委員会記録・調査報告等

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文教厚生委員会記録
 
平成29年 第 1定例会

5
 



開会の日時

年月日平成29年3月21日 曜日
開会午前 10 時 2
散会午後 5 時 6

場所


第2委員会室


議題


1 乙第8号議案 沖縄県児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を求める条例の一部を改正する条例
2 乙第9号議案 沖縄県看護師等修学資金貸与条例の一部を改正する条例
3 乙第19号議案 債権の放棄について
4 乙第20号議案 債権の放棄について
5 請願平成28年第13号及び請願第1号、陳情平成28年第37号の2、同第50号、同第61号、同第79号、同第85号、同第89号の3、同第99号、同第111号、同第114号、同第118号、同第133号、同第139号、同第141号から同第143号まで、同第157号、同第162号、同第177号、第2号、第3号の3、第7号、第15号、第18号、第19号、第20号の2、第24号、第26号及び第34号


出席委員

委 員 長  狩 俣 信 子 さん
副委員長  西 銘 純 恵 さん
委  員  新 垣   新 君
委  員  照 屋 守 之 君
委  員  次呂久 成 崇 君
委  員  亀 濱 玲 子 さん
委  員  比 嘉 京 子 さん
委  員  平 良 昭 一 君
委  員  金 城 泰 邦 君


欠席委員

末 松 文 信 君


説明のため出席した者の職・氏名

 総務部管財課班長       新 垣 浩 昭 君
子ども生活福祉部長       金 城 弘 昌 君
 高齢者福祉介護課長      上 地 幸 正 君
 青少年・子ども家庭課長    名渡山 晶 子 さん
 子育て支援課長        大 城 清 二 君
 障害福祉課長         與那嶺   武 君
 平和援護・男女参画課長    玉 城 律 子 さん
保健医療部長          砂 川   靖 君
 保健衛生統括監        糸 数   公 君
 保健医療政策課長       大 城   博 君
 保健医療政策課看護専門監   国 吉 悦 子 さん
 生活衛生課長         與那原 良 克 君
 薬務疾病対策課長       玉 城 宏 幸 君
 土木建築部道路管理課副参事  鉢 嶺 貞 雄 君
病院事業局長          伊 江 朝 次 君



○狩俣信子委員長 ただいまから、文教厚生委員会を開会いたします。
 乙第8号議案、乙第9号議案、乙第19号議案、乙第20号議案、請願平成28年第13号外1件及び陳情平成28年第37号の2外27件についてを一括して議題といたします。
 本日の説明員として、子ども生活福祉部長、保健医療部長及び病院事業局長の出席を求めております。
 まず初めに、乙第8号議案沖縄県児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例について、審査を行います。
 ただいまの議案について、子ども生活福祉部長の説明を求めます。
 金城弘昌子ども生活福祉部長。

○金城弘昌子ども生活福祉部長 それでは、子ども生活福祉部所管の議案について、御説明いたします。
 説明は、お手元に配付しています平成29年第1回沖縄県議会(2月定例会)文教厚生委員会乙号議案説明資料により行います。
 1ページをお願いします。
 乙第8号議案沖縄県児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例について、御説明いたします。
 この議案は、児童福祉法及び児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の一部が改正されることに伴い、情緒障害児短期治療施設の名称を児童心理治療施設に改めるなど、関係規定を整理する必要があることから、条例改正を行うものであります。
 条例案につきましては、資料の2ページから3ページまたは平成29年第1回沖縄県議会定例会議案その3の24ページから25ページをごらんください。
 以上で、乙第8号議案についての御説明を終わります。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

○狩俣信子委員長 子ども生活福祉部長の説明は終わりました。
 これより、乙第8号議案に対する質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないように簡潔にお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 法律の一部改正ということで、名称を変更したということですが、改正前の情緒障害児短期治療施設で治療をする対象や条件が改正後の児童心理治療施設に変わって、具体的に何がどう変わるのか、お尋ねします。

○名渡山晶子青少年・子ども家庭課長 情緒障害児短期治療施設には、保護者による虐待、あるいは発達障害の二次障害等により、心理的に不安定な状況にあって、社会生活を営む上で困難を有する子供たちを入所させ、心理治療、生活支援、ふさわしい教育の提供等を行うことにより、支援をする施設となっております。今回、児童福祉法の改正において、施設の名称が児童心理治療施設に変更になりますが、対象児童や施設の機能等に変更があるわけではございません。名称変更がされた理由としては、情緒障害という名前自体が医学的にそういった病名等がなく、子供の状況をあらわすには曖昧で誤解を与えるような表現になっているのではないかということで、保護者や利用児童等からかねてから変更の要望があったところでございます。また、短期治療という部分に関して、他の施設において平均2年4カ月程度の治療期間があるということで、これも実態に即して言いますと、名称として実態とは合わないのではないかといったようなことを踏まえて、国でかねてから名称変更が検討されていて、今回の児童福祉法の改正に合わせて名称変更がされたということが国からの説明でございます。

○西銘純恵委員 県は、今、1カ所建設していくということですが、対象児童が何名いるということで把握しているのか。そのうち、ここを利用できるといいますか、そういう対象者は何名ということでつかんでいらっしゃいますか。

○名渡山晶子青少年・子ども家庭課長 この施設は先ほど申し上げたような子供たちについて、児童相談所が医学的、行動的、心理的な面を総合的に判断して措置をすることにより、入所されます。ですから、現段階で明確にこの施設にどれぐらい入所するというような明確な判断というのはこれからになっております。ただ、定員といたしましては、入所が30名、通所が10名となっております。そして、この施設をつくるに当たりまして、ニーズの把握の参考とするために現在児童養護施設等に措置されている子供について実態調査を行いまして、大体どれぐらい対象となる子供がいるのかということを今年度仮にということではございますが、調査をしておりまして、その中では約27名の子供が候補として上がってきて、その子供たちにふさわしい教育などを判断するような要素として検討はしたところでございます。

○西銘純恵委員 そうしますと、今、1カ所つくるということについては、今の県の実情からすると、児童相談所―児相からの措置ということを受ければ、定員そのものも一定の対応ができるかと思いますが、措置をするのは児相だけでしょうか。それ以外のこういう子供をという、任意なり、何なり―例えば、親御さんが入所したいとか、入所をする対象については、今、児相措置とおっしゃいましたが、それ以外は考えていないということでしょうか。

○名渡山晶子青少年・子ども家庭課長 児童相談所の措置によるものというのは、措置によりますと、子供の生活費や施設の運営費等を国と県が2分の1ずつ負担をして、措置費という形で施設に支払っております。そのような仕組みにのっとった形で児童相談所がこの施設に入所がふさわしいという判断のもとで措置をしていくということでございます。委員おっしゃった自己契約的な入所というのは現在のところ想定しておりません。

○西銘純恵委員 例えば保護者がそこを活用したいとか、何らかのことが来たときに、ほかのところでは今のような沖縄県がやろうとしているやり方なのか、任意に活用したいという方はできないということなのかどうかも含めてお伺いします。

○名渡山晶子青少年・子ども家庭課長 この施設については全国的にも児童相談所の措置による入所ということが原則といいますか、そうなっておりまして、もし保護者が養育上の入所が必要ではないかという思いをお持ちの保護者であれば、まずは児童相談所に御相談いただいて、児童相談所において行動観察等を含めて、この施設への入所が適当であるかということを判断していくということの後に、もし入所が適当であれば措置されるという仕組みになっております。

○西銘純恵委員 例えば、医療機関からの虐待の通報など、いろいろありますが、児相まで至らないけれども、疑われるとか、いろいろありまして、教育機関や医療機関があると思いますが、そこら辺も今のところは児相に通じるという形に―ある意味、連携というのはしっかり県内ではとられているのか、漏れる部分などがありますか。

○名渡山晶子青少年・子ども家庭課長 虐待の通報につきましては、警察、医療機関、そして一般県民等から泣き声通報等も含めてさまざまな形で児童相談所に設置されたホットライン等を通じて情報が来るような仕組みがとられているところでございます。また、特に医療機関や警察等からの通告に関しては、市町村にあります子供に係る要保護児童対策協議会等のメンバーにそれぞれ入ってもらうなどして、子供の支援体制というのは連携をとってやっていくような仕組みづくりがされているところでございます。

○西銘純恵委員 結局は地域で虐待死とか、見逃しなどがあるのは―今、地域の連携はとられているということは言われましたが、やはり見逃される部分の―親という言葉で表現しましたが、親権者やその子を見ている関係者の皆さんが入所をということもあり得るということを想定したら、どのように拾い上げる間口をつくるのかということも課題ではないかと思いますので、一応提起をして終わります。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 亀濱玲子委員。

○亀濱玲子委員 1点だけ確認ですが、今、青少年・子ども家庭課長から医学的、行動的という説明、そして虐待を受けている子供に対しての支援体制ということをおっしゃったのですが、例えば学校生活において問題行動が見られる生徒も対象になるのか。なぜそういうことを聞くのかといいますと、市には適応指導教室という教育委員会が設置したものがありますよね。あれは心因性なのです。そして、少し乱暴な行動をして、問題行動を起こす不登校などは対象にならなかったりしました。ですので、行動的という言葉が被害を受ける側の子供の治療という意味での施設になっているのか、あるいは学校において、いろいろなところで問題行動を起こす生徒が治療の対象になっているのか、教えてください。

○名渡山晶子青少年・子ども家庭課長 先ほど申し上げたように、心理的に不安定な状況にあるということで、行動的にはさまざまな出方があるのかと思っております。不登校であったり、またはひきこもり的な症状であったり、あるいは委員おっしゃるような問題行動という形であらわれるお子さんもいるかと思います。そのような行動を児童相談所において、この施設に入所することが適当かという判断をした上での措置ということになるということでございます。

○亀濱玲子委員 措置をする判断というのは児相が行うということですか。それとも、医療機関のドクターも行うとか、そういう判断機関はどこになるのでしょうか。

○名渡山晶子青少年・子ども家庭課長 児童相談所において、心理診断であったり、医学的な診断であったり、行動も含めた上で総合的な診断を集め合わせて判断をして、措置の適否を判断するというところでございます。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 比嘉京子委員。

○比嘉京子委員 予算特別委員会のときも説明を受けましたが、これは国から各都道府県に最低1施設を設置するという考えがあります。そこで今回、入所定員が30名、通所が10名ということがありますが、その数字の根拠といいますか、沖縄県にこの数字の中に当てはめていこうとしますと、もっと入らなくてはいけない人がそがれていくのか、誰がこういう判断をするのかという問題と虐待の通報というのはすごくふえています。ふえている中において、果たして30名でいいのかどうかも含めて、人数の切り方といいますか、人数の根拠が1つと、もう一つはやはりニーズ的にもっとふやすべきとなりますと、その施設の中でふやしていくのか、他の地域につくるのか、今後の考え方について、2点お願いします。

○名渡山晶子青少年・子ども家庭課長 入所30名、通所10名という定員の考え方ですが、子供たちを入所させ、適切な生活、養育環境のもとで子供たちを支援していくにはどれぐらいの規模がふさわしいのか、あるいは継続的、安定的に経営、施設を維持していくためのふさわしい定員のあり方、そして他県の同様の施設の状況等も勘案した上で、定員30名、通所10名を決定しているところでございますが、委員おっしゃるように、先ほど少し申し上げましたが、実態調査―実際に県内で措置をするとした場合にどれぐらいのお子さんがいるのかということを試みでやってみた結果、27名程度のお子さんが浮かび上がってきたところでございまして、虐待は増加してきておりますが、虐待を受けた子全てがこの施設に入所する必要があるというわけではなく、先ほど申し上げたように、医学的な判断、心理的な判断を行って、この施設にぜひ入所させ、生活全般、教育においてもそういう教育を通してケアをしていく必要があると判断をされた子供たちが入所するということで、そういった考え方をあわせて定員、通所は設定したところでございます。
 今後の考え方ですが、全国に1つずつという国の考え方を踏まえて今回できるわけですが、先ほど申し上げたような考え方から当面この施設での収容が可能かと現段階では考えております。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 金城泰邦委員。

○金城泰邦委員 少し教えていただきたい部分がありまして、今、入所・通所等々の基準が示されました。基本的な部分ですが、ここに入所する児童というのは、例えば何歳から何歳までが対象になって、環境の部分についてもありましたが、心理判定の基準等々が国の定めによって成っているのか、その辺を教えていただけますか。

○名渡山晶子青少年・子ども家庭課長 対象児童につきましては、学童期から18歳に至るまでの児童ということで、主に小・中学生―学齢期の子供たちが対象になると考えております。入所の判断の基準があるかという御質疑ですが、特に統一的な基準はないところでございますが、児童相談所で総合的に判断して、この施設に入所することにより改善を図る必要があるという判断をされたら措置をするという形になっております。

○金城泰邦委員 予定として27名が入るということで、この27名に至るまでの―例えば、希望者といいますか、27名しか対象がいなかったのか、もっと多かったけれども、27名に絞らざるを得なかったのか、その辺が少し気になります。

○名渡山晶子青少年・子ども家庭課長 先ほど27名と申し上げたのは、この子たちが実際に入所してくるということではなく、現在、児童養護施設等に措置されている子供たち―実際はまだこの施設がないものですから、児童養護施設や自立支援施設で措置されている実態も踏まえて、そこにいる子供たちの中でもしこの施設ができたとしたら入所させることにより治療をしたほうがいいのではないかという子を児相でピックアップした結果が27名だったということでございます。その子たちをさらに教育委員会等でその子たちにふさわしい教育という形で検討したところですが、ピックアップした全数で27名ということでございます。ただ、この子たちが必ずしも施設ができて入所するということではないということは誤解のないように御説明させていただきたいと思います。

○金城泰邦委員 たまたま入所の枠と予定の数がかなり近かったものですから、事情があるのかと思いました。
 18歳までということで、その間治療などを行いますが、18歳を超えた後というのは必然的に出なくてはいけない、もしくは治療が途中であっても出なくてはいけないということが想定されるのでしょうか。

○名渡山晶子青少年・子ども家庭課長 児童福祉法上18歳までという形が原則ではありますが、そのような場合、二十歳までは措置延長が可能な仕組みとなっております。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 次呂久成崇委員。

○次呂久成崇委員 この施設に勤務する専門の職員というのは、どういった資格を持った方でしょうか。

○名渡山晶子青少年・子ども家庭課長 施設に配置するスタッフにつきましては、児童精神科医や心理療法の担当職員、それから生活をしていきますので、児童指導員や保育士、家庭支援専門相談員ということで、これは家庭復帰がスムーズにできるように保護者に支援を行ったり、退所後の子供の見守り等を行う職員ですが、あとは看護師を置くような形になっております。

○次呂久成崇委員 これは定員が30名、そして通所が10名ですよね。その人数に対して専門職員は何名置きなさいという規定があるのでしょうか。

○名渡山晶子青少年・子ども家庭課長 配置基準は定められていますが、資料を手元に持ち合わせておりませんので、よろしければ後でお届けさせていただきたいと思います。

○次呂久成崇委員 施設の場所も糸満市の観光農園内となっていて、敷地面積等も見ますとかなり環境的にもすばらしい内容となっています。また、こういう基準などについても資料があれば一緒にお願いしたいと思います。

○名渡山晶子青少年・子ども家庭課長 後でお届けいたします。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○狩俣信子委員長 質疑なしと認めます。
 よって、乙第8号議案に対する質疑を終結いたします。
 次に、乙第19号議案債権の放棄についての審査を行います。
 ただいまの議案について、子ども生活福祉部長の説明を求めます。
 金城弘昌子ども生活福祉部長。

○金城弘昌子ども生活福祉部長 それでは、乙第19号議案債権の放棄について御説明いたします。
 お手元の資料平成29年第1回沖縄県議会(2月定例会)文教厚生委員会乙号議案説明資料の4ページをお願いします。
 この議案は、母子福祉資金貸付金の事業開始資金として貸し付けた貸付金について、その債権を放棄するため、議会の議決を求めるものであります。
 これまでの主な経緯を申し上げます。
 県は昭和56年に借受人に対し、母子福祉資金貸付金の事業開始資金として年3%の利率で160万円の貸し付けを行いました。
 昭和58年5月からは、借受人からの償還が開始されましたが、昭和59年5月分から償還が滞り始めたため、借受人及び連帯保証人との面談等を続けながら、債権回収を行ってきました。
 しかし、平成16年8月に借受人の自己破産が確定したため、その後は、連帯保証人に償還を求めるため自宅訪問等を続けてまいりましたが、現在まで所在不明の状態です。
 このように回収見込みのない債権を整理する必要があることから、連帯保証人に対する貸付金と利子並びに違約金の債権を放棄するものであります。
 条例案につきましては、資料の5ページから6ページまたは平成29年第1回沖縄県議会定例会議案その3の37ページから38ページをごらんください。
 以上で、乙第19号議案についての御説明を終わります。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。 

○狩俣信子委員長 子ども生活福祉部長の説明は終わりました。
 これより、乙第19号議案に対する質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないように簡潔にお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 県政で初めての個人に対する債権放棄と思っていまして、今回、幾つかの議案が債権放棄ということで出ていますが、母子福祉資金の貸し付けがそもそも生活が苦しいという皆さんが6割いるという状況の中、ある意味では貸付条件も緩和しなければならない、そして返済についても給付も含めて考えなければならないということを何度か提案してきて、債権放棄についても総務部の管轄でしたが、過去に提案をしてきました。それで、経過と母子福祉資金の放棄をしない債権というのは、今、どれだけ累積であって―これはたった1件しか出ていないものですから、実態としたらもっと調査を行えばそういう手続ができる部分があるのではないかという気がして、今回出してきたものについて後で聞きますが、予算・決算上は放棄しない債権としてどれだけ累積としてありますか。

○名渡山晶子青少年・子ども家庭課長 母子寡婦福祉貸付金における未収金の金額ですが、平成27年度末時点で件数が438件、金額で1億4539万9181円となっております。

○西銘純恵委員 未収金が取れないということで、今回、議案に出している件について債権を放棄するということですが、経過についてお尋ねします。昭和56年に貸し付けを行って、昭和58年そして昭和60年に目的外使用を確認したということですが、当初は貸し付け後の返済について結構調査されたと思います。そして、昭和58年から償還を開始していますが、3回目の償還から滞納が始まったということであれば、当初から大変厳しい状況があったのかということがうかがえたわけです。そして、平成16年―10年少し前に自己破産が確定したとありますが、昭和60年に目的外使用を確認しているということは、県からの調査が入ったと思いますので、昭和60年から平成16年の自己破産の確定まで20年間たっています。この間、県として債務者とやりとりをしたことがありますか。

○名渡山晶子青少年・子ども家庭課長 昭和58年5月から償還が開始されまして、年2回、半年ごとに返済するような形でしたが、2回目分までを支払っていただいた後、3回目の昭和59年5月分から償還が滞り始めております。その間、県から借受人に対して償還が必要であるというような形でこまめに償還指導等をさせていただいております。少し細かくなりますが、3回目分を平成元年2月から平成3年12月までの6回分割で支払っていただいたり、あるいは4回目分を平成3年から平成9年までの14回分割といった形で、この間何もしていなかったということではなく、こまめに借受人が払える形で支払っていただくというような、寄り添ったといいますか、事情を考慮した形で償還をしていただいていたという取り組みを行っていたところでございます。5回目分を支払っていただいて、平成14年4月に最後の返済があったわけですが、その後、平成14年10月には弁護士からそのような破産に向けた整理をするということで県からの交渉ができないような形になりましたので、それ以降は接触できていませんが、それまではこのような形できめ細かい償還指導に取り組んできたという経緯がございます。

○西銘純恵委員 県職員がこのような細かい作業をやっているのかと。とても大変な業務をやっていると思います。弁護士から破産をしますということで出たら、平成16年に破産が確定しているということであれば、その時点で借受人に対しては債権放棄ができたと思いますが、債権放棄をとらなかったのはなぜでしょうか。

○名渡山晶子青少年・子ども家庭課長 自己破産をされましたら、借受人に対しては免責という形になりますが、連帯保証人をつけていただいておりまして、借受人は免責になりますが、連帯保証債務は法律上残っていく形になります。ですから、破産が決定されて以降は連帯保証人との債務の償還のやりとりになるということでございます。

○西銘純恵委員 債務者本人には、免責確定の通知が弁護士から来たのか、そして免責されたということで収入未済になるのか、そういう手続は連帯保証人が残っているのでやっていないということですが、借受人本人との関係では免責されたことを受けましたという県としての意思表示というのはやられていますか。

○名渡山晶子青少年・子ども家庭課長 弁護士とのやりとりになっておりまして、県からは通知を受理したという報告を弁護士宛てにはしております。

○西銘純恵委員 連帯保証人の債権放棄を今回ということですが、平成10年時点で本人の状況を確認されていますよね。それ以降についてはどういう督促の方法をとったのか、説明をお願いします。

○名渡山晶子青少年・子ども家庭課長 住所地を訪問させていただいて、なかなか御本人に会えないところではありますが、御家族宛てに連絡がほしいというような訪問をさせていただいたり、あるいはある時期からここには連帯保証人が住んでいないということで御家族からの証言を受けて所在調査を行ったり、取り組みをしてきたところですが、住民票の移動はされていない中で所在が不明であるということで、県としてもなかなか進捗が得られない中、平成26年から困難ケースについては債権回収機構に委託をして調査等を行っているところですが、サービサーに委託をして何らかの進展が得られないかという取り組みをしましたが、これまで連帯保証人との接触ができていないというところで時効期間も満了しておりますし、回収の見込みがないということで今回提案をさせていただいたところでございます。

○西銘純恵委員 時効満了はいつですか。

○名渡山晶子青少年・子ども家庭課長 連帯保証債務の時効到来は、平成26年8月12日でございます。

○西銘純恵委員 それから今日、放棄の手続をするということは、年数がたっていますが、放棄の手続ができない理由がありましたか。

○名渡山晶子青少年・子ども家庭課長 冒頭、委員がおっしゃいましたように、県で債権放棄といった実例が少なくとも母子寡婦福祉貸付金にはございませんでした。ただ、平成27年に総務部で債権管理方針が新たに制定されまして、その中の幾つかの視点の中で合致するものについては回収努力に加えて、債権の放棄も視野に検討をしていく必要があるという方針が示されたことを受けまして、今回、それではそれに合致をする債権はあるかという調査の上でこの1件を提案させていただいております。

○西銘純恵委員 困窮な皆さんが公的な資金を借りてというのは、民間の市中銀行から借りることはできない皆さんですので、とても大事な資金だと思います。しかし、返済できない状況というのは沖縄県の所得状況からしますと、幾らでも推しはかることができますし、回収の努力も結構やってきた、返す努力もやってきたということをやれば、今のような手続ができて、県民にとっても負い目を持ってこれを返さなければならないと一生思いながら返しきれないという部分をいかに解消するかということでは、とても大事な手続だと思います。あと438件まだあるということですが、ぜひ丁寧に、今回、放棄の手続ができるということが出ましたので、所在調査をきれいに行って、実際にそれなりの解放してあげるべきではないかとか、いろいろ判断が出ると思います。ある意味ではこの制度を積極的に活用して行うべきだと思っておりますので、これだけ長い間債務者も心の重荷になっていただろうということを考えますと、遅きに失したかと思いますので、今度の議案は歓迎しています。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 平良昭一委員。

○平良昭一委員 2点ほどお聞かせ願いたいのですが、昭和56年に開始したということですが、1年弱で営業所の変更、そして4年後には目的外使用を確認しているわけですよね。その時点での県の取り組みというのはどういうものがあったのでしょうか。

○名渡山晶子青少年・子ども家庭課長 この事業をすぐにやめてしまって、目的外使用を確認したということですが、目的外使用の背景として、身内―具体的にはお父様ですが、お父様の事業の穴埋めに使ってしまったということが後に借受人から証言をされたところでして、当初、想定されなかった身内の負債を抱えてしまったという厳しい借受人の状況は生じたところです。県としましては、そのあたりの事実を踏まえて先ほど申し上げたように、借受人の事情も考慮して分割での返済等に応じるなどして回収の努力をしてきたところでございます。

○平良昭一委員 借受人と連帯保証人との関係はどういう状況ですか。

○名渡山晶子青少年・子ども家庭課長 弟でございます。

○平良昭一委員 先ほど、市中銀行からはなかなか借りることができないからということでそういう貸し付けに来るという状況はわかります。ただ、身内を保証人にするという制度というのはほとんどあり得ませんし、先ほどの説明の中でもお父さんの事業の失敗でその穴埋めに回したということであれば、本来ならばそういう身内から保証人を立てるべきではないということが一般通例でありますよね。その辺に関して、県はこれまでそういう状況を行ってきたのですか。そして、現在でもそうなのでしょうか。

○名渡山晶子青少年・子ども家庭課長 保証人につきましては、世帯を別にしているという条件―一定程度の所得の要件もありますが、世帯を別にしているという要件は課しているところでございまして、基本的に身内を除外してしまいますと、なかなか通常身内以外の人に連帯保証人を頼むということは難しい場面も出てくるのかということは想定されていますが、現在、運用としてはそういう世帯が別であれば御親族でも構わないという扱いをしているところでございます。

○平良昭一委員 この判断というのは、大変難しいところですよね。民間の貸付事業であれば恐らくそういうことはないかもしれませんが、こういう場合はいたし方がない、判断せざるを得ないような状況があると思います。ただ、これまでの経緯の中でかなり県が返済に関して努力をしてきたということは十分わかります。その努力は決して無駄ではないと思いますが、そこにかかわるような問題よりも、そういう状況であればもっと先に債権の放棄というものは考えるべきではないかと思いますし、それにずっと仕事を追われるような、もっともっと前向きな状況にしていくためには、こういう債権の放棄についてはある程度の一定の期間努力があれば必要ではないかと思いますので、そういう面ではこれからの貸し付けに対する判断、また保証人の問題等もありますので、その辺を努力していただいて、こういう事案というのはできたらないほうがいいのですが、県の努力もよくわかります。そういう面では債権の放棄については今後まだ438件はあるということですので、随時、判断の中で提出させていただくことも一つの方法だと思います。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 照屋守之委員。

○照屋守之委員 平成27年度末の438件、1億4539万円というものは、平成27年度のトータルの中で比率でいいますとどのぐらいになりますか。

○名渡山晶子青少年・子ども家庭課長 平成27年度の調定額が2億7571万1000円でしたので、先ほど申し上げた未収額1億4699万6000円は53.3%ということになります。

○照屋守之委員 調定といいますと、未収金は1億4000万円ではなく、2億7000万円あるということですか。そのうちから未収金がこれだけということですか。

○名渡山晶子青少年・子ども家庭課長 当該年度で支払っていただくべき償還必要額が調定額2億7571万1000円あったところ、支払っていただけなかったことが53.3%ありまして、残りは支払っていただいたということでございます。

○照屋守之委員 平成27年度の2億7000万円のもとは幾らですか。何に対して2億7000万円が……。もともとそういう貸付金があるわけですよね。例えば、トータルで10億円ありまして、そのうちのこれだけですとか、もとに対するものが知りたいのです。

○名渡山晶子青少年・子ども家庭課長 各貸し付けによって償還期間であったり、据置期間等もございまして、ばらばらになっているもので平成27年度中に発生する債権額ということですので、もとが何件で幾らということがなかなか把握できていないところでございます。

○照屋守之委員 この債権放棄は、いいと思っています。いいと思っていますが、母子福祉資金貸付金という制度でこういったものが常態化しますと、結局は返さなくてもいいのです。逆に、時間がたって処理をして債権の放棄を行えば、返している人たちが「私たちはきちんと返しているのに」という不公平感があります。ですから、こういう制度資金そのもの自体が問われていきます。この債権放棄はいいのですが、この制度そのもの自体がこれで維持できるのかといいますと、まともにきちんと払っている人たちからしますと、払わなくていいと。時間がたてば債権放棄になるという形になったら、この制度そのもの自体が根本的におかしくなるわけです。ですから、そこはこの制度のありようや債権放棄をすると議会で認めたら報道もされます。そうしますと、一生懸命返している人は何と思いますか。幾ら事情があるにしても、これはそれぞれの事情によって、我々も認めるのでやむを得ないとなるのは当たり前の話です。そうであれば、きちんと借りて、きちんと返している人たちからするとどうなるのかという話になります。そこはどうなのでしょうか。

○名渡山晶子青少年・子ども家庭課長 委員おっしゃるように、債権放棄の手続というのは県がみずから債権を手放す行為であるということで、必要最低限かつ慎重に行うべき手続だと思っているところです。貸し付けた方々の償還が次に借りる方々の貸付財源になるという、この制度を持続していくためには、やはりきちんと本来償還をしていただくことが筋でございますので、現在償還している方々にはこの辺の制度の趣旨とこれから貸し付ける方々に対してもそうですが、制度の仕組みや趣旨を十分御説明させていただいた上で、また県としてももちろん回収努力をきちんとやっていくことが大事であると考えております。債権管理方針の中には4つの債権を放棄するための視点ということが示されておりまして、例えば相当程度の徴収努力は行われているのか、あるいは民法等における消滅時効が経過しているものである、時効の援用や破産の法的手続等、債権を消滅させることが他に制度としてないもの、そして保証人を含む債務者以外に追求すべき者がいないことといった視点が示されているところでして、この4つの視点を真に満たすものでやむを得ない、今後、回収の見込みがないものについて慎重に精査の上、放棄の手続をとることといった考え方も示されているところでございますので、極力このような債権放棄に至ることがないように事前での審査、回収努力をした上で今後検討していきたいと考えております。

○照屋守之委員 そうは言いましても、1億4539万円も未収金がありますよね。そういうものが確実につながっていくのです。そのように債権放棄が認められていきますと、こういう方々も返さなくていいやと。債権放棄になるよということになれば、返す努力もしないと思います。ですから、この制度そのもの自体を根本的に考えないといけないのではないですか。返すというものなので不公平感があるのです。ですから、あげると。返さなくてもいいという仕組みにしないと、問題は一生懸命に返す側です。ですから、こういう仕組みはそういう一部の人たちの行為によって、いろいろな制度が揺らぎかねない自体が起こっているのです。一生懸命に返す人たち側からしますと、これはとんでもない話です。これが公に認められて、議会でも認められると。そして、これが当たり前だという話になっていけば、当然ではないですか。誰が一生懸命にやりくりをして返しますか。返しません。ですから、こういう貸付金制度そのもの自体の仕組みを根本的に考えないといけません。返さなくてもいい仕組みにするか、どうするかです。これは本当に一生懸命に頑張って返している人たちからすると、大変失礼です。そして、我々議会の立場からすると、「困った、返せない」これは理解しますと。しかし、一方はどうなのかと。未収金でこれだけまだ取れないお金がありますと。この方々がどういう考え方になるのかという話です。ほったらかしたら債権放棄ですよねと。払わなくていいということになりませんか。当たり前になると思います。債権放棄をするので。そうしますと、改めて制度そのもの自体がこういう制度ですので、そういうトラブルが起こるわけです。もともと困っている人たちに金額的なものは抑えてでもいいので、160万円ではなく、その半分は給付しましょうという形になれば何の後腐れもありません。根本的に考えていかないと大変だと思います。どちらも当たり前になりますと、返さなくていいのが当たり前、返す人たちはなぜという不満がずっとたまっていきます。そこが問題です。一生懸命、当たり前のように借りたものを返していくという、そういう方々は皆さん方は返さなくていいという形になれば、この人たちも喜びますし、債権放棄する方たちも安心感がある、きちんと生きていけるという。そういう仕組みにしていかないと、一方的に支払いができなくて債権放棄をして免れるということは、きちんと支払っている人たちに対しもだめだと思います。ですから、議会全体としても、どちらにもきちんと説明できるようにしないといけないのではないですか。ですから、制度そのもの自体を根本的に変えないといけないと思っています。ずっとこれは起こっていきます。今、問題提起をしておきます。1億4500万円も未収金があるので、後は時間の問題だと思います。皆さん方もいきなり債権放棄はしないので、あと10年、20年たって、債権放棄したら、我々は認めざるを得ないのではないですか。今の状況では債権放棄をしますと、どういう努力をしているのかと指摘されるので、それはできませんが、ある一定の事情が変わるというところまでずっと待ち続けて、そのころは皆さん方はそこにはいません。次の人たちが債権放棄をするのです。我々もこちらにいません。こういうことを繰り返してやっていくわけです。そして、確実に債権放棄の金額はふえていきます。ですから、そういうことも含めて、今、一生懸命頑張って働いて、借りたものを返していくという人たちと債権放棄でそれを助けてあげるという両方がどういう形で我々がお互いのそれぞれの立場を認め合って公のものとしてそういう仕組みの支援をしていくかということは、今、根本的に考えないといけないと思います。我々は絶えずそういう困っている人たちがこうなので、こういうことを認めますが、そうではない人たちもたくさんいます。本当に努力をして、大変な思いをして返している人たちはたくさんいます。この人たちは債権放棄などは絶対やらないと。その責任感でプライドをかけて返しています。しかし、その一方ではいろいろな事情があって、どうしようもないのでそういう事情に立ち入っているわけです。そういう状況を見ますと、一生懸命頑張っている人たちが私も努力しなくていいと。時間がたてば債権放棄されるということになれば、この人たちがプライドを持って頑張っているというそのもの自体が完全にないがしろにされるのではないですか。ですから、そこは両方とも立場を立てないといけないと思っているので、貸付制度の仕組みそのもの自体を、今、見直して不公平感をなくすような形でやっていかないと、どんどん債権放棄の金額は膨らんでいくと思います。ですから、そういうことも含めて、県としてきちんと自分たちは沖縄県でどうしていくかということも含めてやらないといけないと思います。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 亀濱玲子委員。

○亀濱玲子委員 今、照屋委員からもいろいろ御指摘がありましたが、そもそも母子福祉資金貸付金で成果を出して一生懸命頑張っていらっしゃる方もいらっしゃるだろうと思います。この事業の中で債権回収に努力をされたということはわかります。しかし、地方自治法の第96条で債権の処理をするということが必要だろうと思いますが、担当においては、貸し付け後の自立支援というものはどのように行っていますか。債権回収はもちろん丁寧にしていかないといけませんが、貸した後の自立支援をどのように指導されているのか、教えてください。

○名渡山晶子青少年・子ども家庭課長 各福祉事務所で貸付金の事務を行っていますが、福祉事務所には母子父子自立支援員というひとり親家庭のさまざまな生活や就労等の相談に乗るような人員を配置しておりまして、彼らがさまざまな生活をしていく上での相談を受け、それに見合う―例えば、福祉サービスの情報提供であったり、支援の紹介であったりということをすることにより、自立に向けた支援を行っているところでございます。

○亀濱玲子委員 ここに至るまでに、今の自立支援ももちろん行ったと。そして、その後に例えば多重債務に陥っていないかとか、消費生活相談の中で今のような自己破産に至るまでにやれることがあったのではないかと思ったり、あるいは福祉につなぐといいますか、横の連携といいますか、この方の状況をみんなでサポートするような中でせっかく貸し付けた金額が生かされている、あるいは生かされていかないというようなことがやはり精査されていかなければ、最終的にはこういう形になっていくのかと思います。いわゆる消費生活相談であったり、今、福祉事務所の話をされましたが、こういう横断的な連携ということはなされていますか。

○名渡山晶子青少年・子ども家庭課長 多重債務等の問題で言えば、例えば県から母子寡婦福祉連合会に委託をしているひとり親向けの弁護士等による法律相談へつないだり、例えば養育費等の問題があれば養育費相談支援員につなげたり、他の機関のパーソナルサポートセンターであったり、生活困窮等であればそういった社会福祉協議会につなげたりといった形で各支援機関の支援に精通した母子父子自立支援員を配置しておりますので、家庭の状況に応じた支援を紹介していくという体制はとっているところでございます。

○亀濱玲子委員 せっかくの事業が最終的にこれを借りたことによって生活が壊れていく、あるいは連帯保証人が所在もわからなくなるような、生活を立て直したかったはずなのに、それがうまくいかずに逆の方向に行ってしまっているということがあるので、横断的な支援のあり方がしっかりとしていかないと、この貸付金の目的みたいなものが―先ほど53%の返済の話が出ていましたが、少しこのあたりが難しいかと思います。先ほどの438件の中でこのような形が見えてきているという見通し、そのようなものがもし精査できているようであれば教えてください。

○名渡山晶子青少年・子ども家庭課長 438件のうち、時効期間が満了している債権は78件、約5000万円ほどございました。ただ、こちらについては例えば所在調査で努力の余地があるであろう、あるいは時効の援用が可能であろうといった、なお努力の余地があるであろうということで今回、債権放棄という提案はさせていただいておりません。今後、そのような努力を重ねながら、そして経過等も精査しながら適切な債権管理をしていきたいと考えております。先ほど委員がおっしゃったように、今回のケースで言えば、自立のために貸し付けた資金が他に流用されてしまって、自立につながらなかったということが今回このような状況にかえって窮地に陥るような形になってしまったと思っておりまして、その後、県の審査基準等を改正しまして、例えば事業開始の際には商工会等の経営指導員による事業計画のアドバイスを受けることといったような、適正な事業計画をつくらせることも支援の一つであろうと考えておりまして、そのような観点からの支援もあわせて行うことで適切なひとり親家庭の自立支援につなげていきたいと考えております。

○亀濱玲子委員 ぜひ環境の整備をしていただいて、窮地にどんどん追い込まれていくようなことはなるべく避ける、制度の目標が達成できるような仕組みをつくっていただきたいと思います。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 次呂久成崇委員。

○次呂久成崇委員 償還が始まる前にも審査ということは先ほどからおっしゃっていただいていますが、この償還が実際に始まっての現状といいますか、今、こういう状況ですというような報告や内容、また実際に償還をしていながらの相談業務といいますか、支援ということはどのようになっているのか教えていただけますか。そう言いますのは、やはり返済が困難な状況になる前に何らかの分割の相談であったり、支援といいますか、猶予もあると思います。ですので、そのような途中での状況を把握するためにも間、間の状況を確認するということが大事な過程かと思いますので、どのような対応がなされていますか。

○名渡山晶子青少年・子ども家庭課長 委員おっしゃるように、滞納の長期化が問題ということで参考までに申し上げますと、現年分ですと償還率は90.5%ですが、過年分になりますと18.4%ということで、長期化することにより未収金もどんどん返せない状態ということが続いていくということがデータ的にもはっきりしているところではございます。ですから、そこに至るまでの支援が重要ということはおっしゃるとおりでして、先ほど来お話をさせていただいております母子父子自立支援員による支援であったり、あるいは母子父子協力員という福祉事務所の母子自立支援員の下に各地区担当を設けて、協力員がこまめに債務者のお宅を訪問させていただいて、時間外などの訪問も可能になってくるものですので、そのようにさせていただいて、その借受人の状況等を把握しながら支援員のアドバイスにつなげていくというような寄り添った形での支援も心がけているところではございます。

○次呂久成崇委員 今、債権回収は委託されていますよね。

○名渡山晶子青少年・子ども家庭課長 先ほど申し上げました、債権回収機構への委託は長期にわたる滞納と困難ケースの一部を委託しておりまして、通常の償還業務は今、申し上げたような福祉事務所の協力員等を配置する中で償還指導に当たっているところでございます。

○次呂久成崇委員 委託料は幾らになりますか。

○名渡山晶子青少年・子ども家庭課長 委託料は回収実績の30%と完全実績制になっておりまして、平成27年度の実績でいいますと、委託額が約3600万円で、回収が約200万円ということで、それに対する委託料が64万8597円という実績でございます。

○次呂久成崇委員 現年度でどれだけきちんと償還してもらうかということが一番大事かと思いますので、ぜひいろいろな関係機関とも連携をして、現年度もしっかり償還してもらうという体制を整えていただきたいと思います。

○名渡山晶子青少年・子ども家庭課長 照屋委員がいらっしゃらないのですが、照屋委員から調定額がどれぐらいかということで質疑がありまして、把握していないと申し上げましたが、数字が出てきましたので、申し上げてよろしいでしょうか。
 貸し付け中の額ということで、10億5755万円の貸付額が貸付現在額としてはあったということで、調定額のものということは先ほど申し上げたように把握をいたしかねますが、貸付現在額という御質疑であればその額ですということで、補足させていただきます。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○狩俣信子委員長 質疑なしと認めます。
 よって、乙第19号議案に対する質疑を終結いたします。
 休憩いたします。

   (休憩中に、補助答弁者入れかえ)

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 次に、子ども生活福祉部関係の陳情平成28年第37号の2外18件の審査を行います。
 ただいまの陳情について、子ども生活福祉部長の説明を求めます。
 なお、継続の陳情については、前定例会以降の新しい事実についてのみ説明をお願いいたします。
 子ども生活福祉部長の説明を求めます。
 金城弘昌子ども生活福祉部長。

○金城弘昌子ども生活福祉部長 それでは、陳情の処理方針について、お手元に配付しています陳情に関する説明資料で、御説明申し上げます。
 表紙をめくりまして、陳情一覧表をごらんください。
 子ども生活福祉部関係では、継続の陳情が14件、新規の陳情が5件となっております。
 継続陳情のうち、通し番号5の平成28年第89号の3、美ぎ島美しゃ(宮古・八重山)圏域の振興発展に関する陳情につきましては、処理方針に変更がありますので、御説明させていただきます。
 7ページをお願いします。
 処理方針に変更があるのは、記事項5についてです。
 変更のある箇所を下線で示していますので、変更後の処理方針を読み上げます。
 5、県においては、平成27年に発生した児童虐待死亡事件に係る児童虐待死亡事例検証報告書の提言を踏まえ、関係機関と協議を行う等、検討を進めてきた結果、平成29年4月に中央児童相談所宮古分室を設置することとしました。
 今後は、宮古島市や児童家庭支援センターはりみず等、関係機関と適切な役割分担と連携を図り、宮古地域における児童相談支援体制のさらなる強化を進めてまいります。
 変更の理由についてですが、9ページをお願いします。
 変更理由の欄をごらんください。
 平成29年4月1日から、中央児童相談所宮古分室を設置することが決定したため、処理方針を変更するものであります。
 以上が、処理方針の変更に係る説明であります。
 その他の継続分については、処理方針に変更がありませんので、説明を省略させていただきます。
 それでは、新規の陳情5件について、その処理方針を御説明いたします。
 27ページをお願いします。
 陳情第7号沖退連2016年度医療・介護制度及び地域公共交通機関に関する陳情について、処理方針を読み上げます。
 1、(1)及び(3)、高齢者が住みなれた地域で自分らしい暮らしを続けることができるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援を一体的に提供する地域包括ケアシステムの構築を市町村が中心となって取り組んでおります。
 県としましては、各地域の実情に応じて地域包括ケアシステムの構築が図られるよう、市町村を指導するとともに、地域密着型施設の整備、認知症施策の推進、生活支援コーディネーター養成研修等を実施し、市町村を支援してまいります。
 1、(2)及び2(11)市町村及び都道府県は、介護保険法に基づき、地域包括ケアシステムの推進と、介護保険事業計画及び介護保険事業支援計画を策定することになっております。
 介護保険事業計画の基本指針では、介護保険事業計画作成委員会の委員として、保健医療・福祉関係者等を選定することに加え、公募等により被保険者の代表者の参加に配慮することや、地域における公聴会等を開催することが重要とされております。
 県としましては、策定指針に基づき、被保険者の意見が反映されるよう、市町村を指導してまいります。
また、医療・介護総合確保基金に係る年度毎の活用計画の策定の際には、福祉団体、サービス提供者、教育関係者、経済・労働団体で構成する沖縄県介護従事者確保推進協議会において、計画内容の協議、検討を行っております。
 1、(4)本基金の活用計画・執行状況については、医療介護総合確保促進法に基づく県計画として各年度毎に県ホームページにおいて明らかにしております。
 1、(5)地域包括支援センターは、介護保険法により市町村及び市町村の委託を受けた法人が設置することになっております。
 県としましては、今後とも市町村と連携し、地域包括支援センター職員の資質向上のための研修事業等必要な支援を行い、センター機能の充実を図ってまいります。
 2、(1)及び(2)、市町村においては、新総合事業に移行後も訪問介護や通所介護のサービスは、これまでと同様に提供されるとのことで、市町村に確認しております。
 県としましては、新総合事業への移行に当たって、市町村による事業の円滑な実施を支援してまいりたいと考えております。
 2、(3)要介護認定・要支援認定に当たっては、法令等に基づき、認定調査、審査、判定等について、公平性と客観性の観点から全国一律の基準が用いられております。
 2、(4)認知症の人の意思が尊重され、できる限り住みなれた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることが重要であると考えております。
 そのため県では、認知症高齢者等見守り活動事業を実施し、市町村の見守り・SOSネットワークの構築を促進しているところであります。
 また、平成28年度から県内の6つの企業と認知症高齢者等の見守り活動に関する協定を締結するとともに、行方不明時に警察が迅速に手配できるよう、認知症高齢者等の見守り及び安全支援に関する協定を、平成28年11月に県警察と締結したところであり、引き続き見守り体制の構築に努めてまいります。
 2、(5)県では、認知症の鑑別診断とその初期対応、専門医療相談等を実施する認知症疾患医療センターを指定しております。 
 センターは、県全体を統括する基幹型を1カ所指定し、県内5圏域ごとに1カ所を基本に指定しております。
 合計6医療機関を指定し、認知症疾患医療センターの対応能力等の強化・充実を図っております。
 2、(6)特別養護老人ホーム等の整備については、高齢者保健福祉計画に基づき、計画的に進めていくこととしております。
 県としましては、地域医療介護総合確保基金により、住みなれた地域での生活を支える地域密着型サービスの拠点整備を図る市町村を支援することとしており、平成29年度は、特別養護老人ホームを5施設、145床を整備する計画となっております。
 特別養護老人ホームの個室・ユニット型居室の整備等については、個人の自立的生活を支援するユニットケア型施設の整備を促進しております。
 2、(7)養護老人ホームの措置人数については、平成28年4月1日時点で、定員300人に対し182人となっています。市町村に対する措置対応状況等調査では、措置控えは認められませんが、入所率の低い背景には、多様な高齢者の住まいが増加したこと等があるのではないかと考えております。
 県としましては、措置事務がより適正に行われるよう、各市町村に技術的助言を行っていくとともに、次期沖縄県高齢者保健福祉計画の策定に当たり、沖縄県養護老人ホーム等検討委員会において、今後の沖縄県の養護老人ホームのあり方について検討していくこととしております。
 職員配置については、要介護者の増加に対応した基準への見直しを、九州各県保健医療福祉主管部長会議を通じ国へ要望しているところです。
 2、(8)県では、有料老人ホーム及びサービス付き高齢者向け住宅に対し、定期的に立入検査を実施しております。
 虐待防止については、立入検査時に高齢者に対する身体的拘束の状況や職員研修の取組等を確認しております。
 防災対策については、消防訓練の実施状況等を確認しております。いずれにおいても、是正が必要な場合には指導を行い、改善を求めているところです。
 また、有料老人ホーム等の防災体制の向上を図ることを目的に沖縄県広域地震・津波避難訓練への参加を指導しております。
 未届けの有料老人ホームについては、市町村や関係機関と連携し、定期的に実態把握を行っており、把握した未届けの有料老人ホームに対し立入検査を実施し、必要な指導・助言を行うこととしております。
 県としては、届出を促進するため、引き続き、定期的に未届けの有料老人ホームの実態把握を行い、必要な指導・助言を行ってまいります。
 2、(9)毎年度、事業者から提出される介護職員処遇改善加算の実績報告を取りまとめ、賃金改善の状況などを確認しております。また、当該処遇改善加算や労働局の各種助成金などについても引き続き研修会等において周知し、活用を促してまいります。
 2、(10)県では、介護事業者の研修会等において、沖縄労働局と連携して介護事業所の労働環境の改善について周知を図っているほか、行政機関、労働団体等で構成される沖縄県介護労働懇談会において、介護職員の労働環境改善につながる施策について情報交換等を行っているところであります。
 県としましては、介護事業者が労働環境改善に取り組むよう引き続き労働行政機関と連携し、指導してまいります。
 2の(11)は、1(2)で一括して説明しましたので、省略させていただきます。
 2(12)ア、イ及びウ、介護保険に係る制度改正については、国の社会保障審議会で審査しており、県ではその状況等を注視しているところであります。
必要に応じて、他の都道府県とも連携して国に要望するなど適切に対応していきたいと考えております。
 2、(12)のエ、認知症の人による事故に関する関係省庁連絡会議の作業部会では、救済範囲や財源などを含めた議論が必要で、直ちに制度的な対応をすることが難しいとしながら、まずは事故やトラブルの未然防止や早期対応の施策を推進し、今後については、状況を注視しながら必要に応じて検討するとした検討結果がまとめられました。
 県では、これらの状況を注視しながら、引き続き認知症高齢者等見守り活動事業等を実施し、県内市町村の見守り・SOSネットワークの構築を促進し、事故の未然防止等に努めてまいります。
 2、(12)のオ、平成30年度からの第7次介護保険事業計画の基本指針で、一億総活躍社会の実現の内容が考慮されることになっております。
 県としては、同基本指針に基づき、小規模多機能型サービス等の地域・在宅生活を支える基盤整備も進められるよう、地域での介護サービス量等を適切に見込んだ市町村の介護保険事業計画の策定を支援してまいります。
 2、(12)のカ、介護職員の処遇改善につきましては、介護報酬の処遇改善加算を活用するよう事業者に対して指導するほか、管理者研修を実施するなど、事業所内の労働環境と職員処遇の改善に向けた取り組みを引き続き実施することとしております。
 続きまして、34ページをごらんください。
 陳情第15号沖縄戦身元不明孤児の身元判明事業を求める陳情について、処理方針を読み上げます。
 35ページをお願いします。
 1、沖縄戦孤児の身元判明につきましては、実態が不明であること、自分の過去を知られたくない等、さまざまな個人の事情があることが想定されることから、把握することが困難であると考えております。 
 続きまして、36ページをごらんください。
 陳情第18号精神障害者に対する「重度心身障がい者医療費助成制度の適用」に関する陳情について、処理方針を読み上げます。
 1、重度心身障害者医療費助成事業は、重度の身体障害者と知的障害者に医療費を助成することにより、福祉と健康の増進を図ることを目的として、事業主体である市町村が助成した対象経費を補助する事業であります。
 同事業の対象範囲を精神障害者まで拡大することについては、市町村の財政負担等もあることから十分な調整が必要であり、市町村の意向及び他県の動向を見ながら対応していきたいと考えております。
 続きまして、37ページをお願いします。
 陳情第19号北朝鮮による拉致の可能性を排除できない沖縄県民の早期救出と真相解明を求める陳情について、処理方針を読み上げます。
 38ページをごらんください。
1、2及び3、北朝鮮による拉致問題については、被害者を救出するために必要な支援を行うことを目的として、平成20年に北朝鮮による拉致被害者を救出する知事の会が設立されており、沖縄県も参加しております。
 また、那覇地方法務局、那覇市、人権擁護委員連合会と県で構成する沖縄県人権啓発活動ネットワーク協議会において、「北朝鮮当局による人権侵害問題に対する認識を深めよう」を年間強調事項の一つとして、相互に連携、協力して啓発活動に取り組んでいるところであります。
 また、毎年12月10日から16日までは北朝鮮人権侵害問題啓発週間と位置づけられており、平成28年は同週間に合わせて、県庁1階ロビー及び那覇市役所においてパネル展を開催するとともに、期間中には、県内の出先機関や全市町村へポスターを配付するほか、県のホームページで、通年において周知を図っているところであります。
 今後とも、国及び知事会と連携・協力し、拉致問題の解決が図られるよう、啓発活動に取り組んでまいります。
 続きまして、39ページをお願いします。
 陳情第26号ヘイトスピーチに関する陳情について、処理方針を読み上げます。
 1、県では、人権尊重思想の普及高揚を図り、県民に人権問題に関する正しい認識を広めるため、法務省からの委託を受け、人権啓発活動を実施しております。
 また、法務省では、啓発活動年間強調事項17項目のうちの一つに「外国人の人権を尊重しよう」が含まれており、特にヘイトスピーチに焦点を当てた広報・啓発活動に取り組んでいるところであります。
 なお、平成28年6月3日にいわゆるヘイトスピーチ解消法が公布、施行されています。
 県としましては、差別のない社会の実現に向けた人権啓発活動に今後とも取り組んでまいります。
 以上で、子ども生活福祉部に係る陳情の処理方針について、説明を終わります。

○狩俣信子委員長 子ども生活福祉部長の説明は終わりました。
 これより各陳情に対する質疑を行います。
 質疑に当たっては、陳情番号を申し述べてから重複することがないように簡潔にお願いいたします。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行うようお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 比嘉京子委員。

○比嘉京子委員 説明資料34ページ、陳情第15号、身元不明孤児の問題について処理方針からの質疑ですが、例えばそういう身元不明児―いわゆる、肉親捜しですが、そういうことについて処理方針の中にはさまざまな問題があるので、把握することが困難であるという処理方針になっています。知られたくない人も予測はされると思いますが、県として身元判明について実態調査等を試みた経緯がありますか。

○名渡山晶子青少年・子ども家庭課長 実態調査を行ったことは把握した限りないと思います。戦後沖縄児童福祉史という書籍によりますと、戦後、米国海軍政府は仮収容所の中に孤児院を設置し、約1000名の戦災孤児等を保護していたという記録は残っているところでございまして、それによりますと、県内の辺土名、平良、瀬嵩、福山、漢那、石川、前原、コザ、糸満、百名という10カ所に孤児院が開設されていたという記録は残っているところでございます。御質疑の趣旨に合うのかわかりませんが、実情としてはそれが現存する記録というところでございます。

○比嘉京子委員 実態がどうだったかということよりも、今、生き残っている人々がどういう希望を持っているのか。例えば、断言していいのかと。そのように処理をしていいのかという思いがあって質疑をしています。予測されることであってもそれで一からげにして、本当に身元を捜したいと思う人が中にはおられるかもしれない。そういう人たちの声というものを聞いたことがない中で、このように想定して困難であると答えていいのかどうか。この処理方針について、その人たちがどういう思いでおられるのかということを調べない中で、困難だという断言をしてしまっていいのかと思いますが、もっと方法等の検討はなされなくてよろしいのでしょうか。

○玉城律子平和援護・男女参画課長 このことについて当課で把握している限りでは、ここ数年で当事者からそういった御相談を受けたことはありません。そして、沖縄県の遺族連合会にもこういう御相談が寄せられているのかどうか確認してみましたが、終戦直後は少しお話があったようですが、ここ最近―最近といいますか、全くそういった相談なども寄せられていないというお話がありました。当課としましては、今後、もし戦争孤児の方などから個別に御相談があれば、課でまずはお話を聞いて、どのようなことができるのか考えてみたいとは思っていますが、今のところこちらで把握している限りでは、このような御相談は寄せられておりません。

○比嘉京子委員 むしろ積極的に呼びかけの広報をしてみる必要があるのではないかと思います。相手から来るからではなく、そういう人々に対して、自分の存在がどこからどう来ているのかという、名前さえもわからない人たちが高齢になっておられるからこそ、それを明らかにしたいということにもなっていくのではないかと。県として行うべきことをもっと積極的に呼びかけしていくということが必要ではないかと思いますが、そのような呼びかけ、広報活動などについて積極的にするというお考えはいかがでしょうか。

○名渡山晶子青少年・子ども家庭課長 施設ですが、石嶺児童園には前身の沖縄厚生園が開設される以前の昭和20年の名簿が残されておりまして、この名簿には約600名の方のお名前と入所理由等が書かれているというところが、今、一番古い資料なのかと思っております。ただ、施設において、その方々が御存命でいらっしゃるのか、どこにいらっしゃるのか等のその後の状況というのは把握していないところでして、また在園者名簿ということが施設の設置者として本人から何らかの求めがあったときに対応するために備えつけているという、個人情報上の扱いもありますので、施設側からの話を言いますと、こちらから積極的に身元判明のための働きかけをこの名簿によって行うことは少し難しいのかという見解は持っているところでございます。

○比嘉京子委員 私が今、お話ししていることは、個人、個人にアプローチするのではなく、不特定多数のマスコミ等を通じてそういう経緯をお持ちの人で、今、遺骨収集の中で身元の判明がもしかしたら一致することがあるかもしれないということで、自分としても登録をしておきたいとか、そのようなアピールといいますか、県として呼びかけをしていくということを行って、それでも出てこない場合はこのような処理方針になっても致し方ないかと思いますが、調査をしたことがないのにこの処理方針でいいのかと。また、その中には声を上げる機会を失っている人がいるかもしれないと。そのようなことを含めて声かけが必要ではないかと思いますが、そういうことをぜひ呼びかけ―きょうの記者の皆さんにでもいいのですが、そういう呼びかけをしてみるというようなことが必要だと思います。検討していただければと思いますが、いかがですか。

○玉城律子平和援護・男女参画課長 今、委員からお話のありました戦没者の御遺骨のDNA鑑定ですが、これにつきまして今のところは昨年法律ができたこともあり、加速化はされていますが、前回の委員会でもお話があったかと思いますが、DNA鑑定の対象拡大というのは今は国は頭骨にあります歯からDNAを採取しているということがありますが、これを四肢骨にも拡大するということを厚生労働省に確認しましたら検討中ということではあります。ただ、遺族への呼びかけは御遺骨が見つかった場所の部隊記録などである程度範囲を限定して呼びかけを行っているので、全県的にDNA鑑定をしたい方はどなたでも参加できる形にはなっていません。恐らく、遺骨に関しては範囲を限定してDNA鑑定を行っておりますが、そのDNA鑑定を孤児の方の肉親捜しに活用するといったことは今のところ厳しいと考えております。

○比嘉京子委員 それが処理方針につながるとはとても思えません。今、記の部分に対する考え方としては違うのではないかと思っておりますので、意見を述べて再検討をお願いしたいと思います。
 次に、説明資料36ページ、陳情第18号について、例えばこれは沖縄県内の市町村の問題なのか、他都道府県で精神障害者に関してもそういう支援がある場合がされているのかどうか、その1点をお聞きしたいと思います。

○與那嶺武障害福祉課長 重度の方に対する心身障害者の医療費助成事業は、今現在、沖縄県は精神障害者の方は対象とはなっておらず、ほかの都道府県では十数県程度対象となっているところがあります。

○比嘉京子委員 後でいいので、どの都道府県で支援されているのかということの資料をいただければと思います。この見通しというのは沖縄県では市町村の支援の見通しがないからかと思いますが、その見通しについて県としてはどのようにごらんになっていますか。

○與那嶺武障害福祉課長 この制度は、市町村が助成した額の2分の1以内を助成するという形になっているので、やはり市町村の意向をまず第一に―当然、市町村の財政負担も伴ってくるものですので、市町村と十分意向を確認しながら慎重に進めていく必要があると考えております。

○比嘉京子委員 では後で資料をお願いします。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 平良昭一委員。

○平良昭一委員 説明資料34ページ、陳情第15号、同じように身元不明孤児の事業についてですが、処理方針が非常に残念でなりません。戦後70年以上たって、この方々は恐らく70歳以上になるわけですよね。ひとりで生活してきて、これから家族を持って、恐らく子供たち、孫がいる時代になってきています。やはり当初は話したがらなかった方々はたくさんいらっしゃいました。最近、マスコミ等でもどんどん話し出しているではないですか。それは恐らく自分がここに生きていたというあかしを後世に残したいからなのです。そういう苦しい思いをしながら話していらっしゃる方々の気持ちを逆なでするような、また門扉を閉ざしてしまうようなことはやってほしくありません。我々の戦後はまだ終わっていないのです。そういう観点から少しでもそういう方々がいらっしゃる可能性があるということであれば、そういう処理方針ではいかがなものかと思いますが、本当にこれでいいのですか。

○金城弘昌子ども生活福祉部長 先ほど、平和援護・男女参画課長からも答弁をさせていただきましたが、まず身元不明孤児には自分の家族がどこで亡くなられたのかということもわからないということがあるものですから、なかなかそういう意味でいくと難しいのかと思っています。ただ一方で、当然ながら身元不明孤児であったとしても、沖縄戦を経験された厳しい環境の中で恐らく戦後ずっと暮らされてきたのかと思っております。ですから、そういう方々に対してはしっかり御相談なり、また逆に亡くなられたところがはっきりわかるようであれば、そういう働きかけもできるのかと思っておりますが、ただ現時点、今、身元不明孤児の方々が遺族を捜されていらっしゃるのかということもここ何年か特に県にもお話がないということと、国にも問い合わせをしましたが、そのような照会もなかったということでしたので、現時点はこのような処理方針にしておりますが、当然ながら、もし肉親を捜したいということである程度、確かだという可能性の高い材料が出てくるのであれば、それは当然県としてもやっていくと思っております。また、あわせて御相談があればその辺についてはしっかり伺ってみたいと思っておりますが、なかなか現時点で県にそういう声がなかなか届いていないという中では、このような形にしかならざるを得ないのかということが現状でございます。今後、状況を踏まえながらもし必要があれば対応を考えていこうかと思っております。

○平良昭一委員 処理方針の文言からすると、そういうことには全く聞こえてきません。自分の過去を知られたくないなどということは、過去の話です。私が先ほど言ったのは、この子供たちというのは孫もいる時代です。言い方が悪いかもしれませんが、自分の死期が近づいていることを感じて何かを伝えないといけないような状況が絶対変わってくるのです。だからこそここに来て証言がたくさん出てきていることが理由ではないですか。そういうことを踏まえながら明らかに孤児の方々の考え方も変わってきているということも想定しながら処理方針で対応していかないと、この文言では納得いきませんし、戦争にかかわった方々に対しての対応自体がその文言からは感じられません。そういうことからしますと、その方針ももう少し丁寧さがあってしかるべきではないかと思いますが、いかがですか。

○金城弘昌子ども生活福祉部長 身元判明については現状そのような状況でしか把握していないところでございますが、当然ながら、今、戦後72年経過して思うところもあるのかもしれません。そういった場合に、私どもは援護を所管する課を設置しておりますので、そこでしっかり御意見は伺っていきたい、もしくはどういうことができるのかどうかも含めて考えてみたいと思っております。

○平良昭一委員 DNA鑑定の方法も広がってきたということで、やはりそういう社会的な背景もあるわけですので、もしかしたら探せるのではないかという可能性も出てくるという、孤児の方々の中にはそのように思っている方々も当然いらっしゃいますので、このような処理方針ではなく、もう少し変わったようなものの中での姿勢を示していただきたいと思いますので、その辺はまた考えていただけますか。

○金城弘昌子ども生活福祉部長 繰り返しになりますが、現時点はこのような処理方針にしておりますが、これを取り上げることでまた御遺族なり、孤児の方から声が上がってくるのであれば、そういうときは考え方を変えることもあるのかと思いますが、現時点ではなかなか難しいのかと思っております。

○平良昭一委員 現時点で難しいのであれば、それを開くような努力を処理方針の中でやってください。自分たちが呼びかけるぐらいの気持ちがないとだめだと思います。それぐらいの優しさを持ってください。それが先輩方、そして一生懸命孤児として頑張ってきた方々に対する配慮ではないですか。そういう姿勢を私は求めているのです。それがまず見えないのでそのような言い方をしていますが、その辺についてもう一度答弁を求めます。

○金城弘昌子ども生活福祉部長 繰り返しになりますが、どういう形で呼びかけができるのかも含めて、今、手法を県として持ち合わせていないものですから、当然ながら御相談があれば受けるという姿勢は変わりません。DNA鑑定についても当然ながら確かな事実が上がってくるようであれば、そこはしっかり呼びかけるということは当然でございます。ただ、今現時点で身元不明の孤児の方々が今どこにいらっしゃるのかも含めて、そういった条件がない中ではなかなか呼びかけをすることも難しいのかといった状況でございます。

○狩俣信子委員長 休憩いたします。

   午前11時55分 休憩
   午後1時21分 再開

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 午前に引き続き、質疑を行います。
 質疑はありませんか。
 金城泰邦委員。

○金城泰邦委員 説明資料29ページ、陳情第7号、2の(3)、要介護認定の要支援認定に当たっての処理方針ということで書かれておりますが、全国一律の基準が用いられていると。要するに、国の法律でもって定められているとおりに対応しているということだと思いますが、申請を行って認定を受けるまでの期間もたしか一定の基準があったかと思いますが、その辺において一律の基準が満たされているのか。現場ではなかなか人が少なくて、日数がかかっている状況が多いと聞いておりますが、県全体としてはその辺はどうなのでしょうか。

○上地幸正高齢者福祉介護課長 要介護支援の申請につきましては、保険者であります市町村に申請を行って、保険者である市町村が認定をしていくわけですが、一応6カ月の期間に対応をするように努めているものと思います。県としましては、適正に認定が行われるよう研修等を通じて支援をしているところです。

○金城泰邦委員 6カ月ですと長くないですか。

○上地幸正高齢者福祉介護課長 60日でした。失礼しました。

○金城泰邦委員 介護を受けたいと思ってもなかなか認定がおりないと受けられないということで現場では結構声があるので、そこも県全体でしっかりとカバーしていただければと思います。
 次のページの(7)について私がよくわからないので教えてほしいのですが、措置控えというものがどのようなものになるのでしょうか。

○上地幸正高齢者福祉介護課長 例えば、特別養護老人ホームについては、利用者の方と施設が直接契約をする格好になりますが、養護老人ホームについては市町村に利用者が相談していただいて、市町村から養護施設に措置をするということになっております。そういうことで市町村が措置をしますが、養護が必要な方について措置をしないというようなことを指していると考えております。

○金城泰邦委員 処理方針を見ますと、措置控えは認められないという書き方になっていますが、措置控えはないということで理解していいのですか。

○上地幸正高齢者福祉介護課長 そこにも書いてあるように、市町村に対して対応状況等を調査しておりまして、その中でそういった措置控えは認められないということでございます。

○金城泰邦委員 養護老人ホームが定員300人に対して182人という半分ぐらいしか利用されていないということで、これは多様な高齢者の住まいが増加したことということが皆さんの表現ですが、ここもよくわかりません。何が原因で養護老人ホームの入所が半分ぐらいなのかということについて、もう少し具体的に教えていただけませんか。措置控えではないほかの理由があるのか。

○上地幸正高齢者福祉介護課長 こちらに書いてありますように、入所率の低い背景には多様な高齢者の住まいが増加したということで、例えば有料老人ホームなどの施設を利用している方がふえていると考えております。

○金城泰邦委員 そういった有料老人ホームなどがふえて、この養護老人ホームが減ったということは、養護老人ホームの使い勝手が悪いとか、環境が悪いということで希望者がいないということになるのでしょうか。なぜこのように聞くのかといいますと、今、特別養護老人ホーム―特養などでも待機がいる中で養護老人ホームに半分しか入らない理由は何なのですかというところなのです。改善すべきところがあるのですか。

○上地幸正高齢者福祉介護課長 まず、養護老人ホームというのは市町村の措置により環境上の理由及び経済的理由により居宅において養護が困難な方を入所させ、その方が自立した日常生活を営み、社会的活動に参加するために必要な指導及び訓練、その他を援助する目的といった施設でありますが、特段、使い勝手が悪いなどとは考えておりません。

○金城泰邦委員 ということは、入所したいけれどもハードルが高くて入れないという―今、生活が厳しかったり、そういう方が対象となりますと、思わず生活保護みたいなものを連想しますが、入りたくても基準が厳しくて入れないとか、そういったことではないのでしょうか。

○上地幸正高齢者福祉介護課長 市町村にそういった相談件数が少ないということが原因ではないかと考えております。

○金城泰邦委員 これはまたおいおい私も研究して、機会があれば伺いたいと思います。
 次に、説明資料34ページ、陳情第15号身元不明孤児の身元判明事業を求める陳情についてですが、陳情要旨の中には身元不明の方々に対して、DNA鑑定の参加の機会を設けるべきであると書かれておりますが、今、参加する機会は与えられていないのでしょうか。

○玉城律子平和援護・男女参画課長 今、国で行っているDNA鑑定は、戦没者の収骨した御遺骨に対して遺骨の遺族を捜して御遺骨を遺族の方にお返ししたいということでやっているものですので、遺骨のDNA鑑定に参加するといいますか、厚生労働省がある一定の地域で収骨された御遺骨に対して部隊記録等から御遺族かと思われる方たちに呼びかけを行って、DNA鑑定に参加する意思があるかどうかとかを確認してやっているところですが、今、DNA鑑定に参加したい人がどなたでも参加するといった形にはなっておりません。

○金城泰邦委員 遺骨からとったDNAにおいて、遺族が誰になるのかという選定は誰が行っているのですか。

○玉城律子平和援護・男女参画課長 厚生労働省から各都道府県にある特定の地域で収骨された御遺骨に対してそこに部隊記録等がありますので、それを見てそれぞれの都道府県に照会をかけております。沖縄県でも部隊記録にある方たちに対しては情報を厚生労働省に提供しまして、厚生労働省で通知し、参加の希望を確認しております。

○金城泰邦委員 いわゆる蓄積されているであろうDNA鑑定結果というのは、遺族にどのくらいの割合でつなげることができているのですか、

○玉城律子平和援護・男女参画課長 昨年、法律ができまして、御遺骨から抽出したDNAにつきましてはデータベース化をして、御遺族と思われる方等の照会を行い、特定されなかった場合でも別の方で該当する方がいた場合はDNAの照合をするということで、遺骨とDNAに関してはデータベース化するということがありますが、遺族の方からDNAについては、今、そのようにはなっておりません。平成15年から厚生労働省がDNA鑑定を開始しておりますが、平成27年2月末日現在で、DNA鑑定は50件実施されておりまして、その中で沖縄県で身元が判明した件数は4件となっております。

○金城泰邦委員 50件実施したうちの4件しかつながれていないという現状だと思いますが、せっかく遺骨を収集してDNA鑑定を行ったとしても見つからなければ事業自体まだ道半ばということになると思います。しっかりとつなげるという成果を導き出す意味では、今の名簿をもとにとか、限定したやり方が本当に現場にそぐわしいものになっているのかどうかというのはなかなか疑問が浮かびます。そういった意味では確率をもっと上げる必要があると思いますし、そういった分ではこれも一つの身元の不明の方ももしかしたら対象になる可能性はなきにしもあらずということを考えますと、希望する方がいればこういった機会に加わるチャンスというものは県の判断として技術的にできるのであれば、これを行うことによって50件の実施件数の中からよりつながる率も上がるのではないかと思うのですけれども。まず、技術的に可能なのかどうか教えていただけますか。手続的に可能なのか。

○金城弘昌子ども生活福祉部長 まず、50件のうち4件ということなのですけれども、結局これは先ほど言いました部隊記録ですとか、遺品とか、そういう遺留品とかそういうことがあって、初めて4件できたということでですね。それをまず無造作にした場合にはまずなかなか難しいだろうということが、いわゆるそのDNA鑑定をする専門家会議がございますけれども、そこのいわゆるそれぞれ法医学をしているドクターの皆さんたちです。その方々がおっしゃっている話です。事実上DNA鑑定を本来鑑定する場合には本人のDNA情報を本人に照合する分には、しっかり確かなものができるのですけれども、本人ではなくて、遺族、もしくは身内のものになると、かなりDNAの精度が下がるというように言われています。そういう中で、より遺族を確かめ、確かにするために例えば、遺品であったりとか、記録だったりをもとにしてある程度、こういった方々が遺族かもしれないというような形で呼びかけているところでございます。そうでないとなかなかDNA鑑定で合致するというのは、難しいというように聞いております。ですから、今のやり方としましては、そのDNAが抽出できるいわゆる遺骨から、合わせてそれに近いここで亡くなられた方の、例えば部隊記録であったりとか、遺品があるということでやって、そういったことごとを踏まえて、ここに関係するである人に今呼びかけているような状態で、それでもやはり50件やったけれども、4件しか上がらないということで、なかなか難しいというもので聞いているところでございます。

○金城泰邦委員 法医学といいますか、専門的な見地からの手法だと思いますが、なかなか裾野を広げるということも場合によってはあり得るのかと思いますし、こういったDNAも事業として、鑑定もしている以上は成果に結びつける意味では、このゼロか100かということだけではなくして、50%でも、60%でも可能性を見つけていくという考え方は必要ではないかと思うのですけれども、今後そういった意味では裾野を広げていく方針はどうでしょうか。

○金城弘昌子ども生活福祉部長 これまでのDNAデータというのもDNAデータをこれまではいろいろ1度DNA抽出したものをそれをそのまま廃棄してしまったという形がございました。ただやはり、戦後70年も超えてなかなか遺族も難しくなってくるという中では、とりあえず遺骨から抽出できるDNAデータはきちんとデータベース化をするということになってます。今現在そういうような形です。ところが一方、生きている方のDNAデータというのは、極めて個人情報が高い個人情報を有しているというようにいっているものですから、一度抽出しても、いわゆる遺骨から抽出されたDNAデータと、この御遺族のDNAデータが合致しても合致しなくてもとりあえずは御遺族のデータは一旦廃棄します。けれども、遺骨から出されたDNAデータはずっと保存する形で、実はDNAデータを担保するということになっておりますので、それをもとにまた何らかの形で情報が出てきたら、また呼びかけるというような形で、国は行っていくと伺っています。

〇金城泰邦委員 わかりました。何らかの形でまた努力していただければと思いますし、やはり考え方の根本としては、しっかりと遺族の方にお返ししていくそのためには何が必要かということで、また加えていただければと思います。
 説明資料36ページの精神障害者に対する陳情ですが、重度心身障害の部分でということで、県が半分、市町村が半分ですので、そういった負担があるというお話でしたが、確かに精神の部分はなかなか福祉サービスのメニューが少ないように感じておりまして、その辺は県としてどのように受けとめていらっしゃるのでしょうか。

〇與那嶺武障害福祉課長 医療費の助成という件で申し上げますと、精神に障害がある方々に対しては、精神科に通院する場合には7割は公費負担、その後、残り3割のうちの2割は自立支援医療ということで助成があります。さらに残りの1割分についても沖縄県の場合には復帰特別措置法という制度で、その1割分も見ることができますので、ざっくり言いますと、基本的には、精神科に通院されている精神障害がある方々は医療費の持ち出しは基本的にはないと。同じような形の復帰特別措置法の中で、復帰以前に入院していた方の医療費についても全てこの制度で見ることができるということになっておりまして、そのような精神障害のある方に対しての医療費助成という制度があります。

〇金城泰邦委員 今の御説明であれば、現状の取り組みによって、精神の障害を来している方に対しては、医療費の負担はないような形で、行われているという受けとめ方でよろしいですか。

〇與那嶺武障害福祉課長 今申し上げたのは基本的には精神科の病院等への通院、あるいは入院のお話を申し上げました。精神に障害がある方々もやはりそれ以外の御病気になられる方も当然ありますので、そういった場合には例えば、重度の心身障害者の医療費助成制度、これは身体と知的の重度の方々に対して適用されているのですが、現行では、精神障害者の方々に適用されていないというような現状もありますので、例えば繰り返しになりますが、この精神科以外の例えば一般病院とか、そういった場合は通院、入院した場合には、医療費が生じてくると、負担が生じるというところがございます。

〇金城泰邦委員 今の御説明で、精神と一方で身体的な部分と、区別をしなければいけないことについて、少し御説明をいただきたいのですが。

〇與那嶺武障害福祉課長 特に区別ということではなくて、そもそも重度心身障害者医療費助成制度が導入されたのが平成3年度でございます。その平成3年度にこの制度を導入した際のほかの都道府県の同制度の運用状況等を参考に沖縄県のほうもこの制度を導入している状況にあります。当時はなかなかやはりここの精神障害者の方々が例えば、平成5年度に成立した障害者基本法の中で、精神障害者の方々もその法の対象になると位置づけられております。この件で重度心身の制度を導入したことが平成3年度になっておりまして、そうした他県の状況、あるいは今の法律的な運用の状況とか、そういったものも含めて、制度当初には精神障害者の方々は含まれていなかったというように考えております。特に区別をしたということではなくて。

〇金城泰邦委員 このような陳情も上がっていることもありますので、沖縄県は、他県と、比べてまた精神も障害者の方が多いのか、多くないのかということは把握しておきたいと思っているのですけれども、もう既に県では把握されておりますか。

〇與那嶺武障害福祉課長 先ほどの、例えば精神の通院医療、これは必ずしも手帳を必要としないで受診できるというところもありまして、こちらのほうでは、精神障害者保健福祉手帳を所持者数を把握しておりますが、実際この手帳を所持していないで、精神的疾患で通院されている方とか、そういったような実数的にはなかなか把握することが困難と考えております。ちなみに、平成27年度末の県内における先ほどの精神障害者保健福祉手帳の所持者が全部で1級から3級まであるのですが、交付手帳枚数が全部で総数で2万4905件、手帳が発行されている状況になっております。

〇金城泰邦委員 沖縄県で2万4905件というのは、比率としては高いほうに当たるのか、そうでないのかというところまでは分析されていますか。

〇與那嶺武障害福祉課長 全国の状況と比較をした場合には若干やはり沖縄県の場合は多いかなというものも感じております。ただ、それぞれの各県の事情、人口規模も含めて、そういったものもありますので、一概には単純には比較はできませんが、この比較的県内の場合には精神障害者の方は多いのかなというようなものを感じております。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 新垣新委員。

〇新垣新委員 重複しないように、もうほとんど金城委員が質疑をしていただいて、私は2点だけですけれども。
 まず、説明資料37ページの第19号北朝鮮による拉致の可能性を排除できない沖縄県民の早期救出と真相解明を求める陳情の拉致問題において、正直申し上げますが、私の大おじは特定失踪者です。韓国の拉致脱獄者の証言によると、名前も出てきて、遺族関係者から拉致されているのは間違いないと。この特別失踪者という扱いに関して、恐らく県内では32名、実態は100名を超えるという状況等において、ほとんどウミンチュの方々が多いという問題において、県として行うべき課題というのは、非常に弱いと。私は市議時代からずっと訴えている問題なのですね。そこら辺において、毎年12月10日から16日までですけれども、拉致被害者と寄り添うということは、家族会とそういったものもPR、拉致は許せないという文言もなぜ県は入れきれないのか。私たちの大切な県民がこうした許せない行為、何で強いメッセージを書ききれないのかを伺いたいです。

〇玉城律子平和援護・男女参画課長 今、お配りしているポスターの中にそういう文言は確かに入ってはいませんが、県としましても法務省の人権啓発活動の委託を受けまして、人権問題に対する正しい認識を広めることを目的にさまざまな事業を実施しております。そして、平成29年度に県独自でもポスターを作成して、当該週間に合わせて県内市町村及び小中学校へ配付して、啓発に努める予定にしております。

〇新垣新委員 啓発に努めるというものに、今、都道府県でこの家族会を中心とした集会と大会にこの市町村長及び県知事が入っているのですよ。そこに全国の大会にも沖縄県の翁長知事は入っていますか。参加していますか。

〇玉城律子平和援護・男女参画課長 今、委員がおっしゃっていました北朝鮮による拉致被害者を救出する知事の会が平成20年度にできまして、沖縄県も含めた47都道府県が全部、そこには参加しておりまして、毎年集会とかございますが、そこには沖縄県も出席しております。

〇新垣新委員 沖縄県もではなくて、私の質疑を聞いていますか。翁長知事が参加していますかということを聞いているのですよ。事務方の部長レベルが行くものではないのですよ。このような大事なことは政治的ですよ。そこを聞いているのですよ。伺います。

〇玉城律子平和援護・男女参画課長 知事の代理として、東京事務所長が出席しております。

〇新垣新委員 この問題は甘ったるい問題ですよ。こういうのは、知事か副知事、こういった特別職が行くべきですよ。沖縄県はだから弱腰なのですよ。これだけ多くの数を数えて、私たち糸満市も豊見城市も本部町も石垣市、宮古島市、与那国町も海を抱えているところでほとんど拉致されているのですよ。これでいいのですか。この県の対応というものは。部長、ことしからでも改善するべきではないですか。私もしっかり家族会と向き合っているのですよ。どうですか、部長。これは知事に進言するべきではないですか。このように大事なことを事務方が行ったとか、東京事務所長が行ったってふざけすぎですよ。遺族の苦しみを軽く見ているのですか。啓発は県民大会ぐらい毎年やってくださいよ。

○金城弘昌子ども生活福祉部長 北朝鮮の拉致問題については極めて人権問題として、非常によろしくないことだと認識しています。そういうことで、先ほど平和援護・男女参画課長からありましたけれども、いろいろ知事の会のほうには当然ながら知事も名前をあげて参加しています。ただ、この間ずっといろいろな事情等もありまして、参加はできていません。ただ、しっかりその知事の代理として、参加していますので、それについては状況も踏まえながら考えていきたいというように伺っています。

〇新垣新委員 では、知事の会に翁長知事、副知事は何回出席しましたか。明確に示してください。何月何日に行かれたのか。

〇玉城律子平和援護・男女参画課長 これまでに知事が出席したことはございません。副知事もございません。

〇新垣新委員 これが皆さんの実態なのですよ。県民と寄り添うという全然寄り添っていないではないですか。このような大事なことをこれは県民大会を開くくらいにして、許されない行為だと、北朝鮮の弾道ミサイル問題も含めて、そして拉致の問題もいると過去2回において、石垣島、宮古島の上空を長距離弾道ミサイルが通ったのです。そういった問題もあるのに沖縄県は県民意識が低い。そこを改善すべきだと指摘しているのです。私たちのような苦しみを同じことを味わわせたくないのですよ。だから代理出席ではなくて、副知事でしたらわかるのですよ。私が言っているのは物事を軽く見ないでほしいということなのです。真剣に重みを含めてやってほしいのですよ。これは全国知事会からもこうやって上がってきているのですよ。だから私はこうやって質疑しているのですよ。沖縄県は軽いと。ぜひ部長、改善していただけませんか。これは県民大会を含めて、ポスターとか、そのようなものではなくて、県民大会を真剣に開いてほしいのですよ。私は家族会を代表して言いますよ。この苦しみを。どうですか。この軽い考え方を改善すべきです。答弁を求めます。

〇玉城律子平和援護・男女参画課長 県としましては、今後とも国とか、知事の会、あるいは人権擁護ネットワークとかと協力をしながら、この拉致問題の解決に向けて、取り組んでまいりたいと思っています。

〇新垣新委員 私は沖縄県独自のあり方をどうするかと、県民大会を含めて、風化させない、北朝鮮という国はこういうことをしている、県民が被害に遭っている。ポスターでは伝わらないです。それはわかるのですけれども、心を込めて県民大会を開いてほしい。これは知事会においても知事が必ず出席してほしい。軽く見ないでほしい。そういった取り組みが県民に伝わるのですよ。沖縄県として、あるまじき努力が、他の都道府県はやっているのです。沖縄県だけなのです、このように取り組みの甘さが、低いというのは、拉致問題は県民も関心があるし、国民の関心なのです。我々日本人が、ウチナーンチュが誘拐されていることと一緒なのです。だから取り組みが甘いのです。やっているやっているではないのですよ、被害者から見れば。そこをどう改善するかということを聞いているのです。
 もう一点、この問題において、過去に北朝鮮を立派な国、理想的な国、目指す国という政党もあります。これは与野党を超えて、反省するところは反省して、しっかりと県民の拉致問題意識を部長を初め当局の皆様、この問題を軽く見ないで、真剣になって、このウチナーンチュが拉致されているということを県民に広げるという周知活動を。このようなことがないように。いまだに実は続いているそうでございます。病院から拉致しているそうです。これはいまだにあるそうです、平成になっても。ぜひ、このような問題がないように、この取り組みもこの被害者の会、関係各位とも連携を図って、そういったこと等もぜひ頑張っていただきたいと思って、質疑を終わらせていただきます。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 西銘純恵委員。

〇西銘純恵委員 説明資料36ページ、第18号精神障害者に対する重度心身障がい者医療費助成制度の適用に関する陳情の件で、知的障害と、現在行っている対象の重度の人数は障害種で出ますか。

〇與那嶺武障害福祉課長 対象者としまして、身体障害者手帳1級、2級をお持ちの方が平成27年度末で3万4737名、知的障害のある療育手帳A級所持者が4673名で合計で、3万9410人が平成27年度末の対象者となっております。

〇西銘純恵委員 精神は1級から3級手帳とおっしゃったのですけれども、重度といったら、その皆さん、2万4000人余りは対象になっていくのですか。

〇與那嶺武障害福祉課長 精神の場合はほかの都道府県の助成状況を見ますと、1級、もしくは2級まで広げていると、なかなか3級というのは、見たことは……。ほかの都道府県の状況では、少なくとも確認できていないのですが、ちなみに最も重い1級は先ほどの手帳の平成27年度の交付状況で申し上げますと、1級が7071名、2級が1万3881名というような数字になっております。

〇西銘純恵委員 ほかの都道府県では、精神も助成をしているところが出ていると、十数カ所あると先ほど言いましたけれども、それともう一つは平成3年にこの重度障害の助成を導入して、その後に法改正の関係が平成5年でおくれたところが、精神も入っているところもあるというような説明があったのですが、そうですか。

〇與那嶺武障害福祉課長 済みません。先ほど、十数カ所ということをお話ししましたが、再度確認したところ、28都道府県で実施をしているというような状況でありまして、おくれたといいますか、本県の場合には、先ほど申し上げましたが、平成3年度からの導入ということもありまして、そのときのほかの都道府県の状況等を勘案をして、身体と知的を対象とした制度として始まったということであります。

〇西銘純恵委員 結局、ほかは28都道府県、精神も入れて、全ての障害種に重度の場合は医療助成が広がっていると、けれども沖縄県は二十数年間、それを拡充しないままにあるということなのですが、この等級重度というのは、何に設定するかといいましても人数全然違うのですけれども、例えば、ほかのところも参考にして、1級というのは当然重度だろうなと、7000人余りですよね。そういうことを考えても、これは拡充して、精神も入れていくということについては、障害によって差別をするのかというところを問われたら、やはり同じようにやっていきましょうという立場に立つべきではないかと思うのですが、それについてはどうでしょうか。

〇與那嶺武障害福祉課長 その前に先ほどの28都道府県と申し上げましたが、一部重複しておりまして、23都道府県で実施されているという状況であります。訂正しておわびします。
 精神障害者の方が対象となっていないために差別をされているというようなお話ですが、決してそのような差別というようなことではなくて、やはりこの制度はまず市町村が助成した額の2分の1以内を県が補助するというような仕組みになっておりまして、そうした中でやはり対象者を精神に障害がある方々にも拡大するということになりますと、やはり市町村のほうの財政負担、いろいろなシステム改修を含めて、医療費の伸び等ありますので、やはり市町村と十分調整をして、対応していかなくてはいけないというように考えているところであります。

〇西銘純恵委員 当然、財政負担の関係はありますよ。でも、この重度心身障害者の医療費助成という制度の設立目的といいますか、趣旨からしても、やはり精神ということが漏れているのではないかと明確に言われている中で、そこを含めていくという立場で、県が先導的に市町村に投げていくということで、それを含めて拡充しましょうよということができないのか。そこを聞いているのですよ。

〇與那嶺武障害福祉課長 この制度の拡充等につきましては、市町村に対して、アンケート調査を実施しております。その市町村に対するアンケート調査の中では、例えば精神障害者の方々に対してまで制度の対象を広げてほしい、広げるべきだというような意向を示したところは、現時点で2町村にとどまっているようなこともありまして、市町村の中にもまだまだ温度差があるのかなというところもありますので、そういった意味を含めて、十二分に市町村と意見交換、あるいは意向確認等を行っていく必要があると考えております。

〇西銘純恵委員 アンケートのとり方ですけれども、既に23都道府県でそういうところをやっているというそういう情報を流しながら、そしてそこの市町村全てやっているということになるわけですよね。だからそういうのも提供した上でどうでしょうかなど、やはり積極的に進める立場で、そういうことを行うということは大事ではないかと思うのですけれども、このとられたアンケートは最近ですか。

〇與那嶺武障害福祉課長 昨年の8月に実施をしております。

〇西銘純恵委員 指摘をした23都道府県でやったという、そこら辺の情報とかそこもきちんと提供した上でやっているのでしょうか。

〇與那嶺武障害福祉課長 他の都道府県の状況も提示してのアンケートというよりかは、やはり純粋にこの制度を拡充する場合に考えられる―例えば、身体障害者手帳の今1級、2級を3級に広げるとか、この制度拡充等の意向があるかどうかということで各市町村に確認しておりますので、そういったように23都道府県が実施をしているという情報も提供して、あわせて市町村の意向を聞いたというわけではありません。

〇西銘純恵委員 重度心身障害者ということで、今やっている対象を3級までとか、拡充をしていくアンケート調査をしたということは、やはり大事だと思います。でも、やはり漏れている精神について、しっかりと、入れていく立場で、アンケートをとるべきだと思うのですが、改めてそれについては、どのように考えているのか。これは部長、お答えいただけますか。

〇與那嶺武障害福祉課長 アンケートのとり方につきましては、今やっているのは、委員おっしゃっているように全国の半分に当たる都道府県でも精神の方々に対する助成での適用対象としているという状況もございますので、改めまして、市町村に意向を確認する等の方法を今後とらせていただきたいと思っております。

〇西銘純恵委員 ぜひやっていただきたいと思います。
 介護保険に関する陳情第7号沖退連2016年度医療・介護制度及び地域公共交通機関に関する陳情ですけれども、説明資料32ページのほうから介護保険に係る制度改正があるのですが、保険料の改定について、現年度の平均介護保険料と、多分次年度改定になるかと思うのですが、平均の介護保険料試算というものは、出ていますでしょうか。

〇上地幸正高齢者福祉介護課長 平成27年度から平成29年度にかけての保険料の県平均の月額が6267円になっております。また、推計しているところですが、平成32年度については、県の加重平均推計額、保険料月額は7796円。そして、平成37年度については9230円というようなことで、推計しているところでございます。

〇西銘純恵委員 今、市町村でその試算がどんどん出てきて、1000円以上とか、次期保険料が上がっていくというところで、保険の利用についても制限がどんどんかかっていくし、これはほとんど利用制限の関係で、陳情は出されているのですけれども、保険料についてもとてもではないけれども、平成37年度に
9000円といって、これは平均値ですからね。もうどれだけの負担になるのかと、介護を本当に「保険あって、介護なし」ですよね。この制度そのものに何らかの手だてを入れないともたない制度だと思うのです。この左側で(ア)のところで介護保険費用の国負担分25%のうち、これは30%にしっかりと保険者に交付するように25%全額をやって、調整交付金に別立てでまた5%、30%にしなさいということで、言っていると思うのですけれども、これについては県として、どのように考えているのか。そして、政府に対しても全国知事会等を含めて、ここら辺についての政府への働きかけがあるのかどうかお尋ねします。

○上地幸正高齢者福祉介護課長 国庫負担分の割合を引き上げることも含めて、現在の費用負担の仕組みの全体的な見直しを行い、被保険者及び地方財政の負担を軽減することを九州各県保険医療福祉主管部長会議を通じて、厚生労働省に要望しているところでございます。

〇西銘純恵委員 これについては国の動きというものは、今の段階でわかりますか。

○上地幸正高齢者福祉介護課長 国のほうの動向は、まだ把握しておりません。

〇西銘純恵委員 ぜひ、持続可能な、当たり前に介護が受けられるような制度にというところでは、根本的に今の制度が問題があるということは、指摘をされていますけれども、少なくとも改善できるところについては、県としても努力していただきたいと思います。
 説明資料31ページの上のページですけれども、介護報酬処遇改善加算について、実態がどうなっているのか。処理要綱では「毎年度、事業者から提出される加算の実績報告を取りまとめ」とあるのですけれども、どのような実績になっていますか。

○上地幸正高齢者福祉介護課長 介護職員の賃金月額については、介護報酬の中で、平成24年度から導入された処遇改善加算の措置が平成27年にさらに拡充されており、平成26年度の19万7714円に対し、平成27年度が21万3656円となっており、1万5942円が上昇しているところです。

〇西銘純恵委員 この数字を聞いて、介護のどういう労働者が平均で21万円になったのですか。それとも実態として最低はまだ幾らでいるのかということも、少しこれでは、今の数字を聞いただけでは、よくわからないのですが。

○上地幸正高齢者福祉介護課長 事業者から提出される介護職員加算の実績報告の中から取りまとめているところです。

〇西銘純恵委員 これは介護労働者のそれぞれに実績どうですかとなっているのか。それとも、経営者といいますか。そこの施設運営のところに実績を聞いているのか。というのは、例えば、賃金をきちんと払っていますという証拠書類なども提出して、実態が21万円になったということになっているのか。結局介護労働者の実態がそんなに変わらないという声が多いわけですよね。そこをどう処遇改善というところに、出されているものが労働者の―介護職員のほうに直接行く手だてになっているのかどうかというのを私はチェックしてほしいと思って、こういう聞き方をしていますけれども、どのようですか。

○上地幸正高齢者福祉介護課長 処遇改善加算を算定する事業者は、計画と実績を届け出ることになっており、これらの書類から介護職員の報告や賃金の改善状況なども、実施状況として確認しています。

〇西銘純恵委員 これは全ての介護事業者ではなくて、申請をする事業所になっているのですか。全ての事業者がどれだけあって、申請をされて、実績報告を出しているということは、何割くらいになるのですか。何施設になっているのですか。

○上地幸正高齢者福祉介護課長 平成28年4月において、処遇改善加算を算定している事業所は対象事業者数は1703事業所のうち1453事業所が算定しており、率にしまして約85.3%が加算を得ているところです。

〇西銘純恵委員 約85%という高い割合かなと思うけれども、全て―100%になる努力をすることと、それが実績報告をされている中身について、やはり労働者―介護職員そのものの実体がどうなのか。最低幾らもらっていた人が幾らになったのか。プラスして報告書は多分国のマニュアルなのかなと思うのですけれども、やはり底上げもちゃんとやられているかということも県独自に報告をプラスした形で求めていくべきだと思うのですが、そこら辺は県として、国の報告で、足りていると見ているのかどうなのかですね。

○上地幸正高齢者福祉介護課長 実地指導とかにおいてそういったことを、また確認しているところです。

〇西銘純恵委員 少し不十分だと思いますので、やはり底上げといいますかね。そこら辺も頭に入れて、この処遇改善がしっかりと、介護職員、労働者に行き渡るような立場で、県としてはそこは県のやりどころだと思いますので、頑張ってほしいと思います。
 次、説明資料9ページの陳情平成28年第89号の3美ぎ島美しゃ(宮古・八重山)圏域の振興発展に関する陳情で、中央児童相談所宮古分室を設置4月1日設置だということですけれども、施設の規模、体制内容をお尋ねします。

〇名渡山晶子青少年・子ども家庭課長 中央児童相談所の宮古分室につきましては平成29年4月1日に開設予定でございまして、場所は県の宮古福祉事務所内に設置予定でございます。体制につきましては分室長、そして主幹、児童福祉士2名、非常勤の虐待対応協力員の5名体制で発足する予定となっております。

〇西銘純恵委員 この体制というのは、宮古児童相談所にしなくて分室にしたということですが、今の5人体制というのは、資格というのは今聞きましたけれども、正規の方は何名いるのか。そして、対象はこの地域―宮古圏域の中で、これまでの相談とかも含めた実績から言ってどうなのか、中央児童相談所などの体制などとも比較して、今の5人体制というものを持ってきた根拠をお尋ねします。

〇名渡山晶子青少年・子ども家庭課長 中央児童相談所宮古分室を設置する際の体制につきましては、宮古地域のほうに児童家庭支援センターはりみずを既に設置しておりまして、これまで地域に密着をした支援で、かなり頑張ってきていただいている実績も踏まえまして、八重山地域とは、その点が違うということで、そこを踏まえた体制はどうあるべきか。そして、改正児童福祉法の趣旨を踏まえて、市町村の役割を身近な相談機関としての市町村の役割ということがうたわれてきておりますので、その市町村とあとはこのセンターはりみず、福祉事務所、そしてこの分室との役割分担をどのようにあるべきかというような協議も時間をかけて進めていく中で、先ほど申し上げましたような5人体制となったところでございます。正規職員は、何名いるかというお問い合わせでございましたが、非常勤の虐待対応協力員が1名でございまして、あとは正規職員という形になっております。

〇西銘純恵委員 5人のうち1人が非常勤ということですか。

〇名渡山晶子青少年・子ども家庭課長 はい、そのとおりでございます。

〇西銘純恵委員 分室は入所といいますか、収容といいますか、それも行うところですか。

〇名渡山晶子青少年・子ども家庭課長 先ほど申し上げました役割分担の議論の中で、整理をしてきたところなのですけれども、地域に密着した相談、比較的軽度のケースの対応につきましては、市であったり、あるいは児童家庭支援センターはりみずのほうで役割分担をしていくということで、宮古分室につきましては、児童相談所が本来有している役割、重篤なケースにおける一時保護の決定であったり、あるいは施設への入所・措置の決定であったり、そのあたりを担っていくというような役割分担を想定した上で人員等配置をしたところでございます。

〇西銘純恵委員 一時保護といいますと、夜間体制もあると思うのですけれども、この正規5人体制というものが妥当なのか、労働時間といいますか。それも含めてどうなっているのか。とりわけ夜間の体制、そこら辺についてほかのところもそういう過重負担があって、職員も体制を強化するということで、この間もやってきました。ですから、どうなのかなと思いまして。

〇名渡山晶子青少年・子ども家庭課長 夜間における虐待への対応といたしましては、24時間、365日体制のホットラインが中央児童相談所内に設置されております。例えば各地域からの泣き声通報であったり、あるいは事件、事故等についてはホットラインのほうに通報がいった上で、保護の決定というのは児童相談所長の権限でございますので、その連絡網を通じて、児童相談所長のほうに連絡がいきまして、この保護の決定はされるわけですけれども、実際の保護につきましては、夜間の場合は多くの場合、警察の協力を得て、身柄つき通告という形で警察に駆けつけていただいた上で、例えば一時保護、委託先である―はりみずのほうが委託先になっておりますけれども、児童養護施設等の委託先へ、保護していただくというような仕組みを従来からとっているところでございます。

〇西銘純恵委員 宮古島市に分室が設置されるということが大きな前進だと思っております。それはまた、稼働しながらやはりそれなりに体制がどうのということも含めて出てくるかと思いますので、ぜひ職員の皆さんも頑張っていただきたいと思います。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 亀濱玲子委員。

〇亀濱玲子委員 まず説明資料の36ページの陳情第18号精神障害者に対する「重度障がい者医療費助成制度の適用」に関する陳情の重度障がい者医療費の手帳の制度の件なのですけれども、先ほどから話を伺っていて市町村の意向を踏まえてということがとても強く出ているので、そうではないのではないかということの視点で質疑します。そもそも2008年の自立支援法が始まったときには3障害の区別を外すといいますか、この垣根を外そうということが、大きな動きだったのですよね。それまでは、例えば身体の方が精神と一緒でしたら、精神は精神病で一緒にしてほしくないとか、いろいろなことがあったのを乗り越えて3障害は一緒だよというようなことが大きな視点だったと思うのです。そのように考えると、私は県が財政負担の視点だけでこのことを判断してはいけないのではないかなと思うので、他県よりも精神疾患が多いという沖縄県の状況を見たらむしろ沖縄県が率先してやらなければいけない課題かなと思うので、ぜひ市町村と改めて、今アンケートを取り直しの質問も出ましたけれども、その調査をやり直し、そして協議の場を持っていただきたい。市町村と協議の場を持っていただきたいと思いますけれども、これについていかがでしょうか。

〇與那嶺武障害福祉課長 やはり制度面になりますと、先ほど申し上げましたとおり、市町村との調整ということが十二分に必要になってくると思われますので、市町村との協議のことといいますか、意見交換を交わす場とか、そういったものはやはり設けなくてはいけないのかと考えているところです。

〇亀濱玲子委員 ぜひこれは、具体的にもしていただきたいということと、もう一点はその調査をするときに精神障害を持っている方々が安定して雇用の場につくという、雇用を見つけて生活をきちんと立てていくというのは、本当に難しいのですよね、実を言うと。職親を見つけ、就労支援してもなかなか続かないということがあって、先ほどお答えいただいた、精神科の受診は無料だけれども、それ以外のものについては、有料というところを実体はどうなっているかということをしっかりと調査をしつつ、この陳情に上がっている趣旨を具体的に実施するには、何が課題かという視点で希望がないか希望を聞いたら、2自治体しかないので、今のところ希望がないのですよ。ではなくて、これを実施しようと思ったら何が課題かという視点でしっかり協議を進めていただきたいと思いますけれども、これについてはいかがでしょうか。

〇與那嶺武障害福祉課長 精神障害のある方々の医療費につきましては、県の中でも保健医療部の健康長寿課が所管をしているところでございます。この精神障害者の方々への対象範囲の拡大ということになりますと当然、健康長寿課、あるいは先ほどお話ししているような市町村、もちろん障害福祉課ですね。そのような形で今、やはりそれぞれ関係したところが十二分に協議をしていくことが必要だろうと考えております。

〇亀濱玲子委員 ぜひ、実施するためには何が課題かという視点で行うというような前提を、目の前の目標をおいてやっていくということが、自治体、全国の中でも半分はやっているわけですから、それについてむしろ沖縄県が率先して、やっていく方向で取り組んでいただきたいと思います。
 次に説明資料35ページの陳情第15号沖縄戦身元不明孤児の身元判明事業を求める陳情について、例えば今、お答えいただいたのは、誰でもできるという形ではなっていないということが答えだったと思うのですけれでも、県のほうで今理由にしていることがさまざまな個人の事情があることが想定されるということで積極的に動かないという答えだと思うのですが、そうではなくて、相談窓口、広報した上で、こういうことをやりたいというような方々が例えばいたら、それを相談窓口を県が設置して、個々に問い合わせて私は希望しますよとか、そういうニーズの把握をすることが先なのではないかというように思うのですけれども、窓口を閉ざすか、窓口を開くかということが今問われてるのだと思うので、まず窓口を開く、誰でも彼でもではないのだけれども、これを希望している人がいれば、この窓口に相談してくださいという窓口をまず開くということが大事だと思うのですけれども、この相談窓口の設置ということについてお答えください。

〇玉城律子平和援護・男女参画課長 現在行っています、遺骨のDNA鑑定に関しましては、国のほうで鑑定を行っているものですから、国のほうから各都道府県とかに情報―鑑定をする箇所の関係資料等から各都道府県に情報提供及び提供呼びかけがありまして、そういったものについて国のほうに各都道府県が提供いたしまして、国のほうから直接DNA鑑定に係る遺族と思われる方たちに対して意思確認を行っているところです。

〇亀濱玲子委員 ごめんなさいね、答えになっていないですね。沖縄県は特別やはり沖縄戦、地上戦を体験しているところでもあって、だから戦争孤児の問題は非常に深刻であるわけですから、国がどういう意向かということを聞いているわけではない。沖縄県がどういう意向を持って、国に要望していくか、あるいは沖縄県独自で何かできることはないかということを伺っているわけですから、まずはニーズを把握することから始めなければいけないとしたら、これは相談窓口を広報でこういう希望がある方はいないかというリサーチをすることから始めたら沖縄県がおのずと行うべき道が示されるのだと思いますよ。ですので、相談窓口をここにここに設置しています。対象となるような方は御相談してくださいという窓口は開くことができますかということを聞いているのです。この可能性についてお答えください。

〇玉城律子平和援護・男女参画課長 こちらで把握している限りでは、今のところ戦争孤児の方から御相談はないのですが、相談等があればお話を聞いて、県としてもどのようなことができるのか、考えていきたいと思います。

〇亀濱玲子委員 違うのですね。相談が何かあればではないのですよ。広報して、ここに相談窓口があるのですよという周知をすることが大事なのです。それは県の姿勢が問われているわけです。県は少なくともそれを把握して、きちっと対応するという姿勢があるかということを聞いているわけで、何かあればということを聞いているわけではなくて、ここに相談窓口を設置しましたので、どうぞ来てくださいという広報をすることからニーズを把握できるのですよということを、これはきっと時間との闘いなのですよね。そうなので、そんなにいとまがない作業を70年もやらなかったことを今やろうとしたら、その姿勢を沖縄県だから示せるのだし、国がどうこうでという国の動向を見てやることではないと思います。沖縄県の姿勢を今問うているので、まずは窓口を置いて、ニーズの調査からなのではないですか。ニーズがあれば、相談を受けるという窓口を沖縄県は持ちましたよということから行うことはできるのはないでしょうかと聞いているのです。

〇金城弘昌子ども生活福祉部長 DNA鑑定は本来は戦争被害に対するいわゆる遺骨を返すということは本来的には国の仕事だと思っています。特に、DNA鑑定は非常に専門性が高い分野でいろいろ現在鑑定人会議というものは10名いらっしゃいますけれども、全て他県の方で厚生労働省が専門家会議というものを設けて、いわゆるまずDNAを抽出できるか、そのときにどのように突合していくかを含めて、全て国が行っています。県は基本的にその沖縄県で遺骨が収集された場合には、その情報がありましたよといわゆるDNAが抽出できましたよということができた場合は国にそういう情報提供しながら、国のほうから直接それぞれ御要望のあった遺族の方に今は行っているような状況でございます。少しDNA鑑定に関連しては、県が絡めるような部分というものが、非常に限られているものですから。窓口を仮に設置したとしても、なかなかその御相談に応ずることは難しいのかなと、それよりかは、逆に国のほうで何とかできないかということを求めていくことが県としてできることかなと思っています。

〇亀濱玲子委員 よくまだ戦後が終わっていないという言葉を使いますけれども、沖縄県の姿勢ということが問われていくと思っているのです。責任は国が行う、国が行うことなのですけれども、窓口―そのニーズの把握からまずやらないと、何も国を動かすことはできないと思うので、ぜひそれは検討していただきたいと思います。これについては要望しておきます。
 説明資料28ページの陳情7号沖退連2016年度医療・介護制度及び地域公共交通機関に関する陳情の介護保険について、2点お伺いをいたします。
 新総合事業の移行が進むわけですけれども、移行についてはスムーズにいくようにといいますか、支援していきたいというように処理方針ではうたわれていますけれども、実際、例えばここに書かれている説明資料ページ29の(2)で希望されている、そのサービス内容の変更だとか、切り捨て、あるいは利用条件の引き上げを行わないことということで希望されていて、円滑な実施を支援していくと書いてありますから、この各市町村の今の状況はどのように把握されているのかをお答えください。

〇上地幸正高齢者福祉介護課長 移行に当たって、移行後の訪問サービスには、現行の訪問介護のサービスが通所型サービスには現行の通所介護のサービスがありまして、これまでの指定業者から、これまでと同様なサービスが受けることが可能というようになっております。市町村に確認しましたところ、県内の市町村においては新総合事業に移行後も訪問介護や通所介護のサービスは、これまでと同様に提供していくということを確認しております。

〇亀濱玲子委員 例えば、これ多分出てくる課題はこれからなのだと思うのですが、この市町村の状況を把握して適切にこの事業が円滑に行われているとか、あるいは無理な状況であるとか、そういうことをチェックするシステムといいますか、チェックするときはどのような感じで県は各市町村の事業について、今円滑な実施を支援していきますと書かれていますが、これをチェックすることはできますか。今はこれは聞き取りの中で、同様の事業になると聞いてますよという今の返事ね。これから後、これをどのようにチェックしていきますか。

○上地幸正高齢者福祉介護課長 チェックにつきまして、実は市町村にいろいろヒアリングをしておりまして、その中で確認していくということを考えております。

〇亀濱玲子委員 例えばこれは年に何回かそのような作業は県のほうでされるのですか。年に1回とか、定期的にそういう県からヒアリングするようなシステムにはなっているのですか。今やって終わりではないですよね。

○上地幸正高齢者福祉介護課長 平成28年度においても市町村に伺って、市町村のほうでヒアリングして確認しております。

〇亀濱玲子委員 この介護については課題がかなりいろいろあるので、一つ一つ聞くともう時間がないので、またおいおい質問させていただきたいと思います。
 最後に説明資料39ページ、陳情第26号ヘイトスピーチに関する陳情なのですけれども、この今まで総務省からの委託を受けて活動しているわけですが、沖縄県独自でできることというものをやはり考えていかなければいけないのではないかと。解消法はできたけれども、では沖縄県は具体的に何をしていこうとしているのかを教えてください。

〇玉城律子平和援護・男女参画課長 ヘイトスピーチに関しましては、ヘイトスピーチ解消法の中でも本邦外出身者に対しての不当の差別的発言は許されないということを宣言して、行うべき基本的施策ということを定めています。県としましても不当な差別的言動やヘイトスピーチの解消に向けて、人権啓発活動に取り組んでいきたいと考えております。

〇亀濱玲子委員 陳情者の意図は条例の制定と書かれていますけれども、処理方針にはそのことに触れてはいないのですが、それについては少しどういう考えを持っていらっしゃるかが1つ。
 それと他県の条例制定の状況というものがもし把握されているようでしたら、教えていただきたい。この2点を教えてください。

〇新垣浩昭管財課班長 県の条例に関してですが、県の施設ごとに管理者が異なっておりまして、またそれぞれ設置根拠となる法令とは、条例もおのおの定められております。総務部管財課が所管しております合同庁舎、本庁舎につきましては県の事務と直接関係のある団体への使用許可しか認めていない関係で、事実上ヘイトスピーチを行う団体につきましては、庁舎を利用することはできないこととなっております。それからまた、広場であるとか、公園につきましてはそれぞれ所管している部局におきまして、関係法令とか、条例を踏まえて、判断することになると思われます。

〇亀濱玲子委員 ヘイトスピーチ、このいわゆる陳情の意図についてお答えくださいと今聞いているわけですから、つまり、それについての答えになっていないのではないでしょうかと思うのですけれども、いかがですか。

〇鉢嶺貞雄道路管理課副参事 道路管理者は道路区域内にあります車道や歩道、広場等の道路施設が車両や歩行者の安全体制に支障がないかを審査して、占用許可等を与える権限を持っております。しかし、そこでスピーチをする内容について、審査しているわけではありません。例えば、県民広場に設置されているテントやステージ等が歩行者の通過や滞留を損なっていないか、建築限界を満たしているか、構造上の安全基準等が大丈夫か等の審査を行い、許可を出しております。

〇亀濱玲子委員 他県でも条例制定して対応している事例はないのですか。

〇鉢嶺貞雄道路管理課副参事 道路法でその場所を使ってはだめよということでの条例を制定しているところを検索してみたのですけれども、見当たりませんでした。要はスピーチの内容が憲法に言論の自由というものもありまして、その辺がやはりヘイトスピーチに当たるのかどうかという審査も含めて審査するところが必要ではないのかなと思いますけれども、これは今は道路管理者のほうで、それを審査してどうのこうのという仕組みではありません。

〇亀濱玲子委員 これはここが所管するのですかね。例えば、そのヘイトスピーチに関してというようにして、県のほうでここに書かれている条例の制定に向けて協議をするというようなことにはならないのですか。そのようなイメージを少し聞いたのですけれども。

〇鉢嶺貞雄道路管理課副参事 これは私が答弁していいのか悩ましいのですが、インターネットで調べましたら、川崎市で在日コリアンに対する差別的な言動で、人権の侵害をしたということで、不当行為だと認定した事例がありまして、それは横浜地方法務局で勧告したという事例であります。

〇亀濱玲子委員 もう少し私は、このヘイトスピーチに関する条例制定についての具体的な検討が県でできないかなと思っての質疑であったのですけれども、少し違うような状況になっていますので、次の機会にしたいと思います。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 次呂久成崇委員。

〇次呂久成崇委員 説明資料2ページをお願いします。陳情平成28年第50号認可外保育園の現状と活用に関する陳情なのですけれども、陳情者から記2に、保育士の賃金補助を行うこととあります。県としては、認可外保育施設は認可化移行により、保育の質の向上及び保育士の処遇向上が図られるものと考えているという処理方針があるのですけれども、認可外保育施設で働いている保育士の平均的な賃金などは把握されておりますか。

〇大城清二子育て支援課長 県においては認可外保育施設、また認可園の保育士に対しても具体的な賃金については今実態として、調査したことがございませんで、給与実態については把握していないと。厚生労働省が毎年、保育士の賃金調査を行っておりまして、平成28年度の調査によりますと、沖縄県内の保育士の平均給与としては月額19万8300円、昨年度の18万1700円に比べて、1万6600円の増ということになっております。順位としても全国44位から37位と。ただ、この中に保育士ということで、認可園、認可外、後は児童養護施設、そういったもろもろを含めた保育士の方の給与ということで、一応県では把握しているところでございます。

〇次呂久成崇委員 県の処理方針にもあるのですけれども、やはり県としては認可保育所での保育を基本と考えているということですので、ぜひ認可外も含めてなのですけれども、認可外は特に指導監査がありますよね。その中で、この働いている保育士の処遇の状況というものがぜひ単独でも調査してほしいと、これは認可園も一緒ですね。というのは、やはり新制度へ移行しているのですけれども、その中で処遇上、よく言われているのですけれども、実際にはやはり保育士が実際にもらっている給料というのは、実際上がっていない。私もよく現場の保育士に聞くのですけれども、やはり上がった実感がないというようによく言われています。そうですので、これはあくまでも厚生労働省の調査であったりとか、書類上のものだと思うのです。ですので、今ずっと報道でもあるように、本当に抜き打ちで行ったりとか、現場の保育士の声というものをしっかり把握することが大事ではないかなと思うのですけれども、ぜひそのような対応をお願いしたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。

〇大城清二子育て支援課長 今、委員から御指摘がございましたように実態の把握については県でも重要なことだと認識しておりますので、認可園、認可外保育施設の給与の実態については、今後検討していきたいと。認可園につきましては平成27年度から処遇改善等加算がございまして、その中で賃金改善要件分約3%相当の金額ですが、それにつきましては市町村から、まず実施計画を提出していただいて、その後に、実績報告書を提出していただくのですが、これは市町村と県で連携いたしまして、施設から賃金台帳を提出させていただいて、その賃金台帳と実績額の内容を確認して、実際に賃金にきちんと充てられているかどうかということを確認しておりますので、この点については確実に賃金に反映されるように県も市町村と連携して、取り組んでまいりたいと考えております。

〇次呂久成崇委員 この帳簿もやはり書類上ですので、あくまでも幾つかパターンをつくったりとかというものも、もちろん考えられると思うのですよ。実際現場で働いている保育士の言う金額とこういう処遇改善ですよという金額はやはり違いますので、ぜひ単独で調査を行っていただきたいと。そうでなければ、本当に県が目指している保育士の処遇向上というものは、本当に図られないというように私も物すごく懸念があるものですから、ぜひ独自のそういう調査をお願いしたいと思います。

〇大城清二子育て支援課長 今確かにおっしゃるとおりに帳簿を書類上のことという御指摘がございますので、この賃金改善要件分につきましては、子育て支援課の中でも、子育て班、給付担当の班が所管しておりまして、そちらのほうで市町村と連携して今実態の確認をさせていただいております。この数値を同じ課内にある認可・指導班にその情報をフィードバック、課内で情報共有することによって、指導監査の折に、本当にその賃金に充てられているかどうかということをきちんと確認していくということで、一応課内ではそのような体制で取り組んでいこうということで確認しておりますので、この点については今後、やっていきながら実態に反映されるような形で県も取り組んでまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

〇次呂久成崇委員 各地域でも認可外は幾つか抜き打ちで絶対やっていただきたいと思います。このやはりきちっと処遇改善が図られているかどうかということが私は潜在保育士の復職に大きくかかわってくるのではないかなと思っています。今、各市町村でも保育士確保対策事業によって、この保育士試験対策講座とか、いろいろ取り組んでいるのですけれども、やはりこの平成29年度末で待機児童ゼロにするという目標に向かっていく中で、やはりこの養成だけでは、追いつかないというように思います。ですので、やはりこの潜在保育士の復職というのが、やはり1つのこの保育士確保の本当に大事な対策になってくるのではないかと思いますので、これがやはり目に見える形で処遇改善が図られているということでなければ、潜在保育士の復職ということは、やはり絵に描いた餅のような状況になるのではないかなと本当に昔保育士だったけれども、今はやっていないという方はほとんどがこの処遇改善、やはりそのときの賃金が安かったということが一番大きな要因となっているというように思いますので、ぜひやっていただきたいと思います。
 次に、説明資料29ページの陳情第7号沖退連2016年度医療・介護制度及び地域公共交通機関に関する陳情の(4)、新オレンジプランの基本理念等のことがあるのですけれども、県が処理方針で、「認知症高齢者等見守り活動事業を実施し、市町村の見守り・SOSネットワークの構築を促進している」とあるのですけれども、具体的にどのような事業を実施して、またネットワークの構築を促進しているのかということを御説明いただきたいと思います。

○上地幸正高齢者福祉介護課長 独居高齢者や高齢者のみの世帯等を対象とした見守りネットワークの構築状況は平成28年4月1日現在で7市町村―那覇市、うるま市、南城市、中城村、与那原町、南風原町、南大東村で実施しています。そのほか高齢者、障害者や生活困窮者等を対象にした見守り活動が民生委員や市町村社会福祉協議会を中心に実施されているところです。また、行方不明者の早期発見のためのSOSネットワーク構築の状況は平成28年12月1日現在で8市町村―宜野湾市、石垣市、浦添市、沖縄市、うるま市、与那原町、南風原町、南大東村となっている状況です。

〇次呂久成崇委員 この市町村見守り・SOSネットワークですけれども、この認知症サポーターのキャラバンがありますよね。これということでよろしいのですか。また別の事業に入りますか。

○上地幸正高齢者福祉介護課長 別の事業です。

〇次呂久成崇委員 はい、わかりました。実は、こちらにあるように認知症の人がやはりこの住みなれた地域で暮らし続けることが重要であるというように県の処理方針にあるのですけれども、今この処理方針を見ると、どうもここでいう地域というものが物すごくかかわりが弱いような感じがするのですね。私が少しイメージしていたものは、警察との協定であったりとか、企業とのとあるのですけれども、ここでいう地域というものは、市町村、自治体ももちろんそうなのですけれども、例えば公民館とか、青年会、婦人会とかそういう実際自治体とはまた別の地域とのつながりではないかなというように思うのですね。それがそういうネットワークづくりというものが、もっと浸透していかないといけないのではないかと個人的には思っています。やはり地域の人が自分たちの地域でこの人は認知症ですよということをどのように把握して、この人をまた支援していくかということが大事ではないかなと思うのですよね。この人が認知症とわかっていれば、例えば、ふらっと自分の家に来ても何々さんと対応できると思うのですけれども、それが何もわからない場合ということは、本当に不法侵入になったりとかしてですね。やはりこの認知症の方にも不利益になってくるのではないかなと思うのですね。個人情報の関連とか、いろいろあると思うのですけれども、そのような認知症の方を地域全体で把握をして、それをまた支援していくというネットワークづくりということをもう少し研究してやっていく必要があるのではないかと思うのですけれども、そのところはどのようにお考えですか。

○上地幸正高齢者福祉介護課長 委員がおっしゃるように地域に認知症の方にも優しい地域づくりということで、まず認知症に対する理解促進ということで、認知症のことを正しく理解し、本人や家族を見守る認知症サポーターを養成することとか、認知症の早期発見、早期対応のための専門的医療体制の問題だとか、それから家族の方の居場所づくりとして、認知症カフェの指定があったりとかですね。そういったようなことの施策を通じて、優しい地域づくりを促進していきたいというように考えております。

〇次呂久成崇委員 認知症サポーターのオレンジリングをやっていると思うのですけれども、ただサポーターの目印だって、やはり認知症の方は誰が認知症サポーターかわからないですよね。本来だったら認知症の方はあったほうが本当は一番わかりやすいと思うのですけれども、ただ、個人情報の観点とか、そういうところから、難しいと思うのですけれども、家族の了解・理解があって、私の家はこうしてくださいとかあって、そういうような本当に具体的な取り組みも必要だと思いますし、このサポーターがこの認知症の方がどこかで困っているということがあったときにどこにどのようにして、やはり通報するかというような具体的なこういう支援というものが本当に必要ではないかと思います。これは各市町村ともしっかり連携をとって、本当に細かな支援というものをお願いをしたいと思います。

○上地幸正高齢者福祉介護課長 一応今の質疑で、市町村で複数の専門職による初期集中支援チームの設置とか、認知症地域支援員の設置を行うことで、認知症地域支援向上事業を実施することとしております。
 それと金城委員からの質疑がありました件で補足して説明させていただきたいと思います。陳情書の29ページの2の(3)が要介護認定機関についての補足説明させていただきたいのですが、要介護認定は原則30日以内に行われることとなっていて、ただし、調査に日数を要する場合等は30日以内に見込み期間等を通知した上で延期されることがあるということです。市町村では、認定調査員の手配等の関係もありまして、おおむね60日の期間で認定されていまして、県としましては市町村指導の現場で認定までに長期間を要しないように指導しているということでございます。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

〇狩俣信子委員長 質疑なしと認めます。
 よって、子ども生活福祉部関係の陳情等に対する質疑を終結いたします。
 休憩いたします。

   (休憩中に、説明員等の入れかえ)

〇狩俣信子委員長 再開いたします。
 次に、乙第9号議案沖縄県看護師等修学資金貸与条例の一部を改正する条例についての審査を行います。
 ただいまの議案について、保健医療部長の説明を求めます。
 砂川靖保健医療部長。

〇砂川靖保健医療部長 乙第9号議案沖縄県看護師等修学資金貸与条例の一部を改正する条例について、御説明いたします。
 それでは、平成29年第1回沖縄県議会文教厚生委員会議案説明資料の1ページをごらんください。
 乙第9号議案沖縄県看護師等修学資金貸与条例の一部を改正する条例について御説明いたします。
 本議案は、母子保健法の一部が改正され、沖縄県看護師等修学資金貸与条例で定める免除対象施設の一つである母子健康センターの名称が母子健康包括支援センターに変更されることに伴い、所要の改正を行うものであります。
 以上で、乙第9号議案についての説明を終わります。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

〇狩俣信子委員長 保健医療部長の説明は終わりました。
 これより、乙第9号議案に対する質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないように簡潔にお願いいたします。
 質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○狩俣信子委員長 質疑なしと認めます。
 よって、乙第9号議案に対する質疑を終結いたします。
 次に、乙第20号議案債権の放棄についての審査を行います。
 ただいまの議案について、保健医療部長の説明を求めます。
 砂川靖保健医療部長。

〇砂川靖保健医療部長 御説明いたします。
 資料の7ページをごらんください。
 乙第20号議案債権の放棄について、本議案を提出する理由について申し上げます。
 本議案は、県が昭和52年10月11日に、上原千江美に対し貸与した看護師等修学資金10万8000円のうち、返還がなされていない5万4000円について、当該債権の時効期間が経過しており、債務者が所在不明であること等から、債権回収が困難であると判断し、当該看護師等修学資金貸与金の円滑な整理を進めるため、当該債権を放棄する必要があることから、地方自治法第96条第1項の規定により、議会の議決を求めるものであります。
 以上で、乙第20号議案についての説明を終わります。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

〇狩俣信子委員長 保健医療部長の説明は終わりました。
 これより、乙第20号議案に対する質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないように簡潔にお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 金城泰邦委員。

〇金城泰邦委員 これは理由としては、所在不明ということなのですが、説明の住所はどういう説明になるのでしょうか。

〇大城博保健医療政策課長 今回債権の回収を図るために、このまま主債務者の本籍が所在している市町村に対して、この戸籍の附票の提出を求めまして、その附票に記録されている住民票の履歴で一番直近の住所を表示しております。それが今回議案で表示しております埼玉県草加市稲荷二丁目の住所になっています。そちらに通知を送りましたけれども、応答がなく、所在が確認できていない状況になります。

〇金城泰邦委員 所在の確認方法というのは、書類の往復でやっているのですか。どういう手法でやっているのですか。

〇大城博保健医療政策課長 本債権につきましては、こちらから県に連絡を求める文書を通知してという方法で対応しております。

〇金城泰邦委員 金額は5万4000円ということでありますが、その債権を放棄するという行為ですから、その手法として、理由が所在が不明と。確認方法とは文面の往復ができないという御説明だったかと思うのですが。何か債権を放棄するにしてはかなり所在確認が余りにも簡単な気がするのですが、こういう形ですることになっているのですか。

〇大城博保健医療政策課長 主債務者の住所が県内の場合には、表示されている住所のところに現地調査に行ったりということを行うのですけれども、今回この債務者が県外に居住されている。住民票上の住所があるということと、それから債権が既に時効期間が経過しておりまして、時効援用される可能性も高いということでありますので、総合的に勘案して、文書での通知だけを行っており、現地調査は行っていない状況でございます。

〇金城泰邦委員 先ほども別件で債権放棄のやりとりがある中で、債務者本人の債権については放棄するのですが、実際の債務そのものといいますか、それは保証人がまた、引き継ぐ形になって、保証人に請求する形になるのかどうか。これは今後の動きというものはどうなりますか。

〇大城博保健医療政策課長 看護師修学資金に関しましては貸与する場合に、債務者において連帯保証人を2人立てていただくことになっているのですけれども、この債権に関しましては連帯保証人の記録が確認できておりません。それで、この連帯保証人について追求することもできない状況にありまして、やむを得ず債権の放棄をお願いしているところでございます。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 亀濱玲子委員。

〇亀濱玲子委員 2点ほど確認なのですけれども、この連帯保証人もないということに関して言いますと、額が少ないからそうなのか。あるいは目的に合わせてこの額が、これは一律にこの額で支給、貸与されているのか、教えてください。

〇大城博保健医療政策課長 連帯保証人につきまして、額の多少にかかわらず立てていただくことになっておりまして、ほかの未収金が発生している債権につきましては、全て連帯保証人を立てられているのですけれども、当該債権に関しまして、連帯保証人の事情がわかる書類というものを探してはみたのですけれども、記録が残されておりませんので、連帯保証人を把握することができなかったということでございます。

〇亀濱玲子委員 貸し付ける時点で連帯保証人が確認されていないのに、貸し付けたのですか。

〇大城博保健医療政策課長 昭和52年に貸し付けを行っておりまして、連帯保証人はそのときには2人をルールどおり立てていただいて貸し付けたと思うのですけれども、今いろいろな書類を確認しても連帯保証人の記録を把握することができなかったということでございます。

〇亀濱玲子委員 これは県で書類を紛失したということですか。確認できていないという意味が少し私は理解できていないのです。その連帯保証人を2人立てたはずなのにこれが後に連帯保証人に名前がない、確認できないというものの、この行政的なそういうことが理解できないのですけれども。

〇大城博保健医療政策課長 連帯保証人を記録する欄が空欄になっておりますので、この件に関しては連帯保証人を立てていなかった可能性があります。

〇亀濱玲子委員 これはもしくはこの案件だけではなくて、ほかにもそういう事例がありますか。

〇大城博保健医療政策課長 現在未収金が発生している債権は全て確認しましたけれども、ほかの案件については連帯保証人は全て立てられております。

〇亀濱玲子委員 もともと連帯保証人の欄が空欄のまま、対応したという可能性も考えられるのですか。

〇大城博保健医療政策課長 はい、その可能性もあります。

〇亀濱玲子委員 この額の問題というよりもこの方自身がやりとりをした、要するに返してくださいという県とのやりとりをした経緯というものは過去にあるのですか。

〇大城博保健医療政策課長 昭和52年に10万8000円を貸与しまして、その後、半額までは返還に応じているのですけれども、その後所在が確認できていない状況が長く続いておりまして、そのままの状況が引き続いておりまして、今般、総務部から、その債権回収に関する標準的なマニュアルというものが平成28年9月に出されまして、それを踏まえて、所在調査を実施して、直近の住所までは特定して、県に連絡をするように求める通知を送ったのですけれども、応答がなく、所在が確認できていないという状況でございます。

〇亀濱玲子委員 この債権を放棄するということについては、反対するわけではない。もちろんその手続は必要だというように思うのですが、この本人は免許をもらわれて、お仕事もされているのだろうというように、その後を想定できるのに、回収ができなかったということが少しわかりづらいのですが、もともとこの連帯保証人が空欄になっているということがもしもなければ、このようなことは生じなかったかもしれないので、この連帯保証人がないと、空欄であるというのを気がついたのは、いつの時点で気がついているのですか。

〇砂川靖保健医療部長 この方は看護師の免許を取得しておりせん。中退したわけですね。それで返還義務が発生するわけですけれども、1回目の返還は終わったわけですけれども、その後所在がつかめなくなって、今回その私が指示をしまして、債権を整理するということで、そのときに連帯保証人が立てられていなかったということが判明したところです。

〇亀濱玲子委員 連帯保証人を免除する何かシステムが手続上、県に何かあるのですか。

〇砂川靖保健医療部長 そういう免除規定はございません。

〇亀濱玲子委員 なぜこういうことが起こったと、県では思っていらっしゃるのですか。

〇砂川靖保健医療部長 ないことの証明、悪魔の証明といって、証明することが非常に厳しいのですけれども、恐らく昭和52年当時の事務処理が適切に行われていなかったと考えております。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 平良昭一委員。

〇平良昭一委員 戸籍の附票から直近の住所が判断できたということであれば、5万4000円ということですから、これは埼玉県まで行くものではないというように判断しますけれども、ただ県内にまだ戸籍があるということであれば、当然その戸籍の中から調べる、身内を調べることは可能だと思うのですけれども、その辺までやりましたか。

〇国吉悦子保健医療政策課看護専門監 戸籍を少し調べてみたのですけれども、県内に在住している家族はいらっしゃらなくて、海外であったり、あとまた埼玉にお一人という形になっておりました。

〇平良昭一委員 この直近の住所というものは住所を移した一定の年月日がたしか入りますから、それはいつなのですか。大分前なのですか。

〇大城博保健医療政策課長 平成25年6月5日となっております。

〇平良昭一委員 平成25年といいますと、3年ちょっとですよね。住所不定ということでは私は判断されていないと思うのですよ。今お聞きすると、恐らく同じ戸籍上の番地に家族の方々は県内にいらっしゃらないということで、それ以上の連絡のとりようがないということだと思うのですけれども、ただ、この県内の戸籍がある地域の方々という戸籍の担当ですね。そういう面では三、四年前の移転であれば、土日かは少しわかりませんけれども、そういう市役所、あるいは役場の関係者あたりの中までは、当然もともとそこに戸籍があったわけですから、今でもあるわけですから、何らかの関係者という話は聞けるような状況が全くなかったのでしょうか。その辺が少し不思議でたまらないです。

〇大城博保健医療政策課長 この埼玉県に転居したのが3年前ということではなくて、今、平成17年度以降の住所の記録が残っているのですけれども。

〇平良昭一委員 転在しているのですか。

〇大城博保健医療政策課長 十数回住居を転居しておりまして、最終的な直近の住所が埼玉県の草加市という状況になっています。

〇平良昭一委員 大変こういうのは、個人情報もあるかもしれませんけれども、例えばその当時はお一人だったかもしれませんけれども、結婚している形跡等のそれなりにわかりますよね。戸籍は当然見れるわけですから。そういう形跡は全くないような状況なのでしょうか。

〇大城博保健医療政策課長 結婚は国際結婚されているようです。

〇狩俣信子委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、平良委員から国際結婚の場合、戸籍に記載されるのか、また、国外に転居している可能性についての確認があった。)

〇狩俣信子委員長 再開いたします。
 平良昭一委員。

〇平良昭一委員 休憩の中でもありましたけれども、国内にいない可能性も残されているということで私は理解していますけれども、皆さんのほうでもそのように考えるような状況はありますかね。

〇砂川靖保健医療部長 本来なら、臨戸して実情を調査すべきところなのですけれども、放棄する債権が約5万円。それと臨戸する場合、2人職員を派遣することになりますので、旅費が10万円近くかかること、地方自治法の最少の経費で最大の効果ということを考えた場合、そこまで費用をかける必要はないという判断で今回放棄しました。ちなみに今回2件上程する予定でございました。1件は長く所在不明が続いたのですけれども、たまたま連帯保証人の住所がわかったということでそこに赴いて、連絡がついたということで今回は議案から取り下げたところでございます。

〇平良昭一委員 金額が金額だけに私は国外に行ってる可能性もあると思いますので、最少の経費で最大の効果を上げるという目的のためであれば、いたし方がないことかと思います。

〇狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 西銘純恵委員。

〇西銘純恵委員 未収金対策について、午前中も県政で初めて債権放棄ということをとられたことはいろいろな意味で前進かと思っているのですが、たまたまこの議案に関しては、県内に就労したら、返済しなくてもいいということで、この方もそうだったのかなと思うのですが、いかがですか。

〇砂川靖保健医療部長 この方は中途で退学しておりまして、看護師免許は持っておりません。

〇西銘純恵委員 この修学資金の未収金、実際はどれだけの人数ですか。余りいないのではないかと思うので、お尋ねします。

〇大城博保健医療政策課長 看護師等修学資金の未収金の件数と額は、平成28年末現在で、65件ございます。金額は1020万732円となっております。

〇西銘純恵委員 10万8000円、中退したという事例で返済というものは、この方は何カ年修学したら、いつから返済が始まったということがわかるわけですよね。これわずか5万4000円という金額にひっかかるのですけれども、早いうちにこの方の事情を掌握されておけば、このような金額を残したまま、未収金にはならないのではないかということがあって、そこが少し対応はしたけれども、どうだったのかという部分についての追跡等について、例えば最初の返済をしていますよね。一部返済しているとあるのですけれども、そのときに中退したから返済ということとか、皆わかっていると思うのですが、最初にそういうことを掌握したのはいつごろで、それからどれくらい追っかけられたのか、やりとりができたのかということが大事かと思うのですよ。

〇大城博保健医療政策課長 半額については、昭和54年に残されて、昭和55年調定でこの5万4000円になっておりますけれども、その後は本人とのやりとりがあったのかどうかという記録が所在不明の状況になっていて、接触の記録は残っておりません。

〇西銘純恵委員 昭和55年以降は所在不明の状況と言ったら、もう長期にわたって、年齢的にもやはりそれなりの年齢だし、それと消滅時効ということでも、判断されたということであれば、本来だったらもうここまで来て、平成25年に住所調査・戸籍の附票をとった時点で、未収金の債権放棄の対策をとれたケースかなとある意味では思ったのですけれども、今回議案として出されたことについて、未収金は出さないという努力をされていると思うものですから、やはりいつまでも引きずってそれを追いかけるということはどうなのかということもあるものですから、それについて、少し今回の議案が出せた総務部の債権管理の方針ですか、それが出たことについての見解をお尋ねしたいと思います。

〇砂川靖保健医療部長 この間の一連の流れで説明すると、平成25年度に包括外部監査が行われました。このときに未収金の管理、最少の経費で最大の効果を上げているかというような視点でその未収金の包括外部監査があったわけですね。この中では債権放棄についても積極的に活用すべきだという報告がございました。それを受けて、平成26年度に総務部で行政考査を全庁的に未収金に関して行われました。この中で、この未収金が発生する債権管理の課題ですね。それからその発生する要因、その課題を解決するためにどういうことをすべきかということを行政考査報告としてまとめました。それを受けて、平成27年8月に県の債権管理方針というものを定めました。この中では、そのもちろん債権管理の目的が歳入の確保ということであることは言うまでもないのですけれども、他方で、債権管理に関する事務であっても地方自治法の定める最少の経費で最大の効果を上げるという地方事務運営の基本原則を踏まえたものでなければならないと。これまで債権管理は債権の回収だけに主眼を置いていたわけですけれども、それだけではなく、明らかに回収が不能と認められる債権については放棄という手続を講じて、債権を消滅させるという考え方も導入しようというような方針をもとに、今般マニュアルも策定して、調査したものについては、放棄の手続をとっているということでございます。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

〇狩俣信子委員長 質疑なしと認めます。
 よって、乙第20議案に対する質疑を終結いたします。
 休憩いたします。

   (休憩中に、説明員の入れかえ)

〇狩俣信子委員長 再開いたします。
 次に、保健医療部関係の請願平成28年第13号外1件、陳情平成28年第79号外9件及び病院事業局関係の陳情第20号の2の審査を行います。
 ただいまの請願及び陳情について、保健医療部長及び病院事業局長の説明を求めます。
 なお、継続の陳情等については前定例会以降の新しい事実についてのみ説明をお願いいたします。
 初めに、保健医療部長の説明を求めます。
 砂川靖保健医療部長。

〇砂川靖保健医療部長 保健医療部関係の請願及び陳情案件について、御説明申し上げます。
 お手元に配付しております請願・陳情に関する説明資料をごらんください。
 表紙をめくっていただきまして、保健医療部関係の請願の一覧表になりますが、新規1件、継続1件となっております。
 またページをめくっていただきまして、陳情の一覧表になりますが、新規5件、継続5件となっております。
 初めに、継続の陳情5件中、処理方針に変更がある3件について御説明いたします。
 資料の5ページをごらんください。
 陳情平成28年第79号民泊新法についての意見書の提出を求める陳情の変更後の処理方針を記載してございます。
 変更箇所につきましては、6ページをごらんください。
 右の変更理由の欄をごらんください。
 民泊に関する新たな法律が住宅宿泊事業法案として第193回国会へ提出され、その内容が明らかになったことを踏まえ、処理方針を変更するものであります。
 変更後の処理方針を申し上げます。
 住宅宿泊事業法案における民泊サービスは、住宅を活用した宿泊の提供と位置づけ、既存の旅館業法とは別の法制度として整備されるものであり、年間の提供日数の上限が180日に制限されております。
 同法案では、地域の実情を反映する仕組みが導入されており、都道府県は、住宅宿泊事業に起因する生活環境の悪化を防止するため必要があるときは、政令で定める基準に従い、条例で当該事業を実施する期間を制限することができるとされております。
 県としましては、今後の動向を注視していきたいと考えております。
 続きまして、資料の11ページをごらんください。
 陳情平成28年第118号沖縄県における管理栄養士養成校設置に関する陳情の変更後の処理方針を記載してございます。
 変更箇所につきましては、12ページをごらんください。
 右の変更理由の欄をごらんください。
 平成29年度予算の中で、債務負担行為として予算計上を行ったことから処理方針を変更するものであります。
 変更後の処理方針を申し上げます。
 管理栄養士養成校の設置については、実現に向け支援を進めていきたいと考えております。
 続きまして、資料の13ページをごらんください。
 陳情平成28年第139号子供の医療費助成への「罰則」廃止と国の制度化を求める陳情の変更後の処理方針を記載してございます。
 変更箇所につきましては、14ページをごらんください。
 右の変更理由の欄をごらんください。
 国が、平成30年度から子供医療費助成に係る国保の減額調整措置について未就学児までを対象に廃止したことから処理方針を変更するものであります。
 変更後の処理方針を申し上げます。
 子どもの医療費助成に係る国民健康保険の国庫負担金減額調整措置の全面的な廃止及び全ての子どもを対象にした医療費助成制度の創設について、全国知事会を通じて国に要請していきたいと考えております。
 以上が、処理方針の変更についての説明でございます。その他の陳情につきましては、変更はございませんので、説明を省略させていただきます。
 続きまして、新規の請願1件に対する処理方針を御説明いたします。
 資料の3ページにお戻りください。
 請願第1号民泊サービスにおける簡易宿泊営業のフロント業務簡便化についての請願について御説明いたします。
 請願の内容は、昨今社会問題となっている無認可民泊の排除のため、ICTの活用等によりセキュリティー対策を行うことができれば、玄関帳場を設置しないことを認めるという国の方針と、県内の実態を踏まえて条件の緩和などを求めるものであります。
 これに対する処理方針を申し上げます。  続きまして、新規の陳情5件について、その処理方針を御説明いたします。
 15ページをごらんください。
 陳情第2号ヤンバルに基幹病院早期創設を求める陳情について御説明いたします。
 陳情の内容は、北部圏域において医療機関としての機能を十分に確保できるよう、基幹病院の早期創設を求めるものであります。
 16ページをごらんください。
 これに対する処理方針を申し上げます。
 北部圏域において、医師の安定的な確保を図り、良質かつ効率的な医療を提供するためには、基幹的病院の整備は必要であると考えており、これを実現する上で、両病院の統合は、合理的な考え方の一つであると考えております。
両病院の統合については、現在、両病院が統合する際に解決しなければならない課題の抽出作業に取り組んでいるところであります。
 続きまして、17ページをごらんください。
 陳情第3号の3平成28年度久米島町の振興施策に関する陳情について御説明いたします。
 陳情の内容は、居住離島市町村で出産が困難な妊産婦や難病患者等が安く長期滞在のできる宿泊施設を整備することを求めるものであります。
 これに対する処理方針を申し上げます。
県は、島外の医療施設へ通院する離島の患者の経済的負担を軽減し、適切な医療を受ける機会の確保を図るため、平成29年度から離島患者等支援事業を実施する予定であります。
 本事業の実施により、離島の妊産婦及び難病患者等の宿泊に係る経済的負担を軽減していきたいと考えております。
 続きまして、18ページをごらんください。 
 陳情第7号沖退連2016年度医療・介護制度及び地域公共交通機関に関する陳情について御説明いたします。
 陳情の内容は、1の(2)介護保険事業計画、医療計画及び地域医療構想の策定と、これらの計画に市民・関係団体の参画を図ることを求めるものであります。
 これに対する処理方針を申し上げます。
 県では、県及び各圏域の検討会議において、関係者から意見を聴取し、地域医療構想案を取りまとめたところであり、現在、同構想案に対するパブリックコメント及び市町村等への意見照会を行ったところであります。
 なお、市町村を含む地域の関係者が地域医療構想を達成するために必要な協議を行う地域医療構想調整会議(仮称)を2次医療圏ごとに設置することとしております。
 次に、1の(3)医療及び介護のサービス提供基盤を整備することを求める陳情に対する処理方針を申し上げます。
 県は、医療や介護が必要になっても、住みなれた地域での生活を継続できるよう、限りある医療資源を有効に活用し、高度急性期から在宅医療まで、患者の状態に応じた切れ目のない医療提供体制を整備するとともに、医療と介護が連携し一体的に提供される体制の構築に取り組んでいきたいと考えております。  地域医療介護総合確保基金の事業計画及び執行実績につきましては、沖縄県のホームページにおいて公表しているところであります。
 今後とも、県民にわかりやすい内容での情報公開に努めていきたいと考えております。
 続きまして、19ページをごらんください。
 次に、3の(1)新しい国保制度について、被保険者の理解と納得を得て円滑に施行することを求める陳情に対する処理方針を申し上げます。
 平成30年度から、国保の都道府県単位化が実施されることに伴い、都道府県は改正国民健康保険法に基づき、国保運営方針を定めることとなっており、沖縄県においても市町村と協議を行い策定作業を進めております。
 運営方針の策定にあたっては、県に設置した国民健康保険運営協議会準備会合において、審議をいただくこととしており、この中で被保険者代表にも意見を伺うこととしております。
 次に、3の(2)のア、70歳以上の高額療養費上限見直し等、医療費の負担を求めないことを求める陳情に対する処理方針を申し上げます。
70歳以上の高額療養費制度については、現役並み所得者及び一般所得者の負担上限額を、平成29年8月と平成30年8月の2段階に分けて見直すこととされております。低所得者については、一定の配慮を行う観点から、負担限度額は据え置きとなっております。
 後期高齢者の窓口負担のあり方及び金融資産等の保有状況を考慮に入れた負担を求める仕組みについては、平成30年度末までに結論を得ることとして、引き続き厚生労働省の社会保障審議会医療保険部会において検討が行われることとなっており、検討の動向を注視していきたいと考えております。
 次に、3の(2)のイ、皆保険を破壊し、医療費の増大を招く医療の産業化を排除することを求める陳情に対する処理方針を申し上げます。
 県は、県民に必要な医療が適切に提供されるためには、国民皆保健制度が堅持されることが重要であると認識しており、国の動向を注視していきたいと考えております。
 続きまして、20ページをごらんください。
 陳情第24号骨髄バンクドナー助成制度導入に関する陳情について御説明いたします。
 陳情の内容は、造血幹細胞を提供するドナー及びそのドナーが所属する事業所に対し、奨励金を支給することを求めるものであります。
 これに対する処理方針を申し上げます。
 ドナー及び事業所に対する助成制度につきましては、全国の取組状況及びその効果の有無並びに市町村の意向などを確認しながら研究していきたいと考えております。
 続きまして、21ページをごらんください。
 陳情第34号学校法人うるま学園うるま医療福祉大学設立に関する陳情について御説明いたします。 
 陳情の内容は、新設大学を創設するための財源の支援、またその調査費の配分を求めるものであります。
 これに対する処理方針を申し上げます。
 薬学部を中心とした医療福祉大学の設置について検討する予定はございません。
 以上で、保健医療部所管の請願及び陳情についての説明を終わります。
御審査のほど、よろしくお願いいたします。

〇狩俣信子委員長 次に、病院事業局長の説明を求めます。
 伊江朝次病院事業局長。

〇伊江朝次病院事業局長 それでは、病院事業局に係る陳情案件について、処理方針を御説明いたします。
 お手元に配付してあります陳情案件処理方針裏面の目次をごらんください。
病院事業局に係る陳情案件は、新規1件となっております。
 その処理方針の概要を御説明いたします。
 1ページをごらんください。
 陳情第20号の2石垣市振興に関する陳情について、御説明いたします。
 陳情の内容は、新県立八重山病院の診療機材等を充実・完備するとともに、万全な医療体制を図り、住民が島で医療に不足なく安心して治療できるよう整備することを求めるものであります。
 これに対する処理方針を読み上げます。
 1、新県立八重山病院については、急性期医療を担う地域中核病院として必要とされる医療を提供するために、コンピュータ断層撮影装置の更新など、医療機器の整備・充実を図るとともに、地域住民が安心して生活できるよう、引き続き、医療提供体制の充実・強化に努めてまいります。
 以上で、病院事業局に係る陳情の処理方針の説明を終わります。

〇狩俣信子委員長 病院事業局長の説明は終わりました。
 これより各請願または陳情に対する質疑を行います。
 質疑に当たっては、請願番号または陳情番号を申し述べてから重複することがないように簡潔にお願いいたします。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行うようお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 新垣新委員。

〇新垣新委員 20ページの新規の陳情第24号骨髄バンクドナー助成制度導入に関する陳情の骨髄バンクドナーの登録者は県内に何名いらっしゃいますか。

〇玉城宏幸薬務疾病対策課長 平成29年2月末現在で骨髄移植希望登録者ドナー登録者は沖縄県は12名いらっしゃいます。

〇新垣新委員 このドナー登録者が今12名と聞いたのですけれども……。

〇玉城宏幸薬務疾病対策課長 済みません。失礼しました。2月末現在で提供希望者、ドナー希望者は沖縄県で2万3351人となっております。

〇新垣新委員 このような希望者が2万3000人余の方がいると。その中で、登録者が12名と。

〇玉城宏幸薬務疾病対策課長 提供希望者が約2万3000名で、移植を受けたい方が12名となっております。

〇新垣新委員 移植を受けたい方が12名という形で、今、合致している方とかはいますか。この骨髄移植に関してはこの合う合わないがありますよね。それはどうなっていますか。

〇玉城宏幸薬務疾病対策課長 この詳しい内容につきましては、把握はしてないのですけれども、骨髄バンクのほうで、コーディネート等は行うことになっております。

〇新垣新委員 行うことになっていることはわかりましたけれども、全国の取り組み状況と、沖縄県の現状の比較はどうなっていますか。

〇玉城宏幸薬務疾病対策課長 全国の移植希望登録者になっている患者は1470名、ドナーの提供希望者数が2月末現在46万9348人となっております。

〇新垣新委員 その中で沖縄県と比較して、他都道府県の取り組みはどうなっていますか。

〇玉城宏幸薬務疾病対策課長 沖縄県は、この提供可能人口1000人当たりの登録者数が35名で全国トップです。2位の栃木県が20名ほどです。3位の福島県が18.5名、沖縄県は提供可能人口比にすると、全国で断トツという感じです。ちなみに全国平均とも言える値は1000人当たり8名となっております。

〇狩俣信子委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、新垣委員から沖縄県と全国とを比較して、どういった取り組みの違いがあるかを答弁するよう指摘があった。)
 
〇狩俣信子委員長 再開いたします。
 玉城宏幸薬務疾病対策課長。

〇玉城宏幸薬務疾病対策課長 沖縄県は今申し上げましたとおり、登録者数、ドナー登録がかなり多いことになっています。これの原因の一つとしては、献血する際にドナー登録しませんかというような呼びかけを沖縄県の場合はやっております。全国ではそのようなことは余りやっていないかと思います。

〇新垣新委員 私も東京都に住んでいたからわかりますが、献血のときに呼びかけはやっています。その方向で取り組みはどうなのかという実態報告を今後調べてほしいのですよ。都道府県の取り組みということを、まずは都道府県との連携をしっかり図られているかと、例えば、沖縄県2万3351人のドナー提供者がいて、沖縄県の12名が合わない。では全国のドナー提供者がこの12名に合うかとか、そういったこのお互いの連携というもの、取り組みというものが本当の救済活動であって、この助成制度もうまく全国的に網羅して行うということが一般的な、これは厚労省もしっかり取り組んでいるのです。だから県の取り組みがどうなっているのかということが今後ぜひ注視して、国との連携を図って、全国の都道府県とも連携を図り、頑張ってください。都道府県、全部やっています。赤十字やそのような動きを、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 続きまして、継続の部分で13ページの1において、「国において、地方自体が単独で行う窓口無料化に伴う「罰則」を廃止するとともに、全国一律の子供の医療費に対する助成を創設すること」という形で、その「全国知事会を通じて国に要請していきたいと考えております」と、この意味をもう一度説明して、今後どういう方向で向かうのかというものをお聞かせ願います。

〇砂川靖保健医療部長 この件については、数年来、都道府県知事会の名前で国に対して減額調整措置の全面的な廃止、それと子供医療費助成については国の制度で行ってくれという要請を行っておりまして、これを今後とも続けていくということでございます。

〇新垣新委員 今は非常にサービスのいいうるま市や嘉手納町、そこに対する配慮というものは沖縄県は考えていますか。実は子供医療費、高校卒業まで通院でうるま市と嘉手納町は進んでいるのです。そこら辺に対する配慮というものは県としては考えていますか。

〇砂川靖保健医療部長 知事会で言っているところは、子供がどの程度まで、どの範囲かという議論の余地があるかと思いますけれども、一般的に子供というものは15歳です。それと今回減額調整措置が廃止される部分、未就学児まででございますので、当面、我々としては15歳の子供の全国的な、一般的に中学卒業までというようになっておりますので、その方向で国には要請していくようになるのではないかと考えております。

〇新垣新委員 正直に言いまして、私たちの要請活動でも自民党して、全国一律で言いましたけれども、では今まで国も税と社会保障の一体改革で消費税もなかなか上げきれない状況で、ヨーロッパ並みに22%くらいを超えれば、そのような現実に―厚生労働省の担当者がはっきり言っていたのですよ。正直に言いまして、今の段階では厳しいと私は認識しているのです。きちんと厚生労働省の査定している人が勉強会を行って、同じような意見を言ったのです。では、今行われているサービスの方々に邪魔が入らないかという、自治体からのそういった全国一律で我々どうなるかというこういった要請も実はあることは事実だそうです。私たちのサービスの懸念という形で、減るのではないかという懸念もあるのです。今、消費税も確約されないままに、そういったこともぜひ視野に入れてほしいと指摘をしておきます。
 次に、11ページ陳情平成28年第118号沖縄県における管理栄養士養成校設置に関する陳情について、我々文教厚生委員会でも非常に行うべきだと前向きになって、高く評価しています。12ページですけれども、変更の理由で約3億円余りの今年度の予算がついたという評価はいたしますが、今後向かうべき方向性とはどういう方向で考えていますか。予算も措置されてこの栄養士を育成していく県の立場を高く評価しているのですけれども、今後向かうべき姿形は、どのように取り組んでいくかお聞かせ願いますか。

〇砂川靖保健医療部長 向かうべき姿と申しますか、今後の手続としては、養成課程を設置する大学について公募をかけているということでございます。

〇新垣新委員 その問題において、西普天間住宅地区に琉球大学が移転するという問題等において、重ねて県の負担も軽くなるように国と連携を重ねて、この栄養士等、沖縄県は非常に少ないと。前に陳情者からの説明があって、その方向でどうにか県としても取り組んでいただけないかと思って、ひとつ検討願えませんかと県の見解を求めます。単独で行うと財政が厳しくなります。

〇砂川靖保健医療部長 今回計上した予算は、この要請課程を設置する大学について、3億円の限度で助成しようということでございます。ちなみに琉球大学が西普天間住宅地区に移転するということについて、その分について、県が事業費を負担するということはないというように考えています。

〇新垣新委員 これはあやかって国と一緒に連携しませんかと、県が、このどこが事業主体なのか、沖縄県が事業主体なのか、民間がやるのか。その方向性はどうなっていますか。

〇砂川靖保健医療部長 この応募できる対象は公立大学、それから国の独法化大学、そして4年生大学を運営している私立大学というような大学関係法人になっていますので、今、公募をかけてその中からいい提案をした者が、補助対象事業者として選ばれるということでございます。

〇新垣新委員 ぜひ、基本的に言えば、やはり私は西普天間住宅地区が最適ではないかと、沖縄県の真ん中ですから、ぜひこれも国につくらせて、やはり食文化というものを、沖縄県の大学から公立が進めているということをぜひ要望をしておきます。
 続きまして、7ページ、陳情平成28年第89号の3美ぎ島美しゃ(宮古・八重山)圏域の振興発展に関する陳情です。
 県の回答ですけれども、離島が台風になった場合、停電した場合、水のサービス―水道がとまると。これは沖縄県の離島が非常に酷だという問題もわかります。その問題において、県としての配慮というものは、取り組みとかどういう配慮がなされてますか。

〇與那原良克生活衛生課長 今、委員の御質疑で、断水等に対する県の配慮ということでございましたけれども、県としましては、平成28年度に可搬型の海水淡水化装置というものを導入しております。こちらは1日当たり200トンの水を供給する装置を今回2台配備いたしました。離島において渇水等が発生した場合には、この可搬型海水淡水化装置をその離島に運んで、そこで給水を行うという予定にしております。

〇新垣新委員 2台の給水活動を評価いたしますが、台風というものは南から来るのです。与那国島とか西表島、石垣島、宮古島に基本的に上がってきて来るのですね。その問題でどこに2台を置いて、どこに困らないようにと考えていくのかということを具体的にお聞かせください。

〇與那原良克生活衛生課長 この可搬型淡水化装置につきましては、企業局に通常は設置して、そちらで運転・管理をしていただくということでございます。実際には、そういう渇水等があった離島村からの要請に基づいてフェリーで運ぶということを考えております。

〇新垣新委員 北谷浄水場だけで本当に賄えきれますか。全て与那国島までですよ。

〇砂川靖保健医療部長 今、生活衛生課長が答弁しているものは、万が一、断水したときに、平成15年に座間味島が渇水になったときにこのフェリーの船の海水を入れるところに真水を入れて那覇から運んでいたのです。そういうことをして、らちが明かないものですから、この可搬型の淡水・海水化施設というものを入れて、これを渇水している離島に運ぶという体制を整えたと。広域化の話は、水道料金が沖縄本島と離島では大分違うものですから、離島はその浄水についての技術的なレベルも企業局に比べて落ちるものですから、そういうことを解消しようということで、広域化を進めているということでございます。この広域化というものは今離島市町村は自分たちで水源確保しているわけですけれども、広域化することによって、企業局から水を買うという仕組みで広げていこう、ということが広域化でございます。

〇新垣新委員 これはぜひ離島が困らないように助成と、こういったサポートを検討願いたいと。台風で全て壊滅になった場合本当に賄いきれるかなという懸念と心配を抱えていたものですから、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 続いて、請願第1号民宿サービスにおける簡易宿泊営業フロント業務簡便化に関する請願の問題、この国のICTを活用により適用除外を認める方向で検討しているところとありますが、これは今後、ICTでやったセキュリティーという問題というものは関連になっていくのですか。厳しく、いつ、どこで、誰が入ってきたとわかりやすくなっていくということですか。犯罪もこれでわかってくるのか。そういった問題等もお聞かせ願いますか。

〇與那原良克生活衛生課長 今、ICTの活用ということですけれども、このICTというものが、情報通信技術を利用したサービスということになっています。これは利用者が事前にインターネット等で旅行業者等に施設の利用を申し込んで、コンビニエンスストアなどで事前に施設提供者から送られてくる暗証番号をスマートフォンなどに読み込んで、その電子機能を有する施設の鍵、そこに鍵で暗証番号での、鍵の解除をするというようなことになっております。こういう技術が発達しているのですけれども、実際これについては住宅提供者と宿泊者が実際に顔を会わすことがないというような状況が想定されています。これについて、国としてはこの辺のいろいろな課題等について、現在検討した上でITCの活用を認める方向であるということになっております。

〇新垣新委員 この問題において、非常に慎重にお願いしたいということがあって、実はハッキングという問題が非常に高度になっていると。非常に怖いなという正直な自分の思いがありますし、ハッキングによって、罪を着せられる人―犯罪者にさせられてしまうといったことが、国際社会で当たり前のようになっているという、高度化みたいな形ですね。このようなことが起こらないよう慎重にぜひ警察等も頑張ってただきたいと要望を強く申し上げますが、見解を求めます。

〇砂川靖保健医療部長 この旅館業でいうところの玄関帳場の規制というものがあるわけですけれども、これは公衆衛生の確保からなる観点、それから健全な旅館業務を運営する観点から定められている規制でございます。一方で技術革新によって、直接受付帳場で確認しなくてもセキュリティー上、安全性が確認されるというような場合については、観光関係の観点からも緩和していく必要があるだろうという御意見があるので、それについて具体的に国は検討した上で、法令改正を検討するということでございますので、その辺は十分に検討なされると考えておりますので、我々はそれに沿って、より適切に対応できるようにしたいと考えます。

〇新垣新委員 ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 続きまして、民泊も継続しますが、5ページの問題に関連しますが、同じ民泊でございます。この違法民泊という問題に沖縄県はどう取り組んでいますか。与野党の代表質問、一般質問によく出ていますが、真の取り組みはありますか。まずは実態からお願いします。

〇與那原良克生活衛生課長 県としましては民泊に関する実態を把握するという目的で、修学旅行生の民泊受け入れ機関である観光協会等を代表とした調査、それから一般旅行客のインターネットを介した民泊サービスの実態に関する調査というものを行っております。インターネットに関しては、平成28年10月から平成29年1月にかけて、インターネットを介して民泊サービスの調査を行いまして、県内でインターネットに登録されている施設というものが、1040件、そのうち所在地が特定できた施設が573件、そのうち旅館業の許可取得件数が264件となっております。修学旅行生の民泊に関する調査、観光協会等に関する調査につきましては、登録施設が1196件に対しまして、旅館業の取得件数が790件となっております。県としましては、許可を持っていない施設については、保健所が今後指導するということになっております。

〇新垣新委員 私が聞いているものは、登録されていないところを調べて何件ありますかと。

〇與那原良克生活衛生課長 インターネット関連ですと、登録されていない施設……。

〇新垣新委員 違法の疑いがあるという、登録されていないところ。

〇與那原良克生活衛生課長 無許可の施設が309件、修学旅行に関しましては406件です。

〇新垣新委員 実は、アパート、マンションは沖縄県でも全国と同じように一日中お客が来て、台湾人が来て、中国人が来て、外国人が来たりですね。これは言えないのですけれども、沖縄県でも起きています。この不動産業界とも、どこで具体的なことは今言えないのですけれども、ぜひ不動産業界と、警察とか取り締まりをお願いしたいのです。万が一犯罪とか、夜とかどんちゃん騒ぎをするそうです。正直、やかましいし、眠れないと。言葉の壁もあると。これは警察と連携するとすぐにわかってきますから、摘発とかですね。それともう一点が不法滞在にこれはつながっているおそれはないかという強い指摘があるのです。実態は不法滞在でされています。これは差別的になるけれども、何人とは言いません。それを私は強く、この問題において打破していただきたいと思うのですけれども、いかがですか。

〇砂川靖保健医療部長 今、許可を受けないで旅館、簡易宿泊所等を営業している場合、保健所等に苦情が寄せられる場合もございます。そのときは我々はきちんと調査して、指導しています。指導の結果、許可をとるようになったところもありますし、逆に廃業したところもございます。こういったことは今後とも強力に進めていきたいと。一方で委員がおっしゃったように、悪質の場合、県警との意見交換をしながら、連携しながらどういう対策を興じたらいいのかということについては話し合っていきたいと思います。

〇狩俣信子委員 休憩いたします。

   (休憩中、新垣委員から質疑の中にあった不法滞在についても答弁するよう指摘があった。)

〇狩俣信子委員 再開いたします。
 砂川靖保健医療部長。

〇砂川靖保健医療部長 我々は、刑法まで所管しておりませんので、そういう犯罪捜査はできませんけれども、あくまでも所管している旅館業の中で、我々としては職務を遂行していくと。一方で委員御指摘のような話もございましたら、県警にも今後その意見交換しながら、どういったことができるのかということをお互いに検討していきたいというように思います。

〇新垣新委員 ぜひ言葉の壁があって、どんちゃん騒ぎ等やかましいという意見が強いものですから、ぜひこの問題を打破して、不法滞在という行為も強くあるものですから、それを摘発するいい機会ですから、ぜひお願いしたいと思います。
 最後に、請願平成28年第13号厚生労働省における受動喫煙防止対策強化措置について意見書提出を求める請願についてです。この問題において、国の検討状況を注視したいと考えておりますとなるのですけれども、非常にこれはやはりすみ分けが一番大事だと思います。また、沖縄県も結構たばこ農家は多いです。この経済損失というものも出るものですから、その辺に関して、沖縄県の意向というものはどういう意向になっていますか。国の動向というものも大事ですけれども、沖縄県はどうなっていますか。

〇糸数公保健衛生統括監 厚生労働省においては2020年東京オリンピックあるいは、その前のワールドカップラグビーに間に合わせるということで、今国会にその受動喫煙防止に関する法案を提出をして、今議論がなされているところです。私たち保健医療部としては、たばこ耕作の農家の方々のいろいろな生活のこともありますけれども、県民の健康に悪影響を及ぼす喫煙、あるいは受動喫煙というものについて、それを適切な形で受動喫煙の害から守るということで、県民の健康長寿につなげるというような視点では見ているところです。その議論の中身は今、例えば小規模な飲食するところに喫煙室を設けさせるかどうかというような形になっていますので、それの動向を見守って、法案になったときに都道府県にそれに関する業務があるのであれば、保健所等を中心にそういう業務を行っていきたいと思っております。たばこについてはおっしゃるようにたばこをなりわいとしている、農家の方もいらっしゃいますけれども、私たちが見ている県民にがんを初めとして、非常に大きな影響を及ぼしているということがありますので、保健医療部としてはその健康を守るという視点で今、考えているところでございます。

〇新垣新委員 実は2点ありまして、まず失業者は出てはいけないと。たばこを吸う人のたばこ税というこの問題は打撃を受けると。国においてもたばこ議連に反対があると、これは民進党まで反対していると。そういった問題まであるものですから、きれいなすみ分けを沖縄県から提示して、経済損失が出ないように。例えばボックスの中でたばこを吸いなさいと。居酒屋とかホテルとかですね。そういうものを設けるとか、きちんとしたすみ分けをすれば経済損失は出ないと思いますから、たばこ税の損失も、ぜひスモーカーへの感謝というものも忘れずにお願いしたいと思って、質疑は終わります。

〇狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 照屋守之委員。

〇照屋守之委員 保健医療部で15ページの陳情第2号ヤンバルの基幹病院の早期創設を求める陳情ですが、これは今の先ほどの保険医療部長のこれまでのこの病院に対する説明とは打って変わって、一気にその整備が必要だと今やっているということですけれども、何で急にこのように前向きになったのですか。

〇砂川靖保健医療部長 一気に変わったということはないと思っております。地域医療構想策定前においては、この中で何らかの方法、それを出していく必要があるだろうということで、地域医療構想の中で、各圏域の実状等を調べていった場合、北部圏域においては、400床程度の高度急性期を担う病院が必要だろうということが出てまいりましたので、そういう観点から考えた場合、統合というのも合理的な考え方の一つであるということ、これは早目の11月あたりの議会でも答弁したかと思っています。

〇照屋守之委員 不思議だなと思って、これは知事も前の副知事あたりも非常に否定的だということを私は聞いていて、名護市議会議長が甚だ遺憾であると。平成25年から総意、策定されたものが全然進まないというようないら立ちも含めて、そういうことだろうと思うのです。私は、そのまま平成25年度の形で進んでいると、ある程度その図面もできて、形ができ上がったのではないかなという、私もそういういら立ちは非常にあるのです。それは前の保健医療部長にどこかで非常に強くぶつけた思いもあるのですけれども、これは今こういう形でやってきて、この統合について会議しなければならない課題の抽出作業に取り組んでいるということですけれども、何でこれは平成25年度からそのような話があって、当然このようなものは既に検討されてきているのではないですか。今からやってまたあと5年も、10年もかかるという話ですか。

〇砂川靖保健医療部長 従前はその研究会の報告の妥当性についての検討だったというように考えております。今、我々が上げたのは、この民間の場合、統合でも必ず出てくる話ですけれども、この統合がいいという考え方だとしても、その場合にはいろいろクリアしないといけない課題があるわけですね。資産の問題とか、それから負債の問題とか、職員の身分の取り扱いの問題とか、こういうものがどれくらいあるのかと、そういうことについて、今抽出作業をしているというところで、まだ統合するか否かについて、結論を出したということではございません。

〇照屋守之委員 だから、その辺の議論はとっくにされてきているのですよ。いら立ちを持って名護市議会や北部地域の人たちが遺憾だというところまで来て、これはうかうかできないという形で皆さん方が考え方が変わっていく。この方向性をするということなのですけれども、では、これから検討しましょうという話でしょう。もうされてきたでしょう。だからこれを今のようにやるのでしたら、やると言ってはっきり統合もしますと。だから前から言ったでしょう。県立だったら、県立でやりなさいと。知事は独法化を認めないということだったら、県立でやりなさいと言って、この県立でやるのか、あるいはそのようにしていくのかというその方向をはっきりつくれば、それに対して、今抱えている課題があればそこに集約できるわけでしょう。今抱えているそういうものを何が問題なのかということを、これからずっとやっていったら、時間的にはまた同じことではないですか。そのような課題というのは前からわかりきっているわけですから、県立と民間のものを一つにして、基幹病院ということであれば、もうはっきりしているわけでしょう。具体的にはこれから検討して、いつ計画的にどうつくっていくのですか。

〇砂川靖保健医療部長 先ほど私が申し上げた課題はこれまで検討されてきたかといいましたら、答えはノーだと思っています。これまでは合理的な考え方がどうかというような形での検討です。今、我々がやろうとしているのは、仮にこれを統合するとした場合でも、先ほど申し上げたようないろいろな課題があるわけです。それについて、整理した上で結論を出そうということで、作業自体が無駄だと思っていません。当然そういう課題について、解を持った上で、一方の当事者である北部医師会病院と協議しないといけないわけですから、協議する場合にこの考え方は、必ず整理しておかなければならない問題だと考えています。加えて申し上げますならば、この課題についての検討をだらだらと1年、2年先伸ばしてやろうとは考えておりません。

〇照屋守之委員 これは平成25年度以前から課題があって、平成25年度そういう形でやりましょうと言って北部地域に期待させているわけです。県立と民間というものはその時点でわかっているわけでしょう。だからこれは改めて、そういう形で正式に統合をやろうということになれば、ある程度県のほうで、県立で行くか、独法化にしていくかというような基本的なことをまず決めていけば、それは当然いろいろな課題があるのもそこに集約できるわけでしょう。だから今、そのようなものを抽出するとかいって、では具体的にこれはこうやって、いつそのようなことをやって、いつ建設をしてという、もうこの段階ではないですかという話なのですよ。具体的なそういう計画を示してやらないと、今までも平成25年度であなた方はやるのに、何で何もしないのですかと、いら立っているのに、今さらそれを検討していますという段階ではないでしょう。きちっと具体的に、いつどうやるというそのようなものも示していかないことには、検討のしようもないのではないですか。県民に説明できないでしょう。

〇砂川靖保健医療部長 平成26年12月に研究会の報告がありましたけれども、その報告の中では、課題について、課題そのものも提示されていないし、課題に対する解決策も県の考え方も整理されていないわけです。では、これがその合理的な考え方であるならば、仮に統合という方向に持っていったときにどういうような問題が生ずるかということは、これはこれからの作業です。今からやらないといけません。その作業をした上で県の方針は決定する必要があるだろうということでございます。

〇照屋守之委員 その段階ではないと言ってるのです。前からそのような課題があるのにいついつまでに新たな基幹的な病院を設立するとかというような、そのような目標をつくっていけば、そこからでしょう、その問題は。このようなものをどうのうこのという段階ではないです。あなたは今そこにいるけれども、これは検討も含めて前から出ているのです。だから我々は前から強く言っているわけです。強く言っているけれども、そのように前向きにならないで、今、前向きなことになっているわけでしょう。何を言っているのですかという話ですよ。

〇砂川靖保健医療部長 この県の作業というものは徐々には進んできていると思っております。先ほど私が挙げたような課題については私が着任するまでに整理されてきた問題ではないわけです。ところがもし仮に本当に統合するのだったら、統合をよしとしても、今、挙げている課題というのは、考え方を整理しなければならない。今回、この作業をするということは、これまでの検討作業とは内容が違うということもぜひ御理解いただきたいと思います。

〇照屋守之委員 そのようなことは言っているわけではないです。統合しようがどうしようが必要なのですから、この基幹的な病院というものは。だからこれは県立でつくるのであれば、県立でつくると意思決定をしていけば、そこに集約できるわけですよ。独法化でやるのでしたら、独法化でやるといったら、そこに集約できるわけですよ。これも決めないで統合するのにいろいろな課題があるとか、当たり前の話ではないですか。何年たっているのですかということを言っているわけです。それを県民に示さないから、平成25年度に決まったものが、まことに遺憾であるという陳情が出るわけでしょう。これは我々の問題ではないのです。北部地域の名護市民、ヤンバルの方々の命の問題、医療の問題でしょう。ですから、それに対する平成25年度にこれをやりましたと。まだめどがついておりませんと。私どもはいついつまで建設できるように頑張りますという形できちっと向こうに説明すれば、北部地域もそうですが、県民だって落ちつくのではないですか。それをしなさいという話ですよ。

〇砂川靖保健医療部長 この県としての方針を決めるためには先ほど申し上げるような課題の整理がぜひ必要だというように思っています。その作業をした上で方針を決定したいと。ちなみに経営形態に関しては、現行の経営形態を維持するという前提でこの課題の作業はすることになると考えております。

〇照屋守之委員 県の方針はあなたが決めるのではなく、県知事に決めさせればいいのです。県知事が平成25年度からこのような課題があって、今は問題がありますと、どうしましょうかと、県立でいこうという形で方針を出せばそれで決まりではないですか。何であなた方が決めるのですか。さまざまな課題があることについては皆さん方が頑張るということが筋なのでしょう。

〇砂川靖保健医療部長 知事として、新しい判断を決断するためには、やはり我々事務方が挙げたその課題に対する考え方、これを踏まえた上で方針を決定する必要があるだろうと考えております。

〇照屋守之委員 いい加減なことを言いますね。病院事業局長の人事の件で、あなた、何が起こっていたのですか。このようなことでは、副知事あたりがそういうものをやるのに、こういうものは自分たちがつくり上げてやっていきます。冗談ではないです。まずはこのようなそのものを知事として方針を決めさせて、知事の方針によってこうやりますと言って、それを皆さん方におろして、皆さん方はさまざまな課題があるものについて、解決をすべきだということです。皆さん方が積み上げた課題がありますが、知事どうしますか。今、このような状況ですかということですよ。この基幹病院問題は待ったなしでしょう。とにかく早目に知事の判断を伺って、やってください。皆様方がちんたらちんたらやっている場合ではないですよ。皆様方がつくったものを上に上げて、いやこれではだめだと言われたらどうするのですか。冗談ではないですよ。このような命にかかわる基幹病院そのもの自体を知事がまさにそういう政治生命をかけて、意思決定して、あなた方におろして、それをより具体的に実現していく、1年、2年でできるものではないでしょう。何年もかかるわけでしょう。今やらないで、いつまで検討していって、そのとき皆さん方こちらにいますかという話ですよ。もう少し性根を入れて、やってください。
 次に病院事業局の石垣市の振興に関する陳情です。私が、非常に懸念しているのは今の八重山病院の建設に関しても、予算をふやしていろいろ頑張っていますが、問題は、今ある医療機器を含めて、さらに新しい病院になって、そういう医療機器を拡充して、この県民医療に努めてもらいたい。これが今、陳情の趣旨ですよね。私もこの医療機器の整備とか、今あるもの、より具体的に新しい病院になってこのような物がふえて、よりよい医療が提供できるということを期待しているのですけれども大丈夫ですか。建設でこれだけお金がかかり、さまざまな課題があり、このような新たな医療機器もあって、医療体制もつくらなければいけないということは、これまで計画していた部分と、今このような形で新たな要望があるといいますか、これは予定どおりかもしれませんけれども、その辺の機器の整備という、そこはどうなのですか。

〇伊江朝次病院事業局長 今、新県立八重山病院の医療機器の整備については、耐用年数がきているものは全て更新しなければいけないと思っています。しかしながら、まだ幾つか耐用年数が来ていないのが、この移設の時期に来ていないのがありまして、これに関しては診療に影響がないようなことをしっかりと踏まえながら、一部については現在使っているものを移設するということも考えております。

〇照屋守之委員 このときに、私は人件費の問題も労働基準監督署から勧告を受けて、非常に新たな課題を背負っている病院事業経営だと思っているのです。このようなときに先ほども、こういう場所で余り言いたくないのだけれども、病院事業局長人事がどうのこうのという中で2カ年間、こんなのもごたごたする。これは何を言いたいかというと、病院事業局とこの知事サイドの信頼関係が薄れると思っているのです。薄れている。だから、このような大事な時期にこのような局長人事でごたごたして、現場の先生方には不安を与えている。ましてやこれが後々県民にも不安を与えますよね。このようなことをやっていて、本当に大丈夫かと。本当に新しい病院をつくってこういうしっかりとした機器を入れて、この八重山とか離島の方々に医療の提供体制をつくれるのかと。これは本当に心が入っているのかと。それを危惧しているのです。病院事業局長人事は。2カ年間。ですから、こういうことも含めて、この機器を整備することに、あるいは残業代を払うというものも含めて、本当に知事サイドと事業局が一緒になって、足りない部分は50億円でも100億円でも出しますという、3カ年計画でぐらいのものがないと、今抱えている課題は私は解決できないと思います。全部お金がかかるのですから。病院事業も建設も予期せぬものがかかっているわけです。あの残業代も何億円というお金もどうするのかという話ですよね。しかし、新しい病院はつくります。県民のために新たなものを入れなければいけません。耐用年数が過ぎた物来た物はやはりもう払い下げたいけれどもこれも使わなければならないという実態をどうするかという話です。ですから、言いましたように、本当にあの病院事業局長人事でがたがたしたものは払拭して、財政的な支援を含めて県と知事と病院事業局が一緒になって、やれるというこの保証はありますか。

〇伊江朝次病院事業局長 雨降って地固まるではないですけれども、残された1年、しっかり知事、副知事にも相談して、病院事業に支障がないように頑張っていきたいと思います。

〇狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○狩俣信子委員長 質疑なしと認めます。
 よって、保健医療部及び病院事業局関係の陳情に対する質疑を終結いたします。
 休憩いたします。

   (休憩中に、説明員退席。)

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 次回は、明 3月22日 水曜日 午前10時から委員会を開きます。
 本日の委員会は、これを持って散会いたします。





沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。

   委 員 長  狩 俣 信 子