委員会記録・調査報告等

1つ前に戻る



 
文教厚生委員会記録
 
平成30年 第 4定例会

2
 



開会の日時

年月日平成30年6月29日 曜日
開会午前 10 時 2
散会午後 3 時 28

場所


第2委員会室


議題


1 乙第3号議案 沖縄県青少年保護育成条例の一部を改正する条例
2 乙第4号議案 沖縄県保育士試験等手数料条例の一部を改正する条例
3 乙第5号議案 沖縄県幼保連携型認定こども園以外の認定こども園の認定の要件に関する条例の一部を改正する条例
4 請願第2号、陳情平成28年第37号の2外27件


出席委員

委 員 長  狩 俣 信 子 さん
副委員長  西 銘 純 恵 さん
委  員  新 垣   新 君
委  員  末 松 文 信 君
委  員  照 屋 守 之 君
委  員  次呂久 成 崇 君
委  員  亀 濱 玲 子 さん
委  員  比 嘉 京 子 さん
委  員  平 良 昭 一 君
委  員  金 城 泰 邦 君


欠席委員

なし


説明のため出席した者の職・氏名

子ども生活福祉部長     大 城 玲 子 さん
 生活企画統括監      上 間   司 君
 子ども福祉統括監     名渡山 晶 子 さん
 青少年・子ども家庭課長  真栄城   守 君
 子育て支援課長      久 貝   仁 君
 消費・くらし安全課長   金 城 真喜子 さん
 平和援護・男女参画課長  大 濱   靖 君



○狩俣信子委員長 ただいまから、文教厚生委員会を開会いたします。
 乙第3号議案から乙第5号議案までの議案3件、請願第2号及び陳情平成28年第37号の2外27件についてを一括して議題といたします。
 本日の説明員として、子ども生活福祉部長の出席を求めております。
 まず初めに、乙第3号議案沖縄県青少年保護育成条例の一部を改正する条例について審査を行います。
 ただいまの議案について、子ども生活福祉部長の説明を求めます。
 大城玲子子ども生活福祉部長。

〇大城玲子子ども生活福祉部長 それでは、乙第3号議案沖縄県青少年保護育成条例の一部を改正する条例について、お手元に配付しています平成30年第4回沖縄県議会(6月定例会)文教厚生委員会乙号議案説明資料により、御説明いたします。
 1ページをお願いします。
 この議案は、青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律の一部が改正されたことを踏まえ、携帯電話インターネット接続役務提供事業者及び契約代理店並びに保護者の義務に係る規定を整備する等の必要があるため、条例を改正するものであります。
 なお、議案につきましては、資料の3ページから5ページまでをごらんください。
 以上で、乙第3号議案についての説明を終わります。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

○狩俣信子委員長 子ども生活福祉部長の説明は終わりました。
 これより、乙第3号議案に対する質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないよう簡潔にお願いいたします。
 また、この際、執行部の皆様に申し上げます。
 答弁に際しては、要点をまとめ、要領よく行い、円滑な委員会運営が図られるよう御協力をお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 新垣新委員。

〇新垣新委員 どういう経緯でできたのかについてお聞きします。この条例には、携帯電話インターネット接続役務提供事業者及び契約代理店に対する規制が入っているものと理解していいですか。例えば、成人向けのポルノや2ちゃんねるとか、子供が契約するといったもろもろについて、どこまで規制が入っているのかお聞きしたい。

〇真栄城守青少年・子ども家庭課長 インターネットの中では、いわゆる有害サイトやSNS、これはコミュニケーションサイトといいますが、そういうサイトが閲覧できるようになっています。
 今回、法律や条例で規制するのは、青少年に対して有害であると考えられている、例えばアダルト向けのポルノや薬物などの有害情報。それから、フェイスブックやツイッターになりますが、これも全てが悪いものではないのですが、書き込みの中に有害な情報が入ってくる可能性があります。それとゲームがあって、これは課金されることがあります。それが青少年の使用状況によっては膨大な金額になる可能性もあります。
 これらの青少年の閲覧に対して有害となる可能性が高いサイトにアクセスすることについて、一定程度の制約や制限をかけることを、まずは業者に対してそのような設定をすること。また保護者に対して青少年が携帯電話等を使用する場合に、フィルタリングという有害情報へのアクセスを制約する機能のソフトウェアを登録することについての説明を義務づけたものとなっています。

〇新垣新委員 よく全国でメールやラインにおけるいじめで、いろいろな形で拡散されて自殺するといったものをテレビ、マスコミ報道で聞きます。これについて何らかの規制をしないといけないという中で、例えば、メールとしてもショートメールのレベルで、スマホではなくいわゆるガラケーみたいな携帯電話とか、そういったもろもろの検討はなされなかったのですか。

〇真栄城守青少年・子ども家庭課長 条例改正に伴い、御指摘のメールについては、今回の制約、規制の対象とはなっていません。メールは個人間の直接的な連絡手段として使われており、普通の電話と同じような使用形態にあります。技術的には、恐らく回線を管理している業者等がそれについて遮断をすることは難しい状況があると思います。一切使用をさせないようにすることしか手段がないと思いますので、今回はきちんとした運営者がいる有害サイトやフェイスブックとか、そういうサイトと呼ばれるものについて閲覧できないようにするための制限をかける対応となっています。

〇新垣新委員 ほかの都道府県は、いじめ防止としてラインやメールについても検討している段階ですね。そういう中で青少年の育成を守るという観点から、ライン等の規制に踏み込んだ都道府県や市町村があるのです。携帯電話を学校などに持ち込んではいけないとか、PHSを親との連絡で認めるとか、これは非常に問題となっています。いじめを防ぐという観点で、青少年保護育成条例を改正するのであれば、沖縄県もこれについて検討すべきではないかと。
 皆さんは、いじめの状況を知っていますか。こうやって議案を出すのであれば知っていますね。ラインなどで拡散されて学校に行けなくなった。不登校になったとか、そういうことはわかっていますね。そこら辺の状況をお聞かせください。

〇真栄城守青少年・子ども家庭課長 いじめの情報については、教育庁の所管です。私どもはそこから伝わってくる状況やいじめの重大事案が青少年保護育成審議会の中で議論されていますので、そのような現状を把握することもございます。しかし、委員御指摘の現場で起きているいじめの実態について、細かい部分も含めた全てを把握できているとは言いがたい状況です。

〇新垣新委員 本当に、子供たちを保護するため、社会全体でこれを守るための提案をする義務があるのです。教育庁の所管だからということではなく、みずから連携を図りに行く。
 確かに、この議案には賛成します。しかし、私から見たら生ぬるい。どれだけ、いじめに遭っている子供たちがいるかということも、皆さんは現場を知っているのか。子を持つ親の立場からも。社会全体がどうだとか、ほかの都道府県がやっていないからではなく、沖縄県は沖縄県らしいものをつくればいいのです。いじめを防止すると。
 例えば、子供はPHSで、ショートメールといったもろもろだけでいいのです。親の負担も減るし、高価なぜいたくな物はいいのです。ぜひ、それくらいのことを考えていただけませんか。子ども生活福祉部長の答弁を求めます。教育庁と連携を図ること。今回、私はこの議案を通します。子ども生活福祉部は、そこら辺までの責任はあります。これは教育委員会の所管であると逃げたらだめですよ。課長レベルがそういったことを言うのはおかしいです。こういった大きなことは、子ども生活福祉部長が答えるべきですよ。本来ならば担当副知事を呼びたいくらいです。これは本当に深刻な問題ですよ。皆さんは真剣に考えていますか。議案を出された以上、我々県議会議員はチェックする義務があるのです。県民に負託された人間ですから。そこまで考えてほしいのです。いかがですか、子ども生活福祉部長。私から見たら生ぬるいですよ。全国の市町村はやっているのですから。

〇大城玲子子ども生活福祉部長 いじめに関する問題は非常に深刻であると思います。私どもも青少年の健全育成を担当しておりますので、この条例を所管しているわけです。
 確かに携帯電話などがなければ、それに関連するいじめは起きないかもしれません。ただし、携帯電話を利用する側は必要な部分もあって、これに規制をかけるということについては、やはり慎重な対応が必要であるものと考えております。委員がおっしゃるように、いじめの問題や青少年の健全育成に関しては、教育庁とも連携して、どういった対応ができるのかを考える必要があると思います。しかし、この条例に関しましては、国の法律もございますので、それに沿ってフィルタリングの規制をかけていきたいというのが、今回の議案の内容です。

〇新垣新委員 今回の議案については、国に言われて沖縄県の取り組みがあるということはわかります。でも、本県独自の条例をつくるという点が弱いのです。これは義務教育ですから。私の意見としては、親の携帯電話を使う、ショートメールでもいいと思っているのです。携帯電話がなければ、いじめは起こらないのです。
 もう一点、今、携帯電話を持たない子供のいじめもあるのです。貧困という。議案を出す以上は、現場を知っているのかと。きょうの説明を聞く限り、そこまで想定されていないと思います。私はこの問題について、真摯に質疑しています。皆さんは、携帯電話を持たない子のいじめの状況をわかっていますか。見解を求めます。

〇真栄城守青少年・子ども家庭課長 それについては、子ども生活福祉部としても取り組むべき課題がかなりあると考えています。今回の条例改正も含めて、教育庁とは常に連携をとっています。今回も県立学校教育課、義務教育課、それから生涯学習振興課を通して、小・中学校、高等学校、PTA、さらに教育庁で毎年度開催しているフォーラムの中で携帯電話、コミュニケーションツールの使用方法や注意すべきこと等について普及、啓発を図っています。今後も努力していきたいと考えています。

〇新垣新委員 過去に、PTA、市町村教育委員会、教育庁に対して携帯電話を学校に持ち込むなと国から出ています。その中で国に言われたからやっただけとしか聞こえないのです。それについて何らかの検討、過去の経緯、携帯電話を持たない子のいじめ、そういったもろもろについて何も検証されていないのです。私は市議会議員をやっていたからこの問題は一番わかっています。これをどうすべきかと。携帯電話がなければ、昔みたいにいじめなんかないのです。そこにどう規制をかけていくのかと。物騒な世の中ですから、誘拐や何かあったら怖い。これもわかる。親が送迎するとかいうのもわかる。どこまで規制をかけるのかが大事なのです。インターネットもわかります。このポルノ規制というもろもろも。そこをしっかり押さえてください。前々から言われている課題なのです。連携をとっているつもりでも、とられていないのです。
 それでは伺いますが、全国でこれが投げられていますね。独自で条例につけ加えている都道府県はどこか答えください。前々から動いている都道府県もあります。国に言われる前からつくっていたところがありますよ。これは調べてきています。

〇大城玲子子ども生活福祉部長 いじめに関しての課題は非常に大きいものがあると思っております。この条例ができた経緯を御説明させていただきます。この条例改正ですが、もともとフィルタリングについては、この条例で規制していました。今回、法律の改正を受けて条例も改正するわけですが、一番大きいのは、有害サイトへの接続などで被害に遭う子供たちがいることから、まずはフィルタリングをかけるところです。これについては必要な方もいらっしゃることから、規制することは非常に難しいところがあって、こういう状況になっておりますが、教育庁とも連携して、これがいじめの温床にならないように、その使い方などについては、各県の状況も見ながら、いろいろと意見交換などが必要であるのでないかと考えているところです。

〇新垣新委員 私に言われたから考えているだけですよ。今後、国から出すように言われたら、沖縄らしさ―現場がどのようなことに直面しているのかについて、これを検証して、文教厚生委員会に出してほしい。県議会に出してほしい。メールについて規制をかけてくれとPTAから言われていますから。青少年を保護する観点の条例になりますから、それを検討していただくよう、強く指摘しておきます。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 比嘉京子委員。

〇比嘉京子委員 条例改正に当たって、字句の修正ではなく、これまでの条例との違いについてお伺いしたいと思います。

〇真栄城守青少年・子ども家庭課長 今回の条例改正によって、大きく変わる点が2つあります。まずは対象となる機器です。従来は携帯電話やPHS、いわゆるガラケーと言われている、機能がある程度制約されていた時期の対象機器の設定がありました。現在、スマートフォン、タブレット、ゲーム機もインターネットにつながるような状況になっています。そういう機器を、公衆回線、インターネットにつながるものを押しなべて対象にいたしました。対象機器を拡大したことが1点目でございます。
 もう一点は、フィルタリングです。これについては、従前から回線上のフィルタリングは、フィルタリングサービスとして既に規定がありました。しかし、契約している回線であれば回線上においてフィルタリングをかけられますが、公衆の場でつながる公衆Wi-Fiは個別の契約ではないことから、フィルタリングがかけられません。そのため、対象となる機器にフィルタリング機能を付与して、その機能を有効化した上で、青少年に販売することを新たに義務づけるものとなっております。

〇比嘉京子委員 保護者に対して、18歳未満の子供たちが契約をするときに、それが義務化されるものと理解していいのですか。あるいは義務化と言っていても、そこには任意的な部分が含まれているのですか。

〇真栄城守青少年・子ども家庭課長 法律では、使用者が青少年である場合には、そのことを事業者に申告する義務があるものとしています。これは第13条の中でうたわれています。

〇比嘉京子委員 18歳未満の人たちが、携帯電話やタブレットを使用する場合には、フィルタリング機能によって、より安全性が高まるということが理解できました。
 そのフィルタリングはソフトですね。これは有料、無料のどちらでしょうか。

〇真栄城守青少年・子ども家庭課長 ドコモ、au、ソフトバンクなどの、いわゆる大手と言われるキャリアでは、このサービスが無料となっています。

〇比嘉京子委員 先ほど、前の条例は何年前に出されていて、それがどういう経緯であるとの説明がありました。今後の課題は何か―本来ならば、ここまで強化したいというものがありつつも、現状はこれでいくということなのか。このフィルタリング機能で精いっぱいなのでしょうか。

〇真栄城守青少年・子ども家庭課長 このフィルタリングサービスについては、平成26年の条例改正時に新たに盛り込んでいます。今回は、そのフィルタリングサービスに加えて、フィルタリング有効化を追加することになりまして、いわゆる契約回線と公衆回線の両方にフィルターをかけることができるようになっており、これによって回線全体を網羅することができると思います。
 今回は、法律に基づく条例改正ですが、保護者が18歳未満のお子さんに対して携帯電話などを使用させる場合に、どのような意識を持ってフィルタリングサービスを利用―この機能を活用していただけるのかが、本当の意味での課題ではないかと考えています。フィルタリングについては100%の使用率になっていない状況があります。フィルタリングサービスがあっても、全ての青少年が使用する機器にフィルタリングがまだ適用されていない状況です。今回もそうですが、ただし書きで、保護者が申し出た場合にはフィルタリングを解除することができるようになっています。当然、事業者はフィルタリングをかけないことによる危険性を説明する義務があります。また保護者もその説明を受ける義務があります。その際に、どうしてもフィルタリングを外してくれと言われた場合に、この条例では正当な理由がある場合という条件をつけて解除できるものとしています。その場合の正当な理由としては、例えば、青少年が就労していて、SNSなどが業務上の連絡手段として必要となる場合や、障害を持っている方が、障害者同士のコミュニケーションをとるためにサイトを利用する場合、保護者が青少年、児童の使用状況をきちんと管理することを表明してもらうとか。そういった理由によって保護者が解除してほしいと申し出た場合には解除することを可能としています。ですから、保護者は、有害サイトやコミュニケーションツールの危険性をよく理解していただいて、自分のお子さんの使用状況をよくチェックしていただくと。そこについて、いかにして普及できるのかが今後の課題になると考えています。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 西銘純恵委員。

〇西銘純恵委員 ここ二、三年における、県内のインターネットの有害サイト利用による被害状況はどうなっていますか。

〇真栄城守青少年・子ども家庭課長 沖縄県警の資料にコミュニティサイトの利用に起因する被害の件数があり、その中に被害児童数というデータがあります。平成29年の被害児童数が49人、平成28年が35人、平成27年が28人で、これを見ると増加傾向にあります。

〇西銘純恵委員 被害の内容については、ひどくなっていませんか。

〇真栄城守青少年・子ども家庭課長 ひどいという程度について判断するのは難しいところですが、例えば、いわゆる児童買春・児童ポルノ法違反は、平成27年が14件、平成28年が15件、平成29年が28件となっています。そういう意味では、被害の深刻度というのは高くなってきているものと考えております。

〇西銘純恵委員 18歳未満の未成年に対する―児童買春・児童ポルノ法は警察も関与してくるものだと思います。去年の49人という数字にしても、実際は知り得たものの状況ではないのかと大変危惧するわけです。
 平成26年にフィルタリングの話が出て、これをやったが、社会の変化の中で利用率が低迷しているということもあり、新たにインターネット接続事業者などに対する説明義務等を規定するものとの説明がありました。しかし、事業者に対しては説明義務を課しているにもかかわらず、保護者に対しては100%フィルタリングの義務づけを課していないのなぜですか。その理由を伺います。諸外国は、未成年のうちは保護者の責任で100%フィルタリングするものですから、そこに至っていないという状況について伺います。

〇真栄城守青少年・子ども家庭課長 青少年の健全育成を図る立場からすると、きちんとした規制をかけていきたいところです。しかし、国民の基本的な権利である、表現の自由や知る権利がまず大前提としてございます。それを条例によって一律に規制をかけることについては、なかなか厳しい状況です。そういった観点から、条例の中でも保護者と携帯電話の利用者に対して有害情報の危険性とフィルタリングの有効性を説明し、御理解いただいた上で保護者の判断のもとに、ぜひフィルタリング機能を活用していただきたいと。行政としてはその普及、啓発に力を入れていきたいと考えております。

〇西銘純恵委員 基本的人権ということで話されたのですが、青少年、未成年者の考え方については、諸外国は日本と同じような状況ですか。それについて調べていますか。アメリカなどは、有害サイトに青少年、未成年者がつなげられないように規制を厳しくしているのではないかと。法律改正もそうですが、その点についての議論はなかったのでしょうか。

〇真栄城守青少年・子ども家庭課長 済みません。その辺の議論については承知しておりません。御指摘の部分については、情報収集していきたいと考えております。

〇西銘純恵委員 先ほど、大手の事業者は無料と言ったのですが、有料もあるということで理解していいですか。

〇真栄城守青少年・子ども家庭課長 格安携帯電話については、数百円程度の料金が発生するという情報は得ています。ただし、これについても、正当な理由になるほどの大きな負担ではないと考えています。

〇西銘純恵委員 保護者が、買春とかポルノ被害とか、見えないところで我が子がどういう状況にあるのか、まだ認知できていない状況もあると思います。契約するときに、事業者は保護者に対する説明義務がありますが、それとあわせて、学校などでインターネットを利用するときにはフィルタリングが重要であることを、未成年者たちに理解させる教育も必要であると思います。この条例はそこら辺まで触れていますか。

〇真栄城守青少年・子ども家庭課長 確かに条例の中に明記されておりません。先ほども申し上げたのですが、保護者とそれを使用する青少年の理解を深めていくことが、とても重要であると考えています。繰り返しになりますが、教育庁と連携して、学校、保護者やPTAを通して、可能な限りフィルタリング等の必要性についての普及、啓発を図っていきたいと思っています。

〇西銘純恵委員 今の答弁はとても重要だと思います。100%義務化されていないだけに、これがどんなに大事なことかについて、当事者や保護者にしっかりと認知させていくことが重要な部分ではないかと思います。今回の条例改正は、新たな取り組みとして、対応の強化になっていくと思います。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 平良昭一委員。

〇平良昭一委員 先ほどの答弁で、今回の条例改正のポイントは大きく2点であり、インターネットをつなげる機種を拡大していくことは理解できます。
 もう一点は、提供事業者に説明を義務づけることで、未成年者については保護者の同意をとる。保護者の同意がとれない場合は、例外的なものもあるということでした。その場合に、有料か無料であるのか議論になると思います。
 大手の企業は無料のようですが、大手を含めてその機種を購入できる事業者は県内にどれくらいあるのですか。

〇真栄城守青少年・子ども家庭課長 現在、そのデータについては掌握しておりません。

〇平良昭一委員 要は、事業者に対して、どのようにして周知徹底できるのかが問題になります。聞くところによると、そういう機種は外国でも購入可能だということです。その場合には、どういう対応をしていくのですか。

〇真栄城守青少年・子ども家庭課長 基本的に、法律や条例も国内の事業者を直接的な対象としています。これは、技術的なことになりますが、販売と契約を同時に行うということで、その際にフィルタリングの設定を行うことによるものです。海外で購入した機器について―例えば、契約している回線が国内のものであれば、その回線の契約時にフィルタリングをかけることは可能かもしれませんが、機器そのものにフィルタリングをかけること、国外の事業者を直接規制する手段はないと思います。

〇平良昭一委員 外国で購入する方の数などはわかりませんが、場合によっては抜け道があり得るという感じを持っているわけです。そういう面では、県内の事業所を把握しながら、それに対してどう周知徹底していくかのだと思います。この条例に違反した場合において、事業者への罰則等もありますか。

〇真栄城守青少年・子ども家庭課長 事業者の把握に関しては、青少年健全育成条例の中に立入調査という項目があり、これを行うことができます。ですから、この立入調査などによって把握していきたいと考えています。その中で、説明義務などに反したことによる直接の罰則については、一切ありません。ただし、立入調査を行うことによって、契約の際の説明や解除の申し立てを受けたとかいったことについては、条例において書面を交わすことを義務づけています。また、その書面を保管する義務もあります。立入調査において、その書面などを確認し、これが適正に行われていない場合は、その事業者に対して勧告することができます。勧告に従わない事業者については公表することができるようになっています。そういう形で、条例に従わない事業者に対しては、強い形で指導していきたいと考えております。

〇平良昭一委員 これまで機種によっては規制をかけてきたこともありますし、さらにこれを義務化すると。フィルタリングの必要性、その内容を保護者と未成年者に対して説明して、それが理解されたら機種にフィルタリングをかけていくことについては事業者の仕事になるわけです。先ほど事情がある場合にはそれができないという御説明もありました。仕事で使っているような方々もいらっしゃるわけですから。その場合には行政からの云々ではなく、まずは保護者に対して、どのように理解させ、周知徹底していくかということがかなり重要になってきます。今は小学生から携帯電話を持つような状況もあるわけですから、果たしてそのような状況について、経営する事業者が理解できるのかどうか。その辺について、子ども生活福祉部だけではなく、教育庁とどう連携をとっていくのかが大きな課題だと思います。学校によっては持ち込み禁止のところとそうではないところもありますし、その辺の対応をお聞きします。

〇真栄城守青少年・子ども家庭課長 今後は、教育庁との連携について、できるだけ力を入れていくことが大事になってきます。その中で子育ての支援についてもいずれ出てくるのかと思います。やはり、保護者が子供の教育について余裕がない状況では、悪い例になりますが、子供に携帯電話を持たせ、遊ばせておいて、親が仕事に行くといった状況もあります。保護者がそういった認識を持っていると、フィルタリングの有効性が十分に発揮できない可能性があります。ですから学校を通した普及だけでなく、子育ての中で、携帯電話などの情報ツールの適切な使用方法も含めて、いろいろな方向から啓発していく必要があるものと考えています。

〇平良昭一委員 基本的なことですが、これまで未成年者は親の了解なしに、携帯電話などを購入することはできたのですか。

〇真栄城守青少年・子ども家庭課長 基本的には親の了解が必要となります。

〇平良昭一委員 その際、このような書面は必要なかったということでしょうか。

〇真栄城守青少年・子ども家庭課長 保護者が携帯電話などを購入する場合には、保護者の名前で契約されていることが多く、その中で青少年が使用するかどうかについて確認して、フィルタリングを行うという手続をとる形になっています。今回の法律改正によって、青少年が使用する場合には、保護者がそれを申告する義務があり、事業者は青少年が使用する場合にはフィルタリングをかけた上で販売契約することが義務づけられていますので、そういう意味では、青少年が契約することについては、従来よりもその体制が強化されていると思っています。

〇平良昭一委員 国内において施行するということでありますが、これまでに持っている方々については、規制はできないものと理解していいですか。

〇真栄城守青少年・子ども家庭課長 先に平成26年度に条例で定めていますので、平成25年度以前に契約した機種をそのまま使い続けている方についての、事後的な規制は難しい状況にあります。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 末松文信委員。

〇末松文信委員 説明資料の1ページの中に、フィルタリングのイメージがありますが、下のほうの無線LAN、Wi-Fiについてはフィルタリングがかけられないということですか。

〇真栄城守青少年・子ども家庭課長 Wi-Fiについては、家庭のWi-Fiと、公共の場で使われるWi-Fiがあります。公共の場で使われるWi-Fiは、どなたでも使用できる状態になっていますので、フィルタリングがかけられない状況にあります。

〇末松文信委員 なぜそれを聞くのかというと、観光の立場から見ると、沖縄県全土をWi-Fiにしようという動きがあるものですから。
 このWi-Fiを通すとフィルタリングがかからない。これは非常にいたちごっこだなという感じがするのですが、いかがですか。

〇真栄城守青少年・子ども家庭課長 まさしく御指摘の懸念が発生しております。ですから今回の法律と条例の改正では、公共の場のWi-Fiを使う場合は、回線にフィルタリングがかけられないことから、端末にフィルタリングのソフトを入れて、フィルタリングを有効化する措置をした上で販売することを義務づけるものとなっています。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 亀濱玲子委員。

〇亀濱玲子委員 幾つか確認させていただきます。提出議案の概要でフィルタリングのイメージを説明していただきましたが、その中で、保護者のスマートフォンの管理についての対策があります。これは本県の状況を説明しているのですか。それが全国であれば、本県はどういう状況なのか教えていただけますか。

〇真栄城守青少年・子ども家庭課長 この概要の中で示してる数字は、全国のもので内閣府のデータです。本県の状況については、全く同じデータではありませんが、教育庁が県立高校生を対象にした調査を行っています。その中でフィルタリングを利用している割合についても調査しています。これを見ると、フィルタリングを利用している割合が、高校生の全学年合計で34%となっていまして、全国よりも低い数字になっています。

〇亀濱玲子委員 この現状がどうなのかということを、条例改正に当たっては把握しておくべきだと思っています。全国的に見ると低いということですが、条例の周知については、どのような形で行っていく考えですか。

〇真栄城守青少年・子ども家庭課長 低いということについては、かなり問題であると認識しております。今回の条例改正につきましては、従来からある県の広報やホームページを使った周知も当然ですが、教育庁と連携して、児童生徒や保護者に対する説明、さらにPTAを通した説明の中で、フィルタリングの必要性と重要性について、粘り強く普及、啓発をしていく必要があると考えています。

〇亀濱玲子委員 教育庁と連携してということであれば、先ほど、立入調査の話も出ましたが、行政にこういうものがあるという情報をきちんと伝えること。あるいはこれに対応できる相談窓口がなければ、ただ条例を知らせるだけでは本当の対応にはならないと思うのです。
 相談窓口については、どこかが担当になって、どういった形で被害に遭ったのかということを把握できなければだめだと思うのです。それについてどのようにお考えですか。

〇真栄城守青少年・子ども家庭課長 被害が出た場合には、当然、警察事案になります。そういうことを未然に防止するための周知です。ただし、相談窓口が具体的に設定されていない以上、県行政として、まず青少年・子ども家庭課、それから福祉事務所など、連携がとれる機関の窓口を確保していきたいと考えております。

〇亀濱玲子委員 先ほど事業者については、まだ完全に把握していないとおっしゃいました。しかし、立入調査を厳しくやっていきたいということでしたが、どこがどのようにしてこれを行うのですか。

〇真栄城守青少年・子ども家庭課長 各市町村に依頼して、立入調査を実施していただくことになります。

〇亀濱玲子委員 消費生活相談など、いろいろな窓口で情報をとれるのではないかと思うので、できるだけそのネットワークをつくる。沖縄の子供たちがどのような被害に遭っているのかということをいち早くとれるような体制を構築していただいて、適切に対応できるようする。せっかく条例をつくるのですから、当然、周知にも力を入れなければなりませんが、その対応に丁寧に取り組んでいただくことを要望します。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 金城泰邦委員。

〇金城泰邦委員 この条例で、フィルタリングが義務づけられる青少年の年齢は幾つまでになりますか。

〇真栄城守青少年・子ども家庭課長 これは県条例の定めで、18歳未満の年齢になります。

〇金城泰邦委員 例えば、16歳や17歳で子供を産んで、所帯を持った女性等が事業者の店舗に行く際には、親を呼んでこいということになるのですか。

〇真栄城守青少年・子ども家庭課長 本人の年齢が18歳に達していない以上は、青少年保護育成条例による保護の対象になりますので、そういう意味では同じように取り扱う必要がございます。

〇金城泰邦委員 現在、法改正によって2022年の4月以降は18歳からは成人ということになります。そうなると、この条例は2022年3月末まで、この年齢を対象とすることになるのですか。

〇真栄城守青少年・子ども家庭課長 対象年齢が18歳未満ということで、今回の民法改正の中で、成人が18歳となった場合でも対象となる年齢については、特に影響はないものと考えています。ですから、基本的にこの規定については同じ形で継続されるものと考えています。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 次呂久成崇委員。

〇次呂久成崇委員 確認させてください。先ほど金城委員の質疑にあった、18歳未満で結婚して出産した場合については、未成年でもこれを成人扱いしていないのですか。18歳未満でも結婚して子供がいれば、成人扱いなのかなと。

〇真栄城守青少年・子ども家庭課長 詳細は申し上げられないのですが、いわゆる成人扱いをするという規定で、何らかの権利が拡充する部分はあると思います。ただし、青少年保護育成条例に関しては、結婚しているのか、あるいはそうでないのかで、この対象年齢について見直すことは想定しておりません。

〇次呂久成崇委員 この議案説明の1ページにあるように、無線LAN、Wi-Fiの利用が急速に拡大して、保護者のフィルタリングに対する理解不足、そしてフィルタリング利用率の低迷が課題になっている。それでこれを有効化するための措置が、法律改正によってできたということですね。
 この中にもあるように、契約代理店等で、実際に契約をする際に、例えば、法律改正に伴い、事業者はこういう説明をする義務があるということを、保護者に対して、店頭で周知する必要があるのではないかと。そうでなければ、この条例は生きたものにはならないですね。ですから、先ほど平良委員も言っていましたが、どのように周知させていくのかを、やはり実際に契約をする場所で、単なる義務づけだけではなく周知を徹底するのであれば、そういう啓発といいますか、ポスターなどによる周知の仕方というものが必要になってきます。それがこの条例を生かすことになるのではないかと思うのです。そういった意味では、周知、啓発も含めて、どのような考えでいるのかお伺いしたいと思います。

〇真栄城守青少年・子ども家庭課長 既に事業者に対して、周知のための手段としてチラシの作成を予定しています。委員から御指摘がある、より周知を徹底するといいますか、公的な意味合いを強く示すための方法については、部内での検討や事業者とも調整していきながら、その手段などを検討していきたいと考えております。

〇次呂久成崇委員 義務づけによって説明する側、またされる側のどちらにもわかるように、そういった周知徹底をお願いしたいと思います。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○狩俣信子委員長 質疑なしと認めます。
 よって、乙第3号議案に対する質疑を終結いたします。
 休憩いたします。

   (休憩中に、補助答弁者入れかえ)

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 次に、乙第4号議案沖縄県保育士試験等手数料条例の一部を改正する条例及び乙第5議案沖縄県幼保連携型認定こども園以外の認定こども園の認定の要件に関する条例の一部を改正する条例の2件について審査を行います。
 なお、ただいまの議案2件については、国家戦略特別区域法等の一部改正に伴い、条例の条項を整理するものであり、関連することから説明は一括して行い、質疑は各議案ごとに行いますので、御協力のほどお願いいたします。
 ただいまの議案2件について、子ども生活福祉部長の説明を求めます。
 大城玲子子ども生活福祉部長。

○大城玲子子ども生活福祉部長 乙第4号議案と乙第5号議案については、同じ法律の一部改正に伴う条例改正となっているため、関連しますので、一括して御説明いたします。
 それでは、乙第4号議案沖縄県保育士試験等手数料条例の一部を改正する条例について、お手元の乙号議案説明資料6ページをお願いします。
 この議案は、国家戦略特別区域法及び国家戦略特別区域法施行令の一部が改正されたことに伴い、条例の規定を整理する必要があるため、改正するものであります。
 次に7ページをお願いします。
 乙第5号議案沖縄県幼保連携型認定こども園以外の認定こども園の認定の要件に関する条例の一部を改正する条例について、御説明いたします。
 この議案につきましても、国家戦略特別区域法の一部が改正されたことに伴い、条例の規定を整理する等の必要があるため、改正するものであります。
 議案につきましては、資料の8ページと9ページをごらんください。
 以上で、乙第4号議案及び乙第5号議案についての説明を終わります。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします

○狩俣信子委員長 子ども生活福祉部長の説明は終わりました。
 これより、各議案に対する質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないよう簡潔にお願いいたします。
 まず、乙第4号議案沖縄県保育士試験等手数料条例の一部を改正する条例について質疑を行います。
 質疑はありませんか。
 新垣新委員。

〇新垣新委員 保育士試験の手数料ですが、本県の状況はどうなっていますか。これは安かったように記憶していますが、どうですか。

〇久貝仁子育て支援課長 現在の手数料は1万2700円となっております。

〇新垣新委員 改正したらどうなりますか。

〇久貝仁子育て支援課長 金額は今回の条例の改正とは関連がございません。

〇新垣新委員 関連がないのに、今回の条例改正の理由、国家戦略特別区域法及び国家戦略特別区域法施行令の一部改正に伴い、沖縄県保育士資格手数料条例について所要の改正が必要であると説明している。これは何のために出されたのですか。

〇久貝仁子育て支援課長 経緯について御説明いたします。この条例改正は、国家戦略特別区域法の一部改正、具体的には法令に規定している国家戦略特別区域限定保育士の条項が繰り下がったことに伴って、条例を改正をするものです。この沖縄県保育士試験等手数料条例は、保育士試験の手数料や登録する際の登録手数料、登録書の書きかえや再交付など、保育士試験等に係る手数料に関して必要な事項を定めているものです。
 平成27年に国家戦略特別区域法に基づき、同年に実施した地域限定保育士試験に合格した保育士を地域限定保育士と呼びます。保育士試験の手数料について準用しているこの地域限定保育士についても、今回の条例改正は適応されていますので、あわせて今回の法律の繰り下がった内容に伴って、この条項を準用している条例の条項を根拠法令に合わせて見直す内容となっています。

〇新垣新委員 今、沖縄県は1万2700円と言いましたが、全国はどうなっていますか。

〇久貝仁子育て支援課長 全国一律となっております。

〇新垣新委員 もう一点、現在の沖縄県の保育士の登録者数は何名ですか。

〇久貝仁子育て支援課長 登録されている保育士は、平成30年4月1日現在で2万3134名となっております。

〇新垣新委員 実際に働いている保育士はどれくらいですか。

〇久貝仁子育て支援課長 平成30年度の数字については、まだ精査中なのですが、平成29年度の従事者は8532名となっております。

〇新垣新委員 約1万5000人近くが、登録されているがその全てが働いていないという理解でよろしいでしょうか。

〇久貝仁子育て支援課長 はい。いわゆる潜在保育士と言われている方々です。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 比嘉京子委員。

〇比嘉京子委員 直近の実績といいますか、昨年の保育士試験について、何名が受験して、その合格率はどれくらいになっていますか。

〇久貝仁子育て支援課長 平成29年度は前期と後期の2回試験を実施しています。受験者数については、平成29年度前期が865名で、合格者数は110名。同後期は受験者数が937名で、合格者数は155名となっております。

〇比嘉京子委員 これは全国一律のテストですね。採点等はどこで、どのようになされているのですか。

〇久貝仁子育て支援課長 試験は全国共通、全国一律で実施しています。全国保育士養成協議会というところがあり、そこで採点等を行っております。

〇比嘉京子委員 それでは、ペーパー試験の場合は、そこに送って採点していただいているということでよろしいですか。

〇久貝仁子育て支援課長 はい。そうです。

〇比嘉京子委員 実技試験もあると思うのですが、どのようなものがありますか。

〇久貝仁子育て支援課長 実技試験の内容としては、音楽、造形表現、言語表現、読み聞かせといったものがあります。

〇比嘉京子委員 採点については、全国というよりも県内にいらっしゃる先生方が対応されているものと理解していいですか。

〇久貝仁子育て支援課長 はい。そうです。

〇比嘉京子委員 そうすると、ペーパー試験のような同じ基準になるのでしょうか。

〇久貝仁子育て支援課長 実技の講師については、全国保育士養成協議会で人選していますので、全国共通による技術の採点になっていると思います。

〇比嘉京子委員 実技については、ペーパーと違って一律で採点されてないという声があります。そういう意味において、保育現場でどれくらいのレベルが要求されているのかということ。それが特定の先生の裁量に任せられているのであれば、やや問題なのかと思います。その辺もチェックしていただくことを要望しておきます。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 西銘純恵委員。

〇西銘純恵委員 地域限定ということは、沖縄県内だけの就労ですか。そして、ほかにも全国一律の保育士試験は行っているのでしょうか。

〇久貝仁子育て支援課長 地域限定保育士試験に合格した地域限定保育士は、登録後3年間は当該区域内での勤務が条件となっております。全国では、大阪府と神奈川県がこの試験を実施しております。

〇西銘純恵委員 3年を超えたら、全国で保育士として働けるのですか。

〇久貝仁子育て支援課長 はい。そのとおりです。

〇西銘純恵委員 全国一律の保育士試験は、沖縄県内ではやらなくて、これに変わったということでよろしいのですか。

〇久貝仁子育て支援課長 一般の試験はどこの勤務地でも保育に従事することができるのですが、この地域限定保育士については、先ほども申し上げましたように登録から3年間は当該区域内で勤務することが条件とされている試験であるいうことです。

〇西銘純恵委員 県内でも全国試験を行っているのですか。

〇久貝仁子育て支援課長 県は年2回、一般の試験を実施しています。この地域限定保育士試験については、平成27年に実施しました。その時は、まだ年1回の試験でしたので、県は区域指定を受けて、この地域限定保育士試験を採用しました。平成28年から保育士試験が年2回になりましたので、現在はこの一般の試験を年2回実施することにしています。

〇西銘純恵委員 例えば、鹿児島県で保育士をやりたい人が、沖縄県で保育士試験を受けられるのかと聞いているのですが。

〇久貝仁子育て支援課長 本県でこの試験を実施した場合は、沖縄県内で勤務することになります。一方、通常の試験は全国共通でやっています。どこの県で試験を受けても、もちろん沖縄県でも採用できますし、その逆も言えるわけです。

〇西銘純恵委員 地域限定以外の全国一律の保育士試験というのは、県が行っていないので、それはわからないということですか。全国一律の試験はどこがやっているのですか。

〇久貝仁子育て支援課長 全国試験は、全国保育士養成協議会が実施しています。県もこの一般試験を年2回実施しております。

〇西銘純恵委員 それで、宮古や八重山のような離島でも受けられるように拡充したと思うのですが、今、試験会場は何カ所になっていますか。

〇久貝仁子育て支援課長 沖縄本島は1カ所で、宮古と八重山を合わせて3カ所になっています。

〇西銘純恵委員 地域限定というと、沖縄県で保育士を育成するという考えで特区を出されたと思うのです。保育士試験料の質疑について聞いていましたが、地域限定であれば、それを引き下げてもいいのではないかと。その辺の検討はなされたのか。全国並みの試験料、そして登録料についてもどうなのかと思います。そこは検討なされたのでしょうか。

〇久貝仁子育て支援課長 地域限定保育士の試験ということで、特に試験料を下げるとかといった検討はしていません。

〇西銘純恵委員 保育士を養成するという観点から、本県はほかの地域と比べて、所得が全国平均の7割しかないという状況があります。また合格率が低いということは、当然、何回も受験する方がいると思うのです。そこら辺も考慮して、検討課題にしてもいいのではないかと提案します。いかがでしょうか。

〇名渡山晶子子ども福祉統括監 現在の試験実施の形態を整理して御説明いたします。地域限定保育士試験は、平成27年度において1回のみ実施しております。また、平成28年度以降は全国統一の試験が年に2回実施できることになったため、全国統一の試験に切りかえて、これを実施しているところです。したがって、現在、地域限定保育士試験は実施しておりません。まず、これが1点です。
 それと、委員から御提案がありました手数料につきましては、子育て支援課長からもあったように、全国もそうなのですが、試験自体は一般社団法人全国保育士育成協議会を指定機関として実施しています。そこに手数料を直接納付してもらいます。これは試験問題の作成や試験を実施するための費用に充てています。地域限定保育士試験についても、同協議会を介して実施しました。そういった試験にかかる料金を反映させたもので、地域限定保育士についても、当時の統一の料金を徴収したということでございます。

〇西銘純恵委員 私が誤解していたのでしょうか。そもそも保育士試験等手数料条例は過去からあって、たまたま平成27年度に特区によって地域限定として行ったと。しかし、平成28年度からは全国一律でやっている。平成28年度以降に、県内で受験している皆様は、3年間、沖縄県内で保育に従事していただくという条件がないものを受験していると理解していいのですか。

〇名渡山晶子子ども福祉統括監 そのとおりでございます。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○狩俣信子委員長 質疑なしと認めます。
 よって、乙第4号議案に対する質疑を終結いたします。
次に、乙第5号議案沖縄県幼保連携型認定こども園以外の認定こども園の認定の要件に関する条例の一部を改正する条例について質疑を行います。
 質疑はありませんか。
 新垣新委員。

〇新垣新委員 現時点で、幼保連携型認定こども園以外の認定こども園は県内に何件ありますか。

〇久貝仁子育て支援課長 平成29年4月1日現在、幼保連携型認定こども園は31施設。幼稚園型認定こども園が4施設。保育所型認定こども園が2施設となっております。

〇新垣新委員 国家戦略特別区域法の一部改正に伴い、幼保連携型認定こども園以外の認定こども園の認定の要件に関する条例について、所要の改正が必要であると。この所要というのはどういう意味ですか。

〇久貝仁子育て支援課長 この条例は、幼稚園型認定こども園、保育所型認定こども園の設備や運営に関する基準を定めた条例となっています。その条例の中で、別表に掲げる職員資格の欄があります。その中で保育士の資格を有する者が定められており、そこで地域限定保育士も職員資格に含まれるという内容になっています。今回の改正は、先ほどの乙第4号議案と同じように、国家戦略特別区域法の国家戦略特別区域限定保育士に関する条項が繰り下がったことに伴って、この条項を準用している条例の条項を、根拠法令に合わせて見直す内容となっております。

〇新垣新委員 現在、県内に地域限定保育士は何名いますか。また、私が評価している、小学校を退職した先生が保育士のかわりに子供たちが見られるという、保育士と同等の形で仕事ができるものについてお聞きします。それは地域限定保育士に含まれていると思いますが。

〇久貝仁子育て支援課長 地域限定保育士は平成27年度の後期に試験を実施しました。その合格者数は78名となっております。あとの質疑は、地域限定保育士とは直接的には関係ないです。

〇新垣新委員 関係ないと言いますが、私は幼保連携型認定こども園以外に、県内で活躍していると思っているのです。小学校を退職された先生が、パートのような形でいると聞いているのです。そういう方は本県にはいないのですか。いい条例をつくったと評価しているのですよ。少しだけ手伝いしている先生もいると聞いていますが、この幼保連携型認定こども園やそれ以外にも。これはどうなっていますか。

〇久貝仁子育て支援課長 現在、その人数については把握しておりません。

〇新垣新委員 県がつくった条例では、保育士としてカウントされないものと理解していいのですか。保育士は潜在的に1万5000名近くいるが、以前に条例を出して、認定こども園やそれ以外にもこれを活用すると。たしか2年前につくった条例はいいものであると評価しているのです。でもそれは活用されていないのですか。私はパートのような形で活用していると聞いていますが。月、水、金とか。月、木とか、よく聞くのですが、それではないのですか。

〇名渡山晶子子ども福祉統括監 委員がおっしゃっているのは、保育士のかわりに、例えば養護教諭の免許を持っている者や小学校免許を持っている者が5歳児クラス。また幼稚園免許を持っている者は3歳児以上のクラスを担任できる要件緩和のことを指しているのかと思います。現在、そういう形で保育に従事できる形になっているのですが、それと保育士名簿に載ることは別の問題です。保育士名簿に登録されているのは、あくまでも保育士資格を持っている者。一方、要件緩和は、教員免許を持っている者が保育業務に従事することができるといった特例措置です。現在どれくらいの者が就業しているのかについては、データとして持っておりません。

〇新垣新委員 どれくらい認定こども園以外のこども園をつくっていくという計画については、どうなっていますか。この条例が通ったとして、今後の想定はどうなっていますか。今、市町村がやっていると思います。県も連携して、市町村から上がってきたらすぐにやってあげるのではないのですか。認可の決定権は県にあるのですか。

〇久貝仁子育て支援課長 今後、どれくらいの数ということについては、まずは市町村の地域計画に基づいて、その地域において、実数に応じて実施していくものであると考えています。具体的にどれくらいの数が出てくるのか、市町村の整備計画を見ながら対応することを考えております。

〇新垣新委員 日本全国で待機児童ゼロを目指すとやっている中で、県と市町村の連携という形で会議を持っているのではないですか。ですから、その辺について見えるのではないですか。ゼロを目指そうという意気込みがあるから、市町村との協議会があるのですね。そこを聞いているのです。難しいことは聞いていません。年次計画の中でどのくらいと。糸満市の児童家庭課とも連携をとって聞いています。糸満市は約140名近くの待機児童がいるのです。そこを聞いているのです。年次計画で、今年度はこれとこれと。市町村はわかっていると思うのです。当然、県もですよ。どのように支援しているのかということについてお聞きかせください。

〇久貝仁子育て支援課長 平成29年度に黄金っ子計画プランの見直しを行いました。その中で平成31年度末までに6万4000人の定員を確保することにしており、現在、その取り組みを行っているところです。

〇新垣新委員 今回の条例改正によって、黄金っ子プランの変更について影響が出てくるのですか。そういった兼ね合いはどうなっていますか。

〇久貝仁子育て支援課長 今回の条例改正とは話が違うと思います。黄金っ子プランにかわる新たな計画を平成32年度から策定すると思います。それに向けたニーズ調査等も、今年度から市町村において始めていきますので、県としてもそのニーズの把握に向けて、市町村と連携して取り組んでいきたいと考えております。

○狩俣信子委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、新垣新委員が、条例改正が黄金っ子プランの変更に与える影響の有無について答弁するようにと指摘した。)

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 名渡山晶子子ども福祉統括監。

〇名渡山晶子子ども福祉統括監 今回の改正は、幼保連携型以外の認定こども園に係る条例の中に職員配置の基準などがあり、その中で保育士という表現があり、それが何条に基づく地域限定保育士という条項ずれが生じた部分を整えるという条例改正でございます。ですから、次期黄金っ子プランの中では、当然のこととして、その趣旨から地域限定保育士も保育士として業務できるという部分において変わらないのです。したがって、黄金っ子プランの改定作業において、数とかといった部分には直接的な影響はないものと考えております。

〇新垣新委員 地域限定保育士については、黄金っ子プランの中にもありますね。ですからその兼ね合いはどうなるのか聞いているだけなのです。

〇名渡山晶子子ども福祉統括監 地域限定保育士も、保育士として保育所や認定こども園に従事できるという趣旨ですので、次期黄金っ子プランにおいても保育所や認定こども園において従事できるという点で変わりはございません。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 比嘉京子委員。

〇比嘉京子委員 これは国家戦略特別区域法が改正され、それに伴う字句の変更によるものと理解しています。この幼保連携型認定こども園以外の認定こども園については、どういう種類がありますか。

〇久貝仁子育て支援課長 幼保連携型認定こども園以外のものは、幼稚園型認定こども園、保育所型認定こども園、地域裁量型認定こども園がございます。

〇比嘉京子委員 その園数をお願いします。

〇久貝仁子育て支援課長 平成29年4月1日現在で、幼稚園型認定こども園は4施設、保育所型認定こども園は2施設となっております。

〇比嘉京子委員 地域裁量型認定こども園はあるのですか。

〇久貝仁子育て支援課長 地域裁量型認定こども園の施設はございません。

〇比嘉京子委員 もう一つ、先ほどから地域限定保育士という言葉が出てきているのですが、国家資格を有する保育士と地域限定保育士の違いは何ですか。

〇久貝仁子育て支援課長 地域限定保育士と通常の保育士も、国家資格的には同じです。地域限定保育士については、登録後3年間は同区域内で勤務することが条件とされているという違いだけになっております。

〇比嘉京子委員 国家資格を有することには違いがないのですか。地域で認定したわけだから、地域に3年間は定着してくださいという要件をつけているという理解でいいのですか。

〇久貝仁子育て支援課長 そのとおりです。ですから、3年を経過すると全国のどの地域でも保育士として採用されることができます。

〇比嘉京子委員 その方々が先ほど言った78名で、これらは現在就労しているのですか。それとも保育士試験に合格したものの就労していないのですか。

〇久貝仁子育て支援課長 実際に就労したのか、そうでないのかについては、把握しておりません。

〇比嘉京子委員 認定こども園の種類もさまざまあります。国からおりてきた今の制度の中で、沖縄県は、本県の独特の公立幼稚園との兼ね合いで、過去、また黄金っ子プランの中でも、ずっと公立幼稚園を結節点にして就学前もやっていくのだということでうたってきたわけですね。
 皆さんとしては、認定こども園、幼保連携型以外も含めて、その中では沖縄県の考え方というか、これこれは何とかだけど、これは認めていかない方向がいいとか、これは合致するが、これは合致しないとか。そういう県独自の黄金っ子プランに沿った国の制度のあり方というものはお持ちですか。また、その議論はなさっていますか。

〇久貝仁子育て支援課長 保育所において保育を実施することは市町村の責務となっています。市町村においては、その実情に応じてさまざまな保育の形態を決定しているものと考えています。また、市町村においては、沖縄県子ども・子育て会議の中でさまざまな意見を聞きながら、いろいろな体系の施設を整備していると思います。県としてもこういった市町村の取り組みについて支援しております。

〇大城玲子子供生活福祉部長 委員の御質疑の趣旨は、例えば、黄金っ子プランで保育所を整備していくのか。あるいは認定こども園を進めていくのかというような、県の明確な進路があるのかと受けとめました。県としては、地域の実情に応じて、保育所整備も認定こども園もそれぞれの地域が欲するものに合わせてプランをつくりたいと考えております。沖縄県子ども・子育て会議などを通じてその地域に応じた選択ができる支援を考えています。

〇比嘉京子委員 先ほど、ほかの委員からもあったように、本県独自の歴史的な経緯があると思うのです。それを今まで中枢に据えて、これまで黄金っ子プランに基づいて取り組んできたわけです。それが内閣府から、このような認定こども園のスタイルがおりてきたわけです。それで待機児童解消と称して小規模やさまざまなものをつくってきたわけです。そのことによって、就学前の質を低下させずにいけるのかという問題が少し置かれているように思います。歴史的な背景を大事にしようとすること。一方で、とにかく待機児童解消だといって量の整理ばかりに走っていく傾向があるのです。見失ってはいけないことが沖縄県の中にはあるのではないかと。そのことが今ないがしろにされて、どんどんいろいろなことがオープンになっている。やはり認可を出すのは県なのです。那覇市は違うのかもしれませんが。そういう意味からすると、県は認可は出すが、その後は皆さんで御勝手にではいけないと思うのです。この条例の質疑の中で言うことではないのでしょうが、ぜひとも幼稚園との議論が密になるように、一本化できるように、ぜひ内部で議論してほしいと願っています。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 西銘純恵委員。

〇西銘純恵委員 議案概要の7ページ。説明が丁寧でなかったので確認します。改正が2点あるということですが、改正概要の(1)です。条文が繰り下がったのは、また何かが挿入されたといった、この条例と関係するものがあったのかどうかお尋ねします。

〇久貝仁子育て支援課長 条例というよりも、国家戦略特別区域法の中で今回新たな特例が出てきましたので、その法律の改正に伴って、法律の中の条項が一つずつずれたということです。

〇西銘純恵委員 新たな特例については、保育、幼保連携型認定こども園に関連するものとは全く関係ないのですか。

〇久貝仁子育て支援課長 これは国家戦略特別区域法に係る新たな規制緩和です。例えば、地域発のイノベーションの推進の中で、自動倉庫、ドローン等の先端実証の取り組み、焼酎特区の創設、インバウンド競争力の向上で農業外国人の就労解禁といったものが新たなメニューとして国家戦略特別区域法の中に盛り込まれましたので、その関連で条項がずれたということです。

〇西銘純恵委員 それでは、(2)について、幼稚園教育要領については、「(平成20年文部科学省告示第26号)」という文言をとるだけというように読めるのです。つけているのととる、何がどう変わるのかお尋ねします。

〇久貝仁子育て支援課長 幼稚園教育要領については、法律名は変わらないのですが、平成29年に新たに内容を変えて出てきています。今回の改正に当たって、条例の第2条で、「この条例において使用する用語は、法において使用する用語の例による」と規定されています。この条例において、法とは、認定こども園法を指していますが、認定こども園法では、文部科学省告示という単語は省略されており、幼稚園教育要領の用語の定義がなされています。法律で使用する用語に合わせて、今回、条例も整理したところです。

〇西銘純恵委員 幼稚園教育要領で、削除するのは平成20年の告示と。しかし、平成29年ということも言われました。幼稚園教育要領は、その後変わったのでしょうか。変わったのであれば、要領そのものの変わった部分について説明していただけますか。

〇久貝仁子育て支援課長 幼稚園教育要領は、全国的に一定の教育水準を確保し、実質的な教育の機会均等を保障するために、文部科学省が学校教育法に基づき定めている大綱となっております。今回の改正の内容ですが、平成28年度の有識者会議を踏まえて、幼稚園教育において育みたい資質、能力の明確化、小学校教育との円滑な接続、現在の諸課題を踏まえた教育内容の見直しというのが主な改正内容となっております。

〇西銘純恵委員 それでは、平成20年の告示を明記したままでいると、実際の要領改正に追いつかないので、とるということでよろしいですか。

〇久貝仁子育て支援課長 要綱は今後また改正されることもありますし、法律用語に合わせて見直したということでございます。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○狩俣信子委員長 質疑なしと認めます。
 よって、乙第5号議案に対する質疑を終結いたします。
 休憩いたします。

   (休憩中に、補助答弁者の入れかえ)

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 次に、子ども生活福祉部関係の請願第2号及び陳情平成28年第37号の2外27件の審査を行います。
 ただいまの請願及び陳情について、子ども生活福祉部長の説明を求めます。
 なお、継続の陳情については、前定例会以降の新しい事実についてのみ説明をお願いいたします。
 大城玲子子ども生活福祉部長。

○大城玲子子ども生活福祉部長 それでは、請願・陳情の処理方針について、お手元に配付しています請願・陳情に関する説明資料で、御説明申し上げます。
 表紙をめくりまして、請願一覧表と陳情一覧表をごらんください。
 子ども生活福祉部関係では、新規の請願が1件、継続の陳情が23件、新規の陳情が5件となっております。
 初めに、新規の請願1件について、その処理方針を御説明いたします。
 資料の1ページをお願いします。
 請願第2号地方消費者行政に対する財政支援の継続・拡充を求める意見書の提出に関する請願について、処理方針を読み上げます。
 1、平成30年度の地方消費者行政に係る国からの交付額は県と市町村を合わせて3759万8000円で要望額に比べ1193万5000円の減となっており、県においては消費者教育事業、市町村においては消費生活相談員等の研修旅費や相談窓口周知に係る経費等を縮小しております。
 2、県としましては、市町村の要望も踏まえ、地方消費者行政に必要な水準の交付金を引き続き国に要望していきたいと考えております。
 3、消費生活相談体制の維持は重要と考えていることから、県としましては地方消費者行政を安定的に推進できるよう、全国知事会を通して国に対し、消費生活相談体制の充実・強化への長期的な支援を要望していくこととしております。
 続きまして、陳情の説明をさせていただきます。
 38ページをお願いします。
 継続陳情のうち、平成29年第120号子供たちの豊かな未来のために教育費の増額を求める陳情につきましては、処理方針に変更がありますので、御説明させていただきます。
 39ページをお願いします。
 変更のある箇所を下線で示していますので、変更後の処理方針を読み上げます。
 2、沖縄県におきましては、黄金っ子応援プランに基づき、平成29年度末までの待機児童解消を図るため、保育所等の整備を行ってきました。しかしながら、潜在需要の掘り起こし等による保育ニーズの高まりを受け、市町村の計画が見直されたことから、県のプランにおいても平成30年度からの2年間で約7000人の保育の量を拡大し、待機児童の解消を図るための見直しを行ったところであります。
 引き続き、市町村と連携し待機児童解消に向け取り組みを推進してまいります。
 変更の理由については、40ページの表の中の変更理由の欄を読み上げて、説明します。
 平成29年度は市町村子ども・子育て支援事業計画の中間年見直しに当たり、各市町村において見直しを行った結果、今後約7000人分の保育定員の拡大が見込まれ、待機児童解消時期を平成29年度末から平成31年度末としたため、処理方針を変更するものであります。
 以上が処理方針の変更に係る説明であります。
 その他の継続分については、処理方針に変更がありませんので説明を省略させていただきます。
 次に、新規の陳情5件について、その処理方針を御説明いたします。
 50ページをお願いします。
 陳情第44号の3平成30年度「離島・過疎地域振興に関する要望事項」に関する陳情について、処理方針を読み上げます。
 5、待機児童対策については、保育所等整備に係る市町村負担分の支援や必要な保育士を確保するための修学資金の貸し付け、潜在保育士の復職支援、さらには、処遇改善を図るための賃金改善や保育士の正規雇用化、年休取得等を支援する事業を実施しております。
 また、認可外保育施設については、認可化移行のための施設整備や運営費、児童の処遇向上を図るための支援を行っており、これまで段階的に拡充してきたところであります。
 さらに、平成29年度からは、沖縄本島に加えて宮古島市及び石垣市においても保育士試験を実施しております。
 県としましては、引き続き、宮古島市を初め、離島及び各市町村と連携して、待機児童の解消及び認可外保育施設の認可化促進と保育の質の向上に取り組んでまいります。
 続きまして、51ページをお願いします。
 陳情第47号誰もが健康で文化的な生活ができるよう社会保障の充実を求める陳情について、処理方針を読み上げます。
 1、生活保護は、憲法第25条の理念に基づき、国が生活に困窮する全ての国民に対し必要な保護を行い、最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的としております。また、生活保護基準については、生活保護法第8条に基づき厚生労働大臣が定めることとされており、国において、生活保護法の趣旨・目的を踏まえ、設定されております。
 県としては、生活保護制度が最後のセーフティネットとして十分に機能を果たすことが重要であると考えており、引き続き、保護受給者の生活実態を把握し、適正な保護の実施に努めてまいります。
 2、県では、高齢者が住みなれた地域で自分らしく暮らすことができるよう、市町村と連携して介護や生活支援などを一体的に提供する地域包括ケアシステムの構築に取り組んでいます。地域福祉については、それぞれの地域で県民が適切なサービスを受けられるよう、民生委員活動の活性化などの体制整備や福祉人材の育成に努めています。子育て支援については、子育て中の親子の交流促進や育児相談等を行う地域子育て支援拠点事業、多様な保育ニーズに対応した延長保育、一時預かり等の地域子ども・子育て支援事業を推進しています。
 県としましては、引き続き、市町村等と連携し、誰もが安心して暮らせる社会の実現に向け、取り組んでまいります。
 続きまして、53ページをお願いします。
 陳情第48号の2単身高齢者が安心して暮らせる社会の実現を求める陳情について、処理方針を読み上げます。
 1、年金額については、国において、年金受給者の生活の維持・安定や、現役世代の負担能力等を勘案し、物価や賃金の変動に応じ、毎年度改定されております。県としては、年金制度が、国民生活の最低保障機能を十分に果たすことが、重要であると考えております
 3、高齢化が進行する中、高齢者が住みなれた地域で安心して生活するためには、地域の支え合いがますます重要になるものと考えております。このため市町村においては、医療・介護・予防・住まい・生活支援を一体的に提供する地域包括ケアシステムの構築に取り組んでおり、県としても、地域の実情に応じた展開が図られるよう、市町村を支援してまいります。
 4、高齢者の介護に関する制度については、国の社会保障審議会で議論されており、県ではその状況等を注視しているところであります。
 続きまして、55ページをお願いします。
 陳情第49号「沖縄戦における全学徒戦没者」の刻銘板に関する陳情について、処理方針を読み上げます。
 1、県では、沖縄戦における戦没者に関して、国籍や軍人、民間人の区別なく、亡くなられた全ての人々の氏名を刻銘した平和の礎の事業を実施しており、平成30年6月現在、24万1525人の戦没者が刻銘されております。また、沖縄戦における全学徒隊戦没者に関して、10代の多くの生徒が戦場に動員されたという歴史的事実を次世代へ伝えるため、平成29年3月に21校の校名を刻銘した全学徒隊の碑を建立し、さらに、21校の各学徒隊の沖縄戦における動員、撤退、解散の状況や学徒が体験した証言の動画をインターネットで配信しております。
 県としましては、元全学徒の会の皆様との意見交換を行うなど、引き続き、沖縄戦の実相を後世へ伝える施策に取り組んでまいります。
 続きまして、57ページをお願いします。
 陳情第56号「魂魄の塔」内部の遺骨の確認の陳情について、処理方針を読み上げます。
 58ページをごらんください。
 1、慰霊塔(碑)は、建立者等関係者の所有であり、その管理等については、建立者の意向により行われるものであると考えております。遺骨のある慰霊塔(碑)につきましては、管理者の意向があれば、国に情報提供し、対応してまいります。なお、県内の慰霊塔(碑)については、以前に県が調査を実施しておりますが、その調査によりますと魂魄の塔の内部には遺骨はないとの結果となっております。
 以上で、子ども生活福祉部に係る請願・陳情の処理方針について、説明を終わります。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします

○狩俣信子委員長 子ども生活福祉部長の説明は終わりました。
 休憩いたします。

   午前11時58分 休憩
   午後1時29分 再開

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 午前に引き続き、請願及び陳情に対する質疑を行います。
 質疑に当たっては、陳情等番号を申し述べてから重複することがないよう簡潔にお願いいたします。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行うようお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 新垣新委員。

○新垣新委員 処理方針57ページの陳情第56号「魂魄の塔」内部の遺骨の確認の陳情です。県の処理方針では、遺骨はないとの結果になっております。これは間違いないのですか。中をあけて見ましたか。

○大濱靖平和援護・男女参画課長 国立沖縄戦没者墓苑が建設された4年後の昭和58年に県が調査しました市町村別慰霊塔の設置状況におきまして、魂魄の塔に遺骨なしと記載されています。
 それから、昨年の12月と今年の1月に魂魄の塔の管理者である沖縄県遺族連合会に聞き取りして確認いたしました。同連合会によりますと、国立沖縄戦没者墓苑に遺骨を移す際に、空っぽにするわけにはいかないということで、遺骨の代表として象徴遺骨だけを残し、そのほかの遺骨は国立沖縄戦没者墓苑に移したということでした。この象徴遺骨ですが、焼骨され、丸々一柱や一部分ではなく、残骨のような物を残している状況であると説明を受けております。

○新垣新委員 残骨という御説明がありましたが、県は陳情者の具志堅さんと向き合いましたか。少しかみ合っていないなというのがあって。

○大濱靖平和援護・男女参画課長 まずは管理者に確認したところで、陳情者がどのような情報によって、この陳情をなされているのか確認したいと考えております。

○新垣新委員 具志堅さんと建立者である沖縄県遺族連合会と県の三者会談を早期に行ってほしいのです。この石碑・慰霊塔の問題に関連しますが、東京の塔や何々の塔が、大度海岸地域にたくさんあります。県遺族連合会が高齢化によってほとんど管理ができないと。そういったもろもろを含めて、糸満市に120くらいの石碑や慰霊塔がありますから、摩文仁の国立沖縄戦没者墓苑に整理統合、一元化していただきたい。その際、ぜひ糸満市に優先順位を置いてください。糸満市で最後の最後まで追い詰められて、誰が建立したのかわからないものがたくさんあるのです。そういったものも所有権、土地の所有者は誰とか法的なものから調べて、万が一にも裁判で訴えられたとしても、摩文仁の国立沖縄戦没者墓苑に移してほしいと思うのです。その件についての糸満市の窓口は副市長です。皆さんはきちんと意見交換をやっていますか。調査するだけで終わっているのではないですか。私はこれを2年前からやっています。戦後処理は終わっていないのです。具志堅さんも同じように考えています。その件に関してどう考えていますか。

○大濱靖平和援護・男女参画課長 糸満市との意見交換については、今年の6月に慰霊塔・慰霊碑の担当課である糸満市社会福祉課と行っております。建立者の意向を尊重しなければならないということもありまして、糸満市からも整理については建立者からの要望が必要であると。これについては慎重に対応する必要があるという意見がございました。本年度、この慰霊塔の管理の状況について実態調査を行います。その中で、管理者等の意向も調査していきたいと考えております。

○新垣新委員 県は沖縄県遺族連合会も巻き込んで、一体となって糸満市のために協議会、プロジェクトチームを立ち上げてほしいのです。それはなぜかわかりますか。地域住民は誰の土地なのかわからないものがたくさんあるのです。所在がわかるところも、管理者がリタイアしていますから、早く国立沖縄戦没者墓苑に移してもらいたいということなのです。ことし、6月23日の慰霊の日に、宮城会長のお話を聞きましたか。

○大濱靖平和援護・男女参画課長 魂魄の塔などについては、県遺族連合会会長からいろいろとお話を聞きました。同会長は、平成28年12月16日に、厚生労働大臣に慰霊塔の維持管理について要請しております。この厚生労働省に要請した維持管理につきましては、現在設置している慰霊碑の維持管理であり、整理統合ではないと話していました。

○新垣新委員 今の答弁では意味がわかりません。宮城会長は、できるものは国立沖縄戦没者墓苑に整理統合してほしいと言っているのです。去年もことしも、慰霊の日の発言を聞いているのかと言っているのです。私は糸満市や関係者と意見交換してきているのです。今の答弁は誤っています。もう一度答えてください。

○大濱靖平和援護・男女参画課長 私も県遺族連合会会長に6月に確認しております。

○新垣新委員 ですから、糸満市の総意としても、宮城会長とも意見交換して、移せるものは全て整理統合していこうという話なのです。ことしも去年もです。きちんとメッセージを見てください。誤っていますよ。

○大濱靖平和援護・男女参画課長 県遺族連合会の宮城会長は、整理統合ではないとはっきりとおっしゃっていました。

○新垣新委員 移せるもの、維持管理ができないものは整理統合して、国の特段の配慮で移してほしいと述べているのです。ですから、きちんと読んでくださいと言っているのです。県の今の考え方は誤っていますよ。きちんと調べてください。とりあえず検討してください。
 もう一点、この石碑・慰霊の塔の問題の中で、所在がわからない東京の塔とか、そういったもろもろの塔がたくさんあります。そういったものについて、どう考えていますか。所在不明、勝手に人の土地に置いたものとか、こういうものは今後どのように対応していこうと考えていますか。

○大濱靖平和援護・男女参画課長 所有者不明とかいったところも含めて実態調査で確認していきたいと考えております。

○新垣新委員 この問題において、糸満市は犠牲者なのです。戦争がなければこの石碑・慰霊の塔もないのです。次男や三男は土地があっても家がつくれないのです。企業も来られないのです。今、名城ビーチとか多くの企業から、整理統合してくれという指摘があるのです。暗いイメージばかりだと。年配の方々とも意見交換していますが、これは皆さんの総意なのです。国立沖縄戦没者墓苑に整理統合してくれと。私はこの地域にルーツを持つ議員です。お年寄りがみんな言うのです。この戦後処理を早く加速してほしいのです。この件に関して、特別にチームをつくって、ぜひ県遺族連合会、県、糸満市に加えて国も入れてほしいのです。戦争を起こした国の責任なのです。ぜひ、これに関する協議会、プロジェクトチームをつくって加速させてほしいのです。これは糸満市の総意として声を届けているのです。これについて前向きにやりますか。調査するのはわかっています。前向きに進めてほしいのです。

○大濱靖平和援護・男女参画課長 慰霊塔の管理問題については、その実態をまだ把握していません。まずは実態を確認した上で、どういう対応ができるのかについて検討してまいりたいと考えております。

○新垣新委員 これについて検討したいのはわかります。調査するということもわかります。ただし、いつまでたっても糸満市は暗いイメージばかりなのです。もう、経済に進みたいのです。戦争を二度と起こしてはいけないと。国立沖縄戦没者墓苑に一元化、整理統合させて、糸満市の経済を発展させてほしいのです。まだ、糸満市、三和地区に関する戦後処理は終わっていないのです。これを力強く進めてほしいのです。子ども生活福祉部長、知事を先頭に前向きに動かしてくれませんか。被害者は糸満市なのですよ。辺野古よりもここが一番大事なのです。戦後処理が終わってから、そういうものはやるのですよ。糸満市の総意、お年寄りの総意です。お答えください。

○上間司生活企画統括監 今回の議会で、事前に新垣委員から慰霊塔の統合について御質疑があるとお伺いしまして、私と平和援護・男女参画課長も一緒に委員からお話をお伺いしました。おっしゃるように、キーマンは糸満市の副市長であるということと、プロジェクトチームをつくるなど、積極的に対応していただきたいとお話がありました。
 県では、先ほど平和援護・男女参画課長が説明したように、高齢化や管理者不明等の問題がありますので、今年度、慰霊塔の管理について、その辺はしっかりと調査をさせていただきたいと思います。平和援護・男女参画課長からも私にたびたび報告がありますが、糸満市とのパイプはあり、常に連携をとっているとの報告があります。この辺は委員の意向も踏まえながら、適切に対応していきたいと思います。

○新垣新委員 ぜひ糸満市が犠牲者だということを忘れないで、最後の最後まで追い詰められて、わけがわからないうちに人の土地に勝手に置かれてという。こういったものに関する戦後処理はまだ終わっていません。ぜひ、県にはひめゆりの塔と白梅の塔以外は、全て整理統合していただきますよう、心からお願い申し上げます。私も国に協力依頼します。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 平良昭一委員。

○平良昭一委員 今の魂魄の塔の件ですが、たしか慰霊の日の前後だったと思います。テレビ番組の中で、魂魄の塔の説明板には、分骨されたものが納骨されているとあるのです。今の答弁では、昭和58年に移したとありますが、その説明板との整合性はどうですか。

○大濱靖平和援護・男女参画課長 先ほども御説明いたしましたが、その分骨という意味が、象徴遺骨だけを残して分けたという意味での分骨であると説明を受けました。

○平良昭一委員 この象徴遺骨というのは、いわゆる火葬したものということになります。そうなるとDNA鑑定は難しいのですか。

○大濱靖平和援護・男女参画課長 焼骨するとDNA鑑定は難しいものがあります。また遺骨の大きさといいますか、残骨的なものだという説明がありました。

○平良昭一委員 それは確実な話ですか。昭和58年以降に確認したという事実はないのですね。

○大濱靖平和援護・男女参画課長 昭和58年に調査していますが、そのときに管理者等から確認をとっているということで、それで昨年12月とことしの1月に、再度確認するために、管理者である県遺族連合会に聞いたところ、そういう説明がありました。

○平良昭一委員 陳情者の具志堅さんは、遺骨収集を非常に頑張っている方で、とにかく県内の事情を一番把握している方であると思います。その中で情報もとりながら、この魂魄の塔の中にはまだ遺骨があるという自負を持っていると思うのです。そうであれば、魂魄の塔は、沖縄県遺族連合会の許可をとってあけられるものなのか。それとも県の許可、国の許可になるのですか。

○大濱靖平和援護・男女参画課長 これは、県遺族連合会が管理していますから、その意向によります。陳情者がどういう情報を得て、そこに遺骨があると考えているのかについて確認したいと思っています。

○平良昭一委員 陳情者からすると、やはり意見交換等が必要になってくると思います。陳情の中身を読んでみると、県内の慰霊塔の中には、戦後間もない方々の遺骨が眠っている可能性が大いにあるということです。火葬しないでそのまま残されている状況があるわけですから、当然そういう方々の身元も判明できるような状況があるという陳情だと思うのです。その一番手が魂魄の塔ということであると思います。県内の慰霊塔の状況について把握していると思います。その中で遺骨が確実にあることについても把握できているのですか。

○大濱靖平和援護・男女参画課長 県の調査によりますと、13カ所の慰霊塔において遺骨ありとなっています。国立沖縄戦没者墓苑ができたころに、いろいろと転骨を進めたことがありますが、その慰霊塔の管理者の意向があって残されているところがあります。ですから、遺骨をDNA鑑定するということになりますと、この管理者の意向も確認しないといけないことになります。

○平良昭一委員 県内の13カ所の慰霊塔の中には、まだ眠っている遺骨があるということです。県内に慰霊塔が幾つあるのかについては把握していますか。

○大濱靖平和援護・男女参画課長 440基です。

○平良昭一委員 この県の調査に関して、遺骨が眠っていないという状況も伝えられていました。しかし、実際には、これも先般のテレビで放映されていましたが、名護市の羽地だったと思います。そこには眠っていないと言われていたのですが、一旦あけてみたら200体も眠っていた。それが放送されたわけです。そうであれば、皆さんのこれまでの調査については、もう一度見直す時期にきているのではないかと思います。
 440基もあれば、多分、具志堅さんが考えるには、まだまだそういうものがあるのではないかというものがあって、遺族に早くお渡しするには、DNA鑑定ができるようなものは慰霊の塔に眠っている遺骨だろうという新しい発想だと思うのです。それに応えるためには、いま一度精査すべき時期にきていると思います。その当時はDNA鑑定がなかったわけですから、あけてみてもどうしようもなかったかもしれない。ただし、今はそういう時代ではなくて、確実にDNA鑑定ができる。国もそういうことをしなさいと言われているわけですから、改めて確実に眠っているところについては、やるべきだと思います。一日も早く遺族のもとに戻すべきだと思います。そういう観点からすると、時期的には、今、改めて調査をすべきであると。
 また、具志堅さんが提案しているDNA鑑定については、国の責任に基づいて、早目にやるべきであると思いますが、いかがですか。

○大濱靖平和援護・男女参画課長 先ほども申し上げましたが、本年度、慰霊塔の実態調査を実施します。その中で、遺骨の有無等についても調べていきたいと考えております。

○平良昭一委員 ぜひ、これは早目の対策をしていただきたいと思います。とにかく新たな事実が判明したわけですから。DNA鑑定ができることになったわけですから、ぜひ頑張ってください。
 もう一つ、先ほど新垣委員とのやりとりを聞いていて、果たして1カ所に集約することが望ましいことなのかと。逆に遺族の方々からすると、例えば、魂魄の塔に自分の遺族が眠っているからこそ手を合わせにくる。それで慰霊塔が守られるわけですね。そういう方々の意見について、本当に遺族会を通して一つにまとまっているのかどうか少し疑問に思うのです。今後、適切に管理するためには一元化したほうがいいのかもしれませんが、我々はこれをつないでいく責務があるわけです。ですから、いま一度、遺族の本当の気持ちを聞いて、その意向を大事にしていくことも必要であると思います。単に、一元化することだけが遺族のためになるのかということについて納得できない部分があるものですから。その辺はコミュニケーション不足にならないように、遺族会や慰霊塔に手を合わせにくる方々について、再度調査すべきだと思いますが、どうでしょうか。

○大濱靖平和援護・男女参画課長 慰霊塔につきましては、各建立者の思いにより建立されており、これを一元化することについては、なかなか難しいものがあると考えています。したがって、各建立者の意向について整理する必要があるものと考えております。今回、慰霊塔の実態調査をする中で、その意向を確認していきたいと考えております。

○平良昭一委員 もう一点、処理方針50ページの陳情第44号の3です。
 私は文教厚生委員になって2年余りになりますが、勉強不足でした。認可外保育施設の施設整備はかなり厳しいと。補助など、いろいろとできないことがあると認識していましたが、認可に移行するための施設の改修、改築であれば、それなりの対応があるのですか。

○久貝仁子育て支援課長 その認可化に向けて、県では一括交付金を使って事業を進めております。

○平良昭一委員 認可化するための目的だけを主眼に置くとそういうことになりがちかと思って、2年間非常に悩んできました。いつも子供の立場から見るような状況をつくりたいと思っています。認可外の子供たち、認可園の子供たちの区別なく、子供たちはみんな平等ですね。子供たちが保育所を選ぶわけではないですから。ですから施設や維持管理について認可に向けて行うのであれば納得しますが、子供の助成に対しては平等であるべきではないかというのが私の目線です。2年間いろいろと聞いてきました。一方的に、行政が認可に向けてやる作業の中で、助成することは理解できます。しかし、子供の立場で考えるのであれば、平等であることが当然であると2年間で思いました。その点に関して、認可外や認可の子供たちに対する助成のバランスが悪いことについてはどう考えますか。

○久貝仁子育て支援課長 認可外についても、保育の質の確保はとても大事であると思います。したがって、沖縄振興特別交付金を活用して、認可外保育施設に対する支援を行っております。具体的には認可に向けて取り組む施設に対する運営費や施設整備の支援をしています。また、入所児童の処遇改善のための給食費や健康診断費などの支援も行っています。特に、給食費については、これまで段階的に支援を拡充しています。今年度も補助単価を1歳から5歳については99円から148円に拡充しています。県としても、入所児童の処遇については、認可外であっても支援していきたいと思っております。

○平良昭一委員 支援を拡充してきたことはわかります。しかし、両者の開きがかなりありますね。そこをどう考えるのかについて聞きたいのです。

○久貝仁子育て支援課長 県としては、保育園の適正な運営や保育の質を確保するためにも、まずは認可化への移行を進めていきたいと取り組んでおります。

○平良昭一委員 当然、認可外の役目というものがあります。地域によっては、認可外がないと、どうしてもだめだというところもあるし、父母の中でもそれを望んでいる方々がいます。そこでは、大人のしがらみではなく、子供の保育に関して、果たしてどのようにして平等性を持たせていくかという議論も絶対必要であると思います。私の勉強不足かもしれませんが、2年間これに携わって、そこが原点ではないのかと考えるようになっています。ですから、認可に移行してもらいたいのはわかりますが、現実として地域においてはそれだけではもたないと。認可外を要望する、認可外がなければいけないという現実があるわけです。その現実を踏まえて、子供たちが平等に生きていけるような状況をつくっていくこと、それを目指していくのも、皆さんのお仕事ではないかと思っています。その辺の考え方をお聞かせください。

○久貝仁子育て支援課長 県は認可外施設の指導監査も実施しております。その中で、児童が適切な環境の中で過ごしているのかといった面についても、きちんと目配りをしております。我々も委員の御指摘のとおり認可外に対してどういった支援ができるかについては、市町村とも連携しながら、引き続き検証していきたいと考えております。

○平良昭一委員 基本的にはそのような現状があるものと思っていますが、やはり地域によっては、認可に移行するところもあるかもしれません。しかし、全てを認可にしてしまうと必ず弊害が出てくることも事実ですので、基本的な姿勢として、子供たちの立場で考えていけるような状況をつくっていくことが大事だと思っています。ぜひ、その辺も重要な視点にして考えていただきたいと思います。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 亀濱玲子委員。

○亀濱玲子委員 処理方針1ページの請願第2号です。
 地方消費者行政に対する財政支援の継続、拡充について、この処理方針の中の、予算が大幅に削減されるということについて、弊害が生じているというような抽象的なことが書かれていますが、各自治体における具体的な弊害が出てきているのであれば教えてください。

○金城真喜子消費・くらし安全課長 この交付金の減額分は1193万5000円になっており、市町村事業に大きな影響が出ないように、そのほとんどを県の事業に割り当てる形で配分しました。具体的な市町村からの要望額は2974万4000円でしたが、これに対して県が配付したのが2700万円ということで、約270万円ほどの減額となっており、約90%を配分するような整理をいたしました。
 配分の際の考え方ですが、市町村における消費生活相談体制をしっかりと維持するために、相談員の人件費を最優先に考えました。

○亀濱玲子委員 県が頑張っているということはわかりました。ですが、今の答弁では、県費で配分するという前提で、市町村に負担がないように工夫したと聞こえるわけです。市町村においては、消費生活相談員等の研修旅費や窓口の周知に係る経費を縮小していると処理方針の中にあるわけですから、ふぐあいが生じているということが現実なのです。県としては、頑張ってふぐあいが生まれないように手当てしたが、そういうことが、現実として市町村では起きているということで理解していいですか。

○金城真喜子消費・くらし安全課長 説明が拙くて申しわけありません。
 減額した分の1193万5000円のうち、市町村に影響が出ないように、市町村の要望に対して90%以上つける形で配分しております。相談員の人件費を最優先に配分しましたが、処理方針にある相談員の研修旅費は、その配分の際に、市町村と県で兼任している相談員について、県予算で確保することが可能であるということで、ここで130万円程度減額した形となっております。

○亀濱玲子委員 各市町村の消費生活相談員、その窓口はどれくらい設置されていますか。全市町村にできていますか。

○金城真喜子消費・くらし安全課長 消費生活相談窓口は、全ての市町村において整備させております。

○亀濱玲子委員 2点目に、人口5万人以上の自治体では、消費者安全確保地域協議会、いわゆる見守りネットワークを設置するものとなっていますが、本県の設置状況はどのようになっていますか。

○金城真喜子消費・くらし安全課長 本県の消費者安全確保地域協議会の設置状況について見ると、国は人口5万人以上の市町での設置を政策目標としております。一方、県内における人口5万人以上の自治体は9市ですが、今のところ同協議会は設置されておりません。県としては市町村との連絡会議などを定期的に行っていますので、その際に同協議会の必要性を説明するなど、その設置に向けて働きかけていきたいと考えております。

○亀濱玲子委員 平成29年度に、県内の大学生で600人を超える名義貸しの被害者が出たということですが、これについて県はどのように対応されましたか。

○金城真喜子消費・くらし安全課長 平成29年8月に名義貸しに関する相談件数が県消費生活センターでも急増しました。それを受けて、県では県内の各大学、短大、専門学校の事務局長宛てにその旨の注意を呼びかける文書を発出しました。その後、直接各大学に出向いて、名義貸しに関する情報交換を行い、学生に対する注意喚起や県消費生活センターへの相談についての周知について、大学等に依頼しています。また、この名義貸しに関して、消費者教育講座の依頼があった琉球大学において、その講座を実施いたしました。

○亀濱玲子委員 とても少ない予算の中で、予算が削られていく中でも、行政が頑張っている状況はわかりました。本県で、なぜこれだけの名義貸しが出るのかというと、地域の背景などもあると思うのですが、やはりきちんと消費者行政とその相談体制を充実させていかなければならないと思います。この予算が削られていくことは、ゆゆしい問題だと思っています。県の努力はわかりますが、本県は多くの島々を抱えている中で、この相談体制を十分に整えていかなければならない。これについて対応しなければいけない中で、この課題をどのように捉えているのかが、とても大事だと思うのです。本県の抱えている課題について、どのように認識しているのかお答えください。

○金城真喜子消費・くらし安全課長 契約や金融に関する経験や知識の乏しい若年者が、本県における課題であるかと。県内における名義貸しの被害は、他県には類を見ない事案となっていました。そういった意味では、若年者に対する契約や金融に関する知識を十分つけていくこと。それは小学生から始まって、中学生、高校生、さらに大学生や専門学校生など、各ライフステージに応じた金融や消費の知識についてしっかりと教育として取り組んでいくことが大事であると考えております。

○亀濱玲子委員 そうであれば、本県の消費者教育は、中学校、高校、大学でもさらに充実させていくのが課題であると考えます。それについては、十分にできていないと思っていますが、いかがですか。

○金城真喜子消費・くらし安全課長 県においては、昨年度は高校や大学などにおける出前講座を50回程度開催するなど、その取り組みを強めているところです。委員の御指摘のとおり、実際、名義貸し事件などの被害を見ると、まだまだ強く取り組んでいく必要があるものと考えております。今年度は、消費者庁が作成した「社会への扉」という教材があります。それを活用して、県内の高校での授業においても消費者教育を取り組んでいただけるように、現在、教育庁と調整しているところです。

○亀濱玲子委員 それについては、希望して手を挙げる学校に行くだけではだめだと思います。ある学年に来ると、その学年の全生徒がその基礎知識を身につけられるようでなければいけないと思います。
 次に、処理方針50ページ、陳情第44号の3です。
 離島・過疎地域における要望事項の中で、宮古島市における待機児童対策及び認可外保育施設への支援を拡充することとあります。これは宮古島市というよりも離島におけると、置きかえるほうが正しい見方であると思います。陳情者は宮古島市とありますが、特段に、ほかの自治体よりも宮古島市はこの課題について大きな課題を抱えているのですか。

○久貝仁子育て支援課長 離島ということだけではありませんが、確かに宮古島市では、現在、待機児童が28人おります。そういう意味では、まだまだ待機児童解消に向けた取り組みが必要であると思います。保育士の確保といった面では確かにハンデがあると思います。一方では、離島において保育士試験を実施しておりますし、引き続き離島でも保育行政について積極的に取り組んでいきたいと考えております。

○亀濱玲子委員 平良委員も質疑された、認可外保育園に対する行政からの支援について、主に自治体の認可外園への支援から始まったものと認識しています。県の補助は各自治体に等しく入っているという認識でいいのですか。

○久貝仁子育て支援課長 まず、保育所を設置する市町村の計画については、県はできるだけ厚く支援しております。沖縄本島と離島で特に差があるとか、そういう違いはないものと考えております。

○亀濱玲子委員 先ほどもあった、認可化を進めるという国の方針に沿っていくのも必要なことですが、やはり考えなければいけないのは、現在いる子供たちの格差について、どのようにしてなくしていくかという視点が大事であり、課題になると思います。宮古島市もそうですが、認可外が担ってきた役割は大きいのです。したがって、処理方針の中に、認可化を進めるとありますが、一方、今ある支援をどう拡充していくのかが大事だと思っています。もし、資料があれば、41市町村独自の支援と、県が行っている支援をまとめたものをいただきたいと思います。

○久貝仁子育て支援課長 後ほど提供したいと思います。

○亀濱玲子委員 処理方針58ページ、「魂魄の塔」内部の遺骨の確認に関する陳情について質疑します。
 まず実態調査を行いたいということですが、この中で、魂魄の塔を初めとするとあり、戦後の早い時期に収骨された遺骨も入っているところがあるのではないかと陳情者は見ているわけです。県内に440基あると答えていたのですが、この全てを対象にして実態調査が行われるものと考えてよろしいですか。

○大濱靖平和援護・男女参画課長 改めて440基について遺骨の有無を調べたいと考えております。

○亀濱玲子委員 調査の概要について確認します。具体的には今の遺骨の存在も含めた確認とおっしゃったので、これはそのとおりだと思います。その遺骨があったとき、その後の対応についてどのように計画されているのかお答えください。

○大濱靖平和援護・男女参画課長 国立沖縄戦没者墓苑ができたころに転骨を進めていましたが、その地域によっては残しておきたいというところがあって、そのまま残っている状況があります。DNA鑑定や遺骨を移されるのかどうかという意向についても確認したいと考えております。

○亀濱玲子委員 この遺骨を移すこととあわせて、遺族のもとに遺骨を帰すこともその作業の中には入りますか。

○大濱靖平和援護・男女参画課長 DNA鑑定を行わないと遺族が特定できません。DNA鑑定については、国で事業を実施しておりまして、まずは遺骨を転骨していく中で、DNA鑑定を実施するのかは国との相談になります。

○亀濱玲子委員 陳情書の要旨に、平成29年12月15日に厚生労働大臣が事務方に、その要望の意向に沿って検討するように指示がなされたとあります。今の答弁からすると、この予算は国に責任を持って出していただくべきものと認識しております。このあたりはいかがですか。

○大濱靖平和援護・男女参画課長 遺骨の収集事業については、国の事業であり、その予算も全て国の予算になっております。

○亀濱玲子委員 それでは、DNA鑑定も要望されていますが、これらに係る一切の予算は国によって持たれるものと認識していいですか。

○大濱靖平和援護・男女参画課長 DNA鑑定を実施するということになれば、国の予算で実施することになります。

○上間司生活企画統括監 今、御質疑があった件で、平和援護・男女参画課長が答弁した内容につきまして、若干補足させていただきます。
 今年度に調査する内容ですが、まず管理者の有無、清掃状況、慰霊祭の開催状況、慰霊塔(碑)の倒壊の可能性などとなっております。
 先ほど平和援護・男女参画課長が、納骨があるかどうかという答弁をいたしましたが、これについては管理者に確認します。ですので、あけてから確認といったことではありません。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 比嘉京子委員。

○比嘉京子委員 請願第2号についてお伺いします。
 今回、大学生の被害の件と大幅に国の予算がカットされている、60億円あったものがということで請願が出てきたのかと思います。
 まず、十分な相談体制ができているのかどうか。それと相談件数を確認したいと思います。消費生活相談員は県と市町村で、それぞれ何名いるのでしょうか。

○金城真喜子消費・くらし安全課長 県の相談員の人数は、県消費生活相談センター、宮古分室、八重山分室を合わせて17名の配置となっております。
 市町村の相談員の人数については手元にありません。相談員を配置している市町村は25市町村となっております。

○比嘉京子委員 相談件数については、年間どれくらいあるのでしょうか。

○金城真喜子消費・くらし安全課長 市町村との兼ね合いもありまして、平成28年度の件数をお答えします。沖縄県の相談件数が5610件、市町村における相談の受け付け件数は2481件となっております。

○比嘉京子委員 この人員体制でこれだけの相談を処理することについて、県はどのように考えておられますか。

○金城真喜子消費・くらし安全課長 まず、消費生活の相談については、できるだけ住民に近い市町村の相談センターにおいて対応していただきたいと考えています。先ほども申し上げましたように41市町村のうち、相談員を配置している市町村は25件で、残りの16団体においてはそういった相談員が配置されていません。相談窓口自体は、41市町村全てにありますが、できるだけ消費生活相談員という資格を持った方を配置していくように働きかけを行っていきたいと考えています。

○比嘉京子委員 この消費生活相談については、進展していないというか、進歩していないものと理解しているのです。というのは、これに関する犯罪は、商法から民法にかかわるくらいさまざまな専門性を要する事案なのです。それに人数が追いつかないのと、質が追いついているのかという危惧を持っているわけです。少なくとも5000件以上の相談があるのに、27名はあり得ないし、それだけ処理しないで、置いてきぼりになることが出てこないとも限らない。この全てに対応できないと思うのです。即答できるような、これは中身を見ないとわからないのですが、これについて、ぜひ相談体制を強化すべきであると思いますが、どうですか。

○大城玲子子ども生活福祉部長 確かに消費者教育という面でも大切ですし、実際に困った状態に陥ったときの相談体制は必要であると思っています。県は相談員については委託しており、NPO法人にこれをお願いしています。なぜ、そのNPOにお願いしているのかというと、資質の面で、どうしても県の職員だと3年でかわってしまうということもあり、そういう専門の団体にお願いして質を高める工夫をしております。御指摘のようにたくさんの相談件数がございます。ただし、件数的には以前の貸金業の相談が多かったころに比べるとかなり落ちついていることも確かです。しかし、新手の詐欺事件のようなものが、どんどん出てきていますので、この体制を強化する必要があると感じております。

○比嘉京子委員 この委託事業に関して、そのようになった経緯については理解できます。正規雇用と非正規雇用については、市町村を含めてどのような割合になっていますか。

○金城真喜子消費・くらし安全課長 市町村における相談員の雇用の状況について詳しく把握しておりません。市町村のうち、県が委託しているNPOに相談業務を委託しているところもあると聞いています。もしかすると、直接雇用している市町村があるのかもしれないのですが、NPOに委託している市町村もあるということを聞いております。

○比嘉京子委員 把握していないことそのものが非常に問題です。そこは後でいいので調査してもらって、その資料を下さい。
 相談業務と啓発業務があると思います。啓発業務は、中卒で仕事につく子供たちもいるわけですから、少なくとも消費者の権利とか、さまざまな犯罪に巻き込まれないような意識、知識、情報を持つことが非常に重要であると思います。
 大学生で600人を超える被害者を出した名義貸しの事件があって、非常に緊急性を要することから大学に周知をお願いしたことは理解できるのですが、どんどん手口が変わってくるのです。今、本県は非常にだまされやすいところになっていて、全国一、犯罪集団のターゲットになっているのです。そのことを考えると、ますますこの消費者教育を充実させていくべきであるとの認識を持たなければいけないと思うのですが、そこはどうですか。

○金城真喜子消費・くらし安全課長 たまたま去年は大学生を中心とした名義貸しの被害が大きくありました。確かに中学校や義務教育を卒業した後に社会に出る子供たちのためにできることをやる必要があると思います。平成29年度の小学校や中学校における消費に関する出前講座の開催実績は約60件で、小学校が15件、中学校は45件になっています。このあたりについてもう少し強く取り組んでいきたいと考えていきます。

○比嘉京子委員 出前講座も確かに有効ですが、教科の中で、中学校の家庭科の中にも消費者教育があると思うのです。授業の中でDVDを見せるとか、教材がどんどん変わってくるので、徹底してそれをやるということ。教育庁と一緒になってやっていくことが一番の近道だと思うのです。それを小学校5年生、小学校6年生、中学校1年生から中学校3年生で、それぞれどれくらいということをしっかりと植えつけていくこと。この名義貸しの事件は、非常に大学生にあるまじき軽率な、初歩的なだまされ方なのです。ですから、こんなことでだまされる大学生が本県に大勢いることは、むしろ驚かなければならないと思います。それが何を意味しているのかというと、どういう教育をされてきたのかと。もちろん、家庭も弱いだろうし、それをどこで手当てするのかといったときに、やはり、そのような状況について、いたたまれなくてこの請願が出てきたと思うのです。これについては、教育庁とも連携して、周知徹底していくことをぜひお願いしたいのですが、いかがですか。

○上間司生活企画統括監 47都道府県に金融広報委員会なる組織があり、これは沖縄県にも設置されています。会長は知事で、子ども生活福祉部長や私も委員です。今年度も委員会を開きました。この委員のメンバーとして、県内の金融機関、経済団体、教育委員会が入っております。現在、消費者金融に関する教育が重要であることについては十分承知しておりまして、御指摘のとおり連携が必要ですので、委員の意向を踏まえながら、これまで以上に連携を密にとって対応していきたいと考えております。

○比嘉京子委員 もうあっちだこっちだという話ではなく、徹底して取り組んでいく姿勢を持たないと、これは何十年もずっと同じような状態が続いている分野だと思っているのです。600人の被害総額は幾らだったのですか。

○金城真喜子消費・くらし安全課長 この被害金額は4億円以上であったと聞いております。

○比嘉京子委員 これから社会に出ていこうとする若い人たちが、こういうことで非常に痛い状況に陥ることは、本当に嘆かわしいと思うのです。それと同時に、県においてはこの4億円以上の被害もさることながら、教育をいち早く徹底していくことの確約をぜひお願いしたいこと。消費者行政に係る補正予算を国に要請してくださいという請願なのです。補正予算を組んで、やってくださいという記の1の部分。しかし、処理方針の回答は全然そのようになっていないわけです。この内容を見ると、要請するのか、あるいはしないのかという話になるわけですが、県としてどうなのですか。

○上間司生活企画統括監 陳情の要旨は、国が交付金を減らして非常に厳しい状況であるということを踏まえ、国会あるいは政府に対して意見書を提出するよう配慮を願いたいということであり、国の交付金が補正予算なりで措置されて、自治体にしっかりと交付されるようにとの趣旨です。ですので、我々としましては、今回削減された分につきまして自助努力でやっているところであります。実際に今年度は3カ月しかたっていませんが、今後影響が出てくる可能性もあります。そういった意味ではふやしていくことが重要であると考えております。

○比嘉京子委員 被害が大きい中で、この事業を尻すぼみにしていくことは、非常に問題だと思うのです。そうすると、記の3の部分にもありますが、充実強化をぜひ図っていきたいとあるわけですから、もちろんそれについて、国に対する文書等については、我々も検討しないといけないのかもしれません。
 市町村においては25件と言われましたが、それは兼務かもしれないし、非常勤の可能性も十分にあるわけです。そうすると、専門家が育っていかないのです。ですから、研修は頻繁にやらなければいけないことが予測されるし、そうかといって人が二、三年でかわっていくと専門性が構築されない。先ほどNPOに任せたのもそのせいだとおっしゃったこともわかりますが、私も少しかかわったことがあるので、一般の事務職でやれるような内容ではないということはわかっているのです。そういう意味でいうと、市町村における体制の強化も含めて、市町村から上がってきた困難なものを、県でどんどん情報として流していく。さらに検証を重ねるようなことで、本当に強化しないと、お年寄りを含めてだまされているのです。ですから、本県ほどだましやすいところはないといって、そういう犯罪が横行しやすいと聞いていますので、ぜひともここは強化の姿勢をお願いしたいと思います。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 次呂久成崇委員。

○次呂久成崇委員 処理方針49ページの陳情第16号です。
 処理方針の2の、県が実施する保育士等キャリアアップ研修です。これは先週の6月22日から23日に実施されていると思います。これについては、医療的ケアが必要な児童に対する理解を深める内容を盛り込むこととあるのですが、実際に、どのような研修内容となっているのでしょうか。

○久貝仁子育て支援課長 保育士キャリアアップ研修ですが、専門分野が6つございます。具体的には乳児保育、幼児教育、障害児保育、食育、保健衛生、保護者支援という形で、障害児保育の中で、医療的ケア児についても理解を深めていく内容となっております。

○次呂久成崇委員 今年度、この研修が4回あるということで、事前に担当者から説明を受けたのですが、受講枠が750人から800人程度であるのに対して、希望者が1480人と聞いているのです。これは2021年度末の処遇改善等の加算の必須要件になっているのですね。それで、受講者もかなり多いと思うのですが、この研修だけではなく、いろいろと考えていただきたいのは、年4回もあって、そのうち1回でも離島で開催できないのか。離島の方はどうしてもその研修があるたびに、沖縄本島に来るわけです。今回の研修時間を見ても、午前8時半受付となっています。そうであれば前日入りなのです。2泊3日なのです。なぜ、離島の方だけ、研修に来るたびにいつもそれだけの負担をしなければいけないのか。そこが公平性の観点からいつも思うところなのです。
 ぜひ、今年度はもう全部決まっているのかもしれませんが、処遇改善等加算が2021年ですので、恐らく来年度も開催するのではないかと思います。石垣市や宮古島市とか、平成29年度から保育士試験についても実施できたわけですから、こういった研修も離島でできないのか。ぜひこれに取り組んでいただきたいと思います。いつまでも離島から来る我々だけが負担しないといけないということについて改善していただきたい。

○久貝仁子育て支援課長 おっしゃるとおり、離島から那覇市で試験を受けるときには前泊するということで、2日間の研修では、三、四日間、保育所をあけるということがございます。この保育士キャリアアップ研修は、平成33年度までに必要な研修を受講することになっております。質疑されている4回の研修というのはマネジメント研修だと思いますが、これについては、確かに今年度は那覇市で3回、恩納村で1回開催する予定です。次年度以降については、離島での開催について検討していきたいと思います。その他の専門分野、先ほどの障害児保育も含めてですが、これについては今、各保育施設から、どの分野を希望するのかといった調査を行っております。また、関係団体とも調整を行っておりますので、どれくらいの人数が集まるのかも含めて、その中で離島における開催について検討していきたいと考えております。

○次呂久成崇委員 これは保育士だけではなく、介護等も含めて、こういった研修を離島でも開催できるようにぜひ御配慮いただきたいと思います。
 次に、50ページの陳情第44号の3です。
 保育士の処遇改善を図るため、保育士の正規雇用化ということで、県が単費で取り組んでいる、県の保育士確保、処遇改善については、その本気度が出ていると思うのですが、実際にこれは平成28年度からの実施ですね。平成29年度、平成30年度が県の単費であったと把握しているのですが、この実績、人数や施設数とかというものはわかりますか。

○久貝仁子育て支援課長 保育士正規雇用化促進事業については、県の単費で実施しております。平成29年度の実績ですが、122施設、290人分の正規化の支援を行っております。また、1人当たりの年収で見ると、平均して約43万円の増加になっているものと見込んでおります。

○次呂久成崇委員 潜在保育士の復職支援について、午前中の議案説明の中でもありましたが、本年4月1日現在で、保育士登録者数が2万3134名であり、平成29年度の保育士登録者数は2万人を超えていたと思います。その中で先ほど従事している方は8532名であるとの説明がありましたが、実際には、半分以上の方は潜在保育士なのです。そこで、やはり潜在保育士の復職支援が物すごく大事ではないかと思います。これから資格を取得するよりも、潜在保育士の気持ちが変われば、極端なことですが、あしたからでも保育士になることもできますね。この復職支援についてはどのような支援を行っていますか。

○久貝仁子育て支援課長 登録している半分以上が潜在保育士であるということで、確かに新規の保育士を確保することも大事ですが、今いる潜在保育士を、どう現場に結びつけていくのかということが大事な視点だと思います。今、国の事業で、保育対策総合支援事業がございまして、就職準備金、いわゆる渡航費などで1人当たり40万円補助ができます。また、就学前の児童を持つ保育士が保育園に復帰する際の保育料の一部貸し付けなども行っています。こういった形で潜在保育士の復職支援に取り組んでいますし、保育士のいろいろな処遇改善をしながら、潜在保育士がいつでも保育園に戻れるような保育園の環境整備についても取り組んでいきたいと考えています。

○次呂久成崇委員 潜在保育士について、他県の状況はどうなっていますか。就職準備金や貸付金というのは一時的な支給ですね。離職防止の面から見ると、継続的な処遇改善が一番いいのですが、それとは別に、県独自でも復職支援というものはしっかりと取り組んでいかないといけない。午前中の議案説明の中でも、認定こども園の施設数の話がありました。国の子育て支援で、認定こども園に移行することを推奨していますね。その割に本県では、認定こども園への移行が少ないのですね。それは保育士の確保が難しいというところもかかわっているのかと思います。そういう意味では潜在保育士の復職支援は、本当に大切な取り組みになってくるのではないかと思います。他県の状況等もぜひ調査して、本県独自の復職支援について、どういった形がいいのかをぜひ検討して取り組んでいただきたいと思います

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 末松文信委員。

○末松文信委員 請願第2号について質疑します。
 これが減額になった理由は何でしょうか。

○金城真喜子消費・くらし安全課長 平成30年度に交付金が大幅に削減された理由は、国の考え方によるものです。国はこれまで基金や交付金による中央消費者行政の充実強化に対する支援を行ってきています。そして消費者庁が平成20年度に創設されて以降、消費者行政に係る地方交付税措置が90億円から270億円に大幅に増額されています。しかし、地方における自主財源による消費者行政の予算措置が横ばいで、なかなかふえていない状況を国としては少し問題視しているところがあります。国は、地方消費者行政は自治事務であって、これは身近にお住まいの方々に対する住民サービスであることから、地方の自主財源に裏づけられた予算の確保が重要であると認識しています。
 また、基金や交付金を財源とした事業は、事業ごとに3年や7年という周期があります。平成29年度が10分の10の補助事業に係る新規事業の開始の期限となっておりました。その兼ね合いもありまして、この平成30年度における交付金の措置が大幅に削減された状況になったものと考えます。

○末松文信委員 これまでの消費者関係の予算として、国からのものと県単で補っている分、各市町村で賄っている分の、それぞれの負担割合については、どれくらいになっていましたか。

○金城真喜子消費・くらし安全課長 おっしゃっているのは、補助金の負担割合ということでしょうか。

○末松文信委員 これは国庫だけではないと思っていて、もし国庫だけならばそれでいいのですが。国庫と県の負担分、市長村の負担分があるのかとお聞きしています。もしあれば、それぞれ何割になるのか。

○金城真喜子消費・くらし安全課長 平成30年度におきましては、県の予算に占める交付金、つまり国の財源による割合が8.4%で、自主財源は91.6%となっております。
 市町村における予算の割合については、国の財源である交付金によるものが約57%で、市町村の自主財源によるものが43%という割合になっております

○末松文信委員 国庫が8.4%で自主財源が91.6%となると、ほとんど自主財源で賄っているのではないですか。

○金城真喜子消費・くらし安全課長 県予算の状況はそうですが、市町村における予算の状況は、半分以上は国の財源によるものです。
 平成30年度の予算の割合をお答えいたしましたが、平成29年度の市町村における予算の割合は、交付金によるものが72.4%、自主財源が27.6%であるという状況から、今年度、市町村は、国の予算措置が約20%近く減ったことになり、その分自主財源がふえた形になっております。

○末松文信委員 国からの交付税といいますか、これは平成30年度に60億円を要求したが、24億円にとどまっているということで、割合にすると40%になっているわけですね。処理方針の2ページを見ると、県と市町村を合わせて3759万8000円となっていますが、これは減額されたものが1193万5000円。差し引きすると2566万3000円となっていて、この割合が約68%となっています。その関係について、どのように読めばいいのですか。

○金城真喜子消費・くらし安全課長 請願にある60億円や24億円は、都道府県全体の金額の合計になっております。それが等しく47都道府県にその割合が落とされているわけではないようです。沖縄県の場合は1193万5000円が減額されている状況です。

○末松文信委員 全国ベースで見ると本県は68%となっています。これは優遇されていると見ていいのですか。

○金城真喜子消費・くらし安全課長 国が各都道府県に配分するときの考え方や基準については、県は承知していないものですから、優遇されているのかどうかについてはお答えいたしかねます。

○末松文信委員 請願を見ると、もとに戻してほしいという意見書を出していただきたいという要請なのですが、処理方針の中で全国知事会を通して要望していくことにしているとあります。これは既に要望したのですか。

○金城真喜子消費・くらし安全課長 こちらは全国知事会と各都道府県において要請の文案を調整しているところでございます。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 処理方針1ページの請願第2号について質疑します。
 本県の被害総額の規模が類を見ない、弁護士会会長が請願を出されているということがすごく重要ではないかと思うのです。国は地方の自治事務という考え方で地方がやりなさいと言いますが、実際は、消費者行政はインターネットや振り込め詐欺とか、地方の行政というよりも法の不備といいますか、今の時代に対応できていないことが大きな問題、国の問題が大きいのではないかと思うのです。それでお尋ねします。県は予算をもとに戻す、拡充をする立場にならないといけないと思うのです。先ほど600人余りの大学生が被害に遭ったと言いましたが、高齢者が数千人、詐欺でやられるとかいろいろとあります。1年間の被害件数、被害総額についてお尋ねします。

○金城真喜子消費・くらし安全課長 平成29年度に苦情相談を受けた契約に関する金額は22億9119万円でした。

○西銘純恵委員 被害件数はわかりますか。

○金城真喜子消費・くらし安全課長 平成29年度の消費生活の相談件数は5283件となっておりまして、その相談件数に関する金額が22億9119万円でした。これについては被害額の整理ではなく、あくまでも県に相談があった、物やサービスに関する購入額のトータルが22億2119万円ということで把握しております。

○西銘純恵委員 解決された額はわかりますか。

○金城真喜子消費・くらし安全課長 解決の金額については把握しておりません。苦情処理を受けた場合のこちらの対応ですが、まず、相談者に対して、相手方である事業者に対して自主交渉をするためのクーリングオフの内容や、各種制度などを助言して、相談者本人から自主交渉をしていただきます。それで解決する分については、再度こちらにお話が来ることはありません。相談者が自主交渉しても解決しない場合は、県消費生活センターが直接あっせんする形で、その事業者とやりとりします。そういった流れになりますが、約22億円のうち、どれだけ解決したのかについては、こちらでその金額は把握していないところです。

○西銘純恵委員 次に、処理方針57ページ、陳情第56号の魂魄の塔についてお尋ねします。
 管理者である沖縄県遺族連合会が、この遺骨の調査に応ずれば、今年度440基調査を行うと。その中で、DNA鑑定の必要がある、できる可能性があるものについては、国の予算に申請していくと。今年度中にそこまでできる可能性も出てくるのですか。

○大濱靖平和援護・男女参画課長 魂魄の塔に関しましては、先ほど御説明しましたように、象徴遺骨があるという管理者の説明になっています。したがって、陳情者からどういうところから遺骨があるという情報を得たのかについて確認したいと思っています。それから慰霊塔における遺骨があるかどうかについても調べるのですが、これも管理者に対して、改めて遺骨が存在するのかどうかの確認調査になります。その際、管理者がDNA鑑定のために遺骨を提供していただけるのかという意向も確認しないといけません。DNA鑑定については、そういう意向調査を確認した上で実施することになりますので、これについては、まだ先のことになると思います。

○西銘純恵委員 陳情者は遺骨を遺族に帰したいという思いがあるわけです。そうであれば、当然DNA鑑定が前提になってくるので、手順を踏んでということではなく、管理者に確認するときに、そこも同時に進める形でやったほうがいいのではないか。そもそも遺族の皆さんも高齢化していることを前提にして事を運ぶべきではないかということを指摘しておきます。
 次に、処理方針55ページの陳情第49号について質疑します。
 これは全学徒戦没者の刻銘板に関する陳情ですが、陳情者は21の学校の全ての皆さんがそろって、新たに学徒の刻銘板を設置してもらいたいと出されています。県は、陳情者の要請に対してどのように話し合いを行ってきたのか。この要請に対してどのように答えてきたのか、お尋ねします。

○大濱靖平和援護・男女参画課長 元全学徒の会の方から、学徒隊で動員されて犠牲になった生徒だけではなく、家族と同行して亡くなった生徒も含めた、全学徒の戦没者数を刻銘した刻銘板を設置していただきたいという要望がありました。そういう中で、学徒に関しては、処理方針にありますように、全学徒隊の碑を設置いたしました。また、インターネットに学徒隊の状況や証言を載せた動画を配信するなどして、全学徒隊の戦争の実相について、次世代に伝えるように努めていると説明しているところです。

○西銘純恵委員 県が、以前の陳情の要望を酌んで、学徒の碑を建立したことは大きな意義があると思うのです。21校という、それまでは一堂に集まる機会がなかったという生存者の皆さんが集まって、学友の供養はいいのかというところで、新たな視点で出てきたのが今の陳情なのかと。それに応えるためには、平和援護・男女参画課長がおっしゃった、戦争の犠牲者ということで考えてほしいという意味だと思うのです。これまでに何回やりとりしたのか。その中で県はどういう答え方をしたのかについて、とても大事であると思ってお尋ねしているのです。それについてお答えください。

○大濱靖平和援護・男女参画課長 最初は、全学徒隊の碑の中に学徒隊で動員された戦没者数を入れてほしいという要望がありましたが、それに対して戦没者数が明確でない学校が幾つかあるものですから、正確な数字が把握できないことを説明いたしました。その後、学徒動員によって亡くなられた生徒だけではなく、家族と同行して亡くなられた学徒の皆さんも含めた数字を独自に調べた数字を持ってきて、その数字の刻銘板がつくれないかという相談がございました。これに対して、県としては戦没者を国籍や軍人、民間人の区別なく、全ての戦没者が戦争の犠牲者であるという県の考え方があり、沖縄戦などで亡くなられた全ての人々の氏名を刻んでいる平和の礎があり、全師範学校、中等学校の生徒に限定するのは整合性がとれないことを説明しております。

○西銘純恵委員 その説明に納得されているのですか。平和の礎に20万人余りの戦没者が刻銘されているという説明をなされたということですが、この皆さんは、第二次世界大戦で、世界でも類を見ない幼い10代の、年齢の低い方が学徒動員されていったという、そこら辺についてどう思っているのかを問うているのだと思うのです。沖縄戦で亡くなった世界の人々を同じように祭っている平和の礎は、それなりの目的を持っていると思うのです。これは立派なものだと思うのです。でも、この皆さんが県議会に陳情を出されたのは、やはり思いがまだかなっていないと。きちんと思いがかなう方法で取り組んでほしいからやっていると思うのです。それについて、全然応えていない陳情処理でしかないと思うのです。人数を掌握できているところで、平和の礎も毎日人数がふえていきますね。わかったら追加していって、この皆さんも今わかっている人数で何年時点ということでもいいと言われているわけでしょう。ですから何らかの応える方法について、県としてはその立場で考えることはできないのですか。

○大濱靖平和援護・男女参画課長 学徒に関しまして、学徒隊に動員されたということで、全学徒隊の碑を建立したり、インターネットで動画を配信するなど、学徒隊の実相を伝えることについて、県はしっかりと取り組んでいるという処理方針になっており、そういう説明をしてきているところです。

○西銘純恵委員 ですから、インターネットで配信して、その当事者の皆さんが見られるような環境があるのかとか、気持ちがきちんと酌まれていない、足りていないところを受けとめてやるべきだと思うのです。これからの作業になるのかと思うのですが、テーブルを一つにして、もっと声を聞いていくと。どうすればかなえられるのかという部分を検討していただきたいと思います。

○上間司生活企画統括監 4月下旬に、私が陳情者から要請を受けました。その後、6月上旬に学徒の会の皆様がお見えになりまして、その中で、数字について訂正したいと言われました。その際に、陳情者の皆様から、沖縄県と意見交換したいという要請がありました。それを受けて去る6月13日に私と平和援護・男女参画課長の2人が陳情者とお会いしまして、1時間弱、意見交換いたしました。その際に、再三、陳情者の方がおっしゃっていたのは、全学徒の碑を建立されたことに対しては感謝していると。しかしながら、後世に明確に史実を伝えるためには、数を入れてほしいということがありました。あと何回も述べられていたのが、私たちにはもう時間がないと。90歳前後ですので、その辺も踏まえていただきたいという趣旨のお話がありました。私からは、子ども生活福祉部長が本会議で答弁していたとおり、元全学徒の皆様の思いを踏まえながらも、刻銘板の設置については慎重に検討する必要がありますねと。しかしながら、県としましては平和行政を推進するに当たって、沖縄戦が終結して70年以上が経過し、その悲惨な記憶が薄れていく中にあり、証言者が高齢化、減少する中、沖縄戦の歴史的事実を次世代に伝えるにはどうしたらいいかが大きな課題であると。そのために我々はいろいろな取り組みをしていますが、その陳情者の意向も踏まえながら、引き続き、戦争の実相及び教訓を次世代に伝える取り組みを継続的に実施したい旨をお答えしました。
 陳情者の方々も、数字については県史と違いがあることは、十分承知しておりました。ですから、平和行政を進める中で、何らかの取り組みができるかを探るために、陳情者と県で意見交換を行っておりますので、引き続き、意見交換は続けていきたいと思います。

○西銘純恵委員 処理方針38ページ、陳情平成29年第120号について伺います。
 待機児童解消で、黄金っ子プラン改定計画とありますが、これまでの認可保育所の建設数と、これによって待機児童はどれだけ解消しましたか。

○久貝仁子育て支援課長 まず施設整備については、平成29年度は前年度と比較して108施設ふえています。認可定員数も6862人ふえています。
 本年4月1日現在で、前年度と比較して、施設数については106施設ふえており、認可定員数も5784名増加しております。

○西銘純恵委員 この認可園を1カ所建設するのに、どれだけの財源が必要ですか。保育園の建設の関係で告発があるのです。それで、建設に関することをお尋ねしたいのですが、工事費と法人の負担額はどれくらいになりますか。

○久貝仁子育て支援課長 保育所等整備交付金では、国の負担が4分の3、市町村の負担が8分の1、事業者の負担が8分の1となっております。
 90人定員規模で保育所を整備した場合、総事業費が2億円と仮定したときには、国の負担が1億5000万円、市町村の負担が2500万円、事業者の負担が同じく2500万円になるものと見込まれております。

○西銘純恵委員 新規による法人の建設数はどれくらいですか。

○久貝仁子育て支援課長 過去3年間で17法人ふえております。したがって基本的に17法人が保育所の施設整備を行ったものと認識しています。

○西銘純恵委員 これまで、法人で保育所を整備した中で、老人福祉施設など従来の法人がそれを建設をしたのはどれだけですか。

○久貝仁子育て支援課長 社会福祉法人の中には、確かに高齢者支援施設を運営しながら保育所の運営も並行して行っている法人もございます。しかし、それが幾つかという数字については把握しておりません。

○西銘純恵委員 ある地域では、同じような建設会社が保育園をつくっていっている。告発があったのは、法人の理事、役員の中に建設会社の社長がいて、そこが保育園をつくったということも耳に入ってきてます。契約のあり方は、一般競争入札だと思うのですが、県がどのようにこれを指導監督しているのか、お尋ねします。

○久貝仁子育て支援課長 社会福祉法人における入札の取り扱いにつきましては、国の通知に基づいて適切に手続を進めるよう市町村に周知し、指導を行っています。また、県の指導監査においても、理事の中に特殊な関係といいますか、特別な利害関係を有する理事がいる場合ですが、理事会の中でいろいろな決議をする中で、そういう利害関係を有する者については、理事の決議に加えることができないことになっています。ですから、こういったことを議事録の中で確認しながら指導しているところです。

○西銘純恵委員 入札に関する通知を出されたと言いますが、どのような通知ですか。名称を教えてください。

○久貝仁子育て支援課長 社会福祉法人における入札契約等の取り扱いについてということで、市町村を通して各法人に通知しております。

○西銘純恵委員 これは去年の3月29日の通知ですが、その大もとになる文書は何でしょうか。

○久貝仁子育て支援課長 委員が指摘しているのは、平成13年7月付の国の通知である「社会福祉法人の認可等の適正化並びに社会福祉法人及び社会福祉施設に対する指導監査の徹底について」だと思います。県は平成29年3月に通知しましたが、この通知の中にも、この平成13年の通知の内容が盛り込まれています。これについて、全ての市町村が把握しているのかは、多分難しいところがあります。県としてはこの通知の中で適正に手続を進めるように周知、指導を行っているところです。

○西銘純恵委員 この通知は出されているが、結局、この通知が徹底されていない。県が市町村や法人に対してやるべきものがやられていない。ある市では、入札のときの立会人に行政の担当が入っていないと。その法人の利害関係者が入札立ち会いに入っていると。6親等以内は立ち会ってはならないとかあると思うのです。ですから、そこら辺が曖昧にされていることで、保育所の建設に至るところで、適正に税金を使った、準公共施設の建設がきちんと行われていないということがあります。ぜひ、これから市町村や法人に対して、徹底していってもらうことを要望します。それについて答弁もお願いします。

○久貝仁子育て支援課長 確かに歴史がある法人は、こういった手続関係は適正に行っていると思います。しかし、設立がまだ浅い法人もございますので、引き続き、市町村説明会を通して、改めて周知していきたいと思います。
 また監査の中でも、入札契約についても指摘、指導していきたいと考えています。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○狩俣信子委員長 質疑なしと認めます。
 以上で、子ども生活福祉部関係の請願及び陳情に対する質疑を終結いたします。
 説明員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 休憩いたします。

   (休憩中に、執行部退席。)

○狩俣信子委員長  再開いたします。
 次回は、7月2日 月曜日 午前10時から委員会を開きます。
 委員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 本日の委員会は、これをもって散会いたします。






沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。

   委 員 長  狩 俣 信 子