委員会記録・調査報告等

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文教厚生委員会記録
 
平成28年 第 6定例会閉会中

1
 



開会の日時

年月日平成29年2月8日 曜日
開会午後 2 時 0
散会午後 4 時 42

場所


第2委員会室


議題


1 教育及び学術文化について(沖縄県公立学校教員候補者選考試験等について)


出席委員

委 員 長  狩 俣 信 子 さん
副委員長  西 銘 純 恵 さん
委  員  新 垣   新 君
委  員  末 松 文 信 君
委  員  照 屋 守 之 君
委  員  次呂久 成 崇 君
委  員  亀 濱 玲 子 さん
委  員  比 嘉 京 子 さん
委  員  平 良 昭 一 君
委  員  瑞慶覧   功 君
委  員  金 城 泰 邦 君


欠席委員

なし


説明のため出席した者の職・氏名

教育長       平 敷 昭 人 君
 教育管理統括監  宜野座   葵 君
 教育指導統括監  與那嶺 善 道 君
 学校人事課長   新 垣 健 一 君



○狩俣信子委員長 ただいまから、文教厚生委員会を開会いたします。
 本委員会所管事務調査事項教育及び学術文化についてに係る沖縄県公立学校教員候補者選考試験等についてを議題といたします。
 本日の説明員として、教育長の出席を求めております。
 まず、沖縄県公立学校教員候補者選考試験等について審査を行います。
 ただいまの議題について、教育長から安慶田前副知事による教員採用試験等の関与に関する経緯及び教育委員会の調査の報告を求めます。
 平敷昭人教育長。

○平敷昭人教育長 平成29年1月18日水曜日に、教員候補者選考試験において、特定の者を合格させるようにと安慶田前副知事から働きかけがあったとの報道がなされました。また翌19日木曜日には、教育庁幹部の人事についても介入があったとの報道がありました。
 このことを受け、1月18日水曜日から19日木曜日にかけて、前教育長、前両統括監、前両参事の5名に対し、電話により確認したところ、報道にある働きかけの事実はないとの回答を得ました。
 このため、翌20日金曜日の知事記者会見の場において、記者からの質問に対し、働きかけの事実はなかったということを回答いたしました。
 しかし、1月21日土曜日に、前教育長から事実を伝えたいとの申し出があり22日日曜日に書面を受け取りました。
 23日月曜日に両統括監ほか職員を派遣し、前回電話で確認を行った前職員5名に改めて面談の上、書面の内容を確認したところ、これを裏づける証言があることから、前副知事からの働きかけがあったと考えざるを得ないとの結論に至り、24日火曜日に記者会見を行い、このことについて発表いたしました。
 なお、教員候補者選考試験は、恣意的な操作を行うことはできない仕組みになっており、公平公正に行われております。
 県教育委員会といたしましては、今後、不当な働きかけを受けた場合の取り扱いを定める要綱を整備するなど、県民に疑念を抱かれることのないよう対応してまいりたいと考えております。
 次のページは経緯で、今申し上げたものと重複いたしますので、読み上げは割愛をさせていただきたいと思います。
 資料1が22日、日曜日に前教育長から私宛てに届いた書面でございます。
 1ページ目から読み上げさせていただきます。
 宛名は私宛てでございます。
 激職お疲れさまです。いつも頑張っているお姿に心から感謝しております。
 さて、近日ずっとマスコミを騒がしている安慶田副知事の採用依頼・人事介入の件につきまして、ぜひお知らせしたいことがありますので、文書にしてまとめました。
 先日、指導統括監から電話確認があり、「この件については、依頼などなかったとしてよろしいですか。」という問いに「はい。それでよい。」と回答しましたが、その後、知事の「事実ない」、副知事の「関与否定」の記者会見後に以下に述べるとおり、やはり、事実は事実として知らせるべきだという結論に達しております。つまり、最初に報道された沖縄タイムスの採用依頼の記事は、詳細について私の記憶と差異があるものの、大体事実に相違ないということです。
 この件について、知事が記者会見した内容を、改めて修正することは、再度、貴職を初め県教育委員会、知事を混乱させてしまうことに心からおわびを申し上げます。
 まず、私が最初「それでよい。」と回答したことは、ひとえに貴職及び統括監級等幹部の御苦労・憔悴感に敬意を表してのことでした。そして、当然知事の困惑も私が口を閉じればそれで収束するからとの思いでした。
 しかし、あえて修正すべきだとする結論に達したのは、次の理由からです。 
 ①知事、副知事の記者会見後、私のもとに多くの電話が殺到しました。その中で、大先輩や友人たち及びマスコミ等から、「事実はどうなのか。事実と違うならばぜひ真実を表明してほしい」という強い意見に心が揺れたことです。
 ②教育の中立性だけは、絶対に確保すべきであるという私の強い信念からです。
 ③マスコミが独自取材を経てここまで報道していながら、前教育長が事実を隠蔽してよいのかという、道義的責任を感じていることも強くあります。後々、後悔することになるのを痛感したからでもあります。
 ④副知事の絶対否定に「これでいいのだろうか」と大きな違和感を覚えたこと等々からです。
 私が覚えている限りの事実は、以下のとおりです。
 (1)、採用依頼について。
 2015年に実施された一次採用試験の合格発表後、恐らく二次試験前の8月中旬ごろから二次試験終了後の8月末日ごろまでの間だと認職しておりますが、安慶田副知事から副知事室に来るようにとの電話があり、部屋に入ったところ、副知事からメモ用紙を渡されました。それには3名の受験番号、教科、氏名が記入されており、「よろしくお願い」「無理しなくてもいい」と言われました。
 持ち帰って、自室に戻った私は、しばらくして幹部のAを呼んで、副知事からの採用依頼があったことについて協議し、「こんなことは絶対にできない」とお互いに同意を得ました。その後、幹部のBも呼んで協議し、同様にできないことを確認しました。当然、学校人事課には、この件は一切知らせておりません。
 副知事には、採用試験の最終合格発表を確認して後、私のほうから副知事室に出向き、当該3人の氏名を確認しながらその合否を報告しました。そのうち、1名は不合格もいたが、副知事は私をじっと見たまま、何も答えませんでした。
 また、10月末日ごろだったと覚えていますが、副知事から電話があり、学校事務職員採用試験一次合格者1人の受験番号と名前を告げた後、「よろしく頼む」と言われました。
 学校事務については、県教育委員会の所管ではなく、県人事委員会の所管だということを説明すると、「そうか、わかった」と、この件については副知事が引き取っています。
 以上が、採用依頼について私が記憶している限りの全ての事実です。
 副知事から渡されたメモ用紙は、副知事に報告後、シュレッダーにかけて消去しており、手帳等にも残していないことから受験番号や名前も覚えていません。渡されたメモ用紙も、A4の半分くらいの大きさだったと思うし、記入された人数も3名(あるいは4名かも)だったと記憶しています。その中から不合格者の数は1名(あるいは2名かも)だったと思います(この辺が曖昧です)。
 (2)、人事異動への介入について。
 2015年1月中旬ごろ、副知事室に呼ばれ、教育庁幹部C(教員職)の異動先を指導統括監にするように副知事から指示されました。しかし、当時の指導統括監がまだ就任1年目であることを理由に固辞しました。
 二、三日後に再度呼び出され、今度は県立総合教育センター所長に統括監級として異動するように指示されました。この件はむげに断る理由もないことから、持ち帰って、幹部Aと幹部Bを呼んで協議したところ、お互い絶対ダメだと確認しました。
 この件については、後日県教育委員会の委員に事情を説明したところ、異動させないようにとの意見で一致したことから、その旨副知事に伝えました。その際に、激しく恫喝されたのを覚えています。結局、同幹部Cは県立総合教育センターへは配置しておりません。また、同じ時期に小学校校長Dを義務教育課長か、那覇教育事務所長に登用するようにも迫られましたが、当時の人事配置事情からお断りをしたところ、この件は了承されました。
 2016年1月の中旬ごろ、前年度に名前の挙がった同小学校校長Dを同じく義務教育課長か、那覇教育事務所長に異動配置するように指示されましたが、これも当時の人事配置の事情から固辞したところ、この件でも厳しい恫喝を浴びせられました。この件は、結局配置せず、当該校長は通常の校長異動になりました。
 以上が、私の記憶するところの全ての真実です。
 この場をお借りして、うそ、偽りがないことをかたく申し上げます。
 また、以上が私の記憶しているところの全てであります。
 再度、お騒がせすることを思うと申しわけない限りに感じます。
 私の気持ちも勘酌してくだされば幸甚に存じます。
 よろしくお願いします。
 ということで、1月22日付の記名で印鑑が押されている書面になっております。

○狩俣信子委員長 教育長の説明は終わりました。
 これより議題に対する質疑を行います。
 質疑に当たっては、重複することがないように簡潔にお願いいたします。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行うようお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 新垣新委員。

○新垣新委員 率直に、副知事という立場の方がこのような人事介入、そして職員採用に至る「この方をよろしく」という問題において、常識的な、道理的な、一般的な教育長の見解を求めます。

○平敷昭人教育長 教員候補者の採用試験は、公平・公正に行われなければいけませんし、仮にそのような依頼があっても結果を左右することはできないような仕組みになっていると考えております。それは、個人を特定することが極めて厳しく、採点の最後の集計まではそれができないようになっています。ですから、そういうことではありますが、特定の地位にある方から働きかけなどがあってはならないと考えております。

○新垣新委員 今、あってはならないことという形で正直に申し上げますが教育委員会も、人事の問題においても、伊江病院事業局長の問題も人事介入を恐らくやってきているという形で、非常にあるべき姿ではないという形で県民は許されないという形なのか、疑いの目はまだ晴れていないと思っています。そこでお聞きしますが、もう一点が恫喝という問題です。副知事という立場が沖縄県教育委員会関係者に対して、恫喝を何回かされたという形で文書を見ますと―人事異動への介入については今初めて読みましたし、何回か恫喝という言葉が入っています。その問題に関して、教育委員会のトップとしてどのように受けとめますか。

○平敷昭人教育長 この件に関して副知事は恫喝はしていない、普段から声が大きいのでということでおっしゃっています。恫喝に関して私はその現場を見ていませんので、何とおっしゃいますか、総務部長のころは予算の執行率の関係やこのような低い実績でいいのかということで、もっと抜本的な改善策を充てるようにということで強い口調で言われることは、一般の方から見ればそのように感じるところはあるのかと思います。

○新垣新委員 叱咤激励と恫喝は違います。今、総務部長に関しては叱咤激励です。実績を上げられるように頑張ってくださいというのは叱咤激励です。恫喝というのは、受けた本人しかわからないという問題もあり、また新聞報道でも嫌気になってやめたという伊江病院事業局長の問題やこのような人事介入問題が連動していないかというあくまでも一般論としての受けとめかたです。そういう形で非常に不愉快な思いをなされているということが1点と、もう一点確認しましたかということをお聞きします。この確認したかというのは、諸見里明前教育長にも伊江病院事業局長のようにやめなさいというニュアンスの言葉があったのか、なかったのか。この問題も教育長は知っている限りでどのように受けとめているかということをお聞かせ願います。

○平敷昭人教育長 その件に関して、私は直接そのような場に立ち会っておりませんので、そういうことがあったかどうかは承知をしていないところであります。

○新垣新委員 副知事というのは知事の任命権で議会で選ばれる方が副知事になるということがもちろんです。その形の中でこのようにこれから教員を目指す若者、また子供たちに対して非常にあってはならない行為ではありますし、諸見里明前教育長の英断の葛藤を高く評価しています。教育現場で親の立場から未来の子供たちをこうあってはいけないという形で、伊江病院事業局長の問題も見て、県民は納得していないと。今、知る限り、報道及び対応等の経緯としか、一連の流れがこうでしたという形なのですが、まず今、教育長のきょうの言い分と私としては強く委員長に申し入れをしますが、やはり諸見里明前教育長のお話もお聞きしたいと思います。今、伊江病院事業局長もやめなさいと言われて不愉快になってやめるという形とか、諸見里明前教育長にも過去の議会の議事録でもそのような感じの情報もあるものですから、そこもしっかり精査していきたいということで、きょうは強く申し入れをしますが、まず1点目に諸見里明前教育長、そしてこれは人事介入問題も連動しますので伊江病院事業局長もぜひここにお呼びしていただきたいと。
 結びとなりますが、教育長に再度お伺いします。このような人物、このような言葉、「やめなさい」とか、恫喝など、人事介入問題においても本当に副知事たる姿として望ましいことなのかということをお聞かせ願います。

○平敷昭人教育長 恫喝の現場には直接立ち会っていませんが、安慶田副知事には総務部長のころから仕えております。確かに声の大きい方で私どもでも前にいくと緊張するところはございます。そういう面はございますが、副知事としてどうかということに関してはいろいろな面で職務に関しては頑張っていらっしゃったのかと。ただ、この案件に関しての細かい中身に関して、私が具体的に申し上げることは控えたいと思います。

○新垣新委員 今、擁護するようにしか聞こえなかったような感じがしますが、実は平成24年3月の予算特別委員会で当時安慶田副知事が那覇市議時代、そして沖縄県の人事問題にもということで議事録もあります。元OBの県議がやっています。そして、いろいろな形でこういった問題もあります。ですから、そういった問題が県議会の中で質疑に出ること自体、疑われても仕方がないということなのです。ですから、声が大きいからではなく、これだけ出ていますので、県議会にも過去の議事録を拾えば出てきます。何名かの議員もそのようなニュアンスでやっています。これは声が大きいからではなく、しっかり持ち帰ってきちんと検討してぜひもう一度再検討していただきたいと申し入れをして質疑を終わります。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 末松文信委員。

○末松文信委員 最初のころは、職員にも確認したところ、そういった事実はないという回答をいただいて、その後、前教育長からの文書をいただいた後に再度調査した結果、今のような状況が確認できたと。この確認できたという内容について、どういうことを確認したのか教えてください。

○平敷昭人教育長 18日、19日の時点で5名の方に電話で確認をしたときにはそのような事実はないということで回答をいただきましたが、それが記者会見を行った翌日でしたか、ある県内紙に少し違うというような記事が出ました。そういうこともありまして、いろいろやりとりがあった中で前教育長から何らかの表明をしたいというやりとりがございました。それで書面の提出があったわけです。今お手元にお配りしている書面です。それを受けまして、前教育長も5名の幹部の皆さんもないとおっしゃっていたわけですので、この書面を踏まえてどうなのかということで両統括監と職員でペアになり、出向いて行って、書面の内容を確認させていただきました。それによりますと、採用試験については担当の幹部がその書面の内容について「そのとおりです。」と肯定をする発言をされたということであります。また、人事異動につきましては、複数の幹部の方が書面の内容を肯定するという証言をされました。その採用試験と人事異動の両方の案件について、書面の内容は違うと否定するような証言はございませんでした。そういうことを踏まえまして、23日の一日かかったような形になりますが、前副知事からの働きかけがあったと考えざるを得ないと、教育委員会としての結論に至ったところでございます。

○末松文信委員 そうしますと、諸見里明前教育長の提出された文書については間違いないということが確認できたということでよろしいですか。

○平敷昭人教育長 これについては、書面の提出があったことと繰り返しになりますが、当時の幹部の皆さんに事情を確認したところ、そういう働きかけがあったと考えざるを得ないとの見解を24日の10時からの記者会見で説明をさせていただいたところでございます。

○末松文信委員 これは5名とも同じような発言だったわけですか。

○平敷昭人教育長 まず1点目の教員候補者選考試験の関係ですが、書面の内容の確認を行ったわけですが、前副知事からメモを渡されたり、合格させるように依頼を受けたことがあるかとか、副知事に呼ばれて叱責されたことがあるかという質問の確認ですが、前教育長はその書面を出した本人ですのでその事実があるとお答えがありました。その他の4名の方は、実際呼ばれたことはありませんので、ないという回答でありました。この件に関して、そのようなことがあったと聞いたことがありますかという質問については、前教育長は当事者ですので書面のとおりですが、その他の方で採用試験に関して聞いたことがあると答えた方が1人。前副知事からメモを渡されて困っているという相談を受けたという話をされておりました。ほかの3名の方は、担当ではないということもありまして、それは聞いたことはないという答えでありました。また、あったかもしれないが、はっきり覚えていないという方もいらっしゃいました。
 人事異動の関係ですが、これについては2015年の1月ごろ特定の者の異動について指示を受けたかとか、部屋に呼ばれて指示されたり、叱責されたりしたことがあるかと書面の内容ですが、これについて前教育長は当然当事者ですのであるという回答で、その他の方は実際そのようになっていませんので、それはないと4名とも答えていますが、その件についてそのようなことがあったと聞いたことがあるかという確認のものについては、前教育長本人が発していますので書面のとおりですが、そのほかの方は聞いたことがあると答えた方が3名で、前副知事にそういったことはできないと伝えたと前教育長から聞いたとおっしゃっている方がいます。特定の者についてそのようなことがあったと聞いたことがあるが、どのような方かは記憶にないとおっしゃる方もいます。もう一つは、恐らく前副知事が推していると思われる方がどのような人かと前教育長に聞かれたことがあるといった証言をされております。あとは、聞いたことがないと答えた方が1人で、ある程度情報があったかもしれないが具体的には覚えていないと―この方は、そのラインとは関係のない方だったということだと思います。確認の内容はそういう状況であります。

○末松文信委員 採用依頼については2件ありますよね。それから人事異動に関しては4件の事例がありますが、それぞれについて確認されたわけですか。

○宜野座葵教育管理統括監 ただいまの質疑についてお答えしますが、まず我々が確認したのは、1点目に教員の候補者選考試験について確認をしておりますので、人事については教育委員会の所管ではありませんので、これについては直接は確認はしていないということです。それから、2件というまとめた数字というのは、要するに全体で前教育長の発言、当時かかわった幹部の方の意見を含めて2件ということになっております。それから人事に関しても、前教育長の意見と聞いたことがあると答えた方が3名いるということの認識になっておりますので、4件ということで理解してよろしいと思います。

○末松文信委員 そういう聞き取り調査の結果、そういう事実があったと。認定できるというような表現を教育長はされていますよね。聞き取り調査の結果、記者会見の中で教育長はそういう事実があったと認定できるというような表現をされていますよね。

○平敷昭人教育長 1月24日に、働きかけがあったと考えざるを得ないとの見解を説明させていただきました。

○末松文信委員 教育長の見解と諸見里明前教育長を副知事が告訴したとの関係ではどのように思われますか。事実関係がそこはあるという認識と、違うという認識があるわけですが……。

○平敷昭人教育長 24日にそういうことで記者会見を行って見解を述べさせていただいたところでありますが、前副知事が告訴をしたということでございますので、本件については今後は一義的に司法の場で争われることになります。そういうことで私どもとしては、今後、その辺の推移を注視していくしかないのかと考えております。

○末松文信委員 今、教育長がそのように考えざるを得ないということと、副知事が事実関係が違うということで名誉毀損で訴えていることからしますと、いずれが正しいのかという議論になると思いますが、これまでの経緯を聞いてみますと、やはり前教育長の文書やそれぞれの職員の聞き取りの状況からしても、その実態はあったのではないかと考えられるわけですが、もう一度そのことについてお願いします。

○平敷昭人教育長 先ほど説明を申し上げましたが、24日の記者会見でも述べさせていただいたように、捺印のある書面が出てまいりました。それについて、内容を肯定する当時の幹部の方の証言がありました。採用試験に関しては担当の幹部の方がその内容を肯定していらっしゃると。あと、人事に関しては複数の方が書面の内容を肯定しているということで、私どもとしては前教育長の書面プラス別の方の肯定証言があるということで働きかけがあったと考えざるを得ないという見解を24日に説明させていただきました。それが一つの見解ということになるのかと思います。

○末松文信委員 前副知事はそういう事実関係はないということで否定されているようですが、事実がなければどうしてやめたのでしょうか。その辺は教育長に聞くことではないと思いますが、私どもとしてはそういう実態がなければやめる必要もなかったのではないかと思います。このことについてはまた後ほど議論があると思いますので、教育長が書面の中で最後に述べられているように、こういうことが現実的にはできないような取り扱いを定める要綱を整備するといったことを書いてありますが、やはり受験生を持つ親御さん、あるいは本人からしてもこういう実態がありますと、個々人の努力が無になるという疑念がここに発生するわけです。そういう意味では、ぜひ教育長におかれては、今後こういうことが起こらないような対策をきちんととってほしいと思っております。

○平敷昭人教育長 県教育委員会としましては今年度中を目指しておりますが、そのような働きかけを受けた場合の取り扱いを定める要綱―これはほかの県において例もありまして、それも把握をしておりますが、そういう取り扱いがあった場合の対応を定める要綱を整備していくなど、県民に疑念を抱かれることのないように対応してまいりたいと考えております。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 金城泰邦委員。

○金城泰邦委員 きょう報告の書面を見させていただきました。前教育長に関しては当初の発言を翻して、後々書面を提出し、こういったことがあったという経緯が説明されております。その書面をもとに改めて前職5名に確認をしたところ裏づける証言があったという報告をきょう受けましたが、前教育長以外のほかの方々も全て当初の電話での聞き取りとは違う結論があったということなのでしょうか。

○宜野座葵教育管理統括監 ただいまの質疑については、採用についてはお一人の方が認めていると、そういうことを聞いたことがあるということです。そして人事の介入については、4名中3名の方がそのような話を聞いたことがあると回答しているところでございます。

○金城泰邦委員 前副知事はそれはないということで、その対象として前教育長の発言に対しての裁判をということですが、それ以外の証言をした方々等についてはどのような関係になっているのか、教育委員会として把握していることがあれば報告いただけますか。

○平敷昭人教育長 県教育長以外の4名の方に関しては、先ほど教育管理統括監が申し上げたように、採用試験担当の幹部の方が教育長から相談を受けたりして、そのとおりだったと申し上げております。人事の件に関しては、3名の方がその話は聞いた、そういう話は確かにあったということを肯定されているということで、それ以外のことで特に把握していることはございません。

○金城泰邦委員 では、県教育委員会としてもこの証言と前職の方々の証言はそのとおりであるという認識をしているという受けとめ方でよろしいですか。

○平敷昭人教育長 今、説明を申し上げたとおり、書面があったということと、その書面を裏づける証言が得られたということで、働きかけがあったと考えざるを得ないという見解を述べさせていただいたということでございます。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 照屋守之委員。

○照屋守之委員 教育長は今そこにいらっしゃって非常に苦しい立場だと思います。先ほど19日の報道も含めて、24日に副知事がやめると。この一連の新聞、マスコミ報道で記事が出て、事実かどうかわからないということもありまして、一体全体この沖縄県政―県知事、副知事も、県の教育委員会もそうですが、こういう問題が起こってもきちんと説明もしない。そして、なぜやめるのかも明らかにしない。あげくの果ては気がついたら裁判に訴えると。今の平敷教育長が総務部長で、訴えられた側が諸見里明前教育長です。この人は沖縄県の学力テストの順位を47番から24番、20番まで押し上げた人ですよね。そして、安慶田副知事ですが、翁長県政が誕生して副知事として頑張っていて、基地問題の窓口で、予算、振興と重要なかなめではないですか。事実関係を何も明らかにしていないのにいつの間にか裁判が起こって、今まで一緒に翁長県政の中でやってきた人たちがなぜお互いに相談をして、ああだったね、こうだったねという話をすればわかり合うことができたと思いますが、裁判に持ち込んでやると。こういう行政はありますか。これは我々県議会議員、与野党問わず、こういう県政のもとで我々が議会として対応する。これは非常に何と言ったらいいのかわかりませんが、前代未聞のことですよね。非常に全国的にも沖縄県のよくない部分をさらけ出してしまっているという思いがあります。これはぜひありのまま―本来これはやめるほどのものではないですよね。この問題がもし仮にあったとしても、やはり不適切だったねということで今後改めて今の県の課題を解決するということが副知事の立場だと思います。ですから、非常に残念で、今の平敷教育長の立場が総務部長として副知事に仕え、今度はまた教育長として仕えると。1年しか総務部長もやっていませんので。覚えたてて予算も人事も含めて、あのような重要なことを1年間でさせられて、気がついたら今度は教育長ですよね。任命した責任どころの話ではありません。ですから、そういうことも含めて非常に情けないという思いがしております。22日に改めて確認を行って、22日にこういう文書が前教育長から平敷教育長に対して届くわけですよね。22日は日曜日だったと思いますが、翌日の23日に副知事から辞表が出てそれを認めるということになりますよね。あれは23日でしたか。副知事が辞表を出して、それを知事が決裁して認めるという。

○平敷昭人教育長 23日だったと思います。

○照屋守之委員 22日に文書を受けて、その文書なりを知事に報告したという、これもマスコミ報道ですよね。事実はどうなのでしょうか。

○平敷昭人教育長 22日の夕刻に―午後5時ごろだったと思いますが、全員で集まって封筒を開封しました。そして、その中身を見ますと、これまでそういう働きかけはないという話をされていたのが、それとは違う内容の書面が書かれていたということもありまして、幹部で対応をいろいろ話し合いました。まずは知事に一報を入れようということで、午後6時ごろだった思いますが知事に電話を入れました。そして、20日の会見のときとは違う内容の書面になっておりますということで一報入れましたが、その話について知事からは翌日の朝報告に来てくれないか、説明してくれということがありましたので、その場は一報だけで、今までの内容とは違う内容になっていますということで一応その状況だけ報告をしました。そして、23日の朝9時半ごろからだったと思いますが、知事室に入って手紙の内容等の説明をやろうと思ったのですが、いろいろ途中中座しまして―私が部屋から少し出て、別の方が入ったり、いろいろな調整がありまして、なかなか落ちついて説明ができませんでした。それで説明が終わったら記者からもいろいろ言われたのですが、会見終了直後に入って説明したと。そして、手紙の内容の説明を終えたのですが、私どもはそれと並行して書かれていることを関係者に確認したいということで申し上げて、並行してその日はたしか夕方、それぞれの職場に出向いて、前の幹部のところへ行って状況の確認を行って―先ほどのまとめになりますが、証言をまとめてきたということであります。この証言の内容もまとめてこういう結果になりましたということを説明したのは翌日の朝、会見の前の9時ごろだったと思います。そういう内容になっていますということを説明しました。

○照屋守之委員 22日に文書を受けとってこれを見ましたと。皆様方は働きかけがあったと考えざるを得ないという結論になっていますね。それは当然23日の朝には知事に伝えてあるのですよね。

○平敷昭人教育長 働きかけがあったと認めざるを得ないという見解は24日の朝に伝えました。

○照屋守之委員 24日といいますと、副知事が退職の辞令を出してからですよね。22日に文書を受けとって、こういうことはまだ未確認ですが、このような可能性がありますということは当然第一報として22日には知事には報告してありますよね。

○平敷昭人教育長 第一報としては、手紙の全文を読み上げるわけにはいかないものですから、18日、19日に言った内容とは違って考え方が変わりました、そうではないですという趣旨の話がありますというぐらいしか電話では伝えられませんでした。22日の午後6時にはそういう中身で、翌23日の朝から手紙の内容等を説明しましたが、手紙だけではまだそれが事実かどうかわからないので関係者の裏づけみたいなもの、確認をしていく必要がありますということで説明を始めました。手紙の内容はこういう内容になっていますということは、朝から来て午後3時前ぐらいまでに説明を行いました。何回も中断や時間がとれないときがあったものですから、どの程度まで趣旨が伝わっているか、それが遅いのではないかという御批判もございますが、そういう状況でございます。

○照屋守之委員 副知事がやめるという事態にまで立ち入って、その話を中断するとか、しないとか、説明をしていないとか、これは県の行政が壊れるのです。何を差しおいても、22日でこの問題を伝えているので知事はもうおかしいということはわかっているわけですよね。そして、23日に副知事の退職辞令を承認して、24日に一応きちんと説明をすると。こんな県政がありますか。何が優先されるのですか。副知事が辞任するのです。県民はみんなこの問題はどうなっているのかと。新たな事実がありまして、県知事の対応を注視しているのです。こういうおかしいということをわかりながらどうぞあなたやめなさいと。県知事がそういう意思決定をするわけですよね。何なのですか、これは。この文書について、県知事はわかっているのですよね。22日に皆さん方は文書を受けとりましたと。当然あなた方はこのようなことで、これはないということだけで県の教育委員会としてはそういう働きかけがあるということで考えざるを得ませんねと。その程度の報告はしますよね。当たり前の話ではないですか。その程度の報告を行ったわけですよね。

○平敷昭人教育長 この件については知事が24日の午後1時半ごろに囲み取材でお答えになっておりますが、私どもが前日に一報を入れて、翌日に説明に努めて、途中中断もありましたが、24日に知事がおっしゃっているのは、刻一刻といろいろな情報が入ってきている中で、そのようなニュアンスが書いてあったような感じもしますと。ただし、いろいろほかのものをやっていたのでしっかりと報告を受けたいと。そして、プラス4名の調査も教育委員会がやった後に報告をしたいという話もありましたので、それが確かだと言えるようなときではないといった話を答えられていたと理解しております。私どもは第一報でこういう趣旨のものがありますということもありましたし、手紙の趣旨も説明を中断しながらやってはいますが、そういった中でこちらも手紙だけでは何なので、関係者に確認をしてまいりますという話もしたこともありまして、知事もそれを踏まえてからでしか話はできないですねということを考えられたのかと思っております。

○照屋守之委員 ですから、22日に文書を受けとったら、これを一々読み上げるということはやりませんが、これまで県の教育委員会としてはそのような事実はないという認識で、新たにきちんと確認をしましたら働きかけのおそれがあると。これが新たなことですと。そこはきちんと伝えたのですよね。そこを伝えないで何を報告するのですか。

○平敷昭人教育長 22日に知事へ一報を行ったときには、週末の記者会見の聞き取り内容と異なる新たな事案がありますと。そして、中身の説明をするという話、諸見里明前教育長の証言がありまして、中身が異なっていますという話をしましたが、こういうことは電話で受けるわけにはいかないので、翌日説明に来てくださいということで、その場は電話を切られたということでございます。

○照屋守之委員 そこは知事は辞表を受けるといった認識のもとに、恐らく辞表を受理して承認した後に、承認する前にそういう事実がわかったということになれば非常に都合が悪いので、後で報告で知ったということでその前に辞職の承認をしたという形で客観的に見るとなるわけですよね。これは機会があれば知事のそのようなことをやりますが、ただ皆様方がきちんと報告をしているにもかかわらず、こういうことを電話であれ何であれ、先ほど言いましたように幾らいろいろなスケジュールが立て込んでいても、電話だろうが何だろうがきちんと起こっているそのもの自体を翁長知事は把握をして、そうであれば安慶田副知事に対してもう少しこういう説明するものがありますので、辞表を受けとることはできないと。きちんと説明をした上でやりましょうという話ができるわけですが、そこをやっていません。先ほど言いましたように、安慶田副知事というのは、今の県政で辺野古問題のキーパーソンです。そして、予算もそうです。いろいろなプロジェクトも含めて。今まで安慶田副知事がずっとやってきたものが何にも―この問題をどうするのか、誰がその後を引き継ぐのか、そして今の事態をどうするのかと。それもやらずに何の説明もないですし、きちんと教育長が新たな事実が出ていますよということをわかりつつ退職を認めると。そして後は退職をしたのでわかりませんと。こんなことが県政で許されますか。副知事ですよ。今までの大きな責任があります。翁長県政を支えてきたトップです。ですから、県民に対しても責任があります。これが何の説明もなしに弁護士を通じて辞表を出すという話ですよね。安慶田副知事と翁長知事は何十年つき合っていると思いますか。那覇市議時代、那覇市議会の議長、議員で、表も裏も全て知り尽くしている仲です。ですから、こういうことは絶対本来はあり得ないので、ここに非常に大きな問題が潜んでいるのです。教育長は自分たちが認めざるを得ないということをいろいろな聞き取りを行って報道しました。働きかけがあるということが大々的に報道されましたが、その前に安慶田前副知事には確認しましたか。

○平敷昭人教育長 この件については、安慶田前副知事には何ら連絡はとっておりません。要するに、書面が出てきて当時の幹部に確認をしたということであります。

○照屋守之委員 今の説明ですと、安慶田前副知事が新たに弁護士と一緒に会見を行ってこういう事実はなかったと。言葉の言い方で人事異動の介入についても私の表現の違いだからなかったという形で一度説明をしています。ですから、ないという話です。皆様方は、諸見里明前教育長でもないですし、安慶田前副知事でもないですし、今、あなたが教育委員会を仕切っている責任者です。聞き取りをした上でそういう働きかけがあった、なかったというのは―一方の前教育長はそのようにあると言っていて、もう一方の前副知事はどうだったのかということは確認をした上できちんと公に発表するのであって、今、皆様方が発表したものは県民に対して信頼を失っています。片方はないと言っていて、片方はあると。こちらの言い分だけを聞いてあなた方はそうやっているわけですよね。それは当事者であればいいです。しかし、今の平敷教育長は客観的に見れる立場です。安慶田前副知事の立場もよくわかります。なぜ一方的なここの部分だけで無責任にこのように報道を行って、働きかけがあったと言うのですか。どのように責任をとるのですか。

○平敷昭人教育長 24日の記者会見で確かに書面が出てきまして、それを踏まえて否定していた当時の幹部に確認を行って、書面のとおりですということを踏まえて働きかけがあったと考えざるを得ないという見解を述べさせていただいたところでございます。この件について前副知事はこれまで一貫して報道にあるような事実はない旨話をされていましたので、教育委員会としては前教育長の書面と当時の関係者の複数のそれを肯定する証言でもってそういうことがあったと考えざるを得ないといった、こちら側の見解を述べさせていただいたところでございます。

○照屋守之委員 県民が知りたいことは皆様方の見解ではありません。とにかく事実関係だけですよね。これがどういう影響を与えるのかという問題も含めて、働きかけが法的にどういうことなのか、本当にこれがやめるほどのものなのか、認識の違い、立場の違い、そういうことも踏まえてそれぞれの立場できちんと説明をして、安慶田前副知事は自分の立場を説明してやめるという話ですよね。ですから、ここはきちんとこういったことが新たに起こって、皆さん方はそれを持っていて、もちろん内部調査もいいです。もしそれで自信がなければ皆様方が第三者委員会をつくってこういう事実がありますと。私どもも非常に対応に苦慮していまして、ただ公の県の教育委員会としてはここだけの証言を聞いて、これがあったということまではなかなか言いがたいという形で、本来は皆様方が第三者委員会をつくって事実関係を確認するという、その手続が必要だったのではないですか。意味もわからないのにばたばたと全部発表して、いつの間にか辞職して、何が何だかわけがわからない。そして、いつの間にか新しい副知事は誰にしましょうかと。現在の状況をつくったのは教育長ではありませんか。なぜそのように急ぐのですか。なぜ知事にきちんと進言してそういうことをさせないのですか。誰かに早くやりなさいとせかされたのですか。

○平敷昭人教育長 見解を発表する前に、委員会みたいなものを立ち上げて真相究明をやるべきだったのではないかと。急いで結論みたいなことをやるべきではなかったのではないかというお話だと思います。いろいろな段取りに関して御意見はあろうかと思いますが、当時の私どもとしては、20日の時点でのものと全然逆の形になりましたので、書面が出てきたこと自体かなり衝撃を持って受けとめました。内容につきましては書面が出たらしいということもメディアの皆さんも察知されていたような気がいたします。それとこれとは関係はございませんが、そういうことも含めてその事実を早目に―20日の発表した時点とは違う内容になっているものですから、関係者に確認を行って私どもとしてはそういうことがあったと考えざるを得ないという一定の見解を述べさせていただきました。急いで発表することがよかろうということで、そういう形で対応させていただいたところであります。

○照屋守之委員 ですから、その対応が非常に無責任だと言っているのです。もしそのことが現在の教育委員会がいろいろ調査をした結果そういうことであれば、そこは安慶田前副知事もそういう対応をすべきなのです。ところが真っ向から違っていますよね。でしたら、皆さん方は公の立場として、これは時間の問題ではありません。事実関係を明らかにしていくという、そういうところが―マスコミもそうです。県民も、議会もそうです。こういうこともやらないでいきなり自分たちの都合のいいように言って、後で裁判という問題が起こったら、本来ですと安慶田前副知事は県の教育委員会も訴えないといけません。報道機関も訴えないといけません。今は諸見里明前教育長だけ訴えています。そういうものをつくったのは、やはり今の教育委員会も大きな責任があるのではないですか。裁判で皆さん方は向こうと対抗するのです。諸見里明前教育長と一緒になって向こうと戦うのです。これが今まで一緒にやってきた前副知事と教育長、あるいは総務部長。こんなぶざまなことができますか。それをやらないためにきちんと聞き取りを行って、実態はどうなのか、本当にこれが辞職にする案件なのか、不適切なことだったとか、そういうことで済ますことはできないのか、そういうことをやることが客観的なあなたの仕事であり、翁長知事の仕事ではないですか。翁長知事もそういう第三者委員会をつくってやらない、県の教育委員会もやらない。裁判になります、議会でやったら裁判があるので議会には出てこないという―百条委員会とか。そのようなことだけが取り沙汰されて、一体全体この問題が何なのかと。ごく普通にこういうことがありました、立場の違いでこうでしたとか、そういうことがあってしかるべきではないですか。安慶田前副知事は混乱を防ぐということでやっていますが、混乱どころではありません。ますます不透明です。何かあったのではないか、何かあったのではないかという翁長県政に対する疑惑というのがどんどん出てきます。今からでも県の教育委員会できちんと客観的な第三者委員会を立ち上げて事実関係を調べたほうがいいと思いますが、いかがですか。知事ではありません。これは県の教育委員会としての判断です。

○平敷昭人教育長 書面を受けて当時の幹部に確認をしていたところで働きかけがあったと考えざるを得ないという結論に至ったと申し上げました。そういうことで教育委員会としては第三者委員会などによる調査は考えていないと申し上げたことがございます。しかしながら、今、委員がおっしゃっているようなことも踏まえてどのような方法があるかは検討してみたいと思います。

○照屋守之委員 やってください。私は野党の県議会議員ですが、これは与野党の問題ではありません。この程度のことで重職にある副知事がやめて、何の説明もしないと。県知事もやらない、県の教育委員会もやらない、我々議会でやるということで議会でやります。我々の権限というのは限られているので、自分たちでやったことは自分たちの中でしょう。先ほど言ったように、翁長知事、安慶田前副知事、平敷前総務部長、諸見里前教育長の4名は1年間一緒にやったのではないですか。一緒に県政をつくってきたメンバーではないですか。それはそれぞれの立場で表にできない部分もあります。平敷教育長は諸見里明前教育長と会ってこの話をしましたか。直接会ってこの件について話をしていますか。

○平敷昭人教育長 電話ではいろいろ話をしました。

○照屋守之委員 今の沖縄県政は何なのですか。先ほど言ったように、前の総務部長は今の教育長です。そして、諸見里さんは前の教育長ですよね。公にこうなりましたが、いろいろ大変でしたねと。私も後任の教育長で大変なことになっていますと。いろいろ抱えていますが、一体全体根本的には何なのですかと。なぜこのような事態にまで陥っているのですかと。直接会ってそういうことぐらいは確認しないのですか。今の教育長が前教育長にこのような文書まであって、辞職の問題まであって、裁判まであって、直接お話はせずに電話だけと。皆さん方のやり方というのは何なのですか。我々は県民の代表です。我々はきちんと説明をしないといけません。このようなこともやっていないと我々は県民に言えますか。違うと思います、裏ではいろいろやっていると思いますよとしか思いません。今、会っていないということですが、なぜ会わないのですか。

○平敷昭人教育長 書面を出す話になったころから電話のやりとりがございました。その紙面に私が記者会見で説明した内容とは違うという趣旨の記事が載っていましたので、これはどなたがということはありませんでしたが、諸見里前教育長に連絡をとろうということをやっていましたら、前教育長はその日はたしか県外に出張をされていまして、なかなか電話もつながらなかった状態であります。これがつながったのが21日の8時前、7時半過ぎぐらいだったと思いますが、そういう記事が載っているのですがどういうことですかということでやりとりをした中で、18日の調査ではあのように答えたけれども、少し考えが変わってきましたということもありまして、その辺は少し整理して何らかの形で伝えたいと考えていますという話がありました。そういうこともありまして、いろいろ統括監にもその辺の連絡方法とか、やりとりを相談してもらえませんかということでお願いをして、22日に書面が出てくることになりました。書面が出てきてからも前教育長からは電話等はいただきました。騒ぎにもなっていますので、なかなか一緒にお会いするということも状況的にはやりにくいというところもあったかと思います。それで電話等のやりとりで書面の趣旨や今回こういうことで出すことになり騒がしているけれども、この中身はそういうことですので、それを踏まえて適切に対応いただけないかという話がございましたので、関係者に出向いて行って確認等も行わせていただいたところであります。その当日、前教育長は今の学校で入試などいろいろありましたので、なかなか表だってやりとりができないということで、職員を介して手紙をこちらに託していただいて電話等でやりとりをさせていただいたところでございます。

○照屋守之委員 安慶田前副知事とも会っていないですよね。それはどうですか。

○平敷昭人教育長 私もお会いはしていません。

○照屋守之委員 平敷教育長宛てに諸見里前教育長が出している文書の冒頭のくだりを読んでいますと、例えばあのような報道があって、それを安慶田前副知事がそういう形で正面から説明するという形でやっていれば恐らくこの文書は出てこないわけですよね。そして、完全に否定とか、知事も事実ではないということで報道されているものですから、これが出てきているわけです。県執行部内部のいろいろな意見交換やそのような働きかけなどという話、これが出てくるというそのもの自体に非常に不思議に思っていまして、これはどの組織でもそうですが、例えばお互いの中身で確認すること―これは法的な形で、特に違法行為だということになるとそれはできませんが、多少そういうものというのはいろいろな組織は持っていると思います。それがこういう形で表に出てくるということはよほどのことだと思います。ですから、私は前教育長にきちんと事前に確認してからも当事者同士ではできないので、第三者が確認を行った上で、またこちらも確認を行って、県庁としてある程度おさめていくという働きかけをする人間がいないのでこうなっていると思っています。ですから、向こうの立場はこう、こちらはこうですねと。では、これはどういう形で調整しますか、折り合いをつけますかということになって、県民に対しても説明できるということができれば、この問題はおさまる、つまり副知事はやめなくてもそのままできたと思っております。先ほどから言っていますように、与党、野党の問題ではなく、非常に大事な時期です。辺野古も再開されまして、今度は2月、3月議会、そして人事も予算もありまして、いろいろな事業のチェックもあるという中で失いがたい存在といいながら、そこを知事も認めるというところがどうしても理解できなくて、改めてもう一度確認しますが、教育委員会できちんと第三者委員会をつくってやりましょう。裁判は裁判でいいのですが、事実関係はどうだったのかと。これが具体的にどのように問題なのかというところなのです。ですから、諸見里前教育長もきちんと説明をして、こういうことはやっていないと断言していますよね。人事異動についてもやっていない、採点の関係でそういう採用もできない、事実としてないと。ですから、そういう分についてのそういう声かけについてどうなのかということをやはり整理しないといけないわけです。これは非常に不思議です。なぜこれでやめるのかという話です。ですから、これではやめていないと思うので、何か別のこともあるのだろうとしか勘ぐることができないわけです。これでしたら裁判があるので、裁判で恐らく証拠はどうだと、皆さん方も証人として行くということをやるわけですが、やはり客観的に検証をしましょう。きちんと客観的にやりますと、立場の違いとか、見解の違いが出てくるのです。それを示すとどういうことなのかということが明らかになるわけです。このまま裁判だけでいくのはだめです。やはり当事者として教育委員会が第三者委員会をつくって、いま一度検証をすると。そして、これはどういう問題がある、これはどういう問題がある、これはどういう疑いがあるというところまでやって、実際はどうなのかと。これが本当にそこまでいくのか、そうでないのか。これは余りそぐわないけれども不適切だったということで済むのか、そうでないのかという。そういうところまである程度検証できるのではないですか。後は司法の判断です。第三者委員会をつくってやるということについてはいかがですか。

○平敷昭人教育長 この案件に関しましては、書面の状況を踏まえて働きかけがあったと考えざるを得ないという見解を私どもは出したわけですが、おっしゃっているような第三者委員会というのかわかりませんが、どのような方法が適切か、それも含めて検討したいと思います。

○照屋守之委員 働きかけという事実があって、その可能性があるという見解ですよね。ですから、この働きかけそのもの自体がどういう問題があるのかというところまで県の教育委員会は突き詰めないといけないのです。そういうことなので問題だと言わないと、ただ声かけがあった、働きかけがあった、こういう事実があっただけで県の教育委員会としてそういう判断をしてはいけません。こういうことがあって、こういうことに影響があった、ある可能性があるということである程度のそういう見解を示さないと、声かけがあった、働きかけがあったと言いましたら、皆さん方は仕事なんてできないと思います。毎日がその連続ですよね。

○平敷昭人教育長 働きかけに何の問題があるかという趣旨になろうかと思いますが、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の中で、教育委員会の所管に属する職員の人事は教育委員会の職務権限となっているということで、働きかけがあるとその権限を侵すことになるのではないかということがございます。また、当然、教員採用試験につきましては、公平・公正に行われないといけませんので、それについて試験の結果を左右するようなことがあってはならないと。実際、その影響はされていないということでございますが、働きかけがあってはならないと。働きかけ自体がもしあれば問題ではないかということで、他県でもそういう働きかけを防ぐための要綱や仕組みをつくっているところもございますので、私どももそれを研究しながらつくってまいりたいと考えているところであります。

○照屋守之委員 今の教育委員会の対応について、22日にそのようなことがわかりつつ、知事にも報告をしつつ、その次の日に辞職の承認をするという、こういう一連のところは非常に不可解です。さらには、県の教育委員会そのもの自体が意思を決定するときに前教育長にも会わない、あるいは一方の前副知事にも会わない、一方的な言い分だけでやって、結局はそれが後々裁判闘争にもなるということを考えていきますと、やはりそのときどきの県の教育委員会あるいは県もそうですが、こういうトラブルがあったときの対応について非常にお粗末な対応だと。これは逆に、県政を混乱させないという趣旨で安慶田前副知事は身を引くわけですが、逆にそのこと自体、またそれを許した今の翁長県政も逆にまた新たな混乱が生じているということになりまして、議会にいる者としても非常に残念な思いがあります。きょうはこれで終わりますが、逆に前副知事からこのもの自体作り話だという言い方をしているということもありまして、これは後ほどお取り計らいをいただいて、諸見里前教育長にも文教厚生委員会で参考人としてお話を伺いするような、そういう機会をぜひつくっていただきたいということを要望して終わります。

○平敷昭人教育長 委員から前教育長に会っていないということで御指摘を受けましたが、私は確かにお会いしておりませんが、書面を受けて確認という意味では統括監で分担して実際お会いしてはいます。私本人が会ってはいないということではございますが、統括監で書面の中身を踏まえて面談を行って、内容を聞いているということはございますので、教育委員会として会ってはいないということではないということだけは御理解願いたいと思います。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 こういう問題が起こったということは大変遺憾なのですが、なぜかといいますと、沖縄の教員採用の問題が全国と比べて2倍近く倍率が高いという状況があるわけですよね。教師になりたいという皆さんが一生懸命勉強をして頑張っているところにこういう問題が出たというところが二度と起こしてはならないということになると思いますが、最初にお尋ねしたいのは、結果として採用が公平・公正に行われたと。ここが大事だと思っていまして、ここをもう一度確認したいです。

○平敷昭人教育長 これまでも記者会見等でそういう質問もありましたので、説明をさせていただいておりますが、試験につきましては、試験の結果の点数というものを―一次試験のペーパーテストや面接、実技がありますが、試験では受験番号と氏名を伏せた状態で最後の合否の決定の際には受験番号ではなく、得点順に並べ直しています。しかも複数の担当者がチェックをしていると。面接も当日にしかわからないという形になっておりまして、3名で行います。点数をつけた者も誰の点数かわからない状態にして合否の線を引きますので、特定の受験者を引き上げるという形はできないと考えております。ですから、そういう試験結果については働きかけが仮にあったとしても影響を受けないということになっておりますので、公平・公正に結果は反映されていると考えております。

○西銘純恵委員 恣意的な操作を行うことができないというのが、そういう仕組みということでよろしいですか。

○平敷昭人教育長 そのように考えております。

○西銘純恵委員 前教育長が学校人事課にはこの件は一切知らせていないということを書いております。それで相談したのは統括監とかということで書いてありますが、学校人事課というのは採用試験の関係ではどういった立場なのでしょうか。

○新垣健一学校人事課長 私どもは、教員候補者選考試験の事務局を預かっているところでございます。

○西銘純恵委員 ということは、事務局にそういう話を教育長は受けたけれども、一切何らかの働きかけをしなかったのでという意味で受けとってよろしいですか。

○新垣健一学校人事課長 その当時、前教育長から私どもへ、そういった指示等はございませんでした。

○西銘純恵委員 公平・公正に行われたということで、今度の受験生にとってこの問題については安堵したということになるのかと思っております。経過ですが、手紙を受けとって事実の確認をするということで、関係する統括監5人の職場へ出向いて行って聞き取りをしたと。そうしますと、前教育長が言っている働きかけがあったということが、聞き取りの中で働きかけがあったという―全員ではないけれども、一人でもそういうことがあったということで最後の結論に至っているのかと思いますが、そこも少し説明をいただけますか。

○平敷昭人教育長 委員のおっしゃるとおり、当初、18日、19日の確認の段階ではそのようなことはないというお話をされていましたが、その後、記事も踏まえてやはりということで前教育長から考えが変わりましたということで書面を出してきたということがありまして、その書面が表に出たということも踏まえて、それを両統括監で去年の幹部の皆さん―前教育長も含めて5名ですが、職場等に出向いて行って、書面に書かれていることがどうなのかということを逐一確認して、採用試験に関しましては担当の幹部についてしか話はなかった、ほかの方はかかわっていないわけですので、その方がそのようなことがあったということを18日、19日のときの話とは逆のことを確かにそのとおりだったということでおっしゃったと。人事に関しましては、複数の方が相談を受けたり、聞いたりしているということがありまして、そういうことがあったということでお話をされたということで、こちらとしては働きかけがあったと考えざるを得ないということを見解として24日に申し上げたところであります。

○西銘純恵委員 調査のあり方として、両方から聞いて一致したということになったので、先ほど安慶田前副知事に聞き取りしなかったということを聞いていましたが、もしそこで違いがあったときに一般的には安慶田前副知事にも聞いていくのかと思いました。その時点で調査そのものは結果が出された、働きかけがあったと考えざるを得ないということが出たので、これで教育長としてこの調査について、教育庁としてとるべき調査ということで考えたのかと思いましたが、いかがですか。

○平敷昭人教育長 教育庁としてはそういう形で前教育長と関係者に確認をして、そういう証言等もあったものですから、教育庁としてはそれで考えざるを得ないという見解を発表して、こちらで取り得るものはこれだけかということで記者会見で発表させていただいたところでございます。

○西銘純恵委員 今でも恣意的な操作を行うことができない仕組みになっているけれども、そういう働きかけがあったということで改めて不当な働きかけを受けられない仕組みをつくるということについて、例えば今回は前教育長がそこでとどめたからよかったものの、そうではないこともあり得るということが想定されたのか、されるのかということも含めてお尋ねします。

○平敷昭人教育長 仮に前教育長が動かそうとした場合、それは不可能だと考えております。選考委員会の中で、全職員が組織立って行えばわかりませんが、そういうことはあり得ませんので、その点数順に並んでいる者をこの人はこちらに上げなさいということはできないと考えております。ですから、これは不可能だと考えております。働きかけを防止する件ですが、これについては今、想定されているのは、そのような働きかけがあった場合に、例えばその事実を記録して公表しますと要綱等に明記をして、不当な働きかけの撤回を促すとか、撤回しない場合には働きかけの内容を記録して原則公開されますとか、教育長は教育委員会へその内容を報告しますとか、これはまだ固まっていませんが、そういうことを明記した仕組みをつくりまして、逆に言いますと働きかけをする方というのは本人ではなく、いろいろな方からお願いされるかもしれません。そういうものを抑制するという形としてこういう仕組みがありますということを公にすることにより、このようなことが防げるような形になるのではないかと考えております。これはほかの県の仕組みを参考にしながら、一定の効果を期待しているところでありますので、そういうものをできるだけ早目につくって公にしたいと考えております。

○西銘純恵委員 やはり、地位を利用した働きかけをどのように防止していくかということがこれを機会に県政の課題になると思いますので、これは議会の我々のほうでも議論したいと思います。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 亀濱玲子委員。

○亀濱玲子委員 今の西銘委員とも関連しますが、教育長がお読みになった恣意的な操作を行うことができない仕組みというのは、結果影響を受けていないというようなことだということですが、前教育長のお手紙からしますと、前副知事に受験番号や何やらを渡された後に、幹部A、幹部Bに相談した結果、こんなことは絶対にできないという同意だったと。「こんなことは絶対にできない」という内容について、これは依頼についてできないという意味で文書から読むと読み解けるわけですが、もう一つの関係者から、どう断るかが内部で問題になったと聞き取りや新聞報道からあったりしますが、前教育長の「こんなことは絶対にできない」というのは依頼を受けることはできないと解釈するのか、それとも教育長がおっしゃるように受けることができないシステムになっていて、そういうことで書かれているのかがわかりませんが、これは教育委員会としてはどのように読み取っていますか。

○平敷昭人教育長 書面の趣旨はそういう依頼を受けて動かすことはできないという趣旨だと理解しております。要するに、こういう依頼を受けて試験結果を左右することはやってはいけないという趣旨だと考えております。ただ、教育委員会として前教育長とは考えもしましたし、仕組み上もそれをひっくり返したりするということはほかの職員も監視して、複数の目でチェックもして、しかも集計をして合否のラインが引かれた後で特定の人を上に上げることはできないという仕組み上もあると考えております。その書面の趣旨はそういうことをやってはいけないという趣旨かと思っております。それはこちらの考えですが……。

○亀濱玲子委員 そうであるなら、前教育長は幹部に相談するまでもなく、これは受けられないということはあらかじめわかっていることですよね。

○平敷昭人教育長 当時の具体的な状況はわかりませんので、どのように対応すべきなのか、いろいろ迷われたのかもしれませんし、具体的な状況の部分―その場で断ることもできたかもしれませんが、当時は持ち帰って相談されたのだと思います。

○亀濱玲子委員 皆さんが職員の方4名ほどに聞き取りをされたときに、認識されている方で少しずつ答えが違っていますが、聞き取りの中で―今、マスコミでも関係者の一人がどう断るかが内部で問題になったと。いわゆる、人事に介入しているというよりも、このことをどう断るかということが皆さんが関係者に行った聞き取りの中でそういうことを聞き取られておりますか。

○宜野座葵教育管理統括監 ただいまの質疑の件に関しては、私どももそういう趣旨の質問をしていませんので、そういうことの回答も得ていないという状況でございます。補足しますが、確認の際には、やはり口頭だけで説明をしても先方も意味が理解できないものですから、書面をまず見せてじっくり読んでいただいて、その書面の内容について理解した上で我々は幾つかの質問をさせていただいたということですので、ただいまの質疑のあった件については、私どもは質問をしていないという状況です。

○亀濱玲子委員 皆さんの記者会見でそのような関与があったと認めざるを得ないと答えてあるので、前教育長の文書から何を訴えたいと読み解くのかということを教育委員会がこれをどのように判断されて記者会見に臨んだのかということが少し気になりましたので、質疑しました。
 もう一点、こういう実態を真相究明しようと思いますと、こちら側の言い分も―今、副知事は絶対関与はしていないと否定されているわけですので、両方の言い分を聞かないと本当は真相究明にはなかなか至らないと思います。ですが、例えば教育委員会の制度として―先ほど法律の話をされていて、前副知事にもお会いして聞いていないということをおっしゃっていましたが、それは何か制度上のことがあってですか。

○平敷昭人教育長 制度上の制約があってそういうことをしていないということではありません。

○狩俣信子委員長 質疑はありませんか。
 比嘉京子委員。

○比嘉京子委員 まず事実確認をさせていただく前に、今回、報道がなされて問題が発覚しているわけですが、その報道について教育長として問題点といいますか、何がどう問題なのかという御理解でいらっしゃるのでしょうか。

○平敷昭人教育長 まず最初、18日にあったのは職員の採用試験について特定の人を合格させるようにという働きかけがあったと。もう一つは、人事異動について働きかけがあったと。試験については公平・公正に行わなければいけないものですが、結果的に影響は及ぼしていないということではありますが、そういう働きかけをするということは試験の公平・公正を揺るがすようなことになるということがまず1つ。人事に関しては教育委員会の権限事項ではありますので、それについて影響を及ぼすことがあってはならないということがあろうかと思います。

○比嘉京子委員 やはり、教員候補者選考試験における介入と人事の介入、いわゆる前教育長のお手紙にもありますように、教育の独立性または教育の政治的介入ということから防ぐという意味で今回の問題が取り沙汰されているのだろうと思って、それを前提に質疑をしたいと思います。
 まず最初に、報道があった後に前教育長とはなかなか連絡がとれなかったと。18日、19日の時点で、最初の連絡は誰がどのようにいつとったのでしょうか。

○與那嶺善道教育指導統括監 18日、19日の報道を受けて、前教育長も含めて電話確認をしております。その時点では新聞報道にあったような前副知事の教員試験等の働きかけはないという回答をいただきました。連絡がとれなかったという先ほどの部分に関しては、21日の報道を受けての確認といいますか、そういう部分をやろうとしたときに、前教育長は県外出張でございまして、そこら辺の部分で連絡がとれたのは午後7時半ごろでございました。

○比嘉京子委員 前教育長と通じたのは18日ですか、19日ですか。

○與那嶺善道教育指導統括監 18日、19日の両方とも連絡はついておりますが、実際に各社の記者会見を受けて21日に連絡をしようとしたらなかなか連絡がとれなかったということでございます。

○比嘉京子委員 先ほど教育長から1月21日に事実を伝えたいという申し出があったという報告がありましたが、それはどのような形でいつごろだったのでしょうか。電話ででしょうか。

○與那嶺善道教育指導統括監 21日の午後7時半ごろにやっと連絡がとれまして、その旨教育長につないだところ、平敷教育長と前教育長の間で前教育長から申し出があったということでございます。

○比嘉京子委員 書面のサインを見ますと1月22日になっていますが、それは直接手渡しにいらしたのか、どのような経由で届けられたのでしょうか。

○與那嶺善道教育指導統括監 21日まで前教育長は県外に出張されていて、帰ってきた直後でございまして、連絡がとれたのが午後7時半ごろでございます。その後、どういった形で事実を伝えたいかということをお聞きしますと、書面か何かで伝えたいということで、その日はお疲れのようでしたので、あした、段取りをしましょうということで、22日の日曜日は私も公務でございまして、前教育長も入試業務がございました。それでこちらから職員を派遣して書面を受け取りまして、その書面が私のところに届いたのは午後でございます。

○比嘉京子委員 書面の22日のサインですが、その日のうちに直接職員がとりに伺って、その日のうちに皆さんの手に渡ったと考えていいということですよね。

○與那嶺善道教育指導統括監 そのとおりでございますが、先ほど申し上げたように、届いたのが午後で、実際にはきちんと封がされておりましたので、私が見たのは夕方ごろになります。

○比嘉京子委員 教員候補者選考試験のことについて、前教育長のお手紙の中に前副知事からのメモがありまして、幹部Aと幹部Bに相談をしたというくだりがあるわけですが、皆さんの検証では幹部Aと幹部B、幹部Cにもそういう事実があったのかということの確認はされたのでしょうか。

○與那嶺善道教育指導統括監 幹部A、幹部Bに関しても、前教育長は特定の氏名とかそういう部分は明かすことはしないということを確認しておりますので、対象者といいますか、そういう部分に関しては確認はしておりません。また私たちも把握しておりません。

○平敷昭人教育長 書面の中のA、Bという方が具体的に誰かということは、前教育長は明かさないということですが、私どもは18日、19日で電話確認を行った皆さん、要するに教育長以外の統括監と参事―教育長以外に4名いらっしゃいますので、その皆さんに確認をしたということでございます。この書面での幹部Aがどの統括監かということまでは特定はしておりませんが、その中に含まれているであろう幹部の皆さんに聞いたということであります。

○比嘉京子委員 同じように人事のくだりでも幹部Aと幹部Bを呼んで相談をしたというくだりがありますが、特定はできないけれども、例えばこの文書がそうなのか、どうなのかという確認という作業がこれから必要になると思います。真実は何かというときに、やはり書かれたところで誰が文書の裏打ちをするのかと、そういうことをやっていかないと文書の信憑性、どのように誰が裏打ちをするのかという問題が起こるのではないかと思います。ですから、人事の面でも幹部Aと幹部Bという特定はわからない中で予想される方々に確認をしたら、そのうちの1人に聞き覚えがあるとか何とかということがあったというような、先ほどの説明はそこになるのでしょうか。

○平敷昭人教育長 前教育長含めて5名の方ですが、採用試験に関しましては、採用試験にかかわっている幹部の方がそういう書面の内容を肯定したと。要するに、そのとおりのことがあったということをおっしゃったということであります。あと、人事に関しましては、幹部の中の3名―教育長以外に4名の方がおりますが、その中の3名の方からそういう話が確かにありましたと。この書面の中身のとおりですということをおっしゃったということであります。ただ、それを言った方が具体的にどの方かと皆さんに確認をしたときに名前を明かしますという話は了解ももらっていませんし、今、訴訟の話も出ていますので、この辺は私どもも具体的にどの方がということは控えたいという考えているところでございます。

○比嘉京子委員 事実確認は以上にしまして、教育庁の人事に関して、首長の任命責任ということが新制度と旧制度の―いつまでが旧制度で、いつから新制度で、恐らく前教育長はそのはざまでいらしたのかと思いますが、新制度と旧制度の変更についてお聞かせ願いますか。

○平敷昭人教育長 新制度は、法律上は平成27年4月1日から新制度になりますが、経過措置がございまして、旧制度の教育長が在任中は旧制度がそのまま適用されるということになっております。旧制度の教育長が在任中は旧制度のまま継続するということで、私は平成28年4月に就任しましたので、そのときから新制度の適用になるという形になります。

○比嘉京子委員 任期の年数と旧制度の移行措置も含めて、新制度は現時点で去年の4月1日からですよね。旧制度は前年に改定されて本来なら移行中、措置中、経過措置の間で、旧制度をやっている場合にはそのまま旧制度でいくと。本来なら、前教育長は旧制度のままそのまま踏襲すると、いつまで任期はあったのでしょうか。

○平敷昭人教育長 丸3年目で辞職されていまして、通常ですとあと1年残しておりました。ですから、私が就任して1年―3月までですが、そこまでは丸4年間、旧制度は4年間が任期ですので、そこまで満期勤めますと今年度いっぱいという形になろうかと思います。

○比嘉京子委員 旧制度がそのまま持続されていれば、ことしの3月中の任期があったという理解でいいですか。

○平敷昭人教育長 そのとおりでございます。

○比嘉京子委員 旧制度と新制度の任命権者というのはどのように変化したのでしょうか。

○平敷昭人教育長 旧制度は、教育委員という形で提案しまして、議会で教育委員として同意をいただくと。そして、教育委員の中で互選によって教育長、教育委員長という形で整理をしていくという仕組みになっていたと思います。新制度は、教育長という形で知事が議案を提案しまして、議会の同意を得るという形で、教育長と委員長を兼ねているような形になっています。要するに、教育長という特定をした形で議会に提案をするという形に変わっているということになります。

○比嘉京子委員 新制度においては、首長が教育長の任命権者になると。旧制度においては、教育委員が互選でその中から選ぶという制度だったわけですよね。そうしますと、途中でこのように新制度に切りかわるということは他府県でも多々あることなのでしょうか。

○平敷昭人教育長 今、具体的な例は持っておりませんが、満期まで務める例もありますし、途中で慣例的に2年ぐらいのローテーションでかわっている例もございますので、制度的には任期を残して新制度に移った例はあり得るかと思います。今はデータを持っていませんが、これまでの教育長の例としては、大体2年ぐらいでかわっていましたが、前教育長は3年間勤められて1年残した形で辞職されて、私に話が来たということになります。

○比嘉京子委員 教育行政における政治的な介入といいますか、人事権の介入ということがとても問われる今回の事案だと思いますが、教育長は今、知事の任命だと。その教育庁内部の人事権については介入等はあるのでしょうか。

○平敷昭人教育長 人事介入という形はないとお答えしておりますが、教育委員会と知事部との人事交流はございますので、そういう意味で何らかの介入はございます。そういう意味で、教育委員会の幹部職員の人事に関しては、教育委員会の会議に諮って決定することになっておりますので、そこで適切に決定していると理解しております。

○比嘉京子委員 前教育長の文書で言いますと2点目になりますが、今回の人事的な介入については、あってはならないというような介入の事案だという認識になろうかと思いますが、それでよろしいですか。

○平敷昭人教育長 前教育長の書面で特定の人をどのポストにという話があったとおっしゃっていまして、それにはよらない形の人事をされているということでおっしゃっています。教育委員会の独立性という意味では、介入というのはあってはならないことだと考えております。

○比嘉京子委員 最後に、今、皆さんがそういう介入はなかったという発表の後に記者会見を25日に開かれて、口ききや人事介入があったとする文書を公表した上でそういうことは言わざるを得ないというようなコメントを裏打ちする―先ほど、幹部A、幹部Bということをお聞きしましたが、裏打ちする材料というものは皆さんの中では確証を持っておられると理解していいのでしょうか。そうでないと1人の文書で翻すことはできないと思います。

○平敷昭人教育長 前教育長から書面が提出されまして、選考試験については担当官が裏づけ、証言をされているということですが、人事異動については複数の幹部がそういう働きかけを肯定する証言をしているということ等も踏まえて、働きかけがあったと考えざるを得ないという結論に達しましたが、前副知事のほうは介入というよりはいろいろ紹介された人を伝えたということをおっしゃっています。前教育長と前幹部の複数の方がそういう話があったとおっしゃっているので、働きかけがあったと考えざるを得ないと私どもは一つの見解を述べさせていただいたところであります。

○比嘉京子委員 先ほど自民党の皆さんから、前教育長を参考人招致でというお話がございました。これは与野党かかわりなく、やはり真相究明というのは県民に対してもやるべきであろうということを我々も考えています。やはり、一方からだけの意見を聞くということだけでは真相というものはつかめないだろうと思います。そのために、前副知事も参考人として両論を我々を聞く必要があるのではないかと思いますので、ぜひ委員長におかれましてはそこのお取り計らいもお願いをしたいと思います。両論をまず前提としてお呼びしたいと、私からお願いをしたいと思います。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 瑞慶覧功委員。

○瑞慶覧功委員 この疑惑の経緯と対応についてのまとめの部分で、「今後、不当な働きかけを受けた場合の取り扱いを定める要綱を整備するなど」とありますが、これは具体的にどういった事例がありますか。

○平敷昭人教育長 今、ほかの県の事例を参考に検討しているところですが、不当な働きかけを行う相手方といいますか、その働きかけを防ぐ対象業務というものを定めまして、そういう働きかけがあったときにその働きかけの撤回をまず促すと。また撤回をしない場合に不当な働きかけの内容を記録して、原則公開されますという旨の説明をすると。教育長は教育委員会にその内容を報告すると。後は、不当な働きかけに係る内容や件数等について、ホームページ等で毎年公表することなどを定める内容に他県ではなっておりますが、このようなものも参考に―年度内と申し上げておりますが、取り扱い要綱と呼ぶのかどうか、そういうものを定めてまいりたいと考えております。

○瑞慶覧功委員 県民が望んでいることは、原因究明もさることながら、二度とこのようなことが起こらないようにすることだと思います。ですから、そこのところを徹底して、そういった口ききといいますか、そのような防止条例に向けてしっかりと取り組んでいただきたいと思います。

○狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○狩俣信子委員長 質疑なしと認めます。
以上で、質疑を終結いたします。
 説明員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 休憩いたします。

   (休憩中に、執行部退席)

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 参考人招致についてを議題に追加するかどうか休憩中に御協議願います。
 意見の一致を見たときは、本件を議題に追加し、諮ることといたします。
 休憩いたします。

   (休憩中に、議題の追加について協議を行った結果、意見の一致を見た。)

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 参考人招致については、休憩中に御協議いたしましたとおり、議題に追加し、直ちに審査を行いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○狩俣信子委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 次に、参考人招致についてを議題といたします。
 本委員会所管事務調査事項教育及び学術文化についてに係る沖縄県公立学校教員候補者選考試験等についての審査のため、参考人の出席を求めるかどうかについて、休憩中に御協議をお願いいたします。
 休憩いたします。

   (休憩中に、参考人の出席を求めることについて協議を行った結果、意見の一致を見た。)

○狩俣信子委員長 再開いたします。
 お諮りいたします。
 本委員会所管事務調査事項教育及び学術文化についてに係る沖縄県公立学校教員候補者選考試験等について、本委員会に諸見里明前教育長及び安慶田光男前副知事を参考人として出席を求め意見を聞くことについては、休憩中に御協議いたしましたとおり決することとし、その日程及び人選については委員長に御一任願いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○狩俣信子委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 以上で、本日の議題は全て終了いたしました。
 本日の委員会は、これをもって散会いたします。






沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。

   委 員 長  狩 俣 信 子