委員会記録・調査報告等

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文教厚生委員会記録
 
令和5年 第 1定例会

4
 



開会の日時

年月日令和5年3月22日 曜日
開会午前 10 時 2
散会午後 6 時 0

場所


第4委員会室


議題


1 乙第5号議案 沖縄県地域福祉基金条例を廃止する条例
2 乙第6号議案 沖縄県介護保険法関係手数料条例の一部を改正する条例
3 乙第7号議案 沖縄県児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例
4 乙第8号議案 沖縄県幼保連携型認定こども園以外の認定こども園の認定の要件に関する条例の一部を改正する条例
5 乙第9号議案 沖縄県子ども・子育て会議設置条例の一部を改正する条例
6 乙第10号議案 沖縄県幼保連携型認定こども園の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例
7 乙第11号議案 沖縄県指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例
8 乙第12号議案 沖縄県指定障害児入所施設等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例
9 乙第13号議案 沖縄県差別のない社会づくり条例
10 請願令和3年第1号、陳情令和2年第54号の3、同第63号、同第66号、同第109号、同第122号、同第149号、同号160号、同第164号、同第173号、同第196号、同第214号、同第215号、陳情令和3年第12号、同第15号、同第22号、同第28号、同第41号、同第42号、同第63号、同第72号、同第74号から同第76号まで、同第81号、同第82号、同第104号、同第105号、同第119号、同第157号、同第158号、同第172号、同第204号、同第206号、同第212号、同第239号、同第240号、陳情令和4年第8号、同第14号、同第16号、同第21号、同第26号、同第28号、同第33号、同第39号、同第48号、同第51号、同第56号、同第57号、同第77号、同第78号、同第100号、同第124号の3、同第143号、同第145号、同第174号、同第180号、陳情第23号、第28号、第30号、第40号及び第45号


出席委員

委 員 長  末 松 文 信 君
副委員長  石 原 朝 子 さん
委  員  小 渡 良太郎 君
委  員  新 垣 淑 豊 君
委  員  照 屋 大 河 君
委  員  比 嘉 京 子 さん
委  員  瀬 長 美佐雄 君
委  員  玉 城 ノブ子 さん
委  員  喜友名 智 子 さん
委  員  仲宗根   悟 君
委  員  上 原   章 君


欠席委員


説明のため出席した者の職・氏名

 知事公室特命推進課長   武 村 幹 夫 君
子ども生活福祉部長     宮 平 道 子 さん
 生活企画統括監      大 城 清 二 君
 保護・援護課長      金 村 禎 和 君
 高齢者福祉介護課長    大 城 行 雄 君
 青少年・子ども家庭課長  宮 城 和一郎 君
 子育て支援課長      下 地   努 君
 障害福祉課長       普天間 みはる さん
 女性力・平和推進課長   島 津 典 子 さん



○末松文信委員長 ただいまから、文教厚生委員会を開会いたします。
 本日の説明員として、総務部長及び子ども生活福祉部長の出席を求めております。
まず初めに、乙第5号議案沖縄県地域福祉基金条例を廃止する条例を議題といたします。
 ただいまの議案について、子ども生活福祉部長の説明を求めます。
宮平道子子ども生活福祉部長。

○宮平道子子ども生活福祉部長 おはようございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 ただいまお手元のタブレットに通知しました乙号議案説明資料の2ページを御覧ください。
 乙第5号議案は、高齢者等の保健福祉の向上等を図る事業に充当するため平成3年度に設置した沖縄県地域福祉基金を廃止する必要があることから、条例を廃止するものです。
 以上で、乙第5号議案についての説明を終わります。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

○末松文信委員長 子ども生活福祉部長の説明は終わりました。
 これより、乙第5号議案に対する質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないよう簡潔にお願いいたします。
 この際、執行部の皆様に申し上げます。
 答弁に際しては、要点をまとめ、要領よく行い、円滑な委員会運営が図られるよう御協力をお願いいたします。
 質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○末松文信委員長 質疑なしと認めます。
 よって、乙第5号議案に対する質疑を終結いたします。
次に、乙第6号議案沖縄県介護保険法関係手数料条例の一部を改正する条例を議題といたします。
 ただいまの議案について、子ども生活福祉部長の説明を求めます。
 宮平道子子ども生活福祉部長。

○宮平道子子ども生活福祉部長 それでは、説明資料の3ページを御覧ください。
 乙第6号議案は、介護支援専門員実務研修受講試験問題作成手数料の額を改める必要があることから、条例を改正するものです。
 以上で、乙第6号議案についての説明を終わります。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

○末松文信委員長 子ども生活福祉部長の説明は終わりました。
 これより、乙第6号議案に対する質疑を行います。
 質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○末松文信委員長 質疑なしと認めます。
 よって、乙第6号議案に対する質疑を終結いたします。
休憩いたします。

   (休憩中に、補助答弁者の入替え)

○末松文信委員長 再開いたします。
 次に、乙第7号議案沖縄県児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例を議題といたします。
 ただいまの議案について、子ども生活福祉部長の説明を求めます。
 宮平道子子ども生活福祉部長。

○宮平道子子ども生活福祉部長 それでは、説明資料の4ページを御覧ください。
 乙第7号議案は、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準等の一部が改正されたことに伴い、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を改める必要があることから、条例を改正するものです。
 以上で、乙第7号議案についての説明を終わります。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

○末松文信委員長 子ども生活福祉部長の説明は終わりました。
 これより、乙第7号議案に対する質疑を行います。
 質疑はありませんか。
石原朝子委員。

○石原朝子委員 この条例は令和5年4月1日から施行するということなんですけれども、ただし、7の一部は公布の日から施行するということなんですけど、この一部というのは、具体的に御説明をお願いします。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 お答えします。
 社会福祉士及び介護福祉士法施行規則の改正に伴い、通所の基準省令において条ずれに対応する形式的な改正が令和4年4月1日付で行われました。本改正の公布は令和4年4月1日付の条例改正のスケジュールには間に合いませんでしたが、内容が形式的なもの、つまり条ずれであったことから、別途本改正のみの改正を行わず、次年度以降の条例改正時に併せて改正することとしていたところであります。厚労省令改正は令和4年4月1日に施行済みであることから、条例改正におきましては令和5年4月1日を待たず公布と同日施行とするというところでございます。

○石原朝子委員 すみません、ちょっと分かりにくいところもあったので、具体的にどういった施設のどの部分のことを示していらっしゃるのでしょうか。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 本件の厚生労働省令改正は児童福祉施設の設備及び運営に関する基準及び児童福祉法に基づく通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準について、社会福祉士及び介護福祉士法の附則の―先ほど申し上げました条ずれに対応する形式的なものであることから、準備に要する期間とかが特に必要ないので、公布の日に施行という説明になるんですが。 
 以上です。

○石原朝子委員 ちょっと分かりにくかったんですけれども、後日に資料等を頂ければいいかなと思っております。
 以上です。

○末松文信委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○末松文信委員長 質疑なしと認めます。
 よって、乙第7号議案に対する質疑を終結いたします。
 休憩いたします。

   (休憩中に、補助答弁者の入替え)

○末松文信委員長 次に、乙第8号議案沖縄県幼保連携型認定こども園以外の認定こども園の認定の要件に関する条例の一部を改正する条例を議題といたします。
 ただいまの議案について、子ども生活福祉部長の説明を求めます。
 宮平道子子ども生活福祉部長。

○宮平道子子ども生活福祉部長 それでは、説明資料の5ページを御覧ください。
 乙第8号議案は、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律第3条第2項及び第4項の規定に基づき内閣総理大臣、文部科学大臣及び厚生労働大臣が定める施設の設備及び運営に関する基準の一部が改正されたことに伴い、幼保連携型認定こども園以外の認定こども園の認定の要件を改める等の必要があることから、条例を改正するものです。
 以上で、乙第8号議案についての説明を終わります。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

○末松文信委員長 子ども生活福祉部長の説明は終わりました。
 これより、乙第8号議案に対する質疑を行います。
 質疑はありませんか。
 比嘉京子委員。

○比嘉京子委員 幼保連携型認定こども園以外の認定こども園というのは、どういうこども園でしょうか。

○下地努子育て支援課長 認定こども園の類型としましては保育所型の認定こども園、それと幼稚園型の認定こども園、それと幼保連携型認定こども園などの類型に分かれているところであります。ですので幼保連携型認定こども園、あるいは認定こども園といいますと、保育所型の認定こども園と、幼稚園型の認定こども園という形になります。

○比嘉京子委員 この条例が幼保連携型以外の認定こども園の認定に関する条例改正だということになっているんですけれども、その理由は何でしょうか。

○下地努子育て支援課長 認定こども園につきましては、別途基準等について規則等で定義しているところもあるもんですから、条例の改正ではなく、それ以外のものについて規則等の改正で対応するという形になっておりまして、今回の条例改正の対象とはなっておりません。

○比嘉京子委員 幼保連携型の認定こども園というのも認定こども園だと思うんですよね。それを除くという理由はと先ほどから聞いているんですけれども。幼保連携型以外にこれを設置するということは、どういうことでしょうかということで。

○下地努子育て支援課長 認定こども園の類型ごとにその基準を定める根拠、こちらが違いますので、こちらについて今分けているところであります。
 ただいま議案となっています幼保連携型以外の認定こども園となっているんですけど、その他のこども園につきましては10号議案のほうで改正内容について御説明いたしますので、よろしくお願いいたします。

○比嘉京子委員 この議案の提出の説明のところにあるのが、乳児12名に対して保育士が従来なら4名以上だと思うんですね。3対1ということをこれまで国は基準としてきたわけですけれど、それに代わるものとして保育士3名にあとの1人は看護師とか、それから准看ですね、保健師。そういう人でもいいですよと言っているわけですよね。これについては国はそういうふうに判断するということですけれども、保育の内容としては私は4人にプラス1にすべきだと思っているんですね。1人の代わりに看護師、保健師、准看ということではなくて、4人の保育士でさえも大変。4人の保育士で子供を見ることさえも大変なのに、看護師たちが保育士の代わりを務めなさいという、内容になっているわけですよね。そういうことについて県としてはどういう見解なんでしょうか。国が言っているから、もう仕方がないと言えばそれまでなんですけれど。

○下地努子育て支援課長 今回の改正は保育士に代わって看護師が保育を行うことができるという改正になっております。今委員のお話にありました体制の強化という点につきましては、九州知事会等を通しましてただいま国に対して要望しているところでございます。

○比嘉京子委員 結局、保育士の代わりに看護師でもいいですよという流れをつくられていこうとしているわけです。そのことが私は非常に重要な流れだと思うんですけれども、沖縄県は違いますよということをするのか。例えば次の下ですね。3名に対して保育士が見て、はじめて看護師なんだけど、それでも看護師でもいいですよ、看護師でも保育士でもいいですよという言い方に変わってきているわけです。ということは国家資格である保育士の資格とは何かという根本的な問いにさえも関わってくる問題ではないかと思うのですね。そこら辺は県としての見解というのを私はしっかり持つ必要があるのではないかと思うのですけれども、部長いかがでしょうか。

○宮平道子子ども生活福祉部長 今回の改正は国の基準の改正を受けまして、県としての体制を整えるための改正というふうに考えております。乳児12人に対しては保育士4人ということが―4人でも十分かという議論があるかと思いますけれども、ただ4人の確保が非常に厳しいという状況があるときに看護師と保健師と、というときにも―この看護師が勤続年数がおおむね3年以上であるとか、乳児への保育の経験を有していることを条件に保育士と合同で行うということを前提に認めるというようなことになっております。そういった体制についてはしっかり確保した上で、保育士の確保が厳しいときにはこういう体制も可能であるというふうなことになるかと思います。

○比嘉京子委員 じゃ今県の、この国の改正についての理解としては保育士確保がなかなか厳しいと。だから他の業種でも代替として入れることによってカバーができるのではないかという理解の上に立っての国の改正案であるということを県としても了としようというような理解でよろしいんでしょうか。

○宮平道子子ども生活福祉部長 法制度としての体制を整えるということでの説明を、今回このような体制を整えるということで改正をさせていただくということでございます。

○比嘉京子委員 すみません、もう一度今の答弁をお願いします。

○宮平道子子ども生活福祉部長 法制度上の体制を整えていくということでの今回の改正ということでございます。

○比嘉京子委員 このことは国の配置基準の下に変更をかけようとしているわけです、今。配置基準を見直してもいいよという案なわけですよ。そのことについて沖縄県としてはどういうお考えですか。

○下地努子育て支援課長 現在のこの改正につきましては、国の改正に伴いまして、それに連なる形での県条例の改正となります。なので委員のおっしゃるとおり、いろいろな御懸念もあるかとは思いますけれども、従うべき条例改正となっておりまして今回改正に至った次第であります。

○比嘉京子委員 それは理解いたしております。
 そこで沖縄県が、例えばこの条例改正についてそもそも論として違うのではないかと思うのか、それもありだなと思うのかということは大きな配置基準の流れを変える条例だと思うんですね。そうするとこれを受け入れる、国が言うから受入れはするけれども、そもそも論としては違うんですよ。だから知事会で訴えましょうとか、九州の皆さんの代表者会議で訴えましょうとかという方向にいくのか、いかないのか。つまりこの流れをそのまま踏襲していっていいという考えなのか、どうなのかという考え方をお伺いしているんです。

○宮平道子子ども生活福祉部長 先ほど来御説明しております、今回の改正はしなければならない改正であるということは一つあります。ただ、配置基準の見直しにつきましてはこれまでも答弁させていただきましたとおり、全国知事会や九州の主管部長会議等を通して国に対して要請をしてきているところでございます。引き続き配置基準の見直しについては要請をしていきたいと考えております。

○比嘉京子委員 いわゆる根本的な、根幹のところを見直さずに、そして保育士が集まらないからという次の手段であったり、加配であったり、加算であったり、根幹は何も変わっていないわけです。だから保育士が集まらない。保育士が集まらない理由の根幹を変えずして、集まらない流れをどうやって回避しようかという方向性に国が動いているということを沖縄県はしっかりと認識すべきだと私は思うんです。
 今保育園では看護師を採用する方向は広まっています。現場では広まっています。しかし、保育士の代わりにという発想はありません。そのないところにあることを入れていくんですよ。じゃその人たちが保育ができるのかどうか、看護を3年経験していればできるのかどうか。そこは根本的な大きな違いがあると思います。そこら辺は私は国から言われてきているけれども、国の保育士確保ができていない根幹を変えるべきだという声を、沖縄県は大きな声を出すべきだと。子供の多い沖縄県から出すべきだと。そこをやらないで保育士が集まらなくて窮しているから、代わりにこういう人たちでもいいんじゃないのというような国のこの考え方そのものの流れは、次は3人から2人になってきますよ。ほかの職種で。そういうことを認め合っていこうという流れをね、今国がつくってきているということを私はしっかりと沖縄県のスタンスを持つべきではないかと考えていますので、一応提案としておきます。

○末松文信委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○末松文信委員長 質疑なしと認めます。
 よって、乙第8号議案に対する質疑を終結いたします。
 次に、乙第9号議案沖縄県子ども・子育て会議設置条例の一部を改正する条例を議題といたします。
 ただいまの議案について、子ども生活福祉部長の説明を求めます。
 宮平道子子ども生活福祉部長。
 
○宮平道子子ども生活福祉部長 それでは、説明資料の6ページを御覧ください。
 乙第9号議案は、子ども・子育て支援法の一部が改正されたことに伴い、条例の規定を整理する必要があることから、条例を改正するものです。
 以上で、乙第9号議案についての説明を終わります。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

○末松文信委員長 子ども生活福祉部長の説明は終わりました。
 これより、乙第9号議案に対する質疑を行います。
 質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○末松文信委員長 質疑なしと認めます。
 よって、乙第9号議案に対する質疑を終結いたします。
 次に、乙第10号議案沖縄県幼保連携型認定こども園の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例を議題といたします。
 ただいまの議案について、子ども生活福祉部長の説明を求めます。
宮平道子子ども生活福祉部長。

○宮平道子子ども生活福祉部長 それでは、説明資料の7ページを御覧ください。
 乙第10号議案は、幼保連携型認定こども園の学級の編制、職員、設備及び運営に関する基準の一部が改正されたことに伴い、幼保連携型認定こども園の設備及び運営に関する基準を改める等の必要があることから、条例を改正するものです。
 以上で、乙第10号議案についての説明を終わります。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

○末松文信委員長 子ども生活福祉部長の説明は終わりました。
 これより、乙第10号議案に対する質疑を行います。
 質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○末松文信委員長 質疑なしと認めます。
 よって、乙第10号議案に対する質疑を終結いたします。
休憩いたします。

   (休憩中に、補助答弁者の入替え)

○末松文信委員長 再開いたします。
 次に、乙第11号議案沖縄県指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例及び乙第12号議案沖縄県指定障害児入所施設等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例の2件は、内容が関連することから、一括して議題といたします。
 ただいまの議案2件について、子ども生活福祉部長の説明を求めます。
 宮平道子子ども生活福祉部長。

○宮平道子子ども生活福祉部長 乙第11号議案と乙第12号議案は関連しますので、まとめて御説明いたします。
 それでは、まず、説明資料の8ページを御覧ください。
 乙第11号議案は、児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準の一部が改正されたことに伴い、指定児童発達支援の事業の人員及び運営に関する基準を改める等の必要があることから、条例を改正するものです。それでは、次に、説明資料の9ページを御覧ください。
乙第12号議案は、児童福祉法に基づく指定障害児入所施設等の人員、設備及び運営に関する基準の一部が改正されたことに伴い、指定福祉型障害児入所施設の運営に関する基準を改める等の必要があることから、条例を改正するものです。
 以上で、乙第11号議案及び乙第12号議案についての説明を終わります。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

○末松文信委員長 子ども生活福祉部長の説明は終わりました。
 これより、乙第11号議案及び乙第12号議案に対する質疑を行います。
 なお、質疑の際は、どの議案に対する質疑であるか、議案番号を申し述べてから質疑を行うようにお願いいたします。
質疑はありませんか。
 小渡良太郎委員。

○小渡良太郎委員 ちょっと議案ごとに聞くのもと思ったのでちょっとまとめてお聞かせいただければいいんですけれども、11、12、両方で、その前の分も含めて、この自動車、条例改正前の条例もそうだったんですけれども、この自動車を運行する場合の安全装置等の設置とかというのがそれぞれに入っていたと思います。これは全体で―一個一個聞くとまた長くなると思ったものですから、全体で何台ほど。どれくらいこの予算措置が見込まれるのかというところ、もし把握されていたら教えていただきたいなと思います。

○普天間みはる障害福祉課長 お答えいたします。
 自動車を運行する場合の所在の確認ということで、通所条例のほうには送迎用バスの安全装置の義務づけが入っておりますが、12号議案の入所のほうには入ってございません。
 その送迎用バスの需要なんですけれど、通所系の児の事業所が県指定で479事業所ございまして、令和4年11月に調査を実施しまして、3列以上の車が対象になりますので、それを保有している事業所が1事業所当たり1.8台、そして総台数が863台となっています。ということで、予算のほうは2月補正予算で計上してございます。

○小渡良太郎委員 ありがとうございます。
 以上です。

○末松文信委員長 ほかに質疑はありませんか。
 新垣淑豊委員。

○新垣淑豊委員 ありがとうございます。
 今の小渡委員からの流れで聞きたいのが1点ありまして、今回新規の設置に関しては多分予算化がされると思うんですね。国からの予算が下りてくるという形になると思うんですけれども、その後の更新ですね。今回は出るけれども、今後の、例えば新しく車を買いましたよとか、そういったときに関してはどのようになっていくのか教えてください。

○普天間みはる障害福祉課長 まずこちらのバスの安全装置の設置は、県外で事故があった令和4年9月5日以降のバスの装備から対象になります。そして、令和6年3月31日までに設置するということになっているんですけれど、国のほうではこの義務づけの基準省令の新設の趣旨に鑑みて、可能な限り令和5年6月末までに導入するよう努めることとされています。令和5年6月を過ぎましても対象にはなりますけれど、可能な限り6月までということで。
 バスのほうも、令和4年9月5日以降の新しく購入したバスにやっても大丈夫ですし、これから新しくバスを購入して設置した場合も対象になります。

○新垣淑豊委員 例えば今令和6年3月31日までですというお話なんですけれども、それ以降というのは、例えば国からお金が下りてくるのか、もしくは県がちゃんとしっかりと用立てるのかというのは、今のところ方向性というのは決まっていますか。

○普天間みはる障害福祉課長 今現在のところ、こちらまでの期間が対象とされておりまして、これ以降についてはまだ国から通知等ございませんので、今後は注視して障害者事業所の支援に当たってまいりたいと思います。

○末松文信委員長 ほかに質疑はありませんか。
 石原朝子委員。

○石原朝子委員 今回は補正予算で上げておりますけれども、次年度その予算を活用して実施する事業所は何割程度実施されるのか。それとまた代替―安全装置の装備が困難な場合は代替措置で可能ということなんですけれども、どういった代替措置が可能で、その確認はどういうふうに県のほうはされるんでしょうか。

○普天間みはる障害福祉課長 まず今の御質問はお2つあったかと思います。
 最初の御質問は送迎用バスの改修の対象、希望の事業所数だと思うんですけれど、こちらは479事業所。
 2つ目の御質問で、代替措置としてはどういったことがあるかということなんですけれど、例えば安全装置の装備がなされるまでの間、運転席に確認を促すチェックシートを備え付けるとともに、車両後方に園児の所在確認を行ったことを記録する書面を備えるなど、園児が降車した後に運転手等が車内の確認を怠ることがないようにするための措置を講ずることとなっています。

○石原朝子委員 最初に質疑したのは、台数は分かっております。これをその代替措置ではなく、実際にこの予算を活用してできる事業所は何割程度それを活用してやれるのか、それともできない、代替措置に回っていく施設も何割程度あるのかということですね。

○普天間みはる障害福祉課長 義務づけですので、こちらの、全ての事業所に3列目以上の車両があった場合は、全てを対象にしております。

○石原朝子委員 ですから、この義務づけではあるんですけど、この装置の設備ができない場合は代替措置をしていいよということなんですけれども、対象件数は大体―100%代替措置なく装備をしたほうがよろしいかと思うんですけれども、そうできない事業者、何割程度見込んでいらっしゃいますか。

○宮平道子子ども生活福祉部長 安全装置を整えることが困難である、すぐに整えることが困難である場合には、令和6年3月までの間、車内の園児の見落としを防止するための代替的な措置を講ずるということになっております。なので、この代替措置というものの期限が次の3月までとなっておりますので、それ以降は全て義務づけということになりますので、全ての対象となる自動車については対象になっていくということでございます。

○石原朝子委員 そうしますと、基本的にはみんなそれに向けて整備、段階的にしっかりと取り組んで行くという―県のほうは指導はしていくということですね、確認も。
 はい、分かりました。

○末松文信委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○末松文信委員長 質疑なしと認めます。
 よって、乙第11号議案及び乙第12号議案に対する質疑を終結いたします。
 休憩いたします。

   (休憩中に、補助答弁者の入替え)

○末松文信委員長 再開いたします。
 次に、乙第13号議案沖縄県差別のない社会づくり条例を議題といたします。
 ただいまの議案について、子ども生活福祉部長の説明を求めます。
 宮平道子子ども生活福祉部長。

○宮平道子子ども生活福祉部長 それでは、説明資料の10ページを御覧ください。
 乙第13号議案は、社会全体で不当な差別の解消を推進するため、その基本理念等を明らかにし、県が講ずる施策の基本事項を定めるとともに、不当な差別的言動に対する措置等について調査審議を行う附属機関を設置する必要があることから、新規に条例を制定するものです。
 以上で、乙第13号議案についての説明を終わります。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

○末松文信委員長 子ども生活福祉部長の説明は終わりました。
 これより、乙第13号議案に対する質疑を行います。
 質疑はありませんか。
喜友名智子委員。

○喜友名智子委員 この条例案、幾つかこの委員会でもテーマになってきた罰則規定、それからいわゆる沖縄ヘイトというものをどう入れるかというところが論点になってきたかと思ってはいるんですけれども、最終的に様々な分野の人権を含めた条例案が出てきましたと。私は再三申し上げているんですけれども、包括的な条例案が出てきたこと自体は非常に職員の皆様をねぎらいたいですし、評価をしています。
 ただ一方で、包括的な条例になったがために、本来この条例で制定をするべきだったと、陳情が上がってきていた県民の願い、それから委員会でも指摘を多く受けていた点、具体的に言うと先ほど申し上げた罰則規定といわゆる沖縄ヘイト、この部分の議論がどうしても後退してしまったという理解もしています。この件は条例ができた後も、もうできたから終わりではなくて、やはり県の姿勢がしっかり見えるような条例を肉づけをしていく、そのための期間になるんであろうと思っています。その姿勢で質疑をいたしますけれども、まず改めてこの条例の中での差別の把握、それから罰則、これについて条例の中ではどう規定をされていくのか、改めて御説明をお願いします。

○島津典子女性力・平和推進課長 ありがとうございます。
 御質問ですが、条例の7条において県の取組の基本方針を定めております。「人権尊重の理念を普及させ、及びそれに対する県民の理解を深めること」、「不当な差別に関する相談に的確に応じること」、「不当な差別が生ずる背景、その他の差別の実情を踏まえた取組を行うことにより、不当な差別の解消の推進を図ること」としております。相談体制をしっかり整備をし、また差別の実態調査、把握をすることにより差別の実情を踏まえた取組を行うことを規定しております。
 御指摘の罰則につきましては、様々な御意見、パブリックコメントでもお寄せいただきました。現時点においては過度な規制になるということから、罰則規定は設けておりません。この条例の施行後の取組の効果を検証し、県の施策、施行の状況について検討を加え、必要があると認めた場合は見直しをしていくということで附則を設けております。

○喜友名智子委員 最初の差別の把握というのはこれ誰がどういった時点で把握をするということになるんでしょうか。

○島津典子女性力・平和推進課長 まずは人権尊重の理念の普及啓発、そして先ほど相談体制というところで、専門相談員による相談を実施します。また法的な助言が必要な場合の弁護士による法律相談を行っております。情報収集、実態の調査というところで令和5年度は本条例が制定されましたら、この条例の周知啓発を図っていき、相談体制を整備しておきますけれども、令和6年度は差別の実態調査、また県民の意識の調査などを行って、より具体的にどのような差別の実情があるのかということを把握して、施策に反映させていきたいというふうに考えております。

○喜友名智子委員 被害者からの申し出と情報収集によって差別を把握していく仕組みになっているという理解をしました。
 次年度は職員が1名増員されていますけれども、必ずしもヘイトスピーチ専門の職員ではないんですよね、恐らく。これ情報収集できますか、十分。

○島津典子女性力・平和推進課長 体制で申し上げますと専門相談員の職が1名というところでなっております。体制的には職員の配置は現状維持でございますけれども、しっかり相談員と合わせて取り組んでいきたいと思っております。

○喜友名智子委員 相談員ということは差別を把握するのではなく、あくまでも申し出た方の対応をしますということなんですよね。逆に言えば、申し出がなかったら別に県は差別を把握してませんということになるんじゃないかと思っています。その相談員の方が情報収集の担当まで行うのかどうかというところも分かりませんし、担当するにしてもやはり業務過多になるのではないかというところを心配いたします。そうするとこの情報収集の部分は県が直接職員がやることも期待はしたいですけれども、やはり外部の方、団体に委託をする、そういった連携も必要ではないかと思いますけれども、この点はどう想定されているでしょうか。

○島津典子女性力・平和推進課長 貴重な御意見をありがとうございます。
 他自治体においてはそのような形で委託をしているところもあるというふうに伺っております。まずは県においてしっかり情報収集、相談に応じていくこととしておりますが、その後の対応についても検討をしていきたいと思っております。

○喜友名智子委員 ヘイトスピーチに関しては県が、それから県議会がこの条例制定に取り組む前から実際に公共の場で憎悪表現を繰り返すという個人、団体をモニタリングをして、彼らはその情報の下に県議会に陳情を多く出してきました。ですから、ヘイトスピーチの実態がないという批判もありますけれども、私はこれは実態を知らないからそう言っているだけだと思っています。この今までモニタリングをしてきた県民以上に問題意識を持って、情報収集に当たれる人たちが本当にいるのかどうか。そこの部分はしっかり考えないと、非常に憎悪表現というのは担当する職員、それから目にする人たち、非常にやっぱり見ていて不快で心が痛めつけられるものです。こういったことをずっと対応してきた市民団体との協力は、ぜひ検討していただきたいですし、これまでも条例をつくるに当たって意見交換を繰り返してきたと思います。ですので、そういったこれまでの動きも、条例が制定された後も続けていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○島津典子女性力・平和推進課長 本議会に条例を提案するまで様々な議論、市民団体との意見交換、皆様の思いがあってこの条例提案となったところです。おっしゃるようにインターネット上の誹謗中傷などが社会問題となっており、それに対する対応が必要ということも出てきております。差別的言動が人の心を傷つけるというおそれがあることを一人一人が認識して、他者を尊重し合える社会の実現を目指し、差別のない社会づくりに向けてこの条例を―この取組をスタートして、取り組んでいきたいと思っております。

○喜友名智子委員 すみません、この点は質問を続けていきます。
 差別の把握を県も行っていく。それから申し出があった場合には審議会でこれが差別に当たるのかどうか、憎悪表現に当たるのかどうかという審議会を設けるということになっています。3年をめどにという答弁も何度か聞いていますけれども、この3年間の間に差別、それから憎悪表現が認定された、あるいは取り立てて向こう3年間は何もなかったという状況も考えられはするわけです。私はこれ条例自体が歯止めになっているんじゃないかなというふうに想定をしますけれども、3年たったときにこの条例の中身を見直そうと。特にヘイトスピーチ規制の分野に限って見直しがやはり必要だという場合は、どのような流れになるんでしょうか。

○島津典子女性力・平和推進課長 まずは令和5年度はこの条例の周知を、相談体制の整備を図り、相談対応を通して事例を把握していきたいと思っております。令和6年度には県民の意識や被害の実態調査など実施することを想定しております。そして令和7年度においてはこの当該調査の結果を踏まえまして、施策の実施状況、相談や公表の状況などを分析し、効果的な施策を検討していくというふうに考えております。

○喜友名智子委員 今、その条例案の条文を見ますと、特に見直しが必要と明確に記載されている部分はないように見えるんですけれども、条例案の中で、見直し規定等々をまた追加するということは予定されていますか。

○島津典子女性力・平和推進課長 附則の検討というところで、知事はこの条例の施行後3年をめどとして、社会経済情勢の変化等を勘案し、この条例の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときはその結果に基づいて必要な措置を講ずるものとするということとなっております。この検討を加えというところで、7年度に検討を加えていきたいというふうに今考えているところです。

○喜友名智子委員 この条例の見直し規定は私は特にヘイトスピーチの部分に関しては優先して行う必要がやっぱりまだあると思っていますので、県の調査、情報収集、これはしっかりと行った上で、もし実例がなかったとしても、だから何もしなくてもいいんだということにはならないと思います。ヘイトスピーチを実際にしている個人団体というのは県民が実際に目の前に出て、いわゆるカウンター活動、こういう憎悪表現をやめなさいということをやっているから止まっているという実態があります。ですので、こういった県民の努力がなければ、やはり止まらないと。これを、この条例ができることでどこまで牽制できるか、止められるかというところは非常に中身が問われていると思います。県の条例の見直しまでの3年間の間に、ぜひ憎悪表現が公共の場でも―本来は公共の場でなくてもやってはいけないことなので、この条例が歯止めになるという県の取組を期待いたします。
 もう一点。いわゆる沖縄ヘイトに関する部分ですけれども、本会議の答弁の中で沖縄ルーツの扱いどうなるんですか、入っていないじゃないかという質問を私させていただきました。部長の答弁の中で出身についてはヘイトスピーチ解消法の前文において本邦の域外にある国、または地域の出身であることを理由としてと記載されているという答弁だったんですね。そうすると県のほうでは沖縄ヘイト、それから沖縄の人々や、沖縄をルーツとする人々への差別に関してはヘイトスピーチ解消法に含まれていると解釈しているんですか。そうじゃないから条例ができていると思っています。

○島津典子女性力・平和推進課長 基本理念の方ですね、3条のほうになりますけれども、「不当な差別のない社会の形成は、全ての人が、個人として人格及び個性が尊重され、その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有することを踏まえ、何人も人種、国籍、信条、性別、性的指向、性自認、社会的身分、出身その他の事由を理由とする不当な差別をしてはならないという認識の下に、県、市町村、県民及び事業者が相互に連携協力し、社会全体として推進していかなければならない。」、この基本理念を大前提としております。その中で県の責務、県民の責務、事業者の責務につきまして、基本方針、先ほど7条で御説明いたしました。そして8条ではインターネット上の、9条では県民であることを理由とする不当な差別的言動に関する施策ということで9条のほうを設けさせていただいたところです。今委員御指摘のとおり、沖縄ルーツということに関しましては様々な御意見がございましたが、この県民であることを理由とするものの中に含まれているというふうに解釈しています。

○喜友名智子委員 県民という言葉はあくまでも行政単位での事務的な区分なんですよね。ヘイトスピーチは人種、民族、出自という事務的な行政区分とは何ら関係のない、むしろ、それよりも前の歴史的な経緯から理由を発する差別、憎悪表現なわけです。ですので、この県民という言葉で沖縄ヘイトというものも含まれていますという部分に関しては、やはり不十分じゃないかと思います。そのときにやはり県、それから知事の答弁もそこは最後は世界人権宣言のように一人一人の人権を大事にするんだという議論で乗り切ろうとしているように聞こえるんですけれども、それでもなお、日本の中では部落差別、それから同和差別、こういった日本の歴史から来る、経緯から来る差別というものがまだ残っているわけですよ。それをですね、沖縄には内地のように部落差別というものとはまた違った状況がありますけれども、沖縄自体が日本の中ではユニークな歴史を持っているがゆえに、沖縄ヘイトというものはやはり生み出されてきた部分があるんじゃないか。県民という言葉でくくると、そこすら見えなくなってしまう。むしろ沖縄のほうから進んで、そんな差別はありませんと言っているふうにも聞こえるんですけれども、こういった県民では不十分じゃないかという部分ですね、いま一度御説明お願いいたします。県民とウチナーンチュという集団。何が違うという理解をしているんでしょうか。

○島津典子女性力・平和推進課長 条例案では県民一人一人が、県が実施する施策に協力し、差別のない社会をつくっていくという考えの下、条例の効果が及ぶ沖縄県の区域内に住んでいる人々を県民として規定しております。出身やルーツを問わず、全ての人に対する不当な差別的言動は許されるものではないと考えております。御承知のとおりこの県民、様々な歴史的についての認識がありますけれども、不当な差別は許されないということは共通の認識であるというふうに考えております。御指摘の世界人権宣言、人種差別撤廃条約でございますが、世界人権宣言を基に世界各国で憲法や法律にも取り入れられ、同宣言を基に多くの人権条約が制定されていると認識しております。その趣旨、また日本国憲法の理念を盛り込んだ前文というところで、今整理をしているところです。

○喜友名智子委員 これの3年間の議論で深めていくべきところだと、やっぱりまだ思います。これ条例をつくるときに国の上位法―ヘイトスピーチ解消法に基づいてそれをベースとしてつくってきたという経緯があるので、その最低基準以上のことを何で県がやらないんだろうというところが私は非常に不思議なんですね。国のヘイトスピーチ解消法では本邦外出身者というところに規定をしております。当然沖縄の人々も日本国民、沖縄県民であるわけですから、この上位法の中にはウチナーンチュという言葉は当然入っていないと。しかしだからこそ、沖縄県がつくる条例でこの部分を明確に記載をしてほしいということは私は何らおかしいことではないと思っています。それにもかかわらず、県の条例案の中ではヘイトスピーチの対象とされるものの中から、人種、皮膚の色等々の中から、あえて民族という言葉を外してしまっている。ほかの都道府県の条例案では入れているにもかかわらず、沖縄県の条例案で何でこれが外されたのかというところは、私は意図的なものを感じますし、むしろ県がこの点に関して不作為をしようとしているんじゃないかと思っています。この民族という言葉を外した経緯、改めて答弁願えませんか。これは部長から聞きたいです。ずっと課長が答弁されているので。とても大事なところだと思っています。

○島津典子女性力・平和推進課長 お答えします。
 前文において、本人の意思では変えることが難しい属性として例示した属性はこの条例の基本理念で規定するもののうち、不当な差別的言動に係るものを掲げております。他の条例で―他県ですね、他の地方自治体条例の中で民族というふうに規定されているということも把握しております。その中で東京都の条例の中には民族という文言は使用されておりません。地域の実情に応じてというところはございますけれども、このヘイトスピーチ解消法の前文において、本邦の域外にある国、または地域の出身であることを理由としてと記載されていることから、その例示の中に出身ということを入れさせていただきました。

○喜友名智子委員 このような議論は条例が施行された後の県の対応としては、どういった担当者、それから審議会での扱い、議論の枠組みというものが設定されていくんでしょうか。

○島津典子女性力・平和推進課長 第14条のほうに沖縄県差別のない社会づくり審議会の規定を設けております。本邦外出身者等に対する不当な差別的言動の措置及び不当な差別のない社会の形成に関する施策の推進に関する重要事項について、調査審議を行う附属機関の設置を定めたものであります。県が行います施策、人権施策の取組状況を審議会に報告、評価をいただくことにより施策へ反映していきたいというふうに考えております。

○喜友名智子委員 この議論も審議会の方たちが、どういう考え方の下にヘイトスピーチを扱っていくのかというところが非常に大事だなと思っています。この条例の議論が始まったばかりの時期だったと思いますけれど、検討会だか、審議委員会だか、ちょっと位置づけが不明な外部有識者の会議というものがあって、この委員会でも議論になりました。そのときには最初ヘイトスピーチの議論、特に沖縄の課題をちゃんと扱ってほしいというにもかかわらず―審議会の中で様々な意見が出るのはいいんですよ、人権の専門家であったり、憲法の専門家であったり、いろんな方が関わっていたということは聞いています。しかしその中で沖縄の社会状況を、歴史をしっかりと把握した方が審議会の中に入らないと、いわゆる罰則規定の強化だったり、沖縄ヘイトという扱いをどうするかというところから、どうしても趣旨がずれてしまう議論というものがあるんだなと、当時の委員会の議論を私も情報収集して見聞きして、非常に不安を感じておりました。県がこれから設置する審議会ではぜひそういった問題意識の下に審議員の先生を選んでいただきたいと思います。
 最後ですね、このヘイトスピーチを沖縄で規制するための条例をつくるときに、やはり県のほうにどうしても認識をしてもらいたいというのがヘイトスピーチ―憎悪表現というのは歴史的経緯に基づく差別であるというところなんです。私たちが沖縄の歴史の教育をしっかり受けてきたとはとても言えない。特に近代史の部分ですね。そういったところでかつては差別があったけれども、今はそんなことはないだろうという社会の変化というのは私も重々承知をしています。ただし、全くなくなったかと言っていいのかというところは、やはり簡単に結論を出してはいけないというふうにも思っています。これは前回の委員会でも御紹介しましたけれども、外国人人権法連絡会というところが発行している、日本における外国人・民族的マイノリティ人権白書というものがあります。この中に―それまでは本邦外出身者の皆さんを対象にした取組について報告書をつくられていましたけれども、ある時期からやはり沖縄、琉球への差別というものも触れるようになりました。この外国人の人権法というものを研究している皆さんの問題意識の中にもしっかりと琉球・沖縄というものは、もう含まれてきているんですね。なのでこのタイミングで県のヘイトスピーチ規制を扱う条例が県民という行政的な区分で議論を終わらせようとしていることは、私はこれを見逃したくはありません。その外国人人権法連絡会の2022年の報告書の中で68ページですけれども、このヘイトスピーチに関する本質的な今後の対応として述べられていることを御紹介して、質疑を終えたいと思います。
 「日本国家・社会が目指すべきは、国際人権基準に基づく外国人・民族的マイノリティの法政策であり、その本質的事項は、第1に、大日本帝国による植民地支配と侵略という歴史の清算を実施すること、第2に、歴史的・構造的な植民地主義政策(治安・管理、労働力利用)と人種差別政策に連動した出入国在留管理法制度を抜本的に改革し」―この辺りはすみません、省略します。そして段を変えてですね、今後の日本の人権政策、「人道法の潮流は、脱冷戦・脱植民地主義、反人種差別である」ということを述べた上で、「国際人権基準に基づく本質的事項を欠落した多文化共生政策は、日本民族の優位性を前提とした新たな同化主義的な社会統合装置とも成り得るものである」ということを述べています。何も沖縄県民を優位に立たせろとか、そういうことを私は要望しているわけではないです。ヘイトスピーチで沖縄ヘイトを扱ってほしいという県民もそういうことは望んでいないと思います。しかし、沖縄の歴史に鑑みて、そして日本全国で蔓延している差別、それから憎悪表現という現象に対して、そこに沖縄の人たちが進んで同化するというようなことをヘイトスピーチ規制条例でやっていいのかというところは、非常に危機感というものを感じます。今回この条例ができたこと自体は評価はしますけれども、ぜひ問題意識の中でこの条例の中には直接反映されなかったことも、今後しっかりと県のほうで取組をしていきながら、中身を充実させた条例の実態をつくっていきたいと思っておりますので、県のほうの御奮闘も期待をいたします。
 以上で質疑を終わります。ありがとうございました。

○末松文信委員長 ほかに質疑はありませんか。
 新垣淑豊委員。

○新垣淑豊委員 ありがとうございます。幾つかの確認をしながら進めていきたいと思います。
 まず今日本政府の法律ですね、この条例の上位法になるんですかね。その法律では日本人が日本人に対して差別的な言動を行ったときは、これはヘイトスピーチとなるのでしょうか。

○島津典子女性力・平和推進課長 まずヘイトスピーチとは何かですが、法務省のホームページによりますと、特定の国の出身者であること、またはその子孫であることのみを理由に、日本社会から追い出そうとしたり、危害を加えようとしたりするなどの一方的な内容の言動が一般にヘイトスピーチと呼ばれております。

○新垣淑豊委員 ということは、日本人が日本人に対しての言動は含まれていないという認識でよろしいですか。

○島津典子女性力・平和推進課長 近年、ヘイトスピーチの広義の意味と狭義の意味がありまして、人に対する人権侵害、人に対する差別的言動は許されるものではないというふうに考えております。

○新垣淑豊委員 ごめんなさい、この法の中での立てつけというか範囲内ではどちらになるんですか。

○島津典子女性力・平和推進課長 ヘイトスピーチ解消法においては、日本国であるところに外国の方、本邦外出身者の方が差別意識を助長されたり、排除されたりするということから、それを解消するためにできた法律でして、対象は本邦外出身者となっております。

○新垣淑豊委員 じゃ今回の沖縄県差別のない社会づくり条例、この中ではどのようになっているんでしょうか。

○島津典子女性力・平和推進課長 第9条のほうに、県民であることを理由とする不当な差別的言動に関する施策を設けました。
 近年、インターネット上に県民に対する誹謗中傷などが確認されていると承知をしております。県民に対する誹謗中傷は、発言者それぞれの沖縄に対する考え方、偏見や政治思想、歴史的認識などに基づくものなど様々なものであると考えておりますが、この県民の生活上の平穏が脅かされるような状況となるおそれがあることから、県は当該言動に関する相談などから情報収集、実態の調査、一つずつ事例を積み重ねながら、全体的に被害の態様に応じた解消に向けた取組を行っていきたいと考えております。
 この条例を制定した背景ですが、まず当初、県では外国人に対するヘイトスピーチを中心に条例の制定を検討してまいりました。しかしながら、この複雑多様化する現代社会においては、この本邦外出身者、外国人に対するヘイトスピーチのほか、インターネット上の誹謗中傷や性的少数者への偏見や差別など様々な人権問題が存在しております。この差別のない社会の実現に向け、新たな人権課題に応じた施策を講じるため、この全ての人の人権が尊重され、社会全体で不当な差別の解消を推進し、不当な差別のない社会の形成を図る必要があると考えてこの条例を提案しているものです。

○新垣淑豊委員 すみません、ちょっとその前にというか、今回沖縄県差別のない社会づくり条例ということで、条例の名称があるんですけれども、例えばこれ、行政文書というのは基本的にその読み違いがないようにつくっていくというのが私は根本的にあると思うんですけれども、この条例名だと「沖縄県差別」のない社会づくり条例と読むこともできます。この辺りってどういう認識でこの名称にしているのかというのを教えていただけますか。

○島津典子女性力・平和推進課長 過去沖縄県がつくってきています条例名の最初に沖縄県が全てついているということがありまして、当初差別のない人権尊重社会づくり条例ということでパブコメ時点では示しておりますが、より明確にその条例の目的である社会全体で不当な差別の解消を推進し、不当な差別のない社会の形成を図るということを明確にするため、差別のない社会づくり条例としました。そこで、沖縄県の条例と分かるように沖縄県というものを冠―前につけたというところになります。

○新垣淑豊委員 ということであれば、例えば沖縄県における差別のない社会づくり条例というような形でもよいかと思うんですけれども、その辺り御検討いただきたいなと思っております。これだと、先ほど申しましたように沖縄県差別というものに僕はすごい直感的に感じてしまうと思っておりますので、ここはぜひ考えていただきたいなと思います。
 すみません、先ほどの質疑から続けるんですけれども、平成28年のヘイトスピーチ解消法ですね。これにおいては、先ほどの御答弁にもありましたように日本国の中で日本人に対してのヘイトスピーチは対象となっていないわけですね。それに合わせて、沖縄県民もこの法には含まれていないと思っております。今回、この9条に沖縄県民であることを理由に不当な差別的言動ということで、県民も対象になっていますけれども、これは例えば―以前も私本会議でも触れましたけれども、例えば国連が日本政府に対して、様々な人種、民族というところでヘイトスピーチが行われていると。これを明確に犯罪とすることを求めるということで勧告されている。ここについては、沖縄の人々も先住民族ということで認識した上でこの勧告があったというふうに聞いておりますけれども、県の条例案というのは、大本はこの政府の法律にのっとってきたものだと思うんですが、この国連勧告というものが何か制定に関して影響を受けているのかどうかということをお聞かせください。

○島津典子女性力・平和推進課長 まず、ヘイトスピーチ解消法の附帯決議をちょっと御紹介します。ヘイトスピーチ解消法は本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた基本理念、基本的施策を定め、これを推進することを目的とした法律でありますが、参議院及び衆議院の法務委員会においてそれぞれ附帯決議がなされております。
 その中では本邦外出身者に対する不当な差別的言動以外のものであれば、いかなる差別的言動であっても許されるとの理解は誤りであり、本法の趣旨、日本国憲法及びあらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約の精神に鑑み、適切に対処することというふうに規定をされております。
 沖縄の人々が日本民族とは異なる民族であるという主張については、県民の間に様々な意見があるものと承知しております。今回第9条、県民であることを理由とする不当な差別的言動に関する施策を設けましたのは、これまで県民から寄せられる御意見、様々な県民に対する誹謗中傷などがインターネットを利用して発信され、それへの対応、県の取組が求められていることから、この条文を設けて、相談に応じていく、実態の把握に努めていくというふうになっております。

○新垣淑豊委員 先ほど僕の質問の中では、その国連の勧告については何か影響を受けていますかということですけど、そこはあるんでしょうか。

○島津典子女性力・平和推進課長 ヘイトスピーチ解消法の附帯決議の中で、いかなる差別的言動であっても許されるとの理解は誤りでありというところがあります。これは法の趣旨、憲法、あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約の精神に鑑みて適切に対処すること、そこを踏まえてのことであります。

○末松文信委員長 休憩いたします。

○末松文信委員長 再開いたします。
 島津典子女性力・平和推進課長。

○島津典子女性力・平和推進課長 先ほども答弁させていただきましたが、沖縄の人々が日本民族とは異なる民族であるという主張については、県民の間に様々な意見があるものと承知をしております。

○新垣淑豊委員 で、県としてはどうなのという……。

○大城清二生活企画統括監 今委員のほうから御質問がございます先住民に対する県の認識でございますが、これは令和4年第6回の沖縄県議会一般質問で答弁されているんですが、政府からは第187回国会における先住民族の権利と沖縄の現状に関する質問主意書に対する答弁で、琉球・沖縄の人々の範囲及び琉球民族の意味するところが必ずしも明らかではないことから、お答えすることは困難であるとの見解が示されており、県としても同様に認識しておりますということで一応答弁させていただいております。

○新垣淑豊委員 分かりました。
 県としても、琉球民族、根拠等々分からないという認識なんですね。承知いたしました。
 今回、条例の14条のほうで審議会が設置されるということになっていますけれども、この差別疑いの事案があった場合、この審議会が審議をするという役割を持つんですけれども、これで差別的発言でありましたというふうに判断された場合はどうなるんでしょうか。

○島津典子女性力・平和推進課長 第11条の2項のほうの本邦外出身者に関するものになりますけれども、県はこの表現活動の内容の概要及びその表現活動を行った者の氏名または名称をインターネットの利用その他適切な方法で公表するものとするとありますが、あらかじめ、この第2項のほうで沖縄県差別のない社会づくり審議会の意見を聞かなければならないというふうにしていまして、差別のない社会づくり審議会の意見を聞きます。そこから、聞いた後に答申して回答が得られましたら、県の中で公表の方法をインターネットにより行うという流れになります。

○新垣淑豊委員 法務局の人権擁護局との関連はどのようになりますか。

○島津典子女性力・平和推進課長 まず第11条の1項のほうになりますけれども、この不当な差別的言動に該当する表現活動が行われたおそれのある場合や、また申し出があった場合、その件に関して人権侵犯事件に係る事務を所管する国の行政機関、法務局に県は通知をすることとしております。

○新垣淑豊委員 人権擁護局の中でも、このヘイトスピーチに関しての協議というか、話がなされると思うんですけれども、例えばそこと今回の県が設置する審議会、意見が割れたときというのはどうなるんでしょうか。またそういったケースが想定されているかどうか。

○島津典子女性力・平和推進課長 現時点で今すぐ想定はお答えはできませんけれども、人権機関ですね、法務局のほうでは相談・救済制度を所管しております。そことも、この条例制定に当たっては意見交換を重ねておりまして、また人権擁護ネットワークということで、人権の普及啓発について、これまでも一緒に取り組んできたところです。
 条例制定後の取組については、引き続きその手続法、流れなどについても意見交換をしながら進めていきたいと考えておりますので、県がまず審議会の意見を聞いて判断して、法務局に通知をしたときに、法務局は法務局の中でしっかり判断をして対応をするというようなことを考えているところであります。
 事例の積み重ねだと思っておりまして、インターネットの例えば削除要請などがあった場合にですね、削除されたかどうかというのは公表はせずに、削除されたかどうか後で見るというようなところもあります。しかしながら、法務省のホームページではどういったものが差別的言動であるかというふうな例示がなされておりますので、そこも見ながら判断をし、参考にしていきたいと思っています。

○新垣淑豊委員 今私が聞いたのは、県の判断と法務局の判断にずれが出た場合、この辺りがちょっと気になりますということなんですね。
 例えば、県はこれは差別的発言だと。だけど、法務局としても―大きなずれはないと思うんですけれども、じゃそこで公表するまでのことなのかということもあると思うので、この辺りの手順についても、やはりしっかりと整理をしていただきたいなと思っておりますので、この点どうでしょうか。

○島津典子女性力・平和推進課長 まずはリアルの場といいますか、公共の場でそういった言動が行われたという申し出があったり、その行われたおそれがあるといった場合、最初に県のホームページに載せる、審議会の意見を聞いて載せるという判断は、県の判断になろうかと思います。インターネット上に書き込まれたものに関しては、法務局のほうでプロバイダへの削除要請を行うこととなっておりますので、その時点で削除要請を行うかどうかの判断は法務局に委ねられますけれども、まずは公共の場で行われたその不当な差別、言動に関しては県のほうで判断をして―もちろん審議会の御意見を聞いた上で最終判断をして、法務局にも通知はしますけれども、県の判断で公表をする。これは県民の間で差別意識が助長しないように、差別意識ということで、誤った認識にならないようにするための啓発ということでの公表となっておりますので、そこは慎重に対応していきたいと考えております。

○新垣淑豊委員 そうですね。確かに県と法務局でこの不当な差別という定義が異なった場合というのが、非常に大きな問題になると思っているので、ぜひその辺りのすり合わせについてはしっかりと行っていただきたいなと思っております。これはいかがでしょうか。

○島津典子女性力・平和推進課長 委員御指摘のとおり、しっかり法務局のほうと連携をしていきたいと思っております。

○新垣淑豊委員 9条、ここが結構大きな争点になると思っているんですけれども、条例の9条に関しては、そもそもヘイトスピーチ解消法、規制法の中では本邦出身者というのが含まれていないということなんですが、この沖縄県、県民というふうにありますけれども、例えばその県民のくくりですね、この辺はどこまでを今範囲と考えているのか、基準をお持ちなのかということについて御説明いただきたいと思います。

○島津典子女性力・平和推進課長 先ほども御答弁いたしましたが、条例案では県民一人一人が県が実施する施策に協力し、差別のない社会をつくっていくという考え方の下、条例の効果が及ぶ沖縄県の区域内に住んでいる人々を県民として規定しております。

○新垣淑豊委員 はい、分かりました。
 じゃ沖縄県に在住の方ということで、これはもう県外には行き届かない、おっしゃるように条例ですから、その辺は承知をいたしました。
 あと今回ですね、例えば県外から沖縄に来ている方々というのもいらっしゃるわけですね。そういった方々に対して、例えば観光でいらっしゃったお客様に対しての侮蔑的な発言とか、そういった不当な差別とか、こういったものに関しては対象となるのかどうかということもお聞かせいただきたいと思います。

○島津典子女性力・平和推進課長 法律、ヘイトスピーチ解消法は居住要件というものが課されておりましたけれども、差別的言動に関する施策においては、今回条例では本邦の域外にある国もしくは地域の出身者である者または子孫ということで、特に適法に居住する者と限定しないことで対象を拡大したところです。しかしこの不当な差別に関すること……。

○末松文信委員長 休憩いたします。

○末松文信委員長 再開いたします。
 島津典子女性力・平和推進課長。

○島津典子女性力・平和推進課長 我が国、日本国内の観光客―毎年滞在する方については含まれておりません。

○新垣淑豊委員 県内で差別のないというところを求めるのであれば、私は正直なところこの9条の県民であることを理由とするとか、こういったその対象を定めるべきではないと、もともと思っています。ひょっとしたら我々に対して、いろんな地域の方があまりよく思わずに発言をするというケースもないことはないと思っているんですね。実際に、おっしゃるようにインターネット上での書き込みがあったりとかしますけれども、そこを狭めてしまうことで、私は非常に様々な対立が起こってしまうのではないかというような意見を持っていますので、ぜひこの9条に関してもそうですし、あと本邦外出身者などというふうにありますけれども、ぜひ県内で僕は全体的な取扱いをしたほうがいいんじゃないかというふうに思っております。なので、最後にその点だけ申し添えて質疑を終えたいと思います。
 ありがとうございました。

○末松文信委員長 ほかに質疑はありませんか。
 小渡良太郎委員。

○小渡良太郎委員 そのまま同じ9条に関してですが、少し確認をさせてください。
 9条で県は県民であることを理由とする不当な差別的言動の解消に向けて施策を講ずるものとするとあるんですが、これ具体的にどういうような想定をしているのか。

○島津典子女性力・平和推進課長 9条を設けましたのは、県民に対する誹謗中傷などがインターネットを利用して発信され、それへの対応について県の取組が求められております。当該背景により、県は全ての人に対する差別は許されるものではなく、差別のない社会づくりの形成を図るためにこの条例案に規定をしたところです。

○小渡良太郎委員 その趣旨は先ほどから答弁いただいているので重々承知をしているんですけれども、先ほど課長答弁の中で、ヘイトスピーチ法のほうの衆参の附帯決議の話がありました。このヘイトスピーチの法律は、国民同士のものを認めるものじゃないよというような形であったと思うんですけれども、国民同士の誹謗中傷またはいわゆるこのヘイトスピーチに該当するものというのは、全て刑事罰の対象になるんですね。例えば侮辱罪とか、名誉毀損になるかもしれない。だから国民同士の、日本国の法律の下にある人同士に対しては、そういう法律の規定があるから別にこれは除くというふうなことが法の背景にあると私は認識をしています。この法律の範囲外だから規制をしないといけないと。それを前提に考えると、この県民であることを理由とする不当な差別的言動の解消に向けた施策を講ずる場合、これが同じ日本国民同士だったときは、じゃこれがどういう罰に該当するのかというのを、例えば県警と協力をしてやっていくとかというような話になると思うんですが、そういう想定はされていますか。

○島津典子女性力・平和推進課長 委員おっしゃいますように、個人に対する誹謗中傷、この差別発言などに関しては、民事行為であるとか刑事行為の対象となっていることと承知をしております。しかしながら、不特定多数の集団に対するものというのが、今現在法の中では本邦外出身者というところでの定義がなされているものと思っております。やはりこの差別に対する発言自体が、人の心を傷つけて社会的な分断を生むような―人権の尊重の理念というものを広く普及をさせ、そういった誤った言動を発しないための普及啓発というところでしっかりこの条例でも取り組んでいこうということで書いております。
 9条は特にまた県民の生活上の平穏が脅かされるような状況となるおそれがある場合ということもありまして、まずは県民からの相談に応じていこう、そこで情報収集をしていこうというところで設けた条文でございます。

○小渡良太郎委員 先ほどほかの委員からも罰則規定の話が出ていたんですけれども、この不特定、県民に対するヘイトというものに関して、県民であることを理由とする不当な差別的言動という部分が、この対象が―今説明したように対象がよく分からないんですよ。県民個人とか、例えば特定の政治活動をやっている方々に対する批判とか、そういうものがあるんだったらある程度理解はするんですけれども、県民であることを理由にというのがいまいちよく分からなくてですね。例えばこういう事例を想定しているとか、こういうことが該当すると考えるとか、そういうのがあれば教えていただきたいんですが、今答弁いただいても、県民―この不特定多数のというちょっとよく分からないので。具体例を例示していただきたいと思います。

○島津典子女性力・平和推進課長 当該言動に関しましては、その前後の文脈ですとか発言内容の趣旨であるとか、そういったものを総合的に判断をして不当な差別的言動に当たるかどうかということの判断がなされます。今現在県民であることを理由とする不当な差別的言動とは何かということでございますけれども、不当な差別的言動が特定の属性や特性があるものに対する差別的意識を助長し、または誘発する目的や、特定の属性や特性のあることを理由として地域社会から排除することを扇動する目的など、公然とその生命、身体、自由、名誉もしくは財産に危害を加える旨を告知し、また著しく侮蔑するなどの言動ということで今想定をしております。

○小渡良太郎委員 もうちょっと具体的に。想定事例があるはずなんですね。条文をつくった以上は。

○島津典子女性力・平和推進課長 例えば、本邦外出身者につきましては、我が国においてはマイノリティーということになっておりまして、その者たちがこの地域社会で住めなくなるような激しい害悪をもたらすような不当な差別的な言動が行われた場合―実際行われていたことからこのヘイトスピーチ解消法が制定をされたところです。
 我々が考えておりますこの県民であることを理由とする不当な差別的言動も、その類するようなことが本県において起こったならば、県は本邦外出身者に対するような対応を考えていかなければならないと考えております。

○小渡良太郎委員 今の答弁だと、今までの委員会でも議論になった沖縄ヘイトと言われているものは、その対象では必ずしもないというような印象を受けるんですが。例えば沖縄に住んでいて、沖縄は日本じゃないから出ていけみたいな、そういうような発言を想定しているというような印象を受けるものですから、誤解があったら困るので、そこら辺も少し詳しく説明をしてください。

○島津典子女性力・平和推進課長 今現在どういったことがその言動に当たるかということを具体的に申し上げられませんけれども、やはり県民の生活が脅かされるような状況となった場合は、県としては何らかの取組が必要であるということからこの条文をまず設けたということです。
 また、インターネット上で多くの書き込みが散見されておりますけれども、他県においては部落差別ですとか具体的にこういったものがこういうふうに該当するというような事例が示されておりますが、沖縄県においては今部落差別というものの対応が他県に比べてないという状況であると認識をしております。
 同じように、他県で部落差別的な用語が、いわゆる沖縄ヘイトにおいても同じような表現であるのであれば、その情報収集をまずして、法務局のほうと連携を図っていきたいというふうに考えているところです。

○小渡良太郎委員 ちょっと答弁を聞いていると、この9条をわざわざ入れた意義というのがいまいちよく分からないんですよ。具体的にそういう非常に厳しい誹謗中傷があった場合対応できるようにするために、9条に記載をしたという形で話していたんですけれども、ほかのところはある程度具体例もあるんですね。こういう場合、例えば該当するだろうという判断があると。でもここに関しては、そういったのがすごく曖昧。県としてどのような考えを持って、どのような事例も含めて、それの下にこの条文を入れ込みました、この条文はこうこうこういう状況に対応するとか、こういうのが該当するんだというのがないと、何のためにじゃこの県民であることを理由とする、不当な差別的言動の解消に向けた施策を講ずるという一文を入れたのかと。今までこの委員会でも議論になった沖縄ヘイトの話も含めて、それがいまいち答弁では―それはそれとしてこの9条の中身にあまり該当しないというような話になると、じゃ沖縄ヘイトと言われたものはどこに該当するのかとかですね、そういう話にもなってくるような気はします。いずれ沖縄ヘイトを条例に入れるべきかどうかというのは別として、9条が何のためにあるのかというのを、多分同じ答弁が出てくるので答弁はいいんですけれども、そこをしっかり確立させないと、ちょっとこの1から15、16条までですね、そこも含めて審議会の設置とかいろいろな部分があるんですけれども、9条だけが浮いているというふうな印象を強く受けます。何のためにこれを入れるのかというのを、いま一度部長答弁いただけますでしょうか。

○宮平道子子ども生活福祉部長 先ほど来課長のほうから答弁をさせていただいていますとおり、県民に対する誹謗中傷というのがインターネットを利用して発信されて、その対応というのが県には求められていると考えております。
 県民であるということを理由とする差別的な言動というのは、県民に不快な感情を与えますし、県民が大多数である県内においては、県民の差別を引き起こし、県民の私生活上の平穏を脅かすほどの害悪というのは、今現在では想定はしにくいということではあるかと思います。けれども先ほど申し上げましたとおり、様々な対応が国、県に対しては求められているという状況があるということ、またこれが差別的言動に当たるかどうかということにつきましては、背景やその発言が行われた状況、そういったものも全て勘案して判断していくということが必要であるというふうに考えております。なので、本条例におきましては、不当な差別のない社会の形成を図るために、基本方針を定めまして、人権尊重の理念を普及させ、それに対する県民の理解を深めること、不当な差別に関する相談に的確に応じていくこと、差別の実情を踏まえた取組を行うこと、そういったことによって不当な差別の解消を図っていきたいと。罰則は規定をしていないところでございます。先ほどの9条の対応としましては、相談、対応体制の整備や、また情報収集等により実態を把握しまして、被害に対応した施策を講じ、解消に向けて取り組んでいきたいというふうに考えております。

○小渡良太郎委員 相談体制という話もあったんですけれども、県自体が、9条をどういうのが該当するのかというのをちゃんと持っていないのに、相談が来て何を答えるんですか。これは、その場その場で判断するということですか。それとも、1人で―新規で増やす人の判断に任せるということになるんですか。

○島津典子女性力・平和推進課長 相談員を配置して相談対応に応じるということで回答いたしましたが、1人で判断するのではなくて、相談事例など情報収集から一つずつ事例を積み重ねていき、そのことについては審議会のほうにも報告をしていきたいと考えているところです。

○小渡良太郎委員 部長の先ほど答弁の中で、県に求められるものという話が出ていました。このインターネット上の誹謗中傷ですね。条例化をするということも一つの対応とは思うんですけれども、例えば県として正式に抗議をするとか、いろんな形の手法というのはあると思います。そういうものの中で、どう対応をしていいか分からないことも条例に盛り込んでいるという部分について、どうなのと思うわけなんですよ。県として明確にこういうのがこの条例の9条のものなんだというのも、現時点で言えない。自信をもって答弁できないという状況で盛り込んで、相談員を配置して、何かあったら審議会にも諮ってどうなのか考えると。ちょっと出たとこ勝負過ぎないかなというのが正直な印象なんですが、私の認識不足もあるかもしれませんので、何かそれについての御答弁をいただければ。

○大城清二生活企画統括監 ヘイトスピーチ解消法の中で法務省のほうが―先ほど課長のほうから説明がありました、生命、身体、自由、名誉もしくは財産に危害を加える旨を告知する。具体的なものとしては、何々人は殺せ、例えばそれを今回の9条に当てはめると、沖縄県民は殺せというような発言とか、言動が。また地域社会から排除することを扇動する言動、ということについては、何々人は祖国へ帰れ、日本から出て行け、県民は日本から出て行けというような、そういった言動等があれば、それはここで言っている不当な差別的言動の一つとして考えられると。ただ、それは行政が判断するものではなくて、やはり第三者である14条で設置を予定している審議会の中で有識者の意見を踏まえた上で、意見を聞いて最終的に判断をするということで考えております。
 また、先ほどこの9条について盛り込む内容についての御議論がありましたけれども、今県としては、県民に対する誹謗中傷がインターネット上で散見されるということは認識しているところでございます。それを受けた県民から、いわゆる沖縄ヘイトに対する対策を県として講じてほしいという、パブリックコメントの中にもそういった御意見等もございました。
 今課長のほうから、また部長のほうからも説明いたしましたが、それが直ちに県民の生命、財産、そういったものに危害を及ぼしている状況でございませんが、今後こういった状況がさらにエスカレートして、当該言動により県民に対する差別が助長されて、より悪質過激になるということで、県民の生命、財産などに危害を及ぼすというような状況になれば、当然県として当該言動に対する解消に向けた取組を行う必要が出てくるというふうに考えているところでございます。
 今回この9条の規定につきましては、このような言動、そういった動向を注視しながら、先ほど言ったように相談体制を整備するという説明もありましたので、そういった言動、当該言動の動向を注視して、県として必要な取組を行う、そういう方向を、県の方針、考え方をこの9条に明記したというところでございます。

○小渡良太郎委員 今の答弁を聞いて、分かった部分とちょっと意外だなと思った部分があるんですけれども、この条文を活用して、インターネット上の誹謗中傷で県民に対するものがあった場合、インターネット上の誹謗中傷に関して同じ日本国民同士であれば刑事罰の対象に含むという法改正も以前ありました。そういう形で訴えると。この県民の生命、財産を脅かすことに対してですね、それをしっかり守らないといけない。県がそういう情報を発信した方々を訴えて、しっかりそういうのを防いでいくというふうなものを含めての9条というものとして認識をしているのかなとちょっと期待していた部分もあるんですけれども、そういった考えはないですか。

○島津典子女性力・平和推進課長 まずは県に寄せられます相談内容を把握して、必要に応じた実態調査、分析、被害の態様に応じて取り組んでいくこととしております。
 法律的な助言が必要な場合は法律相談を設けることとしておりますので、個人と個人に対する問題に関しましては、法律相談での助言が可能となっています。

○小渡良太郎委員 だから個人と個人は対象じゃないことを防止するために9条を設けるという答弁をさっきしてますよね。だったら、この沖縄県民って不特定多数ですけれども、県民を保護するために、県として法的措置も含めた対応をするという一つの―根拠になるかどうかは法律詳しくないから分からないんですけれども、そういったことにもつなげていけるような9条というふうに考えているんであれば、そういう必要性もあるのかなというふうに考えるんですけれども、そういった考えはないのかと。

○島津典子女性力・平和推進課長 いわゆる沖縄ヘイトと呼ばれている言動を見聞きすることによって、県民に対する差別意識が生じたり、誤った認識を持つおそれがあると考えています。情報を正しく見極めて、正しく行動できる能力を一人一人が高め、心ない誹謗中傷や差別的な投稿の被害者や加害者とならないようなインターネットの適切な利用についての普及啓発も県としては取り組んでいきたいと考えております。
 県民に対して正しい情報を発信していくということが重要であるというふうに考えています。

○小渡良太郎委員 条例ですから沖縄県内でしか適用できないというのは重々承知の上でやっています。例えば、10条でも、本邦外出身者に対する不当な差別的言動という部分で、例えば米軍基地内の軍人、軍属、シビリアン問わず、フェンス越しに、もしくは直接出てくる車に対してそういうスピーチを浴びせているという事例も実際沖縄県にはあったりします。
 そういうのを全部ひっくるめてこの沖縄県民を、県内にいる人たちを守っていくんだというところの気概が少し聞ければいいのかなと思うんですけれども、いや、これは差別かどうかまず審議会に諮って、差別だとしたらこれは差別的言動だと認定をして公表をするというところぐらいしか見えてこないので、多分罰則規定の話も、もっと踏み込んで県として対応したほうがいいんじゃないのという思いからそういったのが出てきていると思います。認定をして、これが差別ですと。じゃそれがこの抑止にどう繋がっていくのか。インターネット上の誹謗中傷に関しても、これ差別ですから言わないでくださいって県が公式に発言したところで、それが止まるのかと。この実効性という部分について、やはりある程度罰則規定を設けたほうがいいんじゃないかという意見も、私はそういった点では賛同するところでもあります。まずは、理念としてこういったのをつくっていくというのも大事だと思うんですけれども、例えば条例を制定した後に、後から罰則規定を追加して、条例を強化していくとかという手法はあり得るんですか。

○島津典子女性力・平和推進課長 ありがとうございます。
 まずは相談員による相談対応、法律相談を実施し、情報の収集、実態の調査を行っていくと。そして、沖縄県差別のない社会づくり審議会を設置して、第三者機関として慎重な審議を行っていただくと。
 条例の施行後は、この取組の効果、県の取っている施策等を検証して、施行の状況について検討を加え、必要があると認めた場合は見直しを行うこととしておりますので、この段階で罰則の見直しというところも含まれているというふうに理解しています。

○小渡良太郎委員 ちょっと委員長が御指定した時間になりましたので、質疑はこれで終わりたいと思いますけれども、期待をされたものであって、その期待が十分に満たされていないというか、十分できていないというのは多分ほかの委員からも指摘があるとおりですね、僕も同じようにそう思います。
 条文に書くからにはしっかりと説明できるような状況をつくっておくということがまず大事だと思いますので、相談員の配置に関しても、じゃ根拠は何なのというところで、今のだったら説明がちょっと不十分なのかなというふうにも感じますから、そこはもう少し理論を構築して、しっかりとした答弁をしていただきたかったなと、最後感想になるんですが、感想を述べて質疑を終わります。

○末松文信委員長 休憩いたします。

   午後0時1分休憩
   午後1時21分再開

○末松文信委員長 再開いたします。
 午前に引き続き、質疑を行います。
 質疑はありませんか。
 瀬長美佐雄委員。

○瀬長美佐雄委員 今回の沖縄県差別のない社会づくり条例について、時間もかかりましたがパブリックコメントもやったと。最初に確認したいのはこのパブコメに寄せられた件数や、特徴的な内容についてまず伺います。

○島津典子女性力・平和推進課長 お答えいたします。
 条例骨子案に対するパブリックコメントは令和4年12月5日から令和5年1月6日にかけて県民意見募集を行いました。157の個人、団体から475件の貴重な御意見をいただきました。その中にはやはり条例の前文に世界人権宣言の人類普遍の原理や日本国憲法の理念を盛り込むよう求める声や、やはり罰則を求める声なども寄せられておりました。

○瀬長美佐雄委員 このパブコメで寄せられた声をどう反映したのかと。先ほど私はパブコメにかけたときには何条とかいう条文ではなくて、前文とか総論とか―基本的な考え方、それに照らしてとても簡潔なのと、とても意味の深い前文になったなと思いまして、そこら辺と学生の皆さんが意見するということもしっかりと捉えたり、性的指向の問題、障害関係、そういったことをきちっと踏まえた条例に仕上がったということなのか、その関係を伺います。

○島津典子女性力・平和推進課長 お答えします。
 条例の前文には先ほど答弁しましたとおり、世界人権宣言の人類普遍の原理や日本国憲法の理念を盛り込むとともに不当な差別的言動に関する施策として本邦外出身者等に対する施策に加え、県民であることを理由とする不当な差別的な言動に関する施策、性的指向及び性自認を理由とする不当な差別に関する施策を講じていくことを規定しました。

○瀬長美佐雄委員 この条例の主体としては人権尊重思想の普及啓発を強化する等と、現実に被害者に寄り添った相談体制を構築するという2点かと思います。この点でこの条例を制定以降、現在も行われている人権尊重思想の普及啓発がより前進できる、あるいは力を入れるということになるのかどうかを伺います。

○島津典子女性力・平和推進課長 これまでも人権尊重の普及ということで法務局の委託事業を受けて、取組を実施してきたところでありますが、この差別のない社会づくり条例制定後、より一層この条例の基本方針に定めるように人権尊重の理念を普及させ、及びそれに対する県民の理解を深めること、不当な差別に関する相談に的確に応じていくこと、不当な差別が生じる背景、その他の差別の実情を踏まえた取組を行うことにより、不当な差別の解消の推進を図ることを取り組んでいきたいというふうに考えております。

○瀬長美佐雄委員 相談体制の構築と現実に在沖の留学生であったり、働きに来られてという意味での沖縄におられる外国人に対する差別、あるいはそういったのを受けたけれども、どこに相談していいか分からないという、そこへの実態も広く―そういう意味では、沖縄にいる海外の皆さんの相談体制をいかに強化し、というところではこの施行後、きちっと整備すべきだと思うんですが、どうなんでしょうか。

○島津典子女性力・平和推進課長 まずはインターネット上の誹謗中傷に悩んでいる方、県民等を理由とする差別、また本邦外出身者に対する相談に的確に応じていくこととなっています。委員おっしゃるとおり、この多文化共生社会ということで沖縄県には多くの外国人の方が住んでいるという実態もありますので、差別のない社会づくり、それをまずはこの条例を広く周知していくとともに県民の間でそういう差別意識が広まらないような普及啓発、そして多文化共生を第一とする、困っている方々への相談にも的確に応じて、また関係部局と連携して差別の解消に取り組んでいくというふうに考えております。

○瀬長美佐雄委員 ぜひ外国の方の相談にもしっかりと乗れるような、そういう意味では、言語であったり、法的な問題とかをきちっと対応できるような形になるように、これは要望として。
 最後に、課題、実行性があるという点で知事もその観点で整理するとありました。パブコメにも多分に罰則が必要だという意見もあったかと思います。改めてですが、なぜ罰則規定に踏み込めないのかということを確認します。

○島津典子女性力・平和推進課長 罰則については様々な御意見がありました。条例に罰則を設けるには対象となる行為の要件や基準の明確化が求められております。現時点で本県の実情を踏まえますと、過度な規制となるおそれがあることから、この条例案においては罰則規定を盛り込まないことといたしました。

○瀬長美佐雄委員 皆さんが委員向けに作っていただいた資料があって、その中に他の自治体での対応事例ということで川崎市、大阪、東京についての資料を頂いて、ここでもやっぱり本邦外ではあるんですが、川崎市は罰金を科すということであったり、インターネットで言うと削除とともに氏名の公表等々が大阪で見られます。これらの運用上、この間、川崎や東京、大阪で、いやこれは不満だというふうな形でそれへの対応で、何らかの法的な不備、要するにこの条例の運用に当たって、裁判で負けたということはあるのか。運用上間違えなかったというふうなことが到達なのか。この点で確認できるなら伺います。

○島津典子女性力・平和推進課長 大阪市における裁判の事例で、やはり表現の自由といえども過度な、過激な言動が害悪をもたらすおそれがあるということで、その不当な差別的言動が認められているというところがあります。本県の条例においても大阪市の例を倣って、表現内容の概要、そして氏名の公表などを予定をしておりますが、やはり県民の間で差別意識が助長されないよう、しっかりこういった差別的な言動はいけないということを啓発をしていくというところで取り組んでいきたいと思っています。

○瀬長美佐雄委員 先ほど言う沖縄の歴史的に根ざしたウチナーンチュ意識も当然県民は持っていますし、その県民に対するということを設けたこと、そのものの意味するものをしっかり踏まえるべきだという意見もあったかと思いますが、考え方として私はスッキリしたのは、文字どおり世界人権宣言や人種差別撤廃条約、国際規範にのっとって、普遍的な差別や―ということはもう許せないんだということを啓発もし、そういう被害に遭ったら救済もするというふうに臨むということを示した条例になっているということと理解しますが、その観点ではどうでしょうか。

○島津典子女性力・平和推進課長 世界人権宣言の普遍の原理、日本国憲法の理念ということをしっかり前文のほうに盛り込みました。誰もが個人として尊重され、いかなる不当な差別も受けることなく、自分らしく生きることは私たちの願いであるというふうに前文にも記載をしております。しっかり不当な差別を解消し、不当な差別のない社会の形成を図ること、人々が互いに人格と個性を尊重し合いながら共生する心豊かな社会の実現を目指して、条例の下、しっかり施策に取り組んでいきたいと考えております。

○瀬長美佐雄委員 最後に。先ほど大阪とか、不満を持って、対処として裁判にも訴えたと。でもしっかりと審議会とかを経て対応した決定だということも裁判所も認める、というふうなことで言うと、ぜひ沖縄で審議会というか、そこで一定の差別的な言動を受けて、インターネットで言ったら削除するとか含めて、ここは自信を持ってできるかなと思います。また見直しの中で、それでも収まらないという傾向のときにはやっぱり罰則もという点では、もう既に実施して問題なく運用されているという自治体もあるわけですから、罰則まで設けないで速やかにというか、収まれば事足りるわけですが、そうではないというときにはやっぱり罰則も設けざるを得ないというような判断、しっかりと対応して見直すということになるのかどうか、確認でお願いします。

○島津典子女性力・平和推進課長 条例の14条において、本邦外出身者等に対する不当な差別的言動の該当性の審査及び差別のない社会づくりの推進に関する重要事項について調査審議を行う第三者機関として、沖縄県差別のない社会づくり審議会を設置いたします。条例施行後はこの取組の効果を検証し、施行の状況について検討を加え、必要があると認めた場合は見直しを行うこととしております。

○末松文信委員長 ほかに質疑はありませんか。
 石原朝子委員。

○石原朝子委員 よろしくお願いします。
 条例の2条のほうになりますけれども、定義となっております、この条例において不当な差別とは不当な差別的言動及び不当な差別的取扱いというというふうにうたっておりますけれども、この不当な差別的取扱いというのはどういった事例を指しておりますでしょうか。

○島津典子女性力・平和推進課長 お答えします。
 不当な差別的取扱いとは、正当な理由なく特定の属性や特性を理由としてサービスの提供などを拒否すること、制限すること、条件を付すことなどを言っております。

○石原朝子委員 具体的にどういった状況を指しておりますでしょうか。

○島津典子女性力・平和推進課長 内閣府作成のリーフレットでちょっと置き換えますと、まずは外国人であるなどの理由で受付の対応を拒否するですとか、例えばアパートを借りるときに、物件はないと言って対応しないなど、それが不当な差別的取扱いというふうに考えております。

○石原朝子委員 分かりました。
 今回議案名、沖縄県差別のない社会づくり条例となっておりますけれども、2条にも定義されている不当な差別の―私からしますと条例名称も沖縄県不当な差別のない社会づくり条例としてうたったほうがよかったのではないかと思っておりますし、今回この条例の名称につきましては、どういった経緯でもってこういった名称になったのでしょうか。

○島津典子女性力・平和推進課長 この条例は従来から取り組んでいる不当な差別に新たな問題となっているものも含めて、不当な差別の解消に関し、制定される条例と相まって取り組んでいくことで、社会全体で不当な差別の解消を推進し、不当な差別のない社会の形成を図ることを目的としています。この目的に照らしまして、条例名を差別のない社会づくり条例というふうにいたしました。

○石原朝子委員 今話を聞いてみますと、やはり不当な差別という文言を入れたほうがより分かりやすかったのではないかと思っております。名称の修正もするべきではないかなと思っております。
 3条のほうに行きます。3条のほうで県、市町村、県民及び事業者が相互に連携協力することとうたわれている一方で、市町村の責務に関する規定はないのですけれども、それはどういった理由からないのでしょうか。

○島津典子女性力・平和推進課長 市町村等との連携につきましては、この第3条の基本理念に県、市町村、県民及び事業者が相互に連携協力し、社会全体として推進していかなければならないと定めていますことから、県は市町村との連携について、本条に規定しなくとも基本理念にのっとり、連携協力していくものとなるというふうに考えております。

○石原朝子委員 じゃほかの部分もそれでいいですよね、なくても。なぜあえて市町村の責任の所在の明記はされなかったというのがとても疑問に感じますけれども、どうでしょうかそこら辺。

○島津典子女性力・平和推進課長 本邦外出身者に係るヘイトスピーチ解消法においては、地域の実情に応じて各地方公共団体において取り組んでいくことが明記されております。市町村においても他の自治体では川崎市であるとか、大阪市であるとか、その市の実情に応じた条例が制定されているところではございますが、本県においては、県のほうでしっかりこの条例をつくって、市町村と連携して、県全体で差別のない社会づくりを目指していくというところで規定をしております。
 この基本理念に書くことで全ての条文に係ってきます。この基本理念にのっとり各施策を展開していくこととなりますので、各市町村の取組に関しましては、市町村もこれを基に各自治体における取組を進めていくこととなるというふうに考えております。

○石原朝子委員 理念のほうには明文化されているからということなんですけれども、そうであればほかの条文自体も細かく分けていく必要ないですよね。なぜ市町村の責務を―重要だと私は思うんですよ。県がしっかりと全体を握ったとしても各地域に、市町村に下りていかないと対策は講じられないと思うんですけれども、いかがなものですかね。

○島津典子女性力・平和推進課長 市町村との連携につきましては、市町村のほうには人権擁護委員も配置をされております、法務局の管轄ではございますが。また、市町村独自で人権相談の窓口を設けていたり、各種相談体制が整っているというふうにアンケート調査などでも見えてきております。条例施行後はしっかり県の考えを各市町村にも伝えて、連携して取り組んでいけるよう努めてまいりたいと考えております。

○石原朝子委員 私改めてこの市町村の責務というのを条文化したほうが好ましいかと思います。やはりしっかりと明文化していただいて、市町村にも責任を負わしていくという条文にしていったらいいかと思います。
 次ですね、第2節で不当な差別的言動に関する施策ということで、インターネット上の不当な差別的言動に関する施策とか、9条で県民であることを理由とする不当な差別的言動に関する施策、そしてまた第10条で本邦外出身者等に対する不当な差別的言動に関する施策というふうに3つがうたわれておりますけれども、それ以外の不当な差別的な行為があったときはどのような対応をされていきますでしょうか。

○島津典子女性力・平和推進課長 この差別のない社会づくり条例ですが、今男女共同参画推進に関する条例の中で男女差別でありますとか、障害のある人もない人も共に暮らしやすい社会づくり条例に関する施策、これは障害者差別なんですが、そこと相まって一緒に差別のない社会づくり条例をつくっていこうというところでやっております。現在、不当な差別的言動に関する施策と性的指向、または性自認を理由とする不当な差別に関する施策、この取組、新たな人権課題として上がってきている取組をこの条例で明記をして取り組んでいこうというところになっておりますが、新たな人権課題が発生した場合にはこの条例で差別のない社会づくりというところで該当させて、また見直しなどを行っていこうかというふうに考えているところです。

○石原朝子委員 具体的にどういったものが出るかということは今は考えていないということですか。

○島津典子女性力・平和推進課長 今具体的に、すぐにぱっとは思いつかないですけれども、また新たな人権課題が発生すれば対応していきたいというふうに考えているところです。

○石原朝子委員 9条の県民であることを理由とする不当な差別的言動に関する施策については、午前中にうちの委員のほうからも何度か質疑があったと思いますけれども、具体的にこの県民であることを理由とする不当な差別的言動、実態はどうなっていますでしょうか。そしてどういった内容―調査したと思いますけれども、具体的な内容と、そして県民であることを理由とすることの説明をお願いいたします。

○島津典子女性力・平和推進課長 県民に対する誹謗中傷などがインターネットを利用して発信され、その対応について県の取組が求められているところです。発言の趣旨、意図は発言者それぞれの沖縄に対する考え方、偏見や政治思想、歴史的認識などに基づくもの、様々である考えておりますが、出身やルーツを問わず、全ての人に対する不当な差別的言動は許されるものではないというふうに考えているところです。県民意見募集においても、県民に対する差別的言動への対応を求める意見が寄せられておりました。そこで全ての人に対する差別は許されるものではない、この差別のない社会づくりの形成を図るため、この条例において解消に向けた施策を講じていくこととして設けております。

○石原朝子委員 すみません、県民であることというのはどういった方を指していらっしゃいますか。

○島津典子女性力・平和推進課長 県民は沖縄県の区域内に住所を有する者、すなわち沖縄県の住民、沖縄県に住んでいる人を指していると思っております。
 この条例案でも県民の責務というふうに明記しておりますように、この県民一人一人が県が実施する施策に協力し、差別のない社会をつくっていくという考えの下、条例の効果が及ぶ、沖縄県の区域内に住んでいる人々を県民として規定をしているところです。

○石原朝子委員 具体的に聞きますと、生まれてずっと、曽祖父からずっと沖縄にルーツを持っている方、それとまた県外から沖縄県に引っ越してこられて住んでいる方、全てがこの対象ということになりますでしょうか。この不当な差別的な言動に関する施策の、この中心となっている具体的な県民というのはどういった方のこと示していらっしゃるのかなと思いまして質問しています。

○島津典子女性力・平和推進課長 行政として県民の悩みごと、誹謗中傷に対する相談にしっかり応じていくという視点から、県民は、今沖縄県に住んでいる者、委員おっしゃるように従来からずっと住んでいる方々を含め、また県外から沖縄県に移住された方々、また外国の方で今沖縄に住んでいる方々が県民であるというところの範疇になってくるというふうに考えています。

○石原朝子委員 沖縄をルーツとする方々、そしてまた県外の方、沖縄で外国の方、沖縄に滞在している方、全ての方に対しての差別的言動ということなんですね。これは現状としては県のほうは、その不当な差別的言動の状況の調査、細かく調査はしてまいりましたか。

○島津典子女性力・平和推進課長 県民に対する誹謗中傷等がインターネットに散見されていることは承知をしております。これらの相談に応じてその事例を一つ一つ積み重ねながら、対応について県として取り組んでいくというふうに考えております。

○石原朝子委員 インターネットはいいとしてですね、実際、現場、県内においてそういった事例等を調査し、確認はしてきていますか。

○島津典子女性力・平和推進課長 本邦外出身者に対する差別的な言動だけではなく、県民に対するそういう言動があるということは承知をしております。リアルの場ですね。インターネットだけではなくてですね。実際に、例えば先ほど答弁させていただきましたが、県民の生活上の平穏を脅かすというような、あった場合に県として何らかの対策を取っていく必要があるということで、今回相談体制を整備して、しっかり相談を受け、情報を収集し対応していくということで第9条を設けたところであります。

○石原朝子委員 説明を聞いて、まだまだ不十分だと私も思っておりますし、やっぱりちょっと難しいところがあるかと思います。
 次に進ませていただきます。今回資料の括弧の2で性的指向または性自認を理由とする不当な差別に関する施策というのも中に盛り込まれていますけれども、その性的指向、性自認に関する定義規定がないのはどういう―この条文の中に盛り込んでありますか。

○島津典子女性力・平和推進課長 県では令和3年3月に沖縄県性の多様性尊重宣言―美ら島にじいろ宣言を発表し、この性の多様性について人権として尊重されるものと明記をして、県の取組の方向性を広く示して、宣言の趣旨の浸透、理解醸成に取り組んでまいりました。この性的指向及び性自認という言葉については広く広辞苑にも今規定されているところでありまして、あえてこちらの条文でこの用語を定義はしてはいないというところで整理しております。

○石原朝子委員 やはりこの条例制定に当たっては、しっかりきちんと条文化、明文化していただいてですね、県民に分かりやすい条文にしてほしいなと思いますし、先ほどの2条での不当な差別的取扱いにも係ってくるかと思うんです。今国会のほうでも協議が活発にされている状況でありますし、この条例にこういった形で載せるに当たってはしっかりと丁寧な条文にしていただいて、県民が分かりやすい、どういった行動が差別につながるのかということも分かってきますし、そこら辺はやっぱり欠陥条例ではないかと私は考えておりますけれども、どうでしょうか。

○島津典子女性力・平和推進課長 本条例の施行に当たり、解釈指針なども今現在進めているところです。解釈法、条例の解釈指針において今御指摘の部分に関して、県民に分かりやすく伝えられるよう説明をしっかり加えていきたいというふうに考えております。

○石原朝子委員 やはりこの条例を制定するに当たって、私たち県民に権利や、いろんな制約がかかってくるわけですから、しっかりと分かりやすく対応ができるような条文制定が必要かと私は思っております。これに罰則規定はないとしても、差別のない社会づくりを我々県民みんなでつくっていくわけですから、共通理解の下、取り組んだほうが本来の条例化かなと私は思っております。
 続きまして、審議会は附属機関として位置づけるのか、確認したいんですけれども。

○島津典子女性力・平和推進課長 委員おっしゃるように、第三者機関、附属機関として設置をしてまいります。

○石原朝子委員 日当は幾らぐらいと見積もっていらっしゃいますか。次年度の予算。

○島津典子女性力・平和推進課長 日当9300円を想定しております。

○石原朝子委員 その際の議事録は公表されますでしょうか。

○島津典子女性力・平和推進課長 審議会につきましては、原則公開を予定しておりますが、会議を公開すると個人の権利、利益を侵害するおそれがある場合などは非公開とする場合がございます。今現在組織運営等に関する事項につきましては、本条例及び今後制定する条例施行規則等にのっとり対応していきたいと考えておりまして、その内容につきまして、今委員のおっしゃるところも整理をしていきたいというふうに考えております。

○石原朝子委員 委員会の委員の人事については、学識経験者、その他知事が適当と認められる者の内から知事が任命するとされておりますけれども、やはり極めて公平性が重要視される委員会だと思いますし、議会の同意を求める人事とすべきではないかなと思っておりますけれども、いかがでしょうか。

○島津典子女性力・平和推進課長 県の附属機関として設置することから、この審議会の委員につきましては、専門的な知識を有する学識経験がある者等から知事が任命することとしております。委員の選任に当たりましては、審議の公正性、公平性を担保することが必要と考えており、慎重かつ厳正に行っていきたいというふうに考えております。

○石原朝子委員 最後になりますけれども、この附則において第11条と第12条の規定は令和5年の10月1日から施行するということになっておりますけれども、その目的はなぜでしょうか。理由をお聞かせください。

○島津典子女性力・平和推進課長 お答えいたします。
 第11条及び第12条の規定は令和5年10月1日から施行するということにしております。本邦外出身者等に対する不当な差別的言動による人権侵害及びその解消の必要性について、一定の周知期間を設ける必要がございましたことから、6か月の期間を置きまして、施行期日を10月1日といたしました。

○石原朝子委員 すみません、聞き取れなかったのでもう一度お願いできますか。

○島津典子女性力・平和推進課長 11条は本邦外出身者等に対する不当な差別的言動の解消に関する措置のほう、12条は表現の自由等への配慮規定となっております。県民からの申出であったり、その審議会に諮って、公平な審査を行うというふうな一定の手続、要件がございますので、一定期間6か月の期間を設けてですね、県民に周知を図り、その施行が10月1日という形でちょっとずれているところでございます。

○石原朝子委員 分かりました。
 私も今回の条例をちょっと目を通させてもらって、やはりもう一度細かいところを精査していかなければならないかと考えております。ここまで準備されてきた御苦労は分かりますけれども、県民に対してある程度の効力が発してきますので、条例化していくには細かいところまでチェックして、やっぱりもう少し継続審議をしながら整えていければなと私は思っております。
 以上です。

○末松文信委員長 ほかに質疑はありませんか。
 上原章委員。

○上原章委員 すみません、ちょっと確認をしたいことがありまして。
 今回の条例について、当初、ヘイトスピーチに対する取組という認識だったんですけど、このヘイトスピーチの定義というか、対象は、県はどう認識していますか。

○島津典子女性力・平和推進課長 県では当初、この外国人に対するヘイトスピーチを中心にこの条例の制定を検討してまいりました。しかしながら、複雑多様化する現代社会においては、本邦外出身に対するヘイトスピーチのほか、インターネット上の誹謗中傷や性的少数者への偏見差別等様々な人権問題が存在していることから、差別のない社会づくり条例として、包括的な条例として提案をしております。委員御指摘のとおり、このヘイトスピーチに関する、本邦外に関する部分は法をしっかり根拠としてまとめて10条、11条という形で整理をしたところでございます。

○上原章委員 大阪市は明確にヘイトスピーチへの対処に関する条例と。沖縄県の場合は、今回沖縄県差別のない社会づくり条例ということに―今先ほど来議論があると考えると、ヘイトスピーチに特化しないものとして、今回沖縄県はこの条例を作成しているということで認識していいんでしょうか。

○島津典子女性力・平和推進課長 差別のない社会の実現に向けて、新たな人権課題に応じた施策を講じるため、全ての人々の人権が尊重され、社会全体で不当な差別の解消を推進し、不当な差別のない社会の形成を図る必要があると考え、この包括的な条例として提案をしているところでございます。

○上原章委員 当初スタートの時点では、この条文の―皆さん、県民であることを理由ということはスタートの時点で入っていなかったと思うのですが、それが入った理由というか、タイミング、どういった議論の中でこの判断に至ったのかちょっとお聞かせ願えますか。

○島津典子女性力・平和推進課長 特定の外国人に対するヘイトスピーチと思われる街宣活動は平成26年から令和2年までの間、このコロナ禍の前における期間にかなりあったということで認識しております。
 また我々も市民団体からの要請などもありまして、いろいろ意見交換を重ねてきたところであります。その中でやはりインターネット上の誹謗中傷が今社会問題となっておりまして、それに対する刑法上の侮辱罪ですとか、そういった適用があるというところは承知をしております。不特定多数の者に対するものというのがやはり法の中では整備されていないところがございまして、いわゆる沖縄ヘイトというものの実態といいますか、まずは相談に応じてその情報収集をして対応していきたい、また県民の意見募集、パブリックコメントでもそれを求める声があったということから、県として相談に応じていくというところでの第9条ということとなりました。

○上原章委員 全国にも各自治体で類似するような条例がある中で、この県民であることを理由にというところの事例はあるんでしょうか。

○島津典子女性力・平和推進課長 今現在把握をしておりません。

○上原章委員 あえて今回沖縄県がいろんな歴史を考えて、いろんな県民の意見を聞いたということで、この県民であることを理由とする不当な差別的言動というところで、先ほど来も少しありましたけど、国内外の多くの方々が沖縄県はそういった差別を受けてきたという認識というのが、変に誤解される危険性はないのかなという声もあるんですね。当然、沖縄県が歩んできた歴史、多くの方々が本当に辛い、そういった歴史もあるわけですけれども、今回の条例を制定する中で、あえてそういった県民に対する差別というのが誤解を招くような形にならなければと思っているところがあるんですけれども、その辺は庁内で議論はあったんでしょうか。

○島津典子女性力・平和推進課長 条例案では不当な差別のない社会の形成を図るために基本方針を定め、人権尊重の理念を普及させ、及びそれに対する県民の理解を深めること、不当な差別に関する相談に的確に応ずること、差別の実情を踏まえた取組を行うことにより、不当な差別の解消を図ることとしています。人権についての教育ですとか、普及啓発を行うことによって、差別のない社会づくりを目指すものであります。そのため相談体制の整備、情報の収集、分析を行い、法務局など関係機関と連携して、必要な取組を行っていくことを想定しております。

○上原章委員 分かりました。
 先ほど、ちょっと他府県のそういった県民であることを理由にという、もし事案があれば後日で結構ですので、ぜひお聞かせ願えればなと。やっぱりこれ沖縄県がそういうところを踏み切る一つの考え方というのは、非常にしっかりと持っていないといけないかなと思いますので。本来ヘイトスピーチとして我々は本当に多くの国内外の方々が沖縄県に来る中で、特に外国の皆さんが安心して、沖縄県で過ごしていただける、そういった本邦外出身者という点ですね、沖縄に留学している子も、いろんな人がいますのでそれだって守らないといけない、これは誰もが感じているところだと思います。ただその中で、等しく全ての方々が差別されないというこれも世界人権宣言も含めて理解するところですが、あえてこの県民という一くくりでやった形が本当にいいのかどうか、ちょっとまたぜひ他府県の情報もあれば教えてください。
 終わります。

○末松文信委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○末松文信委員長 質疑なしと認めます。
 よって、乙第13号議案に対する質疑を終結いたします。
 休憩いたします。

   (休憩中に、補助答弁者の入替え)

○末松文信委員長 再開いたします。
 次に、子ども生活福祉部関係の請願令和3年第1号及び陳情令和2年第54号の3外60件を議題といたします。
 ただいまの請願及び陳情について、子ども生活福祉部長等の説明を求めます。
 なお、継続の請願及び陳情については、前定例会以降の新しい事実についてのみ説明をお願いいたします。
 宮平道子子ども生活福祉部長。

○宮平道子子ども生活福祉部長 それでは、請願と陳情の処理方針について、お手元のタブレットに表示しております請願・陳情に関する説明資料で御説明いたします。
 まず、請願・陳情一覧表を御覧ください。
 継続の請願が1件、継続の陳情が56件、新規の陳情が5件となっております。
 継続の請願及び陳情につきましては、処理方針に変更はありませんので、説明を省略させていただきます。
 次に、新規の陳情5件について、処理方針を御説明いたします。
 128ページを御覧ください。
 陳情第23号沖縄県全戦没者追悼式における基地反対活動に関する陳情について、処理方針を読み上げます。
 1及び2について、沖縄全戦没者追悼式は、戦没者の御霊を慰めるとともに、世界の恒久平和を願う沖縄の心を発信し、沖縄戦の歴史的教訓を正しく伝え、次世代の子供たちに平和の尊さを継承することを目的としております。
 同式典は、遺族の心情や県民の感情等に配慮し、静粛に行われるべきであり、やじ等は好ましくないと考えております。県としては、安全で静粛な式典運営を図るため、会場に規制線や金属探知機を設けるとともに、やじ等への対応として、式典会場入口に立て看板を設置するほか、会場周辺等における警告板の掲示や職員による注意・警告等を行っております。
 引き続き県警等とも連携しながら、安全で静粛な式典運営に努めてまいります。
 続きまして、130ページを御覧ください。
 陳情第28号国民健康保険団体による苦情受付に関する陳情について処理方針を読み上げます。
 1及び2について、介護保険法第176条第2項第4号において、国民健康保険団体連合会は、介護サービスについての苦情処理機関として位置づけられております。
 苦情申立者から、同連合会に対して介護サービス利用に係る苦情申立てがあった場合は、弁護士等の学識経験者で構成される介護サービス苦情処理委員会において、苦情申立書の内容を確認した上で、受理の可否、調査の必要性及び内容等を検討し、調査を行っております。
 調査に当たっては、同委員会委員が訪問又は書面等により事業所側の意見を聴取し、中立公正な立場で苦情処理を行うこととなっております。
 続きまして、132ページを御覧ください。
 陳情第30号福祉施設や教育施設でゲノム編集トマトの種苗を受け取らないこと及び学校給食でゲノム編集された食材を使用しないことを求める陳情について処理方針を読み上げます。
 1について、ゲノム編集食品につきましては、厚生労働省のゲノム編集技術応用食品及び添加物の食品衛生上の取扱要領を必要に応じて児童福祉施設に周知してまいります。
 続きまして、134ページを御覧ください。
 陳情第40号慰霊と平和発信のため未開発緑地帯を県有地化するよう求める陳情について処理方針を読み上げます。
 1及び2について、沖縄県は、先の大戦において、住民を巻き込んだ苛烈な地上戦となり、多くの尊い命が失われました。このような冷厳な歴史的事実に鑑み、県では、糸満市摩文仁の平和祈念公園において、沖縄全戦没者追悼式、平和の礎、沖縄県平和祈念資料館等を柱に、戦没者の慰霊や沖縄戦の実相と教訓の継承、恒久平和の発信等に取り組んでいるところであります。
 また、戦没者の遺骨収集については、戦没者遺骨収集推進法により、国の責務であることが明記され、国において、同施策を総合的かつ計画的に実施しており、県は、国からの業務委託を受け、一部を実施しております。
 県としては、引き続き戦没者の慰霊と恒久平和の発信等に努めるとともに、国と連携し、遺骨収集の推進に努めてまいります。
 続きまして、136ページを御覧ください。
 陳情第45号児童相談所による子供や親への人権侵害、あらゆる不祥事、隠蔽及び捏造を根絶するため県独自の児童相談所の調査、改善及び体制強化を求める陳情について処理方針を読み上げます。
 1及び2について、児童相談所においては、児童福祉法、児童虐待防止法などの関係法令や沖縄県子どもの権利を尊重し虐待から守る社会づくり条例(子どもの権利尊重条例)に基づき、子供の最善の利益を念頭に対応しているところです。
 また、客観的な意見を求める必要がある場合は、沖縄県社会福祉審議会への諮問制度が設けられており、同制度を活用している他、医師・弁護士等専門的知識を有する外部専門家に適宜相談を行っているところです。
 一時保護所や児童養護施設等で事故等が発生した場合は、速やかに県所管課へ報告されるよう連絡体制が整えられています。
 被措置児童虐待については、児童福祉法の規定に基づき、沖縄県社会福祉審議会へ報告し、虐待の有無の判断や再発防止策等について意見をいただいているところです。
 引き続き市町村や学校等の関係機関と連携し、子供の最善の利益を守るため、児童相談体制整備及び適切な養育環境の確保に努めてまいります。
 以上で、請願・陳情の処理方針について、説明を終わります。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

○末松文信委員長 これより、請願及び各陳情に対する質疑を行います。
 質疑に当たっては、委員自らタブレットの発表者となり、請願及び陳情番号を申し述べてから、説明資料の該当ページを表示し、重複することがないよう簡潔にお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 照屋大河委員。

○照屋大河委員 まず126ページ、陳情番号令和4年180号児童相談所で乱発している子どもの人権侵害、親、里親とのトラブル防止及び子供たちの未来を守るため、県独自の人権擁護制度の確立を求める陳情について伺います。
 この陳情の要旨の中にあります子供たちの生命を、命を守るはずの児相が命の危険のある子は保護せず、真面目に育児をしている本来介入する必要のない家庭から、調査目的で不当に一時保護を行っている実態があるとして、この要旨に示されているんですが、そのような実態はあるのかどうか、まず伺います。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 お答えします。 
 児童相談所には、まず県民、その他、学校、保育所、病院等から虐待の疑いがある子供や家族について通告がございます。その通告を受けると児童相談所では即時に緊急受理会議という合議制の会議を行います。その中では厚生労働省から示されたリスクアセスメントという、この事案についてどの程度のリスクがあるかについて議論を行います。それで緊急性があると思われる事案については、保護を行うということです。そのときに保護を行わなくても、そういった通報があった事案については担当ケースワーカーを配置して、社会調査、家庭調査を行います。その中でやはり在宅ではなくて一時保護を行う必要があると考える事案については保護を行うということであります。よって児童相談所においては、そういったリスクアセスメント、あるいは社会調査に基づいて必要があると考える事案について保護を行っているところであります。

○照屋大河委員 今おっしゃった点が、透明性のある形で運用できているということで理解してよろしいでしょうか。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 今申し上げたのは、児童相談所内での合議体での判断でございます。
 委員おっしゃるように他府県においては、ほぼ間違った事実に基づいて保護が行われたという案件も報告されております。よって児童相談所においては弁護士やその他、研究者等の第三者からの意見なども伺いながら、リスクの判定が難しい事案については意見を伺ったりするようなことも行っているところであります。

○照屋大河委員 とても重要な対応が求められる判断だというふうに思います。虐待があり、それが継続し、将来的に悲惨な事態に発展する可能性。一方で実の親子を―その事態を判断して一時保護をしたり、引き離すというか、そういう事態に陥ってしまうという点で非常に厳しい判断が求められる場面だというふうに思いますが、この陳情者にとっては、不当な一時保護―先ほど県外ではという事例でおっしゃっていましたが、不当な一時保護、親子断絶の引き渡しの被害があるんだというふうに訴えていて、今おっしゃるような意見が対立する場面で、どのようにこの子供たちの最善の権利を優先していくんだという点については、どのようにお考えでしょうか。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 委員おっしゃいますとおり、保護された子供の意見を聞くことは重要であると思います。あわせて、関係者、特に保護者の意見を伺うことも重要であると考えております。
 児童相談所は保護する際、様々な機関から情報を集めます。その情報に基づいて慎重に保護を行っているわけですが、当事者の意見も十分に聞きながら保護を実施するかどうか、そして保護の期間等について今後も慎重に対応してまいります。

○照屋大河委員 実の親の意見に耳を傾ける―もちろん最初におっしゃたように、しっかり子供の声を聞いていく、拾っていくんだ、寄り添っていくんだという、そして親がいて、今はこの児童相談所を取り巻く課題においては、里親の視点もありますよね。そういう意味でこれまで第三者的な―今言う課題も含めてのことなんでしょうか。第三者委員会等の設置をやっていくと、知事も本会議の中で答弁されたと思いますが、その点の取組状況については、いかがでしょうか。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 児童相談所だけではない、第三者の意見を聞くということは重要であると考えております。まず第三者評価制度がございまして、これにつきましては、これから青少年・子ども家庭課、中央児童相談所、そしてコザ児童相談所に担当者を置きまして、具体的な検討をして、導入を前提とした具体的な検討を行ってまいりたいと思っています。そしてまた委員からお話がありました第三者委員会ですけれども、これは兵庫県明石市等が一時保護に当たって第三者委員会を置いて保護の―そういった子供の意見を聞くという制度がございます。それを子どもアドボカシーというふうに呼んだりすることもあるんですけれども、本県においても令和5年度、子どもアドボカシーの検討を具体的に進めてまいる予定であります。

○照屋大河委員 この児相の件、議会を通じて様々に議論がありますので、今言った点、子供の福祉の専門であったとしても、その判断、背景に抱える課題が複雑であったりするがために非常に問題が長期化したり、その問題が広がってしまうというケースも見受けられますので、早急に―子供の成長は本当に一日一日と失ってはいけない時間、大切な時間だと思いますので、そういう意味ではしっかり対応できる場所を早期に実現できるような取組を、これまで以上によろしくやっていただきたいというふうに思います。
 同じ陳情なんですが、127ページのほうに移りますが、児相の保護所内や委託先の施設等において、虐待や事件・事故等があった場合の通告義務を徹底させることについて、県の対処方針ではしっかり連絡体制が整えられていますといふうにされていますが、今年度、あるいは昨年度、この児童相談所で虐待等の通告、報告等があった事例はあるんでしょうか。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 委員から今児童相談所内における児童の虐待事案について御質問だったと思います。児童相談所、一時保護所において、令和3年度に2件の報告がございます。

○照屋大河委員 これは虐待の報告ということでよろしいですか。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 そうです。

○照屋大河委員 施設内のその報告という点については、誰がとかと言うと情報公開とかになるのかな。実際その仕組みとして、周りの同僚の皆さんが報告をしていくという環境は整えられているんですか。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 虐待は児童相談所を含め、施設内における虐待も絶対にあってはならないことですので、当然そのような研修も日々行っておりますので、そういう者を目撃した同僚からの報告もございますし、子供たちの意見箱などを通じて、そういったことがあったら報告する仕組みになっております。

○照屋大河委員 なかなかそういう厳しい環境があっての、救うための場所だというふうに認識するんで、改めてそこでそういった被害に遭うという二重三重の傷つきを受けるのかなというふうに思いますので。ただ、こういった事例、虐待とか、いじめとか何とかというのは表に出てくる数の裏にも、氷山の一角と言われるような表現で、たくさんあるんじゃないかというふうな形で捉えなさいとは言えないのだけれど、そういう意識も含めてしっかりと虐待のない中で子供たちの本当に権利が優先されるような施設の運営、今回人員の配置も多数行うということで知事の表明もありましたので、そういった施設における対応をしっかりとやっていただきたいと申し上げて、この件については終わります。
 続いて130ページ、新規の陳情ですが、国民健康保険団体による苦情受付に関する陳情。これについて、中身は職員が命を絶ってしまったというような事案です。国民健康保険団体連合会について、介護サービスを受ける人たちからの苦情は、苦情処理として位置づけられているんですが、その対応があまりにも厳しく、介護で―むしろ訴えられたほうに大きな負担があるんじゃないかと。特に今事例では自ら命を絶ったということですが、この職員の皆さん、私も身近でそういう介護の現場にあって、だんだん頑固になってきて全く言うことも聞かない、それを一人で抱え込んだりする事例などもあるんですが、それに対応するプロでさえ、介護の職員でさえ傷つき、命を失ってしまうということですが、そういう人たちを支援する、あるいはそういう人たちの立場に立つような制度というのは今ないのでしょうか。

○大城行雄高齢者福祉介護課長 お答えします。
 今委員がおっしゃいました、そういった相談機関ということなんですけれども、介護サービスについては、サービスを利用する者からの相談を前提としているために今、事業者側のそういった相談受付機関は設置はされていないところであります。ただ国保連合会は、そういった申立てがあった場合は該当する介護サービス事業者に対して陳述する機会を与えるなど、中立公正な立場で調査を行っているというふうに伺っております。

○照屋大河委員 陳情処理にも書いてありますが、中立公正な立場で意見を聞きながらということではあるんですが、それが、そういうふうに示されながらの先ほどから申し上げるような事態ですよ。結局この方は自ら命を絶ったということですので、改めてそういった事例を県内で起こったということも含めて、この連合会に対する皆さん、この問題に対する意見や、あるいは、むしろ一方の職に当たる人たち、介護職に当たる人たちの声を聞く仕組みとか、支える仕組みとか、そういったものについて議論・検討をしていく必要があるというふうに考えますが、その点はいかがでしょうか。

○大城行雄高齢者福祉介護課長 先ほど述べたように、そういった機関はないのですけれども、委員がおっしゃった内容も参考にしていきたいなというように思っています。

○照屋大河委員 ぜひ部長、ここに示されているように、繰り返しになりますが命を絶ったんだと。受け取る側からすれば、とても高圧的に感じる、配慮に欠けているんだというふうに訴えているんですね。県内で起きたこの事例について、全国的な調査をするのか、聞き取りをするのかも含めて―大切な仕事ですよ、介護の仕事というのは。その現場で起きたこういった事案に対して、これを見過ごさないというか、こういった事案についてしっかりと受け止めるというような姿勢で県は取り組むべきだというふうに思いますが、改めて部長の見解もお伺いいたします。

○宮平道子子ども生活福祉部長 今回の事案に関しましては、介護保険法の第176条第1項第3号において、国民健康保険団体連合会の業務として介護サービス事業所に対する必要な指導及び助言というのが規定をされているところでございます。また、同条第2項第4号において介護保険事業の円滑な運営に資する事業として、介護サービスについて調査、指導、助言の苦情処理を行うということが国保連合会の業務ということで位置づけられているところでございます。これはいずれも利用者がよりよいサービスを受けるための権利擁護が目的という制度になっているものでございます。今回のケースにつきまして、概要について読まさせていただきましたけれども、国保連合会側、どれぐらいの圧があったのかとか、そういったことについては少し分かりかねるところはあるのかなというふうには考えております。いずれにしましても、この件に関して県が、国保連合会が設置をしている苦情受付機関に対して、県が指導するという権限については定められてはおりませんけれども、丁寧に対応をするように、事業者の意見というのも丁寧に聞き取りをしてということについては、再度申し伝えていきたいというふうに考えております。

○照屋大河委員 よろしくお願いします。
 以上です。

○末松文信委員長 ほかに質疑はありませんか。
 小渡良太郎委員。

○小渡良太郎委員 まず陳情新しいほうからですね、128ページ。陳情令和5年23号、全戦没者追悼式に関する部分なんですけれども、多分陳情者の方々、私も去年参列して少し感じたんですが、やはり追悼のところが少し政治主張がかなり声高に叫ばれていて、追悼の場が少し毀損されているというふうな印象を受けました。この処理方針で対応の部分が書かれているんですけれども、これは今までの対応と同じということですか、それとも少し、こういう陳情を受けてちょっと強化をするというふうな内容になっているのか、教えてください。

○金村禎和保護・援護課長 お答えいたします。
 陳情処理方針につきましては、これまでも式典中にやじ等が行われてきたという経緯もございまして、それに対しては県警等と連携をして、立て看板を設置をしたり、警告板を掲示したり、あとは直接職員が注意をする、それから警告等を行うということを実施をしてきておりますので、そのようなこれまでの取組を陳情処理方針の内容として記載をしたところであります。
 委員おっしゃるように、沖縄全戦没者追悼式というのは戦没者の慰霊などを目的として実施している式典なので、静粛に行うべきであると、やじ等は好ましくないというふうに考えておりますので、具体的な作業を実施していく中では警備体制を強化しながら、県警とも連携を強化しながら実施をしていきたいというふうに考えております。
 以上です。

○小渡良太郎委員 例えば追悼で訪れる方々というのと、政治主張を目的として訪れる方々というのは、多少は区別がつく場面もあるのかなと。例えば関係のないプラカードを所持しているとか、のぼりを持っているとか、そういう物を持ち込みに関して規制をかけるとか、そういった考えはないですか。会場を―表現の自由という部分もありますので、会場じゃないところについてはそこまでの規制って厳しいのかなというようにも考えるんですけれども、最低限この会場内、または会場に隣接するエリアの部分でそういったことは事前に会の趣旨に合わないから禁止という形にして、持ち込みも規制をするというふうな対応はできますか。

○金村禎和保護・援護課長 これまでも会場内につきましては、規制線を設けるというところと、あと金属探知機等も設けて、そのような持ち込みがないようにされてきているものと思っております。そういったところにつきましては、引き続き対応していきたいというところと、やはりそういったプラカードを持っていなくても散発的にやじが飛ぶということがありますので、そういったところは会場内において、会場整理班とか、あと警備員担当の職員等おりますので、注意、それから警告等を行って、静粛な式典が運営できるように努めてまいりたいというふうに考えております。
 以上です。

○小渡良太郎委員 類似のこの戦没者に関する追悼式というのはあちこちでも、全国ですね、あると思いますし、また戦争に限らなければ、震災の追悼式とかも含めていろいろ行われていると思うんですけれども、ちょっと沖縄の―他府県全てを見たわけじゃないんですけれども、沖縄の追悼式だけこういう政治主張とかが散見されるという以上に、耳に入ってくる、目で見えてしまうというところは、やっぱり本来の追悼式の目的とか、趣旨と照らし合わせてもやっぱりできる限り排除と言ったら、ちょっと言葉きついんですけれども、除外できるような方策をぜひ―今でもちょっと多いなと感じるので、少しどういったことができるかというのを御検討いただいて、今までよりもちょっと強い措置を、次年度の6月23日の式典に当たってはやっていただけないかなと思うんですが、部長の答弁を最後にいただこうかな。

○宮平道子子ども生活福祉部長 全戦没者追悼式が執り行われております平和祈念公園は都市公園条例に基づき管理をされておりまして、その中で風紀を乱し、その他都市公園の利用等に著しく迷惑をかける者はその行為を制限されるということになっておりますが、散発的なやじ等についてはこれに該当するものではないだろうということで非常に、そういう点の規制も厳しいのかなと思っております。先ほど課長のほうから答弁をさせていただきましたとおり、規制線を引いたり金属探知機を設置したりという形でやっておりますが、今年度行われた追悼式においてもこの規制線の外からのやじというのがあったということで、そこに対しても職員が相対する形で規制をするという形で、なかなか規制線の外についての対応というのに今苦慮をしているところでございます。規制のスペースを少し広げるのかというようなところも含め、検討はしてまいりたいと考えております。ただ、コロナの収束に伴って次年度は以前と同じような規模での開催も検討をしていくということになりますので、そことも合わせてどんなことができるのかというのは検討してまいりたいと思います。

○小渡良太郎委員 一つの事例ではあるんですけれども、ルールというか、お願いみたいな形でしっかり主催者の思いとして、こういうことはしないでほしいとかというのをもう少し前面に出してもいいのかなと。要はそういったのが見えないと、これ言っていいのかなというか、別に規制されていないから言おうやとかという感じにならないように、一定のルールづくりも必要なのかなというのは去年出て感じましたので、そういうところも含めてぜひ検討いただきたいなと要望いたします。
 次に、134ページの未開発緑地帯を県有地化するよう求める陳情というのがあるんですけれども、これ例えば陳情者の要望どおり、県有地とする場合、どれだけかかるのか、予算的な部分ですね。これは取得の部分のものもあるだろうし、それを維持管理していくという部分もあると思うんですが、陳情処理方針をつくるに当たって、そういったところまで勘案されているのかなというのが一つ思ったものですから、もし現実的じゃないよというのはともかくとして、もしやるとしたらどれくらい概算でかかるのか、教えてください。

○金村禎和保護・援護課長 お答えいたします。
 陳情の内容にあります緑地帯につきましては、我々としては南部地域でどれぐらいかというところを把握をしていない。ですので、現時点で予算がどれぐらいかかるかというところもちょっと申し上げられないところでございます。 以上です。

○小渡良太郎委員 膨大なものになるだろうなというのは一つ予想はできるし。じゃそれをこの陳情があるようにふるさと納税を活用しても、その財源が確保できるかというのはいささか私としても現実的ではないのかなというのは、何となく見ていて感じはするんですけれども、ただ処理方針としてももう少しその部分についても―あくまで平和発信に取り組んでいるよと、いろいろ業務をやっていて平和の発信等に努めているよという処理方針があるんですけれども、もう少しこの現実的な―今の部分の話を処理方針として入れてもいいのかなという気はします。ただこれは、処理方針をどういうふうに出すのかというのは、あくまで僕は委員会としてまだ受けていないので、どうこうというのはないんです。この処理方針についてはどうこうと言うつもりはないんですけれども、委員会の中でやっぱりあまりにも現実的じゃないものというのは、ちゃんと現実的じゃないというふうな形で出されてもいいのかなと思いますので。これを今後の参考ということで、要望程度で受け取っていただければと思いますので、よろしくお願いします。
 そのまま最後の45号について、これは処理方針というより陳情の中身の部分で2段落目になるかと思うんですが、通告、報告あと認定がちゃんとなされていないというような陳情者の要旨になっています。処理方針ではちゃんと連絡体制が整えられているというふうな形に書かれているんですけれども、じゃ何でなされていないと言われているのかという部分が少し疑義があるわけなんですが、この報告とか通告、あと児童相談所からの報告認定等がちゃんと行われているかとかという調査はされていますでしょうか。それともただ、処理方針をつくるに当たって児相に聞いたら、ちゃんとやっているよと言うから、やっているって記載しているのか。実態のところを教えてください。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 お答えします。
 まず虐待事案が発生した場合ですけれども、施設等において職員による虐待事案が発生した場合は児童福祉法第33条の12に基づいて、通告しなければならないという法的な制度がございます。そして通告を受けた機関は、同じ児童福祉法第33条の14第1項の規定に基づいて、必要があると認めるときは、速やかに、当該被措置児童等の状況の把握その他当該通告、届出、通知又は相談に係る事実について確認するための措置を講ずるものとされており、本件においても速やかに施設等に対し、調査等を行い、確認を行っているところです。そして、その児童相談所の確認が終了した後、同じ児童福祉法第33条の15第2項の規定に基づいて、沖縄県社会福祉審議会児童福祉専門分科会審査部会に被措置児童虐待事案として報告し、同条第3項に基づき、意見を求めているところです。
 また施設等において事故があった場合の対応ですけれども、施設等において入所児童に事故があった場合は、当該施設等から速やかに当該児童が継続している児童相談所に連絡する体制が取られております。児童相談所は報告を受けた場合、施設職員などから事実確認等を行い、保護者に対し状況説明を行うとともに、児童への影響の程度等を踏まえ、所管する青少年・子ども家庭課にも報告する場合もございます。青少年・子ども家庭課においては、報告を受けた場合、部長、統括監等に報告を行っているところであります。

○小渡良太郎委員 この一般的な対応については今の答弁で分かるんですけれども、この陳情が言っていることに対してどうなのというところを質疑したつもりなので。まずこの陳情者が言っていることで課題、もしくは、ちょっと事実と違うという状況なのか、それともこれは事実なのかどうかですね。そういうのを児相に確認するだけじゃなくて、しっかり調べた上で処理方針等をつくられているのかという質疑ですから。一般論はいいとして。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 児童相談所に確認の上、処理方針は作成しております。

○小渡良太郎委員 確認は相談所のみですか。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 はい。相談所に確認しております。

○小渡良太郎委員 陳情書では児童相談所の不当な一時保護を、引き離し等々ってあるんですけれども、それを児相に確認をして、児相がないと言ったから、この処理方針をつくったということで理解していいですか。
 別に個別で、本当にこういう事案があったのかどうかという調査等々はせずに、それをやっていると言われている当事者に対して聞いて、当事者がそうじゃないと言っているから、県はそうじゃないと認識していますというふうな答弁になるような気がするんですけれども。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 当該陳情にございますケースが、まずどのケースを示しているのかがこちらでも分からない状況にありますので、基本的に児童相談所における対応は先ほど申し上げたとおりです。
 ただ、一方で個別具体のケースのことを陳情で仮に言われたとしても、当該ケースについてどこまで説明できるかということはあるかと思います。
 以上です。

○小渡良太郎委員 以前から様々な陳情審査の中で、まあ他部局でも申し上げているとおり、火のないところに煙は立たないというように、陳情って一般の県民の方々からしたら、議会に陳情を出すってよっぽどのことなんですよ。何か問題があって、何かそれを我々議会に対して解決をしてほしい、どうにかしてほしいと思うから―普通陳情なんてどうやってやればいいか分からない人がほとんどだと思うんですね。そのやり方を調べて、またいろんな方々から聞いて、議会に足を運んで陳情を出すと。そういういろんな思いがあって陳情って上がってくるもんですから、我々もしっかり審査をしているところではあります。そういうものについて、処理方針が曖昧とか、ちゃんと調査が必要かどうかの判断はともかくとして、この陳情に対しては今聞く限り、児相に聞いて、ないって言っているから処理方針出しましたというような答弁に聞こえてですね。じゃ例えばこの人が本当にこういう実態があって、それを声を上げて改善してほしいという形での、議会に対して議会を頼って陳情を出してきたとしても、当局の対応がそれぐらいになってしまうと、じゃこの実態が本当にあったかどうかが―それをどこまで調査するかというのは陳情によっても変わってくるとは思います。
 でも、そういうところもう少しちゃんとやらないと、特に児相の問題というのは大きな問題があって以降、県民も注目している部分になると思うので、児相の対応が適切なのか、ちゃんとした業務運営がなされているのか。人員配置を含めてちゃんと業務ができるような状況にあるのか等々ですね、問われているちょうど昨今の状況にあると思うんですけれども、そういう中でこういった内容が事実なのかどうかの調査をしていないから分からないというふうな形で言われると、じゃ何を審査するのと。陳情の―我々この審査が終わった後、採択する、採択しないとかというのも判断しないといけないんですけれども、判断に至るような答弁が出てこないと、何のためのこの時間かというふうな形になります。ですから、今聞いて答弁が出てこないことについては現時点ではこれ以上聞くことはできないとは思うんですけれども、やはりそういったところ、ある程度しっかりチェックをちゃんとして―陳情って一部ちょっと非現実的な陳情も中には含まれているのは、私も審査していて感じるところはあるんですけれども、ただ県民の声ですから、しっかりそれを確認した上で事実かどうかという部分をちゃんとこの委員会の場で明らかにして、今後はしていただきたいなと思いますので、ぜひ実際に聞いてないって言っているからありませんというのじゃなくて、いろいろ調査したところどうだったとかというところまで、ここは答弁いただけるようにお願いいたします。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 恐縮です。
 私の説明がちょっと分かりづらかったかもしれません。
 児童相談所に一時保護が行われて―保護者の中にはどうしても御不満を持たれる方がいらっしゃいます。そのような方がまずは児童相談所といろいろ議論をするわけなんですけれども、児童相談所の説明に納得がいかない場合に、本庁に御不満をおっしゃる場合もままございます。本庁に児相に―そういうケースがあったのかなかったのか、なかったと言えばなかったんだねということではなくて、そのケースの内容としてどうして今現在そのような状況になっているのか、なぜ保護しているのかという内容を聞いて、それで本庁も対応しているという状況です。決して児相がないと言ったから、ないんだねというものではございません。
 以上です。

○小渡良太郎委員 通常だと、まず現場で県民の皆さん多分相談すると思います。その後、担当する相談機関とかがあればそこに相談をしに行くという手順を踏むと思うんですね。議会に上がってくるということ自体がやっぱりそれだけ重い。僕も重いと思って審査しているつもりなので、上がってくるということ自体、ちゃんとこれが事実なのかどうかという確認をやはりある程度やらないといけないのかな。特に虐待とか、そういった部分が―軽い重いと言うつもりはないんですけれども、そういったセンシティブな内容が含まれているものについては、やっぱりしっかり確認をするべきじゃないのかなというふうな気がします。
陳情内容が事実がどうかという部分も多分当たり前に質疑として出てくると思うんですよね。そういうところをちゃんと調べて臨んでいただければと今後は思いますので、よろしくお願いします。
 すみません、あと1個だけ。
 24ページ、ちょっと古い陳情を掘り起こすつもりではなくて、あくまで関連なんですけれども、この児童虐待の、今の沖縄県の現状を教えてください。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 児童虐待の現状について相談件数で申し上げます。令和3年度に本県の児童相談所が対応した児童虐待の相談件数は2509件で過去最多となっております。前年度の1835件に比べ、674件、36.7%増加してございます。

○小渡良太郎委員 この増加した要因として部局が考えていることがあれば教えてください。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 近年警察との連携を強めておりまして、面前DV、警察が臨場したときに面前DVがあった場合、それは心理的虐待になります。その警察からの児童相談所への通告がかなり増加しておりまして、先ほど申し上げた増加に反映しているというところでございます。

○小渡良太郎委員 これ差し支えなければ、警察から上がってきた報告とか、児相とか、そういったところから上がってきたものとかって、この2509件ってある程度区分けができると思うんですけれども、もう少し、もし詳しい数値教えていただけるのであれば、教えてください。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 先ほど令和3年、総数が2509件と申し上げました。そのうち警察からの通告が1994件、79.5%を占めております。

○小渡良太郎委員 ほかの500件余りの内訳ももし分かれば。警察が4分の3というのは分かったんですけれども。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 市町村からの通告が113件、県の機関からの通告が69件。
 すみません、前後しますけれども、近隣知人からの通告が97件、そして保育所等からが19件、親戚から12件、児童本人から12件。このような内訳になっております。

○小渡良太郎委員 今いただいた細かい数字なんですけれども、前回の1835件から36.7%増えたと。この具体的な内訳の部分で警察が通報するのが増えたからそれが底上げという形になったのか、それともほかでも、例えば子供は―本人からの通報も増えているとか、何かそういう数字の変化とかというのは詳しく説明できれば、そこも少し確認させてください。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 やはり警察からの通告が令和3年度は2509件のうち1994件が警察だったんですけれども、その前年は、令和2年度は警察からの通告は1423件ですので、1年間に警察だけで、1年後に500件増加するという傾向でございます。

○小渡良太郎委員 ありがとうございます。
 この虐待の相談件数が増えるというのがいいことかどうかというのは、いいことじゃないとは思うんですけれども、ただしっかり洗い出しができて、洗い出しができれば対応ができますから、そういった意味でしっかり認知ができているというのは前進かなとは思います。ただ、警察が頑張っているから増えているよというところ以外の部分もですね、やっぱり児童虐待防止ということで所管は子ども福祉部になっていますから、子ども福祉部の部分は数字変わらないけど、警察の部分は増えているよ、警察だけで頑張っているねという印象をどうしても受けてしまうんですね。子ども福祉部の取組の部分で何か虐待防止でもそうですし、しっかりとした認知につながっているとかというのが何かあれば。また今のこの件数の状況を見て課題点、現状の取組の課題点ですね、もっとこういうところに取り組めば確認が増えるんじゃないかとかというのが、もし部局内で見解としてお持ちであれば、そこまで少し確認をさせてください。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 警察との連携は強めているところでありますけれども、それ以外にも市町村支援連携というのを児相は力を入れて行っておりまして、市町村の家庭児童相談員等の研修や助言も力を入れているところでございます。市町村からの通告についても令和2年度72件であったものが、令和3年度は113件になっております。そして委員から質問のあった―児童虐待は決して家庭内だけの問題ではなくて、実はこれ社会全体に複合的な要因があるというふうに言われております。よって、社会全体の認識を高めていただくためにも児童虐待防止月間等のときにオレンジキャンペーンなどに参加したり―オレンジリボンキャンペーンというのがございまして、そういうものに参加したり、あるいは学校との連携ですね、学校からの通告をスムーズに行えるような学校との連携に努めるなどのそういった取組を行っているところです。

○末松文信委員長 小渡委員、時間ですので。

○小渡良太郎委員 大丈夫です。
 以前も委員会で少しお話をしたかなと思うんですけれども、この歯科検診ですね。子供の歯の検診の中で、これは実際に歯科検診をやられている歯科医師の方々からよく聞くんですが、虐待の疑いがあるとか、そういったのが歯科検診の中である程度分かるというふうな話をよく聞きます。例えば歯ががたがたとか、全然治療もされていないとか、全く歯のことに見向きもされていない子供たちとかですね。警察との連携ももちろん重要で今後もしっかりやっていただきたいんですが、そういった歯科検診って別の部署の取組になるとは思うんですけれども、そういったところとも連携をして情報を吸い上げていくと。歯科検診だけで虐待と認定するかどうかというのは厳しいとは思うんですけれども、一つの判明のきっかけになる可能性は十分にあるもんですから、そういった部分もうまく活用しながら、やっぱり児童虐待全国ワーストという形で沖縄県目立ってしまっているので、できるだけ減らしていく、ゼロに近づけていくという努力を今まで以上にいろんな方策を活用しながら、取り組んでいただきたいなということを要望して、少し長くなったんですが質疑を終わります。

○末松文信委員長 ほかに質疑はありませんか。
 喜友名智子委員。

○喜友名智子委員 陳情の令和2年63号、16ページですね。
 母子及び父子家庭、要はひとり親への医療費助成を延長してくださいという陳情なんですけれども、これ今回本会議でも質疑させていただきました。母子寡婦法の中で子供って定義されているのが18歳、19歳、要は二十歳未満ですよという部分。これやっぱり必要があるから民法で成人年齢が引き下げられても、この母子寡婦法では引き続き二十歳未満という扱いになっていると思っています。それをじゃどうやって県の支援策の中で実現していくかというときに、この陳情にある部分ですね。
 すみません、陳情には直接書かれてはいないんですけれども、18歳、19歳の医療費助成の延長、これ必要じゃないかという質問は以前にもさせていただきました。そのときには、市町村が基本的に窓口として対応していて、市町村と協議しますという答弁が返ってきたと思っていました。その後、この18歳、19歳までの子供がいるひとり親世帯への医療費助成の延長については何か県のほうで議論をしたとか、話をしたことがありますか。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 委員が今おっしゃたとおり、対象は二十歳未満まで拡大することについては、当然県の負担もございますけれども、実施主体である市町村の負担が生じます。それで以前の議会等で市町村と意見交換が必要であると説明させていただきました。市町村にこのことについて意向を伺ったところ、対象児童の年齢を二十歳未満に引き上げることについては、引き上げた方がよいが5市町村、現状維持が25市町村、その他が11市町村となっております。その他の11市町村の意見の例としては、拡充するには財源の確保が必要、体制整備が必要、手続の整理が必要等々の意見でございました。
 このような市町村の意見を踏まえまして、県の担当課としてはやはり市町村の意見を踏まえながら、そしてまた児童の医療費助成制度の動きなども見ながら検討していく必要があるというふうに考えております。

○喜友名智子委員 市町村に意向確認していただいたことは、非常に大きな前進かなと思っております。その際にこの対象になる世帯数についても市町村と何か話をしたり、情報収集をしたりなどしましたか。県内でのざっくりとした世帯数が分かれば、必要な予算規模の試算までまた進むことができるんじゃないかなと思うんですが。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 その際ですね、その18歳から二十歳未満の児童を養育する母子父子世帯数、児童数を把握することについて併せてお伺いしたところ、把握可能とする市町村が10市町村、把握は困難であるとする市町村が26市町村、その他が5町村となっています。その他の意見としましては、児童扶養手当からの引継ぎ、つまり児童扶養手当を受給している世帯との関連でその数を把握するため、児童扶養手当を未受給のひとり親は把握できないと、よって正確な数の把握は難しいというような意見が寄せられたところでございます。

○喜友名智子委員 数字を把握するのは今答弁の中にあったように、児童扶養手当の受給資格の喪失、これが一番市町村が持っている確実なデータかなと思います。これですね、ひとり親家庭の支援をしている団体さんも独自に今数字を集めていて、そこでは大体おおよそ1300から1500世帯が県内にあるということまでは民間の団体の調査で今把握をしているところです。ただ市町村ごとに数字を出すところはなかなかちょっと難しいところがあると聞いていますので、ただこういった数字の規模感はありますよということは、県のほうでも把握をしていただいて、引き続きこの母子寡婦法に基づく医療費助成の年齢の延長、世帯の拡大は引き続き検討いただきたいと思います。
 次が、新規になりますが130ページ。国民健康保険団体からの陳情です。先ほどもほかの委員の方が質問をされていましたけれども、すみません、私この保険団体連合会と県との関係というのがよく把握できておりませんので、基本的なところを教えていただきたいんですが、国民健康保険団体連合会と県は普段業務や、あるいは課題などについて意見交換をするということはあるんでしょうか。普段何か業務の接点とかってありますか。

○大城行雄高齢者福祉介護課長 国民健康保険団体連合会とは介護保険サービスの支払いの面での調整とかはあるんですけれども、特にそれ以外での意見交換というのは行っていないところです。

○喜友名智子委員 そうすると今回は介護施設、事業者からの事業の運営というか、サービス利用者との関係についての相談だと思いますが、こういった類いの相談窓口は、もしこういうカスタマーハラスメントに限らず、事業所のほうから何か困ったことがあったという場合には県の担当窓口はあるんですか。

○大城行雄高齢者福祉介護課長 今のお話では介護サービス事業者から直接そういった相談とか苦情があって、どうしたらいいかとか対応、県のほうにも何件か相談はございます。それについては、そういった中立公正な機関である国保連とかですね。あと介護サービス、福祉サービス全般を扱っています沖縄県福祉サービス運営適正化委員会という沖縄県社会福祉協議会に設置されている、そういった苦情解決をする第三者機関がございますので、そこを御紹介しているところであります。

○喜友名智子委員 この件に関してはこの社会福祉協議会の中の窓口のほうに事業者さんが行かれたのか、そこでどういう相談があったのかということまでは県は追っかけないんですかね。

○大城行雄高齢者福祉介護課長 この件に関しては社会福祉協議会には行かず、直接国民健康保険団体連合会のほうに御相談に―電話があってということであります。

○喜友名智子委員 先ほどから答弁の中でこの連合会のほうが中立公正な立場で相談を受けているという答弁なんですけれども、この陳情者からすると中立公正な立場ではないと思ったから陳情を出してきたのだと思っています。特にこのサービス利用者、家族からクレームを受けることで従業員の方が自死までされたというのは、もうやはりこれ重い案件だと思うんですよね。それにもかかわらず、なかなか事業所のほうで自助努力して、カスタマーハラスメントの対応を考えてもどうしても事業者に対して連合会からの厳しい立場が変わらないと。やっぱりここは事業者のみでは対応できないんじゃないかという事態になっているかと思います。
 最悪の事態を想定すると、この介護事業者が事業者の取消と、資格を取消といって今施設に入っている方たちまで影響が及ぶのではないか。もしくは、こういう形で自死する方まで出るこの事態をなかなか改善できないとみなして、従業員の方が続々と辞めてしまうというようなことになると、せっかく今までしっかりとした介護サービスを提供してきた事業者が地域からなくなってしまうというところまで行きかねないほど深刻な、これは悩みだから陳情が出てきたと思っています。なので、ぜひ一事業者と連合会で話し合うのではなくて、県のほうもカスタマーハラスメントに対してどう対応するかというこの働く人の権利、この視点からぜひ対応していただきたいと思うんですがいかがでしょうか。まあ働く人の権利というと、どちらかというと商工労働部の労働政策課辺りになるのかなと思うんですけれども、こういうような陳情が出てきて、連合会のほうが話聞いていますからとしてここで陳情が止まるのが非常に世知辛いなと思って質疑をしております。

○大城行雄高齢者福祉介護課長 お答えします。
 すみません、ちょっと御説明させていただきます。
 介護サービスの苦情処理委員会、先ほどから中立公正というふうに申しているところなんですが、3名の委員を置くこととされていまして、そのうち1名は弁護士というふうになっております。そのほかの2名についても中立公正な立場でできる学識経験者を中心にそういうふうに設定されております。国保連での調査の過程についてなんですけれども、まず説明させていただきますが、受付までそういった相談者から相談があった場合、電話、面接、書面等での助言を相談員のほうで行っております。その中で苦情処理委員会へ希望する場合は、書類を相談者へ送付し、相談者は苦情処理を希望する場合は必ず書面で提出というふうになっております。書面受理後は事務局でその内容について、先ほどの委員会に諮りまして正式受理の有無とかですね。受理決定後は内容に係る調査項目を、先ほど述べました委員3名の合議でもって調査書を送るかどうかを決定するということになっております。そういうことで場合によっては、事業所のほうにもそういった委員が赴いて事情を調査、事業所のほうから意見の聴取を行っているということで、この辺については中立公正な立場で行われているというように県としては理解しております。先ほど労働委員の話がありましたが、従業員の。その辺はちょっと労働局関係というふうになりますので、その辺については労働局との調整になるかなというふうに考えております。
 以上です。

○喜友名智子委員 そうすると県のほうではサービス利用者についての話は連合会のほうとやり取りはするけれども、事業者や、その中で働いている従業員については自分たちの管轄ではありませんという立場があんまり変わらないなというふうに受け止めています。ただ、もう超高齢社会に入っている、特に沖縄の中ではこの介護施設で働いて、安心して支える従業員を確保するかというのは、特にもうこのコロナ禍の経験を通して非常に切迫している状況でもあるんですよね。今回はもう何て言うんでしょう、具体的な精神的苦痛の内容までは書かれていませんけれども、よく介護施設の利用者から身体を触られたとか、働いている人がセクハラを受けたという話は実はよく聞きます。もう高齢になっているから認知のこともあるし、仕方ないよねって皆さん流しているんですよね、そういうことがあったときにも。ただそういうことを普段から見逃しているがゆえにこういう深刻な事態が起こったときでもどこか仕方がないことだといって、収めようとしてないかというところがやはりこの処理方針を見ていても非常に気になるところです。
 この陳情者も非常に行き場がなくて県議会にこういう書面を出してきたと思います。例えば県が直接何かできることがなくても介入する権限がなかったとしても、連合会のほうにこういった陳情が上がってきていると。委員会でも議論になっているということをベースに連合会のほうと何か県が間に立って話をすることができないでしょうか。ちょっとこのままだとこの陳情者の方、それから働いている人たちが介護サービスを提供できるのかどうかというところにまで行きかねない事態だと思っていますが、いかがでしょうか。

○大城行雄高齢者福祉介護課長 お答えします。
 職場におけるハラスメントとか、そういったものに対する対応策として介護事業者のほうについても、プロテクション規定みたいのものがですね、そういった制度をつくるように令和4年4月1日から義務化されていますので、その辺も整備していくことが大事かなと思っております。先ほど委員からありましたように、国保連合会とのそういったことについても、今後ちょっと県として意見交換を行っていきたいなというふうに考えております。

○喜友名智子委員 ぜひよろしくお願いします。
 サービス利用者の権利と働く人の権利がこれ対立している案件だと思っています。その間で悩んでいる事業者をぜひ行政がしっかりと受け止めて、いい方向に行けるような仲立をしてもらいたいなと思います。
 次が132ページ、新規の陳情になりますが、福祉施設や教育施設でゲノム編集トマトの種苗を受け取らない、学校給食でゲノム編集の食材を使用しないことを求める陳情です。処理方針の中では厚労省の取扱要綱を必要に応じて周知しますとありますが、この要綱ですね、私も見たんですけれども、これ福祉施設に周知して、学校に周知して現場が意味分かるかなと思うぐらい難しい内容です。これはどういうふうな周知の仕方を今検討されているんでしょうか。

○下地努子育て支援課長 こちらの周知―ゲノム食品等に関するですね、保育現場等への周知につきましては、こちらのほうで一斉的にやるという形ではなくて、この食品についてのお問い合わせがあった際に、先ほどおっしゃられた、分かりにくい文章になるかもしれませんけれど、そういう案内することとして、ゲノム食品とはどういうものでありますよという形の周知を取っていこうと考えております。

○喜友名智子委員 この陳情の内容はゲノム編集の農作物は、まだ安全性が確認されていない、むしろ身体にとって悪い影響がある可能性が捨て切れないから種苗や食材への利用をやめてくれと、控えてくれという内容だと思っております。県のほうでこのゲノム編集農作物への安全性の認識については、どのように今考えてらっしゃいますか。

○下地努子育て支援課長 ただいまお話にありました安全性という面につきましては、保健医療部が担当します保健医療、そちらのほうでの担当であると思いますので、こちらのほうでは安全性云々とかについては、ちょっと答えることは難しいです。

○喜友名智子委員 今部のほうでは安全性を答えかねると言っていますけど、それでも厚生労働省の取扱要綱を安全ですよみたいなスタンスで周知するんですかね。

○下地努子育て支援課長 問合せがあった際にはそちらのほうを御案内するという形にはなります。

○喜友名智子委員 ゲノム編集農作物、あるいはゲノム編集技術については厚労省以外にも扱っている省庁があるんですけれども、例えば農林水産省や環境省、こういったところの安全性に対する認識というのも県のほうではこれ把握されていますか。学校や福祉施設に周知をする場合に。

○下地努子育て支援課長 環境省内の見解と思いますけれども、処理方針については保健医療部のほうとも確認をしまして作成しておりますので、環境省でありますとかそちらの見解を踏まえた上での回答になっていると理解しております。

○喜友名智子委員 このゲノム編集技術、特に農作物への応用については、恐らく本来はこの文教厚生委員会というよりも、経済労働委員会になるのかなと思ってはいるんですが、やっぱり普通の農業で、土で育った物とは別のその技術を使って育てるというか、製造する食品についてはやはり安全性を懸念する保護者の方たち、それから福祉施設を利用されている方や家族というのはやっぱり一定数いらっしゃるんですね。必ずしも安全性が100%担保されているわけではない部分もまだあるので、できれば国が、特に厚労省が安全ですと言っているからといって、県内の学校や施設でも使って構いませんよというような周知につながることは、少し時期尚早ではないかなと思いますが、この点安全性について県のほうでさらに調査を進めていくということは、今予定はありますか。

○下地努子育て支援課長 まずゲノム編集食品が安全でありますよという形については、広報というのは特に予定はしていないところです。そういう状況でありまして―すみません、もう一つ何かおっしゃっていましたよね、もう一度聞いても……。

○喜友名智子委員 まだゲノム編集農作物、あるいはゲノム編集とはまた別になりますけど、遺伝子組換えの技術を使った農作物についてはまだ100%安全ですよという状況にはないと思っています。そういった現状も踏まえて県のほうで国の指針以外の判断基準を持っていただきたいんですけど、こういった調査や周知をする前に情報収集をするような予定はありますか。

○下地努子育て支援課長 ただいま委員からありました御質問につきましては、こちらの部のほうではなかなかお答えすることは難しいでございます。

○喜友名智子委員 お答えがいただけないのはなぜでしょうか。

○下地努子育て支援課長 食の安全につきましては、当部所管ではなくて、保健医療部等の所管になりますので、こちらではなかなかお答えすることはできない状況であります。

○喜友名智子委員 分かりました。
 ちょっとこの件は今後も引き続き質疑はしていきたいと思います。
 最後にもう一点ですね、この陳情について。学校給食に関わるということで、保護者の方たち、この陳情者も含めてですけれども、市町村にも意見や要望を出し始めていると聞いています。こういった市町村に対してのゲノム編集農作物への懸念を市民、県民がどう伝えているのか、それに対しての市町村の対応、県で何か把握されているケースはあるでしょうか。

○下地努子育て支援課長 御父兄の方々が保育所に―食べられることについては懸念を示して活動を起こしているとか、市町村についてどのような対応をしているかということにつきましては、現在のところ把握しているのは那覇市のほうの1件でございまして、那覇市のほうはそのような陳情が上がったと聞いているんですけど、それ以外のことについては把握しておりません。

○喜友名智子委員 学校給食に関わることなので、ぜひこういった動向も県のほうでも把握に努めていただきたいと思います。
 この陳情については以上です。
最後の案件になりますが、99ページ、103ページなどにある児童相談所の件ですね。里親委託解除の件です。
 この件、里親解除されてから1年以上がたちました。せんだって県の特命推進課のほうから依頼をした調査委員会の中間報告がありましたけれども、最終報告も含めて、この報告書を受けて、この里親解除の事案に対して児相と部がどういうふうにこの調査報告書を受け止めたのかお聞かせください。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 中間報告及び最終報告について重く受け止めております。そして、児童相談所といたしましては体制の充実に向けて対応方針を策定しておりまして、まず子供の意向を酌み取る取組を推進するため、子供の意見表明を受け止める体制構築を図るモデルの実施検討や、子どもの権利尊重条例の理念や子どもの権利ノートの活用方法等について、研修等の機会を通して周知徹底を図っていくと。
 また困難事案については児童相談所だけで解決を図るのではなく、社会福祉審議会審査部会や外部専門家を積極的に活用することや、毎年度中間と年度末に実施している全ケースカンファレンスにおいて、所長が特に指定する困難事案については児童相談所内他班の班長等も含め、様々な視点からケースを再チェックするなど、ケースの見方の見直しを取り組む必要があると考えています。
 また、里親の率直な意見を聞くことを目的に本庁と児童相談所が連携の上、里親全体に対するアンケートを実施し、信頼関係を構築するための参考とするほか、児童相談所と里親会で定期的な意見交換の場を持つこととして、里親や里親会との連携促進を図っていくこととしております。
 このほか、職員の資質向上を図るため、当該事案の審査部会答申、調査委員会答申、里親全体に対するアンケート結果を用いて、より丁寧に被支援者に向き合う姿勢の涵養を図るほか、児童相談所業務の基本となる児童相談業務の手引を改定し、研修等を行っていくと、加えて人員配置の強化を図るため、新採用職員の増員や経験者を採用とする仕組みの検討等々、そしてスーパーバイザーの活用などを行っていくと。そしてまた、異例重大紛争を生ずるおそれがある事案については本庁担当課に定例の会議で共有することとし、適時に審査部会を開催できるよう本庁児童相談所体制を強化すると。そしてまた、児童相談所の若い職員が円滑に業務を行えるように児童相談所におけるケースワークの手法等について検討を行っていくというようなことを考えているところであります。

○喜友名智子委員 報告書の受け止めの前にこれをやりますという情報が多すぎて、どう整理しようかなと思いながら聞いておりましたが、この報告書は児相の職員の皆さん、それから児相を担当する本庁の所管の方々は皆さんこれ読んだんですかね。

○宮平道子子ども生活福祉部長 調査委員会の最終報告は子どもの権利主体としたソーシャルワークや組織マネジメント、里親との対等的信頼関係の構築の意識が欠如しているといったような厳しい御指摘をいただいたところです。こういった御指摘を重く受け止めております。当該児童を支える新たな体制を部としてはつくりまして、児童の最善の利益や権利が守られるよう取組を進めてまいります。今回の調査委員会の最終報告書の提言、それから社会福祉審議会でも答申をいただいておりまして、そういったものは職員間で共有をし、同様の事例を起こさないように児童相談所の相談体制の充実に向け、取組を進めているところであります。

○喜友名智子委員 当該児童を支える仕組みは今どういう体制になっていますか。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 児童相談所を中心に行うことになりますけれども、先ほど申し上げました本庁と児童相談所と連携して行うために特別支援チームというものを設置して対応を行っているところであります。

○喜友名智子委員 この特別支援チームを構成する方々、どなたになっているのかお聞かせください。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 子ども生活福祉部子ども福祉統括監、それと青少年・子ども家庭課担当副参事、コザ児童相談所長、コザ児童相談所担当班長、そして中央児童相談所長という構成になってございます。

○喜友名智子委員 報告書で相当厳しい指摘を受けて、重く受け止めていますと、部長もおっしゃったわけですよ。そこに対する受け止めや改善策の具体的な内容が分からないのに厳しい指摘を受けた当事者で、該当児童の特別支援チームをつくることは適切なんでしょうか。何の意味があるんですか、これ。問題だと指摘された人たちが首そろえて支援していますというのが理解できないんですけど。第三者の目はどこに入っているんですか、これは。どうやってこの子供がどんな状況にあるのかと。誰が判断するんでしょうか。

○宮平道子子ども生活福祉部長 これまでの取組に対しての御意見、改善策について御提言をいただいたということで考えております。それを踏まえて児相を中心として本庁と連携をしながら取組を進めているということでございます。

○喜友名智子委員 指摘を受けたこの部署、役職の方、それから役職に関しては人事異動で変わるかもしれないんですけれども、厳しい指摘を受けた部や児童相談所がどういう対応の中身を変えるのか不明なまま、新しい子供を大切にした支援をやっていますと表面上は言ってるかのような特別支援チーム。これが里親解除をされた子供の意見を本当に聞く人が本当にいるのかというところの担保が見えないんですよね、これは。先ほど児童福祉審議会でしたか、御意見聞きますと言っていましたが、昨年の閉会中審査の中でこの児童審議会の会長さんはいろいろと答弁をなさっていましたけど、この子には会わないで審査をしたということを答えていたわけですよ。子供に直接会わないで、児相や部が出してきた紙資料だけを見て、この子はちゃんと状況の変化を受け止めて今は落ち着いていますということを言う方が、第三者としても何かしらチェックをする立場に置いていいのかなとすら思っています。この特別支援チームが―今は子ども生活福祉部と児相の中の人たちで構成されているということであるならば、じゃ皆さん方がやっている特別支援チームの動きが実際にこの子の思いや意見を聞いて、適切に心のケアをしていますと。第三者としてしっかりと判断したり、チェックをしたりする立場の人は今いるんですか。
 専門家の意見がよければ、私この子に自分が会いに行きたいぐらいですけど。それぐらいこの子の現状、誰が把握しているのというのが不透明なんですよ。私が会いに行くのは駄目ですか、議員として。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 ケースワークについては先ほど申し上げたチームが中心になっているところなんですけれども、児童相談所の嘱託医師ですね、小児科医とか、精神科医の意見を適宜伺っており、また児童相談所には児童心理司がおります。児童心理司もケースワークに―児童と面会するなどして、児童のケアを行っているところです。したがって、委員おっしゃったように社会福祉審議会、委員の御意見ありますけれども、社会福祉審議会の活用も積極的に行ってまいりたいというふうに考えているところであります。

○喜友名智子委員 児童福祉審議会の制度として今あるので結構なんですけれども、そこの答弁でも不十分だと私は思っているので、ここに任せているというだけにとどまるのは非常に不安です。調査委員会の、例えば皆さん方を正式に特別支援チームのアドバイザーだったり、お子さんと定期的に会うというようなことは難しいんでしょうか。ここまで厳しい指摘をした専門員の方たちが子供にもしっかり会って、関わるということが適切ではないかなと思っていますが、いかがでしょうか。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 児童相談所のケースワークは御案内のとおり児童福祉法に基づいた児童福祉司の資格を有し、また法定研修を受けた職員が行うこととなっているところです。そして、児童相談所としては、児童相談所のケースワークも決して素人ではございませんので、経験もあります。そして、先ほど申し上げた医師等も含めて、大学の研究者等も外部専門家には児童相談所の嘱託としておりますので、そういった方々の助言を得ながらケースワークを行っていきたいとふうに考えております。

○喜友名智子委員 資格を持った専門家の皆さん、私も本当に自分も専門外なので、資格を取るまでにどれだけの勉強をして、知識を得てきて、試験に通って、現場で経験を積んで、しっかりと仕事をしてきた皆さんであるんだろうと私も思います。仕事の全てを否定する気はありません。けれど、この件に関しては間違いだらけなんですよ。何でこれだけ専門家の皆さんが集まっていて、こういう報告書が出るまでの事態になったのか。ですから、今までと同じ顔ぶれで仕事をするのは限界もあるんじゃないか。そもそもこれだけ県民、それから県民だけじゃないですよ、全国でもこれ関心持たれている事案ですから、同じ方々だけで外部の目に触れない形で支援をすることが本当に安全なんだろうかという、本当に疑いの目しかない中でこの子を支えるという非常に難しい状態にしたのは皆さん方だと思っています。
 ですから、このせっかく中間報告で指摘をされたことは今後しっかり体制をつくるというのは当然のことですし、加えて体制づくりをするから、この子のことがなかったことにしてはまずいけない。そのためにこの個別具体の目の前にいる里親解除された子供の心のケアを誰がやるのかと。私はこれは皆さん方の仕事じゃないんじゃないかと思っています。調査報告書の中で私も初めは報道で知ってびっくりしたんですけれども、委員会の審査中だったかどうか―別の里親のところに移されていたというところはもう本当に衝撃でした。何のために委託解除したのか。子供の環境ががらっと変わるようにほかの里親のところに連れて行くんだったら、何で今までの里親のところに預けておくことが何でそこまで否定されないといけなかったのか。そこの理由がやっぱり分からないわけですよね、皆さん方の対応の中でどう総括して、反省をしたのか。それが分からないまま、この子供がもう新しい場所で落ち着いていますと言われてもやっぱり本当ですかと、そこで止まってしまう。そのときに家族統合だったり、家庭復帰というのがやっぱり今までこの子が育った環境の延長というものを切り離してはいけないし、そうすると元の里親さんのところで育った記憶、今までの5年間というスパンでのこの子供の人生をどうやってぶつ切りにしないでケアしていくのか、そこの部分のサポートがはっきりしないとやっぱり子供を右から左に移して特別支援チームをつくっているから大丈夫ですというような状況が変わらないんじゃないかと思うんですね。元里親さん含めて、この子が今どういう状況にあるのかと、この子の心のケアを誰が実際に行っていくのかというところは、何かもう少し具体的な対応策をこの場でお答えすることはできないですか。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 元里親さんがこの子を長い期間にわたって大事に育てていただいたわけです。ただ、その期間、この子に会いたくても会えない実親さんが片方でいらしたわけです。そして、その実親さんが児童相談所の調整不足も当然あったわけですけれども、実親さんが元里親さんの措置を撤回するということが起こりました。そうなりますと児童福祉法上はこの措置を継続することはできません。それで現時点ではこの子の意向を踏まえて、この子が望む形、一般的には親子統合ということになりますけれども、それに向けて実親さんとの交流を重ねながら、この子の心のケアを行っているという状況でございます。

○喜友名智子委員 法律上は実親の権利が今優先されてるというのは何度となく聞きました。今問題になっているのは、これまでこの子が生きてきた環境、元里親の元で生活をして育ってきた環境をぶつ切りにしていますよねと。それをどうやって今後、実親さんの元に戻って家族統合するときにこの子の人生をつないでいくのかというところが問われていると思います。一度、昨年知事のほうが記者会見をして、実親、元里親、双方に連絡を取って、何かうまくつないだなというタイミングが私はあったと思っています。それにもかかわらずなぜまだこういう対立関係が続いているとおぼしき情報が散見されるのか。そこは皆さんの部、それから児童相談所がどういう対応をしてきたのか本当に分からないんですね。報告書を見るとやっぱり適切ではなかったという結論を出されているわけですから、それをちゃんと受け止めたのであればこの調査委員の先生方、それから元里親との関係も含めて、やっぱり見直していく、それが目に見える形で対応が見えないと、なかなかこの該当するお子さんをちゃんとケアしていますということを幾ら聞いても私は、はいそうですねとはなかなか言えないです。それぐらい厳しい状況の中でこの子の育ちをみんなで見守っていかないといけないということについて、やっぱり報告書の受け止めがよく分からない。ここの部分については、部長改めて見解を伺いたいんですけれども、いかがですか。
 もう法的にどうのこうのじゃなくて、本当に人としてどうやっているんですかというケースだと、これは思っています。

○宮平道子子ども生活福祉部長 先ほど申し上げましたとおり、調査委員会の調査報告書については大変厳しい内容であり、職員共々重く受け止めているところでございます。何とか子供を中心にした取組をというところで進めているところではございますが、今はまだその途中であるというような状況で、個別の状況については御説明はできませんけれども、支援チームを中心にして取組は進めているという状況でございます。

○喜友名智子委員 児相であったり、子ども生活福祉部であったり、その中で構成されている特別支援チーム、その皆さん方がしっかりやっていますと言っても、はいそうですかと言えませんと言っています。そのときに、誰が皆さん方のこの支援のありさまを見て、今は適切な状態ですと言えるのか。私はそれを県民、あるいは委員会で答弁をして、この人が委員、大丈夫ですよと言うんだったら信用できるなというのは、やっぱり調査委員会の皆さんであったり、あるいは知事が一度双方に連絡を取っているのであれば知事であったり、あるいは元里親さんがちゃんとケアしていますよという状況になるのか。そういったものがないと、この子今大丈夫な状況にあるんだなというところはやっぱりなかなか信用されないという状況にあると思います。なので子ども生活福祉部だけで大丈夫ですよと言っていることに加えて、やっぱり第三者がちゃんと定期的にこの子に会って気持ちを聞いて、大丈夫ですと言えるような立場の人、あるいは組織、これが必要じゃないかと思うんですけれども、いかがですか。

○宮平道子子ども生活福祉部長 今般の事例で本当に当初の児童相談所におけるケースワーク等が足りなかったことが、そもそもこの事態につながったものというふうに考えております。委員おっしゃるような御指摘は―そういうふうに言われることについては受け止めますけれども、しかしながらケースワークは先ほど言いましたように法に基づいて同相談所でやるべきものだというふうに考えております。児童相談所と、それから子ども生活福祉部本庁のほうで連携をしながら、そして先ほど課長のほうから説明をさせていただきました様々な外部の専門家の御意見等を伺いながら取り組んでまいりたいというふうに考えております。

○喜友名智子委員 部の皆さんはいつかは異動されますよね。この子が育っている間ずっとじゃ責任を持って子ども生活福祉部で、例えばこの子が成人するまでとか、連続して見守るという人はいないですよね、職員の中では。こういう小さなときの心の傷というのは、今だけではなくて成人する―成長しても心に傷が残る、あるいは大人になるごとに傷が広がっていくということを精神科の先生、専門の指摘もあるわけです。だから、そういった中でやっぱり部だけで大丈夫ですということの限界はまだあるなと思います。先ほど私がこの児童に会うのは駄目ですかねということを申し上げましたけれども、本当にその可能性は捨てたくない、自分の目で見るまではこの事案に関してはなかなかうんと言えない、はいと言えない状況であるということにやっぱり変わりはないです。この児童のことを考えるといろんな大人がわらわら会いに行くということのリスクも自覚はしていますので、強引なことはしたくないんですけれども、それを盾に取られて皆さん方の個々の答弁だけでことが済むとは思っていないということは最後に申し上げて、質疑を終わりたいと思います。
 以上です。

○末松文信委員長 休憩いたします。

   午後4時10分休憩
   午後4時30分再開

○末松文信委員長 再開いたします。
 先ほど喜友名智子委員の質疑に対する答弁で下地努子育て支援課長から答弁を訂正したいとの申し出がありますので、発言を許します。
 下地努子育て支援課長。

○下地努子育て支援課長 先ほど喜友名委員への福祉施設や教育施設でゲノム編集トマトの種苗を受け取らないことに対する要請につきまして、那覇市の例を把握している旨をお答えしたところですが、保育施設に関しましては全ての市町村におきまして、そういう要請があることについては把握しておりません。 お詫びして訂正いたします。

○末松文信委員長 ほかに質疑はありませんか。
 仲宗根悟委員。

○仲宗根悟委員 私はすぐ1件で終わりますので。時間も押していますからね、1件で終わります。先ほどの休憩前の喜友名委員の里親の委託解除の事案に関する件なんですけれども、私も文教厚生委員になって、9月でしたかね。10月、12月―3回目の委員会に加えさせていただいているんですけれども、この処理方針ですとか、これまでのやり取りで執行部の皆さんも結構頑張っていらっしゃるなという印象をこれまで持っていましてね、この里親と、まあ今の里親か。それから元里親。うまく交流しながら、この子の成長をしっかりケアしていけるものだというふうに思っていました。ところが先週、子どもファーストの会の皆さんですとか、いろいろな団体をつくって今の児相のやり方はこうじゃ困るよという意味で、いろんな組織をつくって知事に提言を、課題を与えている。改善を求めてくださいと。一番はこの子供たちのことなんですと。もともと大人同士のやり取りなんていうのも二の次で、しっかりと子供のことだけを考えて施策に反映させてくださいというのがこの方々の思いですね。そこでその団体にこうやっている方の中に元児童相談所に勤めていた方々も入っていて、今の児童相談所、これじゃ困るよねというところで加わったんだそうですよ。ですから、いろいろ問題点は先ほど喜友名委員からありましたとおり、これ私も同感です。こういったのがあるんだろうなと思っています。そして陳情の中にもあるように本児童の成長に必要とされる里親と元里親の交流を進める方向性が示されたんだと、それが示されながらも実現に至っていないと。どこに問題があるのか。そして今度はですね、この団体の皆さんも真実告知後の子供のケアがなされていませんと、いまだかつてなされていないんですよということを彼らは言っているんです。どうも先ほどの答弁ですとか、処理方針などを見ているとむなしく見えてしようがないんですよ。だから、何を一番最初に考える、今大事なことは何なのかということが皆さんの中には、児童相談所の中にも抜け落ちているんじゃないかというところが、先ほどから指摘されているんだというふうに思うんです。1つだけですね、本当に1つだけです。
 この本児童の元里親に会いたいと願っているということを聞きましたが、それは事実ですか。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 元里親さんに会いたいという意向を確認しております。

○仲宗根悟委員 その児童が元里親に会いたいというのは、願っているとおり事実だと。これがかなっているんですか。言うように処理方針もありますよね、皆さんの処理方針にもですね。児童の最善の利益や権利が守れるように、引き続き取り組んでまいります。いろんな言葉、非常にきれいな、最善の利益に努めていますとか、あるいは権利擁護の仕組みや検討を進めているところです。これで結んでいるわけなんですけれども、児童そのものが願っていることがいまだかつてかなっていないという状況が現実なんですよね。それが実態なんですよ。これができない理由は何なのかというところなんですよね。本当に子供のこれからの成長を必要とするためには5年間の情報を持っている元里親が、一番の情報を持っている里親とですよ、会えない。そして、現在預かっている里親との交流もできていない。5年間の蓄積された情報を得ながら、この子の成長を今後どこから見守っていけるのかどうか、それさえかなえられない状況の中でですよ。皆さんは支援チームもつくりますと言いながらも一番の大事な部分が抜け落ちていませんかと。まずはそこからかなえさせてあげて、さあ支援しましょうという話になるんじゃないのというところなんですよね。その辺はどう考えているんですか。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 元里親さんとの交流をやりたいと児童相談所としても考えております。ただ、その交流はこの関係者の関係を良好に保ちながら、関係者の関係を壊さないような形で行いたいというふうに考えております。
 すみません、個人情報に触れる部分がありますので詳しいことは申し上げられませんが、現在実親さんの不安感が高まっております。親子統合とは異なる方向に行くのではないかという不安感が高まっております。元里親さんとの交流を前に進めるためにも児童相談所としては実親さんの不安感を和らげる取組を今行っているところであります。
 以上です。

○仲宗根悟委員 もっとショッキングな話をせざるを得ないんですがね、町中で元里親さんと見ている中で、現在里親をしている方が手を引いて歩いているところに遭遇したんだそうです。元里親さんが名前を呼んだら振り向いて、今手を引かれている現在の里親さんにお母さんと指を指したんだそうですよ。ところが、さっさっさっと引っ張るように、逃げるようにそこから遠ざかっていったというこの現実を聞かされたときに元里親さんと今の里親さんがしっかり交流する、笑いながら話してこの子の成長のためにね、さあ頑張りましょうね、お互い情報を出し合いながら頑張りましょうねというところを、現場をこの子が見たら非常に安心しながら、元里親さんと今の里親さんはこんなに仲よしなんだという情操教育もできるんでしょうかね。子供の成長に欠かせないような部分というのが今お話ししたようにヒンギルんですよ。こういう状況ですよ。だからそれをさせているのがどこかというところを皆さんも―皆さんは頑張っていると思います。本庁の方々も苦しい立場でこうやらんといけない、こうやらんといけないというのは分かっていると思います。一番大事なのはそこで誰がどうするというのは、やはり現場の児相じゃないのかなというふうに思うんですよ。今の皆さんの気持ちそのものがしっかりと現場の児相の方々に伝わっているかというのが疑問なんですよ。だからさっきから言うように、そこら辺のところをしっかりと、ケアのためには一番大事にならない部分は、現場のちゃんとしっかり見ている児相の皆さんじゃないのというのが、この間見ていてそう思っているんですけれども、どうお考えですか。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 お答えします。
 委員おっしゃったエピソードについてはちょっと個別情報になりますので、こちらから申し上げることはできませんけれども、児童相談所と本庁は今このケースについて2週間に一遍から1週間に一遍程度のケース会議を行って、常に情報共有をしながらやっております。そして委員おっしゃったとおり、この子を支援している方々がいらっしゃいます。その方々を良好な状況で、良好な関係を保っていただきたいというふうにも児童相談所は当然考えております。 ただ、今現時点で不安感がありまして、関係構築に至っていないというところで児童相談所としてはこの子の意向を聞きながら―当然先ほど申しました里親さんに会いたいという意向もありますし、一方で真実告知を受け本人の出自、生い立ちを知ったこの子の今の望みがありますので、その望みをかなえることも重要なケアであるというふうに考えて児童相談所は今ケースワークを行っているところです。

○仲宗根悟委員 いろいろ喜友名委員からも御指摘がありましたので多くは申し上げませんが、今のお話もしっかり児相のこともおもんぱかっているような内容を何度も―答弁だと思うんですがね。皆さんのその思いをしっかりと現場に伝える、皆さんはその役目だと思うんですよね。ですから、頑張っていらっしゃるというのは重々私たちも見て分かります。ただ、現場が皆さんの思うような働き方、それから仕事の仕方をしていないんじゃないかというところに私たちは非常に疑問を持っているもんですから、この際もう参考人として児相も呼ぼうかな、あるいは陳情者も呼ぼうかな、今の里親も呼ぼうかなと思うぐらいですよ。ぜひ頑張ってください。お願いします。
 以上です。

○末松文信委員長 ほかに質疑はありませんか。
 玉城ノブ子委員。

○玉城ノブ子委員 最初に継続の第16号戦没者遺骨に関する県議会の意見書等の実施に関する陳情ですけれども、戦没者の遺骨収集については―91ページですね。これはもちろん戦没者の遺骨の収集を進めていくということは国の責任でありますけれども、なかなかその遺骨の収集が進んでいないということがあって、皆さん方は早くこの遺骨の収集を進めてほしいということがあるわけなんですよね。それで遺骨収集推進法に定める集中実施期間ですね、これは延長を国に要求してほしいということなんですけれども、この戦没者遺骨収集推進法の集中期間はいつまでということになっているんでしょうか。

○金村禎和保護・援護課長 お答えいたします。
 戦没者遺骨収集推進法第3条第2項の規定により、令和6年度までの期間が集中実施期間となっております。

○玉城ノブ子委員 ぜひこれはですね、集中実施期間の延長を国に求めてほしいということの要望がありますので、これは国の責任としてやっぱり遺骨収集については責任を持っていかなくちゃいけないということがありますので、ぜひ国に対して集中期間の延長を申し出をしてほしいというふうに思いますが、どうでしょうか。

○金村禎和保護・援護課長 集中実施期間の延長につきましては、同法が議員立法ということもございますので、国の議論等も踏まえて要請の方法等も含めて検討してまいりたいというふうに考えております。

○玉城ノブ子委員 延長を要求して、基本的にはやっぱり国の責任で遺骨収集をやって、御遺族の元に遺骨が早く返還できるように進めていただきたいというふうに思います。それと同時に県としても遺骨収集をやって、一刻も早く御遺族の元に遺骨収集をして、返還することができるように条例制定を皆さんとしては要求をしておりますので、その条例制定についてもぜひ皆さん方が前向きにこの問題についても取り組んでいただきたいというふうに思っておりますけれども、いかがでしょうか。

○金村禎和保護・援護課長 条例の制定につきましては、現在その目的とか、それから必要性、それから適法性等も含めて検討をしているところでございます。戦没者遺骨の尊厳を守るという観点を重要な課題というふうに認識をしておりますので、理念型の条例等も含めて検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

○玉城ノブ子委員 ぜひ、これはスムーズに条例制定まで進めていくことができるように、頑張っていただきたいというふうに思います。
 あとは先ほどの里親の件なんですけれども、私が質疑しようとしていたのを仲宗根委員が全部やっておりましたので、私も前ここでですね、この里親の問題を話合いをしたときに、本当に子供のことを真っ先に考えていかなくちゃいけないんじゃないかというふうに思うんですよね。この子が今一番どういう状況にあるのかということが、誰もがみんなが一番心配していることなんですよ。ですから、私はやっぱり、じゃどういうふうにして解決に持っていくかということを考えたときに、この子供のことを中心に考えていくということが必要なんじゃないかというふうに思います。そういう意味では私も元里親さんからもお話を聞かせていただきましたけれども、この子のことを自分たちも第一に考えたい、そのためには自分は実の親御さんとも交流をして、この子のためにどういうふうにしたら一番いいのかということを一緒に考えて対応していきたい、ということをおっしゃっておられたんですよ。そこが私は今一番大事なところなんじゃないかなというふうに思うんですよね。
 ですから、私たちとしてもこの子供が一体どういう状況にあるのかということが一番心配なんですよね。さっき仲宗根委員も言っていましたけれども、別の里親のところに預けられていてね、そして道で里親さんと偶然に会って、子供が元里親さんに気がついて、あっと声を上げたら、もう引っ張って連れて行かれてしまったというふうなことがありました。私も聞きましたけれども、本当にどんなにこの子は辛かっただろうなというふうに思って、本当に心が痛んだんですよ。ですから、皆さんもっとこの子供をどうしたら守ってあげることができるか、この子の最善の利益、要は守っていくためにはどうしたらいいのかということをですね、まず真っ先にそのことを考えていくということが必要なんじゃないかというふうに思うんです。皆さん方ももちろん頑張っていらっしゃることは分かるんですけれども、そのことを中心にしてこの問題の解決にぜひ取り組んでいただきたい。そして1年間もずっとそのままの状態に置かれていたということを意識―しかも、別の里親のところに預けられてね―状態になっていたということを私たちも後で聞いて本当にもうびっくりしてしまったんですけれども、ぜひこの子と関わりのある実親、里親さん含めて一緒に交流をして、この子の一番望んでいる方向に解決していくことができるようにやっていただきたいというふうに思うんですけれども、どうでしょうか。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 委員がおっしゃるとおりだと思います。
 この子のことを第一に考えてやるべきであります。そして、この子にとってはみんな大事な存在ですので、その大事な存在の方との間に不信感が起きないような形を模索、不安感が起きないような形で進めていきたいというふうに考えております。この子の意向を聞きながら、この子の望むこと、その方向で今後も取り組んでいきたいと考えております。

○玉城ノブ子委員 ぜひ、そのまま1年前とまた変わっていませんでしたということがないようにしてください。本当に皆さん方が一生懸命やっていらっしゃるでしょうけれども、事は前に全然進んでいないどころか、環境はこの子にとっても一番大変な状況にあるというふうに思います。そういう意味では里親さんの方も本当に辛い思いをやっぱり今しているわけですので、実親さん、里親さん、子供が本当に一番交流をしてしっかりと気持ちがね、お互いの中で安心して前に進めていくことができるような、こういう状況にぜひ皆さん方がもっと積極的に取組を進めていただきたいというふうに思います。
 部長、そういう意味ではぜひそういう方向での取組を進めていただきたいんですが、いかがでしょうか。

○宮平道子子ども生活福祉部長 社会福祉審議会の提言であるとか、調査委員会の最終報告等を受けて、この件については強い指摘をいただいたところだというふうに思っております。そういった方向で取組、調整を進めてきたところではございますが、なかなかまだ実現はできていないという状況ではございます。引き続き取り組んでいきたいと考えております。

○末松文信委員長 ほかに質疑はありませんか。
 新垣淑豊委員。

○新垣淑豊委員 ありがとうございます。
 まずは今出しましたけれど、令和4年の39号ですね。こちらをちょっと確認したくてですね。
 この陳情ですけれども、すみません、この方の住所というか、この人のエリアってどの辺りになるのかなと思ってですね。
 多分介護保険の制度上のサービスを利用できる事業者を増やすことというふうにお願いされているんですけれど、多分エリアで全然違うと思うんですよ。この陳情者はどの辺りのことを話をしているのかなと思いまして。

○大城行雄高齢者福祉介護課長 お答えします。
 この方の、陳情者の住所はうるま市の栄野比という地区になっております。

○新垣淑豊委員 じゃ具体的にやっぱりうるま市栄野比ではそういった介護サービス利用というのが、なかなか難しいという状況なんでしょうか。

○大城行雄高齢者福祉介護課長 お答えします。
 陳情者がお住まいの市町村であるうるま市によりますと、そういった訪問介護事業者の人員不足により通院と乗降介助を提供する事業者が少なく、サービスが提供できないというような相談があったというふうには聞いております。

○新垣淑豊委員 訪問介護事業者も含めて介護サービスの事業者というのは基本的に民間だと思うんですね。これに対して県が何かサポートできることというのは、ここにも処遇改善等々とありますけれども、やはり民間の事業者というのは営利が必要になってくるので、利益の出ないところには多分事業者出せないよというのが通常だと思うんですけれども、こういったことに対して何かしら県でできることってあるんでしょうか。

○大城行雄高齢者福祉介護課長 委員おっしゃるように、どういったサービスを事業として行うかは、事業者の希望とか、そういった意向によるところでありますが、そのため、そういった介護サービス事業については各保険者において、介護保険事業計画で見込み量、サービスの種類ごとに見込んで、そういった計画をつくっていくことになっております。県としてはそういった介護人材の確保の支援とか、処遇改善の促進等を通してそういった事業所等を含めた提供体制の確保に取り組んでいきたいというふうに考えております。

○新垣淑豊委員 ありがとうございます。
 この案件に関しては、うるま市ももちろん認識をしているということで先ほど報告があったということなので、そちらに対してもしっかりとサポート、事業者を増やすためにはどうしたらいいかとかですね、アドバイスをしてあげていただけたらなと思いますので、よろしくお願いします。
 続きまして、これも先ほどの児相関連なんですけれども、まず調査報告書が出てきてますけれども、調査報告書が今回出てきました。この調査報告書の扱いというのはどういうふうになるんでしょうか。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 今児童相談所職員でこの調査報告書を読んでいるところです。その後児童相談所内で会議等を行って、この調査報告書―先ほど部長が申し上げましたとおり、今後の業務に生かしていく予定であります。

○新垣淑豊委員 ありがとうございます。
 この調査報告がしっかりとこの後のものに、改善に使われていくということだと思うんですけれど、実は私が知りたいのはこれの第3章なんですよ。第3章、以下略って書かれて。本当にこの部分が、本当にどんなことがあったのか、何がなされたのかということをしっかりと我々も認識をした上で議会の場からもいろんな提案をするべきだと思っています。その後ですね、この第5章のまとめのほうにも下のほう、私赤線を引いているけれど見えるかな。7ページの下から6行目。「本報告書提出後の反応・対応を少し予想してみたい。①プライバシーにかかわる事柄が多いので県が全面非開示とし、関係者の目に留まらない」というものがありますけれども、まさに私が知りたいところ、多分ここにいる委員のメンバーがしっかりと確認したいところはその第3章だと思うんですね。なぜそこが非開示になっているのか、ここにもありますけれども、このまとめの次のページ、8ページにありますけれど、この報告書の中では「①については、一部を黒塗り非開示とすればよいだけである」というふうにありますけれど、例えば第3章の部分ですね。ある程度黒塗りをした上で開示をするという意思はありますか。

○武村幹夫特命推進課長 この里親委託解除事案に関する調査報告書につきましては、庁内においては全文を子ども生活福祉部、そして児童相談所に提示して読んでいただいております。そして、今御質問の開示につきましては、現在個人の権利利益を害するおそれがある情報の部分を不開示とした上で、部分開示の方向で検討しております。
 以上です。

○新垣淑豊委員 分かりました。
 じゃそれに関しては、我々に対しても部分開示をしていただけるという認識でよろしいでしょうか。

○武村幹夫特命推進課長 はい。その方向で検討しております。

○新垣淑豊委員 ありがとうございます。
 今回、この報告を見て、先ほどから児童相談所の今後の改善方法についていろいろと御意見もありましたけれども、8ページの下から4行目ですね。「職務遂行の最初から、組織防衛的対応がなされ、調査に対する敵対心などが伝わってきた」というのがあって、「資料要求も難航した」というふうにありましたけれども、例えば今後こういった、まあ物事の改善を進めていくためにはやっぱり必要なことだと思いますけれども、ちゃんと資料の提供とか、それが特命推進課の委員会なのか、それとも我々のような文教厚生委員会なのかというのは別として、ある程度やはり私も今回のこの案件に関してはいろいろなお話を聞かせていただこうと思ったんですけど、個人的なことなのでということで大体シャットアウトされてなかなか進まなかったということがありましたので、ぜひこの資料要求に関してもある程度、個人的なところは控えるのはしようがないにしても、しっかりと話を聞かせていただく、資料として提示をしていただくということがありがたいなと思っておりますので、その点どうか今後御検討いただきたいと思っておりますけれども、いかがでしょうか。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 最初の記者発表で配付された資料に、今委員おっしゃったような記述がございますが、調査に対しては児童相談所や本庁も適切かつ真摯に対応したというふうに認識しております。委員会から資料要求があったものについても適切に提供しております。一部提供が遅れた物がございますが、これは会議の中で発言した方の了解を得る必要がある資料がありまして、その了解を得るために一部提供に若干時間がかかったものもございますが、適切に提供したというふうに考えております。
 調査報告書につきましては、特命推進課の所管になりますが、子ども生活福祉部といたしましてもこのような文教厚生委員会等の議論には真摯にお答えしていきたいと考えております。

○新垣淑豊委員 ありがとうございます。
 それでは、ちょっとこの委員の方の受け取り方と若干ちょっと違うのかなと感じますけれども。その辺はしっかりですね、その委員の方にも御説明して状況をちゃんと理解いただくようにしてください。お願いします。
 あと、新規の126ページですね。
 これ実は私もちょっと御相談いただいた案件がありまして、児童相談所から養護施設へ措置されたお子さん。その子が逃げ出して自宅に帰ってしまったという案件だったんですけれども、今回こういった対応について―不当一時保護というところをやはり気になさっていると思うんですね。もちろん児相の場合は何かしら子供さんに危害が加わらないような形で、もう最速で保護をするということを念頭においていらっしゃるかと思いますけれども、ちなみに年間で調査目的の一時保護というのは、どれぐらいのケースがあるのかというのを教えていただけませんか。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 令和3年度でございますが、職権による一時保護の件数は189件でございます。

○新垣淑豊委員 その後のですね、例えば御自宅にお帰しをするケースと、例えば措置をするというケースに分かれてくると思うんですけれども、このケースってどれぐらい、どういう割合になっているのかというのを教えてください。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 令和3年度ですね、一時保護を解除した後の状況でありますが、帰宅したのが273件、施設に入所したケースが86件、里親委託が13件……。

○新垣淑豊委員 数字が合わないんじゃない。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 一時保護は職権もございますが、保護者の同意を得て一時保護をする場合もございます。保護者の同意を得て保護したのが令和3年、502件で、そしてその保護した者が帰宅するのか、施設入所するのか、里親委託になるのかというのが先ほどの内訳の数字となっております。

○末松文信委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、新垣委員より、各数値の合計が合わないとの指摘があった。)

○末松文信委員長 再開いたします。
 宮城和一郎青少年・子ども家庭課長。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 先ほど職権の数字を申し上げましたけれども、恐縮です。職権の数字のその後の措置状況について今手元に数字がございません。

○新垣淑豊委員 分かりました。
 あとでじゃちょっとどういった状況なのか、まとめて教えていただけたら助かります。
 先ほどのお話、まあ冒頭にちょっとお話ししましたけれども、児相からの一時保護を受けて、養護施設に措置をされて、御自宅に逃げ帰ってきたというお子さんがいると。もちろん措置がされたということはそれなりの判断する材料が何かあったんだろうなということも分かりますけれど、やはりお子さんが施設から逃げ出すという状況に持っていったのというのは、やっぱりちょっと児童相談所のその判断に対しても少し何か疑問があったのかなというふうに思っています。例えば、その子供が措置された後ですね、例えば御自宅に帰すとか、お父さん、お母さんが要望して引き取りたいとか言ったときのお話合いの場があるのかというのを教えていただけませんか。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 児童相談所において、お子さんを施設などに措置した後も児童相談所のケースワーカーと保護者の調整は続きます。その中で保護者の希望、そしてお子さんの希望、そして保護者の―今後養育していくことになった場合、どのような養育が行われていくかというのも調査、児童相談所が行いまして、そしてその後のことについて決めていくというような、大まかに言うとこのような流れになります。

○新垣淑豊委員 ということは、お子さんが施設の中から飛び出してしまったということは、お子さん的にはそこにいるよりお家に帰ったほうがいいというふうに思ったわけですよね。その辺の子供の気持ちが受け止められていないという状況になっているのではないかと思いましたので、いいですここは、これまでどおりのやり方でいくのか、もしくはまた別の方が客観的にアドバイスをするのかとか、まあいろんな―今回第三者委員会という話もありますけれども、ぜひお子さんのお話を聞いて、また保護者の方もしっかりとフォローアップをしていただける環境をつくってもらえたらありがたいなと思っております。本当に児童相談所の業務が大変というのは重々知っておりますけれども、ぜひその辺りをしていただくことでお子さんの気持ちとか、お子さんの考え方を尊重できるようになると思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 以上です。

○末松文信委員長 ほかに質疑はありませんか。
 瀬長美佐雄委員。

○瀬長美佐雄委員 児相の件に絞って何点か質疑しますが、重複しないように。
 この児相のまとめ、まあ最終報告、完結なのですが、ここで指摘されているのは中間報告を出したのにその提言にのっとっていないということで、最後のまとめにも書かざるを得ないという指摘があります。そのまとめの中に実際に子供の心と体を守っているのかという観点からの検証が、今行政が行わなければならないことだとまとめています。この指摘を受けて、どのように検証をしたのかと、指摘を受けたのがそのとおりです、その点は間違いでしたということもあろうし、いやこの指摘は当たらないと思っていることもあるのかもしれない。どんなやって検証しているのかと。それを示す必要がありますけれども、どのように示すのかということで確認です。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 中間報告が出た後、本庁、そして児童相談所でこの内容について議論を行いました。先ほど私、喜友名委員のときにるる申し上げましたけれども、あのような対応策を検討したところです。そして、各委員からも御質問があるとおり児童の意向を尊重するという立場が、姿勢が大変重要ですので、児童の意向を尊重し、家族再統合の調整、親子交流も含めてですね。親と子の触れ合える場をつくる、そういう調整を行っているところです。

○瀬長美佐雄委員 この報告のまとめで本人にとってはなくてよかった経験をさせてしまった事案だと分析している。ある委員はこの子は切り離された後、2月からもう新しい里親委託でマッチングを始めて、その身柄は移送されたと。この処置についてここに子供の意思があって、反映された結果なのか。これ自体は調査委員会からどのように指摘を受けているのか。正しい処置だったと、仕方なかったということなのか、いやあのときの対応が間違っていたということなのか、それによって善処の仕方、改善の仕方が変わってくるのかなと思うものですから、具体について、お伺いします。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 調査委員会からはなくてよかった経験をさせてしまったという指摘を受けているところです。
 このケースは数年先に遡るわけなんですけれども、元里親さんにこの子を預けた後、まず児童相談所の大きな反省点としてケースワーク―家庭訪問というケースワークをほとんど行えていなかったという反省点が大きくあります。その結果、養育里親制度の目標を関係者で共有することがおろそかになってしまったと。そういう中で実親さんはこの子に会いたくても会えない、児童相談所に会わせてくれと言っても会わせてもらえない。児童相談所としては真実告知が親子交流には先立って行わなければいけないというような状況になってしまったわけです。その中で児童相談所はさらに議論を深めて関係者との調整を丁寧に行い、真実告知についても様々な議論を行う必要があったであろうと思います。ただそういった中で実親さんはもう待てないという状況になって、元里親さんの措置の同意を撤回するということになったわけです。そして、児童福祉法上は実親さんの同意がなければ、措置を行えないと。一時保護についても2か月を超えては行えないと、親権者の同意がなければですね。そういう法の規定がありまして、現時点の状況になっているということであります。

○瀬長美佐雄委員 私が聞いたのはこの処置が正しかったのかどうかという意味で調査委員会はどういうふうな判断をしたのかと。今の回答を解説すれば、いや法律にのっとってちゃんとやった結果ですと、その指摘は当たりませんという回答とも聞ける。要は正しい処置だったんだというふうな認識にいまだに至っているということなんですか、今の回答は。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 決してそういうことではございません、私の説明が舌っ足らず、もしくはうまく説明できていないかもしれませんけれども、児童相談所の今回のケースワークには反省すべき点が多くあったと思います。

○瀬長美佐雄委員 ですから、指摘された点をちゃんと列挙して、それに対して仕方なかったと、いや指摘のとおりですというふうな回答がきちっと全体のものにならないと改善されないんじゃないかなと思うんですね。その回答なるものを今まとめているというふうな答弁だったのかなと思いますので、その回答なる、皆さんのここで指摘された子供の視点に立って行政を改善すると、先ほど読み上げた部分ですね。実際に子供の心と体を守っているのかという観点から検証することが行政に求められているという視点で、ぜひ回答なるものを、委員会にもできましたら出していただきたい。
 まとめますが、実は今回の件はまれだと、全体はそういうことはやっているわけではないと。私もそう思いますよ。そうすると今回の事態がミスジャッジだったと、間違いだったということになるのであれば、それとしての責任は行政としては取らないといけないと思います。実は児相のOBの方が悩ましいと、一時保護なのか、施設に預けるのか、切り離すというか、親元統合するのかという判断が絶えず、子供の未来にとって関わる重大な処置になるという思いではとても働く皆さんプレッシャーを感じながら、自分が取ったこの処置が正しい判断だったのかどうかということは、実は外部の目から点検というか、当然皆さんの業務としてやっている、要は皆さんの業務なんです。このジャッジが正しいのかどうか不安を抱えながら仕事を退職しました。本来ならその都度都度、この処置が正しいと言うんだったら自信を持って職員は判断を継続できるし、いやこれはちょっとと言うんだったら、また改善点だというふうなことにつながるという、そういったチェックをする組織が必要だというのが児相のOBの方から、特にこの件で関わってつくづく思うという意見を伺いました。この点について、まあ陳情の処理方針でそういった観点に至った職員間のケース対応ではなくて、そのケースを点検してもらうという第三者機関、これが必要だと思いますがこの点ではどうされるつもりなのか伺います。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 そういった役割を担う機関としては、やはり社会福祉審議会の審査部会であろうと思います。恐らく審議会には福祉関係者、弁護士、小児科医、精神科医等々が参画していただいております。このケースについても大きな反省点として、令和3年の8月、9月頃に社会福祉審議会に諮るべきであったと、そのときに諮ってそういった第三者的立場、専門家の方の意見を聞くべきであったという反省点を持っているところであります。そしてまた、先ほど私喜友名委員から質問を受けたときにうまく説明できなかったんですけれど、今令和5年度子供のアドボカシーですね、県以外の方が子供の意見を代弁する仕組みについても、令和5年度検討することとしております。
 以上です。

○瀬長美佐雄委員 最後に今回の調査報告書、本当に生かす必要があると。先ほど職員間で読んでいるという対応は当然ながら続けてほしい。この報告書の中で、Aさんという委員の提言ですが、全国的にそういった調査報告書が出たときに、毎年全職員に読ませているという自治体があると。報告書の提言の実行化の度合いを検証するという検証という形で行っている自治体もあると。報告書を現場のケースワークの研修テキストとして使用している自治体もあるというふうなAさんの意見です。ですから、この全国が実践している教訓として生かすという取組は文字どおり、再度こういうことを起こさないという意味では沖縄県こそ求められているのかなと思いますが、この点での対処というか、どういうふうに進めていくのか最後に伺います。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 最終報告をいただきまして、先ほど申し上げ―今児童相談所職員、この報告書を読んでいるところです。この後、会議などを行いまして、この報告書をどのように生かしていくか検討してまいりたいというふうに考えております。

○末松文信委員長 ほかに質疑はありませんか。
 比嘉京子委員。

○比嘉京子委員 聞く予定ではなかったんですけど、先ほど照屋大河委員が聞かれた73ページの158号。
 児相における環境改善に関する陳情というところでの質疑の中で読み直してみますと、これとても重大だなと思っています。その陳情者がおっしゃるには児相における児童の人権や福祉がないがしろにされていると。また、児童の自殺について児相が取り組んでいないことが非常に残念であると書いてあるんですけど、私はちょっとこれを読んでぎょっとしたんですが、その処理概要を見て、その乖離を感じています。関係法令に基づいて子供の最善の利益を念頭に対応していると。そして、その次においては児相の運営指針や子供虐待対応の手引き、一時保護がガイドライン等に基づいてやっていると。さて皆さんちょっとお聞きしたいんですが、児相でこれまでに自殺案件というのが上がっているんでしょうか。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 陳情は他県の事例について記載しているのかもしれないなと感じますが、沖縄県においては児相において自殺案件というのはないというふうに認識しております。

○比嘉京子委員 自殺未遂はあるんでしょうか。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 恐縮です。
 私の今知る限りではないと思いますが、これについて過去の事実を整理して今申し上げているわけではございません。

○比嘉京子委員 ここで児相というところが子供の人権であるとか、子供の巣立ちを守るところ、安全を守るところで令和3年度に2件の虐待案件があったと先ほど照屋大河委員のときにお答えになったわけなんですけれども、私はこの児相という中身がなかなかブラックボックスで私たちには見えません。その中において、虐待から守るために児相に入ったのに児相でまた虐待を受けるというのはいかがなものか。どう理解すれば我々理解ができるのかというふうに思うのですけれども、これは本当に氷山の一角ではないかと先ほど大河委員が言われましたけれども、こういう事案というのは間々起こっているという理解をしていいんでしょうか。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 間々起こっているわけではございません。
 この2件はいずれも身体的虐待であるケースが―まず委員がおっしゃるとおり、当然家庭から児童相談所に保護して、そこで虐待を受けるというのは決してあってはならないことであります。児童相談所も一時保護所も含め施設などで起こる虐待事案の多くは子供を指導する中で、反抗的な態度があった場合に指導員が頭に血が上ってたたいてしまうというような事例が多くございます。いずれにしても、それだから許されるということは全くございませんので、しっかりこれをなくすための努力を続ける必要があると考えております。

○比嘉京子委員 なくすためにはどういう努力が必要ですか。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 まずこれまで研修を行っているところではありますけれども、子供の意見を聞く、そういったことに、被害に遭った子供の意見をすぐに聞けるような子どもアドボケイトの制度を令和5年度構築してまいります。それとまた、第三者評価制度を導入し、児相のケースワーク、あるいは児童指導の質を向上させていくという努力が求められていると思います。

○比嘉京子委員 基本的に私が感じているのは、子供の人権ということにどこまで福祉に携わる人たちが理解をしているのか、本当にどこまで落とし込まれているのかということが今回の案件で本当に疑問に感じています。それで、ぜひとも自殺の案件は後で報告してほしいと思います。
 私は未遂は知っております。未遂は知っておりますので、もっときちんと調べた結果を後で報告をお願いします。
 もう一つはこれまでコロナ禍でございました。ですから、クラスターの発生と児相関係、施設も含めてクラスターの発生、または感染をした児童がどれぐらいいるのか分かりましたらお願いします。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 恐縮です。
 今手元にコロナに感染した状況のデータがございませんので、後ほどお届けしたいと思います。

○比嘉京子委員 そのときに年齢、月齢等もぜひとも書き加えていただきたい。
 もう一つはけがを負った場合。どこに責任の所在があるんでしょうか。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 お預かりしているお子さんがけがをした場合は、その預かっている施設に責任があると思います。

○比嘉京子委員 分かりました。
 そのけがとコロナについてもデータが出せるなら、ぜひ出してほしいなと思います。
 次に行きます。103ページの48号。子供の最善の利益を求める陳情。それから、123ページの174号。この2つの陳情について、絡めて質問をしたいと思います。
 まず先ほどから多くの委員が質問をしておられるので、私は124ページの2番についてお聞きしたいと思います。特別支援チームをつくりました。つくったのはいつですか。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 令和4年7月になります。

○比嘉京子委員 その目的は何でしょうか。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 里親解除事案について児童の心のケアや関係者間の協力体制構築など、多くの取り組むべき課題を有していることから、外部有識者の助言等を得ながら本庁と児相が一体となって対応できるよう設置したところであります。

○比嘉京子委員 子供の心のケアについてお伺いしますけれど、進捗状況をお願いします。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 各委員から御質問がございましたとおり、元里親さんとの交流は今進んでおりません。一方、実親さんとの交流は進めておりまして、この子の意向を踏まえて、意向に添った形で進めるように今努めているところです。実親さんとの交流は児童相談所としては本児の心のケアにつながっているものと考えております。

○比嘉京子委員 皆さんそこら辺にも本質的な問題があるんだなということは分かりますけれども、先ほど実親の不安感を取り除くという言葉がありました。まず実親にとってみて、児相や皆さんというのは信頼に足る存在でしょうか。私はこの問題に、児相が実親からのお手紙―何通か分かりませんが、複数回、里親に届けてというのが届いていなかったというのが報告書に出ています。そして里親に対する不信感を持つ、実親は知事にも直訴の手紙を書いた。知事は目を通しておられないと思います。それがどこでストップをしていたのかというと児相です。児相に対する実親と里親のケアや、そういう伴走型の里親のケアというのができていなかった。そのためにこういう事案が起こったというふうにはなりませんでしょうか。なぜ手紙が届かなかったんでしょうか。こういうことで児相は信頼関係は得ているというふうに皆さんはお考えなんですか。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 手紙のことについてお答えします。
 この手紙は複数ございますけれども、その複数のうち1通を除いては児童相談所の担当者宛てになっております。そして1通は宛名が書かれていないものであります。それは内容を見ますと元里親さんに宛てたものであるというふうに理解すべきであったと思います。児童相談所はそれをほかの手紙と同じく、実親さんの思いを書いたものだというふうに認識して届けなかったものでありますけれども、今振り返りますと、あの手紙については元里親さんに渡すべきであったろうと、そういう内容というふうに受け止めるべきであったろうというふうに考えております。

○比嘉京子委員 6月に知事がいみじくも、実親さんと里親さんに対してしっかりと誤解を招くようなことがあったとか、信頼を傷つけるようなことがあったということで両方に知事が謝って、そして両方をつなぎ合わせて、そのときは両方の親ともに一応にいい関係ができたというふうに聞いています。そこがなぜひねっていくのかというところに大きな問題があるのではないかと推察をしています。そこで伺いたいのは児相がそういう状況の中で里親さんを説得したり、皆さんの支援チームが実親さんをしっかりと信頼関係で結びついているというふうに、先ほどの喜友名委員のお話にあるように、信頼関係が本当に寄せられているのかどうか疑問に感じます。自分が訴えたことをちゃんとつなぎ合わせない人たち、そういう人たちが幾ら説得をしてもなかなか説得に応じてくれないという状況は優に想像できますよ。そういう中で去年の7月からやっていて、この目的は、進捗状況はどこまで達しているんでしょうか。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 当然児童相談所及び子ども生活福祉部としては、実親さんに寄り添った形で支援しているつもりであります。ただ、実親さんは我々が説明する―ほかにも報道やネットなどで情報を得ておられます。そういった中で実親さんは残念ながら児童相談所を十分に信頼している状況ではありません。それはどういったことかと申しますと、児童相談所は親子統合を目的とすると言いながら、実は異なった、そうではない方向に進めてしまうのではないかという不安感を持っておられます。そういったことを踏まえて児童相談所としては実親さんの不安感を和らげるような、今ケースワークを行っているところであります。

○比嘉京子委員 そこには子供の姿が見えません。実親さんの説得であったり、つなぎであったり、理解であったり。そういうふうにやっているうちに去年の7月からするともう何か月たったんでしょうか。子供にとってみたら何も動かない。今二十歳以上になっている元一時保護や児相に入っていた子供たちが、あの頃を振り返って本音が言えたかと、複数の人から聞いてみました。本当のことを言えましたかと。全然言えるような環境ではなかったと複数の子供たちが証言しています。本当の心の内を伝えるということがあり得なかった。考えもしなかった。そういう環境ではなかったと言っています。ですからそのことを踏まえて、私は子供を優先にするならば、この子にとってみたらこの4月というのは人生にとって大きな節目になるはずです。それまでに心の整理を何としてもつけてあげるべきだと私は主張したいと思います。ここは部長の英断、決断が必要だと思いますが、いかがですか部長。

○宮平道子子ども生活福祉部長 課長から答弁をさせていただいているとおり、実親さんともお話をしながら進めてきているところではあります。大変―実親さん、里親さん、そして児相と私たちも含め県の組織等が、それぞれ協働しながら子供を見守っていく体制を整えることが重要だよということの答申もいただいており、非常に大事な御意見であったというふうに聞いております。なので、この関係を構築しながら子供の声も踏まえながらの取組も進めてまいりたいと思います。

○比嘉京子委員 優先順位が違うということを指摘させていただきたいと思います。何を優先すべきか。大人の論理が優先するのかと。ここに来ても子供がファーストになっていない。いまだかつてなっていない。このことは本当に子供の最善の利益とか、子供の権利という言葉を発するとなかなか素直に耳に入ってきません。ぜひとも3月いっぱいに実行をお願いしたいと思っています。
 最後になりますけれど、公文書開示請求について。私、3月8日に私が公文書開示請求を出しました、この報告書の。もう読めない、これでは我々委員が検証ができないんですよ、とっても肝心なところが書かれていないので。それで公文書開示請求を私は出してあります。返事が3月8日に出しますという連絡がありました。だけどその3月8日の直前になって、もうしばらくお待ちくださいと言われ続けています。先ほど武村課長からお話があったように何がしかがストップをしていると思うんです。私は全面開示を県庁の職員同様に我々にもしてほしいとさえ思っています。我々チェック機能としては黒塗りになった場所が本当の意味で個人情報なのか、都合の悪い場所を黒塗りにしてあるのか、その見極めができないと私は思っているんです。だから、全面開示をぜひともお願いしたい。我々に門外不出を出すなりやってもいいとは思うんですけれども、本当にここは個人の名前だけなんだなというところで、程度だったらまだ理解できるんですが二、三行削られているとですね、そういう懐疑的な目で読み取らざるを得ないというふうに思うんです。ですから、最大限の全面開示をぜひお願いをしたいということですけれども、その開示についていつ頃になる予定でしょうか。

○武村幹夫特命推進課長 お答えいたします。
 現在県の情報公開条例に基づきまして、不開示情報について精査をしているところでございます。なかなかこの精査が難しくて、規定上ではこの不開示情報につきましては個人に関する情報については一度開示されると回復困難であることから、条例上もこの取扱いには最大限の配慮をしなければならないという規定がございます。現在部分開示の方向で少し時期が申し上げられなくて、申し訳ございませんけれども、部分開示に向けて精査をしているところでございます。
 以上でございます。

○比嘉京子委員 私はあまりにも時間がかかりすぎると思うんですよ。どう考えても不可解です。どこでストップしているんでしょうか。何でストップしているんでしょうか。個人情報の問題だったら1日、2日でできるはずですよ。それがなぜこんなにまで引きずられているのかよく分かりません。
 部長、それはどういうふうにお考えですか。皆さんは見ているわけでしょう。

○末松文信委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、子ども生活福祉部長より、報告書の開示については特命推進課の判断になるとの説明があった。)

○末松文信委員長 再開いたします。
 比嘉京子委員。

○比嘉京子委員 時期についての見通しがあればお話しください。

○武村幹夫特命推進課長 お答えいたします。
 現在個人に関する情報、具体的には個人の権利利益を害するおそれがある情報の部分について精査をしているところでございまして―ちょっとすみません、時期が明示できない状況でございます。

○比嘉京子委員 終わります。

○末松文信委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○末松文信委員長 質疑なしと認めます。
 以上で、子ども生活福祉部関係の請願及び陳情に対する質疑を終結いたします。
 説明員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 休憩いたします。

   (休憩中に、執行部退席)

○末松文信委員長 再開いたします。
 以上で、予定の議題は全て終了いたしました。
 次回は、明3月23日木曜日午前10時から委員会を開きます。
 委員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 本日の委員会は、これをもって散会いたします。






沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。

   委 員 長  末 松 文 信