺野古への移設問題に関しまして知事の再度の決意をお聞かせください。
○知事(仲井眞弘多) 特に普天間基地につきましては、一日も早い移設返還の実現、そして跡利用への着手を私は強く決意しているところでございます。
○大城 一馬 次に、県選管にお伺いします。
 佐和田職務代理者は市町村課長ですか、そうですか、事務局長ですか……。
 昨年の10月以来、マスコミ等でいろいろとこの件につきまして報道がございました。正直なところ、私も長い間議員生活をしておりますけれども、こういった制度がつくられるということは残念ながら不徳のいたすところでございまして反省しているわけでございますけれども、先ほど佐和田さんがおっしゃっているように、もう全国的には36都道府県、そして古いところでは昭和25年から大阪府でこの制度がつくられていると。そして直近でも去年の統一地方選挙ですけれども、大分やあるいはまたもう1県、2県の県が導入したと。やはり今、投票率というのは残念ながらいろんな要素が絡み合いまして全国的にも下がる傾向になっております。そういう中でもやはり大分県を初めとして2つの県が直近でこの制度をつくったことに関しましてどうとらえますか。
○選挙管理委員会委員長職務代理者(佐和田 清) 大城議員の再質問にお答えをいたします。
 ただいまの御質問は宮崎県、それから大分県、愛媛県、この3県の公報導入についての御質問だと理解をいたしております。
 公職選挙法第172条の2により、都道府県の議会議員選挙における選挙公報は、任意制選挙公報として当該団体の自主的な判断にゆだねられていることは御案内のとおりであります。当該3県においては、それぞれの地域の事情等を踏まえて判断されたものと思われます。
 以上です。
○大城 一馬 これは、県選管は先ほども佐和田さんが答弁しておりますけれども、費用対効果、このことが大きなポイントで発行を見送るというような判断をなさっていると私は思っておりますけれども、私はこういういわゆる有権者に、県民にそれぞれの政治家、候補者が政策を訴えて政策を知らしめる、そして有権者もそれをもとに知る。先ほど選挙運動ではがきがあるんじゃないかと、あるいは新聞広告があるんじゃないかと、あるいはマスコミ等で取り上げているんじゃないかといっても、それは一部なんですよ。マスコミでもそんなに詳しくは取り上げませんよ、政策などでも。そしてはがきでも、これはみずから候補者がはがきをつくりますから、自分のそういう宣伝のためにしかはがきはつくりませんよ。やはりこの選挙公報というのは、一読して一目で候補者のいわゆる政策が比較検討できる。だからこそどんなに投票率が下がっても選挙公報の意義、発行する意義があるということで全国都道府県ではほとんどの県が導入しているわけです。豊見城でも、先ほど紹介しましたように2月に発行しております、こういう公報が。(資料を掲示) これを見ますと、やはり多くの人数なんですけれども、やはりしっかりと
候補者の違い、政策の違いが判断できるということで、私はやはりこれは絶対に必要だと。費用対効果から何ゆえ県選管が果たしてこういう……、総務部が金がないと言えばわかりますよ。選管自身が本来、選挙の啓発運動を皆さん方は毎年やっているじゃないですか、約600万使っていますよ。それも毎年毎年県議選挙はずっと投票率は低下しています。これは無駄なんですか。費用対効果ないんですか。
○選挙管理委員会委員長職務代理者(佐和田 清) お答えいたします。
 先ほども申し上げたとおり、やはり若年層の投票率アップにつなげるためにもやらなくてはならないということはありますけれども、もう繰り返しになりますが、現在、国会でインターネット等を利用した選挙運動に関する選挙公報の改正が議論されている最中であります。繰り返しになりますけれども、その状況等も見きわめながら引き続き検討してまいりたいというふうに考えております。
○大城 一馬 国会でのインターネットのどうのこうのと言うのもいいんですけれども、やはり一般有権者もこういう形で発行されれば、おのずから皆さん判断しますよ、見ますよ。まだ6月まで時間がありますから、費用対効果と言わずに、一連の選挙啓発運動としてぜひ実現させてください。もう一度決意を伺います。
○選挙管理委員会委員長職務代理者(佐和田 清) お答えいたします。
 繰り返しになりますけれども、国会でインターネット等を利用した選挙運動に関する選挙公報の改正が議論されている状況にあります。このことにかんがみて、今後の状況を見きわめながら、引き続き検討してまいりたいと、こう考えます。
○大城 一馬 どうもありがとうございました。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午前10時50分休憩
   午前10時50分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 西銘純恵さん。
   〔西銘純恵さん登壇〕
○西銘 純恵 おはようございます。
 日本共産党の西銘純恵です。
 一般質問を行います。
 1、浦添市内の場外舟券発売場の設置問題について。
 (1)、浦添市内で、「公営ギャンブル」の場外舟券発売場の設置のために業者が暗躍し、出所不明の文書が何通も自治会長に送りつけられる不穏な動きがあり、市民から不安の声が上がっています。実態を調査し対策をとることについて。
 (2)、沖縄県内における1998年以降の競輪、競馬、競艇の場外券発売場の設置の動きは何カ所であったのか。それを組織的に推進している団体がありませんか。
 (3)、観光客のアンケートによると、青いサンゴ礁の海と豊かな自然が沖縄観光の魅力になっています。ギャンブル場の設置は県民生活においても観光の振興でも阻害要因です。県は、場外舟券発売場の設置を認めない立場で監視をして、設置させないための対策をとるべきではありませんか。
 2、教育行政について。
 (1)、小中学校と県立学校のことし4月に本採用となった教員の数、そのうち前年度採用試験合格者と採用待ちをしていた待機合格者のそれぞれの人数について。また、来年度採用予定の待機合格者は何人いますか。今年度の採用試験合格者数について。定数内臨時教員をすべて本採用にするための計画を伺います。
 (2)、放射能汚染が深刻になっているが、県が放射能測定機を確保して学校給食の食材の放射線量の測定を行い県民に公表すること、及び安全な学校給食を確保することについて。
 (3)、幼稚園のクラス定員を25人以下に引き下げること。定数内の非正規教員の人数と割合及び正規教員にして幼稚園教育を向上させることについて。
 3、住宅行政について。
 (1)、次年度から新たな「沖縄県住生活基本改築計画」がスタートするが、老朽化した県営住宅の改築計画と県営神森団地の改築計画をお尋ねします。
 (2)、県営住宅の入居契約で、連帯保証人の年収200万以上を引き下げたりするなどの保証人要件を緩和すること、及び高齢者住宅財団を保証会社として契約条件を整備することについて。
 4、福祉行政について。
 (1)、県民所得は全国の70%、失業率が2倍の沖縄県で保護世帯が増加しています。沖縄県の保護率は幾らですか。全国平均と比べてどうなっていますか。不安定雇用などで半数が年収200万円以下の働く貧困層・ワーキングプアとなっています。憲法25条の生存権を保障する国の制度として市町村の財政負担をなくすよう国に求め、当面県も支援をすべきではありませんか。また、医療費の一部負担など生活保護の改悪の動きがあるが反対を要請すべきではありませんか。
 (2)、仕事や住宅を失ったり、離婚や病気など、県民の苦しみを解決するためのワンストップの総合相談支援センターを県が創設すること。また、国のモデル事業としてスタートしたパーソナル・サポート事業を継続させることについて。
 (3)、高齢者などが病院に通院をするための交通費を生活保護で支給することについて。
 (4)、母子などのひとり親世帯は子供の保育園の送迎や病気など、健康で文化的な生活をする上で車は欠かせません。生活保護でも車の保有を認めることについて。
 5、保育行政について。
 (1)、待機児童は減っていますか。昨年と今年度の比較について。待機児童を解消するための保育所の増設計画は現在の倍以上にふやすべきではありませんか。
 (2)、認可外保育園の給食支援として、牛乳、米が現物支給されているが、給食費補助金の制度にして拡充すべきではありませんか。
 (3)、認可外保育園の施設改修の実態、県の調査で必要とする保育園に利用されましたか。未改修園は何カ所ありますか。改修計画について。
 6、希望するどの子も学童保育所に入所できるように、県が補助をして母子・父子世帯や所得の低い世帯の保育料の減免を実施すること。また、沖縄県学童保育支援センター事業を継続することについて。
 7、国保法44条に基づく医療費の減額免除を国保税の滞納世帯を認めていない市町村は何カ所ありますか。県が援助して早急に改善することについて。
 8、羽地苑の問題について。
 (1)、名護市が羽地苑の入居者に対する虐待調査を行っています。同一職員が2度にわたり虐待をしているとのことだが、虐待の実態と県の対応について伺います。
 (2)、羽地苑が書類を改ざんしたことに対して、名護市は介護保険法第77条第1項6号の「虚偽の報告」だと県に報告しているようだが、報告内容と県の処分について。特別監査を行うべきではありませんか。
 9、米軍施設や新基地建設への県の対応について。
 (1)、米軍牧港補給基地内への取りつけ道路を最初の設計を変更して古い米軍郵便局にかかるようにしたのはなぜですか。
 (2)、県民の税金で基地内の米軍郵便局を移転補償して新築するのはなぜですか。米軍から指示があったのですか。建設費は幾らですか。建設を中止すべきです。
 (3)、知事は、浦添新軍港建設のための1億7300万円の環境アセス予算の執行をやめるよう政府に要請すべきではありませんか。
 10、米軍牧港補給基地で枯れ葉剤などの大量の毒物による汚染が報道されたが、撤去されたかどうか。過去に何度か土壌や海浜の汚染問題が発覚したが、どのような汚染物資が、どれだけ漏出したのか。被害内容と除染の有無について、貯蔵物資の履歴を公表すべきです。
 11、10月から見直しされる子ども手当の県民への影響額及び高校授業料の無償化が見直しをされた場合の負担額についてお尋ねします。
○知事(仲井眞弘多) 西銘議員の御質問にお答えいたします。
 まず第1に、住宅行政についての御質問の中で、県営住宅の改築計画と神森団地についての御質問にお答えいたします。
 県営住宅の建てかえにつきましては、老朽化した大量の公営住宅の効率的かつ円滑な更新を行い、公営住宅の需要に的確に対応するため、平成23年度に「沖縄県公営住宅等ストック総合活用計画」を策定をし、同計画に基づき順次建てかえ等を行うことといたしております。
 県営神森団地につきましては、同計画において建てかえとして位置づけております。県は、現在、「県営神森団地再生計画」におきまして、建てかえに向けた設計条件の設定や、仮移転先についての入居者の意向調査を進めております。平成24年度は「建替団地基本設計」を実施していきたいと考えております。
 次に、福祉行政に係る御質問の中で、ワンストップの総合相談支援センターを県が創設することについての御質問にお答えいたします。
 失業や住宅喪失等の生活に関するさまざまな相談に対応するためには、ワンストップで相談、そして支援できる総合相談機能の充実が求められております。このため、平成21年12月には、ハローワークや福祉保健所等の関係機関が連携をして、「ワンストップ・サービス・デイ」を実施し、このほか「くらしイキイキ無料相談会」などを各地で実施してまいりました。
 県といたしましては、今後とも総合相談機能の充実に向けまして関係機関との連携強化を図りながら、効果的な事業実施に努めてまいりたいと考えております。
 次に、保育行政に係る御質問の中で、待機児童と保育所整備計画についての御質問にお答えいたします。
 安心こども基金及び待機児童対策特別事業基金を活用した保育所整備や認可化の促進等を図ったことによりまして、平成23年4月1日現在の保育所定員数は、前年度に比べまして1719人増加いたしております。その一方で、待機児童数は、前年度に比べ615人ふえております。
 待機児童が増加した要因といたしましては、保育所利用のニーズが高まりつつあることや、保育所整備が進んだことによりまして潜在的待機児童が顕在化したことなどが考えられます。
 県といたしましては、次期振興計画の期間中に潜在的待機児童も含め、待機児童の解消を図ってまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁させていただきます。
○文化観光スポーツ部長(平田大一) 議員御質問の、浦添市内の場外舟券発売場の設置問題についての中の、場外舟券発売場に対する対策についての御質問にお答えいたします。
 場外舟券発売場につきましては、モーターボート競走法に基づき国土交通省が所管をしており、設置については大臣の許可が必要となっております。また、設置許可の申請に係る手続においては、「当該場外発売場の所在する市町村の自治会の同意」や、「市町村の長の同意及び市町村の議会が反対を議決していないこと」などを証明する書類が必要とされております。そのため、設置等に関し県が直接関与する立場にはありませんが、本件について浦添市に確認をしたところ、現時点において情報収集を行っている段階であり、県としましては、今後ともその推移を見守っていきたいと考えております。
 次に、競輪、競馬、競艇の場外券発売場設置に係る動きについてとの質問にお答えいたします。
 1998年(平成10年)以降、競輪については南城市、競馬については豊見城市、競艇については那覇市及び浦添市において、場外券売り場の設置の動きがあったとの報道などにより承知をしているところでありますが、県内における競輪、競馬、競艇などの場外券売り場の設置や、組織的に推進している団体等について、沖縄県は所管をしていないため把握をしておりません。
 同じく浦添市内の場外舟券発売場設置問題についての中の、場外舟券発売場に対する対策についてお答えいたします。
 場外舟券発売場の設置許可申請については、国土交通省通知により「当該場外発売場の所在する市町村の自治会の同意、市町村の長の同意及び市町村の議会が反対を議決していないこと」が必要とされております。そのため、県としましては場外発売場の設置について、基本的には所在する市町村において判断するべきものであると認識をしております。
 以上でございます。
○教育長(大城 浩) 教育行政についての御質問で、教員の採用状況と今後の計画についてお答えいたします。
 平成23年度新規採用者数は、487名となっております。そのうち、小中学校の採用者数は358名で、112名が平成22年度合格者数、246名が継続登載者数となっております。また、県立学校の採用者数は129名で、47名が平成22年度合格者数、82名が継続登載者数となっております。平成23年9月1日現在の継続登載者数は、124名となっております。今年度の最終合格者につきましては、選考の途中でありまだ決定をしておりません。
 今後は、児童生徒数の増減等に伴う教職員定数や退職者数、定数改善計画などの国の動向、他県の状況等を踏まえながら、当分の間、平成23年度と同程度の採用数となるよう臨時的任用教員の割合改善に向けて年次的に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、学校給食食材の検査と安全確保についてお答えいたします。
 本県の市場に流通している県産農水産物に対しては、環境中の放射性物質モニタリングを通して食品の検査を実施する体制がとられております。また、学校給食食材への放射線量の測定等は、関係部局等と連携し、安全な学校給食食材の確保に努めてまいります。
 次に、学級定数と職員配置の改善についてお答えいたします。
 国の幼稚園設置基準によりますと、1学級当たりの幼児数は35人以下を原則としており、各市町村は実情に応じて学級定数を定めております。平成23年度5月現在の県内公立幼稚園239園における正規採用教員は508名、臨時的任用教員は248名で32.8%となっております。
 県教育委員会としましては、「沖縄県幼児教育振興アクションプログラム」を通して、市町村に対して新規採用の拡大と職員の待遇改善を促しているところであります。また、国に対しては、地方交付税措置の充実について要望しているところでございます。
 次に、子ども手当及び高校授業料無償化の見直しについての御質問で、高校授業料無償化の見直しについてお答えいたします。
 高校授業料の無償化が見直された場合の負担額は、見直しの方向性や内容が明らかとなっていないため、今後の国の動向を注視し適切に対応してまいります。
 以上でございます。
○土木建築部長(当間清勝) 住宅行政についての御質問の中で、県営住宅の連帯保証人の要件等についてお答えいたします。
 県営住宅の入居者については、毎月所定の家賃を県に納めることとなっておりますが、入居者が家賃を滞納した場合、県は連帯保証人にも請求することになります。連帯保証人の要件としては、入居者の家賃滞納分を支払うために一定の収入が必要であることから、年収を200万円以上としております。なお、高齢者住宅財団による家賃等の債務保証の対象は、「高齢者の居住の安定確保に関する法律」第11条において「公営住宅であるものを除く」とされております
 県としましては、今後この件について同財団と調整を図っていきたいと考えております。
 次に、米軍施設や新基地建設への県の対応についての御質問の中で、米軍牧港補給地区の取りつけ道路の変更についてにお答えいたします。
 港川道路から牧港補給地区への当初計画における取りつけ道路の位置は、基地内の地形や建物位置、国道58号との交差点間隔を踏まえて計画したものであります。しかしながら、米軍との交渉の中で、計画した取りつけ道路予定地内に移設が困難な米軍施設が存在していることから、米軍との協議により現在の位置に変更したものであります。
 同じく郵便局の移設補償についてお答えいたします。
 道路整備に伴い、公共施設が支障となることから、「沖縄県の公共事業の施工に伴う公共補償基準」に基づき、道路事業者が補償を行うものであります。港川道路の整備に当たり、既設取りつけ道路の移設のため、郵便局の移設補償が必要となったもので、牧港補給地区の一部返還に当たっての条件となっております。また、郵便局の建設費は、建築工事、電気工事、機械工事を合わせて約8億円となっております。
 県としましては、港川道路の整備を実施するために必要な公共補償費と考えております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(宮里達也) 沖縄県と全国の生活保護率についてお答えいたします。
 平成23年5月の沖縄県の保護率は、21.20パーミルとなっており、全国平均の15.9パーミルに比べて5.3ポイント高くなっております。生活保護に係る経費の負担については、生活保護法第75条において、福祉事務所を設置する地方自治体が生活保護費の4分の1を負担することになっております。さらに、地方負担分については、地方交付税で措置される制度となっていることから、県として国へ生活保護費の全額国庫負担を要求することは考えておりません。また、市の負担分を県が支援することは制度上困難であります。
 次に、生活保護制度の見直しについては、医療扶助のあり方を含め、現在、「生活保護制度に関する国と地方の協議」において議論されていると承知しており、その動向を注視してまいりたいと考えております。
 生活保護で交通費を支給することについてお答えします。
 生活保護受給中の世帯員が通院のために必要な交通費につきましては、移送費を給付しております。平成22年度の移送費給付の実績は2601件、903万6000円となっております。
 続きまして、母子世帯の車保有を認めることについてお答えします。
 自動車の保有を認めることについては、国の通達で具体的に示されており、単に日常生活の便利に用いられるのみでは、地域の普及率のいかんにかかわらず、原則自動車の保有は認めておりません。保有が認められる場合とは、公共交通機関の利用が著しく困難な地域にある者が通勤用として使う場合や障害(児)者が通院等のため自動車を必要とする場合等であります。
 保有の要否については、これらのことを踏まえ、実施機関が個別に状況を把握し、適正に判断しているものと考えております。
 認可外保育施設への給食費支援について。
 認可外保育施設入所児童の一層の処遇向上のために、平成23年度から新すこやか保育事業を大幅に拡充したところであります。
 御提案のありました米代、牛乳代、おかず及びおやつ代をまとめて給食費補助とすることや、さらなる拡充については、今後の実施状況等を踏まえ検討してまいりたいと考えております。
 続きまして、認可外保育施設への施設改修費についてお答えします。
 待機児童対策特別事業基金における改修費支援事業の対象施設は、県の立入調査において改善指導を受けた施設であって、改修工事完了後、1年以内に「指導監督基準を満たす旨の証明書」の交付を受けることが見込まれる施設となっております。改修費支援事業については、市町村を通して条件を満たし要望のある施設はすべて対象としており、平成22年度は23施設に助成したところであり、平成23年度は25施設への助成を予定しているところであります。
 続きまして、放課後児童クラブ保育料減免及び沖縄県学童保育支援センター事業の継続についてお答えします。
 沖縄県は、全国と比べて民立民営のクラブが多いため、家賃等の負担により経営が厳しいことや、保育料が高いことなどが課題であると考えております。このため、ひとり親世帯等の保育料の減免について、国による財政支援を求めているところであります。また、沖縄県学童保育支援センターについては、ふるさと雇用再生特別基金を財源として実施していることから、同基金事業の実施期間である平成24年3月までの予定としているものであります。
県としては、同センターでの研修事業等の実施状況を踏まえ、必要な事業については、放課後児童クラブの実施主体である市町村とも連携し、効果的な実施方法等について検討してまいります。
 一部負担金減免制度の国保税滞納世帯への適用と改善についてお答えします。
 現在、一部負担金減免制度を整備している28市町村のうち21市町村においては、国保税の滞納がないことを減免の要件としております。しかしながら、滞納があっても特別な事情により国保税の支払いが困難であると認められる場合には、一部負担金の減免を行うことは可能とされております。
 県では、今後とも市町村が実施する減免に対し助成を行うとともに、市町村に対しきめ細やかに被保険者の状況の把握に努め、一部負担金の減免に係る適用が適切になされるよう助言してまいりたいと考えております。
 羽地苑の問題についての中の、虐待の実態と県の対応についてお答えいたします。
 当該施設における虐待については、平成22年1月に名護市から県に対して高齢者虐待防止法に基づく報告が行われております。報告によると、施設職員1名による利用者に対する虐待が認められたとして、名護市から施設に対し改善計画の作成などの指導を行っており、施設側からは改善計画が提出されております。その後、名護市においては、当該改善計画の実施について施設への指導を行うとともに、新たな虐待等の発生状況について独自の調査を実施しており、その結果、虐待とは認められないものの、計画策定後も不適切な対応事例があるとして施設に対する注意指導を行っているところであります。
 県においては、名護市のこれらの取り組み状況を適宜把握するとともに、県としましても実地指導や監査等により、施設に対し、虐待防止等について指導を行っているところであります。
 続きまして、名護市通知の内容と県の処分方針についてお答えします。
 県は、平成23年7月4日に介護保険法第77条第2項に基づく名護市からの通知を受理しております。名護市からの通知は、「羽地苑において、ショートステイサービスをデイサービスに書き換えて介護報酬の請求が行われていることが確認されたため、介護保険法第77条第1項第6号条項の「虚偽の報告」にあたると思われることから沖縄県に通知するものとする。」という内容でありました。名護市からの通知を受け、県では、平成23年7月15日より介護保険法に基づく指導監査を実施しており、現在、書面検査及び関係者等からのヒアリングを行っているところであります。
 今後の措置につきましては、監査において確認された事項を踏まえ、過去の事例、国の通知等を参考に総合的な判断を行うこととしております。
 続きまして、子ども手当に関する10月以降の子ども手当の県民への影響額についてお答えします。
 10月1日から施行される「平成23年度における子ども手当の支給等に関する特別措置法」において、現行の月額一律1万3000円の手当が第1子、第2子及び中学生は1万円、3歳未満及び小学生以下の第3子以降は1万5000円となります。
 今回の手当額の改正による影響額について、一定の条件で推計しますと、沖縄県全体で月額3億7000万円の減額となります。
 以上であります。
○商工労働部長(平良敏昭) 福祉行政についての御質問の中の、パーソナルサポート事業の継続についてお答えいたします。
 パーソナルサポート事業については、平成23年度までモデル事業として実施し、平成24年度以降については国において制度化を検討することとなっているところでございます。
 国の第3次補正予算案によりますと、平成24年度についてもモデル事業として継続が検討されており、沖縄県としても当該事業の継続は必要と考えていることから、関係機関と連携し積極的に対応してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○知事公室長(又吉 進) 米軍施設や新基地建設への県の対応についての中の、浦添軍港建設に係る環境アセス予算の執行停止についてお答えいたします。
 那覇港湾施設の浦添埠頭地区への移設については、平成8年のSACO最終報告で合意され、平成18年5月の「再編実施のための日米のロードマップ」においても、移設を条件に全面返還されることとなっております。また、平成13年11月には浦添市長が受け入れ表明を行い、平成15年1月の第4回那覇港湾施設移設に関する協議会では、浦添埠頭地区への移設を浦添市、那覇市ともに了承しております。
 県としましては、那覇港湾施設の返還を含む嘉手納飛行場より南の施設・区域の返還が実現されれば、基本的には基地負担の軽減が図られるものと理解しており、今後とも、国、地元自治体等と連携して、那覇港湾施設の移設に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、枯れ葉剤の過去の被害等についてお答えいたします。
 過去に本県の米軍施設で枯れ葉剤が使用、貯蔵されていたなどの報道を受け、県では沖縄防衛局及び外務省沖縄事務所に対し、報道内容の事実関係の確認を求めたところであります。これに対し、外務省は8月19日、米国国務省から、「今回改めて過去の記録の確認作業を行った結果として、米軍が返還前の沖縄で枯葉剤を保管し若しくは使用した、又は沖縄へ持ち込んだことを示す資料は何ら確認できなかった」との回答があったと発表しております。また、外務省としては、事実関係をさらに詳しく承知するため、米側にさらなる確認を行っているところであるとしております。
 県としましては、県民の不安を払拭するため、引き続き事実関係の確認を求めていきたいと考えております。
 なお、県ではこれまでも渉外知事会等とも連携しながら、日米両政府に対し基地の返還に当たっては使用履歴を明らかにするよう求めているところでございます。
 以上でございます。
○西銘 純恵 場外舟券売り場についてお尋ねをいたします。
 昨年10月、大阪で山口組系の暴力団が場外舟券で荒稼ぎをして資金源にしていたということで摘発、逮捕された事件があります。ですから、この場外舟券、ギャンブルというのは、暴力団の資金源やギャンブル依存症や借金や家庭崩壊、青少年に与える大きな影響等大変重要な問題をはらんでいると思っています。
 県警にお尋ねします。
 暴力団排除条例との関連で、この件についてはしっかりと情報収集すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○警察本部長(村田 隆) 現在、沖縄県警におきましては関連の情報収集に努めております。
 おっしゃるとおり、場外舟券売り場にとどまらず、競輪や競馬等につきましてもその設置問題に関しましては多くの業者が動きます。その関連の中で、暴力団排除に関する情報があれば情報収集に努めて対策に当たりたいと考えております。
○西銘 純恵 休憩願います。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午前11時30分休憩
   午前11時31分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 西銘純恵さん。
○西銘 純恵 米軍郵便局について再質問を行います。
 米軍の指示で、当初設計を変更して8億の米軍郵便局を新築・移転すると。これを必要な公共事業費としてそのような認識をしているという県の考えについては大変私は問題があると思っています。
 ですから、その立場でお尋ねをしますが、8億のこの建設費、坪単価幾らになるんでしょうか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午前11時32分休憩
   午前11時35分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 土木建築部長。
○土木建築部長(当間清勝) 坪単価12万1000円でございます。
○西銘 純恵 8億の郵便局が坪単価12万、建物は何坪ですか。
○土木建築部長(当間清勝) 606坪でございます。
○西銘 純恵 済みません、休憩願います。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午前11時36分休憩
   午前11時38分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 土木建築部長。
○土木建築部長(当間清勝) 訂正させていただきたいと思います。
 坪単価は13万2000円でございます。
○西銘 純恵 8億を606坪で割ったら暗算でも100万近くになると思っていますが、どうですか。
○土木建築部長(当間清勝) 失礼しました。
 132万円でございます。
○西銘 純恵 私は、米軍施設に坪単価132万というこの数字を13万ですとかという形で認識して、間違っていないと思い込んでいるようなところも問題があると思っているんですよ。取りつけ道路の当初設計から米軍の指示を受けて米軍郵便局にかかるように現設計をした経緯、説明をお願いいたします。
○土木建築部長(当間清勝) 当初、沖縄県としては、国道58号城間交差点から約400メートルぐらい先のほうでゲート3の入り口を計画し、それを提示したところ、先ほど答弁しましたように、米軍との調整でその取りつけ道路の予定地内に移設が困難な施設があるということで、米軍からの調整で約40メートルぐらいの位置に取りつけ道路がゲートが出てその関係で郵便局が取りつけ道路の位置として支障が出る形となったものでございます。
○西銘 純恵 部長がちゃんとやらないものですから、ちょっと経緯を示したいと思います。皆さんにも知ってほしいと思って。
 まずこれが県道ですね。(資料を掲示) 県が出した資料に基づいて私は部長にかわって説明をします。県がつくった県道ですね。そこに取りつけ道路ですね。ここが郵便局です、青いのが郵便局です。これが県道、これが取りつけ道路、当初。これが2006年の4月から9月まで設計を行ってここに郵便局があります。全く取りつけ道路はさわっていません。これを2008年2月ごろ、米軍から指示を受けました。土建部長、そうですよね。これが県道、そしてここに取りつけ道路をつくってくれという指示を受けて、これが郵便局です、郵便局に少しさわる。指示です、これ米軍指示です、これは米軍文書です。(資料を掲示) そして2009年6月、606坪の郵便局がここにさわるということで新築設計図面を2009年6月から設計を始めて今日の8億円の建築計画ができたということですね。最初のこれが今県が持っている設計図です。県道です。最初の県がつくった取りつけ道路、ここです。何もないです、障害物も何もないです。それをこの郵便局にさわるように米軍が指示をして、それを受けて2010年3月、取りつけ道路の設計に入ってこの図面が現にできています。
 これですね、知事、この経緯を見て本当に異常だと思いませんか。これは土建部がこの間やってきた仕事なんですけれども、知事、これは県民絶対納得できないですよ。米軍のこのような圧力といいますか、指示を受けたということを受けて、はい、いいですよということで変更するということについて県民は納得できないです。
 知事の答弁をお願いします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午前11時43分休憩
   午前11時44分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 土木建築部長。
○土木建築部長(当間清勝) その県が提示した取りつけ道路の位置に、先ほど説明した移設が困難な米軍施設ということで、具体的には電源供給施設ということで、いろんなケーブルがその地下にあるということで米軍からはその道路の位置を変更していただきたいということで新たな提案がございました。
○西銘 純恵 部長、今の答弁、とんでもないですよ。これが電源施設、地下に何かがあると言われたと。でもこの郵便局の右、58号に近い側、広い敷地があります、何もありません。どうしてそこに取りつけ道路をつくらないんですか。どうしてそこにできないんですか。わざわざ郵便局にかけるようにするんですか。私たち基地の中を視察をしてきました、調査しました。すごいスペースの広場があるんですよ。わざわざかけると、そこが問題ですよ。米軍の指示があったんでしょう。
○土木建築部長(当間清勝) 米軍のゲート入り口として、道路の位置としてはやはり米軍の基準がございますので、その基準を勘案した場合、ルートにならざるを得ないということを提示を受けて合意せざるを得なかった状況でございます。
○西銘 純恵 米軍の言うことは何でも言うことを聞くけれども、ほかに敷地がある。その間に幾らでも検討すれば取りつけ道路は何も郵便局にかからないでできたはずである。そこを指摘をして、次、国内補償でやると先ほどおっしゃいました、必要な公共工事という認識でやっていくという。この公共補償というのは何ですか。公共施設に米軍施設がなるんですか。
○土木建築部長(当間清勝) 「沖縄県の公共事業の施行に伴う公共補償基準」の第3条第1項によると、「「公共施設」とは、土地収用法その他の法律により土地等を収用し、又は使用することができる事業の用に供されている施設をいう。」ということで、この「その他の法律」の中にこの米軍の施設が該当しますので、公共施設として公共補償をしているところでございます。
○西銘 純恵 その他の施設という米軍施設の根拠、法規を明らかにしてください。
○土木建築部長(当間清勝) 休憩お願いします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午前11時47分休憩
   午前11時47分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 土木建築部長。
○土木建築部長(当間清勝) 米軍施設は、「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法」第3条ということで、それが今回「その他の法律」に該当するという解釈でございます。
○西銘 純恵 今、部長が答弁されたのは米軍用地の強制収用特措法ですね。その3条に基づきとおっしゃいました。3条には何て書いてあるんですか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午前11時48分休憩
   午前11時48分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 土木建築部長。
○土木建築部長(当間清勝) 第3条は、「土地等の使用又は収用」の条文で、「駐留軍の用に供する土地等を必要とする場合においては、その土地等を駐留軍の用に供することが適正且つ合理的であるときは、この法律の定めるところにより、これを使用し、又は収用することができる。」とあります。
○西銘 純恵 今、郵便局は米軍用地の中にあるんですよ。今読み上げた3条は、新たに駐留軍の用に供するために土地が必要なときに強制的に使用、収用ができるという条文じゃないですか。基地の中にあるのは全くこれは想定されてない条文じゃないですか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午前11時49分休憩
   午前11時50分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 土木建築部長。
○土木建築部長(当間清勝) 道路の用地に関してはこの第3条を読みかえて、それで機能補償という形で今回の郵便局の施設の補償は実施するものでございます。
○西銘 純恵 今の答弁すりかえしていますよね。この強制収用特措法に基づいて郵便局をやると言っていますけれども、3条は明らかに基地の外にあるものを言っているわけでしょう。外に今あるものを基地として建物であっても何であってもこれを使用、収用するために米軍基地のために使うためにこの3条があるわけでしょう。基地の中にある郵便局がどうしてこの法律の適用になるんですか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午前11時51分休憩
   午前11時54分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 土木建築部長。
○土木建築部長(当間清勝) 道路をつくった段階で、基地の外に道路ができますが、取りつけ道路は基地の中にございますので、基地の中に米軍牧港補給基地全体の機能の回復のためには、やはり郵便局を補償しなければいけないということでこの公共補償基準に準じて補償する考えでございます。
○西銘 純恵 詭弁だと言いたいですね。なぜかというと、機能補償する話は次に質問したいと思っていたんですよ。この3条に基づいてやる根拠はないでしょうと。そこは皆さんがよりどころとしている法的根拠は崩れているんですよ。そして今の強制収用特措法の4条に、この土地、建物を収用するときの執行権者、権利者ちゃんと明記されています、4条に。沖縄県にはできますか。4条を述べてください。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午前11時55分休憩
   午前11時57分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 土木建築部長。
○土木建築部長(当間清勝) 第4条においては、自治体という明記はございません。地方自治体が実施するという明記はございません。
○西銘 純恵 沖縄県が県民の税金8億円をかけて米軍基地の中にある米軍郵便局をつくると、米軍の指示を受けてつくろうとしていると。これに対して、法律上の沖縄県がつくらなければならない根拠というのは何もない。でも、これまでずっとこの米軍用地強制収用特措法に基づいてやっていますと言ってきたんですよね。その根拠は全く崩れているんじゃないですか。だったら、工事は中止すべきじゃないですか。沖縄県がやる必要はないわけですよ。
○土木建築部長(当間清勝) 国が国会の委員会において、返還される際、建物の移設が条件とされている場合、政府と地方公共団体でどう分担するかは日本側にゆだねられており、自治体が負担するケース、例えば道路とか公園といった自治体の事業に伴う用地確保があるということで、今回の沖縄県の港川道路の整備は県の事業であることから県が補償するという形の答弁になっております。
○西銘 純恵 これはいつの国会答弁なのか。そしてこの大臣というのは国の法律にのっとってやっているはずなんですよ。それを答弁をやったのがそれに従っていますということ自体が私は問題があると思っています。精査してください。
 そして大事なのは、皆さんがずっとよりどころとしてきたこの法律というのは、防衛局長がこれをやるということは国がやることなんですよ。国がやることを沖縄県に押しつけているということになっているんですよ。だから沖縄県がこれは県がやるものではないという立場でどうして主張しないのですかと、そこを問いたいです。
○知事公室長(又吉 進) 知事公室の立場で申し上げますと、やはりこれは地位協定との関係でその疑問が生じている面もあろうかと考えておりまして、ただ先ほど土建部長が申し上げた国会答弁というのは、本年8月10日の外務委員会でございます。これは笠井委員が質問されておりますのでそのやりとりは御承知のことと思いますが、この中で小川副大臣が、「一般論で申し上げますと、公共事業等を施行する場合、当該事業の起業者がその負担を行うことになるというふうに考えております。この場合は、公共事業の施行に伴う公共補償基準要綱などがその基準になろうかと思っております。」と答弁されました。県としましては、そういったことにつきまして、現在この負担につきまして地位協定との関連につきまして改めて外務省に問い合わせております。
 いずれにしましても、この有権解釈というものは外務省が行うべきだと考えておりまして、そのあたりは議員がおっしゃるとおり精査をしたいと思っております。
○西銘 純恵 国が持つものを沖縄県がそのままやりましょうということに問題があると。私は、これは国も負担軽減をしますとずっと言っているわけでしょう。だから、道路がつくれないのも米軍基地があるから、そして基地の端っこですよ、今返還を求めているところは。基地の端ですよ。何にも本当に物件はないんですよ、そもそも。郵便局というのは県道にかかっていないんですよ。いないのをわざわざ引っかけて、8億円も負担をするということは道理が通らないですよ。そこを私は正当化することはできないという立場で、県がもっと政府に対して沖縄県は持ちませんと言うべきだと思います。
 知事、いかがですか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後0時2分休憩
   午後0時3分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 土木建築部長。
○土木建築部長(当間清勝) やはり道路事業、県道事業が交通渋滞や生活道路として重要だということで、受益者負担が基本理念という公共事業の原則から、県の事業ですので県のほうで現在は補償するという考えで取り組んでございます。
○西銘 純恵 私、こういう屈従の立場を払拭しない限り、今のような米軍言いなりはいつまでも続くと思いますね。そこを転換すべきだと思うんですが、これは現郵便局ですね。(資料を掲示) ここが道路にかかったんですね。それを全部新築移転をすると言っていましたが、ここは仕分け区域と言って何もない箇所なんですよ、建物の中。これを普通の民間の住宅がかかるような公共補償で全額新築移転するんですか。もしそれが民間にも当たるということであれば、県民に私はこれみんな言いますよ。皆さん、道路がつくられるときにちゃんと補償求めなさいと。米軍にはやっていますよと言いますよ。
 この100%補償についても、私は問題があると思っているんですよ。根拠は何ですか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後0時4分休憩
   午後0時4分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 土木建築部長。
○土木建築部長(当間清勝) 今回の施設面積の45%に影響があるということで、全体の機能の100%がいろいろな施設の見直しをしても損なわれるために施設の機能が確保できないということで、今回このような移設補償の算定になってございます。
○西銘 純恵 米軍から指示を受けて反論も一つもしない、やりましょうという立場をとってきたというのが今の事態になっていますけれども、私は県が8月18日に同じような米軍道路をつくったりするときの外務省や米軍に要請に行った文書で、これは同じような事例なんですよね。(資料を掲示) 今後の問題なんですよ。駐留軍用地の一部返還について特段の御配慮を賜りたいという要請文になっていますけれども、特段の御配慮というのは日米地位協定4条に基づいてこれは米軍が置いてあった施設、たとえ返還をするところにあったところでも補償をしないでいいんですよ。ましてや郵便局というのはないところ、今でも基地の中にあるところ、これは沖縄県で負担はできませんと今からでも主張すべきではないですか。
 最後に答弁を求めて終わりたいと思います。
○土木建築部長(当間清勝) 米軍との返還条件に基づいて、私たちとしては特段の配慮というのはあくまでも円滑にスムーズにいくようなお願いを防衛局並びに米軍のほうに要請しているところでございます。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後0時7分休憩
   午後1時24分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 午前に引き続き質問及び質疑を行います。
 玉城義和君。
   〔玉城義和君登壇〕
○玉城 義和 一般質問を行います。
 まず基地問題についてであります。
 ア、普天間の移設問題について。
 知事の今回の訪米については、沖縄の現状と県民の意思を米国世論に訴えたこと、まことに有意義だったと評価を申し上げます。米国の受けとめ方等どのような感想をお持ちでしょうか。
 イは削除します。
 ウ、米国は未曾有の財政危機にあり、軍事予算も含めた歳出削減が議論をされております。日米両政府は日米合意の当事者でありますが、米国議会は直接の当事者ではありません。合意見直し、事態打開の突破口は、私は米国議会にあるというふうに認識をしております。その意味で今回の3有力上院議員との面談は、まことに時宜を得て適切だったと思っております。そして、今後とも議会への働きかけが極めて重要だと思いますが、訪米後、どういうふうにつなげていくかをお伺いします。
 エ、県が計画している米国での情報収集事務所開設へ向けて準備状況はどうかということです。
 オ、政府は、年内に環境影響評価書を提出したいとのことですが、知事の対応はどうですか。
 (2)は削除いたします。
 (3)、地位協定の改定について。
 ア、この間の県の取り組みについて説明を求めます。また、実務者同士でこれがなぜ進まないかということについての議論の機会は持たれているのか報告ください。
 イ、県民が犠牲になる事件・事故が起きているにもかかわらず、泣き寝入りを強いられているわけですが、地位協定改定が実現しない理由、日本政府が提起できない理由は何だと考えるか、見解を求めます。
 2、沖縄振興一括交付金についてであります。
 (1)、3000億円の一括交付金については沖縄独自の主張をしながらも、中央と地方のあり方、従来の予算の組み立て方法などに対する新しい理論立てが必要と思われます。沖縄のためはもとよりでありますが、将来の日本のためにもなるという先駆的な理論立てが必要だというふうに考えます。そういうものを改めて提起し、アピールする必要があります。見解を賜ります。
 (2)、9月20日の閣議決定は、事務レベルの限界と政治折衝の可能性を示唆したものと受けとめます。県の受けとめ方はどうでしょうか。また、どのように前進をさせますか。
 (3)、マスコミ等も含めて、政治判断という局面で普天間移設問題との絡みが取りざたされていますが、県の見解と対応はどうでしょうか。
 3、本島縦断鉄道の導入についてであります。
 (1)、「沖縄21世紀ビジョン」においては、「沖縄本島内の均衡ある発展のため、中南部都市圏を縦貫し、北部圏域に至る軌道系を含む新たな公共交通システムの導入が必要である。」と明確に書かれております。北部振興策がなかなか結実せず、また人口もふえないのは、それに至る大きな仕掛けがないからであります。ビジョンを受け、基本計画の中で縦断鉄道はどのように位置づけられるのか説明をいただきます。
 (2)、具体化のためにどのような制度を考えていくか。また、政府に対してどのような要請をいたしますか。
 4番、愛楽園・宮古南静園の将来構想の実現についてであります。
 (1)、県は、国立ハンセン病療養所の将来構想の実現に向け、関係機関で検討会議を設置したとの報道があります。早期の取り組みを要請してきた者としては評価をいたします。基本的な考え方と今後の取り組みについて明らかにしてください。
 (2)、名護市においても将来構想を考える市民の会が発足しております。広く地域社会の意見も吸い上げていくべきだと思いますが、どうでしょうか。
 5番、県立北部病院の充実強化についてであります。
 (1)、産婦人科については、長期にわたり不安定な体制が今日までずっと続いております。抜本的な対応が求められております。どういうふうに安定的な体制をつくるか、明確な方針を示していただきたいと思います。
 (2)、内科医の不足によって夜間10時以降の救急体制も不可能になっております。対応策を伺います。
 (3)番、医師、看護師用の住宅の予算要求についても認められておりません。月決めのアパートにお住まいになっている現状で、これでは医師の確保は非常に難しい、こういうことが関係者から言われております。来年度以降の予算の対応はどうか明確にしてください。
 6番、教育行政についてであります。
 (1)、八重山地区教科書問題について。
 ア、八重山地区における公民教科書の選定をめぐる混乱の被害者は、当該地域の生徒であり、父兄であります。そういう意味で当事者の責任はまことに重大であると思いますが、教育長はこの現状をどのように認識し、また、この混乱の原因は何にあると考えるか明確にしていただきたいと思います。
 イ、県教育委員会としては、事態収拾のために積極的に指導を行うべきであると思うがどうでしょうか。
 (2)、名護高校の敷地借用について。
 これは6月議会でも取り上げましたが、名護高校の中の同校同窓会の用地が昭和51年以降無償提供され、それに関連する要請等について、教育長は、検討委員会を発足していく中で検討するという答弁でございました。その後の結果についてはどうなっているか、見解を求めます。
○知事(仲井眞弘多) 玉城義和議員の御質問に答弁いたします。
 まず第1に、基地問題に係る御質問の中で、訪米に関する知事の感想というような御趣旨の御質問にお答えいたします。
 私は、去る9月19日、安全保障や日米同盟に関する専門家の皆様が参加する「沖縄クエスチョン」において辺野古移設案は事実上不可能であるという沖縄の実情を説明し、国内の他の都道府県への移設が最も合理的かつ早期に課題を解決できる方策である旨の講演を行いました。その後、会場の有識者の皆様との質疑応答など、これらを通しまして意見交換を行いました。また、レビン、そしてウェッブ、さらにはマケイン米上院議員の先生方と面談を行い、その中で各議員から辺野古移設案は極めて困難で見直しが必要との見解が示されました。私からは、嘉手納統合案について、嘉手納飛行場周辺市町村は現在でも過重な基地負担を強いられており、その実現は困難である旨申し述べました。
 県といたしましては、今回の訪米において普天間飛行場移設問題を直接説明する機会を得たことで有識者などのネットワークの構築が図られるとともに、アメリカにおけるこの問題の理解がいささかでも前進したのではないかとも考えております。
 次に、同じく基地問題についての御質問の中で、米議会への働きかけについてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 今回の訪米におきましては、レビン、そしてウェッブ、マケイン米上院議員の皆さんと面談し意見交換を行うことができました。その際、辺野古移設案は極めて困難で見直しが必要との見解が示されました。
 県といたしましては、引き続き米議会議員との意見交換等を行いますとともに、普天間飛行場の県外移設に向けた効果的な施策等につきまして検討し、日米両政府に対応を求めてまいりたいと考えております。
 次に、愛楽園等の将来構想の実現についての御質問の中で、基本的な考え方と今後の取り組みについてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 将来構想の実現につきましては、入所者の意向を最優先かつ最大限に考慮した上で、両園や名護市及び宮古島市等関係機関と連携をし協力していきたいと考えております。
 沖縄県におきましては、将来構想の実現に向けて課題等を共有し、その解決策を協議することを目的に、関係機関が意見交換を行う検討会議を設置したところでございます。先月開催しました検討会議におきましては、関係機関の参加のもと、自治会や園などから現状や課題につきまして報告をいただきました。今後、入所者の御意向を踏まえ、課題解決に向け関係機関と協力をして取り組んでまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 基地問題についての御質問の中で、情報収集拠点設置の進捗状況についてお答えいたします。
 県は、米政府や連邦議会、米軍等の動向を適時・的確に把握するため、県独自の情報収集を強化する必要があると考えております。去る9月19、20日の知事訪米時においては、研究者や専門家等とさまざまな意見交換を行ってまいりました。このようなネットワークも活用しながら、現地における拠点の設置を含め情報収集の具体的な方策、体制、時期等について検討を進めているところであります。
 次に、環境影響評価書提出に対する知事の対応についてお答えいたします。
 環境影響評価書の提出される時期等について、政府から明確な方針は示されておりません。
 県としましては、地元の理解が得られない辺野古移設案の実現は事実上不可能であり、一日も早い普天間飛行場の県外移設・返還を求める考えに変わりはありません。
 次に、日米地位協定見直しの取り組み、実務者間での議論についてお答えいたします。
 県は、これまで日米両政府に対し、軍転協や渉外知事会等の関係機関とも連携し、同協定の抜本的な見直し要請を行ってきたところであります。沖縄県としましては、去る5月7日に防衛大臣、5月28日に外務大臣、また渉外知事会としては、7月29日に外務大臣、防衛大臣に対して要請を行ったところであります。地位協定上のさまざまな問題につきましては、外務・防衛両省とその解釈・論点について日ごろから事務レベルでの調整を行っているところであります。
 次に、日米地位協定見直しが実現しない理由についてお答えいたします。
 従来、政府は、日米地位協定について「米軍及び在日米軍施設・区域を巡る様々な問題を解決するためには、その時々の問題について、日米地位協定の運用の改善によって機敏に対応していくことが合理的と考えている」と説明しており、県としましては、このことが地位協定が見直されなかった大きな理由と考えております。
 県としましては、米軍基地をめぐる諸問題の解決を図るためには、米側に裁量をゆだねる形となる日米地位協定の運用改善だけでは不十分であり、地位協定を抜本的に見直す必要があると考えております。
 以上でございます。
○企画部長(川上好久) 沖縄振興一括交付金についての御質問の中で、沖縄振興一括交付金の創設の必要性についてお答えいたします。
 沖縄振興については、沖縄の置かれた4つの特殊事情にかんがみ、これまでさまざまな施策が図られてきましたが、県民所得の向上や雇用の確保、離島の振興、戦後処理、基地跡地利用などの課題は今なお残されております。
 新たな沖縄振興においては、これらの課題の解決に向けて沖縄の実情に合った独自の施策を展開することとしており、そのためには3000億円規模の自由度の高い予算措置が必要と考えております。他方で、政権与党である民主党の「マニフェスト2009」などで「「ひも付き補助金」を廃止し、基本的に地方が自由に使える「一括交付金」として交付する。」とされていたことから、沖縄県はその趣旨に賛同し、全国に先駆けて導入することを政府へ求めたところであります。
 今後、地域主権改革が進展していく中で沖縄振興一括交付金が全国に先駆けて導入され、より使途の自由度の高い交付金となるよう国へ求めていくこととしております。
 次に、沖縄振興一括交付金の創設に向けた今後の取り組みについてお答えいたします。
 去る9月20日に閣議決定された平成24年度予算の概算要求組替え基準において、新たな沖縄振興政策が日本再生重点化措置の対象分野とされたことや「沖縄振興予算については、一括交付金に関する地元の要望を十分に踏まえ、予算編成過程において検討する。」とされたところであります。
 沖縄県としましては、今後の予算編成過程において、沖縄の要望が十分に反映された沖縄振興一括交付金の制度設計がなされるとともに、新たな沖縄振興に必要な額が確保されるよう、県民各界各層、議会、市町村の御協力を得ながら、引き続き政府及び政党に対して働きかけていきたいと考えております。
 次に、普天間移設問題との絡みについてお答えいたします。
 野田総理は、去る9月15日、所信表明に対する衆議院代表質問において「来年度以降の新たな沖縄振興策については、沖縄の優位性や潜在力を生かした自立的発展につながるよう、しっかりと検討してまいりたい」と答弁しております。また、普天間飛行場の移設との関連についても、「私の内閣は、基地を受け入れれば、それを条件に振興策を展開するというリンク論には立っておりません。」と明確に答えており、沖縄県としても全く同じ考えであります。
 次に、本島縦断鉄道の導入についての御質問の中で、本島縦断鉄道の基本計画での位置づけについてお答えいたします。
 鉄軌道を含む新たな公共交通システムにつきましては、「新たな計画の基本的考え方」において、沖縄型自立経済の構築に向けた基盤の整備、低炭素社会及び人間優先のまちづくりなどを実現する観点から、その導入に向けた取り組みを推進することを位置づけております。このことを踏まえ、現在策定中の「沖縄21世紀ビジョン基本計画」におきましても導入に向けた取り組みを推進する方向で位置づけることとしております。
 次に、具体化のための制度及び政府に対する要請についてお答えします。
 鉄道等の整備には膨大な費用が発生することから、現在、国に対し鉄道整備に関する特例的な制度の創設を要望しているところであり、今後も引き続き当該要望を実現するため努力してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(宮里達也) 愛楽園等の将来構想の実現についての中の、地域社会の意見の反映についてお答えいたします。
 将来構想の実現については、入所者の意向を最優先かつ最大限に考慮した上で、さらに地域社会の意見を反映させていくことは大切なことであると考えております。県においては、関係機関が意見交換を行う検討会議を設置したところであり、ことし8月、名護市において結成された市民の会についても同検討会議への参加に向け調整していきたいと考えております。
 以上です。
○病院事業局長(伊江朝次) 県立北部病院の充実強化についての御質問の中で、北部病院産婦人科についてお答えいたします。
 北部病院産婦人科は、平成23年7月から3名体制となっており、外来診療日をふやすほか、緊急性の高い救急疾患や帝王切開を含む分娩に対応できる体制が整いつつあります。一方、ハイリスク妊婦に関しては、今後も中部地区への搬送が必要であります。
 病院事業局としては、県立病院の臨床研修による医師養成、大学や民間病院との協力・連携による医師派遣、人的ネットワークや地域・離島医療確保モデル事業による医師招聘など、引き続き医師確保に全力を挙げて取り組んでいきたいと考えております。
 次に、内科の救急体制についてお答えいたします。
 北部病院では、内科医師の不足により勤務負担が過重となることを避けるため、平成23年3月1日より午後10時から翌朝午前8時までは救急車搬送以外の患者受け入れを制限しております。そのため、ことし5月に新たに医師1名を確保するとともに、6月からは他の県立病院による応援を行うなど内科の体制整備に努めております。
 病院事業局としましては、夜間の救急制限の解除に向け、引き続き医師確保に全力を挙げて取り組んでいきたいと考えております。
 次に、医師、看護師用住宅の来年度以降の対応についてお答えいたします。
 北部病院の医師住宅、看護師宿舎は築後30年以上を経過しており、一部の医師住宅と看護師宿舎については相当程度老朽化が進んでおります。
 病院事業局としましては、今後、医師住宅等の活用に対する北部病院の考え方や経営への影響等を踏まえ、修繕、建てかえ等について検討したいと考えております。
 以上でございます。
○教育長(大城 浩) 教育行政についての御質問で、現状の認識等についてお答えいたします。
 八重山地区教科書採択問題につきましては、拙速過ぎる規約の改正、協議会の運営のあり方や手法等について地域住民等から疑義が生じたことが要因の一つであると考えております。
 次に、事態収拾についてお答えいたします。
 「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」第23条第6項により、教科書の採択権限は市町村教育委員会にあります。また、「義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律」第13条第4項により、協議して種目ごとに同一の教科書を採択する必要があります。
 県教育委員会としましては、これらの法律にのっとり、文部科学省の助言をもとに引き続き3市町教育委員会に対しまして合意に向けた協議を促してまいりたいと考えております。
 次に、名護高校の無償借地についてお答えいたします。
 名護高校の後援会からの借用地は、同校が現地移転した昭和57年に無償かつ無期限の借地契約を締結して以来使用しており、平成20年6月、後援会から契約見直しの要請を受け、平成21年4月から10年間の使用期限を設けた契約に改定したところでございます。同契約に関しましては、教育庁内部で検討を行うとともに、8月10日には、私自身も名護高校において後援会関係者とお会いいたしまして意見交換を行ったところでございます。
 県教育委員会といたしましては、今後、契約改定の時期に合わせて、同校後援会の意向も踏まえ借地の必要性や県の財政状況など総合的に勘案し、必要な検討を行っていきたいと考えております。
 以上でございます。
○玉城 義和 知事、レビンさんとウェッブ、マケインという非常に実力者だと思いますが、お目にかかって意見を言ったということは、私は極めて今日的に意義のあることだと思います。
 日米両政府は合意の当事者で、今の現状は両にらみというか、両すくみというか、全く日本政府などは思考停止をしている状況で、できないことをさもできるように言っている。前に進まないわけです。そういう意味でいえば、予算の権限も持った議会とやることは、極めて私は重要であるというふうに考えておるわけです。言うなれば、将を討たんとすれば馬をまず射ることだろうというふうに思いますが、そういう意味でお三方と会われて、今私が申し上げたそういう認識について、知事はいかがでしょうか。
○知事(仲井眞弘多) 先ほどの答弁の中で申し上げましたように、レビンさんにウェッブさん、そしてマケインさん、その議会筋の方のこれは私の理解と印象ですが、無論予算の権限というのは議会のほうが持っている。ですが、印象としては非常に柔軟な考え方を持って、現実に行き詰まっておるじゃないかと。それは特にウェッブさんともう一人のレビンさんが沖縄に見えて、彼らはその何日かの滞在の中で、ああこれはなかなか難しいというあれを既に持ったらしくて、ただその答えが嘉手納統合論というのではちょっと我々も納得いかなかったわけですが、この点も向こうでお考えを伺いましたところ、我々でもこれは行き詰まったということとあわせて、いろんな案がつくれるんだと。ですから一つの例として出したのであって、これは中身をつくるのは政府の仕事だみたいなことは言っておられます。ですから、現実的な課題を解決するという姿勢で取り組むべきで、最後は日本政府もアメリカ政府も満足をし、無論沖縄も満足をする案というのは見つかるはずであると、特にマケインさんが言っておられましたのが印象的でした。ですから、議会を通ずるというのは、やっぱり一つのいい方法だと思っております。
○玉城 義和 私も同じ認識で、上院の非常に実力者、責任者でありますから、辺野古だけ反対というだけでは無責任のそしりを免れないという面があって、それでひとつ言い方として統合案という言い方だろうというふうに思います。だから、そういう意味では全く認識は同じで、まずは辺野古はだめだというところにポイントがあるわけで、そこのところをまずやっぱりきちっと固定化して、そこのところをアメリカ世論も含めてやるべきだと、こういうふうに思っておりますので、そういう意味では全く認識は一緒でございます。
 それで知事、この後どうするかという問題です。アメリカの世論とか、あるいはアメリカ議会にどういうふうに、今の知事が3者とお会いになって得た感触を今度はどう展開をしていくかということでありますが、代表質問等でも出ておりますが、やはりアメリカ世論に訴える、そういう意味ではやっぱり巨大マスメディアを活用するとか、あるいはアメリカの議員の選挙区に手紙を送るとか、あるいは沖縄から各界の代表者を網羅した一大ミッションをつくって、そして婦人団体に当たるグループ、あるいは政界、あるいは議会、そういうのをやっぱり多様に展開をしていくという、そういういろいろ織りまぜた展開を、私は、ことしから来年にかけてやるべきだと思うんですが、その辺をひとつ知事のほうで、むしろイニシアをとって呼びかけるぐらいのことをしていただいたらどうかと思いますがいかがでしょうか。
○知事(仲井眞弘多) 御提案はいろんな多方面にわたって非常にあれなんですが、私どもは、これからの先行きをちょっと冷静に考えて、着実にやっていく方法はないかということで考えていきたいと思います。特にアメリカは、もう御存じのように大きな国で、いろんなメディアが発達していまして、私がいるほんの二、三日の間でも、どうもこの仲井眞知事というのは米軍は全部出ていけと、これを言いに来たんだというような何かに流れたりもしていましたから、事ほどさようになかなか伝えるということは非常に難しいし、さらにこれは賛否があるし、いろんな評価があろうかと思いますから、ここは少し私どもももう少し詰めて効果的な方法を、特に、目的は今の普天間の米軍の基地を早く移設・返還を実現し、その跡利用に努めるということが目的ですから、そこをどういうふうにして実現するかという目的に合わせて、戦術というか展開、実現の方策を考えるべきだと考えておりますので、今の御提案というは、これはアメリカのメディアを通じた対応策ですが、これは少し研究させてください。
○玉城 義和 ワシントン・ポストとかニューヨーク・タイムズとかという巨大メディアもありますので、県民のカンパを募ってそういう一面広告をしていくということも、いろんな方法を考えられるものはすべてやってみるという、そういうことが必要ではないかということを申し上げているわけで、お互いにそれは研究していきたい。
 あとワシントンで事務所云々という話ですが、これは公室長の話ではちょっとわかりませんが、どの段階まで来ているのか。例えばシンクタンクに委嘱するという話などもありましたが、私はやはり、幸い県内にはたくさんの知米派と言われる留学民もおりますし、そういう人的ネットワークも利用して、やはり独立した事務所をつくって、なるべく費用のかからない効果の上がるような方法はありますから、そういう人たちの協力も得て、ゴールデンゲートクラブもありますから、そういうメンバーの協力も得て、やっぱり独自の事務所をつくって、上院議員・下院議員の事務所のスタッフとも日常的に交流をして情報をとれるようなそういう体制をつくれるかどうかというのは非常に重要なことで、ぜひそういう方向で来年4月に向けてやっていただきたいんですが、公室長、準備状況はいかがですか。
○知事(仲井眞弘多) 先ほど知事公室長からも答弁させていただきました。たしか前議会でも議員からの御提案もいただいて、100%賛成だと申し上げ、確かにこれはもう置く方向で頑張っていきたい、まとめていきたいとは思うんですが、おっしゃったように独立して事務所の形をとるほうがいいのか、それから一体どういう人をそこに駐在といいますか、いてもらえばいいのか、いろんな形で沖縄出身者や沖縄をよく理解している方々を含め知日派の人たちもいろいろおられます。それで沖縄の中にもアメリカの経験とか、さらに基地問題についても造詣の深い方もおられますし、思いと目的は大体議員と同じだと思いますから、なるべく来年の4月1日には、可能であれば独立した事務所も置いてやってみたらどうかとは思いますが、ちょっとこれはお金との関係もありますし、どういう方を実際リテインできるか、お願いできるか、派遣ができるかを含めてもう少し研究させてください。
○玉城 義和 シンクタンクというのはそれぞれ流れがあって、政治的な傾向もあってみんなそれぞれ独立しているわけで非常に難しいんですね、多分。だから、独立の事務所というのはそういう意味で申し上げているんですが、なるべく費用のかからない効果の上がる方法を一緒に考えてみたいと思っています。
 地位協定の改定についてでありますが、公室長の御答弁は、一貫してなぜ進まないかという理由に運用の改善のほうがいいと言っているからと、こういう答弁ですね。聞いているのは、なぜ運用の改善でしかないのかと、なぜ改定に踏み込めないのかということを聞いているんで、運用の改善を言っているから進まないんだということでは説明にならないわけです。なぜ運用の改善しか言わないのかと、なぜ改定に踏み込めないのかということを聞いているので、そこのところをひとつ、もう一回。
○知事公室長(又吉 進) 現在の民主党政権が「日米地位協定の改定を提起する」と言いながら、過去2年の間、県から見ますと全く動いていないように見えると。したがいまして、これには当然政治力学といったものが働いているというふうに考えられるわけですけれども、しかしながら、私どもに政府が示す回答というのは、再三申し上げているように、運用の改善のほうがベターであると、抜本的見直しよりは。そういう考えが政府にある限り、この地位協定の改定あるいは見直しというものは進まないのではないかというのが県の考えでございます。
○玉城 義和 なぜ運用の改善どまりかということを聞いているわけですよ。
 6月議会で山内末子さんのほうからも少し質問をしましたが、6月7日に私ども山内さんと2人で外務省へ参りまして、官房長とか地位協定対策室の方々にいろいろ面会をしてきました。それで、そこのところの議事録みたいなものをつくっておりますので、少し読み上げてみます。
 要するに、我々のほうから問題提起をしたのは、平成7年以降、我がほうは地位協定の改定を申し入れているけれどもどうして進まないのかと、外務省はどこに原因があると考えるかと。もう一つは、沖縄側の提起している11項目は、安保条約との関連性ではどうかという2つを投げてみたんです。
 それで向こう側の答えですが、1つは、地位協定の改定(見直し)問題は、17条関連などコアに関する部分で自国の兵士を遠隔地に駐留させるときに、相手国でどのような対応を受けるかということと関連する問題であると、つまりそういうことですね。これが1点。
 それで地位協定の改定については、アメリカ側に打診しても拒否ということで、相手側がのまないものを出すことは外務省としてできない。
 3番目、地位協定で不平等だという意見があるが、アメリカからすれば、そもそも安保条約そのものが片務的条約で不平等だという見方であると、こういうことですね。
 そして、沖縄県の提起している改定については、安保条約との総合的兼ね合いで、実質的には安保条約の改定なしにはできないというふうに考えていると。ただし、改定も技術的には可能であると、こういうことでございます。
 沖縄側の言う11項目については、一種のスローガンという感じを受けていると、こういうことですね。それで、知事がそれをどう見ているかというコメントもありましたが、それはここでは申し上げません。だから運用の見直しで実態を変えていけばいいのではないかと思っていますと。
 沖縄側だけとこの問題でなぜできないかということについて実務者同士で意見交換したことはありませんという返事でした。公室長は、やっているということでございましたが。大体こういうことが外務省の事務レベルの考え方なんです。
 私は、これは多分、今スイス大使をやっておられる梅本さん――前の北米局長でしたが――彼が室長のときも同じような意見だったんですね。だから、私は、恐らく地位協定の改定の一番の壁は、今申し上げたような外務省の考え方そのものにあると思っているんですね。そういう意味でいえば、だからこそ見直しで、要するに改定ではなくして、その解釈でいきたいと、こういうことになっているわけで、ここをどう考えるかということが私は非常に重要だと思うんですね。
 そういう意味では、知事は安保条約を評価する立場なので非常に難しいわけでありますが、74%を抱える沖縄県の知事として、本当に外務省がこういうことで、新しい外務大臣にも、あるいは民主党の首脳にもレクチャーをして、洗脳をして、民主党が動きがとれなくなっているとすれば、ここはやっぱり一考しなきゃならない事態だろうと思うんですね。そういう意味で、知事におかれてもよくそこのところをお考えいただいて、戦略的にここはどう突破するかを考えないと、議員の皆さんもみんなそうですが、やはりどうして進まないんだと、何が原因だということをみんな考えているわけです。ところが、なかなかこの原因がつかめないし、原因がつかめないものに対しては対策の打ちようがないんですよね、これは。
 だから、ここはひとつそれも含めて沖縄県知事としても、安保条約賛成、反対を私が言うあれはありませんが、しかしながら、もし仮にこういうところが原因とすれば、これはやっぱり基地を抱えている知事としては、何らかの形で政府に対してアピールをしなきゃならない事態ではないかと、こういうふうに思うんですね。いかがでしょうか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後2時7分休憩
   午後2時7分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 今の玉城議員のお話を伺っていますと一々ごもっともでもあるわけでして、基本的に防衛省であれ、外務省であれ、おっしゃるようにきちっと詰めて、何が問題で、何が原因で、どう変えればいいか、変えなければいいかというこの実務的な面でのやりとり、議論というのは、おっしゃったようにきちっと時間をかけて積み上げてきたかというと、それは確かに足りなかったと思うんですね。ですから、これは実は防衛についても、外務についても、外交についても、沖縄に関係している部分が随分ありますから、これからでもそういうかなり詰めた議論を重ねていく必要はあると思いますが、ただし、議論をやる前にまず基本的に安保条約がどういう性格なもので、これは変えなきゃいけないの、この扱いから始まる部分というのがどうしてもありまして、これは政治的な物の考え方とこの安保条約が入ってきた歴史などから入っていかなければいけません。おっしゃったように、実はこれはかなり大ごとな議論でして、ですから、ここは我々も県庁だけで処理できる内容か、大きさかというと、かなりこれは大きな話でして、ただし、いよいよここも入っていかないと取りつけないかというと、必ずしもそうでもない。
実はかなり実務的な部分もありますよね、地位協定の中は。ですから、どこから入っていくかというと、我々は今手がかりが見つかっているのは例の環境関係ですよ。このあたりは、そういう安保条約論から入っていかなくても、安全保障論から入っていかなくても、何とか取っかかりができそうだというのもありますから、そういう実務的な面から入っていく方法があるなとは思っております。ですから、もう少しおっしゃった実務的な議論の積み重ねを始める必要があるなというのは考えております。
○玉城 義和 知事に安保条約の破棄をどうですかということを言っているわけではありませんで、要するに、その原因がどこにあるかということをわかっていて物事に取り組むのと、そうでないのとは相当違いがあるわけですから、そのことを申し上げております。
 それで、公室長が本当に運用の改善が壁であるなどということを本気に考えているのであれば、私はこれは非常に大変な問題だなと思っておるわけで、やはり物事の本質みたいなものをとらまえて、その上でやる。だから、安保条約に絡んでいるとすれば、それに絡まないものは何かという区別をしてみると。それはじゃすぐやろうとか、突破口をどこに開こうかという、そういう方法論が出てきますので、だからそのためには順序立てて、大きな原因はどこにあるかということをとらまえて、それに関知しない部分はどれかということを分けて、今言った環境みたいなことからできるのであれば、まずこれからやってみるとか、そういう段取りをすべきであろうというふうに申し上げているわけであります。それで、これはきょうここですぐどうこうという話ではありませんので、問題提起として出しておきますので、ひとつ議論もしていただきたいというふうに思っております。
 一括交付金についてでございますが、9月26日開催の沖縄政策協議会の基本方向というのがありますね、交付金についての。これはどうなっておりますか、文面を読めば……。
○企画部長(川上好久) 9月26日の沖縄振興部会において、内閣府より「新たな沖縄振興策の検討の基本方向」が示されています。その中で、幾つか県が要望したものについてその方向性というふうなものが出てきているわけでございますけれども、一括交付金については、先ほど答弁をさせていただきましたように、沖縄振興予算については、一括交付金に関する地元の要望を踏まえつつ今後の国の全体の調査状況、そういうふうなものとも兼ね合いを見ながら予算編成過程において検討していくというふうなことになっております。
○玉城 義和 時間がなくなってきましたが、私は文面を読めば、例えば1つは、自由度の高い一括交付金を創設すると、2番目に、制度設計は全国ベースの制度設計を踏まえてと、それで3番目には、国の責務としての沖縄振興と、この3つが柱になっていますね。そういう意味で、これは何を言っているか私なりに解釈すれば、要するに、1つは、制度設計としては地域自主戦略交付金の中に入れ込むと、位置づけるということだろうと、もう一つは、国の責務云々というのは、やっぱり大枠で国のコントロールの中に置きますよということだろうと思うんですね。だから、その一括交付金という概念が、沖縄県の考えている3000億という前に形容詞のつくものと、政府が言っているのとは全く違うことを言っているんじゃないかと、そういう気がするわけですね。だから、政府の言っている26日の沖縄政策協議会のこの文言は、私はそういうふうにしか読めないんですよね。だから、3000億という話ではありませんと、国も関与しますよと。そして全国的な制度設計の中ですよという、そういう話をすれば、3000億の話とはかなりこれは隔たりがあるんじゃないかというふうに私は思うんですが、そこはいかがでしょうか。
○企画部長(川上好久) 今、その金額、それからまた、その制度を含めて予算編成過程において検討をするというのが政府が県に示した方向です。また、それに先立つ9月20日に閣議決定された概算要求組替え基準の中では、「沖縄振興予算については、一括交付金に関する地元の要望を十分に踏まえ、予算編成過程において検討する。」。そういうふうなことから、おおむね10月から12月にかけての予算編成過程において、県としては内閣府と事務レベルの連携を図りながら、その必要性、またその政策検討を求めていきたいというふうに思っております。
 一方でまた、3000億円規模の予算額の話、これもまたひとつ気になるわけでございますけれども、その金額を満額確保する。そしてまた、そのより使途の自由度の高い交付金を実現するというふうなことは、これは確かに事務レベルだけではなかなかおぼつかない部分もあろうかと思います。そこのところは、やはり先ほど申し上げましたように、県・市町村、そしてまた県議会、県選出国会議員、その御協力もいただきながら国へ要望していく、そういうふうな作業をやっていく必要があろうかと思います。
○玉城 義和 もとより賛成でありますので、理論立てが国会の議論にたえ得るような理論立てをしなきゃならぬと、こういうふうに言っているわけであります。
 時間がありませんので、名護高校の敷地の問題ですが、教育長、これは名護高校の敷地の3分の1を使っているんですよね、三十何年間。これはもう親心、母心でやっているわけで、同窓会が。この3分の1を今取っちゃうと野球場もなくなるし、サッカー場もなくなるし、みんななくなるんですよ。だから、あと10年後云々の話じゃなくて、同窓会からも話があるわけですから、検討会をつくるとおっしゃっているわけです。やっぱりそこのところはもうちょっと親身になって考えていただきたいということなんです。いかがでしょうか。
○教育長(大城 浩) 私も、6月の県議会で玉城義和議員のほうからの御質問で、じかに名護高校を拝見させてもらいました。その中で、後援会の会長でいらっしゃいます仲栄眞後援会長を初め何名かの副会長ともお会いいたしまして意見交換もしてまいりました。そういう中で、これまでの名護高校の後援会がいわゆる無償で名護高校の効果的な教育活動に多大な貢献をしていることに対しましてまず感謝を申し上げました。そして、今懸念をしておりますいわゆる有償化に向けての対応につきましても、検討会を持っていく中で対応していきますと、そういうお答えをしてまいりました。
 結論ですけれども、2年前にいわゆるさまざまな要請を受けながら契約の改定をしたばかりでございます。その際の契約の期間が10年間なんですね。ですから、その10年間の契約の改定の時期に今の御指摘にあるような対応をしていきたいと、そういう思いでございます。
○玉城 義和 あれは無期限だったので、せめて期限をつけましょうという話であって、今のような話ではないんですよね。引き続きやりましょう。
 ありがとうございました。
○新里 米吉 一般質問を行います。
 1、知事の政治姿勢と基地問題について。
 (1)、訪米の成果と課題について伺いたい。
 (2)、与那国における「「自衛隊誘致決議」の撤回と誘致活動の中止」を求める」署名が町民の556人に達し、誘致派の署名514人を上回ったことについての所見を伺いたい。
 (3)、在沖米軍四軍調整官を初め米軍高官などは、以前からMV22オスプレイの沖縄配備を明言してきた。しかし、日本政府は否定または明言を避けてきた。ことしの6月6日に防衛省、沖縄防衛局が沖縄県や宜野湾市に伝達したとのことである。防衛省のこれまでの態度や答弁に対する感想及びオスプレイに対する知事の姿勢を伺いたい。
 2、八重山地区の教科書採択問題について。
 (1)、協議会の第1回総会で大幅な規約変更を行ったが、事前に各教育委員会へ資料が配られず当日配付し、検討の時間的余裕を与えなかった。また、規約では調査員は役員会で選任することになっているが、役員会での協議を経ずに調査員が会長独断で委嘱され集められた。さらには総会の議事録もないと聞いているが、事実関係を伺いたい。また、このことに関し、県教育委員会はどのような指導助言を行ったか伺いたい。
 (2)、八重山採択地区協議会においては、会長権限で順位づけを廃止し、密室的手法や規約変更の進め方も強引であったと思われる。このような強引で非民主的手法が県内の他地区にあるか伺いたい。
 (3)、協議会が答申するに当たって、調査員の推薦した教科書以外から選択し答申した例が県内他地区にあるか伺いたい。
 (4)、「義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律」と「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」に示されている、①、教科書の採択権、②、教科書の採択手順について伺いたい。
 (5)、教科用図書採択協議会は、教科用図書調査委員の推薦した教科用図書を重要な資料として協議し、答申するのが主な任務で採択権はないと解すべきと思う。県教育委員会の所見を伺いたい。
 (6)、地教行法第17条第1項は、「教育長は、教育委員会の指揮監督の下に、教育委員会の権限に属するすべての事務をつかさどる。」としており、教育委員会での協議を経ず教科書採択等にかかわることを教育長が独断で「無効」の文書を提出するのは越権行為と考える。県教育委員会の所見を伺いたい。
 3、脱原発について。
 (1)、7月23、24日に実施した共同通信の世論調査によると、菅直人首相が表明した「脱原発」方針に対し、「賛成」は31.6%、「どちらかといえば賛成」は38.7%で計70.3%を占めた。8月25、26日に実施した朝日新聞の世論調査によると「原子力発電を段階的に減らし、将来はやめることに賛成ですか、反対ですか」との問いに賛成68%、反対20%。9月20日の毎日新聞によると、今後原発をどうすべきかとの問いに、危険性の高いものから運転を停止し、少しずつ数を減らす60%、できるだけ早くすべてを停止する12%で計72%。以上の世論調査で明らかなように、脱原発の国民世論は高まっている。国民世論への感想と脱原発についての知事の所見を伺いたい。
 (2)「原子力ムラが日本のエネルギー政策を歪めてきた」と言われている。知事の所見を伺いたい。また、保安院による「やらせ発言」への関与について感想を伺いたい。
 (3)、核燃料サイクル計画は破綻していると思う。知事の所見を伺いたい。
 答弁の後、再質問します。
○知事(仲井眞弘多) 新里米吉議員の御質問に答弁いたします。
 まず第1に、知事の政治姿勢の中で、訪米の成果と課題は何かという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 私は、去る9月19日、安全保障や日米同盟に関する専門家等が参加します「沖縄クエスチョン」において、辺野古移設案は事実上不可能であるという沖縄の実情を説明し、国内の他の都道府県への移設が最も合理的かつ早期に課題を解決できる方策である旨の講演を行いました。その後、会場の有識者の皆様との質疑応答などを通じて意見交換を行いました。
 また、レビン、そしてウェッブ、マケイン米上院議員の皆様と面談をし、その中で、各議員から、辺野古移設案は極めて困難であり、見直しが必要との見解が示されました。私からは、嘉手納統合案について、嘉手納飛行場周辺市町村は現在でも過重な基地負担を強いられており、その実現は困難である旨、申し上げました。
 県といたしましては、今回の訪米において、普天間飛行場移設問題を直接説明する機会を得たことで、有識者とのいわばネットワークの構築が図られたと考えておりますし、米国におけるこの問題の理解が少しでも前進できたのではないかと考えております。
 次に、同じく知事の政治姿勢の中で、与那国における署名についての御質問にお答えいたします。
 現在与那国町において、自衛隊誘致をめぐりさまざまな意見があることは承知いたしております。自衛隊の配備につきましては、我が国の防衛やさまざまな緊急事態に対応するなどの観点から、政府において適切に検討されるべきものであると認識いたしております。
 しかしながら、その配備に当たっては地元の理解と協力を得るよう最大限の努力をするべきであるとも考えております。
 次に、脱原発についての御質問の中で、脱原発の世論調査結果への感想いかんという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 各マスコミの脱原発の世論調査結果は、今回の東日本大震災により、東京電力福島第一原子力発電所が「深刻な事故」を引き起こし、我が国の経済・社会全般にわたり大きな影響を与えていることを反映した国民の率直な気持ちではないかと理解いたしております。
 我が国のエネルギーをどう確保していくかにつきましては、エネルギーが生活と産業を支える重要な基盤であることを踏まえ、国において適切に判断されるべきものでもあると考えております。
 その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 知事の政治姿勢と基地問題についての御質問の中で、オスプレイ配備計画についてお答えいたします。
 去る6月6日、沖縄防衛局から口頭にてMV22オスプレイは、2012年の遅くから第3海兵機動展開部隊のCH46と代替することになるであろうとの情報提供がありました。これについて沖縄防衛局は、米国防総省によるMV22配備に関する情報を入手したことから地元に対して情報提供をしたものであり、我が国に対する正式な通報ではないとしております。
 沖縄県としては、オスプレイが過去の開発段階において死亡事故を起こしていること等から県民が不安を抱いており、十分な情報が示されない現状では、当該配備については反対であります。
 沖縄県が6月に提出したオスプレイ配備についての質問文書に対し、去る9月1日に防衛大臣から回答がありました。しかしながら、米側に照会中のため十分な回答ができていない等とされた項目があり、引き続き政府に対し県民生活への影響などについて説明を求めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○教育長(大城 浩) 八重山地区の教科書採択問題についての御質問で、事実関係と指導助言等についてお答えいたします。
 八重山地区教科書採択問題については、拙速過ぎる規約の改正、協議会の運営のあり方や手法等について、地域住民等から疑義が生じたことが要因の一つであると考えております。
 県教育委員会としましては、8月9日付の通知文書により、地域住民の理解を得ること、規約で定めた手続の遵守、可能な限り話し合いを持って決すること、採択結果や理由等の情報公開など4点について指導助言を行いました。
 次に、規約変更の進め方についてお答えいたします。
 八重山地区以外においては、円滑に採択が行われております。
 次に、県内の採択状況等についてお答えいたします。
 県内においては、これまでに調査員が推薦していない教科書が採択された事例は、把握しておりません。
 次に、教科書の採択権と採択手順についてお答えいたします。
 教科書の採択権は、市町村教育委員会にあります。教科書の採択手順につきましては、初めに採択地区協議会に対しまして採択の基準、調査の観点、採択の方法を示した選定資料を各市町村教育委員会、各採択地区協議会に送付いたします。次に、諮問機関であります各採択地区協議会は、選定資料を活用するとともに、当該採択地区協議会により委嘱・任命されました調査員による調査研究の報告を踏まえ選定・答申をいたします。さらに、各市町村教育委員会は各採択地区協議会からの答申を受けて採択することになっております。
 次に、採択協議会の主な任務等についてお答えいたします。
 採択地区協議会は、種目ごとに同一の教科書を選定し、各市町村教育委員会に答申するための機関でございます。
 次に、「無効」の文書を提出したことについてお答えいたします。
 県教育委員会としましては、文書発出に至る詳細な経緯を把握しておりませんが、当該市町村教育委員会の議を経る必要があると考えております。
 以上でございます。
○商工労働部長(平良敏昭) 脱原発について、「原子力ムラ」が日本のエネルギー政策をゆがめてきたと言われていることへの所見と、保安院によるやらせ発言への関与への感想についてお答えいたします。
 「原子力ムラ」という言葉が一般的に定着しているのかどうか、あるいは我が国の原子力政策をどうゆがめてきたのか、県として具体的に把握しておりませんので、コメントは差し控えさせていただきたいと思っております。ただ、マスコミ報道によれば今月19日から原子力の専門家7500人で構成する日本原子力学会が北九州市で開催され、東京電力、福島第一原子力発電所の事故を検証する特別シンポジウムが行われたとのことで、その中で学会や研究者の姿勢を反省する発言が相次ぎ、「原子力ムラ」に閉じこもらず社会との接点を重視していくことで意見が一致したとの報道であります。
 次に、原子力安全・保安院が特定の意見を表明するように依頼したことについて、これについても県として詳しく承知しているわけではございませんので、具体的なコメントは差し控えたいと思いますが、いわゆる「やらせ指示問題」を調査する第三者委員会の中間報告によれば、一部に指示があったと認定しており、まだ最終報告は出ておりませんが、仮にそのとおりであれば残念であります。
 同じく脱原発の中で、核燃料サイクル計画への所見についての御質問にお答えいたします。
 原子力委員会において、原子力政策大綱の見直しが行われておりますが、平成22年11月の原子力委員会においてプルサーマルが開始されたものの六ケ所再処理工場の竣工のおくれや、高レベル放射性廃棄物処分場の立地地点の選定活動が進展していないことなどを反映させるべきとの決定がなされており、去る今月27日から再開された新たな原子力政策大綱策定会議においてもこれを踏まえた議論がなされていくものと理解しております。
 以上でございます。
○新里 米吉 再質問を行います。
 基地問題について質問しますが、先ほど来話がありますように、今、米議会では歳出削減幅をどうするかと、そのことによっては沖縄の米軍再編の問題についても大きく影響してくるということが報道されています。そういった時期に有力議員たちと意見交換ができたということは大変よかったと思います。
 ところで、その有力議員との話の中で、国防権限法について3名の議員の方から何か説明がありましたでしょうか。もしそれがありましたら、その内容とか見通しとかについて説明を伺いたいと思います。
○知事公室長(又吉 進) 具体的な現在の審議の状況という詰めた話というのはなかったんですけれども、現在審議されている国防権限法において、やはり米軍事費の削減が大変な課題になっておりまして、これはマケイン議員だったと記憶しておりますけれども、その圧縮について非常に苦慮をしているという旨の発言がありました。
○新里 米吉 ところで知事、今年度内に――今年度内というのは3月までですよね――訪米する計画はありますか。ありましたら、いつごろを予定していますか。
○知事(仲井眞弘多) 現在のところ、まだ具体的なプランはつくっておりません。ただ、先ほどの事務所の開設とか、あとは無論その事務所は防衛問題だけではなくて、沖縄の県産品とか産業振興とか、いろんな要素を持った事務所ではどうかという議論を今やったりしております。それに関連して行くことはひとつありそうな感じがありますが、一方でどうでしょう。2月、3月、ぎりぎり年度末近い時点であり得るかもしれませんが、まだ今のところ決めておりません。
○新里 米吉 やっぱり先ほどから話がありますように、知事含めてあるいは県議団とか基地所在市町村長とかで次回は要請に行くということも大事ではないかと思いますし、今回知事がやられたネットワークとか、いろんなその成果をやっぱりみんなで大事に連携しながら共有していくということも必要だと思いますので、今後お互いにこの問題については連携しながらやっていきたいと思います。知事のほうも前向きにそういう点については検討をお願いをしたいと思います。
 次に、八重山地区の教科書採択問題について質問をいたします。
 文部科学省が大変混迷をしております。答弁に一貫性がない、大臣と副大臣の答弁が食い違う、これはきのうの参議院予算委員会で明らかになっています。
 そもそも今回の八重山地区の教科書採択問題、法律の矛盾、法の不備も大きな要因です。法の不備を認識していながらそのまま放置してきた歴代の文部大臣、文科大臣を初め文科省の責任は重大です。さらに法律をつくる国会議員とりわけ文教族と言われる皆さんの責任も重大です。ところが、みずからの責任に恥じ入るどころか、独善的で強引な手法で混乱の契機になった協議会会長と連携をして、県教委を攻撃する。全くもってのほかです。
 このような状況の中で、解決策を建設的に提案・助言すべきであります。県教委が解決に向けて努力されていることに評価をし、再質問を行います。
 協議会は、多数意見で答申をしました。しかし、採択権を持つ3市町の教育委員会で採択する教科書が異なった。そのことから教科用図書の無償措置に関する法律第10条、「適切な指導、助言又は援助を行わなければならない。」に基づいて県教委は助言をしたと思います。また助言に当たっては、文科省とも連携し協議をして進めたと思いますが、いかがでしょうか。
○教育長(大城 浩) ただいまの再質問に対しましてお答えいたします。
 まず8月9日付で、私どもは4点の視点で指導助言をしております。
 まず1点目は、住民の理解を得ることが大事ですよと、2点目は、規約を守ることが重要ですよと、3点目は、可能な限り話し合いで決することが大事ですよと、4点目には、情報公開に努めることが大事ですよと、こういった4点の指導をしました。そのことは既に文科省のほうに通知文の内容については報告いたしました。
○新里 米吉 文科大臣は、9月8日の3市町教育委員による全員協議の結果について、協議は整っていないと考えざるを得ないと述べたわけですが、照屋寛徳衆議院議員の質問主意書への答弁で、協議を行うことについて合意していないとの教育長名の公文書を根拠にしてその発言をしたようであります。両教育長は、教育委員長の了解も得ない、先ほど話がありましたように少なくとも教育委員会を開いて教育委員会の議を経て教育長は仕事をすべきであります。そのようなこともなされていないことは、県内では周知の事実であります。そういうことをしていなかったということについて、文科省に教育委員会としては報告をされたでしょうか。
○教育長(大城 浩) ただいまの件につきましては、9月12日に報告をしております。ただ、そのときの報告の時点では、特にコメントはなかったです。そして文科省は2教委――石垣市の教育委員会初め与那国町の教育委員会――に対しまして、独自に確認を行ったようでございます。公印があったことが有効であるという文科大臣の見解でございました。
○新里 米吉 印鑑は押したけれども勝手にやったと。法律を実際に具体的に検証すれば、これはもう違法行為と言わざるを得ないと思います。矛盾する法律、そして法の不備によって起きたことの問題解決のために、県教委は無償措置法13条に規定している種目ごとに一種の教科用図書を採択するということのために採択権を持っている3教育委員会の全員協議会になったと。いわゆる解決をするためにもうこの方法しかないということで行ったと思います。そのときの状況を説明してください。
○教育長(大城 浩) それではそのときの状況を説明いたします。
 まず、時間的には6時間かかったみたいです。まず、13名の教育委員の方々が集まりました。その中で、協議が必要であることをまず確認をしております。そして、どのような形態で協議するかを3教委がおのおの分かれまして話し合いを行っております。その後、再度13名がまた集まりまして、協議の形態を決めております。つまり全員で話し合うことをここで合意したわけです。
 それから、話し合いで決しないとき、どうしましょうかと。そういうときに多数決を用いることをそこで決めております。そして多数決が難しい場合のことを想定したんでしょうか、2人の教育長が退席をいたしました。その後、80分後にお一人の教育長が戻ってまいりました。その後、答申の扱いにつきまして話し合いがありまして、I社――あえてI社と申し上げます――を採択しないことを多数決で決めました。その後で、各委員のほうから推薦する教科書を挙げておのおのよさを述べてもらっております。ここで細かく言いましょうか、どういう方々がどういった発言をしたかは。
○新里 米吉 それはいいです。
○教育長(大城 浩) それでは割愛いたします。それで多数決でT社を採択したと、そういう状況でございます。
○新里 米吉 今の経過報告からしますと、2人の教育長が印鑑を押して協議を行うことについて協議していないということがいかに事実に反するか。いわゆる自分たち2人だけが反対したんであって、教育委員会として3つの教育委員会はその協議をして参加しましょうというのを決めて3カ所は集まった。一教育長が教育長員会で決まったことをやっていないんだという文書をつくって送ったということが今明らかです。実に許しがたい。教育委員会の指揮監督のもとに教育長はあるのであって、勝手に独断専行でこういうことができる、やる。印鑑が押されているからこれが正しいんだという文科省、許しがたいですよ、本当に。どこかの大学の教授にもおかしな人がおりますが。
 ところで、地教行法第13条は第1項で、「教育委員会の会議は、委員長が招集する。」、第2項は、「教育委員会は、委員長及び在任委員の過半数が出席しなければ、会議を開き、議決することができない。」となっております。全員協議会開催について、3教育委員会がそれぞれで協議をして、そして3教育委員長が出席をし、各教育委員会も過半数が出席をして、全員協議会が開催をされている。地教行法第13条「会議」の要件を十分に満たしております。「会議」は成立していると考えるのが当然だと思います。先ほど法律専門の副知事もうなずいておられました。県教委の所見を伺いたい。
○教育長(大城 浩) まさに我々もこれまでも答弁したように、13名のすべての県教委の方々が集まった協議こそがいわゆる八重山の総意であると、そういうとらえ方をしております。
○新里 米吉 文科省がぶれまくっている中で、県教委は一貫してしっかりした論理と、そして法律に基づいて地域の皆さんで解決してくださいと。そのための助言をして集まっていただく、そういう大変な御苦労をしていることがよく理解できました。これからもしっかり頑張ってください。
 次に、脱原発について質問をします。
 菅直人前首相がこのような発言をしています。「核廃棄物は無毒化できず封じ込めるしかないが、完成した技術とは思えない。事故のリスクを取れないならば、原発に依存しないやり方しかない。」と、脱原発に至った考え方を説明しております。また、完成した技術ではないし、リスクも大きいということはもう明らかになっております。実は、南城市の市長さんも脱原発依存に転換しない野田首相に、この機に及んでもまだと言っています。そのとおりです。原発のない沖縄こそ脱原発を明確にすべきではないかと思います。どうもその辺になるとちょっとすっきりしない答弁がありまして、もう沖縄にも原発は要らない、日本も原発をなくしていく、そういう姿勢を明確にできないものでしょうか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後2時53分休憩
   午後2時53分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 商工労働部長。
○商工労働部長(平良敏昭) 脱原発について、沖縄県には確かに原発はありませんし、今後もその予定が入っているわけではありません。ただ行政として、あるいは電気事業者としての責務として、安定かつ効率的な電力の供給という視点から考えれば、先日も知事が答弁したとおり、新たなエネルギー源をどうするのかというところが非常に今は必ずしも明確ではないと。もちろん沖縄県としては新エネルギーの研究開発あるいは導入促進を積極的にやっていくという考えで進めておりまして、そういう点からはぜひ御理解いただきたいと思っております。
 以上でございます。
○新里 米吉 先日、総務企画委員会の一員としてデンマークに行きました。日本と同じなんですね。石油は外国に依存しているんです。エネルギーを外国に依存していたわけです。
 そこで、1970年のオイルショック(石油ショック)のときに政府のほうから原発の話も出たけれども、国民が反対をして、原発はこれまで一切ないわけです。今後もそういう計画はありません。では、非常に困っているかというと、全然違うんですね。それだけの姿勢があるだけに、新エネルギー、そして再生可能エネルギー、ここに早い段階から取り組んできた、早い段階から。今、どういう状況にあるかというと2009年に化石燃料71%、風力19%、バイオマス10%、今はもうそれを超えています。2020年の目標として化石燃料は38%、風力、何と42%、バイオマス20%で今計画を進めている。特に風力、現在5000基余りがある、5000基余りですよ。そこでもう陸上はつくれない。これは規制があるわけですね、近くの建物までの距離が発電機の高さの4倍以上離れていないといけないと。さらには騒音、日照権の問題等もあって、海上につくるとコスト2倍になるけれども、今はもう海上にどんどんつくり始めています。
 このように、日本と同じ条件にある地域なんですから、沖縄と同じような条件にある地域で、新エネルギーやっぱり再生可能エネルギーに日本も沖縄も力を入れて脱原発の方向に動くというのは、これはもうみんな常識の話だろうと思うんですね。とりわけ、沖縄は0.3%の再生可能エネルギーしかないと言っているわけですから。沖縄は一層の努力が必要という認識で、県もそして沖縄電力とも協議をしながら力を入れていかなければならないと思うんですがいかがでしょうか。
○知事(仲井眞弘多) まさにおっしゃるように沖縄はエネルギーの自給率というのは、すぐ使えるエネルギーとしてはほとんどゼロだという状況ですから、これから原子力はなかなか今の技術のシステムでは沖縄のサイズでは入らない。そうすると、CO2対策も含めますとおっしゃった新エネルギーとか再生エネルギーというのをしっかりと取り組んでいく必要があると思います。
○新里 米吉 再生可能エネルギーは電力もなかなかいろいろ安定供給ということでは難しい部分もあるけれども、それだけにスマートグリッドにも力を入れていますよ。電気自動車に力を入れる、電力を蓄えることにも力を入れて一生懸命研究開発しておりました。私たちも参考にしなければならないと思っています。
 終わります。
○新垣 安弘 民主党の新垣です。
 それでは、早速ですが質問に入らせていただきます。
 今回は、まず安全保障と危機管理の問題、人材育成、地方分権、海洋資源の活用等についてお伺いをいたします。
 まず初めに、安全保障と基地の問題について伺います。
 (1)、既に新聞報道で伝えられておりますが、知事部局における安全保障課の設置と安全保障研究機関構想の進捗状況を伺います。
 (2)、政府は、南西諸島の防衛力強化を進める方針ですが、そのことに対して中国と台湾はそれぞれどのような反応を示すと予想されるでしょうか。
 (3)、東アジア情勢における有事、いわゆる武力攻撃事態などの有事は想定すべきか、想定外とすべきかお伺いいたします。
 (4)、県民にとって想定すべき最悪の有事とはどのような状況が考えられるでしょうか。
 次に、防災・減災・危機管理について伺います。
 (1)、東日本大震災の後、県の防災・減災・危機管理計画の見直し作業の進捗状況はどうなっているでしょうか。
 (2)、東日本大震災における自衛隊の活動と米軍の支援活動をどう評価されるのか伺います。
 (3)、県の防災計画に自衛隊と米軍はどのように位置づけられているでしょうか。
 (4)、阪神・淡路大震災においては、自衛隊と米軍の対応はどうであったか伺います。
 3番目に、人材育成と活用について伺います。
 (1)、県益確保の立場から、中央省庁、自衛隊、あるいは外交官等各界で活躍できる優秀な人材を戦略的に養成していく制度を設ける必要があると考えますが見解を伺います。
 (2)、本県とのかかわりを持ち、また本県に愛着を持って、本県のために力になってくれる人々の戦略的な人材の管理と活用はどのようになされているでしょうか。
 (3)、本県の児童生徒の学力テストの成績が全国との比較で芳しくない原因はどこにあるのか。また、秋田県から何を学び、何を取り入れたのか伺います。
 (4)、中国を意識した学校教育と人材育成はどのように取り組まれているのか伺います。
 4番目に、県から市町村への権限移譲について伺います。
 (1)、現在までに移譲された主な内容と、移譲計画の進捗状況はどうなっているでしょうか。
 (2)、権限や財源の移譲を進める上で市町村に求められる課題は何でしょうか。
 (3)、権限、財源移譲に関する市町村からの要望はどの程度寄せられているでしょうか。
 5番目に、市町村合併について伺います。
 (1)、合併した市町村のその後の経過はどうなっているでしょうか。
 (2)、市町村合併と権限移譲との関連性はあるのかどうか。
 (3)、今後、県として市町村合併への取り組みはどうあるべきか伺います。
 最後に、海洋資源の活用について伺います。
 (1)、第2回の海洋エネルギーワークショップの成果と今後の取り組みはどうなっているでしょうか。
 (2)、海洋資源を生かすための中長期的な取り組みはされているでしょうか。
 (3)、海洋資源開発の技術発展の展望と実用化に伴う本県経済への波及効果はどのように予想されるでしょうか。
 以上、御答弁のほどよろしくお願いいたします。
○知事(仲井眞弘多) 新垣安弘議員の御質問に答弁いたします。
 第1に、防災・減災、そして危機管理に係る御質問の中で、自衛隊の活動と米軍の支援活動についての御質問にお答えいたします。
 今般の東日本大震災において、自衛隊が震災発生当初から最大10万人を超える体制で被災者の人命救助や瓦れきの撤去、生活支援活動などなどに当たられたことは、被災地の復興に大きな力を発揮したものと評価いたしております。また、在日米軍につきましては、人員2万人以上と多くの艦船、そして航空機を投入したと承知いたしております。これらの米軍による活動は、被災地での人道支援及び災害救援に大きな役割を果たしたものと認識いたしております。
 次に、人材育成とその活用についての御質問の中で、中国を意識した学校教育と人材育成についての御質問にお答えいたします。
 経済のグローバル化が進んでいる今日におきまして、沖縄県の特性を生かした世界との交流ネットワークを構築し、国際感覚を備えた人材の育成を図ることは極めて重要であると考えております。21世紀はアジアの時代と言われております。学校教育においても今までとは違った外国語教育の施策をしっかりと策定をし実施することにより、国際社会で主体的に活躍できる人材育成に努めていきたいものだと考えております。
 次に、海洋資源の活用についての御質問の中で、海洋資源の活用に係る取り組みと海洋資源開発の技術発展の展望及び実用化に伴う沖縄県経済への波及効果についてという御質問にお答えいたします。6の(2)と6の(3)は関連いたしておりますので、恐縮ですが一括して答弁させていただきます。
 海洋資源の開発につきましては、平成20年3月に閣議決定されました「海洋基本計画」において、国の主導による探査・開発を推進することにより中期的に商業化を目指すことが目標として決定されております。同計画に基づき策定されました「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画」では、目標達成に至るまでの探査・開発の道筋とそのために必要な技術開発等につきまして示されております。沖縄県周辺海域におきましても資源量の把握や開発に伴う周辺環境への環境評価等の基礎的な調査が行われているところでございます。
 県といたしましては、海洋資源の開発は県内の新たな産業の創出や雇用の増大など、経済的波及効果が期待されるものと考えており、国と連携をして適切に対応してまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 安全保障と基地問題についての御質問の中で、総合的安全保障研究に関する進捗状況についてお答えいたします。
 県としましては、日米の国防・安全保障政策や今後の国際情勢等を踏まえ、沖縄の過重な基地負担の軽減に向けた県としての考え方を取りまとめていく予定であります。このため、安全保障を専門的に研究する有識者や専門家とのネットワークを構築するなど、独自の仕組みが必要と考えております。現在、県庁内の課レベルの設置を含め組織のあり方やより一層の効果的な施策や手法について検討を進めているところであります。
 次に、南西諸島の防衛力強化と中国・台湾の反応についてお答えいたします。
 防衛白書では、自衛隊配備の空白地域となっている島嶼部に必要最小限の部隊を新たに配備するなどとし、南西地域の体制強化を図ることが示されております。南西諸島への自衛隊配備による中国・台湾の反応について現時点で一概に予測することは困難であります。
 次に、東アジア情勢における有事等についてお答えいたします。1の(3)と1の(4)は関連しますので一括してお答えいたします。
 防衛白書によりますと、東アジア情勢については、朝鮮半島をめぐる問題、台湾をめぐる問題、南シナ海をめぐる問題が存在するなど、今なお不透明・不確実な要素が残されているとしており、この地域にさまざまな問題があることが示されております。
 県民にとって最悪の有事とは、言うまでもなく戦争が起こることであり、沖縄県民は去る大戦で住民を巻き込んだ悲惨な地上戦を経験していることから、政府においては、今後とも有事が発生しないよう、これまでにも増して不断の外交努力が重要であり、これらを踏まえ、東アジア情勢の動向に適切に対応していただきたいと考えております。
 次に、防災・減災・危機管理についての御質問の中で、防災計画等の見直しの進捗状況についてお答えいたします。
 県におきましては、東日本大震災を踏まえ、沖縄県地域防災計画の見直しに着手しております。このため、本年6月に琉球大学教授等の専門家で構成される「沖縄県地震・津波想定検討委員会」を設置し、9月12日に開催された最終の委員会において取りまとめが行われたところであります。
 同委員会におきましては、1点目、今後、想定の対象とする地震・津波として科学的知見に基づくものと、歴史的知見等に基づく最大クラスのものの2つのレベルを想定する必要があること、2点目、防災計画見直しの方向性として、住民の「地震・津波からの避難対策」や「防災意識の啓発・普及」が重要であること、3点目、最低限度の浸水域として海抜5メートルより高い場所への避難が最低限必要である一方、歴史に学ぶ最大クラスの津波からの対策も可能な限り講じるべきであること、4点目、県においては、海抜高度の明示などにより市町村における避難対策の強化や住民が地理的特性を把握できるよう支援する必要があることなどの御提言をいただきました。
 今後は、同委員会の御提言や国の防災基本計画の見直し状況等も勘案しつつ、市町村等関係機関と連携し、沖縄県地域防災計画及び関係するマニュアル等の見直しを早急に進めてまいります。
 次に、県地域防災計画への自衛隊・米軍の位置づけについてお答えいたします。
 沖縄県地域防災計画における自衛隊の位置づけについては、「自衛隊災害派遣要請計画」の中で、避難者等の捜索・救助、道路または水路の啓開、人員及び物資の緊急輸送、炊飯及び給水支援など、各種活動の実施について規定されております。また、米軍については、沖縄県地域防災計画の中で、県と在沖米軍との間で定めた「災害時における沖縄県と在沖米軍との相互連携マニュアル」に基づき、人命救助、緊急輸送、障害物除去など大規模災害時の被災者の救援や被害の拡大防止等の活動において相互に連携・協力することとしております。
 次に、阪神・淡路大震災における自衛隊と米軍の対応についてお答えいたします。
 阪神・淡路大震災において、自衛隊は平成7年1月17日から同年4月27日の間、延べ170万人の隊員を派遣し、人命の救助、給水等の生活支援、物資の輸送支援、医療支援、倒壊家屋の解体など、災害応急対策や復旧・復興対策を実施しました。また、外務省によりますと、在日米軍につきましても被災者の救出・救援活動等を実施したものとされておりますが、当時の活動期間や規模等の詳細については把握しておりません。
 以上でございます。
○教育長(大城 浩) 人材育成と活用についての御質問で、人材育成についてお答えいたします。
 本県が持続的に発展していくためには、産業、福祉・医療、文化等の各分野や政財界等の各界において活躍できる多様な人材の育成が極めて重要だと考えております。
 県教育委員会としましては、創造性・国際性に富む人材を育成するため、「進学目標達成事業」や「高校生の国外留学派遣事業」等を実施しているところであり、今後とも生徒が志望する大学等へ進学できるよう、生徒の進路実現を支援してまいります。
 次に、学力の課題と秋田県との交流の成果についてお答えいたします。
 全国学力・学習状況調査等の分析結果から、本県においては「わかる授業の構築」と「基本的な生活習慣の形成」に課題があることが明らかになっております。過去3年間の秋田県教員との交流の成果として、児童生徒の考えを引き出したりする発問の工夫や思考の流れに沿ったノート指導、自発的な学習を生み出すきめ細かな指導など、授業改善に係る教師の意識の向上が挙げられます。また、家庭・地域における「早寝早起き朝ごはん」や家庭学習等の取り組みが徹底されていることも学ぶことができました。
 県教育委員会としましては、今後とも秋田県との人事交流を継続させ、本県教育の充実を図ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○文化観光スポーツ部長(平田大一) 人材育成と活用についての御質問の中の、本県のために力になってくれる人々の人材の管理と活用についてとの質問にお答えいたします。
 本県では、人材活用の一つの施策として、美ら島沖縄大使認証制度を設置しております。この制度は、沖縄に深い理解と高い関心があり、本県にゆかりのある者によるPR活動を通して、沖縄県のイメージアップを図ることを目的として創設されたものであります。現在、94名の美ら島沖縄大使がおり、経済や教育、文化などさまざまな分野において沖縄のイメージアップに多大な貢献をしていただいております。
 なお、直近の事例によりますと、本年6月に認証いたしました國塚安雄氏は、東北地方においてエイサーを通じ本県の魅力発信を積極的に行っていらっしゃる方のお一人であり、県としましては、今後とも各大使の御協力を得ながら、広く沖縄の情報発信に努めてまいりたいと考えております。
 以上です。
○総務部長(兼島  規) 県から市町村への権限移譲に関する質問のうち、権限移譲の主な内容と計画の進捗状況についてお答えいたします。
 市町村への権限移譲につきましては、平成22年度からスタートした「新沖縄県行財政改革プラン」で掲げた重点移譲項目500の事務に対し、330の事務が既に市町村に移譲されております。これまでに権限移譲された主な事務は、旅券法に基づく旅券の申請受け付け及び交付等の事務、土地改良法に基づく土地改良区の設立認可の事務、墓地、埋葬等に関する法律に基づく墓地等の経営許可の事務などとなっております。
 以上でございます。
○企画部長(川上好久) 県から市町村への権限移譲についての御質問の中で、権限移譲を進める上での市町村の課題についてお答えします。
 権限移譲を進める上で、市町村においては行政システムの構築や人材の確保等組織体制の整備に加えて、住民ニーズの把握や住民への情報の発信も課題となっております。その中でも規模の小さい離島町村や行財政基盤の脆弱な市町村については、専門職員や有資格者の確保が困難であることや市町村単独での実施が非効率的な事務があります。これらの市町村への移譲を進める上では、事務の共同処理、広域連携等、行政体制の整備を図ることが課題となっております。とりわけ、離島市町村については割高な行政コストなど離島固有の課題があることを踏まえ、関係部局と連携を密にしながら行政体制整備に係る課題の解決を図っていきたいと考えております。
 次に、権限移譲に関する市町村からの要望についてお答えします。
 市町村への権限移譲については、県の権限移譲推進指針における重点移譲項目の事務について、県内市町村に対し移譲希望調査を実施しております。平成21年度の調査結果では、28市町村から412の事務の希望があり、平成22年度の調査結果では、26市町村から252の事務の移譲希望がありました。市町村から希望のある事務については、県と市町村の関係課との間で協議を行い、協議が整った事務が移譲されることとなります。
 次に、市町村合併についての御質問の中で、合併市町村のその後の経過についてお答えします。
 沖縄県内におきましては、平成14年4月に久米島町、平成17年4月にうるま市、平成17年10月に宮古島市、そして平成18年1月に八重瀬町と南城市が誕生し、それぞれ合併後9年から5年が経過いたしました。合併後は、おおむね新たな専門職の配置、財政優遇措置等による行財政基盤の強化、上下水道等のインフラ整備を初め新たな事業の展開、福祉事務所設置や旧市町村の公共施設の相互利用等による住民サービスの向上が図られたと聞いております。また、一方では、地域の独自性の維持や自治体としての一体感の醸成等の課題もあると聞いております。
 次に、市町村合併と権限移譲の関連性についてお答えいたします。
 平成11年以降の合併で誕生した5市町への権限移譲数は次のとおりであります。
 市については、うるま市17法令203事務、宮古島市17法令203事務、南城市25法令363事務、それ以外の8つの市が平均13法令149事務となっております。それから町につきましては、久米島町18法令144事務、八重瀬町15法令110事務、それ以外の9つの町が平均13法令101事務となっております。
 市町村合併による行財政基盤の強化は権限移譲の推進を後押しするものでありますが、各市町村ごとの規模や状況の違いによって実際の移譲実績はさまざまであります。
 次に、今後の市町村合併への取り組みについてお答えいたします。
 平成11年以来の全国的な合併推進については、平成22年3月までが一区切りとされ、その上で引き続き市町村の行財政基盤の強化のため、自主的に合併を選択する市町村を支援する新たな合併特例法が10年間の時限立法として平成22年4月に施行されました。県では、今後、積極的な合併推進は考えておりませんが、この法律に基づき自主的な合併に取り組む市町村の支援は行ってまいりたいと考えております。
 なお、合併に至らなかった小規模町村につきましては、単独市町村での実施が非効率的または困難な事務について、広域連携などの取り組みを支援してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○商工労働部長(平良敏昭) 海洋資源の活用についての御質問の中で、第2回の海洋エネルギーワークショップの成果についてお答えいたします。
 今月ハワイで開催されました沖縄・ハワイ協力による第2回海洋エネルギーワークショップに担当職員を派遣したところでございますが、海洋温度差発電の実証事業の実現に向けて技術面や環境に与える影響などに関する議論がなされ、日米間で改めて海洋温度差発電の重要性と実証事業の必要性について認識を共有することができたとの報告を受けておりまして、今後、沖縄とハワイの間で海洋温度差発電の実証事業が取り組んでいかれるものと期待しております。
 海洋温度差発電は、深層水と表層水の温度差を利用して発電するもので、安定した発電が可能なこと、また、発電後の深層水を産業面に再利用できることから、県内におけるそのポテンシャルは高いものと考えております。
 県といたしましては、実証事業の実現に向け積極的に対応してまいりたいと考えております。
 以上でございます
○議長(髙嶺善伸) 質問の途中でありますが、時間の都合もありますので新垣安弘君の再質問は休憩後に回したいと思います。
 20分間休憩いたします。
   午後3時28分休憩
   午後3時53分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 新垣安弘君の再質問を行います。
 新垣安弘君。
○新垣 安弘 再質問、よろしくお願いいたします。
 まず、知事にお伺いいたします。
 これは今まで何度もお伺いしているんですが安全保障の研究機関ですね。これは最近新聞に、要はそこの事務局に当たるようなものを県庁の中で公室長のもとにつくっていくと、そういうお話もあって徐々に進んでいるんじゃないかなということですごくうれしく思うんです。ただ1つ、これは今までこの問題にかかわる別の議員の皆さんの議論の中でも感ずるんですが、せっかく総合安全保障にかかわる研究機関、あるいはそれを担当する事務局を知事部局の中に強化してつくるんだというふうにおっしゃっているんですが、ただ私は、このことがただ沖縄の基地の過重負担を削減するための要は理屈づけ、理屈を探していく、理論をつくっていくというか、そのための機関だったら、これはある意味で半分残念だなという気はするんですよ。ですから、それだけではなくて、沖縄は県民の安全、生存、そういう点から見たら、歴史的に見ても今も他府県とは違うんだから、安全保障はそれこそ国に任せっ放しではおられないと、そういう県ですから、そこはこういう機関の中でただ単に基地の過重負担があるから基地の削減だけをその機関で研究するのではなくて、沖縄としての安全保障政策をどうするんだ、そこまで考
えて、そこから全国に発信をして、戦後ずっと日米安保に依存して国民全体が安全保障や国防に関する意識が思考停止になっている。国民の意識がそういう状況だから、沖縄の防衛にかかわる過重負担も痛みがわからない、そういう状況になっているわけです。そういう意味でただ単に基地の過重負担を理論づけをして政府とやり合うんだと、そのための研究機関ではなくて、本当に沖縄の安全保障もしっかり考える。そこから国としての安全保障にかかわる国民の意識はそれでいいんですかと、そこまで発信するようなそういう機関として位置づけてもらいたいと思うわけなんです。今までの答弁をいろいろ聞いていますと、まだそこまでいってないと、そういうふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○知事(仲井眞弘多) まさしく今議員のおっしゃったような、議員のお考えとほとんど似ています。あとは無論、防衛的な安全保障のみならず防災とかコンピューターにおける外覧のハッカー的なものとか、それからエネルギー・食料の自給率とかいろんなものを含めて、さらに現実の目の前の、先ほどの玉城議員からもありましたああいう地位協定の問題も非常に大きなものにつながっていくものですから、ちょっとあれは並なやり方ではなかなかそこまで手が届きません。日本国民の意識の問題というのは少し荷が重いんですが、そこまで行けるかどうかはちょっと別にしまして、ただ沖縄地域をめぐる防衛・防災、それからいろんな面を考えても、しっかりと我々自身を守るというかそういう考えをきちっと整理をして対応すべきだろうということで、研究機関と政策をつくっていく機関的なものを内外の知恵を集めてつくっていったらどうかということで、今、議員のおっしゃるものにほとんど近いと思います。
○新垣 安弘 公室長にお伺いいたします。
 私の質問の中で東アジア情勢における有事、いわゆる武力攻撃事態などの有事は想定すべきなのか、それとも想定外とすべきなのかという質問をしています。それに対して直接的な御答弁がなかったように思うんですが、そこのところはどうなのか、お願いできますでしょうか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後3時58分休憩
   午後3時58分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 知事公室長。
○知事公室長(又吉 進) いわゆる有事というものに関しましては、さまざまな分野のさまざまな立場の方がさまざまな想定をされているということは承知しております。
 沖縄県行政としてある事態を有事というような形でとらえてというものにつきましては、なかなか地方自治体としてこれをもって有事、あるいは想定される有事ということはなかなか難しいと考えておりますが、そういった意見等についてもしっかり研究をしていきたいというのが今回の安全保障研究組織の一つの目的でもございます。
○新垣 安弘 前回の議会でも私似たような質問をしました。公室長からの答弁があるんですが、自衛隊法といわゆる国民保護法があるんですよ。「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律」なんですね。この法律は恐らく県もしっかりとやっていると思うんです、それに基づいて。この法律というのは、私はこれは有事を想定した上で、そのときの国民をいかに守っていくか、そのために地方自治体は備えをしなさいよということだと思うんですね。それからするといかに地方自治体であったとしても、この法律の趣旨からすると、武力攻撃事態の有事は想定しないといけないんじゃないかと思うんですが、そこはどうでしょうか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後4時1分休憩
   午後4時2分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 知事公室長。
○知事公室長(又吉 進) この法制の成立過程におきましては、国会においても武力攻撃事態というものに対してどういったことを想定しているのかという数々の議論があったと承知しております。しかしながら、地方自治体としてその武力攻撃事態がいかなる過程、いわゆる有事というんですか、そういう形で起こるというような過程、想定、プロセスについては、これは地方自治体が一義的に承知しているわけではございませんで、そういったことは国がとにかく武力攻撃事態というのがあり得ると。それに対する対処を国民としてやっていくことが必要だという趣旨でつくられた法制ですので、そこで前提となっているその有事といったものにつきましては、これは沖縄県としては現在のところ具体的には承知していないということでございます。
○新垣 安弘 私は、先ほども申し上げたんですが、沖縄は安全保障に関しては他府県と同じ意識ではだめだと思っているんですね。ですから有事のことに関しても、これはなかなか微妙な問題でこういった公的な場で気をつけないといけない部分もあるんですが、ただ、今回この安全保障の問題と災害の防災、危機管理ということも一応質問しているんですが、災害に関しては今回東北の大震災があって、県も災害に対する防災の計画を見直そうということでやっているわけですよ。今回の議会で何度か答弁されていると思うんですが、見直すときに、いわゆる科学的な知見に基づいて一番大きな災害を予想し、そして歴史的な知見からも大きな災害を予想して対処をするということなんですね。ですから、防災に関してはそういうふうにしようということで今取り組みが行われているんです。東北の地震の状況を見たらまさにそう、戦争よりも大きな被害じゃないかというふうに言われていますから。だから有事に関しても、じゃ、有事にこれを当てはめたときに、科学的な知見から沖縄がこうむる有事、歴史的な知見からの沖縄の有事ということを考えたら、いわゆるその脅威――武力攻撃が想定されるような脅威は沖縄にとってこ
れから先全くないんだということで我々はいいのか。そうじゃなくて、何十年、何百年後に来るかもわからない地震と大津波に対して備えようとするんだから、過去の歴史を見たら有事に対する備えもやらないといけないんじゃないかということになると思うんですよ。そうすると脅威に関しては、じゃ、科学的にはどうかといったら沖縄が武力的に侵略されるそういう能力があるところが近くにあるのかと。能力と、そして能力を持った者がそういう意図を持って仕掛けてくる状況が生まれる可能性があるのかどうか。それがある意味で科学的な力の判定だと思うんですね。
 もう一点、歴史的な知見から、我々沖縄はどういうふうに置かれているかということを見たときに、過去の沖縄の歴史を見たら薩摩から侵攻されたこともあった、過去の大戦もあった。過去の大戦のときにはいわゆる捨て石的な状況に置かれてしまった、その後はサンフランシスコ条約で捨てられた、復帰した。復帰した後、県民の思いとは裏腹に今の基地の状況はそういった過重負担になっていると。そういう沖縄の置かれた宿命的なというか、置かれた状況を考えたら、これからの将来、他府県と一緒に我々の安全保障は国にお任せしますよということでいいのかと、そういう思いがあるわけですよ。ですから、そういう点で沖縄の発展のためには近隣諸国とはしっかり友好・外交をやっていかないといけないことは当然なんだけれども、同時にやはり政治においてはそういう有事も想定した上での感覚が必要じゃないかというふうに思うわけなんです。そこのところを安全保障にかかわる研究機関をつくってしっかりと県民の中にもそういう議論がちゃんとできるような状況が沖縄の中で生まれないといけないんじゃないかなと私は思うんですね。ですから、どちらかというと今回の東北の災害があって自衛隊があれ
だけ活動した、米軍もかかわった。そういう状況の中にあっても沖縄の中には過去の歴史があるから自衛隊、軍隊、米軍はだめじゃないか、そういうふうな感覚があるわけなんですよ。だから、そこはそのままの状態では私はこれはまずいと思うんですね。沖縄が震災とか災害のときになったら、いち早く自衛隊も米軍も救助に動くようなそういう状況でないといけないと思うわけです。
 質問の中ではそのほか、阪神・淡路大震災のことも少し触れていますけれども、そのときに自衛隊、米軍に対する出動要請が物すごくおくれてしまったということをよく言われました。真偽のほどはわかりませんけれども、そのときの行政に自衛隊に対する何かしら距離感があったからじゃないかとか、そういうことも言われたぐらいなんです。ですから、そういう状況があったらこれは困ると。そういう意味でも自衛隊に対してどう向き合うかというのは沖縄にとって大変重要なこと。そういう意味でそこら辺のところをぜひこの機関の中でも考えるようにしていかないといけないと思うわけなんです。今、質問なのか何なのかちょっとわかりませんけれども、るる述べましたが、そこに対する知事公室長、ちょっと御意見をお聞かせ願えますか。
○知事(仲井眞弘多) 今の議員の御意見は大変参考になりますし、私もむしろ賛成する部分がかなりあります。そしてまた、自衛隊についてはもう当然のこととして専守防衛の自衛隊というのは、私はこれは当然日本国にとって必要なことで、沖縄県内もいろんな意見や議論はあるにしても、自衛隊の配備、その他についてはもう当然のことだと私は思って答弁をずっと繰り返してまいりました。そして、いわゆる防衛のみならず災害についてはこの間の石垣で行いました災害についても92の関係機関が入って防災の訓練をやったわけですが、そのときに無論自衛隊の陸海空もちゃんと参加してもらってそれぞれの役割を果たしていただいております。ですが、今度は今おっしゃった有事の想定という国民保護法的な議論があった、ああいう部分についても計画はできておりますけれども、実際に具体的にどういうものを想定してやるかという部分は国に少し任せてある部分があって、沖縄県としての考え方の内容についてはこれから改めてきちっと我々なりには研究しておく必要はあると思います。
 一方でまた、米軍についてどう我々は考えていくかについても、私は米軍というのは応分の米軍の基地というのは当然ある意味で安保条約というのは私は必要だと思っておりますから、米軍抜きの防衛論にはくみしないわけですけれども、ただどういう形のというのは我々ローカルガバメントにおいてどこまで、どういうふうに考えておくべきかというのは今度の研究機関というか、グループといいますか、政策研究の中でも改めて整理整頓しながら、この時代ですから勉強して我々の考えをまとめておく必要はあるのではないかとは考えております。お答えになったかどうか……。
○新垣 安弘 海洋資源のことを今回お伺いしました。尖閣の資源のことで今、日本と中国との間ですごくせめぎ合いがされているんですね。これは尖閣は沖縄の所有地ですから、そこは沖縄としてしっかり見ていかないといけない。
 もう一点、その海底資源に関しては、国としても物すごく関心を持って、これから掘削の技術がどんどん発展してくる可能性はあると思うんです。そういう意味で沖縄にとってもそれは希望のあることだと思うんですね。ただ、そこでその資源をめぐって日中がこじれたら、これは一番あおりを食ってしまうのは沖縄だと思うんです。そういう意味で、じゃ、沖縄から我が海底資源をめぐって日中が資源争いでこじれるのではなくて、日中が共同開発的な形で共同して仲よく資源開発に取り組んでいくような状況が生まれれば、これはもう沖縄にとってもいうことはないと思うんです。そういう意味で一番そのことでまた沖縄がある意味でいい方向になっていくわけですから、そこは沖縄として周りの海底資源に対しては、沖縄のこれからの産業の発展という面からもしっかり注目して追っかけていくし、日中が資源問題でこじれないように、沖縄と中国との歴史的な関係もあるから、そういう安全保障的な観点からも沖縄が意識を持ってやっていかなければならないと思うんですが、そこのところはどうでしょうか。
○知事(仲井眞弘多) まさにおっしゃるとおりだと思います。沖縄周辺の特に海底の資源はいろいろ新聞報道などを見ますと、探査船による、あるいはマンガンノジュールから始まってチムニーから深層熱水の中にいろんな鉱物が溶け込んでいるとかシャーベット状の燃料の何とやらとかいろんなことが、最近また特に治験として発見されておりますが、これがまだ知識的なものか、そこからエンジニアリング的にも採取可能な状態にいけるものなのか、何十年もかかるものなのかという、恐らくこの評価が始まっているんだと思うんです。ですからそういう中で沖縄県の権利というのはどこで、どんな形で主張するか、そのまた無論前段階としておっしゃる日中間の協力のもとで物事が進められればこんなハッピーなことはないんですが、それ以前に沖縄はどこでかめるかという部分で、紛争ではなくて、むしろ資源開発、資源の利用という部分でかめるかどうかも含めて、これは大至急というか、我々も研究を今やっているところでございます。
 特に資源は御存じのように鉱業法というのがあって、これは文字どおり先願から初めずっと権利が山のように連なっておりまして、自分の地元にあってもこれに対して処分する権限はあるとかないとか、非常に古くて難しい権利関係が錯綜している内容になっていますから、そういう活用の部分も含めてきちっとこれは勉強し研究をやっていきたいと思っております。
○新垣 安弘 文化観光スポーツ部長、人材の活用の件なんですが、今度、世界のウチナーンチュ大会もあります。沖縄にJICA沖縄研修センターがあるんですが、そこの卒業生が、そこを通過していった人が7000人ぐらいいるんですね。いわゆる沖縄に愛着を持って散っていっている方々だと思うんです。そういう方々、そういう人材を把握し生かしていくというか、あるいはウチナーンチュ大会にも、例えば直接ではないけれども呼ぶとか、そこら辺の活用の仕方、かかわり方、把握はされていますでしょうか。
○文化観光スポーツ部長(平田大一) 今御質問のJICA等、沖縄県と御縁のある方を含めて、沖縄と一度縁を結んだ方は非常に大きな思いを沖縄に寄せてくれているというふうに思っております。そういった意味では、今、沖縄県のほうで新ウチナー民間大使制度というのもありまして、これはもともとウチナーンチュ大会を機に創設されましたが、今は新ウチナー民間大使ということで、県出身者に限らず外国人など対象の幅を広くしたそういう制度もあります。ぜひそういった形で、現在は民間大使は29カ国2地域、219人おりますが、今、議員から話がありましたとおり、まだまだそういった沖縄に力をかしてくれる人材は多くいるだろうということを考えておりますので、もっともっとこちらのほうも積極的にそういった人材活用にしっかりと交流を取れ入れていきたいと思っております。
○新垣 安弘 最後に教育長、ここに秋田の前知事のコメントがあるんですが、秋田では全国の学力テストの成績を公表したらしいんです、前知事が言うにはですね。そのことが地域にとってすごくいい効果を出したというんですね。公表することによってそれぞれの地域が自覚をしてやったと。
 最後に、ことしは恐らく学力テストは中止になっているかもしれないんですが、全国学力テストがあったときに、今回どれぐらいのところまで沖縄は成績を上げることができるか、そこら辺の覚悟、見通しを最後に聞かせてください。
○教育長(大城 浩) ことしにつきましては、東日本大震災の関係で従来ありました全国的な規模での学力テストは行われないということでございます。そして、各都道府県から希望・調査を募りながら対応していこうという取り組みを考えているようです。ただし沖縄県は、全市町村希望を募った結果、すべての学校がやりたいと、そういったことで対応を考えております。
 そういう中で私ども沖縄県教育委員会といたしましては、今、議員の御質問は、どの程度のレベルを目指すかということですよね。やはり少なくともこれまで以上の成果は出していきたいと、そういう思いでございます。今、一概には何位ぐらいを目指すかということは言えませんけれども、少なくとも前回以上の成績は目指していきたいと、そういった思いで取り組んでいるところでございます。
○新垣 安弘 ありがとうございました。
○新垣 清涼 こんにちは。
 社大・結の会、新垣清涼、一般質問を行います。
 まず1番目に、基地行政についてであります。
 仲井眞知事は、今月19日、米国首都ワシントンのジョージ・ワシントン大学で開かれた日米の有識者による沖縄の基地問題や日米の安全保障について議論する国際シンポジウム「沖縄クエスチョン」に参加されました。20日の県内新聞には「知事 米国で県外訴え 固定化も明確に否定」、「知事、米で「県外」要求へ 辺野古強行なら激しい反対運動」、「日米関係に悪影響警告」という見出しが1面に掲載されていました。新聞報道は、さらに「辺野古以外の国内の他地域について十分検討されたとは言えない」、「むしろ県外移設を求める声が強くなった」と説明。その上で、現在の日米合意に従って辺野古移設を強引に進めた場合、「全県的な激しい基地反対運動につながり、日米安全保障体制に悪影響を及ぼしかねない」と警告と報じています。また、「普天間の固定化」についても住宅や学校等が密集する同飛行場の危険性を説明した上で「あり得ない」と明確に否定し、早期移設・返還が不可欠との考えを示したとあります。
 今回の知事の米国での発言は、昨年2月の全会一致の県議会決議と4・25県民大会の総意をあらわしたものとして評価するものであります。知事大変お疲れさまでした。
 そこで伺います。
 (1)、普天間基地の県外移設と固定化について再度知事の見解と決意を伺います。よろしくお願いします。
 (2)、普天間基地からの警報音、嘉手納基地からの爆発音に対する米軍の対応について伺います。
 在沖米海兵隊外交政策部は16日、米軍普天間飛行場周辺で11、12の両日に警報音が鳴り響いた件で、「警報装置のスピーカーが特定され、コントロールボックスの部品の一つに不具合が確認された」として警報音発生源が同飛行場であることを認めた。ところが、4日から6日までの警報音については、依然確認されてないと新聞は報じています。周辺住民が不安に思うほどの警報音が鳴り響いても即座に対応もしない、行動もしない警報音とは一体何だったのでしょうか。説明はあったでしょうか。
 また、19日には嘉手納弾薬庫地区から大きな爆発音が広範囲にわたって響き、事故なのか、訓練なのか、何も知らされていない周辺住民を不安に陥れた。爆発音について米軍は、「爆破物処理班が指定施設において処理し、地元地域に危険はなかった」、「たまたま大きな音が漏れた」と述べているようです。地域住民を全く無視した発言で、開き直っていると思います。このように県民を不安にする米軍の行為について知事の見解と県民の不安を取り除く方策について伺います。
 (3)番目に、MV22オスプレイ配備計画について。
 米軍は、来年後半にMV22オスプレイを普天間基地に配備する計画を明らかにし、日本政府はこれを追認しています。開発当初から何度も墜落事故を起こし多くの犠牲者を出している。このような欠陥機とも言われているオスプレイが普天間基地に配備されると、私たち市民・県民はその墜落の恐怖におびえながらの生活を強いられてしまいます。オスプレイの配備計画について県の見解を伺います。
 次の(4)番については、7番目の交通安全対策で伺います。
 (5)、ケビン・メアの発言について。
 ケビン・メアは、沖縄に勤務しているときから占領者意識を丸出しにし、県民を差別した発言を繰り返しています。先日、知事がアメリカで普天間基地の県外移設を訴えているとき、沖縄ではケビン・メア氏が宜野湾市で開かれたシンポジウムで、「知事にアドバイスと言うと僭越ですけど、決断しないといけない」とか「知事ははっきり賛成と言わないと、再編計画全体が崩壊する」などと発言したようであります。知事の御見解を伺います。
 2番目に、東日本大震災の県内への影響について。
 東京電力福島第一原発事故は、放射性物質の放出というとんでもない事故であり、事件だと思います。目に見えない放射性物質は空中を飛び、広い範囲に広がり、土や水、海水にまざり、さらに広がっていると思われます。マスコミ報道によると、放射性物質に汚染された腐葉土や汚染疑いのある牛肉が県内に流通していたことが明らかになりました。
 そこで伺います。
 (1)、放射性物質に汚染された物品の県内移入状況についてはどのように把握されているのか。検査はどのように行われているのか伺います。また、汚染された腐葉土に触れたり、汚染された牛肉を食べたかもしれないという場合、私たち県民はどうすればよいのか伺います。また、米や野菜、タマネギやキャベツなどは生産地表示があれば、それぞれ検査がなされて送られてくるとは思いますが、材料として使われ別の場所で加工された製品――お菓子やおもちあるいはギョーザなど――の検査体制はどうなっているのでしょうか。それらを食した場合の県民の健康に対する影響についてどうなのか伺います。
 3番目に、県地域防災計画について伺います。
 (1)、防災計画の見直しについて。
 今回の東日本大震災では、これまでの防災計画の大幅な見直しが求められていると思います。その進捗状況を伺います。
 また、千年に一度の大津波であったとか、スーパー堤防への過信や、ここまでは来ないだろうという自己判断が多くの被害者を出したと言われています。今回のことを教訓に、日ごろの避難訓練が重要だと思います。県の避難訓練の実施計画について伺います。
 4番目に、観光行政について。
 (1)、沖縄観光のアピールについて。
 ことしの観光客の入域客数は目標達成ができるのでしょうか。東日本大震災や台風被害が相次ぐ中で、沖縄観光を県はどのようにPRしていくのか伺います。
 (2)、台風時の観光客への対応について。
 ことしは早くから台風が接近し、旅客機や船舶等にも影響を及ぼしていると思います。予定していた日に帰れない観光客の皆様への対応はどのように考えていますか伺います。
 (3)、国際線ターミナルの拡充についてであります。
 県は外国人観光客の誘致にも力を入れて知事も先頭に立って頑張っておられます。県内の施設や体制が大変気になっています。先日、私たちは議連で台湾のほうへ行きました。帰るときに台風に遭い、私たち県民よりもはるかに多くの外国人のお客さんが入国手続がなかなか進まず、荷物を載せるターンテーブル、そこには外国の方々の荷物が先に載っていて同じ荷物が何回も回って、スペースがないから私たちの荷物がなかなか来ないという状況がありました。別の日には、タクシーを利用しようと少し離れたところにいるタクシーに手を上げると、近くにいた男性の方が行く先を聞いて、県議会までと伝えると、そこにいるタクシーではなく携帯電話で別のタクシーを呼んでいるのですが、なかなか来ません。そこで私たちは、小雨の降る中を国内線ビルの前に行ってタクシーを拾ったことがあります。こんなことでは観光立県として外国のお客さんを迎えるときに、大変不愉快な思いをさせてしまうのではないかと心配をしております。そういうことがもしほかのところでもあるとするならば、県のほうは指導をしていただきたいと思いますが、どうでしょうか。
 それから、入国審査の迅速化についてでありますが、空港での入国手続もそうですが、クルーズ船の県内への寄港もこれから多く行われるというふうに新聞報道もされています。そのときの入国審査の迅速化が求められていると思いますが、その対策について伺います。
 5番目に、産業振興について。
 那覇―香港直行船が8月下旬を最後に運休とありました。その理由と今後の対策はどうなっているのか伺います。
 それから農林水産業と観光資源との連携について。
 県内には大変すばらしい農水産物があります。それを活用した観光とのセッティング、その辺の取り組みはどうなっているのか伺います。
 次に6、雇用行政についてでありますが、県の職員採用の実態について(正職員と臨時職員の割合)、これは市町村についても割合を示していただきたいと思います。
 7番目に、交通安全対策について。
 (1)、国道58号伊佐バス停近くの停車線の移動についてでありますが、伊佐バス停から北向きに10メートルほど行くと横断歩道の信号機があります。その横断歩道の停車線手前に左側から二、三メートルあるいは五、六メートルの間に伊佐から上がってくる道路がありますが、車が出しにくく困っていると付近の住民から訴えがあります。横断歩道前の停車線の位置を少し那覇側に移動することによって伊佐地域からの車が非常に出やすくなると思うんですが、その辺の改善はできないでしょうか伺います。
 (2)、県道81号宜野湾北中城線ですが、現在キャンプ瑞慶覧に海軍病院を建設中であります。現在の基地の入り口には信号機があり、朝夕の交通量が多いときには普天間三区のローソン側からの出入りが大変厳しい状況にあります。そこで、今まだ海軍病院が完成しないうちに基地の入り口を少し移して、普天間三区のローソン側と十字路にすることによって交通は非常にスムーズになると思います。改善することはできないでしょうか伺います。
 8、会派代表質問との関連で、枯れ葉剤問題に関する一連の経過と県の対応についてですが、新聞報道によりますと、英国系ジャーナリストのジョン・ミッチェルさんの証言、2007年に米軍北部訓練場での枯れ葉剤使用が米公文書で明らかになったこと、地図を書き枯れ葉剤が埋められた場所を説明する退役軍人があらわれたこと、1960年当時の枯れ薬剤散布作戦の立案にかかわった米陸軍の元高官の証言など、これらの証言があるのに沖縄で使われた形跡がないというのはおかしいと思います。
 そのことについての県の見解を伺います。
○知事(仲井眞弘多) 新垣清涼議員の御質問に答弁いたします。
 まず第1に、基地行政についての中で、普天間飛行場の県外移設と固定化についてという御質問にお答えいたします。
 普天間飛行場移設問題の原点は、同飛行場の危険性の除去であり、一日も早い移設・返還の実現が必要で固定化は決してあってはならないと考えております。
 私は、去る9月19日、安全保障や日米同盟に関する専門家等が参加する「沖縄クエスチョン」において、辺野古移設案は事実上不可能であるという沖縄の実情を説明し、国内の他の都道府県への移設が最も合理的かつ早期に課題を解決できる方策である旨の講演を行いました。
 日米両政府においては、辺野古移設か、または普天間飛行場の固定化かという硬直した考えではなく、柔軟性を持って普天間飛行場の県外移設の可能性について徹底して追求するべきであると考えております。
 次に、観光行政についての御質問の中で、台風時の観光客への対応についての御質問にお答えいたします。
 沖縄県では、那覇空港における台風時の対策として、観光コンベンションビューロー、そして空港ビルディングなどの関係団体による「台風時観光客対策協議会」を立ち上げ、台風対策の小冊子の配付、そして航空各社の発着情報や宿泊施設の空室情報の提供などを行っております。また、台風により航空便が欠航となり、空港内に観光客が滞留した場合、沖縄県は、空港ビルディング及びビューローと連携をし、空港内滞留客に対しましてブルーシート、そしてタオルの配布、携帯電話の充電サービス等を行っております。今後とも台風接近時には関係機関が連携をして迅速に対応し、沖縄観光のイメージアップや観光客の満足度の向上に努めていきたいと考えております。
 次に、産業振興に係る御質問の中で、農林水産業と観光資源との連携に係る御質問にお答えいたします。
 沖縄県の農林水産業は、亜熱帯の地域特性を生かした特色ある生産が行われており、ゴーヤー、マンゴー、そしてパイナップル、モズクなど特産品目が観光においても魅力ある資源となっております。また、農山漁村は、農林水産業の生産活動に加えまして、豊かな自然環境や石垣、そして赤がわらなど沖縄らしい風景・景観及び伝統文化の保全・継承など貴重な資源を有しております。沖縄県としましては、観光産業、そしてこれらの農山漁村の資源を活用した地域活性化に取り組んでいるところでございます。
 その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 基地行政についての御質問の中で、普天間基地における警報音及び嘉手納弾薬庫地区における爆発音等についてお答えいたします。
 宜野湾市によりますと、最近、同市民から普天間飛行場周辺で警報音を聞いたとの苦情等が寄せられている件について、去る9月22日、普天間飛行場司令官が同市副市長を訪れ、遺憾の意をあらわすとともに、基地内の全体連絡システムが原因の騒音であり、再発防止手段を開始した旨の説明をしたとのことであります。また、沖縄防衛局によりますと、嘉手納弾薬庫地区における爆発音につきましては、嘉手納基地所属の爆発物処理班が使用不能になった火薬類の処理を行った際に発生したものであったとのことでありますが、県としましては、事前の通報がなく周辺住民や県民に不安を与えたことは遺憾であります。
 県としましては、去る9月20日、嘉手納基地に対し、嘉手納弾薬庫地区における廃弾処理実施に当たっては、地元自治体に事前の通報を行うよう、強く求めたところであります。
 次に、オスプレイ配備計画についてお答えいたします。
 去る6月6日、沖縄防衛局から口頭にて、MV22オスプレイは、2012年の遅くから第3海兵機動展開部隊のCH46と代替することになるであろうとの情報提供がありました。沖縄県としましては、オスプレイが過去の開発段階において死亡事故を起こしていること等から県民が不安を抱いており、十分な情報が示されない現状では、当該配備については反対であります。
 沖縄県が6月に提出したオスプレイ配備についての質問文書に対し、去る9月1日に防衛大臣から回答がありました。しかしながら、米側に照会中のため十分な回答ができていない項目がある等、引き続き政府に対し、県民生活への影響などについて説明を求めていきたいと考えております。
 次に、ケビン・メア氏の発言についてお答えいたします。
 メア氏の発言につきましては、同氏が国務省日本部長の職にあった当時の発言について、県は、3月10日、ルース駐日大使に対し、遺憾の意を文書にて示したところであります。現在、メア氏は既に国務省を退職しており、改めてコメントすることは考えておりません。
 次に、県地域防災計画についての御質問の中で、沖縄県地域防災計画の見直し状況についてお答えいたします。
 県におきましては、東日本大震災を踏まえ、沖縄県地域防災計画の見直しに着手しております。このため、本年6月に琉球大学教授等の専門家で構成される「沖縄県地震・津波想定検討委員会」を設置し、9月12日に開催された最終の第4回委員会において取りまとめが行われたところであります。
 同委員会におきましては、1点目、今後、想定の対象とする地震・津波として、科学的知見に基づくものと、歴史的知見等に基づく最大クラスのものの2つのレベルを想定する必要があること、2点目、防災計画見直しの方向性として、住民の「地震・津波からの避難対策」や「防災意識の啓発・普及」が重要であること、3点目、最低限度の浸水域として海抜5メートルより高い場所への避難が最低限必要である一方、歴史に学ぶ最大クラスの津波からの対策も可能な限り講じるべきであること、4点目、県においては、海抜高度の明示などにより、市町村における避難対策の強化や住民が地理的特性を把握できるよう支援する必要があることなどの御提言をいただきました。今後は、同委員会の御提言や、国の防災基本計画の見直し状況等も勘案しつつ、市町村等関係機関と連携し、沖縄県地域防災計画の見直しを早急に進めてまいります。
 次に、避難訓練の実施計画についてお答えいたします。
 9月2日に実施しました沖縄県総合防災訓練におきましては、主会場となりました石垣市のほか、県内の各市町村におきまして、学校、自治会、幼稚園、ホテルなど、約60の団体において、避難所や避難ビル等への避難訓練が行われ、石垣市においては約5000人の住民等が参加したものと聞いております。また、「沖縄県地震・津波想定検討委員会」の取りまとめにおいては、住民は、津波襲来時における即座の避難のため、地域の海抜高度等の特徴や、避難所や避難経路を把握し、県や市町村においては、防災訓練や防災教育の充実を図ることなどの御提言をいただいており、県としましても、避難訓練の強化が重要であると認識しております。このため、東日本大震災の教訓や同検討委員会の御提言も踏まえ、今後、各市町村と連携し、可能な限り多くの住民の参加による高台への避難誘導など、より実践的な津波避難訓練を実施してまいりたいと考えております。
 次に、枯れ葉剤の調査についてお答えいたします。
 過去に本県の米軍施設で枯れ葉剤が使用、貯蔵されていたなどの報道を受け、県では沖縄防衛局及び外務省沖縄事務所に対し、報道内容の事実関係の確認を求めたところであります。これに対し、外務省は8月19日、米国国務省から、「今回改めて過去の記録の確認作業を行った結果として、米軍が返還前の沖縄で枯葉剤を保管し若しくは使用した、又は沖縄へ持ち込んだことを示す資料は何ら確認できなかった」との回答があったと発表しております。また、外務省としては、事実関係をさらに詳しく承知するため、米側にさらなる確認を行っているところであるとしております。
 県としましては、県民の不安を払拭するため、引き続き事実関係の確認を求めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○環境生活部長(下地 寛) 東日本大震災の県内への影響についての御質問の中で、放射性物質に汚染された牛肉などの県内移入についての御質問にお答えします。
 放射性物質に汚染された稲わらを給与された疑いのある牛肉の県内流通につきましては、9月12日に宮城県からの情報提供で判明したものであります。調査の結果、県内で6月7日から7月5日にかけて、汚染疑いの牛5頭由来の肉 ――これは26.6キログラムですけれども――が流通しており、9月15日の段階ですべて消費されておりました。
 当該肉は、岩手、宮城、福島、栃木の4県に対して出荷制限がかけられる以前に出荷されたものであり、現在、これら4県から出荷されている肉牛は、全頭・全戸検査が行われ安全対策がとられております。また、その他の加工食品等につきましても原材料となる食品、野菜、魚、肉などが暫定規制値をもとに出荷制限されていることから、安全であると考えております。
 県としましては、今後とも、放射性物質に汚染された食品の情報が入った場合は、速やかに調査し適切に対応していきたいと考えております。
 以上でございます。
○農林水産部長(比嘉俊昭) 東日本大震災の県内への影響についての中で、放射性物質を含む腐葉土の移入状況についてお答えします。
 高濃度の放射性セシウムが含まれる可能性のある腐葉土については、平成23年7月25日付の国の通知「高濃度放射性セシウムが含まれる可能性のある堆肥等の施用・生産・流通の自粛について」に基づき、関東・東北17都県で生産された腐葉土の県内取扱業者及び販売数量等の調査を行っております。その結果、9月27日現在、9業者が栃木県や群馬県などから該当する腐葉土を移入、販売していることが判明しております。
 腐葉土の移入状況につきましては、平成23年9月27日現在1万3554袋が移入され、9346袋が販売、そのうち1456袋が回収されております。県としては、現在、販売業者に対して、国の通知に基づき腐葉土の販売自粛と回収を指導しているところであります。また、県のホームページで、県民へ情報提供するとともに、相談窓口を設置し、腐葉土の放射線量の測定や回収等の相談に対応しております。
 販売業者においては、購入者への腐葉土の使用自粛や商品回収を呼びかける店頭表示等を行っております。なお、平成23年8月には、運輸・流通業と生産資材取扱業及び県で構成する「沖縄県農畜産業生産資材流通連絡会議」を設置し、放射性セシウムが含まれる可能性のある腐葉土等の生産資材の県内移入を防止するための協力体制を整備しているところでございます。
 以上でございます。
○福祉保健部長(宮里達也) 東日本大震災関連の県民の健康への影響についてお答えいたします。
 現在までに県内で放射性物質が検出された物品については回収作業等が行われており、県民の健康被害が発生する蓋然性は低いものと考えております。県としては、今後とも、国や研究機関等と連携し情報収集に努め、必要な調査や広報活動などを行い、県民の健康被害が発生することのないように対応してまいりたいと考えております。
 以上です。
○文化観光スポーツ部長(平田大一) 観光行政についての御質問の中の、沖縄観光のアピールについてお答えいたします。
 沖縄観光のアピールにつきましては、国内観光地として一定の評価を受けていること、国際的には知名度のさらなる向上が必要なことを踏まえ、積極的な取り組みを行っているところであります。海外につきましては、香港や上海、北京、台湾、韓国など重点地域でトップセールスを行うとともに、有力メディアや旅行会社の招聘、チャーター便の誘致活動などを実施したほか、新規市場での開拓や映画、ドラマの誘致にも取り組んでおります。これらの取り組みに加え、外国人観光客への対応力の強化や、銀聯カードの導入促進など、受け入れ体制の整備にも取り組んでいるところであります。国内につきましては、観光客の満足度向上を図りつつ、滞在日数や観光消費の拡大につなげていきたいと考えております。
 県といたしましては、沖縄観光の魅力を向上させるため、昨年度に引き続き、新たなエンターテインメントなどの創出に取り組んでいるほか、離島へのチャーター便も支援すると同時に、さらには、芸能や文化、スポーツ、医療サービスを観光資源として活用する新たなメニュー開発にも取り組んでいるところであります。
 同じく観光行政についての御質問の中の、入国審査の迅速化についてお答えいたします。
 県としましては、外国人観光客の満足度を向上する観点からも、入国審査の迅速化は非常に重要であると考えております。と同時に、県民及び外国人観光客の安全性を守る観点から、きちんとした入国審査の対応の強化も重要であると認識しております。
 議員御指摘のクルーズ船の寄港に伴う入国手続につきましては、平成21年1月、政府に対し、入国審査等の簡素化及び体制の拡充強化などへの協力を求めており、ことし7月にも福岡入国管理局那覇支局に対し、改めて協力を依頼をしたところであります。
 県としましては、新たな沖縄振興に関する制度要望において、空港も含めた入国手続の迅速化のための審査体制の強化を求めているところであり、今後とも利用者の安全性と満足度の向上に努めてまいりたいと思います。
 以上でございます。
○企画部長(川上好久) 観光行政についての御質問の中で、国際線ターミナルの拡充についてお答えいたします。
 新国際線旅客ターミナルビル整備の事業主体である那覇空港ビルディング株式会社の計画では、昨年度の基本設計に続き、現在実施設計に入っており、次年度以降2年間で建設工事を行い、その後供用を開始する予定としております。
 県としては、同社に対し早期の供用開始ができるよう申し入れており、引き続き同社及び国等の関係機関と連携して、極力早期での整備に向けて取り組んでまいります。
 次に、雇用行政についての御質問の中で、市町村における正規職員と非常勤職員の割合についてお答えします。
 平成23年4月1日現在の市町村における正規職員数は1万2352人、非常勤職員数は7192人であり、全職員に占める非常勤職員の割合は約37%となっております。
 以上でございます。
○土木建築部長(当間清勝) 産業振興についての御質問で、那覇―香港直行船の運休の理由と今後の対策についてお答えいたします。
 マリアナエクスプレス社の那覇―香港直行便の運休の理由については、昨今の円高による航路の見直しにおいて、取り扱い貨物が想定より少なく、採算面から運休になったと聞いております。そのため、香港への貨物は、上海経由となり時間を要することから、那覇港管理組合を中心に直行便の再開に向けた積極的なポートセールスの展開等が必要と考えております。
 次に、交通安全対策についての御質問で、米海軍病院の入り口の十字路整備についてお答えいたします。
 現在、県道宜野湾北中城線の北側の米軍ゲート入り口と南側の普天間三区前の道路は、それぞれT字路の交差点となっております。米海軍病院の移設に伴い、当該道路への基地内道路の計画が明らかになった時点において、十字路交差点の必要性は検討されるものと考えております。
 以上でございます。
○総務部長(兼島  規) 雇用行政に関する質問で、県の正規職員と非常勤職員の割合についてお答えいたします。
 知事部局及び他任命権者を含めた沖縄県全体の非常勤職員の数は、平成23年6月1日現在で6444名で全職員2万9597名に占める割合は、約22%となっています。
 以上です。
○警察本部長(村田 隆) 交通安全対策についての御質問の中で、国道58号伊佐バス停近くの停車線すなわち停止線の移動についてお答えいたします。
 同件につきましては、所轄警察署に要請がなされていることは把握しておりますが、検討の結果、要請のとおりに停止線を移動した場合、横断歩道と停止線の距離が約10メートルとなり、横断歩道と停止線の距離を1メートルから5メートルとする設置基準に沿わないこと、停止線と横断歩道の距離を離した場合、いわゆる駆け込み通過の車両と横断歩行者との接触事故の危険性が懸念されること、歩行者の安全確保のために信号機の赤現示の時間をふやさなければならず、国道の通過車両へ影響を及ぼす場合があることなどの理由から、停止線位置を変更することは適当ではないと考えております。
 なお、本件につきましては、所轄の宜野湾警察署において地域住民等に対する十分な説明を行ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○新垣 清涼 今、警察本部長からお答えいただきました58号の停車線の件ですけれども、一般的にそういう5メートル以上になると厳しいということなんですけれども、現場をぜひ一度担当にでも確認していただいて、1台分、三、四メートル後ろにちょっとセットバックすれば出やすいんですよ。そのぐらいの距離ですからできると思います。やはり地域の皆さんがそういったことにストレスを感じないように道路の整備をしていくことも交通安全に役立つと思いますので、ぜひそこは検討していただいて、よろしくお願いいたします。
 それから県道81号線の件なんですけれども、今現在は基地の中に海軍病院が建築中で、建物はできています。これから周囲が整備されていくと思うんです。現在の部隊入り口というのは、ちょうど返還予定地のすぐそばにあって、このゲートから南側というか、そこは返還予定地なんですよ。そこにある道路は中の整備が始まる前にぜひ米軍とも相談をしていただいて、ローソン側に移していただくと非常に交通がスムーズになるんです。今、那覇向けに部隊入り口で赤信号でとまってしまうと、つながるものですからサンエーのところまで。ローソン前から出ようとすると、左にも行けない右にも行けない状態が続くんです。こういった車が吐き出していってようやく入ろうかと思うと、また信号が変わってしまっている。そういう意味で、ここはちょっと早目に軍側と相談をしていただいて対処していただけないかどうか、ちょっと検討をお願いします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後5時3分休憩
   午後5時3分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 土木建築部長。
○土木建築部長(当間清勝) お答えします。
 現場の状況を確認したところ、ゲートへの左折、右折ともにそれほど混雑している状況はないということを聞いております。
 それと、現在防衛局に確認したところ、ゲートが移設するとか、そういう具体的な計画は今のところないということで、私たちが聞いている情報では、三区前のローソンの向かいのほうには別途の建物の計画もあるものですから、私たち道路管理者としてはそういう基地内の海軍病院の移設を踏まえた再編の計画が明らかになった時点で調整をさせていただきたいと思っています。
○新垣 清涼 だから、中に建物ができてしまったらその入り口は逆にできないと思いますので、ぜひそこはもう一度検討していただけませんか。
 それから、公室長、普天間の警報音なんですけれども、4日から6日までの音については、米軍は知らないとか、関係ないとかずっと言っていたわけですね。警報音というのは基地の中で発生しているというのは、付近住民が聞いていて確認というか、そこだということを言っているわけですよ。ところが、警報音であるからには何かの異常があって音を発しているわけですから、基地の中で異常が発生しているのに米軍はそれを確認もしないで自分たちとは関係ないんだという、そういう発表の仕方というのは僕はいかがなものかなと。本当に基地の中でこういう異常なことが起こって警報音が鳴っているのにそれは自分たちと関係ないんだと。ということは、調べてないということだと思うんですね、その音を。音源を調べてないからそういう発表ができると思うんですね。だから、そこら辺をもう少し強く再発防止ということを司令官はおっしゃっているようですけれども、その前の音については知らないという話ではこれは再発防止への取り組みは口先だけばかりじゃないかというふうに思います。もう一度お願いします。
○知事公室長(又吉 進) 御質問の警報音につきましては、その後米側から、4日から6日までの分につきましてもこれは米軍が原因であったと認めたとの報道がなされております。
 いずれにしましても、いきなり大きな音が住民地域に流れるということは大変市民生活に影響を与えることでありまして、県としましても、鳴らすこと自体、あるいはその原因をしっかりと特定しないということを米軍が認めないということ自体は大変遺憾でございまして、このようなことがないように強く申し入れていきたいと思っております。
○新垣 清涼 それからオスプレイの配備についてですけれども、疑問があって今反対を表明しておられるわけですから、そのオスプレイが配備されたときに使われる可能性がある高江のヘリパッド、そこについてもこのオスプレイの安全性が確認されるまでは高江のヘリパッドについても工事はちょっと待ってくれということでとめる必要があると思います。御答弁お願いします。
○知事公室長(又吉 進) この高江のヘリパッドの影響につきましては、この質問書の中でその影響について問い合わせているわけでございまして、速やかに回答していただきたいと思っております。
 いずれにしましても、北部訓練場のヘリパッドの移設につきましては、これはSACOの事案を着実に進めるという観点から進められるべきものであると考えております。
○新垣 清涼 知事、ケビン・メアは、沖縄県はゆすりの名人であるとかいろんなことを言っているんですね。だから、知事は、県を代表して名誉毀損でケビン・メアを訴えることはどうでしょうか。
○知事(仲井眞弘多) 今、議員のおっしゃるようなことへの誘惑に駆られるんですが、私どもはそういう面の専門家の副知事もいますので、名誉毀損的なことでも何かできるかどうかちょっと研究したいと思います。ただしこのメアについては、私は彼が総領事館にいるころから外交官にあるまじきことだということで、基本的に相手にしていなかったものですから、ただし一応総領事でありましたし、そして日本担当の職員でもありましたが、やはり彼についてはアメリカ大使館の大使のルース氏がすっ飛んでこられて申しわけないというあれをやられましたから、アメリカ国としては一応あれで、我々も飛んできた労を多としてああいうところかなと思っております。
 ですから、この個人については余り相手にしないほうがいいような気もしますし、ちょっと研究させてください。
○新垣 清涼 先日、宜野湾市で知事の相手にしていないメアさんが来て、いろんなことを言っているようです。沖縄に来て彼が物を言うと非常に不愉快ですから、できるだけ来てほしくないなと思います。ぜひそういう意味で検討していただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○前田 政明 質問通告に基づいて一般質問を行います。
 知事の基本姿勢について。
 訪米についての見解を問います。
 民主党野田内閣の日米合意の辺野古基地建設推進、対米追随の県民の県内移設反対の総意を踏みにじる政治姿勢は許されません。知事の見解を伺います。
 普天間基地は無条件撤去すべきです。固定化や嘉手納統合案は断じて許されるものではありません。普天間基地の即時運用停止、閉鎖・撤去についての知事の決意を伺います。
 オスプレイ配備に反対する県民世論と議会決議が大きく広がっています。県の具体的な対応について伺います。
 ヤンバルの豊かな自然を破壊する高江ヘリパッドは、オスプレイ・パッドになるのではないでしょうか。政府へのオスプレイの危険性と危惧について質問をしております。回答待ちにならず、高江のヘリパッド建設について、少なくとも当面工事は強行すべきではないとの見解を知事は表明すべきではないでしょうか。
 原潜寄港問題について。
 原潜が寄港中に原子炉事故を起こした場合の被害想定と具体的な対応について伺います。
 防災対策について。
 6月議会で私の電柱への海抜表示についての提案に対して、知事は、沖縄電力に私から提案してみましょうかということでありましたが、その後どうなったでしょうか。そういう面で電柱などへの海抜表示と地震・津波対策の具体化について伺います。
 脱原発と自然再生エネルギー推進について。
 沖縄県に原発は要らないことを明言して、沖縄の脱原発と自然再生エネルギーの推進事業を拡充すべきです。当局の見解と対応を問うものです。
 高齢者福祉行政について。
 これは、前議会でも県警の変死者の実態の65歳以上の方々の資料を詳しく示しました。県警のほうでは資料をつくっていただきまして、その資料は福祉保健部にも渡しておりますけれども、ぜひそれを活用して、全国でもやっているような形で対応していただきたいということであります。
 県は、県警と連携して独自の孤独死(変死)の分析を行い、市町村と協力して、より効果的な孤独死に役立てるべきではないかと提案いたしましたが、その後の対応について問うものです。
 障害者福祉行政について。
 障害者の願いと思いにこたえる障害者権利条例の制定について、当局の対応と見解を問うものです。
 県立病院事業について。
 一般会計からの繰り入れの状況について、10年間の比較でお願いをします。
 1病床当たりの全国平均で繰り入れた場合との比較、差額について、10年間の比較で説明してください。
 病院経営の改善の努力とともに、県民の最後の命のとりでを守るための持続的・健全な県立病院の運営を行い、維持するためには、一般会計からの繰り入れはしっかり確保されるべきであります。この間の病院事業局を初めとする全体的な頑張りによって、経営状況が改善していることに対しては評価をするものです。知事の見解を問うものです。
 今後の繰入額についてもお答えいただきたいと思います。
 医師手当などの廃止を行い、さらに給与などの人件費の削減を強行すれば、医師、看護師等の退職者がふえ、県立病院の公的医療機関としての弱体化にならないか危惧されるものです。見解と対応を問うものです。
 人事行政について。
 県庁職員の欠員は、正職員で補充すべきであります。現状と対応について問います。
 教科書問題について。
 子供たちの教科書の採択についての基本的に留意すべきことについて。
 教科書の調査員の役割と具体的な調査研究の内容と対応について。
 教科書採択についての教科用図書採択協議会と教育委員会の役割について。
 協議会の運営は規約に基づいて運営されるべきであります。役員会に諮らず、教科書選定で極めて重要な調査員の委嘱・任命を行い、独断で順位づけを廃止したなどの石垣市教育長の規約を無視した運営は許されません。県教育委員会の対応について伺います。
 9月8日の3市町の「採択地区の全教育委員の協議によって、同一教科書の採択が行われたものととらえている。」と、教科書選定の協議は有効であるとの県教育委員会の見解と今後の対応についてお伺いいたします。
 育鵬社の公民教科書の他の教科書と比較しての特徴について伺います。
○知事(仲井眞弘多) 前田政明議員の御質問に答弁いたします。
 まず第1に、知事の基本姿勢に係る御質問の中で、訪米に関する見解についての御質問にお答えいたします。
 私は、去る9月19日、安全保障や日米同盟に関する専門家等が参加する「沖縄クエスチョン」において辺野古移設案は事実上不可能であるという沖縄の実情を説明し、国内の他の都道府県への移設が最も合理的かつ早期に課題を解決できる方策である旨の講演を行いました。その後、会場の有識者の皆さんとの質疑応答などを通じて意見交換を行いました。また、レビン、そしてウェッブ、マケイン米上院議員の皆さんと面談を行い、その中で各議員から辺野古移設案は極めて困難で見直しが必要との見解が示されました。私からは、嘉手納統合案について、嘉手納飛行場周辺市町村は現在でも過重な基地負担を強いられており、その実現は困難である旨を申し上げました。
 県といたしましては、今回の訪米において普天間飛行場移設問題を直接説明する機会を得たことで有識者の皆さんとのネットワークの構築が図られるとともに、米国におけるこの問題の理解が前進したのではないかと考えております。
 次に、同じく知事の基本姿勢の中で、普天間飛行場の閉鎖・撤去等についての御質問にお答えいたします。
 野田総理の所信表明につきましては、これまでの日米両政府の方針が再度示されたものと受けとめております。
 普天間飛行場移設問題の原点は、同飛行場の危険性の除去であり、一日も早い移設・返還の実現が必要で、固定化は決してあってはならないと考えております。
 日米両政府においては、辺野古移設か普天間飛行場の固定化かという硬直した考えではなく、柔軟性を持って普天間飛行場の県外移設の可能性について徹底して追求するべきであると考えております。
 次に、脱原発と自然再生エネルギー推進についての御質問の中で、沖縄の脱原発と自然再生エネルギーの推進事業の拡充についての御質問にお答えいたします。
 東京電力福島第一原子力発電所が東日本大震災により深刻な事故を引き起こし、国民生活に大きな影響を及ぼしていることを踏まえれば、マスコミ報道等で見られるように原子力発電に対する国民感情が変わりつつあることは、国民の率直な気持ちではないかと理解いたしております。
 一方で、安定かつ効率的なエネルギー供給は、国民の生活と産業を支える上で重要な基盤であることから、脱原発につきましては、原子力発電にかわる新たなエネルギー源の研究開発等を踏まえ判断すべきものと理解いたしております。
 沖縄県といたしましては、風力や太陽光、そして海洋エネルギーなど新エネルギーの開発・導入を積極的に推進してまいる所存でございます。
 その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 知事の基本姿勢についての御質問の中で、オスプレイ配備への対応についてお答えいたします。
 沖縄県としましては、オスプレイが過去の開発段階において死亡事故を起こしていること等から県民が不安を抱いており、十分な情報が示されない現状では当該配備については反対であります。
 沖縄県が提出したオスプレイ配備についての質問文書に対し、去る9月1日に防衛大臣から回答がありましたが、米側に照会中のため回答できない等の項目があり、引き続き県民生活への影響など十分な説明を求めていきたいと考えております。
 次に、オスプレイと高江ヘリパッドについての御質問にお答えをいたします。
 沖縄県が提出した北部訓練場への影響を含むオスプレイの具体的な運用上の問題についての質問文書に対し、去る9月1日に防衛大臣から回答がありましたが、北部訓練場に対する影響につきましても米側に照会中のため回答できない旨回答されており、引き続き県民生活への影響など十分な説明を求めていきたいと考えております。
 北部訓練場のヘリパッドにつきましては、SACO最終報告において、同訓練場の過半を返還することに伴い残余部分に移設されるものであり、県としましては、SACOの合意事案を着実に実施し、段階的に基地の整理縮小を図ることが現実的で実現可能な方法であると認識しております。今後とも東村や高江区の意向を尊重し、適切に対応してまいりたいと考えております。
 次に、原潜寄港問題についての御質問の中で、原潜による事故発生時の被害想定と対応についてお答えいたします。
 原子力艦の事故による被害想定につきましては、国の中央防災会議「原子力艦の原子力災害対策マニュアル」において、原子力艦に搭載されている原子炉システムの構造等が不明であること等から、放出源情報等の評価は困難であるとされております。
 また、災害発生時におきましては、沖縄県地域防災計画に基づき、県及びうるま市は災害対策本部を設置し、国等の関係機関と連携して、半径1.2キロメートル以内の住民に対し住民の屋内退避、避難の勧告・指示や飲食物の摂取制限、緊急被曝医療などの災害応急対策を実施することとしております。
 次に、防災対策についての御質問の中で、電柱等への海抜表示と地震・津波対策についてお答えいたします。
 電柱や公共施設等への海抜表示は、住民の避難意識を高めるとともに、災害発生時の避難体制の強化において重要と考えております。9月12日に開催された「沖縄県地震・津波想定検討委員会」の第4回委員会において、県は、「海抜高度を明示するなどにより、市町村における避難対策の強化や、住民が地域の地理的特性を把握できるよう、支援することが必要である。」などの御提言をいただきました。これらを踏まえ、県におきましては、市町村が実施する電柱等への海抜表示への協力につき、沖縄電力等関係機関に要請を行ったところであります。これを受け9月20日、沖縄電力は、電柱における海抜表示シートの取りつけについて推進していく旨発表しております。県は、NTT西日本に対しても同様の相談を行っており、今後とも関係機関と連携し、電柱等における海抜表示の推進と地震・津波対策の強化を図ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(宮里達也) 高齢者福祉行政についての、県警と連携した孤独死の分析についてお答えいたします。
 高齢者の孤独死につきましては、孤独死を判断できる情報等が限られていることから、調査・分析を行うことは困難であると考えております。
 県としましては、孤独死対策を進める上で状況を把握することは重要であると考えていることから、今後も孤独死対策に向けて県警及び市町村と意見交換を進めてまいりたいと考えております。
 次に、障害者福祉行政についての、障害者権利条例の制定についてお答えいたします。
 障害者の権利条例制定につきましては、国における障害者基本法等の動向を踏まえつつ、当事者団体等との意見交換を行い取り組んでいるところです。去る9月20日には、第1回障害者県民会議を開催し、当該会議において障害を理由とする差別等の実態把握、その解決のための取り組み方策などを検討していくことを確認しております。
 県といたしましては、当該会議や幅広い県民議論を踏まえ、条例制定に取り組んでまいります。
 次に、県立病院事業についての中の、病院事業に対する一般会計からの繰入金についてお答えします。
 政策医療を県立病院が実施する場合は、地方公営企業法及び総務省の繰出基準に基づき一般会計から繰り出しを行っております。なお、「県立病院のあり方に関する基本構想」では、県立病院が地域で必要とされる医療を安定的に提供していくためには、県において政策医療に配慮して定めた負担ルールに従って、一般会計等から病院事業に対し適切な繰り出しを行うこととしております。
 以上です。
○病院事業局長(伊江朝次) 県立病院事業についての御質問の中で、過去10年間の一般会計繰入金の状況について、1病床当たりの全国平均で繰り入れた場合との比較、差額についての質問が関連しますので一括してお答えします。
 病院事業に対する一般会計からの繰入金は、平成14年度から平成17年度まではおおむね60億円程度、平成18年度から平成20年度までは約70億円程度で推移しており、平成21年度から平成23年度までは約84億円の定額措置となっております。
 1病床当たりの繰入金額は、平成21年度で本県358万円、全国平均504万円となっており、全国平均並みで繰入金を受け入れた場合、約34億円の差となっております。しかしながら、1病床当たりの繰入金については、救急医療、周産期医療等の政策医療部分と一般診療部分の割合により多寡が生じるものと考えており、例えば、1病床当たりの繰入額が多いのは脳血管研究センターやがんセンターなどの高度・特殊医療に特化した病院となっております。
 次に、今後の繰入額についてお答えいたします。
 平成24年度以降の繰入金については、政策医療の内容、範囲及び一般会計との経費負担区分のあり方など財政負担の基本方針を検討することにより額を設定していくものと考えており、現在関係部局と調整しているところであります。
 次に、人件費の削減による公的医療機関の弱体化についてお答えいたします。
 病院事業局としましては、県立病院が今後も公的医療機関としての役割を果たしていくためには、経営の安定化を図る必要があると考えております。そのためには、診療報酬上の施設基準の取得などにより医業収益の拡大に努めるとともに、材料費や人件費などの費用についても適正化を図る必要があると考えております。また、医療機器の整備、研究研修費の拡充などにより職員のモチベーションの向上や、7対1看護体制の導入などにより勤務環境の整備を進めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○総務部長(兼島  規) 人事行政に関する質問のうち、県職員の欠員の現状と対応についてお答えいたします。
 知事部局における平成23年4月1日現在の欠員数は98名となっております。
 欠員につきましては、基本的に正規職員で対応すべきものと認識しておりますが、正規職員を配置するためには、採用試験を経る必要があることから、直ちに配置することは困難であります。そのため、臨時的任用職員や次年度採用予定者の繰り上げ採用で対応しているところであります。引き続き、正規職員の配置に向けて努力してまいります。
 以上でございます。
○教育長(大城 浩) 教科書問題についての御質問で、教科書採択に当たっての留意すべきことについてお答えいたします。
 教科書の記述は、公正かつ適切で正確性が求められるとともに、それを使用する児童生徒の発達段階に応ずる配慮がなされる必要があります。
 県教育委員会としましては、「沖縄県教科用図書選定審議会」の答申を踏まえ、教科書採択の基準、調査の観点等を示し、各市町村教育委員会において適正かつ公正な採択が行われるよう、指導助言または援助をしていくことが教科書採択における公正さを保つことになると考えております。
 次に、教科書調査員の役割等についてお答えいたします。
 教科書調査員の役割は、県教育委員会が作成いたしました教科用図書の採択の基準、調査の観点、採択の方法を参考にして、採択の対象となる教科書について独自に調査研究し、当該採択地区協議会に対して報告することでございます。
 次に、教科書採択協議会と教育委員会の役割についてお答えいたします。
 教科書の採択権は市町村教育委員会にあります。
 教科書の採択手順につきましては、初めに採択地区協議会に対しまして採択の基準、調査の観点、採択の方法を示した選定資料を各市町村教育委員会、各採択地区協議会に送付いたします。次に、諮問機関であります各採択地区協議会は、選定資料を活用するとともに、当該採択地区協議会により委嘱・任命されました調査員による調査研究の報告を踏まえ、選定・答申をいたします。さらに、各市町村教育委員会は、各採択地区協議会からの答申を受けて採択することとなっております。
 次に、県教育委員会の対応等についてお答えいたします。
 八重山地区教科書採択問題につきましては、拙速過ぎる規約の改正、協議会の運営のあり方や手法等について地域住民等から疑義が生じたことが要因の一つであると考えております。
 県教育委員会としましては、8月9日付の通知文書により、地域住民の理解を得ること、規約で定めた手続の遵守、可能な限り話し合いを持って決すること、採択結果や理由等の情報公開など4点について指導助言を行いました。
 次に、9月8日の協議会についてお答えいたします。
 県教育委員会としましては、9月8日に石垣市教育委員会で開催されました3教育委員会による協議は、石垣市、竹富町、与那国町の各教育委員長が、その職務権限に基づき公開の場で開催され、同一教科書の採択決議が行われたものと考えております。また、協議の有効性につきましては、当該市町の教育委員会が判断するものであると考えております。
 県教育委員会としましては、引き続き9月8日の採択決議の協議の有効性も含めて、合意に向けた協議を促してまいりたいと考えております。
 次に、教科書の比較等についてお答えいたします。
 教科書を比較し、特徴を明らかにすることは、採択地区の調査員にゆだねられております。
 県教育委員会は、採択に関する助言において公正性・中立性を確保する必要があり、教科書を比較して具体的にその特徴を述べる立場にはありません。
 以上でございます。
○前田 政明 御答弁ありがとうございました。
 最初の再質問は基地問題ですけれども、代表質問でも銃剣とブルドーザーの立場で知事の発言について触れておりますけれども、私は普天間基地の原点は何かと。知事は、原点は危険性の除去だと言いました。そして、知事がアメリカで沖縄の県議会議員を含めて、現在県内41市町村の全首長及び県議会の全議員が県内移設に反対している。そして、「2010年11月、私は、」というふうに述べておりますが、そういう意味でやはり県民の運動といいますか、米軍基地の辺野古移設を許さないという思いは、やはりすごい歴史を進める力だなと思います。
 そういう面で、知事がやはりその銃剣とブルドーザーということに触れた思い、それは実は、普天間基地も御承知のようにハーグ陸戦法規を踏みにじって、この銃剣とブルドーザーで奪われた不当・不法な土地であると。本来ならば、これは少なくとも復帰時点で返されなければいけない。しかし、特措法でこの土地を奪ってきています。そういう面では、やはり知事のこの銃剣とブルドーザー、この思いは普天間基地の危険性の除去、それはやはり沖縄県民の意思を踏みにじって銃剣とブルドーザーで奪われたんだと、それをさらに同じようなことをやるのかという思いは、私は非常に大事なところじゃないかなと。そういう意味では、やっぱり県民の、本当に全国と連動する国民の力というのは、日米安保条約容認である知事も含めて今の現状は許されないと、こういう到達点に立っているということは、私は、48名の県議を含めて大変大事じゃないかなと。それはなぜかといいますと、この民主党政権、自民党・公明党旧政権が国政で争って、辺野古に基地をつくれと。外務大臣は、これまでの旧政権の遺産も引き継いで何が何でもやるんだと、こういうふうに立ち向かってきているときに、私は、知事のこの立場
は、やはり沖縄の戦いの歴史を踏まえたそういう立場としては非常に大事な発言じゃないかなと思っておりますけれども、知事のその思いを含めて改めてそこのところをお聞きしたいと思います。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後5時44分休憩
   午後5時44分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) どうも前田議員から思いをと言われると、ちょっと今時間がかかるんですが、アメリカの中で記者さんたちが中心だったと思うんですが、年代も随分お若いし、恐らく私の言っている意味がなかなか通じないのではないかということで、わかりやすい表現のつもりで使ったんですが、つまりなかなか県内移設、特に辺野古移設というのは事実上、大変不可能だよということを申し、説明する上で銃剣とブルドーザーみたいなあの表現でないと、これは実行不能だよというようなことであえて使ったんですが、少しやっぱり時代がかっているかなという気がしないわけでもありません。しかし、私の思いは、現在の米軍の普天間飛行場が一日も早く移設・返還され、跡利用に入る、そのめどがつくということが一番大事なことだと思っております。その思いを込めた表現でございます。
○前田 政明 私は、非常に大事だと思うんですよね。それは、要するに、理は私たちにあるわけです。国際法を踏みにじって、沖縄県民の「自治は神話だ」という前に銃剣とブルドーザーで奪っているわけです。国際法にも反しているわけです。ですから、迷うことはないわけです。
 沖縄県民の総意を結集して平和と安全の願いは、これは国際正義であり、国際的道義に立ったものなんですよ。そういう面で、やはりそれを私の立場にすれば、県内移設反対ということで、どこかに持っていけよというふうになると、持ってこられるところはちょっと困るなという面で、私は、やはり本来でしたら返すべきものは返してもらうということで無条件撤去すべきだというのが、この国際法を無視した沖縄の米軍基地の当然のことじゃないかなというふうに思っています。
 そういう面で、知事、この埋め立ての問題とかその他いろいろあります。また、一括交付金と取引するんじゃないかというような、そういう変な記事もありますけれども、そういうのは乗り越えて、時代がかったということじゃなくて、まさに今、この時期に戦前から生きてきた知事のウチナーンチュであるというあかしを私は感じるんですよ、どうですか。
○知事(仲井眞弘多) ちょっと休憩してください。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後5時45分休憩
   午後5時46分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 前田政明君。
○前田 政明 時代がかっていないんですよ。だから、自信を持ってやっていただきたいと、今日的意味があるということであります。それに対してお答えください。
○知事(仲井眞弘多) 今の前田議員のお言葉をきちっと受けとめておきたいと思います。
○前田 政明 私は、ではそれを忘れませんので。県民がみんな聞いておりますから、やはり団結して、新政権、民主党政権、自民党・公明党旧政権を含めて、本土では強行しようとしていることに対して、私たち48名含めて、知事が言っているとおりオール沖縄で頑張っていきましょう。
 次は、原潜問題ですけれども、これはさっきあったマニュアルは原発と同じと、それは米軍情報がないということで、原発事故と同じように対応するということで、それぞれ訓練のマニュアルがありますね、横須賀や佐世保でやっていますね。市民に対する放射能の防御のための薬品とかその他の配布を含めてありますけれども、その辺は沖縄でどうなっているのかということについてもう少し具体的にお答えください。
○知事公室長(又吉 進) 国の中央防災会議の「原子力艦の原子力災害対策マニュアル」、これは平成16年8月にできておりますが、原子力艦による原子力災害が発生した場合等については、搭載されている原子炉システムが実際にどのような構造になっているかについて公表しておらず、異常事態の規模等の把握が困難であること、原子力艦は外国政府が所有していること、原子力災害発生後も移動できる可能性がある等の観点から、原子力災害が発生した場合等に放出源情報を評価して避難等を実施する範囲を定めるなどの対策を実施することは困難であり、放出源情報等が十分に得られない状況下で避難・屋内退避を実施する範囲をあらかじめ応急対応範囲として定めることが適切であるとしておるわけです。
 これに応じた対応として、沖縄県地域防災計画につきましても、原子力艦による原子力災害が発生した場合の応急対象範囲として1.2キロメートル以内の住民への屋内退避・避難の勧告・指示を行うといったことをしているわけでございます。
○前田 政明 このマニュアルの退避・避難の中でいろいろありますけれども、緊急の医療用としてヨウ素剤の配布及び服用、これもやはりちゃんとやらないといけないと、この辺はどういうふうになっているんですか、具体的に準備とか。
○知事公室長(又吉 進) 休憩お願いします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後5時50分休憩
   午後5時57分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 知事公室長。
○知事公室長(又吉 進) お答えいたします。
 防護対策といたしまして、県は必要に応じ、その管轄する防災業務関係者に対し防護服、防護マスク、線量計等の防護資機材の整備等必要な措置をとるとともに、県警察、関係市、消防機関及びその他防災関係機関に対して防護資機材の整備等必要な措置をとるように要請するということになっております。
 御質問のヨウ素剤につきましても、現在ちょっとデータがなくて現状については把握しておりませんが、しっかり対応するべきであると考えております。
○前田 政明 私が持っているものでは、さっきの原子力軍艦の設計または運航に関する技術上とさっきありましたね、情報は一切提供されていないと。ですから、原子力軍艦事故に当たるものについては、原子力発電等周辺の防災対策と同じようにすると。そして、防災対策としては半径約8キロから10キロの距離を目安として提案をすると。そういう面で、原子力軍艦事故による災害防止についてと、災害の関知とか、じゃ米軍が知らせないからどうするかとかいろいろ書いてありますね。そういう面でどうするかということになっているわけで、だからそういう面では、今、県独自として福島原発があった後、原発も原潜も一緒なんですよ、軽水炉。だから、極めて危険なんですよ。そういう自覚のもとに私は対応しているんじゃないかと思って聞いたんですよ。どうですか。
○知事公室長(又吉 進) 仮に原潜のそういう事故の発生につきましては、もちろん大災害になることが予測されるわけでございまして、県といたしましては、国の「原子力艦の原子力災害対策マニュアル」を踏まえ、沖縄県地域防災計画の中に反映された項目をもちまして対応していくという考えには変わりはございません。
○前田 政明 平成20年9月に沖縄県軍用地転用促進・基地問題協議会で、例のヒューストンの事故のときに申し入れしているんですよ。それで中に、原子力潜水艦の入港時通報時の事前通達、それから今後、原子力潜水艦は安全確認がされない限り本県に寄港させないことということを含めて連名で出しているんですよ。だから、そういう面で安全が確保されているんですか。だから、今ホワイト・ビーチに入っているけれども、県としては独自に確認しているんですか。
○知事公室長(又吉 進) 御質問の安全の確保という面ではさまざまな考え方があろうかと思いますが、いわゆる放射線の測定といったものは、原潜が入るその都度、政府と県の間でやっておりますし、そういう意味ではしっかり監視をしている状態でございます。
○前田 政明 次に、脱原発です。
 教育長、新聞報道でありましたけれども、県内で原発に対する教育、これはどんな状況になっているんでしょうか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後6時0分休憩
   午後6時0分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 教育長。
○教育長(大城 浩) 本県における原子力教育につきましては、中学校の学習指導要領の理科と社会におきまして、「エネルギー」という中で学習が位置づけられております。そういう中で、今回の震災による原発事故を踏まえまして、原子力の安全に関する考え方の変更等を考慮いたしまして指導資料を見直しを行いながら、今、エネルギーについての学習の充実に努めている状況でございます。
○前田 政明 それと、八重山が放射性廃棄物の最終処分場の候補地に挙がったということですけれども、知事、やはり脱原発と、使用済み核燃料は100万年、1万年も保存しなければいけないという面で極めて危険です。だから、そういう面では、原発に関することはもう沖縄はだめだという立場で、高廃棄物の処理場の問題についても明確にこれは沖縄ではあり得ないと、そういう立場をはっきりさせる必要があるんじゃないでしょうか。
○知事(仲井眞弘多) 今の核燃廃棄物の処理が、いつも深い穴を掘って埋めるという処理の方法があって、沖縄の島々が候補地に何回も挙がったケースがありますが、基本的に地殻の構造、その他を調べたらむしろ向いていないという、そういう結論が出て立ち消えになった例を私は聞き及んでおります。ですが、今回のそれがどういう性格の中身と意図と考えによるものかがよくわかりませんからちょっとお答えしにくいんですが、ああ、また出てきたかという印象を私は持っております。ですから、そのソースがどういう人たちが、どういうふうにして考えて出てきたのかというのは、ちょっとチェックする必要があろうかと思います。
 ただ、今議員のおっしゃった原子力にかかわるものはすべてノーだというような言い方がとれるかどうか。特に原子力発電所について、今、科学的な面とかエンジニアリングの面、行政の面で本土でいろいろと今議論とチェックをしている最中ですから、我々もそこをやっぱり注視して、それを踏まえて我々自身の考えをまとめるべきだと私は考えております。
○前田 政明 その続きは、決算特別委員会でやりたいと思います。
 あと、病院の問題も決算特別委員会でやりたいと思いますが、ただ、評価を読ませていただきました。人材が必要だと、人材が確保できないと言いながら、現場で人件費を削減すると。これはやはりやるべきじゃないですよ。50億円しか繰り入れをしないという知事の見解、私は、これは撤回すべきだと思います。そういう意味で、これについては決算特別委員会で詳しくやりたいと思いますので、よろしくお願いします。
 知事、これは公民の市販されている教科書です。(資料を掲示) ここに本版ではついていますけれども、沖縄がないんですよ。沖縄県がないんです。これが教科書検定で通っているんです。この教科書検定は許せないと、沖縄を除いてこんな本を出せるのかというふうに抗議すべきではありませんか。
 ちょっと休憩。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後6時5分休憩
   午後6時6分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 今の教科書のカバーでしょうか、写真に沖縄がはっきり見えぬというのは、確かに県民としては気になるところではありますが、それをもって抗議するしないというのはいかがなものでしょうか。抗議するというのもどうでしょうかというのが私の感想ですが。
○前田 政明 抗議ではなくてもいいんですけれども、遺憾だとか、残念だとか、何か表現ありませんか、肯定するんじゃなくて。これでいいんですか。県知事がこれでオーケーですか、沖縄の地図がないものが。
○知事(仲井眞弘多) これで満足ですかと言われると答弁のしようがないんですけれども、写真に沖縄がないという点は確かにすとんと胸に落ちません。ですが、その教科書やそういうものに抗議するかどうかというのとは全然別ではないでしょうか。ですから、やる必要はないと思っております。
○前田 政明 今回の混乱の原因は拙速したやり方だということで、石垣市教育長が採択協議会の会長にあてた規約を改正する文書があるんです。6月何日かですけれども、それは石垣市の議会でも教育委員会の議を経てないんですね。そのきっかけになることがそういうふうにやられていることに対してどのように理解していますか。
○教育長(大城 浩) ちょっと休憩お願いします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後6時8分休憩
   午後6時9分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 教育長。
○教育長(大城 浩) ただいまの御質問につきましては、先ほどから私も手続や方法等に地域住民のほうから疑義があると、そういった言い方をした答弁をしておりますので、そういった思いを私自身もしております。
○前田 政明 ですから、さらにそういう議を経ないで、6月27日に急遽諮ってやると。同時に、さっきありましたけれども、図書調査員の方々にも自分でやって、そしてその順番づけはやるなというようなことを指示する。これは教育長として教育委員会の議を経ないでこんなことできるんですか。
○教育長(大城 浩) これもこれまでもいろんな形で答弁をしてまいりましたけれども、やはり教科書に関する事務の執行等につきましては、一義的には教育委員会のほうが責任を負っております。ですから、今回の一連のことにつきましてもやはり教育委員会との責任がありますので、どこまで教育委員会と調整が図られていたのか、私も少しばかり気になるところもございます。
○前田 政明 それで、この6月27日でやって、それから後いろんなことを勝手にやって、追認という形で手続していますよね。これは行政として、教科書の選定に当たって大事な調査員とかその他協議員を含めて、この議を経ないで勝手に教育長がやって後で追認と、こういう行政的なやり方というのはほかではあるんですか。私は、行政手続上、これは瑕疵ある手続、こんな乱暴な手続はできないと思いますけれども、どうですか。
○教育長(大城 浩) これまでの我々の持っている情報では、過去にこういったことはなかったと思います。
○前田 政明 それで、9月8日の決定は私は有効だと思いますけれども、皆さんは、これは文科省と合議をして、相談をして9月8日のものを設定したわけですよね。
○教育長(大城 浩) はい、私ども県教育委員会は、文部科学省とこれまでもさまざまな指導助言を賜りながら来た経緯がございますので、9月8日につきましても、文部科学省の指導助言を受けながらここまで来たというとらえ方をしております。
○前田 政明 それで、16日の県教育委員会の見解というふうになっていますけれども……。
 ちょっと休憩お願いします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後6時12分休憩
   午後6時13分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
○前田 政明 それで結果的には、教科用図書検定の調査員の推薦のなかったものが挙がってきてやられたと、それもわずか5分。これは十分にこの育鵬社に至る経過が、名前も挙げるなと、これは挙げるものじゃないんだと。こういう形で運営されて、実質的に教育委員会を含めてどういう教科書を選ぶことが子供たちのためなのかということが全く議論されてないんですね。こういうことに対して、皆さんどんな認識ですか。
○教育長(大城 浩) やはり基本的には、教科書は調査員の方々の調査の視点から、地区内におきます協議会において我々がお願いいたしました選定書に基づきながら、調査員の方々はさまざまな視点から調査研究してきた蓄積がございます。ですから、そういった蓄積を、果たして今回の場合にはどこまで活用できたのか、いささか気になるところがあります。
○前田 政明 9月8日に玉津氏が配った、ある国会議員から――名前がちゃんと出ているんですけれども――こんなふうに先生に聞いてやっているんだということで、政治家の名前を出しているんですよ。それを配ってやっている。この人は、要するに、自分は横浜の経験をしたことがあるけれども、これは調査員の意見を聞かないと実際上はなかなか選べないんだと。だから、そういう面では当初の調査員の役割を認めているんですね。そういう面で、こういう政治家の名前を掲げて威勢を張るというのは、僕は教育者としてはあるべきじゃないと思いますけれども、どうですか。
○教育長(大城 浩) 教科書の選択につきましても、これまで私が答弁したようにさまざまな視点から教科書の採択の条件、そして調査の観点、採択の方法等を踏まえながら採択すべきであると、そういう思いでございます。
○前田 政明 やっぱり政治的介入があってはならないということで、私もいろいろ調べてみましたら、平成23年5月25日、自民党の組織運動本部地方組織・議員総局長名で指示が出ているんですね。(資料を掲示) これは飛ばしますけれども、「開かれた採択へ」と、文科省はということで、なお教職員による教科書の絞り込みや順列化が慣例化している場合がある。こうした慣例は、教育基本法や学習指導要領改正の趣旨を踏まえ採択環境にこたえるものじゃないと。そういう面で廃止を求めるほか、採択に当たっては、外部からの不当な云々ということで、これは自民党の指針として、こういうふうに対応しなさいということで、各都道府県連の幹事長あてに送られているんですよ。私は、これは本当に政治的介入じゃないかというふうに思いますけれども、知事、どうですか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後6時16分休憩
   午後6時17分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 実際はこれは自民党さんに聞いていただくしかないんですが、この方の名前で出ているとしても、私のコメントは差し控えたいと思います。
○前田 政明 昨日の国会、参議院で中川大臣は、どちらが正しいかと、いや両方いいんだということで困ってしまったということで、これまでの情報より新しい情報が来ているというふうに副大臣も言っているんですね。だから、まさに県教育委員会が適切な手続をとってきたことが正しいということで、大臣・副大臣も気づき始めていると思いますよ。だから、そういう面でしっかりと教育委員会独自の有効であるという立場を貫いていただきたいと思いますけれども、そこのところどうでしょうか。
○教育長(大城 浩) やはり基本的には地方公共団体は、教育、学術、文化財に関する事務を行う際には、少なくとも政治的には中立でなければなりません。そういったことは、いわゆる未来を担う子供たちの教育が一方に偏っていては、創造性に富む人間性豊かな子供たちの教育ができないからであります。そういった視点から、これまで同様しっかりと対応していきたいと考えております。
○前田 政明 どうもありがとうございました。
○議長(髙嶺善伸) 以上で本日の一般質問及び議案に対する質疑を終わります。
 本日の日程はこれで全部終了いたしました。
 次会は、明30日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後6時19分散会

 
20110604000000