委員会記録・調査報告等

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文教厚生委員会記録
 
平成28年 第 1定例会

4
 



開会の日時

年月日平成28年3月10日 曜日
開会午前 10 時 3
散会午後 4 時 47

場所


第7委員会室


議題


1 甲第1号議案 平成28年度沖縄県一般会計予算(保健医療部所管分)
2 甲第21号議案 平成28年度沖縄県病院事業会計予算                 
3 予算調査報告書記載内容等について


出席委員

委 員 長 呉 屋   宏 君
副委員長 狩 俣 信 子 さん
委  員 又 吉 清 義 君
委  員 島 袋   大 君
委  員 照 屋 守 之 君
委  員 新 田 宜 明 君
委  員 赤 嶺   昇 君
委  員 糸 洲 朝 則 君
委  員 西 銘 純 恵 さん
委  員 比 嘉 京 子 さん
委  員 嶺 井   光 君


欠席委員

なし


説明のため出席した者の職・氏名

保健医療部長        仲 本 朝 久 君 
 保健衛生統括監      国 吉 秀 樹 君 
 参事兼病院事業局参事   阿 部 義 則 君 
 保健医療政策課長     大 城 直 人 君 
 健康長寿課長       糸 数   公 君 
 生活衛生課長       與那原 良 克 君 
病院事業局長        伊 江 朝 次 君 
 病院事業統括監      田 中 建 治 君 
 県立病院課長       津嘉山 朝 雄 君 
 県立病院課経営企画監   真栄城   守 君 
 県立病院課医療企画監   篠 﨑 裕 子 さん
 県立病院課看護企画監   平 良 孝 美 さん
 県立病院課副参事     幸 喜   敦 君 
 北部病院長        仲 間   司 君 
 中部病院副院長      新 垣 義 孝 君 
 南部医療センター・
 こども医療センター院長  我那覇   仁 君 
 精和病院長        伊 波 久 光 君 
 宮古病院長        上 原 哲 夫 君 
 八重山病院長       依 光 たみ枝 さん



○呉屋宏委員長 ただいまから、文教厚生委員会を開会いたします。
 本委員会の所管事務に係る予算事項の調査についてに係る甲第1号議案、甲第21号議案及び予算調査報告書記載内容等についてを一括して議題といたします。
 本日の説明員として、保健医療部長、病院事業局長及び各県立病院長の出席を求めております。
 なお、本日は、中部病院長が体調不良により欠席しておりますので、副院長が代理出席しております。
 まず初めに、保健医療部長から保健医療部関係予算の概要説明を求めます。
 仲本朝久保健医療部長。

○仲本朝久保健医療部長 保健医療部所管の平成28年度一般会計歳入歳出予算の概要について、お手元にお配りしてあります平成28年度当初予算説明資料に基づき御説明いたします。
 説明資料の1ページをお開きください。
 表の一番下、合計欄をごらんください。
 平成28年度一般会計歳出予算の総額は、7541億5600万円、そのうち保健医療部の予算額は、647億1584万円で、全体の8.6%の構成比となっております。
 2ページをお開きください。
 一般会計歳入予算について御説明いたします。
 表の一番下、平成28年度一般会計歳入予算の合計7541億5600万円のうち、保健医療部所管の歳入合計は、121億3443万8000円で、全体の1.6%となっております。
 前年度当初予算額と比較しますと27億6133万5000円、18.5%の減となっております。
 歳入予算の主な内容について、各款ごとに御説明いたします。
 9の使用料及び手数料4億9721万4000円は、県立看護大学の授業料などであります。
 前年度と比較しますと373万6000円、0.7%の減となっております。
 10の国庫支出金97億8473万4000円は、精神障害者自立支援医療費や沖縄振興特別推進交付金等となっております。
 前年度と比較しますと7億2246万6000円、6.9%の減となっており、これは主に医療施設等施設整備費の減などによるものであります。
 11の財産収入1632万5000円は、沖縄県健康づくり財団への土地貸付料などであります。
 前年度と比較しますと279万1000円、20.6%の増となっております。
 13の繰入金15億7737万8000円は、沖縄県地域医療介護総合確保基金などからの一般会計への繰り入れであります。
 前年度と比較しますと2億8628万1000円、15.4%の減となっております。
 これは主に、沖縄県地域医療再生臨時特例基金が終了することに伴う繰入金の減などによるものであります。
 15の諸収入2億5876万7000円は、県立病院貸付金元利収入などであります。
 前年度と比較しますと472万7000円、1.9%の増となっております。
 以上で、歳入予算についての概要説明を終わります。
 3ページをお開きください。
 続きまして、一般会計歳出予算の概要について御説明いたします。
 表の一番下、保健医療部の平成28年度歳出予算額は647億1584万円で、前年度と比較しますと37億4509万6000円、5.5%の減となっております。
 歳出予算の主な内容について、各款ごとに御説明いたします。
 3の民生費は336億7348万8000円で、前年度と比較しますと7億2265万3000円、2.1%の減となっており、これは主に、国民健康保険負担金(補助金)等事業費の負担金及び交付金の減によるものとなっております。
 民生費の主な内容は、一番右の説明(主な内訳)欄に記載しております事項で説明しますと、後期高齢者医療制度の運営等に要する経費である後期高齢者医療負担金等事業費が135億6026万8000円、国民健康保険基盤安定負担金や県調整交付金に要する経費等である国民健康保険指導費が199億9395万1000円となっております。
 4の衛生費は301億8549万5000円で、前年度と比較しますと30億2623万5000円、9.1%の減となっており、これは主に衛生環境研究所施設整備事業の終了や難病医療費等対策事業費の減などによるものであります。
 衛生費の主な内容は、精神障害者に対する医療扶助などに要する経費である精神医療費が81億9835万2000円、難病医療費等対策事業に要する経費である特定疾患対策費が20億3396万2000円、医学臨床研修事業費が、20億8139万9000円、県立病院繰出金が58億9978万8000円となっております。
 10の教育費は8億5685万7000円で、前年度と比較しますと379万2000円、0.4%の増となっております。
 教育費の主な内容は、看護大学教職員給与費が、5億7036万1000円。看護大学運営費が、1億5550万6000円となっております。
 以上で、保健医療部所管の一般会計歳入歳出予算の概要説明を終わります。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

○呉屋宏委員長 保健医療部長の説明は終わりました。
 次に、病院事業局長から病院事業局関係予算の概要説明を求めます。
 伊江朝次病院事業局長。

○伊江朝次病院事業局長 病院事業局所管の甲第21号議案平成28年度沖縄県病院事業会計予算について御説明申し上げます。
 平成28年第1回沖縄県議会(定例会)議案(その1)の59ページをお開きください。
 平成28年度沖縄県病院事業会計の予算につきましては、持続的な経営の健全化を達成するため、各病院の経営力の向上を図ること、収益の向上につながる取り組みを強化すること、費用の縮減と効率化を推進すること等を基本方針として編成しております。
 それでは、議案の概要について御説明いたします。
 まず初めに、第2条の業務の予定量について、病床数は県立の6病院合計で2188床としております。
 年間患者数は、同じく6病院合計で152万8194人を見込んでおります。
 主要な建設改良事業は、新八重山病院施設整備事業を予定しております。
 第3条の収益的収入及び支出について、病院事業収益は575億604万6000円を予定しており、収益の内訳は、医業収益が500億1504万2000円、医業外収益が73億3651万4000円、特別利益が1億5449万円となっております。
 続きまして、病院事業費用は569億6151万6000円を予定しており、費用の内訳は医業費用が559億7466万2000円、医業外費用が7億7295万90000円であります。
 60ページをお開きください。
 特別損失が2億389万5000円、予備費が1000万円となっております。
 第4条の資本的収入及び支出は、施設の整備と資産の購入等に係る収支で、資本的収入は82億4901万5000円を予定しております。
 収入の内訳は、企業債による借り入れが48億630万円、他会計負担金が18億3540万2000円、国庫補助金が16億731万3000円となっております。
 続きまして、資本的支出は100億2485万5000円を予定しております。
 支出の内訳は、建設改良費が67億207万8000円、企業債償還金が27億2276万9000円、他会計からの借入金償還金が6億6000円、無形固定資産と国庫補助返還金がそれぞれ1000円となっております。
 第5条の企業債は、限度額を48億630万円と定めております。
 第6条の一時借入金は、限度額を35億円と定めております。
 第7条の予定支出の各項の経費の金額の流用は、各項の間で流用できる場合について定めております。
 第8条の議会の議決を経なければ流用することのできない経費は、職員給与費と定めております。
 第9条の他会計からの補助金は21億1774万5000円を予定しております。
 第10条のたな卸資産購入限度額は、薬品及び診療材料費に係る購入限度額について、108億8616万2000円と定めております。
 第11条の重要な資産の取得及び処分について、取得する資産は器械備品で、中部病院の電子カルテシステム1件を予定しております。
 以上で、甲第21号議案の説明を終わります。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

○呉屋宏委員長 病院事業局長の説明は終わりました。
 これより質疑を行いますが、本日の質疑につきましては、予算議案の審査等に関する基本的事項に従って行うことにいたします。
 なお、要調査事項の提起の方法及びその取り扱い等については、昨日と同様に行うこととし、本日の質疑終了後に協議いたします。

○呉屋宏委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、委員長から要調査事項を提起する場合、質疑時間内に提起するよう注意を喚起した。)

○呉屋宏委員長 再開いたします。
 質疑及び答弁に当たっては、その都度委員長の許可を得てから、自席で起立の上、重複することがないよう簡潔にお願いします。
 また、質疑に際しては、あらかじめ引用する予算資料の名称、ページ及び事業名等を告げた上で、質疑を行うよう御協力をお願いいたします。
 予算特別委員長から調査を依頼された事項は、沖縄県議会委員会条例第2条に定める所管事務に関する予算事項でありますので、十分御留意願います。
 なお、答弁に当たっては、総括的、政策的な質疑に対しては部局長が行い、それ以外はできるだけ担当課長等の補助答弁者が行うこととしたいと存じますので、委員及び執行部の皆さんの御協力をお願いいたします。
 さらに、課長等補助答弁者が答弁を行う際は、あらかじめ職、氏名を告げてください。
 それでは、これより直ちに各予算に対する質疑を行います。
 狩俣信子委員。               

○狩俣信子委員 まず、保健医療部からお伺いしたいと思いますが、議会資料の35ページにあります救急医療用ヘリコプター活用事業についてですが、平成27年度は2億3000万円余りの予算でしたが、何名ぐらいの人がこれで搬送されているのでしょうか。

○大城直人保健医療政策課長 救急医療用ヘリコプター活用事業につきましては、ドクターヘリを運航する浦添総合病院に対し、国の補助メニューを活用して県が補助する事業でございます。ドクターヘリの搬送件数ですが、平成28年2月現在で381件となっております。

○狩俣信子委員 大体、平均してこのぐらいの数なのでしょうか。

○大城直人保健医療政策課長 月平均が34件ぐらいでして、それを足しますと、約四百二、三十になりますけど、昨年が411件ですので大体これぐらいです。

○狩俣信子委員 次に、83番の地域産科医確保事業ですが、これは平成28年度予算ですごく大幅にふえました。その理由は何だったのでしょうか。

○大城直人保健医療政策課長 地域産科医確保事業につきましては、産科医の不足している北部地域、宮古地域、八重山地域において、県立病院と開業医が連携して地域において出産に対応することを目的としておりまして、当該地域の県立病院に一定期間勤務した産科医が、10年以上開業することを条件に、地元市町村と連携して開業費を補助する事業であります。増額した件につきまして、平成27年度は、事業開始に当たって市町村との調整に要する旅費等でございましたが、平成28年度は、宮古島市が補助をする見込みが立ちまして、予算を増額したものでございます。

○狩俣信子委員 それは宮古島市だけですか。例えば、北部地域とかはないですか。

○大城直人保健医療政策課長 今回、宮古島市の開院が見込まれ、助成額が1億円でございまして、宮古島市が10分の2、県が10分の8を補助する事業になっております。

○狩俣信子委員 次に、35ページ、86番の北部地域周産期母子医療センター設置促進事業について。これは、平成28年度に新たに計画される予算ですよね。その中で北部地域周産期母子医療センター設置促進事業となっています。県立北部病院―北部病院には産婦人科がいろいろありまして、お医者さんが4名体制という話がありますが、これについてどういうことなのか御説明をお願いいたします。

○篠﨑裕子県立病院課医療企画監 平成27年3月までは1人体制でしたが、平成27年4月に産婦人科医1人の確保ができまして、4月から2名体制になりました。10月時点でまた産婦人科医が2名確保できましたので、10月以降は4名体制で産婦人科の診療を行っております。

○狩俣信子委員 それだけの費用ですか。それとも、北部地域周産期母子医療センターの開設に係る予算も含めてのものではないのですか。

○篠﨑裕子県立病院課医療企画監 北部地域周産期母子医療センター設置促進事業に関しては、北部病院にNICUを設置するということで、低出生体重児や先天性の疾患を持った重症な新生児に対して、24時間体制で集中的な治療、管理を行う環境を整えるという事業です。そういう施設をつくることで、あわせて医師の確保にもつながるということを目的にした事業です。

○狩俣信子委員 今、NICUとおっしゃいましたね。やはり、地域の中でこれがきちんとうまくできたら、お子さんをつくりたいという方もすごく安心して出産できると思いますが、NICUはどのぐらいの規模といいますか、何台ですか。

○篠﨑裕子県立病院課医療企画監 NICUの病床数に関しては、当初、4月からは3床スタートで行っていきます。その後、最終的には6床まで持っていけたらいいと思っております。

○狩俣信子委員 北部病院で最終6床だとおっしゃると、県全体では何床になるのでしょうか。

○糸数公健康長寿課長 NICUの整備につきましては、現在、沖縄県内で54床ございます。これは北部地域を除いた数ですので、北部地域が6床ということになりますと合計で60床ということになります。

○狩俣信子委員 低体重児がすごくふえてきているという中で、沖縄全体からしますと、60床でやりくりしていけるといいますか、賄っていけるのでしょうか。

○糸数公健康長寿課長 沖縄県には、周産期の保健医療整備計画というのがございまして、いろいろな資料から目標値を設定しております。現在の目標値は58床ということになっておりまして、今現在は先ほど申し上げた54床で、北部地域が6床ということであれば60床になりますので、一応目標はクリアするという形にはなります。

○狩俣信子委員 ということは、大体オーケーだということで受けとめておきます。
 次に、92番のみんなのヘルスアクション創出事業についても平成28年度予算で初めて計上されておりますけれども、みんなのヘルスアクション創出事業について、御説明いただけますか。

○糸数公健康長寿課長 みんなのヘルスアクション創出事業につきましては、主に広報に力を入れている事業で、これまでも健康づくりに関する広報事業を行ってきましたが、どちらかといいますと県民全体に健康長寿沖縄の危機を訴える内容でした。今度のみんなのヘルスアクション創出事業につきましては、要因として働き盛りの世代の死亡率が全国より高いということがありますので、そこにターゲットを絞った形で、具体的に実践してもらいたいがん検診の受診勧奨であるとか、あるいは適正飲酒などについて、テレビやさまざまなメディアを使った広報を行ったり、イベントで県内の健康づくり事例の紹介を行ったり、それから、働く人が健康づくりに取り組みやすいような支援ツールというのを作成し、各企業にそれをお届けすることで、働き盛りの人たちの生活習慣の改善を狙っているところでございます。

○狩俣信子委員 その中で、沖縄県のがん検診受診率は、今、どのようになっていますでしょうか。

○糸数公健康長寿課長 今、がん検診は市町村が主体となっていまして、5つのがんについて検診を行っております。平成25年度の地域保健健康増進事業という統計の報告によりますと、沖縄県は胃がんの検診率が6.5%、大腸がんの検診が13%、それから肺がんの検診が16.2%と、この3つは全国の値よりも下回っているという状況です。乳がん検診の18.6%と子宮頸がん検診の24.4%は全国よりも上回っておりますが、国が設置した目標にはまだ届かない現状でございます。

○狩俣信子委員 働き盛りの方でがんにかかる方が多いということでしたら、先ほど広報事業だという話もしていましたので、もっともっと積極的に受診率を高めていって、早期発見、早期治療にしっかり結びつけていかないといけないと思います。
 あわせて、93番の働き盛り世代の食育環境向上事業についても御説明をお願いできますか。

○糸数公健康長寿課長 働き盛り世代の食育環境向上という名前をつけさせていただきましたが、目的は、働き盛り世代の食生活の改善につながるような環境整備ということを考えております。沖縄県は、ほかの県に比べて弁当を消費する量が多いということがありまして、働き盛り世代もかなり利用しているだろうということで、将来的には、今、店頭に並んでいるお弁当が、油が控えめだったり、野菜が入っているようなヘルシーな弁当に置きかわるようなことをイメージしております。しかし、こういうものをつくっても売れないとまた問題になりますので、両方にマーケティング調査のようなことをしまして、どういう基準で弁当を選んでいるかという消費者の基準や、これをつくるに当たっていろいろな課題もあると思いますので、市場調査、それからマーケティング調査を平成28年度は行って、行く行くは健康的なお弁当だったり、総菜が市場に出回るような形の計画となっております。

○狩俣信子委員 今のお話をお聞きしますと、私自身ウチアタイいたします。毎回、弁当を買って食べているものですから、やはり食生活の改善というのは基本的に大事だと思います。隣に座っている新田委員は、その中でもタニタ食堂の弁当です。私は一般のカロリーの高いものでやっているものですから、そこらあたりは意識変革からやらないといけないと思っております。
 先ほど、胃がんと大腸がんと肺がんの検診受診率が低いとおっしゃっておりましたけれども、そのことについて県民に対する広報活動というのはきちんとうまくいっていますでしょうか。

○糸数公健康長寿課長 がん検診の目的は、がんによる死亡率を減少させるというのが最終的な目的でございまして、そのために検診は非常に重要なツールだと考えています。実施主体であります市町村と連携をしながら進めていますが、未受診者がやはり多いですので、対象者に個別に通知をしたり、あるいは広報で通知をする。それから、未受信者への再勧奨―コール・リコールとも呼んでいるのですが、そのような取り組みを行っていたり、あるいは検診を受けやすいように休日に開催したり、それからいわゆるメタボ健診を特定健診と同じ日に受けられるように合同で行っているところでございます。さらに、働き盛りの方々が検診を受けることについて、協会けんぽという全国健康保険協会の沖縄県支部とも連携をして、事業主に対して啓発を今後またさらに強化していきたいと考えているところでございます。

○狩俣信子委員 予算には何もないのですが、子宮頸がんワクチンについて県内の状況がとても気になっています。以前も24名ぐらい、ある意味重症といいますか、そういった方がいらっしゃると。これに対する予算も本当はあってよかったのではないかという気がするものですから、子宮頸がんについては全然取り込む状況ではなかったのでしょうか。

○糸数公健康長寿課長 子宮頸がんについては、昨年来、いろいろ議会でも御質問を受けております。仕組みとしましては、国が勧めたワクチンによって健康被害といいますか、いろいろな症状を呈して、学校生活が送れないという方々に対する補償が、本来、国が行うべき補償だったということで、国の制度が整うまでは県で予算化するということを私たちも考えていましたが、去年9月に国で会議を持ちまして、そういう健康被害の方々に対しては国で補償するという体制が整いましたので、そのつなぎで県が予算化を一応検討していましたが、国の制度を利用するということで、特に当初予算には計上しておりません。

○狩俣信子委員 国の補償制度は、いつからスタートするのですか。

○糸数公健康長寿課長 補償に至るまでに審査という過程がございまして、この審査は受け付けが始まっていますので、平成25年度からの定期接種、あるいはその以前から接種が始まっていますので、そのころの健康被害については、随時、国に申請が上がっている状況となっております。

○狩俣信子委員 やはり、国はもっと早急にやっていかなくてはいけないと思います。患者はとても苦しんでいるのです。国の関与で始めた子宮頸がんワクチンですので、県としてもこれに対して早期に取り組むことをぜひお願いしたいと思います。
 病院事業局にお伺いするのはたった一つでございまして、リニアックがどうなったかについて、これは病院事業局だったでしょうか。リニアックはどのようになっているのでしょうか。

○津嘉山朝雄県立病院課長 県立南部医療センター・こども医療センター―南部医療センター・こども医療センターのリニアックについては、9月15日に公告をしまして、9月29日に入札が行われ、10月1日に契約を発注しています。設置時期については、平成28年9月30日までが履行期限となっています。

○狩俣信子委員 ところで、予算は幾らかかるのですか。

○津嘉山朝雄県立病院課長 契約額といたしまして、6億6549万6000円となっています。

○呉屋宏委員長 新田宜明委員。        

○新田宜明委員 まず、県立精和病院―精和病院の件から伺いたいと思いますが、現在地に移転をした年度は何年ですか。

○幸喜敦県立病院課副参事 現在地に新築したのが、昭和61年となっています。

○新田宜明委員 許可病床の数は、何病床ですか。

○伊波久光精和病院長 移転時は310床で、これは許可病床も含めての数ですが、現在は250床となっています。

○新田宜明委員 診療科目も教えてください。

○伊波久光精和病院長 診療科目は、精神科と内科、それからリハビリ科、歯科になっております。

○新田宜明委員 これは、事務長のほうが詳しいかと思いますが、職員の定数について、賃金職員や嘱託員など、いろいろ内訳があるかと思いますが、その現状を教えていただけますか。

○伊波久光精和病院長 平成27年度現在ですが、定数は147人でして、それから臨時的任用職員―臨任や嘱託員、賃金職員などいろいろ入れますと、合計が249名となっております。

○新田宜明委員 現在の南風原町新川に新築移転したのが昭和61年3月1日と皆さんの記録ではなっております。そこで、今後の精和病院の改築等含めて、整備構想はどのように考えているのか伺いたいと思います。

○幸喜敦県立病院課副参事 精和病院の施設については、平成28年度にファシリティマネジメント導入支援事業において、施設の現況調査を行い、劣化度、危険度等を把握することとしており、その結果を踏まえ、修繕等の適切な対応をしていきたいと考えております。

○新田宜明委員 これは政策的な質疑になるかと思いますが、県立病院の理念と方針の中に、理念として心病む人を支えともに歩む、方針として、心の悩みや病を持つ人と家族が気軽に利用できるように努める。2点目に、利用者の身になって考え、誠実に応対する。3点目に、質の高い精神科医療を追求する。4点目に、精神科中核病院として県全体の精神医療・保健・福祉の向上に貢献する。5点目に、適正で効率的な経営に努めると、理念と方針が示されていますが、今後も県立の単科病院として精和病院の必要性を皆さんはどのように認識しているか、伺いたいと思います。

○伊江朝次病院事業局長 精和病院については、これまで県立唯一の精神科の単科病院として、精神医療の向上に非常に貢献してきたと思います。しかしながら、今度のあり方検討会でも触れられておりますが、やはり精和病院の今後の方針については、これまでのことを振り返りながら、将来の国の医療政策の動向も踏まえて、現代の精神医療に合った対応をする必要があると考えています。ですから、私たちとしては、これからできるだけ早く、精和病院の今後のあり方を検討することを計画中ですので、ぜひ早く立ち上げて、現状に合った、あるいは県民の将来のニーズも踏まえた対応ができるような病院をつくっていきたいと考えております。これは、本当に早急にやらなければいけない懸案だと考えております。

○新田宜明委員 ぜひ、今後の精神科の病院について―私どもは去年、イタリアに視察調査に行ったのですが、社会的な背景や国民性も含めて、精神病者に対する見方といいますか、認識がかなり違うような感じを受けました。イタリアの精神科の治療の仕方は、一施設で閉じ込めるのではなく、地域でどのように主張していくかという、社会的な責任として、就業や自立を兼ね備えた治療の仕方をやっていました。これは、ただ病院任せとか、一自治体任せではだめだと思います。国家としての基本的な認識をどうするかという問題を、イタリアではすごく大事にしているなと。要するに、こういう病気を持っている人も人間として尊重するという基本的な人間観が、イタリアの国家と我が国の国家とでは大分違うと思いました。そういうことで、これからの精神病の患者の治療の仕方も含めて、ぜひ総合的に検討していただきたいと思います。沖縄は、そういう風土や県民性を持っているのではないかと思っていまして、家族の皆さんやそれにかかわっている人たち、NPOの皆さんの意見もしっかり受け取ってほしいということを要望しておきます。
 それから以前見たのですが、県立病院ではいまだに紙カルテを使っているのです。民間よりも先にこういった改善をすべきではないかと思っておりまして、ほかのところも使っている病院があるのかわかりませんが、こういう形では県立病院は淘汰されると思います。これには少し驚きましたが、今後、紙カルテはどうするのですか。電子カルテに切りかえるのか、計画を伺いたいと思います。

○津嘉山朝雄県立病院課長 精和病院の電子カルテシステムの導入については、今年度より、院内で調査導入検討委員会を設置しまして、合意形成を図っていたところですが、資金の調達というところで課題も非常にありまして、次年度の導入は見送っているところでございます。

○新田宜明委員 予算書のページは、私のメモには書いていなくて失礼しております。後日また調べていただきたいと思いますが、あとしばらく質疑させてください。
 病床機能の分化・連携を推進するための基盤整備事業ということで、今度は新規に1億8825万円が計上されておりまして、これは地域包括ケア病棟等の整備推進に要する経費となっていますが、具体的にどの病院でこういう新規事業、整備事業をやるのか。あるいは、複数の病院にまたがる事業なのかと。これについても予算書のページは準備しておりませんが、質問通告を出してありますので、よろしくお願いします。

○大城直人保健医療政策課長 86番の当該事業ですが、2025年までに医療需要が増加することが見込まれております。病床機能の分化・連携を促進し、既存の病床を将来不足が見込まれる回復期―先ほど地域包括ケア病棟とおっしゃいましたが、回復期の病床へ転換するため必要な施設改修、施設整備の費用を支援する事業でございます。積算上は3施設、病床予定数は25床で掛ける75床を予定しています。具体的な整備箇所は今度調整をして検討していくこととしております。昨年は北部地区と南部地区で32床整備しました。これは先ほど新規と言いましたが、9月補正で計上しましたので、対前年度と比較して皆増になっています。本県の整備状況を先ほど地域包括ケア病棟と言いましたが、九州各県の平均と比べても3分の1程度ですので、全県域で整備を促進することが必要だと考えております。特に、宮古圏域が7床、八重山圏域がゼロ床と地域包括ケア病棟が少ないので、これらの圏域については整備促進する必要があると考えております。

○新田宜明委員 この地域包括ケア病棟というのは、他の民間の団体ではできないような性格のものですか。

○大城直人保健医療政策課長 九州各県では、本県の3倍ぐらい地域包括ケア病棟を持っていますが、本県では病棟への転換がスムーズにいっておらず、民間がやっています。先ほど北部地区と申し上げたのは、北部地区医師会病院が、この補助事業を活用しまして25床転換しております。

○新田宜明委員 これは病院の経営的にはどのような採算なり、シナリオを描いているのですか。

○大城直人保健医療政策課長 名前のとおり、回復期の地域包括ケア病棟で、退院率が75%だったと思いますが、それだけ退院を促進すれば診療報酬の加算がありまして、今後の機能分担に大変魅力ある病棟だとは考えております。

○新田宜明委員 そういうことを期待しておきましょう。
 次に、35ページ、80番の医師派遣等推進事業で2億1231万5000円減額されていますが、減額の理由を教えていただけますか。

○大城直人保健医療政策課長 医師派遣等推進事業につきましては、離島僻地に医師を派遣する医療機関に対して、派遣することによる逸失利益を補助する事業で、本島北部地区、離島への医師派遣に大きく貢献しています。当該事業は、平成28年度から沖縄振興特別推進交付金で実施することとしており、それに伴い事業を整理したため、事業が縮小し減額となっております。

○新田宜明委員 最後に1点だけ、88番のこども医療費助成事業について。これは市町村が行うこども医療費助成事業の一部補助に要する経費となっておりますが、41市町村の医療費の助成事業の現状はどうなっていますか。

○糸数公健康長寿課長 こども医療費助成事業については、全ての市町村で助成を行っています。平成28年度の当初予算は13億400万円で、昨年の当初予算が12億7900万円ということで、平成27年10月からそれまで3歳児までだった通院の対象を現在は就学前まで上げておりまして、市町村もそれに伴って対象年齢を引き上げております。平成27年度は10月から開始しまして、このシステムでは受診して支払いが2カ月後ということで、実質は4カ月分の予算を計上していましたが、今年度はこれが12カ月分―1年分になるということで増額を見ております。市町村の現状として、通院は就学前まで、入院は中学校卒業までということで助成が行われている状況でございます。

○新田宜明委員 これは各市町村、ばらつきがありますよね。これに対する対応は必要だと思います。むしろ、県が少なくとも中学校卒業まで通院費も含めて誘導するような政策が必要だと思います。今後、そのような考え方はないのでしょうか。

○仲本朝久保健医療部長 こども医療費助成事業の拡充につきましては、これまでも議会含め、いろいろ要望がございます。県としましては、昨年、通院の対象年齢を引き上げたばかりですが、今後についても実施主体の市町村と一緒に話をしながら進めていきたいと思っております。

○呉屋宏委員長 赤嶺昇委員。

○赤嶺昇委員 部局別の主な事業の概要の中から、78番の救急医療用ヘリコプター活用事業についてですが、毎回指摘していますが、運用している総合病院の赤字がまだあるのかどうかも含めて状況を教えてください。

○大城直人保健医療政策課長 まず、浦添総合病院が当該ドクターヘリの総事業費をつかんでおります。総事業費に対して、これは国・県の補助となりますが、補助額がありまして、そして総事業費から補助額を引き、さらに診療報酬を引いた差額がマイナス収支にはなっております。平成26年度は1222万9000円でございます。

○赤嶺昇委員 平成26年度が一番新しい数字ですか。そしたら、そこからさかのぼって5年間の赤字を教えてください。

○大城直人保健医療政策課長 平成20年度からドクターヘリの事業がありますので、7年間の累計で1億9618万3000円でございます。

○赤嶺昇委員 これは補助事業と皆さんおっしゃいますが、7年間の累計で約1億9000万円余りですね。社会医療法人とはいえ、これだけ赤字を押しつけていることについて、問題はないと考えているのですか。

○大城直人保健医療政策課長 赤字が膨らんだことに対しては課題があると認識しております。そこで平成24年に沖縄の特殊事情ということで、沖縄振興一括交付金―一括交付金をあわせた併用の補助に改正しております。

○赤嶺昇委員 これは鹿児島県の奄美大島もカバーしていると思いますが、鹿児島県から沖縄県に予算は幾ら入っていますか。

○大城直人保健医療政策課長 鹿児島県とは協定を結びまして、負担金として入ってきます。負担金の推移を申し上げますと、平成23年度が1953万2000円、平成24年度が3085万4000円、平成25年度が3152万6000円、平成26年度が3003万8000円でございます。

○赤嶺昇委員 総額で幾らになりますか。

○大城直人保健医療政策課長 1億7375万2000円でございます。

○赤嶺昇委員 鹿児島県からの負担金は、浦添総合病院にはしっかり渡っていますか。

○大城直人保健医療政策課長 先ほどの答弁で、平成23年度からの推移とトータルを申し上げましたけれども、先ほどの1億7000万円は平成20年度からの7年間の総額でございます。そのお金が浦添総合病院にいっているかということですが、先ほど申し上げたように鹿児島県と沖縄県の協定でございますので、県に収入が負担金として入ってきます。

○赤嶺昇委員 県が直接やったらどうなりますか。鹿児島県から1億7000万円の収入がある一方、浦添総合病院に累計1億9000万円の赤字を出させていることについては問題だと思いませんか。

○大城直人保健医療政策課長 先ほど申し上げたとおり、これだけの赤字が累積しておりますので、沖縄の特殊事情ということで、平成24年度から一括交付金を活用しております。運航経路が広範囲にわたりますので、その運航経費に係る部分、そしてヘリ基地が隣接していませんので、その負担分について一括交付金で面倒を見ております。

○赤嶺昇委員 もう一度言います。鹿児島県から1億7000万円が皆さんに入っていますよね。浦添総合病院では1億9000万円の赤字です。今の答弁では納得いきません。

○仲本朝久保健医療部長 鹿児島県の負担金を浦添総合病院に上乗せする場合には、交付税措置の部分で調整が必要ということでこれまでも答弁したところでございます。しかしながら、浦添総合病院の赤字の縮減は県としても課題と思っていまして、先ほど言った一括交付金の活用に加えまして、予算もそうですが、平成28年度からは、厚生労働省の補助基準額がふえる形になります。その部分が1700万円ほどの増額になるのですが、引き続き、委員御指摘の3000万円の負担金をどう活用していくかということは、県単事業をどんな形で仕組めたら交付税とかが大丈夫なのかなども含めて少し検討が必要だと思っています。いずれにしましても、浦添総合病院がやっている救急医療用ヘリコプター活用事業の重要性は非常に認識していますので、これからも病院側を含めて調整していきたいと思います。

○赤嶺昇委員 予算特別委員会のたびに何回も言っていますけど、まだ赤字なのです。一般のほかの病院が、その運用をできますか。これだけ1億9000万円の赤字を出して、これは民間ですよ。普通でしたらこれは大変な問題になると思いますが、それに甘えていませんか。

○仲本朝久保健医療部長 浦添総合病院で独立の運航をしっかりやっていただいて非常に感謝しておりますし、我々としてもその課題は十分認識しているつもりでおります。そのために、一括交付金のさらなる活用でありますとか、今ある3000万円の負担金をどう活用していくかということも含めて検討していきたいと思います。

○赤嶺昇委員 鹿児島県から入ってくるお金については、直接、工夫はできませんか。皆さんが運用しているわけではなく、浦添総合病院が苦労しているわけですから。そこに何かの工夫をするべきだと思いますが、いかがですか。

○仲本朝久保健医療部長 その工夫が、沖縄県と鹿児島県との協定でもって負担金を入れている形、それから鹿児島県からの負担金が直接浦添総合病院にいく場合には、上乗せした分に―今、ドクターヘリの一般財源については特別交付金という形で国からの補塡があります。その補塡分がどうなるかということでこれまでも検討しておりまして、国あるいは鹿児島県ともやり方について調整が必要かと思います。これは引き続きやっていきたいと思います。

○赤嶺昇委員 引き続きではなく、早急にお願いします。皆さんが黒字を出している一方で浦添総合病院に全部押しつけて赤字を出しているということは、大きな問題だと思います。これは以前から指摘させていただいている部分ですが、いかがですか。

○仲本朝久保健医療部長 しっかり検討していきたいと思います。

○赤嶺昇委員 浦添総合病院が撤退したら、この事業をやるところはないと思います。今、浦添総合病院が善意でやっているからできているのであって、これだけの赤字だと引き合わないということで浦添総合病院が引き上げたときに、ほかにこの事業をやってくれる病院を見つける自信はありますか。

○仲本朝久保健医療部長 今の現状で言えば、救命救急センターを持っている浦添総合病院が適当だと思います。

○赤嶺昇委員 浦添総合病院や豊見城中央病院が災害拠点病院に指定されて、民間も頑張っているわけですから、それに甘えるという構造はそろそろ反省していただいて、皆さんに早急にやってもらうということを要望しておきたいと思っています。
 次に、86番の北部地域周産期母子医療センター設置促進事業について、予算額が1億8723万6000円なのですが、見込める効果についてお聞かせください。

○篠﨑裕子県立病院課医療企画監 事業の効果としましては、北部地域ではこれまで切迫早産やハイリスク妊婦の場合に、中南部地域の周産期母子医療センターに早目に入院するように搬送しておりました。北部病院にNICUが設置されて周産期母子医療センターができることで、これまで送っていた低出生体重児や、また先天性等の疾患を持った新生児に対して、北部病院で24時間体制の集中治療や管理が可能となります。地域で比較的高度な新生児医療が行えるようになるという効果や、あわせて産科医や小児科医が専門性を発揮できる高度医療環境が整備されるということで、医師の安定確保にもつながると思っております。

○赤嶺昇委員 次に、87番の特定不妊治療費助成事業についてですが、これまでの実績と効果についてお聞かせください。

○糸数公健康長寿課長 沖縄県では平成17年度より医療保険の適用外となっている体外受精、顕微授精等の特定不妊治療費について、治療に応じた経費の一部を助成しております。助成件数は年々増加しており、平成26年度は1471件、助成額は1億7995万1000円となっており、前年度より件数で69件、金額で534万7000円増加しているところです。

○赤嶺昇委員 次に、95番の離島災害時等給水対策事業について、事業概要と効果についてお聞かせください。

○與那原良克生活衛生課長 離島災害時等給水対策事業の概要といたしましては、まず離島において、地震等の災害あるいは基幹水道施設の事故発生による給水停止、また渇水により発生する制限給水への対応等に備えまして、平成28年度に沖縄振興特別推進交付金を活用して、処理能力が1日当たり200トンの可搬型海水淡水化装置2台を導入するものでございます。可搬型の海水淡水化装置については、企業局が購入することになっておりまして、その費用の10分の9を補助するという内容でございます。

○赤嶺昇委員 次に、ひきこもり地域支援センターの設置について、概要と効果をお聞かせください。

○糸数公健康長寿課長 ひきこもり地域支援センターは、平成21年度から厚生労働省が補助事業ということで行っているものでございます。沖縄県では、平成28年度に新たにといいますか、これまでなかったのですが、ひきこもり地域支援センターを設置するということで予算を計上しておりまして、準備等々ありますので、10月を目途に開設をするということで調整しているところでございます。効果につきましては、いろいろな原因で引きこもっている状況がございまして、特に児童生徒も含めますと、学校での環境などもありますが、いろいろなデータから背景に精神疾患のようなものがあるということがございます。そうすると、精神の専門的なアプローチが必要になってまいりますので、沖縄県総合精神保健福祉センターのようなところに拠点を置いて、そういう人たちの相談を受けたり、あるいはアウトリーチといいまして、介入をして、ひきこもりから解消するような形のものが期待されています。ただ、実数についてはまだ把握はできていないのですが、相談件数でいいますと、平成26年度は合計で1089件の相談が各保健所等にありますので、そういうものに対応ができていくものであると考えております。

○赤嶺昇委員 本県におけるひきこもりの状況について、全国との比較で教えてください。

○糸数公健康長寿課長 繰り返しになりますが、ひきこもりの状況を把握することはデータ的に非常に難しく、今のところは先ほど言いました相談件数でひきこもりの状況を確認しているところでございまして、平成26年度は1089件の相談がございました。前年の平成25年度が643件、平成24年度が460件ということですので、徐々に相談件数がふえているところでございます。申しわけありませんが、全国と比較する数字も今は持ち合わせておりませんので、それについてはお答えがなかなか難しいところでございます。

○呉屋宏委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、赤嶺委員からニートやひきこもりの定義によって違うが、本会議でも件数について答弁されていると指摘があった。)

○呉屋宏委員長 再開いたします。
 糸数公健康長寿課長。            

○糸数公健康長寿課長 先ほどの全国との比較に関連する答弁に追加をさせていただきます。
 ひきこもりの数については、ひきこもりに関する実態調査で、狭義のひきこもりが23万6000人、準引きこもりが46万人、広義のひきこもりが69万6000人ということで、定義によって数字が違いますが、この数字も全国の数字でして都道府県の推計が算出されておりませんので、ひきこもりに関する比較というのは少し難しい状況ということになります。

○呉屋宏委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、赤嶺委員から県内のひきこもり等件数について把握していないのか再確 認があり、資料提供するよう要求があった。)

○呉屋宏委員長 再開いたします。
 赤嶺昇委員。

○赤嶺昇委員 ひきこもり、ニートを含めて、見る視点によってはいろいろ定義も違うと思いますが、いずれにしましても、この数字を改めて出していただきたいと思っております。
 次に、北部地区の医療体制についてよく質疑されますが、北部病院と北部地区医師会病院について、今後、どういう状況になっていくのか、統合する方向に向かっているのか、今後の見込みについてお聞かせください。

○仲本朝久保健医療部長 北部病院と北部地区医師会病院との統合に関しては、地域医療構想ということで、将来の病床との絡みがあるものですから、その中であわせて議論するというところでございます。地域医療構想の策定については、現在議論を進めているところでして、県域の検討会議の議論、それから県全体での議論とまだしばらくかかります。それにあわせた形で進めながら北部病院と北部地区医師会病院の統合についても検討していくということで、まだしばらく検討が続くということです。

○赤嶺昇委員 これも大分時間がかかっています。普通は、いつごろまでに結論を出して、どういう方向にするかと。ずっとこの間協議しているという話しか出ておりませんが、皆さんは後ろを決めていないのですか。

○仲本朝久保健医療部長 地域医療構想策定につきましては、平成28年度中ということで、我々はそれを目指してやっております。その検討とあわせてということになりますので、平成28年度中ということになります。

○赤嶺昇委員 平成28年度中に方向性が見えてくるということで理解してよろしいですか。

○仲本朝久保健医療部長 平成28年度に地域医療構想を策定しますので、その中で議論が出てくるということになります。

○赤嶺昇委員 その中で県立病院としてやっていくということが大事だと思いますが、その方針には変わりありませんか。

○仲本朝久保健医療部長 今、お答えしましたように、地域医療構想の策定を検討していく中であわせて議論しているところでございまして、その議論を進めるに当たっては、当然、知事公約として県立病院の維持というのがありますので、それを踏まえながら検討するということになります。

○赤嶺昇委員 県立八重山病院―八重山病院の建てかえで入札不調等が続いたのですが、当初の開業目標年度については問題なくできるかどうかをお聞かせください。

○幸喜敦県立病院課副参事 新県立八重山病院の整備については、ことしの1月に建設工事に着手したところです。今後、平成29年12月までに工事を完了し、医療機器等の設置、移転を行って、平成29年度内に開院をすることとしています。

○赤嶺昇委員 それは当初の予定どおりということで、理解していいですか。

○幸喜敦県立病院課副参事 平成29年度内ということで、予定どおりという形で考えております。

○赤嶺昇委員 次に、毎回この時期になりますと、各県立病院から職員の要求等があると思います。この職員の要求の数は何名か、各病院の合計についてお聞かせください。

○津嘉山朝雄県立病院課長 平成27年度における各県立病院の定数要望については、北部病院から59名、県立中部病院―中部病院から15名、南部医療センター・こども医療センターから26名、県立宮古病院―宮古病院から18名、八重山病院から1名、精和病院から8名の合計127名となっています。

○赤嶺昇委員 八重山病院は1名と言っていましたが、きょうは八重山病院の先生が見えていると思いますが、1名の要求ということで理解していいですか。

○依光たみ枝八重山病院長 実は、私も去年の暮れに資料を見せられて、八重山病院だけ1名ということで出ているということで、後で調べてみて驚いているところでございます。現在、看護師もコメディカルも足りない状態で―足りないといいますか、定数があるのですが、補充ができていないということで、これは定数を新たに1名増加してほしいということだと思います。

○呉屋宏委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、赤嶺委員から八重山病院からの要求は1名のみか再確認があった。)

○呉屋宏委員長 再開いたします。
 依光たみ枝八重山病院長。          

○依光たみ枝八重山病院長 これはあくまでも新たな定数の1名を要求するということで、コメディカルや看護師もやはり不足しております。もちろん、医師もですが、実は、不足の定数も充足していない状況がありまして、これは新たな定数の要求ということで御理解ください。

○赤嶺昇委員 今、定数要望が127名ということですが、各先生方が見えているので、皆さんが現場として必要としている数をそれぞれ答えていただけませんか。

○仲間司北部病院長 我々はことし59名を要望しましたが、それは7対1看護体制や地域包括ケア病棟、NICUというやるべき事業に対しての必要最低限の数だと思っています。それ以外にも、医師、コメディカルに関しては、理想という形で出せばまだ足りないと思っていますが、それは実際の患者のニーズや北部圏域での患者の動向、予算の関係、黒字・赤字の問題などいろいろ考えないといけないことがありますので、とりあえずやるべきことをやるための必要な形として要望させていただきました。

○新垣義孝中部病院副院長 中部病院は15名で要求をしておりますが、実際には算定基準がいろいろ変わってきていまして、例えば薬剤師を病棟に配置するとか、そういうことで算定要求を充足するにはどうしても増員しないといけないと。それから、救命救急や病棟の急患、病院の機能をきちんと充足するためにはどうしてもこれだけの人数が必要だということがありまして、医師、看護師、それから検査技師や薬剤師ということで15名を要求しております。

○我那覇仁南部医療センター・こども医療センター院長 この表を見ますと、我々の病院は26名となっています。具体的に必要な数というのは実際に申し上げられませんが、大まかにこのトータルの恐らく倍ぐらいは必要であると考えていただいていいと思います。特に医師に関しては3名ほど。それから、後で述べるチャンスがあると思いますが、看護師が大幅に不足をしていると。そのように御理解いただいてよろしいと思います。

○上原哲夫宮古病院長 宮古病院の現場からの数といたしましては57名ぐらいありますけれども、煮詰めてみますと18名ということになっております。その中でも、看護師4名の増といいますのは、GCUといった小児科関係で4名、あと精神科病棟関係で2名ということで、看護師11名の要望があります。あと、いろいろな研修制度が始まりまして、その事務職の応援ということでもいろいろ出ていまして、トータル18名ということであります。

○依光たみ枝八重山病院長 これは平成28年度予算の定数要求でありまして、後でお答えすることになるかと思いますが、眼科、脳外科、それから看護師も2人が欠員、それから薬剤師も2人が欠員ということがありまして、トータルして6名がきちんと埋まれば、プラス1で7ということにしてもいいのかと思っています。

○伊波久光精和病院長 今、定数なのか、要求なのかということですが、例えば我々の場合は、コメディカルを中心に要求をしたのですが、要するに、精神科ソーシャールワーカー―PSWや作業療法士の各4名の8名ということで、現在この体制でやっています。しかし、これらの配置が臨任や嘱託職員であるためになかなか補充ができない、正職員をふやしてもらわないと安定してできないということで、とりあえずコメディカルの4名は正職員か定数として認めてほしいということです。

○赤嶺昇委員 後で答えると言いますけれども、誰もまだ質疑していませんので何を答えるかわからないですが、先ほど看護師が足りないということを南部医療センター・こども医療センター院長がおっしゃっていましたが、看護師の状況を教えていただけますか。

○平良孝美県立病院課看護企画監 現在、看護師は6病院で定数1770名おります。2月1日現在で正職員が退職するとして、不足している数が31名となっております。それに対して、正職員の補充として臨任が入っていますので、その臨任の部分を引いて、さらに育児休業等で不足になっている分をあわせましたら、47名の不足になっております。一方、嘱託職員の数が合計で157名おりますので、不足の47名はこれによって補充ができているという状況です。

○赤嶺昇委員 では、今の答弁は不足はなく問題はないということで理解していいですか。

○平良孝美県立病院課看護企画監 頭数は現状そのようになっていますが、実際には、産前産後の休暇や病気休業に入る前の3カ月未満の休みなどによって、現場では不足感が常にあるという認識です。

○赤嶺昇委員 例えば、南部医療センター・こども医療センターの看護師の実態を教えていただいていいですか。

○我那覇仁南部医療センター・こども医療センター院長 県立病院では特に若い看護師の数がかなり多く、1年間の平均を調べてみましたが、現在、産前産後休暇者―産休者が常時15名前後。そして育児休業者―育休者が23名。それから病気休暇―病休などを含めて、当院の計算では恐らく看護師にすれば35名前後が実際の不足分かと思います。先ほど臨任とか、嘱託職員の数が出て何とかとありましたが、実際現場では、産前産後の16週というのは、臨任が入ることができません。それで嘱託職員をということになりますが、実際、嘱託職員でその職に入る人は極めて少ないということでございます。それから、育休に関しても、臨任採用というものがありますが、年度途中からの臨任の採用というのはなかなか難しいところがあります。そういう面も含めて、実際現場で働いている方はいつも労働喪失感があると思います。

○赤嶺昇委員 今、同じ質疑をしていて、いわゆる答弁している側と現場の答弁が違うのです。それは大きな問題だと思います。現場の実態を余り把握していないのではないですか。

○伊江朝次病院事業局長 確かに、現場で直接欠員になった状況を対応している看護部長等から言わせると、こういう看護師不足が叫ばれる中、確保がかなり厳しい状況がありまして、非常に負担感はあると考えています。今、南部医療センター・こども医療センター院長からも話がありましたが、育休に関しては、知事部局に倣って臨任というポストを確保していますが、若い看護師がいる現場では妊娠がいつ起こるかわからないという状況の中、産前産後の補充というのは、現時点でもそうですが課題だと思います。この点に関しては、しっかりもっと検討をして、どのように対応するかということをやっていかないといけない緊急の課題だと考えています。

○赤嶺昇委員 今、一番の問題は、実態としてはある程度対応できているという答弁と、もう一つが現場で聞くと若い看護師も含めて人手不足だという答弁がありまして、一番大事なことは現場の声であって、私たちが同じ質疑をしても答弁が違うということは大きな問題だと思います。今後、これは大きな課題だと思っていますので―例えば、南部医療センター・こども医療センター院長から話を聞かなければあれで質疑が終わってしまうわけです。では問題ないですねということで収まるということについて、やはり課題だと思います。このようなことは今後ないようにしていただいて、もちろん予算などの関係でいろいろ理解はしますが、答弁が人によって変わるということはなくしていただきたいということを、強く指摘しておきたいと思っております。
 現在、127名の要求数が来ているわけですよね。その後、若干数字が変わったりはしましたが、実際、127名の要求数に対して、対応する職員数は何名になっていますか。

○津嘉山朝雄県立病院課長 定数条例の改正については6月を目指しておりまして、北部病院の機能強化として7対1看護体制の病床の拡大や、地域包括ケア病棟の実施に係る45名の増員。それから集中系治療室の強化として、北部病院等におけるNICU開設等に係る30名の増員などをあわせて、現在104名という形になっています。

○赤嶺昇委員 127名の定数に対して104名と。現場に聞きますと本来は新規ではなくて、まだまだ足りないという声が出ておりますので、そこのあたりをしっかり現場とやりとりをして対応していただきたいと思っております。
 最後になりますが、北部病院の産婦人科についていろいろ取り組んでいただいていることに対して敬意を表します。現時点、一番直近で、北部病院から中部病院への緊急搬送の数字を教えてもらえますか。

○篠﨑裕子県立病院課医療企画監 現時点ですが、北部病院から中部病院の総合周産期母子医療センターに直接送るということは現在はやっておらず、搬送システムにおいて、北部病院から搬送される妊婦の状態によって、南部圏域や中部圏域などの地域周産期母子医療センターにいろいろ振り分けられた形で現在は搬送が行われております。その中で、平成27年度12月末の数字ですが、23件とかなり減ってはきております。

○呉屋宏委員長 糸洲朝則委員。

○糸洲朝則委員 まず、説明資料の35ページ、80番の医師派遣等推進事業、81番の県立病院医師派遣補助事業、82番の医学臨床研修事業費について、これはいずれも離島・僻地に関係する説明になっておりますので、それぞれについて現状と課題、あるいは今後の取り組みについて説明をいただければと思います。

○大城直人保健医療政策課長 まず事業の概要を申し上げますと、医師派遣等推進事業は、県内外の病院から医師不足地域であります北部地域及び離島・僻地への派遣医師を確保するため、派遣元医療機関の逸失利益に対して補助を行う事業でございます。事業の実績としましては、平成25年度において総日数が延べ2万3302日。365日通年で派遣されます常勤医師で換算しますと、延べ63.8名の常勤医師が派遣されたということになります。平成26年度においては総日数が3万5785日です。同様に換算しますと、延べ98名の常勤医師の派遣がありました。平成28年度の事業計画としては、派遣総日数が延べ2万9427日ですので、延べ80.6名の医師の派遣を見込んでおります。
 続きまして、県立病院医師派遣等補助事業の3億7488万3000円でございますが、当該事業につきましては、無医地区医師派遣事業と専門医派遣事業の2つの細事業からなっており、離島僻地における安定的な医師確保を目的として、病院事業が実施する取り組みに対して補助を行っております。実績としまして、平成27年度は9診療所に医師を派遣しており、平成28年度も引き続き9診療所への配置を予定しております。そして、専門医派遣事業の実績と予定については、平成27年度は不足している診療科の医師について、16名の医師を確保しております。そして、平成28年度は15名を予定しております。
 続きまして、医学臨床研修事業費の2億2416万円につきましては、病院事業局に対し、後期臨床研修医を委託することにより、医師の養成を行うものでございます。養成後は、離島僻地の病院、診療所において、1年間の勤務義務を課しております。実績につきましては、平成26年度、3年次、4年次あわせて43名の後期臨床研修医を養成し、平成27年度2月現在で55名を養成しておりまして、新年度は後期臨床研修医58名の養成を計画しております。その義務につきましては、医学臨床研修の実施により、平成27年度は北部病院に3名、宮古病院に5名、八重山病院に9名、離島診療所に3名の計20名を派遣することに至っております。そして、平成28年度は23名を派遣する予定となっております。

○糸洲朝則委員 離島にとってみればありがたい限りでございます。今の説明の中に専門医の派遣について16人とか15人の実績あるいは計画がありますが、具体的に診療科目としてはどういう科目がありますか。

○篠﨑裕子県立病院課医療企画監 平成28年度の専門医派遣事業に関して、一応15名を計上しておりまして、現在、北部病院の消化器科2名、整形外科2名、救急科1名。宮古病院では、内科1名、歯科口腔外科1名、耳鼻咽喉科1名、消化器内科1名。八重山病院では、産婦人科3名、耳鼻咽喉科1名、外科1名、救急科1名、消化器内科1名となっています。

○糸洲朝則委員 派遣期間はどのくらいですか。

○篠﨑裕子県立病院課医療企画監 具体的な日数について細かくは把握しておりませんが、大体1年の継続か、半年間という形で各大学からの派遣で補っております。

○糸洲朝則委員 小規模離島―要するに診療所ですが、あるいは僻地といったところへの専門医の派遣はないですか。例えば、多良間診療所に専門医を派遣することはないですか。

○阿部義則保健医療部参事兼病院事業局参事 具体的な数字は、今、手元にありませんが、専門医巡回診療事業をやっております。基本的に、離島の診療所には総合診療医の方が常時おられまして、総合的な診療を日ごろやっていただいておりますが、皮膚科であるとか、眼科、耳鼻科といった専門領域のところに関してどうしても見ることができない部分があるようでして、その要望を受けまして専門医の派遣を琉球大学医学部附属病院―琉大病院の先生や民間病院の先生などと調整をして行っていただいている状況になります。
 もし必要でしたら、数は後で御報告いたします。

○糸洲朝則委員 私がこの質疑をした理由として、頭の中に小規模離島がありまして、小規模離島の定住条件の一つが医療なのです。例えば、定年になって離島に住みたいけれども行けないとか。これは病院事業局や保健医療部だけの問題ではなく、むしろ県政の大きなテーマではないかという思いで質疑しております。今、巡回診療みたいなお話がありました。以前も話したかと思いますが、私の友達が歯の治療で那覇に来て、かなりの期間いました。多良間村では歯の治療ができないので、那覇に来ざるを得ないと。こういったこと等もありますので、小規模離島の診療所に、例えば耳鼻科とか、歯科とか、いろいろな専門医が巡回して回っていくというシステムはつくれないものですか。

○阿部義則保健医療部参事兼病院事業局参事 今現在の事業の中身としましては、市町村の要望を調査して、それに向けて専門医と調整をして派遣しているという状況になっておりまして、委員おっしゃるように、例えば今年度は耳鼻科に絞って離島を回るといった方法も、もちろん需要を調査した上ででございますけれども、それもまた今後、検討する中身になろうかと思います。

○糸洲朝則委員 ぜひ、検討していただきたいと思います。
 冒頭の答弁で、宮古病院、八重山病院、北部病院が離島・僻地の対象になっていて、それぞれ専門医が派遣されているということについては評価をしたいと思います。しかし、見落としてならないのは小規模離島、あるいは僻地を常に念頭に置いていただきたいと思います。
 あと、がん検診について細かく聞きますが、したがって今、私が言った小規模離島におけるがん検診あるいは治療などは恐らくされていないと思いますが、もしそこら辺の実績等があれば教えてください。

○糸数公健康長寿課長 離島におけるがん検診の現状、それから今後の取り組みについて、がん検診は市町村が中心になって行いますが、現在では主に集団検診という形で検診が行われています。やはり、小さな離島では検診の実施可能な医療機関が少ない、あるいは診療所しかないというところもありますので、沖縄本島の検診機関から検診車が来まして、日を決めてそこで検診をするという形の集団検診が多くの離島で行われているところです。これは検診の機会が限られるということで、これを逃すとなかなか検診を受けることができないというデメリットはありますが、現状では多くの離島の市町村でこのような形をとっているところでございます。検診の機会をもっとふやすという意味で、全国健康保険協会―協会けんぽといろいろ調整をして、離島の中の職場検診も同じように沖縄本島から来て検診をする場合がありますので、そのときにがん検診も一緒に受ける機会をふやせないかといった調整をしておりまして、これが実現できるように調整しているところでございます。

○糸洲朝則委員 特に小規模離島ではそういう機会はなかなかないと思いますし、年に1回とか2回に限られるかと思いますが、精力的に取り組んでいただきたいと思います。
 今、がん検診の話も出ましたが、先ほどの狩俣委員への答弁で、胃がんが6.5%、大腸がんが3%、肺がんも低かったですね。こういったことも認識しましたが、受診率、検診率を高めていくために、今、取り組んでいる皆さんの事業、あるいは取り組み状況について教えてください。

○糸数公健康長寿課長 先ほども答弁させていただきましたが、がん検診そのものの目的は、がんで亡くなる死亡率を減らすということで、そのために検診を実施しているところでございます。一番に検診の重要性がまだ十分に伝わっていないところがありまして、検診を受けない方に理由を聞きますと、忙しかったり、なかなか重要性が認識できないということがありますので、まず啓発を市町村と一緒に行っていきます。実施する市町村においては、来なかった方への取り組みとして、再度個別に勧奨するとか、あるいは全体への通知も個別で行うなどの取り組み、それから特定健診が来たときに同時に実施をするということを行っているところでございます。大きな市町村でありますと、休日にそういう検診を設けて、なるべく受けやすいように利便性を向上するといったことを、実施主体の市町村と課題を共有しながら進めているところです。

○糸洲朝則委員 毎年特定健診は一応受けておりまして、胃と大腸と肺はそのときに検査を受けていますが、それはそんなに難しくありません。内視鏡は一度だけ受けましたけれども。ですから、そういう方向で特定健診とタイアップしてやっていくという方法はとれないですか。

○糸数公健康長寿課長 現在でも、36市町村だったと思いますけれども、多くの市町村で特定健診の機会にがん検診も一緒に受けるということをやっておりますので、これをもっと広めていくように努めたいと思います。

○糸洲朝則委員 がんにもいろいろありまして、私の身近な友人などでは膵臓がんが見つかったときにはもう末期状態で、4名とも帰らぬ人となっております。膵臓がんの検診というのは私もまだ受けたことがありませんし、聞いたこともありません。膵臓がんの検診というのは、実際現場ではどうですか。

○糸数公健康長寿課長 市町村が行っている検診は、検診を受けた効果として死亡率の減少に結びつくというエビデンスがあるもの―先ほど申しました5つのがん、胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮頸がんということでやっています。膵臓がんなどは、例えば人間ドッグなどを受けた際に超音波の検査をして、内臓をチェックするという形の検診での早期発見という方法になっていると思いますので、集団に対して行う検診では行われていないという実情があります。個人レベルで、人間ドックや専門的な検診を受けて見つかる方が多いと認識しているところです。

○糸洲朝則委員 私の友達などは糖尿病で通っている間にどうもぐあいが悪いと。これは精密検査をしたほうがいいのではないかということで、検査をしたら膵臓がんでステージ4だったと。あえて膵臓がんの検診というのが項目として挙げられないのかという思いから聞いているのですが、どうですか。

○国吉秀樹保健衛生統括監 先ほど健康長寿課長が申し上げましたのは、市町村がやる政策的な検診でして、全体の死亡率の低下が見込まれるものということで、どれだけの受診率があればどれだけ減るという、ある程度のエビデンスがあってやっているものです。個人個人、一人一人にとって利益のある検診はございますけれども、例えば数が非常に少ない、あるいは発見率がそれほど高くない、発見したとしてその後の治癒率がそれほど見込めないといったいろいろな条件がありまして、政策的には今のところ膵臓がんは、先ほど健康長寿課長が申しましたように補助の対象となっていない検診でございます。ただ、いろいろなメニューの中で個人が選択しながらやるという方法になっているところでございます。先ほど糖尿病のお話がありましたけれども、今、お話になったように膵臓がんが原因ということもあります。それが見つかるときにさまざまな可能性でもってチェックをしていくということもまた発見につながるのかと思います。

○糸洲朝則委員 今の話は大変重要な話で、市町村のメニューの中に入るかどうかは政策的な問題もあると思いますが、何しろ命にかかわることですから、数あるがんの中でも膵臓がんの見つけにくいところとか、あるいは見つかったときには既に厳しいということ等を考えましたら、小・中・高におけるがん教育というのもありますし、成人に対するがん教育というのもあります。ここら辺をしっかりしていかないと、2人に1人はがんにかかる可能性があるという時代ですので、そういう観点からのがん教育、あるいは啓蒙という視点からの考えはいかがですか。

○国吉秀樹保健衛生統括監 委員のおっしゃるとおりだと思います。子供のころからがんに関していろいろ教育をするといったことも教育委員会と連携をしながらやっているところです。あと、健康沖縄を取り戻すために、県民への行動指針というのがありまして、広くお知らせをしていますが、その中の1番目に検診、それからがん検診を受けて、必要な医療はしっかりやりましょうというのがございます。がんというのは、沖縄県で最も多い死亡の原因でございますので、それを含めて自分自身の体について関心を持って、日ごろからいろいろな機会にチェックをしていくということをもっと啓発していきたいと思っています。

○糸洲朝則委員 次に、がん患者の就労についてですが、これは本会議の代表質問でお聞きしました。答弁で、がん診療連携拠点病院等のがん相談支援センターにおける就労相談や経験者が相談員となっている沖縄県地域統括相談支援センター、あるいは国におけるハローワークと拠点病院が連携している就職支援モデル事業、そのほかに事業者に対するパンフレットでの啓蒙など、そういった答弁でございました。本会議ですのでこの答弁で良といたしますが、委員会ですので、今、申し上げた3つ、あるいは4つの事業について、もっと具体的に実績等も含めて御説明いただきたいと思います。

○大城直人保健医療政策課長 がん患者の相談については、先ほどおっしゃいましたセンター等で相談に乗っております。就労支援の件数については具体的に把握はしておりませんが、がん相談支援センターの相談件数の総数については5733件となっております。また、がんサポートハンドブックや事業者向けのパンフレットについても情報発信をして、がん患者の就労支援につながるように努めております。先ほど委員からもございましたが、国において、ハローワークと拠点病院が連携して実施する就労支援モデル事業の全国展開を予定しております。県としては、関係機関と連携して、さらなるがん患者の就労支援に努めていきたいと考えております。

○糸洲朝則委員 相談件数の5733件が示すとおり、ニーズは高いのです。私の周辺でも、現に治療をしながら仕事をばりばりやっている人も何名かおります。問題は、仕事はしたいけれどもなかなか適当な仕事が見つからないとか、そういった人等がおられるわけです。ましてや、限られた命の中での人生ですので、最大限に就労と治療を両立できるようにエスコートしていくということも大きな医療あるいは就労に関する課題ですので、できたらきちんとどういう人がどういう職種についていったとか、そこら辺も追跡調査をしていただきたいのですが、いかがですか。

○大城直人保健医療政策課長 おっしゃるとおり就労についても、がんが死因のトップにもなっている現状でございますので、委員がおっしゃったようにどういう人がどういう職種につながったとか、詳細な分析のためにもそういう統計に努めていきたいと思います。

○糸洲朝則委員 ちなみに、ハローワーク飯田橋では、いろいろ相談を受けて就職につなげていくという取り組みの中で、平成13年度から去年の12月までで70人が就職していると、これは新聞発表ですので正確な数字だと思います。このように頑張っていらっしゃる先進地もあります。沖縄県は、場合によっては島外に出られない、あるいは島内でということになろうかと思いますので、そこら辺を頑張っていただきたいと思います。これは就労したい患者と受け入れる事業者という相対した関係がありますので、事業者に理解を求めないといけないわけです。そういう意味で、がん患者を受け入れる職場の教育といいますか、啓蒙といったもの等も同時になさなくてはならないと思います。先ほど、パンフレットでもって啓蒙しているという話もありましたが、そこら辺について決意も含めて、今後の取り組みをお願いします。

○仲本朝久保健医療部長 がん患者の就労支援というのは、これから重要な事業になってくるかと思います。先ほど、保健医療政策課長の答弁で、国の就職支援モデル事業というのがございます。これはモデル事業ということで始まったのですが、今年度まで一部の都道府県で実施されておりました。この事業の中身は、ハローワークに専門の相談員や就職者ナビゲーターを配置し、ハローワークの中でがん患者等の就活に対応するということと、がん診療連携拠点病院で出張相談などに対応するということもモデル事業として始まっています。沖縄県においても、ハローワークと県のがん診療連携拠点病院であります琉大病院で、次年度からそれをやっていこうということで調整が始まっているところでございます。

○糸洲朝則委員 時間の配分がまずくて、病院事業局長に聞く時間がないのですが、文教厚生委員会あるいは本会議でもよく出ております離島から来る患者のための宿泊施設が県内に1カ所あるわけですが、それについてはいつも沖縄県ホテル旅館生活衛生同業組合とタイアップをして割引でやっているという答弁に終わっています。具体的に、離島からの患者及び家族の宿泊に関する現状について御説明をいただきたいと思います。

○大城直人保健医療政策課長 現状につきまして、昨年、担当が離島の市町村と意見交換をして、現状把握に努めております。いろいろな宿泊施設に関する要望等がございますが、まずは住民ニーズを把握して、地域の実情に合わせたきめ細やかな対応が必要な事業の実施については、地域づくりの主体であります市町村が主体となって行うことが望ましいと考えております。家族や付き添いのための宿泊施設の整備につきましては、聞き取りのみならず、住民ニーズに関して状況確認をして、課題の把握に努めてまいりたいと考えております。

○糸洲朝則委員 実績をしっかり把握して、ぜひ今後の施策展開に活用していただきたいと思います。きょうは踏み込みませんが、例えば、今、空き家問題が大きな社会問題になっています。したがって、その空き家をリフォームして、そういう施設に持っていくという手もありますということを申し上げて終わります。

○呉屋宏委員長 休憩いたします。

   午後0時3分 休憩
   午後1時24分 再開

○狩俣信子副委員長 再開いたします。
 午前に引き続き、質疑を行います。
 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 最初に、当初予算(案)説明資料の20ページ、こども医療費助成事業ですが、積算の根拠をお願いします。

○糸数公健康長寿課長 こども医療費助成事業の積算の根拠でございますが、平成27年度当初予算を10月からの年齢拡大のもので計算しましたので、それを12カ月分として計算したものが平成28年度の当初予算ということになります。

○西銘純恵委員 年齢別に出ていると思いますが、平成27年度の半年分、それから新年度は2500万円の上乗せということになると思いますが、そうでしょうか。年齢別の人数、金額もお願いします。

○糸数公健康長寿課長 通院の対象年齢が3歳から就学前の6歳まで伸びまして、各年齢の人数が約1万6700名から1万6400名程度おります。その年齢の方々が通院に係る費用が4歳は7300万円、5歳は7200万円、6歳も7200万円となっており、その費用を加えて積算をしています。

○西銘純恵委員 この積算についても、本当は実績や決算を見てやっていくのではないかと思います。市町村を入れたら200万円上乗せという形になっていますが、年齢ごとではどうなのかと。年齢引き上げのときにあとどれだけ必要かという試算が大事かと思ってお尋ねしましたが、今、自己負担分がある年齢の自己負担の額と割合はどうなっていますか。

○糸数公健康長寿課長 現在、自己負担ということで、医療費1カ所当たり1000円を3歳児に限って負担をしていただいているところでございます。平成26年度は、3歳児の通院費の自己負担の合計が1億1800万円ということになります。そして、県あるいは市町村が補助している額が1億5800万円ということで、一部自己負担の割合は42.76%と計算されます。

○西銘純恵委員 年齢は上がったけれども、結局は42%、43%近くの本人負担があるということであれば、全額無料という立場で、そういう負担をなくすということも必要ではないかと思います。窓口でも払わないといけないということもありますので、そこら辺を試算して自己負担をどうなくしていくかという検討も必要だと思いますが、それについてはいかがでしょうか。

○糸数公健康長寿課長 一部自己負担金は、平成19年にそれまで2歳だった通院年齢を3歳に引き上げるときに、1カ所あたり1000円ということで開始しました。平成25年からは1つの総合病院の中で複数受診をしても、1つの医療機関を1000円とみなすという形で若干変えているところでございます。この自己負担金に関しては、受益者に対して適正な負担を求め、それから財政負担の大きさから持続可能な制度とするということで設置をさせていただいているところでございます。実施主体の市町村からの意見としても、事業の継続性の確保、それから受益者、受給者の適当な負担を求めることが必要、あるいは過剰受診の抑制等の理由から一部自己負担が必要という意見がございますので、今後も引き続き市町村の意見を聞きながら検討していきたいと思っております。

○西銘純恵委員 国がやらないので、市町村や県が頑張っているということですが、負担なくということでまた今後考えていただきたいと思います。
 それでは県立病院への繰り出しについて、病院ごとの繰り出し方法と総額についてお尋ねします。

○大城直人保健医療政策課長 県立病院への繰り出しについては、公立医療機関についての使命として、救急医療、高度特殊医療、僻地医療等のいわゆる不採算医療を実施するに当たり、公営企業法に基づいて、診療報酬で充てることが適当でない経費、行政的経費、不採算部門に係る経費を一般会計から繰り入れをしております。病院ごとの繰入金については、北部病院が6億672万6000円、中部病院が11億8747万2000円、南部医療センター・こども医療センターが16億3447万4000円、宮古病院が9億4181万5000円、八重山病院が8億5802万1000円、精和病院が6億4509万4000円でございます。

○西銘純恵委員 これは積算の根拠を聞きたかったのです。例えば、救急医療に要する経費というのは入ってくるのと出ていくのではないと。そして、離島増嵩費についても新たに入れた増嵩費になっていると思います。病院ごとにお尋ねしたのですが、実際はほかの収支差でやっているのでしょうか、予算を出した根拠をもう少しお尋ねします。

○大城直人保健医療政策課長 繰入金の概要について御説明をして、資料に基づいたところで病院ごとに申し上げましたが、今回、保健医療部から出した繰出金については積算としまして地方公営企業法第17条の2の第1項第1号経費で、救急医療の確保に要する経費が8億6921万5000円、地方公営企業法第17条の2の第2号経費―企業債、元利償還金等の経費につきましては37億7127万6000円、地方公営企業法の第17条の3、研究・研修等に関するものについては12億5929万7000円で、保健医療部の積算としては、地方公営企業法に基づく区分に基づいて58億9978万8000円を当初予算で計上しています。

○西銘純恵委員 2年前の決算額を予算にするということですか。直近の決算額で繰り入れを決めているということは、そういうことですか。

○大城直人保健医療政策課長 2年前の決算に基づいてというところはまだ十分理解はしていないのですが、先ほど申し上げた地方公営企業法の3区分に基づいた内訳で当部は予算を計上しています。

○西銘純恵委員 救急医療に要する経費について、今、投げたのでわかるかと思いますが、平成23年度から平成28年度までの予算について金額が落ちてきているのです。その推移の資料をお持ちですか。

○大城直人保健医療政策課長 今、お尋ねの平成23年度から平成28年度までの6カ年の経費の救急医療に関する推移については、資料を持ち合わせておりません。

○西銘純恵委員 今の部長のところですが、ハイリスクの妊娠期から子育て期にわたる支援ということで―予算がどこに入っているのかわからないのでその件についてお尋ねしたいのですが、子育て世代の包括支援センター事業というのは、新年度予算に入っているのでしょうか。

○糸数公健康長寿課長 子育て世代の包括支援センター事業は、予算的には子ども・子育て支援新制度の中の地域子ども・子育て支援事業の中に利用者支援型の母子保健型ということで計上されています。今年度は、県の事業として180万円を計上しているところです。

○西銘純恵委員 事業内容について説明をしていただけますか。

○糸数公健康長寿課長 子ども・子育て包括支援センターは、市町村が実施主体となり、妊娠期から子育て期にわたるまでのさまざまなニーズに対して総合的な相談支援を提供するワンストップの拠点を設けるという事業となっています。平成27年度から本格実施となっており、沖縄県では今帰仁村が実施しているところです。先ほどの予算のお話ですけれども、国と県と市町村が3分の1ずつという割合になっております。

○西銘純恵委員 沖縄県ではハイリスク妊婦が何人いるのか、推移でお答えできますか。

○糸数公健康長寿課長 ハイリスクという決まった定義というのははっきりしたものはないのですが、これは市町村の保健から見て、やはりフォローが必要という形でいろいろ基準を設けているところです。例で申しますと、最初の妊娠届け出が遅い妊婦、あるいは若年の妊婦や高齢の方、未婚の方、経済的な問題を抱えていたり、その既往歴として流・早産があったり、あるいは精神的疾患を抱えている等々、それらの方々を流・早産あるいは低出生のハイリスクと捉えているところです。その具体的な数ですが、例えば先ほど申し上げた妊娠届け出週数が20週を超えて初めて届け出をされる方が沖縄県では、平成25年で786件、全体の4.6%ということになっています。全国では1.4%ということですので、3倍以上届け出が遅い方がいるという実態となっております。もう一点、若年妊婦―19歳以下のお母さんの割合について、沖縄県は437名、2.6%となっており、これは全国の1.3%の2倍でずっと推移しているところでございます。

○西銘純恵委員 この事業は大変重要で、沖縄県が力を入れないといけないと思います。現年度、今帰仁村だけ実施をしているということですが、41市町村では実施しないということですか。次年度予算でどうなっていますか。

○糸数公健康長寿課長 この事業については、ワンストップで妊娠期から子育て期の中に地域で相談できる方を置くということで、妊婦の孤立を防ぐ、今の地域のつながりが希薄な中では非常に重要な存在であると認識しております。現在、市町村に意向を確認したところ、今帰仁村だけということになっていますが、県では引き続き子育て包括支援センターの市町村のさらなる拡大のために、国の制度に関する情報の周知あるいは担当者会議、研修会等でこの事業について説明をして、関心を示したところについては、必要があれば出向いて説明をして、事業を展開することについて一緒に相談していきたいと考えております。

○西銘純恵委員 全国の3倍もあるようなハイリスクということであれば、例えば平成28年度に3割の市町村で実施させるとか、目標を持ってやるべきだと思いますが、それは考えていますか。

○国吉秀樹保健衛生統括監 今、健康長寿課長から申し上げたように、担当者会議や研修会を通じて、制度の理解を促すとともに参加をしてくれるよういろいろ御説明をする予定であります。ただ、今、申し上げたような課題について、やはり沖縄県ではしばらくずっとこういう状態がありますので、市町村としましても非常に大きな課題であることは十分認識しております。市町村でいいますと、保健相談センターがございまして、保健師を初めいろいろな専門職が常駐しております。そちらは市町村の中でもかなり認知をされておりまして、日ごろから相談が来たり、あるいは電話が来たりということで対応しておりまして、そういうことを通じながらこれまでより一層ワンストップ化が進められるようにということで、また御案内してまいりたいと思っています。

○西銘純恵委員 そういうことをやっていてもそれだけ高いということで、沖縄ではもっと進めないといけないということで、計画的に急ぐべきだということを指摘しておきます。ぜひ、急いでやっていただきたいと思います。
 次に、病院事業局に移りまして、一般会計からの繰入額の積算根拠、そして病院ごと、項目ごとをお尋ねします。先ほど聞いた部の方は知らなかったのですが、救急医療に関する経費については平成23年度からどうなっていますか。

○真栄城守県立病院課経営企画監 一般会計繰入金の平成28年度の予算について、救急に関しては救急医療に要する経費としまして、平成28年度予算が8億6671万8000円となっております。ちなみに、平成23年度からの推移を申し上げますと、平成23年度が11億9038万2000円、平成24年度が12億1105万2000円、平成25年度が8億2556万7000円、平成26年度が7億655万7000円、平成27年度が7億4445万円、そして先ほど申し上げました平成28年度が8億6671万8000円でございます。

○西銘純恵委員 救急医療というのは、入ってくる収入は全く見ずにかかる経費ということなのですが、これが11億円、12億円の時期もあったということですよね。そうしますと、救急医療の搬送といいますか、患者が来なくても救急医療は待ちになるわけです。ですから、事業を縮小したということでそういう経費も、繰入額も減ったのでしょうか。

○真栄城守県立病院課経営企画監 救急医療に係る繰入金の算定につきましては、委員御指摘の空床確保等に要する経費というところで繰り入れの対象となっているわけでございますが、本県の場合、この条件に加えまして、救命救急センターの運営費用、それから救急医療の提供に要する費用を含めて積算をしておりまして、さらに収入状況も加味した形で収支差を算定の方法としているところでございます。

○西銘純恵委員 以前からこの繰り入れについてやっていますが、過去に85億円の特別な繰り入れをやる以前のものを合計しましたら、平均65億円でした。ですから、最低の時期でも65億円と。今、医療はもっと高度になっていて、もっと上がるはずですが、まだ本年度59億円に満たないということで、これは収支差ではないですよね、どうですか。

○真栄城守県立病院課経営企画監 総額ということになりますと、いわゆる3条予算といいますか、損益に係る部分については、収支差による繰り入れを原則としておりますけども、それに加えまして4条予算で設備投資等にかかります企業債の償還、その償還分の2分の1の繰り入れという算定もございまして、年度ごとにその状況が変わってくる部分もございますので、その辺の状況と経営再建期間につきましては、経営再建の支援という状況もございました。そういった状況もろもろ積算した上での金額の推移になっていると理解しています。

○西銘純恵委員 保健医療部は法に基づいてやっているというだけの根拠なのです。ですから、実際に救急医療に要する経費というのは法では収支差ではないとなっているわけです。収支差ではないので、かかった経費を要求すべきだと言っているのですが、いかがですか。

○真栄城守県立病院課経営企画監 委員御指摘の収支差ではなく、経費を全て繰り入れるという御指摘もございますが、私どもの現在の解釈といいますか、運用ということにつきましては、基本的には地方公営企業法の繰り出し基準の範囲内と認識をしているところです。ただ、そういった御指摘もございますので、内容については引き続き検討を進めていくという認識でございます。

○西銘純恵委員 病院長にお尋ねします。救急医療をやっているところですが、要する経費について今は収支で繰り入れをしていると言っていますが、皆さんはどういう意見を持っていますか。

○仲間司北部病院長 繰入金に関しては病院の中ではタッチできないところですので、実際に計算をして、これぐらいことしは来ますよと言われたときには、我々はのむしかありません。収支差でやるかどうかに関しては、法律にのっとってやっていると言われている以上、法律を破れとは言えませんので、我々は余り関与できません。今のところ、もちろんお金は足りていませんので、救急のところで赤字だというのは確かだとは思いますが、それをどのようにするかということに関しては、病院事業局長にお願いいたします。

○西銘純恵委員 救急医療に要する経費ということで明細書をいただきましたが、病院ごとに収入経費の説明をお願いできますか。

○真栄城守県立病院課経営企画監 平成28年度予算見込みにおける救急医療に要する収入経費の見込みということで、北部病院を申し上げますと、北部病院は収入が7718万4670円、経費が1億6522万5486円、収支差がマイナス8804万816円となります。その額を繰り入れるという予定にしています。中部病院につきましては、収入が7億6195万9302円、経費が9億8759万4936円、収支差が2億2563万5634円のマイナスになり、その額を繰り入れる予定となっています。南部医療センター・こども医療センターについては、収入が7億2734万9415円、経費が10億3091万3209円、収支差が3億356万3794円のマイナスとなり、その額を繰り入れる予定でございます。宮古病院については、収入が7430万9980円、経費が1億7625万2073円、収支差がマイナス1億194万2093円で、その額を繰り入れる予定となっています。八重山病院については、収入が6055万4820円、経費が2億808万9925円、収支差が1億4753万5105円のマイナスで、その額を繰り入れる予定としています。精和病院は救急を行っていないのでゼロとなっています。
 合計を申し上げますと、収入の合計が17億135万8187円、経費の合計が25億6807万5629円、収支差が8億6671万7442円で、同額を繰り入れるという予定にしております。

○西銘純恵委員 経費が合計で25億円ですが8億円しかやっていないので、差で見れば、今、58億円トータルの繰り入れになっていますが、あと17億円足したら75億円になるはずなのです。それが根拠がある法に基づいた数字ですので、もう一回、今年度、再検討をお願いしたいと思います。
 次に、離島増嵩費についてお尋ねしますが、この間の推移は幾らですか。

○真栄城守県立病院課経営企画監 現在は離島支援措置という項目名で繰り入れを行っていますが、平成24年度からこれは始まっていまして、平成24年度が4億円ちょうどとなっております。そして、平成25年度が2億4100万円、平成26年度が2億7217万9000円、平成27年度が2億7385万7000円、平成28年度予算が2億7597万2000円となっています。

○西銘純恵委員 病院ごとの報告をお願いします。

○真栄城守県立病院課経営企画監 病院ごとについては、平成27年度と平成28年度の予算分だけしか手元にございませんが、平成27年度は宮古病院が1億3674万6000円、八重山病院が1億3711万1000円です。平成28年度予算につきましては、宮古病院が1億4048万9000円、八重山病院が1億3548万3000円となっています。

○西銘純恵委員 宮古病院、八重山病院の院長にお尋ねします。平成24年度は経費の離島増嵩費として4億円の予算をつけていますが、皆さんが要求した額はそれぞれ幾らでしょうか。

○上原哲夫宮古病院長 一応、最初の2億円のときはどんぶり勘定みたいなことでやられましたけれども、その後にいろいろ計算をしまして、少しずつ減ってきているという感じはあると思います。実際に、離島増嵩費で赴任手当や離島手当などがありますけれども、経営上はいろいろな輸送費とか、建築費が高いなどいろいろありますし、そういうものを含めるともう少しあってもいいのかと思います。最初の2億円、2億円、計4億円のときの計算をしてみますと、当院のデータとしては3億円ぐらいにはなっていますが、それは実際には申請していません。計算上はそうなっています。

○依光たみ枝八重山病院長 八重山病院の総務省からの繰り出し基準外では、約1億3548万円を他会計の補助金として繰り入れることになっています。離島支援措置の定着を評価したいのですが、今、宮古病院長からもありましたように、それ以外にも目に見えない形でいろいろ出ておりますので、増額を要望したいと思います。しかし、これはやはりいろいろな予算の関係で困難なこともあるかと思いますが、離島苦のことも考えて、考慮していただきたいと思っています。

○西銘純恵委員 離島でも同じ医療を守るという立場ですから、やはり必要な繰り入れ、これは財政からきちんと繰り入れをしてもらうものですから、要求すべきことはやってほしいと思います。
 次に、病院内保育所の設置状況、運営費と病院会計との関係をお尋ねします。

○津嘉山朝雄県立病院課長 院内保育所への繰り入れにつきましては、平成28年度当初予算における運営に要する経費への措置額として、中部病院で1532万8000円、南部医療センター・こども医療センターで1303万円となっております。

○西銘純恵委員 繰り入れについては聞いておりません。運営費と会計との関係について聞きましたが……。

○津嘉山朝雄県立病院課長 平成28年度当初予算につきましては、中部病院で収入として、保育料収入が981万6000円、補助金収入としまして66万3000円、繰入金として1532万8000円の計2580万7000円を計上しています。支出は院内保育施設運営委託費等として5304万3000円を計上し、収支差が2723万6000円、これは病院からの持ち出しという形になっております。それから、南部医療センター・こども医療センターについては、収入として保育料収入が1549万8000円、補助金収入が240万5000円。繰入金としまして1703万円の計3493万3000円を計上しております。支出は、院内保育施設の運営委託費等として7316万9000円を計上しておりまして、収支差が3823万6000円で、これが病院の持ち出しとなっています。

○西銘純恵委員 職員の定着、県立病院を守るということで、収支差あわせて6000万円余りありますが、これは保健医療部が補助をするか、繰り入れをするかだと思いますが、いかがでしょうか。

○大城直人保健医療政策課長 県立病院の院内保育所運営費につきましては、補助事業は、従来、国庫補助のメニューで公立病院については対象外ではありました。地域医療介護総合確保基金に移行したことから、県としては、今年度から公立病院を対象に含め事業を行っているところです。繰り入れは、先ほどの法定の基準でございますが、補塡といいますか、補助を平成27年度から行っております。

○西銘純恵委員 平成28年度は、あわせて300万円ですよね。わずかではありませんか。ですから、6000万円を超える収支差額を病院が独自に持つということは、地域医療を守るということであれば、額をきちんとして、ここの保育所が運営できるようにすべきだと提言したいのですが、これは検討願いたいと思います。未設置のところには設置をして、職員の皆さんがそこに定着をすると。そうすることで、若い皆さんが頑張れるということになると思いますので、ぜひこれを進めていただきたいと思います。
 次に、八重山病院の建設費が高騰しました。今度は46億円出ていますが、病院会計にどのような影響が出るのでしょうか。

○幸喜敦県立病院課副参事 新県立八重山病院建設工事は建築費の高騰、それから地域外からの労働者確保に要する費用等、建設費用の増加が見込まれます。これら建設費の増加に伴い、企業債の元利償還金が増加するなど、病院経営への影響が生じることとなります。今後は、可能な限り地域内での労働者の確保をする取り組みを行うなど、建設費用の増加の抑制に取り組むとともに、安定的な経営に向けて収益の確保や費用の縮減に取り組んでまいります。

○西銘純恵委員 当初の総工事費と今度の予算は、どれだけの違いが出ますか。

○幸喜敦県立病院課副参事 当初の建設費は100億円を見込んでいましたが、今回、建設費の高騰、単価等のアップ、それから、これまで見込んでいなかった地域外からの労働者確保の費用ということで、これから再度積算にかかる予定でいます。ですから、労働者確保については、実績を積んで確保するということで、まだ未知数の部分があるということです。

○西銘純恵委員 今度の入札でどれだけの額に上がりましたか。何倍ですか。

○幸喜敦県立病院課副参事 当初の額から外構工事等の部分を除いた約6.5億円が設計額で増加しています。100億円にプラス6.5億円ということです。

○西銘純恵委員 では、100億円の予定が106億円ということですか。

○幸喜敦県立病院課副参事 これから契約する額が、約6億円と考えております。

○西銘純恵委員 余りよくわからないのですが、相当な建設費が増加するわけですよね。最初に予算の編成方針を病院事業局長が言いましたが、もう一度言ってくださいますか。

○伊江朝次病院事業局長 平成28年度の沖縄県病院事業会計の予算につきましては、持続的な経営の健全化を達成するため、各病院の経営力の向上を図ること、収益向上につながる取り組みを強化すること、費用の縮減と効率化を推進すること等を基本方針として編成しております。

○西銘純恵委員 知事が提案理由の説明として言ったことは、「県立病院については、地域の中核病院として救急医療や小児医療、周産期医療など医療提供体制の安定確保に努めるとともに……」ということで、そこが肝心なのです。ですから、今の八重山病院の増嵩費についても、県の本庁がこれだけ今の事情にあわせて繰り入れなり、補助をすべきだと思っております。ぜひ、皆さんで詰めていただきたいと思います。

○狩俣信子副委員長 比嘉京子委員。

○比嘉京子委員 本会議においては、健康長寿復活に向けてのプランということで質問をいたしました。当初予算(案)説明資料、20ページから21ページ、新規のソフト交付金を利用して、92番から95番にかけての関連質疑でございます。
 まず1番目に、さきの議会において、質問の中で保健医療部長もおっしゃっておられましたが、沖縄県の年齢調整別の死亡ワースト5は、全国に比べるとかなり大きいと。しかもそれが生活習慣を踏まえた、いわゆる感染ではない、そういう病気で54%の方の死因があるというお話がありました。生活習慣の中でも、今回は特に食について聞きたいと思います。
 まず第1番目に、乳幼児期から高齢者までのライフステージの間に、どのような食育が途切れなく実施されているのかお聞きしたいと思います。

○糸数公健康長寿課長 最初は、次世代を担う子供たちに対する施策―食生活が子供の心身の成長及び人格の形成に特に重要である、あるいは幼児期の生活習慣が生涯の健康づくりの基本ということになりますので、子供たちに接している家庭、保育所、それから学校において、規則正しい食生活や栄養バランスのとれた食育を推進しています。具体的には、保育所における食育計画に基づく食育であったり、あるいは児童生徒に副読本を配布して、食育について体系的に学ぶ体制づくりを、今、進めているところでございます。その後、社会に出てからの働き盛り世代は課題がかなり多いのですが、この世代は肥満や生活習慣病、委員御指摘のさまざまな生活習慣病の合併症による疾患、死亡が問題になっているところです。そこで、各種メディアを活用した、広報・啓発、それから日中多くの時間を過ごす職場において、そのような食に関する取り組みができないかということで、現在行っていますのは、テレビ、ラジオ、バス等を利用した広報。それから、働き盛りの健康づくり支援事業ということで、事業所に対する助成事業をしていますが、その中でヘルシー料理教室や健康講座等を行っています。高齢期については、食生活に関する普及・啓発、低栄養だったり、高齢期には高齢期の課題がありますので、それについてイベントなどで低栄養などの注意点の啓発、それから、地域の食生活改善推進員の方々による低栄養認知症予防教室というものが現在行われているところでございます。

○比嘉京子委員 今、おっしゃったことで、例えば保育所においても、保育所における食育に関する指針というものが厚生労働省から出ています。それがどの程度おりているかというところも、多分に把握ができていないと思いますし、学童期において、学校でどの程度おろされているかということも、多分に現状としては凹凸がかなりあって、一定の年齢でこれぐらいは理解がされているという、事の現状としては十分な現状把握はないのではないかと思っております。
 2番目に、メタボリックシンドロームと予備軍を足しますと、沖縄県のメタボリックシンドロームが日本の中でワーストワンであると。そのことを議会でやりましたが、そういう人に対するアプローチはどうなのですか。

○糸数公健康長寿課長 メタボリックシンドロームは、現在、保健所あるいは市町村が行っています特定健診というものがありまして、そこで腹囲あるいは血液検査などで、メタボリックシンドロームあるいは予備群と判定されます。その方々については、引き続き特定保健指導という形で、食生活を含めた保健指導が適切に行われているところです。その前段階の予防に係るところにつきまして、県では対策を推進しているところです。県内各地で、食生活改善推進員の連絡協議会、あるいは公益社団法人沖縄県栄養士会という専門団体に委託をして、講習会や体験型の栄養教育事業として食育サポートシステムというものがありますが、これを活用した講習会等を行っているところです。さらに、県民には広く普及・啓発ということで、食生活及び適切な食習慣について広報をしたり、食生活改善推進員の方々の協力を得て、油控えめのヘルシーメニュー集という冊子を作成して、各種配付などをしているところでございます。それ以外にも、保健所や市町村の栄養士、そして栄養士の方でも地域活動―在宅訪問管理栄養士の方々や食生活改善推進員の方々を対象に資質向上のための研修会も各研修等で行われているところです。

○比嘉京子委員 例えば、行政が方針を決めて、保健所や市町村、そしてそこにいる保健師や栄養士など、そういう行政のメンバーが一般住民におろしていく。そのおろしていく、連携をするところに食生活改善推進員がいるというお話でした。その方々は、全県で何名ぐらい養成されていますか。

○糸数公健康長寿課長 平成26年度は1000名で活動されております。

○比嘉京子委員 例えば、何世帯に1人の割合で養成するとか、何か目標はありますか。

○糸数公健康長寿課長 先ほどの人数だと、現在は1人当たり600世帯ということになっています。数値としては特に目標を設定していませんが、このような担い手の増加を目指すということが県の中では目標になっています。

○比嘉京子委員 任期はどれくらいで、手当等は出ているのですか。

○糸数公健康長寿課長 これにつきまして特に任期はございません。手当もなく、ボランティアとして活動していただいているところです。

○比嘉京子委員 長野県の事例について、どれぐらいの世帯に1人の養成をしているかということと、任期等は御存じですか。

○糸数公健康長寿課長 長野県には現在3863名、1人当たりの世帯数が219世帯ということで、沖縄県の600世帯に比べますと、数が多く配置されております。食生活改善推進員自体の任期は承知しておりませんが、保健補導員という、古くから養成されている方々―昭和20年からですので70年近く活動している方々、これが1万1000人おりまして、これは2年間の任期でどんどん交代していくという形になっています。

○比嘉京子委員 実際に計画したことをどれだけ浸透させるかという手足が沖縄県にはないということなのです。それをどうするかと言いますと、一番経費がかからないのは、推進員の方々、また主婦でも、活動的な方でも、そういう方たちに系統立ててお勉強していただいて、地域にそれを浸透させていく人、そのボランティアをする人たちを2年単位でどんどんふやしていく。これは一番の広がりになると思います。もっと本腰を入れて、そこに力を入れていく考えはございませんか。

○糸数公健康長寿課長 県としても課題と考えておりまして、食生活改善推進員をふやすための取り組みの課題としましては、決まったメンバーの固定化といいますか、なかなか会員がふえないという問題があったり、市町村で養成講座を開催しても、養成講座を受けた後に加入に少し足踏みをしてしまうという課題があるということが実態調査によって把握したところでございます。この調査の結果を整理して、食生活改善推進員の連絡協議会がありますので、そこと市町村とも課題を共有して、取り組みを検討していくという段階でございます。

○比嘉京子委員 指導内容やカリキュラム。そして、県が主導して講師を派遣する。これはやりなさい、やりなさいだけでは無理です。長野県では県がラインを引いているのです。ですから、ステータスが一定にあって、凹凸がないのです。こういうことをしっかりやっていただくということを、ぜひお願いしたいと思います。
 それから、知の拠点はあるかと質疑に入れましたが、長野県のすぐれたところは、長寿の要因を研究論文や資料、インタビューから分析をして細かく出しているのです。今、沖縄県に栄養に関する知の拠点があるかということが非常に疑問ですが、どう思われますか。

○糸数公健康長寿課長 栄養に関するデータといたしまして、5年ごとに県民健康・栄養調査を実施しているところでございます。このデータの中で、いろいろな現状把握をしたり、指標を設定したりしている非常に重要な調査でして、沖縄県では沖縄県衛生環境研究所において、結果の集計・分析を行い、今、その調査報告書を作成しているところです。データに関しては、県の健康長寿課で保管をしており、適宜―必要なときに再分析をするという形が現状でございます。

○比嘉京子委員 県民健康・栄養調査で5年ごとに調査がされているわけですが、これは地域ごとにきちんとあるのですか。

○糸数公健康長寿課長 県内にある保健所管内で国民生活基礎調査などの調査と同じようにサンプリングをして、その中から食事内容などを確認するということで、国民栄養調査は毎年行われていまして、それは県内の1地区あるいは2地区ですが、5年ごとの県民健康・栄養調査の場合は、県内全ての保健所管内で実施をするという流れになっています。

○比嘉京子委員 長野県の場合、保健・医療・栄養という3分野で、戦前戦後を通して、どのように住民の生活が変化してきたかにあわせて、一軒、一軒の野沢菜の塩分濃度から尿中ナトリウムの排泄量まで測定をして、現在の男女の1位があるというお話をしていました。こういう細やかな地道な活動というのが、沖縄県ではずっとされてこなかったということを、まず指摘しないといけないと思います。それと同時に、沖縄県は栄養士を養成していません。ですから、栄養を研究する論文、地域の研究データがありません。そのことを大きく問題だと思っていまして、これは指摘をせざるを得ませんが、こういうこともそこから発信する施策を出し切れない大きな原因になっているということを感じていますが、いかがお考えですか。

○仲本朝久保健医療部長 食に関する研究拠点や知の拠点が必要であろうということについての認識は一緒だと思います。例えば、食育が医療保健分野における専門性を持った人材の育成であるとか、食品の機能性研究による栄養食品等の産業の活性化、あるいは栄養管理技術の革新により医療費や介護費等の削減などが期待できるものです。そういう意味で言いますと、そういうデータや研究もろもろを活用して、次の世代の健康長寿復活にまた生かしていくことが必要だと思っています。

○比嘉京子委員 次に、がん対策についてお聞きしたいと思います。
 今回、2億円余りの予算がついていますが、本県におけるがんに特化した集中的に対応できる医療体制はどうなっていますか。

○大城直人保健医療政策課長 県では、平成25年4月に県のがん対策推進計画を策定し、拠点病院をがん対策の中心機関として位置づけ、がん医療の均てん化を図っているところでございます。国指定の拠点病院には、国の整備指針に基づき、都道府県がん診療連携拠点病院として、琉球大学医学部附属病院がんセンターを、そして中部病院、那覇市立病院については、地域がん診療連携拠点病院として指定されております。

○比嘉京子委員 今回、国からがん対策加速化プランが出てきているようです。そのためにこの予算が組まれたのかと思いますが、沖縄県としては、それを受けてどういう強化をしようと考えていますか。

○大城直人保健医療政策課長 平成25年に国の整備指針が改正になりまして、グループ指定が導入されることになっております。拠点病院整備の二次医療圏であっても、他の二次医療圏の拠点病院と連携し、基本的がん診療を行う病院を地域がん診療病院として国が指定することになっています。そこで、県では地域がん診療病院の整備を進め、平成27年に宮古病院、平成28年には八重山病院が指定されることとなっています。

○比嘉京子委員 もっと集中的に、例えば他都道府県にいきますと、がんセンターというものもありますし、がんに特化した拠点もあるのですが、そういう考えはありますか。

○国吉秀樹保健衛生統括監 集中的にということで、例えば愛知県がんセンターなどが昔からありまして、そこではがんの治療を集中的にやると。それから、がんの予防を含めた研究をやるという体制ができている県も幾つかございます。現在、沖縄県では、計画としてそういうものはありませんが、少なくともがんに関する対策として、予防から疾病対策、患者の支援まで系統立ててやるということで、平成28年度からがんに関する担当課を1つにまとめまして、がん対策班というのをつくる予定となっております。そこで、いろいろな可能性について検討ができると思っています。

○比嘉京子委員 やはりそういうことがあって、その延長線として重粒子線治療があるのならわかるのですが、今、離島においても、がんの対策拠点づくりさえもできていない中で、そういう話というのは優先順位としてどうなのかという考えを持っています。
 あす、東日本大震災から5年目を迎えますが、医療と保健の防災マニュアルについて、お聞きしたいと思います。

○大城直人保健医療政策課長 防災マニュアルにつきましては、本県ではまだ策定はされておりませんが、他県では地域防災計画に基づき、医療、救護、介護について、関係機関が実施すべき基本事項を定めております。震災発生後の初期救急、それから避難所が設置されている医療、救護活動等についてマニュアルで規定し、実施をしているところでございます。

○比嘉京子委員 今は、他都道府県のことではなくて、本県のことを聞いています。

○大城直人保健医療政策課長 独自のマニュアルはまだ作成されていませんが、災害時、本県におきましては、沖縄県地域防災計画に定める医療救護計画に基づき災害医療を実施することとなっています。今後は、沖縄県医師会、関係機関と連携し、医療救護計画を確実に実施できるよう、実施手段等具体的にマニュアルの作成を行っていきたいと考えております。

○比嘉京子委員 ということは、予算にも入っていないということですか。

○大城直人保健医療政策課長 マニュアル策定の具体的な予算は、計上しておりません。

○比嘉京子委員 ぜひ、早急にマニュアルづくり、それから具体的に動ける体制をつくっていただければと思います。
 次に、病院事業局について、午前中に多くの質疑がありましたので、それを踏まえてお聞きしたいと思います。
 皆さんには必要な人員の人数を出していただきましたが、八重山病院のようにプラス1だという話で、今、定数として持っているけれども足りていない人数がありましたら、全病院で教えてください。

○仲間司北部病院長 現定数でまだ埋まっていない人数だけを先に述べさせていただきます。
 医師に関してはマイナス1ということで、埋まっておりません。看護部門では、トータルでマイナス5.5という形になっています。放射線部門ではマイナス0.5になっており、薬局ではマイナス2という形になっております。余っている、余分なところもありますので、コメディカル、看護部門全部入れますと、マイナス4という形になっています。それから、ことしの要望は先ほど申し上げたように、7対1看護体制などいろいろ事業をやりますので、56を要求しています。

○新垣義孝中部病院副院長 中部病院は15の定員増を要求しているわけですが、今の御質疑は、現状で県立病院の人員が十分足りているかというような質疑内容でよろしいですか。

○比嘉京子委員 時間がないので急ぎすぎてはしょりましたが、ことしの定数条例で、例えば先ほどの127名というのは提案されているのでしょうか。

○津嘉山朝雄県立病院課長 今年度の職員定数の条例改正に向けては、総務部と調整をやってきましたが、経営への影響等の確認作業をまだ継続しておりまして、2月議会では改正を見送ることにしております。そして、現在も調整をしておりまして、6月議会で改正できないかということで、今、調整を進めているところです。

○比嘉京子委員 6月議会で提案をして、そもそも新年度に上げても、採用試験がことしありますので、同じなのかとは思いますが、今のように、今までいただいている定数の中にも、先ほどの北部病院長のように、不足な人数というのはおられるのですかという質疑です。

○新垣義孝中部病院副院長 中部病院は15名で要望を出していますが、現在、薬剤師、管理栄養士、看護師、そのほかの人員を確保するという段取りになっております。

○比嘉京子委員 総計は何名ですか。

○新垣義孝中部病院副院長 トータルで23名です。

○我那覇仁南部医療センター・こども医療センター院長 定数に関しては、若干少ないと思いますが、先ほど言いましたように、現場で満足しているかどうかということは別の問題です。医師も足りないですし、先ほどのディスカッションでもありましたが、看護師もおよそこの数の倍ぐらいではないかと思っています。もう一つは、やはり、費用対効果というのがありまして、特に医師の場合には、1つはベッド数が足りないと。入院の収益というのはかなり高いものですから、なかなか病院から要求するほど雇用できないということは理解できます。現実的に大きな問題は、看護師とMEと薬剤師で、薬剤師、MEに関してはICUの加算も申請できますし、MEはたしか5人ほど足りなかったと思います。薬剤師に関しても10人ぐらい―はっきりしたことについては、後日お答えできると思いますが、薬剤師に関しては、服薬指導が非常に大きな役割でして、これが十分できていないと。薬剤師については、これから大きな病院が獲得を検討していく問題だと思います。

○上原哲夫宮古病院長 宮古病院では医師の欠員が4人、事務方が1人、それから薬剤師が1人となっています。看護部門では、常に産休、育休で9人ほど欠員になっていまして、また離島においては、急に臨任を採用することが非常に困難なことがありますので、その辺を考慮していただいて、もう少しそれを見越した定数がほしいという感じはあります。

○依光たみ枝八重山病院長 最初6名と言いましたが、任期途中でやめた薬剤師の2名を入れますと、医師定数44名に対して4名の不足。それから、看護師188名に対して2名の不足、そしてコメディカルの薬剤師が2名不足で、トータル8名ということになります。

○伊波久光精和病院院長 定数に関して、一応決められた定数は、今、充足しております。ただ、ほかの病院と同じように病休や育休、その辺の補充がうまくいくかどうかという問題があります。また、臨床心理士に関しては2人定数がありまして、まだ1人は来ていませんが、今度来ることになっています。ほかの病院と一緒で、決められた定数は充足しています。ただ、実際の診療には差し支えがあるぐらい、総人数としては不足しているということです。

○比嘉京子委員 きょうはせっかくですので、各病院から提案したいことがございましたら、お願いします。

○新垣義孝中部病院副院長 現場の意見ということでお話ししたいと思います。中部病院は、全体的に狭隘となっておりまして、実は、十二、三年前に新病棟をつくったときに350床ということで、旧病棟を200床残しています。その旧病棟の200床がかなり陳旧化しまして、中部病院は災害拠点病院であるにもかかわらず、耐震強度の1.5を満たすことができておりません。南病棟を補強するかという話になりますと、その場合、補強する間は診療ができないので、その病棟を閉鎖すると。なおかつ、補強をしたときにはベッド数が減ってしまうということで、その補強した状況でその病棟を使いますと毎年10億円の赤字が出ると計算されております。それが10年間で100億円、20年使いますと200億円の赤字が出る結論になっています。ですから、現在、中部病院が果たしている役割を考えますと、かなりゆゆしき問題だろうと考えています。といいますのは、宮古・八重山地区の離島、そして北部病院も含めまして、ドクターを派遣している県立病院が全体の55%。その中で中部病院が44%を占めていますので、沖縄県内の医療体制にかなり大きな影響があるのではないかと考えております。ということで、中部病院では、来年度精査をしまして、今後の計画を病院として考えていきたいと考えております。

○仲間司北部病院長 北部病院の課題ですが、ことしの2月から7対1看護体制を施行しまして、3月1日に申請を出しました。7対1看護体制を実行して非常によかったと思っていまして、看護師たちからも負担がとれて楽になったと言う声もあり、非常に喜んでいるところです。しかし、残念ながら、現有である病床数としては211床ですが、実は210床で申請しておりまして、少し気を抜くとそれを超えてしまう。北部地区全ての病院の先生方にお願いをして、我々の患者を引き取っていただきましたが、それもそろそろ限界に達するような状況になってきています。このままずっと走って行きますと、また看護師や医師などに負担がかかってくると思います。ですので、7対1看護体制をやる以上は、送る地域のニーズとあわせて、なおかつ、自分たちの病棟で地域包括ケア病棟をつくらない限りは、長く入院している患者の受け皿にはならないだろうと考えていますので、早目に地域包括ケア病棟をやりたいと思っております。そのためにどうするかといいますと、やはり看護師の確保という形になります。残念ながら、ことしの2月議会には出ませんでしたが、6月議会にはぜひ出していただいて、定員の枠をいただき、地域包括ケア病棟を開けるよう目指して頑張りたいと思います。喫緊の課題としては、北部圏域には10万人の住民がいますが、脳神経外科は1人ですので、それをぜひ2人体制に持っていこうと思って苦労しています。それから、眼科の先生が開業なさいましたので、眼科も一応、琉大病院にお願いをして外来をやってもらっていますが、外来だけではどうしてもできませんので、それを何とかやりたいと。また、救急科も3人で回しているので、それも何とかふやしたいと思っております。この3つを喫緊の課題として、来年度頑張ろうと思っています。
 それから、あともう一つは、機器がかなり古くなっており、昭和60年代とか、私と同じような古い機械が働いておりますので、それを何とか更新に持っていけるような考えを病院事業局にもお願いをして、新しい機器の更新を順序よくやっていきたいと思っております。

○我那覇仁南部医療センター・こども医療センター院長 私からは、2点強調したいことがあります。
 まず1点目は、先ほど来、話をしております看護師確保に関して、もう一歩踏み込んだ話をしたいと思います。病院事業局長も話していましたように、看護師確保というのは、非常に喫緊の問題であると。とても大きなプライオリティーの高い、解決すべき問題だと思います。一方、看護師不足のために休床をしているところが、私どもの病院は20床あります。我々の病院は入院の単価が7万2000円と非常に高いので、空床を許可病床までオープンにすれば、病院の刺激的にも非常によいことではないかと思います。これも看護師の確保が必要なのですが、そう思っております。一方、看護師を確保するためには、やはり内部努力をする必要があると思います。実は去年から、家族との時間、自分の時間を持てるようにという現場のナースからの強い要望で、県立病院では初めて看護師の2交代制を導入しました。この意味において、県立病院は、他の民間病院よりもおくれをとっているのではないかと。周りの病院というのはほとんどが2交代制で、2交代制がないために入職をしないという看護師も数多くいます。それから、一旦2交代制にしますと、それが非常によかったということで、3交代制のところには余り行きたくないということがありますので、今後はぜひ2交代制を導入するにはどうしたらいいのかということを、県のメッセージとしてやるべきではないかと思います。これが1点目です。
 2点目は、保健・医療に関係することですが、現在、地域医療構想検討会や地域包括ケアシステムに関していろいろディスカッションがありますが、私たちの病院では30日を超える長期の患者が大体100名近くいます。それはどうしてかといいますと、受け皿がないということで、結局こういう方たちが病院にいるために、本来、研修医の使命・役割である急性期の患者が入院できないということがあるわけです。ですから、今後、早急な人口問題も、高齢化が進む中で回復病床の絶対数が沖縄県は不足しています。そういったことをぜひ政策医療として受け皿をつくっていくような方向で、検討していただきたいと思います。

○上原哲夫宮古病院長 宮古病院も新しくなりまして、3年目に入りました。二、三年するとまた八重山病院もできるということで、非常に嬉しいのですが、やはり病院が新しくなると患者がふえます。また、去年の1月には伊良部大橋もできましたので、その部分で外来患者がふえるということがあります。そういうものにどう対応するかということで、スタッフの確保で非常に悩むところですが、現在一番困っていることは、眼科医がいないということです。北部病院でも眼科医が開業したということで、だんだん県内の眼科医が少なくなってきていまして、未熟児網膜症などの患者が来ますと、宮古病院では見ることができないので、南部医療センター・こども医療センターに搬送している状況があります。そういうことなどがありますが、ほかに明るい点といいますと、4月から家庭医療センターという後期研修システムを始めましたので、そこに4名の若い医者が集まり、地域の活性化といいますか、病院の戦力にもなりまして、それは非常にいいことだと思っています。地域で医者を育てるということが、医師確保につながるのではないかということで、始めていまして、また4月からは基幹病院型の新臨床研修システム―定員は2名ですが、そこも始まりまして、そこにも新しい医師を確保する予定でございます。そういうことで、離島でも頑張れば医者が集まるのではないかということで努力しているところでございます。
 看護部の運営に関しては、先ほど出ました産休、育休の問題で人員をふやしてほしいということがあります。離島で臨任を確保するのは非常に難しいところがありますし、嘱託職員では来ないということがあります。それから、看護師を助ける意味で、看護補助員を採用するのですが、その方々の給料が事務職よりも安いということで、非常になり手が少ない、なってもまたすぐやめてしまうという点がありまして、その辺をどうにか改善できないかということでお願いしたいところではあります。
 予算の関係で、新宮古病院は非常にコンパクトにつくられました。トイレや空間が少ない割には医者がふえてきているとか、医者を助けるクラークがふえているとか、そういう方々の部屋とか、スペースが足りないということが、少しずつ問題になってきています。あとは構造上の問題で、北風が強いのでその辺をどうしようかとか、その辺はあります。先ほど出ました地域医療構想の中で、宮古病院ではベッド数を800床から400床に減らすということがありますので、それを今、地域で相談しながら検討しているところであります。

○依光たみ枝八重山病院長 八重山病院の課題としまして、主なものが2つあります。
 1つは、新病院の整備事業を着実に進捗させていくこと。もう一つは、先ほどからいろいろな病院から出ておりますが、医師などの医療従事者の安定的な人材確保です。
 新八重山病院の整備事業については、御存じのように2回の入札不調ということで、工事が数カ月おくれておりましたが、平成28年2月3日に起工式が行われまして、建設工事の着手に至ったところでございます。しかし、建設費の高騰、追加、別途工事などの予算要求による―いわゆる、病院の財政を負担しないといけないという現状。それから、不発弾の磁気探査調査とか、道路整備などの周辺の環境整備の課題があります。新年度も引き続き県立病院課と密に連携し、病院事業局一丸となって実行していくことはもちろんですが、保健医療部や県知事部局の関係部署、地元自治体―特に、八重山の医療を守る郡民の会の有志者とも一丸となって、石垣市の協力も得ながら、そして県民の皆さんの応援もいただきながら、よい、新しい病院をつくっていきたいと思っております。
 2点目の医療従事者の確保ですが、八重山病院では眼科医が5年不在、そして脳外科医は2年不在となっていますが、それをそのまま黙って見ているわけではありません。人材確保が困難な状況の中で、八重山病院としては、研修医や医学生、看護学生の研修などの受け入れや地域の学生に対する診療の講演会及びインターンシップ―これは小学生も含んでおります。その受け入れなどを通して、離島医療への関心の向上に努めています。

○伊波久光精和病院長 精和病院の課題というのは、大体御存じだと思いますが、築30年近く経過しておりまして、もともと設備の老朽化と設備機器も少ないのですが、機器が製造中止になったり、そういう面で課題があります。それから、患者のアメニティーも悪いということです。これらの面と先ほどから申しているように、精神科の場合は、精神科特例というのがありまして、医師定数の決め方が、例えば一般科の場合は、入院と外来の患者を計算式で換算するのですが、それが16対1ということになっています。単科の精神科の場合は、48対1となっているものですから、創立時310床のときから、精神科医の定数は9名ということでずっと来ています。ただ、現在まで精神科医療自体がいろいろ高度化したり、いろいろな役割などが行われたり、とても現代の精神科医療の役目を果たすほどの人員ではないということで、今まで心神喪失者等医療観察法が始まったり、精神科研修制度が始まったり、今度、専門医制度も始まりますので、これらも含めて医者の増員なしでこなしてきましたが、それ以外にも、従来、処遇困難であるとか、手法とかいろいろ難しい患者を担ってきていますが、それに加えて児童、思春期はどうするのかとか、認知症はどうするのかとか、薬物依存症をどうするのかなどいろいろな課題が突きつけられますが、ただでさえ負担感が大きいので、新しい課題にも応えきれていないということです。そういうこともいろいろ加味しますと、将来、公的精神科病院として精和病院はどうあるべきかということなのです。例えば、総合病院にくっつけば、精神科医は16対1ということになりますので、もっと充実した精神科医療ができますが、今のところ精神科医をふやそうが、収益には絶対結びつかない状態ですので、ふやしようもありませんし、IT化もできない、機器も使えないということで、今のままの古い医療を続けなさいということであればそれでいいのですが、なかなか将来そうはいきませんということで、将来構想を含めて我々の体制はどうするのかと。今のところでやっていくのか、総合病院にくっついてもう少し効率的にやるべきかどうかということをそろそろ考えるべきかと思っております。それから、以前からもそうなのですが、外国人の精神科患者が出たときには、大体、精和病院へということになっています。精神科の患者というのは病識はありませんし、強制入院とかいろいろありまして、法令も少し違ってきますので、その辺をきちんとコミュニケーションをとって説明できないと、後々いろいろなトラブルが起こります。今後、沖縄県は観光立県ということで、中国人観光客などがふえてくると思いますが―以前も中国人が船で置いていかれて、精和病院に運ばれてきたりして、通訳はどうするのかとか、向こうに帰すにはどうするのかとか、いろいろトラブルがあるものですから、現場で通訳を何とか調達しなさいというよりは、中国人や韓国人、かつてはフランス人もいましたけれども、この辺の方々が利用できるような県としての体制を整えてほしいというのが現場の意見です。

○比嘉京子委員 現場の先生方の意見をお聞きしていると、行政の考え方とすごく相反するのは、人がお金を生むのです。ですから、人がいないのにお金を生みなさいというのは無理なのです。そこが本庁との考え方の大きな違いではないかと思います。つまり、人をふやしてこそ財政の問題なのです。財政があっての人、医療ではありません。病院事業局長と保健医療部長の考えを改めていかないと、ずっとモチベーションの上がらない病院を、押さえながらいい医療を県民に提供できないのではないかと、このように思いますので、ぜひ思考の転換をお願いして終わりたいと思います。

○狩俣信子副委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、正副委員長交代)

○呉屋宏委員長 再開いたします。
 又吉清義委員。

○又吉清義委員 今、保健医療部や各病院の院長先生からのお話を聞いていて、少し驚いているのですが、現場から上がっている声を聞いた限り、県で出している第7次沖縄県行財政改革プランという計画書がありますが、それを見ると全て廃止になっているものですから、そうなった場合に、事務事業の見直し計画ということで、各病院から上がっている悩みごとが十分達成されていないということをほぼ、平成27年度で―例えば、廃止が22、終期設定が1と、病院事業の29ある項目の中で22が廃止になると。今、上がっている声はほとんど平成27年度で廃止するという行財政改革プランが出ていますが、これについてはそのとおり進める計画なのか、それとももう一度見直しをして、必要な分は再度計画を立てるのか、皆さんはどのようなお考えでしょうか。

○仲本朝久保健医療部長 第7次沖縄県行財政改革プランに載せている保健医療部の事務事業の見直しとして、例えば在宅歯科診療推進事業とかいろいろあるのですが、これは地域医療再生基金という国のメニューがありまして、その基金を活用した事業が平成27年度まで計画されていました。これは、平成25年度、平成26年度、平成27年まで計画的にやって、そこで基金が終わるものですから、それでこの事業は終了ということに伴って廃止という書き方をしております。今、県立病院等々、施設の話については、平成28年度に向けて国庫補助メニューが活用できるのか、活用できないのか、それを確認していただいて、改めて計画をつくるという形になろうかと思います。少なくとも、これについては基金が終了することで、自動的に終わるということです。

○又吉清義委員 今のを聞いて安心しました。基金を活用するけれども、これで一旦区切りをつけるということで、それはそれでいいと。しかし、今の要望を聞く中で、再度検討をして、やはり必要なところはやるというようにして、受け入れる部分は受け入れて、改善するということで理解してよろしいですか。

○仲本朝久保健医療部長 国庫補助事業につきましては、そもそも補助メニューに従ってということがありますので、必ず各病院長の話がそのままストレートに適用できるかどうかについてはわかりませんが、いずれにしても今ある国庫補助メニュー、そして我々の場合は県単も含めて、できるものについては支援していくという姿勢でございます。

○又吉清義委員 確かに、国庫補助や基金があるときは非常に事業もやりやすいと思います。しかし、その中で十分整備ができなかったと。不足も十分あるということは、各院長から出てきた切実な意見かと思いますので、できるだけ皆さんとしてやりくりをして、改善すべきことは改善すると、意見を聞いてぜひお願いいたします。 
 次に、今、難しい話を聞きましたが、私は別の角度から、おいしい食の話を皆さん方にぜひ聞いてみたいということで、まず当初予算の主な事業の概要の中で、働き盛り世代の食育環境向上事業という新規事業がありますが、これがどういった事業で、県民が入手しやすい環境の整備に要する経費と書いてありますが、県民が入手しやすい環境の整備というのは、具体的にどのような整備をするのか、その点をもう少し詳しく説明をお願いします。

○糸数公健康長寿課長 働き盛り世代の食育環境向上事業という新しい事業を計上しております。働き盛り世代の食生活の改善につながるような、ひいてはそれが死亡率などの疾病の改善につながることを目的としているものです。先ほども少し申し上げましたが、沖縄県民もよく利用しており、さらに働き盛り世代もよく利用する、お弁当や総菜のメニューを健康に配慮した野菜を多く含むもの、あるいは油分が少ないものというように、徐々に切りかえていきたいという考えがありまして、そういうお弁当などをどのようにつくったらいいか、どのように消費者にPRしたらいいかという、一つの戦略をつくりたいという事業でございます。平成28年度はそのための市場の調査あるいはマーケティング調査ということで、今、実際に県民がどういう意識でお弁当を選択しているのか、あるいはヘルシーなものを果たして望んでいるのかどうかという現状把握をして、専門家の方々の意見を聞いて戦略を策定するといった事業を計画しています。

○又吉清義委員 今回は調査費だけなのかと思っていますが、具体的に県民が入手しやすい環境の整備とは何をするのか具体的には余り見えてこないのですが、どんどんこれから難しくなると思います。
 次に、沖縄県民の野菜の摂取率は、日本全国で第何位ぐらいか御存じでしょうか。野菜の摂取率は、皆さんの調査結果では日本全国で44位なのです。私も驚きました。沖縄県民はこんなに野菜を食べないのかと改めて驚きました。先ほどおいしい食べ物と言いましたので、次の本題に入りたいと思います。
 健康行動実践モデル実証事業というのがありますが、これは具体的には健康行動に誘導する科学的に実証された手法の確立に要する経費ということで、平成24年度から平成25年度、平成26年度、平成27年度までずっと行ってきております。具体的に、科学的に実証された手法というのはどういうものが見つかったのか、御説明していただけますか。

○糸数公健康長寿課長 健康行動実践モデル実証事業ですが、平成24年度から5年間の予定で、今、実施しているところでございます。事業の概要としては、いろいろ健康的に問題がある働き盛り世代に直接いろいろ情報などを届けることが難しいので、そのお子様たちが通う学校で食育の教育をして、それを家庭に持ち込んでもらって、お父さん、お母さんに伝えてもらうという話と、その方々がいらっしゃる地域の中で、講演会やイベント、まさに野菜の大切さみたいなイベントをして、それを聞いた地域の先輩が働き盛り世代の人に情報を伝えるという事業をしております。科学的にと書いてありますのは、あらかじめ集団を決めておいて、この人たちにこういう介入を行って、介入の前後で本当に食事内容が変わったかどうかということを専門的に分析するということで、琉球大学に委託をしてやっている事業となっております。今、11市町村28学校区の約1万5000人の方が―これは一斉にではなく、平成24年から順番よく介入をしたり、休んだりということでやっていますので、全ての結果が出そろうのは平成28年度の最終ということになりますが、一部では介入が終わって前後を比較したところがございまして、そういうところでは、子供たちに対して食育のチラシを使って学校で教育をすると、その家庭の中での野菜の摂取量が子供もふえますし、住民も摂取量がふえるということがわかってきたりしております。最終的には、さまざまな介入の手段・やり方によって、県民の行動がどう変わったか、それによっていろいろな指標が改善したかということを総合的に分析しようと思っていますので、分析はこれからかという御質疑ですが、既に分析は始まっていて、最終的にそろうのが平成28年度の最後ということで、今は中間でいろいろな知見がわかってきているという状況です。

○又吉清義委員 今おっしゃられたように、皆さんは、ゆい健康プロジェクト、地域健康づくり、小学校栄養調査、特定健診など3年間かけていろいろやってきております。その中で私も知らなかったのですが、長い調査の結果、野菜には食べていい野菜と食べてはいけない野菜があることを御存じでしょうか。私も少し驚きましたが、あえて科学的に実証されるということを聞いて、そこに興味がありました。これは科学的に証明されておりまして、私たちは野菜は何でも体にいいと思っていましたが、今、地球では異変が起きているのです。そういうことは御存じでしょうか。

○糸数公健康長寿課長 食べてはいけない野菜については、承知していません。今、この事業でも進めているのは県産野菜です。特に、沖縄の長寿を昔から支えてきたといわれている島野菜、これは農林水産部で28種類ぐらい指定しておりますけれども、そういうものを食べようと奨励をしているところです。今、御質疑のあった部分については、わからない状況です。

○又吉清義委員 誤解をなさらないでください。何も食べていけないということではなく、食べてはいけない種類があるという言い方をしたのですが、同じホウレンソウであれ、菜っぱであれ、果物であれ、これを食べたらだめですというものがあるのです。これはヨーロッパでは基準がありますが、日本では残念ながらこの基準がないのです。これは何かと言いますと、私も農業が好きでずっとそれをやってきているので、皆さんに少し難しいことを言うかもしれませんが、野菜を食べたら健康になると思っていました。しかし、今、私たちが食べている野菜は、枯れる野菜はほとんど食べていないと。腐れる野菜を食べるのですと。これも家で実験してみたらよろしいかと思います。枯れる野菜はすぐにわかりますので。植物は本来腐れるものではなく、枯れるものなのです。この腐れる野菜にはあるものが入っているから困ってしまうのです。これを専門的には畑のメタボリックと言っています。畑がメタボリックになると、野菜がそのように変化します。ですから、これを皆さん科学的に、こういうものを健康の立場から、やはり抜き打ち検査をする中でしっかりとした指導をすることによって、おいしい野菜が出てきますよと。食べれば食べるほど元気になりますと。そういった予防学の立場からも、ぜひ指導していただけないかと思います。やはり人間というのは、食物をとって食べる生き物です。ですから、常に体に悪いものをとって、健康になるわけないだろうというのが、私の持論です。ですから、本来の食べ物を食べさせることによって、それを改善しようではありませんかと。そういったことをぜひやっていただけないかと思っております。全く違う発想ですので、面食らっておりますが、これは、見たこと、食べたことがある人にしかわかりません。後で事が大きくなりますので、こういう野菜ですとそっと教えますので。これは皆さんも経験しているのです。経験しているけれども、意味が理解できないのです。私は経験をしているので、あえて言っているわけです。食べ物に関して科学的に証明することは、すぐできます。そういった分野まで伸ばして、やはり健康のためにやっていただけないかと。これを強く要望したいと思います。私たちは50代後半ですので、もう何を食べてもいいです。しかし、子や孫が健康であることによって、病院事業でいろいろもっとよくなりますよと。そういった観点から、ぜひあと一皮むいて、頑張っていただけないかということを提案したいのですが、いかがでしょうか。

○糸数公健康長寿課長 私たちが書いている科学的なという意味は、ビタミンや食物繊維などの野菜の成分が病気の予防につながるとか、体の調子をよくするという、これまでにあるエビデンスといいますか、科学的な根拠に基づいて目標であります350グラムを食べると健康によくなるといった、私たちが採用しているエビデンスはそういうものでございます。今、委員おっしゃる野菜あるいは土壌の化学物質みたいなものが添加されたものについての影響について、現状ではデータを持ち合わせておりません。この事業はずっと走っている事業ですので、最初の方針どおり進めたいと思いますが、委員のおっしゃったことについては、今後、情報収集をして勉強していきたいと思っております。
○又吉清義委員 今、言った成分やデータをあと一歩調べてもらえればいいのです。皆さんが成分などを調べていますとおっしゃっていたので、恐らく言うだろうと思っていました。これは余談ですが、経験していることをずばり言いますと、例えば、本来、葉野菜類はえぐみがありません。渋くなく、甘く、泥臭くないのです。そして、根菜類は非常によく炊けます。ぐすぐすと―昔、ぐすぐというものがありましたが、これはありません。これがその現象です。これにあるものが入ってきまして、これが恐ろしいのです。ですから、ヨーロッパはこれを基準として、野菜1グラム、何ppm以上は抜き取り検査をして、基準を超えたものは出荷停止です。ヨーロッパでは既に始まっております。これが人体にどのぐらい影響を及ぼすかということが具体的に出ていまして、そういった意味で、野菜の成分を調べるに当たって、そこまで調べて、皆さんが主導権をとって、農林水産部などでこういうことを頑張っていただけないかと。つくる側はそこまで気づかないのです。しかし、皆さんは健康を守る側です。そういうことを一緒に頑張ってもらえないかと。はっきり言って、農家はつくって、ぼんぼん売ればいいので。いかがでしょうか。音頭をとって、頑張ってもらえませんか。

○仲本朝久保健医療部長 今、委員からいろいろ御質疑がありました件については、内容的にまだ承知しておりませんので、後ほどまた勉強してみたいと思います。

○又吉清義委員 内容は恐ろしくて言えませんが、後でそっと教えてあげます。そのほうが一番いいかと思いますので。やはり、健康というのは、皆さんの医療の立場から守る側と、そしてつくる側の二人三脚でないとできないという考えがありまして、これは農林水産部だけでも無理だと思いますし、やはり食べる側の栄養を皆さんがどうするか、そのことはとても大事だと思います。やはり、健康というのは、医療であり、つくる側の現場であり、両方ともに歩調を合わせてやっていただけませんかということを、あえてしつこく言わせてもらいますので、よろしくお願いいたします。

○呉屋宏委員長 島袋大委員。

○島袋大委員 次年度予算含めて、救急医療用ヘリコプター活用事業の予算が組まれていますけれども、事業概要を教えてください。

○大城直人保健医療政策課長 事業概要につきましては、救急救命センターの医師、看護師が常時搭載する救急医療用ヘリコプター―いわゆるドクターヘリを運航する浦添総合病院へ補助をする事業でございます。

○島袋大委員 次年度に2000万円増額になっていますが、その説明をお願いします。

○大城直人保健医療政策課長 増減理由としましては、国の補助基準額の増額による補助金の増となっております。

○島袋大委員 これからドクターヘリについて少し質疑しますけれども、次年度の予算に向けて、我々自民党は、厚生労働省や内閣府といろいろ議論をさせていただきました。離島県の島嶼県沖縄で、非常にドクターヘリは助かっている事業だということで、国、政府挙げて、いろいろな面でお力添えとして予算の増額もろもろ踏まえてやっていただけなければいけないのではないかということで、詰めてまいりました。厚生労働省や内閣府もろもろ含めて議論をして、ヒアリングも長時間受けてきた中で感じたところをきょうは質疑していきたいと思います。
 実際、内閣府、厚生労働省に言われた内容を、現状のドクターヘリもろもろ含めて、現場も確認してまいりました。内閣府や厚生労働省が言うには、政府の予算を投入するのもいろいろな面で汗をかかなくてはならないけれども、今現状の沖縄県が抱えているクリアしなくてはいけない問題がありますという指摘もありましたので、沖縄県の現状もろもろ含めて確認しました。だからと言って、ドクターヘリについてどうたらこうたら言うつもりはありません。これだけ民間の浦添総合病院が一生懸命頑張って、いろいろな面で県民の安心・安全な生命・財産を守る機能をしているわけですから、それに基づいて少し質疑したいと思っています。
 ヘリ運航の目的は、医師、看護師を乗せて、救急現場に迅速に向かうことで、救命率の向上と後遺症の軽減を図ると言われています。これは、県と浦添総合病院と運航会社の3社によって、いろいろな面での運航要領を定めていると思っています。その中で、予測生存率の改善が見られたのかという形でお聞きしたいと思います。

○大城直人保健医療政策課長 浦添総合病院に確認したところ、救急現場からの搬送症例において、予後改善につながった症例は幾らでも存在するとのことでありました。浦添総合病院以外の病院へ搬送した患者もいることから、正確な病状改善の転帰調査が行われているわけではございませんので数値化はできませんが、予測生存率が低い症例での救命例は少なからずあるものと認識しているということでありました。

○島袋大委員 そういった中で、治療効果などはどういったものがありましたか。

○大城直人保健医療政策課長 これも浦添総合病院に確認したところ、医師が救急現場に行くことの意義の一つとして、早期に医療介入ができることでございます。この点に関しては、現場での患者の安定化のための救命的な止血術なども含め、救急救命士にはできない医療行為が含まれております。もう一点は、搬送先医療機関との情報共有や連携が密に行われることであります。これにより、医療機関における診療の準備や決定的治療―手術などになりますが、それまでの準備を進めることにつながっています。意思決定を現場で行うところが大きなポイントであると伺っております。

○島袋大委員 次に、県のホームページにも載っていますが、救急患者の輸送については、自衛隊ヘリを補完するものであると。このことについて自衛隊との差は何ですか。ドクターヘリの運航時間外は、離島の急患搬送は自衛隊に依頼されていると思っていますが、それを踏まえて、その差は何ですか。

○大城直人保健医療政策課長 委員のおっしゃるとおりでございます。少し経緯を説明しますと、急患空輸につきまして、本土復帰前までは米軍のヘリがその任務を担っておりました。本土復帰を境に、沖縄本島は陸上自衛隊、宮古・八重山地区は海上保安庁が任務を引き継いでいます。県のドクターヘリは、平成20年12月から行っていますが、沖縄本島と周辺離島の片道100キロメートル以内の運航範囲において、有視界飛行が可能な日没までを担っております。自衛隊と海上保安庁のヘリコプターにつきましては、夜間運航ができる装備や訓練された隊員等がいることから、ドクターヘリが運航できない夜間も急患空輸を担っているところでございます。

○島袋大委員 ドクターヘリの年間の平均フライト回数、年間のフライト時間は大体どれくらいですか。

○大城直人保健医療政策課長 平成26年度の搬送実績411件を1年で除した場合、1日当たりの回数は1.126回でございます。これは台風等や機器のふぐあいの日数を除かずに行った単純な計算でございます。そして、平成26年度のフライト時間410時間を1年で除した場合は、1日およそ1時間7分でございます。これも先ほどのフライト後に指令が出て、急患次第で聞き出したということで、411件は急患を運んだ数ですので、そのフライトも入っています。そして、搬送実績411件を飛行時間410時間で除した場合は、1回当たりで1時間程度を要していることになります。

○島袋大委員 飛行時間が片道30分を超える出動の場合は、例えばどんな症状なのか、そういった形での把握はされていますか。

○大城直人保健医療政策課長 委員の質疑に答えていることになるかわかりませんが、まず、飛行時間30分の出動というのは、ドクターヘリは読谷村に基地がございます。片道100キロメートルで30分飛びますので、その範囲がちょうど久米島となっており、守備範囲で所要時間が30分でございます。そして、離島・僻地から病院間搬送の場合は、ほとんど診療所のドクターが応急処置をなさっていまして、ドクターヘリは到着するとヘリコプターに乗せるだけとなっており、島に滞在する時間はわずか数分程度で、そして帰任するということになっております。そして、救急現場からの搬送―消防指令で呼び出された場合は、飛行時間に加えて、その現場での患者の状況に応じた救命処置が施されます。その所要時間を加えた形の時間が加算されることになります。それはどんな症状かといった場合、一般的に、脳疾患、心疾患の急患の場合は、一刻も早い処置が必要かと思われます。ドクターヘリの疾患別の多い順に申し上げますと、外傷、心臓などの循環器疾患、消化器疾患、脳血管障害となっております。この4つの疾患で6割を占めております。

○島袋大委員 確認したいことは、前回もいろいろ質疑をしていますが、ドクターヘリは100キロメートル圏内を30分で行きますが、離島の方々が農業をしながら足をくじいたとか、骨折をしたとか、そういった場合でも出動をしないといけない場合があるのです。そして現場に出動した後、今、おっしゃった2番目の心臓などの循環器疾患といった緊急を有するときにはヘリコプターがないのです。ですから、そういったことを考えればどういった形で対応をするかということが出てきますが、今の状況で症状としてカウントしたのは、外傷―少し言葉は悪いですが、軽症もろもろ含めてそれが圧倒的に多いのか、ドクターヘリというのは非常に重要ですが、その辺はどんな認識を持っていますか。

○大城直人保健医療政策課長 一般的に、診療所にはドクターがいて、プライマリーケアの総合医がいますので、手に負えない、これは沖縄本島の救急救命の病院に搬送したほうがいいという判断のもと、ドクターヘリを要請します。

○島袋大委員 次に、施設面について。読谷村にヘリポートを設置していますが、その理由といつまで読谷村にヘリポートを設置する状況なのか、お願いします。

○大城直人保健医療政策課長 ドクターヘリは、病院内にヘリポートが併設されているのが一般的でございます。しかし、浦添総合病院につきましては、普天間基地滑走路の最終進入路の直下に位置していること、周辺が住宅密集地であることから、病院としましては、読谷村のリゾートホテルの一角にある既存のヘリポートを借用してヘリ基地としております。御指摘の土地の借用期限につきましては、平成27年2月にホテルの親会社が変更になり、ホテルの拡張計画もありまして、平成28年12月までに立ち退き、現状を回復するよう病院側は通告されている状況であります。

○島袋大委員 県が民間の浦添総合病院にお願いをしてやっているわけですよね。浦添総合病院は、土地を一生懸命探して借りられていると思っていますが、今、聞いたら借用期限が平成28年12月で切れると。これを県はどう見ているのですか。次のヘリ基地を浦添総合病院に探させるのですか。こんな失礼な話はないですよ。県としてはどういう考えを持っているのですか。

○大城直人保健医療政策課長 県としましては、ドクターヘリが離島や僻地の急患搬送に貢献していることを踏まえまして、円滑に基地の移転が行われなければ多大な影響があると考えております。病院もみずから適地を探しておりますがなかなか見つからないということで、昨年11月に相談を受けて、一緒に議論をしながらいろいろな適地のことについて相談に乗っているところでございます。

○島袋大委員 これは重要なところです。私からしたら、民間の皆さん方に探させるということは大変失礼なことです。県がこれをやるという事業のもとで、いろいろな面で汗をかいて探すべきですよ。借用期限が切れた場合にヘリをどこに置けばいいのですかという話です。要するに、年間400回以上もドクターヘリが出ている中で、土地を探すまでどこにとまるのかという話です。これを委託している浦添総合病院に探させなさいという話は通りませんので、この辺は県としてどのような位置づけで考えていますか。

○仲本朝久保健医療部長 ヘリ基地の移転に関する経緯については、先ほど保健医療政策課長が説明したとおりです。昨年11月に、保健医療部に御相談がありました。その際には、その時点で病院みずから探したという話も聞いております。我々としても、その話を受けまして、県の遊休地がないかということも含めて相談をしながら、どんな場所が適当かということもいろいろ相談しながらやっていますので、我々としてもしっかり取り組んでいきたいと思っております。

○島袋大委員 これはぜひとも早急に、対策室もろもろ含めていろいろな面で汗かいて頑張っていただきたいと思っております。これがとまった場合、県の事業ですから、県にいろいろな面で話が出てくると思います。ひとつ、その辺はいろいろ議論していただきたいと思います。
 次に、感染予防を行うための対策、手洗いなども含めて、そういった形の状況はどうなっていますか。

○大城直人保健医療政策課長 これも浦添総合病院に確認したところ、ヘリ基地には手洗い場が2つあります。搬送任務から帰任した際、体に血液が付着した場合は、屋外の洗い場で洗浄します。さらに、待機施設には消毒液を常備した洗い場もあると聞いております。

○島袋大委員 何回も言いますが、県は委託をしてから全部浦添総合病院に丸任せで、浦添総合病院の答弁を聞かないとわからないのですかという話です。県がせっかく委託をして、お願いをしてやっているわけですので、手洗い場もろもろ含めて現状を見るべきだと思います。これだけ外国人観光客もふやそうとしている、そして1000万人観光を目指している中で、病気などいろいろな形含めて出てきた場合、しっかりとした対応策のある施設をつくらないといけないのです。これは県がやらないといけないと思いますが、その辺はどう考えていますか。

○大城直人保健医療政策課長 委員のおっしゃるところも承知していますが、何せ医療救急現場という専門の部分がございますので、一緒に連携しながらいろいろな改善するところについても相談に乗っていきたいと思います。

○島袋大委員 次に、乗務員の安全運航を行うための待機室について、パイロットや医師などの待機室の状況はどうなっていますか。

○大城直人保健医療政策課長 乗務員が安全運行を行うための待機施設がございます。その中で医療スタッフに関しては、医療スタッフが休憩と雑務などが行える専用の部屋も確保されている状況です。

○島袋大委員 現場を見ましたが、プレハブです。これだけの業務をする―パイロットもしかりですが、医者の先生方です。年間400回のフライトを行って、1日に2回か3回ある中で、帰ってきてプレハブで待機させるのですか。この辺の沖縄県の動き方がいかがなものかと思っています。しっかりとやるのでしたら、整備をてこ入れする。予算がなければ予算をつければいいのです。与党がこれだけ頑張っているので、野党もガーガーピーピーすればできるのです。要するに、こういったことを県民の安心安全を守るためにやることが当然の業務です。しかし、医者とか、パイロットをあのようなプレハブで休憩してくださいと言うこと自体、おかしいと思いますが、その辺はどう思いますか。

○大城直人保健医療政策課長 まず、一般的に救命救急センターに併設するのが一番理想的ではございますが、もろもろの事情があってかなわず、浦添総合病院としては臨時のヘリポート、ヘリ基地を確保したところでございます。移転に際しては、またしっかり相談に乗っていきたいと思います。

○島袋大委員 委託先の浦添総合病院の医療クルーの資格や専門性、浦添総合病院を選定した理由は何ですか。

○大城直人保健医療政策課長 まず経緯を説明しますと、独自に平成17年から運航していたドクターヘリの前身でありますU-PITSの急患搬送の実績と救命救急の効果等がありまして、さらに当該病院が国の補助の条件であります救命救急センターであるということも踏まえまして、平成20年12月から県ドクターヘリとして選定ではなく県が補助をしております。医療クルーにつきましては、医師、看護師の免許を有しているのは当然でございまして、厚生労働省が主催するドクターヘリ事業従事者研修または日本航空医療学会主催のドクターヘリ講習のどちらかを修了したものがクルーとなっております。

○島袋大委員 ヘリコプター運航会社等の雇用が地元の雇用につながっていますか。状況はどうなっていますか。

○大城直人保健医療政策課長 浦添総合病院がヘリコプター運航を委託している会社は、兵庫県に本社がありますヒラタ学園でございます。確認したところ、クルーは10名程度で、そのうち沖縄に居所を構えているものが3名おりまして、そのうち1名が県出身者でございます。その他は本社からの派遣となっております。また、ヘリ基地整備や環境のメンテナンスなどにつきましては、地元企業がお世話しているとのことです。

○島袋大委員 感染予防が適切に実施され、医療クルーだけでなく、運航クルーも感染防御が行われているか、その辺の説明をお願いします。

○大城直人保健医療政策課長 浦添総合病院では、ドクターヘリに搭乗するスタッフ全員が、基本的にはインフルエンザの予防接種を受けることになっております。さらに、病院職員については、抗体がない人や値が低い人には、B型肝炎の予防接種を奨励していると聞いております。

○島袋大委員 運航クルーはどうですか。

○大城直人保健医療政策課長 基本は、スタッフ全員となっています。

○島袋大委員 CRMというのがあるそうですね。厚生労働省からもろもろ確認しました。クルー・リソース・マネジメントという訓練があるそうですが、その訓練が行われているならその記録が残っていますか。

○大城直人保健医療政策課長 委員がおっしゃいましたCRM訓練というのは、通常の乗務員の操縦技術の訓練だけでなく、乗務員間の意思疎通や意思決定、チームマネジメントなどの人的な要因による航空機事故を未然に防止する訓練のことでございます。運航会社のヒラタ学園に確認したところ、CRM訓練そのものではありませんが、安全な運航に際してクルー間での円滑な連携が重要であることから、OJT―オン・ザ・ジョブ・トレーニングや、年1回のリフレッシュ訓練を実施する中で、クルー間連携訓練を行っています。その訓練記録も記載されているとのことです。

○島袋大委員 この間、厚生労働省でヒアリングを受けたときに、まさしくこれが重要でして、やはり患者の中にはばたばたと体を動かす方もいるかもしれない、その中で医師がいて、運航するパイロットがいるわけですよね。そこでは、結局、パイロットが落ち着いてくださいと仕切らないといけないのです。しかし、あれだけの狭い空間の中で、本当にみんなが一つになってきちんと着陸するという体制の訓練ですよね。ですから、これをしっかりとやらなくてはいけないと思います。これは運航会社だけではなくて、浦添総合病院も一緒になって、いろいろな形での連携をとるようなシステムの訓練が必要なのです。その辺はされていますか。

○大城直人保健医療政策課長 CRM訓練を調べたところ、国土交通省の航空局航空課長の通達で実施が義務づけられています。いわゆるキャリア―航空会社は義務づけられていますが、こういうヘリコプターの操縦の会社については範囲が及んでいないと伺っております。しかし、安全な運航のためのクルー間の意思疎通は重要ですので、いろいろな機会に話し合って、その訓練ができるかどうかも含めていろいろ検討していきたいと思います。

○島袋大委員 私は別に怒ってはいません。これだけ頑張っていただいている病院の皆さんや医者がいるのです。その中で運航についてパイロットもろもろ頑張っていると。これは県がやっている事業です。保健医療部長も異動するという話を聞いていますが、県の委託事業ですので、現場を見てください。現場をしっかり見て、委託している浦添総合病院とも議論をしてもらう。そして、パイロットを委託している会社も一緒に議論してもらうと。そういうことをもっと細かくやらないといけない思います。そういうことを踏まえて、観光立県とうたっているのですから、こういったものをしっかりと強固にやらないといけない。ですから、厚生労働省や内閣府に行っても、新年度の予算枠でどうにかできないかということで、上京していろいろと詰めてきましたがなかなか時間がかかるということで、その分地元の改善する余地があるところは、しっかりとやってくださいということを言われたので、私は現場を見に行ったのです。ヘリ基地の場所もこれから探さないといけない中、県はしっかりと汗をかいていただいて、ひとつお力添えをよろしくお願いいたします。
 きょうは締めますが、退職する方、異動する方がいると思います。保健医療部、病院事業局は県民の医療、命を守る部署であります。病院と福祉もろもろそうですが、しっかりと次年度の予算に向けて、みんなでいろいろな面で汗をかいてやって頑張っていきたいと思いますので、厳しいことも言ったかもしれませんが、これがしっかりと確立できれば、県民がもっと喜べるような形になると思いますので、ひとつ御尽力お願いしたいと思います。

○呉屋宏委員長 照屋守之委員。

○照屋守之委員 病院事業局ですが、新年度の計画に当たって、特に組織体制、人にかかわる重要な課題だと思っていますので、そのことを中心にお願いします。
 今、県の政策参与として頑張っていらっしゃる先生が3名いますよね。そこの中で病院事業関係からも出ております。これまでもそうですが、平成28年度事業では政策参与と今の県立病院事業において、どういうかかわりがあって、どのような成果がつくれそうか、その御説明をお願いします。

○新垣義孝中部病院副院長 県の政策参与もしていますので、私からお答えしたいと思います。
 政策参与になって1年になりますが、その間、重要な事項としましては、医師確保の問題です。これは特に離島、それから北部病院の医師確保ということで、県知事からは指示がありました。一応、医師確保は、政策参与そのものが直接に関与するというよりも、病院事業局、それから保健医療部との関係もありますので、そちらと連絡をとりながら医師確保に参画してまいったつもりであります。今年度の成果としましては、現場の病院と病院事業局との成果になるわけですが、北部病院の産婦人科医4名の確保はかなり大きな成果であっただろうと思います。後は、離島の診療所の先生方の勤務状況について、私も一緒に参加させていただきまして、県として診療所の先生方の待遇改善などにどのような問題があるかということをピックアップさせていただき、それをどのようにしようかと、今、考えているところであります。まだ1年目で、右も左も余りわからないという状況ではありましたが、私なりに努力してきたつもりであります。

○照屋守之委員 県の政策参与として、今の県政でそういう重要なポストをつくってもらいました。これは今、非常に難しい立場だろうと思っています。政策参与は、逆に知事にアドバイスをするのです。知事に病院事業とかをアドバイスして、一方では、病院事業局と一緒にそれを進めていくという立場ですよね。ですから、相当、政策参与という仕事も、中部病院の副院長という仕事も含めて、非常に大変なお仕事を引き受けられているという思いがあります。もう一つは、先ほどからそれぞれの病院長が出ていまして、委員からもいろいろな指摘があります。やはり、そこは政策参与として、しっかりそういうものを引き取って、これを全体に生かしていくということを、こちらからどうのこうのということを言わなくても、政策参与という立場ですので、そういう形で、ぜひ頑張っていただければと思っております。期待しておりますが、現場もやりながら非常に厳しいという思いもあります。ですから、今、できる分で政策参与というお仕事と、今のお立場をしっかり頑張っていただければと思っています。
 次に、病院事業局人事についてです。今は病院事業局長を中心に6名の院長、そしてそれぞれの職員3000名ぐらいの体制で県民の医療を担っています。この取り組みについては、非常に評価しております。私は、県議会議員になって12年になりますが、今の病院事業局長体制は、非常に厳しい課題を一つ一つやっているという思いがしております。それで、病院事業局長人事についてですが、実は、新聞報道を見て非常に気になっていまして、今回こちらに該当するお二人がいるものですから、なかなかこういう質疑はやりにくい部分ではありますが、ただ、今回のこのような流れの中で、お二方の名誉回復の問題、もう一方では、病院事業局とか、今の県政に対する信頼の回復といいますか、これは対議会についてもそう思っています。そういうことと、それが基本になって、平成28年4月から平成29年度の3月31日まで仕事をしていくわけですよね。ですから、今、起こっていることを、何らかの形で整理する必要があると思っています。それと同時に、我々は県議会議員ですので、病院事業局が向こう1年間140万の県民の命と、あるいは医療を提供する、健康を守っていくということをどのようにしっかりやっていくのか、それをチェックする、あるいは提言をする、それをサポートするという、県民代表という大きな責任もあるわけです。ですから、そういうことも含めて少し整理する必要があると前から思っています。実は、2月11日に新聞報道がなされまして、このような人事の報道がなされています。この中身について、事前に今の病院事業局長は知らされていましたか。

○田中建治病院事業統括監 病院事業局では、今回の病院事業局長の人事に係る報道等については、承知をしておりませんでした。

○照屋守之委員 一方、南部医療センター・こども医療センター院長もいらっしゃいますが、この報道に際して、何らかのこれにまつわるような、そういう話し合いがあったかどうかについてお願いできますか。

○我那覇仁南部医療センター・こども医療センター院長 事前に報道するということに関しては、存じておりません。

○照屋守之委員 この報道があった後に、何らかの形でこのような人事にまつわる話を受けていますか。

○我那覇仁南部医療センター・こども医療センター院長 不確かな情報で、細かく答えることは非常に難しいと思いますが、報道後に関しては、特にいろいろなコンタクトとか、そういうことはないということです。

○照屋守之委員 今、お二方の話を聞きますと、この報道に関して、余り関知はしていないということですが、この報道は、沖縄タイムスにも記事が載っています。1つは退任、1つは就任と2つの側面を持っていると思います。正式な辞令ではないのですが、公の新聞になっていきますと、辞令と一緒ですよね。そういうことで捉えていまして、こういうことが報道を通してされるということ自体、病院事業局人事のあり方というものに懸念をするわけです。法的な立場でしますと、退任とかはどういう位置づけになっていますか。

○田中建治病院事業統括監 地方公営企業法の第7条の2第7項で、地方公共団体の長は、管理者が心身の故障のため職務の遂行にたえないと認める場合または管理者の適格性を欠くと認める場合には、これを罷免することができるということで、この場合には退任をすることになると考えております。

○照屋守之委員 ですから、これには当たらないわけですよね。病院事業局長の任期はあと2年ですか。

○田中建治病院事業統括監 病院事業局長につきましては、平成26年4月1日に沖縄県知事から病院事業管理者として、辞令を交付されています。任期は平成30年3月31日までとなっています。

○照屋守之委員 任期途中で、法律にもそう定められているものが、事前にそういう形で新聞に報道されているということが、今起こっているわけです。同時に、2月19日には沖縄県公務員医師会が中途解任に関する伺いというものを出しておりますが、この経緯を少し説明してもらえませんか。

○田中建治病院事業統括監 平成28年2月19日に、沖縄県公務員医師会が、病院事業局長の任期中途の解任に対する伺いということで文書を出すということは、耳に入っておりました。その文書については、病院事業局で一度預かりをしたいと思っておりましたが、沖縄県公務員医師会は直接、秘書課に出向いて文書を提出されたと聞いております。

○照屋守之委員 その後の扱いがどうなったか聞いていますか。

○田中建治病院事業統括監 病院事業局では、その後の取り扱いについては承知しておりません。

○照屋守之委員 なぜ確認しないのですか。皆さん方の局長でしょう。そういう進退にかかわる大事な問題ではないですか。それも、地方公営企業法に反しているという可能性があるわけでしょう。なぜ確認しないのですか。

○田中建治病院事業統括監 沖縄県公務員医師会では、先ほどの文書については、病院事業局を通さずに直接、秘書課に出向いて提出されるということがありましたので、我々としましては、この文書については関与しないという考えでございました。

○照屋守之委員 ですから、先ほどありましたように、地方公営企業法に反することが行われている可能性がある。そして、医師会もそういう要請をしたと。法的な根拠のもとに、そういう伺いを立てたわけですよね。その認識はわかっていますか。

○田中建治病院事業統括監 申しわけありませんが、2月27日の新聞報道―これは琉球新報ですけれども、その中で総務部長が26日の県議会の一般質問で病院事業局長の交代という事実はないという答弁をされていますので、病院事業局としましても、そのとおりということで考えております。

○照屋守之委員 そんないいかげんなことは言わないでください。沖縄県公務員医師会の申し入れは何だったのですか。これは事実です。それと、2月27日の新聞報道で、退任させる方向で調整していた件は26日までに伊江氏の1年間の続投を決めたと。そして、県立病院医師らの反発を受け方針を転換したとありますが、これはどういうことですか。

○田中建治病院事業統括監 今の記事は、2月27日の琉球新報の記事を指しているかと思いますが、これはあくまでも新聞報道ということで考えております。

○照屋守之委員 ですから、確認しないといけないのです。これも地方公営企業法に反していませんか。任期満了は平成30年3月31日ですよね。途中で交代させることが法律でできるのですか。確認はしましたか。

○田中建治病院事業統括監 新聞報道では委員が言われたような報道がなされていますが、病院事業局ではあくまで2月26日に総務部長が県議会の一般質問で答弁された病院事業局長の交代という事実はないということ、これが公式の場での見解ということで考えておりますので、確認はしておりません。

○照屋守之委員 病院事業局はもっとしっかりしてください。地方公営企業法に反することをやっている可能性があるわけです。
 委員長に申し上げます。要調査事項として提起しますので知事、副知事の出席をお願いしてください。これは明らかに1年間ということ、それからこれまでの経緯も含めて、知事、副知事に確認する必要がありますので、そのことをぜひお願いします。
 病院事業局の皆さん、今、起こっていることについて、先ほどみたいな答弁をしますと、冒頭に言いましたように、これは名誉の問題、信頼関係の問題です。信頼関係は、病院事業局、県、我々、そして県民ともそうです。この人事に関しての報道は、インターネットで東京や全世界まで流れています。ですから、それは皆さん方がしっかり真意を確認して―本人はできません。今後どうするかも含めてきちんと対応をしてほしいと思います。これは法律に反するのです。わかっていますか。
 ぜひ要調査事項で、よろしく取り計らいをお願いします。

○呉屋宏委員長 ただいまの質疑につきましては、要調査事項として提起したいということですので、誰にどのような項目を確認するのか簡潔に御説明をお願いします。
 なお、項目等の説明については、質疑の時間に含めないことといたします。

○照屋守之委員 県知事に対して、病院事業局長の人事の件で地方公営企業法第7条の2に反することをやっている可能性があるので説明を求めたいと思います。

○呉屋宏委員長 ただいま提起のありました要調査事項の取り扱いについては、本日の質疑終了後に協議したいと思います。
 以上で、保健医療部長及び病院事業局長に対する質疑を終結いたします。
 説明員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 休憩いたします。

   (休憩中に、執行部退席。予算調査報告書作成に当たっての議事の進行について説明。)

○呉屋宏委員長 再開いたします。
 次に、予算調査報告書記載内容等について御協議をお願いいたします。
 まず初めに、要調査事項を提起しようとする委員から改めて、提起する理由の御説明をお願いいたします。
 照屋守之委員。

○照屋守之委員 今、お手元に配付してありますように、病院事業局長人事について、地方公営企業法第7条の2に反する可能性があるということでございます。実は、この件については報道等々も含めされていますが、事実関係だけ言います。平成28年2月19日に沖縄県公務員医師会が、病院事業局長任期中途の解任に対する伺いというものを出しています。これを知事に説明してほしいという要望です。この中でも、地方公営企業法第7条の2に反するという項目がございます。この解任に対する返事は秘書課に出ておりまして、病院事業局に返事は来ておりませんが、2月27日の新聞報道で、病院事業局長の人事について退任の方向で調整していた件は26日までに伊江氏の1年間の継続を決めたと。県立病院医師らの反発を受け方針を転換したと。先ほど申し上げたように、この報道と沖縄県公務員医師会の解任の伺いは合致しております。解任が出たということは事実ですので。それとあわせて、伊江朝次病院事業局長の任期はあと2年あります。2年ありますけれども、知事サイドで1年間の続投を決めるということは、この法律からするとできません。同法では管理者の任期は4年とするという明確な決まりがありまして、あと2カ年間任期があります。それを罷免する場合は、別の条項に定められているということですので、幾ら知事といえども、そういうことはできないわけであります。ですから、ぜひ、この地方公営企業法の趣旨と、実際、県が考えていること、そこを明確にする必要があることから、予算特別委員会の総括質疑において、県知事あるいは副知事への総括質疑をお願いしたいということです。

○呉屋宏委員長 以上で、要調査事項を提起しようとする委員の説明は終わりました。
 次に、予算特別委員会における調査の必要性及び整理等について、休憩中に御協議をお願いいたします。
 休憩いたします。

   (休憩中に、要調査事項について協議)

○呉屋宏委員長 再開いたします。
 要調査事項につきましては、休憩中に御協議いたしましたとおり報告することといたします。
 次に、要調査事項として報告することについて反対の意見がありましたら、挙手の上、御発言をお願いいたします。
 新田宜明委員。

○新田宜明委員 照屋委員から出されました病院事業局長人事についてですが、普通、人事行政というのは、内示があって正式に発令があるわけです。今回の病院事業局長の人事について、内示が出されたとか、あるいは先ほどの質疑・応答の中で、事前に知っていたという明らかな答弁はなかったように思います。ですから、新聞報道に基づいて、こういった公式の場で答弁を求めたり、非常に不確かな―確証のないようなものを根拠にして、要調査事項にするということはいかがなものかと思っております。ですから、そういう意味で要調査事項に反対をいたします。

○呉屋宏委員長 ほかに意見はありませんか。
 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 私も要調査事項に反対いたします。 病院事業局長人事については、新聞報道に基づいて先ほども確認をするような質疑をしていましたが、本会議の場で、きちんと総務部長がそれについては明快な答弁をしていますし、これは報道に基づくものであって、あえて要調査事項にするものではないということで、反対です。

○呉屋宏委員長 ほかに意見はありませんか。
 比嘉京子委員。

○比嘉京子委員 まず、予算特別委員会の要調査事項に人事権がそぐうかどうか。私は、予算特別委員会の要調査事項にはそぐわないという反対意見を述べたいと思います。

○呉屋宏委員長 ほかに意見はありませんか。

   (「意見なし」と呼ぶ者あり)

○呉屋宏委員長 意見なしと認めます。
 以上で、要調査事項として報告することへの反対意見の表明を終結いたします。
 次に、特記事項について、御提案がありましたら、挙手の上、御発言お願いいたします。

   (「提案なし」と呼ぶ者あり)

○呉屋宏委員長 提案なしと認めます。
 以上で、特記事項の提案を終結いたします。
 次に、お諮りいたします。
 これまでの調査における質疑・答弁の主な内容を含む予算調査報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○呉屋宏委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 以上で、本日の日程は全て終了いたしました。
 次回は、3月18日 金曜日 午前10時から委員会を開きます。
 委員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 本日の委員会は、これをもって散会いたします。
    午後4時47分散会






沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。