委員会記録・調査報告等

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文教厚生委員会記録
 
平成25年 第 6定例会

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開会の日時

年月日平成25年10月4日 曜日
開会午前 10 時 2
散会午後 5 時 4

場所


第2委員会室


議題


1 甲第2号議案 平成25年度沖縄県病院事業会計補正予算(第1号)
2 乙第3号議案 沖縄県子ども・子育て会議設置条例
3 乙第4号議案 沖縄県障害のある人もない人も共に暮らしやすい社会づくり条例
4 乙第5号議案 沖縄県指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例及び沖縄県指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基
準等を定める条例の一部を改正する条例
5 乙第6号議案 沖縄県国民健康保険調整交付金条例の一部を改正する条例
6 乙第9号議案 財産の取得について
7 乙第12号議案 沖縄県離島医療組合規約の一部変更について
8 陳情平成24年第79号、同第83号、同第85号の2、同第86号、同第89号、同第101号、同第104号、同第106号、同第107号、同第108号、同第110号、同第120号、同第132号、同第140号の3、同第160号、同第178号、同第186号、同第198号の2、同第202号、第1号、第6号の2、第32号、第36号、第37号、第49号、第50号の3、第56号、第74号、第82号、第104号の3、第106号、第115号、第119号及び第120号
9 審査日程の変更について(追加議題)


出席委員

委 員 長  呉 屋   宏 君
副委員長  狩 俣 信 子 さん
委  員  又 吉 清 義 君
委  員  島 袋   大 君
委  員  照 屋 守 之 君
委  員  新 田 宜 明 君
委  員  赤 嶺   昇 君
委  員  糸 洲 朝 則 君
委  員  西 銘 純 恵 さん
委  員  比 嘉 京 子 さん
委  員  嶺 井   光 君


欠席委員

      なし


説明のため出席した者の職・氏名

福祉保健部長        崎 山 八 郎 君
 福祉企画統括監      金 城   武 君
 保健衛生統括監      平   順 寧 君
 参事           里 村   浩 君
 高齢者福祉介護課長    仲 村 加代子 さん
 青少年・児童家庭課室長  仲 村   到 君
 障害保健福祉課長     大 城 壮 彦 君
 医務課長         阿 部 義 則 君
 健康増進課長       糸 数   公 君
 国民健康保険課長     上 地 幸 正 君
病院事業局長        伊 江 朝 次 君
 県立病院課長       嘉手納 良 博 君
 県立病院課医療企画監   篠 崎 裕 子 さん
 県立病院課副参事     幸 喜   敦 君



○呉屋宏委員長 ただいまから、文教厚生委員会を開会いたします。
 甲第2号議案、乙第3号議案から乙第6号議案まで、乙第9号議案及び乙第12号議案の議案7件、陳情34件を議題といたします。
 本日の説明員として、福祉保健部長及び病院事業局長の出席を求めております。
 まず初めに、乙第3号議案沖縄県子ども・子育て会議設置条例の審査を行います。
 ただいまの議案について、福祉保健部長の説明を求めます。
 崎山八郎福祉保健部長。

○崎山八郎福祉保健部長 それでは、乙第3号議案沖縄県子ども・子育て会議設置条例について御説明いたします
 平成25年第6回沖縄県議会(定例会)議案(その2)の4ページをお開きください。
 本議案は、子ども・子育て支援法の制定及び就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部が改正されたことに伴い、子ども・子育て支援事業支援計画、幼保連携型認定こども園の設置の認可等に関して意見を聞くため、沖縄県子ども・子育て会議を設置し、その組織及び運営に関し必要な事項を定める必要があることから、条例を提出するものであります。
 御審査のほど、よろしくお願いたします。

○呉屋宏委員長 福祉保健部長の説明は終わりました。
 これより、乙第3号議案に対する質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないように簡潔にお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 これは沖縄県子ども・子育て会議の設置ということですが、この条例でその会議を設置しなければならないという理由について、この間の法律の改正―児童福祉、保育所関係に関する法改正がいろいろありましたが、この経緯も含めて、今回条例を提案された理由をお尋ねします。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 まず、この子ども・子育て関連三法の経緯を申し上げますと、平成24年3月30日にこの関連三法が国会に提出されております。その後、6月15日に自民党、民主党、公明党によるいわゆる3党合意がなされて、改正法案あるいは新法案が提出、あるいは修正がなされております。その後に衆議院で6月26日に法案が可決しまして、8月10日に参議院でこの関連三法が可決、成立しております。8月22日に関連三法が公布されたということでございます。
 この条例を提出した理由でございますけれども、まず新制度の趣旨を踏まえて、いわゆる認定こども園法あるいは子ども・子育て支援法におきまして、今後、都道府県の計画を定めることとされておりまして、この計画の審議、意見を聴取するため、また認定こども園の認定等々の行為を行うに当たり、意見を聴取するということでこの会議の設置が必要となって、今回条例を提案したところでございます。

○西銘純恵委員 そもそも、この子育てというものは、保育所が足りないと。待機児童が多過ぎて、この間県議会でも沖縄県の待機児童の多さを質疑しているのですが、認可保育所をふやさないために、就労しているいろいろな保護者が大変になっていると。それでどうするのかということが出てきたのですが、今、この子ども・子育て関連三法、去年の話をされているのですが、もっとさかのぼって、この間保育所問題について、待機児童を解消するということであれば、認可保育所をふやすということがなされるはずです。けれども、認可保育所について―児童福祉法になってきますか、例えば2004年と2005年に保育所に対する国の運営費補助金はどうなったのか。そして、公的保育所や認可保育所に対する国の財政支援がどうなってきたのかということで、保育所が足りなくなってきたということがあると思うのです。今、去年の子ども・子育て関連三法をおっしゃったのですが、その前から政府がとってきた待機児童解消、保育所問題に対する変遷についても述べていただけませんか。子ども・子育て新システムとか、今度またプログラム法案というものが閣議決定されて臨時国会に出されるとか、私たちの頭では待機児童を認可保育所や公立保育所に預けて、本当に解消できるのかというところが一番のかなめですけれども、実際はその方向に行っていないのではないかということをとても感じてます。ですから、少なくともこの四、五カ年の保育に対する、児童福祉法がどのように変わっていったのかも含めて、皆さんの認識の範囲内で結構ですので、国の保育に対する考え方がどうなってきたのかということをお尋ねします。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 ここ数年の国のつぶさな経緯というものは手元に資料がないのですが、これまで子育ての環境というものは出生率の低下に伴う少子化が進んでいて、子育てをめぐる環境は非常に厳しい状況にあると。例えば、核家族や地域のつながりの希薄化等で、子育てに不安や孤立感を感じる家庭も少なくないと。また、保育所の整備―保育所の数が足りないということで、保育所の整備は喫緊の課題であることがこれまで抱えている大きな課題であるということを踏まえて、国のほうではそういった課題を背景にして、平成22年から新たな制度を導入することの検討を始めたというように認識しております。

○西銘純恵委員 先ほど聞いたものに答弁いただきたいのですが、2004年と2005年に認可保育所や公立保育所も含めて―従来、国の運営費負担金、そして保育所建設の補助金はあったのです。児童福祉法第24条に基づいて市町村が公的保育をすると。それで国も財源措置をしてきたわけです。ところが2004年と2005年のその改正はどのような中身だったのですか。それから保育所がつくられなくなったという声が現場で出ているのですが、どのような改正だったのですか。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 平成16年あたりだと思うのですけれども、三位一体の改革によりまして、これまで交付金という形でなされていた公立保育所の運営財源が一般財源化されたということ。あと、施設整備に関しては国から直接市町村に整備費の補助があったのですが、平成21年に安心子ども基金が創設されまして、都道府県を経由して整備費が市町村に交付されるという形で進んできたと認識しております。

○西銘純恵委員 本来、戦後ずっと最低基準が一度も改定されないままの保育内容ではあるのですけれども、公的保育、市町村に義務を課してやってきたものが、去年子ども・子育て関連三法がと言われたのですけれども、児童福祉法も去年の改正で変わったのです。その変わったところを―とりわけ第24条は保育、児童福祉を改悪するものだということで保育関係者や父母の皆さんの運動の中で、少し修正をかけて成立したのですけれども、もともとの児童福祉法の第24条というものはどのような定めがあって、それがどのように変わったのかお尋ねします。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 これはまだ施行はされておりませんが、施行前の第24条につきましては、市町村に保育の義務を課しておりました。これが3党合意の法案では市町村の保育の実施義務が外されたといいますか、離れたという内容になっておりましたので、それが法案修正されまして、市町村の保育の実施義務は現行どおりという形で修正されて、法制化されております。

○西銘純恵委員 これは第24条第1項にそのまま残されたということですけれども、新たに第2項、第3項が出てきたのはどういう内容ですか。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 追加されました第2項のほうは、認定こども園あるいは家庭的保育事業等、地域型保育と呼ばれているもの、これが追加されて、これについて市町村は必要な措置を講じなければならないという形での内容になっております。

○西銘純恵委員 結局は、2007年ですか、認定こども園法で今のように第24条の市町村の実施義務に基づくものではなくて、株式会社が参入できるという大きな法の改正があったわけです。この認定こども園法も去年の法改正でまた改正がなされたと。児童福祉法も第24条第2項ができたと。そして、子ども・子育て支援法というものが新たにできたということは、もっと株式会社に保育事業を参入させていくというところが、今度の法改正で大きな問題になっているのではないかと思うのです。今度の子ども・子育て会議というものは、第24条第2項に基づく―市町村がやる第24条第1項は従来どおりの認可保育所をつくっていくと。これは保育所整備計画、待機児童解消計画をしっかりつくってやっていくはずなのです。皆さんがつくる子ども・子育て会議というものは、第24条第2項に基づくほかの小規模保育とか家庭的保育とか、そういうところの計画をつくっていく会議ではないのですか。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 西銘委員のおっしゃる認定こども園法であったり、小規模家庭的保育、それらのみの保育の実施ではなくて、保育所の整備も含めて、あるいは地域の子育て支援、一時預かりも含めて、総合的に計画の中に盛り込んでいくということでございます。

○西銘純恵委員 それでは、新たに出されてきたものを政府が進めようとしているものは、政府から子供たちに出す給付金が幾らとか、具体的なものは出ているのですか。まだ出ていないと思うのです。今現在審議中ですよね。この新たな法に基づく実施はいつからですか。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 今、国で実施を予定しているのが平成27年度からということでございます。

○西銘純恵委員 この政府の会議の中で、きょうもまたニュースが出ていました。結局はこの第24条第2項に基づく保育制度、子育て支援として、保育に関してだけどのようなものを出してきているのか、先にお答えいただけますか。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 第2項に示されているものは、地域型保育としまして家庭的保育事業、小規模保育事業、居宅訪問型保育事業、事業所内保育事業、これらが法令の第2項に示されております。

○西銘純恵委員 幼保連携というものも入ってますよね。幼保連携にしても、今の沖縄県には公立幼稚園があるわけです。そこに保育を同居させるということは、保育の制度での最低基準、例えばゼロ歳児は3人に1人の割合で保育士が配置されますよね。幼稚園は35人クラスですよね。そこら辺で子供の保育が幼稚園の中でできるかとか、まだ教育と保育の中で整理されていない部分もいっぱいあると思うのです。私が思うのは、小規模保育とか家庭的保育、居宅訪問型保育、こういうものが結局は有資格者が定数の半分いれば認めるとか、この間出てきたものでも結局は保育の質を落とす、子供の最善の利益を守るものにはなっていないのが児童福祉法第24条第2項で示された子育て支援、まさしくその中身だと思っているのです。そこでお尋ねするのですが、児童福祉法第24条第1項、第2項の問題を聞いたのは、全国でなぜ児童福祉法第24条第1項を残す運動が起きたのかということは、本当に児童福祉というせめぎ合いが一番出ている部分だと思うのです。だから第1項を残した。けれども第2項ができたことによって、その子育て支援という第2項で基準も何も緩和される、面積とか、保育内容も全て公立保育所などよりも緩和されていくような、中身がどんどん待機児童解消という名目で広げられていくと。後は、児童福祉法第24条第1項そのものも実質的に形骸化されていくのではないかということが、保育団体の皆さんはまだ危惧しているわけです。
 もう一つお尋ねしたいのですが、待機児童の解消計画―本来ならば私どもは認可保育所と思っているのですけれども、児童福祉法の第56条の8、これはどのようなことがあったのでしょうか。これは削除された内容になっているのですが、模範六法にも第56条の8の記載がないのです。だから、この中身は待機児童解消、保育実施義務ということで、待機児童を解消しなさいという大事な部分だったと思うのですが、ここが削除されていることも問題ではないかと思っているのです。改正前の児童福祉法第56条の8です。削除される前にどのようなことが記載されていたのか、皆さんの資料でも削除されていて見えないのです。何かわかりましたらお願いします。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 児童福祉法の第56条の8といいますのは、待機児童が発生している特定市町村といいますが、待機児童が前年において発生している市町村は、保育計画を定める必要があるということを定めた条項であります。確かにこの条項は廃止されておりますが、それにかわって市町村は市町村の事業計画を定めることとされておりまして、その事業計画の中で―5年1期の計画になるのですが、その事業計画の中でしっかり保育の需要を把握し、そのニーズに対応する提供体制の内容であったり、実施の時期であったり、これらを盛り込んでしっかり対応していくというような形で、発展的に児童福祉法第56条の8の保育計画は削除された形になっていると認識しております。

○西銘純恵委員 今の認識は問題だと思うのです。国がそういうことを言っているにしても、わざわざ児童福祉法第24条を変えて第2項を出してきたことで、民間でやるところがふえてきたわけです。この児童福祉法第56条の8を削除したという、市町村に対する待機児童解消計画の義務づけ、そして保育所の整備に対する国庫補助、補助金の割合がどんどん削られてきたわけです。だから、本来の保育所整備を、法の根拠もなくして市町村がやらなくなることになると思うのですが、今、保育対策室長の答弁では、発展的に子ども・子育て支援法でやっていくと言ったのですけれども、この保証はあるのですか。国はこれまで保育所予算をどんどん削ってきたのです。運営費も削ってきたのです。だから市町村は認可保育所をつくりたいけれども、認可保育所をつくればこの保育料にしても、国が定める保育料は沖縄全県で10万円とか高い保育段階を定めているから、市町村はその保育料を住民から取れない。保護者から取れない。だから市町村はこの保育料の補塡策として年間17億円とか、各市町村が補塡してきたわけでしょう。そういうものを本当に国が予算を削ってきて、運営費も建設補助についてもどんどん削ってきて、児童福祉法第56条の8を削るということはまさしく法的根拠をなくして、市町村の保育所整備計画をなくしていくことにつながるというのが現場の一番の声ではないですか。そういうものは聞いていないのですか。県内の私立保育園の皆さんの声は聞いたのですか。国の言うことをうのみして本当に児童福祉、保育所整備がきちんとなされると思っているのですか。今の答弁で、発展的に解消したということは問題だと思っています。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 先ほど児童福祉法第56条の8を削除したと申し上げたのですけれども、訂正させていただきます。児童福祉法第56条の8に定める保育計画を認定子ども園法の事業計画に発展的に変えていくということで、定める中身、内容としましては、やはり保育のニーズを踏まえた上で、その提供体制を確保していくという形で置きかえられたと認識しております。事業計画の根拠を認定子ども園法と申し上げたのですが、子ども・子育て支援法のほうでございます。それと今、西銘委員のおっしゃっている予算の話、財源の話ということになるのですが、国のほうでは今回の新制度の導入に当たって必要な経費を7000億円と見込んでおりまして、それを今後しっかり確保していくという形で説明がございます。

○西銘純恵委員 7000億円は消費税増税の分で充てるということが、この間の税と社会保障の一体改革、改悪だと思っておりますが、そうですか。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 国の説明からしますと、消費税の増税の分を社会保障のうちの子育て支援政策に充てていくという説明でございます。

○西銘純恵委員 消費税を増税して社会保障に充てることは全く間違っているということを一言指摘をしておきたいのですが、この子ども・子育て支援法は、施設整備、運営費とかも含めて補助金はきちんと法の中に明記されているのですか。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 新制度のもとでは、新たな給付ということで施設型給付という仕組みが創設されますが、その施設型給付の中に施設整備に関する経費も含まれていると。

○西銘純恵委員 今、施設型給付と言われましたが、これまでの保育所に対する給付というものはどのようなやり方をしていましたか。今度の子ども・子育て支援法では利用者に直接給付するということで、例えば今の児童福祉法第24条第2項で新たに出てきたもろもろの小規模保育とか、児童に対して市町村は保育の内容をあっせんするということだけではないですか。契約とか保育料を払うとか、そういう事業はその施設と直接契約することに変わったのではないですか。今までの保護者、保育所、役所の関係が新たな法でどのように変わるのかというところをお尋ねします。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 市町村と利用者の間での契約という形では、保育所につきましては新制度のもとにおきましてもこれが引き継がれて現行どおりと。ただ、認定子ども園であったり、幼稚園、それについては利用者との直接契約という形になっております。

○西銘純恵委員 利用者との直接契約ということは、具体的にどのようにして保育所を探して、どのように保育所と直接契約するのですか。例えば、就労時間によって長時間保育と6時間パートの方が契約するというときには、その保育は1日受けられる制度になっているのですか。この保育の契約の内容について、もう少し具体的に説明をお願いできませんか。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 まず、市町村が利用者の全てについて保育の必要性の認定をしまして、認定を受けた利用者が市町村のあっせんを受ける形で提供がなされていくということですが、認可保育所や公立保育所に関しましてはこれまでどおり市町村に申し込みをしまして、市町村が入所の選定をして、入所の決定をしていく手続でございます。

○西銘純恵委員 そうしたら、例えば障害児とか―今の公立や認可保育所以外の新たな支援法に基づく保育制度においては、経営する側に民間がふえているということが全国で出てきているわけですから、そういう会社がもうからないと判断したら受け入れないということも出るわけです。そうしたら、役所が保育時間とか保育の必要性を認定しても、直接契約というところでいろいろな問題が出るのではないかということも、ひとり親とかそういう弱者の部分で保育を受けられないことが出てくるのではないかという声があるのです。それについてはどう考えていますか。契約できない場合も起こるということですよね。何カ所も保育所探しをするのですよね。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 これも国のほうで審議、議論されている話ですが、保育の必要性の認定という基準について国の子ども・子育て会議のほうで議論されておりまして、そういった多様なニーズにも応じられるように、これからの話ですが市町村はニーズ調査を実施しまして、そういったきめ細かな対応をし、ニーズを把握した上で保育あるいは幼児教育の提供体制を整備して、提供していくという内容になっております。

○西銘純恵委員 沖縄県は待機児童が少なくとも9000人いるということで認めているのですけれども、安倍総理が横浜方式を広げて、5年間で待機児童をゼロにするということを言ったのですけれども、この横浜方式というものが今回の三法にあらわれた保育の制度だと思うのですが、横浜方式はどういう問題点が指摘されていますか。幾つもあったと思うのです。待機児童がゼロになったというけれども、実際は数えられていないものが何百名も出てくるとか、そこら辺はつかんでいますか。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 横浜方式と言われている言葉に明確な定義はございませんけれども、横浜市が実施してきた待機児童に係る特徴的な施策を申し上げますと、まず予算を大幅に確保しまして保育所の定員を3年間で1万人程度増員したこと。市独自の基準で設置した横浜保育室を拡充したこと。それと、株式会社の参入を積極的に進めたこと。利用者への必要な情報提供、あるいは保育施設のあっせんを行います保育コンシェルジュと言われる職を配置して、待機児童の解消につなげていったと聞いております。

○西銘純恵委員 株式会社の参入というところですが、全国平均は―沖縄県は株式会社参入の保育所はないですよね。全国でも2%ぐらいしか株式会社が入っていないのです。横浜市に認可保育所がどれだけあって、そのうち株式会社が何割ぐらいか、つかんでいますか。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 横浜市の状況ですが、実数のほうは押さえていないのですが、株式会社の占有率は25%程度と聞いております。

○西銘純恵委員 株式会社が出て、問題点が幾つも出ていると思うのですが、1つは施設の問題です。ビルのテナントを借りるとか、子供の保育の基準がどうなのかというところで、保育士の資格、身分、退職問題。それと、株式会社がもうからないといったら撤退するとか、そういうことを皆さんつかんでいると思うのですが、保育の最低基準と言われるものが横浜方式ではどうなっているのか、株式会社が参入してどうなっているのか。そこをお答えいただいて、そういうものにするということがこの支援法の先取りだということを指摘したいのですが、安倍総理が横浜方式を見習えと全国に檄を飛ばしているわけです。皆さんにも通知が来たと思いますが、どうですか。横浜方式とは何だろうと研究しないといけないわけですよね。こんな保育でいいのかどうかということも含めて。どうですか。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 横浜市の独自基準の横浜保育室に関しましては、保育士の配置割合が認可保育所の基準より落ちまして―もとより認可外保育施設が運営するものでありますので、若干落とした上で運営している形でございます。配置割合は手元に資料がなくてお答えできませんけれども、認可基準は全ての従事者が保育士でなければいけないということと、認可外保育施設の場合は3分の1が保育士であることになっておりますので、その間で設定していると認識しております。面積については、認可保育所の場合、保育室1人当たり1.65平米という形になっております。ただ、横浜市の場合は先ほども申し上げましたとおり、手元に資料がございませんので明確にお答えはできません。

○西銘純恵委員 配置割合は保育士が2分の1、面積基準も低いと。今の最低基準以下でも認めていると。そして、株式会社が経営難で撤退して別企業が引き継いだとか、保育士の入れかわりの不安定さとか、ガードレール下の保育室とか、これが横浜方式と言われる内容だということで、私はしっかりこれを見てほしいと思うのです。今、国が進めようとしているものが、補助金を減らして施設そのものの建設を民間企業にさせていくと。そして、補助金は出さない方向にあると。今あるものを使いなさいと。ということは、子供の保育基準―最善の保育というものが、最低基準と言われるものをどんどん切り下げていく形になると思うのです。このように流れていくというのが今の関連三法の進む道、そして児童福祉法第24条が変えられた中身だということを私は指摘するのですが、最後に、児童福祉法第24条第1項が残されました。これについて部長なりのお答えをいただいて、質疑を終わりたいと思います。

○崎山八郎福祉保健部長 児童福祉法第24条においては、保護者から保育を必要とする場合においてそういった申込みがあって、保育を必要とする場合は市町村は保育をしなければならないということでありますので、保育の実施については市町村がしっかりやっていくということであります。我々も市町村と連携してそういった保育対策を取り組んでいきたいと思います。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 嶺井光委員。

○嶺井光委員 まず、きのう一般質問で聞いた幼稚園、保育所の設置形態について、県の方向性というものをもう一度確認させてもらえませんか。

○崎山八郎福祉保健部長 幼保連携型認定こども園の設置についての県の考え方ということですが、県としましては市町村と連携しながら制度の周知を図るとともに、保育関係者等の意見を聞いた上で、地域の実情に応じた子育て支援が実施できるように対応していきたいと。本土と違って沖縄県は特殊な保育環境になっていますので、そういった実情に応じた子育て支援ができるようにしていきたいと考えております。

○嶺井光委員 きのう私が伺ったのは、今、福祉保健部長がおっしゃっている全国的な中で、沖縄県は形態が違うという部分を大事にしてほしいと思うのです。こういう三法ができて、国は幼保連携の方向に持っていこうとしている。沖縄県もその方向に持っていこうと行政としても考えているのか、そこら辺の確認をしたかったのです。ぜひとどまっていただいて、沖縄県は沖縄県のスタイルで幼稚園教育、保育行政はやってほしいという希望をまず申し上げておきます。この方向性というものは、皆さんだけで決められる問題ではないと思うのです。幼稚園の設置は教育委員会の関係、あるいは市町村ですから。今、周知を図っていくということは、国が示している方向に持っていく方針だと捉えられませんか。

○崎山八郎福祉保健部長 そういった制度について周知を図るというようなことでありますけれども、そういった周知を図るとともに、先ほど申し上げましたように沖縄県は本土と状況が違いますので、地域の実情を踏まえながら、いろいろな方々の意見も聞きながら、今回子ども・子育て会議も設置いたしますので、そういった中でいろいろ意見交換をしながら進めていきたいと考えています。

○嶺井光委員 今度の子ども・子育て会議が設置されることに危機感を持っているのです。本土では5歳児まで保育所。そこから小学校に行くという形態がかなりあるのです。沖縄県は、お話のとおり学校ごとに幼稚園が分かれている。保育所はこれまで公営でやってきた。保育所がここ最近というか、民営化になっていくという流れはなかなかとめられないという実感ですけれども。だからといって、公立幼稚園と地域の法人保育所の一体化はやりようがないのではないかと思うのです。だから、沖縄県は沖縄県のスタイルでこういう就学前教育行政をやっていくということを、自分たちでつくりだして、進めてと。ある意味全国でいいモデルになると思います。全国にはないモデルが沖縄にでき上がるということで、県として教育委員会も一緒になって、市町村とも連携して、横浜方式ではなくて沖縄方式をつくってもらいたい。どうですか。

○崎山八郎福祉保健部長 先ほどから申し上げておりますように、地域の実情に応じて地域と連携をしながら、子育て支援のそういった取り組みを進めていきたいと考えております。

○嶺井光委員 ただ、私立の幼稚園、保育所も含めて、これを一体化できる可能性はあります。そういうところまでやるな、とめるなということではありません。これまできた公立幼稚園を大事にしてもらいたいということが基本ですから。そういう方向で頑張っていただきたいと思っております。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 赤嶺昇委員。

○赤嶺昇委員 まず今回の新しいシステムについて、保育に欠ける子供たちに関する部分についてはどうなりますか。今、保育に欠けるということが条件ですよね。今後、どうなりますか。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 新制度におきましては、保育に欠けるという概念が保育の必要な子という形で、今よりも対象、状態の幅が広がると。どのように広がるかといいますと、例えば就労の面で今、抽象的に昼間労働することを常態としているという定義ですが、これがフルタイムのほかパートタイムであったり、夜間などこれらの従事者も含まれてくると。あと、求職活動をしている方も保育の必要な状態に含まれるという形です。あとは虐待を受けている、DVのおそれがあるだとか、そういった形で、現行の保育に欠ける状態よりも幅が広がるということになります。

○赤嶺昇委員 ここは大変大事な部分だと思うのです。保育に欠けるという部分で言うと、例えば先ほど言った虐待とか、実際に本当に保育の必要な子供たちをしっかり受け入れる体制というものは大事だと思います。そうすると、認可外保育施設が多い本県においては、今後どういう形になっていくと予想されますか。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 今、取り組んでいる最中の大きな課題でございます待機児童の解消、これを進めていくということが大きな目標、重要な部分だというように認識しております。新制度のもとでは提供される保育あるいは幼児教育の体制としましては、先ほど来出ているように、保育所による保育の提供を中心にしまして、認定こども園であったり、幼稚園も含めて。それと地域型保育ということで、先ほど申し上げましたように小規模保育であったり、家庭的保育であったりという形で認可外保育施設の方々につきましても―特に認可外保育施設の場合、運営規模が小さいですので、その地域型保育、小規模保育だとか家庭的保育、そこらあたりの地域型保育になじむのではないかと考えられております。認可外保育施設の方々につきましては、そういった比較的規模の小さな保育を担っていただければと考えております。

○赤嶺昇委員 先ほど財源の話が出たのですが、民間法人保育所への運営費補助に係る予算というものは、今後一般財源化されることになるのですか。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 民間保育所の場合は、行政のほうから国、県、市町村で負担しているところでありますけれども、今後一般財源化されるという話は今のところ全く聞いてございません。

○赤嶺昇委員 これは一般財源化されると、市町村によって―いわゆる公立保育所の場合、一般財源化されて実際予算がそこに充てられるかどうかということは非常に問題があって、県として、やはり認可の民間法人保育所の一般財源化については反対するという方針ですか。

○崎山八郎福祉保健部長 県としては、これまで来ている流れの中で、それを継続していきたいと考えております。

○赤嶺昇委員 これまでの流れは一般財源化ではないのです。いわゆる、一般財源化には反対ということで理解していいですよね。

○崎山八郎福祉保健部長 財源がしっかり確保されて、そういった保育所の運営に支障がないようにしてほしいということであります。

○赤嶺昇委員 中途半端な答弁をしてますけれども、公立保育所が一般財源化されたことによって影響は出ませんでしたか。

○金城武福祉企画統括監 当時、いろいろとたしか市町村における調査をしたときに、影響があるというような―具体的な記憶は今ないのですけれども、そういうことが市町村からの調査の中では出ていた。具体的には思い出せないのですが、調査の結果としてそういうことはありました。

○赤嶺昇委員 沖縄市とか、市町村によって保育料が上がったりしたところが出たのです。約8年か9年前に調査してもらったのです。そのときに、やはり公立保育所が一般財源化されたことによって、地方交付税で措置されたとしても影響が出たのです。これは利用者に負担が転嫁されたのです。4000円から5000円上がったりしたところが数字として出ましたので、先ほど部長が今までどおりの予算をしっかり確保してもらいたいと言ったことは当然の話であって、認可の民間法人保育所についての予算はしっかり―一般財源化する理由というものはないと思います。沖縄においては待機児童もこれだけいますから、それについては県として明確に、従来の予算も含めて一般財源化については反対するということをしっかり示しておいたほうがいいと思いますが、いかがですか。

○崎山八郎福祉保健部長 ただいまの件については、いろいろな機会に―主管部長会議とか、そういう場で意見を述べる場もありますので、そういう場で述べていきたいと思います。

○赤嶺昇委員 ぜひよろしくお願いします。
 先ほどの西銘委員とのやりとりの中で横浜方式の話が出ましたけれども、今後の保育の最低基準は横浜方式に準じていく予定になっているのですか。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 横浜市の横浜保育室というものは、認定保育所という形で地方公共団体独自のものでございまして、株式会社がそれを運営したりということですけれども、保育所であったり、認定こども園もそうですけれども、行政のほうでそこは基準を定めていくと。特に保育所に関しましては、昨年都道府県に条例を制定する権限が持たされておりますので、その施設の設備の運営基準は都道府県単位で条例でもって定めております。

○赤嶺昇委員 そうすると、今、認定こども園の話もされたのですが、保育所そのものの最低基準はそんなに変わらないということで理解していいのですか。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 そのとおりでございます。

○赤嶺昇委員 最後に子ども・子育て会議についてですが、いろいろな方々を入れて話をするということですが、構成メンバーはどういう方々ですか。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 この会議の構成委員としましては、今後検討していくこととなります。

○赤嶺昇委員 まだ決まっていないということですか。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 そのとおりでございます。

○赤嶺昇委員 子供の保護者とか、学識経験者とかいろいろ載っていますが、認可外保育施設関係者も入れる予定ですか。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 認可外保育施設の関係者につきましても、今後検討していくことになります。

○赤嶺昇委員 幅広い分野の皆さんもしっかり入れて、嶺井委員からもあったように、沖縄の実情に合った保育をしっかりと―東京と同じものではなくて、沖縄は沖縄独自の環境があって、そこは大事な部分だと思うのです。ですから、その関係者の皆さんを入れて、みんなが納得いくような仕組みをつくらないといけないと思うのですが、福祉保健部長、いかがですか。

○崎山八郎福祉保健部長 沖縄に合った保育ということでありますので、いろいろな関係者を交えて、意見を取り上げていきたいと考えております。

○呉屋宏委員長 ほかにありませんか。
 新田宜明委員。

○新田宜明委員 2点だけ伺いたいと思います。保育のニーズ調査、そして保育を必要とするかどうかの認定基準は市町村に任されているのでしょうか。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 保育のニーズ調査につきましては、今後市町村が調査を行っていくこととなりますが、国のほうでその調査項目―おおむねの基準ということで示された上で、今後調査していくと。市町村は国が示した調査項目に、地域の実情に応じた調査項目を加えて調査を実施していくことになります。それと保育の認定の基準は、国のほうで現在基準について議論をしているということでございます。

○新田宜明委員 市町村の地域の産業構造だとか、あるいは所得含めて、子育ての環境はさまざまだと思います。そういう意味では、地域の保育ニーズも必ずしも国の基準どおり、あるいは私ども、県が考えるような基準どおりにはいかないということが常識だと思うのです。そういう意味では、保育ニーズの判断はやはりその権限を市町村に大幅に移さないと、本来の保育を必要とする児童を保育することにならないだろうと思うのです。そういう意味では、この辺の考え方は、県はしっかりと持っていただきたいと思うのですが、そういうスタンスを県は持ちながら、今後新しい法改正のもとでの保育行政をやろうと考えているのか。その辺の見解を聞かせていただきたいと思うのです。

○崎山八郎福祉保健部長 保育のニーズについては、先ほど保育対策室長のほうからも申し上げましたけれども、国のほうである程度のそういった項目は決めますけれども、それぞれの地域によって実情が違いますので、それぞれの地域の実情に合ったニーズを把握するということで、ニーズを把握して保育を進めていくことになります。

○新田宜明委員 それとあと1点です。今、国のほうは待機児童解消の加速化プラン、4年間で待機児童を解消するという方針を打ち出しましたね。沖縄県も4年で待機児童、あるいは潜在的待機児童も含めて9000人を解消すると。そうなると、この新しい法のもとでは9000人という数字はかなり変動するのではないかと思うのですが、この辺の見通しはどうですか。従来の保育を必要としている、あるいは保育に欠けると皆さんが考えていた観念が取っ払われるわけですから、かなり広くなるのではないかと思うのです。そうなると皆さん4年間で待機児童も、潜在的待機児童も解消するという方針、基本的な考え方が少し違ってくるのではないかと思っているものだから、それで代表質問の中でも項目を入れたのですが、どうですか。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 9000人の潜在的待機児童を含む待機児童は、県のほうで推計に基づいて算出した数字でございます。新制度に向けて先ほどお答えしましたように、市町村のほうでニーズ調査を実施していきますので、それを踏まえまして、その9000人という数字が場合によっては動くこともございますので、そこはしっかり検証していきながら、9000人という数字を見直す必要があるときにはそれを見直しした上で、また市町村に計画を見直していただくということで考えております。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 狩俣信子委員。

○狩俣信子委員 実は、この子ども・子育て会議が今の保育状況にどういう影響があるのかとすごく危惧します。というのは、認可保育所、認可外保育施設を考えたときに、認可外保育施設が約半数近くありますね。その中で、認定こども園などができたときに、認可外保育施設に及ぼす影響というか、今、子供たちがそこにいるわけですから、どういう影響が出てきますか。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 今、委員は認定こども園の設置による影響ということをおっしゃっていると認識しておりますけれども、認可外保育施設制度も特に変更されることなく、新制度のもとにおいても継続する形でございます。競合する部分というものはそう多くはないと考えられますので、特に大きな影響はないと考えております。

○狩俣信子委員 横浜基準ということを先ほどおっしゃいましたね。この新しい制度が入ってくると、株式会社が入ってくるのではないかという危惧もあるわけです。要するに、今の保育基準より落とされていくのではないかという危惧があるのですが、沖縄県の場合はその懸念はないですか。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 実施主体のいかんを問わず、保育所運営の場合には県の条例によって施設設備の運営基準が定められております。例えば株式会社であってもその基準にのっとった形で運営していただくことになりますので、その点については、特に株式会社のほうで勝手に変えるということはございません。

○狩俣信子委員 今の認可保育所がありますね。認可外保育施設がありますね。認可外保育施設というものは、はっきり言って認可保育所の基準よりは下です。まず保育士の数が不足、それから部屋の大きさが違う。そこらあたりがあるのですが、皆さんが想定しているものは、まだ認可外保育施設よりは基準は満たされていくということでしょうか。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 確かに、認可外保育施設は認可保育所に比べますと指導監督基準に基づく基準は質的にかなり落ちることになるのですが、新制度におきましては地域型保育―先ほど赤嶺委員の御質疑に答えたのですが、小規模保育事業であったり、家庭的保育事業であったりという事業に認可外保育施設は移行していくのが適切だと認識しております。小規模保育であったり家庭的保育はそれぞれに基準が定められていて、公的保育という形で提供されていきますので、保育の質はしっかり確保されていくものと認識しております。

○狩俣信子委員 私が聞いているのは、今の認可外保育施設でやっているものよりは、質は当然上がるのですよねということです。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 認可外保育施設の基準は、先ほども申し上げましたように認可保育所よりも落ちます。したがいまして、国のほうでは新制度のもとにおいて基準をより高めていくということでございますので、高い基準で設定されていくものと考えております。

○狩俣信子委員 皆さんは今の答弁をしたのだから、質を落としたら私たちはチェックしていきますよ。認可外保育施設よりも質を上げるかどうかと聞いているのは、実は認可外保育施設に預けた1歳児が、本当に3カ月足らずで3回も肺炎を起こしたのです。私がその施設を直接行って見たときに、保育士の数が足りないから、おむつだってぬれたまま交換もしていなかったのです。上から扇風機、そういう中で子どもたちは体力もなくなっていって、3カ月の間に3回も肺炎にかかっているものですから、こういうものを見たときにやはり保育士の数の問題は大切だと思うのです。資格の問題ももちろん大切。それから、そこにいる数の問題も大切。だから、皆さんが認定こども園を入れるのであれば、そこらあたりは今、認可外保育施設の保育士数が不足しているという中で、これよりは基準を上げて、しっかりやってもらわないと意味がないと思っているものですから、お尋ねしているのです。そこらあたりは大丈夫ですよね。

○呉屋宏委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、崎山福祉保健部長から、認定こども園には幼保連携型認定こども園、幼稚園型認定こども園、保育所型認定こども園などいろいろなタイプがあり、幼保連携型認定こども園の
保育所は児童福祉施設の基準を満たさなければならず、幼稚園型認定こども園の場合は認可外保育施設との連携があるかもしれないが、保育所型認定こども園は、これはまた児童福祉
施設の最低基準を満たさないといけないので、ほぼ基準は満たしているとの説明があり、再開して質疑を続けることになった。)

○呉屋宏委員長 再開いたします。
 狩俣信子委員。

○狩俣信子委員 そういう確約をしていただくと預けるほうも安心かなということがあるものですから、やはり基準を守っていくということはとても大事。それから、先ほどから沖縄型と出ておりますが、半数近い認可外保育施設、子供たちはそこにいるわけですから、そこから皆さんは先ほど認可外保育施設は小規模保育、地域型保育をやってくれたらいいという話があるのですが、沖縄全体として保育問題を考えなくてはいけないと思っているのでしっかりやっていただきたいと思うのですが、今皆さんが言ったいろいろなタイプの認定こども園が万が一違反しているとか、質が落ちたなどのチェックはどこがやるのですか。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 認定こども園に関しましては、指導監督を県のほうでしっかりやっていくことになります。

○狩俣信子委員 チェック機能について、子ども・子育て会議の果たす役割は何があるのですか。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 子ども・子育て会議の機能、役割としましては、県の事業計画に意見を述べることと、今の委員御質疑の関連で申し上げますと、認定こども園に関して設置の認可であったり、事業停止命令等の処分を行うときの意見を聴取することになります。

○狩俣信子委員 そういう意味では、結局この会議よりは皆さんの部署がしっかりチェックしていかなくてはならないということになるのですね。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 そのとおりでございます。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 島袋大委員。

○島袋大委員 今聞いている内容は、やはり一般の県民からしてみればお母さん方もお父さん方も、とにかく子供を保育園に入れてほしいということが切実な願いだと思っているのです。しかし、我々の仕事は今さえよければいいという感じではないものだから、10年先、20年先を見据えて、しっかりとした基準を我々のほうでしっかりとチェックしてやっていかないといけないと思っております。だから、担当部署としてもしっかりと―この辺は法改正のもとでいろいろな面で意見がありますけれども、沖縄県の思いは断固として持って、しっかりやっていただきたいと思っています。
 保育士の数も足りない状況ですけれども、ここ最近潜在的保育士への皆さんのアンケート調査も既にスタートしていることになっていますから、非常にスピーディーに動いていると自分自身も実感しているのです。この関連三法は決まりましたが、この法律が決まった後に沖縄県として、要するにこういった面はてこ入れします、こんな感じでやっていきたいですという意見を詰めているところはありますか。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 まず待機児童がこれだけ多いということでございますので、保育所の整備等によって保育所の定員の確保が求められているということを認識しております。

○島袋大委員 今、小規模保育とか家庭的保育とかをいろいろやると言っているが、ただ単に予算のばらまきではいけないと思っていますから、認定こども園もあるかもしれないけれども、平成27年度からは、先ほど言っていたように株式会社は確実に参入できる。手を挙げた市町村は受け入れ体制はできるけれども、平成27年度からは株式会社が入ってくるわけですから、沖縄県としては認可外保育施設をどういった形でしっかりと守っていくのかも含めてやっていかなくてはならないと思っています。基準とかもろもろあるものだから、いつも提案しているように沖縄県は沖縄型の認証制度を導入して、しっかりと認可外保育施設の職員の処遇も改善しながら、守っていくべきところは守ったほうがいいと思っているのです。今のままであれば、株式会社が入ってきたら今の中規模あたりの認可外保育施設はほとんど閉園していく状況になっていきます。だから、そういった場合に沖縄県が独自の沖縄型保育システムを考えるのであれば、そういったものは断固―これこそ会議の中でそういった議論になってくるということですか。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 先ほど福祉保健部長からも答弁がありましたけれども、沖縄独自の特徴というものがございますので、そういったことも踏まえて沖縄の幼児教育、保育のあり方を子ども・子育て会議で意見を聞いていくと考えております。

○島袋大委員 子ども・子育て会議は、どういった内容をする会議ですか。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 会議の役割としましては、今後策定します県の事業計画の策定に当たって意見を聞く場でございます。

○島袋大委員 この会議の中で、先ほど赤嶺委員からもありましたように、いろいろな方たちが委員として20名程度でやると言っていますが、県が案をつくって、その会議で議論して、足りないところはこうやったほうがいいですよとか、アドバイスやその意見を聞くということで認識していいのですか。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 基本的にはそういうことになりますが、テーマについても、どういったテーマを議論していくかということを委員から提案していただくこともあろうかと考えております。

○島袋大委員 まさしく我々は、各議員も一般質問で待機児童というものは永遠のテーマみたいになっているのだけれども、これはせっかく子ども・子育て会議をつくるのであれば、各界の委員の皆さん方を中に入れるのであれば、どんどん意見を聞いて、県政としてどのように子育て政策の中に反映していくのかという重要な会議だと思っておりますから、それはしっかりと意見も酌み取ってもらってやっていただきたいと思っています。ひとつよろしくお願いします。
 新法の中でいろいろな小規模保育、家庭的保育でいろいろな予算はやるかもしれないけれども、一番気になってくるのはこの予算だけばらまいて、チェック機能を怠ったらまずいと思っておりますから、第三者委員会もあると思いますけれども、第三者委員会も確実に認可保育園なり、あるいは導入するなら認証制度の認証保育なり、認可外保育施設もろもろも含めて、第三者機関の中でどういった―保育運営もしかり、保育の指導もしっかりやっているかということは、今いろいろ話しているけれども、数も限られていますから県の職員だけでは非常に難しいと思っているのです。だから、第三者委員会へ各園が予算を出して、確実に第三者委員会の中でしっかりとチェックできるような機能も、会議の中でももろもろ含めて沖縄県の、沖縄独自のものをつくるのであれば、第三者委員会の中に加盟して、しっかりとチェックは受けてくださいというように監査以外にもやらないと。しっかりと沖縄の子育て政策の中でやっていけば、どんどん問題も出てこなくなると思いますし、スムーズな運営あるいは保育士の質も上がってくると思うのですが、どう思いますか。

○崎山八郎福祉保健部長 家庭的保育とか、小規模保育などいろいろな地域型保育が出てきますので、そういった保育事業を進めていく際に、どのようにしてチェックをしていくかということも含めて、どういうことができるかということも含めて、こういった会議の中で意見などを聞いていきたいと思います。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 比嘉京子委員。

○比嘉京子委員 皆さんの乙号議案説明資料を見ているのですが、資料3の3です。議案提出に理由のところに、まず子ども・子育て関連三法、それから認定こども園法の一部改正を受けての附属機関ですよね。それで、各委員からの質疑は子ども・子育て関連三法についての内容であったりするわけですけれども、そういうことを延々と聞くわけにもいかないので確認ですが、国が進めている方向性に準じるような機関ではないという理解でいいのですか。子ども・子育て関連三法を受けて、いわゆる話し合う機関として会議を設置すると書いてあるわけですが、国が決めている内容にはたくさんの問題点をみんな感じているわけだし、沖縄の保育現場からもたくさん―前期、我々は参考人招致もして意見も聞いているわけです。沖縄ではどういう状況、または幾ら待機児童が多いからといえども、沖縄はどういう方向に行くべきかということはみんな意識を持っていると思うのです。だから今、子ども・子育て関連三法の議論をやっていたら切りがないので確認ですが、国はどういう方向に行こうとも、沖縄県としては沖縄の現状に即した、または沖縄の子供たちを中心に考えた保育のあり方を議論する場所という理解でいいのですかという話です。

○崎山八郎福祉保健部長 子ども・子育て会議は、子ども・子育て支援法の法律に基づいて設置することになっているものですので、それは法律に基づいた会議であります。その上で、先ほどから申し上げておりますように沖縄県の実情は本土とは違いますので、そういったことも含めてこの会議の中でいろいろ意見を出していただくことを考えております。

○比嘉京子委員 皆さんがここに示してある図を見ると、例えば幼保連携型認定こども園の設置等の認可―この施設を認可していいかどうか。それから事業停止命令、取り消し。この停止命令や取り消しということはどういうことが想定されるのですか。そういうことを話し合う会議ですよね。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 今、委員の御質疑は、幼保連携型認定こども園など、今後認定をした認定こども園がそういう不適切な保育なり、幼児教育をしたという事案が発生したときに、業務停止命令等の処分をその会議に諮っていくということで、事案が発生したときの役割ということでございます。

○比嘉京子委員 先ほどの各委員の質疑の中で、まずいわゆる実施主体は地方自治体であることは間違いないですよね。これは動かないですよね。実施主体は市町村であることは間違いないですよね。また、現行の公立保育所、それから認可保育園はそのままの状態で引き継がれるという理解もそれでいいですか。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 そのとおりでございます。

○比嘉京子委員 新たに申請されるであろう、そういう施設においての認可または取り消し等の判断をするという理解でいいですか。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 幼保連携型認定こども園が、ということでございます。

○比嘉京子委員 その幼保連携型といったときに、たしか教育委員会のほうでは幼少の連携、または幼保の連携のあり方という検討委員会をずっとやってきたと思うのです。教育委員会との話し合いはできているのですか。あそこはあそこで別の方向に向かって、皆さんは皆さんで違う方向に向かうということではいけないと思うのです。今の沖縄県の実態からすると、沖縄県は幼稚園への就園率が全国一です。誇るべき全国一です。それに保育所を絡めるというのが幼保連携ですよね。そうすると、沖縄県の場合は本土とは違って、幼小連携という確たるものが歴史的にあるわけです。そういう話し合いはできてますかという話です。あちらは会議を立ち上げて、幼小連携で1年間は話し合いができていると思うのです。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 教育委員会は幼児教育アクションプログラムというものをつくって、昨年、教育委員会が持っている委員会の中で話し合いがされているということは聞いております。また、事務方レベルでも意見交換あるいは情報交換を引き続きやっているところでございます。また、先ほど福祉保健部長も答弁していますように、この会議の中においてもそういった大きな特徴を踏まえた意見を出していただくということを考えております。

○比嘉京子委員 そうすると、就学前という幼稚園と保育園のあり方ということを今後皆さん話し合われると思うのですが、幼小連携のことも踏まえて、そしてこれから幼保連携の問題も考えていくという理解のもとで議論しますけれども、そのときに今、各委員が懸念している子ども・子育て関連三法、新システムというものは、先ほどから西銘委員が言っている、まず子ども中心で児童福祉法に依拠しているところに今の沖縄の公立、認可保育所があるわけです。けれども、この三法の意向というものは、児童福祉法ではなく、いかに親を中心に都合がいいように動かしていくかということで、非常に公的な責任も含めながら、子どもの育ちがどうなっていくのだろうかという大きな疑念を持った三法なわけです。その理解はいいですか―言い方を変えますが、新しい三法というものが、過去の保育所における児童福祉法に依拠した流れとどういう点で変わっていこうとしているのですか。私はその担保をとりたいのです。そうではないということを確認したいだけです。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 この新制度は方向性を変えるということではなくて、現行の制度を残しつつよりよい保育、あるいは幼児教育を提供していく仕組みをつくっていくというものでございます。

○比嘉京子委員 では、公的責任は後退させないという理解でよろしいですか。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 この制度のもとでは、そういう理念で向かっていると理解しております。

○比嘉京子委員 沖縄県は保育を商品化しないという確認もできますか。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 今、委員のおっしゃった商品化について十分理解できないのですが、恐らく株式会社の参入のことをおっしゃっていると考えます。新制度のもとにおきましては、株式会社が参入してくる可能性もございますし、出てきたときに保育需要を満たしていない場合には、行政が拒否することはできませんので、株式会社の参入には特に拒否もしないのですが、新制度のもとにおける考え方に沿って対応していきたいと考えております。

○比嘉京子委員 参入を拒否できないということはないでしょう。例えば、福岡市は株式会社参入を認めていないのです。これは地域地域の判断で、独自にやりませんということはできるのです。福岡市の担当者が何と言っているかというと、保育所が撤退した場合、被害に遭うのは子ども。慎重にならざるを得ないと。ですから、自分の地域の保育を守り、決めていくのは我々なのです。国の制度だからとうのみにするのかしないのかというところを議論して、チェックしようとしているわけですが、この会議がつくられるのは2つの法律の流れだからやりますとおっしゃるわけです。けれども、中身については沖縄県に即したやり方でやりますという確認を一つ一つとってきているつもりですが、そこもぜひ流れとして来たときには入れる、入れなければいけないということはどうなのですか。きちんと独自の保育理念を持ってやることが必要ではないですか。

○崎山八郎福祉保健部長 株式会社の参入については、平成27年度以降はその地域で待機児童がいる状況の中で、要件を満たした株式会社であれば認めなければならないという状況になります。待機児童がいる地域で株式会社からの参入があって、要件を満たしているのであれば認めざるを得ないということになりますので、それはそれで認めていかざるを得ない状況になりますので、そういう中でしっかりとした保育をしてもらうことにしていかなくてはいけないと思います。

○比嘉京子委員 そのとき、もう一度バックせざるを得ないのですが、市町村が保育のニーズを決めますよね、認定しますよね。企業参入になったときに、これからの話は今までの認可や法律のあり方は通常どおりだという話が前提にあったから言っていないのですが、企業参入となると親と企業が直接契約をするというシステムに切りかわるのですか。これは認可も直接契約に持っていって、自己責任にするのですか。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 保育所に関しましては、これは直接契約ということではなくて、現行どおり市町村に申し込みをして、市町村との契約になります。株式会社であっても、実施主体がいずれであってもということです。

○比嘉京子委員 そうすると、株式会社の保育園に入りたいという人も、市町村がそこに振り分けるということですか。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 今、委員がおっしゃったように市町村を介するということになります。

○比嘉京子委員 そういうことを、皆さんが先ほどおっしゃった会議の中において事業停止命令であるとか、いわゆる設置認可の取り消し等につながっていくわけですよね。

○呉屋宏委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、崎山福祉保健部長から、株式会社による保育所は認可保育所であり、従来の社会福祉法人がやっている保育所と一緒である。認定こども園とはまた別であり、取り消し等の処
分を行うのは幼保連携型認定こども園の場合に限られているとの説明があり、再開して質疑を続けることになった。)

○呉屋宏委員長 再開いたします。
 比嘉京子委員。

○比嘉京子委員 社会福祉法人の今ある認可保育園、そして株式会社参入の保育園を全部プールにする、認可保育所として認めると。そのときに今、横浜方式等で問題になっている株式会社とここでいう株式会社はどう違うのですか―では、質疑を変えます。社会福祉法人も株式会社もいわゆるそういう施設として認めると。そのときの株式会社の設置基準というのですか、保育所設置基準とか、例えば人的配置というものは国の最低基準でいくことはもちろんですよね。設置主体が違うだけですよね。

○崎山八郎福祉保健部長 そのとおりです。社会福祉法人であっても株式会社の認可保育所であっても基準は一緒です。

○比嘉京子委員 そこに対しての保育単価等の運営費も当然行くと。

○崎山八郎福祉保健部長 一緒です。

○比嘉京子委員 私たちが今ここでチェックしたいことは、子どもたちが置かれている環境、今我々がこのシステムの中で非常に問題にしてきた点は、保育の質といいますか、先ほどからスペースであったり人の質であったり、いろいろなことが問題になっているわけですが、このことが本当に堅持できるのかということを沖縄県の意思として確認できなければ、我々はなかなかこの条例に賛成できないということがあります。そういうことに対して―今までどおりと言ったら変ですが、今、沖縄が置かれている現状、それから保育を公的役割から後退させない、子供たちの育ちを保障する、そういうことを皆さんが大前提にした会議であるということを確認できますか。

○崎山八郎福祉保健部長 保育の質については、従来の認可保育所については定期的にそういった指導監査をしておりますし、こういった認定こども園についても保育所と同じでありますので、しっかりとそういった基準を満たせるように質を確保できるようにしていくことになります。

○比嘉京子委員 我々は、平成23年に子ども・子育て新システムの安易な導入に反対するということで、現行保育制度の拡充を求める意見書を委員会で全会一致で出しているのです。ですから、この延長線上で後退するものではなく、矛盾するものではないという理解ができるかどうか。それはどうですか。

○崎山八郎福祉保健部長 保育の質を低下させないように、しっかり取り組んでいかないといけないと考えております。

○比嘉京子委員 最後に、新システムの延長線上にある会議なのですか。

○崎山八郎福祉保健部長 これは、子ども・子育て関連三法に基づいて設置される会議でありますので、その会議を設置していろいろな意見を出してもらおうということであります。

○比嘉京子委員 いわゆる大もとになる法律はそうだけれども、沖縄県としてはこの会議を立ち上げて、公的保育をしっかり守るということと、市町村と主体になってやるということと、今言ったような幾つかの確認を皆さんは一緒にできますという理解を私はいたしますが、大丈夫ですか。

○崎山八郎福祉保健部長 しっかりとそういった保育が守られるようにということと、あとは沖縄県の実情をしっかりその中で意見として出してもらうということで進めていく会議であります。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 照屋守之委員。

○照屋守之委員 この子ども・子育て支援会議は、法律ができたからそれはやらないといけないわけでしょう。沖縄県がどうのこうのと言ったとしてもやらないといけないでしょう。そこで、このいただいた資料―福祉保健部提出関係資料(追加)というものがあります。そこに公的契約と市町村による関与についてというものがあって、保育の必要性の認定を受けない子供と保育の必要性の認定を受けた子供の対応についてという説明がありますね。この保育の必要性の認定を受けない子供でもできるようになっているのだけれども、これはどういうことですか。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 保育の必要性の認定を受けない子供といいますのは、今の仕組みの保育に欠けない子供に相当する部分でございまして、そこは幼稚園が受け入れ先として考えられるところでございます。

○照屋守之委員 ということは、今のように認定されない子供でも、預けることができる仕組みができ上がっていくということですか。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 そのとおりでございます。

○照屋守之委員 では、基本的には待機児童はゼロになって、こういう形でどんどんやっていくと恐らくはゼロになって、なおかつ今、いろいろな制約があって預けることができない子供たちでも、幼稚園に預けることができるという仕組みができ上がるということですか。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 現在でも幼稚園は3歳から5歳を受け入れるということで、それが引き継がれるということでございます。

○照屋守之委員 幼稚園といっても、例えば小学校に併設された幼稚園とか、そういうことができるということだけれども、実際にみんなはそれをやっていないでしょう、やっていますか。新システムはそれも統合してやるという話ですよね。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 幼稚園の状況は手元に詳しい資料がないのですけれども、5歳児の8割程度が幼稚園を利用していると認識しております。

○照屋守之委員 新しい仕組みは統合になっているでしょう。市町村の幼稚園と保育所の分が、教育も福祉も一緒になるということだから、今言うように、保育の必要性の認定を受けない子供たちでも、希望すれば―例えば、具体的に言うとうちのところは具志川小学校と幼稚園があって、この幼稚園を希望すれば、それは預けないといけないという状況になるわけでしょうという確認です。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 委員の認識のとおりでございます。

○照屋守之委員 だから、これで恐らく待機児童はゼロになっていくと思います。預ける側にとっては非常にいい仕組みだと思うのです。ただ、現行の保育所等がありますね。認可保育園もそう、認可外保育施設もそう。やはりこういう競争原理が働いていく中では、非常に厳しい局面になっていくという思いがあるのですが、その可能性は非常に強くないですか。どうですか。預ける側にとってはいいですよね。今やっている認可保育園も認可外保育施設も、幼稚園も含めて一緒です。端的に言うと、競争みたいな感じになる可能性は当然ありますね。そうなるでしょう。

○仲村到青少年・児童家庭課保育対策室長 現状で今、待機児童はかなりおりますので、それがゼロになった暁には、特に新たに参入してくるということは考えにくいと考えております。

○照屋守之委員 ですから、沖縄県子ども・子育て会議の中で恐らくそういうこともいろいろ協議がなされて、向こうに対する影響、こっちに対する影響と、いろいろな形で新しい仕組みに対するものは当然でき上がっていくのではないかとは思いますが、今、非常に気になるのは、認可保育園の保育士の待遇とか非常に危惧しているわけです。今、保育士になりたいという人はほとんどいないです。待遇も非常に厳しいです。公立保育所の職員の待遇と認可保育所の保育士の待遇は大変なことですよね。彼らは人の子供を預かって、責任を負わされて、長時間働いて子どもは預かるのだけれども、いろいろな報告事項とかわけのわからない仕事までさせられてという非常に厳しい局面があって、こういう新しい仕組みができ上がっていくということと、そこで働く人たちの待遇をどうつくり上げていくかということで、非常に厳しいテーマが出てくるわけです。ですから、この子ども・子育て会議の中で―もちろん新システムに移行していくという国の法律だから、株式会社も出てきます、認可保育園あるいは認可外保育施設も一生懸命努力して、頑張っていきますという仕組みに必ずなっていきます。ただ、そのときにそこで働く人はどうかという視点は非常に大事だと思うのです。今非常に厳しい状況です。休みもなく、地域の集まりにも行ったりして、人の子供を預かるけれども、自分の家庭のことができないという保育士が結構いらっしゃいます。だから、ぜひこの子ども・子育て会議という中で、新しい仕組みもそうだけれども、実際に現場で働いている方々のことをどういう形で一緒に改善していくか、その中で新しい仕組みをどう取り入れていくかということもあわせて協議をしてもらえばと思いますけれども、いかがですか。

○崎山八郎福祉保健部長 そういったいろいろな課題がありますので、そういった課題もそういった会議の場で出して、いろいろな意見も聞いていきたいと考えております。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○呉屋宏委員長 質疑なしと認めます。
 よって、乙第3号議案に対する質疑を終結いたします。
 お昼になりましたので、一旦休憩を入れなければならないと思っております。
 きょう、傍聴者の皆様にとっては、沖縄県障害のある人もない人も共に暮らしやすい社会づくり条例は大変待ちに待った条例だと思います。しかし、皆様が今お聞きのとおり、子供たちの環境を守ることも大変重要な事項でありますことから、かなりの議論になっていくのではないかと思っておりましたので、よろしければ午後も引き続き傍聴していただければと思っております。
 午前の審査を閉めさせていただきます。
 休憩いたします。

   午後0時1分 休憩
午後1時22分 再開

○呉屋宏委員長 再開いたします。
 午前に引き続き、審査を行います。
 次に、乙第4号議案沖縄県障害のある人もない人も共に暮らしやすい社会づくり条例の審査を行います。
 ただいまの議案について、福祉保健部長の説明を求めます。
 崎山八郎福祉保健部長。

○崎山八郎福祉保健部長 それでは、乙第4号議案沖縄県障害のある人もない人も共に暮らしやすい社会づくり条例について御説明いたします。
 平成25年第6回沖縄県議会(定例会)議案(その2)の7ページをお開きください。
 本議案は、障害のある人もない人もともに暮らしやすい社会の実現に寄与するため、その基本理念を定め、県の責務及び県民の役割を明らかにするとともに、障害を理由とする差別の禁止等を定め、障害を理由とする差別等を解消するための支援等を総合的かつ計画的に推進する必要があることから、条例を提出するものであります。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

○呉屋宏委員長 福祉保健部長の説明は終わりました。
 これより、乙第4号議案に対する質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないように簡潔にお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 きょうも障害者団体の方々がたくさん見えていますけれども、この条例制定に際して、最初に当事者の皆さんが案をつくって、県に提案をしたと。そして、今回の条例制定は全国でも6件目になると。そういう条例になるということで、沖縄県障害のある人もない人も暮らしやすい地域づくり県民会議―県民会議でやった皆さんのこれまでのいろいろな努力があって、とても継続した努力でアンケートをとったり、具体的な事例などもやって、提案をして条例が提出できたということになっていると思うのですが、県民もともに暮らしやすい社会づくりなのですよね。障害者の皆さんだけでなくて、タイトルにあるのはともに暮らしやすい社会づくり条例ということで、本当に全ての県民がこの条例を享受する立場にあると思うのです。
 最初に聞きたいのは、前文を入れる入れないというところで相当最後まで皆さんとのやりとりがあったのですけれども、最終的に前文も入れて提出ができたと。条例そのものに魂を入れることができたと私は思っているのですが、その皆さんの熱意、尽力に対して、福祉保健部長―これまで皆さんの運動からすれば、部長も何名かかわられたのですよね。そういう中で条例を提案できたことに際して、直接かかわった皆さんに対して福祉保健部長の感想としてどのように受けとめていらっしゃるか、先に聞きたいと思います。

○崎山八郎福祉保健部長 この条例については、障害者の皆さんあるいは障害者団体の方々がいろいろ取り組みを進めていく中で、皆さんのそういった御意見も反映させながらこの条例に盛り込んでいくことができたということで、障害者の皆さん、障害者団体あるいはその関係者、我々も含めて一緒につくり上げた条例ということで、大変意義あるものだと考えております。

○西銘純恵委員 県の福祉保健部として県民と一緒にといいますか、つくり上げた条例というものはそんなにはないと思うのです。そういう意味でも沖縄県の条例制定の歴史に残るものだと思うし、今後もやはり県民の声を入れて、福祉関係の条例制定にこれを生かしてほしいと思います。
 質疑ですが、最初は前文を入れていなかった。そして、最終的に7月19日、皆さんが条例提案をするというときに、県民会議の皆さんが福祉保健部長との交渉の場を持って、前文挿入と、もう一つは見直し規定を入れてくれと。ほかにももっとあるけれども、少なくともこの2点についてということで要請をして、それが条例案の中には入った形なのですが、この前文と見直し規定についての皆さんの見解をお尋ねします。

○大城壮彦障害保健福祉課長 西銘委員のおっしゃる7月19日といいますのは、この条例案をパブリックコメントに付した日でございました。その日から1カ月、パブリックコメントをやったのですが、このパブリックコメントに付する段階で県民会議から意見のあった前文が漏れていたと―漏れていたといいますか、入れない形でパブリックコメントに付したわけです。それは、これまでの県の条例の中に前文を設けている条例が少ないのです。そういうことがあって、この条例に関してもそのパブリックコメントの段階では、前文を入れる根拠づくりの整理がまだできていなかったのですけれども、そのパブリックコメントに付する案でもって県民会議等に説明をしたときに、やはりこの条例を制定するに至った経緯を前文に込めていただきたいという意見がかなりあったところです。それから、パブリックコメントに寄せられた意見の多くにも前文を付していただきたいという意見がかなりありました。そういったことから検討をして、この条例に前文を置かなければならない必要性、根拠を整理して、部内での調整をしていって、最終的にこれを入れるという結論に至ったというところであります。
 見直し条項に関しては、県民会議からの意見の中では設けられておりませんでした。いのち輝く条例づくりの会から見直し条項を入れていただきたいという意見がございました。それは条例施行後の情勢の変化、それから施策を実施していく中での変更点、そういったものをこの条例または施策に反映させるために、一定の期間を経たときに検討を求めたいという意味で見直し条項を入れていただきたいというようなことがありました。それを踏まえて、この条例の最終的な案の中では見直し条項を設けたという次第でございます。

○西銘純恵委員 7月19日ですが、当初皆さんは前文の入った条例はないと言われていたのです。そして、見直し条項が入っている県条例もないと。けれども、実際はほかの県条例にもあったのです。それで検討するということになったと思うのですけれども、一番大事なところ―憲法でも前文に平和主義の理念が入っているし、やはりこういう理念も含めて大事な部分だったので、最終的に入った条例案として出てきたということについては、本当にしっかりとやりとりをして提案ができたものだと感じているのですが、いのち輝く条例づくりの会とか県民会議の皆さんからは、提案の以前に前文を入れる、見直し条項を入れるということについて既に報告はあったのでしょうか。

○大城壮彦障害保健福祉課長 この条例を作成するに当たっては、県民会議で取りまとめた意見をたたき台にして、最大限それを反映する形で我々は条文検討をしてきました。県民会議の意見では前文が入っている形の条例になっておりましたけれども、その段階で県の条例を見てみますと、平成18年以前の条例においては前文がある条例も散見されたのですが、それ以降前文が設けられていない条例がかなり多くなってきたということがありました。何らかの形で法的な根拠を持たせるためには、各条項の中に前文が盛り込まれている内容にしないと、例えば裁判になったときの根拠法令になり得ない部分があったりということが一つの背景にあって、前文に盛り込んでいる内容を各条項の中に入れ込む作業をしてきました。そういうことで、パブリックコメントの段階では案を提示するときに前文がなかったのですけれども、ただ、それではこの条例を制定してきた経緯が条項だけでは読めないということがかなり意見として出てきました。これはパブリックコメントでも出てきました。そういったことを踏まえて、この条例に前文を設けるためにいろいろと検討して、それがぜひ必要であるという根拠づくりをして、それで関係部局間で調整を図った結果、前文を入れることになったところであります。

○西銘純恵委員 やはり理念部分は各条項とは性質が別なのです。そういう意味では、取り入れた努力に対しては評価したいと思います。それで、前文は県民会議のものを大方踏襲したということですが、1点だけ聞きたいのは最後の部分、国際社会や国内の動向を踏まえという案になっているのですが、県民会議の意見としては、「ここに私たちは、国際社会における原則である障害のある人もない人も全ての県民がひとしく地域社会の一員としてあらゆる分野に参加できる社会、いわゆるインクルーシブ社会」ということでやっているところを、インクルーシブは用語として難しいとかいろいろ本会議でもありましたけれども、国内の動向を踏まえと入ったのはどういう理由でしょうか。国際社会が進んでいると思っているのですが、国内の動向を見たら後退するような中身ではないかと私自身そう思うので、なぜそれが入ってきたのか。そこを説明いただけますか。

○大城壮彦障害保健福祉課長 ことしの動きで言いますと、6月に障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律―障害者差別解消推進法が国のほうで新たに制定されました。平成18年に国連総会において権利条約が締結されて、この間国内においては法制化の動きが進められてきたと思うのですが、その差別解消推進法の流れを受けながら、この条例の中でどのような形で差別解消に向けて動くことができるのかということを見ていく必要があろうかと思いますので、国内の動向も見ながらということを書かせていただきました。

○西銘純恵委員 ほかに県民会議が出して、それをそっくり取り入れることができなかった条項、表現が幾つかあるかと思いますが、その部分の説明をお願いします。

○大城壮彦障害保健福祉課長 県民会議からの意見の中に、先ほどのインクルーシブという表現、エンパワーメントという表現、そういった外来語を用いた部分で、これまで障害のある方々の中では親しまれている用語をこの条例の中に書き込もうという努力はしました。ただ、その法制を整理していく中で、やはり法律、条例の中でなかなか使いにくい部分があって、その用語を説明する日本語に置きかえて表現するという形でやってきた部分。それは取り入れなかった部分の一つでありました。それから、障害者虐待に関する規定が県民会議からの意見ではあったのですけれども、パブリックコメントの段階でそれを外した経緯がございます。それは障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律が新たに制定された経緯があって、それを外したのですが、それもやはり多くの意見があって、最終的には虐待に関する規定は入れ込む形で整理したというものがございました。

○西銘純恵委員 では、具体的に聞きましょう。教育における差別―第11条のところで第1項、第2項がパブリックコメント版であったと思うのですが、これがどのように変わったのか、説明をお願いします。

○里村浩福祉保健部参事 委員がおっしゃったのはパブリックコメントのときの第11条だと思うのですけれども、そこでは第2項として、教育委員会は障害のある人もしくはその保護者の意見を聴取せず、または必要な説明を行わずして入学する学校を決定してはならないという規定がございました。ここにつきましては、仮に教育委員会がこういった行為を行った場合に、相談、あっせん、勧告による解決になじまないと考えまして、これは禁止行為として第2章に規定するのではなく、基本施策として第27条第2項に位置づけまして、行政運営上の基本指針として位置づけております。

○西銘純恵委員 施策として位置づけたという説明を今受けたのですが、この部分、先ほど言った教育における差別の禁止は、第1項だけ残して差別の禁止の章で入れているのですが、これは私は整理をする、次の検討事項になるのかと思っているのは、皆さんが条例で第1章から第6章とやっている中の第2章に、障害を理由とする差別の禁止等を第7条から第17条までということで出していて、パブリックコメントの際の教育に関する条項を1つだけ残して、教育の第12条としていますよね、10ページ。第2章は差別の禁止の章となっているのです。けれども、教育におけるこの条項はどうなっていますか。差別の禁止条項にはなっていないのですよ。括弧書きで教育における機会の付与となっていて、多分、差別の禁止というところに入れたら整合性がとれないので、これはまた整理するところ―条項としてはいい、条文は残して当然だと思うのですが、これはまた整理の必要があるところかと指摘しておきたいと思います。

○里村浩福祉保健部参事 御指摘のとおり幾つか―これだけではないのですけれども、禁止規定として目的を達成しようという考え方で第2章をいろいろ考えて、県民会議の委員の意見もそのように入ったのですけれども、よくよく考えると中には禁止というよりは、例えば第12条、教育の充実に関して言いますと、障害のある人もしくはその保護者の意見を聴取せずに、あるいは必要な説明を行わずに入学する学校を決定してはならないという趣旨なのです。つまり、障害者御本人あるいは保護者の意見を聞かずに決定することをなくしたいということがそもそもの条文に込められた気持ちであったわけで、それをどのように書いたかというと、第27条第2項をごらんいただきたいのですが、「県は、市町村と協力し、障害のある人が、その年齢及び能力に応じ、かつ、その特殊性を踏まえた十分な教育を受けられるようにするために、障害のある児童及び生徒の就学指導その他の支援に関して、障害のある児童及び生徒並びに保護者に対し十分な情報の提供を行うとともに、可能な限りその意向を尊重するよう必要な施策を講ずるものとする」と書いたことで、逆にこの施策としてより旧第11条に込められた課題というか、目的達成のために教育の充実を行うということで、こちらの第2項の施策のほうに持ってきたということであります。

○西銘純恵委員 説明はわかるのですが、差別の禁止の章にそぐわない部分が教育の一文として入っているのは、今後整備する必要があるのではないかということですが、どうですか。

○大城壮彦障害保健福祉課長 第2章は基本的に障害者に対する差別を禁止する規定で整理したのですが、今のように教育の機会の付与という項目もここでしか整理できない部分があったということもあって、見出しのタイトルを禁止等の等という形に整理したのです。あくまでもそこは差別を禁止する規定で整理するということでやったのですが、この教育だけを切り離して別の章に整理することがなかなか難しかった。法制技術的な話であって非常に説明しにくい部分ではあるのですが、それを禁止等の等であらわしているというように読んだところです。

○西銘純恵委員 法制面のことで言われたのですが、教育の充実として第27条があるので、逆にそこに第12条を持ってくるということで整理されるのではないかと思ったのですが、検討の上でしょうか。

○大城壮彦障害保健福祉課長 第27条の規定は、その禁止行為の条項を受けて各施策を実現する規定ということで設けられたものです。教育の機会の付与の具体的な施策を反映する分で第27条―これは事業、各施策をあらわすというところで整理したものでございます。

○西銘純恵委員 そこは説明を受けたということでいいです。
 次に、第19条の差別事例相談員に対する支援で市町村の相談というところと、第20条が広域相談専門員となっているのですが、その関連、体制というものは具体的に市町村も体制整備というのか、義務づけについてどうなっているのか。県はどうなのか。そこをお尋ねします。

○大城壮彦障害保健福祉課長 まず差別事例相談員、第19条に関する規定を説明したいと思います。代表質問、一般質問でもかなり質問があったと思いますけれども、その差別事例相談員に当たる業務というものは、身体障害者福祉法でありますとか知的障害者福祉法、それから精神保健及び精神障害者福祉に関する法律、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律―障害者総合支援法、それらの規定や法律の中で市町村の業務というように位置づけられております。よって、それに対応する者は市町村にいるということで理解しております。
 それから第20条の広域相談専門員、これは今後この条例において県に設置する専門の相談員ですが、考え方としては5つの各福祉圏域に配置しようと考えておりまして、そこに1人以上の広域相談専門員を置いて、市町村の支援に当たっていくということで考えております。

○西銘純恵委員 5カ所の福祉事務所とおっしゃるのですが、独立したその専任の、条例に係る相談員ですというネームをやって、また資格といいますか、それにたえ得るような方がつくのでしょうか。

○大城壮彦障害保健福祉課長 少し訂正ですけれども、福祉事務所ということではなくて5つの福祉圏域に1名ずつということで考えております。今現在、相談支援事業所というところがあって、各圏域にアドバイザーという役割の方々がいて、そういったイメージで今考えているのですが、今現在、圏域アドバイザーといわれる方々、専門の支援員がいるのですが、この方々は一定の資格要件として経験年数、相談業務に従事している一定の年限、それから初任者研修を受けた方、その方々を相談専門支援員と呼んでいますけれども、そういったレベルの方を今想定しているということです。

○西銘純恵委員 圏域というものがよく見えていないので、具体的に場所を特定されていますか。

○大城壮彦障害保健福祉課長 今、既存の組織として北部、中部、南部、宮古、八重山の5つの福祉圏域、そこに相談支援事業所というものがあるのですが―これはイメージですが、そこに圏域のアドバイザーという方がいて、相談の専門業務に従事しているのですけれども、そういった圏域で配置するのか、それとも本庁で一括して配置するのか、これは今検討しているところでございます。

○西銘純恵委員 配置するのであれば当然福祉保健所というのですか、5カ所ということであれば福祉事務所だと思ったのですが、今本庁の話も出たので、やはり現場で、その圏域の身近で市町村からも即応的に相談に乗ることができるようなといったら、やはり本庁に5名の方を置くのは無理がある。きちんと応えることができないのではないかと思うので、圏域にきちんと専任として配置することを考えるべきだと思うのですが、どうですか。

○大城壮彦障害保健福祉課長 この条例の施行は来年の4月になりまして、今のところ検討課題はそこだと思うのですが、どのように配置をしたら効果的に専門相談員が機能するかについて、少し検討の時間をいただきたいと思います。

○西銘純恵委員 16ページの附則に準備行為として今の広域相談専門員のことが書いていますけれども、来年4月に間に合わせて具体的に動くと思うのですが、少なくとも人の選任も含めて準備するのであれば、逆算していつまでにどこにやるということをやらないと、もう10月に入っていますから、いつまでに具体的な人的配置も含めてやる予定ですか。

○大城壮彦障害保健福祉課長 専門の相談員ですので、資質の向上を含めての話がありますので、選任とあわせて研修もやっていこうと考えております。その時期についてですけれども、やはり条例が施行されましたら速やかに広域相談専門員、あと沖縄県障害を理由とする差別等の解消に関する調整委員会―調整委員会というものも置くのですが、選任・選考について検討していきたいと思っております。

○西銘純恵委員 条例の施行は来年4月1日だと。この広域相談専門員の任命に関し、必要な行為は施行前においても行うとあるものですから、それは事前にやって、例えば今からでも相談を受けるのはやれる体制をとると思っているのですが、それは4月1日以降でないとできないということですか。やる予定はないのですか。

○大城壮彦障害保健福祉課長 そういったことではございません。準備行為として、来年4月1日には広域相談専門員が配置されている状況を踏まえなければなりませんので、条例が公布されましたら、広域相談専門員については速やかに配置の検討を行っていきたいと思っております。

○西銘純恵委員 最後にあっせん、助言というものがあったのですが、障害を持っていての差別というものは、私も統合失調症の方とアパートを探して、そこに入れるよということで一緒に探してやろうとしたら、やはり病気を理由に断られたということが、アンケートの声でも600余りでしたか、いろいろな声が、まだそれでも足りないくらいさまざまなものがあって、やはり民間業者の皆さんが条例をしっかりと踏まえて対応するかというところが今後いろいろ出てくるし、介護や医療の現場でも言葉とかもっと丁寧にやってほしいということがやはりアンケートの中でも出ているのです。そういう意味では、この問題は私たち県民の意識がとても重要だと思うのが一つと、助言、あっせんということはいろいろと必要な部分についてあっせんをすると。そして、第23条で勧告というところまで入れてはいると。その第2項で、知事は必要があると認められるときは、差別等をしたと認められる者に対して必要な措置をとるよう勧告することができるという条項は入っているのですけれども、この勧告に従わないときにどうするかということが、やはり鍵になってくるのではないかと。パブリックコメント版では第25条ということで、公表―知事は、勧告を受けた者が正当な理由がなく勧告に従わないときは、規則で定めるところによりその旨を公表するというものが今回入ってないですよね。そこについて、私は公表することができる、イコール公表ではないと思うのです。だから、できる規定をやはり置いておくべきではないのかと思うのです。皆さんは削除した、見送った理由として述べているのですけれども、紹介していただけますか。なぜ入れなかったのですか。

○里村浩福祉保健部参事 委員御指摘のとおり、パブリックコメント版で設けておりました公表の規定ですが、これは削除して今回見送りをしております。その理由といたしまして、この差別を行った者の公表ですけれども、これは一旦公表されたときの当該事業者に与える被害の大きさ、その後の名誉回復の困難さに鑑みると社会的制裁措置の効果は著しく高いと言わざるを得ず、規定をするに当たって慎重を期す必要があると考えたことが1点です。そして、先行している5道県のうち、規定を置いているのは3道県―北海道、熊本県、長崎県ですが、その3県いずれにおいても公表まで至った事例がないこと。それから先般成立しました障害者差別解消推進法では、事業者に対する報告の措置または助言、指導もしくは勧告を想定してとありますが、公表は規定していないこと。最後にこの条例の趣旨、目的、タイトルにもあらわしているように、障害のある人もない人もともに暮らしやすい社会づくりとなっているとおり、こういった目的の条例にふさわしい紛争解決の手段はどうあるべきか。すなわち、この社会的制裁性の強い公表手段を用いることによって紛争解決を図っていくことが、この障害のある人もない人もともに暮らしやすい共生社会の実現を目指す条例の目的にふさわしいのかどうかと。ここについてさらに検討を加える必要があるのではないかと考えまして、この附則第3項に施行後3年目をめどに見直しを検討するというように書きましたけれども、その3年後をめどに見直しを検討する際に、事例等をもとに公表によらなければ真に障害のある人の差別等の解消に結びつかない事例があるかないか、そういったことを改めて検討することとしまして、今回提案の条例案では削除、見送りということにしております。

○西銘純恵委員 結構多くの議論を重ねたかと思うのですけれども、今の公表規定に関しては3年後もとおっしゃったのですが、公表することができるという条文を置くことによって、勧告時点で自己規制を促すといいますか、やはりそういう効果があるという法規定などがあるわけです。だから公表を目的とするわけではなくて、やはり勧告に従ってほしいということで、やはりこれについては厳しく―することができるという規定ですから、ぜひ見直しのときにはしっかりと検討していただきたいと思います。

○里村浩福祉保健部参事 私どもも最初、勧告が実現できる抑止力と申しますか、最終的に公表があることによって勧告の実現性を担保しようと思っていたのですが、先ほど言ったような制裁性が非常に強いことと相まって、逆に共生社会の実現に反することが生じないかということを恐れまして、つまり、障害のある人とかかわることを避ける、言ってしまえば分断社会のような、目指す共生社会とは反対の方向になってしまわないかと、こちらのほうをより心配いたしまして、公表という制裁手段によって解決を図ることを今回見送ったということであります。

○西銘純恵委員 最後に、この県の判断に対して、条例を求める皆さんからはどういう意見が出たのですか。最終意見で結構です。

○里村浩福祉保健部参事 最終的に今の趣旨、パブリックコメント版との違いとか一つ一つを御説明して、全体的には評価をいただいたことと、この公表規定をなくしたバージョンで提案することについて了解といいますか、承認をいただいています。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 赤嶺昇委員。

○赤嶺昇委員 何点かお聞きします。まず最初にこの間、関係者の皆さんを初め本当に努力していただいて、なおかつ県の皆さんがここまでまとめたことに敬意を表したいと思っております。
 第4条からお聞きしたいのですが、県の責務ですが、この条例が成立して、この条例がきちんと機能するのかがポイントだと思っております。市町村と協力してということがありますけれども、これは具体的にどういうことですか。

○大城壮彦障害保健福祉課長 今回の条例に関して言いますと、市町村と県の役割というものがあります。まず、差別事例が起こったという場合には、より身近な市町村の中で相談ができる体制をつくっていきたいと。それは先ほどの法の中で市町村の業務として位置づけられているので、そういったことで市町村は対応してきているはずですけれども、その中で差別事例の解消に向けて市町村はやっていくわけですが、その中でもやはり困難な事例が出てきたとき、県がどのようにかかわっていくかということがこの条例に書いてあるわけです。このときに広域相談専門員が技術的な助言をしていく。それから差別事例相談員のスキルアップに向けて、県は研修をこれからも継続的にやっていく。それから差別の解消に至ることが非常に困難になっているような場合、先ほど調整委員会をこの条例の中で置くと言いましたけれども、今まではそのようなスキームがなかったのですけれども、相談、それから調整委員会による助言、あっせん、そういった中で差別解消を図っていくということで規定したところでございます。

○赤嶺昇委員 その中で、支援等を総合的かつ計画的にということが載っていますけれども、この市町村は今後計画も立てていくということで理解していいのですか。

○大城壮彦障害保健福祉課長 やはり、私たちも市町村の協力なしにはこの差別の解消はなかなか難しいと思っておりますので、この条例の趣旨等をよく説明して、市町村の中でも対応できるような体制づくりをしてもらうように、協力を求めていきたいと思っております。

○赤嶺昇委員 ですから、市町村も計画を立てていくのですかと聞いているのです。

○大城壮彦障害保健福祉課長 障害者施策に関して言いますと、この条例とは別に各市町村も福祉計画というものをつくっておりまして、その中で障害者施策を推進していくというようなことになっておりますので、そういったことで市町村と一緒になってやっていきたいと思っております。

○赤嶺昇委員 県が条例をつくったけれども、市町村がこれは県の条例だからということではなくて、ぜひしっかり市町村との協力関係をやっていただきたい。
 第5条ですけれども、県民の役割について、この条例ができ上がっていくと県民は新聞等で見る機会はあると思うのですけれども、具体的な中身をどうやって県民に周知するのですか。

○大城壮彦障害保健福祉課長 県民の皆さんが条例の中身に接する機会はなかなかないと思います。ですからその条例の趣旨、中身をよりわかりやすい形にしたパンフレットをつくっていきます。障害のある方に対して、誰しもいじめて差別をしようと思っている方は少ないと思うのですけれども、ただ、そこには県民の不知、理解不足、誤解とか偏見というものが多分にあるはずです。そういったものをなくしていくために、この条例が伝えたい趣旨をよりわかりやすい形で県民に伝えていく努力をしていきたいと思っております。

○赤嶺昇委員 そうすると、県民は子どもからお年寄りまでいますね。そのときにより大事なのは子供たちですよね。子供たちへの教育で、この条例をどうやって生かしていく考えですか。

○大城壮彦障害保健福祉課長 条例の中にも書かせていただいたのですが、やはり若いときから障害のある方に対して理解を深めていくための教育の充実というものを、学校現場でもやっていただくということで求めていきたいと思います。

○赤嶺昇委員 そうですね。子供たちに条例を全部説明してもなかなか理解できないですよね。県民にわかりやすいパンフレットをつくるということと、もう一つは教育現場でこの条例を浸透させていくためには、この条例が小さいころから―幼児、子供たちの教育の中においても、それを自然に教えていけるかどうかということが非常にポイントになると思っているのです。それをやはり教育委員会、それから子育てをする段階においてどう連携するのかという具体的な政策はありますか。

○大城壮彦障害保健福祉課長 現在、計画・策定している障害者基本計画というものがありますけれども、その中に教育の項目がありまして、教育の充実を図る部分の政策、そういったものの充実を図るための検討を現在やっているところでございます。

○赤嶺昇委員 では、例えば県民がわかりやすいパンフレットということと、もう一つは子供たち向けのものも検討したほうがいいと思いますけれども、いかがですか。

○大城壮彦障害保健福祉課長 提案の趣旨を受けて、検討していきたいと思います。

○赤嶺昇委員 せっかくここまで頑張ってこの条例をつくっているわけですから、ぜひ子供たちにも浸透して、小さいころからわかっていただければよりいいのではないかと思っております。
 第6条の予算。財政上、これが今後のポイントになると思っているのです。財源が幾らでもあるわけではない中で、これは財政上の措置を講ずるよう努めるということになっているのです。こういった今後―今も既にさまざまな福祉予算が充てられているのですけれども、この条例ができることによって新たに発生する予算が出てくると思うのです。そのあたりについてどのように考えていますか。

○大城壮彦障害保健福祉課長 県が毎年事業を予算化するに当たっては、その優先度でありますとか、必要性とか、そういったものをしっかり財政当局に説明をして、必要な予算が確保できるように努めていきたいと思います。

○赤嶺昇委員 そうすると、この条例が成立された後、財源的な部分での関係団体の皆さんとの話し合いの場は設けられるのですか。

○大城壮彦障害保健福祉課長 必要な予算について市町村なり、それから障害者団体とかからいろいろ要望があろうかと思いますけれども、その中で、それをいかに事業化していくのかどうかということを検討しながら、必要な予算の確保には努めていきたいと思っております。

○赤嶺昇委員 予算の確保について、既にこの条例を制定した他府県の状況というものは、皆さんはどのように把握してますか。

○大城壮彦障害保健福祉課長 現在、5道県においてこの条例が制定されておりますけれども、各県の状況をまだ確認したところではないので、今現在は把握しておりません。

○赤嶺昇委員 ぜひ他府県の状況も見ながら、またさらに本県の部分についてもやはり―この条例はできたけれども、気持ちはわかるけれども、予算が何もないとそういう社会には全然なっていかないということになるので、せっかく努力されてきた部分の予算について、やはり全庁的にも理解してもらうことは大事だと思いますが、いかがですか。

○崎山八郎福祉保健部長 この条例を進めていくために、やはり全庁的に進めていかないといけない部分もありますので、ぜひ連携をとって進めていきたいと思います。

○赤嶺昇委員 第12条、校長、教員その他教育関係職員は、障害のある人に教育を行う場合においてとあるのですが、文教厚生委員会でも子供たちの学習支援員とか、なかなか小学校、中学校においても人材が足りないという議論がよくあるのですけれども、この条項によって一挙に全部やれとは言いませんけれども、やはり今後それについてさらに考えていかないといけないだろうと思いますが、いかがですか。

○大城壮彦障害保健福祉課長 福祉保健部長も答弁されておりましたけれども、関係部局と連携しながら、教育委員会とも連携を図りながら、必要な施策が充実できるように努めていきたいと思います。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 又吉清義委員。

○又吉清義委員 確認ですが、先ほど赤嶺委員の聞いた第4条と第7条ですが、第7条第2項の何人も、から始まるところで最後の結びは、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をしなければならないと。そういった社会的障壁を取り除く義務みたいなものがあるということだと思うのです。ぜひ皆さんとしてもこれは新年度に予算を組むべきではないか、例えば障害を持っている方が公共の場を利用する場合は、皆さんは予算を組みやすいと思うのです。例えば民間のアパートを借りたいと。リハビリテーション施設が近い、職場が近い、親戚類が近いとそういった意味で、障害を持っている方がよりよい暮らしをするためにそういった場所がほしいとなった場合に、そこは例えばバリアフリーにしないといけなくなる場合があるかと思うのです。例えば車いすの方。では、その費用は誰が持つのかとなった場合にどういった解決策があるのか。そういった問題が出てくるかと思うのですが、そういった場合にこの法令は多分適用されるものだと思うのですが、そういった民間のアパートを借りる場合で少し直してもらいたいとなった場合に、この費用は借りる人が持つのか、家主が持つのか、県のほうで補助してもらえるのか。その辺をしっかりしないと、これは当事者同士でトラブルが生じていい思いをしないかと思うのです。これについて、皆さんはどういった案を持っておられるのかということが1点目です。

○大城壮彦障害保健福祉課長 第7条第2項に関する規定、又吉委員からの質疑の部分ですが、結論から先に言いますと、民間アパートの場合、バリアフリーの施設対応をしてもらいたいと言ったときに、その費用負担は第一義的に大家さんに発生する。この条例の仕組みではそうなっています。ただ、大家さんの立場の方が経営していく中で、それが余りにも重い負担であるといった場合には、合理的な配慮という表現をしていますが、できない場合が出てくるのです。そういったときに、結論として障害のある方に対してアパートの提供ができないという事情が出てきます。もちろん理由を説明して理解を得てもらうということをすれば、その差別をしたことには当たらないのですが、結果として障害のある方がそのアパートを借りられないという事情は変わらないわけです。そのときにどういった対応をしていくのかということがケースの中には出てくると思います。そういった場合に大家さんのとるべき対応としては、別の物件を紹介してもらうということも一つの対応の方法です。それでもこのアパートを絶対借りたいといったときに、結果として借りられない状況は解消できないということにならざるを得ないと。そのときに、そのアパートを改修する費用を県が持つかということになると、これはまた別の議論になっておりまして、この条例はそこまでは想定しておりません。その改修の部分までということはまた別の次元で考えなくてはならないのかもしれないのですが、民間アパートに対する改修費用みたいなものは、現在想定しているものではありません。

○又吉清義委員 そうかもしれないのですが、しかし、こういった解釈も十分できると。間違いかもしれませんけれども、個人的にはそう思えるのです。将来そういったことが発生してくるだろうと。また御存じのとおり、障害を持った方はやはり病院に近い、リハビリテーション施設に近いところにいることによって医療費も下がると。より健全でいい暮らしができるとなれば、これはいたし方ないのかと思いますけれども、やはりそういったことも考えた場合に、せっかく条例もつくって来年の4月1日から施行されるのですが、そういったことまで深く掘り下げて、本当に費用もどの辺までどういった支援ができるのか。やはり法律をつくるからにはそれなりの財政的支援もしてもらわないと、今度は網をかぶさった方がたまらないのです。要するに、今まで何でもなかったものを、皆さんが法律をつくることによって網をかぶった方がたまらないと。その辺はやはりお互いで応分を負担するのかどうするのか。その辺もある程度決めて、より暮らしやすい環境をつくることもやるべきだと思います。
 もう一点伺うのですが、お互い当事者同士でそういったやりとりをした場合、いい思いをしないと思うのです。そういった問題が発生した場合にやはり第三者として入るべきところは、広域相談専門員といった窓口がどこになるのかということと、皆さんとしてもこれを2カ月も3カ月もかけて解決したのでは、やはり住む方にとっても大変なことになると思うのです。それに対していろいろマニュアルをつくって、スピーディーに解決するために皆さんはどういった組織体制を予想しておられるのかということを最後にお聞きしたいです。

○大城壮彦障害保健福祉課長 まさしく今のような個別のケースでいろいろな対応が出てくると思います。そのために市町村に置かれる差別事例相談員がいろいろなケースに対応できるように、例えば今のようにこのアパートしかないという問題もあるのかもしれないのですけれども、いろいろな物件に当たってみるとか、また民間の事業者の皆さんにもこの条例の趣旨等を説明して、うまく対応できるような仕組みをつくりたいと思っているのですが、いわゆる相談体制の強化ですので、相談で解決できる部分については相談を十分にやっていただく体制をつくっていきたいと思っております。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 狩俣信子委員。

○狩俣信子委員 全国で6番目にこの条例が沖縄県でできるということで、非常に喜んでおります。お伺いしますが、障害を持った皆さんたちといろいろな話をする中で、パブリックコメントでの意見が結構出てきたと聞いております。それは大方配慮されたのでしょうか。

○里村浩福祉保健部参事 パブリックコメントでは多くの意見をいただきました。できるだけ反映する形で案をつくりまして、もちろん先ほど西銘委員がおっしゃった一部先送りもありますけれども、おおむねパブリックコメントでの意見、あるいは障害を持った当事者の皆さんの意見を反映したものになっていると考えております。

○狩俣信子委員 例えば、前文の中に平和という言葉も入れてほしいということがあったのかと思うのですが、それはどうですか。

○大城壮彦障害保健福祉課長 今、個別の集計表は手元にないのですが、平和という文言はあったと聞いております。

○狩俣信子委員 私が障害を持った方と話した中では、やはり平和ということが基本だと。やはり平和でないと障害を持った人も安心して暮らせないということが基本にあるので、ぜひその言葉を入れてほしかったけれどもということがあったものですから、3年後に見直しをするという中で、それは前文についても当てはまるのでしょうか。

○里村浩福祉保健部参事 前文についてはパブリックコメントでも御意見を頂戴したのですけれども、基本的にこの条例をつくるに際して立ち上げました県民会議の委員の皆さんで練った前文があるのですが、基本的にはそれに沿った形でつくっております。3年後に前文の見直しがあるかということですが、そのときに改めて議論すべきだと思うのです。前文は最初につくったときの皆さんの思いとかが書かれているものなので、今回、この間約3年議論していただきました県民会議から頂戴した意見に沿った形で前文をつくっています。そういうことでパブリックコメントでいただいた平和の文言は入っていないのですが、そういう趣旨で今の前文になっております。また、前文は施行後余り頻繁に見直すものではないと個人的には思いますが、3年後の見直しの機会にそういう意見があれば、また検討するかと思います。

○狩俣信子委員 やはり障害を持った方の率直な意見だと思うのです。平和でなければ大変厳しい状況に追いやられる。そういうことを考えたら、やはり平和という文言を―1行とか少ない行数でできるではないですか。それは次回、御配慮いただきたいと思います。
 それから、今回の条例をつくるときに、皆さんの一番大きな課題としてはどういったことがあったのでしょうか。

○大城壮彦障害保健福祉課長 私たちはこの条例をまとめるに当たって、県民会議から出た意見を最大限に配慮したい、それを最大限に反映したいと考えておりました。それをいかに法制的に整理していくかということが課題であったと思うのですけれども、最終的には県民会議の皆様からは、大方の意見が取り入れられているという評価をいただきましたので、その課題の解決には至ったのかと思っております。

○狩俣信子委員 私もその皆さんたちとお話しさせていただいたのですが、この条例については、自分たちはほぼ納得しているというお話があったものですから、それは私どももほっとしております。あと1つ、この中で私がわかったのは障害という言葉―今まで障害の害という字を、以前いろいろあってひらがなで書くようにということがあったのですが、今回の皆さんの中では漢字の害でいいという了解があったということで、そこらあたりは私は大変よかったと思っております。
 次に聞きますが、第8条ですか、福祉サービス、福祉事業にかかわる部分ですが、実際に私が相談を受けたのですが、目の悪い方がお年を召してしまって、身寄りがいなくて―妹さんが急遽亡くなったものですから、面倒を見る方がいなくなって、目も悪いし自分たちの私的な、目の悪い人たちの施設がほしいという話もあったのですが、こういうものについてはどうなるのですか。

○里村浩福祉保健部参事 今、委員のおっしゃった必要な福祉サービスの提供の充実といったものは第8条で規定しているものではないのですが、当然福祉ニーズを満たすために、より福祉施策が充実されるための努力はもちろん引き続きやっていく必要があると思っています。

○狩俣信子委員 努力はしていくけれども、いつ入れるかわからないということではこの人にとっては非常に心配ですよね。そこらあたりをこの条例の中ではどのように救っていけるのかと思うのですが。

○里村浩福祉保健部参事 今、第8条自体がそれを規定しているものではないと申し上げたのですが、第4章に障害を理由とする差別等を解消するための基本施策ということで、いわば県がこれからそういった施策を講じていかなければならないということを規定しておりまして、例えば第25条で障害福祉サービスの充実、あるいは第26条以下はそれぞれの分野の施策の充実と書いておりますけれども、こういった条文に基づいてサービスの充実に県は努めていかなければならないと、努めていくものとするということになっております。

○狩俣信子委員 解決には遠いかなという感じですが、御本人が入りたいというときはどこでどう受けとめられますか。目の全然見えない方です。

○金城武福祉企画統括監 年齢が65歳以上でありましたら、養護老人ホームにも入所できます。ただ、本会議のほうで議論になりました盲養護老人ホームというものがあります。今現在はないのですけれども、その辺のニーズがあれば今後検討するということで答弁したところですので、その辺も含めて、高齢者保健福祉計画の策定の中でその辺の議論もやっていきたいと思っております。

○狩俣信子委員 やはりそういう方々も年齢を重ねていくと、60歳を超えて65歳も超えていくわけですから、やはり障害を持った人が安心して住める社会というのならば、やはり私たちはそこまで考えていかなくてはいけないだろうと思うのです。一緒に住んでいる御家族が突然亡くなってしまうと―彼女1人が置き去りにされていることがあるものですから、そこらあたりはやはり今後、障害のある人もない人もともに支えていく生き方としてこれから御配慮をお願いしたい、考えていかなくてはいけないと思います。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 島袋大委員。

○島袋大委員 皆さん方が結集して条例を上げてきたということが非常にすばらしいと思っております。その中で4月1日からスタートでありますけれども、これがただの条例という形にはならずに、しっかりと皆がひとしくできるようなシステムにしなくてはいけないと思っております。その中で、条例の内容を見たら各部署に分かれているのです。雇用であれば商工労働部になると思います。教育なら教育委員会、住宅関係なら土木建築部、部署が分かれますよね。これはあくまでも福祉保健部が中心となってやったと思いますけれども、こういった各条文、何条、何条を適用する場合、窓口としてどこに連絡をすればいろいろな面で説明を受けられるのですか。

○大城壮彦障害保健福祉課長 今回の条例というものは、差別事例に該当するといった場合の対応について、どういう形で解消していくかという条例の中身になっておりまして、第一義的に差別を受けたとされる方が住んでいる市町村の窓口が相談対応することになります。それぞれ住宅であるとか、道路の利用であるとか、第一義的には市町村のほうで相談に対応していく形になります。

○島袋大委員 福祉保健部が音頭をとってつくったすばらしいことでありますから、せっかくこういう場ですので、またがる部署で教育であれば教育委員会を同席させるとか、土木建築部とか商工労働部を入れたらスムーズに意見を―いろいろな面で我々の話も聞いてもらえると思いますから、そういうことをしっかりとやってもらわないと、我々も問い合わせるときにはすぐに福祉保健部にしか連絡を入れられなくなるものですから、そういう教育であれば教育委員会のどの課に連絡したほうがいいとか、商工労働部ならこうやったほうがいいということは、県の窓口として明確にやってもらったほうが非常にスムーズに、いろいろな面で進めることができると思います。これは4月1日からスタートする中で、どんどんいろいろな面でつくっていくと思いますから、その辺は早急にしていただきたいと思っております。なぜそこまで言うかというと、要するにこれらのものに関しては第26条に書いてあるように、県がいろいろな面で一般就労の移行を促進し、雇用の場の拡大等に必要な施策を講ずるものとすると書いていますよね。そうであれば、商工労働部がいたらすぐに聞きたいのですけれども、障害を持っている方々が一般の方々と一緒になって生活していく中で自立していくと。障害を持った方々が、我々は自分の力でやっていくのだという条例だと思っているのです。そうであればまず雇用をして働いて、給料をもらって、自立していくということが条例だと思っています。その中で、県としてどういった形で雇用を拡大し、いろいろな面で仕事ができるようなシステムまで指導できるかということがこの条例の一部だと思っていますから、そこは福祉保健部長に聞くより、商工労働部が我々の部署としてはこのような展開を考えていますと言ったほうがスムーズにいけるものだから、その辺はどうですか。これは市町村の問題ではなくなりますよね。

○大城壮彦障害保健福祉課長 委員御提案のとおり、確かにこの条例は各部署、各部局にまたがっている部分があろうかと思います。条例を制定するに当たっても各部局から意見は聞いてきたのですが、今後施策を展開することになっていきますので、横の連携をいかにとっていくかということを検討していきたいと思います。

○島袋大委員 ですから、教育委員会にもしっかりと―私の地元でも二、三年前からずっとあったのですが、障害を持った子供たちが中学校に上がると。しかし、特別支援学校に行ってくださいと学校から指導が来たと。しかし、子供たちはどうしても公立の中学校に行きたいということになったら、先生の人員確保とか、やはり最終的には教育委員会の判断になりますね。やはり地域が支えなければならないような状況になってきますから。その辺はクリアして地元の子は公立中学校での受け入れ体制ができたけれども、これもこの条例のもとではいろいろな面で議論が出てくるかもしれないけれども、そういったもろもろも市町村の権限になってくるものだから、その教育委員会、これからの子供たちの云々を考えたら、教育現場にしても市町村の教育委員会とどれだけこの条例の重み、もろもろ含めて担当する教職員も含めて、どれだけ意見交換されているのかという思いがあって。その辺はどうですか。

○大城壮彦障害保健福祉課長 これまでの条例制定の検討の中では、関係する部局―教育関係の方とかも入っていたのですが、今後はこの施策展開ということになってきますので、部局横断的な連携をどうとっていくのかということは、これからの検討部分もあるのですけれども、考えていきたいと思います。

○島袋大委員 パンフレットもせっかくつくりますから、学校には学校にわかりやすいようにやるかもしれないけれども、これを福祉保健部が担当部署に持っていくのではなくて、この管轄する部署―雇用であれば商工労働部、教育なら教育委員会に渡して、そちらの部署で指導しなさいと。教育委員会なら学校長も集めて、教職員も含めてこういった条例ができましたと。そういったもろもろで皆さんしっかり認識を持ってくださいとさせるような形とか、商工労働部なら雇用に関してはこのようにやって、そういった人材育成もやっていかないといけないとか、民間アパートであれば公益社団法人沖縄県宅地建物取引業協会とかがあるのだから、そういったことを土木建築部から指導して、こういう条例ができましたから問い合わせが来るかもしれませんが、しっかりと不動産業としてはこのように考えてくださいというようなシステムをやらないといけないと思っているのです。これは福祉保健部だけの問題ではないから、福祉保健部はいろいろな面でヒアリングもして、地域の意見も聞いてやった条例ですから、すばらしいことですから、担当部署みんなで意見を交換するのもいいかもしれませんが、仕事を割り振ってもいいと思います。あなた方がしっかり責任を持って指導しなさいとやるような形がいいと思いますけれども、どうですか。

○崎山八郎福祉保健部長 ただいまの御意見ですが、貴重な御意見だと思います。各部局と連携をとって、今のような意見もありますということも含めて、しっかり伝えながら進めていきたいと思います。

○島袋大委員 すばらしい条例ですから、みんなで頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 比嘉京子委員。

○比嘉京子委員 これまでの質疑の中で各委員がおっしゃっているとおり、御苦労の中で、パブリックコメントも含めるとさまざまな声を皆さんが集約して、このように提案されたことに感謝申し上げたいと思います。これからこれをいかに実行あらしめるかということが大変大事なのと、3年後の見直しを含めて、よりともに暮らしやすい社会に向かって手直しも含めてやっていくという姿勢について、いろいろなことが出てきた場合に改正していけるというように非常に希望が見える条例だと思っています。
 私は1点だけです。今、たくさんの事例が議員を含めて出されてきたときに、窓口は何はともあれ市町村の差別事例相談員ですか。まずはそこに全ての問題が行くという理解でよろしいですか。相談の入り口はそこでいいという理解でいいですか。

○大城壮彦障害保健福祉課長 そのとおりでございます。

○比嘉京子委員 その相談員ですけれども、本会議でも市町村において必置―義務とまでは言わないけれども、必置なのかという質問がありましたよね。それについて私はまだ曖昧な感じがするので、もう一度お答えいただけますか。

○大城壮彦障害保健福祉課長 先ほどから何度か説明したのですが、まず各法律において、市町村は障害のある方々からの相談に応じなければならないという規定があります。その相談に応じる者を差別事例相談員と見るならば、市町村に必置のものでありますが、この条例の中での規定は―県の条例なものですから市町村に義務を課するような規定ぶりができないことになっていて、市町村の業務として相談に応じる差別事例相談員に対して、県は技術的な助言・指導をしますという規定になっております。法の結論から言いますと、各市町村には相談に応じる者がいるというつくりになっております。

○比嘉京子委員 この条例が周知されればされるほど、窓口業務はふえる可能性がありますよね。今、新聞に、障害を持った皆さんは確実にその相談員が配置される仕組みを盛り込むように求めていたけれども、県は地方分権の観点から市町村に設置を義務づけるのは難しいと判断したという記事を読んでいるのですが、まさに今おっしゃったことだと思うのですが、そこには市町村はやる義務がある。けれども県としては義務を課すことはできない。そのときにこれは実態として本当にどういう状況になるのか、すき間になるような気がするのですが、いかがですか。

○大城壮彦障害保健福祉課長 この条例の案の段階で市町村に説明したときに、やはり市町村から多くの懸念としてそういった問題が上げられたことは事実です。ただ、その業務として、各法律において障害のある方から相談があった場合には市町村は相談に応じなければならないという規定があるので、その業務は実際にやっているはずなのです。絶対的に足りないマンパワーをどうするかというところが出てきますので、この部分を県がどのような形で支援できるのかということが、今後検討していかなければならない部分かと思います。

○比嘉京子委員 市町村がそれをしっかりと、それを受け皿的に人を配置できるようにするためには、やはりある意味で―皆さんのこの図表を見る限りは、県はその人材育成に対する研修等の実施をしますということにはなっているわけですが、そもそもその市町村の入り口の相談員を何名置くか、どのぐらい置くのか、兼務で置くのか専任で置くのか。その辺も含めて本当に入り口として受けとめる、吸収できるところがしっかりやらないとこの条例は全く生きてこないわけです。この入り口がまず問題なわけですから、そういうことになると、市町村が財政能力または人材の能力等含めて、ここが怪しいということになったときにも、県はそれでも口出しはできないのですか。

○大城壮彦障害保健福祉課長 条例では広域相談専門員を県に置くわけですけれども、技術的な助言・指導の中で言いますと、いわゆる少し体制の弱い町村にあっては、県が何らかのバックアップをするということは現実的に出てくるかと思います。

○比嘉京子委員 この流れを見ていると、まず差別事例相談員で相談に応じて、困難な相談に関しては今言う広域相談専門員に行くという流れになっているわけですから、何といっても入り口で受け皿がしっかりやらないと、広域相談専門員まで来ない可能性も考えられますよね。そうすると、本当にこの条例が動くかどうかということが非常に入り口論的なところで疑問なので、ぜひ福祉保健部長、これはある意味で口出しできませんという問題ではなくて、そこは強制ではなく、もちろん県からの義務とか命令でもなく、それができるような―例えば財政の問題なのか、人の問題なのか、それから養成の問題なのかも含めて、ここをしっかりやるということをもう少し担保できるような答弁はできないのでしょうか。

○崎山八郎福祉保健部長 体制の弱い町村につきましては、今後どのような形で支援していけるのかを含めて、意見交換をしながら進めていきたいと思います。

○比嘉京子委員 ぜひそこが不透明な感じがいたしましたので、そこはぜひ強調しておきたいと思います。
 それから、これまで議論してこられた県民会議は今後も存続していくのですか。

○里村浩福祉保健部参事 県民会議は意見書をいただいた時点で目的、役目は果たしたということで、一旦解散しております。

○比嘉京子委員 3年後に向かって問題が出てきたときには、何らかの形でまた立ち上げて、議論をしていくというような考え方になるのですか。

○里村浩福祉保健部参事 3年後の見直しのときにどのような検討会を立ち上げるかということは今後の議論になると思いますが、施行後の状況を見ながらということになると思います。また、もちろん障害当事者も恐らくメンバーに入ったり、あるいは事業者側もメンバーに入っていただいたり、形、名前は変わると思いますが、そのときには恐らく両方の立場から実情をよく御存じの方をメンバーに選んだり、県民会議のときは公募もしたのですが、そういった形で進めることも考えられます。

○比嘉京子委員 第4章の第33条にピアカウンセリング―障害のある人同士による相談体制の充実というものがありますよね。業務の中でというか、流れの中でどういうところにかかわるものですか。これをもう少し具体的に。

○大城壮彦障害保健福祉課長 第4章に規定してありますのは各施策を具体的に書きあらわしているところでございまして、ここにある第33条の規定はピアカウンセリングによる相談体制の充実ということですが、身体の障害を持っている方を相談員に―相談員の資格要件は特に定められているものではないのですが、例えば人格高潔で熱意があって、原則として障害者であることという者を相談員としている場合がございます。その方々というのはそれぞれの立場、それぞれの持っている障害区分による立場を理解し得るので、そういった人たちの体制を充実させることによって、より障害者への理解が深まるということで、この施策を充実させようということで設けられている規定でございます。

○比嘉京子委員 最後に、離島等における障害のある人にという第36条ですが、これは具体的にどういうことを想定されて書いているのですか。

○大城壮彦障害保健福祉課長 離島については今議会でも定住条件の関係で質問があったのですけれども、離島であるがゆえの問題点の一つとしては、それぞれのサービス事業所が少ないということがございます。そういったところで、どのような形で障害者施策を充実させていくかというものを考えるために、この規定を設けたということでございます。

○比嘉京子委員 それで今後、どういうことを展開していこうという考えですか。

○大城壮彦障害保健福祉課長 今のような大きな課題、離島ゆえの課題を解決していくためのものを考えていきたいと思います。具体的なものは今すぐには浮かばないですけれども、いろいろな課題があると思いますから、そういった課題解決に向けた検討をこれからやっていきたいと思います。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 新田宜明委員。

○新田宜明委員 二、三点伺いたいと思います。私も先ほど狩俣委員が話されたように、障害のある人もない人もともに暮らしやすい社会の実現ということを理念として掲げる場合に、平和ということが絶対的な条件だと思います。そういう意味では、やはり沖縄の歴史的体験やこれからあるべき沖縄の社会の、あるいは世界共通の理念として、平和の理念というものはしっかりとこの条例の中に規定すべきだと思っております。ぜひ3年後の見直しの中で議論していただきたいと思います。
 いろいろな委員からも何回か質疑されているのでくどいようですが、少なくとも市町村の差別事例相談員が機能しないとこの条例は生きてこないと思うのです。それに対して来年4月から施行するとなると、市町村との連携というか、相談員は当然に置かれているものとして皆さんはこの条例を今度提案して、来年4月から施行するわけですから、その辺の連携はどうなっているのですか。

○大城壮彦障害保健福祉課長 障害者差別解消推進法の中でも、既存の体制を充実させていくということがありまして、現在市町村には身体障害、知的障害、精神障害を含めた相談員の体制があります。確かに地域間の格差はあるのかもしれませんけれども、相談体制の整備はある程度されていると理解しておりますが、今後スキルアップをいかにして図っていくのかということが課題になってくると思っておりまして、今年度既に予算も組んでいるのですが、差別事例相談員等に対するスキルアップのための研修などを実施していくことによって、連携を図っていきたいと思っております。

○新田宜明委員 全国でも6番目ですか、障害者団体を含めてのそういう県条例ができたということですから、そういう意味では、ぜひ先進事例としてこの条例が生きてくるような効果を期待しているわけです。このように条例ができても、市町村の体制が弱いと結局ほとんど効果が出ないということが往々にして見受けられる。いろいろな行政の仕組みとして―私も長年豊見城市役所の職員でしたから、こういった上位機関でつくった条例でも、市町村、末端の自治体できちんとその条例の中身や施策を理解しないと、十分にその効果を発揮できないということがよくありますので、ぜひその辺はこの沖縄県議会での議論だけで押しとどめないように、この議論がそのまま市町村議会にも連動するように、あるいは市町村の執行部にも連動するように早急な、先ほどの研修も含めてやっていただきたい。
 それと、こういった相談員、あるいは県はこれから広域相談専門員も設置するわけですけれども、この人たちの身分はどのように想定しているのでしょうか。非常勤的なものなのか、この辺が非常に肝心だと思います。どうですか。

○大城壮彦障害保健福祉課長 市町村におります差別事例相談員ですが、職員が直接当たっている場合もあります。それは市町村職員ですから身分としては公務員となります。一方でマンパワーの足りない部分といいますのは、相談支援事業所への委託事業としてやっているところがあります。そういった委託事業ですので民間の身分を持った方ということになります。それから広域相談専門員について考えておりますのは、委嘱、委任ということで、身分としては非常勤職員を予定しておりますけれども、そういった専門的な知識を持った方に対して委嘱をするということで考えております。

○新田宜明委員 ぜひこういった専門的な知識、技術的な支援を行うのが県が設置する広域相談専門員であるわけですから、やはりそういった業務の充実を図るためには、業務に係る身分も含めてきちんとした待遇というのですか、そういう環境を整備しないとなかなかそれは充実しないと思うので、その辺はしっかりやっていただきたいと希望して、私の質疑を終わります。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 照屋守之委員。

○照屋守之委員 これは早目に成立させてスタートさせたいという思いがありますが、この前文の最後、参加できる共生社会の実現ということだけれども、私は障害のある人もない人も対等な立場―文にも入っているのだが、参加できるという言葉は非常に弱いのではないかと思うのです。我々は皆、ここにいる人たちそれぞれがここにいて、この社会があるというかけがえのない存在だと思うのです。だから、参加という言葉は何か弱いような感じがして、貢献という表現がふさわしいのではないかと思いがするのです。これはもう提案されているからいいのだけれども、そういうことも含めて対等な立場でお互いが社会をつくっている、それぞれがその一員であるという、そういう位置づけがほしいわけです。
 それと、公表ということがあったけれども、先ほども説明があったように、余りこういった罰則規定というものは要らないのではないかという気がします。これはまさにこのタイトル、ある人もない人もともに暮らしやすいということだから、本来はこういったものが浸透していて、そういう社会がつくれればこういう条例などなくてもいいわけです。つくれていないからそういうことも含めて必要だということで、我々も意識を変えないといけないし、県民も行政もということで、あるいは障害を持った方々もやはり意識を変えないといけないということでこれが必要なわけでしょう。だから、本来はこの条例がなくて、皆一緒の対等な立場でやっていける社会をつくらないといけないわけで、そのためには注意はしても、それにペナルティーを与えるというやり方はそぐわないのかなという思いもあります。
 もう一つ、この前文にもあるように、障害のある人に対する理解の不足、誤解、偏見という、これは私も含めてそういう思いがあるのかということがあるけれども、この条例をつくった後、その部分をどうするかということが大事だと思うのです。だからこの中に交流事業みたいな、県民とか地域、あるいは子供たちもという話がありますよね。そういう交流事業も定義づけをして何とかできませんか。やはりここには理解の不足、誤解、偏見とかがあるので、それがお互い交流していけばごく自然に偏見とかがなくなるわけでしょう。わからないからお互いはそういう誤解とか偏見があるわけでしょう。だから、ここの中でどういう形でもいいけれども、交流を促進していくということはできませんか。それとも入っていますか。

○里村浩福祉保健部参事 今、委員御指摘の点につきましては、第18条に障害のある人に関する理解の促進という条文があるのですが、実はこれはパブリックコメントを踏まえて直したところです。当初は、県は障害のある人に対する県民の理解を深めるために必要な施策を講じるものとするとなっていたのですが、これに対して、障害のある人への理解の促進に当たっては、障害のある人の意見を参考にしてほしいということをパブリックコメントでの意見でいただきまして、それを踏まえて、県は障害のある人と協力し、研修その他の必要な施策を講ずるものとするとしておりまして、今後いろいろ条例の趣旨とかを周知する際には、障害のある人と協力をしながら普及、啓発に努めていきたいと考えています。

○照屋守之委員 ぜひ交流をそれぞれ市町村ごと、県がやるのか―どうしても理解不足、誤解、偏見をなくすためにはそれしかないと思うのです。私も、中学校のころから小児麻痺で同じ学校に通っていた男性とずっとつき合っているのだけれども、この人は片足がああいう状況でも対等につき合っていて、すごいなと思って、やはりそういう人たちと触れ合うというか、間近にいるとやはりこういうことなのかとか、あるいはまたそういう障害の方々を見て自分が勉強になる、学ぶべきことが結構出てきますよね。ですから、ぜひそういう交流事業も積極的にやっていただいて、この条例の趣旨にのっとったことができるような形でしっかり取り組みをしていただきたいと思っておりますから、よろしくお願いします。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○呉屋宏委員長 質疑なしと認めます。
 よって、乙第4議案に対する質疑を終結いたします。
 次に、乙第5号議案沖縄県指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例及び沖縄県指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例の審査を行います。
 ただいまの議案について、福祉保健部長の説明を求めます。
 崎山八郎福祉保健部長。

○崎山八郎福祉保健部長 それでは、乙第5号議案沖縄県指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例及び沖縄県指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例について御説明いたします。
 平成25年第6回沖縄県議会(定例会)議案(その2)の18ページをお開きください。
 本議案は、児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準及び障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準の一部が改正されたことに伴い、指定小規模多機能型居宅介護事業所に関する特例を設ける等の必要があることから、条例を改正するものであります。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

○呉屋宏委員長 福祉保健部長の説明は終わりました。
 これより、乙第5号議案に対する質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないように簡潔にお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 比嘉京子委員。

○比嘉京子委員 本当によくわからなくて質疑をします。今回の改正の理由にありますように、特例を設ける必要があると。その特例を設ける必要性がどういう理由で生じているのかということからまず教えてください。

○大城壮彦障害保健福祉課長 まず、小規模多機能型居宅介護事業所といいますのは高齢者施設ですが、例えば離島などで障害児の施設がない、しかし高齢者施設はあるといったときにこの施設を利用して、児童デイサービスを受けることが可能になるというのが今回の条例改正の内容になっております。

○比嘉京子委員 この高齢者の福祉施設に児童を受け入れるようにということがなかなか結びつかなくて、これをどう理解したらよいのかと非常に悩んでいたのですが、そうすると、例えば子供たちが放課後であったり、それから発達障害の子供とか書いているのですが、そういう子供たちは、通常離島以外のところではそれぞれの選択肢のある中で通所していると。けれども選択肢がない場合のために、ある意味で特例的に設けるという理解でよいですか。

○大城壮彦障害保健福祉課長 この条例改正は、国の政令が改正されたことによって全国的に展開する形になっております。それ以前というのは、富山県において一つのモデルとして特区的にやっておりました。そのときに、高齢者施設に発達障害の子供たちが入ることによって相乗効果で改善が見られたという例があったようです。それが全国展開する一つのきっかけになったのですが、例えば沖縄などですと、児童デイサービスの施設が少ないとかないとか、またはいっぱいであるという児童デイサービスの施設があった場合に、その高齢者施設を活用してやっていくものになっております。

○比嘉京子委員 それを認めるということで、いわゆる事業所の人員であるとか、設備等運営に関する基準を変えるというわけですよね。それは主にどういう点で変わっているのですか。

○大城壮彦障害保健福祉課長 この小規模多機能型居宅介護事業所の登録定員はお年寄り25名です。児童デイサービスを利用する場合の定員は15名。最大25名で、実際に児童デイサービスを利用するのは15名という枠内でやるのですが、その定員の扱いは変わらずに、児童と老人が一緒に入っても25名。また、児童デイサービスとして利用できるのも15名ですが、今までお年寄りの相手をしていた支援ワーカーなどが子供に対応できるかという問題がありますので、そういったものの基準を定めるという内容の改正であります。

○比嘉京子委員 職員の人員に対してですけれども、お年寄りの介護、介護福祉士等の資格を持っている人はいるかもしれませんが、発達障害の子供たちを受け入れるとしたのならば、どういう人員の変化をうたっているのですか。

○大城壮彦障害保健福祉課長 実際の課題になりそうなのは、今までお年寄りに対応していた支援員の方が子供に対応できるのかという問題が出てくるかもしれませんので、その一つの要件として、近隣の児童福祉施設からの技術的な支援を受けるようなものもございます。

○比嘉京子委員 福祉に携わっている人たちだからということもあるのですが、例えば発達障害の子供たちというのは大人がなかなか理解ができなくて、虐待の対象になっていたり、さまざまな状況が生まれていますよね。そういう意味では、私はある一定程度の研修なり専門性なり、理解なりというところがないと、一緒くたにこれをやられると懸念材料もあるなという気はしているのですが、そういうのは払拭される、クリアできるような人員体制をうたっているのでしょうか。我々がこの条例を認めるか認めないかというときの、幾つかの懸念材料を今聞いているわけです。

○大城壮彦障害保健福祉課長 確かに今のような懸念材料はありますので、障害児に対して適切に指導・処遇ができるように、今後の実習なり研修なりを充実させていく必要が出てくるかと思います。
 今回の改正の中で、処遇する職員の数に変わりはありません。

○比嘉京子委員 先ほど富山県の事例がありましたよね。障害児者にもいろいろな種類があるので、一例で成功したからいいということにはならない問題点が出てくる可能性も十分あるので、かなり慎重にすべき課題かなという気はしているのですが、そういう意味で言うと、ここには研修等ということしか書いていないので、実に曖昧というか、そういう理解ができる職務を果たして兼務できるかどうかというところに非常に危惧する点があるわけですが、ここら辺は県としてどう考えているのですか。

○大城壮彦障害保健福祉課長 やはり資質向上のための実務研修なり、そういったもので対応していくしかないかなと思っております。

○比嘉京子委員 これはデイサービスと宿泊もありますよね。これは、児童に対しても宿泊も可能にするということですか。

○大城壮彦障害保健福祉課長 児童に対してもショートステイのサービスがございます。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 児童発達支援を受ける障害ということですが、今、発達障害の話も出ていたのですが、どのような障害ですか。知的障害とかそういう種類がありますよね。

○大城壮彦障害保健福祉課長 3障害の全て―身体障害、知的障害、精神障害の3障害です。

○西銘純恵委員 発達障害は入っていないのですか。

○大城壮彦障害保健福祉課長 精神障害の一分類として整理しております。

○西銘純恵委員 この3障害の皆さんが通所―デイサービス、ショートステイのサービスを受ける施設を特例として設けるのが今の条例改正ですが、実際はどういう施設で受けるという法令があると思います。それを示してください。

○大城壮彦障害保健福祉課長 今、県内では障害児通所支援事業のための施設ということで対応しております。

○西銘純恵委員 先ほど離島の例をおっしゃっていましたが、全県でも通所支援が必要とされる子供たちに、ちゃんと通所支援サービスを受けられる場所が提供されておりますか。

○大城壮彦障害保健福祉課長 平成25年7月1日現在で、県内では通所支援施設が161事業所ありますけれども、離島の町村にあってはそれがないところもございます。

○西銘純恵委員 必要とする人数と、それと161カ所あるというのですが、必要とするけれども受けられない、通所支援施設は満員―那覇市などでは満員ではないかと思いますが、そこら辺についても調査はやっておりますか。もともと不足しておりませんか。

○大城壮彦障害保健福祉課長 施設を利用している児童の数は、平成25年5月現在で2258名おります。地域ごとの状況は現在把握しておりませんのでよくわかりません。

○西銘純恵委員 公立の児童デイサービスと、民間の児童デイサービスもふえているけれども、公立が足りないから民間がふえていると思っているのです。人数は把握しているけれども、実際それに対応できているのかどうか、そこが大もとだと思うのです。ただ離島の施設が足りないからそこを措置しましょうということではなくて、障害児童に対する取り組みとして県がちゃんとやっているかどうかにもかかわるわけです。だから、離島だけの問題なのか、それ以外のところはちゃんと今ある、児童が当然に通う施設で間に合っているのかというところが今の答弁では納得できないのです。

○大城壮彦障害保健福祉課長 今は現状を把握しておりませんので、これは確認させていただきたいと思います。

○西銘純恵委員 小規模多機能型居宅介護施設ですけれども、県内で何カ所ありますか。余りないのかなと思ったのですが。

○大城壮彦障害保健福祉課長 平成25年7月末現在で調べましたら、24市町村に70事業所ございます。

○西銘純恵委員 先ほど比嘉委員も言っておりましたが、高齢者と障害児が交わることは効果がある、いい結果を生むことはわかるのです。けれども、1つの施設の中でその事業をやらないといけないのかどうかというところが、今問われていると思うのです。だから必要な施設、離島に3つの障害児が通所できるところがないというのであれば、その施設を整備することが求められていると思うのです。では、便宜的に小規模多機能型居宅介護施設に通ってもらおうねと、そこのサービスも職員についても変更はないけれどもというのでは少しお粗末だと思います。ましてや精神障害の中でも発達障害はふえていますから。発達障害というのはいろいろな種類があって、障害の認定を間違えたら全く違う対応になって、その障害を悪化させるのです。前にも私の友人で学校の先生が情緒学級を担任して、結局やめざるを得なくなったことも話したことがあったかなと思うのですが、発達障害こそ最も専門性があって、医学的にも療育的にもというのか、なかなか難しいものなのです。だから、そういう人をちゃんと配置して、発達障害の種に応じた人を適宜―この子が今度通所するので、この子に合わせて配置しましょうねということができるのかどうかということも含めて考えられていないと思いますので、やはりこれは県が障害児者の施策をもっとしっかりとやっていく立場で取り組むべきではないのかと思って、これで質疑を終わらせていただきますが、福祉保健部長、何か見解がありましたらよろしくお願いいたします。

○崎山八郎福祉保健部長 発達障害児へのそういったサービスもしっかり提供できるように、県としては頑張っていきたいと思います。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 狩俣信子委員。

○狩俣信子委員 先ほど聞き漏らしたかと思うのですが、沖縄では70事業所、そして24市町村に小規模多機能型居宅介護施設があるということですが、そこで受け入れている人数というのは、高齢者が幾らで障害者というのはどうなっているのかお願いします。

○大城壮彦障害保健福祉課長 現在、小規模多機能型居宅介護施設には障害児等の受け入れはございません。全て高齢者です。現在定員の数でしか把握していないのですが、トータルで1701名です。先ほどの2258名というのは、児童デイサービス施設に通っている障害児の数です。

○狩俣信子委員 今、70事業所でやっているということですが、そこで障害児を受け入れることになったときには、予想として大体どのぐらい行きそうですか。

○大城壮彦障害保健福祉課長 現在、まだ市町村に対してニーズ把握調査を依頼しておりませんので、どれだけの方がこれを必要としているのかは把握しておりません。

○狩俣信子委員 この条例が改正された後に、皆さんは調査をしていくことになるのですか。

○大城壮彦障害保健福祉課長 今回の条例改正は、国の施行令が改正されたことに伴ってオールジャパンで条例を改正することになったものです。必要なニーズの把握は当然やっていかないといけないと思っているのですけれども、そのための条件整備を今回の条例改正によって行うということで御理解いただきたいと思います。

○狩俣信子委員 先ほど来聞いていましたら、そこにいらっしゃる施設の職員はそのままだとおっしゃっていましたよね。各委員が懸念しているのは、例えばいろいろな発達障害やら何やらあるときに、そこの皆さんで対応できるのかどうかという危惧があるわけです。そこらあたりはどうでしょうか。

○大城壮彦障害保健福祉課長 繰り返しになりますが、障害児への対応が適切にできるように、事業所での研修と実務指導等をやっていきたいと思います。

○狩俣信子委員 少し不安ですね。例えば私の知っている子にアスペルガー症候群の子がいるのですが、結構大変なのです。先ほど西銘委員が言ったように、対応を間違ったら本当に大変な状況。それを年に何回かの研修で乗り越えることができるのかという心配ですが、大丈夫ですか。

○大城壮彦障害保健福祉課長 原則的なところで言いますと、本来は児童デイサービス施設に通っていただく。もちろんそこには専門の相談員がいます。そういった施設がないところについての条件整備を図ろうということですが、今懸念されているマンパワーというか、スキルが足りない部分というのはあるかもしれませんので、そこを補っていくのが今後の課題かと思っております。

○狩俣信子委員 そこに入っていく―高齢者の皆様もそうですが、やはり障害を持ったお子さんたちが安心して通えるような対応はしっかりやっていかなくてはならないと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○呉屋宏委員長 質疑なしと認めます。
 よって、乙第5号議案に対する質疑を終結いたします。
 休憩いたします。

(休憩中に、執行部席及び傍聴席の整理)

○呉屋宏委員長 再開いたします。
 休憩前に引き続き、審査を行います。
 次に、乙第6号議案沖縄県国民健康保険調整交付金条例の一部を改正する条例の審査を行います。
 ただいまの議案について、福祉保健部長の説明を求めます。
 崎山八郎福祉保健部長。

○崎山八郎福祉保健部長 それでは、乙第6号議案沖縄県国民健康保険調整交付金条例の一部を改正する条例について御説明いたします。
 平成25年第6回沖縄県議会(定例会)議案(その2)の21ページをお開きください。
 本議案は、国民健康保険の国庫負担金等の算定に関する政令の一部が改正されたことに伴い、病床転換支援金を納付する市町村に関する特例の適用期限を延長する必要があることから、条例を改正するものであります。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

○呉屋宏委員長 福祉保健部長の説明は終わりました。
 これより、乙第6号議案に対する質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないように簡潔にお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 国民健康保険―国保制度ですが、去年の12月に一度同様の議案が出たと思うのですけれども、今の説明だけでは少し不十分ですので、内容について丁寧な説明をお願いいたします。

○上地幸正国民健康保険課長 国民健康保険の国庫負担金等の算定に関する政令が一部改正されたことに伴って、病床転換支援金を納付する市町村に関する特例の適用期限を延長する必要があるものです。これにつきましては、普通調整交付金を交付するに当たり、市町村間の格差を緩和する事項としまして、1の療養の給付に要する費用の額から一部負担金を控除した額等、11項目あります。そのうち、病床転換支援金を納付する市町村に関する特例につきましては、現行では平成25年3月31日までの間、後期高齢者支援金は後期高齢者支援金及び病床転換支援金とするとなっておりますが、これを平成30年3月31日までの間、後期高齢者支援金は後期高齢者支援金及び病床転換支援金とするというような改正内容となっております。

○西銘純恵委員 今の箇所だけを耳にするだけでは、国保制度の中で医療を受ける人がどうなるのかということが見えてこないので、この資料―療養病床の再編成、平成20年3月版は皆さんに届いていますか、11の施策をという話で療養病床転換ということを話されたのですけれども、今の国保制度そのものがどのような方向に動いているのかということを見ないと、今の交付金を5年間継続しますということで納得できるものではないと思っているのです。プログラム法案―税と社会保障の一体改革で医療、介護、子育て支援、年金、全て改悪内容が具体化されていくわけです。今度の臨時国会で具体的に法案を提案することになっていて、この中で国保世帯の医療がどのようになっていくのかというところを見ないと、判断を誤るのではないかと思って質疑をしたいのです。そもそも国が国保制度に対してとっている、政府のこれまでの方針というのか、流れ、それを先に説明いただきたいと思うのですが、国庫負担金はずっと減らされてきたと思うのですが、少なくとも去年、この調整交付金の導入のときに出されたものを今度も踏襲するということですよね。それを説明してもらえませんか。

○上地幸正国民健康保険課長 定率国庫負担金につきましては平成16年度までは40%でしたが、平成17年度が36%、平成18年度以降34%で、平成24年度以降32%というように推移しております。

○西銘純恵委員 32%に減らすというものと、先ほど定率国庫負担金は40%と言いましたけれども、国が出しているのはそれ以外にも、当時、財政調整交付金が10%あったはずです。だから、国は何らかの形で50%出していたものを今度32%にまで引き下げるということですよね。それでは県はどうするのかというところで、この交付金を出してきたときの県の持ち分はふえたのですか、県も減らされたのですか。どうですか。

○上地幸正国民健康保険課長 現在、国民健康保険における医療給付費等に関する国の負担割合は41%となっておりまして、県負担分を合わせた公費負担割合は50%となっております。

○西銘純恵委員 都道府県調整交付金が導入されたときの県の調整交付金が―前に同じ条例が提案されたときの県が持っていた交付金、市町村に対する交付金は幾らだったのですか。何%だったのですか。それが何%に変わるのですか。県の持ち分はふえたのでしょう。

○上地幸正国民健康保険課長 都道府県調整交付金につきましては、平成18年度は7%だったものが、平成24年度以降は9%になっているということです。

○西銘純恵委員 だから、市町村はどうかというところも、また保険者、住民はどうかというところもかかってくるとは思うのですけれども、国は負担金を明らかに減らしていると。そして県がその分をふやしていると。34%から32%に減った分について、県は7%から9%にふやしていると。そういう意味では、この国保の調整交付金制度というのは幾つかあって、その中で療養病床の再編にも使いますよと言ってはいるのですが、実際は、国は国保制度に対して持ち分を減らしていることをよく見ないといけないと思うのです。結局は、市町村も一般会計から国保会計に―住民の皆さんが医療を受けられないとか、保険料が払えないという声に応えて、まだ沖縄県は独自の繰り入れをやる意思を示していない、やりますということは一度も言っていないのですけれども、市町村はそれぞれ相当な経費負担をして、住民の医療を守るという立場で繰り入れをしているわけです。この繰入額というのはどれぐらいあるのですか。

○上地幸正国民健康保険課長 平成23年度において、一般会計からの繰り入れ―これは法定外の繰り入れとなりますが、合計で54億4778万4000円でございます。

○西銘純恵委員 答えられるのであれば、全国のものも答えてもらえますか。

○上地幸正国民健康保険課長 全国の状況ですが、平成23年度は3903億円でございます。

○西銘純恵委員 沖縄県では54億円、財政力の弱い町村も繰り入れをしながら、全国では3903億円も繰り入れをしないと国保制度が維持できないと。それでは、先ほど国の負担金を減らしてきたということでパーセンテージが出ましたけれども、実際に、全国の国民健康保険の総収入に占める国庫負担金の割合はどれだけかということはつかんでいらっしゃいますか。厚生労働省が年報で出しているのですが、わかりますか。国保の総収入に占める国庫負担割合です。割合が1980年代からどんどん落ちてきているのです。

○上地幸正国民健康保険課長 全国における市町村国保総収入に占める国庫負担金の割合は、平成23年度は25.4%となっております。

○西銘純恵委員 皆さんが知っている数字で最も過去の数字も出していただけませんか。4分の1に減っているのですよね。

○上地幸正国民健康保険課長 平成17年度は31%でございました。

○西銘純恵委員 平成17年度から比べても相当減ってきているけれども、そもそも国民皆保険制度と言われる国保の総収入に占める国の負担割合は、1980年は57.5%、6割近く国が出していた。これは皆保険制度を維持するということで出発したものですよね。けれどもこれが現に25%にまで落ちてきた。それではどこに負担させるのかということを私は見ないといけないと思うし、そして今度、具体的に交付金を9%でやりますということで延長することもあるのですが、皆さんがやっている国保に対する流れというのも―消費税を増税した分を当て込んで、そして医療もということを言っていると思うのですけれども、国保制度そのものは都道府県単位化もあわせて今、医療改悪がなされていると私はずっと指摘しております。都道府県単位化については今どのような状況にあるのですか。そして、政府は都道府県単位化、沖縄県全体で国保を見なさいと、1つの広域にしなさいということを民主党政権が進めて、少し中断している形になっている。これをまた進めるというのが今度のプログラム法案になっていると思うのです。そうすると国の姿勢、国は何を都道府県単位化に求めているのか。3点求められていると思うのです。国保を都道府県単位にしてと、適正化という言葉が出ていますよね。皆さんは適正化するためにどうするというこの3点について、とても大事なところなので確認したいと思います。

○上地幸正国民健康保険課長 国においては、持続可能な医療保険制度構築のために、医療保険制度の財政基盤の安定化や保険料負担に関する公平性の確保、療養の範囲の適正化等について検討を行っていると聞いております。

○西銘純恵委員 広域化等支援方針の策定について、2010年に厚生労働省から皆さんに対して出された文書では、県にとっても市町村にとっても、そして医療を受ける県民にとっても大変な内容があると思っているのです。だから私は3点、3点とずっと言っているのですけれども、国は医療費の適正化という名のもとでどのようなことを押しつけようとしているのですか。私は押しつけと思っているのだけれども、皆さんがどう思っているのかも聞きたいと思います。

○上地幸正国民健康保険課長 国の通知―広域化等支援方針の策定要領の中で、市町村国保の赤字解消に関しまして、一般会計繰り入れによる赤字の補塡分については保険料の引き上げ、収納率の向上、医療費適正化策の推進等により、できるだけ早期に解消するよう努めることというようにされております。

○西銘純恵委員 一般会計繰り入れによる県全体の補塡は54億円と先ほど出ましたよね。この54億円を補塡しないで、保険料を引き上げなさいという方針が適正化のもとに出されてきたわけでしょう。こういうことをやったらどうなるのですか。1人当たりの保険料、県平均は幾らですか。

○上地幸正国民健康保険課長 平成23年度における国民健康保険税の1人当たり調定額の平均は、5万3607円となっております。

○西銘純恵委員 一般会計からの繰り入れをしないでということになれば―試算を出したことはないと思いますが、私はこの県平均5万3607円が相当な保険料にはね上がるのではないかと思っているのです。繰り入れをするななどと国が言っても、実際に市町村は財政力は弱いけれども、保険料を払えないと医者にかかれないから軽減しましょうということで繰り入れするわけですよね。そういうこともするなという国の方針を、実際に沖縄県は受け入れることができるのですか。これから強制力を持ってくるのかなと思うのですけれども、これに対して県は県民の医療を守れないという立場でやるべきだと思うのですが、福祉保健部長、どうでしょうか。

○平順寧保健衛生統括監 国の検討会の中で、確かに国保の都道府県化というのが入っていまして、これについては沖縄県も全国知事会を通して次のようなことをやっております。まず、いわゆる国保財政上の構造的な問題を解決することは国保の運営上重要であろうと。その中で、単に保険者を都道府県にやることは、そういった課題解決に向けては単なる赤字のつけかえに過ぎないであろうと。そうであれば、国の責任と負担をきちんと確保した上でそういったことをやっていくべきであろうと。そういった協議をやるにしても、各都道府県等と協議する場をきちんと設けてほしいということで、要望を出しているところでございます。

○西銘純恵委員 当然のことを全国知事会がやっているということですが、この要望はいつ出されて、それは検討されているのでしょうか。

○平順寧保健衛生統括監 この意見は、全国知事会から本年8月21日付で出されております。

○西銘純恵委員 都道府県単位化はいつから始まる予定ですか。要するに、収納率を上げなさい、一般会計から繰り入れしないで赤字分については保険料を引き上げなさい、あと1つは医療費適正化ということですから、医療費適正化の中でこの療養病床関係も出ていると思っているので、都道府県単位化もそのまま、全国知事会からの意見が通らないまま実施されることに対してどうするつもりですか。

○上地幸正国民健康保険課長 法制上の措置の実施スケジュールでは、平成27年に法案を提出する予定にはなっていますが、これにつきましては、国と地方で十分協議した上で提出するものと考えております。

○西銘純恵委員 これについては、そのまま実施ということは大変な問題をはらんでいるし、私はやはり社会保障として医療をやるという声を上げないといけないと痛切に感じています。ちなみに先ほどの県平均の1人当たり保険料に関して、一番安いところは幾らで、例えば保険料を一つに平準化するということになれば、そこはどういう負担増になっていくのですか。

○上地幸正国民健康保険課長 平成23年度の1人当たり調定額が最も低い市町村は伊平屋村の3万1796円で、県平均との差は2万1811円となっております。

○西銘純恵委員 本当に2倍近い1人当たり保険料がああいう高齢者が多い、産業もそんなにない、収入も所得も低いであろうというところで、そこまで保険料が引き上げられたら払えないと、皆保険そのものが崩壊するという立場でぜひやってほしいと思います。
 それで、医療費の適正化で療養病床の転換ということでこの間やってきた。これを延長するということですけれども、目標として幾つ立てて、実際どれだけが転換できたのですか。

○上地幸正国民健康保険課長 沖縄県医療費適正化計画における平成24年度末の療養病床の再編対象目標数は2456床であり、1295床を転換することとしておりました。しかし、平成24年度末の再編対象療養病床数は2940床となっております。

○西銘純恵委員 最初に交付金を出して、そして補助金を出して転換計画を立ててやったけれども、結局は目標の3分の2ですか、3分の2しか転換できなかったということですよね。これだけしか転換できなかったという理由はどこにあると見ておりますか。

○上地幸正国民健康保険課長 その理由につきましては、医療機関において慢性期医療の受け入れ先としてのニーズが高いことや、現状の医療体制が適しているなどということによるものと考えております。

○西銘純恵委員 医療療養病床から病床をなくしていくという計画が、3751床から2456床にという目標を立てたけれども、実際は2940床だったということで、補助金を出してもそんなに進まないというのがやはり県民の医療の実態だと思うし、おっしゃるとおり医療が必要だったということで計画どおりには行かなかったと。今度は療養病床から転換すると言うけれども、何に変わったのですか。転換するという施設はあるのですか、なかったのですか。

○平順寧保健衛生統括監 これまでの実績で言いますと、ほとんどが介護療養型老人保健施設でして、一部有料老人ホームもあるという形であります。

○西銘純恵委員 介護療養型老人保健施設は入所待機者が多いと私は認識しておりますけれども、特別養護老人ホームはいつも待機者を聞いておりますけれども、介護療養型老人保健施設について待機者がどれだけいるかつかんでいますか。

○仲村加代子高齢者福祉介護課長 介護療養型老人保健施設の待機者は、現在把握しておりません。

○西銘純恵委員 やはり把握してほしいと思うのです。病院から退院するにしても行き先がないと、老人保健施設がほしいという声は多いのです。だから、まだ把握していないというのは、療養病床を介護療養型老人保健施設に転換すると言いながら、実際に行き先があったのかどうかというのも不明ということでは無責任ではないのかと思いますから、これは次に委ねるとします。
 あと、有料老人ホームとおっしゃいましたよね。有料老人ホームはたくさんふえているのです。本当に皆さん行き場がないということで有料老人ホームに行くけれども、個人負担がふえる、県民負担が増してくるということが本当に大変だなと私は思っているのですけれども、有料老人ホームは平均1月どれぐらいの利用料が出るのでしょうか。最高どれぐらいの利用料が出ているのでしょうか。

○仲村加代子高齢者福祉介護課長 有料老人ホームの利用料金につきましては非常に幅がございまして、1月3万円というところもあれば、非常に高いところで19万円といったところもございます。多くは7万円から10万円台が約8割ぐらいを占めている状況でございます。

○西銘純恵委員 那覇市、浦添市近郊では、一般的に十二、三万円と聞いています。だから今、答えられた数字が実態で8割くらい占めているというけれども、県の把握について検証する必要があるのではないかと。3万円と言われたのですけれども、3万円の施設が1カ所あることを知りまして、直接電話で聞きました。代表者の方が何度か電話をしてとってくれたのですけれども、3万円で確かにやっているのです。1カ所、宮古島のほうでした。次に低いところで9万円前後でしょう、3万円から9万円前後でしょう。この3万円について少し言いますけれども、この方は自分自身が大変な思いをして、経験をしたために3万円の施設をつくったと言われたのです。個人的に、そういう福祉を個人がやっているのです。施設は見ていないのですがやりとりをしたら、宮古島ではみんな年金が低いと。年金額でできるように、家庭状況も聞いて受け入れざるを得ないと。3万円しかないといったら3万円で受けていますと。そういう話なのです。これは低いところでは3万円ですということには当たらないと思うのです。1カ所だけですよ。特別です。

○仲村加代子高齢者福祉介護課長 おっしゃるように、その有料老人ホームは非常に低く設定されておりまして、先ほど申し上げました約80%が7万円から10万円代といいますのは、県に届けられました有料老人ホームの利用料として挙げられているもので、ホームページにも公開しております。そのほかに、例えば介護保険を利用されますと、その分の1割負担が別に出ることになりますので、それを含めてのことかと考えております。

○西銘純恵委員 介護を必要とする人は、病院から療養している人が出ていくのであれば介護も必要になるので、利用料等を入れたらやはり十数万円にはなるのが実態だと。そこら辺も基本的な施設料は今おっしゃった7万円から10万円だと。それに介護の利用料が上乗せされていきますから、1人の3万円とか5万円の年金ではとてもやれないのが有料老人ホームなのです。だから、老人保健施設の待機者を把握していないということも言われながら、療養型病床に転換するという県のやり方そのものが、ある意味では行き先も確保できないのに転換するということになるので、計画どおりにいかなかったのは多分そこに原因があると思います。だから、これは医療費の適正化という国の医療制度が大もとにあるということを私は指摘したいのです。適正化とは何ですか。医療を受けるなということでしょう。医療費を引き下げる、膨れていく医療費を抑えることが適正化ではないですか。

○平順寧保健衛生統括監 医療費適正化計画は5年前から始まったわけですが、いわゆる医療費をどのような形で適正化していくかということは、結果として医療費が適正化されるということで計画をつくっております。2つの目標がありまして、1つが特定健診とか特定保健指導です。健康づくりを進める中で、まず病気が重度化しないような形に持っていく。もう一つが今、医療機関の療養型病床にいる老人の方々の中には、医療の必要度は低いのだけれども、介護のケアが高い人がおられる。そういう方々が病院の療養型病床に入っておられるということがあって、どちらかといえば介護老人保健施設とかそういった形と余り変わらない状況があるということがありまして、その分について、医療の必要度が低くて介護の必要度が高い人という方の施設について、介護老人保健施設に転換できる仕組みをつくろうという形で、介護保険に移るわけですので、その分医療費が下がる。その特定健診の部分と医療療養型病床の転換の部分で、結果として医療費が適正化していくのではないかということが当初の医療保険制度改革の一つの狙いだったということです。
 ただ、療養病床の転換については各医療機関が判断することですので、県は調査をして、医療の必要度が低いのはどのくらいあってというものを積み上げた数字が計画に載っているだけであって、実際の需要を聞いたわけではないのです。実際、そういう形になるとそれを各医療機関に説明して、判断は各医療機関が判断していくわけですので、それが全国的に少なかったということを国も認識したし、我々も認識したという結果だろうと思います。

○西銘純恵委員 それなら何も療養型病床への転換は必要ないのではないですか。医者は医療の必要があるからきちんと入院させているわけでしょう。そこを強制的に介護に移しなさいという国のやり方そのものが、医療行為に対する越権行為ではないですか。だから、そういうことをそのまま進めることに対して、本当に地方自治体としてもやはり実際に治療・療養で病院を必要としている皆さんが安心して入院ができる、医者にかかれる、そういう立場で何でも取り組むべきだと思うのです。
 最後に指摘をして終わりますが、今度閣議決定されたプログラム法案で臨時国会に出る中身は、医療についてももっと改悪の中身です。最初に自助でしょう。自助そして共助、公助という形でまず自分でやりなさいと。こんな社会保障を全くないがしろにする、法制化する国のやり方について、とてもではないけれども県民の医療を守れないと思うし、その進め方の一つとして今度の継続される議案が入っていると思うのです。消費税は増税します、それを充てますといっても実際は病院から出しますと。これでは踏んだり蹴ったりではないですか。とてもではないけれどもこういう社会保障制度を崩すようなものは、やはり県として全国知事会でやったように声を上げるべきだと思うのです。どうですか。

○平順寧保健衛生統括監 医療制度のことについては、さまざまな検討の中で全国知事会を通していろいろ出しているところでございます。ただ1点、今回の調整交付金の条例改正につきましては、市町村が負担する分について交付するものですので、これが来年3月31日で切れるという形になっているものは、一応算定式を制度として残しておりますので、市町村の負担をカバーする分については延ばしておかないといけないと。その間、今後も一応制度として残っておりますので、医療機関が申請を出せば、改築費用とかそういったものを補塡しないといけないわけです。その分について、市町村の分を調整交付金でカバーしていくという形ですので、そういう御理解でお願いします。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○呉屋宏委員長 質疑なしと認めます。
 よって、乙第6号議案に対する質疑を終結いたします。
 次に、乙第9号議案財産の取得についての審査を行います。
 ただいまの議案について、福祉保健部長の説明を求めます。
 崎山八郎福祉保健部長。

○崎山八郎福祉保健部長 それでは、乙第9号議案財産の取得について御説明いたします。
 平成25年第6回沖縄県議会(定例会)議案(その2)の31ページをお開きください。
 本議案は、抗インフルエンザウイルス薬の取得については、議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例第2条の規定により議会の議決を必要とすることから、議会の議決を求めるものであります。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

○呉屋宏委員長 福祉保健部長の説明は終わりました。
 これより、乙第9号議案に対する質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないように簡潔にお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 狩俣信子委員。

○狩俣信子委員 予算措置についてですが、平成25年度当初は平成18年に購入したタミフルの使用期限は7年ですよね。平成25年7月には国がタミフルの使用期限を10年に延ばしたということですが、なぜ同じ薬でこういうことが出てくるのでしょうか。

○糸数公健康増進課長 これにつきましては製薬会社がさまざまな試験を行いまして、期限を延ばしたとしても薬の効果が薄れないとか、特に害がないというようなデータを出したということで、厚生労働省がそれを受けまして指示がありました。

○狩俣信子委員 うがった見方をすると当初7年でやって、当然それだけ備蓄につぎ込むわけです。後になって10年と言われたら、あと3年間はどうなったのだろうと。薬を7年期限ですよと買わせてから、後になってというような感じを受けるものですから、余りすっきりしないなと私は思っているのです。

○糸数公健康増進課長 これは臆測になるのですが、薬がそれぐらい耐えられるかどうかという試験そのものに時間がかかるために、発売した当初には少し予想できなかったことが考えられます。

○狩俣信子委員 余りすっきりしないですがもういいです。製薬会社が5年で効き目がなくなりますよというのをやはり3年でしたとこういう形で言われたら、国民というのか、薬を使用する人たちはたまらないなという思いがあって質疑してみました。以上です。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 リレンザはタミフルとどう違うのか。安全性についてもお尋ねします。

○糸数公健康増進課長 リレンザもタミフルと同じように抗ウイルス、インフルエンザウイルスの増殖を抑える薬です。タミフルとの違いは、1つは吸入薬ということで、タミフルは飲む薬ですがリレンザは吸入する薬になっております。それから副作用について、タミフルは10代の子供たちが服用すると異常行動が少し見られた―関連性ははっきりしないかもしれませんが、リレンザのほうでは特にそれが認められておりませんので、インフルエンザが流行する季節には、10代の人にはリレンザのほうが多く処方されていることになっております。

○西銘純恵委員 3万7000人分という根拠ですが、県民140万人はいるけれどもそれで大丈夫でしょうか。

○糸数公健康増進課長 抗インフルエンザ薬の目標備蓄量についてはトータルで人口の45%になっているのですが、45%のうち8割をタミフル、2割をリレンザにすることで国からことしの3月に通知が来ました。ことしの3月に通知が出た理由は、タミフルへの耐性があって効かないウイルスが発見されているので、リレンザを少し多くするということで合計で人口の45%になるように備蓄割合の改定がございました。リレンザ自体は今回の3万7000人分だけではなくて、来年度も含めて5万9500人分が必要になるのですが、現在の備蓄量を引いて今年度、来年度で4万4900人分を購入する予定となっております。今年度は先に3万7000人分の購入ということになっております。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○呉屋宏委員長 質疑なしと認めます。
 よって、乙第9号議案に対する質疑を終結いたします。
 次に、乙第12号議案沖縄県離島医療組合規約の一部変更についての審査を行います。
 ただいまの議案について、福祉保健部長の説明を求めます。
 崎山八郎福祉保健部長。

○崎山八郎福祉保健部長 それでは、乙第12号議案沖縄県離島医療組合規約の一部変更について御説明いたします。
 平成25年第6回沖縄県議会(定例会)議案(その2)の37ページをお開きください。
 本議案は、沖縄県離島医療組合規約の一部を変更することについて、久米島町と協議するため、地方自治法第290条の規定により議会の議決を必要とすることから、議会の議決を求めるものであります。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

○呉屋宏委員長 福祉保健部長の説明は終わりました。
 これより、乙第12号議案に対する質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないように簡潔にお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 比嘉京子委員。

○比嘉京子委員 私と呉屋委員長が沖縄県離島医療組合議会の議員なので、私からお聞きしますが、会計管理者の変更ですが、どういう理由からこういう必要性が生まれてきたのですか。

○阿部義則医務課長 この離島医療組合の事務所は、前は那覇市旭橋にございましたが平成21年の4月から久米島町に移転しました。なぜかといいますと、病院事務と組合事務の連携を密にして、もう少し効率のよい事務を行うということで向こうに移転しております。そのような背景のもとに、現在は沖縄県の会計管理者が同組合の会計管理者を兼ねておりますけれども、100キロメートル強離れておりますので、距離的にどうしても実地への指導監督ができない。それから幾つか事務の要件があるのですが、例えば決算期であるとか、その場合には書類を運んできて、わざわざ沖縄県の会計管理者に見てもらわないといけない、合議しないといけないと。非常に不都合が生じたことから、今回久米島町の会計管理者に組合の会計管理者を兼ねていただくということでこれまで調整してまいりまして、久米島町からも内諾を得たことからこういう協議に至ったということでございます。

○比嘉京子委員 そのことによって懸念される問題点はありますか。

○阿部義則医務課長 1つ懸念されるのは事務量の問題があろうかと思いますが、事務量に関しては平成24年度から久米島病院は指定管理者制度に移行しておりまして、組合自体の事務量がかなり減少しております。そのことから、不都合というのは今のところ余り考えられておりません。

○比嘉京子委員 この変更はどちらからの提案ですか。

○阿部義則医務課長 これは沖縄県からです。やはり会計管理者がこちらにいるものですから、なかなか目が行き届かないと。それで実態に即した形で何とかできないかということで、先ほど申し上げましたとおり内々で調整してきて、向こうがいいですよということで今回の提案になったということです。

○比嘉京子委員 今の変更によって、例えば管理体制とかチェック体制とか、事務の執行に関してそういう問題はないと理解してよいですか。

○阿部義則医務課長 はい、そのとおりでございます。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○呉屋宏委員長 質疑なしと認めます。
 よって、乙第12号議案に対する質疑を終結いたします。
 以上で、福祉保健部関係の議案に対する審査を終結いたします。
 休憩いたします。

   (休憩中に、説明員等入れかえ。なお、休憩中に委員長から審査日程の変更について提案がなされ、各委員の了承を得られたことから、再開後に審査日程の変更についてを急遽議題に
追加し、協議することになった。)

○呉屋宏委員長 再開いたします。
 次に、審査日程の変更についてを議題に追加し、直ちに審査を行います。
 休憩いたします。

   (休憩中に、審査日程の変更について協議を行った結果、意見の一致を見た。)

○呉屋宏委員長 再開いたします。
 10月3日の委員会において決定した審査日程では、福祉保健部関係の陳情34件及び病院事業局関係の陳情4件は本日審査することになっておりますが、先ほど協議いたしましたとおり、10月7日月曜日に審査することにしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○呉屋宏委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 次に、甲第2号議案平成25年度沖縄県病院事業会計補正予算(第1号)の審査を行います。
 ただいまの議案について、病院事業局長の説明を求めます。
 伊江朝次病院事業局長。

○伊江朝次病院事業局長 平成25年第6回沖縄県議会(定例会)議案(その1)の9ページ、甲第2号議案平成25年度沖縄県病院事業会計補正予算(第1号)について、お手元の資料の平成25年度病院事業会計9月補正予算説明資料に沿って御説明申し上げます。
 資料の1ページをごらんください。
 まず、今回の補正の考え方は、沖縄県地域医療再生臨時特例基金の3次計画において内示を受けた事業及び台風7号による災害関連に関して緊急に対応を講じる必要がある事業について、予算を編成するものであります。
 補正予算の概要としては、沖縄県地域医療再生臨時特例基金活用事業が3470万2000円、台風対策事業が1億7910万円となっております。
 補正予算事業の概要については、後ほど御説明いたします。
 次に(1)、収益的収支予算の補正をごらんください。
 収益的収支予算の補正については、収入における医業外収益の他会計補助金、支出における医業費用の経費をそれぞれ202万2000円増額補正し、これを収入の既決予算額513億8179万6000円に加えますと、補正後予算額は513億8381万8000円となり、支出の既決予算額513億325万3000円に同額を加えますと、補正後予算額は513億527万5000円となります。
 (2)、資本的収支予算については、収入における企業債及び他会計負担金、支出における施設整備費、資産購入費をそれぞれ2億1178万円増額補正し、これを収入の既決予算額35億796万3000円に加えますと、補正後予算額は37億1974万3000円となり、支出の既決予算額53億2488万9000円に同額を加えますと、補正後予算額は55億3666万9000円となります。
 次に、資料の2ページをごらんください。
 今回の補正予算事業について御説明いたします。
 収益的収支予算に係る事業については、沖縄県地域医療再生臨時特例基金を活用した事業として、産科救急医療スタッフ養成事業に202万2000円を計上しており、その事業概要は、産科医師の負担を軽減し定着・確保を図るため、産科以外の医師・看護師等を対象に産科救急対応研修の実施に要する経費であります。
 資本的収支予算に係る事業については、沖縄県地域医療再生臨時特例基金を活用した事業として3事業計上しており、そのうち北部病院研修医等宿舎確保事業に1470万2000円計上し、その事業概要は、離島・僻地医療圏の医療従事者の確保を図るため、医師・看護師・研修医の宿舎の整備に要する経費でありますが、平成25年度は設計、平成26年度に工事を行う予定となっております。
 その他の2事業については、医療機器等の整備に要する経費となっており、3事業の合計は3268万円となっております。
 次に、台風対策事業として2事業計上しておりますが、そのうち八重山病院非常用高圧発電機取替工事に1億6940万円計上しており、その事業概要は、台風7号接近時に老朽化による油圧低下により緊急停止等が生じた非常用高圧発電機を更新するために要する経費であります。
 また、宮古病院救急出入口防風壁設置工事に970万円計上しており、その事業概要は、台風時等における救急出入口の安全を確保するため、救急出入口前の防風壁設置に要する経費であります。
 台風対策事業2事業の合計は、1億7910万円となっております。
 以上で、甲第2号議案の概要説明を終わります。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

○呉屋宏委員長 病院事業局長の説明は終わりました。
 これより、甲第2号議案に対する質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないように簡潔にお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 新田宜明委員。

○新田宜明委員 説明資料の2ページ、補正予算事業一覧の(1)、沖縄県地域医療再生臨時特例基金活用事業の1番ですが、その事業概要等の中で産科以外の医師、看護師等を対象にした産科救急対応研修の実施に要する経費と書いてありますが、イメージとして具体的にどういうことかということを御説明いただきたい。それから、台風7号で高圧発電機が壊れたと。その工事をするために要する経費が計上されていますが、台風7号が去ってから大分たっていますよね。その間、どういう対応をしてきたのかということを御説明いただきたい。

○伊江朝次病院事業局長 まず最初に、産科救急医療スタッフ養成事業といいますのは、いわゆる産婦人科医以外の医療に携わる人たち―例えば救急医療とか、助産師とか、その他の看護師、こういった方々に対して産科救急の初期対応をしていただくためにトレーニングをやるものです。要するに、産科医が来る前にいろいろやらなければいけないような状況があります。例えば離島の診療所とか、産科医がいない病院にそういう方が来たときが想定としてあるのですが、そういった方々に産科救急の知識、模型を使ったトレーニングを実際に体験して、知識、技術の向上を図るということです。これは産科医の負担を軽減するということもありますが、究極的には妊産婦の救命救急に対する処置の幅を広げるということです。
 それからもう一つ、非常用高圧発電機に関しては、まだ実際のものを整備するには日数を要するものですから、今、移動用の―自動車に積み込まれた非常用発電機をレンタルで病院に設置してあります。ですから、台風に対する備えはできております。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 狩俣信子委員。

○狩俣信子委員 同じく2ページですが、宮古病院の新生児集中治療室の医療器具の整備と書かれておりますが、現在は幾つあるのですか。

○嘉手納良博県立病院課長 現在、人工呼吸器が3台、それから保育器が5台でございます。今回の補正によりまして、保育器を新たに2台、それから人工呼吸器を1台ふやそうということでございます。

○狩俣信子委員 ということは、一応宮古圏域の中では、今の追加部分で乗り切っていけるということになるのですか。

○嘉手納良博県立病院課長 今回の要求につきましては、宮古病院からの要求を受けての措置でございます。

○狩俣信子委員 あと1つ、在宅医療拠点機能構築事業としてポータブル医療機器と往診車両ということですが、現在はそういうものはないのでしょうか。

○篠崎裕子県立病院課医療企画監 中部病院は今まで在宅医療をしていなかったのですが、病床率がある程度高くなって、救急医療の患者を受け入れるためには長期で入院している患者―特にみとりを含めた患者を自宅に帰すという形で今、在宅医療を少し始めています。完全なる、ほかの開業医がやっているような介護に近い医療ではなく、終末医療を含めたみとり、そちらのほうを患者に対する在宅医療として何件か行うようになっています。そのために、医療機器として病院から持ち出すときのコンパクトでポータブルな機械を必要としていることと、そういう機材を乗せて巡回するような車両を必要としていますので、その要求が中部病院からありました。

○狩俣信子委員 そのポータブル医療機器は1台ですか。それとも何台か購入なさるのですか。

○篠崎裕子県立病院課医療企画監 ポータブル医療機器といいますと、超音波断層装置といってエコーと言われているもので、普通ですと大きな形ですが、それをコンパクトに持ち運びできるものを1つ購入したいと。

○狩俣信子委員 車も1台ですか。

○篠崎裕子県立病院課医療企画監 そうです。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 最初の産科救急医療スタッフ養成事業の件ですが、どこの病院ですか。何名の方を研修させるのでしょうか。202万円というものはどのような経費でしょうか。

○伊江朝次病院事業局長 中部病院で実施することになっておりますけれども、これはそういったインストラクター―専門にやっている方々を県外からお呼びして、約20名ぐらいを対象にやろうということになっております。

○西銘純恵委員 初めての試みでしょうか。中部病院でやって、ほかのところでも導入するという考えでやるのでしょうか。

○伊江朝次病院事業局長 これは場所が中部病院ということでありまして、広くそういう募集をして、中部病院のスタッフだけにやるというわけではございません。ですから、該当する人たちにやるということです。

○西銘純恵委員 初めてですよね。

○伊江朝次病院事業局長 はい、そうです。

○西銘純恵委員 やはりそういう試みをやっていくということが、いろいろな意味で県民の医療を高める努力をしているということをとても感じます。
 もう一点、建設改良費の北部病院研修医等宿舎ですけれども、設計が既に今年度補正で入るということですが、具体的に何人の規模で、どこら辺になるのか場所も決まっているのでしょうか。

○嘉手納良博県立病院課長 場所は病院の敷地内になります。現在、医師あるいは看護師の宿舎がございますが、そこを取り壊しまして、そちらのほうに建設していくということでございます。内容としましては、医師、研修医、看護師を対象にしまして15戸を予定しております。それから、あわせて北部病院はオンコールで待機する職員がかなりおりますので、オンコール用対応で5戸部屋を確保するということを予定しております。

○西銘純恵委員 宿舎施設をつくるということなので、つくった後にもっと欲しかったとかでは困るので、この部屋数は現在の職員体制から計算されたと思うのですが、現在の宿舎は何人入っていて、どのような検討がなされたのかだけお尋ねします。

○伊江朝次病院事業局長 現在の宿舎はほとんど人が入っていないのですが、看護師が2人だけ入っております。

○西銘純恵委員 現在の宿舎の戸数は幾つですか。

○嘉手納良博県立病院課長 今、手元に資料を持ち合わせておりませんので正確な数字は申し上げられませんが、大体20戸程度だと思います。

○西銘純恵委員 老朽化しているので取り壊すといわれるものが20戸くらいだとおっしゃるのですが、北部病院のいろいろな職種の皆さんが実際に地元の方だとは限らないし、新築されたら一般的には―今、2人しか住んでいないということは頑張って住んでいると思うのです。だから、新築されたら入居者数がふえるのは目に見えていると思うのですが、この戸数についてやはりニーズ調査とか、今後の体制も見て、2年後には足りなかったということがないようにやってほしいと思うのですが、ニーズ調査はなさったのでしょうか。

○嘉手納良博県立病院課長 北部病院から大体15戸程度、そしてオンコールの待機についても5戸程度必要であろうということで要望が上がっておりまして、そういう措置をしているということでございます。

○西銘純恵委員 地元から上がったということですが、そういう職員の皆さんにとってはどうかということと、今後の見通しを含めて、増築とかそんなことがないように、足りないということがないようにという検討をしっかりやったのかということでお尋ねしましたので、独自検討もなさいましたか。

○嘉手納良博県立病院課長 現段階においては、大体20戸程度であれば足りるであろうということでございますが、これから設計等を行ってまいりますので、その中で改めて必要な戸数についても精査していきたいと考えております。

○西銘純恵委員 ぜひ今の件は大事なところで、何十年活用するところですから、しっかりと後悔がないようにやっていただきたいと思います。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 比嘉京子委員。

○比嘉京子委員 宮古病院の暴風壁設置ですが、非常に新しい病院で今ごろこういうものが必要になるということで、次の八重山病院でもこういうことが起こらないように質疑したいと思います。新しい病院なのに暴風壁設置が必要だということが事前にわかっていないものなのか、何なのかというところをお話しいただけますか。

○幸喜敦県立病院課副参事 今回新しく暴風壁が必要だとわかったのは、台風の風向きによって―やはり建物が建った時点でいろいろな風向きの台風があるので、それに応じて今回、救急車が入りにくいということが判明しまして、新たに設置することになりました。

○比嘉京子委員 ぜひできるだけさまざまな角度から想定をやって、やはり何かつけ足していかざるを得ないということが次々と起こらないようにお願いしたいと思います。
 もう一点は、八重山病院における非常用高圧発電機ですが、老朽化したところに1億7000万円とかは大変ではないかと思ったのですが、新しい病院にも移転できるものだという理解でよろしいですか。

○伊江朝次病院事業局長 そのとおりでございます。

○比嘉京子委員 そうですよね。そうでなくては余りにももったいないと思いますよね。ぜひ前倒しでよろしくお願いします。また、急ぐ余りにさまざまな問題を残さないように、十分な御配慮をお願いしたいと思います。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 照屋守之委員。

○照屋守之委員 今の時期の補正予算とはどういう意味ですか。なぜ9月議会なのですか。

○嘉手納良博県立病院課長 まず、地域医療再生臨時特例基金につきましては、これは今年度に入って30枠ということが示されましたので、その資金を活用して新たなニーズに対応したということでございます。それからもう一つは、台風7号による被害が出ましたので、それへの対応ということでございます。

○照屋守之委員 今の宿舎設計の1470万円。これは今から設計して、次年度で建設というと間に合いますか。

○幸喜敦県立病院課副参事 通常のアパートですから、この計画、工程表のほうで完成されると考えております。

○照屋守之委員 この工事費はどのくらい見ているのですか。

○幸喜敦県立病院課副参事 工事費は2億円程度を見ております。

○照屋守之委員 では、来年の3月までに設計を終えて、平成26年度中には完成するという計画でいいのですか。

○幸喜敦県立病院課副参事 はい、そのとおりです。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○呉屋宏委員長 質疑なしと認めます。
 よって、甲第2号議案に対する質疑を終結いたします。
 以上で、病院事業局関係の議案に対する審査を終結いたします。
 休憩いたします。

   (休憩中に、説明員退席)

○呉屋宏委員長 再開いたします。
 次回は、10月7日 月曜日 午前10時から委員会を開きます。
 委員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 本日の委員会は、これをもって散会いたします。











沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。

 委 員 長  呉 屋   宏