委員会記録・調査報告等

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文教厚生委員会記録
 
平成29年 第 1定例会

7
 



開会の日時

年月日平成29年3月27日 曜日
開会午後 2 時 0
散会午後 4 時 30

場所


第2委員会室


議題


1 教育及び学術文化について(沖縄県公立学校教員候補者選考試験等について)


出席委員

委 員 長  狩 俣 信 子 さん
副委員長  西 銘 純 恵 さん
委  員  新 垣   新 君
委  員  末 松 文 信 君
委  員  照 屋 守 之 君
委  員  次呂久 成 崇 君
委  員  亀 濱 玲 子 さん
委  員  比 嘉 京 子 さん
委  員  平 良 昭 一 君
委  員  金 城 泰 邦 君


欠席委員

なし


説明のため出席した者の職・氏名

 (参考人)
 沖縄県前教育長  諸見里   明 君
 (補助者)
 弁護士      松 田 政 行 君
 弁護士      山 崎 貴 啓 君



○狩俣信子委員長 ただいまから、文教厚生委員会を開会いたします。
 参考人からの意見聴取についてを議題といたします。
 本日は、参考人として、沖縄県前教育長諸見里明氏の出席をお願いしております。
 参考人からの意見聴取を行います。
 参考人からの意見聴取については、去る2月8日の本委員会での決定に基づき、参考人等から説明を求めるものであります。
 お手元にあります配席図をごらんください。
 諸見里明参考人から松田政行氏及び山崎貴啓氏を、補助者として出席させ、必要に応じて発言させたいとの申し出がありますので、委員長として同席を許可したことを御報告いたします。
 参考人及び補助者の皆様、本日は御多忙のところ御出席いただきましてまことにありがとうございます。
 参考人から説明を求める前に、委員会の審査の進め方について御説明申し上げます。
 まず、参考人から御説明をいただいた後、委員から参考人に対し質疑を行うことにしております。
 なお、参考人が発言しようとするときは、あらかじめ委員長の許可を得なければならず、発言は、議題の趣旨の範囲内で行うこととなっております。
 また、本日は委員会が参考人の説明を聞く場でありますので、参考人が委員に対して質疑することはできませんので、御承知おきください。
 それではまず初めに、諸見里明参考人から、本委員会所管事務調査事項教育及び学術文化についてに係る沖縄県公立学校教員候補者選考試験等について、御説明をお願いいたします。

○諸見里明参考人 沖縄県公立学校教員候補者選考試験等の貴委員会審議につき、初めに参考人から整理した事実を述べさせていただきます。私が述べます事実は大きく分けて2つになります。
 1つは、私が県教育委員会委員、県教育長在職中の2015年1月ごろから2016年2月ごろまでの間に前県副知事であった安慶田光男氏―以下「安慶田氏」といいます。―から、教員採用等の口きき、教育庁人事に関する介入が合計6件あった事実です。これを私の陳述において「本件口きき等」ということにします。
 もう一つは、私が本年1月22日に平敷教育長に提出した教育委員会の調査照会に対する回答を文書で提出した経緯であります。この文書を私の陳述において「本件回答書」ということにします。
 いずれも本件回答書に記載されており、平敷教育長による記者会見及び同人の貴委員会における報告等によってほとんどの事実が公表されるに至っておりますから、委員各位において、これらの客観的事実について、既に御承知のことと存じます。よって私の陳述は、私が直接体験した事実を中心に述べさせていただきます。
 本件口きき等について時系順に御説明いたします。
 ①2015年1月中旬から2月中旬ごろに、安慶田氏からCを教育指導統括監へ就任させるようにという人事介入を受けました。これにつき私は、本件回答書記載のとおり拒否をいたしました。本件回答書に2016年と記載されていますが2015年の誤記です。本陳述をもって訂正させていただきます。時期を1月中旬ごろとしておりましたが、直近の教育委員会会議の2週間ぐらい前であったと記憶しておりますところから、2月中旬ごろまでの間とさせていただきます。
 ②その二、三日後に安慶田氏からCを県立総合教育センター所長へ就任させるようにという人事介入を受けました。これにつきましても、本件回答書記載のとおり拒否の結果となっております。
 この事実①、②については、教育庁幹部A、Bと協議しましたし、教育委員会にも副知事の介入を知ってもらっておりますから、当時の委員長、委員も知るところとなっております。
 ③2015年2月中旬ごろに、Dを義務教育課長か那覇教育事務所長へ就任させるようにという人事介入を受けました。これにつきましても本件回答書記載のとおり、拒否の結果となっております。
 ④2015年8月中旬ごろから同月末日ごろに、三、四名の者を教員に採用するようにという、いわゆる口ききを受けました。本件回答書記載のとおりであり、不正の結果には至っておりません。本件回答書には、安慶田氏より渡されたメモ用紙に3名の受験番号、教科、氏名が記入されていたと記載した部分がありますが、3名に特定しうるところではありませんので、三、四名とさせていただきます。この④の事実についても前記教育庁幹部A、Bと協議しておりますから、AとBは、副知事の口ききがあったことを承知しております。
 ⑤2015年10月末日ごろに、1名の者を学校事務職員に採用するようにという口ききを受けました。これにつきましても本件回答書記載のとおりであり、教育庁、教育委員会限りにおいて結果を生じさせておりません。
 ⑥2016年1月中旬ごろから2月中旬ころに、前掲③のDを前と同様に義務教育課長か那覇教育事務所長へ就任させるようにという人事介入を受けました。本件回答書記載のとおり、これにつき結果を生じさせておりません。
 なお、本日の陳述に備えて、本書に①から⑥の本件口きき等の一覧を添付いたしました。
 これにより事実を特定の上、御質疑を受けたいと存じます。
 この一覧表をごらんください。ここに黒で示しましたところが、私の体験した事実です。本件回答書の内容と基本的に同一であります。ここに青で示しました部分は、県教育委員会が事実を確認した部分であり、これは、1月24日の平敷教育長の記者会見において同氏が公表した事実及び2月8日貴委員会において同人が報告した事実によるものです。県教育委員会は、私の本件回答書と前教育庁幹部4名の面接による聴取を踏まえて、安慶田氏の本件口きき等の事実を確認したのです。これに対し、赤で示しました部分は安慶田氏が事実を争う部分です。人事介入の①②③と⑥については、報道から推認するところであって必ずしも明確ではありませんが、おおよそ認めている事実ということができましょう。採用口ききの④と⑤については、これを全面否定しています。これらの違いは、刑事告訴及び民事訴訟にもあらわれており、名誉殿損であるという対象事実は④と⑤のみです。この④と⑤を含む6件の事実は青の教育委員会の調査によって「前副知事の働きかけがあったものと考えざるを得ない」と認定されているところです。これについては2月8日貴委員会の議事録8、9ページに示されています。
 次に、本件回答書の作成の経緯につきまして御説明いたします。これにつきましても委員各位にありましては、報道された事実から客観的事実の存在について十分御承知のことでありますので、主に私の対処を中心に、各段における考えも含めて説明をさせていただきます。
 ①1月18日、19日沖縄タイムスによる口きき、人事介入の報道がされました。私にも取材はありましたが、これらの記事に対して「ノーコメント」を貫いておりました。したがって、沖縄タイムスへの情報提供者は、私ではありません。記事にあるような事実は、私以外にも複数の者が既に承知のところであります。
 ②1月19日に與那嶺善道教育指導統括監―以下「與那嶺統括監」といいます。―から電話による調査があり、報道された事実について照会がありました。私はこのときに安慶田氏からの本件口きき等はなかったことでよいかという趣旨の質問を受け、これに対し、「それでよい」と応じました。なかったという趣旨の回答をしたということです。
 ③その後、1月20日の安慶田氏の記者会見で同氏は事実を全面否認し、平敷教育長も「事実なし」という会見をしたことについては、委員各位が御承知のとおりです。
 この報道に対して、県教育界の方々から私に対し問い合わせが来るなどの状況があったのです。教育界の方々にあっても安慶田氏の介入について、諸般の事情から既に知る人がいて、私に本当のことを表明すべきだということを進言して来られたということです。私自身も、前教育長として教育人事に政治介入を許したのではないかと思われかねないという状況でありました。このまま「なかったこと」にするのでは、前教育長としての道義的責任を果せないと思うようになっていったのです。
 ④そこで、1月21日午前、私は、與那嶺統括監に電話をして、真実を話したい旨を告げたのです。
 私の意思が、安慶田氏にも伝わったのでありましょうか、同日のうちに安慶田氏は副知事を辞するということを知事に伝えたということでありました。この報道は、沖縄タイムスの号外にあります。私は與那嶺統括監に新聞で報道されていることはおおむね正しいと伝えました。
 ⑤1月21日の夜、與那嶺統括監と平敷教育長から電話があり、本件口きき等について、事実を整理して、文書で提出するようにという要請を受けました。文書は万一公表しても耐えられるようにしてくれという話がありました。この文書は、署名・押印をして平敷教育長宛てに提出するようにという指示でありました。平敷教育長や他の幹部の御苦労も理解できるところでありましたので、この電話にて文書で回答を提出することを決断したのです。私は、平敷教育長の照会に対し、21日から22日にかけて、本件回答書を作成した次第です。
 ⑥私は、県教育委員会の調査に対応して、本件回答書を作成して、22日與那嶺統括監の指示を受けた教育庁学校人事課職員にこれを封緘して提出しました。
 平敷教育長は、本件回答書を受領した後、22日の夕方に私に電話連絡をしてきました。その内容は、本件回答書に至った経緯や内容を教育長自身が直接確認するということで、この姿勢はまことに正当な教育委員会の調査であると感じました。電話のその余の部分は、本件回答書の内容を踏まえて、どう対処するかということであったように記憶しております。私はこれを踏まえ、平敷教育長に対し、「教育委員会において、適切に対応いただきたい」と言いました。私の本件回答書を握り潰すようなことをされたくないという思いもあったのです。
 平敷教育長は、前任の教育庁幹部4名に本件回答書の真偽を調査すべく、2名の現統括監と職員を出向かわせて聴取をしたということが報告されています。―2月8日貴委員会議事録8ページ。―これは適切な対応と言うべきでありましょう。本件回答書の内容を踏まえて適切に対応するということは、この聴取によって教育委員会が事実を確認し、公表するということでもあります。平敷教育長は、本件回答書を「公表してもよいのか」という確認をしてきましたので、私は「お任せします」と回答しました。教育委員会の審査を踏まえてこれを執行するかは教育委員会を統括し代表する教育長の判断であると考えました。そこで公表の時期、方法は平敷教育長の判断に「お任せします」と回答したのです。
 ⑦その後の1月23日の安慶田氏の辞任記者会見、1月24日の平敷教育長の記者会見については委員各位において御承知のとおりであります。平敷教育長は、安慶田氏による働きかけ―本件口きき等―があったと考えざるを得ないという教育委員会が確認した事実を公表したのです。
 文教厚生委員会の委員の先生方に、あえて問いたいと思います。教育人事の専権を有する教育委員会が、調査をして確認した事実を教育長が公表をしたのです。安慶田氏のその後の私に対する刑事告訴と民事訴訟の提起は何であるか。
 次に、私の教育者としての考えをお示しいたします。
 安慶田前副知事の教員採用口きき、人事介入の報道がされ始めたころの18日、19日、私は前述のとおり、安慶田氏の口きき等に対する教育庁からの問い合わせに対し「そのような事実はない」ということでよいという趣旨の回答をしておりました。教育庁内でどのような処理がなされるかはわかりませんでしたので、選考試験や人事配置の結果に影響がなかったことから、終息させてもよいだろうと考えてしまったことは、反省しております。前教育長として申しわけなく思っています。
 私が教育長のときは、本件回答書に記載の事情がありましたが、結果に影響を及ぼすことなく、教員採用試験及び教育行政の適正を守ることができました。しかし、ここで県としての正式な記者会見によって今回の件がなかったものとして扱われるならば、今後も同じようなことが繰り返され、いつかは教育行政の適正はゆがめられてしまうおそれがあると考えるに至りました。
 今後においても、教育の政治的中立性、教員採用試験の公正性がゆがめられ、教員及び教員を目指す人、県民の皆様から教育行政への信頼を損なうことは絶対にあってはなりません。そこで私は、改めて平敷教育長に私の記憶している事実を伝えた上で、これを踏まえて「適切な対応」をお願いすることにいたしました。
 公平な試験に合格した人が教員になり、適正な評価を受けた人がしかるべき職務を担うことは、ひいては沖縄の子供が正しい教育を受けることにつながると確信しております。全ては、沖縄の子供たちが自由な価値判断をする能力を育み、主体性を持って自分の生き方を選択できることに通じることにあります。これは教育行政が守るべき正義です。
 自分が経験した事実を平敷教育長にお伝えしたのは、このような教育の根本的な柱を守ってもらいたいという思いがあったからです。
 ぜひとも、平敷教育長及び教育庁関係者の皆様におかれましては、教育者としての良心に従って、沖縄の教育の公正を守っていただき、教員からも、沖縄の県民の皆様からも信頼される教育行政を守っていっていただきたいと思います。

○狩俣信子委員長 参考人の説明は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないように簡潔にお願いいたします。
 また、質疑の持ち時間を譲渡した委員は、譲渡を受けた委員の質疑中は在席する必要がありますので、あらかじめ御了承願います。
 末松文信委員。

〇末松文信委員 今、参考人からもろもろの説明を受けて、以前に出された文書とそう変わりないという認識を持ったわけですが、この間、安慶田前副知事の参考人招致も行ってそこでも質疑をしましたが、参考人がおっしゃっている内容についてことごとく否定する回答でありました。そういう中で、きょう改めてお尋ねしたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 まず、今回の人事介入と採用の口ききということですが、これについてこれまで述べられた内容以外にも副知事からの口ききがあったかどうか、これについてお尋ねしたいと思います。

○諸見里明参考人 実は、もう一件ございます。2015年1月ごろから2016年1月ごろまでの1年間に6件の本件口ききがありましたが、私は教育長といいますとほとんど正確に記憶しているところです。しかし、残念ながらもう一件は、その当時、私が回答書を作成しているときに、新聞記事の信憑性、真実性に没頭しておりましたので記憶には残っていなかったのですが、ありました。もう1件資料をもらっております。八重山地区内のある学校の校長を八重山教育事務所の所長に持ってくるようにという内容がございました。これ以上の開示はここでは控えさせていただきたいと思います。

〇末松文信委員 今、6件以外にもあったということですが、そういう中においてこれまでも言われておりますように、学校事務職員採用の件について、これは教育委員会の所管であるということで説明されたということですが、その後、そのことがどういう形で推移してきたのか御存じですか。

○諸見里明参考人 それもありましたが、これは教育庁の所管ではないということを伝えております。その後についても知るところではないです。

〇末松文信委員 当時、職員人事については、教育委員会が権限を有しているということで副知事であってもこういうことについては介入すべきではないと言われておりますが、このことについて安慶田前副知事は知らなかったということがありますか。そのことについて当時の教育長であります参考人が承知するところだったのかどうか。

○諸見里明参考人 安慶田前副知事は率直に申し上げて、教育の中立性とか、政治からの独立制、知事部局から教育委員会が独立しているということについては十分に認識があったものと考えております。

〇末松文信委員 それでは、安慶田前副知事はこれを知っていながら人事に介入したということが言えると思いますが、いかがですか。

○諸見里明参考人 十分知っていながらそういう介入があったと考えております。教育長は副知事の部下であったと思っているところがあったのではないかと。そういう節も考えております。結局6件については全て介入を拒否しておりますので、結果には影響していないところです。

〇末松文信委員 そういう意味では、副知事は組織自体がないがしろにされたというような感じを受けます。それで従わないと言った参考人に対して、当時、恫喝を浴びせたということがありますが、このことについては言葉や表現はどのようになっていますか。

○諸見里明参考人 例えば、教育庁幹部Cを教育指導統括監にするように指示を受けた件は、先ほど事実として挙げた①と②になると思います。この件につきましては、2015年3月上旬ごろの教育委員会に諮っておりまして、安慶田氏の指示に応じないという意見で一致していました。このことを安慶田氏に伝えに行きまして、そのときにこういう表現でした。私を見るなり、「教育委員会議で否決されたとはどういうことか説明しろ」と。それから、「できなかったということで済むような問題ではない。」とか、「私の言うことを一つも聞くつもりはないのか。」、「お前が教育委員会に提案するのだろう。」、「お前がすると言ったらできることではないのか。」と。本当に声を荒げてどなりつけられました。それは鮮明に覚えております。同じような言辞をもって、どなりつけられたのは先ほどの③のDのときもそうでした。ただ、私が言いたいのは、確かに恫喝はありましたが、どなりつけたということ自体はそれほど問題ではなく、トップが教育の人事に介入してくるということ自体が大きな問題だと考えております。

〇末松文信委員 当時、副知事室に呼ばれてメモを渡されたというお話を聞いておりまして、そのことを前回お尋ねしたらそういう事実はないと否定されておりましたが、それについてもう一度その状況をお願いしたいと思います。

○諸見里明参考人 これは採用の口ききをされたときに、私に近寄ってきてメモを渡されました。私はこのメモを見てはっとしたのですが、名前が書かれていて、「これは。」と聞いた覚えがあります。そのときこのメモを見て安慶田氏は、「皆さんのところで採用試験の一次試験は終わっただろう」と。そして、「二次試験の合格者だ」と。そこで無理をしなくてもいいという内容で、そのメモ書きを持ち帰っております。

〇末松文信委員 けさの新聞にも当時のメモを確かに見たという職員が何名かいるという報道がありまして、これを見ても今のお話と一致するわけですが、もう一度そこのところ、メモの内容について御紹介できればと思っておりますが、いかがですか。

○諸見里明参考人 メモの大きさは少し小さ目ぐらいだと思っておりますが、それには氏名、校種―小学校、中学校、高校、特別支援か、受験番号が書かれていたと記憶されております。

〇末松文信委員 この間の参考人の説明に対して安慶田前副知事は以前にこれはつくり話だという発言もありましたが、これに対してもう一度参考人から申し上げたいことがありましたらお願いしたいと思います。

○諸見里明参考人 私は真実を、述べたとおりです。きょうの新聞にもあったと思いますが、こういうことを聞いているのは数名どころかもっと上るのではないかと思っております。何か機会があるごとにこういうことがあったとか、これは私は守りましたとか、そういうことを伝えております。

〇末松文信委員 現教育長と統括監とのやりとりについて説明がありましたけれども、これは最後のところで説明されたので大体理解はしておりますが、文書をしたためて回答するようにと言われたときに、参考人はそれに従ってつくったということですが、そのとき事実関係について現教育長あるいは統括監から問われたことはありますか。直接参考人にその件についてお尋ねになったことがありますか。

○諸見里明参考人 平敷教育長も與那嶺統括監も私に直接電話で文書にするようにということがありました。

〇末松文信委員 事実関係について直接聞いたことはありませんか。

○諸見里明参考人 回答書を提出後、直接、平敷教育長からもその回答書についての真性を尋ねるような場面はありました。私は「真実です。」と答えております。

〇末松文信委員 事実関係の調査は職員を介してやったと報告を受けておりますが、教育長本人が直接参考人にそういったことで確認されたのか、電話だけだったのか。

○諸見里明参考人 電話だけで、直接会ってはおりません。

〇末松文信委員 これは統括監も一緒ですか。

○諸見里明参考人 統括監も回答書を提出する前は会っておりません。提出後、確かですかという調査には来ておりました。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 照屋守之委員。

○照屋守之委員 まず初めに2月20日に安慶田参考人の意見をお伺いして、私はあの意見をそのまま受けたときにどうして安慶田副知事はやめたのだろうと、やめる理由にはならないだろうと感じました。やめて、今、名誉毀損で訴えるということをなさっておりますが、非常に不可解で、それは諸見里前教育長の言い分と安慶田前副知事の言い分をしっかりきちんと説明すればやめるほどのものではなかったのに、なぜやめたのかというところに非常に大きな疑問がありまして、いろいろな意見を聞いたわけですが、先ほど参考人がおっしゃっていたように事実を明らかにしたということがありました。これは教育行政、そして今後の教育運営を含めて懸念されるということでそういうことになったわけですが、この事実を明らかにすることによって参考人はどういうことを周りに期待したのでしょうか。安慶田前副知事、あるいは県に対してそういう期待するものはありましたか。

○諸見里明参考人 私は文書を公表することによって、教育の中立性、ひいては教育を守ることを強く期待しました。

○照屋守之委員 ということは、きちんとそういうことを安慶田前副知事が説明してやっていたら、そういう事態にはならないということを先ほど私が申し上げたとおりだと思います。安慶田前副知事はやめることで県の行政の混乱をおさめたいということですが、逆により混乱に拍車をかけたという、私はそういう印象を持っていまして、なぜそうしたのかという思いがあります。せんだって、安慶田参考人の参考人招致時に、諸見里参考人との確執にまで触れた説明がありまして、私はこの口ききの問題や幹部人事の問題が個人的な感情で起こったと。根本的にそうだということを言わんとしているのかという思いがありますが、安慶田参考人が確執があったと冒頭で説明していた件について、いかがですか。

○諸見里明参考人 安慶田氏は私と確執があったと言っていますが、私は確執などは感じていません。

○照屋守之委員 ですから、この問題の本質は、副知事による採用の口ききがあったか、あるいは幹部人事への介入があったかという、そういう視点で私どもは審査をしていますが、冒頭に安慶田前副知事から個人的な確執があったかのような形で言われると、何かこの本質がゆがめられていくような気がして、それでお尋ねしました。説明の中でありましたCとDについて、氏名と職名を教えてもらえますか。

○諸見里明参考人 教育長であったものは、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第11条1項によって職務上知ることができた秘密についての守秘義務が課されています。本件回答書の記載の事実については、平敷教育長によって開示されていますが、これを超える事実については県教育委員会から私に対し、職務上知ることができた秘密に関する守秘義務の解除を得なければならないところです。3月17日の県教育委員会教育長から職務上の秘密に属する事項に関する許可が出ていますが、除外事由が不明確で到底守秘義務の解除とは言えません。両弁護士とじっくりと検討した結果、守秘義務の解除の要件が満たされていないということですので、よってこれ以上の陳述を控えさせていただきたいと思います。これは後ろに添付されていると思いますが、弁護士から説明させます。

○山崎貴啓補助者 今回、陳述書の添付の資料に職務上の秘密に属する事項に関する許可という文書を添付させていただきましたが、ここでは国または公の重大な利益を害する場合を除く許可、あるいは特定個人の利益を害するような場合には考慮願いますということですが、その基準のようなものは示されておりません。いずれも諸見里がいいか、悪いかということを判断できる立場にはありませんので、そういう意味では実質的に回答を控えなければいけないということだとして判断いたしました。

○狩俣信子委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、照屋委員からAとBについても同様の考え方なのかとの確認があった。)

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 照屋守之委員。

○照屋守之委員 先ほど言いましたCとDの名前と職名を教えてください。

○松田政行補助者 教育委員会から、諸見里は教育庁時代において知り得た秘密について、守秘義務の解除を得ておりません。添付書類のとおりです。これは教育委員会の文書ですから、それに従っているだけのことです。CとD、AとBもここではこれ以上開示いたしません。

○照屋守之委員 我々はそういう事実関係をしっかり確認しようと思って参考人を呼んでいて、今の教育委員会からの通達によってそれができないということであれば、きちんと百条委員会を設置して、こういうものが及ばないようなものでやっていかないと、せっかく参考人を呼んでも事実関係は明らかになりません。なぜそういうことをやるかと言いますと、CとD―Dは2回出てきているのです。2015年2月にDが出てきています。2016年1月にもDが出てきております。今の参考人の説明では、全く同じことを2回続けてやっているのです。なぜそうなっているのかということを確認することは、我々の務めではないですか。ですから、百条委員会を設置しましょう。今のようなやり方では……。

○狩俣信子委員長 後で検討させてください。
 それでは、引き続き質疑があれば、照屋委員どうぞ。

○照屋守之委員 参考人も弁護士もそうですが、私どもはこういう形できちんと参考人の御意見を聞いて事実関係を解明したいと。それができないということであれば、その解除ができるように、ぜひ百条委員会を設置してもらってそういうことをやってもらいたい。きちんと名前を公表する。そういうことを求めようと思っていますが、それについて参考人はどう思いますか。

○諸見里明参考人 県議会から御要請があれば、証人として出頭したいと思います。

○照屋守之委員 百条委員会を設置して、事の次第を明らかにしたほうがいいという思いがあるわけですね。

○諸見里明参考人 県議会から要請があれば、証人として出頭いたします。

○照屋守之委員 わかりました。それでは、我々はそういう要請をしようということで、後ほど協議しましょう。
 それから、2月20日になぜやめたのかという一つの中に、諸見里前教育長に辞任を促したことも一つの理由になっているかと聞きましたら、安慶田前副知事は教育長人事に関与したといろいろな説明がありましたが、このことは諸見里前教育長も前副知事が関与したという趣旨の説明をしておりました。諸見里前教育長は、安慶田前副知事が教育長人事についても関与してきたという認識はお持ちですか。

○諸見里明参考人 今の御質疑は、私自身の異動への関与と捉えていいですか。

○照屋守之委員 そうです。

○諸見里明参考人 安慶田氏から私が教育長就任2年目を迎える2015年2月ごろになりますが、教育長をやめるような指示は確かにありました。安慶田氏が教育長人事に介入したことについては、安慶田氏自身が参考人招致の際や記者発表のときにも自認していることで、御存じだと思います。

○照屋守之委員 安慶田前副知事が介入した。そして、やめろと言われた。まさに教育長人事にも介入しているわけですよね。その当時、教育委員会の内外で大騒動になったと安慶田前副知事が言っているのです。教育長をやめさせるということについて教育委員会の中で大騒動になったと言っていましたが、どういう騒動があったのですか。

○諸見里明参考人 委員からの今の御指摘は、前回の安慶田氏の参考人招致からだと思いますが、確かにこれは私も読んでいてあれと思いました。いろいろ大騒動になりましたということですが、そこまでの認識はまだ思い出していません。これに対しては、私自身任期もまだ残っていて、定年までまだ間があるということから協議をさせていただきました。

○照屋守之委員 ですから、ああいうことがなければ、平成29年3月31日―ことしの3月31日が諸見里前教育長の任期でした。私は文教厚生委員なのでよくわかります。そのとき確認もしました。そういう騒動がなければ、ことしの3月31日まで任期いっぱい勤めていたということですよね。

○諸見里明参考人 御指摘のとおり、それがなければ勤めていたものと思っております。

○照屋守之委員 ですから、安慶田前副知事の教育長人事への介入は本人も認めていて、今の参考人も認めていると。私が以前から思っているように、これは教育に関する法律に反する行為だと思います。そういう認識は参考人もお持ちですか。

○諸見里明参考人 これについては法的な解釈について論点があるようですので、回答を控えさせていただきたいと思います。

○照屋守之委員 とにかく人事介入そのものが法に反するような行為です。それから、安慶田前副知事はこういうことを言っております。「大騒動になったものですから、知事三役で話し合って」というような表現をして、知事の関与をほのめかしているのです。そのときに、参考人は安慶田前副知事の教育長人事の件で、知事の関与云々のようなこともありましたか。

○諸見里明参考人 確かに御指摘のとおり、安慶田氏からはありました。ただし、私自身からは知事に対してそういうことがあったのかという確認はしておりません。ただ、おっしゃることは事実です。

○照屋守之委員 確認します。安慶田前副知事は参考人に対して、知事もやめさせてかえる意向だというようなことがあったのかということです。

○諸見里明参考人 そのように言ったことを聞いております。

○照屋守之委員 我々は2月20日に安慶田前副知事が、知事三役で話し合っていろいろ決めたと。2年任期があるものを1年にしましょうと決めているのです。こういういきさつなのです。知事三役と話し合ってというのは、今は参考人も含めてそのようなことがあったということになれば、これはまさに今の教育長人事も含めて、知事の関与があってそのようなことが起こったということが、今、改めてされているということで驚いております。そこは安慶田前副知事が2月20日にここに言っているのです。知事三役で話し合ってやったということを。とにかく、この採用人事について、おやめになって今の教育長にかわりますよね。それからは安慶田前副知事による採用人事や幹部の人事介入について何か聞いていますか。

○諸見里明参考人 それについては存じておりません。

○照屋守之委員 可能性としてはありますか。先ほど採用、人事介入についていろいろな人たちが知っているということが報告の中にありました。そうすると、当然、そういうことでやってきているわけですから―平成28年度は県知事が任命した平敷教育長ですよね。そうすると、前もやっていますし、今回もやっているような印象を受けますが、そういうことはなかったですか。

○諸見里明参考人 私が体験した口きき、人事介入は冒頭で申し上げましたとおり、6件とその他の1件です。私が教育長を辞した後、平成28年度に何があったかは直接、知るところではありませんので、回答は控えさせていただきます。私の思いとしては、平成27年度に6件あった介入等が平成28年度に至って全くなくなったということになっていたのならば、大変いいことだと思います。これについては、教育長や與那嶺統括監等に直接聞いてほしいと思います。

○照屋守之委員 先ほど、八重山地区の校長を八重山教育事務所長にということもあったということですが、今のニュアンスでいきますと、平成28年度の平敷教育長あるいは今の統括監の方々は、もしかしたらそのようなものを捉えているかもしれないというニュアンスを受けておりますが、いずれにしても、先ほどありましたように県知事みずから教育長人事に関与しているということが明らかになっておりますので、ぜひここは百条委員会を設置して、先ほど問題提起しましたように、具体的に名前も提示する。前の新たな校長の人事も出てきているということも含めて、百条委員会を設置して、ぜひその解明に努めていただきますように要望して終わります。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 次呂久成崇委員。

〇次呂久成崇委員 まず一般論としてお聞きしますが、教員採用試験のプロセスは匿名でかつ受験番号ではない整理番号を使用して管理されているため、システム上不正は困難であると思いますが、そもそも教育長がどうにかすれば不正というのは可能なのでしょうか。

○諸見里明参考人 一次試験はマークシート方式ですのでほとんど不可能だと言っていいと思います。二次試験以降―これは面接や技法、実技等、人を評価するものであります。例え機械的なシステムであっても、これを管理するのは結局人間ですので、不可能だというのは言い過ぎだと思います。もちろん、一定の組織的な関与がなければできないので、現在の体制では実現可能性はほとんどゼロに近いと思います。しかし、人事介入とセットになれば、将来的には試験の適性がゆがめられる可能性があると思います。仮に、特定の政治家の力によってポストにつくことができたという恩義があれば、口ききをされても断りにくくなると。そのような人が幹部に複数名いるとなればほころびができる可能性はゼロとは言えないと思います。これが本件で私がとても危惧した点です。

〇次呂久成崇委員 なぜ、安慶田氏から口きき依頼があった際に、その場でシステム上できませんと言って断らずに、持ち帰ったのでしょうか。持ち帰って幹部と協議したという話自体、とても不合理だと思いますが、即座に断らなかった理由を改めて教えていただきたいと思います。

○諸見里明参考人 教育委員会は独立していると言いましても、やはり副知事は上司に近い権限を持っていることも事実です。例えば予算権など。そういう意味もありまして、むげに断るよりは持ち帰って検討しようということで、その場を濁して持ち帰った次第です。持ち帰ってすぐ協議はしています。

〇次呂久成崇委員 文書には、2015年1月中旬、教育庁幹部Cを指導統括監にするよう安慶田氏から指示されたとあります。安慶田氏が副知事に就任したのはその前の年の2014年12月16日で、これは2カ月ほどしかたっていませんが、安慶田氏からCの話をされるまでの間、実際に何回ぐらい安慶田氏とお話をしたことがあったのですか。

○諸見里明参考人 当時は週1回、月曜日に本部長会議がありまして、教育委員会からは私も出席しておりました。私の隣の席が安慶田前副知事ですので、最低でも週1回は顔をあわせている立場ではあります。

〇次呂久成崇委員 では、直接2人きりということはそれまではなかったのですか。

○諸見里明参考人 何度かあると思います。直接呼ばれていろいろな調整がありましたので、1対1でもありました。

〇次呂久成崇委員 安慶田氏が副知事に就任する以前に参考人と安慶田氏は特に面識、人間関係というのはあったのでしょうか。

○諸見里明参考人 人間関係がないというのは妥当ではないと思います。いろいろな話もしていますし……。就任前はそれほど面識はありませんでした。

〇次呂久成崇委員 参考人はCを指導統括監にするように安慶田氏から指示されたときに、当時の指導統括監が就任1年目であったことを理由に固持したとありますが、教育庁幹部が1年でかわるということは、その当時、異例なことだったのでしょうか。

○諸見里明参考人 異例だと思います。私も1年で異動させられましたが、そういうこともありまして、1年目での異動というのは強く固辞したところです。

〇次呂久成崇委員 では、参考人自身も人事をこれまで行ってきたと思いますが、幹部を1年でかえることはなかったということになるのでしょうか。

○諸見里明参考人 そのとおりだと思います。

〇次呂久成崇委員 教員採用試験における働きかけに関してですが、沖縄タイムスの鈴木記者が2015年の今ごろから2年にわたって教育庁幹部人事に関する調査をする中でつかんだ情報であるというのが、本年2月18日の沖縄タイムスに記事が載っていますが、先ほど参考人からも少しありましたが、安慶田氏が教員採用試験に関し口ききを依頼してきたとの話を最初に鈴木記者に持ち込んだのは参考人ではないということですか。

○諸見里明参考人 そのとおりです。私ではございません。

〇次呂久成崇委員 参考人の話によれば、安慶田氏からメモを渡されたのは参考人自身でありまして、その場には誰もいなかったということですので、受験番号と名前の記載されたメモを渡されたという情報は参考人以外提供しない、提供のしようがないのではないかと思いますが、いかがですか。

○諸見里明参考人 これは持ち帰ってすぐ箱に入れてしまうものではなく、持ち帰ってすぐに当時の幹部Aを呼んでメモを見せながら協議もしています。これについては何名かの職員に見せていると思います。

〇次呂久成崇委員 1月22日の文書を教育長に提出する前に、教育委員会から聞き取り調査を受けた際、安慶田氏による教員採用試験の口きき依頼や人事介入を最初完全否定したのはなぜですか。

○諸見里明参考人 先ほど陳述で述べたとおりでございます。

〇次呂久成崇委員 では、なぜ1月22日に相当な混乱が予想される中、告発文書を作成して提出するという行動に出たのか、もう一度お聞かせください。

○諸見里明参考人 少し長くなりますが説明したいと思います。
 私は1月20日は東京に出張しておりましたが、知事及び安慶田氏の記者会見の内容を知りまして、報道内容の事実をみずから全面否認したことに大きな違和感を覚えました。また、先輩や友人、マスコミ等から事実はどうなのか、事実と違うならばぜひ真実を表明してほしい旨の連絡を多数受けました。そして、私は今回のことで教育人事への介入がなかったという前例が残ることは今後において、教員採用試験の公正性、教育の中立性が害されるおそれが極めて高いと感じました。そのため、安慶田氏による全面否認の会見によって過去の行為が正当化されることを防がなければならないと考えました。さらに、私が前教育長としてみずから体験した事実とおおむね一致しているマスコミの報道内容を否定し続けることについても道義的責任を感じました。そこで、私は自分が経験した事実を全て教育委員会に伝えるべきであるという考えに至ったわけです。そして、與那嶺氏に電話して、真実の全てを話した旨を告げました。これに対して與那嶺氏は驚いた様子ではありましたが、わかったという対応でした。

〇次呂久成崇委員 聞き取り調査で参考人が否定したとき、ほかの元幹部の皆さんも否定されていました。ところが、参考人から口きき、人事介入があったと話をした途端にこれらの方々もそれを認める発言をされていますが、1月18日ごろ、教育庁幹部から聞き取り調査を受ける前に、今回、証言をされた方々の間で何らかの確認や話し合いなどはありましたか。

○諸見里明参考人 これは声を強くして言いたいのですが、そういうことはなく、全く会っていませんでした。

〇次呂久成崇委員 私の情報によると、ことしになって参考人は新旧の教育庁幹部などを参考人の自宅に集めて新年会を開いたという情報がありましたが、それは事実ではないですか。

○諸見里明参考人 全く事実と違います。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 亀濱玲子委員。

〇亀濱玲子委員 重なる部分もあるとは思いますが、今、人事の話が出ましたので、採用試験を中心に質疑をさせていただきます。
 一番最初に、なぜそのときにそのように答えたのだろうと思うことが、お手紙には理由が少し書かれていますが、改めて確認させていただきます。
 採用依頼や人事介入などについて、県の指導統括監よりこの件について依頼はなかったとしてよいかに「はい。」と答えたときのお考えを改めて確認させていただいてよろしいでしょうか。

○諸見里明参考人 まず、そのような問い合わせがあったときに大変重苦しい雰囲気でその当時は指導統括監や幹部の苦労というのはわかっておりました。実際、結果的には安慶田氏の介入を拒否していたのでそろそろ終息させてもいいだろうという思いがありました。それでなかったでいいということにしました。恐らく、言いづらい雰囲気というのはほかの幹部たちも同じ思いだったと思います。

〇亀濱玲子委員 改めて平敷教育長がここで参考人で来られたときも、教員候補者選考試験は恣意的な操作を行うことができない仕組みになっていて、それは公平公正に行われておりますと断言されました。これについては結果に影響はないということでよろしいですか。

○諸見里明参考人 全くそのとおりです。

〇亀濱玲子委員 これはこれから受験される方、あるいは県民が一番不安に思っていることなので、あえてそういう仕組みであるということの認識を伺わせていただきたいと思いますが、一次試験は先ほども確認しました受験番号のみで採点されるということですが、模擬授業や実技、面接など、二次試験、三次試験とあります。それについては複数の試験官がかかわると聞いておりますが、これについてもそのように不正ができないような仕組みということで理解してよろしいですか。

○諸見里明参考人 不正ができるかできないかというのは、信念の問題だと思います。間違った信念が入り込んできてしまうと、これは絶対ほころびが出てくると思います。しかし、今の体制というのは、確固とした、不正は絶対やらないという信念、体制で組織ができ上がっておりますので、まずないと思います。

〇亀濱玲子委員 私が大事だと思っているのは、複数でそれをやるということで、採点についても複数でかかわると伺っておりますが、これはどういう方法で採点に回されるのですか。

○諸見里明参考人 例えば面接にしても、現在も3名でやっていると思います。それから論文の審査も複数でやっておりますし、模擬授業も複数で見ています。その複数の評価を相対として平均点なり、その辺を分析してやっておりますので、1人でやるということはないと思います。

〇亀濱玲子委員 確認したいことは、受験生が願書を出す際に、申請すると本人の得点や順位というものが送付される仕組みと聞いておりますが、操作することが非常に厳しい、これはそのままそのとおりその方に行くわけですので、それについては不正ができない幾つもの重なった仕組みになっていると理解してよろしいですか。

○諸見里明参考人 おっしゃるとおりです。そういう面では、本県の採用試験のシステムは全国でも大変厳しいほうに入ると思います。

〇亀濱玲子委員 このような状況の中で、前副知事から何とかしてほしいというメモを渡されたときに、ここまで清廉潔白に教育の中立性を重んじていらっしゃる参考人が、あえて無理しなくてよいと言われたこのメモを持ち帰ったことが私には少し理解しにくいといいますか、そのときにそういうことはできないシステムで、それを受けることはできないとメモを置いてくるということはお考えにならなかったのですか。

○諸見里明参考人 前副知事は参考人招致や記者会見でもそういうことを言っております。しかし、それをあえて渡されたということもまた事実であります。その場でやはりできないという雰囲気はございまして、先ほど申し述べたとおり、とりあえず持ち帰って検討しようと。後で結果を言おうと、そういうことでありました。

〇亀濱玲子委員 幹部Aと幹部Bと協議をしたとお手紙の中にありますが、具体的に何をどのように協議されましたか。

○諸見里明参考人 お互いにこれは絶対だめだということを確認いたしました。

〇亀濱玲子委員 絶対できないということと、どのように断ろうか―私はどのように断ろうかということかと思ったのですが、絶対できないといいますと、何とかすればできるというようなことにも捉えられたりするものですから、この協議の内容はとても大事だと思っていまして、先ほど具体的にどのような話し合いをされたのかと聞きましたが、このことをもう一度確認させてください。

○諸見里明参考人 やはり副知事ですので、むげにだめだと断ることはできませんでした。そして先ほども説明で述べましたが、やはり一人一人を評価する二次選考試験の場合、100%できないということはありません。ただ、現体制と私の体制のころは、そういうことは絶対できないということはありました。しかし、持ち帰って協議して、お互いに納得して最後にどのように断ろうかという思いは持っておりました。

〇亀濱玲子委員 合格発表の後に合否を前副知事に伝えたということがお手紙の中に書かれておりますが、前副知事から結果を問われましたか。

○諸見里明参考人 前副知事から言われていた3名から4名については常に頭にありましたので、私は発表が終わったことを確認して、何とか報告しなくてはいけないということはありました。ですので、発表された後、すぐに副知事室へ行ってだめでしたということは答えました。

〇亀濱玲子委員 これは御自分から前副知事に連絡をして、それを伝えに行かれたのですか。

○諸見里明参考人 そうです。これはずっと報告しないといけないと頭にありましたし、落ちていたらどうしようという思いは大変強くありましたので、常にありました。

〇亀濱玲子委員 平成11年あたりから教育長の任期は4年で、通常2年できているということですが、参考人が教育長をされるまでおおむね何年ほどの任期で皆さんやってこられていますか。

○諸見里明参考人 かなり長い間にわたって2年間で交代でした。

〇亀濱玲子委員 前教育長自身の人事について、安慶田前副知事とやりとりをしたことについてお話しください。

○諸見里明参考人 これまでの教育長と違うところは、これまでの教育長はほとんどが60歳になってからでした。私は57歳か、58歳で、定年まで間があるということと、任期もまだ残っているということで、そういう意味で協議をさせていただいております。

〇亀濱玲子委員 御自分の希望で沖縄県国際交流・人材育成財団を希望されましたか。

○諸見里明参考人 この辺もはっきりと覚えていませんが、確かに私は2年目で交代するようにと言われて、沖縄県国際交流・人材育成財団の話が出てきたことは事実です。その後、3年目になりまして、その3年目のときに沖縄県国際交流・人材育成財団の話が確かに出てきてはいましたが、私は違う選択をしました。

〇亀濱玲子委員 それをお話しするに当たり、ほかの方を前任者として1年間紹介されるとか、そういうこともされましたか。

○諸見里明参考人 現在の沖縄県国際交流・人材育成財団の理事長は、私がこういう方がいますと推薦はしました。

〇亀濱玲子委員 前副知事はそのことで確執が生まれたとおっしゃっていますが、それについてはいかがですか。

○諸見里明参考人 安慶田氏が私に対してどうして確執を持っているのかというのは大変不思議でしようがないのですが、私が3年目に延長できたことで教育長職に自覚して従事することができたことも事実であります。そのおかげで全国学力レベル以上への子供たちの学力の引き上げであるとか、那覇市内の特別支援学校の開設などに没頭することができましたし、離島児童支援センターの開設など、かなりのことをやってきました。そのように3年間で任期をおりることについては既に気持ちの整理はついていましたので、確執がなぜあるのかということはわからないところです。

○狩俣信子委員長 比嘉京子委員。

〇比嘉京子委員 まず最初にきょうの陳述書の3ページ、⑤ですが、これは統括監と平敷教育長から要請があって回答書を出すようにと。また公表しても耐えられるようにということがあったというくだりがきょう初めてわかったのですが、そのことと回答書を御自分の意思で出そうと思ったのか、また県のお二人の要請があって出そうと思ったのか、いずれでしょうか。

○諸見里明参考人 この回答書につきましては、間違いなく教育長からの要請です。

〇比嘉京子委員 まず、その回答書の中から質疑していきたいと思います。
 まず、採用依頼について、副知事に呼ばれて渡されたとされるメモは手書きでしたか、それともワープロですか。

○諸見里明参考人 手書きでした。

〇比嘉京子委員 そのメモは1枚でしたか。

○諸見里明参考人 1枚です。

〇比嘉京子委員 本当にできる限りの話ですが、小・中・高・特別支援また専門―専攻科といいますか、それから名前を言った何かしらの記憶というのはございませんか。

○諸見里明参考人 先ほど御説明したとおり、私が教育長であった者としての守秘義務に関して問題となる点でありますので、回答は控えさせてください。

〇比嘉京子委員 記憶はあるけれども公表は控えたいという理解でよろしいでしょうか。

○諸見里明参考人 それも控えさせてください。

〇比嘉京子委員 そのメモは先ほどの質疑にもありましたが、合否の判定までお持ちでいらしたと。どのようなタイミングでシュレッダーにかけられたのでしょうか。

○諸見里明参考人 私は指示を受けたので何らかの形で報告しなくてはいけないと思っておりまして、それを発表後、どれぐらい置いていたかはわかりませんが、恐らくそんなに長くは置いていないと思います。シュレッダーははっきりと私がかけました。

〇比嘉京子委員 では、合否の判定の後、間もなくの間にシュレッダーに自分でかけられたと理解します。

○諸見里明参考人 そのとおりでございます。

〇比嘉京子委員 不合格者が1名か2名かわからないといいますか、覚えていないといいますか、そういう状況ですが、そこはどうなのでしょうか。

○諸見里明参考人 この辺は少し記憶していますが、確かに1名不合格者がいたような気がします。全員が合格でしたらなおさら覚えていると思いますが、気まずい雰囲気も覚えております。

〇比嘉京子委員 仕組みについては先ほどありましたように、100%不可能ではないという理解でよろしいですか。

○諸見里明参考人 組織体制が固められていないとほころびが出てくるということは確かです。そういう制度というのは100%ではないと思います。

〇比嘉京子委員 では、同じように回答書の人事について2番目に移りたいと思います。
 まず、文書による教育長幹部Cと小学校校長Dの2人についてですが、あなたが教育長でいらした期間または前代、経験者等がこのような人事に対する依頼―これは執行部からでもいいですし、いろいろな角度から人事に対しての口ききと言われるようなことは、この案件に限らず見聞きしたり、体験したりしたことはございましたか。

○諸見里明参考人 これはなかったと言えば嘘になります。ただ、それについてどなられたことは過去にありませんでした。

〇比嘉京子委員 これは参考人御自身、安慶田氏以外からの御依頼等は過去にあったと。ただ、どなられたりはしなかったという理解でよろしいですか。

○諸見里明参考人 例えば、学校の人事をしていたら校長先生からどうかということはありましたが、その辺はできないのはできないで通しておりましたし、このように直接上司からというのはありません。

〇比嘉京子委員 今、執行部からの人事介入のことが問題になっていますので、政治的な介入という意味で同じ教育庁の中においてではなく、執行部からの介入という意味で、その以前―例えば知事が別の知事であった時代においてもそういうことというのはありましたか。

○狩俣信子委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、諸見里参考人から質疑の趣旨について確認が行われた。)

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 諸見里明参考人。

○諸見里明参考人 幹部人事については、私が教育長になってからはありませんでした。それから教育長でないときもその後幹部がどうなったのかということは聞いておりません。

〇比嘉京子委員 ところで、2015年1月に安慶田氏から進退についてお伺いがあったときの状況をもう少し詳しくお願いします。どういうやりとりがあったのかということを伝えていただけませんか。

○諸見里明参考人 これは私自身のことと考えてよろしいですか。

〇比嘉京子委員 はい。

○諸見里明参考人 安慶田氏から私に対して2年で交代したい旨、強くありました。
 まず、先ほど申し上げたとおり、任期も定年まで間があるということで、固持しましたが、副知事室に呼ばれたときにこれまで教育長というのは2年で交代しているだろうと。なぜやめないのかと。交代したいという旨を告げられました。そういうやりとりがありました。

〇比嘉京子委員 参考人としてはどのような対応だったのでしょうか。

○諸見里明参考人 結果として3年目でやろうという提案がありまして、それで私はこれは納得して引き取った次第です。それが3年目の真相です。

〇比嘉京子委員 もう少しやりとりを詳しくおっしゃっていただけますか。

○諸見里明参考人 教育長はこれまで2年間で交代されてきていますので、あなたも2年間で交代したいと、その旨ありました。それについて私は言いたいことを主張して、それでやって、では3年目ということで結論を見たわけです。

〇比嘉京子委員 並行して安慶田参考人の場合には既に沖縄県国際交流・人材育成財団との絡みを訴えていますが、そのやりとりについてもう少しお願いします。

○諸見里明参考人 沖縄県国際交流・人材育成財団がなぜ強く出てくるのか理解できませんが、例えばこうだと思います。財団も2年で大体交代になっています。そして教育長も2年で交代になっています。2年目で交代していきますと、ちょうどタイミングが合うので、それで財団に行かせたかったと思います。しかし、私が3年目となったので、財団を2年で交代するか、3年するか、そういういきさつがあったと思いますが、私が先ほど申し上げたように、現理事長を推薦して、そういう形でおさまっております。

〇比嘉京子委員 1年で辞表を出すという話を私からやりますということはなさらなかったのですか。

○諸見里明参考人 3年ということに恐らくこだわっていたと思います。財団を2年で交代する場合、2年ではなく1年で交代する形になります。そして、安慶田氏からは1年で交代できるよう説得するようにということはありましたが、本人には伝えてはいません。

〇比嘉京子委員 最後ですが、安慶田氏はこの間の参考人招致で、この問題の真相究明は捜査権を持つ司法でなければできないと判断したとおっしゃっていますが、諸見里参考人はどうですか。

○諸見里明参考人 私も司法の場でぜひ明らかにしていきたいと思います。そのために議会に呼ばれることがあれば、また参加したいと思います。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 平良昭一委員。

○平良昭一委員 お聞きしますが、教員採用試験の結果を操作するということは、言わば不正の依頼であるわけですよね。当然、教育長であった参考人としては到底認められない出来事だと思いますが、その件に関してはいかがでしょうか。

○諸見里明参考人 これは教育の根幹にかかわりますので、絶対ノーでした。絶対許されないという思いが大変強くありました。

○平良昭一委員 そういうことであれば、なぜ当時、そういう指摘ができなかったのでしょうか。

○狩俣信子委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、諸見里参考人から質疑の趣旨について確認が行われた。)

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 諸見里明参考人。

○諸見里明参考人 先ほどと重複しますが、例えば校長先生やそういう方でしたら絶対できないと言いますが、やはり立場が副知事ですので、先ほど言いましたようにむげに断れないと。一応持ち帰って、その後検討して、何とかあやふやな形で伝えたらいいという思いがございました。

○平良昭一委員 安慶田氏からメモを渡されたときに、書いた文書の中では無理しなくてもいいというような発言もあったのですよね。告発文書に書いているとおり無理しなくてもいいと言われたということがありながら、そこで判断できなかったということですか。

○諸見里明参考人 やはり、教育長という立場でも圧力を感じることはあります。先ほども答弁しましたが、そういう意味で持ち帰ったということです。

○平良昭一委員 責任ある教育長の立場としては、この圧力になぜ屈してしまったのかと、非常におかしいと思いますが、いかがですか。

○諸見里明参考人 答弁でも明らかになると思いますが、決して屈してはいません。

○平良昭一委員 その場で言わなければ、いわゆる不正の見逃しに対してある程度荷担するという形になってしまっているのです。これについてはいかがですか。

○諸見里明参考人 それは誤解だと思います。やはり、できないことを今言うのか、後で言うのか。私も持ち帰って協議して、絶対だめだということを確認していますし、その辺はいずれだめだと言わないといけないという覚悟はありました。

○平良昭一委員 持ち帰って数名の幹部と相談したということですが、それは事実ですよね。

○諸見里明参考人 もちろん事実です。

○平良昭一委員 これはどなたとどなたですか。

○諸見里明参考人 先ほど申し述べたとおり、守秘義務の観点からぜひ控えさせてください。

○諸見里明参考人 そうなりますと、この幹部2人も前教育長と一緒にもみ消すことには賛同したと。要するに、これを絶対させないのだという考え方を持っていたということですか。

○諸見里明参考人 そうです。

○平良昭一委員 報道された証言に、教育行政の中立・公正を図ろうということで告発文書を書いたと書かれておりますが、それは真実ですか。

○諸見里明参考人 告発文書ではなく、平敷教育長からの要請によっての回答文書です。今、御指摘のとおりです。

○平良昭一委員 教育長の立場にありながら、一旦、こういう情報を開示している状況がマスコミに出て、その後そういう文書を出すということに対して非常にいかがなものかと思います。こういうアクションを起こした後に混乱させたくないというような理由の中で書いたということが理解できませんが、その辺に関してはいかがですか。

○狩俣信子委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、諸見里参考人から質疑の趣旨について確認が行われた。)

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 諸見里明参考人。

○諸見里明参考人 それでいいといって一旦は引き取ってもらいましたが、これではいけないと反省しまして、それでやったのですが、あくまでも文書にしてほしいと言ったのは教育庁側です。それに対して文書を作成したという次第です。

○平良昭一委員 文書を出した当時に、今度の人事も大変なことになりかねないといった話をしたと言われていますが、そういうことも言われましたか。

○諸見里明参考人 委員の誤解ではないかと思いますが、今度の人事で大変なことになりかねないと言った覚えはありません。

○狩俣信子委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、平良委員から質疑の趣旨説明があった。)

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 松田政行補助者。

○松田政行補助者 今の委員の御質疑の趣旨が不明です。安慶田氏が何を言ったかということは安慶田氏に聞いていただきたい。参考人に聞くべきなのは参考人が何をしたかです。安慶田氏が何を言ったかを参考人に聞いても意味がありません。質疑を変えてください。

○平良昭一委員 1月25日の沖縄タイムスによると、前教育長は文書を提出したときの気持ちとして今度の人事も大変なことになりかねないと話をしたとおっしゃっていますが、それに対して答えてください。報道等によりますと、今、裁判が行われていると。その中で、教育長より公開されて安慶田氏の名誉が毀損されたこととの因果関係はないということをおっしゃっていますが、それは事実ですか。

○諸見里明参考人 これは本人の口からも言っていますように、私の文書と自分の辞任とは関係ないとはっきりと明言していますし、我々も私の文書と安慶田氏の辞任とは全く関係ないと認識しております。

○平良昭一委員 今の教育長と作成した文書を公表していいという話はしましたか。

○狩俣信子委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、諸見里参考人から質疑の趣旨について確認が行われた。)

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 諸見里明参考人。

○諸見里明参考人 教育長に対して、お任せしますと答えています。

○平良昭一委員 先ほどありましたが、任期は4年ですが慣例で2年ということは承知していましたか。

○諸見里明参考人 ずっと見てきていますので、ずっと2年間でやってきたということは承知しております。

○平良昭一委員 それで、2年目が切れるときに安慶田氏からそういう話があったということでしたが、そういう話は実際にあったのでしょうか。

○諸見里明参考人 先ほども答えましたが、実際にございました。

○平良昭一委員 それでどのように答えましたか。

○諸見里明参考人 先ほど言ったとおりです。

○平良昭一委員 そこで2年が終わるときなのか、3年目が終わるときなのか、いわゆる沖縄県国際交流・人材育成財団に行きたいというときがありまして、そこが少しわかりません。安慶田氏は2年目が終わるときにそういう話が出てきたということですが、今の話ですと3年目のときに出てきたということで、いかがですか。

○諸見里明参考人 2年目のときにちょうど沖縄県国際交流・人材育成財団の理事長も2年目で交代になります。そのときに沖縄県国際交流・人材育成財団の話がありましたが、私から行きたいと言った覚えはありません。

○平良昭一委員 通常は2年ですので中途半端な区切りになりますよね。3年間ですと1年延びることになりますが、その間、1年間だけは別の人を探してくるといったやりとりがあったのでしょうか。

○諸見里明参考人 私が2年目か、3年目で納得していただいたときに、私からこういう方がいますと理事長を推薦して今の理事長がつきましたが、そのときに安慶田氏から1年で交代できるように説得してほしいと言われました。ただ、そのことは先方には伝えておりません。

○平良昭一委員 ということは、参考人が推薦した人が財団の理事長にはなっていないということでいいですか。

○諸見里明参考人 推薦した方がなっております。

○平良昭一委員 再度確認しますが、財団の理事長を自身で推薦したということは事実ですか。

○諸見里明参考人 推薦しました。

○平良昭一委員 この方はまだ理事長ですか。

○諸見里明参考人 現在も理事長です。

○平良昭一委員 3年ということですが、4年目をやりたいという気持ちはございませんでしたか。

○諸見里明参考人 当時は3年できればいいという思いがありましたので、4年目は考えていなかったと思います。

○平良昭一委員 そうであれば、3年目を終えたときに財団の理事長になる話が当然あったと思います。自身からそういう要望はしましたか。

○諸見里明参考人 安慶田氏から理事長をかわってなりなさいという話はありました。

○平良昭一委員 それでどうしましたか。

○諸見里明参考人 どうしようか案じていましたが、今の職につくことになりました。

○平良昭一委員 その話は3年目の中でできていたのに、なぜ今の職業に移ったのでしょうか。これはいろいろな事情があるのでしょうか。蹴る理由はあったのですか。

○諸見里明参考人 これは答えるべきものではないと思います。どこが魅力があるかという個人的な判断になると思いますので。

○平良昭一委員 1年間で辞表を出せるような人を推薦して、本人もその後に行こうという気持ちがあったにもかかわらず、そういう状況にかわったということで理解していいですか。

○松田政行補助者 みずからも財団の理事長になろうとして1年でやめる人を推薦したということは陳述のどこにも出ておりません。誤答です。質疑を変えてください。

○平良昭一委員 最後にお聞きしますが、3年目でやめるときに辞職願を書きなさいと言われたことはありますか。

○諸見里明参考人 3年目で終わるということは承知しておりましたので、辞職願を書きました。

○平良昭一委員 これは自分で書いたということですか、それとも書きなさいと言われたのですか。

○諸見里明参考人 3年でやめるということはお互い合意していましたので、結局は辞職願を書くことになります。それは手続として事務方が文書を持ってきていましたので、書いた次第です。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 きょういただいた説明資料の4ページですが、選考試験や人事配置の結果に影響がなかった。教員採用試験及び教育行政の適正を守ることができましたというところを確認したいと思います。

○諸見里明参考人 これは結果として影響させませんでした。これは言明いたします。

○西銘純恵委員 教育関係者の最初の教育長に対する手紙では、知事の会見後、いろいろな県民から電話が殺到したと。そして、きょうは教育関係者からいろいろ電話があったと言っておりますが、これは採用試験と人事についてもあったのでしょうか。

○諸見里明参考人 これは両方についてあったと思います。真実をぜひ言うべきということは、いろいろな方からありました。

○西銘純恵委員 きょうのものは研究会の方々からということで書いているものですから、それ以外の教育界の方というのは何名ぐらいなのか、そして、それ以外の方というのは元政治家や政治家、議員などが入っているのか、お尋ねします。

○諸見里明参考人 大先輩方を初め、私の友人、マスコミの方など、いろいろな知っている方から電話がありました。その中でも教員が多かったことは事実です。政治家はなかったと思います。

○西銘純恵委員 2月8日、現教育長がシステム上採用試験で不正はできないといったところでこのように言っております。「最後の合否の決定の際には、受験番号ではなく得点順に並べ直している。しかも、複数の担当者がチェックをしていて、3名で行う。そういう試験結果については働きかけが仮にあったとしても影響を受けないということになっております。」と。公正公平に行っているということを答えておりますが、それについてはいかがですか。

○諸見里明参考人 間違いありません。

○西銘純恵委員 先ほど、不正ができるかどうかは現システムでは信念の問題だと言われたのはどういう意味ですか。

○諸見里明参考人 二次選考試験は人がやはり人を評価すると。今おっしゃったように、一部の区切りではなく、さらにこういうシステムを崩そうと思ったら、組織ごとに関与してできないことは不可能ではないと思っています。先ほど説明したように何らかの意図があれば、これはいずれほころびに変わる可能性は持っております。私が先ほど申し上げたように、一番危惧しているのはこの点でした。

○西銘純恵委員 採点方法が現在は不正ができない仕組みになっているけれども、その方法などを変えていく、つくっていくのは教育委員会になっているのでという意味なのでしょうか。

○諸見里明参考人 そういう仕組みをつくるのも教育委員会であります。ですから、教育委員会というのは政治的に中立した立場から囲われたとりでの中でやるべきだと考えております。

○西銘純恵委員 最初の手紙に戻ります。採用依頼について聞いていますが、最初にメモを渡されて「よろしくお願い、無理しなくてもいいと言われた」ところですが、そのときにシステム上できないというやりとりが―例えば副知事で、教育行政は別ですので、そこら辺は一切話されなかったということですか。

○諸見里明参考人 普通でしたら話しますが、やはり圧力といいますか、そういう雰囲気の中で話せなかったことは事実です。ただそれを知っていたということは安慶田氏も言っていますので、それを知りながら私に渡したということでもあるわけです。

○西銘純恵委員 そのとき前副知事も知っていたということですか。

○諸見里明参考人 安慶田氏はそういうシステムを知っていたと話しておりますが、その時点でどれぐらい知っていたかということは認識できませんでした。

○西銘純恵委員 「よろしくお願い、無理しなくてもいい。」という中に、ファジーといいますか、曖昧で、教育長に対して必ずやりなさいというものでもなかったと受けとめられてもいいのかと思ったのですが、そこら辺はどういう受けとめをされましたか。

○諸見里明参考人 ファジーであったにしても、そういう行為をすること自体がやはり圧力であって、これはあってはならないものだと思っております。

○西銘純恵委員 その次ですが、持ち帰って幹部Aと幹部Bにも相談をしたということになっていますが、こういうことはできないと確認をした時点で幹部と話をしたらだめでしたということは前副知事に返さなかったのですか。

○諸見里明参考人 御質疑のとおりです。

○西銘純恵委員 教育長個人としてできなくても、圧力として受けとめたとしても、やはり教育行政ではきちんと中立を守らなければいけないとか、そういうことを教育庁の中で話をして、やはりそれはできませんということを言わなかったということですが、それはなぜですか。

○諸見里明参考人 先ほどから答弁していますが、やはり見えない圧力があり、しかも副知事という立場であると。いずれこれは報告しないといけないということは常にありました。そのタイミングを待っていて、結果が発表されてだめだったと。その辺は伝えにまいりました。

○西銘純恵委員 いずれにしても結果は不合格もいたということで報告をしたということですが、時間がないということで次に人事についてですが、参考人が教育長は慣例で本当は4年任期だけれども2年交代となっているというときに、やはり人事を担当しているのは副知事ということも承知の上ですので、打診をされるといいますか、三役で話をしてということを先ほど言っておりましたが、通常でしたら沖縄県国際交流・人材育成財団に行くけれども、どうですかというのは通常の人事担当の副知事としては当たり前のことかと思いますが、そうではないですか。

○諸見里明参考人 その辺について私が判断する立場にはないと思います。

○西銘純恵委員 それでは、従来、過去10年以上2年ごとにそういう人事がなされていたということです。ですから、そういう意味では当たり前の人事の打診ということで受けとめることは可能ですか。

○諸見里明参考人 私は教育委員会が長かったものですから、2年ごとに交代をしていたということは承知していました。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 金城泰邦委員。

○金城泰邦委員 本日の新聞報道等を読んでみますと、参考人以外にも参考人の証言を裏づけるような、当時の職員が証言をしたということがありまして、当時の担当幹部も参考人の主張を裏づける証言をしているということがありました。6回にわたって口きき及び介入があったということですが、これは全て教育委員及び教育庁幹部は知り得ていますか。

○諸見里明参考人 教育庁幹部もかなりおりますので、幹部が課長級以上ということになれば、全員が全員知っているというわけではありませんが、一部の幹部は知っています。

○金城泰邦委員 当時の教育委員の皆さんも御存じということですか。

○諸見里明参考人 人事の介入の件で、Cを異動させようということについては、教育委員の方々は知っています。私が相談しています。

○金城泰邦委員 そういう中にあって、当初はこういったことはないと言っていましたが、本当のことを表明すべきと進言したということが原因で態度を変えたということがありました。それは教育委員もしくは教育庁幹部の方々からの進言と考えてよろしいですか。

○諸見里明参考人 むしろ、当時の私の仲間というよりは、外部の方でした。大先輩であるとか、教育関係者、友人、マスコミの方などでした。

○金城泰邦委員 先ほどの陳述の中でどなりつけられたことがあったと。これは恫喝だと思っておりますが、そういった恫喝はされたのでしょうか。

○諸見里明参考人 先ほど具体的に述べたとおり、ございました。

○金城泰邦委員 どんな言葉で恫喝されたのかもう一度述べていただけませんでしょうか。

○諸見里明参考人 教育委員会に諮って、安慶田氏の指示に応じないということで意見が一致したということを安慶田氏に伝えに行きました。電話で伝えましたが、そのときに聞いてかなり怒って、すぐに来るようにということで、私はそれに応じて行きました。行きますと、このように言われました。「教育委員会議で否決されたとはどういうことか説明しろ。」と。「できなかったと言って済むような問題ではないからな。」、「私の言うことを一つも聞かないつもりか。」、「お前が教育委員会に提案するのだろう。」、「お前がすると言ったらできるだろう。」と、声を荒げて言われたことは事実です。

○金城泰邦委員 これは明らかな恫喝だと思いますが、これはどのような場所で言われたか覚えていますか。

○諸見里明参考人 副知事室の中で2人でいたときに言われました。

○金城泰邦委員 そのことを他の教育委員等々も含めて知り得ていますか。

○諸見里明参考人 教育庁幹部については事あるごとにこのように言われたと。このようにされたけれども、それでもやらなかったと。今の部下たちも知っているのではと思いますが、それは何名にも言っています。

○金城泰邦委員 そうであれば、複数の教育委員会幹部に説明されている、共有しているということでよろしいですか。

○諸見里明参考人 これは共有されています。

○金城泰邦委員 前回、前副知事が参考人として来たときには、このことについてはつくり話と言われておりまして、それを受けて参考人は逆に相手を名誉毀損で訴えるつもりがありますか。

○諸見里明参考人 それは最後に回答させていただきたいと思います。最後に少しお時間をいただきたいと思います。

○金城泰邦委員 仮にそうなった場合には裁判という形になるかと思いますが、その際には証人としてほかの教育委員会の幹部にも協力を求めることは想定できますか。

○諸見里明参考人 御理解いただきたいのですが、恐らく裁判になるかと思いますので、今の段階ではお答えすることは控えさせてください。

○狩俣信子委員長 以上で、諸見里明参考人等に対する質疑を終結いたしま す。
 この際、参考人及び補助者に対し、委員会を代表して、一言お礼を申し上げます。
 本日はお忙しい中にもかかわらず、長時間にわたり貴重な御説明をいただき心から感謝いたします。
 諸見里明参考人、補助者の松田政行様及び山崎貴啓様、ありがとうございました。
 参考人から最後に1分ほど、おっしゃりたいことがあるということで受けておりますので、許可いたします。

○諸見里明参考人 既に御承知いただいたことと存じますが、調査、確認をした教育委員会のほかに本件口きき等の事実を承知している者は、私が明確に記憶していて特定できる者だけでも数名は存在します。さらに、教育庁内でまだ承知している者もいるものと思います。私は、安慶田氏に対し、速やかに精緻な反訴を提起して、同人の訴訟提起及び刑事告訴が不当、違法な行為であることを示します。これは、初めに申し上げたとおり、教育者としての良心に従って、沖縄の教育の公正を守るためです。御理解を得たいところです。
 以上により、参考人としての陳述を終了します。

○狩俣信子委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、参考人等退室)

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 百条委員会の申し入れについて議題に追加することについては、休憩中に御協議をお願いいたします。
 意見の一致を見たときは、本件を議題に追加し、諮ることといたします。
 休憩いたします。

   (休憩中に、議題の追加について協議を行ったが、意見の一致を見なかった。)

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 百条委員会の設置について議長に対し申し入れを行うことについては、休憩中に御協議いたしましたが意見の一致を見ることができませんでした。
 以上で、本日の日程は全て終了いたしました。
 委員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 本日の委員会は、これをもって散会いたします。






沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。

   委 員 長  狩 俣 信 子