委員会記録・調査報告等

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文教厚生委員会記録
 
平成27年 第 7定例会閉会中

2
 



開会の日時

年月日平成27年10月21日 曜日
開会午前 10 時 3
散会午後 4 時 48

場所


第7委員会室


議題


1 平成27年第7回議会認定第1号 平成26年度沖縄県一般会計決算の認定について(保健医療部所管分)
2 平成27年第7回議会認定第21号 平成26年度沖縄県病院事業会計決算の認定について
3 決算調査報告書記載内容等について


出席委員

委 員 長  呉 屋   宏 君
副委員長  狩 俣 信 子 さん
委  員  又 吉 清 義 君
委  員  島 袋   大 君
委  員  照 屋 守 之 君
委  員  新 田 宜 明 君
委  員  赤 嶺   昇 君
委  員  糸 洲 朝 則 君
委  員  西 銘 純 恵 さん
委  員  比 嘉 京 子 さん


欠席委員

嶺 井   光 君


説明のため出席した者の職・氏名

保健医療部長        仲 本 朝 久 君 
 保健衛生統括監      国 吉 秀 樹 君
 参事           阿 部 義 則 君
 保健医療政策課長     大 城 直 人 君
 健康長寿課長       糸 数   公 君
 国民健康保険課長     宮 平 道 子 さん
 薬務疾病対策課長     玉 城 宏 幸 君 
病院事業局長        伊 江 朝 次 君 
 県立病院課長       津嘉山 朝 雄 君 
 県立病院課経営企画監   真栄城   守 君 
 県立病院課医療企画監兼
 保健医療政策課副参事   篠 﨑 裕 子 さん
 県立病院課看護企画監   平 良 孝 美 さん
 県立病院課副参事     幸 喜   敦 君 
 北部病院長        仲 間   司 君 
 中部病院長        上 原   元 君 
 南部医療センター・
 こども医療センター院長  我那覇   仁 君 
 精和病院副院長      砂 川 寿美子 さん
 宮古病院長        上 原 哲 夫 君 
 八重山病院長       依 光 たみ枝 さん



○呉屋宏委員長 ただいまから、文教厚生委員会を開会いたします。
 本委員会の所管事務に係る決算事項の調査についてに係る平成27年第7回議会認定第1号平成26年度沖縄県一般会計決算及び同認定第21号平成26年度沖縄県病院事業会計の決算議案2件の調査及び決算調査報告書記載内容等についてを一括して議題といたします。
 本日の説明員として、保健医療部長、病院事業局長及び各県立病院長の出席を求めております。
 なお、本日は、県立精和病院長が体調不良により欠席しておりますので、副院長が代理出席しております。まず初めに、保健医療部長から保健医療部関係決算の概要の説明を求めます。
 仲本朝久保健医療部長。

○仲本朝久保健医療部長 保健医療部所管の平成26年度一般会計の決算概要を説明をいたします。
 お手元の資料、歳入歳出決算説明資料に基づきまして御説明をいたします。
 資料の1ページをお願いいたします。
 なお、表の右側の欄には、平成26年度沖縄県歳入歳出決算書のページを記載してありますので、御参照ください。
 まず、歳入決算の状況について御説明をいたします。
 一番上の保健医療部の合計欄ですが、予算現額の計A欄117億7777万8000円に対し、調定額B欄は114億9577万6138円、そのうち収入済額C欄は114億4934万3820円、収入未済額E欄は4643万2318円で、収入比率は99.6%となっております。
 収入未済額E欄のうち、主なものを御説明いたします。
 3ページをお願いいたします。
 上から3行目の(目)衛生貸付金元利収入の収入未済額E欄1047万1732円は、看護師等修学資金返還金に係るものであります。
 看護師等修学資金については、看護師免許等を取得後、県内の指定病院に一定期間勤務した場合は返還を免除しておりますが、県外病院への就職、あるいは看護師等を離職した場合等には返還することとなっており、この支払いが滞り収入未済となっております。
 次に、下から5行目(目)雑入の収入未済額E欄3104万2147円は、主にドクターヘリに係る鹿児島県からの負担金となっております。
 これは、例年5月末に収納しているものでありますが、鹿児島県は同県の金融機関に5月22日に入金をしておりましたが、ここから沖縄県の指定金融機関に振り込まれるまでに、5月末が土日であったこともあり、例年以上に時間を要し、平成26年度の出納整理期間内に収納できなかったものであります。
 なお、平成27年度の歳入として既に収納済みとなっております。
 次に、歳出決算の状況について御説明をいたします。
 4ページをお開きください。
 一番上の保健医療部計の欄ですが、予算現額の計A欄642億2409万3488円に対し、支出済額B欄623億9284万368円、翌年度繰越額C欄は1億3174万400円、不用額は16億9951万2720円、執行率は97.1%となっております。
 翌年度繰越額C欄の主なものといたしましては、次の5ページの上から4行目、(目)衛生研究所費の衛生環境研究所施設整備事業や、その9行下にあります(目)医務費における医療施設近代化施設整備事業などにおいて、繰り越しとなったものでございます。
 衛生環境研究所施設整備事業については、敷地排水の処理に係る調整に不測の時間を要し、工事スケジュールにおくれが生じたこと。
 また、医療施設近代化施設整備事業につきましては、老朽化が著しい病院の改築などの費用を補助するものですが、補助事業者において、移転新築を予定していた土地の一部の取得が困難となり、計画変更があったことなどから繰り越したものでございます。
 不用額の説明をいたします。
 4ページに戻っていただきまして、上から4行目、(款)民生費の不用額4億5345万7946円について、主なものを御説明いたします。
 (目)で言いますと、その3行下になりますが、(目)の老人福祉費について、後期高齢者医療給付費県負担金等の算定の基礎となる医療給付費等の実績が見込みより少なかったことや、その下の(目)国民健康保険指導費について、国民健康保険負担金等事業費において、調整交付金等の算定の基礎となる保険給付費等の実績が見込みより少なかったことなどから不用が生じております。
 次に、(款)の衛生費の不用額11億6209万1036円について、主なものを御説明いたします。
(項)公衆衛生費の不用額9億2643万2848円は、下から3行目、(目)精神衛生費について、精神障害者自立支援医療費における扶助費の実績が見込みより少なったことによるもの、また次のページになりますが、上から3行目、(目)特定疾患対策費について、特定疾患対策事業費における扶助費の実績減などによるものであります。
 次に、同じページの下から8行目の(項)医薬費の不用額1億6183万7521円は、(目)の医務費について、県立病院医師派遣補助事業での医師派遣実績減に伴う不用があったことなどによるものであります。
 6ページをお願いいたします。
 一番上の行、(款)教育費の不用額8396万3738円は、(目)看護大学費で、人事異動等により看護大教職員給与費の減などによるものであります。
 以上が、保健医療部所管の平成26年度一般会計歳入歳出決算概要であります。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

○呉屋宏委員長 保健医療部長の説明は終わりました。
 次に、病院事業局長から病院事業局関係決算の概要の説明を求めます。
 伊江朝次病院事業局長。

○伊江朝次病院事業局長 平成27年第7回議会認定第21号平成26年度沖縄県病院事業会計決算について、お手元にお配りしてあります平成26年度沖縄県病院事業会計決算書に沿ってその概要を御説明申し上げます。
 それでは、決算書の11ページ、平成26年度沖縄県病院事業報告書をお開きください。
 初めに、県立病院の事業概要について。
 1、概況の総括事項でありますが、沖縄県病院事業は、県立北部病院を初め6つの県立病院と16カ所の附属診療所を運営し、医師や看護師等の医療スタッフの確保を図るとともに、施設及び医療機器の充実を図るなど、医療水準の向上に努めております。
 業務状況につきましては、入院患者延べ数が66万9943人、外来患者延べ数が76万7618人で、総利用患者延べ数は143万7561人となり、前年度と比べて1万3571人の減少となっております。
 それでは、病院事業の決算状況について御説明いたします。
 1ページ、平成26年度沖縄県病院事業決算報告書をお開きください。
 まず、収益的収入及び支出について、収入の第1款病院事業収益は、当初予算額に補正予算額を加えた予算額合計535億6744万7000円に対し、決算額は520億9058万143円となり、差額は14億7686万6857円となっております。
 これは、第1項の医業収益において差額が19億2479万3941円となったことが主な要因であります。
 次に、支出の第1款、病院事業費用は、当初予算額に補正予算額などを加えた、予算額合計560億4403万5000円に対し、決算額は533億6346万4855円となり、地方公営企業法の規定による繰越額は345万2481円となっております。
 不用額は26億7711万7664円となっており、これは第1項の医業費用において、23億6366万5888円の不用が生じたことが主な要因であります。
 2ページをお開きください。
 資本的収入及び支出について、収入の第1款資本的収入は、当初予算額に繰越額に係る財源充当額を加えた予算額合計37億6081万1000円に対し、決算額は34億705万6715円となり、差額は3億5375万4285円となっております。
 これは、第1項の企業債において、2億9670万円の借り入れの減があったことが主な要因であります。
 次に、支出の第1款資本的支出は、当初予算額に流用増減額などを加えた予算額合計61億1963万7000円に対し、決算額は57億4411万3971円で、地方公営企業法の規定による繰越額は2億8922万3449円となっております。
 不用額は8629万9580円で、これは第1項の建設改良費の執行減などが主な要因であります。
 3ページに移ります。
 平成26年4月1日から平成27年3月31日までの損益計算書について、医業収益は、入院収益、外来収益などを合計した442億5103万3382円で、医業費用は、給与費、材料費、経費などを合計した489億7282万2170円で、医業収益から医業費用を差し引いた医業損失は47億2178万8788円となっております。
 医業外収益は、受取利息配当金、他会計補助金、国庫補助金などの合計で73億2503万8988円となっております。
 4ページをお開きください。
 医業外費用は、支払利息、長期前払消費税勘定償却、雑損失を合計した21億1869万2402円で、医業外収益から医業外費用を差し引きますと、52億634万6586円の利益を計上しております。
 当該利益の52億634万6586円と、3ページで説明した医業損失47億2178万8788円を加味した経常利益は、4億8455万7798円となっております。
 特別利益は4億2452万563円で、特別損失は29億730万465円となっており、差し引き24億8277万9902円の損失を計上しております。
 当該損失と経常利益を合わせた当年度純損失は、19億9822万2104円で、当年度純損失と前年度繰越欠損金170億1915万7567円を合計した額から、会計制度の変更による、その他未処分利益剰余金変動額148億7284万5863円を差し引いた当年度未処理欠損金は41億4453万3808円となっております。
 5ページに移ります。
 剰余金計算書について、表の右の欄、資本合計をごらんください。
 前年度末残高は、619億3233万241円で、前年度処分額がゼロ円であることから、処分後残高は前年度末残高と同額となっております。
 処分後残高の下段、当年度変動額は施行規則による変動などにより、マイナス578億2409万9110円で、処分後残高を合わせた資本の当年度末残高は、41億823万1131円となっております。
 下の表の欠損金処理計算書について、表の右の欄、当年度未残高の未処理欠損金は41億4453万3808円で、これにつきましては、地方公営企業法の規定に基づき、全額を翌年度に繰り越すこととなります。
 6ページをお開きください。
 平成27年3月31日現在における貸借対照表について、まず資産の部における固定資産について。有形固定資産は、土地が45億8844万2289円、建物が265億9417万9258円で、無形固定資産、投資を合わせた固定資産合計は、394億6497万2677円となっております。
 流動資産について、現金預金が80億828万7857円、未収金が105億4643万9713円で、貯蔵品、前払費用などを合わせた流動資産合計は192億3996万1354円となっております。
 固定資産、流動資産を合わせた資産合計は、587億493万4031円となっております。
 8ページをお開きください。
 次に、負債の部における固定負債について。企業債278億4112万5527円、他会計借入金24億円、リース債務、引当金を合わせた固定負債合計は、313億2536万5364円となっております。
 流動負債は、一時借入金がゼロ円、企業債が32億1223万3870円で、他会計借入金、リース債務などを合わせた流動負債合計は、98億2815万4358円となっております。
 なお、会計制度の変更により、企業債、他会計借入金及びリース債務については、1年以内に償還を迎えるものは流動負債、その他は固定負債に計上しております。
 繰延収益について、長期前受金から収益化累計額を差し引いた繰延収益の合計は、134億4318万3178円となっております。
 固定負債、流動負債、繰延収益を合わせた負債合計は、545億9670万2900円となっております。
 9ページをお開きください。
 資本の部の資本合計は、18億7858万4732円となっております。
 剰余金について、資本剰余金は受贈財産評価額や寄附金などで、資本剰余金合計は63億7418万207円、利益剰余金はマイナス41億4453万3808円で、剰余金合計は22億2964万6399円となっております。
 資本金と剰余金を合わせた資本合計は、41億823万1131円で、これに8ページ最下段の負債合計545億9670万2900円を加えた、9ページ最下段の資本合計は、587億493万4031円となっております。
 以上で、平成26年度沖縄県病院事業会計決算の概要説明を終わります。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

○呉屋宏委員長 病院事業局長の説明は終わりました。
 これより質疑を行いますが、本日の質疑につきましては、決算議案の審査等に関する基本的事項に従って行うことにいたします。
 なお、委員長の質疑の持ち時間については、決算特別委員会に準じて、譲渡しないことにいたします。
 質疑及び答弁に当たっては、その都度委員長の許可を得てから、重複することがないように簡潔に発言するよう御協力をお願いいたします。
 また、質疑に際しては、あらかじめ引用する決算資料の名称、ページ及び事業名等を告げた上で、質疑を行うよう御協力をお願いいたします。
 決算特別委員長から調査を依頼された事項は、沖縄県議会委員会条例第2条に定める所管事務に関する決算事項でありますので、十分御留意願います。
 なお、答弁に当たっては、総括的、政策的な質疑に対しては部局長が行い、それ以外はできるだけ担当課長等の補助答弁者が行うこととしたいと存じますので、委員及び執行部の皆さんの御協力をお願いいたします。
 さらに、課長等補助答弁者が答弁を行う際は、あらかじめ職、氏名を告げてください。
 それでは、これより直ちに各決算に対する質疑を行います。
 狩俣信子委員。

○狩俣信子委員 主要施策の成果に関する報告書83ページからいきたいと思います。
 がん予防対策推進事業というものがあるのですが、どのようなことが行われているのかと。例えば、きのうテレビを見ていたら、乳がんの罹患率がすごく高くなっていて、そして2人に1人はがんになるとか、こういうことが流れてきまして、やはりがん対策というのはしっかりやらないといけないというのが私の思いです。今、県が取り組んでいる対策事業というのはどういうものがあるのか、お願いします。

○糸数公健康長寿課長 ただいま御質疑がありました、がん予防対策推進事業につきましては、がんの予防に係る事業になっております。内容としましては、1つはがん登録といって、病院などでがんと診断された方全てを1つのデータとして登録し、がんがその後どうなったかという調査研究をするような事業がございます。
 それからもう一つは、沖縄県生活習慣病検診管理協議会という、がんに関する専門の先生方に来ていただきまして、毎年行われているがん検診についての受診率、あるいは精密検査になった人がきちんと受診してるかという、協議を行う事業がございます。
 もう一つは、やはりアルコールもがんに影響するというところから、県民に適正な飲酒を呼びかけるために、平成26年度はスマートフォンのアプリを使いまして、節酒カレンダーという、自分でアルコールを飲んだ量を記録するものを開発したということで、この3つの事業となっているところでございます。

○狩俣信子委員 がんにかかった人は登録をして追跡調査するわけですね。でも、生活習慣病とかそういうのでやって、これを受ける人はいいのですが、広く啓発していくために―要するに、がんは早期発見、早期治療だと思うものですから、そこらあたりの取り組みはどのようになっているのでしょうか。例えば、乳がんとかでしたら、ピンクリボン運動などをしたりしていますよね。そういう何かがあるのでしょうか。

○糸数公健康長寿課長 がんにつきましては、早期発見、早期治療というのが非常に重要になってきており、今、市町村でがん検診を、集団あるいは個別で行っていまして、委員のおっしゃる乳がんについても各市町村で実施されているところです。沖縄県の課題としましては、検診の受診率が、目標は50%という数字を掲げているのですが、まだそこに届かないということがあったり、あるいは他県に比べるとがんが見つかるときの状態が、かなり進んだ状態で見つかる人がやはり多いということで、それをもっと早い時期に見つけることができれば、治療も可能になるということで、そのような課題がございます。もう一つは、精密検査になったけれども、病院で受診しないという課題もありまして、せっかく検診を受けたのにそれが治療に生かされないという課題がありますので、それについては実施主体である市町村とどのようにして検診を受けやすい状況をつくるか、あるいはどのようにしてきちんと精密検査に導くかということをいろいろ検討しているところです。

○狩俣信子委員 沖縄県の特徴は進んでから受けるということがありまして、助かるべき命も助からないということもきっと出てくるだろうと思います。そこらあたりをどう啓発していくかというのは、県にも早期発見、早期治療に係る大きな責務があると思いますので、これについてはいろいろながんがありますが、しっかりと対応していただきたいと思います。いろいろな習慣をつくるとか、いろいろやっていただきたいと要望しておきます。
 次に、85ページ、特定不妊治療費助成事業について。平成26年度は、何名ぐらいが受けて、成果があったのでしょうか。

○糸数公健康長寿課長 県では、平成17年から特定不妊に対する治療費の助成を行っているところです。平成26年度につきましては、那覇市を含んだ数になりますけれども、1143組の方が合計1855件の助成を受けております。この事業だけで妊娠に至った例というのはデータがないのですが、それ以外に助成を受けていなくても特定不妊治療を受けている方もいらっしゃるので、県内全体の特定不妊治療により妊娠に至った件数は、528件ということで、前年が479件ですので、49件増加しているという傾向がございます。

○狩俣信子委員 助成を受けるために、収入要件等がありましたか。幾らまででしたら受けられるのですか。

○糸数公健康長寿課長 助成の要件につきましては、まず法律上の婚姻をしている夫婦、それから夫婦のどちらかが県内に住所があること。今、御指摘の収入につきましては、夫婦の合計所得が730万円未満と決めさせていただいております。それから指定の医療機関が県内で7つあるのですが、そちらで治療を受けるということが要件になっております。

○狩俣信子委員 次に、87ページ、自殺対策緊急強化事業について。自殺する方は例年300人前後いたかと思うのですが、この3カ年間ぐらいはどのように変化してきたのでしょうか。

○糸数公健康長寿課長 自殺者の推移について、この3年間は、平成24年が267名、平成25年が278名、平成26年が284名ということで、3カ年で300名は下回っているところです。その前の平成23年が380名ほどおりましたので、一旦減少はしたのですが、その後は少し横ばいか、微増という状況で推移しております。

○狩俣信子委員 例えば、県として、自殺を未然に防ぐために、どういう対策をとっていますか。

○糸数公健康長寿課長 自殺につきましては、いろいろな身体的要因、あるいは精神疾患、あるいは社会的要因が原因であると言われておりますので、県においては、それぞれ課題を共有して、取り組みを進めていくという、自殺対策の連絡協議会がございます。保健医療の関係者ももちろんですけれども、産業カウンセラーであるとか、あるいはいのちの電話であるとか、あるいは弁護士会、司法書士会と法律的なサポートもできるような方々に集まっていただいて、その中で課題を共有して取り組みを進めているところです。県が行っている自殺対策というのは、平成21年に国が自殺対策緊急強化基金というのを設けまして、平成26年までその基金を使った事業が行われておりました。そして、県で基金を予算化して、主に市町村あるいは先ほど申し上げた関係機関が事業をする際に補助をするという形で、対面の相談であったり、あるいは電話相談―いのちの電話などはそうなのですが、そういう電話相談や人材育成、それからゲートキーパーといういろいろな人が相談に乗れるような普及啓発などを行っているところでございます。

○狩俣信子委員 次に、88ページ、医師確保対策について。例年、いつも小児科とか、産婦人科とか、獲得しにくい状況の中で、大学に出かけて行ったり、県外に出かけて行ったり、御苦労は大変だと思いますが、現在、この事業はどのようになっていますか。

○大城直人保健医療政策課長 平成27年の当初予算で言いますと、21事業で23億円の事業を行っております。

○狩俣信子委員 費用ももちろんですが、具体的には、どんな対策をやっていらっしゃるのでしょうか。

○大城直人保健医療政策課長 まず、離島に医師を派遣する際に、母体の病院が派遣した逸失利益を負担する、これが大体6億円です。そして、代替医師の派遣のために、知事部に医師を2名配置しまして、研修等で離島をあけた場合に、代替派遣として医師を派遣しております。

○狩俣信子委員 例えば、県立北部病院―北部病院では産婦人科医が足りなくて、今回、4名になったという話で喜んでいますが、各病院に医師や看護師などがきちんと派遣されていないと地域の医療というのは不安で大変ですよね。この医師確保対策事業で、そこらあたりの補いがきちんとできていると受けとめてよろしいのでしょうか。

○大城直人保健医療政策課長 まず、離島の県立宮古病院―宮古病院、県立八重山病院―八重山病院、そして各診療所など、そういうところを重点的に行っています。北部病院については、いろいろ医師の定着がございまして、課題はありますが、知事部としては、特に離島の診療所の医師確保に努めているところでございます。

○狩俣信子委員 現在、医師が不足しているところはどこがありますか。

○篠﨑裕子県立病院課医療企画監兼保健医療政策課副参事 現在、診療制限をしている診療科は4つあります。1つが県立南部医療センター・こども医療センター―南部医療センターの泌尿器科、それと宮古病院の眼科、それから八重山病院の脳外科と眼科です。

○狩俣信子委員 南部医療センターの泌尿器科というのは、医師不足の期間が結構長いですよね。それは医師の補いが難しい状況ですか。

○篠﨑裕子県立病院課医療企画監兼保健医療政策課副参事 何年か前からいろいろな大学を当たっていますけれども、なかなか泌尿器科の先生が見つからないということで、一応外来は閉じていますが、院内の泌尿器科にかかわる患者に対しては、宮古病院からの応援と、以前そちらに勤めていた先生の応援によって、2週間に1度ずつの応援体制で支援してもらっています。

○狩俣信子委員 いろいろ御苦労はあるかと思いますが、やはりそこはしっかり充実させていくことが大事だと思います。とりわけ、八重山病院では脳外科の先生もいらっしゃらないということを聞きましたら、何かあったときにヘリコプターが来るのかと心配したり、地域の中に脳外科の先生が一般開業でいらっしゃるなら少しはいいと思いますが、早くそういうことは充実できるように、御苦労だと思いますが、頑張ってください。
 次に、91ページ、看護師等確保対策事業ですが、看護師数の現状どうなのでしょうか。そして、充足率はいかがでしょうか。

○大城直人保健医療政策課長 まず第7次看護職員需給見通しにおきましては、これは平成21年の調査ですが、平成21年度は1万8125人の需要数がございました。その当時の見通しでは198人足りないということになりましたが、現在、1万9097人の看護師等業務従事届があり、当時の需要に比べて1000人程度上回った人数が従事しているという状況です。

○狩俣信子委員 それを聞いて安心いたしました。
 次に、94ページ、救急医療用ヘリコプターの活用についてですが、これは年間何回ぐらい発動していますか。

○大城直人保健医療政策課長 平成26年度の搬送件数につきまして、実績で411件になっています。

○狩俣信子委員 主にどういうところからの搬送ですか。

○大城直人保健医療政策課長 411件の内訳を言いますと、まず、北部圏では伊江島村立診療所が一番多く、33件。トータルでは110件となっています。中部圏では金武町が24件と多く、トータルで38件。南部圏は久米島が88件と多く、トータルで175件となっております。

○狩俣信子委員 次に、病院事業局にいきたいと思います。
 沖縄県病院事業会計決算審査意見書4ページ、新八重山病院整備事業について。県立新八重山病院の建設に伴い、多額の資金が必要になるということで、経営が厳しくなるだろうと言われておりますけれども、現在、新八重山病院の建築の進捗状況はどうですか。

○幸喜敦県立病院課副参事 新八重山病院の新築移転に向けては、平成26年度に基本計画を策定して、設計業務に着手し、ことし6月末には設計を完了しています。平成27年9月に工事発注のための一般競争入札を実施したところですが、設備は落札したものの、建築工区が不調となったため、現在10月下旬の再公告に向けて手続を進めているところでございます。
○狩俣信子委員 以前の文教厚生委員会の中でも出たのですが、建築費が余りにも安いのではないかという指摘もあったりして、受けるところは大丈夫なのかと心配しておりますが、第2回目に挑戦なさるのですね。これがうまくいくように。何かありましたら、どうぞ。

○幸喜敦県立病院課副参事 今回、第2回目は参加の自由度や新しい単価の見直し等を行い、再度挑戦したいと考えております。

○狩俣信子委員 次に5ページ、未収金対策について。これは毎年出てきて、病院事業局もいろいろ改善をしていらっしゃるようですが、19億円ぐらい残ってしまいますね。前年に比べて少しふえたということですが、これは既に実施していること以外で何か方法はないものかと思っているのですが、アイデアがありましたらお願いします。

○真栄城守県立病院課経営企画監 未収金につきましては、委員の御指摘のとおり、平成26年度につきましては前年度より増加をしております。取り組みとしましては、従来から行っております、未収金を未然に防止する対策としまして、専任の未収金担当職員の配置ですとか、メディカルソーシャルワーカーによります相談業務の強化といったものを行っております。それから、発生した未収金の回収につきましては、督促業務の効率化ですとか、法的措置の実施といったことも含めて、対策をとっているわけでございます。それ以外に、クレジットカードの活用ですとか、あるいはコンビニ払いの導入とか、そういった形で現場と病院事業局で協力しまして、未収金の対策に努めているところでございます。

○狩俣信子委員 困っている方から取るということも大変なのですが、そこらあたりは御配慮の上なのでしょうか。要するに、未収金を集めてほしいのですが、困っている人を追い詰めないでほしいという気持ちもあったりして、これを見たらとても複雑な気持ちになります。これは感想だけ述べておきます。
 次に、10ページ、かかりつけ医の制度について。あちこちの県立病院で患者数が減ったということで、それはかかりつけ医との連携によるということですが、このかかりつけ医の制度というのは、どのぐらい浸透して、どのぐらい活用されているのでしょうか。

○伊江朝次病院事業局長 かかりつけ医制度というのは、要するに、病院の外来で診る患者と自宅近くの身近な先生に診てもらう患者に分けようということで、病院の負担にならないようにする制度でございます。ですから、基本的に病院としては、慢性期といいますか、落ちついた方、急性期の対応をしなくてはいけないような患者ではない人たちをできるだけ地域の先生方に診ていただいて、必要なときに病院と連携して診るという形で役割分担をしようということでやっております。今、数字としてどのぐらい浸透したかというものは持ち合わせておりませんが、患者の状況に応じてそのようにしむけているという状況でございます。

○狩俣信子委員 次に、16ページ、収益的収入に係る繰入金について。毎年毎年、病院事業局で繰り入れがどのぐらい必要かといったことがあるのですが、これを見ますと47億円余り繰り入れしております。前年に比較して、7170万4888円減少したとあるのですが、この繰り入れのやり方はどのようにして決めて、病院事業局はどのような額を希望として出していらっしゃるのですか。

○真栄城守県立病院課経営企画監 一般会計からの繰入金につきましては、地方公営企業法に基づきまして、いわゆる県立病院で行っております不採算医療とか、政策的な医療といったものの実施に際しまして、その不採算部分といったものを一般会計繰り入れで見ているからという趣旨でもって繰り入れをしていただいています。細かい算定方法については、確たるルールはない状況ですが、主には総務省通知で示されております、繰出基準に項目がございますので、その項目ごとに政策医療の実施に伴う収支差といったものを算定して、その収支差をもとにした計算でもって繰り入れをしていただいています。病院事業局として、この算定については、財政当局と事前に調整をしながら算定をしておりますので、こちらのほうで要求しました額については、全額が繰り入れられている状況でございます。

○狩俣信子委員 要求した額が全部入ってきたということを聞いてほっとしたのですが、毎年不足ということがあるので、皆さんがしっかり経営できるような繰入額が必要だろうと思います。毎年要求どおり入ってきているということなのですね。
 実は、きょうは、各県立病院の院長先生いらしているということで、時間も少ししかありませんが、それぞれ何か各病院で一番これが困っていると、これを訴えたいということがありましたら、一言ずつお願いします。

○仲間司北部病院院長 今、北部病院で一番困っていることは看護師の欠損です。看護師の数が足りておらず、実際、12床のベッドを入院制限するような状況になっております。今後、このままいきますと、また看護師が減るのではと危惧していまして、今は看護師の確保を一番重要に考えております。

○上原元中部病院院長 当面の課題としては、ハード面ですが、県立中部病院―中部病院の建物は平成13年に現在の本館が建てられ、それから10年以上経過しております。しかも、現在では職員が1000人を超しまして、非常に大世帯となっており、いろいろな外来の診察室や医局の机、会議室、更衣室など、あらゆる部署で非常に手狭になってきております。それから南棟においては、今の新棟が建設されるときにいろいろな事情がありまして、200床が残されたわけでございますが、本館と南棟は長い坂のある廊下でつながっていまして、診療などで非常に不便をかこっております。しかも、建物が築34年たちまして、新しい耐震基準を満たさなくなっております。それから、中部病院は災害拠点病院に指定されておりまして、ヘリポートを構内に設置しなければいけないという条件がありますが、現在の状況では構内に設置できず、少し離れたうるま市州崎というところに設置してあります。そういうもろもろのことを考えまして、新しく全面的に病院の新築を考えないといけない、そして早急にその計画を立てないといけないと思っております。

○我那覇仁南部医療センター・こども医療センター院長 やはり、各病院とも人員定数の確保が一番大きな問題ですが、医師、看護師、薬剤師、それから臨床工学技士、この中で私たちの病院で一番困っていることは、看護師の不足です。民間の病院でも看護師の確保にはいろいろ工夫をしていて、ことし私たちがやったことは、変則2交替体制というのを1つの病棟でやりました。最近の若い看護師は、ワークライフバランス、自分の時間を大切にしたいということが非常にありまして、そういった意味で、これは9カ月の試行を経ての本格的な導入になりました。こういったことを今後もフレキシブルに考えていく必要があるのではないかということ。それから、もう一つ。今、最大の問題は、産休の補充です。それが難しい。これは何かと言いますと、産前産後は、各8週間、計16週の産休があります。しかし、これに関しては、基本的には臨時任用という補充はなく、嘱託でしかできないのです。嘱託で採用する、そのキャンディデイトがほとんどいない。要するに、準夜とか、深夜になかなか勤務ができないということがあります。特に、うちの病院では若い看護師が多いのですが、産休に入られる方がことしは毎月10人ぐらいいます。こういった方を補充するためには、臨時任用とか、あるいは現在正職の看護師が準夜勤、深夜勤を担当しなければいけないものですから、やはり過重労働になります。ということで、今は特に産休の補充を臨時任用枠という格好でやっていただければ、そういった看護師は補充できるのではないかと考えます。さもなければ、あと数カ月たちますと、結局は病棟の縮小などにつながりますので、これは非常に喫緊の問題として、ぜひ真剣に考えてもらいたいと思います。

○上原哲夫宮古病院院長 当院も一応3年前に新築しまして、ことし3年目に入りましたが、やはり病院が新しくなると患者さんもふえてきて、検診もふえてきているということで、非常に業務量がふえてきております。その割に、看護師などがまだ補充ができていないということがありまして、その辺がこれからの課題となっています。一応、建物は新しくなりましたが、返済能力に対応したコンパクトなつくりとなっているものですから、業務量が多くなっているということ、それから研修医がふえてきましたので、スペースが狭くなってきているということがありまして、また二、三年以内に増築を考えないといけないのかということも考えております。あと、人員のところで特に看護師ですが、先ほども南部医療センター院長からありましたように、離島においても、産休、育児休暇、それともう一つ研修制度といいますか、看護師資格を取るために6カ月ぐらい休むということがありまして、そういうところの補充ができていないと。特に臨時任用であっても、本島に比べて離島はさらに厳しく、確保が困難というところがあります。その辺が一番に問題となってくるところだと思います。

○依光たみ枝八重山病院院長 やはり、今、八重山病院の一番大きな課題は、平成29年に開院予定と言っている新八重山病院が本当に建つのかどうかということです。今、県立病院課副参事から再入札のお話がありましたが、そのときに本当に入札できるのかどうか、そして、開院までの2年半の間に築35年たった病院の機能が維持できるかどうかということを一番心配しております。それから、ことしはどういうわけか、八重山諸島に台風が5つ来まして、特に台風15号では、駐車場の壁が飛ばされたり、救急室の廊下側の壁が落ちたり、それから手術室の空調ダクトが破損したり、医局の壁に水が入ってきたりなどして、そこは先週ちょうど修理が終わったところですが一時使えなくなりました。そういうことで、補修するところが非常にふえてきています。そこで、修理費などの増大と、それから診療に支障が出ているということが、今、一番大きな課題として挙げられております。

○砂川寿美子精和病院副院長 県立精和病院―精和病院は、昭和61年に新築されて、築24年経過しております。施設設備の老朽化が著しく、設備機器の部品とかが製造中止になっているという箇所が多いものですから、老朽化対策でいろいろ予算が使われているという現状があります。このような老朽化対策だけでなく、患者のアメニティーとか、医療機能の向上に向けた改修がこれから必要かと考えております。さらに、増収に向けた取り組みといいますか、それを行うためにも、精神保健指定医や作業療法士、精神保健福祉士の安定的な確保が困難な状況にありますので、欠員補充や業務応援の嘱託職員と非常勤職員の処遇改善が求められているかと思います。

○狩俣信子委員 今、聞いただけでも、看護師不足もさることながら、医師不足、新八重山病院が本当にできるのかという心配など、各病院でたくさん大変な問題を抱えていらっしゃいますが、そのことについて病院事業局長一言よろしくお願いします。

○伊江朝次病院事業局長 県立6病院について、新しくできたところもありますけれども、古いところも含めて、時代に適応できるような状況にするために、やはり適切な修理、あるいは今後の新築への構想とかも急いで準備しなくてはいけないと思っております。それから、人的な面では、やはり病院には若い看護師が多く、出産適齢期という方々が多いわけですから、少子化対策の面でも、その辺がスムーズにできるよう、環境整備に一生懸命取り組んでいきたいと思っております。

○狩俣信子委員 その他、いろいろなところの要望が出ていましたので、それをしっかり受けとめてやっていただきたいと思いますし、それから産休で休む看護師の補充には、嘱託職員では難しいというお話がありました。そこらあたりは、しっかりと改善が必要だと思いますので、よろしくお願いいたします。

○呉屋宏委員長 新田宜明委員。

○新田宜明委員 あらかた狩俣委員が、質疑をいたしましたので、少し細かくまた聞かせていただきたいと思います。
 沖縄県病院事業会計決算審査意見書の12ページに職員数の記述があって、現員と条例定数の開きがあります。それで、表9の2の現員ですが、医師、看護部門職員、医療技術員、それから事務職員及びその他職員とありますけれども、具体的に、定数に満ていない、各病院の職種ごとの欠員数を教えていただきたいと思います。

○津嘉山朝雄県立病院課長 沖縄県病院事業会計決算審査意見書の数字でいきますと、平成27年3月31日現在、全体の欠員が79名で、医師が51名の欠員、それから看護師はゼロとなっておりまして、コメディカルが33名の欠員となっております。若干の増減がありまして、先ほど申し上げた79名とは一致しない部分がありますが、大きな職種としてはそういう形になっております。各病院ごとですと、北部病院は医師が14名、それからコメディカルが3名の欠員。中部病院は医師が3名、コメディカルが15名の欠員。南部医療センターは医師が12名、コメディカルが9名の欠員。宮古病院は医師が11名、コメディカルが3名の欠員。八重山病院は医師が10名、コメディカルが2名の欠員。精和病院は医師が1名、コメディカルが1名の欠員となっております。

○新田宜明委員 欠員状況について、どのように対策を立てるおつもりでしょうか。

○伊江朝次病院事業局長 条例定数と差があるという件は、例えば、薬剤師とか職種によって非常に確保が困難、あるいは数年の段階的に採用していくという計画でやっておりますので、若干そういった条例定数との差はあります。特に今、問題なのは、やはり薬剤師です。大幅増員をして、一応は定数で確保しましたが、応募者が少ないという状況がありまして、病院の体制をいろいろ広げていきたいところですが、なかなかそれが難しいという状況がございます。それから医師とか、先ほどから話題になっております看護師不足に関しても、できる限り辞退者を少なくするようにということで、いろいろ努力しておりますが、なかなか例年、辞退者の数が余り変わらないということで、非常に難しい状況にあると考えております。しかしながら、やはりこういったところは、辞退者の動向とか、なぜ辞退するのかということも含めて調査をし、原因をしっかり解消して、不足の状況を改善していきたいと考えているところでございます。

○新田宜明委員 私は、県議会議員になって3年目ですけれども、こういった医師不足、コメディカルの不足状況というのは、毎年同じ議論をしているような、毎年毎年改善されていないような感じがします。私は豊見城市に住んでいますが、病院や医院等がたくさんありまして、こういった医療関係については非常に満足していますが、そこは医師や看護師等が非常に充実しているのです。これは何だろうかと思うのですが、やはり公務員医師とか、公務員の看護師、その他のコメディカルの職種は、勤務条件に対して待遇が悪いのではないですか。だから来ないのではと思うのですが、どうなのでしょうか。

○伊江朝次病院事業局長 今、委員のおっしゃった病院というのは、地域の民間病院のことを述べられていると思うのですが、そこが県立とは違うところでして、県立は6病院あるということ、それから異動、転勤があるということです。そこはやはり大きな違いだと思います。ですから、なるべく職員の状況、家庭環境などをしっかり考慮しながら人事異動を考えてはいますが、やはり宮古病院、八重山病院、北部病院などにしっかり人材を配置するためには、公務員として異動は避けられないということがあります。そういうところが一番大きなハンディになってるのではないかと考えております。

○新田宜明委員 結局のところ、政策的判断、配慮がないと県立病院は維持できないということですよね。ですから、経営的に大変厳しいという側面もありますけれども、ただ経営重視だけでは県立病院は維持できないという結論だと思っています。特に離島県ですから、その辺の政策判断、政治判断が非常に重要だと思うのですが、こういった政策判断が非常に重要な県立病院の人員確保、経営の問題を含めて、保健医療部長でこういった問題については、きちんと現場の話を受けとめて、さらに庁議等に上げるという、こういう仕組みはとれるのでしょうか。

○仲本朝久保健医療部長 現場といいますか、もちろん私も各病院に視察なり、お話を聞くことはありますが、基本的には、まず病院事業局で整理をしまして、それから調整に図るということでございます。

○新田宜明委員 病院事業局長は、庁議メンバーですか。

○伊江朝次病院事業局長 そうであります。

○新田宜明委員 きちんと現場の実情を、そういった庁議等にもっと訴えるべきではないでしょうか。こういう状況をそのまま放置していると、県立病院を維持していくことはかなり難しいのではないでしょうか。民間病院では、ぼんぼん新しい機器を導入したり、医師あるいは看護師とか、いろいろな体制が充実してきているわけです。そういう中で、医療水準を下げずに県民の医療の確保をするということは、大変難しそうな感じがして、これはやはり政治判断、政策判断が非常に重要になってきますので、この辺はしっかり訴える決意をこの場で述べていただければ、私たちもうんと応援したいと思います。知事が県立病院を堅持すると公約していますので、その辺を明確にまず意思表示していただければ、私はあと5分残していますけど終わります。

○伊江朝次病院事業局長 私も県立病院課に来て6年目になりまして、大体県庁の様子もわかってきたつもりではございます。そういうことも踏まえて、長年病院現場で勤めた立場ですから、現場の皆さんの思いもしっかり吸収して、三役あるいは他部局とも意見交換をして、少しでも県立病院がよくなるように頑張っていきたいと思いますので、ぜひ委員の皆さんの御協力もよろしくお願いします。

○呉屋宏委員長 赤嶺昇委員。

○赤嶺昇委員 保健医療部からお聞きします。
 歳入歳出決算説明資料4ページ、不用額16億9951万2720円の額は例年並み、そういう推移なのかも含めて御説明ください。

○仲本朝久保健医療部長 保健医療部所管の一般会計の不用額16億9951万2720円は前年度と比較しまして、2億7410万1853円、率にして19.2%の増となっております。

○赤嶺昇委員 不用額が約17億円ですよね。これは仕方がないことなのですか。結構な額ですが、これについて課題は何ですか。

○仲本朝久保健医療部長 実は、この不用額の大きなものというのは、例えば後期高齢者医療負担金等事業費、これは医療給付費等の実績が上がってきて、それに対する負担金となりますが、その動向のつかみ方、それから実績が上がる時期、それがずれ込んでいくということ。それから、医療費に関連する扶助費とかいろいろなものがあります。例えば、インフルエンザとか、そういう流行があったりなどで、医療費の見込み方がなかなか難しく、例年多額の不用を出しております。できるだけ2月補正に間に合わせて、市町村なり、その動向をつかむことにしていますが、どうしても上半期の執行状況、実績を見ながら、後半を立てるということで、ある意味少しつかみかねているという状況でございます。

○赤嶺昇委員 見込みも難しいということですが、なるべく不用額を余り大きくしないように努力していただきたいと思います。
 次に、主要施策の成果に関する報告書81ページ、長寿復活健康づくり事業でいろいろされていて、一気にその成果は出るものではないですが、現在、本県の平均寿命の全国的な順位をまず教えてください。

○糸数公健康長寿課長 一番最近のデータは、平成22年の平均寿命のデータでして、都道府県別の平均寿命の順位ですが、男性が30位、女性が3位ということで、女性が初めて1位から落ちたということであります。

○赤嶺昇委員 これは平成22年が一番新しくて、今はもうわからないということですか。

○糸数公健康長寿課長 これは5年ごとに生命表という計算を国が行いますので、次は平成27年のデータを用いて、恐らく発表があるのは平成29年あるいは平成30年の最初のころになると思います。

○赤嶺昇委員 次に、83ページですが、がんの本県の状況、全国との比較を教えてください。

○国吉秀樹保健衛生統括監 がんの罹患の状況は、先ほど言った登録であらわされます。沖縄県の男性で一番多いのが大腸がん、2番目が肺がん、3番目が前立腺がんとなっています。女性は1番目が乳がん、2番目が大腸がん、3番目が子宮がんでございます。全国の場合、男性1位は胃がん、2位が大腸がん、3位が前立腺がんになっています。女性も順位が違いまして、罹患は全国では乳がんが1位、そして2位が大腸がん、3位が子宮がんとなっています。

○赤嶺昇委員 がんの種類以外に、がんの罹患率について、本県と全国との違いはどうなっていますか。

○国吉秀樹保健衛生統括監 罹患は、直ちに比較は難しいのですが、死亡で言いますと、例えば男性のがんによる死亡で一番多いのは肺がんですが、これは全国で5位ということで、少ないほうから5位ということになります。それから、大腸がんが2位なのですが、これは全国で43位ということで、少ないほうから43位になります。3位は肝がんでありますが、これは全国が少ないほうから数えて19位ということになります。女性のがんによる死亡1位は乳がんですが、これは全国で32位です。それから2位の大腸がんですが、これは順位が悪くなっておりまして全国で46位であります。そして、3位の子宮がんは全国順位が45位となっております。

○赤嶺昇委員 続いて、94ページ、救急医療用ヘリコプターの活用ということで、ドクターヘリについてですが、運用実績を教えてください。

○大城直人保健医療政策課長 平成26年度の搬送実績は411件となっています。

○赤嶺昇委員 今、社会医療法人仁愛会浦添総合病院―浦添総合病院が運用していると思いますが、赤字は幾らですか。

○大城直人保健医療政策課長 昨年、平成26年の補助をし、また沖縄振興一括交付金―一括交付金の補助をした上で、差額として1200万円程度がございます。

○赤嶺昇委員 県のドクターヘリを運用して、病院が1200万円の赤字ですよ。おかしくないですか。

○大城直人保健医療政策課長 昨年は、国庫補助についても内示減があった中で、3000万円程度の財源を振りかえて、県で負担しました。おっしゃるとおり、できるだけドクターヘリを運行している病院が赤字がないように調整していきたいと思います。

○赤嶺昇委員 浦添総合病院が今まで赤字負担した総額を教えてください。

○大城直人保健医療政策課長 総計がなくて、大変申しわけありませんが、ドクターヘリは平成20年から運行していまして、780万円程度。そして平成21年が3600万円、平成22年が4500万円、平成23年が4900万円、平成24年が2700万円、平成25年が1600万円、そして先ほど言いました平成26年が1200万円ですので、その総計になります。

○仲本朝久保健医療部長 間違いでしたら失礼しますが、1億9618万3000円となります。

○赤嶺昇委員 県のドクターヘリの運用を社会医療法人仁愛会が請け負って、約2億円の赤字を出させている。これはほかの病院ができないことだと思います。県が委託をして、2億円ぐらい赤字を出させるということは非常に問題だと思います。このことはかなり以前から指摘をしていて、県が穴埋めをするのが筋だと思いますが、いかがですか。2億円の赤字を純粋に出させるということが、どれだけ大きな負担を強いているか。皆さんは甘えているのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○仲本朝久保健医療部長 ドクターヘリについては、救命救急センターを開設している病院に補助金を出すという形で運行をしております。今、御案内しましたように赤字が続いております。県としては、平成24年度から、通常の国庫補助では見られないようなものについて、沖縄県の特殊事情ということで一括交付金を活用して、赤字縮減に取り組んでいるところでございます。今後も赤字の縮減についてしっかり取り組んでいきたいと思います。

○赤嶺昇委員 県から1200万円を早急に穴埋めをするということは、法的にできないのですか。

○仲本朝久保健医療部長 法的な部分では、特に問題はないと思います。これは補助事業という形になっていますので、国庫補助側が基本的には2分の1、その2分の1を県が負担して出しているという形でございます。それから先ほどありましたように、平成26年度は国庫補助金もなかなか全国で予算がつかずに縮減されたことがありまして、その分については一般財源で負担をして、その分を補っているということがございます。その上で、今後ともいろいろな方法があると思いますが、一括交付金の活用、それから県独自のものができるのかどうか含めて今後の検討ということになります。

○赤嶺昇委員 補助事業という言い方をすると、もうやりませんと言ったときに、こういう赤字を出して受けるところはありますか。

○仲本朝久保健医療部長 これまで浦添総合病院においては、ドクターヘリの運行について非常に理解等をいただいて事業を実施しておりますので、県としても、引き続き補助事業が継続できるようにしっかり取り組んでいきたいと思っています。

○赤嶺昇委員 何回も取り上げていますが、総額約2億円、本当はこれもしっかり返したほうがいいのではないかという気持ちです。これを早目に、言いわけを言わないで、赤字を出させないということをやっていただきたいと思います。この辺は、しっかりと来年の予算に向けて決意をお聞かせください。

○仲本朝久保健医療部長 予算等含めて、赤字の解消についていろいろ検討していきたいと思っています。

○赤嶺昇委員 次に、99ページ、感染症対策についてですが、本県のエイズ、HIVの状況、全国の順位を教えてください。

○糸数公健康長寿課長 2014年、昨年1年間のエイズについて、感染した段階の方はHIV感染者、発病された方はエイズ患者として報告をしているところでございます。沖縄県では、HIV感染者が全国で多いほうから3位、それからエイズの患者は人口10万人当たりで比較しますと、エイズは昨年は一番多かったという結果になっています。

○赤嶺昇委員 1位になってしまっている理由は何ですか。

○糸数公健康長寿課長 HIV感染症は性行為によって感染をするというのが主な感染経路で、かなり多い状態が平成18年ごろから続いています。感染経路で一番多いのは、男性同性間の性的な接触というのが多く、沖縄県の中では、例えば、商業施設だったり、集まりやすいような環境があったり、あるいはそういう人たちの中で感染を予防することができないような性行為が行われていると見ています。

○赤嶺昇委員 つまり、男性同士のそういった環境が他都道府県に比べて多いということが、要因として皆さんが分析しているところですか。

○糸数公健康長寿課長 これは正式なデータがなかなか探せないのですが、一応そういう商業施設が沖縄県に集まっているという情報がございます。ただ、そういう方々についてもコミュニティセンターを利用して、予防についてしっかりと啓発をする事業も行っていますので、感染予防をもう少し呼びかけていきたいと考えています。

○赤嶺昇委員 予防については、若いころから学生たちにも啓蒙が必要だと思いますが、それに対する取り組みを教えてください。

○国吉秀樹保健衛生統括監 以前から、保健所を中心に学校等と連携をしながら、例えば、保健所の医師が行って講演会をやるとか、あるいは保健所の中でCDとか教育用の機材をつくってそれを学校にお渡しするということをやってきています。

○赤嶺昇委員 全国ワースト1位というのは、大変大きな課題だと思います。これを改善していく決意をお聞かせください。

○国吉秀樹保健衛生統括監 第1位ということは非常に課題だと考えております。1つは、正しい知識を持ってもらうということと、それから心配な場合には、早目に検査を受けていただくことが大事です。保健所では検査を無料で行っております。そして、休日や夜間に特別に日を設けてやる、あるいはエイズのキャンペーンをして特別に街頭でやるなど、さまざまな取り組みを総合的に推進しているところです。検査件数としてはおかげで全国で一番多い検査の件数にはなっていますが、まだまだ必要だと考えております。

○赤嶺昇委員 病院事業局にお聞きします。
 決算書1ページ、不用額について。これも例年このような不用額が出ているのか、推移をお聞かせください。

○津嘉山朝雄県立病院課長 不用額については、新年度の予算を組む場合に最大の収益と、1年間に必要な最大の費用をまず見込んで予算を組んでいますので、例えば、医師が確保できずに収入が入らなかった分、そしてその支出も出なかったということで、今は推移までは持ち合わせておりませんが、例年比較的このくらいの大きな差額が出ています。

○赤嶺昇委員 続いて、北部病院についてですが、最近、産婦人科の医師を確保できたということでよかったと思っていますが、過去5年間で北部圏域から産婦人科に緊急搬送された数を教えてください。

○篠﨑裕子県立病院課医療企画監兼保健医療政策課副参事 北部圏域から中部圏域とかへの妊婦の搬送状況ですが、平成23年は59件、平成24年は99件、平成25年は75件、平成26年は29件となっています。あと、ことしの7月末現在では、14件と少なくはなっております。

○赤嶺昇委員 今回、医師が確保できたことによって、こういった緊急搬送は改善されると考えていいのか教えてください。

○伊江朝次病院事業局長 今回、4人体制にすることによって、地域における標準的な医療は十分提供できると思います。ところが、やはりハイリスクの分娩や超未熟児出産などの可能性が考えられる場合には、母体搬送とか、出産後に搬送することも考えられます。ですから、機能的には、宮古病院、八重山病院に準ずるような形で運営できればという目標は置いています。

○赤嶺昇委員 続いて、北部病院院長にお聞きします。公益社団法人北部地区医師会北部地区医師会病院―北部地区医師会病院との合併等についていろいろ議論されていますが、院長の見解をお聞かせください。

○仲間司北部病院院長 北部地区医師会病院との合併、統合については、地域医療構想が始まっていまして、2回目が今後始まりますけれども、その中で一応検討することになっていますので、それを踏まえて検討しようと思っております。個人的にどうかと聞かれますと、両方とも救急医療に関してはかなり疲弊しているような状況ですので、その辺のところは早目にやらないと、恐らく北部地区全体の救急に関しては、少し不安なところがありますので、それを解消しようということと、北部地区医師会病院と北部病院との間の交流をまずやっておかなければ、将来何が起こるにしても交流はしなくてはいけないだろうと思っておりますので、そちらに力を入れたいと思います。

○赤嶺昇委員 そのまま、北部病院院長、あと宮古病院、八重山病院の院長に聞きたいのですが、7対1看護体制に対する考え方をお聞かせください。

○仲間司北部病院院長 沖縄本島内の200床以上の救急病院で7対1看護体制をとっていないのは、実は北部病院だけでございます。看護師らの採用条件などで、7対1看護体制をやっていますかという意見が出てきていまして、我々としては何年も前から7対1看護体制をやりたいと希望は出しているのですが、いろいろ計算をしますとどうしても赤字になると。そういうところをクリアしなくてはいけないということがありますので、それをなんとかクリアしようと、特に、地域包括ケア病棟に7対1看護体制を導入することによって、それがある程度緩和できるのではと考えながら、7対1看護体制導入に向けて、病院事業局あるいは保健医療部との調整をしながら進めているところでございます。

○上原哲夫宮古病院院長 宮古病院におきましても、離島僻地において、看護の質を上げるとか、業務負担を軽減するという意味で7対1看護体制を導入したいと一応は考えていますが、やはり費用対効果がいつも問題になってきまして、7対1看護体制を大きい病院に導入することができるようになったのは、係数とかそういう問題で補塡がきくということなのです。例えば、10%の売り上げの補填がきくということがありまして、それが小さい病院になっていけばいくほど非常に困難になってくるということがあります。ただ、離島とかですと、本土から看護師が来るときも7対1看護体制をやっていますかとか、2交替制ですかとか、そういう勤務条件が移ってきたいときの条件になってきますので、離島僻地においても、なるべくそういうものを入れながらスタッフの確保に役立てていければいいかと思っています。

○依光たみ枝八重山病院院長 今、上原宮古病院院長からもありましたが、我々としても7対1看護体制を導入したいのはやまやまです。しかし、現実的に10対1看護体制もままならないような状況で、果たして新病院に向けても7対1看護体制ができるのかどうかが非常に疑問です。八重山病院は宮古病院よりももっと条件は悪い状況にあります。ということで、理想としては7対1看護体制を考えていますが、現実的には10対1看護体制を確保するだけでも大変な現状があるということです。

○赤嶺昇委員 以前から検討するということでやっていますが、局長の見解をお聞かせください。

○伊江朝次病院事業局長 7対1看護体制は、ある意味、働く看護師たちの現状からいえば、いわゆる目標とする職場環境だと考えております。北部病院、宮古病院、八重山病院がそれをクリアするためには、現状からしましたらかなりいろいろなハードルがあると思います。といいますのは、1つは、例えば7対1看護体制に必要な基準にあります、重症度、医療・看護必要度という基準ですが、これは最初7対1看護体制ができたときはたしか11%だったものが、今は15%です。それから、今度の診療報酬改定で18%ぐらいになるのではないかと予想されます。そういうことも加味しますと、いろいろな病棟の形態や病床数とかまで考慮しないと、なかなかその条件をクリアすることは難しいのではと考えています。今後は、地域医療構想も踏まえた新たな医療体制が考えられますので、例えば、病院単位だけの7対1看護体制ではなく、病棟単位とかという話もちらほら聞かれますので、そういったことも検討しながら、現場としっかりコミュニケーションをとって、今後はそれが実施できるか検討していきたいと思っています。

○赤嶺昇委員 続いて、未収金の額は出ていますが、未請求の状況はどうなっていますか。

○真栄城守県立病院課経営企画監 現在、未請求につきましては、査定など幾つかの細かい分類がございまして、その中から未請求という数字をはじかないといけない分がございます。ただいま持ち合わせがないものですから、数字はお答えできない状況でございます。

○赤嶺昇委員 未請求の実態はあるのですか、ないのですか。

○真栄城守県立病院課経営企画監 未請求は発生しており、現在もございます。

○赤嶺昇委員 資料で件数、額、過去5年間の推移も出してもらえませんか。
 南部医療センター院長にお聞きしたいのですが、新しくなってから何年かなりますが、高額医療機器の状況、そろそろかえないといけない状況についてお聞かせ願えますか。

○我那覇仁南部医療センター・こども医療センター院長 一昨年から特に破格の値段であります、リニアック―放射線治療装置は使用して10年になりますが、修理に膨大なお金がかかります。しかも、当院は特に子供のがん検査機関ということで非常に必要であるということを病院事業局、それから議員の皆さんともいろいろ話をしてきました。そして時間はかかりましたが、何とかリニアックの購入が―これは現在のものとは随分違う高精度のリニアックでありまして、非常に高額のものになります。今のところ、最終決定はまだ伺っていないのですが、恐らく来年の八、九月といったところで稼働といいますか、そういうことを目標にしております。

○赤嶺昇委員 本来でしたら、今年度で早目にということだったのですが、これはおくれていると理解していいのですか。

○我那覇仁南部医療センター・こども医療センター院長 これには非常に曲折がありまして、一括交付金とか、地域医療介護総合確保基金とか、いろいろな話がありました。一括交付金に関しては、それがうまくいかなかった。地域医療介護総合確保基金で一旦出したのですが、なかなかそれが地域医療構想とは合致しないところがあるのではないかということで、留保になりました。そこで、2回目のことに関してはまだ結論が出ていないと思いますが、これは地域医療介護総合確保基金からはできないということで、病院事業局予算で購入するということになりました。

○赤嶺昇委員 病院事業局長にお聞きしますが、6県立病院の高額医療機器について、そろそろ耐用年数が過ぎているものも多々あると聞いていますし、何とか故障を直しながらやっているそうですが、しっかりと医療をしていくために、各病院との連携といいますか、予算との関係もあると思いますが、要望に対してしっかり対応ができていますか。

○伊江朝次病院事業局長 この件に関しましては、各病院の中で院内調整をして、それを県立病院課の担当としっかり意思の疎通をして、最終的に決めている状況でございます。これはやはり、早くやらなければいけないという優先順位をしっかり踏まえながら、とにかく病院現場の医療機能が麻痺しないことを念頭に置いて考えている状況であります。

○呉屋宏委員長 休憩いたします。

   午前11時50分休憩
   午後1時24分再開

○呉屋宏委員長 再開いたします。
 それでは午前に引き続き、質疑を行います。
 糸洲朝則委員。

○糸洲朝則委員 主要施策の成果に関する報告書84ページ、こども医療費助成事業について伺います。 たまたま手違いで平成25年度のものを見させていただきましたが、かなりの成果を上げているということで、去年よりことしは説明も少し少なくなっているようですが、まずはこの事業の概要。そして、平成7年度よりやっていますので、この制度の実施に伴う効果及び今日までの推移について御説明をお願いいたします。

○糸数公健康長寿課長 こども医療費助成事業の目的としまして、子供の疾病の早期発見、早期治療を促すということと同時に子育て支援ということで、子育てをしやすい環境を整えるという意味もございまして、平成7年度から各県内全市町村で行われております。子供が病院にかかったときの通院については、平成27年10月から小学校入学前までのお子様の通院の医療費、それから入院については、中学校3年生までの入院の医療費について市町村が助成をしておりまして、そのうち2分の1の額を県が助成しているところでございます。予算額はこちらにありますように、平成26年度12億4500万円ということで、対象年齢の拡大は徐々に進めてきているところでございます。

○糸洲朝則委員 47市町村、全ての自治体で実施しているということで、健康長寿課長から答弁をいただきました。少子高齢の時代ですので、こども医療費の助成事業というのは、やはり社会としても、あるいは国としても、県としても大きな眼目であるといっても過言ではないくらい大事な事業だと思います。こども医療費助成事業によって、多くの子供たちの病気がかなり改善されていったということですので、今後とも取り組みをしていただきたいと思います。
 次に、85ページ、特定不妊治療費助成事業について。これも先ほどのこども医療費助成事業とある面で関連するかと思いますが、特定不妊治療費助成事業に対する県の考え方、あるいは評価、成果等について御説明をお願いします。

○糸数公健康長寿課長 特定不妊治療費助成事業につきましても、平成17年度から行っております。これは一般的な不妊治療とは違い、体外受精だったり、顕微鏡を使っての受精という医療保険のかからないかなり高額な治療になりますので、その一部を国と県が2分の1ずつ助成しているというものでございます。成果といいますか、年々、助成を受ける方の数は増加しております。先ほど申し上げましたが、平成26年度は1143組の方が助成を受けておりまして、平成25年度が1079組、平成24年度が845組ということですので、数がどんどんふえてきている状況にございます。ただ、これは妊娠、出産に絡むことでして、助成の対象年齢について、平成28年度からは43歳未満ということで国も少し助成の枠を設けることになっています。これはやはり、お母さんの体に対する負担が大きいとか、あるいは妊娠が継続できない可能性が高くなるとかという専門家の意見を聞いて、年齢制限を設けるようにしているところでありまして、県としては、それについて今年度は周知をしているところでございます。

○糸洲朝則委員 ぜひ今後とも頑張っていただきたいと思います。
 次に、88ページ、医師確保対策について。これも狩俣委員からお尋ねがありましたが、まずは1番目の代診医派遣事業について、これは恐らく離島ということになっておりますが、これについての御説明、そして実績あるいは成果等をお願いします。

○大城直人保健医療政策課長 まず、医師については、中部病院と八重山病院に籍を置いていますが、実際は知事部で人件費を負担しまして、離島の医師が研修に出かけたりしたときに、離島に代診医を派遣する事業となっております。代診実績が134日という実績になっております。

○糸洲朝則委員 離島にとってみれば、医師がいないということが一番の不安でございまして、このように代診医を派遣するということはありがたいことでございますが、ただ、制度はあっても、代診医派遣ができなかったという例は過去にありますか。

○大城直人保健医療政策課長 本島周辺の離島、例えば、久高島とかでそういう事例はあったと聞きましたが、基本的には、代診医事業で親病院からの派遣も含めて、そういうことが極力ないように努めております。

○糸洲朝則委員 離島診療所等の医師が研修等で不在にするといったことで言われていますので、それは前もってわかることですから恐らく問題はないと思います。したがって、これは抜かりなくやっていただきたいと思います。人間ですから、病気で診察ができないとか、そういったこともあろうかと思いますので、そこら辺まで配慮いただければありがたいと思います。
 次に、ドクターバンク及びへき地医療支援機構の運営について。これは、登録医師が135人、派遣人数が2人という実績が出ておりますが、まだこんなものかなと。本当はもっといてもいいのではという思いでこのことを通告をしてありますが、実際はどうなのでしょうか。特に、登録医師については、推移も含めて、御説明いただきたい。

○大城直人保健医療政策課長 実績を読み上げますと、平成26年度予算額2568万7000円に対して、2568万7000円の実績となっております。登録の内訳については、平成27年3月末で、診療科別では内科60名、外科15名、小児科が2名、整形外科4名、泌尿器科2名となっています。地域別では、県内で13名、県外118名、海外4名。性別では男性120名、女性15名のバンク登録となっています。派遣実績については、国頭村立東部へき地診療所に長期派遣で、平成26年3月から行っています。そして、竹富町立竹富診療所においては、短期支援派遣で週1.5日ぐらいだったと思いますが、平成26年8月から平成27年3月まで派遣をしています。

○糸洲朝則委員 特に離島僻地が対象となるし、そこが一番派遣されない場合に困ったことも多いと思うのですが、これについても、ぜひあきがないようにやっていただきたい。
 次に、産科医、新生児医療担当医への手当及び離島・へき地への医師派遣に対する補助という項目がありまして、これは6億2493万7000円というかなりの実績額になっていますが、やはりこういう厳しい状況下の中で手当てをしまして、派遣をすると。あるいは、医師の確保に努めておられるということでございますが、これについても御説明をお願いします。

○大城直人保健医療政策課長 細かい数字は持ち合わせていませんが、述べ人数200を超える人間を、離島に派遣した場合の損失部分を補塡しております。当初計画、30医療機関が予定していましたが、実績としては28医療機関の実績にとどまっています。

○糸洲朝則委員 次に、がん患者家族等支援体制強化について伺いますが、これによりますと、例えば、那覇市立病院に1000万円とか、中部病院に1000万円、宮古病院が400万円、八重山病院が400万円等々、そのほか実績が掲げられていますが、これは何を基準に決められるのか、あるいはまたこの5つの予算で足りているのかということについて、お願いします。

○大城直人保健医療政策課長 まず、地域がん診療拠点病院の事業ですが、那覇市立病院1000万円、拠点病院でございます。中部病院、拠点病院として1000万円。宮古病院については、平成27年度から支援病院から、診療病院に移行します。八重山病院と北部地区医師会病院については、拠点病院並の、がん患者に支援した部分の補塡として、それぞれ400万円程度の一般財源での補助をしています。

○糸洲朝則委員 宮古病院、八重山病院とかで放射線治療あるいは高度医療的な設備がないから、そういう患者さんは、沖縄本島に出てこざるを得ないという実情だと思いますが、やはり宮古病院、八重山病院、北部病院、小さいながらも拠点的な、極端な話、県立病院が一番の頼りだと考えます。したがって、ただ金額じゃなくて、なるべく地元で治療が受けられるような体制に持っていくべきだといつも思っています。かつて八重山病院でも、宮古病院でも、放射線治療とかそういったもの等の機器整備ができないかということも伺ったことありますが、なかなかこれも厳しいという話も聞いております。将来的にやはりこういうところまで整備をしていく必要があるかと思いますが、いかがでしょうか。

○国吉秀樹保健衛生統括監 どこに暮らしていてもひとしくがんの治療が受けられるということは、大変大事なことだと思います。ただ、放射線治療に関しては、専門医等が非常に少ないということもありますし、機器等を整備しても年間に幾ら幾らと。やはり離島というのは患者さんもそれだけ少なくなっておられますので、費用対効果といったら失礼でありますけど、どうかと。それから、症例数がある程度ないと専門医の方々のスキルアップにならないということもございまして、いろいろなことを総合的に考えていかないといけないと思います。

○糸洲朝則委員 次に、琉球大学医学部附属病院への地域統括相談支援センターという委託事業でありますが、これについての実績等よろしく御説明をお願いします。

○国吉秀樹保健衛生統括監 幾つかやっていることがございます。主に相談事業でして、ピアサポーターという、患者さんになって、それからしばらくたってサバイバーとして頑張っている患者さんたちを相談役にしまして、実際の悩みにお答えしたり、ゆっくりと話を聞いてあげるという事業でございます。数が何人というのは手元に持ち合わせていませんけど、拠点病院の大きな仕事として、ぜひ我々も一緒に考えてまいりたいと思っています。

○糸洲朝則委員 2人に1人はがんに罹患する確率があるぐらいですから、最近身近な人ががんで亡くなったり、あるいは見つかったりということを見るにつけ、地域統括相談支援センターの仕事等もかなり重要性が増してくると思うのです。だから、なるべく早く早期発見するためには、そういうところで相談とか、あるいは診察を受けるとか、そういったことが必要だと思いますが、加えましてがん検診の普及啓発について御説明をお願いします。

○国吉秀樹保健衛生統括監 午前中に健康長寿課長からも話があったのですが、がん検診は市町村主体で行っています。市町村が住民に対してカレンダーであるとか、個別通知でありますとか、さまざまな方法で通知をしています。がんの制圧月間というものもございますので、我々は市町村と連携をしながら啓発したり、あらゆる機会を捉えて大切さをアピールしているところです。沖縄県の検診が他県に比べて受診率が悪いところもございますので、さまざまな御意見をいただきながら、もっともっと努めてまいりたいと思います。

○糸洲朝則委員 次に、離島・僻地のがん患者、家族の支援については、いろいろ陳情等も出てきていますが、沖縄本島は南部医療センター近くにきちんとがじゅまるの家があるのですが、この後に続く小規模離島対策ということで私は触れているのですが、先島から陳情があるように、例えば、宮古病院、八重山病院に来る周辺離島の皆さん方、あるいは南部離島―南部離島は沖縄本島に来ますから問題ないと思いますが、この宮古・八重山地域の患者家族に対する支援について今はまだ手を打たれてないと思うのですが、今後の展望も含めて、よろしくお願いします。

○国吉秀樹保健衛生統括監 今おっしゃるのは、例えば多良間島とかから宮古本島ですとか、あるいは与那国島からと、離島から離島へのお話だと思います。そういう御要望があるのは聞いておりますけれども、実際、何人ぐらいの方々が治療に来られているのかとか、そして来られたときに宿泊をどのようにされているのか、あるいは入院なのか、外来なのかということも実態が今はわかっておりませんので、患者会の皆さまなどにお聞きしながら、ニーズというものを少し見てまいりたいと思っています。

○糸洲朝則委員 これもきめ細かに対応していただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 難病相談支援センターについて。これはありがたいことに平成25年度より平成26年度は、倍近く予算が計上されて、決算も出ています。これだけの事業ができたということについては評価をしたいのですが、倍近くふえたことも含めていかがですか。

○玉城宏幸薬務疾病対策課長 この事業は、平成25年度に比べまして、平成26年度では約2倍に予算がふえておりますが、その中身としましては、アンビシャスというところで相談を受けてるのですが、そこに相談員の方を1名ふやしたということです。内容的には、それほど変わっていませんが、相談員をふやして、体制を充実したということです。

○糸洲朝則委員 これはNPO法人への委託費ですか。それを確認しておきたいのですが。

○玉城宏幸薬務疾病対策課長 NPO法人アンビシャスへの委託事業になっております。

○糸洲朝則委員 たしか厚生労働省は、各都道府県に難病相談支援センターを1軒ずつという方針だと思いますが、今後、ずっとこういう委託でいくのか、あるいは、県としてきちっとそういう体制をつくっていくのかということについてお伺いします。

○玉城宏幸薬務疾病対策課長 今、全国各都道府県に1つは、そういった相談支援センターがありますけども、今後の展開につきましては、しばらく様子を見て必要があれば検討していきたいと考えております。

○糸洲朝則委員 沖縄県は沖縄型難病等もあったり、あるいはこれまでもなかなか認定されなかった事例もありますから、ぜひ力を入れて取り組んでいただきたいと思います。

○呉屋宏委員長 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 少子化といいながら、政府は子供の医療費を無料にしていないのですが、国の動向についてお尋ねします。

○糸数公健康長寿課長 平成27年9月2日に、子供の医療に関する現状や課題・対応等を検討する、第1回子どもの医療制度の在り方等に関する検討会が厚生労働省で開催されております。今、御質疑にありましたように、国民健康保険―国保の国庫負担金の減額措置の話であるとか、どういうふうな制度のあり方がいいかということで、今後は月に1回、あるいは2カ月に1回程度開催される見込みで、平成28年末をめどに取りまとめをすると聞いております。検討会においては、医療費を無料化にするとモラルハザードが生じて基本的に好ましくないという意見や、あるいは国保の国庫負担金の減額措置は地方の子育て政策に矛盾している等々、いろいろな立場の方がいろいろな意見を言っているということが伝わってきております。

○西銘純恵委員 窓口無料にしたら、国保でペナルティを課している。このため市町村、沖縄県も無料にできない問題を抱えていますけれども、いずれにしても国に無料化を求めていくということも大事かと思っています。
 次に、ひきこもり地域支援センターについて伺います。
 ニート、ひきこもりがワーストワンの県になっていますが、ひきこもり地域支援センターを設置している都道府県は、何県でしょうか。

○糸数公健康長寿課長 平成27年4月現在では、40都道府県で設置しておりました。今年度に入って、新たに埼玉県、山梨県が設置をしておりますので、現在42都道府県で設置されております。

○西銘純恵委員 まだの県の名前をお願いします。

○糸数公健康長寿課長 青森県、岐阜県、岡山県、佐賀県、そして沖縄県です。

○西銘純恵委員 同センターを設置したら、国から補助があると思うのですけれども、補助事業はどのようなものがあるのですか。

○糸数公健康長寿課長 これは厚生労働省の補助事業となっておりまして、国庫2分の1の補助事業となっております。主に相談員、コーディネーター、あるいは電話に対応する方々に対する予算になると考えています。

○西銘純恵委員 もう一つ、補助事業があると思いますが、ひきこもりサポーターの事業になっていると思いますが、それの説明もお願いします。

○糸数公健康長寿課長 ひきこもりサポーター養成研修、派遣事業というものがございます。これは、先ほどの地域支援事業とは別のメニューでございますが、ひきこもり状態にある本人、その家族に対する支援が可能となるように、継続的な訪問支援等を行う人材、ピアサポーターと書いてありますので、同じような経験をされた方も含むと思いますが、それを派遣する事業で、これは平成25年度から始まっている事業です。

○西銘純恵委員 沖縄県がひきこもりは大変深刻だということです。次年度設置することは不可能でしょうか。

○仲本朝久保健医療部長 県としましては、今後関係機関との意見交換などを通して、支援センターにどのような機能が必要なのかということを含めて、いろいろ検討していきたいと考えています。

○西銘純恵委員 検討する余裕はないと思うのですけれども、いずれにしてもまだ年度が残っていますし、ぜひ設置できるように。センターができたら、さまざまな問題がもっと具体的に掌握できると思うし、支援もできると思います。
 次は、83ページ、がん予防対策推進事業について。全国と比べてがん死亡や重症化はどうなっていますか。

○糸数公健康長寿課長 ことしの9月に国立研究開発法人国立がん研究センターが、初めて相対生存率ということで、がんと診断された後の5年生存率について、全国と各地域が比較できるようなデータを出しております。全てのがんにおいて、5年生存する相対生存率は、沖縄県は55.2%、全国は64.3%ですので、全国に比べて9.1ポイント低いということで、生存する方が少ないというデータが出ております。

○西銘純恵委員 重症化していると思うのですが、全国と比べて検診受診率はどうなのでしょうか。

○糸数公健康長寿課長 市町村で、5つのがんについて、集団あるいは個別で検診をしております。検診受診率については、乳がんと子宮がんについては、全国よりも上回っている数字でございますが、胃がん、肺がん、大腸がんの検診受診率は全国より下回っております。目標は50%ですけれども、まだそれには全てのがん検診受診率は達していない状況となっています。

○西銘純恵委員 パーセントを言っていただきたいというのと、胃がん、肺がん、大腸がん、乳房がん、子宮がん、全額公費負担にすれば幾らになるのでしょうか。

○糸数公健康長寿課長 まず、検診受診率の数字です。地域保健・健康増進事業報告で市町村から報告があった数値になります。胃がんについては、沖縄県は6.5%で、全国は8.7%。肺がんは、沖縄県16.2%、全国は17.3%。大腸がんは、沖縄県13%、全国は19.1%。乳がんは、沖縄県18.6%、全国が17.0%。子宮頸がんは、沖縄県24.4%に対して、全国は23.2%となっています。5つのがんについて、市町村で行われている1次検診は、これは1つの市の例ですけれども、胃がん検診が6377円、大腸がんが2057円、肺がんも2057円、乳がんが7200円、子宮頸がんが7200円になります。それは、市町村によっては、一部あるいは全額負担しているのが現状です。

○西銘純恵委員 1人で全部受けようとしたら、3万円余る検診を全額助成している市町村はどこでしょうか。

○糸数公健康長寿課長 市町村のがん検診自己負担の助成状況ですが、全てのがんについて全額助成しているのは、宜野座村、金武町、渡名喜村ということになっております。

○西銘純恵委員 一部助成というと、やっぱり3万円余りでしたら、自己負担もあるので、全額助成を市町村にやってもらうことで、受診率を上げていくという大きな課題になると思います。
 それともう一つ、集団検診だけにとどまっているところはないでしょうか。個別検診はないとか、その辺について、どうでしょうか。

○糸数公健康長寿課長 がん検診の費用につきましては、平成19年、平成20年ごろから一般財源化されたということで、市町村独自の額を設定しているところでありまして、それを全て負担することは、私たちも検討をしていない状況です。それから個別検診についても、同様の理由といいますか、個別検診にすると検診の単価が上がるという理由で、集団検診しか実施していない市町村もあるというのが現状です。

○西銘純恵委員 やっぱり受診率を上げるということになれば、助成額をふやすとか、受けやすくする以外は上がらないと思います。その課題を、ぜひ市町村とやっていただきたいのと、民間会社、事業所で働いている人は、検診を受けるために休めないと。民間業者との関係では、どのような受診率向上対策をとっていますか。

○糸数公健康長寿課長 検診に対する休みがなかなかとれないというのは、事業所の規模が小さければ小さいほど、現実問題としてあるかと思います。特に県として補助するというよりは、県民会議ということで経済団体を含めて70団体の健康づくり推進の組織がございますので、そちらを通じて各経済団体の主に事業主にそのような理解をしていただきたいという啓発を行おうかと考えているところです。

○西銘純恵委員 次、国保について伺います。
 前期高齢者人口減で交付金が少なかった問題については、額は幾らだったでしょうか。そして、これは解決のめどはあるのでしょうか。

○宮平道子健康保険課長 前期高齢者交付金制度は、前期高齢者―これは65歳から74歳までの方ですが、この方々にかかる医療費について、被用者保険と国保とで財政調整をするという制度でございます。沖縄県におきましては、先の大戦の影響等で前期高齢者が少ないということで、前期高齢者交付金の算定上ちょっと不利になっているのではないかということで、そういう問題がございました。仮に、沖縄戦の影響がなくて、沖縄県の前期高齢者の加入割合が全国平均と同程度であったというふうに仮定して、前期高齢者交付金額を算定しますと、沖縄県との差額というのは平成24年度で166億円となっています。この問題を受けまして、昨年度8月と10月、市町村会、市長会とともに、県としても国に対し要請を行ったところでございます。これに対して、国は沖縄県の特殊事情については、理解を示していただいておりまして、今行われている国保制度改革において、沖縄県の特殊事情を勘案して対応したいというような意向でございました。今、現在進められております国保制度改革におきましては、今年度から1700億円を投じて保険者支援制度の拡充が行われていることと、それから平成30年度以降、子供が多いとか、保険者の責めに帰さない理由で負担がふえているということで、保険者に対する支援を拡充することと、それから医療費適正化等に取り組んだ保険者に対する保険者努力支援制度と言っておりますけれども、それを拡充するということで言っております。これについては、いずれも沖縄県に有利に作用するのではないかということで、こういった形で対応したいというふうな説明がございました。ただ、この制度については、まだ詳細は明らかになっておりませんで、今現在、厚生労働省内に設置されている国と地方の協議の場で、検討がされているというところです。

○西銘純恵委員 戦争による被害で、前期高齢者が少ないと。全国平均の交付金の割合は幾らで、沖縄県はどれだけという数字が出たのでしょうか。

○宮平道子健康保険課長 平成25年度の1人当たり前期高齢者交付金額ですが、沖縄県では1万8437円に対し、全国平均では9万6890円となっています。

○西銘純恵委員 平成30年度以降、新たな子供が多いところは有利になるから沖縄県はよくなるという考え方はおかしいと思います。やはり戦争による人口減というところで、充てるべきはこれはしっかりと解決をさせるということで、166億円の不利益については、やはりもっと県としてもこれはこれで求めていくという立場が必要だと思いますので、ぜひ今後もしていただきたいと思いますが、いかがですか。

○仲本朝久保健医療部長 昨年、市長会、それから町村会等々、6団体で要請に行ってまいりました。県としては、特殊事情ということですので、それについてはしっかり対応してまいりたいというようなことで、今後も国に対して働きかけていきたいと考えています。

○西銘純恵委員 市町村の国保の状況や滞納世帯、資格証明書交付世帯、短期被保険者世帯はどうなっていますか。

○宮平道子健康保険課長 平成26年6月時点の沖縄県の市町村国保におきます滞納世帯の数は3万9164世帯で、国保世帯に占める割合は15.3%となっています。同じく短期被保険者証の交付状況は2万242世帯で、同じく7.9%。資格証明書の交付世帯数は43世帯で、0.02%となっています。

○西銘純恵委員 市町村が強制執行をやっている数は、5年前と比べて減っていますか。

○宮平道子健康保険課長 平成26年度の市町村国保におきます差し押さえの件数は、実施したのが25市町村3681件、金額にしまして6億3174万円です。5年前、平成22年度と比べると、件数で1690件、金額で4億2604万円ふえております。実施市町村は、3市町村ふえているという状況でございます。

○西銘純恵委員 一般会計からの繰り入れは、市町村でどうなっていますか。これも5年前と比べていかがでしょうか。

○宮平道子健康保険課長 決算として出ていますのが、平成25年度までということですので、平成25年度の一般会計からの法定外の繰入額は91億1169万円となっています。5年前の平成21年度と比べますと、平成21年度が75億5208万円でございますので、15億5961万円の増となっています。

○西銘純恵委員 5年前と比べて国保税を引き上げた市町村、引き下げた市町村はありますか。

○宮平道子健康保険課長 平成23年度から今年度―平成27年度までに国保税の増額改定を行った市町村は、石垣市、うるま市、浦添市、読谷村の4市村でございます。減額改定を行った市町村はございません。

○西銘純恵委員 国保は軽減措置がとられたということだけれども、結局は値上げをせざるを得ないとか、やっぱり医療環境といいますか、医療費がふくれていく状況があると思います。都道府県化に向けて、市町村はどのようなことに取り組んでいるのでしょうか。

○宮平道子健康保険課長 市町村の取り組みということですが、平成30年度以降、市町村が行っている国民健康保険について、県が共同保険者となり、共同で運営するということになっております。今現在、制度移行に向けて、県と市町村でさまざまな協議を開始したところでございます。

○西銘純恵委員 病院事業について、医師、看護師、コメディカルを増員した効果について、伺います。

○津嘉山朝雄県立病院課長 医師、看護師、コメディカルについては、安定的な医療提供体制の確保を図る観点から、経営等の影響も考慮しまして、平成22年度以降、これまでに586名増員しています。増員による効果としては、医療面では、7対1看護体制の導入による手厚い看護の実施、それから、急性期リハビリの実施による機能回復の向上、それから、NICU設置による周産期医療提供体制の強化、それから、産婦人科、小児科を含む救急医療体制の充実強化などがあります。また、もう一つの経営面では、継続的な経常収支の黒字化が図られていますので、医療、経営の両面において、増員の効果があらわれていると考えております。

○西銘純恵委員 各種加算の取得率、どうだったでしょうか。効果も伺います。

○津嘉山朝雄県立病院課長 県立6病院において、全体で521項目の施設基準の届け出を行っています。平成26年4月の診療報酬改定にかかる新規の施設基準及び既存の施設基準、それから名称変更とか、点数の変更、条件の変更による新規の項目を含めて、全体で98項目の追加の届け出を行っています。その効果として、施設基準等の各種加算については、多くが入院診療費に加算されることから、各病院における入院診療単価の増加につながっていると考えております。

○西銘純恵委員 消費税が8%に増税になって病院事業で損失が出たと思うのですが、その数字的なものの穴埋めというのも含めて、検討されて、埋められたのでしょうか。

○真栄城守県立病院課経営企画監 消費税については、病院事業においては薬品費、委託料、それから各費用に課税される状況がございます。今回、消費税が増税されて、県立病院事業としても消費税の支出がふえているところです。平成26年度の決算では、控除対象外消費税として13億1781万円を計上しておりまして、これは前年度に比べまして5億2990万円の増加となっています。この分についてのいわゆる補塡といった措置ですが、これについては診療報酬等で一応消費税増税分が加味されているという国の説明もございますので、特段、こちらのほうから補塡等を要求している状況はございません。

○西銘純恵委員 先ほど入院診療などに、単価、診療報酬改定等も含めて収益になったと言いましたが、本当はそういう増になった部分、従来と違った部分と、消費税の部分をきちんと精査をして足りないのは一般会計で補助してくれという形だと思いますが、いかがですか。

○真栄城守県立病院課経営企画監 おっしゃるとおり、いわゆる単価増ですとか、その部分で収入がアップした部分と、それから増税を加味した診療報酬改定でアップした分というものを、細かく分析して算定するっていう方法はあるかと思います。ただ現実のところ、そこまでちょっと細かい分析算定はしていない状況がございます。

○西銘純恵委員 5億円というのは大きいと思います。例えば、離島増嵩費って2億円ちょっとぐらいで足りない足りないと言っているわけでしょう。だからそういう意味では、やはりしっかりと損失分について一般会計からという立場をとっていただきたいと思いますが、局長はいかがでしょうか。

○伊江朝次病院事業局長 今、経営企画監から答弁ありましたように、まだその辺のところの精査が十分に済んでいない状況ですので、しっかりその辺は検討して、今後は対策を練っていきたいと思います。

○西銘純恵委員 2年後には10%何て言われているのですよね。これが、頑張っている皆さんの病院経営の足を引っ張ることになるわけですから、大至急やっていただきたいと思います。
 次、会計基準の見直しで、何がどう変わったのでしょうか。

○真栄城守県立病院課経営企画監 会計基準の見直しにつきましては、平成26年度の予算・決算から適応されているわけでございますけども、今回の見直しでは、幾つか大きな変更がございます。主なものとしましては、資産等の減価償却制度が大きく変わりまして、これまで補助金等について減価償却の対象としていなかったものが新たに減価償却の対象にされるようになったということでございます。それから、退職給付引当金を含みます各種引当金の計上が義務化されたということがございまして、病院事業におきましても今回新たに退職給付引当金を計上しているところです。それから引当金に関しましては、もう一つ貸倒引当金というものもございまして、これはいわゆる未収金の将来貸し倒れになるおそれがある金額について引当金として計上するということですけれども、これも義務化されまして、平成26年度の決算においては、それについても計上したところございます。

○西銘純恵委員 比較した損益計算書を皆さんにも配っていますが、これでちょっともう少し詳しくやっていただけますか。
 平成26年度決算において従来どおりやったものと、新会計基準で何がどう変わったのか、もう一度説明をお願いします。

○真栄城守県立病院課経営企画監 お手元のほうに、A3版の比較損益計算書という横長の資料がお配りされているかと思います。こちらの表は平成26年度(新)と書いている部分は、新会計基準に基づいて算定した決算の数値になります。その右隣、平成26年度(旧)とありますのは、平成26年度決算を旧会計基準に換算しました場合に出てきた決算の数値になります。その右隣、平成25年度は従来から行っております平成25年度の決算の結果でございまして、ちなみにこの平成25年度の決算は、いわゆる旧会計基準で算定をされています。ですので、平成26年度(新)と平成25年度は単純比較ができないということで、その間に平成26年度を旧会計基準に換算した資料としておつくりしております。この中では、全部申し上げると時間かかりますが、例えば、今申し上げました減価償却制度の関係で言いますと、病院事業費用になりますが、真ん中より少し下あたりに、減価償却費がございまして、こちらが平成26年度の新会計基準だと29億9567万1758円となっております。これを旧会計基準に換算しますと、19億3308万5238円になります。これについては、表の右に対前年度比較がございますけれども、そのさらに右に、うち会計基準見直し影響分と、それから右端に、会計基準見直し影響外の部分とございまして、この右から2番目の会計基準見直し影響分というものが、今回の基準の見直しによって変動した額です。言いかえますと病院の経営期成績と直接関連がなく、その数字が変わっている部分ということになります。その部分が、減価償却費で申し上げますと、10億6258万6520円、この額が会計基準の見直しによって変動が生じたものとなっております。それから少し上がりますけども、給与費の内訳の中に、うち退職給付費引当金繰入額というものがございます。これは従来病院事業会計では計上していなかったものでございます。そういうことで、平成26年度の数字としましては、8億3595万3969円となっておりますけれども、平成26年度旧会計基準ではゼロ円ということになっていまして、この金額丸々が会計制度見直しに伴う影響額となっております。 
 それから最後になりますけれども、貸倒引当金については、特別損失の中に入っておりまして、その中にその他特別損失が24億4371万2924円計上されていますけれども、これも平成25年度にはなかった数値でございまして、特にこの中の11億円余りが貸倒引当金ということで、新たに計上しているものでございます。

○西銘純恵委員 結局、この決算額だけ見れば、経営状態が悪化したという形にも見えなくもないわけですよね。だからそれは、数字の変更ということを見て、今後それにきちんと対応しないと、経営が悪いから県立病院を民間にするとか、委託をするとか、そういう流れにするのがこの新会計基準の問題であるということを、行政というこの基準をつくった中で触れられておりますので、ぜひ病院事業局の皆さんは、実態とこの数字が違うということは、委員の皆さんも、ぜひ頭に入れていただきたいと思います。
 次に、繰り入れについて、お尋ねします。
 1床当たりの繰入額は、全国との比較はどうでしょうか。前年度より減額となってますけれども、どうなのでしょうか。

○真栄城守県立病院課経営企画監 一般会計繰入額の1床当たりでの換算ですが、収益的収入及び資本的収入の合計額において、1床当たりの繰入額につきましては301万円となっておりまして、平成25年度の全国平均509万9000円と比較しますと、208万円9000円少ない状況となっております。一応、これにつきましては、本県の中で政策医療ですとか、それから不採算分、これをもとにした算定になっているわけでございますが、他県と状況等異なる部分がございまして、その部分が差として発生しているものと考えております。

○西銘純恵委員 一般会計からの繰り入れのそれぞれの経費に対する予算額と決算額はどうなったのでしょうか。

○真栄城守県立病院課経営企画監 一般会計からの繰り入れの予算と決算につきましては、平成26年度病院事業会計決算審査意見書の15ページに記載されておりまして、そちらも御参照いただければと思います。表15にございます。平成26年度の数値が書いてございますけれども、決算額とその左側に繰入基準額という欄がございます。この繰入基準額がいわゆる予算額として要求した額となっておりまして、大まかに申し上げますと医業収益に係る他会計負担の小計が7億655万7000円の予算に対して、同額が決算となっております。それから医業外収益の中の負担金交付金につきましては、19億7668万円がそれぞれ予算、決算となっております。それから同じく医業外収益の他会計補助金の小計が、11億6088万4000円でございます。こちらについては、補助金がその後計上されたということでございまして、この分について補助金の決算額が加味された額が決算額となっておりまして、20億7063万9866円が決算額となっています。

○西銘純恵委員 一般会計からの繰り入れの根拠を示してください。

○真栄城守県立病院課経営企画監 一般会計からの繰り入れについては、地方公営企業法第17条の2第1項にございまして、その第1号としましては、その性質上当該地方公営企業の経営に伴う収入をもって充てることが適当でない経費を行政が負担するとなっております。それから、第2号では能率的な経営を行っても、いわゆる採算がとれない部分についての繰り入れが規定されているところでございます。

○西銘純恵委員 今、繰り入れの説明、数字的なものも話してもらいましたが、救急医療に要する経費は、先ほど話された第1項ですよね。皆さんにまだ上げていませんが、病院別の収入経費ということで、収支差が出された第2号に係るものについて、収支差ですからそれは問題ないと思っています。でも、この救急医療に対して、経費として21億円余りで出ている。この法に基づいてやるのであれば、21億円を繰り入れするはずです。でも7億円しか入れていない。収支差でやっているということで、ここは間違いがあるのではないかと思いますが、いかがですか。

○真栄城守県立病院課経営企画監 地方公営企業法の中では、そういう費用に充てるという表現になっているわけでございますが、総務省の繰出基準の考え方によりますと、この経費につきましては、具体的には医師等の待機ですとか空床確保など、いわゆる診療報酬の収益を伴わない経費というような考え方があるようでございまして、それからすると救急医療にかかった経費全てを対象としているという考え方で運営に当たっていないということでございます。県の病院事業局では、この考え方を直接適用しているのではなくて、救急医療に実際にかかった経費を広く見て、それに対する収支差という形で、繰入金の算定を行っているところでございます。

○西銘純恵委員 これは、去年も同じやりとりをしているのです。収支差じゃないでしょうと。では、救急医療にかかった経費って実際どれだけなのかと。精査してほしいと。私は、こんな14億円も違うような金額では問題だと思っています。ぜひ救急医療は、かかった経費をそっくり繰り入れをするということで、やり直していただきたい。新予算に対しては、きちんと出るようにしていただきたいと思います。
 もう一つは地方公営企業法第17条の3で、災害の復旧に対する繰り入れがあるのですけれども、先ほど八重山病院の院長がおっしゃいました。これは一般会計からの繰り入れで、台風災害の関係は、別に繰り入れがなされているのでしょうか。

○真栄城守県立病院課経営企画監 委員御指摘のとおり、地方公営企業法第17条の3に繰り入れの対象としまして災害の復旧その他特別な理由という規定がございます。災害の復旧につきましては、定義の確認が必要でございますが、恐らくある程度の大規模な災害ということで想定されていまして、これまで災害の復旧を適用して繰り入れをしたという事例はないわけでございます。ただ、もちろん修繕にかかる経費でございますので、そういったものは病院事業の中で手当てをしていくことになるかと思います。

○西銘純恵委員 別予算で繰り入れをしなさいと言っているのに、以上です。

○呉屋宏委員長 比嘉京子委員。

○比嘉京子委員 まず、注目をしています健康行動実践モデル実証事業、主要施策の成果に関する報告書の82ページです。
 ある程度の形ができてきたということがありますが、成果と今後の展開について伺います。

○糸数公健康長寿課長 健康行動実践モデル実証事業は、平成24年度から開始をしまして、平成26年度は3年目に当たるということになります。合計で5年間の事業を予定していまして、国立大学法人琉球大学―琉球大学に委託をしています。生活習慣病あるいは健康長寿の一番キーになっている働き盛り世代は、アプローチが非常に難しいということがございますので、直接働きかけるものとは別に、この事業では児童生徒に対する介入を行って、それを家庭に持っていってもらう、あるいは地域でいろいろ健康に関するイベントを企画して、それをまた地域の先輩方から働き盛りの人に届けるという、サンドイッチのような形の事業をしております。実証事業という名前がついておりますので、ある特定の集団を登録して、ずっと介入をした後、前後で変化したかどうかというのを、主に栄養調査のようなもので比較をすることになっております。現在、11市町村、28の小学校区で約1万5000人の方が対象となっていまして、対象となった方は、前後の調査も終わった方もいますけれども、まだこれからということもありますので、これが5年間終了したときには、全ての方々に対して、前後の健康行動の比較などがわかるということになり、それをもとにどういう介入したら働き盛り世代が生活習慣を変えるような改善が見られるかというようなことが明らかになると期待しております。現在のところは、全ての対象がまだ解析をした状況ではございませんけれども、中間的な成果といたしまして、一部わかってきたことがございます。一部の地区で介入をして1年後たってから調査をしても、子供たちに対する栄養情報の介入というものによって、栄養指標の改善が見られたと。もともと食塩が多いとか、カルシウムが少ないとか、野菜が少ないとか課題がありますが、それが子供への介入によって、家庭に持ち込まれて、家庭の食事がよくなっていったというような成果が見られておりますので、こういうものをどんどん推進していくことになるかと思います。
 それから、もう一つ。大々的に地域でこういうようなイベントを行うと、これまではなかった健康づくり推進員のような、自主的な健康づくりに関するグループがリーダーを中心にでき上がってきております。うるま市平安座地区や北谷町栄口地区などでは、この事業をきっかけにそういう地域で健康を考える推進員のような方もできておりますので、こういう副次的な効果もあわせて、今後しっかりと最後まで事業を行って、また分析をして次の事業につなげたいと考えています。

○比嘉京子委員 1つのモデル事業を通して、そこから得られた、蓄積された情報を将来的には全県にと考えておいでだろうと思うのです。1年でも、有意差的にどうだったかというはわかりませんけれども、多少なりとも変化がある。もう一つには、例えば食育のテキストも含めて、いろんな波状的な影響といいますか、1つのラインだけではなくて、複合的なラインに期待をしたいと思っています。あと2年後、全過程が見えるまで注目をしたいと思います。
 次に、各病院長からも多く出されました、医療スタッフの問題ですが、そこできょう取り上げるのは、91ページの看護師等確保対策事業について。
 まず先ほど午前中もありましたけれども、看護職員の需給見通しについての費用が使われていないのは、聞き落としたかもしれませんが、どういう理由ですか。

○大城直人保健医療政策課長 看護職員需給見通し策定事業費については、152万3000円を不用にしております。第7次需給見通しについては、平成23年から平成27年までの5カ年計画で、前年の平成26年度から次期計画に向けた調査をやる予定でした。しかし、国の方針が変更になりまして、平成30年の地域医療計画と整合性を合わせる形での計画ということで国が方針変更したために、平成28年、平成29年の2カ年については、簡易な調査ということで、この150万円については執行せずに不用にしたところでございます。次期計画については、国の指示を待って対応したいと思います。

○比嘉京子委員 先ほどから、産休の看護師等の確保等、さまざまなニーズがあるというお話がありましたが、潜在的な看護師に対しての呼びかけといいますか、看護師の確保対策の中において、多くのメニューがあるわけですが、この実績はどうなっていますか。

○大城直人保健医療政策課長 潜在看護師の再就職、支援事業については、公益社団法人沖縄県看護協会に委託をしてシミュレーターを用いた実践の訓練をしています。また一方では、座学もやって、潜在看護師がまた就職をするというような実績につなげております。そして、シミュレーターによる看護技術のトレーニングを実施していまして、トレーニングについては酸素吸入、吸引、経管栄養、導尿というのを実施しております。
 そして、実績としては、平成26年5月から平成27年3月まで毎週水曜日の32回実施をして、延べ150人が受講し、受講実人数71名中、まだ未就学者だった59名のうち演習後に就職に結びついたのが37名、就職率については62.7%です。

○比嘉京子委員 大変立派な実績ではないかと思います。きのう、潜在保育士の支援事業は2700万円かけて40名だという数字を聞いたところですので、それに比べると大変な実績かと思います。ぜひとも続けていただきたいのですが、例えば、県立病院の先ほどからある、途中でのニーズに対してなかなか探せない。今、たしか、県立病院の看護師の採用年齢は撤廃されたという理解でよろしいでしょうか。

○平良孝美県立病院課看護企画監 委員おっしゃるように、現在、採用の上限は59歳までとなっておりまして、実質撤廃されております。

○比嘉京子委員 先ほど、北部病院の12床を休床に追い込んだ看護師不足ですが、12床というのは、あと何名必要なのですか。

○仲間司北部病院院長 北部病院では入院制限をしていますが、それを埋めるためにはあと5人は必要になっております。北部病院では10対1看護をやっていますので、各病棟から4床ずつの入院制限をしている状況です。

○比嘉京子委員 先ほど、南部医療センターもありましたけれども、産休が10名単位でいらっしゃるとありましたが、確保できない理由はどこにあると思われますか。

○平良孝美県立病院課看護企画監 確保できない理由としては、実際、中途で普通退職ですとか病気休職とかをされますと、年度途中の採用というのはなかなかございませんので、そういった意味からも必要な数、必要なときにすぐ補充という形にはなっていない現状です。

○比嘉京子委員 大体、実績として、これぐらいの数で、例えば産休をとる、病休をとるというのがあれば、最初からストックしておく必要があるという理解でいいのですか。

○津嘉山朝雄県立病院課長 多くを抱えていれば、それは補充はできるかと思いますが、なかなか人件費とか定数とかの絡みで、そういったふうな確保ができないという状況にございます。

○比嘉京子委員 結局、悪循環かという気がします。簡単に休めないからやめる人も出る。いろいろな働き方をしたいけど、制約があり過ぎる。そういう意味でいうと、休床などによって収益等にも影響が出る。ですから、ある意味でもっと枠を広げる。これは我々の仕事かもしれませんが、定数の問題に手をかけたい。各病院長にお願いしたいのは、各職種の定数のニーズ、ぜひとも後で出していただければと思います。
 では、次に病院事業経営について、お聞きしたいと思います。
 先ほども西銘委員から質疑がありましたけれども、今回の新会計は非常にわかりづらいですね。簡単に言うと、どの方向で、何でこういう会計になったのかという理解、認識についてお聞きしたいと思います。

○真栄城守県立病院課経営企画監 今回の公営企業会計の見直しにつきましては、病院事業だけではなくて、全ての公営企業が対象になった見直しとなっていますので、病院事業だけがターゲットというわけではございません。その中で、いわゆる公営企業会計が、どちらかというと民間に比べて特殊な会計でして、例えば、補助金等で購入した資産について減価償却を行う場合、民間企業でしたら、当然100万円で買ったものを100万円分減価償却するわけなのですけれども、100万円のうち50万円補助金が入っていると、残った50万円だけ減価償却して費用化するという、そういった仕組みがあったり、それから企業債―これは借り入れですが、この企業債が会計資本金として資本計上されていて、負債には入ってなかったりということで、やはり民間と若干基準が違う会計制度となっておりました。それを今回、透明性といいましょうか、民間であったり、あと独立行政法人であったりと、そういった部分との比較を行いやすくする、それから若干、会計の原則上、少し異なる基準が適用されたものを共通化するという形で今回の見直しは行われたものと考えております。

○比嘉京子委員 では、病院事業局長にお聞きしたいのですが、地方公営企業法で今成り立っている県立病院と、民間企業である民間病院との違いはどこにありますか。

○伊江朝次病院事業局長 一言で言えば、不採算でもやらなければならないということだと思います。これは地域の住民の中にニーズがあれば、それに対応するのが我々の努めだと思っております。

○比嘉京子委員 監査からも意見がありますけれども、その1ページ、地方公営企業法の経営の基本原則を書いてあります。真ん中の2というところ、審査の手続きというところです。これは読んでみると、地方公営企業法の経営の基本原則がそのまま書いてあります。審査に当たりましては、事業運営が常に経済性を発揮するとともに、その本来の目的である公共の福祉を増進するように運営されているかどうかを監査しましたと、ここがとっても大事なところで、先ほどの企業に準ずるようにやるのだという認識では、県の公営企業ではいけないのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

○真栄城守県立病院課経営企画監 いわゆる公営企業が政策的な役割を担って、どういった形で事業を行うかということをある程度責任を持って進める上でも、その財務状況の透明化といいましょうか、そういったものは重要かと思います。それによって不採算が、逆に言えば明らかになるという部分も出てくるかと思います。そういうことで、今回の見直しが全体としては透明性、公平性という考え方のもとに立っていることと、病院事業が公共福祉のために医療を提供するという考え方とは、必ずしもそごはないものと考えております。

○比嘉京子委員 では、ちょっともう少し具体的にお願いしたいのですが、今回大きく変化し部分が、借入資本金を負債に計上しろと、これが義務づけられていますよね。これによって、どういう見方になるのでしょうか。

○真栄城守県立病院課経営企画監 今、御指摘の部分につきましては、いわゆる企業債、建物の建設とか医療機器の購入等で、その費用に充てるために企業債を借りているわけでございますけれども、その借りた残額が、いわゆる従前であれば借入資本金という形で資本に計上されておりました。ただ、やはり基本的に企業債ですので、償還をするべきものになっておりまして、実際償還もしております。これは、通常で言うと長期負債に該当するものになりますので、そこに今回の見直しが適用された。それによる影響としましては、例えばいわゆる自己資本比率といった部分、それまで自己資本が大きかったものがぐんと小さくなりますので、その比率が悪くなるという形で数字上は確かにあらわれてまいります。

○比嘉京子委員 もう一点だけ、顕著なものとして、先ほどから言っている引当金、言ってみれば退職給付引当金を計上義務化しましたよね。それによってどういう影響がありますか。

○真栄城守県立病院課経営企画監 退職給付引当金の算定の考え方としましては、現在県立病院事業に在籍しております全ての職員が退職をした場合に発生する退職金、その総額を算定しまして、それを沖縄県の場合15年度に分けまして分割計上していくという内容になってます。これは大体8億3000万円になるわけですが、これが15年にわたって新たに費用として発生するということでございます。ですので、収益からいいますと、費用がふえますので、収支は悪化するということになります。一方で、将来の発生する退職金について、これは積み立てるという考え方でございますので、将来退職が予想を超えて大きく発生した場合に、手持ちの現金ではなくて、あらかじめ積み立てていた、その引当金を充てることができるということがありますので、その場合に与える経営への影響を少なくするという、そういう意味の効果もあると考えております。

○比嘉京子委員 経営分析比率表を拡大して皆様にお配りをしてありまして、それに新しい会計方法と古い会計方法を比較してあります。ここで見てみたいと思いますが、例えば、平成26年度の旧会計が一番先のほうに書いてありまして、新会計と比較できるようになっています。ここでいうと、今の2つの考え方で―2つに限らなくてもいいのですが、どこが顕著に変わるのでしょうか。

○真栄城守県立病院課経営企画監 各種経営指標はお手元の資料には算定されてございますけれども、会計基準の変更見直しで資本の構成が変わったり、それから各種資産の構成が変わったりしております。その結果、例えば上から順に行きますと、自己資本構成比率が新と旧で45.4%に対して29.9%ということで、かなり大幅に変動しております。それから固定比率、こちらも大きく変動しております。それから月曜日に話が出たかと思いますが、流動比率も旧会計基準でいいますと441.3%だったのが、195.8%と。こちらは本来数字が大きいほうがいいわけなのですけれども、基準の見直しによって数字が小さくなってるということがございます。それから、その下の当座比率も同様な性格の数字でございますけれども、こちらも数字が大きく減っているというような形で、全部ではないですが、そういう資産、資本とか、そういったものの数字を用いている指標については、大きく変動している状況でございます。

○比嘉京子委員 このことによって、経営状態はよく見えるのか、悪く見えるのか、どちらですか。

○真栄城守県立病院課経営企画監 私の立場から言いますと、会計基準という一定の基準によって算出された指標でございますので、その状況状況での経営状況の実態を一応反映しているということで、基準の変更によって見かけ上の数字が悪くなっているというのはございますけれども、特に今回、平成26年度は見直しの初年度ということで、各種数値で過去分まで含めて計上したりということで、かなり臨時的に数字が膨らんでいる部分がございまして、より変動が大きく出てる部分もございます。その分については、なかなか単年度で評価するのは難しい部分がございまして、次年度以降の数字も見る必要がありますけれども、トータル的には一つの基準でもって継続して数値を見ていくということでもって、経営状況の判断をしていくべきかと考えています。

○比嘉京子委員 ここで決して公立病院が勘違いしてはいけない。先ほど、基本的なお話がありました。不採算でもやるのだと。民間と違うと。これは一般企業の会計に準じたわけなのですよね。それでこうなったと。では採算の部分はどうするのか。そういうことからすると、押しなべて一緒にして比較していいのか、そこも問題なのですが、非常に赤字を顕在化する方向にいってるわけです。新プランとの影響は決して無関係ではないと思うのです。どの方向に国がそういうところの医療費を向かわせているのかをぜひとも察知をしながら、そしてその中で我々が決して縮小の傾向ではなくて、もっと発展的に、萎縮しないように、そういうことをしていかないといけない。変わり目なので、時間をとって質疑をいたしましたけれども、これは各病院の院長先生方も含めて、決して今の数字が一人歩きをして、悪化しているのだとか、赤字が出ているのだとか、そういうことではないとしっかりと今回見きわめていただければと思います。

○呉屋宏委員長 質疑のため、副委員長に委員長の職務を代行させますので、よろしくお願いいたします。
 休憩いたします。

   (休憩中に、正副委員長交代)

○狩俣信子副委員長 再開いたします。
 委員長の指名により、副委員長の私が暫時委員長の職務を代行いたしますので、よろしくお願いいたします。
 呉屋宏委員。

○呉屋宏委員 まず、主要施策の成果に関する報告書の297ページ。
 県立新八重山病院整備事業について不調に終わったということをこの間、委員会で伺わせていただきましたけれども、これは全部でどれぐらいの予算になっているのですか。

○幸喜敦県立病院課副参事 新県立八重山病院建設工事は、建築を4工区に分けて、設備を3工区に分けて発注しております。そのうち、建築4工区については入札の不調に終わりました。総工費については、建設だけで約100億円を計上しています。

○呉屋宏委員 実はゆうべ、建築業の皆さんからたまたま話を伺って、こういう状況なのかということを、うっすらわかってはいてもここまでひどいのかと思い、今年度で本当にこれでできるのかと、発注できるのかと。八重山病院の院長もいらしていますから、余り不安なことを抱かすわけにいきませんけれども、民間は資材費が高騰している、人件費も高騰しているという現実があります。しかし、皆さんの公共単価というのは上がっていない。それを一昨日でしたか、県の最低制限価格を95%にすると言いましても、100%の金額が上がらないのに、これでは100%になっても、もしかしたら、不調に終わるのではないかという心配さえ企業の皆さんはしています。100%だったらとれるのかというと企業の皆さんからするとこれは無理だと。100%でも無理ですよというようなことが、実はささやかれているのです。この実態を建設に従事なさっている方はわかっていらっしゃるのですか。

○幸喜敦県立病院課副参事 積算については、土木建築部の提示している積算基準に基づいてやらざるを得ないことになっています。ですから、市場単価等についても、土木建築部が発行する単価を採用する。それから労務費についても4月単価を採用するということで、新たな取り組みがなければ、現行がもし違っているとしたら反映する手だてが今ありません。ですから今回、再公告については、その辺を幾つか加味して再公告を行いたいと考えております。

○呉屋宏委員 おまけに八重山地域の状況を聞いていますと、今から大型工事が10棟ぐらい出ていて、大型のマンションとかホテルとかが出ていると。申しわけないですが、そこにいる建設業の皆さんが、本当に工事を請け負ったときに、八重山地域だけでそれが担えるかというと、非常に厳しいのではないかと言わざるを得ないのです。ですから、これは資材単価とか、人件費の単価とかという話ではなくて、別の項目でこれを補塡する以外に、私はないのではないかと。例えば、沖縄本島から建設業の皆さんが八重山地域に渡る渡航費も、ある意味では積算の中に入れないといけない時期になっているのかと。もちろん、それは入れて地元の方がとれるのであれば、それはそれでいいと思いますけれども、そういう単価の見直しができないということになると、ほかのところでくっつけない限り、これは八重山地域の皆さんに本当に迷惑をかけて、またさらに工期が延期になるということを本当に心配しないといけないと思います。向こうで病院を待っている人たちのために。だから、それは皆さんが今後、知恵をどう使うかというのはとっても大事なことだと思ってますから、そこのところの決意表明をお願いします。

○幸喜敦県立病院課副参事 現場の技術者については、不足気味だということは耳にしております。ただ、現行の積算で、例えば波照間島などかなり人口の少ないところに職人がいないというのは明らかなので、その辺については事前に計上することは可能ですが、石垣島クラスの規模になると、その辺が読めなくて、事前に設計額に反映することはかなり技術的にも困難です。ですから、今後、島外からの現場の職人等の旅費と宿泊費については、同じく県営新川団地にも発注する土木建築部の取り扱いを参考に検討していきたいと考えております。

○呉屋宏委員 とにかく、今の積算単価では、僕は絶対無理だと思っていますから、その辺は考慮していただきたいと思います。
 次に、83ページ、がん予防対策推進事業について。
 今、沖縄県のがんもかなりふえている状況の中で、この対策の効果がどれだけあったのかというのは、数値に出てきますか。

○糸数公健康長寿課長 がん予防対策推進事業につきましては、先ほど申し上げましたがん検診の受診率の改善などを、市町村のがん検診ですので、そこに働きかけていくということになります。現状のデータとして、検診率ががんによっては全国より低いであるとか、検診で精密検査になった人が受診する割合が低いというデータが今わかってきているところです。もう一つは、検診が精密検査になったのですが、受診したかどうかの把握がなかなかできないという現状も今わかってきておりますので、これについては、検診に行って、さらに病院に行ったときに紹介状をどうやってやりとりしているかという仕組みのところを、市町村あるいは検診機関から情報を得て、いろいろ会議をしながら、改善に結びつけていこうという策をとっているところです。ですから、これがその受診率の改善につながるというものは、これを続けていって、もう少し時間はかかるかなと。検診率については、そのような状況となっております。

○呉屋宏委員 私が持っているデータでは、不安をあおるのは余りよくないのではないか。ただ、今言う予防というのは、しっかりやらないといけない、これは当然のことだと思う。ただ、がんで死んでいく人口10万人当たりの数字というのは、実は沖縄県は213名で全国一低いんですよ。そうですよね、そこは間違いないですよね。

○糸数公健康長寿課長 全ての年代で見ますと、沖縄県は死亡率はやはり全国で一番低いという状況は以前からありますし、がんも、もともと全国の中でも死亡が低いという状況でした。ただ、75歳以下の働き盛りの世代の数字を見ると、死亡率が高くなっている傾向があるので、そういうターゲットの方に働きかけていこうということを行っているところです。

○呉屋宏委員 まずそれを前提にして置いといて、それから質疑したかったのですが、この75歳から下という者の原因というのは、今、この事業の中に記されている、アルコールとかいろいろなものがこの中に入ってきていると思うのですが、それをしっかりさせれば、がんは間違いなく抑制できると考えていいですか。

○糸数公健康長寿課長 予防の考え方で、1次予防というのが今おっしゃるように生活習慣、特にがんと一番関係があると言われている喫煙とか、あるいは大量飲酒というがんのリスクを高めるような行動を減らせば、がんは減るというのは疫学的には証明されています。その次に、検診をして早目に見つけて、治療可能な状況でがんの治療をしていただくというのが死亡率の低下につながると考えています。

○呉屋宏委員 ついでに伺いますが、例えばがんになったときに、沖縄県の中で、宜野湾市の西普天間地区に重粒子線治療施設を持ってきて治療するという施策を企画部でやっているかもしれないですが、保健医療部の見解というのは、重粒子線治療施設はどうしても入れなければいけないという立場に立っておられるのですか。

○国吉秀樹保健衛生統括監 沖縄県の健康寿命を取り戻すために、がんの死亡を抑制するというのは非常に大事なことだと思っています。今おっしゃる重粒子線の治療については、がんの治療の選択肢を広げるという意味では、好ましいものだと考えます。しかし、今申し上げたように1次予防、そして2次予防、さらには今現在一生懸命やっているがんの治療対策、そして患者さんの支援、そういうことを総合的にやっていくことで、これまでの対策をもっともっと強化するということが大事かと思っています。

○呉屋宏委員 それではもう一つ、重粒子線治療施設を導入することに対して反対しているわけではないですよ。それは誤解をなさらないでいただきたいのですが、ただ、持ってくるところの問題が実はあって、私は病院事業局長にも1年も前から提案をさせていただいている。中身はどういうことかというと、皆さんは観光と医療も結びつけたいというのがたしか企画部の思いです。ですから、600名なのかどれぐらいなのかわからないけれども、1年間で600名ぐらいの治療をしなければ採算ベースに合わないのだとかいう話があります。ところが、北部の県立病院をどうにかしようといったときに、そこに重粒子線地料施設の導入を検討できないかというのを私はずっと言ってきましたが、なぜ普天間地区なのかが理解できません。観光客の方は恩納村に来る。北部地区は医者が足りなくて困っている。ここは基幹病院で、思い切って中部病院とまではいかないにしても、しっかりした医療機関をつくるということになると、重粒子線治療施設を導入するというのは北部地区にとっても非常に大きなインパクトがあると思います。おまけに、車で行って向こうで治療して、車で帰ってこれるような話ではないですか。1日、2日そこでゆっくり療養して帰ってきてもいいですが、本土に行って治療するよりはずっといいわけです。だから、なぜ、ああいうところでゆったりして―北部地区医師会病院と北部病院の合併の後に、そこに重粒子線治療施設を入れていくということも考える余地があると思うのですけれども、どうですか。

○仲本朝久保健医療部長 重粒子線治療施設につきましては、企画部でいろいろな検討の結果、西普天間地区にということでの想定をもとに検討を進められているということです。また一方、国際医療拠点という観点から、琉球大学医学部及び同附属病院が移転するということ、それと関連した取り組みというのもあると聞いております。ですから、そういうことも含め、企画部において検討がされていくのではないかと思います。一方、北部地区の部分については、北部病院を中心に、しっかり北部医療圏として成り立つような施設整備が必要と思っています。

○呉屋宏委員 企画部を越えられない気持ちはわかりますよ。ところが、皆さんは医療に責任を持たないといけない立場だよ。彼らは振興開発で責任を持たないといけないかもしれないけれども、残念ながら、北部地区の発展というのは、教育を向上させることと医療をしっかりさせることが、僻地をもっと活性化させることだと思っている。精神的な努力はわかります。北部病院をしっかりさせたい。それはそうです。しっかりさせたくないという話を部長ができるわけがない。ただ、それは精神的な努力でしょう。何かを持ってきてそこを活性化させるということでは、今の状況でただ2つを1つにくっつけるからどうにかなるだろうという状況ではないと思います。ですから、本当に何かをそこにぶつけていかなければ、この2つはくっつかない、活性化しないという状況をつくらない限り、私は今の状況では厳しいと思っています。もう一度、御答弁をお願いします。

○仲本朝久保健医療部長 現状において、北部病院及び北部地区医師会病院の統合等々、北部医療圏の医療提供体制のあり方については、現状の中で重粒子線治療施設をあそこに持っていくというような検討はまずなされていません。今後、もしそういう話があるのであれば、それも含めた検討になるかと思いますが、現状において、西普天間地区での検討がなされているということでございます。

○呉屋宏委員 それは企画部と今度の議会で議論をするとして、西普天間地区の状況を皆さんは人ごとだと思って余り感じていないのかもしれないですけども、一番きれいな平地を全部病院にとられるのです。住民は傾斜地に全部追いやられているのです。そこにもう一つつくろうとするので、これは米軍が70年間追い出しといて、このような状況ではおかしいと思っていますから、もう一回検討してください。
 それと、一番私が気になっているのは、健康長寿のところで出ていますけれども、長寿対策です。そこは今、抜本的にどうなっているのか、改善の可能性が残っているのか、説明いただきたいと思います。

○糸数公健康長寿課長 健康長寿を2040年に1位を取り戻すという計画のもとに今、事業を進めているところです。先ほどの質疑にもありましたが、平均寿命の順位というのは5年置きにしか出ない数字ということで、死亡に関するデータはまだ把握はできておりません。その前の段階の検診で引っかかる有所見率とか、あるいはメタボリックシンドロームであるとか、いろいろな病気を持っている割合についても残念ながらまだ急に改善したというようなデータはなく、先日、沖縄労働局のデータでも4年連続有所見率が日本一という状況がまだ変わっていない状況にあります。ただ、こちらでいろいろな事業でアンケートをしてみますと、やはり沖縄県が非常に危機的な状況であるという認識は90%ぐらいの方がいろいろ見聞きをしてわかってきたというようなこともあります。それから、健康おきなわ21のようないろいろな取り組みについても周知が進んでいるところですので、今後はこのような啓発を進めることと同時に、県民会議などで経済団体などを通して、さらに健康づくりの取り組みを推進していくというような状況でございます。

○呉屋宏委員 この長寿に関して平均寿命を延ばしていくという話は、沖縄県はこのような話をすると不安があるのかもしれませんが、沖縄の寿命は延びているのです。決してとまっているわけでも、下がっているわけでもありません。30位の男性と1位の男性の差というのは、1.4歳しかないのです。79.4歳と80.8歳で1.4歳しかない。この中に29都道府県があるわけです。この中身をよく見ると、老衰で亡くなる率が一番低いのは大阪府で、その次がやはり沖縄県なのです。これをどう分析しているのか、お聞きしたいと思います。

○国吉秀樹保健衛生統括監 老衰の率というものをどのようにあらわすかということは、なかなか想像しにくいところですけれども、恐らく、ずっとほかの疾病なしに来て、そして亡くなったということかと思います。沖縄県の場合には、生活習慣病と診断されて、それから障害を持ってしばらく生きるという期間が長いと言われています。ですから、健康的な寿命を延ばすことを頑張っていけば、老衰の寿命ももしかしたら上がるかもしれません。とにかく、健康な時期を延ばすという取り組みを行ってまいりたいと思います。

○狩俣信子副委員長 休憩いたします。

   午後3時16分休憩
   午後3時36分再開

   (休憩中に、正副委員長交代)

○呉屋宏委員長 再開いたします。
 休憩前に引き続き質疑を行います。
 又吉清義委員。

○又吉清義委員 まず、沖縄県病院事業会計決算書7ページの流動資産(2)未収金117億円余りの件と8ページの流動負債(5)未払金43億6500万円余りの件について、この中身はどのようなものであるかということ。次は、沖縄県病院事業会計決算審査意見書37ページの個人負担分未収金額、現年度で合計金額3億7611万2619円、件数にして1万3737件。この3つの関係について、どういった関係があるのか詳しく御説明をお願いしたいと思います。

○真栄城守県立病院課経営企画監 まず、決算書にございます未払金から先に御説明したいと思います。関係性がある分は後にしまして、未払金は別のものになりますので未払金から先にいたします。未払金と申しますのは、病院事業で発生しました費用で、薬剤や診療材料などを購入しまして、その購入後、請求書をいただいて支払いをします。請求書をいただいてから10日とか2週間とか、最長1カ月ぐらいの期間をかけて、お支払いをするわけでございますけれども、これが平成27年3月31日時点で、この金額があったということでございまして、そのタイムラグでもって支払っていくお金になります。専ら、業者に対してお支払いをするお金でして、一時的にこの3月31日時点で未払金となっているもの、支払い予定金といったほうがいいかもしれませんけれども、そういったものの枠になっております。未払金はそういうことでございます。
 7ページに戻りまして、未収金でございます。流動資産に未収金がございまして、総額約105億円ございます。こちらの中には、委員の御指摘の個人負担分の未収金が入っておりまして、これが約19億円ほど入っております。これが通常の病院事業における未収金という形で、従来御説明している部分です。それ以外の分につきましては、先ほどの未払金の説明と重なりますけれども、診療をしまして、その診療に対して保険機関に診療報酬の請求をいたします。請求をしてからお金が実際に入ってくるまでに1カ月ほど時間がかかります。ですから、この3月31日時点で請求はしたけれども、まだ病院に振り込まれていないお金が相当額あるということで、大部分は一時的に発生している未収金でございます。ですから、その中で、個人負担分未収金という約19億円といったものが、いわゆる本来取れるものが取れていないものということになります。それが決算審査意見書にございます個人負担分未収金ということになります。個人負担分未収金につきましては、いわゆる平成26年度に発生したもの、それから平成25年度以前に発生したものをつなげた額が決算審査意見書の37ページにございますトータルの金額と件数となっております。中には同じく3月末時点で未収金となっていますけれども、いわゆる数週間か、数カ月程度で入ってくるお金もございますし、その後、なかなか収入が進まずに長期にわたって未収金になるものも含まれているという状況がございます。

○又吉清義委員 要するに、先ほどのこの未収金、個人負担分未収金にしろ、時間がかかるということなのですが、1つだけ個人負担分未収金について。この約19億円は、件数にして5万7403件になっております。一番古いのは平成何年度からあるのか、その点についておわかりでしたら御説明していただけませんか。

○真栄城守県立病院課経営企画監 最も古い債権は、昭和57年度のものが残っているようでございます。

○又吉清義委員 昭和57年が生きているのですか。確かに、こういう現状が出るのもよくわかります。実を言うと、救急医療、特に身寄りのない方が運ばれて、病院というのは救急を受け入れれば受け入れるほど、経営者の方からすると赤字になるのだというお話を聞くのです。何を言いたいかというと、この昭和57年から残っている債権の通達、集金法に関して皆さんどのように手順を踏んでいるのか、どのように進めておりますか。わかる範囲で、簡潔に御説明していただけませんか。

○真栄城守県立病院課経営企画監 発生しまして未収金となっているものにつきましては、各県立病院、それから県立病院課にも未収金担当職員を配置しまして、その回収に当たっているわけでございますけれども、まずはその発生防止のための納付相談とか、分割支払いの御相談に答えていくということもございます。もしそれが万が一未収金となってしまった場合につきましては、例えば、納付期限や納付の約束の日を過ぎても納付しない方に対しましては、督促状ですとか、催告書といったものを発送をしまして、納付を促すということをまずやっております。それとあわせまして、電話督促、それから訪問徴収といった、なかなか文書でお願いしても納付をしていただけない方々につきましては、電話、訪問といった形で、直接の接触を図って納付を促すということもしております。それで取れない場合は、ある程度、いわゆる法的な措置も検討をしないといけなくなる部分がございまして、一応、お支払いいただけない状況が長く続きました場合には、例えば、住所や財産調査を行ったりして、本人の所在ですとか、資産の状況とかを把握することに努めております。さらに、悪質な支払い拒否というものが認められました場合には、いわゆる支払督促を裁判所に申し立てをしまして、納付を促すという手続もとっております。さらに、それでもなお支払いをしていただけないような債務者の場合、かなり悪質な滞納者と認められる場合に限りますけれども、そういった場合については、同じく裁判所を通しまして強制執行手続ですとか、その中で差し押さえといったような手だてを行っているケースも、まれではございますけれどもございます。

○又吉清義委員 いろいろ努力をなさっているかと思いますが、昭和57年というのはすごいなと。何が言いたいかというと、決算審査意見書にもずばり書かれております。何が書かれているかというと、是正・改善を要する事項ということで、「病院事業局の定期監査を実施した結果、契約事務や各種手当にかかる事務を中心に不適切な事務処理が多く確認され、依然として指摘件数が多い状況である。このため、事務担当者に対する研修の実施や事務指導の強化等、実効性のある取組を行うとともに、膨大となっている事務量を適正に処理するうえで、チェック体制等が十分であるかについて検討する必要がある」と書かれているわけです。ですから、こういう監査からの指摘事項に対してどういった改善をしたのか、具体的に改善した例だけ教えてください。

○津嘉山朝雄県立病院課長 事務処理の改善点につきましては、一朝一夕になかなか取り組めないところもありますけれども、昨年も監査から御指摘がございましたので、やはり内部で会計事務の研修であるとか、文書処理の研修を実施して、人材の養成をしているところでございます。

○又吉清義委員 まずこれがあるということと、やはり病院経営は人の命を預かるということで、しっかりと経営することによって、また人も健康になれるなど、いろいろな大切な点があります。あと1つ強いて言わせていただければ、23ページにあります患者1人1日当たり診療収入等です。患者1人1日当たりの医業収益は3万782円、医業費用は3万4067円。ともに前年度より増加しており、医業収益と医業費用の差額は拡大していると。ですから、そこであえてお尋ねいたしますけど、今、事務処理研修をしているということですが、非常に気になることは、この事務を担当している方というのは、県の職員が出向しているのか、一般の方から事務を県職員として採用するのか。事務をしている方というのは、しっかり経理の資格を持っている方であるのか、ないのか。その点については、どのような方々になっておりますか。

○津嘉山朝雄県立病院課長 病院事業の事務を担当している者は、知事部から交流でやってくる職員と、それから平成20年度、平成21年度ごろだったと思いますけれども、その年あたりから、プロパーの病院事務として採用している職員がおります。まだ知事部からの交流の職員が多いのですが、一応、両方まざって事務処理は担当しております。

○又吉清義委員 恐らくそうではないかと思いました。やはり、これだけ大きな会計をしますので、プロパーとか、知事部局から行くとかではなくて、しっかりしたプロの職人を採用してはどうですか。例えば、弥生検定の資格をしっかり持っている方、日経の資格をしっかり持っている方。そして、各病院の院長がおっしゃっております、不足の分や補充の分をしっかり見抜ける方、どこに原因があるかをしっかり精査できる方ですね。恐らくここに出向している職員というのは、そこまで考えてはいないと思います。数字の出入りしかしないと。ですから、根本から変えることによって、病院事業は大幅に赤字も少なくなるし、なおかつ病院の患者さん、そして先生方からの要望をのみ込むことができると。これが、今の結果ではないかと思います。その点については、皆さんとして旧態依然でいこうとしているのか。ここにもありますが、いかに今後節約をするか、無駄を省くかと明確にうたわれております。そういった企業診断等をさせて、スリム化するところはスリム化をする、必要あるところはしっかり導入をする。その辺はしっかりした経営感覚を持った方、やはり、プロの職人をそこに事務方としてしっかり入れるべきだと考えるのですが、いかがでしょうか。

○津嘉山朝雄県立病院課長 職員の採用につきましては、先ほど申し上げました事務のプロパーのほかに民間の病院とかであったり、そういう企業を経験した人たちを採用しています。ただ、逆にそういう方々というのは、必ずしも行政事務にたけているということではないので、これは知事部局との交流の職員と力を合わせてそれぞれの事務をチェックしたり、それから経営の状況を見たりということでやっていく必要があるのかと思います。それから、今、お話がありました、経営診断士とか、公認会計士とかということになるかと思いますが、プロにつきましては、我々の決算の場合などにおいて委託をしている公認会計士事務所とコンサルタントがありまして、そういったところの意見を聞きながら、基本的にはプロを採用するということではなくて、プロの力は横でかりながら、我々職員の力を上げていく必要があるのではないかと考えています。

○又吉清義委員 ちょっと最後がうまく聞こえなかったのですが、なぜそういうことを申し上げたかというと、要するに、ある病院現場を見て、確かに赤字でしたが、事務方を預かる人がかわると黒字に転換することも結構多いのです。県が預かっている病院も赤字で一般会計持ち出し67億円、65億円をいつまでも続けるのではなくて、そして病院からの要望も取り入れることができない。予算がないからですよ。67億円の一般会計持ち出しを立てて、20億円におさまったとしましょう。皆さん、要望に応えることができるのです。要望に応えたいけれども、やはり先立つものがないとできないので、思い切って考えを―これまでどおりの考えで解決に向かっていってるのでしたらわかります。皆さんの決算書類をずっと見させていただくと、なかなか向かっていないです。ですからその辺を思い切り発想を変えていただいて、そこまでやるべきじゃないかと思いますが、あえて、思い切って改革してみませんか。いかがでしょうか。

○津嘉山朝雄県立病院課長 民間等の力をかりるというのは大事かとは思います。確かに、事務部分が弱いと指摘をされていますけれども、これはやっぱり我々努力しないといけないのではないかと。ですから、委託とかコンサルタント等の力はかりながら、やはりみずからの力を育成していきたいと考えております。

○又吉清義委員 みずからの力を育成することは大事ですと先ほど申し上げておりますが、数字のプロではないので限界がありますよと。資格試験があって、研修があって、実際にそれに取り組んで現場を担当する方がいるのです。厳しいかもしれませんが、病院事業をしっかり頑張っていただきたいので、ぜひその辺も―やはり自分たちのできる範囲、行政でできる範囲があります。これはよく御存じです。しかし、数字は、数字のプロがいます。そういうこともぜひお考えいただきたいということをあえて申し上げておきます。
 次は、保健医療について質疑したいと思います。
 保健医療部の決算説明資料4ページの予防費と5ページの健康増進推進費があります。
 先ほど、委員長もおっしゃっておりました。単なる寿命の延命じゃなくて、やはり健康寿命を大いに延ばすべきだろうと、私も大賛成です。やはり今後、集中治療を受けてお休みするのではなくて、ぴんぴんころりがとっても大事だなということで、皆様がこの健康を維持するため、守るために出している費用とこの医療給付にかかる費用の割合は何%ですかということで、1週間前に宿題があったと思いますが、何%になっているのでしょうか。

○糸数公健康長寿課長 今の健康増進推進費は健康長寿課の中で健康づくりのために予算化しているもので、3.5億円という額でございます。今、委員がおっしゃる、その分母になる医療に幾らお金がかかっているかについては、平成22年のデータになるのですが、国保、協会けんぽ、後期高齢者の医療費を県内全部足すと、約3100億円になります。分母が3100億円で、健康増進推進費だと3.5億円ということで、約0.1%ぐらいになると思います。ただし、私たちの今の取り組みは、健康づくりに関する事業を全庁的に取り組もうということで、土木建築部・農林水産部など全ての部局に健康に関連する事業立てをお願いしているところです。それを合わせると約35億円ぐらいありますので、それでいうと1000分の1が100分の1になります。それで1%程度という数になります。

○又吉清義委員 1%にしろ、まだまだ足りないだろうと。全ての部局に、健康のために農業も避けて通れませんよと。そういった意味でもいろいろな角度から再度この決算をもとに、ぜひ健康になるにはどうあるべきかというための予算をふやすべきだということを改めてお伺いしますがいかがでしょうか。ぜひ頑張っていただけませんか。

○仲本朝久保健医療部長 委員のおっしゃるとおり、健康づくりに関する予算については、私どもとしてもしっかり確保し、健康寿命を延ばして、長寿県の復活に向けて頑張っていきたいと思います。

○呉屋宏委員長 島袋大委員。

○島袋大委員 主要施策の成果に関する報告書の94ページ。救急医療用ヘリコプターの活用でありますけれども、予算額、決算額はほぼ同額ですが、そういう意見聴取もろもろ含めて、事業の効果も書いてありますけれども、メリット、デメリットは何かないですか。

○大城直人保健医療政策課長 まず、メリットしか頭には浮かばないのですが、離島僻地の救急患者を迅速に医療機関に運ぶということと、ヘリコプターの中でも応急処置ができるということで大変メリットがあるかと思います。

○島袋大委員 沖縄県のドクターヘリの運行に関する疑問という形で、いろいろ調べさせていただきました。沖縄県のウェブサイトに、沖縄県救急医療用ヘリコプター事業については、以下のようなコメントと写真5枚を添付して、浦添総合病院のドクターヘリ事業へのリンクしかない状況になっています。その中での文章で、「沖縄県は、平成20年12月から浦添総合病院救命救急センターに医師・看護師が搭乗するドクターヘリを沖縄本島全域及び沖縄本島周辺離島を運航範囲として導入しました。ドクターヘリで救急現場に迅速に向かうことで、救急患者に対する早期の初期治療開始と病院収容までの時間短縮を図ることができ、救命率の向上及び後遺症の軽減が図られます。また自衛隊ヘリ等による急患空輸を補完する形で離島へき地における救急医療体制の充実が図られています」というこのコメントと写真5枚が添付されています。そして、聞きたいことが、沖縄県内においては、厚生労働省が定める、運航病院の要件を満たして事業実施している唯一の事業所であると思っています。沖縄県の事業ですから、その活動実績を県の責任で県民にしっかりと公表するべきだと思いますが、ウェブサイトを確認したらこれだけしか載っていませんでした。これは県としてどう考えていますか。

○大城直人保健医療政策課長 県の補助事業でございます。唯一、浦添総合病院の救命救急センターに補助しています。しかし、県のドクターヘリと名乗るわけですから、その事業のPRといいますか、それは自身でしっかりやっていかないといけないと思います。私どものPRがちょっと足りないかという感じを受け取れます。

○島袋大委員 沖縄21世紀ビジョンも含めて、離島・過疎・僻地も含めて、いろいろな面で安全・安心に住めるという形でうたっているわけですから、これは県が幾ら補助でお願いしていても、県の唯一の事業としか県民は認識していません。今回決算ですから、次年度に向けて、いろいろな形でやっている、年間スケジュールでこのように活動していますとか、こういう諸問題がありましたが、こういった形でしっかりと命が助かりましたとか、こういうことをやることが重要だと思っています。そういった意味を含めてどうですか。

○仲本朝久保健医療部長 まさに委員のおっしゃるとおりで、今の救急のドクターヘリとあわせて、海上保安庁や自衛隊に急患空輸をお願いしてやっておりますので、それも含めて救急に対するしっかりしたPRをやっていきたいと思っています。

○島袋大委員 重要なことだと思いますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。平成20年に実施された沖縄県保健医療計画に対して、県民もろもろ含めて、いろいろパブリックコメントを行っていると思います。そこでドクターヘリの運航調整委員会を開いて、適切に運用するというような議論がされていると思いますが、議事録も全く載っていなくて、開催されているのかどうかもわからない状態です。県民の皆さんから意見交換の中でいろいろ話が出たわけでありますから、それを含めて確認したいのですが、いかがですか。

○大城直人保健医療政策課長 委員御指摘の運航調整委員会、パブリックコメントなどの調整結果については、かなりPR不足の部分がありましたが、改めて精査しまして、載せるべきものはしっかりPRしていきたいと思います。

○島袋大委員 これも先ほど答弁をもらったように、セットになって公表できるものは、しっかり公表すると。県民のパブリックコメントを受けているので、そういった形で県の回答もできていると思いますので、その辺をしっかり精査して、できる範囲の公表をお願いしたいと思っています。
 次に、今、委託している浦添総合病院のウェブサイトを確認しましたら、平成20年12月から平成27年9月までの実施搬送数2534件に対して、離島診療所等からの要請が2110件、83.3%。消防等からの要請が424件、16.7%であると載っております。医師と接触するまでの時間を短くして、救命率を向上するという本来の目的での使用が少ないように感じるのですが、どうですか。聞きたいことは、これだけ離島もろもろ含めて連絡がくるわけですよね、搬送してくれと。しかし、離島にも病院があります。病院があるときに適切に処理ができれば、救急のヘリコプターを使わなくてもいい場合の案件があるわけです。ヘリコプターは1機しかないので。そうすることによって、本当に生きるか死ぬかの段階での要請で時間がおくれる。そういったもろもろ含めて、いろいろな運航をしている中で県は精査されていますかということです。委託しているのであれば、毎回こういう案件がリストで上がってくると思いますが、そういった面を精査をして、県は確認をしているのかということを聞きたいのです。

○大城直人保健医療政策課長 実は経験値としまして、座間味村の総務課長をやっていたときに、キーワード方式の通報という部分を二、三年前に議論したことがありました。県はと言ったときに、これは実施されていますので、いろいろな現場からの要請に応えてその辺は改善したかと思います。さらなる改善は必要かと思いますが、その辺の課題について、キーワード方式の通報という部分は改善されていると聞いております。

○島袋大委員 離島でも病院があるところはそのように対処したいけれども、ヘリコプターを使ったほうが安心感があるだろうということでやっているのかもしれません。しかし、次の段階で同じ時間帯でそういう事例が来た場合にはどう対処するかということになりますよね。離島に病院があるところでも、どのような形でやっているのか。地元の病院でできる処理はやっているのかということの確認はぜひともしてほしいと思います。
 次に、運航体制についてですが、浦添総合病院が公表しているドクターヘリの運航要領にヘリコプターの離着する場所に関する一覧表がありますが、3次救急を受け入れる先の施設にもヘリポートがない状況だと思っています。この現状を見てどう考えていますか。

○大城直人保健医療政策課長 現状としては委員御指摘のとおり、院内にヘリポートが設置されている救命救急センターは、県立病院も含めてございません。

○島袋大委員 まさしくないのです。病院にはヘリポートがないので離れたところにおろす形になっていると思います。そこで、消防職員の充足率の低さから、ヘリコプターが着陸する場所を考えて、いろいろな面で現場の安全確保が難しい現状、消防が連絡をとりながら救急車を持ってきますよね。そういった状況があって、そこで何か問題が起きているわけですが、それは把握していますか。

○大城直人保健医療政策課長 結論から申しますと、細かい現場の混乱、確かに安全性を確保して、例えばつい最近だと、公園のグラウンドを指定するとかは聞いていますが、実際に安全を確保しながらヘリコプターが安全に着陸するという部分にはいろいろ課題はあると承知しています。

○島袋大委員 沖縄県消防指令センター事業に、那覇市、浦添市、沖縄市など主要な市が参加していない現状をどう思っていますか。

○大城直人保健医療政策課長 広域消防の一元化について、発端はデジタルの通信無線への移行がありまして、全域での一元化、沖縄県の一元化を図るということですが、那覇市、浦添市、沖縄市が加わらなかったのは残念でございます。

○島袋大委員 まさしく各市は、消防を持っています。そして、各町村は広域です。消防でも今は財政が厳しくて、各市とか町村は職員すら少ないのです。ヘリポートがないから、総合グラウンドや陸上競技場におろす場合に所管の消防が救急車を持ってくるわけです。地元で火事が起きた場合、何かがあった場合に職員が足りないので、大変厳しい状況なのです。ですから、広域で消防を一本化しようと言いましたが、翁長知事が当時那覇市長のときに、唯一那覇市が自分たちから出て行ったわけです。こういう問題があります。全ての消防を広域化で一本化しようとしましたが、県都那覇市みずからが脱落するので、我々も一抜けたから出ようということで浦添市や沖縄市も出て行くのです。そうなったらヘリポートもろもろ含めて大変厳しい状況になるので、これはしっかりと県立病院にヘリポートを置くなど、ひとつまた議論していただきたいと思っております。
 最後に、沖縄県は外国人観光客も多く、輸入感染症の危険性がある地域もあると思いますが、運航会社含めて予防接種の実施や教育を含む感染予防対策はしっかりされていますか。

○阿部義則保健医療部参事 当然、どういう患者がいらっしゃるのかということは、ある程度指令の段階で把握した状態でフライトしていくことになります。しかし、おっしゃるように隠れている感染症とかがあるかもしれないので、本来なら適正な予防接種なり、何なりを受けておくべきだと思います。残念ながら、今の段階では、私たちは運航会社の予防接種の状況は把握しておりません。御指摘はもっともですので、これから把握していこうと考えています。

○島袋大委員 まさしく、これは県が補助金を出して、県民は沖縄県が持っているヘリコプターということでしか認識がありません。今後、観光客が年々ふえていく中で、観光客のけがなどいろいろな面でヘリコプターに乗ることがあるかもしれません。感染病対策など、パイロットやヘリコプターに乗る看護師も含めて、あるいは委託する浦添総合病院もしかり、県が音頭をとってしっかり教育や予防接種をやりなさいという指摘等も含めてやっていただかないと、みんな県が扱っているヘリコプターだということで認識していますから、これはしっかりと県が音頭をとってやらないといけないと思っています。先ほど言いました消防もしかり、知事公室の部署になるかもしれませんが、末端の市町村を含めて、消防は年々年齢も高くなってきて採用率も低い状況で、これをいかに連携するかといったら、県立病院にヘリポートを置かないといけない状態になるかもしれませんので、ひとつその辺も連携して次年度の予算を組むまでにまとめていただきたいと思っています。

○呉屋宏委員長 照屋守之委員。

○照屋守之委員 まず病院事業の平成26年度の決算について。
 これまで病院事業の責任者として頑張ってこられました、伊江朝次病院事業局長。そして、本日それぞれの病院長もいらっしゃっていますから、改めてこの間の御苦労に対して敬意を表します。
 決算調査に当たって伊江朝次病院事業局長からは、全体の病院事業の成果も含めた形、さらにそれぞれの病院長からは病院ごとの成果といいますか、課題もいろいろ出ておりますが、大まかにそれも含めてお願いできますか。

○伊江朝次病院事業局長 平成26年度決算に関しましては、いわゆる純損失が約19億9000万円ということで、非常に見かけ上過大な損失を出したという状況がございますが、これは公営企業の新会計基準の見直しということで出たものがほとんどでありまして、旧基準で比較しますと、前年度よりはよくなっているという形であります。各病院とも医師不足あるいは人材の不足でフルに医療を提供できなかったということはございますが、おおむね何とか経常収支は黒字を出しましたし、何とか達成できたかと考えています。

○仲間司北部病院院長 北部病院の収益は60億4864万691円で、前年度比にして、2億6958万4299円増加しております。一方で、費用も同じように少し増加しておりまして、最終的には1億5375万4607円の純損失となっています。しかし、これは会計基準の変更と前倒し引当金等の費用がかさんだせいでありましてので、医業本体は前年度並みと考えております。

○上原元中部病院院長 先ほどから問題となっております会計制度の変更によりまして、約5億円の純損失を出しましたが、それを除きますと実際の医業収益は約3億円の黒字を出しております。いろいろとリハビリの人をふやしてもらったり、土曜日もリハビリをやったりして、職員も頑張ったおかげで医業収益自体は約3億円の黒字を出していますので、そこそこみんな頑張ってきたと思っています。

○我那覇仁南部医療センター・こども医療センター院長 平成26年度の経常収支に関しては、約2億円の黒字になっています。一番の原因は、救急室の診療体制が大きく変わったということ、入院、それから外来の患者の増、それから単価の増と考えています。もう一つ、お話ししたいのですが、実は去年からことしにかけて大きな目標がありました。これは、今年度にかかわることですが、1つはNICUの増床、それから先ほど言いましたリニアックの購入。これからPICUの増床が予定されています。NICUの増床に関してはことしからですが、一番ぐあいの悪い赤ちゃんの病床を12床から18床にするということで、数千万円の黒字がありますし、先日もシンポジウムをしたのですが、二、三年前から言っておりますPICUの増床に関しては医療政策的な目的である小児の重症の患者を救命すると。具体的に言いますと、PICUが開設される以前の5年間に亡くなったのが恐らく350人です。そして、PICUが開設された以後5年間に亡くなったのが250人です。要するに、100人前後のとうとい子供の命が助かったということで、これは非常に県としてもよかったなと評価しています。それがことし、あと2床増床するということを計画して、さらに小児医療に対していい診療ができるのではないかと考えています。

○上原哲夫宮古病院院長 宮古病院は新しくなりまして患者さんもふえていますが、新会計年度になりまして、少しマイナスになっています。一応、総収益が約65億8700万円で、総費用が約66億8900万円となっています。純損益で約1億253万円の赤字となっていますが、旧基準のもので見ると1億円ぐらいのプラスで改善していると見ております。平成27年度に関しても、地域のがん診療支援病院を受けたり、それから家庭医療センターといって、在宅に向けての準備をしておりまして、研修医で若い医者がふえていることもあって、まだ眼科医が足りないとか、皮膚科が足りないとかありますが、徐々に改善しながら、収益向上に努めたいと思います。

○依光たみ枝八重山病院院長 八重山病院は、平成26年度決算においては、総収益が約55億1483万円です。総費用は約55億3780万円で、純損失は約2300万円です。対前年度比としては、収益が会計基準見直しで、前から話が出ているように、長期前受金戻し入れや一般会計の繰入金の増によって、約3億9000万円の増。これはプラス7.7%となっています。それから、費用が約7億2343万円、プラス15%となっていて、純損益で約3億3000万円、107%の減となっています。しかし、当院において、赤字決算は平成22年度の決算以来4期ぶりでありまして、今年度の赤字額は6県立病院では最も低くなっています。

○砂川寿美子精和病院副院長 精和病院の平成26年度の決算は約1億9578万3000円の純損失を計上しています。主な要因としては、地方公営企業会計基準の見直しに伴う貸倒引当金や退職給付引当金の計上などにより、費用が増減したことが影響しています。前年度に比べて、入院延べ患者数が2990人減少しました。これは厚生労働省の施策にのっとり、地域移行に向けての長期入院している患者さんの退院及び社会復帰を促進したためです。外来患者延べ患者数については2649人減少しております。近年は、アルコール依存症や認知症、児童・思春期外来など、専門が細分化され、患者さんが分散する傾向にありまして、当院では、担当する専門医が不足していたためだと考えます。現在の取り組みでは、他職種で構成されるベッドコントロール委員会を毎週1回開催し、その際に急性期病棟の運用状況の把握と施設基準要件の確認、他病棟での受け入れ体制についての確認を行っています。また、鑑定入院の受け入れを司法関係機関に対して積極的にアピールを行うことで、入院収益の確保を図っています。

○照屋守之委員 最近、県立病院が好きになっています。私の95歳の母親が骨折をした際に、中部病院には大変お世話になりまして、この場をかりてお礼を申し上げます。大変ありがとうございました。
 現在の県立病院の役割、140万人の県民に医療を提供するわけですが、沖縄県は御承知のように観光客数が800万人を超え、目標とする1000万人に近づくことが予想されています。この機会ですから、観光客でも本土の観光客もいますし、中国、台湾など外国の方もかなりいらっしゃいますが、そういう観光客がそれぞれの地域の県立病院を利用するといった事例等がありましたら、教えていただけませんか。

○仲間司北部病院院長 昨年、我々の救急室に来た外国人は96人いました。そのうちの3分の1は香港、3分の1は台湾、3分の1は韓国でした。そのうち入院した患者さんは11人でございます。ただ、そのときに一番困るのは通訳の問題でございまして、特に韓国の方のときには通訳もいなくて苦労したと報告されております。

○上原元中部病院院長 正確な人数は把握しておりませんが、1つ大きな事例としては、韓国から来た方が妊婦だったのですが、早産で緊急手術になりまして、無事赤ちゃんが生まれてよかったのですが、いろいろ言葉の問題で苦労して、何とか退院もできましたが、そういう事例がありました。

○我那覇仁南部医療センター・こども医療センター院長 我々の病院では、約100例の外国人の観光客あるいはその患者がいました。海外からの患者が多いのですが、一番多いのがやはり台湾、中国、それから韓国、そういう方々が来られますが、この中で問題になったことは、来るのは夜なのです。要するに、準夜、深夜の救急に。昼間は、英語圏の患者に対しては、ほとんど院内のドクターや看護師などで対応できます。これは夜間もそうです。ところが、その準夜、深夜に関しては、こういった英語圏以外の方に対してほとんど対応ができていない。特に現場からの問題がありまして、私たちはいち早くクラウド型の通訳サービスを導入しました。この中では、スペイン語、フランス語、韓国語、中国語、英語の5カ国語を東京と患者とドクターの3者間でiPadを見ながらいろいろ会話ができるわけです。ところが、それでもまだ足りません。実は、ことし、八重山圏域でフランスの患者が旅行中に約1000グラムの小さな赤ちゃんを生みまして、これが当院のNICUに来ました。その奥さんはフランス語で、旦那さんはスウェーデン語でしたか、両方ともなかなか話すことができないのです。これは、医療現場では非常に大きな問題で、つい最近もそういうことがありまして、5つの病院がほかの方法―電話なのですが、そういうことをやっていこうと。この場合に注意しないといけないことは、毎日はそういう患者がいない場合、1つの病院でこれだけの医療通訳士を置くことは非常に無駄なのです。だからこれを統一して、どこか1カ所につくってもらって、全県の病院からアクセスをする、そういうシステムをぜひ早いうちに確立してほしいと考えております。

○上原哲夫宮古病院院長 宮古病院の現状ですと、ことしの7月からクルーズ船が寄港するようになりまして、少し外国人がふえてきました。ただ、クルーズ船の場合には、1日、2日の滞在が多く、大体の方は健康な人が多いものですから、平成26年度は外国人が救急室には49名来ていますが、そのうち在留者が42名で実際の外国人の観光客は7名となっています。先ほど予防接種の話もありましたが、広域伝染病とか、口蹄疫とか、こういう家畜の伝染病をむしろ心配しておりまして、宮古地域には検疫所がないものですから、その辺が心配ではあります。

○依光たみ枝八重山病院院長 実は、皆さん御存じのように、八重山病院は、新石垣空港ができてから、県外からの観光客、もちろん海外からも含めてですが、救急受診が11%から14%にふえました。それ以外に洋上救急というのがありまして、船舶とかクルーズ船で急患が発生したときには、そちらのドクターが海上保安庁のヘリコプターに乗りまして、患者をピックアップして、入院という形をとっております。大体月二、三人は受診しておりまして、この1年間で、10人ちょっと入院しました。南部医療センター院長から話がありましたように、実は2年前にトライアスロンがありまして、それを調べてみましたら、東南アジアだけではなく、ヨーロッパからも来ていまして、つい最近はフィリピンからも来ていると。職員にフィリピンの方がいるので通訳をお願いしたら、フィリピンでは、いろいろなところで言語が違い、方言で全然わからないということもありました。やはり、英語圏でないところからの観光客が入院しますと、病院としても対応に困っています。今、クラウドとか、電話を始めようということでトライ期間を設けていますが、当院では一応、インターネットで各国の医療用語をプリントアウトして、救急室に置き、指さしをしながら診療に当たっている状況です。

○砂川寿美子精和病院副院長 昨年1件ありましたが、夜間は休んでもらって、翌日通訳をお願いして対応したという事例がありました。

○照屋守之委員 勉強になりました。保健医療部長、あと50億円ぐらい渡してください。あれだけ現場で苦労してるのに間に合わないですよ。病院事業局長も堂々と請求してください。観光客枠の予算を20億円くださいと言ったらできますよ。
 それぞれの病院長の話を聞いてみるものです。やはり、これだけ観光客が来ているので、そういうことは実態としてあるのだろうと思っていましたが、きょうは勉強になりました。言葉の問題も含めて、観光客を世界的に受け入れるということからしますと、そういうこともしっかり整備をしていかないといけないと感じました。
 次に、7対1看護体制の導入です。今、我々の都合、例えば経営の問題とかいろいろな形で、北部病院、宮古病院、八重山病院もまだ、そういう実態がありますが、医療を受ける側からすると、沖縄県全体の問題で捉えると、やはり格差が生じていると思います。この辺にいる人たちは7対1看護体制で手厚い看護を受けられるけれども、そうでない地域は厳しいと。それともう一つ、職員の感覚からすると、10名診るのと7名診るのとでは、格差があるわけですよ。この病院にいる人たちはそういう形で仕事をするけれども、北部病院、宮古病院、八重山病院に行くとそうではないということ。3点目は、やはり経営を改善するための大きなチャンスだろうと思っているのです。ですから、病院事業局長から先ほどありましたように、さまざまな課題はあるにしても、やっぱり7対1看護制度が導入されてからこれだけ時間がたって、それぞれできにくい仕組みになっている。それは医療費がどんどん高騰していくと、そういう仕組みも国全体で押さえ込んでいくということに、今度、政策が変わっていくわけです。こういう新たな仕組みは、仕組みができれば一気に導入まで持っていかないと、時間がずれていくとなかなか難しいのではないかと思うわけです。ですから、やはり医療を提供する側からではなくて、県民の側から、先ほど言いました働く職員の立場からしても格差がありますという、そういう視点がこれから必要だと思っていますので、そこを含めて御検討をお願いしたいと思います。
 今、県立病院事業を大きく変えていくチャンスだと思っています。中部病院の副院長が県の政策参与になっていますよね。参与となると県知事に直結した形で、そういう政策・提言ができると思っています。だから今、事業局、そしてそれぞれの病院長が抱える問題を政策参与も一緒に交えて、意見交換をして、それを知事を通して県民のために予算を充実させていく。今、それぞれが困っている、特に財政的な問題で非常に大きな課題があると思います。やはり、政策参与との連携は重要かと思いますけれども、既にやっているかもしれませんが、そのことについて教えてもらえますか。

○伊江朝次病院事業局長 今、委員がおっしゃったのは、中部病院の新垣副院長が4月に県の政策参与に就任しています。私は彼の1年先輩で中部病院からずっと一緒に離島勤務もした仲でして、政策参与に就任して以来、県庁に出勤したときには必ず私のところに来て意見の交換をしていますので、委員の御指摘のあったことを踏まえて、ぜひ知事三役には十分に伝えられるようにやっていきたいと思っております。

○照屋守之委員 ぜひ活用してください。非常に大きなチャンスだと思っています。歴代の県政で恐らくそういう形の政策参与はなかったと思います。ですから、今の知事も病院事業について非常に大きな力を入れていこうというあらわれですから、そのチャンスは生かしたほうがいいと思います。
 次に、先ほども出ていましたように決算審査意見書の是正・改善を要する事項について。監査委員事務局に聞くと、昨年からこういう項目ができているようです。これの現状というか、どういうことで監査からこういう項目ができて、指摘をされているのか、その御説明をお願いできますか。

○津嘉山朝雄県立病院課長 病院事業につきましては、これまで医療従事者の採用に努力してきたところもありまして、事務が若干弱くなってきています。そこで監査を受ける際に、どうしても契約事務とか執行伺いがうまくなされていないといった指摘。それから、認定等で事後の確認がされていないといった指摘がありました。これは、ふなれな人間が多くなってきているのもありまして、そこを改善するためには、きちんと研修をしていかないといけないと考えております。

○照屋守之委員 先ほど事務部門が弱いとか、何かそういう表現をしていましたけれども、こういうことは余り言うものではないですよ。県立病院事業は何十年やってきましたか。そういうことも含めてプロがやっているものを、例えば、こういう形で一生懸命やっているけれども、監査の指摘からするとこうだという。そういう違いがあって、そういう部分を直すのはいい。けれども、こういう形で去年から是正・改善を要する事項という新たな項目が監査の中に入っているわけでしょう。ですから、ここはそれぞれの病院長、病院事業局長も含めて、この項目がことしで終わるように、来年からこの項目がなくなるように、そういう働きをぜひお願いできませんか。これはやはり基本的な部分ですから。それぞれが一生懸命にやって、いろいろな形で自分たちがこうやってきたことが監査からするとそうではないという。我々県議会もそうです。政務活動費の使い方をいろいろ指摘されています。我々はこうやったのだけれども、議会事務局側から見るとこうだという、そのギャップが少しあって、そこは我々は自信を持ってこうやりましたと言っていますから、ぜひ皆さん方もこれだけの事業を県民のために貢献しているわけですから、ぜひ次年度からはこの項目がなくなるよう取り組みをお願いしたいのですが、いかがですか。

○津嘉山朝雄県立病院課長 先ほど申し上げたとおり、研修会とかを実施して、職員がスキルアップできるような形で今取り組んでいますので、なかなか重たいと思いますが、ぜひこれが消えるように努力していきたいと思います。

○照屋守之委員 主要政策の成果に関する報告書81ページに長寿復活健康づくり事業がありますが、改めて長寿復活の定義を御説明お願いできませんか。

○糸数公健康長寿課長 長寿に関する指標はいろいろございますけれども、沖縄県では先ほど申し上げました平成22年の都道府県別生命表の中の平均寿命というものの都道府県の順位を復活させるということを一応、長寿復活と考えているところです。寿命自体は、先ほどありましたように延び続けているのですが、その伸びがほかの県に比べて鈍くなっているという現状を改善したいことからそのように捉えているところです。

○照屋守之委員 これを2040年で全国のトップにしたいという認識でよろしいのですか。

○糸数公健康長寿課長 都道府県1位になれば、日本は世界1位の長寿国ですので、世界一にもなるということで考えております。

○照屋守之委員 イチキロヘラス運動もこの事業の一環ですか。

○糸数公健康長寿課長 イチキロヘラス運動は、私たちが健康長寿復活に取り組んだときと同じ時期に、沖縄テレビ放送、琉球新報社、ラジオ沖縄のメディアが自分たちも健康長寿について何かできないかということで、自主的に進めた運動です。県の取り組みと並行して、マスコミが独自の動きを始めているということですので、非常に私たちは喜ばしくというか、一緒に応援していただいていると受けとめています。

○照屋守之委員 あれはいいですよ。県がそういう形でアイデアをつくって、流しているのかと思いましたけれども。私が今、疑問に思っていることは、我々の周りで、「イッター ヌーガ アンシ段々大きくなって太っているの」と。大きい人が多いのです。模合に行っても、私は30年前から同じ体重なのに、何でお前たちだけこんなにぶくぶくしているのかということがあります。ですから健康長寿の部分と食べ物ですよ。今、日本全国どこを回っても、これだけ流通業が発達している県はないです。ローソン、ファミリーマート、サンエーもジャスコもそうです。見てみると、こんな感じでよく買い物をする人が結構いますよね。ですから、やはり健康長寿と今の沖縄県の食のありよう、かといって歩きません。運動はしない。私もその類いですけれども、私は小さいからまだいいのです。ですから、ここをどう捉えて、どのように意識づけてやっていくのかという非常に大きなテーマだと思いますけれども、どうですか。

○国吉秀樹保健衛生統括監 県民のための健康への行動指針ということで3つ出しておりまして、健診を含めた治療あるいはしっかり自己管理をやろうということ、それから適正飲酒、そして肥満の防止、この大きな3つの柱のうちの一つに位置づけて県民にアピールしているところです。それは健康長寿復活の県民会議でもって官民一緒にやっていまして、その中に先ほど言ったマスコミの方々もいらっしゃいまして、いろいろと肥満が余り多いのはよくないということをアピールしていただいています。今後とも、運動の普及ということもあわせまして県民に訴えてまいりたいと思います。

○呉屋宏委員長 以上で、保健医療部長及び病院事業局長に対する質疑を終結いたします。
 説明員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 休憩いたします。

   (休憩中に、執行部退席)

○呉屋宏委員長 再開いたします。
 次に、決算調査報告書記載内容等について、御協議をお願いいたします。
 休憩いたします。

   (休憩中に、要調査事項及び特記事項の有無の確認を行った。)

○呉屋宏委員長 再開いたします。
 休憩中に確認しましたとおり、要調査事項及び特記事項の提案はありませんでした。
 次にお諮りいたします。
 これまでの調査における質疑・答弁の主な内容を含む決算調査作成報告書の作成等つきましては、委員長に御一任を願いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○呉屋宏委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 以上で、本日の日程は全て終了いたしました。
 委員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 本日の委員会はこれをもって散会いたします。
    午後4時48分散会






沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。

  委 員 長  呉 屋   宏