委員会記録・調査報告等

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文教厚生委員会記録
 
令和4年 第 1定例会閉会中

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開会の日時

年月日令和4年4月26日 曜日
開会午前 10 時 6
散会午後 3 時 24

場所


第4委員会室


議題


1 青少年について(里親委託・解除について)
2 参考人からの意見聴取について(沖縄県社会福祉審議会児童福祉専門分科会審査部会の審査について)


出席委員


委 員 長  末 松 文 信 君
委  員  小 渡 良太郎 君
委  員  新 垣 淑 豊 君
委  員  比 嘉 京 子 さん
委  員  瀬 長 美佐雄 君
委  員  玉 城 ノブ子 さん
委  員  喜友名 智 子 さん
委  員  上 原   章 君


欠席委員

石 原 朝 子 さん
照 屋 大 河 君
翁 長 雄 治 君


説明のため出席した者の職・氏名


青少年について(里親委託・解除について)
(説明員)
 子ども生活福祉部中央児童相談所長  都 倉   稔 君
 子ども生活福祉部コザ児童相談所長  大 城 順 次 君
 子ども生活福祉部コザ児童相談所班長 名 嘉 寛 之 君

参考人からの意見聴取について(沖縄県社会福祉審議会児童福祉専門分科会審査部会の審査について)
(参考人)
 沖縄県社会福祉審議会児童福祉専門分科会審査部会長
 渡 邊 浩 樹 君



○末松文信委員長 ただいまから、文教厚生委員会を開会いたします。
 本委員会所管事務調査事項青少年についてに係る里親の委託・解除について及び沖縄県社会福祉審議会児童福祉専門分科会審査部会の審査についてに係る参考人からの意見聴取についてを議題といたします。
 なお、ただいまの議題につきましては、去る3月23日に開催されました本委員会での決定に基づき、説明員として関係者の出席を求めるとともに、参考人を招致し、説明を求めるものであります。
 まず初めに、里親の委託・解除について、コザ児童相談所長の説明を求めます。
 大城順次コザ児童相談所長。

○大城順次コザ児童相談所長 よろしくお願いします。
 コザ児童相談所の職員体制だけ少しお話ししますと、職員数が定数で41名で、非常勤を入れると76名という状況となっております。
 児童相談所は子供に関する家庭、その他からの相談に応じて子供が有する問題、または子供の真のニーズ、子供の置かれた環境・状況等を的確に捉え、個々の問題や家庭に適切な援助を行い、もって子供の福祉を図るとともに、その権利を擁護する相談活動を主たる目的として設置されている行政機関となっております。
 以上であります。

○末松文信委員長 コザ児童相談所長の説明は終わりました。
 これより、里親の委託・解除についてに対する質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないよう簡潔にお願いいたします。 
 質疑はありませんか。
休憩いたします。

   (休憩中に、小渡委員から説明員に対し、先日設置された知事部局の調査委員会と本委員会における答弁内容に食い違いが生じることなく、整合性を取るよう要望があった。)

○末松文信委員長 再開いたします。
 コザ児童相談所の皆さんにおかれましては、今お話がありましたように、誠実にお答えいただきたいというふうに思います。
 質疑はありませんか。
 喜友名智子委員。

○喜友名智子委員 すみません、私もこの件は新聞報道や委員会で当局にお答えいただいた部分、それから、前回の参考人招致で陳情者から聞いた情報のみしか知らないというのが現状です。
 今、先ほどコザ児相の所長のお話ですと、職員の体制と児相の目的のみしかお話しいただいておりません。正直なところ、あの発言で何を審議しろというのかと。これだけの説明から始めるんですかという気持ちを抱えながら質問いたします。
 まず今回の件について、児相としてどのようなプロセスをもって、里親さんへの委託解除を行ったのか、その経緯からお聞かせください。

○大城順次コザ児童相談所長 ちょっと慣れてなくて申し訳ないです。
 個別のケースの詳細については、ちょっと内容は控えさせていただきたいと思います。
 本事案は、養育里親に委託した児童について、実親の同意が得られなくなり、様々な経緯により里親の下での養育が難しい状況が生じたことから、一時保護に至ったものです。

○喜友名智子委員 個別の案件については答えられないという御答弁でしたけれども、この委員会はその個別案件について児相の判断が正しいかどうか知事部局の判断が正しいかどうかを問うためにお越しいただいています。個別案件だから答えられないというのは、委員会に対して答えたくないと言っていることではないかと受け止めますけれども、今回この実親さんからの要望によって里親への委託解除が行われたということがあります。その際に、児相としてこれまでこの里親に対してどのような説明をし、そして委託解除になる前に当事者のお子さんと会話をしてきたのか、教えてください。

○大城順次コザ児童相談所長 個別の詳細の内容についてはやっぱり差し控えさせていただきたいのですが、親子再統合に向けてのその段階的な取組として、面会交流のための真実告知を始めるような働きかけというのを数年にわたり話し合ってきたところでございます。

○喜友名智子委員 ちょっとこの調子だと事実確認だけで多分2時間使って終わってしまうと思うんですよね。ちょっとどうしたらいいのか、情報がないままどうやって質疑をしたらいいのかと非常に難しい案件だと思っています。
 まず、今回のお子さん―里親委託解除をしたお子さんについて、まずこの里親に預けた経緯、児相のほうでどう把握しているのかお聞かせください。
 案件としては、生後2か月から5歳になるまで里親さんが預かっていたということは承知をしています。この2か月の乳児の時期から、この御夫妻が預かるまでの間に児相がどのような形で里親委託をするに至ったのか、どのような形でお願いをして夫妻が里親になったのか、どういう経緯があったんでしょうか。

○末松文信委員長 休憩いたします。

(休憩中に、コザ児童相談所長から質疑の内容について確認があった。)

○末松文信委員長 再開いたします。
 大城順次コザ児童相談所長。

○大城順次コザ児童相談所長 詳細な日付というのはちょっと細かいところになってしまうので控えたいのですが、平成28年の7月頃ですね、里親に一時保護委託をしまして、措置になったのが同じ同月の末頃という形になっております。
 そうですね。具体的な日付はちょっとあれなんですけど、里親さんのほうへは平成30年頃から、実親さんのほうは―もともと、すみません、そもそものところなんですけれども、実親さんとしてはあくまでも養育里親として児童相談所を介して、児童相談所の決定に基づいて里親委託措置をしたという状況です。養子縁組里親とかそういうものではないというのが前提になります、養育里親と。なので、後々には家庭復帰、親子の再統合ですね。家庭復帰引取りをするというのが前提というのが養育里親制度だというのはちょっと御承知した上でという話になります。で、平成30年になってより具体的にその里親さんのほうへ子供のほうの引取りに関するお話をしていただくような形になってきたということになっております。
 その後、そういうお話というのは実親さんのほうの気持ちというのは変わらない状況で、そういう中で交流を始めるに当たってはどうしても親の存在を伝えないといけないということになりますので、その都度里親さんと話をしました。事実告知の必要性も含めてお話をということは働きかけをしてきたというのがあります。それがトータル的に言うと複数回という形になるんですけれども、その辺のことがより具体的に動き出してきたのが令和3年の―そうですね、2月、3月、年度末あたりというような状況になっております。その中で、より具体的なところの話を実親さんのほうからもありましたので、特にこの令和3年度ですね、3年になってからは複数回里親さんのほうと告知のことも含めて、親子交流を進めるに当たっての話合いというのを何度かやってきているという状況ですね。
 そういう中で12月に入ってなかなかそのお話が進まないということも含めて実親さんのほうから里親委託の同意の撤回という意思表示がされて、それで、そうですね、その後いろんな経緯はあるんですけれども、当初は12月の半ば過ぎくらいの、半ばくらいまでの期限でちょっと同意を撤回しますよというような話をする中で、いろんな経緯があって、実際的には1月4日の一時保護という形になって、その後はもう行政的な手続できまして1月5日、委託措置の解除という形を取っていると。
 その間に新聞等での報道もされていますけれども、12月28日にですね、提訴という形が、里親さんのほうからの提訴ということが取られたというのがあって、そのときに明らかにその、そこまでそれがあるまではある程度もう一時保護についての了解を里親さんのほうから了解を得られる状態できていたという形で認識していたんですけれども、この提訴という形を取って報道がなされた時点で、これはちょっともう意向が一致しないなという状況になってきたというのもあって、社会福祉審議会の児童福祉部会の審査会への報告というような―必要になってきたという状況になっています。
 ただ、28日に提訴をされているんですけれども、その時点で訴状というのは県のほうに届いていなかったので、詳しい本当に中身を確定するような形で確認できたのは年が明けてからになってという状況になっております。
 以上です。

○喜友名智子委員 時系列で追うだけでも整理するのがちょっと難しいなと思っているんですけれども、この12月28日に提訴があって訴状を見たのが年明けでしたというお話でした。この生後2か月から預かってきた里親が提訴をするというまでに様々な思いがあったと思うんですね。里親が預かっている期間、児相がどのようなサポートをこの5年ほどやってきたのか、それから令和3年2月、3月から実親さんのほうから里親の委託解除の要望が具体化して動き出したという時点から12月に入って提訴されるまでの間、なぜ提訴に至ったのかということを児相はどのように今理解しているんでしょうか。
 まず、生後2か月から5歳までの間に児童相談所が里親さんに対してどのような支援、相談をしてきたのかからお聞かせください。

○大城順次コザ児童相談所長 一時保護委託を里親さんのほうにこちらがしてから、率直に申し上げると家庭訪問とかもちろんする必要が―委託当初などは特に細かめに必要になるんですけれども、結論から言うと児童相談所の家庭訪問自体はもう3回くらいしかできていなかったというのがあります。
 ただ、国のほうの通知の中でもそうなんですけれども、児童相談所だけではどうしてもこの定期的な訪問とかをやっていくというのはなかなか厳しいというのがありますので、各施設に配置されている―お世話になっている里親さんの近くの施設のほうの里親支援専門員さんというのがいますので、そこら辺からのアプローチですね。電話をかけたりとか、そういうことは実施はしておりました。
 ただ、率直に申し上げてそこが十分であったかという分に関しては、なかなかそこを十分にやってあげられなかったんじゃないかなというのは率直にそれはあるかと思います。

○喜友名智子委員 生後2か月から5歳までの間に、大体家庭訪問が3回ほどしかできなかったと。この間、預かっていただいているこのお子さんが医療的な特性があるということは児相としてはどのような形で里親さんへの負担、それから実親さんとの家庭復帰が前提となっている中でどういうふうに家庭統合していけばいいのか、どのような見通しを持ってこの間接していたのでしょうか。

○大城順次コザ児童相談所長 子供の養育状況については、養育状況報告というのを各里親さんは1年に1回報告することになっているので、そういうものを出していただく中で養育の状況であったり本人の子供の状況というのは確認はしておりました。

○喜友名智子委員 沖縄県が出している社会的養育推進計画というものを見ますと、里親の支援に関してはこころサポート事業という枠組みの中で支援をしていると理解しています。
 この御夫妻、里親に関してはこのこころサポート事業でどのような支援体制だったんでしょうか。

○大城順次コザ児童相談所長 こころサポート事業のほうの利用については、この里親さんのほうはなかったという状況です。ただ、管轄している施設のほうに配置されている里親支援専門員さんとのその電話でのやり取りとか、そういうサポートというのはありました。

○喜友名智子委員 では、このような里親さんからの年に1回の報告や電話での相談ということで、お子さんの様子を把握していたと、一応は。
 このお子さんの状況について、実親のほうにはどういうふうな形で報告をしたり、家庭復帰に向けた働きかけ、現状把握をしていたんでしょうか。

○大城順次コザ児童相談所長 ちょっとやはり個別の案件なので詳細をがっとしゃべるわけにもなかなかいかないんですが、ただ、養育状況報告を受ける中で、あるいはその電話等での相談についても相談員さんからまた児童相談所にも情報が来たりしますので、元気で生活はしていますよというようなことは伝えたり、あるいは写真等ですね、子供の様子を写真に写したその写真を親御さんのほうに送ったりというような対応はしておりました。

○喜友名智子委員 実親への連絡事項がその個別情報に当たると言われると、じゃあ児相としては実親さんの状況をどのように把握していたのかというところが、やはりよく分からないと言わざるを得ないんですね。
 今回の件については、恐らく里親さんが提訴にまで至ったと、年末に提訴にまで至ったというのは、この子供が里親委託解除された後の生活がどうなるのか分からないという不安があったからこそ、提訴にまで至ってしまったという状況があるのではないかと私は受け止めています。
 その提訴について児相のほうがどういうふうに考えておられるのかは分からないんですけれども、やはりこういったコミュニケーションの不足が今回の事態を招いたいうことには、今どのようなお考えを持っておられますか。

○大城順次コザ児童相談所長 先ほど、そのコミュニケーションの部分に関しては、特に直接のコミュニケーションという部分では特にその小っちゃい頃ですね、最初のあたりとか、そういうあたりというのは少なかったというものですけれども、ただ、その都度その都度、交流の意思を示しているということはお伝えしつつ、こちらも里親さんのほうとはお話はしてきたつもりではあります。
 ただ、そうですね、特に令和3年になってからは非常に具体的になってきていたので―実親さんのほうのお話がですね。令和3年になってからは結構頻繁なやり取りがですね、訪問もあるんですけど、中央児童相談所さんでお話をしたりとか、そういう機会というのは設けてきてはいました。そういう中で御理解が得られたような感じもあったりするときもあったんですね。
 ただ、結果的に提訴という形になっておりますので、十分だったかと言われると、そこは率直に言うと、なるべくそういう状況というのはもちろんこちらも避けたかったというか、そうならないのが本来だと思っていますので、そこの部分に関してはなかなかやっぱりもっと突っ込んだコミュニケーションというんですかね、やる必要性があったのかなと。
 ただ、率直に申し上げますと、もっと早い段階で―言葉がちょっと表現しにくいんですけれども、膝詰めというんですかね、粘り強いお話をですね、里親さんのほうとするということは、もう今となってはたらればなところはどうしてもあるんですけれども、もうちょっと早い段階で本当にいわゆる二、三歳くらい、絵本が見られるくらいとか、その辺りで考えてもよかったのかなというのは正直、私はそういうふうに思うところはあります。

○喜友名智子委員 はい、分かりました。
 児童相談所は里親さんとの関係に関しては、厚労省でもガイドラインが出ているフォスタリング機関という役割も期待されているわけですよね。
 恐らくその冒頭にお話しいただいた職員体制ですとフォスタリング機関に至るまで、まだ職員の数が十分ではないのではないのかということも想像しています。
 今回のケースは今後児童相談所がフォスタリング機関を管理する、あるいは民間に委託するにしても最終的にはやはり児相の責任になってきますので、このケースについては本当に児相がフォスタリング機関としてどうやって機能強化していくのかということを考えるに当たっての本当に重要なケースだと思っています。
 ちょっと時間も限られていますのでもう質問をやめますけれども、個別ケースだからといって事実確認にすらこれだけの時間を要するということは、やはり児相が一時保護をするとき、第三者の目をどうやって入れて適正な措置をしているのかというところが外部からは見えないんですね。
 その問題の重要性というか深刻性を指摘しまして、私のほうからは質疑を終えます。
 ありがとうございました。

○末松文信委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、委員長から説明員に対してもう少し明確に答弁するよう指示があった。)

○末松文信委員長 再開いたします。
 大城順次コザ児童相談所長。

○大城順次コザ児童相談所長 そうですね、やはり児童福祉法上の中でこちらが相談援助をした内容というのは、正当な理由がなくこのお話をするというのは難しいというのが児童福祉法上の中にもあるということと、もう1つは公務員としての守秘義務と個人のプライバシー、個人情報に関する守秘義務というのがやっぱりあって、どうしても慎重にならざるを得ないというところは、すみません、御理解いただけたらなというふうに思います。

○末松文信委員長 ほかに質疑はありませんか。
 小渡良太郎委員。

○小渡良太郎委員 質疑の前に簡潔に、時間も限られていますので。
 別に何も問題がない、波風も立っていない状況で個人情報も含めて根掘り葉掘り委員会で確認をするというつもりはさらさらなくてですね、問題が発生して、その問題を―対応が適切だったのか、何で問題が発生をしたのか、この問題はどういうふうな再発防止も含めてですね、どういうふうな課題等があるのかというためにこの場が開かれているわけでありますので、慎重な答弁は慎重な答弁でいいと思います。
 でも、答えないんであれば答えない理由をちゃんと説明をしてくれよという話ですので、ぜひそのところ御理解いただいて、少し確認をさせていただきたいと思います。
 里親委託に至った経緯の部分、ちょっと曖昧だったんですが御答弁いただいたんですけれども、まず委託解除による影響の部分でですね、委託されていた子供へのこのケアとかっていうのはどの程度、どのような形でどういうふうにやられているのか確認させてください。
 というのも一時保護がずっと続いていますよね。従来だったら一時保護は一時なので一時保護の期間とかの妥当性、適切なのかという部分も含めてどういうふうなケアが行われているかっていうのと、現状を児相としてどのように認識をして今こういう形になっているのか、お答えください。

○大城順次コザ児童相談所長 そうですね、一時保護所のほうのその形態も含めてなんですけど、児童相談所には心理司、また児童福祉司、一時保護所においては児童指導員であったり、一時保護所のほうでもまた心理を担当する職員、どうしても個別の対応が必要な子供に対しては個別の対応をする職員。あとは嘱託員もいますので、子供の状況というのはその一時保護所の生活の中であらゆる状況が出てきたりしますので、その行動自体はまた、心理児童指導員が24時間必ず複数名いますので、その子を見ていく中で何か心配なことがあれば先ほど来言った専門職のほうでサポートをしながら子供の状況を把握、また今後の支援につなげるような対応をしていくという状況になっております。
 長期になっているという部分に関しては、委員がおっしゃるように通常ですと2か月間という期間が通常の期間であるというのはありますけれども、この辺についても子供の様子を見ながら、また様々な今後の支援を検討する中でどうしても2か月では支援が定まらないという場合には、親の、親権者ですね、親権者の同意を得ればさらに2か月延長が可能というところはありますので、そういう中で延長はしています。
 ただ、詳細を話すのはなかなか難しいのですけど、長引いていることもありますので、より適切な環境を整えて一時保護を継続しているという状況となっております。

○小渡良太郎委員 もう1回聞きます。
 別にケアの中身は確認をしていません。児相として適切だと考えているのか、この一時保護の期間を含めた部分も含めてですね。適切だと考えているのか、ケアを適切に行えていると判断をしているのかっていうところなので、もう一度お願いします。

○大城順次コザ児童相談所長 ケアについては、先ほど来言っているスタッフがきちっと職責を果たす中で―含めて適切にその一時保護をしているというふうに考えております。
 一時保護期間については2か月を確かに超えないようにっていうのはあるんですけれども、なかなか整わない部分っていうのがどうしてもありまして、それについてはまた継続して調査を含めてやっているというのが現状になるかと思います。

○小渡良太郎委員 児相としては2か月を超えている部分については適切ではないという基本的な考え方っていうことでいいか。

○大城順次コザ児童相談所長 そうですね、状況によってはどうしても2か月を超えるっていうことはあり得ると、あっていいとは申し上げないんですが、そういうこともあり得るというような状況というふうに思っております。

○小渡良太郎委員 厚労省のガイドラインの中でですね、委託解除の部分をちょっと今、(9)の里親のところでの委託解除っていうところで、やむ得ない場合は委託解除を検討する、里親支援で解決が見込めず委託継続が適切でないと判断される場合等で判断をしてやる、という形があります。
 委託解除を行う場合には子供への必要な支援をしっかりやるとともに、里親に対しても丁寧なケアを行っていく等々がガイドラインには書かれているんですが、基本的には里親優先っていう原則があって、できるだけ委託継続を図ることができるように児相として支援を行っていくというような旨のガイドラインになっていると、何度見返してもそうとしか取られないように書かれているんですが、里親は委託をして、解除をして、今離れているという状況だと思うんですけれども、この委託継続に関する支援とかっていうのはどういうふうに行われていたのか。

○大城順次コザ児童相談所長 先ほどの喜友名委員のときにお話しした内容とどうしてもちょっと重複する形になるんですけれども、本来でしたらもちろん児童相談所の訪問であったり、相談支援専門員の訪問であったり、電話対応であったりというのは必要です。ただ、繰り返しになりますけれども、児相のほうの訪問自体はどうしても少ないという状況があったので、それをフォローする形での施設のほうの支援員さんとのコミュニケーションというのはある程度取られていたかなと思うんですけれども、十分であったかというの部分に関しては率直に申し上げてなかなかそうはいかなかったんじゃないかというふうに考えております。

○小渡良太郎委員 私もさっきの答弁を聞いていたんですけれども、不十分だったと。その後委託解除に至るわけなんですけれども、経緯等はいろいろと先ほど聞きました。
 この解除の理由、個別案件になるので個別的なものは言えるとこ言えないとこがあるとは思うんですけれども、一般的に委託解除をする場合、どういう状況があるから、どういう状況が発生しているからとか、またはいろいろ一定ラインを越えるから委託解除という形になると思うんですけれども、この委託解除理由とか根拠、一般的な部分でいいので教えてください。

○大城順次コザ児童相談所長 一般的には解除する場合っていうのは、親子の再統合を図る中で家庭のほうでの受入れ環境も整ったという場合があります。これは、ある意味うまくいった場合ということになるんですけれども。
 あとは、どうしても里親さん世帯では生活がどうしても安定しないような状況が出てきたときにですね、不調というような言い方をすることが多いんですけれども、そういうことが生じた場合っていうのはやっぱり、そこでその里親さんのほうでの委託を継続すること自体がこれはもう子供にとってもちょっと困難な状況になるということで、そういう場合の―すぐ解除というわけではないですけれども、一旦一時保護して子供の様子であったり、あるいは里親さん世帯の生活状況であったり、元の親のほうの意見も聞きながら処遇を再検討すると、支援を再検討するというような形を取った上で、親御さんのほうの家庭の状況が整っているんであれば家庭復帰させるということもありますし、なかなか里親さん世帯での処遇に子供自体が向かないような―非常に発達特性が強いとかですね、そういうような場合だと施設のほうが社会的養護の中での児童福祉施設のほうがそういうスタッフ職がいますので心理職も含めてですね、そういうところへの措置変更というのも支援を検討する中でですね、出てきたりすることはあります。
 ざっくりですけど、申し上げます。

○小渡良太郎委員 答弁を聞いていると、この家庭復帰か、もしくは里親の不調かという理由で解除することがあり得るという答弁の内容だったと思うんですが、今回の事案について別に個別具体的なものではなくてもいいので、どちら―まあ複合的な部分もあるとは思うんですけれども、どちらがメインだったのか。

○大城順次コザ児童相談所長 今回のケースの場合っていうのは、どちらというふうな状況でいくとちょっと難しいんですけれども、まずは先ほど来ちょっと経過の中でもお話ししたんですが、親権者の同意の撤回という部分が一番その端緒になっている部分があります。
 その同意がない中での委託というのは継続ができませんので、そういう中での一時保護をして支援を検討するという状況になっているということになります。

○小渡良太郎委員 あと、今の答弁の中で一般的にはすぐ里親解除をするわけでなく一旦一時保護をして、いろいろ調整をしてそれでもやむ得ない場合とかっていう形で解除という説明があったと思うんですが、今回逆になっています。

○大城順次コザ児童相談所長 一般的に言いますと、いわゆる親権者のほうの引取りができるような家庭状況、交流の整った状況であれば、措置自体は継続している中での引取りになりますので、ある意味円満な解除という形になりますけれども、先ほど一般的な話で言った不調というような形になった場合っていうのは、親権者の同意は継続―撤回されていない形になります。
 親権の同意は取れているような形で、ただ里親さんでの不調というのがあって、そのまま里親さんのほうでの生活を継続するのはちょっとどうなのかというときには、その支援を検討するという意味で一時保護してという形になりますので、今回の場合とはちょっと、今回の場合のパターンというのは今、一般的な私が話している部分とちょっと異なる部分もあるかと思います。

○小渡良太郎委員 何で一般的な対応と今回は異なったと考えていますか。 児相として何で異なる対応をしたのか、理由を教えてください。

○大城順次コザ児童相談所長 繰り返しになるんですけれども、様々な経緯がある中で話合いをいろいろする中でも、親子交流が進んでいかない状況がある中で、最終的にその12月に入って親権者の方が同意を撤回したというのが一番のポイントになる部分かとは思います。

○小渡良太郎委員 撤回があった場合には、それが最優先されるんですか。

○大城順次コザ児童相談所長 そうですね、これは法律の根幹の部分であるんですけれども、やっぱり親の同意を得て措置をするというのが―これは里親さんだけじゃなくてほかの児童養護施設、あるいは児童自立支援施設もそうなんですけれども、これが前提条件にある意味なりますので、それが撤回される、同意しないですというふうになると措置の継続自体ができなくなるんだというのは、御理解いただけたらなというふうに思います。

○小渡良太郎委員 同意が撤回された、だから家庭に復帰という―要は子供の目線で考えたらですね、法律的なものとかいろんな部分があります。でも、このたらい回しにされているかのような印象を受けるんですよ、今回の事案を見ているとですね。例えば里親の委託解除に至る前にですね、子供をどういう形で引き受けていくのか。
 例えば家庭復帰がもうある程度児相の中でもできるという判断がなされた上で委託を解除して、やるとかっていうんだったら子供の移行もスムーズになりますので、それは理解できますと。
 同意の撤回があったから里親の解除に至りましたっていうようなニュアンスの話に今なっていると思うんですが、今子供は一時保護がずっと継続しているわけですよね。だからこの実親さん―まあ、個別具体的には踏み込めない部分もあるんですけれども、同意は撤回しました。でも、この引き取らないって言っているのか、引き取れない状況にあると児相が今判断しているのかっていうのは、分かりません。
 でも、この子供は一時保護がずっと継続されていて、それもあんまり適切な状況ではないと児相が判断しているような答弁をいただいているんですけれども、なんかこうやっていることが全然ちぐはぐでですね、この子供の幸せとか、子供の健全な養育とかっていう部分に全く軸足を置いていない。大人の中でいろいろ、この理由をつけてですね、結果子供が一番犠牲になっているとしか捉えられない、幾ら話を聞いてもですね。と、思うんですけれども私は。児相はどう思うか。さっきも何度かそれは適切だと考えていますか、児相としてどう思いますかという質疑をさせていただいていると思います。この、今の現実に対してですね、この児相がまずどういうふうに捉えてどういうふうに考えているのかというところを率直に聞かせてください。

○大城順次コザ児童相談所長 そうですね、家庭復帰が最初にありきで一時保護をするというのは、いい状況では確かに―そういう状況では今はないんですね。
 やっぱり、引き取れるような状況が整わないのであれば、一時保護はもちろん提案をした上で一時保護を継続するというのは、その後支援、処遇を検討するという意味でどうしても必要になりますので、一時保護をせずに―その辺の家庭の調査だったり、親の意向であったりっていうのをせずに、引き取らせるっていうわけにはいかないので、そういう意味でも一般的にその一時保護というのはどうしても間に挟んでくる、入ってくるっていうのはあります。
 必要なその支援をより丁寧に慎重にもうどうしても検討しないといけないっていう状況の―これはどのケースもそうなんですけれどもありますので、今現状としては、もう私どもとしてはこの子の支援を考えるために必要なその一時保護というのをやって継続しているんだというふうに考えております。
 
○小渡良太郎委員 調査とかっていうのは事前にできるんですよ、行動を起こす前に。里親の解除を行う前にもできる。一時保護が長引いている理由に調査がなかなか進まないとかっていう話をしているんですけれども、だから適切だと考えていますかと、この児相が考えるこの子の保護についてですね、今の話だったら3つ出てきました。
 里親に委託をしてそこで養育をするっていうこと。家庭復帰をするっていうこと。児相が保護をするっていうこと。
 結果だけで見たら児相が保護をする―一時的なもの云々は抜きにしてですね、児相が保護をするっていう現状がその子にとって今時点で一番適切だと判断をしているという言い方にも聞こえるんですよ。
 適切かどうかを聞いているのに、やむを得ない、まだ調査も進んでいないからやむ得ないとかっていう話を総合するとですね、だから一時保護の状況が続くことが適切なんですかと。もう1回答えてください。イエスかノーなんで。適切でないって言うんだったらないでいいし、適切だとこの3つの選択肢だとやむを得ず、これが一番―最善はないかもしれないけど次善の方法だと言うんだったらそれをそのまま答弁していただければ結構です。

○大城順次コザ児童相談所長 なかなか委員の質問に答えるかっていうのは非常にあるんですけれども、長引いている状況ではあるんですけれども、より適切な環境を整えて一時保護を継続しているというふうには思っております。なので、今取り得る策としては次善の策ということになるのか、その辺はちょっと表現がしにくいんですけれども必要な保護を取っているというふうには思っております。

○小渡良太郎委員 もう長いんです。手短にしますけど、行政が意思決定をして行動に起こすと、それはどういう結果になるかも含めて全部いろいろ検討した上でアクションって起こしていくと思います。
 だから、この今の状況が適切ではないと言うんだったら適切でない―何で適切じゃなかったのかっていうのをしっかり考えていかないと同じミスを犯すってことになるわけですよ。だからこの、ちゃんと根拠を持って―子供のためを思ったのか何なのかは分からないですけど、行動を起こしたっていうんだったら自信を持って今の状況が最適だと判断した、最適ではないかもしれないけど今の状態が一番いいと判断したからこうやったんですと、胸を張って言えないんだったら最初からやるなって話なんですよ。ちゃんとやるべきことを事前に調査もできたはず、もう過ぎた話ですからあんまりここを追求してもしようがないなと思うんですけれども、しっかり誰のために、誰を中心に見てそういった行動を取ったのかというところも、この委員会が開かれている意義の大きな一つになっているわけなんですよ。
 児童相談所って子供を守るための機関じゃないのっていうところも、報道でもそうだし、我々もそうだし、改めてこの問題を通じて問うているわけです。今までのやり方に何か適切でないと、不適切まではいかないけど適切ではない部分があるっていうんだったら、それはそれでしっかり認めて、次こういうことが起きないように改善の努力をするということも必要だと思います。認めないと前に進めないから。
 でも、答弁を聞いていたら別にそういうのはなかったかのような、何度か問うているんですけれども、特に不備はなかった、これが最善とは言えないけど次善の方法だったと。それを児相が考えるのであれば、私はこれ以上質疑はしませんが。なぜこういう形で問題になっているのか、提訴まで至っているのか委員会が開かれて集中審議が行われているのかというところを、僕ら何も問題ないと皆さんと同じように思っているんだったらやらないですよ、一々。なので、しっかりそこの部分をいま一度見直してですね、私の聞き方が不十分だったのでなかなか答弁もしづらかったかもしれないんですけれども、ぜひこれからも質疑が続くと思いますので、しっかりと答弁いただければと思います。
 私自身は適切であったとはとても言えないやり方なのかなと感じております。
 終わります。

○末松文信委員長 ほかに質疑はありませんか。
 玉城ノブ子委員。

○玉城ノブ子委員 この間のやり取りもずっと聞いておりまして、里親の会の皆さん方からのお話も聞かせていただいたんですけれども、私、先ほどから話は出ております一番やっぱり何を大事にしていかなくちゃいけないのかということになると、やっぱり子供ですよね。
 この子供がこのような状況になってこの子供の本当に最善の利益がね、守られるようなそういう状況になっているのかどうかというふうになったときに、私はやっぱり児童相談所のこの間の対応がどうであったのかということがやっぱり問われなくちゃならないんじゃないかというふうに思うんです。この間里親の元から子供を引き離すというふうな状況になったときに皆さん方が本当に十分に里親の方ともちゃんとした話合いができていたのかどうかと、しっかりとした交流ができていたのかどうかという点からいっても、私はこれは本当に十分なそういう話合いはできてなかったんじゃないかと。
 子供も含めて最善の利益がどうであったのかということを考えたときに皆さん方のこの間の対応は本当にこれで良かったというふうに皆さん方はお考えですか。

○大城順次コザ児童相談所長 繰り返しになるんですけれども、特に象徴的に言われる家庭訪問だとかそういう部分を含めて、なかなかその対応が行き届かなかった部分はあったかとは思います。
 ただ、少なくとも令和3年、令和2年末からのやり取りの中では、これまでよりはやり取りというのは非常にやりつつで、ただ、結論は12月のあの状態にはなっているという部分はあるんですけれども、その間、少なくとも令和3年に入ってからは、やっぱりより丁寧に対応はしてきているんじゃないかとは思います。ただ、結論がこういう状況になっているというのはあるんですけれども、はい。

○玉城ノブ子委員 ちょっと皆さん方のそういう答弁だけでは理解できないというのかね。今さっきも話は出ておりましたけれども、子供がずっとね、この間ずっと児童相談所に一時保護というふうなそういう状況のまま、この子供の状況がどうなっているかということを考えたときに2か月から5歳までずっと愛情を持ってね、里親の元で育てられた子供が突然に引き離されて、それがもう何か月もこの状況のまま引き離されるこの事態の中でも子供は泣いているわけですよね。残りたいという思いがやっぱりあったわけですよ、子供の中にも。
 それがこの状況のままずっとね、児童相談所はこの引き取るというふうな状況になっているということそのものがね、本当にこの子供の最善の利益になっているのかどうかと考えたときに、私はちょっと子供のこのような状況をそのまま放置していいのかというふうに思って、そのことが大変懸念されるんですけれども、皆様としてはこういう状況そのままずっと続けていくのですか。具体的にどのように解決していこうとしているのか、ちょっとそこら辺見えてこないんですけれど、全然。

○大城順次コザ児童相談所長 一時保護の状況については、各委員に説明したとおりで、この子のその状況をきちっとケアできる体制は整えながらでなんですけれども、長引いているということも含めてその適切な環境っていうのを十分考えながら保護を継続しているというふうなことはお話はできるかと思います。
 最終的な着地点というか方向性については、まだその様々な状況がある中なのでなかなかそこを確定的にというお話をするというのはなかなか難しい状況となっております。
 以上です。

○玉城ノブ子委員 皆さん方のお話を聞いててもですね、あーなるほどなということでちょっと納得できるお話ではないんですよね。そこら辺やっぱりみんながこういう事態になっている中でね、皆さんがこれまで本当に里親の方、子供のことを考えたときに本当に最善の方法がどういうことだったのかということ、皆さん方も再度ちゃんと点検をして総括をして今後やっぱりどういう対応が一番いいのかということをですね、皆さん方本当に専門家も含めて真剣にそこら辺議論をして本当に子供の最善の利益を守るために皆さん方が次にやっぱりやらないといけない、やるべきことは何なのかということをもっと真剣に議論して考えていく必要があるんじゃないかというふうに思うんです。
 今のお話を聞いただけでは全然ちょっと納得できない。

○末松文信委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、委員長から説明員に対し、今後の質疑をスムーズに行うためにも子供の現在の状況を説明をするよう要望があった。これに対し、説明員から地方公務員法や児童福祉法の規定及び本委員会が公開であることから答弁内容が限られるとの説明があった。)

○末松文信委員長 再開いたします。
 大城順次コザ児童相談所長。

○大城順次コザ児童相談所長 これも喜友名委員のときにお話ししましたかね、子供自体はそれなりに生活をしています。今のところ元気にというか、生活を送っているっていうところです。すみません、そこぐらいまでなんですけど。

○玉城ノブ子委員 やっぱりそこら辺はですね、先ほどから何度もみんな話をしておりますけれども、一番心配なのはやっぱり一番最善の利益を受けるべき子供がね、具体的に今度のことを通じて、本当に辛い厳しい状況に置かれているのではないかというふうに誰もが想像するわけですよ、やっぱり。
 だからそこら辺はみんなが納得できるように皆さん方には説明責任が私はあるというふうに思いますので、どういういろんな規定があって、それが何かできないというふうなことになるとですね、この規定そのものがやっぱり問題になってくるんじゃないかなというふうに思うんですね。だって、もう本当にみんながやっぱり心配しているのはこういう状況の中で、今言っている子供の人権や尊厳、それが本当に守られるようなね、そういう状況にあるのかどうかということが一番やっぱりみんな心配であるわけですよ。具体的にそういうことがみんなが納得できるようなね、説明責任が皆さん方にはあるだろうというふうに私は思っています。
 そういうことで、もう、ちょっと厳しい質問をしているんですよね。

○大城順次コザ児童相談所長 大変申し訳ないんですけれども、本当にこの点に関しては具体的な状況ともどうしても絡んできてしまう部分がありまして―ただ、より適切な環境を整えてっていうことと、言われているように子供の最善の利益というか、子供の安定を図るというような観点で支援をしているっていうのはお話しできるかと思います。
 以上です。

○末松文信委員長 ほかに質疑はありませんか。
 上原章委員。

○上原章委員 はい、お願いします。
 今回の事案というか里親委託措置解除に関する経緯というのは事前にちょっと資料をいただいているんですけれども、今回の里親委託の解除について生みの親御さんから正式に児相に相談があったのはいつですか。

○大城順次コザ児童相談所長 詳細を省くと、経緯というのはなかなか具体的にお話しするというのは難しいんですけれども、ただ、とにかくその同意の撤回というのが12月に入ってあったというのが、一番大きなポイントになってくるというところではあります。

○上原章委員 この同意撤回をするということを里親さんにお伝えしたのはいつですか、最初に。それも言えないんですか。

○大城順次コザ児童相談所長 そうですね、なかなかやはりちょっと、細かい個別のところっていうのは話すのが難しいんですけれども、実親さん自体は保育交流を求めていたというのは、ずっとある状況なんですね。
 これはもう先ほど来お話しした平成30年頃から特に具体的な形になっていますけれども。そうですね、ちょっとその辺というのはなかなか具体的なところは話すの難しいんですけれども、ただやはり12月になって撤回があったというのが1つのポイントになっているというのはありますというところですね。

○上原章委員 先ほどから質疑があった令和3年の2月から3月頃、皆さんが里親さんとのやり取り、訪問でいろいろやっていたっていう中身は、先ほどどういう説明でしたか。去年の2月か3月頃からいろいろそういう―これは親子交流をしたいということを言ってたのか、それとも真実告知を進めてほしいとか、そういう里親さんとのやり取りだったんですか。

○大城順次コザ児童相談所長 やっぱり具体的なところは難しいんですけれども、ただ、親子の再統合に向けた段階的な取組の中で、どうしてもそのいわゆる真実告知も含めて交流ということを具体化していくという流れの中でのお話をずっとしてきているということにはなります。

○上原章委員 その間、約1年近くいろんなやり取りを―これはまあ、あまり経緯を述べることはできないと、ただおおむねそういう真実告知とか親子間交流、いろんなことが養育里親の場合は必要なんだってこと、そういうやり取りがあったと思うんですけれども。私あまりにも去年の12月12日に委託解除、同意撤回を示し、そして、翌日皆さんは1日でその措置を解除する方針を決定すると、そして、それに対して28日に提訴と。あまりにも児相と里親さんとの意思の疎通がここまで対峙してしまう―これは私は去年からいろんなやり取りがあったと、漠然としか説明が聞けないんですけれども、それでもあまりにもこの正月明けにすぐ一時保護に行動を起こされたっていうのが、私はもう先ほど来多くの委員が子供の側に立った処置になっていない、これは誰が聞いても見てもそう感じぜざるを得ないんですけどね。
 何でそこまで引き離すような形でしかできなかったのか、この期限があるんですか。私はもう少ししっかりした、児相と里親さんとのしっかりとしたコミュニケーションを取っておかないとですね、こういうことは起こり得ることも想定されるのかなと。何でもう少し時間をおいてしっかりしたコミュニケーションをつくれなかったのか。これは何か、法的にそういった期限があるんですか。

○大城順次コザ児童相談所長 法的な期限ということではなくて、やはり同意の撤回という部分がどうしても起点になってくるという部分があります。
 ただ、先ほど来もお話ししているんですけれども、これまでの間に里親さん宅への訪問がちょっとどうしても少なかったり、十分な協力関係が築けなくてこのような事態になったということについては、児童相談所としても先ほど来お話ししていますけれど、率直にその辺は反省しつつですね、それを踏まえながら今後の児童相談所業務に生かしていきたいというふうには考えております。

○上原章委員 今あの、養育里親、沖縄県の中で何件あるんですか。

○大城順次コザ児童相談所長 トータルでいきますと、令和元年になりますけれども285世帯ということになっております。

○上原章委員 この中で年間どのくらいの家庭復帰が行われていますか。1年におおよそそういう数字があれば。

○大城順次コザ児童相談所長 この数字は令和3年度の児童相談所業務概要のほうから拾っておりますけれども、実績としては令和2年度ということになります。
 中央児童相談所管内で4件、コザ児童相談所管内で3件、計7件が家庭復帰しているという状況になっています。

○上原章委員 その中で、こういった今回の事案のように里親さんが御納得しないケースっていうのは結構あるんですか。

○名嘉寛之コザ児童相談所班長 家庭復帰する児童についてはこれまで里親の方がいろんな思いを込めて養育してくださったお子さんたち。またそれを踏まえて家庭復帰をするに当たっては、やはりいろんな思いをして送り出していくというところの中で児童相談所のほうは実親と、それから児童との親子交流をというのを図りながらですね、その経過を里親の方にもお伝えしながら気持ちを里子の、児童の家庭復帰に向けて一緒に取り組んでいくっていう姿勢の中でですね、家庭復帰を果たしていくというところの中で、もちろんいろんな思いを抱えながら里親の方もそれを送ってくださっているというふうに考えております。

○末松文信委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、上原委員から説明員に対し明確に答弁するよう要望があった。)

○末松文信委員長 再開いたします。
 名嘉寛之コザ児童相談所班長。

○名嘉寛之コザ児童相談所班長 現場の感覚としては、納得しながら送り出してくださってるというふうに考えております。

○上原章委員 今回の事案っていうのが、本当に相当、私はこういう提訴までなってしまったというのは本当に残念で仕方がないです。今の100日も超える一時保護というケースというのがまれなのかなと思うんですが、まずそこを教えてください。めったにないケースですか。

○大城順次コザ児童相談所長 そうですね、やはり2か月を超えないようにというのは確かにありつつなんですけれども、どうしてもその状況によっては100日を超えるっていうケースはたくさんあるっていうわけではないですけれども、散見されるっていう状況はあります。

○上原章委員 児相の仕事、本当に大事なお仕事なんで、子供さんをどう守るのかっていうのがまず原点なんですけどね、今回こういう形で親御さん、そして里親さん、子供さんも含めて、あまりにも去年のこの12月から今年にかけてですね、本当に何でこういう事態、ある意味では異常事態かなと私は思うんですけど、もう少し丁寧に丁寧にしっかりとしたコミュニケーションがつくれなかったのかなと。
 この参考人招致の中で、この生後2か月から5歳まで育てる中で、少し発達障害のそういった状況でなかなか真実告知も難しくて子供のためにそういった医師の診断も受けながらですね、大事に育てていってるというのは私たちも感じたんですけどね。そこを皆さんはどういうふうに受け止めていたのか、ちょっとお聞かせ願えませんか。全くそのことは解除する方針を決定する中で議論はなかったんでしょうか。

○大城順次コザ児童相談所長 子供の―どうしてもやっぱり個別な詳細な部分というのは、内容というのは、控えさせていただくことになるんですけれども、児童の援助に当たっては一人一人の児童の状況に応じまして適切な支援を確保するなど、丁寧なケアというのが必要となるというのは私どもも、それを一番に考えております。
医師の診断とはそれぞれ尊重されるべきものというところはあるかと思うんですけれども、児童相談所の援助方針等、医学的な所見に加えて、社会調査、心理診断、心理評価ですね、そういうものも総合的に評価する中で、私どもとしては支援を決定していくというふうに考えております。

○上原章委員 家庭復帰の適否を判断するためのチェックリストっていうのがありますよね、これ私20項目あるんですけど、今回本当にそういう方針を決めるときに今このお子さんがね、真実告知もされていない状況で一時保護で引き離すっていうのは本当に適切だったのか。
 これは皆さん、そのチェックリストをする中で今回の処置は問題ないということを判断して行動を起こしたのかなと思うんですけど、私は今ここまで100日も超える一時保護で、それでも方針が決まらないということを考えると、もうこの状況を、復帰するための環境がまだ整ってない、そういった中で里親さんから引き離すっていうのは非常にちょっと判断が適切じゃなかったんじゃないかなと思うんですが、最後にお聞かせ願えませんか。

○大城順次コザ児童相談所長 今回のケース―どうしても出てきてしまうのが、12月に入ってからの同意の撤回という部分があります。
 様々な状況、経緯というのがありながらなんですけれども、それも踏まえながら一時保護をして今後の支援というものを現状としては慎重に検討しているという状況であります。
 先ほど来その保護の状況についてのそのお話というのはあるんですけれども、より適切な環境の中で一時保護を継続しているというふうに考えております。私どもとしてもその児童のことを第一に考えて、もちろんこの後も対応していきたいというふうな考えであります。

○上原章委員 締めますけど、今後のこともありますので、いろんなガイドラインのある中でですね、今回確かに親権者の、実親さんの解除ということは、非常に尊重しなくちゃいけないかもしれませんけど、育ててきた里親さんの思い、それから里親を親として育ってきた子供の思いっていうのがやっぱりありますので、親権者のその解除が全てなんだということになるとですね、僕はこういった、これまで育ててきた里親としての思いが全く無視されていく。この形っていうのはいいのか、ぜひですね、もう一度児相の中でもですね、私はしっかりした議論をしなくちゃいけないのかなと。その里子さんの環境が整うまでは私はしっかり時間をかけて児相としての役割がありますので、そこをぜひ今後の、今回のことも里親さんからはぜひ自分たちで一時保護させてほしいという思いもあるんですけどね、これから県の知事が発表した調査委員会がどういう形に進むか。また我々委員会としてもまたしっかり問題に関わっていきたいなと思いますのでよろしくお願いします。
 終わります。

○末松文信委員長 ほかに質疑はありませんか。
 瀬長美佐雄委員。

○瀬長美佐雄委員 よろしくお願いします。
 まず端的にいきますが、今回の事態に、現状に至っている点で、反省すべき点、あるいは改善すべき点、これをどのように考えているのか確認します。

○大城順次コザ児童相談所長 これも繰り返しお話ししているところでありますけれども、これまでの間の里親さん宅への訪問が少なかった点など十分な協力関係が築けず、このような事態になったということについては、児童相談所としても、そこの部分に関しては率直に反省しながら同様のことがないようにということも含めて今後の児童相談所業務に生かしていきたいというふうには考えております。

○瀬長美佐雄委員 今回家庭復帰に際して、実際プログラムが必要と。先ほど言われました20項目のチェック項目、資料で参考人から頂きました。これに照らして適切な対応ができていたのかなという率直な疑問が多々あります。
 この点で確認したいのはこの家庭復帰、今いる里親さんから実の親に引き渡すというプログラムがあるのであれば、そのプログラムがあって、里親にも実親にもしっかり時間をかけて移行ができるようなっていう環境を整えるっていうプログラムが本来必要だろうと思うんです。
 今回そういうふうなのがあるのか、あるいは通常のそういった今回のケースのようなときに、しっかりとしたそういったプログラムをつくった上での業務上の対応ができているのかどうか。それを確認させてください。

○大城順次コザ児童相談所長 プログラムというお話をされているんですけれども、一時保護をするに当たっては、その児童の援助に当たっては、ちょっと繰り返しになっちゃいますけれども一人一人の児童の状況に応じて適切な支援を確保するなど丁寧なケアをする必要があるというのは、もとよりそれを基にして考えて対処しているというわけです。あとは児童相談所の持っている援助方針であったりを決める機能ですね、社会調査であったり心理評価、あるいは医学的な所見等々、そういうものを総合的に判断する中で、支援を決めていくということになっております。

○瀬長美佐雄委員 日常業務で様々な仕事をこなされている中での一分野ということで大変だと思います。先日参考人に来られた加藤さんが実際自らも里親として子供を養育してという苦労をされていて、沖縄の実態を調べたときに、このケースに対応する職員体制、あるいは相談所自体が少ないんじゃないかなという指摘を受けました。
 皆さんは全国的に比べて職員体制、業務体制の中でどう感じられているのかと。子供の最善の利益を保守するような体制になってないということであればそれを強化するということも必要なので、どう思われているのか伺います。

○大城順次コザ児童相談所長 児童福祉司の配置状況ですね、全国的に比較したところをちょっとお話しさせていただきますと、児童相談所に配置されている児童福祉司について、本県は人口約2万8671人に1人の配置となっております。全国平均でいきますと約3万3297人に1人ということで、全国平均に比べると多く配置されているというのが、これは平成31年4月1日の状況になっております。
 都道府県別でいきますと、ちょっと細かい話だと高知県、京都府、大阪府、神奈川県、香川県、島根県、青森県に次いで全国で8番目という状況になっております。児童福祉法施行令に定める配置標準の人口というのは3万に1人ということになっております。児童福祉司の配置を児童人口数ですね、対児童数で比較した場合、本県は5962人に1人の配置となっており、全国平均が5107人に1人と。児童人口数で考えると全国平均よりも下回っているというのが現状ということになります。

○瀬長美佐雄委員 業務の在り方で問われているのは、参考人からの指摘という点で、5年間で里親の対応が3回、4回という回数自体は率直に言って信じられないと言っていました。
 実際に里子さん―里親さんが里子さんをしっかりと養育しているというふうなことの状況、実際健やかに育っているのかという意味での確認というか、それも業務上本来あるべきだと―それに照らして沖縄県の児相のそういった業務上の見回りというのも、表現ちょっと微妙ですがしっかりとやるべき。ところがそれは業務上できないということなのか。何をいわんとしているのか。今回、本当に里親さんの状況、実親が面倒を見るということであったら実親の状況、子供の最善の利益を考慮したときにそのままの継続、あるいは様子を見ながら継続的にお互い面会交流なり、というようなステップを踏みながら移行するということが本来あるべきだったんじゃないのかなと。
 というか最初に今回の事態で何を反省し、どう改善するのかという点にもつながるんですよ。業務上本来そういったステップを踏む、というのが改善点としてすべきだということなのか、そこら辺をちょっと明確にしてほしいと。あるいは、5年間かけて3回、4回―これが実情であってそういう必要性もないということなのか。
 参考人からの指摘として、もっと密度の濃い業務上の確認、きちっとされているのかということを含めたっていうのを改善点として今後していくのかっていうそこら辺の認識を伺います。

○大城順次コザ児童相談所長 再三この訪問のことに関しては御指摘を受けているところなんですけれども、少なかったということに関しては―児相の訪問が十分だったかという部分に関しては率直にその辺は協力関係を築くという意味でも不十分だった部分というのはあるかなというふうなのもあります。
 ただ、それ以外の定期的な訪問ということを補完する意味での各施設にいる里親支援専門員さんとの協力、情報共有をしながらっていう対応はその間してきてはいるんですけれども、ことその児相の訪問という部分に関してはなかなか行き届かなかったというふうなところは反省しないといけないというふうには考えております。
 ただ、また今後のことについては先に提言を受けた沖縄県社会福祉審議会審査部会のその答申、あるいは今現在も調査が続いているその調査委員会からの報告を受けて、本庁の所管課も含めて適切にですね、その体制の問題というのは対応して行く必要性があるかなというふうには考えております。

○瀬長美佐雄委員 大変難しい課題だと思いますけれども、この真実告知について里親さんに促したというような対応だったのかなと―聞きたいのは、真実告知は里親さんに委ねるべきなのか、あるいは児相の職員と一緒になってその子の発達段階に応じて理解を促すというふうな丁寧な対応こそが求められるんじゃないかと。あるいは業務として本来一時的には児相の皆さんの業務として、その手助けというか、里親とともに子供に対応すると。それこそは子供のある意味で発達、人権を尊重して理解を促すというふうな丁寧な対応であるべきかなと思って、そこら辺の位置づけというか、どうなっているんでしょうか。

○大城順次コザ児童相談所長 いわゆるその真実告知につきましては、里親が里子に、子供のほうにですね、行う義務規定というのは確かにありません。
 ですが、国の養育支援には里親が行うことが望ましいというふうにはされているというところです。ただ、その際にはどうしても自分たちだけでやることが難しいという状況があれば、やはり児童相談所も一緒に入りながらっていうことも、もちろんやり方、方策については考えていくという部分はあるかとは思います。

○瀬長美佐雄委員 最後になります。知事は記者会見されまして、里親制度に対する不安を持った方々―いわゆるこの制度自体に対する心配を率直におわびすると。今後里親の方々が安心して子供を養育できるように信頼回復に努めるんだというコメントを発しています。
 要は職員、現場がそういった認識でもって対応しないと知事のおわびの会見だけでは意味がない。実践的に対応されている皆さんが本当に子供の権利条約や県の条例に照らして、その精神に立った業務で遂行するということが必要だと思います。この点に対して認識を確認したいと思います。
 これで最後にします。

○大城順次コザ児童相談所長 この件につきましても、先に提言を受けた沖縄県の社会福祉審議会の審査部会の、その答申や調査委員会からの報告等を踏まえながらですね、今後の児童相談所業務の改善等も含めて生かしていく必要はあるかなというふうに思っております。

○末松文信委員長 ほかに質疑はありませんか。
 新垣淑豊委員。

○新垣淑豊委員 ありがとうございます。
 これは一般的な話で結構です。今回、里子が実親さんに戻る、再統合するというときに、どの程度の準備があったら実親さんに戻すんですか。

○大城順次コザ児童相談所長 非常にどの程度というところが難しい部分ではあるんですが、家庭復帰を検討する際に先ほども、上原委員がおっしゃっていたんですけれども、家庭復帰に当たってのチェックリスト、適応を判断するチェックリストというのがありますので、基本的にはそのチェックリストになっている内容っていうのを確認していくという作業は基本的にはそういう作業は必要なのかというふうには思います。

○新垣淑豊委員 例えば、実親さんが委託措置を解除してほしいという申し出をしたときに、その里親さんを解除するというものは、これは必ず行わなければいけないことなんですかね。

○大城順次コザ児童相談所長 ちょっと個別具体的なところがどうしても入ってきてしまうんですけれども、同意の撤回があったという状況においては解除しないといけないというのはあります。
 その後のこの子の支援をどういうふうにしていくかということを検討するという必要性もありますので、一時保護をする中での―先ほどから繰り返しになりますけれども、行動診断であったり社会調査であったり、医学的なその判断、心理診断等々、そういうものをやる中で支援を決めていく、検討していくというのが1つの流れという形になります。

○新垣淑豊委員 すみません、私が今聞いたのは委託解除、委託を依頼しているのを撤回した場合に必ず里親さんの解除をしなければいけないんですかということなんですよね。

○大城順次コザ児童相談所長 そうですね、一般的な話ということであれば同意の撤回という形があれば、やはり里親委託措置は解除しないといけないというふうになります。

○新垣淑豊委員 そうなった場合に、例えば受入れ側の実親さんの体制が整っていればすんなり戻ると思うんですよ。これ戻ると思うんですよね、受入れ側の体制がしっかり整っていれば。
 例えば、それが整っていない場合は、児相としてはどういう、この子に対してどういう措置をしていくんですか。

○大城順次コザ児童相談所長 ちょっと先ほどもお話ししたかもしれないですけれども、どうしても整わないという状況っていうことであれば一時保護を継続する中でその支援を検討していく―状況によってはどうしても家庭復帰が整わないっていう状況であれば、社会的養護も選択肢の中から支援を、措置を決定していくということになります。

○新垣淑豊委員 里親さんに預けるという一時保護の選択肢はありますか。一時保護先で。

○大城順次コザ児童相談所長 一般的に一時保護を里親さんに行うということは、状況によってはあり得ます。

○新垣淑豊委員 そうなんですよね。一時保護がこれだけ長期にわたっているということは、これは私、一般的に見てですよ、受け入れる実親さんの体制が整っていないんじゃないかなというふうに捉えられると思うんですよ。
 この子を一時保護所に置いて一時保護をする根拠は何ですか。

○大城順次コザ児童相談所長 そうですね、基本的なところで、これは児童福祉法の第33条の規定にのっとって都道府県知事並びに児童相談所長が行うことというふうに法的な規定が載っていますので、そういう根拠で一時保護するという形にはなります。

○新垣淑豊委員 基本的にその一時保護のガイドラインとか、里親のガイドラインとか私も今回の件でいろいろ見せていただきましたけど、やっぱり家庭的な養育というか、これがもう一番大事じゃないかというふうに言われています。特に幼い年齢のお子さんですね。今回すみません、児相のほうがお忙しいというのも分かりますけれども、これだけ長い時間で一時保護をされている、もう113日間です―されているということは、親子の再統合に関しての調査であったりスケジューリングが僕は不十分だったんじゃないかなというふうに思っています。
 先ほどおっしゃっていましたよね、一時保護は里親さんにもできるんです。それを委託を撤回されたからといって、じゃあ、この里親さんからは引き離すということが、私はこの子供に対しては非常に大きな影響を与えると思っていて、なぜそこでしっかりとした計画が立っていないまま一時保護所に措置替えをしたのか。あくまでも、今所長おっしゃっていまいしたよね、里親さんに対しての一時保護も可能であるという話なんですよ。なぜそこを選ばなかったのか。
 実は先週の参考人からの意見では、これは児相に従わなかった里親への制裁が強硬な引き離しへの最大の理由だというふうに言われているんですね。
 これについてはどう考えていますか。

○大城順次コザ児童相談所長 里親さんについては、言わずもがなかもしれないんですけれども、社会的養護の担い手として養護児童の家庭養護を提供する重要な役割を担っている方々であるという認識はもちろんあります。
 ただ、このケースにおいては様々な経緯がある中でその選択ではなくて、一時保護所で一時保護して子供のほうの行動診断であったり、心理診断―一時保護所が持っている機能で子供の状況を確認しながら支援を検討していくという状況が必要だったというふうに考えております。
 現在はより―これも繰り返しになりますけれども、より適切な環境を整えて一時保護を継続しているという状況であります。

○新垣淑豊委員 先ほど瀬長委員からもありましたけれども、真実告知をする流れですね。例えば、真実告知をしてから実親さんと会わせたほうがいいのか、もしくは何げなく何度か面会を重ねながら、実はあの人お母さんなんですよということをやれる体制も取れたんじゃないかなと思っていますけれども、手順としてはどういう手順になっているんですか。
 必ず真実告知をしてから交流をしなければいけないのか、それとも何かしら交流があった後に実はっていうこともできるのかどうか。
 これは、すみません、私ちょっと不勉強なんですが教えていただけませんか。

○大城順次コザ児童相談所長 委員がおっしゃったような手法というのは、基本的にはやはり真実告知というのがあった上でっていうほうが子供にとっての状況の理解っていうのは進めやすいですし、本人自身が自覚していく―自分自身を自覚していくという作業においては、そのほうが子供のほうの理解であったりというのは、ありやすいんじゃないのかなというふうには考えます。
 ただ、何げなくというふうに関してはこれはもう非常に個別ケースのその状況によって、あるいはその子供の年齢であったり、子供のその状況によって考える部分というふうに思います。

○新垣淑豊委員 そうなんですよね。このお子さん―すみません、私がもう知り得る情報ですけれども、自閉症スペクトラムであったりアタッチメント形成不全だったり多動性障害であったりいろいろな特性を持っている子供に対してダイレクトにそれを伝えるのがいいのかどうかということは、私はこれは本当に計画的にやっていかなければいけないことだと思っているんですよ。
 どういう真実告知をすればいいのか、やってくださいねではなくて、どういうふうな流れで真実告知をやっていきましょうか、こういった相談をしながら里親さんと信頼関係を結びながら僕は真実告知をやるべきだったんじゃないかなと思っています。私はそれが今回、非常に反省すべきことの大きな一つだと思っていて、やはり最初のボタンの掛け違い、これじゃないかなというふうに思っています。
 今回陳情で上げられた中でアドボケイト機能を果たすようにと―児童の意向確認及び子供の権利条約に即したアドボケイト機能を果たすことというような陳情が上がっていましたけれども、この回答の中でですね、子供の意見表明支援については児童福祉審議会を活用した子供権利擁護の仕組みとして検討を進めておりますというふうな、これが処理方針で上がってましたけれども、今回の事案に関してこのアドボカシーというものは機能していなかったのかどうか。

○大城順次コザ児童相談所長 アドボカシー、子供の意見表明という部分に関しては一時保護をする中では、もちろん保護所の日頃生活をしている職員が子供たちの様子というのを非常に見ながら、スタッフ職もいるのでそういう方々が子供のその意見―意見を聞くという部分に関してはそういう通常の業務の中でもそうですけれども、非常にそこは気をつけてやっている部分だとは思います。
 ただ、いわゆる児相の組織外からのアドボカシーっていう点については、なかなかまだまだ導入が―沖縄県の場合は検討はされている部分はあるかとは思うんですけれども、そこは今まだ検討している途中という部分があるかと思います。
 この辺はいわゆる第三者評価制度の導入という部分との、ある意味ちょっと大枠では絡んでくる部分もあるのかなというふうには思うんですけれども、そういう現状にあります。

○新垣淑豊委員 分かりませんよ、第三者評価制度がこの子供の意見を集約できるのかどうか、特に今回のような特性を持つお子さんの意見の聴取が本当にできるのかどうかということについては、私はできないんじゃないかなと思ってます。
 だからこそ、ちゃんと事前にこの里親さんたちとの―里親さんがね、この子に対しての環境、どういうふうな特性を持っているとか、こういうのをしっかりやった上で、聞いた上でそれで援助方針をつくっていかなければいけないというふうに思っていますけれども、今回里親さんに0歳からお預けをして、5歳でこういった形でお別れをしてもらうんですけれども、里親さんに対してのケアというのはどういうふうになされているんでしょうか。

○大城順次コザ児童相談所長 これはガイドライン等々で出てくるんですけれども、児童相談所であったり、あるいはその各施設にいる里親支援専門員さんとその連携・協力をしながら解除をされているその里親さんのケアというのはやっていくというふうになっております。

○新垣淑豊委員 そうですね、ガイドラインにのっとって。そのガイドラインには―先ほどの質問と重なりますけれども、これ子供の意見というのを尊重するということがやっぱり書かれているんですよね。ガイドラインに乗っかってやるんだったら、ちゃんとガイドラインに沿ったことをやっていただかないと、一部だけ取るとか一部は取らない、そんな話をしていたら通用しないと思います。
 今回ですね、里親さんが提訴して、様々な話が上がっていますけどいろんな、その何というんですかね、かみ合わないお話がやっぱり出てくるんですよね。例えば複数年にわたって真実告知をしてくださいという話だったのが、実は2021年の3月にしか言われていませんよとか、こういったお話があるんですけれども、この辺りは児相としてはどういうふうに考えているんですかね。

○大城順次コザ児童相談所長 非常にその、どうしても詳細な部分というのは、お話しするのが難しい部分はあるんですけれども、親子の再統合に向けての段取り、取組として―もちろん面会交流というのも出てきますので、その前段としての真実告知を始めていただくというお話というのは前からお話はしてきたというふうに、こちらとしては認識をしているところです。
 ただ、委員がおっしゃるようにこのずれという部分に関してはこちらのほうも対応というかコミュニケーションをもっともっと密に取るというような認識というのは持ちながらの対応っていうのをもう少しやったほうがいいんじゃないのかなというのは確かにあるところであります。
 ただ、この辺も含めてですね、先に提言を受けている沖縄県社会福祉審議会の審査部会であったり、その答申であったり、あるいはその調査委員会の報告等々を踏まえながらですね、そこでその報告の中で指摘された部分に関してはそれを踏まえながらも今後の相談業務に生かしていく、改善していくというふうには考えております。

○新垣淑豊委員 僕は今回の案件は何においても周りの方とのコミュニケーションが足りなかったということしかないと思っています。ぜひですね、先ほど来里親さんが来て、依頼してね、もう5年の間に3回しか会わないとかそういういった話じゃなくて、ちゃんとそこもしっかりとやっていただきたいなということはお願いして、終わります。

○末松文信委員長 ほかに質疑はありませんか。
 比嘉京子委員。

○比嘉京子委員 本当にたくさんの課題がというか質問したいことがあります。
 まず何といっても多くの皆さんが疑問に思っていて、どうも釈然としない、それは何かというと今回の―いわゆる一時保護っていうこと、もちろんその前に里親の措置解除ですね。それについてなんですが児童福祉審議会で言われたコメントにですね、里子の養育においては当事者同士が尊重しながら里親、児相、地域の関係機関が養育チームをつくっていく意識が大事ではないかと。その意識はこれまで意識されておられましたか。児相の中で。

○大城順次コザ児童相談所長 委員がおっしゃるように、いわゆるコミュニケーションを取るという意味では非常に重要な部分だというような認識は持っております。
 ただ、再三その訪問のこととか御指摘があるんですけれども、どうしても児童相談所だけでは足りない部分というのは施設の里親支援専門員さんとの連携・協力、あるいはまた、ココサポ事業も含めてですね、そういうその地域にある支援というのを活用しながらというふうな認識は持っております。

○比嘉京子委員 里親と児相の関係ですけれど、どういう関係なんですか。上下関係なんですか、対等な関係ですか、協力関係ですか、どういう関係ですか。

○大城順次コザ児童相談所長 里親さん自身ももちろん社会的養護を担う機関でありますので、児童相談所だけで児童の支援処遇というのが完結するというわけではありませんので、やはり相互に協力―理解共有を、情報の共有等も含めて、協力しながら子供の最善の利益というものに関して支援を一緒にやっていくというふうな認識だと思います。

○比嘉京子委員 先ほどからみんなが措置解除の理由について、皆さん突っ込んでおられますけれども、答えとしておっしゃっているのはですね、親権者が希望しているいわゆる児童福祉法第27条を皆さんは上げられているし、それから議会でも私の質問で部長はそう答えておりました。
 それであったら皆さん、例えば法の立てつけとして実親が望めばその日のうちに委託解除ができるという発言等がありますけれども、本当に法の立てつけはそうなんですか。

○大城順次コザ児童相談所長 これは再三これまで……。

○比嘉京子委員 解説ではなくて法の立てつけはそういう認識なんですかっていうことなので、そういう認識でこれまでやってきているならそうだっていうことで十分です。

○大城順次コザ児童相談所長 第27条に関しては、第1条を実現するために児童相談所だったりそうですけれども―存在しているというふうには考えております。
 法律の立てつけというところでいきますと児童福祉法の第1条の規定では児童のその権利に関する精神にのっとるものというふうにされております。この児童の権利に関する条約第7条には、児童はできる限りその父母を知りかつその父母によって養育される権利を有するというふうに規定されております。なお、児童福祉法第27条の規定は父母等からの同意を得てですね、これは親権者という形になりますけれども、社会的養護の措置を取ることができるものとされております。このことから児童のこの権利に関する条約の精神にのっとると、それその第1条と―父母らからのその同意を得て社会的養護の措置を取るとする第27条の、ある意味での整合性というのは取れているというふうに法的立てつけでいくと考えております。

○比嘉京子委員 いま―すみません、本当に簡潔にお願いします。時間がありません。
 まずですね、みんなが腑に落ちていないところ―措置解除の理由なんですよ。そういうふうになるとですね、例えば先ほどからたくさん出てますように真実告知をお願いしても、なかなか言ってくれないと。言わないこと、または自分たちの指導に従わないこと、こういうことを今回の措置解除に原因の一因とはなっているんですか、なっていないんですか。名嘉さんお答えください。

○名嘉寛之コザ児童相談所班長 今回に関しては実親の同意撤回に基づく措置解除というふうになっております。これまでの経緯があってその中で親権者の同意撤回というところに伴って、一時保護をしたっていう経緯があります。
 以上です。

○比嘉京子委員 親権者が措置解除だと言ったら、今言ったようにその日のうちに委託解除になるよという認識でずっとやられているという理解でいいんですか。

○名嘉寛之コザ児童相談所班長 基本的に児童相談所としては児童が―今委員の話がありました、同意撤回があったらすぐに解除するのかというふうな話になった場合には解除した後ですね、状況を見て例えば一時保護をするとか、そういった対応っていうのをやっているという状況がある中でですね、必ずしもそれでもって―解除したら、その後の対応についても協議しながら私たちのほうは支援しているというところになっております。

○比嘉京子委員 私先ほどから皆さんの質問を聞いていて、ここの認識に大きな問題があるのかなと思っています。なぜならば、親権者が解除を言っても子供の状況、子供の権利を守るためには違う方法がたくさん残されていると思うんですよ。言われたら即解除ですか―虐待のケースでなければその日のうちにでも帰す、そういう発言が見られます。私は児相のその発言は非常にある意味で法にマッチしていない、もっと厳しく言えば否定している。
 先ほど所長は第1条のお話をされましたけど、第1条も第27条も第28条も第32条もみんな同じ法律なんですよ、大事な法律。どこかを取るためにどこかをおろそかにするっていうものではないはずですよ。そこにも問題があると非常に先ほどから感じています。第27条を重く受け止めた。じゃあ第1条は軽かったんですかという質問にならざるを得ないんですよ。どうですか。

○大城順次コザ児童相談所長 これはもう繰り返しのお話になってしまうんですけれども、委員がおっしゃるように―その第1条においては児童の権利に関する条約にのっとるという部分がありますので、その法的な立てつけの中で、もちろんその第27条についても整合性は取れていますし、子供のその利益を優先するという考えの中で、この法律もあるものだというふうに認識しております。

○比嘉京子委員 その措置解除をするときに里子の意見は聞かれましたか。聞くことになっていますね、法では。聞かれましたか。いつどのような状況で聞かれましたか。

○大城順次コザ児童相談所長 これは子供の意見という部分に関しては、もちろんその子供の年齢であったり、置かれている状況等々も踏まえながら検討しないといけない部分だというふうには思っております。
 ただ、児童相談所の持ち受けるその相談機能、あるいはその再三言っていますけれども心理評価、医学的診断等々も含めながら子供のその状況というのは把握はしていくというふうに考えております。

○比嘉京子委員 したのか、していないのかどっちですか。

○大城順次コザ児童相談所長 これに関しては子供の意見という部分に、この子に関しては、ちょっとお待ちください。

○末松文信委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、委員長から説明員に対し、質疑に答えるよう指示があった。)

○大城順次コザ児童相談所長 子供の意見を聞いたかという部分に関してですか。その部分に関しては、こちらとしては子供の年齢とかそういうのを勘案しながら保護する必要性というのを判断―状況も踏まえて、これまでの経緯も踏まえてですね、やってきた次第です。
 ただ、意見を聞いたかという部分に関してはちょっと難しい部分があったかなというふうには思っております。

○比嘉京子委員 皆さん法の立てつけを盾にするのに、聞くべきところは法にうたわれているけれども守らない。じゃあ、第28条では措置解除に当たってはその預かってもらっている施設長や里親の意見を聞くようになっているはずですが、里親の意見をどのように反映されたんですか、今回の措置解除。

○大城順次コザ児童相談所長 どうしてもそのやっぱり親権者の方の同意撤回という部分がありますので、まずその同意を撤回されたという事実を踏まえながらのその対応というふうになっていきます。ですので、措置を解除して様々な経緯もあるんですけれども一時保護をした上でその今後の支援を考えていくという状況であります。

○比嘉京子委員 第27条を拡大に皆さんは捉え、そしてほかのところは矮小化しているんではないかと思いますがいかがですか。

○末松文信委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、説明員から質疑内容の確認があり、比嘉委員から第27条を理由に措置解除となったが、例えば第28条など違う方法もたくさんあったのではないか。また、沖縄県社会福祉審議会の答申で、実親、児相、里親の連携が整わなかったことに対する指摘があったが、児相としてその認識はあるかとの補足があった。)

○末松文信委員長 再開いたします。
 大城順次コザ児童相談所長。

○大城順次コザ児童相談所長 これにつきましては児童福祉審議会の提言、先に出た答申にも触れられている部分だと思いますので、確かにその連携がなかなかその整っていかなかった―そういう事態になったことについては率直にその辺は反省しながら、この後また調査委員会からのその提言も出てくると思いますので、そこを踏まえながら今後の児童相談所の業務に生かしていきたいと思っています。

○比嘉京子委員 すみません、短くお願いします。
 では、再確認です。措置解除に当たってその児童と里親の意見を聞かなかったという理解にいたしますけどよろしいですね。措置解除をするときに意見を両方から聞く、それは条項は違いますけれども、第28条と第32条だったでしょうか。

○大城順次コザ児童相談所長 里親さんのほうとはこれまでの様々な経緯の中でお話は―特にこの3年度についてはやり取りをしてきた次第です。ですので、繰り返しになるんですけれども、当初はその流れというのはある程度理解をしていただいているというふうなところだったのですが、12月28日の提訴という流れが―そういうことを、提起をされたという流れの中でそのなかなかそこの意見が合わないんだなという部分ははっきりした部分というのは、そこで出てきたかと思います。

○比嘉京子委員 提訴に至る前の皆さんの対応というのに対する反省はないですか。

○大城順次コザ児童相談所長 これにつきましては再三申し上げている部分でもあるんですけれども、なかなか協力関係が築けなくて、このような事態になったということについては率直に反省が必要だというふうには認識をしております。

○比嘉京子委員 班長にお聞きしたいんですけれども、里親には真実告知の義務があるんですか。

○名嘉寛之コザ児童相談所班長 法的に里親のほうに真実告知をしなければならないという規定はございません。

○比嘉京子委員 一緒になって考えていこうという体制の中で、言わなかったのではなくて、里親さんがこれまで記者会見等でいろいろおっしゃっているのを見ていると、状況が状況で言えなかったんだと。そこに皆さんは寄り添うような体制はできていたんですか。

○大城順次コザ児童相談所長 これもどうしても繰り返しのお話になるんですけれども、なかなか協力関係が築けなかったというような事態ということについての認識については、率直に今反省しながら今後の児童相談所業務に、児童相談所のその相談業務に、支援業務に生かしていきたいというふうに思っております。

○比嘉京子委員 皆さんが―じゃあ、いわゆる措置解除の前に審議会を開催するようにというように里親さん側から、代理人から何度か依頼があったと思うんですが、それをしないで措置解除をして一時保護に至ったという経緯を考えると、皆さんはその時点では審議会にかける必要がないと考えておられたのか、あるけれども開くいとまがなかったという新聞報道がありましたけれども、どちらですか。

○大城順次コザ児童相談所長 12月に入って、その措置解除をして以降の件については先ほどお話ししたように審議会―同意撤回があって、提訴して訴状がまだまだ届かないという状況の中だったということで訴訟を起こしている中でのその状況でしたので……。

○比嘉京子委員 いや、今審議会を開く必要があると思ったか、思わなかったかってことを聞いているんですよ。

○大城順次コザ児童相談所長 ちょっと12月に入ってからのその状況というのは先ほどの繰り返しになりますけれども、そうですね、どうしても提訴があってそういうような部分が届かないという状況の中で事後報告になったというのが現状です。
 ただ、それまでにですね、12月にその同意を撤回する以前に―様々な経緯があるんですけれども、その里親さんと児相とのやり取りを継続する中で、どうしてもその辺がうまく整わないなという状況になったときに、これは措置を解除する以前の問題として方策を検討するという意味で、状況によっては早い時期に社会福祉審議会の審査部会のほうの意見を聞くということを考える必要があったかなというふうには思います。

○比嘉京子委員 今思うんではなくて、当時、当時ですよ。

○末松文信委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、比嘉委員から、説明員に対して審議会開催の必要があると思ったのか、思わなかったのか明確に答弁するよう要望があった。)

○末松文信委員長 再開いたします。
 大城順次コザ児童相談所長。

○大城順次コザ児童相談所長 これについては、もう本当に様々な経緯があってやり取りが……。

○比嘉京子委員 経緯は聞きません。あったかなかったかを聞いています。

○大城順次コザ児童相談所長 様々な経緯がある中で方向性を同意していただいていると、その里親さんとの話をする中でですね、方向性を同意していただいているという状況も様々な経緯がある中で、こういう12月の状況になっていったというふうに理解しております。

○比嘉京子委員 皆さんね、そうおっしゃるんであれば誰があの10か条、10項目の案は誰がつくったんですか。あんな文書を里親に対して投げるという、幾ら案とはいえども―それに夜中の12時前までそれに署名を求めて駆けつけるという、自宅に。その様子というのは、私は異常としか思えませんでした。
 内容も異常ながら、やり方も異常です。それについて弁明があったらやってください。

○大城順次コザ児童相談所長 これにつきましても、そのやり取りをする中でその親御さんのほうの同意撤回を踏まえて―ただ、一旦それを里親さんのほうがちょっと延ばしてほしいというような申出もある中で、里親からの措置解除の延期の申出はちょっと断られましたけれども、それを受けて関係者間で調整を行いその日が措置解除のその期限の前日というふうなことであったため、どうしてもその日中に確認書というものを返していただいて、その後要望の調整をしたいという状況があったということであります。

○比嘉京子委員 ですから簡潔に言ってほしいとずっと言っているんですよ。
 あのですね、12月20日に、夜中に、署名を求めて皆さんそういうふうに動いたわけですよ。その翌日の11時には、21日には、もう1月4日―じゃあ1月4日の根拠は何ですか。

○大城順次コザ児童相談所長 これはもう様々な―これも実親さんとの、その親権者とのお話をする中で、やはりその里親さんへのある意味の御意見というのも聞きながら、4日までは、じゃあ譲歩しましょうということを調整する中で話し合ったというような次第です。

○比嘉京子委員 ということは先ほどから何度も聞いているように、皆さんが確認書を求める時点では審議会は開く必要性がないという判断の下に措置の日―一時保護の日を決めていたわけですよね。

○大城順次コザ児童相談所長 これも繰り返しになるんですけれども、その方向性がどうしてもその一時保護をするという方向性に関しても里親さんとのその意見が決定的に違うというのが分かったのは、12月のその28日ということになります。
 それを受けて、訴状が届いてないというような状況も踏まえて内容を確認できないので、年が明けてから内容を確認して審議会への報告が必要という判断に至ったということになります。

○比嘉京子委員 審議会に報告しようと、事後報告しようということが結論ですね。先ほどなぜ審議会を開かなかったのか云々はもう明らかになりました。
 それで確認を幾つかさせください。皆さん、1月4日の里親宅に里子を迎えに行ったときに何名で行かれて、それぞれの役職を明確にお答えください。

○大城順次コザ児童相談所長 えーと、ちょっと……。

○比嘉京子委員 名嘉さんのほうがいいんじゃないですか。

○末松文信委員長 答弁者を替えます。
 名嘉寛之コザ児童相談所班長。

○名嘉寛之コザ児童相談所班長 1月4日、児童を一時保護したときに対応した職員なんですけれども、自立支援班長の私、名嘉です。それと担当のケースワーカー、それと心理司、それと運転士、それから嘱託の弁護士、以上の5人です。

○比嘉京子委員 助手席に乗っていた人はどういう役職の人ですか。私は6名だと聞いているんですが、メディアからも。5名でしたか。

○名嘉寛之コザ児童相談所班長 はい、5名です。
 1月4日に対応した職員なんですけれども、私と担当のケースワーカー、心理司、運転士、嘱託の弁護士の以上5名です。

○比嘉京子委員 もう一点の確認は、せんだっての審議会のプレスのほうであったように手紙の件ですが、実親から里親へ送られた直筆の手紙ということで報道で見る限り、里親は読んでいないと、受け取っていないと言っていますけど事実はどうですか。

○大城順次コザ児童相談所長 そうですね、審査部会のコメントにありましたその手紙の件なんですけれども、これは実親がその意向を整理するために、実親の意向ですね、気持ち、意向を整理するために直筆で書いたもので里親さんに宛てたものではありませんでした。そのことにつきましては児童相談所から審査部会の事務局への説明不足によるものであり、審査部会のコメント発出後、審査部会長にそのことを報告し謝罪をしているという状況であります。

○比嘉京子委員 じゃあ、実親にも謝罪をしたということですね。
 最後になりますけど、この子供がこれだけ長期に一時保護をされているわけですけど、先ほどから多くの委員からも懸念の声が上がりましたけれども、非常に長期でこの間に、私が3月2日に部長にですね、一時保護の目的を聞いているんですけれども、援助方針が決定するまでの間行動観察をしながら一時保護を行っているところだって、3月2日に部長は述べているんですよ。
 援助方針が決定しない中で一時保護をしたということにもなるんですけれど、これだけ大人の都合で長期にわたってやっていることで、この子供の児童福祉法の第1条でいう子供の権利や福祉は守られていると思われますか。

○大城順次コザ児童相談所長 この件については再三お話をしているんですけども、児童福祉法のその第1条の規定というのは児童の権利に関する条約の精神にのっとりとされておりますので、この権利条約の第7条っていうところでは出自を知る権利であったり、できる限り、実父母に養育してもらうという権利がうたわれております。
 そういう法律を踏まえながら、その第27条においては実父母の同意を得る中で―筋が通るということになっておりますので、第1条についても第27条と同じように―踏まえながら対応しているというふうに思っております。

○比嘉京子委員 第27条や第7条を大事にして出自を知る権利、もちろん大事ですよ。それでね、子供にとっていうとこの間の多くの権利、本当に健康に育つ権利であるとか学ぶ権利であるとか参加する権利であるとか、それから親に抱き締められる権利であるとかそういう権利が全部失われているこの長期にわたる110日超えなんですよ。本当に5歳の子供に意思を聞くことも必要ないと皆さんが思ったようなこともですよ。そういうことがまかり通るんでしょうかっていうのが一般的な見方です。
 これはですね、私はたくさんの方々の里親からのお手紙たくさん読ませていただいています。こう言った人がいました。公的機関による合法的な虐待であると。よく当てているんじゃないかなと思うんですが、この言葉にどう思われますか。

○大城順次コザ児童相談所長 子供に―本件については再三申し上げているんですけれども、現在はより適切な環境を整えて一時保護を継続しているという状況になっております。

○比嘉京子委員 最後になりますけれども、せんだってからですね知事が立ち上げました社会福祉審議会、審議会じゃなくて何といいますか、調査委員会、知事直轄に立ち上げています。子供の最善の利益を守るという趣旨でですね、その検証をしてもらっている調査委員会を立ち上げているわけですけれども、皆さんは子供の最善の利益のためにはみんなで協力をして今何が問題なのかということをみんなで考えていくっていう姿勢が大事ではないかと思うんですけれども、所長の見解を伺います。その調査委員会に対しての協力体制です。

○大城順次コザ児童相談所長 これについては再三申し上げているんですけれども、先にその提言を受けた社会福祉審議会のその審査部会の答申であったり、要は今おっしゃったように調査が行われているその調査委員会からの報告を受けてですね、今後ですね、児童相談所の業務にですね、よりよい業務に生かせるようにですね、適切に対応してまいりたいというふうに思っております。

○末松文信委員長 都倉稔中央児童相談所長。

○都倉稔中央児童相談所長 お時間がない中すみません。
 先ほど児童相談所の業務が虐待ではないかというお話がありましたので1つだけ。あくまで一般的なお話になります。コザ児童相談所の案件なので私中央相談所から個別の案件についてお答えすることはできないんですが、今回皆様に御理解がなかなか得られなかったその経緯にはコザ児童相談所としても個人情報、守秘義務がある中で話ができない中、なかなかお伝えすることができない中での総合的な視点に立った上での判断であったんだろうというふうに思っています。そして、審査会でも話がありましたとおり、私たち児童相談所としてもやはりその里親さんとお子さんと私たちと本当に協力体制ができなかったこと、私たちの力不足じゃないかなというふうには思っています。
ただ、こういった中で私たち児童相談所のほうは本当に子供の権利を守るために必死に日々努力をしている、そういったことについては伝えておきたいと思います。
 すみません、ありがとうございました。

○末松文信委員長 ありがとうございました。
 以上で、里親の委託・解除についてに対する質疑を終結いたします。
 休憩いたします。
 
   午後1時7分休憩
   午後2時3分再開

○末松文信委員長 再開いたします。
 次に、沖縄県社会福祉審議会児童福祉専門分科会審査部会の審査について、参考人からの意見聴取を行います。
 本日は、参考人として、沖縄県社会福祉審議会児童福祉専門分科会審査部会審査部会長の渡邊浩樹氏の出席をお願いしております。
 参考人におかれましては、本日は御多忙のところ御出席いただきまして誠にありがとうございます。
 参考人から説明を求める前に、委員会の審査の進め方について御説明申し上げます。
 まず、参考人から御説明をいただいた後、委員から参考人に対し質疑を行うことにしております。
 なお、参考人が発言しようとするときは、あらかじめ委員長の許可を得なければならず、発言は沖縄県社会福祉審議会児童福祉専門分科会審査部会の審査についての範囲内で行うこととなっております。
 また、本日は委員会が参考人の説明を聞く場でありますので、参考人が委員に対して質疑することはできませんので、御承知おきください。
 それでは参考人から、沖縄県社会福祉審議会児童福祉専門分科会審査部会の審査について、簡潔に御説明をお願いいたします。
 渡邊浩樹参考人。
  
○渡邊浩樹参考人 どうぞよろしくお願いいたします。
 私どもは2月10日、18日、25日、3日間の会合がありまして、3月10日に答申という形になった。里親委託解除となった児童の今後の援助についてということで5人の委員―それぞれ様々な背景を持った5人の委員が集まりまして、主に児童相談所からの報告を受けることと、それから最後に里親さんですね、里親さんと面会をするということがありましたね。そういうプロセスを経て答申に至ったと。そういう内容のものでございます。

○末松文信委員長 参考人の説明は終わりました。
 これより、沖縄県社会福祉審議会児童福祉専門分科会審査部会の審査についてに対する質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないよう簡潔にお願いいたします。
 質疑はありませんか。
小渡良太郎委員。

○小渡良太郎委員 よろしくお願いします。
 この3月10日の答申の内容って説明することはできますか。

○渡邊浩樹参考人 答申の内容についてと、それから公にするものの二通りあったと思うんですが、公にするほうはもう皆さん見たかと―御存じだと思います。
 答申については、知事に答申をするというふうに聞いていまして、私どもで公表するというふうには聞いてはおりません。

○末松文信委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、3月10日の審査部会コメント資料を全委員に配付した。)

○末松文信委員長 再開いたします。
 小渡良太郎委員。

○小渡良太郎委員 ありがとうございます。
 2段落目の部分で今回のケースにおいて、実親、児童相談所、里親の連携が整わなかったことという形であるんですが、あくまで客観的な観点で構わないので、どういうところからそういう整わなかったっていう判断に至ったのかを教えていただければと思います。

○渡邊浩樹参考人 それぞれ、それぞれというより実親さん、里親さん、事情があって、それを調整する児童相談所っていう構図だと思うんですけれども、その調整をすることがなかなかうまく整わなかったということなのかなというふうに思います。

○小渡良太郎委員 個別具体的な案件は抜きにした―でもこの案件についての審議なのでもう少し突っ込んでいきたいと思うんですが、この連携が整わなかった理由の中で一番責任が重いというか、もう少しこういうとこ果たすべきだったんじゃないかとっていう部分で、どのような―審査会の中でですね、話合いがあってこの結論に至ったのか。概要とか覚えている範囲で構わないので。

○渡邊浩樹参考人 私どものまず基本的な精神として、結局子供さんファースト。この子供さんのために何ができるかっていうことなんですね。そのために、じゃあ皆さんが連携できるようにしたい。そうなったときにあまりこう誰が悪いっていうことが中心になったわけではありません。当然問題点があって、その問題点を指摘していくっていうことは必要で―その問題点は指摘していくけれども、じゃあ誰が悪くてどっちがより悪いというそういう話ではなくて、この登場する皆さんが融和して、まさに共通のその子供さんの養育、子供さんのこれからの育ちに貢献するにはどうしたらいいのか、ということで答申したつもりであります。

○小渡良太郎委員 この問題点っていう部分も差し支えがない範囲でですね、幾つか代表的なものを教えていただければ。

○渡邊浩樹参考人 やっぱり児童相談所は支援者ですから、支援者としての関わりにおいて、ちょっとこう―対抗的な関わりにしてしまったかなというふうには思っています。そこに問題点はあったかなと。
 ただ、もちろん何だろう、一者だけが悪いということはなくて、お互いに対抗的なことをこう高めてしまったのかなと私は思っています。
 でも支援者としてそこでこう踏みとどまって受け止めるということは必要だったのかなと。というより、より関わり方がちょっと後手に回ってしまったかなという気はします。

○小渡良太郎委員 対抗的なというと、実親さんと里親さんとほかの方がいらっしゃる中で、支援に徹するのではなくて、このちょっと、戦うという言い方は適切じゃないかもしれないですが、例えば法の遵守だったり、いろんな規定で児相も運営されていると思うんですけれども、この子供の最大幸福といえばいいのかっていう視点から見たら児相の対応についてやっぱり支援者の枠をちょっと超えて対抗してしまったという理解でいいのか。

○渡邊浩樹参考人 やっぱり支援者の枠は超えたとは思っています。
 何だろう、里親さんは養育里親という方なわけで。事情が落ち着いてくれば実親さんにお帰しをすると、そういう前提の里親さんですからそのために向けて準備を進めていく。そのことにとってもこう一生懸命。そのためにはいわゆる世間一般的に真実告知って言われていることをやっていかなければいけない。それをしないと始まらない。そういうことにとっても一生懸命やられた。それがどうもうまくかみ合わなくてずれが生じた。そういうことなんだろうと思います。

○小渡良太郎委員 ありがとうございます。
 真実告知の件についてはいろんな意見もあってもう少し先延ばしにしたほうがいいんじゃないかとかっていうのもあったと聞いているんですが―まあちょっとあんまり個別具体的になっていくのもあれなんですけれども、そういう作業、要は実親に復帰させるというか、そういった作業のこの過程経過において子供の部分の視点から見た場合、まあ連携が整わなかったと。それは例えば里親が真実告知をするべきだと思うタイミングと児相が真実告知をしたほうがよいと思うタイミングがずれていたというふうな―今のお話だと印象なんですが、ちょっともう少し教えてください。

○渡邊浩樹参考人 一緒に向き合えたかっていうことが何より問題だったのでは―ただ基本的に我々がこのお仕事を引き受けた段階では既にもう一時保護がなされて、一時保護がなされた方をどうするのかという、そういうことだったんで、この部分はまたちょっと大きな問題なんですけれども、現実に一時保護をされたこの人にとって何がいいかっていうことを一番に考えたということになるかと思います、私たちは。

○小渡良太郎委員 この3、4段落目。部会としての意見で、一時保護されて一定期間経過し、児童が一時保護所の生活に適応し、という部分があるんですけども、この当該児童を里親一時保護委託することが難しいと判断した理由を教えて―まあ客観的にいろいろ見て思うところがあるんですが、この審査部会として難しいと判断した理由は何だったのか、教えてください。

○渡邊浩樹参考人 一時保護をしてこの子供さんの御様子が極めて可塑性があったというのかな―適応力を持っていた。これはすばらしいことだなと私は思いました。もちろんそれだけの成長を示したのは里親さん養育によるところ、それはとても大きかったのではないか。とすると、今この子供さんが本来向き合わなきゃならない真実告知っていうことに向けて準備を進めていくということが、まさにちょうど整ってきているということは言えるんだろうと。そうなったときに一時保護として引き取ってきてしまったというのは混乱ですけれども、またお戻しするというのは、またさらに混乱を深めることにもなるだろうと。本来取り組むべきことに取り組むことになった流れを考えたときに、児童相談所も里親さんも実親さんも関われる環境っていうのを整えていくことがよいのかなというふうに思いました。

○小渡良太郎委員 先ほど冒頭におっしゃっていたようにですね、一時保護云々のところ、先ほどの質疑がちょっとそこを少し確認させてもらったんですけれども、一時保護に至った経緯とかっていうよりもむしろこの今後の援助についての答申となっているという説明を受けて、これ少しまた確認させていただきたいんですが、この今後のことについて児童が実親と家族関係を構築するに当たって、児童相談所とともに元里親を含めた関係者が支援していくことが必要だっていう形で記載をされているんですけれども、この審査部会として本来望むべき姿というか、こうあったら一番子供のためにいいんじゃないかというところと、あと現状ですね。現状と比較して足りないところとか、何かもっとこうしたほうがいいのにと思う部分があったら、そこを―個人的なものでも構わないので。

○渡邊浩樹参考人 最近の御様子については残念ながら私は詳しくは分かりません。この審査部会が行われているところまで大体お話を伺ったということになります。
 どうやらそれなりに適応できて―もちろん当然反応はあったようですし、育ちの難しさっていうのは当然あるんだろうと思います。でも、そのことで、いきなり実親さんに戻るっていうことも難しいんだろうと思います。しかるべき支援を受けながら、だけど、間違いなくこの5年間を育ててくれた里親さんの力。それから、それを御本人さんが振り返るときにこういう育ちをさせてもらったんだっていうことが分かるような支援をしてもらえたら―例えば写真であるとか、あれですねそういうこういういろんな物ですね、残っている。そういう物を提供してもらえたらいいねっていうようなことを話し合っていました。

○小渡良太郎委員 この一時保護が長期化しているっていうところも少し問題視をされていて、午前中コザ児相の所長も見えていろいろと質疑答弁させていただいたのですが、やはり児相としてもこの一時保護の長期化については最善とは言えないというような答弁も出ていました。この子供のですね、環境を第一に考えた場合、児相と里親も含めた、まあ元里親ですね、も含めてうまくやっていくということが必要であるのは客観的に見ても個人的にも理解はできるんですが、やはりこの一時保護が長期化しているという部分について早期にやっぱり何らかしらの対応をするべきなのか、それともある程度の調整が済むまで―私は専門家じゃないもんですから、ある程度は一時保護も仕方ないという形で判断されるのか、そこのところも少し教えていただければ。

○渡邊浩樹参考人 経過観察をして評価する時間っていうものが必要だったと。それは仕方なかったんだろう。もちろん、でもその後速やかに次のステップ、さらに次のステップへ進めていくのが当然望ましいというふうに考えます。児童相談所さんも多分そういうお考えでやっておられるのであろうということを期待します。

○小渡良太郎委員 最後の部分なんですけれども、この児童相談所と里親それぞれ援助者、または養育者であった本分に立ち戻り、協力関係を再構築ということを期待されて、まあ答申は終わっているんですが、先ほども支援者としていささか対抗的な対応がっていうのも―答弁もありました。里親さんに対してもですね。まあこれは素人ながら客観的に見れば、やはりこの里子を養育をする中で児童相談所ともいろんないきさつがあった中で多少感情的になるのは仕方ないことなのかなと。この説明が十分でなかったと言える―まあ客観的に言える部分もあるしという中で、やはりこの、何といいますか、まあ審査部会でもいろいろと資料を基に審査をされたと思うんですが、この子にとってですね、改めて本来あるべき姿、あるべきというか現状、今までのこの事案が発生して審査のこのタイミングでいろいろと資料も頂いたと思うんですけれども、その時点でも構わないので、この最善を考えるのに当たってこうあったほうがいいんじゃないかというような見解があれば。

○渡邊浩樹参考人 私たちとしては本来あるべき姿ってものは大人が考えるっていう話ではなくて子供が教えてくれる、そういう話だろうと思います。なので、やるべきことを進めていってその中で受け止めていく、本人もそれを表現できるようになっていく、そういうものを我々は受け止めていく、そういうことなんだろうと。だから大人があらかじめこうですよと決めることではないかなとは思います。

○小渡良太郎委員 ありがとうございます。
 以上で終わります。

○末松文信委員長 ほかに質疑はありませんか。
 喜友名智子委員。

○喜友名智子委員 はい、ありがとうございます。
 すみません、ちょっと個人情報が絡むので回りくどい質問がちょっと否めないかなと思うんですけれども。すみません、あまり言葉を選ばず率直なところをお聞かせください。
 今のですね、コメントと答弁を聞いていますと、私にとっては真実告知をしなかった里親さんを、もう実親と児相が待てないと自分たちの判断でお子さんを里親解除して一時保護して自分たちで真実告知をもうしていくんだと決め打ちで対応したというふうに今理解しているんですね。
 この認識に―私は今こう受け止めているんですけれども、これに対してそうではないと、これがこの子にとってよかったんだというようなことを審議会ではもう判断されているんでしょうか。
 それとも、もうコメントにありますように一時保護されて一定期間経過して一時保護の生活に適応したと、結果オーライだから今回はもうこれがいいのだというお考えなんでしょうか。

○渡邊浩樹参考人 まあ幸いだったと思います。
 つまり混乱が―それだけの力を持っている子供さんだったということは幸いだったと思います。

○喜友名智子委員 そうすると、この子の医療的な特性を考慮して真実告知は早いのではないかとお考えだった里親さんの判断はやはり思い入れが過ぎたというか、間違っていた判断だと思いますか。

○渡邊浩樹参考人 間違っている、間違っていないというのは、ちょっと難しいかなと、酷かなと。

○喜友名智子委員 今後似たようなケースがあった場合、今このお子さんがたまたま状況を受け止められる子で幸いしたという結論になってしまうと、私は多分児童相談所は次も同じことをすると思っています。
 なぜならば、今、渡邊さんがおっしゃった中にですね、今回審議会で議論したのがもう一時保護された後のお子さんの対応について議論したからだとおっしゃっていたからなんです。
 確認なんですけれども、審議会の中で今回の児童相談所の里親の委託解除を行うまでのプロセスについては審議会では議論したり、判断したりしていないという理解でいいですか。

○渡邊浩樹参考人 私どもはその点について一番問題であったと考えているのは、行動を起こす前にしかるべき―まあ結局我々ってこと、審議会ってことになるんでしょうけれども、審議会に諮ってもらいたかったと。少なくとも秋の時点で、というのが我々の意見です。そうであれば、またこの答申も少し変わってくるかもしれないし、児童相談所の行動もまた変わってくるかもしれなかったなというふうに思っています。

○喜友名智子委員 過去の話を振り返ると、たらればにしかなりませんけれども、昨年の秋の時点で、こういったケースがあると県がきちんと審議会にかけていた場合、同じような情報を当時に得たとして審議会ではどのような議論があったであろうと想定するのか、いかがでしょうか。
 これは本当にたらればの話でいつまでほじくり返せばいいのかというところも難しいんですけれども、けれど聞いておかないと多分同じことをするんじゃないかと、その懸念の部分がやっぱり今までの県の答弁、それから今回、この閉会中審査を行うきっかけとなった陳情者の皆様の思いを聞いていると、やはりそこは審議会の皆様にもお尋ねをしておきたいところです。

○渡邊浩樹参考人 もし秋であれば、いかに親御さん―実親さんと里親さんがお互いに何も分からない者同士で疑心暗鬼になっているんだろうと思うので、この関係をどう構築するかっていうことをかなり主張したかなと私はそう思っています。子供さんを―本来子供さんの問題なんだけれども、その子供さんの事情を考えたときに普通に真実告知をしてトントントンと進められないという事情があるならば、私はそういうふうに言ったかなというふうに思います。

○喜友名智子委員 先ほどですね、本来あるべき姿は大人ではなく子供が決めることと、それを我々は受け止めていくのであって大人があらかじめこうするのではないという発言がありました。
 私も本当にそうだと思います。この言葉に立ち戻ると今回の里親の解除ですね、まさに児相が一方的に本来あるべき姿を決めてしまったのではないかなと思うんですけれども、この点はいかがでしょうか。私はそう理解しています。

○渡邊浩樹参考人 そこは難しいところで、これはお互い様なのかなと私は思っています。お互いにそういう関係をつくってしまったということ。

○喜友名智子委員 このお互いというのは、誰と誰のことを指していますか。

○渡邊浩樹参考人 児童相談所と里親さん。

○喜友名智子委員 はい、審議会のお考えは分かりました。
 里親さんと児童相談所、どっちもどっちというふうに聞こえるんですけれども、私には。
 今後、児童相談所がまた里親の解除だったり、一時保護をするといった対応のときに、対応をするときに今回のケースから審議会としてこう教訓があるよという点がありましたら、この審議会の中での議論で繰り交わされた中で教訓と言えるべきものがあれば、御披露いただけるでしょうか。

○渡邊浩樹参考人 そうですね、審議会として、審議会が考え得る点としたらこのようなケースが起こったら―起こらないようにしていくっていうことなんでしょうけれども。つまり里親さんとの関係のつくり方、あるいは里親さんの支え方、そういうものを、何だろう、議論していただくっていうことになるんだろうと思いますが、だから起こらないということを期待したいですね、やっぱりね。

○喜友名智子委員 コメントの中で養育の3ブロック目、養育里親への支援介入不足、当事者間の関係改善に向けたソーシャルワーク的な対応の不足という御指摘がありました。
 今回のケースは里親への支援介入不足があったにもかかわらず、いきなり里親の委託解除というふうに介入がいきなり始まったというふうにも見えるんですね。そのせいで、関係者が対抗的な関係になってしまったと。今、この状態になった中で同じコメントの中の4ブロック目の最後の部分、児童相談所とともに元里親を含めた関係者が支援をして実親と家族関係を構築していくと。
 審議会として、今これだけこのケースが入り組んでしまっている中で、このお子さんが実親と家族関係を構築しながら元里親さんとも関係をつくっていくということが、どれだけ現実性があるのだろうと。このために児童相談所がやるべき努力、どういったものが想定されるとお考えですか。

○渡邊浩樹参考人 対抗的な関係をつくるということは、それなりに歴史があったんだろうと。その細かい部分についてはお話―ちょっとここでお話しすることはできないんだけれども、当然その歴史の中でそうなっていってしまった、振り返ってみたらそういうことだってことなんだろうと思います。
 なかなか現実に今、元の里親さんに何をしていただくのかっていうこと―なるほど難しい状況で、ただ子供と里親さんがしてくださったこと―それは現実に間違いなくあって、この人の育ちになったわけですから、そのことをなんだろ、伝えていただく、そういう意味で養育の支援をしていただく、そういうことはできるのかなと思います。

○喜友名智子委員 同じコメントの中では最後のブロックですね、児童相談所と里親はそれぞれが援助者あるいは養育者であった本分に立ち戻りとあります。
 これについても少し詳しくお聞かせいただけますか。今回、逆を言うとですね、今回のケースは児相と里親がそれぞれ援助者あるいは養育者であった本分を立ち超えてしまったと。だからこの状態になっているというふうに私は逆読みをしています。
 本分を立ち超えてしまった、超えてしまったという点があるのだとしたら、それぞれ児相と里親でどういう点があったとお考えでしょうか。      

○渡邊浩樹参考人 児童相談所については大体先ほどからお話ししているような時機を逸したと、要するにもっと早く介入するべきだったということと、いつの間にか対抗的な関係に―ある意味自らつくっていく傾向があったと。
 里親さん側は、要は養育里親。養育ということを超えて、何だろう―真実告知ってことにうまく乗れなかったということかなというふうに思います。

○喜友名智子委員 すみません、これで最後の質問にいたします。
 先週ですね、里親さんを支援する立場から陳情を出された方たちからのお話の中で、今回のケースは里子さんが5歳と、実親が30代、里親が60代ちょっと前ということで、言わば祖父母、親、孫という3世代の年齢にまたがっているのがこのケースの特徴であろうと。であるならば、今後、関係を築くときには子供の取り合いみたいな関係ではなくて、お互いに世代を生かした関わり方ができるのではないかという御提案があったんですね。
 要はその、里親と実親が年代が近いとお互いが子供の取り合いみたいになってしまうけれども、今回のケースは里親さんのほうが祖父母世代といってもいいくらいの年齢構成なので、おじいちゃんおばあちゃんの家で実親、お孫さんみたいな関係がつくれないかなということをおっしゃっていたんですね。今回のケースを議論する中で、そういった関係性を築く可能性というのはありだと思いますか。

○渡邊浩樹参考人 それは何とも、年齢で言えることではないので一概には言えないかなとは思いますが、そういうふうにできたらいいですねとは思います。

○喜友名智子委員 はい、分かりました。
 私は以上です。ありがとうございました。

○末松文信委員長 ほかに質疑はありませんか。
 新垣淑豊委員。

○新垣淑豊委員 はい。すみません、今日はお忙しい中ありがとうございます。
 午前中にもちょっと児相にも確認したんですけれども、今回、実親さんが委託の撤回をしましたと、里親委託の撤回をしましたと。そのあと戻す際に、実親さんに戻す際にですね。それまでの間支援方針を決めるということで一時保護をしているという認識なんですね。
 これは審査部会のほうではこの一時保護に至るまでの間に、なぜしっかりとした計画が立てられていないのかということについては、何か議論になったんでしょうか。なぜならば、もう既に今日で113日一時保護されているんですよ。
ということは我々通常の感覚でいうと最大でも2か月ですよねと一時保護は。なのに、もうそれを大幅に超える、約倍ですよね、倍以上の期間をですね、一時保護をしているということは私はちゃんとした計画は立てられていなかったんじゃないかと思っているんですよね。
 その点については何かこの、部会のほうでのお話は出たんでしょうか。

○渡邊浩樹参考人 はい。今、百何日っていうのはその時点では分からないことなんですけれども、その長期化しているというのは現在もそうであるということは事実なんです―ああ、聞いちゃいけないんだった。もしそのままであったとしたら問題だろうとは思います。今も一時保護の状態であったとしたら。私も今も一時保護なのかどうかということは、何ともお話しできませんけれども、分かりませんけれども、私たちが分かっている限りでは当然、この方の経過観察と評価をして準備を進めていたというふうに受け止めています。

○新垣淑豊委員 これは実は陳情者が今回おりまして、その際にですね、この当該児童の意見表明というのはどういうふうにされているのかということは、これは審査会では議論になったんでしょうか。

○渡邊浩樹参考人 というより当然5歳の子供さんですから、様々な関わり、遊びの中でいろんな表現があって、それを受け止め評価してっていうことではないかと思います。大人とは違って、私はこうですっていう言い方はするわけではないので。お話をしたことに対して御本人さんがそのいろいろな形で表現したということになるんではないでしょうか。

○新垣淑豊委員 すると、これも午前中にお話ししたんですけれども、児童相談所と里親さん、ここのその供述がかみ合わないところがあるんですね。例えば、真実告知をしてくださいと言った年数であったりとか、これは午前中でちょっと内容を聞いたんですけれども、例えば自筆のお手紙が行ったとか行かないとかですね、こういった話もいろいろあって、その違いがあったんですけれども、こういった内容についてはどういうふうに判断されたんですか、この受け止めて。

○渡邊浩樹参考人 私たちは記録っていうものをとても重要視します。例えばいじめの問題であれ、何の問題であれ。さすがに児童相談所というのは記録を取るということのフォーマットはきちっとなっていて、その時々に誰が何時にどうっていう記録が残っています。それを拝見しながら―基本的にはそれを拝見しながらお話を聞いているのでおおむねその記録のとおりに受け止めています。

○新垣淑豊委員 すみません、最後ですけど、これは審議会のほうから見たときに、再統合という―実親さんとお子さんの再統合ですね。この環境というのは整えられていたというふうな判断なのか。

○渡邊浩樹参考人 まさにその途上であるということだと思います。

○新垣淑豊委員 すみません、追加でもう1点なんですけれども、あとですね、これはちょっと午前中にまた児相にも確認したんですけれども、今回は里親さんに対しての一時保護は、保護委託は難しいというふうな判断を部会はされているんですけれども、これが最初の段階だったらどうでしたか。
 要は一時保護をする委託先と。要は解除すると―実親さんが解除するわけですよね。里親委託を撤回するわけですよ。なんですけれども、例えば一時保護先、例えばいろんな調整をする中で一時保護をしなければいけないというところで、一時保護所にステイしてもらうのか、それともその里親さんのところに
継続してしばらくの間もうしばらくの間いてくださいというのはどちらがベターなんですか。


○渡邊浩樹参考人 はい。先ほど申し上げたように現実に一時保護所にもう保護された後の話だったんで、もう何とも、それを仮定でお話しするっていうのはちょっと難しいかなという気がします。

○新垣淑豊委員 分かりました。
 以上です。

○末松文信委員長 ほかに質疑はありませんか。
 玉城ノブ子委員。

○玉城ノブ子委員 最初に児童相談所が里親に委託解除をする前に審議会をやってほしかったという、先ほどの答弁はそういう答弁だったかなというように思うんですけれども、これはその行動を起こす前に審議会をやるというふうな仕組みにはなってはいないんですか。規定とかそういうことはない……。

○渡邊浩樹参考人 基本的にはいつでも可能だと思います。なので、9月というのはそういうチャンスがあったので、そういうので9月、そういう申請するという可能性があったのでその時点でっていう申し上げたのはそういう意味かな。

○玉城ノブ子委員 審議会にかけて、審議会の中でちゃんと議論してやっていくということになると、こちらのほうにも出ているんですけれども、実親、児童相談所、里親の連携が整っていなかったと。要するにこの行動を起こす前にそういう連携が整っていなかったということが一つの問題として出ているのかなというふうに思うんですけれども、これはどうなんでしょうか。

○末松文信委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、参考人から質疑内容の確認があり、玉城委員から、連携が整っていなかったと指摘したことについて、もし事前に審議会が開催されていればアドバイスができた可能性はあったのかと補足説明があった。)

○末松文信委員長 再開いたします。
 渡邊浩樹参考人。

○渡邊浩樹参考人 そうですね。

○玉城ノブ子委員 ということですね。そういう意味ではやっぱり児童相談所の行動が皆さん方が指摘しているように、やっぱり実親、児童相談所が、里親が連携を取りながらこれはやっぱり進めていくということが必要だったということの指摘になるわけですよね。それと先ほどから話、一応出てはいるんですけれども、一番気になるのはやっぱり児童―突然の里親解除で、その時点でもう児童も精神的に非常厳しい状況にあったんじゃないかということが想像できるわけなんですよね。そのときの様子を聞いてても。私たちとしては、その長期間にわたって児童相談所にね、子供がそのまま措置され続けているということについて、これでいいんだろうかということの疑問の声がやっぱり上がるわけですよ。これをそういう意味では具体的にね、皆さん方の中にその一時保護の生活に適応して、こう少しずつ前向きに捉え始めていると、支援も準備も進んでいるのでその状況の中で里親に一時保護委託をさせることは難しいというふうになっているんですけれども、これもう少し具体的にちょっと聞かせていただけませんか。

○渡邊浩樹参考人 はい。かなりこの答申ってスピードアップした―短い期間でまとめなきゃならない。それはまさにいつまでも一時保護というこの状況で置いておくということはまずいだろうという判断は当然あった。我々はそう思うし、県にもそういう判断があったからだと思うんですよね。

○玉城ノブ子委員 支援する準備が進んでいるため―要するに里親一時保護委託をするのは難しいということの判断に至ったということについてですね、具体的には今児童相談所に保護の状態が続いているわけですよ、措置の状態が続いているわけですよね。そのことの状況について私たちは大変気になっているんですけれども、この状況を前向きにやっぱり解決していく、早めにこの子供の思いに沿った支援をしていくためには具体的にはどういうふうにしたほうがいいということを、皆さん方はお考えになっているんでしょうか。

○渡邊浩樹参考人 現在ということですか、この答申を出した時点ではなくて。

○玉城ノブ子委員 はい。答申を出した時点で皆さん方としては具体的にどうしたほうがいいという……。

○渡邊浩樹参考人 当然答申を出した時点では、そういう先ほどお話ししたように、よりスピードアップして答申まで持っていったわけですから、早く動いてくださいという意味で出しています。

○玉城ノブ子委員 現在もまだ子供はね、児童相談所に措置の状況が続いているんですけれども、それが今後具体的には皆さん方としてはどのような……。
 
○渡邊浩樹参考人 もし現在も続いているのなら、早く対応をしてくださいというふうに思います、それはもちろん。

○玉城ノブ子委員 はい。終わります。

○末松文信委員長 ほかに質疑はありませんか。
 比嘉京子委員。

○比嘉京子委員 今日はどうもありがとうございます。
 午前中はですね、児相の所長、班長、それから中央児相の所長も同席していただいた質疑だったんですね。
 ちょっと質疑に入る前にですね、私先週皆さんの議事録を取り寄せたいということを県のほうに依頼しておりました。そうしたところですね、昨日の午後に返事がありまして、その理由としてはまず非公開だからと。提供することによって今後委員の発言に―率直な意見が交換できなくなると。私は個人情報の部分は黒塗りでいいので出してくれませんかと再度お願いしました。それと同時に審議会に児相が提供した書類。それから部が出した書類、これも提供してほしいと要望しておりました。黒塗りでも駄目だと昨日返事があります。委員の氏名を伏せたとしてもその発言内容から発言者を特定される可能性があると。それから発言者が特定された場合、今後当該発言を行った委員に対して外部からの干渉等の影響を受けるかもしれない。今後の自由闊達な率直な意見交換が妨げられるというような回答がありました。
 それで今日調べましたところ、他府県ではもうたくさんのところが審議会の議事録を出しています。今、手元に3通あります。なぜ沖縄県は出せないのか、見解をお願いします。

○渡邊浩樹参考人 それは私がお答えすることなんでしょうか。

○比嘉京子委員 審議会としてもこのことはこういう要望がありますよと、そういう相談はなかったんですか部会長に。
 これは部が単独で判断したことでしょうか。

○渡邊浩樹参考人 そもそもこれは部外秘で行いますという、今ちょうどお話があったような説明を受けて、それを受け入れて我々はやっていたということです。

○比嘉京子委員 じゃあ前提を変える必要があるという理解でよろしいですか。

○渡邊浩樹参考人 今後ですか。

○比嘉京子委員 今後。公開するならば。

○渡邊浩樹参考人 私としては、それはそのように決まればそのように対応するし、ということ以上はお答えできないかなと思います。

○比嘉京子委員 では質問します。
 午前中に児相所長等に質問した中で、一番の大きな争点は措置解除の理由について多くの質問が集中しました。なぜ措置解除の前に審議会にかけなかったのかという質問も多数出ました。その時の児相の意見があるわけですけれど、審議会には児相はその件についてどのような説明をされたんでしょうか。審議会にかけなかった理由をどのように皆さんに説明されたんでしょうか。

○渡邊浩樹参考人 特別にこうだということはなかったように思います。ということは児相の方々にとっては、何だろう―このお話を持っていくやり方に御自分たちで判断されたんだろうというふうに思います。

○比嘉京子委員 では審議会の中で、審議会が開かれた段階で、審議委員の中から審議会が開かれなかったことまたはそれに関連する意見というのはどういうものがあったんでしょうか。審議会を開くべきだって意見が一つでも出たんでしょうか。

○渡邊浩樹参考人 そもそも早期に―先ほどもあったように、早期に審議会が開かれるべきでしたねというお話がありました。

○比嘉京子委員 ということは、一時保護の前に審議会を開くべきでしたよねっていう意見があったということでいいですか。

○渡邊浩樹参考人 はい。

○比嘉京子委員 はい、分かりました。
 で、次質問ですけれども、こういうような事態になったということは先ほどから渡邊部会長がお話しされているように言ってみれば、里親と児相と実親の調整ということをしっかりやるようにということと里親への介入ですね―介入っていいますか援助っていいますか、それをもっと丁寧にやるようにという御指摘がありますけれども、開示されていないので中身がよく分かりません。
 ただ、私たちに今プレスリリースで出された1枚のペーパーだけが報告されたとは思っておりませんので、ここでは指摘事項だけになってしまっているんですけれど、その具体的な案についてもしっかりと指摘をしているという理解でよろしいですか。

○渡邊浩樹参考人 よろしいです。

○比嘉京子委員 今回の件はこれこれでこの時期にこうするべきではなかったかとか、今後こういうことが必要ではないかとか、具体的な―今ですね、審議会のペーパー1枚からではですね、指摘だけであって具体策はないんですよ。ですよね。それが本当に審議会の議事録とともにですね、児相の改善点であるとか問題点であるとか今回の件も含めてですけれども、そこは事細かく出されているという理解でいいってことですよね。

○渡邊浩樹参考人 児相の問題点等を指摘しています。

○比嘉京子委員 はい。ありがとうございます。
 次に行きたいと思います。この措置解除の理由について児相からどんな説明があったんでしょうか。

○渡邊浩樹参考人 幾つかの説明がありました。それは実は知事への答申というものの中に書き込まれています。これが公開されていないんでここでこうですああですってちょっと申し上げられないんですけれども、ということだけはお伝えします。

○比嘉京子委員 児相の解除理由については審議会においては了とされたんでしょうか。

○渡邊浩樹参考人 様々な意見があったと思います。基本的には批判的であったとしても現実は動いてしまっているので、その動いてしまっている現実にどう向き合うかということに話は向かって行ったのかなというふうに思います。

○比嘉京子委員 ということは、審議会を開く前に一時保護をしてしまったので、本当に子供のためにもっと言えることはあったし、やれることはあったけれども、結果論として現実的な対応を指摘させざるを得なかったと。

○渡邊浩樹参考人 そういう面もあったかと思います。

○比嘉京子委員 批判的な御意見というのには、もし言える範囲でどういうものがあったんでしょうか。

○渡邊浩樹参考人 実親さんが解除をしたと。それだけの理由をもって、ということですかね。

○比嘉京子委員 実親の意向だけで解除となったことはおかしいのではないかというような意見だと理解してよろしいでしょうか。

○渡邊浩樹参考人 実親さんが委託を解除したので、解除します。もう少し何だろう、柔軟に対応できる方法はなかったのかという御意見はあったかと思います。

○比嘉京子委員 その観点は一番最初に渡邊部会長がおっしゃったように、子供にとっての利益という点を考えると親権者の意向だけでこういう事態になってどうなんだという意見だと理解しますけれども、いかがですか。

○渡邊浩樹参考人 親権者―そうですね。

○比嘉京子委員 今ですね、一時保護をされた後ですけれど里親が写真を差入れしたいと申し出たけれども却下されています。そういうことは聞かれたんでしょうか。

○渡邊浩樹参考人 私は知りません。

○比嘉京子委員 審議会の中でそういう説明等はありましたか。

○渡邊浩樹参考人 審議会は2月25日が最後ですから。

○比嘉京子委員 それ以前にですね、里親さんが毎月2回子供の心療内科での療育を受けていると。療育。受けているのでその予約日がいついつですけれどもどうしましょうかと尋ねたところ、それには答えられないというふうになっていますけど、その報告等とそれから審議会でのことは児相の方針としては……。

○渡邊浩樹参考人 すみません、それについてはやはり、まさに子供さんの問題なのでお答えするのは難しいと思います。

○末松文信委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、委員長から比嘉委員に対し、答弁しやすいように質問を区切るよう要望があった。)

○末松文信委員長 再開いたします。
 比嘉京子委員。

○比嘉京子委員 少し落ち着いてやりますね。時間がないないっていう意でやっているんで。
 先ほどから、それから皆さんのリリースにもあったんですけれど、児童が一時保護所の生活に適応しているであるとか前向きに捉えているというようなくだりがありましたけれども、それはどういう立場の方が何名でそういう判断をされたんでしょうか。

○渡邊浩樹参考人 御本人さんの様々な状態―当然、日頃の日常は職員さんが見ているし、それから特別に心理司さんであるとか、そういうあるいは嘱託員さんであるとか、そういう方が関わって様子を観察しているのだと思います。

○比嘉京子委員 もちろん専門職の方が診断されるとは思うんですけれども、子供の様子っていうのが1人で例えば24時間接している人っていうのは児相にはおられるんでしょうか。一時保護所には。医療的ケアもできる人はいるんでしょうか。

○渡邊浩樹参考人 明言はできませんが24時間というのは恐らく難しい―ずっとというのは難しいと思います。

○比嘉京子委員 子供には様々な顔も適応能力もあると思います。予測ですけれど。しかしながら、本当に丸ごと見詰めないと深夜にどんな状態なのか―みんな細切れに時間で替わっていきますとなかなか見えづらいという、一貫性っていうのを非常に気にしています。

○渡邊浩樹参考人 それはきちっと引き継いで集積されてちゃんと見ていると思います。

○比嘉京子委員 ではですね、児童の元里親の元へ返すことは難しいと判断された根拠について伺いたいと思います。

○渡邊浩樹参考人 現実に―我々が集まって話をした時点で一時保護からもう1か月以上経っていたんですかね。御本人さんの適応が思いのほかよかったと。可塑性を持って適応力を持っている人だっていうことが分かってきたと。とすると、御本人さんのこれから進むべきことを進めていくってことは必要なんだろうと。そうなったときに、また元の里親さんに戻すっていうのはあまり現実的ではなかろうということだったと思います。

○比嘉京子委員 審議会の方々が観察にいらしたということはあるんですか。

○渡邊浩樹参考人 それはないです。

○比嘉京子委員 そうすると児相や一時保護所にいる人の意見として皆さんが聞いた上で判断をしたと。

○渡邊浩樹参考人 記録を拝見したということです。

○比嘉京子委員 はい、分かりました。
 たくさんの課題がある中でですね、やっぱり私は児相からどんな情報が提供されてその情報によって皆さんがジャッジをする、審議をするっていうことになるので、私たちやっぱり今の状況ではやはり実態が見えない中で手探りで質疑をしているわけです。そういうことになりますと県民が非常に関心が高いのにもかかわらず、やはり説明責任がなかなか果たせられていないというふうに思うんですよね。今日のような質疑ではですね、中身が見えない中でみんな、外野席からなんか質問せざるを得ないんですよね。
 もちろん私は個人情報を消してくださいと言ったにしても出てこないので、他府県を見習ってですね、しっかりと説明責任が果たせられるような今後の在り方を要望して終わります。

○末松文信委員長 ほかに質疑はありませんか。
 瀬長美佐雄委員。

○瀬長美佐雄委員 どうも、今日はありがとうございます。
 実はこの件については陳情が出ています。先週はその陳情者から意見も伺いました。今回の件で言うと、私たちに求められているのは、厚労省の示す児童相談所運営指針であるとか、子供虐待対応の手引であるとか、児童相談所が適切に業務を行っているのかという基準に照らしてどうなんでしょうかということを検証すべきだというふうに私たちは求められているわけです。
 審議会は様々な資料等々チェックしましたと。そのチェックの基準として、まあ資料としてもお持ちかと思いますが、この家庭復帰の適否を判断するっていうチェックリスト、20項目ありまして、この中にも例えば家庭復帰をこの子が望んでいるのかどうか、不安にないのかとか様々チェック項目があります。それこそ当事者で子供の権利としてしっかりと判断をして移行するという流れに照らして、陳情者は十分じゃなかったんじゃないかと。その立場に立って検証を求めていて、審議会の中ではそういった今回の事態に対処する上で適切な対応だったのかどうかという点では審査されたのか伺います。

○渡邊浩樹参考人 審査部会の中でということですよね。基本的には審査部会の中ではお話を伺ってることが話の中心で、その審査部会の中でこうすべきだという話は基本的には―すみません、ちょっと覚えていないです。そこは。

○瀬長美佐雄委員 改善点、今回の事態に至ってこうすべき、こうあるべきだったという提言をされたということの理解でよろしいでしょうか。確認です。

○渡邊浩樹参考人 はい。それは間違いなく。

○瀬長美佐雄委員 これは提言なので今回の事態、別に隠すべき―今言う提言であればですよ、こうすべきだったねというどのような提言をされたんでしょうか。

○渡邊浩樹参考人 児童相談所の在り方については、何だっけ、コメントの中にもありますけれども、関係改善を尽くすことと、そのための人員だったり予算だったり、あるいは検証だったり、そういうことを進めてくださいということだったと思います。あと研修ですかね、里親登録や認定に関する研修であったりを改善と充実っていうことですかね。

○瀬長美佐雄委員 陳情者は今年になって陳情を出されているので既にもう一時保護されているというか、そういう状況を受けての陳情なので。子供の混乱―分離による子供の心の傷つき。子供の意見を今後尊重して合意の下に行うべきだと。段階的に親子の交流等々をしっかりやって信頼関係を深め合い、愛着関係の修復等々の心の面での安心の醸成等々をしっかりやるべきだというふうな指摘。それは審議会が答申の中にもそういった観点で、今後の業務をやるようにという趣旨の提言というふうに受け止めて……。

○渡邊浩樹参考人 そのような観点と精神で進めてくださいということになるかと思います。おっしゃるとおりだと思います。

○末松文信委員長 ほかに質疑はありませんか。
 
   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○末松文信委員長 質疑なしと認めます。
 以上で、沖縄県社会福祉審議会児童福祉専門分科会審査部会の審査についてに対する質疑を終結いたします。
この際、参考人に対し、委員会を代表して一言お礼を申し上げます。
 本日はお忙しい中にもかかわらず、長時間にわたり貴重な御説明をいただき心から感謝いたします。
 本日拝聴いたしました内容等につきましては、今後の委員会審査に十分生かしてまいりたいと思います。
 渡邊浩樹参考人、大変ありがとうございました。
 休憩いたします。
  
   (休憩中に、参考人退席)

○末松文信委員長 再開いたします。
 以上で、本日の日程は全て終了いたしました。
委員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 本日の委員会は、これをもって散会いたします。






沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。

   委 員 長  末 松 文 信