委員会記録・調査報告等

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文教厚生委員会記録
 
平成30年 第 7定例会

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開会の日時

年月日平成30年10月23日 曜日
開会午前 10 時 0
散会午後 5 時 19

場所


第2委員会室


議題


1 甲第2号議案 平成30年度沖縄県国民健康保険事業特別会計補正(第1号)
2 乙第1号議案 沖縄県養護老人ホームの設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例
3 乙第10号議案 訴えの提起について
4 請願第4号、陳情平成28年第37号の2、同第50号、同第51号、同第54号の2、同第61号、同第69号、同第72号、同第79号、同第85号、同第96号、同第111号、同第133号、同第139号、同第141号から同第143号まで、同第157号、陳情平成29年第7号、同第26号、同第34号、同第36号、同第55号、同第65号、同第67号、同第68号、同第71号、同第72号、同第84号、同第94号の3、同第96号、同第97号、同第103号、同第104号、同第109号、同第111号、同第118号から同第121号まで、同第127号、同第131号、陳情第2号、第7号、第15号、第16号、第19号、第22号、第24号、第32号、第33号の2、第45号から第47号まで、第48号の2、第49号、第50号、第52号、第54号、第56号、第66号、第67号、第77号、第86号、第88号及び第93号
5 子ども医療費助成制度の拡充等を求める意見書の提出について(追加議題)
6 本委員会の所管事務に係る決算事項の調査について
7 調査日程について
8 閉会中継続審査・調査について


出席委員

委 員 長  狩 俣 信 子 さん
副委員長  西 銘 純 恵 さん
委  員  新 垣   新 君
委  員  末 松 文 信 君
委  員  照 屋 守 之 君
委  員  次呂久 成 崇 君
委  員  亀 濱 玲 子 さん
委  員  比 嘉 京 子 さん
委  員  平 良 昭 一 君
委  員  金 城 泰 邦 君


欠席委員

なし


説明のため出席した者の職・氏名

子ども生活福祉部長      大 城 玲 子 さん
 生活企画統括監       上 間   司 君
 福祉政策課長        金 城   賢 君
 高齢者福祉介護課長     長 浜 広 明 君
 子育て支援課長       久 貝   仁 君
保健医療部長         砂 川   靖 君
 医療企画統括監       大 城   博 君
 保健医療総務課長      長 嶺   祥 君
 医療政策課長        諸見里   真 君
 衛生薬務課長        玉 城 宏 幸 君
 国民健康保険課長      名 城 政 広 君
 県立看護大学長       嘉手苅 英 子 さん
病院事業局長         我那覇   仁 君
 病院事業総務課医療企画監  田 仲   斉 君
 病院事業総務課看護企画監  照 屋 洋 子 さん 
教育長            平 敷 昭 人 君
 総務課教育企画室長     横 田 昭 彦 君
 教育支援課長        佐次田   薫 君
 学校人事課長        古 堅 圭 一 君
 県立学校教育課長      半 嶺   満 君



○狩俣信子委員長 ただいまから、文教厚生委員会を開会いたします。
 甲第2号議案、乙第1号議案、乙第10号議案の議案3件、請願第4号及び陳情平成28年第37号の2外64件、本委員会の所管事務に係る決算事項の調査について、調査日程について及び閉会中継続審査・調査についてを一括して議題といたします。
 本日の説明員として、子ども生活福祉部長、保健医療部長、病院事業局長及び教育長の出席を求めております。
 まず初めに、乙第1号議案沖縄県養護老人ホームの設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例について審査を行います。
 ただいまの議案について、子ども生活福祉部長の説明を求めます。
 大城玲子子ども生活福祉部長。

○大城玲子子ども生活福祉部長 それでは乙第1号議案沖縄県養護老人ホームの設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例について、お手元に配付しております平成30年第7回沖縄県議会(10月定例会)文教厚生委員会乙号議案説明資料により、御説明いたします。
 1ページをお開きください。
 この議案は養護老人ホームの設備及び運営に関する基準の一部が改正され、サテライト型養護老人ホームを設置することができる本体施設に、養護老人ホームが加えられたことに伴い、養護老人ホームの職員の配置の基準を改める必要があるため、改正するものであります。
 以上で、乙第1号議案についての説明を終わります。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

○狩俣信子委員長 子ども生活福祉部長の説明は終わりました。
 これより乙第1号議案に対する質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないよう簡潔にお願いいたします。
 また、この際、執行部の皆様に申し上げます。
 答弁に際しては、要点をまとめ、要領よく行い、円滑な委員会運営が図られるよう御協力をお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 亀濱玲子委員。

○亀濱玲子委員 この養護老人ホームが追加されて、サテライト型養護老人ホームができるようになるということですが、現行のものからそれが加わった背景は何でしょうか。答弁をお願いします。

○長浜広明高齢者福祉介護課長 平成28年度の地方分権改革に関する提案募集は地方の意見を同改革に取り入れ、これを進めるために導入されたものですが、その募集の中で、滋賀県等5県からサテライト型養護老人ホームの本体施設として養護老人ホームを追加するよう基準見直しの提案がなされました。それに対して学識経験者や事業団体関係者などから成る検討委員会を設け、そこで検討を行った結果、改正に至ったということでございます。

○亀濱玲子委員 他県からの提案で改正されたということですが、沖縄県におけるニーズはいかがですか。状況についてもあわせて説明してください。

○長浜広明高齢者福祉介護課長 県内の養護老人ホームは6施設ございまして、定員300名として設置しております。措置人員については、平成30年4月1日時点で、159名となっております。

○亀濱玲子委員 養護老人ホームは市町村の措置になると思います。先般、文教厚生委員長と一緒に具志川厚生園を視察させていただいたときに、例えば盲老人の方について施設を改善して待っているが、なかなか申請がないのですということがありました。もしこれをやるとすれば手を挙げるところがあるのか。それを審査するという入り口の話なのか。あるいは市町村の希望があるとか、もしこれが実施されるとすれば、どういう状況になっていくのですか。施設をつくってもミスマッチがあったりすることが具志川厚生園では見られたりしたので、サテライト型養護老人ホームが沖縄県でもいずれ必要になるものと見通されているのか。また、そのニーズについて市町村から事情を聴取されているのか、具体的に教えていただけますか。

○長浜広明高齢者福祉介護課長 養護老人ホームについては、高齢者保健福祉計画で位置づけていますが、これは老人福祉法に基づき定数を定めることになっております。このため県においては3年ごとに計画の見直しを行う際に、養護老人ホームが設置されている市の担当課長や養護老人ホームを運営している法人の代表者などから成る養護老人ホームの検討委員会を設置して、定数の検討を行い計画に盛り込んでいるところでございます。

○亀濱玲子委員 この施設については沖縄県でもいずれ必要になるという見通しですか。県としてどのように捉えていますか。

○長浜広明高齢者福祉介護課長 先ほども答弁いたしましたとおり、今回の改正については、他県からの要望によるものという背景がございました。そのときに他県では増の計画があり、その設置に向けて法人から現在の養護老人ホームを運営している本体施設でサテライト型養護老人ホームが設置できれば、そういった増の計画に対応することができるということだったのです。しかし、これは6期の計画であり、7期の計画で再度見直しした結果、増ではなくなってということがありました。そういった計画に基づいて、施設を設置していくということでございます。

○亀濱玲子委員 沖縄県がなぜこれを加えるのかということですが、とりあえずそういうことがあるので、追加しておきましょうというぐらいであると判断すればいいのでしょうか。

○長浜広明高齢者福祉介護課長 今回の改正は、国の省令の改正に伴うものでございまして、その基準として県の条例でも位置づける必要があることから条例改正を行うものでございます。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 比嘉京子委員。

○比嘉京子委員 これはどういうことを目的とした施設なのか。それから人的配置はどうなっているのか。期間として長期的なことを目安にしているのかということなど、基本的な養護老人ホームの機能について説明をお願いします。

○長浜広明高齢者福祉介護課長 養護老人ホームについては、環境上の理由として、例えば住まいがなかなか確保できない。あるいは経済的な理由として、生活保護などの生活困窮者に対して自立した日常生活が確保できるように、社会的活動に参加するために必要な指導、訓練などの支援を行うことを目的とする施設でございます。これは議案説明資料の3ページの定義の中に、今答弁した内容が書いてあります。養護老人ホームの定義の欄にあります。それから人員配置については、医師や生活相談員、それから支援員などの職員を配置することになっております。

○比嘉京子委員 少し認識が違うように思うのですが、これは介護老人保健施設ではないですよね。養護老人ホームですよね。生活支援や社会復帰を目指しているわけですよね。ですから長期ではないですよね。長期でないところは医師や看護師、作業療法士等がいる場所ではないものと認識していますが、皆さんはどうなのですか。ここは支援員と称する方がいるところではないのですか。医師、看護師等の医学的な療法が必要な場所ではないと思っているのですが、どうなのですか。

○長浜広明高齢者福祉介護課長 入所者の感染症の対応とかといった健康管理をする。あるいは何らかの薬を服用されている方もいらっしゃるので、そういった健康管理を含めた医師の配置ということでございます。

○比嘉京子委員 私は、介護老人保健施設と混同しかけているのですが、ここは生活支援を主にしていて、支援員という方がいらっしゃるところではないのかと。つまり医学的な療法については、それが必要な場所ではないという認識ですが、その設置義務として医師の配置が必要なのでしょうか。

○長浜広明高齢者福祉介護課長 医師については配置することとされています。といいますのは、先ほども答弁いたしましたが、健康管理や健康診断、感染症への対応であるとか、あるいは服薬関係といったことで必要性があるということでございます。

○比嘉京子委員 医師以外に設置義務が課されている専門的な職種はありますか。

○長浜広明高齢者福祉介護課長 入所者の中には生活に課題を抱える方も入所していますので、生活支援や処遇の関係で支援員が配置されております。特別養護老人ホームには介護職員がいるのですが、この施設では支援員という形で配置されているということです。

○比嘉京子委員 支援員の人的配置は何対何でしょうか。

○長浜広明高齢者福祉介護課長 15人に1人ということになっています。

○比嘉京子委員 このサテライト型養護老人ホームについては、20分圏内に設置するということになっているようですが、サテライト型養護老人ホームも同じような人的配置ということになっているのでしょうか。

○長浜広明高齢者福祉介護課長 サテライト型養護老人ホームにつきましては、20分以内で移動できる範囲に設置することになっています。委員がおっしゃるように、本体施設と密接な連携が確保されていることが必要でございまして、医師については入所者の健康管理が適切に対応できていれば、特にこれを配置しなくてもいいことになっております。

○比嘉京子委員 支援員の人的配置については、先ほど本体施設は15対1だという説明がありましたが、サテライト型養護老人ホームも同じような配置基準であると理解していいのでしょうか。

○長浜広明高齢者福祉介護課長 サテライト型養護老人ホームにつきましては、もちろん入所者の健康管理が適切に実施されているということを前提にして医師を配置しなくてもいいということです。あと栄養士や調理師に関しても、入所者の処遇が本体施設の職員によって適切に対応できているということであれば、その配置を行わなくてもいいということになっています。

○狩俣信子委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、比嘉委員から支援員の配置の状況について答弁するよう指摘がされた。)

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 長浜広明高齢者福祉介護課長。

○長浜広明高齢者福祉介護課長 支援員の配置については、本体施設と同じでございます。

○比嘉京子委員 もし、その制度の門戸が開かれたとして、先ほどからの質疑のやりとりでもわかるように、沖縄県におけるニーズが課題になると思います。20分圏内の設置も含めて課題になるのかと思うのですが、予想されるニーズについてどのように考えていますか。

○長浜広明高齢者福祉介護課長 大変申しわけないのですが、現在、予想というものはありません。また集計や分析なども行っていませんが、先ほども申し上げたように、毎年度、計画策定の際には養護老人ホームを設置している市町村に対してアンケート調査を実施しています。さらに検討委員会で養護老人ホームを運営している代表の方々にもお越しいただいて、養護老人ホームの今後の方向性、それから計画の中に定数を盛り込んでいくことが法律に明記されていますので、その検討の際にはしっかりと対応していくということでございます。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 議案説明資料の2ページに本体施設とサテライト型養護老人ホームと書いてあって、3ページには特別養護老人ホームと養護老人ホームの比較が書いてあります。このサテライト型養護老人ホームというものは、現在、本体施設が4つある中に、改正後は養護老人ホームを加えて、それも含めてサテライト型養護老人ホームができますと。これは介護老人保健施設もサテライト型養護老人ホームもオーケーという意味なのでしょうか。

○長浜広明高齢者福祉介護課長 委員がおっしゃるように、これまでは本体施設として介護老人保健施設などがございましたが、今回の改正で養護老人ホームが追加になったということでございます。

○西銘純恵委員 これが追加されて、入所定員29人以下というサテライト型養護老人ホームがこの5つ、例えば病院や診療所にもできますということで理解していいですか。

○大城玲子子ども生活福祉部長 現在の本体施設である1番目から4番目については、現行でもサテライト型養護老人ホームが設置できることになっており、今回、これに養護老人ホームが加わってくるということでございます。

○西銘純恵委員 現行の本体施設の中で、サテライト型養護老人ホームを設置しているところはあるのでしょうか。

○長浜広明高齢者福祉介護課長 現在、県内にはございません。

○西銘純恵委員 先ほど措置についての説明がありましたが、6施設、300名の定員に対して、159名措置されているということは、その対象者がいないということなのでしょうか。この入所定員を満たしていなければ、サテライト型養護老人ホームをつくっても措置されないと思うわけです。県内のこれを必要とする人について現行で措置されていないものとみなすのか。そこら辺は市町村とどのような話をしていますか。

○長浜広明高齢者福祉介護課長 市町村と意見交換を行った結果、養護老人ホームの役割やその存在がまだ十分に周知されていない部分があるのではないかということで、県においてもホームページや住民に身近な民生委員等の研修会の場などで、制度の周知を図っているところでございます。また市町村によると、有料老人ホーム等が多様な高齢者の住まいとして増加していることも、その定員を満たしていない理由として挙げられるのではないかということでした。

○西銘純恵委員 有料老人ホームとおっしゃったけど、特別養護老人ホームや有料老人ホームは契約ということで、最近の実態としては要介護3以上でなければ受け入れていないのではないか等、いろいろな声があるのです。その実態はどうなっていますか。

○長浜広明高齢者福祉介護課長 有料老人ホームは要介護1、2の方でも入れますし、また健康管理といった内容によって、これは契約ですので、施設の方針といったものによって、例えば食事の提供やもちろん介護もございますが、そういったメニューがあるということでございます。

○西銘純恵委員 有料老人ホームの中でも特に結構規模の大きいところなのですが、施設ができたころは要介護1から入所させていたのです。具体的に紹介してね。でも今、実態としてはやはり介護報酬の関係で経営的に厳しいので要介護3以上となっているということで、要介護2以下の方がなかなか入所できない状況です。最近聞いたら入所できないと。そういう行き場がない皆さんが、病院から出ても有料老人ホームに行けない。どこに行こうかという声がたくさんあるのではないかということをぜひ拾い上げてほしいと思います。
 養護老人ホームの定員が300名であるにもかかわらず、なぜ全てが措置されていないのかと。半分ぐらいしかいないと。サテライト型養護老人ホームができたら制度として身近なものになってくると思うのです。県内の6カ所はどこにありますか。距離的なものから見ると遠いのではないのですか。

○長浜広明高齢者福祉介護課長 名護市、うるま市、那覇市、糸満市、宮古島市、石垣市でございます。

○西銘純恵委員 結局6カ所の圏域という形になっていて、これは確かに距離の問題があるし、サテライト型養護老人ホームが身近にできたら入りたいねということもありますが、措置をする自治体が措置費について負担が重いということについても問題があるのではないかと思っています。
 一般的に1人当たりの措置費はどれぐらいになるのでしょうか。これについては市町村や県の負担もあるのでしょうか。

○長浜広明高齢者福祉介護課長 措置については、市町村の措置費ということです。例えば現員数30人においては、月額で1人当たり約18万4000円となっております。

○西銘純恵委員 これは施設が所在する市町村が負担することになるのですか。

○長浜広明高齢者福祉介護課長 措置した市町村がその費用を負担します。

○西銘純恵委員 これについては市町村と意見交換を行ってほしいのです。独居老人や認知症の人とか、周りにたくさんの方がいらっしゃいます。高齢者世帯で生活困難の方など、この養護老人ホームの要件に該当する皆さんがふえているのではないかと思うのですが、実際に定員300名の措置を満たしていないのはどこに問題があるのかと。またその施設を生かしていくには、要介護の認定を受けなくても入所できるとなれば、対象者、措置できる方が結構出ると思うのです。ですから施設を生かしていく立場で、ぜひサテライト型養護老人ホームをつくってもらうことについて積極的に進めていただくことを要望します。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○狩俣信子委員長 質疑なしと認めます。
 よって、乙第1号議案に対する質疑を終結いたします。
 休憩いたします。

   (休憩中に、補助答弁者入れかえ)

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 次に、子ども生活福祉部関係の陳情平成28年第37号の2外26件の審査を行います。
 ただいまの陳情について、子ども生活福祉部長の説明を求めます。
 なお、継続の陳情については、前定例会以降の新しい事実についてのみ説明をお願いいたします。
 大城玲子子ども生活福祉部長。

○大城玲子子ども生活福祉部長 それでは、陳情の処理方針について、お手元に配付しています陳情に関する説明資料で御説明申し上げます。
 表紙をめくりまして、陳情一覧表をごらんください。
 子ども生活福祉部関係では、継続の陳情が27件となっております。
 このうち2件の陳情に処理方針の変更がございますので、説明させていただきます。
 32ページをお願いいたします。
 初めに、陳情平成29年第111号の貧困と格差をなくし、憲法第25条が規定した健康で文化的な最低限度の生活を全ての県民に保障する立場で「生活保護行政」を進めることを求める陳情の変更について、御説明いたします。記事項の2及び4に変更がありますので、変更後の処理方針を読み上げます。
 2、生活保護は、憲法第25条の理念に基づき、国が生活に困窮する全ての国民に対し必要な保護を行うものであり、その制度のあり方については、保護の実施について直接の責任を有する国において決定されることとなっております。県としては、生活保護制度が最後のセーフティネットとして十分に機能を果たすことが重要であると考えており、引き続き、保護受給者の生活実態を把握し、適正な保護の実施に努めてまいります。
 34ページをお願いします。
 4、加算を含む生活保護制度のあり方については、国民の消費動向や低所得世帯の消費実態を踏まえ、国において決定されるものであり、県としては、その動向を注視してまいりたいと考えております。クーラーについては、平成30年度から、保護開始時において体温の調節機能への配慮が必要な高齢者や障害者、子供、難病患者等がいる世帯に対し、一時扶助による支給が可能となったところであります。なお保護の継続世帯については、クーラーは生活扶助費の範囲内で計画的に購入されるべき物品として、一時扶助の支給対象とはされておりませんが、緊急やむを得ない場合には、福祉事務所の判断により支給が可能であると考えております。
 変更の理由については、36ページの表の変更理由の欄をごらんください。
 記事項2については、国において生活保護基準の見直しが行われ、平成30年10月から施行されたためであります。
 記事項4については、国において生活保護の実施要領の改正が行われ、一部の保護受給世帯に対し冷房器具購入費用の支給が可能となったため処理方針を変更するものでございます。
 次に、53ページをお願いいたします。
 陳情第49号「沖縄戦における全学徒戦没者」の刻銘板に関する陳情について、変更後の処理方針を読み上げます。
 1、県では、沖縄戦における全学徒隊戦没者に関して、10代の多くの生徒が戦場に動員されたという歴史的事実を次世代へ伝えるため、平成29年3月に21校の校名を刻銘した全学徒隊の碑を建立しました。今回の陳情を踏まえ、元全学徒の会と数回にわたり意見交換を行ってまいりました。その結果、戦没者数の記載方法等について了解を得ましたので、現在、今年度中の設置に向けて取り組んでいるところです。
 変更の理由については、55ページの表の変更理由の欄に記載しているとおり、設置に向けて進めているため処理方針を変更するものであります。
 その他の継続分については、処理方針に変更がありませんので説明を省略させていただきます。
 以上で、陳情の処理方針についての説明を終わります。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

○狩俣信子委員長 子ども生活福祉部長の説明は終わりました。
 これより、各陳情に対する質疑を行います。
 質疑に当たっては、陳情番号を申し述べてから重複することがないよう簡潔にお願いいたします。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行うようお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 新垣新委員。

○新垣新委員 今ここで言っていたら長い話になると思いますが、たしかパーミリと言いますね。県内41市町村の生活保護者の世帯数といったもろもろを後で資料としていただきたいのが1点目。
 それと説明資料の34ページ、陳情平成29年第111号の記の4、クーラーの問題です。これは非常にいいことだと思っております。これについて改正前はどうだったのかということをお聞きしたい。
 もう一点、生活保護受給者の一部であって全ての方を指していませんが、社会的な問題となっている生活保護制度の悪質な活用という問題、詐欺といった問題は、沖縄県内はどういう形で市町村において摘発されているのかということが2点目。
 3点目に、働けるけど、わざと病院の診断などで生活保護になっていると。自立できるけど自立しないという問題がどうなのかということ。これについては市民を初めとする市町村から怒りの声も聞こえてきます。そういった問題をどう考えているのか。自立させるためのサポートも含めて、この3点についてお聞かせください。

○金城賢福祉政策課長 まずクーラーについては、生活保護制度において日常生活に必要な家電等については、原則として保護受給中の場合にあっては、毎月支給される保護費のやりくりによって計画的に購入されるべきものということで、これまでの対応としてはおのおのの生活のやりくりによって購入していただくと。それからもう一つ、生活福祉資金というものがございまして、この貸し付けによってクーラーを購入するということで、平成29年度には60世帯がこの資金を利用してクーラーを設置した実績がございます。今回、新たに生活保護を受給する方については、この保護の受給開始に当たって、生活に最低限必要な炊飯器とか冷蔵庫等の家具、什器等の持ち合わせがない場合にあっては一時扶助として支給できるということとあわせて、近年の熱中症の現状等を踏まえて、4月以降の受給開始世帯はクーラーの購入費を一時扶助として支給するということで、10月現在で24世帯に対して支給されている実績がございます。
 それから生活保護制度は憲法第25条によって保障される、国民の基本的人権である生存権を実現するための制度でございます。したがって生活の困窮、どうしても自立できない方に対して、国の責務として最低限の生活を保障する仕組みでございます。一方で委員から御指摘があった不正受給につきましては、生活保護は公的扶助制度であり、国民の税金で賄われることから、生活保護法第4条において保護の補足性の原理が規定されております。その中で保護に当たっては、利用し得る資産とその他あらゆる能力ということで、働ける方についてはしっかりと働いてもらうということとあわせて扶養義務や他法・他施策が規定されているところでございます。
 さらに、同法第60条において、生活保護を受けている方の義務として勤労に励むことがございます。加えて同法第61条で、収入申告の届け出の義務もございますので、福祉事務所においてはこのような保護の補足性の原理を踏まえて、稼働能力のある方には対しては、医師の意見も踏まえた上で就労指導を行うということでございます。
 就労のための支援につきましては、就労支援事業というものがございまして、保護を受けている方の実績で申し上げますと、平成28年度で1380名の方に就労支援を行って、そのうち596名の方が就労増収者という形で、実績として72名の方が保護から自立しております。
 委員から御依頼がありました、各市町村の実施要件の資料については後ほど提供させていただきたいと思います。

○新垣新委員 私が質疑したのは、平成29年度にパチンコをやったり、酒を飲んだりといった問題等々、いろいろな悪質な事案における摘発の状況を聞いているのです。実際に上がってきていますね。皆さんは知っていますよね。それを述べてほしいのです。

○金城賢福祉政策課長 平成28年度の実績で申し上げますと、生活保護法第78条で、不正または不実の手段によって保護を受けたる者に対しては、という規定がございますが、この関係で指摘があった件数は834件になっております。その内訳としては、稼働収入の未申告や過小申告といったものが466件で、約56%でございます。それから年金収入等があったにもかかわらず申告しなかったものが157件で、約19%です。あと資産を売却したにもかかわらず申告がなかったというケース等々を含めまして、全体で834件の不正受給があったと。これにつきましては、同法第78条に基づいて費用返還を求める形で対応しているというところでございます。

○新垣新委員 それについては理解しましたが、例えばパチンコをやったり、酒を飲んだりと。これは国民の税金なのですね。そういった不正受給に対する警告というものが上がってきていると思います。そこをどう捉えていますか。市町村の状況はどうなっていますか。あわせて数字についても伺います。

○金城賢福祉政策課長 市町村の状況については、市部については11市がやると。町村つまり郡部については、県福祉事務所が所管して実施しております。先般の調査でございますが、平成28年度の調査で、全国的に見ると3100件ぐらいの不正受給があるということです。このうち沖縄県については36件です。その内訳はパチンコによるものが35件で、宝くじが1件でございます。そういった形で把握しており、このようなケースにつきましては、生活保護の指針を鑑みて、就労支援等や収入申告等の指導を行っています。

○新垣新委員 決して生活保護受給者をいじめているわけではないのです。ただし年金受給者よりも生活保護受給者が受け取る金額が大きいのです。だから、真面目に働いている人がばかを見るという。弱者をいたわることは大事なことですが、そういった問題については市町村に対して厳しく指導、助言を行っていただきたい。確かにこれは憲法で保障されています。困った人を助けるのは当然です。しかし国民の税金について、こういう形で不正受給を行ったら困るということを指導、助言していただきたい。
 もう一点、この生活保護者の自立支援、さらに強化を含めた協力体制のプロジェクトチーム、市町村との連携はどうなっているのかということを伺います。

○金城賢福祉政策課長 委員が御指摘のとおり、生活保護制度は国民に対して最低限度の生活を保障するということとあわせて、これは公的扶助制度でございますので、当然この制度に対する国民の理解と信頼を得るということも重要でございます。そうしたことを踏まえて、適正な実施、運用に努めてまいりたいと考えております。

○新垣新委員 千葉市とかいろいろな市町村の取り組みがありますが、大規模な農業生産法人が野菜の収穫、仕分けといった形で、生活保護者を自立させるような支援をして、幾分か市町村が支援しているところもあるのです。例えば、この時間帯にパートでいいからやってくれませんかとか、この時間帯だけといった形で少しずつ元気になって、社会的自立を目指していくと思うのです。最初から何もかももらってしまうと、正直に言ってワーキングプアとの格差が生じる状況もあると各市町村から情報等も得ているのです。やる気がなくてといった問題もあると。やる気を出させて自立させるという。こういう仕事がありますので、ここでちょっとしたパートをしてくれませんかとか。医師の診断も受けさせながら、自立に対する取り組みを行うための特別強化チームをつくっていただきたいのです。その件に関して、県のやる気はどうなっているのかということで質疑しています。ほかの都道府県でそのような取り組みがあります。沖縄県の取り組みが伝わってこないのです。県内でも市町村単位で独自で頑張っているところもあるのです。そういったところの状況はどうなっていますか。

○金城賢福祉政策課長 委員が御指摘のとおり、生活保護については基本的に自助努力ということが前提でございます。先ほど申し上げた被保護者の就労支援事業も実施しておりますので、まずは稼働能力に応じた就労支援の取り組みをさらに強化することによって、就労による自立という形の支援を行っていきます。また県福祉事務所による市部の監査や研修の機会等を通じて、市町村とも共有の認識を持ちながら適正な運用に努めてまいりたいと考えております。

○新垣新委員 ぜひこの取り組みに向けて、民間とも連携を図っていただきたい。このような事業があります、こういうものはどうですかとか。例えば3時間、4時間でもいいですからとか。食事つきの形はどうかとか。自立できる体制づくり、民間との連携強化が必要です。まだ沖縄県は民間との強化という部分で見えないところがあって、その取り組みについて頑張っていただきたいのです。まずは子ども生活福祉部長が責任者ですから、みずからしっかりと関係機関、ほかの都道府県の取り組み、そういった体制の強化を築いていただきたいのです。今、福祉政策課長のお話を聞いて、その取り組みはわかるのですが、さらなる強化、優しい社会づくりに向けて取り組んでいただきたいのです。その件に関して、新たに担当課をつくって、市町村との連携強化を図るということについてどのように考えますか。全国を見るとできているところもあるのです。沖縄県はその取り組みがまだ伝わらない、弱い。それについてどう思いますか。そのような取り組みは沖縄県にはないですよね。

○大城玲子子ども福祉部長 生活保護については最後のセーフティーネットということで大変重要なものであると考えております。委員がおっしゃるように、就労支援は大変重要なことですから、県は郡部の福祉事務所を持っておりますので、そこでも就労支援については一生懸命頑張っているところです。民間との連携についてはどういうことができるのかを考えながら、研修の機会などを通じて市町村とも意見交換をしてまいりたいと考えております。

○新垣新委員 ほかの都道府県の取り組みを見ていると、沖縄県は農業を初めとするいろいろなブランドに人手が足りないのです。足りないところにどのように手だてしていくのか。沖縄県なりにほかの都道府県の参考事例を見て、それを沖縄型として持ち帰るという考え方、体制強化にぜひ取り組んでほしいということを強く申し上げておきます。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 陳情に関する説明資料の34ページ、陳情平成29年第111号について質疑します。クーラーの一時扶助の件ですが、沖縄県は緊急やむを得ないということで、福祉事務所の判断で支給可能ということはとても大事なことだと思うのです。決算年度である平成29年度でいいのですが、実際にクーラーがなくて病院に搬送されたとか、熱中症で亡くなったといった実態はあったのでしょうか。

○金城賢福祉政策課長 生活保護世帯について確認してきた中で、福祉事務所の大体の感覚として、保護世帯の約6割から約7割はクーラーが設置されている状況です。クーラーが設置されていないことで熱中症等によって搬送されたという事例については、福祉事務所等から特に報告はありませんし、監査等でも確認されていないものと考えております。

○西銘純恵委員 本当に遅きに失するというぐらい、熱帯夜や日中も30度以上という中で、やはりクーラーについては憲法第25条において保障すべきものであると思うし、県は緊急やむを得ないということですが、実際には福祉事務所や市がそれを取り入れていくことはこれからなのかと思います。緊急やむを得ないということをどのように判断するのかということについて、既にマニュアルのようなものをつくっていますか。つくっているのであれば御提示いただきたいのです。そうでなければ、これからつくるのかどうかを教えてください。

○金城賢福祉政策課長 やむを得ない場合ということにつきましては、例えば長期入院の方が単身で新たに自活するといった場合に、日常の健康管理にクーラーが必要であることについて主治医の意見等があり、なおかつ扶養義務者等からの支援が得られないといった場合においては、クーラーの設置費について一時扶助として支給することも可能であるということでございます。
 また御質疑のマニュアルについては現時点で確認できていません。設置基準等については研修や関係機関で議論することがあるのかと思いますが、マニュアル化されているのかどうかについては確認できていません。

○西銘純恵委員 高齢者は気温や体温に鈍感になってくるので、結構暑い部屋の中でも扇風機などもかけないでいるということを周りで聞くわけです。やはり事故が起こってからではなく、緊急に必要とするものについてそれなりに目安を持たないといけませんので、ぜひこれをつくっていただきたいと思います。
 もう一つ生活保護率についてです。先ほどの質疑の中で資料の請求がありましたが、世帯別というか、ひとり親の世帯や人数はどうなっているのですか。病気とか理由別とかも含めて分析した資料をいただきたいと思います。
 ひとり親世帯やクーラーの話をしましたが、車の保有についてはまだ認められていないわけですね。国は認めていないが、沖縄の子供の貧困率が29.9%ということや、ひとり親世帯も多いということから見て、なかなか生活保護制度を利用できずに苦しんでいる部分があるのではないかと思います。車の保有の実態を、ひとり親の実態などとあわせて調査して、どういう場合に車の保有を認めるのかということについても検討してほしいと思いますが、いかがでしょうか。

○金城賢福祉政策課長 まず高齢者への配慮につきましては、現在、生活保護世帯の54%が高齢世帯で、これが1万5000世帯ぐらいになります。そういうことで、高齢者の健康管理については福祉事務所等においてしっかりと把握する必要があるだろうと考えております。
 それから、ひとり親世帯、母子世帯については、現在生活保護の4.5%程度で、約1300世帯ぐらいです。この母子世帯の状況についてもしっかりと対応していくということでございます。
 現在国の制度上、自動車の保有について、例えば自営のために仕事のためにどうしても必要であること。また障害者の方が通院または通勤のためにどうしても必要であること。あるいは公共交通機関の利用が著しく困難であるといった場合に認めるのが基本的なところでございます。委員の御指摘のとおり、九州ブロックの会議においても、例えば母子世帯については保育園の送迎等の関係でどうしても自動車が必要である場合に、その保有を認めてもらう方向で国に求めたらどうだろうという意見もございますので、そうした九州各県の状況等も踏まえて適切に対応してまいりたいと考えております。

○西銘純恵委員 九州各県と比べて沖縄県が違うのは公共交通機関としての電車がありません。また受給率が4.5%であるということは母子世帯の割合からすれば、考え方によっては相当受給率が低いのではないかということがあります。その理由として車の保有がネックになっていないのか。保育所を見ても本県は待機児童が多いから、那覇市内でも希望するところにいけないとかいろいろあります。子供や乳幼児を育てている母親ほど車が必要なのです。保育所に行くし、仕事も非正規であるとか。そういう母子世帯の実態について、先般、子供の貧困調査として1歳と5歳を対象にやっていますね。そういう意味でも、やはり車の保有については本県ならではの特別な事情があると思いますので、その辺は九州の状況を見るのではなく、沖縄県から九州の皆さんに協力してほしいという形で、ぜひ国に要請を行っていただきたいと思いますが、いかがですか。

○金城賢福祉政策課長 まず母子世帯の割合は4.5%でございますが、先ほど答弁したとおり高齢者の割合が圧倒的に多いということと、さらに多いのは障害者です。障害者世帯が約18%ございますので、これを合わせると72%。これに病気の方が13%くらいいらっしゃいますので、合計すると85%ぐらいの方がそういった形の社会的弱者となっています。
 それと自動車の保有については、委員の御指摘のとおり、まずは保護世帯の生活実態をしっかりと把握する中で、その必要性について検討していく必要があるものと考えております。

○西銘純恵委員 生活保護についてもう一つ質疑します。処理方針の2番目で、保護受給者の生活実態を把握し、ということを書いています。今の国における生活保護の見直しの中で、生活扶助の見直しということも書いていますが、この実態の把握については担当のケースワーカーがどうだということではなくて、やはり受給者本人たちの生活がどうなのかという実態を把握してほしいと思うのです。どういうやり方で行っていくのかを検討してほしいと思います。そういう生活保護を利用している皆さんが、どういう状況にあって、何に困っているのかということは、直接皆さんから聞かないと、処理方針に書いてあるような生活実態を把握するということにはならないと思うのです。ですから、受給者本人の実態を把握してほしいということを要望しておきます。
 次に、53ページの陳情第49号の全学徒隊の碑の関係について質疑します。処理方針を見ると、6月定例会以降に話し合いを行う等、頑張ったことがよく見えるのですが、当初の処理方針と変更後の大きな違いは何でしょうか。

○上間司生活企画統括監 この陳情の趣旨は戦没者の数を明記してほしい、刻銘してほしいと。この数値について、陳情者がお調べになった数と県の数、例えば県史などで活用している数値が違っていたと。その数字の違いがあったことから何回か意見交換をいたしまして、その合意点を探るためにお互いで何度も調整しました。その結果、数値については陳情者の数字を採用することにいたしました。また明記に当たりましても陳情者の調べた数値で実施するということで合意が得られました。これが大きな違いです。

○西銘純恵委員 10月定例会となって県議会の開会が延びたので、当初は9月定例会に陳情者を参考人としてお呼びすることを文教厚生委員会で決めていたのですが、その間に話し合いを持たれたということで、これが一番いい方法なのかと思います。その合意された内容について確認させてください。

○上間司生活企画統括監 まず補足板として設置させていただきたいと。その理由は、既に全学徒隊の碑が設置されておりまして、そこに説明が書かれております。これを補足する形でこの説明板との整合性を図りながら補足板を設置させていただきたいと。全学徒隊の碑の横に設置しますと。左か右かと。また設置板の素材とかも含めて県にお任せするということで、陳情者が一番注目する点は、やはり数値について明記していただければ、それが一番いいことなので、あとはよろしくお願いしますというような趣旨でした。

○西銘純恵委員 陳情者の皆さんとの調整はもうこれで終わり。話し合いは終わって、あとは設置するということで理解していいのですか。

○上間司生活企画統括監 基本的にはそうです。陳情者の要望が3月中なので、その目標達成に向けて取り組んでいるところでありますが、必要があればその都度、意見交換を行っていきたいと思っております。

○西銘純恵委員 年度内にということでよろしいのですか。

○上間司生活企画統括監 その目標で県は取り組んでいるところです。

○西銘純恵委員 予算の必要性も出てくるのかと思います。どのように対応されるのですか。

○上間司生活企画統括監 当初予算や補正予算とかは県議会の承認が必要ですので、この予算はそもそも最初から想定されていたものではありませんので、現在ある財源の中で流用などを通して確保していきたいと考えております。

○西銘純恵委員 せっかくここまで来ていますから、ぜひ最終レイアウトというか青写真ができたときには、これでいいのかという最終的な確認もされて、早いうちにやっていただきたいと思います。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 亀濱玲子委員。

○亀濱玲子委員 陳情平成29年第111号の生活保護について質疑します。34ページのクーラーの設置です。それについて何点か教えてください。これについては緊急やむを得ない場合となっていますが、基本的には生活保護の中でのやりくりで考えているということ。あるいは生活福祉資金の中でということになっていますが、11市も含めた41市町村の中で、生活保護を受けている人たちのクーラー設置がどういう形でなされたのかという一覧表というか、それがまとめられるようであればいただきたいと思います。それは可能でしょうか。今、何割でクーラーが設置されていますと答えているので、まとめることはできるのではないかと思うので、できればお願いしたいということです。

○金城賢福祉政策課長 まず、先ほど答弁した割合については、あくまでも感触ということで、福祉事務所に聞いた数字でございます。
 一方で、継続世帯についてのこれまでの対応としては、基本的に生活費、毎月支給される保護費の中でやりくりすることで計画的に購入していただくと。例えばテレビといったものも、その都度、一時扶助で買ってもらうという仕組みではなくて、基準生活費の中にそういったものも含めて算定されているという前提のもとにやりくりを行ってもらうという対応でございます。
 さらに生活福祉資金については、低所得世帯等に対して貸し付けをする仕組みでございますが、1世帯当たりの平均額が7万3000円となっています。平成29年度においては60世帯に対して貸し付けたと。今年度においても、現時点で約40件の世帯に対して貸し付けている状況でございます。あと11市についても、基本的には生活福祉資金の貸し付けもそうですし、継続世帯の対応についても同じ考え方のもとで対応しているものと理解しております。

○亀濱玲子委員 これについて、調査の一覧表があればいただけますか

○金城賢福祉政策課長 特に調査したものはございません。ただし先ほど申し上げたとおり、新規に購入した分、新たに本年4月から保護の実施要領の改正によって保護を開始した者のうち、熱中症対策など体温調整が必要な方について何件支給したのかを調査した結果が24件でございます。その内訳を申し上げますと、多いところでは那覇市で15世帯、浦添市で5世帯、糸満市で2世帯、石垣市で1世帯等という形で調査した資料がございますので、これについて提供することは可能でございます。

○亀濱玲子委員 ぜひその資料を見せていただいて、さらに今後、質疑したいと思います。
 もう一つ、緊急やむを得ない場合というのはとても曖昧な表現です。沖縄県が高温多湿で、本県における気温などの環境を考えるのであれば、各市の福祉事務所や県福祉事務所の判断であるとしても、きっとこの判断にはばらつきがあると思うのです。そこをしっかりと一定程度の申し合わせ事項というか、どういう状況であればクーラーの設置が認められる、あるいは認められない。相談に行ったもののAの自治体では対象になりません。一方、Bの自治体では認められるということになるかもしれません。ですから本県の気温や湿度などの気象条件を勘案した沖縄県独自の申し合わせ事項がやはり必要ではないのかと。それが受給者の皆さんのニーズに対して安定的に応えることになるのではないかと思うので、ぜひつくっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○金城賢福祉政策課長 沖縄県は11市プラス県5カ所の合計16カ所の福祉事務所において生活保護を実施しています。おのおのの事務所で個々の生活保護世帯の実態を把握した上で、やむを得ない場合というものを判断して、一時扶助という形で支給するわけです。委員の御指摘のように判断が分かれるようであれば、住んでいる地域によって一時扶助をもらえる方ともらえない方が出てきますので、現在、県は生活保護の実施要領的なものとして問答集をつくっていますので、その延長線上でこういった場合の基準というか考え方みたいなものを整理して示すことは可能であると考えております。

○亀濱玲子委員 ぜひそれをつくっていただきたいと思います。
 もう一つ、例えば11市の福祉事務所の窓口で生活保護の受給に納得がいかない。こういう相談をしたのだが切られましたと。これは実際にあることなのでしょうか。このような県への問い合わせなどには対応なさっていますか。

○金城賢福祉政策課長 御指摘の生活保護の処分に関して納得いかない場合については、法的な制度として、例えば行政不服審査法に基づく審査請求がございます。一方でそこまでには至らずとも、11市における対応に疑義があるといった場合については、個々に電話相談などの形で何件か本庁において対応したことがございます。

○亀濱玲子委員 大層な手続を行うことは、生活弱者にとってはなかなか厳しいので、11市の対応が不透明な部分についての問い合わせに丁寧に対応することについては県が窓口になっていただきたいと思います。
 次に、47ページの陳情第16号は継続審査になっています。医療的ケアが必要な幼児の受け入れを行う認可保育園の確保と医療従事者の配置ということですが、これについては保育所における受け入れ体制の整備を図っていくということで、結論としてこの処理方針になったと思います。新たな状況が追加されていませんが、県の取り組み、あるいは市町村とのやりとりでこれが進んでいるのか。現在の状況を教えていただきたいと思います。

○久貝仁子育て支援課長 医療的ケアのニーズは確かに多いと思います。陳情処理方針にも書いておりますが、平成29年度から医療的ケア児保育支援モデル事業を進めております。まだ実績はございませんが、担当者会議などにおいて、こういった事業についてきちんと説明しております。今、来年度に向けて一部の市町村で実施してみたいという声がありますので、引き続き市町村に対しても医療的ケア児保育支援モデル事業について説明しながら、その実績をつくって、何とかほかの市町村でも展開していきたいと考えております。

○亀濱玲子委員 これについてのニーズはあるのです。そういう声や相談がありますので、ぜひ県が積極的にアプローチしていただきたいと思います。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○狩俣信子委員長 質疑なしと認めます。
 以上で、子ども生活福祉部関係の陳情に対する質疑を終結いたします。
 説明員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 休憩いたします。

   (休憩中に、説明員入れかえ)

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 次に甲第2号議案沖縄県国民健康保険事業特別会計補正予算(第1号)について審査を行います。
 ただいまの議案について、保健医療部長の説明を求めます。
 砂川靖保健医療部長。

○砂川靖保健医療部長 平成30年第7回沖縄県議会(定例会)議案(その1)の9ページをごらんになっていただけますでしょうか。
 甲第2号議案平成30年度沖縄県国民健康保険事業特別会計補正予算(第1号)ついて御説明したいと思います。
 10ページをごらんください。
 今回の補正は、既定の歳入歳出予算の総額に569万7000円を追加し、歳入歳出予算の総額をそれぞれ1566億4470万3000円にするものであります。
 今回の補正額569万7000円の内容について御説明いたしますと、沖縄県国民健康保険団体連合会が行う特定健診データとレセプトデータとの照合、集計を行うプログラムの開発に要する経費に対して県が支援を行うものであります。
 以上で、甲第2号議案についての説明を終わります。
 御審査のほど、よろしくお願いします。

○狩俣信子委員長 保健医療部長の説明は終わりました。
 これより、甲第2号議案に対する質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないよう簡潔にお願いいたします。
 また、この際、執行部の皆様に申し上げます。
 答弁に際しては、要点をまとめ、要領よく行い、円滑な委員会運営が図られるよう御協力をお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 歳入が国庫補助金で、丸ごと歳出に充当することになっていますが、これは沖縄県だけの事業ですか。単費による対応はないということでよろしいですか。

○名城政弘国民健康保険課長 本事業は国庫100%の補助事業でございます。国による全国都道府県共通のメニューとなっております。

○西銘純恵委員 先ほど国民健康保険―国保の事業を向上させるという説明がありましたが、ほかにも何かそういうメニュー、国庫が経費を出して国保事業としてやるものはほかにはないということでよろしいのですか。全てそういうものを使った上で、新たにこれが来たので補正するということでいいですか。

○名城政弘国民健康保険課長 市町村において、いろいろな国保事業が実施されておりますが、その中で特に糖尿病性腎症重症化予防が重視されております。このため市町村の同重症化予防の取り組みを都道府県が後押しするということで、この事業が新たに実施されるものでございます。

○西銘純恵委員 要するに国庫補助事業というか、国が予算をつけてくる事業についてはみんなやっているのかと聞いているのです。県としては全て活用しているのですね。

○名城政弘国民健康保険課長 基本的にそのようなメニューは活用しているものと承知しております。この国保事業につきましては、基本的には市町村が実施しておりますので、委員がおっしゃるように活用されているものと考えております。

○西銘純恵委員 先ほど傍観者的に答弁されたので、んっと思いました。
 今、国庫が100%持つというメニューで補正が出てきたと。国保事業を予防とかそういうことも含めてほかにも活用されそうなものについて、やはり市町村で全て使っているだろうとおっしゃいましたが、その利用を促すというか、その辺の観点をぜひ持っていていただきたいと思います。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はございませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○狩俣信子委員長 質疑なしと認めます。
 よって、甲第2号議案に対する質疑を終結いたします。
 休憩いたします。

   (休憩中に、説明員等入れかえ)

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 次に、保健医療部関係の請願第4号、陳情平成28年第79号外26件及び病院事業局関係の陳情平成29年第97号外2件の審査を行います。
 ただいまの請願及び陳情について、保健医療部長及び病院事業局長の説明を求めます。
 なお、継続の陳情については、前定例会以降の新しい事実についてのみ説明をお願いいたします。
 初めに、保健医療部長の説明を求めます。
 砂川靖保健医療部長。

○砂川靖保健医療部長 保健医療部関係の請願及び陳情案件について御説明申し上げます。
 お手元に配付しております請願、陳情に関する説明資料をごらんいただきたいと思います。
 請願・陳情に関する説明資料の1ページをごらんください。
 1ページから3ページまでは請願及び陳情の一覧表ですが、請願は新規1件で、陳情は新規4件、継続23件となっております。
 初めに、継続の陳情の処理方針について変更がございますので御説明いたします。
 説明資料の19ページをごらんください。
 陳情平成29年第119号こども医療費助成制度改善を求める陳情について、変更後の処理方針を記載しております。
 変更箇所につきましては、20ページをごらんください。
 右の変更理由をごらんください。
 平成30年10月から現物給付制度を導入したことを踏まえ、処理方針を変更するものであります。変更後の処理方針を申し上げます。
 2について、県は未就学児を対象に平成30年10月から現物給付を導入するとともに、通院の一部自己負担金を廃止し、窓口での完全無料化を図ったところであります。
 3について、当該規定は平成30年10月からの現物給付の導入に当たり廃止したところであります。
 次に33ページをごらんください。
 陳情第47号誰もが健康で文化的な生活ができるよう社会保障の充実を求める陳情でございます。
 変更箇所につきましては、35ページをごらんください。
 こちらも同様に、平成30年10月から現物給付制度を導入したことを踏まえ、処理方針を変更するものであります。
 変更後の処理方針を申し上げます。
 4について、こども医療費助成事業につきましては、平成30年10月から現物給付を導入するとともに、通院の一部自己負担金を廃止し、窓口での完全無料化を図ったところであります。また、通院の対象年齢の拡大につきましては、現在、県内の全市町村を対象とした意向調査を行っているところであり、調査結果を踏まえながら市町村と拡大に向けた協議を進めていきたいと考えております。また、国民健康保険の国庫負担金減額調整措置につきましては、全国知事会等を通して国に廃止するよう要請しているところであります。
 以上が、処理方針の変更についての説明でございます。
 その他の継続の陳情につきましては、処理方針に変更はございません。
 続きまして、新規の請願1件について、その処理方針を御説明いたします。
 説明資料の4ページにお戻りください。
 請願第4号こども医療費助成制度の拡充を求める請願について、御説明いたします。
 請願の内容は、1、市町村国保に対するペナルティーを全て廃止するよう政府に要請すること。
 2、中学卒業まで医療費無料制度の実現を政府に要請することを求めるものであります。
 これに対する処理方針は、7ページに記載しています陳情平成28年第139号と同じ内容になっておりますので説明は省略します。
 次に、3、国の制度ができるまで、県の制度として中学校卒業までの医療費無料制度を県と市町村が協力して早期に実現することを求めることに対する処理方針を申し上げます。
 通院の対象年齢の拡大につきましては、現在県内の全市町村を対象とした意向調査を行っているところであり、調査結果を踏まえながら市町村と拡大に向けた協議を進めていきたいと考えております。
 続きまして、新規の陳情4件について、その処理方針を御説明いたします。
 39ページをごらんください。
 陳情第77号路上寝防止対策及び適正飲酒に関する陳情について御説明いたします。
 陳情の内容は、1、啓発活動を行い、早急に路上寝防止対策を講じること。
 2、飲酒に絡む3ない運動を推進することを求めるものであります。
 これに対する処理方針を申し上げます。
 県では、生活習慣病のリスクを高める飲酒習慣を改善するため、節酒カレンダーアプリの利用促進や節度ある適度な飲酒を呼びかけるCM放送等の広報活動を行ってきたところです。また平成30年3月に沖縄県アルコール健康障害対策推進計画を策定したところであり、引き続き、適正飲酒の普及啓発に努めていきたいと考えております。
 続きまして、40ページをごらんください。
 陳情第86号「後期高齢者の窓口負担の見直し」に対し、原則1割負担の継続を求める意見書提出に関する陳情について、御説明いたします。
 陳情の内容は、後期高齢者の窓口負担について、原則1割を継続することを求めるよう意見書を提出することを求めるものであります。
 これに対する処理方針は、36ページに記載しております陳情第48号の2と同じ内容になっておりますので、説明は省略します。
 続きまして、41ページをごらんください。
 陳情第88号沖縄県立看護大学・大学院の教授選考方法と教授の資格に関する陳情について、御説明いたします。
 42ページをごらんください。
 陳情の内容は、1、沖縄県立看護大学の教授選考及び大学院再入学の実施過程について、大学と関係部局に対して議会として調査すること。
 2、大学と関係部局は、明確な行動指針を作成、提示するとともに、議会は大学の動向を注意深く監視することを求めるものであります。
 これに対する処理方針を申し上げます。
 大学の教員人事は、大学の自治の根幹をなすものであり、大学の自治は憲法23条が保障する学問の自由に深くかかわる問題であると認識しております。
 続きまして、43ページをごらんください。
 陳情第93号沖縄県歯科口腔保健の推進に関する条例の制定に関する陳情について、御説明いたします。
 陳情の内容は、県において沖縄県歯科口腔保健の推進に関する条例の制定を求めるものであります。
 これに対する処理方針を申し上げます。
 県では、健康おきなわ21(第2次)に基づき、各ライフステージに応じた目標値を定め、歯科口腔保健対策を推進しているところであります。虫歯状況や高齢者の現在歯数等については改善が見られますが、全国平均には遠く及ばず、歯科口腔保健の状況は全国でも下位に位置する状況にあります。これらの現状を踏まえると、県として歯科口腔保健の推進に関する条例を制定することは、県民の歯科口腔の健康の保持・増進を進める上でも意義があるものと考えております。
 以上で、保健医療部所管の請願及び陳情についての御説明を終わります。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

○狩俣信子委員長 保健医療部長の説明は終わりました。
 次に、病院事業局長の説明を求めます。
 我那覇仁病院事業局長。

○我那覇仁病院事業局長 病院事業局に係る陳情案件について御説明いたします。
 お手元に配付してあります陳情案件処理方針の目次をごらんください。
 病院事業局に係る陳情案件は継続3件で、処理方針に変更がないことから説明を省略させていただきます。
 以上で、病院事業局に係る陳情の説明を終わります。
御審査のほど、よろしくお願いいたします。

○狩俣信子委員長 病院事業局長の説明は終わりました。
 これより請願及び各陳情に対する質疑を行います。
 質疑に当たっては、陳情等番号を申し述べてから重複することがないよう簡潔にお願いいたします。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行うようお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 末松文信委員。

○末松文信委員 説明資料の32ページ、陳情第45号について質疑します。この件については、これまでもいろいろと質疑してまいりましたが、この処理方針についてその後の進展はありませんか。

○砂川靖保健医療部長 現在記載している処理方針は、5月上旬に3回目の協議会を行いまして、そこで出てきた医師会、病院、市町村の意見を踏まえて書いてあります。その後8月29日に県で北部基幹病院の設置主体、経営単位、経営形態についての考え方を整理し、説明を行いました。それを受けてこれから市町村や北部地区医師会病院と協議を行う手順になっております。

○末松文信委員 きのうの本会議もそうでしたが、北部基幹病院については、なかなか答弁がかみ合わないという状況がありますので、再度確認いたします。陳情にもあるように北部基幹病院の整備については初期投資として220億円ぐらいかかると。そのうち75億円を北部市町村に負担していただくという当初の考え方がありましたね。それについて確認します。

○砂川靖保健医療部長 協議会でお示ししたのが5分の2というもので、これは基本合意書案のたたき台の中で記載しております。協議会の中で、金額は幾らになるのかという御質問があったときに、協議会説明資料の中で、他会計負担金という財源内訳がございまして、そこに75億円の数字が記載されておりますが、これは全額云々ではなくて、この中に含まれる額が市町村負担になるというシミュレーションで計算していることについて御説明してきたところです。したがって75億円全てを負担しなさいという話ではございません。

○末松文信委員 そうであれば、具体的にはどれだけ負担することになるのですか。

○砂川靖保健医療部長 5分の2そのものについては、県の考え方として整理しただけで、これについても当然協議の対象となります。具体的にどういう形で負担するのか、これが幾らになるのかは今後の協議次第だと思っております。

○末松文信委員 5分の2ということについては変わらないのですか。

○砂川靖保健医療部長 5分の2についても、当然協議の対象ですから変更することはございます。我々としては金額的に不安があるならば、上限額を打つことについて考えてもいいのではないかということも説明の場で述べているところでございます。

○末松文信委員 この間のやりとりの中で、保健医療部長の答弁は、地域には負担をかけないということで明言されていたように思います。現在そのことについてはどうですか。

○砂川靖保健医療部長 これは6月定例会でも答弁したところです。そのときに私が答弁したのは、北部12市町村には市町村の一般財源による負担がない形で北部基幹病院の整備費の一部を負担していただきたい旨、県の考えなどを説明してきたところですということで、2月の協議会などでもそのように説明し、6月定例会でもこういう考え方で答弁してきたところであり、今定例会の本会議でもその文脈で答弁しているところでございます。

○末松文信委員 保健医療部長が言う、一般財源による負担はさせないということについて具体的に説明してください。

○砂川靖保健医療部長 北部振興事業、また一括交付金でもいいのですが、この北部圏域の市町村が持っている財源について、この国庫負担分だけを活用できないかと。その場合に、県が裏負担は持ちますということで説明をしており、その考え方でやっています。

○末松文信委員 例えばどういう国庫があるのですか。

○砂川靖保健医療部長 北部振興事業であれば、かつて12市町村で医療提供施設を整備したという実績があると聞いておりましたので、その場合、裏負担は市町村が負担したと思うのですが、仮にこれが使えるのであればこの市町村負担分は県が持つ。一括交付金であれば、北部12市町村に配分される額から幾分か負担していただいて、その裏負担分を県が持つということが考えられるということです。これはどういう方法をとるのか、あるいは負担するのか。負担割合も含めて今後の協議次第であると考えているところです。

○末松文信委員 今、答弁された一括交付金は、県分の一括交付金の話をしているのですか。

○砂川靖保健医療部長 県分も充てた上でです。そもそもこの問題自体、なぜこのような発想が出てきたのかというと、我々は北部基幹病院をつくったらそれで終わりであるとは全く思っていません。病院をつくった後、その基幹病院が整備後も持続的に医療を提供していく必要があると。そのためには効率的に経営していく必要があるわけです。効率的な経営を実現するための重要なポイントが、整備するときの借入金を縮減することだと考えており、我々はできるだけ国庫補助金とか一般会計から繰出金を使い、企業債などの借入額を縮小していきたいと考えております。その中で、市町村に負担させることについても考え方としてはあるのではないのかと。ただしその考え方に妥当性があるのかということを検証していったときに、今回の北部基幹病院の整備は今までのような県立病院の建てかえではないと。北部地区医師会病院が持っている負債などを引き継ぐわけです。そういう要因もありますので、これまでの県立病院の建てかえとは少し違う部分があると。それと、かつて北部12市町村も医療提供施設を整備した実例があると。他県を見てみると、県と市町村が折半して病院を整備した事例もあると。法律上も受益の限度において県の建設事業について市町村が負担することも認められていると。こういったことを考えてみた場合、整備費の一部を負担させることについて妥当性があるのではないかと考えました。一方、妥当性があるとしても、その実現可能性があるのかと考えた場合に、決して北部市町村は財政的に豊かではありません。そこでそういう状況を考えた場合に、一般財源まで吐き出させて負担させるのはいかがなものかということを考えて、一般財源による負担のない形による負担という考え方で説明してきたところでございます。

○末松文信委員 保健医療部長、少し勘違いしてもらったら困るのですが。この北部振興事業というものは当初100億円あって、それが75億円、50億円になって、今25億円になっていると。そういう経過の中で、これは北部地域の振興に欠かすことのできない財源ですよ。幾ら基幹病院とはいえ、これは県立病院ということになっています。そういう中にあって、この北部振興事業を当てにすることは間違いだと思いますが、いかがですか。

○砂川靖保健医療部長 北部振興事業費自体の予算は、県の予算ではございません。北部地域のための予算ですので、我々としてはあくまでもお願いをしていると。それと北部振興事業費に限ったことではなくて、一括交付金でも何とかならないのかと。そのための手法があるのではないかということを考えているところでございます。

○末松文信委員 これも非常におかしな話です。各市町村分として配分している一括交付金は沖縄県全域共通のテーブルの上で整理された金額ですよ。それぞれの市町村にとって必要な一括交付金です。こういう県立の施設整備に充てる場合には、県の持ち分である一括交付金を充てるべきであって、市町村の一括交付金を当てにすることはあってはならないと思いますが、いかがですか。

○砂川靖保健医療部長 当然、一義的には県に配分された交付金を充てますが、私としては、あくまでも効率的に経営できる病院をつくるためにはその借入金を圧縮する必要がありますので、そういう観点からできることは何でもやりたいということで、今北部12市町村にお願いしているということでございます。ただし、これについても今後の協議次第というところでございます。

○末松文信委員 いや、これについては現実的ではないと思います。むしろ、県の一括交付金を充てて借入金を縮減する。それが妥当性があると思っています。財源についての質疑はこの程度にします。
 この設置主体の件ですが、これはもう県立ということでいいんですね。県が設置主体になるのですか。

○砂川靖保健医療部長 協議を始める前提として、我々は基本合意書案のたたき台というものを作成したわけですが、それ自体は県立を前提として作成しております。1回目、2回目でそういう協議をしてきたわけですが、3回目の協議会において、北部12市町村や北部地区医師会病院側から、北部のことは北部で考えるべきではないかという御意見がございました。北部としての自由度が大切であるというような御意見もございました。経営形態についても議論すべきではないかというような御意見もございました。我々は一義的に経営形態と言っているのですが、これはいろいろな内容を含んだ話ですので、この問題について改めて我々で考え方を整理して、次の協議会で説明することにいたしました。今回の北部基幹病院の整備は何もないところに新しく病院をつくるわけではないのです。今、実際に北部地区医師会病院と県立北部病院がある。考え方を整理していく過程で、それぞれの経営状況や組織文化も違うこの2つの病院をくっつけて新しく基幹病院をつくるというときに、一般論としてこの経営形態についてどれがいい、これがいいという話をしても意味がないと。この統合してつくった基幹病院を整備した後にも、効率的に経営できるような体制の形は何かという観点から議論する必要があるということです。設置主体それから経営単位は県立北部病院だけでやるのか。それとも県立北部病院のほかを含めてやるかの話です。また経営形態については公営企業でいくのか。それとも独立行政法人や指定管理でいくのか。こういうものをミックスして、例えば経営の効率性、安定性、迅速性、自由度を考える必要があるし、最も問題となるのはこういう形をとったときに医師の確保はどうなるのかと。それから余り注目されていませんが、病院をつくったときに看護師についてはどれだけ確保できるのか。さらに大きな問題になりそうなのが、北部地区医師会病院には事務職員が相当数いますので、彼らを正職員として雇用することができるのかどうか。このようなことについていろいろな観点から考えて、これを整理した考えを4回目の協議会で説明していきたいわけです。それに基づいて、今後この3つのパターンについて協議していくというような段取りになっているということでございます。

○末松文信委員 経営主体、実施主体についても大変重要なことでありますので、十分に御検討いただきたいと思います。
 この北部基幹病院についてもそうですが、医師や看護師の確保が非常に難渋しているという状況があるわけです。北部基幹病院の設置後における医師や看護師の確保等々については、どのようなシステムを考えているのか教えてください。

○砂川靖保健医療部長 まず医師の確保については、新しい病院ができるころには琉球大学医学部における地域枠出身の医師が相当数出てくるものと見ております。今でも琉球大学医学部付属病院から送られてくる医師が主要なところを占めています。したがって、引き続き確実に送っていただけるようにしていきたい。例えば新しい病院の中には、琉球大学医学部付属病院のサテライト教室みたいな准教授や教授のポストを置いたりして、琉球大学出身者やそこから派遣されてくる医師の面倒を見るようなポストを置いてもいいのではないかと。その費用については沖縄県保健医療部で負担してもいいのではないかと。そういう形をとりながらやっていく必要があるものと考えております。
 今のところ看護師については、それぞれの病院の数を合わせれば十分足りている状況でございます。ただし毎年700名近くの新たな看護師の資格者が出ますので、これもきちんとリクルートして、必要に応じて配置していくことも可能であると思っております。

○末松文信委員 先ほど保健医療部長の基幹病院として統合していく話の中で、北部地区医師会病院の負債を引き継がなければならないという発言がありましたが、これだけを強調して言うと誤解を招きます。当然、資産も引き継ぐわけだし、資産と負債はイコールですよ。逆に私から見れば、県立病院の負債のほうが大きいんですよ。そういう兼ね合いで説明しないと誤解を受けますよ。

○砂川靖保健医療部長 県立病院の負債について、実際はその借入金等々で見た場合には、県立北部病院よりも北部地区医師会病院のほうが大きいものと見ております。この資産について全てを引き継ぐことは考えておりません。引き継ぐ価値があるものだけになると。

○狩俣信子委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、末松委員から具体的な資産の引き継ぎについては質疑していない旨の指摘があった。)

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 末松文信委員。

○末松文信委員 先ほども申し上げたように、やはり負債だけを引き継ぐとなると誤解を受けるので、そういう発言は取り消していただきたいと思います。

○砂川靖保健医療部長 正確に伝わるように、単に負債だけを引き継ぐなどという話はいたしません。これまでの県立病院の建てかえとは少し違う要素がありますという形で説明していきたいと思います。

○狩俣信子委員長 休憩いたします。

   午後0時2分休憩
   午後1時22分再開

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 ほかに質疑はありませんか。
 新垣新委員。

○新垣新委員 説明資料4ページの請願第4号について質疑します。子供医療費の中学校卒業までの件で、中学校卒業までの医療費無料化を実施する場合に、例えば所得制限なしだと沖縄県全体でどのくらいの財源がかかるのか教えてください。

○砂川靖保健医療部長 県の財政負担で中学校卒業まで見るものと想定したときに、就学児は自動償還で未就学児を現物給付とした場合には、32.8億円かかります。この32.8億円は県分であり、これに相当する額を市町村が負担するということで、合計すると約65億円になります。さらに自動償還の就学児についても現物給付とした場合には、県の事業費が35.8億円で、これに市町村の負担額を合わせると、71.6億円くらいになるものと試算しております。

○新垣新委員 これは所得制限なしと捉えていいのですか。

○砂川靖保健医療部長 はい。

○新垣新委員 今、親からは窓口での一部負担が面倒くさいと。これを省いた場合は、71.6億円と捉えていいのですか。

○砂川靖保健医療部長 一部負担については、ことしの10月から廃止しております。この試算については、当然一部負担なしという前提で試算したものです。

○新垣新委員 この件に関しては、いろいろと市町村に対する調査結果を踏まえながら、その拡大に向けた協議を進めていくという形で、当然市町村も負担金が出るということで理解していいのですね。

○砂川靖保健医療部長 もともと県の立場から見ると、これは間接事業であり、事業の実施主体は市町村です。市町村が行っている助成事業に対して県が2分の1を支援するという仕組みです。

○新垣新委員 この件については市町村のニーズが非常に高く、ぜひこれを進めていただきたい。後で資料請求をお願いしたいのですが、既に中学校卒業、高校卒業までに対象年齢を拡大している市町村を出していただきたい。まだ中学校卒業までのところ、あと就学前のところとかを分けた資料の提供をお願いします。
 今後どのような形で協議を進めていくのかお聞かせください。

○砂川靖保健医療部長 市町村の意向調査を踏まえまして、県としてのたたき台をつくりたいと思っています。それを11月くらいに全市町村に示して、お互いのコンセンサスを形成していく手法を考えています。

○新垣新委員 コンセンサスが得られるように頑張っていただきたいのですが、当然市町村の財政状況もあると思います。財政的に厳しいというところも出るかもしれません。それでも無理して頑張るというところについては、県が支援してほしいのです。対象年齢の拡大について全市町村に強制するというわけにはいかないですね。その確認をしたいと思います。

○砂川靖保健医療部長 もちろん強制ではございません。この件については、積極的に対応しようという市町村と慎重に考えている市町村がございます。県としては、どこに住んでいても同じようなサービスを受けられることが重要ではないかと考えておりまして、この慎重に考える市町村の意向にも十分配慮しながら、拡大については検討していく必要があるものと考えております。

○新垣新委員 市町村については、慎重と推進に割れているところもあると思います。合意のために必要な期間はどれくらいになりそうですか。

○砂川靖保健医療部長 始めてみないとわからない部分はありますが、各市町村の意向はまちまちです。ただし年度内には一定の方向性が得られるようにしていきたいと考えています。

○新垣新委員 年度内に一定の方向性が得られるように頑張っていただきたいと思います。ぜひ中学校卒業まで対象年齢の拡大に向けて進めていただくことを強く要望します。
 次に、説明資料の13ページ、陳情平成29年第71号の陳情について質疑します。薬剤師確保に向けて取り組んでいきたいと処理方針に書かれていますが、具体的にどのような形で取り組んでいるのかをお聞かせください。

○砂川靖保健医療部長 これは知事公約にも入っておりますので、琉球大学の意向を確認するために、新しい学長が選出され次第お会いしたいと考えております。また新年度に薬剤師の必要性に関する調査ができないかと考えており、現在それに向けた検討作業を行っているところでございます。

○新垣新委員 これに関連して、琉球大学で国際医療拠点を推進していくということについて、国、県、宜野湾市などで、その考え方や方向性について意見交換したことはありますか。

○砂川靖保健医療部長 県薬剤師会が琉球大学に対して要請を行ったことは聞いておりますが、国、県、琉球大学で意見交換をしたことはございません。

○新垣新委員 これを進めていくことによって、早期の合意形成が図られると思うのです。これだけ担い手が不足する中で、これからまれに見る高齢社会を迎える中で、どうしてもこの薬剤師の確保には取り組まなければいけない。また県内に薬学部はありませんから、親の負担もとんでもないものになっていると。その辺に関してさらに踏み込む気持ちはありますか。

○砂川靖保健医療部長 これについては、県ではなく琉球大学が主体となります。現在、大学は定員を純増させることがなかなか難しい状況にあると見ており、新しい学部をつくるのであればスクラップ・アンド・ビルドなどの手法も出てくる。やはり大学が主体となって考えないといけないのではないかと思います。我々は調査事業などを行うことによって、薬剤師の必要性や今後の需要などを出しながら、琉球大学において、学部としてなのかあるいは学科でつくるのかといったことなども含めていろいろと検討していきたいと考えております。

○新垣新委員 大学の早い決断に向けて、県としてもぜひ助言等を行っていただきたい。やはりこれについては、県知事が先頭になるべきだと思っているのです。事務方も一緒に入ってですね。これに関して保健医療部長、知事にこういった形で進めていきませんかということを進言していただけませんか。これは知事公約にも入っていますから。そういう形で県は進めていくものと理解していいですか。

○砂川靖保健医療部長 すぐに知事に持っていくということではなく、やはり琉球大学とも詰められるものは詰めていきたいと考えており、仮にそういう方向に進むのであれば、タイミングを見ながら知事と学長の面談を行ってもよいのではないかと考えております。

○新垣新委員 次に、説明資料の16ページ、陳情平成29年第118号です。国保財源の県移管における国保財政改善を求める内容ですが、これについては既に市町村から県に移管されています。それに関して、何か支障を来しているということはありませんか。この陳情を見ると懸念があるみたいな形で捉えられている部分もあります。市町村と県の間で問題は生じていませんか。

○名城政弘国民健康保険課長 4月から新たな国保制度が始まっておりますが、現時点におきましては全国的に見てもそうですが、円滑に施行されているものと捉えております。

○新垣新委員 この陳情要旨の4です。統一保険料を目指し、市町村の自主性を尊重することが書いてあります。その処理方針として、市町村の判断で行うこととなっておりますと、記述されていますが、この陳情者である南風原町議会議長の願意に対してどのように取り組んでいますか。これを見る限り、市町村の判断ということで、投げられて終わりのような感じなのです。県が全くやらないのであれば、やらないとはっきり言ったほうがいいですよ。いかがですか。

○砂川靖保健医療部長 県の役割は、市町村に対して標準保険料率を示すことでございます。それを見て市町村がみずから保険料率を定めるという仕組みでございます。その上で、法定外繰り入れをするのかどうかということについては、これまでどおり市町村の判断で行われるという趣旨を述べているということでございます。

○新垣新委員 これについては、歳入や保険収入とかさまざまな問題が入っていると思うのです。私はこのサービスは欠陥だらけだと思っています。だからどういう形でこの問題の解決に向かっていくかということが大事だと思うのです。ですからこの陳情を出されてきたものと理解しているのです。この問題に関して、保健医療部長、国保財政は保険料を幾ら上げても、一般会計で補塡しても足りないという状況が高齢社会を迎えて出てくるのですが、その辺の問題について市町村との意見交換は行っていますか。また国と県との意見交換はどうなっていますか。これは大変重要なポイントです。

○砂川靖保健医療部長 そういう構造的な問題があるということで、平成30年度から国保の都道府県単位化ということが行われたわけです。これは単に都道県単位化ということだけではなく、それとあわせて公費の拡充が行われております。その影響で国からの交付金が入っておりますし、それと沖縄県で一番の問題である前期高齢者の交付金についても、平成30年度は180億円くらい入るということで、これも格段にふえてきております。それで市町村の法定外繰り入れなどの需要も平成30年度で随分減ってくるものと見ております。ただし、いまだに財政的に弱い部分があるものですから、そういうものをカバーするために、県は市町村や国保連合会と連携して平成26年以降ずっと厚生労働省に対して特段の支援をお願いしています。さらに全国都道府県知事会を通して公費の拡充等について要請しております。

○新垣新委員 そのような要請活動が実を結ぶように、その実現に向けて引き続き頑張っていただきたいと思います。
 次に、説明資料の6ページ、陳情平成28年第79号です。民泊新法の問題ですが、陳情者の沖縄県ホテル旅館生活衛生同業組合の宮里一郎氏の陳情の中で、少し懸念することが書かれております。参考人招致の際にも、不満の意見を述べられていましたが、現在その不満は解消されているものと理解していいのですか。

○砂川靖保健医療部長 この陳情は、いわゆる民泊新法をつくるときには、旅館業者等が不公平にならないようにその対策を求めているものであると思います。ただしこの法制化は既に終えているわけです。現在その法律に基づいて厳格に適応している状況でございます。特にこの陳情者と接触したことはございませんが、今のところ特段旅館業法の方々と民泊事業者の間で何かあるというようなことは聞いておりません。

○新垣新委員 この縛りをかけるという条例は今年度から施行し、スタートしていますね。糸満市がこれを外してほしいということで、これから県と意見交換を行うと聞いています。我が糸満市の立場を尊重し、これを外すことができると2月定例会でも答弁なさっていましたから、その件については大丈夫ですね。これについて確認したいのですが、いかがですか。

○砂川靖保健医療部長 糸満市から要請があれば、我々としても真摯に対応したいと考えています。

○新垣新委員 意見交換をしていると聞いていますから、近々これについて糸満市から上がってきますので、そのときには外していただきますようお願い申し上げます。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 金城泰邦委員。

○金城泰邦委員 午前中に末松委員が質疑された北部基幹病院に関して伺います。説明資料の32ページです。本会議における保健医療部長の答弁からすると、陳情第45号の処理方針は変わっていくのだろうなと思っております。北部基幹病院については地元負担を求めない形でやると、保健医療部長は答弁されていました。それについて御説明をお願いします。

○砂川靖保健医療部長 今定例会の本会議や6月定例会において、私が答弁したのは、市町村の一般財源による負担がない形で北部基幹病院の整備費の一部を負担していただきたいということを2月に開催した協議会の中で説明してきたということでございます。

○金城泰邦委員 私の勉強不足によるものであるのかわかりませんが、保健医療部長の言葉はわかりにくいのです。負担のない負担とはどういう負担なのですか。

○砂川靖保健医療部長 一般財源以外の財源で負担するということです。

○金城泰邦委員 具体的な事例として挙げてください。どういう負担があるのですか。

○砂川靖保健医療部長 これまでに具体的な事例はございませんが、ただし市町村に適用される補助メニューが使える場合には、市町村にその補助メニューを活用していただくと。そのときには補助金以外の部分について市町村は一般財源の持ち出しがあるわけです。そうなると一般財源で負担させることになるわけです。その場合に市町村が負担する一般財源については県で持つということで、一般財源による負担がない形というものを考えているということです。

○金城泰邦委員 私が理解しているのは、市町村の負担のない形であると。結果としてそういうことで理解していいのですね。

○砂川靖保健医療部長 ですから市町村は本来自分たちが使うべき補助メニューの財源を負担するわけですね。その意味において負担しているというわけです。

○狩俣信子委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、金城委員から市町村の負担がないという意味について、明確に答弁するよう指摘があった。)

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 砂川靖保健医療部長。

○砂川靖保健医療部長 仮に10分の8という補助率があった場合に、8については補助金が入ってくるわけです。一方、残りの2は市町村が一般財源で負担するわけですが、我々としては北部市町村は財政が厳しいので、その一般財源の負担については、市町村ではなく県が負担する方向でいきたい旨の説明をしたと。ただしこの場合には負担がないというわけではなく、そもそも自分たちが使える8の財源について提供しているわけですから、その分において負担しているという意味です。

○金城泰邦委員 保健医療部長が言いたいのは、補助金をほかの事業で使えるがここで使わないといけなくなってしまったと。そのことに関しては北部市町村の負担であるかもしれないが、国から入ってくる国庫補助金をベースにして、仮に8割負担とすれば、残り2割は県が責任を持ってやるという、結果自体はそういうことになるものと受けとめました。そうであれば処理方針はこの内容ではないほうがいいですね。今後処理方針を出してくる場合には、内容を変更しないといけないと思います。それについて保健医療部長、32ページの処理方針の内容を変えるべきではないのかと思いますが、いかがですか。

○砂川靖保健医療部長 この陳情は財政負担の話というよりも、設置主体や経営形態についての陳情であるものと理解しております。現在その協議を進めてきているところなのですが、前々回の協議において市町村や北部地区医師会から病院を整備した後のことも考えた場合、設置主体や経営形態についても議論する必要があるという話がございました。我々としては、経営形態のみならず北部基幹病院は何もないところに病院をつくるという話ではないと。ですから経営形態について一般論だけで議論することはよくない。現に北部地区医師会病院と県立北部病院という2つの病院があって、経営状況や組織文化が違うそれぞれの病院を統合して1つの基幹病院をつくろうとしているのです。したがって、そういう経営形態に関する議論についても個別具体的にやらないといけないのです。そのためには単に経営形態だけではなく、設置主体や経営主体も含めて議論する必要があると説明しておりまして、少し周回おくれの感じもいたしますが、財政負担というよりも、そういう経営システムの話ですので、次回の協議に向けて市町村等から具体的な意見があれば、それを踏まえた処理方針として考えたいと思います。

○金城泰邦委員 処理方針の中に、北部12市町村という文言が入っていますから、北部12市町村も含めた考え方による答弁、処理方針であるものと受けとめています。これまでの定例会の中では、こういった処理方針に北部基幹病院の、今説明されたさまざまなことがあると言っていましたから。その中には市町村の負担についても関連すると受けとめている方も多いと思いますので、そこは明確にしていただいたほうがいいのかと思っております。保健医療部長、いかがですか。

○砂川靖保健医療部長 これについては、現時点でまだ協議中ということでございます。設置主体がどうなるのかによって負担の考え方も変わってくる可能性がございます。2月に基本的な枠組みである基本合意書案、たたき台を示してきたわけですが、8月29日には例えば経営システム、設置主体、経営単位、経営形態について、もし変更があるならばこの基本合意書案についても半分以上は書きかえることになると申し述べてきております。その中には、市町村における地元負担の話も入っておりますので、それについては今後の協議会の推移を見ながら、必要があれば処理方針を変更していきたいということです。

○金城泰邦委員 年末に向けて11月定例会もありますので、そこを注視していきたいと思います。
 次に、説明資料41ページの新規の陳情第88号です。これは県立看護大学・大学院の教授の選考方法と教授の資格に関する陳情ということで、いろいろな流れがある中で42ページに処理方針が書かれています。そこで大学の教員人事は大学自治の根幹ということで処理方針が出ておりますが、その中身としては、大学教授の採用の仕方が一部の教員に対して多大な配慮と利益をもたらしているということが、今回の陳情の大きな訴えかと思っております。採用の仕方が不当ではないかということです。これはある意味、大学内からの内部告発ではないのかと受けとめております。人事に関しては大学自治ということですから、触れられないということではあるのですが、仮にこれが独立法人であればそういう独立性は確かにあるのだろうと思います。ただし県立看護大学は県が予算を出していますね。そういったことを踏まえると、透明性とかといった部分について訴えが出ている以上、県としては当たらずさわらずでふたをするのはおかしいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

○砂川靖保健医療部長 今回の処理方針については、認識の表明の類いになっており、非常に申しわけなく思います。ただし処理方針を出すに当たっては、法律の専門家と相談して出したいということがございました。残念ながら今回は時間がなかったので、そういう相談ができなかったわけです。大学が独立法人とか県立云々にかかわりなく、独立法人でも県立大学なのです。大学の自治というものは私立であろうと公立であろうと全うされるべきことでありますので、この辺は慎重に考える必要があるだろうということで認識の表明にとどめているということでございます。現に教育公務員特例法というものがございます。教育公務員の人事関係に関してその特例法があるわけです。この特例法に基づいて、我々は大学の人事に関しては一切ノータッチでございます。誰が昇任するのか、誰を採用するのかということについては大学に任せられておりますので、やはりそういうことを踏まえると、本庁としても慎重に考える必要があるものと思っております。

○金城泰邦委員 慎重に対応しないといけないことについては理解できますが、慎重に対応するということとノータッチであるということは違うと思います。県としても予算を出して、その事業が進んでいる以上は事業評価を行わないといけないですから、事業評価をする中で大学の運営が滞ることなくできているのかどうかということは、評価する内容に値するものではないのかと思いますが、いかがでしょうか。

○砂川靖保健医療部長 事業評価自体は今も行われております。ただ個々の人事に関して、県が具体的な内容に対して口を挟むことは、やはり大学の自治、つまり憲法に照らして懸念が残るということでございます。県が予算措置をするのは当然なのです。それを前提とした上で、教育公務員特例法という形で定められておりますので、やはり個々の具体的な人事については慎重に対応しなければならないと思っております。

○金城泰邦委員 この陳情には、平成30年2月に急遽実施された大学院への再入学ということが書かれております。これについて規程、実施要項等の公表や学内の事前説明などもなく等々とも書かれておりますが、大学の規程であったり、そういった決まり事は大学が自分たちで全部決めていいと。県としてはそこには全く何も触れないということでよろしいのですか。

○嘉手苅英子看護大学長 大学院学則というものがありまして、これは県で決めているものです。その中に再入学についての規定がありまして、それを受けて大学院再入学規程は大学の中で定めております。具体的にはそれを受けて、その実施要項や申し合わせについて学内で決めております。大学院学則は開学のときに検討され、制定されておりますが、大学院の再入学規程につきましては該当する希望者が出たところでその規程を策定いたしました。それについては、陳情書の記述にあるような時期ではなくて、平成29年11月に委員会で策定して、学内の委員会と全教職員が参加する教職員連絡会議で報告しており、それによって全員が知る形になっております。11月と12月と3月に関連する規程等の制定とその資料について公表しております。

○金城泰邦委員 平成29年11月に委員会で策定したということですが、その委員会はどういう方々で構成されているのですか。

○嘉手苅英子看護大学長 沖縄県立看護大学・大学院再入学規程につきましては、研究科委員会で検討しております。その委員会は研究科における研究指導ができる教授で構成されております。

○金城泰邦委員 研究指導ができる教授陣で構成された委員会で平成29年11月に決めたことであるという説明ですね。きょうは学長がいらっしゃいますので、学長御自身はこういった形の陳情が出されたことをどのように受けとめておられますか。

○嘉手苅英子看護大学長 陳情書を出された後に、これを読ませていただきました。この中にありますのは、まさに大学の管理運営、人事に関することで、大学の自治に直接関係することですので、この内容をこのような形で外から知ることになったのはとても残念に思っています。この内容については、大学における大学教育のあり方、大学自治、管理運営についての理解をきちんとする必要があったということと、それで疑問を感じたときに大学内で問題提起なり、意見を申し出るなりということを積極的にできるような方法などを考えていかなければならないということを感じました。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 比嘉京子委員。

○比嘉京子委員 金城委員と同じく、陳情第88号について質疑します。このタイトルは、教授の選考方法と教授の資格ということになっておりますが、先ほど処理方針をまとめる時間のいとまがなかったので、一応方針というか考え方を述べたということが、保健医療部長の答弁の中でありました。ですから、この処理方針について変更することがあるものと理解していいですか。

○砂川靖保健医療部長 今のところ変更するのか、しないのかについては決まっておりませんが、これを考えていく上で法律、憲法の専門家の意見なども聞きながら考えていきたいということでございます。今回はそういう機会がなかったので、保健医療部の認識を表明しているということでございます。

○比嘉京子委員 県立看護大学には、1年度当たりで幾ら県民の税金が投入されているのでしょうか。

○長嶺祥保健医療総務課長 当初予算額になりますが、9億153万円となっております。

○比嘉京子委員 県立看護大学については、この陳情にあるように博士課程まであるということです。そこで学長にお聞きします。沖縄県内で看護の博士課程は県立看護大学のみですか。それともほかにもございますか。

○嘉手苅英子看護大学長 沖縄県において看護の博士課程、つまり博士号として看護学を出しているのは本学だけになります。

○比嘉京子委員 これは看護の最高峰と言ってもいいでしょう。看護学の博士課程まで養成するということは、それなりの教授陣やスタッフを備えているものと理解しておりますが、きょうは公募云々の中身については触れません。ただし9億円以上のお金が投入されていることにおいて、陳情者は大学のあり方、選考のあり方と教授の資格を問うているのですが、そのことについて我々県議会議員が踏み込める範囲といいますか、そのことについての判断材料が必要なのです。もちろん選考過程自体に我々が踏み込むつもりはなく、これだけの税金を毎年投入しながら看護の専門性の高い人材を育成することを県民としてお願いしているのです。そのことからすると看護大学と看護大学院でいい人材を養成するためにはいい教授陣が必要なわけですね。そうすると、今ここで訴えられているような教授の資質、その資格を高めていくことは、県が公費を投入していることに鑑みても強く求められていくべきなのです。看護大学の建学の精神というか、人材育成の精神について学長の答弁をお願いします。

○嘉手苅英子看護大学長 沖縄県立看護大学は、県内で唯一の看護大学です。看護学校から大学を設立するに当たっては、まず本県の看護を担うことができる、質の高い看護人材の育成ということがありました。本県は島嶼を含む多くの地域を有しておりますので、さまざまな看護ニーズに対応できる看護職を育成するということで、看護師と保健師の両方の資格を持てる看護職者の育成ということがあります。これは看護学部のほうです。大学院については、行動、実践ができる看護職者と、看護教育、看護研究ができる人材ということで、多様な看護ニーズに対応できる人材を育成していくということが本学の考えとしてあり、これに基づいて教育を行っております。

○比嘉京子委員 大学において先生方の質を高めるにはどういうことが必要になりますか。先生方の質を高めるためにはどういう観点が必要なのでしょうか。

○嘉手苅英子看護大学長 基本的には教員個々が、それぞれ教員としての資質を高めるための努力を行っております。教育や研究もそうですが、大学組織としてはファカルティ・ディベロップメント活動―これは大学に求められている組織としての活動で、さまざまな研修会それから学会や研究会に派遣して、教員の資質を高めるようにしております。

○比嘉京子委員 先生方が研究を深めていくということは、それが大学の教育に反映されていくわけですね。

○嘉手苅英子看護大学長 当然です。それぞれの研究活動を教育に反映することが求められておりますし、またそのように努力しております。

○比嘉京子委員 陳情の訴えの中で、とても違和感を感じているところがあります。これについては言及せざるを得ないのですが、41ページの後半3行目の部分です。大学院生である2名が教授に昇任したと。そういうことは研究業績としてあり得るのだろうかと、一般的な考え方としては思います。それが看護大学ではあり得るということですが、そのことについて説明を求めます。

○嘉手苅英子看護大学長 教授であり大学院生であることについてはあり得ることで、これは本学だけのことではありません。大学院生として仕事を持っている人を受け入れるのかということについては、大学院設置基準第14条に定める教育方法の特例の取扱い―第14条特例というものがありますが、これを研究科が申請するかどうかということで決まります。本学は第14条特例を適用しており、仕事を持っている人についても大学院に入学できるようにしています。これは全国の多くの大学院が第14条特例を適用し、仕事を持っている人を受け入れることを認めております。そして教員がその大学院の大学院生になれるのかということは、その大学なりあるいは大学以外の職場であればその職場においてそれぞれで決めるものです。本学では、本学の教員が大学院生になることを認めております。手続をして、本務に支障がないことを確約をして、それを承認する仕組みをつくっております。大学院生でありながら教員でもあるということは、本人にとってはかなり過酷な状況です。全国的に見ても、看護大学で教員であると同時に大学院で学位を取るために準備している方はかなりの数に上っております。その理由としては、大学院の数がこの25年間でとてもふえてきております。沖縄県立看護大学が設置された20年前には七十数校だった日本の看護系大学が、現在は280校以上になっています。このためそれだけの教員が必要になっておりますので、既に教員として研究・教育活動もしながら学位を取るための学生でもあるということが、今日の看護教育界の状況です。ですから大学院生であって教員または教授であるということを認めております。

○比嘉京子委員 42ページの5行目に、さらに同准教授は平成30年2月に本学大学院博士後期課程を満期退学し、そしてまた4月に大学院に再入学しているとあります。これはどういうことなのでしょうか。

○嘉手苅英子看護大学長 大学院、学部もそうですが、修業年限があります。大学院博士後期課程の場合には標準の修業年限が3年です。規程においてその在学可能期間は倍の6年間ということになります。その間にさまざまな理由で、例えば休学期間については2年休学することが可能ですので、合計8年間を経ると、その間に学位が認められなければ退学ということになります。その場合には、学生の立場で申しますと論文を提出する直前ですが、修業年限を超えてしまうので退学ということになります。ただし自主退学をして再入学できるという規定があります。これも全国的にそのような制度がありまして、大学院設置基準や大学院学則でも認められているものです。その規定に沿って退学した後に、再入学して論文提出の準備をしているというものです。ですから退学後に再入学することについては、通常の手続ということになります。

○比嘉京子委員 少し理解できないのですが、なぜ2月に退学する必要があったのでしょうか。一旦退学して4月に再入学するのであれば、そのまま延長できるのではないのですか。ただし論文が書けていなければの話ですよ。通常ならば学生を続けることができるのではないのかと、一般的には思うのです。なぜ一旦2月に退学して、4月に再入学することになるのか少し理解ができませんので、もう一度説明をお願いします。

○嘉手苅英子看護大学長 この場合のように、再入学するためには再入学の手続は4月に入ってからではなく、3月の手続になります。4月入学ですので、再入学するための手続を3月に行うことになります。そうなると3月に在学していて、4月に再入学するということは制度上できませんので、一旦退学することが必要になります。

○比嘉京子委員 沖縄県立看護大学・大学院の紀要等を読ませていただいたのですが、なかなか看護大学の学生は論文を書かないという話をよく聞きます。それについて学長はどのようにお考えでしょうか。

○嘉手苅英子看護大学長 論文数の少なさについては、私たちも自覚しておりますし、外部の評価委員会からも御指摘も受けております。それで努力しているところなのですが、最も重要なことは一人一人の教員が担っている役割がとても大きいということです。特に看護系の教員の場合には、担当時間数や実習での指導等々が多くありますが、それも行いながら研究していくという外的な条件があります。もう一つは、それぞれの研究力をつけていくことも課題になっております。ただし他大学に比べてとても低いというわけではありませんが、これも課題であると考えております。

○比嘉京子委員 先生方がその研究を深めることが教育につながることだと思います。これが教育に生かされることについては先ほども申し上げたのですが、授業を担うという根底には、先生一人一人が深い研究者であるということが非常に質の高い授業につながると思うのです。ですから看護大学のあり方についても少しおさらいしたいと思います。こういう問題が起きているからこそ、我々県議会議員がこのように議論できるということもあります。ぜひともこれを契機に、大学のためにもう一度客観的な見直しといいますか、そのことを提案されたと思っていただいて、ぜひもっともっと学生にとって質の高い教育ができるようにお願いしたいと思います。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 照屋守之委員。

○照屋守之委員 説明資料32ページの陳情第45号、県立病院についてです。これについては、既に本会議でも出ておりまして、きょうもいろいろと質疑があり、そのやりとりを聞いております。9月30日に県知事選挙があり、玉城デニー知事が誕生し、新しい知事は市町村の負担がない病院をつくると言ったのです。しかし現在、これまでの保健医療部長の説明と知事が県知事選挙の後に市町村に負担をかけないという公約との整合性がとれない状況になっているのです。知事は市町村に負担をかけないという、負担をさせないという方針で基幹病院を考えているのですよ。それとの整合性はどうなりますか。

○砂川靖保健医療部長 私は選挙活動をしていたわけではありませんので、直接聞いた話ではありませんが、新聞報道等から知る限り、県内両紙が報じているのは9月12日ですが、知事がおっしゃっていたのは地元市町村の一般財源の負担がない方法でできれば考えていきたいというようなことが公約になっているのではないかと考えております。

○照屋守之委員 市町村の負担がないということは、一般財源であれどういう形であれ負担がないというニュアンス、そういう内容ですよ。これは今回の知事選挙は主に2人の戦いになりましたが、相手もそういう市町村に負担なしでやるということなのですが。ですから私は玉城知事が当選されたにもかかわらず、これまでと同じような答弁をするということ自体が非常に不思議に思います。保健医療部長は直接聞いていないという言い方をしていますが、これは選挙戦における玉城知事の公約ですからね。新しい知事になっても同じような答弁をしていくということが非常に不思議でならないのです。また一般会計、一般財源がどうのこうのとかいろいろなことを言っておりますが、保健医療部長の説明は、一括交付金、北部振興事業、さまざまな補助事業であれ、結局、北部市町村に負担させるということです。これは明確なことですからね。これも知事が言っていることと全然違うし、今実際にやろうとしていることは筋が違うどころか、大変大きな違いですよ。どうですか。

○砂川靖保健医療部長 私は6月定例会から、市町村の一般財源による負担がない形で北部基幹病院の整備費の一部を負担していただきたい旨、県の考え方を説明してきたところであるということで、一般財源以外のことで求めてきているというような答弁をしております。私が認識している選挙公約は、地元市町村の一般財源による負担がない方向性を考えていきたいということでございますので、その文脈上、私がこれまでに県議会で答弁してきたこととずれはないものと考えております。

○照屋守之委員 市町村における一般財源の負担がないということは、裏負担分の20%は県が負担するということを言っているのですか。

○砂川靖保健医療部長 そういう方法等を通じて、市町村の一般財源には手をつけないという考え方であります。

○照屋守之委員 その認識が根本的に間違っているのです。それではその8割分については、本来ならば市町村の事業としてやれるものを、この病院事業に充てると。市町村が本来やるべきものをやらないで、この病院事業に充てるということですよ。この8割そのものは本来ならば市町村がもらうべきものなのに、ここに充てるという話ですよ。このようなわけがわからない論法はおかしいですよ。

○砂川靖保健医療部長 それが我々がお願いできないかと言っている負担でございます。これについては、当然そうすべきだということではなくて、この基幹病院が未来永劫、効率的な経営をしていくためには、どうしても整備の際の借入金を縮減する必要があると。そのための方策として、そういう市町村の財源を活用できないかということを、今お願いしている状況でございます。

○照屋守之委員 ですから、保健医療部長の考え方は、知事の考え方と違うと思います。これは北部市町村に負担をかけると。北部振興事業は3年後までその使い道は決まっています。そういうことも含めて、それぞれの市町村は自己財源が非常に厳しい中で裏負担を小さくして地域住民のためにやるということで補助事業を行うわけです。それをこれに充てて、裏負担分は県が出しますと。こういう発想を持っていること自体が、私はこの基幹病院が本当にできるのかと。ですからこの陳情者が要望しているようにこれは公ですよ。以前から言っておりますが、もうこれは県立でしかできないでしょうと。これは全ての県議会議員がそう思いますよ。与党も野党も。それとそこで働く組合員でもある職員の皆様方ですよ。これを県立でやらない。それでは中部病院、南部医療センターなどはどうなりますか。その整合性もとれませんよ。ですからさまざまな問題があるにしても、県立でつくった後にこの病院事業について全体的にどうするのかということを考えないといけない。今の答弁を聞くと、この問題がある、これも問題があるから基幹病院はできませんという方向性をつくっているにすぎないのではないですか。どうですか。

○砂川靖保健医療部長 私どもの認識として、基幹病院はぜひ北部に必要であるという前提で動いております。これを頓挫させるために誘導してそのような考え方を表明しているということはございません。

○照屋守之委員 ですから、それはできるという方向ですか。既にそのように市町村にも明確に負担させるというお考えを持って進めているということが実態ですよ。知事は市町村には負担させない方向でやるということからも完全にずれているし。担当部署は知事の公約に沿って動いているのかと言えば、そのように動いていないでしょう。新しい知事になってもその方向性は変わっていないという話でしょう。普通は変わるべきではないのですか。知事と相談して、市町村に負担をかけないということはどういうことですかときちんと整理をした上で、知事の意向に沿ってそういう方向で進めることが担当部署の責任ではないのですか。ですから今のようなやり方、説明を聞いていても、そこが非常に曖昧で、あげくの果ては市町村が実際にやっている補助事業もこれに充てる。一括交付金もそれに充てる。北部振興事業もそういう形で市町村の理解を得て協力できる方法はないものかなと。それでその裏負担は県が出しますということですね。この延長線上で言えば、市町村の負担なしではできないわけですから。ですから皆さんはこれまでにない新たな仕組みをつくって、これをどうするのかということを交渉していかないと、この陳情者が求めているような公としての責務を果たすことはできないですよね。どうですか。

○砂川靖保健医療部長 陳情者の考え方は、公営企業という経営形態を選択してほしいという趣旨であるものと理解しております。我々も前提としてそういう形で基本合意書案を作成し、協議を行ってきたところでございますが、協議の過程において北部地区医師会病院や北部市町村から病院ができた後のことを考えると、設置主体や経営形態それから病院単位についても議論する必要があるということで、現在協議を行っているということでございます。

○照屋守之委員 保健医療部長のお考えである市町村にも負担をさせるということ。経営形態ごとにメリットとデメリットを整理した上で協議を行うということ。独立行政法人あるいは地域連携型のさまざまな法人化とかということを挙げて、メリットやデメリットを出していって、果たしてこれが実現できますか。これは県民や県議会の理解、あるいは県立病院に今お勤めになっている職員の理解が得られますか。こういうものを出していって、市町村にも負担をかけるということで、本当にこの基幹病院が県民のために、北部地域のためにつくることができると思っていますか。どうですか。

○砂川靖保健医療部長 いろいろと困難はあると思いますが、そういう手順で手続をとって進めていくことが大切ではないかと考えております。

○照屋守之委員 もうこれは独立行政法人化、あるいはさまざまな経営形態をこれから検討しようとすると、今の知事の任期は4年間ですよね。これについては4年前、それ以前から大変ですよ。県立北部病院も大変ですということで、ずっと施設が老朽化している、医療機器も非常に厳しい状況にある。総合病院と言いながら、そのような診療ができないこともあると。北部の住民にとってはもう切実な思いですよ。ところが今、このような北部の方々の思いと、現に進めているやり方は全然かけ離れていませんか。ですからこれについては、こういう形で県は進めていくということをやって、市町村にも負担をかけないというようなことでやっていかないと。これはさまざまな一つ一つのものを協議する段階をもう超えているような感じがしますけどね。今からこのような議論をして、市町村の負担も北部振興事業はどうですか、あれはどうですか、この分の負担はできませんか、経営形態ははこうですよ、ああですよということで、これができますか。時間的にはどうなのですか。これが形としてあらわれてくるのはいつごろになるのですか。

○砂川靖保健医療部長 目標として、基本的な枠組みについての合意は年度内に行いたいと考えております。

○照屋守之委員 建設はどうですか。

○砂川靖保健医療部長 その基本的な枠組みが整った後に、具体的に細かいことまで詰める必要がありますので、それは別の基幹病院整備検討委員会のようなものでやっていく必要があるだろうと。それがどの程度かかるのかについて今は少し見えませんが、これまでの例を見ると病院建設は構想をつくってから実際に着手するまでに五、六年かかっているということが実情ではないかと思います。

○照屋守之委員 そうであれば知事の任期である4年間ではできないし、もしかすると10年くらいになる可能性もあります。もうそのころは保健医療部長もここにはいらっしゃらないと思います。ですからこれは待ったなしだと思います。保健医療部長もこれから二、三年くらいでかわっていくのでしょう。本当にきちんとこういうものができるという方向性でみんなに説明すればいいのです。ところが今は全然そういうものがないのです。経営形態をこれから検討するにしても、これを決めていくことでさえ相当の時間と労力がかかります。この経営形態を決めるということは、現在ある県立病院も含めて病院事業局を巻き込んで大変なことになりませんか。仮に独立法人化していく。あるいは市町村を巻き込んで地域連携型にしていくとか。物事を一つ一つ決めていくことは非常に時間がかかると思います。本当にこれは大丈夫ですか。我々は今回の選挙で負けておりますが、ただしこの基幹病院を含めて、現在県が進めているさまざまな事業については、やはり何とかやれるような方向はつくっていきたいということがあります。本当に目の前で起こっていることについて非常に不安を持っているのです。これは大丈夫ですか。

○砂川靖保健医療部長 この基幹病院は単に新しい病院をつくるというだけではなく、現にある2つの病院を統合することになります。統合の相手方である北部地区医師会病院の意向も十分に尊重しないと話は進まないものと考えております。その考え方もきちんと聞いて、北部地区医師会病院が納得できるような形で進めていくことが一番大切だと考えております。今は時間がかかっておりますが、その部分の根っこさえ決まればそれに沿って方向性は見えてくると思いますので、根っこさえきちんと固めることができれば、後の作業は加速度的に進展していくものと考えております。私が在職中にはできないのかもしれませんが、その道筋に至るまでの自分がやるべき役割を果たしていきたいと考えております。

○照屋守之委員 ぜひお願いします。これが五、六年かかるということになれば、知事にもその旨をお伝えして、県民に対しては4年間の公約ということですから、その4年間でつくるという前提でやっておりますから。その辺の公約との整合性も含めて知事ともよく相談をしながら、ぜひこれができるような形で進めていただきますよう、お願いいたします。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 説明資料4ページ、新規の請願第4号です。これは、現物給付に対するペナルティの全てを廃止することについて国に要請すること。また中学校卒業までの医療費の無料制度を国の制度にすることについて国に要請してほしいということで、ほかの幾つかの陳情でもそのような内容があります。現在、国がこの2点についてどのように考えているのか、新たな動きはあるのかお尋ねいたします。

○大城博医療企画統括監 今年度、こども医療費助成事業に関連する国への要望について全国知事会から国に対して8月14日に要請を行っております。同様に、九州地方知事会、全国衛生部長会、九州各県保健医療福祉主管部長等会議においても、国民健康保険の減額調整措置の廃止と、国の責任においてこども医療費に関する制度を設けてほしいという内容の要望を行っております。
 この要望に対する国の意向についてはっきりと表に出ている内容はないと思いますが、九州各県保健医療福祉主管部長等会議の要請などの際には、保健医療部長が厚生労働省を訪ねて直接やりとりをしております。その際に具体的にこうするという話はなかったのですが、この問題については、引き続き検討していきたいというお答えがあったと聞いております。

○西銘純恵委員 これについては、毎年たくさんの団体が要請していますね。でも検討しますというくらいでずっと通してきたと思います。現物給付については10月から就学前のペナルティが廃止されたのですか。

○砂川靖保健医療部長 4月から減額調整措置は廃止されています。

○西銘純恵委員 その後、国保に関連するペナルティについてどの辺までに、どのようにして廃止に持っていくのとかということは聞いていませんか。

○砂川靖保健医療部長 要望自体は中学生までということで限定はしておりません。この減額調整を廃止してほしいと言っていますが、厚生労働省はこれまで検討を重ねてきた結果、未就学児分について外したわけです。現在それがどこまでいくのかということは見えていませんが、やはり一定の時間はかかるものと見ています。それを実現していくためには、絶えず関係者で要望していくことが必要ではないかと考えているところでございます。

○西銘純恵委員 国がおくれていると思うのです。4月から就学前のペナルティが廃止されて、県が頑張って10月から就学児や中学生についても無料になっていますが、具体的に10月から就学前が無料になった市町村はどれくらいありますか。さらにそれを超えてやっているところもあるのか。10月時点における市町村の動きをお尋ねします。

○長嶺祥保健医療総務課長 平成30年10月1日時点での状況としましては、平成30年10月から実施している団体が30市町村。12月から実施することとしている団体が1村。平成31年1月からの実施が1村。平成31年4月からの実施が6町村。それから平成30年4月時点で現物給付を実施している団体が宮古島市を初めとする3市町という状況になっております。

○西銘純恵委員 今の答弁は就学前ですよね。それを超えて通院費の年齢はどうなっていますか。県がやっているものを超えて無料化を行っている市町村はどれだけありますか。それとその年齢を超えてということは一律なのですか。小学校3年生や小学校6年生とかあるのかと思うのですが、その違いについて10月1日時点で答えてもらえますか。

○長嶺祥保健医療総務課長 県の基準以上で実施している市町村は全部で30になっております。通院年齢を拡大しているのが13です。同じく年齢を拡大して、現物給付を実施しているところが16になります。入院における就学児について現物給付しているところが1つありますので、合計で30ということになります。

○西銘純恵委員 現物給付の拡大についても大きな課題としてあるのかと思います。少なくとも通院の無料化の拡大については、先ほど言った県の就学前を超えてやっているところが30であると理解していいのですか。

○長嶺祥保健医療総務課長 はい、30ということになります。

○西銘純恵委員 その30のうち中学校卒業まで無料にしているところは何カ所ありますか。

○長嶺祥保健医療総務課長 中学校卒業まで拡大しているのは17町村になっております。

○西銘純恵委員 先ほど振り分けて聞きましたが、小学校や高校までとかの違いで答えてもらえますか。

○長嶺祥保健医療総務課長 小学校までは2です。それから高校卒業までが10となっております。

○西銘純恵委員 今、年齢拡大などについての意向調査をしているということで、拡大の意向については県としても持っているということをずっと言っておられました。大きな市、特に那覇市の意向は既に出ていると思いますが、いかがですか。通院年齢の拡大の部分についての答弁をお願いします。

○砂川靖保健医療部長 この調査については、個々の市町村について市町村名を公表するという前提では行っておりませんので、どの市町村がどういう意向を持っているかということについては答弁を差し控えたいと思います。

○西銘純恵委員 今度、那覇市で市長選挙がありましたが、中学校3年生まで無料にするということを城間那覇市長が公約したのです。ということは、大きな那覇市がやりたいということであればそれは進むと思います。高校まで入れると11やっていますということであれば、ネックになるのが残りの10市になるのですかね。10市といっても、うるま市がいち早く中学校卒業までやっていたと思います。去年ですかね。ですから市の中でも大きいところの意向が重要なのかと思いますが、その辺はどうですか。

○砂川靖保健医療部長 確かに基準以上に対象条件を引き上げているところは、すぐにでも拡大してほしいという意向を強く持っています。ただし、そういう団体だけではなく慎重にやってほしいという団体もあるわけです。県の立場としては、どこに住んでいても同じようなサービス水準を受けられることが望ましいという考え方でやっていますので、やはり引き上げていく上でもそういう慎重に考えている団体のことについても考慮しなければならないと思っております。したがって、その辺の状況も見きわめながら市町村と協議していきたいと考えております。

○西銘純恵委員 具体的な市町村名はいいのですが、何カ所がどういう理由で慎重にやってほしいという意見を述べているのですか。

○砂川靖保健医療部長 やはり財政上の理由が大きいのではないかと見ております。これは8団体でございます。

○西銘純恵委員 町村の小さなところでも、結構、中学校卒業までを対象としていませんか。これを無料にしていませんか。財政力の低い町村でも中学校卒業まで無料にしている、実際にやっているのではないかと思ったのですが。

○砂川靖保健医療部長 その意向がきちんと財政状況とリンクしているというか、整合がとれているというような分析までは行っておりませんが、実際には消極的に考えている団体がございます。やはりそういうところのことも考えなければいけない。ただし一律にそこに合わせるのではなく、その団体についても少し努力してもらうような形で拡大することを考えていかなければならないのかと考えております。

○西銘純恵委員 全国を見ると、中学校卒業まで無料化が行われている中で、保健医療部長がずっと答弁されていますが、県内の市町村では消極的で前向きな形ではないものですから。特に医療費の無料化が図られていないので子供を育てにくいと。子供の貧困率が全国の倍である沖縄県でこそ思い切って取り組むべき大きな施策だと思うのです。玉城デニー知事も子供の貧困対策を最重要政策にすると言っているし、そういう意味ではやはり県がリードしていくという観点がないといけません。そういう渋っているところを優先的に見ていくのではなく、県から子供の貧困というところから考えたらどうなのかというくらいに積極的に進めるべきであると思います。どう考えていますかと聞けば、やはり厳しいですよくらいしか出てこないと思うのです。やはり政策的にどうなのかというところをしっかりと入れていくことが重要ではないかと思うのですが、そういうやりとりまで行っているのですか。

○砂川靖保健医療部長 どう考えていますかと聞いているだけではなく、県としては今後の拡大に向けてのたたき台をつくりたいと思っています。そういったものをつくって市町村間で協議したいと思っておりますので、方向性としては公約の実現に沿うものではないかと考えております。

○西銘純恵委員 先ほど、どなたかがいつごろに提示して年内のどれくらいにはと言われたと思うのですが、もう一度答弁をお願いします。

○砂川靖保健医療部長 12月には県のたたき台を示した上で、年度内には今後の方向性を固めていきたいと考えております。

○西銘純恵委員 これにはついては、積極的に進めてほしいと思います。
 次に、17ページ、陳情平成29年第118号です。先ほどの質疑の中で、公費の拡充について都道府県知事会等から要請しているとか、平成30年度は前期高齢者の不利益分について180億円ほど国からの交付金があるということをおっしゃいました。具体的にお尋ねしたいのは、前期高齢者の沖縄県の不利益分として全市町村の累計額としてどれだけの金額をつかんでいるのか。そして前期高齢者分の不利益分の補塡額で国からきちんと入ったのかについて、お尋ねします。

○砂川靖保健医療部長 不利益分という場合に、この不利益というものは何かということになりますので、この不利益分の累計額というものはございません。先ほど約180億円と言ったのは、平成26年ごろには前期高齢者交付金が79億円程度でした。それがだんだんとふえていき平成30年度は180億円程度を見込めますと。そこまでふえていますという話であります。

○西銘純恵委員 前期高齢者の算定分の繰り入れということですか。国からの交付金、補助金が180億円ですか。

○砂川靖保健医療部長 そのとおりです。

○西銘純恵委員 例えば、那覇市が160億円の不利益をこうむってきたという試算を公表しました。全県の合計で600億円くらいという数字が市町村から上がっていたと思うのですが、その認識は一致していますか。

○砂川靖保健医療部長 例えば、都市部の国保などで前期高齢者の割合が全国並みであると積算した数字を出して、それと比較した差額が不利益分であるという主張をしていることは理解しております。でも、そういう考え方で国に要請しても国はまともに取り合いません。日本全体で見た場合には高齢者医療の調整制度はいい制度なのです。ただし本県の場合は戦後の特殊事情として終戦後における本土のようなベビーブームがなく、その辺の人口が落ちていると。このため前期高齢者調整制度が入ったときに前期高齢者の数がほかの県に比べて少なかったわけです。これはあくまでも本県の特殊事情であって制度自体はいい制度なのです。しかし本県のように不利益をこうむる団体があるので、その辺については何らかの利益を返還するための措置があってもいいのではないのかという観点から、国に対して特段の財政支援を要求しています。一方で、国は何もしてこなかったわけではなく、特別調整交付金で前期高齢者交付金の落ちた分を一定程度補塡する制度や本県に有利な交付金制度をつくったりするなどの対応をしていますが、本県の国保の財政状況を考えた場合には、それでもこれから安心して運営することにはまだ不安がありますので、今後ともそういう財政支援について協議していこうということで、国とは調整しているところでございます。

○西銘純恵委員 先ほど180億円は前期高齢者の不利益分を丸ごと埋めるような形で入るものだとおっしゃったのです。違いますか。ですから今の保健医療部長の説明では、沖縄県に有利な制度を持ってきたと。そういうものを使って180億円ということでしょう。違いますか。それではもう少し説明してください。確認したいのは、前期高齢者分がどれだけ補塡されたのかということです。

○砂川靖保健医療部長 単純に都道府県平均の割合によって積算した数字でその差額が不利益であるものとは認識しておりません。ただ平成26年には前期高齢者交付金は79億円しかなかったのです。それだけ前期高齢者の割合が少なかったと。この割合がだんだんふえてきまして、平成27年は102億円、平成28年は113億円、平成29年は146億円、そして平成30年は188億円を見込んでいます。つまりこれは改善されてきているわけです。さらに平成20年における制度の見直しに伴って本県の国保の赤字がふえたものですから、それに対して国は本県に有利な制度を入れてきたわけです。まず退職者医療制度の廃止に伴う行政の影響が大きいということ。それから20歳未満の被保健者数が多いということによる財政面の影響、未就学児の負担が大きいという財政面の影響ということを勘案して、平成21年から平成29年までに累計で326億円を支援してきていると。それでも我々としては今後とも厳しい状況が続くことが想定されておりますので、国に対して特段の事情による財政支援を要請しているということであります。

○西銘純恵委員 整理したいのですが、国保財政はそもそも国の負担金が少ないということが大きな問題なのです。全国的に国費負担をもっとふやせということは全国一律の願いなのです。制度そのものが、所得のない人や子供からも頭割りで出すという制度そのものに問題があるということを念頭に置いて、先ほど保健医療部長が答弁されたように、この前期高齢者の算定が入ってきたのは平成20年ごろからでしょう。それを平成26年は79億円だったが県も声を上げてふえてきたとおっしゃいますが、これは前期高齢者の話であって、今入ってくるのがこうなっていますよということで説明をなさっているわけでしょう。過去の足りなかった分について、実際に市町村から見ると過去の分はどうなのかということなのです。これはあくまでも前期高齢者の分なのです。先ほど全国並みの前期高齢者の人口推計をして、その市町村の少ない分に掛けて不足額の総額を出す。私が言っている600億円くらいの金額はそれだと思うのですが、県の考え方はそうではないと言われているわけですね。これは市町村と一致しているのですか。県はそう考えていませんよ、でも市町村にはまだ前期高齢者分は全然補塡されていないのですよと。新たにつくられた沖縄県に有利になるような未就学児が多いとかいろいろ出してきたものだって沖縄県だけのものではなくて全国的に公費をふやしなさいという声に応えて出してきたのが現在の交付金なのです。ですから県の考え方は少し違うのではないかと思ってお尋ねしています。市町村と一致しているのか、それとも違うのですか。

○砂川靖保健医療部長 確かに平成24年と平成25年ごろの要望は、全国平均で計算したものを割合でもって計算した差額を要求するというスタンスでやっていましたが、それではらちが明かないわけです。仮に前期高齢者がこれだけいるとすれば確かに交付金はふえるのかもしれないし、その分税収もふえるかもしれない。しかし医療費はもっとふえるのです。つまりこれで損をしているとは言えないわけです。ですから、現在我々は市町村と連携して、あくまでも制度移管に伴って極端に不利益をこうむった事情があると。それについては全国的に見るといい制度なのかもしれないが、そういう不利益をこうむるところについては何らかの激変緩和の措置があってもいいのではないかということを根拠にして要求している。これは市町村と同じスタンスです。その要求書については沖縄県だけではなくて、沖縄県国保連合会、市長会、町村長会、市議会議長会、町村議長会の連名で行っております。

○西銘純恵委員 今、答弁なさった団体と県が歩調を合わせて動いているということについては理解していますが、あとどれだけ補塡させるべきかという部分のすり合わせを行ってほしいと思います。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 平良昭一委員。

○平良昭一委員 説明資料の26ページ、陳情第19号の民泊事業の関係です。処理方針の中で、2月定例会で条例が可決されて施行されてきたという形ですが、たしか住居専用地域と学校周辺地域という2つの制限があって、その制限を受けている市町村が幾つかあったと思いますが、その市町村の数をもう一度教えていただけませんか。

○玉城宏幸衛生薬務課長 住宅宿泊事業法に係る沖縄県住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例では、住居専用地域と学校周辺100メートルの地域において区域を分けて規制をかけており、低層第1種と低層第2種の住居専用地域では、8市4町で規制がかかっています。同じく中高層第1種と中高層第2種の住居専用地域では、7市と4町で規制がかかっています。学校周辺地域については、21市町村について規制がかかっている状況です。

○平良昭一委員 その後の変動はありますか。例えばほかの町村から新たにそういう制限を設けてくれというようなことはありますか。

○玉城宏幸衛生薬務課長 この条例はまだ6月15日に施行されたばかりですので、今のところほかの市町村から新しく規制に加えてくれとか、外してほしいという相談は受けていません。

○平良昭一委員 当然、これは苦情等があったからそういう制限を設けようということになりました。6月15日の施行だということであればまだないのかもしれませんが、その改善などがあったという報告はありますか。

○玉城宏幸衛生薬務課長 保健所に寄せられる民泊関係の苦情は、平成26年が8件、平成27年が24件、平成28年が34件、平成29年は70件となっており、だんだんふえています。今回の法律と条例が制定されて苦情が減るのかどうかについては、今後の保健所等への苦情の出方を見てからということになります。

○平良昭一委員 これについては、今後の推移を見ていかなければならないと思います。
 もう一つ伺います。保健所があるところは独自で条例制定ができると。たしか那覇市はおくれて制定したと思いますが、その制定日はいつごろでしたか。

○玉城宏幸衛生薬務課長 那覇市の施行日は6月15日で、県と一緒です。

○平良昭一委員 説明資料32ページの、陳情第45号、北部基幹病院の件です。北部における基幹病院の必要性はかなり以前から言われてきております。この問題は医療の当事者が住民であり、地域づくりの根源であるという形の中から、たしか平成29年3月24日に北部で大会があって、基幹病院がどうしても必要であると。今言われている2つの病院の合併ということも視野に入れながらということで決議文も上げてきたと思います。そういう観点からすると、当時の大会の中で、会長は基幹病院の整備については北部地域の方々も協力せざるを得ないというような御挨拶をしておりました。これまでの本会議やきょうも議論されていますが、この協議会は2月と8月29日ですかね。協議会を行っている中で、実際に北部地域の方々、各市町村からこのような負担をさせてくれるなという意見はあったのですか。

○砂川靖保健医療部長 この負担の是非について確定的な回答はいただいておりせん。協議していく中で出てきた言葉としては、我々が負担しないとは言っていないと。ただしこの負担をするためには住民に対する説明が必要であり、その理屈については県がしっかりと考える必要があるのではないかという御意見など、我々も腹をくくらないといけないような御意見があったと記憶しております。

○平良昭一委員 根底には、北部病院等が整備されて基幹病院になったとしても、実際には宜野座村以南の金武町、恩納村の方々は中部病院の圏域になってしまっているのです。ですから北部市町村で同等にこれを負担しなさいということは、協議会において絶対言えることではないと思うのです。そういう観点からすると、要するに北部全体で負担しなさいということもおかしな話なのですが、基幹病院をつくるのであれば北部もそれなりの負担をせざるを得ないという覚悟を持って大会を開いてきたわけです。その辺の整合性を図るための整理をしっかりとしていかないと、北部の中を見てもバランス的に悪いところもあるわけです。なぜ中部圏域に通院するのに北部基幹病院の整備に係る負担をしなければならないのかということもありますので、まずその辺の整理についても協議会の中でしっかりとやっていかないと先に進まないのではないかと思います。いかがですか。

○砂川靖保健医療部長 現在、協議会には宜野座村、恩納村、金武町も出ておりますが、その中で自分たちは中部圏域だからという御意見は伺っておりません。むしろヤンバルは一つという考え方で、皆さんは協議会に参加されていると感じております。

○平良昭一委員 確かに首長はそういう言い方をするのかもしれませんが、地域の住民が財源を負担するとなると、どうしてもそういう気持ちが出てくるのです。そういう中で、あくまでも公的な病院にしてくれというこの陳情が出ているということは、もう一度その辺について整理する必要があると思います。
 もう一点聞きたいのは、たしか要請書の中には7つの要請があったと思います。例えば500の病床、ドクターヘリの整備、災害時対応ができる病院とか、7つくらいあるわけです。その中身について協議会の中では全然検討できていないのですか。

○砂川靖保健医療部長 我々は基本合意書案というたたき台の中で、いろいろな項目を示しております。その中では病院の機能、診療科、病床数とかを記載しておりまして、この7つの項目については押しなべて記載されているものと考えております。

○平良昭一委員 もう一度協議会の中で北部全体の考え方を整理すること。要するに北と南でも大分違います。離島もかなり違うと思います。その辺も整理しながら、やはり安心、安全に暮らせるために必要となる定住条件のために病院が必要であるということで北部が結集したわけです。その辺の整合性も図りながら、北部が一致した願いの病院をつくれるような状況であれば、ある程度負担をしてもいいという覚悟で北部の市町村が大会を行ったということも忘れないでいただきたいのです。そういう意味では、余り財源だけにこだわるのではなく基幹病院をつくった後はどんどん利用してくださいと。要するにほかに流れるなということも協議会の中で明確にうたわないといけないと思うのです。その辺も遠慮しないでどんどんやっていただきたいと思います。これについては要望いたします。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 亀濱玲子委員。

○亀濱玲子委員 説明資料の15ページ、陳情平成29年第94号の3について質疑します。離島・過疎地域における振興に関する要望の記の2で、居住市町村での出産が困難な離島地域に対する妊産婦への補助です。これについては平成29年から始めているわけですが、その実績から伺います。平成29年から現在までの取り組み状況をかいつまんで説明してください。後で最新のデータをいただきたいと思います。まずその実績について答弁してください。

○諸見里真医療政策課長 平成29年度の実績としては13市町村です。この対象は18市町村ですが、そのうち13市町村において延べ2121人の患者及びその付添人も対象となりますので、これに対して交通費や宿泊費として689万4000円の補助を行っております。

○亀濱玲子委員 この事業に取り組んでいただいて、とてもありがたいと思っているのですが、やってみてその課題は見えてきていますか。

○諸見里真医療政策課長 これは平成29年度から新規に実施している事業ですので、その辺の周知をもう少ししっかりとやっていくということがあります。2月に市町村と意見交換を行ったのですが、その中で付添人の要件を拡充してほしいということがございました。これについては未成年者と要介護者等を対象にしておりましたが、がん患者等で付き添いが必要であるという部分についても、医師の診断等を条件にして拡充できないかという要望がありましたので、去る9月に県の要綱を改正し、その拡充を図ったところであります。

○亀濱玲子委員 妊産婦に関しては、必要な日数を泊まれるように要綱を変えているのですか。

○諸見里真医療政策課長 基本的には、疾病に応じた回数等の制限は設けておりません。市町村が支援した部分の2分の1を県がしっかりと支援させていただくということです。

○亀濱玲子委員 そうでしたね。実施している市町村に対する補助事業でした。
 続いて、41ページの陳情第88号、県立看護大学の件について質疑します。先ほど学長から、陳情書を県議会に出す前に何かやれることがあったのではないかという趣旨の答弁をいただきました。そもそも看護大学にはこのような学内の声を受けとめるシステムはないのですか。

○嘉手苅英子看護大学長 特にこのためだけのシステムというものはありません。どのようなルートで声が届くのかと言いますと、個別に届くこともありますし、委員会の中で意見があって、それが報告として出てくることもあります。それからインフォーマルな場で意見が出てきたりということもあります。ただし、御質疑のように特別なシステムという形ではつくっておりません。

○亀濱玲子委員 学内で起きた運営を含むさまざまな問題について、民主的に大学が運営されるための公的なというか見える場所できちんと意見を求めることができて、それに対応できる学内のシステムを構築することが恐らく必要であると思うのです。それはぜひつくっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○嘉手苅英子看護大学長 みんなが集まる場というと、毎月全教職員が参加する教職員連絡会議の場があります。また訴えという形での申し出を行える仕組みとしては、ハラスメント防止委員会があり、ハラスメント相談委員も複数人設置しております。全ての学生、教職員にそういう問題があったときには相談窓口を通して申請して、正式に取り扱うことにしています。そういう仕組みがあり、これが機能しております。

○亀濱玲子委員 できればそういう機能している仕組みにプラスして、大学の運営について意見が出せる場、システムがあればいいのかと思います。その取り組みをぜひお願いします。
 もう一点、看護大学は県立ですから、先ほど学長が評価委員会の話を出されました。県がこの人事にかかわるとかということではなく、大学のあり方としてどうなのかということをチェックすることは機能しているのですか。

○嘉手苅英子看護大学長 大学の管理運営も含めて評価する仕組みがあります。7年に1回、機関別認証評価というものがあり、これが義務づけられております。その中で管理運営についても評価されることになっています。それから大学独自では外部評価委員会というものがあります。この外部委員は県内外の方で構成されており、年に1回開催しております。本学は独立法人化しておりませんので、外部評価委員会はそのような形ですが、もし主体がかわりましたら、新たに評価の仕組みをつくっていくことになると思います。現在はそういう形でございます。

○亀濱玲子委員 この委員会等において、大学の1年度間でこういうことがありますということをチェックすることに県がかかわることはできるのですか。

○砂川靖保健医療部長 学長の答弁にあった評価の結果が出た後に、学長が私に報告にまいります。それを受けて必要があれば適切な措置を講じるということでございますが、あくまでも大学の自治、学問の自由を尊重するというスタンスで対応しております。

○亀濱玲子委員 当然のこととして、保健医療部長がおっしゃるように大学の自治を侵すことはできないわけで、これは原則です。適切な運営がなされているのかということに対して、県行政が看護大学から報告を受けたり、これに対して意見を言える関係性があるということは確認できたので、ぜひこれが機能するようにと思います。
 もう一点だけ、病院事業局の陳情案処理方針の1ページ、陳情平成29年第97号について質疑します。これは北部地区の離島における透析医師確保についてです。その処理方針が現在まで変わっていませんが、その整備が必要であると考えているので、その充実に努めてまいりますという、処理方針の内容になっています。透析医師の確保とあわせて透析医療をサポートする看護師等の充実というものについて、県はどのように取り組んできたのか教えてください。

○田仲斉病院事業総務課医療企画監 具体的な名前を出しますが、透析ができる医師が埼玉医科大学から北部病院に6月の段階から赴任される見込みが強いと。現在、北部病院長も含めて折衝しているところであります。

○亀濱玲子委員 透析医療をサポートする看護師の充実について、何か具体的に進んでいるのでしょうか。

○照屋洋子病院事業総務課看護企画監 透析に関しては北部病院、宮古病院、八重山病院で看護師の確保が非常に難しいところです。このため透析にかかわらず北部病院、宮古病院、八重山病院については看護師の過不足がないように努めております。透析をサポートする看護師としては、まず透析の認定看護師という制度があります。それ以外に透析の日本腎臓学会、日本泌尿器科学会、日本人工臓器学会等を含めた透析技術認定士というものがあります。医師のサポートということで、患者の自覚症状を含めて病状がどうか、電解質がどうかということをしっかりとキャッチして、ドクターとコミュニケーションしていく研修を各病院から毎年2名ずつ看護師に受講させるように努めております。もちろん北部病院、宮古病院、八重山病院についても同研修を受けさせるように取り組んでいるところです。

○亀濱玲子委員 これまで質疑してきた中で、少し前進が見られてうれしく思います。ぜひ引き続きの取り組みをお願いします。

○我那覇仁病院事業局長 腎臓専門医師の確保ですが、医療企画監が答弁したのは、本土の大学に透析専門医師を派遣してほしいということです。これは着実に進んでおりまして、来年にはその専門医が来てもらえるのではないかと。これは100%確定したわけではありませんが、そういう方向で進んでおります。それから現在、中部病院で地域研修医の3名が腎臓を専門に研修しており、この3名が離島や北部に行く計画です。そういうことで北部病院にはさらに1名が、これは後期研修医の腎臓を専門とする方で、卒業後5年目であります。その医師が赴任する計画ですので、幾分、現在よりも対応できる患者数や担当医師等の負担が減ってくるのではないかと思います。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○狩俣信子委員長 質疑なしと認めます。
 以上で、保健医療部及び病院事業局関係の請願及び陳情に対する質疑を終結いたします。
 説明員の皆さん大変御苦労さまでした。
 休憩いたします。

   午後3時30分休憩
   午後3時50分再開

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 次に、乙第10号議案訴えの提起についての審査を行います。
 ただいまの議案について、教育長の説明を求めます。
 平敷昭人教育長。

○平敷昭人教育長 それでは、議案の概要について御説明申し上げます。
 お手元の文教厚生委員会議案に関する説明資料をごらんください。
 資料の1ページをお開きください。
 乙第10号議案訴えの提起について御説明申し上げます。
 本議案は、懲戒免職となった元教諭に対し、平成24年8月2日付で給与過誤払金の返納を命じ、再三にわたり給与過誤払金の返納について督促等を行っているにもかかわらず、当該元教諭がこれに応じないため、那覇地方裁判所に提訴するものであります。
 以上が、概要説明でございます。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

○狩俣信子委員長 教育長の説明は終わりました。
 これより、乙第10号議案に関する質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないよう簡潔にお願いいたします。
 また、この際、執行部の皆様に申し上げます。
 答弁に際しては、要点をまとめ、要領よく行い、円滑な委員会運営が図られるよう御協力をお願いいたします。
 質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○狩俣信子委員長 質疑なしと認めます。
 よって、乙第10号議案に対する質疑を終結いたします。
 休憩いたします。

   (休憩中に、補助答弁者入れかえ)

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 次に、教育委員会関係の陳情平成28年第51号外18件の審査を行います。
 ただいまの陳情について、教育長の説明を求めます。
 なお、継続の陳情については、前定例会以降の新しい事実についてのみ説明をお願いいたします。
 平敷昭人教育長。

○平敷昭人教育長 教育委員会所管に係る陳情の処理方針について御説明申し上げます。
 お手元に配付してあります陳情に関する説明資料をごらんください。
 表紙をめくって目次をごらんください。
 審査対象の陳情は、継続19件でございます。
 それでは、継続審査となっております陳情19件のうち、処理方針の変更を行う陳情1件について、御説明いたします。
 16ページをお開きください。
 陳情平成29年第121号子供たちの未来を守るための施策を求める陳情に係る処理方針について、次のとおり変更するものであります。
 記の4の4段落目ですが、なお文部科学省において、全国の市町村における学校給食費無償化等の実態を把握するための調査が行われ、その結果が公表されたところであります。児童生徒への給食費無償化については、今後の国の動向を注視していきたいと考えております、に修正しております。
 以上で、陳情の処理方針の説明を終わります。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

○狩俣信子委員長 教育長の説明は終わりました。
これより、各陳情に対する質疑を行います。
 質疑に当たっては、陳情番号を申し述べてから重複することがないよう簡潔にお願いいたします。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行うようお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 新垣新委員。

○新垣新委員 まず、説明資料の16ページ、陳情平成29年第121号について質疑します。沖縄県で小学校、中学校の学校給食費を無償化する場合、財源としては幾らぐらいかかりますか。

○平敷昭人教育長 平成29年度で申し上げますと、沖縄県の給食費は総額67億6000万円ほどになります。したがって約68億円ということになります。

○新垣新委員 たしか、これまでは市町村の裁量権で行うこととなっていたものが、今回、国の動向を注視していきたいと考えております、というものに表現が変わっている。その中身を具体的に説明してください。文部科学省はこれまで市町村の裁量権であると。沖縄県において子供の貧困という形でこのような表現に変えたのか。それとも内閣府や文部科学省がそうしたのか。これまでの文部科学省ならば絶対にこれは市町村の裁量権と言って終わりですよ。私は調べてきていますから。なぜこのように変わったのかということを聞いているのです。

○平敷昭人教育長 文部科学省において全国の給食費の無償化の状況を把握するための調査を行いました。その結果、どういう目的でそれを実施しているのかということなどについて全国の状況が公表されたところです。それを踏まえて国にとってどのような対応が出てくるのか。いろいろな無償化の話も出ておりますので、給食費についても何らかの動きを注視する必要があるということで、このような処理方針で書かせていただいたところです。

○新垣新委員 幼児教育の無償化は自公政権でしっかりと前向きに来年から動きます。この問題において消費税という形での検討なのか。そういった国との意見交換はどのような形で行われているのか。意見交換をしているのか、それともしていないのか。それはどうなっていますか。現在このための財源はありませんね。

○平敷昭人教育長 この調査の公表があった後に当方から文部科学省に、この調査結果を踏まえて国として何か動く予定があるのでしょうかということを確認させていただいたところです。その中で、今のところ具体的にそういう動きはないというお話がありました。

○新垣新委員 県はこういう国の動向を注視したいということですが、文部科学省の動きがないということならば、内閣府に対して子供の貧困対策事業として国が2分の1、市町村は2分の1の負担で、半額でも補助してほしいといった調整などを行ったことはありますか。このニーズは非常に高いのです。

○平敷昭人教育長 内閣府となると一括交付金等の活用になるのかと思いますが、給食費の無償化に同交付金を充てるという具体的な調整を行ったことはございません。

○新垣新委員 一括交付金という形の枠で捉えるのではなく、本県の子供の貧困対策事業の一環として、2分の1の補助をいただくということを内部で検討してもらえませんか。本県の子供の貧困率が全国1位であると。そういった教育や生活の格差もしっかりと改善していきたいと。それは必要なことで、本県は特別なのだと。自分たちのこの現状を知って、知事公約の優先順位については子供の貧困対策にウエートを置いていると。そのために努力するようにと知事からの具体的な指示はないのでしょうか。

○平敷昭人教育長 給食費の無償化につきましては、県議会においてもこれまでいろいろな議員の皆様から御質疑等をいただいているところであります。これまでの教育委員会における答弁は、確かに学校給食法では保護者の負担であることが原則であると。経済的に困窮している生徒には就学援助や生活保護による支援がなされているということで、そういった中で県内市町村では独自の政策で無償化または一部補助をしているところであると。教育委員会としては、子供の貧困の話につきましては、経済的に支援を要する児童生徒に対してしっかりと支援を届けることが一番大事ではないかと考えておりますし、それについては生活保護法に基づく給食費関連の扶助があると思います。当然、市部については市がやりますし、町村部は県福祉事務所が行いますから、そういう生活保護による支援がなされているものと思います。あと就学援助は市町村が行っていますが、これについては県の30億円の貧困対策基金を活用して、学用品費、給食費の充実分に支援が行われているものと考えております。問題はそれらの経済的に困窮している生徒以外の児童生徒の給食費をどうするのかということですが、これについては教育委員会でもなかなか取り組めていないところです。給食費無償化について本会議でも答弁させていただいたのは、まず必要とするところへの支援が大切だということと、無償化の実施については継続的な多額の財源確保が必要になってくると。その辺を踏まえて関係機関等と調整する必要があると。実際には市町村の取り組み状況も違いますので、そういった中で県がそのまま入り込めるのかというと、なかなか難しいところもあり、整理すべきところもあるのかと思いますので、その辺も整理しながらどういう取り組みができるのかということを研究していくべきであると考えております。

○新垣新委員 あくまでも提案としてこれを検討してほしいのですが、まず本県における支援が必要な方の所得制限はどこまでにするのか。例えばひとり親の家庭ですね。この線引きをどう引くのかということをまず検討していただきたい。内閣府に貧困対策事業の補助メニューをつくっていただいて、半分は国から補助金をもらう。半分はホテル宿泊税からこれに充てると。これは今検討している段階ですよ。それでやっていけばいいのではないかと。成果はすぐに出ますよ。観光客からいただいて、これだけ道路も渋滞させていろいろとやっていくのだから。沖縄県はこれから語学が必要なのだと。そういったものにもこうやって語学について支援してくださいと。そのかわり給食費はこういう形で県も支援しますからと。そういう形でグローバルに、アジアに向かった対策が必要なのだという、うまいこじつけをつくってなされたらいいのではないですか。

○平敷昭人教育長 委員の御提案ですが、内閣府とその辺の芽出しみたいなことができるのかどうかということについて、もし意見交換ができるのであればやってみたいと思います。
 あと観光税の話がございました。観光税について議論されているのは、目的税という性格のようですが、詳しい中身について私はタッチしておりません。ただし負担する方とその税によって恩恵を受ける方との関係性をどのようにして整理できるかということがあるのかと思いますので、御提案についてはそういうつなぎというか文化観光スポーツ部長あたりとそういう提案があったということも踏まえて少し意見交換してみたいと思っております。

○新垣新委員 いいですか、ホテル宿泊税からですよ。これは観光目的税と言います。なぜこうやって子供たちに投資するのかというと、これからはアジアに向かっていくには英語を初めとする語学が必要であると。親は子供を育てる義務がありますから、そういった形で親も語学ができるように塾とかに行かせてくれと。そういうものに向かって学校給食費やさまざまな支援をしますから、学問を授けるという形で何らかのいい施策をつくって。そのためのメニューもですよ。そういった形で分捕って、子供たちに還元したほうがいいのです。この宿泊税を子供たちの教育や生活に充てる。それによって子供の貧困対策の改善に向かっていくのではないのですか。負の遺産を解消するために子供たちに投資する。そういう考え方に基づいて、ぜひ教育長がリーダーシップをとっていただきたい。まずは知事に相談してください。子供の貧困対策を優先順位の一番に置いている知事であれば理解があります。そこを頑張っていただきたいのですが、教育長の決意を伺います。

○平敷昭人教育長 観光目的税の活用と申しますか、その件に関してどのような形が可能なのか。恐らくこれは検討委員会のようなものがございますので、そこでいろいろと制度設計などをやっていく中で、こういう考え方を取り入れることが可能なのかどうか。それについてはしかるべきところと意見交換してみたいと思っております。

○新垣新委員 しかるべきところと意見交換ということではなくて、まず最初に知事とやってください。翁長前知事もそういう感じで考えていたのです。これは自民党や公明党からも文句を言う人は誰ひとりいませんよ。県民からもありません。だから教育長が県知事に直談判すればいいのです。これは悪い話ではないですよ。誰ひとり、反対する人はいないですよ。自民党から共産党まで頑張ったと言いますよ。これについてぜひ頑張ってもらって、前向きな回答をいただくよう期待しております。
 次に、説明資料の17ページ、陳情平成29年第131号です。この球陽中学校・高等学校の寮についてですが、同校には離島や北部、南部から来ている子もいると思います。それは何名くらいいますか。

○半嶺満県立学校教育課長 現在、球陽高校においては北部地域の生徒が30名、離島からの生徒が3名在籍しております。中部地域は803名の生徒が在籍しております。那覇、南部地域は4名でございます。

○新垣新委員 この中高一貫教育においては、学生寮という形がとても重要であると思っているのです。北部から30名となっていますが、北部にも中高一貫制度の県立学校をつくったほうがいいと思います。学力も向上して、非常にいいことだと思います。これは以前からずっと訴えていることなのです。2月定例会における本会議や委員会でも検討すると言っていましたが、現在どのような状況ですか。

○平敷昭人教育長 県教育委員会では、グローバル人材育成のために開邦中学校と球陽中学校を設置して、中高一貫教育を実施しているところであります。御質疑の北部地域への設置につきまして、これまでも答弁してきておりますのは、両校の実績、課題です。高校に入学してからの実績がどうなるのか。あと中高6年間のカリキュラムとかその辺の運営状況も見ながら検証する必要があるということを考えております。さらに仮に中高一貫校を北部地域のいずれかの地に設置した場合の近隣市町村への影響といいますか、その辺も含めて検討する必要があるものと考えております。その辺の市町村への影響等を踏まえて、まずは市町村や関係機関と設置形態などの課題とかさまざまな観点から意見交換を行う必要があるものと考えております。

○新垣新委員 今のは全く前進していない回答ですよ。意見交換って何ですか。協議会をつくってほしいと末松委員も言っているのですよ。ですからまずは県主導で協議会をつくるべきですよ。これによって親の生活負担も軽減されるのです。これも一種の貧困対策事業になるのです。ですから県主導でやるべきです。沖縄県はアジアに向かって、アジア戦略構想という形でやるのです。子供たちは宝ですよ。これからの沖縄県を担うのです。そういう子供たちのために県主導でやる。いいことなら何でも進むのです。慎重に市町村が来ないから待っていますみたいなことではだめですよ。アグレッシブに攻めなければいけないですよ。教育長どうですか。これは教育長のリーダーシップですよ。事務方レベルの話ではないのです。

○平敷昭人教育長 御提案の協議会については、先ほども申し上げましたように、まず北部地域の市町村や関係機関とそのニーズ、設置形態、課題など、まずは意見交換を行った上でどのように進むかということをやってみたいと。できるだけ早い時期に意見交換みたいなものを行いたいと思います。

○新垣新委員 これは去年からずっと出ている話なのです。私も3月に質疑しています。あれから7カ月たっています。意見交換と言いますが、それは何回やりましたか。

○平敷昭人教育長 中高一貫校に特化した意見交換会というものは行っていません。ただしいろいろな場で、確かに要望という形で中高一貫校を設置できないかという話を個別に首長からいただいております。ただ設置することによって、近隣の市町村から生徒が流出した場合にもとの学校の生徒数がどうなるのかとか、その辺の影響についても具体的な数字を整理しながら、考えられることをもう少し詰めてから意見交換をやらなければならないということがあります。いろいろな意見はありますが、ではここにつくりましょうかというよりは、考えられる影響はどういうものがあるのか。逆に言うとそこに設置してどういう教育をするのかということなど、たくさん整理することがあると考えます。ただそういう意見があるのは承知しております。また末松委員からもいろいろと御意見いただいておりますので、そういうものを踏まえながら、まずは意見交換をやってみたいと考えております。

○新垣新委員 意見交換ばかりを言って、もう何年も同じことを答弁しています。協議会をつくって意見を聞けばわかります。子供たちにとってどちらがプラスになるのかと協議会をつくればそれが見えるのですよ。前進するのです。ですから教育長が主導して協議会をつくってほしいのです。県教育委員会の主導で。そうすることで沖縄県の子供たちは育つのです。グローバルに戦える人材育成をやると。県議会ではいいことを言いながら、全然前進していません。それが指導力というものですか。リーダーシップを発揮してほしいのです。いつまでも慎重ばかりで何も変わらない沖縄県です。ぜひ協議会をつくってください。どうすれば沖縄県の子供たちがよくなるのかと。子供たちは宝ですよ。アジアとこれから戦うのですから、ぜひこの件に関して意見交換ではなくて協議会をつくっていただきたい。協議会をつくったら意見は出ますから。意見が出て前進していくのですから。一つ一つ課題を整理して。基幹病院もそれでやっているのです。北部12市町村の協議会を開いて。そういう形でやっていけばいいのではないですか。ぜひ強い期待、教育長のリーダーシップを求めます。
 この件に関して、やはり子供たちは宝です。石垣や宮古でも同じように、このレベルの高い中高一貫校に取り組んでほしいのです。その件に関して検討課題に入っていますか。それとも入っていませんか。

○平敷昭人教育長 今は中部と南部にあります。それに北部となると宮古や八重山はどうするのかということは当然出てくる話になると思います。そういう場合に、まずは教育委員会としてこの中高一貫校を立ち上げたときに、開邦高校と球陽高校で検証してみて、この中高6年間の教育の成果はどういうものなのか。その教育を進めていく上でどういう課題があるのかということをまずはやってみようと。この2校で先にやってみようということで進めて、実はまだ十分に検証できていないところがあるわけです。その辺も踏まえながらやってみたいというところであります。ほかの地域の要望が出てきているところですが、まずは他地域への展開は、本当はこの2校をもっと十分に検討したいということが本音でございます。北部についてもいろいろな声が出ている中で、仮にこれをつくった場合にはいろいろな影響がありますので、その辺も踏まえてやりたいと。ですから協議会という形の名称はともかく、意見交換をしてその影響とかいろいろなことを話し合うことを行ってみたいと思っております。

○新垣新委員 これは離島振興の一環です。子供たちが育つという形です。意見交換は協議会をつくればできます。それで課題の整理ができますから。教育長は先ほど検証していると言いましたが、この中高一貫校である開邦高校と球陽高校の成果は上がっていますよ。わかっていますね。東大に行ったり、いろいろといい大学で医者になったりとか、その成果は上がっています。調べてきて言っているのですよ。何をちゅうちょしているのですか。子供たちは育っていますよ。善は急げですよ。

○横田昭彦総務課教育企画室長 現在、球陽中学校は1期生が中学校3年生になっております。したがって具体的な成果については大学合格の実績を把握するまでは少し間があるということで、御了承願いたいと考えております。

○新垣新委員 私が言いたいのは高校からという形ですよ。中学校は基礎ですよ。頑張れという形で。優秀な子供が育つという形で。そういう意味で高校から大学とかいろいろな世界に羽ばたいていますねと聞いているのですよ。だから善は急げなのです。検証ばかり言わずに、こうやって優秀な子供を育てるのですよ。沖縄のためにプラスになりますから。財産として、税収として。それをぜひ頑張っていただきたいという形で、慎重すぎる教育委員会から前向きな教育委員会に変わっていくことを期待します。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 説明資料16ページ、陳情平成29年第121号です。学校給食費のところで教育委員会として基金を活用して学校給食費補助金交付事業をなさっているということです。就学援助については確認したのですが、この給食費補助金については県が単費で基金事業でやったということで理解していいのですか。

○平敷昭人教育長 言葉が足りなかったのかもしれません。就学援助については市町村がやっております。市町村の就学援助事業の充実のために、県の30億円の基金を使ってやっているということを述べたところであります。したがって県が直接やっているということではございません。かかわっている部分もありますという意味で御説明させていただいたつもりです。

○西銘純恵委員 この処理方針で書いている、この2行の一つは別のものになると思います。これはどういう事業なのでしょうか。

○平敷昭人教育長 まず学校給食費に係る子供の貧困対策推進交付金の活用状況について御説明いたします。これは平成29年度ですが、まず給食費の一部援助だったものが全額援助になったという団体が6団体がございます。それと給食費の減額、要するに1人当たりですが年間4400円を減額した団体が1団体ございます。あと準要保護の認定要件の緩和という形で活用されている市町村が20市町村ほどあると。これは子ども生活福祉部でやっている基金ですが、そういう意味で県が関与している部分はありますということを申し上げたものです。要するに就学援助などは市町村で行っていますが、県の基金の活用もありますということを申し上げたということです。

○西銘純恵委員 大事な部分なので改めて質疑します。国が調査したが、給食費についてどうするのか見えていない中で、就学援助の拡充については子供の貧困対策でずっとなされてきて就学援助率も結構上がってきているということ。また学校給食費も無料になっていくことはわかっていたのですが、今学校給食費のみの助成についても、この基金を使ってやっているところが全部で7団体あるという理解でいいのですか。

○狩俣信子委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、西銘委員から学校給食費の新たな補助メニューができたのか確認があり、執行部から子どもの貧困対策推進基金を活用して、市町村が既に実施している給食費補助事業に補助率の上乗せ等を行っているものであるとの説明があった。)

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 事業として、プラスして市町村がやったのかと思っていました。活用の枠がふえたのかという点では少し違うということですが、これについては拡充してほしいということで要望しておきます。
 次に、説明資料8ページの陳情平成29年第67号です。処理方針の内容は、教職員の労働環境の改善について、県立学校が来年4月からICカードを運用するということで、市町村に対して指導・助言していくことになっていますが、今年度の市町村の導入実績はどれだけになっていますか。また来年4月以降にやるところについてはどうなっていますか。

○古堅圭一学校人事課長 御質疑につきまして、市町村単位での集計を行っておりませんので学校数でお答えいたします。本年8月1日現在で、小学校で取り組んでいるところが255校ございます。そのうちタイムカード等による確認が155校。調査様式等を配付し、回収によって確認している学校が23校。それから週案、つまり教職員が日々記入する週案に記載させて出退勤を確認している学校が6校。管理者による目視確認が54校。その他が17校ということであります。それから中学校で取り組んでいるところは137校。取り組んでいないところが7校ございます。取り組んでいると回答したもののうち、タイムカード等による確認が75校。調査様式を配付し、回収による確認が11校。それから週案等に記載をして出退勤を確認している学校が3校。管理者による目視確認が38校。その他が10校ということになっております。

○西銘純恵委員 小学校全校で何校ですか。また中学校は何校ですか。それがないと実施率がわからないのですが。

○古堅圭一学校人事課長 県内の公立小学校は266校ございます。266校のうち、取り組んでいるとする学校数が255校でございます。取り組んでいないとする学校は9校になります。未回答の学校は2校で、合計266校となります。
 中学校につきましては、全体で149校ございますので、149校のうち取り組んでいるとする学校が137校。取り組んでいないとする学校は7校です。また未回答が2校で、調査対象外である県立中学校は3校となっております。

○西銘純恵委員 それが現状ですね。次年度4月の予定として、残りのみんなはタイムカードになるのですか。

○古堅圭一学校人事課長 先ほどの答弁を訂正いたします。
 小学校から御説明いたします。小学校の勤務時間管理に取り組んでいる団体数を255校と説明いたしましたが、この255校のうちには、パソコンソフト等が入っておりますので、正確な数字で言いますと、タイムカードによる学校が16校、ICカードによる管理が111校、パソコンソフトによる管理が28校で、合計155校がタイムカード等による確認ということであります。
 中学校ですが、取り組んでいる団体が137校であると御説明いたしましたが、タイムカードによる出退勤の管理を行っている学校が6校、ICカードによる管理が56校、パソコンソフトによる管理を行っている学校が13校で、合計75校となっております。

○西銘純恵委員 来年のことも聞いたのですが。

○古堅圭一学校人事課長 次年度以降の公立小中学校への導入予定については、現在のところ把握しておりません。

○西銘純恵委員 いろいろなやり方で出退勤管理をすると言いますが、実際には教職員に負担のない公平な管理がなされているのかということで、もう一度検討していただきたい。あと全校の改善に向けて指導・助言と言っているにもかかわらず、まだ次年度について調査をかけていないということは少し手落ちではないのかと思います。再度、次年度はどうなるのかということで、これについて残されたものはわずかなものかもしれませんが、これもやっていただきたい。
 もう一点は、出退勤を管理されて早く帰るということが、教師が仕事を家に持ち帰るとか、実際には仕事量そのものは減っていないのではないのか。その辺の再チェックといいますか、検証も必要ではないのかと思います。それについてはいかがでしょうか。

○平敷昭人教育長 まずタイムカードは昔ながらのタイムカードで、ICカードが今後はメーンになっていくと思います。あとパソコンをあけた途端に出勤、退勤という話がありますが、この導入の動きについては各市町村で広がっていて、今後も進んでいくものと考えております。教職員の出退勤管理は大切だと思いますので、それをしっかりと進めていくように、今後も市町村教育委員会等に求めてまいりたいと思っております。
 また、仕事の持ち帰りとかというものがあるのではないかというお話ですが、その辺は業務改善を全体的に進めていく中で、まずは勤務状況、勤務時間を把握して、それを踏まえてどういう対応をするかということをやっていくことが大切であると思います。その辺も踏まえながら、働き方改革という観点で進めてまいりたいと考えております。

○西銘純恵委員 もう一つ、説明資料12ページの陳情平成29年第96号です。これは給付型奨学金ですが、平成28年度に創設されて3年たちました。年度ごとに志願者に対して募集が25名ということですが、志願者数を教えていただけますか。

○佐次田薫教育支援課長 これは平成28年度から始まっており、同年度は志願者数142名に対して25名の採用実績となっています。平成29年度が96名の志願者に対して25名の採用を決定しております。平成30年度は途中ではありますが、志願者数が98名となっており、この中から採用者25名を選考していきたいと考えております。

○西銘純恵委員 志願者がふえていくのかと思っていたのですが、2年間の志願者数は100名いないということで、少し落ちついているのかと思います。ただ、それにしても募集人員の25名という数字は、次年度に事業を実施した後に、さらに枠を広げるということが検討課題になるのではないかということで、ぜひこれを前進させることについて、心にとどめておいていただきたい。
 もう一つ、今年度から専門学校への進学者を対象とする沖縄独自の給付型奨学金がありますが、県独自の給付型奨学金は子供の貧困対策の一環として見ても、全国に誇れるものだと思うのですが、これについて財源と何名の募集人員かということをお尋ねします。

○平敷昭人教育長 御質疑に対する回答の前に、ただいまの県の給付型奨学金についてお答えします。25名の募集人員に対して志願者が意外と伸びていないのではないかということですが、これについて考えられる要因の一つは、国の給付型奨学金が始まりました。要するにこれは県内大学と県外大学も対象にしたもので、若干その辺に行かれた生徒もいらっしゃるのではないかと思います。これは日本学生支援機構が行っていて、全国版の仕組みになっております。県内の詳しい数はわかりませんが、何百名規模になっていると思います。
 御質疑のとおり、専門学校生を対象にした沖縄独自の給付型奨学金がございますが、これは国の予算です。内閣府の予算を活用して、沖縄県人材育成財団が事業を実施しております。財源は国費であります。

○佐次田薫教育支援課長 内閣府が行っている沖縄独自の給付型奨学金の概要ですが、これは主に専門学校を対象にしており、観光分野や情報通信分野に進む生徒が対象になっております。また非課税世帯であることが対象の条件になっていて、そういうものを総合的に評価して選考していくという内容になっております。給付水準としては自宅外や自宅内とかありますが、2万円から4万円の間ということになっています。

○西銘純恵委員 国の分はどれだけになっているのかということについて答えてください。

○佐次田薫教育支援課長 今、説明したのが国の事業です。平成30年度、現時点で給付されている方が127名で、まだ少し枠がありますので、追加募集を行って専門学校から申請を受けている段階でございます。

○西銘純恵委員 後でいいので、この3種類の給付型奨学金についてまとめた資料を委員の皆さんに提供していただくようお願いします。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○狩俣信子委員長 質疑なしと認めます。
 以上で、教育委員会関係の陳情に対する質疑を終結いたします。
 説明員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 休憩いたします。

   (休憩中に、執行部退席)

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 議案及び陳情等の質疑については全て終結し、採決を残すのみとなっております。
 休憩いたします。

   (休憩中に、議案及び陳情等の採決方法等について協議)

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 これより、議案及び陳情等の採決を行います。
まず、乙第1号議案沖縄県養護老人ホームの設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例を採決いたします。
お諮りいたします。
 本案は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○狩俣信子委員長 御異議なしと認めます。
 よって、乙第1号議案は原案のとおり可決されました。
 次に、乙第10号議案訴えの提起についてを採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、可決することに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○狩俣信子委員長 御異議なしと認めます。
 よって、乙第10号議案は可決されました。
 次に、甲第2号議案国民健康保険事業特別会計補正予算(第1号)を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○狩俣信子委員長 御異議なしと認めます。
 よって、甲第2号議案は原案のとおり可決されました。
 次に、請願及び陳情の採決を行います。
 請願及び陳情の採決に入ります前に、その取り扱いについて御協議願います。
 休憩いたします。

   (休憩中に、陳情等の取り扱いについて議案等採決区分表により協議)

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 お諮りいたします。
 請願及び陳情については、休憩中に御協議いたしました議案等採決区分表のとおり決することに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○狩俣信子委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 休憩いたします。

   (休憩中に、請願第4号こども医療費助成制度の拡充を求める請願に係る意見書の提出について議題に追加するか協議した結果、議題として追加することで意見の一致を見た。)

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 お諮りいたします。
 請願第4号こども医療費助成制度の拡充を求める請願に係る意見書の提出については、休憩中に御協議をいたしましたとおり、議題に追加し、直ちに審査を行いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○狩俣信子委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 請願第4号こども医療費助成制度の拡充を求める請願に係る意見書の提出についてを議題といたします。
 請願第4号は、意見書を提出してもらいたいという請願でありますので、本委員会全員を提出者とする、議員提出議案として意見書を提出するかどうかについて御協議をお願いいたします。
 休憩いたします。

   (休憩中に、意見書提出の可否及び文案・提出方法等について協議した結果、議員提出議案として案のとおり提出することで意見の一致を見た。)

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 お諮りいたします。
 議員提出議案として、請願第4号に係る子ども医療費助成制度の拡充等を求める意見書の提出については、お手元に配付してあります案のとおり提出することとし、提案方法等については休憩中に御協議いたしましたとおり決することに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○狩俣信子委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 次に、決算特別委員長から依頼のありました本委員会の所管事務に係る決算事項の調査について及び調査日程についてを議題といたします。
 まず、本委員会へ調査依頼のあった決算事項、認定第1号、認定第6号及び認定第21号を議題といたします。
 ただいま議題となりました決算3件については、閉会中に調査することにしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○狩俣信子委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 次に、調査日程についてを議題といたします。
 休憩いたします。

   (休憩中に、調査日程について協議)

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 お諮りいたします。
 調査日程につきましては、お手元に配付してあります案のとおり決することに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○狩俣信子委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 休憩いたします。

   (休憩中に、事務局から決算議案の審査等に関する基本的事項の主な点についての説明があった。)

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 本委員会の所管事務に係る決算事項の調査に当たっては、決算議案の審査等に関する基本的事項に基づき行うこととし、その他の事項に関しては決算特別委員会と同様に取り扱うこととしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○狩俣信子委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 次に、閉会中継続審査・調査事件の申し出の件についてお諮りいたします。
 先ほど、閉会中継続審査・調査すべきものとして決定した陳情64件とお手元に配付してあります決算事項の調査を含む本委員会所管事務調査事項を閉会中継続審査及び調査事件として、議長に申し出たいと思いますが、これに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○狩俣信子委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 次に、お諮りいたします。
 ただいま議決しました議案等に対する委員会審査報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○狩俣信子委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 以上で、本委員会に付託された議案等の処理は全て終了いたしました。
 委員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 次回は、10月30日 火曜日 午前10時から委員会を開きます。
 本日の委員会は、これをもって散会いたします。






沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。

   委 員 長  狩 俣 信 子