委員会記録・調査報告等

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文教厚生委員会記録
 
平成27年 第 8定例会

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開会の日時

年月日平成27年12月11日 曜日
開会午前 10 時 0
散会午後 3 時 37

場所


第2委員会室


議題


1 乙第8号議案 国家戦略特別区域限定保育士事業の実施に伴う関係条例の整備に関する条例
2 参考人からの意見聴取(陳情第9号及び第48号について)
3 請願平成26年第2号、請願第4号、陳情平成24年第77号、同第85号の2、同第178号、陳情平成25年第37号、同第49号、陳情平成26年第26号、同第42号の3、同第64号、同第99号、同第103号、陳情第9号、第35号、第37号、第38号、第39号の2、第46号の3、第48号、第64号、第79号の3、第83号の2、第84号、第85号、第92号、第93号、第98号、第99号及び第108号


出席委員

委 員 長  呉 屋   宏 君
副委員長  狩 俣 信 子 さん
委  員  又 吉 清 義 君
委  員  島 袋   大 君
委  員  照 屋 守 之 君
委  員  新 田 宜 明 君
委  員  赤 嶺   昇 君
委  員  糸 洲 朝 則 君
委  員  西 銘 純 恵 さん
委  員  比 嘉 京 子 さん
委  員  嶺 井   光 君


欠席委員

なし


説明のため出席した者の職・氏名

子ども生活福祉部長     金 城   武 君
 福祉政策課長       上 間   司 君
 福祉政策課福祉支援監   長 浜 広 明 君
 高齢者福祉介護課長    上 地 幸 正 君
 子育て支援課長      名渡山 晶 子 さん
 障害福祉課長       山 城 貴 子 さん
 平和援護・男女参画課長  玉 城 律 子 さん
(参考人)
(元)昭和高等女学校梯梧同窓会  上 原 はつ子 さん
(補助者)
(元)昭和高等女学校梯梧同窓会  吉 川 初 枝 さん



○呉屋宏委員長 ただいまから、文教厚生委員会を開会いたします。

 乙第8号議案、請願平成26年第2号外1件、陳情平成24年第77号外26件及び参考人からの意見聴取についてを一括して議題といたします。

 本日の説明員として、子ども生活福祉部長の出席を求めております。

 また、参考人として、(元)昭和高等女学校梯梧同窓会上原はつ子氏の出席をお願いしております。

 まず初めに、乙第8号議案国家戦略特別区域限定保育士事業の実施に伴う関係条例の整備に関する条例の審査を行います。

 ただいまの議案について、子ども生活福祉部長の説明を求めます。

 金城武子ども生活福祉部長。

○金城武子ども生活福祉部長 それでは、乙第8号議案国家戦略特別区域限定保育士事業の実施に伴う関係条例の整備に関する条例について御説明いたします。

 議案書の24ページをごらんください。

 本議案は、国家戦略特別区域限定保育士事業を実施することに伴い、国家戦略特別区域限定保育士を保育士と同様の扱いとするため、関係条例の規定を整備する必要があることから、条例を提出するものであります。

 主な改正内容としましては、関係条例に定める保育士の配置基準等について、国家戦略特別区域限定保育士を保育士と同等に位置づけるものであります。

 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

○呉屋宏委員長 子ども生活福祉部長の説明は終わりました。

 これより、乙第8号議案に対する質疑を行います。

 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないように簡潔にお願いいたします。

 質疑はありませんか。

 島袋大委員。

○島袋大委員 もう少し細かく説明していただけませんか。

○名渡山晶子子育て支援課長 県では、国家戦略特別区域限定保育士試験を去る10月24日と10月25日に実施をしております。今後、第2次試験を今月実施いたしまして、年明けには地域限定保育士が誕生する見込みとなっております。

 国においては、各施設における保育士の配置基準等について、地域限定保育士を保育士と同様の扱いとするため、児童福祉施設の設備運営基準など、各種政令を改正しており、これを受けまして県の関係条例を整備する必要があるものでございます。具体的には、いずれの条例につきましても、保育士という文言の後に、国家戦略特別区域法の規定に基づく国家戦略特別区域限定保育士を含むという括弧書きをつけることによりまして、同等の扱いということにする改正でございます。今回の政令改正に伴いまして、整備を必要とする条例は4つでございまして、沖縄県幼保連携型認定こども園以外の認定こども園の認定の要件に関する条例、沖縄県児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例、沖縄県指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例、沖縄県指定障害児入所施設等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の4つとなっております。いずれも従事者資格や人的配置基準に保育士資格を定めているところを改正するものでございます。

○島袋大委員 国家戦略特別区域限定保育士という文言がございますが、通常の保育士との違いについて説明をお願いします。

○名渡山晶子子育て支援課長 通常の保育士は、児童福祉法に基づきまして、年に1回実施されていた試験による保育士資格でございます。国家戦略特別区域限定保育士につきましては、国家戦略特別区域法―特区法を利用しまして、その事業を行うことにより、当該2次試験を行った区域において3年間は保育士と同様の資格を有するということになりまして、3年たった以降はどこででも保育士として勤務することができるという資格になっております。

○島袋大委員 3年以内は、県内に勤めるということですか。そういう理解でいいですか。

○名渡山晶子子育て支援課長 保育士名簿に登録後3年間は沖縄県内で保育士と同等の資格を有するという資格でございます。

○島袋大委員 これをすることによって、メリット、デメリットはどうなっていますか。

○名渡山晶子子育て支援課長 今年度まで通常の児童福祉法に基づく保育士試験は年1回でございました。この特区法を利用して、年2回保育士試験を実施することにより、有資格者を多く輩出するということを一番の目的として、この特区法の利用を申し出たところでございます。

○島袋大委員 今、国はそういった形で国家戦略特別区域限定保育士をつくって、県で条例をつくるということがあると思いますが、大都市の場合でしたら非常におもしろいと思いますが、これが地方に来た場合、特に沖縄を考えましたら、3年間県内でやった後に結局は後々本土に行ってもいいということになると思います。保育士を活性化する、いろいろな形で保育士が少ない中でふやしていくという制度かもしれませんが、要は、それだけ3年間勤めれば本土でもどこでも行けるわけですから、結局は株式会社参入もろもろ含めて、そういった面でのメリット的な面もあるのではないかと思っております。そういうことを考えれば、いい保育士を生み出すチャンスであるかもしれませんが、現状では保育士の奪い合いが生じているわけですので、こういうことをすると同時に現状の保育士の奪い合いの対策もろもろ含めて県は考えていかないといけないと思います。私は否定的ではありませんが、やるからには保育士の奪い合いをとめる意味でも、県としての対策は必要ではないかと思いますが、その辺は議論していますか。

○名渡山晶子子育て支援課長 保育士の奪い合いというお話がございましたが、そこにある一番の原因といいますのは、保育士が不足しているところにあるものと考えております。それを考えましたら、保育士試験を年2回実施して、保育士をたくさん生み出していくことは、効果のある手だてかと思っております。実際、今回の試験の実施状況を申し上げますと、8月に行われました通常試験では、700名の受験者がおりまして、最終合格者は99名出ております。今回の地域限定保育士試験におきましては、507名が受験しておりまして、まだ1次試験の合格発表のみですが、89名の筆記試験合格者がいらっしゃいます。今月の2次試験の受験者は、今の89名に先の8月に2次試験で不合格になった方も加えまして、全受験者105名が2次試験を受験する予定となっております。これによりまして、1年間で去年までの保育士資格合格者の約2.5倍の数の合格者を輩出できる見込みとなっております。委員おっしゃいますように、保育士を確保していく部分とあわせて保育士の定着の促進、離職の防止というのはもちろん重要だと思っておりまして、それとあわせて正規雇用化の促進や年休取得の促進のための事業を県独自の事業として実施しているところでございます。保育士確保、定着、促進に努めていきたいと考えております。

○島袋大委員 まさしく、今、子育て支援課長がおっしゃるように、こういった形でこれだけの数の保育士が生まれることによって、やはり地元で定着してやっていただくことが本当に助かることですので、この辺は沖縄県保育士・保育所総合支援センターも連携して、地元で定着するようなシステム、各保育園との連携、それも一緒に2本柱でスタートしていったほうがいいと思っておりますので、その辺をひとつ努力していただいて、頑張っていただけたらと思っております。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。

 比嘉京子委員。

○比嘉京子委員 まず、そもそも国家戦略特別区域限定保育士の考え方を国が出してきたということは、保育士不足で待機児童解消に急ピッチで対応しないといけない状況をどうするかという観点からの構想だと理解していいのですか。

○名渡山晶子子育て支援課長 保育士不足が深刻な中で、保育士試験の複数回化という各方面からの意見を踏まえて特区制度を活用した制度が導入されておりまして、次年度からはこれを受けて全国的に年間2回の試験をするような形で予定していると聞いております。

○比嘉京子委員 これまで通常1回だった試験を2回にと。これまでの試験で資格を得る人とこの人たちの違いはどこにありますか。

○名渡山晶子子育て支援課長 通常の保育士試験と地域限定保育士試験は、受験資格や受験科目等については、難易度も含めて全て同等の位置づけとなっております。ただ、資格の部分において先ほど申し上げましたように、地域限定保育士試験の合格者は、登録後3年間は当該県でのみ保育士としての資格を有するという位置づけに違いがあるところでございます。

○比嘉京子委員 試験の内容として、これまで年1回でしたので、2年にまたがってそれぞれの科目を受験して、2回で合格すればいいという実施要領がありますよね。その内容が一緒ということは、年2回のチャンスを同じように与えると理解していいのですか。

○名渡山晶子子育て支援課長 科目を通じた通算が可能ですので、委員おっしゃるとおりでございます。

○比嘉京子委員 では、この資料の中にあります、幼保連携型認定こども園を除くという位置づけがありますが、これはどういう意味ですか。

○名渡山晶子子育て支援課長 今回の条例改正は、幼保連携型以外の認定こども園の認定の要件に関する条例の改正のみになっていますが、幼保連携型認定こども園について定めた条例につきましては、幼保連携型認定こども園の場合、職員は保育教諭という保育士資格と幼稚園教諭両方を兼ね備えた資格を持った方が職員資格としてなっておりまして、国家戦略特別区域法、その大もとの法の中で保育教諭を定めた認定こども園法の読みかえが規定されておりますので、県の条例としての改正は必要ないところでございます。したがいまして、幼保連携型認定こども園につきましても、地域限定保育士は保育士と同等の資格を有すると。今回の改正はないのですが、同等の資格を有するという位置づけになっているところでございます。

○比嘉京子委員 前から言っているように、このことで国自体が、ある意味でいろいろな方策というのが一時的になしというわけにはいかないかもしれませんが、大もととしてこれだけ有資格者がいる中で、保育所に再度行こうという人たちが生まれてこない現状こそ直していかなければ、こういう小手先の保育士を目先でふやしていこうということ自体、本質論から言いますと、全然違うラインだと思います。県としての認識はどうなのですか。

○名渡山晶子子育て支援課長 委員おっしゃるように、たくさんの方々が潜在保育士として保育の現場に行っていない現状は理解しております。先ほども申し上げましたが、保育士の処遇改善、勤務環境の向上のための正規化事業ですとか、年休取得支援、産休代替職員配置支援といったさまざまな事業を通して、処遇の改善も図りながら確保策も進めていくと県では考えております。

○比嘉京子委員 これは国の制度で、それに県が乗っかかっているわけですが、なぜ保育士が保育士の資格を持っていて現場にいないのかという、この大もとは明らかなわけです。皆さん、理由はよくわかっているわけです。その理由に我々は全然追いついていないわけです。それをわかっていて、なおかつ新たな手だてをどんどん講じていかなければいけない。ですが、大もとを直すために国との対話といいますか、国に対しての意見といいますか、私は以前から運営費の問題を言っておりますが、運営費の改善に大きなメスを入れない限り、こういう問題はなかなか厳しいと思います。年間6000人の待機児童を解消しようという中において、保育士の問題がどうなのかという話があるわけですが、年間6000人の待機児童を解消するために、この限定的な保育士制度というのはどれだけ貢献するという理解ですか。

○名渡山晶子子育て支援課長 黄金っ子応援プランにおける約1万8000人の保育の受け皿整備のためには、約2300人の保育士確保が必要であると試算をしております。先ほど来、話が出ておりますが、保育士の確保、離職防止、定着促進等を総合的に進めていくために、年2回の試験実施が確保につながるものと考えて実施をしているところでございます。

○比嘉京子委員 もう少し具体的に、年2回に試験をふやすことによってどれくらいの割合の人が限定保育士の資格を有し、どれくらいの保育士が充当されるという具体的な数字や見込みなどは考えておりますか。

○名渡山晶子子育て支援課長 2300人という数字をどのように確保していくのかという御趣旨の質疑かと思いますが、県内では4つの養成校、そして県外の養成校と提携をしておりまして、合わせて11校の保育士養成機関がございます。定員で申し上げますと約800人の保育士資格の有資格者が輩出されておりまして、そちらをいかに現場につなげていくかというところが1点。そして先ほど来話が出ておりますが、潜在保育士をいかに復職に導いていくかというところ、あともう一点は、認可外保育施設が県内には多数ございまして、認可外保育施設に保育士資格を有する方が約1400人程度いらっしゃるところでございます。この認可外保育施設の認可化を進めていくことによって、保育士の確保も同時に進めていけると考えております。ですから、県としましては、試験の年2回実施等における保育士の確保、保育士の処遇改善による離職防止、そして認可外保育施設の認可化による保育士の確保等もあわせて進めていくことによって、黄金っ子応援プランの実現を図っていきたいと考えております。

○比嘉京子委員 潜在保育士は現在何名いらっしゃいますか。

○名渡山晶子子育て支援課長 保育士登録者数が、平成27年4月1日現在で1万9776名いらっしゃいまして、このうち保育所、そして認可外保育施設に従事していらっしゃる方々の計が9684名になっておりますので、その他の児童福祉施設に勤めていらっしゃる方もいらっしゃいますが、単純に登録者から保育所関係を抜きますと、約1万人近くの方々が潜在保育士としていらっしゃると考えております。

○比嘉京子委員 生み出しても現場に定着しないことの繰り返しで今日まで至っているということに、もっとメスを入れる、そのことがより先決だと思います。つまり、生み出しても数年もたないうちにどんどん離職へと、他の職業へと移行してきたことが現在に至っていると思います。県が努力していることもわかりますが、それが永遠に給与に反映されるという保証がないのです。単発的で、例えば、県がこれまで保育士処遇支援をやってきたことが、基本給の中に生かされていかない。といいますのは、来年も支援金があるという保証がないからです。そうしますと、まず第一に、ここの場所にいることによって、なかなか自分の将来が見えない。それでいて仕事的には、例えば、早朝の早番となりますと、7時半から保育園をあけるので、家から7時前には出なければいけない人がたくさんいらっしゃいます。我が子を抱えながらではなかなか厳しいですし、本会議でも議論がありましたが、保育士の産休明けの自分の子供を預けるところさえないのです。もちろんこのように急場しのぎのやり方というのは否定はしませんが、もっと本質論のところで保育士がどこに困って現場復帰をしないのかというところを、もっと丁寧にやっていくということを要望して終わりたいと思います。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。

 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 私も同じ観点からお尋ねしますが、児童福祉法で年1回試験をしていたことが、特区制度でやらないと試験回数がふやせないという理由が何かあったのでしょうか。

○名渡山晶子子育て支援課長 児童福祉法では、年1回以上試験を行うということで、1回限りという規定にはなっていないところですが、実際問題として、各都道府県同一の試験実施期間を指定して一斉に行っている現状がございます。個別の都道府県で2回目の試験を実施することにはさまざまな課題といいますか、ハードルがありまして、今回、そういう特区制度を活用して保育士不足等に対して2回実施する道を開いたといいますか、2回実施することを可能にしたというところでございます。

○西銘純恵委員 保育士が足りないので供給しようということで考えているのでしたら、本来の法でできることなのにわざわざ特区制度で、条例も何だかんだしながらやるという手間暇をかけるということは、何か特別にメリットがあるということで、やらないとおかしいのではないかと。試験の中身も一緒ですし、何がどう違うのですか。

○名渡山晶子子育て支援課長 地域限定保育士試験は先ほど申し上げましたように、当該地域で3年間という資格の縛りがございまして、主に保育士の流出が激しい大都市圏がそのような地域限定の資格試験をしたいという要望もあったところでございます。そのあたりの背景がございまして、こういう国家戦略特区制度を利用した試験が導入されたものと理解しております。

○西銘純恵委員 実施された都道府県は何カ所かありますか。

○名渡山晶子子育て支援課長 大阪府、神奈川県、千葉県、沖縄県の4カ所でございます。

○西銘純恵委員 今の説明を受けて、沖縄県も何らかの手だてで保育士をふやそうという努力でそれを使われたということもわかりますが、先ほど比嘉委員の質疑の中で潜在保育士が1万人近くいると。保育士として頑張っていきたいという皆さんが途中で入れかわるとか、そういうこと自体が起こるのはなぜかといいますと、やはり待遇の問題だと思います。子供を成長させていく、養護していくということも含めて、重責でありながら処遇が悪いということが問題だと思います。保育士の給与に対する公的な財政措置は、それに該当する経験年数といいますか、それを何年と見ているのか。

○名渡山晶子子育て支援課長 国の資料によりますと、公定価格における保育士の給与は、経験年数7年をめどに措置されておりまして、平成26年度改訂後の水準で19万7268円となっております。年額で申し上げますと、363万円を公定価格として算出しているところでございます。

○比嘉京子委員 この公定価格は、10年前と比べて引き上げられたのでしょうか。

○名渡山晶子子育て支援課長 10年前と比べてという分析の仕方はしておりませんが、今年度の新制度施行に当たりましては、質の改善が図られておりまして、質の改善後ということではありますが、これまでの保育所運営費総額に比べて約10%程度各施設では収入が上がるといいますか、措置はされているという試算が国において示されているところでございます。

○西銘純恵委員 平成27年度に10%ふやされたということですが、保育士の給与については7年の経験年数で19万円余りだと。そうしますと、そこに長い間定着するとか、非正規雇用を採れないという大もとがあると思います。ここを改善しない限り幾ら資格者をふやすとか、試験をふやしても問題は解決できないと思いますが、いかがでしょうか。

○名渡山晶子子育て支援課長 新制度に入りまして、処遇改善加算という加算項目が公定価格の中に設けられております。先ほどお話がございましたように、処遇改善事業においては単年度で実施をしていきますので、来年あるかどうかわからないということで、なかなか保育士の基本給に組み入れづらい仕組みになっていたかと思います。それが新制度におきましては、処遇改善加算という基本単価の中に組み込まれておりまして、そういう処遇改善に当たりましたら確実に加算がされるという仕組みになっているところでございます。さらにそれが3%の上乗せで、少しこれは一歩前進なのですが、11年以上からは4%という形で処遇改善が図られたところではございますが、国は5%まで目指すということを言っておりますので、その実施を各県と連携して要望していきたいと考えております。

○西銘純恵委員 処遇改善可算で3%が上乗せされるとおっしゃっていましたが、具体的に出ていないので余り見えていないのですが、11年以上が4%というのは何がでしょうか。

○名渡山晶子子育て支援課長 勤務年数については、今まで一律で勤務年数10年以上は一緒だったのですが、勤務年数11年以上が1段階設けられて4%となったところでございます。少しつけ加えますが、これまで保育士の経験年数の中に入れることのできる経歴の中に、例えば、認可化された認可外保育施設については、認可外からの経験年数分も加算していいなど、そういった細かい経験年数の算定の部分でも改善が図られたところではございます。

○西銘純恵委員 勤務年数11年以上が4%に改善されたといいますと、先ほどの勤務年数7年の給与が19万円という計算を言われたのですが、例えば、勤務年数15年ですと推計はどれくらいですか。25万円とか、30万円までいきますか。

○名渡山晶子子育て支援課長 各保育所における給与規程に基づいて支払われておりまして、標準的な例は持ち合わせておりません。

○西銘純恵委員 ですから、処遇改善で1%数字を上げたにしましても、やはり勤続といいますのは、公務員の皆さんも38年とか、そういう長期にその職種を正規で頑張ると、一般的には民間でも30年以上勤めるわけですよね。そういう意味では、長くキャリアを積んだスキルの高い皆さんほど、給与には納得できませんし、入れかわりが出てくるという現状があると思いますので、やはり思い切ってこの分野をぜひ国の制度に、きちんと財政措置を充ててくれと。処遇改善をして1%上がりました、よかったですではなく、改善されたけれども、15年勤めても、20年勤めても給与が20万円だという具体的な県内の実例をしっかり挙げてやれば、試験回数をふやしたけれどもこういう状況にはならないという説得力のあるものができるのではないかと。これは全国知事会も一緒だと思いますが、子育て支援ということでうたっているわけですから、その中身を伴うように変えさせていくということをぜひ頑張っていただきたいと思いますが、いかがですか。

○金城武子ども生活福祉部長 保育士の給与といいますか、処遇は非常に大きな課題ということは我々も以前からずっとその認識は持っておりますし、その関係で九州各県保健医療福祉主管部局長会議を通して要望はずっとやっております。特に本県の場合は、九州各県の中でも非常に厳しい状況があろうかと思いますので、しっかりと国に実現に向けて要望してまいりたいと考えております。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。

 嶺井光委員。

○嶺井光委員 これまでの議論と全く同じ考えです。今、保育士登録者数が1万9000名余りいる中で保育士としてついているのは9000名余りと、半分弱ですよね。根本的な課題解決をしようとしていないと捉えています。そこで、潜在保育士の全国的な状況というのはどうなのでしょうか。

○名渡山晶子子育て支援課長 この保育士不足ということ自体が全国共通の状況で、全国的にも潜在保育士がたくさんいる状況を何とか復職につなげていかなければいけないということで、保育士・保育所支援センターの設置を各県に呼びかけ、復職支援に努める施策が示されているところでございます。

○嶺井光委員 要するに、国は、沖縄県に限らず全国的に潜在保育士が多いという状況を認識しているわけですよね。そうであれば、これをどうするかということが政策としてあるべきで、資格者はいるのにあえて試験回数をふやして、資格者をふやせばいいという問題ではないと思います。全くこれまでの議論と同じではありますが、そういうところを国はどう考えているのかという疑問を持つだけの話なのです。子ども生活福祉部長も、皆さんも、問題は処遇の改善だということは認識しておりますので、それをどう国に対策してもらうかが一番だと思っておりますが、こういうことを訴える場というのは具体的にあるのでしょうか。

○金城武子ども生活福祉部長 先ほども申し上げましたように、九州で言いますと、九州各県保健医療福祉主管部局長会議というものがありまして、そこで福祉の要望事項として取りまとめて、毎年、国に直接各種関係機関を回って要望書を届けております。そういう機会がありますので、そういうものを活用しながら、ぜひ実現に向けて取り組んでまいりたいということでございます。

○嶺井光委員 沖縄県の人口についても今はまだふえる状況ですが、後はどんどん減っていきます。国も1億2000万人の人口が減っていくという見通しを立てておりますが、こういうことに対する施策でもあるのではないかと思います。そういうことを考えますと、今の現状といいますのは皆さんの認識のとおり、処遇改善をどうするかという一点だけなのです。そういうところを強く国に働きかける、こういうことをしっかりやる以外ないのではないかと思っておりますので、頑張ってください。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。

 狩俣信子委員。

○狩俣信子委員 本当に保育士不足の問題は大変だと思います。今回の地域限定保育士もそういう中で保育士の数をふやすためにということだと思いますが、幾ら数をふやしても潜在保育士というものが累々と続いていくような感じがして、先ほどから皆さんがおっしゃっておりますように、国が大もとの改善をしていかないと処遇改善にはつながらないという思いがあります。それから、テレビで見たのですが、東京都が地域限定で、定着率を上げるために住居費を一保育士に対して5万円ぐらい支給しています。聞いたところによりますと、地方から結構な数の保育士がそこに行ってまして、そうしますと、沖縄県が保育士を定着させるためには、処遇改善を国に要求しますが、県独自の何か対策がないのかという思いがあります。そこらあたりはいかがですか。

○名渡山晶子子育て支援課長 今、お話が出ました宿舎借り上げ支援につきましては、国のメニューの中にあるところでして、今年度何カ所かの市町村が要望を出しているところでございます。ただ、県独自の支援というお話でございますが、それにつきましては、例えば、正規雇用化促進事業―これは国庫を使っておりますが、県独自の施策でございますし、潜在保育士の復職支援に当たっては、仕事と家庭の両立が一番不安だという調査結果のもとに、休みがとりづらいというところを改善していきたいということで、年休取得支援事業というものを9月補正で立ち上げたところでございまして、そういった県独自の事業と国庫のメニューも組み合わせてさまざまな形で保育士の定着促進を図っていきたいと考えております。

○狩俣信子委員 国の中で、ある意味住居費の補足みたいなものがあるわけですね。沖縄はそれはどうなっているのですか。

○名渡山晶子子育て支援課長 今年度、国へ事前協議として上げている段階でございますが、名護市で7カ所、宮古島市で11カ所、そして本部町の1カ所でこの事業をやりたいということで手が挙がっているところでございます。

○狩俣信子委員 それは皆さんとしては対応できるわけですね。

○名渡山晶子子育て支援課長 これは国庫補助事業で、国と市町村の負担による事業でございまして、県での予算計上はなく、直接、国から市町村へ行くスキームとなっております。

○狩俣信子委員 直接、市町村に行くにしましても、こういうことを皆さんは意識啓発もしながら、市町村がこういうことで手を挙げていってもらって、処遇改善につなげていくと。今みたいに待遇改善がとても大事と言いながらなかなか進まない中では、もう少し一つ一つきめ細かく取り組んでいかなければいけないと思いますが、どうですか。

○名渡山晶子子育て支援課長 事業の活用については、市町村説明会等を通して活用は呼びかけているところでございまして、先ほどの要望があったところにつきましては、国から内示は出ているということでございます。あと、補足でございますが、県の待機児童解消支援基金を活用して、例えば、離島地区において―これは宿舎借り上げですが、渡航費をプラスしてそういう支援を行っていこうということで取り組んでいる市町村もございます。

○狩俣信子委員 名護市が7カ所、宮古島市が11カ所、本部町が1カ所ということですが、これが通っていきますと具体的にはどのくらいの補助があるのでしょうか。

○名渡山晶子子育て支援課長 補助基準額が1カ所当たり月額8万2000円になっております。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。

 又吉清義委員。

○又吉清義委員 例えば、この条例が可決されますと、県としては何名ぐらいが保育所に採用されていくのか、その辺も一つの大きな目標がありますか。

○名渡山晶子子育て支援課長 先ほど、105名の方が今後2次試験にチャレンジされると申し上げましたが、もちろん県としましては全ての皆さんが保育所に勤めていただけたらと思いまして、沖縄県保育士・保育所総合支援センターへの登録も含めて受験者に呼びかけていきたいと考えております。

○又吉清義委員 皆さんから出たデータをきょう見て驚いたのですが、なぜ保育士が少ないかというデータを見てみますと、保育所以外の仕事が決まったのでという。沖縄県全体でアンケート調査を実施して、この回答をした方が60%いるのです。そして、希望する給与と条件が合わなかった方が24%、保育所に採用されなかった方が約20%から25%。そうしますと、私たちの発想を変えないとせっかく試験に合格して有資格者がふえたのに、仕事が決まって別に行くということは、何かそこでタイムラグがありませんかと。例えば、保育所に勤めたいけれども、採用は毎年いつからと決まっていて、その間にタイムラグがあって働けないと。その期間を遊ぶよりもほかの仕事につくということもあるのではないかと思います。これは皆さんが県内で調べたデータですが、60%の方がほかに仕事が決まったのでそこに行くというデータが出ております。これについて皆さんは改善策も考えていますか。

○名渡山晶子子育て支援課長 地域限定保育士試験は今週の日曜日に2次試験が行われますが、その際に沖縄県保育士・保育所総合支援センターへの登録を速やかに促して、そこからきちんと現場につなげていくような仕組みをとることによって保育所への就職につなげたいと、そのように対策としては考えております。

○又吉清義委員 これももっとしっかり調べてもらわないと、せっかく有資格者をふやしても恐らくふえないだろうと思っております。今、しっかりと周知徹底をしたいということですが、保育所へ就職活動をしたいけれども、一番彼らが何を望んでいるかと申しますと、保育所の求人の情報がもっと早く欲しいと。これだけで62%です。いかに情報発信がないかということもデータに出ているわけです。ですから、今おっしゃった情報発信について、関係機関からこれをしっかりやってもらいたいということも出ております。ですから、これを具体的に情報発信も根本からしっかり直していただきたい。そうしないと保育士はふえないと思います。そして、意外なことに、条件が悪いということがありますが、皆さんが調べた統計資料によりますと、勤務していたときの保育所の満足度という項目があります。100名の方々にアンケートをとりましたら、実に70%は満足しています。例えば、とてもすばらしいという方は約6.4%、まあまあいいという方が約18%、このぐらいであれば心配いらないという方が約28.6%と、このように満足している方だけで70%いるのです。ということは、何が原因か。私たちが議論していることを根本から見直すべきではないかと。これは皆さんが調べたデータですが、皆さんは目を通していないのですか。こういったことも再度チェックしていただきたいのですが、どうでしょうか。

○名渡山晶子子育て支援課長 現にその職場に勤めていらっしゃる保育士へのアンケート結果でありますとか、以前勤めていたけれどもやめた方に対するアンケート結果など、いろいろ入っているところではありますが、委員おっしゃるようにアンケート調査の結果を踏まえて、一つ一つどういった取り組みが可能か、再度検討していきたいと思います。

○又吉清義委員 検討していきたいではなく、これを改善しない限りはどんな制度を設けようとふえないと思います。これが本当の私たちの知らない分野ではないかと。もう一つ疑問にありますのは、御存じのとおり今の若い世代は子供を産みますが、育てることは保育所の任務だと誤解している方が結構いらっしゃいます。ということは、保育所に勤めている若い方々も産むことはしても、子供を育てたことはないのです。ですから、こういった若い層が保育士になれるのかと思ったときに、これも統計として出ていますが、人間関係が嫌でやめたという方も50%いらっしゃいます。人間関係というのは、上司関係もあります。自分で子供を産んでも、自分の子供は朝8時から17時まで見たことがないのです。見たことのない方が保育士になるのです。ですから、県として何を取り組むのかは大事な点だと思います。そういったこともぜひ改善して、健全な子育て環境づくりを頑張っていただきたいということを要望して終わります。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。

 新田宜明委員。

○新田宜明委員 認可保育所の給与のモデルみたいなものはありますか。

○名渡山晶子子育て支援課長 そういったものはございません。

○新田宜明委員 幾ら基本給に加算しても、これがどこに反映されるのかという具体的なものが見えないので、やはり公立保育所にはちゃんと公務員の職務職階や経験年数に応じて、標準的な市や町村、あるいは人口規模―保育所にも規模がいろいろあると思いますが、こういうモデル的な給与表を示して、これを新聞やインターネット等で公表する。ぜひこれを研究してほしいと思います。そうすれば確実にこれは定着すると思いますが、どうでしょうか。

○金城武子ども生活福祉部長 やはり、運営費として国からいろいろ収入が入ってきますので、人件費に充当するものについてはどれくらいが適正かという部分、これもかなり内部で議論をしたり、あるいは福祉医療機構という国の独立行政法人が示した、大体7割から8割ぐらいでしたか、そういう事例もございます。そして、委員がおっしゃいました具体的な給与規程、そしてどういう形で段階的に給与アップにつながるかというモデル的なもの、この辺は少し研究する価値は十分にあると思っておりますので、我々も少し研究して、どのような形で、これについて、もしモデル的にあればいろいろな研修会等でも活用できるのかどうかなど、その辺も含めていろいろと検討してまいりたいと思っております。

○新田宜明委員 ぜひこれは早急に公表できるように頑張ってほしい。これがない限り幾ら財源を充当してもざるのように漏れてくると思います。皆さんのところも経験年数や職務職階によってちゃんと賃金体系が決まっているのではないですか。これはやはり民間であったにしても、我々の税金を投入しているわけですから、これが確固とした一つの体系として社会的にみんなが見えるような形でやれば、確実に保育士は定着すると思いますので、ひとつ頑張ってください。

○呉屋宏委員長 質疑のため、副委員長に委員長の職務を代行させますので、よろしくお願いします。

 休憩いたします。

   (休憩中に、正副委員長交代)

○狩俣信子副委員長 再開いたします。

 委員長の指名により、副委員長の私が暫時委員長の職務を代行いたしますので、よろしくお願いします。

 呉屋宏委員。

○呉屋宏委員 17年保育行政を見続けてきたのですが、この間皆さんが保育園の正規雇用率がどうなっているかという話をしていまして、一番低いのが9%でしたか。数字は今ありますか。

○名渡山晶子子育て支援課長 最大値が100%、最少値が6.7%でございます。これは全職員に占める割合という計算方法でございます。これは指導監査におけるものでございます。

○呉屋宏委員 我々はここで単純にそう思って、本当に驚いて、保育園とも話し合いをしました。そうしますと、ここの中にもっと見えないものがあることに気づきました。これは何かと言いますと、今、賃金を上げないと、おっしゃるように保育士は来ません。ところが、給与テーブルを上げるとなりますと、全体的に苦しくなりますので、非正規職員にして給料を上げているのです。正規職員ですと初任給は安い。ですから非正規職員にしますと、例えば130%アップ、140%アップということが現実にあります。これがそのままの正規職員で採れるのかといいますと、今の保育士は来ません。ですから、非正規職員でやると。だからといって正規職員にして、給与テーブルを2つつくるかといいますと、これはできません。ですから、この現実と理想のギャップをどう埋めるのかということが簡単なようで難しいのです。今、一気に給与テーブルをもう少しアップさせて採れるようにするかということになりますと、これは運営費が持ちません。ですから、先ほどから比嘉委員やほかの人たちも質疑しているとおり、措置費が高くなれば、それはできないこともないのです。ここもわかっていただかないといけないところは、なぜ新県立八重山病院の建築工事の入札が落ちないのか。これは給料が安いからです。保育所もそういう時代を迎えるのです。これに皆さんが対応できるかどうかなのです。人は足りないと。私は以前から言っているように、今からMICEが5000人の労働者が必要、USJが3000人ぐらい必要、那覇空港の国際線と国内線のターミナルがつながったら、また2000人必要と。皆さんは2300人の保育士が必要だと言っておりますが、5.7%の失業率で、今、求人情報誌に募集をかけても誰も来ないと思います。これが5.7%の実態なのです。ということは、これからもっと事業がどんどんふえていきますと、もっと人が足りなくなるのです。単純な問題ではありません。産業構造自体を変えないとどうにもならないような実態なのです。それを考えていらっしゃいますか。

○金城武子ども生活福祉部長 最初に委員御指摘部分の非正規職員で給料が高いというお話は聞いたことはございます。ただ、今、大きく産業構造云々というお話につきましては、まだそこまで考えたことはございません。

○呉屋宏委員 1年、2年の短期の構想も結構だと思いますが、10年後に保育業界がどうなっているかということを推測して施策の中に打ち込んでいかないと、本当に皆さんが目の前しか見ていないような感じがしてなりません。今の年2回試験を行う施策も悪くはありません。ところが、皆さんは市町村ともう少しコミュニケーションをとらないと。住宅借り上げの部分で制度として8万円を支給し、その4分の3を持つわけですよね。4分の3は公が補助すると。ですが、4分の1を住まう人が上限8万円で持つわけですよね。そうなっていきますと、例えば8万円の家を借りて、6万円は補助をして、2万円を払えば、8万円のアパートに入れるわけです。実はこの制度を使って、東京などの都会は全部、沖縄県から保育士を吸い上げているのです。これはいいところもあって、悪いところにもなっています。沖縄県がそれ以上に何かをくっつけないと沖縄県で保育士が定着しないということも。ただ、政府の制度だからそのまま運用していけばいいということではないのです。それに味つけをしないと残らないと思いますが、その味つけを考えたことはないですか。

○名渡山晶子子育て支援課長 味つけという部分で言いますと、本県では待機児童解消支援基金がございまして、これは各市町村が地域の実情に応じて使えるような事業になっておりますので、先ほども申し上げましたように渡航費はプラスして市町村で独自での支援でやりましょうという取り組みをしているところもございます。そのあたりこういう基金による支援を通しておのおのの市町村の実情を踏まえた支援をまた支援していきたいと考えております。

○呉屋宏委員 この住宅借り上げの制度一つを考えてもそうですが、保育園がアパートをつくろうというところまで検討しているのです。なぜかといいますと、そうでないと入れないと。保育士たちはこの制度が何年続くのか不安に思っています。このアパートに入れば、職場も保証されて、6万円は補助をしてくれるので、8万円クラスのいい住宅に入居できると。そうしますと、子供もそこで育てることができますし、いい環境をつくれると、こういう夢が描けるのです。ところが、この制度が3年で切れたら、このアパートはどうするのかという話になります。こういうところを皆さんが保証するということであれば、そこも行けるわけです。そのことが1つ。これは制度として考えたほうがいいと思います。それが味つけです。

 もう一つは、実態です。皆さんに資料要求をしたいのですが、監査指導班でやっているような基金、保育所がそのままそこで積み上げられるお金がありますよね。以前も言いましたが、7年間で1億円積み上げている保育園があります。ということは、皆さんが幾らじゃぶじゃぶお金を流しても、末端に届いていないのです。その基金を調べて提出してください。名前は書かなくても結構です。これを調べないと、皆さんはただお金をやったふりしているだけです。これがどうやって末端に届くのかということを考えていかないと、基金の積み上げになっています。積み上げ基金がそこにあるので、第2保育園を要望したりするのです。新しい保育園を建てようとするときに持ち分があるので、要望するのです。この実態に切り込まないと、本当の意味で保育士が保育園に入っていく入り口がしっかりつくれないと思います。もう少し調査をしてください。

○名渡山晶子子育て支援課長 一応、平成26年度の監査資料から県内の法人における、県所管のものですが、積立金の状況を調べた資料がございます。それによりますと、対象237施設ございまして、積立資産、人件費積み立て、修繕費積み立て等3つございますが、その合計が1施設平均3484万円という試算はしているところでございます。

○呉屋宏委員 平均ではなく、一番上は幾らですか。

○名渡山晶子子育て支援課長 2億958万2000円でございます。

○呉屋宏委員 この実態をどう思いますか。

○名渡山晶子子育て支援課長 積立資産につきましては、特に上限が定められていないということや経営上の施設整備を控えた積み立ての必要性と、園によって判断がなされる部分がございまして、なかなか監査においても指摘しづらい事項ではございますが、例えば、それぞれの人件費の積み立て、施設整備の積み立て、修繕の積み立てという名目がございますので、用途を踏まえて、必要な金額等を念頭に置いて、適正な額を積み立てるべきではないかというような助言は指導監査においても行っているところではございます。

○呉屋宏委員 この約2億1000万円を積み立てている保育園の築年数は何年ですか。そうしたら実態がわかります。

○名渡山晶子子育て支援課長 平均値算出の結果につきましては、詳細な分析は今後させていただきたいと考えております。

○呉屋宏委員 私は皆さんがきちんとした分析ができていないと思っております。いたずらに皆さんを追求するつもりもございませんが、実態をよくわかってほしいのです。今、皆さんの目が行っていることは、待機児童解消のために潜在保育士を引っ張り出す、新しい免許をつくること。これはこれとして淡々とやっていいのです。悪いことではありません。しかし、分析班をつくって、しっかりと保育士にお金がおりているのか、自分たちがやっているものはどうなっているのかという、分析と制度の両方を走らせていかないと。これは二、三年の部分の見方です。ところが、長期的な施策をつくるには、この分析をやらないといけない。皆さんは全然先が見えていないと思います。こういうところも一つ一つ冷静にやって、分析をして、結果どこに持っていくのかということをやらないと、あした、あさっての話ではありません。もっと先を見てください。

○狩俣信子副委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、島袋大委員から、執行部に対して保育園を建てかえるためだけの積み立てではない旨の答弁をすべきとの指摘がされた。)

○狩俣信子副委員長 再開いたします。

 名渡山晶子子育て支援課長。

○名渡山晶子子育て支援課長 ただいま申し上げたのは、積立資産の合計でございまして、先ほど3つと申し上げたかもしれませんが、その内訳は、人件費積立資産、修繕積立資産、備品等購入積立資産、保育所施設設備・整備積立資産の4つの資産の総計による平均値を出したものでございます。先ほど休憩中に、島袋委員からありましたような人件費のための積立資産も込み込みの合計値の結果であることは申し添えます。失礼いたしました。

○呉屋宏委員 今の島袋委員が言っていることはそのとおりだと思います。今の4つの項目の中でおかしくないのは人件費の積立資産、これはおっしゃるとおりです。ですが、備品購入や改築、修繕のためだという資産はためやすい部分、流用できる部分なのです。人件費はできません。そこで人件費を抜いたものを別に、委員会中でなくてもいいので資料として出してください。備品購入で基金を積み上げるという理由がわからないのです。そこだけはしっかりとやったほうがいいと思います。

○狩俣信子副委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、正副委員長交代)

○呉屋宏委員長 再開いたします。

 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○呉屋宏委員長 質疑なしと認めます。

 よって、乙第8号議案に対する質疑を終結いたします。

 休憩いたします。

   午前11時10分 休憩

   午後1時23分 再開

○呉屋宏委員長 再開いたします。

 次に、参考人からの意見聴取を行います。

 参考人として、(元)昭和高等女学校梯梧同窓会上原はつ子氏の出席をお願いしております。

 参考人からの意見聴取については、昨日の本委員会での決定に基づき陳情第9号及び第48号の陳情審査の参考とするため、陳情者から説明を求めるものであります。

 お手元にあります事務局配付資料の資料1をごらんください。

 上原はつ子参考人から吉川初枝氏を補助者として出席させ、必要に応じて発言させたいとの申し出がありますので、委員長として同席を許可したことを御報告いたします。

 参考人及び補助者の皆様、本日は御多忙のところ御出席いただきましてまことにありがとうございます。

 参考人等から説明を求める前に、委員会の審査の進め方について御説明申し上げます。

 まず、参考人等から御説明をいただいた後、委員から参考人等に対し質疑を行うことにしております。

 なお、参考人等が発言しようとするときは、あらかじめ委員長の許可を得なければならず、発言は、陳情の趣旨の範囲内で行うこととなっております。

 また、本日は委員会が参考人等の説明を聞く場であり、参考人等が委員に対して質疑することはできませんので、御承知おきください。

 それでは、上原はつ子参考人から、陳情第9号学徒合同石碑の建立に関する陳情及び陳情第48号学徒合同刻銘板の建立に関する陳情の提出に至る背景及び目的等について簡潔に御説明をお願いいたします。

 上原はつ子参考人。

○上原はつ子参考人 これを陳情した理由は、どこの学校も動かなかったものですから、これは放ってはおけないと思いました。本当は私たちの先生方やら、会長などが元気なときにやってくださればよかったものを、この二、三年前になって、私たちではどうにもならなくなり、よそが動かないのでそのまま右へ倣えでは困ると思ったので、陳情した次第でございます。

○呉屋宏委員長 私が以前に聞いておりますので、少しずつ誘導しながらやりましょう。

 まず21校あった学校の学徒の皆さんが戦争へ動員をさせられ、そのうちの一つの学校の塔がひめゆりの塔なのですね。

○上原はつ子参考人 あちらは旧制沖縄師範学校女子部と旧制県立第一高等女学校―沖縄県女師・一高女がひめゆりという名目となっております。

○呉屋宏委員長 それで、ひめゆり学徒のところにはよく本土からの皆さんもそこに行ったりしますが、あと20校ある学校の塔があちこちにばらばらに置かれているので、できれば学徒全体の塔をつくってくれということなのですね。

○上原はつ子参考人 塔をつくってくれということではなく、戦争について、70年前にこういうことがあったということを―学校名と部隊名もたくさんありますので、そちらに所属している人は各学校みんな違います。第一線にいた方もおりますし、男子生徒は特に切り込みやら、通信隊やら、特攻隊などの危ない仕事をさせられていました。ですが、女子はほとんどが看護隊として看護のお手伝いをしておりました。看護の途中では運搬もいろいろありましたが、そういうことでございます。この21校は、宮古・八重山地区含めての学校です。沖縄本島は全部で15校です。そういうことですので、改めてその辺は御承知おきください。それで私たちは、宮古・八重山地区はかかわらなかったと思っておりましたが、それはそうではないということで、沖縄本島ばかりを主張していては困るということで、後で21校としました。私たちが昭和高等女学校の資料として出したものは全部で15校なのです。

○呉屋宏委員長 以前、お話を聞いた仲宗根政善さんの日記ですとか、儀間真一さんの話を少しお話ししていただけますか。

○上原はつ子参考人 どうしてもその場所にという私たちの希望としましてはこれがあるのですが、新聞に4回載りました。この場所は、向かって左側がひめゆりの塔で、そして地続きとなっています。入り口にごうがありまして、そこは儀間真一という2世の方が―2世といいましても、沖縄本島に上陸した方です。あれは昭和21年ごろだったと思いますが、沖縄県女師・一高女の生徒四、五名がその場所で死んだということが私たちもわかっておりました。あとは住民たちが巻き添えを食っているわけです。ですが、そこで生徒が亡くなっているので、この場所を女学生のみたまを祭る場所にしてくださいということで、儀間さんが自分のお金を出して、あの当時は原野でしたのでそこを囲って、作業員を連れてきて、そうしなさいと言って、石を置いたりしてやったのが始まりでしたが、沖縄県女師・一高女の仲宗根政善先生があのころ県の文教関係の仕事をしていらっしゃいましたが、いつの間にそうなったのだという話になっております。その資料は、私たちも後で知ったのですが、仲宗根さんの奥さんが琉球新報社に出していました。主人の気持ちとして女学生のみたまを祭る場所にしなさいということなのに、なぜひめゆり学徒隊だけになっているのかという記事が出ました。私はその記事を持って、ちょうどその人と同じく沖縄本島に上陸した―――――という方が近くにおりましたので、その人を訪ねていって、この記事を御存じですかと記事を読んであげると「そうだよ。私もそのことはよく知っています。なぜお前たちも一緒にやらなかったのか。」と。というのは、―――――の奥さんが私たちの同窓生なのです。それで「そのときそういう事情も全くわからなかったので、知りませんでした。」と言いましたら、「だから好き勝手されてこうなっているのだ。」という話だったのですが、その人も今はハワイに行ってしまって連絡がつきません。そこで、その新聞を持って、あちこちにこういうことがあったのだということを話しているうちに、その新聞が行方不明になってしまって、日にちもはっきりわかりません。平成元年から平成3年までの間なのですが、儀間真一さんだけははっきり覚えています。内容も、女学生のみたまを祭る場所にしなさいということで書かれた記事は丸暗記していますが、いまだにそれは出てきません。なぜだろうと思うのですが、どうにも捜し切れず困っております。何とかして捜し出したいと思っておりまして、新聞社にもお話はしておりますが、ついこの間も何とかして捜してほしいということは言っております。

○呉屋宏委員長 皆さんからの参考資料で新聞切り抜きがありますが、A3の用紙にこういうことがあります。これの中に17カ所の沖縄本島内のものと八重山地区などもついていまして、次のページに全部書かれております。学徒隊の慰霊碑については、あちこちに点在していますが、なかなかひめゆりの塔以外のところには行かないという状況があります。映画とか、テレビとかでひめゆり学徒隊は脚光を浴びたものですから、そこに大体の皆さんが行くと。しかし、ここは21カ所のうちの一つの学校でありまして、ほかのところも合同碑を建てたいというのが上原参考人の思いですね。そういうことでいいですか。

○上原はつ子参考人 合同碑をその場所に建てたいというのは、儀間さんの気持ちもありますし、そういうことで新聞に記事が載りました。その場所にと思っているのには、そういう理由もあります。

○呉屋宏委員長 これはきのう配りましたが見ていらっしゃいますか。今、上原参考人が言っていることは丸で書かれているところです。その左下にあるのがひめゆりの塔です。そして、その丸の左側にあるのがひめゆり平和祈念資料館という形になっております。そういうことで御承知おきください。

 上原参考人の説明は以上として、大体のことはわかりましたので、あとは皆さんから上原参考人に質疑いたしますので、よろしくお願いします。

 質疑はありませんか。

 狩俣信子委員。

○狩俣信子委員 今、刻銘版ということをおっしゃいましたが、何か塔みたいなものをつくって、そこに刻銘版を置いてほしいということですか。

○上原はつ子参考人 これを提出して4年目になりますが、あのときはそう思いましたが、いろいろな話を聞いている中で、どこで許可をもらってくるのだという役所の話もありました。本人たちもとっくに70年前に死んでいるのに許可をもらう必要はないでしょうと私などは思いますが、これは平和援護・男女参画課での話でした。ちゃんとした証明が出ているので、それぞれの塔にも名前がありますし、親もみんないなくなっているので、各塔の名簿で会長を呼んで、それでいいのではないかと思いましたが、それは無理だという話もあったので、刻銘が無理でしたら、旧制県立第一中学校―一中、旧制県立第二中学校―二中、旧制県立第三中学校―三中全てありますので、各学校のところに死んだ人の名前は伏せて、人数だけでもいいのではないかと思うようになりました。実は、私の隣にいます吉川初枝さんも弟が亡くなっているのです。私の周囲にはそういう人がいっぱいいます。親戚にもおります。そこで、こういうことをやってしまったわけですが、それで放っておけなくなりまして、私たちも先行きが短いですし、これを何とかして学徒だけは……。みんな、こんなことをしなくてもいいと、ほかの学校の―――――などは言っています。二、三カ月前にも一緒にやってくれないかと話しましたが、「もういいよ。なるようになるさ。」と言っていました。しかし、私たちはそうはいかないと思っています。

○狩俣信子委員 要するに、お名前を書くのではなくて、出身学校とそこで亡くなられた方の人数ですか。

○上原はつ子参考人 人数は伏せてほしいと思います。例えば、一中なら、一中に何名、こういうふうに通信隊や特攻隊などいろいろありますので。資料を見たら皆さん驚かれると思いますが、できれば部隊の所属名も書いてほしいと思います。なぜならば、兵隊はみんな内地からの部隊でした。第62師団―石部隊、独立混成第44旅団―球部隊など、いろいろ混合隊がありましたので、そういう気持ちでおります。そこで、斥候隊、通信隊という部署に応じて、イクサヌサチバイにされています。そういうことで亡くなっています。女生徒はほとんど看護隊ですので、余りそういうことは必要ないとは思いますが、男性は特にそうだと思います。

○狩俣信子委員 理解がまだできないのですが、要するに、何々学校で何名ということではなくて、それぞれの通信隊とか、斥候隊とか、いろいろある中で何名と書いてほしいわけですか。

○上原はつ子参考人 例えば、通信隊何名というのはいいのですが、どの学校で何名、どの部隊がかかわったということは資料にもはっきりしています。そこら辺はいろいろとクレームもつくと思いますが、それができないのであればできるようでいいのではないかと。

○呉屋宏委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、委員長から参考人に対し、曖昧な説明は避けるよう注意がされた。)

○呉屋宏委員長 再開いたします。

 狩俣信子委員。

○狩俣信子委員 資料を見させていただいたら、例えば、女学校の場合は、沖縄師範学校女子部と県立第一高等女学校のひめゆり学徒隊ですとか、県立第二高等女学校の白梅学徒隊とか書かれておりまして、下のほうに沖縄陸軍病院、他部隊とか書かれています。男子生徒の場合は、沖縄師範学校男子部で所属部隊名が第2野築城隊所属とか、第32軍司令部所属とか、そしてその下に鉄血勤皇隊、千早隊、斬込隊、特編中隊とか、そういうことが書かれていて、これを書いてほしいということですか。人数とかはわからないので、ここだけを書けばいいのですか。

○上原はつ子参考人 そうです。どの所属部隊に何名ということではなく、資料にもありますが、一中がこういうものと、みんなそれぞれありまして、一中、沖縄師範学校男子部が一番多いのです。何百名といるはずなのです。そして、またあとの学校は四、五十名とか人数が少ないところもあるのですが、そういう部署もありますので、最初はそうやってほしいと思いましたが、できる範囲でもいいのかと思ったりしております。どちらにしても、あの戦争でこういうことがありましたということだけはちゃんと明記してほしいと思います。そうでなければ、なかったことにされて困ると思うので。

○狩俣信子委員 これで見ている学校名とかだけでよろしいのでしょうか。これで網羅できるのでしょうか。21校とおっしゃっていましたが、女子学生だけではないですよね。

○上原はつ子参考人 男子も全部です。男女合同碑です。女子だけではありません。

○狩俣信子委員 今、ここで数えましたら16校なのですが。

○上原はつ子参考人 沖縄本島は16校。沖縄県女師・一高女は一つとして……。

○狩俣信子委員 これは沖縄本島の分だけで16校あると。要するに、21校というのは、あと5校に宮古・八重山地区が入っているということですね。おっしゃるように、人数を書かずにこういうことを刻銘してほしいということですね。

 あと1つお聞きしますが、皆さんが持ってきた、ことしの4月15日の琉球新報の記事に、県では学徒隊の証言をスマートフォンなどで読み取れるQRコードを案内板に掲載し、慰霊碑などに設置する予定と書かれていますが、こういうことはどうなのでしょうか。県の取り組みとしてそういう話が皆さんにあったわけではないのですか。

○呉屋宏委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、委員長から、参考人からの説明の補足として、今の新聞に書いてあるのは県がひめゆりの塔以外のほかの学徒の碑がどこにあるかということをスマートフォンで見せることにより、そこにも行けるようにするということであるとの説明があった。)

○呉屋宏委員長 再開いたします。

 狩俣信子委員。

○狩俣信子委員 梯梧之塔の近くに丸で囲んでありますが、皆さんが考えている土地があるわけですね。そこは儀間さんの了解を得ているということですか。

○上原はつ子参考人 ここの地主は、―――――ですが、―――――にあります。私たちの塔ができた明くる年にでいごレストランができました。それで、でいごという名前を使わせてもらえないかという話がありましたので、どうぞということで、私たちは慰霊祭のときにいろいろ同窓会をしたりして、レストランを使わせてもらっております。そんなことで20年余りやってきております。

○呉屋宏委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、委員長から、参考人は委員の質疑に明確に答えるよう注意がされた。)

○呉屋宏委員長 再開いたします。

 上原はつ子参考人。

○上原はつ子参考人 土地は―――――の名義です。お母さんが何十年も前、ひめゆりの塔ができた後にあちらにマチヤグヮーをつくったわけです。その母親から、隣は女生徒のみたまを祭る場所で知られているので、ここは男子のために使ってということで、娘の―――――に渡したそうです。そういう話もずっと前から聞いておりました。―――――には兄が2人いましたが、長男が二中で亡くなっているものですから、お母さんは随分と気になっていたと思います。そして、次男は対馬丸で亡くなっています。そこの土地は、―――――の土地です。

○狩俣信子委員 ―――――は、皆さんがそこにそういうものをつくりますということはオーケーしているのですか。

○上原はつ子参考人 存じております。―――――もそのほうがありがたいという話はしておりまして、提供すると言っております。

○吉川初枝補助者 ひめゆりの塔を知らない人はいませんよね。全国的にも知られていますので。あそこはとても参拝者が多いのに、梯梧之塔は参拝者が余りいません。それで、お母さんから―――――にその土地をそのようにして使いなさいと言われたものですから、ひめゆりの塔を知らない人はいませんし、向こうは参拝者もたくさんいますので、その土地のそばなのでいいのではないかと思っております。―――――もぜひここにしてくれとオーケーを出しております。

○狩俣信子委員 どのくらいの広さをオーケーしているのですか。

○上原はつ子参考人 結構広いです。いろいろな雑木が生えているのですが、資料にあります琉球新報の新聞記事の写真で、私たちが立っている後ろになります。目の前は駐車場になっていまして、バスが何台もとまります。ここは奥まっているところでして、林の中に3メートルぐらいの短い雑木がたくさん生えていますが、その場所を使ってほしいということです。私たちもそう思います。向かって左はひめゆりの塔で地続きになっていますので、今は何かで仕切られてはおりますが、その仕切りを取り払ってしまえば、あちらも遠回りしなくて済みますし、便利になると思います。

○狩俣信子委員 つくった後の管理はどちらがやりますか。

○上原はつ子参考人 管理というのは、県が見てくださるしかないのではないでしょうか。私たち個人はお願いをして、できればそれでいいと思っております。

○狩俣信子委員 つくることに対して、県の平和援護・男女参画課などに申し入れとかはやったことはあるのでしょうか。

○上原はつ子参考人 私たちの塔は梯梧之塔ですが、県の平和祈念公園に公益財団法人がありますよね。梯梧之塔はあちらが管理者になっております。私たちは、公益財団法人沖縄県平和祈念財団において理事をやっておられる上原兼治常務理事や、西銘順治元沖縄県知事のときの元副知事新垣雄久会長にもお会いしました。

○狩俣信子委員 今の理解では、県が委託でやっているところがありますが、そこが管理をするということになるのでしょうか。

○上原はつ子参考人 管理は私たちには関係ありません。つくってもらえて、そして県が管理をしてくれたらありがたいです。私たちはこのことにかかわる必要はないと思っております。ですが、それをつくるに当たっては、あのままではよくないですし、お休み所もないといけませんし、トイレもないといけないだろうと思います。平和祈念資料館の入り口にお休み所がありますが、あそこみたいにつくってもらわないと、そこに来る人はいないのではないかと思います。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。

 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 沖縄戦で学徒が日本軍に動員されたという、そういう傷を負っている方は上原参考人のほか、もっとたくさんの方がいらっしゃるということを聞いていて、本当に霊を弔うといいますか、イクサヌサチバイと先ほどおっしゃったけれども、県民が犠牲になったということが学徒の問題で、今、陳情を出されたということを改めて聞かせていただきました。ひめゆりの塔は確かに参拝者も多いですし、祭られている皆さんがどういうことをされたかということも知られております。しかし、梯梧之塔についてはお隣にあるけれどもほとんどの人が通り過ぎていくということもあるということで、2005年の琉球新報の記事には「学徒動員1061人」と書かれておりますが、1000名以上、21校全ての学徒をと今おっしゃっていますが、今の梯梧之塔はどのような状況ですか。

○上原はつ子参考人 梯梧之塔はちゃんとありますし、ついこの間11月に甲斐の塔で慰霊祭がありました。山梨県の方たちがその帰りに私たちのところに来てくださいました。山梨県絡みで甲斐の塔の慰霊祭が毎年11月8日にあります。私たちの学校は山梨県出身の八巻太一という方が設立した私立学校でしたので、あちらの遺族団が五、六十名来るときには、梯梧之塔も八巻太一の学校だということで、山梨県の県人会の方がいらっしゃって、ことしで4回目となります。それ以前はそのことについては私たちも知りませんでした。あちらが甲斐の塔をつくってことしで50年になるそうです。そういうこともありまして、山梨県も皆さんで応援してくださりますし、ほっとしております。これも風化寸前だったのですが、八巻太一校長のためにも県絡みでいろいろとやってくれますので、ありがたいと思っております。しかし、これは個人的なことであって、学徒は今、1000人余りがそのままです。それぞれの学校で祭られてはいますが、その本人たちには子孫もいません。私たちは運よく生き残ったので子や孫もおります。しかし、あの方たちは親もその子を頼りにして生きていたはずなのに、随分つらい思いをして皆さん死んでしまいました。それを考えますと本当にこれでいいのかと思ったりします。学生が戦争を起こしたわけではありませんし、国の命令で一方的に押しつけられてあのような形になり、今ではばかばかしかったと思って腹が立ちますが、そういうことも含めますと、何とかしてほしいと思います。

○西銘純恵委員 梯梧之塔には、学徒の皆さんの名前は書かれていますか。

○上原はつ子参考人 全員書かれておりますし、戦にかかわって亡くなった方、もちろん先生方も載っております。あの当時は軍にかかわらないと生きていられなかったのです。何しろ、みんな家はないですし、食べる物もありませんし、軍と一緒に行動しないと非国民みたいに言われるので、どんな人でも軍にかかわって生活をしていたはずなのです。私たちも行きそびれはしたものの、吉川初枝さんは完全に行って戻っているのです。そういうこともありますので、それでもみんな軍と行動をともにしていました。いろいろなことがありました。

○西銘純恵委員 梯梧之塔は、刻銘もされていて、祭られているということですが、わざわざ議会にも陳情を出されたということは、学徒で動員された皆さんを同じように後世にきちんと伝えてほしいという思いかと思いました。

○上原はつ子参考人 そうです。女子校もひめゆり学徒隊だけはあのように表に出て祭り上げられるけれども、ほかの学校はみんなナーチャミーみたいになって、余り知る人はいません。沖縄の人も看護隊と言えばひめゆりですかと聞くので、まずはひめゆり学徒隊だけではないという話から始めます。当時は女学校も7校ありましたが、戦後、女学校は全てなくなり、再興はなりませんでした。男子校は、それぞれの地域にハイスクールというものができて、その学校にみんな振り分けられていきましたので、いまだに男子生徒が言わないのもそのことが原因だと思います。例えば、学校が一中なら県立首里高等学校が見ているような形です。それから、工業などは見るところがないということで、一昨年か去年から平和の礎のところに新しくできましたが、ほかの学校は商業なら商業、工業なら工業と、それぞれのところにはめられていろいろやってくれるそうなのです。それを聞いていますので、それで男子生徒は誰も話す人がいないのかという気がします。女子校もそうですが、ひめゆり学徒隊は単独であります。旧県立第二高等女学校も去年南風原町あたりに戦争のときに使ったごう周辺を購入して、何か石碑を建てたということですので「もう、いいよ。」と考えているらしいです。そして、ずゐせんの塔は私たちの塔の近くにあります。こちらも恐らく那覇市から遠いので、見るところはないと思います。私たちは、公益財団法人に委託をしておりますのでいろいろやってくれます。それから積徳高等女学校慰霊之塔は、大典寺でいろいろかかわっているそうです。そういうことですが、そんなにばらばらにあっても内地から来る十七、八歳の修学旅行生、私たちが動員されたときの年代の生徒たちはわからないわけです。ただひめゆりの塔にだけお参りに行って、それでたまに―石部隊、球部隊とありまして、私たちの学校は石部隊です。それでどの学校に世話になったのだと、三重県の兵隊は、みんな梯梧学徒隊が看護したらしいということを生き残った方たちから聞かされて、今ではみんないろいろなことで梯梧之塔に来てくれます。お手紙やら、反省文やらを送ってきます。そういうことも随分ありますので、これでは片手落ちでよくないと思います。ですから、合同碑を建てて、そこに戦争でこういうことがありましたということがわかれば、それなりの見方があるのではないかと思っております。

○西銘純恵委員 最初におっしゃった出身学校21校。そして、生徒はどこの部隊とどういう役割を担わされたということは、県の平和援護・男女参画課の資料としてあるということですよね。

○上原はつ子参考人 あると思います。私たちも何度も言っていますので。

○西銘純恵委員 平和援護・男女参画課の資料をもとにして、21校の学校を1カ所にまとめて、少なくともその学校の何名の生徒がこういうことにという碑をやってくれたら、全ての学徒の皆さんが同じように、本土から来る方にも、沖縄県民にも、ちゃんとそういう犠牲があったとか、慰霊できるという思いだということですね。

○上原はつ子参考人 特に、男子生徒、女子生徒というのは、それはやる人のことだと思いますが、男子と女子で礎を別にして、どこそこの部隊に、どの学校が何名かかわったということを書いてくれれば、非常にありがたいと思います。刻銘までは遠慮します。余り強調できません。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○呉屋宏委員長 質疑なしと認めます。

 以上で、上原はつ子参考人等に対する質疑を終結いたします。

 この際、参考人及び補助者に対し、委員会を代表して、一言お礼を申し上げます。

 本日はお忙しい中にもかかわらず、長時間にわたり貴重な御説明をいただき心から感謝いたします。

 本日拝聴いたしました内容等につきましては、今後の委員会審査に十分生かしてまいりたいと思います。

 上原はつ子参考人、補助者の吉川初枝さん、ありがとうございました。

 休憩いたします。

   (休憩中に、参考人等退席、執行部入室)

○呉屋宏委員長 再開いたします。

 次に、子ども生活福祉部関係の請願平成26年第2号外1件及び陳情平成24年第77号外26件の審査を行います。

 ただいまの陳情等について、子ども生活福祉部長の説明を求めます。

 なお、継続の陳情等については、前定例会以降の新しい事実についてのみ説明をお願いいたします。

 金城武子ども生活福祉部長。

○金城武子ども生活福祉部長 それでは、請願及び陳情の処理方針について御説明申し上げます。

 お手元に配付してあります請願・陳情に関する説明資料をごらんください。

 子ども生活福祉部関係では、継続の請願が1件、新規の請願が1件、継続の陳情が24件、新規の陳情が3件であります。

 継続の陳情につきましては、処理方針に変更はありませんので、説明を省略させていただきます。

 それでは、新規の請願について、処理方針の概要を御説明いたします。

 資料の2ページをごらんください。

 請願第4号ウイルス性肝炎患者に対する医療費助成の拡充に関する請願について、処理方針を申し上げます。

 2、身体障害者手帳に係る肝臓機能障害の認定基準の見直しについては、厚生労働省に設置された肝臓機能障害の認定基準に関する検討会において、患者の実態や関係団体へのヒアリング等を通じて議論が行われ、平成27年9月に報告書が取りまとめられたところであります。

 その中で、認定基準の見直しの方向性の基本的考え方が示されました。それによると、肝機能障害の重症度分類であるチャイルド・ピュー分類の3段階A、B、Cのうち、現在、最重度のC分類が認定されているところを、次に重度の高いB分類まで認定の対象とする等の見直しを行うことが適当とされたところであります。

 今後、当該報告書をもとに、厚生労働省において疾病・障害認定審査会やパブリックコメント等を経て、各都道府県等に通知が発出される予定となっております。

 続きまして、新規の陳情3件について、その処理方針の概要を御説明いたします。

 資料の43ページをごらんください。

 陳情第98号福祉タクシーまたはレンタカー利用の補助を求める陳情について、処理方針を申し上げます。

 生活保護制度においては、自動車の保有・使用は、厚生労働省通知に基づき、公共交通機関が利用困難な場合の通勤用に必要な場合など以外は認められないこととされております。

 また、同制度においては、通院のためにバスや福祉タクシーなどを利用する場合の交通費は、個別にその内容を審査し、傷病等の状態に応じて経済的かつ合理的な経路及び交通手段によって給付を行うものとされております。

 生活保護の決定・実施については、国の法定受託事務として知事及び市長が実施機関となっており、本事案については、沖縄市が法令・通達等に基づいて判断したものと理解しております。

 県としましては、生活保護法施行事務監査において実施機関が適正かつ効率的に運営できるよう指導等を行っているところであり、今後とも保護の適正な実施に努めてまいります。

 続きまして、資料の44ページをごらんください。

 陳情第99号障害福祉サービス重度訪問介護の時間増等に関する西原町介護支援課への指導及び適切な運用に関する陳情について、処理方針を申し上げます。

 1、2、3、14及び15、市町村は、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律―障害者総合支援法や関係通知に基づき、申請者の心身の状態を把握するために、80項目の認定調査及び本人や家族の状況を把握する概況調査を行い、必要な障害福祉サービスの状態を判断する障害支援区分を認定しております。

 その障害支援区分や他の勘案事項を踏まえて、市町村があらかじめ定めた支給決定基準に基づき、各障害者の支給量を決定することとされております。

 県の責務としては、客観的に適正でないと判断できる場合には、市町村が行う自立支援給付及び地域生活支援事業が適正かつ円滑に行われるよう、市町村に対する必要な助言、情報の提供その他の援助を行うこととされております。

 また、市町村が行う障害福祉サービスに係る処分に不服がある場合は、県知事に対して審査請求ができます。それを審査する不服審査会では、医師、弁護士、当事者などの専門家の意見を求め、その答申を経て、県知事が裁決を行っております。

 4、5及び6、障害者総合支援法第7条の規定に基づき、65歳以上の障害者が、要介護・要支援状態となった場合、障害福祉サービスに該当する介護保険サービスがある場合には、介護保険サービスが優先して給付されております。

 しかしながら、障害者の心身の状況等に応じ介護保険サービスを特定して一律に介護サービスを優先的に利用するのではなく、介護保険制度の支給限度額を超える部分や障害福祉固有のサービスは、障害福祉サービスから給付を受けることができるものであります。

 この適用関係については、厚生労働省から通知がなされており、県においては、文書通知を行うとともに、市町村障害福祉関係主管課長会議で説明するなど、適切な運用に努めているところであります。


 13、西原町においては、平成5年度から在宅障害者のひきこもり防止のため、初乗り運賃をチケットにより助成する福祉タクシーの制度が実施されてきました。

 その後、西原町において福祉タクシーに代替するサービスとして移動支援事業を実施してきており、福祉タクシーの制度を段階的に縮小し平成27年度に終了したとのことであります。

 続きまして、資料の48ページをごらんください。

 陳情第108号精神障害者社会適応訓練事業に関して入院中の精神障害者も訓練対象者とすることを求める陳情について、処理方針を申し上げます。

 通院患者リハビリテーション事業は、通院中の精神障害者を対象に、一定期間事業所に通わせて、集中力や対人能力、仕事に対する持久力及び環境適応能力等の涵養を図るための社会適応訓練を行い、再発防止と社会的自立を促進することを目的に実施しております。

 具体的には、各圏域の福祉保健所が事業所と協力して、就労に必要な体力の向上、生活リズムの調整、技能・技術を身につけるための訓練を行っております。

 入院中の精神障害者を対象にすることについては、病状の安定性や監督責任等の課題があるため、各福祉保健所や医療機関の関係者等と協議してまいりたいと考えております。

 以上で、子ども生活福祉部に係る請願及び陳情の処理方針について、説明を終わります。

○呉屋宏委員長 子ども生活福祉部長の説明は終わりました。

 これより各陳情等に対する質疑を行います。

 質疑に当たっては、請願・陳情番号を申し述べてから重複することがないように簡潔にお願いいたします。

 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行うようお願いいたします。

 質疑はありませんか。

 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 梯梧同窓会からの陳情の件で、陳情平成25年第49号、陳情第9号、陳情第48号について。先ほど、陳情者から意見を聞きましたが、平和援護・男女参画課が保有している資料に、21の学校の学徒の皆さんが犠牲になったということで、恐らく援護申請するときには、死亡状況などがあったと思いますが、どういう部隊で、どういう任務といいますか、どういうことをさせられて亡くなったという記録があるのではということを言われておりましたが、学徒についての記録はどこまで残されていますか。

○玉城律子平和援護・男女参画課長 学徒として整理をしているわけではございませんが、そのような資料はございます。

○西銘純恵委員 1000名以上の皆さんが亡くなったということで、学校によっては生徒名が刻銘されている慰霊碑もあるということですが、それは何に基づいて建てられたのかということはわかるのでしょうか。

○玉城律子平和援護・男女参画課長 人数については、ひめゆり平和祈念資料館の資料によって人数がまとめられております。

○西銘純恵委員 学徒とほかの皆さんを区別した資料というのは、県としては持っていないと。振り分けをされた資料はないということですか。

○玉城律子平和援護・男女参画課長 県においても、資料館でまとめた資料などを活用させていただいております。

○西銘純恵委員 陳情者が要望していることは、学校ごとに何名の生徒が戦闘行為もさせられたか、どういう部隊に入っていて、どういうことをやって犠牲になったのかということで、ひめゆり平和祈念資料館の資料で21の学校全てについて出すことができるということでよろしいですか。

○玉城律子平和援護・男女参画課長 そういう資料と、それからそれぞれの学徒の同窓会などにもいろいろ証言記録などがあります。県が今年度やっている沖縄戦の継承事業においても、ひめゆり平和祈念資料館の資料等を活用しながら、各学徒の遺族会や同窓会などに資料提供をお願いしまして、そういった資料に基づいて証言録などをまとめているところでございます。その中で、学校跡や学徒たちの戦争中の足跡といいますか、そういったものも追っていけるように資料をつくっているところでございます。

○西銘純恵委員 この皆さんが、県に対して合同碑を建立してほしいということは、過去にこれまでも議会陳情と同じように来ているのでしょうか。

○玉城律子平和援護・男女参画課長 陳情者は、何度か当課にもいらしてお話しされております。

○西銘純恵委員 場所も特定されていて、合同碑をつくってもらう資料はあると。そして、場所は個人所有ではありますが、―――――所有者も土地を使っていいと。梯梧之塔があるところを使っていいという承諾も受けているということを言っておりましたが、それについてつかんでいますか。

○玉城律子平和援護・男女参画課長 陳情者の方が県にいらしたときに、梯梧之塔のすぐ隣の土地を使ってほしいというお話はされておりましたので、存じております。

○西銘純恵委員 現に今、学徒別に学校の敷地内などさまざまな形で碑が点在しているということを言われていましたが、これを集約してという話ではなく、合同碑を建ててくれという話でした。場所もありますし、資料もあるということですが、それをつくって管理をするのは県にやってほしいという要望でした。碑をつくるときに、梯梧之塔の管理は公益財団法人がやっていますので同じようになるのかと思いますが、国に対して合同碑を要求することは可能だと思いますが、どうでしょうか。援護法―戦傷病者戦没者遺族等援護法の関係でといいますか、碑の建立については何になるのか。県単独事業でやる仕事ではないのではと思うものですから、いかがでしょうか。

○金城武子ども生活福祉部長 ことしの8月に浦崎唯昭副知事から慰霊塔の維持管理が困難になっているものについて、早期の整備事業等を要請はしているのですが、今回の合同碑をつくることに関しては、各学校の同窓会がいろいろございます。やはり、そういう方たちの意見もしっかり確認した上で対応をする必要があるかと考えております。

○西銘純恵委員 やはり、当事者の皆さんの合意のもとにということも大事だと思います。条件そのものはかなっていますし、陳情者のお二人がきょういらしていましたが、自分たちの周りの人たちも亡くなっていく、学徒の関係者も亡くなっていく、ひめゆりの塔には参拝に来ても、隣の梯梧之塔までは立ち寄らない、ほかの碑も見ていない、慰霊をされないという思いなのです。この皆さんの願いをどこまでかなえることができるか。1000名以上の学徒の皆さんということもありますので、1カ所にあればひめゆりの塔だけでなく、こういうところも学校があったのだという、その思いだったと思います。そこら辺も酌み取って、ぜひ21校の学徒の皆さんの関係者、遺族会ですか、そういうところとも丁寧に話し合いをしていただきたいと。できたら、要望にかなうようにやってほしいと思いますが、どこまでかなえられるのかということはぜひ検討していただきたいと思いますが、いかがですか。

○金城武子ども生活福祉部長 これにつきましては、やはり関係者といいますか、当事者の御意見をしっかり確認することが大事かと思っておりますので、そのあたりの話し合いはしていきたいと考えております。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。

 新田宜明委員。

○新田宜明委員 説明資料42ページ、陳情第93号、ヘイトスピーチの件で陳情が出ております。これは在日本大韓民国民団沖縄県地方本部という韓国の沖縄県における出先機関だと思いますが、よく本土では新聞等で、例えば、韓国・朝鮮人学校の学校周辺で非常に民族差別的な街頭からの音による嫌がらせとか、あるいは東京都内の町の中でこういうことがあるようですが、これは沖縄県でもあるのでしょうか。余りこういうことは聞いたことがないのですが。

○玉城律子平和援護・男女参画課長 ヘイトスピーチにつきましては、そういう数字は持っておりませんが、県内における外国人についての人権侵害審判事件の受理件数は、平成26年で2件となっておりまして、その内容がヘイトスピーチかどうかは内訳がなく、わからない状態でございます。

○新田宜明委員 このヘイトスピーチというのは、音響による差別的な、そういう宣伝のことを言っているのでしょうか。

○玉城律子平和援護・男女参画課長 ヘイトスピーチにつきましては、明確に定義はされていないのですが、国籍や人種、宗教など特定の属性を持つ集団への暴力とか、あるいは差別をあおったり、侮辱したりする行為だと一般的には言われております。

○新田宜明委員 街頭に張り出される横幕とか、あるいはそれに類するようなものがたまに見受けられるのですが、あれはヘイトスピーチとはいわないのでしょうか。

○玉城律子平和援護・男女参画課長 先ほどお答えしましたように、明確な定義はございませんが、今、委員がおっしゃったようなものもそういう行為に当たる可能性はあると思います。

○新田宜明委員 音だけではなくて、街頭に張り出される横幕、人権侵害に類する、非常に常軌を逸するような内容のあるものについても、道路管理者に対して皆さんからそれなりの注意をする、あるいはヘイトスピーチに類するような、人権を害するようなものではないかというぐらいの啓発といいますか、そういうことを道路管理者にやったほうがいいのではと思いますが、いかがですか。

○金城武子ども生活福祉部長 道路管理者の許可も得ず違法にという場合には、当然取り締まるべきものと思っておりますし、委員御指摘のとおり、内容的なものも含めて土木建築部と連携をして、撤去なり、そういうことは我々からも働きかけはしていきたいと考えております。

○新田宜明委員 最近、あちらこちらでそれに類するような横幕等が見受けられますので、ひとつその辺もチェックをしていただきたいと思います。

 それから、44ページ、陳情第99号。西原町の福祉行政にかかわる件ですが、西原町では、平成27年度に福祉タクシーの制度は終了したと皆さんは聞いているようですが、他の市町村はどうなのでしょうか。

○山城貴子障害福祉課長 こういった移動支援については、障害者総合支援法に基づくサービスが充実してまいりましたので、ほかの市町村においても福祉タクシーの実施はなされていないということでございます。

○新田宜明委員 やはり、この制度というのは非常にニーズが高くて必要ではないですか。

○山城貴子障害福祉課長 障害者に対する支援については、障害者総合支援法に基づく介護給付ですとか、それから地域生活支援事業がございます。これは市町村が主体となって実施する事業でして、市町村でみずから地域のニーズを酌み上げて市町村の裁量で実施することになっておりますので、そういった必要性のある市町村では地域生活支援事業として、こういった移動支援を行っているところでございます。

○新田宜明委員 これは市町村の単独事業なのでしょうか。県は全くこの事業とはかかわっていないのですか。

○山城貴子障害福祉課長 福祉タクシーにつきましては、市町村の単独事業として実施されておりました。ただ、移動支援につきましては、地域生活支援事業ですので、国、県の補助が入る事業となっております。

○新田宜明委員 この文章から見ますと、移動支援事業の一事業として福祉タクシーという制度があるということなのでしょうか。

○山城貴子障害福祉課長 福祉タクシーにつきましては、初乗り運賃をチケットでもって補助をする仕組みになっておりますが、移動支援の場合は、障害福祉サービス事業所が車を用意して送迎を行うといったサービスでございます。

○呉屋宏委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、障害福祉課長から、福祉タクシーの助成制度と移動支援事業について補足説明がなされた。)

○呉屋宏委員長 再開いたします。

 新田宜明委員。

○新田宜明委員 陳情書の内容については、専ら西原町で解決すべき問題だと理解していいですか。

○山城貴子障害福祉課長 そのとおりでございます。

○新田宜明委員 48ページ、陳情第108号、精神障害者社会適応訓練事業の関係ですが、この陳情は入院中の精神障害者も訓練対象としてほしいという要請なのです。皆さんの処理方針には、「関係者等と協議してまいりたいと考えております」とありますが、これは前向きに、入院者であっても個別具体のケースによっては、訓練対象者にしてもいいと理解していいのですか。

○金城武子ども生活福祉部長 記載しているとおり、個々の病状がいろいろございますので、その辺の安定性、あるいは監督責任といいますか、現場でいろいろ混乱しないように課題を解決できれば、そういう方向で検討できないかということで関係者等と協議をしていきたいということでございます。

○新田宜明委員 これは前向きに検討するということで受けとめますので、ひとつぜひ努力していただきたいと思います。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。

 比嘉京子委員。

○比嘉京子委員 説明資料35ページ、陳情第85号。待機児童解消に向けた市町村支援の強化ということですが、陳情要旨にある県の待機児童解消支援交付金の用途、市町村の使い道について、もう少し詳しく説明いただけますか。

○名渡山晶子子育て支援課長 待機児童解消支援交付金は、県の一般財源であります30億円を積み立ててつくった基金でございまして、市町村が行う待機児童解消に資する独自事業、そして国庫補助事業等を使って行う施設整備に係る市町村負担分への活用、支援を行っているところでございます。

○比嘉京子委員 県の基金でもって、国庫補助を使った施設の改築、増築、修繕等全部に活用できるのですか。

○名渡山晶子子育て支援課長 御質疑は、国庫補助事業を活用した施設整備に係る市町村負担分への支援の中身ということだと思いますが、これにつきましては、現在、創設と増築に係る市町村負担分への活用を認めているところでございます。

○比嘉京子委員 午前中の積立金のお話もありましたが、例えば、老朽化した施設の改築には使えないという理解でいいのですか。

○名渡山晶子子育て支援課長 午前中の積立金に係る議論の積立金は、事業者負担分に使うために事業者が積み立てている積立金の話であったかと思います。この支援につきましては、保育所整備事業に係る市町村が負担する部分の4分の3を県が交付金で支援しましょうという中身です。現在の運用としまして、待機児童解消効果の高い創設と増築に活用を認めているところでございまして、増改築については交付金の活用は対象外としているということでございます。

○比嘉京子委員 事業者が積み立てているというのは、事業者がそもそも改築等に積み立てなければいけないからですよね。自己負担で改築をしなければならない理由が発生したので。特に社会福祉法人ではある一定の時期までは、そもそも最初から改築費用というのは必要がなかったお金だと思っております。改築の費用を事業者が負担するようになったのはいつからですか。

○名渡山晶子子育て支援課長 国庫補助の仕組みとして、国が補助する部分、市町村が負担する部分、事業者が負担する部分というのは、以前からあるわけです。事業者負担分というのは、例えば、補助対象外の用地の整備であったり、外構費であったり、そういった部分は国庫補助事業の対象外になっていますので、そこに係る負担など、事業者が負担する部分というのは以前からあったということでございます。

○比嘉京子委員 私の記憶の間違いかもわかりませんが、これだけ社会福祉法人が積立金を、例えば増改築のために積み立てたりしたことは、10年足らずのことで、そういう道を国の制度がつくったと記憶しております。それから、積み立てが始まっていて、そうしますとその上限というのは、監査で指摘ができない。言ってみれば、結局人件費の割合をどう考えるかという裁量が経営者側に任せられるので、そういう余剰金の積み立ては社会福祉法人においては、その名目が認められていない時期が10年以内にあったと記憶しております。いわゆる国が自前でやりなさい的な解除をしたために、今、積み立てが起こってきているという認識で質疑をしておりますが、それはないですか。

○呉屋宏委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、子ども生活福祉部長から、確かに以前は積立金の上限額及び取り崩しに制限があったが、今はなくなっている。ただ、保育所の整備については、従来から国庫補助が行われており、特に沖縄の場合75%の高率補助となっている。なお、本事業で支援を行っているのは、市町村負担分についてであるとの発言があった。)

○呉屋宏委員長 再開いたします。

 比嘉京子委員。

○比嘉京子委員 陳情要旨記1の(1)について、必要に応じて沖縄県待機児童解消支援基金を積み増すことについての処理方針は書いていないのですが、これはどうなっていますか。

○名渡山晶子子育て支援課長 待機児童解消支援基金は、平成25年度に設置しまして、平成26年度から事業を実施しております。平成26年度及び今年度の予算額を全て使い切ったとして計算いたしましても、まだ17億円の残額があるところでございます。ですから、次年度以降の支援をしていく中で、現時点では17億円あるということもありまして、残や執行状況も見ながら検討していきたいという趣旨の処理方針でございます。

○比嘉京子委員 処理方針記1の(1)の前段で、「平成27年度の執行状況を踏まえ、支援の継続を検討していく」とあります。処理方針の書きかえはありませんが、現時点では見通しは立っていないのですか。

○名渡山晶子子育て支援課長 今年度事業化を予定している事業については進捗を見ている段階でして、まだ確定をしていないので処理方針は変更していないところでございますが、今年度の執行状況、そして次年度の市町村の要望等も踏まえながら支援のあり方は検討していきたいと思っております。

○比嘉京子委員 記1の(2)についてですが、ここで「「増改築」整備に係る市町村の負担分についても同交付金の補助対象とすること」とありますが、それについての処理方針はどうなっていますか。

○名渡山晶子子育て支援課長 増改築に係る支援につきましては、先ほども申し上げましたように、現在、解消効果の高い創設や増築に限っているところではございますが、改築だけではなくて増を伴う増改築については、増の部分、定員の伸びに応じた支援ができないか等も含めまして、先ほど申し上げた執行状況等々もあわせて検討していきたいと考えております。

○比嘉京子委員 例えば、具体的に定員を何人増にするからということで、子供の人数に金額を掛け算するなどのやり方でやっているのでしょうか。

○名渡山晶子子育て支援課長 これはまだ検討中ですので、具体的な事項については執行状況も踏まえてということにはなりますが、考え方といたしましては、定員何名のうちに増築効果、増員効果はどれだけあるというような割合に応じた支援であれば、待機児童解消に資するという待機児童解消支援基金の趣旨にも合致をしてこないかという方向で整理をしているところでございまして、明確なことは申し上げる状況にはありませんが、そういったことも含めて考えているところでございます。

○比嘉京子委員 記1の3番目の要望ですが、認定こども園の幼稚園部分も増が見込まれるなら幼稚園部分に係る施設整備でも出していいというような処理方針になっていると思いますが、これは1人でも2人でも人数にかかわりなくという理解を周知しているのでしょうか。

○名渡山晶子子育て支援課長 待機児童解消支援基金の待機児童解消に資するという点から考えれば、認定こども園の幼稚園部分というのは、いわゆる保育を必要としない子、1号認定の子供向けの部分になりまして、2号、3号と、保育を必要とする部分は保育所部分ということになります。ですから、ここで書いてあることは、保育所部分と幼稚園部分を抱き合わせで新設する場合を対象として支援することができるということを申し上げているところでございます。

○比嘉京子委員 結局、保育を必要としている子供、例えば4歳児等であれば認めるけれども、同じ幼稚園児であっても家庭にいる母親の子供の増は認められないというような内容になるのですか。

○名渡山晶子子育て支援課長 認定こども園は保育所部分と幼稚園部分に分かれておりますので、例えば、幼稚園が保育所部分の機能をつくって認定こども園化するという場合は、保育所部分の整備になりますので活用できますが、その逆の場合というのは、いわゆる待機児童解消に資するかという条例の趣旨との関係も出てまいりますので、そのあたりの課題があるということでございます。

○比嘉京子委員 制度が改革されてから1年目で、非常に混迷と混乱の中にあって、決定するにはさまざまな整備が必要かという感じがしますが、保育士の確保という点でいいますと、午前中で議論のあった、我々が出している支援が果たして意図するところに使われているのかどうか、ここにチェックをかけていく必要があると思います。例えば、退職金の積み立てでしたら何年勤務した人にどれだけかという査定がしっかりあって、その掛け算になっているかどうか、園の基本的な考え方、本当にこの積立金が妥当であるかどうか、いろいろな懐疑的な意味も含めて、内実はまだまだ厳密ではないのではないかという感を午前中の質疑と同様に思っております。保育士に行く部分が、言ってみればトップの裁量でかなり左右されている懸念があるということも踏まえて、やはりチェック機関をしっかり持つ、それから監査でもってもう少ししっかりと状況調査を入れる。そのようなやり方が重要かと思いますので、そこはぜひ検討していただければと思います。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。

 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 説明資料2ページ、請願第4号について。ウイルス性肝炎患者に対する医療費の一部助成を拡充してほしいという請願ですが、なぜウイルス性肝炎患者がいるのでしょうか。そして、全国では350万人の患者がいるとありますが、県内では何名いますか。

○呉屋宏委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、こども生活福祉部長から、医療の部分については保健医療部の所管になるとの説明があった。)

○呉屋宏委員長 再開いたします。

 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 陳情者は死ぬ寸前でなければ、こういう障害認定されないという厳しいことを書いています。3つの段階があって、次の段階までは助成がおりる動きがあるということで受けとめていますが、そうでしょうか。

○山城貴子障害福祉課長 厚生労働省の資料によりますと、患者団体から現行の認定基準のチャイルド・ピューの分類Cは厳し過ぎると。そして、分類Bの患者であっても、日常生活の制限が長期化している実態があるという御意見があったということで、それを踏まえて国では分類Bまで認定をしようという検討がなされているところでございます。

○西銘純恵委員 分類Aはどの段階なのでしょうか。人数もわかりますか。

○山城貴子障害福祉課長 平成25年度末時点で、例えば、肝臓機能障害の認定者数については、全国では6787名です。うち沖縄県は80人となっております。また、平成26年度末の沖縄県の認定者数は83人という状況でございます。

○西銘純恵委員 今おっしゃったのは、最重度の分類Cということですか。そうしますと、分類Bの方も認定されるということになれば、どれだけいらっしゃるのかということはつかんでおりますか。

○山城貴子障害福祉課長 B分類に相当する患者については把握しておりません。

○西銘純恵委員 裁判まで起こした原告の皆さんが陳情されたということですから、何らかの国の責任ですとか、そこら辺が一定程度あるということでの公的助成だと思いますので、ウイルス性肝炎患者については、重症、軽症にかかわらず陳情のようにぜひ助成ができるようにということで考えておりますが、意見書提出ということで出ておりますので、これは委員のメンバーでやりたいと思います。

 次に、43ページ、陳情第98号。この陳情は個人の方が出されていて、沖縄市在住ということで市が一義的な生活保護制度の実施機関だと思いますが、これは9月時点の事情を書いていますが、今の陳情者の状況を把握されていますか。

○長浜広明福祉政策課福祉支援監 その後、沖縄市に確認したところ、自動車の使用は認められなかったのですが、沖縄市としては現在、移送費―交通費の支給を検討しているということでございます。

○西銘純恵委員 9月で妊娠6カ月だとすると、今は出産の時期なのです。交通費の支給を検討しているということですが、遅いのではないですか。

○長浜広明福祉政策課福祉支援監 通院のための交通費ですとか、保健師による妊婦さんの訪問等、きめ細やかな対応をしていくことを検討しているということで伺っております。

○西銘純恵委員 検討しているではなくて、実施されたのかをお尋ねしたかったのですが、確認はしていませんか。

○長浜広明福祉政策課福祉支援監 本事案につきましては、毎年度生活保護法施行事務監査を行っておりまして、その時点で確認したところ、沖縄市の福祉事務所においては、レンタカーを認めないという判断をしておりましたが、文書指導等によって生活保護法令に基づき適正に行われていたということでございまして、11月30日から12月4日の5日間にわたって実施しております、定期的な監査でございます。

○上間司福祉政策課長 少し補足させていただきますが、今、説明したことは、県としまして、生活保護の行政が適正に運営されているかという観点から、今回の陳情を受けて、沖縄市の福祉事務所に11月30日から12月4日の最近まで監査を実施したと。その際、県の監査指導班から沖縄市に状況を確認したところ、その時点で通院に係る交通費については移送費の申請をしてもらい、支給を検討するということをおっしゃっておりましたので、時点としては11月30日から12月4日の間の時点であるということでございます。

○西銘純恵委員 自動車の保有について、まだ厚生労働省が最低限度の生存権を保障するという状況になっていない、車を認めてないということがこの日本国です。沖縄でしたら一家に複数台持っている時代ですよ。ですから、文化的な生活を保障するということになっていない、自動車の保有を認めていないというところをどう改善させていくかということはとても重要だと思っています。とりわけ、この方は夫婦両方とも病気で、公共の乗り物にもなかなか乗れないでしょう。タクシーとか、本当はみずからの病気の状況に合わせて車だろうと思うのですが、これが閉ざされて、個人で陳情を出さざるを得ないということがとても問題だと、深刻だと思いました。沖縄県は、前から言っていますが、母子世帯が多く、子供を育てている皆さんが生活保護を申請しても、車があるのでできませんということで生活保護を受けられないということがあり、そこを生活保護制度として沖縄県は独自に検討すべきではないかと思っておりますので、これは宿題として、バスなどの公共交通にしても不便ですし、どこでもバスが走っているわけでもありませんし、こういう中で車が必要だと。そして、母子の皆さんが収入で子供を育てることができないと言いながらも、結局、生活保護の申請で蹴られるという部分についてもう少し実態も調べてもらって、保護行政はどうなのかということにもつなげていただきたいと要望します。具体的にこの方については、通院のための移送費について認められる状況にということですが、この方は通常の生活でも結構車がないと厳しい状況にあると言っておりまして、出産した時期の赤ちゃんを育てていっているとすれば、実態に合わせて沖縄市も保護行政をやるべきだと思いますので、ぜひそういう立場で指導していただきたいと思いますが、いかがですか。

○長浜広明福祉政策課福祉支援監 委員おっしゃるように、このような事案については沖縄市の状況を確認しながら、移送費の支給ですとか、きめ細やかな対応をしていくということで伺っておりますので、状況を確認してまいりたいと思います。

○西銘純恵委員 次に、48ページ、陳情第108号、入院中の精神障害者も通院患者リハビリテーション事業を活用したいという陳情ですが、陳情要旨のところに厚生労働省が「入院医療中心から地域生活中心へ」という方針を出した部分について、今の精神障害者に対する国の動きを丁寧に説明いただけますか。

○山城貴子障害福祉課長 国でも、今現在、精神入院患者のうち1年以上の長期入院患者がかなりいらっしゃると。その方たちをどうやって地域移行させるかということを非常に大きな課題として捉えていらっしゃいます。それに基づくいろいろな施策を打ち出しているところでございます。

 県としましても、平成27年度に新規事業として、まずはそういった精神障害者の地域移行を支援するための人材を養成するための人材育成事業ですとか、あるいは地域で福祉と医療の連携体制を整備するためのコーディネーターを配置する事業、それからこれは継続事業になりますが、元入院患者で地域移行した人をピアサポーターとして長期入院している方に地域生活のイメージづくりのサポートをするといった事業を実施しているところですので、そういったものを通じてできる限り長期入院患者である精神障害者の方の地域移行を進めていきたいと考えております。

○西銘純恵委員 先ほど前向きに関係機関と協議していくという答弁がありましたが、入院患者を地域にという考え方に賛同はできるのですが、社会的入院について、やはり沖縄県はそこら辺をどう支えるかという施策も考えないと、本当に地域にほっぽり出していくということになりかねないと当事者の皆さんからとても不安の声が上がっています。ですから、地域移行というものを就労も含めて、社会的にどう生きていくかというところでやってほしいと思います。検討するということでありますが、入院中の患者でも先ほど言った社会的入院というものが実態として今でもあります。そうしますと、その皆さんについては、リハビリテーションに実際は通えると思います。ですから、そういう意味では、入院、通院ということで分けるということがおかしいというのは当然だと思います。入院患者で実際は通院でやってもおかしくないという皆さんが結構いらっしゃると思いますが、どれくらいいるのでしょうか。

○山城貴子障害福祉課長 例えば、平成26年6月の調査になりますが、沖縄県における精神障害入院患者は4965名おりまして、そのうち1年以上の長期入院患者が3048名、全体の61%を占めております。この長期入院患者の中には、入院治療の必要性は高くないけれども、御家族や保護者の引き取りが困難であるとか、あるいは所得、収入の経済的な基盤がないとか、あとは、やはり長い間入院していますと退院の意欲が減退していくというような問題があります。そういった方々をいわゆる社会的入院と言っていると思いますが、それが実際3048名のうちどれだけいるかという具体的な数は把握していないところでございます。

○西銘純恵委員 現在、通院患者の事業利用者はどれだけいますか。

○山城貴子障害福祉課長 平成26年度の実績として、訓練者数は50人です。

○西銘純恵委員 通院されている方の中にも訓練を受けずに社会復帰されている方も当然いるでしょうから50人という数字が出たのかと思いますが、先ほど言いました、実際は社会に出てもおかしくないという入院患者の数字からしますと、これよりも何倍も……。リハビリテーションを早くやってほしいと思いますが、検討するという中にはこの事業をやる事業所がなければできないという課題などはあるのですか。それとも、すぐ実施できますか。

○山城貴子障害福祉課長 クリーニング店ですとか、飲食店といった就労訓練をする事業者にいろいろ御協力をいただいておりまして、協力をしてくれるという事業者はございます。ただ、やはり入院中の方ですので、状態がいつ不安定になるかというような状態で入院中に外出をさせるというときに医師のお墨つきといいますか、病院との調整や連携、それと病院から出て外出先での管理、監督というものの責任のあり方、それについてもう少し整理したり、またほかにも課題があるのか……。実は、通院患者リハビリテーション事業は、全国でも実施されておりますが、入院患者を対象としてやっているところが福岡県あたりにあると聞いております。しかし、実態が実績として出ていないということも伺っておりますので、どこに課題があるのかということももう一度整理をして、そういうことができれば実施できるのではないかと考えております。

○西銘純恵委員 入院患者を対象として福岡県でやっているとおっしゃいましたが、沖縄県は軽度にはなっていますが、社会に出れないという長期入院患者が全体の61%いらっしゃると。社会に出してほしいという皆さんというのは、確実にこの病気に関しては専門家でないと判断できないと思いますし、医師のお墨つきは最低条件だと思います。3000名もそのような方がいらっしゃるが、実際に訓練されている方は50名しかいない。受け皿もある、そして前向きにということであれば、要望が出ていることですのでぜひ医師のちゃんとした診断も含めて、本当に次年度からでも実施ができるようにやってほしいと思いますが、いかがでしょうか。

○山城貴子障害福祉課長 現在、これにつきまして各圏域の保健所の皆さんとも意見交換をしているところですので、できるだけ早い時期に対象を拡大して実施できるように努めていきたいと思います。

○西銘純恵委員 陳情者の公益社団法人沖縄県精神保健福祉会連合会と話し合いをされたことはありますか。

○山城貴子障害福祉課長 陳情者と直接意見交換はしておりませんが、陳情者の関係者の方が当課にお見えになっていましたので、少し意見交換をさせていただきました。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。

 嶺井光委員。

○嶺井光委員 説明資料24ページ、陳情第38号、特別養護老人ホーム―特養ホームの増設の要望があります。一般質問でも聞きましたが、団塊世代の高齢化で介護環境がかなり厳しくなるのではと見ているのですが、答弁でもありましたように、10年後には4人に1人が65歳以上、あるいは介護人材が4700人でしたか、それぐらい不足するという答弁がありました。現時点でも、特養ホームの待機者がかなりいらっしゃいますよね。現時点で待機者がかなりいる中で、10年後、そしてさらにこの先もふえていく中で、特養ホームの必要性、あるいは介護人材については今から取り組まないと、結局その時期にお手上げの大変な状態になりはしないかという懸念をしております。今の特養ホームの入所待機者数をお願いします。

○上地幸正高齢者福祉介護課長 平成26年10月末時点で、特養ホームへの入所について、要介護3以上で必要度の高い方は751名おります。

○嶺井光委員 この件は、何年も前から指摘されていて、一時期は1000名余っていた時期もあったと思いますが、それでもまだ750名以上いる。そしてさらに、団塊世代があと10年後には75歳以上になっていく。すぐに介護にかかわるということではないと思いますが、その先も考えるとかなり厳しさが増していくのではと思います。皆さんの処理方針で、市町村が需要を見込んだ沖縄県高齢者保健福祉計画をつくっていると。そして、それに基づいて特養ホームも整備していくという考えが書かれておりますが、具体的に10年後あるいはもう少し先には、幾つぐらいふえていくという見通しはあるのでしょうか。

○金城武子ども生活福祉部長 沖縄県高齢者保健福祉計画は3年ごとに計画をつくっておりまして、今年度スタートした計画が平成29年度までということで、今、箇所的に具体的に決まっているのは平成29年度までという状況でございます。

○嶺井光委員 3年スパンはわかりますが、人口の動態も推計できるわけですので、こういうものは大きな長いスパンで見通しを立てて対策をしていかないと、例えば、介護人材だけを考えましても、そう簡単に育つものではないと思います。人材確保はどうされるのですか。

○金城武子ども生活福祉部長 主に、介護福祉士と介護職員の養成研修がございます。それぞれ介護福祉士も毎年千数百名の合格者がおり、介護職員の研修でもおおむね千二、三百名ぐらいを毎年養成しております。今、10年後で4500名が不足推定されておりますので、それに向けて一応養成は可能かと思っておりますが、これも保育士同様に処遇の問題、そこが大きな課題かと考えております。

○嶺井光委員 保育士も介護士も同じということですが、そこら辺も含めて制度そのものに切り込んでいかないと、結局、資格を持っていても介護現場そのものが機能しないという状況になっては、何の意味もないですよ。そこら辺のもう少し具体的に実現可能な取り組みを示さないといけないのではないですか。

○上地幸正高齢者福祉介護課長 労働環境や処遇改善に資する取り組みについては、例えば、高齢者福祉施設長会議やそういった研修などを通じて取り組んでいるところでございます。

○嶺井光委員 施設の計画的な整備というのは、現在ある特養ホームを増床するということなのか、あるいは社会福祉法人をふやしていくということなのか、そこら辺はどうですか。

○金城武子ども生活福祉部長 基本的に、今、我々が目指していることは、地域包括ケアシステムを構築しようということでして、市町村単位で小規模の特養ホームをつくり、できるだけ地域、地域でそういう整備をしていこうということですので、これについてはどちらかといいますと、公募をかけてやっているというのが実情でございます。これはいろいろなパターンが可能性としてはあるということでございます。

○嶺井光委員 沖縄県高齢者保健福祉計画の3年スパンのものを、それはそれとして別にどうこう言いませんが、もう少し長い先を見たら団塊世代がそこへ行くとああなるだろうというシミュレーションができるわけですので、特養ホームそのものもどうやってふやしていくかということは、一応、別段の福祉介護政策として持つべきだと思います。これは差し迫ってからすぐできる問題ではありません。あるいは、介護職そのものも処遇改善も含めてやらないといけないと思いますが、その辺はどうですか。

○金城武子ども生活福祉部長 沖縄県高齢者保健福祉計画そのものが、平成37年でしたか、それを目指して施策を展開しようということがベースでございます。これは、地域包括ケアシステムという非常に大きな話でして、地域、地域で医療と介護の連携もありますし、そういう地域密着型の、できるだけ住みなれた地域で継続して住めるようにということで、施設についても小まめに各地域にあるような形に持っていこうということが大きな流れでございます。さらに、在宅の整備、在宅の介護事業所も含めて、一応は我々もそこを見据えた計画となっております。

○嶺井光委員 その時期になってから慌てないように、私が入所しようとしたときに入れないことがないようにお願いしたいと思います。

 もう一つ、20ページ、陳情第9号。29ページ、陳情第48号。学徒合同石碑の問題について。今でいう高校生の子供たちが戦闘に参加して、ああいう事態があったのは、全国の中でも沖縄県だけですよね。当時、21校の学徒が戦闘参加をしたということは大変なことです。どこの県に「高校生は、みんな戦闘に参加しなさい」ということがあったのですか。先ほど参考人招致で聞きましたが、一応いろいろな文献や資料センターなどに行けば、こういう証言は記述されていると思います。ところが実態としては、ひめゆりの塔など、ある意味でメジャーな施設があって、修学旅行で来た本土の子供たちはそこには行くけれどもそこにしか行かないと、こういう感覚で終わってしまう可能性があります。ですから、そういう意味では、参考人がおっしゃるようなウチナーじゅうの高校生が戦争に駆り出されたというイメージをもっとはっきり明確にメッセージを示す必要があると思います。それぞれの学校の碑はあちこちに分散していて、全部に行くことはまずありません。ただ代表的にひめゆりの塔、健児の塔、あるいは平和の礎あたりに行くと。県としては、沖縄戦での県民の被害の一端として、何らかの形で戦跡めぐりをするという方々にはしっかり伝わるようなことをすべきだと思います。そういう意味で、陳情者の主張を県が受けとめて、みんなが目につくようなところに、その歴史がしっかり伝わるようにすべきだと思いますが、どうですか。

○金城武子ども生活福祉部長 確かに、おっしゃるように学徒隊の皆さんのお気持ちといいますか、二度とこういう戦争を引き起こしてはいけないという思いは、大変重たいものがあると我々も考えております。問題は、県としてどういう形で対応するかということでございますが、先ほどもいろいろと述べましたが、関係者とまず一定の合意といいますか、関係者の意向を聞くために話し合いを持つということが先かと思っておりますので、まず話し合いを持った上で県としてどう対応すべきかは検討していきたいと考えております。

○嶺井光委員 これは沖縄県として主体的にやるべきだと思います。処理方針では、携帯端末でシステムをつくって、これを見ればいいのではないかと。これも一つの方法かもしれませんが、やはり、沖縄に来てあのようなところを回って目の当たりに見ることと、調べないとわからないものでは……。今でも文献にはあることですので。それについては否定はしませんが、一番ベストなことは、ひめゆりの塔のそばに並べるとか、それぐらいの意識で沖縄戦の実相を知らしめるべきだと思います。ぜひ頑張ってもらいたいと思います。

○金城武子ども生活福祉部長 実は、ひめゆり平和祈念資料館の中には、この21校の学徒全ての碑を含めて説明といいますか、それが全部あります。ただ、合同でつくるといった場合に、いろいろな方たちの思いもいろいろあるようです。例えば、その場所にあるから意味があるという話もありまして、一緒にという話をしましてもなかなか乗ってこない方もいらっしゃいます。その辺は、我々でいろいろな形で話し合いを持って、県としてどう対応すべきかは検討してまいりたいということでございます。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○呉屋宏委員長 質疑なしと認めます。
 以上で、子ども生活福祉部関係の陳情等に対する質疑を終結いたします。
 説明員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 休憩いたします。

   (休憩中に、執行部退席)

○呉屋宏委員長 再開いたします。
 次回は、12月14日 月曜日 午前10時から委員会を開きます。
 委員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 本日の委員会は、これをもって散会いたします。






沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。

  委 員 長  呉 屋   宏