平成26年(2014年) 第 3回 沖縄県議会(定例会)
第 4号 7月 2日
知事公室長(又吉 進)
 

 米軍基地問題についての御質問の中で、高江における工事車両の運行についてお答えいたします。
 高江ヘリパッド建設に係る建築資材等の運行経路については、沖縄防衛局によりますと、住民からの意見等を踏まえ、原則として県道70号線から訓練場内の既存道路を活用して工事を行うこととしているとのことであります。
県としましては、地元の意向等も踏まえ、住民生活に最大限配慮をすべきであると考えております。
 次に、高江のヘリパッド移設工事中止についてお答えいたします。 
 県としましては、SACO合意事案の着実な実施が本県における基地の整理縮小及び地元の振興につながることから、北部訓練場の過半の返還の実現を求めているものであります。その条件とされている6カ所のヘリ着陸帯の移設については、地元東村とも連携を図りながら、当該地域の自然環境や地域住民の生活に十分に配慮するよう求めてきたところであり、直ちに工事の中止を求める考えはありません。
 次に、米軍基地問題についての御質問の中で、基地負担の軽減の実態についての御質問にお答えいたします。
 具体的な説明を聞きたいという趣旨の御質問ですので、少々長い答弁になりますけれども御容赦いただきたいと思います。お答えいたします。
 これまでの基地負担軽減につきましては、まず基地の整理縮小について、SACO合意により読谷補助飛行場、楚辺通信所、ギンバル訓練場等、約403ヘクタールが返還され、市町村による跡地利用が進められております。また、昨年4月に沖縄における在日米軍施設・区域に関する統合計画が発表され、牧港補給地区からトリイ通信施設へ移設される施設のマスタープランの作成等が行われており、嘉手納飛行場より南の施設・区域の返還に向けた取り組みが進められております。さらに、今年度末にはキャンプ瑞慶覧西普天間住宅地区約51ヘクタールの返還が予定され、返還前の掘削を伴う立ち入りについても日米合意がなされ、跡地利用の円滑な推進に向け、国・県・宜野湾市が連携し取り組んでいるところであります。また、キャンプ瑞慶覧白比川地区については、返還及び一部区域の共同使用が合同委員会で合意され、返還に先立ち同地域の長年の課題である白比川河川改修工事の年内着手に向け進んでいるところです。
 昨年、県が要望しました次の4項目については、総理から、政府一丸となって全力で取り組んでいく旨の表明がありました。
 第1に、喫緊の課題である普天間飛行場の危険性の除去については、5年以内の運用停止の実現を求めており、現在、政府に設置された普天間飛行場負担軽減推進会議が2回、作業部会が3回開催され具体的な取り組みを議論しております。普天間飛行場のKC130につきましては、去る6月24日の普天間飛行場負担軽減推進会議において、安倍総理から、ことし8月末までに15機全機の移駐を完了するとの説明があり、普天間飛行場の危険性の除去、基地負担の軽減につながるものと考えております。なお、岩国市に対しては、県及び自民党県連が働きかけたところであります。
 第2に、オスプレイの県外訓練については、防衛大臣から、今年度は昨年度以上の県外訓練が計画されているとの説明がありました。 
 第3に、牧港補給地区につきましては、安倍総理は、返還までの期間を最大限短縮することを目指すとし、具体的な取り組みが開始されております。 
 第4に、日米地位協定について、日米両政府は、昨年12月に在日米軍施設・区域における環境の管理に係る枠組みに関する共同発表を行い、日米地位協定発効後、初めての取り組みとして、環境に関して補足する協定の作成に向けた政府間の協議を実施しているところであります。また、地位協定については、平成23年には、交通事故等公務中の軍属の事件についての刑事裁判に関する手続、平成25年には、刑事裁判権に関する処分の公表の運用改善が図られております。長年漁業者等が求めてきた訓練水域につきましては、ことし3月にはホテル・ホテル訓練区域の使用制限一部解除に関する日米合同委員会合意がなされております。航空機騒音対策については、認可外保育施設も防音対策事業の補助対象施設とするよう国に要請し、平成25年度から事業化されております。また、平成18年度より実施されている嘉手納飛行場からグアム等への戦闘機の訓練移転については、これまでに28回行われております。さらに、ことし3月には嘉手納飛行場に飛来して鳥島等で実施されていた空対地射爆撃訓練の一部を、三沢対地射爆撃場に年間最大で30日間移転することが日米合同委員会で合意されております。
 沖縄県は、機会あるごとに米軍基地問題について日米両政府に要請し、米軍基地問題の解決促進に取り組んでおり、一歩一歩前進させてまいりたいと考えております。
 次に、知事の政治姿勢についての御質問の中で、集団的自衛権の行使についてお答えいたします。
 集団的自衛権の行使につきましては、昨日、「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」と題する閣議決定がなされましたが、去る6月30日の県議会決議にありますように、国会や県内でもさまざまな意見があるものと承知しております。
 広大な米軍基地が所在する沖縄県としましては、我が国の安全保障政策の変更には重大な関心を持っており、政府は、国政の場などで十分に議論した上で、その影響も含めて国民に丁寧に説明すべきであると考えております。
 以上でございます。

 
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