委員会記録・調査報告等

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文教厚生委員会記録
 
平成26年 第 3定例会閉会中

1
 



開会の日時

年月日平成26年7月31日 曜日
開会午後 2 時 22
散会午後 3 時 24

場所


第2委員会室


議題


1 教育及び学術文化について(教育庁職員による児童買春事件について)


出席委員

委 員 長  呉 屋   宏 君
副委員長  狩 俣 信 子 さん
委  員  島 袋   大 君
委  員  照 屋 守 之 君
委  員  新 田 宜 明 君
委  員  赤 嶺   昇 君
委  員  糸 洲 朝 則 君
委  員  西 銘 純 恵 さん
委  員  比 嘉 京 子 さん
委  員  嶺 井   光 君


欠席委員

又 吉 清 義 君


説明のため出席した者の職・氏名

教育長            諸見里   明 君
 警察本部生活安全部少年課長 幸 喜 一 史 君



○呉屋宏委員長 ただいまから、文教厚生委員会を開会いたします。
 本委員会所管事務調査事項教育及び学術文化についてに係る教育庁職員による児童買春事件についてを議題といたします。
 本日の説明員として、教育長の出席を求めております。
 なお、今回の議題については、事件の概要説明が必要であることから、補助答弁者として、警察本部生活安全部少年課長の出席を依頼いたしました。
 これより教育庁職員による児童買春事件について審査を行います。
 ただいまの議題について、警察本部生活安全部少年課長から事件の概要説明を求めます。
 幸喜一史少年課長。

○幸喜一史少年課長 本件は、被疑者が平成26年4月26日、沖縄市内の自動車ホテルにおいて、被害児童が18歳に満たない児童であることを知りながら、同児童に対し、現金を対償として供与する約束をして同児童と性交し、もって児童買春をした事案であります。本年5月下旬ころ、那覇警察署におきまして、被害者家族からの相談を受けて事件を覚知し、被害児童からの事情聴取及び携帯電話捜査等所要の捜査を行い、被疑者を割り出し、本年7月30日午前9時、那覇警察署内において被疑者浜口茂樹59歳を通常逮捕しております。被疑者につきましては、本日午後、那覇地方検察庁へ身柄つき事件送致することとなっております。以上で御説明を終わります。

○呉屋宏委員長 少年課長の説明は終わりました。
 次に、教育長の説明を求めます。
 諸見里明教育長。

○諸見里明教育長 先ほど、警察本部生活安全部幸喜少年課長から概要説明があったとおり、きのう午前9時に教育庁職員浜口茂樹参事兼中頭教育事務所長が児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反の容疑により逮捕されました。県教育委員会といたしましては、被害に遭われた生徒に対してまことに申しわけなく、御本人並びに御家族に心からおわび申し上げ、深く傷ついた心のケアについても一生懸命対応させていただきたいと考えております。子供たちを守り、育て、豊かな心を持つような人材育成を行うべき立場にある教育委員会からこのような逮捕者が出たことに対し、児童・生徒、県民の皆様に対して、心から深くおわび申し上げます。
 当該職員は昭和59年に小学校教諭に採用され、以来、小学校教頭、中学校校長、教育指導統括監などを経て現職に至っており、子供たちの健全育成、本県教育行政に対して重要な職責を有する立場にある者であります。今回の逮捕理由が事実であれば、決して許されるものではなく、本県の教育行政並びに教職員に対する信頼を著しく失墜させるものであります。逮捕の衝撃は極めて大きなものがあり、県民の皆様の信頼を今後回復していくことは、決して簡単なものではないと思っております。
 県教育委員会では、きのう臨時の教育委員会会議を開催し、現状確認、これからの対応方針について協議を行うとともに、本日午前に課長級以上の職員を対象に、再発防止について私から訓示を行いました。今回の事件を厳しく受けとめ、二度とこのような事態が生じないよう、教育委員会全職員が一体となって万全の対策に取り組んでまいりたいと考えております。

○呉屋宏委員長 教育長の説明は終わりました。
 これより議題に対する質疑を行います。
 質疑に当たっては、重複することがないように簡潔にお願いいたします。
なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行うようお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 狩俣信子委員。

○狩俣信子委員 新聞で見る限り14歳の少女ですよね。やはり精神的にどうなっているのかが気になります。現在、その子に対するカウンセリングとかについてはどうなっていますか。

○諸見里明教育長 捜査の進展上にあるということで、県警察本部からまだ具体的な名前などは聞いておりません。

○狩俣信子委員 教育委員会としても、やはり心のケアはやらなくてはならないでしょう。県警察本部だけに頼るのではなくて、そこらあたりがどうなっているかです。

○諸見里明教育長 心のケアにつきましては、県警察本部と連携しながら、カウンセラーを配置してやっているとは伺っています。

○狩俣信子委員 カウンセラーをちゃんと配置するわけですね、配置して対応するわけですね。

○幸喜一史少年課長 被害児童に関する情報は、今のところ教育庁側あるいは学校側には提供しておりません。理由は、事案が大きいもので、いわゆる被害児童探しになる可能性があることを考えて、それで被害児童のケアに関しては、親御さんも含めて警察で対応しているところです。

○狩俣信子委員 そういう面での二次被害があっても困るわけです。ですから、慎重にやらなくてはいけないのはわかりますけれども、本人が受けた心の傷に対してもしっかりケアしていかなければならないと思います。本当に対応が難しいし、厳しいし、いろいろとあると思いますけれども、教育委員会と連携をしっかりとりながら、その子に対するケアはしっかりやっていただきたいと思います。それが1点目です。
 それから、私も新聞でしか見ていなくて、実は新田委員も私も会派の出張で宮崎県に行っていたのです。そうしたら、朝9時過ぎに向こうでもぱっとこのニュースが入ってきました。それから慌てて、一体何がどうなっているのかという話になりまして、その後このような形になったと。教育庁のナンバー2であった人だということで、本当に何と言っていいのかわからないぐらいの衝撃を受けて、私たちは帰ってきたのです。新聞を見ますと、10年前ぐらいから出会い系サイトに登録していたと載っていますよね。教育委員会としては、それは全然知らなかったことですか。

○諸見里明教育長 私ども教育委員会としては、全く知らなかったです。

○狩俣信子委員 それを知らなかったのもわかりますけれども、私は思うのですが、この方は小学校教頭、中学校校長、そして教育指導統括監という形で来ていますよね。その中で、昇任させていくときに、やはりそこらあたりは全然見えない部分ですか。

○諸見里明教育長 私はつき合いは去年1年間だけですけれども、この1年間で全く見抜けなかったです。私の目が節穴だったと思うのですけれども、猛省しているところです。

○狩俣信子委員 諸見里教育長にしても、本当にびっくりすることだったとは思いますけれども、今後の対応が大切になってきますよね。教職員の皆さん挙げてどういう対応をしていくのか。そこらあたり訓示を出された話もありますけれども、どういう状況ですか。

○諸見里明教育長 きのう、臨時の県教育委員会会議を開きまして、今後の対応等も検討しております。それは記者会見でも述べました。それから、きょうは県教育庁の課長級以上―班長級も入っていましたけれども、それから出先機関も全部含めて訓示を行ったところです。ここまで地に落ちてしまった教育行政の信頼をどう回復していくか、それを強く訓示したところです。それから、早速きょうは中頭教育事務所管轄の市町村教育長を集めまして、本当は私も行きたかったのですけれども、諸見成明参事が行って、まず謝罪をし、今後とも教育行政を一緒に連携してやろうという確認を各地区でやっていくつもりです。それから、こうした教育事務所校長会等を通して、各学校への謝罪とか通知も含めて、そういうのはきちんとやっていこうと思っております。

○狩俣信子委員 本当に大きな事件で、一旦失墜した信頼を取り戻すのは並大抵ではないと思います。時間もかかるし、きめ細かにやっていかなくてはいけないと思うのです。諸見里教育長初め、スタッフの皆さんは大変だと思いますけれども、私たちも文教厚生委員会の一員としてしっかり見守りながら、気長に信頼を回復していく―二度と子供たちが被害に遭わないように、それをやっていかなければならないと思っております。私からは以上です。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 赤嶺昇委員。

○赤嶺昇委員 この件について、教育長が一番最初に知ったのはいつですか。

○諸見里明教育長 きのうの朝6時前だったと思います。県警察本部の生活安全部長から携帯に電話がありました。

○赤嶺昇委員 県警察本部にも聞きたいのですけれども、きのうの朝刊に出ていますよね。朝刊に出て、朝4時、5時には刷り終わっているわけですよ。マスコミに先に出て、教育長の耳には朝の6時に来るというこのタイムラグはどうなっていますか。

○幸喜一史少年課長 まず、連絡の必要性とかを判断しながら当日の朝に連絡を入れたのが実情で、正式な連絡は警察がマスコミに出します広報に合わせて教育庁側へは連絡しております。

○赤嶺昇委員 聞きたいのは、この新聞の朝刊に出ているのです―先に一部のマスコミで。教育長の耳に入ったのがきのうの朝6時です。でも朝刊には出ているわけです。これはどこから漏れたのですか。

○幸喜一史少年課長 警察が、いわゆる事件の公表をしたわけではなく、マスコミが独自取材で察知して、スクープといいますか、そういう形で出ているのが実情です。警察が正式にこういう事件をやりますと広報したわけではありませんので、御理解いただきたいと。

○赤嶺昇委員 警察が公式にコメントしたのはいつですか。

○幸喜一史少年課長 被疑者を逮捕した後です。

○赤嶺昇委員 子供たちを守らなければならないと言っている割には、これがスクープとおっしゃっていますけれども、こういうものはスクープされるものですか。よく理解できないのは、朝早く見る人は午前5時ぐらいから新聞を読みますからね。教育長が知ったのが午前6時ということは、今後、青少年がかかわる事件に関して、これは警察以外から漏れる可能性があるのですか。

○幸喜一史少年課長 いろいろな可能性がある―今回の事件とは別で、例えば、被害関係者がマスコミに相談して先に記事になるとか、いろいろなケースがあるので必ずしもどういうことだとは言えないです。

○赤嶺昇委員 全て警察が云々ではありませんけれども、こういった事件を追いかけて、慎重に捜査してきた過程だと思うのです。ところが、それが情報として先に出てくるのは課題かと思っています。
 それと、今回はもう逮捕していますよね。新聞報道でしか私どもは知らないのですけれども、ホテルで会ったことは認めたが18歳未満だとは知らなかった、性行為はしていないと言っていることについて、皆さんは何をもって性行為をしたと断定して逮捕しているのですか。

○幸喜一史少年課長 冒頭で説明したとおり、逮捕事実は性行為に及んだということで、逮捕状をとって逮捕しております。

○赤嶺昇委員 あと教育長にお聞きしたいのですけれども、先ほど狩俣委員からありましたように、10年前から出会い系サイトに登録していたということは、普通に考えると余罪もあり得るのではないかと私は推測するのですけれども、これについてはどう考えますか。

○諸見里明教育長 教育職にある立場の方が、しかもこうして職責の大きい方が出会い系サイトをみずからやっていたとは、私は本当に許しがたい行為だと思っております。これが事実であれば、本当に裏切られた気持ちでいっぱいで今、憤りを充満させているところです。

○赤嶺昇委員 個人のプライバシーの問題でいいのかよくわからないのですけれども、教育者だけではないと思うのですけれども、例えばこういった出会い系サイトを調査できるかできないかは別にしても、こういった実態がほかの教育者の中にあるとするならば、これはやはり何らかの方法で確認するとか―なかなか法的な部分がよくわからないのですけれども、訓示一つでそれが直るとは思えないのです。こういった出会い系サイトそのものに登録しているかどうかを、しっかりその辺は徹底させるかどうかということと、今、やはり簡単につながっていく事例が表に出たわけですよね。これは子供たち側の問題でもあるし、教員の問題―でもあるし、どう対処する予定ですか。このあたりは調査をかけることも可能か。どうですか。

○諸見里明教育長 今回の事件は、子供たちや大人の前に本当においしそうなわなであるとか―この表現はまずいと思うのですけれども、こういうのが野放しになっていて、一方でこうしてどんどんやっていく。しかも教員がこれにかかわることは本当にゆゆしき事態だと思っております。もしこういうことがまかり通っているのであれば、教育は成り立たないわけです。今回、この事件を受けて我々もかなり深く猛省しておりまして、検討委員会、プロジェクトチームなどをつくって、そこでどういうことが必要なのかを検討していきたいと思っております。

○赤嶺昇委員 出会い系サイトそのものに登録することは自由という考えなのか、それともやはりそれはいけないことなのか、どうですか。これから検討するのであればそれでもいいのですが。

○諸見里明教育長 私も出会い系サイトの中身がわからないのではっきり言えないのですけれども、少しいかがなものかと思います。内容はわからないです。

○赤嶺昇委員 この議論はぜひやってもらいたいと。生徒たちから先生方への信頼がかなり失墜した問題なので、その先生方が出会い系サイトに登録しておいて、これからどのような教育をするのかと単純に考えるわけです。登録することそのものについては自由という発想になるのか。これは改めて言うことでもないと思いますけれども、出てしまった以上、これからの子供たちの教育―携帯電話の扱い方にしても、詐欺に遭わないようにといった教育をしている中で、もし一方で先生方がそういうところに登録しているのであれば、話にならないことだと思います。ここは、今後議論が必要ではないかと思いますけれども、いかがですか。

○諸見里明教育長 全くおっしゃるとおりでございまして、この件に関しましては、私は申し開きはできないと思っております。こういう大変な不備があるわけですから、先生方が出会い系サイトに登録するのは絶対に許してはならないゆゆしき事態だと思うのです。ぜひ議論していきたいと思います。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 先ほど警察本部からの説明で、二次被害も避けなければならないとありましたけれども、教育長は被害者に対する心のケアについて一生懸命対応させていただくと言っていますけれども、具体的に被害者に直接謝罪をすることはできたのでしょうか。

○諸見里明教育長 先ほど幸喜少年課長からもあったと思いますけれども、捜査の性格上、我々のもとには学校名・生徒名とかは伝えられていないです。必要はあると思いますので、この辺は連携をとりながら対応させていただきたいと思います。

○西銘純恵委員 記者会見でコメントをなさったことが、被害者に対する第一の発信になったという考えでしょうか。ほかにも公に何らかの発信をする予定は持っているのでしょうか。

○諸見里明教育長 我々が一番心配しているのは被害者のケアでありまして、精神的な面とかいろいろな面で心配です。今後の学校生活も大変気になるところですので、必要に応じてどういう対応が必要なのか検討していきたいと思っております。

○西銘純恵委員 学校へのカウンセラーの配置とかもおっしゃったのですけれども、これは全学校にやらないと学校そのものも特定されることになるかと思いますけれども、それについてはどのような計画ですか。

○諸見里明教育長 昨年度から、全中学校にスクールカウンセラーを配置しております。それとは別に、こういう事案が出た場合、緊急に必要とする場合などはこちらから直接派遣することもできるのです。現在、捜査の性格上、情報が伝わってないのですけれども、いろいろ検討していきたいと思います。

○西銘純恵委員 特定されないように、全学校を対象にすればよいのではないかと聞きましたので、早いうちにそういうことはやっていただきたいと思いますけれども、いかがですか。

○諸見里明教育長 今、全学校体制でスクールカウンセラーが臨んでいますので、それをフル活用して、この辺も含めてそういうのにかかわっていく取り組みも必要でありますので、この辺もスクールカウンセラーを活用できるのではないかと思っています。

○西銘純恵委員 臨時教育委員会会議を開いたと。具体的にどのようなことをするとか、そういうことは出たのでしょうか。

○諸見里明教育長 きのうはまず、状況確認と課題であるとか、今後の取り組みですけれども、この取り組みの中では、きょうやった訓示、それから校長会とか各教育事務所等を通して学校教育に対する信頼回復に努めるとか、その辺は話し合っています。

○西銘純恵委員 県教育庁の幹部で、現職の教育事務所長だったわけですよね。ですから、今話した管理者の中で逮捕者が出たことについては、一般の教職員の皆さんも社会に対して信用を落としている。先生方も落ち込んでいるだろうし、保護者の皆さんや子供たちも大変だということもあると思うのですけれども、その辺は個別に具体的にやることを考えていますでしょうか。

○諸見里明教育長 現在、市町村の教育長を集めての謝罪、それからいろいろな説明会等をやっていこうと思っております。段階を経て、校長それから学校へおろしていって、子供たちに対するケアであるとか、あるいは対応の仕方等を考えていこうと思っております。

○西銘純恵委員 出会い系サイトがとても気になるのですけれども、ことしでしたか、ネット被害防止の関係で担当のトップとして中心になってまとめられたのですよね。それとの関連ではどのように考えていますか。

○諸見里明教育長 ことし3月に、子供たちがネットトラブルに巻き込まれないために出したネット被害防止のガイドラインを策定したのですけれども、その委員長でもあるのです。それも含めて、また生徒指導、進路指導とか生徒たちの健全育成に係る事務方の責任者でもあるのです。そういう人物がこうして児童買春の容疑で逮捕されているわけですから、心境を率直に申し上げましたら、本当に怒りとやるせなさでいっぱいです。

○西銘純恵委員 例えば、そういう委員長を務めた方が直接罪を犯したことに対する、一般教員の皆さんの信頼関係を回復することも県教育委員会としてどうかというのがあると思うのですけれども、全ての教職員に対して、この問題に対するアンケートといいますか、二度とあってはならないということもあると思いますけれども、事件との関係で皆さんの思いを聞くことは考えられますか。

○諸見里明教育長 私は、教育において一番大切なのは、教員と子供たち、それから保護者との信頼関係だと思うのです。でも、信頼関係が完全に地に落ちてしまった。この信頼関係を回復するには、大変厳しい道のりだと思うのですけれども、一生懸命頑張って、一刻でも早く信頼を回復するために頑張る所存です。そのために何が必要か。今、西銘委員がおっしゃった対策が必要であれば、ぜひ正面からやっていきたい考えはあります。

○西銘純恵委員 この出会い系サイトについて県警察本部にお尋ねしたいのですけれども、ほかの諸外国でこういうサイトはあるのでしょうか。無料サイトだから未成年者でも発信できるという大もとが問題ではないかと思っているのですけれども、これについてはほかの諸外国で―例えば米国では、大人の映画とか性描写があるものは見られないようにするとかあるわけです。そういうことも含めて、顔の見えない成り済ましで未成年者とわからないネット上の関係で、買春まで至るのは最たるものだと思うのです。そこら辺についてどう考えているのか。

○幸喜一史少年課長 諸外国の事情については把握しておりません。運営されている出会い系サイトは、通常携帯電話で会員登録をして、そのときにニックネームみたいなものを打ち込むのです。そこでは本名など必要ではありませんし、年齢をごまかして登録することも可能というのが実態となっています。

○西銘純恵委員 今の日本の国内法では、合法的にやられているのですよね。

○幸喜一史少年課長 そこまで言い切れるしっかりしたデータを持ち合わせていないので、お話しできません。

○西銘純恵委員 今のが大事だと思うのです。例えば、脱法ハーブが問題にされながら実際取り締まりができないで、大事件を起こしてきたので危険ドラッグに変わった。今、合法とは言えないかもしれないとおっしゃったので、私はこの部分がとても大事ではないかと思います。この間、3月にやったときはフィルタリングといいますか、子供たちが携帯電話を契約するときは親権者がそれを使ってはいけないという契約をさせていこうと、少しはネット犯罪から改善に向けられるのではないかと思いましたけれども、もし今おっしゃるようなものが犯罪の温床になっているのであれば、そこら辺についても―担当ではないとおっしゃったのですけれども、しっかり検討してほしい。大もとにそういうものがあれば、やはり飛びついていくこともあるので、ぜひ検討をお願いしたいと思います。

○幸喜一史少年課長 携帯電話を購入するためには、本人確認が必要です。私は担当ではないので明言はできませんけれども、いわゆる銀行口座をつくるとか、携帯電話を買うとかで求める本人確認をしないのが実態だと思われます。

○西銘純恵委員 抜け穴がいっぱいある感じもしますので、法整備も必要なのかととても感じております。
 最後に、教育長にお尋ねしたいのですけれども、教職員の中、それから子供たちの状況もそういうものに頼っていく―それは友達関係とか、今の社会状況の反映でもあると私は思うのです。そこら辺も含めて、学校の中で子供たち同士がちゃんと面と向かってできるような教育を取り戻していくというか……。インターネットに頼って顔も見えない、名前もはっきりわからない人とやるところが、子供たちの発達に問題があるのではないかと感じておりますけれども、その考え方についてどうですか。

○諸見里明教育長 全くおっしゃるとおりです。我々も今回、子供たちがネットトラブルに巻き込まれないためにガイドラインをつくったのですけれども、その中でいろいろな事例を交えながら、インターネットの持つ危うさとか対策も全部やったつもりであるのです。それも必要であると思いますけれども、今言ったようなコミュニケーションであるとか、インターネットを介さないで一緒に活動ができる、共有できるコミュニケーションが最も大切だと思っています。こういうのを復活させることは必要です。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 比嘉京子委員。

○比嘉京子委員 西銘委員の質疑の延長で県警察本部にお伺いしたいのですけれども、今回の逮捕者は今言うガイドラインをつくった当事者であり、その説明の映像もゆうべのニュース映像には出ておりました。だからこそ非常に問題だということにもつながっていると思うのですけれども、この子供たちをそのサイトから防ぐための措置として―今回、たまたま父親から様子がおかしいと相談を持ちかけられたので発覚したと読んでいるのですけれども、そうではなくて、こういう子供たちがまだまだ潜在的にいる可能性を秘めていて、親もうすうす気づいていながらも放置しているかもしれないと、いろいろなことを考えてしまうわけです。それで、未成年者が携帯電話を買うときのフィルタリングは、今の場合任意でやっているのか、義務づけられているのかどちらですか。

○幸喜一史少年課長 フィルタリングに関しては、県子ども生活福祉部青少年・子ども家庭課の所管ですけれども、沖縄県青少年保護育成条例が改正されて、去る7月1日付で施行となっております。その中で大きな改正点が―保護者に対して子供たちが携帯電話を利用するときには、危険性も含めて教えた上で管理しなければならない義務規定が設けられています。事業者に対しては、購入する携帯電話を未成年者が使うかどうかの確認義務、フィルタリング活用に関する説明義務、フィルタリングを使用しない場合には書面をとる義務規定が設けられております。ただし、これはあくまでも義務規定で、罰則を伴うものではないです。ただ、フィルタリングの活用に関して、事業者、親御さんに対してもしっかりした義務規定が明確になっているので、今後県と連携しながら、事業者に対しても現場で普及活動を進めていきたいと考えております。

○比嘉京子委員 7月1日以降はある程度義務規定が設けられているけれども、それ以前に購入した人たちに対しては、その手が及んでいないとの理解ですか。

○幸喜一史少年課長 携帯電話を販売する事業者についても、いわゆる自主努力で必要性の説明はあったと思うのですけれども、比嘉委員がおっしゃるように、インターネットの世界は匿名性が最大の利点というか、やりとりしている相手がどういう人かわからないわけです。相手方はあえてそういう子供たちを狙って、悪意を持って接触してくる―今のようなサイトを利用したりというのが考えられるわけで、そのためにもインターネット利用の危険性を子供たちにしっかり教えていかなければならないと考えております。警察では、保護者や子供たちを対象に、非行防止教室などを活用した啓発活動を実施しておりまして、これはことし上半期の数字ですけれども、沖縄県内で実施回数が164回、保護者に対しては1322人、児童生徒に対しては3万3000人余り対象に危険性の啓発活動を実施しています。これは継続していきたいと考えております。

○比嘉京子委員 やはり、罰則がないところではまだまだ甘いのかもわかりませんけれども、やはり未成年者が携帯電話を持つことに対して、みずからの意思でも、間違ってでもそういうサイトに移行できないように、ストップをかけることがまず1つかと思います。それと同時に、ここにあっせんする業者がいると書いてありますよね。仲介役として少女と男性の2人を引き合わせる事業者と書かれていますけれども、サイト上における事業者対策を県警察本部としてどうされているのでしょうか。個人の性癖的なことはなかなか我々が見出すことは困難だと思うので、いかに被害を食いとめるかに視点を置く必要があると思って、こういう質疑をしているのです。新聞によると、少女たちを利用して金もうけをしようとする人とニーズが合って、ここで仲介をする人がいるようですけれども、皆さんとしてはそういう人たちをどうやって取り締まるのか。売買春は違法なので、それはどのように対策をやっておられるのですか。

○幸喜一史少年課長 本件の場合も含めて、いわゆる福祉犯の被害に遭うような児童買春のケースは、普通にイメージするような、どこかに事務所を設けている事業者がかかわっているのではなく、個人あるいはある不良グループが何名かの集団をつくって、これをなりわいにしてやっているので、そのためにもそういう情報を察知した場合には丁寧な捜査をして、被害児童と顧客だけでなくどういう形であっせんがあったのかも踏まえて事件化しているところです。今回についても、現在仲介した者については事件化を念頭に捜査を進めているところでありますし、過去にもそういうグループを摘発したケースがあります。これはしっかりした取り締まりをしていくことが重要だと考えております。

○比嘉京子委員 いわゆるインターネット上におけるサイバー犯罪というのでしょうか、そういう犯罪に対する県警察本部の対応は、もちろんサイバー犯罪等についての専門的なチーム等があると思われますけれども、そういう人たちが対策を講じているという理解でよろしいですか。

○幸喜一史少年課長 同じ生活安全部生活保安課の中に専門的な技術を持ったチームがいて、捜査をしている部署もあります。

○比嘉京子委員 もう一点は被疑者の認識ですけれども、私はきのうのメディアのコメントを聞いて愕然としたのですが、18歳未満とは知らなかったと。では18歳以上であればいいのですかということにもなるわけです。買春が合法という認識でおられたのかどうかも非常に疑問を持つのですけれども、県警察本部にお聞きしたいのですが、被害児童が18歳未満でしたと言ったとき、加害者の立場としてどのようにコメントされておられるのですか。例えば謝罪の言葉があるのか、反省の言葉があるのか、どういう認識をしておられたのか。そこら辺が全然見えないのですよね。

○幸喜一史少年課長 本件の逮捕した事実については、18歳未満とは知らなかった、それから性行為には及んでいないというところまでが広報なので、それ以外の詳しい供述内容については捜査に大きい支障が出ますので、控えさせていただきたいと思います。御理解ください。

○比嘉京子委員 被疑者は否定しているのですけれども、きょうの説明によると県警察本部は性行為に及んだと断定していますよね。断言できる理由がわからないのですけれども。

○幸喜一史少年課長 警察としては、今まで積み上げた捜査資料・証拠に基づいてそういう事実があったということで逮捕状を請求して、そのとおりの逮捕状が出ているのです。被疑者はそういうことはないと否認しているのですけれども、警察としては、逮捕状を請求した事実があった前提で捜査をしっかり進めているところです。

○比嘉京子委員 今、この被害者お一人の話ですけれども、仲介者のもとにまだまだ複数の、ある意味でいうと被害者が連なっているとも考えるのですけれども、今後の捜査の展開というか、どういう調べになるのでしょうか。

○幸喜一史少年課長 今、比嘉委員から御指摘のあったとおり、いろいろな可能性を念頭に置きながら、しっかり捜査を進めて全容を解明していきたいと考えております。いろいろ支障が出ますので、具体的にこのように進めていますとはお答えできません。御理解いただきたいと思います。

○比嘉京子委員 最後に、先ほど聞きましたけれども、そういう御自分の行為に対して、今報道されている二言以外にはコメントはないのですか。

○幸喜一史少年課長 繰り返しになるのですけれども、広報以外の部分でどういう供述をしているのかについては控えさせてください。よろしくお願いいたします。

○比嘉京子委員 教育長が謝罪であるとか、猛省する立場でお話しされているのですけれども、私としてはその立場にあられた方だけに、御本人の認識が全然読めなくて苦慮するわけです。そこで捜査に影響が及ばないのではないかと思って聞いているのですけれども、18歳未満であったという事実を受けても、被疑者のコメントが何らあるのかないのかが見えないので、再度質疑します。

○幸喜一史少年課長 同じ繰り返しで申しわけありませんが、私たちは捜査をして、これはこういう事件だということを組み立てて検察庁に送るので、この場でこういう供述をしています、具体的にこういうことを言っていますと言うのは、今後の公判にも非常に大きな影響が出てくると思いますので、ぜひ御理解いただきたいと思います。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 嶺井光委員。

○嶺井光委員 大変残念な事件だという思いであります。このインターネットは、便利に利用すれば大変立派なものであります。しかし、こういう事件につながる現実があるのもまたお互い認識はしているところです。この売春、買春は違法行為ですから、新聞にもありますように新しい売春の手口だと捉えられていますよね。そういう意味では、売買春そのものを取り締まるためには、こういうピンポイントに向かっても今の時代はいいのではないかと思うのです。どういう人がかかわろうが売春、買春は違法でありますから、これは捜査機関―県警察本部に質疑を向けますけれども、このサイトがあるがゆえにこういうつながりができるわけですよね。現に事件に発展した。事件を誘発する意味でサイトそのものに罪というのか、違法性はないのか。その辺はいかがですか。

○幸喜一史少年課長 サイトを利用して明らかに買春を誘ったり、そういうのが読み取れれば誘引という違反行為になる場合もありますけれども、この辺は運営の実態とかどういう会話のやりとりがされているのかもあって、即この部分は違法だ、違法ではないというのは、個々の事例に応じて判断していかないといけないと考えております。

○嶺井光委員 あえてピンポイントと先ほども申し上げたのですけれども、今お話しされたように、違法性があるかもしれないという認識はあるわけですよね。そういう意味では、そのサイトを運営する側も、法に触れないように巧妙な手口をつくり上げてくるのだろうと思うのです。しかし、こういう実態が性犯罪につながっていることを捜査当局も認識をしているのではあれば、先ほどからあるように、根を絶たないことには、いろいろ巧妙な方法で事件が後を絶たない可能性が延々と続くかもしれない。そういう意味で、捜査当局側からこういう根っこをどう抜き取っていくかという視点を持つべきだと思うのです。そういう意味での捜査当局の考えがあればお聞かせください。

○幸喜一史少年課長 一昔前は、サイトの中で明らかに未成年とわかる子供たちが、自分は女子高校生・女子中学生だが幾らで遊ぶよというやりとりがあったのです。それも業界側が自主規制で削除するようになって、まず露骨にこういうことができない形にはなっています。私は所管ではないので明確には言えないのですけれども、そういう情報のやりとりがあれば、削除依頼とか通報するシステムもあったりして、業界の中でも明らかに違法とわかるようなやりとりができないようになりつつあるのですけれども、それでもわからない方法を使って、このようにやりとりをして被害に遭うケースがあるのが実情であります。

○嶺井光委員 我々も仕組みがどうなっているのかよくわからないのですけれども、今回の報道を見て、仲介役がいることにある意味衝撃を受けたのです。そうすると、仲介役は両人と対面しているかどうかわからないけれども、とりわけその教育庁幹部は仲介役と対面しているのでしょうか。

○幸喜一史少年課長 対面は一切ありません。サイトの中でメールのやりとりをして、いつどこで会おうと約束して、そこに女の子が出向いて初めて会う形です。

○嶺井光委員 仲介するのは、何らかのメリットがあるはずですよね。こういうケースでも、どこかからのメリットがあっての仲介役だと思うのですけれども、この仕組みをどう捉えていますか。

○幸喜一史少年課長 この仲介役は子供を送り込んで、当然対価として現金を受け取るわけで、受け取った現金の中から幾らかを自分が手持ちとして受けとって、なりわいとしているのが実情です。

○嶺井光委員 そうすると、加害者側から金銭が流れていくと考えるのですけれども、そういう意味では、たどっていけば捜査している仲介役の男には何らかの形でたどり着く感じがするのですけれども、どうでしょうか。

○幸喜一史少年課長 その点を視野に入れて、今捜査を進めております。

○嶺井光委員 しっかり捜査をして、根から絶つような―インターネットサイトをつくる側も含めた捜査の視点で、事件発生に至らない捜査あるいは改善策を求めてほしいと思っております。もちろん、教育委員会も大変な事案になっております。教職員だけに限らず、子供たちに対する指導あるいはケアも含めて、しっかり取り組んでもらいたいと思っております。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 新田宜明委員。

○新田宜明委員 この事件を宮崎県の研修会会場で聞いたとき、本当にびっくりしました。ちょうど、長崎県佐世保市議会の議員も一緒に研修会をやっておりまして、向こうでも大事件が起こっているわけですよね。あたかも同じような状況で起こっていることに大変なショックを受けました。そこで、こういうことが可能かどうか私もわからないですけれども、今回の事件を契機として、教職員を初め小学校生、中学校生、高等学校生の出会い系サイトに登録されている実態調査などは可能でしょうか。

○諸見里明教育長 例えば、あなたは出会い系サイトに登録していますかとアンケートを流すのは簡単ですけれども、果たして自分がやっていますよと言うのは難しいと思います。あるいは、業者とか警察ができるシステムがあればわかると思うのですが。

○新田宜明委員 無記名というか、匿名でもいいのですけれども、何らかのそういう調査をすることで、こういう事件の予防策にもつながるのではないかと思うのです。まずはやはり予防策をどうとるか、事前の策をどう講ずるか、いろいろな方法―道徳観・倫理観もそうですけれども、こういう具体的な調査をやることによって予防策がとれるのではないかと思っていますから、これは匿名で結構だと思うのですけれども、とにかくそういう調査を逐次、一つ一つの節目にやることによって予防策につながるのではないかと思うので、ひとつ検討していただきたいと思うのですけれども、どうでしょうか。

○諸見里明教育長 新田委員がおっしゃるような、例えば県立高校全生徒を対象に、去年SNSなどのコミュニティーサイトを利用したことがあるかどうか調査をやったのです。そのとき、金銭、暴力とか、ストーカー被害が何件であるとか、性的被害も何件かと調べています。携帯電話などで知り合った人と実際に会った生徒も6000名を超えるぐらいおりまして、そういう実態調査をやって、それをもとにしてネットトラブルに係るガイドラインとかを策定したのです。教員に対してはやっていないですから、必要であればこれも含めて検討していきたいと思います。

○新田宜明委員 県警察本部に1点だけお伺いしたいのですけれども、やはりこういった性犯罪に絡む仲介業者―要するに、利得を目的とした悪質な人がいるわけですよね。県内におけるこの実態は大体把握されているのですか。

○幸喜一史少年課長 先ほどから説明していますように、いわゆる営業形態を設けて―事務所とかをつくって募集してやっているのではなく、個人的にいろいろなつながりでそういう知識のない子供たちを利用して、大人と引き合わせて児童売春をさせ、利益をピンはねしているのが実態です。警察としては、先ほどの説明の繰り返しになりますけれども、被害児童、顧客のところで事件化するとともに、いきさつに誰か仲介者がいれば、当然この部分も事件化するところで、厳しく個別の事件ごとにしっかり捜査しているところです。

○新田宜明委員 この辺は巧妙化していると思うので、できるだけこの辺の水面下というのでしょうか、裏社会で動くこういうものに対して徹底して捜査ができるような仕組みを、ぜひ確立するように努力していただきたいという要望でございます。以上です。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり。)

○呉屋宏委員長 質疑なしと認めます。
 以上で、質疑を終結いたします。
 説明員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 どうぞ御退席ください。
 休憩いたします。

   (休憩中に、執行部退席)

○呉屋宏委員長 再開いたします。
 以上で、本日の議題は全て終了いたしました。
委員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 本日の委員会は、これをもって散会いたします。







沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。

 委 員 長  呉 屋   宏