委員会記録・調査報告等

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文教厚生委員会記録
 
平成29年 第 1定例会閉会中

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開会の日時

年月日平成29年5月19日 曜日
開会午前 10 時 1
散会午後 2 時 35

場所


第2委員会室


議題


1 参考人からの意見聴取について(陳情平成28年第154号及び陳情第19号)


出席委員

委 員 長  狩 俣 信 子 さん
副委員長  西 銘 純 恵 さん
委  員  新 垣   新 君
委  員  末 松 文 信 君
委  員  照 屋 守 之 君
委  員  次呂久 成 崇 君
委  員  亀 濱 玲 子 さん
委  員  比 嘉 京 子 さん
委  員  平 良 昭 一 君
委  員  金 城 泰 邦 君


欠席委員

なし


説明のため出席した者の職・氏名

(参考人)(陳情平成28年第154号について)
 あまいるの会会長  仲 間 久美子 さん
(補助者)(     〃     )
 勝 連 聖 史 君
 仲 間 百 恵 さん
(参考人)(陳情第19号について)
 北朝鮮による拉致の可能性を排除できない失踪者の早期救出と真相究明求める家族会  金武川 政 司 君
(補助者)(    〃    )
 久 志 勝 則 君



○狩俣信子委員長 ただいまから、文教厚生委員会を開会いたします。
 参考人からの意見聴取についてを議題といたします。
 なお、ただいまの議題につきましては、去る3月22日及び5月18日に開催された本委員会での決定に基づき、陳情平成28年第154号及び陳情第19号の審査の参考とするため、陳情者等をそれぞれ参考人として招致し、説明を求めるものであります。
 本日の参考人として、あまいるの会会長仲間久美子氏及び北朝鮮による拉致の可能性を排除できない失踪者の早期救出と真相解明を求める家族会金武川政司氏の出席をお願いしております。
 陳情平成28年第154号及び陳情第19号に係る参考人からの意見聴取を行います。
 まず初めに、仲間久美子参考人から説明を求めます。
 お手元に配付しております事務局配付資料一覧をごらんください。
 参考人から、勝連聖史氏及び仲間百恵氏を補助者として出席させ、必要に応じて発言させたいとの申し出がありますので、委員長として許可したことを御報告いたします。
 参考人の皆様、本日は御多忙のところ御出席いただきましてまことにありがとうございます。
 参考人から説明を求める前に、委員会の審査の進め方について御説明申し上げます。
 まず、参考人から御説明をいただいた後、委員から参考人に対し質疑を行うことにしております。
 なお、参考人が発言しようとするときは、あらかじめ委員長の許可を得なければならず、発言は、陳情の趣旨の範囲内で行うこととなっております。
 また、本日は委員会が参考人の説明を聞く場でありますので、参考人が委員に対して質疑することはできませんので、御承知おきください。
 それではまず初めに、仲間久美子参考人から、陳情平成28年第154号医療ケアが必要な子供の就学支援と就学の改善を求める陳情について、提出に至る背景及び目的等について簡潔に御説明をお願いいたします。
 仲間久美子参考人。

〇仲間久美子参考人 本日は私たち医療ケア児の親の訴えを聞いてくれる機会をいただきまして、本当にありがとうございます。
 この陳情書を提出するに至った経緯を御説明させていただきます。
 最初に、ここにいる私の娘は仲間百恵といいます。
 平成23年3月31日に宮古病院で早産で生まれました。生まれた直後に泣き声が聞こえなくて、また出産前に少し頭が小さいと言われていたので、少し不安に思っていたのですが、その不安が現実のものになってしまいました。生まれた直後にすぐに娘はけいれんを起こしてしまって、そのまま磁気共鳴診断装置―MRIとコンピュータ断層撮影―CTでの検査をしたところ、脳にしわが少ない滑脳症と診断されました。簡単に言えば脳性麻痺の状態です。主治医から説明されたのは、よくて座れる状態で歩ける可能性は極めて少ない。生存率も低いと。知的障害もあり、けいれんも頻繁に起こるだろうと告げられました。その言葉を聞いた瞬間に私の人生終わったなと思いました。きっと、この子の世話で私の人生は終わりなのだろうと、ショックで涙がとまりませんでした。もちろん、子供のこともかわいそうだとは思ってはいましたが、障害児を育てたことも、身近にいることもなかったため、最初はかわいいと思えませんでした。私は臨床検査技師なので、障害を持つ方とは仕事上で接するだけの存在であり、私の人生にとっては無関係なものだと思っていました。新生児集中治療室―NICU―看護師のサポートのもと、この子の世話をしているうちにやはり自分の子供なので自然とかわいいと思えるようになりました。NICUで半年過ごした後に家に連れて帰りました。そのときの何とも言えない不安な気持ちは今でも忘れられません。社会に見捨てられたような感覚に陥りました。
 その日から昼間はこの子と二人っきりの生活でした。上の子は保育園に預け、旦那さんはお仕事に行きます。唯一、外出できるのは旦那さんがお昼に帰ってくる1時間だけです。訪問看護の看護師が来てはくれましたが、孤独感が拭えない毎日でした。その間に私は保育士の資格を取りました。もしかしたら、今の臨床検査技師の仕事は続けられないと思ったからです。私が保育士ならこの子の病状が落ちついたら、この子を見ながら保育士をできるのではないかと考えたからです。
 しかし、この子の病状は落ちつかず、1年の半分は病院に入院していました。栄養状態をよくするため点滴採血用のポートを頸静脈に留置し、何とか病状が落ちついてきました。そのころにはもうこの子は2歳半になっていました。もうすぐ育児休暇が終わります。私はやはり臨床検査技師の仕事が大好きだったので、何とかこの子を預けられるところを探せないかと市役所に相談しました。そのころの宮古島市には医療ケアが必要な子供たちを預ける場所はなく、保育園に頼るしかありませんでした。市役所に頼み込んで、審査会にかけてもらい、何とか保育園に通園することについて許可いただきました。そこの保育園の保育士と看護師とともにマニュアルを作成して、緊急時に備えて何度も話し合い、また、関東近郊の施設を見学してともに勉強も重ねました。実際にこの子を通園させてみると、最初こそ発熱で休んだり、入院したりしていましたが、だんだんと元気になり、毎日保育園を休まずに通えるようになりました。やはり子供たちと一緒に過ごすのが楽しいようで、その気持ちで病気に打ちかったのだと思っています。
 そして、去年の10月ごろに宮古島市より就学支援の案内が来ました。面談が行われ、この子と一緒に市の教育委員会の人に私の希望する就学形態を強く訴えました。私は仕事をしていますが、この子は支援学校へ通わせたいので、そのためには看護師配置が必須条件です。私は基本的にこの子の付き添いをする気はありません。保育園では、しっかり母子分離ができていました。よろしくお願いいたしますと。あんなに訴えていたので大丈夫だろうとたかをくくっておりました。でも、来た通知は訪問教育でした。一体何のための就学支援なのでしょうか。親がこんなにも訴えているのに聞く気がないと感じました。それですぐに電話をして、このような決定を下した理由を文書にして回答してくださいとお願いしました。
 その理由は3点です。1番に百恵の体力では通学は無理であること。2番に医療ケアが多く、看護師がいたとしても保護者同伴が妥当であること。3番に看護師が支援できる範囲を超えていること。
 それから主治医の先生や周りの関係者と一緒に宮古島市教育委員会へ出向き、百恵の状況を説明してやっと通学に覆りました。その後も支援学校の先生、主治医や関係者を交えて何度も話し合いを重ね、何とか4月からしばらく保護者同伴で通学することで決定されました。その話し合いの中で、ほかにも医療ケアが必要な子がいて、去年の10月から看護師配置ができていることも幸運でした。
 本来ならば、4月に入ってから医療ケア委員会が開かれ、そこで予算を計上してから看護師を募集する流れのようです。これは余りにも遅い対応であると思わざるを得ません。1年以上前から密に医療ケア児を持つ保護者へ意向を聞いてからプランを立て、早いうちから予算を計上して4月から看護師配置をスタートさせるのが一番だと思っています。
 本音を言えば、この子が通っている児童デイサービスや今まで通っていた保育園の看護師が学校に入って、この子の医療ケアをしながら支援学校の職員と看護師に対応を教えていってほしいです。もちろん、親も任せっきりではなく、親にも余り負担がないような形で一緒に協力していくことが前提です。そのような福祉サービスのような制度がつくれたらよいと思います。名前は「就学支援サービス」にでもしたらいいと思います。そして、4月からこの子は私とともに支援学校に通っています。
 私は宮古病院で検査技師の仕事をしていて正職員です。職場の皆さんと話し合って、週に二日は午前中のみ仕事を休んで、付き添うことを了承していただきました。そのときの同僚の言葉が忘れられません。「親がずっと付き添っているのに支援学校なんだね。」同僚のイメージでは支援学校なのだから、支援してくれるはずだと。また、支援学校にそもそも看護師がいないということにびっくりしていました。世間一般の認識はそのようなものです。支援してくれるのだから、支援学校なのだと。しかし、中には「余り軽々しく休まないでくれる。頑張って仕事に出てきなさい。」と言う同僚もいます。一応私のほうで、家庭の状況をお話ししていますが、しっかり想像できていないようです。その同僚には休みたくて仕事を休んでいるわけではなく、自分のことで休んだことは1回もない。あなたのようにきれいに髪を染めたり、パーマをかけたりしたいけれども、それすらもできない。調子が悪くても病院になかなか行けない。毎日朝早く起きてこの子の医療ケアをして、それから仕事や支援学校の付き添い、帰宅をしてこの子に対する医療ケアをこなしながら日々の家事をこなして、疲れ切って寝るということを話しました。その同僚は一応協力すると言ってくれましたが、本当に理解してくれたかは疑問です。医療職ですら、このような理解なので世間の人たちに大変さをわかってもらえるのは難しいのかと感じた出来事でした。
 しかしながら、週に2回午前中だけというわずかな時間でも、この子は担任の先生や同級生と遊べるのが楽しいようで、保育園とは違った表情を見せています。支援学校の看護師や担任の先生も、すぐにこの子の状態を理解して対応ができつつあります。この子は酸素をつけていますが、必要なのは寝ているときの低呼吸状態と風邪を引いたときぐらいです。支援学校の話し合いの中で、これについては基本的に使用しないことに決まりました。なぜなら酸素ボンベをつけていると、親の付き添いが原則だと言われたからです。けいれんに伴うチアノーゼも基本的には30秒から1分以内でおさまるので、主治医が使用しなくてもよいと太鼓判を押してくれました。このように私とこの子の支援学校への通学が始まりましたが、まだ問題があり不安感でいっぱいです。
 一番悩ましいのは、支援学校の看護師が嘱託であることです。お手元の資料にあります沖縄県の特別支援学校嘱託看護師設置規程第4条によると、嘱託期間は1年以内で2回更新のみだと。つまり3年までしか支援学校にいられないことになります。また、第6条第2項によると嘱託看護師の1カ月の勤務日数は21日以内と。第6条第3項で1日の勤務時間は6時間であることが定められています。このような勤務体制で医療ケアが必要な子供の支援を十分に行うことができるでしょうか。また、いろいろな集まりや会議などは夕方や時間外で行われることが多く、嘱託の身分では難しい部分があると思います。支援学校の看護師も教師と同じような正職員としての身分があるべきだと私は考えます。また、医療ケアが必要な子供が在籍していなくても、支援学校の看護師を配置するべきだと私は考えます。知的障害、精神障害や身体障害などを持った子供が数多く支援学校には在籍をしています。そのような子供は急にけいれんを起こしたり、調子を崩したりすることが少なくありません。養護教諭は必ずいるでしょうが、1人で対応できる範囲を超えることも想定して、正職員で常勤の看護師を少なくとも1人は置くべきです。そして前年度の時点で、次年度に入学してくる医療ケアが必要な子が何人いるのか早いうちに把握し、看護師の定数の変更または嘱託非常勤の看護師を速やかに補充できる体制を整えなくてはいけません。
 次に、お手元の資料にある厚生労働省が調査した平成28年度特別支援学校等の医療的ケアに関する調査結果についてごらんください。
 4番の調査結果の概要の①について、特別支援学校において日常的に医療ケアが必要な幼児児童生徒は8116名とあります。全籍者数に対する割合は6%となっており、17名中1名の割合で医療ケア児は存在します。それに対して、全国の公立の小・中学校にいる医療ケア児は766名となっています。支援学校に比べて少ない原因は、普通校では医療ケア児が受け入れられていない現状をあらわしていると私は考えます。もし、受け入れられたとしても、母子同伴または別室で待機をすることが原則であるということが多いと聞いています。このような状況は、果たして親と子にとって適切で十分に配慮されたものでしょうか。
 沖縄県では、平成26年4月1日に障害のある人もない人も共に暮らしやすい社会づくり条例を施行しています。その中で、定義①に差別を理由とする不利益な取り扱い、②に必要かつ合理的な配慮の不提供という項目が挙げられています。この状況はまさにこれらに当てはまらないでしょうか。
 医療ケアが必要な子供は医療ケアが必要であるという理由だけで1人では学校に通えず、社会的自立を阻害されている状態にあります。親の付き添いがあるけれども、親に仕事がある場合はほとんどが学校に通えない状態になります。また、訪問教育という方法もありますが、毎日授業を受けられるというわけではなく、週に二、三回のみになります。またその際に親もいなくてはいけないため、ここでも強制的に付き添いを求められている状態です。付き添いが必要な場合、親―特に母親が仕事をやめざるを得ない状況に追い込まれています。沖縄県は、基本的に賃金が低く共働きが普通です。その中で、母親が仕事ができない状況となると低所得状態を余儀なくされ、またほかの兄弟などは進学を諦めざるを得ません。
 実際に私たちのあまいるの会でも生活保護を余儀なくされた方もいらっしゃいます。現在の社会状況では、低所得世帯からは、低学歴や低所得の子供しか生まれない負の連鎖が起こっている状況です。中にはそこから抜け出せる子もいますが、ほとんどは低所得世帯のままでしょう。我が家ではこの子の上に兄と、下に弟がいます。小学2年生の兄は頭のいい子で英語塾に通わせています。弟は2歳ですが、頭は割といいほうだと思います。いずれはこの子も塾に通わせたいと考えています。どのような人間でも生まれてくるからには、人として楽しい人生を過ごしたいと思うはずです。この子も私も普通の人たちのように、学校に行って友だちと過ごしたり、家族と過ごしたり、外で遊んだり、また好きな仕事をして給与を得て税金を納め、普通に暮らしたいのです。
 皆さんはお子さんをお持ちでしょうか。あるいはお孫さんがいる人もいるかもしれません。皆さんのお子さんに当てはめて考えてみてください。もし、あなたの大事な子供や孫が将来結婚して子供を産んだときに医療ケアが必要な子だったら何と声をかけますか。おめでとうと声をかけられる方はこの中に何人いらっしゃるでしょうか。もし、私の子供が私と同じようにこの子のような子供を産んだ場合、とてもではないが、おめでとうとは言えません。
 なぜなら、今の社会状況では困難が待ち構えているのは目に見えているからです。小・中学校は義務教育です。国が行かせなさいと言っているのに、医療ケア児だけが行かせられる状況にない。働いて税金を納めなさいと言っているのに医療ケア児の親は仕事ができない。一体、私たちはどうすればよいのですか。この状況は私たちが障害児を産んだのが悪いのか。いつも私自身が罰せられているような気持ちになります。
 どうかお願いです。医療ケア児だって人間です。その親も人間です。普通の人と同じように扱ってください。学校や仕事をするチャンスを平等に与えてください。今のままでは余りにもつらい状況です。知っていますか、医療ケア児のお母さんたちの就労率が5%だということを。どうぞ、私たちの医療ケア児の家族の声が届くように、少しでもこのような人として不当な状況を皆様のお力で改善できるように切に願います。この世界にいるどのような人も人らしい生き方ができますように。御尽力のほどよろしくお願いいたします。

〇狩俣信子委員長 参考人の説明は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないように簡潔にお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 新垣新委員。

〇新垣新委員 沖縄県の陳情処理方針の回答は読みましたか。

〇仲間久美子参考人 今、初めて見ました。

〇新垣新委員 議会の情報等があったのか。回答が事前に文書で来ましたか。提出した以上、行政は1カ月以内に回答を出すのが県のある程度の常識だと思うのですが。それはお読みになっていないということで理解してよろしいですか。

〇仲間久美子参考人 はい。

〇新垣新委員 3点お聞きします。今、就学時において看護師不足とありました。今、沖縄県はすばらしい条例をつくっても、他の障害を抱える団体にまだまだ行き渡っていない部分もあることについて、私たち文教厚生委員会も理解をしています。条例の中において、まだまだ行き渡っていない部分も正直痛感し、これはしっかりやらないといけないと。障害者に寄り添い、社会に優しい沖縄県をつくらないといけないと思っています。
 看護師の問題が1点目。どういう方向性でこれを解決すべきか。配置等とかありますが、これをどうすればいいのかと。例えば、同じ医療ケアを必要とする子供たち―この資料から見ますと、平成28年度の特別支援学級数は514とされているところの資料で、どのくらいの配置が必要になってくるのかということを教えていただけませんか。

〇仲間久美子参考人 まずは看護師の配置についてなのですが、私ども親としては、できれば今まで見てきてくれた看護師がずっと見てくれるというのが一番いいと思っているのです。例えば、先ほど触れたように福祉サービスや就学支援サービスとして、児童デイサービスとか、保育園の看護師を学校に派遣するという形や訪問看護という形でも大丈夫だと思うのですが、医療ケアが必要な子供たちにかかわっている看護師を派遣させるという制度があればいいと思います。その中で、この派遣している看護師がずっと見るというわけではなくて、支援学校の看護師も情報提供を一緒にどのようにケアしていけばいいのかと話し合いながら行っていく期間も必要であるし、それにプラスして支援学校の看護師の身分もやはり重要です。今は嘱託看護師でしかないので、正職員の看護師を少なくとも1人はつけたほうがいいと思います。
 なぜかといいますと、やはり難しい医療ケア。いろいろなケアがあるので、これに関してもいろいろな連絡会議とかが頻繁に行われている状態なので、どうしても嘱託看護師ではそういうところに出席できないのです。できればしっかりとした正職員が1人いて、全員正職員であれば一番いいのですが、難しいのであれば正職員を1人以上つけて、その1人以上の方をどこから持ってくるかということです。方法としては県から出向させるという形でもよろしいですし、支援学校が独自に採用するという形でもいいとは思うのですが、とりあえず私たちが安心して預けられるような状況が必要であるということです。
 もう一つ、どのように看護師を配置するのかというところについては、やはり先ほど言ったように、医療ケアがある子の―百恵は割と難しくないタイプだと個人的に思っているのです。一応、大変そうに見えるのですけれども、吸引やけいれんのときの対応、おむつかえ、胃ろうとかなのです。中には気管切開をして人工呼吸器で気管内吸引する子や持続吸引をつけている子。あと二分脊椎でおしっこがしっかり出なくて導尿という医療的行為を行う子。糖尿病でインシュリンを定期的に打たないといけない子とか、さまざまな医療ケアの形態があるので、一概に医療ケア児何人につき看護師何人というようには決められないと思います。

〇新垣新委員 県立宮古病院があると思うのですが、現状でそれらの連携はどうなっていますか。

〇仲間久美子参考人 今のところ、宮古病院の看護師との連携というものは、基本的にはこのような重度の子たちは、宮古病院を受診せざるを得えない状況であって入院も頻回なのです。その中で小児科の看護師とやはり顔見知りですし、また、あまいるの会のボランティア活動の中で宮古病院の看護師にもボランティアを依頼をしていて、快く受けてくださる方も何名かいらっしゃる中で情報交換をしています。あまいるの会の定例会もあります。この定例会は何をするかというと、宮古病院の中で私と副会長の佐久本氏と、宮古病院の地域連携室、小児科医、小児科病棟の師長、小児科病棟の看護師、あとは宮古地区の福祉施設の管理者たちです。児童デイサービスの方とか、支援学校の先生もいろいろな人が集まって、私からこういうお母さんたちのつまずきや問題があるので、この解決する方法をどうにか教えてくれないかというようなことを、月に1回行っている状況で、連携は結構しっかりとれていると思います。

〇新垣新委員 今、医師不足や看護師不足といった問題に直面して、沖縄県がつくった障害のある人もない人も共に暮らしやすい社会づくり条例に合致していないという現状も重々理解しました。切実な声をどうよくするかという形の中で、やはり県や市町村も県立宮古病院を中心に出向職員の形で、看護師の配置。インシュリンやペニシリンとか、いろいろな形で必要であると思いますが、そういう病気等に関しても県が多目に看護師の補充をしておいて、この看護師を配置して、そこから機能させていくということを私はやるべきだと。後で当局を呼んで、当局に言いたいということも強くわかりました。
 2点目に、この切実な声を翁長知事にぜひ届けてほしいのです。この条例というものも、障害者の暮らしやすい社会づくり、ユイマールの輪というのは、まだまだ行き渡っていないのです。ぜひこの福祉、障害者に光を当てるということを伝えてほしいと思います。
 3点目に障害者を抱える親として仕事に支障が出ているというこの苦しみを、私も知人に結構いますのでわかります。ですから、そういった問題も同じ目線で仕事ができるような環境をしっかりと伝えて、あまいるの会や団体等の関係者と連携をとりながら、市町村や県、県民が一体となってしっかりやるべきです。これが一番の優先課題だと思っています。知事にもこの切実な声を伝えてほしいということをお伝えして、私の質疑を終わります。

〇勝連聖史補助者 最初の2つの質問に関して補足します。私は百恵さんの通っている児童デイサービスの代表をしております。宮古島では唯一、重症心身障害児医療ケアの必要な子供の通うデイサービスになるのですが、そこの基準から先ほどの看護師の配置をどうしたらいいかということについて少しお答えできればと思います。私どもの施設で、今お預かりしている医療ケアの必要な子供は約10人おります。そのうち4人が支援学校に在学中で、残りが未就学児です。支援学校在学中なのですが、月曜日から金曜日まで通える子はほとんどいません。1人は感染が怖いということで訪問教育を選んでいます。実は私どものこの10人の中で、1日平均大体4人から5人の子供が来るのですが、これを見ている看護師の数は5人なのです。ローテーション5人で常時配置は3人です。私も全国あちこち見てきたのですが、宮古島の児童で―私どもの環境はすごく重たい子ばかりです。口から食べ物をとることができない子ばかりなので、看護師の配置という話が出たときには、本当に難しい問題だと思いました。未就学児が来年1人入学し、再来年一気に4人入学する予定で、恐らく今の状態だと通えないのではないかということが宮古島の現状です。私たちもその学校と同じような状況で看護師のバックにドクターがいないのです。医療機器もありません。ですから、私たちはほぼ学校と同じ感覚でいるのですが、これだけの子供を見守る緊急時に対応するとなると、やはり1対1もしくは子供2人に対して、看護師1人がベストであると考えます。これくらいの空間で5人を一固まりにしてみんなで見ているので、その看護師の動線というのは非常に短いものです。けれども、学校のようにクラスが分かれていると、やはりそれくらいは必要かと。重症の程度でいくと百恵さんは中間くらいです。もっともっと重たい子はいて、一番小さい子は、2カ月の子からかかわってくるのです。もちろん、デイサービスには通えないので、在宅で少し支援をしているところなのです。このような宮古島の状況というのものがありますので、看護師の配置は何人必要かと言われると、少し難しいところであります。
 医療ケアというのはすごく特別でして、私たちの職員も小児科の経験とかいろいろあるのですが、その重症心身障害児の医療ケアというものはすごく特殊なのです。それは専門の研修があるぐらいなので、支援学校の先生方や看護師にもそういうことを受けられるような機会があるといいなと。単純に県立病院の小児科病棟の看護師を派遣することではだめです。重症心身障害児は特殊です。

〇狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 亀濱玲子委員。

〇亀濱玲子委員 今のケース、特別支援学校については、県がやらなくてはいけません。加えて障害を持っている子というと、市町村の福祉の窓口も動かなくてはいけないという両方があると思うのですけれども、私はどうしても変えなくてはいけないのが、この特別支援学校の看護師の設置規程だと思っているのです。これはどうしても変えていかなくてはいけない。おっしゃっている看護師は嘱託ではなくて、常勤でまず1人が常時いることが一つ受け皿として、これはどうしても県は変えていかないといけないところですが、この第3条と第4条で、医療ケアが必要なことに関しては実施すると書いてあるのです。例えば、県の対応は医療ケアを実施するに当たっては、保護者と個別に相談して対応しているというように答えていますが、これについては現実はどうなっているのかを教えていただけますか。就学までではなくて、現実に学校に行くと校内の医療ケア委員会で診断されれば、保護者が強制的に同伴することも緩和されるとなっています。そのあたりはスムーズに仲間参考人の希望は取り入れられていますか。

〇仲間久美子参考人 私と百恵に関しては、一応そろそろ緩和をという声は出てきています。勝連補助者もおっしゃったように、私の子供は中等度知的障害で何とか見られるのかなという重症度なのです。けれども、一応県が定める医療行為というのが、吸引、吸入、経管栄養、導尿というように決められていて、先ほど、言っていたインシュリンを打たないといけないとかについては該当しないことがあるのです。
 あと百恵のときにすごく紛糾したのが酸素のことです。酸素をつけていると必ず保護者同伴というように言われたのです。実は支援学校に行く前に教育相談という窓口が支援学校にあって、そこに行って、私の子供はこういう状況なのですけれども通えるかと相談したことがあります。しかし、酸素をつけているから通えるわけはないとすぐに言われたのです。これは聞く気がないと思って相談をやめたのですが、結局、この酸素も人工呼吸器もそうですが、なぜつけていることによって親同伴なのか。酸素に関して、特に流量を変えることは百恵に関しては余りないし、特に何か危険なものでもないです。酸素濃度を上げたところで爆発したりとかはないです。医師の指示のもとしっかり適切に流量を変えればいいことなのですが、あと人工呼吸器に関しては、あらかじめ設定されているので、多分電源を切るということは全くないと思うので、そのままつけっ放しにしていただければよいのです。時々ごろごろしたら吸引するくらいですから。なぜそういう医療機器があるがゆえに強制的に付き添いをしないといけないとかというところが、すごく疑問で見直してほしいです。

〇亀濱玲子委員 この職務の第3条(1)医療的ケアの実施に関することの枠を広げていくべきだということが私の考えなのですが、そこにできれば主治医が柔軟にかかわれる。例えば、百恵さんに何かあったときに、この判断をもちろん親にも連絡するけれども主治医とこの対応というものが現実にできているかということについて、ここで書かれる処理方針ではできていることになっているが、それは実際はどのようになっているか。ドクターとのかかわりはどうですか。あるいは校医もいらっしゃるでしょうし、百恵さんの担当ドクターなどと連携をとることができるのですか。

〇仲間久美子参考人 百恵が就学する前に教育相談という形で、私と百恵の主治医と何度か出向いて話し合いをしてはいます。けれども、実際に学校が始まってからは、多分この医療ケアを始めるに当たって1回だけ診察医を少し付き添わせてくださいというように言われて、その中で養護教諭と看護師が来て、それでは医療ケアはこういうことでよろしいですかという文書を見せて、これにサインしてくださいという形のみです。
 多分、亀濱委員が言っていることは、ある程度医療ケアを行っている中での評価のようなことですね。きちんと医療ケアが適切に行われているかどうかということを評価し、主治医はそれにかかわっているかどうかというところで、助言がきちんとできているかどうか。児童デイサービスとか、訪問看護では、月に1回指示書のようなものを出して、報告も多分月に1回行われているような状況だとは思うのですが、支援学校はどうかと言われたら、今のところ聞いたことはなく、そのように言われたこともないです。

〇亀濱玲子委員 お二人にお伺いしたいのですが、勝連補助者がおっしゃった来年や再来年度を見ると、いろいろな子がもし支援学校に―今は保育所には行ける子もいるし、あるいはデイサービスに行く子もいるわけですが、この子たちが学校に行きたいと思うときに、もしもそれを保証できるとしたら、学校の看護師をきちんと配置すること。もう一つは、普段皆さんが医療ケアを受けている、あるいは医療サービスを受けている看護師が一緒に学校に行くという状況が、例えば教育委員会の面や福祉の面でも、ここが連携をしてそのようなことができれば、それは可能だというようなイメージを描いていいですか。

〇勝連聖史補助者 病院から学校が近い遠いと、いろいろ問題はあるのです。例えば岩手県ですと、学校と訪問看護ステーションが直接契約をして、学校に訪問看護ステーションが入ってきたりというようなこともあるので、もう少し柔軟に対応することができれば、今の看護師不足でも、いろいろと対応は可能かと思っております。

〇亀濱玲子委員 そういう事例があるのですね。

〇勝連聖史補助者 全国では結構あります。川崎市でも訪問看護は入っていました。ただ、医療行為として、訪問看護ステーションが請求ができないし、在宅しか認められていないので、学校と直接契約をして、簡単に言うと実費払いという形になります。ですので、そこに行政からの支援があると非常にやりやすいのではないかと思うところです。
 あと、子供たちは基本的には学校に通いたいという希望があります。すごく成長するものですから。ただ行けない現状があるのですが、ほんの少し解釈を変えてもらうだけで、それは可能になると思うのです。先ほど亀濱委員のおっしゃった県の指定する医療ケアの範囲の拡大することであったり、そこも主治医はオーケーも出しているのですが、沖縄県教育委員会の考えではだめだとか、連絡協議会のようなものをよくやるのですが、そのときに訪問看護ステーションから意見として出るのが、看護師として通常できる業務なのに学校に行くとできないことが非常にもどかしいというのがあります。ですので、ほんの少し解釈を変えてもらったり、要望を変えてもらったりすることで、学校単体、病院と県だけではなくて、その地域の民間の地域の資源を活用するともっと楽になると思います。教育と福祉が連携するというのは非常に大事かと考えております。

〇狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 金城泰邦委員。

〇金城泰邦委員 先ほどのやりとりを聞いていて、私も非常にポイントになるところだと。例えば、デイサービス側からすると、通常で介護を行う方々がそういう医療的ケアが必要な人も含めて、高齢者においてもそうですが、病院の施設の中に行って、デイサービスを提供することができない状況にあると認識しているのです。それは同じように病院等の施設にもデイサービスの人がケアできない状況だったりする。学校に入ると、学校にデイサービスの人がケアできる状況にあるという認識をしているのですが、そういった状況はありますでしょうか。

〇勝連聖史補助者 私のところは、障害児の保育園というような言い方をしたりしているのですけれども、やはりその保育園の中だけのサービスなのです。ただ、いろいろなサービスがありまして、その障害児に限って言えば、保育所等訪問支援というサービスがついているのです。これが保育園、幼稚園、小学校、市町村が認めれば高校まで、私どものデイサービスの職員が学校を訪問して、その子と周りのかかわり方を支援するということはあるのです。これは、通常は普通学校に通う障害児のためというのが基本なのですが、学校に私どものなれている看護師がお伺いして、その学校の看護師にこういうときが危険ですとかここまでは大丈夫ですとか、そういうレクチャーを行うということは可能です。これも市町村の裁量で訪問する回数というのは決められるので、その辺は現存するサービスを使えば何とかなります。訪問看護等は基本は在宅なので、自宅以外の算定ができないのです。本当は算定ができない、請求ができないというだけなのです。そこは、現状としてはボランティアで事業所が行っていらっしゃるということがあります。

〇金城泰邦委員 そこが結構肝だったりするのかと思っていて、こういった施設のサービスメニューにはないわけです。そこをきちんとサービスメニューに入れることができれば、当然自己負担もないのですから、きちんとした福祉のサービスの中で受けられるということなので、先ほどおっしゃっていた正規の職員として看護師を配置するとなると、なかなかハードルが高いということについては何となくわかると思うのです。それを実現するまでの間の措置としては、やはりこういったデイサービスの方々とのサービスを利用することはできないかどうかという部分についても検討、すり合わせしていく必要があるかと思っています。恐らくデイサービスのそういった指導監督は県が担っていますので、県でそういった内容を改定する権限もあるのではないかと思います。そういうところも含めて、陳情にもあるとおり、県の規程についても改定をしてほしい部分というのもざっくりとではなく、より具体的にこういった部分をこういうように緩和してほしいという部分についてもより細かく要望したほうがいいのかという気がいたしております。
 あと1つだけ、宮古島においては特別支援学校は全ての障害の子が1カ所に通っているのですか。

〇勝連聖史補助者 全ての障害児が支援学校に行くのかといったら、またそれは別の話で、各学校にも特別教育というものがあるので、そこを選択する子もいます。ただ、医療ケアが必要な特にとても重度のお子さんたちに関しては、体制が整っていないことから普通学校を選べないというのが現状です。

〇金城泰邦委員 陳情処理方針の中に、体験入学をされた上で付き添いの必要性について事前に情報を提供して、その上で入学後にあり方について、保護者と合意形成を図った後でというように県の処理方針があるのですが、実際、仲間参考人の経験として、体験入学時にそういった説明はあったのか。それで付き添いの必要について、このように付き添いが必要ですという説明があって、それを納得した上で入学させたのか。そういうことも少し教えてほしいです。要するに事前の説明のとおりに入学後もされているのかということです。

〇仲間久美子参考人 体験入学は、私は仕事の都合がつかなくて旦那に行ってもらったのですが、一応そのときに確かに原則として親が付き添うという形の話は聞いています。支援学校から何回も言われているのです。そのたびに私は付き添いはしませんと。あくまで看護師にお任せしたいので、どうにかしてくださいと何度も何度もお話はしているのですけれども、でもお母さんそれはできないと、そのように何度も説明は受けているのですが、何かやはりそのときに酸素がどうたらこうたらという話は何度もあったので、それでは酸素は外すから付き添いの緩和をしてくださいと何度も言ってはいるのです。
 私が足りないと思うのは、就学前の情報提供がやはり少ないというところなのです。支援学校に情報提供が少ないですという話をしたら、いや私たちはあらかじめ教育相談という形でいつでも受け入れる体制でいます。いつでもいらっしゃってくださいと。それで宮古特別支援学校というのは狩俣地区というところにありまして、平良地区の街の中心部からすごく遠い外れにあるところなのです。そこを重度障害児を抱えたお母さんが何回も何回も訪問するということは現実的にあり得ない話といいますか、難しいのです。外に出ることもままならないと言っているし、仕事もできないのだから、教育相談の方が自分たちは待っていますという形ではなく、もし外に出られないけれども、少し来てくれないかと言われたら自宅を訪問する。なおかつ市役所の人や施設の人など、就学の1年前ぐらいから関係者会議のようなものを持ってほしいです。例えば、1年前にお母さんに対して現段階では支援学校に行きたいのか、それとも市の小・中学校に行きたいのかという意向を聞いてもらい、そのお母さんの意向に沿った上で、関係者や本人から情報を聞き取っていく。この子に対して何が必要なのかというところをみんなで話してもらい、どういったケアが必要なのか、お母さんの希望にどこまで沿えるのかというのを真剣に話してもらいたいのです。できる、できないについてはそれで決めてほしい。最初からこれはできませんというのではなくて、1年前から関係者と市役所の福祉サービスなども踏まえた上で、この福祉サービスが利用できるのではないかとか、そういうものを踏まえた上で話をしていただきたい。相談したときから、お母さんそれはできませんというのではなくて、みんなで連携して検討した上で回答していただきたいと思います。

〇勝連聖史補助者 おっしゃるとおりで問題はないと思います。支援学校はこう通達しました。そのとおりにケアが進んでいます。ただ、親の意向に沿っているかというと、必ずしもそうではないというところと、私どもも何度も行政と調整したのですが、支援学校が主導権を持って動けるのは、まず宮古島市がこの子の進学を決定するのが大体10月ごろ。それをさらに県に上げるのが1月から2月。その後にしか支援学校は主導権を持って動けないというのです。1月から2月といったらもう入学前なのです。今、タイトなスケジュールがあるので、これを1年前からできる体制があれば、もう少しうまくいくのかということです。

〇狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 西銘純恵委員。

〇西銘純恵委員 先ほど勝連補助者がおっしゃったとおり、普通学校を選べないということは、普通学校に通いたいという方がいるけれどそれができない状況や、支援学校に行っても親の付き添いが必要となるなど教育の現場がネックにあると感じながら聞いています。それで二、三点お聞きしたいのですが、陳情で出された2点目の就学の際に、強制的な親の付き添いをなくすことに対して、この県の方針は保護者の付き添いの緩和は校内医療的ケア委員会で話し合いをするということで書かれていて、個別に対応を検討していると答弁をしているのです。でも、仲間参考人の場合は、付き添いをなくしてくれということを何度も何度も主張して、やっとそれでも週に2回というような不十分な形でしか認められていないということですが、学校でこの医療的ケア委員会というものが構成されて、その中で話し合いが持たれたということはありましたか。

〇仲間久美子参考人 医療的ケア委員会というものが、私はよくわからないのです。やりましたとしか聞いていなくて、基本的には4月に入学して、医療ケアに関していろいろ文書を取り交わすわけです。こういう医療ケアを親が書いて、主治医もこういう処置をしてくださいという診断書のようなものを書いて、それに関して医療的ケアを行ってもいいですという中に、原則として親の付き添いが必要ですという一文が必ず入っている。そこに私はしばらくはいいけれども、途中からは付き添いはいたしませんと書き加えて出しているのです。それを提出して、お母さん、委員会を開きましたので、一応決まりましたからというように言われるのです。あと看護師が、次回の百恵さんの外来受診のときに主治医とどのようなケアをしていくかという確認をした上で、医療ケアを始めていきますと。そのとき、外来日が5月12日だったので、その日から一応できることにはなっているはずです。でも、県としての答えというものについてはそういう感じではあるのですが、実際の現場に、私も支援学校に行ってみると、先生と看護師がすごくいい人たちで、お母さん頑張っていきましょうと言って、看護師も医療ケアはオ―ケーはされてはいない状況なのですが、なるべくやるように―胃ろうにも食事を注入されたりとか。吸引までは至ってないのですが、それはたまたま百恵が調子がよ過ぎて、吸引までには至らなかっただけなのです。実際の現場の人たちはやる気がある状況なのです。

〇西銘純恵委員 百恵さんの状態に応じて、看護師の配置があれば適切に必要なことを看護師みずからの判断でやれている、やるものだというのは外から見て思っているのですが。先ほど言った、県の規定の縛りの中で配置された看護師が動いているということでよろしいのですか。

〇仲間久美子参考人 そういうことになると思います。

〇西銘純恵委員 今、そう言われたのですが、第3条で医療的ケアの実施に関することとか、その他医療的ケアに関することという4号があるでしょう。それから見れば看護師ができることを行っていくという条文になっていると思うのですが、県から配置する看護師に対して、どういうことで、県教育庁の考え方に問題があるのかと受けとめているのですが。条文どおりやれば何でもでき、通ると思います。でも、先ほど、インシュリン注射とか酸素ボンベはだめですとおっしゃられたのですが、ここは実際、教育庁がどのように派遣しているかという部分になるかと思います。看護師との直接的なやりとりというのを、何でこれができないのかということを聞いたことはありますか。勝連補助者の答弁でもいいのですが。

〇勝連聖史補助者 この第3条第1項の医療的ケアというのは、実は第1条にあるのです。一般的な医療的ケアとは全く別物でして、第1条で制限をかけているのです。たんの吸引、経管栄養、導尿、その他医療的に生活援助行為。これが県の定める医療的ケアなので、看護師が通常できる医療的ケアとは全く違うものになっています。

〇西銘純恵委員 それであれば、今の設置目的というのがその第1条の部分がネックだということがわかりました。
 それと、先ほどそれができるようになれば、親の付き添いというのもある意味でもっと緩和されていく可能性は高いということでよろしいですか。

〇仲間久美子参考人 そうだと思います。現場はやる気があるのに、このように制限をかけてしまっているがゆえに少し手が出せないと。もどかしい状況が続いているのでこれをどうにかしていただきたいと思います。

〇西銘純恵委員 文部科学省が新年度の医療的ケアのための看護師配置について全国で1000人で行っていたのが、現在1200人に拡充をしたとあるのです。実際、教育現場で先ほど言った第1条というものが、なぜ県がそういうのをつくったかというところ。やはり予算の関係なのか、理由はわからないので、そこはまた制度として、実際に皆さんが一番困っている付き添いを外さなければ大変厳しい。生活も困難な状況にあり、先ほど医療ケア児の母親の就業率が5%という話もされたので、やはり身近に付き添いということで仕事ができなくて生活ができないという関係者が多いわけです。そこを含めてやはり根本的に変えていくというのか。そういうことになるのかと思いますので、いい意味での示唆をいただきました。
 もう一点は、文部科学省は1200人にふやしますと言っても、正規職員としてきちんと交付税で行っているかどうかといえば、これについてまだ私は調べていないのですが、多分県が嘱託でしか配置しないという理由は、やはり財源の問題がネックだと思います。もし、そこをおわかりでしたら、ほかの都道府県で本採用できちんと看護師が配置されている情報があるのでしたら、教えていただきたいと思います。

〇勝連聖史補助者 他府県なのですが、実際、正規雇用で配置している県も確かにあります。やり方はそれぞれなのですが、私は沖縄県は嘱託が圧倒的に多いと感じます。職員会議であったり、そういうところに幾つかの学校の看護師が集まって会議をしたりということもあるので、ドクターが後ろにいない分、看護師同士で情報交換したりするということも進んでいる県はあります。

〇西銘純恵委員 わかりました。この2つが大きな問題かと思いますので、そこを改善できる立場で行っていきたいと思います。本当に学校に行ったら成長し、訪問教育とは違うということをおっしゃられたので、やはり学校に通いたいという皆さんの希望をかなえられるように頑張らなくてはいけないと思います。

〇狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 次呂久成崇委員。

〇次呂久成崇委員 陳情で、子供の一人一人に合った就学支援を行うこととあるのですが、県の処理方針としては、現在丁寧に審議がなされているとあるのですけれども、実際に仲間参考人たちからして、現状としてどのような状況―本当にそれが丁寧と感じるのか、もしくはもっとこのようにしてほしいという現状というのを伺いたいと思います。

〇仲間久美子参考人 私が実体験した、教育相談という名目で何度も支援学校とお話をする中での印象は、よく支援学校は親との合意形成を図った上でという話をするのですが、この合意形成がくせ者です。自分が感じた教育相談は「あなたは親でしょう。だから子供のために付き添うのは当たり前だよね。」ということを何度も何度もすり込まれるような作業なのです。ですから、何度も何度も私は仕事があるから付き添えないからどうにか解決できないのでしょうかと相談しにきている身なのに、「支援学校ではこういうことまでしかできません。だから、お母さんあなたは親でしょう。」と、また最初に戻るような話をずっと繰り返しきて、多分、今まで合意形成をなされたお母さんは根負けした方々だと思います。私は最後までうんとは言わなかった。それでは緩和するというような形にはなっていて、結局緩和という話が出た後も、給食に関してお話があるということで行きましたら、給食のときに一緒にいてもらいたいと言われたのです。胃ろうに注入するときに何かトラブルがあったら怖いから、困るからということですごくびっくりして、胃ろうがそんなに大変な行為でないでしょう。だって、血管に薬液を入れる行為というわけではない。消化管に食物を入れる行為ですよ。支援学校の看護師はある程度経験があるので、基本的には胃ろうのケアというのは、胃に御飯を入れる前に胃の内容物を引いて、胃の内容物が正常であるかを調べます。胃の中に食物が少し、残渣が残っている場合は、少し消化不良を起こしているのかなとか。あと血がまじっている場合は胃炎を起こしているのかなとか。胃液が黄色い場合は、胆汁逆流があるから消化管感染が疑われるとか、そういう感じなのです。そういうことをチェックしていけば余り問題はないのです。ですから、消化が少し不良だと思うのであれば少し薄めにしてあげるだけでいいのです。バイタルをチェックしながら、注入していけばいいのです。私や主治医の指示どおりに行っていけばいいということで何ら難しいことではないという話です。
 それになぜ付き添いが必要なのでしょうかという話をしたところ、一応最初のうちだけで結構ですという話でした。最初は1年と言われたのですが、1カ月くらいかなという話になっていて、そこで先生から、ラコールとか、エンシュアだったら今すぐできますよ。付き添いなしでもできますという感じで言ってきて、エンシュアとかラコールは、ミキサーと何が違うのでしょうかという話をしても全然答えられないのです。結局、県の規定に沿って彼らは動いているだけでその理由まではわからないのです。私どもとしては何でそういうことをするのかと訴えるのですが、答えられないのです。私たちはきちんとした明確な答えを得られていないのです。

〇勝連聖史補助者 今回、百恵さんの就学の支援ということで、私たちも相談支援という形で少し就学支援にもかかわったので、経緯だけをお話しさせてもらいます。昨年の9月か10月に百恵さん宛てに訪問教育ですという通知が届きました。その間、教育委員会は一度も百恵さんに会ったことがないのです。丁寧な対応というのは、どういうことを言うのか少しわからないのですが、一度も会ったことがなくて、その後、異議申し立てをしまして、私どもと仲間氏、百恵さん、あと主治医と一緒に教育委員会に異議申し立てを行って、そこでこういう状態で主治医からも酸素も要らない、これだけ安定していますというのを言ってもらって、そこで初めて、宮古島市から通学ですと出たのです。もしそこで保護者側―私どもがアクションを起こさなかったら、さてどうなっていたのかというところです。

〇次呂久成崇委員 今のお話を伺っても、この処理方針にある情報交換、丁寧な審議というものは、親との合意形成を求めた親を納得させる場といいますか、そのような感じを受けました。ですので、やはりこちらにあるような一人一人の障害の状態に応じて丁寧な審議というのは、保護者の希望、また要望に寄り添った支援というものを具体的に審議することがやはり一人一人にあった就学支援のあり方だと思います。もう少し具体的に県でもこの処理方針として、その辺を組み込んだ回答や方針をやはり明確にするべきだと思いました。
 あともう一点だけ、陳情に看護師の効果的な配置を求めるということで、先ほどから県の看護師を出向させるということもあるのですけれども、実際にこの看護師設置規程に勤務条件等で21日と、看護師の嘱託看護師の1日の勤務時間6時間ということが、本当に十分な医療ケアができるような体制かというところで少し疑問点があります。効果的な配置というものを考えたときに、実際に保護者として、この効果的な配置というのは、1日の勤務時間が6時間では足りないとか、何時間くらいがいいのか。先ほど看護師が何名必要であるかということについては、支援の内容によって少し人数は難しいというようなことであったので、それではこういう勤務の条件とかというのをやはり看護師の身分も含めて、どういった形であれば十分な医療ケアができるような体制なのかというようなお考えがあればお伺いしたいと思います。

〇仲間久美子参考人 私が1日6時間で足りないと言った理由は、確かにケア―この子の面倒を見るだけでしたら6時間でも足ります。けれども、本当にそれだけの時間です。それ以外にも結局この子に対しての医療ケアの検討や経過も、この子もどんどん成長していくし、多分医療ケアの内容も変わっていくわけです。その中で看護師や教職員の中で、この子はこのようにしたほうがいいのではないかというディスカッションの場というものが、そういう時間が全然とれないのではないでしょうか。きょうはこういう感じでしたよと情報の共有の時間も6時間であれば絶対とれないのです。プラスそういうケース会議とかにも出られる時間はないですし。責任を伴う仕事ですから、それなりに給与面でも、待遇が改善なされるべきだと私は強く思います。

〇勝連聖史補助者 少し前の話になるのですが、実は私どものデイサービス―児童デイという言い方をしているのですが、児童発達支援と放課後等デイサービスという2つのサービスを使っているのです。分け方としては、未就学児と就学児です。これで3年ほど前に指定を取るときに障害福祉課とのやりとりの一こまの話なのですが、放課後等デイサービスは一旦学校が終わって、その後に通うところなのです。そこの運営時間について県から一度指摘が入ったのです。私は午前9時から午後6時で重症心身障害児の運営時間を出したのです。そのときの県からの御指摘は、「学校に通った後に来るのだから、午後1時、2時ではないのですか。」と。彼らは学校に行けないのです。そういう認識なのです。ですので、6時間で足りるというのはやはりもう少し短い時間、もちろんケアだけでしたら、足りると思うのですが、そういう状況があるということです。

〇次呂久成崇委員 実際のこの医療ケアの時間と、また保護者との情報共有であったりとか、いろいろな相談を含めると、やはり6時間では足りないというような認識でよろしいのですか。

〇勝連聖史補助者 はい。

〇狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 照屋守之委員。

〇照屋守之委員 今、陳情で求めていることと、県が行っている、考えることのお話を聞かなければ、何できちんと行っているのではないかのというぐらいにしか我々は思わないのです。お話を聞いて、非常にギャップがあるということと、だからといって、県があなたたちはこれが悪い、あれが悪いって、そういう責める立場かと言ったら、そうでもないのかと。彼らは彼らなりにそういう学校現場も行政も行っているという思いがありますが、ただかみ合っていないといいますか……。
 ですから、この付き添いにしても何にしても結局は責任問題だと思うのです。学校の先生方は、そこまで我々は責任を負えないという彼らの立場だと思うのです。だから、そこをクリアしないとこの問題は解決しないと思うのです。我々はそこまで責任を負えないというのが彼らの立場ですから。そうすると、そういう支援学校の職員にしても、なり手がいなくなってしまうのではないでしょうか。逆に何かトラブルがあったときに訴えられるわけでしょう。そのようなことが起こるから、やはり行政は決まり事をそのとおりやりたいわけです。それは、それを超えると責任が伴っていくから。皆さん方が幾らこれはこうだよと言ったって、そこは彼らの立場からすると、それを超えると大きな責任問題になるから、やはり踏み出していけない。
 親からすると、何であなたたちはこの程度のことも行ってくれないのかというギャップがあるから、その根本的なものを何とかしないといけないという思いがあって、それと一人一人に応じて審議はされていますということだけれども、求めるのが一人一人丁寧にということだから、彼らもそう答えていると思うのですが、実態はあり得ないわけです。あり得ないのにこう行っているということは、客観的に見るときちんと行っているのだと。親の求めに応じて行っているというようなことを考えていると、一体全体どのように我々が客観的に議会として、行政を執行する側、あるいは市町村に求めるということを行っていくのかということを考えたときに、先ほどありましたように就学前の関係者の会議、やはりそこがポイントであると思っています。
 それで、どういう就学形態にするかについても、本人にも会わないで、ただ書類だけでこう決めていって、それにクレームつけたら変わるし、クレームをつけなければそのままになるという……。これは普通の小学校に行かせる、支援学校に行かせるということも含めて、別の部分でもこういうことはあり得るし、現に起こっているのです。
 ですから、やはりこの就学前にきちんとどうするかというようなものを確認して、そこからそれぞれの子供に対して、これはどういうようにしよう、あのようにしようという形で、願わくば責任問題まで決めて、今の決まり事はこういう決まり事で行っております。親はこういうのを求めると。それではトラブルがあったときにどうするのということも含めて、もちろん看護師もきちんと常駐したほうがいいわけですが、これは時間的なものを含めて、今の人的なものを含めて、それでは足りないときはどのように対応するかというようなことをこの関係者会議で前もって決めた上で、実際学校にお願いするという前段の仕組みをしっかりつくるということをしないと、幾ら学校に預けてどうのこうの言ったって、なかなか難しいという思いがします。私はこの関係者の就学前の関係者会議の持ち方というか、それがポイントだと思っていますが、当事者としてはどうですか。

〇仲間久美子参考人 まさに照屋委員のおっしゃるとおりで、温度差があると思います。母親と支援学校の間では、この差をどう埋めるのかというのが難しい問題です。埋めるとしたら、とりあえず百恵を1カ月預かってみるかという話になってしまうのでそれは現実的にはできないです。私たち母親の気持ちとしては、支援学校に対して責任を求めるような気持ちはないのです。本当に必要最低限―確かに鳥取県の支援学校ですごくクレームをつけて、結局、看護師が半分以上やめてしまった支援学校もあります。鳥取県で起こっている。やはりこれは私からすると、少しやり過ぎかと。多分、医療ケアが何分おくれたから死ぬという子はまず病院から出られないので、間違った責任の追及の仕方だと思っています。多分、基本的に1時間以内くらいに処置すれば安定する子がほとんどだと思うのです。医療ケアがあったとしても、基本をしっかりしていれば、多分そこまで問題は起きないだろうと私個人は思っています。嫌な話ですが、この子が支援学校の活動の中で亡くなったとして、例えば百恵の場合はけいれんがあるので、重積発作というけいれんがとまらない状況とか。けいれんの子に多いのは、普通の子と比べて4倍くらい突然死が多いと言われています。あと、彼女は寝たきりなので、腸の動きがどうしても悪くなる。それで、便秘になって腸閉塞を起こして亡くなってしまうというケースも結構あるのです。だから、もしこの子が支援学校の活動中に亡くなるのであれば大体この3点だろうと。重積けいれんに関しては、緊急マニュアルをしっかり最近つくって、練習もして、私もきちんと見て、もう全然できています。ただ、基本的に重積発作が起こったら、救急車を呼んでやればいいことで心臓が停止した場合は心臓マッサージ、心肺蘇生法―CPRで救命措置を施した後に、救急車を要請すればいい。腸閉塞に関しては予測がつかない病気です。重症児に関しては意思疎通が難しい子がやはり多くて、おなかが痛いよ、お母さん変だよと訴えられないのです。どうしても保護者が第一に発見してあげないといけない状態で、百恵に関してもそうだと思っているので、そこはもう問えない。でも、ある意味支援学校の活動中に亡くなるというのは自分としては幸せなことだと思っています。結局、病院の中で亡くなるのではなくて、一生懸命に人として人生を過ごしているうちにぱたっと電池が切れたように亡くなったという人生が私は全然いいと思います。その中で本当によっぽど理不尽なことをされない限りは、責任追及しようと思いません。

〇勝連聖史補助者 先ほど、少し鳥取県の話があったのですが、その隣の島根県で会議があってそこに参加をしたときに、その中身の話が出ていたのです。鳥取県は重症の子供が通うところではすごく進んでいる。看護師の配置も一番多いという県だったのですが、そこの支援学校はこういう医療ケアの必要な子が数十人通っていて、こういう子供たちは食事の時間がほぼ一緒なのです。胃ろうをやったり。それが全部かぶっちゃうのです。そこで看護師が順番に入れているのだけれども、もう間に合わないというところで、その保護者からのクレームだったのです。それも学校側と保護者できちんとコミュニケーションをとっておけばよかったのかと。今、業界での合い言葉は「鳥取県の二の舞にならないように」なのです。
 ですから家族教育、家族にも預けるところは限られているのだから、ある程度のところ、範囲を持ちましょうという話もよく出ているのです。実際、私どもも保育園と言っているので、学校と何ら変わらないですが、家族とこの子の様子について、密に連絡を取り合っています。例えば、ここまで来たらもう救急車だね。この辺までなら家族に連絡で判断を仰ごうかとか、それだけでいいと思うのです。それが一人一人に合った支援かと。主治医も粘らないですぐ救急車をと言います。なので私たちも消防署とやりとりをしていて、この子の名前をFAXで送ったらそれだけで救急車が来て、病院もすぐその子のカルテを用意していて、着いた段階ですぐに搬送という流れをつくっているのです。ですから、家族の求める丁寧な対応とは、実際何かあったときのためだけなのです。ですので、そこについて学校側に責任を求めるということは、ほぼないものと信じているのですけれども。それは私たちの保育園で、百恵さんがけいれんを起こして舌をかみそうになったので、最初は手で口を押さえていたのですが余りにも強いのです。マウスピースをはめたところ、前歯が4本折れてしまったのです。もちろん看護職の対応が間違ったのかという話もあって、そこで御家族と話し合いを持ったのですが、やはり命が最優先だと。実際、何度も緊急搬送をして、病院に行ったらそこまでではなかったということもあるのです。でも、やはりそういうラインを決めておくだけでいいのかと思っています。

〇照屋守之委員 やはり、就学前の関係者会議でどういう形で受け入れをするのかという、普通学校や支援学校その辺を含めた会議があります。そのありようとか、この就学前の関係者会議のありようとかいうところが非常にポイントだと思うのです。ですので、本人の状態もわからない中で自分たちで決めて、クレームをつけなければそのままというのが、客観的に見て今の実態だと思うのです。この辺からもう一回整理して、就学前にしっかり子供の状況を見て、この子供はどういう形で支援できるのかというようなことをきちんと整理をして、その中で学校側の受け持つ分と、親が受け待つ分、その分担をどうしようかというその前の話し合いがきちんとできれば、それは相互に納得できます。だから今かみ合っていないのです。我々も実態をまだわかっていないものですから。今のお話を聞き、今度は行政側の話も聞いて、それをどういう形でうまくすり合わせるか。そこで人的なものにしても、予算の必要性という課題も当然出てきますから。その辺で我々も先ほどありましたように障害のある方も、ない方も共生できるようなものは、具体的にこういうことを実際にやれることが、そういう社会だと思ってるのです。我々が条例をつくったものの、実際になかなかそういうかかわりを余り持てておりませんから、私もぜひこの件も含めてしっかり行政と対応しながら取り組んでいきたいと思っています。

〇狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 末松文信委員。

〇末松文信委員 用語の定義について、それが共有されているかどうかの確認ですけれども、皆さんは医療ケアが必要な子供たちという言い方をなさっていますが、この処理方針を見ると、医療的ケアとなっていて、「的」が入ってますけれども、その辺は共有されているのですか。

〇勝連聖史補助者 それは言葉の意味が一緒かどうかというところでしょうか。医療的ケアというのを、国がきちんと文書に入れ始めたのは昨年からです。それまでいろいろな読み方がありました。重症心身障害児は、知的障害プラス肢体不自由というのがあって、これに当てはまらないけれども、医療的ケアが必要な子供たちがいます。要するに知的障害はないが、医療行為が必要。そういうのも少しまとめて医療的ケア児というように国も今方針が変わってきています。それに応じて、少し制度が変わってくるのです。障害の制度も私たちの事業所は重症心身障害児が使えるところで、この中に医療的ケア児は含まれないのです。だから、スポットにはまる子供たちもいます。先ほど少し話が出た二分脊椎、下半身が動かないので、導尿という医療ケアが必要なのですが、知的レベルは普通なのです。こういう子たちが受けられないサービスもあったのです。ですので、国はまとめて医療的ケアというように動いています。

〇末松文信委員 ここに医療的ケアというのは、何かということが書いてありますね。たんの吸引だったり、経管栄養だったり、導尿その他医療的な生活援助というようなことが書いてあるので、実際の医療ということはここでは行ってはいけないというように私は理解したのですが、それとは違うのですか。

〇仲間久美子参考人 医療的ケアと医療行為は違うので、例えばインシュリンを打つことに関しては医療行為になってしまうのです。人に侵襲性を与えるようなことをやるというのは医療行為に当たるのです。例えば、レントゲンを撮る。採血する。注射をするということは人に侵襲性を与えることなので医療行為に当たります。ただ、吸引、吸入とかに関しては、侵襲性は基本的にはない。導尿に関してもそうです。そういうことで、多分、医療行為と医療的ケアというように分けられています。

〇末松文信委員 そうすると、今の医療ケアというのと医療的ケアは同一というように理解してよろしいですね。

〇仲間久美子参考人 それは多分、同一ではないけれども、実際にその医療行為が必要な子―例えば糖尿病のお子さんに関しては、自分としては医療ケアではないかと思います。なぜなら、彼女にとって医療的、日常的な行為なのです。その個々人の捉え方がどうしても難しいのかと思います。

〇勝連聖史補助者 ここでは、沖縄県教育委員会の定める医療的ケアについてはという内容で出していいと思います。したがって、鳥取県や北海道に行ったら、医療的ケアは少しずつ変わると、そのように思ってもらえればよいと思います。

〇末松文信委員 そもそもの話ですが、皆さんは医療ケアとおっしゃっているし、沖縄県教育委員会は、医療的ケアの範囲でやるということを書いているわけです。それともう一つは、皆さんからの要望との関連です。これも嘱託看護師という言葉です。この第1条の設置の中で、これに限定されているので、常勤の正規の看護師を置くようになっていないのです。ですから、皆さんの要求を満たすとなると、この規程を変えないといけないのです。そういう認識でよろしいですか。

〇仲間久美子参考人 ぜひ変えていただきたいです。

〇末松文信委員 正規の看護師の配置も医療的ケアについても両方の規程を変えないと解決できないような感じがいたします。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○狩俣信子委員長 質疑なしと認めます。
 以上で、仲間久美子参考人に対する質疑を終結いたします。
 この際、委員会を代表して、参考人に一言お礼を申し上げます。
 本日はお忙しい中にもかかわらず、長時間にわたり貴重な御説明をいただき心から感謝いたします。
 本日拝聴いたしました内容等につきましては、今後の委員会審査に十分生かしてまいりたいと思います。
 仲間久美子参考人、補助者の勝連聖史さん、仲間百恵さん、大変ありがとうございました。
 休憩いたします。

   午前11時35分 休憩
   午後1時20分 再開

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 午前に引き続き、参考人からの意見聴取を行います。
 次に、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない失踪者の早期救出と真相解明を求める家族会金武川政司参考人から説明を求めます。
 お手元に配付しております事務局配付資料一覧をごらんください。
 金武川政司参考人から、久志勝則氏を補助者として出席させ、必要に応じて発言させたいとの申し出がありますので、委員長として許可したことを御報告いたします。
 参考人及び補助者の皆様、本日は御多忙のところ御出席いただきましてまことにありがとうございます。
 参考人から説明を求める前に、委員会の審査の進め方について御説明申し上げます。
 まず、参考人から御説明をいただいた後、委員から参考人に対し質疑を行うことにしております。
 なお、参考人が発言しようとするときは、あらかじめ委員長の許可を得なければならず、発言は、陳情の趣旨の範囲内で行うこととなっております。
 また、本日は委員会が参考人の説明を聞く場でありますので、参考人が委員に対して質疑することはできませんので、御承知おきください。
 それでは、金武川政司参考人から、陳情第19号北朝鮮による拉致の可能性を排除できない沖縄県民の早期救出と真相解明を求める陳情について、提出に至る背景及び目的等について簡潔に御説明をお願いいたします。
 金武川政司参考人。

〇金武川政司参考人 今から39年前、私が二十歳のときに私の兄貴が沖縄県宮古島の平良港からマグロ漁船、乗組員7名で出港しまして、泊港に帰る帰港日になっても帰ってきませんでした。それで私の家族は遭難したのではないかと心配して海上保安庁と自衛隊にお願いして捜索してもらったのです。フィリピンあたりに漁に向かったということで、まず遭難したという考えから飛行機での捜索を要請して、約1カ月間毎日1回ずつ南のほうに飛んでもらったのです。そのときは、漁船なので天気が悪くて海難したのかと。
 後で海上保安庁と沖縄県警に調べてもらいましたら、海難する状況ではないということでした。その後、もう亡くなったということで泊港から石を持っていって七回忌をやったのです。その15年後に朝日新聞の記者がうるま市平安座のおやじの実家にきて、北朝鮮に拉致された可能性があると。一応、葬式まで終わった後に拉致の疑いがあるということで、その後は海上保安庁に行って再度調べてもらい、沖縄県警にも行って調べてもらって、海難の疑いはなく何ひとつ発見されていないと。それからが今の現状なのです。ですから、特定失踪者の中には入っていますが、まだ認定も何もされていないのです。それが乗組員の7名の家族の現状です。それで拉致被害者の勉強講習会とかに参加したら、とにかく沖縄県からは失踪者が多いとのことでした。どうにかしてもらいたいということで陳情いたしました。それが経緯です。ひとつよろしくお願いいたします。

〇久志勝則補助者 金武川参考人との関係は、小・中学校一緒の幼なじみです。私は二十歳のとき、大学は石川県金沢市です。こちらに書いてあるように、全国の県の人口比率から見て、拉致されている数は沖縄県は2番目。1番目が石川県。ちょうど私もそのときに大学に行っていて、たまに休みで帰ってきたときに彼のお兄さんが遭難して大変だということでした。私も気づいたら小泉元首相が北朝鮮に行って7名が帰ってきてからは、我々も海難はおかしいということで、拉致されているのではないかということです。これまで、少しかかわってきたという経緯があって、いろいろ話を聞いているうちに家族会とか、家族の人たちが本当に自分たちの財産をなげうって捜索してもやはり限界があるわけです。これは個人では少しできないので、県や国が本当に一生懸命力を入れてあげないといけないと思っています。それで支援しないといけないということで行っています。ちょうど今、緊迫した情勢であるにもかかわらず拉致問題がやられている最中ですので、ぜひ、本当に一日も早く拉致されている人たちを県民の力で国に要請して帰してもらいたいということで陳情に来ました。

〇狩俣信子委員長 参考人の説明は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないよう簡潔にお願いいたします。
 新垣新委員。

〇新垣新委員 私も大会は一緒に汗をかいてきたつもりであります。同じ苦しみをよく理解しているつもりです。私の親戚もいます。きちんと名前も。大会でも何度かお会いしております。何点かお聞きします。
 当時、朝日新聞から連絡がありましたと。正直言っていろいろな報道等で当時は拉致はないと言って先頭で書いていたのが朝日新聞です。なぜ、拉致された疑いがあるのかというのが1点目です。
 2点目、小泉政権の前の時代のとき、旧社会党は、拉致被害者、北朝鮮とのすごいパイプがありました。これはマスコミ報道等でも放送されています。当時の社会党はパイプ役となって北朝鮮と会わせています。そういったルートを使ったことはありますか。知っていましたかということについて、まずお聞かせください。

〇金武川政司参考人 朝日新聞が来たことについて、朝日新聞社がどういう趣旨で来たのかはわかりませんが、そのとき私は仕事で石垣島におりました。実家のおやじが話を聞いたのですが、電話があって大変なことになっていると。死んだ人が拉致された疑いがあると。それでは調べようということで、おやじと私とで海上保安庁に知り合いがいたものですから、そのときの状況はどうだったのか再度調べてもらいました。沖縄県警にも個人的に知り合いがいましたのでそれも調べてもらった結果、拉致の疑いがあり、海難事故はなかったということでした。
 2点目については、全くその件は疑いもせず知りませんでした。当時の社会党のパイプというのはわからなかったわけです。

〇新垣新委員 この中で少しお聞きしますが、今、全国的に拉致被害者の県民大会を開催していますが、開催していないのは沖縄県だけということは御存じでしたかということが1点目。
 2点目に、私も親族の悩み、共通して理解できるところがあります。騒ぐなと。私たちの家系は、親族は脱北者からの証言で行方不明になっている人は家出したような感じだったのです。脱北者の証言で、韓国政府から情報を得て、日本政府にかけ合ったら、日本政府はなかなか認めなかったと。当時この話を聞いたときに家族が騒いだら殺されてしまうという懸念があって、そういった問題で全国的に立ち上がっているという形で、やはり当事者の一親等である家族が行って、今立ち上がってきているという形にどういう思いがあって、動いたのかということ。切実な状況を教えていただけませんか。

〇金武川政司参考人 まず、1点目の家族としては亡くなったものだと思っていました。
 2点目、生きていれば、拉致されていてもいいから生きていればいいなと。これが切実な願いです。本当は国は知っているのではないかということで疑問を感じています。あれだけの特定失踪者がいて、その後何の動きも全くないのです。ナシのつぶて、人ごとなのです。ですから、北朝鮮に拉致されて病死で亡くなっていたのなら納得がいきます。その点を早目に認定してもらいたい。

〇新垣新委員 理解できます。実際の特定失踪者は1000名以上超えていると予想されていますし、証言があっても証拠でないという言い方で終わらせるものですから。やはり家族としては、これは本当に国が北朝鮮との対話がないから、しっかりと証拠も出せないから、こういう証言と証拠は違うのだと。これで終わらせているのが今の現状なのだと。同じ苦しみをわかるので、少し歯がゆい気持ちは私も一緒でございます。
 もう一点、翁長県知事、副知事でもいいですから要請をなされたことはありますか。この拉致問題に関して県民大会を開催しようということで。去年、与那国の方が行っていると思いますが。

〇金武川政司参考人 1回は行っています。

〇新垣新委員 浦崎副知事ですよね。

〇金武川政司参考人 はい。

〇新垣新委員 あれから実は翁長県知事になって、全国知事会でことし3月現在、1回も知事も副知事も参加したことなく事務方だけです。私は執行部に知事を呼んでこいと思いっきり言いました。しかし、呼ばないし、来ない。基地問題をこのようにやって、沖縄県のメディアも一緒です。拉致問題はないがしろにされているというこの現状もウチナーンチュがどれだけ困っているかということもあって、何が県民と寄り添う政治、何が県政かと思いっきりやり合ったのです。それについてどう思いますか。この県知事は基地問題ばかりかと。拉致の問題は何も取り組まないのかと。全国で取り組んでいないのは翁長知事だけなのです。ある知事から聞いているのです。この問題についてどう思いますか。私が言っているのは事実ですよ。

〇金武川政司参考人 翁長知事が誕生する前に前任の仲井眞前知事は、1回陳情に関しては引き受けてくれました。翁長知事とは1回もありません。仲井眞前知事とは1回でした。

〇新垣新委員 同じ家族会でもいろいろ情報が私にも入ってきます。その中で仲井眞前知事は県民大会をやろうとした。当時意欲はあると。今の知事にこの文書を去年も投げてみて回答はどうですか。あれからどうなっていますか。

〇金武川政司参考人 何もないです。

〇新垣新委員 そのとおりです。本当に認識が薄いのです。基地問題ばかりやって、こういう国民、日本全国の啓発活動に全く入ってこないのです。家族会で、もう一度要請書を出していただけませんか。浦崎副知事に要請したとき私も一緒に立ち会っています。もう一回私も行きますから。もしやらないというのでしたらそれでいいのです。我が党も我が党なりに、これは公約に入っていますから。ですから、もう一度要請を行っていただきたいと。答弁を求めます。

〇金武川政司参考人 再度、陳情書を出します。

〇新垣新委員 この問題において、私は何回も家族会の大会で言っています。過去に北朝鮮を立派な国、理想の国、目指す国と言った。社民・社大も言っています。そういう形で、心を一つにして、県民大会を開催すべきだと。他の政党にも呼びかけて、これこそ本当のオール沖縄という形で県民大会ができるように。公明党も理解はあります。救済活動を全国で行っています。そういう形で巻き込んで活動していくことはどうですか。意欲をお聞かせください。

〇久志勝則補助者 本当に一日でも早く行ってほしいです。
 少し補足させていただきます。彼の兄が乗った船は7名と言っていますが、警察庁が認定したのは4名で7名の内4名だけがこの警察庁に対してきちんと調べてくださいと。実は3名は手を挙げていないのです。本来なら3名も手を挙げて、新垣委員が言っているように800名ではなく、本当に1000名を超えていると思うのです。さっき言ったように拉致された人たちがもし脱北しようものなら、あなたたちの家族はどうなっても知らないぞというようなおどしをかけて、実際に陳情とか、警察に行っていない人がいるのです。本当に物すごい数の人が拉致されている可能性があるのです。ですので、多分皆さんが2つ、3つくらい声をかけたら、特に沖縄県なら必ず拉致されている家族にぶち当たると思うのです。ですから、県民一丸となって、本当に一日も早く県民大会を開いてほしいのです。私のかわりに声を荒げてくれてありがとうございます。本当にその気持ちです。確かに基地問題もわかるのですが、同じような県民がもう三十何年です。彼だけではなく、本当に死んでいると思って何回忌も行って、生きてる可能性があると期待している人もいるし、もう少し言えば、もう既に私の知り合いの妹でもう亡くなっている人とかいるのです。もうお母さんたちも高齢になっているのです。彼の母も80歳でもうすぐトゥシビーで、一日も早く沖縄県民だったらできると思うのです。あのぐらいの力はあるのですから、国に要請するのは一発だと思います。県民挙げて基地に反対するくらいだったら、何で本当に身内がこのように拉致されているのに、全然報道もしない。本当にストレートに言いますと、仲井眞前知事は本当にやろうと思っていました。今から4年前だったか、事務方を呼んでやりますということで思いきり約束してくれたのです。残念なことにそのようになっていませんけれども。本当に腰を上げてやろうとしていたやさきに。翁長知事は全然やっていません。もう少しストレートに言います。県議会議長の新里議長は私と同じ平安座島の人です。ぜひそれを上げて。これは記録に残さなくていいのですけれども。このように無視されて、本当に困っているのです。水面下では、何をしているのだと。

〇新垣新委員 このような状況で、これは過去に北朝鮮は立派な国、理想の国、目指す国という政党もいますけれども、今こうやって県民がこれだけ出てきてますから、心を一つにして県民大会をやろうではないですか。協力します。ぜひ家族会も与党にも要請をお願い申し上げまして、私も同じ、気持ちがわかるということで、諦めないでぜひ頑張っていきましょう。激励をいたします。

〇狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 金城泰邦委員。

〇金城泰邦委員 皆さんの陳情を受けての県の方針を見てみますと、陳情で求めている広報の掲載、県民大会の開催、専門部署の設置と3つの項目が出されておりまして、それに対して、県としては平成20年に知事の会に沖縄県民も参加したというように出ております。それ以降、知事の会への沖縄県知事の参加等々は、皆さんの耳にはどのような情報が入っているのですか。
 要はそういった意識を持ってこれまでどのくらい沖縄県とかかわりを持ってきたのかということが、少し私はまだ知らないものですから。沖縄県の出している方針としては、平成20年に北朝鮮による拉致被害者を救出する知事の会というのも設立されたらしくて、沖縄県も一応参加したという報告にはなっているのです。
 ですので、その後、沖縄県としてどのような形でかかわってきているのかというのは、私の知るところではないのですが、皆さんの認識として沖縄県はそういった形でこのように取り組んできたと思っているという認識があれば、全くないという話になるのかどうかなのです。そこが1点。
 あと、毎年12月10日から16日までの間というのは、北朝鮮の人権侵害問題の啓発週間と位置づけられているということが、この県の方針の説明にはありますが、平成28年も県庁ロビーでパネル展をやったという話もこの報告の中では出ているのです。皆様は県が去年、平成28年に県庁ロビーでパネル展等を行っていたということは御存じなのか。もしくはかかわっていたのか。それとも全く知らされていなかったのかを教えてほしいことが2点目。
 今後、やはり沖縄県としてもこの拉致に対する考え方というのは、これは一つの人権問題として考えたときには、無視して通過することがあってはいけないという話だと思っています。そこについても皆様の望む県民大会については、どのようなイメージを、どのよう形で県民大会を開催してほしいのかを含めて考えがありましたら、少し教えていただきたいです。

〇久志勝則補助者 パネル展については聞いていませんが、ただ浦添市で拉致のことを行っているのは聞いていました。我々も行こうかと思っていたのですが、きょうは来ていないのですが別の同じメンバーがこういうことがあるということで、そこで発表したらどうかということで、何らかのアクションをしています。ただ、県庁でパネル展があったということは我々の耳には入っていないです。拉致の家族には来ていないと思います。
 あとは、結構初めて聞く人が多いので、本当に県民大会を開いて周知してほしいところがあるのです。私が先ほど言ったように、亡くなったと思っていたら、小泉首相が行ったりとかで拉致という話を聞いてどちらかというと立ち上がったという感じなのです。ですから、県民も多分拉致被害者がいるのではないかというぐらいの認識かと思っているので、ここに書いているように、早目に本当に国に要請して、一日も早く沖縄県民にも拉致された方がいるのだと。県民の人たちに広く知らせてください。
 実は7名というのは、これは北朝鮮が勝手に何名と言っているだけで、本当は隠れた拉致被害があるのです。いろいろ埼玉県とかと交流があって、沖縄県民がきちんと写真にも写っているという拉致した証拠もあるのです。つまり、よその外国人が観光で行って、写真を写した中に間違いなく、これは自分の兄だという調べもしながら、いろいろ言っても国が受け付けないという……。先ほど新垣委員が言っていたのですが、しっかりといろいろな科学的な鑑定もして、これは間違いなく兄だということにもかかわらず国が認めていないと。あくまでも7名とか言うのも、向こうが言っていることだけで、やはり認められていない拉致被害者がいるのです。だから、早目に知らせてほしいです。たまにマスコミあたりで、実は10年の間どこかに失踪していましたということは大きく出しますが、これは拉致ではなくてよかったということなのですが、やはり拉致されている人は間違いなくいます。早目に県民に知らせて、国に要請して早く救い出すように。今、本当にこういう時期ですので、我々も家族も心配しています。もしかしたらどんぱち始まるかわからない危機感を持っていますので、これもきちんと要請していってほしいと思っています。本当に県民大会まで持っていってほしいです。

〇金城泰邦委員 先ほど沖縄県が平成20年に設立されたその知事の会というものが設立されていて、参加したようです。
 ちなみに、皆様の家族会自体は、何年ごろから設立してこういった運動をされているのでしょうか。

〇金武川政司参考人 約4年です。そのときに初めて、何回もはがきは来ているのですが、一応参加しなかったのですが。3年くらい続いていました。

〇金城泰邦委員 設立されたのは4年前ですか。

〇金武川政司参考人 はい。

〇金城泰邦委員 沖縄県に相談する窓口というのは、皆さんは県のどちらを窓口としているのですか。

〇金武川政司参考人 窓口はありません。もう、家族会個人個人の知り合いを通して、会わせてくれませんかと。

〇金城泰邦委員 今、家族会の皆さんとしては、沖縄県の特定の窓口―皆さんの話を聞いてくれる窓口が現時点ではまだないという認識でよろしいですね。それで、3番目の専門部署の設置ということになっているのですね。

〇金武川政司参考人 今の発言に対して、補足しますけれども、私は私なりの家族の立ち場で、海上保安庁の知り合いや沖縄県警の知り合いを通して、特定失踪―拉致の疑いがありますと。そこまで調べたということでもう限界です。私たちではもうこれ以上は調べることは不可能です。あとはどうすればいいのかということで、陳情しようということになりました。

〇久志勝則補助者 本当に、皆さんいろいろなところで個人でパイプをつくって話をしているのです。もう一人、後輩がいるのですが、彼は全国大会にも何回か行ったようなのです。そのような情報交換のようなものを行ってはいるのですけれども、本当に窓口がなくて、早目に窓口をつくって対応してほしいと思っています。

〇金城泰邦委員 何回も先ほどから言っているように、平成20年に北朝鮮による拉致被害者を救出する知事の会が設立されていますので、恐らく全国各都道府県においてもそういった拉致被害者を救出するための窓口があるのだろうと想定されるのですが、先ほどの皆さんのお話を伺うと、まだ窓口は県にはないというお話でしたので、これは早急に窓口というのをしっかりと設けて、皆さんの切実な実情をきちんと把握していただかないと話が前に進まない相談であると聞いていて思います。そういった部分を行っていかないと、県民大会を求めるにしても、主体はどこで行うのかということもままならないものですから。そこはきちんと組織として行っていただかないといけないことだということを理解いたしました。

〇狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 西銘純恵委員。

〇西銘純恵委員 家族が失踪して戻らないということでこれだけ身内を捜すという努力を個人的にもなされてきたということについては大変な思いをしたと思います。それで沖縄県に対して行ってほしいということなのですが、ほかの都道府県で陳情書に883名。そして、沖縄県で32名ということで書いておりますが、都道府県は何カ所にまたがっているのかわかりますか。

〇久志勝則補助者 警察庁か沖縄県警のホームページにも載っていますので、そこを閲覧してください。

〇西銘純恵委員 沖縄県だけが県民大会を開いていないということも質疑の中であったものですから、ほかの都道府県で県民大会を開いているなど進んでいる事例というのを述べていただけたらと思います。例えば、毎年行っているところもあれば、それについて聞かせていただけますか。

〇久志勝則補助者 今、盛んなところが埼玉県です。前回、沖縄県に来ていろいろ説明していただいたり、埼玉県のほうでも行っています。

〇西銘純恵委員 陳情処理方針の38ページ、2枚目ですが、陳情の趣旨部分の特記事項で沖縄県警管轄ということで書いているものですから、警察庁の発表で拉致被害者関連の問題を扱っているということで、警察が担っているということを承知して書いていらっしゃいますか。担当窓口との関係でお尋ねしたいのです。

〇金武川政司参考人 もう一度、質疑をお願いいたします。

〇西銘純恵委員 この被害者問題を解決するための窓口がないと先ほど言いましたが、883名の拉致の被害者の可能性がある皆さんが掌握されているところが警察庁だと、ホームページにもあると。ここに沖縄県警管轄の特定の失踪者の存在を県民に広く啓発していくということが書かれているものですから。県警が担当窓口と言いますか、この問題は担うところになるということで認識されているのでしょうか。

〇金武川政司参考人 警察のホームページの特定失踪者というのは、パソコンからあけて見たらわかります。もう少し勉強してください。

〇久志勝則補助者 これに関して、私はよく質問がわからないのですが、要するに県警にそういう窓口があってやりとりしているのですかという質問と受けとめていいですか。

〇西銘純恵委員 はい。

〇久志勝則補助者 それは一切ないです。逆にそういうことも全部含めて、我々のなぜこのようなこともあるのに、こういう情報すらも。なぜ本当に個人で走っても限界があるのに、県警に窓口がありますか。こういうことを行うのが皆さんであるし、県警であるし、窓口がありますかと言われても、そういうことも全部含めて大変ですから。ぜひ協力して、そういう窓口を積極的につくろうではないかというように聞いているのに。窓口はありますか、これありますかと言われても。本当に限界が来て……。いろいろなところに行っても、ずっとそのような感じなのです。そうではなくて、少なくとも県警が発表しているので、全員協力して、窓口を早目につくって、私も遺族会を支援する者ですので、ぜひお願いします。

〇狩俣信子委員長 わかりました。今の御答弁では県警に窓口はないということですね。

〇久志勝則補助者 そうです。

〇狩俣信子委員長 ないということですね。

〇西銘純恵委員 沖縄県が皆さんの陳情に対して、平成20年に被害者を救出する知事の会が設立されて沖縄県も参加していると。そして沖縄人権啓発活動ネットワーク協議会というところで沖縄県も一緒になって、この北朝鮮当局による人権侵害問題に対する認識を深めようということで、年間を通じて啓発活動に取り組んでいるということも言っているわけです。毎年12月10日から16日までは北朝鮮人権侵害問題の啓発週間と位置づけられていて、去年は先ほどあったように県庁1階ロビーでも那覇市役所でもパネル展を開催しているし、県のホームページで通年において周知を図っているということが県の回答としてあるものですから。いずれにしても家族の会の皆さんとどういうものを持ってほしいと、そういうやりとりがなくこれまで皆さんは困っていると。だけれども、県は行っているという、そのそごがあるということになるのかと思ったものですから。実際は警察庁が発表しているということはこの被害者問題を解決するのは国としては確かに警察庁ということで行っているとあるものですから。県警は知事の担当になるわけで、沖縄県知事のもとに確かに県警が担っているのですが、まだ家族の皆さんとそういうコンタクトを余りとれていないので、県としてもっとどうするかという話に持っていかないといけないということを考えるわけです。ですから、管轄が県警と書かれているものですから、そこら辺でこれまでの連携不足というものを感じて、今質疑をしているわけです。どのようにしてこれに取り組んでいくかという立場で、どこに不足点があったのかというところを探りたいと思って今質疑はしたのですが。県が取り組んでいるというところで答えていることについては、皆さんに通じてなかったというのが本当に不十分だったかと感じます。沖縄県は取り組んでいますと言っていることが、被害者の皆さんにきちんと伝わっていなかった。参加ができていなかった。取り組みが知られていなかったというところもあったのだろうと思うのですが、それについていかがですか。

〇金武川政司参考人 これは実際に沖縄県庁にあるのですね。今、私たちはうるま市ですから、沖縄県庁に来るということはまずないので、パネル展があったということを家族会も知りません。だから窓口があるのでしたら、担当の市町村はありますので、そこも連携して裾野を少し広げてほしいです。

〇西銘純恵委員 今のパネル展とか、県はホームページで通年で周知を図っているということで、県は行っているということでの回答はあるのです。全市町村にこの12月10日から16日まではポスターも張ってもらっているという取り組みは行っている。それが十分かと言えば、それはさておいて、取り組みは行っていることが皆さんに通じていないというところが問題なのかと今聞いていて思ったのです。全く行っていないということはないとは思っているのです。どのような感じですか。

〇金武川政司参考人 沖縄県からは、はがき1枚も来たことはありません。ですからこのような水平展開できるように、なるべくでしたら各市町村を通してほしいです。そうすれば沖縄県全体に広まっていきます。

〇西銘純恵委員 皆さんの思いが本当に行政として行っているつもりという部分が、おっしゃるように肝心の当事者に届いていないということもあるし、いろいろな要望が出されていますので、それを受けとめてどうするかということでまたやりたいと思います。

〇狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 亀濱玲子委員。

〇亀濱玲子委員 先ほど久志補助者が、県警で行方不明になった7人の家族の中で4人が認定されたとたしかおっしゃいましたが、この認定されたということはどのようにして、県警から連絡があってそのように―この認定というのを教えていただきたいのです。

〇久志勝則補助者 認定ではなくて、4人の家族が訴えているのです。

〇亀濱玲子委員 先ほど、認定されたとおっしゃったので……。

〇久志勝則補助者 済みません。これは言葉が間違っていました。7名が実際にいるのですが、4名の家族が失踪しているのではないかということです。

〇亀濱玲子委員 そうでないかということを警察に訴えたということですか。

〇久志勝則補助者 そうです。きちんと県警に行って話しているのです。ですから、あと3人の家族は県警に訴えていないのです。

〇亀濱玲子委員 この要請文の中に沖縄県の32名というように、県の管轄で書かれているのですが、その中にはこの7名の中の4名の方が入っているということなのですか。

〇金武川政司参考人 そうです。

〇亀濱玲子委員 わかりました。家族会を立ち上げて4年というようにおっしゃったので、家族会のことをもう少し詳しく教えていただきたいのですが。やはり一生懸命動いても、個人で情報をとるのも限界があると思います。それで、全国の家族会との連携というものは、多分それがしっかりすると、例えば、政府との窓口で政府から―さっき、おっしゃった金武川参考人が国は知っているのではないかというところが、直接この自分の家族が調べられていないのかとか、その中に名前が入っていないのかとか。それにもっと踏み込んでいくこのツールというのですか、それが個人ではいかんともしがたいと先ほどおっしゃっていることが、組織として全国の家族会と連携をして、沖縄県の御家族の方も調べるということは、その取り組みのようなものがすぐにできないのかなと少し聞きながら思っているのですが。もしこの全国の家族会とのつながりのようなものを持たれたことがあるようでしたら、教えていただけますか。

〇金武川政司参考人 個人的に私も行っていて、7名のうちの4名も、もう一人の方も個人で行っているのです。それで、沖縄県は家族会がこのようなことであってはいけないということで、家族会が立ち上げられて、今埼玉県の拉致被害者の会と連携はとっています。

〇亀濱玲子委員 今、うるま市の住所になっていらっしゃいますが、うるま市がこのことに協力して、一緒に動くというようなことがこれまでありましたか。

〇金武川政司参考人 いろいろ、うるま市に合併する前に旧与那城町のときに議決しています。それからうるま市もおととしに動いてもらっています。

〇亀濱玲子委員 与那城町は何年前に議決をしたのですか。

〇金武川政司参考人 もう15年くらい前です。

〇亀濱玲子委員 うるま市は何年前ですか。

〇金武川政司参考人 うるま市は2年前です。

〇久志勝則補助者 うるま市には陳情を出しましたが、事務局で一旦持ち越しになっています。彼が言った旧与那城町のときには決議していますが、うるま市は2年目に事務局に出したのですが、継続ということでまだ決議をされていないかと思います。

〇亀濱玲子委員 沖縄県の市町村から、例えば今このように議決が上がったりするところもありますが、相談に行くと窓口というものはきちんとあって、各市町村が相談には乗ってもらえている状況ですか。

〇金武川政司参考人 相談は地域の市議会議員を通してです。

〇亀濱玲子委員 どこのですか。

〇金武川政司参考人 うるま市です。

〇亀濱玲子委員 うるま市ですね。

〇金武川政司参考人 うるま市の市議会議員を通さないと、議題にのっていかないものですから、談判しました。

〇亀濱玲子委員 うるま市の市議会議員を通してですね。

〇金武川政司参考人 はい。それが現状です。

〇亀濱玲子委員 例えば、今まで福祉課のどこが担当ですというようなことでのやりとりをしたことはないということですか。

〇金武川政司参考人 ありません。それも全て個人で動いて、うるま市にお願いしました。では、沖縄県にもお願いしましょうと。そこで名前を出していいのかということについては個人情報になりますので名前は出せませんが、2人にお願いして、知事と会えるようにセッティングしてくれませんかという状況があって、その後の陳情書になっています。

〇亀濱玲子委員 わかりました。家族会が立ち上がって4年というのは、多分これからなのだろうと思いますが、自治体とそれぞれの地域の市町村、あるいは県と連携してやれることがあるのかもしれませんので、これについてはまたもう少しみんなでやれることを検討していけたらと思います。

〇狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 照屋守之委員。

〇照屋守之委員 この拉致の件については、我々も全国の動きを見ながら北朝鮮と日本が、小泉元総理以来なかなか交渉もできていなくて、今交渉できるすべもあるのかという思いと、先ほどもありましたように国はいろいろな情報を持ちながら、なかなかそれが国民に開示されていないのかという思いもあって、全然進まないというこの現状に非常に我々もいら立ちを持っています。自分たちになすすべがないというようなこともあります。先ほどからお話を伺っていても、皆さん方が長年にわたって、御苦労なさってきたことについて、的確な対応の仕方が示されていないし、示すことができないといういら立ちも含めて、今いろいろありますが、やはりまずは県の窓口をしっかり定めて、そこを通して、県は県で対応する。あるいはそこからそれぞれの市町村にも周知するということが必要であるという思いがして、そこはこれから議会としても、我々会派としてもしっかりやりたいという思いがあります。
 実は先ほどの全国の家族会との交流で埼玉県ともいろいろ行っている話ですが、平成19年4月に5名が帰ってきました。そういう人たちとの情報とか、それらしき人たちがいるとかというようなものも含めて、そのような情報交換、あるいはほかの埼玉県の皆様方を通して、そのような意見、情報がもらえているのか。その辺はどうですか。

〇金武川政司参考人 一応、私たち家族会は、現在埼玉県の家族会しか情報源はないのです。沖縄県でここ2カ年、埼玉県の家族会に来てもらって、講演会をしてもらっているのですが、そのときにしか情報は入ってきません。埼玉県の大会には1回行きました。そのときに少しずつ情報をもらえているのが現状です。

〇照屋守之委員 例えば、そのときに全国の拉致被害者の会の動きとか、あるいは北朝鮮から帰ってきた、平成19年に5名帰ってきた人たちとの直接的な情報ではなくてもいいので、この埼玉県を通したいろいろな沖縄県の情報というか、そのような北朝鮮からの情報は入ってきませんか。

〇金武川政司参考人 まだそこまでは、家族会同士における交流がないのが現状です。結局埼玉県に行くにしても、飛行機賃がかかるわけですから。年に1回行くのであれば、1泊2日で行って、もう翌日には帰ってこないといけないというのが現状です。本当に活動できるかといえばできないのです。家族会も若いのは、私ともう一人くらいで、ほとんど70歳前後なので移動するにしても少し厳しい状況です。

〇照屋守之委員 この陳情で要望が3つ出ていますが、金武川参考人らが長年にわたってこういう形で非常に苦しんできていると。そしてこれからこの陳情にある県民大会というのはわかりますが、家族として、具体的にどのようなことを行って―例えば、行政がまたは周りがどのような形でバックアップしてほしいのか。具体的な行動、問題解決に向けて、皆さん方はどのようなことを一番望んでいますか。

〇金武川政司参考人 一応、沖縄県に拉致の疑いがある特定失踪者の事務局、窓口をつくってもらいたい。窓口ができればおのずと国にも上がっていくし、国もどこが窓口なのかについても私たちは知りませんので。一番それがネックです。まだわからないです。

〇狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 次呂久成崇委員。

〇次呂久成崇委員 家族会について、少し教えていただきたいのですが、今県内では32名ということなのですけれども、家族会の構成としてどのくらいの被害者の家族の皆さんがいらっしゃるのかということを教えていただけますか。県内で家族会は一つにまとまっているのかということも教えていただけますか。

〇金武川政司参考人 まとまっていません。現状は4名しか集まっていないです。家族会に入っている方は周りにはいますが、お年寄りでこられない方もいます。年に1回程度、4名しか活動できる方がいません。

〇次呂久成崇委員 参加者4名というのは、先ほど7名のうちの4家族ですか。この方たちだけということではないですよね。

〇金武川政司参考人 ほかにもいます。

〇次呂久成崇委員 わかりました。では、県内全部合わせて、一つの家族会という組織ですか。

〇金武川政司参考人 はい。少し補足をしますが、特定失踪ですのでまだ100%認定されていない方もいるのです。認定され、おおよそ間違いないだろうという方。確実に拉致された方の3つのパターンがありますので、本当に家族会を結成しようと思うのでしたら、早目にこの特定失踪なのかどうかということが先に動いてこないことには動けない家族もいるのです。だから本当に特定失踪や拉致の疑いがあると言われれば動きます。まだ、現状としてはこれがなされてないのです。

〇狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 比嘉京子委員。

〇比嘉京子委員 今のお話ですが、皆さんの陳情の真ん中のところに、沖縄県が平成24年に意見書を可決した次ですが、その中に認定された17名だけではなくとあります。この17名とは、沖縄県の認定者だということになるのですか。どのように理解したらいい数字なのかと思います。沖縄県で認定された人が17名いらっしゃるということですか。

〇金武川政司参考人 17名というのは、沖縄県で特定失踪者と指定された17名です。拉致認定までできていないのです。拉致の疑いがある特定失踪者で、これがまた外れたら沖縄県の32名引いた17名になります。残りがまだ特定失踪にも認定されていませんので、活動しようと思ってもできないわけです。これがずるずるきまして、三、四十年近くになります。

〇比嘉京子委員 今、金武川参考人たちのお兄様はどの立場にいらっしゃるのですか。認定はされていないけれども、疑いが濃いという……。

〇金武川政司参考人 特定失踪には入っています。

〇比嘉京子委員 特定失踪者には入っているが、認定はされていない。

〇金武川政司参考人 拉致の認定はされていません。

〇比嘉京子委員 この32名と17名の中に、認定されている人が17名いるという理解でいいですか。

〇金武川政司参考人 はい。

〇狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」という者あり)

〇狩俣信子委員長 質疑なしと認めます。
 先ほど、金武川氏から、県議会議員はもっと勉強してほしい旨の発言がありました。あのような発言は控えていただきたいと思います。私たちは勉強したいために皆様をお呼びしておりますので、そこのあたりは御配慮をお願いいたします。
 金武川政司参考人。

〇金武川政司参考人 今の発言に対してですね。とにかく家族としてはいら立ちが先なのです。だから早目に動きたい気持ちと前に進まないという……。

〇狩俣信子委員長 それは十分わかりますが、発言にはお気をつけください。
 久志勝則補助者。

〇久志勝則補助者 照屋委員が言っているように補助者としては支援する形で、横田めぐみさんが有名ではないですか、全国で。先月も先々月も来ているのです。その人たちを支援して講演会をしたりしている人たちも実際いるのです。我々も直接まだ会ったことはないのですが。要するに横田めぐみさんたちがあのように行っているのではないですか。実はここには我々の家族もいるのですよと。別に強く言ってはいないのですが、やはりこういう人が実際に拉致されている人がいるので、あのぐらいの支援をして、声を上げてほしいのです。このようなこと言ったら失礼ですが、本当に横田めぐみさんたちのみが拉致被害者でいるような感じで、本当にもっと泣いている人たちがいっぱい我々の身近にいるので、県民挙げて一日も早く救出してほしいと思っています。

〇狩俣信子委員長 わかりました。
 以上で、金武川政司参考人に対する質疑を終結いたします。
 この際、参考人及び補助者各位に対し、委員会を代表して、一言お礼を申し上げます。
 本日はお忙しい中にもかかわらず、長時間にわたり貴重な御説明をいただき心から感謝いたします。
 本日拝聴いたしました内容等につきましては、今後の委員会審査に十分生かしてまいりたいと思います。
 金武川政司参考人及び補助者の久志勝則さん、大変ありがとうございました。
 休憩いたします。

   (休憩中に、参考人等退室)

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 以上で、本日の日程は全て終了いたしました。
 委員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 本日の委員会は、これをもって散会いたします。






沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。

 委 員 長  狩 俣 信 子