委員会記録・調査報告等

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文教厚生委員会記録
 
令和4年 第 1定例会閉会中

1
 



開会の日時

年月日令和4年4月19日 曜日
開会午前 10 時 5
散会午後 3 時 22

場所


第4委員会室


議題


1 参考人からの意見聴取について(陳情第48号子供の最善の利益を求める陳情について)
2 参考人からの意見聴取について(陳情第33号子供の福祉にかなわない強硬な家庭復帰をなくすことに関する陳情について)


出席委員


委 員 長  末 松 文 信 君
副委員長  石 原 朝 子 さん
委  員  新 垣 淑 豊 君
委  員  比 嘉 京 子 さん
委  員  瀬 長 美佐雄 君
委  員  玉 城 ノブ子 さん
委  員  翁 長 雄 治 君
委  員  喜友名 智 子 さん
委  員  上 原   章 君


欠席委員

小 渡 良太郎 君
照 屋 大 河 君


説明のため出席した者の職・氏名


(陳情第48号について)
(参考人)
 こどもの育ちを守る会代表  伊 佐 真 和 君
 こどもの育ちを守る会    上 岡 賢太郎 君
 こどもの育ちを守る会    村 吉 政 史 君

(陳情第33号について)
(参考人)
 子どもの権利を大切にする里親有志の会代表 加 藤 久 美 さん



○末松文信委員長 ただいまから、文教厚生委員会を開会いたします。
 陳情第33号及び陳情第48号に係る参考人からの意見聴取についてを議題といたします。
 なお、ただいまの議題につきましては、去る3月23日に開催された本委員会での決定に基づき、陳情第33号及び陳情第48号の審査の参考とするため、陳情者をそれぞれ参考人として招致し、説明を求めるものであります。
 本日は、参考人として、陳情第33号については、子どもの権利を大切にする里親有志の会代表の加藤久美氏、陳情第48号については、こどもの育ちを守る会代表の伊佐真和氏、同会の上岡賢太郎氏、同じく村吉政史氏の出席をお願いしております。
 まず初めに、陳情第48号に係る参考人からの意見聴取を行います。
 参考人及び補助者におかれましては、本日は御多忙のところ御出席いただきまして誠にありがとうございます。
 参考人から説明を求める前に、委員会の審査の進め方について御説明申し上げます。
 まず、参考人から御説明をいただいた後、委員から参考人に対し質疑を行うことにしております。
 なお、参考人が発言しようとするときは、あらかじめ委員長の許可を得なければならず、発言は陳情の趣旨の範囲内で行うこととなっております。
 また、本日は委員会が参考人の説明を聞く場でありますので、参考人が委員に対して質疑することはできませんので、御承知おきください。
 それでは、陳情第48号子供の最善の利益を求める陳情について、参考人であるこどもの育ちを守る会代表の伊佐真和氏から提出に至る背景及び目的等について、簡潔に御説明をお願いいたします。
伊佐真和参考人。
  
○伊佐真和参考人 私はこどもの育ちを守る会代表の伊佐と申します。
 今回はこのような貴重な場を設けていただき、感謝いたします。ありがとうございます。
 私たちはですね、今回問題になっている里親、小橋川夫妻の小橋川学と幼い頃からの友人です。今でも家族ぐるみで付き合っています。
 私は今回の案件について、昨年の4月頃から、小橋川から心が落ち着かない、イライラしているから話を聞いてくれということで、私の事務所に訪ねてきて児相とのやり取りを事細かく話してくれました。聞かされた児相との内容、やり取りに私は当初、大変驚きを受けました。児相というのは子供のことを第一に考え、守る機関じゃないのと疑問でいっぱいになりました。
 それから、そうこうしているうちに今年の1月4日にあの映像でも見た公的機関による合法的な人さらいが起きました。実はその際、私もその場にいまして、16時30分頃、白いワンボックスカーで来て男性4名、女性2名、計6名の大人がたった5歳の女の子1人をですよ、1人を、信じられない光景でした。幸せな家庭生活を過ごしていたにもかかわらず、有無も言わさず強引に引き離し、一体あの子が何をしたからこのような目に遭わないといけないのか。あれはどう見ても人さらいです。一時保護という名の拉致をしているんです。
 その後、私はすぐに署名サイトを立ち上げユーチューブで動画を配信し、この非道な真実を多くの人に伝えないといけないと思い、1月8日から活動しました。その一月後に、約6万3000人余りの署名を2月8日に夫妻から直接、玉城知事に手渡しました。メディアなどでも取り上げられました。
あれからもう3か月以上です。これだけの人、大人が関わっているのになぜ救うことができないのでしょうか。また、沖縄県の目標で誰一人取り残さない優しい社会を目指す、これはうそですか。この子はもう今日で106日も一時保護施設にいて、こども園やピアノ教室のお友達とも会えていないんです。児相は人の人生を奪っていいのでしょうか。この子の人生の責任は誰が取るんでしょうか。
 そして、この訳の分からない権力は何なんでしょうか。民意で選ばれた沖縄県知事よりも力があるのでしょうか。私は沖縄県民の一人として、沖縄県はこの5歳の女の子1人を救えないのに、145万人以上の県民の生命と財産を守れるのと、正直不安です。
 県議の皆さん、どうかこの子に力を貸してください。
 よろしくお願いいたします。

○末松文信委員長 ありがとうございました。
 それでは、参考人の説明は終わりました。
 休憩いたします。

   (休憩中に、上岡参考人及び村吉参考人も説明したいとの申し出があった。)

○末松文信委員長 それでは再開いたします。
 上岡賢太郎参考人。

○上岡賢太郎参考人 私はこどもの育ちを守る会の上岡賢太郎と申します。
 まずは今回、このような意見陳述の機会を設けていただいて誠にありがとうございます。
 以下の2点に絞って陳述させていただきます。一部、伊佐代表と重なるところもあるかと思いますが、お聞きください。以下の2点に絞って陳情したいのですが、1つ目は児童相談所による強硬的な里親委託措置解除及び一時保護には、正当性が認められないという点。2つ目は、一時保護施設において、里子さんが適応してきた、前向きだと捉えているとありますが、根拠が示されておらず、既に106日間の長期にわたっていまだに里子さんが保護され続けている点。この2点について詳述させていただきます。
 1つ目です。まず今年1月4日に児相が行った里親家庭に対する、一方的とも言える里親委託措置解除及び一時保護についてはボタンの掛け違いという言葉では済まされない、大きな過ちを犯してしまっていると感じています。
 実親さんが、里親委託措置解除を求めてきたからといって、段階的移行措置を何ら講じず、真実告知の時期に関しても里親さんや診断医師の意見に真摯に耳を傾けず、強制的に委託解除をするということなどはあり得ないと思いますし、実親さんの元に引き渡す準備もまだ整っていないのに、このような自閉症スペクトラム、アタッチメント形成不全、多動性障害の兆候を強く持っておられる里子さんを里親家庭から引き離して一時保護所に単独で放り込むという行為が、この子にどれほどの精神的なダメージを与えるかが考慮されておりません。
 児童相談所が児童福祉法第1条の理念よりも、第27条第4項を優先していた点は3月23日の文教厚生委員会のこの場において、比嘉京子委員らが指摘されてきたとおりですが、里親委託ガイドラインの4の2、保護者の承諾に示されているとおり、子供が里親家庭での生活を希望し委託の継続を希望する場合は、子供の意向を十分に聞いた上で子供の最善の利益を検討するという指針について無視されており、子供の最善の利益がないがしろにされていると感じました。
 本来一時保護とは、幸せで円満な家庭を引き離すために行うものなのでしょうか。実親の意向を伺った上で里子さんの発達を共に支援しながら、段階的に里親家庭を安全・安心の基地としながら面会等を経て、両者間で調整を試みながら最善の選択を模索することが、児相本来の役割ではないのですか。
 まるで物を右か左へ移すかのように、里親さん家庭から実親さんへ引き渡すような行為は目を疑うほどの光景でした。
 今回テレビ局が一時保護の場面に立ち合っていてくれていたことで、実際に現場で何が行われていたか県内外に伝わったため、6万人を超える署名も集まり全国で児童相談所のやり方について議論が高まっていることも事実であります。
 私たちの周囲で子育てをしてきた母親らにこの録画映像等を見てもらうと、本当に全ての方が同様に信じられないと、驚きを隠さずに涙を流しながら話を聞いてくれた方々も複数おりました。この反応こそが一般市民の感覚であり児童相談所、子ども生活福祉部の議会における答弁を見させていただきましたが、逆に彼らのほうが愛着や育ちに関して本来人が持つべき想像力を見失っているのではないかと感じます。
 既に一時保護の期間は106日が経過しています。これまでの事例では最長でも三十数日と聞いているので、それをさらに70日近く超えているこの状況は異常事態ともいうべきもので、児童の権利を深く侵害しているものであるとさえ言えます。
 一時保護を行った後、行動観察を行ったり援助方針を検討するというのは、順序が逆だと思います。里親さんと十分なやり取りを行っていれば、里子さんをこのように長期にわたって一時保護施設に閉じ込めるということを招くことはなかったのではないでしょうか。
 里親家庭で愛着を形成しながら、里子さんの発達段階を見極めつつ、真実告知のタイミングや実親さんとの面会の時期を見定めていくというプロセスを飛ばした児童相談所のミスは、とても大きなものだと感じています。
 2つ目です。
 3月22日に里親家庭への一時保護委託は難しいとの判断を児童福祉審議会の審査部会が示したと、夕方のニュースや翌朝の新聞等で報じられました。難しいことの理由は、里子さんが一時保護施設の生活に適応してきて、今後のことにも前向きな姿勢が見られるというものでした。
 アドボカシーという福祉用語があるそうですね。この案件に関わってから知り得た福祉用語ではありますが、自分の意思をうまく伝えられない里子さんの意見表明支援の役割を担えるのは誰なのかと考えたなら、養母である小橋川久美子さん以外にいないことは誰から見ても明らかなことなのではないでしょうか。
 既に106日が経過し、分離不安が強まっている土壌において、養母さんから無理やり引き離されたという衝撃的な公的権力による誘拐なのではないかと思われる、その恐怖にさらされた里子さんにとっては、恐らく既に取り返しがつかないほど、心は既に静かに、静かに、壊れてしまった状態であると想像ができますが、あの子の安心・安全な基地を奪ったことの責任を将来どなたが取っていただけるのでしょうか。小橋川学氏が児童相談所にその旨を問うたところ、たらればの話には答えられないと言われたそうです。 
 夜は1人できっと絶望の中で眠っている里子さん。通っていたこども園にも通えない、ピアノ教室にも通えない、心療内科医から月2度受けている療育さえも受けられない、お姉ちゃんともお父さんとも会えない、大好きだったペットのワンちゃんもいない環境下で里子さんが一体何に適応して、前向きになったと判断できるのか、疑いの念しか湧いてきません。周りの見知らぬ大人たちに戸惑い続け、誰も信じられずに心を閉じた姿を観察した結果、動き回ることが常であった里子さんがおとなしくしてる様子を適応していると、諦め切った姿勢を前向きだと捉えているだけなのではないでしょうか。あまりにも一時保護施設で行われていることが密室性が高く、こちらに伝わってこないため、残念ながらそう推測するしかありません。そうでないというのであれば、誰しも理解できる客観的な論拠を示してください。
 繰り返しになりますが、人見知り、場所見知りを抱えて、夜は養母さんと手をつないでくっついて眠ることしかできないこの里子さんにとって、安心・安全の基盤は里親家庭にあり、里親さんと向き合わずにこの課題を解決するのは不可能だということは明らかであり、児童相談所及び子ども生活福祉部は、しっかりと現実及び県内外の世論に真摯に向き合う勇気を持っていただき、一時保護先を元の里親家庭に戻していただきたいことを切に願うものであります。その犠牲を幼く繊細な里子さん独りに背負わせるのは、あまりにも酷な話です。106日間にわたり孤独な生活を強いられ、絶望の淵にいる里子さんを安心・安全の基地に戻してあげて、その後に時間をかけて当事者間で真実告知のタイミングや実親との段階的な面談を調整していくことが、里子さんにとって最善であると考えております。
 現在の大人同士の事情でこじれているこの状況を、子供の最善の利益のために大人たちが知恵を絞って対立の構図から抜け出して、里子さんの育ちを守っていく方向に転換していってほしいと、私たちは切に願っております。
 私からの意見陳述は以上となります。ありがとうございました。

○末松文信委員長 ありがとうございます。
 それでは、上岡賢太郎参考人の説明は終わりました。
 次に村吉政史参考人からの御説明をお願いします。
村吉政史参考人。

○村吉政史参考人 初めまして、村吉政史と申します。
 私と小橋川君とは中学からの同級生であり、約40年以上の付き合いです。世間でいうところのクビチリドゥシとなります。
 まず初めに伝えておきますが、彼は一見して体格も大きくてゴツく見えますが、実は気は優しくて力持ち、とても穏やかな性格であり信頼できる男です。当然、児童虐待などをする人間ではありません。また、彼は袋中園という施設で毎年1回の寄附なども行っております。
 さて、結婚後、不妊に悩んでいた小橋川夫妻は不妊治療を行いましたが、妊娠することはかないませんでした。親戚や知人、周りの人々に子供はまだかと度々聞かれ、その苦労は精神的にも経済的にもさぞ大変だったことと思われます。その後、子供に恵まれなかった夫婦は里親制度のことを知り、里親となるわけですが、小橋川君が当時私に、政史、今里親制度の勉強をしながら講習や審査を行っている。もしかしたら、やっと我が家にも子供がやってくるかもしれないと、嬉しそうに私に話してくれたことを鮮明に覚えています。
 それから、小橋川家には念願の1人目の子供がやってきて子育てが始まることになります。すくすくと順調に成長して、養子縁組まで行うことができました。そして、2人目の里子は生後2か月の本当に小さな赤ちゃん。夜泣きもひどく、実の子でも大変であるのに、夫婦は里子へ愛情をたっぷりと降り注いで上の子とともに5歳まで大切に育てている様子を私は傍らから見て、小橋川夫妻はすごく偉いと、とても感心しておりました。また、上の子も下の子を大変可愛がり、本当の姉妹のように成長しており、ほほ笑ましい光景でした。この期間は小橋川君にとって、全くの他人であった4名の人間がまず夫婦となり、そして里子が来て親となり、里子の2名が姉妹となり4名全員が家族として成立していく過程だったと思います。
 このような平和に暮らしている家庭、せっかく築くことのできた家族の元に児童相談所の方々数名がやってきます。ニュースによると2022年1月4日、コザ児童相談所の数名によって、里親解除により下の子は小橋川君の元から引き取られていくわけですが、親子4名で幸せに暮らしている家族から引き裂くように、泣き叫ぶ5歳児を連れていきます。夫妻にも幼い姉妹にも相当な心の傷を負ったと思われます。小橋川君の家族がとてもかわいそうでなりません。その後から奥さんは心身不安定となり、姉妹の姉のほうは妹はいつ帰ってくるのと、ずっと尋ねてくるそうです。また、日頃穏やかな彼が怒りを抑えて平常心を保つことが精いっぱいで、頭がおかしくなりそうだと私に話しておりました。
 当然です、こんなひどい話は聞いたことがありません。彼のこれまでの努力は無駄になったわけです。この児童相談所の数名、よくもこのような鬼のような連れ去りができたものだと思われます。この仕事を行った方々も親であるはずです。幾ら仕事であったとしても、法律的には正しいとはいっても、端から見れば人さらいです。これが令和4年のハチウクシーにやることなのかなと思います。新年早々、幸せに暮らしている小橋川家族を壊しにやってきた児童相談所の数名、誰が考えても嫌な役回りであるこの仕事、断ることができなかったのかと思います。幾ら上司からの命令とはいえ、心あるならば人道的に考えて、チムグリサン、ワーガナイビランサー、ヒーアラタミティー、ビツヌチュ、ヤラシミソーレーサイ、ぐらい言えること、気持ちにゆとりとチムグクルがあったならば、人さらい扱いされることもなかったはずです。
 また、小橋川夫婦は真実告知の覚悟がなかったわけではなく、発達障害を持つ子供のストレスとかを考えて、医師と相談をしながらそのタイミングを見ていただけなのです。それを児童相談所の方はよく調べもせず、小橋川君の意見も聞かず、どのような判断でこの結果に至ったのか、全く私には分かりません。初動ミスであることは明らかです。また、小橋川君は告知に対する十分な理解と覚悟を持っております。赤ちゃんから5年も育てれば実の子同然ですが、里親解除の意味も理解していたからこそ、今回の理不尽な子供の引き渡しにも応じたのだと思います。 
 それから、子供の成長には環境が大切です。新聞によると児童相談所は急いで一時保護したにもかかわらず3か月以上、保護の状態が続いています。この子供を実親の元へ帰さないのであれば、この際、法律的なことは横に置いておき、一日でも早く小橋川君の元へ戻してあげることが、人としての筋道ではないかと考えます。いつまでも宙ぶらりんのままでは子供も、一時保護所で子供の面倒を見ている担当者の負担も大変で、かわいそうであり、私は生みの親より育ての親であると考えます。
 今回の問題は、児童相談所の職員が子供へ何の配慮もなしに極めて事務的に行動していることです。そこには法律上の後ろ盾があっての行動かも知れませんが、人対人の場合、思いやる気持ちが存在するべきです。ゆっくりと丁寧に説明しながら、親子と相談所の職員も理解を深めながら、発達障害のある子供の心を第一に考えていたならば、ここまで問題は大きくならなかったはずです。どうしてそれをやらなかったのか、不思議でなりません。
 それから比嘉委員や新垣委員らとの、彼ら上司との議会の答弁ビデオを見ても、質問への返答にはプリント資料を一生懸命に探して答えてはいますが、話がかみ合っていないのは明らかです。その答えはプリントや法律の中にはありません。それに正解するためには人としての物事を心の目で見て、どれが正しいことか判断する能力と勇気が必要であると思います。また組織においては、思いやりのある、人の心が分かる人間が長となるべきであり、それができない人間は幾ら能力が高くとも去るべきです。なぜなら人としての基本的な真心、優しさ、思いやり、チムグクルのない人物がトップに立つと、民間においてはコミュニケーションの不足により、お客さんと必ずトラブルが発生するからです。
 それから、こちらにおられる方々も恐らく人の親であると思います。この問題が起きてから、約1か月弱で6万3000名分の署名が集まりました。老若男女を問わず、幼い子供と小橋川夫婦を助けたい、救ってあげたいと協力する方が次々と現れ、ネットでの署名なのに近所のお年寄りにさえ署名したいから名簿を持ってきてほしいとお願いされるほどです。その範囲は全国へと広がり、今もなお、署名は集まり続けています。それだけの人々が子供と夫婦を救ってあげたいと考えていることの表れだと思います。
 今回こちらにいらっしゃる皆様方へお願いします。義を見てせざるは勇なきなりです。人の親として、どうすることが正しいのか、この子供と家族を救うためには何をやればいいのか、考えていただきたいと思います。
 今こそ、主義・主張、党派の垣根を越えて決断する時です。小橋川夫婦と子供を救うことへの御協力を、どうかよろしくお願いいたします。
 ありがとうございます。

○末松文信委員長 ありがとうございます。
 参考人御三方の説明は終わりました。
これより、陳情第48号に対する質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないよう簡潔にお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 新垣淑豊委員。

○新垣淑豊委員 今日は本当にありがとうございました。
 もう何か、話を聞いていて涙が出てくるような状況です。
私も何度かですね、元里親になりますけれども、小橋川さんのお話を聞かせていただきましたけれども、まずは小橋川さんから何か預かっている言葉、何かここで伝えておきたい思いはありますか。
 特に、伊佐さんも村吉さんもですけど、皆さんもクビチリドゥシという話をされていましたので、どういったことを小橋川さんが、今、我々に伝えてほしいこと、何かありますでしょうか。

○伊佐真和参考人 小橋川のほうからというか、久美子夫人からちょっと児相とのやり取りのメッセージがあって、これを全部読み上げてくれということだったので。昨年の9月8日児相側がですね、今ある情報の中で親権者の意向を踏まえ、措置を変更するのが総合的にあるべき姿だろうと考えている。親権者が今日、一言言えば措置はすぐに解除、そういう仕組みになっているわけですよ。子供がどうって言っても親権者が駄目と言った瞬間、措置は解除しなければいけないという形なんです。1、2か月と言っていますが今日、明日かもしれないんですよ。里親措置解除の理由は時期だと言われ、これは久美子夫人ですけども、私は号泣し話合いの場から2回トイレに駆け込み、吐きました。で、私たちが子供を第一に考えたお願いには、一切耳を傾けることもなく、コザ児相が子供の発達障害のことも重視せず、実親を説得することも考えていないようで、終始コザ児相だけのやり方を通そうとします。
 東京の児相では、発達障害のある子供に寄り添い、実母にもちゃんと理解してもらうように話をしてくれていると伝えましたが、これ班長さんですね、実名は控えますけども。班長さんからは、地方には地方のやり方がありますからと言われました。
 子供が0歳から4歳までの間に担当者が3回も替わりましたが、皆子供のことを第一に考え、私たちとともに良好な関係でした。2021年4月から、所長と担当者が替わり、二転三転する話や威圧感と強引な進め方に、悲しくて、苦しくて辛い思いばかりです、というのが久美子夫人からのお話ですね。
 本当に私もこれを聞いてそう思ったんですけど、去年の4月から担当になった方々が、この5歳まで育てたことの環境をどう理解してこんなことができるのでしょうか。1年も経ってないわけですよ。4月に赴任してこの問題にずっと取りかかって、今回のような形で引き離しをするというのは、もう考えられないですね。子供の姿は、ここには全くいないですね。これを伝えてほしいと。その時、2回もトイレに行って吐いた後にもですね、彼らは一つも心配するような顔をしていなかったそうです。一言も声をかけなかったそうです。これを聞いたときにはもう、私は震えていましたね。許せないですね。
 以上です。

○新垣淑豊委員 さっきおっしゃたように地方には地方のやり方があるということでしたけれども、私はその子にはその子のやり方、対応の仕方があるというふうにすべきだと思っています。これは決して画一的に物事を進めていくわけではなくて、やはりその子の特性を見ながらしっかりと、後に後に、そのケアをしていくことが大事じゃないかというふうに思っていますので、それは非常に問題なんじゃないかなと感じました。
 で、その中でですね、私は今日この委員会に来るまでに、お三方ともお話をさせていただきましたし、小橋川さんともお話をさせていただきましたけど、この児童相談所と小橋川さんたちの間でずれがあるんですよね、発言に。例えば、真実告知をしなさいという時期が、児相がおっしゃっている時期と小橋川さんたちがおっしゃっている時期がずれていたりとかですね。あと、実親からのお手紙のお話がありましたけれども、これは見ていない、届いてないというお話がありましたけれども、これはまさにそのとおりでしょうか。

○伊佐真和参考人 新聞にもそのような内容が載っていましたし、審議会の文章の中にもその手紙のやり取りがあったというようなニュアンスの記事が書かれておりましたけれども、私が小橋川君本人から聞いたのは一枚もそういう手紙はいただいていないと、この間ですよ。一枚も実母からの手紙はいただいていないとお話ししています。
 以上ですね。

○新垣淑豊委員 このずれに関して、時期の、例えば真実告知のずれということについても、お願いします。

○上岡賢太郎参考人 真実告知については、何というんですかね。3月2日だったかな、県議会で比嘉京子委員と子ども生活福祉部の名渡山さんのやり取りを見てたら、5年にわたって真実告知をするように言ってきたっておっしゃっていたんですけど、小橋川家がそれを伝えるようにと言われたのは、恐らく所長さんとか担当さんが替わってからという認識だと思うんですね。
 もちろん真実告知してくださいというグレーなやり取りは、いやいやしたほうがいいとあったかもしれないんですけど、やっぱり小橋川夫婦はお子さんの症状をいろいろ見て育てているわけですから、それはいつだろう、いつだろうってね。でね、児相の担当者が替わるまでは、そこまでしたほうがいいよとはいっても、それは時期を見てこの子の様子を見ながらやりましょうという姿勢だったんですよ。
 それが、去年の4月ですかね。児相の所長さんとか担当が替わってから、やっぱりちょっと圧がかかってきていて、5年間言い続けていたっていうのはちょっと信じがたいなというところですし、児相の所長さんとか担当さんが替わることで、こんなにも方針が行ったり来たりしてしまっては、当然里親さんにとっても戸惑いの連続だったと思いますから、そういう方針の一貫性のなさを棚に上げて、いや5年間言っていましたっていうのは、ちょっと行き過ぎかなっていうか、そっちのほうがやっぱり信憑性を疑ってしまうというところです。

○新垣淑豊委員 それぞれ役所や担当が替わっていくということは、これは常にあることだと思いますけど、これもしっかりと里親さん―実際にお子さんを預かっている側との意見のやり取りをしながら、どういう状況なんだということを理解した上で、継続したケアを続けていくということはこれは本当に必要だと思いますので、この件についてもまた私、今度児相が来ますので、来週そのときにはちょっと確認していきたいなと思っています。
 で、あと2点あるんですけれども、1つは調査委員会。これはその審議会で里親さんの元には帰さないよということを意見として出てきたという話ですけれども、その後もですね、いろんなお話があって今、調査委員会が立ち上がったというお話がありましたけれども、この調査委員会から例えば、元里親さんに対してですね、何か打診があったとかというのは聞いていらっしゃいますか。

○伊佐真和参考人 4月1日からのお話ですよね。
 特命推進課でしたっけ。小橋川のほうには、いっていると思います。
 ただ、ほかは分からないですけどね。

○新垣淑豊委員 分かりました、ありがとうございます。
 そこも、また後日聞かせていただきたいと思います。
 あとですね、これで私からは最後になるんですけど、この案件に関して皆さんが何が一番大きな課題、問題だと思っていますか。

○上岡賢太郎参考人 ちょっと個人的な意見になってしまうんですけれども、分離不安という言葉がありますよね。2歳、3歳の子供がお母さんから離れていくプロセスについてなんですけど、この分離期の取扱いでお子さんの将来の性格が決まってしまうというか、生きづらさ、あるいは摂食障害であったり、いろんな境界性パーソナリティ障害だとか、そういったことが出てくる分離期の大切さというものについての認識が、我々が持っている感覚と児童相談所の方々が持っている感覚があまりにも食い違い過ぎて、それが私はこの答弁がかみ合わない一番の。こっちが聞いたときぞわっとするようなことでも、何か平気で話されるので。例えば一時保護施設において嘱託医がいますよ、児童心理司がいますよ、夜付き添っている人もいますよっておっしゃっるんですけど、この里子さんにとっては明らかに他人ですよね、引き離されて。そういうところに独り放り込んで何しているんですかっていったら、行動観察、援助方針決めている。
 援助方針決めてから、一時保護するのが本来じゃないんですかと。子供を人質みたいに取っておいて、そこでお子さんも抵抗したと思いますよ、最初は。ですけども、諦めて今おとなしくしているような、その様子とか、またこれは児童相談所の方は子供を物を扱うように、こっちからこっちへって移して済むと思っているみたいに感じるんですけど、こういう一旦諦める―脱愛着って言うらしいんですけど、愛着一回諦めるということに陥った子供さん、大きくなって思春期になって必ず出てきますよ、こういったことの子供の生きづらさとかいろんなの。そういったことに対して、どう責任を取るんですかって小橋川さんが聞いたら、たらればの話には答えられないって言ったらしいんです。そこのもう感覚が違い過ぎていて、この陳述の中でも述べさせていただいたんですけど、この件やっぱりなかなか動かしづらい、難しい問題になっているんで、世論というほどではないんですけど、自分なんかの知っている子供を育てたお母さんとかお父さんとかに見せてこれどうですかって聞いたら、みんな異口同音に、あり得ない、信じられない、何でこんなことをするのというのが、この感覚のほうが僕は一般市民の普通の感覚だと思うんですよ。
 それがなぜか児童相談所と上の子ども生活福祉部とこの審議会まで含めて、何かここで起きていることのほうが僕らからすると、明らかに感覚がずれていて、一般に、村吉さんも言ったけど本当に子供育てた人の感覚からして何でこういう結論になってしまうのかが、全く理解ができない。
 で、僕はこの児童相談所がこの里子さんを一時保護したのに―まあ里親委託解除されたから引き離して連れて行ったのは分かるんですよ。次に何をやるか決まっていない状態でお子さんを連れてくるから、通常2か月も―多分10日ぐらいで絶望に陥っていると思いますよ。もうその日から絶望の中にいますよね、誰も迎えに来てくれない、信じていた里親さんから引き離された、もう理由も分からない、里子さんは実の親と思っているわけですから。その状態にしておいて大人たちの議論が続くのはいいですよ、いくらでもやってください。だがこの子を106日ですよ、3か月半も子供をこういう状態に置いて、もう僕らだってジレンマなんですよ。このことについて議論深めようとするほど、子供の保護期間が延びてしまうっていう、この悲しみと苦しみにみんな戦っているわけですよね。
 ですから初動ミスなんですよ、これ明らかに。ちゃんと審議会にも諮らず―援助方針ではこの子の状態も里親さんと一緒に考えて、児相が向き合って里親さん宅に通ってでも、子供さんの様子を見ながら、実親さんの状況も見ながらやっていれば、こんなミス起きないじゃないですか。ミスはミスなんだから、ちゃんと認めて、そりゃ上司なんだからちゃんと認めてくださいよと。認めた上で、じゃあ今回ちょっと初動間違いだったから、もう訴えられているとか、県がどうのこうの関係ない。これは一旦、リセット。里子さん一旦戻して、今の状態で実親さんに持っていくというのはちょっと僕はあり得ないと思っているので、それはちゃんと一時保護先で構わないので一回里親さんに戻して、また大人たちは議論続けたらいいと思うんですよ。
 すみません、以上です。

○新垣淑豊委員 私も今回非常に不思議なのが、本来であれば本当に上岡さんがおっしゃるように、ちゃんとした援助方針を決めてしっかりとスケジューリングをした上で―本来であれば一時保護は2か月までと基本的には決まっているわけですから、一時保護が2か月間と決まっているんだったらその間にしっかりとこの後どうするんだっていうことをやっていけるんであれば、これはもう児童相談所のやったことは、実親さんにしっかりと戻す段取りをつけていたんだねということで、我々も納得しますよ。
 だけども今回みたいに106日というのは、もう一般的に考えてあり得ない。これは本当に思いますし、あとですね、仮に、一時保護先ということで里親さんのところにもう一回戻しますのでしばらく面倒見ていただけませんかという話をした際にもね、この子は多分、本当にこのお父さんお母さん信用していいのっていうところになっているはずなんですよね。
 だからこういうことをちゃんと僕はしっかりと考えて児相にやっていただきたいなというふうに思いますので、この件については、また児相が来たときにしっかりと意見としてお伝えします。
 私のほうからは最後に意見になりましたけど、以上です。

○末松文信委員長 ほかに質疑はありませんか。
喜友名智子委員。

○喜友名智子委員 今日はお越しいただいてありがとうございました。
 この件、比嘉京子委員からも年末から聞いていてですね、かなり見ていても、子供が置き去りにされて措置をしているというふうに感じています。
 私も今子供がちょうど6歳で健常児ではあるんですけれども、その1日2日出張で家にいないというだけならまだしも、やっぱり3日以上も離れると帰宅したときの子供の反応が明らかに違うと、やっと帰ってきたママっていう近づき方が全く違うので、やっぱりこの年齢の子供は障害がなくても、親から離れる期間が長いということに対する不安はやはり強いんだろうというふうに私も親として理解しています。
 障害を持っているというふうに医療的に判断されているお子さんがこのような状況ということは、先ほど参考人の方からもあったように、議論している間も子供の保護が延びているだけじゃないかということにも非常に危機感を持っております。この件ですね、里親さんの小橋川夫妻のこれまでの里親としての活動歴を見聞きしているだけでも、かなりお子さんに対して愛情深く接しておられている方だなという印象を私も持っております。
 その中でですね、参考人の皆さんにお伺いしたいのが、この小橋川夫妻ですね、このケースのお子さん以外にも里親としてお子さんを育てている経験をお持ちだと伺っています。
 お三方から見て、この子以外への小橋川さん夫婦の里親としての家庭での子供たちへの育て方、それから地域社会との接し方、どのように御覧になっているのか、お聞かせいただいてもよろしいですか。

○村吉政史参考人 小橋川夫婦は里親登録をしてすぐに沖縄県里親会に入って、奥様は里親会の行事委員会那覇支部長を務めており、里親同士の情報や意見交換を行う里親サロンにも参加しています。ほかの里親と一緒に勉強もしていますし、それ以外にも先ほどお話しした袋中園という場所で生活している子供たちとボランティア交流をしたり、里親登録前研修会では、先輩里親として体験談を発表し、3度行っております。
 沖縄タイムスに自身の里親体験の記事が載るなど、精力的に里親の活動を行っています。
 これまで4名の里子を育てております。
 以上です。  

○喜友名智子委員 伊佐さんと上岡さんからも何かございますか。

○上岡賢太郎参考人 私は里親として子供を育てるということ自体が僕自身ができたかというと、恐らくできなかったと思うんですよ。
 だから、僕らは小橋って呼んでいるんですけど、こういうふうに里子さん育てて、何か嬉しそうな父親の顔を見せてくれる、僕ら模合が一緒なんで、僕は心の中で小橋川は偉いなとずっと思っていましたし、しかも今回の里子さんに対しても結構育てるの難しかったと思うんですよね。
 生後2か月で引き取るってことは、産まれたときからお母さんに抱っこされていないお子さんであるわけですから、かんしゃくが出ていたり、わーっとどっかに飛び出したりとか、そもそも本当に小橋川夫婦が愛情を持って育てたからこそ、今やっと―分離不安というのはお母さんにほぼくっついてママ、パパって100%信じるところまで来ていて、そこまで持っていくことだって大変だったと思うんで。僕は純粋にですね、自分はそんな親として立派だった人間だと思ってないので、だから本当に尊敬するというか、なのでせっかくここまで育んできていい状態になってきたこの状態で―何ていうんですか、連れて行くっていうのは、さっき新垣淑豊委員がおっしゃいましたけど、今この状態で里親さんのお宅に戻したときにこの子は、まず久美子さんに簡単に懐かないと思いますよ。一回、自分を完全に裏切ったじゃないかと、お母さんだと思っていたのに。
 そのくらい何ていうんですかね、心にも取り返しのつかない傷を負わせていることを、なぜ、県の福祉の行政がというか児童相談所がこう行えるのかっていうのが、全く理解ができないわけですよ。今までの努力というか、愛情をかけてきたことを全部むちゃくちゃにするような保護の仕方、誰も幸せになっていないというこの状況をとにかく県議の皆さんであったり、今玉城デニー知事が有識者による調査委員会を立ち上げたっていう話も聞いているんですけど、本当にこれは沖縄県の総力を挙げてこれについて、この1人の里子さんのために何か状況を変えていただきたいという思いで僕ら3人ここに来ています。
 すみません、以上です。

○伊佐真和参考人 まあ、彼ら2人がお話ししましたので、私からはやはり、がたいも大きいので暴れたら危ないんですけど、ただ、物すごく心の優しい男で、我々もその長い付き合いの中でも見てきていますし、このように今上岡が言ったように里子を大切に育てて成長を見てきている。今回のこの子供に関しても、ピアノ教室とか、そういったことまでケアして、あちこち連れて行ったり迎えに行ったりと、毎日仕事が終わってはこども園に迎えに行ったりと彼はずっとやっていましたし、先ほど淑豊委員からお話があったように、彼は物すごく覚悟が決まっています。
 今回、この名前を出してですね、表に出ているのもすごいことだと思いますし、ほかの全国でも問題になって取り上げられている中からも、称賛を受けているのは、やはり同じような似たような案件がたくさんあるんですよね。コメント欄にもそういうのが書かれているわけですよ。中には幼稚園からそのまま引っ張られて行ったというケースもあるらしいんで、その方々も大きく今小橋川に声をかけてもらって、みんな声かけて集まってきています。
 で、淑豊委員がおっしゃったように、今この子の状態が私たちは常に心配で、正直我々も仲間なので学に言ったんですけどね、彼に言ったんですけど、お前これ大変な状態になっているけど、この子が本当に戻ってきたときに守り切れるか大丈夫かと、一応確認しました。想像の中で私は大変じゃないかなと思ったものですから、心配で一応声をかけました。彼はもう一言です。いやもう大丈夫だ、ずっと自分たちが守るから必ず取り返そうということで力を貸してくれということで、我々ここに今来ているわけですけれども、そういう男です。
 以上です。

○喜友名智子委員 今、児相に一時保護されているお子さんと小橋川夫妻がこれまで里親として、育ててこられたほかのお子さんとの、もし様子を御覧になっての何か発言がありましたら、どういう家庭でお子さんが育ってこられたのか、そこを皆さんの目から見て、もしあるのがあればお聞きしたいなと思います。

○伊佐真和参考人 ほかの子はちょっと、私たちは情報として4名というのも聞いてはいるんですけれども、その子たちはちゃんと見てはいません。
 ただ、短期間だったとは聞いています。一旦預かって、中には慣れなかった子もいたかと思うので、そこら辺の情報はちょっと今回は聞いていないので、申し訳ないです。

○喜友名智子委員 はい、分かりました。
 署名が短期間でかなり集まったというお話がありました。恐らく、署名を寄せていただきながら、この件に関していろいろな御意見も皆さんのほうには寄せられていると思います。その中から主だった意見、こちらで御紹介いただけますか。

○伊佐真和参考人 まず先ほどお話ししました、実はこれ千葉県なんですけれども、私も千葉県の里親です。同じように0歳から5歳まで養育した子供を調査のためにと、一時保護として嫌がる子供を強制的に幼稚園から連れ去りました。法的にその事例と同様で争う権利すらありません。現に、関与していた里親に異議申立てをする権利すらないのであれば、誰が里子の声を代弁して訴えることができるのでしょうか。自分もユーチューブチャンネル―子どもと日本の未来を創るたかさんをつくり、児童相談所のおかしな判断に苦しむ子を救済するために活動しています。里子の救済のために、今回の署名に賛同いたします。
 こういった方とか、養育里親―自分にもできるのだろうかと調べていたところ、このニュースを知り、茫然としました。里親を増やして子供の育つ環境をよりよくしていこうと国は本気で思っているのか疑問です。1人の子を幸せにできない政府に多くの国民の幸せを実現できるとは思えません。と、このような、もっと多くのコメントが寄せられています。
 中には、これちょっと文章を開いていないんですけども、同じ事を経験されたお母さんが実際に目の前から子供を連れて行くときに、この子が引っ張られていくときにママ、ママと声をかけたそうです。その里親さんはその声が耳からずっと離れなくて、この里親自体も心を病んで、二度とこういうことをしてはいけないと、逆にこの方は、里親になりたい方にはもうなるなと、なってほしくないと活動されているくらいの方がいます。
 本当にこれ、全国で大きく動いているのは、今までこのような手を挙げる者がいなかったわけですね、今からもっと出てくる問題なので、これは沖縄だけの問題ではないです。もう全国の問題だと捉えていただきたいと思います。
 以上です。

○喜友名智子委員 これで最後の質問にさせていただきます。
 陳情の記事項の中の2番目、県児童相談所の措置解除に伴う対応及び一時保護の在り方について検証することとあります。
 今までのお三方の陳述で、今回はあまりにも事務的な手続で子供の思いを置き去りにしていることだったりですね、里親さんの今までの努力を無にしているのではないかという指摘、それから今子供が適応していると県は説明するけれども、実際はもう諦めて慣らされているだけではないのか、閉じ籠もっているんじゃないのかという点での一時保護の在り方。これについては、こういった視点での検証が必要だという理解をいたしました。
 ほかにですね、こういった検証をする際に陳情した立場として、どういった観点から検証を求めるのか、補足・追加があればお聞かせください。

○上岡賢太郎参考人 本当に私たちも小橋川夫婦と付き合いがあるから、こういう児童福祉の問題に、こうちょっとにわかに首を突っ込んだみたいな感じになっているんですけど、やっぱり一般の市民感覚から見ると、何か児童相談所っていう組織が、非常にアンタッチャブルでほかから独立している機関かのような取扱いのされ方をされているような感じがしてならないですね。
 で、先ほどの児童福祉審議会の審査部会が里親さんの元に一時保護先を戻すのは難しいっていう結論で通ってしまうっていう―何を見て、何をもって難しいんですか。あるいは適応してきている、前向きだと捉えられるみたいな―何をもってそれを判断したんですかっていう疑問は、もう新聞記事にもいろんなところから、何をもって適応って判断したんですかっていう意見ばっかりじゃないですか。
 これってあまりにも密室性が高過ぎて、中で何を議論して、どういう結論を導いたのかっていうプロセスが全く見えてこないんですよ。で、児童相談所というのはもちろん、繊細な問題をたくさん扱っている機関だと思います。今の時代、そのDVだとかいろんなこともありますから、それぞれもちろん里子さんに関してもプライバシーを擁護するためにというのは分かるんですけど、逆にそのプライバシーを擁護するとか、その辺の本来であれば里親さんとか里子さん実親さんを守るために使われるべきプライバシーの擁護っていうのが、児童相談所が真実を何か明らかにしないために、逆の隠れみのみたいに使われているような感じがすごくするんですよ。
 なので、第三者委員会というものが本当に今回玉城知事が調査委員会を本当に、外部から県外からかな、3人呼んで調査委員会を設置するということには本当に期待していて―というのはここまでの間、3月2日の一般質問、3月23日の文教厚生委員会の動画を僕は見ているけど、何もこうモヤモヤするばっかりで聞きたいことが全然聞けない。
 こういう密室性がって言うか、言ったら悪いんですけど、もっとオープンな児相にしていただいて、そして、分離不安についての認識があまりにも児相の方が低いので、そういうお子さんの発達心理学とか、僕らが知っているくらいの感じの常識も持ってないから、ああいう動きができるんじゃないかと思うと、きちんとそういう児童の発達に関して心理学に関してとか、資格とか経験を持っている里親さんの支援の専門員みたいなのを設けて、児童相談所がやりきれない仕事を担っていただいて、オープンでありかつそういう子供の心にも配慮できるような児童相談所になっていただきたいなと思います。

○喜友名智子委員 私は以上です。ありがとうございました。

○末松文信委員長 ほかに質疑はありませんか。
 上原章委員。

○上原章委員 どうも、今日はありがとうございます。御苦労さまです。
 ここまでねじれている措置解除という非常に重い―対して児相がやった形ってのは私もちょっと理解できなくてですね、今日皆さんのお話を聞いて、本当に里親さんの思いがどこまで児相と行政に伝わっていなかったというのが、今日のお話を聞いて感じました。
 それで、ちょっと先ほど去年の9月8日に児相から真実告知をするような話があったと、お母さんが大変ショックを受けたっていう話がありましたけど、今回1月4日に引き渡しに応じたという、さっき表示があったんですけど、この措置解除をする期間というか、実質小橋川さんのところにいつ、こういう引き取りに行くようなそういう期限というのは、何かお話聞いていませんか。

○伊佐真和参考人 コザ児相の所長からというかコザ児相に対して確認、確約、約束をいたしますという通知が来たのが12月20日ですね。で、これによりますと、この書面に期限どおりに子供を引き渡さない場合は、養育里親が子供を預かり続ける行為そのものが誘拐罪になり得るということを確認すると書かれていました。
 この書面に、この日の夜中0時前まで待って、嘱託弁護士ですね、先方の。私と小橋川の弁護士に何度も何度も電話が入り、関係者が控えて待っているから早く印を押してくださいと責められ続けました。この夜中0時前までのやり方に、私は不安と恐怖で具合が悪くなりました、眠れませんでした。
 で、その後にですね、実際に告げられたのは、12月22日付で解除予定だった里親委託解除を2022年1月4日に延ばすだけでした、ということですね。
 当初は12月22日付で解除すると言われていたみたいです。

○上原章委員 解除の告知ということではなくてですね、産みの親が引き取る、そして措置解除をする、そういった知らせっていうのは、いつだったんでしょうか。

○伊佐真和参考人 それは詳しいことは、ちょっと分からないですね。
 実際に実親から、こう言われているというだけで実親との話合いとか、そういったのは一切ないわけですから、この中に書いてあるように児相側が一方的に解除の日を決めたりとか、言われているわけですよね。

○上原章委員 ですから、小橋川御夫妻のほうには、産みの親のほうから措置解除は、いつ児相にあったかっていうのは、今は分からない。これはあの、来週に児相とやりますけど。
 それで、私はもう、こういった子供に一番いい養育というか、この産みの親と育ての親の在り方というか、これ本当に丁寧に丁寧にやらなくちゃいけないことが、こういう一方的に起きていること自体があっちゃいけないことだと思うんですけれども、本来数か月かけてですね、できれば産みの親と育ての親がしっかり同じテーブルについてですね、どういうふうに今後この子に対して、支援をしていこうかっていう、間に児相がしっかり入ってやるべきだったという思いがあるんですけど。
 まず、皆さんがこういった活動をする中でですね、県内でも同じようなことが結構あったのかなという、ちょっと思いがあるんですけどね、この辺は皆さんのほうには、そういう話はあるんですか。なければないでいいんですけど。

○伊佐真和参考人 話はこの問題を聞くようになってから、このコメント欄に書かれている案件もあるように、これは沖縄県でも実際に起きていることなので、何件かこうやって引っ張られて、中にはこの里親さんから引き離して、別の里親さんに預けたとかいう例も聞いています。
 そういった例も全国的にもあるようです。沖縄も結構多いんじゃないですかね。

○上原章委員 先ほどから、百何日も一時保護にいること自体も本当におかしいことなんですけど、今後我々議会としてもですね、この子の今後の支援の形っていうのを、しっかり深めていかなくちゃいけないと思っているんですけど、先ほど来、じゃあ一時保護の形を里親さんのほうにお願いした場合にも、また大きな、この子の精神的な部分がちょっと心配なことがある。
 ただ、今のままで引き離しをされたままで、深い傷を負った形で、行政手続の形で法律にのっとってやっていますなんていう、そういう乱暴な形がこれはもう私はおかしいと思っているんで、法律は法律として、問題はこの子の今後の―今の精神的なところも含めてですね、ケアをしていかなくちゃいけないと思うんです。今日のお話の中で皆さんの小橋川御夫妻との話の中でですね、今後第三者委員会とかいろんな御意見が一つ一つ出てくると思うんですけど、現時点で今の形をどの形にしたほうが一番この子のためになるというような、現時点でベストというか―やはり里親さんに一旦、先ほどお父さんがしっかり守っていきたいという話をしてたんで、やはりこの形が一番いいと、やはり皆さんも思われているのか、最後にお聞きしたいんですが。

○上岡賢太郎参考人 すみません、これ小橋川学君が僕らの友人であるから、だからこの里子さんは小橋川夫婦の元でずっといるほうが幸せだとかそういうことも思ってもいませんし、これは小橋川夫婦も一貫してもちろん実親さんに、行く行くは里子さんの発達段階をちゃんと考慮して、行く行くはちゃんと引き渡したいという思いはずっと持っているし、そこはもう一貫しているんですよね。
 で、これはちょっと僕が考えている、まあ希望というか理想というか。里子さんは今5歳、もうすぐ6歳で、実親さんもお若いと、まあ30歳くらいかな。で、小橋川夫婦は僕らと同年生なので、56歳、もうすぐ57歳と。そうすると小橋川夫婦がもっと若ければ、例えば実親さんとぶつかったりとかね、もし面談みたいなことをしてもそうなるのかもしれないんですけど、正直もうお孫さんくらいの里子さん。僕はちょっと図式としては、里子さん5歳、お母さんが30歳、里親さん夫婦が50、ちょうど25歳づつくらい離れている。これってうまくマッチングすれば、すごくいい引き渡し方ができると思うんですよ。
 つまり、今は里子さんにとっての安全・安心基地―今完全に奪われていますけど、1月4日までは養母である久美子さんのところを信頼して、くっついたり手をつないで眠れていた。お正月でしたっけ、何になりたい将来って聞いたら、ママになりたいっておっしゃっていたって。これって、もうお母さんといわゆる一体化しているような状態。でも、分離っていうかお母さんの元から離れていくのは、やっぱりまだ怖いなっていう状態のところだったじゃないですか。で、それを児相はそれをしませんでしたが今回に関しては、徐々に引き渡していくっていうプロセスが何で歩めないんだろうと。
 つまり、今は100%が里親さんで、実親さんはほとんど会っていないから0%ですよね。真ん中に里子さんがいるとして。これを、90%と10%にするとか、こういう感じで徐々に慣れさせていくと。そうすると里子さんは安全基地をうまくいけば2つ持てるんですよね。里親さんの元でも安心して暮らして、そこから巣立っていくときに、実親さんのところも徐々に―もちろんちょっとね、その自閉症スペクトラムだとか、アタッチメントのこと、あるいはアタッチメント形成不全、多動の傾向、まあ育てやすいお子さんではないわけですよね。客観的に見て。
 実親さんも会ったら最初戸惑うはずなんですよ。自分の子供だから言うこと聞くと思ったけど、あれ何か全然違うじゃないみたいになるかもしれないじゃないですか。そういった橋渡しを小橋川夫婦はできる人たちだと僕らは信じています。それは分かっている話だから。
 そしたらその間をうまく橋渡しして、100対0を90対10とか、80対20とかしながら、あるときに、もうあなたはこの方がお母さんだからとどっかでお別れをもちろん告げないといけない時期が来ると思うんですけど、そのときに、ちゃんと屋根付けて、雨ざらしにならないように屋根から屋根へ渡してあげるというか、それがうまくできれば、また、大人になって悩んだときがあっても、実親さんごとですよ、何かあれば人生のベテランさんなんだから訪ねて来なさいよと。そしたら、もしかすると里子さんにとっては2つ安全基地ができるくらいの、いいケーススタディになるんじゃないかって思うものを、屋根がない状態にするからこうなっているわけで。そういう何ていうんですかね、この子供にとって何が最善の利益なのかっていうことを考えると、私はそれが一番、理想論かもしれないんですけど、年齢が離れていることを非常にいい機会だと捉えて実親さんと里親さんとこの里子さんが、ハッピーエンドじゃないですけど、幸せな引き継がれ方をしてほしいなっていうのが、個人的な願いです。
 すみません、以上です。

○伊佐真和参考人 今言ったとおりなんですけれども、私も友人であるこの小橋川の元に一旦ですね、やはり戻していただいて。もう1点、委員の皆さんに。来週ですか、26日にあるかと思うんですが、一番最大で確認していただきたいのが、今日106日ですよね。なぜ、じゃあ一時保護をして、この後、実親の元に帰すとかそういったことも一切やってないんじゃないですか。実親が解除したからっていうことでね、あんな形で引っ張っていっているわけですよ。それを逆にあやふやにしながら新聞の記事なんかに載っているように、本当に正直馬鹿にしているんじゃないかと思うような内容なので、ぜひそれだけはもう、なぜこの期間、こんなに長い期間、この子をその施設に入れておかなければいけないのかというのはもう、これ本当に誰が一体責任を取るのかなんてもう、毎日これでもう一緒に話しながら時間かけながら、なぜこんだけ大人が人が関わっているのに、何も解決できないこのイライラしている気分というのは早く終わりたいので、ぜひよろしくお願いします。

○上原章委員 分かりました。
 陳情にもありますように、この措置解除のやり方、もう一度検証してほしいと、まさにそのとおりだと思います。
 特にあの5歳という、2か月からその後育てたという背景も非常に重いと思いますし、で今、お子さんがなかなか判断ができる年齢でもない、これは大人が本気というか真剣にやらなくちゃいけないところだと思います。
 今日のところは、いろいろ参考人のお話ありがとうございまいした。
 以上です。

○末松文信委員長 ほかに質疑はありませんか。
 玉城ノブ子委員。

○玉城ノブ子委員 いろいろお話をさせていただいて、本当に里親さんね、本当に。私の同級生にも里親をやっている方いますけれども、私はすごいなっていつも感謝と敬意の念をいつも表しておりますけれども、子供たちをね、本当に愛情を持って育てていくっていう、こういうことをやっていらっしゃる里親の皆さん方って本当にすごいなというふうに私も思っています。
 それだけに、今回の件について小橋川さん御夫妻が生後2か月から5歳までね、こんなに愛情を持って育て上げられてこられた。それが突然に自分の子供がね、目の前からいなくなるということになると、それはやっぱり親としてはね、大変辛いことだっただろうなということが想像できます。
 で、やっぱり今、今度の件に関してもそうですけど、この里親問題の制度についてですね、本当に一番何を中心にして考えていかなくちゃいけないのかということ考えたときに、一番やっぱり大事にしていかなくちゃいけないっていうのは子供だと思うんですよね。その子供の―まあ京子委員もちょっとそのことをずっとおっしゃっておられましたけれども、この子供の人権をね、どう守っていくのかというふうなことを考えたときに、子の最善の利益を守るために今やらなくちゃいけないこと何なのかということを、真剣に考えていかなくちゃいけないだろうと思うんです。
 それで、小橋川さんたち御夫婦がね、今このような状況の中で一番やっぱり問題として、問題だというふうに思われる、そしてこれは解決していかなくちゃいけない課題だということだと思われる、そういう点についてはどのように考えていらっしゃるのかなということです。

○上岡賢太郎参考人 同じことの繰り返しになってしまうんですけど、玉城委員もおっしゃられた子供にとって最善の利益という言葉が、本当にあちこちに出てきますよね。ここだけ子供の最善の利益が守られていないから、この言葉が何度も出てくると思うんです。
 なので、この里子さんが、せっかく里親家庭にも慣れてきた時点で、ゼロどころかマイナスにしてしまうようなことをしてしまっているわけですから、これはもう、大人たちもミスはミスだと認める勇気を持ってほしいんですよね。
 この、何ですか、審議会にかけずに里親委託措置を解除した理由が、年末でいとまがなかったからで、はあって思うのが普通だと思うんですよ。もちろんそれにも逃げ道が用意されていて、そういう多忙によってそういうことができない場合は事後報告でよいって書かれているんですけど、そこを理由にして審議にかからずに、援助方針も決めずに、里親委託解除ありきの動きをされているように思うので、それを明らかな初動ミスを、どう継ぎはぎして正当化しようとしても、元がおかしいのでまともな議論にならないのは、見てたら分かると思うんですよ、ある程度。一般良識がある人が見ればですね。
 きちんと過ちは過ちであると認めていただいて、まずは元の状態に戻してあげないと―元に戻るかどうかさえ分からないんですが、元の里親家庭に戻してあげて、援助方針だとかそういうことはお子さんをまず安心させた上で、それぞれ議論すればいいことかなと思うので、私たちとしては、元里親とか、そういう終わったことにされたらちょっとたまらないので、まだこの里親さんは必要とされている存在ですよね。里子さんに。だったらまずは、そこに戻してリセットして、そこからその熱心に援助方針だとかっていうのも里親さんのところに通いながらじゃないと。このアドボカシーっていう言葉、僕は本当に、まあ何か受験英単語なんかで聞いた気がしたんですけど、真剣に見たことはなくて、このアドボカシーっていう福祉用語について言えば、お母さんにくっついてしか寝られない、人見知り、物見知りが激しいって言っている子を一時保護施設に置いて、どうですか、適応していますかって―見えるわけないじゃないですか、普通に考えたら、常識な範囲で言えば。
 この場合のアドボカシーっていうか意見表明の支援ができるのは、あくまでもこの養母の久美子さんしかいらっしゃらないというのはほぼ明らかなことなので、児相の側から里親の家庭に通って、里子さんの様子を見ながら、この養母さんいなかったら、怖い大人が複数集まってきたというだけしか、多分もうガードすごい上げてもう自分の心を見せないようにしようと、守りに入っているだけの話だと思うんですよ。安心してこの子が自分らしさを発揮できる場所っていうのが、里親さんの家庭、お姉ちゃんもいてお母さんもいてお父さんもいてワンちゃんもいて、いつものこの場所でこの子はまず自分を出し切れるはずなので、児相のほうから歩み寄っていって、この子の発達の段階とかを見極めながら、その真実告知がされてしまったのか、しまっていないのかも分からないですから、密室の中なんで分からないんですけど。真実告知するにしても実親さんと面会して、そういう出自を明らかにするプロセスももちろん大切ですけど、それはこの子の発達と成長のプロセスを見守りながら、児相の側から里親さんのほうに歩み寄って行っていただきたいというのが、私の望んでいることですかね、我々の。

○村吉政史参考人 一旦、一時保護所から小橋川夫妻の元に戻して、それからまた、細かい議論はやっていきたいと思います。それを小橋川夫妻も望んでいると思いますので、それでよろしくお願いします。

○玉城ノブ子委員 ありがとうございます。
 やっぱり今、話がいっぱい出ているようにね、一番大事なことは子供ですよね。子供の本当に人権や利益をどう守っていくのかっていうのは、やっぱりそれに関わる人たちみんなの責任であるわけですから、それは本当にこの子がね、精神的にもいい本当に育ちができる環境をどうつくっていくかということが一番やっぱり今大事だし、今捉えていることだろうというふうに思いますので、ぜひそこら辺はまた、みんなが議論してですね、その子の利益を本当に最大限に人権をね、守っていけるような環境をどうつくっていくかということを、私たちまた考えていきたいというふうに思います。
 どうもありがとうございました。

○末松文信委員長 ほかに質疑はありませんか。
 石原朝子委員。

○石原朝子委員 今日は上岡さん、伊佐さん、村吉さんのお話を聞くことによって、この小橋川夫妻の人となり、それからまた里親をやってこられた経験豊富な優秀な里親さんだったと受け止めました。
 やはり今回の里子一時保護した行政手続がですね、やはりそこら辺先ほどから上岡さんがおっしゃったようにミスではなかったかというふうに、私もやっぱり様子を聞いて、この児相の里子を一時保護したその手続上は、やはり問題ではなかったかなと思っております。
 やっぱりこれまでのこの一生懸命里親制度を国も県も進めてこられたわけですけれども、その里親制度をどういった目的を持って児相は進めてきたのか、本当に今回のこのことを通して、沖縄県の児相は見つめ直さなければならないと思っております。
 このことは、やっぱり小橋川さん夫妻の里子のケースをもって、この県内の今里親となっている皆さん方一人一人にとっても課題があるかと思います、同じような課題がですね。それを解決できる1つのまた、考える課題解決に向けたケースになるかと思っております。やはり、先ほどおっしゃったように健常なお子さんもおりますし、障害を抱えたお子さんも里子さんもいらっしゃいます。
 そういった里子の発達に応じた措置解除に向けて、班長さんですか、一時保護をするときに地方は地方のやり方があるとおっしゃったように、沖縄県は沖縄県のやり方でもって、発達に応じたお子さんの措置解除に向けて、しっかりと検証してもらいながら、今のこの小橋川さん夫妻の大切に見てこられた里子さんがですね、一時保護で今こうして私たちが議論している最中でも早く帰してあげたいと私自身も思います。やはり子供をまず優先的に沖縄県の児相、所長、担当職員も―まあ優秀な方だと思いますけれども、やはり子供は物ではないので、やっぱり心のある、そして大人も里親さんもそうですし、そこら辺の心情を大切にした事務手続などをしてほしかったなと思っております。
 で、今回このことを通して、今日は伊佐さん、上岡さん、村吉さんの話を聞いてですね、質問というよりも、やはりそれをしっかり受け止めて、来週児相が来られますので、そこら辺の思いを伝えながら、一日でも早く明日にでも明後日にでも早くさっさといろんな話を進めてもらって。子供がですね、今先ほどおっしゃったみたいに小橋川さんのほうに一時保護がまだ続くのであれば、一旦小橋川さんのほうに帰していただいて、そして実母のほうに調整をしていきながら渡していくような、そういう仕組みづくりを考えてもらえるように私は訴えていきたいと思いますし、ぜひとも、伊佐さんも上岡さんも村吉さんも最後まで小橋川さん夫妻の支援をしていただいて、寄り添っていただきたいなと思っております。
 今この件に関しましては、係争中でもありますし、知事のほうでも第三者委員会を立ち上げているようでありますが、その委員会ばかり立ち上げるのではなく、早くさっさと事務的なことをやっていただきたいなと、子供の人権を最優先にした行政判断をしていただきたいなと思っております。
 私も来週にはそこら辺をですね、児相あたりに伝えていきたいと思っております。よろしくお願いします。
 本当に今日はありがとうございました。

○伊佐真和参考人 もう1点、これをお話ししていいのか、あれなんですけど。
 どう考えてもですね、この沖縄県の児童相談所というのは、里親に対して、里親を下に見ているというか、里親会自体も常にこういう問題が起きても泣き寝入りばかりで、手を挙げる方がいらっしゃらないくらい、組織対組織としての役割を果たしていないわけですよ。
 で、今回、新聞の記事にも載りましたけれども、ある里親会ももう我慢ならないということで出てこられる里親の方々も有志の会、いらっしゃいますよね。 あの方たちもみんなに声をかけてやっている中でですね、実は沖縄県の里親会は小橋川さんの話を聞かないでくれよの通達も出しているんです。これはどっから通達が来ているかは想像がつくかと思うんですが、それぐらい怖がっているんです、里親の皆さんは。こういうことをされるのが。
 だから他府県でも同じような問題が起きたんだけれども、長野県でしたかね、里親会のほうもやっぱりそういう力を持って児相と向き合うっていう組織が広がって、似たようなものが今、全国にやっていきましょう、同じようにやっていきましょうという話があるそうです。ですからそこら辺も、その里親会に対しても対等に意見も言えて、こういった問題を起こさないようにお互いで子供のことを考えていきましょう、ケアをしていきましょうという組織をお互いでやらないと、いつまでたってもこの問題は変わらないと思います。
 里親が弱い立場で一生懸命子供を育てているのに、こんなように去年の4月から来た連中がこんなことができる組織って何なんでしょうね、これ。
 これだけはぜひ、この里親会の支援もぜひ、まともな支援ですよ里親会の、新しい里親会をつくっていただきたいと思います。
 よろしくお願いします。

○石原朝子委員 ちょっと今の関連でですね、通達が出ていたっていうのは里親会に、小橋川さん夫妻の話を聞くなという通達が出ていたっていうのは……。

○伊佐真和参考人 小橋川から、そういう話を聞きました。
 要するに、有志の会が立ち上がった後に、有志の会からも各里親さんに声をかけて動いているらしいんですね。その中でやはり、本来の里親会側がそういう通知も出しているらしいということを伺いました。

○石原朝子委員 この県内の里親の会っていうのは、以前小橋川さんも中心となっていた……。

○伊佐真和参考人 詳しくはあれなんですけど、もちろん里親の会には入っていますし、年会費も払っているというのは伺っています。

○石原朝子委員 分かりました。
 この県内に里親会という団体があるわけですね。
 それにつきましても、児相に対してですね、どういった対応をしているのか、そこら辺を確認して、もしゆがんだ状態の関係性があるのであれば、しっかりと対等に―やはり預けるときは頼み込んで、措置解除をするときは、こういったやり方をするのはいかがなものかという、そういう里親と里親会と児相との関係をしっかりと確認してまいります。
 そしてまた、正していくようにやっていきますので。
 分かりました、ありがとうございました。

○末松文信委員長 ほかに質疑はありませんか。
 比嘉京子委員。

○比嘉京子委員 おはようございます。今日はお疲れさまです。
 去年から私もこの問題に注視をしているところですけれども、確かに皆さんが委員会の様子も見てくださったということもお聞きしているので、本当にかみ合っておりません、平行線です。
 で、なぜかというと実親、親権者が委託解除と言ったときに、先ほどもすぐにっていうのがありますけれども、それはちょっと法的に違うのではないかと私は思っておりますが、ともかく親権者の委託解除の第27条第4項をせんだっての委員会では、そこを重視しているということがはっきりしたと思います。
 その代わりに、児童福祉法第1条である子供の権利と福祉というところがどうなのかという質問を、少ししつこくさせてもらっていたんですけれども、結局第27条第4項を重視すると同時に第1条を守るということの本質を、非常に忘れた今回の委託解除だったということを、せんだっての委員会で確認できているんではないかなと私は思っています。そこで、やっぱり今回の審議会のプレスリリースも、ちょっと私はこんなんでいいのかなというふうには思っています。なぜかっていうと、子供にとってというところが全く入っていないんですよね。そういうようなことからすると、今日皆さんお三人が子供にとってというところを非常に強調されて、普通の目線はこうなんだというお話をされたので、本当に心を打たれました。
 最後に、私としてはですね、皆さんがたくさんの質疑の中で、言い残されたこと、これだけは強調したいことっていうのが、もしあれば、私は伺って終わりにしようかなと思っておりますが、皆さんから質疑することはできないので、私のほうから、もし言い残しがあるなら伺いたいなと思います。

○上岡賢太郎参考人 比嘉京子委員からの答えの前に、今、裁判されていますよね、小橋川夫妻。
 で、1つの、あと1つの訴状は見ていないんですけど、1つ見せてもらったんですけど、原告適格がないと言われて、裁判所で表ではじかれている形になっているんですけれども、それはちょっと難しい話なんですけれども、要するに知事が里親委託解除って、里親委託を解除するって言ったときに、それは、準委任という形で、委任している形になっているので、委任は取り下げるだけなんで、これはこの処分を取り消してくれってことが言えないみたいな裁判をしているんですよ。要は原告適格がないっていう里親の状況をどうにかしようとして裁判をしているのであって、要するに何というか、行政に盾突いているとかっていうことではなくて、さっき伊佐が言ったように里親の立場があまりにも軽んじられているっていうのは、はい準委任、里親でお願いしましたよ、はい準委任取り消しますからって、準委任は取り消されたことに対して、何で取り消すんだって訴えることはできないじゃないですか、普通。
 だから、そういう準委任という扱いにしているから、こういうことが起きているので、これは子供の権利もありますし、子供を養育する義務も里親さんにはある、さらに言えば、こういう義務を果たすためには里親さんにだって権利はある、だが権利があることである以上、これは行政上の処分なんだから委託措置解除の処分を取り消すこともできるはずだっていうちょっと難しい裁判をしているんですよ。
 だから、これを機会に小橋川夫婦がこうやって顔も出して名前も出して、全国で多分例がないことをやっている様子を僕らも見守っているし、こういう里親さん里子さんという立場の弱い方々が、もっと伸び伸びとお子さんを育てられるというか御家庭を築いていけるような世の中になってほしいなっていうのをちょっと思って、また裁判がそういう原告適格がないという形ではじかれないように頑張っているというところであるということを1つ付け加えたかったんです。
 で、比嘉京子委員の、総括みたいになっちゃうんですけど、こどもの育ちを守る会としては、緊急性や正当性の認められない里親委託解除措置を撤回し、長きにわたり里子さんに一時保護という精神的な負荷を与え続けることは、児童の健康に育つ権利、愛される権利、学ぶ権利を大きく奪うものであり、速やかに里親さん家庭に里子さんを戻していただくように、玉城県知事に強く要望いたします。委員の皆さんにも与野党一丸となって、このことに対処していただきたいです。
 4月13日の新報、タイムスに玉城県知事が県特命で外部有識者による調査委員会を立ち上げたっていう記事が載りました。で、今後の里子さんの今後の人生のためにも、あるいは沖縄県の将来を担うこれからの子供たちのためにも、この調査委員会の活動に、実は大きく期待を寄せていると同時に、その提言が玉城県知事や沖縄県の行政を動かして、子供たちの最善の利益につながっていくことを、守る会としては心から願っております。誰一人取り残さない社会実現のために、ここは沖縄県の底力を見せていただきたいです。
 で、ちょっとこれまでの経緯からすると、もう私たちはここが最後の砦なんではないかとさえ思ってます。ここで玉城県知事がきちんと調査委員会の提言を受けて、委員の皆さんもこれを受けて、この鈴木秀洋さんという日本大学准教授さんも何か有名な方らしいので、もうここに客観性を持ったきちんと検証をしていただいて、この状況を何とかいい方向に変えていただきたいということを願って、一応これをまとめにしたいと思います。
 ありがとうございました。

○末松文信委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○末松文信委員長 質疑なしと認めます。
 以上で、陳情第48号に対する質疑を終結いたします。
 この際、参考人に対し、委員会を代表して一言お礼を申し上げます。
 本日はお忙しい中にもかかわらず、長時間にわたり貴重な御説明をいただき心から感謝いたします。
 本日拝聴いたしました内容等につきましては、今後の委員会審査に十分生かしてまいりたいと思います。
 伊佐真和参考人、上岡賢太郎参考人、村吉政史参考人、大変ありがとうございました。
 休憩いたします。
 
   午前11時55分休憩
   午後2時7分再開
      
○末松文信委員長 再開いたします。
 午前に引き続き、参考人からの意見聴取を行います。
 それでは、陳情第33号に係る参考人からの意見聴取を行います。
 参考人におかれましては、本日は御多忙のところ御出席いただきまして誠にありがとうございます。
 参考人から説明を求める前に、委員会の審査の進め方について御説明申し上げます。
 まず、参考人から御説明をいただいた後、委員から参考人に対し質疑を行うことにしております。
 なお、参考人が発言しようとするときは、あらかじめ委員長の許可を得なければならず、発言は陳情の趣旨の範囲内で行うこととなっております。
 また、本日は委員会が参考人の説明を聞く場でありますので、参考人が委員に対して質疑することはできませんので、御承知おきください。
 それでは、陳情第33号子供の福祉にかなわない強硬な家庭復帰をなくすことに関する陳情について、参考人である子どもの権利を大切にする里親有志の会代表の加藤久美氏から提出に至る背景及び目的等について、簡潔に御説明をお願いいたします。
 加藤久美参考人。
  
○加藤久美参考人 はい、加藤です。本日は参考人ということで御招致いただきありがとうございます。
 私は神奈川県の小田原、箱根に近い県西部にある中井町という小さな町で、町議会議員をしながら里親活動を行っております。
 議員は2期目で、無所属無会派です。議員になる前、私は近隣の市役所で生活保護課での相談業務や就労支援員など非常勤で働いていました。その業務の中で、大人の都合に振り回される子供たちの理不尽な状況を見ていると、日本の社会構造や社会的福祉制度の中で、今子供を助けていかなければこの日本の将来はない、そう考えて里親になることを決意いたしました。
 里親になり、かれこれ10年になります。私どもには実子が2人いまして、1人は高校生、1人は幼稚園教諭として既に自立をしています。現在我が家には、8歳になる里子がおりまして、委託されて1年半になります。今までにも何人もの里子が我が家で暮らした経験があります。
 我が家の場合、長期もありますが、比較的緊急一時保護が多く委託されます。緊急一時というのは、児相が措置をし、その後一時保護所などが満員で保護場所が見つからない場合などに、里親宅で子供を引き受けるものです。なので、中には虐待され傷だらけで、たたかれて顔が腫れた状態で、その腫れの引かないチアノーゼ状態になった状態で我が家にやって来る、そんなこともあるというのが現実です。その子供たちも幼児から高校生までと年齢も様々です。そうした里親生活をしていると社会的養育における様々な、今回の問題もそうですが、こういった問題も生活保護などの貧困問題と同様に次々と見えてくるものがあります。
 そこで両方を網羅し、問題解決に一つでも近づけるようにと議員になったという私の経歴です。
 沖縄といえば、昨年の夏に沖縄の遺骨収集をしているガマフヤーの具志堅さんから南部の埋立ての話を伺いました。私は早速調査を行い、昨年の12月議会では、沖縄戦戦没者の遺骨等を含む土砂を埋立てに使用しないよう求める意見書、これを中井町議会全員で一致し、国に提出することができました。この問題を調査していると、私の町でも7名の若者がこの沖縄で戦死をしていることが分かりまして、その遺骨も戻っていないということを知りました。その調査のときに思ったのが、これだけ離れている土地であっても、家族が流した涙というのは同じで、つながっているのだなというふうに思いました。
 今回の里子の引き離し、これに関しても同じように、土地は離れていても思いとしては同じなんだなとそのように思った次第です。
 今回の沖縄県で発生した強硬とも言える里親子の引き離しについての報道は、日頃から交流のある活発に活動している里親たちの中で共有されました。今はSNSがありますから、あっという間に共有され、その日のうちにこの問題について話し合われることになりました。子供が困って泣いている状態ではないのに保護をされて泣いている状態。その子供が心配で心配で仕方がなくて泣いている里親。あの動画を見たときに私たちの意見はあっという間に一つにまとまりました。それは子供を児相から助けなければいけない。そして、この里親さんを孤独にさせてはいけないということなのです。人ごとではないということです。
 小橋川夫婦が御自分たちの全てをかけて、マスコミに訴え、本気でこの子供を守ろうとしていることがすぐに理解できたからです。そこから、どうにかこうにか小橋川さんに連絡を取り、私たちのほうから連絡を取りました。
 今回陳情という形で沖縄県議会に提出をさせていただきましたものですが、私たちにとっては、これがスタートであり、問題解決までしっかりと関わらせていただく、そのような思いでおります。
 まずは私たち子どもの権利を大切にする里親有志の会の思いを受け止め、採択してくださった委員の皆様に会を代表し、深くお礼を申し上げます。ありがとうございます。
 今回は里親としての気持ち、そして政治家としての考えを率直にお伝えできればと思います。僭越ではありますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 まずは今回提出した陳情書についてです。
 皆様のお手元にもあるかと思います、先日行われた委員会の様子も動画のほうで見させていただきました。その時の執行部の回答を聞きまして、率直な感想を述べさせていただきますと、まずは1番である委託解除を行う場合、その理由や今後の生活についてというものですが、その回答がですね、委託解除を行う場合、その理由や今後の生活について段階的に丁寧に説明し、子供の混乱や分離による傷つき等がないよう、子供の意見を尊重し、合意の下に行うこと、段階的親子交流の経過、信頼関係、愛着関係の修復など、親子の安心の醸成を見極め、再び児童虐待が行われないための予防などを含めたアセスメントを行った上で、家庭復帰を行うこと、という回答でありました。
 これに対してですが、里親委託の解除など、子供に関する様々な援助方針を決定するに当たっては、児童の年齢、理解力、成熟度や置かれている境遇などを踏まえながら、子供や保護者の意向を尊重し把握することとされており、解除に至る経過やその後の対応において、子供の混乱や分離による傷つきがないよう、専門職による丁寧なケアを行っているところですと、おっしゃっているんですね。親子再統合の目的としての措置であったものかと、誰もがこう理解していますが、そうではなかったのだなということが明らかに分かりました。最後のほうに、県としては国のガイドラインに沿った支援となるような丁寧な手続を進めてまいりますということでありますが、再統合の基準は何もできていなかったのだなと。一時保護所に入れられた理由は一体何だったのかと伺いたいのと同時に、子供の傷つきと混乱、これを発生している要因をつくったのは一体誰だったのか、その責任の所在はというところを疑いたいと思います。そこを伺っていきたいと思います。
 2番、3番については、県のほうの回答の中に子供の権利表明支援、アドボカシーについては、児童福祉審議会を活用した子供の権利養護の仕組みとして、検討を進めておりますというふうに回答されているんですね。検討を進めているということなんです。
 アドボカシーに関しては、その在り方というのを県も理解をしていたかと思うのですが、それは全く機能していなかったのかと、検討事項なのですかと、この回答は本当に不誠実だと感じてなりませんでした。これから委員の皆様に御質問の中で適宜、お話ができたらと思います。
まず、それを疑ったのはですね、県としては令和2年の3月に、このように沖縄県社会的養育推進計画というのが策定をされています。で、この策定されたのは令和2年ですから、もうとっくに県のほうとしては、アドボカシーについても、どのように養育されるべきなのかということも十分に把握をしているはずなんです。で、策定後にこのような対応になっているというところがそもそも問題だというふうに私は感じてなりません。
 以上、ざっと概要も含めた説明です。
 以上です。

○末松文信委員長 参考人の説明は終わりました。
これより、陳情第33号に対する質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないよう簡潔にお願いいたします。
 質疑はありませんか。
比嘉京子委員。  

○比嘉京子委員 では、私のほうから。
 どうも遠いところからありがとうございました。たくさん聞きたいところはあるんですけれども、まず最初にこの問題ですね、何が問題だというふうにお考えでしょうか。

○加藤久美参考人 様々な要因があるとは思いますが、まずはその引き離しについてですが、そもそも腑に落ちなかったのが、真実告知を里親が拒んだわけでもないのに拒んだことになっているということです。
 実親の調査も何もしていないのに、帰す方向の話、というふうに受け止めました。今までの報道であるとか、議会の様子、そういったものを見ながら、私たちとして感じた点でありますが、実親の面会も何もしていないのに、一時保護、そしてその延期、まあ結局最初からこの子供をどうするか、そういった方針は児相のほうでは決まっていなかったのではないかと想像するわけです。 
 それは私たち里親活動していて、今まで何人もの子供たちを見る中で児相との関わりを持ちながら、もちろんその実親に子供を帰したというケースもあるわけです。そういった活動の中で、これはどうもおかしいぞと思ったのはそういった点です。
 もし、実親に帰すということが、ある程度の期間が決まっているというのであれば、それなりに段階を踏んでの親との交流であるとか、子供の心理状況の定期的な検査というか、そういったものも重ねられますし、もちろん里親に対しても相当前に話があって、それで子供にも徐々に里親のほうから話をしていくという、かなり段階的なものを踏んでいくのが当たり前であるからです。
 小橋川さんのケースにおいては、それがかなり強硬だったなというふうに見て受け取れます。まず、私たちがこの問題をすぐに理解ができたという点は、児相の心証を損ねた里親からこの子供を児相が引き離した、そのように捉えたんです。今回の一番の目的―的はそこだったのだと私たちは考えています。そう感じてならないわけです。児相から丁寧な説明はないまま子供の引き上げを促され、焦った里親が弁護士に相談をした、あらがう里親を児相は許さない。 だから、ほかの里親は声を上げないんです。自分の育てている子供を、里子を取り上げられたくないから。同じように制裁を加えられたくないから。午前中の参考人の方もおっしゃっていました。まさに子供は人質なんです。声を上げられない、これは里親の実態だと思います。どんなに理不尽があっても児相には逆らってはいけないんです。でも、小橋川さん夫婦は覚悟を決めたんです。その覚悟は何のために―不幸な身の上である里子が幸せな人生をしっかりと送れる大人に成長させるためなんです。これは多くの里親が同じ気持ちでいると思います。
 無理のある家庭復帰をすれば、結局また児相に子供は戻ってくることになるんです。それまで育てた里親の元に帰されることは、まずはないというふうに聞いております。私たちも聞いたことはありません。知らないうちにほかの施設にそっと入れられていたり、ほかの里親さんに委託されたりということで、元の里親に戻ったというケースはほとんど聞いたことがありません。それが本当に子供の福祉にとって一番いいことなのかというのは、とても気になるところです。ですから、家庭復帰後の子供の調査というのは必ずする必要があると思います。客観的に見て児相はその責任を、今回のケースもそうですが、里親に押しつけている、当の子供への向き合いを行っていない。もし子供の状況を鑑みた上での判断であれば、その情報を得ていたはずです。
 これが私の見解です。

○比嘉京子委員 今回の沖縄県議会とのやり取り等も御覧になったと先ほどお聞きしたんですけれども、沖縄県の児相の里親への関わり方、例えば今回の事例では3回―里親のその子供の様子を見に来たことが、預かったとき、1歳まで、その後1回っていう、たしか3回だったと思います。
 この在り方というのは、皆さんのほうから見てよくあることなのか、どういうふうに捉えたらいいのか、御見解を伺いたいと思います。

○加藤久美参考人 生後2か月から5歳までの間に児相が養育状況を確認したのが3回というのは、正直あり得ないというところです。
 私どももですが、特に発達の問題や、何かこう育ちにくさとか何かがある場合には特に多く面会がされます。で、面談も心理状況もかなり頻繁に行われるというのが事実だと思います。
 年に1度は必ず、児相が子供の委託がなくても自宅のほうに出向いて調査を行います。それは、里親登録したときとその1年後、どのようにその家庭の状況が変わっているかということの確認です。もちろん家族で子供を養育するわけですから、例えばうちもあったのですが、おばあちゃんが亡くなっちゃったよとか、お兄ちゃんが例えば大学生になって家からいなくなったよであるとか、そういった家族の状況も含めての児相からの点検といいますか調査が行われるわけです。これは確実にあるというふうに私は認識をしています。
 ですから、今回の3回というのはどうしてこんなことになっているんだろうという、もう本当に不審でしかないですね。
 以上です。

○比嘉京子委員 1つには、児相がこの子供の養育状況とか、それから養育している中における里親の困難さとか、そういうものに対する理解不足ということも一因にあるのかなというふうに私は思っているんですね。
 そこはどうお考えですか。

○加藤久美参考人 そうですね。やはりあまりにも児相と里親さんの情報共有というものがなされていなかったのではないかと思います。
 もちろん、その2か月から里親さんは養育しているわけですが、その前には乳児院にいたんでしょうかね。で、その0歳からずっとこの子のケースファイルというものが作成されているはずです。そういったものも担当者が何人替わったとしてもきちんと検証されて把握をされて、児相の中で何人もの者が関わってケースワークをしながら、この里親さんとも情報共有をしながら、それをやっていく1つのチームとしてその里親もチームの一人の関わりとして行っていくというのが、正しい社会的養育の在り方ではないかというふうに思っています。でも、それが足りなかった、相当足りなかったというふうに思います。

○比嘉京子委員 一時保護の後に審議会を開かれているわけなんですけれども、審議会を開かずに一時保護をすることについてのお考えと、それから今回の審議会が発表したプレスリリースについて、何か御意見があれば伺いたいと思います。

○加藤久美参考人 そもそもその一時保護をする理由があったのかというところだと思います。問題なく生活をしていた里子がなぜ一時保護所に入らなければならなかったのか。
 確かに私どものところに来ている里子たちも、養育の途中で一時保護所に入るということはあるんです。でも、私どものところには緊急一時でそれこそ措置されてそのまま来ているので、確かに行動観察をされている期間がないので、一時保護所に一定期間行くことがあります。でも、いいとこ2週間から1月です。1月までも入っていないです。というのは、一時保護所自体もどこも今満杯なんですね、措置する子供がたくさんで満杯ですから、行動観察のために1人措置できる子供の枠を取ってしまうということのほうが逆に児相としてはマイナスであるからです。
 ですから、その行動観察を必要以上に多く取るということにも不自然さを感じています。
 審議部会についてですが、重大事案の報告書というのが県のほうから出されています。それをホームページのほうで確認させていただきました。
 ちょっと話がずれるようにも思えるかもしれませんがちょっと話をさせていただくと、国会議員も数年前から自民党の児童の養護と未来を考える議員連盟及び超党派の児童虐待から子どもを守る議員の会という合同勉強会を定期開催しています。私も随分とそこに傍聴として通わせていただきました。今は政界を引退され里親になっている自民党の元国会議員で厚労大臣であった塩崎泰久さんが会長で、それはそれはもう熱心に毎回行われていたわけですが、その中でも特に塩崎先生が繰り返し取り上げた事件が千葉県野田市の虐待死事件です。
 この事件は、沖縄の糸満市から千葉県野田市へこの家族が転居した1年4か月後に本児が死亡した事例です。2つの児相、伴う行政機関にも関わっていたにもかかわらず、本児がその母親が沖縄のほうでですね、助けてという声を上げていたんですね、子供も千葉で助けてという声を上げています。それにもかかわらず本児は死亡しました。この検査報告書については、少しお話をさせていただきたいと思います。児童相談所はこの件についてほとんど情報を持っていなかったんです。これは沖縄の児童相談所です。調査報告書がホームページのほうで出ておりますが、それを読ませていただきました。沖縄のほうで出ている調査報告書、この薄さです。これが全てだったかは、ちょっと分からないです。でも、ホームページ上で私が手に入れたのはこれです。野田市のほうが立ち上げたその調査委員会の公開版の報告書です。100ページあります。こちら12ページ。これは公開版です。私も元のものも見せていただきましたが、この2倍から3倍あります。内容を見ましても、こちらの沖縄のほうが作った報告書に関しては、ほとんど肝心なことが書かれていないんですね。で、検証委員会の死亡報告書の内容の薄さに私は本当に驚きました。
 この野田市のほうの検証、この最後に委員はこう記しています。二度と悲劇を繰り返さないためには、あなたを守る、あなたの権利を守るとそういった覚悟を持って、子供に寄り添うことができる大人が必要である。特に子供の家庭福祉の最前線として、福祉職員の役割は大きなものとなっている。今回、福祉職が子供や家庭に接遇し切れていなかったのは大きな問題であったと言えます。ただし個人でそれを達成するには困難であり、組織力が求められている。子供に家庭にしっかりと接遇し、向き合い、子供を守り通す組織力がつくられていくことを切に望む、というところです。
 令和2年1月に野田市の検証報告書が公開されました。同年4月に沖縄の報告書が公開となりましたが、沖縄県の子どもの福祉部局の管理職はこの報告書の何に目を通していたのでしょうか。野田市の報告書は100ページを超えています。そうですね、この沖縄のほうに書かれているのは単に相談者の行動報告でありました。見守りを行った、にするにとどめ、何ら支援は行ってはいませんでした。そして沖縄では重大な虐待が見られなかった、としてくくられています。なぜ、そう言い切れるのでしょうか。この子供は沖縄から千葉へ転居したその1年4か月後に死亡しているんです。
 私には、市も児相も全く機能していなかったのではないか、もしや児相は市から相談を受けても情報が足りないと動かなかったのです。現在の沖縄の児童相談所はこうした重大事案に関する検証が全く生かされていると思えません。子供の死に対して、その職務の責任においての向き合いはなされず、この検証を行ったとする沖縄県社会福祉審議会児童福祉専門分科会審議部会においては、何のためにこのような検証を行い報告としたのか、それをお尋ねしたいと思います。
 皆さんも一度、今まで幾つかの死亡事例の検証報告が出されております。ぜひ目を通していただきたいと思います。
 そこに書いて反省するべき部分と明記してあるものは、今回の事案にも生かされていなかったことがよく分かるかと思います。
 以上です。

○比嘉京子委員 今回の児童福祉審議会のプレスリリースをお読みになって、今の事案を生かされているだろうという御意見だったのですが、今回の件にすると、どこに問題というか何が問題だったんでしょうか。

○加藤久美参考人 この報告書の中には、児相の問題点、そして各機関との連携、それがどうだったかということが書かれています。
 その子供の意見を聞くであるとか、あとはその状況がきちんと把握ができていなかったであるとか、その案件案件によって内容は違うのですが、やはりそこをきちんと関わった児相自体が重く受け止め、それを反省としていたのであれば、今回のような対応にはならなかったと思います。
 今回、小橋川里親さんのところに委託されていたお子さんが他県に、実親のところに戻るということになると、他県に移動することになっていました。そうすると、野田の事件に似た部分があったのではないかなというふうに思います。

○比嘉京子委員 このプレスリリースはなかなか中身に突っ込んでいなくて、私もやっぱり指摘はしたんだけど具体策がないなということと、もう1点はやはり子供というところが欠けているのかなあと。
 児相の里親支援の介入不足であるとかって指摘はやるんだけれども、じゃあどうすればそれができるのかというところに及んでいないのかなというふうに思っております。
 では、次にいきたいと思います。 
 先ほど一時保護のお話があって、御自身の体験でもいわゆる虐待から即自宅に連れて来られた子供の行動観察をするために2週間とか入れることがあるというお話がありましたけれども、その帰ってきた子供たちからすると一時保護所って、どんな場所っていうような、私たちにはこの一時保護っていうのがイメージが全然できなくて、どういう状況の場所なのかという想定が全くできないんですね。
 そこら辺でもし情報があればお聞きしたいと思います。

○加藤久美参考人 一時保護所というところはですね、実はかなり問題になっておりまして、児童福祉法改正の前には本当に収容所と別名言われている、子供にとっての刑務所のような場所であったと報告がされています。
 子供同士の情報交換をさせない、私語や会話の禁止、ほかの子と目を合わせたりするのも禁止しているところがありました。私服や私物は一切持ち込むことができません。ですから、一時保護所に入るときには下着から何から全て一時保護所のものを着用します。通学もできません。学校や保育園に行くことはかないません。面会もできません。でも、一部現在では、学校の先生や医療関係者、そういったところにおいては段階を経てというか許可を得て面会を図ることは可能です。その辺りも、その児童相談所によっての考え方、また県の考え方もありますが、そこによっていろんなことが可能にはなってきています。
 最近の一時保護所―新しく新設されたところにおいては、個室になっていたり、かなり生活環境のほうも改善はされているとは聞いてはおります。
 ただ、やはりかなりの行動の制限があるというのは事実であって、私どもの里子もですね、あと一時保護所からやってきた里子においても、その声を聞きますと、あんなところに僕はもう二度と行かないよ、もしあそこにまた入るようなことがあったら脱走するんだ、一緒に入っていた何とか君っていう子は脱走したんだよ。僕はあの方法がいいと思う。そうじゃないとあんなところにはいられないよ、そう言うんです。でもこれは、一時保護所にいて、そんなに嫌じゃなかったよっていう意見はなかなか聞いたことがないです。これはうちの里子に限らずほかの里親さんのうちの子も同じことを言っています。子供の証言としてはそういうことです。

○比嘉京子委員 最後になりますけれども、今回の親権者によると言われているんですけど、一時保護ですけれども、やっぱり真実告知について児相との対立があったのではないかと。いわゆる児相は早くから言っているけど聞かなかったというようなことで平行線になっているみたいなんですけど、里親の立場から真実告知っていうことについては、もちろんこれは義務ではないというふうになってはいるんですが、里親の立場から今回の事案を見て、児相と里親ですね、小橋川さん里親との関係を見て、どのような見解を持たれているんでしょうか。

○加藤久美参考人 この里子さんに発達の問題があったというふうには伺っています。実はこの社会的養育で児相からお預かりするお子さんたちの多くにそういった症状があります。多かれ少なかれ、何かを持っているというのがほとんどこの社会的養育の子供だと思っています。
 というのは、乳児院もそうですが、守られない環境の中で、非常につらい環境の中で、生き抜いてきた子供たちなわけです。ですから、何かバランスを崩してもそれは当然のことなわけです。ですから、一般のお子さんとは社会的養育のお子さんはかなり違う点があります。養育で困難になることというのは、もう日常です。これが事実です。
 その中で、この障害や発達の遅れがあるお子さんがこの真実告知をどのように理解するかとしたときに、まず友人の里親のところに10歳になる自閉のお子さんがいるんですね、彼女も自閉スペクトラムです。その10歳のお子さんに聞いてみました。パパとママと、そうじゃないパパとママがいて、それで実の親、それと育ての親、これをかみ砕いて子供に分かるように説明をして、それ意味分かるって聞いたら全く理解ができませんでした。もうきょとんとして何を言っているんだろうという形で、返答もしなかったというところです。
 で、我が家にいる8歳の里子に同じように聞いてみました。彼は行動の問題であるとかいろいろありますけれども、でも理解力はないわけではなく、同じことを聞くとやっぱり意味分かんないって言うんですね。
 だからやはり、子供は真実告知に関しては丁寧に丁寧に話していかなければ理解はできないんです。そして、もしその文言としての理解ができたとしても、自分の心に落とし込むことがそう安易にできるでしょうか。それには大変な時間がかかると思います。
 ですから、この真実告知に関しては国のガイドラインの中でもそうですが、時間を重ねて特段その里親にだけに任せるものではなく、児相も一緒になって行っていくというのが通常の行い方だと思います。ですから、今回、その真実告知をしなかったというところに、その里親の責任をかぶせている、この児相のやり方についてはちょっと納得がいかないところですね。
 以上です。

○末松文信委員長 ほかに質疑はありませんか。
玉城ノブ子委員。

○玉城ノブ子委員 糸満の件も出ておりましたので、私も糸満なんですけれども、ちょっとあの事件が起きたときに私も非常にショックで、本当にこういうことが二度とあってはならないよねっていうことを何度も何度もみんなと一緒に話合いをしてきました。
 そういうふうなことを考えるとですね、今、今回の件があのときの状況と似たような状況があるというのを聞いたときに大変、私も今ショックだなというふうに思ってるんですけれども。具体的にそういうことを二度と起こしてはならない、要するに本当にどうしたら、この今回の件についてもそうなんですけれども、子供を守っていくことができるのかということを考えたときに、今回の件で一番これは本当に解決していかなくてはならない、改善していかなくてはならないというふうなことについて、具体的にはやっぱりどうするべきなのかということを考えたときにどのような御意見を持っていらっしゃるのかなというふうに思うんですけれども。

○加藤久美参考人 児童福祉法の改正が行われています。今国会でも提出をされています。で、今回の改正内容は児童相談所が子供の安全を確保するために親から引き離しをしたり、一時保護をしたり、児童養護施設や里親家庭に委託するときに、子供の本人の意見を聴取し勘案するよう義務づけるものなんですね。で、改正案には一時保護を決めるのが、その家庭裁判所が判断をする司法審査の導入も盛り込まれています。そしてそこでも子供の意見の聴取というのは欠かさないとなっています。
 やはり、子供の意見の聴取、ここはどの場面であっても絶対だということです。意見表明ができる体制、その整備を整えていくことはもう必須だと思います。
 そうした動きも沖縄の児童相談所は把握をしていなかったのか、現行の児童福祉法をどのように理解をしていたのか、これも大変疑問です。この専門職において、ここを、一番の要の部分を理解をしていなかったというのも、あるまじきことだと思います。
 児相は一時保護などをめぐって、親に激しく反対されることもあります。そうした中で先ほど上げさせていただいた千葉県野田市で10歳の虐待事件ですね。子供の処遇が大人の権利や力関係で決まってしまうことをやめなければ、この問題は解決しないと思います。
 以上です。

○玉城ノブ子委員 本当にね、今の現状の今回の問題もそうですけれども、本当に具体的に里親のこの思い、そして子供のこの思いに一緒にかみ合ってきちんとその思いが生かされていくような、そういう環境を今後どうつくっていくかというふうになったときに、多分いろいろな問題が今から出てくるのではないかと思いますけれども、実際上今、今のこの段階で一番いい対処っていうんでしょうかね、していくということになるとどういう道筋が考えられていくのかということなんですけど。私たちが今ずっとその問題についてみんなで議論をずっとしていかなくちゃならないんじゃないかというふうに思いますけれども。具体的にはどのように対応していくかという問題について、ちょっと、もし御意見がございましたら。

○加藤久美参考人 具体的にというのは大変難しいとは思いますが、ただこの今回出ている小橋川夫婦が勇気を持ってこのことを公にしたことから始まっているわけですが、この問題が1つ出ているということは、ほかにも問題が児童相談所の中にたくさんあるのではないかなと思います。こんなことがまかり通っているわけですから、児童相談所の中でこの子供の措置を認めているわけですから、1人の担当者がこれをワンマンに行っているわけではない、ケースワークをされた上でこの対応になっているということは、児童相談所全体に何か大きな問題があると捉えるのが自然ではないかと思います。
 そうすると、この全てを一度しっかりと見直す、第三者委員会のことも私たちは提言しておりますが、そういった外部からの見方、考え方、これをしっかりまずは行っていくことだと思います。まずはそこからですかね。
 はい、以上です。

○玉城ノブ子委員 次は児童相談所も来てもらって話を聞くということになっておりますので、そこら辺はしっかりと皆さん方の意見も聞いてですね、児童相談所のほうにも私たちは具体的な意見や提言をしていかなくちゃいけないんじゃないかというふうに思っておりますので、ぜひこの問題が本当にしっかりと解決していくことができるように。このまずやっぱりこの子供がですね、しっかりとやっぱり守られるような環境をどうつくっていくのかということについてもですね、しっかりと私たちも考えていかなくちゃいけないし、対処していかなくちゃいけないんじゃないかというふうに思っております。
 今日はどうも御意見ありがとうございました。

○末松文信委員長 ほかに質疑はありませんか。
 石原朝子委員。

○石原朝子委員 ありがとうございます、加藤さん。
 二、三点ちょっとお聞かせ願います。
 今回この案件は沖縄で起きたことなんですけれども、加藤さんが住まわれている神奈川県ではこういったケースってあるんでしょうか。この一時保護、里子をですね、こういった形でこう引き離す、措置解除をするというケースもございましたでしょうか。

○加藤久美参考人 実際ですね、この問題は実は全国的にあります。
 で、ちょうど1年前にも隣の町で里親さんが同じような目に遭いましてですね、私も国や県やいろんなところに話をしに行きました。しかし、これどうにもならなかったんです。その時の里親さんの苦しみとその涙と、現在も精神的に不安定です。で、当初は子供を児相が連れて行ってしまってからというのは、自営業でいらっしゃったんですが、レストランを経営していたんですが、仕事ができなくなりました。経済的にも大変なことになりました。
 実際、その子供を―それが実子であろうがなかろうが、育てている子供をどんな理由があったとしても親の元から、親にすがる子供を引き離すというのは、もう親としては身が切られる思い、もう本当に自分の命をそがれるような思いになると思います。
 ですから、この問題は沖縄で初めてこの里親さんは声を上げた。児相からすると、マスコミなんかにも話をして大ごとにして、何て里親だっていう見方もあるかと思います。しかし、この里親にはこの手段しかなかったんだと思います。で、私たちもじゃあこれが本当に自分たちの身に降りかかったときに、どうやって子供を取り戻す、子供を守ろうかと考えたときには、きっと同じ手段になったよね。だけどそんな勇気を持てるかどうか、そこにかかっていたんだよねと。でも、小橋川さん夫婦はそこをやってのけた。これは大変に大きなことだ、だから私たちも力を貸そうという気持ちになったわけです。
 今回のこの問題をきちんと沖縄県が対応をし、1つクリアをしていくとなると、これはもう全国の里親が助けられる問題であると思います。
 ですから、ある意味ピンチではありますが、これは必ずチャンスにもなってきますので、どうか委員の皆さんでも今一度多く調査をしていただき、この問題に向き合っていただきたいと思います。

○石原朝子委員 加藤さんがこの御存じのケースに関しては、この神奈川県としても、その里親さん里子さんに対しての何らかのケアはなかった、泣き寝入りの状態だったということですね、分かりました。
 そういうことがないように今回の沖縄県で起きたそのケースを通してしっかりと整えて、里子、里親さんの納得のいくような形に持っていかなければならないということで期待をされているということですね、分かりました。
 それで先ほど、この糸満市の件もありましたけれども、沖縄県におきましては、児相において人員がですね、大分増やされているということを聞いています。これまで児相の職員が不足気味であったということで、職員が大分増やされているようには聞いてはおりますけれども、やはり今回の児相の職員が増えたからといっても、その児相内部のもっと何か課題というのを我々県議会議員としてもしっかりと調査をして注視をして当たっていかないといけないということなんですね、このケースを通して。そういうことが加藤さんのほうからこう見えるということなんですね。
 私たちはそこら辺、私はちょっと分からなかったので、加藤さんのお話を聞いて、児相のほう―県内の児相においては職員が増やされているということは聞いておりましたけれども、そもそもが児相の内部の体制、子供たちの一時保護、いろんな相談業務に対して、ちょっとおかしなところもあるかもしれないということを、私はそういったものを今まで児相に対しては信頼をしている部分もありましたので、やっぱりこのケースをきっかけとして、児相の内部の状況に今後注視をしていきたいなと思いました。
 
○加藤久美参考人 今回のことでですね、沖縄におけるその子供が置かれている環境について調べてみました。沖縄が、子供たちのために県がどういった考えで何をしようとしているのか、それを知りたかったからです。
 沖縄は人口に対して子供の数が一番多い県です、全国的にも。全体の人口に対して児童相談所の設置数を見るのではなくて、人口に対してどのくらい子供の割合が高いのか、これは重要だと思います。児相を増やすべきではないかと個人的には思います。で、昨年の7月、国は児童相談所1か所当たりの管轄の人口を50万人以下とする設置基準を示しました。そうなると現在、150万弱、147ぐらいですかね、沖縄県の人口。しかも14歳以下の人口割合が全国1位であるということを考えると、児童相談所は現在2か所ですが、これをやっぱり3か所にする。またはですね、職員数。どの程度のその現在の児相体制が整ったものなのか、これはしっかりと検証する必要があるのではないでしょうか。
 児相に関する子供の被害が明るみにされたときですね、必ずと言っていいほど、児相は大変だ、忙しくてとても手に負えないという話が持ち上がります。で、子供が死んでもです。子供の権利は誰が守るのか、誰が責任を持つのかを追及をするべきだと思います。
 で、少し話はずれてしまうかもしれないんですが、皆さん引き出し屋というのを御存じでしょうか。何らかの原因で自宅に引き籠もってしまった人を自立支援施設という施設に強制的に入所させてしまう事業者がいるんですね。それを引き出し屋というんです。で、本人の同意はほとんどなくて、親がその業者に大金を払ってこの業者が子供を―子供といってもそれこそ年齢はばらばらで、未成年の子から大人、もう30代、40代の人までがそこの施設に入れられるわけですが、そうした業者が私の町にすっと入ってきて営んでいるんです。ところが、その業者に多くの沖縄の子供が連れて来られています。で、その子供たちの親に状況を聞きますと、これ沖縄の子供たちだけではないですが、親に話を聞くと、問題があって児童相談所に相談をした。けれども話を聞くだけで、具体的な対策―どうしたらいのか、支援、そういったものは一切なかった。なので、致し方がなくこの業者に大金を払ってお願いすることになったという話が事実出ています。で、こういった問題にも波及していくわけです。で、こうなってくると子供は親にお金で売られたように思うわけですね。ですから親子の関係性の修復というのは大変難しいものになっています。これは現在進行形です。で、沖縄にも現在そういった業者があることは確認できています。児童相談所の機能が低下すると、こういった悪徳な事業者がはびこるようになります。
 こういった点からも児相の運営体制の強化が喫緊の課題です。育ちにくく育てにくいお子さんの親は、本当に大変です。養育者を支えて、子供は社会に出て自分らしい人生を歩めるように、その環境を整えていくことをしなければ、必ずこういった問題にもつながってきます。
 で、令和2年に策定された沖縄県子どもの権利を尊重し虐待から守る社会づくり条例をつくられましたね、沖縄県が。これにもですね、子供の権利侵害がいかなるものなのか、それを守る大切さ、子供の命を守るため、その権利を守るため、健やかに養育されるために、その決まりがしっかりと条例の中に組み込まれているわけです。そして、先ほども御案内しました同年に沖縄県社会的養育推進計画、これも示されているわけです。それなのに、実態としてはこうした計画や条例が全く機能していないことが、今回の事例で浮き彫りになりました。機能していないんです。この条例は一体誰がつくったものなのかと尋ねたくなります。
 実際に行われていることは何だったでしょうか。子供の意見を聞かないで、国の示したガイドラインにも沿わず、児相が行うべき義務を怠り、最善の養育環境を壊し、子供の最善の養育状況を担保するための支援協力もせず、問題なく暮らしていた子供に―今現在も不安と悲しみの中でその環境に置いているんです。
 これを誰がやったのかということです。これは児相による子供への虐待ではないですか。これが実態です。よい言葉を書き並べて、でもその実態はその真逆を実行している。沖縄県は恐ろしい自治体だなと思います。きつい言葉ですが、そのくらいのことをこの子供に行っています。子供の傷つき、誰が責任を取って修復をするんでしょうか。修復できるんでしょうか、壊れたものを。そこを重く受け止めていただきたいと私は思っています。

○石原朝子委員 分かりました。ありがとうございます。
 今後はやはりそういった視点から、条例・計画に基づいた、児相がそういった働きをしているのか、機能しているのかをしっかりと注視しながら議論していきたいと思います。
 加藤さん、最後にですね、里親会と児相との関係性のこの上下関係というのをやっぱりこの、神奈川県―加藤さんが暮らしておられる県でおきましては里親会と児相との関係性っていうのは、どのような状況なんでしょうかね。
 また、その上下みたいに上から里親会に言っている状況なんでしょうか。取り戻しているような活動などもしているのでしょうか。
 どのような状態でしょうかね。

○加藤久美参考人 実は全国里親会がございます。実は私は全国里親会には加入していないんです。で、加入しないことも可能です。でも、自治体によっては強制的に入らなければならないとされるところもあります。
 で、実は全国里親会の運営に関しても、異議を申し立て、そこから脱退する県の里親会もあります。というのは、児相の力がそこに強く働いている。そこに、あらがうという表現がいいか分からないですが、それは違うだろうということで独自に考えを持って行っている里親会もあるんです。
 ですから、この里親会の在り方というのも、一つ考え直す必要があるかと思います。
 で、私は加入をしていないんですが、今回この小橋川さんの里子の引き離しの事件から全国里親会のホームページのほうに出ているその記事を少し御紹介したいと思うんですが、そのタイトルがですね、里親は子供を守ってあげられないのかという見出しでした。 
 で、その記事を書いた里親さんから承諾を得ましてちょっと御案内をさせていただくんですが、里親の申し出に対して児相は子供やそれまで養育してきた里親の思いは聞かれず、委託を解除するとのことです―これは小橋川さんのことですね。この記事によると、生後2か月から里親は子供を預かり、5歳まで養育しており、その間は実親は一度も面会などしていない。児相の主張としては里親には養育のために預かってもらうだけ、という親権者第一ということでなく、里親を子供のことをよく知っている人として話を聞いてもらいたいのです。また、子供の最善の利益を考えて対応してほしいし、そのために子供の声を十分に聞いてほしいのです。
 その実際、里子と引き離された里親さんなのですが、実の親子同様に愛情を育み、6年8か月もの間家族として暮らしてきたのに、委託解除後は完全に関係を断たれてしまいました。私たちは娘の力になりたい。でも、娘の気持ちを聞くこともできず、娘の気持ちを代弁することもできません。里親には処遇を争う資格はないと言われ、里子の代弁者にもなれません。こんな理不尽な状況があることを知っていただきたいと思い、今回の取材を受けました。
 これに対して、養育上で健康を害した里親には、里親不適格者とするのではなく、支援の体制こそ必要なのではないでしょうか。また、有無を言わさない強引な引き上げが各地で行われていますが、児童相談所と里親は同じ目的で活動しているはずで、児童相談所は子供や里親と十分話し合ってほしいと感じました。子供の処遇については、一緒に暮らしてきた里親の意見を尊重するべきでしょう、という記事でした。
 以上です。

○石原朝子委員 ありがとうございました。
 以上です。

○末松文信委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○末松文信委員長 質疑なしと認めます。
 以上で、陳情第33号に対する質疑を終結いたします。
この際、参考人に対し、委員会を代表して一言お礼を申し上げます。
 本日はお忙しい中にもかかわらず、長時間にわたり貴重な御説明をいただき心から感謝いたします。
 本日拝聴いたしました内容等につきましては、今後の委員会審査に十分生かしてまいりたいと思います。
 加藤久美参考人、大変ありがとうございました。
 休憩いたします。

  (休憩中に、参考人退席)

○末松文信委員長 再開いたします。
 以上で、本日の日程は全て終了いたしました。
 次回は、4月26日 火曜日 午前10時から委員会を開きます。
 委員の皆さん、大変御苦労さまでした。
本日の委員会は、これをもって散会いたします。






沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。

   委 員 長  末 松 文 信