委員会記録・調査報告等

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文教厚生委員会記録
 
平成30年 第 7定例会閉会中

2
 



開会の日時

年月日平成30年10月31日 曜日
開会午前 10 時 1
散会午後 4 時 10

場所


第7委員会室


議題


1 平成30年第7回議会認定第1号 平成29年度沖縄県一般会計決算の認定について(保健医療部所管分)          
2 平成30年第7回議会認定第21号 平成29年度沖縄県病院事業会計決算の認定について
3 決算調査報告書記載内容等について


出席委員

年長委員  末 松 文 信 君
委  員  新 垣   新 君
委  員  照 屋 守 之 君
委  員  次呂久 成 崇 君
委  員  亀 濱 玲 子 さん
委  員  比 嘉 京 子 さん
委  員  平 良 昭 一 君
委  員  金 城 泰 邦 君


欠席委員

狩 俣 信 子 さん
西 銘 純 恵 さん
※ 決算議案の審査等に関する基本的事項4(6)に基づき、監査委員である西銘純恵さんは調査に加わらない。


説明のため出席した者の職・氏名

保健医療部長         砂 川   靖 君
 医療企画統括監       大 城   博 君
 保健衛生統括監       糸 数   公 君
 保健医療総務課長      長 嶺   祥 君
 医療政策課長        諸見里    真 君
 健康長寿課長        宮 里    治 君
 地域保健課長        山 川 宗 貞 君
 衛生薬務課長        玉 城 宏 幸 君
 国民健康保険課班長     山 内 昌 満 君
病院事業局長         我那覇   仁 君
 病院事業統括監       金 城   聡 君
 病院事業総務課長      大 城 清 二 君
 病院事業総務課医療企画監  田 仲   斉 君
 病院事業経営課長      山 城 英 昭 君
 病院事業経営課副参事    大 城 久 尚 君
 北部病院副院長       重 盛 康 司 君
 中部病院長         本 竹 秀 光 君
 南部医療センター・      
 こども医療センター院長   佐久本   薫 君
 精和病院副院長       前 田   浩 君
 宮古病院長         本 永 英 治 君
 八重山病院長        篠 﨑 裕 子 さん



○末松文信年長委員 ただいまから、文教厚生委員会を開会いたします。
 本委員会所管事務調査事件「本委員会の所管事務に係る決算事項の調査について」に係る平成30年第7回議会認定第1号及び同認定第21号の決算2件の調査、決算調査報告書記載内容等についてを一括して議題といたします。
 本日の説明員として、保健医療部長、病院事業局長及び各県立病院長の出席を求めております。
 まず初めに、保健医療部長から保健医療部関係決算の概要説明を求めます。
 砂川靖保健医療部長。
○砂川靖保健医療部長 保健医療部所管の平成29年度一般会計の決算概要について、お手元にお配りしております歳入歳出決算説明資料に基づき、御説明いたします。
 資料の1ページをごらんください。
 表の右端の欄には平成29年度沖縄県歳入歳出決算書のページを記載しておりますので、御参照ください。
 それでは、歳入決算の状況について御説明いたします。
 表の一番上の保健医療部計の欄でございますが、予算現額の計(A)欄159億7468万1000円に対し、調定額(B)欄は150億1731万4249円、そのうち収入済額(C)欄が150億17万7601円、不納欠損額(D)欄は2万4400円、収入未済額(E)欄は1711万2248円、収納率99.9%となっております。
 次に、歳入決算について、款ごとに主な内容を御説明いたします。
 欄外に通し番号を振っておりますので、通し番号に沿って、御説明いたします。
 まず、通し番号4(款)使用料及び手数料の収入済額(C)欄2億2442万4179円は、看護大学の授業料収入などとなっております。
 2ページをごらんください。
 次に、通し番号13(款)国庫支出金の収入済額(C)欄119億2176万5326円は、精神疾患を有する者及び難病患者の扶助費に充てるために交付された負担金並びに医療施設整備に対する補助金などとなっております。
 通し番号21(款)財産収入の収入済額(C)欄1191万3990円は、健康づくり財団等への土地貸付料や基金の運用益などとなっております。
 次に、通し番号27(款)繰入金の収入済額(C)欄22億2696万5578円は、離島や北部地域の医師確保、医療体制整備等に要する経費に充当するため、保健医療部で設置した各基金からの繰り入れとなっております。
 3ページをごらんください。
 通し番号30(款)諸収入の収入済額(C)欄6億1510万8528円は、病院事業会計等への貸付金の元利収入などとなっております。
 次に、収入未済額について御説明します。
 恐縮ですが、1ページにお戻りください。
 表の一番上、保健医療部計の収入未済額(E)欄1711万2248円について、その主なものを御説明いたします。
 通し番号3(目)衛生費負担金の収入未済額(E)欄473万8707円は、未熟児療育医療費負担金に係る収入未済となっております。これは、平成24年度まで母子保健法第20条の規定に基づき、県が病院等への入院が必要な未熟児に対して行っていた医療費の給付を行う事業において、扶養義務者から徴収すべき自己負担金の徴収が滞り収入未済となったものであります。
 3ページをごらんください。
 通し番号34(目)衛生貸付金元利収入の収入未済額(E)欄850万9700円は、看護師等修学資金返還金に係る収入未済額となっております。同資金は、看護師免許を取得後、県内の指定施設に一定期間勤務した場合には返還を免除しておりますが、県外への就職、あるいは看護師を離職した場合などには返還しなければならないところ、この返還が滞り収入未済となっているものであります。
 次に、歳出決算の状況について御説明いたします。
 4ページをごらんください。
 表の一番上、保健医療部計の欄です。予算現額の計(A)欄692億576万2000円に対し、支出済額(B)欄は670億1985万996円、翌年度繰越額(C)欄は10億3989万5000円、不用額は11億4601万6004円、執行率は96.8%となっております。
 次に、歳出決算の主な内容について御説明いたします。
 まず、通し番号1(款)民生費の支出済額(B)欄355億7339万1231円は、主に後期高齢者医療広域連合に対する負担金、市町村国保への交付金等に要した経費となっております。
 次に、通し番号6(款)衛生費の支出済額(B)欄299億4347万4983円は、感染症予防、ハンセン病や結核対策、精神保健、母子保健、健康増進の推進、難病対策、衛生環境研究所及び保健所の運営、食品衛生、医務・薬務及び病院事業会計への繰出金に要した経費となっております。
 6ページをごらんください。
 通し番号34(款)教育費の支出済額(B)欄8億3653万2782円は、看護大学の管理運営等に要した経費となっております。
 通し番号37(款)諸支出金の支出済額(B)欄6億6645万2000円は、病院事業会計への新規貸し付けに要した経費となっております。
 次に、翌年度繰越額について御説明いたします。
 恐縮ですが、4ページへお戻りください。
 表の一番上、保健医療部計の翌年度繰越額(C)欄10億3989万5000円について、その主なものを御説明いたします。
 5ページをごらんください。
 通し番号26(項)医薬費の通し番号28(目)医務費における医療施設近代化施設整備事業などとなっております。繰り越しに至った要因は、もとぶ記念病院の建てかえ工事に係る経費の補助を行う事業でございますが、硬質地質の地盤が想定した範囲以上に及んでいたため、基礎工事に大幅な工期延長が生じたことから繰り越したものであります。
 次に、不用額について御説明いたします。
 恐縮ですが、4ページへお戻りください。
 表の一番上、保健医療部計の右から2列目の欄、不用額の計11億4601万6004円について、その主なものを御説明いたします。
 まず、通し番号1(款)民生費の不用額2億9609万7769円でありますが、通し番号5(目)国民健康保険指導費において、国民健康保険負担金補助金等事業費における高額医療費共同事業負担金の算定の基礎となる高額医療費の実績が見込みを下回ったことにより不用が生じたものであります。
 次に、通し番号6(款)衛生費の不用額7億8491万8017円でございますが、そのうち通し番号7(項)公衆衛生費の不用額3億6098万2821円は、通し番号12(目)精神衛生費において、精神障害者自立支援医療費における医療費の助成実績が見込みを下回ったこと、それから通し番号13(目)母子保健衛生費において、こども医療費助成事業における市町村の補助実績が見込みを下回ったこと、及び5ページの通し番号17(目)特定疾患対策費において、難病医療等対策事業費における扶助費の実績が当初の見込みを下回ったことにより不用が生じたものであります。
 また、通し番号26(項)医薬費の不用額3億6878万4436円の主なものは、通し番号28(目)医務費において、有床診療所等スプリンクラー等施設整備事業の補助申請の取り下げ等により不用が生じたものであります。
 6ページをごらんください。
 通し番号34(款)教育費の不用額6500万218円については、通し番号36(目)看護大学費で旅費や需用費などの経費節減によるものであります。
 以上で、保健医療部所管の平成29年度一般会計歳入歳出決算概要の説明を終わります。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。
○末松文信年長委員 保健医療部長の説明は終わりました。
 次に、病院事業局長から病院事業局関係決算の概要説明を求めます。
 我那覇仁病院事業局長。
○我那覇仁病院事業局長 病院事業局の平成29年度決算の概要について、お手元にお配りしております平成29年度沖縄県病院事業会計決算書に基づいて、御説明申し上げます。
 決算書の11ページをお開きください。
 初めに、事業概要から御説明いたします。
 事業報告書の1、概況の(1)総括事項について、ア、沖縄県病院事業は、県立北部病院を初め、6つの県立病院と16カ所の附属診療所を運営し、イ、医師や看護師等の医療技術員の確保とともに、施設及び医療機器の充実を図るなど、医療水準の向上に努めております。
 エ、業務状況については、入院患者延べ数が66万1449人、外来患者延べ数が76万7516人で、総利用患者延べ数は142万8965人となり、前年度と比べて1万4236人の減少となりました。
 次に、決算について御説明いたします。
 恐縮ですが、1ページにお戻りください。
 まず、決算報告書の(1)収益的収入及び支出について、収入の第1款、病院事業収益は、当初予算額に補正予算額等を加えた合計599億8351万2000円に対して、決算額は541億6638万9506円で、差額は58億1712万2494円となっております。その主な要因は、第1項の医業収益において57億4148万7860円の差額が生じたことによるものであります。
 次に、支出の第1款、病院事業費用は、当初予算額に補正予算額を加えた合計595億8855万2000円に対して、決算額は570億6664万8797円で、翌年度への繰越額が1億1691万5400円で、不用額は24億498万7803円となっております。その主な要因は、第1項の医業費用において22億4558万3620円の不用が生じたことによるものであります。
 2ページをお開きください。
 (2)資本的収入及び支出について、収入の第1款資本的収入は、当初予算額に補正予算額等を加えた合計143億2694万6000円に対して、決算額は62億2985万9447円で、差額は80億9708万6553円となっております。その主な要因は、第1項の企業債において62億3944万7000円の差額が生じたことによるものであります。
 次に、支出の第1款資本的支出は、当初予算額に補正予算額を加えた合計163億4975万8000円に対して、決算額は82億5074万2633円で、翌年度への繰越額が80億4809万9828円で、不用額が5091万5539円となっております。その主な要因は、第1項の建設改良費において5090万6209円の不用が生じたことによるものであります。
 3ページをごらんください。
 平成29年4月1日から平成30年3月31日までの損益計算書について、1の医業収益は、入院収益、外来収益などを合計した463億2795万5428円で、2の医業費用は、給与費、材料費、経費などを合計した540億5946万1283円で、1の医業収益から2の医業費用を差し引いた医業損失は77億3150万5855円となっております。
 3の医業外収益は、受取利息配当金、他会計補助金、国庫補助金などの合計で70億3284万5817円となっております。
 4ページをお開きください。
 4の医業外費用は、支払利息、長期前払消費税勘定償却、雑損失を合計した20億4669万5263円で、3の医業外収益から4の医業外費用を差し引きますと49億8615万554円の利益を計上しているものの、経常損失は27億4535万5301円となっております。
 5の特別利益は6億8949万8436円で、6の特別損失は16億3211万9538円であり、差し引き9億4262万1102円の損失を計上しており、当年度純損失は36億8797万6403円で、前年度繰越欠損金51億6006万6096円を合計した当年度未処理欠損金は88億4804万2499円となっております。
 5ページをごらんください。
 剰余金計算書について、表の右の欄、資本合計をごらんください。
 前年度末残高30億9269万8843円に対し、前年度処分額が0円、当年度変動額はマイナス36億8797万6403円で、当年度末残高はマイナス5億9527万7560円となっております。
 下の欠損金処理計算書について、1行目、当年度末残高の未処理欠損金は88億4804万2499円で、これにつきましては全額を翌年度に繰り越すこととなります。
 6ページをお開きください。
 平成30年3月31日現在における貸借対照表について、まず資産の部における1の固定資産は、(1)の有形固定資産、7ページの(2)の無形固定資産、(3)の投資を合わせた合計で413億2681万6198円となっております。
 2の流動資産は、(1)の現金預金、(2)の未収金、(3)の貯蔵品などを合わせた合計で158億6153万7911円となっております。
 1の固定資産、2の流動資産を合わせた資産合計は571億8835万4109円となっております。
 8ページをお開きください。
 次に、負債の部における3の固定負債は、(1)の企業債、(2)の他会計借入金などを合わせた合計で335億7289万7530円となっております。
 4の流動負債は、(2)の企業債、(3)の他会計借入金、(4)のリース債務などを合わせた合計で104億4741万6106円となっております。
 5の繰延収益で、(1)の長期前受金から(2)の収益化累計額を差し引いた繰延収益合計は137億6331万8033円となっております。
 3の固定負債、4の流動負債、5の繰延収益を合わせた負債合計は577億8363万1669円となっております。
 9ページをごらんください。
 資本の部における資本金合計は18億7858万4732円となっております。
 7の剰余金は、(1)の資本剰余金、(2)の利益剰余金の合計でマイナス24億7386万2292円となっております。
 6の資本金と7の剰余金を合わせた資本合計はマイナス5億9527万7560円で、これに8ページの下の負債合計を加えた負債資本合計は571億8835万4109円となっております。
 以上で、平成29年度沖縄県病院事業会計決算の概要説明を終わります。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。
○末松文信年長委員 病院事業局長の説明は終わりました。
 これより質疑を行いますが、本日の質疑につきましては、決算議案の審査等に関する基本的事項(常任委員会に対する調査依頼について)に従って行うことにいたします。
 決算特別委員長から調査を依頼された事項は、沖縄県議会委員会条例第2条に定める所管事務に関する決算事項でありますので、十分御留意願います。
 なお、要調査事項の提起の方法及びその取り扱い等については、昨日と同様に行うこととし、本日の質疑終了後に協議いたします。
 質疑に際しましては、あらかじめ引用する決算資料の名称、ページ及び事業名等を告げた上で、質疑を行うよう御協力をお願いいたします。
 また、答弁に当たっては、総括的、政策的な質疑に対しましては部局長が行い、それ以外はできるだけ担当課長等の補助答弁者が行うこととしたいと思いますので、委員及び執行部の皆さんの御協力をよろしくお願いいたします。
 なお、課長等補助答弁者が答弁を行う際は、あらかじめ職、氏名を告げてください。
 質疑及び答弁に当たっては、その都度委員長の許可を得てから、重複することがないよう簡潔にお願いいたします。
 それでは、これより直ちに各決算に対する質疑を行います。
 次呂久成崇委員。
○次呂久成崇委員 八重山圏域の住民が待ちわびていた新県立八重山病院が、今月1日に開院いたしました。この新県立八重山病院の引っ越しの際には、台風の影響等もあって、患者の移送及び医療機器の移動等、本当に大変な御苦労があったのではないかと思います。この新県立八重山病院を八重山圏域の中核病院として、圏域内で完結できる医療体制が今後ともより一層推進されることを期待しています。
 新県立八重山病院の開院式典や祝賀会等でも、民間病院の医師の皆さんから県立病院があるから離島・僻地にある民間病院もやっていけるのだということをお聞きしました。基本的なことではあるのですが、県立病院と民間病院の違いは何か。また、公的な医療機関としての役割は何かということを伺います。
○我那覇仁病院事業局長 旧県立八重山病院は建設から40年近くになっていて、建物の老朽化が特に進んでいた病院でした。新県立八重山病院は大変立派な病院で、県議会議員を初めとする多くの方もごらんになったと思います。しかもその内容がすばらしい。1つは、診療科において歯科口腔外科を新設したということです。また、八重山地域にはかつてなかった全身麻酔が行えて、高齢者の需要などに対応できるということ。それから、もともとあったのですが、後期ケアのために6床が整備され、周産期医療の充実が図ることができてきたと思います。
 多くの機能で、県立病院と民間病院とでは差があると思います。特に八重山地域では海域での事故、潜函病があります。県立病院では初めてなのですが、そういった患者さんに対して高気圧酸素治療装置といった医療機器を備えていると。
 やはり八重山地域の中心となる病院として、基本的には地域で解決をしたいと。24時間救急医療を担うと。それから周産期医療、小児医療。たしか僻地の診療所は4つ抱えていたと思いますが、それに対する十分な医師の供給といったことなどがあります。一言では言えないのですが、病院長も言っているとおり、地元民間病院では対応し切れない需要に対応し、いつでも安心して八重山地域の人々の安全・安心を担う県立病院として今後ともやっていきたいと考えております。
○次呂久成崇委員 この総合病院としての機能を考えてみると、民間病院と県立病院の機能的な違いというものはそんなにないと思います。沖縄県病院事業会計決算審査意見書の4ページにもあるように、県立病院というものは、救命救急医療、周産期医療、高度・特殊医療、離島・僻地医療など、県民の生命及び健康を守り、生活の安心を支える重要な役割を担っていると。まさにそういうことだと思います。
県外の人口が多いところでは民間病院でも利用者数が多いということで、採算が見込めることがあると思うのですが、離島県である沖縄では、離島・僻地の住民と都市部の住民との医療格差をなくすことが重要です。そして医療水準の確保のために我々の血税が投入されるということは、八重山病院を初めとする県立病院はその役割、使命を果たすべきであると思うのです。
 まず、県立病院の運営状況についての見解をお聞きします。それから各県立病院の経営評価や課題について各病院長に伺います。
○我那覇仁病院事業局長 平成29年度における、経営改善の取り組みについて御説明いたします。
 まず第1に、収益を確保するために、地域医療機関への訪問や逆紹介などを行い、地域医療支援病院という形で地域と連携すると。それから長期入院患者の退院促進があり、これは地域と病病連携とか病診連携の促進になります。また診療報酬制度における施設基準の取得に関しては全県で530ほどの施設基準をとっていますが、毎年診療報酬を調べて、その施設基準を確保していくことになります。それから収支に関しては算定漏れの防止や査定・返戻の低減に努めることで、患者数が確保されて、診療単価、入院単価及び外来単価も若干上がってきております。そういったことに努めて収益を確保していきたいと思っております。
 第2に、費用の縮減に関しまして、医師の当直に係る勤務体制の調整や時間外勤務の管理が非常に大きな課題になっています。これは勤怠管理も含めて、医師の時間外勤務の管理に努めます。次に、材料の一括交渉です。これはスケールメリットで多く買うと安くなるという低廉な購入方法、それからジェネリック医薬品への切りかえも行ってまいります。その他に、各種経費の縮減の取り組みや、給与費及び材料費など経費の節減を図ってまいりました。その結果、病院事業全体では入院患者数は減少したものの、診療単価は入院、外来ともに上昇し、医療収益は増加し、材料費も低減しております。しかしながら平成28年に労働基準監督署からの是正勧告によって、医師の時間外勤務手当の支給が年間約8億6000万円と大幅に増加し、病院経営に多大な影響を与えることになりました。また、昨年度は退職者の増加によって退職給与費が増加し、それから重油燃料の高騰の影響などによって燃料費及び光熱水費も増加しており、これらは病院経営の悪化に影響を与える要因となっております。加えて、離島を含む諸地域の医師不足に対応する応援医師に係る報償費やシステム保守等の委託費も増加しており、全体として病院経営に係る費用を収益で賄うことができなかったことが最も大きな問題であったと思います。
 今後、県立病院全体が取り組むべき課題としては、まず、医師等医療スタッフを確保すること。次に、施設設備、医療機器等の老朽化への対策。また、医師の勤務負担の軽減と増加した時間外勤務への対応。さらに消費税の税率アップ、平成32年度における地方公務員法の改正等への対応や法令遵守による経理的な影響などがあると認識しております。
○重盛康司北部病院副院長 本日、院長の久貝が医師確保の用務のため県外に出張しておりますので、かわって答弁させていただきます。
 北部病院の運営状況でございますが、平成29年度の決算で見ると、純損益で約3億9366万1000円の赤字、経常損益は約2億9742万9000円の赤字でありました。その原因といたしましては、年度途中における退職した医師の補充ができず、外科救急において週2日の夜間診療制限を実施したことが影響しております。平成30年度も医師不足の状況は変わっておりません。平成29年度と比較するとむしろ悪化しております。昨年度は週2日であった外科救急の夜間診療制限についても、現在は週5日の制限で、実質的には週2日だけの対応という形になっております。外科以外でも、腎臓内科医の応援体制の縮小がありまして、腎臓内科の新しい患者の受け入れが困難になるなど、診療制限を実施している状況です。今でも外科の夜間救急受入制限は継続していますが、整形外科の一部の患者であるとかの新たに対応できる部分を探して徐々に門戸を開いていこうという計画を進めております。
 収益の確保に関しましては、入院の必要性を鑑みながら積極的な病棟、病床の活用を図っており、新たな入院患者の確保に努めております。また地域包括ケア病棟の効率的かつ効果的な運営に努め、増収を図っております。
 北部地域における地域医療支援病院として、地元のクリニックや医療機関との連携を図りまして、地域医療連携に注力しながら紹介率及び逆紹介率をともに高めていくなどして、その連携を深めていく所存であります。
○本竹秀光中部病院長 平成29年度における中部病院はかつてない赤字で、変なときに院長になったかなと非常に後悔しているのですが、やはり内的な要因と外的な要因で分けて考えないといけない。まず、外的なこととして、一番大きなことは先ほど病院事業局長が答弁したとおりの老朽化の問題です。また、中部病院ではことしの3月に定年退職者がたくさん出まして、それも要因の一つになっています。それから今度の台風で停電や、初めてのことなのですが電話が通じなかったりとかといったいろいろなことで電気のことを調べてみました。中部病院は今の病棟が18年ぐらいになりますが、電気については配電では全てを賄えなくて自家発電も使わないといけない設計になっております。このところA重油が高騰しており、かなり経営を圧迫していることがこれからも懸念されるところです。
 内的なところでは外来はそうでもないのですが、入院患者が少し減っております。今、入院患者を初めとする新規の患者をふやすためにいろいろと努力していますが、いかんせん中部病院の周辺に新しい民間病院が2つできました。これらは高度急性期病院で、患者の傾向がそちらに向いていることもあると思いつつ、それでもそういうわけにはいかないということで、常に地域と連携を図るために、毎年4月ごろに管理職全員で各民間病院に挨拶に行っています。そういうことで1年間をスタートするわけです。急性期病院ということは受け入れ先の病院をどうしても探さないといけないということですね。そこで少し難儀をしているところがあります。それでも地域連携の強化が全てにつながりますので、その点について努力してこれからもやっていきたいと考えております。
 それから、今問題になっている働き方改革ですが、私は自治体病院における働き方改革の委員をやっています。中部病院でもいわゆる時間外勤務を減らそうということで、特に医師の時間外勤務について縮減してきているところです。もちろん患者の健康を害したら困るのですが、患者の健康だけではなく、医療を提供する医者の健康もバランスをとっていかないといけないということで、今頑張って取り組んでいるところであります。
○佐久本薫南部医療センター・こども医療センター院長 平成29年度の収益的収支及び支出の決算状況は、病院事業収益が152億6428万円であるのに対して、病院事業費用は164億1976万円でした。差し引き11億5548万円の純損失となっており、赤字を出しております。その原因ですが、先ほどから説明があるとおり労働基準監督署による立入調査がありました。当院も調査を受けたわけですが、その是正勧告に従って過年度を含めた2年分をさかのぼって時間外勤務手当を支払っております。これが平成29年度の決算に影響を与えております。
 内部的な要因としては、平成29年4月から7月にかけて循環器内科や心臓血管外科のベテラン医師が人事異動により減少しました。これが入院収益あるいは患者数の減少に大きな影響を与えております。このことが平成29年度全般にわたって影響したと考えております。これを改善すべく、平成30年4月に入退院支援室を設立しました。入院が決定した時点で、個々の患者の治療方法、入院期間、退院後の生活などの情報を医療従事者、患者とその家族、地域の関係者と共有し、退院までのスムーズな支援を行っております。それによって入院期間が短縮し、在宅への復帰率、ベッドの回転率が上昇し、新規の入院患者の増加、入院診療単価の上昇につながってきております。このように平成30年度に向けて努力しているところでございます。
○本永英治宮古病院長 平成29年度における宮古病院の損益状況については、病院事業収益が67億8724万円であるのに対し、病院事業費用が68億9621万円で、純損失で1億897万円の赤字となっております。医業を見ますと、医業損益に関しては医業収益が約54億円であるのに対し、医業費用が約64億円で、10億3000万円近い赤字となっております。
 宮古病院は、平成29年度における経常損益で1353万円の赤字決算となっています。その原因は、入院のベッド利用率が90%を超えて入院収益がかなり高くなったということと、1人当たりの入院単価と外来の単価が順調に上がってきまして、外来と入院を合わせて経常収支比に関してもいい結果を生みました。ところが先ほどから述べているように、労働基準監督署の是正勧告によって宮古病院も過去の時間外勤務手当を2年分払ったということがあります。その時間外勤務手当がふえて結果的には経常損益が1353万円の赤字となり、純損益で1億円の赤字ということになっております。
 宮古病院は毎朝のミーティングで、ベッド利用率をみんなで確認して、病院のゴールを設定し、みんなで会議をしています。これを続けているおかげで、病院の入院・外来に関する収益を一応維持しております。平成30年度も同じような形で続けていまして、少し落ちてはいますが、今のところ経営は黒字を維持しております。
 赤字に対する我々の対策としては、診療群分類包括評価―DPCという入院の算定を使っておりますので、これを利用して入院期間Ⅰ期とⅡ期をなるべく多くして地域に戻すということを計画しております。地域の開業医の方々と宮古病院で地域を支援するためのシステムを何とかつくりたいということで、現在、宮古島市、宮古病院とそれ以外の地域の医療機関、介護施設とかといったところと地域医療連携システムをつくって、開業医の先生方と信頼できる地域医療システムの構築に取り組んでいきたいと思っております。それをきっかけにして紹介、逆紹介を信頼できるものにしていきたいと考えております。
 それからレセプトの返戻に関しても、職員を配置してチェック体制を強化しており、返戻率については0.5などの低い値で推移しております。
 あと材料費、薬品費を見ると、診療材料費と薬品に関しても病院事業経営課の職員と連携し、診療材料費等の購入価格の低減を図っております。
 それから未収金対策については、11月1日から1カ月間の強化月間を設けているのですが、現在これを強化しています。特に保証人の履行を促すことに加えて、高額な医療未収金に関しては裁判所を通して履行させていくということです。そういうことで、去年は未収金について約1600万円縮減しております。また、その他委託料や賃借料の見直しを行っております。
○篠崎裕子八重山病院長 まず、平成29年度の八重山病院の経営状況は病院事業収益が58億5584万円で、前年度から6726万円のプラスになりました。病院事業費用に関しては60億8651万円で、4億9114万円とかなり増加しました。その結果、純利益に関しては、マイナス2億3067万円と赤字になっております。収益増の内訳を見ると外来収益の増が3760万円、診療所収益が843万円、入院収益の減が4957万円となっております。費用増の内訳としては、労働基準監督署による是正勧告の影響で給与費がかなり多くなりました。あと人員が足りなかったり、いろいろなメンテナンスのために委託費が増加しております。それと薬品費の増が2000万円以上ありました。これについては、当初予算として計上していた薬品費以外に、がん免疫療法に用いるオプジーボなどの購入によるものであります。
 今年度、新しい病院になり、診療科については口腔外科が1つふえて24科となりました。許可病床は以前の350から300になり、職員数は322で頑張っております。八重山病院は救急医療や小児・周産期、離島医療に加えて精神医療も行っていますので、一番の課題は医者の確保だと思っております。新病院になって病床数が350から300になり、稼働病床が前病院の288から現在264で稼働しています。集中系の病床をふやしたにもかかわらず、看護師不足で高度治療室―HCUは8床ありますが4床で運営しています。毎日そちらが満床になっていて、逆に重症の患者さんも一般病棟で診ないといけないという状況があります。
 今後は修繕費や時間外勤務手当の縮減を進めていくとともに、人員の確保や検診部門の拡充についても確実に実行していきたいと思います。手術室も3室から4室になりましたが、こちらもまだ稼働しておりません。ICU、HCUの病床もふえましたが、そちらも縮小しています。精神科についても医師の確保ができないままです。小規模デイケアから大規模デイケアに施設を拡大しましたが、人手不足でそれを大きく広げることができません。
 今後新しい医療器具が入りますので、人間ドックや脳ドックなどの健診部門をふやしていってどうにか収益につなげたいと思っております。ただし、人の配置がないとそのための拡充ができませんので、その辺が今一番の課題となっております。
○前田浩精和病院副院長 きょうは院長の親富祖が体調不良で文教厚生委員会に出席できませんので、かわりに副院長の私が答弁を行います。
 病院の運営状況と課題という御質疑ですが、平成29年度の決算は、病院事業収益が22億6961万9153円、病院事業費用が24億3595万6097円となり、純損益は1億6633万6944円の赤字となっております。医業収益につきましては、15億6385万4617円、医業費用が23億678万3566円となり、7億4292万8949円のマイナスとなっています。前年度と比較すると、医業収益が1079万3399円の減少、医業費用が1112万8664円増加したことにより、医業損益は2192万2063円悪化しました。医業収支比率についても平成29年度は67.8%となり、前年度と比較して0.8ポイント減少しております。
 次に、精和病院の課題については、まず施設設備の老朽化があります。当院は建築から32年経過し、施設や機械設備の老朽化が著しく、施設整備費、修繕費等で対応しておりますが、予算には限りがあり対応が追いつかない状況です。平成29年度の修繕件数は約225件あり、今後も修繕件数は増加していくと考えます。
 それから医師の長時間労働の縮減に向けた勤務体制の検討についてです。労働基準監督署による是正勧告を受けて、当直体制の見直しを行い、これを実施しているところですが、必要な医師数の確保を含めてまだ不十分であるため、今後も継続して取り組んでいきたいと思います。
 次に、精神保健福祉士、作業療法士等の専門職の確保です。これらの職種は定数を満たしてはおりますが、人員としては不足しております。不足分については嘱託員で対応しておりますが、民間病院に比べると待遇面で劣るため、人員の確保が困難な状況です。定数をふやし正職員として確保することが、安定的な収益確保につながるものと考えます。
 次に、IT化のおくれです。業務効率の改善及び患者サービス等、医療の質の向上のためにIT化は必要ですが、電子カルテ等の導入に当たりましては、予算の確保とIT専門スタッフの確保が必要となります。
 最後に、精和病院の今後のあり方についてですが、当院の施設の耐用年数があと10年程度と言われていますが、それを踏まえると医師や看護師等の医療技術の維持・確保を図りながら、医療機能の分化、連携強化を進めたいと考えております。今後、精和病院のあり方については、総合病院への統合を含めて、現在検討しているところです。
○次呂久成崇委員 各病院長からの説明を聞いても、それぞれの病院において純損失がありますが、各病院では本当に懸命に努力なさっているというように感じました。
 沖縄県病院事業会計決算審査意見書の9ページからお聞きします。当初業務予定量と実績について、各病院の入院、外来の予定量と実績なのですが、毎年度の実績がこの予定量を下回っているのです。予算において業務予定量というものは定めなければならないことになっているのですが、毎年度の実績がこの予定量を下回っているという状況について、この予定量というものはどのような基準で決定しているのか。当初予算を編成する上で、そういう予定量を実績が下回るとわかっていて決定しないといけないのか、その基準等について伺います。
○山城英昭病院事業経営課長 公営企業の予算は、一般会計の予算と比べて弾力性を持たせる必要がございます。沖縄県病院事業の経営目標、経営方針に従い、県立病院が医療を最大限に提供できる体制に基づいて、当該年度の入院患者数、外来患者数等の業務量を予定しているところでございます。しかしながら、委員の御指摘のとおり、実際には医療従事者の充足状況や患者の動向等により、業務予定量と実績に差が生じている状況でございます。
○次呂久成崇委員 次に、八重山病院についてお聞きします。この新病院を建設していく中で、人手不足、資材高騰によって一部計画変更等があって、予定していた工事なども大分変更があったと思います。予定価格との差額による影響等によって、例えば当初予定していた植栽工事や駐車場の整備などといった事業、また医療機器購入などもそうだと思いますが、今後さらに予算を追加し工事等をする予定があるのですか。現在の駐車場は少し殺風景なところがあって、旧病院の植栽を移したほうがいいのではないかという地域の声や、まだ整備が必要ではないのかというようなさまざまな声もあるものですから、その計画等についてお聞きしたいと思います。
○大城久尚病院事業経営課副参事 新県立八重山病院の建設工事については、資材費や労務費の高騰、地域外からの労働者確保、磁気探査等がありまして、当初の契約に比べて大幅に建設費の増加が見込まれます。このためできるだけ起債額を減らして、将来の病院の財務状況を改善するために建設費を圧縮したいと考えております。
 それと八重山病院から、追加工事で予定されていた植栽工事については、当初計画のとおりだとどうしても多額の費用がかかるということで、できるだけ将来のメンテナンスなどを考えて、縮減したいという要望がありました。このため八重山病院と協議の上、当初計画を変更いたしまして、主に駐車場部分についての植栽工事は取りやめております。
 その他の外構工事については、ほぼ当初計画どおりに完了しており、追加工事の予定はありません。
○次呂久成崇委員 駐車場等の植栽については、地元から緑が欲しいという声があります。今、八重山の医療を守る郡民の会の皆さんなどから、そういう声もあるものですから、ぜひ地域の声を拾っていただき、それを反映させた病院づくりというものをやっていただきたいと思います。
 次に、保健医療部にお聞きします。
 主要施策の成果に関する報告書の126ページの県立病院派遣費補助事業について、先ほど各病院長からも医師不足、看護師不足の報告がありました。離島・僻地の中核病院について専門医派遣に係る費用を助成して、17人の医師を確保したということですが、どの病院からどこの病院に派遣したのかという内訳をお聞きしたいと思います。
○田仲斉病院事業総務課医療企画監 平成30年度は、まず北部病院の整形外科に北里大学、産婦人科に昭和大学、産業医科大学、札幌厚生病院等からの医師が派遣されています。
 次に、宮古病院には宮崎大学から耳鼻科の医師、琉球大学から歯科口腔外科の医師、中部徳洲会病院から脳神経外科、計3名の医師が派遣されています。
 次に、八重山病院には東邦大学から産婦人科の医師、神戸大学から耳鼻科の医師、名古屋市立大学から循環器と消化器の医師となっております。
 平成29年度は、北部病院が消化器内科、整形外科、救急、産婦人科に、それぞれ北里大学、埼玉医科大学、久留米大学、昭和大学及び産業医科大からの医師派遣の実績は6名です。
 同じく宮古病院には歯科口腔外科、耳鼻咽喉科、脳神経外科、内科に、中頭病院、琉球大学、宮崎大学、中部徳洲会病院から4名の医師が派遣されております。
 同じく八重山病院には産婦人科、耳鼻科、外科、小児科、循環器内科に、順天堂大学、東邦大学、神戸大学、慶應大学、名古屋市立大学、豊見城中央病院から7名の医師が派遣されています。したがって総計17名の医師が派遣されております。
○次呂久成崇委員 医師確保が大変な状況下において17名の医師が確保できたのは、やはりこの事業の効果、実績があらわれているのではないかと思います。ただ、この事業によって各病院の医師は充足しているのでしょうか。やはりそれでも不足しているという状況なのか、その点について伺います。
○田仲斉病院事業総務課医療企画監 充足しているかという定義がなかなか難しいとは思うのですが、各病院で少しずつ欠員が生じている部分をどうにか埋めていると考えておりますので、病院ごとに多少の欠員はありますが、どうにかして充足を目指していくことで考えております。これは定数の話になりますが、実際に足りない部分もありますが、それに関しては今のところどうにか応援をいただいて、充足できているものと考えております。
○次呂久成崇委員 今、八重山病院であれば脳外科のドクターは1人でしたかね。本来ならば2人体制でやったほうがいいということもあります。やはり先ほどから各病院長の御答弁にあるように、医師の勤務時間帯の問題にもつながっていくと思います。これについては、引き続きしっかりと取り組んでいただきたいと思うのです。ただし、この派遣の継続要請なのですが、新たに医療機関を開拓して、この医師確保を努めたいとありますが、具体的にはどういった取り組みというものを考えていらっしゃるのですか。
○田仲斉病院事業総務課医療企画監 具体的には、現在、県内外の多数の医療機関にアプローチしております。実際、本県に必要な人材確保のために、指名した先生方を通じて、主に関東を中心にアプローチしているところです。具体的な名前は申し上げられませんが、次年度には2つの大学から消化器内科の医師が派遣される予定です。さらにそこを通じて、外科医と腎臓内科医の派遣の実現に向けて取り組んでいるところであります。
○次呂久成崇委員 引き続き、医師確保に努めていただきたいと思います。
 次に、同じく150ページの離島患者等支援事業について伺います。これは執行率が30%ということで、非常に低い執行率となっています。その要因について御説明願います。
○諸見里真医療政策課長 これは予算額2300万円に対して689万4000円ということです。確かに30%の執行率ということで低くなっております。その主な要因といたしましては、妊産婦の検診回数とか出産の人数、あと特定不妊治療の申請が市町村において想定していたよりも少なかったということがございます。2つ目には、これも大きな要素ですが、患者等への支援に不足が生じないよう、各市町村で余裕を持って予算を計上していたことがあります。これは新規事業ということで、前年度の実績がございませんので、各市町村で余裕を持った予算計上をしていたことから不用が生じているところでございます。
○次呂久成崇委員 これは今13市町村で実施されたということで延べ人数が2121名となっていますが、この内訳などはわかりますか。これについては、後ほど資料でいただきたいと思います。
 また、この事業を実施していない離島市町村はどういった取り組みをなされているのかを把握しておりますか。
○諸見里真医療政策課長 内訳については、13市町村ごとに出ていますので、後ほど御提供させていただきます。
 この事業は対象が18市町村でございますので、現在5つの市町村で活用されていない状況です。ただし、この5つの市町村につきましても実績がほとんどないということではなくて、市町村独自で行っているところもございます。また一括交付金を独自で使いたいという部分などもございまして、その支援が実質的に行き届いてないということではございません。
○次呂久成崇委員 これは利用している患者さんや御家族の皆さんにとっては本当にありがたい事業なのですね。ただし、市町村によっては取り組み方とか周知方法が十分ではないということも感じています。ですから今後は市町村としっかりと連携して、例えば県立病院や民間病院にもこういった事業があるといったポスターを掲示することが必要です。またこれだけ執行率が低いわけです。これを助成するときに、まず患者さんは離島では治療できないという証明書というものをもらわないといけない。これも負担しないといけないのです。したがってそういう負担とか、また補助率は50%であると思いますが、これをもう少し上げて、例えば3分の2は県が持つとかということを行ってもよいのではないでしょうか。さらに助成対象となっている疾病の拡大、受診回数―患者さんによっては毎月受診しないといけないのに1年当たり何回しか助成できないとかというものがあるので、ぜひこれは大胆な見直しを行っていただきたいと思います。ぜひ市町村と連携をとっていただいて、これについて前向きに考えていただきたいと思います。
○諸見里真医療政策課長 新規事業でございますので、その辺は平成29年度の実績、今年度の実績などを踏まえまして、委員が御指摘のように十分に検証し、制度がしっかりと定着するように取り組んでいきたいと思っております。
○末松文信年長委員 亀濱玲子委員。
○亀濱玲子委員 次呂久委員が質疑なさった新規事業の離島患者等支援事業、主要施策の成果に関する報告書の150ページについて、引き続き質疑させていただきます。これを実際には当事者から見ると、支援の拡充が行われたわけではありません。県が実施している市町村の2分の1を負担するという事業の内容です。まずこれについて確認しておきたいと思います。とてもありがたいと感謝していますが、これを当事者支援につなげるためには、現状のままでは助成される患者にとっては何も変わっていないのです。ですから県が本当にその支援をしたいと思うのであればこの施策の中にある課題です。これは負担を軽減して適切な医療を受けるための機会を確保する。このための助成対象の拡大、そして助成額や助成回数を拡大するということが課題であると書いてあります。既に30%の執行率であることについていろいろと説明をなされましたが、実際の課題はこれだと思っています。県が支援している市町村に半額を助成すると、市町村は半額を出さなくてもいいので得するわけです。だけど助成を受け取る患者さんたちにとっては何も変わっていないのです。これは間接的ですから、この支援を県からもらっているわけではないのです。ですから県独自で直接実施していない市町村も含めて、対象市町村の患者さんに独自で支援するということが実質的な支援になるのです。この報告書の中で、この課題についても既に指摘されています。その改善に向けた考えをお聞きしたいと思います。
○諸見里真医療政策課長 この制度をつくった趣旨としては、基本的に住民に近い自治体である市町村が実施主体になって各地域の実情―これは大小の離島においてもあると思いますので、その辺の実情を踏まえて、住民の利便性なども図りながらサービス提供につなげていきたいということで、一義的にはやはり市町村が主体となって実施していただくと。これについては平成29年度以前から各市町村で独自に取り組んでいただいており、そこに県が2分の1を助成すると。その浮いた部分でしっかりと市町村で助成を拡大していただくという目的でございます。県としては、その目的を達成できるように取り組んでまいります。
 現在、平成29年度の実績を検査するために各市町村を回っております。そこでまず意見交換をし、平成29年度と平成30年度の実績を各市町村ごと、疾病ごとに細かく検証して、制度の改善につなげていきたいと考えているところでございます。
○亀濱玲子委員 疾病ごとにという答弁でしたので、その状況について伺います。今、宮古島市を見ると、がん患者の皆さんの中には付き添いが必要な方々がいるのです。でもその付き添いは介護度で考えられているのですよ。がんの患者さんには末期でも御自分の意識がはっきりとしていて歩ける方だけど、どうしても家族等の付き添いが必要だという状況も生まれてくるのです。なのでその支給のそのものを改善しなければ付き添いができないという状況にありますが、これについて県はどのような認識をお持ちですか。
○諸見里真医療政策課長 付添人の要件につきましては、去る9月に要綱を改正しております。これまでは未成年者や介護が必要な方に限定しておりました。それを取っ払いまして、基本的には医師の診断があれば、全ての疾病で付き添いに対する助成を行うこととしております。当然市町村がそれを認める前提ではありますが、そういう形で要件を緩和しておりますので、委員がおっしゃるような形での制限は何ら設けていないという状況でございます。
○亀濱玲子委員 それでは各市町村の要綱にそれが反映できるようにぜひ力をかしてください。必要な宿泊費の回数、これを受け取れる回数を年2回からもっとふやしていく―せっかくの県の予算が十分に執行できるように、この対象である18市町村に対してしっかりと啓発して、みんなが平等に受けられるような環境を整えていただきたいと思いますが、いかがですか。
○諸見里真医療政策課長 そこは一番重要な部分であると考えておりますので、今各市町村に意見交換等で回っていると。また年に1度は市町村の皆様に来ていただいて議論したいと。そのような中で、付添人に対する助成についても緩和できていますので、そういう形で定着できるような制度設計に向けて、これから取り組んでいきたいと思っています。
○亀濱玲子委員 県議会において、宮古病院の血液がん治療の充実を求める医師の確保や離島・僻地の患者や妊産婦の経済負担を軽減するためのファミリーハウスの設置などの陳情は全会一致で採択されています。県議会でもそのような意思が示されておりますので、ぜひ具体的に支援につながるような協議を重ねていって、これを改善していただきたいと思います。
 続いて、ハンセン病対策費について質疑します。決算書の143ページですが、これは平成27年度、平成28年度と予算が減らされていると思います。減らされて行く中で執行率は80%という状況ですが、事業の実施状況についてお聞きします。
○山川宗貞地域保健課長 ハンセン病対策費は3つの事業で構成されております。1つ目がハンセン病療養所入所者家族援護費。2つ目がハンセン病回復者等名誉回復事業。3つ目が県外療養者対策事業で構成されております。
 1つ目のハンセン病療養所入所者家族援護費は、ハンセン病療養所の入所者が安心して療養に専念できるよう、入所者の家族で生活困難な世帯に対して生活保護の基準に準じた生活援護を行っております。
 2つ目のハンセン病回復者等名誉回復事業は、普及啓発用のリーフレットの作成やパネル展を実施し、正しい知識の普及啓発及びハンセン病回復者等の名誉回復を図っております。また平成29年度からは県教育庁と連携して、講演を希望する学校に対して、回復者によるハンセン病問題から学ぶ人権啓発講演会を実施しております。
 3つ目の県外療養者対策事業は、県外ハンセン病療養所で療養中の県出身者を対象とした里帰り事業の実施や県外療養所への訪問交流を通してふるさとの歴史や文化に触れてもらい、療養者の福祉の向上を図っております。また平成29年度より離島出身の県内療養者療養所入所者の里帰り事業も実施をしております。
○亀濱玲子委員 ことし、本当に長年の苦しみをなかなか表に出さなかった沖縄県のハンセン病回復者の会の皆様が県に要望書を提出しました。その流れで13の国立療養所、全国にいらっしゃる回復者の皆様であったり関係者が集って課題を共有する全国のハンセン病市民学会というものが毎年全国で開催されております。これには糸数統括監に回復者をテーマとする分科会にパネリストとして出ていただいたこともあります。現在、全国を見ても沖縄県はハンセン病回復者がどこの県よりも多い県ですから、抱えている課題も多いと思います。米軍統治下からのハンセン病政策の変遷等もありますから。そこで沖縄県としてはハンセン病の回復者の抱える課題をどのように捉えているのか、どのように認識されているのかをお答えいただきたいと思います。
○山川宗貞地域保健課長 ハンセン病回復者の会からの要望は4つございます。1つ目に、退所者、非入所者の医療介護等に関する回復者受診適用対策の整備。2つ目に、地域生活を支える相談、支援、同行支援、交通支援体制の整備。3つ目に、ハンセン病問題に関する啓発事業の強化。4つ目に、国への働きかけや療養所の将来的な構成の取り組みということになっております。県としましては、回復者の定例会等に職員を参加させて、意見を伺っております。これまでの課題としましては、回復者の方たちもかなり高齢化が進んできていて、病院とか医療とかよりも少しずつ介護の関係がふえてきているということがありますので、そういう意見を踏まえて検討していきたいと思います。
○亀濱玲子委員 学校への啓発はありがたいと思っています。呼びかけてくださって、実施されているところはまだまだ少ないのですが、ぜひ人権学習という観点から力を入れていただきたいと思います。
 これからは医療支援、介護支援、高齢化を包括的に支援していくシステムを厚労省と連携して確立していただきたい。沖縄県は対象者がとても多いので、必要なことだと思います。いかがでしょうか。
○糸数公保健衛生統括監 私も5月の市民学会に参加をさせていただきまして、全国のいろいろな状況を確認することができました。その中のテーマとして対象者の皮膚の治療を初めとする医療の体制の整備。それから介護に当たっての支援員をどうするのかということで、高齢の回復者をどう支えていくかというような、さまざまな問題が取り上げられておりました。
 国との連携について地域保健課長からもお答えさせていただきましたが、対象者からどういうサービスがいいのかという意見を聞いてみて、もう少し整理したほうがいいのかということがあります。協議会のような形にするのかどうかは別にしても、当面はその代表の方や対象者の方との意見交換の場をふやしていく。先ほどもあった定例会に県の担当者を参加させること。またいろいろな協会との関係とかというものもありますので、代表の方や対象者の方と意見交換を行い、どういう形が望ましいのかという意見を聞き取りながら、今、国が用意しているメニューなども把握しながら検討していきたいと思います。
○亀濱玲子委員 今、保健衛生統括監がおっしゃるように、課題の整理をしていくために当事者と協議する場というものがまず必要です。保健医療部長もその必要性を感じるとおっしゃっていたと思います。まだまだ根深いハンセン病への差別をなくしていくために、当事者が何を求めているのかということにぜひ向き合っていただきたい。ぜひ協議会の場を設置していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○糸数公保健衛生統括監 協議会の設置についても大事なテーマだと思っております。回復者の会と今いろいろなところで顔を合わせる機会もありますので、意見交換はどういう形がいいのかということについて、引き続き検討していきたいと考えています。
○亀濱玲子委員 回復者は高齢化が進んでいる状況ですから、ぜひ前向きに、早期に検討の場としての協議会を設置していただくことを要望します。
 次に、県立病院の取り組みについて各病院長からそれぞれの課題を伺って、労働基準監督署による是正勧告というものについて、どの病院もこれに取り組んだことがわかりました。各病院が診療科をきちんと充実させて、スタッフも充実させることによって経営の健全化に向かっていただきたいという立場で質疑いたします。各病院の休診科、あるいは診療制限の状況について伺います。また、19の診療所の状況についてもお答えください。
○田仲斉病院事業総務課医療企画監 医師については平成30年10月1日現在で、定数400名に対して現員が391名となっております。派遣医師が10名、嘱託医師は36名で補充し、診療に影響を及ぼさないように対応しております。
 医師不足の原因としては、大きな要因が2つあると言われております。1つ目は、医師が主に都市部に集中するような偏在の問題。もう一つは人気の科に集中する診療科の偏在の問題があります。一方で医師、看護師等の医療スタッフは、働きやすい環境とともに交通アクセスの利便性や子供の教育環境、商業施設の豊富さなども重視することから、特に北部地域、宮古地域、八重山地域においては医師確保が難しい状況となっております。
 病院事業局におきましては、これまで行ってきた県立病院臨床研修事業による、医師、専門医の育成に一層力を入れていくとともに、県内外の大学病院や人的ネットワークを活用した医師派遣要請を行うほか、民間委託業者やホームページを活用した医師募集の情報発信を絶えず行っていく所存であります。
○末松文信年長委員 休憩いたします。
   (休憩中に、亀濱委員から各病院における休診と診療制限の状況について答弁するよう指摘があった。)
○末松文信年長委員 再開いたします。
 田仲斉病院事業総務課医療企画監。
○田仲斉病院事業総務課医療企画監 大変失礼いたしました。
 平成30年10月1日現在、医師不足により外来診療を休止している診療科は、眼科が北部病院、中部病院、八重山病院の3病院。泌尿器科が南部医療センターとなっております。
 外来の診療制限を行っているところとしては、北部病院が産婦人科、外科、腎臓内科となっております。北部病院の診療制限の内容としましては、産婦人科が分娩件数を制限していること。また外科の救急外来の夜間の受付を制限しています。あと腎臓内科で新規の透析患者の制限を行っております。
○末松文信年長委員 休憩いたします。
   (休憩中に、亀濱委員から診療所における休診と診療制限の状況についても答弁するよう指摘があった。)
○末松文信年長委員 再開いたします。
 田仲斉病院事業総務課医療企画監。
○田仲斉病院事業総務課医療企画監 県立附属診療所は充足しております。
○亀濱玲子委員 この医師不足の対応についてもっと力を入れていただきたいと思うのです。各病院長のお話を聞くと、とても努力をなさっているのですがいたし方ない状況です。本当に県立病院は県民の命のとりでであると思っています。政策医療を推進するに当たっては、不採算医療も担っていくことが当然でありますし、一般会計からの繰り入れがあったとしても、やはり予算や人員の不足が生じてはいけないと思います。ぜひ医師あるいはスタッフの充足ということについては、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。いかがですか。
○田仲斉病院事業総務課医療企画監 先ほども申し上げましたが、医師不足の原因としては、地域の偏在、診療科の偏在というところが大きいと思います。また医師、医療スタッフの生活環境、子供の教育環境という複雑な問題もあり、なかなか病院事業局だけでの解決が難しいところもあります。特に北部地域、宮古地域、八重山地域では、このようなハンデがあります。しかし先ほどからありますように、県立病院は研修医を育てて、そこから医師を派遣するというスタイルをとっております。一人前の医師を育てるためには、指導医ということを重要視していますので、指導医を育てる、そのためのインセンティブを与える。留学をさせるとかといったところで充実を図っていきたい。いろいろなネットワークなどを使って、これまで以上に県内外の大学や病院から多くの医師を派遣していただけるように取り組んでいきたいと思っております。
○亀濱玲子委員 ぜひこれに力を入れて、医師、スタッフを確保して、充実させていただきたい思います。
 沖縄県病院事業会計決算審査意見書の6ページの会計事務について是正・改善を要する事項で、各種手当等において不適切な事務処理が行われたということが指摘されています。これについての説明をお願いします
○山城英昭病院事業経営課長 主な会計事務の指摘に関しましては、支払い遅延、契約書類の不備、支出負担行為書の作成の遅延、手当の過不足払い、未収金等がございます。
○亀濱玲子委員 続いて、同じく6ページです。これは決算特別委員会でも指摘されてましたが、「その他流動資産」のうち、6000万円の内容が明らかではないということについての丁寧な説明を求めたいと思います。
○山城英昭病院事業経営課長 病院事業会計の貸借対照表中、「その他流動資産」に平成26年度から計上されている6500万円のうち、6000万円についてはその計上の経緯や内容が明らかでないことが指摘されております。その経緯ですが、指摘の内容等につきましては、平成26年度の会計基準の変更に伴い、それまでの財務会計システムから新システムに移行した際の誤りによるものとして、現時点では推定しているところでございます。新会計システムの移行時の仕訳誤りによるものであると断定された場合には、修正処理を行う必要がありますので、引き続き精査の上、適切に対応したいと考えております。
○末松文信年長委員 休憩いたします。
   午前11時49分休憩
   午後1時10分再開
○末松文信年長委員 再開いたします。
 午前に引き続き、質疑を行います。
 比嘉京子委員。
○比嘉京子委員 まず、病院事業局に質疑します。
 看過できない未収金についてお聞きしたいと思います。これまでの累積分を踏まえても、毎年のようにこれだけ未収金が出るということは根本的な対策ができていないのではないのかと推察しています。それについて、当局で明確な発生防止策というものを考えているのなら、お聞きしたいと思います。
○山城英昭病院事業経営課長 未収金の発生防止策といたしまして、高額療養費制度や出産一時金直接払制度等の社会福祉保障制度の案内。クレジットカード及びコンビニ支払い等の導入による支払い方法の多様化。入院における連帯保証人2名の徹底。退院日事前通知の徹底による入院費の準備期間の確保。納付相談。未収金担当者や窓口職員、地域連携室のメディカルソーシャルワーカー及び市町村との連携などを行っているところでございます。
 また未収金が発生した場合の対応につきましては、文書、電話、訪問による催促の実施。住所不明者の市町村への住所調査や戸籍調査の実施。毎年11月の未収金対策強化月間の実施。悪質と認められるものなど一定の条件を満たす債務者に対する支払い催促や支払い催促に応じない債務者への強制執行などがあります。
 さらに北部病院では法律事務所にお願いして未収金回収業務等を実施しており、平成29年度からは中部病院、宮古病院においても同様に実施しているところでございます。
○比嘉京子委員 このような対策をとっていても、現在の結果であるということで、このような状況に対して、どうしていくのかということを聞いているのです。
○山城英昭病院事業経営課長 未収金の対策につきましては、先ほど述べたところであり、現在その業務に係る人員の増等を図っているところでございます。なお一層、未収金の対策に関しましては強化を図っていきたいと考えております。
○比嘉京子委員 午前中にも強化月間があるという説明がありましたが、12カ月全てを強化月間にしないといけないと思うのです。やはりマンパワーの不足があるのではないのかと。それで100床当たりの事務職について全国と比較すると、本県は2分の1なのです。ですから人手が必要であり、それぞれのポジションに人をふやしていかないとこれは解決できないのではないかと思っています。いかがですか。
○山城英昭病院事業経営課長 現在、未収金の担当者については他の業務と併任しながら、未収金業務に当たっているところでございますが、状況を見定めながら専任職員の配置についても検討していきたいと考えております。
○大城清二病院事業総務課長 比嘉委員の御質疑の中でマンパワーが不足しているのではないかということでございますが、これにつきまして監査のときにも事務職が不足しているのではないかという御指摘を受けているところでございます。病院事業局におきましては、平成29年度に精和病院を除く5つの県立病院において、事務職を各1名ずつ増員したところでございます。
 また、病院現場からの職員の増員要望につきましては、ヒアリングや現場調査等を行った上で、その必要性や緊急性、それから人材確保の見通しなどを勘案した上で、関係部局と協議を行っているところでございます。ただし、知事部からは現在病院事業について大分経営が厳しい状況にございますので、経営面に与える影響といった面を特にチェックした上でクリアするよう指摘されており、なかなかこれがクリアできないということで、今、調整が難航している部分がございます。
○比嘉京子委員 皆さんの定数について質疑します。沖縄県病院事業会計決算審査意見書の12ページにある条例定数が昨年156名増員されましたが、この156名は今、現場にいるということですか。
○金城聡病院事業統括監 同意見書の12ページにあるとおり、定数は平成29年度と平成28年度の条例改正の増で156名の増となっております。これはことし2月の県議会で条例改正が認められ、増員になったものであります。これはいわゆる労働基準監督署の是正勧告の中で医師が長時間労働になっていると。いわゆる当直という名のもとに労働を提供し、これが長時間労働になっており、過労死ラインを超えているという例も指摘されています。それを踏まえて、156名の医師職の確保を図ろうと。それによって、当直と呼んでいた業務を正規の勤務時間として処理する職員を配置するという意味で医師の数が156名配置されたということであります。
 現在、定数は156名という形で確保されていますが、各病院において変形労働時間制を導入するための検討を行う予定になっております。実際、病院事業局長が定めた導入手続に関する要綱に基づいて、各院長のもとで各診療科の当直勤務のあり方を正規の勤務時間で処理する職員を配置するという形の勤務形態をとるという、その診療科の医師の全ての総意のもとに変形労働時間制をしくことが決まりますと、病院事業局長から、その定数を各病院に配置いたします。その配置された定数に基づいて医師を任用し、当直と呼ばれる時間も正規の勤務時間として処理していくという形になっています。現在はまだ各病院で検討している段階で、具体的に156名に相当する職員として任用された医師はおりません。
○比嘉京子委員 医師は1人で診療するわけではありませんので、このための医師を確保すると。今いる医師だけではなく足りない医師も含めて、チーム医療としてさまざまなスタッフが必要になってきます。それによって初めて収益が上がると思うのです。この件は置いておくとして、全国で見ると100床当たりの事務職の割合が12名だとすると、沖縄県は6名です。そのことも踏まえて、これだけの億単位の未収金を出しているということは、やはり抜本的に対策を練らなければいけないと思うのです。そういうことを考えずに今、収支の問題を語ることはおかしいのではないのかと。やるべきことができていないのではないのかというような議論にもなると思うのです。それについてことしどのような防止策を練っていくのか。そのことについてプランがあるのかお聞きしたいと思います。
○金城聡病院事業統括監 平成29年4月時点で、精和病院を除く5病院に事務職を1名ずつ配置したところです。これは事務部の事務を再編成して、それぞれが担う事務を効率的に執行するための体制をしいて、いわゆる未収金対策にもできるだけ業務を専任することができるような体制のもとで1名を増員しています。また平成30年4月に宮古病院、八重山病院、北部病院について3名を、特に給与事務を強化するという目的のもとに配置しております。その給与事務を配置し、給与事務を従前やっていた職員が給与事務とそれ以外の業務を兼務する形を解除して専任する形で未収金対策に充てられるようにという形で業務の効率化もしくは専任化という形で組織体制、執行体制を整備しているところでございます。具体的にそれがいつごろ効果が見えるのかということについては、今後の取り組み次第であると思っています。
○比嘉京子委員 1人で億単位の未収金を回収するということは不可能に近い話で、専任職員を何人置くのか、あるいは委託をするのかも含めて、やはりこれは本腰を入れて取り組んでいただきたいと思います。これからの議論はそこを前提として行います。
 以前からよく話題になりますが、繰入額の根拠についてお聞きしたいと思います。果たして、この繰入額が妥当であるのかどうかです。やはり病院事業局は人でもって収益を上げる部署になるわけです。人がいないと利益が上がらないところなのです。ですから行政改革と全く真逆の発想がないといけない。今のように総務部の人事課あたりで、見通しがなければ人をふやしてはいけないとかということではなくて、病院事業局が本当に独自に自分たちはこれだけの人員が必要であり、それによってできるのだということの根拠を示していかないと、これはなかなか改善できないと思うのです。いかがですか。
○金城聡病院事業統括監 委員の御指摘はよく理解できるところです。その考えに基づいて総務部と折衝しているところもあります。しかし、病院事業はいわゆる労働収益の産業ということで、人の労働力を使ってサービスを提供していく業態だと思います。その中では収益を生む職もあり、逆にそうでない職もあったりします。ただし、そういう場合には総合的かつ有機的に連携することによって、病院事業の目的は達成されるという考えのもとで総務部には折衝しているところでありますが、総務部的な思考というと変ですが、定数条例を管理するという立場においては、いわゆる定数をつけるとその職員を定年に達するまで雇用するという責務が沖縄県には生まれます。その中でその職がどのくらいの、公務貢献という言い方も変ですが、公務に貢献するかという、彼らの見方では収益という形になると思います。ただし、病院事業はいろいろな職の総合的かつ有機的な連携で県民の医療を守っているという意味から考えると、総合的な力で収益を生んでいるということを総務部に説明していくことが今後必要なのかと思っています。
 今、南部医療センター・こども医療センターや中部病院で原価計算を入れておりますが、原価計算システムを踏まえて、どこに不効率な部分があって、どこを改善すれば収益がより上がるのかというところを見きわめながら、いろいろな業種による医療提供というもので収益を生んでいく病院事業を目指すべきであると思っています。
○末松文信年長委員 休憩いたします。
   (休憩中に、比嘉委員から繰入額の算定根拠について答弁するよう指摘があった。)
○末松文信年長委員 再開いたします。
 金城聡病院事業統括監。
○金城聡病院事業統括監 先ほどの答弁について若干認識に誤りがありました。委員が繰入金の根拠について質疑しているのであれば、一般会計からの繰り入れについては、地方公営企業法に基づく繰り入れという部分と、その法に基づかないいわゆる補助がございます。法に基づく繰り入れについては、地方公営企業法第17条の2第1項第1号の条文で、地方公営企業の経営に伴う収入をもって充てることが適当でない経費という部分になりますが、それが収益的な部分で8億4700万円、資本的な部分で389万円ぐらいで、合わせて8億5108万4000円となっております。また同法第17条の2第1項第2号は、地方公営企業の性質上、能率的な経営をもって、なおその経営に伴う収入に充てることができない、客観的に困難であると認められる経費になっております。その費用について収益的収入部分が24億7600万円強、資本的な部分で14億9000万円強で、合計39億6804万9000円となっております。
 あと、同法第17条の3の規定があります。これは必要がある場合には、一般会計または他の特別会計から地方公営企業の特別会計に補助をすることができるという規定になっています。それに基づく補助が収益的な部分で11億5000万円強、資本的部分で1700万円強で、合計11億7100万4000円となっております。それとは別に、平成29年度については特別利益、労働基準監督署の是正勧告に対応するために繰り入れという形で一般会計からいただいています。
その特別利益に係る収益的部分が4億5881万3000円となっております。
 補助、法に基づく繰り入れ以外の補助事業による繰り入れが収益的な部分で5億7000万円強、資本金で9937万円強で、合計6億7408万9268円ですので、一般会計からの繰入金の総額は71億2303万9268円となっております。
○比嘉京子委員 根拠というように質疑したので、そのような答弁になったのかと思います。結局、総務省の基準などに基づく繰り入れの試算は幾らになるのですか。
○山城英昭病院事業経営課長 総務省における繰り出しの規準において繰入金の基本的な考え方が示されております。でも具体的な積算方法については示されておりません。このため各地方自治体において、一般会計と病院事業会計との協議により定めたルールに基づき繰り入れが行われているという状況でございます。
 総務省における繰り出しの規準に沿って一般会計が病院事業会計に対して操り出しを行ったときには、その一部について地方交付税等において考慮されているようですが、病院事業局はその額について把握していない状況でございます。
○比嘉京子委員 病院事業局はこれについてはしっかりと総務省の基準に基づく繰入金の額が幾らなのかを確認すべきです。それが基本にあって、どれだけの分をそれに上乗せしてもらっているのか、あるいは上乗せしてもらっていないのかを含めて把握すべきであると思います。
 それでは角度を変えて質疑します。病床1床当たりの繰入額が全国平均と大きく違っています。その違いについて示してください。
○山城英昭病院事業経営課長 平成29年度決算における繰入金は、許可病床数2225床で割ると1床当たり320万1000円となります。公表されている最新データである平成28年度地方公営企業年鑑に基づき、許可病床1床当たりの全国平均比較を行いますと、全国平均555万8000円に対し、本県は299万1000円で、全国第30位の額となっております。
○末松文信委員長代理 休憩いたします。
   (休憩中に、比嘉委員から病床1床当たりの繰入額が全国平均を下回っている理由について答弁するよう指摘があった。)
○末松文信委員長代理 再開いたします。
 山城英昭病院事業経営課長。
○山城英昭病院事業経営課長 1床当たりの繰入額は、繰入額を病院の病床数で算出することとなっております。病床数は、繰り入れ対象となる政策医療分だけではなく、一般医療分も含めた全病床数を用いている状況でございます。一方、一般会計からの繰入金は、救急医療及び高度・特殊医療等の不採算となる政策医療に対して行われるもので、繰入金の状況を他県と比較するためには、他県における一般医療と政策医療の傾向などの診察体制を明確にしないと、一概にその多寡を比較することはできないものと考えております。
 本県において1床当たりの繰入額が少ないのは、全病床に占める繰り入れ対象となる政策医療の割合が他県よりも低く、繰り入れ対象とならない一般医療の割合が高いことが一つの要因であると考えられます。このような診療体制となっているのは、歴史的背景から他県に比べて市町村立の病院が著しく少なく、総合病院としての県立病院を中心に医療提供体制が形成されてきたことが大きく影響しているものと考えます。
○比嘉京子委員 今の答弁で、確かに1ベッド当たりの費用だけでは比較ができないことはわかりました。それでは突き詰めて、政策医療について病院ごとに1年間で幾らだった、救急医療は幾らだったということを細かく試算し、この数字は妥当であると病院事業局は認識されているものと理解してもいいのですか。
○金城聡病院事業統括監 御指摘の趣旨については、病院事業局内でもかなり前から検討すべきではないのかという意見もあります。ただし、それを分析するためのデータというか、客観的に公表されているものが今のところございません。ですから委員がおっしゃるように、全ての市町村立や都道府県別の病院が政策医療と一般医療の分がどの程度になっていて、それと本県の県立病院を比較した場合にはどうなるのかということについては今後検討すべき課題として認識しております。しかし、それを分析するためのデータがなかなか見つからないということが現状でございます。
○比嘉京子委員 200万円もの差があるという中で、病院事業局が検討を怠っているということは、正規にいただけるはずの繰入金をみずから低めている可能性があるということなのです。それがマンパワーの不足によるものなのか、やる気がないのかはよくわかりませんが、現場のやる気をそぐような本庁のあり方についてはおかしいと思います。同意見書の8ページにそのことが書いてあります。これを見ると、沖縄県内の病院に占める県立病院の割合の高さが7.4%というものと、同じく全国の割合を比較して考慮したものは繰入額にどのように反映されているのですか。
○山城英昭病院事業経営課長 御指摘の内容につきましては、沖縄県内の医療機関に占める県立病院の割合については施設数で見ると7.4%で、同じく全国平均では2.4%となっております。同じく病床数で見ると本県は11.9%で、全国平均は3.5%となっており、全国平均に比べて高い傾向にあります。また、県立病院が本県の国公立医療機関の大部分を占めている状況を踏まえたものであると理解しております。先ほどおっしゃった積算の根拠等については、現在こちらでは把握していない状況ですので、今後そのことについては検討させていただきたいと思います。
○比嘉京子委員 次に、離島増嵩費についてお聞きします。離島増嵩費は必要経費であると認めた前病院事業局長時代には、たしか半額を認められたという記憶があります。現在の離島増嵩費はどれぐらいでしょうか。宮古病院長と八重山病院長にお聞きします。
○本永英治宮古病院長 宮古病院の離島増嵩費は、平成29年度で1億3600万円ぐらいです。これは前年度などと比べると、若干落ちてきています。さまざまなことを考慮すると、あと2000万円ぐらいは必要なのかもしれません。
○篠崎裕子八重山病院長 平成29年度における八重山病院の離島増嵩費は約1億4000万円です。平成24年度から、繰出基準外としての増嵩費が計上されていますが、そのときの2億円と比較すると大分低いのではないのかと思っています。
○比嘉京子委員 両院長にお願いしたいのですが、本当に幾らかかっているという数字を持っていてほしいと思います。現在の金額で十分なのか、そうでないのかということをしっかりと伝えていただきたいと思うのです。以前に質疑したときに、3億円か4億円という答弁だったと覚えているのです。八重山病院は4億円であると当時の八重山病院長がおっしゃっていたと思います。そのときに伊江前病院事業局長は、その半額の2億円をやりましょうというスタートラインに立ったのですが、今聞くと年々減らされているのが実態ですね。つまり収支のところ、黒字か赤字かという話をしているときに、入りのところでチェックしているわけなのです。そうであればこの入りのところが本当に妥当なのかどうかということを、それぞれの病院が把握していくことが大事ではないのかと思うわけです。
 もう一つ、消費税についてはいかがですか。消費税は加味されていますか。
○山城英昭病院事業経営課長 現在、消費税に関しては繰り入れの対象とはなっておりません。消費税の負担につきましては、医療機関における控除対象外消費税の問題であると理解しておりますが、この件に関しましては、公立や民間を問わず、医療機関共通の問題であり、全国自治体病院協議会や日本医師会が、国に対して消費税制度の改善について要望しているところでございます。病院事業局といたしましては、こうした関係団体の取り組みに協力するとともに国の動向を注視してまいりたいと考えております。
○比嘉京子委員 やはり医療費が収入を超えていると。先ほどオプジーボの話もありました。やはり診療報酬が改定されていかないで費用だけが加算されていったらどうなるのかという話だと思うのです。この話については今後も進めていただきたいと思います。
 次に、71億円台の繰入額というものが本当に妥当なのかどうかということで、病院事業局が本当にその金額でいいのかというところについてしっかりとした根拠を示せていないところに大きな問題があると思うのです。病院事業局長、いかがですか。
○我那覇仁病院事業局長 歴史的に見ると、繰入金は幾分増加している傾向にあると思います。平成30年度は71億円であると。先ほど1床当たりの繰入金を全国と比べると200万円ほど少ないと。これについては先ほど御説明したように、やはり沖縄県の医療提供と全国の医療提供が異なっていることによるもの考えています。しかしながら、特に離島・僻地においては、幾ら1次医療でもそれがないと地域の住民の健康を守れないということですから、1次医療に関しても、やはりその地域に一つしかない病院に関しては繰入金の対象になるというような考え方が必要なのではないのかと思います。繰り入れの基準に関しては、先ほど総務省からのものが大きく分けて3つあると言いましたが、我々が要求できる項目についてもう少し精査する必要があるのではないのかということで、積算の仕方とか、今、総務部などにこれが妥当なのかどうかということで話をしています。個人的な考えとしては、やはり繰入金についてはもっと要求してもいいのではないのかと考えております。どういったものが繰入金になるのかという具体的なデータを我々が持っていないということを先ほどから委員が御指摘なさっているように、それについては我々が今後分析していかなくてはいけないのかと思います。その一つに原価計算のツールがありますので、繰入金の対象になっているのかどうか―小児医療はどうか、救急医療はどうかということを今後分析していけると思いますので、そこら辺を検討しながら、適正な繰入金というものを出していきたいと考えております。
○比嘉京子委員 同意見書の16ページにいみじくも書いてあるのです。財政当局と交渉したら、標準財政規模にしたら妥当だ、かえって多いと言うのです。そうではなくて、これだけの離島を抱えているということと同時に不採算の医療を抱えているということなのです。財政当局と病院事業局がぜひ意見交換してほしいと思っていることは、本県の県立病院の機能や役割とは何かということをお互いでしっかりと話し合ってほしい。これだけの医療を任せるのであればこれだけ必要なのだということをしっかりと言える関係です。財政当局はいつも財政規模に比べるとと言うのです。しかし、財政規模というものは、全国規模なのです。でも沖縄県のありようというものは、全国と比較できないさまざま要因があるのです。それをどのようにして加味するのかというしっかりとした意見を病院事業局が持ち合わせているのかどうかによって、現場のモチベーションが下がるというようなしわ寄せが来ることを非常に懸念するわけです。そういうことで、病院事業局としても繰入金の算出の根拠についてもう少ししっかりと取り組んでほしいと思っています。
 もう一点、主要施策の成果に関する報告書の118ページ、健康づくりボランティア養成・活動支援強化事業についてですが、今後の見通しについてお聞きしたいと思います。
○宮里治健康長寿課長 健康づくりボランティア養成・活動支援強化事業につきましては、市町村における健康づくりボランティア、いわゆる健康づくり推進員や食生活改善推進員等の養成及び活動支援に対して、その経費の2分の1を補助するという事業であります。平成29年度の実績としては、10市町村に補助したところであります。今後の見通しについては、事業を始めるに当たっては、県内全41市町村に対する補助を想定して予算を組んでいたところですが、平成29年度は10市町村と、県が想定したものよりも活用が少ないという状況でありました。これについて市町村に話を聞いてみますと、なかなかボランティアの養成講座に人が集まらないと。また、実際に活動している方々が高齢化しているということで、これをふやしていくということがなかなか厳しい状況であるということを伺っております。
 県としても地域の健康づくりについては、地域におけるボランティア活動が非常に重要であると考えております。ですから市町村との意見交換をさらに密にして、どのようにボランティアを養成し、これをふやしていくのかということを市町村と一緒になって、その仕組みについて検討していきたいと考えているところでございます。
○比嘉京子委員 それは人口比に対するものなのか、それとも世帯数に対してのものなのか。ボランティアを1人養成するとしても、市町村にでこぼこが生じないように、県として計画を立てていただければと思います。
○末松文信年長委員 平良昭一委員。
○平良昭一委員 主要施策の成果に関する報告書の115ページ、みんなのヘルスアクション―健康長寿おきなわの復活について伺います。私も含めて沖縄県の男性陣はかなり寿命が短くなっています。女性の状況も余りよくないということです。現在、本県は全国的に見てどれくらいの順位になっていますか。
○宮里治健康長寿課長 昨年12月に公表された沖縄県の平均寿命については、平成27年度調査の状況ですが、男性が80.27年、女性が87.44年でした。これを5年前と比べてみますと、男性が0.87年、女性は0.42年伸びてはいたのですが、全国の順位を見ますと男性が30位から36位に下がっております。やはり女性も3位から7位に順位を下げている状況です。
○平良昭一委員 最近これについてはラジオやテレビのコマーシャル等でかなりアピールしています。非常にわかりやすくて、大変いいなと思いますが、果たしてそれがどこまで浸透しているのかということについては少し疑問があるのです。でも非常に頑張っているという評価をしたいのです。これについては今後も期待したいと思いますが、長寿県沖縄を復活させるための意気込みをお聞きしたいと思います。
○宮里治健康長寿課長 先ほども答弁したとおり、沖縄県の平均寿命は延びています。しかしながら、全国での順位は下がっていっているという傾向があります。それにつきましては、やはり働き盛りの年齢調整死亡率が全国平均を上回っていることがあります。また成人の肥満率の割合が相変わらず全国よりも高いということ。さらにアルコール摂取を原因とする肝疾患の死亡率が全国の2倍であるという状況があります。そういった状況を踏まえまして、現在県といたしましては特定健診、がん検診の受診率の向上、肥満の改善、アルコール対策について重点課題として取り組んでいるところです。具体的には、特定健診やがん検診の受診についてとか、節度ある適度な飲酒の普及とかについてテレビやラジオ等での広報活動を行っているところであります。また子供のころからの健康づくりも重要ですので、子供のころからの健康的な生活習慣を習得するための健康づくり副読本を配布して、学校で活用してもらっているところです。また働き盛りの問題について、事業所が行う健康づくりへの支援や表彰制度を設けて、これに取り組んでいるところです。さらに体制づくりとしては健康長寿おきなわ復活県民会議を設置いたしました。これは医療機関、行政機関、経済団体、マスコミ等の約70団体で構成されており、官民一体となった施策の推進体制を構築しております。
 県といたしましては、沖縄21世紀ビジョン基本計画に掲げる、心豊かで安全安心に暮らせる島の実現を目指しまして、健康長寿復活に向けて、引き続き取り組んでいきたいと考えております。
○平良昭一委員 ぜひ頑張ってください。せめて、男性も20位以内にまで入っていけるように、ともに頑張っていきましょう。
 平成28年度の新規事業である離島災害時等給水対策事業について伺います。これは海水淡水化装置の導入であると理解しておりますが、実際にそうですか。
○玉城宏幸衛生薬務課長 県では、離島地域における渇水に伴う給水制限の実施、災害事故等が発生した場合の応急給水への対応等に備えるため、平成28年度に沖縄振興特別推進交付金を活用し、可搬型海水淡水化装置を2台導入しております。
○平良昭一委員 この2台は離島に置いたということですか。
○玉城宏幸衛生薬務課長 ふだんは県企業局の北谷浄水管理事務所に置かれています。
○平良昭一委員 離島に置いたのかと聞いているのです。これは離島に持っていったのですか。
○玉城宏幸衛生薬務課長 平成29年度に渇水になった座間味村へ同装置が1台貸与されています。今年度、残りの1台は現施設の修繕の間の浄水能力を補完するために粟国村に置いてあります。
○平良昭一委員 要は、企業局が所有している可搬型海水淡水化装置は、衛生薬務課を介して緊急的に対応をしていくということで理解していいのですか。
○玉城宏幸衛生薬務課長 そのとおりです。導入に当たっては一括交付金を活用して、補助金という形で企業局に購入していただいて、活用は渇水などの災害等が起こった場合に、被災したところからの要請に基づいて企業局が貸し出すということになります。
○平良昭一委員 どうしても水源がない離島は、ことしもかなりの渇水がありましたが、衛生薬務課とすれば、こういう対応を今後もやっていくということで理解していいのですか。
○玉城宏幸衛生薬務課長 本県はかつて頻繁に渇水が起こって給水制限を行っていました。しかし、沖縄本島では平成6年3月2日以降、給水制限は行われておりません。しかしながら水源に恵まれない離島においては、現在でもたびたび渇水が起きて給水制限が行われている状況であります。
 直近では座間味村で平成30年6月4日から6月17日までの間、給水制限が行われております。そういった給水制限が行われるという事態になったときに、恐らく離島中心になると思うのですが、沖縄本島周辺の村等の渇水時における要請があれば、可搬型を設置して造水することになると思います。
○平良昭一委員 担当部署が違いますので、皆さんは余りこういうことには詳しくないと思うのです。この北谷浄水管理事務所ですが、コスト面から見るとかなりかかると聞いています。その辺はわかりますか。
○玉城宏幸衛生薬務課長 所管については企業局になります。以前、企業局に情報収集し、聞いたことですが、それについて少し報告させていただきます。平成29年度における北谷町にある可搬型ではない海水淡水化施設の造水コストについては、1立方メートル当たり315円66銭かかるということでございます。平成29年度の沖縄県企業局の給水原価、全体としての給水原価が1立方メートル当たり99円46銭ということですので、海水淡水化にかかる造水コストは非常に高いということがわかると思います。
○平良昭一委員 河川、湧き水や地下水がない離島がかなりあるものですから、これはいい制度かなと思ったのです。315円と99円とこれだけ違うのであればこれは問題であると思います。今後、上水道の広域化も含めながら行っていくとは思いますが、水源がないところについては、やはり細心の注意を払いながらやっていくべきであると思います。その辺はきょうよくわかりましたので、またこれから検討していきましょう。
 次に、はしかの対策について質疑します。いわゆる麻疹のウイルスの件です。全国の状況が報道されています。現在、県内の状況はどのようになっていますか。
○山川宗貞地域保健課長 本年3月から5月にかけて、外国人観光客を発端としたはしかが流行し、全体で101名の患者が報告されたということが沖縄県の状況でございます。そのうち男性が60%で女性が40%。年齢別に見ると66%の方が20代から40代の方であるということで、大人がかかる病気になっております。
 続いて、風疹です。本年9月ごろから話題に上っていますが、本年7月下旬以降、首都圏の東京都や千葉県を中心に風疹が流行しております。10月24日現在で、全国で1486名の患者が報告されております。本県におきましては、10月以降に患者が確認されまして、10月26日現在で、7名の患者が報告されています。患者はいずれも20代から50代の成人で、男性が5名、女性は2名になっております。
○平良昭一委員 20代から40代の方が多いということについては、何が原因なのですか。
○山川宗貞地域保健課長 やはり予防接種が行き届かない世代というものが20代から40代、また50代ぐらいの方たちが該当するということです。また1回予防接種を受けている方でも、やはり10年から15年たってくると予防接種の効果が薄れてしまって、免疫力が落ちているという形になっております。当然、予防接種で予防することは大事なことなのですが、できれば2回打っていただきたいということで、県では子供たちへの2回接種というものを実施しております。そういう意味では、20代以下の人たちは守られているということになります。
○平良昭一委員 そうなると、いわゆるワクチン接種を受けていない時期の方々がいるということですか。20代から40代までというものはそういう制度的なものだったのですね。
○山川宗貞地域保健課長 そのとおりです。県では、現在20代から40代ぐらいの方たちに対して、予防接種を呼びかけてはいるのですが、1万円ぐらいの自己負担がありますので、それが少し障害になっているということになります。
○平良昭一委員 県議会に来る際にラジオを聞いていたのですが、そのときに予防策についてはかなり慎重に行わなければいけないと。罹患しているような状況でそのまま病院に行ってしまうと逆にうつしてしまうということで、何か接触歴や現在の症状などから、最寄りの医療機関などに電話してから病院に行くようにというようなことを言っていたのです。それくらいこの感染率はすごいものなのですか。
○山川宗貞地域保健課長 感染率について見ると、はしかと風疹は少し違います。はしかはかなり強力でありまして、空気感染で起こりますので、やはり1人の患者さんから予防接種をしていない人たちには20人くらいにうつしてしまうのではないかと言われています。たしか95%の人たちが予防接種を受けていると、流行はほぼとまるだろうということです。
一方、風疹は飛沫感染なのでインフルエンザと一緒です。ですからマスクをしていれば、ほかの人たちにうつすことがかなり防げますので、県としてはせきをなさる方はやはりマスクをして受診をしていただきたいと考えております。
○平良昭一委員 よく妊娠している女性の方々に対する注意喚起をしています。しかし、逆に旦那さんが無防備な形の中で感染させてしまっているような状況もお聞きします。実際に女性の方々はかなり慎重になっているのかもしれませんが、逆に男性は私も含めて、これについて初めて聞くものですから、こういうことを意識して、関心を持たせるようにしないといけないと思います。その辺の対応策について考えていることはありますか。
○山川宗貞地域保健課長 この件につきましては、はしかや風疹を含めて、県では予防接種を打ちましょうというキャンペーンとかを行っているのですが、まだまだ周知が足りないので、さらに強化していきたいということがあります。特に女性で妊娠されている方はMRワクチンが打てないことになっておりますので、周りの人たちが注意をしていただくと。例えば、予防接種を受けていただくとか、せきをするときにはマスクをして感染を防いでいただくとかということを行う必要があると思います。
○平良昭一委員 いずれにしても、もっと勉強しておかないといけないと思います。
 続いて、北部地域における基幹病院の整備について伺います。これまで本会議の中でもいろいろと議論されてきました。以前に平成29年3月版の沖縄県地域医療構想をいただきました。その中で宜野座村、恩納村、金武町が北部の構想区域ではなく中部の構想区域の中に入っているわけです。北部地域で大会を開催し、ぜひ基幹病院を北部地域につくりたいという状況の中で、12市町村が一生懸命議論しているところです。しかし、沖縄県地域医療構想の中で宜野座村、恩納村、金武町が中部の構想区域の中に入っていることを非常に疑問に思っています。その兼ね合いというものはどうなっているのでしょうか。
○諸見里真医療政策課長 北部基幹病院の整備につきましては、平成28年12月に北部12市町村で構成する北部地域基幹病院整備推進会議が発足しております。平成29年3月には、同会議の主催による総決起大会が名護市で開催され、署名11万筆とともに県に対して基幹病院を整備することについての要請がありました。この要請者の中には、当然ながら宜野座村、金武町、恩納村の3町村も含まれている状況でございます。
○平良昭一委員 私が聞いていることは北部地域の中で宜野座村、金武町、恩納村も入ってやっているわけですね。しかし、皆さんの沖縄県地域医療構想の中でこの3つの町村は中部の構想区域に入っているわけです。これから協議会があるという中で、そういう町村が沖縄県地域医療構想の中では中部の構想区域にあると言われても、北部基幹病院について負担するような話も出てきているわけですから、万が一にもそこに対しての疑念が出てこないのかということを聞いているのです。
○大城博医療企画統括監 先ほど医療政策課長からも答弁があったとおり、北部基幹病院の整備をめぐる経緯の中で、北部圏域においては宜野座村、金武町、恩納村の3町村も含めて北部12市町村が一体となって、この北部基幹病院構想を進めていこうということで取り組みを進めております。当然、宜野座村、金武町、恩納村も参加している枠組みの中で、県と関係市町村、それから北部地区医師会との協議を進めているところでございまして、特段3町村から、今のところ我々は中部の構想区域であるというようなお話は出ておりません。
○末松文信委員長代理 休憩いたします。
   (休憩中に、末松年長委員から質疑と答弁のズレに対する指摘と再答弁の指示があった。)
○末松文信委員長代理 再開いたします。
 大城博医療企画統括監。
○大城博医療企画統括監 沖縄県地域医療構想の中での区域というものは、構想区域と申しまして、基本的には、医療計画で定めている2次医療圏と同じエリアを構想区域として設定しております。その構想区域と北部12市町村が一体となって、北部病院の整備を進めていくという取り組みをされることは直接関係ないことであると理解しております。
○平良昭一委員 そうであれば、平成29年3月24日に住民大会を開催し、県に対して7つの要請を行っていますが、その中で500病床の機能を集約できる病院をつくりたいということがこの12市町村の意見としてあるわけです。これは当然、宜野座村、金武町、恩納村まで入って500病床ということで認識していいのですか。
○大城博医療企画統括監 委員がおっしゃった決議には7つの項目が盛り込まれておりますが、北部基幹病院について、県でたたき台としてつくった基幹病院の機能には、できるだけこの決議の内容が反映できるように盛り込んでいるところでございます。この北部基幹病院の病床規模というものは、これから協議の中で具体的に詰めていくことにしております。ただし、たたき台で示している450床というもののは、沖縄県地域医療構想における北部の構想区域の医療需要というものがあって、他圏域に高度急性期と急性期で流出している医療需要等を加味して、できるだけ地域完結型の医療提供体制を構築しようというものです。これを北部基幹病院構築整備の狙いとして位置づけて、それが実現できるような形ということで、今450床の病床規模をたたき台に盛り込んだところでございます。
○平良昭一委員 関連して聞きますが、この7つの項目の中には、ドクターヘリの機能を有する緊急救命病院ということもあります。これまでずっと議論してきた本県に2機目のドクターヘリが必要かということで県にも詰め寄っていたようですが、これについては大分前から必要ないということであります。でもこの要請書は、北部の住民の意見であって、ドクターヘリがもう一機必要であるという認識を私は持っております。県としてどのような認識をお持ちですか。
○諸見里真医療政策課長 現時点における県のドクターヘリについての考え方については、平成29年度の件数を見ると、急患搬送件数479件でございます。そのうち、奄美大島が22件ございますので、それは一旦除いて―結論から言いますと、大体1日に2件ぐらいとして、365日を掛けると、大体700件近くの搬送能力があるということです。現時点では大体66%程度の稼働状況なので、2機目の導入については現時点では検討していないということでございます。
○平良昭一委員 やはり相当の人数が集まって北部基幹病院をつくるという大会を開催してきた中で、このドクターヘリの重要性というものは、離島を抱えているがゆえの要望なのです。そういう面から60%の稼働率ということで命を振り分けていいのかということは非常に疑問です。他府県を見るとドクターヘリが2台、3台あるということも踏まえながら、今後これについて検討してもらえるような状況をつくっていただきたいと思いますが、いかがですか。
○諸見里真医療政策課長 現在、北部基幹病院の作業を行っているところですが、その中で当然ながらヘリポートの設置について検討しているところでございます。ただし、ドクターヘリにつきましては、国の基準等で救命救急センターの指定をとらないといけないということがありますので、その辺とあわせて今後議論していく必要があるものと考えております。
○平良昭一委員 せっかくの機会ですから、これまでNPO法人メッシュ・サポートがドクターヘリを行ってきたような状況があります―北部病院副院長もいらっしゃいますので、どうでしょうか。これだけ広い地域の中で緊急的に病人が出てくる。特に離島も抱えているという観点から、当然、北部地区医師会病院と北部病院の合併の話もあるわけですから、今後これが必要になってくる可能性というものはありませんか。
○重盛康司北部病院副院長 現在、北部病院としては、搬送されてきた患者の救命に全力を挙げて取り組んでいるところです。その際、救急車がいいのか、あるいはヘリコプターがいいのかということに関しては、議論の推移を見守っていきたいと思います。
○平良昭一委員 これは今後の課題になりますね。 次に、いわゆる民泊新法について質疑したいと思います。修学旅行の簡易宿泊許可証についても学生向けの民泊の中では取得が必要であるものと認識しております。取得すべき各事業所などを把握することについては保健医療部で行うのですか。それとも、文化観光スポーツ部が行うのですか。
○玉城宏幸衛生薬務課長 いわゆる教育民泊と言われているものでも宿泊料を取って人を宿泊させる場合には、旅館業法の営業許可をとる必要があります。また、現在は住宅宿泊事業法の届け出を県知事に出して営業をすることも可能ですので、その件数などにつきましては、両方とも県で把握しております。この届け出と許可について保健医療部が所管しております。
○平良昭一委員 やはり教育民泊等はどうしても許可はとらないといけないものですから―気になることは、大変盛んな教育民泊について、万が一にでも届け出をしていない状況が出てきたときに、沖縄県の修学旅行がパーになってしまう可能性もあるわけです。これは風評被害が出てくる。いわゆる民泊条例ができたわけですから、保健医療部が担当であれば、そのような事業所の件数などは把握しておくべきであると思いますが、いかがでしょうか。
○玉城宏幸衛生薬務課長 住宅宿泊事業法における事業者の届け出につきましては、保健医療部衛生薬務課のホームページで公表しています。それから、旅館業法に基づく許可につきましては、開示請求をしていただければリスト等を開示できることになっております。
○平良昭一委員 非常に気になることは風評被害です。現在届け出をしていなくても学生を受け入れるという状況があるのです。市町村によってかなりの開きがあります。ですから、この民泊条例については保健医療部だけではなくて文化観光スポーツ部や農林水産部ともかかわりがあるので細かな連携を必要とします。その横のつながりは絶対持っておくべできあるということをかなり以前から指摘しています。せっかく条例ができたわけですから、もう少し横の広がりを持っていただくことをお願いしたいと思います。
 次に、病院事業局に質疑します。沖縄県病院事業会計決算審査意見書の4ページで、監査委員からの審査意見はかなり厳しいものがあります。労働基準監督署から是正勧告がありました。その改善に向けて4点ほど注意事項がありますが、これについて今後はどのように取り組んでいくのかを教えてください。
○山城英昭病院事業経営課長 平成29年度決算については、労働基準監督署から是正勧告を受けた時間外勤務手当の支払い等により、全ての県立病院で経常収支が赤字となっており、病院事業は極めて厳しい状況にあります。このため沖縄県病院事業局では、経営の基本となる沖縄県立病院経営計画の見直しを行うため、平成30年7月に定めた沖縄県立病院経営計画の見直しに関する基本方針に沿って病院事業局全体で見直し作業を実施しているところです。経営計画の見直しに当たっては、基本方針に沿って、過去の決算結果から病院経営を悪化させている重要課題とその要因を整理し、経営改善に向けた方向性を定めるとともに経営を改善させる取り組み項目を幅広く検討し、その取り組みによる収支の見通しを収支計画に反映させ、毎年度の収支目標を設定することとしております。
 今後は、病院事業局長や各病院長等の病院事業管理者による経営改革会議、外部有識者による経営評価委員会での協議を踏まえながら経営計画をまとめていく予定でございます。また経営計画の見直しについては平成30年度内に完了し、県民に公表することとしております。
○末松文信年長委員 金城泰邦委員。
○金城泰邦委員 歳入歳出決算説明資料の中から質疑します。まず初めに保健医療部に伺います。
 同資料の4ページ、(款)民生費(目)国民健康保険指導費については、不用額が2億4182万円余り出ています。これは医療費の実績減によるものということでしたが、もう一度、これについて説明してください。
○山内昌満国民健康保険課班長 (目)国民健康保険指導費の不用額につきましては、高額医療費共同事業負担金の算定の基礎となる高額医療費の実績が、見込みより下回ったことによる不用額となっております。
○金城泰邦委員 見込みよりも減ったということはいいことであると思います。いいことによる見込みが減ったものと受けとめているのですが、そういうことで理解していいのですか。
○山内昌満国民健康保険課班長 これにつきましては、市町村の給付に対する法定の負担金になっておりますが、当初予算計上時には不足がないように、過年度の推移を見ながら予算を組んでおります。結果的に給付費が全体として減って不用が生じたということです。したがって予算としては足りていたものと理解しております。
○金城泰邦委員 その下の(款)衛生費で(目)精神衛生費も不用額が9857万1000円余り出ています。これも医療費の実績減ということで、ある意味健康増進の取り組みの結果としてそういう結果になったものと受けとめていますが、そういうことでよろしいのでしょうか。
○山川宗貞地域保健課長 この事業費については扶助費になっております。当初これぐらい必要であると考えており、それの範囲内でおさまったということでございます。
○金城泰邦委員 いずれにしても予算の範囲内でおさまるのはいいことであると思います。
 その下の母子保健衛生費が補正で6500万円減になっています。これについても御説明願います。
○大城博医療企画統括監 母子保健衛生費の補正減の主な内容ですが、この(目)母子保健衛生費の中のこども医療費助成事業において、現物給付の導入に伴う市町村の電算システムの改修に要する経費についての補助を予定しておりました。しかし、多くの市町村において平成30年度に電算システムの改修を行うことになったことから、5468万9000円を減額補正しております。
○金城泰邦委員 同じく5ページの(項)医薬費の28番(目)医務費が9800万円の補正減で、10億円の繰り越し。これは診療所に係るもの等々あったようですが、これについてもう一度説明してください。
○大城博医療企画統括監 (目)医務費の補正減の主な理由ですが、この(目)医務費では2つの事業で増額補正を行い、10の事業で減額補正を行っております。このうち、減額補正の内容につきましては、地域医療介護総合確保事業について、国庫の内示減に伴い3億8480万4000円を減額補正したというものが主なものになっております。
○諸見里真医療政策課長 主なものはほとんどそこになりますが、繰り越しの事業は、もとぶ記念病院に対する改築のための補助がございます。ただし、これはハード交付金ですので交付決定の時期がおくれます。そのため半年間という工事期間では難しいのです。実際に工事に着手したのですが、地盤がかたい部分が出てきました。そういう事情も考慮して繰り越しにならざるを得なかったということです。
○金城泰邦委員 同じく6ページの(款)教育費の(項)大学費(目)看護大学費の中の不用額です。先ほど、6500万円の不用額については旅費等の不用によるものとの説明がありました。しかし、これは金額として旅費だけでは大きいと思いますので、その御説明をお願いします。
○大城博医療企画統括監 旅費の減については、非常勤講師の実績の減があります。それから、需用費、委託料等において経費の節減を行ったことなどによる不用となっております。
○金城泰邦委員 次に、沖縄県病院事業会計決算書の20ページに、各県立病院の病床利用率について記されています。北部病院が70%、八重山病院で60%、ほかが90%前後ということで、この2つがほかと比べて病床利用率が低いということが目立つのですが、それについてどのように分析しているのですか。
○山城英昭病院事業経営課長 北部病院では外科医師の不足による外科の救急受け入れ制限があることで救急からの入院患者減少が影響し、病床利用率の低下につながっております。また異常分娩等に対応するための産婦人科医師が充足しておらず、NICUの病床利用率低下の要因になっております。
 中部病院と南部医療センター・こども医療センターにつきましては、平成28年度総務省病院経営分析比較表がございますが、全国平均、類似平均の病床利用率を上回っており、高い病床利用率を維持しているものと評価しております。
 精和病院につきましては、国の施策である入院医療中心から地域生活を中心とすることに沿った運営を進め、長期入院患者の退院及び社会復帰を促進しているため入院患者が減少し、病床利用率が低下している状況にあります。今後は紹介患者の受け入れを積極的に行うなど、新規入院患者の獲得に努めてまいりたいと思います。
 宮古病院につきましては、限られた医療圏域の中で患者獲得に努めており、高い病床利用率を維持しているものと評価しております。
 八重山病院につきましては、精神科病棟を含めた病床利用率が低くなっています。新病院では施設設備面で精神科病棟への入院を望まない患者や家族の思いに配慮されており、病床利用率の向上につながるものと期待しております。
○金城泰邦委員 次に主要施策の成果に関する報告書の121ページにある管理栄養士養成課程設置補助事業です。これは新規事業ですが、3億円の予算でこれから準備をしていくということで大変感謝いたします。この中の今後の課題にも、しっかりと文部科学省や厚生労働省の認可をとるための手続が必要であると書いてあります。これについて県で何かアドバイスできるようなことがあれば、ぜひよろしくお願いします。何かありますか。
○宮里治健康長寿課長 管理栄養士養成課程設置補助事業につきましては、昨年度、学校法人沖縄大学が事業候補者として選定されたところです。今年度は5月29日に補助金の交付決定をしております。また、学部の設置認可は文部科学省が行いますが、8月31日に施設の認可がおりています。その後、管理栄養士養成施設の指定を厚生労働省から受ける必要がありますが、それは来年3月ごろに予定されているということを聞いております。ですから来年度の4月から開学という予定になっております。
 県としては交付決定しておりますので、設置事業者が滞りなくしっかりと進められるよう、注視しながら必要な助言等を行っていきたいと考えております。
○金城泰邦委員 続いて、沖縄県病院事業会計決算審査意見書の8ページ等を見ると、先ほども説明があったとおり県立病院の病床数等の比率というものが全国と比べてみても非常に高いと。都道府県立病院等が占める割合を見ると、全国が2.4%であるのに対して沖縄県は7.4%であること。また、病床数を見ても全国が3.5%であるのに対して沖縄県は11.9%であるとか。こういった形で見ると、全国と比較してみても本県の県立病院が大きな役割を果たしているものと評価しております。
 一方で、同意見書の9ページや10ページ等を見てみると、入院患者数と外来患者数が予定量よりも下回っているということで、これについては先ほども質疑がありました。10ページの施設の利用状況を見ても、前年度と比較して外来患者の延べ人数が1万807人減少をしています。こういったものを見てみると、県立病院は占有率等を見てもその比重が高いということがわかりますが、利用者数が減っているという状況を見ると、もしかすると、例えば人口比率等々を見ると県立病院がほかの都道府県等と比較して多いということがあり得ると思いました。それでウィキペディアなどで確認してみました。沖縄県と類似する都道府県の人口を見てみると、沖縄県は144万人で全国25位となっており、県立病院が6つあります。類似しているところを見ると、沖縄県よりも少し少ないのですが、山口県は138万人で全国27位で、県立病院がなく地方独立行政法人が2つあります。愛媛県は136万人で全国28位ですが、県立病院は4つあります。鹿児島県は162万人で全国24位ですが、県立病院は5つあります。滋賀県は141万人で、県立病院は3つあります。三重県は179万人で、県立病院は4つで、地方独立行政法人が1つあります。沖縄県は人口から見ると、県立病院が多いというイメージを持ちました。それについてはどうでしょうか。
○山城英昭病院事業経営課長 県内の医療機関に占める県立病院の割合につきましては、病院数で7.4%、病床数で11.9%と、全国平均と比べても高い傾向にあります。沖縄県における公的医療機関や国公立医療機関で見た場合の県立病院の割合も、全国平均とほぼ変わらず、県立病院が公的医療機関の大部分を占めている状況でございます。これにつきましては、本土復帰時に国民健康保険の適用等で急増する医療需要への対応が迫られたこと。また、他都道府県と比較してかなり立ちおくれていた当時の医療事情を改善する必要があったことなどから、沖縄振興開発計画や国の救急医療対策事業実施要綱などによって急速に県立病院の整備が進められ、県立病院主導の医療提供体制が形成されたことによるものであると認識しております。さらに沖縄県は地理的な特性として隣接県がなく、島嶼県であるため、県内完結型の医療提供体制を余儀なくされたことに加えて、市町村立病院の設置が進まなかったことから、離島・僻地に県立病院2施設及び附属診療所16カ所を設置し、沖縄県病院事業は離島・僻地医療の確保に大きな役割を担うこととなったものがあると考えております。
○金城泰邦委員 県立病院が沖縄県で非常に重要な位置を占めているということは理解しております。一方で決算を見ていきますと、累積する赤字の問題。マンパワー不足の問題といったことがずっと続いていると。こういったことに対して、たしか平成21年ぐらいに沖縄県医療審議会や県立病院のあり方検討部会などでいろいろな議論をされたということですが、その中で赤字やマンパワー不足の解消等々含めて、経営改革が必要であるというところから地方独立行政法人というものが求められるとの結論が出ているのです。それについて今日どうなっていますか。
○金城聡病院事業統括監 当時の資料が手元にないので、記憶に基づいての答弁ということになります。その当時も借金が多いという経営状況がありました。そのころには国の指導で行政改革を進めるという流れがありました。そういう中で、国の場合は、国立病院などは国立病院機構という形で独立行政法人化が進むという社会的な流れがありました。国の政策は病院事業であっても公的法人が適切に執行できる体制を法律が完備するというもとで病院事業が執行されていくということがありました。そういう流れの中で、本県の病院事業もそういう経営状況にあって、その選択肢ができるのかどうかということで、県立病院のあり方に関する基本構想というようなものを取りまとめています。そのときに構想期間の中で経営を改善して、その経営改善がどのように進むのか。その結果に基づいて地方独立行政法人を選ぶのかどうかということを検討しなさいということが審議会において審議され、答申されて、知事のもとでそういう管理がなされました。その構想期間の中で、民間の委員を附属機関とし、その病院経営のあり方について逐次報告して、経営状況について指摘を受けた場合には、その指摘をもとに改善しながら経営を進めたところです。結果的にその構想期間中に経営改善の方向にあるというような評価になったものですから、当時の知事は独立行政法人については選択しないという方向になったものと記憶しております。
○金城泰邦委員 先ほど来、この決算書を見ても、見込みよりも給付費が減っているとか、世の中が健康志向にあるとかで、今後この病床数をふやして、入院、通院等々、患者がふえる見込みで事業を組むということは結構無理があると思っています。そういった中でやはり経営改革についてしっかりと議論していかないといけないと思っております。こういった行政法人の取り組みについては、長野県などが平成22年度にこれについて取り組んだと。4年後の平成26年度にそれを総括した中では、答申としては地方独立行政法人へ移行することはメリットが大きいというような成功事例が出ている都道府県もあるのです。そういうものを見ると、これからの医療については費用対効果とかいろいろとありますが、そういったことも視野に入れていくべきであると思います。ふえていくことを前提にして拡充するという話でずっといくのか。あるいは将来的には健康になっていくことが望ましいことでもあるし、それを想定しながら議論するということも必要ではないのかと思います。そういったことについて御見解をいただきたいと思います。
○金城聡病院事業統括監 委員の御指摘については、我々も参考に値するものと考えるところです。沖縄県の病院事業につきましては、復帰当時から県民の医療を守るという形で、県行政の中に組み込まれて、国策として国費も投資されて、それなりの整備を進められてきているものと思います。その中で病院事業の職員は医療従事者を確保して、一生懸命県民の生命と健康を守るために医療を提供しているところです。地方独立行政法人の選択については、委員がおっしゃるように確かにメリット、デメリットがあると思います。メリットを見ると、特定の公益法人が特定の事務について執行する体制を整備するということで、他の都道府県はそういう選択をされたものだと思います。一方で病院事業が一般医療なども担っているというところも踏まえて、病院事業をどのように管理していくのかということについては、今後の議論が必要であると思います。いろいろなメリットやデメリットを考慮しながら、さらに沖縄県の病院事業は、公の施設として5地域に知事が設置したものですから、知事の設置者としての意見も十分に考慮しながら、その検討を進めるべきであると思います。
○金城泰邦委員 確かに先ほどの事例は長野県で、沖縄県の場合とは全然違います。本県は離島県であり、エリアも広範囲にわたります。ドクターヘリのニーズなどがあったりもします。そういった地域に合ったニーズをしっかりと踏まえつつ、毎年度、毎年度出てくる赤字経営に対して、法定外繰り入れをどのくらいやっているのかとかといった議論だけでいいのかと。そのような疑問を持つものですから、そういった意味では、組織全体としても本当はどのように持っていったほうがいいのかという議論をしっかりと見守っていきたいと思います。
○末松文信年長委員 新垣新委員から質疑時間の5分を照屋守之委員に譲渡したいとの申し出がありましたので御報告いたします。
 なお、質疑の持ち時間を譲渡した委員は、譲渡を受けた委員の質疑中は在席する必要がありますので、御承知おき願います。
 それでは質疑を行います。
 新垣新委員。
○新垣新委員 まず、主要施策の成果に関する報告書の120ページのがん予防対策推進事業について質疑します。全国の都道府県のがん予防の受診率について沖縄県は何番目の位置づけにあるのか。また対前年度比についてもお聞かせください。
○宮里治健康長寿課長 がん検診の受診率につきましては、まず肺がん検診の全国順位は21位になっております。大腸がん検診が33位、胃がん検診が16位、子宮がん検診が19位、乳がん検診が33位となっております。
○新垣新委員 この検診の受診率は高いほうですか。それとも低いほうですか。
○宮里治健康長寿課長 肺がん検診については、全国と比べると受診率はよくなっております。大腸がんは全国平均と比べて低くなっております。胃がん検診は全国平均と比べて高くなっております。子宮頸がんも全国と比べて高くなっております。乳がん検診は全国よりも低い受診率になっている状況です。がんの受診率に関しては肺がん、大腸がん、胃がん、子宮頸がん、乳がんをまとめた受診率というものはデータとして出していないという状況です。したがって個別の回答になることについて御了承ください。
○新垣新委員 県民が健康であれば病院事業局は赤字を生まない。県民が健康であることで、血税である県民の税金が扶助費、医療費等の予算にならないということは当然であるということを基本的なものとして考えております。
 そこで沖縄県はがんが多い地域なのか、沖縄県の位置づけはどうなっているのかをお聞かせください。
○糸数公保健衛生統括監 今、がんと診断された患者さんを登録するというシステムになっていて、それを罹患率という言葉で我々は表現しております。平成26年の年齢調整をした沖縄県の状況を見ると、男性が393.2人で全国は429.4人となっており、男性は全国よりも低い状況です。一方女性は324.8人で全国が300.7人ですので、女性は全国よりも高い値となっております。男女を合計すると沖縄県は全国よりも若干低いというデータがあります。
○新垣新委員 この数字を過信しないように引き締めることが大事だと思います。
 県民が健康であれば、病院事業局の経営が徐々に改善していく。これは当然のことだと思うのです。ヨーロッパでは健康診断を受けない国民に対して厳しい罰則みたいな制度があるのです。アメリカでも州によって違っています。県民のために、思いやりがあるという形で何らかの厳しさを教えるべきであると思います。病院事業局の赤字解消や県民の健康、痴呆症防止という形で改善されていくと。昨年度も同じようなことを質疑していますが、ある程度の社会主義の血を入れるべきだと思っているのです。社会主義にはこういう形の制度があるのです。民主主義ではそういうものはないのです。ですから沖縄県としてもこれについて検討すべきではありませんか。赤字ばかりで県民の血税を入れて、新規事業ができないのです。健康が一番なのです。これについて提言します。これはおもしろい発想なのです。頭がかたい発想から柔らかい発想に切りかえていくのです。それについてどう思いますか。共産主義はだめですよ、社会主義でいいのです。
○糸数公保健衛生統括監 例えば、現在でも感染症等に罹患した人が健康診断を受けないなどのほかの人に被害が及ぶようなときには、ある程度の強制力を伴った形で勧告するというものはあります。ただし、がん検診や特定健診などの個人の健康にかかわるものについては、その個人に促して受けてもらうということに現状はなっております。例えば会社であれば社長が社員に対して必ず100%受けてこいというようなトップダウンでできるところについては、我々もその実施をお願いしたりしています。しかし、基本的には個人の健康づくりということで、今置かれているシステムの中で、どのようにして行動変容を促すのかということが現状でございます。
○新垣新委員 今のは答えになっていないと思います。要するに市町村におけるがん検診の向上を図ると。それは市町村との連携が一番大事なのです。でもこれは限界が来ていると思うのです。これからは高齢社会になってくるし、その辺は厳しい国の法律、沖縄県の条例というものをつくらない限り直らないと思います。沖縄県から新しいモデルをつくっていくべきだと思っているのです。これ以上、扶助費として県民の血税が―健康であればいろいろな事業ができるのです。そういった大局的な観点で窓口や協議会をつくっていただきたいのです。平成28年度の決算特別委員会でも質疑しています。どうですか、昨年度も言っていますが。
○大城博医療企画統括監 委員がおっしゃるように、検診を受けなかった人に何らかの負担を与えるというような仕組みではないのですが、国民健康保険の公費のシステムの中で市町村や都道府県が保健事業に一生懸命取り組んだ場合には、その努力に応じて、国が支援するという仕組みがあります。保健事業の取り組みを評価して、さらに積極的に健康増進に取り組んでもらうという仕組みは整備されております。保健事業をきちんと行って、このような国からの財政支援も得ながら、県民の健康を増進させられるように努力していきたいと思います。
○新垣新委員 国民健康保険について昔はペナルティーがありました。こういったがん検診等を受けたら市町村に頑張りましたというような交付金のようなものが来るということもわかっています。私は市議会議員上がりですからわかっています。でも改善できない部分があるのです。これは国を見るのではなくて、私たちはウチナーという視点からどのようにして考えていくかが一番大事なのです。そこはメスを入れないとだめです。もう病院事業費はずっと赤字、赤字ですよ。ここにメスを入れる時代なのです。その辺に関して保健医療部長の見解を求めます。これは協議会を設置すべきなのです。これはある意味思いやりです。重い病気になって、アガーアガーして、医療費や扶助費が上がっていきますから、そこはメスを入れるのです。いかがですか。
○砂川靖保健医療部長 みんなが健康になると病院事業が赤字にならないということは逆かなと思っています。逆に県立病院は患者さんが来ないと収益が上がらないわけです。だからといって患者をふやそうというわけではありません。
○新垣新委員 保健医療部長、待ってください。それは私に対する暴言ですよ。私が言う、県民が健康になれば病院事業局は赤字にならないということは間違っていないのです。保健医療部長は真逆のことを言っています。保健医療部長の答弁を訂正させてください。こういうことは絶対に通らないですから。
○砂川靖保健医療部長 この県民の健康と県立病院の経営の話は切り離して考える必要があるものと考えています。国民健康保険あるいは被用者保険、それから公務員の共済などは全国一律の制度なのです。これは法律で定められているわけです。そういう中において、このような検診を受けなかった場合に保険の適用から外すような取り組みというものは、条例とか県単独で決められるような話ではないものと考えております。
○新垣新委員 それでは沖縄健康のための特区などを自分たちでつくることもできるのです。その特区をつくるという形で、どうすれば県民が健康でいられるのかと。そういうものをつくっていこうではありませんか。保健医療部長、いかがですか。
○砂川靖保健医療部長 その特区をつくって取り組むというよりも、今我々がやっているヘルスアクション、健康長寿を復活するためのプログラムなどに力を入れて、これを達成していきたいと考えています。
○新垣新委員 保健医療部長、特区はできます。自分たちで考えて、県がやるべきことを国に上げればできます。できないとばかり言っていたら一生できません。メスを入れる時代に来ていますので、ぜひその検討を強く求めます。今メスを入れなければ何も変わらない。扶助費等が大きくなる。予算も厳しい沖縄県になりますので、大胆な改革を強く求めます。
 続きまして、同じく122ページ、特定不妊治療費助成事業について、その成果をお聞きします。平成29年度と平成28年度における対前年度比を教えてください。
○山川宗貞地域保健課長 まず平成29年度の日本産科婦人科学会の特定不妊治療の報告によると、成功率は11.7%となっており、日本全体での数値は上がっております。沖縄県については制度開始が平成17年度になります。それから平成29年度までの沖縄県で助成した件数は1万3286件となります。それで計算いたしますと、生まれたお子様は1554人として推計されています。
○新垣新委員 年齢制限を45歳まで上げるという考えはありますか。
○糸数公保健衛生統括監 国において平成28年度から43歳未満を助成の対象の範囲としたところでございます。今、委員から御指摘で、その年齢を上に拡大できないかというお話でしたが、年齢が高くなればなるほど流産であるとか、妊娠に伴う合併症などの母胎への危険があるということが言われており、国もそういう判断をしております。したがってそのようなエビデンスがある以上、それを超えて助成するということは非常に難しいことであると考えております。
○新垣新委員 ぜひ、これについての周知を徹底して行っていただくよう強くお願いを申し上げます。まだ制度についてわからない方が多いと思いますので、よろしくお願いします。
 同じく125ページ、これまでに多くの委員が指摘している離島における医師確保ですが、石垣島や宮古島などの離島の子供たちを育成して医師になってもらう、地元で生まれた子供は地元で医師になってくださいというような新しい制度として琉球大学医学部に離島枠という形を築いていただきたいのです。いかがでしょうか。
○長嶺祥保健医療総務課長 離島枠につきましては、現在、北部・離島枠として5名の枠がございます。離島につきましては3名の枠がございます。
○新垣新委員 それをもっとふやしてください。今よりもさらにふやしてくれって言っているのです。今のは答弁になっていないのです。枠があることはわかっていますから。今よりもさらにふやしてくれと質疑しているのです。ですからそういった答弁に各委員は納得しませんよ。もう一度答弁してもらえますか。現状よりもふやしてくれと言っているのです。
○大城博医療企画統括監 琉球大学医学部の地域枠につきまして、毎年度17名の定員増を認めていただいており、その中の3名が北部と離島の出身者を採用するということで、その枠を設けております。琉球大学医学部におきましては、年度ごとの受験者の状況に応じて離島枠の学生についてはこの枠よりも1名多く採るという運用をしているところですので、そういった形で将来的に長い期間、離島や北部で働いていただくことが期待できるお医者さんを確保していきたいと思っております。
○末松文信年長委員 休憩いたします。
   午後3時9分休憩
   午後3時24分再開
○末松文信年長委員 再開いたします。
 休憩前に引き続き、質疑を行います。
 照屋守之委員。
○照屋守之委員 沖縄県立病院事業会計決算書の7ページ、貸借対照表の「その他流動資産」の6000万円の内容が明らかでないということですが、それについて御説明をお願いできますか。
○山城英昭病院事業経営課長 平成29年度沖縄県病院事業貸借対照表の「その他流動資産」に、平成26年度から計上されている6500万円のうち6000万円については、その計上の経緯や内容が明らかでないことから沖縄県監査委員から指摘されているものです。指摘されている数値やその計上の経緯とその要因としては、平成26年度の会計基準の変更に伴い、それまでの財務会計システムから新システムに移行した際の誤りによるものであると現時点で推定しているところですが、その断定についてはまだ精査を要しているところでございます。これは新会計システムへの移行時の仕訳の誤りによるものであると断定された場合には、修正処理を行う必要がありますので、引き続き精査の上、適切に対処したいと考えております。
○照屋守之委員 この決算については貸借対照表も含めて法律に基づいてしっかりとそういう数字を上げたということです。しかし、今の説明を聞くと、この6000万円を説明できないということは、決算書に対する信憑性が問われます。いかがですか。
○山城英昭病院事業経営課長 委員の御指摘につきましては、我々も危惧しております。この6000万円の内容等については詳しく精査した上で、今年度中に適切に対応したいと考えております。
○照屋守之委員 会計システム云々というようなことはこの決算書にはあらわれてきません。誰が見てもこの数字でしか病院事業というものを理解しませんから。このようなことを行っていて、沖縄県の病院事業の1年間がこうでしたということを出してくることはおかしいことではないのですか。決算をやり直したほうがいいのではないですか、どうですか。
○山城英昭病院事業経営課長 今回、新会計システムへの移行の際に6000万円の数値が出てきたもので、「その他流動資産」に関しては、その年以降の数値についての変更等はございません。その他の項目につきましては適切に対応がなされているものと考えております。
○照屋守之委員 信憑性がないと言っているのです。地方公営企業法第20条にのっとった形で本来はやらないといけませんね。この法律の説明とあわせて、現状がどうなっているのかを説明してください。同法第20条の条文を全部読み上げてください。
○山城英昭病院事業経営課長 地方公営企業法(計理の方法)第20条第1項、「地方公営企業においては、その経営成績を明らかにするため、すべての費用及び収益を、その発生の事実に基いて計上し、かつ、その発生した年度に正しく割り当てなければならない」。第2項、「地方公営企業においては、その財政状態を明らかにするため、すべての資産、資本及び負債の増減及び異動を、その発生の事実に基き、かつ、適当な区分及び配列の基準並びに一定の評価基準に従つて、整理しなければならない」。第3項、「前項の資産、資本及び負債については、政令で定めるところにより、その内容を明らかにしなければならない」。
○照屋守之委員 どうですか、それに沿ってできていますか。
○山城英昭病院事業経営課長 先ほども述べさせていただきましたが、「その他流動資産」の6000万円が不適切な状態であることについては重々承知しております。その精査につきましては、今年度中に専門家の御意見等も承りながら、適切に対応していきたいと思います。
○照屋守之委員 それでは手おくれです。地方公営企業法違反です。法律に違反して皆様方はこのような決算をしているのです。法律違反で行ったものを我々県議会議員が審査できますか。これは県監査委員からも指摘されているのです。どう責任をとるのですか。病院事業局長、これは法律違反ですよ。
○金城聡病院事業統括監 委員の御指摘については大変重く受けとめております。地方公営企業法第20条第2項にある、財政状況を明らかにするために全ての資産、資本及び負債の増減及び異動を、その発生の事実に基き、かつ、適当な区分及び配列の基準並びに一定の評価基準に従つて、整理しなければならないという部分について、監査委員の意見として疑義が生じているものと認識しております。全ての資産の増減という部分については、平成29年度の決算における増減については適切に捕捉しているものと思っています。ただし、経営課長からも答弁がありましたように、平成26年度の決算にこの6000万円が新たに計上されていて、その計上された経緯について今調査しております。監査委員に指摘された際にも、それ以前から調べておりましたが、なかなかその実態を明らかにできなかったということで、監査委員としては十分精査するようにということで留意事項が付されていると思っています。
 病院事業局としては、負債とか資産とかというものは経営の基本ですので、その部分を説明できないということは十分に責任説明を果たせていないということですので、この実態については今年度中に明らかにして、仮に計上のミスもしくは事務手続の誤りであれば、法に基づいて訂正手続をとらせていただきたいと思っております。
○照屋守之委員 決算とはそういうものなのですか。地方公営企業法第30条の条文はどうなっていますか。
○山城英昭病院事業経営課長 地方公営企業法(決算)第30条第1項、「管理者は、毎事業年度終了後2月以内に当該地方公営企業の決算を調製し、証書類、当該年度の事業報告書及び政令で定めるその他の書類をあわせて当該地方公共団体の長に提出しなければならない」。第2項、「地方公共団体の長は、決算及び前項の書類を監査委員の審査に付さなければならない」。第3項、「監査委員は、前項の審査をするにあたっては、地方公営企業の運営が第3条の規定の趣旨に従ってされているかどうかについて、特に意を用いなければならない」。第4項、「地方公共団体の長は、第2項の規定により監査委員の審査に付した決算を、監査委員の意見を付けて、遅くとも当該事業年度終了後3月を経過した後において最初に招集される定例会である議会の認定(地方自治法第102条の2第1項の議会においては、遅くとも当該事業年度終了後3月を経過した後の最初の定例日(同条第6項に規定する定例日をいう。)に開かれる会議において議会の認定)に付さなければならない」。
○照屋守之委員 もういいです。それで管理者は事業年度終了後、2カ月以内に決算を調製してと言いましたね。先ほどの答弁で今年度いっぱいで明らかにすると言いましたね。そうであれば今年度いっぱいに調製できるのですか。3月に締めて2カ月以内に調製してということにはならないのですか。
○金城聡病院事業統括監 委員がおっしゃる同法に基づく決算書というものは、2カ月以内に知事に提出しております。この決算書は平成29年度の決算という意味において、もう訂正、修正はないものと思います。ただし、その決算において決算の内容の一部に修正すべき誤りが見つかった場合は後日、今回の例で言いますと、平成30年度の事業の中で過年度修正をする手続も同法において認められております。したがってその手続をとらせていただきたいと思っております。
○照屋守之委員 この決算書、貸借対照表は大変なものですよ。これは実態と合っていない。こういうものを粉飾決算というのです。だって事実と違うでしょう。病院事業局長、これは事実と違うのです。これを粉飾決算というのです。地方公営企業法に違反したことを堂々とやっている。指摘をされて今年度いっぱいにこれを明らかすると。決算書というものは今年度いっぱいに訂正するものですか。何を考えて皆様方はこれをつくっているのですか。この決算書というものは皆さん方が1年間やってきたもの全てをそこに入れるのですよ。それを見て今後どうするのかということです。そこに不信感が出てきたらどうするのですか。どう責任をとるのですか。
○金城聡病院事業統括監 委員の御指摘は、事実と違う決算ではないのかということですが、病院事業局としては平成26年度におけるこの6000万円の計上がどういう事実に基づくものなのか、現在明らかになっていないという認識です。どういうことで、この流動資産が計上されたのか、その事実を確認することが先かと思います。この事実が確認できて、これが正しい仕訳の仕方だったのかどうか、誤りに基づく仕訳であれば、正しい仕訳の方法が必要になると思います。その仕訳の方法については専門家の意見も聞きながら、正しい決算のあり方をまとめて平成30年度の決算の中で過年度修正していきたいと思っております。
○照屋守之委員 これはもっと悪いのです。これは平成26年度に発生したものです。今は何年ですか。これまでにきちんと整理できないものをこれから整理するのですか。指摘されたら整理するのですか。これはシステムの変更とか関係ないですよ。これは平成26年度から引き継いで6000万円が入ってるのです。それが今さらこういう言い方をされて、法律にも違反している。これは病院事業局としても大変なことですよ。本日、各病院長もいますよ。こういう実態で経営ができるのですか。どういう問題が起こっているのかわかっていますか。資産のトータルと負債及び資本のトータルは一緒ですよ。資産と負債及び資本の合計です。ここがおかしくなるということはどうなりますか。全てがおかしくなるのです。こんな決算書をよく出せましたね。貸借対照表は全て一緒ですよ。この中が曖昧だと逆にこちらも曖昧なのですよ。これはごまかしていませんか。これを見ると、ごまかしの決算書です。皆さんも貸借対照表はわかるでしょう。こちらがおかしければ、ここもおかしいという話ですよ。ですから今、皆様方がやっている決算の資産がおかしいということだから、ここの負債と資本もおかしい。だからこの決算書は公にできるものでもないし、やり直したほうがいいのではないのかという話ですよ。どうですか。
○金城聡病院事業統括監 決算書の中のバランスシート、いわゆる貸借対照表は、貸し方と借り方のバランスがとれているということが大原則になります。「その他流動資産」の部分に不明な部分があるということは、逆のほうにも説明できない部分があると思います。委員がおっしゃるように、全体のバランスがとれている状態で、この財務諸表をつくる必要があることを踏まえると、その一部について説明できないということは、全体の説明ができないと言われても仕方がないと重く受けとめております。病院事業局としては、この流動資産は平成26年度の計上に基づいていますが、その計上がどういう理由によるものなのかをまずは確認させていただきたいと思います。それによって決算を訂正する必要がある、もしくは仕訳が単純に誤っているのであれば、法律に基づいて手続をとらせていただきたいと思います。
○照屋守之委員 何十年もの間、経営をしていますか。沖縄県の病院経営です。日本の病院経営を初めとしてこのような決算書は初めてですよ。システムが故障とか、平成26年度から引き継ぎしていないとかというようなことは理由にはならないのです。だって、そのときの数字はあるのですから。これについてはぜひ言っておきたいのですが、流動資産の中でこの6000万円が不明ですね。それならばこの負債及び資本の中の6000万円も不明ということですよ。これについて説明してもらえませんか。資産の6000万円が不明ですね。負債及び資本の6000万円も不明になるのですよ。この内訳を説明してください。
○金城聡病院事業統括監 委員がおっしゃる「その他流動資産」に対する部分がどの部分に該当するのかということについては、今まだ明らかになっておりません。ですから説明ができない状態です。この「その他流動資産」の6000万円については、過去の担当者に事情聴取をしておりまして、その中で記憶をたどりながら、なぜ6000万円が計上されたのかということについて調べているところです。さらに各病院においては、過去の調定元帳というものが再発行できますので、それについて平成26年度以前から入手して、現在その取引を確認するという作業を行っているところです。その作業に時間を要するところですので、御理解をいただきたいと思います。
○照屋守之委員 理解なんかできませんよ。これは決算書ですよ。理解できるはずがないですよ。こんないいかげんな決算書について誰が理解できますか。本当に大丈夫なのですか。先ほども言ったとおり、負債及び資本のお金、6000万円はどこに行ったのですか。ここが問題なのですよ。6000万円の行方の問題です。これをしっかりと調べないと、これは犯罪ものですよ。だってそうではないですか。この6000万円の帳尻を合わせるために、そこに6000万円を乗っけたらどうなりますか。皆様方はこの内容についてきちんと説明できない。流動資産を含めた貸借対照表の右左が合うと。仮にこの6000万円は間違いない、そして負債及び資本も間違いないものとします。そうするとこれに合わせて、6000万円を上乗せしてつくるという話もあるわけでしょう。皆様方が平成26年度からやっていてできないものは、しっかりと税理士や専門家である第三者を含めた検討委員会をつくってやらないと解明できません。この6000万円がどうなったのかという話ですよ。これについてどのように説明するのですか。
○金城聡病院事業統括監 先ほども答弁いたしましが、過去の担当者などからのヒアリングを通じて調べているところです。
 病院が活動する上で、本庁と現場の病院間の資金の動きを扱う勘定があります。これは病院本庁勘定と呼ばれるものです。これは対外的な取引に基づくものではないので、本来ならば整理勘定と呼ばれるものであり、債権債務関係が発生しないような管理をされている部分があります。ところが、その整理勘定を利用せずに、「その他流動資産」の部分に、1年未満の債権と勘違いして仕訳を行うと、そのような決算になる、そのような財務諸表が作成されるということがおおむねわかっています。そうしますと、過去の経済活動が正しく仕訳されているのかどうかを1つずつ確認する作業が必要であると思っています。仮に今言ったような場合、本来ならば対外的な債権債務関係が発生せず、整理勘定で整理すべきものを「その他流動資産」で整理しているのであれば、これは経理の単純な誤りとまでは言えませんが、経理の決算誤りとなりますので、その決算誤りについては次年度の事業年度において法に基づく訂正手続をとらせていただきたいと考えています。
○照屋守之委員 どういう説明ですか。それでは裏金があるという話ですか。そういう可能性があるということですか。今の答弁の意味はどういうことですか。
○金城聡病院事業統括監 裏金という意味ではございません。間違った仕訳をしてしまったので、このような決算書に計上されてしまったのではないのかと。その部分についての原因究明をせずに手続を進めてしまった結果が、このようになっているのではないのかと。現に平成26年度以降に新たに導入されたシステムでは整理勘定というものが明確になっていまして、その整理勘定を用いて本庁と病院間の資金を動かしますと、こういう「その他流動資産」という部分には計上されていません。したがって過去の経理の事務についてを1つずつ確認する作業が今求められています。決して委員がおっしゃるような裏金とか、隠しとかというものはないと思っております。
○照屋守之委員 当然そのように思っているでしょう。皆さん方は病院事業経営についていつからやっているのですか。私は県議会議員として4期目ですが、ずっと病院事業経営にかかわっています。それを今さら、こういう決算書をつくるのに何がどうのこうの、あの勘定がどうのこうのと。この程度のレベルですか。これは県民の不信感どころではないですよ。県民は県立病院については、もちろん医療の提供もそうですが経営も含めてしっかりとやっていただいている。我々県議会議員も頑張れと応援する。でも皆様方はどうなのですか。このような中途半端な決算書を出してきてこれを指摘したら、今年度いっぱいにやると。いろいろなお金の流れがあって、裏金なのかと聞いたら、そうではないと思うと。こんな病院事業経営がありますか。先ほどからいろいろな課題が出ております。病院事業は。肝心かなめである経営体、本体そのものがこのような実態であれば、どうやって県民の医療をさらによくしていけるのか。それが実現できますか。これは専門家に調査させてください。これは大変な問題です。6000万円というここがポイントですよ。この6000万円がどこに消えたのか。先ほどのように裏金ではないと思うと言うのであれば、皆さん方ではなくて第三者に調べさせて、原因を究明させてください。そうでなければ、この決算書は一度取り下げたほうがいいと思います。このような決算書は全国のどこへ行ってもないですよ。全てのさまざまな資料を集めて精査して、それを集約したのが決算書です。これに対してシステムがどうのこうのということはあり得ない。やり直したほうがいいですよ。どうですか。
○金城聡病院事業統括監 今回の決算書で、「その他流動資産」として6500万円を計上していますが、その6500万円は平成26年度の決算から数字的には変わっていません。数字的に変わっていないということは、平成27年度以降の取引については正しく決算されていると思います。しかし、委員がおっしゃるように、「その他流動資産」に現在6500万円が計上されているわけですから、それを説明できないということは説明責任を果たせないということで、病院事業局としては責任を感じております。その部分についてまずは事実を確認させていただきたいと思います。その上で、間違った決算をした場合に、こうすべきであったというものがあれば、その結果に基づいて法に基づく手続をとらせていただきたいと思います。
○照屋守之委員 病院事業局長、これは責任問題ですよ。こういう曖昧な決算書を県議会に出してきて指摘をされたら、今年度いっぱいで精査すると。今年度いっぱいで精査したら、すぐに来年度の決算が回ってきませんか。平成30年度の決算ですよ。先ほど申し上げましたように、この6000万円は抜き差しならぬ状況ですよ。消えた6000万円はどこに行ったのですか。これは大変なことですよ。ですからこれは、権限を持った方々が第三者にしっかりと調査をさせてください。内部調査はもういいですよ。皆さん方ではできないですから。平成26年度に発生してからこれまでほったらかしておいてきたのですから、第三者がきっちりと調査して、この6000万円が実際にどうなったのかということも含めて整理していかないと、県立病院事業そのものがさらに信頼をなくしますよ。我々では責任を負えませんよ。病院事業局長、どうですか。第三者による調査なども含めて明言してください。これは病院事業局長の責任でやってください。
○金城聡病院事業統括監 今、この決算書にある6500万円についての事実確認の作業をさせていただいております。各病院の協力を得て、過去の勘定元帳の全てを出力してもらったり、本庁と病院間の勘定元帳相互間のつけかえ伝票などの写しも全て収集をして、それに関連する支出に係る附属資料も収集をして、1件ずつ支出を確認させていただきたいと思っています。その上で経理上、困難な事案、事務処理をどうしたらいいのかという専門的な技術が必要な場合、助言を求める必要がある場合には専門家の意見を聞いて、その指示に従って適切に処理をしていきたいと考えております。
○照屋守之委員 病院事業局長に答弁を求めているのに、局長は蚊帳の外ですね。病院事業経営の存続が危ぶまれているのですよ。そのような事態が起こっているのですよ。責任者として何も思わないのですか。どうですか。
○我那覇仁病院事業局長 照屋委員の御指摘について非常に重く受けとめております。私は4月から病院事業局長の職についているわけです。今回のこの6000万円の使途が不明ということで、先ほどから経営課長や病院事業統括監が説明しているようにまずはこれを精査し、専門家の御意見を聞きながら、その内容については明らかにしていきたいと考えております。
○照屋守之委員 地方公営企業法第34条の条文に、職員の賠償責任というものがあります。この6000万円がどうなったのかということは、皆様方の内部だけではなかなか調査できないと思います。だってこれまでできていないのですから。平成26年度に発生したことをそのままずっと引っ張って、監査委員の審査意見書で指摘されて、県議会からも指摘されて、これから一生懸命やりますと。でもこれは賠償責任にかかわってくることになるのかもしれません。そうなると病院事業局長も含めた病院事業局自体が非常に厳しい状況になると思います。病院事業局のこの決算書そのものは地方公営企業法に違反していますから、そこをどうするのかということです。我々県議会議員は皆さん方の対応をしっかりと注視しますからね。このような決算書を県議会に出されても、監査委員の決算審査意見書で指摘されているような決算書について、県民の代表である我々は議論しようとは思っていませんよ。145万県民の医療を担うプライドがある県立病院事業局であってほしい。我々はそのバックアップをしたい。病院事業局の職員の定数もふやせるように条例改正を認めても実際にはふやしていない。このような経営をやっているわけです。経営させたら大赤字であると。平成29年度から平成32年度までの計画をつくると。3つの大きな柱とは何ですか。計画もただつくればいいというものではありません。魂を込めてしっかりとやらないと。そのことをしっかりと指摘しておきます。この決算書については追っかけていきます。きちんとやってください。お願いします。
○末松文信年長委員 以上で、保健医療部及び病院事業局関係決算に対する質疑を終結いたします。
 説明員の皆さん大変御苦労さまでした。
 休憩いたします。
   (休憩中に、説明員退室)
○末松文信年長委員 再開いたします。
 次に、特記事項についての御提案がありましたら、挙手の上、御発言をお願いいたします。
 照屋守之委員。
○照屋守之委員 ぜひ特記事項として提案したい部分がありますので、よろしくお願いします。
 県立の病院事業の決算について、6000万円がいまだ不明という中で決算書がつくられているということについては非常に疑問を持っております。ですから早目にこの内容等も含めて、あるいはなぜそういうことになったのか、その具体的な調査等々も含めて行い、明らかにしていただきたい。そのような内容にしてもらいたいと思っています。
○末松文信年長委員 ただいまの提案について意見はありませんか。
 比嘉京子委員。
○比嘉京子委員 答弁の中で精査中であると。精査した後に平成30年度における決算の中できちんと法的な手続をとって、それを報告したいということがありました。ですからそれ以上のことは望めない。望む必要もないのではないかと思っております。今、すぐに調査結果が出てくる状況にはないものと判断しております。第三者の意見も聞いてと言っていました。当然、原因の究明について求めますが、病院事業局に委ねたいと思います。
○末松文信年長委員 特記事項として提案するということについて必要ないのではという御意見です。ほかにありますか。
 金城泰邦委員。
○金城泰邦委員 執行部の説明を聞くと、平成26年度からというお話がありましたが、これは平成29年度決算で指摘を受けております。発生してから3年間の取り組み状況についても特に報告はありませんでした。そのようなことがはっきりと示されていなかったものですから、平成29年度決算としても、平成26年度からこのようにしましたというものがなければ―この6000万円という金額も大きいですし、過去3年間の取り組み状況も知る必要があると思います。
○末松文信年長委員 新垣新委員。
○新垣新委員 照屋委員が質疑していたように、この消えた6000万円は平成26年度に発生して、平成27年度から平成29年度まで3年間何をやっていたのかと思います。内部で検証しているとかということがありましたが、そのような甘えた考えではいけません。これは県民の血税が投入されているという問題です。税金がです。絶対に与野党を超えて、しっかりと第三者機関を置いて、この消えた6000万円がどこに消えたのかを明らかにすること、この不正の問題についてしっかりと明らかにさせるということが県民の代表の務めだと思います。ぜひこの問題について明らかにすることを強く要請いたします。与野党を超えてです。委員長のリーダーシップを期待しております。
○末松文信年長委員 ほかに意見はありませんか。
 亀濱玲子委員。
○亀濱玲子委員 これまでの答弁を聞かせていただいていますが、これは平成26年度の旧の会計処理の方法から新たな会計システムの変換時の際の処理に伴うというようなことについて今しっかりと調査し、精査をしているということなので、その成り行きを見守ることも必要であると思います。ですから特記事項としての提出はしなくてもいいのではないかと思います。
○末松文信年長委員 ほかに意見はございませんか。
   (「意見なし」と呼ぶ者あり)
○末松文信年長委員 意見なしと認めます。
 ほかに特記事項について御提案はありませんか。
   (「提案なし」と呼ぶ者あり)
○末松文信年長委員 提案なしと認めます。
 以上で、特記事項の提案を終結いたします。
 次に、お諮りいたします。
 これまでの調査における質疑・答弁の主な内容を含む決算調査報告書の作成等につきましては、委員長に御一任いただきたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
   (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○末松文信年長委員 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 なお、決算調査報告書は、11月5日 月曜日 正午までに決算特別委員に配付されることになっています。
 また、決算特別委員が調査報告書に関して常任委
員長に対し質疑を行う場合には、6日 火曜日の正午までに政務調査課に通告することになっております。
 以上で、本日の日程は全て終了いたしました。
 委員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 本日の委員会は、これをもって散会いたします。






沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。

  年 長 委 員  末 松 文 信