委員会記録・調査報告等

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文教厚生委員会記録
 
平成27年 第 6定例会

1
 



開会の日時

年月日平成27年9月10日 曜日
開会午前 10 時 10
散会午前 11 時 44

場所


第2委員会室


議題


1 乙第1号議案 沖縄県保育士試験等手数料条例の一部を改正する条例


出席委員

委 員 長  呉 屋   宏 君
副委員長  狩 俣 信 子 さん
委  員  島 袋   大 君
委  員  照 屋 守 之 君
委  員  新 田 宜 明 君
委  員  赤 嶺   昇 君
委  員  糸 洲 朝 則 君
委  員  西 銘 純 恵 さん
委  員  比 嘉 京 子 さん
委  員  嶺 井   光 君


欠席委員

又 吉 清 義 君


説明のため出席した者の職・氏名

子ども生活福祉部長  金 城   武 君
 子育て支援課長   名渡山 晶 子 さん



○呉屋宏委員長 ただいまから、文教厚生委員会を開会いたします。

 乙第1号議案沖縄県保育士試験等手数料条例の一部を改正する条例を議題といたします。

 なお、ただいまの議案は、本日の本会議において本委員会に付託されております。

 本日の説明員として、子ども生活福祉部長の出席を求めております。

 まず初めに、乙第1号議案沖縄県保育士試験等手数料条例の一部を改正する条例の審査を行います。

 ただいまの議案について、子ども生活福祉部長の説明を求めます。

 金城武子ども生活福祉部長。

○金城武子ども生活福祉部長 それでは、乙第1号議案沖縄県保育士試験等手数料条例の一部を改正する条例について御説明いたします。

 議案をごらんください。

 本議案は、国家戦略特別区域限定保育士試験の実施に関する事務の手数料等の徴収根拠を定めるとともに、指定試験機関が行う同試験を受けようとする者に同試験の手数料を当該指定試験機関へ納めさせ、その収入とする等の必要があることから、条例を改正するものであります。

 主な内容としましては、試験手数料、登録申請手数料、登録証書きかえ交付手数料及び登録証再交付手数料について、通常の保育士試験と同額に定めるものであります。

 また、通常試験同様に、試験手数料を指定試験機関へ納めさせ、その収入とすることを規定しております。

 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

○呉屋宏委員長 子ども生活福祉部長の説明は終わりました。

 これより乙第1号議案に対する質疑を行います。

 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないように簡潔にお願いいたします。

 質疑はありませんか。

 狩俣信子委員。

○狩俣信子委員 年2回の試験になるということですが、1回目、2回目の試験問題のレベルはどうなるのですか。

○金城武子ども生活福祉部長 基本的には、通常のこれまで行われた試験と同様でございます。

○狩俣信子委員 3カ年間は当該自治体で保育士として働いて、その後はどこに出てもいいという話ですが、この制度は何カ年間続けてやるのですか。要するに、3年ごとに出て行ってしまったら、また県内保育士の数が減るのかという心配があります。

○名渡山晶子子育て支援課長 国では、保育士確保プランで、年2回の保育士試験の実施を打ち出しておりまして、次年度からは保育士試験を2回実施するという方向で決まっておりますが、2回目をどうするか等については、今回の実施結果等を踏まえて判断していきたいと考えております。

○狩俣信子委員 ということは、その後については、年2回の試験が適用されるかどうかはまだわからないわけですね。

○名渡山晶子子育て支援課長 少し説明不足でした。年2回実施されますが、2回目の試験を通常試験として行うか、地域限定保育士試験として行うかは各都道府県の判断に任されておりまして、今回、この実施結果を見てどちらに位置づけるかは判断していくということでございます。

○狩俣信子委員 沖縄県が、この部分は判断していくということですか。

○名渡山晶子子育て支援課長 各都道府県の判断になりますので、沖縄県においては県で判断するということでございます。

○狩俣信子委員 今、待機児童解消に必要な保育士は2300人だと出ていますが、一応年間2回実施して、どのくらい確保できる見通しがあるのですか。

○名渡山晶子子育て支援課長 通常の保育士試験で、これまでの実績を見ますと、大体500名程度の受験者で70名前後の合格者を出しているところでございます。ですから、この地域限定保育士試験を導入して、2回実施することによって、同程度の合格者を輩出したいと見込んでいるところでございます。

○狩俣信子委員 2回試験を実施しても140人ですよね。そうしますと、2300人には、はるかに及ばない。それから、あと1つ、この問題は、処遇改善の問題が裏に隠れていると思っていまして、せっかく保育士の資格を取っても保育士にならない人がいるということは、そこに根本の大きな原因があって、そこを県としてもどうするかという改善策が必要ではないかと思いますが、そこはどうなのでしょうか。

○金城武子ども生活福祉部長 保育士の養成で多いものは、指定保育士養成施設での養成ということで、短期大学や専門学校を出られる方がほとんどです。試験を受ける方は、一発の試験を挑戦して受験するという形となり、数的には少ないのですが、そういう意味で毎年800名から900名ぐらいの新規保育士登録者はいらっしゃいます。ただ、おっしゃるように、処遇面で課題があるということで、県としても従来から何とかこのあたりの改善をしていきたいということで、全国的な支援制度の中では3%の賃金アップはありますが、さらに県として保育士の正規雇用化の支援、そして保育士の負担軽減を図るための保育補助者―国庫補助事業でございますが、これも活用して新たな支援もやっております。さらに、産休代替職員配置事業―これもできるだけ働きやすい環境をつくろうということで取り組んでおりまして、今後も保育士の確保に向けた、いろいろな支援策に取り組んで強化していきたいと考えております。

○狩俣信子委員 県内における保育士の給与の最低額、最高額、平均額はどれぐらいかを教えてください。

○名渡山晶子子育て支援課長 最低額が幾ら、最高額は幾らという把握はしていないのですが、平均給与額ということでお答えさせていただきますと、平成26年度に厚生労働省が行った沖縄県内の保育士の平均給与額は18万1500円と出ております。

○狩俣信子委員 この18万円のラインは、勤務年数は何年ぐらいだと思えばよいですか。

○名渡山晶子子育て支援課長 7.2年でございます。

○狩俣信子委員 これは、賞与も合わせての計算でしょうか。

○名渡山晶子子育て支援課長 これは決まって支給する現金給与額としての統計になっておりまして、賞与とは別になっております。

○狩俣信子委員 賞与はどのくらいありますか。

○名渡山晶子子育て支援課長 42万4600円というデータになっております。

○狩俣信子委員 これは、夏と冬合わせての42万円ですか。

○名渡山晶子子育て支援課長 年間賞与その他特別給与額というくくりでの金額になっております。

○狩俣信子委員 そういうことも含めますと、7年越してから18万円ちょっとということですから、給与改善・処遇改善は引き続きやっていかないと、2回試験をしても、気になりますし、心配になります。そこのあたり、試験もやりながらも、待遇改善にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。

 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 二、三点お尋ねします。通常でも2回の試験ができる地域限定保育士試験を沖縄県が導入するということで、通常2回行っている都道府県はあるのでしょうか。

○名渡山晶子子育て支援課長 通常試験を2回実施するのは、来年度から打ち出された方針でして、今年度はこの地域限定保育士試験に手を挙げなければ1回しかできなかったということで、県としては緊急的に保育士を確保したいということで特例制度を導入したところです。

○西銘純恵委員 地域限定ということで、沖縄県が今年度やらないといけないということは、確かに保育士が不足している実態に合わせて取り組んだと思いますが、ほかに取り組む都道府県はどこですか。やはり待機児童が多いところでしょうか。

○名渡山晶子子育て支援課長 今回、本県合わせて4府県となっておりまして、大阪府、神奈川県、千葉県、そして沖縄県でございます。

○西銘純恵委員 受験条件で、資格取得後3年間は沖縄県内でのみ働くことができ、その後は全国で働くことができるということですが、受験条件等も含めて、通常試験との違いがあるのかどうか。例えば、何らかの試験の免除等があるのか、受験しやすいのかどうかも含めてお尋ねします。

○名渡山晶子子育て支援課長 この地域限定保育士試験は、従来行っております児童福祉法に基づく通常試験と同様の科目、難易度で行われることになっておりまして、この試験だから受けやすいとか、受かりやすいとかはないと考えております。

○西銘純恵委員 保育士不足解消ということで、県がすぐに実施するということは一定の評価ができると思いますが、実際、県内に保育士が何名いて、そして保育所に勤めていない潜在的資格者の状況をお尋ねいたします。

○名渡山晶子子育て支援課長 平成27年4月1日現在、保育士として登録されている方の数は1万9776人でございます。そのうち、保育所に保育士として従事している方の数―これは平成26年4月1日の数ですが、7865人となっており、平成27年度の保育所に勤めている従事者数は8267名でございます。

○西銘純恵委員 そうしましたら、保育士になっていない、いわゆる潜在的保育士はどれだけで―1万1000人ですから、2300人保育士が足りないということからすれば、今やっていないその皆さんが保育士につけば、解決できる問題だとも思います。なぜなのかというところを掘り下げていかないといけないと思いますが、なっていない事情など、そういう調査などをやったことがあるのか、どのように考えていますか。

○名渡山晶子子育て支援課長 まず、潜在保育士の数ということで、先ほどの数から差し引きをしますと1万1509名ということになりますが、ただこの中には、かなり御高齢の方々も含まれておりますので、その就労される実数となると少し落ちるということは前置きで申し上げます。あと、潜在保育士として復職をためらう理由としては、先ほど少しお話のありました、給与・待遇面の話ですとか、あとは人間関係、休みがとりづらいといったデータ―これは平成23年度に県で行った社会福祉人材調査で出ているところでございます。それを受けて、給与改善については、各県と連携して国へ要望したり、あるいは正規雇用化を促進することによって、離職を防止したりという形で取り組んでいるところでございます。

○西銘純恵委員 先ほど、平均給与は、7.2年の勤務年数で18万1500円と言われましたが、平均額ということであらわされたものと、私どもの周りで聞く話―多くの皆さんが本当に年収200万円いくのかという実態とが、全然合っていないのではないかということを感じているのです。

 ですから、この潜在的保育士のうち就労できる皆さん、高齢者もいるとおっしゃったのですが、その皆さんにも、条件整備、処遇の問題をきちんとやった上で、やはり保育士としてやっていくということであれば、今、政府が保育所に対して出している運営補助金が―保育士として7.2年の平均勤務年数だけれども、一般的に30年とかきちんと勤め上げていくと。やはり、経験というのは大事ですし、そういう就労の場としていく仕組みが必要ではないかと思っています。ですから、この保育所に対する政府の運営補助金に関しての額が、実態とどうなのか、現場からもいろいろ声が出されているのではないかと思いますが、どのようにつかんでいらっしゃいますか。

○名渡山晶子子育て支援課長 今年度からスタートいたしました、子ども・子育て支援新制度におきましては、その公定価格の中で3%の給与改善の上乗せがされております。これまで問題点として言われていました、10年以上の民間施設等給与改善費の問題につきましても、11年以上は4%ということで一歩前進をしているところでございます。県としましても、当然、給与改善の必要性は認識しておりまして、引き続き九州各県と連携して、国に要望していきたいと考えております。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。

 照屋守之委員。

○照屋守之委員 この本題に入る前に、先ほどの知事の提案で、ハイサイ、グスーヨー、チューウガナビラ。ユタサルグトゥ、ウニゲーサビラ。イッペーニフェーデービルという表現があります。意味がよく理解しにくくて、説明してもらえませんか。原稿の最初の挨拶ですが、これは皆さん方が書いたのではないですか。

○金城武子ども生活福祉部長 知事の提案につきましては、総務部で作成はしております。

○照屋守之委員 わかりました。

 次に、この2300人の保育士の確保に資することが見込まれるということですが、2回試験をすることによって、今の実態はどうですか。受験者の見込みといいますか、その可能性についてお願いします。

○名渡山晶子子育て支援課長 この試験を実施するに当たり、事前に意向確認という形で、受験を希望するかということで調査をしておりますが、それによりますと約630人が受験したいという意向が示されております。8月に通常試験を実施しておりまして、そこで合格された方が抜けますので、実際には恐らく五百数十人の方が受験されるものと見込んでいるところです。

○照屋守之委員 先ほどから出ていますように、今、保育士の資格を持っていても、給与や待遇面が非常に厳しく、小さい子供たちや赤ちゃんなどを見る上で責任が大きいわけです。そういう責任とか、いろいろな書類をつくったりという作業の中、親はどんどん子供を保育所に預けます。そして、保育士は自分の仕事をずっと続ける中で自分の子供さえ見られないという厳しい実態があるということなのです。保育士をやっている人が、いい仕事だよ、これはやったほうがいいよとは言えないというわけです。ですから、保育士の環境は、皆さん方のような公務員ですとか、先生方も含めて、全然話にならないぐらい厳しい環境にあるらしいのです。そういう中で、新たに保育士試験を年2回にして保育士をふやすことは―これも一つの手ですが、これは認可保育施設も含めて、県独自で運営や待遇改善も含めて仕組みをつくっていかないと、資格を取ってもなかなか厳しいものがあると思います。一生懸命頑張って資格を取って、仕事をしましたと。しかし、給料は安いわ、待遇は厳しいわ、朝から夜まで業務があり、また地域の行事でボランティアとしてそこに出て行かないといけない、先生方も一緒について行かないといけない、そういうことをやらざるを得ない。そういう状況があって、とてもではないですが、保育士を頑張って、子供が好きだよねというだけでは務まらない状況になっていると思います。資格を取得して、社会に出てみたら職場はそういう状況で、これでは堂々と保育士として頑張ってくださいと、胸を張って言えるような状況ではないような感じがしますが、その辺の中身の改善も含めて、どうですか。

○金城武子ども生活福祉部長 御指摘のとおり、勤務状況は非常に厳しいという話は我々も聞いておりまして、先ほども少し申し上げましたが、保育士の負担をできるだけ軽減するための保育補助者という仕組みもございます。これで十分とは思いませんが、直接的な人件費の充当という部分で県としてなかなか難しいところはありますが、勤務条件を何とかうまく改善できる支援ができないかどうか、引き続き、取り組みを強化していきたいと考えております。

○照屋守之委員 子供の命にかかわる仕事、そういうものも含めて非常に責任は重いのです。親は自分たちの仕事が休みでも保育所には預けるという実態があって、病気とかそういう理由も含めて。そういう保育所を整備する行政の立場と実際に保育をしている保育所、あるいは保育士の皆様方の負担は比ではないわけです。行政は、住民から要求があれば、どんどんそういう仕組みをつくって子供を預けなさいということですが、預かる側には責任や負担が大きく、とんでもない話です。自分の家庭もウッチャンナギテ、それをずっとやらないといけないという実態があるわけです。ですから、そこを改善していかないと、責任やいろいろなものの割には、賃金も安い、待遇も悪いという。本来、行政がやるべきことを向こうに預けてやるのですが、そこは経費的なものも含めて非常に厳しい状況があり、問題はそこだなと思うわけです。そして、もう一つ非常に気になることは、株式会社の参入です。沖縄にもそういう流れが入ってきているということですが、なぜ、わざわざ沖縄の子供たち、地域の子供たちを株式会社の商売の道具にしていくのかと。この仕組み自体に非常に疑問がありまして、那覇市の子供たちは那覇市の保育所で、豊見城市の子供たちは豊見城市の保育所で、うるま市はうるま市でと。地域限定保育士制度において、3年間は県内の保育に従事して、4年目以降は全国でという仕組みになっていきますと、株式会社は全国展開で、人をどんどん集めて、全国に回していくのです。こういう仕組みになっていくわけです。おかしくないですか。あっちから沖縄に回して、3年たったらまたこっちからあっちに回しますと。我々はウチナーンチュということでしたら、自分たちの子供たちは自分たちでしっかり面倒を見ようというプライドが必要ではないですか。この流れをつくるということ自体に、非常に違和感を感じています。こういうことは知事も含めて相談して、ウチナーのアイデンティティーと言うのでしたら、自分たちのことは自分たちでしっかりやろうと。株式会社という仕組みにくみしないでおこうということが必要ではないかと思いませんか。どうですか。そういう危険性があるのです。

○金城武子ども生活福祉部長 御指摘のとおり、株式会社の参入を認可したという事例はまだございませんが、市町村のほうでそういう動きがあるという情報は我々も聞いております。ただ、那覇市を除いてはまだ県に認可権限がありまして、これについて法令上は、基準を満たせば認可せざるを得ないという立場でございます。ただ、そうしますと、中身の主体は当然株式会社ですが、運営の設備基準も、人も含めて、基本的には最低基準といいますか、基準を満たして運営されるということには変わりはございませんし、指導監督権限は当然我々が持ちますので、そういうことを含めてしっかりと問題のないようにといいますか、こういう指導をしっかりした形で運営できるように取り組んでいく必要があるかと考えております。

○照屋守之委員 これはそういう仕組みがあればできるということですので、株式会社はそういう仕組みをどんどんつくってやりますよね。断れない状況になるわけでしょう。やらざるを得ないわけですよね。そうしますと、どういうことが起こるかと言いますと、子供たちが商品化されるわけです。相手はビジネスです。収入があって、当然支払いをして、利益を出さないといけません。必ず利益を出すのです。利益を出して、それに沿った形で経営するわけです。そして、全国各地でそういう展開をして、一律でやるわけですよね。保育士を1000名抱えていて、幾つも保育所を持っています、待遇もよくしていきます、というふれ込みでどんどんやっていきますよね。今は那覇市勤務ですが、次は鹿児島県です、四国です、大阪です、東北です、みたいな感じになっていくのです。子供たちが商品化されていくのです。我々は、その地域を自分たちでつくるというわけですから、自分たちの子供は自分たちで愛情を持って、地域をよくしていくためにという思いがあってそういうことをやるわけですよね。民間保育所も全部そうです。ビジネスのほかにそういう地域で、沖縄の、那覇市の、豊見城市の、うるま市の、という思いがあって、保育事業は成り立っているわけです。ビジネスで展開されたらどうなりますか。思いはないですよ。ですから、そういう仕組みがあっても、強いてまでやる必要はないわけでしょうと。それに対する歯どめはどうしますか。

○名渡山晶子子育て支援課長 御指摘のお話について繰り返しになりますけれども、法令上、要件を満たしていて、そして需要が供給を上回っている場合は、原則認可となっております。ただ、保育所運営費は市町村からの委託費になりますので、その使途は新制度においても制限がありまして、保育事業に充てることという枠組みはございますので、そのあたりは県での指導監査等を通じて、きっちり児童の処遇に充てているかということに関しては監査をしていきたいと考えております。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。

 糸洲朝則委員。

○糸洲朝則委員 地域限定の保育士を育成するという視点からの今回の提出だということで、4府県が今年度から実施しますが、平成29年度末までに必要な2300人の保育士を確保すると。いわゆる2017年までに2300人を育成できれば、当面の保育士の数としては県内で充当できるということだろうと思いますが、ここら辺をもう少し説明してほしいということが1つ。そして、もう一つは、先ほどの説明で、大体550人前後の人が受験されるであろうと、そして合格者が70人と。平成29年まででしたら、ことし2回、来年2回、再来年と、あと5回なのです。単純計算して、70掛ける5で350人しか新たに誕生しないわけで、2300人の確保にはつながらないということになるのですが、この辺の説明をお願いします。

○名渡山晶子子育て支援課長 これまでの保育従事者等の推移を見てまいりますと、大体通常で400人前後、保育所への従事者数はふえてきているわけです。それを県の取り組みの中でどう引き上げていくかということでございますけれども、先ほどお話がありましたが、まず保育士養成施設等から毎年新卒者が相当数出てまいりますので、その方々を保育の現場に就労していただきたいということで、修学資金の貸し付けを行っております。貸し付けをしますと、5年間は現場にいていただくという可能性が高くなりますので、修学資金の貸付枠を拡大したり、あるいは合同面接会等を開催して、保育の現場への就職につなげていくということで、就職率をアップしていく取り組み。あともう一つは、離職率を低下させなければなりませんので、その離職防止策として、今年度からやっております―正規雇用化がかなり重要な、有効な手だてと思っておりますので、正規雇用化を進めたり、あるいは離職の理由の上位に出産や結婚を機にということがございましたので、産休代替職員の支援を県単事業で行っておりますし、沖縄県保育士・保育所総合支援センターでの潜在保育士の就労あっせん等を行っております。もちろん、この保育士試験だけでは絶対的に数が足りませんので、いろいろな施策を取り組むことによって、2300人を確保していくということで進めているところでございます。

○糸洲朝則委員 もう一点、地域限定保育士制度は新たな取り組みですので、例えば、受験資格を沖縄県民に限るのか、あるいは他都道府県、極端に言いまして外国人は今回該当しないと思いますが、他都道府県からの受験も含めて可能なのか、そして、そういうことも想定しているのかについてお願いします。

○名渡山晶子子育て支援課長 地域限定保育士試験の受験資格は、通常の児童福祉法に基づく受験資格と同じでございますので、他都道府県からも受験は可能ですし、国籍の要件は通常の試験もございませんので、今回の試験もございません。したがいまして、受けていただいて、合格をして、登録をすれば、どなたでも沖縄県内で3年間勤めていただくという資格になるということでございます。

○糸洲朝則委員 それでもこの資格は、3年間県内で勤めていただければ、全国どこでも働くことができるというところに、先ほどの照屋委員からの答弁にもありましたように、少し疑問符がつくわけでして、全国展開する株式会社が出現しているということも事実ですので、そういう流れに沿った施策かとうがった見方がされるわけです。そこら辺に対する先ほどの質疑と一緒なのですが、それを政策的に誘導していく、その一つのプロセスとして、4府県における今回の実施かと思います。取り越し苦労であればいいのですが、そこら辺に対する政策的な誘導なのかどうかということを危惧するわけでございますが、それに対する部長の見解を伺って終わりたいと思います。

○金城武子ども生活福祉部長 今回の条例改正というのは、要するに、これまで年1回だった試験を年2回にすることで、これまでよりある意味では2倍といいますか、そういう合格者を輩出することで、保育士確保の一つの手段として、これに取り組んでいくということでございます。受験者が地域限定保育士をやることで、全国に転出していくということは余り想定できないかと思っております。これまでの1回分が2回になりますということが我々の認識でございまして、そういう意味では、従来よりは合格者がふえるということですから、保育士確保の一つの手段として、できるだけ多く輩出したいという意味で、今回の取り組みをするということでございます。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。

 赤嶺昇委員。

○赤嶺昇委員 先ほど、正規雇用化が大事ということでしたが、現在の正規雇用の実態はいかがですか。

○名渡山晶子子育て支援課長 認可保育施設でお答えいたします。平成27年4月1日時点での、認可保育施設における保育士の正規雇用の割合は41.2%となっておりまして、昨年度よりは1.8%増加しているところです。

○赤嶺昇委員 県の目標は幾らですか。

○名渡山晶子子育て支援課長 60%以上の正規雇用を目標としているところでございます。

○赤嶺昇委員 県が60%の目標を設定して何年になりますか。

○名渡山晶子子育て支援課長 平成24年9月に60%以上の正規雇用をということで、通知といいますか、お願いを出させていただいたところです。

○赤嶺昇委員 皆さんは、平成24年度に通知をして、60%の目標に対して42%、20%足りないですよね、これはなぜですか。

○名渡山晶子子育て支援課長 正規雇用が進まない要因をいろいろと分析していきますと、まず、大きな要因として一番は、弾力的な運用。保育所の定員を超えて、今、待機児童がたくさんいるということで、もちろん、施設基準の範囲内なのですが、弾力的に受け入れを恒常的にお願いしている部分がございまして、この弾力受け入れについては、年度年度での受け入れになりますので、受け入れに係る保育士については、なかなか正規雇用がしづらいという声は事業者から聞いているところでございます。こういったことも考え合わせますと、やはり保育所の整備をしていくことによって、このあたりも向上していけたらと考えているところでございます。

○赤嶺昇委員 今の答弁は、仕方がないという意味ですか。

○名渡山晶子子育て支援課長 整備を進めながら、正規雇用の施策も打ちながらということで、引き続き取り組んでいきたいと考えております。

○赤嶺昇委員 部長に答弁してもらいたいのですが、正規雇用率60%を皆さんは目指していて、正規雇用化が大事ですが、もう一方で、こういう理由があるということを言っていますが、平成24年に通知をして、60%に向けてどういう努力をしていますか。

○金城武子ども生活福祉部長 先ほども答弁がございましたように、指導監査のときに6割以上ということで、これは義務的なものではありませんが、そういう要請はしています。それから、新規に認可するときに、基本的には6割を正規雇用でということを前提に認可をしておりますので、そういう意味では、先ほどございましたように施設が新たに定員をふやすことで、認可も6割を条件に認可しておりますので、まだ少ないですが、徐々にそういう努力はしているところでございます。

○赤嶺昇委員 正規雇用率が一番高い保育園と一番低い保育園の数字を示してください。

○名渡山晶子子育て支援課長 申しわけございません。ただいま、手元に資料はないのですが、保育所の配置基準に当てはめて正規雇用率を監査でチェックしている範囲では、一番上はその配置基準を超えて正規雇用率があるところもありましたし、一番低いところで7%少しだったところがあったように記憶しておりますが、正確な数値ではございません。

○赤嶺昇委員 こういう審査をするときに、正規雇用の話をして、正規雇用率の問題が出ているのに数字を持っていないでは、審査できません。

○名渡山晶子子育て支援課長 平成26年度の保育所指導監査の数字で、正規雇用率が低い保育所は6.7%、高い保育所は122.2%でございます。

○赤嶺昇委員 これは両方とも認可保育園ですか。

○名渡山晶子子育て支援課長 そのとおりです。

○赤嶺昇委員 6.7%の認可保育園もあれば、120%の認可保育園もあるというのは、同じ税金が投入されているということからしますと大問題ですよ。どうなのですか。めちゃくちゃです。この認可は取り消したほうがいいのではないですか。

○金城武子ども生活福祉部長 雇用の形態といいますか、当然、県としては、できるだけ職員の処遇をよくすることが、子供の処遇にもつながるという基本的な認識を持っておりまして、そういう意味で、これまでもそういう指導監査、そして認可のときにもやっております。そして、それでもやはり最終的には社会福祉法人という、本来ならば、社会福祉に非常に理解の深い方たちで構成される法人ですので、そういう意識を持ってぜひ―最終的には法令上の権限での強制的な部分はなかなか難しいところがございます。そういう意味で、昨年から直接団体に出向いて、正規雇用率をぜひ上げてほしいということをやっておりますし、来週もまた改めてそういう要請をやるということで、今、取り組みを進めているところでございます。

○赤嶺昇委員 先ほど照屋委員がおっしゃっていた民間参入というものは、結局は利益です。社会福祉法人とは違うわけですよね。最初の初任給は高い給与を出すかもしれません。今、6.7%の認可保育施設があるということで想定されることは、皆さんは6.7%の認可保育施設を放置してきていますが、努力してほしいと。ですが、民間が入ってきたときには、指導監査しますと言っていますよね。指導監査をしますと言っておきながら、現時点での社会福祉法人で6.7%の正規雇用率があること自体、あなた方の能力がなく、権限が全然果たされていないということになるわけです。民間が入ってきたら大変だという指摘があるのに、いや、指導監査でできますと言っておきながら、6.7%の正規雇用率というのはあり得ないです。60%の目標がありますと。けれども、今は40%です。高いところは122%のところもあれば、6.7%のところもあります。これは誰が悪いのですか、皆さんではないのですか。これは皆さんに努力してもらいたいのですが、民間が入ってきたときに、最初は正規で雇って給料も高く上げて、その後は利益を出すときに、6.7%どころじゃなく、そういう数字になっていったときに沖縄の保育が成り立ちますかという話なのです。6.7%を放置しているという実態を、同じ認可保育施設でありながら、そういうことがあっていいのかという話です。今からもう一回行って指導に行きますということですが、やらないでしょう。取り消しも含めて、あなた方にはそこまで権限はないかもしれないけれども、こういう数字があること自体、保育士をふやすと言いながら、処遇の問題も課題が山積しているのに、何も手を打たれていないという話なのです。これはどうしますか。公表したほうがいいのではないですか。こういうものは、認可を取り下げたほうがいいと思います。

○金城武子ども生活福祉部長 確かに、御指摘の部分は非常に理解できます。そういう意味では我々も努力はしているところですが、なかなか実現していないということは事実でございます。ただ、これが認可の条件には法令上なっていないというところもございまして、なかなか強制力でもって認可の取り消しというところまでは難しいというのが現状でございます。引き続き、正規雇用率を上げていただくということを、我々は指導監査等の中で指摘していきたいと思っております。

○赤嶺昇委員 では、公表してください。取り消しできないのでしょう。正規雇用率が6.7%の認可保育施設があるということを出してください。どこの保育施設ですか。

○金城武子ども生活福祉部長 社会福祉法人は、自主的にできるだけ情報はオープンにという方向ではございますが、今の段階で、今おっしゃる正規・非正規率、その辺について公表できるような内容にはなっていなかったかと思います。これは確認が必要だと思いますが、財務状況が中心だと思うのですが、そういうものは社会福祉法の中で公表するようになっていたと思います。この正規・非正規率を含めて、公表できるかどうかについては詳細を確認しないと、今の段階では明確にお示しできないというところでございます。

○赤嶺昇委員 皆さんは指導して、努力してほしいということを言っていますが、結果的に直ってない。この際ですので、全保育園の正規雇用率も出してください。出せないときには出せない法的根拠も示してください。これだけ税金も投入してやっているわけですので、各園、正規雇用何名と一覧表にして出すと。出せない理由は、きょうはいいですが、次の議会までには示してください。子供を保育園に預けている親も知る権利があります。正規雇用率が6.7%の保育園に預けていると。子供の命ですよ。そういう園があること自体、園として体をなしていないと思っています。これは、園を守る立場に立つのか、命を守る立場に立つのか、まさに皆さんが問われている問題だと思っていますので、これをしっかりと示してください。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。

 比嘉京子委員。

○比嘉京子委員 きょうの議案の内容ですけれども、試験が年1回から年2回にと、これまでの方向でふえるということでお話があるのですが、通常の試験の科目にはどんなものがあるのですか。

○名渡山晶子子育て支援課長 保育士試験の試験科目は、筆記試験9科目と実技試験2科目、これは3科目から2科目を選択する形になっています。試験科目として、保育原理、教育原理、社会的養護、児童家庭福祉、社会福祉、保育の心理学、子どもの保健、子どもの食と栄養、あと保育実習理論の9科目になっております。実技試験は、音楽表現に関する技術ということでピアノ、ギター、アコーディオンのいずれか1つで課題曲を演奏すること。あるいは造形表現ということで、保育の一場面の絵を描くこと。そして、3番目に言語表現ということで、課題となるお話を1つ選択しまして、子供にお話をするような形ということで、実技はこの3つの中から2つを選択するというような1次、2次試験を経て合格ということになります。

○比嘉京子委員 従来の保育士試験は、それを1回で全部クリアしないと資格は得られないのですか。現状はどうなっていますか。

○名渡山晶子子育て支援課長 筆記試験につきましては、9科目のうちどれか合格をいたしましたら、原則2年間は持ち越しができることになっていまして、実務経験と一定の要件を満たせば、4年間は持ち越せるという形になっています。例えば、前回8月の試験で5科目取った方が、今回の地域限定保育士試験であとの科目を合わせれば合格になるという形で、受験機会がふえると考えているところでございます。

○比嘉京子委員 例えば、ことしはこの科目を取得して、来年ほかの残りの科目を取って、トータル2年をかけて資格を取得することができたものが、今回、年に2回のチャンスを上げることによって、1回目のテストで何科目、2回目のテストであとの科目を、ということで、1年間で取得をすることが可能になると理解していいのですか。

○名渡山晶子子育て支援課長 そのとおりでございます。

○比嘉京子委員 潜在的な保育士がかなり多くいらして、きょうの議案になっています保育士試験の場合には、ざっと計算しますと合格率14%かと思うわけです。そういう人々を一方でふやしていくという手法も大事かとは思いますが、やはり皆さんがおっしゃっている根本的なところ、根本的な処遇改善と、それから早番、遅番といいますか、朝7時半から受け入れをしようとしますと、7時ごろには保育士の早番の人は保育園をあけていないといけないわけです。お子さんを育てている人たちが7時までに保育園に行くということは、自分の子供は6時台にはどなたかに預けていないといけないわけです。そのどなたかに預けていなければいけないという保育士たちが、結婚、出産を経て、保育士を継続できる環境というのは、どのように考えているのですか。

○名渡山晶子子育て支援課長 御質疑に合う答えになるかはわからないのですが、今、事業所内保育所の整備を県でも積極的に促進しておりまして、例えば保育士の保育所内保育所といいますか、実は今年度1カ所事業をしているところがあるのですが、保育所が自前で働いていらっしゃる保育士たちの子供を預かるための保育所を、事業所内保育所として整備をするような取り組みもあるところでして、少しでも保育士が就業を続けられるような環境づくりになったらということで、そのような取り組みを進めているところでございます。

○比嘉京子委員 先ほどからありますように、やはり就労時間の長さと労働量、それから年々重くなってきているのが親指導、親教育です。これは国家資格化して、言ってみれば保育士の仕事、責任、そういう内容等は免許制から資格制になってすごく重くなっているのが実態です。国は、その実態に見合うだけの保育所運営費を払っているのかと言われると、正規雇用率と保育園の緩和策、弾力入所を認めると。この弾力化した割合が来年も同じ人数いるという保証がないために、ある意味で正規雇用化を足踏みさせる大きな要因になっているということは、先ほどから皆さんが指摘されているとおりではあると思います。しかしながら、何度も言ってきているのですが、大もとはやはり国が投じている保育単価、そこに切り込まないと根本解決にはなりません。こういうテストをプラスしていきましょう、潜在的な人たちをもっと掘り起こしていきましょう、そしてベースアップをしましょうなど、いろいろな策があるかも知れません。この保育単価に切り込まないと、今度の法整備の中において、いわゆる価格―これから議論になると思いますが、保育士の給与は何歳を対象として単価が組まれているという理解なのですか。保育現場では保育所運営費の約8割を人件費に充てています。そして、延長保育や特別保育など、いろいろな保育がプラスされていますが、そのプラスアルファの金額は国からおりてきていません。一方的にカットされていくのです。そういう中で、人件費をどんどん圧縮せざるを得ない環境がつくられているわけなのです。8割を割いているところはまだいいですが、自分たちの改修費の預金をするために8割を切っているところもあると思います。根本的に、この保育単価の中における人件費の算出基準を何歳にしているのですか。

○名渡山晶子子育て支援課長 国の説明によりますと、年齢ではなく保育士としての経験年数での基準になっておりまして、7年間勤められた保育士に対する基準額を想定して、公定価格は組まれているという説明でございます。

○比嘉京子委員 最後ですが、20代で保育所をやめることになっているのです。国の保育単価が20代で、結婚したら保育士をやめることになっているのです。そうしますと、沖縄県の保育士の中に若い人がいて、中堅がいて、キャリアを積んだ人がいて、現実的には50代になっても給与は頭打ちになっているのです。こういう現状をずっと放置してきているのが、今の日本のあり方なのです。ですから、20代でやめることになっているわけで、この保育単価をそのままやってきていること自体が異常なのです。地方からどれだけ声が上げられるかわかりませんが、それに対して、沖縄県が独自に何か方策をとるのか、一方で国に言い続けながら、沖縄県の待機児童の多さから、沖縄県が独自的に、沖縄振興一括交付金も含めて、どれだけ沖縄の子供たちに充当できるのかということも含めて、こういうことを待っていたら、もう何十年も動いていないわけです。保育士は短期大学を卒業して二十歳で出てきますが、この給料では、二十七、八歳でやめなくてはいけないのです。35歳、40歳、45歳、頭打ちです。公立保育所の保育士の給料と認可保育施設の保育士の給与の差があるものですから、認可保育施設の保育士の給料を上げていこうとは国はせずに、このアンバランスを保つために公立を民営化してきているわけなのです。その現実的なことに対して、保育士たちが現場に戻りたくても戻れない実態はたくさんあります。そのことを、我々も放置してきているわけです。先ほどからとてもいいこと、沖縄は沖縄独自でやりましょうよと、まさにそのとおりだと思うのです。この放置してきている保育単価、これについて国がなかなか動かないという実態、それでも45歳、50歳の人が勤めています。こういうキャリアのある人が多い保育園ほど、若い人はほとんど臨時雇用にしないといけなくなっているのです。これが実態です。何度も言ってきました。ですから、根本的なてこ入れをどうするかということをぜひ考えてほしいと思いますが、どうですか。

○金城武子ども生活福祉部長 待機児童を解消するということは、まさに保育士確保をいかにやるか、そして先ほどありましたように定着、辞職を防止するという取り組みをどのようにやるかということで、課題ははっきりはしているのですが、なかなかうまく即効的な施策が打てていないということが現実だと思っています。そういう意味で、どこまでできるかですけれども、やはり何らかの形で保育士の処遇に対して、いかに財政的な投資ができるかと。沖縄振興一括交付金活用ということを我々内部でかなり議論してきているのですが、なかなか現実的にそこは実を結ばないような形ですが、これはぜひ何らかの形で保育士の処遇が改善できるような取り組みは、引き続き我々も検討し、研究し、実現できるような取り組みはしていきたいと思っております。

○比嘉京子委員 これまで沖縄県が努力してきたことは評価しています。例えば、処遇改善に6億7000万円組んだとか、過去何回か継続してきていることなど。しかし、保育現場では、このお金がずっとあるという担保がないのです。毎年これだけ出しますよ、という担保がないので、給与に上乗せできないと言うのです。月々の給与に上乗せができない。そのために、賞与でことしはこれだけ上乗せできますと、1回限りになるかもしれない、先行き不透明な補助金だと。そのような感じで、言ってみれば、抜本的な保育士の見通し―保育士の給与のこれだけは上げられる、何年後にこれだけはアップするという見通しが全くない現場に私はなっているのではないかと思っておりますので、これまでの1カ年単位のさまざまな対策は評価しつつも、これが続いていくという担保の見えない中で、給与の上乗せができにくいという現実が抱えられていること、育休、産休の問題、たくさん課題はあります。国を待っていたらなかなか難しいので、沖縄独自に何か突破口をぜひお願いしたいと思います。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。

 島袋大委員。

○島袋大委員 先ほど、潜在的保育士が1万1000名いると。その理由の内訳が、処遇改善もろもろ含めて人間関係とかということを聞きました。調査が平成23年と言っているのですが、沖縄県保育士・保育所総合支援センターは、平成25年か平成26年からスタートしているのですが、この資料はなぜ平成23年の調査の報告なのですか。沖縄県保育士・保育所総合支援センターができてから調査しましたよね。アンケートも全部とって。なぜ最新情報ではなく、平成23年の調査がここで公表されるのですか。

○名渡山晶子子育て支援課長 先ほど手持ちでありました資料でお答えしたのですが、おっしゃいますように沖縄県保育士・保育所総合支援センターでもそのような調査はしているところですが、今手元に資料がありませんので、古い資料でお答えをさせていただいたところでございます。あと、潜在保育士が就労をためらう理由というのはほかにもありまして、例えば、合格してから長い間保育士の職についていないということで、改定された保育所保育指針への対応が心配だといった意見や、先ほどお話に出ましたが、保護者への対応について不安があるという声も聞こえておりまして、それに対応した潜在保育士の復職支援の講座を開いたり、いろいろな取り組みはしているところでございます。古いデータで申しわけありませんでした。

○島袋大委員 先ほど赤嶺委員からもありましたが、待機児童を解消するイコール職員を確保するための審査ですのに、なぜ平成23年の昔の資料を出して、何のために沖縄県保育士・保育所総合支援センターをつくったかという意味自体この部署はわかっていません。私たち委員がなめられているようなものですよ。これで審査しなさいというのは、おかしな話です。根本的に考え方が私たちとは全然合わないのです。私たちは一生懸命に待機児童を解消したい、そのための職員がいないのでどうにかしないといけないと、そのための審査なのに、こういった資料を持たないで、国がやったから通るだろうという安易な考えではありませんか。この部署には、根本的に待機児童を解消したいという意気込みが感じられません。もう聞きません。

○呉屋宏委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、島袋大委員、赤嶺昇委員から要求のあった資料を次の委員会までに提出するよう委員長から執行部に対して指示があった。)

○呉屋宏委員長 再開いたします。

 ほかに質疑はありませんか。

 新田宜明委員。

○新田宜明委員 今までの質疑応答を聞いて、少し再確認をしたいのですが、基本的にはこの条例改正については賛成です。この条例改正の中に、例えば保育士試験という文言を、保育士試験等とか3カ所で「等」という文言が入っていますね。その意味は何ですか。

○名渡山晶子子育て支援課長 これは保育士手数料の中に、保育士試験の受験手数料、そして保育士名簿への登録申請手数料ですとか、お名前が変わった場合の登録証書きかえ交付手数料、登録証再交付手数料や各種手数料が入っておりまして、今まで保育士等手数料となっていましたが、その「等」の中に、今回地域限定保育士試験もその「等」で読めるということで、そのような含めた表現になっています。

○新田宜明委員 これまでの条例は不正確だったのですか。

○名渡山晶子子育て支援課長 これまでの条例で「等」と表現していたのは、先ほど申し上げました試験手数料や登録申請手数料等々を含めた「等」という表現でして、今回の「等」につきまして、その「等」の中に通常の児童福祉法に基づく保育士試験と地域限定保育士試験を含めて、この「等」で読んでいくということでございます。

○新田宜明委員 いわゆる地域限定保育士による新しい保育士の採用試験が行われるという前提で、そういう「等」という文言を入れたと理解していいのですか。

○名渡山晶子子育て支援課長 そのとおりでございます。

○新田宜明委員 次に、条例改正の意義ですが、待機児童解消ということがあります。待機児童の定義が、各市町村によって、必ずしも一定ではないですよね。それは掌握していますか。

○名渡山晶子子育て支援課長 待機児童の定義といたしましては、保育の認定を受け、保育所の入所を希望したにもかかわらず、保育所に入所していない児童という定義になっているところですが、その解釈の中で、恐らく委員がおっしゃっているのは、例えば、希望するところとはほかの保育所に行きたいということで待機を望まれた方とか、そういう取り扱いをおっしゃっているのかと推察しますが、そういう分類の中で、市町村で幅があって少し取り扱いが違うところがあるように聞いているところでございます。

○新田宜明委員 ぜひ、待機児童の定義を県で統一したほうがいいと思います。例えば、第1希望を出します。ほかの保育所がまだ定員に達していないということで、ここにどうですかと市町村の担当者が話します。しかし、保護者が通勤上向こうの保育所に連れていくわけにはいかないと断ったら、これを待機児童としてカウントしない市町村があるのです。こういう事例があることを把握してほしいと思います。保育に欠ける条件はありながらも、通勤途上の保育所としては、あっせんされる保育所は適当ではないからと断るケースもあるのですが、断ったら待機児童としてカウントしない自治体があるのです。そういうことは非常にまずいと思います。保護者からそういう苦情があります。ですから、県として、待機児童をカウントするときの基準を明確に示したほうがいいと思いますが、部長はどう思いますか。

○金城武子ども生活福祉部長 待機児童の定義については厚生労働省から示されておりますので、なかなか県独自は難しいかと思います。ただ、おっしゃるように、基本的に希望を断ったからということでカウントされないというのは、正確な把握という意味ではまずいような気もしますので、この数字は県として把握をしていきたいと考えております。

○新田宜明委員 それから、先ほどの認可保育施設の指導監査の問題ですが、やはり指導監査というのは非常に限界があると思います。あくまでも指導監査ですので。是正措置などはきちんととっていますか。

○名渡山晶子子育て支援課長 監査において指摘した事項については、改善状況報告書の提出を義務づけています。

○新田宜明委員 この指導監査は何に基づいて、指導監査しているのでしょうか。

○名渡山晶子子育て支援課長 児童福祉法に基づく監査と、社会福祉法に基づく監査を実施しています。

○新田宜明委員 各法人は定款があって、基本的に定款に基づいて運営されていると思います。定款に抵触する事項について皆さんは指摘をしたり、指導、改善を求めていると思いますが、この指導監査というのは非常に限界があるように感じます。皆さんはよく承知していると思うので、具体的には申しません。第三者の監査を委任するとか、委託するとか、そういう方法は考えられませんか。監査法人とか、あるいは私たちの場合、政務活動費で弁護士の皆さんが各議員の政務活動についてヒアリングして調査していましたけれども、そういった指導監査の限界をクリアするために、もっと社会福祉法人としての経営とか、内部的な運営の問題等についてたくさんあるような感じがします。これをもっと公正にできるような監査のシステムを考えたほうがいいと思いますが、どうでしょうか。

○金城武子ども生活福祉部長 法律上、指導監督権限は都道府県知事、中核市は中核市という、そういう自治体の権限として位置づけられております。ただ、おっしゃるように第三者が見る目といいますか、第三者評価、主体的に法人が評価をしてもらう、そうすると、毎年やっている監査の回数の年数を若干延ばすような―正確ではないですが、こういう仕組みがあります。そういう意味で、直接的にはなかなか監査法人に監査を委託する云々というのはできませんが、そういう別の意味の第三者的に見る仕組みは現在ございます。

○新田宜明委員 皆さんは認可した立場ですから、どうしても一定程度、指導監査という立場は、どこかで緩いところがあるのではないかと感じます。ですから、先ほど公表しなさいと迫ったときにも、やはり皆さんはよほど慎重にならざるを得ないと思います。そういったことを避けるためにも、皆さんが指導監査をするよりは第三者機関に委託したほうが、ずっと公正性が保たれるのではないかと思って、そういう提案をしましたが、ある意味では皆さんの業務を少し軽くするためにもそれは非常にいいやり方ではないかと思っているので、ぜひ検討をお願いします。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○呉屋宏委員長 質疑なしと認めます。
 以上で、本委員会に付託された議案に対する質疑を終結いたします。
 休憩いたします。

   (休憩中に、補助答弁者入れかえ)

○呉屋宏委員長 再開いたします。
 それでは次に、子ども生活福祉部長から、宮古島市3歳女児虐待死亡事件について報告の申し出がありますので、これを許可するかについては、開会前に御協議いたしましたとおり、報告の申し出を許可することとし、直ちに報告を受けたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○呉屋宏委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 宮古島市3歳女児虐待死亡事件について、子ども生活福祉部長からの報告の申し出を許可します。
 金城武子ども生活福祉部長。

○金城武子ども生活福祉部長 それでは、宮古島市3歳女児虐待死亡事件について御説明します。
 去る7月27日、宮古島市で3歳の女児が継父による暴行で死亡するという痛ましい事件が起こりました。
 本児については、コザ児童相談所が継父による児童虐待の通告を受け、4月28日から支援を続けていたケースでありました。
 これまで、一時保護の方針もあったにもかかわらず、一家が宮古島市へ転居していたり、母子で県外へ転居する方向で調整していたことなどさまざまな要因が重なった結果、保護のタイミングを逃し、虐待死亡事件を防ぐことができなかったことを、重く受けとめているところであり、子供を守れなかったことについて、大変申しわけなく思っております。
 県では、児童虐待相談等の増加などから、児童相談所の体制を強化するなど、さまざまな児童虐待防止対策に努めてきたところでありますが、このような痛ましい事件が起こったことを真摯に受けとめております。
 それでは、まず、本事件の概要と児童相談所の対応経緯等について、御報告させていただきます。
 本児の母親は、本児を含め3人の子供をもうけた後、土木建築関係の仕事に従事する継父と平成26年11月に他県で再婚。その後、沖縄市へ転入し、平成27年4月に本児の弟を出産しました。
 継父から母親や本児らに対して暴力があったことから、警察と女性相談所からコザ児童相談所へ通告があり、平成27年4月28日から継続指導をすることになりました。
 母子で女性相談所に入所していましたが、退所後に継父と同居する可能性が高かったため、同居する場合は本児らを一時保護するという方針を児童相談所は決定しましたが、母子で継父と離れて親族の家に転居したこと等もあり、そのときは一時保護には至りませんでした。
 生活保護の相談やパーソナルサポートセンターの活用等、母子で生活していくための支援を継続していましたが、母子が親族宅を出て継父と再び同居したことがわかり、6月17日に職権による一時保護を決定し、警察同行で家庭訪問しましたが、宮古島市に転居してしまい、そのときも一時保護が実現しませんでした。
 宮古島市への転居後は、継父の祖母も同居していましたが、継父から母親へのDVがあったため、母子ともに他県へ移送する方向で、女性相談所とも調整を進めていましたが、母親との同意には至りませんでした。
 このため、家庭訪問をして、母親に宮古島市から離れることを促すとともに、母親がこれに応じない場合は、改めて職権による一時保護を行う方針を7月16日に確立し、宮古島市への出張を計画していた中で事件が発生しました。
 7月28日には傷害致死の容疑で本児の継父が逮捕され、児童相談所がかかわっていたケースの死亡事件であったことから、7月29日に記者会見を行い、対応の経緯や今後の取り組み方針を説明しております。
 なお、那覇地方検察庁平良支部は継父を8月29日に傷害致死の罪で起訴しています。
 今回の事件を受け、県内2カ所にある児童相談所で係属しているケースの対応状況や対応方針に問題がないか確認し、リスクの高いケースの再点検を行いました。
 また、今回の事件の事実の把握を行い、死亡した児童の視点に立って発生原因の分析や必要な再発防止策を検討するため、外部専門家で構成する検証委員会を開催し、検証を行ってまいります。
 具体的には、児童相談所の対応や関係機関との連携体制等について課題や問題点を抽出し、その対応策について検討していただき、これを提言として報告書に取りまとめていきます。
 なお、9月15日に第1回目の検証委員会となる沖縄県社会福祉審議会児童福祉専門分科会審査部会を開催する予定です。今後、数回の検証を経た後、年内には死亡事例検証報告書を取りまとめていただくことを目指しております。
 検証を行う中で児童虐待対応のあり方を点検し、課題や問題点への対応策に取り組み、再発防止を図ることが県の今後における責務だと考えております。
 以上で説明を終わります。

○呉屋宏委員長 子ども生活福祉部長の報告は終わりました。
 休憩いたします。


○呉屋宏委員長 再開いたします。
 議案の質疑について全て終結し、採決を残すのみとなっています。
 休憩いたします。

○呉屋宏委員長 再開いたします。
 これより、乙第1号議案を採決いたします。
 お諮りいたします。
 ただいまの議案は原案のとおり決することに御異議ありませんか。
○呉屋宏委員長 御異議なしと認めます。
 よって、乙第1号議案は原案のとおり可決されました。
 次に、お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました議案に対する委員会審査報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

○呉屋宏委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 以上で、本委員会に付託された議案の処理は、全て終了いたしました。
 休憩いたします。

○呉屋宏委員長 再開いたします。
 以上で、本日の日程は全て終了いたしました。
 委員の皆さん、大変御苦労様でした。
 本日の委員会は、これをもって散会いたします。






沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。
 
 委 員 長  呉 屋   宏