委員会記録・調査報告等

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米軍基地関係特別委員会記録
 
平成28年 第 1定例会閉会中

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開会の日時

年月日平成28年5月23日 曜日
開会午前 10 時 2
閉会午後 2 時 15

場所


第4委員会室


議題


1 軍使用土地、基地公害、演習等米軍基地関係諸問題の調査及び対策の樹立(元海兵隊員の米軍関係者による女性死体遺棄事件について)
2 元海兵隊員の米軍関係者による女性死体遺棄事件に関する意見書及び同抗議決議について(追加議題)


出席委員

委 員 長  新 垣 清 涼 君
副委員長  又 吉 清 義 君
委  員  花 城 大 輔 君
委  員  照 屋 守 之 君
委  員 仲 田 弘 毅 君
委  員  仲宗根   悟 君
委  員 新 里 米 吉 君
委  員  吉 田 勝 廣 君
委  員  嘉 陽 宗 儀 君
委  員  當 間 盛 夫 君
委  員  比 嘉 京 子 さん

委員外議員  なし


欠席委員

玉 城 義 和 君


説明のため出席した者の職・氏名

知事公室長      謝 花 喜一郎 君
 基地防災統括監   池 田 竹 州 君
 参事兼基地対策課長 運 天   修 君
 警察本部刑事部長  渡真利 健 良 君
 警察本部参事官兼刑事企画課長
           山 田   聡 君



○新垣清涼委員長 ただいまから、米軍基地関係特別委員会を開会いたします。
 本委員会付議事件軍使用土地、基地公害、演習等米軍基地関係諸問題の調査及び対策の樹立に係る元海兵隊員の米軍関係者による女性死体遺棄事件についてを議題といたします。
 本日の説明員として、知事公室長、警察本部刑事部長の出席を求めております。
 まず、元海兵隊員の米軍関係者による女性死体遺棄事件について審査を行います。
 ただいまの議題について、知事公室長の説明を求めます。
 謝花喜一郎知事公室長。

○謝花喜一郎知事公室長 御説明の前に、今回の事件でお亡くなりになられた被害者の御冥福をお祈りするとともに、御遺族に対し、心よりお悔やみを申し上げます。
 それでは、ただいま議題となっております元海兵隊員の米軍関係者による女性死体遺棄事件について、県の対応を御説明いたします。
 4月28日から女性が行方不明になっていた事件で、去る5月19日、米軍属の男性が死体遺棄容疑で逮捕されました。
 無事に発見されてほしいとの願いもむなしく、最悪の展開になってしまい、痛恨のきわみであります。
 かかる非人間的な事件が発生したことは、基地と隣り合わせの生活を余儀なくされている県民に大きな衝撃を与え、新たな不安を招くものであり、断じて許されるものではありません。
 県は、これまで米軍人・軍属等による事件・事故が発生するたびに、綱紀粛正、再発防止及び兵員教育の徹底等を米軍等に何度も繰り返し強く申し入れてきたところであります。
 そのような中、去る3月にも那覇市内で米海軍兵を被疑者とする準強姦事件が発生し、このような事件が二度と起きないよう、米軍及び日米両政府に強く要請したところであります。
 それにもかかわらず、またもやこのような事件が発生したことについて、激しい怒りを禁じ得ません。
 今回の事件については、去る5月20日、県庁において水上特命全権大使、井上沖縄防衛局長、ニコルソン四軍調整官、エレンライク在沖米国総領事から謝罪の言葉があり、安慶田副知事が強く抗議をしております。
 また、本日、翁長知事が安倍総理大臣、菅官房長官と面談し、抗議することとなっております。
 県としては、米軍に起因する事件・事故は一件たりともあってはならないと考えており、今後とも綱紀粛正及び再発防止が、より実効性を伴うものとなるよう米軍及び日米両政府の責任において抜本的な対策を講ずるよう強く求めていきたいと考えております。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

○新垣清涼委員長 知事公室長の説明は終わりました。
 次に、警察本部刑事部長の説明を求めます。
 渡真利健良刑事部長。

○渡真利健良刑事部長 元海兵隊員の米軍関係者による女性死体遺棄事件について御説明いたします。
 本年4月28日から、うるま警察署管内において行方不明となっていた島袋里奈さんの安否と所在について捜査中でありましたが、残念なことに5月19日、被疑者の供述により、島袋里奈さんの御遺体を発見し、32歳の米国籍男性を死体遺棄の事実で緊急逮捕しております。
 逮捕した被疑者につきましては、平成28年5月20日に那覇地方検察庁に送検しております。
 沖縄県警察におきましては、5月19日にうるま市内における成人女性殺人・死体遺棄事件特別捜査本部を設置し、事件の全容解明に向け捜査に取り組んでいるところであります。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

○新垣清涼委員長 刑事部長の説明は終わりました。
 これより、元海兵隊員の米軍関係者による女性死体遺棄事件について質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないように簡潔にお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 比嘉京子委員。

○比嘉京子委員 今、謝花知事公室長から、実効性のある対策を求めるという報告がありましたが、県が考えている実効性のある対策とはどのような対策でしょうか。

○謝花喜一郎知事公室長 県は、これまでも綱紀粛正等を再三申し入れてきたところでございます。先ほども申し上げましたように、3月にも米軍人による事件がありまして、リバティー制度の見直しと検証等について申し入れを行い、具体的な研修等については県からも提案を申し上げて、それについて着手しようとしていたやさきにこのような事件が起こっております。これまで何度もこういったことが繰り返されているということで、実効性のある抜本的な対策を申し入れております。例えば、本日、知事は安倍総理大臣にお会いしますが、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定―日米地位協定の見直しも含めて、実効性のある抜本的な対策を求めていく必要があるのではないかと考えているところでございます。

○比嘉京子委員 今の答弁では、再発防止はできないのではないかと思います。この種の答弁は県議会において繰り返しされてきました。先ほどいみじくも知事公室長がおっしゃったように、3月にもあったばかりです。そして、たしか4月にはワーキングチームの会議もありました。そのようなことがありながら、2カ月もしないうちに起こった。沖縄の本土復帰後、凶悪事件が500件余り繰り返されてきたのにもかかわらず、同じような方法論をおっしゃるということは、ある意味で県にも問題があるのではないかと思います。どうすれば実効性があるのか。基地が存在するわけですから、例えば外出禁止令を出してほしいとか、フェンスの外に出るなとか、本当に実効性を求める姿勢が県には欠けているのではないかと思われるのですが、いかがですか。

○謝花喜一郎知事公室長 県は3月の事件が起こった際に、外出禁止―例えば、出張中、休暇中、駐留中、あるいは日本を経由して勤務移動中の者を含むE5以下の階級の兵士は、午前1時から午前5時の時間帯は外出してはならないということの申し入れをしております。また、米軍施設内、施設外の自宅、滞在先、施設間の移動中、公務中についても、外出を禁止する時間帯をしっかり検討してほしいということを申し入れていたところでございます。さらに、研修等を実施していることについても、研修内容の公表、また、それが実効性あるものかどうか見学させていただきたいということで、これまでより具体的に踏み込んで米側に求めてきました。その際に、沖縄地域調整事務所から実効性ある措置に関して話し合いの場を設けたいという言葉がございまして、例えば、6月中には研修の見学等を実施したいと回答があったやさきのことでございます。

○比嘉京子委員 この事件が起きたのは午後8時から午後9時の時間帯ですよね。そうすると、時間帯で縛ったり、今、言っているような要求では私は犯罪は防げないと思います。もっと踏み込んで、沖縄県が日本政府に何をどう言うのかが求められていると思うのですが、いかがですか。

○謝花喜一郎知事公室長 今回の被疑者は、いわゆる軍属で、しかも基地外に住んでいたということで、今、私が申し上げたようなことについては対策が及ばない可能性がございます。そういった軍属に対しても規制の網をかぶせるということについて、政府においても言及しておりますし、我々も強く求めていきたいと考えております。

○比嘉京子委員 私は、日本政府の沖縄県に対する意識を変えていかないといけないと思います。沖縄だからこそ切り捨てられ、サンフランシスコ講和条約ができたのだろうと思うのです。その構造的な意識が脈々とあると思います。その上に立って、アメリカ追従の日本政府のありようがあるわけです。そういう不平等な条約をずっと続け、地位協定を変える意思がないところを見てもわかると思います。そして、せんだっての水上特命全権大使の発言。いわゆる責任の所在さえも明確にできない大使がいるわけです。こういうことを総合的に考えて、今の対応で沖縄県はいいのでしょうか。

○謝花喜一郎知事公室長 先ほど来、お答えさせていただいていますように、これまでないような抜本的な見直しが必要だと考えております。ですから、これまで軍人等が中心だったものを軍属まで広げる。それから、安慶田副知事から水上特命全権大使、井上沖縄防衛局長に対して、沖縄の実情をよく見ていただいて、政府としてどういったことができるのか、どういったことを米側に求める必要があるのか、しっかりと議論してほしいということまで申し入れております。私も同様な気持ちでございまして、日米両政府は沖縄の実情をつぶさに見て、女性が夜8時の時間帯に安心してウォーキングできないという実態が異常であることを認識していただいて、その対応策を検討していただきたいと考えております。

○比嘉京子委員 そもそもの意識の違いの中に今日が置かれています。我々が沖縄防衛局や外務省沖縄事務所に訴えに行って発言を聞いていると、どの側に立っている官僚なのかがよくわからない。軍隊を守るための官僚に見えるわけです。ということは、沖縄県民の命は同等に扱われていないと思うのです。命どころか、人権も尊厳も同等ではありません。そういうことを、今回、どう踏み込んで言っていくのか。基地は存在するわけですから、禁止令をぜひとも訴えてほしい。その上で全面撤去を訴えていく必要があると思うのです。これはなくなりません。何十年間も同じことを繰り返していますし、再発防止論、綱紀粛正論、それから教育の見直し、実効性、この言葉を県民は二度と聞きたくないと思っているのです。それに対して、県としてどう応えるかということが問われていると思います。日本政府のある意味での構造的な差別を、どのように変えていくおつもりですか。地位協定をどうするつもりですか。

○謝花喜一郎知事公室長 先ほどもお答えしましたように、その実情を日米両政府がしっかり認識することから始まらなければならないと考えております。沖縄に基地あるがゆえに夜間にウォーキングもできない実態。これはやはり異常としか言いようがないと私も考えております。それについて、しっかりと日米両政府は―基地があり、そこに米軍人・軍属がいるからこそこういった事態が起こっている。それならば、どのような対策を講ずるか。それが実効性のあるものかどうか。それをまずしっかり考えていただいて、そして県に提案していただければと思っております。一方で、先ほど少しリバティー制度についてもお話ししましたが、県はこれまでよりも検証作業により重点を置いた提案をさせていただいております。そういったものを一つ一つ積み重ねながら、事件・事故を一切起こさないような体制に持っていく必要があるのではないかと考えております。

○比嘉京子委員 この考えがある一方で、軍隊は構造的な暴力装置という言い方があります。きのうの女性たちの集会でもそうですし、その前の記者会見における抗議文の中にもあるのですが、そもそも軍隊というものは、平時であろうと有事であろうと、言ってみれば構造的に暴力的な組織であり、組織そのものに問題があると。そういう人たちは塀の外と中で使い分けられるわけがない。そういう人たちと共存している。そして、過重な負担の状況こそが問題であって、今のような教育とか何とか―言ってみれば、軍隊をつくるからには個人を無にするわけです。我々女性たちが訴えているのは、私たちの人間としての安全保障と軍隊の構造的な組織というのは相反し、共存できない。その考えについてはいかがですか。

○謝花喜一郎知事公室長 そういった御意見があることについては私も承知しております。一方で、県におきましては日米安全保障体制を認める立場というところもございます。そういった中で、沖縄の中に基地があるのか、基地の中に沖縄があるのかという議論もありますが、基地あるがゆえにこういった事件・事故が起こっていることも事実であると私は認識しております。県としましても、これまでにない抜本的な対策を引き続き日米両政府に求めていく必要があると考えております。

○比嘉京子委員 県警察にお聞きしますが、そういう犯罪を防ぐ方法について、何か得策をお持ちでしょうか。

○渡真利健良刑事部長 県警察におきましては、犯罪の予防に関しては生活安全部が所管しておりますが、同じ手口の犯罪が連続発生する場合、集中的に警官を投入したり、専従の捜査態勢をとって対応するというのが現状であります。

○比嘉京子委員 守秘的なこともあるかと思いますが、現状として加害者はどのようなところまで自供しているのでしょうか。

○渡真利健良刑事部長 先ほど報告したとおり、本件の逮捕事実は死体遺棄という事実であります。その中で人の死という事実があるわけですから、死に至った原因についてみずから殺害したということまでは話をしているのが現状であります。

○比嘉京子委員 凶器を所持していたことからすると、計画的な犯行という考えはどうでしょうか。

○渡真利健良刑事部長 今は死体遺棄の事実の立証に向けた捜査を強力に実施しております。その後の捜査で殺害方法等については立件していきたいと考えております。

○新垣清涼委員長 ほかに質疑はありませんか。
 照屋守之委員。

○照屋守之委員 お亡くなりになられた方の告別式で、御冥福を祈りながら政治の非力をわびてきました。先ほどからありますように、抜本的にどうすべきか。謝罪、補償も含めてですが、国だけではなく、県も沖縄県議会も非常に重い課題を突きつけられていると思っています。ただ単に反対して抗議するだけでは済まない。長年にわたってこういうことがあって、我々はその都度やってきましたから、自分の政治家としての至らなさとふがいなさも含めて非常に恥じ入っております。そういうことも含めて、今後、どうすべきかということを真剣に考えたのですが、先ほど知事公室長からありましたのは、全て向こうに抗議して求めていくという、これまでと同様の対応ですよね。3月の暴行事件があったときにも、我々が何十回抗議要請しても、ほとぼりが冷めたらまたそういうことが起こって、もうどうしようもないということもあって、全ての県議会議員が同意して、米軍人・軍属等の事件・事故を防止するため沖縄県の提言を受けるということを入れたのです。県議会にも責任があるので、そこは米軍や日米両政府に任せてはいられない。県民の命を守るため、あるいは犯罪を防止するためにこういうことをしないといけないと。沖縄県の提言を受けるということを入れたのですが、その後どうなったのですか。

○謝花喜一郎知事公室長 3月の県議会からの提言を受けまして、4月19日に事件・事故防止のための協力ワーキングチームがございましたが、県から5つほど提言しております。まず、事件が二度と起きないよう、今までの再発防止策の実効性の検証も含め、日米両政府において抜本的な再発防止について万全を期し、その措置の内容を県民に公表すること。2つ目に、勤務時間外行動の指針等の制度運用に際して、課題を洗い出し検証するとともに、その結果を反映させて厳格な制度運用を図ること。3つ目に、研修教育の内容の公表及び見学。4つ目に、事件・事故の傾向を分析し、その結果を研修に反映させること。5つ目に、時間外行動の指針等の運用について検討する場を設け、時間外行動の指針等の実効性を高めるための調整を県等と行っていただきたい。そういった提言を具体的に行っております。総括で申し上げますと、これまでの傾向を分析して、検証を十分行った上で、それに対応した対策を講ずること。それを県民に公表し、また県にもしっかりそれを見せて検証を重ねていく。そういったものをベースに提言を行ったところでございます。

○照屋守之委員 いつやるのですか。

○謝花喜一郎知事公室長 県の提言を受けまして、在日米軍沖縄調整事務所のクロシェー所長から実効性のある措置に関して話し合いの場を設けたいという回答がございまして、具体的には6月中旬に、その提言を受けた研修について見学ができるよう調整していたやさきだったというところでございます。

○照屋守之委員 だから事件が起こっているでしょう。いつ、どうやって、どのような効果があるかということまでやらないと、沖縄県の提言を受けるという意味がないのではないですか。それから、こういう事件・事故について、我々の反省も含めて、県民の代表としてこれを効果のあるものにしないといけないということで、宛先を十幾つ入れてあります。全軍の司令官に送って、そこまで抗議に行こうというところまでいきましたが、それはかないませんでした。もちろん、それぞれの司令官が注意喚起しないといけませんが、県民側から派遣して、沖縄県民の立場でこういうことだ、ああいうことだと直接言うようなこともせよと、議会でも言っています。家族が言うのと外から言われるのでは意識が違います。ですから、軍人・軍属一人一人の意識を変えるしかないのです。これを具体的にどうするかという話でしょう。幾らあれやれこれやれと言って、県は責任を果たしましたというのは、今までと全く一緒なのです。県の提言を受けてというのは、そこまできちんと細かく言って、全ての軍隊、軍人・軍属にこういう状況だと―これをすぐやる。事件・事故はいつ起こるかわからないのです。そういうことをしようということで、わざわざ沖縄県の提言を受けてということを入れたのです。我々にも責任があって、抗議ばかりして、ほとぼりが冷めたらまた抗議をする。これでは責任が果たせない。県もそれでは責任を果たせません。何十年も同じことばかりですから、具体的に誰がどうするか、どこの司令官に誰が行くか、20カ所あれば20名の民間の人たちを含めて専門家を入れて行う。何月何日何時から100名、200名集める。そうすれば、とっくに一通り終わっているのではないですか。その上でなお、こういうトラブルが起こるのであれば、県議会としても県としても、県民に対して説明ができるわけです。もちろん国は一義的に責任を負わないといけないし、日米両政府の責任です。それはそれとしてありますが、あなた方は抗議だけでいいのかというのが県民の考えではないですか。何でそういう具体的なことが提言できないのですか。この前の事件を受けて、知事、副知事はどのように皆様方と協議して、県がどうかかわろうとしているのか。知事、副知事はどのように言っているのですか。

○謝花喜一郎知事公室長 先ほども説明しましたように、4月19日に協力ワーキングチームが行われましたが、私も着任して、より具体的な実効性あるものにするためにどうしたらいいのかということを知事公室内部で議論しました。こういった事件・事故が繰り返されているということは、やはり実効性がない。それでは、どこに原因があるのか。その検証がまず大事だろうということからスタートして、この検証をいかにしてチェックするのか。我々の議論で出たのは、検証に対する向こうからの回答。その回答に対して県からのさらなる意見。それについてある程度これでいいということであれば、それを県民全体に公表する。そういったことの繰り返しが必要だろうということで、知事、副知事にも御説明し、そういう方向で協力ワーキングチームに臨んできたところでございます。確かに、そのやさきにこういった事件が起こったということで、何をしていたのかという御批判はごもっともでございますし、そういったものについて若干時間を要したかもしれませんが、我々としてももう少し時間を圧縮して―委員から御指摘のとおり、事件・事故はいつ、どこで、どのように起こるかわからないことも確かでございますので、スピード感を持ってやる必要があったということは、今にして思えば私も反省すべきだと思います。ただ、既に作業に着手しているということについては御理解をいただいた上で―今回は基地外にいる軍属なので、こういった我々の提言から外れる部分があります。これについては軍属も含めて、しかも基地外にいる者についてどう対応するかという新たな課題が出ておりますので、この点を含めて早急に県としての考えを議論したいと思いますが、こういったものについては一義的には日米両政府において沖縄の実情をしっかり把握した上で、本来は彼らから提言があってしかるべきだと思います。しかし、それを任せるということではなく、我々もどうあるべきかということについて既に議論を始めておりますので、これも含めて対応していきたいと思っております。

○照屋守之委員 この期に及んで、何が日米両政府の認識ですか。認識を改めさせるのは県ではないですか。彼らの認識が変わるまで待つのですか。何のために沖縄県があるのですか。何のための県議会ですか。そういう認識であれば、そうではないと改めさせるのが沖縄県であり、我々議会でしょう。県民からすると命がかかっているのです。それを今さら、日米両政府の認識を改めさせると。こんな悠長なことを言っていられますか。そして、何で4月19日に協力ワーキングチームができるのですか。我々は3月22日に抗議したのです。何ですぐ要求しないのですか。今のように何がどうあったか検証している時間はありますか。事件・事故はいつ起こるかわからないのです。これまでのやり方を検証している間にトラブルが起こるのでしょう。ですから、すぐやらないといけないのです。直接、沖縄県から派遣して、軍人・軍属の方々に、これは大変なことですよ。あなた方の行為で県民は何十年間も迷惑を受けているのですよ。しっかり改めてもらわないと困りますよ。しらふのときもそうですが、飲酒運転も大変ですよと我々が訴える。そうすれば彼らだって意識が変わりませんか。いちいち検証だ何だ、行政手続をどうのこうのやっているから、そこに時間がかかってトラブルが起こるのでしょう。その障害になるものは全て取っ払って、そこから優先する。知事も、もちろん辺野古の問題でいっぱいなのはわかります。ただ、こういう事件・事故があって、国ができないものは県が提案して、すぐ実行しなさい、防止しなさいと。知事からはそういう指示があるでしょう。検証しながら、時間をかけてじっくりやったほうがいいと知事は言いますか。そうではないでしょう。トラブルはいつあるかわからないという前提です。ですから、気づいたときに今すぐやる。我々も反省しています。ですから、県の提言を受けてやらないといけない。国ももちろん責めないといけませんが、我々自身も責めないといけないのです。それを言ったにもかかわらず、県はやらなかった。それだけ我々の議員としての政治力がなかった。そうこうしているうちに、こういう凶悪な犯罪が起こった。我々は県民の代表としてどう説明するのですか。ただ単に国が悪いというだけで問題が解決しますか。何で具体的に一つ一つ実効性のあるものができないのですか。何でさせることができないのですか。

○謝花喜一郎知事公室長 そういった事件・事故が起こるたびに、地元や議会、県から、抗議なり意見書なりで何度も要請を行っているところです。ただ、それがなかなか改善されず、繰り返されるということで、どこに原因があるのか。それを突き詰めないと同じことの繰り返しになるのではないか。これが、県議会から県がしっかり提言をしてもらいたいということについての我々なりの考えでございます。それを先ほど御説明させていただいたところです。それについて、まさしく彼らから検証したものの回答を受けてやろうとしているやさきにこういった事件が起こりました。これについて、スピード感がなかったという御批判は真摯に受けとめなければならないと思っております。県から提案したものについては、米軍等にはしっかり取り組んでいただいているものと思いますが、基地外にいる軍属等が行った事件については、我々の提言の中には入っていないわけです。これについては県からもしっかり提言をしなければならないものと思っておりますし、米軍側、それから日本政府においても新たな課題として対応する必要があるだろうと考えているところでございます。

○照屋守之委員 検証して突き詰めていくといいますが、問題は意識でしょう。私の考え方、軍人一人一人の考え方、それを県民の立場、あるいは地域のそういうものも含めて、過去何十年間の米軍人・軍属の犯罪で県民はこれだけ苦労していますよと。一方でよき隣人と言いながら、とんでもない話だという形で、一人一人の意識をつくることしかできないのではないですか。あとは彼らが生活の中で動くわけですから、地域で犯罪をしたらまずいということを意識づけさせることしか我々はできないのではないですか。それから、取り組んでいるものと思うという表現をしていますよね。実際にどういう取り組みをしているのですか。どういう効果があるのですか。

○謝花喜一郎知事公室長 協力ワーキングチームで県が出した提言を受け、研修内容等について県の見学をお願いしたいと米軍から回答があったところです。その研修を行うのが6月の中ごろだったのですが、その研修内容というのは、県の提言を受けた具体的なものだったと私は理解しております。その内容の説明を受ける前にこういった事件が起こったということで、県の提言を受け、研修内容がどのように変更されたかということについては、今この場で答えを持ち合わせておりませんが、少なくとも県からの提言を受けた形の研修内容の変更、そして、それについての見学の申し入れがあったものだと考えているところでございます。

○照屋守之委員 取り組みに時間がかかっているということについて、知事公室長はまずかったというようなことを言っておりますが、やはり時間が全てです。ですから、我々県議会で沖縄県の提言を受けてということを全会一致で入れました。今までのやりようでは、ほとぼりが冷めるとまた事が起こってどうしようもない。これでは彼らだけに任せてはいられません。県も抗議するだけではなく、具体的に改善策をきちんと出し、それをさせてチェックもしていく。そういうことを強く言っているわけです。それは、通り過ぎてから反省しても間に合わないのです。これではだめだと我々は今までのものを反省したのです。しかし、この期に及んでもそういう状況ですから、前の知事公室長からきちんと引き継ぎをして、すぐに対応していれば変わったかもしれません。軍属は別だという言い方をしていますが、県民からすると全く一緒です。ですから、それについてどうするかということも同時に進めていく。これは意識ですから、それぞれの軍隊を集めて、気をつけてください。大変なことで取り返しがつかないよ。県民も大変ですよ。あなた方の人生もおかしくなるよ。国も全部大変だよ。あなた方一人一人の行動でそうなるよと。ここを我々が訴えるということで効果があると思っています。しかし、それがされていないから何をやっているのかという話なのです。これを改善していく上で、知事も日米安全保障体制を認める立場であるということが足かせになっているのですか。

○新垣清涼委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、知事公室長から先ほどの日米安全保障体制についての答弁は、基地の全面撤去の質疑に対するものであり、今回の事件・事故の防止のための提言と関連した発言ではないと
   いう旨の説明があった。)

○新垣清涼委員長 再開いたします。
 照屋守之委員。

○照屋守之委員 改善をしていく上で、全面撤去の話が出たときに、日米安全保障体制を認める立場であれば、県民を守るということに対して何か足かせがあるのかという話です。

○謝花喜一郎知事公室長 これは若干ジレンマ的な部分もありますが、日米安全保障体制を認めることは、在日米軍の配置も認めるというところがございまして、一方で基地あるがゆえにこういった事件・事故が起こっています。そこで、綱紀粛正を求めるわけですが、今回の事件を受けて、これにも一定程度の限界が出ているのではないかということを、多くの県民が肌で感じているのではないかと私自身は感じているところでございます。そういった中において、やはり過重な基地負担の軽減は絶対にやらなければならないことだろうと思っておりますが、それにも恐らく一定程度の時間を要するでしょうから、できるものとして、県議会の提言を受ける形で県からの具体的な提言をさせていただいておりますので、それについてしっかりと対応していただく必要があるということが一つです。それから今回の場合、基地外に居住している者が起こした事件でございますので、それについての対応策も新たな課題として議論する必要があると考えているところでございます。

○照屋守之委員 こういうときに日米安全保障体制を認める立場とか、米軍基地を認める立場とか、何でこのような話が出るのですか。もちろんそれはありますが、こういうトラブルが起こって、そこをどう根絶していくか。県民に不安を与えているものをどうしていくのかという話ですよね。日米安全保障体制を認め米軍基地を容認する立場ということを思いつつ、今、起こっているものに対応しようとすると、こういうことを言ってはいけない、ああいうことを言ってはいけないといういろいろな足かせが出てくるわけです。純粋に今、起こっている部分をどう改善し、問題を解決していくかということです。そういうことであればより強く当たらないといけないでしょう。日米安全保障体制を認めるような立場で我々はやってきたと。そういうこともありながら、しっかり対応しないといけないということですから、知事公室長、これはぜひお願いしておきます。我々は提言をして、改善し認識を改めるということで議会もやっていますから―そこは時間の問題です。今のように検証している暇はありません。打つべきところはすぐに打っていくということをぜひやってもらえませんか。同時に、国の認識が変わるのを待つという今の姿勢ではなく、我々が変えていくことを積極的にやっていかないと、県民に対しても対応できませんから、そのことについてもう一度お願いします。

○謝花喜一郎知事公室長 大変重要でありますし、私もそのとおりだと思っております。これは全てにおいてそうですが、米軍による事件・事故の再発防止については、時間の問題は極めて重要だと思いますので、スピード感を持って県が行った提言についての対応を議論したいと思います。あわせて、先ほど来申し上げている新たな課題についても、しっかりスピード感を持って対応を行いたいと思います。また、国の認識を変えることも極めて重要です。これについては、安慶田副知事から水上特命全権大使、井上沖縄防衛局長に申し入れをしておりますし、本日、知事からも総理大臣に抗議を行うということで、しっかりと認識を変えてもらい、沖縄の過重な基地負担の実情を踏まえた対応策を求めているところでございます。また、あすは安慶田副知事が上京いたしまして、抗議を行ってまいりたいと考えております。

○新垣清涼委員長 ほかに質疑はありませんか。
 嘉陽宗儀委員。

○嘉陽宗儀委員 これまで米軍人・軍属等による事件・事故が発生するたびに綱紀粛正、再発防止及び兵員教育の徹底等を米軍等に何度も繰り返し強く申し入れてきたところでありますということですが、具体的にはどういうことを申し入れていますか。

○謝花喜一郎知事公室長 まさしく今、嘉陽委員がお話ししたように綱紀粛正ということに尽きるわけですが、先ほど照屋委員に言いましたように、今回は新たに県からも具体的な提言を行って、より抜本的な対応を米側に求めてきたということでございます。

○嘉陽宗儀委員 私が聞きたいのは、復帰後、ずっと今日まで同じことを繰り返してきているわけですから、こういう申し入れの仕方では効き目がないのではないかと思うのです。皆さん方は今までの事態を打開する具体的な方策があって、こういうことを申し入れているのですか。

○謝花喜一郎知事公室長 繰り返しになり恐縮ですが、今まで米軍が行っている綱紀粛正、研修に効果がないのではないかというところに我々も問題の所在を感じまして、もう一度、研修等の対応策、それから時間外行動の指針等についても実効性の検証も含め、強く求めたところでございます。

○嘉陽宗儀委員 実効性があるという言葉を言っていますが、本当にそういうものがあるのですか。

○謝花喜一郎知事公室長 ここがまさしく問題だと考えておりまして、研修を幾ら行っても、それが研修を受けた側の心の中に十分にしみ入らないのであれば意味がないと考えております。私は着任して間もないのですが、研修内容について県は見聞きしたことがないわけでございます。そういったことから、研修内容についてどういったことが問題なのかということも踏まえた上で研修内容を考えるべきであろうし、それについて県とも調整をさせていただきたいと。こういったさまざまな課題については、話し合いの場をぜひ設けてくださいと。これまでのように県が抗議をして、彼らがやりますと言ったものをそのままやって今回の事件が起こってしまいましたので、そうではなく、考えていることについて我々にも話をしてほしいと申し入れて、クロシェー所長からぜひそういった機会を設けたいという回答を受けたところでございます。

○嘉陽宗儀委員 この問題については、綱紀粛正を含めた実効性のある方策があるかということで、米軍基地関係特別委員会でも、米側に行っていろいろ議論をしたこともあります。結論から言えば、抜本的な改善策を口では言えるのですが、そこに兵隊がいる間は事件・事故はなくなりませんという言い分でした。それについてはどう思いますか。

○謝花喜一郎知事公室長 先ほど照屋委員からも、最終的にどう考えるかは人だという話がありましたが、そういったことを言っていられないのが沖縄の実情だと私自身も考えておりますし、事件・事故は一件たりともあってはならないと考えております。私も着任して、在沖米国総領事や在日米軍沖縄調整事務所長、井上沖縄防衛局長らにそれぞれお会いしたときに、稲嶺元知事がおっしゃっていたマグマのお話をさせていただきました。米国の施政権下の長い歴史の中で、さまざまな事件・事故が起こりました。皆様は数年で異動になるかもしれませんが、事件・事故が起こるたびに綱紀粛正を行う。しかし、事が起こると沖縄県民は点ではなく線に感じて、そこにたまっていたマグマが爆発し、今まで行ってきた全てのものが水泡に帰する。それを十分に認識する必要があると強く申し入れてきたところです。しかしながら、この事件が起こってしまったことは残念でありますし、どのような形でやるかというのは、また知事公室内部でしっかり議論しないといけないものと思っております。

○嘉陽宗儀委員 この事件が発生して、沖縄防衛局長と特命全権大使に党として申し入れてまいりましたが、私は特命全権大使に、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約―日米安保条約が沖縄県民を守るかのようにずっと言っているが、この日米安保条約は沖縄県民を守っているのかと質問しました。知事公室長はどう思いますか。

○謝花喜一郎知事公室長 戦後70年の中において、我が国がまだ他国と交戦をしていないということは、一定の効果があったものと考えております。

○嘉陽宗儀委員 私が聞いているのは、この事件との関係で、沖縄県民を守ると言いながら軍属に殺されて捨てられるということについて、本当に沖縄県民を守っているのかということを聞きましたが、どう思いますか。

○謝花喜一郎知事公室長 結果論になりますが、このような事件・事故が起きるということは、県民の感情からすると基地あるがゆえに、そこに軍人・軍属いるがゆえにということでございますので、守られているという認識以上に被害を受けているという認識があると思っております。

○嘉陽宗儀委員 守るのではなく、やはり加害者ですから―私は特命全権大使にあなた方も加害者だと言いました。少なくともこういう事態になっているのに、なぜ守れなかったかということについて、日米安保条約を旗印にして言いますが、沖縄県民の立場から言えば安保体制そのものが沖縄県民を犠牲にしていると。どう思うのかということを聞きました。そうしたら、特命全権大使はこれに対する適切な言葉をまだ見つけていませんという返事でした。それについてはどう思いますか。

○謝花喜一郎知事公室長 安保体制を容認するのであれば、これは全国で負担をすべきだと。沖縄県に過重に基地負担を強いている現状が今回のような事件・事故につながったものと考えておりますので、やはり基地の整理・縮小を求めていく必要があるのではないかと考えております。

○嘉陽宗儀委員 日米安保条約を締結している政府自身がまだ適当な言葉が見つからないという段階です。国に対しても沖縄県民を何と心得ると厳しく抗議をすべきだと思います。

○謝花喜一郎知事公室長 この件については、安慶田副知事からも水上特命全権大使等にお話をして、沖縄の実情をしっかり見てくださいと申し入れをしているところです。

○嘉陽宗儀委員 復帰後、この種の女性に対する犯罪、あるいは凶悪犯罪は何件発生していますか。

○山田聡刑事部参事官兼刑事企画課長 昭和47年から平成27年までの凶悪犯につきましては、総数として574件、741人です。

○嘉陽宗儀委員 そのうち海兵隊員が引き起こしたものは何件ですか。

○山田聡刑事部参事官兼刑事企画課長 その件についての資料はありません。

○嘉陽宗儀委員 私は、皆さん方の前任者にも復帰後の犯罪についての資料をたくさん上げています。沖縄占領米軍犯罪事件簿にもたくさんあります。その実態について整理し、議員に知らせてもらいたいと要望しておきましたが、まだできていないようなので、もう一度―うるま市の天願さんという方が書いていますが、ほとんどが女性に対するレイプや傷害事件で海兵隊員によるものなのです。ですから、それを知っているかと聞いているのです。改めて調べてください。

○渡真利健良刑事部長 委員から資料の提供があることは前任から聞いて承知しております。その資料が公のものとして活用できる資料であれば、さらに精査した上で活用していきたいと思っております。

○嘉陽宗儀委員 精査している間に犯罪はどんどん起こっています。再発防止策というのは、みんなの意見を聞いてよりよい方法にしないと―具体的に提起して半年を過ぎるのに、私が言っていたことについては無視されています。
 海兵隊には日本を守る任務はありますか。

○運天修参事兼基地対策課長 日米安全保障条約の中でそのように規定されていると考えております。

○嘉陽宗儀委員 そういう答弁ではだめです。この本も紹介します。アメリカの秘密文書を公開したものを書いていますが、これを見ると、「米政府の見解は、沖縄の海兵隊は日本の防衛と関係ないもので、アメリカの世界戦略をさせるための部隊である。日本はそれに貢献しているのだから、批判云々には当たらない」と書いています。要するに、海兵隊はあくまで遠征軍であって、ソマリア、イラクでは後ろから行って虐殺し、侵略する。訓練する場合には、いかに大量に人を殺すことができるかということが文書に書かれているのです。少なくともこういう海兵隊が沖縄にたくさんいるわけですから、軍隊そのものの性格が大問題だと思います。改めて、沖縄にいる海兵隊の任務についてきちんと調べて、この本も上げているので、答弁できるようにしてください。

○謝花喜一郎知事公室長 勉強したいと思います。

○嘉陽宗儀委員 皆さん方は、沖縄県民の平和に暮らしたいという願いを受けて仕事をしているのですから、誇りを持って、全力投球で当たるべきだと思います。これ以上言っても仕方ないのですが、海兵隊がいかに野蛮でどうもうで危険かということははっきりしています。沖縄に駐留している海兵隊は何割ですか。

○運天修参事兼基地対策課長 平成23年6月末現在の統計では、海兵隊は87.4%となっております。

○嘉陽宗儀委員 結局は、海兵隊の87.4%が沖縄に駐留し日本を守る任務はない。ですから、非常に危険だということになります。そういう危険な人が町なかを闊歩していたら、沖縄県民が犯罪に巻き込まれるおそれがあります。またかという県民の怒りですから、そういうことが起きないように頑張ってください。

○新垣清涼委員長 ほかに質疑はありませんか。
 當間盛夫委員。

○當間盛夫委員 二十歳の島袋さんがお亡くなりになって、我々議会としての無力を感じるところです。我々が再発防止、綱紀粛正を何回も抗議してこういう段階なので、議会としても新たな部分をしっかりと持たないといけないと認識しております。今回の事件を踏まえて、米軍や日本政府からは謝罪を含めどのような行動が県に対してあったのでしょうか。

○謝花喜一郎知事公室長 5月19日、16時22分に死体遺棄容疑で逮捕されたという一報を受けて、18時30分ごろニコルソン四軍調整官から電話で会談の申し入れがあり、安慶田副知事が電話で会談を行っております。まずは、報道を受けて謝罪の意向を示すと同時に、翌日、県庁に訪問してきちんとおわびをしたいというのが主な内容でございます。5月20日の10時30分に水上特命全権大使、井上沖縄防衛局長、15時30分にニコルソン四軍調整官、エレンライク総領事が県庁で安慶田副知事と面談したところでございます。

○當間盛夫委員 四軍調整官と総領事はアメリカを代表した謝罪という認識ですか。

○謝花喜一郎知事公室長 四軍調整官が主な発言者ですが、四軍調整官からはアメリカを代表してという発言がございました。

○當間盛夫委員 トップには司令官やもろもろがいるはずです。四軍調整官はあくまでも軍を代表する者であって、県は四軍調整官がアメリカを代表するという認識ですか。

○謝花喜一郎知事公室長 議事録を読みますと、「米国政府を代表いたしまして、この場をおかりしておわび」というような発言がございましたが、代表してという言葉については若干の違和感はありました。

○當間盛夫委員 米国政府を代表してということであれば、日本においてはケネディ大使になると思いますが、そのケネディ大使でさえ謝罪がなかった。新聞に来沖の話がありますが、まだアメリカ政府としてそういったものがない。日本政府も水上特命全権大使や井上沖縄防衛局長の話がありましたが、日本政府としても何もない。その中で、きょう23日に知事が総理官邸に行って抗議をするということが新聞記事に出ているのですが、この日程は知事サイドでとられたのですか。

○謝花喜一郎知事公室長 県から官邸に面談の申し入れを行いました。

○當間盛夫委員 これは抗議だけですか。その後に何かが控えていて、たまたまその抗議もついてきたということですか。

○謝花喜一郎知事公室長 本日、知事は内閣府の会議がございます。上京するに際しては、内閣の長である総理大臣に抗議をする必要があるだろうという判断で申し入れを行ったということでございます。

○當間盛夫委員 県民の怒りというものを本当に持っているのであれば、やはり総理大臣が沖縄に来て、沖縄県民に謝るべきです。それを何で知事が最初に官邸に行って抗議をする必要があるのですか。来ないなら来ないで、総理大臣に会う必要も何もないはずです。それをわざわざ官邸やアメリカ大使館まで行くような日程を組む―何で沖縄側が先に行くのですか。向こうが先に来て沖縄県民に謝るのが筋でしょう。

○謝花喜一郎知事公室長 県からは総理大臣に面談の申し入れをしましたが、アメリカ大使には面談の申し入れはしておりません。

○當間盛夫委員 とにかく、キャンセルしてでも今は総理大臣に会うべきではありません。何でここから行って抗議しないといけないのですか。まずは沖縄県に総理大臣なり菅官房長官なりが来て、きちんと沖縄県民に謝罪すべきです。きょう、知事は会うべきではないという認識を私は持っております。
 実効性のあるという部分で、日米地位協定の改定ということになるのですが、日米地位協定の中には軍人・軍属が含まれますよね。この軍属には誰がどういう管轄で、どのような教育がされるのですか。

○謝花喜一郎知事公室長 今回、米側からも被疑者は軍属という話がございましたが、軍属ということであれば、在沖の軍属は四軍調整官の管轄になるという理解でございます。

○當間盛夫委員 新聞では当初、軍人ではなく軍属だからとかいう軍の幹部のコメントも出ていたようでございます。戦後71年たちますが、我々は日米地位協定の改定もできません。今、知事公室長から協力ワーキングチームをスピード感を持って行うという話があったのですが、日米地位協定の改定や新たな再発防止策、綱紀粛正というのは何も意味をなさないというのが今回の事件ですから、こういう米軍の事件があったときには、沖縄県としてこういう形の処罰をしますとか、こういう対策をしますとか、そういうものを何かお持ちではないのですか。

○謝花喜一郎知事公室長 現時点で、そこまで検討している段階ではございません。

○當間盛夫委員 今回、辺野古に新基地をつくらせないということで、議会を含めて、県は、公有水面埋立事業における埋立用材に係る外来生物の侵入防止に関する条例―土砂条例をつくりました。71年かけても日米地位協定を何一つ変え切れないのであれば、県の条例で、そういった事件があったときには、1カ月間、軍車両は県道を通ってはいけないとか、電気の供給をストップするとか―県が果たせる部分はいろいろあるはずなのです。今は何もしないで、綱紀粛正とか再発防止とか、ただ言葉だけで言うものですから、結局は居心地がいいような基地環境を我々みずからがつくっているのではないですか。窮屈な基地環境をつくるということも、我々議会を含めて県が果たす役割ではないですか。

○謝花喜一郎知事公室長 いわゆるライフラインをとめる、道路をとめるということが、果たして行政の立場から主張してできるかどうか研究してみたいと思います。

○當間盛夫委員 県ができないのであれば議会でやらないと、議会も何もしていないということになりますので、我々議会もしっかりと対応していきたいと思っております。
 刑事部長、今回の答弁からすると、捜査中であった被疑者の供述により、ということです。被疑者は軍属ですよね。基地外に居住しているということですが、被疑者が基地に入って基地から出ないという状況になったときには捜査は進みましたか。

○渡真利健良刑事部長 御承知のとおり、軍属であっても日米地位協定の対象でありますので、仮に、検挙した被疑者が米軍の監視下、拘禁下にあれば、従来の地位協定に基づいた手続で捜査が進められることになります。

○當間盛夫委員 先ほど米軍の数のお話がありましたが、軍属の総数は何名ですか。

○運天修参事兼基地対策課長 在沖の軍属の数は、平成23年6月末現在で1994人となっております。

○當間盛夫委員 1900名余りの皆さんは、全て基地外に居住されているという認識でいいですか。

○運天修参事兼基地対策課長 全てが基地外に居住しているかどうかということは承知しておりません。

○當間盛夫委員 前々から言われるのですが、その辺は米軍とも調整しながら把握されたほうがいいと思います。先ほど日米地位協定の改定と言いましたが、抜本的とはいっても具体的なものは何も見えてこないのです。地位協定では、軍人及び軍属が対象ですが、軍人からすると軍属は基地内の民間人だという認識なのです。抜本的ということであれば、地位協定の改定の中で軍属は外すというような具体的な示し方も必要だと思います。この方々は基地内で働く民間人です。民間人であるのに、そういう事件を起こすと地位協定で守られています。基地内にいると、刑事部長がおっしゃったように捜査ができない。そのときの被疑者の供述がなければうやむやになって、迷宮入りするような事件になったかもしれません。被疑者が基地内にとどまって、その後、アメリカ本国に帰っていたら、今回の事件は全くわからない状態になると。その辺はどうでしょうか。

○謝花喜一郎知事公室長 日米地位協定の改定の分野について、先ほど刑事部長からもございましたが、特に第17条関係で、日本側が拘束する前に米軍側に身柄が拘束された場合には、特別な配慮を除き合意がなければ、起訴まで日本側に身柄を移すことができないという規定がございます。県からの要請としましては、軍人・軍属にかかわらず被疑者の起訴前の拘禁の移転の要請がある場合は、これに応ずる旨を明記することを日米地位協定の改定案として米側に求めているところでございます。

○當間盛夫委員 軍人・軍属は、日本側が起訴するまで引き渡さなくていいということになるわけですから、日米地位協定の本の中でも指摘されているように、犯人を逮捕しても尋問できなければ起訴できる可能性は非常に低くなります。明らかに不正な取り決めですし、起訴するということはそれだけ捜査しないといけないわけです。今回の事件も、捜査できなければ起訴さえできなかったと。起訴できないということは引き渡しもないというわけですから、やはり治外法権の地位協定を一つ一つ、早急にできるものからやっていくことが大事だと思いますので、そこはしっかりとやるべきだと思っております。
 刑事部長、結局は基地外に居住していたことで捜査が進んだわけですよね。あくまでも新聞報道ですが、被疑者の自殺未遂があったと。自殺未遂というのは何回、どのような形であったのか説明できますか。

○渡真利健良刑事部長 私からは捜査の結果を皆様にお知らせするという立場でございますので、新聞報道の中身についてのコメントは差し控えたいと思います。

○當間盛夫委員 万が一そういうことであれば、当初から状況的な判断で―例えばそういうことで被疑者がいなくなったということになれば、この事件はどうなっていたかわからないということからすると、軍属のあり方というよりも捜査の部分で、もう少し注意が必要だったのかなと。とにかく、新たな再発防止策や綱紀粛正を求めても何ら変わらないわけですから、県を含めて県議会で新たな条例をつくってでも基地の環境を変える。沖縄で訓練ができない状況をつくるということが、これからの沖縄の基地問題の解決において大事だと思っておりますので、しっかりとその対応ができるように頑張ってください。

○新垣清涼委員長 ほかに質疑はありませんか。
 吉田勝廣委員。

○吉田勝廣委員 送致をしたと言っていますが、その内容を報告できるのであれば言ってもらえますか。

○渡真利健良刑事部長 被疑者は、平成28年4月28日午後8時13分ごろから、同年4月29日午前2時40分ごろまでの間、沖縄県国頭郡恩納村字安富祖120番地安富祖公民館から南東約400メートル地点の雑木林において、20歳の遺体を放置、遺棄したものであります。

○吉田勝廣委員 そうしますと、この被疑者が遺体をどこで確保したかということについてはどうですか。

○渡真利健良刑事部長 現在のところは、ただいま申し上げた死体遺棄の事実で捜査しておりまして、その経過については今後の捜査で解明していきたいと考えております。

○吉田勝廣委員 28日から29日の間ですから、ある意味では行方不明になったときからここで事件が発生したと。そうしますと、恩納村安富祖で遺棄されたということですから、19日までの間、残念ながら遺体はそこに放置されていたということになりますか。

○渡真利健良刑事部長 そう推定されます。

○吉田勝廣委員 私も日常的にそこを通っていますが、そこにはいろいろな動物がおりますので、動物等による遺体の損傷もかなりあったのではないかと想像します。県警察は、捜査の段階で動物等による損傷と凶器との関係についてはどういう判断をされますか。

○渡真利健良刑事部長 委員からありましたとおり、死体につきましては損傷が進んでおりますので、今のところ凶器の有無などについての特定には至っていない状況であります。

○吉田勝廣委員 死体が遺棄された場所については、捜査はほぼ終了したと見てよろしいですか。

○渡真利健良刑事部長 現場における捜査は終了しております。

○吉田勝廣委員 報道でしかわかりませんが、2007年から2014年まで海兵隊に所属していたということですが、この送致された元海兵隊員の海兵隊における役割や階級、どういう部隊に所属していたというような、いわゆる職歴のようなものは把握していますか。

○渡真利健良刑事部長 本人の供述で、海兵隊に在籍していたということは承知しておりますが、被疑者の詳しい経歴等については今後の捜査にも影響が出ると思いますので、この場では控えたいと思います。

○吉田勝廣委員 知事公室長は、さまざまな情報があると思います。彼らは身分証明書を持っているので、そういうところで、どこの部隊に所属をしていて、どういう役割をしているかなど、そういうことはわかりませんか。

○謝花喜一郎知事公室長 現時点では、知事公室においても、その情報は把握しておりません。

○吉田勝廣委員 やはり土地カンがあるわけですから、その元海兵隊員がどの部隊に所属していて―兵器の操作を指導していたというようなことも報道であったものですから、土地カンがあるとすると、キャンプ・ハンセンあるいはその近辺にいたのではないかと我々は思うのです。皆さんが伊芸区を捜索したりするときには、ここはこうだっただろうと予測するわけです。そういう意味で、海兵隊が所属する市町村は不安になるわけです。うるま市で事件が起きました。しかし、本人は与那原町に住んでいます。金武町のコンビニにも寄りました。そして、県道104号線で死体が遺棄されたと。行動範囲がかなり広いですよね。そういう意味からすると、この元海兵隊員が所属していたところ、例えばキャンプ・ハンセンとかキャンプ・コートニーとか、そういうところは明確にしてください。先ほど照屋委員も言ったのですが、3月の事件が発生したときに、私たちは四軍調整官ではなく海兵隊の司令官に会ったほうがいいと提案しました。それを拒否したのは四軍調整官の部隊です。要するに認識が違うのです。海兵隊の各司令官に、実態はどうなっているのかと私たちが直接抗議をしないと問題は解決しないと思いますし、そういうことが必要ではないかと思っています。ですから、公表できるところはぜひ公表していただきたいと思います。

○渡真利健良刑事部長 先ほども申し上げましたとおり、現在のところ死体遺棄事件を固めるということで捜査しておりますので、今後の捜査で本人の行動等についても解明していきたいと考えております。

○吉田勝廣委員 知事公室長、恐らく上院、下院議員に軍事専門家がいて、ある程度のリストは向こうにきちんとあるので、アメリカに事務所を置いているわけですから、その経歴をすぐに調査する必要があるのではないかと思います。この元海兵隊員がどこに所属していたかということも明らかにしないと、いつも不安で仕方ないのです。ですから、それはぜひお願いしたいと思います。
 2点目に、我々はもう二度と、という言葉は使いたくありません。綱紀粛正も使いたくない。私は、協力ワーキングチームの機能についても大体わかっているつもりですが、余り信頼していません。それから、海兵隊には基地の中でいろいろな講話があります。講話は一時的には効果があるかもしれませんが、1年、2年たつと海兵隊員もかわりますので、効果がなくなるだろうと思います。先ほど、基地あるがゆえと言っていましたがそれはどういうことなのか、説明してもらえますか。

○謝花喜一郎知事公室長 私が発言しました基地あるがゆえといいますのは、日本の米軍専用施設の74%が沖縄県に集中しているという実情を踏まえたときに、そこには軍人・軍属がいて今回のような痛ましい事件を起こしているという意味で、基地あるがゆえの事件だと申し上げたところでございます。

○吉田勝廣委員 基地あるがゆえに、こういう事件・事故は復帰前後を通して相当あるわけです。私は金武町に住んでいますが、金武町でも復帰後に75名が殺されました。中学生を含めて暴行事件も起こりました。そのたびに抗議をしています。そのときにオフリミッツ―外出禁止にするのです。これは四軍調整官ではなく部隊の司令官がやるのです。例えば、伊芸区では演習の被害を受けました。先ほど當間委員からもお話がありましたが、県道を封鎖して、オフリミッツをしたらどうかと。これを伊芸区で行ったのです。少なくとも民間地域は通ってくれるなと。海兵隊が移動するときには国道を通ってくれと。夜間、民間地域に入るのはおかしいのではないかと。本当はそうしたくはないのです。自由に歩き回って、沖縄の文化を勉強してもらいたい。しかし、こういう事件が起きると、それはままならない。そうせざるを得ないということを海兵隊に知らしめるということが重要です。そういうことまで徹底しないといけないと思っています。
 もう一つ、海兵隊の第一、第二遠征軍は本国で、第三遠征軍だけが沖縄にいます。ここを根本的に議論する必要があります。また、平成23年度までは基地外に居住する軍人・軍属の状況が公表されていましたが、平成24年度から公表されていません。なぜ公表しないのかここでも議論になりました。賃貸契約は米軍がするので、恐らく家主は知っているだろうと思うのです。その際、どうして市町村はそのことを把握できないのか。それを把握すべきではないかと口酸っぱく言ってきました。しかし、いまだにそれは解決されていません。これは基本的なことです。例えば金武町の周辺にもアパートが建ってそこに住んでいます。しかし、それを市町村は把握できていない。県警察も把握できていない。日常的にそこでいろいろなことが行われています。私は、本当はよき隣人として見たいのです。しかし、見られない状況を彼らがつくっているわけです。そこは今の政府には全然方向性がありません。1995年に事件が起きたときの地位協定の改定も、凶悪事件については拘留を配慮をするというだけの話であって、根本的な解決の予測も何もない。ですから、先ほど照屋委員が言ったように、沖縄県が主体となって積極的に公表するべきではないかと。それから、海兵隊の数―基地外に住んでいるのは軍属だけではないのです。海兵隊員も住んでいます。そのことをきちんとしないと今後また同じことが起きると私は想像しています。根本的な地位協定の理論的なことをやらないと絶対的に解決できない。そして、基本的には海兵隊を撤退させようではないかと。この事件が解決するまでオフリミッツしようではないかと。海兵隊全員に外出禁止令を出すとか、それぐらいの決意を持たないといけないと思うのです。そこを沖縄県に求めたいし、各県民にも求めたいと私自身は思っていますが、どうですか。

○謝花喜一郎知事公室長 平成23年度以降、米軍人・軍属の施設区域外の居住者の人数把握はできていません。その理由を聞きましたら、運用上の安全に対する懸念という言葉で説明されたのですが、私自身、その意味がよく理解できないところであります。それまでは行っていたわけですから、それがどういった形でできなくなったのかという背景も含めて、もう一度、議論したいと考えていますし、この件につきましては県独自でも、それから渉外知事会を通してでも働きかける必要があるだろうと。田委員からございましたように、地域住民の安心・安全の観点から自治体としてもしっかり把握する必要があるということで求めていく必要があるのではないかと、今、お話を聞いて感じたところでございます。

○吉田勝廣委員 三沢基地では、軍人・軍属が基地外に住むことは管理権が及ばないのでよろしくないと。緊急事態が発生したときには基地の中に呼び込まないといけないので、なるべくなら基地の中に住んでくださいということを三沢基地の司令官が言っているのです。ですから、できないことはない。そういうことも調べながら、ぜひやっていただきたいと思います。この件について、日本政府あるいはアメリカ政府がどう対処するのか。人間の尊厳とこれまでのいろいろなことをかけてどうするのか、注目していきたいと思います。

○新垣清涼委員長 ほかに質疑はありませんか。
 新里米吉委員。

○新里米吉委員 3月22日に那覇市内で事件が起きて、1カ月で今回の事件なのです。那覇市内で起きた事件のときも大きく報道されて、そのことは被疑者も十分知っていた。よく言われる綱紀粛正も当然自覚していたと思うのですがこのような事件が起きたわけです。ですから、私たちが前回話した実効性のある教育も必要でしょうが、それだけではどうしようもない。県民の気持ちもそうだと思います。知事が話したように、基地あるがゆえに起きた事件だと、知事公室長もそう言っておられます。国土面積の0.6%に74%の米軍専用施設があるということは、沖縄県民の責任ではないですよね。根本原因はまさにそこにあるわけで、そこから私たちが目をそらして、別の議論をすることはあってはならないと思います。ほかの議論もあっていいのですが、根本原因について触れないという話にはならないだろうと思います。ですから、そのことに対する日米両政府の責任は非常に重いと思うのですが、知事公室長はどう思いますか。

○謝花喜一郎知事公室長 先ほど来、御質疑でもありましたように、やはり基地あるがゆえにこういった事件・事故が起こった。これは知事もおっしゃっていますし、私もそのように発言させていただいております。これまでも過重な基地負担の軽減ということは求めて来ているわけですが、今回の事件が発生したことによって、別次元になったのではないかと私は考えております。このことを契機として、真剣に沖縄の基地負担のあり方について―日米地位協定の話もそうですが、ありとあらゆるものについて抜本的に見直しをしなければならない段階にきていると感じているところであります。

○新里米吉委員 今、話された問題について、日米両政府の関係者から反省の弁はありますか。

○謝花喜一郎知事公室長 知事と総理大臣の面談であったことについては把握できておりませんが、外務省と防衛省の現地の責任者からは謝罪の言葉があったということです。そして、中谷防衛大臣が四軍調整官とお会いしたときには、事態を把握し、いかなる対応ができるのか協議していきたいということを発言したと聞いております。日本政府も今回のことは極めて重く受けとめて対応することになるのではないかと考えておりますが、より具体的なものにつきましては、知事と総理大臣の面談、それから、あす以降の外務省と防衛省での安慶田副知事の面談を踏まえて、しっかり状況を分析したいと考えております。

○新里米吉委員 マスコミ報道を見ている限り、日米両政府から私が指摘したような発言は一切出ていないと思います。反省の弁はあっても、それは別の次元の話で、従来どおり綱紀粛正だの再発防止だのという視点の発言しか出ていません。沖縄にこれだけ広大な米軍基地を押しつけ続けてきた日米両政府の責任は非常に大きいわけです。これまで沖縄県民が広大な米軍基地をつくってくれとは一言も言ったことがないのです。歴代知事もそのようなことは言ってきていません。これは明らかに日米両政府の責任です。そして、広大な米軍基地があるということは圧倒的多数の米軍人・軍属が沖縄にいるということですから、多くの米軍人・軍属がいれば事件・事故が多発するのは想定されることです。これまで何回も凶悪事件が起き、過去には暴行殺人事件もありました。こういう凶悪・残忍な事件も起こるわけです。先ほど話があったように、だからこそ教育も必要ですが、それだけでは済まないのです。軍人というのは、教育を受けたにしても人を殺す訓練をしているわけですから、普通の状況とは違う精神状態も起こり得る人がより多いと言えると思います。それを沖縄県民が望みもしないのに74%の米軍専用施設を置き続け、むしろふえている。この状況に対する政府の責任は非常に大きいのですが、誰ひとりそれを発言しようとする政府関係者はいません。知事公室長、そのような人はいますか。

○謝花喜一郎知事公室長 先ほどお話ししました中谷防衛大臣とニコルソン四軍調整官との会談、また、国防長官ともお話をして、軍属も含めた対応をしっかりとっていかなければならないというような発言をしたということまでは私も承知しておりますが、それ以降、それ以上の発言についてはまだ承知しておりません。

○新里米吉委員 この広大な米軍基地の存在にメスを入れるということが一番重要な解決策であって、ほかの問題もありますが、そのことをどうするのかということが県も県議会も問われていると思います。県民が一番求めているのはそこだと思うのです。先日、抗議に行って外務省沖縄事務所の特命全権大使と在沖米国総領事に言ったのはそのことなのです。日米安保体制でこれだけ広大な米軍基地を押しつけて、沖縄県民の命は誰がどのようにして守るかと聞いたら、答えきれないのです。追及されて大使が苦し紛れに言ったのは、政府も沖縄県も県警察も責任があるというようなことだったのです。政府の組織だという組織論を言ったので、組織論の話ではないだろうと怒ったわけです。沖縄県警察1000名余りで、米軍人・軍属・家族を含めて4万数千人。こんな中で県警察に沖縄県民の命を守れと言うのか。できると思っているのかと聞いたら黙ってしまいました。これが官僚の発言かなと思いましたけれども、こういう次元の話ではないわけです。これだけの米軍基地を置いていてどうするのかということが、まさに今、政府に問われているのです。沖縄に派遣されている出先の人たちではまともな回答ができない。総領事にも原因はそこだろうと言ったのですが、何も言えないのです。その根本原因について、日米両政府はまともに取り組んだことがない。総領事はそれを問われたらSACO合意の話をしました。SACO合意を完全実施してもわずか数%しか減らない。こんなことで解決策と言うなと。それを見直して、近い将来に沖縄から基地が全部なくなるという見通しのもとで、何年後には50%なくすとか、そのような抜本的な改定案を日米両政府が打ち出さない限り、県民は納得しません。SACO合意と言ってごまかすなと言ったら黙っていましたが―そこが今回の大きな要因なので、私たちもそれをしっかりと打ち出していかないと、県民の気持ちに応え、県民の怒りを県議会が体現することにはならないのではないかと思っています。

○新垣清涼委員長 ほかに質疑はありませんか。
 花城大輔委員。

○花城大輔委員 今回の事件があっていろいろな方から話を聞かせてもらったのですが、私は米軍の研修の内容が緩いのではないかと思い始めています。この内容については御存じないのですよね。

○池田竹州基地防災統括監 先ほど知事公室長も答弁したところですが、これまでは研修内容を項目としては伝えて来ているのですが、具体的な内容については教えていただけませんでした。そのため、ワーキング会合において、実際にどういう研修が行われているか見せていただきたいということで、来月、実際に県職員が現場に行って研修を受けるような形を考えております。

○花城大輔委員 事件も事故もとまらないわけです。もう既に遅いのですが、どのような教育をしているかということは把握するべきだったと思うのです。なぜそれが今までされていなかったのですか。

○運天修参事兼基地対策課長 私どもも、3年ほど前に一度、各軍の研修を見させていただいたことがございます。内容としましては、性的暴行防止及び対応の訓練、日本文化に関する研修、責任ある飲酒についての研修、その他ということになっており、新任に対して法律や守るべきことなどを研修として行っていることは確認しておりますが、我々としては、これまで起こったさまざまな事件・事故がきちんと反映されているのか、形式的に実施されているのではないかという疑念がございます。そういう意味で、今回のワーキングチームでその内容をしっかり検証させていただきたいということも申し入れたところでございます。

○花城大輔委員 抗議をして、もっときちんとしてくださいと言ったら、きちんとやりますという答えが返ってくると思うのですが、今は飲酒運転一つなくせないではないですか。私はかなり緩いと思うのです。基地でガードの仕事をしている人たちからも、そういう現場はよくあると聞いています。過去にさかのぼって、緩いところ、悪いところを指摘をすることができていたら、このような事件も防げたのではないかとも思うのです。その辺はいかがお考えですか。

○謝花喜一郎知事公室長 基地対策課長からありましたように、私が着任して面談を求めたときにも、新兵が新しく沖縄に来たときに沖縄の歴史や県民感情などについては一定程度研修しているという説明を受けました。ただ、それが歴史的経緯を踏まえていないということが課題ではないかと―先ほどマグマの話をしましたが、こういったものも踏まえなければ、彼らは単に事件を点にしか見ない。しかし、県民にとっては、この点が線としてつながって、過去を思い出すということを十分に認識していない。事の大きさを十分わからせるような形の研修が必要ではないかと強く求めたところです。そういったことを踏まえて、研修の中身についても我々と十分話し合いをした上で実行すべきだということを申し入れております。

○花城大輔委員 5月19日に被疑者が逮捕されて、沖縄県民は物すごく傷つきながらも日々の生活を過ごしていたと思います。ただ、その翌日5月20日のゲート通りはいつもどおりの夜だったのです。こういうことを見ると、教育以前にいろいろなことが頭をよぎるのです。抗議をして終わり、米軍任せではもう何も解決しないだろうと思っています。ぜひ、さらに一歩踏み込んだ県の対応をお願いしたいと思います。

○新垣清涼委員長 ほかに質疑はありませんか。
 又吉清義委員。

○又吉清義委員 花城委員からもありましたように、過去にこの委員会の中で、県が中身にもっと突っ込んで、どのような研修内容なのかしっかり検証してほしいと。これは今回だけではなく前回から聞いているのです。事件・事故を起こす者の所属、年齢、沖縄での滞在期間が何年以内の者が多いのか、そういうデータもとってくれと。一律の研修をしたからそれでいいという考えは甘くないか。ただ抗議をして、研修しているからと引き下がるのではなく、やはり年齢的なもの、滞在期間何年以内の者―私は根本から変えるべきだと思うのです。そういうこともしっかり検証していただきたい。今回も今から検証をするということを聞いてがっかりしているのですが、こういう申し送りは全くなかったのですか。

○謝花喜一郎知事公室長 ワーキングチームにおける提言の中で、まさしく又吉委員がおっしゃったような形で、今まで発生した事件・事故の傾向、そしてそれに対する分析を踏まえた上での対応策、例えば研修等を実施すべきだということを提言の中にも申し入れたところであります。

○又吉清義委員 こういうことは緊急だと思いますので、長らくこれが続いたり、ワンパターン化しているようでは、なくすことはできないと思います。そして、何も沖縄に派遣されてから研修するのではなく、それ以前に沖縄に行くことが決まっている者は本国内でもしっかりした教育をさせる。皆さんはもっと抜本的に突っ込んでいかないと、これには全く手がつけられないだろうと思っています。今回、副知事を初め、いろいろな方が抗議をして求めていくとのことですが、抗議だけで終わるのではなく、こういった事件・事故が起きているということを軍人・軍属へ早急に強く知らしめるよう言うべきだと思います。もしかしたら軍人・軍属の中には赤の他人事のように考えている者もいるかもしれない。6月に研修があるということで引き下がるのではなく、1週間以内に実施せよとか言って強く求めるべきだと思います。そういった抗議行動は今までもしていないし、今回も相手のペースで行って県の立場として強く求めていないのですか。

○謝花喜一郎知事公室長 私自身、スピード感を持って対処すべきだと、照屋委員の御指摘に対して反省の弁を述べました。まさしく今、又吉委員から言われたことについては、どういった形があるのか、待ちではなく県のほうから―この件につきましては今すぐできることですので、全軍人・軍属に対して周知するようにという申し入れを直ちに行っていきたいと考えております。

○又吉清義委員 これをいつ行うのか、明確に回答しなさいと。それぐらい強く言っていただきたいということを強く要望します。

○新垣清涼委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○新垣清涼委員長 質疑なしと認めます。
 以上で、元海兵隊員の米軍関係者による女性死体遺棄事件についての質疑を終結いたします。
 説明員の皆さん、大変御苦労さまでした
 休憩いたします。

   (休憩中に、執行部退席)

○新垣清涼委員長 再開いたします。
 意見書の提出についてを議題に追加することについては、休憩中に御協議をお願いいたします。
 意見の一致を見たときには、本件を議題に追加し、諮ることといたします。
 休憩いたします。

   (休憩中に、議題の追加について協議をした結果、追加することで意見の一致を見た。)

〇新垣清涼委員長 再開いたします。
 意見書の提出については、休憩中に御協議いたしましたとおり、議題に追加し、直ちに審査を行いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

〇新垣清涼委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 次に、意見書の提出についてを議題といたします。
 本委員会付議事件軍使用土地、基地公害、演習等米軍基地関係諸問題の調査及び対策の樹立に係る元海兵隊員の米軍関係者による女性死体遺棄事件について、議員提出議案として、意見書を提出するかどうかについて、休憩中に御協議をお願いいたします。
 休憩いたします。

   (休憩中に、意見書の提出について協議したが、自民党から、意見書は今回の事件に関する内容を主体とし、普天間飛行場の県内移設断念など意見の一致を見ない部分を除いて合意で
   きる部分でまとめるべきである旨の発言があった。また、社民・護憲ネットから、事件の根本原因に係る部分として県内移設断念などに触れざるを得ない旨の発言があった。)

〇新垣清涼委員長 再開いたします。
 本委員会付議事件軍使用土地、基地公害、演習等米軍基地関係諸問題の調査及び対策の樹立に係る元海兵隊員の米軍関係者による女性死体遺棄事件について、議員提出議案として意見書及び抗議決議を提出することにつきましては休憩中に御協議いただきましたが、意見の一致を見ることはできませんでした。
 以上で、本日の議題は全て終了いたしました。
 本日の委員会は、これをもって散会いたします。



沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。

 委 員 長  新 垣 清 涼