委員会記録・調査報告等

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文教厚生委員会記録
 
平成27年 第 6定例会閉会中

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開会の日時

年月日平成27年2月2日 曜日
開会午前 10 時 3
散会午後 3 時 34

場所


第2委員会室


議題


1 参考人からの意見聴取(陳情平成26年第79号、同第82号について)


出席委員

委 員 長  呉 屋   宏 君
副委員長  狩 俣 信 子 さん
委  員  又 吉 清 義 君
委  員  島 袋   大 君
委  員  照 屋 守 之 君
委  員  新 田 宜 明 君
委  員  赤 嶺   昇 君
委  員  糸 洲 朝 則 君
委  員  西 銘 純 恵 さん
委  員  比 嘉 京 子 さん
委  員  嶺 井   光 君


欠席委員

なし


説明のため出席した者の職・氏名

(参考人)(陳情平成26年第82号について)
  九州地方更正保護委員会第三部非常勤委員   山 内 優 子 さん
  九州地方更正保護委員会第三部非常勤委員   津嘉山 信 行 君
(参考人)(同第79号について)
  沖縄県脳脊髄液減少症患者支援の会代表    仲 吉 勝 弘 君
(補助者)((同第79号について)
  脳脊髄液減少症患者・家族支援協会代表    中 井   宏 君
  沖縄県PTA連合会会長  伊 敷   猛 君
  西原中学校PTA会長   比 嘉   昂 君
  被災児童の保護者     田 場 周 志 君
  被災児童の祖父      田 場   稔 君



○呉屋宏委員長 ただいまから、文教厚生委員会を開会いたします。
 参考人からの意見聴取についてを議題といたします。
 参考人として、九州地方更生保護委員会第三部非常勤委員山内優子氏、同非常勤委員津嘉山信行氏及び沖縄県脳脊髄液減少症患者支援の会代表仲吉勝弘氏の出席をお願いしております。
 参考人からの意見聴取を行います。
 参考人からの意見聴取については、去る平成26年10月7日の本委員会での決定に基づき陳情平成26年第79号及び同第82号の陳情審査の参考とするため、陳情者等からそれぞれ説明を求めるものであります。
 まず初めに、九州地方更生保護委員会第三部非常勤委員山内優子氏、同非常勤委員津嘉山信行氏から説明を求めます。
 休憩いたします。

  (休憩中に、参考人着席)

○呉屋宏委員長 再開いたします。
 参考人の皆様、本日は御多忙のところ御出席いただきましてまことにありがとうございます。
 参考人から説明を求める前に、委員会の審査の進め方について御説明申し上げます。
 まず、参考人から御説明をいただいた後、委員から参考人に対し質疑を行うことにしております。
 なお、参考人が発言しようとするときは、あらかじめ委員長の許可を得なければならず、発言は、陳情の趣旨の範囲内で行うこととなっております。
 また、本日は委員会が参考人の説明を聞く場でありますので、参考人が委員に対して質疑することはできませんので、御承知おきください。
 それではまず初めに、山内優子参考人、津嘉山信行参考人の順に、陳情平成26年第82号沖縄の少年非行に関する陳情の提出に至る背景及び目的等について、簡潔に御説明をお願いいたします。
 山内優子参考人。

○山内優子参考人 私から先に説明させていただきます。よろしくお願いします。
 きょうは、私たちのためにこの委員会を開いていただき大変ありがとうございます。皆様には、日ごろから児童福祉の向上に御尽力いただきまして大変感謝しております。それでは時間がありませんので、早速説明させていただきます。
 まず、皆様のお手元にお配りしてある「沖縄の少年非行を考える」要旨という3枚つづりがあるので、これをもとに簡潔に説明させてください。
 1番に目的が書いてありますけれども、私は元県職員で児童相談所などに勤務しておりました。こちらの津嘉山参考人は北谷中学校等の学校長として勤務しており、たまたま今回、私たちは九州地方更生保護委員会第三部の委員として勤務しておりまして、少年院や刑務所の仮退院や仮釈放を審議するところが九州地方更生保護委員会というところです。それで、昨年1年をかけて少年院に入っている子供たちを仮退院のために面接した結果、さまざまなことがわかりましたので調査をした次第です。
 2番目に調査対象を記載していますけれども、1年間で沖縄少年院を仮退院する子供たち46名を調査いたしました。全員が沖縄県出身者です。調査項目は25項目で、年齢や非行名といったさまざまなことを調査いたしました。4番目が調査結果の概要ですけれども、これをもとに説明したいと思います。
 沖縄少年院に入っている子供たちは、14歳から16歳までの少年が56.6%で全体の半数以上を占めており、これは全国と比べて約1.5倍であり、沖縄県の少年院に入っている子供たちは年少の少年が非常に多いことがわかると思います。年少の少年が多いということは、実は中学校卒業の子供と中学校在学中の子供がおりまして、中学校卒業少年が43.4%、中学校在学少年が26.1%となっています。それから、高等学校中途退学者が同数の26.1%になっています。全国は、高等学校中途退学者が32.8%で最も多く、中学校卒業者は30.4%です。高等学校在学者が17.9%という結果になっております。特に、沖縄県の子供たちが精神的に何か問題があるとか、知能指数が特に劣っているとかを全国と比較しましたら、特に沖縄県の子供たちが劣っているという問題は見られない結果が出ています。
 次に、少年院に入っている子供たちはどのような非行をして入ってきたのかというのが非行名になりますけれども、73.9%が窃盗で最も多いです。次いで道路交通法違反―道交法違反が8.7%で、道交法違反の内容は、無免許でオートバイ運転をするという内容です。それから傷害が6.5%です。窃盗は、全国の2倍で本当に圧倒的に窃盗が多いという結果が出ています。私たちが調査をして、なぜ沖縄県の子供たちは窃盗が多いのかと考え、幸い少年院に入っている子供たちの記録が私たちのところにはあり、それには生まれてから少年院に入るまでの細かな成育歴があるので全部洗い直して読んでみると、小さいときから非行をしているけれども、それが表に出てこないというのがわかりまして、その初発非行の開始時期を調査いたしました。そうすると、初発非行として万引きをした子供が5歳では4.3%、小学校1年生が13.1%、小学校4年生のときに初発非行を開始したのが17.4%で、78.3%の少年が小学校時代に既に初発非行を開始していることがわかりました。
 初発非行の内容ですけれども、大半が幼少のころに興味半分から万引きを開始して、それから自転車暴走、自転車窃盗を経て、小学校高学年になると地域の不良中学生との交流が始まり、喫煙とか飲酒などを教えられて、そして中学生になりますとオートバイの無免許運転に発展していきます。オートバイ窃盗、それから自動販売機荒らしがあります。どのような自動販売機を荒らすかというと、たばこの自動販売機です。ほとんどの子供たちがたばこを吸っていますので、今、たばこは成人識別ICカード、いわゆるtaspo(タスポ)を持たないと買えませんので、それで自動販売機を壊してたばこを盗むという窃盗に発展しています。
 少年たちがどのような家庭に育ってきたのかという保護者の状況ですけれども、親が離婚して実母のみの母子家庭で育ってきたのが半数の50%でした。次に、実父母が30.5%で、再婚家庭は実父義母よりも義父実母、つまり母親が再婚して2番目、3番目の父親と一緒に生活しているというのが多かったです。それは全国においても同じ傾向でした。生活程度ですけれども、本県の非行の子供たちが置かれている状況のほとんどが貧困家庭で60.8%であり、全国の2倍以上です。普通家庭は37%で全国の半数でした。つまり、全国は普通の家庭が67%で、貧困家庭は29%ですけれども、沖縄県の場合は全く逆という結果になっています。それから養育環境ですけれども、放任が63.3%で最も多く、次が暴力や暴言で34.8%。これは明らかにネグレクトに当たると思われるのが2.2%ありました。
 それで、沖縄県の少年非行のもう一つの特徴として非常に学力が低いという状況がありまして、学習状況も少年院に入るまでに既に98%の少年が落ちこぼれており、中には小学校1年生のころから学業についていけなかった少年もおりました。それが不登校につながっていき、86.9%が不登校状態になり、小学校で不登校を開始している者は17.5%です。中学校に入るとこれが一気にふえまして、67.5%の少年が不登校になっておりました。
 あと、沖縄県の特徴として、共犯者が非常に多いことが挙げられます。本県の少年は84.8%が共犯者を有しており、対して全国では57.5%であり、全国と比べて27.3%も高いという結果になっています。
 あと1つの大きな特徴として、不良集団とのかかわりも挙げられます。これは地域に義務教育を卒業した少年から青年たちがおりまして、本県の少年は78.3%が中学校あるいは高等学校に在籍している不良生徒・学生とかかわりがあり、地域の不良集団とかかわっているのが67.4%おりました。暴走族とのかかわりは21.6%で、幸いにも暴力団とのかかわりはほとんどありませんでした。全国では、不良集団とのかかわりがないというのが半数以上の50.7%でした。
 それから、少年院に入り、親との面会の際、親との関係が一時的によくなっていくわけですけれども、少年院に入る前の保護者との関係は、ほとんどが親が何を言っても聞かないといった敵対反発が60.8%で最も多く、それに次いで無視状態が37%で、保護者との関係が悪化している状況にあります。保護者との融和はたった1人でした。
 そして、暴力の状況として、家庭内で暴力を振るわれている者が67.4%で、それだけではなくて地域の先輩から47.8%、同じ遊び仲間から56.5%が暴力を振るわれており、家庭で暴力を振るわれて地域や遊び仲間からも暴力を振るわれて、まるで生き地獄だったという少年もおりました。
 また、再入院率の高さも沖縄県の特徴として挙げられます。本県の再入院率が28.3%であるのに対し、全国は17.8%で10%以上も高い状況です。私たちが面接し退院して、一年もたたないうちにまた入院しているという子供たちもいます。では、なぜ子供たちが再入院するのか。退院したほとんどの少年が働きたいと思っているのです。入院前の少年は無職が23.9%で頻回転職が32.6%。大半の少年がニート状態にあります。だからいろいろな問題を起こすわけです。ところが、少年院に入って訓練を受けて、退院後は真面目に働きたいと思っているけれども、残念ながら就職先が決定している者は28%であって、72%が未定です。
 帰住後の問題として、少年たちの中には退院するときに出たくないという少年もいます。その少年たちが最も懸念しているのは交友関係です。地域に戻ると、また遊び仲間や先輩が待っているという不安を持っている少年が76.1%に上る。次いで多いのが、仕事がないとか仕事が決まっていないなどの就労関係が6.8%、それから52.2%が親との関係といった家庭関係に不安を抱えています。そういった中で、子供たちは退院していくことになるわけです。それで、どこに帰るのかというと、中には県内にはいたくないという少年もいるけれども、実際に県外へ行く子供は6.5%で、大半の93.5%が県内にまた戻りますけれども、多くの不安を抱えたまま少年たちは退院していく状況にあります。
 ここに参考資料をつけていますけれども、私たちは全都道府県に少年院があると思っていましたけれども、宮崎県や鹿児島県、佐賀県には少年院がないということで、沖縄県は男子は沖縄少年院、女子は沖縄女子学園がありますけれども、そこには沖縄県のみの少年少女で満杯状態であると。
 それから、保護観察事件の新受け入れ人員ということで、平成25年少年院を仮退院した者は沖縄県では91名であり、沖縄県とほぼ同人口の長崎県は21名ということで、これから見ても圧倒的に沖縄の少年非行は多いということがわかります。
 それでは、次に津嘉山信行氏にかわりたいと思います。

○呉屋宏委員長 それでは、津嘉山信行参考人。

○津嘉山信行参考人 先ほど山内参考人がお話ししたように、これまでの調査の内容等説明がございまして、私のほうは重症化した沖縄の少年非行を今後どのように克服していくのかということで、今回の提言にまとめております。
 先日も面接をしてきたわけですけれども、この少年がこのような大それた非行を次々と重ねていったのかという、目を疑うような経験を持っているわけですけれども、少年少女においてはもとの少年少女の姿に戻っているかと思います。素直にいろいろお話も聞いてもらえます。
 まず、非行が非常に幼いとき―5歳前後から非行行為にかかわっているというのが大きな特徴です。沖縄タイムス紙に9月3日に報道されたのが、5歳から万引き、要するに窃盗を体験し、それに対して親と学校が連携したきちんとした指導を受けてないということだと思います。そういった児童生徒の問題行動で一番多いのが窃盗で、初発非行として年間250名程度が計上されていると。やはり具体的な提言としては、家庭と学校を結ぶ働きをする担当がどうしても必要です。私もかつて中学校に勤務していましたけれども、小学校との連携が非常に重要で、特に小学校の担任教諭、それから各家庭の情報をきめ細かく中学校の生徒指導担当と連携して、中学校に上がるまでにはどのような家庭のどのような子供が入学してくるのかという状況をきっちりつかむことが大変大事だと思います。中学校へは生徒指導担当が配置されていますけれども、小学校にも主にそういった業務に係る担当教師が必要かと思います。もちろん授業を持ちながらいろいろやっていくので、大変なことではあると考えますけれども。
 2つ目には、貧困・放任・ネグレクト家庭への支援が挙げられます。これは、ほとんどの家庭がひとり親家庭で、経済的にも非常に厳しいという中で十分にしつけを受けないままに小学校から中学校へ送られ、中学校に来た段階では非常に困難な事例が多いと。先日もある事例を見てみましたら、中学校の校長が家庭裁判所で意見を述べて記録されていたのですけれども、中学校へ来るまでに何らかの手を打つことができないか。中学校に来るまでに厳しい状況があり、涙ぐましい対応をしているにもかかわらず、次々と非行を繰り返す。そして少年院に来て初めて窃盗が悪いことだと気づく生徒も実際にいるのです。勉強も、そういうしつけがほとんどなされていないので、少年院に来て初めて学ぶ喜びを味わったという生徒もいます。中には、漢字も書けない、掛け算九九もわからなかった少年もいるわけですけれども、少年院の矯正教育で初めてそういった希望を持って、高等学校にも進学したいと。これまで勉強がわからず、希望を失った子供たちが不登校になるのは時間の問題ですので、学校にそういった居場所のない少年であったり、家庭で親と反目する少年が寂しさから徒党を組んで、非行を重ねていったというのが子供たちの状況です。やはり、勉強がわからないということは希望を失うことですので、少年院に来て初めて学ぶことになった少年たちにも、彼らの夢を支援する仕組みが必要かと考えます。
 2番目は1番目と関連しますけれども、教育と福祉との連携で、現在学校では学習支援もいろいろなされているわけですけれども、よりもっとシステム化して、私の情報では、茨城県や埼玉県では学校を退職した方が地域の施設で学習支援をして、親にも支援をしていくという仲立ちをしている。我が子が勉強に集中し、理解をし始めると親も元気が出ますので、親も支援しながらそういったことができるようなスクールソーシャルワーカーを配置して、非行予防にもなりますので、そういった教育と福祉の連携を図ることが必要かと思います。
 それから、不登校児童の件ですけれども、子供たちは遊ぶほうが楽しいという環境の中で過ごしているので、勉強に関しては本当に切実なものがあります。それと、小学校低学年から授業についていけないという環境のもとでの少年ですので、当然落ちこぼれてしまうわけです。学校はもちろんそういう子供たちも含めて、いろいろな手を打ってわかる授業の展開を工夫されているわけですけれども、基本的なしつけがなされないので家庭学習もままならないし、先生の話も落ちついて聞くことができません。そういったことで、どのようにして学習支援を含めた不登校解消の居場所をつくるのかが非常に重要かと思います。学校関係者が福祉と連携を図って児童館などを活用し、学習支援あるいは夜の居場所を設置する。大体そういった家庭の母親は夜に仕事をしている皆さんが多いので、ひとりぼっちです。子供たちから寂しいという話は実際に聞いています。心苦しくなるような気の毒な状況の中で、構ってほしい時期に親の愛情も十分受けられず、家庭に居場所がない。学校でも勉強がわからないという形で、にっちもさっちもいかないような状況に追い込まれているのが少年たちの印象です。そういうことで不登校児童の解消、夜の居場所の設置が必要かと考えます。
 それから、面接をして何が不安かというと、親子関係に対する不安を持っています。お母さんやお父さんとうまくやっていけるのか。親も暴力でしつけていることが多いので、親への拒否反応があるわけです。親子関係をどう修復させるかが非常に大事な部分かと思いますけれども、これは処理方針でも示しているとおり、少年院や保護観察所等でそれに向けて精いっぱいやっているわけですけれども、とにかくこの辺の親子関係を少年院に入っている間に少なくとも改善させ、親の考えを修正させて子供とかかわる状況をつくっていく必要があると思うのです。それと同時にもう一つの不安として、これまでいろいろやってきたけれども、この友達ときちんと交友を断ち切れるかと面接の最後に必ず切り込んでいます。これは、地域の不良集団消滅に向けて再教育し、就活指導をきちんとしてほしいということです。
 就活指導については5番目の提言の中にありますが、神奈川県立田奈高等学校など実績を積んでいる学校もありますので、そういった学校が沖縄県にも必要だと考えます。かつては沖縄高等学校とか中央高等学校等ございましたけれども、高等学校へ行って、改めて頑張って成功している事例はたくさんありますので、そういった類いの学校が必要かと考えます。地域に子供たちが帰っていくけれども、その地域での受け皿の拡充に向けて地域と連携して取り組む。そのためにもこういった条件整備をやっていただきたいと思います。
 6番目から8番目ですけれども、これは親子関係の改善についてですが、親に対する暴力防止のプログラムを組んで、少年院でも徹底してほしいということを要望しています。そして、母子生活支援施設ですけれども、沖縄県には母子寮が3つほどしかないので、こういったショートステイやトワイライトステイを実施して、働くひとり親世帯の親御さんを支援する施設を拡充していただきたい。それから養護環境のために児童館や夜間保育所、夜間学童の設置というのが県内においては非常に立ちおくれている気がいたします。
 以上、提言として御説明いたしました。

○呉屋宏委員長 参考人等の説明は終わりました。
 これより参考人等に対する質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないように簡潔にお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 赤嶺昇委員。

○赤嶺昇委員 この資料―「田奈高校キャリア支援センター」の概要について説明していただきたいのですが。

○山内優子参考人 これはきょう急遽追加したものですけれども、実は2月にニート・ひきこもりの全国大会が行われます。その準備をしているところですけれども、一昨年に宮本みち子というひきこもり・ニートの第一人者の先生が沖縄県にいらして講演をした際の資料に、たまたま神奈川県立田奈高等学校の資料が入っていまして、田奈高等学校は入学試験のない誰でも入れる県立の高等学校だということで、入っただけではなく、入った後就職したいという在校生のためのキャリア教育がなされていることと、私も実は講演会のときに聞いたのですけれども、田奈高等学校に宮本先生はかかわっていたとわかりましたので、急遽つけさせていただいたのです。卒業生や退学者に対しても継続的な支援をしているということです。田奈高等学校の中にキャリア支援センターというのをつくって、そこで仕事につくためのさまざまな教育をしているということで、私も詳しい中身はわかりませんので、ぜひできれば委員の皆さん視察をしていただけたらと思っております。
 それから、裏面の中学校卒業者等進路支援事業の仕組みということで、私はこれをぜひやってほしいと考えているのですけれども、沖縄県でも中学校を卒業しても、進学も就職もせず何もしない子供たちが毎年結構いるわけです。先ほどの資料の提言の下に、中学卒業後の状況として進路未定者が759名と記載されています。ですので、毎年500名から700名近くの子供たちが中学校を卒業してそのまま出されるわけですけれども、中学校を卒業した子供たちがそのまま仕事につけるわけではないし、仕事についても長続きしないということで、中学校を卒業した子供たちの相談場所がないということを非常に気にしていましたけれども、この資料を見ましたら、札幌市教育委員会から中学校を卒業した子供たちに対して案内文を送って、サポートステーションがありますよとそこにつなぐための仕組みを教育委員会と市内の中学校、高等学校が連携をとりながら、そういう進路未定者の情報を提出してもらって、これをもとに各家庭に送ってこういう相談をしていますよというのがありまして、ぜひこういったことを沖縄県でも取り組んでいただきたいです。幸いサポートステーションは県内に既に3カ所誕生していますので、そういったことをやっていただきたいと思い、この資料をつけました。

○赤嶺昇委員 中学校卒業後の進路未定者759名というのは、毎年大体同じ数字ですか。

○山内優子参考人 毎回出ており、全国と比較しても4倍ぐらい多いのです。それは、私どもも少年院に入っている子供たちを見ても非常に実感します。非行の子供が多いので、この子供たちは卒業式もきちんと参加させてもらえません。学校に来なくていいと、卒業させるからという中で、そのまま出されているわけです。この子たちのその後の行き場や相談する場がないということで、結局は地域の不良青年たちとかかわっていくしかないというのがあって、毎年これぐらいの子供がいるというのはそのとおりだと思います。

○赤嶺昇委員 この対応については、県を含めしっかりできていないというのが現状ですか。

○山内優子参考人 できていないと思います。相談するところがどこにもありません。やっとサポートステーションができましたけれども、これだけの子供がいて、どこにどういう子供たちがいるというのが皆わからないわけです。それを本当に知っているのは、中学校なり高等学校だと思うのです。

○赤嶺昇委員 提言が8項目ありますけれども、こうした提言は県には出されましたか。もしくはきょう初めてですか。

○山内優子参考人 私たちが調査をした時点で、調査だけではなくきちんと提言したほうがいいということで、早速まとめて、まず県教育長に要請へ行きました。その後、前副知事にも要請へ行き、そして県議会議長にということで、3カ所に提言を持っていって説明しております。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 島袋大委員。

○島袋大委員 調査している内容を聞きましたけれども、落ちこぼれという表現はやめたほうがいいと思います。私自身も落ちこぼれだったので、こういう表現を聞くと余計ひねくれるのです。だから、そういう言葉はもう少し考えて表現をしたほうがいいと思います。これから子供たちが頑張るという意思表示をするためにも、そういう表現は考えたほうがいいかと思っています。
 中学校卒業者がこういった形で少年院に入る率が高いとおっしゃっていますけれども、その前に在籍した中学校があるわけだから、中学校の先生たちからこの子は在籍中どのような子であったとか、アンケート調査のようなものはとられていないのですか。要するに、中学校を卒業した後、少年院に入る子供の数が沖縄県では多いと。そうであれば、在籍した中学校の担任もろもろ含めて、この子はどういう性格でどうだったというデータはないのですか。どうなっていますか。

○津嘉山信行参考人 これは、少年が虞犯事実の段階で少年鑑別所へ送られます。そこで家庭裁判所の調査官が心理検査、親子関係、家庭環境等を含めたいろいろなデータを調査して、家庭裁判所に諸資料が送られます。この子にはこういう教育が必要ですから、少年院ではこういう矯正教育をしてくださいという具体的なカリキュラムつくりを提言されています。もちろん学校現場から家庭裁判所へ、この子についての学校生活の様子や成績、その他諸行動等のデータは行きます。

○島袋大委員 ここが大事だと思うのです。経験上、中学校時代の傾向として中学校2年生の夏あたりからひねくれますよね。そういったものを考えると、中学校1年生のときは成績がよかったけれども、中学校2年生の夏以降、2学期の中間テストから成績が落ちたとか、そういうデータが出てくると思うのです。そういうものを各学年の担任がどう把握して、進級する際に引き継ぎして、こういう問題が起きたときに学校担任は学習指導や進路指導、生徒指導をしてきたというデータがあるはずです。そういったものを含めて、カウンセリングもろもろを照らし合わせてやるのが普通ではないかと思いますけれども、そういったやるべき、データがあるのではないかという思いもあります。
 あと1つ、少年院を出て地域へ戻るのが嫌だという。不良集団が多いと沖縄は言われているけれども、当然です。沖縄は大体が集団です。こういうヘッドは地域にずっといるわけだから、地元に帰りたくないわけです。だからそういう傾向になっているわけです。ですから、地域活動や青年会活動を地域別にして各市町村の青年会の割合を出すと、非行の勢いはあるけれども、年齢を重ねるごとにだんだん地域に落ちついて、地域に貢献している市町村もあると思うのです。この青年会活動や地域活動がないところとあるところでは、少年院を出た後に、いろいろな面で地域の皆さんと交流する機会の割合も出てくると思うのです。こういうデータも調べてほしいのです。多分おおよそで出てくると思うのです。帰りたいような、集まる場所が地域にはない。けれども、怖い先輩の頭がいるからなかなか交流ができないというのがある。しかし、皆が輪になってそういった形があるのであれば、昔はこうだったけれども今は頑張ろうなという雰囲気づくりがなされてるのかも調べるべきだと私は思っています。
 今、先生方が話したように、神奈川県立田奈高等学校については先ほど少し聞いて、なるほどなと思っているけれども、ぜひこの参考人招致へ出る前に参考人方が現場を見に行って、こういう学校ですので文教厚生委員会でも行ったほうがいいのではないかと言ったほうがもっと重みがあったと思います。時間がなかったと思いますけれども、これはまた文教厚生委員会でいろいろ諮ると思いますけれども、そういったもろもろを含めて提案されるのであれば、現状の中学校との連携がどうなっているのかが問題なのです。
 最後に聞きたいのですけれども、小中学校の家庭訪問はこれまでどおりやっていましたが、今、市町村別に分けられていますので、家庭訪問では家庭に入っていないところもあります。玄関口で家庭訪問をするところもあれば、喫茶店やファストフード店でやる家庭訪問もあるのです。やはり今の現状を見て、家庭訪問は通常、家庭の中に入って親御さんと膝を交えてやるべきだと私は思っていますけれども、どう思いますか。

○津嘉山信行参考人 全ておっしゃるとおりだと思います。私たちは、あくまでも少年院での面接を通しての諸資料、データに基づく提言であります。もちろん地域で育てて大活躍している事例はたくさんあります。それと、家庭訪問の件が出ましたけれども、自分の体験からして、やはり学校の教師というのは学校で子供を預かって、いろいろな面―8割以上は責任を持って、学習指導や生活指導やらを行わなければならない立場にあると思います。その中で、家庭訪問の重要性も十分認識しているつもりです。ただ、県内でどういう形で具体的に、玄関先でやっていることも耳にしないわけではありませんが、そういうところも大変重要なことだと思います。それに関連して、学校教師の非行にかかわる実践の方向性等について資料を出してございます。貧困とか非行は非常に深い関係がありますけれども、やはり教師が子供たちときちんと向き合って、関係性をつくることが大変大事な例だと思います。犯罪心理学研究第43巻第1号の資料をごらんください。この実践は学校教師の力量にかかわる部分でありますが、どうしても教師は研修によってこういう荒れた学校をどうちゃんとしていくのか、それからそうではない学校との違いは何なのかをまとめたのが、学校の荒れと生徒文化についての研究です。その最後の12ページに、学校の雰囲気が非常に重要で、楽しい学校とか皆がきずなをしっかり結んでいる学校は、荒れている子供であっても自分たちはまずいことをしていると感じるそうです。しかし、荒れている学校と落ちついている学校との違いは、周囲の人が問題行動をした生徒とどのようにかかわるかということが重要な課題です。それに向けての教育実践例が幾つもございますけれども、結論として、先生方がそういった研修を自主的に受け、そういう時間を職務専念義務免除などをして保証する。それは少年院もどの施設もそうですが、研修によってしか子供たちへの対応、実際の効果は上がらないわけです。一言でいえば、きずなづくりの実践を先生方が身につけて学級経営、それから学年、生徒会とそういった中で克服した実践例も幾つもありますので、私としては先生方に、子供を預かった以上そういった力量を高める研修、もしよければ、時間に支障がなければ自分でお金を出して、研修に参加して力量を高めるような、そういった研修を大いに奨励していただけるような雰囲気が学校には必要かと思います。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 狩俣信子委員。

○狩俣信子委員 この提言を読んで、本当にしっかりと私たちが沖縄の子供たちを守り育てていくために、ぜひやらなければならないだろうと思いました。中学校を卒業しても行き場がなく、地域の先輩たちとつるんでというのが結構ありますよね。私は今首里に住んでいまして、卒業式に参加したのです。そうすると、その学校の生徒指導の先生方が、問題を持った子供たちが玄関に何名か待っていて、子供たちをそこに引きずっていかないかととても心配していたのです。現実問題として各学校にそういったものがあって、子供たちの行き場所をどうつくるかというのはとても大事なことだと思っています。卒業した子供たちもそうですが、新たに卒業していく子供たちの居場所づくりも早急に必要だと思っております。サポートステーションが3カ所あるとおっしゃいましたよね。このサポートステーションについても、なかなかどこにあるのかわからないというのが実態だと思うのです。果たしてこの文教厚生委員会の委員の中でもどこにあるのだろうかという感じだと思うのです。そういうサポートステーションの周知徹底とか、子供たちが大変なときにどこに行けばいいという道筋みたいなものをつくっていかなければならないと思いますけれども、そこらあたりは今どうなっていますか。

○山内優子参考人 やはり十分周知されていないと思います。おっしゃるとおり、どこにあるかと聞かれてもきちんとどこにあると答えられる方がいないのではないかと思います。現在あるのが沖縄市のサポートセンター、それから浦添市の「地域若者サポートステーション琉球」、あと名護市の3カ所にあるわけです。一番必要な人に必要な情報が届いていないというのが一番大きな問題なのではないかと思っていますので、そういった意味で、先ほど説明した札幌市の中学校卒業者等の進路支援事業のような、具体的に必要な人に必要な情報が届く仕組みをつくらなければならないと考えます。

○狩俣信子委員 地域の中で、子供たちがかかわってもっと悪い方向にいくと困るという思いをたくさん持っていながら、そこらあたりをしっかりサポートできるシステムがまだ沖縄にはないと思うのです。実は、少年院を退院してきてもどのようにしたらいいのかと保護司とコンタクトをとったりするのですけれども、それだけでは不足の部分も出てくるのでしょう。そういう中で、スクールカウンセラーといった皆さんも含めての地域サポートづくりというのが、各中学校に1つずつは必要ではないかと思ったりするのですが、実感としていかがですか。

○津嘉山信行参考人 私が中学校に勤務していたときは、役場に養護対策課というのがありました。つまり、この子をそのままほったらかしていたら、あるいは少年院から戻ってきた少年たちについても同じだと思いますけれども、サポートチームをつくらなければいけないと思います。このままだと間違いなく事件・事故を起こすと。それを未然に防ぐために、既に非行に達している家庭に対して、例えば役場や学校担任、校長、それから少年サポートセンター、少年課といったもろもろでサポートチームをつくって、それをずっと継続して中学校を卒業した後も見た事例があるのです。例えば、少年院から学校へ戻ってきて―あと1カ月もすれば卒業する子供たちも現実にはいるのですけれども、その後どうするかというと、やはりこの子へのサポートチームをつくって対処していくと、事件・事故は未然に防げると思います。

○山内優子参考人 補足します。今の話は、北谷町で集団暴行事件が起きたときに、あの事件を受けて北谷町で教育委員会も含めて、関係機関が一人一人にサポートチームをつくって対応したということです。本当は、県教育庁がそういうシステムをきちっと各中学校に広げていけばよかったのですけれども、それが広がらなかったということがあります。今回、私たちがこのような調査をして提言したのは、できればやはり県教育庁が音頭をとって―今は学力向上対策に非常に熱心ですけれども、それと同じような形でこういう子供たちのためのチームをつくって、全県的に指導してほしいと非常に強く思っています。

○狩俣信子委員 私も学校教師をしていて、自分のクラスにいろいろな問題を起こす子がいるときに、1人、2人なら何とか対応できるけれども、3人、4人になったときの対応は本当に難しいですよね。担任だけではどうしようもないという状況が出てきて、こんなにたくさんの問題を起こしてしまうと学級担任だけの力では及ばないところも出てくると思うのです。だから、本来であれば、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーが全学校に配置されるべきだろうと私は思うのです。今、それは全学校ではありませんよね。そこらあたりは問題だと私は思っていますけれども、いかがですか。

○津嘉山信行参考人 ある市では、そういう子供たちのために5名とか10名とか配置している状況ですけれども、やはりこういう対応の仕方というのは個人対応といいますか、カウンセリング的な手法で行うけれども、もっと効力のある指導法があるわけです。それはやはり先ほどもお話ししましたけれども、職員集団全体がそういう力量をつけて、そういう子供たちとの関係性をつくり上げていく。一言でいうときずなづくりです。学級経営にしても学年集団にしても、特に生徒会なども大きな影響を持ちます。子供たちが学校内におけるさまざまな自分たちの仲間のことを全部吸収して、一緒に居場所づくりをする、学級に取り組む。そういうことを教師の実践として力量をつけていくということは、やはり個々の対応以上に大変重要なことだと思っております。

○山内優子参考人 今の御意見もごもっともです。あと、非行に走った子供たちは、本来なら幼少期から福祉の恩恵を受けてくるべきであったはずです。けれども、それが受けられないまま来た結果、こういう形になってしまったということがもう一方ではあると思います。そういう意味で、福祉と教育をつなぐ役割としてのスクールソーシャルワーカーはとても大事な存在で、国が子供の貧困対策に関する大綱をつくって、その中でスクールソーシャルワーカーを配置するというのが幸いにも出ています。沖縄県には沖縄振興一括交付金があるので、それをぜひ活用して、小学校の段階から各小中学校にスクールソーシャルワーカーをぜひ配置してほしいと思います。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 沖縄の抱える大きな問題だと思っています。初発非行の開始のところですけれども、5歳の万引きが4.3%という、沖縄の場合は幼少のころから非行をしていて、福祉の話もされましたけれども、例えば保育所できちんと保育を受けているのかとか、幼児教育をきちんと受けているのかとか。幼児として一般に成長できるような、成育がないということで先ほど受けとめましたけれども、そこら辺の解決方法はどのように考えていらっしゃるのか。

○山内優子参考人 確かに保育所もあります。けれども、夜働いてる母親にとっては夜間保育所は近くにありません。沖縄県では三、四カ所です。この調査の結果でわかったことは、夜働いてる親が多いということです。夜間保育所がないために兄弟同士に預けたり、祖父母に預けたりしますけれども、きちっと見てもらえないというのがあります。そして、昼は親は寝ているので、子供はそのまま1人で遊んでいる。そういった中で、ふらふらと外に出てコンビニエンスストアで自分が欲しいものをとるといったことがありますので、そういう意味では本当に夜間保育所がないとか、小学校に上がっても夜間学童は沖縄には全くないので―昼間働いている親でさえも、やはり子供だけを家に置いておくのはよくないということで学童保育があるわけですよね。それなのに、夜間働いている親のための夜間学童は全くないと。そういった沖縄の福祉施策の立ちおくれが、今回のような全国一非行少年が多いという沖縄の現状につながっているのではないかと思います。

○西銘純恵委員 前から提言されている夜間保育所や夜間学童等については、沖縄の母子世帯が多いという指摘があるように、行政がやる仕事としてはそこに力を入れるというのは明らかに示されているわけですから、やはりそれは私たちがふやしていくということでやらなくてはいけない課題だと感じました。 あと、教育との関係ですけれども、先ほど学校の中で不登校になると、学校の授業についていけない。そういう子たちをどうするかというと、例えば小学校1年生から授業についていけないというのが確実に出ていると思いますけれども、その1年生の段階からクラス担任を越えて、学校内に沖縄県独自の考え方で体制をとるといいますか、そこら辺についてはどのような考えを持っていますか。

○津嘉山信行参考人 これは大変ポイントになることだと思います。要するに、シティホーリーですので、そういう親御さんにかかわれる人―スクールソーシャルワーカーであるかもしれないし、例えば、Aさんの言うことは聞かないけれども、この親御さんにかかわったBさんの言うことなら少しは耳を傾けてくれるかなという、いわゆる子供をめぐっての大人としてのかかわり方を、担当の方は家庭と学校担任の先生と常に連携しながら、学校においてはそういった子供が学級の中で受け入れられるような遊びを通した実践とかいろいろありますけれども、それはやはり学校側が工夫をして家庭と連携をとり、勉強も面倒を見て、しつけも教育実践でかかわってやっていくと。その部分が大変必要かと思います。

○西銘純恵委員 沖縄県における民生委員、児童委員の充足率が低いということがありますけれども、ちょうど先ほど北谷町のお話をされましたが、昔、浦添市でも中学校で暴行死亡事件がありました。学校の中で民生委員、児童委員も含めて地域で子供たちを見守るという気運が一時期高まりました。けれども、今の民生委員、児童委員は定数そのものも少ないし、頑張ってマンツーマンで面倒を見ている方も確かに地域にはいらっしゃるのです。そういう意味では、その皆さんの体制、現状をどう見ていらっしゃるのか。それと、今話された家庭と担任をつなぐような、一緒になって親に対しても子供に対しても、小中学校の教育を受けられるようにやっていくという何らかの手だてというか、システムづくりとして何か考えることがあるのかお聞きしたいです。

○山内優子参考人 確かに、民生委員、児童委員は非常に大事な役割を担っておりますけれども、西銘委員おっしゃるように、最近は残念ながら定数が埋まらないという状況があります。私は、その一因として手に負えない子供たちが非常にふえているので、地域内の民生委員、児童委員は大変な仕事だと考えます。他県の民生委員、児童委員とは非常に違う大変さを沖縄の民生委員、児童委員の皆さんは感じていらっしゃるのではないかと。だから、口コミではないですけれども、大変だという話からなり手が減ってきているのかと考えます。それで私たちは、まず学校と福祉のつなぎ役としてスクールソーシャルワーカーを配置したほうがいいということと、授業についていけない子供は、本当におっしゃるように小学校1年生からついていけない子供たちが出ています。そういう子供たちを学校の枠内で指導することも一つの方法ですけれども、私たちは学校外―無料でいける児童館には体育館もあって遊びもできると。そのように授業についていけない子供たちを、教職員を退職した先生方の中でボランティアをやりたいという方たちもいますので、そういう方たちを活用して授業についていけない子供たちを支援するというシステムをつくったほうがいいと。ただ、そのためには、行政と学校が連携をとりながらそこにつなぐ仕組みをつくらないと、学校を退職した先生たちもそういう子供たちをどこから探して集めてくるのかということが出てくるので、行政が間に入ってやっていくというシステムをつくったほうがいいのではないかと思っています。

○西銘純恵委員 今の行政と学校の連携に関して、何か実践されているところは県内もしくは県外にありますか。

○山内優子参考人 県内南部地区のほうに―町村名は忘れましたけれども、退職した先生たちがそういう子供たちを集めて、ボランティアで教えているというのはあります。

○西銘純恵委員 私の先輩方が退職をしてそういうことをやっていると聞きましたが、行政との関連があるのか、これはまた調査したいと思いますけれども、今の件で全県的にそういう取り組みがなされたら、また大きく改善するのかという希望も感じながら今聞きました。
 貧困率の関係ですけれども、沖縄が特別に多くて子供が見られないというのは、全国が16.3%で都道府県別では出せないと聞いておりましたが、資料の最後に2007年度調査で沖縄県の貧困率が29.3%とあります。今の16.3%でも、全国は世界に比べても貧困率が高いとの指摘を受けたぐらいですが、その関連で貧困をどう改善していくかについて何か考えていらっしゃることはあるのでしょうか。また、子供の貧困率はもっと高いのではないかというのは想像にかたくないのですけれども、大体どうなっているのか出るのでしょうか。

○山内優子参考人 都道府県の貧困率については、山形大学の先生が出しています。それでこの数字が出てきたわけです。あと、子供の貧困に関しては、内閣府が日本全体のひとり親世帯の貧困率を出しています。それを見ると50%を超えているのです。だから、同じ子供がいる世帯でも母子世帯の貧困率は圧倒的に高いわけです。沖縄県は離婚率が全国1位で、母子世帯は全国の2倍ぐらいいますので、それから推して考えても沖縄県の子供の貧困率というのは非常に高いと思います。今回調査をした少年院に入っている子供たちの家庭のうち、50%はひとり親世帯でしたので、これからしても推して知るべきだと思っています。

○西銘純恵委員 少し外れるかもしれませんけれども、母子世帯の皆さんは子供を育てるのに収入は少ないし大変だということで、生活保護を申請するときに、子供が小さければ保育所に入れたりとか車を持たなければならないのです。沖縄県の生活保護というのは、車を所持してはだめというのが母子世帯が受給できない大きなネックになっているのではないかと―直接いろいろ相談がある中で、生活保護が受けられないというのがあるので、そこら辺について感じていることはありますか。

○山内優子参考人 全くおっしゃるとおりで、私も福祉事務所にいたのでよくわかりますけれども、やはり車が大きなネックになっているのです。沖縄県には鉄軌道もありませんので、子供が小さいうちは車がないと子供が病気をしても病院に行けないとか、働きに行けないということで、車があるために生活保護が受けられないという考えを持っている人たちはたくさんいると思います。それとあと1つ、母子寮―母子生活支援施設がたったの3カ所しかない。母子寮だと家賃が無料ですから、母子世帯の家計に占める割合で一番大きいのはやはり家賃です。だから、家賃が無料である母子寮をせめて各市につくってほしいということと、それから、市だとか県の公営団地に要請して入居させるということをぜひやっていただけたらと思います。

○西銘純恵委員 最後に、沖縄振興一括交付金関係でお尋ねしたいのですけれども、さまざまな沖縄県独自の政策にはそれなりの予算が伴いますけれども、資料として、沖縄・北方特別委員会において参考人で意見を述べられたという新聞記事を出していらっしゃいますが、そのとき述べたことも含めて、沖縄振興一括交付金に対する考え方を聞かせていただけますか。

○山内優子参考人 ぜひ皆さんにお願いしたい項目の一つであります。実は、今回沖縄振興特別措置法ができるときに参考人として国会へ行って、沖縄の子供の貧困状況を訴えてきました。それに基づいて沖縄振興一括交付金というのが出てきたわけですけれども、沖縄県では本土の児童福祉法が27年間適用されず、児童館や母子寮といったいろいろな施設が全くつくれなかったのです。それで、今回の沖縄振興一括交付金を活用してこういった施設ができると思っていたのですが、残念ながら、国は既存の制度にあるものについては沖縄振興一括交付金は活用しないと言ってきたのです。それで私は内閣府の職員にも会って、沖縄県の立ちおくれた理由の一つにこういう児童福祉施設があるわけだから、これこそ格差是正のために沖縄振興一括交付金の活用ができるのではないかと訴えたわけですけれども、残念ながら聞いてもらえませんでした。それで今回ここに書いてあるのは、昨年の2月、3月の沖縄北方特別委員会で井坂信彦衆議院議員が沖縄の子供たちのことを取り上げてくれたのです。そのときの附帯決議の中にきちんと、こういった沖縄の子供の児童福祉関係施設を改善していく必要があるということを入れていただいたのです。けれども、その附帯決議に入ったからといってそれがすぐに活用されるわけではない。沖縄振興一括交付金が使えるのと使えないのとでは大きく変わります。県内の市町村で母子寮をつくったり―特に、児童館をつくりたいという市町村はあるのです。けれども、高率補助ではないのでつくれない。せめて沖縄振興一括交付金が使えればつくるということを市町村の人たちから聞いているので、ぜひこれが使えるように皆さんの力をおかりしたいと思っています

○西銘純恵委員 沖縄県の特殊事情で認可外保育園が多いということで内閣府の待機児童解消の予算が基金としてできたのも、全国的には待機児童解消の厚生労働省予算があるけれども、沖縄の特殊事情ということでやっていますので、山内参考人がおっしゃるように、こういうおくれたものを、そして沖縄の子供たちの貧困率が高いというのも当然全国並みに引き上げる。時限的なものがあったにしても、沖縄振興一括交付金は国の制度があるからということで片づけてはいけないと私自身もそう思っていますので、委員会でも議論できたらと思っております。どうもありがとうございます。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 糸洲朝則委員。

○糸洲朝則委員 ありがとうございます。きょうの御提案はごもっとものことで、むしろこれでも足りないのではないかと思うぐらい見事にまとめていただきました。これはこれまでの文教厚生委員会でもいろいろ議論されておりますけれども、なかなか前に進まないなというもどかしさもあります。それで、きょうの参考人招致でも皆さんに出席していただいて、我々の意識と知識をもっと上げてもらいたいということかと思っておりますので、よろしくお願いします。
 まず、この調査対象の皆さんが沖縄少年院在院者46名と説明いただきました。これは、仮退院をする皆さんを対象とした調査ということでよろしいですか。

○山内優子参考人 そうです。

○糸洲朝則委員 それで、いわゆる少年院を仮退院した場合、結局保護観察処分がつきますよね。仮退院から本退院になるのと、またその仮退院の期間を延ばすのか、あるいは戻るのといろいろあると思いますけれども、その辺を少し説明していただけますか。

○山内優子参考人 少年院の中では、ほぼ1年をかけて教育します。段階に応じて仮退院前の少年たちは1級の上というクラスがあって、1級上になれば仮退院させてもいいことになります。でも、この子たちを仮退院させて本当に大丈夫かどうかということを第三者である私たち委員に面接してもらって、そして面接した結果、大丈夫だろうということで、委員会に在籍する3名で審議をして決定するのです。ですから、沖縄県の子供たちは、例えば中学校3年生で入った子供たちは14歳で入りまして、少年院の中で卒業式を迎える子もいれば成人式を迎える子もいます。少年法に基づく本退院は二十です。二十になれば本退院になるのです。そういう意味では、少年院で1年間訓練を受けて、中学校を卒業する前に出て、それで中学校を卒業します。仮退院をしたらまず保護観察官と保護司がつきます。保護観察官は那覇保護観察所の身分であり、担当の保護観察官と民間ボランティアの保護司の皆さんが仮退院をした少年たちの指導をするわけです。二十になるまで、1年や2年間とかかけて指導をした結果、この子は仕事も真面目にして大丈夫ですというときには、本退院の申請が上がってきて、それで本退院をするという仕組みになっています。

○糸洲朝則委員 この仮退院をした子供たちも、状況によってそれぞれ分かれていく。そういったデータとかはありますか。

○山内優子参考人 これは私たちのほうではなく、保護観察所にあると思いますけれども、なかなか本退院として上がってくる件数は非常に少ないです。大半はそのまま二十になって切れるという形になるのではないかと思います。

○糸洲朝則委員 この仮退院予定の46名の皆さんを25項目で調査された結果に基づいての御提案であると。もう一つは、やはり少年非行というのは二十未満という認識でなされると思うので、この退院後の先の先までやるともっともっと課題が広がると思うので、多分それで非行少年に対する提言として出されてきたと思いますが、それについて何点か教えていただきたいと思います。
 まず、初発非行の対応について、やはり各小学校に生徒指導担当の配置が必要というのは文教厚生委員会でも議論されております。先ほど、津嘉山参考人のお話だと茨城県と埼玉県で教師OBを活用していらっしゃると。学校現場のことはよくわかりませんけれども、生徒指導の先生というのは現場では決まっているのですよね。それはそれなりに専門性を持って生徒指導をやっておりますから、例えばOBになってもできると思いますけれども、それ以外の先生方はやはりそれなりの研修とか、あるいはレクチャーとか、そういうのをしないとなかなかできないと思いますけれども、その辺は現場ではどうですか。

○津嘉山信行参考人 経験上伝えられることは、例えば、生徒指導担当を決めるのは校内人事の最難関で、これを決めなければ校長もどうしようもありません。もちろん、そういう適任者をできるだけ出して、お一人でできるわけではありません。そこが大事なところで、まず情報を共有しなくてはならないので、私は毎週水曜日に生徒指導委員会を開いたわけです。そうすると、各部署―教務主任等々、各学年の生徒指導担当がいますので、全員が集まって先週1週間の情報をまず公開して、課題になっている子供たちには見立てをして、これにはこうやろうと、そういった時間を毎週水曜日に設けているわけです。これは非常に大きな効力を発しまして、生徒指導担当と各学年、それから校長を含めて情報を共有し、連携をし、校内にどのような課題があるのか、どういうことに手をつけられるのか、この子はまた養護対策課と連携しないと間違いなく事件・事故を起こすよとか。そういったことで校内体制をつくり上げる必要があるわけです。それと同時に、よく中学生になって急に荒れ出すと聞きますけれども、小学校のときから荒れています。実態でも、非行に関する子供たちは8割は小学校で窃盗を始めています。それから自転車に関心を持って、中学校あたりからバイクを無免許で運転し始めると。中学校から平気の平左で乗り回しているのです。非行は小学校で8割が起きているという実態を認識しないといけないと思います。そういう意味では、小学校とも連携する担当者がいないと。小学校は学級担任制ですから、そういう生徒指導担当がいない。置いているかもしれませんけれども、中学校との十分な連携ができる、家庭状況も中学校に上がるまでにある程度入ってくるという体制が非常に重要だと私は経験的に思います。

○糸洲朝則委員 ですから、中学校以降は高等学校にも大体生徒指導はついているのです。今、初発非行に手を染めるのが大方小学校のときに始まっていることに目をとめなければならないと思うのです。ですから今、この生徒指導が各小学校にいなくてはならないと。幸いに茨城県と埼玉県にはいらして、OBの先生方を活用されていると。これは自分でも調査してみたいと思っております。それで、我々議会や行政でこれを政策的に誘導していくには、今の初発非行を防止するために各小学校に生徒指導の体制をというのは、規模によって人数もおのずと違ってくると思いますけれども、それをまず決めることがまず一番大事なことかと。それを決めた場合、冒頭にも言いましたように、生徒指導の先生方というのはある意味で専門職だから、それを充当するぐらいの人材の確保が可能かということをいつも思うのです。埼玉県や茨城県ではOBの先生方を活用していらっしゃるということですから、この生徒指導にかかわらなかったOBの先生方もいると思うのです。そうしないと多分足りないと思いますし。だから、そこに対する人材育成という観点から、いろいろな研修といったものが必要ではないかと思うのです。これは可能ですか。

○津嘉山信行参考人 一番子供との信頼関係を築くためには、話をしっかり聞くということです。話をしっかり聞ける教師というのは非常に重要です。私もある学校でそういうことがあったものですから、まず親の話をとにかくいろいろ聞き、生徒の声もいろいろ聞くと。聞くというのはなかなか難しいことですので、人は思っていることを聞いてもらうと落ちつくことがあるのです。私は、生徒指導というよりも、あえて「生徒理解」担当といっております。指導というのは上から目線ですので、話をしっかり聞いて理解をすると、この子のバックグラウンドが見えてきます。貧困も全て、両親の様子もです。ですから、この子についてはこういった状況の中にあってということを、学級担任と先ほど申し上げた委員会で行うのです。生徒理解はひとりではできるものではありませんので、まず肝心なのは学級担任です。そして生徒指導担当が連携して情報共有をして、これは学級経営や学年経営においても先生方は多彩におられるので、この先生の言うことは聞かなくても、こっちは言うことを聞くという関係をつくることが大事です。とりわけスーパー教師がいて、何でも解決できるという話ではないです。担任の先生方はそういう力量を高めていかなくてはならない。一言で言うと、生徒理解のセンスを高めるということを、研修でお互いの話し合いの中でやって、そして一つ一つ当たっていくのです。ですから、一番大事なのは、そういった体制を小学校でも校長を中心にきちんと組めるかどうかだと思います。先ほどお話ししましたように、解決している事例は民間の教育実践で幾つもあります。そういったところへ研修に行って、A君のような事例はどのように解決していったのかという研修をするのです。その研修が学校にとって問題解決につながる一番大事なことかと思っております。

○糸洲朝則委員 今のお話を伺っていますと、先ほどの説明にもありましたけれども、例えば初発防止対策チームあるいは委員会みたいなものになろうかと思います。もちろん現職の先生では足りないから、そこにOBの先生を生徒指導としての名目、あるいはチームの一員という名目になるかわかりませんけれども、そこに加えていくという認識でよろしいですか。

○津嘉山信行参考人 こういう認識は大事だと思います。例えば小学校1年生の子供が万引きしたとなれば、その情報を共有して家庭と学校をしっかりつないで、やはり理解をさせなければならないので、そういう粘り強く当たることができるような体制をつくる必要があると思います。

○糸洲朝則委員 例えば、これを今チームと位置づけてシステム化するとして、もちろん学校の先生OBは十分に理解できるし、地域にもなじみやすいと。もう一つは警察官OB。これは何度か提案していますけれども、この警察官OBの活用ということを考えられたことはありますか。そのことに対して、もちろん経験等の認識とかそういったものも加味しなければなりませんが、警察官OBというのは、中学校あたりからはかなり有効かと思います。そこまでは考えていらっしゃいますか。

○山内優子参考人 やはりおっしゃるように、警察官OBは中学校へ、小学校の場合には少しやめたほうがいいのかと思っております。

○糸洲朝則委員 2点目に、スクールソーシャルワーカーについてですけれども、これは本当に行政側も人材不足です。だから、ひとりで複数の学校を担当したりというのが現状だと思うのです。それでいろいろ教育庁や関係者に聞いてみると、対応できるいろいろな資格があるようですが、そういう資格を持った人が少ないと。また、その育成もなかなか難しく、大学を出た心理士とかいろいろ必要なようです。まずその人材が少ないというのは、なり手も少ないけれども、もう一つは待遇面が悪いのです。ですので、待遇面をもっとよくしろといつも言っていますけれども、これとてやはり人材確保という観点からこれが一番よくなると思うのです。ですから、そういった現場でもいろいろな情報があると思いますけれども、そこら辺についての御提案とかいろいろありましたらお願いします。

○山内優子参考人 ここに各小中学校と書いてありますけれども、例えば離島とか、そういう小規模校においては非行の子供はいないのです。やはり地域の皆で見守っている。ですからそういう意味では、これを配置するとしてもやはり限られた地域の小中学校になると思うのです。それから有資格者がいないという話でありましたが、それは違うと思います。私は大学で教えていますけれども、毎年社会福祉士という国家試験に合格する学生は大学では結構います。けれども、残念ながら先ほどおっしゃったようになり手がいないというのは、非常勤職員であったりと待遇が悪く、その割には仕事がハードです。実際に熱意を持ってやっている人たちもいますけれども、余りにも内容が大変で本当にぼろぼろです。実際の現場でやっている仕事の内容と待遇が全然合わないということです。だから、きちんと身分も正規職員として保証するということと、待遇を改善するのであれば、有資格者はたくさんいます。ぜひ待遇改善に向けて、ぜひ継続してお願いしたいと思います。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 比嘉京子委員。

○比嘉京子委員 きょうは、本県の実態についてまとめて御説明いただきましてありがとうございます。今回の皆さんのお話は、いかに再発を防止するか、いかに少年院に入った子供たちの出口をしっかりとつくっていくかというこの2つの提起ではないかと思っています。今、糸洲委員から初発非行における問題点の改善をどうするかという質疑がありましたので、私は出口について質疑をしたいと思います。
 少年院仮退院もそうですけれども、まず1つは、少年院に入っていた子供たちが本当に更生し、就職して今、社会人としてしっかり働いている、あるいは家庭を持っているといった再生体験の追跡調査等はございますか。どれぐらいございますか。

○山内優子参考人 残念ながら、沖縄県内の状況は調査されていないと思います。今回、私たちがこの調査をしたのも、実は少年院や鑑別所、家庭裁判所の法務省管轄は皆、国家公務員です。ということは、県内の職員よりも県外の職員が多くて、2カ年単位で転勤していくわけです。だから県外からいらした家庭裁判所しかり、それからうちしかり、それから保護観察所職員なども皆、沖縄県の少年非行は大変だということは実感するけれども、2年しかいないので、きちんとした対応がとられないまま転勤してしまうことがこれまで繰り返されていて、今回たまたま県内の私たち2人が委員になったために、やはり沖縄県の少年非行の実態を何とか県民の皆さんに知らせたいということでやりました。ですから、おっしゃるように少年院を出て更生したことはとても大事だと思いますけれども、どれだけいるかといった調査は全くされておりません。

○比嘉京子委員 では、ちゃんと更生した実態を我々が知るためには、どういう提案がございますか。

○山内優子参考人 那覇保護観察所が退院した後を指導しておりますので、そこにお願いをして調べてもらえばデータはたくさんあると思いますので、調査はしてもらえるかと思っています。

○比嘉京子委員 仮退院の子供たちを観察しながら、また戻るケースが多いというお話がありましたし、困窮家庭のお話もありましたけれども、ひきこもりの相談窓口はある程度あるのですよね。けれども、今のように退院した子供たちが出たり入ったりしながらも、常に何かに困ったらここに相談してこの人に頼る、または本退院しても何かで困ったときに誰かに相談する窓口というものは、はっきり本人たちに伝えられていますか。

○山内優子参考人 仮退院それから仮出所をするときには、必ず保護司の皆さんがボランティアとしてつきます。ですので、保護司が一番の相談相手となりますけれども、保護司の皆さんもやはりボランティアでなさっているので、仕事の面や地域の先輩とのかかわりとか、家庭の問題だとかたくさん解決すべき問題はありますので、とても御苦労しながらやっています。那覇市に更生保護センターというのがありまして、保護司が常駐しているので、そこに行けばいつでも相談できるというものがつくられています。

○比嘉京子委員 ひきこもりも含めて、相談窓口が明確にあることが大事だと思うのと、今一番欠けているのは、就労のためのさまざまな技術習得とか、本当に社会のレールに乗せるまでの支援体制が薄いという実感があります。少年院の子供たちにはどこでどのように習得する方法が示されているのかお聞きしたいです。

○山内優子参考人 少年院の中でも、やはり出た後の就労は非常に大事だと考えておりまして、中で重機等の訓練は行っております。ただ、それが出た後すぐ職につながるとは決してならないけれども、そういう意味で最近から、ハローワークと連携しながらきちんと就職につなげるようにやっています。あと、沖縄開発青年隊といったところと連携をとっていますし、先ほどお話があったサポートセンターゆめさきとも連携をとりながら、就職する前の訓練として位置づけられております。ニート・ひきこもり・若者のための相談センターが去年沖縄県でもやっとオープンしていますので、そこが軌道に乗っていけば相談窓口はできることになると思っています。

○比嘉京子委員 1年という限られた時間なので、そこで免許を取得するといったことではないと私も思います。ただ、次の手だてとして、どういう選択肢があるかを情報として本人たちにしっかり示すことが大事であるし、または何も考えていなくても、仕事を探したいと思ったらここだというような受け皿がきちんとあるのかどうか。そこはどうですか。

○山内優子参考人 少年院や刑務所を出た人たちを仕事につかせて、作業をさせる協力雇用主という制度があるわけです。ただ、それが積極的に活用されているかどうかは十分ではないと思いますけれども、そういう制度があること自体が県民に周知されていないという意味では、まだまだではあると思います。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 新田宜明委員。

○新田宜明委員 ありがとうございます。きょうの8項目の提言、教育や福祉の面からの提言は大変参考になりました。私も余り少年非行の問題について知識がないので、非常に勉強になりました。豊見城団地という賃貸アパートが約1000世帯、商店街が結構あり、居酒屋やスナック、スーパーやコンビニエンスストアもあるところがあります。以前は、コンビニエンスストアの前で座り込んで飲食したりする子供たちが多かったのですけれども、最近はめっきり減っております。ある地域の方に聞くと、深夜徘回やそこに座り込んで飲食していた大体中学生や高校生といった子供たちが少なくなっているのは、地域の青年会の皆さんが盛んに中学生以上を勧誘して、エイサーに参加させたと。もともと非常に小さい集落単位でやっていたものが、新興住宅がふえたために小さい集落は青年会をつくり切れなくて、だんだん新興住宅の子供たちも含めてエイサーに勧誘するようになった結果、結構こういう深夜徘回が減ったという話を聞いたことがあるのです。そういうところから見たときに、私は子供会だとか、あるいはスポーツ少年団で少年野球といったボランティア的に活動している団体への行政からの助成だとか―あの方々は朝早くから夕方まで、さまざまなスポーツを好んでいる子供たちの面倒を非常に熱心に見ているのです。ですから、単なる児童館といった箱物だけではなく、野外で活動してエネルギーを発散する活動に行政がもっと目を向けて、ボランティアで熱心に頑張っている人たちにもっと手助けをすることが大事ではないかと思っていますけれども、先生方にそういった箱物以外の子供の居場所づくりも必要だと思っています。場合によっては、私は商店街の空き店舗を活用して、必ず児童館でなくてもスポーツ的なものができたり、伝統的なエイサーを教えてもらうというように、ふだん、近くの子供たちが立ち寄れるような場所づくりもできるのではないかと。野外でもできますよね。集会所の前の広場とかでやっていますけれども、そういう商店街の空き店舗を活用して、そこを居場所として活用するような方法とか、そういうさまざまな手だても必要ではないかと今思ったところですけれども、その辺に対する御感想を聞かせていただきたいと思います。

○山内優子参考人 非常にいい意見をありがとうございました。まさにこの子供たちにとって、一番大切なのは居場所です。ですから、居場所をつくるということはとても大事で、その一つとしてエイサーの話が出てきましたけれども、エイサーも沖縄の伝統的な行事ですのでそれはとてもいいと思います。地域の青年会の皆さんがいい取り組みをやってくださるのならばいいですけれども、中にはエイサーを終わってから酒を飲んでどうこうといったことも青年会にはあります。でも、きちんと目的意識を持った青年会の皆さんが活動してくだされば大変ありがたいことだと思っております。
 それから、少年団のお話が出てきましたけれども、沖縄はスポーツ面で非常に活発で、子供たちがスポーツに取り組んでいることは非常にいいことだと思っております。ただ、スポーツ一辺倒では、小学校時代は一生懸命スポーツに取り組んで、その間勉強してこなかったので中学生になってそれから外れたときに目的がなくなり、だからといって勉強ができるわけでもない。それで目的意識を失って、非行の子供たちと遊び始めるということもあるわけです。ですから、スポーツ少年団の指導者の皆さんには、ぜひ文武両道―やはりスポーツだけではなく、勉強面でもきちんとやるような指導をしていただけたらと思っております。
 それから、空き店舗の話が出てきましたけれども、確かにすぐに活用できる場所としてはいいと思います。ただ、この子たちにとって何が必要かと考えたときに、まず体を使って発散させる。その意味でもちろんエイサーもいいわけです。そういう意味では、児童館というのは体育館が設置されており、そこでバスケットボールをしたりいろいろなことができるという、そういうエネルギーを発散できる場所として非常に有効であるということです。それから、児童館には児童指導員という専門の指導員がついています。ですから、空き店舗を活用しても、そこに子供たちを集めてきちんとした指導ができる専門の方がいて、上手に子供たちをリードして、指導していければいいと思いますけれども、できればそういうことができるかどうかも考えていただきたいと思います。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 照屋守之委員。

○照屋守之委員 どうもありがとうございます。現実の問題を抱えて、私は小学校とのつき合いをずっと今もやっていますけれども、こういう問題も含めてしっかりしなければならないという思いがあります。そういう問題がありながらも、だんだんボランティアも含めて真剣に、本当に覚悟を決めてそういうことができる人が少なくなりましたよね。自由主義社会の弊害ではないかという思いがあって、何をやるのも自由だけれども、子供たちがこうなったときに親が果たしてどういうかかわりを持っているのかというのが根本的にあるのだろうと思います。ですから、家庭で親ができないから学校や地域といった周りはやるけれども、親がその気になっていないから限界があって、なかなか長続きしないと。地域のボランティアでいろいろかかわって、そういう話し合いをしますけれども、だんだん疲れてきて何のためにやっているのかわからなくなる。親はその気がないのに、なぜ自分たちは一生懸命やるのかという本当に切実な声を聞いて、一筋縄では行かないなということと、今、御提言いただいた方々がまたしっかりいろいろと調査して、この問題に取り組んでいるなということも含めて、我々も頑張らなければいけないなという思いが非常にあります。
 8つの提言の6番目にある親子関係の改善と暴力防止について、私はこれをぜひ一番上に上げてもらいたいと思います。これはもう親です。自分が産んだ子供なのだから、親とのかかわりが薄くて、その影響で子供にそういう負担を強いて、子供の人生がおかしくなっていることに気づかないのです。でも、生活がどうのこうのといっても、それは言いわけでしょう。だから子供たちと少年院とのかかわりとか、そういう親の思いというか、心はどのように捉えているのか、その辺を知っている範囲で少し御説明できませんか。

○津嘉山信行参考人 実は、少年院から仮退院させるときには身元引受人がいないとだめです。もちろんこれは保護者であるわけですけれども、保護者が拒否する場合もあるのです。そうなりますと、また施設の長を引受人として返す場合もあります。親御さんと向き合って、親御さんの考え方や今までのかかわり方を誰がきちんと指導できる立場にあるかということです。これは非常に重要で、少年院でも法務教官の皆さんは訪問のときにそういう相談をします。また、保護観察官という職務として持っておられる方もいますので、そこも非常に重要な役割を果たすのです。今おっしゃったように、親御さんを変えなければいけない。そのための職務は現実にありますので、それを今後、課題として当局に頑張ってもらわなければならないと思っています。また、親御さんもまた同じようなかかわり―暴力の連鎖で親御さん自身もそういう教育を受けたものだから、親もまた子供にと、これは世代を超えてつながっているのです。それは難しい課題ですけれども、そういう状況です。

○山内優子参考人 沖縄の非行の問題は今に始まったことではなくて、戦後ずっと非行の子供たちはたくさん出ているのです。そういった意味で2代目、3代目が再生産されていて、親を指導しようとしても、親自身がそのような家庭で育っているということがあって、その意味で沖縄の非行問題は非常に重症化しているのです。けれども今、何とかしないと、本当に沖縄の将来は大変なことになるのではないかと。これは県外からいらした先生たちもこのように見ているのです。そういう意味では、県がリーダーシップをとって、青年会や企業を含めていろいろな民間を巻き込んで、この問題に当たっていかないと解決できないだろうし、沖縄の一番の問題としては親が親として当てにならない。親自身が既に2代目、3代目になっているという状況があります。

○照屋守之委員 親自身が考えることができないのに、なぜ周りの我々がというジレンマもあるわけです。よくしようとずっとかかわるけれども、そこは家庭の中に入らないといけないので限界だということもあります。私は、ずっと交通安全指導をしながら子供たちに声かけをして、この子供はこうだよと情報交換しながらやっております。8時15分までに登校しなければならない子供が8時10分ごろに来て、この子供が来たらきょうは終わりよということをやっているのです。なぜこの子は8時10分に来ているのかと情報交換をしたら、家庭がそうやっているのです。ですから、幾ら周りでやっても、家庭において母親や父親を変えるということをしていかないと、当事者は当事者としての意識がないので、一番親と子供の心がつながらないと何にもならないのです。これは一番の基本ですからね。それと同時に、この政策をつくるときにも、今の少年非行どうのこうのではなく、社会の一員として今の社会をつくり、将来の社会をつくっていくという、先ほど言いましたようにずっとつながっていくということだから、こういう対策を講じようという大きな目的をつくらないとなかなか難しいかもしれません。だから、今の非行だけの問題ではなく、この子供たちが社会をつくり、この子供たちの子供がさらにその次をつくっていくという、そういう大局で今後取り組みをしていきたいという思いがありますが、いかがですか。

○山内優子参考人 なぜ、親がしないのに周りの自分たちがやるかという話がありましたけれども、まさに一生懸命やっている皆さんはそう思うかもしれません。ただ、児童福祉法の中には、子供を育てるために保護者とともに、そして保護者ができないときには国、それから地方公共団体といった行政がかかわり、親のかわりに育てるという条文が入っているのです。これを社会的養護といって、社会全体で子供を育てる、社会がかわって子供を育てるというのが児童福祉法第1条の条文の中に入っているのです。それから考えると、やはり親だけの責任ではなく皆で育てていくという考えを持たないと、子供たちはよくなっていかないのではないかと思い、今回このような8つの提言を出したということです。

○津嘉山信行参考人 親をどう変えるというのは本当に至難なこともありますけれども、やはり愛情に飢えた子供たちが多くて、それを大人が別の形でもいいので話を聞いたり、かかわってあげるだけでも子供の気持ちは変わるのです。本当にシティホーリーですので、先ほど申し上げましたように、全ての機関で大人としてどう接していくかということが求められるかと思います。

○呉屋宏委員長 所用のため、副委員長に委員長の職務を代行させますので、よろしくお願いいたします。
 休憩いたします。

   (休憩中に、正副委員長の交代)

○狩俣信子副委員長 再開いたします。
 委員長の指名により、副委員長である私が暫時委員長の職務を代行いたしますので、よろしくお願いいたします。
 休憩前に引き続き質疑を行います。
 又吉清義委員。

○又吉清義委員 大変御苦労さまです。実は、私の知り合いが保護司をしながら協力雇用主とか、昔からそういう勉強会をしていたものですから、もう少し教えてもらいたいのですけれども、やはり、こういった非行少年が出る中学校との連絡網というのは、どういった連絡をしているのか。その辺をまた少しだけ教えてもらいたいと思います。

○津嘉山信行参考人 地域に生徒指導連絡会というのがありまして、この時期になりますと、じきに上がってくる子供たちの情報交換が行われます。大変重要なことでして、そのときにまたきちんとした情報を中学校に上げてもらい、中学校はそれを受けて個別にまとめて、4月に入るとこういう子供たち―私が前いた学校では五、六十名のいろいろケアしなければならない生徒がいましたけれども、情報交換をして体制をつくるというのが現在なされている形であるわけです。

○又吉清義委員 そのように頑張っていると思いますので、何が言いたいかといいますと、今の子供たちはとても愛情に飢えているのです。ほったらかしにされ、親が面倒を見られないものですから。小学校5年生、6年生でもだっこすると非常に喜ぶのです。ですから、そこが人間教育の原点ではないかと。中学校での生徒指導とは何かというと、こういった愛情が余りないのです。先ほどおっしゃっていました、しっかり話を聞くことによって子供は理解されている、自分が信頼されている立場であればやはり安心が出てくるのです。子供たちが何を求めているのか、なぜ非行に走ったのかという原因のディスカッションを学校現場で大いにやっていただきたいなと。やはり、先生方は先生という指導の立場が先に行くと。指導以前に、こういったヒントをおっしゃる意味でも、ぜひ皆さんとして―子供のインターネットでの知識というのは、先生方以上にすごいのです。その中で、今の指導法で間に合うのかとなるならば、私たちも行政側としても絶えず、非行少年がいる学校のみならずほかの学校を含めて、全体的に生徒指導をする先生方がそういったものをやはり持つべきだと。非行少年の体系はこのように変わってきましたよと、その中で強く要望するべきではないかと。そうすることによって、非行に走る子供をとめることができるし、理解することができれば学校自体が落ちつくものですから、そういったものがやはり私は非常に少ないかと思いますけれども、やはりそういうものも学校現場から行政側に強く、皆さんとして非行少年のあり方をただ何名出たということだけではなく、こういう傾向になっていますよと。ですから、従来の指導のあり方でいいのですかと、レベルアップする意味でも私はこれをもっとしっかりやるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

○山内優子参考人 ありがとうございます。もっともな御意見だと思います。それについてぜひ皆さんにお願いしたいことがありまして、今、児童相談所では14歳未満の非行の子供、つまり初発非行をやるような子供たちを扱っていますので、児童相談所の職員を呼んで、ぜひ話を聞いてもらいたいということと、それから学校の生徒指導の先生たちがどのようなかかわり方をして、どのような悩みを持っているのか、何が必要なのか。そういう意味で、教育現場の生徒指導の先生を呼んで、ぜひ話を聞いていただければと思っております。

○又吉清義委員 今、1つ疑問が解けたのですけれども、皆さんがこのように頑張っている中で、なぜ14歳から16歳かなと非常に不思議に思っていました。14歳から16歳の子供はもう既にどっぷりつかってしまっているものですから、指導するというのは正直言って至難のわざです。ですからもっと年齢を下げて、本当は児童相談所に幼稚園、小学校1年生、4年生までにやらないと彼らは指導できないのです。そういった意味で、やはり皆さんからずばり言ってもらわないと、非行少年だけを対応するにしても、このようにどっぷりつかった人を指導するよりは、今まさに過ちを犯そうとしているところを指導するほうが先だと思いますので、そういったものもやはり児童相談所でも年齢を引き下げてやらないと、沖縄県の非行少年は直らないと。原点はそこから始まるだろうということで、少しわかりました。やはり、そこまで押し下げないとだめだということだと思います。
 あと1点。実をいうと、夜の居場所づくりについてですけれども、やはり13歳から15歳の子供たちが補導されて、また同じ人が2回も3回も同じようなことを繰り返すと。やはりそれを繰り返す場合、原因は何かということと、皆さんの資料によると自転車泥棒とかが多いのですが、小さいころに困窮世帯がいるということは、困窮世帯で困ってそこからが始まりではないかと。自転車泥棒は中学校からの始まりであって、そこにも原点がないかなと。子供たちはどこから始まったのか。素直に生きる環境をつくってあげるといいと思いますので、それももっとやっていただきたいというのと、夜の居場所づくりです。やろうとするとえらい難しいのです。皆さんの考えている夜の居場所づくりというのは、具体的にどのような構想を描いているのか。夜の居場所づくりに取り組んでみましたが、クリアすべき法律がこんなにたくさんあるのかということと、次は親との関係です。その辺について、皆さんはどのような構想があるのか、よろしかったら教えていただけませんか。

○山内優子参考人 まず、夜の居場所の必要性ですけれども、初発非行に及ぶ子供たちは、まず親が夜にいないというのがあります。そのためにちゃんとした家庭教育がなされていない、学校で授業についていけない。そして中学校になると、学校に行っても座っていられず、不登校になっていくのです。この子たちは皆メールを持っているので、学校に行かなくても寂しくないのです。それでメールで連絡を取り合って、昼はさすがに出歩くのは難しいから、夜になってどこかにたまるわけです。居場所というよりたまり場ができるのです。夜に巡回指導などをなさっているところもありますけれども、あの子たちは皆情報が早いので、巡回する時間は別の場所にいて、巡回が終わってから出てくるということがあって、居場所がなくてたまり場があるのです。そこで、子供たちはやることがないからいざこざ、けんかをしたり、傷害事件が起きたりするのです。やはり、そこにいれば安心できる健全な場所として夜の居場所―昼はいっぱいあるのです。寂しいし、家にいられないので夜に必要なのです。ですから、夜の居場所として考えたのが児童館ですけれども、皆さんにお配りした資料の下の部分に、児童館が夜の新たな居場所として活用されているというのがあって、児童館に音楽スタジオが設置されていて、中学生、高校生のために子供たちが居場所として活用しているということがあるので、私たちは、安心安全であり、きちんと大人が見守ってくれる夜の居場所として、児童館にぜひ注目しています。そこでエイサーや空手の練習をしてもいいし、沖縄独自のメニューをここに入れたり、何をしなくてもいいと。私が今言っているのは、子供たちはおなかをすかしていますから、児童館に来ればおにぎりを食べさせてもらえると。だから、おにぎりを与えるだけでもいいので、そういった居場所ができたらいいなと考えています。

○又吉清義委員 確かに、夜の居場所があったとして直感的にもう一つ懸念されるのが、皆さんがこういった居場所づくりをしたとき、その子供たちは10時になれば家に帰ると思いますか。

○山内優子参考人 帰さないといけないですよね。そのためにボランティア皆さんがついて、一人一人送っていけるように、そこにボランティアを活用できればと思っております。ですので、一機関だけではこの問題はできないということです。

○津嘉山信行参考人 この対策はまだ始まったばかりですので、実態もまだまだ行き渡らないのです。私もたまたまこの職についたので、ここに勤務したからこれほどの深刻な状況というのがわかるのです。皆さんも私たちが提言したものを見て、恐らく初めて共有できていると思うのです。大事なことは、あらゆる機関が連携しなければならないので、今後こういうネットワークを継続して、沖縄の非行少年が目に見える形で解決されていくことを望みたいと思います。現実には手がつけられない状況があって、家庭も崩壊状態ですので、やはり学校に戻ってくるのです。学校は大変です。これは誰に責任があるのかということです。学校に責任がある、親に責任があると言う前に、大人として解決策を一歩でも進めていく。その中からいろいろ見えてくると思うのです。最後は金・物・人になるかもしれませんけれども、これだけではないです。委員の皆さんにぜひ訴えたいのは、先生方が苛酷な状況でも連携して対応するには、研修をしなければいけないのです。研修が自由にできる機会を保証していただきたい。例えば、午後4時以降に何もなければ、こういった研究サークル機関はどこかに必ずありますので、自分でお金をかけて自主的に参加させること、そういう研修を保証してあげることも大変大事なことだと思っております。

○狩俣信子副委員長 ほかに質疑はありませんか。
 嶺井光委員。

○嶺井光委員 少年非行にかかわり大変御苦労さまです。また、どう更生させるかという大変重要な役割だと思っております。ただ、そこに行かせないための取り組みが社会にあるべきであり、大事だと思います。先ほど津嘉山参考人から伺った学校現場の子供たちの生徒指導関係、これをあえて生徒理解と捉えるというお話は大変重要な部分だと思います。えてしてヤンキーな子供たちは、自分たちは疎外されている感覚を持っている嫌いがあるのです。ですから、一番身近にいる学校の先生方が子供たちの声を聞いてあげるというのも大事だと思います。さらにこれを広げて、学校の近くにある、例えば役所があったり、地域の社会人がいます。子供たちは学校が終わったら部活動に奮闘したり、あるいはこういう元気のあり過ぎる子供たちはよその高等学校に行くとか、目につきますよね。そういうときに、何らかの声をかけてあげる―これから部活なのとか。そうではない子は、いや違うと。では部活はやっていないのかといった声をかけてあげて、子供たちと対話をつくることが大事だと思うのです。私には学童の子供たちを指導していた時期がありまして、この子たちが中学校に行ってどのような生活をしているのか関心がありましたので、中には、小学校では何とか我々の指導を聞いて素直だった子が中学校に行って変わるといったことが結構あります。私はあえて生徒指導と言いますが、生徒指導の先生方との連携をとりながら、こういう子たちにどうかかわるかということをやった時期があったのですけれども、こういう子供たちにどう向き合うのかというのを学校だけに任せるということでは、学校の負担があり過ぎると思っています。最近になって地域の皆でこういった子供たち、あるいはほかの子も全部含めて社会が力をつけるべきだと思っているのは、我々が小さいときは各字の公民館がほとんどあいていて、そこが遊び場でそこに行けば同級生や年上の子もいました。そこでは、メーゴーサーされることもあったけれども、それでも今でいう変な暴力にはならない。皆が見ている。こういう環境で、ある意味で切磋琢磨をして育った。それで大人もかかわれる。そういった昔のムラヤーのあり方を提唱したいと思っていて、ムラヤーの活用によって地域の力や教育も含めて高めていくべきではないかと思っているのです。こういうことが学習の向上、あるいは子供たちの生活指導にも効果を発揮するのではないかと思っております。こういうことをこれからもしっかりとやっていきたいと思っておりますけれども、こういうことに対する先生方の御意見等があれば聞いておきたいと思います。

○山内優子参考人 ありがとうございました。とてもいい意見だと思います。ところが、今の時代に公民館を使って子供たちが何かをしようとしたら、大人たちがうるさいと言って使わせないといった公民館も出てきているようで、それができないということがあるようです。ただ、最初にお話ししたように、離島などで非行の子供がいないというのは、やはり地域全体で子供を見守っているということと、そこには格差がないということです。沖縄の少年集団暴行事件を全部洗ってみたら、地域が都市化していくにしたがって集団暴行事件が起きているということが出ているのです。そういう意味で、都市化したところに格差が出てくるというのがあり、そういう時代も踏まえながら、都市化しているところで公民館がないところもありますので、そこら辺でどのようにできるのかを考えていく必要があるのかと思っています。

○嶺井光委員 公民館に限らず、先ほどは児童館の話もありましたけれども、本来ならば児童館がたくさんあったほうが理想だと思います。今話した各字の公民館というのは、高齢者の方々のデイサービスといった場になっていて、それはそれで悪いことではありません。かえってこういうところに子供たちも遊べるようなシステムができていけば、なお昔以上にいいのではないかと思っていて、地域でこういう話をしているのです。それも含めて、やはり行政の支援がもっと手厚くあるべき、そこから地域のかかわりがもっと盛り上がると思っております。これは我々の役割になりますけれども、政治、行政がかかわって、こういう社会をつくっていくということを頑張っていきたいと思っております。

○狩俣信子副委員長 ほかに質疑はありませんか。

    (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○狩俣信子副委員長 質疑なしと認めます。
 以上で、山内優子参考人及び津嘉山信行参考人に対する質疑を終結いたします。
 この際、委員会を代表して、参考人等に一言お礼を申し上げます。
 本日はお忙しい中にもかかわらず、長時間にわたり貴重な御説明をいただき心から感謝いたします。
 本日拝聴いたしました内容等につきましては、今後の委員会審査に十分生かしてまいりたいと思います。
 山内優子参考人、津嘉山信行参考人、ありがとうございました。
 休憩いたします。

   休憩 午後0時24分
   再開 午後1時32分

○呉屋宏委員長 再開いたします。
 午前に引き続き、参考人からの意見聴取を行います。
 次に、沖縄県脳脊髄液減少症患者支援の会代表仲吉勝弘氏から説明を求めます。
 休憩いたします。

   (休憩中に、参考人等着席。また、参考人から申し出のあった補助者の陪席及び発言について協議した結果、申し出のとおり取り計らうことで意見の一致を見た。)

○呉屋宏委員長 再開いたします。
 お諮りいたします。
 参考人から申し出のあった補助者の出席及び説明につきましては、休憩中に協議したとおり取り計らうことに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○呉屋宏委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 休憩いたします。

   (休憩中に、委員長からマスコミに対して、補助者に被災児童の親族がいることから、撮影に際してはプライバシー保護に協力を求める旨の発言があった。)

○呉屋宏委員長 再開いたします。
 参考人及び補助者の皆様、本日は御多忙のところ御出席いただきましてまことにありがとうございます。
 参考人等から説明を求める前に、委員会の審査の進め方について御説明申し上げます。
 まず、参考人等から御説明をいただいた後、委員から参考人等に対し質疑を行うことにしております。
 なお、参考人等が発言しようとするときは、あらかじめ委員長の許可を得なければならず、発言は、陳情の趣旨の範囲内で行うこととなっております。
 また、本日は委員会が参考人等の説明を聞く場でありますので、参考人等が委員に対して質疑することはできませんので、御承知おきください。
 それでは、仲吉勝弘参考人、補助者の田場周志氏、中井宏氏の順で、陳情平成26年第79号被災児童(脳脊髄液減少症)の救済に関する陳情について簡潔に御説明をお願いいたします。
 仲吉勝弘参考人。

○仲吉勝弘参考人 被災児童(脳脊髄液減少症)の救済に関する陳情。平成24年3月に、沖縄県西原町の小学校で当時5年生の児童が授業中に行われたタグラグビーのゲーム中、他の児童と接触して転倒し、後頭部を強打する事故が発生しました。その後、頭痛を発症し脳脊髄液減少症と診断されました。
 この脳脊髄液減少症とは、交通事故、スポーツ事故、さらに各種産業における現場での事故など身体に強い衝撃を受けることにより、脳脊髄液が漏れて発症するという病気です。頭痛や目まい、耳鳴り、吐き気、倦怠感などさまざまな症状があらわれますけれども、外見では判断できないため、これまで怠け病などと言われてきました。また、早期発見、早期治療が重要であり、水分補給と安静で重症化を防ぐことができます。特に、児童の場合は早期発見、適切な処理を行えば早期回復が可能です。しかし、被災児童は当初、沖縄県内の病院で後頭部打撲及び起立性調整障害と診断され、適切な処理を受けることなく症状が進んでまいりました。
 この病気については、現在治療を行っていますけれども、沖縄県内の病院ではなく静岡県の病院で行っています。状況については、補助者である田場周志氏から説明させていただきます。

○呉屋宏委員長 続きまして、田場周志補助者。

○田場周志補助者 それでは、事故の発生から現在までの経過について説明させていただきます。資料1をごらんください。資料1の一番上段、被災児童の病状、治療の状況についてという資料に基づいて説明いたします。
 平成24年3月1日、西原町立西原東小学校の体育の授業中にタグラグビーをしていたところ、ほかの生徒と接触して転倒し、後頭部を強打しました。その後、保健室や病院に行くことはなく、学校側から保護者にも連絡はありませんでした。自宅に戻った児童は、額の部分の頭痛を訴えました。その頭痛がだんだんひどくなってきたことから、1週間後の3月9日に近くの太田小児科医院を受診します。その結果、3月1日の体育の授業後、頭痛を発症したということで、頭部のCTを撮るために、紹介状を受けて社会医療法人かりゆし会ハートライフ病院を受診します。ハートライフ病院でCT検査をしましたけれども、特に脳内の出血や骨折などの異常は見当たらず、頭部打撲との診断を受けます。しかしながら、頭痛はおさまらない状態であり、病院に行っても学校で何かあったのではないかとか、精神的なものではないか、あるいは偏頭痛ではないかなどと言われ、その後病院で治療を受けずに過ごすことになります。それから約半年後の平成24年9月に頭痛が徐々に悪化し、最終的には立てなくなり、歩くこともできなくなりました。そして、同月にハートライフ病院を受診しましたところ、思春期によく起こる自律神経性の起立性調節障害と診断されました。しかしながら、自宅では夜の2時や3時まで、大量に汗をかき、頭を押さえ、うずくまって眠れない状況が続きました。この尋常ではない状況から専門的な精密検査が必要だと考え、ハートライフ病院から紹介状を受けて、同月に琉球大学医学部附属病院を受診します。そこで起立性調節障害に対するさまざまな投薬治療を行いましたけれども、改善が乏しかったため、頭部打撲による何らかの原因があるのではないかということで精密検査を実施したところ、琉球大学医学部附属病院では脳脊髄液漏出症と診断され、ブラッドパッチ治療を施しました。
 ここで、脳脊髄液漏出症と脳脊髄液減少症について簡単に説明いたします。脳脊髄液漏出症とは、検査した結果、明らかな髄液の漏出が見られた場合、脳脊髄液漏出症と診断され、その段階から先進医療として保険が適用されます。しかし、明らかな漏れが見当たらなかった場合は減少症となり、それは保険が適用とされず自由診療となります。琉球大学医学部附属病院では脳脊髄液漏出症と診断されましたので、治療は保険適用となり、ブラッドパッチ治療を行いました。このときのブラッドパッチ治療は、患者の血液を採取し、腰椎部分に注射します。血液が固まる作用を利用して、その結果漏れている部位にふたをするという治療法です。琉球大学医学部附属病院では腰椎から行いました。しかしながら改善が乏しく、頭痛は継続して学校に通えるような状況にはなりませんでした。そこで平成25年3月に沖縄県薬務疾病対策課が主催した脳脊髄液減少症の研究会に、この疾患治療の第一人者である篠永正道国際医療福祉大学教授が講師として招かれました。その研究会に参加して、篠永教授を紹介していただき、被災児童の診察を依頼しました。そして、琉球大学医学部附属病院及びこれまでの検査データを篠永教授がいる静岡県の国際医療福祉大学熱海病院―熱海病院へ送付し、病院側が診察の受け入れをしたことから、平成25年8月に熱海病院へ行きました。そこで検査をした結果、脳脊髄液減少症と診断されました。ただ、漏出を疑う部位は頸椎部位だろうということでした。琉球大学医学部附属病院では、頸椎は神経が集中しており、治療に対してリスクがあるので腰椎部位からの治療しかできませんでした。熱海病院では、脳神経外科の第一人者の先生がいらっしゃいますので、頸椎部位に対するブラッドパッチ治療をしました。その結果、だんだんと症状が改善しました。しかしながら頭痛が残っているということで、平成25年12月に人工髄液を注入しました。漏れはおさまっていますけれども、髄液の生産が追いついていないという診断だったので、平成26年7月までに人工髄液を3回注入しております。その結果、これまで足のむくみやできなかった歩行も改善して、体力面は回復してきました。しかし、頭痛が残っているということで、平成26年の10月に額の痛みをとるために眼窩上神経ブロックを施しました。それで額表面の痛みは改善しましたが、額の奥の痛みがまだ残っているということで、平成26年12月に再び熱海病院でガッセル神経節ブロックという注射をしまして、硬膜の痛みをとるブロック注射を行い、現在は経過を観察しているというところです。

○呉屋宏委員長 続きまして、中井宏補助者。

○中井宏補助者 本日、説明をさせていただきます、東京都からまいりましたNPO法人脳脊髄液減少症患者・家族支援協会の中井といいます。
 平成24年3月1日に事故が起こり、田場氏とは、先ほどお話があった県薬務疾病対策課の研修会の講師の1人として来させていただいて、県の担当者から県内の小学校児童1人がこの病気に罹患しているということで御紹介いただき、私が脳神経外科の第一人者である篠永教授を御紹介した経緯があります。その後、本土から記事等を見ていて、いろいろな問題が起こっているなということで、西原町の対応等、若干おかしいと感じながら患者会として極力支援をしてきた経緯がございます。そういった意味で、被災児童が今置かれている状況や、国がこの研究をしていますがどういった状況かということをできる限りわかりやすく説明していきたいと思います。15分ほどお時間をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 スクリーンをごらんいただきたいと思いますけれども、これは眼窩上神経ブロック治療を行っている様子です。これは静岡県の熱海病院にて治療を開始し、ブラッドパッチ治療や人工髄液を注入して順調に回復しており、若干残っている頭痛に関して行った治療です。ごらんください。目の奥に針を刺しており、子供にとっては大変厳しい治療だと思います。県内の有名なブロック注射の医師からは、この治療ができる方は相当技術がありますねという評価です。ですので、この医師がどれだけ技術が高いかがわかる治療の様子だと思います。先ほど説明がありましたけれども、彼は平成24年3月1日のタグラグビー中に事故に遭い、いろいろな病院をめぐるドクターショッピングを行い、琉球大学医学部附属病院での治療に至ります。文部科学省の下部組織である独立行政法人日本スポーツ振興センターにおいて、学校の事故はほぼ100%治療費その他を負担する制度がある中で、先進医療を含めて国が認めた治療でしたので、平成25年8月までは治療費その他が支払われてきました。しかし、一環の流れの中で、静岡県の熱海大学で受ける治療に関しては、厳密に言えば脳脊髄液漏出症と診断されてもよかったのですけれども、国が研究途上ですので、微妙なところでしたが厳密には当てはまらなかったのです。しかし、世界の基準では十分に当てはまっている。もちろん治療の一環として治療をしてよくなっている。しかし、先進医療ではないので治療費をここでストップしたのです。沖縄県から静岡県までの往復費用その他治療費が膨らんでいくことに関して、御存じかと思いますけれども、琉球新報の記事ですが、治療費に関してスポーツ振興センターで給付金が出ない以上、西原町教育委員会は全国町村会総合賠償補償保険を使って支払いたいという方向に変わってきたのです。きょうはその流れで説明していきたいと思います。
 今説明しましたけれども、厳密に言えば、検査結果は脳脊髄液漏出症の診断基準に微妙に当てはまらなかったことによって、自由診療にならざるを得なかった。そこで全国町村会総合賠償補償保険を使おうと。実は、これは損害保険ジャパン日本興亜株式会社―損保ジャパンが請け負っております。ここで西原町教育委員会は損保ジャパンと連携をとるようになります。損保ジャパンは比較的、この病気に対して反対的な意見がすごく多いのです。この病気が社会問題になった背景には、学校事故もそうですけれども、交通事故後にこの病気を発症する方が非常に多くて、損保ジャパンがこの病気に比較的反対していたのです。それで親御さんと協議した結果、西原町教育委員会は、診断基準に当てはまらなかったので因果関係がないのではと言い出してきたのです。そこを調べたいと、西原町教育委員会の態度が少しずつ変わってきました。さらに、この病気の診断基準が作成途上であり、現在も進行形でまだつくっている段階です。ですので、今の現状では多くの子供たちが診断基準に当てはまらず、これから子供の診断基準をつくろうという段階です。ちょうど制度と制度の間に挟まってしまったと。しかし、世界基準は既にありまして、世界基準では被災児童は十分に当てはまっている。もちろん、篠永教授も治療するのは当たり前だと言っています。我々や親御さんの必死の活動により、全国でも地方でこういった場合には補助金を出そうという行政が出始めまして、長野県飯山市というところですけれども、その要項をモチーフにして、西原町でも給付補償額は、学校管理下の事故による場合は10分の10、もしくは10分の5というような審議に入っていただきました。今後どうなるかということを期待したいと思います。
 病気の説明をさせてください。今、左側にある動画ですけれども、髄液が生成されて順々に循環していく様子です。右側は、何らかの衝撃によって、腰から髄液が漏れて脳が下がっていく様子を示しています。それで、自身の血液を使って漏れているところにパッチをして、脳を正常な位置に戻すというのがブラッドパッチ治療の原理です。脳脊髄は人間の中枢神経です。ここをもって人間を支配しています。もちろん、脳神経をしっかりガードしなければなりませんので、脊髄でしっかりガードされています。常にある脳脊髄液の量は150ccから200cc、わずかこの程度の量で脳が浮いており守られている状態です。1日で生産されるのは500cc程度の量だといわれています。さらに詳しく説明すると、脊髄の周りにはサランラップのような透明な膜が覆っています。もう一つ外側にクモ膜という網タイツ状のようなものがあって、さらにその奥に硬膜という3つの膜で保護されています。何らかの衝撃があったときに、神経の出口が水道管の安全弁のように圧力がかかり、クモ膜下部の髄液が外に流失していくという仕組みになっています。ここに、造影下で漏れている部位に自身の血液を入れてブラッドパッチをします。
 この写真が社会問題になった写真です。2種類の造影剤を入れていて、左側のうち1つがRI検査画像で、3列に並んでいるのがミエロCTという検査で、それぞれ違う造影剤を入れていますけれども、ちゃんと同じ部位から髄液が漏出しているところが見えます。ブラッドパッチをしたのが右側の画像です。脳のてっぺんを見てください。髄液がちゃんと循環しています。これがしばらくの間、特に損保ジャパンが認めてくれなかったのです。これは考えられないということで社会問題になった背景があります。ここで、篠永先生にインタビューを行いました。被災児童にどういう見解を持っているのかというのを今からお聞きいただきたいと思います。

○篠永正道国際医療福祉大学教授(音声) 脳脊髄液減少症というのは、何らかの原因で髄液が漏れ出して、脊髄液が減るとさまざまな頭痛や目まい、目の症状、集中力がないとかだるいとか、いろいろな症状が起こる病気です。何らかの原因というのは軽い外傷が多いです。交通事故で追突されたとか、スポーツで転倒したとかで起こることが多いです。
 髄液が漏れている場合、漏れをとめることが大事です。とめるという点では、受傷してしばらくの間、1週間から2週間横になって寝ているだけで多くの人はとまることが多いです。ところが、その治療でもなかなか漏れがとまらないときには、ブラッドパッチといって自身の血液をとって、背中の硬膜外に注入することによってかなり多くの人で治ることができるのです。しかし、漏れがとまってもなかなか髄液がふえない方もいらっしゃって、そういう場合には硬膜外に生理食塩水を注入する生食パッチをやったり、人工髄液を髄液の中に入れて髄液をふやすという治療も行っています。その他、いろいろな合併した症状や痛みに関しては、それなりのブロック治療といったいろいろな治療を試みています。
 受傷した直後は、まだそれほど髄液が減っていないこともあるのです。じわじわと髄液が漏れて減ってきた場合、かなり時間をかけて症状が進行していくのはよく見られることです。1カ月や半年、中には1年後に症状が非常に強く出てくることもありますので、そういうことはよく見られる現象です。
 被災児童に関しては、CTミエログラフィーでの明らかな漏出は見られないです。その点では日本の基準には合致しないわけですけれども、今度新しくできた国際頭痛分類による基準がありますが、これは受傷してからずっと頭痛が続いて、何らかで髄液が漏れているとか、髄液が少ないという画像所見があるとか、そういうことが基準になっていますので、そういう意味では国際基準には該当すると思います。
 今回は、頸椎からの漏出を強く疑いました。首の症状ですとか、頭が痛いということがありましたし、前回腰のブラッドパッチをやって、それでもまだ症状が改善していないことを見ると、頸椎から漏れた疑いが非常に強いということで首からの漏れを疑いました。
 原因として、ほかに明らかな外傷がないわけですから、後頭部を強く打ったと同時に首や背中に強い衝撃が加わったという可能性は十分にあるわけです。ですから、この外傷が、髄液が漏れて少なくなった原因かと考えるのが妥当だと思います。
 多くの子供を見ていますと、時間がかかる方もいらっしゃいます。ある時点から髄液の量が少しずつふえ出したりとか、いろいろな治療をすることによってほとんどの子供の症状はよくなっていきます。ですから、今後の治療で十分に症状が改善して、完治に向かっていくことは考えられると思います。 ○中井宏補助者 こういう主治医の見解ですけれども、ただ、西原町としては補償をどうするかということで損保会社と相談されて、篠永先生以外の専門医に病気との因果関係を調査したいということを頻繁に保護者にお話しされるようになりました。
 現在、長野県飯山市にこのような児童を救済する要項がございまして、その要項を作成したときのエピソードを飯山市長に話を聞いてきましたので、お聞きいただきたいと思います。

○足立正則長野県飯山市長(音声) 責任者からもお話を聞いたり、実際に御両親からもお話を聞いたけれども、本当に大変だと思います。ある一方では、風邪を引こうが外でけがをして入院しようがそれは結構ですと。ところが、この病気には一切何の手の差し伸べがないというのは、これはおかしいのではないかと思いました。県及び県議会でもいろいろ活動しておりますので、市でできることはやりたいということで市議会にもお話ししました。今回、これで議会において全会一致で議決が通りました。

○中井宏補助者 このような形で、長野県飯山市は児童に対して救済措置をとっていただいています。本土から沖縄県を見ていて、このように学校現場でこの病気になる方は非常にふえています。そういった場合、大体、学校現場の先生や関係者はまず主治医へ足を運んで、現状をお聞きしている状況をよく見ます。また、その地域の首長である、例えば大津市長は御家族とお会いして、状況を聞いて対応に当たっていくとか、大体そういうことをされています。西原町の対応を見ていますと、どうも御家族とお会いされた経緯も感じませんし、西原町は因果関係を認めるには篠永先生以外の専門医に意見を聞くことを提示されている。第一人者はこの人以外に誰がいるのだろうかとついつい考えてしまうのは、多分保険会社の意向を捉えているのかと、患者寄りではないと感じたりしています。どちらにしても、本土から見ればそういう疑問を感じたものですから、私の意見としては、現場が重要ではないかと。現場を見ていただくことが、多くの患者が熱海で治療されているところを見たり、主治医の話を聞くことが一番ではないかといつも提案させていただいています。
 この脳脊髄液減少症の研究はことしで8年目を迎えています。国が真剣に取り組んで8年目になります。一応の診断基準はでき上がっていますけれども、その基準に当てはまらない第2の診断基準づくりを今作成中です。ことし、来年中には完成予定でして、先進医療という形で保険適用は一部認められているし、その治療効果も一昨年に公表されて、500症例中四百数十件でこの治療の効果があったということですので、1年後の保険適用を阻むものは、ほぼないかという状況に来ております。そうなると、今後こういった事態は、ほぼなくなるのではないかと感じております。ただ、本件の場合は制度と制度の合間に挟まってしまった。こういうときこそ行政の力で救済していく、そういうことが必要ではないかと感じています。
 厚生労働省の研究会の経過ですけれども、よく水俣病と類似されると言われています。水俣病も最初研究会ができたときは現場が軽視されまして、最初数百人から承認されて、患者の活動によって―今でも闘っていますけれども、最終的に数万人とふえていきました。この病気に関してはいまだ根強く反対を言う人もいます。反対派、賛成派、中立派が所属する研究会ですので、最初の段階としては厳しい基準にならざるを得ない。その基準にはほとんど当てはまらない。時間をかけて救済していくしかありませんけれども、そういったところが水俣病に似ているといわれています。こういった国の研究会の先生にも、やはり現場を見ていくことが重要だと私は提言したいと思います。
 さて、日本スポーツ振興センターのホームページを見ますと、自由診療の場合でも、学校内で起こっていれば40%は補償しますという制度がホームページに出ています。本土では、脳脊髄液減少症で自由診療をされている方が4割補償をいただいているのです。本件は、日本スポーツ振興センターに開示請求をさせていただいたところ、ちゃんと資料が出ているにもかかわらず給付されていない。この件に関して、私たちは国会議員や文部科学省と連携して、本件に対しても40%出るように働きかけをしております。残りの6割を沖縄県や西原町で負担していただくよう強くお願いしたいと思います。
 「小児、若年者の脳脊髄液漏出症、起立性頭痛と脳脊髄液減少症」という本があります。この本はすばらしい本です。比較的この病気に反対だった脳外科医が記し―その方の奥さんが小児科医です。多くの患者が頭痛を訴えて病院を訪れて、自分のところで治らない患者がたくさん出てくる中で、近くに肯定派の先生がいて、紹介をしてブラッドパッチをしていくにつれてやはりよくなって帰っていく。その心の転機がここには書かれています。これは医学書ですけれども、今後、医学者にこの本は大きく評価されるようになっていくと思います。現在、まだ反対する医師が多いです。しかし、実際に現場で治療をしていけばわかっていくと思います。2016年でのブラッドパッチ治療の保険適用は9割ぐらい実現すると思います。あと1年ちょっと。これは私がデータを集めている中で、反対する要素がなくなっているからです。やはり、今後さらに患者を救済するには、現場第一主義であっていただきたいと感じます。きょう、本当にこうやって我々の声を聞いてくださった文教厚生委員会の委員方には、本当に現場の声を聞いていただいて厚く御礼を申し上げます。
 最後に、今後脳脊髄液減少症の100%の基準ができるかというと、先ほどの髄液がつくられていく動画です。最近、ついに髄液がつくられているリアルタイムの動画が撮影されました。右側をごらんください。噴水のように出てきており、徐々にではありませんでした。これは最近撮影されました。まだまだわからないことはあります。ただし、この髄液が関与して多くの病態が出ることはほぼ間違いないです。ガイドラインという縛りにくくられず、その症状に対して未来ある子供たちを守っていくのが我々大人、行政の役目だと思います。
 簡単ではありますけれども、近況を報告させていただきました。以上です。

○呉屋宏委員長 参考人等の説明は終わりました。
 これより参考人等に対する質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないように簡潔にお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 赤嶺昇委員。

○赤嶺昇委員 最初に、被災児童の現在の状況を教えていただけますか。

○田場周志補助者 児童は、熱海病院でブラッドパッチ治療、そして人工髄液治療、その他ブロック注射をして回復に向かっていることは間違いありません。しかしながら、やはり額の頭痛がまだとれない状況で、通学―登校までは至っていないのが現状です。本人に聞きましても、数学や英語といった考えたり暗記する教科については、そのときにやはり痛みが強くなるように感じたり、また授業に集中できないという本人の話もありまして、学校には登校できていない状況であります。ただ、ことしになって主治医の篠永先生からの勧めもありまして、軽い運動を入れたほうが体力の回復につながるということで、最近は体調を見ながら、月曜日から金曜日の間で約1時間余りの運動を取り入れています。

○赤嶺昇委員 事故が起きてから、ずっと今でも頭痛に悩まされていると理解していいですか。

○田場周志補助者 実は、平成24年3月1日の事故後、額に頭痛が発症しました。その後、頭痛はどんどん悪化し、平成24年9月にはとうとう歩けなくなるほどの頭痛が発症しました。しかし、熱海病院での治療のおかげで、その当時の頭痛と比べて大分緩和され、体力も回復しております。

○赤嶺昇委員 今も頭痛はありますか。

○田場周志補助者 頭痛はずっと残っている状況です。

○赤嶺昇委員 今後の完治の見通しはどのように言われていますか。

○田場周志補助者 先ほどの篠永先生のインタビューでもありましたけれども、やはり正しい治療を継続していけば完治に向かう可能性は高いということですけれども、その時期は個人によって差があるので、現在治療の過程であるということと、また成長もあるので、いつ完治するとはっきりとは言われていません。

○赤嶺昇委員 現在の西原町の対応は、現時点でどのようになっていますか。

○田場周志補助者 現在、学校については、去年登校した際には保健室登校とか、それなりの授業も組んでいただいて、マンツーマン指導をしていただきまして、学校には非常によい対応をしていただいています。ただ、実際の治療費や渡航費が問題になっているというのは、熱海病院での治療以降のものが支払われてないという状況です。ハートライフ病院や琉球大学医学部附属病院といった県内での治療については、脳脊髄液漏出症と診断されていますので、日本スポーツ振興センターの保険が適用されて支払いを受けています。しかしながら、平成25年8月の専門病院である熱海病院での治療開始から現在に至るまでの治療費とその渡航費については、支払われていないというのが現状であります。

○赤嶺昇委員 治療費などが支払われていない額を教えていただけますか。

○田場周志補助者 医療費と渡航費を合わせまして、200万円余りとなっております。

○赤嶺昇委員 200万円余りというのは、どこをどうするのかという結論はまだ出ていないと理解してよろしいですか。

○田場周志補助者 西原町議会でのお話でもそうですし、新聞報道でもそうですけれども、西原町としては全国町村会総合賠償補償保険で対応したいということでしたけれども、やはり先ほどの説明にもあったように、この脳脊髄液減少症については損保会社が疾患を認めないという傾向にあるものですから、患者側としては、診断書等必要書類を提出しても、期待できる補償はないのではないかと考えているのが本音です。また、現在は保険会社からこれまでの通院、入院した全ての病院のカルテの提示を求められており、そのカルテ提示に向けて現在申請をして、資料をそろえているところであります。

○赤嶺昇委員 完治するまでに時間がかかるということですけれども、今後も熱海病院で継続して治療していかなければいけないと理解していいですか。

○田場周志補助者 やはり、この疾患に対する日本での第一人者である篠永正道教授がいらっしゃる熱海病院に昨年8月からこれまで6回治療に行き、確実に回復している状況からしましても、やはり専門医の最新の治療によって児童を回復させたいという思いがありますので、今後も継続して治療をしていきます。

○赤嶺昇委員 確実によくなっているということで、被災児童が頭痛に悩まされる期間が長いというのは非常にかわいそうだと思います。確実によくなっている現状を踏まえながら、今の先生と一緒にやっていけたほうが一番いいのではないかと思っております。以上です。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 狩俣信子委員。

○狩俣信子委員 どうもお疲れさまでございます。被災児童の祖父である田場稔氏は元高校教師でございましたので、よく存じ上げております。本当にお孫さんのことで大変な御心労があるかと思います。県教育委員会の話では、皆さんの経済的・精神的な負担に対する支援策の協議を進めていると。西原町は支援に向けた条例制定に取り組んでいると出ていますけれども、現在これはどのようになっていますか。

○田場周志補助者 昨年12月の議会で西原町学校災害医療費等資金貸付支援条例が全会一致で可決されましたけれども、西原町議会文教厚生常任委員会に参考人として出席しまして、保護者側から見た状況などを説明した結果、附帯決議も出ました。資料3にあります議案第44号の附帯決議というように出されておりまして、その記の部分の1、2、3、4があります。特に2番の給付補償額は学校管理下の事故による場合は10分の10、その他は10分の5とする、そして3番で、給付・補償の期間はスポーツ振興保険制度に鑑み、治療から10年をめどとするといった附帯決議が出ておりまして、ぜひこの附帯決議に基づいて町が条例、その他の制度をつくっていただきまして、被災児童に対してこの治療費について10分の10をしっかり給付、支援していただけるのであれば非常にありがたく、助かると思っております。

○狩俣信子委員 貸し付けだけでは解決できないわけで、やはり10分の10の補償がぜひ必要だということですよね。本当に熱海まで行って、大変な御苦労もあるかと思います。一日も早い回復を祈るわけですけれども、先ほどのビデオの中で、他の専門医にも聞くべきではないかという提案がありましたけれども、そこらあたりはどうなっていますか。

○中井宏補助者 これは、全国町村会総合賠償補償保険を使っていく上で、損保会社とすれば本当に被災児童が脳脊髄液漏出症なのかどうかというのを、篠永先生以外の専門家に聞きたいというのは当たり前だと思います。ただ、残念ながら児童を診る専門家がそんなにいないのです。本当に10名もいないので、逆にわからない人たちに聞けば、違うだろうという答えもございます。そこに私は非常に懸念を持っていまして、やはり治療数で圧倒的に多い第一人者の診断はまず間違いないだろうということで、そういう話をしています。

○狩俣信子委員 今、お世話になっている熱海病院の篠永先生が第一人者であるので、そういう意味では、そちらで治療なさっているブラッドパッチ治療は効果的だと伺いましたので、子供に対してはそこらあたりを継続していかなければならない部分なのですね。その後、補償はどうなのかということで気をもむわけですけれども、それは西原町議会がこういうことを決めたにしても、それを実行できるかどうかというのが大きな課題ではないかと思いますけれども、そこらあたりはどう見えますか。ちゃんと10分の10の補償をしてくれるような方向に行けるのかどうか。そこは見えませんか。

○田場周志補助者 実は、昨年12月25日とことし1月26日に、直接西原町教育長とお話しする機会があったので、話をさせていただきました。ただ、附帯決議を受けとめてそのような条例、もしくは制度をつくって救済していただきたいと話はしておりますけれども、実際に条例に向けた会議はこれからだと聞いておりますので、すぐに条例や制度ができるとは聞いておりません。会議はこれからだと聞いております。

○狩俣信子委員 ということは、これからも頭痛がおさまるまではずっと治療が続くわけですよね。その条例は、完治するまでの間にできるかどうかも不確かなのですか。

○田場周志補助者 条例がいつ制定される予定であるとか、そういった旨の返答や説明は現在受けておりません。

○狩俣信子委員 何度も熱海病院に行くわけですから、非常に不安な部分ですね。それから、県教育庁は西原町教育委員会へ担当指導主事を派遣して、いろいろ支援に向けて取り組んできたということがありますが、そういうのはオーケーだったのでしょうか。

○田場周志補助者 支援の部分といいますと、学習支援であったり治療費、渡航費の支給支援などがあると思いますけれども、学習面からしますと、被災児童がまだ登校できていない状況ですので、実際に休学していた部分の補習授業を受けたりといったものは、実際まだ登校していないので実現されていないのかなというところであります。あと、救済面については、実際平成25年8月から治療を開始しまして、現在まで6回の治療をしております。ここで問題になるのは、頸椎部位へのブラッドパッチ治療と3回の人工髄液注入で保険適用外の治療が4回あったこと、あと2つのブロック注射については保険が適用されております。ですから、4回の治療に対して、現在まで給付もしくは支給がありません。

○狩俣信子委員 損保ジャパンは全国的に見て、こういう症状に対してはこれまで補償したことはないのですか。

○中井宏補助者 状況は少しずつ認める方向に来ています。なぜかというと、この診断基準は、脳神経外科学会を初め整形外科学会等、日本の各種医療学会が承認してつくった基準なのです。それをもって先進医療という形で公的に認めました。その診断基準は非常に厳しくて、10人中1人ぐらいしか当てはまらない。小児例は外れてしまう。ただし、今まで10人中1人も認められなかったけれども、1割ずつ認められるようになっているのです。先ほど申し上げた水俣病に似ているというのは、これからまたふえてくる、その途上で起こった事故。ただ、しっかりした画像があれば、少しずつ損保会社も認め始めているという現状です。

○狩俣信子委員 先ほど、カルテを持ってくるよう指示されたと言っていましたね。そこらあたりも影響していくのですか。

○中井宏補助者 厳密に言いますと、熱海病院で検査した結果、主治医も言っていますけれどもCTミエロ画像に映らなかったとおっしゃいました。それは厳密には国の基準にギリギリ当てはまらなかった。ただし、今後の研究次第では当てはまるかもしれないです。それがちょうど進行中なのです。まさしく被災児童の場合は、制度と制度のはざまで苦しんでいる状況で、カルテの開示請求をして保険会社寄りの主治医に聞くと、この画像は認められないという返事が必ず来ます。私見ですけれども、必ずそういう返事になります。

○狩俣信子委員 でも、現実に熱海病院では、脳脊髄液が減少したことによってこの頭痛は起こっていると診断されたわけですよね。

○中井宏補助者 今、一連の流れでお話しさせていただいたとおり、世界基準にも当てはまり、治療してよくなっているわけですから、それこそ現場を見ていただければ、本人の状況を見ていただければ一目瞭然かと存じます。

○狩俣信子委員 これで終わりますけれども、本当に親御さんからすると大変だったと思います。しかし、そのブラッドパッチをすることによって改善していくという希望があるわけですから、私たちも最後まで支援しながらやっていきたいと思いますし、西原町教育委員会からも、そういう意味で前向きな答弁が出てくるように私も期待したいと思います。本当にお疲れさまでした。

○呉屋宏委員長 何か補足がありましたらどうぞ。
 仲吉勝弘参考人。

○仲吉勝弘参考人 私が沖縄県脳脊髄液減少症患者支援の会の代表をしている理由として、私もこの病気にかかった1人なのです。私の場合は、平成16年の交通事故によってこの病気になったのです。まず、最初は全然わからないです。この病気の名前も聞いたことないし、ほかに腰の手術をしたりいろいろなことをやりましたけれども、最後まで頭の痛みはとれなかったのです。それで、どうしようもなく琉球大学医学部附属病院へ行ったら、たまたま担当してもらった先生がこの病気ではないかということで診てもらったのです。そうすると、私の場合はこの病気であると。琉球大学医学部附属病院で2回ほどブラッドパッチ治療をやってもらって、5年ほどこの病気で苦しんできたのですけれども、今は頭痛が起こることもありますが、元気に仕事もできるようになりました。この病気は、なった人しかわからないのです。それで、私は被災児童をどうしても助けたいと。自分がこの病気で苦しんでいるときに、本当に痛いときは自分で自分の頭を割りたいほどに痛かったです。これほどにまで痛いのなら死のうかと思うほどの経験をしてきました。どこに行っても当初は病気を理解してくれる先生もいないし、精神的なものではないかとか、怠け病ではないかとか言われてきました。でも、現に私は治療をして治っているのです。治っているからこそ、今、治してもらわないと―被災児童には将来がありますから。必ず治ると思うのです。私も1カ月で体重が15㎏ほど落ちましたし、食事もとれず頭が痛いだけで何も考えることができなかったです。それぐらい本当に苦しかったです。被災児童のように周りの家族が理解しているから、被災児童もどうにか治そうと一生懸命、また御家族も静岡県の病院まで行ってやれるというのは普通ないと思います。これは莫大な治療費がかかるわけですから、どうか補助をしていただき、助かるようにお願いいたします。病気になった人だけしかわかりません。この病気についてはほとんどの人が知らないです。医者でさえ聞いたこともないとも言われています。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 小学校5年生のときにかかったという児童が一番大変な思いをしているなと思いながら聞いているのですけれども、私も交通事故で頸椎捻挫の皆さんが、結局は画像診断で出てこないので病名が出ない、後遺症ではないということで、何度も相談を受けた経験がありまして、この脳脊髄液減少症も10年ぐらい前から、交通事故が主な原因として出てきたというのは説明を受けたとおりだと思います。その病気の解明がおくれているだけであって、実際には患者自身は相当苦しい思いをしているというのを聞きながら感じました。一番感じているのは、学校の授業によってそういう症状が出て、その以前に特別な病気を持っているとかそういうことではないのに、保険会社が別の専門医に診断をさせるということが本当にあっていいのかと思うのです。先ほど専門の方も10名いるかいないかということもおっしゃったのですけれども、一般的に専門医でなければ、病名も知らないということを受けて、確かにそうだろうなと。第一人者と言われる先生がそういう診断をして、現に治療すれば回復が見えるということで、この病名できちんと治療費を出して当たり前だと思うのです。とても気になるのは、学校での授業中に起きたさまざまな事故の中で、なぜ個人負担があるのかというのが一番の疑問です。何らかの形で学校保険として掛けているかもしれないけれども、保険は保険会社があるので、出す出さないという問題は別だと思うのです。ですから、なぜ町教育委員会として、まず先に治療をさせるという立場に立っていなかったのかなと。納得のいく治療、回復できる治療、学校に行ける治療がなされないというのがとても考えられないのです。それに対して、多分親御さんもそういう意見を言われたと思いますが、町との関係とか、どういう話になったのですか。

○中井宏補助者 実は、この疾患で国の省庁で一番最初に動いたのは文部科学省でして、平成19年と平成23年に、学校内における不登校生の中に、この病気の子がいますから注意してくださいという正式な事務連絡が出ているのです。結局、本件もこの病気の報告が半年おくれるのです。国からちゃんと通達が出ているものに対して怠慢だったと思っていまして、そこに大きな原因があって、ここまで長引いてしまったのではないかと。その事務連絡の中には、しっかり安静にしなさいと書いているし、ちゃんと対応をしなさいと書いているにもかかわらずできなかったうちにこういう事例が出てきて、慌てふためいて最終的にはお金の問題になっていくという状況にあるのではないかと。ちゃんとした経緯をとって我々は活動しているし、県も正式に専門医を招いて、大きな会場で養護教諭を呼んで勉強会をやっていました。そのとき西原町が来たかどうかわかりませんけれども、そういう経緯があった上で、御両親の話も聞いていただければと思います。

○田場周志補助者 町との話し合いの状況ですけれども、先ほどもお話ししたとおり、町としては第一義的に全国町村会総合賠償補償保険で対応したいというところであります。それについては、先ほどから説明しているとおり、損保会社側は脳脊髄液減少症について否定的な見解を示しているという情報が入っております。ただ、昨年12月の西原町議会定例会で、やはり貸し付けだけでは不十分だということで、学校事故に関しては10分の10で脳脊髄液減少症への補償をするようにという附帯決議が付された上で原案可決されているわけですから、やはり早目に条例もしくはそのような制度を設けて、現在は保険適用外となっている脳脊髄液減少症のブラッドパッチ治療、人工髄液を補充する治療については支援、救済していただきたいところであります。また、県内の琉球大学医学部附属病院、ハートライフ病院での治療費については、日本スポーツ振興センターの保険がおりています。この違いというのは、先ほども説明したとおり、県内では脳脊髄液漏出症と診断されたので先進医療の適用となり、保険がおりております。そのときの事故報告書が資料4であります。資料4に、西原町立西原東小学校の学校長名で作成されました事故発生状況報告についてという資料があります。このように、平成24年3月1日の3校時の体育のタグラグビーの授業で複数の男子と衝突して、後頭部を強打したと。その後、脳脊髄液減少症を発症したという報告書があります。さらに、後ろには事故の概要であるとか、保健室での経過の詳細な報告書も添付されております。この西原東小学校の学校長名で作成された報告書が西原町教育委員会に提出され、この報告書に基づいて日本スポーツ振興センターの保険が適用されまして、県内の治療費については支払われ、現在も琉球大学医学部附属病院、そして疾患による鍼灸治療費まで全ておりております。ですから、西原町に対して、日本スポーツ振興センターの保険がおりているのではあれば、この損保会社の疾患を認めない意見に同調することなく、行政として救済していただきたいということで、脳脊髄液減少症に関する条例、もしくはそのような制度を設けていただきたいということであります。

○呉屋宏委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、追加資料として「西原町学校災害医療費等資金貸付支援条例」が配付された。)

○呉屋宏委員長 再開いたします。
 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 この条例は200万円限度の貸し付けという条例になっていますけれども、先ほど田場補助者がおっしゃいましたが、私が親であれば、子供が自律神経云々と言われたり、歩けなくなり、本当の病名がわからないまま、本人に問題があるようなことを言われ、そして学校にも行けないわけでしょう。学習権も阻害されているとかいろいろなことを考えたら、まず学校現場で事故を起こした行政、教育としてちゃんとやって、そして保険がおりるのであればその保険で補塡するというのが当たり前ではないかと。今後、そういう学校事故の中には、病名はつけられなかったけれどもこういう診断が出るというのは、今後、症状そのものが解明されればされるほどそうだったというのが確かに出てくるのかなという印象を先ほどの説明で受けたので、そういう意味ではやはり妥当な要求だと思いますし、少なくとも200万円という、確実な回復が見られる治療については、既に未払いという状況で、また治療に行くときに病院との関係で、快く先生にまた治療に来ましたと皆さんが言えるかどうかというのもありますし、治療そのものも困難になるというのがあるかと思うので、やはり貸し付けということでなく、教育で行われたことはきちんと責任をとって支払ってもらう立場が当たり前ではないかと思いますけれども、そこもやりとりの中で何か出たのであれば説明いただきたいし、今頑張っているものが貸し付けでとどまるということになるのかも含めて、町との関係の見通しなどがあればお願いします。

○田場周志補助者 西原町学校災害医療費等資金貸付支援条例―貸付条例については、配付した資料に新聞記事があります。平成26年12月3日の沖縄タイムスの記事ですけれども、給付等については西原町議会の文教厚生常任委員会から出席の要請がありまして、そこに出席をして、実際の貸し付けでは本当の救済になっていないということで、我々からは貸し付けではなく、実際の治療費を支払ってほしいという要望を伝えました。

○西銘純恵委員 保護者としての相当な努力、そして支援をされている皆さんの努力があって、聞いていてとても感じましたけれども、何らかの形でやはり教育の現場で起こったことであれば、県の教育行政もどうなのかも含めて、もう少し私どもも議論が必要なのかと感じておりますので、ぜひ早いうちに回復できることを願って、質疑を終わりたいと思います。

○呉屋宏委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、委員長から、西原町学校災害医療費等資金貸付支援条例に対する附帯決議の内容について、給付を求めるものであることの確認がされた。)

○呉屋宏委員長 再開いたします。
 ほかに質疑はありませんか。
 比嘉京子委員。

○比嘉京子委員 今、現時点での西原町の条例では、貸し付けでとまっているわけですよね。それから、皆さんの資料10ページの議案第44号付帯決議について、これは先ほど御紹介のあった長野県飯山市の事例をもとに附帯決議を町議会がつけたわけですよね。

○田場周志補助者 そのように聞いております。

○比嘉京子委員 先ほどの200万円を上限とする貸付条例とこの附帯決議との間には、かなりのギャップがあるわけですけれども、それはどのように説明を受けられていますか。これを見ると、学校管理下では10分の10を補償するとなっている。けれども、条例では200万円の貸し付けになっている。これについてはどういう説明を受けられていますか。

○田場周志補助者 この附帯決議について、実際に詳細な説明を受けたということはありませんけれども、ただ、200万円の貸付条例については使いませんという返答はしております。

○比嘉京子委員 つまり、附帯決議をつけるということは、そこに向かって展開というか発展的にしたいと。そこは聞いてみないとわからないのですが、わからないということで保留にしておきます。現状では具体的に条例と附帯決議の間に相当なギャップがあるので、少しこれは町に聞かなければわからないと理解しておきます。
 小学校5年生のときに、体育の授業をきっかけにしていますけれども、まず、この子供が体育の授業後1週間ぐらいから頭痛を訴えるまで以前の子供の発育状況というか、どのような子供だったのでしょうか。

○田場稔補助者 委員からの御質疑がありましたのでお答えいたします。ここに、被災児童の事故以前の活躍ぶりが写真に載っておりますが、水泳の選手でした。大会があるごとに記録を出すほどの運動神経の持ち主でありまして、足も物すごく速く、肩もよくて、西原町を代表する野球選手でもありました。沖縄を代表して熊本県での大会まで行っております。そういうスポーツを愛し、非常に活発であった子供が、この事故以降頭が痛いと言って、ずっと自宅で寝ているのです。私は心配になって、春休みや夏休みなどの宿題はどうなっているのかと教えに行きますが、10分と机に向かっていられない、頭が痛いといって寝転んでしまうという状況でありまして、見ていられないのです。あれほど一生懸命スポーツを愛し、スポーツに熱中していた子供がこういう状態になった。そして、将来はどうなるのかという心配でいっぱいであります。

○比嘉京子委員 非常に活発であったという理解をいたします。今、一つ問題になっているのは、制度と制度のはざまにあるこの問題をいかに救済していくかということで提案があると思いますけれども、これまでに学校の中で起こったという前提があって初めて日本スポーツ振興センターからの保険はおりている。そして先進医療の保険もおりているというわけですよね。そうすると、学校で起こったこととの因果関係というのは、学校自身も認めているという理解でよろしいですか。

○田場周志補助者 県内の琉球大学医学部附属病院とハートライフ病院での治療費については、全額支給されております。それについては、琉球大学医学部附属病院で検査した結果、脳脊髄液漏出症と診断され、そこから先進医療が適用されました。ただ、熱海病院については、脳脊髄液減少症と診断されているので、保険が適用されていないということであります。ただ、琉球大学医学部附属病院、ハートライフ病院の治療費を請求するに当たり、資料4のとおり、事故発生状況報告についてということで、西原東小学校が学校長名で事故報告書が図面入りで作成されています。さらに詳細に書いた報告書がその後ろに添付されておりまして、その資料を西原町教育委員会に提出しまして、西原町教育委員会はその資料をもとに日本スポーツ振興センターに治療費を請求し、実際に県内病院での治療費はおりているのです。事故があって、その結果脳脊髄液減少症を発症したというのが、学校長名で西原町教育委員会に対して報告がされておりますので、その辺についてはしっかりと補償されたと私どもは考えております。

○比嘉京子委員 今、私が問題だと思うのは、結局学校での体育の授業で起こった強打が、そういう因果関係にあってそれを認めた上で報告書を出して、治療費として認められて出されているわけですね。そのことがあるにもかかわらず、それから先の治療費については貸し付けという町の対応は、やはり問題だと言わざるを得ないわけです。つまり、これは保険適用なのか外なのかということのえり分けであって、因果関係ははっきりしている。その延長線上で受けている治療については日本スポーツ振興センターの保険適用外の治療であるため、補償されないまま放置されているというのが今の実態だと私は理解しているのですけれども、それでよろしいですか。

○田場周志補助者 そのとおりです。

○比嘉京子委員 そうすると、やはり問題はその保険適用外になっている現在の治療費に対して、貸し付けではなく学校の授業における事故だということで、治療費を個人負担にすることがそもそも論として非常に問題だと思うのです。そこで、せっかくPTAの方々がいらしていますけれども、被災児童の件だけではなく、沖縄県PTA連合会会長と西原中学校PTA会長のお二人に、そういう実態は今後も起こり得ると思うのです。もしかしたら今後も起こるかもしれないと思うので、そういう場合にPTAの立場―子供を学校に送り出している親の立場から一言ずつ今の事例を含めて、学校での補償のあり方についてどのような御意見をお持ちですか。

○伊敷猛補助者 沖縄県のPTAを代表して、やはり義務教育の中で授業を通したいろいろな学びの場として、子供たちを安心安全に学校に預けたい。また、不幸な事故が起こった場合にも、本当に対応していただきたいというのが親としての願いであります。全ての沖縄県の子供たちは沖縄県の宝でもありますので、この宝のために治療費や渡航費といったいろいろな面で親に金銭的な負担を生じると、健康に育てられなくなる可能性もあります。速やかに補償や支援をいただくことが子供のためになるのではないか。また、学校の授業で起こったことですので、それはやはり学校または行政で対応していただきたいと願っております。

○比嘉昂補助者 きょうはこの場を設けていただきまして大変ありがとうございます。西原中学校PTA会長の比嘉と申します。PTAの立場からこの事故に関していえば、実は息子が在籍している学級に被災児童がいらっしゃいます。ただ、同級生でも被災児童をまだ見ていないと。登校できないという事情を聞きまして、この病気が大変なものであると痛感しております。こういう事故はいつ何どき起こるかわからない事故ですので、確かに西原中学校でもいろいろなPTA行事がございますけれども、いろいろな形でちょっとした事故が起こっておりまして、こういった保険給付がなされております。今回の場合も学校現場で起こっている事故ですので、全面的に救済していただきたいと考えております。今後とも、西原町教育委員会、県議会におきましてもこういった事例がいつ何どき発生するかもわからないので、ぜひ前向きに検討していただいて、救済をしていただきたいと思います。

○比嘉京子委員 どの親にしてみても、こういう一生治療を受けざるを得ないということだけでも負担ですよね。もちろん、本人は大変な苦しい思いをして、そういう中で、保険制度の問題として、治療費についても先ほどの田場補助者の発言で、見通しとして完治がいつになるかがわからないという治療を受け続けなければならないというのは、出費がどこまでいくのかわからない。親の金銭の切れ目が何とかの切れ目になるかもしれないわけですよね。そういうことを考えると、今いう話ではないけれども、学校で起きたものに対する補償に関する制度のはざまを町と県、そして、ほかの学校で起こるかもしれないということも含めて、大きく風穴をあけていく必要性があると多くの委員の質疑を通して私は感じているのですけれども、親御さんの思いというのがありましたらお聞きしたいのと、行政に対する要望等がありましたら、例えば西原町に対しても県に対しても要望がありましたら、お聞きしたいと思います。

○仲吉勝弘参考人 平成26年8月に、被災児童の脳脊髄液減少症の救済を求める要望書ということで署名運動をしました。3万5520名の署名を集め知事に提出しました。その署名を集める中で、たくさんの方から電話をいただきました。その電話の内容として、なぜ学校で起きた事故なのに補償されないのかという質問がほとんどでした。私たち親としては、安心して学校に子供を行かせることができませんよ、この署名の意味がわかりませんと逆に言われました。これは当たり前のことではないのですかと。8月に署名運動を行い、10月23日に要望書を提出していますけれども、1カ月足らずで毎日のように郵送やFAX等で5万名近く来ました。今でも署名を集めていますかという声もあります。それぐらい子供を持つ親としては注目しており、自分たちの子供が学校へ行き、こういう事故に遭えばどうなるのでしょうかと。そのためにどうしても、これから未来ある子供たちのためにも、知らないだけでこの病気になっている人はたくさんいると思います。ぜひよろしくお願いいたします。

○比嘉京子委員 保護者にお聞きしたいのですけれども、言い足りなかったことでもいいですし、それから保護者としての思いでもいいですので、お話しください。

○田場周志補助者 まず、保護者の立場からこの疾患の問題点についてお話ししたいと思います。脳脊髄液減少症という疾患は、やはり認知度が非常に低いことから、学校の体育の授業で頭部を強打した被災児童に対して、保健室に連れて行くとかすぐに病院に連れて行くとか、保護者へ連絡があるというような措置がなかったのかと思っております。ただ、そのときの担任を責めるという気持ちはありません。ただ、認知度が低い疾患であり、また県内に専門医や専門病院等がないというのが現状であります。ですから、被災児童の場合も頭痛があるにもかかわらず、学校で精神的なものが何かあったのではないかなどと言われ、半年後に症状が悪化しました。しかし、症状が悪化した後も脳脊髄液減少症と診断されるまで9カ月かかりました。琉球大学医学部附属病院で治療しましたけれども、県内の医療技術では限界があり、回復は乏しいものでした。よって、県が主催した脳脊髄液減少症の研究会で招かれた第一人者の篠永先生に検査、治療をお願いしまして、熱海病院で脳脊髄液減少症と診断され、第一人者の先生が治療するまで約1年半という月日がたっております。ですから、離島県であるということ、専門医がいないということが今後の課題となっていて、被災児童の運が悪く、病気の発見がおくれたところはそこだと思います。しかし、現在は篠永先生によって回復に向かっているという事実を県民全体に理解していただきたいということと、実際に回復していることを西原町教育委員会も一緒に喜んでいただきたいと思います。次に、保護者から行政に対して求めているのは、何も1億円、2億円といった法外な金額を求めているのではなく、手元から治療のために出た治療費、そして県外にしか専門病院がなく、そこに行って治療するまでの渡航費を求めているのであります。ですから、現在、制度と制度のはざまで苦しんでいる児童を救済するという意味で、そのような制度を西原町もしくは県として定めていただきたいと思っております。そして、このように被災児童を救うという事例があれば、これから波及して西原町から各市町村、そして沖縄県から全国へと、いい事例があればもっとも安心して過ごすことのできる教育現場が実現するものと思っております。また、このような制度を設けることによって、教職員を救うことにもなると思います。先ほど仲吉勝弘参考人から説明がありましたように、署名活動については、多くの教員の方々、そして学校現場の部活動を指導している先生方や生徒・保護者からも多くの署名が集まり、3万5520名分の署名が集まっております。これもやはり学校現場で起きている大きな問題として捉えていただいて、ぜひ救済していただきたいと思っております。

○中井宏補助者 今、田場補助者がおっしゃいましたけれども、実は沖縄県にはすごく恩を感じているというか、この疾患が文部科学省の通達で出されたけれども国として正式に認めていない段階で、全国47都道府県の中で最初に県が主催して勉強会をしようと言ってくださったのが沖縄県なのです。こういう議会は最近では中継されて、インターネットで見ることができます。今後、この議会の放送を私がフェイスブックなどで通すと、一気に1万人の方がごらんになります。どれだけ注目されてるか。沖縄県民の皆さんのすばらしい判断が、同じように苦しんでいる全国の方の模範になります。長野県でもそうでした。沖縄県が全ての出発でした。その県民性といいますか、何としても救済していくぞという強い意思を披露していただきたいというか、その強い思いを持ってぜひ皆さんの力で救済の道をこじあけていただければと存じます。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 糸洲朝則委員。

○糸洲朝則委員 本当に御苦労さまです。いろいろ今までの質疑を通して、随分中身がわかってきました。まず1点目は、被災児童の一日も早い回復、また治療を願いますけれども、そのためにはやはり貸付条例等いろいろありますが、給付あるいは補償という観点がポイントかという思いで聞いておりますけれども、今学校現場の話が出ましたので、学校現場の授業中における児童・生徒のけがあるいは病気、事故そのものが補償されていない。今までの質疑の中で、これを担保あるいは保険的な適用で見るならば、日本スポーツ振興センターの災害共済給付制度しか今の制度ではありませんか。

○中井宏補助者 現状では、学校現場においての救済制度は日本スポーツ振興センターの災害共済給付制度しかないと思います。私が知っている範囲ではそれしかありません。

○糸洲朝則委員 全国の学校あるいは児童・生徒がその制度に加入しているということでいいですか。

○中井宏補助者 学校が加入しております。

○糸洲朝則委員 今回の脳脊髄液減少症がこの制度に該当しないという原因は何ですか。

○田場周志補助者 診断基準として明らかな漏出が見えた場合は、脳脊髄液漏出症となります。明らかな漏れが見当たらない、要するに、国際基準には該当しているけれども国の基準に該当していない場合は、脳脊髄液減少症となります。脳脊髄液漏出症と診断された場合は、そこから先進医療の保険が適用されます。ですので、琉球大学医学部附属病院での治療費については、脳脊髄液漏出症と診断されているので保険適用となり、日本スポーツ振興センターの保険も適用されました。しかし、熱海病院での検査結果は脳脊髄液減少症となっておりますので、保険が適用されず自費診療となっております。自費診療とは、健康保険証が使えない診療で全て自己負担となります。学校が加入している日本スポーツ振興センターの保険は、保険適用外の治療については日本スポーツ振興センターの適用外になっているのです。それで、熱海病院での治療費が全て自費診療となっていて、ブラッドパッチ治療と人工髄液注入治療の4回の治療が日本スポーツ振興センターの保険適用外となっています。

○糸洲朝則委員 それで、先ほどの中井補助者の説明の中にもありましたけれども、国の保険適用を審議する先進医療審議会で審議して決めるものですか。

○中井宏補助者 先進医療そのものが保険適用に一番近い制度でありまして、生命保険でも先進医療が使えるかどうかという約款がありますように、将来的に保険適用になるかどうかということを現場で審査します。1年半をかけてブラッドパッチ治療の効果を調査しました。それを会議にかけたのが去年の1月16日でした。そのときの結果が、五百数例中ブラッドパッチの効果があったものが四百数十例で、効果率が8割とすごい効果率でした。これを保険適用にするかどうかという審議をする委員は3人しかいません。3人全員がオーケーを出して保険適用になりますけれども、2名は速やかに保険適用にしなさいと言ったのです。残り1名はもう2年間見てみたいと。それによって評価がA及びB評価になって、今審議している状態です。なぜかというと、国の研究班でブラッドパッチの効果がまだ出ていなかったのです。国の研究班の肩を持ったのです。今のところ、国の研究を見ていると、ブラッドパッチに関しては世界のスタンダードで理にかなった治療であると報告されているのです。ですので、2年後の保険適用に関しては反対する余地がなくなってきたのです。ただし、反対派、賛成派、中立派の先生がつくっている基準ですので、最初は厳しい基準です。子供の事例はほとんど外れます。しかし、医師には裁量権がありますので、被災児童の場合であっても微妙ではありましたが―篠永先生は国の研究班に入っているから、曖昧な報告をすると国から怒られてしまうので、厳密にいえば漏れていなかった。ちゃんと見るとグレーだったのです。基準は人が決めることなので、本当に微妙なところだったのです。このちょっとした紙一重が200万円を自己負担させてしまった。一番早いのは早期に保険適用することです。これが今、一番早急にしなければならないことで、その間御両親にはお金がかかってしまう。ですから、いつまでもこういう人たちが第2、第3と出てきたら、またしなければならない。早いうちに決めて、2年後の保険適用になればこういうのはなくなります。だから、近々の皆さんの御決断をお願いしたいというのが今の現状です。

○糸洲朝則委員 これは厚生労働省の管轄でしょうか。

○中井宏補助者 先進医療に関しては、医療保険課といって厚生労働省の管轄です。

○糸洲朝則委員 3名の委員のうち2名が賛成して、もう1人が2年待ちたいと。結局その2年に引っ張られるわけですよね。

○中井宏補助者 当時は、国が何億円と出して研究したブラッドパッチの治験が終わっていなかったのです。ここからは私の推測ですけれども、その前に国が保険適用を実施してしまうと、何のために税金を使ったのかということになってしまう。ただし、今の国の研究班の報告を見ると、ブラッドパッチに関しては理にかなったという報告がされているのです。反対する余地がなくなっているというのが現状です。今は動画が録画されている影響もあると思います。

○糸洲朝則委員 わかりました。これはある面で政治的判断というか、国を動かすことが求められているということですか。

○中井宏補助者 おっしゃるとおりで、今その手前まで来ているので、各政党の皆さんがぜひ国会でこの案件をどんどん質疑していただいて、この状況を聞いていただければ近いかと思いますので、よろしくお願いいたします。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 島袋大委員。

○島袋大委員 二、三点確認したいと思います。事故発生報告書が提出されていますけれども、これが受理されているのが平成25年6月18日と書いてありますが、事故が起きたのは平成24年3月1日ですよね。その間に、学校から事故報告はされていないということですか。

○田場周志補助者 平成24年3月1日に事故が起こりました。しかし、被災児童の症状が悪化したのは平成24年9月です。そして、琉球大学医学部附属病院で脳脊髄液漏出症と診断され、ブラッドパッチ治療をしたのが平成24年12月です。その12月に診断書を学校側に提出しました。しかしながら、その後日本スポーツ振興センターの給付がおりなかったということで、学校側に平成25年6月に確認しに行ったところ、町教育委員会への報告がまだされてないことがわかりました。それで日付が平成25年6月で作成されたと思います。

○島袋大委員 次回、西原町教育委員会を呼んで意見を聞きますので、そこで確認したかったのですけれども、要するに、平成24年3月1日に学校内で事故が起こった中で、学校長は教育委員会にそういった書類を出していなかった可能性もあると思います。その辺は、病気の症状もろもろ含めて判断ができたから、平成25年6月に出したということできょうは聞いておきますけれども、当日に西原町教育委員会の皆さんに確認します。
 次に、西原町議会文教厚生常任委員会の中で、当時被災児童は琉球大学医学部附属病院の紹介で専門医がいる熱海病院で治療し、回復の兆しを見せている事実に対して、琉球大学医学部附属病院では治療が終わっている。琉球大学医学部附属病院からの紹介状はなく、保護者の独断で熱海病院へ連れて行き、保険適用外の治療をしているという説明を委員会で行ったらしいけれども、これは事実ですか。その後、委員会の中で訂正や削除などがあったのかどうか。

○田場周志補助者 昨年5月9日の西原町議会文教厚生常任委員会だったと記憶しております。その委員会でどういう内容が話し合われたのか、情報公開条例に基づいてその委員会の録音を聞いたときに、そのときに対応した町教育委員会の方が、熱海病院には紹介状もなく両親の独断で行っていましたと、そして熱海病院ではブラッドパッチ治療はしていないと思いますというような発言が確かにありました。その後、再度文教厚生常任委員会で私が参考人として出席して、その録音を聞いた中でこの部分は違いますと説明しました。その後、町教育委員会が参考人として出席されて、その点については訂正しております。

○島袋大委員 この事故が起こったと同時に、担任も含めた学校側は、保護者に対してそういうことが起きましたという説明はありましたか。

○田場周志補助者 平成24年3月1日に体育の授業で転倒事故がありましたけれども、保護者に転倒事故があって後頭部を打ったという連絡はありませんでした。

○島袋大委員 担任をどうこう言うつもりはないけれども、学級を見る担任が、そういった形でその後、こういう病名が出たということによって親御さんは大変心配です。そういった謝罪とか管理がどうのこうのとか、こういったことは親御さんにお話はありましたか。

○田場周志補助者 平成25年12月に、ちょうど被災児童が退院するときにお見舞いに来ていたのは記憶しております。その席で、当時の主治医から転倒事故後に頭痛が発症して、当初は起立性調節障害と診断されましたが、検査した結果、脳脊髄液漏出症と診断され治療しましたという説明を、病院で学校長、養護教諭、担任に行っています。

○島袋大委員 私が今確認しているのは、条例をつくる形でいろいろな負担という議論も大事ですけれども、これから同じような状況の事故が起きた場合、学校対応が、一分一秒でも早く、どういう対処をすべきかというのも大事なのです。その次に西原町教育委員会を呼ぶので、そういった形での怠りがあった場合は、あなた方がこういうものに対してもっと早急に対応すれば、もっといろいろな面で近道が見えたのではないかという話ができるので確認しています。そういった形があれば、学校長も町教育委員会も、被災児童がこういう病名になったとわかってから動き出したということですか。その間は、転倒事故がありましたという形で終わりということですか。親御さんが、自分の子供がこういう状況になっていますと何度も学校に足を運んで説明しに行ったから、町教育委員会等が動き出したということですか。これがもし―親御さんのようにいろいろ調べて、知り合いの方をたどってこういう状況ですという流れで今来ているのですよね。何もわからなかった場合、そのままずるずる行く可能性もあるわけです。そういう状況が出てから学校や教育委員会が動いたということなのか。要するに、そういったことがなければ、転倒事故が起こったということだけで、そのまま来たかもしれないのでしょうか。

○田場周志補助者 平成25年6月に西原東小学校へ訪問して、当時の学校長や新しく赴任された教頭、養護教諭、担任とお話ししました。そこで初めて町教育委員会に報告されていないという実態がわかりましたので、早急に報告して対応してもらいたいと依頼しました。ですから、この報告書などが平成25年6月付で作成されていると思っております。

○島袋大委員 そうなれば、この3月1日3校時の体育の授業で、そういう事故が起きたときに、担任は学年主任や教務主任、学校長、教頭に対してそういうことがありましたという説明をしていないかもしれないのです。報告書を見ても、そうだったと思うとか、そうだったかもしれないといった表現になっているのです。そういった管理体制もろもろを、これから町教育委員会がどのようにやっていくかというチェック義務が出てくる意味でも確認しているものですから、そういったもろもろを踏まえて、私は、次また西原町教育委員会に対して確認しますけれども、先ほどありましたように、これからのステップを踏まえてしっかり我々も頑張っていきたいと思いますので、ひとつよろしくお願いします。以上です。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 嶺井光委員。

○嶺井光委員 議論を聞いていろいろ感じたことがあります。まず、学校保険については、学校で起こった事故等は全て学校保険の対象になると私は理解しておりました。きょうの議論を聞きながら、そうでないものがあるのかと思っていますけれども、中でも、保険対象外であるものは学校保険対象にならないということですから、ある意味で課題がしっかり見えたと。そういうところを政治や行政がどう動いて、こういう事態にしっかり対応できるような保険体制がつくれるのか。そうすることによって、学校現場の教育活動を安心・安全に行うことができることにつながっていくのかと感じております。
 それはそうとして、学校で起こった事故ですから、ある意味責任は学校にあると私は捉えますけれども、そのために保険を掛けることになっていると思うのです。そこで、西原町あるいは町教育委員会とのいろいろな議論があったようですけれども、御父兄の方も穏やかに、余り問題化せずに来たような感じがします。それはそれとして、先ほどあった災害医療費等の資金貸付支援条例、これはなぜ貸し付けなのか。補償という議論はなかったのかというのをまず疑問に思っています。その辺はどうですか。責任はどうだこうだということも出るべきだと思うのです。そこは、どこがどう補償するのかということも出るはずでしょうし、そこら辺の議論はどうだったのでしょうか。

○田場周志補助者 貸付条例を制定するに当たり、私も新聞報道で知りました。ただ、昨年6月の定例会では、脳脊髄液減少症の被災児童を救済するためにほかの自治体でも軽減する措置を行っていることから、町としても取り組んでいただきたいという決議案が出され、全会一致で可決されたのはわかっています。しかし、貸付条例につきましては私も新聞報道でわかりまして、貸付条例について保護者からの意見を聞きたいということで、西原町議会文教厚生常任委員会から出席要請がありましたので、平成26年12月3日の記事にありますけれども、その委員会に出席しまして、実際に貸付条例を使用することはありませんと説明しました。

○嶺井光委員 冒頭で言ったように、学校内の事故だから一義的に責任があるべきだという認識ですから、なぜそこに補償という話ではなく、貸し付けますということが出ること自体不思議でならない。町がどういう感覚でこの事故に対応しているのかがわからない。

○中井宏補助者 本土では、同じような事故が起こった場合、最初にも述べましたように、やはり学校長や市長が被災した方にお会いして、未来ある子供たちの状況を聞いて対応しているのが目立っていたのです。本土から西原町の状況を見ていく中で、町長にも会いましたけれども、どうも教育長任せだとか、自分で見ないようにしているのかなという直感がしたものですから、支援していこうと至った経緯があります。

○嶺井光委員 私は、町の対応と思いがかみ合っていないと思っていて、ここで議論することではないですけれども、少なくとも我々は、先ほど申し上げた課題として見えた部分をどうするかという点に力を尽くしていくべきだと思っております。大変だと思いますが頑張ってください。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○呉屋宏委員長 質疑なしと認めます。
 以上で、仲吉勝弘参考人等に対する質疑を終結いたします。
 この際、委員会を代表して、参考人等に一言お礼を申し上げます。
 本日はお忙しい中にもかかわらず、長時間にわたり貴重な御説明をいただき心から感謝いたします。
 本日拝聴いたしました内容等につきましては、今後の委員会審査に十分生かしてまいりたいと思います。
 仲吉勝弘参考人、補助者の皆さん、ありがとうございました。
 休憩いたします。

   (休憩中に、参考人等退席)

○呉屋宏委員長 再開いたします。
 以上で、本日の日程は全て終了いたしました。
 次回は、2月9日 月曜日 午前10時から委員会を開きます。
 委員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 本日の委員会は、これをもって散会いたします。








沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。

 委 員 長  呉 屋   宏