委員会記録・調査報告等

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文教厚生委員会記録
 
平成28年 第 4定例会閉会中

2
 



開会の日時

年月日平成28年10月18日 曜日
開会午前 10 時 4
散会午後 4 時 57

場所


第7委員会室


議題


 1 平成28年第4回議会認定第1号 平成27年度沖縄県一般会計決算の認定について(保健医療部所管分)
 2 平成28年第4回議会認定第21号 平成27年度沖縄県病院事業会計決算の認定について
 3 決算調査報告書記載内容等について


出席委員

委 員 長  狩 俣 信 子 さん
副委員長  西 銘 純 恵 さん
委  員  新 垣   新 君
委  員  末 松 文 信 君
委  員  照 屋 守 之 君
委  員  次呂久 成 崇 君
委  員  亀 濱 玲 子 さん
委  員  比 嘉 京 子 さん
委  員  平 良 昭 一 君
委  員  瑞慶覧   功 君
委  員  金 城 泰 邦 君


欠席委員

なし


説明のため出席した者の職・氏名

保健医療部長           砂 川   靖 君 
 保健衛生統括監         糸 数   公 君
 参事              阿 部 義 則 君
 保健医療政策課長        大 城   博 君
 保健医療政策課医師確保対策監  諸見里   真 君
 保健医療政策課看護専門監    国 吉 悦 子 さん
 健康長寿課長          山 川 宗 貞 君
 生活衛生課長          與那原 良 克 君
 薬務疾病対策課長        玉 城 宏 幸 君 
病院事業局長           伊 江 朝 次 君 
 県立病院課長          津嘉山 朝 雄 君 
 県立病院課経営企画監      真栄城   守 君 
 県立病院課医療企画監      与那覇 博 康 君 
 県立病院課看護企画監      平 良 孝 美 さん
 北部病院長           仲 間   司 君 
 中部病院長           本 竹 秀 光 君 
 南部医療センター・
 こども医療センター院長     佐久本   薫 君
 精和病院長           親富祖 勝 己 君 
 宮古病院長           上 原 哲 夫 君 
 八重山病院長          依 光 たみ枝 さん



○狩俣信子委員長 ただいまから、文教厚生委員会を開会いたします。

 本委員会所管事務調査事件、本委員会の所管事務に係る決算事項の調査についてに係る平成28年第4回議会認定第1号及び同認定第21号の決算2件の調査及び決算調査報告書記載内容等についてを一括して議題といたします。

 本日の説明員として、保健医療部長、病院事業局長及び各県立病院長の出席を求めております。

 まず初めに、保健医療部長から保健医療部関係決算の概要の説明を求めます。

 砂川靖保健医療部長。

○砂川靖保健医療部長 保健医療部所管の平成27年度一般会計の決算概要について、お手元にお配りしております歳入歳出決算説明資料に基づき、御説明させていただきます。

 資料の1ページをごらんください。

 表の右端の欄には平成27年度沖縄県歳入歳出決算書のページを記載しておりますので、後ほど、御参照いただきたいと思います。

 それでは、歳入決算の状況について御説明いたします。

 一番上の保健医療部計の欄ですが、予算現額の計A欄131億2539万7000円に対し、調定額B欄は126億9148万5125円、そのうち収入済額C欄が126億7539万4323円、収入未済額E欄は1609万802円で、収入比率は99.9%となっております。

 次に、歳入について款ごとに主なものを御説明いたします。

 まず、上から4行目、(款)分担金及び負担金の収入済額5710万5328円は、主に後期高齢者医療財政安定化基金に積み立てるための後期高齢者医療広域連合からの拠出金となっております。

 次に、表の中ほど、(款)使用料及び手数料の収入済額2億3282万9150円は、看護大学の授業料収入などを計上しております。

 2ページをごらんください。

 次に、下から2行目、(款)国庫支出金の収入済額100億2409万9189円は、難病患者及び精神疾患を有する者などの扶助費に充てるために交付された負担金並びに医療施設整備に対する補助金などを計上しております。

 次に、表の中ほど、(款)財産収入の収入済額1431万6048円は、健康づくり財団等への土地貸付料や基金の運用益などを計上しております。

 次に、その5行下、(款)繰入金の収入済額18億6402万397円は、離島や北部地域の医師確保、医療体制整備等に要する経費に充当するため、保健医療部で設置した各基金からの繰り入れを計上しております。

 次に、下から4行目、(款)諸収入の収入済額4億6882万1511円は、病院事業局等への貸付金の元利収入を計上しております。

 3ページをごらんください。

 表の下から3行目、(款)県債の収入済額1420万円は、衛生環境研究所新築工事に要する経費に充当するために起債した額を計上しております。

 次に、収入未済額について説明します。

 恐縮ですが、1ページにお戻りいただきたいと思います。

 表の右から3列目、収入未済額E欄の1609万802円について、その主なものを御説明いたします。

 まず、上から7行目、(目)衛生費負担金の収入未済額485万2923円は、未熟児養育医療費負担金に係る収入未済となっております。

 これは、母子保健法第20条の規定に基づき、養育のため病院等に入院することを必要とする未熟児に対し、その養育に必要な医療の給付を行った場合に、扶養義務者から徴収すべき自己負担金の徴収が滞り収入未済となったものであります。

 3ページをごらんください。

 1行目、(目)衛生貸付金元利収入の収入未済額1023万3732円は、看護師等修学資金返還金に係る収入未済額となっております。

 同資金は、看護師免許等を取得後、県内の指定病院に一定期間勤務した場合には返還を免除しておりますが、県外病院への就職、あるいは看護師等を離職した場合などには返還しなければならないところ、この返還が滞り収入未済となっているものであります。

 次に、歳出決算の状況について御説明いたします。

 4ページをごらんください。

 上の保健医療部計の欄ですが、予算現額の計A欄653億3560万2400円に対し、支出済額B欄は615億7423万2556円、翌年度繰越額C欄は22億8836万9366円、不用額は14億7300万478円、執行率は94.2%となっております。

 次に、歳出予算の主な内容について御説明いたします。

 まず、上から4行目、(款)民生費の支出済額332億9544万9625円は、主に後期高齢者医療広域連合に対する負担金、市町村国保への交付金等に要した経費を計上しております。

 次に、表の中ほど、(款)衛生費の支出済額274億

8894万3678円は、感染症の予防、ハンセン病や結核対策、精神保健、母子保健、健康増進の推進、難病対策、衛生環境研究所の運営、食品衛生、医務・薬務及び病院事業への繰出金に要した経費を計上しております。

 6ページをごらんください。

 (款)教育費の支出済額7億8983万9253円は、看護大学の管理運営に要した経費を計上しております。

 次に、翌年度繰越額について御説明いたします。

 恐縮ですが、4ページにお戻りいただきたいと思います。

 下から4行目、(目)結核対策費の繰越額C欄2138万4000円は、結核患者への医療給付に係る電算システムの構築に要する経費でございます。

 これにつきましては、マイナンバー制度導入に伴い、総合情報政策課が調達予定の仮想サーバにシステムを構築する予定でございましたが、年金機構の個人情報流出の影響で、当該サーバの調達におくれが生じ、年度内執行ができなかったことから、翌年度に繰り越しを行ったものでございます。

 5ページをごらんください。

 上から4行目、(目)衛生研究所費の繰越額、22億6698万5366円につきましては、衛生環境研究所の新築工事に要する経費であります。

 当該工事につきましては、当初、平成27年度内に事業完了する計画でありましたが、実施設計の工期がおくれたこと、敷地内の樹木の伐採及び伐採後の土地造成に予定以上の時間を要したこと、また、施設の設備について計画の見直しが必要になったことなどにより、工事スケジュールにおくれが生じたことから年度内の執行ができず、翌年度に繰り越したものでございます。

 次に不用額について御説明いたします。

 恐縮でございますが、4ページにお戻りください。

 表の右から2列目の欄、不用額の計14億7300万478円は、上から4行目、(款)民生費の4億9063万7375円、中ほどの(款)衛生費の9億3422万2356円、それから6ページの(款)教育費の4814万747円がその内訳となります。

 恐縮ですが、また4ページに戻りまして、不用が生じた主な理由でございますが、上から4行目の(款)民生費につきましては、その3行下、(目)老人福祉費において、後期高齢者医療負担金等事業費における、高額医療費の実績が見込みより少なかったことにより5801万9124円、また、その下の(目)国民健康保険指導費において、国民健康保険負担金等事業費における、県財政調整交付金の算定の基礎となる保険給付費等が見込額を下回ったことなどにより4億2811万2365円の不用が生じたものであります。

 次に、表の中ほどの(款)衛生費につきましては、下から2行目、(目)母子保健衛生費において、こども医療費助成事業における市町村に対する補助実績が、当初の見込みを下回ったことにより1億305万4172円、それから5ページに移りまして、上から3行目(目)特定疾患対策費において、難病医療等対策事業費における扶助費の実績が、当初の見込みより減少したことにより1億2307万423円、また、下から6行目の(目)医務費において、有床診療所等スプリンクラー等施設整備事業における医療機関に対する補助実績が、当初の見込みより減少したことにより3億3710万2940円の不用が生じたものでございます。

 以上で、保健医療部所管の平成27年度一般会計歳入歳出決算概要の説明を終わります。

 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

○狩俣信子委員長 保健医療部長の説明は終わりました。

 次に、病院事業局長から病院事業局関係決算の概要の説明を求めます。

 伊江朝次病院事業局長。

○伊江朝次病院事業局長 平成27年度沖縄県病院事業会計決算概要の説明をさせていただきます。

 それでは平成28年第4回議会認定第21号、平成27年度沖縄県病院事業会計決算について、お手元にお配りしてあります平成27年度沖縄県病院事業会計決算書に沿って、その概要を御説明申し上げます。

 まず初めに、県立病院の事業概要から御説明いたします。

 決算書の11ページ、平成27年度沖縄県病院事業報告書をお開きください。

 1、概況の(1)総括事項について、沖縄県病院事業は、県立北部病院を初め6つの県立病院と16カ所の附属診療所を運営し、医師や看護師等の医療スタッフの確保を図るとともに、施設及び医療機器の充実を図るなど、医療水準の向上に努めております。 業務状況については、入院患者延べ数が67万1735人、外来患者延べ数が78万2246人で、総利用患者延べ数は145万3981人となり、前年度と比べて1万6420人の増加となっております。

 それでは、病院事業の決算状況について、御説明いたします。

 1ページ、平成27年度沖縄県病院事業決算報告書をお開きください。

 まず、収益的収入及び支出について、収入の第1款病院事業収益は、予算額合計555億7494万円に対し、決算額は532億1887万4901円で、差額は23億5606万5099円となっております。

 これは、第1項の医業収益において、差額が20億6793万1436円となったことが主な要因であります。

 次に、支出の第1款病院事業費用は、当初予算額に繰越額を加えた予算額合計545億2659万4481円に対し、決算額は525億7262万3123円で、不用額は19億5397万1358円となっております。

 これは第1項の医業費用において、17億6062万4373円の不用が生じたことが主な要因であります。

 2ページをお開きください。

 資本的収入及び支出について、収入の第1款資本的収入は、当初予算額に繰越額に係る財源充当額を加えた予算額合計44億7759万2000円に対し、決算額は36億3483万1500円で、差額は8億4276万500円となっております。

 これは、第1項の企業債において、8億3875万2000円の借り入れの減があったことが主な要因であります。

 次に、支出の第1款資本的支出は、当初予算額に繰越額を加えた予算額合計68億416万3449円に対し、決算額は59億8052万914円で、地方公営企業法の規定による繰越額は7億3411万8601円となっております。

 不用額は8952万3934円で、これは第1項の建設改良費の執行減などが主な要因であります。

 3ページをお開きください。

 平成27年4月1日から平成28年3月31日までの損益計算書について、医業収益は、入院収益、外来収益などを合計した455億4854万7268円で、医業費用は、給与費、材料費、経費などを合計した509億8877万2509円で、医業収益から医業費用を差し引いた医業損失は、54億4022万5241円となっております。

 医業外収益は、受取利息配当金、他会計補助金、国庫補助金などの合計で73億4153万1555円となっております。

 4ページをお開きください。

 医業外費用は、支払利息、長期前払消費税勘定償却、雑損失を合計した20億8423万157円で、医業外収益から医業外費用を差し引きますと、52億5730万1398円の利益を計上しております。

 当該利益の52億5730万1398円と、3ページで説明した医業損失54億4022万5241円を加味した経常損失は、1億8292万3843円となっております。

 特別利益は2億1677万9164円で、特別損失は1億7341万8063円となっており、差し引き4336万1101円の利益を計上しております。

 当該利益と経常損失を合わせた当年度純損失は1億3956万2742円で、当年度純損失と前年度繰越欠損金41億4453万3808円を合計した当年度未処理欠損金は42億8409万6550円となっております。

 5ページをお開きください。

 剰余金計算書について、表の右の欄、資本合計をごらんください。

 前年度末残高は41億823万1131円で、前年度処分額がゼロ円であることから、処分後残高は前年度末残高と同額となっております。

 処分後残高の下段、当年度変動額は当期純損失による変動により、マイナス1億3956万2742円で、表最下段の処分後残高を合わせた資本の当年度末残高は、39億6866万8389円となっております。

 下の表の欠損金処理計算書について、表の右の欄、当年度末残高の未処理欠損金は42億8409万6550円で、これにつきましては、地方公営企業法の規定に基づき、全額を翌年度に繰り越すこととなります。

 6ページをお開きください。

 平成28年3月31日現在における貸借対照表について、まず資産の部における固定資産について、有形固定資産は、土地が54億4682万7194円、建物が253億600万402円で、無形固定資産、7ページの投資を合わせた固定資産合計は384億123万323円となっております。

 流動資産について、現金預金が64億977万6591円、未収金が107億5754万9293円で、貯蔵品、前払費用などを合わせた流動資産合計は、179億6663万1233円となっております。

 固定資産、流動資産を合わせた資産合計は、563億6786万1556円となっております。

 8ページをお開きください。

 次に、負債の部における固定負債について、企業債270億4236万5500円、他会計借入金18億円、リース債務、引当金を合わせた固定負債合計は、307億663万9259円となっております。

 流動負債は、一時借入金がゼロ円、企業債が27億2181万6862円で、他会計借入金、リース債務などを合わせた流動負債合計は、88億2632万3332円となっております。

 繰延収益について、長期前受金から収益化累計額を差し引いた繰延収益合計は、128億6623万576円となっております。

 固定負債、流動負債、繰延収益を合わせた負債合計は、523億9919万3167円となっております。

 9ページをお開きください。

 資本の部の資本金合計は、18億7858万4732円となっております。

 剰余金について、資本剰余金は、受贈財産評価額や寄附金などで、資本剰余金合計は63億7418万207円、利益剰余金はマイナス42億8409万6550円で、剰余金合計は20億9008万3657円となっております。

 資本金と剰余金を合わせた資本合計は39億6866万8389円で、これは8ページ最下段の負債合計523億9919万3167円を加えた9ページ最下段の負債資本合計は、563億6786万1556円となっております。

 以上で、平成27年度沖縄県病院事業会計決算の概要説明を終わります。

 御審査のほど、よろしくお願いします。

○狩俣信子委員長 病院事業局長の説明は終わりました。

 これより質疑を行いますが、本日の質疑につきましては決算議案の審査等に関する基本的事項に従って行うことにいたします。

 なお、要調査事項の提起の方法及びその取り扱い等については、昨日と同様に行うこととし、本日の質疑終了後に協議いたします。

 質疑及び答弁に当たっては、その都度委員長の許可を得てから、自席で起立の上、重複することがないよう簡潔にお願いいたします。

 また、質疑に際しては、あらかじめ引用する決算資料の名称、ページ及び事業名等を告げた上で、質疑を行うよう御協力をお願いいたします。

 決算特別委員長から調査を依頼された事項は、沖縄県議会委員会条例第2条に定める所管事務に関する決算事項でありますので、十分御留意願います。

 なお、答弁に当たっては総括的、政策的な質疑に対しては部局長が行い、それ以外はできるだけ担当課長等の補助答弁者が行うこととしたいと存じますので、委員及び執行部の皆さんの御協力をお願いいたします。

 さらに、課長等補助答弁者が答弁を行う際は、あらかじめ職、氏名を告げてください。

 それでは、これより直ちに各決算に対する質疑を行います。

 比嘉京子委員。

○比嘉京子委員 保健医療部から、質疑をさせていただきます。

 一応、ペーパーを渡したのですが、1番目は民生費や衛生費、教育費であるということでございましたので、割愛いたします。

 2番目から質疑をいたしますが、本県の保健医療部の役割として、全県の医療体制を確立すること、充実させること、そして県民の健康、そして長寿をもう一度再構築をするという役割を担っているものと、私の中では認識をいたしております。医師の問題、医療体制の問題と、長寿の問題についてお聞きしたいと思います。

 本県は医師確保対策のためにさまざまな事業展開をしていることは承知しておりますし、年間40億円ぐらいの費用を医師確保対策に使っているということも理解をいたしておりますけれども、主要施策の成果に関する報告書92ページから94ページにおける12の事業について、全体的な執行率と主に3と4の後期研修医とハワイ大学の事業について、前年に比べて費用の増減はどうなっているのかについてお聞きしたいと思います。

○諸見里真保健医療政策課医師確保対策監 主要施策の成果に関する報告書92ページで、予算額及び決算額がございます。これは主なものを挙げておりますので、全体の事業で説明させていただきたいと思います。平成27年度の予算額は20億7151万1000円。決算額は19億705万1000円となっており、執行率は92.1%となっております。県では医師確保対策を進めることにより、県全域における医療提供体制の確保を図っておりますが、特に医師の確保が困難な北部及び離島地域について重点的に事業を展開しております。取り組みの結果、当該地域においては、一部診療科で制限もございますが、県立病院、診療所、町村立の勤務医についてはおおむね充足できているのではないかと考えております。

○比嘉京子委員 その中におきまして先ほど少し質疑をいたしましたが、3の後期研修医の費用と決算額、それから4のハワイ大学の研修医についての費用が前年と比べてどうなのかという増減を教えてください。

○諸見里真保健医療政策課医師確保対策監 医学臨床研修事業費ですが、平成27年度が4億593万円で、平成28年度の3億8018万4000円と比較して、増減額がマイナス2574万6000円となっております。

 また、ハワイ大学の決算額は9062万8000円になっています。

○比嘉京子委員 たくさんある中で、2つをお聞きしました。病院事業局長にお聞きしたいのですが、後期研修医と医師確保ということについては、後期研修を受けた医師たちの医師確保につながる可能性といいますか、意義といいますか、そこら辺はどうですか。

○伊江朝次病院事業局長 県立病院の研修事業の中の後期研修医の制度でございますが、初期研修を2年終えた人たちが、3年目に進級して後期研修を受けるわけですが、後期研修を1年でも受けたら北部あるいは離島地域の病院で1年間勤務するという義務がありまして、島嶼県である本県の地域医療の人材確保に貢献していると思っております。

○比嘉京子委員 やはりそこを重点的にやっていくということは非常に重要なことであろうと思っています。ですから、先ほど少しお知らせがあって3億8000万円の話がありましたけれども、やはりそれは充実をさせていく方向で考えるべきであると思いますが、いかがですか。

○砂川靖保健医療部長 委員御指摘のとおり、この事業は即効薬として非常に有意義なものでございますので、引き続き力を入れていきたいと思っております。

○比嘉京子委員 ハワイ大学についても、以前、沖縄県立中部病院―中部病院でセンター長に聞きましたらば、もっと充実した資金が必要だというお話がありましたけれども、どうなのでしょうか。そこら辺の魅力で全国から研修医に手を挙げてくる医師の卵たちがいると思っていますし、また沖縄の大きな研修医療の遺産だと思います。それについて下降ぎみになるということにもっと歯どめをかけるべきだと思いますが、いかがですか。

○砂川靖保健医療部長 積算の詳細については承知しておりませんが、たしか、昭和の時代は1億円を超えるぐらいの予算で事業を展開していたと思います。ただ、行革や財源のあおりを受けて予算自体減少しているのかもしれませんが、ハワイ大学から招聘して、研修を行うという事業の目的はこの予算でもまだまだ達成されているのかと思っていますので、必要額は計上して、この魅力ある事業は継続していけるように頑張りたいと思っております。

○比嘉京子委員 大変前向きな、必要であれば出しますよという意見でございましたので、了としたいと思います。

 2番目は割愛したいと思いますが、私がよく見えていないのは、県立病院の医師確保のときに、保健医療部と病院事業局の両方が動くのか、どういう役割分担になっているのかがなかなか見えにくいと。

そこら辺の関係といいますか、それはどうなっているのですか。

○諸見里真保健医療政策課医師確保対策監 基本的な役割ですが、まず病院事業局は個別の医師の採用、確保に係る取り組みを行います。保健医療部は当該採用活動が円滑に進むよう医学生等への修学資金貸与による勤務医の確保や研修体制の整備、就労環境の改善、代診などの診療支援をしていますので、その他医師確保全般の財政支援という形で行っております。特に、北部及び離島地域においては、医師確保が喫緊の課題ですので、集中的に予算を確保しているところでございます。

○伊江朝次病院事業局長 私が県立病院の院長をしていたころといいますと、ほとんど院長1人で動いているような状況がありまして、病院事業局との連携も余り十分ではなかったという感じはします。そういう意味では、今、いろいろな意味で保健医療部から予算的なサポートを受けておりますし、実際、全国を回って各大学や医療機関にお話を持っていくときにも非常に有利な条件がいろいろ得られていると思っております。ですから、それを土台にして、しっかりお互いの連携を密にしながら、情報交換を特に頻繁にやりながら人材確保につなげていければと思っております。ですから、進歩はしていると思っております。

○比嘉京子委員 直接交渉に当たるのは、病院事業局だという理解でよろしいのですか。

○伊江朝次病院事業局長 餅は餅屋で、やはりあうんの呼吸というものもありますので、やはりお互いの立場をしっかりわきまえた、いろいろな交渉ごとといいますのは、我々医師のほうがいいと思っておりますし、その辺を予算面などでしっかり支援していただくことは、保健医療部にはしっかり対応していただきたいと思っております。

○比嘉京子委員 現在でも離島・僻地において、医師または医療スタッフの不足において、診療に制限を来している状況はあるのでしょうか。

○諸見里真保健医療政策課医師確保対策監 離島及び僻地の県立病院では、一部の診療科において医師の不足により診療制限が行われていると聞いております。また、病院等が休止したときには、医療法の規定で届け出義務があるものですから、それで把握はできますが、診療制限につきましては届け出義務がございませんので、民間等については把握しておりません。

○伊江朝次病院事業局長 県立病院事業において、診療所は充足しております。それから県立病院においては、沖縄県立北部病院―北部病院の産婦人科、沖縄県立宮古病院―宮古病院の眼科、沖縄県立八重山病院―八重山病院の眼科、脳外科の4つとなっております。医師が十分ではないということで、診療制限あるいは他病院からの応援あるいは連携ということで対応しております。

○比嘉京子委員 充実をよろしくお願いしたいと思います。

 あと1点、健康事業について、健康行動実践モデル実証事業の内容と成果、それから今後の展開についてお願いします。

○糸数公保健衛生統括監 健康行動実践モデル実証事業につきましては、平成24年度から今年度までの5年間のモデル事業ということで、これまでアプローチが難しかった働き盛りの人、直接呼びかけてもなかなか健康のいろいろな教室に出てこないということで、その方々を取り巻く―1つは子供がいらっしゃる場合に学校でそういう食育などについて働きかけて、その人に伝えるようにすると。それからもう一つは、その方が住んでいる地域の健康づくり活動を通して、ターゲットの働き盛りの人に働きかけて、その人たちの行動を変えていくことを、琉球大学―琉大に委託をして、実証事業という形で取り組んできております。具体的に、学校では、学校給食で食育の日を設けるとか、しおりをつくって家庭に届けるなどがあります。地域では、地域の健康づくり活動を利用して講演会をしたりということで、合計11市町村、28小学校区、1万5000人の方を対象に大規模に行ってきた事業でございます。今年度が最終年となっていますので、まだ最終的な結果は出ておりませんけれども、琉大の介入によっていろいろな成果がわかり始めてきております。まず1つは、学校と連携して食育を行った場合、子供あるいは家庭の栄養摂取の状況が改善するということが1つ、今、わかっているところです。それから地域では、もともと公民館の活動が活発であるとか、地域のネットワークのしっかりしたところでは、介入をすることにより、野菜やカルシウムの摂取量が増加するということが食事調査を通じてわかっております。それから、今、わかっている中では、地域に介入をしましたら、肥満の方の体重が平均で0.8キログラム、肥満でない方よりも落ちたということなど、この事業を通しての沖縄県ならではのエビデンスが出てきております。5年間の事業が終了しましたら、ほかの市町村にも広げていくような取り組みを来年以降に続けていきたいと考えているところです。

○比嘉京子委員 なかなか人間、意識は変えられても、行動の変容というのはなかなか厳しいものがありまして、いろいろなアプローチの方法が必要だと思いますので、ことし、データの収集と分析から全県に波及していくことを期待しております。

 では、病院事業局のほうに移ります。

 今年度の医業収益が前年度に比較して増加していると。それから、医業費用も前年度に比較して増加している。入るのも出るのも増加しているという原因についてお聞きしたいと思います。

○真栄城守県立病院課経営企画監 平成27年度決算の病院事業会計の医業収益ですが、医業収益は約455億4855万円となっておりまして、前年度と比較して12億9252万円、2.9%の増加となっております。その要因につきましては、入院患者数が1792名、外来患者数が1万4628名、それから入院診療単価が771円、外来診療単価が623円とそれぞれ増加していまして、それに伴って入院収益、外来収益が増加しています。それから費用ですが、平成27年度決算の医業費用につきましては、509億8877万円となっておりまして、前年度に比べて20億1595万円、4.1%増加しています。増加の主な要因は、給料表の改定、手当、報酬、法定福利費の増といった給与費の増加が大きな要因となっています。それに加えまして、高額な薬品、診療材料の使用数量が増加しておりまして、それに伴って材料費が増加したということが要因となっております。

○比嘉京子委員 その結果、医業収支についてのマイナスと経常収支についてのマイナス、その2つの要因についても教えてください。

○真栄城守県立病院課経営企画監 医業収支のマイナス、いわゆる悪化の要因ですが、端的に申しますと、今申し上げましたとおり、収入も費用も増加しましたが、費用の増加のほうが収入の増加を上回ったと。同じ収入を得るためにかかった費用が、平成27年度は多くなったということで、医業収支が悪化しております。経常収支も平成27年度はマイナス1億8292万円となっていますが、やはり一番大きな要因は、全体の決算の中で医業収支の悪化した分が経常収支の悪化に直接的に影響して、経常収支の赤字を計上しているという状況でございます。

○比嘉京子委員 決算で、私たちはそれをどう見たらいいのかと考えるわけですが、例えば、地方公営企業ですので、不採算医療を担う、政策医療を担うという意味においては、公的な役割として守っていくという前提に立っているわけですが、この状況におきまして、幾つか変わったことが起こっているのかという観点もありますので少しお聞きしたいのですが、平成26年度から適用されました新会計で会計基準というのが変わりましたね。そのことによって一番大きな影響というのは何があるのでしょうか。見方を教えてほしいと思ってお聞きしております。

○真栄城守県立病院課経営企画監 会計基準の見直しは平成26年度の予算・決算から適用されております。見直しの主なものを挙げますと、まずは給与費関係の中で、退職給付引当金というものがございます。これまで沖縄県の病院事業では、引当金の計上を行っておりませんでしたが、これが義務化されたことに伴いまして、平成26年度の予算・決算から引き当てを行っております。それから減価償却制度の見直しもありまして、これまで補助金等が入っていた資産や医療機器などについて、補助金分についての減価償却をみなし償却ということで省略していたものを今回の会計基準の見直しにより、全てきちんと計上するということになりまして、収入面でいいますと、過去に入った補助金分が収入としてカウントされます。それに伴って減価償却もふえまして、減価償却費が増加するという形で影響が出ております。

○比嘉京子委員 一つには、職員の退職給付引当金というのはどういう前提で行われているかということと、それが年間どれぐらい引かれているのかについてお聞きします。

○真栄城守県立病院課経営企画監 退職給付費につきましては、これまでは実際に退職者が出た場合に、実際に払った費用だけを計上していました。ただ、会計基準の見直しによりまして、退職給付費については将来の退職金の支払いに備えて積み立てを行う必要があるということがございまして、平成25年度の時点になりますが、その時点で病院事業の全職員が一斉に退職をした場合に、退職金が総額で幾らになるかということを算定いたしまして、それを積み立てする必要がございます。一括で積み立てをしている県もありますが、沖縄県の場合は、総務省の通知の中で最長15年で分割することができるということがございましたので、15年間に分けて、それを順次引き当てをしていくと。120億円余りの総額を15年で割りまして、単年度では約8億3000万円程度の引き当てを15年にわたって行っていくという状況になっております。

○比嘉京子委員 一斉に退職する可能性はほとんどないだろうということを前提にしながら、毎年8億3000万円を引いていくと。今、赤字が1億円台であるということを考えますと、それも少しどうかという気はいたしますが……。もう一つは、平成26年から実施されている消費税、それによってどのような影響を受けているのでしょうか。

○真栄城守県立病院課経営企画監 病院事業における消費税の影響につきましては、薬品費や委託料、各費用もろもろに課税されるという状況がございます。その内容については、いろいろと多岐にわたりますので、直接的な影響をダイレクトにはじくことは難しいところではございますけれども、決算上、控除できなかった消費税を控除対象外消費税という形で計上しております。その控除対象外消費税が平成25年度の旧会計基準に比べまして、平成26年度の新会計基準ではその増額が単年度で5億2300万円ほどふえております。

○比嘉京子委員 今の控除対象外とおっしゃるのは診療報酬の中に消費税分、いわゆる診療報酬は非課税なのに、買うものは課税されるわけですよね。そのことは診療報酬の中に組まれているのですか。それとも、組まれた以外を控除対象外とおっしゃっているのですか。

○真栄城守県立病院課経営企画監 一応これは国の説明になりますが、診療報酬改定には、消費税の税率アップ分を一応上乗せをした形で改定を行っているという説明になっております。ですから、費用に消費税がかかりますけれども、いわゆる診療収入にも直接的な消費税という算定は出てきませんが、一応消費税が加味された形で診療報酬の額のアップはされているという状況でございます。本来、これが全てに行き渡っていれば費用の増加分と収入の増加分は見合いになるかと思います。現実的には持ち出しとなる消費税が5億円ほどあったという状況でございます。

○比嘉京子委員 やはりこれは医療界においても、非常に問題が大きいのではないかと。他都道府県の病院等からも悲鳴が聞こえてくるような状況がありますので問題だと思いますが、次に繰り入れについてお聞きしたいと思います。もちろん総務省からの繰り入れというのは、我々の不採算医療を含めた公的な役割としての地方交付税の繰入額というのがありますが、後ほどどなたかが聞くと思いますので、1床当たりの繰入額が全国に比べてどうなのかというところを教えてください。

○真栄城守県立病院課経営企画監 平成27年度決算における繰入金を1床当たりに換算いたしますと、沖縄県の場合は全体で291万3000円となります。全国との比較でございますが、全国は直近の公表データが平成26年度になりますので、それと比較しますと、全体では1床当たり沖縄県のほうが全国よりも296万5000円少ないという状況になっております。

○比嘉京子委員 今、マイナス会計をどう見るかという点で、先ほどから新会計の問題、退職の引当金の問題、消費税の問題、繰り入れの問題、さまざま見ていきますと、まだまだ考えなければいけない要因はあるとは思いますが、これはまた次の機会にしたいと思います。

 今、我々が経営再建に向けて安定化計画を立ててきたわけですが、そこできちんと返済ができているのかどうか、それも含めてお聞きしたいと思います。まず、経常収支の黒字化の維持は、今回、マイナスだとわかりましたのでそれはいいとしましても、手元の流動性は運営するために大きな影響を持っていると思われますので、それはどうなのか。それから、長期の債務―経営の問題のときに、借り入れをしたことがありますね。そういうもろもろの債務について返済状況はどうなのか、この2点についてお聞きします。

○真栄城守県立病院課経営企画監 経営安定化計画の3つの目標のうち1つ目の経常収支の黒字化については、先ほど説明がありましたとおり平成27年度は目標達成ができなかった状況がございます。2番目の目標であります手元流動性につきましては、まずは病院事業の費用をきちんと賄えるための、手元の資金を確保するという趣旨で目標を立てています。一般的には、1カ月分の事業費用以上の手元資金を確保するという目標を立てておりまして、平成27年度決算ではこの目標を一応達成しております。それから3番目の長期債務の返済につきましては、平成27年度決算時点での債務残高は産業振興基金借入残高が8億円、一般会計からの借入金の残高は16億円となっておりまして、これについては、約定どおりということで、当初の返済計画に沿った形で資金の償還はできている状況でございまして、この点についても目標は達成しております。

○比嘉京子委員 今年度、幾ら払ったのでしょうか。

○真栄城守県立病院課経営企画監 今年度といいますか、平成27年度は長期債務の償還に約12億円の償還をしております。

○比嘉京子委員 最後に、各病院院長がお見えになっていると思いますので、各病院の凹凸については聞きませんでしたが、各病院の決算状況の評価と今後の取り組みと課題について、お一人ずつお伺いしたいと思います。

○仲間司北部病院長 平成27年度の決算につきましては、2億1471万9000円の純利益を計上しております。昨年度の1億5375万5000円の純損失に比べると、3億6847万円の収支改善となっています。おおむね良好な決算と評価しております。今後の取り組みといたしましては、地域支援病院並びに7対1看護体制がことしの3月に承認されましたので、それの維持、それからペアで考えていた地域包括ケア病棟の導入に向けた取り組みを進めるなど、医療の充実と収益の確保を両立させるために病院運営をやりたいと考えています。あと課題としましては、もちろん今までどおりですが、医師、看護師、コメディカルの確保及び定着化が重要と考えております。そのための対応としましては、病院事業局と連携して今後も医師の採用活動を継続させていきますし、また7対1看護体制の維持と今後の看護師あるいは職員の2交代制の検討を行いたいと思っています。それによりまして、看護師の労働環境の改善あるいは職員の確保並びに定着に努めてまいりたいと思います。

○本竹秀光中部病院長 決算状況は、純利益が4694万円、経常収支が2944万円の黒字でした。経営安定化計画の目標の一つであります収支の黒字化維持は達成しておりますが、医業収支が10億1873万円の赤字で、前年度比較でも2億2174万円と赤字幅が増加しております。収益は増加していますが、支出が増加している理由としては、給与の改定あるいは手当等の増に伴う給与費の増加が前年度比で2億6000万円ふえています。それから、診療材料―特に薬品費ですが、抗がん剤や抗生物質等々の費用がふえてきています。それが全部赤字につながっているわけではありませんが、いずれにしてもそういうことで材料費がトータル約2億7000万円余り。それから中部病院は老朽化していますので、修繕費等々で2億4000万円ということで、医業費用が膨らんでいることが大きな要因になっていると思います。ようやく中部病院でも10月1日から電子カルテが稼働しまして、特に経営といいますか、維持に関してはかなりいろいろな面が見えてきて、経費の縮減に努めていくことができるのではないかと思っております。薬品費に関しても、今はそれぞれのドクターが使っている薬品費について精査をしていて、不要なものは使わないようにということに努めているところでございます。全体としては余り問題はないかと思っていますが、9月からHCUを8床稼働しまして、機能面あるいは収益面が次年度に向かって改善していくことを期待しております。

○佐久本薫南部医療センター・こども医療センター院長 平成27年度は、事業収益153億6400万円、事業費用155億4900万円であり、1億8500万円の純損失となりました。医業収支は12億4800万円の純損失、経常収支は1億8000万円の純損失となりました。経常収支について、平成26年度と比較した場合、経常収益が8600万円増加、経常費用が5億3600万円増加したことにより、経常収支は4億5000万円減少しました。収益は、医業が患者数の増加、診療単価の上昇により、2億8500万円増加したものの、医業外では1億9900万円減少したことにより、事業収益の伸びが抑制されている状況にあります。この医業外収益の減少は、他会計補助金、国庫補助金、負担金、交付金、長期前受金戻入等の減少によるものです。費用は、医業で給与費、材料費の増加により5億6300万円増加し、医業外では2700万円減少、5億3600万円増加したことになります。収益と費用の関係について言えば、増加した費用に対する収益の確保が追いついていない状況にあります。医業費用の増大は主に給与費、材料費の増加によるものであり、時間外勤務の適正化、医薬品、診療材料の価格交渉の強化及び適正使用、在庫管理の強化など改善に向けて取り組んでまいります。また並行して入院患者数の確保、平均在院日数の短縮、施設基準の取得などにより、収益の最大化に取り組んでいるところであります。施設基準については、特定集中治療管理料4から2へのランクアップ、総合入院体制加算のランクアップを視野に入れて、活動しているところであります。

○上原哲夫宮古病院長 宮古病院の平成27年度の損益状況に関しては、総収益が65億5970万円でありまして、総費用が64億1082万円で、経常損益として1億7150万円の黒字。純損益としまして1億4887万円の黒字となっております。医業収益に関しては、一番大きな問題点となりましたのは、眼科医がいないということで、眼科の休診をしたということと、精神科の在院日数を短期化といいますか、外に出すということにしまして、それも収入の減少につながったということもあります。その分、伊良部大橋の開通等もありまして、外来の患者がふえたものですから外来収益が増加し、全体として医業収益が6672万円の増加となっています。医業費用に関しては、給与費の増加が大きくなっていますが、嘱託医の報酬がふえたとか、退職者の増加によってもふえております。医業費用全体では、1億6280万円の増加をしております。以上のことから、今後とも収益の確保に向けて、病院事業局とタイアップしながら、医師の確保、診療科の充実に努めたいと考えております。

○依光たみ枝八重山病院長 平成27年度決算において、患者数はほぼ横ばい状態でございます。しかし、手術件数や外来化学療法の増加によりまして、診療単価が向上し、医業収益が増加しました。しかし、給与費や材料費といった医業費用がそれ以上に増加したため、医業収支では赤字となっております。しかし、補助金等の医業外収益が医業収支の赤字を補いまして、最終的な純利益3億7437万2000円の黒字となっております。

 今後の取り組み、課題につきましては、安定した経営管理のために、県立病院課と連携しまして、専門スタッフの確保に努め、安定した医療、経営体制の構築に努めます。また、DPCのデータ分析、コーディングの検証によりまして、適正な請求に努め、安定した収益の確保を図るとともに、物品購入における安価な同種同効品への切りかえ検討及び高圧医薬品の積極的な採用などにより、費用縮減に努めているところでございます。課題としましては、休診している脳外科、眼科、診療科の医師や施設基準に係る有資格者の安定確保とともに、それを支える事務職員も必要だと考えております。加えて、新病院がありますので、災害時の業務継続計画―BCPの整備や医師の1年勤務による年度末と年度初めにおける異動時期の診療制限に対する対応策の検討などが課題として挙げられております。

○親富祖勝己精和病院長 精和病院の平成27年度の決算で、2億3503万8097円の純損失を計上しております。赤字になった主な原因としては、前年度に比べまして、繰入金が2673万5000円減少したことと、入院患者延べ数が3740人減少し、入院収益が7019万2196円減少したことが挙げられます。これは厚生労働省の施策にのっとって、地域移行に向けて、長期で入院されている患者様の退院及び社会復帰を促進したためと考えております。費用の面では、退職者の増加による退職給付費の増加と、定期昇給や給与水準のプラス改定によりまして、給与費が8540万8702円増加したことによると思われます。それから高額薬品の使用増により、材料費が1083万2890円増加したこと、それから施設の老朽化による修繕費や施設管理と薬品在庫管理システムの新規委託による委託費の増加によって、経費が1106万8588円増加したことが挙げられます。それから今後の取り組みとしては、入院単価の高い急性期病棟や療養病棟の効率的運用に努めること、地域連携室を窓口にして紹介患者の受け入れを積極的に行うこと。精神科地域移行実施加算、精神科急性期医師配置加算の新たな取得を目指すこと。それからデイケア、作業療法、訪問診療、訪問看護を強化すること、これらのことを実現するためには精神保健指定医、精神保健福祉士、作業療法士などの専門スタッフの安定的確保も不可欠です。

 課題としましては、精和病院は築後30年を経過しておりまして、施設や機械設備の老朽化が著しく、施設設備費、修繕費で対応していますが、予算に限りがあり、対策が追いつかない状況です。ちなみに、平成27年度の修繕件数は約250件もありまして、今後も修繕件数は増加していくと考えております。医師の安定的確保に関して、医療法上、当院は現在の患者数では8名の医師が必要となっておりますが、現員数9名で、平成27年度は1名休職によって欠けた状態がありました。医師の安定的確保が重要な課題と考えております。また、地域移行を推進するためには他職種訪問看護の司令塔となるべき精神科在宅診療の専任医師の配置が必要であると考えています。精神保健福祉士、作業療法士などの専門職の安定的確保に関しては、定数は満たしておりますが、人員は実際には不足している状況です。不足分については臨任、嘱託で対応していますが、民間病院より任期などの待遇面で劣るため、十分な経験を積んだ者の応募が実際には少ない状況があります。定数をふやし正職員として確保することが望ましいと考えています。それからIT化のおくれがありまして、業務効率の改善及び患者サービスと医療の質の向上のためにIT化の推進は必要と考えていますが、電子カルテなどの導入に当たっては、予算の確保、IT専門スタッフの確保が課題となっています。精和病院の今後のあり方としては、精和病院の施設の耐用年数―約10年を踏まえ、医師、看護師などの医療技術の維持確保を図りながら医療機能の分化、連携強化を進めていき、今後の精和病院のあり方については総合病院への統合化も含めて検討したいと考えております。

○比嘉京子委員 収支も大事ですが、やはり1人の医師が1億円以上稼ぐというのがドクターですので、お金を稼げるところではあるのですが、余りお金、お金ということではなく、やはり大事なことは質のいい医療をいかにしていくかということですので、よろしくお願いいたします。

○狩俣信子委員長 亀濱玲子委員。

○亀濱玲子委員 今、県立病院の院長の報告をいただいて収支がクリアになったかと思って、ありがとうございました。ほかの質疑よりもこれを続けてやったほうがいいかと思いますので、これに関することからしたいと思います。

 現在の欠員状況について、前の文教厚生委員会で聞いたときにトータルで54名という答弁をいただいたかと思いますが、ドクターと看護師あるいは事務方に分けて、県立病院の現在の欠員状況を報告いただけますか。

○津嘉山朝雄県立病院課長 今、お話にありました項目に分けて御説明したいと思います。

 医師については、定数394名に対し、現員が386名で、欠員は8名となっております。ただ、この欠員による診療制限を回避するために、年度途中での採用や派遣医師、嘱託医師等を活用しまして配置をしているところで、結果としましては、毎回申し上げておりますとおり、実際には制限を行っている診療科は5診療科―北部病院の産婦人科、沖縄県立南部医療センター・こども医療センター―南部医療センター・こども医療センターの泌尿器科、宮古病院の眼科、八重山病院の眼科と脳神経外科の5診療科が制限されているところです。それから看護師につきましては、1796名の定数に対しまして、現員が1744名で、欠員が49名となっております。欠員49名につきましては施設基準を満たすために、嘱託看護師等を174人ほど配置しておりまして、それで何とかカバーをしているところです。

 それからコメディカル―医療技術員は、定数426名に対し、現員が424名、欠員2名となっています。事務職につきましては、定数が177名に対し、現員174名となっておりまして、欠員3名となっております。

 これは全て9月1日現在ございます。

○亀濱玲子委員 その中で休診している、あるいは診療制限をかけている5つの診療科が何年ぐらい、あるいはどれぐらいの期間休診している状態か教えてください。

○津嘉山朝雄県立病院課長 5つの診療科について、北部病院はことしの4月から1人欠員になっておりまして、診療制限がされています。南部医療センター・こども医療センターの泌尿器科につきましては、平成24年の4月以降ということです。宮古病院の眼科につきましては平成27年3月付で退職しておりますので平成27年の4月以降、八重山病院の眼科については平成24年の5月以降、八重山病院の脳神経外科については平成26年の4月以降から診療制限をしております。

○亀濱玲子委員 県立病院は県民の命の最後のとりでで、お金のある方もない方も本当にここに駆け込むと命を助けてもらえる場所として信頼があるわけですが、それが担保できないという、もちろん民間の開業医もありますので、そこに助けられてのことだと―そういう厳しい状況の中で、医師の確保については、宮古病院でも脳外科の先生がいらっしゃらないときに病院長が駆けずり回っていたことを記憶しています。ですので、ドクターを探すという体制が―病院事業局長もすごく苦労されたという話をされておりますが、改善されているかという点についてお答えいただきたいと思います。

○伊江朝次病院事業局長 先ほども述べましたが、私が病院長をしていたころに比べると、正直に言いまして格段の改善はしていると思っております。と言いますのも、私以下、県立病院課医療企画監と職員3人が一体となって、まずいろいろな方面に人材確保の要請をしておりますし、それと同時に病院現場と充足の状況、診療の不足状況というのは逐一連携しながら、お互いに情報を共有しているというところが非常にそういう意味では以前に比べるとよくなっていると。加えて、先ほども言いましたように、保健医療部がしっかり医師確保をするために、財政的な予算の確保をやっていただいたと。例えば、北部及び離島地域の緊急医師確保基金などに関しては、従来、県立病院にはなかった画期的な基金だと思っておりまして、これのおかげで―例えば、八重山病院の産婦人科が休診の憂き目になったときに、休診することなく何とか対応できた状況があります。そういうことを持っていても、全国の医師不足というのは非常に厳しい状況がございますので、我々としてもそういったことを使いながら、ある意味全国の医師の少ないところから逆にとってきたりするようなことがあったりしてはいけないと思っておりまして、非常に微妙な問題があると。そういう意味では、東京あるいは大阪、福岡あたりの都会は割と人材が多いような感じがしますが、やはりこういうところに話を持っていっても、基金面の利用を考えますと、皆さん心を動かされるということはありますが、なかなか実際に送るということになりますとスムーズにはいかないという状況がございます。ですから、なかなか我々としても非常に条件は整備されましたけれども、完全には医師不足というのが払拭できていないという感は否めないということはあります。そういう中で、地道な活動を続けていかないとこういったことも解消しませんので、地縁・血縁等も含めた支援、あるいは中部病院の研修の同窓生―こういった方々が全国に散らばっていますので、こういった方々を呼び戻すなど、こういったことも含めて今やっているという状況です。

○亀濱玲子委員 今、離島の医師確保事業の点を挙げていただいたので、主要施策の成果に関する報告書93ページから加えて質疑させていただきます。

 ここに成果として離島・へき地ドクターバンク等支援事業が書かれていまして、登録医師が140人となっているにもかかわらず、短期派遣件数が1件、常勤医師の確保が1件となっている内容について少し理解しにくいのですが、これについてお答えいただけますか。

○諸見里真保健医療政策課医師確保対策監 離島・へき地のドクターバンク等支援事業ですが、今、140名が登録していて、実績が2件だけということですが、これにつきましては平成27年度に医師の確保の要請といいますか、それを受けたのが3件ございまして、国頭村立東部へき地診療所、竹富町立黒島診療所、伊江村立診療所の3件から医師確保の要請がありました。それに対して3件のうち2件で成立しました。要請が3件あったという形です。

○亀濱玲子委員 少し教えていただきたいのですが、沖縄県が平成26年10月21日から平成31年3月31日までの5年間に離島緊急医師確保対策基金として20億円ありまして、どうもこれが使い勝手が悪く十分に使えていないと。宮古圏域に関すると、産科の開業医に1億円を使わせていただいたという実績はありますが、これと今言っているこういう事業との兼ね合いについて、実際、事業で20億円あるお金がどれくらい使われて効果を出しているのか、出していないのか。せっかくこれがあるのに、環境整備をこれでできないのかと思います。ですので、この基金と今言っている事業の実施ということとの兼ね合いが少しわからないので、これも説明しながら教えていただけますか。

○諸見里真保健医療政策課医師確保対策監 北部及び離島の医師確保基金について、まず実績ですが、平成26年度に条例を設置しまして、これは途中でしたので執行額が平成26年度は401万9000円でございます。平成27年度は執行額が9197万8000円。平成28年度予算という形で予定をしている金額が5億7453万3000円という形になっています。

○亀濱玲子委員 これは医師を確保する―今、私がお聞きして、もう何年も診療制限がかかっているところが5カ所、それも平成24年度ぐらいから診療が制限されていて、医師の確保ができていないところなどもありますが、こういうところに力を発揮するといいますか、効果を発揮するために基金があると思いますが、これについての活用の見通しはいかがですか。

○阿部義則保健医療部参事 委員の御質疑について、医師確保対策監が答弁したことに少し補足しながら御説明したいと思います。

 この基金を設置した経緯について、従来、さまざまな医師確保の事業を展開してまいりましたが、なかなか実効性が得られないということで、先ほど病院事業局長からもありましたが、これまでにない画期的な基金ということで設置させていただきました。それをもちまして、委員御指摘のように、宮古の産科の診療所の助成ということで事業をいたしましたし、また県外の大学病院等から医師を派遣していただくために従来とは違ったスキームで資金を提供することによって医師の確保につなげております。今、休診が県立病院で5診療科ということでございましたけれども、我々の医師確保のための基金は十分使えるものでございますので、病院事業局と調整しながら、できるだけ診療科の再開ができるように頑張っていきたいと思います。

○亀濱玲子委員 5年間という制限がありますので、ぜひ基金の活用を十分にしていただきたいと思います。

 診療の充実に向けて7対1看護を達成したいとそれぞれの病院で目標を持っていらっしゃると思いますが、これが達成できているところはどこでしょうか。

○平良孝美県立病院課看護企画監 現在、7対1看護が実際にできているところは、中部病院、南部医療センター・こども医療センター、北部病院の3カ所となっております。

○亀濱玲子委員 残りの宮古病院、八重山病院、精和病院はまた役割がいろいろあると思いますが、残りの3つの病院の目標達成に向けての取り組みについて伺います。

○津嘉山朝雄県立病院課長 現在、7対1看護体制の施設基準が非常に厳しくなってきておりまして、それをクリアする条件が高くなってきております。一つ申し上げますと、平均在院日数が18日以内であるとか、患者の重症度が25%以上である、在宅復帰率が80%以上などといった要件がありまして、宮古病院、八重山病院についてはこの要件を満たせるかどうかというところも含めて、今、検討しているところでございます。

○亀濱玲子委員 では、現状はどうなっているのですか。

○津嘉山朝雄県立病院課長 先ほど、看護必要度が25%以上と申し上げましたけれども、宮古病院と八重山病院につきましては、23%、24%といった数字が出ております。7対1看護体制には25%以上の看護必要度の患者がいないといけないというところがありまして、安定的に25%を超えるような状況にはないというところでございます。

○狩俣信子委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、亀濱委員から宮古病院と八重山病院は現状として何対1看護となっているのか答弁するよう指摘があった。)

○狩俣信子委員長 再開いたします。

 伊江朝次病院事業局長。

○伊江朝次病院事業局長 宮古病院と八重山病院に関しては10対1です。

○亀濱玲子委員 ですから質疑をしたのです。地域によって非常に厳しいです。看護師はあえいでいます。そういう状況について現状把握をしっかり行って、先ほど欠員状況を聞いたのは、そこはしっかり充足していかなければ、安心して働く環境もできないわけですから、これはいろいろ言いわけをしなくてもいいです。こういう現状だと。7対1看護体制に向かっていくということを病院長とも共有していただきたいと思います。経営の安定化計画を実現していかないといけないわけですが、経常収支が1億8300万円マイナスになったということで、改善の提案が―例えば、電子カルテにすることとか、高額の医療機器を買うこと、それが原因になっているとか、あるいは看護師の2交代制が提案されていますが、これはこの病院を全部総括して、どこが調整をするシステムといいますか、それはできていますか。

○伊江朝次病院事業局長 今、申しました経営改善につきまして、例えば材料の購入に関しましては、県立病院課を中心に病院現場と連携しながらまとめて購入するという形で、価格の交渉や診療材料といったものもしっかり連携をとりながらお互いに情報交換を行ったり、何がいいのかということを今やっております。医療機器に関しては、これは一つの投資ですので、やはり我々が持っている財源をしっかり考えながら、それぞれの病院の必要に応じた、あるいは緊急性とかも加味した購入計画を立ててやっているという状況でございまして、そういう意味ではしっかり病院現場とは意思の疎通を欠かないような連携をしております。

○亀濱玲子委員 残りの電子カルテ、あるいは2交代制の検討については、それぞれの病院で判断されるのですか。

○伊江朝次病院事業局長 電子カルテに関しましては、実は平成19年から順次やる予定ではありましたが、なかなか思うようにいきませんで、総合病院という中では、中部病院が今度の10月でやっと電子カルテが稼働した状況でございます。電子カルテに関しては、いろいろ導入時の際の費用の問題もありますし、それをどのように使っていくか、せっかくやられたデータをただそのままにしてはいけない、先ほど中部病院長からもありましたが、経営の改善につなげることはとても大事なことだと思いますのでその辺をやる事務方の強化等も含めてやらなくてはいけないと思っております。それからもう一つ、2交代制につきましては、今、南部医療センター・こども医療センターの循環器病棟で試行している状況でございまして、世間の趨勢としては2交代制がかなり浸透してきている状況がございます。しかしながら、県立病院の場合はずっと3交代制でやっているものですから、その辺は職員の意向等も踏まえながら、働きやすさといいますか、年代あるいは家庭の事情によってもまちまちですので、その辺をしっかり検討して、順次導入できる、例えば病棟単位でそれが導入できるようにしようということで、順次それぞれの病院も検討しておりますし、我々もその方向で支援している状況でございます。

○亀濱玲子委員 これは労働組合とも意見交換、調整は図られていますか。

○平良孝美県立病院課看護企画監 労働組合とも、これから意見交換をする予定になっております。

○亀濱玲子委員 ぜひ、どの病院のどの科も充足できるようにドクターの確保をしていただきたいのですが、素朴な質疑をしますが、ドクターを一生懸命探すと、確保に向けて人事権と言ったら変ですけれども、それは病院事業局が探してきて配置するということに関しては病院事業局が配置権といいますか、人事権を持っているのですか。

○伊江朝次病院事業局長 最終的には、私がその判断をしている状況でございます。

○亀濱玲子委員 続いて、主要施策の成果に関する報告書98ページ、救急医療用ヘリコプター等の活用事業について、沖縄県は島嶼県で島々を抱えておりますので、緊急医療用ヘリの存在はとても大事だと思っていますし、必要だと思っています。ただ実績を見ますと、海上保安庁の件数であったり、自衛隊であったり、あるいはもしかしたら定期便で来られる方がいらっしゃるかわかりませんが、それぞれの要件―使う要件というものがあって、例えば使えない、あるいは使えるということがあると思いますが、それをかいつまんで、それぞれの役割とすみ分けを教えていただけますか。

○大城博保健医療政策課長 委員からお尋ねがあります、自衛隊の急患搬送における搬送の基準ですが、かいつまんで言いますと、緊急性があって、しかも患者の症状が重篤であるといったことで搬送の対象になるか、ならないかということを判断している状況でございます。

○亀濱玲子委員 その性質についてもう少し……。

私は医療用のヘリが必要だと思っています。設備がきちんと整ったヘリでドクターを乗せて行ったり来たりするほうが安心だと思っていて、それをもっとふやしてほしいと思っています。それぞれの中に積まれている医療機器が違うので、すみ分けがあるのだろうと思っているのですが、違いますか。

○砂川靖保健医療部長 すみ分けという話でございますが、本島と本島周辺離島は、浦添総合病院が担っている沖縄県のドクターヘリでやっています。それから宮古、八重山の周辺離島と、宮古島、石垣島は海上保安庁に復帰以降、お願いしております。ヘリの場合、航続距離が短いので、例えば南北大東と沖縄本島や宮古島、石垣島と沖縄本島の場合は、自衛隊にお願いしているということでございます。

○亀濱玲子委員 海上保安庁あるいは自衛隊の中の設備などを考えると、沖縄県で必要なのは、医療用のヘリだと思っていますが、エリアを広げていくという可能性はいかがでしょうか。

○大城博保健医療政策課長 今、保健医療部長からも答弁いたしましたとおり、ドクターヘリは、おおむね片道100キロメートル圏内が範囲となっておりまして、沖縄本島と南北大東、あるいは沖縄本島と宮古島、石垣島に関しては、ヘリコプターでは航続距離の面で足りず、届かないということで、ドクターヘリを活用することが難しい状況になっております。それで沖縄県のドクターヘリにつきましては、沖縄本島と沖縄本島周辺離島の久米島までを運航範囲として設定しておりまして、その他のエリアについては、海上保安庁や自衛隊の協力を得て急患搬送に対応している状況でございます。

○阿部義則保健医療部参事 今、運航範囲の話等々がされていますが、委員御心配の中の設備の話について、ドクターヘリの場合は、医療用ヘリですので、心電図計等所要の医療機器はセットされています。自衛隊と海上保安庁につきましては、ポータブルのものを離島振興協議会と我々の補助金を活用しまして、設備をしておりまして、一定の医療用の機能は果たしているものと考えています。

○亀濱玲子委員 もう少し勉強して、このエリアが広げられる可能性がないかということは、また質疑させていただきます。

 続いて、保健医療部に関して質疑いたしますが、歳入歳出決算説明資料4ページにハンセン病対策費があります。これが翌年繰越額をゼロにして不用額にして終わっているのですが、これについての説明をお願いできますか。

○玉城宏幸薬務疾病対策課長 ハンセン病対策費で不用額194万5085円が生じた理由ですが、これはハンセン病対策費の中の事項でハンセン病療養所入所者家族援護費というものがございます。これは5世帯5人の方に支給をしている援護費ですが、その新規申請がなかったことによる扶助費の不用額102万3430円が主な理由となっています。

○亀濱玲子委員 内訳が少しわからなかったのですが、沖縄県はハンセン病の退所者、回復者が全国的にも非常に多いということで、隠れて暮らしている方々からすると、相談窓口になかなか来ない、届かないということもありますが、ハンセン病回復者の相談業務というのは、この対策費の中にあって、それは取り組まれていますか。これがゼロになったので、それがゼロになったのかということもありましたので、別の項目で相談事業というのは行われていますか。

○玉城宏幸薬務疾病対策課長 ハンセン病関係の相談業務に関しまして、このあたりで出てきているので言いますと、額はかなり少ないのですが、ハンセン病回復者等名誉回復事業がありまして、その中で保健所や福祉事務所など、その辺での相談業務には対応しているところでございます。

○亀濱玲子委員 これは直接、県が窓口になっていますか、それとも公益財団法人沖縄県ゆうな協会―ゆうな協会などに委託した事業を指してそうおっしゃっていますか。

○玉城宏幸薬務疾病対策課長 相談業務につきまして、ゆうな協会は国が委託をしていますし、保健所や福祉事務所は県で対応しているということでございます。

○亀濱玲子委員 私はそれぞれの県立病院がすごく努力をされていると思っています。ですので、ぜひ医師あるいは看護師、事務方それぞれの充足に向けて取り組んでいただきたいことをお願いいたしまして、質疑を終わります。

○狩俣信子委員長 休憩いたします。

   午後0時0分休憩

   午後1時24分再開

○狩俣信子委員長 再開いたします。

 新垣委員から質疑時間を照屋委員に譲渡したいとの申し出がありましたので御報告いたします。

 なお、質疑の持ち時間を譲渡した委員は譲渡を受けた委員の質疑中は在席する必要がありますので、御承知おきお願いいたします。

 それでは質疑を行います。

 次呂久成崇委員。

○次呂久成崇委員 保健医療部にお伺いしたいと思いますが、主要政策の成果に関する報告書89ページ、

特定不妊治療費助成事業について、治療費の一部助成ということですが、この内容についてお伺いしたいと思います。

○山川宗貞健康長寿課長 一部を助成するということですが、基本的に、助成額というのは不妊治療に対する方法によって異なっておりますが、1回の治療につき7万5000円から15万円を上限に助成を行っております。この治療自体は保険がききませんので、1回当たり30万円から50万円ぐらいかかるということで、その一部を助成するということになっております。

○次呂久成崇委員 平成27年度の実績で、何名ぐらいの方が助成費の対象になったのか。これは1回だけではないと思いますが、平均何回ぐらい助成を受けられているかということがわかれば教えていただきたいと思います。

○山川宗貞健康長寿課長 実績に関してお答えいたします。件数でいきますと、平成27年度は1541件ということになっています。実際にかかった予算額としましては、2億257万1000円ということになっております。この1541件に対しまして、夫婦の組数ですと980組ということになりますので、約1.5回ぐらいになります。

○次呂久成崇委員 こちらの助成ですが、これは所得制限もあるのでしょうか。

○山川宗貞健康長寿課長 これは夫婦合わせた所得が730万円未満の方たちを対象に行っています。

○次呂久成崇委員 続いて、主要施策の成果に関する報告書90ページ。不妊専門相談センターを開設して、電話及び面接、相談を行っているということですが、この相談員が何名いらっしゃって、相談件数がどれぐらいになっているのか、お願いしたいと思います。

○山川宗貞健康長寿課長 こちらは、女性健康支援センターといいまして、沖縄県助産師会母子未来センターというところにお願いをしております。実際には6人おりまして、輪番で対応しております。

○次呂久成崇委員 事業効果のところで、思春期保健に携わる教職員を対象に講演などを行っているとありますが、これは実際に若年者を対象とした、例えば中学生や高校生などに妊娠であったり―最近、若年女性の妊娠が問題になっているかと思います。それが結局、貧困の問題につながってきているのではないかと思いますので、講演や活動の内容を高校生や中学生にもやはりしっかりとやっていったほうがいいのではないかと思いますが、今、実際にやっている講演はどのような方を対象に行っていて、ほかにもあるのか教えてください。

○山川宗貞健康長寿課長 こちらでは、「安全・安心な妊娠の勧め」健康教育授業を行っておりまして、高校生に性や妊娠、出産に関する正しい知識を普及啓発するため、高校教諭や養護教諭など思春期教育を担当する教職員を対象に、ライフプランを考える研修会というものを教育庁と連携して年1回行っております。

○次呂久成崇委員 実際に、講演内容や活動内容を中学生や高校生などの若者にぜひ広げていただきたいと思います。やはり、今、10代、20代のシングルマザーがかなり多くて、これが本当に貧困につながっていて、そしてまたそういう方たちは風俗産業に結局頼ってしまうという負の連鎖があるかと思います。ぜひこの事業を拡大して、指導する側だけでなくて、実際に高校生を対象になどというように取り組んでいただけたらと思います。

 次に、主要施策の成果に関する報告書103ページ、自殺対策強化事業についてお伺いしたいと思います。

 この自殺対策強化事業ですが、①若年層対策事業、②経済情勢対策事業、そして③その他とありますが、各事業について具体的にお伺いしたいと思います。

○山川宗貞健康長寿課長 まず1つ目の若年層対策事業というものは、39歳以下の若年層の方たちを対象としたもので、相談会や自殺対策に携わる人材の育成―これは特にゲートキーパー養成研修の講師の派遣を行っています。また、自殺予防に関する啓発などを実施しています。

 2番の経済情勢対策事業に関しては、県では特に行っていないのですが、市町村では司法書士による多重債務に関する相談会というものを実施する市町村が一つございます。

 3つ目の、その他地域の実情に応じて強化すべき自殺対策事業としましては、自殺のハイリスク者等への対策や相談窓口の設置。自殺対策事業を実施する上で必要となる調査や研究、自殺予防に関する啓発、その他地域の実情に応じて必要な事業等を実施しています。

○次呂久成崇委員 こちらの事業は執行率で言えば、56%、57%ぐらいだと思いますが、実際に、今、沖縄県の自殺者の推移というのはどのようになっていますか。

○山川宗貞健康長寿課長 直近でいきますと、平成27年度沖縄県の自殺者数は281人となっています。平成26年度が284人、平成25年度が278人ですので、少しずつ減ったりふえたりということになっています。

○次呂久成崇委員 年代別、年齢別というのはわかりますか。

○山川宗貞健康長寿課長 平成27年度でいきますと、一番多い年代が50代で21.4%、続いて60代で17.4%、30代で14.9%となっています。

○次呂久成崇委員 次に、2番目の自殺予防事業①うつ病対応力向上研修事業ですが、こちらの対象者はどなたなのか、また効果、実績等についてお伺いしたいと思います。

○山川宗貞健康長寿課長 こちらの自殺予防事業に関しましては、かかりつけの医師に対して、鬱病等の精神疾患に関する適切な診療の知識、技術及び精神科等の専門医師との連携方法などを習得させるための研修を実施しております。

○次呂久成崇委員 自殺対策強化事業ですが、実際に当事者―困っている方が、どちらの窓口に行っていいのかということがわかりにくいのかと。いろいろな連絡協議会があるかと思います。連携はもちろん大事ですが、実際に本当に悩んでいる方がどこの窓口で相談ができるのかという体制づくりが、本当に急務ではないかと思っております。今、県が課題で取り組んでいる貧困対策も含めてですが、ぜひそのような窓口をしっかりとわかりやすく設置できるように、市町村とぜひ連携してやっていただきたいと思います。

 病院事業局に関しては、会派のお二人が十分やったと思いますので、私の質疑はこれで終わりたいと思います。

○狩俣信子委員長 平良昭一委員。

○平良昭一委員 主要施策の成果に関する報告書83ページ、長寿復活健康づくり事業ですが、沖縄県の平均寿命は改善されているのでしょうか。

○砂川靖保健医療部長 平成22年度の都道府県別生命表によりますと、平成22年度の沖縄県の平均寿命は、男性が79.40年、女性が87.02年となっておりまして、平成17年度と比較すると、男性で0.76年、女性は0.14年延伸しているということでございます。

○平良昭一委員 いつも全国に比べられますが、躍進している特定の地域もあると思います。沖縄県の全国順位はどうなっていますか。

○山川宗貞健康長寿課長 平均寿命に関しましては、順位自体ですと、男性が30位、女性が3位となっています。それに比較しまして、伸び率に関しますと、男性が32位、女性は46位となっています。

○狩俣信子委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、平良委員から伸び率とはどういう意味かとの質疑があり、執行部から補足説明があった。)

○狩俣信子委員長 再開いたします。

 平良昭一委員。

○平良昭一委員 わかりづらい説明でしたが、特に躍進している地域がありますよね。そういう地域の特徴というのは、どのようなものでしょうか。

○糸数公保健衛生統括監 現在、男女とも平均寿命の順位で一番トップは長野県ということになっております。長野県では、過去40年、50年前には、脳卒中などいろいろな病気でかなり早く亡くなる方が多かったのですが、県を挙げて健康づくりの指導員、補導員というシステムが戦争が終わったころから、各地域でボランティア活動のような方々がどんどん育成されまして、その方々が家庭のみそ汁の濃度についてお互いにチェックしたり、あるいは健診を勧めたりといった地道な活動で順位が延びて、今は1位になっているというのが非常に特徴的な出来事でございます。

○平良昭一委員 県内でも市町村によってかなりばらつきがあるということも聞いています。そういう観点からしますと、健康づくりに対する地域の特別な取り組みというのがあると思います。その辺の統計や参考になるようなところはありますか。

○糸数公保健衛生統括監 長寿に関する指標は死亡率から始まって、それから病気を持っている人の割合などたくさんありますが、沖縄の中でかなり特徴的に動いているところとして南城市が地元の公民館活動を中心に、地域の公民館が健康づくりの場になって、各地域で特定健診の受診率を競い合い、かなり成果が上がっていると。医療費の削減にもつながっているのではないかといった研究があったりということで、地域的には南城市が一番特徴があると思います。

○平良昭一委員 先ほど長野県は戦後すぐそういう対策を始めたということで、長いスパンが必要になってくると思います。そういう面では粘り強くやっていただきたいと思っています。

 次に、主要施策の成果に関する報告書98ページ、救急医療用ヘリコプター等の活用についてですが、何度も一般質問等の中でも取り上げてきましたが、現在、浦添総合病院の1機ですが、2機目の導入については全く進展がないということで、北部地域のほうで民間の方々が県民から寄附金を募りながら、運営をしているような状況であります。当然、必要性があるので2機目を飛ばしているということになりますが、県の考え方として、今後の2機目の導入についてはいかがでしょうか。

○大城博保健医療政策課長 沖縄県のドクターヘリですが、平成17年度の患者搬送件数が417件となっておりまして、なお一定の増加に対応できる余力があると考えております。出動要請が重複したことに伴って、出動できなかった割合というのも全国と比較して沖縄は低くなっています。また、沖縄のドクターへリですけれども、現在、鹿児島県の徳之島、与論島、沖永良部島の患者も搬送しておりますけれども、鹿児島県立大島病院が平成28年12月からドクターヘリを運航する予定がありまして、今後、奄美地域の患者搬送件数が大幅に減少することが見込まれております。以上のような状況から、2機目のドクターヘリを導入することは現在考えておりません。

○平良昭一委員 そうであれば、なぜ民間が北部地域で活動でしているのですか。その辺に少し疑問を感じます。よく聞く話によりますと、やはり緊急を要するものに対しての出動ですので、最初の15分、30分が勝負だと聞かされております。そういうことから重複する場合も当然必要になりますけれども、浦添総合病院からやるのとでは若干時間的にもロスがあるようなことが多々あると思います。そういう必要性から民間で動かしているような状況だと思っていますが、いかがでしょうか。本当に2機目は必要ないと思っていますか。

○大城博保健医療政策課長 全国の都道府県でドクターヘリを複数機導入している県の状況を調べてみましたが、2機以上導入している県が全国で6道県ありまして、そのうち2機導入している県が5県ありますが、その5県の平均の出動回数というのを見てみますと、約1400件ほどの出動実績になっています。先ほど、沖縄県では搬送件数で417件と申しましたけれども、出動件数で見ますと466件の実績になっておりまして、このような状況からもまだまだ沖縄県のドクターヘリは対応可能な状況と考えております。

○平良昭一委員 これも今後の課題になると思いますけれども、千葉県、静岡県、長野県、青森県、兵庫県、北海道―北海道は4機持っていますので、ほかの地域は2機ですよね。それだけ出動する回数が多いということですが、午前中の亀濱委員の話にもありましたように、やはり離島を抱えているわけですから、そういう観点からするとどうしても必要になってこないかと思っています。そこで関連ですが、先ほどドクターヘリは100キロメートル圏内が範囲と言っていましたね。それ以外は、自衛隊、海上保安庁に要請をしているということでしたが、平成29年度から巡回医療航空機の新設に伴って補助が対象になると。固定翼機が平成29年度からそのように対象になると言われていますが、こういう制度を活用しながら導入するという考え方は県ではまだ持っていないのでしょうか。

○砂川靖保健医療部長 航空機を活用した事業が3種類ございまして、1つが今のドクターヘリです。

もう一つは、離島・僻地の巡回診療用に航空機を活用する事業。3つ目が離島・僻地の患者を搬送するために活用される事業の3種類ございます。固定翼機を対象にするというのは、後ろの2つ目、3つ目、巡回診療と患者搬送のものでございます。この巡回診療については、今、準無医地区はございませんが、これが認定される。それから、専門医の派遣についても適用を認めるということが確認されれば活用を検討していきたいと考えて、今、国の動向を見ている段階でございます。3番目の患者搬送については、患者の要件がいまいちはっきりしない部分があります。しかも補助率2分の1で、交付税措置もございませんので、これについてはもっとさらに慎重に検討する必要があると考えています。

○平良昭一委員 その辺はもう少しメッシュ・サポートの件も踏まえながら、また北部地域でいろいろ勉強しながら再度検討していきたいと思っています。

 次に移らせていただきますが、先ほど次呂久委員が言っておりました自殺対策強化事業について3年間の件数を報告していただきましたが、実際、何もほとんど変わっていない状況ですよね。278名、284名、281名ということで、3年間はそんなに効果が出ていないのではないかと思いますが、その辺はいかがですか。

○砂川靖保健医療部長 先ほどは3年間の数字でございましたが、実は、平成10年に自殺者が沖縄県は300人を超えました。それから平成23年までの14年間ずっと300人を超える状態が続いてきました。それから本格的に対策に力を入れるようになりまして、先ほど健康長寿課長が申した二百後半の数字になってきたところでございます。

○平良昭一委員 これは保健医療部だけで頑張ることではないと思います。ほかの連携する部署も当然あると思いますので、その辺、他の部局との連携等はどう考えていますか。

○糸数公保健衛生統括監 追い込まれた末に自殺を選択するということで、保健医療の分野だけではなく、経済や社会などいろいろなところが関与するということでございます。県においては、沖縄県自殺総合対策行動計画を平成20年から実施しています。1つは、対外的な専門家の方々―弁護士会、司法書士会、いのちの電話を含め、いろいろな方々と協議会を開いて、それぞれの窓口をしっかり役割分担するような話し合いを持っているということと、もう一つは県庁の中でも庁内の連絡会議を開きまして、関係部署と情報共有、連携強化、あるいは今の自殺の現状について話し合って、それぞれ関連する事業をお互いに共有するということを毎年続けています。

○平良昭一委員 先ほどの長寿県のお話もありましたが、とにかくこれも粘り強い活動が必要になってきますので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。

 それと1点だけ聞きたいと思いますが、主要施策の成果に関する報告書106ページ、水道のユニバーサルサービスの件ですが、近年、余り本島内では断水ということを聞いたことはありませんが、離島の近年の断水の状況はありますか。どのような状況ですか。

○與那原良克生活衛生課長 沖縄本島では、平成6年度以降給水制限は行われていませんが、離島においては、少雨傾向が続くと水道水源であるダムの貯水率の低下、あるいは河川水の低下がありまして渇水が生じると。これまでにたびたび給水制限が行われておりまして、平成17年度から平成27年度における11年間について、給水制限が行われた離島市町村は石垣市、座間味村、久米島町、竹富町の4市町村となっています。

○平良昭一委員 やはり、離島では少雨傾向になると断水がまだあるということですので、ユニバーサル事業に早急に取り組んでいかないといけないわけです。これは企業局が絡みますので余り言わないですが、その辺も迅速に進めていただきたいと思っております。

 ハブ対策費について伺います。私は地元が本部町なのですが、今帰仁村呉我山という地域と本部町伊豆味という地域にタイワンハブが異常に発生しているのです。このタイワンハブというのは、在来種のハブよりも動きが速くて、そしてまた攻撃的で繁殖力もかなり高いといわれています。実際、家の周りに捕獲器を置いたら、1カ月に何十匹も捕獲されてるような状況があるのです。業者のヤードがあったところの鉄板を開けたら、そこに小さいのがたくさんいたとか、とにかく最近は集落地内まで来ていて、緊急を要するような状況です。そこで、このタイワンハブというのは在来種のハブと血清は同じなのですか。

○玉城宏幸薬務疾病対策課長 沖縄県内に生息するハブは4種類おりまして、ハブ、タイワンハブ、サキシマハブ、ヒメハブとなっております。この4種類につきまして、現行のハブ毒素はどれにも有効です。

○平良昭一委員 年間でハブにかまれる咬傷件数というのは、県内でどれくらい上がっていますか。

○玉城宏幸薬務疾病対策課長 ここ10年では100を切っておりまして、4種類のハブがおりますが、合計で平成27年が57。その前の年が60台、その前が70台ぐらいで、70から50の間で推移しているかと思います。

○平良昭一委員 先ほど私が言いました特定の地域だけにタイワンハブがいるということは皆さん事情はよくわかっていると思います―それは言えないものもありますので。とにかく余りにも多すぎて、最近は小・中学校の近辺まで出没するようになってきているということがあります。その地域はミカン狩りが今の時期なのです。このタイワンハブは冬眠しないので、一年中活発に動いています。そういう面では、万が一ミカン狩りで事故でも起こりますと、風評被害はかなり深刻な問題になると思いますので、その辺に対する緊急的な対策は考えられないのでしょうか。

○玉城宏幸薬務疾病対策課長 本部半島の名護市、今帰仁村、本部町の境目あたりにタイワンハブが非常に生息しているということは我々も把握をしております。それで事業としまして、タイワンハブをターゲットにした、危険外来種咬症対策モデル事業を平成24年度から実施しております。一応、5年間の事業ですが、少しは成果は出ているかと思います。それから、市町村独自で一括交付金を活用して、ハブの捕獲事業なども行っております。

○平良昭一委員 これは迅速に対応していただかないと、そういう事故が起きたときに風評被害がかなり出ますので、地元ともよく連携をして取り組んでいただきたいと思っています。

 それから病院事業局の関係でございますが、監査委員からの審査意見の中で、今後、新八重山病院の建設や医療機器の更新などに伴い、多額の資金が必要になってくる。病院事業の経営状況は一層厳しくなることが予想されるということで、このために継続的な経営の健全化に向けた取り組みを強化する必要があるということで、経営安定化に向けた取り組みとして4点ほど指摘をされていますよね。そして、経営改善の取り組み、医師等医療スタッフの確保、是正改善をする事項等について指摘をされておりますが、そういう観点から今後の病院事業局の考え方をお聞かせ願います。

○伊江朝次病院事業局長 先ほど委員から御指摘のありました、新八重山病院の建設については、御承知のとおり、島外からの職人の連れ越し、それから資材等の建設単価の高騰ということで、所定の予算をオーバーしているような状況がございます。そういう意味では、その辺の資金確保という意味からすると、非常に病院事業に対しても、喫緊の課題だと思っております。この点に関しては、やはり県当局に一定の補助金等の使い道、あらゆるものを洗い出して、できる限りそれをフルに使えるような状況で、今、我々も含めて病院が一緒になって検討している状況がございます。あわせて、こういう非常に厳しい状況の中で病院を建設するということは、八重山病院の老朽化、あるいは離島の住民やインフラ整備という意味からも、どうしてもやらなければいけない状況がございますので、ぜひ県を挙げて、新八重山病院の建設に関して支援をしていただきたいと思っておりますし、我々も病院事業局として、経営の健全化をしっかり念頭に置きながら、独立採算制の基本原則を何とか守っていけるような状況をつくっていきたいと思っています。

○平良昭一委員 午前中でもありましたが、10対1の看護体制から、7対1看護体制に移しているという取り組みについて評価はします。しかし、具体的にその取り組みがいまいち見えません。そういう観点から看護師不足の対策について、もう少し具体的に説明していただけませんか。

○伊江朝次病院事業局長 看護師不足については、先ほど午前中にも実態についての答弁がありましたが、対応といたしましては、今やっていることは県内外において開催される看護師募集に係る合同就職説明会へ積極的に参加しておりまして、また各病院においては看護師募集に係るイベント―いわゆる広報活動をして、県立病院への就職を希望する看護師へ県立病院の魅力を発信しているという状況であります。それから県立病院としては、県の看護協会における潜在看護師再就職支援事業にも参加しておりまして、4カ月間の研修を受け入れております。平成26年度は4名、平成27年度は3名が県立病院での就職につながっています。

○狩俣信子委員長 瑞慶覧功委員。

○瑞慶覧功委員 初めに、保健医療部の歳入歳出決算説明資料3ページ、衛生貸付金元利収入の収入未済額について、主な原因は看護学校の授業料返済の滞りにあるということでいいでしょうか。

○砂川靖保健医療部長 保健医療部の収入未済額は、1609万802円となっています。構成する要素が3つございまして、1つは未熟児養育医療負担金で、これが485万2923円。それから看護師等の修学資金返還金が1023万3732円。雑入のほうで、100万4147円ございますが、これは復帰前の看護学生の修学資金が滞納になっている部分でございます。それから、懲戒処分を受けた職員の本来なら返納すべき手当がありましたが、それが回収されていない分がございまして、それらが保健医療部の未収金になっております。

○瑞慶覧功委員 修学金に関連してですが、何人が対象で、何人が滞納しているのか。1人当たりの金額を伺います。

○大城博保健医療政策課長 まず、平成27年度に貸与した件数ですが、243件となっております。収入未済の対象になっている件数は66件ということになります。収入未済額を収入未済の件数で割って平均を出しますと、1件当たり15万5000円ほどとなります。

○瑞慶覧功委員 これに関しては督促をどのように行っているのか、また返済方法について、それから時効もあるのですか。

○砂川靖保健医療部長 返還金は私法上の債権になりますので、当然消滅時効がございます。この消滅時効は、債務者が援用すると言って初めて効果が発生するものですから、残っている66名の多くが債務者の所在が不明ということで、時効の援用が確認できないものですから、そのまま残っているという状況にございます。

○瑞慶覧功委員 病気などやむを得ない事情で支払できない人もいるかと思います。やはり、所在が不明とか、そういうことは本当に言語道断だと思います。しっかりとこれは追跡して、徴収していただきたいと思います。

 次に、病院事業決算書11ページについて。業務状況で入院患者が67万1735人、全国的に見てこれはどのような位置づけといいますか、状況となっていますか。

○真栄城守県立病院課経営企画監 患者数の動向については、全国比較は現在のところしておりませんので、もし御要望でしたらまた後ほど確認させていただきます。

○瑞慶覧功委員 次に、総利用患者数が前年に比べて1万6420人ふえていますが、その背景といいますか、要因は何ですか。

○真栄城守県立病院課経営企画監 いろいろな要因があるかと思います。県立病院では、現在―これまでもですが、地域医療連携の推進に一応力を入れておりまして、地域の医療機関との逆紹介という形で患者数の確保を図ってきております。そういった形の中で、患者数の増を図ってきているということがあります。たしか、患者数につきましては、平成26年度までは長期的に減少傾向にありましたが、平成27年度はその成果もありまして、若干増加に転じているところでございます。

○瑞慶覧功委員 この患者数ですが、今後はどのようになっていくと予想されていますか。

○真栄城守県立病院課経営企画監 県立病院としましては、経営努力の中で患者数の確保に努めてまいるわけでございますが、やはり全県的な患者の動向といったものにも影響を受けるかと思います。これについてはいろいろな要素がありまして、病院事業局だけでは判断が厳しいところもございますけれども、一つ考えられますのは、全国的あるいは県の中でも高齢化が今後進行してまいりますので、患者数の大幅な変動がないとしても、高齢者の増加により、疾患を持った高齢者の受診がふえてくることは想定できるかと思います。

○瑞慶覧功委員 病院事業局は終わりですが、次に保健医療部の主要施策の成果に関する報告書93ページ、医療確保対策について。この中の事業効果で、修学資金の貸与、医学生75名の事業概要と医学生の状況、国公立、私立、それぞれ何名いるか伺います。

○諸見里真保健医療政策課医師確保対策監 医師修学資金等貸与事業では、琉球大学医学部の地域枠学生に対して、県が医師修学資金の貸与を行っています。卒業後に一定期間、離島及び僻地の医療機関に勤務することで、その返還が免除されるという仕組みになっております。修学資金の貸与を受けている学生につきましては、全員が琉球大学医学部の地域枠の学生で、平成27年度の実数は75名となっております。

○瑞慶覧功委員 これの決算額は幾らですか。

○諸見里真保健医療政策課医師確保対策監 決算額は8025万円となっています。

○瑞慶覧功委員 自治医科大学学生派遣事業の概要と派遣の資格条件等を伺います。

○諸見里真保健医療政策課医師確保対策監 県では、離島診療所を初めとする離島及び僻地の医療を担う医師の養成を図るために、自治医科大学へ県出身学生の派遣を行っているところです。学生の在学中に修学資金の貸与を受け、卒業後に琉球大学医学部の地域枠と一緒ですが、一定期間離島診療所等に勤務することで、その返還が免除される仕組みになっております。自治医科大学の入学試験につきましては、基本的に都道府県単位で実施されており、本県に出願できる者として3つありますが、県内の高校を卒業した者、現在県内に居住する者、保護者が県内に居住する者のいずれかに該当する者ということです。

○瑞慶覧功委員 平成27年度は3名ということですが、今、トータルで在学者は何名いますか。

○諸見里真保健医療政策課医師確保対策監 昭和48年度から始まっていますが、平成27年度までの入学者は94名になっています。在学者は14名です。

○瑞慶覧功委員 これは何年制の大学になっているのですか。

○諸見里真保健医療政策課医師確保対策監 6年制です。

○瑞慶覧功委員 先ほど94名が延べ人数ですね。94名中79名が地域医療を支えているとありますが、残りの15名の方はどうなっていますか。

○諸見里真保健医療政策課医師確保対策監 入学者は94名ですが、既に卒業した人が79名おりまして、在学中の方が14名おります。そして、退学者が1人いらっしゃいます。

○瑞慶覧功委員 例えば、僻地医療が条件になっていますよね。そういった場合に、これに違反といいますか、守らない人はどうなりますか。

○諸見里真保健医療政策課医師確保対策監 これまではいらっしゃらないのですが、返還という形になると思います。

○瑞慶覧功委員 沖縄県の医師は、あと何名必要とされているのか、専門科ごとにお願いします。

○諸見里真保健医療政策課医師確保対策監 最初に前段を言いますが、沖縄県の人口10万人当たりの医師の数ですが、平成26年度時点の調査で241.5人、全国平均が233.6人になっていますので、7.9人上回っています。ですので、医師の絶対的な数というのは一定程度満たしてきていると理解しています。ただ、診療科ごとの医師の必要数につきましては、国においても定めておりませんので、県としましては全国平均値と比較するという形で、例えば内科、小児科、産科等の一般領域といわれる部分で、人口10万人当たりの医師数が沖縄県は167.3人、全国平均が167.1人ということで、0.2人上回っていると。それ以外に、消化器内科、心臓血管外科等の専門領域に関しましては人口10万人当たり、県が42.5人、全国平均が46.8人で、4.3人下回っているという状況でございます。

○瑞慶覧功委員 全国的に比べて低いか高いかではなく、全国的に医師が不足しているという状況で、この事業があると思いますが、かつては海外から診療所などにいたという事業があったと思いますが、その概要といいますか、説明はできますか。

○砂川靖保健医療部長 昭和の時代に、韓国人の医師―これは戦前に日本で医師免許を取得し、日本の大学を卒業していると。こういう方々を招聘して離島の診療所に配置したことはございます。今は自治医科大学出身の学生等を離島・僻地の診療所に配置しておりますので、そういう招聘事業は行っておりません。

○瑞慶覧功委員 次に、主要施策の成果に関する報告書104ページ、難病相談・支援センター事業について。直接、事業とは関係ないのですが、最近、毎年のように子供の臓器移植のための募金活動が取り組まれております。ほとんどがアメリカに行って手術が行われていますけれども、日本でなぜ手術ができないのか、臓器移植を取り巻く状況について説明いただきたいと思います。

○玉城宏幸薬務疾病対策課長 2010年7月の改正臓器移植法の成立によりまして、15歳未満の小児の脳疾患による臓器提供が可能になっております。これにより国内での小児の心臓移植ができるようになっています。しかし、法施行後、15歳未満からの脳死下臓器提供は12例となっておりまして、子供からの提供数が少ない状況となっております。現在、子供の臓器提供には、施設の体制整備や脳死判定の困難さが課題となっております。

○瑞慶覧功委員 移植費には2億円から3億円近くかかって莫大な費用を要していますが、国や県などの行政で補助など、そういう対応等はないのでしょうか。

○玉城宏幸薬務疾病対策課長 現在、海外渡航移植を希望する方に対して、国や県から渡航に要する費用を補助する制度はありません。県としましては、ドナー登録者数の増加につなげる普及啓発が重要であると考えております。普及啓発の具体的な取り組みとしまして、毎年10月の臓器移植普及推進月間において、保健医療福祉事業団等関係団体と連携しまして、臓器移植を推進するための街頭キャンペーンやシンポジウムを開催しています。また、各市町村や関係機関宛てにパンフレットを配付するなど、臓器移植に関する知識の普及啓発に努めているところでございます。

○瑞慶覧功委員 ことしは、森川陽茉莉ちゃん、昨年は翁長希羽ちゃん、3年ほど前は松島良生君と、そのたびに救う会が結成されて募金活動が行われていますが、移植というのは一刻を争うとも言わています。募金が集まらないと出発できないとか、そういう話もあるので、県として基金を設立する必要があるのではないかと思いますが、どうでしょうか。

○砂川靖保健医療部長 先ほど、2010年の7月に臓器移植法が改正されたというお話をしました。改正前は、14歳未満の子供から臓器を摘出することができなかったわけですが、なぜそういう法改正が行われたかといいますと、2008年に国際移植学会がイスタンブール宣言を出しまして、その中で臓器提供の自給自足を達成するための努力をすべきであると。要するに、自国の患者の臓器移植は自国でやるべきということがうたわれまして、それで法改正につながったわけです。国際的にそういう流れがある中で、我々としては積極的に海外渡航して移植をすることが、これを積極的に勧めることはいかがなものかと消極的になる部分がありまして、それよりも自国内で臓器移植ができるように、提供施設や広報啓発など、こういう面に力を入れていくべきであろうというように考えて、今の施策があるということです。

○瑞慶覧功委員 まさにおっしゃるとおりです。本当は自国でそういうことがやれることが一番いいと思いますが、でもやはり命にかかわることですので、親としてはといいますか、救える命ならということで皆さん募金活動をしているわけです。今、保健医療部長がおっしゃったことはよくわかりますが、しかし、実際、よくなるまで待てない子供がいるということですので、そこをぜひもっと県が中心になってそういったことも取り組んでいただきたいと思います。これを要望して終わります。

○狩俣信子委員長 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 主要施策の成果に関する報告書92ページから94ページ、医師確保対策について。いろいろな施策を実施して医師確保を頑張っていますが、事業をみんな合わせたら何名の医師を対象にして確保するという計画を―単年度であるのか、そして具体的に県立病院の医師として雇用されたといいますか、確保された人数はどうなっていますか。

○諸見里真保健医療政策課医師確保対策監 現在、計画という形ではないのですが、先ほど、決算で平成27年度は大体19億円、今年度予算で約24億円を計上しております。事業にして今年度が26事業、財源としましても、沖縄振興一括交付金―一括交付金、基金―北部の医師確保基金ですけれども、それから厚生労働省の補助金といったあらゆる財源を使って、今、事業を展開しているところです。柱としましては、午前中も少し御説明しましたけれども、自治医科大学、琉球大学医学部の地域枠、県立病院で研修を養成している後期研修医など、その辺で人材を養成しまして、北部地域や離島に人材を送ると。もう一つは診療科の偏在の部分ですが、その部分の対応としまして、どうしても県内で確保できない場合は、県内外の医療機関から派遣をするという形で取り組んでいるところです。その結果として、平成27年度、北部地域と離島に常勤医師として91名を確保しております。

○西銘純恵委員 まだ正規医師としては確保されていないということですが、常勤医師として91人を送っているということは、例えば何年後には県立の医師となる可能性があるとか、そこら辺の見通しとかあると思いますが、ありますか。

○砂川靖保健医療部長 今、医師確保対策監が答えたのは常勤医師ということで、これは任用の形態としては、例えば県立の職員として任用される形態もありますし、市町村の職員として任用される形態もあるということであります。

○狩俣信子委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、西銘委員から県内で医師として雇用して、定着させる見通しがあるのかとの補足説明があった。)

○狩俣信子委員長 再開いたします。

 諸見里真保健医療政策課医師確保対策監。

○諸見里真保健医療政策課医師確保対策監 現在はどうしても絶対的に県内で確保ができない状況ですので、県外から派遣という形で事業を活用して医師を確保しております。今後は、先ほど説明のありました琉球大学医学部の地域枠の学生が平成32年度以降―最初の年で5名を見込んでいますが、北部地域、離島の勤務に入っていきます。それ以降、毎年、数がふえていきますので、大体平成三十五、六年のときには50名ぐらいの数を確保できると。それに自治医科大学と後期研修医などその辺を足して、ある程度その辺で確保ができていくのではないかと考えています。

○西銘純恵委員 高齢化で、県民の医療にかかる割合も高くなってくるであろうということを見越して、5年後からはそういう意味で、今、相当努力されている皆さんが安定した医療体制にできるという見通しを持っているように受けましたので、ぜひ頑張ってください。

 次に、主要施策の成果に関する報告書95ページ、看護師等確保対策事業について、これは沖縄県看護協会の委託事業ということですが、どういう実績がありますか。

○国吉悦子保健医療政策課看護専門監 沖縄県看護協会に委託しているナースセンター事業の就労実績ですが、有効求職者実数の実人員568名に対し、就職者は169名で、29.8%の就職率になっております。

○西銘純恵委員 単年度で200名弱ということで、あともう一つは看護師等修学資金貸与事業がありますが、それについても平成27年度に県内の看護師になった人数をお尋ねします。

○国吉悦子保健医療政策課看護専門監 県内で就業した看護師数は118名となっております。

○西銘純恵委員 この対策事業は、潜在看護師の掘り起こしというものもみんな入っていると思いますが、計画の見通しとして確保は持っていますか。

○国吉悦子保健医療政策課看護専門監 本来ですと今年度、看護師需給見通しを国とあわせて立てることになっていましたが、今、医療従事者の働き方を見直しながら、その検討会も持たれていて、その検討会の会議を参考にしながら平成29年度中に見通しを立てることになっていますので、潜在看護師の確保についても必要数が見通しで明らかになりましたら、継続的に実施が必要なのかどうかを検討していきたいと思っております。

○西銘純恵委員 次に、主要施策の成果に関する報告書102ページのエイズ対策関連事業についてお尋ねします。全国と沖縄のエイズ患者は減っているのでしょうか。推移をお願いします。

○山川宗貞健康長寿課長 全国におけるHIV感染者の報告数というのは、平成19年以降、年間1000件以上、またエイズ患者は年間400件以上維持しており、減少傾向とは言えず、そのまま横ばいとなっています。ちなみに去年ですと、HIV感染者が1006件、エイズになられた方が428件の計1434件の報告が全国でございました。沖縄県では、平成27年度は27件の報告が上がってきております。これまで昭和59年から平成27年までの累計で317例で、これはHIV感染者が204例、エイズ患者が113例という報告になっています。

○西銘純恵委員 減らす対策をとっていると思いますが、減っていますか。

○山川宗貞健康長寿課長 沖縄県では保健所でHIVの検査ができるようになっていまして、まずは検査を受けていただいて、安全なセックスをしていただくことで感染を防ぐということをやっていただいています。また、医療もかなり進んできておりまして、昔はHIVになってから5年、10年たちますとエイズになってそのまま亡くなられる方がいましたが、今は亡くなられないと。逆に、高齢になっていって認知症の方たちも出てくるような状況になっているということです。

○西銘純恵委員 あわせて結核が最近ふえているということで報道がありましたが、沖縄はどうなのでしょうか。

○山川宗貞健康長寿課長 結核に関しましては、この3年ぐらいを見てみますと、平成25年で251人の報告、平成26年に241人の報告、平成27年に214人の報告ということで、3年で見ますとやはり減っているという状況ですが、まだ200人近く患者さんは発生しております。

○西銘純恵委員 最近の報道で留学生が集団感染したということが出まして、何らかの対策が必要かと思いますが、いかがですか。

○山川宗貞健康長寿課長 沖縄県では4月から9月にかけて、3件の集団感染の報告がありまして、その中の2件が外国人だったということになっております。基本的には、近年、沖縄県内における外国人の留学生や労働者の患者も報告されてきていますので、そのような方を預かるところに健康診断―例えば胸部のX線写真を撮るなど、そういうものを助成できればということを考えております。

○西銘純恵委員 過去の病気ではなく、やはり結核というのはいろいろな意味でリスクが大きいと思いますので、とれる対策はとっていただきたいと思います。

 次に、こども医療費助成事業についてお尋ねします。県の助成を拡充した時期とあわせて決算額をお尋ねします。

○山川宗貞健康長寿課長 通院に関しまして直近ですと、平成27年10月に就学前までの子供たちに対して医療費助成を行っています。平成27年は、約10億8996万7000円の決算額となっております。

○西銘純恵委員 その前との違い、要するに拡充をしてどれだけの予算が変動したのかということをお尋ねしたのですが……。

○砂川靖保健医療部長 この事業自体は平成6年に始めております。平成6年のスタート時は通院・入院ともゼロ歳、そのときの事業費が1億2348万3000円です。平成11年にこれを2歳まで引き上げました。そのときの事業費が4億5813万8000円で、平成15年に入院だけを4歳に引き上げましたが、そのときの事業費が7億3709万6000円。平成19年に通院を3歳、入院を就学前まで引き上げまして、そのときの事業費が8億2605万1000円です。平成24年に入院を中学卒業まで引き上げまして、そのときの事業費が9億1240万1000円。先ほど健康長寿課長が申したように、平成27年に通院を就学前まで引き上げて、そのときの事業費が10億8996万7000円という状況でございます。

○西銘純恵委員 今の推移を見たら、3歳年齢を上げてもそれぐらいの違いがあったり、余り相当にかかる経費がふえるということはないと思いますので、ぜひ中学卒業までの無料化拡大を目指していただきたいと思います。

 それから窓口無料について、南風原町が意見書を出してきましたが、内容はどういうものでしょうか。

○狩俣信子委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、保健医療部長から県にまだ届いていないとの説明があった。)

○狩俣信子委員長 再開いたします。

 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 交付金の要綱が現物給付できないという理由だということですが、何が問題になっていますか。

○砂川靖保健医療部長 もともと県の基準が償還払いという形で打っている話でありまして、当然、現物給付をすれば事業費が増嵩するわけですが、ほかの市町村によっては県の基準を上回って―例えば通院を中学までやっているところもありますが、そういうときは県の基準を上回る部分は助成していないわけです。それとの均衡を考えた場合、当然、現物給付に移行した場合に、その分事業費はふえるわけですが、それをどこまで見てあげるかということで、今、内部で検討している状況でございまして、これがあるから南風原町ができない云々の問題ではないと。南風原町は南風原町として独自で判断すると思います。

○西銘純恵委員 今は償還払いということで半額は県が見ていますと。ですが、窓口無料にしたときに、みんな南風原町で持つことになるので、従来より倍、負担が重くなると。それを県に対してきちんと要綱を見直してほしいという内容ですよね。ですからほかのところの違いというのは、それ以上超えて助成をしてほしいということではなく、窓口払いだけのものは、ほかの市町村もやれば同じ利益を得ると思います。その立場で考えるべきだと思いますが、いかがですか。

○砂川靖保健医療部長 基準を上回っている部分については補助対象としていないということがあります。南風原町が現物給付に移行したので、これを全部見ませんとは我々は一言も言っておりません。ただ、医療費が増嵩する部分について何らかの調整をする必要があるだろうということを言っているわけです。

○西銘純恵委員 窓口無料にしたら、医療費が増嵩すると。その分については別ですと。そうしましたら今の要綱の償還払いというのを変更するということは、別にやぶさかではないということでよろしいのですか。

○砂川靖保健医療部長 第3条で現物給付に限るという文言があるわけですが、それが要綱上必要かどうかも含めて、今、検討しているということです。ただ、2分の1助成をしていますが、現物給付に切りかわった場合、それがそのまま2分の1適用されることはないだろうと。何らかの減額調整が必要になってくるだろうと考えているということです。

○西銘純恵委員 要綱改定については、現物給付ができるようにということで検討されているということで受けとめておきます。

 次は、病院事業局にお尋ねします。

 病院の先生方、院長先生が意見をたくさん言われて、相当努力されているということを感じます。病院事業局長にお尋ねしますが、県立病院の役割とは何でしょうか。

○伊江朝次病院事業局長 沖縄県の県立病院は、沖縄県の基幹病院として位置づけられておりますし、またそれぞれの2次医療圏の県立病院は地域の中核病院として、救急医療、小児・周産期医療、離島・僻地医療等の不採算部分の政策医療、それから地域に必要な一般医療の提供や人材の養成といったことで地域医療の確保に重要な役割を担っていると思っております。

○西銘純恵委員 監査意見書ではこのように言っております。「救命救急医療、周産期医療、高度・特殊医療、離島・へき地医療など、県民の生命及び健康を守り、生活の安心を支える重要な役割を担っている。」と。やはりそこだと思います。そこを握って離さないということが県立病院ではないかと思いますが、院内保育所の設置と一般会計からの繰り入れについてお尋ねいたします。

○真栄城守県立病院課経営企画監 院内保育所につきましては総務省の繰出基準の中に一応ございまして、繰り入れが可能な項目となっております。沖縄県の病院事業の場合につきましては、中部病院で平成26年4月1日から、それから南部医療センター・子ども医療センターにおきましては、平成26年3月25日から院内保育所を開設しておりまして、平成26年度から実績が上がっている状況でございます。平成27年度の決算につきましては、保育所の運営実績が平成26年度、平成27年度までということで算定されていないところでございますけれども、平成28年の当初予算におきましては、院内保育所の運営に要する経費として中部病院へ1532万8000円、南部医療センター・こども医療センターへ1703万円繰り入れを行うこととしています。

○西銘純恵委員 平成27年度、実際に実施をしたということであれば、やはり繰り入れを当然やってしかるべきだと思います。おくれているわけですよね。それは会計上―今度、決算ですが、何らかの手当てというのはなされないのですか。

○真栄城守県立病院課経営企画監 現在、沖縄県の病院事業に対する繰り入れにつきましては、政策医療といいますか、対象医療の収支差の状況を踏まえて繰入額を算定している状況でございます。その関係で、直近の確定した数値が2年前の決算の数値という状況になります。平成27年度につきましては、平成25年度で実績があるものについては算定ができますが、院内保育につきましては平成26年度からの実績ということで、平成27年度には算定ができなかったということでございます。

○西銘純恵委員 今のは硬直している考え方だと思います。平成26年度は実際に経費も収入もあるわけですので数字は出ていたはずなのです。2年前にというところを打破しないと、やはり繰り入れについては当たり前の繰り入れができていないと、きちんと繰り入れについて一般会計からさせるものはさせるものだという立場に立っていなかったのではないかということを指摘したいと思います。

 離島増嵩費について、宮古病院と八重山病院の院長先生にお尋ねしたいのですが、離島増嵩費で入っている額と実際に増嵩している額を皆さんはどう認識されていますか。

○上原哲夫宮古病院長 最初の出だしは恐らく2億円という数字から始まったと思いますが、いろいろ重なっているのではないかというような精査が起こりまして、一応現在は1億3600万円ほどを離島増嵩費でいただいております。これがどれくらいの計算をするかということは細かい計算がありまして、細かい数字はわかりませんが、現在の数値はこういうことになっています。

○依光たみ枝八重山病院長 繰入金の7億8000万円の中に、離島増嵩費は1億3700万円入っております。そういうことで八重山病院としては非常に助かっております。

○西銘純恵委員 離島増嵩費については、妥当だということでよろしいでしょうか。

○上原哲夫宮古病院長 一応、最初のころ、2億円をもらう前に、前院長あたりのときにはいろいろ計算をしてもっとあるのではないかという話はありました。恐らく、この計算といいますか、ダブっているのではないかという計算をされて今の状況になっていると思いますが、また移送費などの非常に細かい数字も含めてくるとなりますと、もっと膨らむ可能性はあると思いますが、どの辺までが認めてもらえるかということはこれからの検討課題だと思います。

○依光たみ枝八重山病院長 少し事務との意見の相違といいますか、やはり事務方としては繰り入れの中にいろいろ計算式が―この間、実は病院事業局から計算式について講義していただきました。そのときには人件費の補充とか、移送費のコストの高いものなど、結構いろいろ難しい計算式があるということはわかりましたけれども、その中で、今、宮古病院長が言ったように、果たしてそれが全てカバーしているかどうかに関しては、どうかなとは思っていますが、それを含んだ繰入金がきちんと入っていれば、それで今年度、八重山病院は黒字を出せたということがあると思っておりますが、離島増嵩費が妥当かどうかについて私個人としてはお答えできません。

○西銘純恵委員 やはり、もっとかかっているけれども認められるかというところが鍵なのかと思いますので、しっかりと離島増嵩費というのをそれなりに充ててもらいたいと思います。

 そして繰入金ですが、収益的収支分に入れる3条繰り入れについて、再建前の期間とその後どうなっていますか。

○真栄城守県立病院課経営企画監 病院事業に対する繰入金の主に3条分、収益的収支に対する繰入金の額でございますが、当初予算額で平成18年度から平成20年度まで―これは病院事業が全摘になりましたので経営再建に入る前までの期間ですけれども、この間の平均の額は約48億円となっています。それに対しまして、再建が終わった後の平成24年度から平成27年度までの平均額は約43億円となっております。

○西銘純恵委員 やはり5億円平均は減っているという部分で、もう一つお尋ねしたいのですが、救急医療に対する繰り入れについて第17条で見れば収支差ではないですよね。そこもどうなっているのか。

○真栄城守県立病院課経営企画監 御質疑の救急医療に対する繰り入れの算定につきましては、地方公営企業法第17条の規定がございますが、この中で総務省の繰出基準では救急医療の確保に要する経費という定義になっております。これについて少し内容的なことを申し上げますと、医療行為に対する診療報酬の収益を伴わない医師等の待機や空床確保経費等を繰り入れの対象としているような解釈として理解しております。それに対しまして、沖縄県の救急医療の繰出金の算定は、この収益を伴わない確保の費用ということの概念ではなく、ほかの政策医療と同じように、基本的には救急医療で実際に上がった収益とかかった費用の収支差をベースにして算定しているところでございまして、私どもとしては総務省のいうところの待機とか空床確保よりももう少し範囲を広げた形、一応収支差で繰入金を算定しているという考え方でいるところでございます。

○西銘純恵委員 先ほどの金額平均を同じようにお願いします。救急医療の再建前の平均と再建後のという話をしましたが……。推移でもよろしいです。

○真栄城守県立病院課経営企画監 平均を算定しておりませんので、推移で申し上げます。平成18年度から申し上げますが、平成18年度が7億5447万7000円。平成19年度が10億455万1000円。平成20年度が11億6696万円。平成21年度が11億7593万9000円。平成22年度が12億3490万8000円。平成23年度が11億9038万2000円。平成24年度が12億1105万2000円。平成25年度が8億2556万7000円。平成26年度が7億655万7000円。平成27年度が7億4445万円となっております。

○西銘純恵委員 今のように収支差ではない救急医療はそのまま充てなさいという一般会計からの政策医療、利益を生まない病院に対する繰り入れなのです。それが過去は10億円前後だったけれども、今は7億円、8億円なのです。ここもやはりもとに戻してきちんと繰り入れにするということ、先ほどの平均も5億円違いましたので、ぜひ次からきれいにきちんと積算していただきたいと思います。

 審査意見書16ページで、1ベッドの1床当たりの繰り入れが全国と比べてどうなっているのか、お願いします。

○真栄城守県立病院課経営企画監 繰入金の3条、4条を合わせた総額で申し上げますと、沖縄県の平成27年度決算における1床当たりの繰入額は291万3000円となっております。全国平均につきましては、直近のデータが平成26年となっておりますが、それと比較しますと、沖縄県は1床当たりの繰入額で全国よりも296万5000円少ない状況となっております。

○西銘純恵委員 他会計繰入金対医業収益比率でも全国比較はどうですか。

○真栄城守県立病院課経営企画監 医業収益に対する収益的収入に係る他会計繰入金の比率でございますが、沖縄県は10.5%となっておりまして、全国平均が32.1%。これは平成26年度でございますけれども、それを下回っている状況でございます。

○西銘純恵委員 沖縄は6つの県立病院を持ちながら、全国と比べてもこのように一般会計からの繰り入れというのが少なくて、現場では相当苦労しているという部分あるかと思っています。ですから、お医者さんや職員の皆さんが医療に安心して専念できるような、県民の医療を守るという立場でやはり繰り入れについても全国並みに持っていくという立場でやるべきだと思います。

 最後に未収金についてですが、なぜ未収金が出るのですか。金額は幾らでしょうか。

○真栄城守県立病院課経営企画監 特に個人負担分に係る医業未収金という趣旨かと思いますけれども、いわゆる病院を受診する、あるいは入院いたしまして、それに対する個人負担分としての診療費を支払うことが困難な状況にある方―全てが経済的困窮者というわけではありませんが、やはり経済的事情によって支払えない方が一定割合おられます。例えば保険証を持参し忘れたとか、手持ちの現金がなかったという方もございますが、今後、未収金として固定化をしていくおそれがあって、なおかつ回収の取り組みをしていかなければいけない未収金というのは、経済的に困窮している方、その方々が一定割合おられまして、病院事業局としては未収金が発生するという認識を持っております。金額のほうですが、平成27年度の決算では、平成27年度の現年度で発生しました未収金が3億5900万円となっております。これに過年度分の累積を合わせました合計としましては、19億3000万円の個人未収金となっております。

○西銘純恵委員 やはり福祉につなぐというところも大きい問題だと思いますが、ソーシャルワーカーはどのような配置になっていますか、実績をお尋ねします。

○真栄城守県立病院課経営企画監 平成28年9月1日現在の配置状況でございますけれども、医療相談員としてのソーシャルワーカーは、全体では38名を配置しておりまして、そのうち社会福祉士という国家資格を持っていらっしゃる方が12名、それから精神保健福祉士という資格を持っていらっしゃる方が10名おります。

○西銘純恵委員 やはり、この皆さんが福祉につなぐことを早くやるということが大事だと思います。

 それと減額免除が県立病院であると思いますが、現状はどうですか。

○真栄城守県立病院課経営企画監 沖縄県病院事業の設置等に関する条例の中で使用料の減免につきまして条文を読み上げますと、局長は災害その他やむを得ない理由により使用料等―これは診療費でございますけれども、それを納付することが困難と認められる者に対して、その全部または一部を免除することができるという規定がございます。規定はございますけれども、現状、この規定に基づいて減免措置をしたという実績はない状況でございます。

○西銘純恵委員 過去に実績がないということですが、国民健康保険でも、保険でも、無保険者、無資格者という皆さんは減免できると思ったのですが、いなかったのですか。

○真栄城守県立病院課経営企画監 これは、運用する際の制度の詳細部分の詰めがまだ十分されていないという部分になろうかと思います。これにつきましては今の条例の施行規程の使用料等の減免手続の中では、「条例13条の規定により、使用料等の減免を受けようとする者は、使用料等減額免除申請書を居住地を管轄する市町村長及び福祉保健所長の証明または意見を添えて病院長に提出し、その承認を受けなければならない。」という手続が定められております。つまり、病院だけの判断で、今できる事業ではなく、市町村や福祉の機関と具体的な制度の運用についてのきちんとした整合をとった上での運用が必要となっております。この辺についての取り組みがまだ不十分だと認識しております。

○西銘純恵委員 ソーシャルワーカーも配置されていますので、今、必要な部分について実効性のあるものにぜひ早急にこれが取り組めるようにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○伊江朝次病院事業局長 先ほど申し上げましたように、条例に使用料の減免という形で載っていますし、その条文だけではなかなか中身がうかがい知れないのですが、それを規則等がそういった生活困窮者といいますか、医療費が払えない人たちを救う一つの手だてだとありますので、ぜひこの辺についても関係機関といろいろ協議をして、できるだけ実施できるようにしっかり検討していきたいと思います。

○狩俣信子委員長 金城泰邦委員。

○金城泰邦委員 まず初めに、主要施策の成果に関する報告書の中の保健医療部所管の部分なのですが、97ページには救急医療体制の充実ということが載っておりまして、その中の事業の中に365日、19時から23時まで小児保護者等からの小児患者の症状相談を実施したということであります。これ♯8000の事業だと思いますが、8177件とあります。結構好評になっていると思っていまして、ニーズも高まっているのではないか思いますが、この状況について御説明をお願いいたします。

○大城博保健医療政策課長 小児救急電話相談事業ですけれども、県の外部に相談室を設置しまして複数の相談員の方が交代で毎日相談に対応していただいている状況でございます。この間の相談実績ですけれども、平成25年度が8218件、平成26年度が7795件、平成27年度が8177件ということで8000件前後でこの間推移している状況でございます。

○金城泰邦委員 七、八千件やっている。19時から23時の間ということで、最近はそういったニーズも高まっているせいか、電話をしてもつながらないケースも多々出てきているのかと思っておりますが、その辺の状況は把握していますでしょうか。

○大城博保健医療政策課長 先ほども申し上げましたけれども、毎日相談員1人に相談に対応していただいておりまして、電話の対応が長くなるようなときにはつながりにくくなるということもあろうかと思います。毎日平均しますと4時間で22件前後の相談がありますので、つながりにくいという状況もあろうかと考えております。

○金城泰邦委員 先ほどの御説明で複数ということがあったのですが、何名の方でこの対応をされているのでしょうか。

○大城博保健医療政策課長 現在の相談員ですが16人となっております。

○金城泰邦委員 365日、19時から23時までの間、16人の方で今対応されているということでよろしいのですね。ありがとうございます。それで、多くの方で対応しているのだなというのが改めて認識できました。ちなみに、この小児救急医療は全国でもこういった事業がとれているかと思います。ほかの都道府県においては23時以降の深夜の相談の受付をやっているところもあると聞いておりますが、その辺はいかがでしょうか。

○大城博保健医療政策課長 翌朝までの対応を行っている県ということで確認をしましたところ33道府県となっております。沖縄県と同じように深夜の時間、ある一定の時間まで対応している県が14都県となっております。

○金城泰邦委員 33県並びに14都県、そういった都道府県が深夜の相談も行っているということで、やはりニーズはあるのではないのかと思っているところです。沖縄県においても、そのように深夜の電話相談というものの対応が検討できないかと思っているのですが、その点についてはいかがでしょうか。

○大城博保健医療政策課長 この♯8000の相談対応ですが専門的な知識が求められますし、また非常に責任も重い。また夜間の対応になるということで、なかなか相談員の確保が困難な状況でございまして、現在のところ増員は難しい状況です。今後とも同事業の安定的な運営に努めていきたいと県としては考えております。

○金城泰邦委員 この♯8000の深夜の対応がもし可能になればぜひお願いしたいところでございます。ちなみにこの小児救急医療に関しては県立病院においては、全ての病院で現在対応されているのでしょうか。

○與那覇博康県立病院課医療企画監 小児救急に関してそれぞれの病院で対応をされているかということですが、一応小児救急に関しては全ての病院で対応はしています。ただ夜間に関して八重山病院のように手薄なところというのは、内科がカバーしたりすることもありますけれども、基本的に小児科医の対応は全部しております。

○金城泰邦委員 全ての病院で対応しているということで、夜間についてもそうなのでしょうか。

○與那覇博康県立病院課医療企画監 夜間に関しても一応24時間対応はしております。

○金城泰邦委員 全ての県立病院で、夜間についても小児救急医療対応されているということで成果報告書にはそういった救急医療従事者の負担軽減を図っているという、この救急医療体制の事業があると載っていますからそういった医師の確保も大変という状況の中ではありますので、こういった電話相談等で対応できるものがあればやっていけばまた負担軽減にもつながるのではないかと思っておりますので、ぜひ改めて御検討していただきたいと思います。

 また、離島・へき地ドクターバンク等支援事業でございますが、先ほどまでも質疑等がありまして私としてはこの要請の対応は全てできているのか、マッチングできているのかどうかということがちょっと疑問にあったのですが、診療所でも先ほど答弁では閉じたところもあったのかと思っているのですが、その状況について御説明いただけますでしょうか。

○諸見里真保健医療政策課医師確保対策監 平成27年度の実績なのですけれども、3町村から相談がございました。伊江村、国頭村、竹富町です。その中で伊江村のみマッチングが成立できておりません。2町村はマッチングが成立しております。

○金城泰邦委員 やはり今後はそういった離島・僻地医療についてはマッチングをしなければいけないのだろうと思っていますが、先ほどの答弁等も聞きまして、画期的な基金の積み立てとかもされているという御報告がありました。そのように資金面で取り組みをしたけれども、なかなか僻地医療の人的確保が難しいというのはどこに問題があるのでしょうか。

○阿部義則保健医療部参事 医師不足というのは全国的な状況でございまして、沖縄県に限ったことではございません。その中でさまざまな施策を通して医師確保に努めておりますけども、その中の一つでドクターバンクというのを実施しております。このドクターバンクも全国から沖縄の地域医療に興味のある方たち、この方たちが今現在で155名ほど登録されております。この成果報告書には140名となっていますが、今現在では155名まで伸びております。ただ、これは今現在は無職ではなくて、お医者さんですから皆さんどちらかで診療されているお医者さんでございます。条件が合えばということで御登録いただいておりますので、市町村から御相談があった際には直接お話―我々ではなくて委託しているところがございまして、そこの専任医師がきちんとそこで条件面等調整をして、できるだけマッチングできるように努めているということです。やはり、なかなかそれでも難しい、そういう状況でございます。

○金城泰邦委員 それでも難しいのは何かということを聞いたつもりであります。

○砂川靖保健医療部長 これは定量的に理由が出ているわけではございませんが、一つには離島・僻地の診療所に赴任した場合に事後のキャリアアップというかスキル、育成等で、不利に働くということがあるのかと、これが大きな要因かと思っております。

○金城泰邦委員 ちなみに、そのように登録していただいたドクターの先生が僻地に行きまして、何年か対応していただく。またもとに戻るポジションというかそういったものの保証もあるのでしょうか。

○諸見里真保健医療政策課医師確保対策監 一般的には紹介された医師につきましては、そもそも勤務をしている状況で登録しているとそれで紹介があってそこに赴任する。それが1年、場合によって複数年になるケースもありますが、一旦その期間が切れた場合には基本的にはもといた医療機関に戻ったりするわけです。ただ再度その医師が、再び離島勤務を希望したい場合は新たな離島市町村からの紹介があればそこにまたあっせんしていくという形になります。

○金城泰邦委員 もともと例えば大きな病院にいたとか、そういった先生が離島に行って何年か頑張っていただくと、でも長い間ずっといるわけじゃないので終身雇用ということではないのかと思うのですが、しっかりとまたもとのところに戻ろうと思えば戻れる仕組みになっているという理解でよろしいのですね。

○砂川靖保健医療部長 制度的にそういう仕組みになっているというわけではなくて、派遣をどういう形で送り込むか。そういった個別具体的な事例によって異なってくると思います。例えば、県外の大きい病院、大学病院等が臨時的に送ると、一時的に送るということであれば、戻ったときにもとのポジションにつく可能性もあるでしょうと、ただそういう形態ではなくて、行きっ放しという例も中にはあるかと思います。個別具体的にこれは違うと御理解いただきたいと思います。

○金城泰邦委員 私の理解が浅いせいかよくまだわからないのですが、しっかりと医師がポジションを確保することは、本当に大事なのだと思っています。ドクターバンク事業が医者にとって、使いやすいような形で運用されていくことが望まれていると思います。

 最後に1つだけ、難病の支援についてでございますが決算等でも小児特定疾患に当たるのか、特定疾患対策費に当たるのか不用額等も出ている状況でありますが、例えば未成年の難病の患者の方が20歳になると医療費の助成がとまってしまうようなこともあると聞いております。そういった難病の患者の方というのは20歳以降、医療費の補助というのはとまってしまうのでしょうか。制度的にどうしようもないのでしょうか。

○糸数公保健衛生統括監 小児の時代は小児慢性特定疾病という、いわゆる小慢という制度で医療費の助成が行われております。この制度の申請は18歳まで、必要と認められたら20歳まで延長が可能となっておりますが、その後も今度は大人になると難病医療費助成制度ということになって、疾患によって同じ病気があるのであれば、難病の際にまた改めて申請をしていただければ、引き続き医療費の助成が受けられるということになりますが、ただそれが全てが小慢から難病にいくというわけではなくて、疾患によっては子供のときだけだったり、あるいは違う病名で成人になってまた医療費の助成を受けるというようなさまざまな形がございます。

○金城泰邦委員 難病というだけあって、簡単に自然治癒できるものではないと思っていますが、そういった子供のときに難病だった方が、18歳もしくは20歳になっていきなり治るということはまずあり得ないと思っていまして、自然に考えると同じように難病という病気を抱えながら、生きていくのだろうなと思います。そういった方は基本的には同じ症状がある場合であれば、医療的な支援というのは受けられるという考え方でよろしいのでしょうか。

○糸数公保健衛生統括監 先ほど申し上げました、小児慢性特定疾病の対象となる疾患が704あります。

一方、指定難病と言われているのは現在306。これはふえたりしますが全く同じ数ではないので、おおむねおっしゃるように同じような症状が基準を満たせば成人になっても医療費を受けられるケースが多いとは思うのですけれども、必ずしもそうとは限らないという例があるということも御理解はいただきたいと思います。

○金城泰邦委員 小児の慢性の難病の指定されている数が、大人になって指定される数よりも多いためにそういったことが起こってくるということですね。その小児のころに患った慢性疾患がすぐに大人になって治るということはないだろうと思っておりますので、そこはまた沖縄県としてもそういった方々の支援という部分はしっかりとやっていただきたいと思いますが、いかがですか。

○糸数公保健衛生統括監 国でこの難病の研究事業と、それから小児科の研究をしている学会から引き続き大人になっても診てほしいというような検討事項として上がっておりますので、これが通ればそのときに患った疾患で成人になっても引き続き受けられるようになるという方向にいっているとは思っております。

○狩俣信子委員長 休憩いたします。

   午後3時24分休憩

   午後3時42分再開

○狩俣信子委員長 再開いたします。

 末松文信委員。

○末松文信委員 まず初めにこれまでも何名の方から質疑がありましたけれども、私は北部地域における医療機関の整備拡充という立場から質疑をしたいと思います。まず医師、看護師の手当てについては大体できているということを伺いましたけれども、その北部病院においての婦人科、それから小児科等についてこれまで何度か休止したことがありますが、今現在手当てはされておりますけれども、これまで難しいと言われていたリスクの高い出産であったりこういったことについては現在はどのようになっているのか伺いたいと思います。

○與那覇博康県立病院課医療企画監 これまでの経緯を含めてお話します。北部病院は平成21年5月1日から救急対応を制限していて、平成25年の4月中旬から医師が正職員1名、派遣医師1名の2名体制になり、その後から救急患者受け入れを再開しています。平成27年から正職員1名、臨任1名の2名体制から10月1日には正職員4名体制になりました。

 ただ、先ほども話の中にあったように平成28年4月1日から1名が異動して、今、正職員3名体制で若干1名減った形になっておりまして、お産等はもちろん通常のものも含めてリスクのある分娩患者も引き受けてはおりますけれども、やはり3名体制で限界があるということでかなり高度な医療を要するようなものに関しては中部病院等に搬送している状況です。

○末松文信委員 依然としてそういう状況が続いているということについては、北部地域の皆さんは常々これに対して不安を感じているところであります。

 そういう中にあって本会議でもありましたけれども、やむを得ず中南部地域の病院に行かなければならないという方々が数多くおられます。そういった方々に対しての経済的負担をどう軽減するかということについても課題になっていると思いますが、そのことについて伺います。

○大城博保健医療政策課長 県におきましては現在、離島の患者に関する経済的な負担についての新しい施策を検討しているところでございます。

○末松文信委員 離島はもちろんそうだと思うのですけれども名護市、ヤンバルから中南部地域に通うとなると交通費もかかるでしょう。例えば向こうの近隣で今アパートを借りて対応しなければならない状況もあるそうです。そういったことでは非常に経済的負担が大きいことだと思っておりますので、離島を含めてその北部地域で賄われない医療ですから、これは県の責任において対応する必要があるのではないかと思いますけれどもいかがですか。

○狩俣信子委員長 休憩いたします。

(休憩中に、執行部から離島患者支援事業はまだ行っておらず、平成29年度から実施できるか検討中との説明があった。)

○狩俣信子委員長 再開いたします。

 末松文信委員。

○末松文信委員 それでこういった患者の経済的負担については県においても検討中だということでありますので、これぜひ実行できるように努力していただきたいと思っております。

 それで次に、常々お尋ねして恐縮ですがこの沖縄県内のいわゆる保健医療計画、この構想をつくっておられるという答弁をさきにいただきましたけれども、この今の進捗状況をお伺いいたします。

○砂川靖保健医療部長 保健医療計画ではなくて地域医療構想の話ですよね。保健医療計画は次年度の事業なのです。現在、地域医療構想に関しては事務方で素案を策定している段階でございます。これを策定次第できるだけ早く年内には各圏域の関係者、それから医師会等を初めとして意見を聴取していきたいと考えております。

○末松文信委員 今のことで少し教えていただきたいのですけれども、地域医療構想を策定した後に保健医療計画を策定する段取りになるのですか。

○砂川靖保健医療部長 段取りというか同じ医療法の中でつくるものですけれども、地域医療構想というのは2025年の医療提供体制はどうあるべきかという観点から策定するものです。地域医療計画は現実に病床等規制する場合の基準病床というものを書いていきますのでより具体的、即効的な計画を書くことになります。

○末松文信委員 私はこれまでお尋ねしたときには、イメージとしては北部基幹病院をぜひつくってほしいと、こういう趣旨で質問も質疑もさせていただきました。それからすると、この基幹病院の位置づけというのはどの計画構想に入ってくるのですか。

○砂川靖保健医療部長 去年、地区ごとに協議会等を開催したわけですけれども、その中で北部圏域での基幹病院の話を書くべきではないかという意見が出されたということで、これは地域医療構想の世界の中で整理しております。

○末松文信委員 私は皆さんの顔を見るとヤンバルの森の中に基幹病院がどっしり構えているというような風景が見えてくるわけですけれども、ぜひよろしくお願いしたいと思っております。

 それから、私は前から少し気になっていることがあってお尋ねしますけれども、北部地域の12市町村は行政区域としては教育関係、スポーツ関係、産業、その他全部12市町村一つとなっているわけです。北部広域市町村圏というくくりでやっています。しかしながら、この保健医療圏というのは恩納村、金武町、宜野座村の3町村は外れているのです。外れている経緯についてお尋ねしたいと思います。

○大城博保健医療政策課長 経緯ですけれども、沖縄県の2次保健医療圏とその区域につきましては平成元年に策定した保健医療計画において定めております。同計画において2次保健医療圏は住民の受療行動で、入院の受療をどこで受けているかといった受療行動を中心とする社会的な条件、それから自然的な条件などを勘案して設定したところでございます。計画策定当時、恩納村、金武町、宜野座村を含む住民は83.3%が中部地域の医療施設に入院していたということなどから恩納村、金武町、宜野座村は中部医療圏に設定されております。

○末松文信委員 私の感覚ではどうも今の話は違うのではないかと思っておりますけれども、これは古くは金武間切から発生した話があると思います。それで復帰前も復帰後もそうかもしれませんけれども、石川保健所管轄がそういう管轄になっているわけですね。それは平成元年の話ではないわけですよね。石川保健所管轄でくくられていた時代は北部保健所と、石川保健所、それからすると平成元年度に調査した結果がこうだったということでありますけれども、しかし今、行政区域は総体としては12市町村になっているけれども、ただ医療関係だけがこういう形になっていて非常にいびつというか、変則的になっているのです。そこは、ふぐあいは全くないですか。

○大城博保健医療政策課長 2次医療圏というエリアは、一般的な入院医療を確保するための区域を設定するために設定しておりまして、この入院受療の状況を中心にこの町村の構成を検討することが適当であると考えております。委員御指摘のとおり各種の圏域との関係で、広域市町村圏の構成市町村とは食い違いが生じている現状になりますけれども、保健所のある所管区域ですとか、あるいは介護と医療の連携が今後重要になってくると思いますけれども、高齢者の福祉の圏域とは整合が図られている状況でございます。このような社会的な条件を総合的に勘案して3町村を中部医療圏に含めているということでございます。

○末松文信委員 このことについて北部市町村の首長あたりから何か意見を伺われたことはありませんか。

○阿部義則保健医療部参事 北部地域の基幹病院の構想のときの研究会がございまして、そのときの委員に北部市町村会の代表で当時儀武元金武町長が参加されておられまして、その折に実際の我々行政区域とこの医療圏が違うと、実は自分のところの町が行政区域に入っていなくて、一応委員だから言うけどというような趣旨の御発言がございましてできれば一緒になったほうがいいと、確かにそういう御発言もございました。

○末松文信委員 実は、そういうことが起きているわけです。例えば今さっきの金武町の話をしますと、12市町村の代表として陳情要請に行くけれどもみずからはそれに該当しない。そういったことで直接要請するのもどうかということがあったり、またほかのところでもヤンバルは一つということで12市町村一緒にやろうと言うのだけれども、ただ今の医療保健の圏域からすると自分たちは余り関係ないというような認識もあるように聞いております。そういったことから、さっき伺いましたところのふぐあいはないのかと、県全体の運営上この形がそのまま継続していいのかどうかということについて、改めて部長どうですか。

○砂川靖保健医療部長 これは今後、例えば患者の受療構造が変わるというようなことがあれば、受療構造に合わせて医療圏の設定を見直す必要が出てくるとは思いますけれども、現在、この3町村の患者の8割近くが中部地域に通っているというような現状を考えた場合に医療圏はそのままにしておくほうが妥当ではないかと考えております。

○末松文信委員 部長の今の説明もこれは基準上そうなっているかもしれませんけれども、そういう状況をつくったのは北部に基幹病院がないからです。

あれば皆そこに行くのです。流出もしないのです。ですから、私は以前からぜひそういった高度医療ができる基幹病院を整備してほしいと、こう申し上げているわけです。それは要望して終わります。

○狩俣信子委員長 照屋守之委員。

○照屋守之委員 まず保健医療部です。平成27年度の決算においての保健医療部長としての総括。これは評価と課題をお願いできますか。

○砂川靖保健医療部長 結論から申してこの予算、決算については優・良・可・不可のうちの良は与えられるのではないかと考えております。まずどうしてそういう評価をするかといいますと、執行率が94%で、ある程度その医療・保健衛生分野における県民の福祉の向上は図られたものと理解しております。ただ歳入予算で申し上げますと、先ほど申し上げたように未収金が1000万円近く発生しています。未収金に関しては、昨年、総務部で新しい債権管理の方針というものが出されまして従前その債権の回収だけに主眼を置くのではなく、明らかに回収が不能と認められる債権については放棄という手続を講じて債権を消滅させるという考え方も必要ではないかということが示されております。こういった観点に立ったときに琉球政府時代の債権を消滅させずにそのまま管理しているのはいかがなものかということで、その点は反省すべきだろうと考えております。それから、これまでほとんど経験したことのなかった繰り越しを保健医療部は行ったわけですけれども、これは年金関係のデータ流出というものと、それから土地の計上の問題で真にやむを得ないものだということで繰り越しが発生しているわけですけれども、これは今年度片がつく問題だと思っています。ただ問題は不用額です。不用額に関していえば、保健医療部全体で14億7300万円になります。そのうち、予算執行の保留額というものが4100万円近くあります。工事の入札残が、これはもう使い道がありませんのでこれが6300万円あります。職員費の不用額も2200万円程度ありまして、これらを除いた実績の不用額は13億4500万円程度あります。このうち難病患者や精神疾患を有するものに対する医療費のような扶助費ですが、これに係る不用額は8億5000万円ございます。率にすると大体63%ぐらいになります。この扶助費につきましては性質上、給付額に不足が生じないように当初予算において一定の所要額を確保する必要があります。それから、年度末までに所要額を確定することが難しいものですから、補正による減額措置も講じにくいことから、扶助費等においては一定の不用額が生じることはやむを得ない面もあるかと考えております。ただ問題は扶助費以外の補助事業等においても4億8000万円近くの不用を発生させてしまったということでございまして、これらはその事業を実施するための熟度に問題があったのかと考えており、大いに反省しなければならないと考えております。今後は予算執行に対する十分な調整や、事業スキームの見直しを行うなど不用額を極力減少させるように努めていきたいと考えております。課題はこの不用額ですので今年度、次年度以降はこの不用額を極力発生させないように努力していく必要があるだろうと考えております。

○照屋守之委員 次に一括交付金です。

 この一括交付金と今の保健医療部との事業の関連を少し教えてもらえますか。特に平成27年度における一括交付金による保健医療部の事業と成果です。

○砂川靖保健医療部長 一括交付金ですが平成27年度において沖縄振興特別推進交付金、これを15事業実施しまして、予算現額で11億9000万円近くございます。これはどういった事業だったかと申しますと代診医の派遣、県立病院の医師派遣事業、医学臨床研修事業、先ほども御質疑がありましたけれども、これらによって、一定程度の医師確保に貢献したことができたものと考えております。それからこれも質疑が出ましたけれども健康行動実践モデル実証事業、あるいは長寿復活健康づくり事業、こういった事業をすることによって、一定程度今後の長寿復活のために県民に対していかにどのような行動をとっていくかという道筋が見えてきたと考えております。そういった意味で、この交付金事業については成果があったと考えております。ここの繰越額が1億1000万円、これは沖縄県衛生環境研究所のハブ研究棟の整備事業になりますが、発生させてしまったと。それから不用額も5200万円近く発生させてしまったということで、この点は反省すべきだろうと考えております。一方でハード交付金は民間病院等の施設等の事業で13億円近く予算を計上しまして、これは100%執行したという状況でございまして、ハード交付金は順調にいっていると考えております。

○照屋守之委員 この一括交付金は沖縄だけ特別にそういう仕組みがあって、私ども仲井眞県政の一括交付金がスタートした時点からしっかりしてくれよということで、繰り越し、不用額も含めて相当しっかり注意をしていかないとこれは国も財政が厳しい中で沖縄だけ特別にこういう仕組みをつくっているわけだから大変なことだということで注意を申し上げましたけれども、残念ながら今、国の平成29年度予算の執行についてもそういうことが指摘されております。だから当初から指摘されているのだけれども、実態がそうなってきた。ここは反省どころではなくて非常に県の執行部、部長も含めて執行体制には万全を期してやっていかないといけません。平成33年度まで3000億円は続きますから。

 今、繰り越しの1億1000万円と不用額で5200万円ということでしたが、なぜ、こういうことが起こるのですか。これは課題として次に当然クリアすべきですけれども、では、今どういう形で発生した要因を抑えて、これはどのようにしようとしているのかをお願いできませんか。

○砂川靖保健医療部長 例えば研修医、医師の派遣等の事業に要したものについては当初計画していたより医師の派遣ができなかったという問題がございます。それから一部の事業では計画していた土地調査が委託ではなくて、役場の職員で対応が可能になったということもございます。計画を立てて、執行に入った段階で、計画のときには想定していなかったことも起こって不用が発生するものですから、この解決策としては当初予算を計上するときの一括交付金の充当率を80%と低く抑えると。そうすることによって決算段階で充当率を変えていくことによって、不用の発生を極力抑えることができるのではないかと考えています。

○照屋守之委員 せんだっても沖縄担当大臣と意見交換をさせていただきました。私どもも沖縄振興に係るこの一括交付金については、非常に重要だとの位置づけで何とかしてほしいという意見交換をするわけでありますけれども、やはり繰り越しとか、不用が積み上がっていくと、県の内部の、議会の議論はそれはそれでいいわけですけれども、事実としてはっきりそういう形で国に示されるとその分の予算要求が一括交付金の満額というか、増額分も含めた形で非常にややこしくなるわけです。ですから、いいろいろな事情があるにしてもお互いは理解し合ってそれはそれでいいわけです。しかし、国はそうはいきませんし財務省もそうはいきません。事実としてそういう事実があるということになってくれば、我々が幾らぜひ一括交付金を引き続き予算づけをお願いしても、なかなか厳しいだろうと思っていますから、ぜひ執行体制については、いろいろな課題はあると思いますけれども、この一括交付金についてはしっかり活用してもらいたいという思いです。

 次にこの高率補助です。今、沖縄県で高率補助が行われています。この保健医療部との関係について説明していただけませんか。

○砂川靖保健医療部長 保健医療部関係の高率補助でございますが、離島の簡易水道を整備する際に3分の2という高率補助がございます。ちなみにこれは他府県では4分の1程度になってるだろうと理解しています。それから上水に関しては沖縄県の場合は2分の1で、これについてはほかの県ではほとんどないのではないかと理解しています。

○照屋守之委員 この事業もいわゆる一括交付金、ハードも含めて80%を一括交付金で見る。県が10%、市町村が10%という仕組みもあって非常に一括交付金制度も充実をしている。通常の高率補助の問題についても、防衛省の防音工事等から先ほど部長からありましたように、ほかのところでは4分の1、ここは3分の2、沖縄は2分の1で、ほかはないということがあって、やはり今こういう時期ですから、沖縄は基地のおかげであるいはいろいろな予算をもらってということで、県知事を初め、いやそうではない交付金はもらっていないという形で数字を示しながら説明するわけでありますけれども、やはり歴然としてそういう高率補助の仕組みや一括交付金の仕組みがあって、そこは他府県からするといやいや総額の問題ではないと、こういう高率補助の仕組みも含めてそういった振興面で沖縄は特典を受けているのではないかということが指摘をされるわけです。何が言いたいかというと、そういったところで我々が今、行政が一生懸命頑張って動いているという認識のもとにしっかりとそういった補助がある分については、周りの期待に応えられるように仕事をなし遂げていくことが必要だろうと思っています。それと同時に知事は今、基地の問題では反対をする。一方では沖縄のMICE、新たなサッカースタジアム、いろいろな事業については予算獲得を頑張っていくというこの2面があって、ぜひ私が部長や病院事業局長も含めて職員にお願いをしたいのは、やはりああいう形で知事が両局面で頑張ってるのはいいわけですけれども、皆さん方は今まで国がやってきたこと、政府がきちんとやってきたことについては、ありがたいという形で、官僚とも対応してもらいたいし、しっかりやってもらいたいわけです。ですから、そこの部分を皆様方が否定をすることになれば、それはもう官僚だって沖縄はそういうことかということになっていけば、政治的にも非常にややこしい問題になっていくわけですからぜひ、そこは知事と皆様方は違いますから、知事は知事でああいう形でみずからの公約を振って両局面、あれもこれも反対する、この要求はしていくということをやりますけれども、やはり職員はそれぞれの部署の立場で国とはしっかり向かい合って、県民のための予算をつくり、それを執行していくということで頑張っていただきたいわけであります。

 次に4点目ですが、今先ほどもありましたが私北部地区の安心安定した医療提供に向けて、以前に出ておりました北部の地域の基幹病院構想。その平成27年度の取り組みと展開という形でお伺いをしたいわけですけれども、先ほどありましたようにこれは地域医療構想の中に組み込まれて進めていくということなのですか。もう一度その説明をお願いできますか。

○砂川靖保健医療部長 昨年の地区の協議会等でもこの件についてはいろいろ意見が出されました。さらに北部地域の市町村長会、議会議長会からも再三にわたる要望が出されております。我々はその要望を重く受けとめまして、そういった意味では一定の方向性というものを地域医療構想の中で示す必要があるだろうと。その手法がどうなるか、どうすべきか、これについて今、鋭意検討しているというところでございます。

○照屋守之委員 我々が前の仲井眞県政のころに、例えば北部病院、あるいは北部地区の医師会病院のそういった状況とか、あるいは地域の要望ということを考えたときには、この2025年のような余裕のあるような計画ではなかったと思うのですけれども。まさにもう逼迫した北部医療圏の医療提供体制は格差が出ているとまで言われました。北部病院が7対1看護になっていくという、これもかなりずれています。ですから、本来はそういうものをつくって、同じような医療サービスの提供ができる仕組みをつくらないといけないのに、今そういう形で地域医療体制をつくって2025年どうのこうのという、このこと自体が私は非常に不思議でならない。何でこれだけ後退しているのですか。北部振興策で実は1200億円ほど投下されています。北部振興をやるという特定のもとでそれをやった。でも本来の振興は本当に県民の地域の医療、健康、そういうものを守って、そういう環境をつくり上げていくということが本来の北部振興ではないかと思うのです。ですから、ああいう形で1200億円も投じることができるのに、沖縄県がその気になれば北部医療圏―あの辺は中部地域に行くとかという説明でしたけれども、そうではないでしょう。北部病院で抱えている課題と医師会が抱えてる課題を一つに合体して、北部地域に基幹病院的な構想をつくって中部病院や南部医療センター・こども医療センターと同じようなものをつくれば北部圏域の方々に対する医療もそうだけれども、そこで働く方々の環境にもしっかりとしたものがつくれていくのではないかと思います。どうしてこれだけ時間かかっているのでしょうか。結局これは10年後というけれども今からそういう仕組みをつくって、そこにできる保証もないわけでしょう。あれはいつからの話ですか。ずっと前から出ていて、そういう話がいろいろあって本当にせっぱ詰まっている状況の中で基幹病院構想があったのではないですか。今、これがいつのまにか地域医療のものにすりかわって、計画を練り直して構想をつくっていくということになっていけば、そのとき―10年後は部長はいらっしゃらないでしょう。そうやって行政は必死になって今の課題があるのにそこで先送り、先送りしていたらこの10年後は我々もいません。皆さん方だってほとんどいないでしょう。このようなやり方をするのかと非常に私は憤りを感じています。具体的に前に言ったのは県知事がそういう民営化はだめということだったら何でそれは県立として構想をつくって進めるような仕組みをつくらないかという話なのです。このような構想を立てていたらいろいろな意見を聞いて、ああでもないこうでもない、ああですねこうですねって、結局ずっと先送りではないですか。ずっと先送りですよ。私が言っているのは中部病院にあの地域からここに子供たちを預かって……。この中部病院も厄介なことになっているわけでしょう。大変ですよ、あっちからここにくる。観光だって今どんどんどん来ているではないですか。そういうものも受け皿をつくらないといけないわけでしょう。これはそれぞれの機能、南部医療センター・こども医療センターも中部病院も北部地域の基幹的な病院もそれをつくってお互いがフォローし合っていくと。ここに今、中部病院に行っているものも、あそこでカバーできる

という、そういう体制をつくるのが我々の仕事ではないかと思うのです。ですから何でこれだけ後退しているのか、これが不思議なのです。これは10年後にできるという保証はありますか。早くて10年でしょう。どうなのですか。

○砂川靖保健医療部長 10年後、2025年という話は地域医療構想で描いた姿という話でして、必ずしも基幹病院がその年度になるということではございません。協議会等ではいろいろな意見が出された関係上、我々としては地域医療構想の中で北部地域の医療提供体制のあり方について、一定の方向性を示す必要性があるだろうということで鋭意努力しているつもりでございます。

○照屋守之委員 協議会に委ねるからそうなるのです。県はこのように考えていますから、こういう方向でやりましょうと言ってやれば、できるわけです。自分たちのものは棚に上げて、そこに責任を負わせるからこうなるのです。当たり前の話ではないですか。県がこうしていついつまでにこうしたいから、ぜひこういう方向で考えてくれと言う。これが行政のトップの仕事ではないですか。何年たっているのですか。そこを言ってるのですよ。いつまでもそれを外に預けて協議が整うまで待つやり方がありますか。もう協議は終わっているのですよ。そのぐらいの覚悟を決めて、そういうことをやらないと。知事だったらやりますよ。引き継いだこういう構想がありますから、ぜひ翁長知事の力でリーダーシップでぜひやりましょうと言ったらやりますよ。皆さん方がちんたらちんたらやるから、できるものもできないのではないですか。北部地域の医療体制というのは、それぐらいせっぱ詰まっていませんかという話です。向こうで働く人もそうではないですか。きちんとそういうものをつくって、プライドを持ってそこで仕事をする、その仕組みをつくる。周辺にもそういうような住宅もつくる、整える。那覇市や中部地域の医療従事者に対してもそういう仕組みをつくらないといけないのではないですか。今さら協議をするなんてもう実行の段階になるのに、そこはもっとしっかりしてください。知事に聞いてください。こういうような課題があって、長年にわたってこうなっていますと。あとは知事が決断すればその方向に行きますよと。ましてやあの地域は辺野古に反対しているのです。ではそれは反対します、翁長知事はどうしますかといって県民に理解を得るのは一番のことではないですか。振興策に千二、三百億円もかけて県民の医療や命、健康、これが大事だ、私はこれをやると言ってやれば5年でできる話なのです。

 次、病院事業局です。改めて病院事業局長にこの決算において、総括、評価と課題をお願いします。

○伊江朝次病院事業局長 平成27年度の決算につきましては経常収支で1億8000万円、それから純損失で1億3000万円という赤字決算になったということで、7年ぶりの赤字になったということでございます。この主な要因につきましては例えば、医業収益の前年度からの伸び約13億円これを上回る医業費用の伸びがあったと。これが20億円です。ですからこの医業費用の伸びの内訳は、給与費、材料費、経費とありますが給与費で約10億円、材料費で6億7000万円、それから経費で3億円余りということで今回の赤字決算に至ったという状況でございます。医業収益の伸びで費用の伸びをカバーできなかったというのが約7億円あります。これを今後どのようにしていくかということは経営状況をしっかり分析してやっていかないといけない。今、言えることはこの中で我々の給与費の伸びというのが、今回、平成27年度の人事院勧告で給与の改定がございました。それから法定福利費の見直しで、この影響が1億8000万円でございます。それ以外の5億円余りが材料費、経費の伸びがあったということです。特に材料費に関しましてはやはり高額ないわゆる薬品、例えば抗がん剤、それから診療材料もどんどん新しいものが出てきておりまして、この辺の増がこの状況を起こしたものと思っておりますし、それから経費に関しましてもいろいろな施設基準等も含めますと人材を確保しなければいけないということもございますし、医療の現場で必要な人材を、例えば定年になった方の再雇用も出てきておりまして、医療現場がやはりかなりの人材と費用を必要としているという状況でございます。そういう中ではございますが、しっかりと費用の伸びを分析して、出すものは出すけれども抑制できるものは抑制していくことが一番大事だと思っております。そういう中で今後の医療の診療報酬の改定の動向に対しても、これに対応するような体制を組まないと医業収益の増加は図れませんので、こういったことでもバランスをとりながら縮減するところは縮減する、投資するところは投資して、収益を伸ばすということを今後の課題として取り組んでいきたいと思っております。

○照屋守之委員 先ほどの委員の質疑の中で私が非常に気になっているのは、病院経営に係る消費税の持ち出し負担がありますよね。先ほど平成26年度で5億2300万円と言いました。こういう負担増ですけれども、平成27年度はどうなっているのですか。

○真栄城守県立病院課経営企画監 先ほどの答弁では平成25年度と平成26年度で比較しましたけれども、平成27年度と平成25年度を比較した場合の増加分というのは5億7500万円となっております。

○狩俣信子委員長 休憩いたします。

(休憩中に、照屋委員から増加分ではなく、負担分を答弁するよう指摘があった。)

○狩俣信子委員長 再開いたします。

 真栄城守県立病院課経営企画監。

○真栄城守県立病院課経営企画監 いわゆる控除対象外消費税として計上している総額になりますけれども、平成27年度は13億6995万7000円となっております。

○照屋守之委員 平成27年度は本来はその物販であればこれにかかる消費税8%分を取って、仕入れにかかるものは8%払ってこの差額で消費税を納めるわけですけれども、この払った分とこれの差額が13億円、この経営上消費税負担をしていると、そういう理解でいいのですか。

○真栄城守県立病院課経営企画監 御案内のとおりいわゆる医療費には直接税金を転嫁することができない仕組みになっております。そういうことで病院事業として調達する場合には消費税がかかる。でもそれを直接的に病院が診療報酬に上乗せができないという部分で、消費税の持ち出しが出てくるという仕組みで、こういう負担が出ているという状況になっています。

○照屋守之委員 先ほどの病院事業局長の説明で、平成27年度末の未処理欠損額42億円余りという説明ありました。そうするとこの13億円も含めて42億円という理解でいいですか。

○真栄城守県立病院課経営企画監 おっしゃるとおりでございます。

○照屋守之委員 これは問題です。持ち出し分、これは大変じゃないですか。毎年そのぐらいの負担をしているのですか。

○真栄城守県立病院課経営企画監 消費税が税率5%、平成25年度は約8億ございました。税率が8%になりました平成27年度が先ほどの約13億7000万円ということで、今後も税率が8%で継続する間はおおむねその程度の13億円程度の負担が発生することは想定されます。

○照屋守之委員 これはもっと早目に我々に教えてください。これは経営でこれだけ本来は普通の商売であれば預かった、払った消費税もこれを含めての差額で納めるけれども、このような状態を5%のころから8億円で13億円というのは何とかしないといけない。これは大変なことです。これは今の消費税の仕組みは8%だけれども、いろいろな軽減税率などあるではないですか。こういう問題は、これはもともと診療報酬は何%入っているのですか。

○真栄城守県立病院課経営企画監 診療報酬改定では非常に細かいメニューがあって、それぞれに違うパーセンテージが掛けられているようでございまして、一概に何パーセントとは読めませんが、国の説明を信用するとなれば、いわゆる消費税の増税分といいましょうか課税分については診療報酬に加味されているという説明ではございます。

○照屋守之委員 ばかなことを言いなさんなよって言ったらいいです。では8%入っていればこの13億円は払う必要ないでしょう。だからここがやはり問題で、この改善を求めないといけません。5%から8%に来てもこれは10%になりますよ。幾ら皆様方が経営を頑張っても、こんなもので毎年負担をかけられたら経営の努力なんか何もできませんよ。ですから、ここは今の医療費にかかる消費税がもしかかっていないのであれば、軽減税率のように5%で外税でかける仕組みをしますかとか、あるいはこの分はとんでもないと。できませんから還付してくださいとか、そういった仕組みをお願いするとか。何らかの形でこれをやっていかないと、恐らく消費税という仕組みそのもの自体はなくすことはできないのではないですか、多分。そうであればこの分はどうするかということを、これは民間の医療機関も全部そうですか。同じですか。

○真栄城守県立病院課経営企画監 この適用につきましては公的な医療機関も民間医療機関も同じでございます。

○照屋守之委員 委員長、これは要調査事項で取り上げてください。

○狩俣信子委員長 税金の問題ですか。

○照屋守之委員 はい。今の知事は消費税の負担についても公約で挙げていますから。

○狩俣信子委員長 ただいまの税金についての質疑につきましては、要調査事項として提起したいということですので、誰にどのような項目を確認するか簡潔に御説明を願います。なお、項目等の説明については、質疑の時間に含めないことといたします。

○照屋守之委員 知事に消費税の持ち出し分の負担軽減について。

○狩俣信子委員長 ただいま提起のありました要調査事項の取り扱いについては、本日の質疑終了後に協議いたします。

○照屋守之委員 民間も一緒ということでしたら、これは知事の力もかりて民間の―例えば、それぞれの医師会も全部集めて、沖縄県知事を先頭にして医療機関の持ち出し分の問題については改善しようということを一緒にやりましょう。

 次に、病院事業局の人事のあり方です。今はどうなっているかわかりませんが、中部病院の副院長が県の参与になっていましたよね。これはどういう形で、病院事業局長が病院事業局と連携してこういう人事をやっているかを教えてもらえませんか。

○伊江朝次病院事業局長 中部病院の新垣前副院長に関しては平成27年度の1年限りで県の政策参与を勤めておりました。

○照屋守之委員 中部病院の副院長が県の参与になる、県の病院事業局長は関与していないという。まさにおかしな話ですよ。ではもう一つ、というのは私は参与という立場は病院事業局から知事にお願いして知事がそういう参与にして、この沖縄県全体―参与というのは知事の上ですよ。そういうレベルで沖縄県の医療の全体を見て知事に提言して、知事はそれを受けて沖縄県の医療体制をさらによくしていく立場だと思います。ところが前の予算特別委員会でしたか、直接御本人に聞いたら少し私も、何でこういう人がと思いましたけれどね。ですからそういうものも含めてどういう調整をしたのか、それを確認したかったわけです。

○狩俣信子委員長 以上で、保健医療部長及び病院事業局長に対する質疑を終結いたします。

 休憩いたします。

(休憩中に、執行部退席)

○狩俣信子委員長 再開いたします。

 次に、決算調査報告書記載内容等について御協議をお願いいたします。

 まず初めに、要調査事項を提起しようとする委員から改めて提起する理由の御説明をお願いいたします。

 照屋守之委員。

○照屋守之委員 ここに書いてありますように病院医療費に関する―これは病院経営かもしれません。消費税の持ち出し分の負担軽減です。これは、今聞いてみますと仕入れする消費税8%はしっかり払います、診療の医療には消費税がかけられないので消費税はもらわない。ただ、国が出す診療報酬分について8%相当分は賄っているという言い分ですけれども、実態は今のように県が約13億円その前もそのぐらい負担をしているということですから、8%払うものと8%入ってくるものがとんとんになっていないわけです。こういうことで、今の病院事業の経営そのもの自体が圧迫をしている。この1年間で約13億円、これが3カ年続けばこれだけで40億円でしょう。こんな経営を強いているものについては我々は看過することはできない。ただし、これは税制に係る非常に大きな問題なので県知事を先頭にしてこれを一旦払ったものを何%相当分がこの約13億円なのか。こういうのも出して、逆に一旦払ったものを還付する仕組みにするのか。あるいはそういう病院と取り引きしているところは8%じゃなくて、税率は5%にするのか、いろいろなやり方があると思います。そういうことをやって特別にこういう減税の仕組みを病院事業、民間も含めてそういうことをやっていけば、病院経営自体の負担が軽減されるわけです。ですから、ここは知事にその実情を訴えてしっかり対応してもらう。これは沖縄県全体の民間の医療機関もそうですから、やはり改めて消費税の分についての軽減措置を求めていくべきであると考えておりますから、ぜひ決算特別委員会に上げてもらって知事を招聘して、そういうことを訴えていきたいということでお願いしたいということです。

○狩俣信子委員長 以上で、要調査事項を提起しようとする委員の説明は終わりました。

 次に、要調査事項として報告することについて反対の意見がありましたら、挙手の上、御発言をお願いいたします。

 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 ただいまの提案ですが、そもそも消費税を課したのが1984年。3%から5%になって、8%が平成27年度に影響があったということでいっています。これは国が消費税を導入するときに消費税を課してはだめだという世論もありましたし、沖縄県の問題と言われたけれども、沖縄県の問題ではなくて国の制度の問題です。そして診療報酬にきちんとそれを加味していますよというけれども、実際は約5億円の持ち出しをやられているという、政府がやっているそのものを問うべきであって、県知事がどうという話には一切ならないと私は思います。だから知事に聞くのではなくて、国の制度としてこの医療に関してどういう議論があったのかとか、国政でやることですよ。だから、それをどうして知事にあえて負担軽減についてなんてとんでもありませんよ。そもそも消費税をプラスして税金を払うという仕組みが、所得の低い人ほど負担が重くなるというし、そして診療報酬に加味するということは、先ほど病院事業局長も言われていましたけれども、そうしたら患者負担になり、患者が来なくなるから日本医師会がそれをやっては困るということも言われました。ですから、これは国の消費税を増税する、導入をする。そのときからいろいろ議論をした中身であるし、そこを聞くということであれば、もっと国政に聞くものであって、私は翁長知事に対して聞くものではないと思いますから反対です。

○狩俣信子委員長 ほかに意見はありませんか。

 比嘉京子委員。

○比嘉京子委員 私は違う意見として、今の要調査事項に関して、これは根本的には国の医療政策、もちろん消費税と絡んだ医療政策にかかわる問題だと考えます。または医療業界全般的に含めた議論と消費税の問題。ですから国の医療政策の問題、業界の問題、言ってみれば一都道府県の首長を呼び出してそれをかけ合うということの実効性について、大きな疑問があると私は思います。

○狩俣信子委員長 ほかに反対意見はありませんか。

 亀濱玲子委員。

○亀濱玲子委員 私も反対の立場から意見を述べさせていただきたいのですが、もしもそのことを問おうとするのであれば知事ではなくて、県議会そのものがそれこそ国や政府にこういう形で変えてほしいという意見書をみんなで取りまとめて国に出すという方法が、議会の役割を果たすのではないかと思っていますので、知事に対してということに関しては反対いたします。

○狩俣信子委員長 ほかに意見はありませんか。

   (「意見なし」と呼ぶ者あり)

○狩俣信子委員長 意見なしと認めます。

 以上で、要調査事項として報告することへの反対意見の表明を終結いたします。

 次に、決算特別委員会における調査の必要性及び整理等について、休憩中に御協議をお願いいたします。

 休憩いたします。

(休憩中に、要調査事項の必要性及び整理等について協議した結果、病院医療費に対する消費税持ち出し分の負担軽減についてを報告することで意見の一致を見た。)

○狩俣信子委員長 再開いたします。

 要調査事項につきましては、休憩中に御協議いたしましたとおり報告することといたします。

 休憩いたします。

(休憩中に、特記事項の有無について確認を行った。)

○狩俣信子委員長 再開いたします。

 次に、特記事項について御提案がありましたら挙手の上、御発言を願います。

   (「提案なし」と呼ぶ者あり)

○狩俣信子委員長 提案なしと認めます。

 よって、さよう決定いたしました。

 次に、お諮りいたします。

 これまでの調査における質疑・答弁の主な内容を含む決算調査報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○狩俣信子委員長 御異議なしと認めます。

 よって、さよう決定いたしました。

 以上で、本日の日程は全て終了いたしました。

 委員の皆さん、大変御苦労さまでした。

 本日の委員会は、これをもって散会いたします。

    午後4時57分散会

沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。

  委 員 長  狩 俣 信 子