昭和56年(1981年) 第 4回 沖縄県議会(定例会)
第 4号 6月13日
第 4号  6月13日
 

議 事 の 概 要
昭和56年6月13日(土曜日)
午前10時開議
日程第1 一般質問
日程第2 甲第1号議案及び乙第1号議案から乙第11号議案まで(質疑)
   一般質問及び質疑
    1 中根   章君(社会党)
    2 古堅  実吉君(共産党)
    3 外間  盛善君(無所属)
    4 渡久地政仁君(自民党)
    5 嘉数  知賢君(自民党)
    6 西田健次郎君(自民党)
    7 伊良皆高吉君(自民党)
日程第3 陳情2件の付託の件
午後3時38分散会

○議長(大田昌知君) これより本日の会議を開きます。
 日程に入ります前に報告いたします。
 6月4日から本日までに受理いたしました請願、陳情は、請願1件、陳情15件で、そのうち特別委員会に付託すべき陳情2件を除く請願1件、陳情13件は、お手元に配付の請願文書表及び陳情文書表のとおりそれぞれ所管の常任委員会に付託いたしました。
 なお、説明員として出席を求めた副知事座喜味彪好君は別用務のため本日の午後4時までの会議に、出納長古謝得善君は別用務のため本日の午前中の会議に出席できない旨の届け出がありました。
○議長(大田昌知君) 日程第1及び日程第2を一括しこれより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案及び乙第1号議案から乙第11号議案までを議題とし質疑に入ります。
 質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
 中根 章君。
   〔中根 章君登壇〕
○中根 章君 本6月定例県議会は、マスコミも報道しておりますように核問題が焦点となりました。ライシャワー発言以来、国会も核問題の論議があり非核3原則について論ぜられてまいっておりましたし、県議会もきのうまでこの問題がほとんどでありました。全国の米軍基地の53%を有する沖縄においては当然大きな問題であり、県民の核に対する疑惑もまた大きな関心事であります。それを受けてマスコミも質問、答弁のすれ違いのないよう警告を発していたのでありましたが、知事の御答弁は必ずしも議員の質問に正面から答えたものとは受けとりがたいのであります。
 そこで私は、米軍基地内で使われているいろいろなもの、いわゆる化学物質とか、さらには毒ガス、生物兵器、その他もろもろの化学物質がきちんとした管理のもとに保管または使用されているかこの疑問を持つものでありますので、知事のこれらのことについての御見解をただしたいと思うのであります。
 そこで私が入手しましたこのステッカーでございますが、(資料を掲示) 知事、このステッカーは、わが党代表質問の与那嶺議員がお見せいたしましたように放射能があるという一つのマークであります。万国共通のマークのようであります。放射性物質があるということを表示するこの万国共通のマークがありまして、このマークを私は持っているわけですけれども、この文字でございますが、「CAUTION」ということになっております。それからその下に「RADIOACTIVE MATERIAL」、放射性物質、それから「CHEMICAL SYMBOL & ATOMIC WEIGHT」、いわゆる「CHEMICAL SYMBOL」が化学記号であり、それと「ATOMIC WEIGHT」というのが原子量というふうになっております。その欄にはペン書きでRA226とあります。それは化学の専門書を調べてみましたら、こういうふうになっております。RA226というのは、ラジウム226であります。放射性物質であるというふうに専門書は説いております。医療関係専門書で調べてみましたが、現在一般に行われているラジオアイソトープ検査法の核の種類にはRA226は入っておりません。いわゆる現在はこの物質は医療用としては使われておらないのであります。後でこのことについては専門家の環境保健部長が御存じだと思いますので、恐らくないと思います、私の調査では。このことは医療外の使用と見るべきであり、核問題、さらには生物化学兵器関係からの追及が必要になってくるのではないかというふうに思います。またその下の方に、「QUANTITY IN MILICURIES」という欄があります。そこにはペン書きで4.0マイクロキュリーと書かれております。放射線診療従事者等の場合は1.0マイクロキュリーまでは一般的取り扱いとされておりますが、1.0マイクロキュリー以上になりますと、特別室で特別な着衣で取り扱うように医療専門書でもなっております。それは医療専門書の管理編のところでございますけれども、放射線従業員の場合は健康診断の問題、血液検査等も3カ月に1回とか、それから6カ月に1回とかというふうになっております。その他いろいろと保存の仕方、廃棄の仕方等が明記をされております。そこでここにあるステッカーの表示では、4.0マイクロキュリーですから、取り扱いは特殊扱いということになるようであります。さらにこのラジウム226の半減期は、何と1622年間かかると言われております。この放射性物質が半減するのに1600年余りもかかるというふうに言われております。基地関係の人たちに私はこのステッカーを見せてみましたら、これが張られている容器はよく見かけると言っております。結局これが何であるかを知らない基地関係の人たちは、よくこれを見かける。しかしこれはそこではあけたり利用したりしませんので、そこではまだ放射能の心配はないと私は思いますけれども、この容器がどこで開かれて使われているかについて問題が出てくるのではないかと思います。県として安全衛生面から、または環境保全の面からこのような放射性物質の有無と使用、廃棄の仕方等について調査をしていただきたいと思うのでありますが、今日までこのようなことを調べられたり、または知っておられたことがあるか。またそういうのを今後調査をし適切な県政の立場からの行政措置をとられるおつもりがあるか御見解を承っておきたいと思います。
 さらに、きのうの岸本忠三郎議員の質問でも明らかなように、下水道処理による汚泥の処理の問題でありますが、産業廃棄物に関する調査項目はいま県の下水の汚泥の中では、その項目は12項目であります。水銀とかカドミウムなど12項目であり、放射能測定は含まれておりません。それはわが国の基準では、放射性物質の取り扱い管理は厳しく規定されているからであり、それはほかの原子力関係の方で規定されているからであります。しかしいざ沖縄の基地となりますと、このような危険きわまりない物質が沖縄の基地内に持ち込まれているということは、治外法権的な沖縄の米軍基地であります。そうしますと、これらが使用され、下水道を通じていわゆる終末処理場へ流入しない保障はないのであります。このような物騒なものが現に基地内にあることは明らかでありますので、管理面、使用の仕方、廃棄のあり方等に立入調査をすべきだと思うが、知事の御所見を承りたいと思います。いわゆる下水道を通じて当然入ってくる可能性があるのであります。その辺についてもぜひ知事の今後のこれに対する考え方をお聞かせ願いたいと思います。
 次に、わが党代表質問との関連でございますけれども、宮古空港の問題でございます。
 きのう、おとといの代表、一般質問と宮古空港への米軍機の飛来が焦点となり、論議をしているところに、ずうずうしくもきのうまた飛来をしております。けさの新聞を見てみんなびっくりもしたと思いますけれども、新聞の報ずるところでは、このOV10ブロンコ2機は先月20日宮古空港へ飛来し、フィリピンのクラーク基地に向かった2機であり、米軍側のスケジュールより1日早く飛来したことになっているようであります。このようなスケジュール飛来は恒常化を目指したものであり、いわゆる知事がきのう、おととい、どんなに言われて強弁しておっても、宮古空港まで軍民共同使用になるということがはっきり言えるのではないかと思います。代表、一般質問に対し、知事は原則として恒常的使用は認めないと言っておられましたけれども、実際にはそういうスケジュールを組んだ形でOV10ブロンコは宮古に飛来を続けているのであります。緊急とは、身体に異常を来したときとか、または故障でどうにも不時着をしなければならないとか、そういうことが緊急だと思いますけれども、知事は給油も緊急とみなしておられるのか御見解を承っておきたいと思います。米軍側の言う緊急ではなく、燃料補給を目的に飛来、韓国、嘉手納、フィリピンを結ぶ補給中継基地として位置づけ、使用していることは明らかであります。知事の原則として認めないは、崩れたのではないかと思うのでありますが、このような形だと、いつでも知事はこの宮古空港への飛来を認めるつもりでいるとしか私たちには見ようがないのでありますが、知事の再度の御見解を承りたいと思います。
 この飛行機は、きのう午後1時半にフィリピンのクラーク基地を離陸したようであります。そして同時刻までに在沖米軍嘉手納基地から航空自衛隊那覇基地を経由して大阪航空局宮古出張所に、宮古空港に着陸するの通報が入っております。まさしくきのうの午後の宮古空港へのブロンコの飛来の論議を議会で私たちがやっている間に飛来をしております。それ以前に嘉手納基地から自衛隊を通じて大阪航空局宮古出張所に連絡が入っております。県管理の空港である以上は、当然向こうからの通報は県にも知らされたと思います。しかしきのう午後の論議の中で、13日の予定で入るということを何遍各議員が取り上げても知事は知らぬ存ぜぬで通しておられましたけれども、事実はどうだったのか。私はおそらく宮古出張所を通じて県に連絡があったと思います。土木建築部長、労働渉外部長、おそらくあなた方の所管だと思いますので、ぜひきのうのその時間への連絡について明らかにしていただきたいと思います。
 さらに宮古空港の共同使用と、さらに宮古の皆さんを初め、多くの県民が心配しているのは、下地島訓練飛行場の利用につながるおそれがあると県民はみんな心配しているのであります。その辺のことを知事は、そういうことにならないか、下地島訓練飛行場との関連について再度知事の御決意をお伺いいたしたいと思います。
 それから次に、空軍のサマータイムの問題で御質問を申し上げる予定でありましたけれども、時間がありませんので簡単に申し上げますけれども、この問題は7時から出勤になる。そうすると大変生活にもいろんなことで支障を来すということになって従業員は反対を続けております。それで知事も6月5日付で全駐労の委員長に対してサマータイム問題の回答を寄せておられますけれども、来年からはぜひこれが取り外されるように知事も県も大きく撤回するようにしたいというふうに答弁をしておられますので、来年度、これの取り組みとその見通しについてお伺いをいたします。
○議長(大田昌知君) 西銘知事。
   〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 中根議員の御質問に対しましてお答えいたします。
 提示されたステッカーの件でございますが、これは御指摘になったように放射性物質になっておりまして、その下にラジウム226ということが記載されて、原子量、「ATOMIC WEIGHT」と書いてありますが、「CHEMICAL SYMBOL & ATOMIC WEIGHT」ということでラジウム226と一体になっておりますが、これは「注意 放射能物質」という大きい見出しになっておりますが、この上に出ている「APPROVAL OF BUDGET BUREAU NOT REQUIRED」、予算局の承認は要らないという細かい規定が書いてありますが、どこから入手されたかわかりませんけれども、いまアメリカの行政機構の中で予算局はなくなって機構が変わっておりますのでいつごろのステッカーであるかよくわかりませんけれども、この件につきましては後ほど担当部長から答弁させることにいたします。
 ただ問題は、そういう放射能物質が下水道を通じて有害物質として住民地域に流れてくることはこれは大変重要な問題じゃないかと。これは全く御指摘のとおりでございまして、これに対して今後そういう有害物質が流れてくるようなことになりますというと県民生活に大変重大な影響を及ぼしますので、この排除については積極的に対処していきたいと考えているところであります。
 次、きのう、13日がきのうにまたなりましてブロンコの飛来がございましたが、これはそのたびにお答えしておりまするとおり、燃料補給を含めて緊急避難に限って認めるという原則はあくまでも堅持したいと考えております。
 予告について私何も聞いておりませんので、それぞれ労渉、土建部長から答弁させることにいたします。
 これと下地島の訓練飛行場との関連において、下地島訓練飛行場を利用することにはならないかということでございますが、下地島の訓練飛行場のことにつきましてもこれは第3種空港でございまして知事の管理するところであり、まだそれについて県として利用する、させないというようなことは考えておりませんが、宮古だけでなく、第3種空港全般を通じて燃料補給を含めて緊急避難の場合はやむを得ない措置として受け入れていきたいと思っております。
 次、サマータイムの問題、その他細かい点につきましては副知事、担当部長から答弁させることにいたします。
○議長(大田昌知君) 比嘉副知事。
   〔副知事 比嘉幹郎君登壇〕
○副知事(比嘉幹郎君) サマータイムの問題についてお答えいたします。
 在沖米空軍においてサマータイムを実施しているわけでございますが、その理由は、私が嘉手納の基地司令宮と会ったときにいろいろ述べておりました。1つは省エネルギーの観点からであると。もう1つは昼間の明るい時間を合理的に使うということでございます。それからもう1つは、もしこのサマータイムを実施していろんな面で支障を来す従業員がおれば、その人々が直接申し出ればそれなりの措置をとると。つまりいろいろ時間を大目に見たり、あるいは仕事の時間をちょっと変更したり、つまり個別的な例外的に取り扱いたいということでございました。しかしいずれにしても、省エネとかその他の理由によって昭和53年以降、いわゆるサマータイムを実施しているわけでございます。その対象は嘉手納空軍基地内の従業員約2000人のうち、約880人となっております。県としては、従業員及びその家族の生活サイクルと健康管理等の面からその及ぼす影響が大きいのでその撤回を求めて検討委員会というものを設置いたしまして県の考え方、意見等を述べて協議を重ねてきたわけでございます。それで米側の省エネ委員会では、ことしのサマータイム実施期間を5月4日から9月27日までの約5カ月間とし、基地司令官へ進言しているわけでございます。そこで私も、また担当部長も師団長とか基地司令官とその再考方を求めて折衝してきたわけでございますが、それで結局6月1日から8月28日まで実施するということになったわけでございます。来年以降のサマータイム問題について米軍側との交渉で従業員に負担をかけないで、軍内部の努力による他の方法で省エネ対策を強化しエネルギー節減を図ることとすると。それから来年以降は、従業員に負担をかけるサマータイムが実施されないよう努力すると。そういった確認のもとに、このサマータイムの問題の解決のために努力していきたいと考えております。
 以上です。
○議長(大田昌知君) 環境保健部長。
   〔環境保健部長 伊波茂雄君登壇〕
○環境保健部長(伊波茂雄君) 基地内の放射性物質の関連についてでございますが、必ずしも環境保健部の所管ではございませんが、放射性物質の取り扱いについては、法令上私どもの知る限りでは、1つには、放射性物質の規制に関して国の所管で科学技術庁の所管になっている分野がございます。これは核燃料等の問題がございます。それからもう1つは、医療用の放射性物質の分野がございまして、御指摘のラジウム針、ステッカーを見ますと「CHEMICAL SYMBOL」及び原子量(ATOMIC WEIGHT)がラジウム226と。そして「QUANTITY IN MILLICURIES」ということで御指摘の4.0マイクロキュリーということになっておりますが、このラジウムについては医療用としてもラジウム針として悪性腫瘍などの深部照射にも使われるタイプでございます。したがいましてそういった医療用の放射性物質については、その面からの規制が行われ医療監視指導の対象になっております。
 御指摘の監視体制についてでございますが、県としては科学技術庁の委託を受けて放射能の監視について測定分析を実務的に行っております。大きく分けますと2つございまして、特別な測定分析ということで原子力軍艦などの寄港するケースがそれに該当いたします。それからもう1つは、一般的測定分析ということで自然界にはガリウムその他多くの自然界のラジオアイソトープ(放射性同位元素)が存在しておりまして絶えず放射能を放出しておりますので、いわゆるこのバックグラウンドの放射能の測定分析を行っているわけでございます。御指摘にあります基地関係に関しては、特に基地内に立ち入りが可能であれば、そういった面からのアプローチもできますが、現在のところ私たち国の専門機関とも相談をして担当の専門職員に基地周辺における自然界、土壌、水域等について可能な限り測定分析ができるかどうか検討させたいとこのように考えております。
○議長(大田昌知君) 土木建築部長。
   〔土木建築部長 城間勇吉君登壇〕
○土木建築部長(城間勇吉君) 昨日の宮古空港に着陸をしました米軍機のOV10ブロンコについてお答えを申し上げます。
 昨日午後2時ごろ、OV10ブロンコ2機が宮古空港に着陸をしたいという旨の連絡が米軍及び那覇航空交通管制部から連絡を受けました。しかし私ども県の担当者としては、一応給油ということであればやむを得なく着陸をさせるけれども、もう一度宮古空港の近くになってから本当に燃料切れの場合かどうかは連絡をしてくれということで連絡をいたしましたら、着陸の約50分前に連絡が再びございまして、燃料切れということでございますのでやむを得ざる措置として着陸を許可したわけでございます。
 それで飛行機の滞留期間を申し上げますというと、16時35分に着陸をしまして1機は17時45分に離陸、それからもう1機は16時37分に着陸をして17時46分に両機とも約1時間ぐらい停留をして給油をして飛び去っております。
 以上でございます。(「最初から燃料切れだよ」と呼ぶ者あり)
○議長(大田昌知君) 中根 章君。
   〔中根 章君登壇〕
○中根 章君 向こうで言っているように、まさしくそのとおりです。最初から燃料切れなんです。それと同時に、きのう仲原議員が質問をしている時間はその時間なんです。それ以後なんです、2時以後なんです。2時以後、仲原さんからその質問をしているのに、知らぬ存ぜぬです。まだ連絡をしてない、それはしかしおかしいじゃないですか。こんなに緊急で大きな問題を議会で論議をしているのに、そしてすでにクラーク基地から米軍から、そして大阪航空局から連絡が入っているのに、知らぬということでしらを切り通すというのはそれはおかしいじゃないですか。これを私は皆さんは、この緊急ということよりも、もうここを恒常化したということで見るべきじゃないかというふうに考えます。
 西銘さんが知事になられてから、演習も本当にふえております。それから宮古の飛行場にアメリカの飛行機が飛来するということも、あなたが知事になられてからなんですよ。しゃんとしていただかないと困りますよ、これは。多いんですよ。そういうことなのでひとつ西銘さん、もう少しこの辺をはっきりしていただきたいと思います。きのう2時に連絡が入っております。2時に入っている連絡を、全く論議をしている間に連絡ありましたということを言わない。全く県民には知らさないで受け入れるというやり方、これは緊急じゃないです。あくまでも恒常化をねらったものに知事を含めて県が手をかすものであると私は言えると思います。再度このことについてどういう釈明をなさるつもりかお聞きいたしたいと思います。
 さらにもう1つは、下地島のことについても宮古の皆さん大変心配をしておられますけれども、この下地島訓練飛行場に対して、もし国やその他のところから知事あてに要請があり、飛来要請があったりしたら、ぱっちり拒否する気持ちがあられるかお答えをいただきたいと思います。
○議長(大田昌知君) 西銘知事。
   〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) ブロンコの件でございますが、これは何も私が知事になってからできたことではございません。50年にエンジン故障で1回、それから故障機の救援ということで3回、それから物資輸送で1回、50年5回になっております。51年が物資輸送3回、燃料補給1回、その他1回で51年も5回来ております。それから52年は燃料補給7回、その他2回、9回、これが一番多いのでございますが、一番これまでに多くなっております。53年が貨物輸送1回、燃料補給1回、それで53年が2回。それから54年、燃料補給で2回。55年は全然ございません。56年、エンジン故障1回、故障機の救援1回、燃料補給4回、計6回となっておりまして、50年から56年までの7カ年間でエンジン故障で合計いたしまして2回、それから故障機の救援で4回、それから貨物物資の輸送で5回、燃料補給が15回、その他3回、合計29回となっております。この29回の中で燃料補給が一番多いわけでございます。
 そういうことで、これは復帰前からそういう事態があったわけでございまして、私といたしましては燃料補給はこれは人命に関することですから、また燃料が切れて目的地に着けないということになりまするというと人命に大変影響しますし、これは飛行士自体が認定することでございまして、国際慣行といたしましても燃料補給を認めるのがこれは常例だと私は考えておるわけでございます。ただ第3種空港でございまするから、あくまでも燃料補給、緊急避難ということに限定して使用させるということでございまして、たびたび来たからこれを恒常化するのじゃないかという御心配でございますが、決してそういうことはございません。
 それから下地島の訓練飛行場の問題でございますが、これも第3種空港でございまして、ここに燃料補給とかあるいは緊急避難の場合どうしても使わせてくれということであればこれは認めざるを得ない、緊急避難に限って。宮古空港だけでなく石垣空港の場合もこの7年間で2回、粟国飛行場の場合4回、南大東の場合2回、久米島の場合3回ということで第3種空港におりたそういう米軍機の数からいたしましても40回を数えているわけでございまして、そういうことで緊急避難、また燃料補給ということではやむを得ざる措置として認めていきたい。そのかわり恒常的な使用は原則としてこれを許さないという方針は堅持してまいりたいと考えております。
○議長(大田昌知君) 休憩いたします。
   午前10時36分休憩
   午前10時37分再開
○議長(大田昌知君) 再開いたします。
 土木建築部長。
   〔土木建築部長 城間勇吉君登壇〕
○土木建築部長(城間勇吉君) どうも失礼しました。
 確かに2時に受けたわけでございます。いまメモを調べてみますと、仲原さんの質問は13時5分から始まっておりますので、その後仲原さんの質問があったわけでございます。ただ、先ほども知事から御答弁がありましたように、給油ということについては原則として着陸を許可するわけでございます。しかしながら私どもは一応例のブロンコ機は沖縄に向けて飛来するにしても、オーバーパス、宮古におりないで通過する場合もあるという情報を聞いておりましたので、一応もっと宮古空港に近づいてから連絡をしてくれるようにと、宮古空港にもっと近づいてから燃料切れであるということであればこれは万やむを得ないということで許可をするということでございます。(発言する者多し)
○議長(大田昌知君) 休憩いたします。
   午前10時38分休憩
   午前10時39分再開
○議長(大田昌知君) 再開いたします。
 土木建築部長。
   〔土木建築部長 城間勇吉君登壇〕
○土木建築部長(城間勇吉君) それじゃ時間を訂正をいたします。私のメモでございますが、仲原議員の御質問は15時7分からということで訂正いたします。
○中根 章君 ちょっと休憩してください。
○議長(大田昌知君) 休憩いたします。
   午前10時40分休憩
   午前10時41分再開
○議長(大田昌知君) 再開いたします。
 土木建築部長。
   〔土木建築部長 城間勇吉君登壇〕
○土木建築部長(城間勇吉君) 私が時間を申し上げましたのは、先ほど中根議員から、仲原議員の御質問中であったということがありましたので、メモを見てどうも13時と、午後3時とそれから午後1時と間違えまして失礼しました。
 ただ時間的な問題というよりは、先ほどから知事の御答弁がありましたように、原則として給油、その他緊急避難の場合には着陸を許可せざるを得ないということでございますので、14時という連絡はありましたけれども、私どもはあくまでも燃料切れということを再確認する意味で、時間のそれとは関係なく宮古空港に近づいてからもう一遍連絡をしてくれということで約50分前に連絡がありまして、万やむを得ないものとして燃料切れという連絡がありましたので着陸を許可したわけでございます。
○議長(大田昌知君) 中根 章君。
   〔中根 章君登壇〕
○中根 章君 飛来は、先ほど知事が年度を挙げて言いましたのでよくわかりました。
 そこでいまの問題ですけれども、50分前にもう一遍連絡せよと、そうすれば燃料切れと、私たちはつくりましょうということなんですよね。結局は立つときから連絡をするということは、もう燃料切れははっきりしているわけね。そうすると50分前にもう一遍やってくれというのは、アリバイ工作を県はつくりたいということです。一緒になって燃料切れを口実にした恒常化への準備に手をかしている、そういうふうなことにしか私たちには映らないわけです。
 もう1点は、少なくともあんなに質問が出ている真っ最中の2時に連絡があったら、「知事、ジャーフェーナトウッサー、マタチョーッサー」というぐらいは知事に耳打ちしてもいいじゃないですか。そういうことから知事は、実は来ていますということは言ってもいいじゃないですか。そしてそこからみんなの知恵でやっぱりこれは恒常化につながるものだということをそこから見越せるし、それをぜひ今後やっていただきたいと。いまのままでは、私はそのまま宮古空港を含めて、また知事がいまさきおっしゃっておりますように八重山、久米島、全部わが県の離島空港が軍との共同使用になりかねない、そういう重大な時期にきていると思います。そしていま核を持ち込むおそれも十分あるわけですから、その辺のことについてももっと県民の知事としてきちんとし、そして絶対に県民福祉のためにそういうやり方には手をかさないということできちんとしていただきたいと思います。
○議長(大田昌知君) 古堅実吉君。
   〔古堅実吉君登壇〕
○古堅実吉君 知事への私の本日の質問は、知事の御努力によって解決できる問題で2つについてであります。1つはノグチゲラ、北部水源涵養林の保護と米軍北部訓練場での実弾射撃演習問題について、いま1つは農連市場移転問題についてであります。
 米海兵隊が米軍北部訓練場において、対戦車ミサイル――TOWと言われています――それや消火器などの実弾射撃演習を実施する計画で日本政府とも交渉中であることなどが明らかとなり、再び大きな問題となっています。
 周知のように、米軍北部訓練場となっているこの地域は、国の特別天然記念物であるノグチゲラを初め、数多くの貴重な動植物が生息し、県民生活にとって不可欠の水源涵養林地域でもあります。1970年12月31日、米海兵隊がこの訓練場での実弾射撃演習を強行しようとしたとき、国頭村の人々は着弾地の山に登ってのろしを上げ、発射台の米兵と村民男女がどろまみれのとっ組み合いをするなど県内民主勢力の支援を受けながら、村長を初め村ぐるみの文字どおり体を張っての闘いによって阻止したものでありました。
 私の恩師である池原貞雄琉大教授が、ことしの1月に「沖縄の自然とノグチゲラ」という著書を出版されました、この本であります。(資料を掲示) 知事もごらんいただいたかと思いますが、その第1章で、11年前のあの米軍実弾射撃演習問題について当時の現地新聞の記事を追って実に生々しくまとめた上、「この問題から学ぶもの」として次のように述べておられます。
 「もし、あのときの米軍の計画どおりに国頭の山林が使われていたとしたら、いま頃どうなっていたであろうか。ベトナム戦は終わってしまったし、あとに残されたものは荒れ果てた殺風景な山河だけであったかもしれない。そして、唯一の水資源として期待されている国頭の山林環境の悪化を招き、より深刻な水不足に悩まされていたであろう。世界の珍鳥といわれる天然記念物ノグチゲラの運命も、もっと深刻な事態にたち至っていたのではなかろうか。」、このように述べ、さらに「沖縄の自然は、沖縄の人たちにとっては、先祖からの遺産であり、現在これに依って生存を可能にし、そして将来に向けて、永久に子々孫々に伝承されるべきかけがえのない宝である。にもかかわらず、条約の定めがあるとはいえ、外からやってきて、県民の反対を押し切ってこの宝を損うことに我慢ができなかったのである。実弾射撃演習を、文字どおり体をはって阻止した気持ちは、痛いほどよくわかる。」と述べ第1章を結んでいます。
 11年前に国際的規模で大問題となった北部訓練場での実弾射撃演習問題、米軍は日米安保条約に基づく権利としての演習この実施を再びいどんできたのであります。日本政府と西銘知事がいかなる対応に出られるか、米軍の期待にこたえるか、断固として拒否するか、そのいずれかの正念場を迎えようとしている問題であります。
 ところで地元の国頭村議会は、今回の米軍の実弾射撃演習の新たな動きの中で去る4月28日臨時議会を開き、北部訓練場における実弾射撃演習反対に関する意見書を議決していますが、その中で、北部訓練場で実弾射撃訓練が実施されると県民の命の泉である水源涵養林はもとより、天然記念物に指定されているノグチゲラや学術的に貴重な動植物の保護区域である天然自然林が破壊されるばかりでなく、周辺の農作物、林産物の生産にも影響し、交通面からも県道2号線があり、村民生活に及ぼす影響は甚大なるものがあり断じて許すことができないものであるとして、北部訓練場におけるいかなる実弾射撃訓練も絶対に実施しないこと、それを強く申し入れるとなっております。知事もその意見書をお読みでありましょう。
 そこでお伺いします。
 1つ、米軍は政府に対し北部訓練場での実弾射撃演習についての同意を求め調整中ということであるが、もし政府がそれに同意することになれば事は重大であります。県はそういうことにならないよう、政府や米軍に対して積極的に反対の意思表示を行い、その計画を取りやめさせるためにあらゆる努力を展開すべきときだと考えますが、御所見を伺いたい。
 2つ、ノグチゲラは、現在でさえ演習その他の原因によって絶滅への危機に瀕していると言われています。実弾射撃演習が実施されれば一層深刻な事態に至ると考えられますが、どう見ておられるか伺いたい。
 3つ、ノグチゲラ等の保護策強化のため特別鳥獣保護区域を新たに拡大することについてその見通しなどを御説明願いたい。
 第2の質問、農連市場移転問題についてであります。
 県経済連の農連市場を7月に古波蔵の農産物地方卸売市場に移転しようとしていることが大きな問題になっています。
 農連市場は、戦後の復興期1953年に開設されて以来30年近くも庶民の市場として親しまれ、地場流通の拠点として文字どおり県内経済活動の中で大きな役割りを果たしています。知事も御存じのように、農連市場は南部地域を中心とした近郊農民が自分でつくった野菜を直接自分で相対売を行い、青果、魚介類、日用雑貨などの関連商品店が並び、いわゆるマチグワーの形態をなしています。経済連の調査によっても農連市場で相対売をしている農民は毎日約500人、関連業者が160人程度で、買い出し人は1000人前後とされています。これだけ多くの人々がこの市場に営業と生活を依存しており、かつ周辺商店街の営業もこの市場の存在と深い関係を持っています。それだけにこの市場移転問題は慎重に取り扱われなければならない問題であります。
 ところが県経済連は、農家や業者に一言の相談もなく、一方的かつ抜き打ち的に7月の古波蔵移転を決定し強行しようとしておるのであります。この県経済連の問答無用式の非民主的な決定に対して、当然のことながら直接の市場利用者である農民、業者が反対の声を上げ、周辺商店街の人々を含めて農連市場を守る連絡協議会を結成して反対運動を展開していることは連日のマスコミで報道されているとおりであります。
 農連市場は、経済連が運営管理しているとはいえ、その機能の持つ公共的性格からして利用者である農家や業者、消費者はもちろん、周辺商店街の営業や広く県民生活にも重大な影響を及ぼす社会問題でもあり、当然県としても行政指導をする責任があると考えます。また、この農連市場移転問題が市場内の私有地明け渡しを理由にしているとはいえ、根本的には県の中央卸売市場開設に伴っての整備計画に沿って進められている過程において派生している問題であり、そのためにも県は責任を持って対処する必要があります。
 そこで知事にお伺いします。
 1つ、県は農連市場を守る連絡協議会が要求している県経済連の7月移転の中止のために粘り強く対処し行政指導を展開すべきだと考えますが、その意思があられるかどうかお伺いしたい。また、現在いかなる対処策を進めておられるかについての御説明も願いたい。
 2つ、県は地場流通の拠点としての相対売市場を明確に位置づけて将来の整備計画を確立する考えがあられるかどうか、以上の2点について御答弁を求めるものであります。
 知事、傍聴席をごらんください。 (傍聴席にて拍手する者あり)
○議長(大田昌知君) 静粛に願います。傍聴席は静かに願います。
○古堅実吉君 農連市場7月移転に反対される方々が、本日古堅、外間両議員が市場移転問題についての質問をすることを知り駆けつけておられるのであります。本定例会における代表質問、一般質問ですでに金城、城間両議員からも御質問がありましたし、本議会の重大関心事となっていることは確かです。そして市場の7月移転反対の関係者が、切実な気持ちをもって議会における論議に期待をかけておられることも本日の傍聴席の皆様を見ればきわめて明らかであります。それぞれの議員がどんな質問や態度をとってくれるか、それについての重大な関心をもって駆けつけておられることも間違いないことでありましょう。しかし皆様の最大の関心事と切実な願いは、知事の心ある態度と御返事についてであろうと私は確信します。知事の誠意ある御答弁を求めるものであります。
○議長(大田昌知君) 西銘知事。
   〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) ただいまの古堅議員の御質問に対しましてお答えいたします。
 北部山林におきまして実弾演習が実施されますと、水源涵養林や鳥獣の保護に重大な影響を及ぼすことは全く御指摘のとおりであります。そのため県といたしましては、去る6月4日に3者協議会幹事会を開いて国や米軍に対し実弾演習を実施しないよう申し入れたところであり、今後とも実施されないよう国や米軍に対して強力に働きかけていきたいと考えております。
 次、ノグチゲラの保護と特別鳥獣保護区域の指定についての御質問に対しましてお答えいたします。
 ノグチゲラは、沖縄本島北部にのみ生息する国の特別天然記念物に指定されているきわめて学術的に貴重な野鳥であることからいたしまして、県といたしましては当該地区内での軍事演習についてはノグチゲラの生息環境に影響を与えないよう申し入れをしたいと思っております。
 鳥獣保護区の設定と拡張計画などの経過を申し上げますと、与那覇岳鳥獣保護区は、同区内に生息するノグチゲラ等の保護を目的として昭和40年6月に設定され今日に至っております。同区はノグチゲラの生息密度が高いことから、国は昭和55年度に与那覇岳一帯の特殊鳥類生態調査等を実施いたしました。この調査結果を踏まえまして、県設の与那覇岳鳥獣保護区面積670ヘクタールを1550ヘクタールに拡張し、国設鳥獣保護区として設定したいということであります。国設鳥獣保護区の設定の見通しについては、保護区の設定をするには、当該地区にかかわりのある諸機関との協議、公聴会の開催、審議会での審議などを得る必要があります。これらの事柄については所管部局で対応している段階であります。現時点で実現の見通しについては申し上げられないのでありますが、しかしながら県といたしましては協議すべき関係機関に対しまして今後とも働きかけていきたいと思います。
 農連市場の相対売につきましては、副知事、担当部長から答弁させることにいたします。
○議長(大田昌知君) 農林水産部長。
   〔農林水産部長 喜久山盛忠君登壇〕
○農林水産部長(喜久山盛忠君) 経済連市場移転問題に関しまして、第1点7月移転を中止しなさい、さらに整備計画に位置づけるというような2点につきまして御答弁をいたします。
 経済連中央市場は、近郊農家の相対売を中心にいたしまして生鮮食料品流通のかなめとなっていることは御案内のとおりではございます。しかしこの市場は、那覇市の都市計画の一環といたしまして街路計画が策定されたこと、現在の老朽化いたしました施設の抜本的改善はできないわけでございまして、加えて同市場の3分の1に当たります私有地につきましては、地主から昭和56年12月までにその明け渡しの請求を受けているわけでございまして、この相対取引をこの場所ですることが不可能となっている状況でございます。したがいまして経済連は、古波蔵の地方卸売市場に隣接する集荷施設に来る7月をめどに移転を計画いたしまして、現在その作業を進めているわけでございます。ただ、一部の農家等にありましては移転に対する不安がありまして、経済連といたしましては農家のコンセンサスを得るために当該地域におきまして懇談会、さらにまた施設整備におきましては駐車施設の整備、関連商品売場等を整備しているわけでございまして、市場機能をこれまでよりも強化するとこういう計画でございまして、県といたしましてもこういう経緯からこれを推進していくために適切な指導を行っているわけでございます。
 なお、2点目の農家の相対取引を沖縄県中央卸売市場整備計画に位置づけることにつきましては相対売の性質上むずかしいわけではございますけれども、しかしこれまでの歴史的あるいは相対売の伝統等を踏まえまして十分検討をする必要があろうとかように思っているわけでございます。
 以上でございます。
○議長(大田昌知君) 古堅実吉君。
   〔古堅実吉君登壇〕
○古堅実吉君 再質問いたします。
 北部訓練場の問題についてですが、6月4日の3者協議会で県が申し出た翌日の6月5日、米海兵隊基地司令官キリーン少将は記者会見を行い、北部訓練場で特定の火器の実弾射撃訓練ができないか日本政府と交渉中である、そのことを明らかにしたのであります。また千秋防衛施設局長は、去る4月13日共産党の瀬長議員に対して、北部訓練場での米軍の実弾射撃演習について、上からの指示があれば現地では断れない、このように表明しているのであります。県は、6月4日の3者協でその問題を持ち出しどの程度の詰めた話をされたのか、また今後この問題についての交渉をどのように進めていかれるおつもりか。ただ3者協においてそのような申し入れをしたとそういうことだけにとどめられるおつもりなのか、今後のことなどについての計画があれば明らかにしていただきたい。さらに、この問題の重大性にかんがみ、知事は現地における話し合いにとどめず、直接に政府要路の方と強力な折衝を進め、そんなはずはなかったのにという決定を見て大あわてをすることにならないような最善の努力をいま払うべきときだとそのように考えるものでありますけれども、そのおつもりがあられるかどうかについても伺いたい。
 農連市場移転の問題についてでありますけれども、ただいまの部長の御説明、昨日ですか担当の副知事からもお話がありましたが、いまの部長のお話を承っておりますというと、私が願いを込めて要望を申し上げたことについてはこたえていただけないようなそういう感じを強く抱くものであります。いま経済連が推し進めようとしている移転7月強行、それについて見通しを持ってそのようにいろいろ進められようというお考えなのか、あるいは別のお考えもあられるのかどうか、それについていま一度お伺い申し上げておきたい。農連市場の果たしている役割り、その及ぼす影響の重大さからして7月移転の計画を再考する立場で農民、業者、消費者ともよく話し合い、その意見も十分反映できるように県の責任ある対処策が強く求められている、これがいま県のなすべきことではないでしょうか。知事は、行政指導の立場から農連市場7月移転反対の方々、県経済連の双方が話し合いができる場を設ける努力、その他農民、業者などの願いにこたえた解決のために最善を尽くしてほしいと強く要望申し上げる次第であります。いま一度の知事の直接の態度の御表明をお願い申し上げます。
○議長(大田昌知君) 西銘知事。
   〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 古堅議員の再質問に対しましてお答えいたします。
 北部訓練場における実弾演習の申し入れについてでございますが、3者協の幹事会でこれを取り上げただけでございまして、正式な3者協ではまだ話し合っておりません。しかしながら事は水源涵養林であり、また県の水がめでございまするので3者協ではっきり県の態度を表明いたしまして、実弾演習には絶対反対であるとこれを強く申し入れ、さらにここで協議が整わないような場合には上部の機関にかけて強く県側の要請について訴えるつもりでございます。もちろん御指摘のありました政府要路の方々についても私自身お会いいたしまして、防衛庁長官、施設庁長官、外務大臣とお会いいたしまして県の立場を明確にし、絶対実弾演習があってはならないということを強く申し入れていきたいと考えております。
 農連市場の7月移転の問題でございますが、これは私が那覇市長時代から大変問題になっておるところでございまして、那覇市の都市計画の街路がもう設定されておりまするし、また私有地が大分入っておりまして期限が到来して返さなければなりません。そういうことで遅かれ早かれ農連市場はこれを廃止しなければならないところまで来ておるのであります。ただ経済連といたしましても相対売市場の持つ役割り、これは歴史的にも伝統的にも沖縄だけにあるかもしれませんけれども大事にしなければなりませんので、そういうことでいま古波蔵の方に施設も拡充し、現在の場所よりも大変りっぱな場所でございまして私自身現地を見てきたのでございますが、できるだけ相対売の方々が困らぬように、また農民の方々が困らないようにということで経済連も最大の配慮を払っているところでございます。したがいまして経済連におきましても誠心誠意諸般の情勢を勘案いたしまして、相対売の方々が困らないような体制をつくり上げることに懸命の努力を払っておりますので、県もその立場から行政的な指導を行って円満に移転のできるような体制をとっていきたいと考えておるところであります。 (「答えてないよ、7月移転のことを聞いているんだよ」と呼ぶ者あり) 経済連では7月移転を目途にしておるようでございますが、それまでに条件整備ができるかどうかその辺が大変微妙なところでございまして、原則としては現在の場所から古波蔵の方に移転しなければならないのは早晩やらなければならぬ問題でございまして、条件整備までは7月少しおくれるかもしれませんけれども、できるだけ経済連の方針に従って県としても行政指導していきたいと考えているところであります。
○議長(大田昌知君) 外間盛善君。
   〔外間盛善君登壇〕
○外間盛善君 経済連市場、俗称よく農連市場と言っておりますが、これ一本にしぼり、所見を申し述べながら質問をいたします。
 その前にちょっと申し上げておきたいんですが、古堅議員からもこの問題について質問がなされまして一部重複する面もあるかと思いますが、私の立場で展開したいと思います。
 農連市場は、生産農家の相対売市場として昭和28年6月18日に開市され、数年間は閑古鳥が鳴く状態であったようでありますが、昭和34年ごろから農家及び買い出し人が積極的に利用するようになり、本県唯一の青果物を中心とした流通拠点市場として発展してきました。現在敷地面積が1500坪で、毎日生産農家300ないし500名、関係商品業者160名、買い出し人が大小合わせ800名から1000名が利用し大盛況を呈しております。農連市場のこのすばらしい発展は、本県特有の伝統的な取引慣行によって築かれたものであります。しかしながらこの相対売制度は、生産者が販売まで一手に引き受けるという直売方式であり、仲介料も出ず、ある意味では生産農家に利益をもたらしている面もありますが、非近代的であると同時に、卸売市場法との関係からも全面的に歓迎できるものではありません。しかしながら本県で長年間なじんできた相対売制度を急激にまたなくせるものでもなく、またなくしてはならないと考えます。中央卸売市場の建設開場後も引き続き競り方式による販売が県民になじみ定着するまでは、流通機構の整備の一環としてとらえ、県は単に経済連の問題として傍観することなく積極的にその充実育成を図るべく行政指導並びに助成策を講ずべきであると本員は考えます。
 ところで、経済連は諸般の事情から農連市場の移転を余儀なくされることとなりましたが、相対売市場の絶対的必要性を認め発展的移転をすることとなり、去る5月28日、農連市場を古波蔵の経済連地方卸売市場に移転併設するとの発表がなされました。そこで生産農家を初め、買い出し人等多くの関係商品業者から不満を表明すると同時に、その阻止を目的とする農連市場を守る会が発足される等、昨今大きな社会問題を醸しつつありますことは新聞報道等で御承知のとおりでございます。
 本件にかかわる市場の移転問題につきましては、さきの2月定例県議会におきましても中央卸売市場の建設計画との関連において経済連の所管する既存の全地方市場の存続の問題とその機能及び位置づけ等はどうなるか。また、相対売市場の継続存置の必要的観点から本員は質問をなし、さらに農連市場が諸般の事情からどうしても継続できない場合は、古波蔵の経済連地方卸売市場に移転存続を図るべきではないかとの質問をあわせていたしました。これに対し知事は、農連市場の存続については経済連が検討中であり、その考え方を聞きながら対応するとの答弁でありましたが、県はその後この問題について対応してこられたのかどうか、対応があったとすれば、いつ、どのような措置を講じてこられたかをまずお伺いいたします。
 次に、農民協を組織する一部の人たちから昨今南部の生産農家に対し、農連市場が所在する民有地の所有者は引き続き土地を借りて農連市場を継続してくださいと言っているが、経済連が相対売市場の閉鎖目的で無理に古波蔵地方卸売市場へ移転し自然消滅を図るための策略だとの情報を流しているが、経済連は事実こういう考え方があるのかどうか。本員は、農民だましのデマとしか受けとめておりませんが、農家の皆さんは純真で、この農民協のデマ騒動で大変不安に陥っておりますので県の立場からこの問題を明確にしていただき、はっきり御答弁を賜りたいと思います。
 次に、今回の移転問題の主な理由は、第1に、同用地1500坪のうち、その中央部に位置する民有地475坪の借地がことしの12月13日までの期限で明け渡しを迫られていること、第2に、同民有地を含む市場の主要部分が那覇市の計画する都計道路地域内にあるため老朽化した施設の整備計画が立てられないこと、第3には、場所が狭隘のため非常に混雑をきわめ、周辺道路までも市場と化し道交法上も問題が多いこと、第4に、卸売市場法、食品衛生法等の面からも現在の施設では芳しくないことなどが考えられますが、他の要因も含めて移転しなければならない理由を明確にしていただきたいと思います。
 次に、5月28日の経済連発表によりますと、農連市場は7月上旬までに古波蔵に移転することになっておりますが、県はどのように受けとめておられるか御所見を賜りたいと思います。
 本員は、諸般の事情からその移転に反対する者ではないが、7月移転には賛成できません。理由を申し上げますと、まず市場の基本条件は売り手と買い手がここでなければ売れない、買えないという場所でなければならず、また生産農家と買い出し人も含めて生活必需品の購入もできるような関係商品業者も張りつけ、市場としての機能が十分発揮できるような施設でなければならないからであります。そのためには道路交通網の整備、安全確保のための信号灯の設置、駐車場の確保等最小限の必要整備事項があります。また現在の古波蔵市場では場所も狭隘であると同時に、動物検疫所が隣接するため食品衛生的な面からも好ましくない。しかしながら幸いにも同動物検疫所用地は県有財産であるので、移転返還を求め市場の拡大を図り諸条件が整った上で移転すべきだと考えます。
 そこで知事は、行政の最高の責任者という立場から条件整備ができるまでは延期をさせていただきますよう最大の努力を払うべきと考えますが、どうか知事の御所見を賜りたいと思います。
 以上、終わります。
○議長(大田昌知君) 農林水産部長。
   〔農林水産部長 喜久山盛忠君登壇〕
○農林水産部長(喜久山盛忠君) 外間議員の御質問にお答えいたします。
 相対売市場の存続につきましては、経済連が中心となりまして古波蔵への移転を進めているところでございますけれども、これまでどういうことを県としてもやってきたかということにつきましては、3月25日以後10数回にわたりまして経済連並びに関係団体と相対売の存続等につきまして検討を重ねてまいりまして、相対売は歴史的あるいは伝統的な面からその存続を必要とするというようなことに相なっているわけでございます。今回の移転につきましては、個人有地の返還によりまして相対売ができなくなったというようなことが大きな要因でございます。この土地の賃貸借契約におきましては明け渡すことが明確にされておりまして、また御案内のように去る6月10日、11日の新聞報道や、さらにまた経済連の地主に対する確認におきましても土地の返還につきましては明確にされているわけでございます。
 移転についての理由につきましては御指摘のとおりでございます。古波蔵におきまして相対売が存続すること、市場施設が与儀に比べまして整備強化されているということ、さらにまた7月という時期はこれまでの経験からいたしましても農家の搬入量が少ない、いわゆる夏場野菜の減少を呈しているということから7月から10月にかけましては搬入量が少ないというようなことでございますので、この時期に農家やあるいは買い出し人の習熟をその場で図るということも大切かとかように思っておるわけでございます。したがいまして県といたしましても、経済連の考え方に対しましてこれを推進していく必要があるとかように思っているわけでございます。
 以上でございます。
○議長(大田昌知君) 西銘知事。
   〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 外間議員から、条件整備ができない間は絶対7月に移転はまかりならぬという要請がございましたが、県といたしましても経済連といろいろ話し合いましていま条件整備を急いでいるところであります。道路の設定、街灯の設置、また相対売だけでなく関連する物資を売るような市場の建設、いろいろ私も現地を見てきたのでございますが、現在の与儀の市場よりも非常に広くて大変いい場所ではないかと思いますが、道路もまだ十分整備されておりませんし、条件整備が先決ではないかと思います。7月移転が目標のようでございますが、それまでにはできるだけ条件を整備し関係者の方々の協力を得てやらなきゃならないんじゃないかとかように考えておるところでございます。
 御指摘になった、相対売は沖縄の歴史的な伝統的なこれは制度であって、中央卸売市場の中でも位置づけていく必要があるんじゃないかという御提案に対しましては大変りっぱな提案でございますので、これを検討させていただきます。
○議長(大田昌知君) 外間盛善君。
   〔外間盛善君登壇〕
○外間盛善君 再質問をいたします。
 私が大変心配しておりますのは、この7月上旬移転という経済連の発表ではもう非常にせっぱ詰まった段階であり、こんな短期間の間にそれだけの条件整備は無理であろうということがまず1つでございます。基本的な整備はできたにいたしましても、いまの経済連地方市場では面積が狭小であり、それだけの範囲内ではとてもじゃないけどりっぱな施設の整備はむずかしいというふうな判断に立っております。
 ところで経済連のこの市場移転の問題はいま始まったことではありませんで、前々から問題があったようでございまして、昭和49年の6月、時の革新県政のころでございますが、経済連から、いまの隣接する動物検疫所の用地を国に返還を要請し、そして県に対しては経済連に貸与していただきたい旨の要請が昭和49年の6月になされた事実がございます。時の県政では、経済連のためにこの土地を国から返していただき、また経済連に貸すわけにはいかないというふうな形の旨の歴史があるわけでございますが、何としてもいまの古波蔵市場に農連市場を移転する場合にあっては、やはり衛生的な見地からも動物検疫所に隣接するのは好ましくありませんし、また場所の十分なる確保と整備を図る上からもいまの動物検疫所はどうしても別に移転を図らなければいかないと本員は考えております。
 そういうことで、何としても県知事の働きによってこの動物検疫所を移転していただいて、この用地を農家の皆さん方のために経済連に貸与していただきますことをお願いいたします。その件につきまして、再度県知事の御所見を御答弁を賜りたいと思います。よろしくお願いします。
○議長(大田昌知君) 比嘉副知事。
   〔副知事 比嘉幹郎君登壇〕
○副知事(比嘉幹郎君) 動物検疫所敷地の跡利用についてでございます。
 県は、県の公共施設用地として活用するため動物検疫所敷地の全面明け渡しを要求してきましたが、引き続き明け渡し要求をしていきたいと思います。将来、同検疫所の移転が決まれば、その跡地を経済連の地方卸売市場にも利用させることについて検討していきたいと思います。
○議長(大田昌知君) 休憩いたします。
   午前11時32分休憩
   午後1時31分再開
○議長(大田昌知君) 再開いたします。
 午前に引き続き質問及び質疑を行います。
 渡久地政仁君。
   〔渡久地政仁君登壇〕
○渡久地政仁君 本員は、さきに通告いたしました質問要旨に所見を述べながら質問いたしたいと思います。
 まず最初に、琉球大学農学部に獣医学科新設について。
 沖縄県は、獣医師不足によって畜産及び保健衛生業務に大きく支障を来しているものと本員は憂慮するものであります。この傾向は、ひとり沖縄県のみでなく他府県においても同様の傾向があります。政府は、獣医師の社会的地位向上を図るために獣医師教育の6カ年制を昭和53年4月入学生から実施して獣医師養成を図っているが、現在並びに将来の需要にとうてい及びそうでもない。ことに獣医師教育6カ年制を実施したために昭和57年、58年の2カ年は卒業生はゼロでありまして空白を生ずるのであります。沖縄県は亜熱帯地区に属し、家畜伝染病、たとえばピロプラズマ病、アナプラズマ病、流行性感冒、流行性脳炎、豚コレラ、豚丹毒、炭疽、牛の結核病、ニューカッスル病等その他。また人畜共通伝染病としてトキソプラズマ症、豚丹毒、レプトスピラ症、サルモネラ症、日本脳炎、炭疽、ニューカッスル病、肝蛭、結核病、豚のう虫症等その他寄生虫があります。これらの伝染病や寄生虫の絶好の発生地であり、その対策に苦慮しているのが現状であります。一方においては、獣医学の勉学地であるとも言われているのでございます。また近年、魚病学が大きく叫ばれてまいりまして、日本獣医師会としても講習会を頻繁に開いて魚病対策に当たっております。魚病対策も獣医師が担当し、沖縄にも近き将来必ず魚病対策が講ぜられるものと確信するものであります。
 以上の見地から、琉球大学農学部に獣医学科を新設して獣医師の養成を行い、獣医師対策解決の一助とするとともに、亜熱帯地区獣医衛生の防波堤となり、進んで東南アジア獣医衛生のセンターたらしめるために琉球大学農学部に獣医学科を新設されることを要望しながら質問に入りたいと思います。
 1つ、琉球大学農学部に獣医学科新設についていろいろ所見を述べましたが、この問題は大変困難だと私も思います。しかしながら大変困難だとされた医学部が今年度から琉球大学に新設されました。獣医学科新設も大変困難なむずかしい問題とは思いますが、将来の沖縄の畜産、公衆衛生の発展とわが国が国際化社会の中で平和的役割りを強めていくべきこと、そしてその中でも特に東南アジア諸国との友好を拡大していくという信条のもとに、沖縄に知事並びに稲嶺参議院議員の努力によって国際センター(仮称)が設置されると報道されております。その実現を見た場合、東南アジア諸国からの獣医学科留学生も考えられますので、琉球大学農学部に獣医学科の新設がぜひ必要だと思うが、知事の所見を伺いたい。
 2、過去において獣医学科にも国費学生制度がありました。新聞報道によりますと、医学、歯学の国費学生制度の復活実現が報ぜられております。獣医確保に困難している県としては、獣医学科の国費学生制度の復活は考えられないものかどうかお答え願います。
 3つ目、県が獣医師を必要とする農林水産部並びに環境保健部において獣医師は足りているかどうかお伺いします。
 4つ目、さきに所見を述べました獣医教育の修業年限の延長によって昭和57年、58年は卒業生が皆無になること、また慢性的な獣医師の不足並びに他府県出身の獣医師を県が採用しても定着が芳しくないなどのことから、本員は過去の本会議において県費による奨学資金制度を訴えたことがあります。今後このような慢性的獣医不足を解決するためには、やはり奨学資金制度化を考える必要があると思うがどうですかお答えを願います。
 次に、肉用牛の振興についてお伺いします。
 本県の畜産は、戦前、恵まれた自然環境や盛んな県内需要等に支えられ全国でも有数な飼養頭数を誇っておりました。(肉用牛は大正10年に約4万頭、昭和15年に約3万1000頭)。第2次世界大戦のために壊滅的打撃を受けたが、戦後は戦災を免れたわずかな家畜と外国や本土からの導入家畜をもとに増殖がなされて現在では豚が約25万6000頭、鶏が約136万6000羽、乳用牛が約1200頭の飼養頭数で、これらの家畜は戦前をはるかに上回っているが、肉用牛は現在約3万3000頭であります。
 県内の肉用牛飼養頭数は、昨年で数年間の低迷の中からようやく抜け出して上昇基調に向かったが、全国肉用牛協会がこのほどまとめた肉用牛飼養農家意向調査結果でも全国を上回るぺースで飼養頭数を拡大する傾向が見られ、大半が今後も拡大していく意思を表明しております。県や市町村、農協など各種の制度的な助成奨励事業を仕組み、牛をふやそうと督励してきた割りにはこれといった成果がなかっただけに、この調査結果に意を強くしているものでございます。
 わが沖縄では、堆厩肥の活用による複合経営安定を目指して経営規模を拡大していること、生産費が高いこと、制度資金が少ないこと、経営面積は全国規模を上回っているのにほとんど放牧されていないことが判明したのでございます。肉用牛をふやそうとする意欲はこのところ本島及び宮古、八重山、その他の離島を通じて大分高まってまいりました。これは畜産業の将来を考えた場合に、牧草に恵まれた立地条件や需要、価格の動向など最も安定性に富んでいると見られるからであります。復帰前から本島北部や石垣、西表島の遊休地を大々的な肉用牛の牧場地として活用すべきであると識者の間で盛んに論議されたものであります。
 沖縄の農業経営は、畜産と抱き合わせで生活収入を確保してきたが、その重要性は今日も変わっていないのであります。中でも本土市場を対象とする牛肉の生産供給基地として有望視され、農家の副業から多頭飼育を目指す団地づくりが強力に推し進められているわけでございます。
 養豚は、25万6000頭に乗ってすでに飽和状態に達しております。今後の畜産振興は豚から牛に主役の座が移っていきそうでございます。ここ二、三年来子牛と成牛の取引価格は堅調に推移しており、これが農家の増産意欲を刺激する原因になっておるのでございます。しかし肉用牛の飼育状況から見ると必ずしも順調に伸びてきたとは言えないのであります。たとえば昭和51年に約3万5000頭数えていたが、52年3万2000頭に減り、飼料の高騰や子牛価格の低迷、優良牛への転換によって淘汰により生産は停滞ぎみとなり、53年末には約3万400頭まで落ち込んでいたが、その後流通の整備、助成措置などにより上向きになり、昨年末にはやっと約3万3000頭に達し、いわば本格的に盛り上がってくるのはこれからという情勢であります。沖縄本島北部と石垣島に建設された畜産基地がモデル団地牧場としてどう機能を発揮するか、畜産業界の期待はきわめて大きいのでございます。
 このように肉用牛の飼育規模を拡大するに当たって、生産者の資金調達が大きな障害となって立ちふさがっております。これは農林水産省が昨年、肉用牛飼養農家の意向調査で明らかになったものである。この調査は、畜産振興を図る基礎資料を得るために全国主要生産地で実施されたが、本県の場合は施設及び運転資金の借り入れに困っているという答えが多く出ている。もちろん資金面だけでなく、ほかにもいろいろ制約要因が挙げられるだろうが、こうした実情に応じて一つ一つ適正な打開策を講ずるのは当然だと思うのであります。県は、第2次沖縄振興開発計画の見直しの中で昭和66年を目標年度として8万頭の肉用牛増殖計画をしているが、今後どのような施策でもって肉用牛の増殖を図っていくのか。
 そこで質問いたしたいと思います。
 1つ目、肉用牛を増すにはまず飼料基盤の整備なくしては増殖はあり得ないが、飼料基盤の状況はどうなっているかお伺いします。
 2つ目、北部地域と八重山地域において畜産基地事業を実施しているが、本県における畜産基地の計画はどうなっているか。また事業を実施するのは大いに結構だが、経営が成功して初めて大型団地を造成する意義があり畜産振興の目的が達せられるわけだが、その指導体制はどうなっているかお伺いします。
 3つ目、特に山原畜産基地に19戸の農家が入植して経営に励んでいるが、入植型のため肉用牛は豚より資金の回転が遅いために運転資金の確保に苦慮しているが、その対策はどうなっているかお伺いいたします。
 次、本部新港の離島港湾拡張整備についてお伺いします。
 本部新港は、3離島村を控えてそのため離島は自然的、地理的、各種制約の条件下にあって、それを克服するために鋭意努力を重ねていることは御承知のことだと思います。なかんずく離島と本島を結ぶ交通体系の確立は重要な課題の一つであります。このような見地から、本部半島周辺の離島にとって本部新港はきわめて大切な港湾施設であることは、県においても十分に知っておられることと思います。伊江村、伊是名村、伊平屋村においては、おのおの異なった立地条件にありながら離島住民の離島と本島間往来密度を高めるために荒天時等による欠航便数を極力減らし船舶を大型化するとともに、カーフェリーの建造計画が進められその実現を見たのであります。ちなみに現在伊江村が500トン級カーフェリー2隻と、伊平屋村が500トン級1隻を建造し運航させております。さらに伊是名村においても、来年度においてカーフェリーの建造計画が進められていると聞いております。伊江村においては、さらに代替船の大型建造を計画中だということであります。
 このように離島航路の船舶が次々と大型化するとともに、カーフェリー船の出現となりますと、現在でも狭い本部新港の離島航路用港湾はそれに対応することはきわめて困難だと見なければなりません。この本部新港は、御承知のように海洋博を契機として建設された港湾で、当時は小型船舶で、これが近年急激に大型化するとは考えられなかったはずで、そのために小型船舶を対象として設計建設された港湾であるがために、現在伊江、伊平屋村のカーフェリー船が出入する場合は他の小型船舶は危険を感じてこの港湾に入ってこない現状であります。
 以上、所見を申し述べましたが、本部新港の拡張整備は早急に実現してもらわないと船舶の大型化によって港湾が狭隘のために事故が発生してからは遅過ぎますので、質問に入ります。
 1つ、本港湾は奥行き110メートル、幅が200メートルの狭い港湾に現在500トン級カーフェリー3隻と来年度になると伊是名村の1隻が加わり、4隻と他の船舶を含め毎日これらの船舶が1航海から5航海の割合でこの港湾を出入港としておりますが、現時点では危険度が高いので早急に港湾整備拡張してもらいたいと思いますが、県はどう考えているかお伺いします。
 2つ目、来年になると伊是名村のカーフェリーが建造され就航すると、カーフェリー専用のバースが少なくとも3カ所以上を必要としますので東側岸壁に3カ所以上設置してもらいたいと思いますが、これについてどう考えますか。
 3つ目、500トン以上のカーフェリーの出入によって水深が非常に浅いので、どうしてもマイナス5メートル以上しゅんせつしてもらいたい。 
 4つ目、現在の離島航路ターミナルは狭隘の上に施設の向きが北になっております。本部新港の立地条件から冬場は北風の吹き込みがひどく、ターミナルとしての機能を十分果たしているとは言えない。したがって離島住民の親しめるターミナルとして、さらに観光振興の面からその規模を拡大し諸施設の完備をしてもらいたいという離島住民の声でございますから、これについて県はどうお考えですかお伺いします。
 以上でございます。
○議長(大田昌知君) 比嘉副知事。
   〔副知事 比嘉幹郎君登壇〕
○副知事(比嘉幹郎君) 渡久地議員の御質問に対してお答えいたします。
 琉球大学の農学部に獣医学科を新設してはどうかという問いに対してお答えいたします。
 獣医学科を設置している大学では、修業年限を4年制から6年制へ移行して獣医学が高度の知識及び技術を必要とするところから獣医教育の充実を図っているところであります。文部省においては、昭和56年3月までは国立及び私立大学における学科の新設は認めないことになっておりますが、さらに56年3月以降についても認めない方向で現在検討中だということで琉球大学に獣医学科を新設することは考えられないということでございます。そういったことで御指摘のとおり大変困難な課題だとは思いますけれども、こういった獣医学科新設については国際センターとのかかわりもございまして大変貴重な御提言でございますので、琉球大学にその希望があるということをお伝えすると同時に、県の方でも検討してみたいと思います。
 それから獣医学科の国費学生制度の復活は考えられないかということでございますが、国費学生制度は医師、歯科医師の絶対数の不足から従来の制度を改めて、特に離島僻地の医師の確保という点から昭和57年度以降5年間「国費沖縄学生(医学部、歯学部)制度」として国に要請しているところから、いま直ちに獣医学科を含めることは困難であります。
 農林水産部並びに環境保健部において獣医師は足りているかという御質問でございますが、現在環境保健部2名、農業共済組合連合会1名の欠員があります。
 それから県費による奨学金制度化は考えられないかということでございますが、当面の獣医師確保としては沖縄県獣医師募集要領に基づきまして、大学との情報交換及び県出身学生に対しては卒業後の県内就職の指導に努めております。また県外出身者の採用に当たっては、永年勤務が可能かについて確認し採用しております。恒久的な対策としましては、獣医師の機能の重要性等にかんがみ獣医師奨学金制度の創設の是非について検討していきたいと思います。
 それから肉用牛の振興についてでございますが、飼料基盤整備の現況は、他県に比べて本県は3倍以上の牧草単位収量がありまして国内における肉用牛の主産地基地として位置づけられております。これまで飼料畑917ヘクタール、牧草地2626ヘクタールを整備してきました。今後肉用牛8万頭、乳用牛8500頭を増殖目標に10年間で3450へクタールの基盤整備を図る必要があります。
 それからそれと関連しまして畜産基地建設事業の進捗状況と計画でございますが、石垣第1区域及び山原第1区域は事業が完了しまして経営に取り組んでいるところであります。石垣第2区域及び山原第2区域は現在事業実施中でございます。八重山地域及び与那国地域においては、全体計画に向けて調査に入っているところでございます。
 それから畜産基地指導体制についてでございますが、畜産基地の指導については、畜産会等の関係機関で畜産基地経営推進協議会を組織いたしまして経営全般にわたって指導を行っているところであります。なお一層指導体制を強化し経営の安定を図るために県は昭和56年度から畜産基地専門指導員、国頭村は家畜人工授精師、農業共済組合連合会は獣医師、国頭村農協は営農指導員をそれぞれ配置して濃密的な指導体制の強化に努めているところでございます。
 それから畜産基地への入植農家の運転資金の対応についてでございますが、特に山原第1区域の農家が自己資金に乏しいため運転資金については近代化資金の融資を受けているということでございます。その結果、昭和56年から牛、豚の生産も徐々にふえております。しかし経営の安定を図るためには日時を要するので自作農維持資金が活用できるよう関係機関と調整中であります。
 以上です。
○議長(大田昌知君) 土木建築部長。
   〔土木建築部長 城間勇吉君登壇〕
○土木建築部長(城間勇吉君) 本部港の整備についてお答えを申し上げます。4点御質問がございますが、あわせて御答弁を申し上げたいと思います。御了承お願いします。
 本部港には、現在フェリー用岸壁としまして500トンクラス対象が2バースございます。伊江島、伊平屋島への定期カーフェリーが利用している現状でございます。伊是名島への定期船の利用につきましては現在のところ大きな支障はございませんが、村が計画しておりますカーフェリーが就航するまでには現在の施設の一部を改良して対応していきたいと思います。また、ただいま御指摘のありましたことも踏まえまして、私どもこの港湾が整備をされてからまだ間もないこともありまして改築に大変苦慮しているところでございますけれども、いずれにしましても離島航路の施設を拡張して整備をしていく考えでございます。次に離島航路のターミナルについてでございますが、港湾施設の拡張の際にあわせて検討させていただきたいと思います。
○議長(大田昌知君) 嘉数知賢君。
   〔嘉数知賢君登壇〕
○嘉数知賢君 山原第1の質問が完了いたしました。山原第2でございます。通告に従いまして質問をいたしたいと思います。
 水道料金の改定についてでございますけれども、所見を述べつつ質問をいたしたいと思います。
 御承知のように、本県は雨量は多いものの、河川が小さく海との距離も短いために降っても数時間の後には海に流れてしまい水利用についての自然的条件は大変悪く、その上水資源開発が本格的に開始されたのが復帰後であり、たかだか10年を経過しているにすぎず、他府県に比べ大変なおくれをとっているのが実情であります。水の需給は、一部の離島を除いてきわめて逼迫した情勢が復帰前より続き、特に都市地区における水需要の伸びがきわめて高く需要が供給を上回っている状態が続いており、渇水期になると制限給水を余儀なくされる状態が続いてまいり慢性的な水不足に悩まされております。
 御承知のように、水は人間生活に必要欠くべからざるものであり、良質な飲料水を継続的かつ安定的に供給することは、県民が健康で文化的生活を営む上で最も重要なことであり、何にも増して優先されるべき行政サービスであると思量いたします。ちなみに最近の県の資料によりますと、本島の水需要は過去の実績に基づいて予測をすると、昭和66年度には生活用水が1日約63万トン、農業用水が約14万トン、工業用水が約13万トン、あわせて約90万トンになるものと予測されております。一方、これに対応する水資源として現行振興開発計画によると、17ダム、1河ロダムの開発計画があり、そのうち福地、新川両ダムはすでに完成しており、また安波ダム、普久ダム、辺野喜ダム等の建設も国の直轄事業として進められておりますけれども、これらのダムから得られる水源水量だけでは将来の旺盛な水需要に対応することができないと聞いております。
 以上のような観点から、知事並びに企業局長にお伺いいたします。
 急増する水需要に対処し長期的、安定的に水を供給するためには積極的な水資源の開発が急務とされますが、現在県が計画している西系列水系を初めとした計画が、超緊縮財政政策をとり、ゼロ成長予算を目指す国の厳しい財政事情の中で可能ならしめることができるのか。また国の行政改革との兼ね合いの中でこれら諸事業に高率補助が依然として得られるものであるかどうか、知事の御所見をお伺いいたしたいと思います。
 また、老朽化した施設を抱え、雨が降れば水が濁って断水を余儀なくされ、非合理的な事業経営のために水質管理をも十分にはなされない小規模簡易水道等を整理統合し水道事業の合理化をなし、広域給水体制の確立を図っていく必要があると本員は思量いたしますが、その対策等についてもお伺いいたします。
 さて、知事は、今議会に水道料金の改定について提案をなされております。申すまでもなく水道料金は公共料金であり、その値上げは一般諸物価への影響が大変大きく、県民生活に及ぼす影響は大変大きなものがあります。それゆえ決して好ましいことではありません。知事は先般の記者会見で述べられておりましたように、企業局からは50%程度の改定を要請してきたが、現下の厳しい社会経済情勢と県民生活を十分に配慮をして32.15%の改定率に抑制したとのことであり、この点については高く評価するものであります。がしかし先日来の野党議員の発言を聞いておりますと、今回の値上げに際し、何ら詳しい資料も示さず、何の根拠もなく、企業努力もなさず、あたかも安易な気持ちで値上げに踏み切ったかのごとき発言が随所に見受けられ、県民に著しく誤解を招くおそれがあります。
 そこでお伺いいたします。
 知事の水道料金を含めて公共料金に対する基本的な考え方をお聞かせください。あわせて今回の値上げに至った経緯、その根拠や背景等についても詳しく御説明願いたいと思います。なお、経緯等については企業局長でも結構でございます。
 また、先日の共産党所属議員の質問の中で、企業局は内部留保額が41億円もあり、それを今回の赤字補てんに向けるんであれば値上げする必要はないんじゃないかというような発言がございました。本員の理解するところでは、当期においての内部留保は約7億円余と理解しておりますが、それについても御説明を願いたいと思います。
 また、値上げ時期について関係市町村より、9月1日実施予定を10月1日に延期してもらいたい旨の要求が出されているとのことですが、9月1日実施では市町村の対応が十分なされるかどうか。また市町村の末端価格において値上げ幅を極力抑えるような行政指導が可能なのかどうかお伺いいたします。
 企業局では、復帰後水の安定供給を図るべく新規事業に着手し、導水トンネルの新設や久志浄水場、名護、西原浄水場等を新設する等施設能力の向上に努めてまいっておるようですが、これまで水道施設整備に支出された国庫補助額、企業局支出額等について御説明をお願いいたします。また今後の事業計画及び資金需要等についてあわせてお伺いいたします。
 さて、水の安定供給に当たっては、国、県はもちろんのこと、末端水道事業を預かる市町村もそれぞれの立場から積極的に協力していく姿勢が必要かと思われます。もちろんこれまで関係市町村においてもそれぞれの立場で努力をしてまいったと思いますが、本員の調査したところによりますと、施設面における用水供給事業体と市町村水道事業体の責任分界については、本土では市町村の有する配水池によって行われているようであるが、本県においてはほとんどの市町村が配水池を持っておらず、量水器による多点直結方式がとられているため量水器が多く、また水量、水質、水圧に至るまで県営水道事業に大きく依存しているためよけいな経費がかかっているように見受けられますが、今後県と市町村の責任分界についてどのように考えておられるかお伺いいたします。
 次に、労働渉外部長並びに環境保健部長のお二方に本員より特にお願いをし検討をしていただきたいことがございます。
 御案内のとおり、公共料金の値上げは決して歓迎されるものではありません。先日来野党の各議員は、現在の県の財政事情からしてとうてい望むべきもないことを承知の上で水道料金の値上げを撤回し一般会計からの繰り入れをもって赤字補てんをなすべきだと主張なさっておられます。そこでぜひとも両部長に御協力をいただき、野党の皆さんの主張の幾ばくかを実現していただきたいのであります。すなわち労働福祉会館の運営費及び利子、元金償還にかかわる補助金の件でございます。同会館の建設は、当初は県内の各種労働者の福祉の増進と資質の向上に大いに役立つものとして期待を持たれたのでありますが、あにはからんやその計画のずさんさから開館当初より莫大な赤字を抱え、労働者の福祉どころか県及び労働福祉公社のお荷物的存在になってしまい、何ら抜本的な解決策のないまま今日に至っております。もとより労働者の福祉の増進を図ることは、県として当然なされるべきであることは論をまたないのでありますが、労働福祉会館が労働者の福祉に役立っているとは思われないのであります。その証拠に同会館が真に労働者の福祉に役立っているのであれば、あれだけの赤字を抱え、経営がパンク同然になっている同会館の立て直しに各種労働団体がもっともっと真剣に取り組んでいるはずであります。また本来当然負担すべき拠出金、1人約500円と聞いておりますけれども、500円すら出し惜しみするはずはありません。また同会館の昭和55年度予算における福祉推進費のすべての科目が費目存置のままになっております。たとえ百歩譲って一部労働者の福祉に役立っていると仮定しても、県が運営費5000万、利子負担約7000万、それに元金償還分を含めて約2億円もの巨費を苦しい財政の中から一般会計より繰り出すほど重要なる施策だとは決して思われません。もしその2億円の予算を企業局の水道会計の赤字に回すことができたとするならば、その恩恵は広く企業局より給水を受けている70万県民まで及ぶことになり、それこそ真の福祉行政につながるものだと本員は思量いたします。同会館の使用についても、保健医療福祉事業団で引き取り、企業局もしくは県の機関に賃貸させることにより資金の回収と県費の節約になると思量いたします。このような措置がなされるのであれば、野党の皆さんも決して反対はしないと思います。
 以上の観点から、大浜、伊波両部長に対して県民福祉を最優先する立場から御検討をお願いいたします。
 さて、「わが党の代表質問との関連について」に移ります。特に主任制について触れてみたいと思います。
 現在、主任の任命報告をめぐり、学校長と職員団体が鋭く対立をして学校現場が混乱を来していると聞き及んでおります。また学校現場における主任の任命に係る交渉の過程で校長が集団によりつるし上げを食い、任命後の昼夜を問わない抗議行動のためすでに6人の校長が精神的、肉体的な苦痛に耐えられず、入院もしくはそれに類する被害をこうむっているとのことであります。
 私たち父兄は、教師個々の高度の知性と良識ある人格とを信頼し、子供たちの教育を依頼しているのであります。しかしその教師集団が目的のためには手段を選ばぬ行為によってみずからの目的達成をはかる態度には、真に怒りを覚えるものであり憂慮にたえません。本員の知人、北部のある高校の教師ですが、去る5月25、6日ごろ、下校時にたまたま同校の校長先生の乗用車に便乗させてもらい帰宅をしたところ、翌日、学校で校長先生を黙視する運動、すなわち校長先生を村八分にする運動というのがあるそうです。運動に逆らい、校長に口をきいたかどにより裏切り者として厳しく追及され、まるで村八分同然の扱いを受けているとのこと、みずからの同僚ですらまるで非人間扱いするこの暴挙を常人ではとうてい理解できるものではありません。また教育庁があくまでも主任制を実施するのであれば、校長の校務協力を拒否し、教師本来の任務であり、また生徒の固有の権利である教育を受ける権利すら奪う暴挙に出ようとしておると聞いております。ゆゆしい問題であります。教育庁におきましては、かかる赤信号、みんなで渡ればこわくない式の数と組織の力に屈し、主任制実施にいささかの譲歩でもなすことがあるならば、それこそまさに教育の荒廃につながり、禍根を後世に残し取り返しのつかない事態に陥ることは必定であります。教育庁におかれましては、県民を信じ良識ある教師を信じ正しい真の意味での民主教育の確立を目指し、なお一層の御努力をお願いいたしますと同時に、教育長の御決意のほどをお伺いしたいと思います。
 以上をもちまして私の質問を終わります。よろしく御答弁のほどをお願い申し上げます。
○議長(大田昌知君) 比嘉副知事。
   〔副知事 比嘉幹郎君登壇〕
○副知事(比嘉幹郎君) 水道問題に関連して幾つかの御質問がございましたのでお答えいたします。
 西系列関連事業は、現行の高率補助によりまして昭和55年度から事業を実施しておりますが、現在県においては2次振興開発計画に向けて高率補助を国に要請中でございまして、企業会計の厳しい財政状況にかんがみて今後とも引き続き高率の国庫補助が必要だと考えて国と折衝中でございます。
 それから公共料金についての基本的な考え方についてでございますが、公共料金が直接家計に影響を及ぼすほか、諸物価への波及が大きいことにかんがみまして、県が定める公共料金についてはできるだけ抑制する方向で調整するとともに、国が定める料金等についても県民生活への影響を配慮するようその都度所要の要請を行っております。今後とも物価の安定については最善の努力を払っていきたいと思います。
 それから水道料金の改定について、その32.15%の改定率に抑制した根拠とか背景についてでございますが、水道料金については、地方公営企業法第21条に定める基本原則に基づいて能率的な経営のもとにおける適正な原価により健全な運営を確保するものでなければならないものとされております。料金の算定に当たっては、総括原価主義により事業報酬等も含めるべきだとされております。しかし今回の改定に当たっては、現下の諸物価の動向が県民生活に与える影響など厳しい社会経済情勢に配意して算定期間も昭和56年9月1日から昭和59年3月31日までの2年7カ月とし、事業報酬等も含めず、累積欠損金の解消だけにとどめ32.15%という最小限度の改定率にとどめたものであります。
 それから水道施設設備に支出された資金総額及び今後の資金需要等についてでございますが、復帰後の昭和47年度から昭和55年度までに水道施設の整備拡充、いわゆる水源の開発、導・送水管の布設工事、浄水場の新設及び既存の施設の改良等に支出した資金は総額1028億8500万円で、その内訳は国庫補助金819億8900万円、企業債172億200万円、自己資金36億9400万円であります。今後の事業計画としましては、国直轄による多目的ダム建設事業及び西系列事業を重点事業として推進していく計画でありますが、それらに要する資金は、昭和56年度も含め昭和59年度までの4年間に約919億2100万円を予定しております。その資金の内訳は、国庫補助金751億1300万円、企業債131億5500万円及び自己資金36億5300万円であります。
 それから県と市町村の役割り分担についての御質問がございましたが、それについてお答えいたします。
 本県の水道施設の特徴は、復帰前に米軍及び水道公社が建設した施設をそのまま引き継いだことにあるため、いまなお施設基準等に合わない施設が残っている状況であります。特に御指摘の供給施設(メーター)については復帰当初216カ所もありましたが、現在174カ所に整理統合し、今年度末には136カ所にまとめる計画であります。なお、配水池については、25市町村、1企業団のうち、全く持っていない市町村が6カ所もあります。また配水池を持ってはいるけれども、その容量が施設基準に達していない市町村も相当数あるため今後はこれらの施設の整備については、各市町村と十分に調整して県と市町村の責任分界を明確にし、より一層の安定供給体制の確立を図りたいと思います。
 なお、答弁漏れがございましたら企業局長に答えさせたいと思います。
○議長(大田昌知君) 企業局長。
   〔企業局長 嶺井政治君登壇〕
○企業局長(嶺井政治君) 内部留保金の件についてお答えいたします。
 現在といいますか55年度末では、内部留保金が7億8500万円あります。前期からの引き継ぎを合わせまして現在25億5700万円ございます。その中ですでに5億9000万円施設に回しておりますので現在19億余り残っておりますけれども、御案内のとおり水道事業会計の内部留保金というのは、減価償却等の現金を伴わないいわゆる費用から生じたものでありまして、減価償却の目的は固定資産に投下された資本のいわゆる維持改修等にございまして、その額はそのまま固定資産を取りかえるに要する実質資本として留保しておくべきものでございます。したがいましてこの資金はこれから、現在持っている施設を改修する、つくりかえるときに必要な資金でございます。しかも現在168億の未償還企業債を持っておりますので、これの償還財源もこの中から出すわけでございまして、決して余った金ではございません。
 それからきのう御指摘のありました資料の件でございますけれども、誤解があるといけませんので申し上げておきますと、料金の改定につきまして資料を十分整えまして与党との調整をいたしました。そして与党からも大変厳しい御指摘がございましたけれども、資料に基づいて説明を申し上げまして御了解をいただきました。資料の体裁が十分じゃございませんでしたので、一応お配りした資料を回収をいたしまして、改めて資料をつくって差し上げたということでございますので御了解をいただきたいと思います。
○議長(大田昌知君) 西田健次郎君。
   〔西田健次郎君登壇〕
○西田健次郎君 昭和56年6月定例議会の一般質問数点通告してございますが、その中でも解放軍用地の跡利用と2次振計の問題、二眼レフ構想による都市機能の再配置と県庁舎新設についてと、さらにもぐり行政書士についての問題提起、あとわが党の代表質問の中で非核3原則、水道料金、主任制の問題、以上の点に質問をしぼって展開いたします。
 第1点目、解放軍用地の跡利用と2次振計についてでございます。
 大東亜戦争の敗北によって米軍に一方的、強制的に占有使用された軍用地は本県の産業振興、都市形成、道路網の整備等に大きな障害となっており、基地の整理縮小とその跡地利用の促進は第1次振興開発計画の目標達成にとっても大きな事業の柱であったのであります。今回の質問のトップに取り上げましたのが、解放軍用地の跡地利用の実態と今後の取り組みについてであります。
 まず1点目、跡利用地の転用がスムーズに推進できない理由は那辺にあるのか、その事由を順位ごとに御説明願いたい。
 2点目は、昨年の6月定例議会における私の質問、いわゆる軍用地そのものの因果を考えると、軍用地跡地の利転用事業全体が沖縄の戦後処理、復帰処理であり、国の責務で進められるべき復興事業である。その事業が遅滞なく推進できるようなありとあらゆる可能な行政上の施策と立法措置を確立しなければならない旨提言申し上げ、特に税法上の特例を跡地全体に適用すべきであるということを提言申し上げたのに対し、大浜労働渉外部長は具体的に検討すると御答弁いただきましたが、その後1年間なります。現在までいかような作業を進めてこられたのか、その経緯と今後の見通しを御説明願いたい。
 3点目、去る6月1日の県軍用地転用促進協議会の席上、県当局は、これまでのもろもろの要請経過を経て現在は、1つ、返還を促進するための何らかの措置、2番目に跡利用を促進するための何らかの財政措置という要請にしぼられつつあるとのマスコミ報道がなされているが、この何らかの措置、あるいは何らかの財政措置というのは一体具体的に県案としてはどういうものなのか御説明を願いたいのであります。
 4点目、昨年暮れの国会において、本県選出議員が軍用地の跡地利用をする法律、特別な措置法でも制定すべきではないかとの質問をしたのに対し、政府側委員は、現行の諸制度の活用によりまして跡地の有効利用を図っていきたいと基本的に考えておるところでございまして、現在特段の法律の制定は考えていない云々と答弁をしておりますが、政府関係者が言うような現行制度の活用だけでは軍用地の利転用がスムーズに運ばないのは昨今の状況からして明白であります。県当局は、政府側の言うような現行制度の活用だけで十分対応できると考えるのか否か。また沖縄の関係者が要請している何らかの特別措置とか特別立法は今後の努力によって、いわゆる政治的な折衝、配慮によっては可能なのか否かお答えを願いたい。
 5点目、軍用地跡利用公社を設立して跡地の利転用に対処してはどうかとの提言が出されているが、県当局はこの案について具体的に検討されたことはありますか、あるいはその可能性について。
 次に、第2次振計についてお伺いを申し上げます。
 来年5月15日は本土復帰10年目になります。復帰のときに設けられた各種の沖縄特例や制度が期限切れとなります。そのままでは大変なことになるので、知事を先頭に県当局が制度や特別措置の再延長を願うべく必死の要請行動を展開していることに対し敬意を表するものでありますが、しかし昨今の政府折衝は私が見るところ、県庁と各省庁間の事務レベルの話し合いを主体としたいわゆる官僚ペースで作業が進められているのではないかと危惧するものであります。第2次振計や特別措置等のロングプランが設定された後の各年次間の事業の推進についてならば関係省庁と県当局の事務ぺースで処理していくのは理の当然でありますが、現在県民が最も関心を持っている、抱いている第2次振計の策定や特別措置延長等が要請どおり認められるか否か、その結果というのは文字どおり沖縄百年の大計にとって死活問題と言っても過言ではない重大重要な全県民的課題であります。政府官僚の発想、行政の枠内でしかも国の財政再建、行政改革の断行、沖縄を甘やかすな、あるいは沖縄輸血経済、こういう厳しいもろもろのことが指摘され始めてきているきわめて厳しい状況を背景とした政府官僚のぺースに沖縄がのみ込まれてしまい、沖縄振計の理念、目標がぼやけてしまうのではないかと心配する立場から私は知事に申し上げたいのでありますが、2次振計や沖縄特例等の延長問題は、行政サイドだけの要請行動ではなくて、復帰のときの原点に初心に返り、百万県民総立ち上がりの一大政治運動、県民運動を展開し、政府や国会に対しいま一度戦後の沖縄の歴史と現実の沖縄を理解してもらい、日本国の当然の責務として沖縄特例を認めさせるべきであります。行政改革だ、財政再建だと言っても、来年度の国家予算は防衛については別枠という特例を設けていることからして沖縄県も別枠として認めさせてもおかしくないのであります。57年度の予算概算づくりが始まっております。時期を失ってはなりません。早急に県民運動を展開すべきものだと考えるのでありますが、知事の御所見を賜りたい。
 次に、二眼レフ構想による都市機能の再配置と県庁舎新設についてお伺いいたします。
 大東亜戦争によって灰じんに帰した本県の戦後の町づくりは、長期的、総合的な計画がなされないままに自然発生的に町ができ発展することを余儀なくされてしまったのであります。人が集まり、住居や商店街が形成された後に道路ができ上がっていったのであり、きわめて不自然、無計画な状況の中で戦後の復興が進められてきたのであります。経済は基地経済をエネルギーとして形成され、また都市づくりもすべて那覇中心とならざるを得なかったのでありますが、祖国復帰を契機に長期的、計画的、総合的な県発展の開発方向として、1つ、県土の均衡ある発展、2番目、産業構造の改善、3番目、産業基盤の整備、4番目、産業の振興と雇用機会の創出を達成する目標とした二眼レフ構想によって沖縄県の将来づくりが始められたのであります。またこの構想は、第1次沖縄振興開発計画の骨子ともなったものでありますが、県知事や当局はこの二眼レフ構想について現在いかような所感をお持ちなのかをお伺い申し上げます。
 次に、二眼レフ構想の立場から県庁の新設について私見を申し述べ県当局の御所見を賜りたい。
 現在の那覇市は、異常とも言える交通混雑や緑の少ないコンクリートジャングル、厳しい住居環境等々人間が生活する町としては限界を超えた状況にあるいわゆる人間性のマイナス要因に満ち満ちた病理都市であることは天下周知の事実であります。那覇市は空港と港があり、従来どおりの商業都市として十分その機能を今後とも発揮できる都市でありますが、複雑、複合化した各種の機能を中部圏、北部圏に移すことによって那覇の町に人間が人間らしく生活できる町としてのコミュニティーが回復され、那覇に生まれ那覇に育ってよかったとみんなが誇れるようなふるさとが創出できるものであります。いわゆる那覇市にある各種機能、機関、施設、行事等を中部、北部圏に移設、移動することが病理都市の那覇を救うことであり、子供たちや孫たちの時代にすてきな生活環境、住みよい那覇の町を残してあげるのがお互いの世代の責務であります。
 さて、かかる観点から県庁の新設についてでありますが、県庁は浦添か宜野湾か沖縄市でも結構であります。那覇圏以外に移設するのが天の声であり民の声であります。かかる天の声、民の声に対し知事はいかような御所見かをお伺いしたいのであります。
 県都の変遷については、県議会の特別議決でいわゆる3分の2以上の賛成議員が必要であります。それゆえに那覇市選出の県議の方々が反対に回れば多数議決が成立しない政治状況にあることを懸念する声もありますが、しかし私は那覇市選出の県議の方々の政治家としての哲学を信じております。すなわち政治家は次の選挙のことのみを心配して目先のことや地域の利害にこだわってはならない。あくまでも10年後、20年後、100年後のロマンで政治を考え、地域を考え行動するのがまことの意味における政治家であります。目先のことに振り回される、「ヒィフチャーヌミーカラ、ティントゥーを拝む」ような人物は、政治家ではなく政治屋であります。本議場内にはだれひとりとして政治屋はいないし、私も含めてすべてりっぱな政治家の県会議員の方々でありますので、県庁移転については沖縄百年の大計のもとに全会一致の御協力が賜れるものと考えますが、知事の御所見はいかがでございますか。
 次、もぐり行政書士については委員会で徹底的に審議をすることにしまして問題提起だけしておきます。
 総務部の答弁では、法律を遵守するような働きかけをやってきた、あるいは保健所の閲覧簿の問題、その他自動車登録の場合のサービスをしていればもぐりじゃないといろんなことにつきまして、委員会審議で究明することにしまして、この問題は次に譲ります。
 5番目に、わが党の代表質問との関連についてお尋ねいたします。
 1点目、非核3原則についてオウム返しの論議が繰り返されておりますが、お伺いを申し上げます。
 西銘知事の前の平良知事や屋良知事は、基地の立入調査をやったことがありますか。あるなら年月日と内容の御説明を願いたい。もしその事実がなければ、なぜなかったのか、なぜできなかったのかその理由を御説明願いたい。
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 次に、主任制についてお伺いいたします。
 今回定例議会においては主任制問題には触れるつもりはなかったのでありますが、昨日の野党議員の発言を聞いていると、校長先生が心筋梗塞になったり、ノイローゼになったり、身体、生命が極限の状態に追い込まれている原因の責任をひとり教育委員会の方々に対しその責任を転嫁しているような厚顔無恥、支離滅裂な論理を展開している方々に対し、私は県民代表の一人として正しい道理、正義の声を申し上げるべく質問を行います。
 昨日の本議場で野党の方々はこんな発言をしておりました。たとえば、校長先生たちは夜も眠れない、心筋梗塞になった、ノイローゼになりうつろな目で本を読んでいる、教員たちが口をきいてくれない、家庭、家族までが破壊されて大変なことになっている。このような状況に対し、社会党のある議員は、残酷な状態といい、教育長は異常とも言える団体交渉と表現をしているのでありますが、しからばです、このようなきわめて残酷、異常な団体交渉、深夜団交、つるし上げ、問答無用の人民裁判を実行しているのは一体だれたちなのか、この集団こそ超過激な沖教組、高教組に扇動されている教師たちであります。私自身もこのような集団つるし上げの現場に遭遇したこともあるし、つるし上げされたことも経験もございます。この集団つるし上げは、精神的、肉体的にも極限の状況に当事者を追い込むものであり、特に最近はヘルメット集団の革マルとか中核等の極左学生がそのまま教師となったのがおり、この連中は考えの違うセクトを平気で殺してしまう連中であります。かかる連中が存在する集団にただひとり身動きできないまま監禁状態でつるし上げられ、こづき回されるさまは、まさに地獄の修羅場そのものでございましょう。校長が死の直前に追い込まれるのは事実でありましょう。かかる学校現場の教師集団の大変な暴挙、暴力には知らんふりをし、もっともらしい教育論を振りかざして教育庁を追及する野党の姿勢は天につばをするようなものであります。
 さらに野党の方々は、民主主義教育とか子供たちの教育を受ける権利云々とか、頭の先からキーキーと黄色い声で崇高な教育理念をがなり立てておりますが、民主主義を根底から否定し、子供たちの教育を自分たちの都合で一方的に奪っている沖教組、高教組には、民主主義とか教育云々を叫ぶ資格はないものと断言するものであります。その証拠は、日教組の倫理綱領を見れば一目瞭然、明白な事実であります。過激な日教組幹部がその衣の下、腹のうちに革命への赤い野心と牙をむいている限り、平和で自由なわが国において彼らが言う民主主義、平和云々は、彼らが夢見ている社会主義、共産主義のような全体主義で国民の言論、出版、思想、居住等の自由が否定され、労働組合の結成も認められない、またマルクス主義に基づく階級政党以外の存在も許さないというあのファッショ体制へ日本の国を変えていくまでの戦術上のスローガンでしかないことを広く深く国民県民は知っているのであります。だからこそ日本国民は、自由と民主主義を大事にはぐくんできた自由民主党を中心とする自由主義政党に国の運営をゆだねてきたこの歴史の一つの事実が野党の百の言葉よりもはるかにまさっていることを理解し、さらに自由のとうとさ、失った自由は再び取り返しはできない歴史体験を踏まえてこの主任制問題も考え、対処すべきであります。
 さて質問に移ります。
 警察本部長殿にお伺い申し上げますが、現在学校現場において校長先生を死の直前まで追い込むような異常な事態は、刑法第220条の逮捕監禁罪、第222条の脅迫罪、第223条の強制罪、あるいは家族を極限な状態に追い込んでいるのは130条の住居侵入罪、さらにまた95条の公務執行妨害罪、106条の騒擾罪に相当するものであります。さらに沖教組が教育庁に集団で押しかけた昨年の11月ですか、その場で教育委員の方々を窓からほうり投げろと叫んだ女教師がいたとのことであります。6階からほうり投げ出されたら、まず死亡は確実であります。この恐ろしい言動は、まさに刑法第199条の殺人かあるいは201条の殺人予備罪か同61条の教唆犯に匹敵するものであります。
 これらの事実は、犯罪を構成する要件を十分に備えていると私は思慮するものでありますが、本部長殿よ、直ちに逮捕しないのはどうしてなのですかお伺い申し上げます。答弁もそこそこに逮捕に走って行ってください。
 私は、ほとんどの先生方が良識があり、子供たちの教育に真剣であり尊敬申し上げておりますが、残念ながら一部の過激なプロ活動家たちに教師全体が振り回されていることを悲しむとともに、団体交渉現場の異常な実態を少しでも県民に明らかにすべくこの質問を展開したことを御理解いただきまして、質問を終わります。
○議長(大田昌知君) 比嘉副知事。
   〔副知事 比嘉幹郎君登壇〕
○副知事(比嘉幹郎君) 2次振計の策定と特別措置法の延長に当たっては、県民運動を展開していくべきじゃないかというような御質問でございましたが、それにお答えいたします。
 御指摘のとおり、第2次振計の策定や特別措置法の延長に係る客観情勢はきわめて厳しい状況にございます。沖縄振興開発については、復帰以来振興開発特別措置法に基づきまして各種の施策が実施され、社会資本の整備を中心に相当の成果を上げつつございます。しかしこれまでの10年間はどちらかといえば格差の是正に重点が置かれ、自立的発展の基礎条件整備はやっと芽を出した状況にあります。したがいまして、県としましては今後の沖縄振興開発のあり方についてこれからの10年間は、沖縄が自立発展していく上でその基礎固めをしなければならないきわめて重要な期間であると位置づけまして、2次振計の策定と沖振法の延長を要請しているところでございます。2次振計の策定及び沖振法の延長と行政改革が時を同じくしていることについては、沖縄が戦後27カ年間にわたって本土の施政権外に置かれ、いまなお広大な軍事基地が存在するなど沖縄の特殊事情は非常に厳しく、これまでの10年間だけでは解決されるものではない。また沖縄は他の地域とはその歴史的背景や社会的、経済的事情を異にしており画一的な行政改革であってはならないと考えております。したがってこの問題解決に当たっては、現下の非常に厳しい情勢の中で単に行政の枠内だけではなく、広く県民のコンセンサスを得る必要がありますので県民の協力を得て国や国会に対して強く働きかけていきたいと考えております。
 2次振計との関連で、解放軍用地跡利用の問題について幾つか御質問がございましたけれども、これは労働渉外部長に答弁させていただきます。
 それから二眼レフ構想についてどう思うかということでございますが、いわゆる二眼レフ構想については過密現象を緩和するアイデアの1つとしては評価いたしております。
 それとの関連で県庁舎の新設についての御質問がございましたけれども、新庁舎の建設については復帰10周年記念事業として新生沖縄県にふさわしい庁舎の建設を推進していきたいと考えております。建設に当たっては庁舎建設審議会を設置し、また議会における特別委員会等の設置についても検討をお願いしながら進めていくことにしたいのですが、特に建設場所については重要な問題でありまして、都市機能の整備計画及び交通体系等総合的に配慮しながら慎重に検討していきたいと思います。
 それから屋良元知事、平良前知事は、核について基地への立入調査をやったことがあるかどうかということでございますが、そういった立入調査をしたことはないと思います。
 ――――――――――――――――――――――――
 以上です。
○議長(大田昌知君) 労働渉外部長。
   〔労働渉外部長 大浜賢永君登壇〕
○労働渉外部長(大浜賢永君) 西田議員の返還軍用地の跡利用問題について5点ほど質問がございましたのでお答えいたします。
 まず返還軍用地の利用の実態でございますが、復帰前後を通じまして現在までに返還された軍用地は約9189ヘクタールございます。そのうち土地区画整理事業とかあるいは農業基盤整備事業等が実施された上で使用されているのが約13%、返還前の黙認耕作地や森林地域等でそのままの形で利用されているのが約70%、残りの17%が未利用という形になっております。その未利用の主な理由はいろいろございますが、まず挙げられますのが返還の方法や原状回復のあり方等にも問題があると思います。それから地籍明確化がおくれておったというようなことも理由でございます。それから返還地は個人有地がほとんどのために跡利用についてのコンセンサスづくりが困難であるというようなこと等がありますし、さらには跡利用事業にかなりの資金を要するというようなこと等が未利用のまま残っている要因だということが言えるかと思います。
 それから返還軍用地について租税特別措置法上の措置ができないかということでございますが、返還軍用地を譲渡する場合、利用目的のいかんにかかわらずすべての譲渡所得に租税特別措置法による控除を適用するということは、他の土地との均衡の面からもあるいはまた不動産業者の介在によって本来の目的を見失ってしまうという懸念等も考えられますし、すべての返還軍用地に特別措置法の控除を適用するというのは大変困難だというぐあいに考えております。しかしながら御指摘の老人福祉施設あるいは保育所、授産施設等の用地取得につきましては、これらの事業は社会福祉事業の中で実施できる事業でありますので、土地収用法第16条の事業の認定を受けることによっては特別控除が得られるということでございます。
 それから返還跡地の利用等について沖振法の見直し、あるいは2次振計の中でどう位置づけていくのかということでございますが、これについては大きく分けまして返還合意のなされている施設の早期返還と、それから返還された跡地の有効利用を図るための国の財政措置という2本について目下関係省庁と話し合いをしておるところでございます。具体的な内容につきましては目下話し合いをしている過程でございますので、しばらくの間説明を控えさせていただきたいと思います。
 それから特別措置を推進していくために強力な働きかけが必要ではないかということでございますが、御指摘のとおりでございまして全県民を含めての強力な要講をしていく必要があると思います。
 それから5番目に、跡利用公社を設置して跡利用事業に当たらせたらどうかという御提言がございますが、これにつきましては、既存の県の土地開発公社あるいは市町村にあります土地開発公社の活用等とも関連させながら勉強させていただきたいと思います。
 以上でございます。
○議長(大田昌知君) 西銘知事。
   〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) まだ主任制の問題、水道料金の問題等々について答弁が残っておりますが、ただいま副知事、担当部長からそれぞれ回答が答弁がございましたが、私からも補足説明をさせていただきます。
 軍用跡地の利転用の問題でございますが、これまでどちらかというとこれに対する基本的な県の施策というものが具体化しなかったと、これが一番大きな原因であります。その点、平良知事が利転用の問題について素案をつくって政府に対して要請いたしましたことは、これは私は画期的な事業であるとして評価をいたしております。ただ残念なことは、この利転用計画の平良さんのつくった素案の中で一切合財全部国の負担において10分の10でやれということでございまするから、ここに行政処理の側面から申し上げますというと非常に難点があったと。いわゆる現行制度で救済すべきものについては現行制度、現在の都市計画法、また農業用地の土地改良事業法等々関連法規がたくさんありまするから、こういうもので救済するものについてはこれで救済をする。なおそれでできないのは沖縄振興開発特別措置法の中で盛られた高率補助でもってこれを救済していく。この高率補助でなおやっていけないような場合には、新たに特別な措置を要請してこれで解決をしていくと。こういう3段構えの方式をとるべきであったのにもかかわらず、平良知事は大変理想主義の方でございまするから全部10分の10で片づけたところに問題解決がおくれた基本があろうかと思います。いまですらも沖縄振興開発特別措置法の現行補助率を存続させることは、きわめてこれは困難な状況下にあるのでございますが、何としてもこれを存続させなければなりませんし、さらに必要な、措置法の中で高率補助として大変恩恵を受けているのでございますが、なおそれで足りない分についてはさらに新たな措置として高率の補助を要請していくと、こういう基本的な姿勢が現実的な処理の問題としては一番大事ではなかったかと考えておるのであります。
 次に、何らかの措置は、いま申し上げたとおりでございますが、何らかの財政措置ということでございますが、たとえばこれはほとんど個人有地でございまするから、県がこれについての利転用の計画あるいは市町村がこれについての利転用の計画を立てるときに前もってこの土地を購入する関係がどうしても出てきますから、各市町村、財政が非常に厳しいのでございまするし、県もそれほど余裕はございませんので、そういった意味で特殊な低利な資金が借りられないかどうか。また沖縄振興開発金融公庫の中にそういう資金を特別に設けて有利な条件で市町村が利用できるような財政措置が要るのではないかと、こういうことを申し上げているわけであります。
 次に、利転用公社の問題でございますが、これは研究の余地はありまするけれども、いま当面さしあたっての問題といたしましては、市町村の段階で、県の段階で利転用の具体的な計画をつくってこれに対応する財政措置法、またその他の助成等について国に要請するのが現在の段階ではないかと考えております。
 2次振計については、全くこれは御指摘のとおりでございまして、いま官僚ベースで処理されておりますが、官僚ベースもこれは大事なことでございまして、下から積み上げてしかも次官、大臣の承認を得て事務的な折衝において悔いのない体制をつくり上げることもこれは忘れてはならない大事なことでございまして、この点すらいま心配をいたしているわけでございまして、県を挙げて県庁を挙げて関係省庁にそれぞれの部課が対応する体制をとっていかなければならないと考えているところであります。同時に、県民運動として与野党の別なく県民が総ぐるみとなってそれぞれの政党にお願いをする。また農業団体、商工団体、県民各団体の組織をフルに展開いたしましてこの問題に取り組む必要があるのでございます。したがいまして第2次振計の問題は自民党の問題ではございません、県民全体の歴史的な課題でありますので、そういう姿勢で取り組むことが一番大事なことではないかと考えているところであります。
 次、県庁舎の新設は全く同感でございます。私もできるだけ中部に持っていきたいんですけれども、なかなか情勢がこれを許さないというようなことで、本当にある意味においては那覇市を救済する道でもあり、天の声でもあり民の声でもあると私は考えておりますが、なかなかいまの議会の情勢では那覇市から移すことはきわめて困難な情勢にあることを御理解いただきたいと思います。
○岸本忠三郎君 議長、休憩願います。
○議長(大田昌知君) 休憩いたします。
   午後2時57分休憩
   午後2時59分再開
○議長(大田昌知君) 再開いたします。
 ただいま休憩中に岸本議員から提起されました西田健次郎議員の質問の中で、「わが党の代表質問との関連について」に関連して水道料金の問題が提起されておりましたが、その問題については自由民主党の代表質問にあらわれていませんので、一応質問者からその旨の取り消しの発言を願います。後でよろしいです。答弁漏れがありますので、一応答弁を終わってからにします。
 警察本部長。
   〔警察本部長 宮崎 喬君登壇〕
○警察本部長(宮崎 喬君) 西田議員の御質問にお答えいたします。
 主任制の問題に関連して、校長に対する集団団交が監禁罪、その他刑法に触れる行為に該当するのではないかとこういう御質問でございますが、私も刑法に触れるような行為があったのならそれは放置できないというふうに考えておりますが、現在までのところ捜査を要するような事態はないとこういうふうに考えております。仮に、今後そういった刑法に触れるような行為が行われた場合、あるいは行われようとするような場合には警告を発してそのような行為が行われないようにすると、また必要によっては捜査を行うとこういうふうな考えを持っております。
 それからもう1点、昨年11月に、窓からほうり投げるぞと、こういったことが殺人罪、同未遂、同教唆、これに該当するのではないかとこういう御質問でございますが、この言動からだけでは殺人罪あるいはその未遂、教唆というものには該当しないと思っておりますが、脅迫罪その他の法令に触れる行為に該当するかどうかこの点はそのときの状況がわかりませんので何とも申し上げられませんが、検討してみたいとこういうふうに考えております。
○西田健次郎君 議長、ちょっと休憩してください。
○議長(大田昌知君) 休憩いたします。
   午後3時2分休憩
   午後3時3分再閥
○議長(大田昌知君) 再開いたします。
 西銘知事。
   〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) ただいま副知事からも答弁がありましたが、屋良知事の場合も平良知事の場合にも核の有無に対する調査はやっておりません。ただ、平良知事の場合に核の有無の調査について防衛施設庁に問い合わせまして、申し込みまして、これは大変重要な事項ですからできませんと断られてそのままになっているわけでございます。
○議長(大田昌知君) 西田健次郎君。
   〔西田健次郎君登壇〕
○西田健次郎君 先ほどの本員の質問の中で、代表質問との関連で水道料金の問題の質問を出しましたが、今議会の焦点となっている水道料金がよもや代表質問に入ってないということをわからずに質問しました。大変失礼をいたしました。取り消します、その部分については。
○議長(大田昌知君) 伊良皆高吉君。
   〔伊良皆高吉君登壇)
○伊良皆高吉君 本員は、さきに通告いたしました順序に従いまして所見を述べながら質問いたします。
 最初に、昨年6月定例会において本員が質問しました事項の中から、次の3点についてその後の進捗状況等について質問いたします。
 まず、県内離島における電気と水の確保についてであります。
 知事は、1日15時間ないし18時間の送電を余儀なくされている離島に対しては24時間送電を実現したいと。55年度は本部町水納島、56年度は竹富町鳩間島へ海底ケーブルの施設を予定し、さらに西表島舟浮のほか、残る離島についても人口規模等の今後の推移を見ながら引き続き事業を計画する予定である。また水の問題についても、同様に水道事業を進め、第2次振計においてその地域の事情を十分検討して対策を立てていきたいと答えておられますが、現在どうなっているか。
 次に、離島地域における農水産物の流通体系の整備と流通コストの格差是正についてであります。
 知事は、特に離島─那覇間の水産物の運搬経費の補助については、昭和55年度から社団法人沖縄県漁業振興基金の予算で一部対応することになっているが、今後の拡充については協議していくと答えておられます。なお参考までに申しますと、昨年6月定例会で質問いたしましたときの魚の平均卸価格はキロ当たり542円でしたけれども、本年同月比では517円で昨年よりもことしの方が25円も安くなっております。一方、航空輸送運賃は、昨年キロ当たり78円に比べて現在では101円であり、約30%高となっております。船舶燃料の高騰やその他の経費の高騰を加味しますと、本島と離島の流通経費の格差はますます広がっており、一日も早い対策が必要であると考えます。
 次に、西表島地域の栽培漁業、ほか飼料工場の設置についてであります。
 本件について知事は、飼料工場の設置については、必要とされる飼料の量が年間3万トンと推計されることから、工場の採算性の面で立地には問題があると答えておられます。ところが昭和51年3月27日、「自家配合飼料原料の安定供給に関する取り扱いについて」、いわゆる「51畜産B第595号」が農林事務次官より各地方農政局長及び各都道府県知事あてに通達され、さらに同5月22日には同取り扱いの一部改正、いわゆる「51畜産B第1102号」が通達されており、通達別記1及び2の事前届審査基準の準用によって八重山地区における飼料工場の設置は可能であると考えますが、知事の御所見をお伺いします。また西表島北西部海岸線に栽培漁業及び加工事業の提案についてもあわせてお答え願います。
 次に、本県水産業の問題点についてであります。
 本県の水産業は200海里時代を前提として考えていかねばならず、それに対応すべく本県においても新しく水産振興課、漁政課を設置して栽培漁業を含む周辺漁場の高度利用と海外漁場の確保を初め、漁業生産基盤整備、漁業技術の開発と普及、水産物流通対策の強化と水産加工の振興、後継者の育成並びに漁業経営安定対策の強化等豊かな漁村建設と水産業の振興に向かって積極的に取り組んでいることは、本県水産業の将来に明るい展望が開かれつつありまことに喜ばしいことであります。
 ところが、水産物の流通部門を一手に受け持ち、本県水産振興に重要な役割りを担っている県漁連の運営状況は、昭和55年度の業務報告書で見る限り非常に悪く、抜本的な対策が必要であると考えるものであります。ちなみに昭和55年度の損益計算書によれば、販売部門、製氷部門、それから廃棄処分によって生じた損失が合わせて3億6000万となっており、特別積立金及び法定準備金からの補てんをもってしても次期繰越欠損金は3億5000万円余となっております。このことは県漁連が本県水産業に果たす役割りが大であるだけに水産振興の上からもきわめて重要な問題であり、一日も早い対策を望むものであります。今後の再建問題については、機構の改革及び流通機構の整備等も含めて運営方法を検討していかなければならないと考えるのでありますが、知事の御所見をお伺いいたします。
 次に、花卉及び蔬菜類の病害虫対策とその措置についてであります。
 従来、サトウキビを中心とした本県農業も亜熱帯である本県の自然条件を生かして換金の早い花卉、蔬菜類を本土の端境期に向けて栽培出荷してその成果を上げております。ちなみに昭和55年度、本県における花卉、蔬菜類の生産農家は農家総数の53.5%で、その戸数は2万3961戸に上り、特にUターン青年を含む農業青年たちが多く、本県農業の将来に明るい展望をもたらしているのであります。ところが花卉、蔬菜類には病害虫の被害が多く、その発生率も年々ふえる傾向にありその対策が急がれるのであります。そのことについては農業試験場、農業改良普及所、営農指導員等の努力によって一応の効果は上げているがまだまだ対応が不十分で、それらの被害によって多大な損害を余儀なくされている農家も少なくありません。
 このような現状の中にあって、55年度から国の事業として実施されている病害虫防除対策事業や、56年度より県単事業として実施される病害虫防除総合診断事業はまことに当を得たもので高く評価し、大いに期待をしているものであります。今後は防除対策のみでなく、将来に向けてこれらの被害に対する救済措置も講ずる必要があると考えます。
 質問に入ります。
 1、花卉、蔬菜類の病害虫の発生と被害状況はどうなっているか。2、その対策と指導についてはどうなっているか。3、行政面の対応はどうなっているか、以上お伺いいたします。
 次に、パイナップル産業についてであります。
 結論から申しますと、本県におけるパイナップル産業は現時点においては有望であるということであります。有望であるという結論に至った理由を総括しますと、1つ、国においては本県パイン産業の保護育成策としてグローバルの輸入制限を行っていること、2、原料生産面でまだまだ改良の余地が残されていること、3、加工コストの引き下げが可能であること、4、販売努力によって販路の拡大が可能であること、以上の理由によるものであります。
 具体的に申しますと、原料生産面における問題点は、優良種苗の普及、つまり現在の三菱系からハワイ優良系にかえることにより、現在10アール当たり2.5トンの収穫量を3.7トンまで引き上げることが可能である。また土づくりによって作物の品質、病害虫に対する抵抗力等を向上させ、肥料及び農薬費のほか、経費の引き下げが可能であること。加工面においては、会社の統合により操業率の向上を含む生産の合理化を図り、かなりのコストダウンが可能となる。現在各社のコストをスライス3号かんで比較してみると、原料仕入れ価格ほか製造コストはほぼ同一であるが、成績のよい会社と悪い方の会社ではその差額が7円から8円となっております。その差額の生ずる原因は、各社の経営内容、つまり借入金の金利や維持管理費、減価償却費等の違いによって生ずるものであり、経営の合理化によって製造コストの引き下げが可能であるということであります。
 第3に、販売に関する点でありますが、まず品質の点を比較しますと、一番おいしいのはグローバル、次に沖縄産がおいしい。冷凍パインに至っては、一度食した経験のある者はもう食べる気がしないというほど消費者からの苦情が出ており問題外であります。また冷凍パインについては台湾、フィリピン、マレーシア、タイ、インドネシア、アイボリコースト、これは南アフリカですが、日本のほか、オブザーバーとしてアメリカが参加し、昨年3月に台北市で開催されたピルダー会議、いわゆる世界パイナップル工業研究発展協議会第26回次会議の席上で、日本はほかの国々から冷凍パインを輸入しないようにと抗議を受けていると聞いております。抗議の内容は、熟しきれないパインを出荷することは味のまずいパインを出荷することになるので、その国の信用を落とすことになる。それからそれらの国内においても失業者の問題があり、原料の状態で輸出することがますます失業問題を深刻にするものであるから、付加価値を高めてから輸出したいということが理由になっているものであります。そのようなことからしましても、冷凍パインは長続きしないと考えます。
 一方、本土市場における沖縄産パインの販売の状況は、中身が全く同じでも、ここにサンプルがございますが、(資料を掲示)ブランドの違いによって330円でよく売れているものもあれば、これは330円で売れております。これは同じく沖縄産でありますけれども、中身はスライス輪切り、全く同じです。260円でやっているんですけれども、なかなか売れません。なぜならばここにある冷凍パイン、これが冷凍パインですけれども、なかなか識別ができないのであります。たとえばパイナップルの実があって、そこに輪切りが2つころがっている。色はちょっと違うんですけれども、なかなか識別ができないというのが理由になっているようです。それから冷凍パイナップルは「原料 冷凍使用」というのがありますけれども、どこにあるのかなかなか探せない状態ですね、ここに小さく書かれております。沖縄産の違いはここにJASマークがあるんですが、小さく書かれていると。物によっては、冷凍パインのレッテルと全く同一の沖縄産もあるということですので、今後PR等販売の努力をすれば売れるようになるというふうなことに対して確信を持つものでございます。またかん詰めの販売努力だけでなく、パイナップル青果の本土向け出荷についても検討すべき時期に来ていると思います。本土におけるパイナップル青果の消費量は年間10万トンであり、現在本県生産量の約2倍に近いものであります。
 次に、価格の点から比較しますと、3号かんスライスの仕入れ価格は、沖縄産が約190円に対して、グローバルが175円で沖縄産の方が15円高く、冷凍パインは170円で、沖縄産が20円高となっております。グローバルは輸入量が制限されておりますので別としまして、冷凍パインとの20円の差は、競争上どうしても埋め合わす必要があります。そこでさきに触れました生産面でのコスト引き下げと製造面でのコスト引き下げによって1かん当たり20円以上のコスト引き下げは可能であり、沖縄産の品質の優良性とあわせて売れ行きが伸びると考えるのは理の当然であります。しかしそれを成功させるためには、パッカーを初めパイン関係者、県が一体となって販売努力に当たること、とともに生産農家においても収益の考え方を、いままでのキロ当たりの価格によってのみ判断するのではなく、収穫量とキロ当たりの単価を掛けた答えによって判断する考え方、つまりいかに反収をふやすかということに切りかえることが必要であります。
 以上、申し上げてきましたが、生産面、加工面、販売面の対策として知事の御所見をお伺いいたします。
 次に、マスコミの皆様方にお願いがあります。
 去る4月、パイナップル産業危機打開に関する政府陳情の結果について記者会見を行ったときのことについてであります。確かにわれわれの陳情に対して、政府の答弁には厳しいものがありました。しかしながら答弁中、沖縄のパイナップル産業については今後とも育成していかなければならない、また6月ごろには出荷の方もよくなるでしょう等幾つかの明るい材料もあり一応の成果はあったものと思っております。事実、本年6月現在、パインかん詰めの出荷状況は、昨年6月と比較して大幅にふえ、この分で推移すればことしの出荷量は昨年度比50%以上の増になるものと予想されております。
 ところで、記者会見の結果を新聞で見る限り、本県パイン産業危機打開の陳情の結果は、政府の厳しい答えのみで、先行き希望が持てないという解釈につながる内容でありました。このような報道によって希望を失った生産者の中には、パイン畑を焼き捨てて他の作物に転作しようとする者も出てきました。私は、畑を回ってそのことを説得してやめさせたのでありますが、紙面の都合があったとはいえ、もう少し真実を伝えてくれたらと思うのであります。しかしいまからでも遅くはありません、真実を報道して本県パイナップル産業の発展のためにぜひ協力していただきたいと願うものであります。よろしくお願いします。
 最後に、わが党の代表質問と関連して、時間がありませんので主任制についてだけ質問いたします。主任制については、これまで十分論議が尽くされましたのでここでは触れませんけれども、本員は主任の任命撤回を求めて某高校で起こった問題についての質問をいたします。
 某高校では、主任の任命を撤回させるために授業中、先生方が1時間目から6時間目まで来る先生、来る先生、校長の悪口を言い、個人的な批判も大いにしていたと。それを聞いた生徒が家へ帰りまして、お母さん、もう学校はいやだと、学校にはもう行きたくないと、校長先生がかわいそうだというふうなことを言っておったということを聞きました。私は即座に電話をして確認しました。そのことについては教育庁にも通告し、教育庁も生徒と父兄の方から確認をとっておられるようでございます。ところが校長を通して再調査するということでありましたが、質問に入ります。
 教育長、校長を通して調査されましたでしょうかどうか、その結果を御報告願います。このような手段は違法性はないかどうか質問いたします。また、このような教師に対してどう対処していかれるのかお伺いします。
 最後に、教育の正常化のために断固たる態度でもって厳重なる処置をお願い申し上げまして、質問を終わります。
○議長(大田昌知君) 比嘉副知事。
   〔副知事 比嘉幹郎君登壇〕
○副知事(比嘉幹郎君) ただいまの伊良皆議員の御質問にお答えいたします。
 まず、昭和55年6月定例会での伊良皆議員の質問に対する知事の答弁の確認について3点ほどお答えいたします。
 まず最初に、離島の電化事業についてでございますが、本県の離島の電力事情については19の離島が海底ケーブルによりまして24時間送電が実現しております。しかし御指摘のあった共同自家発電により15時間ないし18時間の送電を余儀なくされている一部離島、すなわち竹富町鳩間島、西表島舟浮、新城島及び多良間村水納島の4離島についても24時間送電化の方針には変わりはありません。ところで、昭和55年6月定例議会において申し上げましたこうした離島の電化事業のスケジュールとして鳩間島の海底送電を昭和56年に予定していましたけれども、諸般の事情があって実現できなかったのでこれを昭和57年度事業として予算要求をしていきたいと思います。なお、西表島舟浮地区も海底送電を計画しておりますけれども、さらに新城島、ここは人口が13人でございますが、多良間村の水納島――8人となっておりますが――については、人口及び産業の動向等を見ながら現行の共同自家発電の整備拡充または海底送電の両面から検討していきたいと思います。
 それから次に、離島への海底送水についてでございますが、離島への海底送水計画は全部で15カ所予定しております。昭和55年度に大神島、鳩間島、本部町水納島の3島への送水施設が完了し、現在では延べ13の島が完備しております。したがって残る2島の瀬底島、浜比嘉島については今年度に事業に着手し、2カ年継続事業で57年度に完了する予定であります。ちなみに離島地域の水道普及率は96.9%に達し、本島の97.9%にほぼ同率に達しております。
 ただ、離島の水道事業について追加いたしますと、水道水源がないため水道施設整備がなされていない島がございます。つまり渡名喜村と北大東村でございますが、そこは水源調査あるいは天水利用等について村とともに検討していきたいと考えております。
 それから離島地区の農水産物の流通体系の整備とコストの格差是正についてでございますが、県においては離島─那覇間における水産物の輸送経費の助成について沖縄県漁業振興基金と調整の結果、同基金に昭和55年度の200万円から昭和56年度には300万円を計上させて輸送対策の強化を図っているところであります。
 それから西表地域における水産業の振興についてでございますが、西表地域での栽培漁業の振興については地形及びマングローブを含む水域の特性を十分に生かしていくことを基本的な内容とする必要があると考えておりまして、現在作業を進めている水産業振興基本計画の中で検討していきたいと思います。なお、ツノマタ加工業の導入については約20トン程度の生産規模では時期尚早との意見もありますので、当面、投石、施肥等による増産対策を講ずることが大切であると思います。それで今年度西表地区に着生基盤の造成事業を実施し、地域特産品としてのツノマタの増産を図っていく計画であります。
 それから飼料工場の立地可能性についてでございますが、八重山地域において配合飼料工場を設置することは需要量が少ないため経営上困難であると思われますが、政府操作飼料の指定工場なら立地するための条件が整えば立地が可能と思われます。したがって飼料の安定供給及び低廉な価格での供給を図るため、その立地について検討を進めているところでございます。
 県漁連の再建についてでございますが、水産業の振興開発を総合的、計画的に推進するためには水産団体等の積極的な協力が必要でありますが、中でもその中核的な役割りを担う県漁連が55年度の決算でモズク取引に起因する多額の欠損金を出しております。このような状況では、沖縄振興開発計画に基づく水産施策の積極的な展開も困難であるため早急に問題の解決を図る必要があり、去る通常総会において再建整備委員会を設置し早急に対処することにしております。県としましても、漁連の再建については組織の強化も含めて指導を強化していきたいと考えております。
 それから植物病害虫防除対策、行政面における花卉、蔬菜類の位置づけについてでございますが、野菜、花卉類の病害虫発生被害状況について本県で最も発生の多い病害虫はウリミバエ、ミカンコミバエのほか10数種に及び、特にカボチャに大きな被害を与えている病害虫はウィルス病、ウドンコ病、疫病等であります。その対策と指導については、農業改良普及所、病害虫防除所等の組織を通じて病害虫の早期発見に努めるとともに適切な防除方法等の指導を行っているところであります。それから行政面の対応については、ウリミバエ、ミカンコミバエの防除対策事業を重点に病害虫防除総合対策事業を実施する等その対策に力を傾注しているところであります。
 それから最後に、パイン産業の振興策についてお答えいたします。
 パイン産業は、沖縄本島北部、八重山地域等の特産物として農業経営上あるいは加工業として重要な地位を占めていることは御案内のとおりでございます。しかし国際商品であるために外国産品との競合にさらされ多くの滞貨を抱えるなど、その経営はきわめて厳しいものがございます。
 そのため、パインかん詰めの輸入抑制措置について国に対し引き続き強く要請するとともに、御指摘のありましたようになお一層の販売努力を続けていきたいと考えております。生産面においては、構造及び生産対策等各種の施策を推進し生産性の向上を図ることにしております。加工業につきましては、企業の合併等による合理化を強力に促進し経営の健全な発展に資する考えであります。
 以上です。
○議長(大田昌知君) 教育長。
   〔教育長 前田 功君登壇〕
○教育長(前田 功君) 主任制に関する御質問にお答えいたします。
 主任制は、学校における教職員の職務、すなわち校務分掌に関するものでありますので、このことについて学校長と教職員の間で話し合うべき筋合いのものであり、生徒を巻き込むおそれのあるようなことは絶対に避けるべきであると考えます。もし御指摘のことが事実であるとすれば許される行為ではないので、現在学校長を通じて調査をしているところでございます。
○上原亀一郎君 議長、休憩願います。
○議長(大田昌知君) 休憩いたします。
   午後3時32分休憩
   午後3時33分再開
○議長(大田昌知君) 再開いたします。
 以上をもって、通告による一般質問及び議案に対する質疑は終わりました。
 これをもって質疑を終結いたします。
○議長(大田昌知君) この際、申し上げます。
 先ほど西由健次郎君から、同君の一般質問中、水道料金の値上げに関する部分については、これを取り消したい旨の申し出がありました。
 よって、お諮りいたします。
 西田健次郎君から申し出のあります発言の取り消しについてはこれを許可することとし、あわせて同君の質問に対する比嘉副知事の答弁中の水道料金の値上げに関する部分についてもその取り消しを許したいと思いますが、これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(大田昌知君) 御異議なしと認めます。
 よって、これを許可することに決定いたしました。
○議長(大田昌知君) ただいま議題となっております甲第1号議案及び乙第1号議案から乙第11号議案までは、お手元に配付してあります議案付託表のとおりそれぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
○議長(大田昌知君) 休憩いたします。
   午後3時35分休憩
   午後3時36分再開
○議長(大田昌知君) 再開いたします。
 日程第3 陳情第115号及び第125号の付託の件を議題といたします。
 お諮りいたします。
 ただいまの陳情2件につきましては、米軍基地関係特別委員会に付託の上審査することにいたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(大田昌知君) 御異議なしと認めます。
 よって、ただいまの陳情第115号及び第125号につきましては、米軍基地関係特別委員会に付託の上審査することに決定いたしました。
○議長(大田昌知君) この際、お諮りいたします。
 委員会審査及び議案整理のため、明6月14日から18日までの5日間休会といたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(大田昌知君) 御異議なしと認めます。
 よって、明6月14日から18日までの5日間休会とすることに決定いたしました。
○議長(大田昌知君) 以上で、本日の日程は全部終了いたしました。
 次会は、6月19日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後3時38分散会

 
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