委員会記録・調査報告等

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米軍基地関係特別委員会記録
 
平成28年 第 4定例会

1
 



開会の日時

年月日平成28年9月26日 曜日
開会午前 10 時 0
閉会午後 0 時 4

場所


第4委員会室


議題


1 軍使用土地、基地公害、演習等米軍基地関係諸問題の調査及び対策の樹立(米軍AV8Bハリアー攻撃機墜落事故について)
2 米軍AV8Bハリアー攻撃機墜落事故に関する意見書及び同抗議決議について(追加議題)


出席委員

委 員 長  仲宗根   悟 君
副委員長  親 川   敬 君
委  員  山 川 典 二 君
委  員  花 城 大 輔 君
委  員  末 松 文 信 君
委  員  照 屋 守 之 君
委  員  宮 城 一 郎 君
委  員  崎 山 嗣 幸 君
委  員  新 垣 清 涼 君
委  員  渡久地   修 君
委  員  嘉 陽 宗 儀 君
委  員  金 城   勉 君
委  員  當 間 盛 夫 君


欠席委員

なし


説明のため出席した者の職・氏名

知事公室長           謝 花 喜一郎 君
 基地防災統括監        池 田 竹 州 君
 参事兼基地対策課長      運 天   修 君
 農林水産部農漁村基盤統括監  仲 村   剛 君
 農林水産部水産課長      新 里 勝 也 君



〇仲宗根悟委員長 ただいまから、米軍基地関係特別委員会を開会いたします。
 本委員会付議事件軍使用土地、基地公害、演習等米軍基地関係諸問題の調査及び対策の樹立に係る米軍AV8Bハリアー攻撃機墜落事故についてを議題といたします。
 本日の説明員として、知事公室長及び農漁村基盤統括監の出席を求めております。
 米軍AV8Bハリアー攻撃機墜落事故について審査を行います。
 ただいまの議題について、知事公室長の説明を求めます。
 謝花喜一郎知事公室長。

〇謝花喜一郎知事公室長 ただいま議題となっております米軍AV8Bハリアー攻撃機墜落事故について、県の対応を御説明いたします。
 去る9月22日午後2時ごろ、海兵隊所属のAV8Bハリアー戦闘攻撃機が沖縄の東方、約100マイルの海上に墜落したとのことであります。
 県民への被害は報告されておりませんが、航空機事故は、一歩間違えば人命、財産にかかわる重大な事故につながりかねず、このような事故が発生したことは、日常的に米軍基地と隣り合わせの生活を余儀なくされている県民に大きな不安を与えるものであり、大変遺憾であります。
 今回、このような墜落事故が発生したことは、現在、行われている再発防止策や安全管理が十分であるとは言いがたく、怒りを禁じ得ません。
 県としましては、9月23日に、第3海兵遠征軍司令官及び沖縄担当大使等に、また、9月24日には、防衛大臣に対し原因究明がなされるまでの同機種の飛行中止、事故原因の徹底的な究明と早期の公表、再発防止措置を含む一層の安全管理の徹底等に万全を期すよう強く求めるとともに、このような事故が発生したことに、強く抗議したところであります。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

〇仲宗根悟委員長 知事公室長の説明は終わりました。
 次に、農漁村基盤統括監の説明を求めます。
 仲村剛農漁村基盤統括監。

〇仲村剛農漁村基盤統括監 議題となっております米軍AV8Bハリアー攻撃機墜落事故について、県の対応を御説明いたします。
 県は、事故発生後に沖縄県漁業無線局に依頼し、同局から沖合で操業する漁船に対し、機体部品等の漂流に対する注意喚起、また、漂流物、その他の情報提供について、放送を行っております。
 墜落した現場はホテル・ホテル訓練区域の中であり、また、平成26年7月に操業制限が一部解除された区域より東側であることから、事故当時操業する漁船はいなかった模様です。
 墜落等に伴う機体部品の漂流等による被害も現在まで確認されておりません。
 しかしながら、ホテル・ホテル訓練区域の周辺水域は、マグロ類及びソデイカの好漁場となっており、また、多数の浮き魚礁が設置されております。
 軍用機の移動速度を踏まえれば、一歩間違えば訓練区域外で操業中の漁船を直撃する大惨事となりかねないもので、漁業者は大きな不安を抱いております。
 県としましては、漁業関係団体と連携し、県内漁船の安全操業と漁場の確保を図るため、ホテル・ホテル訓練区域の一部解除区域の拡大等の要請を行っており、引き続き、国に求めていきたいと考えています。
 以上で、説明を終わらせていただきます。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

〇仲宗根悟委員長 農漁村基盤統括監の説明は終わりました。
 これより、米軍AV8Bハリアー攻撃機墜落事故について質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないように簡潔にお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 嘉陽宗儀委員。

〇嘉陽宗儀委員 再発防止措置について申し入れたという御説明ですが、具体的にはどういうことを求めたのですか。

〇謝花喜一郎知事公室長 まずは原因の究明を求めております。その原因をしっかりと確認した上で対応すること。それから、口頭での説明ですが、パイロット等、整備員も含めた教育、研修の徹底。そういったものも含めて再発防止の徹底を求めたということでございます。

〇嘉陽宗儀委員 このAV8Bハリアー攻撃機の操縦士は墜落前に脱出していますよね。実態はどうなっていますか。

〇謝花喜一郎知事公室長 我々が米側から説明を受けたところでは、操縦士は脱出し救助されたと聞いております。

〇嘉陽宗儀委員 米軍は沖縄県に対し、墜落について謝罪していますか。

〇謝花喜一郎知事公室長 9月23日午後1時ごろ安慶田副知事がニコルソン中将に抗議をした際、米側の日程等の関係でデヴィッド・E・ジョーンズ太平洋基地副司令官に対応していただきましたが、まず、今回の事故があったことを大変懸念しているという発言がございました。ただ、委員がおっしゃったような明確な謝罪という形ではなかったと記憶しております。

〇嘉陽宗儀委員 私の新聞記事の読み違いかもしれませんが、謝罪しないとコメントしているということでしたが、それはどうですか。

〇謝花喜一郎知事公室長 そういう報道があることは承知しておりますが、私どもが副知事と行ったときには謝罪をしないなどといった明確な話は聞いておりません。

〇嘉陽宗儀委員 その記事の中で、米軍はパイロットが無事だったことが何よりだと言っていますよね。沖縄県民の生命・財産が何よりも大事かと思ったら、墜落した身内のパイロットの安全が大事だという感覚についてはどう考えますか。

〇謝花喜一郎知事公室長 先ほども説明しましたが、一歩間違えば大惨事になり、県民の生命・財産に大きな影響を及ぼしかねないような事故に対しては、まず県民の生命・財産・安全に対する思いというものを米側からいただくのが筋だろうと考えております。

〇嘉陽宗儀委員 知事公室長は一歩間違えばと言いますが、一歩間違えるという中身は何ですか。

〇謝花喜一郎知事公室長 今回は洋上での墜落ということでした。先ほど農漁村基盤統括監から説明もありましたが、漁場に近かったということで、洋上に墜落したといえども漁船もあります。そういった県民へのさまざまな被害の可能性があり得ることも含めて、一歩間違えばと発言しているところです。

〇嘉陽宗儀委員 このAV8Bハリアー攻撃機は、嘉手納飛行場から離陸したようですが、墜落するまでの時間はどれぐらいですか。

〇謝花喜一郎知事公室長 墜落するまでの時間等について、県はまだ報告を受けておりません。

〇嘉陽宗儀委員 事故原因の究明においては、墜落するまでの飛行経路も知らないと―エンジントラブルなのか、パイロットの操縦ミスなのかということは、今の態度では究明できません。AV8Bハリアー攻撃機の飛行速度は幾らですか。

〇池田竹州基地防災統括監 資料によりますと、最大速度は時速1085キロメートル、マッハ0.89となっております。

〇嘉陽宗儀委員 時速1085キロメートルということは、1秒間で何メートル飛ぶことになりますか。

〇運天修参事兼基地対策課長 1085キロメートルを3600で割ると、約300メートルということになります。

〇嘉陽宗儀委員 嘉手納飛行場を離陸してから墜落するまで何秒かかっているか、調べられますか。

〇運天修参事兼基地対策課長 安慶田副知事が米軍に抗議に行った際、副司令官からは現在調査中ということで、時間などについては、まだ不明ということでございます。

〇嘉陽宗儀委員 これは事故原因を究明する上でどうしても明らかにしなければなりませんので、引き続き求めてください。
 それから、人間の身体的機能について聞きますが、人間は危ないと視覚で察知してから実際に行動に出るまで何秒かかりますか。

〇謝花喜一郎知事公室長 学術的なものはあると思いますが、今の時点で私の手元にはございません。

〇嘉陽宗儀委員 機体の様子がおかしいと思って、墜落する前に脱出するまでには時間がかかります。一歩間違えばと言いますが、自分が逃げ出すことには時間があっても、沖縄県民のためにどうしようかということはそういう緊張感の中では出てきません。ですから、安全確認という場合、まずはパイロットの安全を優先したのかどうかをきちんとしないと―人間はどんなに運動神経がよくても行動に出るまでに時間がかかるわけですから、これは簡単に解決できるものではないと思います。
 それから、これは通常の米軍ではないですよね。どこから来たのですか。

〇謝花喜一郎知事公室長 岩国基地からの飛来だと聞いております。

〇嘉陽宗儀委員 アメリカのそれぞれの州の戦闘訓練も含めて、全部ローテーションでやっていて、ここでどんなに訓練しても、また新しいものが来たら同じことを繰り返す。ですから、県民側から言えば、再発防止は訓練の実態から不可能である。絶対飛ばすなと強く迫っていくべきだと思いますが、いかがですか。

〇謝花喜一郎知事公室長 県は、徹底的な原因究明と早期の再発防止策の公表を求めております。あわせて、その後の県の対応については、公表結果も踏まえて対応することを知事コメントとして出しております。今の委員からの御意見は、そういったことも見ながら検討する必要があるだろうと考えております。

〇仲宗根悟委員長 ほかに質疑はありませんか。
 崎山嗣幸委員。

〇崎山嗣幸委員 AV8Bハリアー攻撃機は、通常は西側の鳥島射爆撃場などで訓練していると言われていますが、今回は東側のホテル・ホテル訓練区域でテスト飛行していたと思います。AV8Bハリアー攻撃機の訓練の実態として、なぜ今回、通常と違ってこういう訓練形態をとったのか。要するに、欠陥機のようなものが来て、嘉手納飛行場で離発着をして東側でテスト飛行をする。もともとそういう実態だったのか。今回の訓練はどのような状況だったのですか。

〇謝花喜一郎知事公室長 私も新聞報道を読んでおりますが、これは新聞報道限りの話です。通常は鳥島射爆撃場の関連で西側を飛ぶと。私どもは、この第一報を受けたときに、公海上の約100マイルということがあったものですから、西側ではなく東側だろうと推測しました。そういった流れの中で、マスコミの方々から委員の御質疑のようなことも聞いてはおりますが、まだ米側からどういった経緯でホテル・ホテル訓練区域に行ったかという説明がないものですから、今の段階ではこれ以上申し上げることはできません。

〇崎山嗣幸委員 皆さんは沖縄防衛局にも米軍にも要請に行ったわけですよね。通常ではない形態をとっているということ自体―当初からふぐあいがあって嘉手納飛行場から飛んでテスト飛行したということであれば、そういった訓練はやめさせるべきなのです。事故が起こることが想定されることをあえてしたのか疑問があるのです。これはマスコミからではなく、皆さんが防衛省なりに確認をとらないと再発防止も絶対できないと思うのです。これは強く言うべきだったのではないですか。

〇謝花喜一郎知事公室長 安慶田副知事から原因究明の話をした際に、先方からは、どういった経緯でこういった事故が起こったのか、彼らとしてもしっかり調べないといけないというお話がございました。原因が何であったかを含めて、調査結果については、県に対して透明性を持って回答いたしますという確約は口頭でいただきましたので、その全ての調査結果を踏まえて、委員からの御指摘も含めて、仮に報道にあったような形で若干故障のあった航空機を東側で飛行させて状況を確認するというものであれば、やはり事故が起こり得る確率は高まるわけですから、そういったことに対しては県としてもしっかり議論した上で求める必要があるだろうと考えております。ただ、今の時点ではそういった細かいことまではないものですから、先ほどのようなお答えしかできませんが、我々としては委員と同様な考えはございます。そういったものはしっかり対応させていただきたいと思います。

〇崎山嗣幸委員 原因究明がこれからだということではなく、今回の訓練の実態がどうだったかについては明らかにしてもいいと思うのです。要するに、どういう目的で、どういう状態で訓練していたかについては、原因究明以前に明らかにするべきだと思います。通常は鳥島射爆撃場などで訓練しているAV8Bハリアー攻撃機が、なぜあえてそういう形態をとったかについて、訓練そのものの実態を明らかにするのは問題ないと思います。これはぜひ早急に求めるべきです。
 それから、通常、鳥島射爆撃場に行くときには爆弾を搭載したり、空対地ミサイルを発射する訓練も行っていて、沖縄が唯一実戦訓練ができるということで、外来機のAV8Bハリアー攻撃機が飛んできているわけです。今回、爆弾を積んでいなかったことで、テスト飛行だったのではないかと言われているのですが、実際、AV8Bハリアー攻撃機は爆弾を搭載したり、空対地ミサイルを積んでくるという役割を持っているのですか。

〇運天修参事兼基地対策課長 これは図書の参考ですが、空対空ミサイルや空対地ミサイルを装着することができるということになっていますので、空同士、または地上への攻撃、両方ともに対応できることになります。

〇崎山嗣幸委員 過去には射爆撃場で劣化ウラン弾の投下があったりして、皆さんは、ホテル・ホテル訓練区域の一部解除も含めて、射爆撃場の返還をずっと強く求めているわけですよね。通常、AV8Bハリアー攻撃機は、鳥島射爆撃場などで実弾射撃訓練を行っている機種なのかと聞いているのです。

〇謝花喜一郎知事公室長 先ほどの御質疑とも関連しますが、今回の訓練の目的は何だということはすぐ聞けるだろうという話もありました。通常の訓練のあり方にもかかわるものだと思いますので、ホテル・ホテル訓練区域は例外的なものなのかも含めて確認をさせていただきたいと思います。

〇崎山嗣幸委員 いずれにしても事故の原因究明がされるまで公表しないという状態で、こちら側の要求で原因究明されるまで飛行を全面禁止せよということも含めて不明確な状態においては、皆さんから一つ一つ疑問点として事故そのものよりも実態を聞かないといけないわけです。実際にAV8Bハリアー攻撃機がわざわざ沖縄に来る目的は何かとか―外来機が嘉手納飛行場に離発着する意味があるわけです。先ほどから言っているように、提供水域が何十カ所もある中で、唯一、沖縄が爆弾を打ち込めるというところでしょう。それで彼らは来ているわけです。たまたま今回の事故機が爆弾を搭載していなかった理由は、テスト飛行と言いますか、よたよた飛んできたのか、タッチ・アンド・ゴーを繰り返したのかわかりませんが、そういったことで爆弾を装着していなかったものが墜落してしまったということだと私は思うのです。そういった実態がわからないとどうしようもないのではないかと思うし、そういう実態が明らかにされないことそのものが問題ですから、ぜひ県としては強い姿勢を持って―私は、今の訓練の実態を明らかにしなさいと言っているわけです。その上でないと、我々はずっと疑問でしょう。ずっとこんな状態で飛ばされたのではたまらないので、外来機であるAV8Bハリアー攻撃機が沖縄に飛んできて訓練しているさま、今回の場合と通常の場合はどうなっているのかについては、原因究明以前の問題ですから、これを速やかに明らかにすることについては、県としてやってもらいたいということを要望します。

〇謝花喜一郎知事公室長 至極ごもっともな御意見だと思いますので、対応したいと思います。

〇仲宗根悟委員長 ほかに質疑はありませんか。
 當間盛夫委員。

〇當間盛夫委員 ホテル・ホテル訓練区域の一部の返還がありましたが、これはいつごろでしたか。

〇仲村剛農漁村基盤統括監 平成26年7月に一部区域が解除されております。

〇當間盛夫委員 もう少し詳しく、どれぐらいのものの返還だったのか。私は新聞でしか見ていないのですが、ホテル・ホテル訓練区域の一部というのはどれだけの面積が返還されたのですか。

〇仲村剛農漁村基盤統括監 ホテル・ホテル訓練区域は全体で2万800平方キロメートルになっており、現在一部解除されている区域が2300平方キロメートルになっております。

〇當間盛夫委員 この一部返還された区域と残された区域の違いは何ですか。一部返還といっても訓練区域ではあるわけでしょう。

〇新里勝也水産課長 全体として訓練区域はまだ残っておりますが、西側部分の2300平方キロメートルについては、米軍が訓練をしない日、時刻を特定し、前もって通知して、その時間は操業してもよいと位置づけられているところでございます。

〇當間盛夫委員 訓練をしない日がこうだと言えば、そこで操業できると。墜落した場所は、午前6時から午前0時までは訓練があるということで入れないわけですよね。皆さんはここがマグロ等の漁場であると言っていますが、漁民の皆さんは午前0時から午前6時までしかそこで操業していないという話ですか。

〇新里勝也水産課長 墜落した箇所については、訓練区域としてそのまま残っていますし、米軍が朝からずっと使っているので、基本的に漁船は入れないような状況でございます。その中で一部解除されているものについては、訓練区域としては残っていますが、時間、日にちを特定して、その間は操業してもよいということで、一部解除ということになっております。

〇當間盛夫委員 基地だけに漁業者にはいろいろな部分があると思うので、私も調べたいと思います。
 このAV8Bハリアー攻撃機は岩国基地の所属ですが、通常、海兵隊となると普天間飛行場になりますよね。このハリアー攻撃機などは外来機になるわけですが、訓練のときに嘉手納飛行場に飛来する意味は何ですか。

〇謝花喜一郎知事公室長 この機体の所属について照会しておりますが、今のところ県も確認しておりません。ただ、沖縄に来た際には嘉手納飛行場から離陸しておりますが、沖縄防衛局の説明では沖縄の第31海兵遠征部隊の指揮下にあったということです。訓練のため嘉手納飛行場を使用して今回の事故が起きたという説明がございました。

〇當間盛夫委員 嘉手納飛行場は空軍の施設ですよね。空軍の施設に海兵隊の指揮下のものがあるということは、嘉手納飛行場にも海兵隊の指揮下の施設等々があるのですか。普天間飛行場の危険性除去ということであれば、嘉手納統合という話もしたことがあるのですが、日常的に嘉手納飛行場にそういったものが含まれているということになるのですか。普天間飛行場が返されたわけではないので、従来、AV8Bハリアー攻撃機なども普天間飛行場で離発着していたのですか。その辺はどうなっているのですか。

〇運天修参事兼基地対策課長 基本的に戦闘機等は普天間飛行場は使わないような意味合いになっていると思うのですが、嘉手納飛行場にはF18など空軍以外のものも来ておりますし、海軍ももちろん常駐しているわけですから、運用に当たってはどちらと一体になってやるのか、単独でやるのか、そこはいろいろなケースがあると思います。いずれにしても空軍の基地だから空軍しか使えないという形態にはなっていないと思っております。

〇當間盛夫委員 普天間飛行場は戦闘機を使わないというのは、いつごろからですか。

〇運天修参事兼基地対策課長 基本的にターボジェットエンジンの騒音など、そういったものでは指定されていないと思っております。ただし、全く制限されているものではなく、現状として以前から飛行はあったと認識しております。

〇當間盛夫委員 皆さんも整理してもらいたいのですが、普天間飛行場には戦闘機の飛来はしないというものがあるのか。海兵隊の所属でも戦闘機は嘉手納飛行場に飛来するということであれば、間違いなく普天間飛行場の状況は変わっているはずです。今、普天間飛行場はオスプレイ中心のヘリコプターの部分でしかないということなのか。その辺の整理はできていますか。

〇運天修参事兼基地対策課長 普天間飛行場はもともとヘリ機能や空中給油機能、それから、その代替機能というものがあったと思うのですが、給油機能は岩国基地に移転し、ヘリ機能は普天間飛行場の代替施設に移設するということが米軍再編での合意になっていると思いますので、代替機能というのは普天間飛行場の移設に伴ってなくなっていく方向だと思っております。

〇當間盛夫委員 年1回の頻度で沖縄で墜落事故があるということは、幾ら基地の整理縮小をしても、渡名喜島や久米島の周辺、鳥島方面で実弾訓練ができるなど、沖縄周辺の空域、水域でこういう状況が現実にはあるわけです。遅々として米軍基地の整理縮小が進んでいないという現実の中で、周辺の訓練区域の整理縮小も進んでいないことからすると、翁長県政の中でいろいろと陸上の反対もあるのですが、以前の仲井眞県政、稲嶺県政と我々はどう違うのだというところを―ただ抗議したり早目の原因究明を求めるということではなく、翁長県政として訓練区域のことも含めて求めるということは明確に出すべきではないかと。従来とは違うということをしっかりと出してもらいたいと思います。

〇仲宗根悟委員長 ほかに質疑はありませんか。
 渡久地修委員。

〇渡久地修委員 先ほど知事公室長は県民への被害がないということをおっしゃいましたが、どういう意味ですか。

〇謝花喜一郎知事公室長 一歩間違えば、例えば陸上部であれば大変なことになったという中で、海上では船舶にも影響がなかったということで被害はなかったとお話をしました。

〇渡久地修委員 私はこういう認識ではだめだと思います。先ほど農林水産部は漁船への被害や漁業者への直接的な被害はないというようにおっしゃいましたよね。人的な被害や住家など物的な被害はなかったということであれば理解できますが、漁民の精神的な被害、そして向こうに操業に行けなくなるという経済的な被害、嘉手納飛行場周辺、あるいは沖縄県民の精神的な被害、恐怖というのははかり知れないものがあると思うのです。ですから、被害はなかったとは言えません。精神的な被害、経済的な被害、いろいろな被害があると思うので、これは正確に言わないといけないのではないですか。県民への被害はなかったと言えば、司令官の発言と同じになってしまいます。被害があったから我々は抗議もしているし、県としても抗議をしていると思うのです。その辺は認識を改めないといけないので、次からは正確に表現するべきだと思いますが、どうですか。

〇謝花喜一郎知事公室長 我々が使っている被害の報告はありませんという表現は、生命・財産に対することを言っていますが、精神的なものを含めて被害がありませんと言っているつもりは毛頭ございません。ただ、委員から御指摘がありますので、今後、表現等については慎重に言葉を選んで説明したいと思います。

〇渡久地修委員 県が県民への被害はありませんなどと発表したら、これはひとり歩きするのです。人的、物的な被害は幸いにもありませんでしたと言うのであればまだしも、そこは気をつけてください。
 そして、原因究明はとても大事だと思うのですが、国頭村から約150キロメートルをAV8Bハリアー攻撃機が飛ぶのに何秒、あるいは何分かかりますか。

〇運天修参事兼基地対策課長 先ほど申し上げたマッハ0.9というのは最大でございまして、仮に最大で飛ぶと10分ほどです。

〇渡久地修委員 私が計算すると約8分です。約8分で到達するというのは大変なものです。先ほどもありましたが、新聞報道では修理してテスト飛行だったということなのですが、これが事実であれば極めて重大な問題だと思うのです。AV8Bハリアー攻撃機は、いわゆる欠陥機と言われています。欠陥機が故障して、それを修理してテスト飛行だったとすれば、これが沖縄で行われているのであればさらにひどい。報道されていますでは済まされないと思うのですが、事実はどうですか。

〇謝花喜一郎知事公室長 先ほど崎山委員からもありましたように、事故原因の徹底究明以前の問題として、訓練の形態も含めて、訓練を開始する前の状況などについてはお聞きすることができるかと思いますので、早急に確認したいと思っております。

〇渡久地修委員 1959年に嘉手納飛行場を飛び立った飛行機が宮森小学校に墜落していますよね。それは何名の死傷者が出ていますか。

〇運天修参事兼基地対策課長 宮森小学校に米軍のジェット機が墜落したとき、死者17名、負傷者21名となっております。

〇渡久地修委員 宮森小学校に墜落した飛行機の墜落の原因は何ですか。

〇運天修参事兼基地対策課長 詳細な資料は持ち合わせておりませんが、新聞報道で手元に当時のことを記事にしたものがございまして、事故は6月30日に起こっております。5月21日に米軍の委託を受けた民間会社が台湾で整備をして現地のテスト飛行で計器などの異常が見つかったと。嘉手納飛行場に戻って再び整備をして、6月30日のテスト飛行で事故が起きたという記述があります。

〇渡久地修委員 宮森小学校の墜落事故で17名が亡くなって、多くの重軽傷者も出していますが、これも修理してテスト飛行なのです。この新聞報道が正しければ、今回のAV8Bハリアー攻撃機も全く一緒です。ですから、沖縄は訓練が集中しているということだけではなく、このような故障したもののテスト飛行地になっているという実態が、今回明らかになったという点で、ずっと外来機が飛んで来ているということもひどいことですが、こういう欠陥機のさらに欠陥機のテスト飛行地になっているという実態があるのであれば大変です。県民の命が危険にさらされている実態が明らかになったと思うのですが、知事公室長はこの実態をどう思いますか。

〇謝花喜一郎知事公室長 このようなことも含めて、事実関係をしっかり確認しなければならないと思っております。繰り返しになりますが、今回の事故原因の徹底究明を待つ以前の問題として、訓練の状態を早急に米側に説明を求めて、仮にテスト飛行というような話があれば、これは県としても許容できるものではないということは申し上げなければならないだろうと考えております。

〇渡久地修委員 復帰後、米軍機が墜落したのは何件ありますか。

〇謝花喜一郎知事公室長 46件ございます。

〇渡久地修委員 新聞には47件と書いてありましたが。

〇運天修参事兼基地対策課長 県の統計では46件となっております。

〇渡久地修委員 そのうち死者は何名ですか。

〇運天修参事兼基地対策課長 県の統計では固定翼機による死者が2名、行方不明が5名、ヘリコプター―回転翼機による死者が33名、行方不明が19名となっております。

〇渡久地修委員 この行方不明というのは、いまだに発見されていないということですよね。

〇運天修参事兼基地対策課長 これについては当時の統計ということで、そのカウントのままになっていると思います。

〇渡久地修委員 ですから、すごい数の死者が出ているのです。これは大変な実態です。皆さんが言う46件で原因がわかったものは何件ですか。

〇運天修参事兼基地対策課長 平成8年の日米合同委員会で事故の報告をするように合意されておりますが、それ以降に事故が9件発生しており、9件の報告はなされております。

〇渡久地修委員 それ以前は。

〇運天修参事兼基地対策課長 平成6年以降は事故原因は報告されておりますが、それ以前につきましてはあったのか、なかったのかを含めて、確認できていない状況です。

〇渡久地修委員 今、報告されているものの中できちんと究明されたもの、あるいはその中で修理中やテスト飛行だったものはありますか。

〇運天修参事兼基地対策課長 テスト飛行中はありませんが、運用中に機体の整備不良が原因のものは何件かございます。

〇渡久地修委員 修理中やテスト飛行というものは言語道断ですから、こういったものは確実に中止を求めていただきたいと思います。
 次に、これは岩国基地から飛来したということで、沖縄には外来機が世界中から来ていると聞いています。どこから来ているのか把握していますか。

〇運天修参事兼基地対策課長 最近で言いますと、F22がアラスカ州から来ておりますし、F16が幾つかの州から来たりしております。それから、海兵隊の機種だと西海岸、空軍だと東海岸の基地からも飛んで来ていることもこれまでに確認しております。

〇渡久地修委員 韓国からも来ていますか。

〇運天修参事兼基地対策課長 沖縄の常駐機が韓国で訓練するという形で行くのはよく耳にするのですが、韓国から来たということは、新聞報道では見たことがあるのですが実際に確認までは至っておりません。

〇渡久地修委員 韓国から来て訓練しているという報道はなされています。それから、日本本土はどこから来ていますか。

〇運天修参事兼基地対策課長 空軍であれば横田基地がございますし、海兵隊であれば三沢基地、厚木基地及び岩国基地から飛んできていると思っております。

〇渡久地修委員 このように外来機がアメリカのほとんどから、最近は州軍まで堂々と来るようになって、そして、日本本土の三沢基地、厚木基地及び岩国基地や韓国からも来ています。なぜ沖縄に集中して来るのですか。

〇運天修参事兼基地対策課長 我々も国にたびたび訓練について照会するのですが、回答としては米軍の運用に関することなので公表できない、情報はないということでございます。

〇渡久地修委員 米軍の運用を聞いているのではなく、沖縄に外来機がたくさん来るということを県はどう思っているのかということです。

〇謝花喜一郎知事公室長 米側や政府からの具体的な説明はないのですが、県としては沖縄に基地が集中していること、それから、広大な訓練区域が設定されていることが大きな要因ではないかと考えております。

〇渡久地修委員 それから、鳥島射爆撃場とかがありますが、日本全国で射爆撃場があるのはどこですか。

〇運天修参事兼基地対策課長 私が知る限りでは、三沢基地だけかと思っております。

〇渡久地修委員 三沢基地では実弾射撃訓練はできますか。

〇運天修参事兼基地対策課長 模擬弾だと思っております。

〇渡久地修委員 沖縄に設定されている米軍訓練空域・水域は何カ所ですか。

〇運天修参事兼基地対策課長 空域は29カ所、水域は27カ所です。

〇渡久地修委員 先ほど答弁があったように、世界中から外来機が飛来するのは、このように広大な訓練空域と訓練水域が設定されていて、実弾を使った射撃訓練ができるということですよね。今から数年前に経済労働委員会で鳥島射爆撃場を視察することができたのですが、行ってびっくりしました。緑が1本もない。かつてはきれいな山だったらしいのですが、山が半分なくなっているのです。やがて山がなくなるのではないかと地元の人は言っていましたが、それぐらいひどいことが行われているのです。この訓練区域が設定されているところは豊富な漁場ということなのですが、経済的な損失はどれぐらいですか。

〇仲村剛農漁村基盤統括監 米軍提供水域施設内の漁業損失額は明らかにはなっておりませんが、現在、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約に基づき日本国にあるアメリカ合衆国の軍隊の水面の使用に伴う漁船の操業制限等に関する法律―漁船の操業制限法に基づいて防衛省が漁業者等に対して訓練水域内の操業制限に伴う補償金を支払っております。その金額をもって漁業損失と見れば、平成26年度の支払額で約7億4200万円となっております。

〇渡久地修委員 先ほど経済労働委員会で視察したと言いましたが、多くの漁民も米軍訓練空域・水域を返してほしいと。そのほうが自分たちは漁業で生活していけるという話がありますが、そういう認識でいいですか。

〇仲村剛農漁村基盤統括監 県としましては、これまでも重ねて米軍訓練空域・水域の返還を求めておりますので、その方向でよろしいかと思います。

〇渡久地修委員 とにかく今回のAV8Bハリアー攻撃機の墜落は到底容認できません。本当にテスト飛行であれば、宮森小学校と事態は全く一緒だということで、毅然として中止を求めてほしい。それから、外来機が世界中から沖縄に来ているのは訓練空域と訓練水域があるからだということで、県としては外来機の飛来を中止せよと強く申し入れるということと、米軍訓練空域・水域、射爆撃場の返還を求めること。この3つについて、最後に知事公室長の見解を聞かせてください。

〇謝花喜一郎知事公室長 まず、米側からの詳細な結果の報告を待って県の対応方針を検討させていただくということは答弁させていただきました。ただ、それ以前の問題として、いわゆるテスト飛行などに関しては、あってはならないと思っておりますので、この件につきましては事実関係を確認の上、対応します。それから、外来機の問題につきましても、広大な訓練区域や射爆場が背景にあるだろうということは答弁させていただいたところです。こういった中で、県はこれまで漁民の操業という観点から訓練区域の解除や返還を求めていますが、過重な基地負担の観点から、外来機の飛来等も絡めて、米軍訓練空域・水域の返還を求めていくということを検討しなければならない時期に来ているのではないかと考えています。

〇渡久地修委員 ぜひ毅然としてやっていただきたいと思います。

○仲宗根悟委員長 ほかに質疑はありませんか。
 照屋守之委員。

〇照屋守之委員 こういう事件・事故が起こったときの対応は非常に考えているのですが、以前も凶悪な犯罪があったり、飲酒運転などもあって、県も強い決意で国や米軍と協議をしながら防止すると言っておりましたが、そういう日常のいろいろな事件・事故についてはどう対応しているのですか。

〇謝花喜一郎知事公室長 ことし4月の痛ましい事件を受けまして、また、相次ぐ飲酒運転等もありましたので、県としては、特に米側に対して研修内容について県と十分な打ち合わせの上、研修内容を確定してほしいということを強く要請し、米側もそれに対してしっかり対応するという答えをいただいたところです。その研修内容については、おおよそ県の意見も取り入れていただいている部分もありますが、まだ過去の歴史的な部分も含めて、十分に研修内容に反映されていない部分もございましたので、改めて米側に研修内容の改定を求めている段階でございます。

〇照屋守之委員 研修内容を確認するということで、全然具体的に進んでいないわけでしょう。そういうトラブルがあって、またこういう墜落がある。そして対応する。研修内容を確認する。その程度ですよね。何で日常的に米軍の中に入っていって、県民はこうだ、沖縄県はこうだと。皆様方は日米安全保障体制のもとで日本を守り沖縄を守るということについては認めると。しかし、基地負担については県民は非常に大変なことだと。それだけでも大変なのに、事件・事故、墜落、殺人も含めて恐ろしいことではないかと。ですから、これは日常的なそういうことでしか改善できないのではないですか。何でそれをやらないのですか。何が研修内容の確認ですか。

〇謝花喜一郎知事公室長 日常的なことというのは、相手方との関係もありますが、県としてはあのような事件があって以降、米側との意見交換はこれまでより回数等も多くして行っているところです。先ほどの研修内容の話も膝を交えての意見交換なども行った結果として、そういった話ができていると考えております。

〇照屋守之委員 結局なされていないからこういう事態が起こるわけです。ワシントン事務所はどのように機能しているのですか。沖縄でできない分を、アメリカの議会も米軍も含めて、事件・事故を日常的に改善していく。沖縄でできないからわざわざワシントン事務所を構えて、県の職員を置いてやっているわけでしょう。置いた後にも、凶悪事件も含めてずっとトラブルが起こっています。こういうトラブルを防ぐためにどう機能しているのですか。

〇謝花喜一郎知事公室長 沖縄の基地問題については、ワシントン事務所からも情報発信を行っているところです。また、米国民側に向けてより詳細な情報提供が必要だということで、米国民向けのホームページ等についても整理を行っているところなので、早い段階でそれも発信してまいりたいと考えております。

〇照屋守之委員 米国民に訴えたって何もならないでしょう。実際の政府や議会、軍などというところで、沖縄では殺人もある、飲酒運転もある、墜落もあって大変です。基地負担も大変です。日本国政府と直接やっているが、らちが明きません。ですから、沖縄県として事務所を構えました。一つ一つそこに入り込んでいって、こういうことですから沖縄の基地のありよう、兵隊の意識も含めてしっかりやってくださいと。いつやりますか、何をしますかという形でやるから、ワシントン事務所に1億円余りもかけて、効果を出さないといけないわけでしょう。何もなければ引き上げたほうがいいです。そういうことも含めて、翁長県政としてはこういうこともして、今までの県政と変わって、トラブルを起こさないようにやっているにもかかわらず、殺人事件は起こる、飲酒運転も起こる、墜落事故も起こる。これはどういうことですか。何で真剣にさせないのですか。こういうトラブルが起こらないようにアメリカで情報収集をしても、米国民に訴えても何の意味もないです。当事者の米軍に、国の役人に訴えて、あちらからここにフィードバックさせて対応させる。パイロットは大丈夫か、欠陥機と言われているが大丈夫かなども含めて、県民に不安を与えているということを向こうに言うべきではないですか。何でやらないのですか。

〇謝花喜一郎知事公室長 そういったことは重要だと思いますので、今までもワシントン事務所を通して関係要路に説明もしておりますが、今度は米国民向けにホームページ等で県の実情をしっかりと情報発信したいと考えております。

〇照屋守之委員 我々は、こういうトラブルが起こらないようにすることがアメリカにおけるワシントン事務所の存在であり、防止をしていくという位置づけですから―この予算に対して我々は否定的だったのですが、本当に成果を出してもらいたいのです。県民に対して、これだけの成果が上がって沖縄における事件・事故も減ったという形で言えば、我々も否定していたが間違っていたと。今の県政がしたことは正しかったと言えるわけでしょう。今のような事態になると、やはり我々は予算を認めない。我々のほうが正しかった。何の効果もないではないかという話になるわけです。それも、1年、2年です。我々は、基本的な部分で、この事件・事故の対応をどうするかと考えていますが、改めて今の日米安全保障体制のもとで日本が守られ、アメリカが守られという認識を持っております。知事公室長も認識は一緒ですか。

〇謝花喜一郎知事公室長 日米安全保障体制が我が国の安全のみならず、東アジアの安全に貢献していることは認識しております。

〇照屋守之委員 ですから、これだけ長年にわたって我々が基地を負担し、事件・事故があっても、県内の基地というのは沖縄を守っているという大半の認識があると思います。ただ、そこで米軍基地の整理縮小の問題と事件・事故を防いでいくということが非常に大きな課題になるわけです。今、重要になっている尖閣諸島の領土問題、この嘉手納飛行場を含めて、米軍基地がどのような役割をしていると思いますか。

〇謝花喜一郎知事公室長 まず、米側の基本的なスタンスですが、米側は安全保障体制として日本の領土、領海、領空を守るということはおっしゃっておりますが、尖閣諸島の領有権については、しっかりと言及はしていません。ただ、尖閣諸島で何かあれば対応するということは言っていただいている流れの中で、在日米軍が尖閣諸島に対して一定の役割を果たしているのではないかと考えております。

〇照屋守之委員 私も同じように、今の日本の自衛隊の法律的な位置づけ、国の防衛体制からすると、尖閣諸島周辺の陸や海で毎日起こっていることを海上保安庁が対応している事態は―恐らく対応できないと思っているのです。中国も、米軍が沖縄県に基地を構えていて、そこは日米安全保障体制の領域だということで対応しているから、緊張状態ではありますが何とかおさまっているという状況です。我々は、沖縄の基地負担は大変だ。こういうトラブルが起こってとんでもないということと、もう一つは尖閣諸島、これは県土であり、国土であり、領土、領空、領海を含めて、そこは我々国民の権利として守っていかないといけない。そこが侵されると大変なことだということ。この両方を同時に背負っているわけです。ですから、非常に悩ましくて―おととい七、八機の中国の飛行機が宮古島上空を飛んだでしょう。それを説明してもらえますか。

〇謝花喜一郎知事公室長 報道はありますが、この部分については、けさ照会を行っているところで、まだ回答はいただいておりません。

〇照屋守之委員 いずれにしても異常な状態ですよね。8月5日でしたか、中国漁船が300隻ぐらい来て、中国の公船が来て、この漁船に中国の民兵がたくさん乗って、海上保安庁は12隻ぐらいと。あれだけの漁船が一気に来ると10隻あたりでは対応できませんよね。今度は空から飛行機が飛んできました。ゆゆしき事態です。ですから、今の嘉手納飛行場のありよう、AV8Bハリアー攻撃機などの戦闘機の問題、外来機の問題も含めて、いかに沖縄を守って、どのぐらいの関連性があるのかということを、やはり県はしっかり国や米軍と連携をとる。彼らの訓練など軍事的な機密があるにしても、おおまかにこういう形で基地が存在しているということを把握した上で県民にも説明してもらわないと―あれとこれは全く関係ありません。基地は基地の問題。全く別物という位置づけはできないと思います。そこは整理されていますか。

〇謝花喜一郎知事公室長 この問題にはいろいろ意見があると思いますが、日米安全保障体制で我が国の領土、領海、領空について一定の役割が果たされているということは認識しつつも、沖縄だけに米軍基地が過重に集中しているのはおかしいのではないかと多くの県民の方々が思っているという中で、確かに尖閣諸島は沖縄県の行政区域に入りますが、沖縄県だけに米軍基地を集中させることによってしかできないのかということを考えなければなりません。先ほど来、議論がございますが、外来機の多さ、それに伴う沖縄市、嘉手納町を中心とした地域住民への騒音等による基地被害、それから今回の事故による精神的な不安も含めて、これはこれとして議論していかないと、尖閣諸島の問題も重要ですが、それがあるからこれはいいということにはなかなかならないのではないかと考えております。尖閣諸島等を含めた領土、領海、領空を守ることについては、政府においてしっかり議論をしていただきたいと思いますが、一方で沖縄県の過重な基地負担についても政府においてしっかりと認識した上で対応していただく必要があるのではないか。これが沖縄県のスタンスではないかと考えているところでございます。

〇照屋守之委員 沖縄県を全て政府に丸投げする。こんな自治体がありますか。我々はどうしてほしい。これは絶対に守らないといけない。幾ら仲がよくても、隣近所から我々の財産に入り込もうとするのに、あなたおかしいでしょうと言うのは一般常識でしょう。ですから、こういうものを国に丸投げして、過重な基地の負担、整理縮小も国に丸投げして整理縮小ができていますか。反対はしても、整理縮小していないでしょう。めどはつけていますか。こういうめどもつけることができない。県土、国土では緊張状態で、八重山地域の人たちは命さえ脅かされているのです。漁民は大変です。恐ろしくて漁に行けないと、海上保安庁がやめてくださいと言っているのです。そういう事態になっている中で、領土の問題と基地の問題は両方合わせて考えないといけません。命を守らないといけない。県土を守らないといけない。基地の整理縮小をしないといけない。だから、県知事の政治力が必要だという話です。裁判などでこれが解決できますか。国だって、沖縄県の土地でしょうと。あなた方がもっと一生懸命どうしたい、ああしたいというのが一義的ではないかと。アメリカだってそうでしょう。尖閣諸島は日本の領土でしょうと。何で日本がもっとしっかり頑張ってくれないのか。もちろん日米安全保障体制は対応しますが、我々はプラスアルファだと考えているかもしれません。ですから、こういう事故が起こったときに改めて沖縄の基地のありようがどうなって、どういう役割を果たしてきて、今、国も含めて重要な課題を抱えている尖閣諸島の領土、領空、領海の問題も含めて、総合的に一体として国と真剣に膝を交えて協議をし、県として米国、米軍ともどうするのかということが問われていると思うのです。その中で、このトラブルは何としても防ぐ。この仕組みをつくっていく。そのために県民の代表として県が堂々とこれもやれ、あれもやれ。何でやっていないのですか。いつやるのですか。早く協議を開催してください。これではだめです。これをやってください。あれをやってください。そういうところまでやっていかないと、70年たってもずっと同じことです。同じような抗議決議をして、意見書を出して、また繰り返す。そういう姿勢がだめだから、県のそういう提言も受けてやろうとお互い確認したのではないですか。ですから、それをしてくれという話です。いかがですか。

〇謝花喜一郎知事公室長 提言を受けてのお話は大事なポイントだと思っておりますので、そのようにしっかりと対応させていただきたいと思います。

○仲宗根悟委員長 ほかに質疑はありませんか。
 金城勉委員。

〇金城勉委員 嘉手納飛行場から飛び立ったAV8Bハリアー攻撃機が墜落したわけですが、2010年に嘉手納ラプコンの返還がされました。県は、国と米軍に返還を要望してきたのですが、どういう理由で返還を要求しましたか。

〇運天修参事兼基地対策課長 航空交通管制にかかわることについては復帰後も米軍の管轄となっていたことに対して、航空交通管制については、日本側が行うべきだという趣旨で嘉手納ラプコンの移管を求めたと思っております。

〇金城勉委員 ですから、航空交通管制を日本側が行うべきだという理由です。こういうことに支障を来しているとか、こういうことで危ないとか、具体的に日本側が管理しないといけない理由の中身について聞いているのです。

〇運天修参事兼基地対策課長 過去に嘉手納ラプコンが故障したことによって民間航空機の離発着に影響が出たり、米軍のミスでレーダーの故障に対する情報が適切に行われないという状況も発生しました。こういったことが背景にあるかと思っております。

〇金城勉委員 理由として挙げるには少し弱いです。当然、日本側が管理することによって事故を防ぐ、あるいは運用を安全に行うということも狙いとしてあるのでしょうが、民間機と米軍機が錯綜する中でどういう状態が民間機にとって不都合があったのでしょうか。

〇謝花喜一郎知事公室長 私も企画部長時代に管制を見させていただきましたが、一番大きなメリットとして彼らが話していたのは、ほかの空港を離発着する航空機の状況をつぶさに把握することができるという説明がございました。刻一刻と民間機や米軍機の動きがわかります。そういった中で、航空交通管制が日本側に移ったということは、沖縄県の観光産業の観点からも安全、安心な形で運航を確保できるというメリットがあると説明を受けたと記憶しております。

〇金城勉委員 県が課題として抱えていた運航の管理体制、そして、日米の飛行機の運用のあり方は県が求めたとおりに改善されていますか。

〇謝花喜一郎知事公室長 高度制限等はございますが、一定程度、使用状況等も踏まえて民間機の全体の運航状況を確認した上で管制業務ができるということは、外国の路線が相当程度ふえている中で、こういったことがなければ今のような現状はできなかったと思いますので、効果は出ているのではないかと考えております。

〇金城勉委員 知事公室長は、その辺の状況分析ができていない。嘉手納ラプコンの返還前と返還後、何が問題で返還を要求したのか。返還がなされたことによって民間機にどういうメリットが出てきたのか。米軍の運用はどうなっているのか。そういうことをつぶさに分析をしないと、今の問いには答えられません。実際は、米軍の運用を優先するということは変わっていません。飛行制限空域も―民間機は今でも離発着するときには低空飛行をしています。低空飛行ということは、例えば乱気流に巻き込まれた場合には非常に危ない。ですから、そういう管理権を返してくれと。民間機の安全を確保するためにも必要だということでやってきましたが、実際の運用実態は変わっていません。管理権は日本側の国土交通省に任せますが、運用については今までの米軍優先を確保するということが実態なのです。そこを知事公室長、あるいは基地対策課としてもっとつぶさに状況を確認して、民間機が安全確保できるように―しかも、これだけの観光客が押し寄せて、非常にいい形でやっていますが、即、そのまま飛行機の安全をもっとシビアに考えないといけない状況に来ているので、そのためにも米軍機と民間機の運用のあり方をきちんとしないと、そのための嘉手納ラプコンの返還であったわけですから、実際はそういう形になっていないということをもっと調べてほしいのです。そして、調べた上で具体的に日米両政府にどういうことを求めていくのかということをきちんと整理していただきたい。どうですか。

〇謝花喜一郎知事公室長 嘉手納ラプコンについて詳細な資料を持っておりませんでしたので、この分について十分な回答ができなかったかと思いますが、委員から御指摘のなぜ求めたのか、それによるメリット、まだ課題があるのではないかといったことについては、再度、国土交通省等を含めて確認をしておきたいと思います。もしも、課題等が確認できれば、改めて県としてしっかり検討を行った上で、必要な対応を要請したいと。まずは事実関係をしっかり確認させていただきたいと思います。

〇金城勉委員 非常に重要だと思います。今回のAV8Bハリアー攻撃機の墜落事故についても、運用実態をつかむ中で具体的な再発防止に対する提言もできるわけですから、ぜひ頑張っていただきたいと思います。

○仲宗根悟委員長 ほかに質疑はありませんか。
 末松文信委員。

〇末松文信委員 訓練の事前通報ですが、この制度は今もあるのですか。

〇運天修参事兼基地対策課長 県には定期的に米軍訓練空域・水域、それから施設での訓練の通報はございますが、詳細な時間や内容といったものは含まれておりませんので、県としては沖縄県軍用地転用促進・基地問題協議会―軍転協の要請の中で、詳細な情報を提供するよう求めているところでございます。

〇末松文信委員 漁船の安全操業や航行している船の安全確保のために事前に通報する制度があるわけですよね。その中で、いつからいつまで、どの時間帯にここで訓練するという具体的な通報はないのですか。

〇運天修参事兼基地対策課長 事故がありましたホテル・ホテル訓練区域ですと、8月17日に通報がございまして、9月1日から9月30日まで、毎日午前6時から午前0時までの間、演習内容としては空対空、空対水、水対水、水対空の訓練演習を行うという通報がございます。

〇末松文信委員 今、聞きますと、年中訓練しているという通報になっています。そういうことに対応して漁業補償が発生しているのですか。

〇仲村剛農漁村基盤統括監 そのように捉えて結構だと思います。

〇末松文信委員 それから、外来機が嘉手納飛行場に飛来しているということですが、嘉手納飛行場の運用上、外来機を制限できる状態にありますか。

〇謝花喜一郎知事公室長 運用上というよりも、常駐機においても嘉手納町を初め、沖縄市及び北谷町の方々は騒音や排気ガス等による被害、苦情を訴えているわけです。なおかつ外来機まで加えると、地域住民の健康被害等も含めて大変懸念されますので、県は訓練の低減、ましてや外来機の飛来をやめてもらいたいと要望しているところでございます。

〇末松文信委員 どのくらい効果があると思いますか。

〇謝花喜一郎知事公室長 残念ながら、県が外来機の飛来がふえたと要望してから、目に見えるような形で飛来がとまっていることはございませんので、もう少し現地の司令官とも真剣に議論を重ねなければならないだろうと思っています。特に嘉手納町と沖縄市におかれては、SACO合意に基づいて訓練を低減させるということがあって、それを何度も要求しているようです。過去に一度、1カ月程度ですが、訓練が海外で行われて騒音等の被害が低減したというような実態もあるものですから、そういったことを踏まえて、訓練の海外での実施等を求めていきたいと思います。ましてや外来機については、飛来していただきたくないという思いは県も共有しているところです。

〇末松文信委員 そういう観点から、先ほど照屋委員からもありましたが、やはり常日ごろのお互いのつき合いといいますか、信頼関係を構築することが大事ではないかと思いますが、いかがですか。

〇謝花喜一郎知事公室長 4月に知事公室長の仕事をさせていただきましてから、私が重視しましたのは、地元の首長との意見交換でございます。そういった方々からお話を聞きますと、地域の基地の司令官等との意見交換を地元の首長の皆様は大変丁寧にやっていると。率直に意見交換ができる方もできない方もいます。いろいろな機関が基地問題に絡み合ってはいますが、県としてはそういったことも含めて基地の現状の把握、そして、課題解決に向けた対応が必要だろうと考えているところでございます。

〇末松文信委員 そういうことが一番大事だと思いますので、ぜひ頑張ってください。

○仲宗根悟委員長 ほかに質疑はありませんか。
 新垣清涼委員。

〇新垣清涼委員 今回、墜落事故が発生して、米軍はAV8Bハリアー攻撃機を飛ばさないと言っていましたが、現在、飛んでいるのか、とまっているのか。

〇謝花喜一郎知事公室長 けさ時点で訓練を再開しているという報告はございませんので、訓練は再開していないと理解しております。

〇新垣清涼委員 原因究明の報告はありますか。

〇謝花喜一郎知事公室長 まだでございます。

○仲宗根悟委員長 ほかに質疑はありませんか。
 親川敬委員。

〇親川敬委員 再発防止についてですが、先ほど知事公室長は原因究明を行って、その報告があった時点で対応していくと。これは当然のことだと思いますが、事故が復帰後46件も起きているという中で、例えば今回も過去と同じ原因で墜落事故が起きているのであれば、ゆゆしき問題だと思うのです。もちろん事故はないほうがいいのですが、過去46件の原因究明については全部報告があったのでしょうか。

〇謝花喜一郎知事公室長 先ほど基地対策課長からございましたように、平成8年以降、事故調査報告書を県に報告いただいております。その中で具体的に報告いただいているものは我々の手元にございます。そういったものも含めて、今、委員の御指摘は、似たようなものがあれば本質的に問題があるだろうということで、その対応のことをおっしゃっていると思いますが、その辺は我々も重要なポイントだと思っております。

〇親川敬委員 原因究明を待って、その報告を受けて対応を考えるのではなく、常に迎え撃つという体制で、過去にこういうことがあって、もし今回も同じ原因で報告書が上がってくるのであれば許さないと。即刻そういうことはやめてください、改善してくださいというスタンスで臨むべきだと思いますが、いかがですか。

〇謝花喜一郎知事公室長 そういったことは重要だと思っております。

○仲宗根悟委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○仲宗根悟委員長 質疑なしと認めます。
 以上で、米軍AV8Bハリアー攻撃機墜落事故についての質疑を終結いたします。
 説明員の皆さん、大変御苦労さまでした
 休憩いたします。

   (休憩中に、執行部退席)

○仲宗根悟委員長 再開いたします。
 米軍AV8Bハリアー攻撃機墜落事故に関する意見書及び同抗議決議を議員提出議案として提出することについてを議題に追加することについては、休憩中に御協議をお願いいたします。
 意見の一致を見たときは、本件を議題に追加し、諮ることといたします。
 休憩いたします。

   (休憩中に、議題の追加について協議をした結果、追加することで意見の一致を見た。)

○仲宗根悟委員長 再開いたします。
 米軍AV8Bハリアー攻撃機墜落事故に関する意見書及び同抗議決議を議員提出議案として提出することについては、休憩中に御協議いたしましたとおり、議題に追加し、直ちに審査を行いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○仲宗根悟委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 米軍AV8Bハリアー攻撃機墜落事故に関する意見書及び同抗議決議を議員提出議案として提出することについてを議題といたします。
 休憩いたします。

   (休憩中に、意見書及び同抗議決議の提出について協議した結果、意見書及び同抗議決議を提出すること、提案者は本委員会の全委員とし、提案理由説明者は委員長とすること、要請方法としては、本島内は直接要請し、県外は文書送付すること、議員派遣について議長に申し入れること等について意見の一致を見た。)

○仲宗根悟委員長 再開いたします。
 議員提出議案としての米軍AV8Bハリアー攻撃機墜落事故に関する意見書及び同抗議決議の提出については、休憩中に御協議いたしましたとおり決することに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○仲宗根悟委員長 御異議なしと認めます。
  よって、さよう決定いたしました。
  以上で、本日の議題は全て終了いたしました。
  次回は、10月4日 火曜日 常任委員会終了後、委員会を開きます。
  委員の皆さん、大変御苦労さまでした。
  本日の委員会は、これをもって散会いたします。






沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。


委 員 長  仲宗根   悟