委員会記録・調査報告等

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文教厚生委員会記録
 
平成29年 第 1定例会

4
 



開会の日時

年月日平成29年3月10日 曜日
開会午前 10 時 0
散会午後 4 時 57

場所


第7委員会室


議題


1 甲第1号議案 平成29年度沖縄県一般会計予算(保健医療部所管分)
2 甲第21号議案 平成29年度沖縄県病院事業会計予算                 
3 予算調査報告書記載内容等について


出席委員

委 員 長  狩 俣 信 子 さん
副委員長  西 銘 純 恵 さん
委  員  新 垣   新 君
委  員  末 松 文 信 君
委  員  照 屋 守 之 君
委  員  次呂久 成 崇 君
委  員  亀 濱 玲 子 さん
委  員  比 嘉 京 子 さん
委  員  平 良 昭 一 君
委  員  金 城 泰 邦 君


欠席委員

なし


説明のため出席した者の職・氏名

保健医療部長           砂 川   靖 君 
 保健衛生統括監         糸 数   公 君 
 保健医療政策課長        大 城   博 君 
 保健医療政策課医師確保対策監  諸見里   真 君
 保健医療政策課看護専門監    国 吉 悦 子 さん
 健康長寿課長          山 川 宗 貞 君 
 国民健康保険課長        宮 平 道 子 さん
 薬務疾病対策課長        玉 城 宏 幸 君 
病院事業局長           伊 江 朝 次 君 
 県立病院課長          津嘉山 朝 雄 君 
 県立病院課経営企画監      真栄城   守 君 
 県立病院課医療企画監      與那覇 博 康 君 
 県立病院課看護企画監      平 良 孝 美 さん
 県立病院課副参事        大 城 久 尚 君 
 北部病院長           仲 間   司 君 
 中部病院長           本 竹 秀 光 君 
 南部医療センター・
 こども医療センター院長     佐久本   薫 君 
 精和病院長           親富祖 勝 己 君 
 宮古病院長           上 原 哲 夫 君 
 八重山病院長          依 光 たみ枝 さん



〇狩俣信子委員長 ただいまから、文教厚生委員会を開会いたします。
 本委員会の所管事務に係る予算事項の調査についてに係る甲第1号議案、甲第21号議案及び予算調査報告書記載内容等についてを一括して議題といたします。
 本日の説明員として、保健医療部長、病院事業局長及び各県立病院長の出席を求めております。
 まず初めに、保健医療部長から保健医療部関係予算の概要の説明を求めます。
 砂川靖保健医療部長。

〇砂川靖保健医療部長 保健医療部所管の平成29年度一般会計歳入歳出予算の概要について、お手元にお配りしております平成29年度当初予算説明資料に基づき説明いたします。
 資料の1ページをお開きください。
 平成29年度一般会計部局別歳出予算の総括表となっております。
 平成29年度一般会計歳出予算額は、表の一番下、県全体の合計は7354億4300万円、そのうち保健医療部は枠で囲った部分、656億3930万円で、県全体の8.9%となっております。
 前年度と比較しますと9億2346万円、1.4%の増加となっております。
 2ページをお開きください。
 歳入予算について御説明いたします。
 県全体及び保健医療部の歳入予算を、款ごとに示しております。
 平成29年度一般会計歳入予算額は、表の一番下、県全体の合計は7354億4300万円となっており、そのうち保健医療部は枠で囲った部分、9の使用料及び手数料4億9024万5000円、10の国庫支出金99億5895万3000円、11の財産収入1524万4000円、13の繰入金16億772万3000円、15の諸収入2億3655万8000円、合計123億872万3000円を計上しており、県全体の1.7%となっております。
 前年度と比較しますと1億7428万5000円、1.4%の増加となっております。
 3ページをお開きください。
 保健医療部の歳入予算の主な内容について御説明いたします。
 まず、上から2行目の(款)使用料及び手数料4億9024万5000円につきましては、その下の行の右端、節別内訳にありますとおり、県立看護大学授業料、その下の県立看護大学入学料、屠畜検査等に係る証紙収入などを計上しております。
 前年度と比較しますと696万9000円、1.4%の減となっており、これは主に屠畜検査料などの減少によるものであります。
 次に、上から6行目の(款)国庫支出金99億5895万3000円につきましては、精神衛生費、難病医療費等対策費などの国庫負担金、沖縄振興公共投資交付金などの国庫補助金を計上しております。
 前年度と比較しますと1億7421万9000円、1.8%の増加となっており、これは主に、精神衛生費に係る負担金などが増加したことによるものであります。
 次に、表の中ごろの(款)財産収入1524万4000円につきましては、沖縄県健康づくり財団等への土地貸付料及び建物貸付料、それから、保健医療部で設置している基金の運用益などを計上しております。
 前年度と比較しますと108万1000円、6.6%の減となっており、これは主に、建物貸付料の減少によるものであります。
 次に、(款)繰入金16億772万3000円につきましては、北部地域及び離島緊急医師確保対策基金繰入金、地域医療介護総合確保基金などから、一般会計への繰入金を計上しております。
 前年度と比較しますと3034万5000円、1.9%の増加となっており、これは主に、地域医療介護総合確保基金繰入金などの増加によるものであります。
 次に、(款)諸収入2億3655万8000円につきましては、県立病院貸付金元利収入及び雑入などを計上しております。
 前年度と比較しますと2220万9000円、8.6%の減となっており、これは主に、雑入において、鹿児島県が救急医療用ヘリコプターを導入したことにより、本県に納めていた負担金などが減少したことによるものであります。
 以上で、歳入予算の説明を終わります。
 4ページをお開きください。
 歳出予算について御説明いたします。
 県全体及び保健医療部の歳出予算を、款ごとに示しております。
 保健医療部の平成29年度歳出予算額は、枠で囲った部分、3の民生費338億9910万9000円、4の衛生費308億3865万8000円、10の教育費9億153万3000円、合計656億3930万円を計上しており、前年度と比較しますと9億2346万円、1.4%の増加となっております。
 5ページをお開きください。
 歳出予算の主な内容について御説明いたします。
 1行目の(款)民生費338億9910万9000円につきましては、(項)社会福祉費において、右側の事項別内訳にありますとおり、後期高齢者医療負担金等事業費138億4567万4000円、国民健康保険指導費199億1205万7000円などを計上しております。
 前年度と比較しますと2億2562万1000円、0.7%の増加となっており、これは主に、後期高齢者医療負担金等事業費の負担金の増加によるものであります。
 次に、(款)衛生費308億3865万8000円につきましては、(項)公衆衛生費において、精神医療費86億3356万3000円、こども医療費助成事業費13億7255万7000円、特定疾患対策費21億1445万2000円など、計149億3443万2000円となっております。
 それから、(項)環境衛生費において、食肉衛生検査所費4億7991万7000円、水道事業指導費8254万円など、計8億5217万9000円を計上しております。
 次に、(項)保健所費において職員費18億3827万円、保健所運営費1億4397万6000円など、計20億3725万3000円となっております。
 それから、(項)医薬費において、医務行政費15億9590万9000円、医学臨床研修事業費18億3949万1000円、地域医療対策費17億1302万5000円など、計70億2465万7000円となっております。
 それから、(項)保健衛生費において、県立病院繰出金59億9013万7000円を計上しております。
 前年度と比較しますと6億5316万3000円、2.2%の増加となっており、これは主に、精神障害者自立支援医療費、地域医療介護総合確保基金への積立金などの増加によるものであります。
 次に、(款)教育費9億153万3000円につきましては、看護大学教職員給与費として5億7478万円、看護大学教育研究費1億296万9000円、看護大学施設等整備費8710万6000円などを計上しております。
 前年度と比較しますと4467万6000円、5.2%の増加となっており、これは主に、看護大学の空調設備の更新のための看護大学施設等整備費の増加によるものであります。
 以上で、保健医療部所管の平成29年度一般会計歳入歳出予算の概要説明を終ります。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

〇狩俣信子委員長 保健医療部長の説明は終わりました。
 次に、病院事業局長から病院事業局関係予算の概要の説明を求めます。
 伊江朝次病院事業局長。

〇伊江朝次病院事業局長 病院事業局所管の甲第21号議案平成29年度沖縄県病院事業会計予算について、御説明申し上げます。
 お手元の平成29年第1回沖縄県議会(定例会)議案その1の61ページをお開きください。
 平成29年度沖縄県病院事業会計の予算につきましては、持続的な経営の健全化を達成するため、各病院の経営力の向上を図ること、収益向上につながる取り組みを強化すること、費用の縮減と効率化を推進することなどを基本方針として、予算を編成しております。
 それでは、議案の概要について御説明いたします。
 まず初めに、第2条の業務の予定量について、病床数は6病院合計で2188床としております。
 また、年間患者数は、同じく6病院合計で154万6767人を見込んでおります。
 主要な建設改良事業は、平成28年度に引き続き、新八重山病院施設整備事業となっております。
 第3条の収益的収入及び支出について、病院事業収益は595億2469万9000円を予定しており、収益の内訳は、医業収益が521億3119万円、医業外収益が73億3476万2000円、特別利益が5874万7000円となっております。
 続きまして、病院事業費用は591億2973万9000円を予定しており、費用の内訳は、医業費用が581億1107万8000円、医業外費用が8億1942万7000円、特別損失が1億8923万4000円、予備費が1000万円となっております。
 第4条の資本的収入及び支出については、施設の整備と資産の購入などに係る予算で、資本的収入は、104億2163万2000円を予定しており、収入の内訳は、企業債が72億5400万円、他会計負担金が15億6969万4000円、国庫補助金が15億9793万8000円となっております。
 次に、資本的支出は121億3920万3000円で、支出の内訳は、建設改良費が90億2377万1000円、企業債償還金が25億1542万7000円、他会計借入金償還金が6億3000円、無形固定資産と国庫補助返還金が、それぞれ1000円となっております。
 第5条の企業債は、限度額を72億5400万円と定めております。
 第6条の一時借入金は、限度額を50億円と定めております。
 第7条の予定支出の各項の経費の金額の流用は、各項の間で流用できる場合について、定めております。
 第8条の議会の議決を得なければ流用することのできない経費は、職員給与費と定めております。
 第9条の他会計からの補助金は、17億8875万2000円を予定しております。
 第10条のたな卸資産購入限度額は、薬品及び診療材料に係る購入限度額について、114億5924万8000円と定めております。
 第11条の重要な資産の取得及び処分について、取得する資産は、器械備品で、八重山病院のコンピューター断層撮影装置1件及び同じく八重山病院の電子カルテシステム1件を予定しております。
 以上で、甲第21号議案平成29年度沖縄県病院事業会計予算の概要説明を終わります。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

〇狩俣信子委員長 病院事業局長の説明は終わりました。
 これより質疑を行いますが、本日の質疑につきましては、予算議案の審査等に関する基本的事項(試行)に従って行うことにいたします。
 なお、要調査事項の提起の方法及びその取り扱い等については、昨日と同様に行うこととし、本日の質疑終了後に協議いたします。
 質疑及び答弁に当たっては、その都度委員長の許可を得てから、自席で起立の上、重複することがないよう簡潔にお願いいたします。
 また、質疑に際しては、あらかじめ引用する予算資料の名称、ページ及び事業名等を告げた上で、質疑を行うよう御協力をお願いいたします。
 予算特別委員長から調査を依頼された事項は、沖縄県議会委員会条例第2条に定める所管事務に関する予算事項でありますので、十分御留意願います。
 なお、答弁に当たっては、総括的、政策的な質疑に対しては部局長が行い、それ以外はできるだけ担当課長等の補助答弁者が行うこととしたいと存じますので、委員及び執行部の皆さんの御協力をお願いいたします。
 さらに、課長等補助答弁者が答弁を行う際は、あらかじめ職、氏名を告げてください。
 それでは、これより直ちに各予算に対する質疑を行います。
 次呂久成崇委員。

〇次呂久成崇委員 歳出予算事項別積算内訳書の48ページをお願いいたします。
 特定不妊治療費助成事業についての概要説明をお願いいたします。
 また、平成28年度からこの事業の制度内容が変わったようですが、この助成額、助成回数、対象がどのように変更になったのか御説明をお願いいたします。

〇山川宗貞健康長寿課長 特定不妊治療費助成事業は、体外受精や顕微授精といった特定不妊治療が保険適用外であり、一連の治療費が高額であることから経済的負担の軽減を図るため、年齢、所得、助成回数の上限を設け、治療に必要な経費の一部を助成するものであり、県では平成17年度より事業を実施しています。助成額は1回の治療につき、初回治療は30万円に上がっています。2回目は7万5000円または15万円を上限とし、また男性不妊治療も追加しており、それを伴う場合は15万円を加算して助成しております。今回、年齢に関しては43歳未満ということで、42歳までの方たちが受けられるということになります。40歳未満の場合、43歳になるまでに6回受けられます。40歳から42歳の方たちは、43歳になるまで通算3回となります。

○次呂久成崇委員 この制度が変わる平成28年度以前に助成を受けた場合は、どのようになるのでしょうか。

〇山川宗貞健康長寿課長 同じようにこれまで受けた回数等をもってやりますのでこれから申請される方は、新しい基準にのっとって判断されることになります。

○次呂久成崇委員 沖縄県は出生率も41年連続全国1位、県内の出生率は1997年以降ずっと横ばいの状況で推移しているということですが、その一方でやはり不妊に悩む方も多くいる事実もあります。沖縄県人口増加計画で県の現状と課題を分析し、目指すべき社会、施策が示されていますが、今後さらに不妊治療助成費の支援拡大等を検討するのかも踏まえ、今後の取り組み等についてお伺いしたいと思います。

〇山川宗貞健康長寿課長 沖縄県では、平成17年度からこの特定不妊治療費助成事業を実施していますが、これまでの申請延べ件数は1万687件です。これまでの成功件数というのは、1万687件全て成功したかというとそうではありませんが、成功件数実績は1282人の方が生まれていると計算をしております。

○次呂久成崇委員 今後もぜひ継続して取り組んでいただきたいと思います。
 次に、新規事業の離島患者等支援事業について概要説明をお願いいたします。

〇大城博保健医療政策課長 離島患者等支援事業は、島外の医療施設に通院する離島患者の経済的負担を軽減し、適切な医療を受ける機会の確保を図るため、平成29年度当初予算案に2300万円を計上しております。同事業で支援対象とする離島の患者につきましては、特定不妊治療、がん治療、小児慢性特定疾病、難病、特定疾患、子宮頸がん予防ワクチンの副反応疑い及び妊産婦の合計で860人と見込んでおります。同事業については、離島の患者の島外への通院に係る交通費及び宿泊費の助成を行う離島市町村に対し、県がその費用の一部を補助することとしています。

○次呂久成崇委員 こちらの支援事業ですけれども、1人当たりの利用回数がどうなっているのか、また年に何回というような上限があるのかお伺いしたいと思います。

〇大城博保健医療政策課長 特に、具体的に利用回数の制限を定める予定はありません。

○次呂久成崇委員 今、対象となるものの御説明がありましたが、今後、事業を実施しながら、助成対象の拡大も検討していくのでしょうか。

〇大城博保健医療政策課長 この事業は離島市町村が実施主体となって行うことにしておりますが、住民の医療ニーズを一番よく把握できているのが離島の市町村だと思いますので、今後も離島市町村と意見交換を重ねながら、もし対象に加えてほしい疾病がありましたら、検討を進めていきたいと思います。

○次呂久成崇委員 この事業は付添人も対象になっているということですが、この付添人が必要だという基準、判断は全て市町村で行うのでしょうか。

〇大城博保健医療政策課長 付添人が必要かどうかは、県の補助金の交付要綱で基準を定める予定としております。例えば、未成年者で保護者の同伴が必要になる場合、あるいは家族の介護が必要とされる方など具体的に示す予定であります。

○次呂久成崇委員 離島患者とその家族にとっては、この事業は本当に待ち望んでいたと言ってもいいものだと思います。このような治療、通院は患者の皆さん、そして家族が利用できるところでは、将来的に宿泊施設の設置を望む声も多いので、ぜひ宿泊施設の設置も検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

〇砂川靖保健医療部長 当面はこの事業を実施することによって、宿泊関係の問題もカバーされるだろうと思っています。仮に宿泊所の施設設置となると、治療によって各病院がばらばらなものですから、相当多数の施設が出てくるわけです。それでいろいろ考えられる手だてとしては、仮に離島の市町村が宿泊施設を用意する、借り上げるというような場合、それについても補助の対象とするかどうか検討する必要があるだろうと考えます。

○次呂久成崇委員 ぜひ、この事業等を実施しながら市町村と連携して、この借り上げ等についても検討していただきたいと思います。
 次に、同じく新規の事業で健康行動実践モデル展開促進事業についての概要説明、事業の効果、事業のイメージを少し具体的に説明をお願いします。

○山川宗貞健康長寿課長 健康行動実践モデル展開促進事業は、琉球大学への委託事業で開発した健康行動の介入プログラムを市町村で展開・普及させる事業です。事業内容としましては、市町村の健康づくり関係課、学校給食関係課や自治会関係者を対象に、介入プログラムの意義や効果について説明をしたり、活用に当たっての技術的指導のための説明会を開催するということが1つ。
 次に、市町村での活用に向けた課題の抽出が1つ。市町村を訪問し、意見交換を通した活用促進等を行うことになっております。これまでに認められた効果としましては、地域住民の体重の低下が確認されたり、栄養調査の個人結果の説明会を行うことにより、栄養指標の改善―例えば、野菜をとる量がふえたとか、カルシウムの摂取量が増加したという効果があります。また、地域によっては健康づくりの活性化など効果がありまして、例えば、北谷町栄口地区などでは住民による健康づくりに関する活動が起きたことが効果として上げられます。

○次呂久成崇委員 こちらの事業効果で、青壮年期を健康行動に誘導する実践的なモデルによる健康づくりの手法を市町村に習得してもらい、普及を進めるということですが、青壮年期という具体的な年齢層は、どのような想定をしていますか。

○山川宗貞健康長寿課長 青壮年期は20歳から64歳までの働き盛りの青壮年期の方たちを対象としております。

○次呂久成崇委員 次に、同じく新規事業で健康づくりボランティア養成・活動支援強化事業についてですが、こちらの事業の概要説明と事業の効果、そして、イメージについて御説明をお願いします。

○山川宗貞健康長寿課長 健康づくりボランティア養成・活動支援強化事業の内容について御説明します。この事業は市町村が行う健康づくり推進員や食生活改善推進員等の健康づくりボランティアの養成や活動支援に対して、当該事業により補助を行うこととしております。当該事業を実施することにより、県としては地域における健康づくりを担う人材の育成や健康づくり活動を活発化させ、県民の健康づくりを推進する環境を整えていきたいと考えています。 具体的な目標としては、現在、健康づくり推進員を行っているところは17市町村ですが、28市町村、約7割まで上げていきたいと考えております。
 また、健康づくり推進員は現在、600人いらっしゃいますが、倍の1200人を目標にしております。
 次に、食生活改善推進員については、1000人から1400人にふやしたいと考えております。

○次呂久成崇委員 これは健康づくり推進員、そして食生活改善推進員などのなり手不足や、行政のマンパワー不足を補うための新たなボランティア養成や支援活動の展開という考えでよろしいのでしょうか。

○山川宗貞健康長寿課長 委員のおっしゃるとおりでして、実際に上げられている課題としては、行政のマンパワー不足や予算の確保が難しい、実際に運動指導員のなり手が少ない、逆に参加している方たちの高齢化、活用できる事業がない、活動の場が限られているといった問題があります。その補助をすることにより、それらを活性化したいと考えています。

○次呂久成崇委員 なり手不足ですので、先ほどの新規事業、健康行動実践モデル展開促進事業ともあわせて、ぜひ青壮年の皆さんにもそのような意識を持ってもらうことで、ぜひ、マンパワー不足に取り組んでいただきたいと思います。
 次に、病院事業局に幾つか確認をさせていただきたいと思います。まず、新県立八重山病院建設の進捗状況について、お聞かせください。

〇大城久尚県立病院課副参事 新県立八重山病院整備事業については、2月末現在の工事の進捗率が25.8%となっております。現在、2階の床工事を実施しております。

○次呂久成崇委員 これは全6病院かと思いますが、現在の県立病院の医師不足について、いろいろな事業を展開しながら確保に取り組んでいると思いますが、平成29年度の取り組み等についてお聞かせいただきたいと思います。

〇與那覇博康県立病院課医療企画監 これまでの取り組みとしては、本土で開催される研修医とかの募集イベントに参加して、そこで県立病院の魅力などを説明した上で、呼びかけたりしています。また、医師募集に関しては、民間の運営する医師の求人サイトや、そういうホームページ等の利用もしていて、各病院のホームページ等にも載せていますが、全体としても募集をしたり、求人サイトで募集をかけたりしております。実際、応募してきた方に県立病院を見てもらうために、病院を見学してもらって、病院の内容、状態、どういう医療を行っているのかを説明して、魅力をアピールしています。ほかには、もちろん大学病院とかにお願いしに行ったりとか、医師派遣を要請しに行ったりなども取り組んでおりますし、補助金等の事業を使って、なかなか赴任が難しいような、本土とかの大学の方たちを召還するようなシステムも、保健医療部から予算をいただいて事業としてやっています。あとは、自前で研修医を育てて、僻地・離島を含めて派遣する事業等をあわせて行っています。

〇次呂久成崇委員 最後に、亀濱委員の代表質問の答弁にもありましたが、八重山圏域における高圧酸素治療装置のことについてですが、病院事業局長の答弁で少しお聞きしましたが、この装置の認識と新県立八重山病院での設置等の考え方について、改めてお聞きしたいと思います。

〇伊江朝次病院事業局長 高圧酸素治療装置につきましては、平成8年度から八重山病院は導入していると思います。その間、オーバーホール等をして、約20年ぐらい使っている状況です。当初、漁業関係の人たちの漁法による減圧症が多かったのですが、現状としては、スキューバダイビングのような観光メニューの中での事故があったりして、どうしても減圧症が年間七、八人程度はコンスタントに発生している状況があります。我々、病院事業局としては、できるだけ事故が少なくなるようにいろいろ関係者と協力しておりますが、どうしてもいろいろな方々が入りますので、事故の発生は一定程度避けられない状況があります。事故が起こった場合、そこに装置がなければ、やはり夜間であれ、緊急のヘリ搬送になりますので、どうしても地域のインフラ整備の一環としては必要なものだと思っております。ですから、我々病院事業局としては、財政的には非常に厳しいところはありますが、関係者の御協力も仰いで何とか設置する方向で取り組んでいきたいと思います。

〇次呂久成崇委員 八重山地域は、ダイビング環境日本一を長年維持しているということで、この装置の設置継続を八重山郡民も強く希望しておりますので、ぜひ関係機関と連携して取り組んでいただきたいと思います。

〇狩俣信子委員長 亀濱玲子委員。

〇亀濱玲子委員 歳出予算事項別積算内訳書の20ページに感染症対策費の中の肝炎対策事業費がありますけれども、まずはその委託料が大幅減になっていることについて御説明をお願いします。

○山川宗貞健康長寿課長 今回、大きく減っているものに関しては、肝炎治療促進事業というのがございまして、こちらはB型肝炎及びC型肝炎の早期治療を促進し、肝硬変や肝がんへの進行を未然に防ぐことを目的として平成27年度より治療費用の一部を助成しております。予算に関しましては、平成26年度、平成27年度に新薬が出まして、C型肝炎に関しては患者さんが治って治療費を使わなくても済むようになったということが大きな理由だと考えています。予算額としましては、平成25年度が7925万3000円。平成26年度―これは新薬が出た年ですが、これが9503万5000円。平成27年度が1億757万7000円、平成28年度になりますとこれが下がりまして9353万4000円。平成29年度の予算としましては8027万4000円となっております。平成26年と平成27年度は上がりましたが、こちらは高い新薬が出たという理由でして、その新薬が効いて治ったということで患者が少なくなり予算が減っております。

〇亀濱玲子委員 それでは、B型肝炎が約3万人いると言われておりますが、これが例えば熊本県などですが、核酸アナログ製剤が使えますということを推奨して、どんどん利用してくださいということをしています。沖縄県もしていますが、例えば、重症化予防推進事業については、沖縄県は余りにも利用者が少な過ぎると。これは県がしっかりと広報をして、どうぞ利用してください、こういう助成事業がありますということを言わないからだという当事者の声もあります。これについて実績はいかがですか。

○山川宗貞健康長寿課長 詳しい資料に関しては後ほど提供させていただきたいと思います。この件に関しては数件しか受けていないという実情もありますので、まだ周知が足りていないのかと考えています。県としては、周知に取り組んでいきたいと考えています。

〇亀濱玲子委員 それでは、沖縄県が広報しているものから質疑を行います。
 この中に地域肝炎治療コーディネーターの養成をしてくださいとなっています。たしか、他県に比べて沖縄県は少ないと聞いていますが、それはどのように養成されて、どのように活用されていますか。

○山川宗貞健康長寿課長 沖縄県で平成25年度から講習会を行いまして、その講習会を受けた方たちが沖縄県地域肝炎治療コーディネーターとして認定されることになっております。実績としまして平成25年度は26人、平成26年度は34人、平成27年度は40人、今年度も38人の方が受講されたということで、計138人の方たちが沖縄県地域肝炎治療コーディネーターになっております。

〇亀濱玲子委員 どのように活用されていますか。

○山川宗貞健康長寿課長 沖縄県地域肝炎治療コーディネーターの方たちは、行政や病院にいらっしゃって、実際に国が設けている予防対策としては、肝炎ウイルス検査を受けていない方たちは受けましょうという促しをするということと、実際に受けて陽性だった方たちに対しては受診といって医療機関を受けると、こういうものを受けましょうということです。受診して、治療が必要な方たちには受療といって、どのような治療がいいですよといったことをお勧めすることがコーディネーターの役目となっております。

〇亀濱玲子委員 年に1回、肝炎対策協議会が持たれているようですが、そこで洗い出された当事者の希望は何ですか。

○山川宗貞健康長寿課長 その会の中では、肝炎対策事業の周知が足りないという声もありますし、実際に沖縄県の問題としましては肝臓の専門医がまだ24人しかいないということです。それを補うものとしましては医師に対する講習会を行っておりまして、インターフェロンフリー治療に係る診断書作成医に関する講習会を行い―研修会を受講して、78名の方たちが診断書を書けるということで補っております。

〇亀濱玲子委員 当然、当事者は国に対しても治療の促進であったり、体制の強化などを求めるわけですが、県には肝炎対策基本法の中でうたわれている地方自治体の責務がありますね。基本理念に沿って、しっかりと施策を策定して実施する責務を負うということがあるわけですので、沖縄県は努力が足りないと思っています。協議会が年に1回では当事者の声を吸い上げられないので、協議会をまずふやすということと、当事者がなぜ受けにくいのかといいますと、書類がとても煩雑であるということがありまして、この簡素化を求めているということがあります。ですので、当面できる努力から行政がやって、受ける人をふやしていく、あるいは予防に向かう人をふやしていくという方法が必要だろうという点について御努力をしていただきたいと思いますが、いかかでしょうか。

○山川宗貞健康長寿課長 協議会の開催は年1回ですが、この増加に関しては検討していきたいと考えております。また、書類が煩雑だということはありますが、この協議会の中でも幾つかのものは簡素化できるといったことを話し合いして、例えば、継続時に申請する書類が少なくなるようにといった話をされて、実際にやっております。

〇亀濱玲子委員 努力できるところがあると思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、歳出予算事項別積算内訳書27ページのハンセン病対策費です。
 そもそもハンセン病対策費という項目名称自体が、私はそぐわないと思いますが、県が取り組むハンセン病回復者の名誉回復事業の取り組み状況と課題を教えてください。

〇玉城宏幸薬務疾病対策課長 ハンセン病回復者等名誉回復事業は、ハンセン病に対する正しい知識を普及啓発するため、普及啓発リーフレットの作成やパネル展、作品展を行い、ハンセン病回復者等の福祉増進及び名誉回復を目的として行っている事業であります。また、平成29年度より県教育庁と連携いたしまして、回復者が講演を希望する小学校に出向きまして、ハンセン病問題から学ぶ人権啓発講演会の実施を予定しております。県としましては、今後ともハンセン病に対する正しい知識の普及啓発に取り組んで行きたいと考えています。

〇亀濱玲子委員 啓発のパンフレットしか見たことがなく、県が具体的に取り組んでいる姿が見えなかったので、平成29年からよろしくお願いいたします。
 きょう配られた資料の中に、ハンセン病対策委託費とありますが、これは何をされている方ですか。

〇玉城宏幸薬務疾病対策課長 ハンセン病回復者の送迎委託のことだと思いますが、ハンセン病回復者や、ゆうな協会の強い要望がありまして、回復者が沖縄愛楽園等で診療する際などに、送迎するための費用をゆうな協会へ委託するために、新規事業として計上したものです。そのことではないでしょうか。

〇亀濱玲子委員 予算書に書かれているわけですから、恐らく少し違うかもしれません。これは後で確認して教えてください。
 県出身の県外入所者の里帰り事業、県内入所者の里帰り事業の実績と課題を教えてください。

〇玉城宏幸薬務疾病対策課長 県では、県外ハンセン病療養所で療養中の県出身者を対象に、年1回の里帰り事業を実施しております。ふるさと沖縄の歴史や文化に触れてもらい、家族や友人、知人との交流を深めることで、療養者の福祉の向上を図ることを目的として行っております。このほか、県外療養所へ県の担当者を訪問をさせ、交流事業ということで要望をお聞きしたりするような訪問事業も実施しております。2001年から2016年の実績としましては、里帰り参加者は延べ180名。内訳としまして入所者が141名、付き添いの方が39名。県外療養所への訪問交流が延べ36療養所となっております。また、平成29年度は新たに離島出身の県内療養所、愛楽園入所者の里帰り事業、県内離島への里帰り事業を実施する予定です。平成29年度は宮古島を予定しています。

〇亀濱玲子委員 動きが少し見えたので、うれしく思います。全国に13の療養所がありますが、沖縄県は2カ所あります。退所者が一番多い県です。けれども、はっきり言って沖縄県はハンセン病対策事業が進んでいない県です。平成29年度に手をつけるというのであれば、ぜひ回復者、退所者のことも含めてしっかりと対応していく年にしていただきたいと思います。
 歳出予算事項別積算内訳書69ページの特定疾患対策費の中の実施状況と、306疾病に広がっているわけですが、それについての沖縄県における課題というのは何でしょうか。

〇玉城宏幸薬務疾病対策課長 この事業は、原因が不明で治療方法が確立していない疾病、いわゆる難病について、患者の医療費の負担軽減を図るため、医療費助成を行うものであります。国は、公平かつ安定的な医療費助成の確立を図るため、難病法を新たに制定しまして、対象疾患がこれまでの56疾患から306疾患まで拡大されております。平成29年4月には、さらに24疾患が新たに助成対象となり今後も追加が検討されることとなっております。県としては、医療機関や患者等へ制度、対象疾病等の周知徹底を図っていきたいと考えています。

〇亀濱玲子委員 対象となる疾病がふえているということに関して、周知が十分されているという状況になっていますか。

〇玉城宏幸薬務疾病対策課長 医療機関あるいは患者さん等への通知、それからさまざまな研修会、講習会の場での周知、あるいは申請に来た保健所の窓口での周知など、その都度行うようにしております。

〇亀濱玲子委員 地域保健医療計画の進捗状況を教えてください。

○大城博保健医療政策課長 地域医療構想の策定に向けた進捗状況ですが、平成28年12月に7回目の地域医療構想検討会議を開催しまして、構想の素案について説明し、意見を聴取しました。それを踏まえて必要な修正を行いまして、構想案を取りまとめ、平成29年1月の医療審議会において構想の策定について諮問して御審議いただいております。あわせて医師会など医療関係団体、保険者協議会、県内市町村に意見を照会し、また県民に対するパブリックコメントも実施しております。今後これらの意見を踏まえまして必要な修正を検討し、3月中旬に開催される医療審議会での審議を経て、医療構想の作成について答申をいただき、3月末に決定したいと考えています。

〇亀濱玲子委員 いただいた案の中に課題が書かれているので、1点だけお聞きします。
 病床数を大幅に入れかえるという役割―それぞれの病院の役割というものがあると思いますが、例えば、北部病院、八重山病院、宮古病院で総合した病床数が減ります。それについて、各病院長がその圏域の課題をどのように考えられ、あるいはこれから先、それぞれの持っている病院の課題をどのように思われて―これがそのままいくとしたら、宮古病院などは248床減ることになります。もちろん必要なところがふえていくことはありがたいですが、それぞれ抱えている地域の課題があるわけですので、これについて3病院長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

○仲間司北部病院長 北部圏域では地域医療構想の中で300床ぐらい減る形になっていましたが、実はそれは国立療養所沖縄愛楽園と名護療育園という特殊な病床のものが入っていたものですから、それを除くとほぼ現状と同じぐらいの病床数になるとわかりました。ただ残念ながら、回復期、慢性期については少し差がありますので、そちらをどうしようかということで、恐らくこれからになると思いますが、関係所轄が集まって協議することになると思います。急性期に関しては、ほぼ400床ぐらいという形で出ていますので、大体、北部病院並びに医師会病院をあわせてその程度ですので、そのようなものかと考えております。

○上原哲夫宮古病院長 今、委員がおっしゃっておりました病床数ですが、許可病床としましては800床ほどありまして、現在使っているのは600床ほどあります。それを400床ぐらいに減らすということの現実的な問題ですが、宮古病院を200床減らすというわけではなく、地域において200床減らすということであります。その中で急性期が一番多いので、それを少し減らそうということでありますが、病院としては、地域医療に対応するために、地域の基幹病院としてある病床を減らすわけにはいかないだろうということで、問題になっているのは地域の療養型などを回復病棟に変えられるのかとか、そのように病床の変換ができるかと―200床ほどですが、そういうことを考えているところでございます。将来的に宮古島地域の人口が1000人くらい本当に減るのかどうかということも考えないといけませんが、地域の医療は急激的な変化は求めないということでありますので、そのときに対応しながら考えていきたいと思っています。

〇依光たみ枝八重山病院長 実は新八重山病院の許可病床数は302床ということで、現時点では355床です。病床の稼働率などを比べまして、最初から302床というのは人材確保の面からも少し無理ではないかということで、一応、現時点では288床での稼働を予定しております。一番の問題は、やはり人材確保ができるかどうかということが大きな課題として挙げられています。

〇亀濱玲子委員 本会議の代表質問でも、医師、看護師の不足による問題を指摘させていただきましたが、これも含めて、恐らく県立病院を減らすわけにはいかないと言いますと、民間との兼ね合いはどうなのかということもしっかり精査しなければ、病床数の設定はできないはずなのです。それから地域でどういう受け皿があるのかというように、出された方たちの受け皿も含めてトータルで考えなければ、この病床数を―特に宮古島の減りぐあい、民間がそのようにして減らしていくのかということを考えますと、それはそんなに簡単ではないですし、命のとりでである県立病院の質も量もしっかり守らなければ、これはとても怖いと思いました。ですから、この課題についてしっかりともう一回精査をしていただきたいということを希望します。もちろん人の確保と育てることも含めた考え方がなければ、病院は守れません。県立病院は県民の命のとりでだと思っていますので、これについてはもう一度精査をしていただきたいと思います。
 続いて、認定看護師、認定薬剤師をきちんと置かないと、例えば、宮古病院などもがんの患者の治療が滞ることがあります。それについての認定看護師の育成、配置についてお答えいただきたいと思います。

〇平良孝美県立病院課看護企画監 認定看護師は、現在、特定の分野において、習熟した看護技術と専門的な知識を用いて水準の高い看護を提供することで、看護の質全般の向上を図ることを目的に県立病院で育成をしております。県立病院全体の認定看護師の総数が、現在41名となっております。内訳としましては北部病院6名、中部病院13名、南部医療センター11名、宮古病院5名、八重山病院4名、精和病院2名となっています。
 現在、6カ月をかけて認定の教育を受け、その後、日本看護協会が認定試験を行っておりますので、その試験を受けて合格した者が認定看護師として登録できる仕組みになっています。毎年、予算を計上して約6名―各病院から1名ずつではありますが研修に出す予定で計画をしております。

〇亀濱玲子委員 宮古病院も、がんに対応する病院になっていますが、血液がんの患者さんがせっかく血液がんの専門の先生が月1回来ていただけるのに、その間の治療ができない。なぜかといえば、認定看護師が育っていないからだということになりました。これについては、しっかり配置をしていただきたいと希望したいと思います。
 続きまして、歳出予算事項別積算内訳書178ページの看護大学教育研究費の中で、島嶼へき地の地域包括ケアシステム構築支援事業があります。この内容と活用について教えてください。

〇国吉悦子保健医療政策課看護専門監 島嶼へき地の地域包括ケアシステム構築支援事業につきましては、平成26年度から平成29年度までを事業期間として実施しておりますが、竹富島と北大東村をモデルに、島嶼・僻地で生活する住民の方々に対して、包括的に看護、介護ケアを提供できるようにプログラムしているものです。こちらは住民の皆さんに集まっていただき、毎月会議を持ちまして、この島の強みとかデメリットとかをお互いに話し合いをする中で、特に北大東村でしたら、食材がなかなか流通しないという課題が出てきて、これを皆で解決するためには物々交換というもともとの島の文化がありましたので、そういう形を利用してJAのファーマーズで、皆さん品物を持ち寄ってきて、カットした野菜もそのときから始められるようになったとか、具体的な取り組みを進めているところで、その中でだんだんと皆さんが島の中でみとり、最後まで生活していきたいと要望も出されておりまして、その中から島でヘルパーの養成講座をしようとか、そういう取り組みに具体的に展開しているところです。

〇亀濱玲子委員 県立看護大学の方々が、地域とコミットするということがこれからとても大事だと思いますので、ぜひこれから力を入れていただきたいと思います。
 歳出予算事項別積算内訳書170ページ、県立病院操出金についてお聞きします。
 これは5年間さかのぼって資料をいただいたら、大体安定して59億円台ということになっていまして、その前にはとても厳しいときもあったとは聞いていますが、その今後の見通しが1点。
 2点目に、現在、県立病院の医師の時間外の賃金未払い問題が労働基準監督署―労基署から是正勧告を受けたとなっておりますが、これが操出金にどのように影響していくのかということの2点をお聞きかせください。

〇真栄城守県立病院課経営企画監 県立病院における一般会計繰入金でございますが、現在、大体59億円台で推移してきております。今後について、長期的な見通しを持っているわけではございませんが、繰入金につきましては、政策医療と不採算部門の収支差を補塡する形で繰り入れを算定しております。それから、資本的収支に関しては、いわゆる設備投資に係る企業債の償還元本の2分の1を繰り入れでいただいておりますので、特に今後、投資がふえてくる状況の中で、その年に見合った繰り入れの増加が見込まれると思います。収益的収支については、経営状況によりますので、見通しというところでは申し上げることはできないかと思っております。
 それから、時間外手当の件ですが、これについては現在、支給額の精査をしている状況でございまして、金額的にはまだ算定中でございますが、基本的には人件費の時間外手当に係る分ですので、その時間外手当が政策医療に係る経費にも影響するものは当然入ってくると思います。そうしますと、過去の指摘に限らず、今後そういった時間外手当の増額が見込まれる場合には、その分については経費が増加しますので、その分収支は悪化するということです。収支が悪化しますと、繰り入れの増につながっていく部分はあると思います。ただ、具体的な金額についてはまだ見通せない状況でございます。

〇亀濱玲子委員 ぜひ、医療の安定確保ということが何よりですので、しっかりと対応していただきたいと思います。

〇狩俣信子委員長 比嘉京子委員。

〇比嘉京子委員 今、亀濱委員から質疑があったので、引き続き、病院事業局の今回の繰入金についてお聞きしたいと思います。
 保健医療部からすると繰出金、それから病院事業局からすると繰入金といいますが、1年間の運営を左右すると思いますので、その算定がどういう算定基準に基づいているのか、それは妥当なのかどうなのか、そういう点を少しお聞きしたいと思います。
 まず、宮古病院と八重山病院の院長からお聞きしたいのですが、実績に基づく離島増嵩費は幾らと考えておられますか。

〇上原哲夫宮古病院長 離島増嵩費がないと離島としては非常に困るものでありまして、現在のところ、離島に渡るための人件費の加算分といいますか、そういうものや医師手当などいろいろありますが、全部細かい計算をして数字で申し上げますと、1億3600万円となっております。一番最初は2億円から始まりまして、細かい計算をされてこのようになったということですが、離島であるための運送費や移送費、物が高いとか、この辺まで及ぶかどうかということを検討するともう少しふえるのかということは考えますが、金額としてはそういうことであります。

〇依光たみ枝八重山病院長 平成29年度の離島増嵩費は1億4442万8000円となっております。平成28年度が1億3548万3000円となっていますので、増額となっております。それについては、感染症医療に関する経費として、それが増額計上されました。特に、これは八重山地域の医療を担う当院としましては、感染症に対する医療体制を維持する現状が救急医療と同じく繰入金に反映されたものとして、評価しています。

〇比嘉京子委員 先ほど実績に基づいたら幾らかということで―今、繰入額がこれだけ認められたという数字ですね。本来ですともっと多いのでしょうか、少ないのでしょうか。実際にはどうなのですか。

〇真栄城守県立病院課経営企画監 実際といいますか、離島増嵩費も離島医療支援措置については、先ほど病院長からもありましたように、離島勤務で発生する特地手当、準特地手当や医師手当、単身赴任手当、専ら人件費の増嵩分を積み上げた上で繰り入れを行っております。今、発言の中にありましたが、それ以外の経費について、細かい話にはなりますが、いわゆる材料費等、幾つか離島であるがゆえの増額がありますが、それについては政策医療に係る救急や周産期などはそこの費用にきちんとカウントされますので、費用が増額すると収支が悪化するということでその分だけ繰り入れがふえる計算にはなります。ですから、直接的な繰り入れではありませんが、収支悪化分を繰り入れでもって補うといった形の手当てはしているところであります。

〇比嘉京子委員 離島であるがゆえに物品の運送費やさまざまな費用が本来入りますと、もっとふえると推察はいたします。その離島増嵩費が毎年このように入るということは、これは1号予算といいますか、そういう考慮はしているということでよろしいですか。例えば、地方公営企業法第17条の2の第1号経費というのは、負担をかけるのではなく、必要な経費であると考えてよろしいですか。

〇真栄城守県立病院課経営企画監 一般会計繰入金については、原則として総務省の繰出基準に基づいて算定している中で、今、御質疑のありました離島増嵩費については、総務省が示している繰出基準にはないものでございまして、これは沖縄県独自で必要性を勘案して、繰り入れを行っている経費でございます。

〇比嘉京子委員 今、出ましたので、総務省の繰出基準からすると算定は幾らですか。

〇真栄城守県立病院課経営企画監 総務省の繰出基準の中に、このような増嵩費を対象とした経費の項目がございませんので、基準に全く従うとなるとゼロ円としかならない状況でございます。

○狩俣信子委員長 休憩します。

   (休憩中に、比嘉委員から離島増嵩費ではなく、今回の繰入額は総務省の繰出基準からすると、次年度の予算は幾らになるかとの補足説明があった。)

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 真栄城守県立病院課経営企画監。

〇真栄城守県立病院課経営企画監 平成29年度予算の繰入金総額は59億9013万7000円でして、それから基準外の離島支援分が2億7708万7000円、それを引きますと離島支援を除いた額としては57億1305万円となります。

〇比嘉京子委員 今回のベースとなった総務省の繰出基準からすると、幾らがベースですか。今回の繰入額の出た根拠は、それを地域によって勘案するわけですよね。

〇真栄城守県立病院課経営企画監 総務省の繰出基準は、繰り出しの算定の考え方は示しておりますが、単価や盛り込むべき経費、それから入れるべき収入といったものを細かく規定はしておりません。基本的には各県でその積み上げをして、財政当局と調整をしながら金額を固めていきます。そういう意味では、基準どおり計算すればこういう金額になるという算式は実はありません。

〇比嘉京子委員 まず基準がありまして、それに地域のさまざまな勘案、今のような離島増嵩費のようなものも勘案して、地域なりの必要なものとして加算をして、繰出基準が決められているという認識ですが、総務省から来ているお金というのは幾らかわからないのですか。

〇真栄城守県立病院課経営企画監 額の把握は非常に難しいと思います。国からは、いわゆる地方交付税とか特別地方交付税という形で、例えば地域の県ごとの病床数や医療内容に応じて算定されて交付されていると聞いていますが、額については把握しておりません。

〇比嘉京子委員 それでは、全国の病床1床当たりの繰入額は幾らですか。

〇真栄城守県立病院課経営企画監 平成29年度予算での繰入金は、許可病床数2216床で割りますと、1床当たりの繰入額が301万2000円となります。

〇比嘉京子委員 全国の平均は幾らですか。

〇真栄城守県立病院課経営企画監 全国平均については、直近のデータが平成26年度ですが、これに基づきますと、全国平均は587万8000円であります。

〇比嘉京子委員 この差額を沖縄県の2000余りの病床にすると、あと幾ら必要ですか。

〇真栄城守県立病院課経営企画監 1床当たりの差額を2216床にかけた数字ですが、その差額は6億4264万円です。

〇比嘉京子委員 そのことについては、沖縄県としてはどのようにお考えですか。

〇砂川靖保健医療部長 1床当たりの繰出金の平均は、各都道府県によって、県立、公立病院でも病床機能も違うわけです。あくまで沖縄県の財政当局としては、従前から地方公営企業法第17条、それからそれに基づいて発出されている総務省の繰出基準に基づいて、能率的な経営を行っても賄うことができない分については、一般会計で負担しましょうという趣旨で繰り出しの計算がされておりますので、これまでの計算方法というのはその法令、基準等にのっとった措置だと考えています。

〇比嘉京子委員 この繰出金とは、皆さんのところで繰出金、最終的に財政で調整する、いわゆる病院事業局から上がって皆さんがやって、それから財政でやると。この差額を誰がどの過程で決定しているのですか。

〇砂川靖保健医療部長 歴史的な経緯から話しますと、病院管理局ができたのが昭和58年です。それ以前は、環境保健部の県立病院課の1つの課で行っていたわけです。そこが病院事業を見ていたわけですが、その担当課において、繰出金の積算をして、財政課のヒアリングを受けて調整するという作業をしており、これが病院事業局ができた後も踏襲されて、さらに平成19年に地方公営企業法が全部適用されてその形が踏襲されているわけです。今でも病院事業局の担当が積算したものを持って行って財政課のヒアリング・査定を受ける。保健医療部は歳出予算のところで計上する関係で、担当者がヒアリングに立ち会うと。専ら調整結果に至る過程は、病院事務局と総務部が中心となって行っている形でございます。

〇比嘉京子委員 過去の答弁を見てみると、副知事答弁で、総務省の繰出基準に基づいて今後とも処理をいたしますと答弁しています。では、総務省の繰出基準とは何なのかと聞きましたら、今は交付税なのでわからない、見えないと。我々は審査するときに、今回の約60億円近いお金が本当に6病院にとって妥当かどうかを判断するわけです。これで足りるのか足りないのか、何がどうなのか、今、最後の命のとりでだと宮古島選出議員はそう言うわけです。私もそう思います。そのときにこの金額が本当にいい医療につながる金額なのかを考えたときに、まず基準があって、それについて地方におけるさまざまな勘案をして、今の増嵩費もそうでしょう。そういうことを勘案して沖縄県なりの拠出をするわけです。かつては経営難で、84億円出した時代があったわけです。そういうことを考えると、地方公営企業法の全部適用として、果たしてこのルートでいいのかどうか。今回の予算の中に消費税等というのは、もちろん込みになっているのですか。いわゆる物品購入のときは消費税がかかる。しかし、医療費に消費税はかけられない。この差額が大きいことも、決算特別委員会で指摘されました。今回これはどうなっていますか。

〇真栄城守県立病院課経営企画監 お答えの前に、先ほど申し上げた全国との差額の金額が、一桁間違っておりました。全国平均を1床当たりの差額を、病床数2216にかけますと、大体64億4000万円ほどの差額になります。それから繰り入れにおける消費税ですが、病院事業の予算全体が税込みの形で数字は算定しているところです。

〇比嘉京子委員 例えば、人の問題もありますけれども、この算定基準は、機器の購入にしてもいろいろな意味で私はかなり抑えられた状態が続いているではないかなと思います。ですから、各病院長にお聞きしたいのですが、ハードでもソフトでも構いません。今の課題と、それから要望等がありましたらぜひお話しください。

〇仲間司北部病院長 ハード面については建物が25年経過しております。いろいろ不備が出ていますし、実際に去年から液化タンクなどが夜中に時々圧が抜けたりして、近隣から苦情が来たりしています。それも直さないといけませんが1億6000万円かかりますので、少し調整だけで我慢してもらっています。それから、ボイラーもそろそろ悪くなっており、ハード面がかなり老朽化していますので、それの更新あるいは修理等にかなりかかっている状況です。また、医療器具に関しては、CTが来年か再来年かに交換の時期がまいりますし、あと平成32年の診療報酬改定前までに医事会計がもう対応しないということで、そちらもしないといけないのと、電子カルテの問題でそちらも両方そろそろ改定しないといけないだろうと、ハードはひどくなってきていると思います。
 ソフトについては、医師不足についてはやはりまだ足りないところが残っていますし、特に救急、脳外科、周産期については、まだ十分に充足していると思っておりません。今後ともそこは充足させるように、病院事業局とも協力してやっていきたいと思います。

〇本竹秀光中部病院長 私は外科医ですので手術場の物品等々は、35年前と比べてはるかに物が買いやすくなっているのは間違いないです。このような発言をしていいのかわかりませんが、今の子たちは、新しいのが来るとすぐ買ってくださいという話がありますが、それが本当かどうかはきちんとやらないといけないのです。収益は上がりますが支出も上がっているものですから精査をしていかないと―私たちも沖縄県の財政を心配しないといけませんのでそういうことをしています。
 建物については、200床がもう三十数年で、老朽化と耐震問題をどうするかの結論が出ていません。それは、おいおい検討しながら、予算面を計上しないといけないと思っています。それから、建物のファシリティマネジメントという概念で病院も走っています。建物を修繕することで、なるべく長く使おうということを考えながらやっていますので、今のところ必要に応じて予算要求をしているところです。

〇佐久本薫南部医療センター・こども医療センター院長 まずハード面ですが、県立南部医療センター・子ども医療センターを開設してから11年が終わろうととしています。12年目に入っていくわけですが、開設当時に購入していただきました医療機器が老朽化してまいりました。医療機器の耐用年数は普通6年ぐらいですが、それをはるかに超えるような機器がふえてまいりました。故障が非常に多いということで、修繕費がかかるという現象が起こってまいります。中には、古くなって修理ができない物品が出てきているという困った現象が起こっています。予算をいただきたくお願いもしていますが、財政も厳しいということで少し絞られた額になっております。あとは、働いている者のモチベーションを維持するためには、新しい機器を購入するというのは本当は望むところなのですが、近隣のいろいろなほかの国立とか私立の病院が、いい機械がどんどん入ってくる現象があって、その中で県立病院も頑張って患者数をふやさないといけない現実があります。今後、計画的な機器の整備、更新を考えていきたいと考えております。
 ソフト面ですが、やはり病院の機能維持のために看護師、薬剤師等の人材を確保することが非常に大切であります。平成28年度は、看護師の2交代制を県立病院で初めて導入しました。看護師の感想も非常に受けがよくて、働きやすい環境につながっていると、ワーク・ライフ・バランスも非常によくなったという声を聞いております。
 それから次年度のことで、収入をふやすということに努めてまいりたいと考えております。管理料や指導料がありますが、私たちはこれを十分取れているかという見直しに入りたいと考えております。実際に自分たちが行っている医療で、指導料とか、やるべきことをやれば収入が入ってくるということにまだまだ取りこぼしがあるのではないかと御指摘を受けまして、平成29年度はそのことについて少し力を入れていきたいと考えております。
 それと、入院日数の長い患者様がうちの病院にもおります。急性期病床を維持するためにも、長期入院の方の受け入れをしてもらう病院、先ほどの医療構想ともつながりますが、そういう病院と連携を図って頑張っていければと考えております。

〇上原哲夫宮古病院院長 宮古病院が新しくなりまして、4年目に入っております。新しくなったときに患者さんもふえまして、その後に伊良部大橋も開通しましたので患者さんが大分ふえました。病院は新しくなったのですが、その建設時にちょうど予算が厳しいということでありまして、非常にコンパクトにつくられたということがあります。ですから、院長室も非常に狭く、応接室もないということがあります。コンパクトにつくられたせいか、始まった研修医システムが―研修機関となったことで、家庭医療センターというものをつくりまして、そこで後期研修医を採用して4名ほど集まりました。また、去年は、基幹型の新研修病院をつくったこともあり、2人ほど配置され研修医の数が非常にふえているのですが、そのための部屋がないと。それから、医療クラーク―医者を助ける事務方が13人ほど採用されましたが、その部屋もないと。そうしますと、カルテ室を外にプレハブをつくって出すとか、図書室を少し縮小するか潰すかということになり、そういう意味でコンパクトな中で部屋が狭くなっていることがハード面としてはあります。また、化学療法―先ほど血液内科の話もありましたが、認定療法看護師がまだ配置されていませんが、それが配置されるともっとふえるのではないかと。去年よりもことしは1.5倍くらい数がふえておりますので、そういう意味で外来スペースが少ないということもあります。また、建物の構造上、西側に患者さんの入り口がありますので、非常に北風が強いときに患者さんが飛ばされそうになるくらいの風が吹きますので、それが問題になっています。南側からの入り口をつくり直さないといけないということもあります。
 医療器具に関しては、新病院建設のときに13億円ぐらいかけて新しいものが入っていますが、実はこれは大きい機械の一部で、実際は各部署において長年使っている古い機械がいっぱいあります。買うお金にしても、起債で病院が借金をして買うものですので、返済能力の体力に応じた起債分ということで、2000万円くらいから次年度は倍の4000万円の予定ですので、それを使いながら整備してまいりたいと思います。
 ソフト面に関してましては、やはり離島医療に関しては人材確保について、ドクターでは眼科医がいないということで、各県立病院もそうですが、今、その確保が非常に困難になっています。
 看護師に関しましては、定数の数の中で病休とか産休とか育休で休みますと、10人から15人ぐらい休みますので、その補充ができない。特に島の外から来る看護師の条件として、7対1看護をしているかとか、2交代制をしているかということが条件になってきますので非常に集めにくいといいますか、確保が難しい状況があります。
 あとは、精神科病棟が50床ほどありますので、それに対する精神保健福祉士―PSWの定数がないということで、嘱託で採用してもすぐにやめてしまうことが、非常にこれからの課題だと思います。

〇依光たみ枝八重山病院長 八重山病院のハード面に関しては、やはり新八重山病院の整備事業であります。皆様御存じのように建設費が大体1.8倍とか2倍近くに高騰しているということです。それから、周辺の道路整備や病院周囲の植樹とか、環境整備の課題もあります。これは今後も引き続きまして、県立病院課と密に連携しまして、病院事業局一丸となって実行していくことはもちろんですが、保健医療部など知事部局の関係部署、それから特に地元自治体の石垣市の協力も得ながら、滞りなく事業を進めていけるように努めていきたいと考えております。
 ソフト面ですが、今、宮古病院長のお話がありましたように、まず安定的な人材確保が最大の課題であります。現在、依然として不在となっている眼科医を初め、看護師それから薬剤師及びその他のコメディカル、事務職を含めて人材の安定的確保が喫緊の課題となっています。特に、人材確保が困難な状況の中で、八重山病院としては、研修医、看護学生の研修等の受け入れ、それから地域の学生に対する進路講演会及びインターンシップ受け入れを通しまして、離島医療への関心の向上に努めているところです。実は、いいニュースがありまして、今度、八重山高等学校から地域枠と地域枠以外でも医学部の合格者が4名出たということを、お伝えしたいと思います。

〇親富祖勝己精和病院長 精和病院は、築30年を既に経過しておりまして、建物及び機械も老朽化しております。それは全て施設整備費や修繕費で対応しておりますが、予算に限りがあって難儀をしております。
 ソフト面に関しては、特に医師で精神科の場合、医師の患者当たりの人数はかなり緩和されていて、一般の診療科とは違います。精和病院は250床ありますが、定数が医師法上8人なのです。そこを現在9人の定数、全て満たしております。ところが1人でも欠員が生じると、かなり厳しい状況になると。
 それから、先ほど給与未払いという超勤の問題も出ていましたが、一番大切なのはやはり長時間労働で、超勤の多さです。やはり病院の場合、365日当直があるわけで、最初から決まっているのです。それを例えば、精和病院の管理職を除く当直をされる先生7人で割り振りすると。その中には女性医師もいますので、ワーク・ライフ・バランスを考えて、女性医師の働きやすい環境づくりをしますと、当直面で男性医師に負担がかかると。そうなると、社会的常識を超えたような長時間勤務が行われる。何とかそれをこなすために、他の県立病院の精神科医師に業務応援を頼んで、男性医師全部の9人体制で組んでいますが、9人中8人がやはり常識を超えるような年間の当直、超勤日数ですので、勤務のあり方自体もソフト面で大きな問題があります。総合病院と異なって単科ですが、少ない人数で365日、決まった祝祭日も24時間カバーするとなると1人当たりの負担というのはかなり大きくなります。単科の病院なりのソフト面の問題というのは、かなり持っています。

〇比嘉京子委員 保健医療部長、今、聞かれて、今の繰出基準についてどのようにお考えになりましたか。

〇砂川靖保健医療部長 やはり病院といえども、公営企業である以上、利潤を生み出してその生み出した利潤を投資あるいは職員の人材育成の経費に充てるのが理想です。ただ、県立病院であるがゆえに政策医療を担うということで、能率的な経営をしても賄いきれない部分、それは一般会計が負担すべきだろうという考えで繰出金制度が出されているわけです。現状、そういう考え方に沿ってなされているのだろうと思います。それでも、今、5年くらいになりますか、基準外で離島増嵩費を見るとか、そういった工夫もされておりますので、これは考え方でいろいろ整備していけば、そういう繰出基準にないようなものも、合理性があれば財政当局も理解してくれるのではないかと考えます。

〇比嘉京子委員 まず、この議論をもっともっとしなくてはいけないと思います。まず人、物、お金ですね。そのことが質のいい医療と収益につながるということが、一番病院事業局を顕著にあらわしていると思います。ですから効率の悪い機械であったり―もちろんぜいたくをせよということではありませんが、機器や環境がよくなることによって、逆に人が確保できることも十分に考えられるわけなのです。
 そこら辺で、保健医療部にお聞きしたいと思いますが、医師確保事業について、事業はたくさんありますが、医師確保事業の総額は幾らでしょうか。

〇諸見里真保健医療政策課医師確保対策監 平成29年度予算案に計上している保健医療部の医師確保対策関連事業は25事業ありまして、20億5510万2000円となっています。

〇比嘉京子委員 前年比でいうと、どれぐらいですか。

〇諸見里真保健医療政策課医師確保対策監 平成28年度は、27事業、24億6889万3000円でしたので、4億1379万1000円の減額となっております。率でいいますと、16.8%の減です。

〇比嘉京子委員 さまざまな事業をしていると思いますが、今、近々に―先ほど宮古病院、八重山病院の眼科医の話がありましたが、八重山病院の脳外科医が3年以上欠になっているわけです。そういうことが20億円も投じていて、何名かの医者が毎年のように問題になると。このことについてはどのようにお考えですか。

〇砂川靖保健医療部長 今、医師確保対策監から説明がありましたように、20億円程度の予算を計上して事業を展開しています。この中には直接医者を呼んでくる事業がございます。それ以外に環境整備ということで、今回、医者を直接呼んでくる事業については、手厚く予算措置をした計上であります。我々はそのための経費は予算措置しますが、医者の確保となりますと現実的な問題で相手方の都合もあります。調整しておりますので、その調整が整わない場合は来れないですので、その場合は予算が余ってしまうということで、このような具体的な調整にもっと力を入れていく必要があると考えています。それで今、病院事業局もいろいろ努力していますし、それを我々は財政的な面でサポートしていきたいと考えています。

〇比嘉京子委員 医師確保のための担当の方は何名いるのですか。

〇大城博保健医療政策課長 保健医療部におきまして、平成27年度保健医療政策課に医師確保対策班を設置し、現在、専任職員4人体制で医師確保に係る施策を推進しております。

〇比嘉京子委員 主にどのような役割といいますか、任務をしているのですか。

〇諸見里真保健医療政策課医師確保対策監 先ほど保健医療部長から回答がありましたが、医師確保ということで直接的に医師を確保すると。約20億円のうち、大体8割は直接的な医師確保に予算を投下しています。その部分の病院事業局を初めとする医療機関との協議調整をし、医師を確保すると。残りの2割で、先ほど委員からお話のあった勤務環境をよくすることで、指導医、専門医、研修医等の人材を確保するという取り組みをしているところです。

〇比嘉京子委員 一昨年、医師確保事業の全国調査をしたことがありますが、当時、沖縄県は41億円ぐらいかけていたわけですが、専門の担当がいませんでした。今、4名になったということで非常にいいと思いますが―長期的、中期的に見て育てていくということも大事ですが、やはり目の前にある、なぜ集まらないのかということについて、もう少し具体的な精査、個別的な精査が必要だと思います。部長、その点に対して決意をお願いします。

〇砂川靖保健医療部長 医師確保の専門的な業務をやったことがないので、十分把握しておりませんが、ただ本を読む限りにおいて、お金だけで解決できる問題ではありません。やはり医者が働きたいと思う魅力のある病院をつくることも大切です。そのためには自分のキャリアアップができるような症例数とか、あるいは力のある指導医がいるとか、それと自分が働いていることを正当に評価できるような仕組み、そういう環境が大事だろうと思っています。我々としては、そういう環境が整えられるように財政面で支援をしていきたいと考えています。

〇比嘉京子委員 本当に大いに期待したいと思います。
最後に、保健医療部の子育て世代包括支援センターについてお聞きしたいと思います。皆さんの趣旨を見てみますと、本当に画期的で国がやっと気づいたという感じもするのですけれども、これは切れ目のない支援だとうたわれているわけです。それでいてもう一つの目玉として、ワンストップであるということです。そのことを考えますと、母子手帳を配付するときに、いわゆる出産前のケアがどうか、指導がどうか、支援がどうかということがとても大きな取り組みの必要性だと思うのですが、それを具体的に言うとどうなるのですか。

〇山川宗貞健康長寿課長 出産の前に、妊婦さんが母子手帳―最近では親子手帳というのですが、親子手帳の交付を受ける場合には、もちろん市町村に行って発行されることになると思います。こちらは、市町村の母子担当部局で行いますが、子育て世代包括支援センターができた場合には、もちろん出産前から相談をして、母子手帳の発行ですとか、妊娠、出産に関する相談に応じた情報提供、助言、保健指導等を行うことになるかと思います。

〇比嘉京子委員 出産後1年間の間に、どのようにケアするかということが今、親としての育ちの問題が非常に懸念されているわけです。ですから、出産前と出産後の1年間、そこで子育ての大きな情報提供と支援体制をどのように構築していくかということが、重要だと思っているのです。長野県では既に健康の問題のベースに、愛着問題を取り上げていました。それと同時に、幼児期における自己肯定感というのが1歳以上含めてあるのですが、この1歳未満の愛着の形成を重視していました。沖縄県でもぜひとも、1歳未満までのケアが充実するようにお願いして終わりたいと思います。

〇狩俣信子委員長 休憩いたします。

   午後0時1分休憩
   午後1時19分再開

〇狩俣信子委員長 再開いたします。
 午前に引き続き、質疑を行います。
 平良昭一委員。

〇平良昭一委員 歳出予算事項別積算内訳書の50ページの特定不妊治療費助成事業について、その効果とこれまでの実績について伺います。

〇山川宗貞健康長寿課長 沖縄県では平成17年度より特定不妊治療費助成事業を実施しており、これまでの申請延べ件数は1万687件となっております。平成26年度の日本産科婦人科学会特定不妊治療の報告による出生率12%を用いて計算しますと、これまでの成功件数、出産人件数は1282人と推計されます。

〇平良昭一委員 その実績は、かなりありますね。不妊治療を受けて、1万600件受けて1万200件という数字でありますので、こういう助成を受けやすくする体制づくりも、今後もつくっていただきたいと思います。
 141ページ、へき地巡回診療費についてですけれども、ことしから固定翼機も補助対象になるということもありまして、この国庫補助がヘリもできることになりましたので、それに対しての県の考え方を伺います。

〇諸見里真保健医療政策課医師確保対策監 県は平成29年度予算案に、厚生労働省の巡回診療航空機運営事業を活用した、離島巡回診療ヘリ等運営事業費1320万円を計上しております。厚生労働省の同事業については、3月8日に厚生労働省に状況を確認したところ、平成29年度予算から固定翼機を補助対象に加える方向で検討しており、決定次第、事業実施要綱を公表するというでございます。
 県としましては、平成29年度から新たに実施予定のヘリによる専門医巡回診療の実施実況や国の事業内容等を勘案し、固定翼機の利用の可能性について検討していきたいと考えております。

〇平良昭一委員 これまではヘリ1機だったということで、それまでは離島全てヘリで対応できたのでしょうか。

〇諸見里真保健医療政策課医師確保対策監 県は離島における専門医による巡回診療を、ソフト交付金を活用して平成24年度から実施してきております。ただ課題としましては、日帰りではなくて二、三日医師を確保するのが難しくて、なかなか件数が伸びないということがございました。その課題を解決するためにチャーターのヘリを活用することで、日帰りで診療ができますので、そうすることで実施できる診療所がふえるということで平成29年度からヘリを使った巡回診療をあわせて実施する予定です。

〇平良昭一委員 それに関して、医師を派遣するということもありますけれども、今度からいわゆる患者を輸送する予算も確保されるという話を聞きましたが、いかがでしょうか。

〇大城博保健医療政策課長 厚生労働省が補助いたします、へき地患者輸送車運航事業ですが、僻地の患者を最寄りの医療機関に搬送するための、患者移送車等の運行に必要な経費に対し補助を行う事業となっています。平成29年度から同事業の搬送手段として、新たに航空機を対象に加えることを検討しているということを県も聞いています。県におきましては現在、離島の急患について県ドクターヘリを活用するとともに、自衛隊及び海上保安庁の協力を得て搬送を行っております。

〇平良昭一委員 今後、国の決定次第、県は対応していくという考えでよろしいのでしょうか。

〇大城博保健医療政策課長 国が公表している資料を見ますと、拡充される内容は僻地の患者を都心部の高度専門医療機関に輸送するための、患者輸送航空機の運用に必要なリース料等の経費に対して補助を行うとなっていますが、対象となる患者、その他の具体的な事業内容はわかっていない現状にありますので、今後も情報収集に努めていきたいと考えています。

〇平良昭一委員 この辺は、国といろいろバックアップできる状況をつくっていただきたいと思います。離島が多い地域でありますので、患者がそういう国の予算の中で支援ができる体制をぜひつくっていただきたいと思います。
 165ページのハブ対策費ですが、決算特別委員会でもかなり議論しましたけれども、ことしはかなり増額されていますが、その増額の中身を教えてください。

〇玉城宏幸薬務疾病対策課長 県では、平成24年度より一括交付金を活用したハブ対策事業を実施しております。今回増額となっている理由としては、危険外来ハブ類を対象とした危険外来種咬症根絶モデル事業を新たに実施することが主な理由となっております。事業内容としては、本島北部1地区をモデル地区とした駆除実験を継続して行います。また、同モデル実験区内に重点地区を選定し、防蛇フェンス設置により外部からのタイワンハブの侵入を防ぎつつ、重点地区内にはハブトラップを多く設置しタイワンハブの低密度化及び根絶の実証実験を行うものであります。そのための防蛇フェンス設置費用の増が、主な理由となっております。

〇平良昭一委員 今、タイワンハブということが出てきましたが、この外来種、いわゆる個体の種別調査は県内では行われていますか。

〇玉城宏幸薬務疾病対策課長 本県にはハブ、サキシマハブ、ヒメハブ、タイワンハブの4種類のハブが生息しており、沖縄県衛生環境研究所においてハブ類の調査研究が行われています。
 個体ごとの地域別生息については、沖縄本島にはハブ、ヒメハブ、移入されたサキハマハブ、タイワンハブの4種類が生息しています。沖縄本島周辺離島の伊江島、久米島等にはハブ、ヒメハブの2種類が生息しております。また、石垣市、竹富町にはサキシマハブが生息しています。

〇平良昭一委員 この分布が、統計上かなり注目される状況になると思います。今後これは研究課題だと思いますので、先ほどの答弁の中で、北部地区でモデル地区を選定して捕獲調査をすると言っておりますので、これは大変重要なポイントになると思いますので、調査を継続してやっていただきたい。というのは、特にタイワンハブが1カ所に集中していることを認識して対策をしていただかないと、かなり危険な状況になっていますので、攻撃的で一度にたくさんの卵を産むということもありますので、その辺を十分認識していただきたいと思います。
 次に、がん検診の受診率の推移について、お伺いいたします。

〇山川宗貞健康長寿課長 過去5年度の市町村がん検診の受診率の状況につきましては、地域保健健康増進事業報告によりますと、胃がん検診は平成22年度6.7%、平成26年度6.3%、大腸がん検診は平成22年度11.5%、平成26年度11.7%、肺がん検診は平成22年度15%、平成26年度14.4%、子宮頸がん検診は平成22年度21.9%、平成26年度25.9%、乳がん検診は平成22年度18.4%、平成26年度は21.8%にそれぞれ推移しており、各がん検診の受診率は総じて横ばい傾向となっております。また、過去5年度のいずれの年度においても、受診率は全国値よりも低い状況にありますが、全国でも過去5年度の受診率は横ばい傾向となっています。

〇平良昭一委員 その件についてお聞きします。各市町村、各地域、各字単位で住民検診が行われていますが、これはかなり力を入れて啓蒙活動をしていることもわかります。しかし、その中で女性の方々から大変受診がしづらいという意見がよく聞こえます。いわゆるバスで来ますのでそういう中で男性の方々と一緒になって検診をするのがかなりネックになっていて、このような状態では行けないということをよく耳にするものですから、その辺の対策は考えたことはございませんか。

〇山川宗貞健康長寿課長 女性の受診者への配慮等について、県では、市町村が国庫補助事業を活用して発行しております乳がん・子宮頸がん検診クーポン券の対象者の利便性を向上させ、受診率の向上を図るため、市町村と検診機関による集合契約の締結を支援しております。この集合契約によりまして、公民館等で行われる集団検診のほかに、それぞれの市町村の区域を越えて個人で検診機関においてクーポン券を利用して受診することが可能となるため、一定の利便性の向上が図られているものと考えられます。また集合契約のほかに、市町村によっては独自に検診機関と契約し、住民の方が個人で受診できる環境を整えている事例もございます。

〇平良昭一委員 ここはやはり配慮していただかないといけない部分だと思います。早期発見というのが一番の治療法だと思いますので、そういう意見があったということは真摯に受けとめながら、これからも対応していただきたいと思います。
 次に、県立病院の医師派遣補助事業が前年3億7000万円余りから4億1000万円余りに増額になっていますけれども、その中身を教えていただきたいと思います。

〇諸見里真保健医療政策課医師確保対策監 県立病院医師派遣補助事業は、離島僻地の県立病院及び診療所に医師を派遣するため、病院事業局に対し補助を行うものであり、平成29年度予算案に4億1853万2000円を計上しております。
 事業の実施状況としては、平成28年度は離島診療所の医師9名、北部病院、宮古病院、八重山病院の県立病院で不足する診療科の医師13名、計22名を確保しております。

○平良昭一委員 本会議の中でもいろいろ議論しましたが、北部地区の基幹病院の整備について、北部地区医師会病院―医師会病院と北部病院の統合の課題が60項目ぐらいあるという中で、それを解決しないといけないということでした。それは医師会側、県側、ましてや住民側の具体的な課題等があれば対応していきたいと思いますが、その辺はいかがでしょうか。どのような中身なのでしょうか。

○砂川靖保健医療部長 両病院の統合については、現行の病院事業の経営形態を維持するということを前提とし、2つの病院が統合する際に解決しなければならない課題があるだろうということで、その抽出作業を行っているところであります。現時点において、我々が課題になると認識している事項の一部を御説明します。
 まず1点目に医師会病院が保有する資産について病院事業への固定資産を承継する場合の方法やその範囲、そして承継しない固定資産の取り扱い、さらに現金、預金、未収金、その他流動資産の取り扱いなどがあります。
 2点目に、医師会病院が保有する長期借入金などの負債の取り扱いの問題があると。
 3点目に、職員の身分の取り扱いに関連して、県職員として採用する職員の範囲、あるいはその場合の能力の実証方法、さらに県職員に採用されない職員の雇用問題、そして県職員として採用する場合の職員の補職について、どの職につけるのか。さらに、採用後の病院間の移動の取り扱いなどがあります。
 4点目に、統合後の病院整備に関連して、新病院の理念や経営方針のあり方、診療科目、病床数、病床機能、それから必要とされる職員数、あるいは新病院の建設場所や建設費、電子カルテやオーダリングシステムの整備、それから重要なのは新病院建設後の財務状況のシミュレーション、そして診療情報の引き継ぎ方法などといったことも考えないといけません。
 5点目に、その他の整理すべき課題として、医療法上の開設手続や、現在、医師会病院の持っている付属病院、診療所、それと委託を受けている町村立の診療所の問題、こういったものがあると考えております。
 関係者に期待する取り組みとしましては、両病院―病院事業局も含めて我々が整理した課題についての確認、それ以外の課題がないのか。そして、我々は方針を立てるために課題に対する県の考え方を整理するのですが、その整理に必要な情報の提供が必要となってくると。
 北部市町村においては、統合後の病院への支援のあり方の検討、あるいは新病院に対する地域住民の理解と協力、機運の醸成といったことについて協力が得られるかどうかも検討する必要があると。統合化の場合、新病院が建設される建設場所の自治体においては、アクセス道路の問題や下水道などのインフラの整備、あるいは新病院の建設の障害となる都市計画などの既存計画の見直し等、こういった課題があるだろうと考えています。
 地域住民が直接直面する課題はないですが、例えば市町村に関しては、経営に参画することまでは求めませんが、患者のアメニティー部分に対する投資は必要だろうと。例えば、ベッドや外来のソファーなど、そういうアメニティー部分への投資を求めていきたいと考えておりますので、これを市町村が担うとなると、当然、財政負担が伴いますので、その意味では住民の負担になるかと考えております。

○平良昭一委員 もろもろのこういう抽出作業が行われている最中だと思いますが、2つの合併の問題に関してのそれぞれの意見をとりながら、タイムリミット―いつぐらいまでの間に判断しないといけないというものがおありでしょうか。

○砂川靖保健医療部長 今、課題を抽出している段階で、その課題に対する解というのはまだ出しておりません。一旦、課題がこれだけかということを確認して、それから県の考え方を整理し、その上で統合の是非について方針を決定するという段取りでございます。
 御質疑のタイムリミットの話ですが、現時点でいつまでに決定するかは定めておりません。ただ、一、二年は検討ということで、だらだら延ばすことは考えておりません。速やかにやりたいと思っています。その後のタイムスケジュールなどは、方針を決定した直後に示せるのではないかと考えています。

○平良昭一委員 この問題については後で北部病院長に聞きたいと思いますが、かなり深刻な状況になってきて、いつでも北部地域の方々はできるものだと理解をしている状況があります。かなり難しい作業が今、進められているということも知らしめないといけないと思いますが、それも含めながらまた質疑していきたいと思います。
 続きまして、北部病院の産婦人科についてお聞きしますが、北部地域で年間何人の子供たちが生まれていますか。

○砂川靖保健医療部長 具体的な数字は持ち合わせておりませんが、おおむね600人程度だと理解しています。後ほど正確な数字は御提供したいと思います。

○平良昭一委員 私は1000人近くだと聞いていました。
 地域周産期センターが平成28年6月に設立されましたが、北部地区から中南部地区の産婦人科への救急搬送件数が、平成27年度と平成28年度を比較しても増加しています。その理由をお聞かせください。

○山川宗貞健康長寿課長 北部圏域で生まれる子供の数について訂正したいと思いますが、1135人となっていまして、実際に北部圏域で生まれている方は755人となっています。400人余りはやはり中部圏域に行っているということでございます。それに関しては、週齢数が幼いときに生まれている方たちや、生まれてから母体に何らかの病気を持っていて、集中的な管理が必要な方たちの場合には中部圏域、場合によっては南部圏域に移るかと思います。

○砂川靖保健医療部長 平成27年が30件、平成28年が35件です。運ばれるのは、やはりハイリスクの患者が運ばれますので、それがふえているのだろうと思います。

○平良昭一委員 平成27年4月に北部病院は産婦人科医が1人から2人になりました。そして、また6月から診療制限の解除も分娩の再開も行われました。平成28年4月にまた4人から3人体制になりました。そして、9月からまた分娩を制限しているということです。その理由は、やはり医者がいないからということだけでいいのでしょうか。

○與那覇博康県立病院課医療企画監 確かに、産婦人科のドクターの数が3名ということで、ハイリスクの分娩を制限していて、その数が中部病院に行っているということは事実です。今の先生方は一応産婦人科専門医ということでいらっしゃっていますが、やはり北部病院の施設の中では、リスクの高い分娩をすることは危険だということで、安全を確保するために中部病院へ搬送していて、受診の数も減ってはいません。ただ、数的にはドクターが来たということで、以前でしたらそのまま中部病院に行かれていた方や流れていた方も含めて全部そうなっています。この搬送数がどうかといえば、確かに医師が不足しているからということもありますが、基本的にはやはりハイリスク分娩が多いからという理由であります。

○平良昭一委員 ということは、最初から北部病院を敬遠しているという話になります。おめでたしたときに、そういう形で捉えられたら大変困るのではないですか、いかがですか。

○與那覇博康県立病院課医療企画監 以前は、専門医がいなかったということで、診療そのものを開業医の先生の分も含めてトリアージしている段階ではありました。平成27年からきちんと専門医を担保したということで、受診や紹介自体はふえましたが、やはりきちんとリスクを判断すると、北部病院の中でハイリスクな分娩を扱うことは危険だと評価した上で送っているので、より正しく判断されるようになったというだけの話だと思います。決して北部病院の受診実態といいますか、もともと敬遠されていたといいますか―専門医がいなかったわけで、派遣してきちんとそういう評価ができるようになったわけですから―それで紹介がふえていると思います。

○平良昭一委員 これは皆さん方の意見だと思います。ここ10年、北部地域の方々は不安定な状況が続いているのは確かなのです。その中でまさしく若い方々が住みづらい環境をつくっているのです。そういうことで、北部地域の地域周産期母子医療センターをしっかり整えたいという話も決算特別委員会のときにありましたよね。そのときに答弁があったと思いますが、それはどうなっていますか。

○伊江朝次病院事業局長 このことは片時も忘れたことはございません。現在、産婦人科の医師が3人―男性医師1人、女性が2人ということで、体制的にはかなり厳しい人数と思っておりまして、先ほど医療企画監が話したように、やはりある程度制限をしながら、大きないわゆる中部病院とか南部医療センターと連携しているのが現状でございます。今後、4月からもう一人の方が配置されまして、4人体制にはなりますけれども、まだこれだけでも不十分だと思っておりまして、あと1人ないし2人はいないと、地域の方々の御希望に応えられるような体制にはならないと思っております。その辺のところを今、一生懸命確保する方向で頑張っております。

○平良昭一委員 若い方々が、ぜひヤンバルに住みたい、北部地域に住みたいという状況をつくっていただきたい。これは片時も忘れたことがないと病院事業局長も言っておりますので、ぜひこれは形の見える方向で実績を出していただきたいと思います。
 先ほど聞こうと思っておりましたが、北部地域の基幹病院の件で合併の話がありましたね。北部病院長にお聞きしたいのですが、昨年11月に住民の方々を対象にした基幹病院の構築に向けた勉強会がありました。私も参加しましたが、どうも医師会が一方的に議論を進めている感じがしてなりません。そういう観点から、合併ありきということで向かっている状況があるものですから、県立病院としては命を守る方々の仕事として、北部病院長の率直な意見を聞かせていただきたいと思います。

○仲間司北部病院長 11月24日の住民説明会で私が発言したことは、少なくとも病院としては地域医療構想にのっとっていくということが出されていましたので、そのように発言させていただきました。そのときに一つ言ったと思いますが、本当に必要なのは何なのですかということを聞いたと思います。北部地域の住民が本当に基幹病院が必要か、何が困っているのかということが出てこない、見えないという話をしたと思います。それを受けてうれしいことに今度の3月に住民大会が開かれると思いますので、それは非常にいいことだと思っています。
 基幹病院は、政治家の皆さんの実績どりとか、病院が困っているので病院の職員のためにつくるわけではなく、あくまでも住民のためにつくるわけですから、住民のニーズがない限りはだめだろうと。また、1月に12市町村が集まったときに、私はもう一つ追加させていただきました。それは病院をつくっても、それをサポートする体制、要するに北部地域の住民が自分たちの病院だと思ってくれる病院がなければ長続きしませんと。せっかく皆さんの力で今回、地域住民会議が開かれるので、そのシステムをつくってぜひサポートする体制もつくってくださいとお話ししてあります。
 今までの話はあくまでも病院長個人としての意見ですので、間違っても病院としての見解ではないので、どうぞ誤解なさらないようにしてください。
 去年の8月ぐらいに医師会病院と北部病院の職員に対するアンケートがありました。そのときに基幹病院合併の話はどうですかというアンケートをとりますと、賛成と反対が職員の半々でした。その原因は検討していないと思いますが、基本的に我々は異動があります。今いる人たちの7割は恐らく異動で来ている人たちですので、異動で来ている人たちに2年後か3年後の基幹病院の可否を聞くのはだめだろうと思っています。一番大きなのは住民の意思だと思っておりますので、ぜひ今度の住民大会を成功に導いていただきたいと思っています。

○平良昭一委員 私もその意見を聞けて大変ほっとしました。実は、医師会にしろ、先ほど午前中の説明にしろ、北部病院も25年になって老朽化が激しくなっていると。いわゆる建てかえの時期に来ているので、いっそこういうことで一緒にやりましょうという議論が始まったらだめなのです。中身の問題からしてもらわないと……。まずは住民が安心して暮らせるようなものが県立病院であるということを、まずは自覚を持って中身をしっかりしてもらわないと、その次の話が出てこないのです。老朽化しているから、負債を抱えているから一緒にしたほうがいいでしょうという安易な考えの中で進めてもらったら困ると思っています。その辺は、今度の住民大会の中でもいろいろ議論が出てくると思いますので、その辺を受けとめながら、お互いで考えていけるような状況をつくっていきましょう。
 関連しますけれども、昨年の予算特別委員会の議事録を見せていただきましたが、各県立病院の医師、看護師不足の状況の中で、病院事業局長と病院長、現場の意識の違いが指摘されているのです。そういう観点を含めながら、こういう人的な異動の時期になりますので、病院事業局に対しての意見等が、現場との声もあわせながらしっかりされているかどうかを各病院の皆さん方に聞きたいと思います。

〇仲間司北部病院長 2月1日現在ですが、定数369人に対して359人が配置されています。欠員は10人となっていますが、医師に対しては今のところ定員に対しては充足しています。
 看護師については、欠員10人となっています。看護師については産休等で労働喪失分があるので、それを確保することが望ましいと思いますので、それを確保できるだけの人数を最初から定数化していただくことが望ましいと思っています。
 医師については、今のところ定数としては充足していますが、医療の質を担保するためにこれでいいかということになると、先ほど病院事業局長もおっしゃいましたように、産婦人科も6名程度必要だろうと私たちもそう思っています。今年度3人で、次年度4人になりますが、やはりあと2人くらい必要だろうと。救命救急科も3名しかおりません。これも24時間ずっと救急医がいるわけではなく、深夜はそれぞれの当直医がやっていますし、それも全ているのでしたら6名程度必要だろうと。それから、脳神経外科は定員は2人ですが、実働は1人です。1人で北部地区10万人の脳外科の生命を預かっているわけですから複数化が必要だろうと。
 近々で必要なのは、実は、腎臓内科です。透析の患者さんが北部地域でもふえています。透析を行っているクリニックはありますが、入院して透析ができるのは北部病院しかありません。しかし残念ながら、来年、透析医が1人になります。来年度は南部医療センターから1カ月交代で応援をしてもらうことになっていますが、これは近々に北部全体で考えてもらおうと思っています。それは多分、患者界も大変なことになると思いますので、本当に医療の質を担保しようと思えば、やはりもう少し必要な人数が要ると思っております。

〇本竹秀光中部病院長 中部病院は、実は業務以外に研修教育、それから看護学校あるいは琉球大学、それから僻地等々の業務応援がかなりたくさんあります。そこに派遣しながら、残っている人で業務を肩がわりしないといけない状況が続いておりますが、皆さん非常にアクティブですので、今やってもらっております。
 医師の増員を毎年要求しておりますが、必ずしも全部満たせるかというと物理的に無理です。それが全部、一気にあしたからできるわけではないので、この辺はステップ・バイ・ステップだろうと思っています。今のところは過不足分は、定数に関しては1名です。
 それから、中部病院のことではないのですが、先ほど北部病院と医師会病院との統合の話がありました。私は指名されませんでしたが、もともと話をし始めたのは、私が公務員医師会長のときでした。そのときの中部病院長は宮城良充院長で、当時の保健医療部の統括監が宮里先生だったと思います。どうしてそれを始めたかというと、実は、中部病院から卒業して北部病院に派遣した医師たちがやめ始めたのが大きな問題なのです。その当時の諸喜田北部地区医師会病院長も、医師が高齢化して少しずつ非常に負担になっていると。実は、そういうところから始めたのです。これは建物とかそういう話ではなくて、もし医師がいなくなると、そこから手当てするのは非常に難しくなりますので合併が必要だろうと話し始めたということを理解していただきたいと思います。

〇佐久本薫南部医療センター・こども医療センター院長 若い職員がたくさんいまして、産休、育休あるいは病休を合わせますと、2月1日現在、休職者が47名おります。年度当初欠員18名を足しますと65名不足という形ですが、看護部等が一生懸命頑張りまして、臨任を46名採用するという形になり、今、欠員が19名です。嘱託職員も充てまして、一生懸命補充を頑張ってもらっています。ただ、補充の嘱託職員が土曜日、日曜日あるいは休日に働いてくれるかというと、なかなか厳しいものがありまして、正職員がその部分を頑張るということで、正職員に労働喪失感が残ると。看護部長等は毎日のように新しい職員採用の面接をしていますけれども、年度途中で採用するのは極めて難しいところがあると思います。それでも頭数は頑張って確保していると。ただ、残っておられる正職員のいつも疲れているという労働喪失感は、なかなか厳しい問題があると思います。
 医師は、年度内に入れかわりがあったりします。特に、新聞等で産婦人科医師がやめるのではないかと御心配をおかけしました。まだその心配は残っているのですが、できるだけ頑張って、周産期医療の質が落ちないように努力させていただければと思っています。

〇上原哲夫宮古病院長 スタッフの状況でありますが、医師に関しては定数47名に対して現員41名であります。欠員6名となっていますが、そのほかに研修医を含めた嘱託医師が12名、それから本土からの派遣医師ということで、委託派遣医師が5名、合計58名の医師で診療を実施しております。ただ、派遣元となりますと、琉球大学、県立中部病院、南部医療センターとありますが、大体、年に五十何名のうち20名は、毎年入れかわるということでございます。そのたびごとに、専門医の確保等に非常に難渋しています。それから、看護師の場合には、やはり先ほど南部医療センターもありましたように、育児休業で休むというか、それでもその定数の中でしか使えないので、もう少し簡易の任用ができないかということで、その辺は、これからの課題ではないかなと思っています。あとは認定看護師の配置についても、その人を6カ月間研修に行かせるとそこがあくものですから、それもほかの人に負担がかかるということもあります。また、看護師の問題としては、五、六年前でしょうか、附帯決議として出していただいきました7対1看護の導入です。それを去年、北部病院で導入しているようですので、その状態を見ながら宮古病院、八重山病院にも導入できないかどうかを検討して、労働環境の整備として考えていきたいと思います。

〇依光たみ枝八重山病院長 八重山病院の総人員数は、平成29年2月1日現在、定数で310名であります。そのうちの欠員が18名です。欠員のうち医師は8人の臨任を採用しておりますが、5名は不足している状況です。特に脳神経外科は休診―次年度の6月からは赴任予定であります。しかし、眼科は一般外来が休診となって、次年度も休診となっております。八重山病院としては、早期の人材配置を求めているところであります。
 看護師については、定数192名に対しまして、ほかの病院と同じように育児休業等により23名が欠員になっています。当院としましては、代替職員の確保に努めていますが、11名しか確保できていない現状です。また、看護師の場合、宮古病院から報告がありましたように、看護業務に当たらない地域連携室とか医療安全管理室などに人員を割かれて、これがトータル5名です。このようなことから、看護業務の現場では育児休業等による人材の不足、看護業務以外での人材配置により、現場職員としては人材が不足している印象を持たれているものと思われます。

〇親富祖勝己和病院長 精和病院は精神科専門病院でして、病床数が250床、うち4床が結核病床になっています。
 院内の各部署に意見聴取したところ、精神科医師、それから精神保健福祉士、作業士について人員不足ということがわかっておりまして、なぜそうなるかといいますと、現代の精神科医療においては、従来の1対1の面接ということよりも多職種によるチーム医療なのです。そうなると医師、精神保健福祉士、作業療法士、看護師というような形でチームをつくって一人の患者さんに対応するわけですが、これは入院中もそうですし、外来でもそうです。それから、入院されている患者さんのスムーズな地域移行、在宅医療へ移していくこともチーム医療で行っています。そうなると、とりわけ在宅へ移行するためのチーム医療の司令塔としての専任の精神科医師がどうしても欲しいということで、現在定数が9人ですが、精神科医師1名増員の10人体制でやっていきたいと要望しております。それから、精神保健福祉士に関しても、2名の増員を要望していて、作業療法士についても3名の増員要望を病院事業局にお願いしている状態です。

〇狩俣信子委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、平良委員から各病院長の意見に対して、病院事業局長の見解が聞きたい旨の要望があった。)

〇狩俣信子委員長 再開いたします。
 伊江朝次病院事業局長。

〇伊江朝次病院事業局長 今、現場の院長がいろいろ現状を踏まえた人材の必要性ということを述べました。その点につきましては、我々は毎年のように現場に出向いて、意見交換しながらその必要性等をしっかり踏まえて、定数確保のための交渉に使っている状況でございまして、日々毎年変わっている状況がございます。本来なら余裕を持った定数でいつでも日々の変化に対する対応がすぐできればいいのですが、実際、現員と定数がほとんどないような状況で、一たびいろいろなニーズが起こったときに、即対応できないというのが現状であります。
 そういう意味で先ほど、例えば育休の臨任確保とかありましたが、恒常的に若い人たちが看護の場所に多いですから、七、八十人、下手すると100人くらいはそういった形で休暇を取っているという状況です。ほとんどが臨任ということで、昨今の人手不足の状況では厳しいことがはっきりしているわけです。先ほど誰かが言っていましたが、それを定数化するような形で、一気に全部とはいかなくても順次ふやしていくということは、今、現場と一緒になって考えている状況です。

〇平良昭一委員 やはり定数改正の件と、状況を予測しながら臨任を活用していくことが今後は重要になってくるのではないかと思いますので、その辺をぜひ考えてもらいたいと思います。
 最後に、労働基準監督署からの是正勧告についてお伺いしますが、当直医師らに対する賃金未払いが明らかになったということで、これはいつごろから始まったのでしょうか。

〇伊江朝次病院事業局長 委員も御存じのとおり、沖縄県は復帰するまでは労働基準法の中になかったという状況でございます。そういう中で、例えば昭和22年に労働基準法が割増率2割5分というものが出て、本土復帰の時点の通達で、その2割5分増しの時間外勤務手当の割増料金といいますか、給与で、例えば当直という形で―我々は当直だと思っていたのですが、時間外勤務手当の8時間を出せば一応当直料として妥当だろうという形です。時給計算で2割5分増しにした8時間ルールで出されたのが始まりです。本土復帰の時点からこのようにしていたということですが―本土復帰前はどうだったのか確認しておりませんのでわかりませんが、その後いろいろ改正がありまして、平成6年には例えば、休日労働の3割5分増しとか、深夜の5割増しとか、平成22年には1カ月について60時間を超えた人たちは5割以上割り増ししなさいといった改定がございましたけれども、昭和22年に出された割増率2割5分を本土復帰のときに出して、8時間ルールで今まできたということでございます。

〇平良昭一委員 労働基準監督署からいろいろあって、午前中の答弁の中でも、その算出、精査をしていく予定だと言っておりますが、我々が考えるのは時効という問題にも触れてくると思ったりしますが、その辺に対する考え方や、今後どう対応するのかということが課題になると思いますが、これも時効の対象になるのですか。

〇伊江朝次病院事業局長 賃金の未払いに関しましては2年分払えということで、2年以前は完全に時効ということで払わなくてもいいということになっています。指摘を受けた時点がはっきりしませんが、それを基準にして2年分さかのぼって払ってくださいということになります。

〇狩俣信子委員長 西銘純恵委員。

〇西銘純恵委員 最初に病院事業局の未払い残業代について、取り組みを伺います。

〇津嘉山朝雄県立病院課長 報道にもありましたとおり、医師につきましては追給の見込額を労働基準監督署の指摘している、是正しなさいという指示に従って積み上げをしているところです。その他の職種につきましては、基本的には時間外勤務手当はこれまで払われていますが、支給漏れがないかをどのように調査するかということで、病院事業局の中でもんでいるところでございます。

〇西銘純恵委員 医師について積み上げているという結果の数字は出たのですか。

〇津嘉山朝雄県立病院課長 これはまだ概算でして、当直勤務の勤務表等から割り出して、報道でありましたとおり9億円となっておりますが、これにつきましてもこれから勤務実態を精査していかないといけないと考えております。

〇西銘純恵委員 実態を解明して、それを遡及するという作業が出てくると思いますが、具体的にはいつごろをめどにその解決に向かうのでしょうか。

〇津嘉山朝雄県立病院課長 積み上げもまだ終わってないところでして、いつというところはまだ申し上げられる状況にございません。

〇西銘純恵委員 金額的にも医師以外の皆さんの数字も出てきたら、9億円を超えるだろうということもありますし、2年以前は時効になるということであれば、期間がたっていけば時効となって消えていくということもあるので、不利益を受けた皆さんについては早いうちに確定する作業が必要だと思います。これは実態調査をしながら、支給についてどうするかという対策も同時にしないといけないと思うのですが、病院事業会計だけでは解決できる問題ではないと思いますが、これを病院事業局長はどのように考えていますか。

〇伊江朝次病院事業局長 今、問題になりました当直料は、時間外対応ということでまず救急に対する対応で動くというのが主体になると思います。そういう意味では救急医療の繰入金に影響してくることがあると思いますし、またその他の政策医療としても、沖縄県の場合は収支差で見ていますから、給与費の増という形で反映されてくると考えておりまして、知事部局でこのようなことの御相談には乗っているという状況でございます。

〇西銘純恵委員 この対策については知事部局に相談ということではなくて、支払いについてしっかり、対策を知事部局の側において、そこで財源もどうするということをやらないと病院事業の会計の中でとされたら、相当な困難が生じることがあると思いますがいかがですか。

〇伊江朝次病院事業局長 委員御指摘のとおりと思っておりまして、私たちとしてはその辺をしっかり精査して財政当局と交渉したいと思っています。

〇西銘純恵委員 先ほど病院長の皆さんからもいろいろ要望があって、県立病院は本当に不採算医療、政策医療をやっているが、実際に収益を上げるとなると県民負担になるか、というところになっているわけです。一般会計からの繰り入れを適正にやらないといけないということで、交付税措置をされていると言いますけれども、それがきちんと入っているのかというのを、私はこの間ずっと予算・決算で一般会計からの繰り入れを取り上げてきたつもりなのです。ですから、そういう大もとを今度解決していくという立場で、しっかりと病院事業局でやっていかないといけないのではないかと指摘をして、一般会計繰入金の10年間の推移を伺います。

〇真栄城守県立病院課経営企画監 平成19年度が71億400万円、平成20年度が69億1200万円、平成21年度が84億3300万円、平成22年度も同じく84億3300万円、平成23年度も同じく84億3300万円、平成24年度59億900万円、平成25年度56億9900万円、平成26年度56億8700万円、平成27年度56億6000万円、平成28年度約59億円、平成29年度予算につきましては、約59億9000万円と積算しております。

〇西銘純恵委員 そのうち救急医療の繰り入れについて10年間の推移を伺います。

〇真栄城守県立病院課経営企画監 救急医療に要する経費の繰り入れでございます。平成19年度が10億400万円、平成20年度が11億6700万円、平成21年度が11億7600万円、平成22年度が12億3500万円、平成23年度が11億9000万円、平成24年度が12億1100万円、平成25年度が8億2600万円、平成26年度が7億700万円、平成27年度が7億4400万円、平成28年度が8億6900万円、平成29年度予算が8億5100万円でございます。

〇西銘純恵委員 平成29年度の救急医療、項目別に繰入額をお尋ねします。

〇真栄城守県立病院課経営企画監 まず地方公営企業法第17条の2第1号に係るものです。専ら救急医になりますが、8億4700万円でございます。

〇西銘純恵委員 先ほど、8億5100万円と答えてましたが、どうですか。

〇真栄城守県立病院課経営企画監 先ほどの数字には第4条分が入っています。今のは第3条分の地方公営企業法第17条の2第1号ということで、その分だけ若干数字が変わっています。
 地方公営企業法第17条の2第2号、この中身は企業債の利息償還金ですとか、それから僻地医療、結核、精神、感染症、リハビリ、周産期等が入っていますが、この分が24億7700万円です。
 地方公営企業法第17条の3に係る分につきましては、院内保育ですとか、追加費用、児童手当等、それから先ほどの離島支援措置も入っていますが、この分の計が11億5400万円です。
 以下、資本的収支分になりますが、同じく地方公営企業法17条の2第1号、同じく救急に係る経費が主ですが、約400万円になります。
 地方公営企業法第17条の2第2号に係るもの、こちらも項目といたしましては先ほど言ったように結核とか、精神とか周産期等が入っていますが、この分の第4条分が14億9100万円です。
 地方公営企業法第17条の3、これは院内保育所関係になりますが1700万円という内訳になっております。

〇西銘純恵委員 新年度予算の積算の根拠をお尋ねします。収支差ということで出してくると思いますが、一般的には前年度の決算を見て予算を組み立てていくと思うのですが、そうなっていますか。

〇真栄城守県立病院課経営企画監 主に政策医療に係る収益的収支に対する繰入金の算定は、委員がおっしゃったように収入と費用の両方を精査しまして、その収支差について赤字が生じている分について積算をして繰り入れているという計算になっています。

〇西銘純恵委員 過去にやりとりしたときに、2年前の決算額をそのまま予算に上げていますとのことでしたが、これが変わったのですか。

〇真栄城守県立病院課経営企画監 まず、基本的に使っている数値は、平成29年度については前々年に当たる平成27年度決算、つまり直近の決算を使って算定をしている状況であります。

〇西銘純恵委員 結局はそのまま何も変更しないで踏襲されていると。そして、救急医療に関しては経費を引かないで、かかった費用としてやらないといけないけれども、実際は今言った医師の残業代の未払いとかいう形で、救急との関連でも出てくるであろう経費が積算されていないのではないかということが出てきたと思うのです。先ほども1床当たりの繰入額が出ましたけれども、全国平均に比べて半分以下です。そしてあと64億円という数字が出たのですが、実際はそれに近い額を繰り入れしなければ、各病院長が言われた人的体制の問題や、古くなった医療機器の交換ができないということで、病院の維持がなかなかできないのが実態ではないですか。ですから、繰り入れをしっかりと病院事業局の中でもう一度精査して、しっかりと少なくとも全国平均並みにもっていかないといけないと思いますが、いかがですか。

〇伊江朝次病院事業局長 現行のやり方では総務省の対象となっている項目に限って、収支差を見ているという状況がございます。そういう中でも政策的にいろいろしていることを十分に拾えていないところもあると見ています。例えば、先ほど述べました高圧酸素の治療装置に関しても、地域のニーズがあるわけですが、実際は一般の診療で収入を得ても、年間に一定額の赤字が出ているのが現状です。
 それから、最近気づいたのですが、例えば、南部医療センターの発達障害の診療なども小児の対象で入っているものですから、実際に南部医療センターの小児は黒字になっていまして繰り入れがないという状況があるのです。そういう意味では、政策的に十分に人を配置しないといけないということを鑑みますと、その辺の見直しも今後の検討課題というように思っております。
 西銘委員が言われたように、全国的な平均との差はいろいろな意味で、我々と関係ないような医療があったりして、全て差があるのではないかとはなかなか言えないところがありますけれども、私たちとしては他府県とは違って、離島を見ないといけないということがありまして、現在のところは離島増嵩費ということで、昔と比べれば何とか一部は入れるようにはなりました。地域の特殊性をどう反映させるのかは大事なことだろうと思っておりますので、そういうことも踏まえてしっかり考えていきたいと思っております。

〇西銘純恵委員 県民医療をどう守るかということで、政策的な医療を一般会計から繰り入れるということを病院事業局の側が財政に、知事部局に要求していくと。保健医療部長は、そこで話されて決まったことを繰り出してますということなので、やはり知事部局としっかりやらないといけないのではないかと思いますので、しっかり頑張っていただきたいのです。
 どのように改めていくかということを、次年度にしていただいて、これまで五、六十億円にいかない額が当たり前に思っていたのが違うのだと、100億円を超えてもおかしくないというような立場で、少なくとも現状ではまずいということを認識していただきたいと思いますが、繰り入れについてもう一度お願いします。

〇伊江朝次病院事業局長 私も今度で8年目に入りますので、これまでの経緯を踏まえて、十分に足りているのかどうかをしっかり識別して対応したいと思っています。

〇西銘純恵委員 県立病院の未収金は例年幾らですか。

〇真栄城守県立病院課経営企画監 各病院における個人負担分の未収金の状況でございますが、時期的なこともありますので、1月末時点の集計状況でございますが、全体としましては17億9500万円の未収金となっております。ただ、前年度よりは2.4%減少している状況でございます。

〇西銘純恵委員 ケースワーカーを配置し活用した結果としてどうなりましたか。

〇真栄城守県立病院課経営企画監 各病院では、地域連携室等にケースワーカー、MSWを配置しまして、各種医療相談、特に診療費支払い等が厳しい患者につきましても相談に乗りまして、福祉の手続につなげたり、あるいは公的な支援といったものにつなげるといった形の支援はしている状況ではございます。ただ、やはり診療収入もふえている状況の中で、未収金そのものの額がなかなか減らないという状況ではございます。

〇西銘純恵委員 職員の皆さんも訪問したりしていると思います。実際は、この皆さんが大方17億円という莫大な未収金になっているという数字を見ますが、沖縄の県民の実態からして、実際は集金できるのかというところが一番ネックだと思っています。本当でしたら福祉につなげていく部分が、入院当初から多いのではないかと思うので、ケースワーカーをもっと配置するとか、そこら辺にも人的な体制を強化していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

〇津嘉山朝雄県立病院課長 それぞれ必要な人員については、毎年調査して確認をしながら定数化しておりますので、病院と調整をしながら検討していきたいと思います。

〇西銘純恵委員 福祉につながるのが多いのではないかということを感じています。
 それともう一つ、県立病院の減免に関する条例はありますが、使用料、病院代を払えなくて―未収金とも関連しますが、この減額免除の実績はどうなっていますか。

〇真栄城守県立病院課経営企画監 沖縄県病院事業の設置等に関する条例では、診療費の減免制度があります。対象としては、災害その他やむを得ない理由により、診療費の支払いが困難な場合、それから生活保護を必要とする状態にある者で現に保護を受けていない場合という規定がございまして、過去にさかのぼっての把握は難しいところもありますが、確認した範囲では実績はありません。

〇西銘純恵委員 民間病院では減免制度などはありません。県立病院なのでそういう制度を置いているということであれば、それに対して減免をする財源を充てていく、準備するということも含めて、そういう対象になる人にしっかり充てていくことが大事だと思いますが、これについてはいかがですか。

〇真栄城守県立病院課経営企画監 昨今の社会情勢から考えますと、やはり生活困窮者に対する支援といったものは必要ですし、公営企業としての責任もあると考えております。この規定がせっかくございますので、運用していく必要がございます。まずは運用に当たっての課題を幾つかクリアする必要があると考えています。まず1つは、具体的な運用規程を定めるということ、それから幾つかございます福祉の制度とのすみ分け、制度のバランスといったものを関係機関と調整していくと。それから、困窮であることを証明していただく上で、市町村や福祉事務所の関与が必要となります。ですから、あらかじめそういった関係機関、関係団体とも、どういったものを証明として整理していくかといった調整も必要になってまいります。事務的なものですが、そういったものを整理した上で、委員から御指摘があったとおり、実際に減免となりますと現金収入が減少しますので、経営面の影響も考えますと病院持ち出しだけでどれぐらいできるのか、もし幅広く県立病院がこの制度を活用するということになれば、ある程度、福祉との連携も含めて検討していく必要があると考えています。

〇西銘純恵委員 この財源こそ政策医療ということで、先ほど病院事業局長が幾つか挙げましたが、そこも頭に入れて検討すべきだと思います。
 八重山病院の改築費が2倍近くに上っています。これの元利償還が出てきたら、病院の莫大な負担になるのではないかと思っていますが、これを一般会計からの補助というのか、基準外の支援をすることも大事だと思いますが、いかがでしょうか。

〇真栄城守県立病院課経営企画監 現在、4条予算―資本的収支に係る繰り入れにつきましては、企業債の償還、元本の2分の1を繰り入れるのが全国統一の制度ですが、現状そういう形で沖縄県も対応している状況です。その中で何度か出ておりました建築費の高騰、あるいは政策的医療を提供するためにどうしても必要な設備等の整備、そういったものに費用がかかってきているという状況もございます。これについては、まず、繰り入れをきちんとを確保しながら、その上でさらに必要な分について財政当局とも協議を進めていく必要があると考えております。

〇西銘純恵委員 建設費の高騰は離島であるがゆえに、本島よりももっと大変だと。そして、不発弾とか沖縄ならではの問題もいろいろ考えたら、政策的に基準外の補助なりを財政に求めるべきだと思いますので、ここもぜひやっていただきたいと思います。
 次に、保健医療部の子供医療費無料化の拡大について、この歳出予算事項別積算内訳書の54ページの説明をお願いします。

〇砂川靖保健医療部長 54ページは、平成29年度の当該事業費の予算額でございまして、基本的に助成の基準について変更はございません。平成26年の実績をベースに積算しまして、それにシステムの改修費を上乗せして計上しているところでございます。

〇西銘純恵委員 システムの改修費は幾らですか。

〇山川宗貞健康長寿課長 市町村のシステム改修費は7600万円を計上しています。

〇西銘純恵委員 そうしますと、前年度と比べて医療費無料化の助成額というのは次年度は落ちるということでよろしいですか。

〇山川宗貞健康長寿課長 そのとおりでございます。

〇西銘純恵委員 通院費を就学前まで無料にしていますが、小学3年生や小学6年生までという試算もされて、どこまでできるのか。中学校卒業までというのが、我々も言ってきた窓口無料のことでもありますが、試算についてお答えできますか。

〇砂川靖保健医療部長 試算の方法はいろいろございまして、年齢拡大と、今の支払い方法について自動償還にするのか、現物給付にするのか。そして、一部自己負担金を存続するのか、廃止するのか、そういう条件によって異なってまいります。仮に、小学3年生まで上げた場合、現行の自動償還でいけば、2億2700万円ほどふえます。これを現物給付方式でいきますと11億1300万円程度ふえます。さらに、一部自己負担金を廃止した場合、自動償還の場合で5億6500万円となっております。それから、現物給付でなおかつ自己負担を廃止した場合は16億9000万円ふえることになります。これを小学校卒業まで拡大した場合、自動償還でいきますと4億1900万円ふえます。さらに、これに加えて、一部自己負担を廃止しますと、8億4900万円ふえるでしょう。さらに、現物給付方式に変えると14億2400万円。それに一部自己負担の廃止を加えると22億円ふえると。中学卒業まで拡大していきますと、自動償還のまま続ければ6億2200万円。一部自己負担の廃止を加えると11億1100万円。現物給付費にもっていくと17億1600万円。これに一部自己負担の廃止を含めますと27億5100万円ふえると試算しております。

〇西銘純恵委員 そもそも全国では子供の医療費が高校卒業まで無料のところもありますので、恐らく国も国の制度としていかなければならないというところもまで来ているのかと思います。県としては、平成30年から現物給付ということで考えていますが、ほかの市町村の動きとしてはどうですか。南風原町が1月から既に行っていますが、次年度でいいのですが、現物給付の動きというのはつかんでいらっしゃいますか。

〇砂川靖保健医療部長 担当者レベルでの話ですが、聞いている限りでは、かなり慎重なのかなというニュアンスを持っています。

〇西銘純恵委員 現物給付ということが、沖縄の子供の貧困を考えたときに、医者に行くのを立てかえ払いができないという状況がある中で、沖縄県では一番どこよりも行うべきではなかったのかと思っております。ぜひ現物給付を早目に進められるようにしていただきたいと思います。

〇砂川靖保健医療部長 これは給付サービス行政ですので、何よりも持続可能な制度とすることが必要だと考えます。これがもともと始まったのが平成6年でございまして、そのときは子供の健全な育成ということで、誰でもみんなそういうサービスが受けられるという形で制度設計されていたわけですが、御承知のように子供の貧困という要素が入ってきました。そういった要素を含めて検討する必要があるのではないかと我々は考えまして、見直しも必要かということで、例えばおっしゃったように、貧困世帯に対する支援の拡充、一方で、持続可能な制度とするためには、財政の負担の抑制―先ほども数字を述べましたが、それが格段にふえるような形に持っていくのは慎重になる必要があるだろうと考えております。あるいは所得区分を設けて、サービス内容を変えたり、一部自己負担等の額も変えたりすることも必要だと考えておりまして、今、内部で議論を進めているところであります。

〇狩俣信子委員長 金城泰邦委員。

〇金城泰邦委員 歳出予算事項別積算内訳書の74ページにあります、難病患者地域保健医療推進事業についてですが、補助金の中で難病医療拠点の協力病院の整備事業があります。法改正があって対象者がふえたということで、それに伴う対応についても変化があるのかどうか教えていただけますでしょうか。

〇玉城宏幸薬務疾病対策課長 重症難病患者入院施設確保事業は、自宅療養の重症難病患者さんが病状の悪化等の理由によって、居宅での療養が極めて困難な状況となり入院が必要となった場合に、適時適切に入院施設の確保が行えるよう地域の医療機関の連携による難病医療対策整備を図ることを目的として行う事業です。現在、国立病院機構沖縄病院の拠点病院として、23の医療機関を協力病院に指定しているところであります。

〇金城泰邦委員 今年度は前年度より補助金の額が少し減っているような数字になっていると思いますが、これは拡充するものではないのかなと思ったものですから質疑しましたが、どうですか。

〇玉城宏幸薬務疾病対策課長 在宅の患者、難病患者さんに人工呼吸器をつけていらっしゃる方がいます。その方々に対して、災害時あるいは台風とかの停電時に人工呼吸器がとまるので、携帯用発電機を貸与する事業がこの中に入っています。その中で1台当たり20万円ぐらいするのですが、前年度3台の予算をとっていましたが、今回は1台ということでその分の減になっています。

〇金城泰邦委員 必要な方がどのぐらいいるかということは、把握されているのでしょうか。

〇玉城宏幸薬務疾病対策課長 在宅で人工呼吸器をつけている難病の患者さんは、沖縄県内に63名いらっしゃいます。

〇金城泰邦委員 その63名の方は今年度の予算も含めて、カバーできているという認識でよろしいでしょうか。

〇玉城宏幸薬務疾病対策課長 この人工呼吸器がとまったときの発電機の貸与事業は、三、四年くらい前から実施しておりまして、そのときに多くの方をカバーしているので、ほとんどの方には行き渡っていると思います。

〇金城泰邦委員 次に、同じく歳出予算事項別積算内訳書の128ページに、医学臨床研修事業費がありまして、その中の委託料ということで、今年度6億200万円計上されております。前年度より3000万円ほど減額する形の予算になっています。先ほどから医者の確保とかいろいろ議論がされていますが、どうなのでしょうか。

〇諸見里真保健医療政策課医師確保対策監 医学臨床研修事業ということですけれども、この事業につきましては、県立病院で後期研修医を今年度58名分の予算を確保して養成しています。2年間の養成後は、北部地域、離島地域で勤務していただくということで医師を確保する事業となっております。今、委員御指摘の医学臨床研修事業ということで、委託料がございます。前年度より3000万円減額ということですが、この中には事業が幾つかございまして、今回この予算編成方針をもとにいろいろ議論していく中で、今回はソフト交付金を含めて大変厳しい状況でしたので、どうしても見直しが必要だということでございました。ただ、その見直しに当たっては、基本的に医師を確保する―医師の派遣であるとか、医師の養成、後期研修医の部分は極力確保する形で―削減する事業につきまして、委託料で3000万円の部分で御説明させていただきますが、主な事業として県立病院勤務医の学会の参加の事業がございます。その部分について、実績等も見据えて4505万8000円減額をしており、主な原因となっております。

〇金城泰邦委員 学会への参加の部分で減っているということであります。その辺はよくわからないのですが、優先順位でいくと、今とっている施策の中ではあとにしようという判断になったということですか。

〇諸見里真保健医療政策課医師確保対策監 先ほど来議論があります特定の診療科、一部県立病院の診療制限等の話ですが、やはり医師の派遣の部分については、それを削るのであれば即診療制限、休止に直結しますので、そういう事業は極力確保すると。大変申しわけないのですけれども、機器整備であるとか学会参加については、財政状況を見まして病院事業局と協議して、今後検討していきたいと考えています。

〇金城泰邦委員 大変な中で、緊急かつ速やかにやらなければならないところから、やっていかないといけない状況がわかりました。
 歳出予算事項別積算内訳書129ページにおいても減額になっていることについて、優先順位を勘案してどういった部分が減ったのか御説明をお願いします。

〇諸見里真保健医療政策課医師確保対策監 補助金の部分は、平成28年度に県立病院の医師確保の環境整備を図るために、先ほど御説明しました医療機器の整備費が1億2600万円、それから産科診療所の開業助成事業に対する助成金8000万円を減額した形となっています。

〇金城泰邦委員 次に、歳出予算事項別積算内訳書133ページの地域医療対策費の中の、非常勤職員報酬の分で、これは逆にふえているのかなと思っていまして、がん医療の連携等につきましては、がん対策をしっかりとっていかないといけないというところで増になったのか御説明をお願いします。

〇山川宗貞健康長寿課長 地域医療対策費につきましては、がん対策に係る報酬が、平成28年度は105万6000円であったのに対して、平成29年度は844万6000円です。平成29年度に関しましては、平成30年度を初年度とする第三次沖縄県がん対策推進計画の策定作業を行う予定で、同計画策定に当たり、指標などデータの整理を行う作業が増加することから、一般職の非常勤職員報酬を計上する必要があり、昨年実施して増額となっております。また、がんに関しては、沖縄県がん対策推進協議会を平成29年度に開催する予定で、委員報酬に関しても増額しております。

〇金城泰邦委員 がんを減らしていく取り組みについては、がん全般に対して取り組むのか、ある程度ピンポイントでやっていくのか、どういう考えでしょうか。

〇山川宗貞健康長寿課長 がん対策におきましては、やはり総合的にやっていかないといけないことはあるかと思います。具体的には、沖縄県では検診を受ける方が大変少ないことがあるので、がん検診を充実させる必要が一つあるかと思います。

〇金城泰邦委員 次に、歳出予算事項別積算内訳書137ページの同じく地域医療対策費の中で、一番下段の積立金として積み立てられている地域医療介護総合確保事業ということで4億円ほどですか、増額して積み立てされているようですが、目的はどういう形に展開するのかお伺いします。

〇大城博保健医療政策課長 地域医療対策費の中の地域医療介護総合確保基金積立金の増額の主な理由として、基金を取り崩して実施する予定事業がふえましたので積立額を増額しています。

〇金城泰邦委員 もし、計画があれば内容も教えてください。

〇大城博保健医療政策課長 県内外の医療機関から、離島過疎地域の医療機関に医師を派遣する事業の財源として充てる予定をしております。

〇金城泰邦委員 県外からの派遣ということで、これを活用していくという認識でよろしいですか。

〇大城博保健医療政策課長 はい。

〇金城泰邦委員 歳出予算事項別積算内訳書144ページの臓器移植推進事業費の中で骨髄バンクの推進についての項目もありまして、以前も御要望したところの骨髄バンク登録は、沖縄県は全国でも人口比率でもともと高いけれども、なかなか移植のところまで進みにくいと。それは恐らく、休業補償等がまだ整備されていない現状があると思います。人数もそんなにたくさんはいないと聞いておりまして、年間でも対象が20名いるかいないかの状況であるだろうと聞いています。そういった部分も今後拡充といいますか、内容について推進できるような方向を検討される予定はないですか。

〇玉城宏幸薬務疾病対策課長 県では骨髄移植等に関する正しい知識を普及啓発するため、街頭キャンペーン等を実施し、多くの県民に骨髄ドナー登録に協力していただいています。しかしながら、適合ドナーとなった場合、移植のために入院や通院等が必要になることから、経済的な負担があると聞いております。他県の一部の市町村では、ドナー登録を推進するため、ドナーの休業補償を目的としたドナー助成制度を導入する例もあると聞いています。県としましては、全国の取り組み状況、効果の有無等について研究してまいりたいと考えています。

〇金城泰邦委員 これはぜひ検討していただいて、キャラバンとかでも担当する職員の方などが登録に来ますが、沖縄ではまだ休業補償をしていないということで、献血などもなかなか勧めにくい現状があると言っていました。企業によってはそういった補償をしているところもありますが、沖縄の場合は、なかなかそういった大きい企業は少なく、拡充がなかなかされないという現状もあるかと思います。そこは行政の中で考えていただければと思いますので、よろしくお願いします。
 救急医療関係だと思うのですが、小児救急医療の♯8000の件をお伺いしたいのですが、夜間の相談の対応について、対応している県もあれば、沖縄県はまだ夜間の相談対応はしていないと思いますが、その件について今年度はどうなるのか教えてください。

〇大城博保健医療政策課長 小児救急電話相談事業ですが、毎日午後7時から午後11時まで対応しております。ただ課題として、専門的な知識が求められますし、内容によっては子供の健康、命にかかわる、それから夜間業務となるので、相談員を確保することがなかなか厳しい状況でございます。こういったことも踏まえまして、平成29年度の当初予算においては、相談室をふやしたり、あるいは相談員に対して通勤に係る手当を支給したり、県民に対する普及啓発に関連する事業を取り組むこととしておりまして、前年度と比較して328万8000円を増額し、事業実施をする予定にしています。

〇金城泰邦委員 これまでの議論を聞きますと、やはり特に小児に関する医療は、なかなかニーズは高いけれども充実させるのが難しい状況にあると聞いておりますし、僻地や離島においてはなおさらそういう状況にあると思いますと、やはり電話での小児救急医療相談というのは、県民のニーズに応える事業ではないかと思いますので、また鋭意努力していただいて拡充していただきたいと思います。
 それから、これまでの議論でも医師確保の必要性、また看護師確保の必要性はずっと言われておりました。医師確保については、医師確保事業のメニューがいろいろあるのですが、看護師確保のメニューは目につきません。こういったものはないのでしょうか。

〇国吉悦子保健医療政策課看護専門監 歳出予算事項別積算内訳書の145ページをお願いします。
 看護師確保対策事業費ということで、1番から21番まで看護職の確保と質の向上を図るという目的で事業を展開しております。

〇金城泰邦委員 こういった形で看護師についても、しっかりとした事業が取り組まれています。沖縄県は県立看護大学校を持っていますね。そこはやはり、看護師確保のための政策的な誘導のような部分は連携がとれているのでしょうか。

〇国吉悦子保健医療政策課看護専門監 看護大学も沖縄県の島嶼県であることをすごく理解されていて、開設当初から島嶼保健看護という科目を独自に設定をしまして、離島僻地の看護師をしっかりと誘導するように学生のうちから動機づけをしたり、離島僻地は医療資源が乏しいこともあるので、看護師の皆さんもしっかり責任をもって役割も拡大されておりますので、その方たちがしっかりと判断して、看護を展開できるようにということで学部も、実習も全て離島に学生は行ってまず見てもらって、その離島、島嶼県をしっかりと守っていくという動機づけをしています。あと、大学についても、そのような取り組みを行って、先生方もしっかり島嶼地域で実践できる看護師を育てるということに取り組んでおります。

〇金城泰邦委員 県立看護大学を卒業された生徒の就職状況はどうなっているのでしょうか。

〇国吉悦子保健医療政策課看護専門監 平成27年度に就職した看護師は、県内の就職者は51名で66.2%、県外が26名で33.8%になっています。

〇金城泰邦委員 県内の病院の中での看護師確保も大変だという状況もずっとやりとりがあったのですが、やはりそれでも60%台ということで、30%台は本土にという部分の要因についてお答えすることはできるのでしょうか。

〇国吉悦子保健医療政策課看護専門監 一部県外の進学校、大学院に進むということで行かれる方もいますし、県外の出身の方で地元のほうに戻りたいと帰られる方もいらっしゃいます。あとは高校のときから修学資金を県外の病院からいただいているために、一旦そこで就業期限を果たして戻ってくる方もいらっしゃいます。

〇金城泰邦委員 県立看護大学を卒業された方が、ぜひともまた県内の看護師確保の事業として、政策的に有意に引っ張っていける形でもっていっていただけたらと思います。

〇狩俣信子委員長 新垣新委員。

○新垣新委員 まず病院事業局から質疑を行います。
 その他医業外収益の中で財産貸付収益、その他医業外収益の現状はどうなっていますか。

○真栄城守県立病院課経営企画監 病院事業の予算における財産貸付収益と申しますのは、病院の建物等における自動販売機、テレビカード、売店、レストラン、駐車場、一部普通財産の土地貸し付け―これは旧南部病院ですが、そういったものを計上しておりまして、予算額の合計が8112万9000円となっています。

○新垣新委員 少しでも収益を上げるように頑張ってほしいということで提言いたしますが、茨城県ではプリペイドカード式のテレビシステム等の設置を行って収益を上げています。そういったこと等も一つの視野として検討すべきではないかと提言いたしますが、いかがですか。

○真栄城守県立病院課経営企画監 現在、資産活用につきましては、病院事業の中では多くは使用許可という形態をとって使用させて収入を得ている状況があります。内容としては、売り上げ収益の10%とか6%という収入を得ているわけですが、今、知事部局では、いわゆる公募貸し付けという方式をとりまして、今のテレビカードもそうですが、より広くそういった施設を活用して収入の増加を図るという取り組みが今後必要になってくると考えています。

○新垣新委員 少しきつい意見で、大局的な意見ですが、一般会計から約59億円補塡されなければ県立病院が成り立たないという現状からして、結局、第三セクターのような、県民の生命と財産を守る大切な病院でありますが、実際は自立していない病院という形で理解してよろしいですか。

○伊江朝次病院事業局長 今の委員の論法でしたら、全国の自治体病院で繰入金をもらっていない病院は、4つぐらいしかないのかと。みんな自立していない病院になるのではと思いますが、総務省の操出基準にありますように、政策医療としてこれぐらいのことをしてくださいという形で―沖縄県の場合、収支差で見ていますが、収支差で出た赤字部分の補塡財源としていただいて、委託を受けていると認識しています。

○新垣新委員 ぜひ県民のために、これから頑張っていただきたいと思います。我々も税収を上げて、残業で頑張っている職員も助けてあげたいという気持ちがありますので、それは与野党を超えて、一生懸命知恵を絞って頑張っていく覚悟でございます。
 続きまして、保健医療部長に質疑しますが、今回、一括交付金のソフトとハードは、保健医療部においてどれくらい減額されていますか。対前年度をお聞かせください。沖縄県全体で約225億円減額されています。

〇砂川靖保健医療部長 国庫補助金ベースで申し上げますと、ソフト交付金になりますけれども、平成28年度が13億4619万8000円、平成29年度が9億8626万4000円でマイナス3億5993万4000円となります。

〇新垣新委員 きのうも教育委員会、子ども生活福祉部長もはっきり認めていましたが、省庁を回っていないですよ。各省庁の概算要求の前に予算折衝とか事前の話し合いとか、次年度に向けてどうやりたいという形で、我々自民党と公明党は全ての省庁を回っているのです。一向に何も来ていないという意見があって、尻ぬぐいで自民党と公明党は、大事な予算ですから、今年度つけてくださいと全て回っているのです。知事も回っていないと一般質問、代表質問でやりましたが、そこで各部という形で全て名前が上がってきているものですから、そこら辺の問題をお聞かせください。

〇砂川靖保健医療部長 私どもの所掌する行政を所管している厚生労働省には8月に水道関係とかで行ったと記憶しております。内閣府については、個々のソフト交付金の事業については、担当レベルでヒアリングをするような話でございまして、私は、8月の国庫要請のときに、国民健康保険の支援絡みでお願いしてきたところでございます。

〇新垣新委員 この国民健康保険の支援絡みでは、皆さんよりもチーム沖縄の首長の動きが早いのです。そこら辺の真剣さとか、知事も来ていないとか、市町村との連携がとれているかと、副大臣から厳しい指摘を受けていますので、ぜひこれはしっかりと市町村とも連携なさって、向き合って、予算確保のことも頑張っていただきたいと強く激励をいたします。

〇砂川靖保健医療部長 一括交付金の活用と国保支援については、4月の沖縄振興拡大会議では古謝市長から話があって、連休明けには古謝市長と連絡をとり、那覇市が所管している都市国保連合会を通して5月以降幾度となく調整をかけて、一緒に内閣府にも説明に行ったりしております。次年度以降もそういう形を取りながら適切に対応したいと考えておりますので、御支援よろしくお願いします。

〇新垣新委員 ぜひ、与党の国会議員や共産党議員にもお声かけをお願いします。知事も来ていないのは大変残念な思いでありました。
 続きまして、162ページの血液対策費の成果と中身、そしてこの血液等に関する対策はどうなっているかお聞かせください。

〇玉城宏幸薬務疾病対策課長 薬務疾病対策課では、献血推進をしており、赤十字血液センターと連携しています。県内の献血を伸ばすための事業ですが、近年、若年層―10代は、ずっと献血者数が低下気味だったのですが、このところは横ばいに戻ってきました。20代は全国も同様に減少傾向はずっと続いています。30代も減少傾向。40代は少し上がり気味の傾向です。50代はずっと上がり気味の傾向で、特に重要なのは本当はこれからの医療を支える若年層の10代、20代なのですけれども、今のところなかなか難しい状況となっております。予算も少なくて普及啓発しかできないのですけれども、何とか効率のいいやり方を求めて今、模索しているところでございます。

〇新垣新委員 もし交通事故に遭った場合、AB型のRhマイナスというのは少ないということもあるし、O型のRhマイナスも少ないと聞いてますので、この対策もぜひ頑張っていただきたいと思います。
 続きまして、156ページの麻薬等の乱用防止に関する取り締まり及び啓発活動に関する経費の実績と成果を述べてください。

〇玉城宏幸薬務疾病対策課長 麻薬等のこの事業につきましては、薬物乱用防止の事業になっております。ここ数年よく聞くかと思いますが、危険ドラッグというのが沖縄県内に販売店舗がかなり多くありまして、ここ数年はそれにかかり切りになっていたのですが、平成24年1月現在で危険ドラッグを売る店舗が沖縄県内に24店舗ございました。それがいろいろな対策、県警察との連携、九州厚生局沖縄麻薬取締支所との連携などによりまして、平成26年11月には店舗数をゼロにすることができました。成果というのはこの辺になろうかと思います。

〇新垣新委員 実態は県民の麻薬乱用がふえているのです。取り締まりという立場の啓発を行う活動費だと認識しているのですが、それが全く成果がありません。連携もどうなっているのかと警察もてんてこ舞いで、県は警察とどういう会議をしているのかと。この予算が約800万円と大きな金額がついていますから、そこを聞いているのです。もう一度答弁をお願いします。

〇玉城宏幸薬務疾病対策課長 今委員がおっしゃっているのは、危険ドラッグは確かになくなったが、もともとあった大麻とか覚醒剤に逆戻りしてるのではないかということだと思います。多分、私もそれはあると思います。
 啓発に関しましては、教育庁などの学校関係と連携しまして講話―学校に行っての講話、我々も行きますし、薬物乱用防止指導員を218名委嘱しておりますので、この方々に学校あるいは地域等に行ってもらって、薬物乱用の普及啓発をしているところではあります。

〇新垣新委員 ぜひ啓発活動をさらに力強くもっと頑張ってほしいと思っております。麻薬の錯覚で、物が飛んできたりとか、片目を失明したと地域の被害者の声も聞きます。そういった問題も非常に深刻ですから、わからないと傷つく人もいるということで強く子供たちへの啓発活動を頑張っていただきたいと思います。
 続きまして、歳出予算事項別積算内訳書145ページの看護師確保対策費の中の細節21番、全国の流れでは助産師不足と言われています。沖縄の状況はどうなっているのか教えてください。

〇国吉悦子保健医療政策課看護専門監 助産師の人数ですが、今は2年に1回、看護師従事届という調査がありますけれども、その中で最新のものが平成26年12月現在の県内の助産師の総数は407名です。人口10万人対比で沖縄県の状況を見ると28.6人で、全国は26.7人ですので、全国と比較すると沖縄県の助産師の数は多いという形にはなっております。

〇新垣新委員 現場の声―産婦人科の声を知っているかをお聞かせください。

〇国吉悦子保健医療政策課看護専門監 数ではそうなっていますが、地域別とか北部地域がかなり少ないですけれども、離島地域、八重山地域とかも少ない状況があります。あと施設別にもクリニックあたりでは足りないという声は聞いております。

〇新垣新委員 正直申し上げますと、免許資格者はいますが、やめて離れていくという、絵に描いた餅のようなものですから、ここに予算がついている以上、力強くふやすように頑張っていただきたいと思います。実態が全く違いますのでよろしくお願いいたします。
 133ページの地域医療対策費、細節1から細節15、対前年度比を申し述べてください。

〇糸数公保健衛生統括監 地域医療対策費に含まれている15事業を1つずつ、昨年とことしの予算額ベースで申し上げます。
 まず、1番の医療計画推進会議等運営事業費は、平成28年度は195万3000円、平成29年度は194万7000円で6000円の減です。
 2番の地域医療連携推進事業は、平成28年度も平成29年度も1066万円で増減はありません。
 5番の地域医療介護総合確保事業は、平成28年度が10億2038万9000円、平成29年度が14億914万7000円となります。
 6番の病床機能の分化・連携を推進するための基盤整備事業は、平成28年度が1億8825万円だったのが、平成29年度は6275万円ということで1億2550万円の減となっています。
 8番の地域医療構想を実現する医療連携機能強化事業は、平成28年度は2400万円でしたが、平成29年度は2000万円ということで400万円の減になります。
 11番の医療機能分化連携推進事業は、皆増で平成28年ゼロだったものが平成29年度は1127万4000円です。
 12番の保健医療計画策定事業も平成28年度はゼロでしたが平成29年度は2798万4000円です。
 13番の離島患者等支援事業は、午前中に議論がありました新規事業で、平成28年度ゼロで平成29年度は2300万円です。
 14番の遠隔医療設備整備補助事業費についても平成28年度ゼロで、平成29年度は502万1000円です。
 15番の医療政策課事務管理費も平成28年度ゼロで平成29年度は491万6000円となっております。
 3番の地域医療がん診療拠点病院機能強化事業費は、平成28年度も平成29年度も4518万8000円で増減はありません。
 7番のがん診療連携拠点等の患者に対する歯科保健医療推進事業は、平成28年度は623万9000円が平成29年度は823万9000円で200万円の増です。
 9番のがん対策推進協議会運営事業費は、平成28年度は255万3000円、平成29年度が252万7000円です。
 4番のがん医療連携体制推進事業が平成28年度が3621万2000円で平成29年度が3399万2000円です。
 10番のがん医療提供体制充実強化事業は、平成28年度ゼロですけれども、平成29年度は4638万円となっております。

〇新垣新委員 この件で、ある程度わかっている部分があって、国から10分の10の補助をいただいた遠隔医療設備整備補助事業費は、新しくできたものだと理解しておりますが、今後どういう方向に向かっていくのか説明をお願いします。

〇大城博保健医療政策課長 遠隔医療設備整備補助事業費ですけれども、次年度は県内の医療施設に対しまして、情報通信技術を応用して病理画像を遠隔にある医療施設へ転送するための設備機器の購入費用を補助することにしています。
 具体的には、病理医が配置されていない病院で、がんの手術をするときに、この機器を用いて画像を撮って、病理医が配置されている病院に画像を転送し、そこで診断して返します。例えば手術で、がんの部位の細胞がきれいに摘出されているかどうかの確認を行ったりするというような取り組みとなっております。

〇新垣新委員 要点だけ申し上げますが、がん医療で医療格差があるということをよく耳にしたことがあります。その中で民間と県立の違いというものは、やはりガンマ線等の医療だということを、がんで深刻な方から聞いたことがあります。分野によっても変わると思いますが、その変わり目はどのようなものかについてお聞かせ願いたいと思います。

〇糸数公保健衛生統括監 がんについては、一般的に手術をしたり、先ほど委員がおっしゃったガンマ線等の放射線、それから科学療法という抗がん剤がありまして、それぞれ非常に専門性が高いものですから、沖縄県では琉球大学附属病院を拠点病院として、患者の治療によって拠点病院で行うもの、あるいは支援病院で行うものを分けているところです。また、毎年4回、琉球大学附属病院にそれぞれの病院が集まって、県内の診療体制の連携をどのように構築していくかということについて会議をしております。

〇新垣新委員 わかりました、ぜひ県民のがん予防に頑張っていただきたいと思います。
 続きまして、エイズ対策の中に予算があると思いますが、この状況はどうなっていますか。県民の実態数はどうなのか、御説明いただきたい。

〇山川宗貞健康長寿課長 性感染症対策費についてお答えいたします。この中には、性病予防対策事業費、エイズ対策事業費、エイズ対策強化事業費の3つが入っていまして、今年度の当初予算は、性病予防事業費が297万2000円、エイズ対策事業費が536万4000円、エイズ対策強化事業費が870万5000円となっています。
 患者に関しては、2016年の報告によりますと、エイズ患者が5名、HIV感染者が17名でトータル22名の報告となっております。

〇新垣新委員 全体ではどうなっていますか。

〇山川宗貞健康長寿課長 1987年から累積の統計がとられていまして、2016年までですと339名の方が報告されています。

〇新垣新委員 ぜひ小学校、中学校、高等学校、大学、専門学校等、あらゆる教育機関における啓発活動も含めて、そういったことにならないような指導方針を行ってほしいのですが、その状況はどうなっていますか。

〇山川宗貞健康長寿課長 平成10年代ごろまでは実際に保健所の職員が教育講話を行っていたのですが、それではどうしても数に限りがありますので、保健所では学校の先生を集めてエイズに関する講習会を開いて、実際に学校の先生方も生徒に対してお話ができるようにしているところです。

〇新垣新委員 歳出予算事項別積算内訳書58ページのみんなのヘルスアクション創出事業、健康づくりボランティア養成・活動支援事業、健康行動実践モデル展開促進事業は、連動する部分があると思います。行くべき姿はどういう形で向かっていくのか。今回、予算が増額されています。地域と密着してそれをどういう形で家庭、学校、地域、社会全体が取り込んでいくのか。また、模範となる我々議員とか県庁職員も、民間で「イチキロヘラス!」運動があると、我々何キロ減らす運動とかですね、そこから示さないと県民に伝わらないのではないかと私は提言したいのですが見解を求めます。

〇糸数公保健衛生統括監 平成25年に県民の健康、平均寿命の順位がかなり下がったということで取り組みが始まったところでございます。
 最初の二、三年は、とにかくこの危機的な状況を県民全体に広げるということで、啓発事業などが中心になりましたが、昨年度ぐらいからはその中でもターゲットを絞って―結局、働き盛りの世代がほかの県に比べて多く亡くなっているということがあるので、働いている人たちへのアプローチということで、一番は直接的にコマーシャルなどをしますけれども、今度は会社や事業所で健康づくりが取り組めるような形で補助を始めたりしております。
 それから、先ほど委員がおっしゃっていたみんなのヘルスアクション創出事業、健康づくりボランティア養成・活動支援事業、健康行動実践モデル展開促進事業などは地域に健康について詳しい人をどんどん生み出して、市町村と一緒に健康についての大事なこと、大切さを少し介入を強めるような形の事業に変えております。働き盛りの人たちに、特にがん検診などを受けましょうと、肥満の人は肥満を解消するようにしましょうと、それから、お酒の飲み過ぎがあるというのが結構わかっていますので、今までの運動、栄養、禁煙などに加えて、重点的に進めるということで予算化をさせていただいているところです。

〇狩俣信子委員長 休憩いたします。
〇狩俣信子委員長 再開いたします。
 糸数公保健衛生統括監。

〇糸数公保健衛生統括監 長野県の取り組みにつきましては、かなり長い期間をかけて健康づくりについて取り組んだ結果、長寿日本一、世界一のレベルになっています。長野県から学ぶべきところでは、健康補導員が地域にたくさんいまして、それこそ回覧板を持って各家庭を回って、食事について指導したということがありましたので、今年度から取り組みます、みんなのヘルスアクション創出事業、健康づくりボランティア養成・活動支援事業、健康行動実践モデル展開促進事業などでは、地域にそのような人材をこれからどんどんふやしていくための事業で、長野県のいいところを沖縄県でも取り入れられるところは取り入れようという形で目指していることを御理解いただきたいと思います。

〇新垣新委員 歳出予算事項別積算内訳書45ページの未熟児等養育医療費について、今回予算が減っています。なぜかお聞かせください。

〇山川宗貞健康長寿課長 今回の経費の減は前年度、北部地域周産期母子医療センターの設置の促進事業ということで、北部医療圏に早期に地域周産期母子医療センターを開設するために必要な経費を補助する事業がありまして、この中で医療機器整備に多大な費用をかけていたものが終わったということで減額になっております。

〇新垣新委員 歳出予算事項別積算内訳書18ページの感染症対策費です。
 特に訴えたいことは、沖縄県の観光客がふえている中でインフルエンザの比率が非常に高いと。また、地域によって強弱もあると聞いております。その問題に対して、今回、感染症対策費として予算が約1億3700万円ついていますが、空港、港湾等の水際対策はどうなっていますか。

〇山川宗貞健康長寿課長 水際の感染症対策に関しましては、国外については、検疫所と一緒に取り組みをすることになると思います

〇狩俣信子委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、新垣委員から対策が中心になるべきであることから、県の立場について答弁するよう指摘があった。)

〇狩俣信子委員長 再開いたします。
 山川宗貞健康長寿課長。

〇山川宗貞健康長寿課長 委員がおっしゃられている感染症対策費に関しましては、感染症流行予測調査事業費が入っておりまして、毎週、決まった病院からどういうインフルエンザの感染者がありましたという報告を受けたり、発生の動向調査を行ったりしています。あと、午前中にもお話ししました肝炎対策事業費、肝炎治療促進事業費というものが入っています。インフルエンザの対策に関しましては、本庁でも事業継続計画―BCPを立ち上げるとか、そういうものに使っていることになります。

〇新垣新委員 予防も大切ですが、対策が一番大切だと私は強く認識しておりますので、ぜひ推進して頑張っていただきたいと思います。
 歳出予算事項別積算内訳書5ページの新国民健康保険制度移行準備事業です。
 まず1点目に、平成30年に県に移管されますが、このことでメリットはありますか。
 2点目に、県と市町村の事務量はどうなりますか。懸念事項はどうなっていますか。そして、取り決め事項の中で、国と県と市町村の課題に関する話し合いはどうなっているのかをお聞かせください。

〇宮平道子国民健康保険課長 平成30年度から医療保険制度改革の一環としまして現在、市町村が保健所として実施しています国民健康保険事業が県と市町村の共同保険者に移行することとなっております。
 まず、お尋ねの制度改革のメリットでございますが、国保の財政運営が都道府県単位になるということで医療費の全額を県が支払う形になります。市町村においては医療給付費にかかる年度途中の資金繰りの心配がなくなるということになります。また、小規模な市町村などで高額な医療費が発生しますと、国保財政に大きな影響が与えることがございますけれども、この財政リスクというものを全体で分散することができると。それによって、財政の安定化を図ることができると考えております。
 また、標準保険料というのを県が示してまいりますので、それによってほかの市町村との標準保険料との違いを比較することができることで標準的な住民負担の見える化が図られるものと考えております。
 次に、県と市町村の事務量の御質疑についてですが、平成30年度以降、県に特別会計を設置しまして、給付に必要な額については全額市町村に交付をしていくということになります。県が国保運営の中心的な役割を担い、制度の安定化を図るため、県としても組織の体制を強化しまして取り組んでいくこととしております。
 市町村におきましては、引き続き保険料の賦課徴収とか、資格管理であるとか、それから地域の住民と身近な関係ということがございますので、被保険者の特性に応じたきめ細やかな保健事業を担っていただくことになります。
 このように県と市町村が役割分担をして、国保を運営していくことになりまして、県単位での財政運営を行うことによって、市町村では医療費適正化の取り組みを強化するなど、これまで行ってきた事務の質を高めるということが可能になるのではないかと考えております。

〇新垣新委員 欠陥だらけの国保ですから、県にとって導入に向けてのメリットはありますか。

〇宮平道子国民健康保険課長 平成30年度以降、県が保険財政を担うということになりますので、1つは先ほど申し上げましたように、財政の安定化が図られるということがあるかと思います。
 また、この制度改革の一環としまして、インセンティブ改革の一環でございますけれども、保険者努力支援制度が創設されることになっておりまして、これは保険料の収納率や特定健診の受診率とかによって交付金が交付されるというものでございます。そういったことを県が主導することによりまして医療費の適正化と財政運営の改善があわせて図られていくという効果があるのではないかと考えております。

〇砂川靖保健医療部長 移行作業を見てもわかるように、県が今までやっていなかった仕事をやるようになって、そういう意味では、県の負担はふえているわけです。金銭的、数字的、人材的に県にメリットがあるかというとそれは出てこないのですが、国保財政が現行よりも安定化に向かうことの制度改革ですので、それによって現に反射的にメリットがあるかどうかというのは、我々は問題にしていないということでございますので、ぜひ御理解いただきたい。

〇狩俣信子委員長 休憩いたします。

   午後3時55分休憩
   午後4時13分再開

〇狩俣信子委員長 再開いたします。
 休憩前に引き続き、質疑を行います。
 末松文信委員。

〇末松文信委員 それでは、まず新聞報道からです。
 ここに県立病院未払い9億円超とありますが、これまでも質疑がありましたが、病院事業局長と保健医療部長のこれに対する思いと今後の対応について伺います。

〇伊江朝次病院事業局長 時間勤務外手当の未払いについては、私は現場から出てきたものとして、自分たちが当直をしているときは、当直料としてもらっているという意識しかなくて、実際にそういった細かい2割5分以上の、5割増しとか3割増しとか全く意に介していなかった状況だったものですから。といいますのは他府県の状況を耳にすることがあったのですが、ほとんど当直料として我々が出している分の半分くらいしか出していないなどの話を病院事業管理者から聞いていたのです。しかし、労働基準監督署から、実態としては当直の体制が日常の診療と変わらないのではないかと御指摘を受けて、そうなるとこれは当直料という形ではできない状況なのかと。改めて今、実態を調査している状況でして、今後ともいろいろな関係者ともしっかりと議論してどのような形でこれに対応するか考えていきたいと思います。労働基準監督署から御指摘を受けたということは重く受けとめていますし、しっかり真摯に対応していきたいと思います。

〇砂川靖保健医療部長 実は、私が県庁に採用されたときの最初の職場が病院でして、離島の病院でしたが、救急患者もいなくて、多くても1日20名ぐらいだったものですから、当直しているドクターも仮眠する時間が多くて、仮眠している時間が多いのに8時間分も時間外手当もらっていいなとの感覚でいましたが、しばらく離れているうちに状況が変わりまして、平成10年ぐらいに一度、病院管理局で宿日直手当の導入を検討していかなければいけなかったのです。そのときは導入できなかったのですが、放置されてこういう状況になっているので、これを機に給与制度の見直し、宿日直手当の導入、あるいは三交代、二交代勤務の職場で、時間外が発生するのがよくわからないという面もありますので、そういった面での勤務環境の改善も考える時期に来ているのではないかと思っていまして、そういった面で助言ができるかどうかはわかりませんが、病院事業局から何らかのアクションがあれば、できる限りのことはしたいと思います。

〇末松文信委員 聞くところによると病院のほうでも大変厳しい業務をつかさどっていると聞いております。きょうは6病院の院長も見えているので事情はよくわかっていると思います。ぜひまた改善方よろしくお願いしたいと思っています。
 次に、これは通告していなかったのですが、あとで来た話なのでお話しさせていただくと、離島医療の支援が新規事業になっています。これは亀濱委員から代表質問があったので気づいたのですが、このことについては離島だけではなくて、北部地域も同じ事情を抱えていると思っております。北部地域のことについても離島並みに適用できないか、それをお伺いしたいと思います。

〇砂川靖保健医療部長 いろいろ研究したいと思いますが、ただ決定的に違うのは、離島は交通手段が限られているわけです。北部地域は遠距離といっても陸続きで移動手段も公共交通機関から自家用車等々、いろいろございます。そういったことで、北部地域に限って言えば、旅館業、ホテル等を割引するような制度―がん治療のときのものを設けております。制度が走ったばかりですので、その辺の課題やいろいろな状況、推移を見ながら考えていきたいと思います。

〇末松文信委員 中南部地域の医療機関が多いところとそうでないところの間で、それだけの経済的な格差が出てくるわけですから、ぜひ今、部長が答弁されたように、これは検討していただいて、将来的にはぜひ加味していただくようにお願いします。
 それからこの案件で、子宮頸がん予防ワクチン接種後に、多様な症状を呈している患者となっていますが、この中でこの副反応疑いを含むという表現がありますが、この疑いを含むという表現はどういうことなのか教えていただきたいのです。

〇山川宗貞健康長寿課長 子宮頸がんワクチンを打ったときの副反応は、例えば、打ったところの痛みとか、打ってすぐに倒れられたりとか、しばらくは何も症状は出ないのですが、そこから手足のしびれが出て、動きにくくなったり、まぶしくて目が開けられないとかいう症状があります。そういったことは打ってから痛いのがわかるのですが、それと関連していないところはさまざまになっておりますので、打ってその後に何か出てきた場合は、これが本当に子宮頸がんワクチンの副反応なのかということで、疑いを含むというようになっています。

〇末松文信委員 今の説明ですと、例えば、ワクチンの副反応の疑いのある状況の中でもこの制度を適用できるということでいいのですか。

〇山川宗貞健康長寿課長 明らかにこの予防接種のせいであるということがわかれば、これは適用されることになります。

〇末松文信委員 この件ではこれまで何名かの委員からも質疑がありましたが、ぜひ善処していただくようお願いしたいと思います。
 それから懸案事項であります北部地域の基幹病院の件ですが、保健医療部長がこの間一生懸命頑張っておられることについては敬意を表したいと思います。 お尋ねしたいのは、今般の地域医療構想並びに計画の策定についてですが、先日パブリックコメントをもらうということがありましたが、既に終わったのかどうか。

〇大城博保健医療政策課長 パブリックコメントにつきましては2月19日で終了しております。

〇末松文信委員 そのコメントの内容を紹介していただけないでしょうか。

〇大城博保健医療政策課長 平成29年1月からパブリックコメントを行ったり、沖縄県医師会、沖縄県保険者協議会などの関係団体、それから県内市町村に対しても構想案に対する意見を照会しております。
 これに対しまして、関係団体から21件、市町村から8件、パブリックコメントについては9件の意見がございました。
 北部地域の基幹病院の関連では、名護市から地方公営企業という経営形態を前提とするのはなぜかという趣旨の御意見がありました。

○狩俣信子委員長 休憩いたします。

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 大城博保健医療政策課長。

〇大城博保健医療政策課長 北部地域の2つの病院の統合に関連しましては、統合に関する検討プロセスのスケジュールを定めるべきではないかといった意見もございました。

〇末松文信委員 今、2点あったということですが、経営形態についてはどのように考えていますか。

〇砂川靖保健医療部長 知事の公約が、県立病院については現行の経営形態を維持するとされておりますので、我々もその範囲で動く必要があります。構想においても現行の経営形態を維持することを前提に、統合の是非を検討するという取り扱いにしています。

〇末松文信委員 それでは、今の県立病院を中心とした経営形態を維持して、これを拡充するという考えでよろしいですか。

〇砂川靖保健医療部長 その上で、北部地域の医療提供体制の効率化を図っていく方向で検討するということでございまして、あくまでも現時点では結論が出ておらず、私どもの立場としてはニュートラルな立場にいるということを御理解いただきたいと思います。

〇末松文信委員 同じくこの統合についてもけさから議論がありましたが、60項目にわたる課題が抽出されたということで、今後これについて一つ一つ分析、あるいは解決していくと思います。何がネックになりそうですか。二、三点挙げてください。

〇砂川靖保健医療部長 押しなべて全て重要な課題だと思っております。とりわけ職員の身分の取り扱いに関しましては、これは保健医療部だけの一存で決められる問題でもありませんので、なかなか難しい問題かと考えております。

〇末松文信委員 北部地域の医療機関の整備状況ですが、これは私ども北部12市町村の首長の誰に聞いても同じことを言っております。といいますのは、大正時代の北部地域の人口が12万人だったそうです。そのうち沖縄県は何人だったかといいますと、60万人弱の人口―今は140万人ですが、それでもヤンバルは12万人で、人口がふえていません。これが経済的にも非常に影響していて、教育、医療もそうですが、やはり定住条件をどのように整備するかということが重要な課題になっています。
 その中でも一番重要なのは、医療機関の整備、そして教育機関の整備、この2つが挙げられています。一例を申し上げますと、NHKの大河ドラマ「琉球の風」を書いた陳舜臣先生がおりますが、この夫婦が名護市に住みたいということで、市役所にお見えになりました。私は当時、市役所にいたのですが―2カ年ぐらい名護市に住まれましたが、ある日突然、、市役所に来られて、何をおっしゃったかといいますと、自分たちは年をとっていくけれども、今の名護市の医療環境では心配だと。ついては、那覇市に移りたいということで挨拶に見えていました。
 そういうことからすると、住みたいけれども住めないということは、やはり地域にとって大変重要な問題だと思っていまして、ぜひ基幹病院を設置していただきたいとこれまで訴え続けてきたわけです。この間、北部地域の首長の皆さんも力を入れて取り組みを進めておりますが、来る24日に大会を開くことになっていまして、27日には要請に行きたいという日程になっています。今、御指摘のような地域の機運も相当盛り上がっていますので、ぜひ保健医療部長におかれましては、あるいは知事もそうだと思いますが、このヤンバルの事情をぜひ酌み取っていただいて、早急に整備をしていただきたいということを要望を申し上げて質疑を終わりたいと思います。

〇狩俣信子委員長 照屋守之委員。

〇照屋守之委員 先ほどから出ています時間外勤務の賃金未払いの件です。先ほど要因について病院事業局長が説明しておりましたが、約9億円という数字的なものも含めて、平成29年度の経営の中でこれを処理をしていくという理解でよろしいですか。

〇津嘉山朝雄県立病院課長 先ほど申し上げましたとおり現在まだ精査中でして、少し中途半端な数字を予算に計上するわけにはいかなかったものですから、現在の当初予算には含まれておりません。精査が終わったときに整理していこうと考えております。

〇照屋守之委員 これは報道でもありましたが、医師、看護師ということも含めて2カ年分しっかり調べて、いずれにしても2カ年分支払わないといけないわけですから、賃金の未払い分のはっきりしているものについては早目に処理をするのが経営です。改めてわかった時点でこれをどうするか―2年ですから、2016年と2017年の枠を決めて処理をしていくことを当然やらないといけません。そうすると、病院事業経営そのもの自体の損失―これは人件費ですからその分の経費として充てることとなると、この9億円入れた場合は今の時点の損失はどうなりますか。

〇津嘉山朝雄県立病院課長 平成29年度当初予算の収益的収支の中の経常利益が5億3000万円ほど見込んでいますので、9億円となりますとマイナス3億7000万円ぐらいになってしまうと考えております。

〇照屋守之委員 2016年分の人件費をしっかり組み入れて対応しないといけないと思います。人件費ですからここは速やかに対応してもらうようにお願いします。
 県立の病院事業は今でさえ非常に厳しい状況だと思っています。こういう問題があって、これから看護師も含めてさまざまな業種の未払い分が出てくるとなると、経営を揺るがしかねない自体になっていきます。今は当初予算でそのような収支をつくっていますが、これが決算で3月末に締めたときに相当変わっていきます。これは例年どおり起こっていることで、さまざまな数字を加味していくと、とんでもない数字になっていきます。ですからそうなると、これは病院事業局だけでは対応できないと思います。先ほどもありましたように、これは県と一緒になってしっかりこの窮地を脱していくような対応が必要だと思っております。
 今、病院事業局は浦崎副知事が担当しているようです。ぜひそこを窓口にして財政的なバックアップ―これは恐らく単年度ではできません。3年とかそのようなスパンで処理をしていって病院事業の経営を圧迫しないような、県民への医療提供体制に支障を来さないように病院事業局がしっかりやるべきだと思いますが、病院事業局長いかがですか。

〇伊江朝次病院事業局長 今のところ概算ということで、今年度の分だけで9億円ぐらいになりますので、これが2年分になりますと20億円近い金になりますので、病院事業に関してはかなり重荷になるということは深刻に受けとめております。これまでの払っていないものを払うという状況でございますので、しっかりその辺の精査をして、財政当局ともしっかり相談して対応していきたいと思います。

〇照屋守之委員 とにかくこれは今の病院事業局の経営からすると予期せぬ事が起こっているのです。八重山病院建設もそうですが、そのようなものに伴って新たに医療機器などのさまざまな課題、看護師の問題、そういう医療提供体制をつくるのに病院事業局長初め、病院事業局あるいはそれぞれの病院が一生懸命頑張っているという中での賃金未払いということだから、これは衝撃的なことだと思うのです。
 先ほど、県からの繰入金の10年分ぐらいの数字が発表されましたが、仲井眞県政のときに、八十何億というのを3カ年間やりました。それに匹敵するぐらいのものです。あの3カ年間で病院事業の経営再建を今の病院事業局長も含めて、そのようなことで頑張ってもらって、県立のまま、県民医療に応えていくという体制ができ上がったわけです。そうすると我々も今、県立は県立のまま県民に提供していこうということですから、ぜひこれは3年計画で繰り入れを―仲井眞県政のときにできたのですから、そこは浦崎副知事をしっかり使ってください。病院事業局長の去年の人事のごたごたも、私はわかりませんでしたと済ます人ですからね。そこは、やはりきちんと経営の中身については、かくかくしかじかでこれだけの数字が必要ですというようなことで対応してもらわないと―ぜひよろしくお願いします。
 次に、県立八重山病院の建設ですが、予算と今の進捗状況はどうなっていますか。

〇大城久尚県立病院課副参事 先ほど次呂久委員の質疑にもお答えしましたが、進捗状況については2月末現在で25.8%で、現在2階の床部分の工事を実施しています。予算についてですが、建設工事のみで捉えますと、今年度の9月補正で12億8000万円補正をしていただきました。平成29年度の当初予算でさらに20億円追加ということで、現在、建設工事費のみでいきますと132億円となっています。

〇照屋守之委員 工事費がどんどんふえていきますと、仕事もふえるということに当然なりますよね。そうすると開院の予定はどうなりますか、大丈夫ですか。

〇大城久尚県立病院課副参事 今回、1月末に設計変更をしまして、当初は、平成29年12月の完成予定でしたが、3カ月延ばして平成29年度末の工期を設定しています。開院予定については、平成30年の早い時期で設定しています。

〇照屋守之委員 地域の住民は、そのような医療体制ができて、開院をして、自分たちに医療を提供してもらうという期待があります。そうすると、古い病院、新しい病院がありますが、医療提供の体制について、人も機器も含めてそこはどのように進めていますか。

〇與那覇博康県立病院課医療企画監 人に関しては、これまでなかった診療科としては口腔外科を新設するということが1つです。定員に関しては、現行と同じ定数で考えています。ただ、病床がふえて看護師の定員をどうするかということについては、まだ検討中です。人数的には現行でスタートということになっています。

〇照屋守之委員 次に病院事業局長人事ですけれども、昨年も少しごたごたがあって、ことしも少しごたごたがありました。沖縄県公務員医師会もどうなっているのだと文書でやりとりする事案になりました。 私は、先ほども少し申し上げましたが、昨年からそのようなことが起こって、病院事業局長人事ですので、担当副知事である浦崎副知事とこの問題についてある程度の話し合いなり、あるいは対応策なりを考えてきたのではないかなと思ってるのですけれども、昨年から今までそのようなことはありましたか。

〇伊江朝次病院事業局長 昨年から今までということでしたら、副知事とは再三再四にわたっていろいろお話をいたしました。

〇照屋守之委員 再三再四はいいが、去年も同じ問題が起こりました、ことしも同じ問題が起こっております。そうすると、去年から1年間の間にこの起こっている問題について、担当副知事としてどうか、病院事業局としてどうかというようなことがあってしかるべきだと私は思ってます。
 同時に、6つの県立病院のトップの人事ですから、それぞれ6名の院長先生がおりますけれども、こういう件で病院事業局長あたりと人事のありようについて、話し合いをされた経緯もありますか、どうですか。

〇本竹秀光中部病院長 公務員医師会の理事をしているものですから、去年からずっとかかわっておりました。去年は知事宛てに要望書を提出しましたが、返事をいただいておりません、今回もありません。院長が呼ばれて話を聞かれたこともありません。ただ、今の伊江事業局長のとき―平成22年の知念先生からの交代のときにいろいろありまして、そのときの副知事からは公務員医師会の理事が呼ばれて、現場の意見を聞かれた経験があります。今回はありませんでした。

〇照屋守之委員 私は、やはり県立病院は、地方公営企業法で事業局長の人事が守られている、保証されているということもあって、県庁のいいなりになる人事ではないわけですよね。そこはそれぞれ病院長6名の方がいらっしゃるので病院事業局長の人事のありようをしっかり病院事業局でまとめて、それを対知事に対応していくというようなことにならないと、知事がかわって、知事の意向でそのような人事がなされるとなると、これは県民医療に対するプライドが傷つきます。ですから、そこはしっかりやっていただきたいということです。
 この人事に関して、砂川部長に聞きたいと思っております。せんだって2月27日の具志堅透議員の本会議の一般質問の中で、昨年の新聞報道の前後のやりとりで、砂川部長は新聞報道が出る以前は特別職―局長級の人事を検討されていた状況はございませんと答弁しておりました。いかがですか。

〇砂川靖保健医療部長 そのときの答弁の趣旨は、特別職の人事について、決定事項は何もないという意味でございます。

〇照屋守之委員 決定と、されていたとは違いますよね。だから検討された状況にはない。では、何で公務員医師会等が騒いで、そのような騒動になったのですか。それを皆さん方は事態を収拾するということで対応したいという話ですね、いかがですか。

〇砂川靖保健医療部長 公務員医師会も情報を得たのはマスコミの報道からだったと思います。

〇照屋守之委員 この「新聞報道はどこからリークされたか、今持ってわかりません。」と答弁していますね。この内容は事前に砂川部長はわかっていたのですか。

〇砂川靖保健医療部長 私は新聞は余り読まない口なのですが、この報道も散歩しているときに電話があって知った次第でございます。

〇照屋守之委員 リークとはそういう情報があって意図的に漏らすということなのですから、これはあったということです。本会議では、こういう人事の事実はなかったと言っています。ここはやはり非常におかしいと思うわけです。
 委員長、もう一度ここでもお願いします。この病院事業局長人事を本会議の答弁にもありますように、きちんと百条委員会を設置して対応すべきです。これは堂々と本会議でも示されているのに、県議会が対応しないと大変なことです。百条委員会の設置について配慮をよろしくお願いします。

〇狩俣信子委員長 今の件につきましては、本会議の中でも議長が言っていましたので、私も議長に文教厚生委員会の中で百条委員会の設置を要求するお話があったということを伝えておきます。
 以上で、保健医療部長及び病院事業局長に対する質疑を終結いたします。
 説明員の皆さん、大変お疲れさまでした。
 休憩いたします。

   (休憩中に、執行部退席)

〇狩俣信子委員長 再開いたします。
 特記事項について御提案がありましたら、挙手の上、御発言をお願いいたします。

   (「提案なし」と呼ぶ者あり)

〇狩俣信子委員長 提案なしと認めます。
 以上で、特記事項の提案を終結いたします。
 次に、お諮りいたします。
 これまでの調査における質疑・答弁の主な内容を含む予算調査報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

〇狩俣信子委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 以上で、本日の日程は全て終了いたしました。
 次回は、3月21日 火曜日 午前10時から委員会を開きます。
 委員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 本日の委員会は、これをもって散会いたします。







沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。