委員会記録・調査報告等

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米軍基地関係特別委員会記録
 
令和4年 第 1定例会閉会中

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開会の日時

年月日令和4年5月10日 曜日
開会午後 1 時 31
散会午後 5 時 57

場所


第7委員会室


議題


1 軍使用土地、基地公害、演習等米軍基地関係諸問題の調査及び対策の樹立(米海兵隊員による強制性交等致傷事件について)
2 米海兵隊員による強制性交等致傷事件についてに係る意見書及び同抗議決議の提出について(追加議題)


出席委員

委 員 長  照 屋 守 之 君
副委員長  照 屋 大 河 君
委   員  小 渡 良太郎 君
委   員  島 尻 忠 明 君
委   員  仲 里 全 孝 君
委   員  仲 村 家 治 君
委   員  山 里 将 雄 君
委   員  瀬 長 美佐雄 君
委   員  比 嘉 瑞 己 君
委   員  新 垣 光 栄 君
委   員  仲 村 未 央 さん
委   員  金 城   勉 君


欠席委員

又 吉 清 義 君
當 間 盛 夫 君


説明のため出席した者の職・氏名

知事公室長  嘉 数   登 君
 参事兼基地対策課長 古 堅 圭 一 君
 警察本部刑事部長  幸 喜 一 史 君



○照屋守之委員長 ただいまから、米軍基地関係特別委員会を開会いたします。
 本委員会付議事件軍使用土地、基地公害、演習等米軍基地関係諸問題の調査及び対策の樹立に係る米海兵隊員による強制性交等致傷事件についてを議題といたします。
 本日の説明員として、知事公室長及び警察本部刑事部長の出席を求めております。
 米海兵隊員による強制性交等致傷事件についての審査を行います。
 ただいまの議題について、知事公室長の説明を求めます。
 嘉数登知事公室長。

○嘉数登知事公室長 ただいま議題となっております米海兵隊員による強制性交等致傷事件について、御説明いたします。
 令和3年10月、在沖米海兵隊員1名による強制性交等致傷事件が発生しました。
 このような非人間的で卑劣な犯罪は、女性の人権をじゅうりんするものであり、また、基地と隣り合わせの生活を余儀なくされている県民に強い不安を与えるものであり、断じて許せるものではありません。
 県内では、昨年1月に那覇市で強制わいせつ事件が、同年4月に沖縄本島中部で強制性交等未遂事件が発生しました。そのたびに県が抗議しているにもかかわらず、このような事件が繰り返されることは、在沖米軍の隊員教育や管理体制が極めて不十分であると言わざるを得ません。
 今回の事件については、起訴のあった昨年12月23日に米側から県に対し事件の概要に関する情報提供がありましたが、県警察等から被害者のプライバシー保護の観点から、情報の取扱いに注意してほしいとのことだったため、県から情報を公表することを控えておりました。
 また、米側から謝罪に来たいとの申出があったため、県は、昨年12月末、非公開で米軍及び日米両政府の関係者を県庁に呼び、二度とこのような事件を起こさないよう強く抗議するとともに、教育や管理を徹底し、より実効性のある再発防止策を早急に講ずるよう求めました。
 以上で、説明を終わります。
 御審査のほど、よろしくお願いします。

○照屋守之委員長 知事公室長の説明は終わりました。
 次に、警察本部刑事部長の説明を求めます。
 幸喜一史刑事部長。

○幸喜一史刑事部長 米軍人による強制性交等致傷事件について御説明いたします。
 本件は、被疑者である米軍人の男性が、令和3年10月沖縄県内において、女性に対しわいせつな行為をする目的でけがをさせた事案であり、同年12月3日には強制わいせつ致傷の罪名で那覇地方検察庁に事件送致したものであります。
 なお、本件は、性犯罪という事案の特殊性から被害者に対する二次的被害やプライバシー保護に十分配慮する必要があったため広報は控えてきたところであり、本日の説明についても詳細について控えることがありますので御理解よろしくお願いします。
 それでは御審査のほど、よろしくお願いします。

○照屋守之委員長 刑事部長の説明は終わりました。
 これより、米海兵隊員による強制性交等致傷事件についての質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないよう簡潔にお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 小渡良太郎委員。

○小渡良太郎委員 このような、女性の人権をじゅうりんするような事件というのは断じて許すことはできないというのは、恐らく軍特委としても共通の前提という形であると思うんですが、その上で少し確認をさせていただきたいんですけれども、この海兵隊員―加害者の具体的な所属とか、あと在沖日数。もともと沖縄の部隊に所属をしてその中でそれなりの年数活動してやっているような人間なのか、それとも訓練のローテーションで回ってきている人間なのか、そこのところを少し、分かっている範囲でいいので教えてください。

○古堅圭一参事兼基地対策課長 本件についての被疑者の所属、在沖日数につきましては把握しておりません。

○小渡良太郎委員 私が沖縄市の市議だったとき、これはあくまで飲酒運転とかそういう事故の部分だったんですけれども、在沖日数―実際事故を起こした米兵の在沖日数等を事故別に出してもらったことがあります。そうすると、この割かし多くのパーセンテージで、在沖日数が短い米兵が起こしていると。だからいろんな形でこの米軍もいろいろ再発防止とか、軍人、メンバーの再教育とかそういったことをやっていると思うんですけれども、在沖日数が長い短い関係なく、やはりこういう事件を起こすというのは本来あり得ないことではあるんですが、ただこの訓練のローテーションで来ている人が起こしたのか、それとも長く沖縄にいる方が起こしたのかで少しニュアンスも変わってくるものですから、これは今分からないということなのでしようがないとは思うんですけれども、今後はぜひそこの部分も確認をお願いしたいと思います。
 どうも米軍のこのいろんなのを確認していると、そこの部分―うちの隊のメンバーにはしっかり話をしているよと、再発防止も努めているよと。でも、ちょくちょく訪れる人たちには、それがちゃんと行き届いているのか行き届いていないのか。行き届いていないのだったら、軍全体として、沖縄だけの問題じゃなくて全体として取り組んでほしいということも言っていかないといけないなと感じているので、ぜひ今後はそこの部分も少し注目して情報収集に当たっていただきたいなと要望して終わります。

○嘉数登知事公室長 ありがとうございます。事件・事故の再発防止に向けた研修等を含めた御質問だというふうに受け止めております。
 在沖米軍における事件・事故の再発防止に向けた研修ですけれども、これは一つには性的暴行防止及び対応訓練、それから日本文化に関する研修、さらには今御指摘のあった責任ある飲酒についての研修。その他の研修としまして、新任者に対するオリエンテーション、そういったものが実施されているというふうに聞いておりまして、特にこの性的暴行防止及び対応訓練ですとか、責任ある飲酒についての研修。これは年に1度必ず受けることになっておりまして、これは履歴管理もされているということですけれども、今委員御指摘の在軍日数の短い者の事件・事故との関連等そういったものについては、少し我々時間をいただいて分析といいますか、米側のほうにも確認する必要があるかと思っていますので、そこは検討すべきテーマとして承っておきたいというふうに考えております。

○小渡良太郎委員 軍人がやはりこういう事件を起こす、飲酒はともかくとして、こういう事件を起こすというのはやはり軍全体の問題として向こうにも捉えてもらわないと。ちゃんと人権教育をやるとか、もう当たり前に法律を理解していればこういうことを起こさないと思うんですよ。そういったのはやはり徹底をしっかり求めていく意味でも、情報をしっかり取ることでちゃんと見ているんだというところにもつながりますので、今後ぜひよろしくお願いします。
 以上です。

○照屋守之委員長 ほかに質疑はありませんか。
 比嘉瑞己委員。

○比嘉瑞己委員 最初に、知事公室にお聞きします。
 この事件は、昨年10月に発生していますが、沖縄県は12月に連絡を受けております。この連絡はどこからですか。

○古堅圭一参事兼基地対策課長 いつ本県は把握したのかについてでありますが、米側のほうから本件の概要に関する情報提供がございました。その情報提供を受けて、県のほうは覚知をしたということでございます。

○比嘉瑞己委員 最初の連絡が米軍からになっているわけですよね。私は本来、県警から県にちゃんと連絡が行くべきだと思っています。事件の性質上、被害者のプライバシーを尊重するのは大前提だと思うんですけれども、こうした重大事件が起きたときに、やはり沖縄県あるいは私たち議会がすぐに抗議するということが一番大切だと思うんですけれども、まずこの点について公室はどのように感じていますか。

○嘉数登知事公室長 事件によらず、情報の共有というのは非常に大事かなというふうに考えております。ただ、一方で県警察それから検察においても、この事件の性質というものを鑑みまして、そのような対応になったものだというふうに考えておりまして、今後事件の性質にもよりますけれども、県警等とは連携を密にしていきたいというふうに考えております。

○比嘉瑞己委員 刑事部長、私はこれはちゃんと情報を県と共有すべきだと思います。少なくとも、逮捕した時点あるいは書類送検した時点、遅くともこの起訴したときにはすぐに県警からちゃんと県に情報共有するべきだと思いますが、部長はどのようにお考えですか。

○幸喜一史刑事部長 まずは、性犯罪に限らず県警から県への情報提供のスタンスというのは、逮捕した事案で広報する案件については広報と同時期に県に情報提供をしています。これは性犯罪に限らず、いろんな事件についてはやっています。ただし、不拘束―いわゆる任意捜査の事案については、原則として広報もやりませんので、その際には具体的な情報提供はやっていないと。ただし、不拘束の事件でも、事案の重大性によっては広報するケースもあります。逮捕はしていないんだけど、こういうことで検挙しましたということで広報する場合もあります。その際には、また同様に県側に情報提供をしております。
 今回の事案については、不拘束での対応だったため、捜査の過程で県側への情報提供はやっていないというのは事実としてございます。

○比嘉瑞己委員 事実としてそうなってしまったわけですけど、これは本来あるべき姿で私はないと思うんですけれども、県警としては―私は捜査段階でという話はしていませんよ。少なくとも逮捕した時点ではこれできるんじゃないかという質問なんですが。

○幸喜一史刑事部長 今説明したとおり、逮捕したような事件については全て県側に情報提供をしております。

○比嘉瑞己委員 先ほどの公室長の説明では、米軍から連絡があった。県警から県にちゃんと連絡したんですか。

○幸喜一史刑事部長 この件については、逮捕した事案ではありません。不拘束送致ということで、逮捕したケースではありませんので、県警としては県側に情報は提供していませんということです。

○比嘉瑞己委員 ちょっと平行線ですので。こういった重大事件に関してはしっかりと共有してほしいと要望します。
 今回、この後議論になりますけど、日米地位協定がネックにある中で、県警がちゃんと逮捕して起訴までできたという点は私は皆さんの努力に敬意を表するものです。ですが、やはり捜査の在り方について、特にこれまでずっと議論になっている起訴前の身柄の引渡し。これが今回もできなかったという点は、私はやはり県民の立場に立ってここは改善すべきだと思います。刑事部長はどのようにお考えですか。

○幸喜一史刑事部長 委員がおっしゃるように、そのような見方があるのは十分理解しております。ただ、警察の立場としては、地位協定の枠組みの中で法と証拠に基づいてできる捜査をしっかりして捜査を遂げるというスタンスで捜査を進めているところです。御理解ください。

○比嘉瑞己委員 私は皆さんは精一杯努力していると思うんですけれども、ですが、やはりこの捜査がちゃんと身柄を引き渡した上での県警の捜査だったら、私はもっと正確に、早く私はこれ起訴できたんじゃないかなと思っています。
 県警が書類送検をした罪状は、強制わいせつ致傷容疑でした。ですが、そこから地検はさらに罪の重い強制性交致傷罪になっていますね。この違いというのはどのように受け止めていますか。

○幸喜一史刑事部長 警察としては捜査の段階で得た証拠などに基づいて、強制わいせつ致傷ということで立件して送致しております。送致を受けた検察庁でも、約20日間取調べであるとか必要な捜査を進めている過程で、強制性交致傷ということで起訴したものと承知しており、検察側の判断の中身については県警が意見を言える立場にはないと考えております。

○比嘉瑞己委員 検察は取調べを続ける中で、やはりこれは強制性交があった、強姦ですよ。このレイプがあったということを検察としてはこれで起訴しているわけです。だからやはりこの身柄を引き渡して取調べをするということがいかに大事かということが、ここだけでも私分かると思うんですよね。どうしてもこの身柄の引渡しがなければ、県警の皆さんだって物的証拠でしか詰めていけないわけですよね。だからこそ、やはり現場の皆さんがこの身柄の引渡しというのは必要なんだという立場に明確に立たないと、なかなかこの地位協定の壁越えられないと思うんです。
 現場を預かる部長としての思いを聞かせてください。

○幸喜一史刑事部長 一般論ですが、やはり身柄を拘束すれば警察の施設で拘束されることになりますので、必要な調べがいつでもできるというような状態になる。ただ、やはりこの地位協定の枠組みの中で、やはり米軍手中にある事案については、米側の了解を求めながら、いわゆる調べの日時を調整してそういうふうな調べを成立させていく。だから通常の事案よりは時間はかかるケースはありますが、県警としてはそういう決められた枠組みの中でしっかり捜査を遂げていますよということを御理解いただきたいと思います。

○比嘉瑞己委員 部長、この点は私やはり納得できません。
 今、実際この地位協定は抜本改定を私たち県も県議会も求めているけど、されていない。一方で運用改善でやっていますというのが政府の姿勢ですよ。皆さんの今の答弁もこの枠組みの中でやっていると。
 でもね、この運用改善でも今改定が行われていて、この凶悪犯罪だけじゃないですよ。2004年の改定ですか。いかなる犯罪でも、日本が重大だと判断すれば引渡しを要求できる。これ2004年の改定でこれはちゃんと合意されていますよね。その点はどうですか。

○幸喜一史刑事部長 そういう合同委員会で、そういうことで合意に至ったというようなのは了解していますが、あくまでもこれはやはり事案ごとに合同委員会―政府が主体となっていろんな要求をやることと思っていて、この点については警察、県警がどうだというような意見が言えるような立場にはないと理解しております。

○比嘉瑞己委員 一人の女性の人権が踏みにじられているわけですよ。しかもこれがずっと続いている。去年も何度もあったじゃないですか。こうした中で行われているのに、やはり県警の皆さんがこれ絶対変えるべきだということを言わない限り、政府も動きませんよ。重大な事件だと判断できれば引渡し要求できるんだから。要求しなきゃいけない。どうやったらこれを政府に届けられるのか。これ県警に問われているんじゃないですか。皆さんが、ちゃんと重大事件ですよということを上に示していかなければ。今の運用のままでも捜査はできました、逮捕できました。これで終わってしまっていたら変えられないじゃないですか。どうですか。

○幸喜一史刑事部長 繰り返しになりますが、米軍手中にある身柄の起訴前拘禁移転に関しては、政府が申請するということになっていますので、この点について県警察として特段意見を言うべき立場にはないと考えております。

○比嘉瑞己委員 言うべきは政府ですよ。その政府が言うべき材料があったか。皆さんこの事件について政府には報告したんですか。

○幸喜一史刑事部長 政府というか、警察としては警察庁にこういう事案があるというのは順次報告は上げているところです。

○比嘉瑞己委員 了解しました。じゃあ報告はしているけれども、政府のほうがこれを要求していない。

○幸喜一史刑事部長 要求していないとか、そういう意見は言っていません。今、この事案は報告して、政府に報告しているんですかという御質問がありましたので、県警としてはその事案の中身は警察庁に報告していますよといった、その事実だけです。

○比嘉瑞己委員 失礼しました。皆さんとしてはちゃんと報告はしているということを確認したいと思います。
 公室長にもう一度お聞きしたいんですけれども、今回、もちろん公務外で、恐らく夜間の犯罪だと思うんですけれども、今このリバティー制度、外出禁止の措置が取られていると思うんですけれども、これに違反しているんですか。

○古堅圭一参事兼基地対策課長 リバティー制度に違反していたのかどうかについてでありますが、今回の事案についてのその発生時間、それからその他詳細な情報等はございませんので、リバティー制度に違反していたかどうかは確認できないため、米軍に要請を行っておりません。

○比嘉瑞己委員 皆さん、米軍も呼んで抗議もしているわけですよ。こういった基本的なところも聞いた上で改善を求めなければ、どうするんですか。報道を見る限り、絶対そういう状況であるということをみんなが感じていますよ。
 やはりこのリバティー制度が今形骸化されていないか、こういうところをずっと放っておくと、また次の事件が起きてしまう。そこを未然に防ぐというのが皆さんの役割だと思うんですけど、ちゃんと米軍に照会をして、このリバティー制度の徹底、私は強化すべきだと思うんですけれども、今後はどうしますか。

○嘉数登知事公室長 委員御指摘のとおり、リバティー制度はちゃんと機能しているかどうかということについても、我々米軍に対して確認をしながら、仮にそれがあまり機能していないようであれば、そういった部分についても申入れを行っていきたいというふうに考えております。

○比嘉瑞己委員 終わります。

○照屋守之委員長 ほかに質疑はありませんか。
 仲村家治委員。

○仲村家治委員 公室長、刑事部長、就任前の事案ですのでなかなか―また初の委員会だと思うのであれですけど、まず、委員長、今回の事案は去年起こっているという中で、新聞紙上でしか私たちは理解をしていないんですけれども、せめて時系列の資料くらいは作成して私たちに提示すべきではないんですか。口頭で今やられていますよね。なぜ、時系列程度の資料を作成して提出しないのか。それをちょっと聞かせていただけますか。

○嘉数登知事公室長 まず今回の事件について、時系列にまずは口頭で説明しますと、昨年の12月の23日に……。

○仲村家治委員 委員長。私が聞いているのは、そういった時系列の資料を何で提示できなかったのかを聞いているんですよ。改めて時系列で説明してくださいと言っているわけではないですよ。

○嘉数登知事公室長 我々が持ち得ていた情報が、23日に来たという情報と、それを受けて県警、地検のほうに確認したということ、それから事案の性質に応じて、我々として公表を控えてきたと。そういう内容が非常にまだ十分じゃなかったものですから、この時系列で整理して情報の提供というのですか、資料の提供ということはできませんでした。

○仲村家治委員 先ほど2人の委員からも質問があったんですけれども、質問に対して情報を得ていないという答弁があったことに対して、やはり今までの事件・事故、ずっと抗議もやってきたし先方にもそれなりの要望をしてきたんですけれども、今回はちょっとデリケートな部分があるのかもしれないですけど、私たち特別委員会というのは、軍特というのは米軍に対するそういった事件・事故またいろいろなもろもろの問題に対して議論する場で、このようにまだ情報を得ていませんとか、そういう答弁をすること自体、知事公室の米軍に関する調査権というのをちょっと疑いたくなるような話を答弁しているということを皆さん自身感じないといけないと思うので、ぜひとも、もっと積極的に米軍に対して、また領事館に対して情報収集をするのが知事公室の役割なので、せっかく嘉数さん就任したんだから、また公室長の新しい手法で、今までできなかったこととかやれなかったことを、ぜひ情報を得て、またこの辺のことを県民にアピール、報告すべきだと思うので、細かい話はいいんですけれどもね、ぜひ、今回の微妙なデリケートな環境下であるのはよくよく理解はするんですけれども、今後そういう情報提供に対して、公室長の決意をちょっと聞かせていただけますか。

○嘉数登知事公室長 委員御指摘のとおりだというふうに思っております。
 本日軍特が開かれておりますけれども、軍特の中で議論をするにしても、前提となる情報が十分にないとなかなか議論が深まらないということも十分理解しております。それから、軍特の調査権というところの話もございました。私としては米軍あるいは関係機関と連携といいますか、申入れも含めてしまして、可能な限り事前に委員の皆さんに対して情報提供できるような形で取り組んでまいりたいと考えております。

○仲村家治委員 以上です。

○照屋守之委員長 休憩いたします。

(休憩中に、照屋委員長から、先ほど委員から質問されたリバティー制度について何らかの答弁ができないかとの発言があった。)

○照屋守之委員長 再開いたします。
 古堅圭一参事兼基地対策課長。

○古堅圭一参事兼基地対策課長 リバティー制度、基地外での行動指針であるとか、飲酒等に関するその米軍の行動指針が以前から策定されておりますけれども、今回の件に関連しては、その発生した時間帯であるとか、繰り返しになりますけれども、詳細な情報等がございませんので、大変申し訳ありませんけれども、リバティー制度に違反していたかどうかについては確認が取れておりません。申し訳ございません。

○照屋守之委員長 ほかに質疑はありませんか。
 仲村未央委員。

○仲村未央委員 今のところが一番気になるんですけれども、この発生―特に時間帯とか飲酒の有無であるとか、そのあたりは情報を示せないということですか。これは刑事部長のほうにお尋ねいたします。

○幸喜一史刑事部長 性犯罪という特殊性から、そういう広報を控える―被害者の立場を考え、報道されることでまた二次的被害を受けて捜査への協力ができなくなるとか、実際にこのケースは最近の報道で被害の女性の方はちょっとまた落ち込んでいるということで連絡も受けているのですが、こういうことがあるんですね。県警としては、広報は控えているということを本当に御理解いただきたいと思います。

○仲村未央委員 これは、被害者のほうからこの事件にまつわる一切を公表しないでくれというような、そういう要望が強くあったということが、今回のこの情報の薄さに直結しているということですか。

○幸喜一史刑事部長 まず、性犯罪に関しては基本的に被害者のプライバシーの保護、それからやはり二次的被害を軽減するという観点で広報は控えるというスタンスで県警は対応しております。ただし、性犯罪に遭った被害者でも、意識の強い方などは、いや、その必要はないと。絶対相手の名前も出して強く罰してほしいと、強く明確に主張される方もあります。だから、個々、ケースごとにしっかり検討した上で広報をするしないというのを判断しているということを御理解いただきたいと思います。

○仲村未央委員 今回県がその公表に対してかなり慎重に控えているのも、今のその県警からの理由というか、その辺りを聞いての配慮でこのような情報がないというような形になっているんですかね。

○古堅圭一参事兼基地対策課長 御指摘のとおりであります。

○仲村未央委員 これまでの、特に非常に女性や子供たちも含めて巻き込まれてきた経過の幾つかを見れば、深夜や早朝であったり本来外出しているはずがない時間帯に、特に週末など、集中してこのような事案が起こりがちだということは、これまでの過去の様々なケースからもあると思うんですよね。ですので、直接的な米軍側とのやり取り、この辺りからもやはりもう少し踏み込んで聞くことがなかったのか、そこは県警からの情報は別としても、直接得られる情報というのは本当にこの程度のことで、再発防止ができるのかということについては非常に疑問なんですけれども、そこの疑問はそもそも持っていらっしゃるのか、対応の仕方ですね。そこをどうしようとするのかお尋ねしたいんですけれども。

○嘉数登知事公室長 改めて現行のリバティー制度について確認しますと、2点ありまして、これは全兵士に対しまして原則的に午前0時から5時まで基地外での飲酒は禁止、それから給与等級E-5以下の兵士―これは陸軍・空軍・海兵隊でいくと3等軍曹、それから海軍にいくと2等兵曹ということになっておりまして、この兵士に対しては原則的に午前1時から5時まで基地外への外出禁止を義務づけているという内容になっております。
 我々としても、こういったリバティー制度に違反しているかどうかということについては、これまでもいろいろ照会をしてきておるんですけれども、現在まで明確な回答はないというのが現状でございます。
 ただし、これはその事件が起こった当初はなかなかそこが判断がつかなかったとしても、その後リバティー制度に違反していたかどうかというのは、逆に米側のほうでも把握は可能だと思われますので、事後的にも情報提供をいただいて、さらには米側のほうでどういった対応を取ったのかということについてもしっかりと情報収集をしていきたいというふうに思っています。そのことが、結果的にはそのリバティー制度が機能しているかどうかという評価のある意味での指標にもなるかと思っていますので、その辺はしっかりと対応していきたいというふうに考えております。

○仲村未央委員 あともう少し刑事部長にお尋ねしたいんですけれども、この米兵は基地に逃げ込んでいるわけですよね。犯罪を犯して後。その辺りは、どのような状況だったかはお話できますか。

○幸喜一史刑事部長 逃げ込んだというか、警察はこの被害者からの被害の届けを受けて犯行現場周辺の防犯カメラなどの画像から容疑性のあるのを割り出すわけです。やはり人相、特徴からもしかすると米軍関係者じゃないかということで米側と情報交換をして被疑者を特定して検挙に至っているんですね。そういう経過で被疑者を割り出しております。だから、基地内で生活しているので、基地の中に逃げ帰ったというのが実態であるかと思います。

○仲村未央委員 今回は被疑者の特定に、非常に米軍の速やかな対応があってこれが被疑者が発覚するということで捕まえられたのかなというふうに思うんですけれども、実際にはこれまでは、そのまま基地の中に入り込んじゃって、あるいはそのまま帰国しちゃったりするというケースも過去にはやはり発生したわけですよね。そういう意味では、このような米軍との今回の迅速な協力関係というのは、特段奏功したケースというふうに考えられるのか。そこはどうですか。

○幸喜一史刑事部長 いろんな事件ごとで、米側の捜査機関との連携は県警はうまくいっておりまして、今回のケースについてもうまくいった一つのケースというふうに考えています。

○仲村未央委員 とても情報が乏しくて、なかなか、そもそも地位協定の壁がある中で、こういった犯罪が繰り返されている状況に対して、もう少し―何て言うんだろうか、捜査の側からも具体的な要求などが出てくるとね、先ほどのやり取りでもありましたけど、改善するべき、もっと皆さんが本来は気づいている点、もう少しこうあらなければならないという点が、県民との間で我々との間で共有される必要があるんじゃないかなというのをどうしても感じざるを得ないような、そういう情報の乏しさであるということについては申し上げておきたいと思います。
 以上です。

○幸喜一史刑事部長 性犯罪に関しては、やはり県警としては特別な対応をしているということを御理解いただきたいと思います。まず、性犯罪の被害者は被害に遭った時点でもう衝撃的なショックを受けます。人に言えない、自分の中で閉じ込めるんですが、そこを勇気を絞って警察に相談に行きます。警察は当然何があったかということで聞き取りをするわけですが、被害者にとっては被害に遭ったことを聞かれますので、フラッシュバックですよね。これはもうはっきり言って、二次的被害のオンパレードです。警察や検察の捜査は。そこで、被疑者を検挙しましたということでもし広報した場合、先ほど話もありましたが―一般論ですよ、今回のケースではありませんので、例えば夜中の2時に被害に遭いましたというような事件として出たとしたときに、やはり周りでは、こんな夜中に女の子が一人で歩くのかねとか、うわさ話でも入ってきたら、また自分が悪いんだということでショックを受けるわけですよ。そうすると食事も取れない、職場にも行けなくなるというようなケースがたくさんあるので、やはり県警としては性犯罪に関しては被害者の立場に立って、そういう配慮をしていく必要があるということで、従来から広報は控えるというスタンスで対応しています。
 だから、各委員にとっては情報が乏しくてじくじたる思いがあるのは私たちも十分理解できるんですが、やはりそれでも私たちは被害に遭った方の立場で捜査を進めていくということを御理解いただければなと思います。
 よろしくお願いします。

○照屋守之委員長 ほかに質疑はありませんか。

(「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○照屋守之委員長 質疑なしと認めます。
 以上で、米海兵隊員による強制性交等致傷事件についての質疑を終結いたします。
 説明員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 休憩いたします。

(休憩中に、執行部退席。また、米海兵隊員による強制性交等致傷事件に係る意見書及び抗議決議の提出について議題に追加することを協議した結果、追加することで意見の一致を見た。)

○照屋守之委員長 再開いたします。
 お諮りいたします。
 米海兵隊員による強制性交等致傷事件についてに係る意見書及び同抗議決議の提出については、休憩中に御協議いたしましたとおり、議題に追加し、直ちに審査を行いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

(「異議なし」と呼ぶ者あり)

○照屋守之委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 米海兵隊員による強制性交等致傷事件についてに係る意見書及び同抗議決議を議題といたします。
 ただいまの意見書及び抗議決議の提出等については、休憩中に御協議をお願いいたします。
 休憩いたします。

(休憩中に、意見書及び抗議決議の提出の可否、文案及び提出方法等について協議した結果、意見書及び抗議決議を提出すること、提出者は本委員会の全員とすること、提案理由説明者は委員長とし、要請方法は県外は文書送付、県内は直接要請とし、議員派遣については本委員会の委員を派遣するよう議長に申し入れることで意見の一致を見た。)

   午後2時16分休憩
   午後5時56分再開

○照屋守之委員長 再開いたします。
 お諮りいたします。
 議員提出議案としての米海兵隊員による強制性交等致傷事件に関する意見書及び同抗議決議については、お手元に配付してあります案のとおり提出することとし、提出方法等については、休憩中に御協議いたしましたとおり決することに御異議ありませんか。

(「異議なし」と呼ぶ者あり)

○照屋守之委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 以上で、予定の議題は全て終了いたしました。
 委員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 本日の委員会は、これをもって散会いたします。






沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。


 委 員 長  照 屋 守 之