委員会記録・調査報告等

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文教厚生委員会記録
 
平成30年 第 3定例会

6
 



開会の日時

年月日平成30年3月20日 曜日
開会午前 10 時 1
散会午後 4 時 46

場所


第2委員会室


議題


1 乙第28号議案 沖縄県病院及び診療所の人員及び施設に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例
2 乙第29号議案 沖縄県がん対策推進条例の一部を改正する条例
3 乙第30号議案 沖縄県住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例
4 乙第31号議案 旅館業法施行条例の一部を改正する条例
5 乙第32号議案 国民健康保険法施行条例
6 乙第34号議案 沖縄県国民健康保険調整交付金条例を廃止する条例
7 乙第35号議案 沖縄県国民健康保険財政安定化基金条例の一部を改正する条例
8 乙第60号議案 債権の放棄について
9 請願平成29年第1号及び陳情平成28年第79号外19件


出席委員

委 員 長  狩 俣 信 子 さん
副委員長  西 銘 純 恵 さん
委  員  新 垣   新 君
委  員  末 松 文 信 君
委  員  照 屋 守 之 君
委  員  次呂久 成 崇 君
委  員  亀 濱 玲 子 さん
委  員  比 嘉 京 子 さん
委  員  平 良 昭 一 君
委  員  金 城 泰 邦 君


欠席委員

なし


説明のため出席した者の職・氏名

保健医療部長      砂 川   靖 君
 保健衛生統括監    糸 数   公 君
 保健医療部参事    阿 部 義 則 君
 保健医療総務課長   大 城   博 君
 医療政策課長     諸見里   真 君
 健康長寿課長     宮 里   治 君
 地域保健課長     山 川 宗 貞 君
 薬務衛生課長     玉 城 宏 幸 君
 国民健康保険課長   名 城 政 広 君
 国民健康保険課班長  森 田 崇 史 君



○狩俣信子委員長 ただいまから、文教厚生委員会を開会いたします。
 乙第28号議案から乙第32号議案まで、乙第34号議案、乙第35号議案及び乙第60号議案の議案8件、請願平成29年第1号、陳情平成28年第79号外19件についてを一括して議題といたします。
 本日の説明員として、保健医療部長の出席を求めております。
 まず初めに、乙第28号議案沖縄県病院及び診療所の人員及び施設に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例について審査を行います。
 ただいまの議案について、保健医療部長の説明を求めます。
 砂川靖保健医療部長。

○砂川靖保健医療部長 資料の1ページをごらんください。
 乙第28号議案沖縄県病院及び診療所の人員及び施設に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例について御説明いたします。
 本議案は、医療法及び医療法施行規則の一部が改正され、既存病床数の算定に当たっての補正方法が見直されたことに伴い、関係規定を整理する必要があることから、条例を改正するものです。
 概要としましては、集中強化治療室等の病床は、入院患者が当該病室での治療後に利用する病床が同一病院内に確保されている場合であっても、既存病床数に算定すること、また、介護老人保健施設に係る療養病床または一般病床の既存病床数の算定に関する規定を削り、補正に関する経過措置を整理するよう算定方法を見直すものであります。
 以上で、乙第28号議案についての説明を終わります。
 御審査のほど、よろしくお願いします。

〇狩俣信子委員長 保健医療部長の説明は終わりました。
 これより、乙第28号議案に対する質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないよう簡潔にお願いいたします。
 また、この際、執行部の皆様に申し上げます。
 答弁に際しては、要点をまとめ、要領よく行い、円滑な委員会運営が図られるよう御協力をお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 法改正の目的―要するに、患者との関係でどうなるのかというところを大まかにお尋ねしたいのですが。

○諸見里真医療政策課長 今回の法改正に伴う部分は、大きく分けて2つございます。1点目が集中強化治療室―ICUと言われる病床でございます。この部分が、従来病院内にICUとも一つ空き床として、患者さんで2つ持っている場合については、カウントしないという補正がありました。ただ、その空き床をもう一つ持つというのはなかなか実態としてないということで、この部分を補正から落としてカウントするという形になっております。ただし、実際、県内はそういう状況ではありませんので、そのままカウントしております。ですから、影響はない状況でございます。
 もう一つ、介護老人保健施設の部分については、介護と医療の中間施設ということで、従来0.5―半分ですね、2分の1病床をカウントするという規定がされておりました。ただし、これについては経過措置がありまして、当面はカウントしないという状況が続いております。ですから、実態としては現在もカウントしておりません。今回は、今後、地域医療構想等、高齢者がふえる部分がございますので、この施設をカウントするとなかなか既存施設がふえませんので、この機にこの補正を削除して、カウントしないという形に整備しているところでございます。

○西銘純恵委員 そのベッド数をカウントする、しないというのが、実際に県民が入院するというときに―介護もそうですが、受け入れとしてどう変わってくるのか。ベッドをどうするのかという、これからの高齢化に向けて、医療計画との関係で一切支障はないのですか。現状と変わらないという説明ではあったのですが、それらとは変わらない。例えば、県民が病院に行き、入院するとかというときに、従前と変わらない―逆にこの条例改正によってベッドが足りないということが起こるのかどうか。そこら辺が一番気になるのですが。そこはどうですか。

○諸見里真医療政策課長 まず1点目の介護老人保健施設については、カウントしなくなるわけですので、その影響は当然ないと思います。現状も当面の措置としてカウントしておりませんので、もう一つのICUの部分でございますが、これは国の見解としては、従来は病院で空き床―専用の病床を確保した上でICUで手術をすると。それでまた戻ってくるということで、2床確保することを想定していたようですが、実態としては、直接ICUに入って、それから病院内で手術が終わった後、ICUを出た後の病床のあいているところをその都度確保するという対応が通常のようでございます。そういうことで、今回そういう実態に合わせてカウントする形になっていますので、先ほども言ったように県内ではそういう運営がなされていますので、実態には影響はないものと考えているところでございます。

○西銘純恵委員 患者からすれば緊急に病院に行ったときに、私がたまたま見たときに何か待ちベッドのようなところがあって、そこのことなのかなという感じはするのですが。実際そこを使わせてもらって経過を診るということは多かったわけです。使われているということだから多かったわけです。逆に、それをベッドとして数えたら、埋まっているので、ある意味では緊急に行ったときに対応できないということが出てくるのかどうか。気になるのはそこです。

○砂川靖保健医療部長 実態を見ると、手術したらすぐICUに入るわけです。そこで経過を診るわけです。その後、落ち着いたら一般病床に移るわけです。それが普通の流れです。今の規定は、このICUを持っているところは、一般病床とは別にICUに入っていた患者が移る病床を用意しなさいと。その場合カウントしませんということだったわけです。ところが、実態として、ICUから移ったあとの空き床がないわけです。だから支障がないと言っているわけです。

○西銘純恵委員 病院の実態として、控えみたいな病室ではないですが、そういう緊急のところは、今の話とは全く別ですか。そこがあいているから緊急時には、そこでとりあえず一晩診るとかという経過措置があるのです。

○砂川靖保健医療部長 救命救急センターなんかは病床を置いていますが、例えば経過観察するようなところにも、一応ベッドは置いてあるのです。ところがこれは病床ではありません。

○西銘純恵委員 それでは支障はないということですね。

〇狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。

〇狩俣信子委員長 質疑なしと認めます。
 よって、乙第28号議案に対する質疑を終結いたします。
 次に、乙第29号議案沖縄県がん対策推進条例の一部を改正する条例について、審査を行います。
 ただいまの議案について、保健医療部長の説明を求めます。
 砂川靖保健医療部長。

○砂川靖保健医療部長 次に、5ページをごらんください。 
 乙第29号議案沖縄県がん対策推進条例の一部を改正する条例について、御説明いたします。
 本議案は、がん対策基本法の一部が改正され、緩和ケア及びがん登録に係る定義が改められたこと等に伴い、条例を改正するものであります。
 議案の概要ですが、緩和ケア及びがん登録に係る定義が法で改められたことから、法に合わせて条例の規定を整理すること、法の条項番号の変更に合わせて、条例の規定を整理することであり、施行期日は公布の日としております。
 以上で、乙第29号議案についての説明を終わります。
 御審査のほど、よろしくお願いします。

〇狩俣信子委員長 保健医療部長の説明は終わりました。
 これより、乙第29号議案に対する質疑を行います。
 質疑はありませんか。
 亀濱玲子委員。

○亀濱玲子委員 この改正に伴って強化される部分が何点かあります。少し細かくなると思うのですが、それが、がん対策基本法の何条であるのかを教えていただきたいのです。まず同法第15条で拡充されるであろう、緩和ケアの医療提供の専門性を有する従事者を育成するようにというように具体的に書かれているのは―これは具体的にはこの法律に書かれていることが、県においてはどう変わることになるのでしょうか。

○宮里治健康長寿課長 従来は、同法第16条で緩和ケアのことが書かれておりますが、それが第15条に移り、さらに具体的な記載になっております。例えば、改正前はがん患者の状況に応じて疼痛等の緩和を目的とする医療と定められていたものが、今回の改正で緩和ケアの―括弧書きのほうで「がんその他の特定の疾病に罹患した者に係る身体的若しくは精神的な苦痛または社会生活上の不安を緩和することによりその療養生活の質の維持向上を図ることを主たる目的とする治療、看護その他の行為」という、より具体的な記載になっております。基本的に同法に基づいて各計画は策定されて推進していくことになります。従来、緩和ケアについては終末のイメージが強かったものですから、新しい緩和ケアの考え方として、診断したときから緩和ケアの推進、さらに身体的な苦痛だけではなく、精神的・社会的な不安も緩和するような取り組みが今後充実していくことが期待されるところです。

○亀濱玲子委員 今、県が2018年から2023年までの期間で、第3次沖縄県がん対策推進計画を立てているところですが、実際、県内におけるがんの協力機関―宮古病院もそうですが、やはり緩和ケアに対する内容についてはどのステージでも充実していないのです。別に終末期医療の話だけをしているわけではなくて、今、がんの患者さんが一般病棟の中で最期を迎えることであったりとか、がんに特化したものが、この法律が改正されることによって、それぞれ都道府県がしっかりとケアできるように、施策に取り組みなさいということにはならないのですかという、その期待について聞いています。答弁は、十分理解できるのですが、具体的には何が変わるのですか。

○宮里治健康長寿課長 今回の条例改正の提案なのですが、県の条例は主に基本的な県の考え方、方針を示すもので、具体的な施策は計画に記載していくことになります。ちょうど今年度沖縄県がん対策推進計画を策定しているところで、年度中に策定する予定ですが、その中でも、委員の方々から緩和ケアの重要性というものが意見として出ていますので、同計画の中で、特に拠点病院においては緩和ケアを推進する体制を構築していくような施策を盛り込んでいく内容になっています。

○亀濱玲子委員 沖縄県がん対策推進計画の案も読ませていただいたのですが、もう少し具体性のある計画になるといいなと思っていたので、あえて緩和ケアについて質疑したのです。
 がん対策基本法第20条と第21条に、がんの患者の雇用継続に力を入れるようにということと、がんの患者が学習と治療が両立できるようにとうたわれているわけですが、この条項によって何か取り組みが強化されるということをお答えください。

○宮里治健康長寿課長 今回の条例改正においては、特にその部分に触れるところはありませんが、もともと県の条例は、そのような就労支援と教育に関する施策を進めていくということが読み取れるような内容であります。その辺に関しては、沖縄県がん対策推進計画に記載して取り組んでいくということとしております。具体的ながん患者の就労支援については、特に沖縄労働局や公共職業安定所が中心となって、民間の拠点病院と連携しながら取り組んでいるところであり、県も連携して一緒に取り組みを進めているところであります。

○亀濱玲子委員 次に、同法第22条の民間団体の活動に対する支援というのは、具体的にはどういうことを想定しているのですか。

○宮里治健康長寿課長 患者団体への支援としまして、現在、県が具体的に取り組んでいるのは、沖縄県がん患者連合会に対して補助を行い、その活動の支援をしているところでございます。また、各地域などにおいて、がん患者の家族を集めて意見交換会を開くなどの支援を行っているところでございます。

○亀濱玲子委員 これは、沖縄県がん対策推進計画の中にも入っていますか。実際活動しているのはわかっています。

○宮里治健康長寿課長 同計画においても、がん患者団体と連携しながら取り組むということを記載しているところでございます。

○亀濱玲子委員 同法第2条第8項で、個人情報が―例えば、がん患者の登録や、あるいは完治した方の登録などが進められていく方向にあるのだと思います。その中で、個人情報の保護については適正な配慮がなされるようにすることとうたわれていますが、これは沖縄県においてはどのような配慮として取り組まれることになりますか。

○宮里治健康長寿課長 がん登録の運営は、沖縄県がん診療連携協議会で代行することになっておりますが、その中の委員として弁護士も加わっていただき、法律的な面からもいろいろな意見を伺うような体制をとっているところでございます。

○亀濱玲子委員 この条例もそうなのですが、法律の中にも、それぞれの自治体が計画をしっかりと立てるようにとうたわれていますので、沖縄県が島嶼県であるという特段の配慮について、沖縄県がん対策推進計画において、この改正がうまく乗っかって、中身のある計画としてもらいたいということを希望します。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 新垣新委員。

○新垣新委員 6ページの新旧対照表の中で、がん対策基本法第12条第1項に関して、都道府県がん対策推進計画を策定しなければならないということについて、沖縄県はどうなっていますか。

○宮里治健康長寿課長 ちょうど今年度において、第3次沖縄県がん対策推進計画を策定しているところでございます。

○新垣新委員 第3次沖縄県がん対策推進計画を策定している状況の中で、県民のがんのトップ10は、どういったものがあるのですか。一番多いのは何ですか。例えば、大腸がんとかいったものがありますね。

○宮里治健康長寿課長 沖縄県で多いがんは、大腸がんです。大腸がんや肺がんが多くなっています。

○新垣新委員 これは、後で資料として各委員への提供お願いします。
 このがんになる前の早期発見、早期治療という対策です。健康診断で、例えば国民健康保険―国保に関しても、みんなが健康になったら国保料が安くなるのは当然のことです。それと同時に、健康という予防学と、早期発見、早期治療というものは健康診断という位置づけであると。海外、特にアメリカなどに行くと、健康診断を受けなければそのペナルティがあったのです。いろいろ州によって権限が違うのですが、そういったものも、国も諮問会議の中で検討しているという話もお聞きしているのです。厚生労働省の第三者委員会の中でも、毎年、医療費が高騰して扶助費もふえて、国債発行もふえると。高齢化社会の中でも、常時働いている団塊の世代も非常にふえてきていると。そういったもろもろに関して、沖縄県においてはどういう取り組みがあるのですか。まず、健康診断からお聞きします。

○糸数公保健衛生統括監 今の法律の中で行っている健診は、委員がおっしゃるとおり強制力があるものではなく、この健診を受けたら死亡率が下がるというエビデンスがあるので、市町村でそれを受けましょうという啓発ベースでやっているというのが現状でございます。おっしゃるように、子宮がんは20歳から、ほかのがんは40歳からという一定の年齢を決めて受診を呼びかけて、受診しなかった人には、なぜ来なかったのかということで、市町村がまたお便りを出したり、それから精密検査についてきちんと行ったかを追いかけるということです。これによって全体の死亡率が下がるというエビデンスがあるので、市町村と県が一緒になって、健診を受診することについて勧めているという状況でございます。

○新垣新委員 それはわかりますが、ぜひ何らかの厳しい縛りみたいなものを前向きに考えない限り、正直言って、例えば「私は健康なのに、なぜ国保料をこんなに高く払わなければいけないの」という県民の声がふえてきているのです。特に若い世代から。ですから、健康であることがまず大前提だから、みんなが健康であれば国保料は上がらないと。後期高齢者も上がらないので、そういった義務づけ、意識づけということをもう一度考え直す時期にきているのではないのかと思います。これは大きな問題です。保健医療部長はどう思っていますか。

○砂川靖保健医療部長 これについては国での議論が必要だと思っております。医療費はどうして上がるのか。これは上がらざるを得ないと思うのです。というのも、新しい薬が開発される。診療報酬も2年ごとに改定されていくということで医療費が上がる。ただし、我々は、医療費適正化計画というものをつくって、医療費の上がりを鈍化させるような取り組みも行っております。あわせて腎症の重症化プログラムみたいなものもつくって、ほかの県ではやっていない、メルクマールを持った取り組みを行って、糖尿病疾患から重症化して腎症にいかないようなことも市町村と一緒になって取り組んでいきたいと思います。医療費の抑制というか適正化には今後とも努めていく必要があるだろうと。その上で、委員がおっしゃるような強制力と、ペナルティというような制度について、沖縄県だけではなくて、やはりオールジャパンで考えないといけない問題だと思っております。

○新垣新委員 オールジャパンと言っているのはわかるのですが。国全体の意見を注視して、沖縄県は県独自のあり方ということから―それではなぜ高い国保料を払わないといけないのかと。先ほど言っている一定の薬品が上がるとか、診療報酬の2年ごとの改正などは一定のものです。単なるルール分です。一人一人が健康でないとどうなるのかという視点から物事に入っていかないと、解決に向かわないと思っているのです。だから、そこをしっかりと関係機関との連携―諮問機関をもう一度つくってほしいのです。やっているとは思うのですが、さらにそういったもろもろを含めて、海外の先進地、いい事例などを見に行ったりとか。オールジャパン、国の動きを見てからというのではなく、どう沖縄のあり方を見るかということから考えないと解決しないと思っています。沖縄県独自の健康への取り組みや、そのあり方について、検討課題として、踏み込んだ形で保健医療部長として考えていただけませんか。

○砂川靖保健医療部長 実行性がある医療費の適正化計画。それと昨年策定した腎症重症化予防プログラムの徹底化に努めていきたいと考えています。

○新垣新委員 ぜひ徹底することについても、もう少し踏み込んでやらないと。沖縄独自の健康のあり方といった、独自のものをぜひ頑張っていただきたいと思います。これをやらない限りは何も解決しない。いつか我々も年をとって、高い国保料を払わせるという形で、自分の子供や孫たちに迷惑をかけるのです。国保については、助け合いでいい制度だと思っています。だけど、余りにもこういった形で偏ってきているという問題に危機感を感じて述べているつもりであります。決して差別をしていないということを申し上げておきます。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 比嘉京子委員。

○比嘉京子委員 今回の条例改正で、先ほど亀濱委員からありましたが、1つには緩和ケアの問題。もう一つ、がん登録の問題が入っていて、その定義規定が置かれたわけですが、今までのがん登録はどういう状況で、今回の改正によって、この登録がどのように変化していくのかお聞きしたいと思います。

○宮里治健康長寿課長 これまでのがん登録の状況ですが、任意で各地域別のみで登録が行われてきていました。例えば、地域がん登録と言いますが、これが昭和63年から実施されております。がん患者発症、死亡及び受療状況の実態調査について各地域で取り組んできたところでございます。
 今回、がん登録に関する法律ができたことに伴い、全国がん登録が始まることによって、統一した方法でがんの状況が把握できるというメリットが出てきます。全国的に統一した、精度を持った正確なデータが把握できて、それに基づく分析と施策の展開ができるようになっていくものと考えております。

○比嘉京子委員 もう少し詳しい答弁をお願いします。これまでの沖縄県のがん登録は、どこでどなたがやっていたのですか。

○宮里治健康長寿課長 沖縄県衛生環境研究所で、がん登録の事業を行っております。

○比嘉京子委員 沖縄各地の病院でがんが発見されたときに、そこに登録というか申し出というか、それは沖縄県自体でもなされていたという理解でいいのですか。

○宮里治健康長寿課長 これについてはこれまでも行われておりました。各病院でがんと診断された方が県衛生環境研究所にデータを提供して、そこで登録していくという仕組みになっております。

○比嘉京子委員 今までやってきたことが―平成28年ですか、国においてもがん登録がスタートして、全国的な集計や分析等がされているという実態があると思うのですが、今まで沖縄県がやっていたものが、この条例改正によって、どのようにがん登録が変わるのかと。変化する点があれば教えてください。

○宮里治健康長寿課長 今回は、あくまでも国の法律改正に伴い、その法律との整合性を図るための条例改正であります。そういった全国でのがん登録を行うことについては、がん登録の法律に基づいて進められているところでありまして、これまで各地域単位でデータが任意でまとめられて―これは全国データとしても任意でまとめられていたのですが、それが法律によって、統一した一元管理できるという体制になるということで、各地域との正確な比較ができるようになってきます。それがより充実してくるということになります。

○比嘉京子委員 国が各地域から集まったものを集計、分析して管理する。沖縄県のデータ管理はどうなっているのですか。

○宮里治健康長寿課長 県衛生環境研究所で各病院の状況についてデータを集計し、分析等を行っており、毎年報告書としてまとめているところでございます。

○比嘉京子委員 沖縄全体でということになると、琉球大学附属病院―琉大病院はもちろんのこと、ここにみんな登録しているということで理解していいですか。

○宮里治健康長寿課長 琉大病院だけではなく、がん診療や医療を行っている医療機関については、県内の病院のほとんどを網羅している状況です。

○比嘉京子委員 沖縄県として、県独自の集積や分析、そして管理できているということを理解しました。全国一律的な集計の場に、その情報が提供されるということによって、県ではそのことを生かして、具体的にどのようながん対策を行うのですか。その生かし方というのは、この改正によってどう変わるか。あるいは大きく変わらないものと理解していいのでしょうか。

○宮里治健康長寿課長 全国統一した方法でがん登録というのが一元管理されていくということになります。したがって地域ごとの精度の差というものが少なくなってくると思います。沖縄県においてもがん登録の精度自体が上がっていくということがあります。また、がん登録が全国的に始まるということで、これまでがん登録に参加していなかった医療機関がありますが、そのような医療機関のがん登録がふえてくると。これによって、より正確ながんに関するデータが収集できる体制になってくるものと考えております。

○比嘉京子委員 これまでは、登録しない患者さんもいたということなのですか。これからは国の法律が制定され、県も条例改正して、そのことによって登録から漏れがないことにつながるものと理解していいですか。

○宮里治健康長寿課長 この法律でがん登録をするということになったので、これまで以上により詳細なデータと、漏れが少ないデータが集まってくるということになります。

○比嘉京子委員 保健医療部長にお聞きします。この条例改正によって、がんがどの段階で発見されて、どういう治療に向かっていくという、さまざまながんの分析ができるのではないかと思います。新垣委員も質疑していましたが、沖縄県のがんの死亡率を鑑みたときに、これから、このデータを使ってどういう対策につなげていくという考え方をお持ちですか。

○砂川靖保健医療部長 現在も、例えば沖縄は大腸がんが多いということについて、登録データからエビデンスを追求しているわけです。それで、テレビやラジオ等でも御承知と思いますが、大腸がんの早期発見のために検便の検査を受けましょうというような啓発活動を行っているわけです。さらに、次年度の新規事業として、がんの人材育成に関する事業を立てております。そこで集めた登録データをもとにして施策を立案していきたいと考えております。

○比嘉京子委員 がんの人材育成に関する事業は、どういう内容なのですか。

○砂川靖保健医療部長 琉大病院等で―放射線治療や化学療法ができる医師は、県内に少ないものですから、そこで指導医クラスの医師を呼んできて、そこで養成していくと。県内の放射線治療医や薬物関係の治療医をふやしていこうという施策です。

○比嘉京子委員 一方で、いかにしてがんにならない人をふやしていくことは、やはり生活習慣の問題として―県内では、重篤化して病院を訪れる人が多いので、結局、医療費がかさんでしまうということがよく言われているのですが、それは事実ですか。

○糸数公保健衛生統括監 これまで積み上げてきた地域がん登録―これは全国統一ではないのですが、その中でも、がんの中で5年生存率というものがあって、がんと診断されて5年後に生存している確率についての計算があります。これについては、やはり沖縄県はほかのところよりも低くなっています。さらにがんが発見されたときの進行度をみると、やはりほかのところよりも進行した段階で病院を受診して手術の成績も余りよくないということが、これまでのデータでもわかっています。今度から、全国がん登録になれば、かなりその内容が、非常に細かい項目の提出があるものですから、発見されたときの進行度、どういう手術をしたのか、この人が5年後にどういう状況であるかということが、非常に細かく全国と比較できるようになっています。本県では、現在でもそのような傾向がありますので、やはり症状が出て、初めて病院に行くという方が多いということが臨床医師からも指摘されています。またデータ上もそうなっています。それで、早目に受診する必要性について、先ほど申し上げたような啓発方法等で訴えているところです。

○比嘉京子委員 年間の死亡数の中で、がん死亡者の割合はどれくらいになりますか。

○宮里治健康長寿課長 平成28年度のデータになりますが、県内の死亡数が全体で1万1706名おります。そのうちがんによる死亡数は3074名で、率にしますと26.3%を占めております。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 がん登録は何のためにやるのかと、対策になるというのが、これまでのやりとりの中でわかるのですが、現実に登録するがん患者に対しても、反映がされなければいけないと思います。どのようにして反映されているのですか。

○宮里治健康長寿課長 がん登録をすることによって、どのようながんが多いのか。また、治療の状況がどうなっているかということが、より正確にわかるようになってきます。さらに、そのデータをもとにして、さまざまな県の施策に生かされます。これによって、医療面において、よりいい医療につながるものと考えております。

○西銘純恵委員 例えば胃がんであれば、その方を特定して、どういう状況かということがあったときに、登録して返される―これは反映させるという言葉を使ったのですが、最良の医療というものは、個別の医療現場がそういうデータを取り出すというか、その辺の関係ではどう生かされているのですか。

○糸数公保健衛生統括監 今回の全国がん登録に基づく法改正や条例改正は、まだスタートしたばかりです。したがって、今、目の前にいる患者さんにそのデータを使ってということは、余り関係がないかもしれません。ただし、先ほど申し上げたような、これまでのがん登録―現在、病院独自で院内がん登録といって、それぞれがんについて集計しているところが、20件近くあって、その情報交換の中で、最初にがんが見つかったときの治療方法などについて、各病院で共有しています。現在の患者さんに適切な医療はどのように行うのかという情報は、それとは別にそれぞれの医師の方々が持っています。それを使って標準的な治療が県内に広がるような形の、沖縄県がん診療連携協議会―これは琉大病院で行っていますので、そういうところから患者さんの治療の選択というところで、このがん登録情報が生かされるものと考えます。

○西銘純恵委員 県内でがん医療を行っているところは何カ所ですか。総合病院というか、開業医で単科ではなくて、これを総合病院と表現していいのかわからないのですが、どこでもそのがん医療が受けられる状況にあるのですか。

○糸数公保健衛生統括監 医療機関としては17の病院ががん登録を行っていますので、当然、それぞれにおいてがん治療が行われているものと理解しています。

○西銘純恵委員 患者が、がんの疑いがあると―自分の通院しているところで、そういうときにはきちんと17の病院に振り分けしていますか。がんによっては専門とかあるわけですよね。それがきちんとルートとして、すぐに一回でその病院につなげられるシステムというのはつくられているのでしょうか。

○糸数公保健衛生統括監 診療連携というか、がん拠点病院というものを琉大病院に置いています。また、それぞれの地域の拠点病院や診療病院に相談する場所があって、その医療機関の紹介も含めて―例えば、非常に珍しいがんであればどこでも診療できるというわけではなくて、これについてはどこに紹介したほうがいいというような診療情報もお互いに交換しています。今、策定している沖縄県がん対策推進計画の中でも、患者さんや医療機関の方々に対しても、県内のがん診療の情報をもっとやりとりをできるようにというような施策もつくっています。それについて、なかなか誘導することは難しいところがあるのですが、専門的な治療が必要なところは、すぐに紹介できるような形のシステムをつくろうと思っています。

○西銘純恵委員 やはりがんの種類によっては、専門性が必要なのではないかいうことが特に気になっています。そこに患者が早いうちにたどり着けるルートというものをぜひ研究していただきたいと思います。
 がん対策基本法第15条に、医師やその他の医療従事者の育成を図るための必要な施策をとるということがありますが、それは県政がやる大きな仕事になるのかと思います。やはりある人がここがおかしいと思うときに、早いうちに診断する医師がついて、すぐに治療できるということが早期発見や早期治療だと思います。そこにつなげることで次期計画の中にもあるのかと思うのですが、すぐにやってほしいと思います。
 新旧対照表を見ると、今の条例ではがん患者の状況に応じて疼痛緩和と書いてあるが、新しい条例の第15条は、がんその他の特定の疾病と書いています。その違いは何であるのか。その他の特定疾病とは何なのかお尋ねします。

○宮里治健康長寿課長 緩和ケアの定義として、がんその他の特定の疾病に罹患した者とありますが、その他の特定の疾病というものは、がんだけではなく緩和ケアが必要な疾病はがん以外にもあるということを想定して、このような表現になっているかと思います。

○西銘純恵委員 緩和ケアについて、広く門戸が開いたということです。ただし、がん関係の条例に入ってくるというところが、何かその他の疾病ということで一くくりになっているものですから。がん対策基本法に入っているので、少し違和感があったかと思います。緩和ケアについては、ぜひ拡充してほしいと思います。

〇狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

〇狩俣信子委員長 質疑なしと認めます。
 よって、乙第29号議案に対する質疑を終結いたします。
 次に、乙第30号議案沖縄県住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例について審査を行います。
 ただいまの議案について、保健医療部長の説明を求めます。
砂川靖保健医療部長。

○砂川靖保健医療部長 次に、7ページをごらんください。 
 乙第30号議案沖縄県住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例について御説明いたします。
 本議案は、平成30年6月に施行される住宅宿泊事業法に基づき、住宅宿泊事業に起因する騒音の発生等による生活環境の悪化を防止するため、条例により区域を定めて、住宅宿泊事業を実施する期間を制限するものであります。
 本議案では、事業の実施を制限する区域として、都市計画法に規定する住居専用地域と学校教育法に規定する学校の敷地の周囲100メートルの区域としております。また、事業の実施を制限する期間は、住居専用地域が月曜日から金曜日の正午までの期間、学校周辺区域が学校で授業が行われている期間としております。なお、本議案は市町村の意見や国のガイドラインなどを踏まえ作成したものであり、事業の実施を制限する区域は全て制限を希望した市町村が対象となっており、平成30年6月15日の施行を予定しております。
 以上で、乙第30号議案についての説明を終わります。
 御審査のほど、よろしくお願いします。

〇狩俣信子委員長 保健医療部長の説明は終わりました。
 これより、乙第30号議案に対する質疑を行います。
 質疑はありませんか。
 新垣新委員。

○新垣新委員 住宅宿泊事業の実施を制限する必要があるという形の中で、どの分野かということをわかりやすく説明できますか。民泊や旅館がありますね。さまざまな住宅で人が泊まるというのもあります。どういうものを規制しますか。

○玉城宏幸衛生薬務課長 この条例は住宅宿泊事業法に基づく条例でありまして、制限がかけられるのは、この住宅宿泊事業法に係る事業者となります。ちなみに、現行の旅館業法で許可を受けて営業をしている、いわゆる旅館業法の許可業者については、この条例には全くかかってきません。

○新垣新委員 それでは民泊はかかるという形で理解してよろしいですよね。

○玉城宏幸衛生薬務課長 現在行われている民泊というものは、民泊といえども、現在の段階では旅館業法の許可を受けて実施することになっています。したがって、現在、旅館業法の許可を受けているものについては、民泊であってもこの条例にはかからないということです。

○新垣新委員 旅館業法を受けていない方は制限があるという形で捉えていいですか。

○玉城宏幸衛生薬務課長 今後、旅館業法に基づいて、新たに許可を受けて営業しようとする業者についてはかかりません。ただし、この住宅宿泊事業法に基づいて、県知事に届け出をして民泊をやろうとする業者についてはかかってくるということです。この条例で定めている規制のかかる区域にある事業者―住居についてはかかるということです。

○新垣新委員 簡単に言うと、旅館業法の県知事の許可をとれば、制限にはひっかからないという形で捉えていいのですか。

○玉城宏幸衛生薬務課長 そのとおりです。

○新垣新委員 学校から100メートル以内で民泊をしている―いわゆる旅館業法の許可を持っている人は、この制限にかからないものと理解していいですか。

○玉城宏幸衛生薬務課長 旅館業法で許可を受けている業者については、この条例の制限はかかりません。

○新垣新委員 都市計画法第8条第1項第1号に規定する第1種低層住居専用地域及び第2種低層住居専用地域の区域内における、この中身をお聞かせください。例えば、この中には那覇市が入っていません。うるま市も入っていません。石垣市や宮古島市も入っていません。そういったもろもろの要因というもの、どういう意味合いで入っていないのかという理由をお聞かせください。

○玉城宏幸衛生薬務課長 この条例をつくる際に、まず条例案をつくって関係市町村にこういった条例をつくりますが、そちらの市町村で制限を希望しますかという意見照会をしております。その中で、民泊を推進する、推進したいという施策を持っている市町村については、この条例の中に入れないでほしい、この条例で制限をかけないでほしいという回答がございましたので、その回答に基づいて、この制限する区域となっております。

○新垣新委員 都市計画法第8条は、正直に言って、この制限によって沖縄県の1200万人観光、1兆円の観光収入―これが大きく前向きにならないという声が現場の関係者からあるのですが。月曜日から金曜日までという縛りのある期間でやられるのではという意見も耳にしています。これは誤解なのか。これについて、県はどういう形で説明責任を果たすのですか。

○砂川靖保健医療部長 この住宅宿泊事業に関しては、特に住居専用地域に住む人々からいろいろな意見があります。積極的に規制をかけてほしいという意見ももちろんございますし、法律以上の制限をかけるべきではないという意見もございます。我々としては、その中間といいますか、それをとる形で、あくまでも市町村の意向を踏まえて今回の条例を策定したということです。別表に載っている市町村は、全て制限をかけてほしいという市町村でございます。

○新垣新委員 今、空き家がふえています。不動産関係者と意見交換をしていますか。空き家ができてビジネスチャンスとなって、住宅地域に―きつい言い方をしますが差別ではありません。今、現実的に中国人でなく日本人だけを宿泊対象としてやりたいというビジネスチャンスが広がってきているのです。その経済損失にならないのかということが大きな要因なのです。この住宅地域における問題のうち、中でも中国人は、正直に言って民度が低い。評判が悪い。地域に迷惑をかけて大変だと。どんちゃん騒ぎをされたら困ると。常識ある不動産関係者もいるのです。全ての中国人が悪いとは言っていませんから、一部の人でこういう問題になっていると思っています。その問題についてどう思いますか。

○砂川靖保健医療部長 やはりこの問題については、住居専用地域に住む住人からするとビジネスチャンスかもしれませんが、自分たちは平穏な生活がしたいのだということで、常時見知らぬ人が出入りするのを敬遠する人がいるわけです。そういう方の意見も配慮したいということがあります。一方で、この法律の目的である経済の振興、外国人の受け入れ需要を満たすという法律の目的も考えなければならないと。法律上は180日と制限されているわけですが、さらにそれ以上の制限を希望する地域があれば、そこはやはりその意見にも配慮しなければならないだろうと考えております。

○新垣新委員 確認事項として申し上げます。今、糸満市では、都市計画法第8条の問題で、経済損失が出るということについて何も調査しないで出してしまったということで、昨日とけさも調査してきたものですから。正直に言って、この条例から外れたいという自治体があれば外すことも可能ですか。

○砂川靖保健医療部長 仮に条例を制定した後でも、各々の市町村によっていろいろな施策や方針があると思います。例えば、民泊を活用した地域振興をするのだと、そこにかじを切りたいというような要望があって、県の条例から外してほしいというような申し入れがあれば、それは適切に対応するということでございます。

○新垣新委員 なぜこのようなことを言ったのかというと、私の生まれ育ちは字糸満で、字糸満は空き家が多いのです。特に糸満漁港を中心としたところに。ウミンチュの担い手―夏休みとか、常時、漁民の見習い員がそこに泊まっているのです。そこにそのような制限が入ってしまうと、これからまた空き家がふえてしまう。そういったウミンチュの担い手をつくるための宿泊所が前に行かなくなる。経済損失になる。地域は独自のカラーがあると思います。そういうもろもろについてです。ですから、今回、糸満市は何も調査しないで都市計画法第8条の問題で誤ったことをしてしまったと、はっきり言っているものですから、今になって外れたいという意見も出ているのです。だから、これは糸満市の汚点ではあるとは思うのですが、そういう形で同法第8条の問題で、近々、糸満市から上がってくると思いますので、ぜひ御配慮いただきたいと。もう一度、保健医療部長の答弁を求めます。

○砂川靖保健医療部長 字糸満地区において、現にそういう民泊が行われるというのであれば、これは多分、旅館業法の許可をとっていると思います。許可をとっているのであれば、そのまま旅館業法でやったほうが法律上の180日という制限を受けないで事業実施できます。したがって住宅宿泊事業法でやるよりも、旅館業法でやったほうがいいのではないかと。その場合、この条例は関係ありません。仮に新しく、年間を通じてやることが大変であるということで住宅宿泊事業法でやるというような意見があるのであれば、それは糸満市においていろいろと検討していただいて、考えて判断されるほうがいいだろうと考えます。

○新垣新委員 旅館業法と住宅宿泊事業法の中において、税はどうなっていますか。税金等を納める額というのは。この業者の違いによって、それぞれの税率というものがありますね。

○砂川靖保健医療部長 そこまで把握しておりませんが、多分、収入や所得に対する課税であるので、特に変わらないのではないかと思います。

○新垣新委員 多少の違いがあると言っているのですよ。住宅宿泊事業法のほうが安いという、180日のほうが安いということを、意見交換をして同業者の関係者から聞いています。

○狩俣信子委員長 休憩いたします。

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 新垣新委員。

○新垣新委員 学校教育法第1条に規定する100メートル以内とあるのですが、100メートル以内で現実に民泊をやっているところもあるのです。これについて、既存のところはどうなりますか。旅館業法の許可を持っていたとしても、これは大丈夫ですか。持っていないところはどうなりますか。

○砂川靖保健医療部長 学校の近くで旅館業法の許可を得てやっている分については、従前どおりそのまま営業ができるということでございます。そこで新たに住宅宿泊事業をやろうという場合には、事業の日数の制限がかかるということになります。

○新垣新委員 ぜひ都市計画法第8条の問題について、今後、地方自治体から、やはりこれではまずいという声があった場合、柔軟性を持って、ぜひ外して上げて―もちろん旅館業法の許可を持っているというところは当然のことですので、そういう形でぜひお願いしたいと思います。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 照屋守之委員。

○照屋守之委員 この住宅宿泊事業法があって、それに基づいて、それぞれの首長の条件で規制をかけていくということだけど、これを見ると11市町村とか10市町村や21市町村とか、その対象というものが41市町村の中でこれだけしかないわけです。ほかはそのままでいいということなのですが、うるま市も結構民泊があって、それをやっているということで外れてはいるのですが。これはいろいろな説明を聞けば聞くほど、本当に法の趣旨に合っているのかと。このやり方です。結局、市町村に問い合わせをしたということですが、本来は、国民は等しく住宅宿泊事業法にのっとってやる権利があるわけでしょう。それは恐らく市町村には問い合わせをしても、それぞれの意向というか、具体的な調査はできないわけですね。だから、逆にこの11市町村、10市町村、21市町村の対象となるそれぞの市町村が県内の半分以下か4分の1しか、この条例の対象にならないという。このアンバランスについて、非常におかしいと思いませんか。

○砂川靖保健医療部長 法律でも、事業ができる日数というものが年間180日と決まっているわけです。さらに、それ以上―例えば、住宅環境の悪化を防止するという観点から制限してほしいという場合は、条例によってさらに短くすることができますという規定が法律にあるわけです。その規定をつくるときに、我々が、県全体で一律でやるという方法もあるかもしれませんが、逆に現状で民泊を活用して地域振興しているところもあるわけです。そういったことを配慮しないといけないと考えたときに、やはりそれは住民に一番身近な市町村の意見、意向を勘案して条例を制定する必要があるだろうということで、今回、各市町村の意見を聞いて、自分のところは制限したくない、制限してほしいという形で条例を制定したいということでございます。

○照屋守之委員 それで、結局、11市町村―都市計画法第8条で10市町、学校教育法に関しては21市町村しかないわけです。だから、41市町村の中で、このような条例を、県がなぜ、あえてつくるのかという話ですよ。これが例えば、ほぼ七、八十%こういう条例にいい、悪いということがはっきりとしているということがあればいいのですが、そうでないところが圧倒的に多い。そうすると、これはそれぞれが民泊をやるという権利があるものを、この市町村に抑えられてしまうわけです。本来は、違法民泊や旅館業法でやっていた部分と、民泊をどんどん自分たちでやって、これは法律で取り締まることができないというものがある中で、新たに法律をつくって民泊を認めましょうということが法の趣旨なのでしょう。だから、県がそうだと言って、それぞれの市町村、あるいは県民の権利そのものを抑え込んでしまうというやり方は、非常におかしいのではないかということです。もともとの住宅宿泊事業法に照らすと民泊そのもの自体が違法行為でだめでしょうと、きちんと法律のもとでやりなさいという形でそういう法律をつくるわけでしょう。しかし、今回、それに制約をかけるという。今まで旅館業法とかいう形ではなく、自分たちで独自でやってきた人たちは、この条例が適用されると。法律で正式に我々はできるのだということなのですが、この条例によってできませんというような形になると、これは違法民泊なんていうものをかなり助長するのではないですか。それぞれ今までやっていた部分も、自分たちの権利として新しく法律ができて、堂々と民泊ができるのに、それを条例によってできなくなってしまう。そうするとその人たちの権利はどうなるのですか。

○砂川靖保健医療部長 まず、旅館業法でやっている分については関係ないということです。それと、この住宅宿泊事業でやる場合、法律上も年間180日という制限がございます。今回、条例の制限によってゼロにするわけではないのです。学校周辺や住宅地域、ここは法律の趣旨にもあるとおり、第18条で民泊には生活環境の悪化を防止するため、必要があるときは政令で定める基準に従い条例で定めるところにより、区域を定めて住宅宿泊事業を実施する期間を低減することができるという授権規定があるわけです。その第18条に基づいて我々はやっているということで、これはこの条例による制限というのは、法律が認めた範囲内であるものと我々は理解しております。

○照屋守之委員 だからそれはそうなんだけど、その対象になるのがこの11市町村、その次は10市町、学校周辺は21市町村。これでは、ほかの20市町村は、学校のそばでもいいという話でしょう。これが差別でなくて何なのですか。ほかの上の11の部分の30市町村は、そのままどうぞやってくださいという話でしすよね。だから、これについて、なぜ県が縛りをかけることができるのですか。

○砂川靖保健医療部長 あくまで第18条の規定でやっているということで、法律が認めた範囲内でやっているということです。市町村において、法律の上限である180日でやりたいというところは別表に載せていません。別表に載せたところ、制限をかけるところも、全く民泊の営業ができなくなるわけではなく、年間120日とか104日はできるということです。

○照屋守之委員 だから、我々県議会議員は、県全体について審査するわけです。ところが、これは対象が11市町村、10市町、21市町村しかないということです。これを見せられると、なぜほかの市町村は制限をかけないのに、30市町村はこの条例を適用されないのにということになります。我々は県全体を見るので、これはおかしいでしょうという話になるわけです。なぜここの部分だけ規制をかけるのかという話です。

○砂川靖保健医療部長 あくまでも法律から授権された規定に基づいた条例制定であると。仮に市町村ごとに条例制定権があればこういう問題は起こらないわけです。ところが法律は、この制限する条例を制定できるのは都道府県と保健所を持っている市町村だけという規定を設けています。したがって、どうしても市町村にかわって県が条例をつくらないといけないということでございます。県は条例をつくるときに何をもってつくるのかというと、やはりこれは市町村の意向が大切だろうということで、我々はその手続を踏んで今回の条例をつくったということでございます。

○照屋守之委員 だからこういうのはおかしいのです。それぞれの市町村が、行政が実際にこういうことをやりたいというような意向を確認できるはずはないし、それぞれの行政が持っている情報だけでしょう。たまたま、うるま市は修学旅行などで結構民泊があって、そういう体制があったから入っていない。それがなければ、うるま市も別に影響ありませんみたいな感じになっていた可能性があります。だから、そういうことも含めて、その調査―それと半分以下、4分の1しかそういう対象にならないという規制をかける、アンバランスなやり方が、果たして県としていいのかということです。また、これは途中で那覇市が抜けましたね。だから、そういうことも含めて考えていくと、今、保健医療部長はそれぞれの条例をつくるのは、それなりのものがないとだめだということなのですが、そこに住んでいる人たちや、実際に事業をやろうとする人たちからすると関係ないのです。そうであれば、県の条例はそういうものも網羅した形の条例にしないと、この市町村の枠を取っ払うとかいう形でやらないと、今のようなやり方をすると県が強引に、勝手に望みもしない部分を県民に押しつけるという可能性があるのではないですか。だって、これはいろいろな騒音なども含めてケース・バイ・ケースで違うわけでしょう。ケース・バイ・ケースで違うものを一緒くたにして、今までの違法行為も含めて、この決まり事は、今後の違法行為が起こる可能性もあるという非常にリスクを負っています。だから、どうなのかと。これは県が勝手にやっていいのですか。

○砂川靖保健医療部長 勝手にやったわけではなく、法律の第18条の規定に基づいてやっています。

○照屋守之委員 なぜ全部対象にするとか、ある程度その辺は県民にも納得できるように、県内の8割の市町村は適応されますと。みんな納得していますという形でやらないと、11市町村なんか4分の1ではないですか。第8条を見ると、2番目は10市町ですよね。学校教育法の部分は21市町村です。これは41市町村の半分ですよ。規制の対象になるのはおかしいでしょう。他の市町村に学校はないのですか。学校周辺に家はないのですか。

○砂川靖保健医療部長 この別表にない市町村というのは、制限することを希望しなかった市町村ということです。

○照屋守之委員 希望しないから、この条例の規制にかからないということでいいのですか。

○砂川靖保健医療部長 希望しないところは、この別表に載っていませんので、法律どおり年間180日事業ができます。ところが、自分の地域の性質を確保したいとか、学校周辺の安全を確保したいという市町村は制限をかけてほしいということで、県に要望を出してきて、それを利用したと。別表に載っている市町村は、法律上の年間180日よりも事業を実施する期間が制限されることになるということです。

○照屋守之委員 だからおかしいのではないかという話です。だって、希望しないところは問題ありませんという話だから、学校のそばでも180日営業してくださいと。一方で、いやいや、うるさい可能性がありますので、だから制限してくださいという話でしょう。何の権利があって、ここの市町村はいい、ここの市町村は規制をすると。これは民泊事業をやろうとする事業所からすると、これほどの差別はないのではないですか。これはおかしくないですか。だから、こういうところも大事かもしれませんが、そういう形でやろうとする人たちも、同じようにできるように、この条例がしていかないと。ここでかぶせて、ここはだめですよというやり方自体が、この民泊事業、宿泊事業の法律の趣旨そのものに対してもおかしいことになりませんか。

○砂川靖保健医療部長 この制限をする条例を制定する権限が認められたということは、住宅宿泊事業法第1条の趣旨にも沿うものだと考えております。確かにこれは事業者側から見れば、ある地域では180日できるのに、制限がかかる地域では120日しかできないというような違いはあります。ただし、これは法律が認めた合理的な区別だと考えております。

○照屋守之委員 法律的な区別と言ったって、その根拠となる第8条が11市町村、その次は10市町しかないわけでしょう。学校周辺は21市町村しか対象にならない、半分にしかならない。これは完全に法の趣旨に反します。このやり方はおかしいです。先ほど言ったように、根拠として8割はこういうものを求めていますというものがあって、七、八割とかでいいのですが、これは半分以下でしょう。11市町村なんて4分の1ですよ。この次の10市町も4分の1です。この21市町村は半分です。何を根拠に、我々はやったほうがいいと言うのですか。こんなものは、我々自体が県民の代表として判断できない。なぜ判断できないものをやらないといけないのか。

○砂川靖保健医療部長 法律では、区域を定めて事業を実施する期間を定めなさいとあります。どういった形にしてほしいかという、あくまで市町村の希望です。市町村が望んでいるものを県が条例として具現化したわけですから、これはこれで市町村の意向は十分に反映されていますので、十分に判断できるものと思います。

○照屋守之委員 糸満市の事例や那覇市の事例もそうですが、それぞれが本当にこういう問題について、皆様方が問いかけをしたときに、本当にそれぞれの地域の事情を把握できるようなものがあるのか。実際にこうなったときに、そういう不利益がありますという形で、市町村民にきちんと説明するといったものがあったのかどうか。それは、そもそもないと思います。なくてこういうような問題が出てきたときには、それはおかしい、少し待ってという話になる可能性もあるわけでしょう。これをそのまま41市町村に流してみてください。21市町村しか学校周辺は規制がかかりませんが、その中でおたくだけ規制がかかりますということになれば、その地域からすると、いやいや少し待てと。我々もいろいろな注意をすれば、学校周辺でもできる可能性があるということになりかねません。ですからこの根拠自体が非常に曖昧で、逆に今までの違法行為という、もう法律で定められないようなものでやってきた人たちがきちんとこういう法に基づいて民泊をやろうとすることは、この法律によって前進ということですね。ただし、そういう形でこれまでやってきた部分まで、これができなくなってしまうという、さらに規制をかけていくというこのやり方。ここはやはり法の趣旨、あるいはそれぞれの国民に対して平等にそういう権利を法律は与えていくということだから、そこをこのような条例で規制をかけて、その権利を奪ってしまうというようなことが、今、問われているのではないかと思うのですが。どうも納得できません。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 平良昭一委員。

○平良昭一委員 従来の旅館業法と民泊新法の違いがわからないと思うのです。今、条例を制定するということで、民泊新法に関するものを説明している。しかし、従来の旅館業法というのはしっかりと生きているという形で、まずは理解していいですか。

○玉城宏幸衛生薬務課長 この住宅宿泊事業法と従来の旅館業法は全く別なものです。

○平良昭一委員 まず、そこが意味がわからないのです。1つのものに特化して説明しているものですから、全てをひっくるめて、これから新しく法律が変わります。いわゆるホテル業務や旅館業法もありますので、それをひっくるめて我々は審査しようとしているものですから。まずは理解ができないというところが、スタートの地点で違いがあるのです。
 民泊新法ができて―日本国内の中で宿泊施設が足りない中で、規制緩和の制度をつくってできたのが民泊新法の趣旨であり、従来のものにプラスアルファする中で、どうぞ規制の中でやりたいところはやってくださいというのが新法の趣旨だと思うのです。その中で、迷惑をこうむるというところが、この別表の1、2、3です。現実的にあったところがこの地域だと思うのです。そのほか、それ以上に魅力を感じている地域は規制をかけないでくれという考え方に至っていると思いますが、皆さんの考え方としてはそうですか。

○玉城宏幸衛生薬務課長 保健所等に寄せられている苦情としては、やはり住宅地域からのものが多くなっています。騒音問題、ゴミ出しの問題であるとか、やはり住宅地域からの苦情が多いということで、この辺は、条例によって制限をかけた区域というものは適正な範囲だと考えています。

○平良昭一委員 結局、民泊新法で規制緩和される―これ以上、苦情が出たら困るという地域が、恐らくこの地域なのです。そういうことであれば、新しい法律ができましたが、これ以上、苦情を抑えてほしいというのが皆さんが提案しているこの条例の趣旨だと理解しますが、この考え方でいいですか。

○玉城宏幸衛生薬務課長 条例をつくる際の趣旨というものが、この民泊事業を実施したことによって、周辺環境の生活環境の悪化を防止するために必要があるときは、条例で地域と期間を定めて民泊の事業の実施を制限することができるということになっております。したがって、生活環境の悪化を防止するという趣旨で条例は制定するつもりです。

○平良昭一委員 従来の旅館業法はこれと全く関係ないですよね。

○玉城宏幸衛生薬務課長 はい。全く関係ありません。

○平良昭一委員 先ほどのやりとりの中で、各市町村が条例を設けたほうが一番いいと。各地域によって、それぞれの対応が違いますので、中には規制緩和をして、どんどん民泊事業を進めていきたい地域もあります。しかし、都市部に行けば行くほど、いわゆる賃貸マンションやアパートなどで、駐車場の問題やごみの問題とか出てくるわけですから。そういう苦情がたくさん出てきた。その整合性をとるために規制をかけていくという形の趣旨で理解してよろしいですか。

○玉城宏幸衛生薬務課長 具体的に言えば、そういうことだと思います。

○平良昭一委員 中核市の那覇市は、保健所があるから自分たちで条例をつくる。しかし、それ以外のところは県の条例の中で従わないといけないということになりますから、各市町村の中でそれぞれ条例をつくるけれど、県の条例に基づいてやっていかないといけなくなるわけですね。

○砂川靖保健医療部長 現在、市町村は条例をつくることができません。だから県の条例に入れているのです。この法律で事業の実施を制限することができる条例をつくることができるのは、都道府県と保健所を設置している市町村になります。

○平良昭一委員 そうなると、先ほどの市町村で条例をつくることが望ましいというのは、市町村ができないから県がつくるということで理解していいのですか。

○砂川靖保健医療部長 先ほどの答弁は、立法論として申し上げたもので、このような住民に身近な問題について規制するのであれば、市町村単位でやったほうがいいだろうというのは立法論としての私の考えでございます。ただ、現実の法律は、都道府県と保健所を持っている市町村にしか条例制定権を与えていないということです。

○平良昭一委員 懸念される事項は、教育民泊です。それと民泊新法との整合性が問われてくると思うのです。沖縄県の中で、この教育民泊の利用はかなりすごいものがあって、それに市町村の生き残りをかけようという意気込みもあるわけです。地域によっては。その辺の整合性をどのようにしてとっていくのかということが、我々のところでは理解できない。いわゆる簡易宿泊所の問題もあるし、新法もある。従来の旅館業法もある。それでは私たちはどう生きていったらいいのかというのがまず理解できないのです。4つ、5つも法律があるとなると、私たちはどれによって制限を受けるのか。どれにのっとっていったほうがいいのかということがあると思うのです。多分、みんなわからないと思います。だから、特化して今回の条例案に関して、全てのことが制限されるという形になると理解できなくなるわけです。ただし、新法によって制限を受ける部分がありますと。その中で、今回、市町村にゴーを出して、この地域が手を挙げて規制をかけてほしいというのであれば理解できるのですが、全てをひっくるめて、この地域以外は全て宿泊できるのだと言われたらたまったものではないのです。恐らく、委員の皆さんそのように理解していると思います。まず、その辺を説明してください。

○砂川靖保健医療部長 まず、この住宅宿泊事業法では、年間に事業を実施できる期間が180日と決められています。これは日本全国どこでもです。同法の第18条でもって、住宅の環境、学校の安全など、合理的な理由がある場合は条例をつくってさらに制限していいということで、今回、我々は住居専用地域については、金曜日と土曜日にのみ宿泊できるような形で規制すると。それと学校周辺については、学校で授業が行われていない期間だけ、住宅宿泊事業ができるようにするということをつくったということです。
 昨今から、我々の持っている教育民泊―これは正式な法律上の名称ではございませんが、これで地域振興しているところがあるわけです。これは旅館業法でやったほうがいいと私は思っております。そうすると年間180日という制限もかからないし、平日でもできるわけです。これが、学校周辺の近くにある場合でも、学校長の了解が得られれば、そういう簡易宿所の許可をおろすことができますので、そういう方向で考えていいだろうと。ただし、サイドビジネス、さらなる外国人の誘致を考えるような場合は、あくまでも住宅宿泊事業法でもって年間180日営業するとか。あるいは条例で規制がかかる地域では金曜日、土曜日のみでやるとかいった形で事業展開したほうがいいのではないのかという観点になります。

○平良昭一委員 新法によって制限を受ける、従来の旅館業法はそのまま生きているということについて、もっとわかりやすく説明しないと。新しい法律ができたから今までの、従来ある法律も全て規制されてくるのだという誤解を生んでいるところが多々あるわけです。その辺を、今度、請願や陳情も出ていますが、それぞれの立場、地域の立場、これまでの旅館業法の立場、ホテル業者の立場、それぞれの言い分があるわけです。これは審査しますが、まずそういう誤解を与えないような条例を制定すること。お互いみんなで理解できるような形の中でやることがとても重要であると。 だから新法ができたことで全てひっくるめて制限されるのだというように、みんなが勘違いしているのであれば、沖縄県にとっては大きなマイナスになります。その辺をもう少し具体的に説明できるような状況をつくっていただきたい。あと、それ以外に制限がありますか。今後、この3つ以外のものがありますか。

○砂川靖保健医療部長 今のところ考えておりません。

○平良昭一委員 今回、この列記されている市町村がありますが、恐らく、状況によっては、今後これを抜けたい、また新たにやりたいというときは、その都度、条例の改正で提案されてくるということで理解していいですか。

○砂川靖保健医療部長 はい。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 末松文信委員。

○末松文信委員 この年間180日営業できるという根拠というか、逐条はどうなっていますか。

○玉城宏幸衛生薬務課長 この住宅宿泊事業法で営業ができるのは、一般の住宅です。旅館業法では、その許可を持っていれば365日できますが、これに実際に使われる住宅というものは、一般の住宅を利用しますので、普通の旅館業法などの許可を持っている業者とは差別化を図るという意味合いで180日の制限をかけて、あとの半分は住宅としての性質を残すために180日と制限されているということです。

○末松文信委員 逐条はどうなっているのかと聞いているのですが―もしそうであれば、365日の半分という、単純にそういう考え方でいいのですか。

○玉城宏幸衛生薬務課長 事業として半分を使い、残りの半分は住宅として使う趣旨であると理解しております。

○末松文信委員 そこで、先ほどから議論になっている旅館業法との関係ですが、都市計画法の第1種低層住居専用地域と第2種低層住居専用地域については、旅館営業はできないのですね。用途地域の中では。

○玉城宏幸衛生薬務課長 そのとおりです。住居専用地域については、旅館業法は営むことはできません。

○末松文信委員 そうであれば、そのように答弁しないと、先ほどからの議論を聞いていると、旅館業法だからここは営業できますと。この民泊新法で禁止されているだけですと聞こえるものですから。そこはきちんと説明すべきです。私の聞き違いであれば失礼ですが、もう一度正確に言ってください。

○玉城宏幸衛生薬務課長 旅館業法では、住居専用地域においては旅館業法の許可を得て営業することはできません。住宅宿泊事業法では、住居専用地域の制限がかかっていない地域については、届け出をすれば営業ができることになります。営業できる期間はもちろん180日を上限とします。

○末松文信委員 私が言いたかったのは、都市計画法でも、用途地域の中での制限があって、それぞれの施設は整備できませんということがうたわれているので、旅館業法はこの範囲にはそもそも適用できないのです。だからそういう理解をしないと、旅館業法だったらできますよと―聞き違えだったのかもしれませんが、そのように受けとめたので、それは違うでしょうということです。
 それで、金曜日の正午から日曜日の24時までという話ですが、これについて、祝日はどうなるのですか。

○玉城宏幸衛生薬務課長 県の条例で休日と定められている期間については、営業できることになっています。

○末松文信委員 そうすると、週2.5日とそれから祝祭日や夏休みの期間も合わせると、大体180日となりますね。だからそういう意味ではいろいろ勘案しても180日以上は営業できないという形になっています。それで、先ほど180日の根拠を聞いたのですが、第1種、第2種の低層住居専用地域は、そもそも住宅しかつくれないという用途地域の中で、やはりそういう住宅街の中に住宅をつくって、自分たちが生活したいという人たちがそこにいるわけだから、そこのところを理解しないといけないと思っています。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 亀濱玲子委員。

○亀濱玲子委員 2点ほど確認させていただきます。
 条例を制定する目的が、生活環境の悪化を防止するための、主に期間を制限するということですが、必要な事項は規則で定めると書いてあります。その中の規則のあらましを聞かせていただきたいのです。なぜそれを聞くのかと言うと、例えば住宅地ですから、先ほど言っていたごみ出しなどの普通に行っている生活のサイクルを乱すというようなことに制限をかける規則というものが必要であるのかということが1つです。あと一つは、住宅の管理に全く誰もいないという、宿泊者だけがいて、住宅を管理する人がいないということなども想定されるのかと―いわゆる生活環境の悪化の懸念を挙げるとですね。そういうことなどは、今度の条例の規定で規制するとか、それに関するもので、何かうたわれているものがありますか。

○玉城宏幸衛生薬務課長 委員がおっしゃっているのは、多分、家主不在型や家主居住型とかということなのだと思います。住宅宿泊事業法では、住宅宿泊事業者に対していろいろな義務を課していまして、事業者が同じところにいますので、それに関しては、特に管理については問題ないと思います。一方、家主不在型の場合には、住宅宿泊管理業者というのがこの法律の中で国土交通大臣の登録を受けて管理業を営むことができるということになっており、この管理業者が事業者の委託を受けて、全て事業者が行うべき義務を負うことになっておりますので、その辺、実際の事業者がいなくても制度上は何ら変わらないシステムになっていると思います。

○亀濱玲子委員 答弁によると、何ら変わらないシステムになっているはずなのですが、いろんなことが懸念されるというのが生活環境の悪化にはあると思うのです。例えば、この条例だけで、何か問題があったときに、地域で問題が起きたときの対応というのは、この条例で県から指導などがこれを読むだけではわからないのですが、そういうこともできるのですか。

○玉城宏幸衛生薬務課長 住宅宿泊事業法の中では、この事業を実施することによって周辺住民からの苦情とかいったトラブルがある場合には、事業を実施している事業者が、迅速に適切にそのトラブルに対処するということがうたわれています。

○亀濱玲子委員 私が聞くところによると、多分、家主が一緒に住んでいるところについては、大して問題はないと思います。ただ、その管理業者を指定することが第22条でうたわれているわけですが、それでも人がいない住宅の中で、宿泊者だけがいるみたいな状態はやはり怖いというか、それがやはり近隣の住民の生活環境の不安要素でもあるのではないかと思います。その制限を―県が何か指導する力を持てるのであれば、少しは安心かと思うのですが、どうですか。

○玉城宏幸衛生薬務課長 実際の事業者に対して、都道府県はいろいろと指導する権限、監督する権限があります。管理業者についても、実際の事業者が行う部分を肩代わりしている管理業者の部分についても、県が指導する権限は与えられています。

○亀濱玲子委員 もう一点伺います。同僚の宮城議員も質問したかと思いますが、この180日といった細かい制限の中で、これを受けたくない、もっと営業したいというものを違法にやる危険性というか、沖縄県が独自で―保健医療部長に伺いたいのですが、上乗せ、横出しとかよく言いますが、離島の患者さんがここに来て、マンスリーマンションなどを借りて、一定程度、自治体が責任を持ってやると、補助するという方針を持っているのですが、例えば、そういう事業所について、ここで登録される事業所が180日という制限がかかったとしたら、そういう対応をくっつけて、県がほかの―これは多分、国土交通省、厚生労働省などと管轄が違うと思うのですが、そういうことについて、何か行うというのは全く不可能ですか。

○砂川靖保健医療部長 法令の文言を見る限り不可能です。

○亀濱玲子委員 わかりました。法の目的はもちろん住宅の中の旅館業とは少し差別化した営業というようなことが目的なので、少し無理かとは思ったのですが。離島の患者が泊まるということの横出しみたいなものができれば、この方たちが―もぐりと言えば変ですが、それでもこの施設を使いたいというようなことで、何かバランスがとれるのかなと、これまでの質疑を聞いていて思ったものですから。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 金城泰邦委員。

○金城泰邦委員 先ほど来、質疑でもあったように思うのですが、住宅宿泊事業で問題になるゴミや騒音などについては、そういった法律の縛りがあって指導することによって防ぐことができると。今あるセキュリティーのマンションについてはどのような状況ですか。セキュリティーがあって、普通に入れないが、民泊で貸すことができる状況にあるのかどうか、教えてください。

○玉城宏幸衛生薬務課長 マンションなどの集合住宅の管理規定の中で、民泊は禁止ということがうたわれていなければできると思います。

○金城泰邦委員 それでは、県としてはそこを縛るものではないという立場なのですか。

○玉城宏幸衛生薬務課長 そうです。

○金城泰邦委員 ちなみに、住宅民泊事業をやりたいという方がこれから出てきますね。その際、申請をして許可までに要する期間はどれくらいかかるのですか。

○玉城宏幸衛生薬務課長 これは許可ではなく、事業をしたい方は都道府県への届け出ということになります。

○金城泰邦委員 それでは許認可ではなく、届け出をすれば営業できるということなのですか。

○玉城宏幸衛生薬務課長 ある程度の書類の審査と、実際の状況について、多分見ることになる思うのですが、問題がなければ受理されると思います。

○砂川靖保健医療部長 受理されれば、法律効果が発生するということです。

○金城泰邦委員 この議案ですが、一旦、提案された時点では、当初は那覇市が入っていましたが、今回途中で抜けたということがありました。何か市町村と―なぜ那覇市が抜けたのかということの説明と、調整がきちんとできていたのか、その期間はどれくらいあったのかなというのが気になったものですから。

○砂川靖保健医療部長 秋ごろから市町村に対して説明をしていました。各市町村から条例に入れるかどうかの要望をとっていて、これが12月1日くらいです。12月1日に那覇市からは、県の条例に入れてくださいと。向こうとしてはこの6月を見送るようなイメージだったわけです。ところが、2月14日に我々が条例案を出したときに、各市町村にもこういう条例案を出しましたという通知を行いました。その後2月の下旬に、那覇市が議会で条例をつくるみたいな答弁をしたものですから、こちらから確認して、最終的には3月1日に、6月15日の施行に合わせて自分たちで条例をつくるという意思決定をして取り下げたということが経緯でございます。

○金城泰邦委員 先ほどの質疑にもありました、現在、教育民泊をやっているところは、今後は旅館業法に基づいた事業を展開していけばいいという理解でよろしいですか。

○砂川靖保健医療部長 今、教育民泊をやっているところは、旅館業法の許可をとっているわけです。とらないでやっているところは違法です。これは法律の施行があるから100万円以下の罰金が科せられます。教育民泊を適法にやっているところは、それを続けていけばいいという話です。新たに6月15日から住宅宿泊事業法が施行されますから、それに合わせて、この法律に基づいて住宅宿泊事業をしたいという方は届け出していただくと。その場合、営業について年間180日の法律上の制限がある上に、今回、条例で規制する区域では、さらに法律を上回る規制がかかるというものです。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 糸満市が抜けると言ったら適切に対応したいという話でしたので確認したいのですが、今後、入るとか抜けるというときには、条例改正するということでよろしいですか。

○砂川靖保健医療部長 そのとおりです。

○西銘純恵委員 宿泊業に関する法律は何と何がありますか。今、2つの話でやっていますが、ほかに何かありますか。

○玉城宏幸衛生薬務課長 旅館業法と住宅宿泊事業法の2つです。

○西銘純恵委員 簡易宿泊というものが、先ほどのやりとりでありましたが、いわゆる旅館業法の許可をとってこれまでやってきたのに、6月1日から新しい法律のもとで、住宅宿泊事業法に基づくものが届け出によってでできるということで理解してよろしいですか。

○砂川靖保健医療部長 旅館業法では、ホテル、旅館、簡易宿所という種別があるわけです。6月15日からは、別の法律として住宅宿泊事業法が施行されると。ここでは住宅宿泊事業というものが、届け出を行うことによってできるようになるということです。

○西銘純恵委員 この新しい法律ができるときの議論なのですが、大きく言うと賛成、反対という形で議論がなされていると思うのですが、これについて、特徴的なものをお尋ねしたいのですが。

○砂川靖保健医療部長 国会の議事録は追いかけていたのですが、採決のところについては確認しておりません。したがって反対、賛成がどのようになったのかということの状況については把握しておりません。

○西銘純恵委員 なぜ旅館業法というものがあって、これに基づいて宿泊事業をやっていたのに、今回、新たな法律をつくるのかということです。先ほど平良委員も話されていましたが、本来ならば旅館業法そのもので対応すべきではないのかと思うのです。だけど、法律ができたので条例を出してくるということで、今、期間や区域の問題、そして届け出と。その違いについては大まかに答弁されたのですが、ほかに法律の違いというのはありますか。罰則について、両方で違いはありますか。

○玉城宏幸衛生薬務課長 無許可で営業した場合には、旅館業法の無許可営業ということで、今回罰則が強化されまして100万円以下の罰金となります。これまでは3万円だったのが100万円となりました。一応、住宅宿泊事業法にも罰則規定がございます。住宅宿泊事業者が虚偽の届け出をした場合は、6カ月以下の懲役または100万円以下の罰金となります。営業停止命令違反であるとか、業務廃止命令違反などになっても、同様の罰則が科せられることになっています。

○西銘純恵委員 住宅宿泊事業法も一緒ですか。

○玉城宏幸衛生薬務課長 今、御説明したのが住宅宿泊事業法の罰則です。

○西銘純恵委員 無許可の100万円もそうですか。

○玉城宏幸衛生薬務課長 虚偽の届け出をした場合が、6カ月以下の懲役または100万円以下の罰金、無許可で営業した場合は、旅館業法の無許可営業ということで同じ罰則が科せられます。

○西銘純恵委員 この取り締まりの具体策なのですが、宿泊事業法は市町村の関係になってくるのかと思うのですが。要するに、無許可業者をどう取り締まるのかということ。トラブルなどの問題については、県が事業者に指導することができると先ほど説明があったのですが、県が全てそれを掌握するのですか。

○玉城宏幸衛生薬務課長 住宅宿泊事業法によって、事業者を指導、監督する権限は県知事にありますので、トラブルが起こった場合には、一義的に対応するのは事業者なのですが、事業者が適切に対応するように、当該事業者を指導するのは県の役割ということになります。

○西銘純恵委員 後追い指導ということを住民の皆さんは気にしていると思うのです。現場で違法であるとか、住宅地でやってはいけないことをやっているというときに、どうするのかというものです。だから、後で指導するというのは、もうやった後の話だから、例えば、後で指導して、この事業者に対して何回そういう指導をやったら取り消しを―先ほど、届け出を受理するという話をされていたので、届け出を取り消すということもあり得るのですか。

○玉城宏幸衛生薬務課長 行政の手法として、まず口頭での指導から入ります。指導を何回やっても聞かないようであれば、業務改善命令を出します。業務改善命令しても聞かないという場合であれば業務停止命令か業務廃止命令というような形で、段階的に進んでいくと思います。

○西銘純恵委員 県が全てを掌握するということはできないでしょうから、市町村とのそういうやりとりについて丁寧にやっておかなければ、住民生活が脅かされるという状況になるのではないかと。そこを重視してもらいたいと思います。
 条例によって規制をかけていないところは、法の規制があるわけですね。その指導・監督などはどこがやるのですか。要するに条例に入っていない市町村はどうなるのですか。

○玉城宏幸衛生薬務課長 これは都道府県、我々の業務になります。

〇狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

〇狩俣信子委員長 質疑なしと認めます。
 よって、乙第30号議案に対する質疑を終結いたします。
休憩いたします。

   午後0時2分 休憩
   午後1時21分 再開

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 次に、乙第31号議案旅館業法施行条例の一部を改正する条例について審査を行います。
 ただいまの議案について、保健医療部長の説明を求めます。
 砂川靖保健医療部長。

○砂川靖保健医療部長 それでは、説明資料の8ページをごらんください。 
 乙第31号議案旅館業法施行条例の一部を改正する条例について御説明いたします。
 旅館業法の一部を改正する法律により、これまで異なる営業種別であったホテル営業と旅館営業が統合され、新たな営業種別として旅館・ホテル営業が創設されること。また、政令や施行規則等の改正により、施設設備の基準及び衛生措置の基準が改正されたことに伴い、当該改正に合わせて条例を改正するものであります。
 以上で、乙第31号議案についての説明を終わります。
 御審査のほど、よろしくお願いします。

〇狩俣信子委員長 保健医療部長の説明は終わりました。
 これより、乙第31号議案に対する質疑を行います。
 質疑はありませんか。
 新垣新委員。

〇新垣新委員 今までの旅館という定義は何だったのか。またホテルという定義は何だったのか。まず区分という形で、その定義をお聞かせください。

〇玉城宏幸衛生薬務課長 今までのホテル営業の定義は、洋式の構造及び設備を主とする施設を設けて宿泊料を受けて人を宿泊させる営業で、簡易宿所及び下宿営業以外のものをいいます。旅館営業は、和式の構造及び設備を有する施設を設けて宿泊料を受けて人を宿泊させる営業です。簡易宿所営業は、宿泊する場所を多人数で供用する構造及び設備を主とする施設を設けて宿泊料を受けて人を宿泊させる営業のことでございます。

〇新垣新委員 この条例をつくるために国からの通知等があったと思います。どういう形でこれをやってほしいかということで―違法民泊をなくすためなど、いろいろな背景が裏にあると思います。そういった背景について何がありますか。

〇玉城宏幸衛生薬務課長 旅館業法についてはかなり古く、昭和23年にできた法律です。昨今の観光客の大きな伸びであるといった観光客の需要になかなか対応し切れない、かなり古い法律でここまで大きな改正もなくきているものですから、時代のニーズに合わなくなってきているということで改正するということが1点です。あと、民泊の普及に伴って、旅館業法の許可を受けずに営業する違法民泊がふえてきたということもありまして、これに対する罰則を強化するという観点からの改正になっております。

〇新垣新委員 罰則の強化については、6月15日から100万円になるものと理解していいですか。

〇玉城宏幸衛生薬務課長 3万円から100万円に引き上げられております。

〇新垣新委員 このほかに罰則、刑法的なものはありますか。

〇玉城宏幸衛生薬務課長 これまで無許可営業者に対しては、法律上の条文による規定がなかったのですが、無許可営業者に対して、施設に立ち入って検査する権限と、事業者に対して報告を徴取する権限などが新しく付与されたということでございます。

〇新垣新委員 刑法でいう禁固とかいった罰則はありますか。

〇玉城宏幸衛生薬務課長 当然、無許可に対するそれ以外の罰則もございます。

〇新垣新委員 この刑期の期間、罰則の重さは、どういう形になっていますか。

〇玉城宏幸衛生薬務課長 一番重いのが、1年以下の懲役です。その次が、6カ月以下の懲役という形になっております。

〇新垣新委員 国が法律を制定したのは、違法民泊や、中国人がこれだけ騒いで住民に迷惑をかけている。それによって旅館関係者にもこういった縛りをかけることになったという背景があると思っています。先ほどの乙第30号議案も含めてです。同業者に対する周知の徹底、市町村との連携についてどのように考えていますか。

〇砂川靖保健医療部長 取り締まりの強化というものが急務になると思いますが、そのために保健所に人員を配置することを予定しております。もっときめ細かく迅速にやるためには、市町村長に知事の権限を移譲したほうがいいのかということも考えております。説明会を通して、仮に市町村が知事の権限を移譲されたい、申し受けたいというのであれば、事務処理特例条例の改正も検討していきたいと考えております。

〇新垣新委員 市町村長に知事の権限を移譲するのであれば、6月ぐらいからでも進めるべきではないですか。これはいいことだと思いますが、いかがですか。

〇砂川靖保健医療部長 権限を移譲する場合、一定の手続を進める必要があります。通常、説明会などがありまして、市町村においても議会の議決を得る必要があったと思います。通常、事務処理条例の特例に関する手続は、2月議会でやっておりますので、もしそれを緊急にやってほしいというような市町村があれば、2月議会以外での条例改正についても検討したいと思います。

〇新垣新委員 今、保健医療部長から知事権限の移譲も可能という話をお聞きしましたが、これについては正直に言ってわかりません。私は、きのうやきょうも糸満市役所に行って、これについて勉強会も行ってきましたが、実はわからない市町村もあるのです。そういった周知の徹底も含めて―ぜひ徹底なされたほうが、より安心した地域住民への対応や、質のいい観光客も多くなると思っています。ぜひこの形で周知の徹底と、また市町村長、地方自治体に対する説明会を開くことについて、再度答弁をお願いします。

〇砂川靖保健医療部長 現在、この制度の周知とあわせて権限移譲をセットにして説明会を行う方向で進めております。

〇新垣新委員 衛生措置の基準を改めることについてお聞かせください。

〇玉城宏幸衛生薬務課長 条例の中で、衛生措置の基準を改めるところは、例えば湿気を防ぐ防湿については、これまで排水設備は常に雨水及び汚水の排水に支障がないようにするというものを撤廃しました。それと、客室の床が木造であるときは、床下の通風を良好にすることについても撤廃されております。また、客室の定員は、ホテル営業、旅館営業、下宿営業のそれぞれで、3平方メートルにつき1人とするという規定がありましたが、これも撤廃しました。それから、階層式寝台、つまり2段ベット等を有しない簡易宿所営業にあっては、1.6平方メートルにつき1人とするものを撤廃しております。つまり、規制緩和の方向でということでございます。

〇新垣新委員 それによって、シングルのホテルに何名も泊まれることになるのですか。これは、ホテル業の営業が創設されたことに伴い、当該営業に係る施設の構造設備の基準等を定める等の必要があると言っていますが、そのように理解、解釈してもいいですか。ホテルもそうなるのですか。解釈の仕方を教えてください。私はアワティーハーティーしてつくっていませんかということを聞いています。定義と区分について、先ほど答弁していましたね。ですから、そういったパッケージについて聞いているのです。

〇阿部義則保健医療部参事 基本的に客室というのは、定員数が台帳に定められており、その定員数にのっとって宿泊させなさいという指導を行っております。それを超えてやる場合には、我々は行政指導という形で、立入検査をしながら、定員を守るようにということで指導しています。ですから、シングルのところに何名も泊まらせるということは、基本的には指導で改善させていくと。定員を守らせるように指導していくということです。

〇新垣新委員 先ほども言いましたが、ホテル営業が創設されることに伴い、当該営業に係る施設の構造設備の基準等を定める等の必要があると。これは「旅館・ホテル営業が」となっているのです。ですから、今質疑しているのです。この定義と区分をきちんとしないと、これは誤解を招きかねない条例になります。

〇砂川靖保健医療部長 この営業種別を標榜したのは法律なのです。法律がそのように改正されたものですから、条例もそれと整合するように所要の改正を行うもので、この条例改正をもって営業種別を改める云々ではありません。

〇新垣新委員 それでは、既存のものはそのままでという考え方でいいのですか。

〇砂川靖保健医療部長 今までの法律の営業種別は、ホテル営業と旅館営業になっていたわけです。これが法改正されて、ホテル・旅館営業というように統合されたということでございます。

〇新垣新委員 そういう形として、理解します。

〇狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 西銘純恵委員。

〇西銘純恵委員 これまでのやりとりを聞いていたら、住宅宿泊事業法ができて、この旅館業法もある意味では悪い方向に行っていると、簡単に言えばそうなるのかという感じがしました。法改正と言っていますが、衛生措置の基準や構造設備の基準を改めるという説明を受けたら、面積にしても何にしても、本当に規制緩和されていくと。条例に関する資料を見たら、別表第1第3号を削り、同表第4号ア中の「毎日」を「定期的に改め」という部分があります。これが衛生条項の改定ということだと思っていますが、具体的にどういうことなのか説明をお願いします。

〇玉城宏幸衛生薬務課長 別表第1の(4)清潔の部分ですが、今までは各室、浴室、便所、その他施設の内外は毎日掃除することということで「毎日」と規定されていたものを、今回の改正では、客室、浴室、便所、その他施設の内外は「定期的」に掃除をすることになったので、毎日ではなくてもいいということです。

〇西銘純恵委員 定期的にといったら、月に1回やれば定期的にということになると思います。それについて最低基準というものはあるのですか。

〇玉城宏幸衛生薬務課長 最低基準というものは定めてはいません。

〇西銘純恵委員 唖然です。その前の3号を削りという3号部分についても、何かあったのかと。全体的に、衛生基準そのものが―海外からの観光客も来る中で、もっと衛生管理や感染症とかいろいろとあるのかと思ったら、衛生基準については、厳しくすることはあっても緩和するものではないと思います。今、聞いただけでも定期的にといって、実質的に全く基準がないような、年に1回やっても定期的にというのではないかと思うぐらいですが、それでも法律で許容されるのですか。

〇玉城宏幸衛生薬務課長 その辺のチェックについては、我々、衛生部門が定期的に監視に行って、きちんとされているか確認することになるかと思います。したがって、監視強化するということになると思います。

〇西銘純恵委員 ほかにもシーツとか衛生面で―今、結構、厳しい監視が出てくると答弁されましたが、この条例の適用を受けている施設は、県内にどれだけありますか。そして、客室は何名分あるのですか。

〇玉城宏幸衛生薬務課長 旅館業法の適用を受けている施設は、平成27年度末で、ホテルが369施設、旅館営業が546施設、簡易宿所営業が2478施設、下宿営業が3施設で、合計3396施設になっております。

〇西銘純恵委員 満杯になったら何名分ですか。

〇玉城宏幸衛生薬務課長 客室数で言いますと、平成27年度末ですが、ホテル営業が3万2639室、旅館営業が7634室、簡易宿所営業が8426室、下宿営業が6室ということで、合計4万8705室ということになります。

〇西銘純恵委員 衛生に関する規制緩和をされて監視するということですが、現実的にそれができるのでしょうか。

〇玉城宏幸衛生薬務課長 一応、保健所に職員を配置しておりますので、監視強化できる体制は一定程度あると思っています。

〇西銘純恵委員 規則などをこの条例に沿って定めることはできますか。例えば、この条例では、毎日を定期的にとなっているが、2日に1回とかいう形で何らかのものをやらないと。これは、本当に沖縄観光―日本全国でもそうだと思いますが、やはり観光そのものがどうなるのかという、とても際どいものを含んでいるのではないかと大変危惧します。これまであった毎日のシーツの取りかえや清掃というのは最低限のものだと思います。連泊は抜きにしても―そういう意味では何らかのそういう衛生をしっかりと管理するということが最低限あって、それから定期的にどうするのかと。きちんとやっていますかということができると思うのです。まさか、毎日ホテルをこれだけ回るということはできないはずですね。ですから、そこは規則か何かつくるのでしょうか。

〇砂川靖保健医療部長 御指摘のように、毎日、監視するということはまず不可能です。ただ、宿泊されてわかると思いますが、毎日のシーツの交換というのはほとんどのところでされていると思います。今、問題になっているところは、資料の10ページで確認していただきたいのですが、第4条関係の別表第1の(3)―右側の表では(4)になりますが、清潔という部分のア、客室、浴室、便所、その他の施設の内外は「毎日」というものが、「定期的」に変わったということで、シーツ云々のことを言っているわけではないのです。客商売ですので、余りにも月に1回とか、年に1回というような清掃をしているとなれば、これは営業自体ができなくなるのではないかと思います。この辺は、特に保健所が毎日監視しなくても担保されているものと考えます。

〇西銘純恵委員 ホテルの労働者の皆さん、メンテナンスをする方が人手不足であるということで、なかなか今の毎日というのものが、実際にきちんと清掃されているのかというようなホテルも確かにあるのです。営業するということは、そこに競争があるわけですから、できればコストをかけないとなったら、そういう人的な―法は守っています、条例は守っていますが、法律は変わったので法律に合わせて定期的にやりますと言って、現在、毎日やっているから最後までこの先何年もずっとやりますかというところについて、本当に担保できるのですかというところで、これは重要なことだと思います。だからこそ、法律はそうだが、沖縄県としては、やはりそれはできないというところで、何らかの基準なりをもう少し丁寧に―条例は法に従って出されているということはわかりますが、4万余りの客室を持っている沖縄県で、衛生や施設基準についても県の視点で観光を発展させるといいますか、そういう立場で何らかの規制というか、一定の基準というものを持つべきだと思います。そこら辺については今後の課題としてもいいと思いますが、検討されてみませんか。

〇砂川靖保健医療部長 今回の法改正というのは、規制緩和という趣旨に沿ってなされているものでございまして、清潔の部分については、「毎日」を「定期的」に変えており、沖縄県だけではなく、全国においてもそのような基準でやるということになるわけです。御指摘のように、「定期的」というものがどれぐらいの頻度なのかということについては、我々からも国に確認や、意見照会を行いたいと思いますが、規制緩和の流れの中で、沖縄県だけ違った形でやるのは、なかなか難しいのかと考えます。ただ、国に対しては、趣旨をより明確にするような申し入れは行っていきたいと思います。

〇西銘純恵委員 国に申し入れるというと、法改正ですか。それとも省令か政令ということで具体的に出てくるということになってくるのですか。そこを厳しくやらないと、「毎日」が「定期的」に変わって、どれだけという基準もないというのでは、とてもでないが問題は解決できない。厳しい県民の目もあると思いますし、観光客の皆さんもそうだと思います。ですから、ぜひそこについては、県としては、今後対応するということでやっていただかないと、なかなかそのまますんなりとというわけにはいきません。

〇砂川靖保健医療部長 「毎日」を「定期的」にというのは、省令ですので、作成した側に「定期的」の趣旨がどういう趣旨によるものなのかということを確認して、清潔さが落ちないような形のことはしていきたいと思います。

〇狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 照屋守之委員。

〇照屋守之委員 この旅館業法については、保健医療部長から、規制緩和でどうのこうのといった説明がありましたが、これは、その前の住宅宿泊事業という新たな仕組みができて、今の旅館とかというやり方が―恐らく民泊については、今のような旅館業法みたいな厳しいものはないと思いますが、新法ができたから、今回の法改正につながっているのではないですか。

〇玉城宏幸衛生薬務課長 先ほども言いましたように、この旅館業法はかなり古く、昭和23年にできている法律で、今の時代に少しそぐわない、少し厳しすぎるというような面がありますので、それを規制緩和の方向にということがあると思います。さらに、住宅宿泊事業法との絡みで、若干、規制緩和の方向にということもあると思います。

〇照屋守之委員 ですから、おかしいのです。先ほどから質疑されているように、例えば3平方メートルにつき1人とすることや、公衆衛生の1平方メートルがどうのこうのと厳しい決まり事があって、これを規制緩和で外していく、緩くしていくということですが、そこはホテルを利用する側の視点での改正ではないですね。ですから、こういうものを事業者に任せるということになれば、当然そこはやりません。お金がかかりますし、人手が必要です。それを皆さんがチェックするといってもできないと思います。三千三百幾つの施設をやるといってもできない。できないものを法律改正があって、自分たちで条例をつくってやろうとすると、この法律が基本なのでそれから外れるようなことはできないみたいな感じで、わけがわからない説明です。何のために県の条例をつくるのですか。おかしいでしょう。そうであれば、法律はそのままですということでやればいい話ですね。ですから、県が条例をつくるということは、そういう法律があって、沖縄県はこういう状況だが、このようにしますという独自のものをつくるから県の条例をつくるという意味があるわけです。どう考えても、これを見ても、もちろん規制緩和は業者にとってはいいわけです。また、人手が足りないということも聞いています。非常に厳しい状況だということは聞いてはいますが、だからといって、従来やってきた部分が定期的にやるものも―この「定期的」も毎日やるものが1週間に1回、1カ月に1回と。どうでもいいみたいなことをわかりながら、県がこういう条例をつくって、それに後追いするというのはおかしなことではないですか。ましてや、民泊の事業という新たな仕組みができて、そういう部分とも対応しないといけないということもあるということであれば、なおさらのことではないですか。

〇砂川靖保健医療部長 今の衛生措置の基準は共通事項として省令で定められているのですが、最終的に条例で定めること、定める基準が出てくるわけです。条例で定めることというのは、省令とは別に要領というのがございまして、これは技術的な助言になるわけですが、そういうものを保健医療部として条例で定めているということでございます。今回、この要領についても改正されていますので、従来の考え方と一緒で、それに合わせて保健医療部の条例を改正したということです。「毎日」であったものが「定期的」に変わったのは、その要領が変わったということになります。

〇照屋守之委員 ですから、それがおかしいでしょう。毎日やっていたというものが、定期的になるという、その根拠がおかしいのではないですか。法律では、こうなったが、例えば「毎日」から「定期的」にという部分について、県独自でこれを毎日掃除することとしてもいいのではないですか。本当に、なぜ「毎日」が「定期的」になるのですか。ここははっきりさせないと、定期的にと言ったら、事業者は曖昧な対応をしますよ。

〇砂川靖保健医療部長 従前から沖縄県においては、旅館業における衛生管理要領というものがございまして、これのもとについては厚生労働省で発しているものですが、それに立脚して立案してきたというような事情がございます。したがって、今回もその考え方で条例改正を行っているところでございます。

〇照屋守之委員 ですから、その説明では意味がわからないのです。法律では確かにこれまで毎日やっておりましたと。それを今度、沖縄県は「定期的」に変えますと。法律はこうなっていると。それでは沖縄県の考え方がないわけです。皆さん方は、毎日やっているものが定期的になりますと言っても、これを事業者や県民に説明できますか。そこは法律がどうのこうの、国がどうのこうのということはもちろん大事ですが、沖縄県の独自性といいますか、自分たちがきちんと説明できるようにしないと。

〇砂川靖保健医療部長 従前から沖縄県の考え方としては、このような条例に書き込む追加の部分については、衛生管理要領の規定に準じて書くというようなスタンスでやってきています。したがって、今回の条例改正もその考え方を統一して行ったということでございます。

〇照屋守之委員 絶対に納得できない説明です。先ほどの民泊の件もそうですが、こういう衛生的なものは非常に重要で、旅館やホテルを経営する側からすると、そういう縛りというものはないほうがいいわけです。独自でやるのだが、ただ、そこを利用する客というのは、やはり清潔できちんとしたところに泊まりたい、きちんとした施設で時間を過ごしたいというものがあります。その一番の支えになるのが法律であり、県の条例であるということで、それがよりどころになるわけです。これが幾ら決まったと言っても、我々は、皆さんの説明はおかしいのではないですかと。なぜ毎日やるというのが、定期的になって―外から定期的にやろうと言われても、「いやいや、我々は月に1回定期的にやっています」とか「1年に1回定期的にやっています」と言われた日には、チェックできないのです。ですから、法律が変わると言っても、これだけ激変ということではなく、段階的に、具体的な形でやっていくという、しっかりとした県の考え方を持っておかないと―それを審査するのは、我々県議会議員です。これでは話にならないでしょう。今まで毎日やっていたものが、定期的にやってもいいですと。このように変わりましたと。我々が県民に対して、そのような説明をしないといけないのですか。それはおかしくないですか。

〇阿部義則保健医療部参事 基本的に、旅館業法も含めて衛生関係の事業者に対して指導をする場合には、「定期的」にという場合も確かにございます。その場合には、例えば衛生的に担保できるということで、皆さん1カ月から2カ月に1回ということはないでしょうと。これは口頭レベルの話ですが、最低でも2日に1回、3日に1回は清掃するようにしなさいという指導はしています。あと、それ以外に我々が指導する場合には、指導要領を別に定めて、自分たちの指導基準の中で指導をしてまいります。今回、こうやって条例を改正することになりまして、「定期的」になった場合に、我々は、今後、新たに監視員の中で指導基準を―この「定期的」の意味づけを共有するための作業を行っていくことになろうかと思います。

〇渡久地修委員長 ほかに質疑はありませんか。
 亀濱玲子委員。

〇亀濱玲子委員 1点だけ教えてください。
 先ほど保健医療部長が市町村に知事の権限を移譲することが可能だという話をされたのですが、それについて例えば質を担保することを考えたときに、市町村に移譲することに対する課題といいますか、懸念といいますか、それについてどのように捉えていらっしゃいますか。

〇狩俣信子委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、委員長から質疑内容の確認があり、乙第31号議案関連ではないことから答弁を求めないこととした。)

〇狩俣信子委員長 再開いたします。
 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

〇狩俣信子委員長 質疑なしと認めます。
 よって、乙第31号議案に対する質疑を終結いたします。
 次に、乙第32号議案、乙第34号議案及び乙第35号議案の3件について、審査を行います。
 なお、ただいまの議案3件は、国民健康保険法の一部が改正されたことに伴い、条例の制定、改廃を行うものであり、関連することから一括して審査を行いますので、御協力のほどお願いいたします。  
 ただいまの議案3件について、保健医療部長の説明を求めます。
 砂川靖保健医療部長。
 
○砂川靖保健医療部長 15ページをごらんください。
 乙第32号議案国民健康保険法施行条例について御説明いたします。
 本議案は、国民健康保険法の一部が改正されたことに伴い、同法及び同法施行令等において、条例で規定する必要がある事項を定めるものであります。
 条例案の概要を申し上げますと、第1条は本条例の趣旨について、第2条は用語について定めております。
 第3条及び第4条は国民健康保険事業の運営に関する重要事項等について審議するため、法律に基づき、県に設置される協議会について定めるものであります。第3条は協議会の名称について、第4条は政令で定められた代表区分ごとの委員の定数について定めております。
 第5条以下は、法律に基づき、財政運営の責任主体として県が行う交付金の交付及び納付金の徴収に関する事項を定めるものであります。具体的に申し上げますと、第5条は市町村が支払う保険給付費に対して、県が全額交付金を交付することなどについて定めております。
 第6条は、国民健康保険事業の費用に充てるため、県が納付金を市町村から徴収することについて定めております。
 第7条は、納付金のうち医療費分の算定に必要な係数を知事が定めるに当たっての基準等を定めております。詳細を申し上げますと、算定方式を「所得割」、「被保険者均等割」、「世帯別平等割」の3方式とすること、市町村ごとの医療費水準及び所得水準をどのように反映させるかなどであります。
 第8条の後期高齢者支援金分と第9条の介護納付金分の納付金については、第7条と同様に算定方式及び知事が係数を定めるに当たっての基準等を定めております。
 第10条は、規則への委任について定めております。
 なお、第5条から第10条までの知事が定める事項及び係数等の規定については、県と市町村の協議に基づき、市町村の合意を得て策定した「沖縄県国民健康保険運営方針」と整合性を図り定めたものであります。
 施行期日は、改正法の施行と同じく平成30年4月1日としております。
 引き続き、乙第34号議案及び乙第35号議案につきましても関連しますので、御説明いたします。
 29ページをごらんください。
 まず、乙第34号議案沖縄県国民健康保険調整交付金条例を廃止する条例について、御説明いたします。
 調整交付金については、平成17年4月に、国民健康保険法第72条の2の規定に基づき、国民健康保険の財政の安定化を図ることを目的として導入され、保険給付費等の9%を交付してきたところであります。今般、国民健康保険法の一部が改正され、調整交付金が廃止されることに伴い、本議案により、当該交付金条例を廃止するものであります。調整交付金は廃止されることとなりますが、平成30年度以降は、一般会計から県の国民健康保険事業特別会計へ一旦繰り入れた後に、保険給付費等交付金として市町村へ従来どおり交付されますので、条例を廃止することによる特段の影響はございません。
 次に、30ページをごらんください。
 乙第35号議案沖縄県国民健康保険財政安定化基金条例の一部を改正する条例について御説明いたします。
 本議案は、国民健康保険の国庫負担金等の算定に関する政令が改正されたことに伴い、平成30年度からの市町村への貸し付け、交付及び県国保特会への繰り入れ等に関する事項について追記する必要があることから、一部を改正するものであります。
 具体的に申し上げますと、改正後の条例第3条では、市町村から徴収する財政安定化基金拠出金の負担割合について定めております。同条例第7条第1号では、予期せぬ保険料収納不足に対する市町村への貸し付けをする場合の要件について定めております。同条第2号では、激甚指定された災害などにより、多数の被保険者の生活に著しい支障が生じ、収納不足となった市町村に交付する場合の要件について定めております。同条第3号では、予期せぬ医療費の給付増等に対する県国保特会への繰り入れの要件について定めております。
 以上で、乙第32号議案、乙第34号議案及び乙第35号議案の説明を終わります。
 御審査のほど、よろしくお願いします。

〇狩俣信子委員長 保健医療部長の説明は終わりました。
 これより、乙第32号議案、乙第34号議案及び乙第35号議案の3件に対する質疑を行います。
 質疑はありませんか。
 新垣新委員

〇新垣新委員 議案に関する説明資料の15ページ、乙第32号議案の国民健康保険法施行条例の第7条、第8条、第9条に関して、市町村によって納付金のテクニックに違いがあります。例えば、豊見城市の場合は資産割がなく、被保険者均等割、所得割というものがある。豊見城市と違って、糸満市は住宅を持っているということで資産割まで入っています。その件に関して、今回、新たに平成30年度から沖縄県が運営していく中で、その問題はどうなっていますか。何の問題もありませんか。

〇砂川靖保健医療部長 平成30年度以降、県は国保運営の責任主体として保険者になります。市町村も前からの役目が残るわけです。市町村は従前どおり、保険料の徴収等を行います。そして、実際に徴収する場合に、賦課方式をどのように設定するかについては、市町村長の裁量でございますので、特段問題はないということでございます。

〇新垣新委員 それでは、平成30年度になって県が主体となっていく中で、何が大きく変わったのかというポイントについてお聞かせください。

〇砂川靖保健医療部長 一番大きいのは、ざっくりとした数字で申し上げますと、例えば、収入面で公費が7億円あったと。そして保険料が3億円あって、合計10億円の収入があったわけです。一方、医療費は12億円だったとすると、収支で2億円の収支不足が生じるわけです。これが今までの姿です。今回、県が市町村に対して納付金額を示します。これは従前どおりの額として、例えば10億円を県に納めてくださいと言います。公費の7億円と保険料の3億円で市町村に10億円を納めさせるわけです。従前どおり医療の給付が12億円あったとすると、これについては県が全額市町村に交付しますので、市町村から見ると、この分も収入になりまして、直接、県からもらった交付金で医療機関に対して支払金を払うわけですから、収支不足は出てこないわけです。これが一番大きいポイントになります。

〇新垣新委員 従来は、欠損補塡という形で、赤字だがここに数字合わせで並べる形がありますね。それがなくなるということで捉えていいのですか。

〇砂川靖保健医療部長 市町村の国保特会レベルで見た場合は、県が示した交付金をきちんと予算化して納めれば、市町村国保特会のレベルで収支不足が生じることはないということでございます。

〇新垣新委員 それでは、確認の意味から質疑します。例えば、従来どおり赤字をこうむった場合、市町村が一般会計から補塡しますが、それもなくなるという観点で捉えていいのですか。

〇砂川靖保健医療部長 先ほどの例で言うと、3億円の保険料があると言いました。ところが、市町村が実際に3億円を保険料で集めているかどうかについては必ずしもそうとは言い切れないわけです。本来ならば、3億円集めるべきところが2億5000万円しか集められないという場合には、5000万円の法定外繰り入れをやっているわけです。平成30年度以降についても、県は納付金の額を指定をしますが、これを税だけでやるのか、あるいは法定外繰り入れを含めた形でやるのかについては、市町村長の裁量でございます。したがって、どういう方式をとるのかについては、市町村の裁量になりますので、必ずしも法定外繰り入れがなくなるということではありません。

〇新垣新委員 私は期待していたのですが、正直に言って、41市町村のほとんどが、一般会計から赤字補塡をしているのです。ですから、そこのポイントを知りたかったのですが、何らそれも変わりないものと理解していいですね。

〇砂川靖保健医療部長 平成20年度以降、赤字が多くなって法定外繰り入れがふえていったわけです。これは、高齢者医療制度の見直しに伴って、そういう構造ができてしまったわけですが、最近の事情を見ていますと、前期高齢者交付金がふえていますので、例えば、ざっくりとした数字で申しわけないのですが、平成30年度時点の見込みとしては、40億円程度の赤字になるだろうと見ておりまして、市町村の法定外繰り入れも相当額減るものと、我々は見ております。

〇新垣新委員 今、前期高齢者の問題において、多くの市町村でも問題になっていて、厚生労働省にも要請に行っています。その問題は解決できないのですか。沖縄県の場合は、戦争があったので、そういったもろもろがあって、財政面における問題で大変苦慮していると。そういった問題が一つの解決につながれば、もっと市町村の財政もよくなるものですから。そこら辺は、国保財政ですかね。見解を求めます。

〇砂川靖保健医療部長 私が平成28年度にこの職につきまして、保健医療部でもそのことが一番大きな問題になるだろうと思っておりました。そして、平成28年度、平成29年度において、市町村と一緒に国に要請してまいりました。平成30年度以降の制度設計については、その中で一定の配慮がなされたかと思っております。ただし、我々としては、前期高齢者交付金が極端に少ないという分については特段の財政支援ということをお願いしておりまして、それについてはまだ実現を見ておりません。これについては、引き続き市町村と連携して、国に対して要請していきたいと考えております。

〇新垣新委員 ぜひこの問題も、県知事を先頭に保健医療部長、県当局が市町村と一体となって、解決に向けてぜひ頑張っていただきたいと思います。
 次に、財政安定化基金、繰入金の負担について定めるとありますが、これについて説明を求めます。普通は、国保財政が厳しくなったら介護保険料みたいに借り入れすると思いますが、これとは別という形で捉えていいのですか。

〇名城政広国民健康保険課長 この財政安定化基金の使い道といいますか、目的につきましては、法令で限定されております。例えば、貸し付けの場合ですと、市町村において予期せぬ保険料の収納不足が生じた場合に、市町村に対して貸し付けを行うということになっております。

〇新垣新委員 今まで、国保の中で借りている市町村はありますか。介護保険は聞いたことがありますが、国保については、余り聞いたことがありません。このような条例までつくってくるのであれば、国保でもあるのですか。

〇名城政広国民健康保険課長 この基金につきましては、今般の国庫制度改革に基づいて設置されているものでして、その前のといいますか、前段の基金は先日、先議として御審査いただいた基金です。そちらでは2市で―全く同じ基金というわけではありませんが、事例がございます。

〇新垣新委員 これは南城市と……。

〇名城政広国民健康保険課長 過去に、うるま市と南城市の2団体ございます。

〇新垣新委員 これは合併の問題等があったからということで、理解していいですか。

〇名城政広国民健康保険課長 広い意味で言いますと、両方とも合併を行った団体ということでございます。

〇新垣新委員 ここ年々、とんでもないことになっています。これから団塊の世代が国保の中で大きくなっていくという問題です。本当に心からお願いしたのは、予防学、健康診断の視点で、ぜひ県の組織を一元化してほしいのです、県がこの予防対策のための部をつくってほしいのです。糸満市においても、地域包括とか、今まで一体となって行われていたものが、国の定めから外されて、地域包括支援センターとかいった、もろもろになってわけがわからなくなっているので、県の窓口を一元化してほしいのです。みんなが健康になれば、国保税は高くなりません。その問題について、一元化して、健康に特化した部をつくってほしいのです。いかがですか。

〇砂川靖保健医療部長 保健予防に関しては、保健医療部の地域保健課がやっております。一部のがんなどの関係については健康長寿課が担当しているということで、課は違いますが、1人の統括監が見ていますので、組織的には大丈夫だと考えております。

〇新垣新委員 これは、課という形で、その課を中心として―健康でないから国保税が上がるのです。介護保険料、後期高齢者とか。指導を促す機関の中で、予防というものを一番上に置いてほしいのです。そうしないと解決できないのです。はっきり言いますが、できているというのは口だけです。ですから、私が言っているのは、今の考え方を180度変えない限り、これは解決できないということです。予防を組織の一番上に置いていかないと。例えば、沖縄県健康予防部長までつくるぐらいの気持ちを持たないと解決できないです。職員の意気込みややる気が見えない。正直に言って、イチキロヘラス運動というものは、県民に全然伝わっていないと思っています。コマーシャルをやっているだけだと。ですから、本当に抜本的な改革をしないと、解決しないと思います。いかがですか。いや結構です。これは知事に対して、6月議会の一般質問の中で質疑します。

〇渡久地修委員長 ほかに質疑はありませんか。
 西銘純恵委員。

〇西銘純恵委員 乙第32号議案から質疑します。これは、県が市町村と一緒になるということでの施行条例と言いますが、納付金、交付金をこの条例で決めていくということもあるのかと思っています。協議会の意思決定はどのようになされるのか。委員の人選といいますか、協議会の委員の定数について定めるとありますが、それについてお尋ねします。

〇名城政広国民健康保険課長 この協議会の委員の定数につきましては、まず選出母体となるところが4者ございます。まず、1つ目が被保険者代表。2つ目が保険医または保険薬剤師代表。3つ目が公益代表。この3者につきましては各3名ずつとなっています。それから、4つ目に被用者保険代表で、こちらは2名で、合計11名となっております。

〇西銘純恵委員 意思決定はどうなりますか。

〇砂川靖保健医療部長 この協議会というのは附属機関でございますので、意思決定というものは行いません。県が諮問した事項に対して、答申するというような形になります。県がその答申を受けて、それを尊重した上で意思決定を行うというのが行政的な流れになります。

〇西銘純恵委員 3名、3名、3名、2名ということを言われたのですが、具体的な人選という形で、どこら辺からということで考えていますか。

〇名城政広国民健康保険課長 現在は、まだ準備会合という位置づけでございます。その委員について参考までに申し上げますと、まず被保険者代表は、それぞれ南部の代表としまして、南城市国民健康保険運営協議会委員、浦添市国民健康保険協議会委員。それから、宮古島市の国民健康保険運営協議会委員の3名でございます。次に、保険医、保険薬剤師等の代表は、沖縄県医師会の常任理事、沖縄県歯科医師会の専務理事、沖縄県薬剤師会の常務理事の3名でございます。次に、公益代表は、公益財団法人おきなわ女性財団の事務局長、県看護協会の副会長、琉球大学教授の3名でございます。最後に、保険者の代表は、全国健康保険協会沖縄支部の支部長、健康保険組合連合会沖縄連合会の事務局長の2名でございます。

〇西銘純恵委員 第5条については、市町村が払う保険給付費。これは県が全額交付金を交付するということになっております。そして、第6条が市町村から納付金となっていますが、県全体の交付金と納付金、41市町村の納付金は総額で幾らになっていますか。平成30年度は特別会計の関係ではどれぐらいの予算規模ですか。

〇名城政広国民健康保険課長 まず、納付金の沖縄県全体の総額ですが、約497億円となっております。次に、保険給付費交付金につきましては、1232億円となっております。

〇西銘純恵委員 第5条の交付金は、先ほど説明があった医療費、保険給付費に充てるということで、これは市町村からすれば、4月にその制度が始まったらすぐに給付が始まるわけです。この予定されている交付額というのは、いつ交付されるのですか。

〇森田崇史国保財政運営班長 現在、交付金につきましては、市町村と各市町村ごとの交付計画というものをつくっておりまして、それに基づいて、基本的には毎月お支払いするということになっております。

〇西銘純恵委員 この交付金について、市町村ごとの額を定める算定の根拠、交付金の内容について説明していただけますか。

〇名城政広国民健康保険課長 こちらにつきましては、市町村が給付に必要なものを全額支給するということでございます。

〇西銘純恵委員 普通交付金と特別交付金がありますね。市町村によって算定方法が違ってくるのではないですか。市町村が必要だと言えば満額を払っているという答弁ですが、本当にそうなのかというところを聞きたいのです。

〇砂川靖保健医療部長 今の全額を払うというものは、平成30年度以降の話なのです。普通交付金など医療費に係る分については、計画を立てますが、基本的には、市町村が要した医療費は普通交付金としてきちんと全額払うということです。特別交付金については、いろいろな算定方式、メニューがございますので、それは予算の範囲内でしか配ることはできないと思います。

〇西銘純恵委員 特別交付金のところで―医療費は払いますと言っても、医療費だけではなくて、市町村は国保会計で予防から何からいろいろな医療をやっているわけです。そこら辺について、特別交付金がどのように―市町村によっては割合などが違ってくるのではないかと思っています。その交付金の交付のあり方について説明していただけませんか。

〇森田崇史国保財政運営班長 特別交付金につきましては、各種のメニューがございますので、それぞれのメニューに沿った基準を定めております。その基準に沿った形で申請していただいて、その市町村から申請があった額を交付するという形になっております。

〇西銘純恵委員 第5条の第3項については、特別交付金に係る事項は知事が別に定めるということですが、何を別に定めようとしているのですか。

〇名城政広国民健康保険課長 第5条に関しては、まず、保険給付費交付金の交付手続についての規定となっております。こちらは、内容自体が技術的な事項となっておりまして、そういう観点から交付要綱で定めるほうが柔軟な表現が可能となり、今後の一部改正等に対しても機動的に対応できるということです。それから、現行の沖縄県国民健康保険調整交付金条例においても、特別調整交付金の交付基準は、知事が定めるところによるとされていること。また、交付対象となる経費の範囲は、その算定が政令で明記されておりまして、改めて条例に記載しなくても、法令の要請に応えているということ。さらに、特別交付金のうち、県の繰入金に係る交付基準については、市町村の財政状況、その他の事情に応じて、交付に充てられる部分は交付要綱で定めるほうが市町村の意見を取り入れやすいということがあります。このようなことから、交付要綱で定めるほうが適切であるものと考えております。

〇西銘純恵委員 現年度までは特別調整交付金でいろいろ市町村に対して―2018年度に向けての3年間になりますか、一定のプラスアルファの分が来ていたのかと思うのです。そして、新年度は特別交付金という形で―先ほど普通交付金は、医療費に係る分はとおっしゃっいました。国保の事業をするに当たって多くのものがあると先ほど言いましたが、特別交付金の内訳について、どういう項目で市町村に交付しようとしているのですか。

〇名城政広国民健康保険課長 メニューの内容につきましては、現行の調整交付金のメニューと同様でございます。

〇西銘純恵委員 具体的な説明をお願いできますか。

〇名城政広国民健康保険課長 全部で11メニューございます。主なものを申し上げますと、まず、災害等による保険料の減免。2点目に、災害等による療養の給付に係る一部負担金の減免。3点目に、レセプト点検事業。4点目に、医療費通知事業。5点目に、保険事業。6点目に、保険料適正賦課及び収納率向上特別対策事業。7点目に、医療費適正化特別対策事業。8点目に、保険財政共同安定化支援事業。9点目に、療養の給付に係る一部負担金の減免。10点目に国保改革公益化等支援。11点目にその他国民健康保険の財政負担となる影響額等という11項目のメニューでございます。

〇西銘純恵委員 医療費適正化というものについて、説明をお願いできますか。

〇名城政広国民健康保険課長 国民健康保険制度の円滑かつ適正な運営のために、各市町村の地域特性に応じた、効果の期待できる事業費への補助となっております。

〇西銘純恵委員 これまでと同様な中身で出していますか。医療費適正化というのが、医療費を抑えるということにつながっていったら困るということで、ずっとこの間の議論がありました。ですから、この適正化ということで具体的にどのようなもので出されましたか。

〇森田崇史国保財政運営班長 例えば何点かありますが、ジェネリックを使用した医療費に係る差額について、これぐらいの差額があるという通知を送付したり、保健師が訪問する戸別訪問事業などといった、幾つかの事業があります。

〇西銘純恵委員 県として、ぜひ気をつけていただきたいと思うのは、この医療費適正化というところで、過度に抑制というところに―抑制になったら重症化ということで、余計に医療費がかかるという観点はとても大事だと思うのです。そこら辺で、特別交付金の部分は、ぜひ活用枠を設定していただきたいと思います。
 あと、保険者努力支援制度分というものがあるようですが、何を努力するのかといったら、保険料の徴収率を上げるために努力する。差し押さえとかいうところにいかないようにするというような、市町村との丁寧なやりとりが、これから必要になってくるのではないかと思います。これについては、指摘しておきます。
 第6条の納付金について、市町村から出してもらう納付金は、先ほど497億円と―交付金は1232億円。これは、今、各市町村が保険料として徴収している総額について、現年度と比較してどうなっていますか。

〇森田崇史国保財政運営班長 ここ数年、保険料は293億円程度で推移しております。

〇西銘純恵委員 そうすると、497億円を市町村が県に納付するといったら、差額が200億円ぐらいあるわけです。それを、市町村が納付をするためにどのようにやっていくのかということについて、もう少し説明していただけますか。

〇森田崇史国保財政運営班長 保険料のほかに市町村向けの公費がございますので、まずは一義的にそれを充てることになります。これは163億円ぐらいだと思います。それと、先ほど保健医療部長が答弁したように、各市町村で県に納めるべき保険料を徴収していない場合については、法定外繰り入れもそこに含めて納付されるということになる思います。

〇西銘純恵委員 今、国から市町村に163億円あるので、それをそっくり納付金に充ててもらうという表現で当たっていますか。

〇森田崇史国保財政運営班長 163億円のうち、出産育児一時金とか、一部事業費として使われる額が約24億円ありますので、その分は差し引かれるものと思います。

〇西銘純恵委員 国から来るのは、そもそも市町村が事業をするからということで、それに充てるという経費も含めてきているはずなのです。ですから今、出産育児一時金の24億円を引いて納付金に充てられると答弁されましたが、それは甘いのではないかと思うわけです。ですから、そこら辺も市町村が納付金を納めるという額について、やはり保険料に転化されたら、これ以上払えないということもはっきりと県民は言っていますので、そうならないように、何らかの仕組みについて、これからぜひ考えていただくことを指摘をしておきます。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

〇狩俣信子委員長 質疑なしと認めます。
 よって、乙第32号議案、乙第34号議案及び乙第35号議案の3件に対する質疑を終結いたします。
 次に、乙第60号議案債権の放棄についての審査を行います。
 ただいまの議案について、保健医療部長の説明を求めます。
 砂川靖保健医療部長。

○砂川靖保健医療部長 説明資料の33ページをごらんください。 
 乙第60号議案債権の放棄について、御説明いたします。
 本議案は、琉球政府が肆手盛安子に対して支給し、県が承継した看護学生等奨学金の金額に相当する金額の返還に係る債権2万4400円について、当該債権の時効期間が経過しており、債務者が死亡していることなどから、債権回収が困難であると判断し、看護学生等奨学金の金額に相当する金額の返還に係る債権の円滑な整理を進めるため、当該債権を放棄する必要があることから、地方自治法第96条第1項の規定により、議会の議決を求めるものであります。
 以上で、乙第60号議案についての説明を終わります。
 御審査のほど、よろしくお願いします。

〇狩俣信子委員長 保健医療部長の説明は終わりました。
 これより、乙第60号議案に対する質疑を行います。
 質疑はありませんか。
 新垣新委員。

〇新垣新委員 これは仕方ないという考えではあるのですが、この肆手盛さんという方はウチナーンチュですか。

〇大城博保健医療総務課長 沖縄出身の方です。

〇新垣新委員 奨学金の返還義務が生じ、昭和40年1月24日を期限とする2万4400円の返還債務が残っているということですが、昭和47年に亡くなったと理解していいのですか。

〇大城博保健医療総務課長 奨学生は、昭和47年11月16日に25歳で亡くなられています。

〇新垣新委員 家族とか兄弟はいなかったのですか。

〇大城博保健医療総務課長 御両親はいらっしゃいますが、兄弟がいらっしゃるかどうかについては把握しておりません。

〇狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 西銘純恵委員。

〇西銘純恵委員 看護学生等奨学金支給規程について、彼女が奨学金を借りたときと、今のものとは一緒ですか。県内で就職したら、返済しなくていいところは一緒でしょうか。

〇大城博保健医療総務課長 奨学金の支給を受けた期間と同じ期間を就業した場合は、返還債務は生じないという仕組みになっておりました。

〇西銘純恵委員 復帰の年に亡くなっているということからすると、放棄するのが遅きに失したと。金額もですし、きちんと卒業していたら返済も済んでいただろうとか、いろいろ勘案しても、こういう債権についてはもっと積極的に放棄していく手続をすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

〇大城博保健医療総務課長 これまで不納欠損処理を行う場合は、あくまでも債務者が時効を援用したときに行うという前提で我々は考えております。本事案の場合には、債務者が既に亡くなられていて、時効の援用をすることができませんので、不納欠損処理も行わずに今日まで継続させてしまったのですが、平成27年8月に県が債権管理方針を定めまして、その中で回収を行うことが不能であると認められる債権については、放棄の手段を講じて債権を消滅させる考え方を導入するという方針が示されました。それ以降、債権放棄の検討に取りかかって、去年、1件、看護師修学資金で債権放棄を同意していただきました。今回は、本土復帰前の看護学生等奨学金について、1件審査をお願いしているところです。

〇狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 平良昭一委員。

〇平良昭一委員 議案に対してはとやかく言うものではないのですが、平成27年度からそういう指摘を受けてきて、可能性として、今後もそのような事案や事例が出てくることはあるのですか。

〇大城博保健医療総務課長 復帰前の看護学生の奨学金につきましては、この件も含めて11件の債権が残っております。まず、この債務者が既に亡くなられている事案について、今回、不納欠損処理に向けた取り組みを行ったということでございます。残された10件につきましても、直近の債務処理の所在を確認して、既に時効期間を経過しておりますので、債務者に対して、時効期間が経過しており、時効を援用することもできるということを教示した上で、納付意思の確認を行いまして、時効援用の申し出がある債権者につきましては、不納欠損処理を行うという形で処理を進めていきたいと考えております。

〇平良昭一委員 債権の放棄になるのか、それとも支払うことができるかということについては、今後調整していくものと思いますが、この議案に関しては、全く保証人とかの制度などはやられていないような状況です。その当時のものは、個人での対応になっているのでしょうか。それとも、保証人を立ててやっている事例もあるのですか。

〇大城博保健医療総務課長 この奨学金の支給につきましては、連帯保証人を立てるという規定を設けておりませんので、一切、連帯保証人は立てられておりません。

〇狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 照屋守之委員。

〇照屋守之委員 この債権の放棄については、この前も少し説明を受けて驚きましたが、今後も10件ほどこういうものがあるということですね。よく意味がわからないのですが、この債権放棄については、最小の経費で最大の効果を上げるという地方自治運営の基本原則に鑑み、並びに時効期間が経過していること及び何とかかんとかとありますが、なぜこれだけ長時間にわたってほったらかしておいて、なおかつあと10件もあるということで説明していますが、それはどういう意味ですか。

〇大城博保健医療総務課長 先ほどもお話ししましたが、不納欠損処理を行う場合には、あくまでも債務者が時効を援用した場合に行うという前提で考えておりまして、本事案は債務者が亡くなられて時効援用の意思確認を行うことができなかったということで、今日まで長期間、未収金の状態を継続させてしまったということでございます。

〇照屋守之委員 何を言っているのかと思っているのですが、これは四十数年間たっているわけですね。これだけほったらかしておいて、このようなものがあと10件あって、また払う意思があるのか、ないのかということをこれからやるわけですよね。それでは、皆さんは今まで何をやっていたのですか。大体、時効も含めてですが、我々の感覚では、こういうものはある程度の時間がたてば、強制的にそういう手続をして、処理するということです。これについて、県がずっと何もせず、ほったらかしておいて、ずっと放置しながら残していくという意味がよくわからないのです。なぜ、こういうことを延々とやっているのですか。

〇砂川靖保健医療部長 時効の援用があれば、その時点で不納欠損処理ができるわけです。そういう援用の確認ができない債権がどうなるのかと言えば、この債権を放棄するということで、議案として上げないといけないわけです。今まで、県のスタンスとして、債権については回収すべきというスタンスでいたわけです。例えば、本人が死亡している事案でも、この人の相続人を探して、確認しなさいというようなスタンスで、なかなか時効の援用が認められなかったわけです。これ以外の方法をとるためには、議会に議案として上げないといけないということで、議案として上げること、問題化することを、これまで執行部は嫌っていたわけです。ですから何もしないでずっと放置していたと。ところが、平成27年に新しく債権管理に関する方針をつくって、相続人を探すことも時間の無駄ですので、そういった費用対効果も考えて、回収不能と判断できるものについては、債権放棄をしていきましょうという方針に変わったと。それで我々は、平成28年からそういう事案について、議案として提出しているということでございます。

〇照屋守之委員 あんまり意味がわからないのですが、とにかく早目に、あとの10件も一緒に、一発でやるのです。払う意思があるのか、ないのかを含めてなどはもういいのです。今、保健医療部長がおっしゃるように、こういう理由で議会に出すと、どうのこうのという状況があると言っても、大体、こういうものに皆さん方の時間と労力を割くことが、県民のためになりますか。あと10件も残して、なぜ一発でやらないのですか。

〇砂川靖保健医療部長 県民のためになるかということについては、私もそうはならないと思っています。それで、債権放棄を積極的にやりなさいという指示をしているところでございます。残り10件を一発でやらなかったのは、この方々はまだ生きている方々であり、どうしても時効援用の確認をしないといけないと。そういうことから、今回は上げておりません。去年の2月議会でも1件を、修学資金で債権放棄を上げました。そのときも、ほかの債権者に対して我々から確認したわけです。そういう作業をすることによって、17人の未納者が137万8000円を完納しました。また、残りの11人も分納しております。これが75万7000円で、総額で200万円近く回収しました。地道な作業ではありますが、こういう作業をしていくことによって債権回収にもつながりますし、無駄な仕事もなくなると考えております。

〇照屋守之委員 そのように取り組んで、残りの17名の200万円近くも回収したと言って、実績を上げておりますが、本来は今までにやるべきだったのです。これまでにやるべきことを何十年もほったらかしておいて、こういうものを一発で処理したらと言ったら、これはこういうことで回収して、200万円余りの実績がありますとか言われたら、どうぞ好きにやってくださいとしか言えません。

〇砂川靖保健医療部長 我々から時効援用をしますかと確認したときに、「いや、払わせてください」という方もいるわけです。そして、時効期間が経過したものについては、我々からも時効の援用を進言します。それによって、十何名いた方々が返したということでございまして、やはり費用対効果を勘案しながらこの作業をしていきたいと我々は考えております。

〇狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

〇狩俣信子委員長 質疑なしと認めます。
 よって、乙第60号議案に対する質疑を終結いたします。
 休憩いたします。

〇狩俣信子委員長 再開いたします。
 次に、保健医療部関係の請願平成29年第1号及び陳情平成28年第79号外19件の審査を行います。
 ただいまの陳情について、保健医療部長の説明を求めます。
 なお、継続の陳情については、前定例会以降の新しい事実についてのみ説明をお願いいたします。
 砂川靖保健医療部長。

○砂川靖保健医療部長 保健医療部関係の請願及び陳情案件について、御説明申し上げます。
 お手元に配付しております請願・陳情に関する説明資料をごらんください。
 資料の1ページ及び2ページをごらんください。
 請願及び陳情の一覧表ですが、請願が継続1件、陳情が新規7件、継続13件となっております。
 請願及び継続の陳情13件につきましては、処理方針に変更はございませんので、説明は省略させていただきます。
 それでは、新規の陳情7件について、その処理方針を御説明いたします。
 25ページをごらんください。
 陳情第2号適切な医療財源の確保、消費税問題の抜本的解決に関する陳情について御説明いたします。
 陳情の内容は、1、国民が将来必要な医療・介護を受けられるための適切な財源を確保すること。2、医療等に係る消費税問題を抜本的に解決することを求めるものであります。
 これに対する処理方針を申し上げます。
県は、地域医療提供体制の確保のため、地域医療介護総合確保基金、医療提供体制推進事業費補助金等の、将来、必要な財源の確保及び社会保険診療に係る消費税の適切な対応について、全国知事会を通して要望しており、引き続き、国へ求めていきたいと考えております。
 続きまして、26ページをごらんください。
 陳情第7号2017年度医療・介護保険制度・地域公共交通の充実に関する陳情について御説明いたします。
 陳情の内容は、患者の権利と超高齢社会への適応を両立させる医療計画の策定を求めるものであります。
 これに対する処理方針を申し上げます。
 県は、第7次沖縄県医療計画について、圏域ごとに地域医療対策会議を開催するとともに、パブリックコメントを実施し、広く県民の意見を聴取したところであり、医療や介護が必要になっても、住みなれた地域で生活を継続できるよう、患者の状態に応じた切れ目のない医療提供体制の整備及び医療と介護の一体的な提供体制の構築を内容とする医療計画を策定することとしております。
 続きまして、27ページをごらんください。
 陳情第15号沖縄県住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例(案)に関する陳情について御説明いたします。
 28ページをごらんください。
 陳情の内容は、1、浦添市の第1種低層住居専用地域・地区計画地域を条例案で民泊制限地域とすること。2、地域制限が困難な場合、家主不在型民泊は制限することを求めるものであります。
 これに対する処理方針を申し上げます。
 沖縄県住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例案は、同条例案に対する浦添市の意見や県民意見を踏まえ、浦添市における第1種及び第2種低層住居専用地域については、事業の実施を制限する区域としております。また、家主不在型であっても、住宅宿泊事業法に基づき登録された住宅宿泊管理業者への委託義務等により、家主居住型と同様に事業の適正な運営が確保される仕組みとなっていることから、家主不在型であることのみをもって事業の実施に制限をかけることは適切ではないと考えております。
 次に、3、旅行者の違法駐車を制度的に対応できるようにすることを求めることに対する処理方針を申し上げます。
 住宅宿泊事業者は、届け出住宅の周辺地域の住民から事業の実施に伴う苦情及び問い合わせがあった場合には、適切かつ迅速に対応することが法律で義務づけられております。
 続きまして29ページをごらんください。
 陳情第19号住宅宿泊事業法における条例制定に関する陳情について御説明いたします。
 30ページをごらんください。
 陳情の内容は、1、住居専用地域での営業制限を行わないこと。2、180日以下の営業制限を設けないことを求めるものであります。
 これに対する処理方針を申し上げます。
 住宅宿泊事業法第18条の規定により、都道府県は住宅宿泊事業に起因する騒音の発生等による生活環境の悪化を防止するため必要があるときは、条例で定めるところにより、区域を定めて、住宅宿泊事業を実施する期間を制限することができることになっております。県は、市町村の意見や国のガイドライン等を踏まえ、住居専用地域において事業の実施を制限する条例案を作成したところであります。
 続きまして、31ページをごらんください。
 陳情第22号住宅宿泊事業法における条例制定に関する陳情についてでございます。
 32ページをごらんください。
 陳情の内容は、1、住居専用地域での営業制限を行わないこと。2、週末営業制限を解除することを求めるものでありますが、処理方針は陳情第19号と同じ内容ですので、説明は省略させていただきます。
 続きまして、33ページをごらんください。
 陳情第24号心の健康を守る取り組みを県政の重要施策の柱にすることを求める陳情について御説明いたします。
 陳情の内容は、心の健康を守る取り組みを県政の重要施策の柱にし、私宅監置された精神障害者の尊厳を回復する沖縄県宣言を出すことを求めるものであります。
 これに対する処理方針を申し上げます。
 現行の精神保健福祉法では、精神障害者に対し、医療、保健、福祉の面で支援が行われています。県としましては、引き続き、障害のある人もない人も暮らしやすい社会の実現に向け、施策を充実させるためにも関係者と連携して、精神保健福祉施策を推進していきたいと考えております。
 続きまして、34ページをごらんください。
 陳情第33号の2県条例による民泊の制限を行わないこと及び地域色豊かな観光開発を求める陳情についてでございます。
 35ページをごらんください。
 陳情の内容は、1、住宅宿泊事業法以上の規制は行わないこと。2、管理業者等の質と責任を高める指針を制定すること。3、取り締まりと罰則を強化し適正な環境を整備すること。4、国際観光立県としての役割を果たせる民泊と観光に関する条例を制定することを求めるものでありますが、処理方針は陳情第19号と同じ内容ですので、説明は省略させていただきます。
 以上で、保健医療部所管の請願及び陳情についての説明を終わります。
御審査のほど、よろしくお願いいたします。

〇狩俣信子委員長 保健医療部長の説明は終わりました。
 これより、請願及び各陳情に対する質疑を行います。
 質疑に当たっては、陳情等の番号を申し述べてから重複することがないよう簡潔にお願いいたします。
なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行うようお願いいたします。
 質疑はありませんか。
新垣新委員

○新垣新委員 民泊について質疑します。陳情第15号、陳情第19号、陳情第22号、陳情第33号の2で、それぞれ賛否両論、陳情の内容が分かれていることについて見解を求めます。

○砂川靖保健医療部長 住居専用地域で住宅宿泊事業を行うことについて、推進派と反対派が存在するということは、法制定以前から予想されていました。両者の間をとる形で、今回、営業日の制限180日と、さらに条例で区域を設けて制限をかけるという規定が盛り込まれたものと考えておりまして、県としては法令の趣旨を生かして、市町村の意見を踏まえて条例を制定したというところでございます。

○新垣新委員 第1種低層住宅専用地域における経済損失の数字ということについて理解していますか。けさも、ずっとこういった勉強会を現場とやってきているので、その問題を述べていただけますか。

○砂川靖保健医療部長 保健医療部としては、衛生面を所管する部署でございますので、この条例制定等についても―あるいは法令に基づく指導監督についても、そういう観点から事務をつかさどるということで、この経済的損失についての試算は行っておりません。

○新垣新委員 これはとても大事なことなのです。消費と生産、お金をもうけたら従業員にも配る。まずは地域の経済が回る。地産地消という形で地域は回っているのです。だから、実は、しっかりとしたサービス業がこれを行き渡らせているのです。地域は地域なりの問題が―浦添は反対という地域もあります。自分たちの地域は迷惑だと。そのような問題において、どうか、もし地域が認めるのであれば外れてもいいよと。保健医療部長、そういう形で緩く―恐らく、豊見城市も同じような傾向で来ると思います。地域は地域なりの考え方を持って、与根地区で一部やっているということも聞いています。電話でも確認をとっております。今、業界が騒いでいます。そこら辺の問題があって、県はこの民泊を生かしてくれという、陳情者の田中洋人さんと向き合ったことはありますか。

○砂川靖保健医療部長 ございません。

○新垣新委員 まずは窓口を大きくして、向き合うことが大事ですので、この方と向き合っていただけませんか。

○砂川靖保健医療部長 陳情者からお話があれば、別段、会うことを拒むものではございません。ただ、我々としましては、この経済的効果も大切でございますが、住宅の静養な環境を守るということも、一つの公益であると考えております。いかにして、この折り合いをつけるのかという観点から、条例を制定したということでございますので、この点もぜひ御理解いただきたいと思います。

○新垣新委員 これは地域性があります。糸満市では迷惑というものはありません。これについては調べてあります。夜中にどんちゃん騒ぎとか、ごみが荒らされたとか、レンタカーが置かれているとかいった被害や苦情はありません。そういうところを緩くして、外せるのであれば、外すという形―例えば豊見城市や南城市でもそろそろ出ているそうです。このような問題、知らなかったという業界だっているのです。だから私が沖縄県民泊観光協会の方と向き合ってくれと言うのは、そこなのです。ですから、今後このような形で、南部にはそこまで迷惑というまでの観光客はいません。朝も聞き取りしてきています。保健医療部長の答弁を求めます。

○砂川靖保健医療部長 先方から会いたいという要望があれば、拒むものではございません。

○新垣新委員 私が言っているのは、規制緩和です。制限から外れるということを聞いているのです。

○砂川靖保健医療部長 条例制定については、あくまでも市町村の意向を尊重してつくったものでございます。したがって市町村が外してほしいというような申し出を行ってきた場合には、適切に対応します。

○新垣新委員 それでは、先ほど旅館業法の免許をなくしてでも、こうやって緩くしてあげるという気持ちを―経済損失と言っている方々もいるものですから、180日を守ればいいでしょうと。そういったもろもろまで、法的なものまで、今後、来ますから。これを含めて緩くしてあげるものと理解していいですか。

○砂川靖保健医療部長 市町村が条例を制定することはできませんので、やはりその市町村―地域住民に一番身近に向き合っているのは市町村でございますから、市町村の意向が大切だと思います。市町村から正式にそういう申し出があれば、適切に対応いたします。

○新垣新委員 先ほどの話に戻りますが、沖縄県民泊観光協会の田中さんは会いたがっています。逆に保健医療部長から、この関係者に電話を入れてもらって、この方と私はつながっているのです。保健医療部長に会いたがっていますから、逆にいい形のものをつくりましょうと向き合うことが―保健医療部長から電話していただけませんか。会いたがっています。この役員の関係者と朝から会っていますから、だから私は言っているのです。いかがですか。

○砂川靖保健医療部長 一般論として、やはり田中さんから電話してきたほうがいいのかと思います。

○新垣新委員 ではそうさせるようにしますが、関係者に―でもまたこういった上から目線とかどうのこうのと出てきますから、本当は保健医療部長が、優しい愛の心を持って向き合いましょうということが大事です。
 次に、陳情第2号について質疑します。これは、全国知事会を通して要望しており、引き続き、国に求めていきますという形なのですが、この問題において、地域においてどのように換算していますか。特に沖縄県の医療機関です。今、こうやって消費税の適切な対応について、全国知事会を通してというのですが、沖縄県の捉え方というものは、もっと別の角度からあるのではないのかと思っているのです。安里さんという方が陳情を出すくらいなのですから。これをどう捉えていますか。

○砂川靖保健医療部長 この医療機関と消費税の話は、全国的に同じだと考えております。陳情者の安里さんは、医師会長でございますので、日本医師会の流れで陳情として上がってきているものと理解しております。 

○新垣新委員 これは国の動向を見きわめながらでないと、県も対応できないというのが正直な思いだと思いますので、この動向をぜひ注視していただくことをお願いします。
 次に、説明資料の26ページ、陳情第7号です。パブリックコメントという形で対応し、両立させる計画を策定することとありますが、これまで、パブリックコメントは何回行ったのですか。沖縄県医療計画の中で、今までやっていますか。

○諸見里真医療政策課長 パブリックコメントについては、ことしの1月末から2月にかけて、約1カ月間、県民からの意見をとっております。実際に、トータルで85件出てきております。

○新垣新委員 その意見について、どういった内容の意見がありますか。主なウエイトを占めるものを教えてください。

○諸見里真医療政策課長 やはり、医療従事者の確保についての意見が多くなっていました。特に、離島・僻地につきましては、医師・看護師等の確保に対する規定をしっかりと設けてほしいというものがございました。

○新垣新委員 この問題については、一般質問や代表質問でも問題になっているのですが、ぜひそういった担い手不足、医師不足、看護師や介護士不足という問題に関して、県としては年次計画で―専門学校とか、県独自の学校とかもありますね。医師を確保するための、いつから安心できますというものを出すべきではないかと思っているのですが、いかがですか。すぐに医師が育成できるわけはないですね。看護師や介護士もです。

○諸見里真医療政策課長 医療計画については、6年間の計画になっておりますので、この中で大きな方向性として、疾病とか事業などの成果、医療提供の6年後のあるべき姿というものを大きく―当然、医療従事者を含めてですが、そういうものを定めております。今、委員が質疑された医師の計画的な育成の方向性ということについては、別の担当になります。

○砂川靖保健医療部長 今、琉大病院に地域枠というものがございまして、その卒業生は、沖縄本島北部や離島に勤務しなければならない義務があるわけです。この卒業生が平成32年くらいから出てきます。平成40年の初めごろには、常時100名近くのそういう方々が出てくる。そのときには、量的にはカバーできる。ただし、問題は、診療科の偏在をどうするかということでございます。平成30年度は、この点に力を入れて、診療科を誘導するような施策というものをつくっていきたいと考えています。

○新垣新委員 医師については、よくわかりました。看護師や介護士の問題、どういう安心―今、平成32年から平成40年の初めには安心できるものと理解しましたので、看護師と介護士について、人材育成を含めて安心できるということはありますか。

○大城博保健医療総務課長 看護職員の確保につきましては、就学の支援、養成支援、就労支援、勤務環境の改善支援、看護の質の改善ということで、総合的に20の事業に取り組んでいるところでございます。このような取り組みもあって、平成28年末の看護職員数は2万65人になっておりまして、平成18年末の1万5117人から4948人増加しております。増加率については、沖縄県が32.7%になっておりまして、これは全国の23.8%よりも高くなっている状況です。ただ、やはり施設によっては、看護師の確保が難しいという状況も残されていますので、引き続き、施策を効果的に推進することによって、看護師の確保に努めていきたいと思います。

○新垣新委員 御承知のとおり、人が集まるところに看護師も集まってくるのです。一極集中のように。離島・僻地、ヤンバルとかで、人材が足りないと代表質問や一般質問で出ていますね。それをどう分配するのかという形で、その考え方として―正直に言って、看護師、介護士について、沖縄本島中部、北部、離島とかですね、そういったもろもろに、県立としてつくってあげたほうが楽じゃないのかと。一貫制、専門学校みたいな機関です。これは那覇にありますね。沖縄本島中部・北部のポイントに1つずつ設置して、離島・僻地にも置いてあげて、人材を育てるという考え方はどうですか。借金してでもメリットがあります。私は福祉、医療に関しては、借金してでもやるべきだと思っています。

○砂川靖保健医療部長 看護学校やその養成機関は、那覇だけではなくて、沖縄本島北部や中部にもございます。宮古や八重山はないのですが。毎年720名近く卒業生を出していますが、量的には足りている状況があるわけです。ただ、現場で採用したいと思っていても採用できないという、その辺のずれがあるわけです。今、沖縄県内に6000名くらいの潜在看護師がいると見ていますので、この人たちを復帰させることができないのか。そこに力を入れていって、この人たちは福祉施設などで勤務できると思いますので、そういうことを転換するような施策をつくっていかなければと考えています。

○新垣新委員 最も大事なのは処遇改善です。給与面です。そこら辺の問題もしっかりと、これは国を待ってからではないですよ。離島・僻地とか、そういったもろもろは、しっかりとした厚みのある考え方で、沖縄県がイニシアチブをとらないと、離島はかわいそうですよ。ぜひ注視して、諮問機関に投げていただけませんか。保健医療部長いかがですか。

○砂川靖保健医療部長 県立は、民間に比べて看護師の給与の処遇は格段にいいものと理解しております。今、なかなか急性期に集まりにくいのは、7対1看護体制が相当広まったことで、厚生労働省の予想以上にその病床がふえてしまったわけです。今後は、その縛りがきつくなると考えておりますので、7対1看護体制が認定されなかった場合、看護師が余剰になります。こういった方々を、県立できちんと受け皿として、受け入れる病院があれば、宮古や八重山についても、今よりはよくなるのではないかという考えです。

○新垣新委員 介護士の状況はどうなっていますか。

○砂川靖保健医療部長 介護については、保健医療部の所管ではありません。子ども生活福祉部です。

○新垣新委員 わかりました。ぜひ、頑張って取り組んでいただきたいとエールを送ります。
 医者のめどについては、わかりましたが、看護師は、何年くらいになったら改善できますか。何年をめどに―大体見えますよね。潜在看護師も6000名くらいいるとおっしゃいましたし、何年くらいをめどにして、県民は安心できますか。これは1番大事なポイントです。目標を持たないと。

○砂川靖保健医療部長 今、看護師不足で相当影響が出ているわけではなくて、県立宮古病院・八重山病院・北部病院で足りていないという状況があるわけです。これについては、給料など処遇面での問題はないと思うのですが、いかに採用して、これをはめていくのかということになると思います。したがって、学校や卒業生が足りない云々ではないと思います。

○新垣新委員 ぜひ、看護師、介護士を充当する努力を―医療計画も早く進めていただいて、県民を安心させていただくことを強く要望します。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 照屋守之委員。

○照屋守之委員 民泊の条例に関する陳情で、これは慎重にやったほうがいいというものと、そうではないという両方の意見があったわけです。少し確認したいのですが、民泊新法ができて、今の旅館やホテルという従来のものと別のものができて、民泊ができるようになった。これまでは違法行為であるということでしたが、これを取り締まる法律がないので、新しい法律によって民泊について対応できるようにやっているわけですね。そこで、住宅などで、県民や国民に不利益をこうむるということがあって、条例をつくるということですね。これで制限していくということですね。これまで、ホテル関係では違法ということでありながらも、民泊は行われているわけです。だから、この新しい法律によって、今、民泊事業が認められるという話になるわけでしょう。そうすると、これまでやってきた側は、新法にのっとってできるようになるわけだから、本来であれば、この旅館業法に違法行為ということはあっても、民泊ということでやっているから、ほかの人たちがみなし的にやってきて、この法律のもとに民泊ができるということで、私は理解しているのです。それで、これに対して、住宅とか別のもので規制をかけるということについて、少しまだ納得できていないのです。今までやっているものについては、本来できるのではないのですか。

○砂川靖保健医療部長 法律が施行されたときに、今までやった人が、これをみなされて、住宅宿泊事業ができるようになるわけではございません。あくまでも、そういう事業をやるための法的効果を発生させるためには、届け出をして受理される必要があると。届け出をして初めてできるという状況でございます。

○照屋守之委員 どういう決まり事もそうですが、決まり事がなくて仕事をする。それで、いろいろ影響が出てくると、これを取り締まる法律ができますね。法律ができると、それにのっとってやらないといけないが、だからといって、これまでやってきた人たちが、それによってできなくなるということはあり得ないのではないですか。ここの部分も生かしてきたのではないのですか。それを、新しい法律ができたから、これはだめだということにはなっていないでしょう。だって、既成事実ができ上がっていて、その後から決まり事ができ上がる。そうなると、ここはできない、ここはできるというのでは、実際そこでやってきた人たちがいるわけだから。この人たちの権利というか、そういうものが当然出てくるのではないですか。

○砂川靖保健医療部長 これは、現在、許可をとらないでやっていたというのは違法行為をしていたわけですから、この違法行為で受けた利益が保護されることはないと考えます。あくまでも、365日営業したいのであれば旅館業法の許可をとってやっていただくと。180日の営業でいくということであれば、届け出をして、住宅宿泊事業でやっていただくということでございます。我々は、住居専用地域や学校周辺で180日を下回る制限をかけますが、事業ができなくなるというわけではございません。その辺は御理解いただききたいと思います。

○照屋守之委員 そうではなくて、違法行為と言いますが、旅館業法では適応できないが、民泊については、そこはある一定期間、世の中が認めてきたわけです。認めてきておいて、これは制限ができないから、新しく法律をつくって、民泊新法のもとにこれが営業ができるという仕組みになったわけですよね。この旅館業法では違法だが、だからといって、ここの分がそこで取り締まって、全てをなくすということではなくて、逆に、民泊新法というものをつくって、これをやってきたことを認めて、営業ができるようになったわけでしょう。そうすると、これまでやってきた人たちは、ここでは違法であったものが、既成事実として営業をやってきたという実績はあるから、そこを全部なくすというのは―条例の趣旨から見てもおかしいのではないかと思っています。これはおかしくないですか。

○砂川靖保健医療部長 あくまでも、6月15日以降に住宅宿泊事業法が施行されて、そういう届け出―住宅宿泊事業という事業ができるようになるということでございまして、このことをもって、これまでやってきた違法行為が治癒されるというわけではございません。

○照屋守之委員 違法行為といったって、この民泊新法においては違法行為ではないのに。まだ法律もできていないし、だから法律ができたら、これがきちんと法律のもとでやるという。これは法律の―民泊そのもの自体の本音と言うか、法の趣旨から見ても、このような形で、それぞれの地域でそこに規制をかけるというのはおかしな話ではないのかと思います。6月に新しくスタートしていく分について、規制できるのは、当然の話ですね。でもこれまでやってきた部分についても、こういうことだから、皆さん方はだめですと言うことは、果たしてできるのですか。

○砂川靖保健医療部長 現時点では、住宅宿泊事業法は施行されていないわけです。ですから、6月14日までは、相変わらず旅館業法の世界で動かないといけないわけです。そうすると、旅館業法の許可をとっていないと違法行為になります。6月15日以降の民泊については、住宅宿泊事業が施行されても、これがさかのぼって適法になるということにはならないのです。あくまでも、施行されて以降に、この事業をしたいのであれば、届け出をして、それが受理されて、初めて法律効果が発生するということでございます。

○照屋守之委員 旅館業法のもとで、今、保健医療部長は説明するからおかしな話で、そうではない部分が世の中で起こっていて、全く別の仕組みで民泊という商売が出てきたと。これはこの法律には合いませんと。でも、ここを取り締まる―これを全部一掃するくらいの法的な根拠はまだないわけでしょう。根拠がないから、ここの部分を認めざるを得ないことによって、新たな法律ができて―あれとこれは別なのですね。だから、ここに沿った形で法律ができて、この人たちが全国的にそういうものがあって、そこも無視できないから、民泊新法をつくって、それでやるというものなのに、なぜ、ここに来て、そういう形をつくった人たちが―それは、それぞれの都道府県によってできないのはいいのですが、ただ、既成事実をつくっていて、その人たちの権利そのものが、新しい法律や新しい条例で阻害をされるものとは思えません。

○砂川靖保健医療部長 新しい法律が施行されるまでは、世の中には旅館業法しかないわけです。どうしても、そういう宿泊事業を行うのであれば、許可をとる必要があるということです。仮に、違法で既成事実があったとしても、それは保護される利益ではないということであります。あくまでも、6月15日以降に、こういう事業をするのであれば届け出しなければならない。それ以前の事実行為というのは、決して違法性が治癒されるものではないということです。

○照屋守之委員 そこは保健医療部長の考えです。私はこの民泊の法律の趣旨、この法律ができた経緯も含めて、どうしても、この分で違法行為であっても、民泊事業はこれだけ全国に広がってきたと。やはりきちんと法的な整備をしてやっていかないと、これは旅館やホテルにおいても大変なことだと。そういうものも無視できないから、新しい法律としてでき上がっているわけだから、その根本にある部分の方々の―「いや、まったく別で、あなたたちは全部だめだよ」という形で規制をかけるというのはどうかと思うのです.これは堂々めぐりだから、きちんと民泊新法の法律がどういう経緯でできたのかについて調べますが、まだ納得がいかないのです。既に民泊を行っている方は、幾ら違法行為であってもその権利があるという捉え方を私はしているのです。だから、今、そこを全部、蹴飛ばすのかということを懸念しています。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 陳情平成29年第126号の2からお尋ねします。
 伊江村からの陳情です。記の事項2ですが、医療従事者確保対策の一環として、職員宿舎を整備すること等の記載があるのですが、具体的に伊江村から医師もそうであるし―要旨の中で、人工透析の職員も村外から来ているということで、老朽化している職員宿舎の改築を求めているのかと思うのですが、具体的にその話し合いというものはあったのでしょうか。

○諸見里真医療政策課長 伊江村というか、事業として、ハード交付金で支援するメニューがございます。それを毎年1月から3月にかけて各市町村や医療機関に照会をかけます。その中で、昨年に伊江村ともう一つ離島の市町村から電話があって、そのうち1つは断念して、伊江村は平成31年度に工事をしたいと当時はおっしゃっていました。それ以降は、今まで特に問い合わせ等はございません。

○西銘純恵委員 話されたのは、去年、2017年。この陳情が出される前後どうなっていたのですか。

○諸見里真医療政策課長 こちらが照会したのは、平成29年の1月から3月にかけてです。陳情を出される以前に、我々は照会をしており、伊江村からは平成31年に―今、伊江村は平成7年と平成8年につくった宿舎があって、たしか、医師と臨床工学士が入っています。ですから、老朽化というよりは、少し県外から来られている医療従事者が、たしか14人ぐらいいらっしゃって、そのうち半分くらいが、村外からの医療従事者ですので、その辺で、現在は借り上げとかいう形で対応しているようです。恐らく、しっかりとした宿舎を確保したいので、宿舎をつくりたいと。それが平成30年度ではなくて、平成31年度あたりで考えたいというお話でした。

○西銘純恵委員 それは宿舎を建設したいという当事者である伊江村の財政計画になってくると思うのです。県とすれば、平成31年度に工事をしたいということであれば、新年度に何らかの形で話を進めること。向こうから来るのであれば、設計とか交付金の申請ということも含めて、これから具体的に進むこともあるということ、準備されているということで捉えてよろしいのですか。

○砂川靖保健医療部長 当然、伊江村から事業化したいという要望があれば、こちらとしてもその方向で対応するということになります。

○西銘純恵委員 これについては、その方向で進めてほしいと思います。
 陳情第15号の民泊に関してですが、先ほどの条例議案の審査の中で、少し不十分だったのは、旅館業法において、衛生基準などが緩和されると。この民泊についてはどうなっているのでしょうか。宿泊施設の、宿泊者の環境というものに衛生的な規制はあるのですか。それともないのですか。

○砂川靖保健医療部長 住宅宿泊事業法でいう住宅というのは、人が住めるような住宅を指しているわけです。それに適合すれば、旅館業法でいう基準はないということです。

○西銘純恵委員 毎日清掃するというものが、定期的になったというところでもファジーになって大変だと。指針で対応していくという答弁がありましたが、民泊に宿泊するというときには―特に、清掃とか何とかは一切なしということで理解してよろしいですか。それでは、やらなくてもいいということではないのですか。

○玉城宏幸衛生薬務課長 住宅宿泊事業法第5条で、宿泊者の衛生の確保ということで、定期的な清掃その他の宿泊者の衛生の確保を図るために必要な措置があって、省令で定めるものを講じなければならないという規定がございます。

○西銘純恵委員 省令の中身についてわかりますか。定期的なものというのに、日数とか入っていますか。結局、旅館業法が住宅宿泊事業法に右へ倣えさせられたのではないかと思うのですが、いかがですか。

○玉城宏幸衛生薬務課長 住宅宿泊事業法の施行規則では、1つ目に、居室の床面積は宿泊者1人当たり3.3平方メートル以上を確保すること。2つ目に、定期的な清掃及び換気を行うこととなっております。

○西銘純恵委員 やはり指摘しているとおりだと思います。次は、記の3についてですが、先ほど、住環境が悪化するという懸念に対して適切かつ迅速に対応することが法律で義務づけられており、それを監督するのは沖縄県だと言われたのです。その際に、事後的では困るということを、先ほど言ったのですが、誰に対応させるのかといったら、それは管理業者だけですか。そしてほかにも業者があったかと思うのですが、この管理をするところを具体的に説明していただきたい。また、6月15日の法律の施行に向けて、県内でどれだけの業者が、そういう管理業者として入ろうとしているのかという状況はわかりますか。

○玉城宏幸衛生薬務課長 住宅宿泊管理業者については、国土交通大臣の登録が必要になります。したがって国の業務ということになっております。システム的には、事業者、管理業者、仲介業者が、このシステムの中に入ってきますので、それは確認はできるかと思いますが、県としては今のところ確認してません。

○西銘純恵委員 国土交通大臣に対して登録するといったら、国との関係であれば、沖縄県内の普通の不動産などの皆さんが登録をする形になるのか。それとも、本土の大手企業が参入するようなことになってくるのではないかと思うのですが、そこら辺についてはどのように考えていますか。

○玉城宏幸衛生薬務課長 管理業者については、実際の状況を見てみないとわからないです。

○西銘純恵委員 県が指導するときに、この業者が目に見える形でないと困るわけです。全県でそういう事業を営むものがいるということになれば、県はそれだけの職員を配置するのかということまで問われると思うのです。だから、管理業者に対しては、事前に参入するとか何とかということであれば、そういう住民とのトラブルが起こらないよう、懸念されることについては、それが起こらないように周知していくことも必要だと思うのです。そういうことは、今、一切なされていないということで理解していいですか。

○玉城宏幸衛生薬務課長 現在、どの業者が入ってくるのか全くわからないので、その辺については、まだ周知していないです。

○西銘純恵委員 みんなが混乱しているのは、違法民泊が多いことだと思うのです。実際は、旅館業法の届け出をしないでやっていると。これについて、県で調査したことはありますか。

○玉城宏幸衛生薬務課長 平成28年の7月から8月にかけて、市町村等の民泊受け入れ団体等―観光協会と民泊受け入れ機関を対象として、アンケート調査を行っております。その調査の結果、観光協会等に登録されている民泊の民家数が1196件であるに対し、許可を取得しているのが790件で、率にして66%という形でありました。また、インターネットを介した民泊サービスに関する調査ということで、エアビーアンドビーという仲介業者がいて、そこの沖縄県内における登録者についての調査を、平成28年の10月から平成29年の1月に実施しました。その結果、県内において、この業者に民泊として登録されている数が1040件でありまして、そのうちの55%が所在を確認できる業者でした。そのうちで、旅館業法の許可をとっていたのが45%です。ですから、1040件の全体数から見ると、ほぼ25%、4分の1の業者が許可を得ていたということになります。

○西銘純恵委員 今、県がやることは、違法民泊に対する何らかの指導。そして事業者に対して、違法なことはやめなさいと言うことを先にやるべきだと思うのです。これについてはどうですか。

○砂川靖保健医療部長 それはもちろんやっています。それによって、営業をやめた業者もいます。住民から苦情があった場合、保健所はきちんと対応しています。

○西銘純恵委員 違法業者は600件余りくらいでしょう。数字を聞いただけでも600件になりますね。それが、営業を廃止したところもあると言われたのですが、その件数を―所在とかそういうのもきちんと掌握されて、どこに残っていて、それについてどうするのかという具体的なものはあるのですか。

○玉城宏幸衛生薬務課長 違法民泊については、その実態を把握するのが非常に難しいということがあります。ここで違法民泊をやっているというような、地域住民からの情報があったときに発覚することが多いのです。ですから、そういった苦情が保健所等にあった場合に、保健所が行って、その業者を指導するという形になります。ただし、違法民泊は、ネット上に登録して、所在地をわからないようにしているところがほとんどなのです。ですから、なかなか、その実態を把握するのは難しいということがあります。したがって、現在、苦情などで判明したものについて対応をしていくしかないという状況があるということです。

○西銘純恵委員 インターネットの関係は、ある意味では、行政的に違法行為をインターネットを使ってということであれば、やはり刑事的な取り締まりも含めて、何らかの対応策をとらない限り、もう手がつけられないということになりかねない。それに対する手だてをとらないといけないと思うのですが、いかがですか。

○砂川靖保健医療部長 住宅宿泊事業法が施行されることよって、この管理業者も出てきます。仲介業者もきちんと登録しなければいけないと。それをやらずに営業をすれば、これは違法になります。それと、一番大きいことは、わかりやすいところに標識を表示しなければいけなくなります。そこには、登録番号も記載されてますし、問題があったときの連絡先となる管理業者も記載されますので、そういうことによって今の違法状態は一定程度解消されるものと思っています。標識もないところに人が出入りしているというのは、明らかに違法ですので、見つけやすくなるし、通報しやすくなるものと考えています。

○西銘純恵委員 今の指摘に対する答弁は、新法の施行後に見えてくるということです。ただし、観光協会が調査した400件くらいについては、観光協会という身近なところでやっているものです。そういうところを、先に手をつけることは、実際にできたのではないかと思うのです。そこら辺について、県としても何らかの対策をとってくれと。それをやったことはあるのですか。

○砂川靖保健医療部長 これは、私がこの職に来る以前にも、再三にわたって旅館業の許可を取得しなさいと、農林水産部長などと連名で通知しております。それによって、教育民泊の盛んなところ―例えば、伊江島、伊平屋、伊是名などは、100%その許可を取得しております。

○西銘純恵委員 小さな自治体とかは、その地域で目に見えるものに対して、取り締まりとかの対策がすぐとれると思います。今、3カ所くらいしか出なかったのですが、これについてもっと積極的に配慮していくということを―そうでないと、新法との関係でも、もっと混乱するのではないかと思います。それと、管理業者が地域住民とのトラブルの解決に向けた迅速な手だてについても、管理業者の関係でとても大きくなるのではないかと思っています。皆さんまた忙しい仕事が出るのかと思います。ぜひ頑張っていただきたいと思います。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 亀濱玲子委員。

○亀濱玲子委員 新規の陳情第7号から質疑します。
 医療の充実について、第7次沖縄県医療計画に反映させていけたらということなのですが、これに対するパブリックコメントが85件あって、その中でも医療従事者の確保―例えば、離島や僻地の充実を求める声が多かったということなのです。この第7次計画について、私はまだその案をしっかりと見ていないのですが、その中では、地域医療構想と一体となって進めると書いてありますが、現状は、地域医療構想の中では、地域のベッド数がかなり削減されるところがあって―特に、宮古地域は約48床削減される。沖縄本島北部地域や八重山地域も削減されるというような流れにあって、ここで書かれている、住みなれた地域で生活が継続できるように、切れ目ない医療提供体制をとっていくということとつながるのかと思っています。ここら辺を県はどのように考えていらっしゃいますか。

○砂川靖保健医療部長 地域医療構想は、医療計画の中の一つの章になっています。そこで、必要病床数と記載していますが、これは2025年に必要と見込まれる病床数を理論的に算出した数字であって、削減計画ではございません。あくまでも、医療計画の基準病床にのっとって、病床の規制は行いますので、実際には病床稼働率というものがあるわけですが、そういうところも即削減というわけではなくて、地域医療対策会議の中において、病床機能をどう展開していくかという話し合いをしながら、各病院の役割等を決めていって、病床が過剰になっているのであれば、それを見直していくというような方策をとります。したがって、宮古地域、八重山地域、沖縄本島北部地域とかで、病床が足りなくなって入院できないということが起こることはないものと考えています。

○亀濱玲子委員 これについては、実は昨年から宮古地域では、いずれそうなるという認識が医療従事者にあって、きちんと声を上げていかないと。本当に、削減―特に宮古が約48床の減となっていて一番大きいのです。このように削減されていったら、本当にどうやって医療を守っていくのかという声も出ました。それが、あくまでも必要と想定される比較表として示しているということであれば、それが医療の低下につながらないと。そのときの状況をきちんと把握して、医療提供の低下につながらないということで認識してよいですか。

○砂川靖保健医療部長 そうでございます。ただし、今、病院に入院している方の中には、医療を必要としていない方も入院しているわけです。そういう方も入院している。個々のアンケートを見てみると、自分の終末は自宅で迎えたいという方もいらっしゃるわけです。ですから、今後は在宅医療も重要なポイントを占めてくると思います。そういうことも見ながら、必要病床というものを考えていく必要があると思います。全ての方が、病院に入院して亡くなるわけではございません。実際に、統計上も自宅で亡くなりたいという方が多いという実情でございますので、在宅にも力を入れた上で、病床数というものは考えていく必要があるだろうということでございます。

○亀濱玲子委員 この陳情書の趣旨もそうだと思うのですが―保健医療部長の答弁に反論をするつもりはなかったのですが、確認したいと思います。私はそのことを聞いているのではなく、トータルとして患者が住んでいる地域の状況にかかわらず、患者本位の医療が受けられるのか。これを保障できるのかということを、今問うているわけです。いやいや必要ではない人が、急性期医療の病院に入院しているのですというような捉え方をされると。救急、災害、周産期、がんもです。また、離島・僻地もです。県立として、地域の医療を担わなければいけない役割というものをきちんと補うために、充実させてほしいという。将来を見据えた医療体制を提供してほしいというのが、この陳情者の意思で、それに基づいて質疑しているわけですから。今の保健医療部長の答弁は、少し腑に落ちないものがあるので、その共通認識でいいのかということを確認させてください。

○砂川靖保健医療部長 究極の目的というのは、地域包括ケアシステムを構築するということでございます。県民が自分の住みなれた地域で、医療の提供を受けて、介護などにもつなげていくシステムを構築するという、その仕組みづくりということでございます。

○亀濱玲子委員 継続の陳情平成29年第148号について質疑します。
 これは、陳情の内容が1、2になっています。2については、平成29年4月から、既に県が始めている事業ですので、これについてはありがたいと思っています。ただし、これは市町村が助成を行っているということを前提とした事業なので、例えば、県が独自の工夫というものはできないでしょうか。実施している市町村の有無にかかわらず、県が独自でこれに補助をすると。全ての39の島々において18市町村ありますが、そこから求められたらそれを実施する―もちろん市町村としてやっているところもあるわけですが、その手をつけていないところは恩恵が受けられないわけです。それについての工夫について、どのように考えていらっしゃいますか。

○砂川靖保健医療部長 このような制度については、やはり地方自治法の趣旨を理解して考えるべきだと思います。住民に身近な行政というものは、市町村が一義的に行う必要があり、広域的な立場にある県は、それを側面から支援するというのが事業のスキームとしても妥当ではないかと考えます。

○亀濱玲子委員 それはもちろん重々わかっています。ただし、住民から、自分のところは受けられていないという声を聞くにつけ、それでは、先んじて県が動けないのかと思ったので質疑したのですが、少し無理なのかもしれません。
 それと、この市町村が借り上げるウィークリーマンションというように書いてありますが、これについての何らかの動きはありますか。

○諸見里真医療政策課長 2月5日に各市町村から説明会に来ていただいて、意見交換を行いました。その後、公文書で、離島患者のがん、患者の付き添い要件の緩和、ウィークリーマンション―民間アパートも含めてですが、そういう借り上げについて、今後検討しますかなど、幾つかのアンケートを実施しました。現在、その集計中でございますが、1村で検討したいというところがございます。付き添いについても、その要件を緩和してほしいということが、多く出てきております。我々としては、平成29年度にできた事業ですので、この事業をしっかりと定着させて拡大していきたいと。まずは、そこを優先的にやった上で、今、要望がある県独自ということもあるのでしょうが、まずは現状をしっかりと固めていきたいというのが、今の考え方です。

○亀濱玲子委員 この事業は、本当に勇気をもらえるというか、島々に住んでいる患者にとって大変ありがたい事業なのです。これを充実させて、さらに、いろんな課題について検討していただければと思います。
 次に、新規の陳情第24号について質疑します。
 この陳情者の思いと処理方針が少しずれているかと思うので、幾つか確認をさせてください。県は、これまで沖縄県内に存在していた、いわゆる私宅監置の実態というものについて、どれくらい把握されていますか。この陳情者は、そういったことが残り続けたことで、世代間の連鎖も折り重なって被害があるのだということを主張されています。このため、沖縄県独自の施策が必要であるという陳情なので、沖縄県にそういう被害の実態というものがあったのか。また、県はそれを把握されているのかを教えてください。

○山川宗貞地域保健課長 私宅監置があったというのは事実でございますが、県として、どれくらいあったのかというのは把握し切れていません。ただし、保健所を通じて、実際に私宅監置をしている人たちの家を伺って、入院させるということをやっているということがありますので、私宅監置があったことは事実なのですが―それを解いて、できれば入院して治療に当たってもらうということをやってきております。

○亀濱玲子委員 現在もあるということで捉えていいのですか。

○山川宗貞地域保健課長 もちろん現在はないものと認識しております。基本的には、通報や相談に応じて、任意で入院するのが一番なのですが、必要に応じて、自傷他害のおそれがある場合には措置入院ということもあります。

○亀濱玲子委員 県では、こういったことをしっかりと調査して、そのデータを持っていらっしゃるのですか。

○糸数公保健衛生統括監 いろいろな資料を見てみると、私宅監置は日本の精神病者看護法に基づいて1900年から行われておりました。戦前の沖縄でも、昭和16年ごろのデータでは、115人が私宅監置されていたという記載があります。戦前は日本や沖縄でも、ずっとそういう私宅監置が法律にのっとった形で行われていたとなっています。1950年に本土では精神衛生法ができて、私宅監置という文言が法律で廃止されました。沖縄も同様の法律ができたのですが、これが10年後の1960年ということで、法律が施行されるのが10年ほど遅かったというようなものがあります。また、当時の県内の医療状況を見ると、ベッド数が少ないということもあって、沖縄県の精神衛生法には、私宅監置にかわって保護拘束という名称に変わりました。これは、一応2カ月以内とするのですが、更新についても当分の間は認めるということで、実際は復帰直前くらいまで私宅監置が残っていました。そこに、管轄する保健所の保健師たちが訪問して病院につなげたりする活動を行っていたという記載があります。これが何件だったのかという細かいデータについては、まだ調べ切れていないのですが、実際に行われていたという記載はあります。

○亀濱玲子委員 陳情者の思いというのは、精神障害者の尊厳を回復したいということなのです。沖縄宣言をする、しない以前に、県がどれほど、この事実を把握、整理をして、その対策が必要なのかどうか。今、精神保健福祉施策を推進していくことを考えているということが処理方針となっていますが、これについて、いわゆる私宅監置について、特段、何か取り組まなければけないことについて、どのように考えていらっしゃるのか確認させてください。

○山川宗貞地域保健課長 県の方針としましては、現在の法律にのっとって、実際に、これを必要とする方たちを医療につなげたり、場合によっては相談しやすいように保健部門の協力を強めていくということもあります。もちろん市町村と一緒になって社会復帰や社会参加―できれば入院する必要のない人たちは家で過ごしてもらうということが大事です。そういうことをやっていきたいと考えております。

○亀濱玲子委員 今、必要な方への対応というものと、相談を受けていくということをおっしゃったので、ぜひ相談体制について、丁寧にしていただきたいと思います。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 平良昭一委員。

○平良昭一委員 陳情処理方針の27、29、31、34ページ。住宅宿泊事業の実施を制限することに関する陳情について質疑します。
 これについて、賛否両論があるのは理解しておりますが、今年の6月15日の施行でありますので、果たして県民の皆さまがそれを理解しているかということが課題になってくると思うのです。そういう面では、法律の施行に関しての啓蒙活動についてどう考えているのですか。

○玉城宏幸衛生薬務課長 去年の6月にこの法律ができた後、9月に市町村に対して意向調査等をやっていますし、11月には市町村の担当者を集めまして、この法律に関する説明会をやっております。ただ、住民に関しては、まだ説明はしていないのですが、パブリックコメントは条例案ができたときにはとっています。周知に関してはこれからだと考えています。

○平良昭一委員 この民泊新法ができたことによって、いろいろ制限される地域も出てくるということは理解できます。逆に、新しい法律ができたわけですから、従来の旅館業法をしっかりさせる相乗効果というものが期待できると思うのです。そういう面では、従来の旅館業法での運営や経営というものについても、視点を変えながら県が啓蒙していくことが重要になってくると思うのです。その辺を含めて、どうしても啓蒙活動にかなり力を入れていかないといけないと思います。県は、各市町村の意見等は掌握していると思うのですが、果たして県民がそれを理解しながらやっているかということについては、少し疑問があるものですから。その辺の戦略的な問題に少し不透明な部分があります。その辺をどうクリアしていくのかということが気になるのですが、いかがでしょうか。

○砂川靖保健医療部長 この法律が公布されて施行されるまで1年間あって、この間、新聞報道等でも流れており、NHKでも報道されておりましたので、一定程度、認知度は高まっているかと思っております。特に、我々が予算化して広報活動するような予定はございませんが、県の広報板等もありますので、その場所を使うことができるかどうか、やる必要があるのかどうかということについては検討させていただきたいと思います。

○平良昭一委員 いい、悪いという賛否両論があるわけですから、施行までしばらくはこういう状況が続く可能性があるのです。そうであれば、手を打たなければいけないと思うのです。今、保健医療部長の答弁では、県での広報板等を利用しながらということでありますが、わかりやすく、新法ができたのだということを踏まえながら、従来の旅館業法による民泊も、大いに視野に入れていただくためにも、かなり重要性、必要性が出てくると思います。その辺の努力をしていただきたいと思っています。
 それと、継続の陳情で、同じ民泊の関係で、陳情処理方針の4ページと5ページですが、これについて、今回の民泊新法とのかかわりは全くないのですか。

○玉城宏幸衛生薬務課長 4ページにつきましては、旅館業法に係る部分ですので、民泊新法とは関係ございません。
 5ページにつきましては、条例制定について検討していきたいという処理方針になっておりますので、そこら辺は関係しますが、特に問題はないと思います。

○平良昭一委員 処理方針については、別に新法ができても全く変わらないという理解でよろしいですか。

○砂川靖保健医療部長 率直に申し上げて、5ページの第79号については、処理方針を変更すべきだと考えています。

○平良昭一委員 そうれあれば、これは早速やっていただきたいと思います。
 次に、22ページです。伊江村から出ている陳情ですが、村立診療所を運営している状況でありますが、実は1月31日付で、歯科医師が村内から引き上げたらしいのです。どうしても伊江村は歯科医師が必要だという認識で奔走しているようです。新年度の予算の中でも、医師確保に要する費用・経費とか、沖縄本島北部及び離島地域の歯科衛生士の確保事業などもありますので、そういう観点から、県が支援をできるような形として何かありますか。

○阿部義則保健医療部参事 歯科医師の確保については、なかなか例がございません、ただ医師確保の事業の中に、ドクターバンク事業というものを行っております。その中で、歯科医師の登録等―件数は少ないのですが、過去にも歯科医師の紹介をやっていただいた事例はあるようです。ですから、そういうシステムを使って、全国から歯科医師の方を募集するという仕組みになっております。

○平良昭一委員 伊江村から、その関係で県と連携をとりたいという話はありましたか。それとも全くありませんか。

○大城博保健医療総務課長 歯科医師の確保についての相談は、これまでなかったと思います。

○平良昭一委員 県において、今、伊江村の歯科部門が開業なされていないということについて把握していましたか。1月31日以後で。

○大城博保健医療総務課長 その件についての情報は、入手しておりませんでした。

○平良昭一委員 そうであれば、今後、そういう展開が出てくるはずです。ぜひ力になってあげてほしいと思います。

〇狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

〇狩俣信子委員長 質疑なしと認めます。
 以上で、保健医療部関係の陳情に対する質疑を終結いたします。
 説明員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 休憩いたします。

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 次回は、3月22日木曜日、午前10時から委員会を開きます。
 委員の皆さん、大変お疲れさまでした。
 本日の委員会はこれにて散会いたします。






沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。

   委 員 長  狩 俣 信 子