委員会記録・調査報告等

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文教厚生委員会記録
 
令和元年 第 4定例会

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開会の日時

年月日令和元年7月4日 曜日
開会午前 10 時 0
散会午後 4 時 45

場所


第2委員会室


議題


1 乙第6号議案 沖縄県民生委員の定数を定める条例の一部を改正する条例
2 乙第7号議案 沖縄県性暴力被害者支援センター設置条例
3 乙第15号議案 工事請負契約について
4 乙第19号議案 財産の取得について
5 乙第22号議案 車両損傷事故に関する和解等について
6 乙第23号議案 損害賠償の額の決定について
7 陳情平成28年第37号の2、同第50号、同第51号、同第54号の2、同第61号、同第69号、同第72号、同第79号、同第85号、同第96号、同第111号、同第133号、同第141号から同第143号まで、同第157号、陳情平成29年第7号、同第26号、同第34号、同第36号、同第55号、同第65号、同第67号、同第68号、同第71号、同第72号、同第84号、同第94号の3、同第96号、同第103号、同第104号、同第111号、同第118号、同第120号、同第121号、同第127号、同第131号、陳情平成30年第2号、同第7号、同第15号、同第16号、同第19号、同第22号、同第24号、同第33号の2、同第45号から第47号まで、同第48号の2、同第50号、同第52号、同第56号、同第66号、同第67号、同第77号、同第86号、同第88号、同第97号、同第104号から第111号まで、同第116号、同第127号、陳情第2号、第21号、第24号の2、第28号、第31号、第34号から第36号まで、第37号の2、第38号、第39号、第47号、第49号の3、第53号、第58号、第60号から第66号まで、第70号の2及び第78号
8 青少年について(児童相談所の現状と課題について)
9 閉会中継続審査・調査について


出席委員

委 員 長  狩 俣 信 子 さん
副委員長  西 銘 純 恵 さん
委  員  新 垣   新 君
委  員  末 松 文 信 君
委  員  照 屋 守 之 君
委  員  次呂久 成 崇 君
委  員  亀 濱 玲 子 さん
委  員  比 嘉 京 子 さん
委  員  平 良 昭 一 君
委  員  金 城 泰 邦 君


欠席委員

      なし


説明のため出席した者の職・氏名

 子ども生活福祉部中央児童相談所長   都 倉   稔 君
 子ども生活福祉部中央児童相談所班長  富 永 政 人 君
 子ども生活福祉部コザ児童相談所長   後 野 哲 彦 君
 子ども生活福祉部コザ児童相談所班長  宮 城 美那子 さん
保健医療部長              砂 川   靖 君
 医療企画統括監            大 城   博 君
 医療政策課長             諸見里   真 君
 国民健康保険課長           山 内 昌 満 君
病院事業局長              我那覇   仁 君
 病院事業統括監            金 城   聡 君
 病院事業総務課長           大 城 清 二 君
 病院事業総務課医療企画監       田 仲   斉 君



○狩俣信子委員長 ただいまから、文教厚生委員会を開会いたします。
 乙第6号議案、乙第7号議案、乙第15号議案、乙第19号議案、乙第22号議案及び乙第23号議案の6件、陳情平成28年第37号の2外91件、所管事務調査事項青少年についてに係る児童相談所の現状と課題について及び閉会中継続審査・調査についてを一括して議題といたします。
 本日の説明員として、保健医療部長、病院事業局長、中央児童相談所長及びコザ児童相談所長の出席を求めております。
 まず初めに、本委員会所管事務調査事項青少年についてに係る児童相談所の現状と課題についてを議題といたします。
 本件について、中央児童相談所長及びコザ児童相談所長の説明を求めます。
初めに、コザ児童相談所長の説明を求めます。
 後野哲彦コザ児童相談所長。

○後野哲彦コザ児童相談所長 今から20分程度時間をいただいて、ふだん県民の方とかですね、あと市町村の相談員の方等に児童相談の―沖縄県の児童虐待の現状をお伝えするときに使っている資料をまとめて委員の皆さんに御説明したいと思います。よろしくお願いします。
 児童虐待に関してはですね、この4つの虐待があるのは御存じだと思います。身体的虐待、性的虐待、心理的虐待、ネグレクトという4つの虐待になっております。虐待の対応の件数でございますが、児童虐待の相談対応件数というのは厚生労働省が全国の都道府県に求めている数字でして、これ児童虐待がありというふうに判断された相談件数になります。ですので実際を言いますと児童相談所は例えば全国ですと13万件、去年児童虐待の対応件数がありまして、これは児童虐待があったというふうに判断された件数であって、実際はそれよりももっと多い相談件数があって、その中で社会調査をして虐待ありという判断をしたのが13万件あるということです。
 ちょっと字が小さくて申しわけないんですが、赤い折れ線グラフが沖縄県の児童虐待対応件数になります。これは、中央児童相談所とコザ児童相談所の合算した数字でございます。それぞれ―はい、685件ですね。平成29年度実績ですね。全国が13万3778件というふうになっております。当時平成12年、ちょっと真ん中あたりから大分数字が上がってきているんですけども、児童虐待防止法の施行に伴ってですね、沖縄県の虐待の件数もやっぱり非常に伸びてきておりまして、当時400件前後、350の後半から500の前半くらい。まあ400件を中心として続いている状況でした。ただ、急激にまた平成25年ぐらいからですね、数字が上がってきております。この数字の伸びに関しては後ほど御説明したいというふうに考えております。総じて、沖縄県も児童虐待件数は全国と同じように伸びているというのが現状です。
 これは中央児童相談所とコザ児童相談所のそれぞれの児童虐待対応件数の別でございます。先ほどの合算した折れ線グラフと、ちょっと動きは大分似ているんですが、コザと中央児童相談所の件数が入れかわりながらですね、平成15年ぐらいから25年ぐらいまでの間は高い数値で横ばいに、高どまりと言っていますけども、その地点で動いています。ですけども、先ほどの数値と同じように平成25年ぐらいからコザも中央も一気に伸びている状況があるということです。
 それぞれの左上のほうに、ちょっと字が小さくて申しわけないんですけども、沖縄県内で起きた死亡事例の年度ですね。黄色い印があるところが新聞等で報道された死亡事例が起きた時期でございます。
 虐待の種別の内訳です。一番最初に御説明した4つの虐待の種別ごとの内訳になります。全国も沖縄県の場合も大体50%を超えて心理的虐待、いわゆる子供たちの心にですね、暴言とか暴力的なシーンを目の当たりにすることで心にトラウマを受けるという心理的虐待が半数以上ということです。そして25%もしくは20%ぐらいで身体的虐待とネグレクトがあるという状況です。
 この心理的虐待に関しては、先ほどの平成25年から非常に児童虐待対応件数が伸びておりましたけども、この比率も関係してございます。全国と大体同じような虐待の種別の比率になっているというのがおわかりになると思います。

○新垣新委員 ちょっとゆっくり。これ、メモさせてください。

○後野哲彦コザ児童相談所長 ごめんなさい。申しわけないです。

○狩俣信子委員長 この資料はいただけますか。

○後野哲彦コザ児童相談所長 そうですね、ちょっとまた青少年・子ども家庭課と調整してですね、確認して……。ただちょっと後で出てくるんですけれども、子供たちの―被虐待の子供たちの写真も入っているもんですから、ちょっと調整した上でまたお伝えしたいと思います。

○狩俣信子委員長 写真は要らないけど、こういうものね。数字だとか。そういうものはやっぱしいただいていたほうがいいですよ。

○後野哲彦コザ児童相談所長 はい、わかりました。

○狩俣信子委員長 どうぞ、続けてください。

○後野哲彦コザ児童相談所長 よろしいでしょうか。大体同じような比率になっているということですね。数字的には全国は13万件で沖縄県は685件ですので、大分数字の差はあるんですけども比率で言いますと身体的虐待は沖縄県の場合は25.1%、全国は24.8%。ネグレクトが20.9%、全国は20%ということです。性的虐待は沖縄県が0.9%、全国が1.2%ということですね。あと、心理的虐待が53.1%、全国は54%ということです。
 次に、主たる虐待者の内訳ということなんですけども、これは児童虐待対応を受けて―児童虐待をした者ですね。その父親、実父ですね。それと実父以外の父―いわゆる継父であったり養父であったり、内縁男性もここに入ってきます。それと実母ですね―実のお母さん、そして実母以外の母。ここは継母であったり養母であったり同居している女性もここに入ってきます。その他というのは大体同居していてですね、児童虐待の場合は保護者が虐待したときに児童虐待となりますので、保護者というのは児童と生活をともにしていて、看護をするものとなっていますので、同居していて生活の養育に参加している―例えばおじいちゃんであるとか、例えば親戚のおじさんとかが同居していて児童虐待をした場合には看護者の中に入っているのであればこのその他の数字で計上されることになります。この場合は父性と母性というふうに分かれますけれども、全国が13万件の父性はですね、実父が41%、実父以外の父が6%で47%。50%弱が父性になります。そして全国の母性は47%と、実母以外の母0%とありますが、0.6%で合わせて48%ですね。残りがその他というふうになっております。沖縄県の場合は、実を言いますと実父と実父以外の父、父性でですね、57%で過半数を超えている状況です。これについては先ほどの心理的虐待から続いていますけども、いわゆる面前DVというのが大きく影響しているというふうに考えています。そして実母が37.2%、実母以外の母が0.3%で、37.5%になります。その他が4.5%ということでですね、全国に比べて虐待者としては父性が多いのが沖縄県の一つの特徴かなというふうに言えると思います。
 それぞれの子供虐待の現状をちょっと見ていただきたいんですけども、いわゆるネグレクトですね、養育放棄ということで。全国の比率と沖縄県の比率、大体全体の中の20%くらいがネグレクトというふうに判断されています。いわゆるときどきテレビ等でですね、ゴミ屋敷と言われるものが出たりしますけれども、その中に子供たちが実際に生活している状況ですね。介入したおうちで台所には水カビがあって、ガスは通じているおうちもありますし、通じていたとしてもこういうふうに不衛生な状態でですね。あるおうちなどは、牛乳とかありますけどもこの中でミルク瓶が洗われていない状態で流しに置かれていたりとか。哺乳瓶の内側に黒いカビみたいなものがついていたりですね、そういった中で乳幼児がいるケースもあります。居間の様子ですね。こういうふうな中で、子供たちが生活しております。実際こういったおうちのときに我々が地域の方と一緒にやるのが掃除なんですね。地域の民生委員の方、あるいは保健師さん、そして市町村の家庭児童相談員の方。もちろんそこの市町村の課長さんまでとかですね、いろんな方の力をかりながら。そして児童福祉分野だけではなく、環境衛生の方のほうにもお願いをしてゴミ袋を出していただいたり、ときにはパッカー車を出していただいたりしながらですね、庭の草刈りをしたりして掃除をしている状況です。これは、テレビも大分薄汚れてはいますけども床が見える状態にしたところですね。掃除後です。掃除の前はどうだったかというと、このテレビの足、埋もれるぐらいのゴミがあったんですね。ここのちょうど真ん中あたりに―ちょっと見えづらいのですがたばこの吸い殻がここにあってですね、子供たちはビニールの多いところ、そこの上にごろんとなって寝ていて、お父さんが吸うたばこでもうボヤでも出たら本当にもう非常に危険な状態のおうちですね。お風呂場なんですけど、アルミドアの前ですね。このアルミドアのこの腰くらいの高さ、当然あると思うんですが、掃除する前どうだったかというともうここまで埋もれている状態でした。実際、ネグレクトのおうちでですね、お風呂に入っていないというときに―例えば電気がとめられているんじゃないか、ガスがとめられているんじゃないか、経済的困窮があるんじゃないかというのも一つだと思うんですけども、そもそもお風呂場に入れないという子供たちもいるということですね。こういった子供たちは近くの公園に水を飲みに行ったりしたりとかですね、本当にそういった形で生活しているお子さんもいました。こういうふうにして、地域の方と掃除をしながら、もちろん一番最初にミルク瓶の話をしましたけれども、乳幼児がこういった世帯にいるときには一旦保護するという形でですね、やります。ただ、小学生とか中学生の場合には、一緒にまず掃除をしてですね―まあ僕がやったケースですと、あした例えばペットボトルを捨てる日だよという日には前日に行って、「ペットボトルはちゃんと袋に入れてある」と聞いて、「明日誰がこれを捨てますか」と兄弟の中で確認をして手を挙げさせて、じゃあお兄ちゃんがペットボトルはあした捨ててよということでこのゴミを分別したりだとか、この日に捨てるだとかですね、そういったところをやっぱり相談員、ワーカーはですね、一言一言声をかけながら、あるいはワーカーができないときには地域の方にお願いをしながらですね、そういったこの一旦掃除したものがもとの状態にならないように、なるべく声をかけながらやっているという状況です。
 次に心理的虐待ですね。これは非常に件数が伸びている虐待の種別になります。それはどうしてかといいますと、ここにあります例、言葉によるおどかし、脅迫をするというのがあります。子供に不安や恐怖を与えるような言動をする。お前殺すよとかですね、お前足を切るよとかですね。子供と逆にまた無視をする。全く子供がいるのにいないていで、この子だけ御飯を違う場所に置いたりとかですね。あるお母さんは新聞紙の上に置いてあげていたりするお母さんもいました。ほかの兄弟と差別的な扱いをする。そして一番ふえているのがこの下にあります、子供を配偶者間の暴力にさらすというものです。DVですね。いわゆる面前DVと言いますけども、この件数が非常にふえております。
 これは虐待種別ごとの、各年度のこれは沖縄県の対応件数の伸びを示しております。4つの虐待ですね、薄い水色が身体的虐待、薄い紫がネグレクト、緑色が性的虐待、赤い色が心理的虐待になります。見ていただけると、赤い棒グラフが極端に26年から伸びているのがわかるかなと思います。これが心理的虐待の伸びになりますね。そして、ネグレクトと身体的虐待ですね、薄い水色と薄い紫色は交互しながら横ばいになっているのがわかるかなというふうに思います。性的虐待は、沖縄県の場合は大体1%前後をですね、推移しながらきている状況です。ただ、性的虐待については非常に本人も申告しにくいですし本人も被害を訴えづらい虐待ですので、この1%という数字がですね、非常に暗数が多いのではないかと言われていますので、今後も注視していく必要があるかなというふうに思います。そして心理的虐待がこんなに今伸びている理由は、先ほど説明した面前DVの増加なんですけども―虐待経路のなんですけども、一番左側、警察ですね。実を言いますと、680件のですね、沖縄県の児童虐待のうちの438件が警察からの通告なんですね。そのほとんどが面前DVの通告になっております。実を言いますと沖縄県警は平成25年ぐらいからですね、この面前DVの通告を―全国的には平成22年から23年くらいからふえていまして、全国はそれよりも先にふえてはいたんですけど、沖縄県警もそれぐらいからこの虐待に対してですね、面前DV―110番があって夫婦げんかがありました、その夫婦げんかのときに子供がその場所にいればですね、心理的虐待を受けたということで児童相談所に通告するようになりました。その件数が非常にふえているということですね。それは今でも続いていますし、全国的にも続いていますので比率が50%を超えているというのが現状になっております。警察からの面前DV通告の増加を含む児童虐待相談の増加によって、児童相談支援におけるリスクの管理が非常に大きな課題になっております。先ほどの虐待種別ごとのものをちょっと思い出してほしいんですけども、身体的虐待とネグレクトは件数は減ってはおりません。当然横ばいになっております。だけども、面前DVの心理的虐待とか非常に件数がふえております。この件数がふえた分、当然職員はそこに力、分散されるわけですね。本当にリスクが高いのは―もちろんDVもリスクが高いではあります。だけども、この身体的虐待―直接的に暴力を受けていたりだとか、あるいは性的な虐待―なかなか表面化していない虐待であったりだとか、そしてネグレクトですね。乳幼児があの中で生活しているのが、もし発見がおくれたら、という虐待が―今までではそれまでの、平成25年より以前であればそちらのほうにある程度力を注力できていた部分があったと思うんですけども、この棒グラフによって逆転してしまっているわけですね。
 そこら辺をちょっと御理解いただいて、ちょっと次のことを読みます。これちょっと、撮影とかはやめてほしいんですけども、実際警察からどういった通告が来るかというものです。面前DVですね。ちょっと私、読みたいと思います。沖縄県のある警察署から25条―これは児童福祉法の25条に基づく児童通告書の写しになります。認知の端緒、令和元年○月○日、午前10時30分ごろ、児童から、お父さんとお母さんがけんかをしている。けがはしていない、の通報。つまり子供から110番通報してるんですね。お父さんとお母さんがけんかをしています。そして、警察官が臨場しました。現場の状況及び児童の安否確認。現場の状況。当初、地域警察官が現場臨場したところ、自宅には児童及び泥酔した児童の両親がおり、自宅内は荒れている様子はなかった。ただ酔っぱらったお父さんとお母さんが寝ている状況だった。それで荒れてはいなかった。児童から聴取したところ、`お父さんとお母さんが酔ってけんかをしたので私が110番をしました。私はけがをしていませんし、お父さん、お母さんもけがしていません`と本人は説明しました。さらに、児童の母親を起こして話を聞くと、旦那と口論した後、平手で頬をたたかれました。でも、被害申告するつもりはありません、とお母さんはおっしゃいました。そしてお父さんを起こして話をしたら児童の実父は、妻と口論になり、妻が物に当たったことから頬をたたいた、と父親は説明をしました。警察官としては児童の安否確認の中で、児童はこれまで両親からの暴力行為はない、これまで暴力行為はありません、子供にありません。そして身体について確認できる範囲は、見える範囲で見たけども傷・あざもない。暴力を受けている様子もない。しかしながら児童は泥酔した両親がけんか・口論をしている状況を目撃している。いわゆる面前DVですので心理的虐待を受けていると認めると。ですので、措置状況として警察は児童の両親に対し児童の面前で夫婦げんかをすることは、児童に対して心理的に悪影響を及ぼす―もちろん大切な両親が子供の目の前でけんかをするのは子供にとって非常によくないですね。そして心理的虐待、面前DVに該当することを説明して児童相談所へ通告する旨を伝えて理解をさせたと。ですので、児童相談所、家庭訪問をして今後心理的虐待を受けないように措置をしてほしいというのが警察からの通告書になります。これを聞いていただいてですね、やはり先生方も―子供に傷・あざはないんですよ。傷・あざはありません。だけども、通告としては同じ件数の1件にカウントされて児童相談所はこれを受理すると虐待対応の初期対応の職員が、まず子供の学校とかあるいは保育所とか。あるいは行っていなければ、直接家庭訪問して安全を確認します。これも48時間以内。そしてその中でお父さんお母さんと会って、資料等を用いて面前DVあるいは心理的虐待、子供の心に大きな影響がありますよという指導をした上で相談を終結していく。そして市町村に情報提供をして、警察のほうにはこういった対応をしましたよと報告をして大体終わっていくというケースではあるんですけども、この件数が先ほどの赤い棒グラフ分、伸びているわけです。今確かに子供は大切なお父さんとお母さんが目の前でけんかをして嫌な思いをした、傷つきました。だけども、この子は普段から暴力を受けてはいないですね。しかも学校にも通っている状況。だけども、ほかの虐待と同じように48時間以内に安全確認をしないといけないというのが児童相談所に課せられていくわけですね。こういうのがあると児童相談所はリスクの管理がすごく難しくなるんです。先ほど言ったように身体的虐待だったり、ああいったネグレクトのおうちが出てきたときに、この件数も同じように入ってきます。でも逆に言うと、この件数のほうがもっとたくさん入ってきているんです、児童相談所に。身体的虐待、ネグレクト、性的虐待の件数よりももっと多い件数でこれが入ってきているわけです。児童虐待の対応が児童相談所に一極集中すると救急病院が以前ですね、非常にもう大変だということで先生もですね、ありました。救急病院に軽症の患者が多く受診すればするほど本来の緊急性の高い重症患者の対応に注力できない。同じ状況が今、児童相談所に起きているんではないかなというふうに考えています。いわゆる面前DV通告、でもDVも初期の段階で介入することで、その後の悪化を防ぐことができるのは事実です。ですので対応自体は全然、それは間違いなく必要なことですし、急がなければいけないものだとは考えています。ただ、そのケース自体の件数が余りにも多すぎてですね、警察が事案発生時に子供の安全を確認するんです。傷・あざはありませんと。そういった対応の中で緊急一時保護するほどの状況でもないですし、児童相談所が48時間で安全確認を必ずしなさいというレベルでも本来はないのかもしれない。でもしかし、全体のこの半数を占める面前DVの通告のあることでですね、児童相談所自体は非常にリスク管理がもう難しい中ですね、これはちょっと僕の個人的なあれも入っているんですが、綱渡り的に業務をやっているというのが正直な印象ですね。
 性的な虐待です。この虐待に関しては具体的な事例はちょっと避けたいんですけども、自分が対応している中ではですね非常にもう心が重たい虐待です。この女の子たちがですね、この自分の手とか首を傷つけて、いわゆる自傷行為があって、自分の―子供たちのインタビューの中でですね、話される内容の中では、自分のその血が流れているのを見るとですね、ああ、私は生きている、と伝えた子供もいますし、手首から、首から血が流れるのが温かいので自分は生きているなと思うと伝えた子供もいましたし、ある女の子は自分の体から汚いものが流れていくのでほっとすると言った女の子もいました。
 身体的虐待ですね。直接的に子供に打撃を与えるので、生命の危険が非常に高い虐待になります。ある男の子ですね。4歳の男の子で、母子家庭でした。ひとり親世帯でお母さんは精神疾患がある方です。あるとき泣き声相談がありまして、コンコンって訪問してお母さんとおしゃべりをしてですね、子育てが非常に大変だということだったんですね。子供も言うことを聞かない、どなってしまいますと。私、薬も飲んでいるんですという話もしながら対応したおうちです。近くにお母さんの弟さんがいらっしゃったので、弟さんに見守りをお願いして、次また泣き声とか地域の相談があったら弟さんに電話をするので、お姉さんの様子を見に行っていただけますかということでお願いをしていた事例でした。あるときに泣き声で相談があったので、弟さんに電話して、弟さんに家庭訪問をしてもらったんですけど、弟さんがノックしてもお姉さんがあけないんです、母親があけない。児童相談所に連絡が来てあけないよとあったんで、急いで行ってノックしたけどあけないんですね。このままでは、中では子供が泣いているわけではないんですけど、確認をしないといけないので地域の警察官を呼んで、制服の警察官を前に立たせてノックしてピンポンさせて、ようやくお母さんは制服の警察官をのぞいてあけてくれました。お母さんとこう話をしながら右の奥にこの子がいたので、○○君と呼んで振り向いたらこの子、ゲームをしていたんですけど、こっちにあざがあったんですね、あざがありました。もう保護しないといけない。その時点で保護しないといけませんので、お母さんとちょっと2人、職員が話をしながら、女性職員を後ろからこう入れて、子供を保護するわけですね。皆さんはゲームをしていたら男の人が2人入ってきて、お母さんと話をしている。そして何かしばらくふっと見たら女の人が近づいてきて、さあ行こうか、と言うわけです。子供からすると何が起きたかわからないんですね。でも児童相談所は一時保護という行政処分の執行なんです。子供からするとお母さんと二人暮らしでいるときに急に女の人が、さあ行こうか、と言うわけです。うまく説明してくれない。もちろんお母さんはすぐ近くにいるので、保護しますとか今からお泊まりするとか、そういう説明はできない。とりあえず外に出そうとします。そのときに子供は一番最初に何と言うかといったら、お母さんと言います、当然、泣いて。そのお母さんという言葉を聞いてお母さんはもう半狂乱になります。我々はお母さんを押さえることはできないので、もう一生懸命壁をつかんでこうやってお母さんをもう後ろに行かないようにこうやって、お母さんちょっと話聞いて、とずっとやっている間に子供を後ろから女性職員が出すんですね。ずっとこの子泣き通しです。お母さんお母さんとずっと泣き通しです。これ南部医療センターなんですけど、そこに連れて行って全身チェックをして、どうもちょっと頭蓋がおかしいということで、この子、髪の毛があったんですけど丸坊主にされてですね、やったんです。この左後ろに黒い線があります。これ頭蓋骨陥没の跡なんですね。恐らくはさみで刺された跡なんですね。僕はこのケースでですね、地域の方にお話しするときに伝えているのは、この子ずっと病院に着くまで、お母さん、と泣き通しなんですよ。病院でこのけがの大きさにすごくびっくりしました。あっと思ったときにぱっと後ろを見たらお母さん、はさみを持って立っていたわけですよね。お母さんに刺された、けがをさせられたとこの子はわかっていたはずなんです。だけどもやっぱりずっとお母さんと泣くわけです。だから子供たちの前でですね、虐待者、つまり、お父さんは悪い人だね、お母さんはだめな人だねと批難すれば、子供たちはしゃべらなくなるんです。この子の地域の方には伝えています。痛かったね、ということと、大変だったねと子供の心情に配慮した言葉かける中で、絶対目の前でどんなに相手がひどいことしていたとしても子供の前で親を、保護者を批難すると、子供は親しかいませんので、子供から親を取り上げるということはなかなかそれだけ難しいことですし、分離するというのは難しいことです。そういった子供の心情があるというのを知っておいていただきたいなというふうに考えています。その一時保護の場面でですね、少し補足しますと児童相談所が保護すればいいじゃないか、当然そうです。最後のとりでなので僕たちは保護します。だけども保護する過程というのはそういうふうにして―例えばあるお母さん、警察官に入ってもらって僕が頭をさわったらお母さんの両手をばって押さえて、赤ちゃんを僕が取るというのを警察官を詰めてやったこともありました。警察官の職務執行法上、お母さんが突然、危害を加えることがなければ保護することができないんです、警察官は。児童福祉法の33条だけはできる。なので、警察官は児童相談所を呼んでから保護させようとするんですよ。でも一般行政職のどの職員もですよ、訓練受けているわけではない。そこで泣き叫ぶ子供を連れ出したりだとか、乳幼児を母親からとるとか、そういうことを児童相談所は今、やらざるを得ない状況になっているというのを知っておいていただきたいなというふうに思います。人のおうちに介入するということはそういうことです。
 小学校1年生の男の子です。先生がですね、どうしたのかと言ったら、滑り台ですりむきましたとこの子は説明しました。でも授業が始まって本人座らせたら、お尻をもぞもぞもぞもぞしているんです。先生が保健室に連れて行ってこの子の体を確認しました。小学校1年生でですね、少し御飯を食べたりするのがゆっくりな子だったんです。前日、おうちに帰ってくるのが遅かったので父親が暴力をしたというものでした。この暴力自体はもちろん許されることではないですし、しつけでも何でもありません。父親は許されるものではないですね。先ほどのお母さんもそうなんですけども、母子家庭で、当時あのお母さんもですね、障害者総合支援法の施行前でしたので、障害福祉サービスも一切ないんです、あのとき。時たま本当に弟さんが見に来るくらいだったんですけど、お母さんはお母さんであのとき子育ては頑張っていたんだと思います。このお父さんはですね、実を言うとこの2週間前に離婚してこの子を連れてアパートを借りて住み始めて、仕事をしながら家事をしながらこの子の面倒を見始めていたときだったんですね。お父さん自身も当然やり過ぎたという気持ちもあります。だけども人間というのはただ―中にはいますよ、県外の死亡事例のようにですね、何を言っているんだこの親はみたいのたくさんいます。だけども、ほとんどの親はやっぱりたたきたくてたたいてるわけではない親も中には多いです。この父親も恐らくひとり親になったときに、例えば離婚届を出してどの子が、どちらがこの子を養育するんですかといったときに役所等で手続をします。それで児童扶養手当、お父さんの収入を確認して児童扶養手当をやります。そのときに福祉課の窓口に行って養育支援大丈夫ですか、近くにおじいちゃん、おばあちゃんはいらっしゃるんですか、お父さんが仕事の間誰が洗濯をするの、この子帰ってきたとき誰がおうちにいるのみたいなことで、もしそういう支援が、ひとり親支援がその時点でスタートしていればちょっと変わったかもしれないなと僕は思う事例なんです。確かにやった行為はもう許されないですよ。結果は大きいですし、万が一これが首から上だったらこの子は命を奪われかねないくらいのけがだと僕は思います。だけども、本当はその前のスタートにやるべきことが、できることがあったんじゃないのかなというのがほとんどの虐待に言えることなのかなあというふうに考えています。児童相談所の立場からするとですね、暴力を肯定して意識的に子供に加害する保護者も確かにおります。だけども、さまざまな環境的要因とかですね、そういった背景があって特に意識しないうちにそういった加害につながっている保護者が多いのも事実です。子供みずから保護者や環境を選ぶことができません。どの子供もお父さん、お母さんと言います。子供たちがですね、その保護者にどんな支援があれば今見ていただいた写真のような状況にならないのかというのを考えるのが、より健全な養育環境を提供できるかというのが、自分たちの支援としての役目なのかなあというふうに考えております。
 心中―児童虐待の対応件数の中に心中も入っております。心中を除く深刻な児童虐待というのは突然発生することが余りないんですよ。どちらかというと、県外の死亡事例もそうなんですけど、その前でいろんなサインが出ていることが非常に多いです。その幾つかのサインを見逃さずに、それこそ離婚届を出しに来たとき、あるいは妊娠したときとかですね。妊娠の母子手帳をもらいにきたのがもう妊娠してから半年以上たってからもらいに来ているとかですね。やはりリスクというのはそういったときに発見できるもの。適切に支援が行われることでそれ以上の事態悪化を防ぐことができるのかなあというふうに考えております。
 もう一つの事例。時間が過ぎて申しわけないんですけども、24時間保育園から連絡のあった赤ちゃんの事例です。この24時間保育園、松山にあるんですけど、ああいったところは無認可でしてですね、ほとんどがパートの方がやってることが多いんですけども、ここの24時間保育園はたまたま園長先生が雇われ園長で、保育士免許を持っている方だったんです。その方が連絡をしてきました。ちょっと見てわかりますかね、この男の子。何かが違うのが。座らせた感じ、わかりますかね。この皮膚の感じとかですね、赤ちゃんにしては水気がないのがわかりますか、水分といいますか。この子を立たせてみたらわかるんですけど、お尻の肉が逆三角形になっている。痩せてきているんです、この子。
 実を言いますと、この子は第2子でしてですね、21歳のお父さんとお母さんが養育していました。21歳のお父さんは南部出身で、御実家からちょっと離れたところにアパートを借りております。21歳の奥さんは県外からの人。この子の1歳上に2歳のお姉ちゃんがいます。僕、お姉ちゃんにも会いました。お姉ちゃんはですね、お下げ髪でとってもかわいいんですよ。とってもきれいにしていました。そして2人目のこの子が生まれました。21歳のお父さんは夜の11時まで仕事をしています。7時から11時まで。1人目の女の子は、県外出身のお母さんはきれいに育てることができたんです、丁寧に。だけども、2人目、この男の子が生まれてちょうど5カ月を過ぎたくらいに、上のお姉ちゃんのイヤイヤ期が始まります。そのときにこの子の、このお母さんの御実家も近くにあればよかったのかもしれないし、旦那さん側の御実家ともっと距離が、関係性が近ければよかったのかもしれないですけども、とにかくこのお母さんはヘルプを出すことができなかったんですね。お姉ちゃんはあれやってこれやってと、こうワーワー来る。私がやると言っている間からお茶をこぼしたりする。後ろでこの男の子が泣く。だんだんミルクを飲ませたけどその途中でこの女の子がいろいろやるんで、ミルクを途中で置いて女の子のほうに行っちゃって。だんだんこの男の子のミルクの回数が減っていったんですよ。お母さん自身はまずいなというのはわかっていたんです。だけども、自分自身では旦那さんが早く帰ってくるわけでもないし誰か手伝える人もいない。なので、だんだんこの子、ミルクの回数はどんどんどんどん量も減っていって、少しずつ痩せたんです。でもこのお母さんの偉いところは、24時間保育園に預けてくれたんですよ、自分が休むために、危ないと思って。だからお母さんを褒めました、偉いねと。偉いと僕は言いました。もし24時間保育園がなかったら、この子は乳幼児検診とかももし行っていなければですね、こんにちは赤ちゃん事業も終わった時期で、見ないまま1年くらいたったらもっと痩せていたかもしれないですね。最終的にお父さん方の御両親も呼んでですね、この県外出身のお母さんが非常に困っている状況も伝えて、近くにその旦那さん方の御実家に―ちょっと奥さん嫌がっていましたけど、引っ越してもらって近くの見える距離に住んでもらって、この子を返したという事例ですね。つまりこういった支援があることで防げることももっとあるんじゃないのかなというのがすごく思うことです。市町村にあるいわゆる保育所の入所の件であったりだとか、一時保育の件であったりだとか、短期的に養育支援事業でヘルパーが来てくれるとかですね、上の子を見てくれるとか、そういった子供を育てるに当たってお母さん方が、若いお母さんが困っている、あるいはひとり親になったお父さんが困っているような状況の相談を家庭児童相談員が拾って、そして市町村が持っているいろんなサービスにつなげていくことで大分、それから大きなハイリスクになるのを防げるんじゃないのかなというのが、そういう考えです。虐待はエスカレートします。そのままでほっておくと今のような状態でどんどん痩せていく可能性もあります。逆に適切な介入とか支援の導入によって、虐待のリスクを下げることができるというふうに考えています。養育状況の改善につなぐことができるというふうに考えています。
 虐待にはこういったピラミッドを使った説明がされています。児童相談所とか警察は一番上にあります。レッドゾーン、イエローゾーンと言われる、介入が必要な事例を対応しています。そして市町村はダークグレーゾーンとかグレーゾーン、育児不安があるものも対応するというふうになっています。ここに役割分担ということで色分けをしていますけども、今、児童相談所にはほとんどグレーゾーンからいるようなものも今来ている状況があって、この図から見てもわかるように、下にいくほど件数が多いですから、ダークグレーゾーンとかですね。やっぱりこの虐待が非常にシビアなものは件数は少ないんですけども、ここに注力できるかといったらそういうことがないわけですね。いかにこの真ん中の多い件数のところを市町村がバックアップ、あるいは支援ができるかというのが非常に重要なのかなというふうに考えています。虐待対応には緊急介入のハイリスクアプローチ、いわゆる先ほどの赤いところに介入する緊急介入のハイリスクアプローチだけじゃなくて、身近な相談機関としての市町村による真ん中の中段あたりですね、ポピュレーションアプローチと言いますけども、そういったものが重要であるということです。ちょっと御説明したいと思うんですが、ハイリスクアプローチというのは緊急事態が発生しやすい高いリスクを持った人を対象に絞り込んでですね、いくのがハイリスクアプローチです。これは今、写真で見ていただいた非常に大きなけがであったりとか、リストカット等を伴うような性的虐待を発見した児童を保護したりだとか、乳幼児が非常に不衛生な環境に置かれているとかですね、そういったものを児童相談所としては介入していくということですね。こういった問題を持った―数は決して多くないんですけども、そこにアプローチするのをハイリスクで考えられていなかった大多数の中に全くリスクがないわけでありませんねと、この後ろ側の周りの部分にもリスクがないわけではありませんと。より潜在的なリスクを抱えている人がいますよというのがあります。でも児童相談所はなるべく一番高いところをやっていくと。じゃあ真ん中のほうはどうするかということなんですけど、真ん中のほうに関してはですね、対象を一部に限定しないで―先ほどのように高いリスクのところだけを限定しないで、全体にアプローチをするというのがポピュレーションアプローチです。例えば、どういったふうに全体にやるかというと、普及啓発であったり、児童虐待はだめですよと。例えば本来、条例を制定してですね、今回法律改正があってしつけの中での体罰はだめですというふうになっています。その中で他県ではそういった条例制定が出されるところもあります。そういったことで、見方が変わっていくのもあるだろうなというふうに考えます。ここでいろんな周知活動をしたり普及啓発をしたり、そして一番はこれと同時にですね、市町村がいろんな養育支援をやっていくのが大事ですね。繰り返しになりますけど、保育所の入所ができたりだとか、保育料の減免であったりだとか、お父さんお母さんが仕事がしやすいとかですね、あるいはどうしても急に休まないといけないときに誰かが見てくれる制度、ファミサポであったりだとか、そういったのがどんどん使いやすくて家庭で子供が養育しやすいというような状況は必要と。そういったシステムをそろえながら、いろんな周知活動をしたり普及啓発をするのがいいのかなというふうに考えています。
 ちょっと補足になりますけど、先ほどちょっと普及啓発の条例の話をしましたけれども、例えば他県の中でもですね、少し罰則規定を設けたほうがいいんじゃないかということがあったり、出たりしていることもあるかなというふうに考えます。でも児童相談所というか、あくまでも私たちが子供たちとかですね親御さんを支援する中で見てきた親御さんたちはですね、説明したように精神的な疾患を抱えているお母さんであったり、離婚して一生懸命仕事しながらおうちの洗濯物を干して、宿題やれよと言っているお父さんであったり、あるいはお父さんとお母さんが全然言うことを聞かないからお父さんのおじさんがおうちに泊まり込んで子供たちを見ていたりとかする中で養育が不全に陥ってですね、具体的には市町村のサービスにつながっていなかったりして虐待状態になっている世帯もあるということですね。そこで、実際にじゃあ手が出てしまいましたね、あなただめですねっていうのを親に言うというのはその後の支援とかですね、いろんなその子供の立場を考えていくと実際それはどうなのかなと。まずはこの普及啓発の中で、今はもう法律も改正されていますので、こういった養育の仕方について一緒に考えましょうというスタンスでやって、一番この人数の多いところ、膨らんでいるところを左側にリスクを下げるような取り組みをですね、やるのが僕は必要、重要なのかなというふうに考えています。頭を頭蓋骨陥没した子供がですね、ずっとお母さんと泣いていましたという話を伝えました。児童相談所は危険性があれば子供を一時保護しますし、母子分離も親子分離もします。でも、子供は親に返します、9割ぐらい、ほとんどがですね。その中でやっぱり改善が厳しいというのは施設に入所したり里親に委託したりします。全体の本当に5%とか10%未満になりますね。ほとんどの親が子供たちを見たいと思っているし、子供たちも親と過ごしたいと思っています。だからそういったときにしつけの中で体罰はいけませんよと言ったときにですね、やはり厳しい対応をするとまたそういったのもなかなか難しくなるのかなというのが現状かなというふうに考えています。先ほど伝えた児童相談所がやるハイリスクアプローチとポピュレーションアプローチ―市町村がやるものを一緒に相関的にやることで全体のリスクが左のほうに、要するに低いほうに下がっていくというような考え方ですね。
 今度、市町村の取り組みの中で、今すごく僕いろんな市町村の要保護児童対策地域協議会―要対協という会議の中で伝えているのが、ちょうど真ん中あたりにあるんですけれども、子ども家庭総合支援拠点というものです。平成16年に法改正があって、平成17年から市町村の中に家庭児童相談が設けられています。そしていろんな相談員の方が一生懸命やってこられていますけども、その体制が拡充してですね、より充実させようということで、家庭総合支援拠点というのを国のほうが出しております。これは社会福祉士とか精神保健福祉士のとかですね、そういった資格を持った人をそこに充ててより専門的な支援をやりながら、そしてケースの進行管理も、もっと今よりもきっちりとやっていこうということを目指して―国のほうはですね、全市町村に設置しましょうということで今進めているものです。補助費も出ますので、そういったところで市町村のほうにどんどん声をかけてですね、進めていきたいなと。より市町村のこの相談支援が充実していけば、いわゆるケースワークが充実していけば、子供たちのいろんな困った状況あるいは保護者の困った状況のときに適切な支援、介入、もしくは支援を提供できるのじゃないかというふうに考えています。いわゆるポピュレーションアプローチのほうにこれがつながるんではないかなというふうに考えています。
 あと、そういった市町村に対して児童相談所が後方支援というのをやっております。児童相談所の中で去年の実績なんですけども、中央児童相談所、コザ児童相談所それぞれ管轄している市からですね、相談員の方を受け入れをして実務研修をやりました。そしてコザ児童相談所も沖縄市から短期実務研修を受け入れていますね。これは下のほうに米印がありますけれども、児相と市町村の短期人事交流ということで、去年は私もですね沖縄市のほうに、人事交流で沖縄市のほうに行きまして、週に1回程度ですね、沖縄市のケースワークに参加をして、児童相談所が考える支援の仕方とか介入の仕方とか面接の仕方とかそういうものを一緒に人事交流の中でやってきました。今後も人事課を通じてですね、やっていきたいなというふうに考えています。
 今後の児童相談所の取り組みなんですけれども、児童相談所、これまでと同じようにそういった職員を受け入れてですね、短期人事交流もどんどん進めていこうかなと。実際、今年度もですね、こちらの宮城班長が沖縄市のほうに週に1回出向いていってですね、向こうのケースワークに参加している状況です。今月からまた沖縄市の相談員が、児童相談所―コザ児相にも来ることになっています。真ん中のほう、市町村支援専門員、支援専任職員の配置の検討ということで、これについても市町村の後方支援ということでですね、今具体的な担当職員がいませんのでこういったところを市町村に対しての後方支援は非常に重要だというふうに考えていますので、本庁所管課と調整しながらこういった職員の確保のほうに進めていきたいなというふうに考えています。
 あと、最後になりますけども、ちょっと想像してほしいということがあってですね。お母さんがですね、台所で食器洗いをしておりました。3歳の男の子が、お母さんの後ろに来てエプロンの裾を引っ張って、お母さんと引っ張ったんですね。食器洗いをしているお母さんがぱっと後ろを振り返ったらですね、この3歳の長男がパンを食べている。食パンを食べていて、こう食べたんですね。そうしたらぱっと下を見たら足元にパンくずが落ちていました。お母さんはさっき掃除したばかりなのにという考えがふとよぎったんです。そのときに反射的にびんたをしてしまいます。3歳の男の子にですね。3歳の男の子ですね、重心は上のほうにあります。そしてパンを食べていましたので手はここにあります。そのまま右のほうに倒れました。フローリングでしたのでそのまま頭を打ちつけて頭部外傷でしたね。中部病院でしたけども植物状態で3カ月で亡くなりました。この長男は虐待されていたかというと全く傷・あざもないですし、実を言うとこの子の、お兄ちゃんの下には妹もいてですね、2人のきょうだいをお母さんはとってもかわいがっていました。アメリカンスクールに通わせてですね、壁にはこのABCが貼られていて、子供たちと一緒にいろんな練習をしたんだろうなというのがうかがえるおうちだったです。どうしてお母さんはそのとき手を出してしまったのかということなんですけども。父親がいたんですけど、父親はこの日の午前中にですね、昼間に季節に出ているんですよ、母親と2人の子を残して。父親は事業に失敗をして、借金があったんです。借金を返すために月収50万円とか60万円とか、当社カレンダーによるというやつを見て稼げると思って県外に行くんです。そのときに子供もお母さんも連れてけばいいのに、置いていくんですよね。それで、お母さんは残されて、明日から、お父さんもちょっと家事を手伝っていたかもしれないんですけど、お母さん一人で2人の子供を見ないといけない。借金の督促とかもまだ来る。いろんなのを全部はっきり言うと、お母さんに丸投げの状態ですよね。お母さんはそういったのを考えながら食器洗いをしていました。不安とか父親への怒りとかさまざまな感情に支配されていたというように僕は思います。お母さんはですね、誰にも相談できていませんでした。県内の人なんですけど、親族とも疎遠でですね、母自身も友達もママ友もいなくて人づき合いが苦手な人です。だから自分のこのお兄ちゃんと妹の養育に力を注いでいたんです、このお母さんは。いわゆる子供の子育ての中の孤独な子育てでした。もう時間は巻き戻せません。母親がどんなに後悔しても、という。このお母さんとですね、この中部病院の病室で何回か面会する中でいろいろお話をしてたんですけど、もうどうすることもできないんですけど、僕が強く思ったのはどこかの段階で誰かがこの人の話を聞けたり、お父さんと話すことができたり、何かができてたらなというのが非常に思われる事例です。ほとんどの事例がそうなんです。どこかで支援が入れてたら、それが一番できるのは身近なところにある市町村のアンテナ、あるいは地域の民生委員の方のアンテナであったりするわけです。学校であったり保育所であったりするんです。そういった学校、保育所、地域の民生委員とのつながりを市町村が子供、その家庭へのあの拠点事業でですね、持ちながら先ほどのポピュレーションアプローチをやっていって全体のリスクを下げて、そして緊急な事態があるんであれば、児童相談所はハイリスクで入るというのが児童虐待の対応の中での今後の必要な事項なのかなあというふうに考えています。
 孤立を防ぎ、気楽に声をかけあう周囲との関係性とかですね、周囲が隣の人はどんな人かなというのは大切なことですね。自治会活動もそうなんですけど、気になる世帯に対しては声をかけるとか、心配してるよとメッセージを伝える、そういった世帯ができるように、市町村のそういった取り組みが必要なのかなあというふうに考えています。子供たち、身近な市町村からですね地域に働きかけてもらって、虐待的環境の特徴を踏まえて地域の中で多くの人が意識的に行動する。こういった講演を―いろんな話をしながら僕はみんなに、地域の方に伝えているつもりです。そういった人々が意識的に行動できるように、そして子供たちへの声かけとか保護者への対応がですね、最終的には虐待防止とか保護者の行動改善につながるんだろうというふうに考えているということです。
 以上が、児童虐待の対応の説明になります。ありがとうございました。時間を大分オーバーしました。申しわけありません。

○狩俣信子委員長 コザ児童相談所長の説明は終わりました。
次に、中央児童相談所長の説明を求めます。
 都倉稔中央児童相談所長。

○都倉稔中央児童相談所長 今コザ児相のほうから説明したとおりの現状でございます。毎年県としても本庁と一緒に、毎年少しずつですが児童相談所の体制の整備を図っているところです。ですがやはり児童相談所だけではやはりこの児童虐待、重症事例、死亡事例をなくすためには児相だけでは限界があるのかなというふうに思っています。やはりその市町村の体制整備、今言っていた拠点とかあるいは要対協の機能を有する体制、あるいは関係機関との連携、そういった形でネットワーク、網の目をやはりふやし漏れ落とさないようなシステムにしていくことが重要かなと思っています。よろしくお願いします。ありがとうございます。

○狩俣信子委員長 中央児童相談所長の説明は終わりました。
 これより、児童相談所の現状と課題についてに対する質疑を行います。
 質疑に当たっては、重複することがないよう簡潔にお願いいたします。
 なお、質疑・答弁に当たっては、委員長の許可を得てから行うよう、お願いいたします。
 質疑はありませんか。
 新垣新委員。

○新垣新委員 本日はお疲れさまです。もう大変な任務で県民の生命と財産、子供たちの、本当にこの苦労というのも敬意を表しながらまた頑張っていただきたいと。過去は過去としてこれからどうよくするかという観点から質疑します。
 実は私、糸満出身で栗原心愛ちゃんのこともよくわかるつもりでいます。実は私もですね、今大人になった、子供のころ虐待を受けた、児童相談所で育った女の子から聞いたことがあります。一番貧困家庭だったころ、親に暴力を振るわれて、親に捨てられて身寄りも何もなかったと。だけどこの児童相談所ですか、そこで育ったほうがまだ幸せだったという子を持つ、この子は、子供のころ虐待も受け、身寄りもない、児童相談所で育てられて18歳でちゃんと社会人として大人になって子供を産んで立派に成長している子がいます。その子から学んだことがあります。今言った問題で、今限界があるということも非常にこれ国民的関心が高いという問題に差し迫って、なっています。まず、児童相談所の体制強化。今、国は児童福祉司を2000人増加に向けてと言うんですけど、私、実は自民党を代表して、まあこれは与野党心を一つにして、これぞ本当のオール沖縄という形でですね、取り組んでいかないといけない問題があります。まず市町村、41市町村から各、那覇、沖縄市、コザに出向職員として情報提供、連携。先ほど言った市町村の支援、さまざまな、そしてまたその新しい条例の中でですね、この貧困対策と同様にこの保育園、幼稚園、小学校、中学校、高校、そのアンテナというこの情報があったら体をチェックするという。先ほどお尻までですね。そういった条例をつくってくれないかと自民党を代表してですよ。これ与野党で取り組んでくれと。これ執行部、知事にもですね。そういった形で連携すれば防げるんじゃないかということもですね。あと、いろいろ市町村聞いているんですけど、同じ洋服で幼稚園に来る。そして歯を見たらすぐわかると、虫歯とか。お風呂も入っていない、シラミがあったとかですね、保育園の先生方からの。うちの姉は実は保育士です。そういったものも、こういうものも、いろいろわかってこれは未然に防ぎたいと、同じ気持ちになってやりたいということで。市町村の出向をもし、市町村長が市町村会で児童相談所はもう困っていると、パンクしているという状況にですね、出向を行うというならばうれしいですか。体制、ありがたいと思いませんかということで、どう思いますか。

○後野哲彦コザ児童相談所長 先ほどちょっと御説明した短期人事交流というので沖縄市のほうとですね、昨年、今年度、また1人ずつやってはいるんですけども、市町村のほうからということで委員のほうからお話がありましたけども、実際去年やってみてですね、僕も相談班長という職務をしながら向こうに行きますので、結局1日抜けるわけですね。その人事交流という立場、もしくはその派遣とか出向という形であれば過員配置、いただければですね、結局もとの業務が滞ってしまう。市町村のほうも来てはいたんですけど、午前中来てやっぱり呼ばれて帰っていくんですよ。1日いることができない。つまりだから、非常に実務研修をしたりだとか人事交流の中で非常に大事なんですけど、結果的にもともとの定数のままでこれを行き来させるということは、もとの人の―その業務はじゃあ誰がやるのとかになってしまっていて、なかなかそこに、何というんですかね、相手のほうから実務をちゃんと学ぶという時間的余裕であったりだとか、そもそももとの業務をやりながら並行してやるのでなかなか難しい部分があったなというのはすごく思っています。ですので、そういったその交流とかに関してはあれば非常にありがたいですけども、過員であればというのは少し感じたところでした、去年の中ではですね。
 
○新垣新委員 僕が言っているのは、短期交流でなくて正式に市町村、もう職員をふやすという考え方です。そこをちゃんと児相にですね、出向職員として情報提供もしながら子供たちを守ると。例えば、私は南部ですから、沖縄南部3市3町という自治体があります。そこで核をつくって、情報提供もしながらみんなで守ろうと。今、700件近く、30年で712件と聞いていますけど、もう非常にどの市町村においても伸びていると。これトライアングルでお互い県民を守ろうと、子供たちを守ろうという形ですね。虐待死を防ぐために。正式にここに出向させると。全てそこに権限を移したいと。実は私ですね、児童虐待防止対策の中で児童福祉司を2000名増員というのがあるんですけど、これ法改正2年は待てないんですよ、私の心の中で。すぐやるべきだと。県の対応も市町村にお願いしますと、市町村長にもね。もうこのため子供たちの虐待、そして貧困もなくすために情報というものは大事だと。早期発見、早期改善ということがね、今、問われていると思っているんですよ。そのためには市町村にもお願いをして、県も。例えばコザ、中央に、これ正式な職員としてね、行かすと。出たり入ったりという気持ちもわかるんですけどそれをなくすと。私は正式に行かせたいんですよ。41名ふやすと。41市町村からと、そうすることによって手間が省けると思うんですが、まずはいかがですかと、提案に。これは我が党を代表して2月定例会で質問しています。いかがでしょうか。うれしいですか、それができたら。

○都倉稔中央児童相談所長 ありがとうございます。市町村からの出向ということですが、児童相談所、県としてはいいと思います。今、ただ現場の市町村のほうは実際にその相談あるいは児童虐待を含む児童家庭支援をしているのはほとんどが非常勤の職員だったり兼任の職員だったりするんです。なので児童相談所への出向は大変うれしいんですが、市町村のほうの支援体制、そもそもの市町村の体制のほうの強化もあわせてお願いしたいなと思っています。

○新垣新委員 ありがとうございました。おっしゃるとおりでですね、非常に福祉に対するニーズがもう変わってきて、待機児童の問題、貧困の問題、市町村の理解の体制もですね、これからの苦しい教訓を生かしていこうと。非常に変わってきているということも告げながらですね、善は急がないといけないと。先ほど言ったように、出たり入ったりとか短期じゃなくて、正式な形でこのコザと那覇にトライアングルで県民の命を守ると。そういう形で、やらないとこれ直らないと思っています。その件に関して再度、答弁を求めます。

○後野哲彦コザ児童相談所長 中北部を一応管轄している立場としてもですね、やはりコザ児童相談所は、中央は離島があるんですけども、コザ児相は非常に北部まで距離もありますので、各市町村から来ていただいて出向という形で、実務的な内容も含めて共有できてというんであれば非常にありがたいなというふうに思います。

○新垣新委員 児童福祉司2000名待つというよりも今やらないといけないこと。こんなのんびりして法改正を待つので、亡くなったら誰が責任をとるんだろうと。その危機感を持って質疑をしています。
 続きまして、これ答えられる範囲で構いません。民法第822条―これ親の親権の持つ懲戒権についてどう考えていますか。これは御理解賜りたいんですけど、もう何ですか、ハイリスクという形の中でですね、そういう形で質疑しているつもりです、ハイリスク。注意、警告、勧告という問題も段階的にやるべきだと思っているんで。

○都倉稔中央児童相談所長 今の問題ですが、やはり国のほうも法改正で体罰の禁止にあわせて今の懲戒権のあり方については検討していくということですし、やはりそこの点は今後もまた進めていただく必要があるのかなと思います。あわせて、やはり親に対する―例えば子育ての仕方、たたくこと、あるいは威圧したりすること、それによらない養育の仕方についてのそういったもののかかわりが、支援が、支えていく存在が必要かなというふうに思います。ありがとうございます。

○新垣新委員 なぜ私がこう言うかというと、虐待を受けて親になった方から教えてもらいました。子供のころ、先ほど言った親をかばう。でも小学校ぐらいに上がると逃げたくなると。辛かったと。だからこの親から離れたいと。つい最近報道でも小学校3年生が交番に駆けつけました。逃げました。その気持ちがわかると。毎日のように暴力を振るわれ、だからこそこの懲戒権プラス刑事罰化は、虐待を受けた親から注意、警告、勧告という形でですね、ぜひやってほしいと。これは児相でもとめられない範囲だと、警察でもと。いざ刃物で刺されたらどうしますかというものも体験者からの声なんです。ですから、ハイリスクを抑えるために私は刑事罰化はやむを得ない、注意、警告、勧告と段階も踏んでですね。その件に関して沖縄県条例に―答えられる範囲で構いません。これ育んでほしいという。そして県民もやむを得なく支持すると。喜んで支持する人はいないという―私の周りにですね。保育園のママの会とかですね、意見交換もしてきて今日伺っている次第でございますので。そうすることで責任は誰にあるのかと。社会全体ももちろんですけど、こうやって異常な一部の、ほんの一部の、でもその一部の子を守るために質疑しているものですから。見解、答えられる範囲で構わないんでお願いいたします。

○都倉稔中央児童相談所長 ありがとうございます。そういった面もあるかと思います。またあわせて、先ほど後野のほうからも説明があったとおり、その親もまた支援を要する存在なものですから、この辺はやはり今後の議論あるいは国の動向も含めながら検討していきたいと思います。

○新垣新委員 一番最も大事なですね、DVというものも―先ほどの面前DVと関連している―母親から子供にうつっていく。そういうものもあってですね。シェルター等の、母子のが、私は足りていないという状況なんですよ。その状況というのも今、つい最近全県情報共有という、沖縄県警と結んでいますけど。そういったものも今後どうよくするかという中で、踏み込んだ形でシェルターが必要ということも児相から沖縄県、県警にも申し出るべきではないかと思うんですがいかがですか。僕は足りていないと思っていますよ、現場は。

○後野哲彦コザ児童相談所長 女性相談所もですね、同じ県の機関ですし、今回子ども生活福祉部の中で県警との協定が進んでおりまして、全県共有に近い形での対応になっています。やはり女性相談所のほうからはDV事案は当然多いですので、そういった協定に基づいてですね、どういった形で一緒に福祉施設としてできるかというのをまた今後、両児童相談所と女性相談所との連絡会議も年度を通じてありますので、その中で話をしながら進めていけるかなというふうに考えています。

○狩俣信子委員長 新垣新委員、まとめてください。

○新垣新委員 はい、最後にまとめます。ありがとうございます。
 最後にですね、この問題において今、県が条例化、条例つくる検討委員会の中に児相の関係者、現場の―この検討委員会に入っていますか。関係者。この現場の声は現場が一番わかるんですよ。現場の方が協議会、それと法改正の中に、条例をつくる中に入っていますかということを伺います。条例の協議会、審議会の中に。

○都倉稔中央児童相談所長 ありがとうございます。直接のそこには入っていないんですが本庁とは随時連絡を取り合っております。また、両児童相談所とまた本庁、青少年児童家庭課との連絡会もございます。そういった中で意見を吸い上げていただいているかと思います。

○新垣新委員 最後に。終わります、これで。
 今の答弁を聞いてですね、ちょっと悲しさを感じています。現場を知っている方が協議会に入って声を発信して、よりスムーズに現場の声という形で専門家ともんで、県警の関係者も入れて、そういった守るんだと子供たちをと、そういう強い姿勢でいたいものですから、あえてまた私たち議員団もですね、県知事または執行部本庁に、現場の児相の関係者も入れてくださいと強く申し入れますので、ぜひそのときになった場合は現場の声を集中的に、子供たちを守るんだと強い姿勢で頑張ってください。これからも頑張ってください。応援していきます。

○狩俣信子委員長 済みません、皆さんね、時間は12時までです。一人一人時間を配慮してください。
 ほかに質疑はありませんか。
 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 大変お疲れさまです。本当に社会的な沖縄県内の要因というのがとても背景にあるのかなというのを感じて、いろんな意味で分析をされている報告も受けて、きょうは有意義だなと思います。
 1つはですね、市町村が初期の行政の窓口でできることがあるんじゃないかということをおっしゃったその件で、要保護児童対策協議会が全ての市町村にできてはいるんですけども、そこが実際によく機能しているところというのはあるんでしょうか。あるんであれば、それを41市町村に広げるとかね、そこら辺も大きく変わっていくのかなあと思うんですが、どんなでしょうか。

○後野哲彦コザ児童相談所長 それぞれ中央とコザですね、管轄している市町村ごとの連絡会もありまして、そういった中では特にその要対協の中でうまくケース進行管理ができているところの発表をしていただいたりとかというのもお願いしております。特にこの協議会の中では、各市町村からこんなことどうしていますかという質問を募ってですね、その質問をまた管轄の市町村に投げて市町村からの回答を集めて、その連絡会のときに確認をするというような役割もしていまして、そういう中では児童相談所が少し中核になってですね、市町村との要対協のいろんな課題等を共有してまたそれを進めていく。そして1つには、例えば宜野湾市とかが、ショートステイ事業ということを、この間―前年度からですかね、立ち上げてやっているんですけど、そういった情報もコザ児相の場合はほかの市町村にも伝えて、こういうふうにして養育支援の一つの事業をですね、また宜野湾市が始めましたよと、ほかの市町村でもどうですかということで伝えたりして、そういった支援の拡充にもちょっと伝えたりはしております。

○西銘純恵委員 市町村がやっぱり足並みそろえて今の虐待、児童虐待をどう根絶していくかという立場に立っているかというのは、今のような児相が入ったね―専門家が入った話を聞いていくということはとても大事だと思うんですよ。そうしたら中央にしてもコザにしてもそこに出向いていく、市町村の啓発といいますか、そこに対する人的配置はそれなりにないと保障されていかないと思うんですよね。さっき言ったように、代替、過配でも代替でもいないと1日しっかりつけないとかね。そこも含めて市町村に対するのは頑張っていらっしゃるというのはわかるんですが。
 あと、児相の体制についてお尋ねをします。その前にですね、私、30年度の業務概要を本庁からもらって、先ほどの児童虐待の数字確認したら685ということで説明されていましたが、これ691、29年度になっていて、ちょっと数字的なものの違いが見えたもんですから、そこら辺は本庁との調整になるのかなと思いまして。私どもは本庁でもらう概要でみんな相談の内容もどうなっているのかという、数字的なものはそういう見方をしているので、そこについては何かありますでしょうか。

○後野哲彦コザ児童相談所長 私のほうのですね、資料の作成でちょっと確認が不十分だったところがあったと思います。私のパワーポイントで示した資料は、恐らく速報値の数字でちょっと作成したのだと思います。去年の年度当初の数字でちょっとばっと拾ってコピぺしたもんですから、申しわけありませんでした。数字はこの業務概要の691のほうで出しているのが正しいというふうに思っています。私の確認不足でした。

○西銘純恵委員 それでね、中央児童相談所も職員体制、去年の4月1日現在で、コザも見ているんですけども実際は職員が―正職員が52人、嘱託、臨任、賃金47人、中央。コザが正職員36人、それ以外が34人ということで、ほぼ半々という形になっているけれども、これだけ深刻なケースに立ち向かうという、業務そのものから考えても、それと専門性から考えても非常勤職となっている皆さん、本当に、実際はその人数が必要ということで皆さんいらっしゃるわけですよね。ちょっと遠慮がちに職員体制はふやしていっていますと。まあ沖縄県は頑張ってふやしてきてはいるんですけども、実際この職員、99人、70人というものから見たらですね、すぐにでも引き上げてほしいという職員、本務にしてほしいというのは、どういう役職でどれだけなのかというところをお尋ねしたいんですけども。

○狩俣信子委員長 どちらが。

○西銘純恵委員 両方聞いてもいいですか。

○狩俣信子委員長 両方聞きますね。
 後野コザ児童相談所長。

○後野哲彦コザ児童相談所長 いろんなこの本庁との調整の中で、人事要求等でですね、やっぱり毎年―ここを見ていただければわかるんですけど一時保護を管轄する保護班と主に相談を受け付ける相談班と、そして自立支援班というのは里親さんとか施設担当の心理士さんがいる班なんですけれども、それぞれが抱えている課題があってですね、どこが優先でというのはいつも―実を言うと児童相談所内でも、うちがうちがと言うぐらいでですね、どこの班も非常に難しい状態だなというのはあります。あと、先ほどお伝えした、非常勤の方が非常に多いけれどもという御心配をされていて、ありがとうございます。ただ、この職種の中でですね、非行相談専門員とかちょっとこの虐待対応協力員というのがあるんですけど、これは今年度からですね、虐待相談専門員というふうに名称も変えて、資格も少し主査級の形で、賃金も上がった状態で名称も変わっています。ここに出ている個別対応職員とかいろんなものも一時保護所についてこの厚労省がですね、専門性を高めた上である程度こういった資格を持った人が対応してくださいということでついている役職ですので、非常勤とはいえ専門的なベースを持ってこちらに来ていただいているというのが実情です。

○都倉稔中央児童相談所長 今、お話があったとおり、いろいろこちらの現場のほうからは本庁のほうにも要求をしている、毎年要求をしている。その中でふえてきているところでございます。児童相談所、現場としてはそれはやはり職員、要員、非常に欲しい―これまで児童相談所に対する要請あるいはニーズは高いものですから、そういうところからしますと正職員ということはあるんですが、それでもやはりそこを―正職員をサポートする業務である非常勤の形がふえる形でも、私たち現場としては本当に今、助かっている状況でございます。

○西銘純恵委員 一時保護所の体制というのは、職員の皆さんがうまく回っているんでしょうか、2カ所。どうでしょうか。

○後野哲彦コザ児童相談所長 コザ児童相談所の一時保護所は、男子寮10名、女子寮10名ですね。定員20名になっています。それで、正職員が4名、4名おりまして、夜間の非常勤が5名、5名いてですね、大体9名、1寮9名で回しているところですね。夜間2人ずつの職員が回っています。シフト勤務ですので、確かに病休は出たりとかいろんなところがありますけども、その中では日勤の職員とかですね、班長とかがカバーするような形で一応休みもある程度とれてはおりますし、職員自体はある程度回っているのかなということがあります。ただ、非常勤職員の場合は、年度年度で採用がありますので、まあ任期もございまして、まあ時折ですね、3年に1度、例えば3名とか4名とか一度に採用したときにはまた3年後に3名、4名、新しい人を呼ばないといけないんですけども、そのときに大分苦労するところはあるのかなあというふうには思います。それはまあ非常勤職員―どこの職場でもそうだとは思うんですけども人材確保というのは今後もですね、いろいろ調整をしていかないといけないところなのかなというふうに思っています。そういう点では難しいところはあります。

○狩俣信子委員長 西銘委員、そろそろまとめてくださいね。

○西銘純恵委員 中央もあったんですけど、お尋ねしたのは、やっぱり夜・昼、この一時保護をしている子供たち、最も保護しないといけないという大事なところでやっぱり4対5という形でね、職員ですよ、正職4名に非常勤が5名いるというそこがですね、最もきちんと回れるようにしないといけない、体制的にもね、正職でやるべきところじゃないかなと。これ直接一時保護を受けた最初の初動の部分であるだけに、かかわりをね、密に丁寧にする部署じゃないのかなと思うので、そこら辺について御意見を伺いたかったんですよね。だから4と5で回っています、どうにかと言ってもね、なかなか子供との関係ですからやっぱりしっかりやりたいということで考えたらどうなのかというところをお尋ねします。最後にします。

○都倉稔中央児童相談所長 ありがとうございます。やはりそこはとても大切なところだと思っています。やはり非常勤ということで採用がままならないときもございます。そういったときは、正職員でカバーしている現状がございます。私たちのほうもまた本庁のほうには要求をしていきたいと思っています。

○西銘純恵委員 ありがとうございます。

○狩俣信子委員長 ごめんね、時間がないから。
 ほかに質疑はありませんか。
 照屋守之委員。

○照屋守之委員 どうもありがとうございます。先ほどの全国の13万件と沖縄の685件という説明で、平成25年度から伸びているという、あれがありますよね。それの要因というか、もし把握していたらお願いできますか。

○後野哲彦コザ児童相談所長 他県の場合はこの平成16年からですね、心理的虐待の中に面前DVが入りまして、全国的にこの、まあ警察庁が通知を出して平成20年ぐらいからこの面前DVの通告を他県ではですね、どんどん通告をしだして件数がふえておりました。ただ、沖縄県の場合は少し、そのときよりもおくれてといいますか、沖縄県警のほうで警察が面前DVの通告をし始めたのがやっぱり平成25年、26年ぐらいから非常にその件数がふえて、その中で心理的虐待の件数がふえてですね、総体として虐待対応件数がふえているというのが現状になります。

○照屋守之委員 ということはあれなんでしょうね。この25年からふえたという、申告ということだけど本来は水面下ではそういうものが起こっていてね、この急に伸びたんじゃなくて、こういうふうな流れがずっと続いているというのが実態なんでしょうね。それと虐待者ですよね。実の父親が49.9、実の母親が37.2。もうこれで87%くらいいくんですか。もうほぼそこに要因があるということでいいんじゃないですかね。だからそこをどうするかということですけど、この実の父親と実の母親、これ夫婦の状況、あるいは離婚して片親の状況、母子、父子、こういうふうなもののあれもありますか。夫婦一緒に住んでいて実際そういうことが行われるか、あるいは母子家庭なのか、父子家庭なのかというふうな違いもありますか。どうですか、これ。

○都倉稔中央児童相談所長 今お話があったとおり、この途中、25年ぐらいからということですが、やはりそれまでは圧倒的に母性のほうが―母親のほうが主たる虐待者として多かったんです。まあそのときにやはり私たちとしては、その子育ての負担が女性のほうに、母親のほうに大きいのであろうと。今お話があった母子世帯のところも全くそうだと思います。ただ、今このDV、面前DV、心理的虐待、警察からの通告が余りにも多すぎて父親の割合がふえたために、そこが埋もれてしまっているような現状ではないかというふうに考えています。

○照屋守之委員 じゃこれは夫婦そろっていてもそういう状況というのは、面前で行われているというのはデータ的に圧倒的に多いということですか。母子、母親だけの家庭とか、父親だけの家庭とかというふうな。

○後野哲彦コザ児童相談所長 今回通告の部分だけの件数というよりは、例えばこの施設入所している子供たちのこの社会的養護ですね、里親に行った子供たちの、まあひとり親なのか、両親そろっているかという状況での統計の中で、前に見たデータの中では、以前は養育困難であるとか、経済的困窮で児童養護施設に入っている子供たちの率は非常に高かったんですけども、ひとり親ですね。だけども今は、要するに2人親、父性と母性がいたとしてもやっぱりそこに虐待があったりだとか、あるいはその養育困難があって施設に入所している子供の率が高いというのが全国的にも言われております。以前はひとり親で養育ができないということでの入所の子供たちが多かったけども、今は2人そろっているけど、つまり委員が心配されているように家庭養育自体が両親そろっていてもまあ厳しい状況があるのかな。つまり、特に沖縄県の場合はですね、いろんなこの経済的な指標も出ていますけど、両親そろっていても、子供を養育するだけの保育所の面であるとか経済的な部分でもなかなか難しい部分があるのかなというのは感じるところがあります。

○照屋守之委員 ですから、これはもう起こっていくと皆さま方にお願いするとか警察とかいろんな形で対応しますけど、我々はその外から見てどうやって支援していくかというのをいろいろ個人的にも考えるんですけどね。なかなか本人たちからそういうふうなものがない。というものについて外からどうのこうのと言えるような立場でもない。でもトラブルは発生する。ここが非常に問題ですよね。だから人の家庭で幾ら虐待されてもその子供がやっぱり父親、母親という立場をしっかり認めていて、そうじゃないよというふうなものについてですね、これ地域社会がどうのこうのということで、行政もそうだけど、そこに立ち入ってどういう形で防いでいくのかというのは非常に大きなテーマだと思うんですね。今、報道でいろいろこうやっていると何か事あると児童相談所はどう対応したかとか何か責任がですね、そこに全部対応の―皆さん方の対応によっては防げたんじゃないかみたいな感じでマスコミもそういうふうなことをやるんだけど、こんなことでいいのかなと私は思っているんですよ。だから、そうなると児童相談所で頑張っている方々も自分たちが一線を引いて責任が負えない分、自分たちの責任の範疇の分しか対応できないということになると、これ非常に厄介だなということと、じゃ自分で何ができるのかなという思いがあって、私は個人的にはですね。やっぱり子供たちをちゃんと育てていくには夫婦―うちの妻もそうだけど―この人と仲よくしないといかんとずっと思っているんですよ。だから30年くらい相当意識してやっているんですよ。今も文句は言われるけど合わせて、この人と夫婦だからしっかり合わせてやっていくというしかないんじゃないかなと思っていて、それが子供をちゃんと育てていく基本だなと思っているんですね。だから、我々が自分で自分の子供を育てるとか、自分の家庭は自分でこうやっていくとかということをまず考えていかないと、自分の家庭もうまくできないのに外でどうのこうのと言えるような立場じゃないですよね。だから改めて夫婦仲よく、本当に心が通い合ってやっていかんとなかなかうまくいかんなという思いがありますから。もちろん児童相談所が頑張っていって、こういうふうなこうやらんといけませんけど行政はほかの立場で―結局、幾ら社会がどうのこうのと言ったって、そこはもうその家庭が中心になるわけですから。その家庭をうまく信頼関係で子供たちも一緒にうまく育てていくという、この広報というか何かそういう風潮をつくっていかないとですね。それは対応は児童相談所がやります、民生委員がやります、警察がやりますというそういうやり方をしてはなかなか厳しいんじゃないかなと思うんですけど、児童相談所から見てどうですか、今の対応のありようというのは。

○都倉稔中央児童相談所長 ありがとうございます。児童相談所への思いもありがとうございます。また、夫婦仲よくというのは非常にいいかと思います。
 私たちのところにこう相談に来る、あるいは市町村での支援を利用するお父さん、お母さん、親ですね、やはりさまざまなそのお父さん、お母さん仲よくできればいいですし、その親自身もその親に―子供からしたら祖父母ですけども―愛情を持って育てられていて、その愛情の与え方がわかって、やはりその夫婦が仲よくやるようなことが一番なんです。ただ余りその家庭にだけにもっとちゃんとしなさいということだけだと、なかなかそれだと余計に今度はその家庭が孤立してしまいがちなんです。今、この場でなかなか難しいのは、その家庭にとってそれぞれ、いろいろなさまざまな課題があるんですね。それをこの市町村の要対協ネットワークでこの家庭の課題とは一体どうなんだろう、こういうところはいいけどもこういうところがちょっと課題、問題だな、こういうとこが足りないんだよな―その足りないところが十分私たちは支援できているのか、まさにその今、お話があったとおり、私たちが何ができるのか、今ある支援だけではなくて、例えばそのショートステイ、障害ではなくて親が気軽に預けられる場所、あるいは夜間のトワイライトステイ、夜だけでも預けられるような場所。さまざまな家庭のニーズに合わせた支援がやはり求められているのかなと思います。ありがとうございます。

○照屋守之委員 最後。先ほどの685件とありますよね。これはあれですか、41市町村ごとのそういうふうなデータもあるんですか。件数もそういうのあるか。

○都倉稔中央児童相談所長 業務概要のほうに出ております。

○照屋守之委員 ということは、それぞれの市町村は例えばそういうふうな形でそういう家庭があるよ、向こうは注意しないといけないとかというふうなものをある程度データ化して、そういうふうな対応という体制というのはもう整っているんですか、市町村ごとに。皆さま方と連携をとって。

○後野哲彦コザ児童相談所長 要対協というのがまあ市町村にはありますし、その中で関係しているケースに関してはですね、進行管理も行っていますので、ある程度対応はできているとは思います。ただ、先ほど委員からもあったように、やっぱり市町村によっては職員体制であるとかですね、そういった部分でやっぱり少し若干の差があったりするところはあるかなと。ただ、児童相談所としては、そういったところにも職員を派遣して―個別支援会議といいますけど、ケース会議、小さな会議も参加していろいろ助言をしたりとかですね、こうこうこういうふうにしてくださいということでやったりだとか、電話があれば相談にも応じて一応アドバイスをしたりしながらですね、後方支援を継続するところです。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 亀濱玲子委員。

○亀濱玲子委員 ありがとうございました。私はせっかく2つの児相が来られているので、その体制について質疑をさせていただきます。
 現在、虐待件数、通報件数や相談件数が大幅にふえているということで、例えば初動対応のチームをそれぞれ、あの御遠慮なさらずにね、自分たちは職員をふやしてほしいとお願いしているんだということではなくて、初動対応のチームがこれだけふえたのにハイリスクのところを中心に活動したいんだけれど、それには手をとられるというためには初動対応の班、チームがあとどれくらいあればそれにしっかり、まずは通報件数には対応する、それがリスクが高いものについてはしっかりと腰据えて相談を受けるとしていくというような、この役割というかすみ分けが必要かなと思って。今でも初動対応のチームはあるわけですけど、それがどういうふうに、何て言うのかな、充足していけば、しっかり対応、いわゆるこのどんどんふえていく傾向にある相談件数に対応していけるというふうにお考えかを聞かせてください。

○後野哲彦コザ児童相談所長 私自身も児童虐待の初期対応を10年やっていましたので、何とも答えづらいところがあるんですが、正直なところですね、まあやってもやっても切りがないというのは正直なところです。今回やっぱり非常に心配しているのは、国が求めている48時間以内の安全確認というものです。札幌とかいろんな児童相談所でそれができていなかったということで非常に大きな課題となっていますけども、48時間というのは2日間。丸2日間の間にということであれば当然、児童相談所はじゃあ24時間体制をしかないといけないのか、警察みたいにというのが出てまいります。実を言いますと、沖縄子供虐待ホットラインというのが今、中央児童相談所のほうに敷設されていまして、そこで行われている児童相談所閉庁後、あるいは土日、夜間の対応に関しては相談体制が24時間、相談の受理体制が24時間なんです。そこに職員を24時間、宿直だとか夜勤で張りつけているわけではありません。まあ、ここにいる班長とか主幹がですね、スーパーバイザーが当相談所の公用電話を持ち帰って自宅でその公用電話で対応している状況になります。必要があれば、児童相談所長に連絡が来て、時間外命令で出勤するという形になっております。今後、委員がおっしゃるように十分にハイリスクに対応するというのであれば警察が求めるように24時間児童相談所の体制も必要なのかもしれませんけども、実際他県の状況を見ても、今、児童相談所がある程度24時間でこのケースワーカーを待機させているのは恐らく宿直をやっている大阪―ただ大阪は全国13万件のうちの1万件を大阪が持っておりまして、非常に件数が突出しているところであります。大阪の府警は、府警の中にわざわざ虐待対策課というのを特別に警察は設けていて、それだけ注力しているところであります。沖縄県の児童相談所としても実際そういった体制がどういうところになるのか、あるいは職員も本当にそこまで組めるのかということに関しては、両児相との会議の中でも今、こういった検討委員会をやらないといけないんじゃないかというのは、せんだっての両児相会議でも―青少年・子ども家庭課も交えてですね―話し合いをしたところであります。今後も、いろんな話を聞きながらそういったところも検討できればなというふうには考えております。

○亀濱玲子委員 児童相談員が多いというようなことは、児童福祉司が多いというのもあるので、例えば退職した職員をOB・OGの活用というのも含めて、この―今、皆さんはこの電話を持って交代で当番されたりされるわけですよね。24時間、それでも縛られている状況が職員の中にあったりするわけですから、退職した職員を活用していくということに関してはいかがですか。

○都倉稔中央児童相談所長 私たち、本県のほうでもOBの活用ということで外部専門家としてお願いをしたり、あるいは警察OBの活用をしたりさまざまな形でお願いしているところです。ありがとうございます。

○亀濱玲子委員 ありがとうございます。
 宮古分室もね、つくっていただいたんだけれど本当に職員が、負担が大きくてどんどん、まあ疲弊していくという言い方は変ですけど、頑張れば頑張るほど本当にこの方がつらい勤務態勢になっていくという状況があるんです。全国で2000人ふやすと言っても、これじゃあもう足りないよというのが現場の声です。なので、これについてはしっかり相談をされて、必要な人数、マンパワーをふやしていくということは、これは、何ていうの、引けない話なことなのだという要求をですね、しっかりと組み立てて私たちもまたそれを要求をしていくということを共有していけたらなというふうに思います。
 もう一点。要対協が41市町村それぞれ温度差があります。取り組み差もあります。要対協の今抱えている課題、これは何かということを端的に教えていただけたら助かります。

○後野哲彦コザ児童相談所長 まあ端的にということでしたので、福祉の分野だけにかかわらず全国的にだと思うんですけど、まずはもう人材確保ですね。そして委員のほうからも経験年数とかいろんな部分がありましたが、実を言いますと、市町村も平成16年から法改正で家庭児童相談をやりなさい、児童虐待の初期対応をやりなさいと決まってはいるんですけど、まあもう十何年たってはいますけども、やっぱりそういった専門のやっている職員というのは児童相談所ですらやっぱりいない状況ですので、そこら辺のその専門性を高めるという意味での課題ですね。児童相談所自体の職員のこの資質の向上とかいろんな研修は厚生労働省が委託している、横浜にあるこどもの虹という研修センターがございます。そこに定期的に職員を出向かさせ、研修で行かせて研修を積んでいる。ことしからは明石のほうにですね、同じような研修センターができましたので、もっと進むとは思うんですけども、じゃあ沖縄県内の市町村の研修はどこがやりますかということが以前から課題になっていまして、児童相談所が後方支援ということでやってはいるんですけども、そこにやっぱりその子どもの虹がやっているように、市町村が受けたいときにこの職員をどんどん派遣できたりだとか、そういったシステムになっておりません。先ほど、スライドでもちょっと御報告しましたけども、本庁と調整しながらですね、こういった市町村への支援員みたいなのをまあ増員ですね―正職員の増員に関して一応相談をしているところです。

○亀濱玲子委員 もう一方で学校の課題についてお聞きします。虐待や不登校に対する専門の―対応する専門の教員が欲しいというのが現場からの声だと思うんですけど、これについて沖縄の状況はどんなでしょうか。

○都倉稔中央児童相談所長 学校のほうにもスクールカウンセラーとあわせてスクールソーシャルワーカーがいたり、あるいは先日の死亡事例のほうでもやはりスクールロイヤーの制度が欲しいという現場の声もあります。またこれは私たち児童相談所としては直接お話しできませんが、先日も校長研修会あるいは教頭研修会のほうでも今、こういう児童虐待のことについてお話をしたり対応のことについてお話をしながら、そういった一翼を担っているところでございます。

○亀濱玲子委員 子供家庭総合支援拠点というものをつくるとしたら、何に特段こういう、とりわけこういうことにというその力点ですね、これを教えていただけたらと思います。

○後野哲彦コザ児童相談所長 まあ、やっぱりここで、新拠点の中で、あれなのは今までケースの進行管理というのがですね、この市町村の家庭児童相談員、とりわけ非常勤の方がやっている状況がございました。大きな市であればですね、例えば那覇市なんかは那覇市立病院がございますので、あの病院の中にあるカルテのシステムみたいなのを使ってケース管理をされているというように聞いております。でも町村の場合だとそういった児童相談に関する―我々はまあ沖縄県のほうでこの相談支援システムというのがございまして、そこで相談情報を管理しているわけですね。そういったのを町村とかというところではなかなかそういう導入がやっぱり難しい。そういったその電子媒体を使ってのちゃんとケースの情報の管理であるとか、つまり何々さんというケースでそちらで以前どうなっていますかというのをやったときに、その相談員さんがいないとわからないみたいなところがあったりするんですよね。ですから、そういったところで支援拠点を入れて、具体的にそういったケースの進行管理、ハード面も含めてですね、整備が進むと大分見えてくるものがあるのかなというふうに考えています。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 比嘉京子委員。

○比嘉京子委員 虐待死についてお聞きしたいんですけれど、まあ年間40人から50人というのがよく言われているところですが、小児科学会等ではさらに多いだろうというような予測もあります。皆さんから見ると、やっぱりどれくらい埋もれているというふうに推察されているんでしょうか。

○後野哲彦コザ児童相談所長 小児科学会が発表している数字は確かにもっと多いだろうと言われていまして、法医学の中で出ている―これは、なぜそうなるかということは、僕も文献で読んだ範囲でしかあれなんですけども、当然その虐待というのは加害行為ですので、そこにやっぱり他者による暴力による体の損傷とかですね、そういうのを確認できたときに虐待というふうに認定されます。でも、明らかに子供が亡くなっているけどもその死因がはっきりしないもの、いわゆる乳児突然死であるとかですね、そういったその赤ちゃんの死亡に関してはなぜここで呼吸がとまったのか、心臓がとまったのかというのがはっきりしない。でもそのおうちはすごい子供の数が多くて赤ちゃんはベビーベッドじゃなくて、ほかの子供たちと同じように布団に雑魚寝だった。そこで両親は近くでたばこをいっぱい吸っていたとかですね。その中、それはどうなんだ、子供に直接的な何かがあったわけではないけれども、養育環境上どうだったというのは非常にラインとしてはあるのかなあというのは思います。ですので、この死因がはっきりしないものが小児科学会自体はですね、そういった虐待の環境があったんではないかというので数の差があるというふうに聞いております。

○比嘉京子委員 もう少し、この間の栗原心愛ちゃんの件からですね、皆さんもそれは検証されていると思うんですよね。その検証の結果を少し知りたい―言える範囲でいいんですけれども、どこにサインがあって何をすることができなかったのかということをまずお聞きしたいのが、制度の面なのか、人員の面なのか。先ほど言った電子カルテ的な、移転したためにおける連絡の問題なのか。やっぱりこれは多くの課題がそこの中から見つかるんではないかというふうに思いますが、我々も報道の範囲の中でしかわからないので、やっぱり制度としてどういうところを我々が今後強化すべきことなのか、そういうことが少しでもそこから得られるならばというふうに思っているんですよね。それで、そこら辺の検証をどうだったのかという点と、その中から見えてきた我々ができることは何なのかと、この2点についてお聞きしたいと思います。

○都倉稔中央児童相談所長 今の件については、現在、私たち県のほうでも、あるいは糸満市のほうでも検証委員会を進めているところです。そちらのほうで出てくるのかなと思います。一方でまた、国のほうも今、中間報告という形で出ております。県としても今後進めて、検証については進めていきたいと思っています。済みません。

○比嘉京子委員 つまり、これは今調査中というか検証中だから途中経過だからということなんでしょうか。まあ似たようなことで移転したとかいろんなことで見落とされてきたことというのがたくさんあると思うんですよね。だからそのことを踏まえて、例えばどれだけ増員すべきなのか、どこの辺に注入すべきなのか。そういう連携プレーというのが、市町村とのね。やっぱりここは本当に何といいますか、しっかりと洗い直して課題を出してほしいというふうに思っています。先ほどから皆さんがね、お聞きしているからまあいいんですけど、その結果はいつごろ、目安に出てくるんでしょうか。今、県でやっている検証結果。

○都倉稔中央児童相談所長 済みません、今、県のほうで進めている日程のことは申しわけございません。手元に資料がございませんが、お話があったとおり検証結果を待つまでもなく私たちとしても、県としても、例えば転居の際のそのケース移管、情報提供のあり方について県のほうから市町村のほうにも通知をしながら、また2月には各市町村の会議のほうでも説明したり、私たちとしても例えば相談のあり方、どういうふうにしていこうかとか、あるいはDVとの関連性、またそういったところについて私たちとしても今、再度改めて今、対応はしているところでございます。

○比嘉京子委員 県の結果だけではなく、皆さんの中ではある程度整理がされている。

○都倉稔中央児童相談所長 現時点で私たちができることについてはやっているところでございます。

○比嘉京子委員 その範囲の中ではなかなかお伝えすることはできない。

○都倉稔中央児童相談所長 そうですね、今、これから検証結果を待って、また公表していく形になるかと思います。

○狩俣信子委員長 あとどなたか。もしなければ私、きょうは相談班長としてお二人見えてますので、お二人からまた御意見、最後にお聞きしたいと思います。
 ほかに質疑はありませんか。
 次呂久成崇委員。

○次呂久成崇委員 ちょっと1つ聞きたいのがですね、この市区町村子ども家庭総合支援拠点の設置なんですが、これ県内のほうでこの市町村の設置状況というのはどうなんでしょうか。今、促進するということだと思うんですけども。

○後野哲彦コザ児童相談所長 済みません、今、那覇市だけになりますね。ただ検討中の市町村もありまして、沖縄市はこの間課長とお話ししましたとき、一応次年度に向けて調整中だというお話でしたので、まあ続々ふえてくるかなというふうに思います。

○次呂久成崇委員 先ほどからですね、いろいろ御説明を聞いていてですね、やはりこの虐待の発見とか、やっぱりタイミングというんですかね、それがやっぱり大事かなと。それで、先ほどからずっとおっしゃっているこの市町村のやっぱりアンテナという部分では、この設置をすることによって早く虐待がですね、発見できるということで、この設置はやはり促進をやっていくべきだというふうに思うんですが、ただ、今、私もさっと見るとこの拠点となるには、やはり職員の配置がありますよね。その資格、有資格者がやはり見るとハードルが高いというか、どの分野でも今人材不足と言われている医者であったりとか保育士であったりとか、従事者関係ですね、というのがあるので、やはりそういうふうになると人材育成にやっぱりつながってくるのかなというふうに思うんですが。ですから、この設置を促進していくという上では、やはりこの人材育成というところも人材育成、そして人材確保ですね、それをやっぱり県のほうでもしっかり取り組んでいくことが市町村もその設置促進につながっていくのかなというふうに思っているんですが、いかがですかね。

○後野哲彦コザ児童相談所長 ありがとうございます。この家庭総合支援拠点の設置の運営等についてという中で、いろんなこの資格が、お医者さんとか社会福祉士とかいろんな資格が出てるんですけども、最後のほうにですね、当分の間、厚生労働大臣が定める基準に適合する研修を受けた者も認めるとするというのがございまして、この研修は何の研修なのかということを国のほうに確認しましたら、児童福祉司任用前研修というのがございます。児童福祉司も同じように社会福祉士の資格を持っていないとできないということになってはいるんですけども、その資格がなくてもこの任用前研修というのを受ければ準ずる形で認めてですね、スタートできるというものでその研修を市町村に提供できれば、次年度、社会福祉士資格がなくても、もってそういった有資格者でなくてもですね、この研修を受けた形で当面の間この事業に該当するということになるのかなというふうに考えていますので、その点については今後また所管である青少年・子ども家庭課とも調整しながら、市町村にも声をかけてふやすことができたらなというふうに考えています。

○次呂久成崇委員 じゃあ当面はその研修を実施するのが県の一つの役目かなというふうに思いますので。ありがとうございます。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。

○狩俣信子委員長 質疑なしと認めます。
 それではきょうはですね、中央児童相談所とコザ児童相談所からそれぞれ相談班長さんに来ていただきました。一言、ぜひ、これだけは言っておきたいとかいうのがございましたらお願いします。
 まず、富永相談班長からいきます。
 富永政人中央児童相談所班長。

○富永政人中央児童相談所班長 ありがとうございます。きょう、両児童相談所長から話があったとおり児童虐待問題は社会の問題でして、決して児童相談所だけではなかなか解決が難しいというところがありますので、警察初め関係機関との連携というのが必要だなあというところとですね、あと、日ごろ対応をしていて感じるのは、やっぱりいろんな課題を抱えた保護者といろんな課題、いろんな支援が必要な子供たちがありますので、その中で最悪なこの児童虐待の死亡事例に至るどこかで―例えば経済的な問題が解決されていたらとかですね、保護者のほうの何らかの病気が病院へ行って少しでも改善されていたらとか、この死亡事例に至るどこかでですね、直接たたくというところだけに着目するのではなくて、そこに至るいろんな背景がですね、条件が変わったら死亡事例に至るというところを防ぐ、防げるかもしれないと考えたら―例えば母子を支援するシェルターとかもいろんな、この母子が利用しやすいいろんなシェルターがあったらいいなとかですね、県のほうでも力を入れている貧困対策のほうでやっぱりまずやるのは、地域のほうにいろんな支援、子供の貧困の支援の場所をつくってそこに支援する職員をふやしてという形でいろいろふえていっているというところも、一つは児童虐待の防止というところにつながっている現状があるのかなと思いますので、児童相談所としても関係機関と連携して、対応していきたいなと思っております。

○狩俣信子委員長 ありがとうございます。
 それでは、宮城美奈子コザ児童相談所班長。

○宮城美那子コザ児童相談所班長 ありがとうございます。きょうはまずこういう場に呼んでいただいて非常に感謝申し上げます。どうもありがとうございます。先ほどから所長含め相談班長のほうからも児童相談所の現状であったりだとか課題であったりとかということについて申し上げさせていただいてはいるんですが、私はちょっと済みません、こちらちょっと所感という形で個人的な意見もちょっと申し上げてよろしいでしょうか。

○狩俣信子委員長 どうぞ。

○宮城美那子コザ児童相談所班長 私も児童相談所に10年近く勤務しております。年齢的にはもうこういう年齢になっておりますが、若いときにきょう後ろに傍聴しております職員も、うちの相談所の職員、2年目、3年目になる職員ですね。彼女はまだこれから自分の生活設計がありますけども、私たちのように自分の子供たちを抱え、自分の家庭も抱えて子供も育てながら業務をしていると家庭との両立であったりとかというところが難しいなという部分も感じておりますし、また、相談をしている中でかかわっていくお母さんたちにもですね、誰にもSOSを出せずに困っている状況があるんだけれども、こういう児童相談所が介入をして親子を分離をするという、そういう局面にならないと自分の心情を吐露できなかったというか、厳しい状況にいたお母さん方とかかわっていくと、彼女たちが言っていた言葉の中にずっとお話ができる友達が欲しかったというようなことを言っていただく場合もあるんですね。なので、自分の子育てもしながらそういうお母さんたちとの話をしていくと、いろんな思いが複雑に絡み合ってはくるんですけれども、こういう支援が必要な方たちに対する支援をどういった形でやっていくのか―先ほどから制度の話とか人材の不足の話とかを申し上げておりますけれども、その中で体制も整えていきながらでも本当に隣のその方に寄り添って、本当にその隣の方とお話ができる関係性をどう社会の中でつくっていけるかというところを皆さんと一緒に考えていきたいなというふうに思っております。済みません、所感で申しわけありませんけれども。以上です。

○狩俣信子委員長 ありがとうございます。
 本当にきょうはお忙しい日程の中をね、皆さん来ていただいて本当にいろいろ具体的なお話を伺うことができて大変よかったと思います。本当に虐待問題というのは本当に児相だけの問題ではございませんし、沖縄県全体でそれをどう取り上げていくか、どう対応していくかというのがこれからも大きな課題になっていくと思います。私たち、きょう聞いた文教厚生委員会のメンバーはですね、これからまたいろいろと何かあるたびに関心を寄せてサポートができる部分はしっかりやっていきたいと思いますので、本当にきょうはありがとうございました。お疲れさまでした。
 どうぞ御退席ください。
 休憩いたします。

   (休憩中に、執行部退席)

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 以上で、児童相談所の現状と課題についてに対する質疑を終結いたします。
 休憩いたします。

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 次に、乙第23号議案損害賠償の額の決定についての審査を行います。
 ただいまの議案について、病院事業局長の説明を求めます。
 我那覇仁病院事業局長。

○我那覇仁病院事業局長 それでは、乙第23号議案損害賠償の額の決定について、議案説明資料に基づいて、御説明いたします。
 本議案は、医療事故に関する損害賠償額について、地方自治法及び沖縄県病院事業の設置等に関する条例の規定により、議会の議決を求めるものであります。
 事故は、平成26年11月17日に県立中部病院において、前立腺がんの患者に対し、前立腺全摘出術を行ったところ、同年11月20日、意識障害と低酸素血症を発症し、肺動脈塞栓症と診断されました。その後、肺動脈を閉塞している血栓に対して吸引処置等が行われましたが、同年11月29日に残念ながらお亡くなりになりました。
 当該事故については、平成28年2月から那覇地方裁判所で係争中でしたが、平成31年3月、沖縄県議会の議決による承認を得ることを条件として、損害賠償600万円で和解の合意に達しました。
 同病院においては、病院内に医療事故調査委員会を設置し、事故原因の究明を行うとともに、病院独自で肺血栓塞栓症に関する予防マニュアルを作成し、院内での運用を徹底するなどの再発防止策を講じているところであります。
 以上で、乙第23号議案の説明を終わります。
 御審査のほど、よろしくお願いします。

○狩俣信子委員長 病院事業局長の説明は終わりました。
 これより、乙第23号議案に対する質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないよう簡潔にお願いいたします。
 また、この際、執行部の皆様に申し上げます。
 答弁に際しては、要点をまとめ、要領よく行い、円滑な委員会運営が図られるよう御協力をお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 照屋守之委員。

○照屋守之委員 これ、平成26年の事故ですけど、これまで時間かかっているというのはどういうことですか。

○大城清二病院事業総務課長 お答えします。平成28年の2月に訴えが提起されたんですが、その後お互いにですね、弁護士―訴訟代理人として弁護士をお互い立てましていろいろ議論、いろいろ話し合いをしてきたところなんですけれども、一応原告側のほうはこの患者が死亡したのは前立腺全摘出後に発生するリスクのある静脈血栓塞栓症について適切な予防措置等がとられなかったことに原因があるという病院側の過失を申し立てているんですけども、一方被告である沖縄県のほうは、この前立腺全摘術後に発生するリスクのある静脈血栓塞栓症について適切な予防措置はとられているということで、その予防措置が仮にとられていなくてもその予防措置がとられなかったことがこの死亡の直接の原因とは言えないということで、それについて一応お互いに争いになって、それが今回のこの和解に至るまでに時間を要した原因の一つということになっております。

○照屋守之委員 これは訴えをしなければ県は相談には乗らないということなんですか。裁判を起こさなければ、そういう相談には乗らなくて、済ますということなんですか、今の言い方は。

○大城清二病院事業総務課長 一応、病院のほうではそういった医療の処置について疑義がある場合は、それをきちんとこの原因について院内でも調査して、当然その患者さん、それから家族のほうにきちんとその原因について過失があったのかどうかとか、そういったことについては説明は行っているところでございます。

○照屋守之委員 ということは、これ遺族の言い分と病院の言い分が違うということですから、今の病院の対応については遺族からクレームがついてそういうことについて自分たちの言い分があってということだから、これは裁判にならんとそういうふうな解決はできないということの理解でいいんですかね。

○大城清二病院事業総務課長 繰り返しの御説明になるんですけれども、そういった患者、それから患者の家族のほうからそういう申し立て、話があった場合にですね、一応病院のほうとしては事故の状況調査、それから原因究明等を行ってその発生事案と病院が責任との因果関係について検証し、病院に非がない場合は患者側に対し医療行為の内容、原因等について、適切な医療行為の過程で行った結果であるというようなことを丁寧に説明はさせていただいております。また、仮に病院のほうに過失があった場合でも同様に原因、それから内容については患者側のほうには十分説明を行い、理解を求めているところでございます。ただ、どうしてもその説明等について、相手側のほうが納得がいかないというようなことになった場合には、今回のような形で訴え、裁判に至るというようなケースになるというような状況でございます。

○照屋守之委員 これやっぱり、亡くなられた患者さんもそうだけど、遺族に対して失礼ではありませんか。結果的に裁判を起こしてですね、こういう形で600万円を県が支払うということになっていますよね。それはやっぱり県の過失を認めた上で金額的に和解をしたということなわけでしょう。そうすると当然、これは裁判になろうがなるまいが、患者さんの遺族の言い分と病院側の言い分は違ってそこの中で折り合いをつけてどうしますかというふうなことは、当然この前の前提でやるべきなんじゃないですか。これ、今のような話を聞くと、裁判でやったら県が勝つという前提の話じゃないですか。これを今、県議会に対して補償額を責任を認めて600万円というものを提示しているわけでしょう。これ県民に対してどう説明するんですか。何でそういう責任があるんだったら最初からきちっとそういう話し合いのもとでできるわけでしょう、おかしくないですか。

○大城清二病院事業総務課長 今回の事案につきましては、原告側のほうからこの患者が死亡した原因については病院側に過失があってそういう結果に至ったというような申し立てがあったと。それに対して県のほうは、そういう死に至った原因については県のほうには過失はないということで、お互いに話し合いでは決着がつかなかったということで訴訟に至っているわけなんですが、今回那覇地方裁判所のほうが、公正中立な医療機関にこの鑑定を依頼したところ、本件手術の術後における肺血栓塞栓症の予防措置は当時の医学的知見に照らして適切であったとは言えないと。これは病院側が対応した措置については適切ではないというようなことではあるんですが、一方で本件で術後に間欠的空気圧迫法が行われていれば、患者の肺血栓塞栓症の発症ひいては死亡という結果を防ぐことができたかどうかについては定かではないというようなことがありまして、死亡について因果関係があるとまでは言えないというような鑑定結果も出されております。今回、和解案として県の病院事業局のほうから議会のほうに提案させた理由といたしましては、これは訴訟代理人の弁護士とも協議した結果ではあるんですが、この鑑定の中で因果関係が認められないということではあるんですけれども、やはり患者が亡くなったという重大な結果が発生したということに対しては、慰謝料として原告のほうから600万円の和解を求める提案がありましたので、それについては弁護士と協議した結果、和解を受け入れるべきだということで判断して、今回議会のほうに提案させていただいているところでございます。

○照屋守之委員 これは皆さま方の責任があるから裁判の―和解も含めて成立してこの600万円というものがあるわけでしょう。責任はないのに申しわけなかったという、そういうふうな意味合いでのこの補償なの。だって、我々は県議会ですよ。県民にそういう形でそういう事態が起こってこれをどうするかと、県議会で審査をするというのはやっぱりこれだけの補償をやらないといけないということになればそれは当然、それをやった県当局に責任があって金額の調整をした結果そういうふうになっているという、そういう理解ですよ。責任もないのにそういう損害賠償を払うということは根本的にあり得ないでしょう。だって皆さま方が責任を認めなくて、第三者がそういうふうなものはあったと認めたらさ、それは皆さま方に対してそういう過失があったということになるわけでしょう。それが根拠になってそういうふうな金額になっているんじゃないですか。非常に中途半端な説明ですね。相手は、患者は亡くなったんでしょう。亡くなって、遺族はそういうふうな形で申し入れをしたら、いや我々にはそういうふうなものはない、皆さん方が言っているようにそういうような過失はないと言って蹴飛ばして、裁判になったら第三者から客観的に見たらそういうふうな処置の仕方が悪かったということが判明して、話し合い、協議をしたらそういう形で補償額を決めた。こんなやり方がありますか。県立病院ですよ。

○我那覇仁病院事業局長 私は現場にいた期間が長いんですが、やっぱりそういった医療行為あるいはその結果に対して患者さん側から不満があるというのは少なからず経験しております。まずそういったことが発生した場合はですね、我々がやった医療行為とかあるいは術後の管理とか、まず丁寧に説明をします。多くの場合にはそういった説明が不十分なままで患者さんが医療側に不信感を持つと、そういうことも少なくありません。そういった場合に、医療事故、あるいは過誤、あるいは死亡に至る場合にその因果関係が非常に微妙なところである、あるいははっきりしないという場合には、それぞれ関係者と話をして、何回か話をしながらこれは患者さんが納得できるのか、あるいは納得できないのか、そういうふうな方向で話を進めてまいります。こういった件に関しては、いろいろ説明したんですけどやっぱり患者さんが十分に納得することができなかった。これはですね、今、説明しましたとおり、前立腺がんの手術そのものは全く問題なかったんですけど、事前に肺血栓症を予防するために間欠的な圧迫をするとか、ストッキングをするというふうな話を患者さんにしたんですけど、残念ながら術後そういったことがうまく伝わらなくて間欠的な圧迫をしなかったと。そういうことが一番の患者さん側の不満といいますか、訴訟に至ったものだと思います。先ほど言いましたように、これやったからといって完全に死亡が、塞栓症が予防できるわけではありませんけど、一般的な治療のガイドラインとしてそういうことがありますので、それはやはりやるべきであったという結論になろうかと思います。

○照屋守之委員 何か言いわけめいたことを言っていませんか、病院事業局長は。これだからそういう術後も、手術もそうだけど、術後の処置も含めて病院側の非があるからこういう形で補償しないといけないということになっているわけでしょう。それを非はないのに相手の補償をするようなそういうふうな形で亡くなられて、今そんな言い方ですよ。ちょっとおかしくないですか。それと、これ最初打ち合わせして、これは病院の責任じゃないですか、いや、我々の責任じゃありませんといろいろやりとりして。これそのまま遺族が訴えなければこういうふうな補償まで発展しないわけでしょう。そのまま泣き寝入りして、ああもう病院もそう言っているんだといってさ、こういう患者さんも結構いるんじゃないですか。これは裁判にならなければこういう事案は出てこないでしょう。こんなやり方をしているんですか。県立ですよ。

○金城聡病院事業統括監 今回の訴訟については、原告のほうがかなり―局長のほうからも話がありましたが、医療行為に対する不満がありまして、それについて法律上の紛争を提起する形で訴訟になっております。訴訟の訴訟物としては、病院の職員が行った行為が不法行為であると。こうむった損害が、その因果関係があるというふうな不法行為論ですけれども、その要件要件を見ると、必ずしもその要件を具備していないというふうに病院事業局は考えていて、それを裁判所に訴えてきたわけですけれども。相手方もですね、その苦情が大きいもんですから、不満が大きいもんですからそれに基づいて鑑定書の依頼とか、いろいろ手続をとりまして―課長のほうからもありましたが、先ほどあったような鑑定を裁判所が徴収するような手続になってちょっと長くなっております。病院事業局としては、不法行為としては成立しないという考え方は基本的に持っておりますけれども、裁判を進行する上で判決を受けるという方法もありますけれども、双方の紛争を実質的に解決すると、解消するという意味において和解という方策がある、裁判所の中で認められていますので、裁判官が勧告をされるよりも前に双方の弁護士の間で協議をして、当事者間の紛争を解決するために金銭の授受をもって解決することができればというふうな協議がなされて、その損害賠償という形の額が今回600万円ということで議案として議決を得たいなと思いますけれども、その額は病院事業局が経済活動を営む上で今後将来、訴訟を維持することも考慮した上での負担とですね、今実質的な紛争を解決した上で得られる利益を考慮したものだというふうに思っております。弁護士の専門的な知見に基づいて訴訟を維持することがいいのか、判決を受けるのがいいのか、今終結するのがいいのかという観点からの御意見があったので、局としても弁護士の意見と同じ意見になったものですから、そういう方向で裁判上の和解をさせていただいて、司法的解決を、今回終結させたいというふうに考えているところですね。

○照屋守之委員 今、説明しているのはこれ本当のことですか。この起こった事案に対する責任問題ということではなくて、この紛争を長引かせたら双方に利益がどうのこうの、皆さん方の利益にならないから、紛争を解決するために和解をして600万円という、こういう説明ですか。我々は県議会ですよ。皆様方がやった行為について、これは責任があるから当然亡くなられた患者さんの遺族に対してそういうふうなものをやらないといけないということがあるから審査するんですよ。責任問題は棚上げにして、単なるこういうふうな長引かせたらどうのこうのって、紛争を解決する、これからの裁判になるとまた費用もかかっていくとか、何かそういうふうなもので解決してこれで600万円で和解しましたっていう、こういう説明が議会に通りますか。我々は責任があるという前提でこれをやっているんでしょう。皆さん方は責任はないけど紛争を長引かせないために、弁護士の立ち会いのもので解決する。おかしくないですか。当然責任があるからでしょう。私もそう思っていますよ。責任があるからこれは、もちろん手術もそう、術後の対応も含めて何らかの責任があってこれをやらざるを得ないという。責任がなければ幾ら和解でもやる必要ないんじゃないですか。

○大城清二病院事業総務課長 先ほども御説明したんですが、那覇地方裁判所のほうで鑑定を公正中立な医療機関のほうに依頼したところ、本件術後の肺血栓塞栓症の予防措置は、当時の医学的知見に照らして適切であったとは言えないという御指摘もございました。ただ一方で、術後に間欠的空気圧迫法が行われていれば患者の肺血栓塞栓症の発症ひいては死亡という結果を防ぐことができたかどうかについては定かではないという内容で、死亡については、因果関係についてははっきりしないと。ただ適切な処理が行われなかったというような内容が指摘されておりましたので、県としては今回弁護士のほうにも御相談したところ、原告のほうから和解の申し入れがあるのでそれを受けたほうがいいのではないかというようなことがあって、今回和解を受け入れるということで議会のほうに議案として提案しているところでございます。

○照屋守之委員 県は責任がある、責任を認めている。それでこの議案も出して和解も得ている。責任を認めている。この理解でいいんですね。どうですか。

○金城聡病院事業統括監 繰り返しになりますが、今回の医療事故に係る不法行為としての法的責任は成立しないというふうには考えておりますけれども、訴訟を提起された原告の主張とか、今課長からも説明のあった弁護士の助言とかを考慮した上で損害賠償の請求、事件を和解するための額として600万円が妥当というふうに判断したところであります。

○照屋守之委員 皆さん方が責任はないと言っているのに何で補償する責任がこう、議会に提案して我々に審査させているんですか。責任があるからこの和解に応じて金額は600万円というのを決めてやって、議案をつくっているから議会に対して審査をしてくださいということなんだけど、皆さん方が責任ないと言ったら我々、審査する議会は責任がないものをやる必要はないでしょうという話じゃないですか。こんな議案なんか審査できませんよ。

○金城聡病院事業統括監 裁判上の和解ということで今回提起させていただいていますけれども、和解というのは双方の法的主張をお互いが譲歩するというふうな形で和解合意をする形になります。原告側は100%、当初3500万円の請求額でしたので、その3500万円を請求している部分と、県としては損害賠償責任はないという前提で法的主張を展開してきたということでありますが、双方が譲歩をする形で今回実質的な紛争を終結させるための和解の額が600万円というふうなことになっていると理解しております。

○狩俣信子委員長 照屋委員、そろそろまとめてください。
 照屋守之委員。

○照屋守之委員 3500万円から600万円になる。今の言い分だと3500万円がゼロになるんですよ、これは。責任がないんだからゼロなんですよ、和解は。そうしないと皆さん方は納得しないでしょう。何で3500万円が600万円で和解するんですか。大変な問題ですよ、これは。

○金城聡病院事業統括監 病院事業局は経済活動を営んでいる上で和解をすることについては特に議決事項にはなっていませんが、300万円を超える場合に議決を得るというふうになっております。病院事業を営む上では経済活動をいろいろな局面でやるわけですけれども、その裁判においても法的紛争を解決する局面もその一つの局面かなと思っております。

○狩俣信子委員長 照屋委員、まとめてくださいね。
 照屋守之委員。

○照屋守之委員 和解の600万というのは3500万が600万になったというのはそれはもちろん今のように県の言い分、遺族の言い分、全て勘案して調整しながら和解金額が出てくる。それは県の責任がなければ遺族側の一方的な言い分だったら、この和解金額はゼロですよ。責任があるから600万という金額があって、その事実がありながら当事者は責任認めない。これ、県立病院ですよ。県立病院で起こっていることを皆さん方は責任認めないわけで、ただ長引かせたら問題があるからといって自分たちの都合が悪いから和解して600万にする。こんなことを議会に平気で説明して議案を出して、責任があるかといったらそれはない。以上で終わります。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 平良昭一委員。

○平良昭一委員 まず、300万以上の金額であれば議会の議決が必要であるということだけをまず確認させてください。

○金城聡病院事業統括監 地方公営企業法の中で、一定額を超える場合の和解をする場合はその額について議会の議決を得なさいと、条例の定めるところによって議会の議決を得なさいとあって、沖縄県病院事業の設置等に関する条例の8条で、その額を法律上の県の義務に属する損害賠償の額の決定で当該決定に係る金額が300万円以上のものというふうに条例の定めがありますので、その規定に基づいて議案提出しております。

○平良昭一委員 先ほど照屋委員からもありましたとおりですね、こういう議案の出し方に対してのちょっと配慮が足りないなあと。いわゆる損害賠償額の決定についてということの中で、これまでの説明を受けると、その損害賠償3500万円を要求されたのがいわゆる協議をやって和解に達するということの中で600万円だという数字が出てきましたけど、この600万円の数字というのがですね、我々議会の承認を得ないと決定できないというような感じに受けとめられてしまうんですよ、今の文面からするとですよ。いろんな話し合いをする中でだんだんこれが浮き彫りにされてくるわけでありますけど、議会で決定しなさいというような受け取り方にしかとられないとなると、これは我々のところに投げられてもこれどうしようもないわけですよね。我々、医療の関係は全く知らないわけですから―その医療事故がどういうものであったかというものは全く知らないし、これは専門的な立場の中で3500万円から600万円になったというものの根拠をもう少し丁寧に説明すべきですよ。いかがですか。

○金城聡病院事業統括監 県としては、先ほどの照屋委員の質疑に対してもお答えしたつもりでありますけれども、損害賠償義務はないというふうに訴訟上は主張しておりました。したがって、損害賠償額ゼロというふうに考えていたわけですけれども、相手方の主張が必ずしもすり合う形になりませんでしたので、相手方のほうから600万円というふうに数字が出てきております。原告のほうから600万円というふうになりましたので、当方の被告の弁護士サイドもですね、いろいろ判例を調べさせていただいてその上で終結するための額としては相当かどうかという検討をされています。その上で妥当な額だというふうな助言をいただきましたので、それを踏まえて局内部で検討をさせていただきました。

○平良昭一委員 要は県側としたら我々に対しては何も問題はないと。判決できるまで闘ってもいいというような気持ちがあるけど、お互いの代理人の弁護士で和解に向けての協議の中でこの600万という数字が出てきたという判断でいいんですか。そういう判断でいいんですか。

○金城聡病院事業統括監 そうです。訴訟を遂行する上での進行上、いろんな課題があるかと思いますけど、その課題についても弁護士に今、その課題解決の方法の立案についても一任をしております。それは訴訟指揮上当然一任をされないと訴訟進行ができないという立場からだと思いますが。その中で相手、原告サイドの弁護士のほうからいろんな提案があって、県の弁護士という立場も踏まえながらも考慮しつつ、紛争を解決する手段という意味合いでの今回の助言だったというふうに思います。

○平良昭一委員 これまでいろんな経緯を踏まえてきている中で、実例、判例等も踏まえてですね、なかなかこういうのは最後まで、判決までいく事例は少ないものだというふうに私も理解はしているつもりであります。やっぱり和解というのが一番妥当な線だということで、両方の弁護士はそれを協議してきたと思いますけど、ただ私たちは県の立場の中で本当にそれが医療事故だったのかということも知らないといけないわけでありますし、実際600万支払い和解ということであれば、ある面では認めたということになるわけですので、その辺をどう県民の中に理解させるか。県議会をどう理解させるかというのが大事でありますし、そういう面ではちょっとまだまだ足りないところがあると思いますので、和解が普通なのかなあという気持ちはありますけど、その600万という根拠を相手方から示されたということだけであるかもしれませんけど、その中身を我々はもっと吟味する、協議して知る必要があるかなと思ったりもしますがいかがでしょうかね。だから、これもわからないさ。相手が出されたから。我々は知らないでいいものなのか。

○大城清二病院事業総務課長 訴訟なので裁判の結果、相手方が勝訴するという可能性も当然あるわけでございます。実際、弁護士のほうともいろいろ相談の中で、今回先ほど申し上げたように鑑定の結果、死亡に至った因果関係としてはそれは特定ができないと。ただ一方で、その鑑定の中では適切な処置が行われなかったというような、あの術後のですね、そういう指摘もございましたので、実際その鑑定受けて、裁判の結果、先ほど統括監がお話ししたように実際相手方は損害賠償として約3000万円を要求していると。それがもし仮に相手方が勝訴となった場合に、この和解金額を上回る金額に判決が出る可能性もありますし、また県側の主張を受け入れてゼロと、相手方敗訴ということにもなります。それは実際判決が出てみないとわからないという状況の中で、裁判の進行についてより知見の深い代理人弁護士のほうと相談した結果、原告側から今回和解として600万円の和解金を提案するということを受けて、それについてはこれまでの判例とか、あと裁判所のほうもこれは損害賠償額としては妥当性を認めているというようなお話もございましたので、今回600万円の和解について受け入れたほうがよりいいだろうということで判断したところでございます。

○平良昭一委員 沖縄県議会の議決による承認を得ることを条件としてというものが経緯の中にありますので、そこは非常に気になるところであるということで聞いているわけですよ。これは相手側が言うことではなくて、これは行政法上―要するに条例上の問題の中で県側からの条件ですよね。そう理解していいんですよね。

○金城聡病院事業統括監 県が置かれている法的関係においては、300万以上の和解をする場合の額の決定は議会の議決を経ない限り法的に有効になりませんので、裁判所も無効の状態で和解することは認められませんのでそういう条件となっていることです。

○平良昭一委員 支払いはいわゆる病院賠償責任保険に加入しているということでありますけど、年間で支払いをするはずですけど、これ保険金というのは幾ら払うんですか。

○大城清二病院事業総務課長 これは県立病院全て―6県立病院の1年間に支払う保険料でございますが、平成30年度は約4300万、保険料として支払っているところでございます。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 新垣新委員。

○新垣新委員 るる照屋委員や平良昭一委員とダブらないように質疑したいと思います。基本的に今書いている前立腺がん患者に対する手術で前立腺摘出手術が行われると。がんの手術するのはリスクがありますよと。遺族や患者に対して普通は一筆書かすと思うんですよ、これだけのリスクがあるというときに。そういったサインとかの状況、もし裁判でやっているときに普通添付して県立病院の顧問弁護士が臨むべきだと思うんですけどね、そこの件はどう思いますか。まず伺います。普通は手術するとき書くんですよ、サイン。リスクがあるというのは。死亡の確率がありますとか。そういう意味ですよ。

○我那覇仁病院事業局長 全ての麻酔とか、手術に関しては当然ながら術前にですね、患者に対して承諾書というふうな格好でリスクを話して、こういった場合にはどういう処置をしますとか非常に丁寧に説明をしてサインをとると。そういうことで手術は行われています。

○新垣新委員 じゃあその中で大体この裁判になって許容範囲内になりますけど、ちょっとお聞きしますけど、この前立腺がん患者に対して前立腺摘出というこのリスクというのはちゃんと患者、家族に伝えるべきなんですね。承諾を得ると。それは何%ぐらいなります。これ、一応ちょっと厳しいところなんですけどわかると思います。

○田仲斉病院事業総務課医療企画監 お答えします。泌尿器科の手術、いわゆる前立腺とか、ところではリスクは高いと分類されております。この肺血栓予防のガイドラインというのがあるんですが、これが事故後の整備をされた2017年に日本ではしっかり整備されている。それ以前の事故ではありますけど、経験的に予防はしたほうがいいだろうというふうなことでされてます。ただ、このガイドラインにも書かれていますけど、予防と同様に重要なことは適切な予防を行っても完全に発症を予防することはできないことを理解して、患者さんへの説明をするべきだというふうに書いております。例えば、1000名の方が手術されたら1.何名の方が発症されて、予防をすれば半分になるかなという程度、程度と言ったら失礼ですけど、そういう―かなり少ない発症の中のまたさらに少ない予防ができるかという程度のものであると理解していただけるとありがたいです。

○新垣新委員 今、お話聞くと50%手術したら完治しますよ、50%は治らないかもしれませんよ。その中でいろいろ医療ミスで裁判等々があるんです、全国各地でですね、いろいろと。まず前段というのは、このリスクはこうで家族にも治る確率は50%ですよとか、高いとか80%しかないですよ、見込みないけど、でも諦めたくないから手術を受けたいと。先生方、病院を責めませんと。普通ね、一般的に考えたら。患者の家族は諦めたくないと。そういう形で臨んでサインというのは、県立病院―私立病院は裁判だらけだからそういう説明もですね、あるんですよ医者の世界では絶対。県立病院の今の話聞くと、ちょっとこの承諾書書くときに緩くないかなと思って。今後また同じことが繰り返ないかなあと。普通はですね、私立病院ですよ、大手の。もっときつく書きますよ、手術するときに。胃がん摘出するときのリスクはどのぐらいありますとかね。どうですか、病院局長。県立と私立の違いというのはこういった承諾、違うんですよ実は。僕はこれちょっと聞いてきているんですよ、専門家から。

○狩俣信子委員長 休憩いたします。

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 金城聡病院事業統括監。

○金城聡病院事業統括監 医療に関することなので同意書の徴収については専門のほうからお答えさせますけれども、今回の事案は手術自体は成功をしているわけですけれども、術後に行われている看護している状態でですね、肺の動脈に血栓がたまってしまって、それが原因で亡くなったということであります。手術自体は同意書をちゃんと取りつけています。これは手術自体、メスを入れますのでそういう意味においては相手の同意がなくしてはこれは違法行為になりますから同意をとります。これは民間であろうが私立であろうが公立であろうが、これは同じレベルで求められるものだと思います。ただ、先ほどの術後の管理の部分において、県としては過失はなかったというふうには思っておりますけれども、原告側からそれについて違うのではないかということで紛争が生じているということであります。県立と私立ですか、市立の違いがもしあれば。

○我那覇仁病院事業局長 私は県立にずっと勤めていたもので大変申しわけないんですけど、その私立の同意書がどの程度まで詳しく―民間のですね、存じ上げておりません。ただしですね、以前はかなりラフに患者さんに説明したというのは―まあ随分前ですよ、最近はやっぱりこういった医療訴訟が非常にふえてきています。それで我々も可能な限りいろいろリスク、死亡率、合併症、可能な限りもう患者さんがちょっと怖くなるくらいというふうな程度にですね、強く説明する方向で承諾書をもらっているという状況でございます。

○新垣新委員 手術は成功しました。手術後に肺になんか疾患があってこのような亡くなったケースになって、医療事故と訴えられて裁判になってきていると。全国でこのような事例は結構ありますよね。手術したら体力弱るじゃないですか、正直言って。同じことがもうまた繰り返されんかねという懸念をね、私は申し上げているんですよ。病院側の立場もわかるし患者側の立場もわかるし。ありますよね、結構これ。ありますよ実は。だからその件に関して今後、これもう本当にやむを得なく賛成しますけど、今後このようなことがないようにね、丁寧に、病院局長、これを防いでいくべきじゃないかということを、どういう形で今後の反省課題として頑張ると、この考え方をお聞かせください。体力弱っているんですよ、正直言って。違う意味で心臓発作で亡くなったとかこれ結構あるんですよ。だからそこのリスクについて今後どうしますかという。

○我那覇仁病院事業局長 委員からの指摘もありましたようにですね、やっぱり高齢者とかやっぱりなるべく離床すれば非常にこういった合併症は少ないんですけど、やはりこういった大きな手術、高齢者にはそういったリスクが伴うことは少なくないと思うんですね。今回、今度は中部病院は先ほどもちょっと申し上げたんですけど、これ中部病院でだけでなくやっぱりこういった事故というのは今後生かさなくちゃいけないと思うんですね。だからそれに対して医療事故の、なぜそういった、起こったのか、まず調査委員会を立ち上げます。それでいろいろ議論して今後どういうふうにしていこうかというのを一つのマニュアルですね、そういったのを作成して、発生を予防すると。そういうふうな方向で取り組んでいきたいと思います。

○新垣新委員 最後にちょっとお願いしたいんですけど、先ほど民間と県立の違いと。民間の場合は脳腫瘍の手術はこう、専門ドクターがいます。そういったいろんな箇所、箇所、がんでもいますよ。厳しく書きますよ、体力が要りますよと。弱った場合、心臓発作で亡くなる可能性もありますよと。これも手術は成功したけど肺に疾患があったということも含めて、疲労、過労、そういったもろもろも合併みたいなものが、疲労感からはっきりして、ショック死という形もなきにしもあらずと思うんですけど、今後このような第三者機関を巻き込んでですね。何でもかんでも医療事故みたいな、こんなようなケース来たら、毎回同じことが来たら非常に沖縄県の財政も心配になってくるもんですから、ぜひこのようなことがないように今後防いで頑張っていただきたい。事故はもうしようがないですけどね。これはもう防げるところは防いでほしいということで、ぜひお願いして質疑を終わります。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 金城泰邦委員。

○金城泰邦委員 済みません。ちょっとさっきのやりとりでわからない部分があるので確認なんですが、説明にあります前立腺がん患者に対しての前立腺全摘手術が行われた。これは手術そのものは成功したという、さっき御答弁があったと思うんですけど、手術自体は成功したということですか。ちょっと教えてもらえます。

○田仲斉病院事業総務課医療企画監 お答えします。手術自体は無事済みまして、この肺塞栓を起こしたと思われるのは手術後の3日目に起こっているものであります。亡くなられたのはさらにまたその6日後、都合9日ぐらい経過されております。

○金城泰邦委員 じゃ、手術は成功して終わったと。そこは県立病院は何もあれはないと。術後の血栓症は県立病院はその血栓症に対してどこを責任を問われたんですかね。そこを教えてもらえますか。

○大城清二病院事業総務課長 原告のほうからの主張といたしましては、この前立腺全摘出術後の発生リスクを予防するために実施される、静脈血栓塞栓症、それを予防するために行われる適切な予防措置がとられなかったのではないかということで、それに対して病院側の過失があって、結果として患者が死亡してしまったのではないかということでございます。それに対して県側のほうとしては、先ほど申し上げたように術後にこの間欠的空気圧迫法とかそういった予防策を仮に講じていたとしても全ての死亡が防げるわけではないので因果関係はないということで主張して、その主張がお互いに争いが生じてしまったという状況でございます。

○金城泰邦委員 じゃあ手術はそのものは問題なくて、術後のフォローの部分で向こう側が何でこのフォローをやらなかったかということを問題にしていて、こっちはやらなかったけどもやったからといってこれが起こるということはないということを根拠に争ってきたけど、今回それでも和解することになったという流れになるんですか。

○大城清二病院事業総務課長 もう少し具体的に申し上げますと、術後にその予防の対応策として間欠的空気圧迫法というような、ふくらはぎを押してですね、血液の循環をよくするということで、この血栓を起こりにくくするような予防法と弾性ストッキング―少し弾力性のあるストッキングを足首にはくことによって血流を促す、それによって血栓ができるのを予防すると。血の塊ですね。そういった予防策があるんですが、今回その予防策については原告が主張するように実施はしていないということでございます。ただ、当時の担当医師は、この静脈血栓塞栓症の危険性を十分認識した上で注意してその状況―患者の状況を観察して足の運動をですね、背屈運動、そういうのも行うようにということを促したりとか、そういったことをやっていたということで、実際この観察の結果19日までは下肢の浮腫など静脈血栓塞栓症を疑うような症状は確認できなかったということで、そういう予防の対応策を講じることは行ってはいないんですけど、必要であれば当然それを行うような状況は―そういう対応は考えていたけどその必要はないという判断でそれを行わなかったというようなことがあったということでございます。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。

○狩俣信子委員長 質疑なしと認めます。
 よって、乙第23号議案に対する質疑を終結いたします。
 休憩いたします。

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 次に、保健医療部関係の陳情平成28年第79号外29件及び病院事業局関係の陳情第49号の3の審査を行います。
 ただいまの陳情について、保健医療部長及び病院事業局長の説明を求めます。
 なお、継続の陳情については、前定例会以降の新しい事実についてのみ説明をお願いいたします。
 初めに、保健医療部長の説明を求めます。
 砂川靖保健医療部長   

○砂川靖保健医療部長 保健医療部関係の陳情案件について、御説明申し上げます。陳情に関する説明資料をごらんください。
 資料の1ページをごらんください。
 1ページから3ページまでは、陳情の一覧表ですが、新規5件、継続25件となっております。
 継続の陳情25件につきましては、処理方針に変更はございませんので、説明を省略させていただきます。
 続きまして、新規の陳情5件について、その処理方針を御説明いたします。
 36ページをごらんください。
 陳情第36号県立病院の経営体制維持・向上を求める陳情について御説明いたします。
 陳情の内容は、北部基幹病院の整備について十分な検討及び協議を行うことを求めるものであります。
 これに対する処理方針を申し上げます。
 北部基幹病院の基本的枠組みにつきましては、関係者間において、現在も協議を継続しているところであります。
 続きまして、37ページをごらんください。
 陳情第37号の2健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう社会保障制度の拡充を求める陳情について御説明いたします。
 陳情の内容は、1の均等割を廃止するなど、国民健康保険料の負担を軽減することを求めるものであります。
 これに対する処理方針を申し上げます。
県は、全国知事会等を通じて、医療保険制度間の公平と今後の医療費の増嵩に耐え得る財政基盤の確立を図るため、子供に係る均等割保険料軽減措置の導入や国定率負担の引き上げ等さまざまな財政支援の方策を講じるよう国に要望しております。
 次に、2の子供の医療費の窓口負担の無料対象年齢を中学校卒業までとすることを求める陳情に対する処理方針を申し上げます。
 こども医療費助成事業につきましては、県内のどの市町村においても同様なサービスの提供が受けられるよう、中学卒業までの拡大を視野に入れながら市町村と協議を進めていきたいと考えております。
 続きまして、38ページをごらんください。
 陳情第49号の3平成31年度「離島・過疎地域振興に関する要望事項」に関する陳情について御説明いたします。
 陳情の内容は、新任保健師の人材確保及び資質向上等を求めるものであります。
 これに対する処理方針を申し上げます。
 市町村の新任保健師の教育支援につきましては、保健所が行う集合研修や現地での現任教育に加え、平成30年度から、退職保健師を活用した現任教育支援事業を実施しているところであり、引き続き、特定町村の実情に応じた人材育成に取り組んでいきたいと考えております。
 続きまして、39ページをごらんください。
 陳情第53号沖縄県民の生活と国民皆保険制度を守るために国保制度の改善を求める陳情について御説明いたします。
 まず、1の国の定率負担の引き上げ等の実現を求め、国民健康保険料の抑制、引き下げを目指すこと及び2の均等割を廃止もしくは減額することに対する処理方針につきましては、陳情第37号の2と同じ内容でありますので、説明は省略します。
 次に、3の滞納による差し押さえを機械的に行わないよう、国や県から通知を出すことを求める陳情に対する処理方針を申し上げます。
 県は、これまでも、市町村に対し、被保険者の生活実態の把握に努め、必要に応じ、生活保護や多重債務問題等の庁内相談窓口の案内を行うなど、きめ細やかな対応に努めるよう助言しております。
 次に、4の国民健康保険料抑制のため、一般会計からの繰り入れを認めることの処理方針につきましては、陳情平成29年第118号と同じ内容でありますので、説明は省略します。
 続きまして、40ページをごらんください。
 陳情第70号の2伊是名村振興発展に関する陳情について御説明いたします。
 陳情の内容は、1の北部基幹病院を早期に実現することを求めるものであります。
 これに対する処理方針を申し上げます。
 北部基幹病院の整備につきましては、北部圏域における医師不足の抜本的な解決を図り、安定的かつ効率的で地域完結型の医療提供体制を構築することを目的としており、現在、その基本的枠組みに関する協議を行っているところであります。
 次に、2の離島患者等支援事業補助金の算定手法を見直すことを求める陳情に対する処理方針を申し上げます。
 離島患者等支援事業は、離島住民の経済的負担を軽減することを目的として、平成29年度から実施しておりますが、離島住民のニーズ及び市町村の要望を踏まえながら、本事業の充実について検討していきたいと考えております。
 以上で、保健医療部所管の陳情についての説明を終わります。
御審査のほど、よろしくお願いいたします。

○狩俣信子委員長 保健医療部長の説明は終わりました。
 次に、病院事業局長の説明を求めます。
 我那覇仁病院事業局長。

○我那覇仁病院事業局長 それでは、病院事業局に係る陳情案件について、処理方針を御説明いたします。
 陳情案件処理方針の目次をごらんください。
 病院事業局に係る陳情案件は新規1件となっておりますので、その処理方針を御説明いたします。
 資料をごらんください。
 陳情第49号の3平成31年度「離島・過疎地域振興に関する要望事項」に関する陳情について御説明いたします。
 陳情者は、沖縄県離島振興協議会会長外間守吉外1人です。
 陳情の内容は、4の八重山圏域各島での乳幼児健康診査実施に当たり、県立八重山病院の小児科医師を派遣することを求めるものであります。
 これに対する処理方針を読み上げます。
 八重山病院においては、これまで市町村から委託を受けた公益社団法人沖縄県小児保健協会の依頼を受けて、乳幼児健康診査の実施に当たり、小児科医師を派遣したきたところです。
 しかしながら、八重山病院における小児科医師が十分に確保できない状況の中、八重山地域における救急医療及び周産期医療に係る乳幼児や小児の診療体制を確保するため、平成30年度から、小児科医師の乳幼児健康診査への医師の派遣回数を少なくすることにしました。
 八重山地域における乳幼児健康診査への医師の派遣については、八重山病院の乳幼児や小児の診療体制を維持することに留意しながら、病院事業局としては、乳幼児健康診査に派遣することができるよう、医師の確保に努めてまいります。
 次に、7、県立八重山病院内における院内保育の実施に際し、病児・病後児の地域幼児の受け入れ枠を確保することを求めるものであります。
 これに対する処理方針を読み上げます。
 平成30年10月1日に新築移転した県立八重山病院においては、同病院に勤務する職員の児童の保育を目的に、事業所内保育所の設置を計画しておりましたが、当該施設の整備や運営に要する費用の面から、開院時の整備の実施を見送ったところです。八重山病院の事業所内保育所における、地域児童の病児・病後児保育の実施については、当該保育所の設置の際に八重山病院において検討することとしております。
 以上で、病院事業局に係る陳情の処理方針の説明を終わります。
御審査のほど、よろしくお願いいたします。

○狩俣信子委員長 病院事業局長の説明は終わりました。
これより、各陳情に対する質疑を行います。
 質疑に当たっては、ページ、陳情番号を申し述べてから重複することがないよう簡潔にお願いいたします。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行うようお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 新垣新委員。

○新垣新委員 まず、病院事業局にお聞きします。1ページの八重山病院の乳幼児検診実施に当たり県立八重山病院の小児科医師を派遣すること。現状はどうなっていますか。

○田仲斉病院事業総務課医療企画監 済みません。委員のおっしゃることは石垣、八重山圏内の診査の回数……。

○新垣新委員 そうそうそう、現状どうなっているか。

○田仲斉病院事業総務課医療企画監 現状はですね、平成29年度50回、平成30年度47回、今年度令和元年度は49回を予定しております。

○新垣新委員 八重山病院には小児科がないと理解していいんですか。伺います、ありますよね。

○田仲斉病院事業総務課医療企画監 あります。

○新垣新委員 この不安があるかもしれませんが、不安を取り除く形でですね、離島の患者が、子供たちがよくなるようにぜひ精神的なケアもお願いしますということで。1点、この八重山圏域―与那国や竹富に関して、いざこの子供たちが今、心臓発作とかさまざまなてんかんとか多いと思うんですけども、子供ですから。ヘリコプターとか自衛隊との対応でですね、やっぱり八重山病院のあそこは八重山地区ですけど石垣島の病院、八重山病院も中心になるんですけど、そういった体制とかどうなっていますか。竹富の子や与那国の子が、いざ、てんかんとか、急性のまあ、子供たちや県民が、そうなった体制はどうなっています。いざ病気等になった場合、一分一秒を争う事態になるが。

○田仲斉病院事業総務課医療企画監 委員のおっしゃる小児に限った数ではありませんが、年間ヘリコプターの搬送で約五、六十件ございます。もちろん船から搬送されるケースもありますが、それはちょっと把握しておりません。年間で五、六十件程度の搬送が石垣空港に来るという認識です。

○新垣新委員 新しく今病院が稼働して、たしか病院の上にはヘリコプターが置ける体制ではない、確認しますけど。

○田仲斉病院事業総務課医療企画監 ヘリコプターは、病院より5分離れた旧石垣空港の消防に隣接したヘリポートに着陸するということです。

○新垣新委員 わかりました。こういう体制で。このヘリというのは自衛隊ですか、ドクターヘリですか、どちらですか。

○田仲斉病院事業総務課医療企画監 八重山圏は海上保安部のヘリであります。

○新垣新委員 海上保安部のヘリも非常に理解、評価いたしますが、万が一これがダブった場合とか重なるときもあると―一、二度のケースあると聞いたことあるんですね、実は。前の砂川県議からダブったときがあったと。困ったなというときがあったと。そういう場合、自衛隊との連携もとるべきだと思うんですけどいかがですか。

○田仲斉病院事業総務課医療企画監 これはちょっと病院事業局として答えられかねるのですが、自衛隊という―ダブった場合ですか。ダブった場合はもう……。

○諸見里真医療政策課長 お答えいたします。ヘリの運航要請も含めてですけど、自衛隊と海上保安庁がございますが、ドクヘリは基本的に沖縄本島周辺でございます。八重山・宮古につきましては海上保安庁。本島に飛ぶ場合はどうしても自衛隊の協力が必要ですので、一定数、足りない部分は自衛隊で補完するという形になっています。

○新垣新委員 ありがとうございます。ぜひですね、足りない部分、万が一重なってダブった場合、諸見里課長、ぜひ自衛隊ともいつでも対応できるこの病院体制を局長、ぜひこのスクランブル体制というものをお願いしたいんですけどいかがですか。ダブった場合ですね、万が一。

○諸見里真医療政策課長 お答えいたします。今言っている自衛隊と海上保安庁、あと県、事業局含めて、毎年そういう会議も設けてますので、その中でも連携体制がうまく今いっているところですので、引き続き頑張っていきたいと思っております。

○新垣新委員 ぜひ引き続き頑張ってください。
 続いてですね、子供医療費の中学校卒業までの新規のやつです。今、中学校卒業まで検討していると書いてあるんですけど、視野に入れながら市町村と協議を進めていきたいと考えておりますと。保健医療部長、ちょっと確認します。新時代沖縄という形で玉城知事はたしか中学校卒業までって今、その方向で検討しているので評価いたします。インターネットの中でですね、中学校卒業までとか書いているんですよ。これ、間違いありませんかという伺いです。

○砂川靖保健医療部長 私が持っている選挙公約ではですね、この子供医療費に関しては子供医療費助成の窓口での完全無料化を着実に実施し子供医療の拡充に取り組みますということで、特に中学までとか具体的に言っていないです。

○新垣新委員 じゃあネットにあるやつはうそと理解していいんですね。伺います。

○砂川靖保健医療部長 ちょっとネットは見ていませんので、ちょっとお答えは差し控えたいと思います。

○新垣新委員 差し控えというかこれ、本当にですね、ネットはネットの作用とか県民が何というんですか、混乱するんですよ。公式サイトというのが今後知事がやりたいという公式サイト、そういうものを、今進んでいることというのをまず今後築いてほしいと。混乱しているんですよ。これが本当にあるんですよ、中学校卒業までと。だから困っているんですよこっちも。

○砂川靖保健医療部長 ちょっとネットのほうは把握しておりませんけれど、我々事務方の作業としてはですね、処理方針でも申し上げましたが、中学拡大まで視野に入れながらじゃあ段階的にどういうふうな方法でやっていくかということを今、作業中ということでございます。

○新垣新委員 今作業中の中で財源との裏づけと、たしかこれ市町村が2分の1負担、沖縄県がやるとき2分の1になる。沖縄県が2分の1出せる財源ありますか。伺います。

○砂川靖保健医療部長 税収の伸びと、それから場合、場合によっては財政調整基金、こういったものを一般財源を活用することになるのかなというふうに考えます。

○新垣新委員 考えるというのはもちろんいいこと。しかしこれを中学校卒業まで、私も子を持つ親だしやってほしい。しかし財源となると恒久的にと考えた場合、裏づけとなるものが本当に沖縄県にありますかという伺いなんです。

○砂川靖保健医療部長 ですから今ですね、市町村も含めてそうですけれど、やっぱり年齢層を拡充していくとそれだけ財源ふえるわけですよ。今、現物給付、未就学児に対して入れました。その1年間の実績でどうなるかというのを見ながらですね、じゃあ小学卒まで伸ばした場合幾らになるか。それから中卒まで伸ばした場合幾らになるか。なおかつこれを自動償還から現物給付に切りかえた場合、幾ら所要額が必要になるかという、こういうことも踏まえながら拡大については検討していくということでございます。

○新垣新委員 検討というのはわかります、今慎重に見ていると。どのくらい財源がかかるかという形で。今部長、答えられる範囲でいいです。参議院選挙があってですね、きょうから始まって、両陣営は中学校卒業までという公約打ってるんですよ。それに踏まえて今後、県としてこの対応の仕方というの、ポイントになるんですけど、どう見ていますか。

○狩俣信子委員長 休憩いたします。

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 新垣新委員。

○新垣新委員 まあいい、その程度だと私は理解しました。部長の考えることがですね、その程度だなと。
 結びとなりますけど、じゃこれいつまでに、大体目安というのは出ます。今、小学生はどのくらいかかる、中学校卒どのくらいかかるというのは。たしか去年の10月からスタートしていますよね。大体1年ぐらいで大体見えると思うんですけど、ことしで、理解していいですか。ことしの10月に大体見えると。

○大城博医療企画統括監 現物給付案の導入後の実績を1年程度見る、踏まえた上でこの拡大した場合にどのぐらい事業費がかかるというようなのを検討するためにはですね、1年分の実績が出るのがことしの11月になります。そのデータがそろって検討するというのが年明け以降ということになると思いますけれども、それを踏まえた上で市町村と具体的な協議を行っていくということになると考えております。

○新垣新委員 ぜひ、協議していただきたいなと思います。我が党も公明党と維新も一緒になって、沖縄振興予算でこれどうかという検討課題に入ってきている課題であるので、国と市町村でやるのか、県は窓口なのか、検討課題にいますので、これを強く、公約が実現できるように頑張っていきましょう、お互い。
 次ですね、36ページ。この現状、基幹病院についてですね。細かく対応していると思うんですけど、答えられる範囲でこの協議の内容、進捗状況を教えていただけますか。

○砂川靖保健医療部長 去年の1月から協議してですね、今協議の内容は基幹病院をつくるときの基本的枠組みなんですよ。枠組みとして経営システムをどうするかと。持っている資産・負債の引き継ぎはどうするか、それから職員の身分取り扱いどうするかと。18項目くらい協議していましてですね、その中に市町村の財政負担というのがあるわけですけれど、この部分と経営システムについて、医師会病院のほうから県と市町村はボールを投げられたわけですけれど。それを持っていて、ドラスチックな改革がありますので、この辺を慎重に今、検討しているという状況でございます。

○新垣新委員 済みません。我が党の代表質問、島袋大のときに財政負担はないと知事はテレビ放送ではおっしゃったと。今あるとなって、一体全体知事とはちゃんと詰めていますかというのを伺います。

○砂川靖保健医療部長 テレビは私見ていませんけれど、財政負担はないという話はしていないと思います。

○新垣新委員 部長、テレビ確認しましたか。RBCです。きれいにやりました。伺います。

○砂川靖保健医療部長 財政負担ないと言った場合はですね、市町村としてその一般財源の財政負担はないですよという話をしてるというふうに思います。

○新垣新委員 市町村には財政負担かけないでなるべく県があらゆる施策を考えてこの基幹病院をやりたいという表現で言っています、知事はRBCの放送で。これはかけないという形、捉え方、どう見ても。部長たち執行部と大きな隔たりがあるんですね、私から見れば、我が党から見れば。これ大変ですよ、今部長のこうやって言った発言はですね。これ県民だましかと代表質問でも出ましたよ。この問題に関して見解を求めますよ。おかしいんですよ。かけないでと言っているんですよ。

○砂川靖保健医療部長 一般財源という限定つきの言葉で言っていると思います。

○新垣新委員 一般財源と限定も言っていません、テレビの中で。ですからこれは県民だましかと言われても仕方ないということに、同じこと蒸し返す、繰り返すんじゃないんですよ。今答えられたことを答えてほしいんですよ。それはおかしくないかと言っているんですよ。今ですね、北部の関係者とも意見交換をしていますけど、この声が多いんですよ。一体全体何だったのかと。だからどうなっているんですかと、進捗状況です。ここですよポイントは、まず。

○砂川靖保健医療部長 これは協議開始してからですね、そういう一般財源に負担のない形というのは我々のほうが先行して説明している内容でございます。これはですね。この件については、もうこの1年間協議してきて一定程度理解を得られているのかなと考えております。

○新垣新委員 この件についてはですね、我が党の末松文信委員がまた細かくやると思いますのでぜひお願いいたします。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 末松文信委員。

○末松文信委員 36ページの新規、陳情第36号。今の、うちの新垣新委員の内容と一緒ですけれども。この県立病院と北部医師会病院を統合して基幹病院をつくるということについては、これまで何度かいろいろ議論してまいりましたけれども、この36号で言う内容を見てみますとですね、基幹病院問題への拙速過ぎる対応を改め、十分な検討・協議を行うこととありますけれども、こんなに伊是名からも要請があるように、北部12市町村からも住民大会を開いたりして要請してきたこのことについて拙速過ぎるという表現はどうも遺憾に思っていますけれどもいかがですか、これ。

○砂川靖保健医療部長 今、協議会で示されている基本合意書案においてですね、経営システムをうたっているわけです。この中では設置主体については沖縄県、それと北部12市町村が設置主体となって公立北部医療センターをつくりましょうやと、公立病院をですね。それから経営体としましては、単体の公立北部医療センターとして今まである県立の6病院から切り離しますと。なおかつその経営形態、今、現行は地方公営企業でやっていますけれど、新たに、財団をつくって、そこに指定管理させるというようなことをうたっているわけです、うたわれているわけです。それについてドラスチックな形での改革になるもんですから、やっぱりこれで不採算医療提供できるのですかとか、あるいは医師確保、医療人材の確保は大丈夫なんですかという懸念する声があるというのも事実。これがこの陳情にあらわれているのかなと。一方で、北部の状況はもう待ったなしだということで、名護市議会もそうだったんですけれど、今回のような伊是名、それから陳情にはないんですけれど国庫要請関係の地区別の説明会、意見交換会したときも北部の2つの名護市と本部町からはですね、早急に協議会再開しましょうやと。こういった相反する意見があるというのが実情というふうに思っています。

○末松文信委員 北部医療の重要性というのは、お互い県議会の中でもたくさん議論されている中でですね、これは共通していると思うんですよ。それについて拙速だなんて言うのはもってのほかだと私は思っていますけれども。その中で指摘されているのが、経営形態を現状の県立から変更することで不採算医療が切り捨てられると。このことについて、そうなるんですか。

○砂川靖保健医療部長 経営形態が変わったとしても、結論として我々の認識としては不採算医療が切り捨てられるということはないというふうに考えております。というのは、経営形態、これを財団設立による指定管理としておりますけれど、この財団というのは専ら基幹病院を指定管理するために県と北部12市町村がつくるものでございます。当然、県と市町村はこの財団の評議委員会とか理事会にも参画することになります。こういった仕組みによってですね、設置者と指定管理者の方針というのは確実に整合が図られることになりますので、不採算医療が切り捨てられるということはないと。2つ目にですね、不採算医療というのは指定管理の場合でも地方公営企業における繰出金と同様に、その提供に必要な費用のうちこの基幹病院の収益で賄える部分というのは、県と市町村が指定管理料として負担することになりますので、財団が採算性を理由に不採算医療を切り捨てることはあり得ないと。3点目に、指定管理者が提供する医療の内容というのは県及び市町村で組織する、まあ一部事務組合と指定管理者との間で提携する協定において、財団に義務を負わせることが可能です。このため指定管理者の独断によって協定で定める医療の提供を取りやめることはできないと。4点目に財団の運営が地域医療を確保する観点から適切十分であるかどうかについては、一部事務組合の議会―これは県議とか市町村の議員が入りますけれど、その議会において不断のチェックを受けることになると。加えてですね、自治法の規定に基づきまして、県は毎事業年度、財団の経営状況を説明する書類、事業計画とか予算とか実績報告書ですね、それから決算書、こういった書類を県議会に提出することが義務づけられていますので、こういった書類を用いて県議会においても基幹病院でどういった医療を提供しているのかと。ちゃんと不採算医療をやっているのかという、こういう必要なチェックを行うことが可能ですので、こういったことを踏まえますと、経営システムの変更によって不採算医療というのは切り捨てられるということはないというふうに考えていますし、あってはならないというふうに考えています。

○末松文信委員 そのとおりだと思いますのでね、陳情者の言っていることはこれは全く当たらないという認識でよろしいですよね。

○砂川靖保健医療部長 我々の認識そうなんですけれど、ただ実際に懸念を抱いている人がいるということは事実ですので、我々としては真摯にこういったことについて説明していく責任があるというふうに考えております。

○末松文信委員 次に、もう一点そこにありますけれども、基幹病院整備案は、この医療スタッフの確保を保証するものではない、たとえ医師が確保されたとしても医師以外の医療技術者の確保はすぐに行き詰まると。これについてはどういうふうに回答しますか。

○大城博医療企画統括監 医療従事者の確保ということで、まずは医師についてですけれども、新しい合意書案で示されている経営システムを採用しますと、県立病院間の医師の人事異動というのは困難になってくるんですけれども、過去の実績を踏まえますとこれは数が余り多くありませんので、ほかの医師確保策でカバーすることは可能じゃないかと考えています。
 それから、看護師その他のですね、診療放射線技師ですとか臨床検査技師とかの医療技術職につきましては、ほかの病院から人事異動がない北部地区医師会病院において、数を調べてみますと、県立北部病院と遜色のない人数のスタッフを確保できている状況にあります。ただ、合意書案ではですね、両病院の職員のうち基幹病院での勤務を希望する者は原則として基幹病院の職員として雇用するとしているんですけれども、給与水準の問題から、県立北部病院の職員で基幹病院での勤務を希望する者が少なくなるんじゃないかということが想定されますので、この場合、開院から一定期間職員に不足が生じる可能性があります。このため、合意書案では基幹病院を運営する上で必要がある場合、県は開院時から3年間を限度として基幹病院に職員を派遣するということを記載しております。

○末松文信委員 今の説明からすると、この医療スタッフにしても医師にしても統合されることによって遜色が生じるということはあり得ないと、こういう理解でいいですか。

○大城博医療企画統括監 はい。医師、医療技術員の実績を見るとそのように考えておりますけれども、開院時に病床がふえてスタッフ、急激にふやさないといけませんので、そのときにすぐに増員が可能かどうかということについては懸念がありますので、3年間を限度に県の職員を派遣する仕組みを入れておこうということでございます。

○末松文信委員 じゃあもう一度伺いますけれども、県の職員は派遣するわけですからそこに不足が生じるということはあり得ないということですよね。

○砂川靖保健医療部長 そういうような処置をとる必要があるということでございます。

○末松文信委員 それと、今職員の話が出てきたんであれですが、これ県立北部病院の多くの職員が中南部等の県立病院に配属されるためというふうなことがありますけれども、今さっきおっしゃっていた向こう3年間の話を含めて、これは関係者には十分説明されているんでしょうか。

○砂川靖保健医療部長 これはですね、まだ説明の段階には至っていないという理解。これについてこういう枠組みでいくという合意形成をまだとられていませんので、そういう取り扱いになると今度は病院事業局の採用計画にも影響してきますので、そういったことを含めて合意形成後、こういう説明の場というのが必要になってくるということでございます。

○末松文信委員 そういういろいろな状況の中で協議も含めてですね、見通しについてちょっと伺いたいと思います。今後の見通しについて。

○砂川靖保健医療部長 我々についてはですね、これ北部医療を再生するためにはどうしても基幹病院というのが必要だというふうに考えております。向こうの北部の問題というのは、慢性的な医師不足、各診療制限・休止、患者の流失でございますので、こういった事態を解消するためには、この2つの病院を統合してこの医師がそこでキャリア形成を積みたいと思うような機能、それから魅力を備えた病院をつくる必要があると。そのためにはやっぱり統合してですね、指導体制の充実とか将来への充実を図っていく必要があるわけです。そのためには統合が必要と。そういった意味で基幹病院をつくるわけですけれど、どうしても北部医療の再生のためには、統合して基幹病院をつくるというようなことを念頭に、作業を進めていきたいというふうに考えております。

○末松文信委員 いやこの協議の期間もそうですけれども、北部地域からすると一日も早く医療体制を整えてほしいというのが願望でありますので、いつごろからそういう基幹病院が着手して、いつごろできるのかということについての目途、回答できないと言えばそうかもしれませんけれど、一応目安はですね、北部地域の皆さんに少しは期待も与えながらやらんといかんのかなと思っていますので、ぜひそのところ教えてください。

○砂川靖保健医療部長 これは本会議での一般質問でも答えたんですけれど、今の時点でですね、どういった工程になるかというのはまだ見えていません。ただその病院をつくる場合の流れとして、今、特別な事例ですので基本的な枠組みについての合意形成というのをやっているわけですけれど、県立病院を建てかえるときにも、基本構想をつくって基本計画をつくってそれから基本設計、実施設計、それから建築工事という運びになるわけですよ。今その前段階の作業。基本構想をつくっていく中でですね、今後の作業工程というのも示していきたいというふうに考えているというところでございます。

○末松文信委員 部長にこれは、物事をやるときには一定程度ね、目標があって、それに向かって作業するわけであってさ。私が聞いてるのはこの目標はいつになっているのかと聞いているんです。

○砂川靖保健医療部長 その目標、例えば目標といったら基幹病院がいつから診療開始しますよということになると思いますけれど、ここに至るまでの流れですね、基本構想、基本計画、基本設計、実施設計、整備、これを基本構想の中で、示していきたいというふうに考えているということです。

○末松文信委員 いや、今までの経験からするとその辺は大体わかっているでしょう。そこを目標も定めないでさ、作業していくといつになるかわからんから聞いているんですよ。もう一度答えてください。

○砂川靖保健医療部長 わかりますけれど、やっぱりこの今までのやり方と違うわけですよ。今回、例えば今までだったら病院内の調整でできた話ですけれど、基本構想をつくる上でもですね、医師会病院の考え方もあるし、県北の考え方もある。それから12市町村の考え方もある。こういったすり合わせがあるもんですから、例えば例年、通常だったら基本構想1年ぐらいでできますけれど、まあ8カ月から1年くらいでできますけれど、こういうすり合わせがあるもんですから、これまでの例示してすぱっと何年ですよというのはちょっと今難しいなと。ただこういうのをですね、基本構想をつくる中で示していく必要はあるだろうというふうに考えているということです。

○末松文信委員 だからね部長、基本構想をつくるにしても一定程度の目標がないとさ。1週間で一遍の会議を持つのか、1カ月に一遍持つのか、1年で一遍持つのかで違うからさ。その辺のことを聞いているんですよ。だから最初からめどづけして作業は進めないと。フロー計画どうなっているのかということですよ。

○砂川靖保健医療部長 我々の計画としては、今年度はですね、基本構想の作成に着手するということで今、取りかかっているところでございます。

○末松文信委員 いや着手するのは前から言っているからわかっていますけど、いつ終わるんですかと。何かめどもなくて際限なくやるんですか。

○砂川靖保健医療部長 順番としては基本構想を年度内に着手して、今年度の目標として位置づけております、策定をですね。その中で具体的な工程というのは示しますよということです。

○末松文信委員 それ以上言ってもあれですけれど、とにかくね私は一般質問でも言ったように、もう県立北部病院は県立病院の体を成していない。これははっきり言ってそうなんですよ。もういろんなのが休診状態になったり、先生が足りない、またお願いしても来てくれない、こんな状況でね、北部地域の医療がさ、住民の医療が適正に受けられているかといったら僕はそれは違うと思っていますね。ですから部長のほうにおかれても一日も早くですね、これに対応できるようにひとつ前進していただきたい。こう思いますのでよろしくお願いします。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 照屋守之委員。

○照屋守之委員 今の36ページの基幹病院ですけれども。ドラスチックに変えていく、県立の6病院から切り離してやっていくということでの説明ですけれども、この考え方についてあれですかね、例えば病院事業局との調整とかは済んでいるんですか。

○砂川靖保健医療部長 合意書案を作成する段階でですね、事前に説明はしております。

○照屋守之委員 じゃあ今の病院事業局、我那覇局長を初めこの6県立の病院長あるいは職員も含めて、この県立から切り離していくということについては理解を示しているという。そのことでよろしいですか。

○砂川靖保健医療部長 末端の職員までいっているという話ではないですけれど、この病院長の間ではですね、一定の理解は得られているというふうに考えております。

○照屋守之委員 それと組合。職員組合があるんですか、病院の。あるいはまた県職労のとか何かそういう組合関係、そことの調整は終わっているんですか。

○砂川靖保健医療部長 この経営システムの変更とかですね、そういった決定というのは、これいわゆる地方公務員法で言う管理運営事項に該当します。これは組合と合意の上で決定する事柄ではございません。当局の責任と判断において決定する事項でございます。ただ一方で、その管理運営事項の処置によって、職員の労働条件に変更が加わる場合、そのときは変更される労働条件について職員団体と交渉する必要が出てきます。だから我々はそれを見据えてですね、今職員団体、病院の場合は労働組合ですけれど、今この基本合意書案等について県の考え方を説明しているというところでございます。

○照屋守之委員 一番大事な与党議員の皆様方は理解しているということでよろしいんですか、議会は。

○砂川靖保健医療部長 先ほど来申し上げますように、ドラスチックな内容でございますので、本当にこの不採算医療の提供が確保できるのか、人材確保がうまくいくのかということについてまだ懸念があるということで、その点について真摯に説明していくというようなスタンスで臨んでいるところでございます。

○照屋守之委員 じゃあまだ与党議員は理解はしていないんですね。100%オーケーですか。これ非常に大事なことですよ。

○砂川靖保健医療部長 議員によってもまちまちだと思いますけれど、懸念を持たれてる方が多々いるというふうには認識しております。

○照屋守之委員 部長、このドラスチックにどうのこうのとかいろいろ言って、スケジュールも何とかと言っていますけど、今の県立病院6病院から切り離してやっていくということからすると、一番、特に与党議員の方々は県立という職員の身分、これにこれまでずっとこだわってこの独法化というものについて非常にこれまで厳しい判断をしてきているわけですね。今、それぞれの立場の方々は理解していても肝心かなめの議会のほうでこれが理解を得られないとなると、もう話のはの字にもならんわけですよ。ですから何よりも一番理解を得るのは、やっぱり今の玉城知事を支えている圧倒的な与党の皆様方の理解を得る。それが前提で物事を進めていくということにしないと、物事は進めていきました、議会は反対です、与党議員は反対ですというふうなことになっていった場合は、これ非常に後々大変なものになってきますよ。これほど大幅に変わっていくということについては今一番懸念される、いい悪いは別にしてこれはやっぱり政治的に非常に大きな課題だと思うんですよ。だからそこはそれぞれの議員がおりますから、特に与党議員の皆様方の理解をしっかりとった上で物事は進めていかないと後でそうじゃなかった、ああじゃなかったというのはこれもう目に見えているわけですから。その辺はどうですか、対応していますか。

○砂川靖保健医療部長 対応すべく努力したいと思います。

○照屋守之委員 いずれにしても私は、与党議員が一番難しいと思いますよ。やっぱりこれまで県立病院という形で県民の医療を担ってくる、これは県の職員の身分でやってきた。これからもそれはこうあるべきだ、基幹病院は基幹病院でこれは別物として何とかやっていけるという、そういう考え方もあるはずですから。そういうふうなものをしっかり整理して、やっぱり県立と切り離した新たな経営形態の病院をつくっていくということですから。ここが理解できなければ、これは5年たっても10年たっても20年たってもできないでしょうね。ですから、こういうふうなお互いの中の内部の調整ができないでずっと北部地区のそういう医療というのはどんどんどんどん取り残されていって、今のような形で非常に厳しい状況になっていく。まさに本当に住民の北部の皆様方の医療を、住民の方々のことを考えて真剣にそういう一点で考えていけば、多少のお互いの調整ができるんですけれども、これはもう職員という、この身分というそういうふうな視点で考えていくとこれはなかなか進まないと思いますよね。同時にまた、今陳情者から出ておりますようにね、こういうふうな形で今、北部地域の医療の実態とか北部病院とかあるいは医師会病院、あるいはその辺の医療の体制のことを余り理解できていない多くの県民の人たちが、そういう今の基幹病院構想に対して異議を申し立てていくというふうなことがどんどん広がっていった場合には、この新たな経営形態でつくっていくというそのもの自体の基幹病院構想自体が非常に懸念されるんじゃないかなと思うんですよね。今、陳情書が出ているようにこういうふうなものは懸念がある、こういうものが懸念がある。それは陳情者の思いだ、我々はそうじゃないと言ったって、それがどんどんどんどん県内に広がっていくとですね、それが進めていく上で非常に障害になっていくというふうなことがありますけれども。ですからこの議会とか関係の組合とかそういうふうな部分も含めて、やっぱりこれは県民に対してもある程度こういうふうな段階でこういう問題があってこうしますという周知をしていって理解をしてもらうというものを並行的に進めていかないといけないんじゃないかなという思いがしますけどね。いかがでしょう。

○砂川靖保健医療部長 まさにその議会の本会議の場でそういった質問が出てですね、それに対する答える形で県議の後ろにいる県民の方に語りかけているスタンスでやっているつもりなんですけれど、これで周知が行き届かないというんであれば、さらにどういった方法ができるのかという工夫は考えてみたいと思います。

○照屋守之委員 同時にですね、これ今私ども沖縄県で、県内で議論をしております。金城泰邦委員がもう既に中央で取り上げてそういうふうな動きを何度か理解を示してほしいということをやっております。これはやっぱり結局つまるところは、その財政的な支援を国からいただいて建設をしていくという。まあ運営についても非常に理解をいただくというふうなことになりますけれども、早目に我々の考え方をしっかり、沖縄県の考え方を決めた上で国なりあるいはこれはもうそれぞれの国政を形成するさまざまな政党関係も含めてですね、やっぱりお願いをしないといけないというふうなことがありますけれども。県のほうがまだ調わないのに、特に我々政治にかかわるものはもう既にとにかく沖縄はこうするから何とかしてほしい、何とかしてほしいということを盛んにやるわけですよね、外から。向こうは向こうでまた、ああ、沖縄がやるんだったら何とかするよ、みたいな感じでいろいろこう盛り上がっていくということで、なかなか県の歩みと我々の動きが、我々はもうとにかく早目にやってほしいから、お金に関するものは、やっぱり大きなものはある程度時間をかけて説得をしないといけないという部分もあってね、そういう動きをするわけですけれども。ですから、そういうことも含めてですね、この県内と今度外に対するそういうふうな要請活動というか、そういうふうなこともありますから、それができる、外に対しても堂々とできるような県の歩みとまた我々に対しても情報提供、そこをお願いしたいんですけどね。いかがでしょう。

○砂川靖保健医療部長 病院関係が補助対象になるのはですね、実施設計の段階からなんですよ。それまでにはまだ間があると思いますので、その間でこの基幹病院の構想とか、形づくり、この合意形成を図っていって、スムーズに事業化できるような形の要請というのをお互い連携しながらやっていければというふうに考えております。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 金城泰邦委員。

○金城泰邦委員 じゃあ私も同じように。これ北部基幹病院の件は、早くやってほしいということは委員会で伊是名・伊平屋視察行ったときにも、伊是名の皆さんからも真っ先に言われた話でもありますし、我々議員の中からもずっと出てきているし、知事が公約にも掲げておりましたから、もう本当に地域の方がすごい待ち望んでいるという状況の中で、県としての―本当は3月の合意を目指していろんなつくり込みもしていましたけども、そのつくり込んでいったいろんなもろもろが前に進みにくい―基本計画が前に進まないというのはやはり、一番、ここをこうしたら進むというのは部長の中で解決策はあるんですか。

○砂川靖保健医療部長 我々一般職がきちんとした説明をちゃんとやるということに尽きるというふうに考えております。

○金城泰邦委員 その説明というのを誰に対して一番しっかりとわかってもらえないといけないのかと、部長の認識では。

○砂川靖保健医療部長 知事を初め三役、それと県民一般ですね。それと知事を支える与党議員の皆様というふうに考えております。

○金城泰邦委員 であれば、それが部長が努力をすれば前に進むであろうし、部長がちょっと難色示してしまったら前に進まないんじゃないかなと心配してしまうんですね。どんなですか。

○砂川靖保健医療部長 僕らはですね、この経営形態変えるのが目的ではなくて、この基幹病院をつくるためにはやっぱりどうしても両病院の統合が必要だというふうに考えているわけですよ。この1点で協議重ねてきたわけですけれど、それはやっぱり統合の問題というのは、県が統合すると決めたらできる話ではないわけですよ、相手方があるから、統合の相手方、北部地区医師会病院。やっぱりこの医師会病院も医師会病院としての考え方がありますので、やっぱり向こうの意向も尊重する必要があるだろうということでボールを投げられて、そのボールを返す準備を今しているというような状況にあるということです。

○金城泰邦委員 部長の答弁を聞いたら、なんか医師会病院が踏みとどまっているかのようなイメージを持たざるを得ないんですけども、医師会からボールを投げられたということは、医師会はもう条件―こうやってやってちょうだいと来ているわけだから、それはあとできるかできないか答えを出すのは県のほうでしょうね。

○砂川靖保健医療部長 だからこの医師会病院の意向というのがですね、統合に際しては向こうは自分たちの職員も全部正職員として雇用してもらいたいというのがあるわけですよ。なおかつ統合後の病院経営というのが、効率的に運営できるようなシステムをつくりたい、そして何よりも病院現場、病院長の裁量自由が欲しいという意向があるわけです。こういった観点から、向こうの提案として上げられた経営システムというのが、設置主体は県及び北部12市町村。そして経営単位としては北部単独。経営形態としては財団をつくっての指定管理というのが向こうの条件として上げられていると。やっぱり統合に前のめりになっているというふうに言われますけれど、やっぱり北部の医療を再生するためには統合して基幹病院というのが必要だと考えていますので、これは医師会病院の意向も尊重する必要があるのかなと。だからこれは今までの県立病院の経営形態とは全く異なるものですから、これについて一定の懸念を示す方々がおられますので、それについて真摯に意見を聞きながら説明していく、そういう作業が必要だろうということです。

○金城泰邦委員 部長の中で医師会病院から投げられたボールの中で、ここは飲み込めるだろうけどもシステムの問題ですかね、でも飲み込めない部分があるというような感じで今、聞いていたんですけども、飲み込めないであろう部分というのはどういう部分なんですか。

○砂川靖保健医療部長 飲み込めないんじゃなくてですね、やはり統合は相手方の意向も大事ですから。何よりも基幹病院をつくるためには統合が必要なんですよ。この県立だけで基幹病院というのはできません、無理ですので。統合して基幹病院をつくることによって、向こうの医師不足という環境を変えられる可能性があるということで、そこにチャレンジしていく必要があるだろうということですよ。そういうためには今までの経営システムにこだわらずに、医師会病院の意向も採用するのがいいんじゃないかというふうに考えているということです。

○金城泰邦委員 じゃあ最後に、県のほうでいろいろスキームをつくって会派にも説明をして回っていたと思うんですけども、非常に細かくですね、見事につくっているなと思ってたんですけど、あれをつくっているのは保健医療部のみの考えでつくってきているんですか。それともほかの関係する方々と協議をした上でこれまでの6回ですかね、協議のものを積み上げた結果としてあのスキームができたんですか。どっちなんですか。

○砂川靖保健医療部長 多分資料4のことを言っているかなと思うんですけれど、あれは協議会の意見踏まえてですね、経営形態―経営形態だけの話をしているんですけど、協議会の意見聞いているとこれは経営形態だけの問題じゃなくて設置主体、それから経営単位、それから経営形態とこの3つが絡み合った問題なんですよ。そういうことについて、あれは結論を出した資料じゃなくてこういう考え方でいったらこういうメリット・デメリットがありますよというのをただ整理しただけですよ。どれがいいというのは言っていないです。そういう資料をつくった上で、これ保健医療部だけでつくりましたけど、つくった上で医師会病院のほうからそういう提案があったということで、これを今、その提案を受けて基本合意書案を作成して、これについてこれを合意形成するためにどういった作業をしたらいいかというような作業をも見込んでいるというような状況です。

○金城泰邦委員 ぜひ頑張ってください。

○狩俣信子委員長 休憩いたします。

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 休憩前に引き続き質疑を行います。
 質疑はありませんか。
 次呂久成崇委員。

○次呂久成崇委員 病院事業局の陳情のほうなんですが、乳幼児健康診査ですね。こちらの件でお聞きしたいと思います。この実施主体は市町村になりますよね。この陳情を見てですね、処理方針を見てなんですけども、今の八重山病院のこの小児科医師の配置状況というのはどうなっていますか。

○大城清二病院事業総務課長 令和元年6月時点の定数と配置人数なんですけれども、定数6に対して常勤医師が5名配置されております。そのほかに県外から派遣されて来ている医師のほうが1人配置されております。

○次呂久成崇委員 6名の定数に今5名ですよね。

○大城清二病院事業総務課長 定数6に対して、常勤の医師が5名、それから県外から派遣されて来ている医師を1人配置、合計で6名配置されております。

○次呂久成崇委員 県外から派遣されている医師は常勤なんですか、非常勤なんですか。

○大城清二病院事業総務課長 常勤でございます。ただですね、今御説明した6名のうち6月末で1人医師が退職しております。

○次呂久成崇委員 ということは今、5名ということになるわけですよね。この処理方針の中でですね、1人今じゃあ欠ということで確保できない、これが今確保できない状況の中、実際に派遣が今、困難だと、難しいということだと思うんですけれども、そういうことですよね。今定数が6ですが6月末で1人やめて1の欠が出ている状況で、これ確保できない状況の中で派遣をするのが少し病院の体制等も含めて今は難しいと。

○大城清二病院事業総務課長 今御説明して、6月末で1人退職して5名になったんですが、7月から琉大の地域枠を活用いたしまして医師を1人、八重山病院に配置して7月からは引き続き6名の体制にはなっております。

○次呂久成崇委員 先ほどもあったかもしれないんですが、この処理方針のほうでですね、この乳幼児検診のほうの医師の派遣回数を少なくすることにしましたとあるんですが、実際にこの30年度から少なくしているようなんですけれども、29年度までのこの派遣回数、そして30年というのは何がどう変わったのか、お願いいたします。

○田仲斉病院事業総務課医療企画監 専ら健康診査を担当している医師が30年度の途中から業務の負担とかふえまして、このドクター―専らお一人にこの健康診査、検診をされていたというところもありまして、この方の負荷を分散しようということで回数が減ったという認識であります。

○次呂久成崇委員 1人の医師で担当していたものを負担を減らすために分散したということですよね。そのときですね、じゃあ1人で医師の方がやっていたときのこの勤務状況というのと、今分散をしての勤務状況というのは何か変化あったんでしょうか。

○田仲斉病院事業総務課医療企画監 次呂久委員も御存じのように、八重山圏域の健康診査、石垣市内に限らず、石垣島からさらに離島に行くことで時間もかかり負担がかなり大きいというところもありまして、本院の病院のほうの業務がちょっと過多になってきているということもあって少し減らしていただけないだろうかという要望があり、1人では難しくなってきたというのが実情であります。

○次呂久成崇委員 実際にですね、この市町村、竹富町と与那国町のほうがこの健診事業なんですけど、実際にこの医師が派遣できない場合というのはこの事業ができなくなる状況になるわけですよね。今現在もこの事業ができない状況なのか。

○田仲斉病院事業総務課医療企画監 お答えします。平成30年度の途中からはですね、沖縄本島、または八重山で開業されていらっしゃる先生のお力をかりて継続はしております。

○次呂久成崇委員 沖縄本島から派遣する場合ですね、どちらの病院のほうから来ているんでしょうか。

○田仲斉病院事業総務課医療企画監 病院が特定はされておりませんけれど、小児保健協会に登録されているドクターが―希望の日時とマッチングされたドクターがいらっしゃるとお聞きしております。

○次呂久成崇委員 その場合の派遣費というのは、もう市町村負担になるんですかね。

○我那覇仁病院事業局長 先ほどにもちょっと補足しますけど、この小児保健協会にですね、こういった乳幼児健康診査に登録する方は、県立病院もそうだしそれから民間の病院もそうだし、開業の先生もそうだしそれからリタイアして小児科という方にも一応声をかけているというふうになって、その時間があるときに行ってもらうと。そういうふうなことになっています。もう年間スケジュールをつくってですね、沖縄本島全域の、要するに乳幼児健診をしますので。派遣費はこれ市町村の依頼ですので市町村が負担するというふうになっています。

○次呂久成崇委員 先ほどもお聞きしました、そもそも実施主体は市町村ですので本来はこの健診の医師確保、またそのスタッフの確保も含めてこれは市町村が全て―全てというか、担うというのが本来の形であるという認識でよろしいでしょうか。

○我那覇仁病院事業局長 そういう認識でよろしいと思います。しかしながらなかなかですね、その医師確保というのが市町村の担当のレベルでは難しいということを聞いておりまして、いわゆるそちらから小児保健協会に委託といいますか、そういうことをやっているというのが実情でございます。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 今度の保健医療の陳情で国保に関係するのが6つということになっていて、やっぱり都道府県化を迎えて県民の関心も高いなと思ってお尋ねをします。最初に13ページ。最初にですね、陳情者は南風原町議会ですけども、国保制度の県単位化に当たっては国保が社会保障制度としての役割を果たせるよう配慮することということに対して、まず最初に答弁をいただきたいと思います。どう考えているのか。

○山内昌満国民健康保険課長 平成30年度から県のほうで財政運営の責任主体となっておりますので、市町村の国保の運営、あと県のほうに新たに国保の特別会計を設けていますので、その財政運営が円滑に行われるよう引き続き運営に努めていきたいと思っております。

○西銘純恵委員 社会保障制度という考えでよろしいですか。県も同じ考えで。

○山内昌満国民健康保険課長 国保については、国民皆保険制度の一つの保険制度というふうに考えております。

○西銘純恵委員 処理方針で明確に、社会保障制度として機能するように財政運営の責任主体として役割を担っていくと明確に明記してるわけですね。だけど今の答弁が社会保障かと聞いたら、そういう皆保険制度という言葉を使ったけれども、やはり保険制度だということで政府が言ったりいろいろやっているもんですから、まあ自己責任とかも含めてね。ここ大事なところだと思って県の認識を確認したかったんですが、社会保障制度ではありませんか。

○山内昌満国民健康保険課長 社会保障制度であると考えております。

○西銘純恵委員 次、2番目なんですが、同じ14ページですけども。国保料については既に所得に対して高すぎる水準で、せめて協会けんぽの水準を目指してくということで要請していますが、そこを説明いただけますか。

○山内昌満国民健康保険課長 処理方針に記載してありますとおり、この保険料の格差についてはやはり国保は他の被用者保険に比べて厳しい状況にあるというふうに認識しておりまして、これについては全国知事会のほうでも各都道府県、同じように認識しておりますので、国に対して毎年度の予算要望している中で、国の毎年度の施策及び予算に関する提案要望書ということで、文書のほうでこの辺は引き続き要請を、県のほうも要請をしているところです。

○西銘純恵委員 保険者、協会けんぽとの関係で言ったんですが、県職員の皆さんは共済組合になりますかね。国保の、沖縄県内の国保加入者の1人当たりの平均所得、協会けんぽの1人当たりの平均所得、共済組合の1人当たりの平均所得、それと保険料の負担率、それをお尋ねしたいです。

○山内昌満国民健康保険課長 今の1人当たり平均所得ですとか平均保険料については、各被用者保険との比較ができるようにということで国のほうで、そういう方法で調査してまとめられた資料の前提でお答えいたします。まず、加入者1人当たりの平均所得について、県内市町村国保は54.9万円。全国の協会けんぽが145万円。あと共済組合のほうが全国の235万円となっております。次に加入者1人当たりの平均保険料、これが介護保険料を含まない比較になっておりますが、加入者1人当たり平均保険料につきましては、沖縄県内市町村国保が5.7万円、協会けんぽが事業主負担を含まない本人負担分で10.9万円、共済組合のほうが14万円ちょうどとなっております。保険料の負担率で見ますと、県内市町村国保が所得に対しての負担が10.4%、協会けんぽが7.6%、共済組合が5.9%となっております。

○西銘純恵委員 だから協会けんぽ並みにということで、ぜひ公費を投入してほしいというのが全国知事会の要望ではないかと思っています。負担率が大きくて54万円だのに5万円余りもね、10%、1割ですよね。これだけ国保だけに払うという状況がね、実際どうなのかというところ想像してほしいと思うんですよね。だからこそ公費をもっと入れろという声が来ていると思うんですね。
 次、39ページの陳情の関係。新規の陳情ですけども39ページでは滞納によって差し押さえがなされています。その滞納による差し押さえを機械的に行わないでということを―機械的にやるなということを要望していて、県の考えとそれと滞納による差し押さえの状況、沖縄県内はどういう状況かお尋ねします。

○山内昌満国民健康保険課長 滞納世帯の状況についてお答えします。平成30年6月1日現在における県内市町村国保の滞納世帯は3万4997世帯となっておりまして、加入世帯に占める割合は14.7%となっております。次に、差し押さえの件数についてお答えします。これについては29年度の件数として県内市町村での差し押さえ件数は合計で4444世帯となっております。

○西銘純恵委員 この4000件を超える差し押さえなんですけどね、実際機械的に行わないで払える払えないというところを丁寧にやってほしいということで陳情されていて、それに対する県の考え方、市町村に対してどういう助言をしているかお尋ねします。

○山内昌満国民健康保険課長 保険料につきましては、国保財政における自主財源という位置づけで給付費を賄うために大事な収入ではあります。その一方で、保険料については負担能力があるにもかかわらず保険料を滞納している状況があるという世帯に対しては滞納処分を実施するなど、これはまた一方では負担をしている他の被保険者との負担の公平の観点からになりますが、そういうことを確保することも重要であるというふうに考えております。ただ、手続としましては、まずは滞納相談の時点で実際どういう事情でお支払いができないのかというのをまずお聞きして、その上で福祉の制度等につなげるのがあればそこを御紹介したりとか、そういう丁寧な対応をした上でなおかつ財産、払えるものがあるにもかかわらず支払わない方に対しては適切な対応で、最終的な手段としては差し押さえというのもまた考えるべきということで、臨機応変にその場その場の滞納者の状況に応じた丁寧な対応をということで、市町村のほうには周知している、県のほうでも周知しております。

○西銘純恵委員 生活保護や多重債務問題のそういう手続もいろいろ丁寧にやっているということですが、具体的には市町村でそういうものにつなげて国保の滞納を徴収猶予にしたとか、そういう事例というのはつかんでいらっしゃるのでしょうか。

○山内昌満国民健康保険課長 具体的な件数とかという形では把握はしておりません。徴収の担当者から聞いたところによることで今、お話し申し上げました。

○西銘純恵委員 やっぱりこれ県の今の考え方がですね、ちゃんと市町村のほうにも行き渡るように、本当に払える人というのはわずかいるかもしれないとやっぱり思うんですけども、大方は先ほど説明をされたね、この所得金額からすれば本当に負担能力を超えているというのが国保の実態だし、だからこそ1兆円、全国知事会も財政投入をしなさいと言っていると思うんですよ。あと最後にですね、8ページの2018年度以降も現在以上に保険料を上げないこと、払える保険料にすることということで、国保税がこれ以上引き上がっていくという―今でもこういう状況があるので上がらないようにしてほしいという要望なんですけれども、今の41市町村、保険料みんな違いますよね。これについて払える保険料で払っているという考え方なのか、それともどうなのか。もっと保険料を上げることができる市町村があるという考え方なのかどうかお尋ねします。

○山内昌満国民健康保険課長 保険料につきましては、その設定方法については、仕組みとしましては費用がどれぐらい必要か、それから国、県の負担金、法定負担のほうで入ってくる公費などですね、それを差し引いて残りの部分は保険料で集めなければいけない部分になると。その部分を税として集めるのかどうかというところの判断が出てきますが、その賦課徴収につきましては、制度改正前後変わらず市町村の権限となっております。それを全て税で賄うのか、あるいは賄えないような形で条例は設定して残りの部分をどういうふうに財源調整するのかというのは、それぞれ市町村の条例制定の際の判断になってきます。とはいえ、やはり県としましては、それぞれ被用者保険等に加入している方はまたそれぞれの保険料を負担されていますので、国保の給付の部分について保険料で集めるべき額の部分は、やはりその給付を受ける権利を持っている方たちで賄うような形が法の仕組み上はやっぱり適当ではあるということも念頭に判断してほしいという立場であります。

○西銘純恵委員 給付に対する公費、そしてそれ引いて保険料を定めているということであるんですけど、実際は市町村が一般会計から繰り入れをしているというのは、保険料に転嫁していないという考え方だと思うんですね。保険料を負担ができないという考え方に立っていると。この一般会計の繰り入れというのは新年度、41市町村合計金額は、予算でいいんですけど、繰入額は平成30年度と今年度、どれだけですかね。

○山内昌満国民健康保険課長 法定外繰り入れの29年度の決算の額で言いますと、県全体で92億6069万という状況でした。30年度の決算につきましては、どうなる見込みかということは今現在県のほうでまだ把握していなくて、これから9月、10月にかけて決算状況で確認していきたいと思っております。

○西銘純恵委員 平成28年度までの繰り入れの平均は大体どれぐらいだったんですか。

○山内昌満国民健康保険課長 経年の数字でお答えします。ちょっと平均という、流れでですね。平成25年度が91億1100万余り。平成28年度が112億4630万。平成27年度が117億927万。平成28年度が111億4923万円。平成29年度が先ほど申し上げましたが92億9069万ということで、平成25年度から平成27年度にかけて若干ふえたんですが、そのあとは減っていく傾向にあります。

○西銘純恵委員 平成26年度、平成28年度と間違えてますよね。平成25年91億余り、平成26年112億余り、それから117億、114億、92億でよろしいですよね。92億ということは、結局一般会計から繰り入れをしなければそれが保険料にみんな影響を受けると。保険料で徴収しなければならなくなるという、この92億が国保世帯ですか、25万世帯。世帯ですよね。それからやればとてもじゃないけど負担できる額にはならないわけですよね。べらぼうだと思うんですよ。一般会計の繰り入れを見ていたら、ですよね。だからやはりここは、1兆円の公費繰り入れをしっかりやらないと県としてもね、市町村の保険料をもう払う能力がない、払えないというところにこの一般会計繰り入れをしないで、それから国保税で賄えということにはならないので、県は市町村に一般会計からの繰り入れは皆さんの市町村を尊重しますということできちんと伝えていくということはあるんですけどね。それでも市町村は厳しいと言っているわけですよね。だからやっぱり県も責任主体になりますから、今後県も県としての国保に対する財政支援をどうするかということをやっぱり考えていく、考えることが必要ではないか、これからね。こういうこともあわせて、一応それを指摘・提案をして質疑を終わりますけども、県の財政支援について今後どうするかということについては答弁一ついただいておきます。

○砂川靖保健医療部長 国保に関しては特会にですね、今でも県は180億負担しているわけですよ。保険税の引き上げというのがかなり厳しい、難しい。この被保険者の所得、考えた場合ですね、難しいと。例えばさっき言った法定外繰り入れ。この92億全部保険料でやれと言ったら、1人当たり2万円ぐらい保険料を引き上げないといけないわけですよ。これはちょっと実現不可能な数字ですので、そういう選択は考えていない。ただ、保険料については絶えず適切な負担率というのは考えていく必要があるだろうということは言っています。じゃあそういう状況下でどうするかといった場合、やっぱりその公費の拡充というのが重要になってくるということで、沖縄県としては今ですね、全国知事会を通じてさらなる公費の拡充を求めていますし、さらに沖縄県独自として、市町村国保連合会と連携して、高齢者医療制度の見直しによって生じた多額の財政状況の悪化、これを何らかの形で補塡する必要があるだろうということで、その分についても国に対して要請してきて、この間相当額の公費をぶち込んできたというところでございます。我がほうとしては引き続きですね、この二正面で要請活動は続けていきたいというふうに考えているということでございます。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 亀濱玲子委員。

○亀濱玲子委員 お願いいたします。ページ40ページの陳情書の70号の2をお願いいたします。伊是名村から出されておりますけれど、内容は離島の患者等支援事業についての拡充というんですかね。私はこの平成29年度から始まっている事業はとても評価をしてるところです。ですけれどもここに希望されている、やっぱり乖離があると。負担は大きいというような切実な要望が出ておりますので、具体的に算定方法、この補助事業の補助金の算定方法を見直してほしいというふうに希望されていますけれど、この算定方法を見直してほしいというものの―例えば内容を具体的に県のほうはどう把握されているかというのを教えてください。

○諸見里真医療政策課長 お答えいたします。まだ直接伊是名、伊平屋含めてですね、市町村とお話はしていないんですが、県は毎年意見交換会という形で年に1回設けております。それ以外にも実地検査を昨年度から実施しまして、その場で個別の市町村単位でいろいろ要望を聞いております。その段階ではまだこういうお話がなかったもんですから、今回こういうお話があったのを受けてですね、県としては今、宿泊費を含めて渡航費、いろいろ算定方式ありますが、改めて市町村から要望を聞いた上で、またほかの市町村、当然両村の意向を含めてほかの市町村もまた御意見を聞いて、必要であれば対応していきたいというふうに考えております。

○亀濱玲子委員 伊是名だけではなくてほかの対象となっている地域を実施してみて、改善すべき点はどういうところにあるというふうに県は思っていらっしゃいますか。

○諸見里真医療政策課長 県ではこれまでの意見交換等を踏まえて、昨年9月に付き添い人の要件を緩和いたしました。これも市町村から多く声が寄せられたため、見直しを図ったところです。今回、算定という形で具体的にまだ上がっていませんが、制度をつくったときに当然宿泊についても基準額という形で4000円を今設けていますが、この辺も2年たちましたので、その辺の実態も確認しながら、市町村の意見も聞きながら、必要であればその辺も含めて検討していきたいと。あと一部の市町村からは、特にフェリーで来る市町村からはその辺の車を載せて行く患者さんもいらっしゃるということで、船についても協議したいというお話もありましたので、引き続きそれについてはまた18市町村を含めて協議していきたいと思っております。

○亀濱玲子委員 例えば、自治体によってそれぞれ対象となるのが微妙に違っていたりします。一例挙げると、この宮古島市のほうで今度重度心身障害児あるいは者の方が渡航して、何か治療を受ける際のものも対象に含むという方向性にあったりするようなんですね。それは県がまた自治体の動きに伴ってそれも加えていくだとか、あるいは必要な―今のフェリーの話もそうです、必要なものを改善していくというような柔軟な形で取り組んでいくというふうに理解をしてよろしいでしょうか。

○諸見里真医療政策課長 今までもそういうスタンスで臨んでいましたし、今後もなるべく地元の市町村の意向は最大限酌むような努力はしていきたいと思っております。

○亀濱玲子委員 ありがとうございます。ぜひですね、私はこれはとても県の評価をする、沖縄県は島嶼県ですから島々を抱えてどこにいても命の重さが平等であるというような、特に今の知事の考え方からすると丁寧にきめ細かに取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 同じ陳情の中のその1ですけれど、1点だけ教えてほしいんですけれど、北部基幹病院についてこれまで部長は答弁の中で12市町村のというふうなことも答えていらっしゃいますので、この現在の12市町村の動向ですね、それについて答えられる、12あるので全部答えることも難しいでしょうけど、どういうことが課題になっているかをお聞かせください。

○砂川靖保健医療部長 市町村の場合はですね、経営システムについて明確な意見を述べている例はございません。やっぱり財政負担のところでですね、一定の懸念を示しているところもございますけれど、中には市町村も応分の負担をするのは当然だというような発言する方もいらっしゃいます。今現在、基本合意書案のたたき台についてですね、12市町村としてどういうふうな態度を示すか、これについて市町村内で調整していくという形で進んでいるというふうに理解しております。

○亀濱玲子委員 ありがとうございます。それぞれがまだ調整できていないという段階であるということがわかったので、引き続き課題だというふうに考えていきたいと思います。
 ついで、39ページの53号なんですが、西銘委員も質疑していただいたので詳しくは答えていただけていると思いますが、1点だけ。滞納による差し押さえについてということでの―機械的に行わないようなということを今、県のほうはやりとりは現場とはできているということですけど、この求めていることが国や県と書かれているのに、ここにおいては県ですけど、県からはっきりとそういうことを徹底するためには通知を出してほしいというふうにこの方は希望されているわけですけれど、今恐らく現場とのやりとり、助言をしているということですがそれをしっかり行き渡らせるために通知というのはこれまでにもされていますでしょうか。もしされてないのであれば、これからしていただきたいということですね。よろしくお願いいたします。

○山内昌満国民健康保険課長 こういうような通知につきましては、既に国のほうから適切な取り扱いということで通知がされております。それを我々としては、その研修の際とかそういうときに、繰り返しですね、研修の際に改めて認識してもらうということで対応しておりますので、今後も引き続き適切な運用、取り扱いが浸透できるように周知していきたいと考えています。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。

○狩俣信子委員長 質疑なしと認めます。
 以上で、保健医療部及び病院事業局関係の陳情に対する質疑を終結いたします。
 説明員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 休憩いたします。

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 議案及び陳情等の質疑については全て終結し、採決を残すのみとなっております。
 休憩いたします。

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 これより、議案及び陳情等の採決を行います。
 まず、乙第6号議案沖縄県民生委員の定数を定める条例の一部を改正する条例及び乙第7号議案沖縄県性暴力被害者支援センター設置条例の2件を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
ただいまの議案2件は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。

○狩俣信子委員長 御異議なしと認めます。
 よって、乙第6号議案及び乙第7号議案の条例議案2件は、原案のとおり可決されました。
 次に、乙第15号議案工事請負契約について、乙第19号議案財産の取得について、乙第22号議案車両損傷事故に関する和解等について及び乙第23号議案損害賠償の額の決定についての4件を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
ただいまの議案4件は、可決することに御異議ありませんか。

○狩俣信子委員長  御異議なしと認めます。
 よって、乙第15号議案、乙第19号議案、乙第22号議案及び乙第23号議案の議決議案4件は可決されました。

 休憩いたします。

○狩俣信子委員長 再開いたします。
次に、ただいま可決された乙第23号議案「損害賠償の額の決定について」に対しては、照屋委員から附帯決議案が提案されています。

 照屋守之委員。

○照屋守之委員 (口頭により附帯決議案の動議を説明)乙第23号議案、損害賠償の額の決定については異存はありませんけれども、そのかわり付帯決議としてですね、「今回の医療事故について県は責任はないものと考えていると説明しております。ところが、県は遺族との和解によって遺族に600万円の支払いを決定しております。責任がないのに補償する、このことは理解しがたいことであります。県は責任の所在を説明すべきであります。」以上のことを付帯決議としていただきますように提案申し上げます。以上です。

○狩俣信子委員長 ただいま提案がございましたけれども、意見・討論等はありませんか。
 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 今の附帯決議の提案の理由がね、県は責任がないけれども補償するのは納得いかないということを言っていたこの1点に尽きます。最初言いましたけど、3500万円の損害賠償請求されて裁判の中でいろいろ責任の所在とかね、手術には落ち度はなかったと、瑕疵はなかった。だけれども、その後の措置について双方の争いがあるというようなところも経過説明を皆さんが質疑する中で明らかになってきたので、一般的な裁判のあり方としたら弁護士がついていて双方やっておりますので、判例も見てということも確かに言っておりました。ですから、最終的に遺族の申し出による和解金で和解をするということについては、通常の行政のとる方法としても妥当なものだと思うし責任がないのに補償金、賠償金を払うのはということには当たらないと思いますので、附帯決議は要らないと思います。

○狩俣信子委員長 ほかにありませんか。

○狩俣信子委員長 意見、討論等なしと認めます。
 以上で、意見、討論等を終結いたします。
 休憩いたします。

○狩俣信子委員長 再開いたします。
これより、乙第23号議案に対する附帯決議案を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本件は、挙手により採決いたします。
 なお、挙手しない者は、これを否とみなします。
 お諮りいたします。
 本附帯決議案は、可決することに賛成の諸君の挙手を求めます。

○狩俣信子委員長 挙手少数であります。
 よって、本附帯決議案は否決されました。
 次に、陳情の採決を行います。
 陳情の採決に入ります前に、その取り扱いについて御協議願います。
 休憩いたします。

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 お諮りいたします。
 陳情については、休憩中に御協議いたしました議案等採決区分表のとおり決することに御異議ありませんか。

○狩俣信子委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 次に、閉会中継続審査・調査事件の申し出の件についてお諮りいたします。
 先ほど、閉会中継続審査・調査すべきものとして決定した陳情91件と、本委員会所管事務調査事項を閉会中継続審査及び調査事件として、議長に申し出たいと思いますが、これに御異議ありませんか。

○狩俣信子委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 次に、お諮りいたします。
 ただいま議決しました議案等に対する委員会審査報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

○狩俣信子委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 以上で、本委員会に付託された議案等の処理は、全て終了いたしました。
 委員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 本日の委員会は、これをもって散会いたします。






沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。

   委 員 長  狩 俣 信 子