委員会記録・調査報告等

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文教厚生委員会記録
 
平成27年 第 8定例会

3
 



開会の日時

年月日平成27年12月14日 曜日
開会午前 10 時 0
散会午後 4 時 55

場所


第2委員会室


議題


1 乙第8号議案 国家戦略特別区域限定保育士事業の実施に伴う関係条例の整備に関する条例
2 乙第13号議案 損害賠償額の決定について
3 請願平成26年第2号、請願第4号、陳情平成24年第77号、同第83号、同第85号の2、同第110号、同第120号、同第132号、同第178号、陳情平成25年第28号の2、同第32号、同第36号、同第37号、同第49号、同第82号、同第118号の2、同第120号、陳情平成26年第26号、同第27号、同第29号、同第31号、同第42号の3、同第49号から同第52号まで、同第54号、同第60号、同第61号、同第64号、同第66号の3、同第69号、同第70号、同第97号、同第99号、同第103号、同第105号、陳情第9号、第12号、第29号、第35号から第38号まで、第39号の2、第46号の3、第48号、第54号、第61号、第63号から第65号まで、第70号、第79号の3、第83号の2、第84号、第85号、第89号、第90号、第92号、第93号、第98号、第99号、第106号、第108号及び第111号
4 意見書の提出について(ウイルス性肝炎患者に対する医療費助成の拡充を求める意見書)(追加議題)
5 決議の提出について(学徒合同石碑の建立に関する決議)(追加議題)
6 閉会中継続審査・調査について
7 視察調査日程について(沖縄県立沖縄ろう学校)(追加議題)


出席委員

委 員 長 呉 屋   宏 君
副委員長 狩 俣 信 子 さん
委  員 又 吉 清 義 君
委  員 島 袋   大 君
委  員 照 屋 守 之 君
委  員 新 田 宜 明 君
委  員 赤 嶺   昇 君
委  員 糸 洲 朝 則 君
委  員 西 銘 純 恵 さん
委  員 比 嘉 京 子 さん
委  員 嶺 井   光 君


欠席委員

なし


説明のため出席した者の職・氏名

保健医療部長       仲 本 朝 久 君
 保健衛生統括監     国 吉 秀 樹 君
 参事兼病院事業局参事  阿 部 義 則 君
 保健医療政策課長    大 城 直 人 君
 健康長寿課長      糸 数   公 君
 国民健康保険課長    宮 平 道 子 さん
 薬務疾病対策課長    玉 城 宏 幸 君
病院事業局長       伊 江 朝 次 君
 県立病院課長      津嘉山 朝 雄 君
 県立病院課看護企画監  平 良 孝 美 さん
 県立病院課副参事    幸 喜   敦 君
教育長          諸見里   明 君
 総務課長        新 垣 悦 男 君
 教育支援課長      識 名   敦 君
 施設課長        親 泊 信一郎 君
 学校人事課長      新 垣 健 一 君
 県立学校教育課長    與那嶺 善 道 君
 義務教育課長      大 城   朗 君



○呉屋宏委員長 ただいまから、文教厚生委員会を開会いたします。

 乙第8号議案、乙第13号議案、請願平成26年第2号外1件、陳情平24年第77号外63件及び閉会中継続審査・調査についてを一括して議題といたします。

 本日の説明員として、保健医療部長、病院事業局長及び教育長の出席を求めております。

 まず初めに、乙第13号議案損害賠償額の決定についての審査を行います。

 ただいまの議案について、病院事業局長の説明を求めます。

 伊江朝次病院事業局長。

○伊江朝次病院事業局長 それでは、乙第13号議案損害賠償額の決定について、お配りしてあります議案説明資料に基づいて御説明いたします。

 1ページをお開きください。

 本議案は、医療事故に関する損害賠償額について、地方自治法及び沖縄県病院事業の設置等に関する条例の規定により議会の議決を求めるもので、損害賠償額は1731万3812円となっております。

 事故は、平成26年8月6日に、県立中部病院において、末期がんの患者に化学療法のための静脈路を確保する目的で行った中心静脈カテーテル挿入術の際に発生したもので、カテーテルが静脈壁を貫通したことが原因で胸腔内に出血を来し、直ちに救命措置が行われたものの、残念ながら翌8月7日に患者はお亡くなりになっております。

 県立中部病院においては、病院内に事故調査委員会を設置し、事故原因の究明を行うとともに、中心静脈カテーテル挿入手技に特化した委員会の立ち上げや、マニュアル改訂等の再発防止策を講じているところであります。

 なお、3ページは、詳細な提出議案の概要となっておりますので、御参照ください。

 以上で、乙第13号議案の説明を終わります。

 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

○呉屋宏委員長 病院事業局長の説明は終わりました。

 これより、乙第13号議案に対する質疑を行います。

 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないように簡潔にお願いいたします。

 質疑はありませんか。

 狩俣信子委員。

○狩俣信子委員 中心静脈カテーテル挿入術は、大変難しいものでしょうか。

○伊江朝次病院事業局長 この手技に関しましては、末梢の静脈から入れるものと頸部から入れるものに大別されます。末梢の静脈の場合、長いカテーテルを使いますので、合併症としてはそれほどないのですが、中心静脈という頸部の静脈から入れる場合は、直接の距離も短いですし、ダイレーターといいまして、かたい器具を使ったりすることがあります。そのさじかげんによっては、静脈壁に当たっていることに気づかず穿刺するということがありまして、頸部からやるときのほうが合併症の頻度は高いと思います。しかしながら、これは日常的に行われている手術でございまして、ほとんどは問題なくやられているのが実情ですが、時にこういった合併症が起こり死に至る場合もあるということでございます。

○狩俣信子委員 合併症とおっしゃいましたが、この方もそれを起こしたのでしょうか。それとも、出血が原因なのでしょうか。

○伊江朝次病院事業局長 右の胸腔内に出血を来しまして、いわゆる出血によって亡くなられたということで、挿入の際の手技で静脈壁を貫通し、胸腔内にカテーテルの先が入ったということでございます。

○狩俣信子委員 これはモニターみたいなものを見ながら行うのですか。それとも、手かげんだけでなさるのでしょうか。

○伊江朝次病院事業局長 モニターは準備してあります。ただ、挿入時にはモニターを見ながらというよりも、入れながら抵抗を見て、少しおかしいと気がついたときに、モニターをつけて、位置を確認するということが普通です。

○狩俣信子委員 病院側も医者も一生懸命なさっていることはよく理解できます。たまたまこういう事故が起こって、亡くなられた方には、本当に御冥福をお祈りしたい。これからも気をつけて医療に当たっていただきたいと思っております。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。

 照屋守之委員。

○照屋守之委員 事務的な報告でよくわからないのですが、このトラブルが起こって、結局これは遺族の方から訴えがあったということでしょうか。

○伊江朝次病院事業局長 病院側としましては、事故直後から御家族の方には事故の詳細や原因究明をしますということを十分に説明したと聞いております。その上で、我々は医療の賠償責任保険に入っておりますので、こういったときの賠償がどうかということは、常に事故が起こったときから保険会社とは相談しております。そういう中で、御家族の皆さんとは補償も含めて話し合いをしていたということでございます。ですから、直接御家族の方が最初にどうのこうの申し出たので病院としていろいろ対応したというわけではございませんで、ほぼこういった事故が起こったときには普通にやるべきことをやったということでございます。

○照屋守之委員 我々は素人でよくわからないのですが、例えば、このようなときに遺族側がおかしいのではないかという疑問があって、そういう問題提起をして、また病院側もそういうおそれがあると。結局、弁護士を立てて、そういう訴えのもとに普通はやると考えているのですが、今、病院事業局長がおっしゃるように、トラブルが発生して、これは事故という形で捉えて病院側が対応したということですが、こういう事例はこれまでもあるのでしょうか。

○伊江朝次病院事業局長 過去にもそういう事例がございます。

○照屋守之委員 狩俣委員からもありましたように、人命を預かる病院について、これまでも何回かそういうトラブルがありましたが、担当医師や病院の責任とかということについては、ほとんど触れてきませんでした。ただ、通常のいろいろな仕事もそうですが、何かトラブルがあったときに、当然内部での責任の所在などを医師に対してずっと追及していきますと、恐らく医師のなり手もいないのではないかと思いはします。思いはしますが、みずからそういう形で事故だと判断をして、後処理についても遺族と相談をして、あるいは内部でもしっかり検証するということになってきますと、やはりどうしても医師や病院側の責任については、当然に触れるべきです。これまで我々はそういう非常に大変な仕事をやっていて、トラブルが起こってくると、それは当然死に至るようなこともありますので、当事者あるいは病院に対して責任を追及することは酷なことかと思いまして、ずっとこういうことについては触れてきませんでした。ところが、これはやはりケース・バイ・ケースで、このようなことについてのお互いの対応はどうなのだろうということは当然あってしかるべきだと思います。この件についてはどうですか。

○伊江朝次病院事業局長 こういう医療事故に関しては、医療従事者が非常に怠慢とか、やるべきことをやらないで重大な過失を起こしたというときには、我々はそういうことも含めた対応をしなければいけないと考えております。しかしながら、大体やっていることは普通の状況の中で、やることをやりながら起こることがあり得ます。そういうことに関して、こういった個人の責任を問うようなことになってきますと、医療そのものが萎縮するということもあり得ると思います。ですから、起こった以上はしっかり原因究明をし、患者の犠牲が次に起こらないような状況をつくるということが、我々病院現場にいる者にとってはとても大切なことだと思っております。怠慢と言われるようなことを起こさない限りは、あえて個人の責任を問うようなことはいたしてはおりません。

○照屋守之委員 個人の責任を追及しなさいとは言っておりません。怠慢なことがあればということですが、この世の中で起こっているトラブルは、それぞれが正しいと思ってやっていることが、結果的にクレームになるのです。世の中は、誰も意図的にやろうと思ってトラブルは起こりません。私が言っていることは、追求をしなさいという話ではありません。こういう形で、こういうトラブルがあります。追求はしないのですが、仕事柄そういう形で追求をしていくと、今の御指摘のように医師になる人はいません。ただし、このような形でのトラブルについては、しっかりお互いがなぜそうなったかということも確認しながら、怠慢とか、怠慢ではないとかというレベルではありません。結果的にそういう事故が起こっているのです。ですから、そこはしっかり整理していかないと、当たり前のように医師や病院については責任を追及しないとなると、どんどんこういうことは起こってきます。責任追及でないにしても、きちんとこういうことに対してけじめをつける必要があるのではないですかということを言っています。今のような説明ですと、同じことがずっと起こっていくと思います。職責の重さということは十分理解しておりますが、何らかの形でお互い非常に大事な命を預かる仕事をやっていますねと。そして、県議会でも、県民でも、そこに対してトラブルがあったので、私どもに対して責任を追求しないようにと。マスコミもそうです。追求しないようにと。ただ、いま一度我々に与えられた部分をしっかり確認して、自分たちがやっている仕事の一つ一つを、怠慢ではないにしても、継続して当たり前にやっていること自体がおかしいということもあるのではないですか。ですから、この際にそういうこともチェックをして、しっかりやりましょうというところはどうしても必要だと思います。これはどういう対応をしていいかと迷いつつも、今、議論しているわけです。そういう思いですので、ぜひ御理解ください。

○伊江朝次病院事業局長 委員おっしゃるとおり、我々がこういう事件・事故が起こったときのいろいろな背景とか、状況をしっかり分析して、二度と起こさないようにするということがとても大事だと思いますし、それを組織でしっかり強化していく。やはり医療従事者というのは、次から次へと新しい人が来るわけですので、そういった事故の内容などを次から入ってくる若い人たちにちゃんと伝えて、共有することがとても大事だと思います。やはり、頭の中に描いているかいないかで事故が起こる背景や発生率も全然違ってくると思います。ですから、それは起こした人が真摯にそこを反省して、組織を挙げて分析をして、ずっと伝えていくということをやれば、少なくとも事故の発生頻度はゼロにはならなくても、限りなくゼロに近い状況には持っていけると思っております。

○照屋守之委員 事故の発生から、病院内部でチェックをして、遺族にも説明をしたということは、非常に高く評価します。本来、こういうことは、自分たちの責任ではないと言ってそっとしておいて、遺族から訴えられたときにどうするのかということが常だろうと思っておりますが、この病院の取り組みは本来あるべき姿だと思っております。同時に、賠償額の数字が出ておりますが、これは誰がどうやって算出しているのか、その御説明をお願いします。

○伊江朝次病院事業局長 損害賠償額の妥当性ですが、主な項目としましては、死亡の慰謝料、逸失利益、葬儀費、これを合計して決めております。今回に関しては、死亡の慰謝料として1500万円。そして、逸失利益につきましては、患者は28歳と若いのですが、もともとの病気が胃がんで、気がつかれたときには全身に転移していて手術もできないような状況であったと。病院側としては、何とか化学療法で延命措置を図りたいということで、静脈路を確保する手技をしようとしたということがございまして、逸失利益については算定しておりません。これは保険会社の審査によって、病院の過失の程度とか、民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準という、いわゆる赤本というものがあるのですが、それや過去の判例等を総合的に勘案した上で損害賠償額が提案されているという状況でございます。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。

 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 医療過誤で後遺症を残した事例が身近にありまして、それだけで本人や家族が大変だと。これは別の病院でしたが、今回は死亡事故ということで重い事例だと思います。やはり、病気が重かったということがあったとしましても、医療体制がどうだったのかということが大事だと思いまして、2点ほどお尋ねしますが、1つはカテーテルを挿入するときに2つ方法があって、今回、頸部からカテーテルを入れると判断したということですが、集団的な医者の議論というものは日常的に医療現場においてどのようにやっているのでしょうか。

○伊江朝次病院事業局長 先ほど、静脈路の確保において、主に2つの方法があると言いましたが、この方も最初は肘、末梢からカテーテルを入れることにトライしております。ところが、かなり静脈も穿刺しにくいような状況でして、そういう意味では全身の状態が悪かったのかという感じで、これを何度か試みてできなかったので、頸部にやろうということでみんなで決定して、実施したということでございます。

○西銘純恵委員 亡くなったのが去年の8月6日で、沖縄県立中部病院事故調査委員会で6回にわたって調査を行ったとありますが、最初に遺族に説明したということはおっしゃったのですが、ある意味では話し合いが遺族の思いを受け入れるような立場で丁寧にやってこられたのかということも大事かと思っておりますが、何度ほどそういうことをやってきて今回の提起になるのでしょうか。

○伊江朝次病院事業局長 回数は正確には記録されておりません。ですが、当初から事故の状況を詳細に、正直に説明しておりまして、院長初め、故人の方の葬式にも行かれて、十分に弔意を伝えております。回数としては頻繁に、賠償も含めた交渉がなされたという状況でございます。

○西銘純恵委員 病院のとる手だてとしてそれなりにやっているのかと思いますが、やはり先ほどありましたように、事故が起こらないようにということが前提でして、今の話でこの方法しか選べなかったということを聞いて、今回の事故については、病院側の職員の皆さんも大きな痛手を負ったのでしょう。それと、遺族の皆さんにこの和解額で賠償するということを受け入れてもらったということであれば、方法としたらそれしかないのかということを指摘して終わります。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○呉屋宏委員長 質疑なしと認めます。

 よって、乙第13号議案に対する質疑を終結いたします。

 休憩いたします。

   (休憩中に、説明員等入れかえ)

○呉屋宏委員長 再開いたします。

 次に、保健医療部関係の請願第4号、陳情平成24年第83号外22件及び病院事業局関係の陳情平成25年第32号外6件の審査を行います。

 ただいまの陳情等について、保健医療部長及び病院事業局長の説明を求めます。

 なお、継続の陳情等については、前定例会以降の新しい事実についてのみ説明をお願いいたします。

 初めに、保健医療部長の説明を求めます。

 仲本朝久保健医療部長。

○仲本朝久保健医療部長 それでは、請願及び陳情の処理方針について御説明申し上げます。

 お手元に配付してあります請願・陳情に関する説明資料をごらんください。

 保健医療部関係では、新規の請願が1件、継続の陳情が22件、新規の陳情が1件、計24件となっております。

 初めに、継続の陳情22件中、処理方針に変更がある2件について御説明いたします。

 お手元の資料の14ページをお開きください。

 14ページ、15ページには、陳情平成25年第36号子供の「医療費完全無料化」を求める陳情の変更後の処理方針を記載してございます。

 変更箇所につきましては、16ページをお開きください。

 右の変更理由の欄をごらんください。

 こども医療費助成事業については、平成27年10月から通院の対象年齢を就学前まで拡大したことから処理方針を変更するものであります。

 変更後の処理方針を読み上げます。

 1、沖縄県では、子供の疾病の早期発見と早期治療の促進を図るとともに、子育て支援を目的にこども医療費助成事業を実施しており、平成27年10月1日より通院の対象年齢を現在の3歳から就学前に拡大しております。

 また、23ページの陳情平成26年第26号貧困をなくし、人間らしい暮らしを保障する施策を求める陳情の記の2の処理方針につきましても、同様に変更となっておりますので、読み上げについては省略させていただきます。

 以上が、処理方針の変更に係る説明であります。

 その他の継続分の陳情については変更がありませんので、説明を省略させていただきます。

 それでは、新規の請願1件について、その処理方針の概要を御説明いたします。

 資料の1ページをお開きください。

 請願第4号ウイルス性肝炎患者に対する医療費助成の拡充に関する請願について御説明いたします。

 処理方針を読み上げます。

 1、現在、国の肝炎治療特別推進事業に基づきC型肝炎に対して行われるインターフェロン治療、インターフェロンフリー治療、B型肝炎に対して行われる核酸アナログ製剤治療について医療費助成を実施しておりますが、非代償性肝硬変、肝がんは対象外となっております。

 厚生労働省の諮問機関である肝炎対策推進協議会は、ウイルス性肝硬変・肝がんに係る医療費の助成制度の創設について、早急に検討を進めることとの意見書を平成27年7月に厚生労働省に提出しております。

 今後、当該意見書をもとに、厚生労働省において、肝炎対策基本指針の見直しが行われる予定となっております。

 続きまして、新規の陳情1件について、その処理方針を御説明いたします。

 50ページをお開きください。

 陳情第106号沖縄県地域医療構想策定に関する陳情について御説明いたします。

 処理方針を読み上げます。

 現在、県では医療法に基づき、地域医療構想の策定に取り組んでおります。地域医療構想では、2025年の医療需要と医療機能ごとの必要病床数を推計し、目指すべき医療提供体制を実現するための各種施策を定めることとされております。

 県としましても、医療法施行規則に規定する病床稼働率(全国平均値と同水準)を用いて2025年の必要病床数を推計することとしております。

 一方、本県の圏域別の平均病床稼働率は全国平均より中部圏域が約15ポイント高く、南部圏域も約12ポイント高いという実態があり、地域の実情を反映した地域医療構想とするため、本県の平均病床稼働率に近い値を用いた調整病床数について議論をしているところであります。

 県としましては、今後、各圏域別検討会議の議論を踏まえた上で、病床稼働率等への対応を決定していきたいと考えております。

 以上で、保健医療部所管の請願及び陳情の処理方針について説明を終わります。

○呉屋宏委員長 保健医療部長の説明は終わりました。

 次に、病院事業局長の説明を求めます。

 伊江朝次病院事業局長。

○伊江朝次病院事業局長 それでは、病院事業局に係る陳情案件について御説明いたします。

 お手元に配付してあります陳情案件処理方針の目次をごらんください。

 病院事業局に係る陳情案件は継続が7件で、処理方針に変更がないことから、説明を省略させていただきます。

 以上で、病院事業局に係る陳情の説明を終わります。

○呉屋宏委員長 病院事業局長の説明は終わりました。

 これより各陳情等に対する質疑を行います。

 質疑に当たっては、請願または陳情番号を申し述べてから重複することがないように簡潔にお願いいたします。

 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行うようお願いいたします。

 質疑はありませんか。

 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 保健医療部の説明資料1ページ、請願第4号、ウイルス性肝炎患者の問題について。

 子ども生活福祉部からも記2について、分かれて処理方針が提案されたのですが、記1はウイルス性肝炎患者の医療費助成の拡充ということになっていまして、国内でウイルス性肝炎患者が350万人以上いると推計されていますが、沖縄県ではどれだけの患者がいるのか、ウイルス性肝炎患者はどういう原因でなるのか、説明をお願いします。

○糸数公健康長寿課長 ウイルス性肝炎という肝臓に炎症が持続的に続く状態につきましては、患者は全国に300万人から350万人いると言われております。全員を推計することは難しいのですが、沖縄県のさまざまな検査データから推計したところ、沖縄県ではB型肝炎患者が約3万人、C型肝炎患者が約2855人ということで、検査の陽性率から言いますと、B型肝炎患者が約2.1%、C型肝炎患者が0.2%という分布をしていると推計しております。このウイルスは、特に血液を介して感染する肝炎なのですが、B型肝炎については、以前に、予防接種をするときに針を交換しないことによる人から人への感染があったのだろうということが推定されております。ただ、B型肝炎については、その他の感染経路もありますが、今、争点となっているのはそういう医療行為によるものでございます。それから、C型肝炎につきましては、これはウイルスが発見されたのが最近になりますので、以前は輸血による他人の血液を使って手術をした場合に感染したりする、あるいは血液製剤、止血剤を使ったときに感染するということで、そのような医療行為によって感染したということから、国は平成20年から肝炎に対する医療費の助成を全国的に始めているところでございます。

○西銘純恵委員 子ども生活福祉部の審査では、B型肝炎について、A、B、Cのランクがあって、Cが最高度の重症事例になっていると。今、国はBに至る皆さんにも助成を拡大するといいますか、助成をする動きにあるということで書かれていました。この患者の皆さんは、重症度ということではなく、今言った予防注射や血液製剤といった、原因が個人責任を問われないようなものに対してちゃんと国がやってほしいということを言っております。Aまでもちゃんとやってほしいということと、B型、C型、いずれにしても、助成を拡充してほしいということなのですが、今、厚生労働省が行おうとしている変更指針は、患者の皆さんに応えるようなものになっているのか、どこまで改善をしようとしているのかについてつかめていましたら、説明をよろしくお願いします。

○糸数公健康長寿課長 今、委員がおっしゃったA、B、Cというのは、肝硬変という病気の分類の仕方でございます。先ほど言いました肝炎というのは、肝臓に炎症があるのですが、これが長引きますと繊維化といいまして、いわゆる専門の先生などが説明するときは、カンパチのような形でどんどんかたくなっていくことによって肝機能がどんどん悪くなっていく状態を肝硬変と申します。肝硬変の中で進行度によって、A、B、Cと分類されまして、Aはまだそれが進んでいない状態で、もしかしたら以前の状態に戻る可能性があると。Bは、かなり厳しくてなかなか改善が難しい。そしてCになりますとかなり末期といいますか、肝硬変が進んだ状態になっているということで、先週金曜日の審査でありましたように障害の認定についても、今はCということしかないのですが、それを今、国はチャイルド・ピュー分類のBまで認めるようにという肝機能障害の認定基準に関する検討会の提言もありますし、一方で医療の分野においても新たに肝硬変、肝がんに対する助成制度の創設について見直すようにという意見書が、国の諮問機関であります肝炎対策推進協議会から出ておりますので、方向性としては今までよりは広く、重症化になる前の方も対象にしようという動きであると理解しております。

○西銘純恵委員 例えば、肝硬変のAはそういう適切な治療をすれば治るかもしれないけれども、これにまだ公的助成がないということですよね。

○糸数公健康長寿課長 今、保健医療部で見ております肝炎の治療費助成については、肝炎と今おっしゃった分類Aの肝硬変については対象としておりますので、その方たちにインターフェロン治療、あるいはインターフェロンフリー治療を行って改善することを期待して助成をしているところでございます。

○西銘純恵委員 いずれにしましても、患者の皆さんが、身近な方が亡くなっていくのを見ながら、自分たちも治療を受けて、ある意味では人として生きられるのかというところで要望も出されているということですので、これは議会に意見書を提出してもらいたいという請願になっていますので、それはまた私たちで議論をしていきたいと思います。

 次に、保健医療部の陳情平成25年第36号、陳情平成26年第26号について。

 就学前まで通院費を拡大しているということですが、これについては自動償還払いで県として努力をされてきたということはわかりますが、やはり一番現物給付が一切の負担なく安心して医療が受けられるという立場だと思います。現物給付に関しては、いろいろなところから声が上がって、国民健康保険―国保のペナルティーの問題でも解消を求めてきたのですが、前回も少し回答はいただいたのですが、動きとしてはどのような動きになっていますか。

○糸数公健康長寿課長 今、委員がおっしゃったように、子育て支援という意味も大きいので、特に国保による国庫負担の減額調整―いわゆるペナルティーと私たちが呼んでいるものについては、その是非について厚生労働省でことしの夏から検討会を持って、どのような形が望ましいかという議論が始まったところでございます。ただ、全国知事会あるいは全国市長会につきましては、その議論が来年まで待つということよりももっと前に減額調整の廃止を訴えており、平成27年11月18日、全国知事会、全国市長会、全国町村会で、国民健康保険の国庫負担金の減額調整措置を直ちに廃止するよう強く求めるという意見書が出ております。このように、国の議論が進んでいる中でも、地方からはそういった求める声が出ているという現状でございます。

○西銘純恵委員 少子化対策と言うのであれば、中学校卒業まで国が子供の医療費を全国どこでも無料にすることが一番実効性があると思いますが、それをやらずに、都道府県や市町村で首長の考え方、議会の後押しの違いによって、高校卒業まで無料にできているところがあるというアンバランスがあることは、どこに住んでも子供を安心して育てられる状況にはないと思います。ペナルティー廃止ということになれば、確実に現物給付で市町村が動くと思います。そこら辺の準備といいますか、私は夏を待たずに次年度早々にそういうことができる可能性があると見ています。ぜひ、県としても準備を進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○糸数公健康長寿課長 国保のペナルティーというものが、市町村にとっても非常に負担になっているという事実はありますが、私たちとしましては、現物給付になった場合に医療機関に対する受診が過剰にならないかと、特に救急医療への圧迫というのをいつも考慮しているところでございます。さらに、そのような小児医療への過度な負担を生じさせるおそれ、あるいは現物給付に対するシステム開発事務委託に関する費用など、いろいろ考慮すべき点はあると考えておりますので、それについても市町村と定期的に意見交換をしながら検討していきたいと考えております。

○西銘純恵委員 陳情平成26年第26号の処理方針の3番目、無料低額診療制度ですが、これについてこの間もやりましたが、沖縄県内では沖縄県医療生活協同組合の病院とほかに拡大したということがありましたが、現状をお願いします。

○呉屋宏委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、保健医療部長から無料低額診療制度については子ども生活福祉部の所管であるとの説明があった。)

○呉屋宏委員長 再開いたします。

 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 保健医療部の説明資料7ページ、陳情平成24年第85号の2、高過ぎる国保税を引き下げるために国庫負担をふやすことということで、国保に関しては若年者がいるところに交付金が来る仕組みが新たにでき、ある意味で沖縄県は子供が多いので交付金がふえるということで、前向きに答えはずっと来たのですが、前期高齢者が多い、そしてその不利益に関してまだ決着がついていないと思っておりますが、これについて沖縄県が厚生労働省に要請をした中身も含めて、いつ要請されたかお尋ねします。

○宮平道子国民健康保険課長 前期高齢者の財政調整交付金に係る県への影響額につきましては、今、委員からお話がありましたように、新たな支援策ということで、現在あります国の調整交付金の中で、新たな交付基準を設けて、その中で沖縄県に対しては約8億円の配分があるであろうという説明が国からありました。これについては、今後正式な交付基準というものが来てから試算をしてみたいと思っております。ただ、未就学児につきましては、青年に比べて医療費がかかるであろうということで、これに着目をした交付基準となっております。沖縄県におきまして、前期高齢者の割合が低い要因の一つとしては、子供の数が多いということがあると思いますので、前期高齢者交付金に係る要請の対応としては、一定程度配慮をいただけたのかと考えているところでございます。ただ、8億円といいますのは、これまで沖縄県として、また市町村とともに要請をしてきた額と比べますと大変低いと考えておりますので、県としては引き続き国に対して、特段の配慮を求めていきたいと考えているところであります。

○西銘純恵委員 今後の配慮はいいとして、これまでの不利益をどのように捉えているのか、新たな見直しでその問題は不問に付すと、それでいいとするのかというところを聞きたいのです。沖縄戦で多くの皆さんが亡くなって、前期高齢者の割合が沖縄県は低くなったことで、受けた調整交付金が少なかったとして市町村から上げられた総額がどれだけで、どれだけの補塡はされたけれども、それについては決着がついたと政府は言っているのか、そこら辺も大事だと思っております。その件について、要請もされたと思いますので、要請内容についても少し聞かせていただけませんか。

○宮平道子国民健康保険課長 前期高齢者財政調整交付金に係る要請については、昨年度の8月と10月に市町村国保連合会とともに国に対して要請をしております。その際には、沖縄県が全国と同レベルの前期高齢者の割合があったと仮定した場合の前期高齢者交付金の額と同等の額を求めたということになっております。その額が平成24年度における影響額ということで、166億円の要請をしたというところでございます。

○仲本朝久保健医療部長 今、国民健康保険課長から御説明がありましたように、166億円の影響額があるということで要請をこの間行ってきました。そのときの厚生労働省の回答は、今回の制度改革の中で検討していくという旨の回答でありました。また、その際には沖縄県市町村国保の厳しい状況について理解をしているという発言もありました。今回、新たな措置として、特別調整交付金という形でありますが、この額は8億円ということで、これではなかなか解消には至らないということで考えております。引き続き、関係団体と連携をして、国に対して財政措置を求めていくという姿勢は変わりません。

○西銘純恵委員 かわりの措置の話ではなくて、沖縄戦で犠牲になったという戦後復興の立場で、例えば不発弾問題にしましても、さまざまな問題を沖縄振興にきちんと組み込むということがあるわけですよね。そういう立場に立って前期高齢者交付金の166億円という計算を出されたものではないのか。実際の数ですし、そのおかげでと言いますか、交付金が少なくて、市町村がそれぞれ赤字をふやしてきているという現実があるわけです。ですから、高過ぎる国保税をどう引き下げるかを考えたときに、市町村が努力をして一般会計から繰り入れをしても限界がある、沖縄県が繰り入れまではやってくれないという中で、国にきちんと国の責任ということをもっと明確にした形で―かわりのものというのは、かわりのもので、それは全国的に子供の数でどうのということであって、この問題というのは別だという立場に立たないと、結局はうやむやにされるのではないかと思っています。先ほどおっしゃった「かわりの」という言葉がとてもひっかかっていますが、いかがでしょうか。

○仲本朝久保健医療部長 かわりのといいますか、その要請に直接応えるものではないと我々も認識しておりますので、引き続き市町村と一緒になって、この問題の解決については国に働きかけていくということでございます。

○西銘純恵委員 保健医療部の説明資料50ページ、陳情第106号、地域医療構想策定に関する陳情となっておりますが、第3回沖縄県地域医療構想検討会議での陳情者の皆さんのやりとりが再考されずに、そのまま結論が出されそうだということになっていますが、医師会という医療団体の要望ですから、何がどう県の考えと違っているのかをわかりやすく説明いただけますか。

○国吉秀樹保健衛生統括監 地域医療構想につきましては、構想の検討委員会を立ち上げまして、今までに第4回まで議論をしたところでございます。その中で、一定の医療需要が2025年にどれくらいあって、それに対して必要な病床数は各圏域ごとに幾らなのかという試算、さらに沖縄県の事情を加味した一定の病床の稼働率について、私どもから少し御説明申し上げて議論してまいりました。病床数が医療構想の中では話し合われていきますが、稼働率を含めた医療需要、それから圏域間の移動―例えば、今現在、北部圏域から中部圏域に流れてきたのはどれくらい、それをどのくらい割り戻すかという議論もございます。さらに、圏域の中でそれぞれの地域固有の課題がございますので、そういう課題をまとめて話し合っていただきまして、それを私どもにまた御報告いただき、そしてまた全体で議論をしていくというプロセスをとろうとしております。これで何か決めて、それを示して、聞かなかったということではありませんで、圏域会議というものが開かれますので、そちらの御意見をまた聞いて議論してまいりたいと思っております。

○西銘純恵委員 平均病床稼働率が中部圏域で15ポイント高く、南部圏域でも12ポイント高いと。そして、その実情を反映して決めていくという処理方針に対して、陳情者の皆さんは、現在の病床稼働率で算定することは、医療機関の逼迫した状況の改善にはつながらずと書いているものですから、この稼働率が高いということは、医療機関そのものが大変な状況にあるのかと思います。病院そのものの受け入れが全国平均より高いということから、逆に医療を提供するときに大変ということが読み取れるのですが、そこら辺はどう言っていますか。

○国吉秀樹保健衛生統括監 中部圏域あるいは南部圏域の医療機関の実際の稼働率―入院に対してどれくらい現在いるのかということですが、それが高いということは常々患者がいらっしゃって、救急その他が来たときに大変だと聞いておりますし、私も医療現場にいたことがございますので、わかります。ただ、地域医療構想というのは高度急性期、急性期、回復期、慢性期とありまして、病床の機能と言っておりますが、その機能の中でバランスをとることが非常に大事です。今、それぞれについて医療需要を出しているのですが、委員がおっしゃった現場が大変だということは、主に高度急性期あるいは急性期の病院の先生方から寄せられているお話でございます。一方、一定の方式を用いて医療需要を算出しておりますが、これから2025年に向けてふえるのは主に回復期の病床と試算されております。ですから、急性期や高度急性期の需要が今よりも大きくなるという推計ではございません。その場面、場面で大変だということはもちろん承知しておりますが、病床の機能分担―今の急性期が非常にいっぱいであれば、点数で計算しておりますが、少し症状が落ちついた患者については回復期で自宅に帰る準備をしていただく。また、慢性期にいらっしゃる方は在宅あるいはそういうシステムをつくっていく。さらには地域包括ケアシステムと連携を図っていくと。そういう内容の議論をしていって、うまく地域ごとに分担していくことが大事かと考えております。

○西銘純恵委員 中部圏域の平均病床稼働率が全国平均より15ポイント高いとありますが、具体的に中部圏域と南部圏域それぞれ何対何ですか。

○大城直人保健医療政策課長 まず、一般病床の稼働率ですが、全国平均が75.5%で、沖縄県全体で言いますと84.7%となっております。そして、北部圏域が68.1%、中部圏域が90.3%、南部圏域が87.3%、宮古圏域が75.4%、八重山圏域が68.4%となっております。

○西銘純恵委員 全国平均より15ポイントと高いというのは、どこから出てくるのですか。

○国吉秀樹保健衛生統括監 今、申し上げたのは、一般病床の稼働率でございます。再度申し上げますと、全国平均が75.5%となっており、沖縄県が84.7%で、およそ9.2ポイント高いと。そして、中部圏域が90.3%になります。ですから、75.5%と90.3%の引き算で14.8ポイントとなります。それから、南部圏域は87.3%でありまして、全国平均の75.5%の引き算で11.8ポイントとなっております。

○西銘純恵委員 この割合を見ても、例えば、1ポイント違うと具体的にどんな患者との関係があるのかということがイメージできません。ただ、15ポイントとか12ポイントというのは、相当な開きだろうと思います。それで、やはり中部圏域、南部圏域の医師の皆さんが大変ではないかと声を上げていると理解しているのですが、その理解でよろしいのですか。

○国吉秀樹保健衛生統括監 稼働率ということで別に申し上げますが、現在、全国平均よりも稼働率が高い、病床がいっぱいだという意味では、委員おっしゃるように大変だということでございます。

○西銘純恵委員 その計画で2025年に全国並みにするのですか。どうするのですか。

○国吉秀樹保健衛生統括監 中部圏域の例で申し上げさせてください。

 今現在の入院者数は、1日当たり3737人です。これに対して現在病床数が、4281床あります。これは一般病床ではなく、病床全体の数です。これが2025年には、今の3737人が4234人にふえます。それでも、現在ある4281床という病床数に比べますと、病床が足りないというわけではございません。今の病床が全然患者が入らないぐらいいっぱいだということではありません。病床の稼働率は、きょうはこれぐらいの患者だとしましても、多いときも少ないときもございます。ですから、多くて集中したときに余裕を持たせようということで考えるのが稼働率だと思います。ですから、現在足りていないということではございません。それにどれくらい余裕を持たせるかということで差が出てくるわけですが、その差について議論をしているということでございます。

○西銘純恵委員 今の説明は、現在、1日当たりの入院者数が3737人、ベッド数が4281と確かに500近くのベッドがあいている形になっているので、現在はゆとりがあるだろうと。それが2025年に4234人にふえても、今のゆとりのある状態は変わらないでしょうという説明に受けとめたのですが、違いますか。

○国吉秀樹保健衛生統括監 ゆとりがあるでしょうということではなく、病床に対してのゆとりの部分、これが稼働率の考えですが、それぐらいはあると。そして、今、全くこれよりもないということではないということだけ申し上げたかったのです。それが、2025年には4234人にふえるという推計がございますので、当然全体の医療需要も少し高目に見積もっていくということでございます。現在のままで全然何ともないということではなく、ふやすことはふやすということでございます。

○西銘純恵委員 説明が少しわかりにくいのですが、全国平均の病床稼働率は今、沖縄県より低くなっていますが、さらに稼働率を引き上げるので沖縄県に近くなるという考えですか。病床を減らすということが国のやり方ですよね。2025年以降は人口が減っていくので、病床を減らせということが国全体の動きです。沖縄県もふやしますか、減らしますかということですが、2025年以降も沖縄県は人口がふえるので国のやっているものと違うのではないか、沖縄県の実情に合わせた算定をきちんとやらないと病院に入れないということになるでしょうということで、稼働率の問題で数字的には出してきていると思います。全国の稼働率を見ていたら、確かにベッドのあきはあるけれども、沖縄県の病院そのものはほかのところと比べますとフル稼働―医療従事者の動きが全然違うということを言っていると思います。それについては減らしたら困るということを陳情者は言っていると思います。それでお尋ねしたいことは、先ほど回復期とか、地域に帰すとか言いましたが、沖縄県の実情は今でも社会的入院が多い。将来にわたって社会的入院を減らしていけるのか、そういう施策も一緒にしないと。病院だけがベッドを減らして、では入院患者はどこに行ってもらうのですか。家で見る人はいませんよ。年金もわずかなので入院費も出せないと。病院にいたほうがいい、家に帰ってきても仕事をやめて看病をすることはできないと。沖縄県の今の県民の生活実態は、これからもっと無年金者がふえると思います。ですから、そういうことを加味して、ちゃんと病院だけの考えではなく、本当に社会的入院を減らせるのか、回復期ということでやっていいのかも含めて、もっと抜本的にやり切れないと本当に大変な事態を招くのではないでしょうか。国は、医療費を削減するということで動いているということに、きちんと対抗軸を持って、県民の医療を守るという地域医療構想をつくらないと後で取り返しがつかなくなると思います。ですから、病床稼働率が90%、87%だからまだゆとりはありますという考え方ではなくて、今でも大変だと言っていますので、その医療現場の声を尊重してほしいと思いますが、いかがですか。

○仲本朝久保健医療部長 まさに、今のような濃い議論を各圏域で、今の実情を含めて議論をしてもらうという場が圏域の協議会なのです。今、委員の御質疑にあったように、将来的に地域に本当に帰せるのだろうか、あるいは地域包括ケアシステムとかも別途考えないといけないことですので、それも含めて2025年の地域医療をどうするかということをテーマにまさに今議論をしております。決して、一方的に医療の部分だけでの議論ではないということでございます。その上で、今般、厚生労働省からの指針、ガイドラインで全国に示されております病床数の稼働率は、そのまま75%なのですが、それで計算するということが決まっておりますので、それで計算をすることは間違いありません。ただ、その一方で、今の実態についてどういうことを政策として置いていけばいいのかということを各圏域で議論していくのでありまして、今の医療の実態を踏まえた稼働率についての考え方をお聞きしておりますので、それについて議論を踏まえた上で、来年以降それを整理していきたいと考えております。

○西銘純恵委員 厚生労働省は稼働率を75%に設定してそこに向けていく方針だとおっしゃったのですが、これに沿わずに独自に稼働率を設定すると何かペナルティーとかがあるのですか。国はそういうところまで命令的に、強制的に来ているのでしょうか。

○国吉秀樹保健衛生統括監 これはガイドラインに示されておりまして、それは守ることになっておりますので、そのようにいたします。私どものことについては、特に今のところ国からの言及はございません。

○西銘純恵委員 聞いていることは、国が一方的に75%とか、そういうことを出してきても、やはり、沖縄県が独自にやって、何か予算を削除するとか、そういうことがあってはいけないと思っています。そこをしっかりとなぜですかと、沖縄県には沖縄県の立場があるということで貫いてほしいと要望して終わります。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。

 赤嶺昇委員。

○赤嶺昇委員 保健医療部の説明資料1ページ、請願第4号。処理方針に肝炎対策基本指針の見直しが行われる予定と書いてありますが、内容はどのように変わる予定ですか。

○糸数公健康長寿課長 現在、肝炎対策基本法が平成22年から施行されておりまして、その中で先ほど言いました肝炎の治療費の助成を行っているのですが、その基本指針を5年ごとに見直すという作業が行われています。その作業はまだ途中なのですが、検討する協議会から厚生労働省に、今は肝炎しか見ていないのですが、ウイルス性肝硬変、肝がんに係る医療費助成制度の創設について早急に検討を進めることという意見書が出たところでございます。これは、先ほどの基本指針の見直しの作業の途中で平成27年7月にこのような意見書が出ておりますので、国としてもそれに対して新しく取り組むだろうと私たちも考えておりますので、見直しが行われる予定と書いているところでございます。

○赤嶺昇委員 そうしますと、請願者の求めている医療費助成制度の創設が含まれるということで理解していいのですか。要するに、請願者が求めている項目が達成されると理解していいのですか。

○糸数公健康長寿課長 今、意見が出てきた肝炎対策推進協議会のスケジュールは、現在進行形で、平成28年2月ごろに基本指針の見直しの取りまとめをすることになっております。このような意見を出してきたところですので、恐らくそれも含まれた形で法律の基本指針がまとめられるということになりまして、それが事業に反映されることになると予測しております。

○赤嶺昇委員 スケジュールとして、助成制度が実質的にできるのはいつごろになると想定していますか。

○糸数公健康長寿課長 先ほど申し上げました基本指針の見直しが今年度末に行われて、恐らく次年度から事業化の作業が始まると思います。ただ、医療費助成制度ですので、少しいろいろ調整があると思いますが、それがいつごろになるかということは、まだ私たちも想像できていません。早急にということもありますので、恐らく次年度からそういう作業に入ると予測しております。

○赤嶺昇委員 病院事業局の説明資料1ページ、陳情平成25年第32号、県立八重山病院―八重山病院の建てかえについてですが、業者は決まりましたか。

○幸喜敦県立病院課副参事 新八重山病院については、去る平成27年12月9日に公告を行いまして、12月25日に入札ということで、まだ決まっておりません。

○赤嶺昇委員 条件は変えたのですか。要するに入札不調になっていますよね。何も条件は変わらないのですか。

○幸喜敦県立病院課副参事 今回の公告については、実勢価格を反映した価格設定をしたものと考えております。

○赤嶺昇委員 もう少し詳しく。価格は上げたのですか。

○幸喜敦県立病院課副参事 建設単価を上げております。

○赤嶺昇委員 今まで皆さんは委員会で適正な単価ということを答弁してきました。適正な単価と言って2回入札不調になって、今回単価を上げたのですよね。そもそも指摘された単価がおかしいですよと言っていることに対して、皆さんはこれを必ずどこかがとるだろうという見込みで来たかもしれませんが、実質的に、適正な単価を上げたということは、やはりその単価は適正ではなかったと認めるのですか。

○幸喜敦県立病院課副参事 当初、最初の入札時に設定した設計坪単価については138万7000円ということで、過去と比べますと、県立宮古病院―宮古病院は坪単価100万円を切っているということで、想定した単価としてはそういう形で設定しております。2回目の単価についても、設計坪単価は143万3000円ということで増額しております。それでもというのは想定外でして、再度調整して、周りをもう一度再確認した上で設定したのが今回の単価と考えております。

○赤嶺昇委員 過去とかという話ではなく、こういう世の中の実際の単価というのをもう少し……。今回、ここまでおくれてきたということは、かなり反省するべきだと思います。私からしますと、不調に終わっても、結構開き直っているように見えます。ですから、こういう単価の取り方そのものが、離島ということも含めて、現状と合っているのか、非常に今回は大きな反省をするべきだと思いますが、病院事業局長はどうですか。

○伊江朝次病院事業局長 今回の不調の件につきましては、現状の実勢価格と人材確保など、諸般の事情によってかなり乖離があったということは理解できました。そういう意味では、やはり今までとは違った予想外のことも起こり得るということで、その辺の反省を踏まえて今後の入札に生かしていきたいと思っております。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。

 糸洲朝則委員。

○糸洲朝則委員 保健医療部の説明資料50ページ、陳情第106号について。沖縄県医師会会長宮城信雄から出されておりますが、例えば皆さんの処理方針では中部圏域が15ポイント、南部圏域も12ポイントと全国平均の75.5%よりも平均病床稼働率が高いと。したがって、この高い状況を調整して全国平均にするという議論と、そして厚生労働省からもガイドラインにのっとった全国平均並みの指示が来ているのですか。その辺がまだ理解しておりませんので、まずは現在稼働率が高い現状をどう認識していて、今後どのように変えていこうとしているかということに尽きると思いますが、いかがですか。

○国吉秀樹保健衛生統括監 先ほども申し上げましたが、全国に比べて沖縄県の、特に中南部圏域の稼働率が高いということは、医療需要が他県に比べて非常に高いということでして、過重といいますか、大変だということは理解しております。ただ、それが病床をふやして解決することとしないことがございます。今、加重といいますか、非常に大変なところは急性期病院あるいは高度急性期の病院でございます。そちらには急性期を過ぎた患者ですとか、あるいは少し状態が落ちついている患者がいらっしゃいますので、この患者たちに回復期の病院に行ってみたほうがいいということもございますし、さらに在宅との行ったり来たりということでもいいと思います。ですから、病床機能のバランスをとっていくことが非常に必要だと思います。それから、介護とか、福祉とかでいろいろなサービスがございますが、この辺と連携をしていくということも大切と考えております。

○糸洲朝則委員 構想を練っている機関の構成員は、どういった方たちが入っているのですか。

○国吉秀樹保健衛生統括監 構成員は、沖縄県医師会―医師会からもいただいておりますし、公益社団法人沖縄県看護協会―看護協会からもいただいております。それから、一般社団法人沖縄県薬剤師会―薬剤師会など、医療に関係する団体の方々、それから琉球大学医学部附属病院あるいは県立病院といった急性期、高度急性期の病院の先生方、それから回復期、慢性期などを現在診ていらっしゃる医療関係者も入っております。学識経験者といたしまして、大学の先生でありますとか、あるいは金融機関を代表する方々、健康保険の保険者といった方々に参加をいただいているところでございます。

○糸洲朝則委員 医療に関係する団体の代表で構成されている構想委員会だと理解しますが、しかし、この陳情は稼働率が高いですよと、稼働率が高いということはかなり各医療機関が自助努力していると。したがって、平たく言えばこれを解消したいという陳情になっているのですが、本音では病床をふやしてくださいということですか。

○国吉秀樹保健衛生統括監 さまざまなお考えがあるとは思いますが、病床を減らさないでくれとか、そういうことはおっしゃいます。ただ、やはり必要な病床はふやしていかないといけません。先ほどから申し上げております回復期という部分が国の試算でもかなり不足すると見込まれております。そこをふやすということは、忙しい急性期のほうから患者を移すなど連携をしていって、そして急性期の負担を減らすということも入っておりますので、そのようなことを説明させていただいているところでございます。

○糸洲朝則委員 増床はわかりますが、例えば、病院を新たに開設する場合には当然病床問題とのかかわりが出てきます。先ほどから説明されている急性期なのか、何なのかということによって皆さんは一定の枠を想定して、病床数を認可するのか、しないのかという判断をされると思いますが、こういう皆さんの構想の中で、例えば、南部地区はプラス幾ら、中部地区は幾らというように年度ごとに構想を立てていく予定ですか。

○国吉秀樹保健衛生統括監 地域の圏域ごとの病床数は、医療計画の基準病床数の中で各圏域やっております。これが5年に1度ありますので、平成30年に次期の保健医療計画を立てることになっております。最終的に、病床は幾ら幾らというのはそこで決まってまいります。今やっております構想は、圏域ごとにこれぐらい必要だろうというものを示して、そしてその必要なものをどう確保していくかということを、次年度以降、圏域ごとに調整をしていくというスケジュールになっております。

○糸洲朝則委員 ということは、やはり陳情者は、医療関係者、特に医師会ですから、そこと皆さんとのやりとりというのは大きなポイントになりますので、我々も今後またいろいろ質疑を通してやっていきますが、今後、議論していただきたいと思います。

○国吉秀樹保健衛生統括監 圏域の中で、今、議論されていますので、我々はまたその議論をいただいて検討してまいりたいと思います。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。

 新田宜明委員。

○新田宜明委員 保健医療部の説明資料31ページ、陳情平成26年第42号の3。これは沖縄県離島振興協議会から陳情が出ておりますが、陳情の要旨は、離島におけるがん患者の宿泊支援施設を沖縄県ホテル旅館生活衛生同業組合加盟の宿泊施設だけでなく、ウイークリーマンション及びマンスリーマンション等へも拡大して経済的負担を軽減することとなっています。実際、離島から沖縄本島にがん治療のために来られる人たちの現状といいますか、実態はどうなっているのか、皆さんのところで把握されたことはありますか。

○大城直人保健医療政策課長 先月、私どもの担当者が宮古地域と八重山地域に行きまして実態把握に努めております。具体的な数字については申し上げられませんが、そういう形で離島の実態把握について先月詳細なヒアリングを行っております。

○新田宜明委員 この陳情の趣旨に沿って、早急に実態調査をまずやっていただきたいということと、沖縄県ホテル旅館生活衛生同業組合との協定に基づいて皆さんは宿泊費の割引支援を実施しているということが現状ですが、今、急激に観光客がふえてなかなかホテルの空き部屋がないということも聞かれます。ですから、そういう現状の中で、離島からいらっしゃるがん患者のための宿泊支援施設が本当に沖縄県ホテル旅館生活衛生同業組合だけの協定に基づく支援で足りているのかということを、最近非常に疑問に思っております。ですから、現状はどうなっているのかも含めて早急に調査をやっていただきたいと要望しますが、これに対する見解を教えてください。

○仲本朝久保健医療部長 これにつきましては本会議でも答弁しましたが、がん患者等の宿泊実態については、さらに実態調査が必要だろうと思っております。これまでも何回か患者会等で聞き取りはしてきましたが、渡航の実態、それから宿泊の実態、中には親戚の家に泊まるなどいろいろあるものですから、そういうことを含めてもう少ししっかり実態把握をしてみたいと思っております。その上で離島市町村と調整をしまして、どういう対応が適当なのかということをしっかり調整していきたいと思っております。

○新田宜明委員 37ページ、陳情平成26年第97号。受動喫煙防止条例の制定と同時に禁煙諸施策を強化するという陳情ですが、こういった受動喫煙防止条例の制定の全国的な状況というのはどうなっているのか、調査したことはありますか。

○糸数公健康長寿課長 他都道府県の状況につきまして、条例を制定しているのは、神奈川県が平成22年に条例を制定、それから兵庫県も条例を制定しているところでございます。その他の自治体につきましては、京都府が受動喫煙防止憲章の策定、大阪府は条例案を提出したのですが、調整がなかなか進まず取り下げ、それから山形県も条例制定方針を出したのですが撤回ということで、現在では神奈川県と兵庫県だけが受動喫煙に関する条例を制定しているという状況でございます。

○新田宜明委員 喫煙者の嗜好の問題などがありまして、大変厳しい条例制定の陳情だとは思いますが、やはり、これからの健康の問題とかをいろいろ考えたときに、これを積極的に推進すべきではないかと思っております。今、アメリカ合衆国などでも喫煙について相当厳しい規制がされていますよね。沖縄県でも吸える場所の指定はしているかもしれませんが、そこでの空気清浄機なり、あるいはきちんと外部に漏れないような施設の整備がされていません。その辺まできちんと効果的にやるということを手始めにしながら、基本的には条例の内容だとは思いますが、積極的に取り組むという姿勢が必要ではないかと思っておりますので、これも今後の政策課題として受けとめていただきたいと思いますが、いかがですか。

○仲本朝久保健医療部長 先ほど、健康長寿課長から答弁がありましたように、条例制定をしているのは現在、神奈川県と兵庫県の2県でございまして、条例制定にはまだ少し時間がかかるのかと想定をしております。県としましては、まずほかの都道府県の状況あるいは動向を注視しながら、県内の施設管理者の受動喫煙防止対策の実態、あるいは県民の意識などの把握に努めていきたいと思っております。また、沖縄県禁煙施設認定推進制度もありますが、その見直しや指針の策定などによる対応含めて、効果的な施策を検討していきたいと考えております。

○新田宜明委員 病院事業局の説明資料3ページ、陳情平成26年第42号の3。離島・過疎地域振興に関する要望事項の中で、八重山病院及び宮古病院に入院患者の付き添いをする家族が宿泊できる施設を整備することとなっておりますが、処理方針を見ますと、地元の自治体あるいは関係団体が主体で行うべきだと受け取れますが、県立病院の附帯施設としての考え方ではないのかと思っておりますが、この辺はどうなのでしょうか。

○津嘉山朝雄県立病院課長 病院事業は、企業として病院を運営しておりますので、宿泊施設を病院の中で抱えることができるかと聞かれますと、無理であろうと今考えております。事業主体を市町村なりがやっていただくということをもとに、病院として協力できるところはやっていきたいと回答しているところでございます。

○新田宜明委員 非常に消極的に感じます。確かに施設の設置とか、整備などに相当なお金がかかるとは思いますが、患者の立場に立って、長期的に見たときに、これをきちんと完結できるような一つの施設として整備することが病院の経営にも貢献するのではないかと思います。ですから、地元の自治体とか、あるいは関係団体のみに限定せず、何らかの方法でお互い協議をして、一定の負担割合を検討するなりして、皆さんがつくるのでしたら応援しましょう、協力しましょうということではなく、県立病院の患者の付き添いの皆さん、あるいは経営の長期的な観点から、もう少し積極的にこの問題を処理したほうがいいと思いますが、いかがですか。

○伊江朝次病院事業局長 離島の中でも2次医療圏の中核病院がない竹富町、与那国町、その他宮古地域では多良間島とか、そこにお住まいの方々が入院の必要な医療を受ける際に、大変な御不便あるいは御不自由をかこっているということは重々承知しております。そういう中で、県立の診療所を初め、病院の施設を整備していかないといけないという最優先課題があるものですから、このような宿泊施設については、当該市町村含め保健医療部ともいろいろ連携をしながら実現する方向で何ができるのかということを継続して考えていきたいと思っております。

○新田宜明委員 最後に要望ですが、先ほどの離島におけるがん患者の宿泊支援施設の整備の問題と関係すると思いますが、その辺は病院事業局だけに任せるのではなくて、保健医療部とも連携をしながら、政策医療として今後の離島・僻地の支援の問題含めてぜひ検討していただきたいと思います。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。

 狩俣信子委員。

○狩俣信子委員 保健医療部の説明資料45ページ、陳情第61号。今の続きになると思いますが、宮古島市と石垣市で行われている難病患者等に係わる航空運賃助成事業の対象について、難病患者及び不妊治療にまで支援枠を広げてほしいと要望が来ていますが、現在はどのようになっていますか。

○玉城宏幸薬務疾病対策課長 宮古島市と石垣市で行われております離島患者等に係る航空運賃助成事業について御説明しますと、現在、宮古島市と石垣市では、がん患者あるいは特定疾患―難病患者あるいは小児慢性患者、それから付き添い1名までは往復1万円、片道5000円以内の助成をしておりまして、各年度2回までとなっております。平成26年度実績で、石垣市では201件のうち難病患者が27件、小児慢性患者が27件ということで、難病関係が54件でございます。宮古島市は平成26年度の実績で、延べ92件のうち難病関係が40件ということになっております。

○狩俣信子委員 難病患者に対する補助はあるとして、不妊治療についてはどうなのでしょうか。

○糸数公健康長寿課長 不妊治療のうち、健康保険のきかない特定不妊治療というものがございますが、県は現在、治療費に対する一部助成を行っております。したがって、渡航費関連についての助成は現在はないという状況でございます。

○狩俣信子委員 不妊治療を沖縄本島でやる皆さんは、治療費だけの補助ということなのでしょうか。

○糸数公健康長寿課長 現在は、治療費の補助を行っております。

○狩俣信子委員 本人たちから交通費の支給などの希望が出たことはありませんか。

○糸数公健康長寿課長 特に直接そのようなお話はございませんし、不妊の相談センターもずっと開設しておりますが、やはり、治療内容とか、治療成績のことがメーンとなっている状況でございます。

○狩俣信子委員 宮古・八重山地域でそれぞれどのくらいの方が特定不妊治療を受けられているのか、数だけ教えてください。

○糸数公健康長寿課長 特定不妊治療については保健所を窓口としておりますので、保健所ごとの数というのは出ると思いますが、今手元に数字がございませんので、後ほど報告をさせていただきたいと思います。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。

 嶺井光委員。

○嶺井光委員 保健医療部の説明資料50ページ、陳情第106号、沖縄県地域医療構想策定に関する陳情について。医師会からは、必要病床数は全国平均の稼働率を使って算定してもらいたいという内容になっておりまして、県の処理方針でもこれを使うような表現になっておりますが、調整病床数とはどういうことなのか説明をお願いします。

○国吉秀樹保健衛生統括監 今、御指摘の病床稼働率は、処理方針2段目の全国平均値と同水準の稼働率ということで、これは国のガイドラインに示されていることですのでそのとおりにいたします。ただ、先ほど来申し上げております中部圏域あるいは南部圏域の平均稼働率が全国平均と何ポイント違うという事情があります。この何ポイント違うというのは、これをそのままやったときに空床をどれくらいつくるかという話になってしまいますので、なかなかそれは御負担があるのではないかということが1点。あるいは、そういう医療需要を満たすだけの人員の確保ですとか、研修などができるのかということもございまして、当面という言い方は何ですが、方向としてこのように考えたらどうだろうということで話をしております。病床数は先ほど申し上げましたが、最終的には平成30年度の保健医療計画の中で決めてまいりますので、実態を何度か把握しながら見ていけると思っております。

○嶺井光委員 端的に、今県内の稼働率が高目と言っていますよね。調整で地域ごとの稼働率が加味されるということになりますと、稼働率が高い分、分母が小さくなるわけですから、病床数は減っていくということになりますよね。だとしますと、医師会が要望している病床数が確保できないということに結果的になっていくわけです。そこら辺のことで現場で懸念していることは、例えば冬場のインフルエンザとか、救急対応がふえたときに病床があかないという現象が出てくると大変だということを言っているのだと思います。そういうところはどのように受けとめておられるのか、どう対処するのか、どうですか。

○国吉秀樹保健衛生統括監 あきがどれくらいあるのかというのが、繁忙時のクッションとなりますので、それを大きくとりたいというのは理解はできます。ただ、先ほど来申し上げますように、急性期あるいは高度急性期というのは国の試算をもってしてもそんなにふえないわけです。なおかつ、今現在の病床数がふえないわけでもないのです。2025年に向けて、特に中部圏域、南部圏域についてもふやしていこうということでございます。その内容が回復期を中心として病床をふやしていこうということになっておりまして、忙しい高度急性期の病院から、回復期あるいは在宅や各施設とうまいぐあいに機能を分担していくということを調整していくことが大事だと思っております。

○嶺井光委員 2025年の病床数の検討ですが、もらった資料から見ますと、全体的には減っていくと。急性期はふえるけれども、慢性期は減っていって、トータルでは減っていくということで理解していいですか。

○国吉秀樹保健衛生統括監 トータルでは減りません。減る地域とふえる地域がございます。中・南部圏域についてはふえます。北部圏域、宮古圏域、八重山圏域については、医療需要を推計しますと減るということになっております。

○呉屋宏委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、嶺井委員から、資料によれば、2025年に向け病床数は減少していると確認の発言があった。)

○呉屋宏委員長 再開いたします。

 国吉秀樹保健衛生統括監。

○国吉秀樹保健衛生統括監 この表で見ますと、沖縄県では今現在1万4600。必要病床数を計算しますと1万5000幾らと。そして一番下にふえ幅、減り幅を書いてありますが、これは引き算した数ですので、合計では減ります。ふえるところと減るところがありましてトータルは減りますが、中部圏域と南部圏域ではふえるとなっております。

○嶺井光委員 何となくわかったようなわからないような感じですが、トータルでは減ると。県内の中・南部圏域は多く、北部圏域や離島の圏域では少ないということで、このバランスをとると、全体では減るけれども中・南部圏域では心配ないということを言わんとしているのかと思っておりますが、そういう理解でよろしいですか。

○国吉秀樹保健衛生統括監 中部圏域、南部圏域ではふえる。全体としては減るということでございます。

○嶺井光委員 いずれにしましても、全体が減るということはやはり心配だと思っていまして、冬場の駆け込むような病院利用者が多くなったときに、結局受け入れられないところが一部の病院で生じたとしたら、これは大変なことではないかという思いがあります。もちろん、医師会の皆さんもこういうことを想定して、十分に対応できるような病床の確保が必要ではないか、というところからこういう要望になっていると思います。そこら辺はしっかりと応えるような議論に持っていってほしいと思いますが、どうですか。

○国吉秀樹保健衛生統括監 やはり、非常に忙しいときに加重に負担がかかってしまう、あるいは患者を受け入れられなくなってしまうという事態はあってはならないと思います。ですから、今忙しい急性期や高度急性期の医療機関のベッドと回復期、慢性期といったところをうまく機能分担をしていって、一定の空床をつくっておくという調整努力が必要だと思います。それから、医療機関を受診する県民の行動のいろいろな事項、行動のあり方ですとか、あるいは日ごろから行っておくとか、それから保健所の皆さんがさまざまな保健努力をしておりますので、予防行動を一生懸命にやるとか、いろいろな対策を総合的に立てていく必要があると思いますし、今、話し合われていると思っております。

○嶺井光委員 いずれにしましても、中・南部圏域の厳しい状況を理解しておられるようですから、医師会の意向もしっかり尊重して、こういう心配がないようにぜひ取り組んでもらいたいと要望して終わります。

○呉屋宏委員長 休憩いたします。

   午前11時52分 休憩

   午後1時21分 再開

○狩俣信子副委員長 再開いたします。

 委員長が所用のため、副委員長の私が暫時委員長の職務を代行します。

 午前に引き続き質疑を行います。

 比嘉京子委員。

○比嘉京子委員 保健医療部の説明資料3ページ、陳情平成24年第83号、記1の部分について質疑をしたいと思います。

 妊婦の健診を公費で無償で14回受診できるようになったという非常に充実した制度になっていると思いますが、それについて十分に活用されているのか、周知されているのかという観点から質疑をしたいと思います。まず、本県で一度も受診せずに出産時に初めて病院に来る妊婦の割合はわかりますか。

○糸数公健康長寿課長 母子健康手帳、いわゆる母子手帳の交付の時期が各妊婦で調べられておりまして、分娩後に交付を受けた妊婦の数がわかっております。平成25年が43件で、これは全体の妊婦の中の0.3%に当たります。それから平成24年は33件で0.2%。過去0.2から0.4%の割合で推移しているという状況でございます。

○比嘉京子委員 こういう方々は無償で受診ができるということをわかっていたのかどうかまでは把握されていませんか。

○糸数公健康長寿課長 それぞれ個別の事情があると思いますが、その理由についての取りまとめは、こちらには来ておりません。経済的理由により届け出がおくれるということもありますので、市町村や関係機関にはどんどん周知をしているところでございますが、そういう中でも0.二、三%が分娩後に交付を受けているという状況があるということでございます。

○比嘉京子委員 43件と33件の年齢は把握されていますか。

○糸数公健康長寿課長 全ての年代においてどうだったかというデータはありませんが、19歳以下の妊婦の中では平成24年が0.3%、それから35歳以上の妊婦の中でも0.3%ということで、一般的に妊婦の年齢が非常に若いか、あるいは高齢にシフトしているという説もありますので、その方々に多いのではないかというのが統計資料から推測される状況でございます。

○比嘉京子委員 このことを質疑している理由は、せんだって中学生の出産で乳児の遺棄事件がありました。一回でも病院に行って妊娠を確認をした人が、市町村の窓口へ行って母子手帳をもらうわけですが、一度も行かなかったならば母子手帳の交付もされておりません。それを考えると、10代の妊娠が本県で多いと言われている中、こういう制度があるということそのものも、もしかしたら十分に伝わっていなくて、そして一人で抱え込んだりする懸念がないだろうかという考えからこういう質疑をしております。10代の出産について、全国に比してでもいいですが、沖縄県の割合はどういう状況にあるのですか。

○糸数公健康長寿課長 沖縄県の全出生に占める10代の出産割合は、平成11年のデータで4.1%ということですが、平成19年以降は2.5%と前後で横ばいという状況になっております。これを全国と比較しますと、全国は1.2%、1.3%ですので、約2倍高く、全国で最も高いということになっております。

○比嘉京子委員 やはり、中学校までに保健の授業の中で妊娠などについて教えてくださるときに、情報提供として制度的なことまで踏み込む必要がないでしょうか。妊娠に気づいたときにどうするか、そしてどういう制度があるのか、どういうことをして臨むのかということも含めて、ここは周知が必要かと思っているのですが、そういう周知のあり方について皆さんの中で検討などされているのでしょうか。

○糸数公健康長寿課長 10代の妊婦にかかわるべき機関は、私たち保健の分野もそうですが、市町村でも思春期教室をやっていたり、学校などの教育機関とも連携をしながら、沖縄県の場合は健やか親子21という母子保健の連絡協議会がありますので、その中で検討しているところでございます。委員御指摘の中学生にどの程度までの情報提供をすべきかということについても、これまで長年にわたりといいますか、いつも議論になったところでございます。今回の事案もありましたので、その後また健やか親子21の思春期の部会の方々に集まっていただいて、今後どのような情報提供が効果的か、特に、教育機関との連携を含めて、今話し合っているところでして、ちょうど今、女性健康支援センターが沖縄県助産師会に委託をして、妊娠SOSのような電話相談を受けることを始めておりますので、そちらの情報をどのように提供していくかということを検討している最中でございます。

○比嘉京子委員 以前聞いたときには、離島住民の利用率も低かったという記憶をしております。やはり、無償でありながらも何らかの形で行くことができない事情、それからまた、わからないために受診をしない事情があります。県立中部病院―中部病院等に視察に行ったときにも、10代の出産の増加とともに健診を受けていないがために、例えば、低出生体重児であったり、もちろん喫煙との関係もありますが、そういう妊娠に対するさまざまな心構えといいますか、情報不足なために起こってくる出産後の問題、子供に対する問題も含めて、本県独特の状況があると思っております。そのためにも、制度的なことの周知徹底をどうやっていくかということも含めて、この2.5%という実態にぜひかかわっていただきたいと要望しますが、いかがですか。

○仲本朝久保健医療部長 今、健康長寿課長からもありましたように、まずは市町村において、母子健康手帳の交付時に妊婦健診の重要性について説明をして受診を勧めるということは当然でございます。そのほか、妊婦健診が公費で受診できること、あるいは母子保健制度の一覧、そういったチラシあるいはポスターなどを作成し、市町村や医療機関等に配布して周知を行っているところでございます。経済的理由等により妊娠の届け出がおくれる場合もありますので、平成24年度には、例えば妊娠検査薬等を購入する顧客への周知ということで、県内の各薬局で妊婦健診の奨励と健診が公費でできるという内容のポスターを作成して掲示する等々も行いました。今後も効果的な周知をやっていきたいと思っております。

○比嘉京子委員 自己診断も無償でできるようになっているのですか。

○仲本朝久保健医療部長 無償というわけではなく、妊娠検査薬を購入するときは薬局で購入しますので、その薬局でポスターを掲示し、そこに来られる方に周知をするということでございます。

○比嘉京子委員 保健医療部の説明資料38ページ、陳情第12号、看護師の就業環境についてお聞きしたいと思います。

 これは全国の看護師の就労環境の労働実態調査をもとにして陳情がされておりますが、沖縄県においても、慢性疲労とニアミスまたはミス等―ここで言いますとヒヤリ・ハットと言うのでしょうか、そのような状況調査はされていますか。

○大城直人保健医療政策課長 それぞれの医療機関や施設などで雇用計画などを立てまして、それで実際、就労したかという実態調査はありますが、例えば、3交代制や2交代制とか、そういう看護体制においての詳細な実態調査は記憶しておりません。ですが、ヒヤリ・ハットの実態調査など、看護の現場での医療ミスを防ぐことを目的とした調査はやっているようでございます。

○阿部義則保健医療部参事 委員おっしゃっているヒヤリ・ハットにつきましては、まずは各医療機関の看護師を中心にヒヤリ・ハットの事例集をつくっておりまして、その中にある程度集約はされておりますが、医療機関全体としての実態は、学会等では一部紹介されていると思いますが、残念ながら、今、私どものところで把握している状況にはないということでございます。

○比嘉京子委員 処理方針に、沖縄県医療勤務環境改善支援センターを設置し、医療勤務環境の改善に関する相談、情報提供、助言等を行っていますということが書かれておりますが、例えば、ここには看護師の就業環境についていろいろ相談が来ると思います。このセンターは、そういう実態を把握した上で改善に向かうというセンター的機能にはなっていないのでしょうか。どういう機能になっているのでしょうか。

○阿部義則保健医療部参事 沖縄県医療勤務環境改善支援センターは、私どもが沖縄県医師会に委託しているものでございまして、これは何かといいますと、労務管理士と医療関係のコンサルタントのような方たちに依頼をしまして、各医療機関が、例えばワーク・ライフ・バランスであるとか、過重になっている勤務環境をいかに改善するかと、病院みずからが計画を立てることを支援するという事業内容となっておりまして、相談を受けるというタイプの事業にはなっておりません。

○比嘉京子委員 処理方針に相談等と書いてあるのでそれを言っているのですが、相談は受けないのですか。

○大城直人保健医療政策課長 繰り返しになりますが、沖縄県医療勤務環境改善支援センターの運営形態と業務について御説明いたします。

 沖縄県医師会に委託しまして、ことしの3月2日から沖縄県医師会館内におきまして同センターの運営が始まっております。業務内容につきましては、医療勤務環境の改善に関する相談、情報提供、助言。2番目として、PDCAサイクルを活用して計画的に勤務環境改善に向けた取り組みを行うための仕組みであります勤務環境改善マネジメントシステムについて、周知や支援を行っております。医療勤務環境改善に関する調査、啓発、その他医療勤務環境の改善のための必要センター支援ということで、先ほど保健医療部参事からも申し上げたとおり、社会保険労務士等委託業者に再委託をして、以上の4つの業務を行っております。

○比嘉京子委員 ここで言いますミス・ニアミスの経験があるとした85%という数字に注目をしておりますが、沖縄県のミス・ニアミスの実態調査というのは特にやってはいないという理解でいいわけですよね。

○狩俣信子副委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、保健医療部参事から、事例集は出ているが全体の件数までは把握していないとの説明があった。)

○呉屋宏委員長 再開いたします。

 比嘉京子委員。

○比嘉京子委員 関連しまして、病院事業局の説明資料1ページ、陳情平成25年第32号、7対1看護体制についてお聞きしたいと思います。

 まず、これは2年前の陳情なのですが処理方針に特に変化がなく、関係機関と調整中であるということですが、2年間に何か調整内容等に変化または議論の進展などはありましたか。

○平良孝美県立病院課看護企画監 現在、県立病院で7対1看護体制を導入しておりますのは、県立南部医療センター・こども医療センター―南部医療センターと中部病院でございます。現在、宮古病院、八重山病院、それから県立北部病院―北部病院については検討の最中でございまして、実際、今、北部病院を具体的にどのようにすれば導入ができるかというところで検討に入ったところでございます。

○比嘉京子委員 7対1看護体制導入に向けた内容の検討に入っているということですが、では、いつごろやろうという見通しは何か立っているのでしょうか。

○平良孝美県立病院課看護企画監 7対1看護体制に持っていくに当たりまして、ナースの数あるいは収支の関係もございまして、今その試算をしているところで、めどとしましては来年度に向けて検討をしているところでございます。

○比嘉京子委員 北部病院に限らず全体として、例えば、産休や病休、介護休暇などさまざまな休業に入る人たちがいると思います。ある一定の割合は例年休むわけですが、そのときの代替要員の実態はどうなっていますか。

○平良孝美県立病院課看護企画監 平成27年11月1日現在、県立6病院で病気休暇や育児休暇などで休職をしている者が109名おります。その補充として、嘱託看護師などで入っている看護師の数が100名ということになっております。そのほか各病院で嘱託看護師を採用しておりますので、その数を合計しますと157名となっており、私どもの定数1770人に対して、実際の実働数が1897人という数になっております。

○比嘉京子委員 その代替要員というのは、中途採用を強いられると思いますが、そのときに我々のニーズに応えられるだけの対応は可能になっているのですか。

○平良孝美県立病院課看護企画監 退職等で欠員が生じた場合ですと、中途採用が少し困難な状況になります。ただ、先ほど申し上げましたように、嘱託・臨時的任用職員で、各県立病院がそれぞれ確保できている数が、嘱託看護師ですと157人はいるということでございます。

○比嘉京子委員 途中で休業に入る方がいることを当初から見込んで、年度初めにそれぞれを確保して回しているので、そういうお休みになってもほかの人が過重労働になるとか、医療機関の中でふぐあいが生じるとか、十分に回らないなどという心配はないという理解でよろしいですか。

○平良孝美県立病院課看護企画監 あくまでも、正職員としての数が1770ありまして、途中で退職をする、あるいは育児休業や病気休暇等で休んでいる職員に対しては、補充できている数を引きましたら、11月1日現在マイナス31人ということでございますので、順次それが適宜埋まっていくかと言いますと、募集をしても、その数全てを埋められるくらいの人数の確保は少し困難になっている状況でございます。

○比嘉京子委員 正職員として1770人の定数があって、そこの中の正職員が休んだりした場合に31名の補充がきかない状態であると。一方で、嘱託看護師等を入れると正職員よりプラスして1897人いるということですので大丈夫なのかと思いました。実態を知りたくて、いろいろな質疑をしておりますが、必要な人数が充当されずに今31名が欠員ということなのでしょうか。それとも、正職員としては31名欠員だけれども、プラスアルファで採っていて、その人たちを回しているので現場としては問題がないということなのでしょうか。

○平良孝美県立病院課看護企画監 施設基準というものがありまして、その施設基準で看護師の必要人数を割り出して配置をしております。この施設基準上、頭数は満ちているという形ですが、マイナス31人の正職員の不足に対して補充ができていないという状況で、それとは別に、嘱託看護師で157人入れているということです。委員が先ほどからおっしゃっているように、それで足りるのかという御質疑ですが、施設基準上、数は満たしておりますが、現場の不足感は常にこちらに届いている状況でございます。

○比嘉京子委員 現場の話を聞きますと、人が足りない中で、しかもこれは交代要員となるわけですので、残された人たちは非常に労働的に厳しいということが常に続いていると。これは先ほどから7対1看護体制を聞いたのもそうですが、やはり、過重労働だから続けられずに、先ほどのアンケートにありましたようにやめたいと思うことがあるという人たちが全国的に見ても50%いるわけです。そういう環境を慢性的に生み出しているとしましたら、これはひいてはいわゆる経営的なところにも行きますので、経営を考えて7対1看護体制に踏み込まないという論理は違うのではないかと思います。経営を前もって試算して7対1看護体制でできるかどうかということではなく、やはり医療体制としてそれをやることによって、抜けていく人たち、また疲弊したり、燃え尽きたりといった人たちに歯どめがかかるわけですので、どこが優先すべきことかということだと思います。2年前から処理方針が変わらない、まあ来年度にということですが、その当時は北部病院も7対1看護体制になるということで看護師たちは非常に期待をしていました。ですから、できないとわかった途端にやめる人がふえましたよね。そのことは現場の問題に依拠すると思います。ですから、考え方としては、人をふやすことによって休んでもいい環境をつくる、ということのほうがむしろどうなのでしょうか。ぜひそこは検討していただきたいということを要望いたしますが、どうでしょうか。

○伊江朝次病院事業局長 経営面で見て人材確保を考えますと、逆に人材がほごになるという悪循環、これは確かにあると思います。しかしながら、病院事業としては、その辺のバランスをうまくとって、いかに収支の差を最小限におさめていくということも経営の一つであると思っておりますので、例えば北部病院に関しましては、いわゆる7対1看護体制の一般病床全体にプラスして亜急性期病床を入れることによって、その辺の収支がどうなるかということで検討した時期もあります。しかし、亜急性期病床は制度上の問題でなくなりましたので、今は地域包括ケア病棟という新しい7対1看護体制に付随してできるものが出てきておりますので、それも含めた7対1看護体制が組めないかということを現場と一生懸命検討している状況でございます。少しずつ実現に近づいているように思っておりますので、もうしばらく検討させていただきたいと思っております。

○比嘉京子委員 陳情の要望事項の4番目に正職員の増員をすることとありますが、この間の決算特別委員会で各県立病院長たちから意見を聞かせていただきました。陳情では看護師とコメディカルとなっておりますが、それ以外の医療スタッフ、栄養士等も含めて、次年度に向けて各県立病院がどういう要求をされているのか、資料をいただきたいと思います。

 次に、3ページ、陳情平成26年第42号の3と9ページ、陳情第79号の3で2つとも同じ内容の陳情ですが、午前中もほかの委員から質疑がありましたが、処理方針では、県立でやることではなく、地元で考えてほしいという内容に両方ともなっております。しかし、陳情者がそれぞれ各自治体の首長なのです。平成27年にも同じ内容の陳情が来るということは、これは県立病院で考えることではないので、皆さんで考えてくださいということは伝わっているのですか。

○津嘉山朝雄県立病院課長 これは沖縄県離島振興協議会等となっておりますので、基本的には企画部で取りまとめたものが上がってきておりまして、それがまた回答として返っていると思いますが、2年続けて同じような形で陳情が出されております。前回の委員会で申し上げましたが、八重山病院や宮古病院とかと書かれてしまいますと、まずあなたたちでしょうということで病院に振られてきてしまうものですから、我々が受け取るとこういう形の回答しかできなくなってしまいまして、前回は保健医療部で意向も確認していきたいというお話もございましたので、今後はそういう方向に向かうのかと考えております。

○比嘉京子委員 皆さんの処理方針のとおり要求するのであれば、しっかりと離島の首長、自治体に伝えて、その方向で検討してもらうということを促進していく必要があると思います。それと同時に離島については、例えば、沖縄振興一括交付金―一括交付金も含めて、使えないかどうかの検討を行って支援をしていく、助言をしていくということも必要ではないかと思われますので、ぜひここをきちんと伝えるようにお願いをしたいと思います。

○狩俣信子副委員長 ほかに質疑はありませんか。

 照屋守之委員。

○照屋守之委員 保健医療部の説明資料19ページ、陳情平成25年第82号。山原(ヤンバル)に基幹病院の創設を求める陳情について。

 研究会報告等にある基幹的病院についても精査してまいりますという処理方針がありますが、この説明と今後どういう形で進めていくのかについて御説明をお願いします。

○大城直人保健医療政策課長 県としましては、同医療構想の策定を進める中で北部地域についても詳細な調査分析を行い、さらに、効果的な施策の検討を行う必要があると考えていることから、研究会報告等にある基幹的病院についても精査してまいりますということで書いてありますが、医療構想の中で北部圏域も2回目は終わりまして、3回目を予定、もしくは終わったころでございます。あと、3回、4回と北部の圏域会議を予定しておりますので、そこでの議論をしっかり聞いて報告を待ちたいと思っております。

○照屋守之委員 報告を待つということで非常に消極的ですが、北部地域での医療提供については、中部地域、南部地域も含めて格差があると思っております。今の医師の確保も含めて厳しい状況の中で改善をしないといけない。これは前からわかりきったことですから、そこをどうするかということなのです。この問題は、県民に対して医療格差が生じているという視点で、より積極的に取り組みをしていかないといけない。こういう視点でないと、この内部であれがどうだ、これがどうだと言って、その辺が主眼となって、肝心かなめの北部地域の県民に対する医療提供の体制のありようが2番目になってしまわないかという思いがあります。あくまで同じ県民でありながら、やはりあの地域というのは北部病院も北部地区医師会病院もありながらも医療提供をするという仕組みに格差が生じているのではないかという視点も必要だと思います。このことについて執行部はどう考えているのですか。

○国吉秀樹保健衛生統括監 地域医療構想策定会議の中で、名護市長などが、今おっしゃるようなことについて提起をしておられます。北部地区の医療をしっかり守って、例えば圏域間で、これぐらい中部圏域に出ています、これぐらい南部圏域に出ていますというお示しをしておりますが、ところがそれはしっかりした病院の受け皿があればそういうこともなくなるのではないかということもおっしゃっておりました。我々も貴重な御意見として受けとめております。さらに、圏域の中での会議がまたございます。その中でもいろいろ話されているところでございまして、このような話や圏域の話がまとまってまいりましたら、一定程度の考え方を整理していきたいということでございます。それから、もう一つ、会議以外に別途調査、聞き取り等を行おうと思っておりまして、その結果も踏まえながら検討してまいりたいということでございます。

○照屋守之委員 検討を早目にやるということでないと、そういう精査や検討と言いましても、その課題というのは以前からはっきりしているわけですよね。これは北部地域の医療格差を埋めるということが1つ。そして同時に今、そのような状況がありますので、ほかの県立の中部病院や南部医療センターなどにも影響はしているかもしれません。そういう形でそれぞれの他の医療機関に負担が来ているわけです、現実的に。そうしますと、そこの格差も解消できずに他の県立病院にも負担をかけているという実態があるわけですので、そこは文字どおり病院間の負担というよりは、そこの県民も格差を生じる、ここの病院を使う県民にもふぐあいが生じるという結果になっているわけですよね。ですから、そこをどうするのか、速やかにさっと計画をつくって県が取り組みをしていくということを示さないと、検討ばかりに時間をかけても、より具体的にお金をどうするのか、何をどうするのかと非常に重要な課題がありますので、意思決定をある程度して、それに対してどう取り組んでいくかという段階ではないですか。

○仲本朝久保健医療部長 北部地域の医療提供体制が非常に厳しい状況というのは認識しております。その上で、今般、基幹病院の話が出てきておりますが、将来構想という形で10年後を目指した医療提供体制を考えなさい、というのが今の地域医療構想であるわけです。そうしますと、例えば、もし統合するとどのような病院になるのか、どういう体制を目指すのかなどについては、将来の地域医療構想とかかわる問題です。その意味で、現在やっている地域医療構想の中での圏域会議や全体の会議、それも踏まえつつ検討するということでございます。ずっと検討ばかりするというわけではございませんで、これが今年度ある程度整理ができますと、次年度に向けて早急にまた検討していくことになると思います。

○照屋守之委員 10年後の医療構想ですが、前からずっと課題となっていたものを10年後と言いますが、当面のそういう課題も含めて解決できない状況が続いています。ですから、10年後の医療構想という言いわけはせず、それは一年でも、一日でも、一週間でも早い段階で地域の方々の期待に応える姿勢でないと。10年後、10年後と言いますと、あくまで今は課題はありません、10年後はどうしますかということになります。この課題というのはずっと抱えてきました。課題がそこにあって、課題解決をしようとするときに、何年後、何年後というやり方では問題解決の先送りにしかならないと思います。ですから、ぜひ頑張ってもらいたいということと、7対1看護体制も含めてそうですが、こういう仕組みができるというのは誰のためかということなのです。これは県民、国民が医療を受ける体制をこういう形で整備しましょうということですよね。7対1看護制度ができて何年たちますか。経営の問題などいろいろありますが、国の方針では7対1看護体制にすることによって安心した、よりきめ細かな医療体制が提供できますと。そこで従事する職員も負担が軽くなりますと。経営的にも必ずよくなるはずだと、そういうことがかみ合わさって7対1看護体制になったわけですよね。これを導入するのに一つ一つクリアしなければ導入できないと言って、時間だけがずっとたって、民間は全て導入していますという世界ですよ。ですから、7対1看護体制もさることながら、今の格差を埋めるという問題も、やはり県民にそういう医療を提供したいという目標といいますか、ビジョンを先につくらないと、こういう問題があるからいつまでたっても解決できないという今のやり方は絶対おかしいと思います。我々議会もそうですが、県知事とか、部長とかが考えることは、そういう課題をいつごろまでにクリアできますということを示して、それについてどういう形で取り組んでいくのか、何が問題あるのかということを示さないといけません。これは課題です、問題ですと言って、毎日、毎日の仕事含めて、厳しい課題が後から後から出てきますので、いつまでたっても解決しないということになるわけです。それは誰にしわ寄せが行くか。県民は何も言いませんが、県民への医療提供を我々が阻害しているみたいなことに現実はなっていますが、そう思いませんか。

○仲本朝久保健医療部長 地域医療構想で10年後の医療提供体制のあり方について議論するということで、それは解決策が10年後という話ではなく、将来の地域医療構想を人口動態などを見据えた形での整理の仕方をするということでございます。それはある程度議論をした上で次のステップに行かないと、基幹病院という話につきましては施設を伴う話ですので、それを整理しながら進めていくというスタンスです。当面の課題については、今の北部病院を中心に充実強化を図るということが方針ですので、それでもって今の喫緊の課題を解決していくということをあわせてやらないといけないと思います。

○照屋守之委員 これも速やかに、例えば、県立でそういう基幹的病院をつくるという方針をある程度示すのでしたらそれはそれでいいと。それをもとにいつごろまでに解決をしていくということがぜひ必要だと思います。北部振興策では相当なお金を投下してきました。千二、三百億円も投下しておりますし、いまだに北部振興策をやっています。一番の北部振興はそういうものを整備することが振興策なのです。それによって地域の方々が安心してそこで生活ができるということ、これは医療を提供する医師とか看護師とかも、そういう規模でやりがいのある職場でやるほうが集まりやすいわけですよね。ですから、そういう観点も含めて、北部振興策という観点からもここはもっともっとスピードを上げてやっていただきますよう要望しておきます。

 次に、50ページ、陳情第106号。沖縄県地域医療構想策定に関する陳情について。これは以前に別のところからもいろいろ情報を聞かせてもらっていましたが、沖縄県医師会の皆様方が、国が医療法施行規則で示す病床数の稼働率で算定するのではなく、県が本県独自の病床稼働率にて算定するということをやったと。そして今、いろいろな協議を通じてそういう仕組みづくりをやっているということですが、国が示す規則ではなく、なぜ県は本県独自のもので数を決めるということでやるのでしょうか。

○国吉秀樹保健衛生統括監 処理方針の2段目あたりにお示ししてありますように、国のガイドラインで決められた稼働率がございます。我々は必要病床数をこれに基づいて推計いたします。一方、現状において中部地区、南部地区が全国に比べて15ポイント、12ポイントと稼働率が高いということがありまして、この稼働率で計算いたしますと空床が出てまいります。日ごろの必要な病床に加えてあとどれくらい余裕が必要かなど出てくるのですが、この余裕の部分が非常に大きくなってしまうと。現在と比較しましてそこが違うものですから、一定程度現状に近いものにということで、今、議論している次第でございます。

○照屋守之委員 いろいろ聞いてみますと、本土では入院するときに病床がないということで患者をたらい回しにすることがあるみたいですが、沖縄県ではそういうことはなく、とにかく緊急を要する、あるいは県民の医療を担うためにどんどん受け入れていると。しかし、病床がないので廊下に一時的に置くとか、本来はもう少し入院してやるべきものが退院を余儀なくされて、病床をあけて取り組むとか、現場では相当努力しているということを聞いていますが、これは事実ですか。

○国吉秀樹保健衛生統括監 病床機能というものがございまして、高度急性期、急性期、回復期、慢性期とございます。その中で委員おっしゃる現状というのは、高度急性期あるいは急性期の病院が非常に忙しいということだと思います。我々が、今、開催しております検討委員会の中でも、急性期病院の委員の先生がそのようなことをおっしゃっておりました。ただし、今、足りないのは急性期の病床ではなく、どんなに忙しい病院にも1カ月以上とか、それぐらい入院していらっしゃる患者はいます。退院させないといけないということが一方でありながら、ずっといらっしゃる方々もおられます。そういう方々が回復期とか、慢性期とかに移っていかれる、あるいは在宅に移っていかれるという連携が必要でございます。その回復期というのは今度大きくふやさないといけないと出ておりますが、慢性期、回復期、そして急性期の連携をもっとスムーズにしていかないといけないという理解でございます。

○照屋守之委員 これも何のために病床数をある程度ふやすのかという話なのです。これは、医療を提供する病院とか、あるいは行政とかの都合ではないわけですよね。病院を利用する県民側の立場でやらないと意味がないわけです。国はある程度の基準を示して、沖縄県はこういうことですね、将来はこうなりますね、このぐらいの枠ですねという形でとっているものを、県民のためですので、それは実態としていろいろ厳しいものがある。あるいは病床数をふやしていきたいと幾ら要望しても、なかなか現実的に今は対応できないわけです。ですから、そういうことも含めて最初からぎちぎちではなく、ある程度国の基準というものをしっかり持っておいて、それぞれの実情に合わせてそれぞれの地域は考えていくという仕組みにしないといけない。県立病院であれ、民間病院であれ、非常に厳しい課題を現場は背負っていると思います。ですから、陳情者は沖縄県の医師会ですが、中部地区から北部地区まで全部の医師会の組織のトップがそこに名を連ねて、問題提起をしているということではないですか。いかがですか。

○国吉秀樹保健衛生統括監 沖縄県医師会の先生方、あるいは各地区の先生方についても何度か御説明に伺って意見交換もいたしました。その上でこの陳情が出てきておりますので、まだ全部について御理解いただいているということではないと思います。医師会からもその後もお話を聞きますし、それから圏域で県全体以外で議論をしております。これには医師会の先生の代表もおられますが、看護協会や地域の県民、市民の皆さんもいらっしゃいますし、医療保険者の皆さんなど、その圏域からのいろいろな御意見を聞くということになっておりまして、それを聞いて十分に検討した上で前に進めてまいりたいと思っております。今、いろいろな御意見を無視することは考えておりません。

○照屋守之委員 無視することは考えておりませんと言いながら、このようにやる前にある程度の枠組みは決めていて、そうであるなら、いろいろな意見を聞いてから県独自のものをやりますということを示さないと。国の基準はそういうことだとみんなわかっています。そうしますと、それがあるにもかかわらず、なぜ県独自でこういうことをやるのかと、その疑問があるわけです。ですから、今、保健衛生統括監が言ったのは、そうではなく、国の基準があって、我々はこのように考えていますが、皆さん方の意見を聞かせてくださいと。南部地区はどうですか、北部地区はどうですか、中部地区はどうですかと。それをトータルした上である程度の県独自のものをつくるのであって、それをつくった後に意見を聞くというやり方がありますか。それはおかしいでしょう。

○仲本朝久保健医療部長 今、まさに委員おっしゃるように、地域の実情に合った10年後の地域医療体制をつくるために何が必要なのか、どれくらいの病床が必要なのかということを議論しております。その中に、このようにしましょうということで厚生労働省あるいはガイドラインで示された病床稼働率は、ほぼ全国平均の稼働率でセッティングされております。その全国平均のものと沖縄県の実態が先ほどから説明しているように、12ポイントから15ポイント違う中・南部圏域の実態があると。それを踏まえた上で、それをどう捉えるかということで、一気に病床稼働率を全国並みに持っていったほうがいいのか、それとも、それは当然必要病床数として推計しますが、実態としてのものを踏まえるとこういう試算ができますということで我々は議論を提案しております。そこで議論をやってもらって、それを集約して最終的に県としてはこういう考え方で行きましょうということを、これから決めようとしています。まさに今、その途中でして、その過程の中で医師会からこういう問題提起もありますし、地域においてもいろいろな意見や問題提起がありますので、我々としては議論を踏まえた上で整理をしていくということで考えております。ですから、決めてからやっているという意味ではなく、それは提案をしているのであって、この議論について今は集約をしているところでございます。

○照屋守之委員 ですから、そういうやり方は誤解を与えます。では、県はそうしました。次はあなた方は何と言うのですか。それは県を離れた協議会などで決まったのでそうにしかなりませんとしか言わないですよね。向こうの責任にするわけですよね。ですから、そういうやり方ではなく、私が考えてもわかりますが、みんな努力をしている。けれども入院をしようにもベッド数もない、でもたらい回しにはできない、限られた施設あるいは限られた人員も含めて現場は一生懸命努力をしている。そのときにこのような病床の拡大があって、そこに期待をすると。国の基準でやっていくと、我々の地域はこうなるのだ、ああなるのだといろいろな考え方ができる、安心した医療を提供できる、職員にも負担をかけずにできるみたいなことでいろいろ期待を持っているときに、県が独自に、我々は国のものは採用しません、県のもので検討しますと決めた後に、どうですかと言われましても、非常に困るわけです。ですから、この辺はもう少し、決めてから意見を聞くのではなく、決める前にいろいろな意見を網羅して確認をして、それである程度案をつくって、そこの組織なり、協議会なりに投げるとかということが本来の筋だろうと思っております。ですので、もしそのような意見が出たら、どうやってあなた方はこれを変えていくのですか。

○仲本朝久保健医療部長 この圏域の会議あるいは全体の会議は、意見を聴取する場です。ですから、いろいろな意見を踏まえて最終的には県で地域医療構想の素案を策定し、それからパブリックコメントをし、それから市町村に意見を聞くという過程を経て最終的には医療審議会に諮り、答申を受け、地域医療構想の確定と、まだ先があるわけです。ですから、今は圏域の会議、それから全体の会議でも、ベストな素案をつくり上げていくための議論だと思っています。やり方として全部上がってきてから決めるという方法もありますが、まずは、この1つの案に対していろいろな意見をもらうということを我々としては進めておりますので、しっかりそれは議論を踏まえた上で最終的には県で素案をつくり、それをパブリックコメントを通してまた正式に公に意見を聞いて、最終的には医療審議会という形になります。

○照屋守之委員 このようなものは毎回毎回やるわけではないので、ある程度そういう一定の期間を経て、ベッド数や病床数はどうしますかという議論が行われて決まっていくと。私が考えたことは、国のある程度ゆとりがある―ゆとりがあると言いますか、国の示した基準でやっていって、別にその枠をいっぱいやらなくてもいいわけですよね。ある程度ゆとりがあったほうがいいのではと考えています。そうしないと、ある一定の枠を決めてしまって、それは必要に応じてふやしていきますという考え方では非常に厳しいのです。現実的にはなかなか難しいのではないですか。口ではそう言いますが、実際必要になったときにあっちのベッド数をふやしましょうとかと言っても、一旦決まったものを変えていくということは非常に難しいのです。ですから、私が言いたいことは、県のもので決めるとかということであれば、そこは将来にわたってどうなっていくのか、ふえる可能性があるときにどういう手だてをして本当にその要望に応えることができるのかとか、そこまでしっかり踏まえた形でこういう決め方をしてほしいのです。そのことを強くお願いしておきます。

○狩俣信子副委員長 午前中、私が質疑したことで答弁できなかったということがありまして、健康長寿課長から答弁をしたいとの申し出がありますので発言を許します。

 糸数公健康長寿課長。

○糸数公健康長寿課長 午前中、保健医療部の説明資料45ページに関連する難病患者に対する航空運賃助成を不妊治療まで支援の枠を広げることという御質疑の中で、宮古・八重山地域でどのくらいの不妊治療の方が助成を受けているのかという御質疑がございました。持ち帰って調べましたところ、平成26年度県全体では延べ1471件の申請がありますが、宮古保健所管内が41件、2.8%。それから八重山保健所管内が49件、3.3%という実績が上がっておりますので、こちらで御報告させていただきます。

○狩俣信子副委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○狩俣信子副委員長 質疑なしと認めます。

 以上で、保健医療部及び病院事業局関係の陳情に対する質疑を終結いたします。

 説明員の皆さん、大変御苦労さまでした。

 休憩いたします。

   (休憩中に、説明員入れかえ)

○狩俣信子副委員長 再開いたします。

 次に、教育委員会関係の陳情平成25年第28号の2外24件の審査を行います。

 ただいまの陳情について、教育長の説明を求めます。

 なお、継続の陳情については、前定例会以降の新しい事実についてのみ説明をお願いいたします。

 諸見里明教育長。

○諸見里明教育長 教育委員会所管に係る陳情の処理方針について御説明申し上げます。

 お手元の陳情に関する説明資料をごらんください。

 審査対象の陳情は、継続24件、新規1件の合計25件でございます。

 初めに、継続審査となっております陳情24件のうち、処理方針の変更を行う陳情1件について御説明いたします。

 説明資料の4ページをお開きください。

 陳情平成26年第27号「30人以下学級」の早期実現を求める陳情に係る処理方針の2の最後の段落について、次のとおり変更するものであります。

 変更部分は下線で示しております。

 県教育委員会としましては、市町村教育委員会の意向等を踏まえ、次年度は小学校4年生への拡大に向け、鋭意取り組んでいるところです。

 続きまして、新規陳情について、御説明いたします。

 説明資料の28ページをお開きください。

 陳情第111号実習助手の「実習教諭」への呼称変更に関する陳情の処理方針について、御説明いたします。

 各県立学校の実習助手においては、生徒に対する教育活動を円滑に遂行するため、その役割を果たしながら日々の業務に携わっております。

 教諭については、学校教育法第60条第1項で、高等学校には、校長、教頭、教諭及び事務職員を置かなければならないと定められており、実習助手については、同条第2項で、高等学校には、前項に規定するもののほか、副校長、主幹教諭、指導教諭、養護教諭、栄養教諭、養護助教諭、実習助手、技術職員その他必要な職員を置くことができると職名を定めております。

 教育職員免許法第2条で定める教育職員に実習助手は含まれておらず、同法第3条の教員免許状を必要とする教諭とは異なるため、採用に当たって教員免許状所持を条件としておりません。

 以上のことから、職名については実習助手とするのが妥当であると考えておりますが、呼称については、今後、他都道府県の状況を踏まえた上で対応を検討してまいります。

 以上で、陳情の処理方針の説明を終わります。

 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

○狩俣信子副委員長 教育長の説明は終わりました。

 これより各陳情に対する質疑を行います。

 質疑に当たっては、陳情番号を申し述べてから重複することがないように簡潔にお願いいたします。

 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行うようお願いいたします。

 質疑はありませんか。

 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 説明資料4ページ、陳情平成26年第27号。次年度、小学校4年生への拡大に向けということで、現在、小学校1年生、2年生、中学校1年生で少人数学級を実施していますが、教室不足で加配を配置するという実態がどうなっているのかお尋ねします。

○新垣健一学校人事課長 本年度は、7校7学級が教師不足で、少人数学級が実施できなかったところでございます。それにつきましては、加配についての措置は済んでいるところでございます。

○西銘純恵委員 小学校1年生、2年生、3年生、そして中学校1年生の4学年のうち7校7学級とはどこどこなのか。少ないのです。本当はもっと漏れているのではと思います。

○新垣健一学校人事課長 小学校1年生は今年度ございません。小学校2年生ですが、浦添市立浦城小学校で1学級、同じく浦添市立当山小学校で1学級。それから那覇市立城北小学校で1学級の計3校3学級でございます。小学校3年生ですが、浦添市立港川小学校の1学級のみの1校1学級でございます。中学校1年生ですが、沖縄市立宮里中学校で1学級、宜野湾市立真志喜中学校で1学級、那覇市立安岡中学校で1学級の計3校3学級、これらを合わせまして7校7学級でございます。

○西銘純恵委員 そうしますと、7学級ですので7名の加配を配置したということでしょうか。

○新垣健一学校人事課長 そのとおりでございます。

○西銘純恵委員 その加配の方は、どのような配置ですか。要するに、1年間の臨時的任用という形なのか、どのような雇用形態で入れているのでしょうか。ほかの加配との違いはありますか。

○新垣健一学校人事課長 教師不足で未実施ということで、年度当初からの配置に努めたところですが、必ずしも年度当初からの配置にはなっておりませんで、1学期の途中からという配置になっているところもございます。これにつきましては、少なくとも3月までの配置というところです。

○西銘純恵委員 次年度、小学校4年生まで拡大をするといいますと、教師不足が解消されるのか、ふえるのかということがありますが、おっしゃるように年度途中ということがあったので、ちゃんと加配されていないという声を受けたりしました。そうしますと、想定される加配人数というのはおのずと推計人数が出ると思いますが、やはり4月の学年初めから充てられるようにということでやるべきだと思います。その件ともう一つは、やはり教室をふやしていくということがないと、今後の拡大が困難になるということにもなりかねません。そこら辺について、小学校の場合、浦添市と那覇市ですよね。明確に市が特定されてくるので、そこら辺は市の教育委員会と話し合いが必要だと思いますが、どのように考えているのかお聞かせください。

○新垣健一学校人事課長 今年度、浦添市、沖縄市、那覇市のそれぞれの市町村教育委員会と話し合いをさせていただきました。市町村教育委員会では、その地域の学校の今後の児童生徒の推計などを踏まえて、いわゆる教室不足にいかに対応するか等を検討しているところでございます。特に、マスコミ等でも御案内のように、浦添市などは小学校の分離や校区見直しなどの提案等も地域住民にしているところでございます。そういったことを踏まえて、各市町村において、今後、中長期に向けて、児童生徒数の今後の推移を見て、いかに教室不足等に対応するかということを調整している状況でございます。そういうところも踏まえまして、私どももどういう形で少人数学級を拡大していけるかということを、今後、また話し合っていきたいと思います。

○西銘純恵委員 12ページ、陳情平成26年第66号の3。要望事項ですが、離島の保護者の負担軽減を図るため、本圏域から沖縄本島までの修学旅行の往復旅費について補助することという要望になっていますが、現在行われている国の事業はどのようなものですか。

○識名敦教育支援課長 国の補助事業で行われている事業ですが、高度僻地学校、これは小学校と中学校になりますが、そこを設置している市町村が修学旅行の交通費、宿泊費を負担する場合、財政力指数に応じて国が予算の範囲内において3分の2または2分の1の補助をするという事業になっております。

○西銘純恵委員 今、予算の範囲内で補助を行っておりますが、補助額が大幅に減額されている状況にありますということも書いてあるのですが、例えば、実施している市町村というのは、全部ですか。生徒1人につき幾らという予算で、市町村の負担分があれば、それに該当する分を国が3分の2は充てていますということに数値的なものも含めて実際なっているのかどうか。どんな状況ですか。

○識名敦教育支援課長 現在、該当する市町村が19市町村ございまして、実施している市町村が15市町村でございます。平成26年度の状況を見てみますと、補助対象となる経費が1億2000万円余りありますが、そのうち実際3分の2ではなく、国庫として受け入れている額―市町村に補助されている額が5100万円ということで、実際の数値は補助率が42.9%ということで、かなり下回っているという状況になっております。

○西銘純恵委員 国が出しているのが42.9%。それと、19市町村のうち15市町村しかやっていない、残りの4市町村がやり切れないというのは、約6割近い市町村負担分が持てないということになっているということなのでしょうか。

○識名敦教育支援課長 4市町村がなぜこの事業を実施していないかということについては詳しく把握はしておりませんが、ただ、4市町村とも今年度は実施をするということで事業を進めております。

○西銘純恵委員 市町村は努力をするということでやっていますが、生徒数といいますか、修学旅行の人数は次年度の予定ではどれだけになりますか。

○識名敦教育支援課長 今、手元に平成27年度の予定は持っておりませんが、平成26年度で対象となっている生徒が2833名ですので、およそそれぐらいの人数かと考えております。

○西銘純恵委員 市町村とおっしゃいましたが、4市町村の中に市が入っているのですか。

○識名敦教育支援課長 南城市の久高島になると思いますが、入っております。

○西銘純恵委員 42.9%しか国の補助がないので、往復旅費について補助することと美ぎ島美しゃ市町村会からの陳情になっています。宿泊費と往復交通費の総額は1億2000万円だけれども、それが3分の2しっかり出ていないので、市町村会は往復旅費で満額を出せるようにという表現になっている。要するに、要求と国が出しているものと何がどう違っているのかというところが見えないので、宿泊費は満額出ているという受けとめになっているのか、要請事項についてどう受けとめているのかお願いします。

○識名敦教育支援課長 そこの要請事項の本意について詳しく説明は聞いておりませんが、恐らく離島の保護者の負担軽減ということで、沖縄本島の小・中学生と同じような条件ということで、離島の往復旅費を持ってほしいという趣旨ではないのかと思っております。

○西銘純恵委員 陳情者は市町村会の会長ほか4人ということは、市町村は仕組みそのものについてはわかるわけですよね。ですから、交通費と宿泊費を予算の範囲内で3分の2を上限に補助するが、実際は半分もいっていないという県の説明からして、なぜ往復旅費と言っているのかが理解できません。

○識名敦教育支援課長 確かに、委員おっしゃるように、国が3分の2をきちんと補助していただければ、かなり市町村の負担も減りますので、そういう意味では往復旅費というのがそういうところに……。向こうの確認はしておりませんが、そういうところももしかしたらあるかもしれません。

○西銘純恵委員 ということは、少なくとも3分の2を上限に補助を行っているけれども、上限額を国に出してくださいという要望だと思います。ぜひ、それを県も一緒に国に対して出すべきところは出してほしいということを言ってほしいと思いますが、そういう要望を沖縄県から文部科学省に対して言ったことはありますか。

○識名敦教育支援課長 全国都道府県教育委員長協議会を通じて、高度僻地学校の補助について財源を十分確保するようにということで、文部科学省には要請をしているということでございます。

○西銘純恵委員 次のページ、同じところの要請ですが、離島における教育委員会への指導主事の配置及び財政支援を実施することについて、指導主事は派遣するけれども、給与は法の規定で市町村が負担するというところですよね。市町村では援助をしてほしいという意味だと思いますが、それについて要望に応えられていないのではないかと思いますが、いかがですか。

○新垣悦男総務課長 地方自治法第252条の17に規定がございまして、その中に、地方公共団体の長または委員会もしくは委員ということで、人材が必要な地方公共団体は派遣を求めることがきる。そして、それに基づいて求められたところは派遣をすることができると。ただし、給与につきましては、当該職員の派遣を受けた地方公共団体の負担ということが規定されておりますので、基本的にはそれぞれ指導主事の派遣を受けた団体負担ということが決まっております。

○西銘純恵委員 これは、給与を県が負担してはならないという禁止規定もあるのでしょうか。ほかの都道府県で県が持って派遣しているというところもあるのでしょうか。

○新垣悦男総務課長 それぞれ公共団体でございますので、基本的には当該地方公共団体の職員で事務を行うという原則がございます。ただし、人材が必要な関係で派遣を求めることはできるという、逆の発想です。ですから、派遣をした地方公共団体が給与を負担するということは、前提としてないということでございます。

○西銘純恵委員 独自負担で派遣を受け入れているところなど実態はどうなっていますか。派遣を受け入れていないところもありますか。

○新垣悦男総務課長 派遣を受けていない市町村も若干ございまして、7村で受けておりません。

○西銘純恵委員 8市町村に16名派遣しているということですが、給与はそこが持っているわけですか。そして、7村は給与が捻出できないので受けていないということで理解してよろしいですか。

○新垣悦男総務課長 これは平成26年度の数字ですが、34市町村1広域行政組合に対して、104名を派遣しております。派遣していない村が7村ということでございます。

○西銘純恵委員 地方自治法の規定で給与は受け入れ先が負担するとありますが、それを打開する何らかの別の手だてというのはないのでしょうか。派遣をしてほしいと言っていると思いますが、検討は全くできないのですか。無理である、法では禁止されているということでしょうか。

○新垣悦男総務課長 若干、法律の形態は異なりますが、先ほど南部広域行政組合に送っているというのは、渡名喜村や粟国村、渡嘉敷村、座間味村など、南部広域行政組合が若干カバーしております。派遣していない村を具体的に市町村名で申し上げますと、渡名喜村、粟国村、渡嘉敷村、座間味村、南大東村、北大東村、多良間村でございますが、それぞれの村に対しては事務所に指導主事を派遣して、教育内容の充実を図っているということでございます。直接派遣というわけではございませんが、そういう制度でカバーしている状況でございます。

○西銘純恵委員 給与負担できないが援助してほしいと思うところに、今やっていますとおっしゃっていますが、恒常的ではないですが、一定期間、そういう援助をすることができるということですよね。要望に応える形で、先ほど言った地方自治法に基づく派遣という形ではありませんが、指導主事を必要とするところには要望に応じてできるということでよろしいのですか。

○新垣悦男総務課長 具体的には、例えば、校内で研修会を実施する場合に指導主事を派遣して、教育内容を充実していただくということが大きなものです。あとは、市町村から要請を受けて訪問すると。例えば、こういう教育課題について村内や教育委員会なりで研修して深めたいので指導主事を送っていただきたいということに対して派遣するということが大きな内容となっております。

○西銘純恵委員 やはり、小さな町村や独自にそういう恒常的な職員を持てない、財政力が弱いというところでも同じ教育力を高められるというシステムが大事だと思いますので、ぜひ要望に応えてあげる、応えられるという関係を築いていただきたいと思います。

 28ページ、陳情第111号。実習助手の皆さんは生徒に教師として接しているので、これを改善してほしいという意味で捉えたのですが、この実習助手というのは全県で何名いらっしゃるのですか。

○新垣健一学校人事課長 現在、県立高等学校、特別支援学校を含めて335人でございます。

○西銘純恵委員 実態はどういう呼称なのでしょうか。

○新垣健一学校人事課長 全県調査を行ったわけではございませんが、学校の中では一般的に、実習助手に限らずそれぞれお互いで何々さんと呼び合ったり、あるいは何々先生と呼び合ったり、いろいろあると伺っております。

○西銘純恵委員 陳情を見ていますと、同僚同士の間ではいいけれども、生徒を相手にするときにきちんと教師と生徒という関係を保ちたいということが陳情の趣旨だと思っております。生徒からしてもほかの先生と違う、どういう職種なのかと。学校で教師という立場の方と生徒がいるということであれば、生徒から見て同じように先生としてやってほしいということが趣旨だと思いますが、やはりそれについてはそんなに難しい問題ではないと思います。ただ、職名を実習教諭にしてほしいということについては、どうなのでしょうか。

○新垣健一学校人事課長 処理方針にも書かせていただいているところですが、学校教育法でいうところの職名には、校長、教頭以下あるわけですが、そうではないものとして主幹教諭、指導教諭、実習助手などが定められているところでございます。繰り返しになりますが、教育職員免許法上、教員免許が必要な教育職員の中に実習助手は含まれていないということと、採用に当たっては教員免許状所持を条件としていないことから、私どもとして職名は実習助手とすることが妥当ではないかと考えております。

○西銘純恵委員 今、職名について説明を受けましたが、陳情には、九州各県では実習教諭や実習教師などの名称を使用しており、同じ先生として学校現場全体にかかわることが重要であるという大事な部分が記載されております。沖縄県では、ほかの都道府県の状況を踏まえた上でという処理方針になっていますが、早速改めて、先生として呼ばれるようにするということについては何もそんなに難しいことではないと思いますが、これから対応を検討するということですか。

○諸見里明教育長 私も教員ですので、同じ先生にも何々さんと言ったり、あるいは何々先生と言ったり、私の友人の実習助手の先生方にも何々先生と言っていました。ほとんどの方が生徒やほかの先生から先生と呼ばれているはずなのです。ところが、こういう実態があって友人に確認してみたのですが、やはり過去にはそういう思いもあったと。自分たちが先生と思いながら実は先生ではない場面もあったのだということがありまして、今、このような要望がありますので、いろいろ確認しているところですが、やはり学校現場でモチベーションを高めることができるのでしたら、職名はそのままにして呼称で何とかできないかということは検討してみたいと思います。

○西銘純恵委員 職務といいますか、法に定められたということをおいておいても、おっしゃるように先生という呼称がそんなに何かを変えてやるということでもありませんので、新年度からは335人が先生という立場で呼ばれてほしいと思いますので、ぜひそこをやっていただきたいと思います。

○諸見里明教育長 時間がどれだけかかるかわかりませんが、どういう形でできるか、他都道府県の状況等もありますので、検討してみたいと思います。

○西銘純恵委員 処理方針に他都道府県の状況と書いてありますが、九州各県では先生と呼んでいるということを陳情者の皆さんは触れています。ですから、九州ではそうやっているということですが、沖縄県ではどこの他都道府県を調べるのですか。

○諸見里明教育長 九州でも全てやっているわけではなく、やっていないところもあります。ただ、お互いモチベーションを高めて、先生という誇りも必要だと思いますので。

○西銘純恵委員 やはり、生徒との関係でも教育力が向上できるようにということで実習助手の皆さんも要望されていますので、ぜひ要望に早急に応えるという立場でやっていただきたいと思います。

○狩俣信子副委員長 ほかに質疑はありませんか。

 島袋大委員。

○島袋大委員 陳情でどうのこうのということではなく、離島という言葉が出たので思い出したのですが、与那国島の台風後の被害状況はどうなっていますか。

○親泊信一郎施設課長 台風直後につきましては、ベニヤ板や防水シート等、間に合わせで処置が行われており、平成27年10月13日には授業が再開されております。その後、特に窓ガラス等につきましては急ぎの復旧が必要だということで、文部科学省の災害復旧事業というのがございまして、原則的には現地の確認をして措置を行うという手続になっておりますが、事前の復旧届を提出すれば行えるということになっております。人手や材料の調達の問題などがありましたが、12月初めにはガラス等の復旧については終わったと聞いております。あと、体育館の屋根など大規模な復旧が必要なものがございます。これにつきましては、文部科学省、それから沖縄総合事務局両方の現地確認が1月に行われることになっておりまして、それを踏まえて復旧をするということになっております。

○島袋大委員 窓ガラスの復旧は12月に全部終わったと言いましたが、与那国町立久部良小・中学校―久部良小・中学校、与那国町立比川小学校の一帯も全部ガラスが割れていましたが、直したという認識でいいですか。

○親泊信一郎施設課長 毎日毎日報告をいただいている状況ではないものですから、情報の行き違いはあるかもしれませんが、窓ガラスについては復旧は終わっていると理解しております。

○島袋大委員 窓ガラスは対応したということですが、久部良小・中学校の図書館、電子黒板、コピー機など、学校の授業に支障を来すのがあるわけです。これは我々視察をして内容については提出したと思っていますが、そのあたりの授業に支障が確実に出るようなものについての対応はどうなっていますか。

○親泊信一郎施設課長 今回の与那国島の台風被害の特徴としまして、飛来物によって窓ガラスが割れて、中まで水やいろいろなものが飛んで備品等にも被害を与えたということがございました。飛来物に強い窓ガラスといいますか、そういうものへの対応としては飛散防止フィルムとか、強化ガラス、合わせガラス、あとお話にも出ていました雨戸などいろいろな方法がとれると思います。ただ、窓が全面にある場合には雨戸等はできないという構造になっていますので、建物の構造や過去の被害を受けた状況などを検討しながら、何が適切なのかということを設置者であります市町村とも相談しながら検討していきたいと思います。実際、与那国島につきましても、一部、雨戸の設置を検討しているとか、あるいは飛散防止フィルムなどを検討しているというお話も聞いておりますので、その辺を情報交換しながら検討していきたいと思います。

○島袋大委員 電子黒板やコピー機など、授業に支障を来すものも台風被害で使えなくなっていましたが、その辺の対応はどうなっていますか。

○諸見里明教育長 八重山教育事務所を通じてですが、授業には支障がないと。ただ、電子黒板やコピー機などは時間がかかると思います。この辺ははっきりしていませんが、電子黒板がなくてもできる授業や電子黒板を使わずにやっている学校も多いので、そういうことで対応しているということです。コピー機についてはまだわかりませんが、授業に支障なく教科書を見ながら、ノートもありますし、その辺は工夫しながらやっているということです。授業に支障はないという話でした。

○島袋大委員 授業に支障がなければいいのですが、現状回復もろもろするということが教育の一環だと思っておりますので、その辺は早急に対応していただきたいと思っております。あと、体育館の屋根などを直すために沖縄総合事務局と文部科学省が1月に与那国島へ現地視察に来ると言っていましたが、こんなあほうなことは言わせないでください。文章を早く出して正月は休むなと。あなたたちは何を考えているのかと。これぐらい言ったらいいと思います。言えなければどうぞ自民党を通してください。いろいろな面で離島がこういう状況になって大変なときに、使えるものはどんどん使ってください。我々も全力でできることはしっかりやります。正月が終わってから来ますと、官僚たちはこういうあほうみたいな話をしていますが、これはちょっとおかしな話ですので、ぜひともその辺は研究して、何かあれば言ってください。

○狩俣信子副委員長 ほかに質疑はありませんか。

 糸洲朝則委員。

○糸洲朝則委員 説明資料5ページ、陳情平成26年第42号の3。これは、沖縄県離島振興協議会定期総会で決議されたものを陳情しています。1番目のさくら寮について、多分沖縄県立名護高等学校―名護高校の宿舎だと思いますが、まずこのさくら寮について見たこともないので少し説明をしていただけますか。

○識名敦教育支援課長 さくら寮につきましては、名護市内の県立高等学校に通学をする遠隔出身者の生徒を支援するために、名護市が条例に基づき設置した定員60人の合同寄宿舎でございます。運営については、北部12市町村で構成する名護市県立高等学校北部合同寄宿舎運営協議会が行っておりまして、県からは舎監1名の配置と調理員の人件費の一部補助をしているという状況でございます。

○糸洲朝則委員 今度、那覇市東町にできる沖縄県立離島児童生徒支援センターにも参考になるような質疑ができるのかと思ったのですが、まず、舎監を増員することに対して皆さん方の処理方針は、これまで県から舎監を1名配置し、寄宿舎に入舎する生徒の管理指導を行ってまいりましたと。高等学校における舎監定数の基準は云々と言って、生徒51名以上の学校に1名とされていると。さくら寮は、今伺ってもわかりますように、名護高校のものではありませんでした。北部全域から名護市に通学する生徒たちを対象にした寄宿舎ということですから、言うなれば沖縄県立離島児童生徒支援センターと同様な感じだと思います。したがって、なぜ舎監を1名ではなく増員してほしいのかと、せめてこれぐらいは聴取をしてから処理方針を書いてほしかった思います。余りにも事務的過ぎますが、どうですか。

○新垣健一学校人事課長 さくら寮は先ほど教育支援課長からありましたように、名護市内の県立高等学校に通う生徒のための寄宿舎ということで名護市が設置をしているところですが、私どもには、その他県立高等学校としての寮を持っているところがございます。そこに当然、舎監ということで教員を1名配置しているわけですが、その基準が生徒51名以上に1人の配置ということがございまして、その辺との兼ね合いもありまして、これまでさくら寮につきましても同様に舎監1人を配置してきたところでございます。いわゆる舎監を学校側として置くことにつきましては、法律の規定等もございますので、1名以上は困難であるという考え方を処理方針で述べているところでございます。

○糸洲朝則委員 舎監は学校の先生が担うのですか。

○新垣健一学校人事課長 教員を舎監という職に充てまして、寄宿舎における生徒指導等に当たっているということでございます。

○糸洲朝則委員 生徒指導は非常に大事で、今はどうかわかりませんが、私たちのときは生徒指導の先生が担当してくれました。その先生は泊まらない。もう一人の先生は宿直みたいに泊まってくれました。その先生が相談相手になってくれたのです。そういう思いを持っているものですから、その先生方はちゃんと宿泊をして生徒指導に当たっているのですか。

○諸見里明教育長 舎監は、当然子供たちの生活環境を見るという大変責任ある立場にあるわけです。それから、場合によっては勉強を教えたり、いろいろ相談相手になったり、生活規律の確立を担っております。それにふさわしい方をこちらが選んで舎監として派遣しております。これは教員免許を持つ先生ですが、舎監は寝泊まりをしながら指導を行い、そして昼間、学校がある場合は勤務態勢を整えながらほかの先生方が手伝ったりしますが、さくら寮の場合は昼間の補完を事務団体の方がやりながら面倒を見ております。例えば、早退する生徒もおりますので、その辺も対応できるような形でやっております。

○糸洲朝則委員 舎監の先生と学校の先生がいろいろ指導や相談に乗るという体制ですか。

○諸見里明教育長 そういう体制はできております。私も以前近くの高等学校にいたのでわかりますが、いろいろ相談事がありましたら、通っている校長、教頭、生徒指導の先生方などおりますので、その先生方を交えて相談もしますし、何か問題があった場合に舎監が校長と話をしたりして、その辺はかなりフォローされていると思います。

○糸洲朝則委員 これは決議の中で舎監をふやしてほしいという要望が出ているわけですので、ぜひ、なぜなのか状況をよく把握して、ふやしてほしいという問題に対する答えを出してほしいのです。その辺が主に子供を育てる、血の通った……。これは教育の一環だと思います。さくら寮からの要望が決議されて出てきているはずですので、ぜひさくら寮側や決議をやった団体の聞き取り調査ぐらいはやっていただけませんか。

○新垣健一学校人事課長 さくら寮を運営しております北部広域圏の事務局と現在も調整を進めさせていただいているところですが、引き続き意見交換などをさせていただきたいと思います。

○糸洲朝則委員 12ページ、陳情平成26年第66号の3。自分の島ですので気になって当然だと思いますが、陳情の4番目、離島における学校現場は非常に厳しい状況にあり、多良間村でも職員の半数が臨時教員である云々と。半数が臨時職員というのはこんなものかと、それとも厳しい状況なのかと思いますが、実際はどうですか。

○新垣健一学校人事課長 今、具体的な割合は数値として持っていませんが、この陳情が上がってきた平成26年度の臨時職員は、例えば宮古島市等と比べても特に多いという状況ではございませんでした。

○糸洲朝則委員 半数も臨時教員となった要因は何ですか。

○新垣健一学校人事課長 実際には、ことし、昨年と半数が臨時的任用職員という状況ではないということは確認をしているところでございます。また、離島・僻地について、臨時的任用職員ではなく本務職員を配置するように努めているところでございます。

○糸洲朝則委員 改善されているということでよろしいですか。

○新垣健一学校人事課長 昨年、この陳情が上がったときに確認したところ、大分改善がなされているものと理解しております。

○糸洲朝則委員 19ページ、陳情第46号の3。これも沖縄県離島振興協議会からの陳情ですが、5番目に建築科を設置することとありまして、処理方針では、現在、宮古地区の高等学校より建築科の設置等の申請がないことから、その必要性も含めて云々とありますが、これもどうも行き違いもいいところかなと。沖縄県離島振興協議会でそれなりに関係者が集まって出てきた中での指摘だと思います。ですから、かつては工業高等学校もあったと記憶していますが、今はどうなっているのか。宮古地区の状況は、商業高等学校、工業高等学校も含めて、実業高等学校などいろいろありますが、そこにそういう建築にかかわる学科とかはないのですか。

○與那嶺善道県立学校教育課長 沖縄県立宮古工業高等学校―宮古工業高校がございまして、今もございます。ただ、宮古地区はかなり少子化の傾向もございまして、宮古工業高校もかなり定員が割れている状況にございます。処理方針にもございますように、学科改編等は基本的には学校側から希望を出して、審査をするということでございますので、今はそういう希望とか申請はございません。

○糸洲朝則委員 陳情団体のメンバーの状況を把握してみないと何とも言えませんが、高等学校の建築科は専門学校とも違いますし、職業訓練的なものとも違います。これを混同して建築科の中に全てを統合してやろうという思いなのか。宮古島は建築土木に関しては非常に盛んなところですので、そういう人材育成場所を求めての建築科という意味なのかよくわかりませんが、いずれにしましてもこれも沖縄県離島振興協議会あたりとよく意見交換をして、職業訓練校的なものなのか、あるいは専門学校なのかということも―こちらでも調べてみようと思いますが、調べてもらえませんか。単に宮古地区からそういう要望がないからということではなく、これは学校レベルのことになっているので、場合によっては商工労働部の問題かもしれませんが、そこら辺はもう少し深みのある陳情処理ができるようにやってもらえませんか。

○諸見里明教育長 学校の学科というのは、特に工業系もそうですが、地域の実態に応じてどういうニーズがあるのか、それから生徒のニーズなどから学校側が決めていきます。宮古工業高校もそうだと思いますが、この高校には何が必要なのか、本来ならばこれも必要とかいろいろあると思います。ところが、その学校に入学してくる人数などを考慮して、取捨選択をしながらさらに新しい何かも必要だと、そういうことについて学校で議論をしてもらいます。ですから、工業系もそうですが、新しいものが出てきて何を減らすのかということについてかなり議論をして、そして県教育委員会とも議論をしてこれが必要ということで決めております。そうした中で、建築科がどれくらい必要なのかということについてはかなり議論されていると思います。恐らく、そうした中で決定がされてきていると思いますが、議会にも陳情が上がってきているわけですので、建築科がどれくらい必要であるのかということについて我々も調査研究をしてみたいと思います。

○糸洲朝則委員 前向きに検討していただいて、いい答えを出していただきたいと思います。

 28ページ、陳情第111号、実習教諭への呼称変更に関する陳情について。この陳情を読んで、あるいは皆さん方の法律をもっての受け答えを見て、現場ではこうではないはずだと思いながら見ていました。先ほどの西銘委員との受け答えを聞きましても、この実習助手というのは、助手でも、先生でも、私たちからしてみれば同じなのですが、実習助手の方は実業高等学校や農林・水産高等学校などそういうところにいるのです。私は工業高等学校でしたので、建築科には実習の面倒を見てくれる先生がいました。この方が一番印象に残っていますし、社会に出てから役に立っているのです。墨出しから金づちの使い方、のこぎりの使い方など、こういうことは本物の教員ではわからないですし、教えることができないのです。一番生徒と接触があるのは実習の先生なのです。工業高等学校などでも工業祭の展示会のときなどはつきっきりです。一緒に夜中まで仕事をしています。卒業して同窓会をやるときには必ず実習の先生を呼びました。最近は亡くなっていたりして、そういう機会はないのですが、子供たちの現場でのことを思うと、これはみんな先生なのです。呼称について、現場で先生と呼んではいけないとかはちょっとナンセンスだと思いながら見ております。みんな先生ですので、ぜひそういう方向で進めていただければと思います。

○諸見里明教育長 きのうも、沖縄県立南部農林高等学校の花祭りを見に行きまして本当に実感したのですが、校長からもこの菊を育てることができるのは実習助手の何々先生しかいないという話も聞きました。実習助手から生徒たちに教えるものというのは大変大きく、工業高等学校や水産高等学校などの専門高等学校を見ましても、実習助手の存在意義というのは学校教育において大変大きいのです。触れ合いもありますし、手とり足とり教えてくれますし、この実習助手の先生方の大きさを痛感しているところでございます。今、陳情として出ている呼称について、そこまでという実感はなかったのですが、確認してみたところそういう思いもあったということで、これは生徒との信頼関係でありますし、先生としての誇りもありますので、呼称については先ほど申し上げたようにいろいろ検討していきたいと思っております。

○狩俣信子副委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、正副委員長交代)

○呉屋宏委員長 再開いたします。

 休憩前に引き続き質疑を行います。

 ほかに質疑はありませんか。

 嶺井光委員。

○嶺井光委員 陳情平成25年第28号の2、陳情平成26年第69号、陳情第90号について。しまくとぅばの関係で以前にもやりました。知事の公約はたくさんありますが、公約として出てきた以上は、それ相応の取り組みをするだろうと思っております。しまくとぅばを保存し、普及・継承云々というのは大変大事なことで、これをどうこうするわけではありませんが、以前も言ったようにどういうぐあいに保存するのか、あるいは普及・継承するのかということは、公約ですので、所管部署と知事との協議などがあるのだろうと思っております。まずそういうところはどうですか。

○大城朗義務教育課長 照屋義実政策参与と何度かお話をしたことがありますが、やはり学校には学習指導要領がありまして、教育課程のほとんどが内容や時間などが決められていますので、今やっているような総合的な学習の時間や特別活動の時間で、しまくとぅばについてはいろいろな学校で取り組んでおります。そういう形で支援をしていきたいということと、文化観光スポーツ部と連携をしてやっていきたいということでお話をしております。

○嶺井光委員 教育委員会としては読本をつくって、これは文化観光スポーツ部も一緒になってではありますが、配っていると。それがどう生かされているかについて、皆さんは追跡調査や確認はしておりますか。

○大城朗義務教育課長 読本をどうやって活用しているかということについての調査はまだやっておりませんが、小学校5年生と中学校2年生の全員に配付をして活用するようにということで通知をしております。それから、沖縄県立総合教育センターで短期講座と研修会を開催し、たくさんの教員が集まったりしております。

○嶺井光委員 しまくとぅばも地域地域で違うわけですから、全くだめとは言いませんが、それぞれの地域で読本に習ってやるということに無理があるのではと思います。だからといって、何かがないと取り組めない。教員自体がしまくとぅばを知らない世代ですので、何かの道筋がないといけないということはわかります。以前にも言いましたが、陳情で求めている教育課程に位置づける云々というのは、どう考えても無理があると思っています。ですから、これは学校現場でやるにしましても、何か別のやり方を考えないことにはやりようがないと思っております。同じ学校一つとっても通っている子供たちの集落ごとによっても方言が違う、これぐらい特性があるわけですから、これは別の方法を考える必要を感じていませんか。

○大城朗義務教育課長 中城村のように、市町村教育委員会と学校が相談をして、教育課程特例校という制度がありますが、それを活用して「中城ごさまる科」と。それは地域の要望、学校の要望で設定されております。やはり、地域全体を巻き込んだ取り組みが必要だと感じております。

○諸見里明教育長 同感です。委員おっしゃるように、学校教育ではどうしても限界があると思います。そして、いろいろな教育課程、学習指導要領などもありまして、そうした中で学校教育活動全体を通してやっておりますが、まず家庭で話せませんし、子供たちも話せませんし、方言は家でいつ使うのかと。本当に地域含めての底上げがない限り、しまくとぅばを地域に根差すためにはこの辺から考えていかないといけないのではという思いがあります。

○嶺井光委員 どのように保存あるいは普及・継承するのかということは、知事がこういう公約を出しているわけですから、何らかの取り組みをすべきだと思っております。私は学校教育では無理があるということをずっと言ってきましたが、そういう立場で、文化観光スポーツ部やいろいろな関係部署とも一緒に知事公約実現のために、どういうぐあいに取り組むかという協議が必要ではないですか。

○大城朗義務教育課長 おっしゃるとおり、教育委員会の範疇を超えているのではないかという感じがします。ですから、関係機関等と連携をして議論していく必要があると思います。

○嶺井光委員 こういう議論を、例えば「トー ウチナーグチサーニ シンジュミ。」と。そうして、ワンガ ウチナーグチする。ウチナーグチ返す。ある程度かみ合いますが、全くかみ合わない部分もあります。それだけこの問題というのは簡単ではない、ましてや子供たちに学校で教えていく、普及・継承するためには何か方法を考えないと、単に教育課程に入れて勉強する場があればいいと、それだけの問題ではありません。それは県が音頭をとるにしましても、知事がおっしゃるような次世代への確実な継承あるいは普及、保存に取り組みということは、具体的にどうするのだということを示すべきだと思っております。これは堂々めぐりの議論になると思いますが、しまくとぅばは大事ですので、真剣に知事と、知事は公約にも上げておりますし、どうやってやろうかということはいろいろな議論が必要だと思います。

○諸見里明教育長 私も本当に同感です。しまくとぅばというのは、我々が生まれ育った地域の郷土文化とともに歴史的、社会的な伝統に裏づけられた言葉であるということは自覚しております。我々が郷土に誇りを持つということは、しまくとぅばに誇りを持つということと一緒ですので、そのためには先ほど義務教育課長が言ったように、学校教育の枠を超えた取り組み、地域をどう生かせて残していくか、それからそこにはしっかりと継承しているおじいちゃん、おばあちゃんなどがいるわけですから、その辺も含めての活用がないとどうしても継続にはいろいろと無理が出てくるのではないかと思っております。

○嶺井光委員 以前の議論でも言いましたが、ある意味では我々にも責任があるわけです。だからといって、学校教育で取り組めば一番手っ取り早いと言いますか、やりやすいと言いますか、そういう感覚で考えていらっしゃる方もたくさんいらっしゃいます。ですが、そうしましょうというわけにはいかない。地域地域で違うしまくとぅばを学校でまとめてやってしまおうということは無理があります。具体的に言いますと、知事がおっしゃる公約で保存しようということは立派なことだと思いますし、やるべきだと思います。そうであるならば、各家庭で方言を使って、クヮンマガンチャーに語りかける。こういう取り組みを地道にやってみるというところから取り組んだほうが現実的だと思います。これについて答弁はいいですが、例えば知事とどうやって取り組むかという議論をする場があるのであれば、こういう意見があったということと頑張ってほしいと伝えたらいいですよ。

 もう一点は、一般質問でも取り上げましたが、まず1つ確認したいと思います。陳情平成26年第27号に関連して、少人数学級の実施を終えた学年の実態についてということで、今、小学校1年生、2年生、3年生まで30人または35人学級をやったと。そして、小学校3年生が4年生になったら解かれる、あるいは中学校1年生が中学校2年生になったら解かれると。この学級数を以前聞いたときに、小学校4年生で44校44学級、中学校2年生で49校49学級という話がありましたが、現在の小学校4年生が44学級ということですか。答弁では平成28年度と聞いた覚えがありまして、その確認でございます。

○新垣健一学校人事課長 一般質問でお答えしたのは、現在小学校3年生まで少人数学級を実施しております。それが小学校4年生に進みますと、40人編成学級になりますので、そうしますと少人数学級の実施を終えた学校の数と学級の数をお答えしておりますので、44校44学級というのは現在小学校3年生で少人数学級が実施されている学級ということでございます。

○嶺井光委員 それはそれでいいのですが、既に新年度は小学校4年生に実施の予定で進んでいるようですので、今の小学校3年生たちは解かれないわけですよね。そこで、現在の小学校4年生で、去年まで小学校3年生で35人学級だったものが2つに分けられたという学級がもしわかるのであればお願いします。

○新垣健一学校人事課長 今、細かい数字は持ち合わせておりません。

○嶺井光委員 大体このような数字になるのでしょうか。

○新垣健一学校人事課長 1学年おおむねでこぼこがありますが、50学級前後が大体同じような数でございます。

○嶺井光委員 私の近くにもこういう現象の学級がありましたので、このことを尋ねております。ティーム・ティーチング―TTでやってくれればいいと思っておりますが、この学校に聞きましたら、それもなされていないようです。ただ、算数はTTでやったりという取り組みはしているようです。35名ですので、36、37、38、39名あたりは2つに分けていたわけです。と言いますと、十八、九名のクラスが一つになって、三十七、八名になっている状況です。それが悪いとは言いません。ある意味ではいいところもあるようです。人数がふえて切磋琢磨するという面もありまして、一概にそれが悪いということではありませんが、やはりきめ細かな学習指導をするという面では少人数というのが絶対有利に機能すると思っていますので、そこを何とか、TTで教員の手当てができないかということをずっと言っていますが、それはどうですか。

○新垣健一学校人事課長 少人数学級と合わせまして、指導工夫改善等の加配教員を各学校に配置しているところです。各学校の実情に応じてTTでの活用や習熟度別指導での活用、あるいは算数・理科での専科的な活用等、各学校の実情に合わせてそういった教員の活用がなされているものと理解しております。

○嶺井光委員 指導工夫改善等の加配教員を配置しているということも、文部科学省の加配定数の範囲内でやっていることでしょう。ですから、知事が公約の中で少人数化をするというのであれば、教室がないとできない話ですので、ある程度要求も少し緩めて、TTできめ細かな教育ができるようなことを当面はすべきではないかということを指摘しています。ですから、単費でもある程度手当てをする。せめて小学校3年生あるいは小学校4年生まで、中学校でも1年生まで少人数化でやっていたものが40人学級などに戻ったら、TTで何かやるというぐらいのことは単費を投入してでももう少しやるようにしてほしいと思います。文部科学省の加配定数の中でやるということは、知事が公約で言うようなものにはなっていないという評価ですが、いかがですか。

○新垣健一学校人事課長 各学校の加配措置につきましては、厳しい財政状況の中、文部科学省の加配定数をうまく活用して実施をするということも一つの手だてだと考えております。その中で、指導工夫改善、生徒指導加配等々、いろいろな学校側の需要に応じた加配の措置をしていく必要があると思います。他都道府県においても、少人数学級、少人数指導等の実施に当たっては、まず文部科学省の加配を十分活用した上で県単定数、県単独の費用でもって実施をしているところもございます。現在、本県におきましては、小学校3年生までの少人数学級につきましては、文部科学省の加配定数を活用した少人数学級、そして、中学校1年生につきましては、県単独の財源でもって実施をしているところもございます。今後もまずは文部科学省の加配定数の動向を見ながら、なおかつ県単定数の活用も含めて庁内で議論をしているところでして、その辺を踏まえて知事が進める公約の達成に向けて取り組んでいるところでございます。

○嶺井光委員 知事が就任して1年余りたって、来年の予算編成も始まっていると思います。TTに362名配置をしているという話でしたが、知事が公約として少人数学級を拡大していくということについても、先ほどのしまくとぅばのところでも言いましたが、やはり知事としっかりディスカッションすることも必要だと思いますが、こういう場はありますか。

○諸見里明教育長 知事とはことし4月からスタートしました沖縄県総合教育会議―総合教育会議の場で6名の教育委員と知事、知事部局も含めて協議の場を設けさせていただいております。その中で教育委員会の要望も言う機会がかなりありますので、この辺は協議しているところでございます。少人数学級についても協議しております。

○嶺井光委員 総合教育会議ができていくわけですので、これはなおさら首長の政策に乗っかっていくのかどうかによって、勢いが違ってくると思います。来年小学校4年生までできるということであれば、あとは小学校5年生、6年生です。これまでずっと来年は小学校3年生をやります、あるいは来年は中学校1年生をやります、そしてまた今度は小学校4年生をやりますと、一つ一つ来たような感じがしますが、5年先、10年先など先を見据えた協議や皆さんのプランといいますか、年次計画などはありますか。

○新垣健一学校人事課長 少人数学級の推進につきましては、市町村の意向も十分踏まえる必要があると考えております。ちなみに、教室不足等への対応等もその一つになるわけです。そういうことも含めまして、中学校1年生への拡大あるいは小学校4年生への拡大、そして市町村への意見聴取、教育効果等も踏まえて進めております。あとは、少人数学級がいいのか、少人数指導がいいのかと、そしてその効果につきましても文部科学省が出している結果もございますが、全国的な議論にもなっておりますので、そういったことを踏まえながら本県についても一つ一つ課題をクリアしながら進めていきたいと思います。

○嶺井光委員 これは知事公約で、教室の確保が学級としては大前提になるわけですが、なおかつ市町村との関連も出てくるのであれば、県としてはこういう方針でいつまでに、年次ごとにどうやって持っていくのか。教室確保のための施設整備の問題もありますし、あるいは教員をふやしていくという部分もありますし、当然財政は伴っていくと思います。ですから、首長の判断が大きく左右すると。ましてや、総合教育会議という場があるわけですので、教育長からの要望としてしっかり政策に乗っけていくという取り組みをしないと、いろいろな政策課題が知事にはありますので、おくれをとってはいけません。皆さんがしっかりどうやっていくのだという計画を知事に提案する準備をしっかりやって議論に入っていかないと、その場しのぎで、こういう要望があるので頑張ってみようでは、なかなか前に進まないと思います。そこら辺はどうですか。

○新垣健一学校人事課長 小学校での学年拡大、それから中学校での学年拡大について、先ほども言いましたように、少人数指導、少人数学級それぞれのメリット・デメリットなども踏まえながら、我々としては取り組んでまいりたいと思います。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。

 照屋守之委員。

○照屋守之委員 説明資料4ページ、陳情平成26年第27号。今の30人以下学級の陳情で、次年度から小学校4年生への拡大ということが上げられております。陳情の中で、教育現場の多忙化や保護者の願いである少人数学級の実現という表現がありますが、少人数学級の目的は学校教育現場の多忙化を解消するためにやるのですか。本来はそうではなく、子供たちをもっとしっかり育てる環境を整備して、子供たちを伸ばしていく、成長させていくということが目的ですが、このような視点が出てきますと非常に厄介です。少人数化について、もう一度教育委員会の中で整理をしてもらいたい。これはあくまで子供たちが主となって、この子供たちを育てていくために今の40名よりは少人数にしたほうがきめ細かな教育ができると。そういう視点でないと、周りは忙しいとか、あるいは要望があるとか、何かピント外れなことで進められるとしたら、県民に対して誤解を与えるのではと思いますが、その辺はどうですか。

○新垣健一学校人事課長 少人数学級につきましては、児童生徒一人一人が基本的な生活習慣や規範意識を身につけて、基本の学力の定着を図るためにはよりきめ細かな指導ができる少人数学級がいいという形で進めているところでございまして、目的としてはそういったところでございます。

○照屋守之委員 少人数学級を進めて、今、沖縄県の学力は全国学力・学習状況調査で24位から20位に小学校は上がりました。中学校はまだ厳しい状況ですが上がっています。具体的にそういう数字があるわけですよね。少人数学級を進めていくことによる具体的に目に見える形での影響もある程度整理しないと、県民からすると、少人数学級にはなりましたが変わったものは何もありませんということになって、行政の取り組みやそれを審査する県議会の立場としても非常に説明がしにくい状況になります。ですから、少人数学級を進めてきた、あるいはこれから進めていく、それはどういう成果があった、あるいはどういう成果を期待するのかということがよりわかるような形できちんと整理する必要があると思いますが、いかがですか。

○諸見里明教育長 少人数学級は、小学校1年生、2年生、3年生、そして中学校1年生まで拡大してきましたが、この辺については学校訪問をしながら聞き取りとか、あるいはアンケート調査などでいろいろ検証も行っているつもりでございます。少人数学級については、基本的生活習慣や学習規律の確保とか、教えやすくなったという声は上がっております。それから、大規模な調査として、文部科学省も少人数学級の効果についていろいろと学力調査を通して検証しながら公表しております。内容としては、一人一人の理解度や興味、関心に応じたきめ細かな指導が可能になるとか、発言、発表の機会がふえ、より積極的に授業に参加できるようになる、教室にゆとりが生じてさまざまな教育活動が可能になる、教員と児童との間の関係が緊密化するなど、生徒指導に関してもいろいろな面での効果を公表しております。これは本県においても、全国的に見ましても、同じ効果だと思っております。それを踏まえて沖縄県ではどういう形で持っていくのかという形で進めております。

○照屋守之委員 人数が少なくなるのできめ細かな指導ができるとかは当たり前のことなのです。例えば、我々のときに40名か、45名、50名で、きめ細かな教育ができなかったかもしれませんが、子供たちが義務教育を終えて、高等学校、大学、そして社会へと旅立っていきました。あの時代からこのようにきめ細かくなってどのように変わっていくのかとか、どのような人をつくるのかとかというものが必要だと思います。ですから、一つの事例として全国学力調査を挙げていますが、せっかくそういうものがあるので、それを通して県民にわかるような形で、こういうものにも影響を及ぼしていますと結びつけないとなかなかわかりにくいわけです。50名のときも、30名、40名のときも何も変わらないのではないですかと。きめ細かな指導ができておりますということですが、では成果は何だったのかと言われたら、教員も楽になって、子供たちも安心してということでは、抽象的でわかりにくいわけです。ですから、今後、そういうところが県民に説明できるようにぜひお願いしたいということで要望しておきます。

 次に、1ページ、陳情平成25年第28号の2。14ページ、陳情平成26年第69号。27ページ、陳情第90号についてまとめてやります。

 1ページは、しまくとぅばの継承・復興、14ページは、しまくとぅばの保護強化に関する条例制定を求めるということになっております。そして、27ページは、しまくとぅば教育センターの設置の陳情となっております。これは先ほど照屋義実政策参与といろいろ意見交換をしているということがありましたが、しまくとぅばの保護の強化に関する条例制定を求める陳情は、しまくとぅば連絡協議会照屋義実会長が出しています。今、この方は県の政策参与となって、これを推進、指導する立場になっています。私はそのことに非常に違和感がありまして、一体全体これはどういうことでしょう。これは条例もつくりなさい、何をつくりなさい、学校教育へ導入しなさいと要求していて、教育委員会にもそういう打診があったということですが、こういう陳情を出した本人が政策参与として行政の中でそれを進めていく、指導者として知事にも物を言うということになってきますと、教育委員会にこれに関して圧力みたいなものがかかっていませんか。教育委員会とはどういうことで協議しているのですか。

○大城朗義務教育課長 学校教育では、学習指導要領の規程がいろいろありまして、なかなか厳しいと。そして、今、学校が自由に使える時間といいますか、学校長の裁量でできるのは総合的な学習の時間とか、特別活動の時間であるわけです。これについても市町村や各学校のニーズに応じて学校長が決めることになっています。小・中学校というのは設置者が市町村の教育委員会ですので、例えばこちらから一方的に総合的な学習の時間を全てしまくとぅばに充てなさいというようなことを言うことはできないということは説明しましたし、現在、いろいろな取り組みが行われていて、小学校5年生や中学校2年生では国語の教科の中でも指導していますという説明をいたしました。やはり、県教育委員会の範疇を超えているというようなことは何回か話をしました。ですから、関係機関との連携で議論をしていく必要があるのではないかということで政策参与とはお話をしました。それ以上は政策参与からのアプローチはございません。

○照屋守之委員 このことを非常に奇異に感じていまして、この方はオスプレイ配備反対の実行委員会の共同代表なのです。今の県知事も、照屋義実政策参与も。私はよく知っています。ですから、わざわざこんなことをやっている人を政策参与にして、条例制定を求めるとかという陳情を出させて、それを自分が指導する立場にあるということ自体に非常に疑問があります。それはおいておきますが、しまくとぅばの普及について先ほどからいろいろありますように、地域でやる、家庭でやるということですが、これを仮に教育でしまくとぅばを取り入れるとしたら、どういう目的といいますか、役割も含めてどういうことが考えられますか。

○大城朗義務教育課長 しまくとぅばは、地域地域にとって非常に重要なもの、尊重すべきものだと思います。ですから、国語科の授業、あるいは総合学習の時間、特別活動の時間、それから学校行事等を通して適切な指導が行われるようにという指導をしていきたいと考えております。現在、いろいろな学校で行われているのは、国語の授業の中で行われていたり、しまくとぅばによる総合的な学習の時間での調べ学習が行われていたり、あるいは運動会でウチナーグチによるラジオ体操をやったり、学芸会等で方言劇や子供たちが挨拶をすると。それから、小学校のクラブ活動がありますのでそういう時間にやるなど、そういう形で行われております。

○照屋守之委員 要するに、アイデンティティーとか、それぞれの地域の個性とか、あるいは地域に生まれた者としての誇りを持つとか、そういう類いとして受け取っております。そうしますと、例えば教育でそれを導入するときに、こういうものが教育をやる趣旨にかなうのかということを問いたいのです。我々は地域で育って、その地域のものを大事にしたい、誇りにしたいということがあって、そこの言葉を使います。使いますが、それを全県の子供たちに教育として導入するというところがまだ納得できません。陳情者が教育に導入しなさいという部分と、教育が果たすべき役割とプライド、精神的な部分だと捉えていますので、これをどうかみ合わせるのか、そのことも含めて教育としてどう捉えますか。

○大城朗義務教育課長 先ほども申し上げましたが、しまくとぅばというのはその地域の文化とか伝統の基盤でありまして、その地域地域にとってとても重要なものだと思います。ただ、これを学校教育で取り上げるということになりますと、非常に限定的になってくるのではないかと思います。例えば、朝の会、それから昼の給食などの特別活動の時間や校長が講話の中で重要性についてお話をするとか、あるいは先ほどから出ております学芸会や学習発表会、運動会、体育祭といった行事を通して、しまくとぅばの普及・発展の下支えをするということが学校教育にとってできることではないかと思います。きちんと教科みたいに教えるということは、やはり学習指導要領を逸脱しておりますし、県教員の守備範囲を超えていると考えております。

○照屋守之委員 例えば、算数、国語、理科、社会、歴史も含めて、言葉ですから沖縄県全体がしまくとぅばで共通するのか、そしてその言葉が日本に通じるのか、世界に通じるのか、そういうことを考えます。そうしますと、到底そういうことはあり得ないわけです。ですから、教育として捉えていきますと、外に対しても、あるいは沖縄県内にしても、そういう表現ができてコミュニケーションがとれるということができなければ何にもならないわけですよね。化学や理科などを方言で教えることは語彙が絶対的に足りないので話にならないわけです。ですから、そういうことを非常に危機的に感じます。それと同時に、こういう陳情が出たときに少しいろいろ調べてみましたら、戦後米国統治下におかれて、我々沖縄県民は言葉をどうするかという壁にぶち当たるわけです。そのときにしまくとぅば、方言というものと、英語、日本語、こういう選択肢があったわけです。これは、アメリカ合衆国も共通語を英語でやるかどうか考えあぐねたわけです。その中で「よし、日本語でいこう」と意思決定をするわけです。日本語でいこうと意思決定をして、日本語教育が始まるわけです。あれから70年がたちましたが、そのおかげで我々の生活も含めて沖縄県民はこのような状況になっていると思っています。ですから、あの当時にしまくとぅばで我々が教育を受けてやっていたら、とんでもないことになっていると思いませんか。語彙も足りないですし、本土の人たちと通訳を介してしか会話できません。もちろん外国人にも全部通訳を介してでしか会話ができません。そういうことからしましても、今、しまくとぅばを教育にぜひ導入してほしいという陳情が出される、それを行政として検討せざるを得ない状況、そして、政策参与がそれを推し進めていくという現状は非常に危機的に感じますが、今の状況はどう思いますか。

○諸見里明教育長 委員がおっしゃることももっともだと思います。先ほど、義務教育課長から何度か言っているのですが、私たちが持っている義務教育というものは、北海道から沖縄県に転校してきても、青森県から転校してきても同じ教育水準を享受できると、そういう憲法の理念のもとで行われております。ですから、学校教育法、学校教育施行規則、学習指導要領によって、算数、国語、社会と、みっちりとその教科をやりなさい、それを何時間やりなさいと。そして、この教育課程の中に組み込もうとした場合、どうしてもそこに無理が出てきます。それを打破するために特例制度などがあるのですが、しかし、それは、市町村教育委員会が本当に必要だと認め、どうしてもうちの管轄でやりたいと言った場合に、そういうことがありまして、これを県から一斉にやるということも限度があることです。ですから、教育課程内でやるということは厳しい、あるいは慎重にしなければいけないと思っているということにはその辺があるのです。この辺もまた御理解いただけるように、一方でまた、しまくとぅばに対して、先ほど嶺井委員からもありましたように、我々も実感していることですので、その範囲内でどうできるかということは、これから工夫、検討が必要だと思っております。

○照屋守之委員 私がくどく言っているのは、政策参与として照屋義美政策参与がいるから言っているのです。教育に導入したいと言っている張本人が県庁の中にいるからそう言っているのです。これは教職員組合としても大変なことです。今、しまくとぅばを教育で導入しようとしますと、しまくとぅば自体を先生方はみんな勉強しないといけないわけでしょう。先生方がわからないものを教育できませんよ。ですから、そういう調整も含めて必要だと思います。

 実は、私が非常に気になっていることは、こういう権利があるのか教えてください。私的にも、公的にも、しまくとぅばを使用する権利が沖縄県民にあるという表現がありますが、こんな権利はありますか。

○諸見里明教育長 陳情の文体というのは、陳情者が恐らく自分の思いでつづられたと思います。ただ、結果的に果たしてこういうものが権利としてあるかとなったら、法的にもその辺は明確ではないと感じております。

○照屋守之委員 法的には明確ではないということですが、そういう権利があると主張する方々がいるわけです。そして、県民にそれがあると言うのです。そして、しまくとぅばによる自己表現能力育成のための教育を受ける権利があると。これはどうですか。県民にそういう権利があるのでしょうか。これは行政としてどう捉えていますか。

○大城朗義務教育課長 先ほど教育長がおっしゃったとおり、陳情者の文言については陳情者の意図があるだろうということで、検討はしておりません。ただ、学校教育に導入するとなったときに、1つは学習指導要領の壁、それから公立小・中学校は設置者が市町村であるということ、教育課程の編成は学校長、教育長あたりのやることであるということ、それから今、沖縄県内において非常に人の移動が激しく、出身地に人間がとどまらない世の中になっているということもありまして、学校教育の中ではかなり厳しいだろうと考えております。

○照屋守之委員 もう一つありますが、公的機関や社会的な場においてしまくとぅばで応対を受ける権利があると表現しております。私がなぜそう言うかといいますと、県知事は自己決定権があると言っているのです。そうすると、3つもいろいろな権利があるものを教育に導入する、これは当然権利の主張ではないかという論調が県知事には成り立つわけです。自己決定権だから。ですから、権利、権利ということでやられますと、今の教育委員会はどうするのかという話です。権利とそういうものはしっかり分別をつけて対応していかないと、非常にややこしい問題が発生しますということなのです。それを言いたいわけですが、いかがですか。

○諸見里明教育長 先ほどの答弁と同じになるのですが、陳情者の文体については、陳情者の思いがかなり反映されていると思います。陳情者の言葉と我々が答える言葉というのはまた違う形での答弁になるのですが、この辺はぜひ御理解いただきたいと思います。

○照屋守之委員 先ほどから言っておりますように、しまくとぅばは家庭や地域で普及させるべきだと思います。ですから、地域限定です。しまくとぅばは地域で違うものですので、それぞれの市町村ごとに限定でやると、そう思っています。このしまくとぅばは、使い方を誤ると大変なことになります。アイデンティティーとか、プライド―誇りをもっと高めていくということですが、使い方を誤るとこれは相手の心を傷つけてしまうのです。大変な問題になります。ですから、使う場所とかが限られてくると思います。本会議で知事にクレームをつけましたが、本会議場で知事は「ハイサイ グスーヨー チューウガナビラ」「ユタシク ウニゲーサビラ」という表現をしています。那覇市議会であれば那覇市の言葉で「ハイサイ グスーヨー チューウガナビラ」と言って通用するかもしれません。ところが、沖縄県には、宮古地域、八重山地域、伊是名島、伊平屋島、全部を網羅して5つの方言があって、そして微妙に違う。「ハイサイ グスーヨー チューウガナビラ」は宮古・八重山地域では通用しないのです。ですから、考えたほうがいいのではないかとクレームをつけましたら、「イッペー ニフェーデービル」という言葉を「タンディガータンディ」と言ったのです。しまくとぅばというのは、こんな問題ではないでしょうと思っています。共通語で定められていないそういう一つの言葉を使いますと、使われない地域の人たちはおもしろくないわけです。でも、知事が使うので文句は言いません。職員だってそうですよね。宮古・八重山地域出身の人はハイサイ グスーヨーと言われても意味がわからないので、おもしろくないわけです。ですから、自分のアイデンティティーを主張するとき、逆にそのことが相手を傷つけるのです。ですから、使い方、使う場所をわきまえないと大変なことになると思います。そして、クレームをつけたらタンディガータンディと言ったので、こんな茶化すようなことで指摘したわけではありません。那覇市であれば那覇市のしまくとぅばでいいですが、ここは沖縄県議会ですので、沖縄県全体のものとして知事にはそういう表現を扱ってもらいたいという思いをぶつけていますが、あの方には通じないわけです。ですから、そこを今言っているわけです。それと同時に、県庁へ行きましたらトイレに「イキガ」「イナグ」と表記されております。「男」「女」という意味です。さらにエレベーターのところへ行きますと、「ティーチ」「ターチ」「ミーチ」「ユーチ」とあります。これは、「ティーチ」「ターチ」「1つ」「2つ」という意味で間違いありませんが、あの「1つ」は、フロアの意味ではないですか。1階という意味ではないですか。2階は2階という意味ではないですか。3階は3階です。そうしますと、「ティーチ」ではなく、「イッケー」「ニーケー」「サンケー」となります。ですから、そういうものも誤解を与える可能性があります。それと、10階は「トゥ」とありますが、11階から14階はありません。そういうことも含めてふだんでさえ、しまくとぅばではこんなことがあるので、教育で導入するとかということについてはよっぽど気をつけるどころの問題ではなく、これは使い方も含めてしっかりやる必要があると思います。ですから、そういうこともわきまえた上で、教育に導入するときは慎重を期してくださいということを言いたいがために実例を出しましたが、いかがですか。

○諸見里明教育長 先ほどから答弁した形で、義務教育課長からもありましたが、教育課程内でどれぐらいできるかということに関しては慎重さが必要だと思います。この辺は知事も政策参与も御理解いただけるような形で協議を進めていきたいと思っております。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。

 狩俣信子委員。

○狩俣信子委員 説明資料28ページ、陳情第111号。実習助手の実習教諭への呼称変更に関する陳情ですが、学校現場の様子については、教育長も私も学校現場経験者ですのでよくわかるわけですが、さんづけとかで生徒の前で呼ばれたときは自分は先生とは違うのかと引っ込み思案になったりすると思います。先ほどモチベーションの問題を言っておりましたので、やはりそこらあたりからすると実習教諭という形でやったほうがいいと思います。そして、他都道府県の状況を調べてとありますが、私は全部調べてあります。その資料はきょうここには持ってきていないのですが、多くの都道府県で実習教諭とか、実習教師とか、名前は少しずつ変わりますが、実習助手ではない呼び方をしています。ですから、そういう意味では先ほどの教育長からの答弁で前向きに検討するとおっしゃっていましたので信頼申し上げておりますが、ぜひ次年度からは実習教諭という形で―これは別に法令を変えなさいという意味ではありません。呼称だけを変えることによって、仲間意識とか、子供たちからの信頼関係とか、いろいろなことが出てきますので、これをお願い申し上げたいと思います。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○呉屋宏委員長 質疑なしと認めます。

 以上で、教育委員会関係の陳情に対する質疑を終結いたします。

 説明員の皆さん、大変御苦労さまでした。

 休憩いたします。

   (休憩中に、執行部退席) 

○呉屋宏委員長 再開いたします。

 議案及び陳情等の質疑については全て終結し、採決を残すのみとなっております。

 休憩いたします。

   (休憩中に、議案及び陳情等の採決方法等について協議)

○呉屋宏委員長 再開いたします。

 これより、議案及び陳情等の採決を行います。

 まず初めに、乙第8号議案国家戦略特別区域限定保育士事業の実施に伴う関係条例の整備に関する条例を採決いたします。

 お諮りいたします。

 ただいまの議案は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○呉屋宏委員長 御異議なしと認めます。

 よって、乙第8号議案は原案のとおり可決されました。

 次に、乙第13号議案損害賠償額の決定についてを採決いたします。

 お諮りいたします。

  ただいまの議案は、可決することに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○呉屋宏委員長 御異議なしと認めます。

 よって、乙第13号議案は可決されました。

 次に、陳情等の採決を行います。

 陳情等の採決に入ります前に、その取り扱いについて御協議をお願いいたします。

 休憩いたします。

   (休憩中に、議案等採決区分表により協議)

○呉屋宏委員長 再開いたします。

 お諮りいたします。

 陳情等については、休憩中に御協議いたしました議案等採決区分表のとおり決することに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○呉屋宏委員長 御異議なしと認めます。

 よって、さよう決定いたしました。

 次に、先ほど採択した請願第4号ウイルス性肝炎患者に対する医療費助成の拡充に関する請願は、ウイルス性肝炎患者に対する医療費助成の拡充を求める意見書を可決してもらいたいという要望の請願でありますので、お手元に配付してありますウイルス性肝炎患者に対する医療費助成の拡充を求める意見書を議員提出議案として提出するかどうかについて御協議をお願いいたします。

 休憩いたします。

   (休憩中に、意見書の提出及び文案・提出方法等について協議した結果、案のとおり提出することで意見の一致を見た。)

○呉屋宏委員長 再開いたします。

 議員提出議案としてのウイルス性肝炎患者に対する医療費助成の拡充を求める意見書の提出については、休憩中に御協議いたしましたとおり決することに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○呉屋宏委員長 御異議なしと認めます。

 よって、さよう決定いたしました。

 次に、先ほど採択した平成25年陳情第49号学徒合同石碑の建立に関する陳情及び陳情第9号学徒合同石碑の建立に関する陳情について、お手元に配付してあります学徒合同石碑の建立に関する決議を議員提出議案として提出するかどうかについて御協議をお願いいたします。

 休憩いたします。

   (休憩中に、決議の提出及び文案・提出方法等について協議した結果、案のとおり提出することで意見の一致を見た。)

○呉屋宏委員長 再開いたします。

 議員提出議案としての学徒合同石碑の建立に関する決議の提出については、休憩中に御協議いたしましたとおり決することに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○呉屋宏委員長 御異議なしと認めます。

 よって、さよう決定いたしました。

 次に閉会中継続審査・調査事件の申し出の件についてお諮りいたします。

 先ほど、閉会中継続審査・調査すべきものとして決定した陳情等57件とお手元に配付してあります本委員会所管事務調査事項を閉会中継続審査及び調査事件として、議長に申し出たいと思いますが、これに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○呉屋宏委員長 御異議なしと認めます。

 よって、さよう決定いたしました。

 次に、お諮りいたします。

 ただいま議決しました議案等に対する委員会審査報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○呉屋宏委員長 御異議なしと認めます。

 よって、さよう決定いたしました。

 以上で、本委員会に付託された議案及び陳情等の処理は全て終了いたしました。

 次に、視察調査日程についてを議題に追加することについては、休憩中に御協議をお願いいたします。

 意見の一致を見たときは、本件を議題に追加し、諮ることといたします。

 休憩いたします。

   (休憩中に、議題の追加について協議した結果、追加することで意見の一致を見た。)

○呉屋宏委員長 再開いたします。

 視察調査日程については、休憩中に御協議いたしましたとおり、議題に追加し、直ちに審査を行いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○呉屋宏委員長 御異議なしと認めます。

 よって、さよう決定いたしました。

 視察調査日程についてを議題といたします。

 休憩いたします。

   (休憩中に、沖縄県立沖縄ろう学校の視察調査について協議した結果、別添視察調査日程案のとおり実施することで意見の一致を見た。)

○呉屋宏委員長 再開いたします。

 お諮りいたします。

 視察調査日程につきましては、休憩中に御協議いたしましたとおり決することとし、議長に対し委員派遣承認要求をしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○呉屋宏委員長 御異議なしと認めます。

 よって、さよう決定いたしました。

 以上で、本日の日程は全て終了いたしました。

 委員の皆さん、大変御苦労さまでした。

 本日の委員会は、これをもって散会いたします。

沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。

  委 員 長  呉 屋   宏