委員会記録・調査報告等

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文教厚生委員会記録
 
平成26年 第 2定例会閉会中

2
 



開会の日時

年月日平成26年5月22日 曜日
開会午前 10 時 1
散会午前 11 時 55

場所


第2委員会室


議題


1 参考人からの意見聴取(陳情平成25年第121号、同第139号について)


出席委員

委 員 長  呉 屋   宏 君
副委員長  狩 俣 信 子 さん
委  員  又 吉 清 義 君
委  員  新 田 宜 明 君
委  員  赤 嶺   昇 君
委  員  糸 洲 朝 則 君
委  員  西 銘 純 恵 さん
委  員  比 嘉 京 子 さん
委  員  嶺 井   光 君


欠席委員

島 袋   大 君
照 屋 守 之 君


説明のため出席した者の職・氏名

(参考人)(陳情平成25年第121号について)
  開洋・翔洋同窓会会長         高 山 朝 夫 君
(参考人)(同第139号について)
  全日本海員組合沖縄支部支部長     大 崎 昭 男 君
(補助者)(陳情平成25年第121号について)
  開洋・翔洋同窓会副会長        伊 集   昇 君
(補助者)(同第139号について)
  一般社団法人沖縄旅客船協会会長    桃 原 敏 夫 君
  沖縄地方内航海運組合専務理事     金 城 誠 輝 君
  全日本海員組合沖縄支部執行部員    辻   泰 行 君
  一般社団法人沖縄旅客船協会専務理事  宇地原   進 君
  琉球海運株式会社船舶部次長      仲栄真 盛 康 君



○呉屋宏委員長 ただいまから、文教厚生委員会を開会いたします。
 参考人からの意見聴取についてを議題といたします。
 参考人として、開洋・翔洋同窓会会長、高山朝夫氏、全日本海員組合沖縄支部支部長、大崎昭男氏の出席をお願いしております。
 参考人からの意見聴取については、去る平成25年12月13日の本委員会決定に基づき、陳情平成25年第121号及び同第139号の陳情審査の参考とするため、陳情者等からそれぞれ説明を求めるものであります。
 今回の意見聴取は、本陳情2件の願意が、沖縄水産高校の海洋技術科を存続させてほしいということでおおむね共通していることから、本陳情2件に係る陳情者等を同席の上、一括して行います。
 また、陳情平成25年第139号については、陳情者3団体を代表して、大崎昭男氏に参考人として出席をお願いしております。
 さらに、お手元にあります事務局配付資料の資料1をごらんください。
 高山朝夫氏から伊集昇氏を、大崎昭男氏から桃原敏夫氏、金城誠輝氏、辻泰行氏、宇地原進氏、仲栄真盛康氏を、それぞれ補助者として出席させ、必要に応じて発言させたいとの申し出がありますので、委員長として陪席を許可したことをあわせて御報告いたします。
 それでは、参考人からの意見聴取を行います。
 参考人及び補助者の皆様、本日は御多忙のところ御出席いただきまして、まことにありがとうございます。
 参考人から説明を求める前に、委員会の審査の進め方について御説明申し上げます。
 まず、参考人から御説明をいただいた後、委員から参考人に対し質疑を行うことにしております。
 なお、参考人等が発言しようとするときは、あらかじめ委員長の許可を得なければならず、発言は、陳情の趣旨の範囲内で行うこととなっております。
 また、本日は委員会が参考人の説明を聞く場でありますので、参考人等が委員に対して質疑することはできませんので、御承知おきください。
 それではまず初めに、高山朝夫参考人から、陳情平成25年第121号海洋技術科存続及び小型実習船かりゆしの代船建造に関する陳情の提出に至る背景及び目的等について、簡潔に御説明をお願いいたします。
 高山朝夫参考人。

○高山朝夫参考人 私は、去年の6月に開洋・翔洋同窓会の会長就任を依頼され、引き受けてまいりました。その前から、水産教育に対する本県の教育活動についていろいろ課題がある現状の中で、私自身も学校教育の中で長い間取り組んでまいりましたけれども、その中で、私は教育の必要性ということでなぜ陳情したのかを説明したいと思います。
 議会事務局を通して皆様に配付した資料をごらんください。
 安心・安全で安定した豊かな社会を構築するためには、教育活動を通した人材育成で労働力、人間力を高め、納税者をふやすことが非常に重要だと思います。我が国や本県での教育活動は、農業高等学校、工業高等学校、商業高等学校、水産・海洋高等学校、情報高等学校、医療・福祉高等学校等の産業教育高等学校と進学のための普通高等学校等を設置して、人材育成に取り組んでいるのが我が国、各都道府県での現状だと思います。
 産業教育の中でも、長寿三安社会を築いていくための基本技術者養成については、農林水産業教育と医療福祉教育が非常に重要だと思います。それはなぜかといいますと、人間が生きていくための基本として、食の確保と健康保持を果たすための環境づくりが大切だからだと私は思っております。
 農業教育と水産教育は、食の確保と生活の安定化を図るためになくてはならない人材育成のための学校であると思います。そのような学校教育の中で、沖縄県の水産教育に対する取り組みは、非常に衰退しているのが現在の状況だと思います。特に、本県は、他都道府県と違って島嶼県で離島も多い県であります。本島住民と離島住民の生活の安定化を図るためには、水産教育を受けた技術者を確保することが重要であり、人材確保ができないと生活が厳しくなっていくと思いますので、知事と教育長、そして県議会議長に海洋技術者育成のための水産専門学科維持と、水産教育実習の安心・安全・安定した海洋実習を保持するために、19トン型の小型実習船を継続維持していただくよう陳情いたしました。
 これは、例えば1級小型船舶操縦免許を取得しますと、5トンから19トンまでの船を操縦できます。民間で試験を受けますと、やはり5トンから7トンまでの船で検定するのです。しかし、小さい船で試験を受けても、実際に19トンの大きい船を操縦しなさいと言われれば、自信がないので操縦できないのです。そういう意味では、例えばもし車の普通免許で大型バスまで運転できるといったところで、軽自動車しか持っていないのに大型バスを運転しなさいと言われれば、事故を起こす可能性がありますよね。これと全く一緒なのです。そういうことで、私は実体験をしている教育者や有識者と―そうでない人は、免許が取れるのであれば小さい船でもいいのではないか、かえって小さい船のほうが金がかからないのでいいのではないかという意見があるのです。人材育成に金がかかるからやらないということではなくて、やはり安心・安全で安定した教育活動をするためには、こういった範囲内の一番上のクラスで実習したほうが安心・安全に航海、操縦できますので、そういう意味で19トン型を維持することが教育としては当然であると。そういう理由で頑張って維持してほしいということで陳情いたしました。参考までに後ろに資料をつけておりますが、北大東島では風や波が強くなると、小さな船で漁に行けないことがあるのですけれども、実習でもそうです。生徒が船に乗って実習するとき、途中で天気が悪くなって荒れたときには危ないということがありますので、これに対応できる船舶の大きさを維持することが非常にいいのではないかということです。
 現在の我が国の船舶職員の状況について、国土交通省の2009年における調査資料が新聞記事に掲載されました。その内容は、日本商船2535隻において日本人船員が2384人、外国人船員が4万8279人で、いずれも我が国の船舶職員は慢性的な不足が続いていると。これはもう十四、五年前から外国人船員がふえていって、一時期までは士官は全て日本人だったのです。それが士官までも減っていって、今や船長だけになっている。やがて日本人の船長もいなくなって、日本の船舶は全て外国人が運航していくという状況になっているわけです。それで、日本人船員をふやす取り組みが必要な一方で、大多数を占める外国人船員については、新造船がふえている中国船などへ流出するのではないかと不安、心配しているのが現在の国土交通省の状況だと思います。その課題解決に対して、文部科学省や各都道府県の教育行政の取り組みが弱く、危機的状況を改善することができていないのが現状だと思います。私は、本県が危機的状況にならないように積極的に水産教育の充実発展に取り組んで、我が国の課題解決に貢献してほしいと思います。
 このような課題状況を国土交通省がアピールしていることと、本県の水産教育の取り組みに対して水産関係団体や水産関係業者が非常に不信、不安を抱いております。沖縄水産高等学校の海洋実習で使用している19トン型の小型実習船を7トン型に変更しようと、校長が教育庁に対して要請していることは大きな問題だと思います。海洋実習を通して船舶の操縦や運航技術修得を身につけさせることが水産教育の基本です。安心・安全で安定した免許資格技術者を育成するためには、免許資格の範囲内の船舶を自信を持ってコントロールできる技能を身につけさせる実習を行うことが教育の基本だと思います。そのためには、免許の範囲内の船舶が操作できるように実習船を確保することが重要だと思いますので、19トン型の船舶をぜひ維持してもらいたいということです。
 先ほども紹介しましたが、北大東島で漁業活動を行っている方からの風波に対する情報を参考にしてください。この資料では、1.7トンクラスの小型漁船では風速7メートル、波が2.5メートルを超えると、危険なため漁に出られないということが提示されています。そういう実体験をしている人は、自然の中で自分の命を守るとか、安全管理をするための動きがわかるわけです。しかし、そういう認識のない人は、範囲内であれば小さな船でもいいのではないか、金がかからないほうが一番いいのではないかという発想があると思うのです。実体験をしている人からすれば、やはり安心・安全で安定した海洋実習を行うためには、上のクラスの船舶のほうが卒業後もすぐ社会で活躍できる実務能力が身につくので、ぜひ維持してほしいということでこの資料をつけております
 農業関係の職業と水産業関係の職業とは大きな違いがあると思います。農業関係職業は知識・技能がなくても職務に従事することが可能だと思いますが、水産関係職業は知識・技能を習得してから職務に従事しないと、自然に葬り去られる危機的な状況に陥る可能性が高いと思います。そのために水産教育に対する取り組みの充実化を図ることが大切で、水産関係団体や水産業者と連携した教育活動を推進するとともに、施設や備品の充実を図ることが最善だと思います。
 戦後の我が国の経済発展は、漁業、造船業、水産業関係の技術開発等の発展によって現在の我が国のグローバル化進展へとつながり、教育も国際化を意識した国際教育が重要な時代へと発展してきたと思います。我が国が週休2日制の時代に移行したときから、3K・5K―危険、汚い、きつい、暗い、臭いという職種が若者に人気のない職種になり、それぞれの将来構想によって進路が変わり、水産教育や介護福祉関係の職業人確保が厳しくなり、外国人労働者に依存するようになってきたと思います。このような状況では安心・安全・安定した三安生活や豊かな三安社会を構築することが厳しくなってくると思います。この課題を解決するためには、教育活動が非常に重要だと思います。
 海洋食品は、米と並んで日本人の主たる食物であり、海洋食品の安定供給を通じて健康を保持し、地域経済の振興に大きな役割を果たしてきたと思います。しかし、現在の水産業をめぐる状況は大きく変化しています。国内においては海洋従事者の減少、漁価の低迷、消費者の魚離れが進み、国外においては水産物需要の増加、マグロ類を初めとする海洋生物資源の保存管理や国際規制の強化等、水産業に対する関心は高まってきています。ですから、今はもう鯨もとれないようになって、オーストラリアからやられているし、マグロも簡単にできない。逆に日本がこういった海洋食品をとらなければ、陸上の豚や牛肉を使ってタンパク質を補充するのかと思いますけれども、そういった動きがありますから、日本にとっては厳しい状況になりつつあるのではないかと思います。
 沖縄県は離島県で離島航路船舶が多数存在し、その船舶職員の後継者育成に取り組む教育活動は非常に重要であります。本県における校種について見ますと、大学進学のための普通高等学校、産業教育の高校として、農業高等学校、水産高等学校、工業高等学校、商業高等学校、その他あります。その中でも、水産高等学校は1校しかありません。そういう意味では、現在の水産高等学校の専門学科の状況は、水産教育の基本学科が一番定員が少なく、水産高等学校であるのに、専門学科の定数が15名しかいないのです。私は、正式に川満雅夫前校長にも直接話をして、15名ではなくて、5名ふやして20名にしたらいいのではと話をしました。一時期、戦後の県立沖縄水産高等学校では、漁業科も機関科も2クラス、80名いたのです。これがどんどん衰退して、40名も確保できない、15名まできている。私は、水産教育でこういった技術者を育成しないと安定した社会を構築できないので、これをふやしていく努力をすべきであると非常に思っていますから、そういう意味では、私は政治力を発揮して頑張っていただきたいと思いますので、議員の皆さんに非常に期待しています。教育行政がなかなかそういう動きをしないものですから、非常に不安を持っています。そういう意味では、水産専門学科の定数増加を図る努力をすべきだと思います。そのためには、小・中学生等に豊かな社会づくりに貢献するための労働技術者になってほしい旨の広報活動に取り組むことが非常に重要だと思います。水産教育の充実発展を図るためには、どのようにして教育活動に取り組んでいくのか。同窓会長として、教育行政や政治家の皆様に研究して取り組んでほしいと思っておりますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。そのために資料の3ページに1から3で、水産高等学校とはどのような教育をするための学校なのか、2番目に水産教育の必要性はなぜか、3番目に水産教育を充実発展させるための取り組みはどうすればよいか、それをぜひ検討していただいて、充実させれば安心・安全で安定した社会構築ができると思いますので、ぜひこの部分をよろしくお願いしたいということで陳情いたします。ひとつよろしくお願いしたいと思います。

○呉屋宏委員長 それでは引き続き、大崎昭男参考人から、陳情平成25年第139号県立沖縄水産高等学校の海洋技術科の単科としての存続に関する陳情の提出に至る背景及び目的等について、簡潔に御説明をお願いいたします。

○大崎昭男参考人 貴重なお時間をありがとうございます。簡潔に趣旨を述べたいと思います。本日提出しております資料については、海員組合についてと船員不足に関する資料及び沖縄水産高等学校等の卒業者に関する資料です。こちらは御一読いただき、現在の船員不足及び船員養成機関の重要性を御理解いただければ幸いです。
 さて、陳情しております海洋技術科の単科での存続については、南部工業高等学校との統合反対とあわせて陳情を行ってまいりました。統合については撤回されましたが、引き続き学科改編が行われようとしていることから、今回の単科存続を求める陳情に至っております。
 そもそも、なぜ統合が撤回されたにもかかわらず、学科改編が行われようとしているのか。ことし、沖縄水産高等学校海洋技術科を目指し、入学を希望していた生徒は、定員40名に対し2.06倍という沖縄県立高等学校の中ではトップクラスの倍率であります。なぜ今、学科改編が必要なのか疑問であります。現在、学校側が教育委員会に提出しております学科改編及びコースの設置、変更等の調査に関する資料がそのままの形で進めば、海洋技術科を総合学科のように多くのコースの一つとすることは、船員を志し海洋技術科を目指して入校しても、海上ではなく陸上関係のコースに振り分けられる可能性があります。入り口論といたしまして、早い時期から将来を見据え、職業としての船員を選択し、優秀な船員を目指して入学しております。卒業後は、就職・進学など100%に近い就職率を維持し、船員への道をたどっている現状を考えていただきたいと思います。高等学校教育の一層の個性化・多様化を推進するために創設された総合学科類型は、将来の進路について明白な展望を見定めている生徒にはそぐわないと考えます。総合学科への進学者としては、今日のように目まぐるしく変化する現代社会においては、産業構造の変化等に伴い従来には見られなかった新たな職業分野が生じてきております。高等教育機関においても学部・学科等の改編が進められているとの報告もあります。こうした状況のもとにあっては、中学校卒業時に将来の進路について一部の生徒が明確な見通しを持たないまま入学するため、船員を目指して入学する生徒とは違ってくることから、単科での存続を求め、優秀な船員を送り出していただきたいと考えます。あわせて、我々全日本海員組合沖縄支部の活動方針書にも、総合高等学校との統合や学科・専攻科の統廃合、廃止に反対していくことを確認しております、船員不足という現状において、優秀な船員を育成するのは喫緊の課題であります。四面を海に囲まれている日本においては、沖縄のみならず全国で就職活動が行われております。近年の船員の年齢構成は、50歳以上の割合が約42%、内航に限ると約50%と高齢化が進んでおります。こちらは資料のカラー刷りのところにもございます。このような現状が示すとおり、各船社とも求人を国土交通省の船員養成機関だけでなく全国の水産高等学校にも提出し、若年船員の確保に力を注いでおります。内航部門の新卒海上就業者数では、水産高等学校卒業者が約29%となっていることが伝えられております。もちろん沖縄水産高等学校出身者も各社で活躍していると聞き及んでおります。
 最近、LCCの運航要員不足による欠航が伝えられている中、海上においても資料2の3段落の終わりから10行目に記載されているとおり、要員不足により停船する事態が発生しております。多くの離島が存在する沖縄県のライフライン維持のためにも、若年船員の育成に力を注いでいただきたいと考えており、優秀な船員育成に関する海上技術科の存続をこれからも求めるというところで、本日陳情させていただいている趣旨になりました。
 以上です。よろしくお願いします。

○呉屋宏委員長 参考人の説明は終わりました。
 これより参考人等に対する質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないように簡潔にお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 狩俣信子委員。

○狩俣信子委員 陳情を初め、高山朝夫会長からのお話を伺って、やはり沖縄の水産業をきちんと育てていくという教育でないとだめだと思っております。おっしゃったとおり、離島県で海に囲まれておりますし、そういう中で県立沖縄水産高等学校が学科改編をやって、どういう結果になるのかと私は危惧を持っているのですけれども、やはりそこらあたりを考えると、学科改編の問題も、19トン型の小型実習船を7トン型にすることについても気になります。
 まず、小型実習船の件から、19トン型から7トン型になったときのデメリットにはどういうものがありますか。

○高山朝夫参考人 この件に関しまして、例えば車でいえば、軽自動車で練習している人が大型バスを運行しなさいと言われたときに、それは危ないですよね。船もそうなのです。国家資格である1級小型船舶操縦士の認定を受けて、卒業したら合格します。そうすると、1級小型船舶操縦免許を持っている人は5トン型から19トン型までの範囲の船を持てるわけです。7トン型の小さい船で練習している人が、離島の大型船みたいに19トン型の船があるときに、これを運航しなさいと言われたら、免許は持っているのでできるのです。しかし、実際は実務を体験していない人だと少し怖いわけです。そういう意味で、一番上の大きさの船で実習していると下のものは全部持てるのですけれども、上は怖くて持てないのです。そういうことで、私は19トン型にしたほうがいいと。あとはまた、この小型船舶で生徒は実習しますので、その実習で出たときの波は静かだったのに、途中で波が荒れたときに船が小さいと危険性がありますから、私は、そういう意味で1級小型船舶操縦技術者を養成、認定するのであれば、19トン型にして教育実習をしたほうが安心・安全だと。少々しけても実習できる、時間も確保できるわけですから、そういう意味で19トン型を保持して教育実習をしていただきたいと思います。

○狩俣信子委員 例えば、沖縄県内に離島航路がいろいろあると思いますけれども、19トン型でやっているところが多いのですか、それとも七、八トン型か。実際、運用しているのはどちらが多いのですか。

○高山朝夫参考人 そのあたりの情報は私は持っておりませんけれども、ただ、1級小型船舶操縦免許ですと19トン型まででありますけれども、船を購入するためには7トン型の船と19トン型の船は値段が全然違いますから、経済力、また船をどの範囲まで活用するかによって大きさが違います。ですから、外洋系に近い船は全部19トン型です。ただ、近海や近いところだけの人は7トン型の小さい船です。それで各市町村で全然違います。カツオやマグロといったところはやはり19トン型のほうが外洋まで行くので、漁獲を高められるので大きいのですが。

○伊集昇補助者 小型船舶については、県立沖縄水産高等学校にモーターボート教室を学校内に併設しております。よそでいうとJEIS―一般財団法人日本船舶職員養成協会のことですけれども、今、那覇市泊にあります。それから規制が緩和して、幾多のところで1級小型船舶操縦免許の教習をやるようになっています。県立沖縄水産高等学校以外のところはモーターボートになっております。要するに、モーターボートで1級小型船舶操縦免許を受けさせて、合格させて、世の中に出そうとしております。小型船舶を牛耳っているところは一般財団法人日本海洋レジャー安全・振興協会というところで、実技教員の講習、それから学科教員の講習、皆そこが握っているのです。モーターボートで免許を受けさせたときにどういう弊害があるのかと、その受験者にアンケートをとったらしいのです。受ける人はモーターボートで免許を取って、19トン型まで持ちはしないけれども持てるわけですから、表上はオーケーと。こういう報告も出ているのに、なぜできないのかということが県立学校教育課の話なのです。そうではないと、教育施設がモーターボートで教習をやって―先ほど高山朝夫参考人も言っていましたけれども、大型バスの免許を軽自動車で取っていいよと言えば、それは誰でも軽自動車で受けるはずです。実際には大型は持てないにしても。ただ、海洋技術科の場合は即戦力を目標にしていますので、学校施設であるがゆえに最大限の19トン型でやらなければ技術力が伴ってこないと。
 それから、県立沖縄水産高等学校の場合はすぐ外海なのです。1級小型船舶操縦の教習を行う場所が、糸満市を出てすぐ右手にある岡波島、船が余り通らないところということで実習海域として指定しているのです。これは内閣府沖縄総合事務局に申請を出すときに、実習場はどこかという書面があって、糸満市の漁民等から承諾をもらっているのかということで、糸満漁業協同組合からは実習に使ってもいいという承諾書もいただいて申請しているのです。ここは北風、南風、西風が吹くと、とてもではないけれどもモーターボートでの実習ができないところなのです。私が実技教員をしていたときもそうでしたけれども、学校から3月末に年間計画というものが出るのです。これを見て1年間の実習計画を組んでいくのです。そうすると、台風が来てよっぽど天気が悪くならない限り確実にそこへ行って実習しますので、稼働率は90%近いです。向こうは潮と風の流れが違うときにはすごい波が立ちますので、きょうは荒天航行―荒れた海の実習をしようということで、風速10メートルぐらい吹いているときには、ぜひともこういうのも生徒に経験させないといけないものですから、しけた海に出て行って、かじはこう持ちなさいと。これは教習の中には含まれておりませんが、そういうこともやっているのです。デメリットは、モーターボートでやりますと航行できないときが多くなりますので、40名の生徒の実技教習ができなくなります。以前は19トン型実習船「かりゆし」があったので、実習を欠席した子は平日はできないので土曜日に出てきてもらって、午前中に追加の教習をやるとか。時間に制限がありますし、1年かけて20時間以上やりますので、モーターボートになるとできなくなることはっきりしております。以上です。

○狩俣信子委員 今のお話を伺って、やはりトン数というのは大事だと思いました。子供たちが波風が強い中でも訓練するというのであれば、万が一事故につながっても大変ですし、安全性は求められますよね。そういう意味では、すぐ5トン型とか7トン型というのは厳しいのではという感じを受けました。 それと、学科改編についてですけれども、これは前校長が中心になって進められたと思いますが、学校内では賛否両論あると聞いているものですから、そこらあたりは皆さんはどうですか。

○高山朝夫参考人 私は県立沖縄水産高等学校を卒業しておりますけれども、先生方からいろいろ情報を聞くと、実際に水産教育を受け持つ専門学科の先生と管理者とは大分意見が違っていたのです。私は県立沖縄水産高等学校でも先生方に水産教育の必要性について研修をやりました。そのときは40名ぐらいいましたけれども、そういうのを感じると。水産教育の必要性について認識していない人たちは前校長の言うことを聞いています。しかし、全員は聞いていなかったのです。前校長の言うことに賛成していない人も結構いたのです。しかし、申請の内容を見ると、県立沖縄水産高等学校でまとめて決まったという話で、これは現役の方が一番よくわかるのではないかと思いますけれども、私が情報を収集して先生方に聞くと、実は違うと。前校長が自分だけでつくっており、みんなには何も言っていないという話をしていたので、そういう意味でおかしいと思っていたのです。

○伊集昇補助者 学科改編をするから希望を出しなさいということで、学科改編検討委員会をつくって希望を出しました。食品科学系列も情報通信系列も単科にしたいと、海洋技術科はもちろんのこと、単科にしたいと希望を出したら、これはまかりならないということで、前校長が自分の案で行くからと出てきたのです。これではいけないと、このように学科改編をされると、陸上で働く学科も、海に出て行く学科も一つの器の中に入れてしまうと船乗り教育はできないと。水泳実習とか、2年生はカッターボートによる宿泊実習をずっとやっているのです。水泳実習は、海で生きていくためにはぜひとも海洋技術科として必要なものですから、早く泳げばいいということではなく、救助が来るまで浮いていなさいという水泳の教え方をするのです。昔、県立沖縄水産高等学校は5科―漁業科、機関科、通信科、水産製造科、栽培漁業科がありましたけれども、県立沖縄水産高等学校は船に乗る人たちを養成するので、全科でやろうということで、1年生の水泳実習も全科でやっていました。その後、陸上志向が強くなって、私たちが水泳実習をやって何のメリットがあるのかと言われまして、結局、今水泳実習が残っているのは海洋技術科だけです。そうしてでも船乗りを養成しないといけないということでやっておりますけれども、結局、海洋技術科は学科改編については大反対です。これでは船員教育ができません。ただ、前校長が言うには、校長の意見に逆らうと処罰の対象になり得るという話を聞いて、本人たちはこれ以上反対できないということで、自分たちの意見を引っ込めたということです。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 嶺井光委員。

○嶺井光委員 今の部分を私も聞こうと思っておりました。学校内部ではそうだったというお話ですけれども、皆さんとして、今の件について学校と何度か協議を重ねましたか。皆さんの思いと向かっている方向―なぜこれを聞くかというと、今聞くところによると、前校長が独断で方向性を決めていたような感じで受けています。この要請を見ても、学校から出てきた方向に向かっているのです。我々はどちらかというと、学校に主体性を持たせるべきだという意見だったと私は思っておりますけれども、そういう意味ではほかの専門高等学校も含めて、学校が考える方向で学科再編をさせるべきではないかと。別の場面ではそう主張してきた立場があるものですから、今回のこの2点については、学校から出ていることに対してまた逆の意見が出ているわけですから、学校と逆の意見である皆さんとの協議というのは、そもそもどれほどやったのかと思っているのです。今少し話が出て、意見のすれ違いというのはわかりますけれども、このすれ違いの部分の議論をどれほどやったのかというのをいま一度。

○高山朝夫参考人 私が前校長と話をしたときに、前校長は水産関係団体や水産業者との情報交換を全然やっていないのです。それで、前同窓会長の皆さんやPTA会長とかを含めて、そういう水産教育をしたいからどうですかと対応すべきであるのに、全然やっていないのです。それで、私は言ったのです。水産関係団体や水産業者と情報を交換して、水産教育を推進したい思っているのですかと話をしたら、全然相手にしていないのです。逆に、水産関係の業者からすると、技術者を育成するためにはこういうやり方ではまずいと思っているので反対されます。私が前校長から聞いたのは、教育行政から県立沖縄水産高等学校は金がかかるから潰しなさいと言われたというような言い方をしたので、何のために教育をしているのか、金がかかる人材育成は困るというのであれば、希望者のいない学校は潰すのかと。長寿社会を築くためには、農業と水産業と医療は希望者がいなくても地域社会のために若い皆さんに広報活動をして、社会貢献ができる技術者として頑張ってくださいという活動をしなければならないのではないかと。金がかかるからこれはやるなと言われたらまずいのです。何のために教育するのかわかっていないのですから、私はそういう意味で同窓会長として批判しているのです。

○嶺井光委員 それで、今は校長がかわりましたよね。変な言い方ですけれども、前校長のときにも職員の方々からそうでない意見がかなりあったという説明があったのですけれども、校長がかわって、今の方向性に変化があるのかないのか。こういう違った意見を持っている団体があるわけですから、こういう協議を重ねていけば、前校長が独断で方向性を決めていたものが変わり得る可能性がかなりあると思うのです。そういう意味では、2件とも学校から出た考え方ですから、よく考えたらそうではないという方向に転換ができるのか。そういうのも含めて、皆さんとしては学校現場への働きかけをいま一度してみるという必要もあるのかと思っておりますけれども、そういうことはどう考えておりますか。

○高山朝夫参考人 この件に関しては、校長と直接話をしています。

○嶺井光委員 繰り返しですけれども、学校からどうしたいというのが主体的に出てきたほうが本来の姿だと思います。この2件については私も皆さんと同感です。やはり、操縦の技術をそれ相当のもので経験して出ていかないと本人自体が不安であるし、本当に安全に運行ができるという保証が、ある意味ではないと言っても過言ではないですよね。4トン型、5トン型で経験を積んで、20トン型未満の1級小型船舶操縦免許を持って現場に行くというのは不安であると。そういう意味からも、やはり若い、育成期間のときに現場の体験をしっかりさせてやるという意味では、19トン型あるいはそれ相当のもので体験すべきだと思っております。あるいはまた専門科についても、就職状況を見ても数は少ないですけれども、ほとんどその方向に向かっていますよね。そういうことからすると、着実に大切な専門教育というのが裏づけられているのです。ただ、数が少ない。私も農林水産高等学校卒業ですけれども、やはりこの方向に行くためにはどうするのかというのもまた、お互い業界団体も含めて育成していくべきだと思うのです。ここで言う専門科の単科としての存続、ぜひ支持していきたいと思っておりますから、学校と歩調をそろえてやってほしいと思っております。以上です。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 赤嶺昇委員。

○赤嶺昇委員 確認ですけれども、この陳情2件とも去年出された陳情ですけれども、今、新しい校長と意見交換しているということですが、今の校長は皆さんの陳情についてどのように評価していますか。

○高山朝夫参考人 今の校長は、いろいろな人の意見を聞いて取り組もうとする教育力があるものですから、私はいいと思います。ただ、本人から、自分は水産教育については知らないと言っていたものですから、そのときは専門学科の先生方がいるから、連携してやれば大丈夫ですという話はしました。それで、何かあればこちらにお願いするということになりました。ですので、水産関係団体とか水産業者がいるものですから、教育するときにどういうやり方をすればいいのかわからないときは、皆さんと連携して議論して進めればいいという提案はしております。

○赤嶺昇委員 実習船、それから学科改編について、前校長には我々も会っていますので、本人がいろいろと思いを訴えている場面も見てきました。今、新しい校長がいろいろな意見を聞こうという意識があるのであれば、やはりそこは、きょう参加されている皆さんと学校側が歩調を合わせていくことが何よりも大事だと思います。そのあたりについて、それぞれの陳情者から御意見をお願いできますか。

○高山朝夫参考人 全くそのとおりで、連携しながら人材育成のために取り組んでいくというのは、非常に、そう思っております。

○大崎昭男参考人 私どもは新しい校長との面識がありません。今回、学校にアポイントメント等はとっていますけれども、今後お会いして、撤回していただければ一番いいということを会ったときに言おうかという感じはしております。ただ、教育委員会のほうは、この提出されたものはまだ生きて進んでいますということだったので、新しい校長も新年度忙しいみたいなので、もうちょっと時間がかかるのかという気はしております。

○桃原敏夫補助者 学校の主体性は大事だと思います。ただ、そういった大事な改革をやるのでしたら、できましたら例えば一般社団法人沖縄旅客船協会とか、貨物関係でしたら沖縄地方内航海運組合に対して、こういう形で改編したいけれどもどうですかというような、学校側からお話があってもしかるべきだったのではないかと思います。そうであれば、こうやって大きな問題になっていなかったと思います。学校側から改編をする前に一般社団法人沖縄旅客船協会や沖縄地方内航海運組合へこういった案がありますけれどもどうですかというお話が一度もなかったものですから、あればその時点でいろいろな考え方とかをお話しできたと思いますから、今後はそういったものも学校側にやっていただきたいと思います。

○金城誠輝補助者 桃原敏夫補助者と同じ意見ではございますけれども、学校にも要請いたしまして、もし撤回できるのであれば我々の要望どおりにできればありがたいと思っております。

○赤嶺昇委員 きょうは補助者も見えていますので、せっかく陳情されておりますので、それぞれ団体が違うところでまだ話していないところがあれば…。この学科改編について、今、桃原敏夫補助者がおっしゃっているとおりだと思います。要するに、人材を育てて社会に送るわけですから、社会で受け入れる側の意見が反映されていないとなると本末転倒です。今世の中がどのような人材が欲しいと思っているのかということを学校側が把握しないで、一方的にそういう人材を廃止する。ところが、受ける側、要するに人材としてここまで育ててほしいという意見が合致していないと、ミスマッチが出ますよね。それも含めてまだ話していない団体があれば……。皆さんお話ししていますか。
 では、桃原敏夫補助者に改めて聞きたいのですけれども、学科改編に対する皆さんの思いを―どういう学校であるべきかということを少し聞かせていただけますか。

○桃原敏夫補助者 できましたら海運業、そして水産業に特化した人材育成の学校にしていただければと思います。例えば、海洋技術科がございます。これを開洋科といって類型化しますと、募集要項でもどういう形で―自分は船長になりたいけれども、どこに行けばいいのかとかあるし、受験する方が迷うと思うのです。ですから、学校側が積極的に沖縄の将来を考えて、ここは船長コースですよ、機関長コースですよ、卒業すると沖縄の海運業界、水産業界に役立つ人材になると明確にしたほうがいいと私は思います。ですから、類型化ではなく、県立沖縄水産高等学校は特化した学校にぜひしていただきたいと思います。

○赤嶺昇委員 この一件を今後、高山朝夫参考人のところも含めて学校側としっかりやってもらいたいということと、本来だと学科改編の問題だけでなくて、年に何度か子供たちの状況を意見交換していかなければならないと改めて感じております。
 専門的なことをお聞きしたいのですけれども、例えば、船長になるにしても船の規模等がありますよね。最近、大型クルーズ船も入ってきたりしますよね。これだけ沖縄が注目されている中において、そういう資格を取る部分も今後検討されていくのではないかと思いますけれども、そういう人材を育てるためには、本来、どういう資格が必要なのかも含めて教えてもらえませんか。

○大崎昭男参考人 海技免状については何級という話ではあります。先ほどから言われております19トン型の話は、小型船舶という位置づけで20トン未満になります。20トン以上になりますと大型船舶という位置づけになります。いわゆる離島航路のお客様を乗せたり、貨物を運んでいるのは当然大型船になります。その3級、4級ぐらいは取っていただきたいなというところですけれども、海洋技術科におきましてはそこまでは取れないので、資料にもあります就職状況の中で専攻科に行かれた方がいます。専攻科に行かれた方は専攻科において上級免状を取って、貨物船、内航海運とか旅客船に乗ります。そこの本科で育てていただいた方が専攻科で大型免状を取っていただくという感覚でありますので、20トン未満と20トン以上とでは一線はあると思います。沖縄の場合は大型免状がほぼ要ります。そこを取っていただきたい、やはり優秀な船員は早目に育てていただきたいというところで、類型ではなく単科で存続していただきたいということです。

○赤嶺昇委員 実習船についてですけれども、高山朝夫参考人が言っていることは私は理解できています。要するに、7トン型の実習船にすると、いざ資格を取っても、19トン型船舶の操縦は難しいと。ただ、この範囲内で認められているということは、7トン型で資格を取って、19トン型まで操縦できるということは、やはりその基準の範囲内ということを言ってくると思いますよ。言っていることはわかりますけれども、資格上は19トン型まで範囲内だということは法で認められていることですから、十分に対応できるということをもしかしたら言ってくると思います。ですから、資格の範囲内である以上は、経験に基づいて19トン型も対応できると言ってくることに対して、現場の声も含めて、皆さんがやらなければならない課題はあると思いますけれども、いかがですか。

○高山朝夫参考人 例えば、資格を取るといったときに、実習する船は範囲内の7トン型でも19トン型でも何でもいいのです。ただ、行政から意見が出ているのは、予算が少なくて済むから7トン型でやりたいというのがあります。これは私もわかりますけれども、本当に安心・安全で安定した技術者を養成するのであれば、少し金はかかるかもしれないけれども19トン型で実習させたほうがいいということでお願いしています。

○赤嶺昇委員 予算の話は県も考えているかもしれませんけれども、あえて19トン型の実習船にしてもらって、その次の資格を取るためにも19トン型で資格を取って、さらに上の資格へ行くためのいろいろな部分を、皆さんとして言っていく必要があるのではないかと思います。離島航路も含めて、どうしても次の資格を取るためには―人材育成のための予算ですから、そこを出し惜しむ場合ではないと。要するに、次の資格、この仕事につこうとする若い人たちが、小型船舶にとどまらず次の部分も含めて対応できるようにやるべきではないかと、今後訴えたほうがいいのではないかと思っております。以上です。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 お尋ねします。免許を取得するということだけであれば、モーターボートでできるというのは、恐らく民間の専門学校などもあるのだろうと思います。最初に説明をされました、沖縄水産高等学校は、沖縄県内の水産業を今後どうしていくのかとか、離島航路の船長や機関士、県内の産業を担っていく人たちをどうするのか、そこが高等学校教育に問われているけれども、前任の校長は全く見ていなかったと。沖縄水産高等学校そのものを統廃合するという発想が、やはり大もとから議論が必要なのではないか、水産高等学校として逆に拡充する方向に持っていくというのが、皆さんから出されている陳情の大もとに願いがあるのではないかと感じました。それで、お尋ねしたいのですけれども、今の教育の中で専攻科の船長コース、機関長コースに進学者がいますけれども、この学校では1級小型船舶操縦免許が取れるけれども、その上の話をしたのは進学との関係で出てくるのでしょうか。

○大崎昭男参考人 進学の話と免状の話をいうと、先ほど言われている1級というのは小型船舶の1級で、大型船舶はまた別物で6級からずっとあります。進学というのは大学校に行くとか。専攻科というのは直接入っています。それ以外では大学校とか、別の学校の上級のところへ行って3級を目指すという話になると思います。そこで、生徒数が少ないというのは船員になる人が少ないという分母の話になりますので、進学といったら上級免状、20トン型未満で線引きをしていただいたらわかりやすいと思います。

○西銘純恵委員 卒業してすぐの就職内訳もありますけれども、学校を卒業してすぐ県内の会社で技術を生かせるのと、進学は上級免状を取って外航まで行けるのかわかりませんけれども、県としても、皆さんが日本の水産業に貢献するという考えで行くと思います。先ほど言った、モーターボートでも取れるから7トン型ぐらいのという話で校長は申請したということですけれども、やはり、従来19トン型でやってきたのを7トン型にするというのは、我々の頭では経費を落とす以外は考えられないのです。県立沖縄水産高等学校の教育をどうするかというのは大もとから議論が必要だと思いますので、校長がかわられたということで早急にその話を持っていくというのと、もう一点は、県教育庁の中に、技術的な面も含めて水産教育をどうするという専門家がいないのではないかとおっしゃったので、これは我々議会の課題として県の教育行政の中で取り組むことになるのかと思いますけれども、去年の10月24日に提出された改編案に対して実情や今後のことがわからないという陳情者の皆さんの思いは、多分県民側に訴えても理解する内容だと思います。ですから、県教育庁で平成27年度に改編がありますので、とりあえずストップということで、議論をして船長コースの人数をふやすとかも含めて、逆に抜本的に県立沖縄水産高等学校を単独の高等学校として、というところまで議論がいい方向に向けられるのではないかと思いますけれども、その考えに対してはいかがでしょうか。

○大崎昭男参考人 先ほどからのいろいろな話の中で、私が出しております資料の14ページと15ページを見ていただければ、今の船員の状況と先ほど言われた進学―船員になるための進み方、免状の話も若干わかるかと思います。ただ、この中には20トン型未満の話は出ておりません。私たち船員の立ち位置でいくと、今言われる19トン型の話はプレジャーボート―趣味でやられている方という位置づけの感覚はあります。泊漁港に停泊している船は19トン型だと思いますけれども、県立沖縄水産高等学校の方がそのような船で外洋まで行きます。ただ、沖縄の場合は即外洋です。入り江も余りないし、風の当たりもきつい中で、先ほど高山朝夫参考人も言われているとおり、小さな船でやると即、危険な海が待っているという状況だから小型船は危ないということだと思います。
 進学については、14ページ、15ページを見ていただければわかると思います。本日、琉球海運株式会社船舶部次長が来られていますので、そちらの補助者としての意見を話させたいと思いますけれども、よろしいですか。

○仲栄真盛康補助者 実際、現場として一番懸念するのは後継者です。今、我が社は116名の乗組員を抱えていますけれども、ほぼ90%以上は地元の水産高等学校出身者です。県立沖縄水産高等学校だけではないのですけれども、宮古水産高等学校―現県立宮古総合実業高等学校とか、以前の石川にあった海技学校の出身者です。それで、毎年1人、2人は県立沖縄水産高等学校から採用をかけていますけれども、これが安定的に供給されないと、そういうのがないと会社としても、日本全体的にも船員不足ですから、その心配はあります。それと、我が社は60年の歴史がありますけれども、ほとんど新卒から採用して育てていくというスタイルでやっております。今現在、我が社には船長が8名いますけれども、そのうち6名は地元の県立沖縄水産高等学校出身です。あと、1人、2人は本土の学校から来た者もいますけれども、それはそれで免許が1級でなければならないとか、そういった上級免許を持たなければならない場合に限って、採用した人たちもいるのです。全部が全部地元ではありませんけれども、先ほど大崎昭男参考人が言われたように、地元の船会社は、できるだけ地元出身であれば先輩後輩でずっと来ますので、我々も安心して船員採用ができるというのが―私、実は船員担当をしていますので、毎年水産高等学校の先生から、来年は何名採るのですかとか、次は何名ですかと聞かれますけれども、これは定年者との兼ね合いなので、自分だけで確実に何名と言えるわけではないので、徐々に定年者がいなくなるに従って採用するということではあるのですけれども、地元からは100%採るようにしております。というのは、船員教育というのは1年、2年でできるものではありませんから、特に期間は二、三年の訓練期間が必要なのです。ぽっと入ってきてすぐ翌日からできるわけではなく、我が社には1万トンクラスの船もあります。入った船員は最低でも半年から1年近く、定員とは別に訓練して育てていくというのが我が社の伝統になっております。要するに、ぜひそういった県立沖縄水産高等学校の専門の教育機関はあってもらいたいという意味で、今回の趣旨に賛同して参加している次第であります。

○西銘純恵委員 専門的に相当な学習努力が必要だと感じましたけれども、ぜひまだ間に合うと思っておりますので、後押ししたいと思います。頑張ってください。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 糸洲朝則委員。

○糸洲朝則委員 今までの議論を聞きながら感じましたけれども、高等学校の
3年間で専門技術・知識を身につけるということは、県立沖縄水産高等学校のみならず―私は県立沖縄工業高等学校出身です。工業、農業、商業、それぞれ見解がありますけれども、したがって受け入れる職場とか、あるいは県立沖縄水産高等学校でいえば、先ほどの専攻科とかその上の大学とか、そういうところを経て就職して、そこで研修を受けるというかなり長いスパンで考えなければならないのです。もう一つは、例えば海洋技術科を出て、進路は必ずしもその道に進むというわけでもない。我々県立沖縄工業高等学校の建築科でも、卒業後も建築をやっているのは2割ぐらいかという状況ですけれども、そういう観点からすると、この海洋技術科にどれだけ多くの生徒を集めるか。これがただですら先細っていくのです。だから、それはおっしゃるとおり廃科にするのではなく、むしろふやしていくことが重要かという認識は皆共有できたと思います。ただ、これは学校だけでできる問題ではなく、教育委員会しかり、場合によっては文部科学省あたりからもそれなりの通達を出してやるぐらいにしないといけないと思います。もう一つは、受け皿である皆さん業界と教育委員会、学校側とを一緒にした組織的なものができないのかという思いで聞いていたのですけれども、幸い、きょうは4団体の皆さんも来られておりますので、ぜひ学校側、教育委員会―教育庁については当然、我々議会サイドからも何らかのアクションを起こしていかなければならないと思います。きょうはそういう意味で、これだけの団体の皆さんが来ておられますので、自分たちの人材補充・育成のためにも、学校現場にもっと力を入れるという方向で取り組みをしていく。その組織づくりに着手してもいいのではないかと思いましたけれども、少し課題が大きいですかね。もしそこら辺に対する思いがあれば、お聞かせいただきたいと思います。

○大崎昭男参考人 ありがとうございます。全国的に船員不足ということが伝わってきております。国土交通省でも船員の確保・育成に関する検討会とか、いろいろな面では数字が出ています。その中で、私たちもやはり若手船員を育成していかなければならないという意味で、全日本海員組合独自で奨学金を今やっております。水産高等学校なり国土交通省の教育機関の人数には限りがありますので、なかなか進んではいかないのですけれども、国土交通省の船員の確保・育成に関する検討会の中でも、頭には優秀な船員を育てようというのがあるので、そこで私たちも単科で存続して、やはり優秀な船員を沖縄からも出していただきたいというところで今回、陳情しております。どこの船社でもそうですけれども、沖縄は特に居住指定があります。沖縄に住んでいないと沖縄の離島航路には基本的に乗れないという感覚がありますので、やはり沖縄の人なのかと思います。本土の船員が沖縄に来て、沖縄の離島航路の船員になるというのはなかなか難しいと思います。本土のほうも船員不足が伝わっておりますので、やはり居住指定がある中で、沖縄独自の船員育成が必要だと思います。今後とも全日本海員組合沖縄支部では、船員育成には注視していきたいと思っております。以上です。

○糸洲朝則委員 それと小型船舶操縦免許の、いわゆる19トン型の話がいろいろ出ております。十分理解できます。理解できますけれども、また視点を変えてみると、時代の変化、もう一つは機械化の促進―例えば、パイロットが実地訓練からシミュレーター訓練にかわりました。我々、製図を行う人間はT定規から今やCADにかわりました。おのずとそういう技術の進歩に伴って訓練機関は変化していかざるを得ないのが、皆さんの小型船舶操縦の資格を取る中にも波及しているのではと少し思いましたけれども、そういう現状はありますか。先ほどモーターボートという話も出たので、そういう変化があって、進化に対する対応というのも当然教育機関には望まれると思いますけれども、それはいかがですか。

○高山朝夫参考人 今の件に関して一番心配しているのは、やはり水産教育の中でこの範囲内で持てるときに、経済的な教育予算の問題もありますけれども、私は、安心・安全な運行をするためには―例えば、この前韓国船沈没事故が起きました。たくさんの人間が死にました。陸上と海上の違いは、今みたいにしっかりとした技術能力がないと死んでしまうということがありますので、この資格を持った人をしっかりとした技術者にするためは、19トン型でやれば安心です。しかし、5トン型の実習船で資格を取った人に19トン型の船を操縦させるかといえば、事故を起こしたら大変ですので私は絶対にさせません。そういう意味では、トップ教育をやる方法がベストな教育ではないかと思います。ですから、例えば普通乗用車の免許で大型バスを持てるとすれば、大型バスに乗せて訓練していたら安心です。しかし、大型バスに全然乗ったことがない人が、免許を持っているからという理由で運転すれば事故を起こす可能性もありますので、そういう意味では非常に危機的状況がありますので、私は資格取得の場合でも、できればその範囲内の運行ができる実習、施設設備をやって、教育活動をしたほうがベストではないかと思ってお願いをしております。

○糸洲朝則委員 これは今後ぜひ研究したいと思いますけれども、いわゆる免許取得のシステムが10年前、20年前とは違っているかもしれません。免許は取ればいい、免許を取っても実地訓練とか経験がないと使えないというのが現実の社会ですから、1級小型船舶操縦免許を取るには、当然何年経験という条件等もあるでしょうし、ですから、そういう免許を取得していく過程の中での一里塚として、まずは免許を取りやすい環境をつくろうとしているのかなと思いました。そういうのがありますか。

○高山朝夫参考人 大型船より小型船のほうがコントロールしやすいというのはあるかもしれません。これとはまた別に経済的な予算も計画できる。私はその2つのことは理解しておりますけれども、やはり安心・安全に活用させるためには、大型船で実習したほうが事故を起こす可能性が少ないですから安心だと思います。ですから、何がいい悪いというのではなく、この教育を通して技術者を育成したら、あそこの技術者には安心して任せられると。しかし、トン数が低い船でやると事故を起こしてしまう可能性があるので、そういう部分で私は理想的な教育活動を推進してもらいたいというお願いです。

○大崎昭男参考人 先ほどの免状の話ですけれども、1級小型船舶操縦士についてはないのですけれども、大型船については乗船履歴というのがあって、座学だけでは免状は取れません。やはり経験が必要です。やはり船社も、商品を入れれば相当な資産をその船長なり船員に預けるわけですから、そこは十分吟味していると思います。やはり県立沖縄水産高等学校の場合は教育機関であるので、ある意味広く浅く免状を取らせる位置づけではなく、即外洋というのがあるので、命の大切さを思えば今ある現状の19トン型の船でやるべきだと思います。沖縄の立ち位置を考えれば、本土の入り江で研修している場合とは違います。卒業生を即、荒海に出すわけですから、そこを校長、教諭の方々が考えれば、当然7トン型でいいよという回答は出ないと思います。以上です。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 比嘉京子委員。

○比嘉京子委員 今の20トン型未満の小型船舶について、本土と違って入り江でやるわけではないから、学校を出たらすぐに外洋だと。ですから、5トン型でも免許は取れるけれども、大きいほうが安全であると。とても説得力があると思います。もう一点は、先ほど伊集昇補助者がお話しされた中で、実習時間のお話がありましたよね。その時間のお話をもう少し詳しく聞きたいと思いますけれども、先ほど20時間が必要だと。今実習する学生は、小型の7トンになったときに天候に左右されやすいというお話がありましたよね。そうしたときに、もちろん天候ですからどれぐらい左右されるかというのは予測できないわけですけれども、今、19トン型であるからこそ20時間という実習時間の確保がなされていて、これよりも欠けるとそのことが非常に難しいとか、7トン型になったときの具体的な実習時間の確保について、どのような予測があるのかというのを教えていただきたい。

○伊集昇補助者 1級小型船舶操縦免許の場合は、実技時間が1人20時間と決まっています。教員1人に対して生徒は3人です。2人の教員がついていくと生徒6人を乗せられます。そうすると、6名の生徒を実習させるために昼の12時に弁当を買わせてそのまま船に移動して、12時半ごろに出航して、帰ってくるのは午後5時なのです。要するに、午後1時から実習が始まるとして4時間。そうすると1班2時間ずつなのです。これを20時間達成するには何回乗せないといけないのかという計算になってくるわけです。そうすると、2時間の10回で20時間ですけれども、営利団体では非常に静かなところで―泊でいえば、一文字防波堤の内側に教習用のコースがあります。県立沖縄水産高等学校の場合はそれがありませんので、しけると出て行けませんので、2時間の10回で終わらないのです。要するに、できる子もいればできない子もいるのです。1年かけてこれをやっていくのが教育現場の仕事だと私たちは思っていましたので、できない子はできない子なりにうんと時間をかけてあげないといけないのです。今までで一番時間がかかった子が40時間ですけれども、それでも通すのです。ただ、できないと通しません。これは海難事故を起こして海上保安庁に捕まったときに、海難審判にかけられて無免許は30万円即罰金です。船底をこすっても海難審判になるのです。航路妨害という罪に問われることがありますので、実技に関しては相当気をつけてやらないといけません。浅瀬に当てただけで、どこも壊れなくても船長としては報告義務がありますので、報告します。やったら最後、大変なのです。生徒が卒業して自分の船を持つことになったときに、海上保安庁の世話にはなってほしくないという思いがありますので、長い人で40時間―20時間で取れる子はまず少ないです。それを繰り返していって、20時間になるように1年かけてやって、90%ぐらい稼働日数があるというのはそれだからです。これがなくなると、その中に実技試験も含まれていますので、民間は試験は1回だけで落ちたらだめですけれども、うちは何回でもやります。だめなときは、きょうは予行演習ねと。そのようにして相当時間を費やしてやらないと、卒業していく人たちが自信を持って19トン型のマグロ船の漁船長になるかもしれません。そのように育てております。

○比嘉京子委員 ということは、カウントして20時間にという単純なお話ではないことがよくわかりました。もう一点は、先ほど海洋技術科の志願倍率が2.06倍というお話がありましたよね。今、高等学校入試でこんなに高い志願倍率はないと思います。やはり現場としては、人材が先細りになるのではないかという心配を持っておられる―日本全国そういうことらしいのですけれども、志願倍率の推移を教育庁から資料を出してもらって見てみようと思いますけれども、志願者が多いということを考えると、私は今再編云々の話ももちろんですけれども、やはりこれは定数を増にしていく必要さえあるかと思います。といいますのは、海上保安庁に就職した子も知っておりますし、ニーズとしては県内は県内で育てていくということも含めて、日本人船員が2384名に対して4万8279人が海外の方々になっているというのがありますよね。そういうことも踏まえると、ぜひとも今後は拡充の議論をしていただきたい。また、そうすべきではないかと思っておりますので、そこは要望して終わりたいと思います。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 新田宜明委員。

○新田宜明委員 高山朝夫参考人からの水産教育の必要性についての考え方は、非常に哲学的で感銘を受けました。安心・安全・安定―三安社会の構築のための考え方、離島県としての沖縄の今後のあり方とかを聞いて、大変すばらしい御意見だと拝聴させていただきました。同時に、海洋技術科という専攻科を特化して存続させてほしいという考えですけれども、やはり、より専門性を高めるためには、特化して科を存続させる必要があることをきょう非常に理解できました。全日本海員組合沖縄支部が出された資料の12ページに船員等の賃金の推移というグラフがありますけれども、ほかの産業に比べて賃金水準が非常に高いということは、それだけニーズがあるということの裏づけだと私は見ているのですけれども、そういう中で、県内あるいは国内で船員を充足させたくても人が足りないという現状があるということも、きょうお話を聞きました。県内においても、全国の賃金水準と大体同じような傾向だと思いますけれども、県内における船員の賃金状況はどうなっているのか、少しお話しいただきたいと思います。

○大崎昭男参考人 船員の話でいうと、日本人船員が非常に減ってきていると。そして、賃金が高いというのは、やはり海上労働の特殊性―離社会・離家庭。資料でいうと内航船になりますけれども、3カ月乗って1カ月休みという状況が一般的です。その中でいくと―3カ月乗りっ放しです。カレンダーでいう土日は余りなく、仕事があれば船を動かす、なければどこかに停泊するという、離社会・離家庭の位置づけで、賃金は高いと思います。先ほど言われた沖縄の立ち位置ですけれども、資料の18ページに船員保険の被保険者の数字を記載しております。左側にあるのが全国で、右側が沖縄の船員被保険者の数です。年々減少しつつあるのですけれども、沖縄においては一定の水準でキープされている感じはあります。賃金については、標準報酬月額ですけれども、沖縄においては若干低いという気はします。沖縄の場合、船員の位置づけでいうと離社会・離家庭というのが余りないと思うのでこの賃金でもやっていけるという気はします。沖縄の平均賃金からいうと高いのではないかというのはあるかもしれませんけれども、やはり船員は海上労働の特殊性という位置づけで全日本海員組合沖縄支部は訴えておりますので、高い水準で求めています。

○新田宜明委員 先ほど、海洋技術科を特化した科として存続させてほしいという要請がありましたけれども、我々が学校現場を見たときに、いろいろな分野が一緒くたになっていて、我々が想像していた県立沖縄水産高等学校ではないと感じたのです。ぜひこれから、こういった陳情を受けて、県立沖縄水産高等学校の教育のあり方について、皆さん陳情者も学校の校長、教職員も入れて、県立沖縄水産高等学校のあり方懇談会みたいなものを具体的に皆さんから提案して、相互に意思疎通ができるような議論の場をつくってみてはどうかと思います。そうでなければ、一昨年と去年に出ていました、校長からこういう意見が出ているからということで、既成事実化されてどんどん進行しているわけですから、こういった関係団体も含めて、早目に県立沖縄水産高等学校のあり方懇談会みたいなものを提案して設置できないかと感じましたけれども、いかがでしょうか。

○高山朝夫参考人 この件に関しては、こちらから提案した意見について、行政のほう、学校の職員と意見交換をして、そういう意味では皆理解していただいたと思っております。

○新田宜明委員 ぜひ、単なる意見交換の場ではなく、きちんと学校のあり方を今後どうするのかという常設的な機関として設置できるように希望して、終わりたいと思います。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 又吉清義委員。

○又吉清義委員 今、具体的に19トン型の船から例えば5トン型になるというのは、皆さんのお話を聞いて理解できない分野がたくさんありますけれども、以前、例えば私の後輩から聞くとマグロの実習船についてですけれども、やはり19トン型から5トン型になることによって、そういった実習の行動範囲といいますか、これが実現できるのかと思いますけれども、船の大きさが小さくなることによって、従来あった実習の行動範囲というのはどのように変化していきますか。かなり制限されるかと思いますが。

○伊集昇補助者 免許について混乱されているようですので、説明いたします。1級小型船舶操縦免許は、19トン型まで操縦可能で乗船履歴を要しません。要するに、本科2年生のときに1カ月の乗船実習があります。これは499トンの海邦丸5世でやります。これは大型実習船です。3年生のときに2カ月の乗船実習があります。これで本科のときに計3カ月の実習ができます。専攻科に行ったときに1年3カ月の乗船実習をやります。専攻科の1年生は4月に入学してすぐ出て行って、年明けて次の4月までは船からおりられないのです。マグロ漁実習をする実習船と、小型船舶の実習を一緒にされると話ができなくなりますので。小型船舶の実習の場合は、1級小型船舶操縦免許の19トン実習船の場合は、2年生のカッター実習―要するに、カッター船で伊江島へ行ったり、伊是名島へ行ったり、久高島へ行く実習をやります。もし大型船が転覆したりエンジンがとまったときに、救命艇というのは人がこがないといけません。海洋技術科の船長コースと機関長コースの生徒は船をこぐことをカッター船で学ぶのです。12名が一緒に力を合わせないと人命救助はできないということをやっていて、これと499トンの海邦丸5世とは全く別問題ですので、大型船は今、マグロ漁の実習にちゃんと出かけています。

○又吉清義委員 そこら辺がこんがらがっていましたけれども、少し理解できました。あと1点ですけれども、この19トン型で免許が取れる船がある中で、5トン型になろうかという代船建造についてですけれども、一つわからないのが、皆さんが使っている19トン型の船があと何年ぐらい使えるのか、早急に使えなくなるのか。なぜかというと、これが万が一といったらおかしいかもしれませんけれども、つくってからどうのこうのというのはかなり厳しいかと思います。ですから、あとしばらくお互いに本当に19トン型でいいのか、5トン型でいいのかという協議をする時間的なゆとりはどのようになっていますか。

○伊集昇補助者 19トン型のかりゆしは廃船にさせられました。平成7年に建造されてから私が退職するまで、ずっと新糸満造船株式会社にドックを入れていたのです。その後、初めて別会社に入札が落ちたということで、そこに持っていってエンジンをオーバーホールしてみると、割れているので修理をしなければならないと。結局、ドック費用も含めて、大ざっぱで正確な金額はわかりませんけれども1000万円かかると。それであれば、17年もたっているからと、代船のことも考えないで1億5000万円の国庫補助金でつくった船をいとも簡単に廃船にしてしまったのです。ですから今は何もないです。何もない中で、なぜ1級小型船舶操縦免許の教習ができているかというと、金額は定かではありませんけれども、前校長が300万円という補助をもらって、県立沖縄水産高等学校でできない分の実習をJEISに下請させているのです。教育現場でこんなことが起こっていいのかという思いもあります。船をつくろうといいながら、結局はつくっていないのです。これは1000万円かけても修理してくれと、ではあなたたちは向こう10年間使うのかと、大丈夫だと言ったのですけれども、結局のところ廃船にしてしまったのです。廃船にした理由が、船体が腐食している、エンジンの修理ができないと。とんでもないです。船体は耐食合金アルミですから、潮に強いアルミですから船体に穴があくことはまずありません。エンジンはGMといってデトロイトディーゼルのエンジンで、6気筒のエンジンを2つつないであるエンジンなのです。わかりやすくいえば、第二次世界大戦で使われた上陸用舟艇のエンジンだと思ってください。これが今でも使われているのです。沖縄県警察の偵察艇、これもまだそのエンジンが載っています。建造するときに日本国産の1000馬力程度のエンジンがないかと相当検討をしました。19トン型をつくっているところをあちこち回ってみると、国産の1000馬力程度のエンジンは非常に故障が多くて使い物にならないということで返事をいただいて、では、米国製のエンジンでもいいから載せようかといろいろ検討をして、GMというエンジンになりましたけれども、これは920馬力でした。これを定期的にドックに入れたときにエンジン整備をしたら、部品はいつまでもあると言われているエンジンでした。これを部品がないからとか、金額がかかりすぎるといった理由をつけて廃船にさせられてしまいました。以上です。

○又吉清義委員 最後にですけれども、今、皆さんの資料で日本商船が2535隻あるうちで日本人船員は2384人と。1隻当たり一人も日本人船員がいないのかと思ってびっくりしたのです。特に、島嶼県と言われる沖縄県にとって、皆さんが行っていることがいかに重要であるか、いかに急務であるかというのを少し勉強不足で改めて知った次第です。先ほど嶺井光委員からもありましたように、学校現場でも校長がかわることによって、そういったことは可能というニュアンスを受けたものですから、ぜひこれは積極的にお互い進めていかないとこれは余りよくないと改めて痛感したものですから、やはり学校現場からもお互いにどんどん声を上げるべきだと。わかりました、ありがとうございます。

○伊集昇補助者 補足説明をよろしいですか。先ほど、同窓会も団体・組合も学校と意見交換をする気はないのかという質疑がありましたけれども、これは高山朝夫参考人が現校長と会って、どんどん話を進めております。それから、歴代校長が連名で今の校長に会いに行って、水産教育とはこういうものだよねという準備をしております。このようにいろいろ手を尽くしていますので、どうぞ皆さんもお力をかしていただきたいと思います。以上です。

○大崎昭男参考人 私が提出している資料の最後、19ページですけれども、先ほど又吉清義委員が言われたとおり、日本人の外航船員が非常に少なくなっております。その中で、船員税制の話で三重県四日市市が一定の水準で減免を実施されるということで、日本人船員がいないという実情を訴えて地方自治体等には申し入れを行っている事実があります。以上です。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○呉屋宏委員長 質疑なしと認めます。
 以上で、高山朝夫参考人及び大崎昭男参考人等に対する質疑を終結いたします。
 この際、委員会を代表して、参考人等に一言お礼を申し上げます。
 本日はお忙しい中にもかかわらず、長時間にわたり貴重な御説明をいただき心から感謝いたします。
 本日拝聴いたしました内容等につきましては、今後の委員会審査に十分生かしてまいりたいと思います。
 高山朝夫参考人、大崎昭男参考人及び補助者の皆さん、ありがとうございました。
どうぞ御退席ください。
 休憩いたします。

   (休憩中に、参考人等退席)

○呉屋宏委員長 再開いたします。
 以上で、本日の日程は全て終了いたしました。
 委員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 本日の委員会は、これをもって散会いたします。






沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。

 委 員 長  呉 屋   宏