委員会記録・調査報告等

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文教厚生委員会記録
 
平成29年 第 3定例会閉会中

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開会の日時

年月日平成29年9月8日 曜日
開会午前 10 時 4
散会午後 2 時 29

場所


第2委員会室


議題


1 参考人からの意見聴取について(陳情第65号、同第67号及び同第71号)


出席委員

委 員 長  狩 俣 信 子 さん
副委員長  西 銘 純 恵 さん
委  員  照 屋 守 之 君
委  員  次呂久 成 崇 君
委  員  亀 濱 玲 子 さん
委  員  比 嘉 京 子 さん
委  員  平 良 昭 一 君
委  員  金 城 泰 邦 君


欠席委員

委  員  新 垣   新 君
委  員  末 松 文 信 君


説明のため出席した者の職・氏名

(参考人)(陳情第65号及び同第67号について)
 沖縄県教職員組合中央執行委員長  佐 賀 裕 敏 君
(補助者)             神 里 竜 司 君
(参考人)(陳情第71号について)
 一般社団法人沖縄県薬剤師会会長  亀 谷 浩 昌 君
(補助者)             山 城 英 人 君
(補助者)             大 城 喜 仁 君



○狩俣信子委員長 ただいまから、文教厚生委員会を開会いたします。
 参考人からの意見聴取についてを議題といたします。
 なお、ただいまの議題につきましては、去る7月7日に開催された本委員会での決定に基づき、陳情第65号、陳情第67号及び陳情第71号の陳情審査の参考とするため、陳情者等をそれぞれ参考人として招致し、説明を求めるものであります。
 本日の参考人として、沖縄県教職員組合中央執行委員長佐賀裕敏氏及び一般社団法人沖縄県薬剤師会会長亀谷浩昌氏の出席をお願いしております。
 陳情第65号、陳情第67号及び陳情第71号に係る参考人からの意見聴取を行います。
 まず初めに、沖縄県教職員組合中央執行委員長佐賀裕敏氏から説明を求めます。
 お手元にあります事務局配付の資料をごらんください。
 佐賀裕敏参考人から、神里竜司氏を補助者として出席させ、必要に応じて発言させたいとの申し出がありますので、委員長として同席を許可したことを御報告いたします。
 参考人及び補助者の皆様、本日は御多忙のところ御出席いただきましてまことにありがとうございます。
 参考人等から説明を求める前に、委員会の審査の進め方について御説明申し上げます。
 まず、参考人等から御説明をいただいた後、委員から参考人等に対し質疑を行うことにしております。
 なお、参考人等が発言しようとするときは、あらかじめ委員長の許可を得なければならず、発言は、陳情の趣旨の範囲内で行うこととなっております。
 また、本日は委員会が参考人等の説明を聞く場でありますので、参考人等が委員に対して質疑することはできませんので、御承知おきください。
 それではまず初めに、佐賀裕敏参考人から陳情第65号過度な競争になっている「学力推進運動」を改め、子供たちに豊かな教育を求める陳情及び陳情第67号「労働安全衛生委員会」の設置を進め、学校労働環境の改善を求める陳情について、提出に至る背景及び目的等について簡潔に御説明をお願いいたします。
 佐賀裕敏参考人。

〇佐賀裕敏参考人 陳情第65号過度な競争になっている「学力推進運動」を改め、子供たちに豊かな教育を求める陳情から説明します。
 それでは資料の2の過度の競争につながる結果公表について、平均や順位にかかわる公表は厳に控えることということですが、私どもは2017年度全国学力テスト実態調査を行いました。5月25日付で各分会からの声を集めてまとめたものをごらんください。これは1ページの学校の現状なのですが、まずはテスト対策等で授業が削られている状況が今年度も見られます。特に算数と国語は単元が進められない状態で、このテスト対策や補習等が行われているものが見られます。これはやはり結果を公表して、県の平均点から下がっているところには、県教育委員会や市町村教育委員会が出向いて、支援訪問という形で行って、その場合に結構いろいろな資料を提出したりとか、どういうことをやっているのかという―逆に先生方にとっては圧力という形に感じています。また、子供たちもずっとドリルでこの学習への意欲がどんどんそがれてきている状況があります。この原因としてはやはり平均点を公表して平均点よりいいか悪いかというところで過度な競争になっています。意外と学校間や市町村間とかでも情報交換とかありまして、学校間でも競争が行われているような状況ですので、ぜひそこは公表を控えていただきたいという陳情です。
 あと2番目のWebテストの強制をやめ、システムへの入力を中止すること。これも現在、県教育委員会からは、WebテストやWebシステムへの入力は強制ではなくて、県からのお願いであると言われています。ただ、Webテストを実施していない、入力されていないところには、やはり教育委員会から指導が入っています。どうしてやっていないのかということで、校長から担任や教科担任に指導が入りまして、やはりそれもやらざるを得ない。Webテストについては私どもは中止を求めていません。Webテストを活用したいという教員はいらっしゃいます。活用する分にはいいのですが、それを採点して、システムへ入力しなければいけない。またここでも先生方の仕事がふえてしまって、このWebシステム対策で補習授業をやったり、授業時間の何分間かを割いてやったりという部分が見えますので、ぜひこのWebシステムの入力を中止していただきたい。これもWebテストの入力した結果が悪い状況のときにはやはり各学校へ2回以上の支援訪問ということで、市町村教育委員会や県教育委員会、教育事務所の方々が訪問される。これもかなりの心理的負担・圧力になっていますので、ぜひそこは検討をお願いしたいところです。
 次に、陳情第67号「労働安全衛生委員会」の設置を進め、学校労働環境の改善を求める陳情へ移らせていただきます。
 管理職に職員の出退勤時間の管理をさせ、超過勤務を正確に把握させること―タイムカード・パソコン・IC等を使ってということであります。今、沖縄県の市町村に6月末現在で、資料にありますように、労働安全衛生体制等の調査を行いました。その中で出退勤時間の管理は、タイムカード等が使用されているところはほとんどありません。市町村によって、ICカード予定というのもありますが、ほぼまだ入っていない状況です。ではどのように出退勤管理をしているのかというと、未回答のところはまだ一切やっていないと思います。あと、管理職の現認とありますが、実際には管理職が先生方より早く来て、先生方が帰ってから退勤するということは一切ありません。極端な話ですが一番遅く来て、一番最初に帰ってしまうというような状態ですので、現認はかなり無理な状況です。もう一つ、学校には週案ということで、1週間の授業予定等を書くものがありますが、その中に個人で出勤が何時、退勤が何時と書くようになっています。そういう市町村が結構あります。あとはエクセルシートで自分で打ち込んで、2週間なり1カ月なりで、管理職に報告するというようにありますが、その辺も客観的な記録ということでは、法律に基づいていないというのが正確なところです。文部科学省―文科省の通知が皆さんに別冊で配付されていると思います。6月22日にこの文科省からの通知が各都道府県の教育長宛てに出されています。各都道府県の教育委員会においては、市町村教育委員会に対して、周知を図るというのと、十分な指導・助言を努めていただくということが2ページの記の上のところにあります。記の中の2番の勤務時間の適正把握について、タイムカードの導入で管理しているというのが、都道府県では6、政令市では8、市町村では139で8.1%と低い率になっています。
 もう一つは働き方です。学校における働き方改革における緊急提言というのが、中央教育審議会―中教審から8月29日に出されています。また別冊の2ページには①の下です。「服務監督権者である教育委員会は、自己申告方式ではなく、ICTやタイムカードなどの勤務時間を客観的に把握し、集計するシステムが直ちに構築されるよう努めること。」になっています。
 また、多忙化に関することでありますが、先生方の勤務時間の管理がしっかりされていて、Webシステムへの入力等での超過勤務がどれぐらいあるかというのから、先生方の多忙化をどのように解消していけばいいのかということをやはりしっかり私たちも検討していきたいので、こういうタイムカード・パソコン・IC等での管理をしっかりやっていただきたいということをお伝えしたいと思います。中教審の中では、学校は午後4時45分で終わるのですが、その後に留守番電話等の設置をしている市町村も県もあります。やはりそういうところでは放課後に先生方は電話をとらないといけないということで、PTAもそれがわかっていて、学校には電話をしなくなってくるというのもあります。また、県によっては、長期休暇期間においては一定期間の学校閉庁日を長期休業中に設定しているところもあります。先生方をしっかり休ませることです。多忙化の解消のためにもそういうものが必要だと思います。
 中教審の3ページの③に管理職の役割分担を明確にするということで、「組織管理や時間管理、健康管理等のマネジメント研修を充実し、意識改革と実践力の向上を図ること。」として、中教審から8月29日に出されていますので、それもぜひ参考にしていただきたいと思います。あと、私たちの資料の中で労働安全衛生体制にしてもそうですが、ほぼ未回答の部分や設置されていない市町村がかなりあります。設置されていてもほぼ機能していない状態がありますので、ぜひそこも出退勤時間の管理とあわせて、しっかり徹底するようにということでお願いしたいと思います。文科省通知の3ページには、学校においては労働安全衛生管理体制の未整備は法令違反であることをしっかりとうたっていますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。また、中学校では、多忙化の一因が部活動になっていますが、部活動の休養日の設定等についても法令等でしっかり文科省から出していますので、それにのっとって、ぜひ出退勤時間の管理から、超過勤務の把握をして多忙化の解消に御尽力いただきたいと思います。

〇狩俣信子委員長 参考人の説明は終わりました。
 これより参考人等に対する質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないよう簡潔にお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 照屋守之委員。

〇照屋守之委員 私は教職員組合からこのような陳情が出されるということ自体が非常に不思議に思っておりました。本来はこういう学校の問題については、子供たちのことについては、実際、教員の組織である組合側と行政側がいろいろと検討して、行政が足りない分については、組合もいろいろアドバイスするべきだと思っておりますが、こういう形で学力向上の過度な競争につながるという位置づけも含めて、何で本来皆様方がどうぞやってください、子供たちの学力を上げるように協力してやってくださいというのが、県民の立場で、ここは非常に不思議に思っているのです。組合は沖縄県の学力の現状についてどのように捉えておりますか。

〇佐賀裕敏参考人 教育委員会等とも私たちはいろいろと話し合いや情報交換等もやっています。ただ、私たちは市町村ですので、各支部も市町村の教育委員会とやっているのですが、お互いが、県ではきちんと市町村教育委員会にお願いをしていると。市町村教育委員会に関しては、県から言われるからやっているということなのですが、お互いに責任の所在を、あっちに行ったり、こっちに行ったりの状態でなかなか県と話をしていて、県は理解していただいても市町村教育委員会におりたときにはしっかりと理解されていないという部分があります。まずそれが1つです。
 今、沖縄県の学力の現状ということですが、実際に子供たちの学力は本当に低いのかというと、その学力とは何かということになると思います。点数学力に関しては、点数が今の状況でとれていないとかです。ただ、ドリルをやれば、小学校ではしっかり点数はとれます。小学校の子供たちは一生懸命頑張りますので、先生方から言われたら頑張りますので、学力というか、点数学力についてはついていきます。この子たちが中学校に入ったらどうなっているかというと、ほぼ勉強嫌いになっています。私の専門は中学校の数学なのですが、中学校1年生に、最初の授業で数学が好きな人と聞いたら、一人も手を挙げません。昔は二、三人はいました。ここ数年は一人も手を挙げません。嫌いな人と言ったら、ほぼ全員が手を挙げます。好きでも嫌いなでもない人というのは、ほぼいないです。数学といいますか、ドリルが嫌いということで、子供たちの状況は中学校に入ってきて、ではこの子たちにどうやって勉強は楽しいものだということを教えていかないといけないという、点数学力はそのようになっています。ただ、私は子供たちの点数学力だけではなくて、生活力等のいろいろな地域への参加ですとか、生活力も含めた学力を考えると、かなり上にいるのではないかと私たちは思っています。

〇照屋守之委員 ですから、非常にわかりにくいのです。文科省が10年前から全国学力テストをしていて、それを目安にして、競争させるというのが目的ではないわけです。この学力の向上で目標をつくって、一生懸命勉強する、成果が出る、それを評価する、それによって子供たちは自信がつくというような繰り返しがやはり社会に出て、非常にいい影響を及ぼすものと考えております。全国学力テストで沖縄県が最下位の状況がありました。最初の最下位のときにはデージナトーサー。2年目また最下位かと。3年目くらいからこれが当たり前になるわけです。そうすると、これは本来は先生方や子供たちを含めて何とかしないといけない。学力向上対策のいろいろな仕組みを行いますが、なかなかその成果が出てこない。諸見里前教育長のときに、しっかり頑張ってくださいとお願いしたら、少し頑張ったら一気に平成26年は小学校24位、平成27年が20位で、その後は公表されておりません。このような学力向上というのは、その社会に出て行くために一つ一つの子供たちのステップで、このようなことを身につけて、今の沖縄は全国最下位の所得で、さまざまな生活力がどうのこうのと言いますが、結局そういうものを目安にして、子供のときにできるものとして、そのようなものが一番大きなウエートを占めるわけです。
 親も私立の学校に行かせるためとか言って、学力を上げて、公務員や教職員の採用試験とかそのようなことをやるわけでしょう。一方ではこういうことをやりながら、普段の学校の問題はそういうことをやっていけば、みんなが同じような形で厳しい子供たちも引き上げる可能性があるという中で、さまざまな問題があるのかもしれませんが、そこに携わっている教職員の先生方が、なぜ一緒に問題があれば改善するようにして―今の沖縄県は小学校は半ばぐらいまで来ていますね。中学校は最下位です。このような感じでずっとそういうことをやらなければまた最下位になって、これから将来を担っていく沖縄県の子供たちも所得が最下位ということをずっとやっていくのですか。
 だから教育というのは、世の中に出て行くための一つのステップと、その目安としての学力を通して、目標をつくって頑張る。それで1点でも点数を上げたら評価してあげる。子供たちに自信がつくということになぜできないのかと思っているのです。ですから、もしその仕組みがだめであれば、教職員が具体的に学力を上げるための方策をつくって、我々に提案してください。提案して、本当に今のままではだめだと。このようなことをやると先生方も一生懸命頑張って必ず学力を上げてみせるからという別の提案をしてもらえませんか。子供たちは喜ぶのです。家庭も喜ぶ。地域が喜ぶ。我々の地域でも一生懸命にみんなが地域も含めてやっているのです。子供が自信がつく。これは学力が伸びていって、先生方もやる気があってということを聞いています。こういうものを全部なくしてしまったら、何を目安にして、どうやって頑張るのですか。もちろん、職場の環境とか、今の御指摘のようなことはやらなくてはいけないです。そのために支障があるのでしたら、これは今の仕組みを変えていくということをしていかないと、私はただこれがだめだというだけでは、教職員組合としてはどうかなと思っているのです。学力を上げるためのかわりのものを出せますか。生活力ではないです。今のポイントは学力です。どうですか、教職組合はいろいろ組織があるからいろいろなアイデアを持っていませんか。

〇佐賀裕敏参考人 補助者の神里から答えさせていただきます。

〇神里竜司補助者 御指摘のとおり、確かに点数を上げて子供たちの学力を伸ばしていくというのも一助になると思っています。こちらの陳情文書に書いてあるようにテスト自体を私たちは否定しているわけではありません。このテストの結果を公開して、過度な競争につながっている状況でやはりできない子たちが不利益をこうむっている状況があるということを伝えたい。学校としては、不登校に陥っている子供たちについてもWebテストに関しては年間8回配信が来ます。その配信に対しての事前のテスト、また後のテストと、テストが何回も続くことによって、できる子をつくっていくことはもちろん先生方としてやっていかないといけないことなのですが、やはりできない子については学校に行きたくなくなる。したがって、それとあわせてスクールカンセラーなり、スクールソーシャルワーカーや、地域のつながりを持っていくような人をしっかり配置していただければ、子供たちに対して手厚く、またテストも楽しくなっていけるという状況をつくれるのではないかと思っています。ただ、今の学校現場はそれに対応する人材が少ないということがあって、どうしてもこの過度につながることはやめていただけませんかと。あるいはWebテストの強制はやめていただけませんかというお願いです。
 それにかわるような方法があるかということについては、確かに組合としても十分に議論が尽くされていないところがありますが、そこはきょういただいた意見を参考に、私たちとしてもしっかり話し合って、できればこちらとしていろいろなことをしてもらえませんかという積極的な陳情に変えていくことも可能であると思っています。

〇照屋守之委員 もともと、過度の競争と言いますけれども、沖縄県は最下位です。文科省がやっていることの狙いは、ある程度のそのような目安を示して、ぜひそれぞれの学力を上げてほしいということです。競争ではないのです。沖縄県は最下位です。過度な競争も何もないです。最下位の状況で学校の教職員の方々も組合の皆さんも、また行政もこのまま最下位をほったらかしていいのですかという話です。小学校は上がりました。中学校はまた別の課題があるのかもしれません。24位から20位になって、まだ中学校は最下位です。でも、点数の差が縮んだいう話は聞いておりますが、それでも最下位です。根本的な何かがあるのです。ですから、このようなことを要求するのももちろんいいのですが、具体的に何で中学校が上がらないのか。競争とかの話ではないのです。もっといろいろな仕組みがあるのか。先生方が本当に忙しくてこういうのがだめでしたら、このような仕組みにしていったら、これは可能ですと。確実に上がりますということを、組合として私は提言できないと、学校の先生と行政と一緒でしょう。それで子供たちは点数が上がったらうれしいのです。自信を持つのです。誇りが出てくるのです。親も家族も地域も喜ぶのです。喜ぶことがたくさんある。
 確かに今言うように、教職員の負担とか、さまざまな仕組みの中でマイナスの要因もたくさんありますが、いいものを引き上げて、マイナス要因をどうしていくかというのは、やはり先生方も教職員組合も行政も我々も一緒になって考えてやるべきことではないでしょうか。これを否定してしまうと、もとに戻って、また最下位です。小学校も最下位になります。かわりのものがないですもの。結果についてはいいのです。小学校、中学校の先生方はその期間の責任ですから。この子供たちは20歳になり、将来をつくっていくのです。小学校、中学校というのはその一時期です。ここでしっかり勉強して学んでいく。努力していく。目標を達成していく。あるいは挫折する。失敗する。そういう経験を味わう。それが社会になって生かせていくのではないですか。
 だから、子供の貧困と言うけれども、そういう子供たちが一生懸命努力して、この子供たちの中から皆さんのような先生方をどんどん出さないといけないのではないですか。一部の人たちだけが一生懸命勉強して先生や公務員になる。今はそのような社会ですよ。だから、あなた方も先生になって頑張りなさい。会社をつくって頑張りなさい。そのために必要な学力をつけるためにここで一生懸命頑張ることが大事なのだと。目標をつくってやる。
 だから私は前向きに捉えて、学力というのは、競争とかではなくて、今の置かれている立場を我々が把握して、沖縄県の子供たちをどうやって育てて、世の中の役に立つように、どのようなときに、育てていくのかを考えるときに、この学力向上の取り組みというのは、非常にいいチャンスだと思っています。ですから、繰り返しますが、いろいろな弊害も当然あります。そこをどうクリアするのかという、これにかわるようなものは何があるのかという話です。だって、子供たちは勉強することが仕事で、自分の体をつくることが仕事で、世の中に出ていくための準備期間という、人間関係も含めていろいろな経験をすることが仕事です。それにかわる何かを組合が提案して、そこを一生懸命やって、将来子供たちが公務員になる。先生になる。どんどんいろいろな役職につく。所得が上がるような仕組みをどうつくるのかということです。私はそういう代案は持っていませんから、沖縄県の学力はやはり最下位ですから、これはやはりそこに取り組んで一生懸命やっていく。それが子供たちにとっていいことだなということを考えているわけです。ですから、教職員組合のそのような対応について、私は素直に疑問を持っているのです。
 ですから、一緒にやりましょう。子供のころからそのような形で学力を身につけていく。高校も大学もそのような流れでやっていく。そのような人たちが公務員試験などに合格する。公務員、学校の教職員の試験は過度な競争どころではないでしょう。ある程度勉強して、そこで勝ち上がって、ある定数枠に合格するぐらいの能力を身につけないと、今の先生方のポストにつけないわけでしょう。先生方はみんながわかっているのではないですか。だから、この辺から始めていかないとそこにいかないのですよ。採用試験のために高校や大学で一生懸命頑張って合格することもありますが、そういうことはまれです。下積みを重ねて先生になれるのでしょう。公務員になれるのではないですか。生活力とか言うけれども、ある程度、試験採用もそういう点数制になっているのだから、そういう仕組みの中で、先生方は競争の中で学校の先生になっているのでしょう。だから、先生になるにはどのくらいやらないといけないというのがわかるから、もう少し一緒に勉強しよう。頑張ろう。将来あなたが目標どおりになるためにはこのようなことをやったほうがいいよ、これもやろうということで励ましてやるのが先生方ではないのですか。その上で待遇面はどうするのかという、先生方を取り巻く環境ということをどうするのかということを考えていかないと難しいのではないかと思いますが、いかがですか。

〇神里竜司補助者 いろいろな御指摘ありがとうございます。学力問題に関しては、確かに最下位という状況は組合としてそれをよしとしているわけではありません。学力として点数をつけさせていくことも非常に重要だと考えております。ただ、組合側としては、多様な価値観を持った子供たちを育てるということもすごく重要視しています。なぜかというと、一昔前は人口が非常に爆発的にふえていました。このことはそのふえている段階の価値観と、要するに今後、経済成長していくときというのは、やはり安価なものをどんどんつくっていくというような世の中が必要で、みんながそこに向かっていく必要があったと思いますが、やはり学校としても人口がどんどん減ってきている世の中としても、出生率が減ってきているという状況の中では、どのように子供たちが社会を支えていくのかという状況をつくるときには、やはり多様な価値観を持った人たちが意見を出して、そのお互いの意見を尊重し合って、この人がこう、この人はこうというような教育をつくっていかないと。これからは支え合っていかないと、多分社会がもたないような気がします。今、教員は大量に採用されている状況が続いていますが、学校現場では、実は病気休職で精神疾患者もワーストワンをずっと記録し続けていて、そのために代替の先生を入れないといけないという状況があるのです。ただ代替の先生自体も今探すのが非常に困難で4月の時点で、定数―いないといけない先生自体も配置されていないという状況が何校も確認できているのです。ということは、やはり一定の共有する価値観も必要だと思うのですが、ただ、それ以外の価値観も学校側で、子供たちに持たせていかないと、やはりこれから先の社会全体を支えていくような子供たちをつくっていくことは少し難しいことになるのかなと経済面から見ても思っています。
 私たちも行政側とよくしゃべっているので、やはり多様な人材確保をしていく必要がある。それはとても必要であると非常に感じています。組合としても、何もしない人をつくりたいというわけではありません。やはりその人の価値に合った働き方やその人の持ち場に合った働き方、しっかりこういう子たちを育てていきたいという思いがあって、一本の何かの基準だけで見るのではなくて、複数の判断基準をつくっていくということが必要ではないかと考えています。したがって、おっしゃるとおり、点数は一つの価値観です。それによって喜んで上がっていく人もいると思います。ただ、それ以外の価値観を持って、喜んでそういう仕事に邁進していく子供たちをつくっていくのも私たち大人の役目だと考えています。教職員組合としてはここに書いてあるように、価値観1つだけではなく、ほかの価値も持って、子供たちの多様性を認めるような社会をつくっていきたいという思いが理想としてあります。

〇照屋守之委員 ですから、そういう多様な価値感というようにくくってしまうと、そのまま何もしなくて、子供たちを1週間預かって、1年、2年、3年それぞれでやればいいわけでしょう。その価値感は当然出てきます。ただ、義務教育で、学力に対して一生懸命取り組みをしていく。点数を3点上げましょう、2点上げましょうという目標を定めて、そのための勉強に取り組んでいって、それが達成するのか、達成しないのか。そういう部分の繰り返しだと思っています。ここが大事だと思っているのです。それによって、結果的に上がっていくという。多様な価値感というと、それは子供たちが多様な価値感だから、20歳とかそれぐらいに社会に出るときが問題だと思うのです。私はそれまでは準備期間だと思っているのです。そのときに最初から多様な価値感でどうぞ、子供の好きなようにというような形でさせていくと、そこはある規模でいろいろなことをやるにしても、ある程度の経験とか、実績を持った上でこの道に進む、あの道に進むのだとしたらいいのですが、何もなくて、ただそのまま進んでいくということは、教育として子供たちが持っているさまざまな能力をもちろん発揮するのは、当然だけれども、全国的な学力というものも含めた取り組みの中で一生懸命させていく。勉強に取り組まさせるということをやっていくのは、やはり先生方の務めではないか。それに対するいろいろな障害があればそこはどうやってクリアしていくかということなのです。
 だから、我々は議員をやっていて思うことは、なぜ我々は県議会議員をやっているのかという話です。我々が議員やっていることで、少しでも県民、あるいは県のために役に立つというプライドがあるわけです。だから、子供たちの成長を手助けするということが先生方のプライド―働きがいではないのかと思っております。そうすると学力をそういう形で子供たちが成長したあかしとして、点数が上がっていくという目に見えるものでやっていくと、自分もその教職員として、働きがい、やりがいがあるということにならないのかと思っているのです。それを一くくりに多様な価値感にしてしまったら、それはそれぞれの対応の仕方でやるわけだから、働きがいというのはなかなか見出しにくいのではないですか。もちろんら、待遇面が保障されていればいいのですが、その教育環境の改善とかはいいです。ただ、社会が学校に何を期待するのか、先生方に何を期待するのかといったら、やはり子供たちをそういう目に見えるところで成果を出してもらいたいわけです。点数を10点とる子供がいれば、12点とってもらいたいわけです。13点をとってもらいたいわけです。それで子供が頑張る。家庭や地域も協力してやっていく。学力向上の取り組みで、そういう家庭や地域も一体となって、こういう取り組みが我々のところもやっているということが大事だと思うのですが。
 ですから、組合の立場は尊重しますが、ぜひこのような問題提起をするときには、教職員の組織である教職員組合として、それにかわるような県民が理解して、目に見えるような対案も含めて提案してください。そうでないと、この現状がだめだということでは理解しがたいのです。せっかく一生懸命やっているところに対して、ではこれはやらなくていいとなったら、尻すぼみでなくなっていきます。せっかくそういう機運が盛り上がっているのに公表もやらない。平成28年度は公表をいつの間にかやっていません。このようなことが起こっていくと、あれは何だったのかと。いつの間にか最下位にいて、それについて誰もわからないということが起こっていくのではないですか。ですから、陳情の内容はしっかり受けとめております。しっかり対案を県民に示して、これにかわるような学力が上がるようなものを目に見えるような形の成果を出してもらえるように、ぜひお願いします。

〇狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 金城泰邦委員。

〇金城泰邦委員 まず、陳情第65号についてでありますが、今回この陳情の内容が、学力テスト、Webテストについて、公表を控える、あとは強制をしないということがあります。その背景として、全国学力調査の事前対策などで追われているということが書かれています。このテスト―学力調査に向き合う先生のそういった取り組みというのは、これは先生がそうしていると私は受けとめているのですが、いい結果が出ることを目的としてやってしまうから、事前の対策に追われてしまう。これをやっているというのは、逆に先生自身ではないのですか。本来ならば、このような学力テストで結果が出ました。結果を受けて具体的に数学、算数が弱いとか、ここが弱いと分析されますね。ではこの弱いところをどうフォローアップするかということを本来やるべきであるのに、事前対策でいい順位をとるために対策をしている。これは先生がそうしているのではないですか。

〇佐賀裕敏参考人 先生方がやっているわけではなくて、やはり教育委員会等から通知等が出ていて、しっかりやるようにということであります。先生方はどちらかというと、言われているからドリルや過去問を子供たちに一生懸命させているという状況で、これは学校全体で校長が中心になってやっている状態ですので、先生方が点数を上げたいがためにやっているわけではないです。

〇金城泰邦委員 こういった学力調査を受けて、生徒の状況が出てくる。それを受けて、先生方はその後のフォローアップをどのようにされているのでしょうか。

〇佐賀裕敏参考人 テストまではほぼ教科書は進んでいないのです。この4月の一番大事な時期に学級をまとめたい、新しい子供たちですからまとめたいということも先生方の意見の中にあります。だけれども、それができない状況で春休みからずっと補習をして、過去問をさせて、補習、補習、勉強させてということを繰り返しています。結果が出るのが8月、9月ぐらいです。ではどこが悪いかというのは、事前に先生方がまた全部コピーをとって、採点して、県に報告するという作業があります。
 基本的に、学力を上げるのは大事なことなのですが、陳情第65号だけを見ていただくのではなくて、やはり先生方の状況を―先生方がゆとりを持って子供たちに接する時間があるのかどうかというところなのです。そこだけに力を使い果たして、今言われたように子供たちのここが悪いというのは大体わかります。この辺ができないからフォローしたいが、そういう時間もとれない状況です。もう4月はほぼ授業がストップしていますから、その分を挽回しなくてはいけない。それに加えて、Webテストの入力などありますから、Webテストにも時間をとられてしまう。正規の教科書を終わらせるのにいっぱいいっぱいなのです。あとは何をしているのかといったら、放課後等に子供たちを残して補習をしたりということもあります。その辺もありますので、子供たちのフォローも十分にできていない状態です。いろいろなものがこの学力テストに関して学校に入ってきています。

〇金城泰邦委員 私が質問した、先生の受けとめ方ではないかということに対する先ほどの御答弁は、そうではなくて、教育委員会からそうやるように言われているということでした。言われているから先生がやらなければいけない背景というのはどこにあるのですか。要するにこれをやらないと、学校にどういうペナルティーのようなものがあるのか。そこがよく見えなくて、なぜ先生が教育委員会に言われたことを、そこまで必死に取り組まなければいけないのか。その背景に何があるのですか。

〇神里竜司補助者 実は何年も前に教育委員会の指導班から、この一定期間は、予備時数をつくって、算数や国語の授業をふやしなさい。あるいは時間を確保して、補習をしなさいという通達が出ました。それはおかしいのではないかと申し立てをしたのですが、もともと国語、算数、理科、社会、全ての教科についてきちんと学力を上げていかないといけないという観点のもとに、教員は授業をやらないといけないと思うのですが、例えば技能教科の時間を減らして、国語とか、算数の授業をふやしなしなさいとか、そこに事前の対策を入れなさいという通達が来てしまうと、私どもとしてはそれに従わざるを得ないような状況に変わっていくのです。やはり私たちとしては、授業を実践する中で子供たちをどのように改善していくのか。自分の授業でどのように子供に向き合っていくかのということが本質だと考えています。だから、そういうことがきちんと授業の中でできていれば、学力は確実に上がっていくものと私たちは思っているのです。ですから補習の時間などに時間を使うのではなくて、やはり教師の授業を改善する時間、教師がいい授業をしていく時間、一人一人がわかりやすい授業をしていく時間ということをきちんと確保することが一番重要であると考えています。そういう通達や通知が来てしまうと、やはり私どもとしては従わざるを得ない。例えば、校長先生が私どもの管理責任者でありますし、校長先生がやりなさいと言ったらこれは職務命令ですから、それに従わなくては私たちの人事評価も下げられます。そういうシステムの中でどうやっていくのかと言われたら、言われたことをやらないといけない。先生が授業の改善がしたい。研修に行こうと思っても、校長先生に「だめです。補習しなさい。」と言われたら、研修には行けないのです。なぜかというと、命令に従わないと評価で給料も下がります。そういう心理があります。
 やはり補習することは、一部の子供たちに対しては非常に重要だと思います。でも、授業実践がしっかりしていかないと。先ほどから言っているように、人間の価値感というのは、国語とか数学だけではないです。教科的には理科や社会も大切です。私は英語の先生なので、英語のテストをやってくれたら100点をとるという子もいると思うのです。ということは、国語で100点をとる子、数学で100点とる子、英語で100点とる子と、そういう人たちがいろいろ分担して、社会をつくっていくことが、学校としても社会としても非常にいい影響を及ぼすと思うのです。人の力をかりながらやっていこう。そういう社会を目指せるように、やはり先生方が授業の実践をしっかりしていくための時間の確保は命題ではないのかなと思っています。何か通知が出てしまうと、そのような仕組みでやらざるを得ないという状況に追い込まれている現状があります。

〇金城泰邦委員 御説明でようやく把握できました。そうであれば、今回の陳情の本来の皆様の思いというのは、テストがある、ないとかそういったことではなくて、そのための対策が教科や教科研究を妨げているところが一番の問題なのだと思います。

〇神里竜司補助者 そうです。やはり学校の先生方からの悲痛な叫びは、自分がこのような授業をしてみたいということが実践できない状況にあるということが少し強いのかなと。今学力テストに向けて、目当てとか板書計画もどこの学校に行っても均一的に行いましょうという、学力の推進の仕方なのです。そうしてしまうと、そこの地域、その子供に対応した授業を考えなくてもいい状況に教員たちが陥ってしまう。そうではなくて、考えた授業の実践ということをしっかり一人一人の教員がしていかないと、多角的な観点を持った子供たちは絶対に育たないと教職員組合は思っています、やはりそこを充実させていくという機能を私たちとしても、行政としてもしっかりつくっていかないと、これからの沖縄県の子供たちを支えていくということは、人口が減ってきているので、いろいろな観点で優秀な子をつくっていくことこそ、本県の教育の質が上がるということだと私たちも願っています。子供たちの学力を落とせという話は全くしていないのです。ですからそういう観点で、やっていただければ、どうにかいろいろなアイデアを出し合いながら、もちろん組合も協力していきます。

〇金城泰邦委員 今のやりとりで、言いたいことが初めてはっきりとわかりました。だから、この文章だけを読むと、テストに対する正否の話になってしまいがちと思いますが、その根底にあるのはやはり教科の持つ重さというものが今失われつつあるという部分が本当の問題だと把握しました。そのようにしたほうがいいかなと思います。
 もう一点、陳情第67号ですが、この教師の多忙化というのは最近よく聞くのです。本来、先生の仕事というのは昔から変わらないはずなのですが、先生の多忙化の一番の要因は何ですか。

〇佐賀裕敏参考人 多忙化は昔から変わっていません。最近、この教員の多忙化がクローズアップされたのは、やはり報道で、新聞・テレビ等で出るようになってからなのです。先ほどちらっとありましたが、精神疾患でのこの休職者の割合が全国の中で沖縄県が9年連続でワーストワンです。というのは、それぐらいかなり厳しい状況に先生方はある。全然ゆとりがないのです。その先生方の働き方にも問題があるので、私たちも先生方に対してきちんと働き方を考えましょうと。何年も前から、教育委員会も行事の精選などいろいろな手を打っています。時間をつくろうということでやっていますが、この辺が一向に進んでいません。先生方の業務は、授業を教えるという子供たちに向き合う部分が主なのですが、それ以外に学校はいろいろな係や分担等があります。行政への報告物の提出など、いろいろなものがあります。その中でやはり支援訪問ということで教育委員会が来る場合には授業を見るだけではなくて、授業を見る場合には指導案をつくらなければいけない。それによって仕事もふえてきています。今、支援訪問も結構ふえてきているので、どんどんそういうものが入ってきています。
 中学校で一番大きいのが部活動です。先生方は放課後の部活動をやって、終わってから自分の仕事の教材研究をやっていきますので、その辺で先生方の仕事量もふえていってしまうということで先ほど提案も必要ということですが、日本教職員組合―日教組で提案しているのが、仕事量は一緒なのですが、これは仕事量を減らせないのであれば、教員の数をふやしていただきたいというところがあります。教員の数をふやしたらやはり1人の持ち時数とかも減ってきます。また資料の中でもありますが、時数もふえていきそうなのですが、先生方がその分―今、各学校はほぼ6時間授業をやっている状態だと思います。5時間は1日ぐらい、それぐらいの授業の中でほかの業務をこなさなければいけないというのが、一番の多忙化になっているかと思います。

〇金城泰邦委員 私は授業の時間数を減らすのはどうなのかなと疑問に思っています。私たちの子供のころは土曜日に学校があったのです。そういったころの授業時数と、今の授業時数は多分違うのではないのかなと思っていて、授業時数が少ない分によって、先生がなかなか授業を学級経営でやったりとか、そういった組み立てていくこともなかなかとれないというのが現状ではないかなと思っていまして、そういった意味では、むしろ授業時数自体はふえたほうがいいのかなと個人的に思っています。
 逆に減らすべきことは、多忙化に一番なりやすい部活動です。ところがこの部活動の決まりというのがあって、担任は先生でなくてはだめなのです。これが私は少しどうなのかなと思っているのです。逆に先生が担任するという縛りを外して、外からどんどん入れればいいのではないですか。そういった形で部活動を外の人が見られるような学校の考え方で進めていくほうがむしろいいのではないのか。そこを外すべきではないかと思うのですが、どうですか。

〇佐賀裕敏参考人 言葉が足りなかったと思います。授業時数を減らすというのは、子供たちの授業時数の1日の5時間、6時間ではなくて、先生方の持ち時数なのです。今小学校では25時間、26時間が普通なのです。1週間で大体28時間から29時間ある中で、先生方が26時間持っていたら、空き時間は3時間くらいしかないのです。その中で、教材研究ができるのかと言ったら、できないので、先生方の持ち時数を全て、小学校だったら20時間ぐらいに減らしてもらえば、1日に1時間から2時間の空き時間ができますので、その中で教材研究ができます。小学校は担任制で、全教科を持っているので時間数がふえているのですが、中学校も教科担任制であり、20時間以上持っています。もう少し減らしてもらえれば、先生方の教材研究の時間がふえるという意味でのこの時数の削減についてもお願いするということで御理解をお願います。
 あと、部活動については、私たちも社会体育に移行してほしいという方向でお願いしています。そこはなかなか進んでいないのですが、大もとの国がそこをいろいろと変えていってもらわないと。子供たちを試合に出す場合には、引率ということで責任を伴いますので、やはり教員でないと連れていけない。今、外部指導者がいっぱい入ってきているのです。外部指導者も一緒にいて、実際に指導したり、試合を見たりするのは、外部指導者の方が十分できるようになっていますので、少しずつ変わってきてはいるのですが、先生方が顧問で、そのほかは外部指導者をつけなければならない。まだ先生方を外すというところまでいっていないのが現状です。

〇金城泰邦委員 陳情第67号でも労働時間が多いので、減らすという話はこれは本当にざっくりとした話にしか映りません。それよりもむしろピンポイントで絞り込んで超過勤務の一番の原因は何か。それを聞いてみたら、部活が一番多いと。部活で拘束される縛りは何か。担任の先生でないといけない。社会体育ではなくて、学校教育という観点になっている。そこをきちんと皆さんの要望の中に、明確に示していくべきだと思いますので、今後は、そこについて考慮をしていったほうがいいのではないかと思います。

〇神里竜司補助者 陳情にあるとおり、まず出退勤の管理自体が客観的にされていないということがこの陳情のメーンです。それはなぜかというと、私たちは労災認定ではなく、公務災害になるのですね。労災の場合は本人が認定に向けて申請できるのですが、公務災害については遺族や私たちではなく、学校長や所属長などが申請しない限り、申請に至らないのです。ではどういうことが起こるかというと、客観的なデータがないとこの人がどれだけ従事していたのか、どうなのか全く見えない状況になる。他県だけではなく、実は本県でも起こり得るのですが、その長時間労働に対して倒れている人たちがいる。もう泣く泣く申請ができない状況にいるという人の話をよく聞くのです。きのうもその相談に乗ったのですが、ハードルが高いところで頑張っている人たちが教員の中にもたくさんいます。その人たちをどう支えていくのかが一番の私たちの視点であるので、支えるために客観的なデータをとっていかないと、先生方がこういう状況に陥ったときに、誰が補償するのかということになるのです。でも、印鑑を押したら終わり。そのような管理だけで本当に責任をとってもらえるのかという安心感が、今の学校現場にはないのです。ですから先ほどから言っているように確かに長時間労働や超勤等も含めて、これはトータル的に考えないといけない問題ではあると思うのですが、まずは出退勤の管理のところからきちんと始めていかないと、客観的なデータもないまま、何が超勤なのか、何がだめなのかは、どこにもデータがないのです。データをとるのは基本的に個人に向けたアンケートでとってきているデータでしか上がってきていない。それをもって、例えば公務災害認定の場にこれを持っていけるのかと言うと、そのような認定は絶対にされないのです。そういうところも含めて、やはり議員の力ですね。予算化していただきたいということを、この陳情で強く訴えています。

〇狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 西銘純恵委員。

〇西銘純恵委員 陳情第65号、陳情第67号の陳情を一緒に質疑したいと思います。最初に全国学力テストということで、先ほど佐賀参考人から、ドリルをすれば点数をとれるので、点数学力はつくけれども、中学校に上がったら、勉強嫌いな子供になっていると。そこが私は大事な部分ではないかなと。やはりみずから学べるように勉強好きな子供をどうつくっていくのか。そこが皆さんが一番考えているところではないかなと思います。今、全国学力テストが国語と算数に絞っている理由、先ほど全ての教科でいろいろ好きな子供がいて、それを点数でやれば個性をみんなで伸びる要素があるとおっしゃったけれども、国語と算数ということで、文部科学省がやっていることについて何か意見はありますか。

〇佐賀裕敏参考人 全国学力テストが始まった理由が、世界的なOECD生徒の学習到達度調査―PISAという学力調査からだと思います。そこで国語、算数が中心になっていることによるものと思います。

〇西銘純恵委員 PISAの調査についても最近いろいろ批判が出てきていると思うのです。点数で学力をはかれるのかというところについて知っていらっしゃったら、お聞かせいただけますか。

〇神里竜司補助者 PISAは確かに世界的な指標ということで行われているテストでありますので、その観点から行われていることは組合でも重々理解しています。
 やはり昨今言われているのは、沖縄県もそうですが、「生きる力」とか、コミュニケーション力とか、いろいろな観点からそのように総合的に国語であろうが、数学であろうが、見ていかないといけないのではないかということです。組合としてもそこは把握していて、これに対する学習会等を開いている状況です。

〇西銘純恵委員 点数そのものに対する見方だと思うのですが、今回、県が9年間やってきたという中で、順位が上がった、下がったことについての問題です。この順位で全国比較の数字が出ていますが、全国平均との関係で、この何ポイント差というのが、子供の学力をはかる物差しとして、相当なものであるのか、微々たる少しの違いなのかというところが見えなくて、全国との差についての評価というものをお聞かせいただけますか。

〇神里竜司補助者 これは問題数だと思うのです。国語、数学、算数に対しても。その問題数によって、例えば今までのテストだと、高校入試やセンター試験でもそうなのですが、答えがゼロか100かでしか判断されなかった―今マークシート式になったりするとそうなりますね。その過程というのがしっかり見えているテストになっていないのではないかという議論が非常にあります。だから推考していく段階で、計算が間違って、これがだめだったのか、それで間違った答えを書いたのか。でも、考え方自体はしっかりできているけれども、そこの計算が間違ったのかというのは、はっきり言って見られていない。そうなってくると本当に先ほど言ったように、この指標だけで評価するということについてはどうなのかと、組合としても思っています。

〇西銘純恵委員 今、簡潔に話されたと思うのですが、本当の学力をはかるものになっているのか。思考の過程が評価されていないのではないかというのが、やはり点数とか、順位に左右されるということが、いかにある意味で競争序列というのが、子供たちの声も勉強嫌いになるとか、そこら辺から見れば今の学力テストをそのまま続けることについては弊害があって、子供の成長にとってはよくないと思います。
 それともう一つ、文部科学省は教職員の勤務時間については深刻な状況があると言っています。ただ、その文部科学省も教員をふやす―ふやすというのは、少人数学級にしていくということが当然ふやすということだと思うのですが、これに対して全く触れていなくて、ただ小手先の支援とか、そういう形でしか出していないと思うのですが、やはり子供たちを丁寧に見て、子供一人一人に寄り添って、つまずきやこの子にとっては何が問題で何がわかっている、わかっていないということをやるには、子供を見る目が厚くないとできないと思うのです。少人数学級を県独自にやっている部分も含めて、子供たちの教育、育てる、学力をつけるという面での効果についてお尋ねします。

〇佐賀裕敏参考人 今、県でも小学校で1年生、2年生、3年生で30名学級を独自にやっていただいています。ただ、全てが30名以下学級になっているかというと、少し条件がありまして、クラスを分けたときに25名以下になったらできないとか、空き教室がないとできないとか、こちらとしても緩和してほしいというものがあります。今言われたように少人数学級になるとどうなるかというと、現在の国の基準は40名ですが、40名と30名で10名違うと、子供たちの見え方が全然違うのです。40名のときには、1時間で40名全員を見るというのはかなり厳しい部分があります。だけれども、30名になると見えなかった部分が見えてきて、こちらもそこに力を注げるということで、先ほどの学力ではないですが、勉強に関しては子供たちに伝えることができてくるという部分では少人数学級が授業もやりやすいし、子供たちの学力を上げることもできるものと私たちは考えています。
 もう一つは、学力を上げるためには先生たちのゆとりがないと厳しい部分もありますので、陳情第65号、陳情第67号をあわせて、学力をつけるためには必要な要請だと考えています。御理解をお願いします。

〇西銘純恵委員 3年前に小学校6年生で、沖縄県が最下位から中段に上がったという子供たちが、今度中学校3年生のテストでどうだったのかということが、本当に力をつけたのかどうかという大事な視点だと思うのです。これについてはどうですか。

〇佐賀裕敏参考人 やはりその場しのぎなのです。大体3月の春休みぐらいからこの4月のテストまでの期間にだけドリルだけをやっていて、本当にこれが学力になっているのかというのは、今言われているように今年の中学校3年生は全国平均にいっているのかといったら、先ほど言われたように最下位なのです。全然力になっていないのです。その場だけなのです。だからそうではなくて、本当に子供たちに、私たちとしては、勉強の楽しさと学力をつけてあげたいということでやっています。そこも一緒にひっくるめて考えていただきたいというところがあります。

〇神里竜司補助者 学力テストと並行して、小学校から中学校に上がるときに各中学校でレディネステストといって、入学したときにどれだけ学力が定着しているのかというテストを学校の先生方が頑張ってやっています。やはり振り返りが必要だということで、各学校でもやっていると思います。那覇市は一括してやっていた学校もあると思います。その結果を見れば、そこからどれだけ伸びたかがその時点ではっきりわかるのですが、基本が定着していないということがわかる結果がいろいろ出ているのです。そうなると、やはりつけ焼き刃的なものではなくて、年間的な授業の実践をしっかり見直して、どのように子供たちに教えていくのだということをやらないと、補習だけでは子供たちの学力は絶対に伸びないです。そういうところから県教育委員会等と組合等もどのような形をつくっていったほうがいいのかという話し合いを持っていただければ、こちらとしてもこういうほうがいいのではないかと言うことができると思うのですが、なかなかその機会に恵まれない状況にあるということです。

〇西銘純恵委員 全国学力テストに参加しないという選択肢はありますか。沖縄県教育委員会が参加しないということになればできますか。

〇佐賀裕敏参考人 これはできると思います。沖縄県でもできますし、各市町村でもここは参加する、しないの判断はできると思います。

〇西銘純恵委員 先ほど子供たちの学力の定着という表現をされたのですが、それを調べるテストというのは、それぞれがやられているということであれば、今の学力テストに対する新学期から過去問をドリルでやらせているとか、アンケートで弊害がいっぱい出ているという回答があるように、これをやめた分の定着について調べるテスト、さらに子供たちと教師のゆとりについてということを考えたら、いかにしてやめたほうがいいのかということになると思うのです。それについては組合としても県教育委員会に対して、全国学力テストを中止してほしいということの申し入れは何度もしているのですね。

〇佐賀裕敏参考人 いろいろな場面で要請や質問等の文書を出したりしながら県教育委員会とも話し合いを持っています。

〇西銘純恵委員 Webテストとか、多忙化とか、いろいろ現場の教師が大変苦しんでいるのに、先ほど金城委員も聞いていたけれども、なぜ学校現場で断ることができないのかという話なのですが、私はその中に教員評価システムが給料にまで差をつけるというのが、たしか平成27年から導入されましたね。いろいろな意味で教育現場で、今、文科省の枠の中で教育をさせるというのが、予算的にも、資金的にも、体制的にも、つくられてきているのではないかなと思うのです。だから、本来だったら教育というのは、先生方が先ほどおっしゃったようにみずからがこういう教育をしたいという夢を持って教師になるわけです。それを保障していくということになっていないのは、沖縄県の教育現場なのか。例えば、病休―精神疾患が全国ワーストワンで、全国の倍近いという状況にあるのは、沖縄県が特別に何か全国と比べても、そこに縛られている部分があるのかと感じるのです。ほかと比較して何か違いというものはありますか。沖縄県の教育委員会、市町村の教育委員会が教師に対してやっている、いろいろなものがあるのを感じていっらしゃるのであれば、お聞かせいただけますか。

〇神里竜司補助者 やはり他県と比べてもこちらは非正規の教員の数が圧倒的に多いです。正規数が少ない。非正規が多いので、中学校だと、免許外の教科を持っている先生もたくさんいます。私も持っていました。私は英語の教師ですが、結局教員が足りないということで、十何年かの間に数学を何度も持っています。そのような状況にあると、いくら学力と言われてもきちんとした教師を配置していない側の責任が問われることにならないかなと思っています。だから、学力を保証するのであれば、やはり正規の先生方をしっかりふやして、そういう状況を解消するということも必要だと思います。また、これ以外の陳情で出していますが、国庫負担金が3分の1を、3分の2は県が用意しないといけない。この執行率がどうなのかも議員の皆さんでしっかり見ていただければ、どのように雇用を創出するのかということも非常に重要になっていくと思うので、正規の先生方をふやしていくことが、直結して子供たちに影響しているという現状は否めないと思います。

〇西銘純恵委員 今の指摘は初めて聞かせていただきました。非正規を正規雇用にすると。全国平均から10ポイントも非正規が高いということは、確かに私もずっとやってきて、改善に向けて頑張っているのです。県教育委員会は頑張っているけれども、まだ割合的にはそんなに上がり切れていないのです。少人数学級も独自に県が広げているというのがあって、そういう意味では、やはり文部科学省の教育に対する政府予算をもとの2分の1に戻せとか、皆さんがやっていることが重要になってくるのかなと思います。
 先ほど文部科学省の通知を見たのですが、多忙化解消のために支援をする人を配置する、予算をつけるとかあるけれども、これがみんなのある意味では、根本的に今言った少人数学級とか、先生を正規雇用にするとかいうところをやれば大方解決をしていくようなもの、この予算を問題だと言われるところに支援員を派遣などの教育政策について、これが大もとの問題ではないかと指摘して、そこを改善をさせると。国に対して教育に対する予算をということで、先ほど3分の1にされた部分をもとの2分の1ということもありますが、予算上の面について政府に対して、皆さんが行っていることも含めて何を望むのかということについてお聞かせ願います。

〇佐賀裕敏参考人 やはり教員をふやしてほしいということが、一番の私たちの思いです。そのためには、やはり今言われたように予算がなければ、教員もふやせないということで、沖縄県も頑張っていただいてはいるのですが、3分の2は県の独自予算で賄わなければいけないということで、かなり厳しい状態です。その辺の予算もやはり国で、文部科学省でしっかりつけていただければよいのかと思います。文部科学省も表向きは出てきていないのですが、ある程度教員をふやしてほしいという要請を財務省にしているようですが、予算のことではかなり減らされたりというのは聞いていますので、本当に教育への予算をふやしていただきたいのが、一番の願いです。

〇狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 平良昭一委員。

〇平良昭一委員 国の行く末は教育からだというように私は自覚しておりますが、きょうの話を聞いて大変びっくりしております。ごく単純なことをお聞きしたいと思いますが、4月に全国学力テストが行われている中で、進級して先生と子供たちの間に何のコミュニケーションもなくて、ひたすらそれに走っているという状況の中で、先生方のやる気もない。上から言われているからやらされていると。特に先生という仕事は退職なされてもずっと教え子たちは慕っていくわけです。私はその常々そう思っています。その過程というのは、昼間のおつき合いなのです。そこが失われていることが今の日本にとっては足りないところだということです。小学生、中学生の中で、みずから死に追い込んでしまうような状況。これは人間教育の問題であり、そのための義務教育だと認識していました。全国学力テストとか問題ではないのです。今、皆さんの陳情の中身を見ると、到底そういうような問題になっていない。これは組合の方々だけではなくて、現場にいる先生方の全てがそういう状況になってみてください。そうなると、これはもうゆゆしい問題です。先ほど神里補助者からあったように教員の勤務超過の問題も何も証拠がないのだとしたら、皮肉を言うと完全なブラック企業です。それが一番の大きなポイントです。まさしくこれからの子供たちを教える―企業に置きかえたら大変失礼かもしれませんけれども、本当にブラック企業だと言わざるを得ない。このような中で絶対教育なんてできるわけないのです。そういう面では、日本全体の教育がおかしいのか、沖縄県の教育がおかしいのか。教育委員会からやらされているという認識を持っているのでしたら、先生をやる人は誰もいないです。私たちはそういう形の中で教えられてきたわけではない。ここに来て、どういうことで現場がおかしくなっているかということについて、改めて考え直さないといけないなとも思っています。
 その中で4月に全国学力テストのためにやらされているという状況があるのであれば単純です。最近は家庭訪問がなくなっています。この家庭訪問というのが、自分たちのプライバシーの侵害のために母親、父親の中からなくしてほしいという要望があったと思っていましたが、この状況でしたら毎年4月下旬にやっていた家庭訪問なんかやれるような状況にないのではないですか。

〇神里竜司補助者 家庭訪問については、今皆さんがイメージしている家庭訪問ではなくなりつつあります。家の中に入って座ってやるのではなくて、玄関先訪問とか、教員はもう家に入りません。5分や10分で終わらせる。要するに3日間など短時間の中で、30人、40人の生徒をこなそうということで、1日何十人の家庭を回る必要があるので、玄関先だけで失礼しますというような家庭訪問が主流になりつつある。あとは、先ほどおっしゃったように4月、5月の時点で時間がないものですから、夏休み期間中に家庭訪問を行う、あるいは平良委員から言われたように、確かに親から家に入ってきたら忙しいので面談できないというクレームも最近は学校に多々寄せられています。このため、親に家庭訪問なのか、それとも三者面談なのかを選択させるという形が、だんだん主流になっています。昔みたいに家庭に入って、がっつり20分というのは今はどこもほとんどできない状態です。

〇平良昭一委員 4月に行う家庭訪問こそが家庭の中身を担任が把握して、この子がどのような境遇の中で、どのようなものが好きなのかということをいち早く知るようなきっかけをつかむのが、家庭訪問だと理解していました。しかし、それがプライバシーの侵害だということで父親、母親から言われるのはそれはそれでいいです。ただ、4月にこの全国学力テスト、そして、Webテストやその結果に時間をとられている。当然これによって時間はない。私から言わせると教育委員会は上から家庭訪問はやるなというような状況があるのではないですか 。

〇神里竜司補助者 教育委員会からはやるなといわれている状況はないです。ただし、教育課程の中で授業時数を確保しろという指導は来ますので、やはり授業時数確保のためには削らないといけない。行事等もそうなのですが、いろいろなものが今出てきているというのが現状です。家庭訪問もしかり、ほかの行事で一番危惧しているのは体育行事等がどうしても6月などに開かれて子供たちが倒れているという現状等もあります。やはりそこら辺は教育課程上でどのように時数を配分するかというものは、もう少し教育委員会に考えていただけたらと思っています。

〇平良昭一委員 先ほど金城委員も言われたとおり、土曜日も学校がありました。ゆとり教育だということで子供たちに対して、そのようなゆとりの教育をやらせてあげたいと言ってますが、削られた分を先生方がゆとりの教育を教えるような状況になっていないのではないかと思うのです。その中で精神疾患が全国ワーストワンだと、これはもう断トツですよ。そうとなると、本当に生きがいを感じていきながら先生の職を目指している方々が悩んで、どこにも相談できないというような状況に追い込まれて、そういう病気になってしまっているような状況があるのだろうと思っています。なぜこれだけ全国よりも精神疾患が多いのかという原因について、皆さんはどう把握していますか。

〇神里竜司補助者 実は、これは教職員の意識の問題でもあると思うのです。一番の原因はまず時間外労働という観念が私たちの中にはありません。4%の調整金が支払われていまして、基本的には時間外手当がつきません。ということは、午後4時45分から勤務しているというのは、自発的労働と見なされます。自発的労働ということは、この人のやりがいが全てです。やはり教員は子供が好きですから、子供が喜ぶことはいつまでたっても時間を忘れてやるのです。ただ、それがその人の健康を害しているかどうかというのはまた別の話です。だから80時間以上の過労死ラインになるまで働いていて、やがて体調に異変が起こってから病院に行く。その時点でドクターストップがかかってアウトになっていくということがほとんどです。頑張っている先生ほど倒れます。やりがいを持っている先生ほど倒れます。だから、やりがいがあったらさせればいいものではないと組合側から主張しているのです。ある一定の規制をかけるためにも、やはりこのような時間管理のもとでこの人たちをどのように危機管理の意識を持って介していくかということを、手を取り合いながらやっていかないと、組合としても人材確保の面でも今後、非常に厳しいことになるのではないかと危惧しています。

〇平良昭一委員 自発的労働ということは自分がやりがいがあるからできるのです。上からやらされているものに対して、これは自発的労働というのはあり得ません。そういう中で、先生が教育を目指してきたというこの真髄をいかに生かしていくかということが大事であって、今皆さんから言われているこの人事評価―いわゆる校長や教頭から評価をされるわけです。それで給料も決める、ボーナスも引かれるような状況があると。例えば、AからBまで査定されるということで。そうなると教育現場ではないのです。結果というのは子供たちが大人になって、どれだけのいい大人になるかが将来何十年もかかってから評価が出るわけですから、これは一部の企業と違うと思っているのです。そういう面では、自分がなぜ教員を目指したのかということを伸ばして上げることも校長や教頭の仕事だと私は理解しています。この人事評価に対して、皆さんから現在の置かれている状況の中で何か不満はありますか。

〇佐賀裕敏参考人 人事評価システムについても給与への反映ということで、この二、三年はずっと教育委員会と交渉等も行ってまいりました。今、この評価システムに関してはある程度はまだ改善の余地はあると思います。ただし、ある程度いいものができたかなと思っているのですが、この趣旨や目的等がしっかり管理職におりていないのです。この管理職も―私が管理職へ挨拶に行ったときに、どうしていいのかわからないと。それですごい悩んでいますし、アンケート等をとったときには、今言われたようにこの評価システムについて自分が新たな評価をするのだよというような、逆におどしといいますか、そのように出てくる管理職もいるという話を聞いています。だからもっと、先ほど学力が上がったら、やはり子供たちもうれしいと言いましたが、先生方もこの評価で1つでも上の評価をいただくとまたやりがいが出てくると思いますので、その辺がまだ管理職にうまく浸透していない部分もあります。今言われたようにやはり校長や教頭がリーダーシップをとって先生方を育てるということが大事だと思いますので、これを悪い方向に使うのではなくて、この評価システムをいい方向に管理職に使ってほしいということが私たちの思いとしてあります。これからも県教育委員会とは話し合いを持って、この評価システムをよりよいものにしていきたいと考えています。

〇平良昭一委員 先ほど西銘委員からもありましたが、全国学力テストを一生懸命やったとしても、ドリルでどんなにやってもその場しのぎでしかない。中学校でその結果が出ていないということであれば、この全国学力テスト自体も沖縄県としてどう考えるかというのを改めて議論しないといけないような状況になっていると思います。そのためだけに4月を棒に振るような教育だけはやらせたくないと思っています。そういう面では、我々に与えられた使命はまた考え直す時期だと思いますので、その辺はありがたく意見を頂戴します。とにかくその場しのぎの教育だけはやっていただきたくないという願いをお伝えします。

〇狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 比嘉京子委員。

〇比嘉京子委員 まず全国学力テストからいきたいと思います。文部科学省の全国学力テストが抽出だったものが、悉皆になっているということも問題だと思っているのですが、この文部科学省がいう全国学力テストの目的を皆さんはどう捉えられているのですか。

〇神里竜司補助者 やはり全国均一的に学力を保証するということで、そこの地域による課題等を見つけるということが全国学力テストの本質だと思っています。ただ、均一的という物差しで学力テストを出されると、例えば国語の問題で、4月に桜が散るというような問題が出た場合は、これは地域として散るようなことを経験していない子供たちも非常にたくさんいるわけです。それを均一的にそこの文言で散るということが想像できるように、確かに子供をつくっていかないといけないと思うのですが、そこの観点からしてもやはりおっしゃるとおりどのような視点で切り取って、その問題等をしっかり分析して、その地域の学力はどうなっているのかというのを見る必要性があると思うような問題も確かにあります。

〇比嘉京子委員 小学校6年生と中学校3年生を対象にしている理由は何でしょうか。

〇神里竜司補助者 小学校と中学校の最後の学年ですから、そこの時点でどういう学力がついているのか。また次の教育機関につなげていくのかということで、その対象の最終学年の前半でやって、しっかりそこで定着させて次につなげるというのが、一番の狙いだと考えています。

〇比嘉京子委員 他府県の貧困における調査等も踏まえると、高校入試への対応をマンツーマンツーでやろうとするときに、大抵小学校3年生に戻るそうです。私は小学校6年生にテストして、そして6年間がどうだったのかということを見直して、中学校につなげるというのは薄いのではないかと。やはり小学校4年生ぐらいでやってその3年間の積み重ねがどうなのかというところを後の3年間でしっかりと見直していくのであれば、ある意味で何とかなる。でも、高校入試のレベルで小学校3年生に戻らざるを得ないと、特に算数などのことを聞くと、もちろん対象年も私はとても疑問に思っているのです。皆さんが今おっしゃるように、これは子供のためのテストではなくて、教師がどのような授業をしてきたか、効果的な授業を行われたのかというのを文部科学省のホームページ等にはそう書かれているわけです。つまり教師にやってきたことがどうだったのかを見つめ直させるというテストになっているわけです。ですから全部の子供たちに当てはめなくても、それを十分にできるはずの抽出テストであってもいいはずのものが非常に膨大な予算を使って、こういうチェック機能を働かせているということで、指摘をしておきたいと思います。まず学力ということについての教育委員会と皆さんの定義というか、目指す方向というのについて、どのような議論をしておられるのかということについて疑問に思っています。

〇神里竜司補助者 実は人事評価システムを本格実施いたしましたけれども、そのときにどのようなことを評価項目に入れようかというところで、少しいろいろな話をしたところがあります。なぜかというと、評価の項目の中に子供たちの学力をつけるのは教員なので当たり前です。子供たちに対して学力を保証していかないといけない立場にあるので重々承知していますが、そこの時点で、例えば数値目標化―要するに学力テスト、あるいは県の到達度テストで何%の子供が平均以上をとるということも数値目標化として入れる、入れないということで攻防があったりしたのが、マニュアルを見てもらったらわかると思うのですが、そのような議論ではないのです。一人一人の子供たちの学力を保証していくというのが非常に重要ではないですか。だから数値目標を入れるということは、そこに縛られませんかという話をしました。ただ、大きな意味で学力とは何ぞやという議論はまだ教育委員会と組合等とやったことはありません。

〇比嘉京子委員 その議論を本当にとことんやってほしいと思います。これを要望しておきたい。と言いますのは、ここで皆さんの出した陳情に対する処理概要も平行線なのです。それで、教育委員会が書いた処理概要もWebシステムに対する処理概要も、教えた内容の定着状況を調査する云々で必要なのだという前提に立っているわけです。皆さんからすると、必要がないというわけです。これは何かというと、やはり沖縄県の現場における先生方と教育委員会の考え方が一致していく方向で、沖縄県の子供をこう育てるということが明確に、一緒になれる議論をとことんやるべきではないかということを提案しておきます。
 私がとても危惧していることは、今回の小学校6年生が、とても学力テストの結果が上がった子供たちが中学校3年生になりましたので、すごくみんなが注目したわけです。それで調べてみますと、全国平均より小学生は1ポイントぐらい前後なのですが、中学生は5ポイントから7ポイントの差がついているわけです。これは何かというと、先ほどから言っているようにある意味でつけ焼き刃的なトレーニングでやるものではないと論じる根拠になるかもしれないと思うのです。
 もう一つは、私は子供たちにこの小学校6年生のとき、中学校3年生のときの学力テストに向かう学校の異常な体制というか、従来あるべき姿ではない方向での繰り返し学習というものが、本人たちが大きくなった後に振り返った時にあれは一体何だったんだろうかと。私は学校では学問というものはどういうものなのだ、どのように向き合うものなのだ、きょう、あしたのテストの結果ではない。何をどう学ぶのかという姿勢を本来教えていくべきことを学校がつけ焼き刃的に教えたことを本人たちが気づいたときにどうなのだろうかと思い、非常に危惧しているわけです。本当に子供たちにとって、学問に向かう姿勢を教えようとしている学校なのか。一生涯これが子供たちにとって勉強は嫌だったとか、あのときは嫌だったとか、あのときのことは何だったのだろうかと、私はそういうことを与えている状況が異常だと思うのです。それで皆さんが出されているこの評価を読んでいると、まさに本末転倒でこの教える側から受ける側からの、このようなつき焼き刃的な。教育を百年の大計と言いながら、学ぶという姿勢が全く子供たちに伝わっていない。それから真摯に研究していくというような一生を通じて何か没頭していく、わからないことをわかろうという努力だったり、わかることの喜びであったり、それから不思議なことを解明していくとか、いろいろなことの入り口がこの時期にいっぱいあるはずなのに何をしているのだろうかと思うのです。
 私は根本の平行線を直すために皆さんと教育委員会が見せかけの大人社会に向けた発信ではなくて、子供たちに確かな力を植えるために、体験させるために本当にお願いしたいと思います。ですから、学力テストの結果というのは、下層のところと上層のところの差が大きくて、中間層が少ないかもしれない。つまりこれを平均点で割っていくような、そういうときに今学力テストのバックでは生活調査もやっているわけです。それとあわせて総合的に判断しないと、テストの数字だけを見て1ポイントだ、何だと議論することは沖縄県の子供たちの可能性を伸ばすことにどれだけの意味があるのかと、実に嘆かわしい事態だと思います。勇気を持って、学力テストの見直しも含めて、その議論の後でそのことが出てくるなら、大いに結構なことではないかと思っております。本当の学びとは何かということをもっと真剣に大人たちが議論していただきたい。お願いします。

〇佐賀裕敏参考人 いろいろな御意見ありがとうございます。やはり教育委員会と一緒にやっていくというか、方法は違いますが、目標は、やはり子供たちのためにということで一緒ですので、今言われたように議論の場というのを設定してやっていきたいと考えています。

〇狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 亀濱玲子委員。

〇亀濱玲子委員 陳情第65号と陳情第67号をまとめて質疑をさせていただきます。
 まず学力調査に関していうと、当局の判断はこの改善の指標にするということが書かれていますが、沖縄県は無回答の割合が多いというのが特徴だと聞いています。そうすると、今求められているのは、どの子もきめ細やかな教育を受けられていて、その学年でしっかりと身につけて、次の学年に上っていくというこの環境を保障していくということがむしろ必要だと思われます。現場の先生方からこの実態に対してこのようにしてほしいという、この一人一人の子に向き合う環境、非正規を正規へとか、そういうことがむしろ沖縄県の課題なのだというように今回の陳情で見えてきたと思うのですが、現場の声をもう少し聞かせていただけたらありがたいです。

〇佐賀裕敏参考人 全国学力テストの実態調査に関して、こちらで各学校からの声ということでアンケートで載せてある部分が主な意見です。これは全ての先生方から集めたわけではないので、まだいろいろな意見があると思います。その辺はこちらまで届いていない現状があります。

〇亀濱玲子委員 学力調査のことと、この陳情第67号の働く環境を整えることと先生方のそれは密接に関係しているというように思うのですが、説明していただいたタイムカードの設置、あるいは客観的なデータがこれまでないという状況がずっと続いてきたというのは、ぜひこれを改善していかなければいけない基本的なことで、先生方がどのような環境で働いて、どのような実態があるのかということすらきちんと把握できていない。自己申告でしか把握できていないというのは、やはり先生方にとっても非常に不利な状況なので、これについてはぜひ実現に向けて検討していかないといけないと思います。これだけ多い沖縄県の休職者に対して、先生方が復帰するためのケア・サポートと言うことに関してはどういう実態でしょうか。

〇神里竜司補助者 復職支援プログラムというのが存在します。県職員と同じものだと思いますが、2カ月間で休職された先生が徐々に学校になれていくということで、補充の先生、代替の先生が一緒にいます。2カ月が終わったらその先生を戻すという状況であります。ただ、精神疾患者の場合は再発率が非常に高いので、それを結局は負担と思う状態も最近は出始めていて、組合としても一応それを推進して、しっかり戻って、しっかり子供たちに向き合ってほしいということを言うのですが、ただ精神疾患にかかっていると、子供たちのトラブルもやはりふえてしまうので、そこはやはり組合としてもサポートしながら、カウンセラーの先生や産業医等との面談、あるいは臨床心理士等の紹介等について心がけているところです。
 私たちは小・中学校なので、服務権者が労働安全衛生委員会というように書いたのですが、それが全部市町村に移ってしまいます。県がこの先生方をサポートするのではなくて、そこで市町村のサポートにかわるのです。市町村によって産業医がいないとか、カウンセラーの先生はいませんとか答えられてしまうと、あとは医療機関にお願いするしかなくなるので、結局医療機関に行くとまた休んでしまう。それがとても悔しいことではあるのですが、その体制自体がやはり本県の各市町村でもしっかりつくられていかないと、そこの部分の改善は非常に遠いのではないのかと感じています。

〇亀濱玲子委員 50人以下の事業所に労働安全衛生委員会の設置義務がないわけですが、全国と比較して、例えば全国で教育委員会単位などできちんとやっている事例というか、それと比較して沖縄県の実態というものが、やはり十分ではないのだということをきちんと皆さんで調べられているようでしたら、教えていただけますか。

〇神里竜司補助者 私が所属している島尻地区の例でしかお話できないのですが、島尻地区の場合は労働安全衛生委員会は衛生管理者をつけなくてはいけない50人以上なのですが、10人以上50人未満の場合は衛生推進者が必ず必要になってくると思います。離島地域でない限り10人以上の学校がほとんどです。それ以下の学校はほとんどないと思います。それで、衛生推進者が誰であるかすらわからないような学校がほとんどです。だから、名前は上げているかもしれないけれども、これが機能しているという状況が見られることはほとんどないです。ただ、事例としては、今とまっているのですが、豊見城市としては教育委員会付で各学校の推進委員を呼んで、そちらで月1回定期的にやっていたという実績はあります。どこの市町村にも、配付資料の中の一覧でもありますが、労働安全衛生の規程・規約というのがまだ不十分で、機能させるためにはいつどういう開催をします、どういうことがありますということ自体がまだきちんと徹底されていないので、そこはきちんと産業医の選出も行ってもらい、ストレスチェックの実施もきちんとしてほしいというのは、市町村教育委員会にも市町村議員にも強く訴えている状況です。

〇亀濱玲子委員 他県と比べて、沖縄県の状況はいかがですか。

〇神里竜司補助者 例えば先ほどから出てきますが、他県のタイムカードで閉庁時間というのが急速に進んでいます。静岡県では、学校に企業コンサルタント的なものを入れて、見直し方だとか、あるいは委員会等にそのような研修を行ってもらって、学校長あるいは、学校と市のマネジメントでどのようにしていくかということの議論も非常に進んでいます。
 ある教育委員会に留守番電話を置いて、午後6時以降の留守番電話の連絡先は教育委員会が対応するとか、そういう仕組みづくりを労使ともに教育委員会と行っていて、その普及を先進的にやっているところは事例としてたくさん出てきています。出退勤の管理の把握というのは法令違反ということがわかってから、どこも一斉にやり始めたのですが、まだ本県としての動きは遅いです。

〇亀濱玲子委員 ぜひ、それと向き合う機会というのきちんととっていかないといけないということを私たちも肝に銘じて、意識して見ていきたいと思います。

〇狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 次呂久成崇委員。

〇次呂久成崇委員 先ほどの労働安全衛生委員会の件なのですが、こちらにある資料に安全衛生委員会は50人以上ですね。県内にほとんどないということなのですが、これとこちらにあるように例えば衛生推進者とか、あと労働安全体制とあるのですが、こちらの違いです。委員会については外部からの方も入れたりするのか。それとも体制というのは、先ほど実際に自分たちの中でも誰がなっているのかわからないという話もあったのですけれども、これは内部の方だけでやるのか。この体制のあり方というのはどういう違いがあるのか教えていただけたらと思います。

〇神里竜司補助者 この一覧は国頭地区から順に書いています。労働衛生安全体制が50人以上の場合は、先ほど言ったように衛生管理者等を置いて、しっかりと産業医等も入れてということがないといけないのですが、本県は50人以上の学校がそんなにたくさんありません。高校はたくさんあります。ないということで、きちんと事業所ごと―私たちで言えば、小・中学校ごとでやっているという実績があるのか、ないのかということを尋ねたものです。そうでない場合でも教育委員会にそのような体制の構築があるのか、ないのかについても尋ねました。プラスこの労働安全衛生管理の体制のきちんとした規程や規約とか、委員会がきちんと存在していますかというものを含めて聞いています。だから、あるというように簡単に答えたのは、とりあえず学校ごとなのか、委員会ごとなのか、設置はしているということではあるのですが、先ほど佐賀参考人からありましたように機能しているというのにはまだほど遠い実態があります。

〇次呂久成崇委員 最後に1つだけ確認したいのですが、先ほどから学力とか、テストの件とかで、いろいろほかの委員との話を聞いていて、少し考えていたのですが、現在この社会の変化によって、本当に家庭環境というのが大きく変わっていて、我々のころと比べると家庭の多様化といいますか、母子家庭もそうなのですが、いろいろな家庭がふえていて、そこに教員の皆さんが子供を支援するというところでやはり生活に少し入っていかないといけない。その時間もやはり指導に割かれているという現状もあるのではないのかなと思います。
 先ほどから聞いていて、皆さんが自分たちで年間指導計画というのを策定します。それに沿った指導がきちんとできれば、学力は向上するというように考えていらっしゃるのかなと先ほどから思いました。ですけれども、その計画に沿った指導ができない。授業ができないと、それがやはり今のこういう子供たちの学力低下というところにあらわれているのかなと。やはりテストだけに対応せざるを得ないとか、そういうところがこういう結果になっているのかなというようなことを聞いていて思ったのですが、それについてもう一度お考えをお聞きしたいと思います。

〇佐賀裕敏参考人 計画どおりにいけば学力が上がるというようには考えていません。計画はあくまでも計画です。ただその学年で教えなければいけない内容というものがあります。それをどのように教えるかというところに私たちは時間をかけたいのです。ただ、ぱっと教えてドリルだけやって、定着したかどうかではなくて、先ほどからありますけれども、学ぶ姿勢ということも含めて、学ぶことの楽しさを教えながら、できれば大人になったら、今度は自分で勉強しなくてはいけない。学ぶ方法とかをそういうのを全て教えなければいけない部分もありますので、そういう中でやはり先生方はゆとりがないと本当に指導書にあるとおりにしか教えていけなくなったりします。やはりもっと独自性を持っていろいろな方法で、子供たちに勉強を教えていきたいということをどの先生も思いとして持っています。だから先生方もいろいろ学ぶ意欲もありますし、いろいろな研修にも行きたいとかということもあります。そういう時間も割かれてしまうというところも含めて、ただ計画どおりいけばいいものと私たちは考えていません。

〇狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

〇狩俣信子委員長 質疑なしと認めます。
 以上で、佐賀裕敏参考人等に対する質疑を終結いたします。
 この際、参考人及び補助者各位に対し、委員会を代表して、一言お礼を申し上げます。
 本日はお忙しい中にもかかわらず、長時間にわたり貴重な御説明をいただき心から感謝いたします。
 本日拝聴いたしました内容等につきましては、今後の委員会審査に十分生かしてまいりたいと思います。
 佐賀裕敏参考人、補助者の神里竜司さん、大変ありがとうございました。
 休憩いたします。

   午後0時4分 休憩
   午後1時21分 再開

〇狩俣信子委員長 再開いたします。
 午前に引き続き、参考人からの意見聴取を行います。
 次に、一般社団法人沖縄県薬剤師会会長亀谷浩昌氏から説明を求めます。
 お手元にあります事務局配付の資料をごらんください。
 亀谷浩昌参考人から、山城英人氏及び大城喜仁氏を補助者として出席させ、必要に応じて発言させたいとの申し出がありますので、委員長として同席を許可したことを御報告いたします。
 参考人及び補助者の皆様、本日は御多忙のところ御出席いただきましてまことにありがとうございます。
 参考人等から説明を求める前に、委員会の審査の進め方について御説明申し上げます。
 まず、参考人等から御説明をいただいた後、委員から参考人等に対し質疑を行うことにしております。
 なお、参考人等が発言しようとするときは、あらかじめ委員長の許可を得なければならず、発言は、陳情の趣旨の範囲内で行うこととなっております。
 また、本日は委員会が参考人等の説明を聞く場でありますので、参考人等が委員に対して質疑することはできませんので、御承知おきください。
 それでは、亀谷浩昌参考人から陳情第71号薬剤師確保に関する陳情の提出に至る背景及び目的等について、簡潔に御説明をお願いいたします。
 亀谷浩昌参考人。

〇亀谷浩昌参考人 一般社団法人沖縄県薬剤師会会長の亀谷浩昌です。
 本日は、薬剤師確保に関する意見陳述の機会をいただき、ありがとうございます。
 我が国では急速に少子化が進む中、世界に例を見ない速度で高齢化が進行しております。沖縄県でも確実に上昇しており、平成52年―西暦でいうと2040年には30.3%に達するものと見込まれ、超高齢社会を迎えると予想されております。そのため、本県では地域において効率的かつ質の高い医療提供体制を構築するとともに、地域包括ケアシステムを構築することを通じて、地域における医療者及び介護の総合的な確保を促進していくこととしております。地域包括ケアシステムの構築には、医師や看護師以外にも薬剤師を初め、多くの職種から成る人材が必要です。本県の医師や看護師の数は人口10万人当たりでは全国平均以上であるのに対し、薬剤師については、人口10万人当たりでは全国平均が170人に対して本県は131人であります。これは全国平均の76%となり、全国で最下位となっております。北部や離島についてはさらに深刻な状況で全国平均の50%程度となっております。薬剤師の数を早急に引き上げなければ地域包括ケアシステムへの参画が困難となり、他職種が連携して実施する在宅医療の提供サービス機能に大きな支障となります。しかし、本県の医療にかかわる人材確保にかける予算、地域医療介護総合確保基金の事業計画に基づく人材確保事業に関しては、医師・看護師側に大きく偏っているとものと思われます。国が示す患者のための薬局ビジョンにおいて、薬局の薬剤師が専門性を発揮して患者の服薬情報の一元的・継続的な把握と薬学的管理・指導を実施し、多剤・重複投薬の防止や残薬解消などを図り、患者の薬物療法の安全性や有効性の向上に努めることに加え、門前から地域に展開した薬局を活用した地域住民への健康関連情報の提供などにより、さらに健康志向を高めていくことにより、なるべく病気にならないようにとの方針を定めております。本県の医療政策の策定に際し、国の方針を十分に理解し、取り入れていただきたいと思います。
 本県は、かつての長寿日本一の面影はなく、メタボリック該当者は男女ともに全国ワースト1位であります。沖縄県薬剤師会は保健指導にも力を入れ、長寿の島復活にも貢献したいと考えております。薬剤師の確保については、県保健医療部においても鋭意取り組んでいただいていますが、早期の目標達成が望まれます。県民の代表である沖縄県議会議員の皆様に事情を御理解いただき、県民に効率的な医療を提供し、本格的な超高齢社会を乗り切るために必要な人材である薬剤師確保施策推進の応援団になっていただけることを期待し、陳情するに至りました。御配慮のほど、よろしくお願いいたします。

〇狩俣信子委員長 参考人の説明は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないように簡潔にお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 照屋守之委員。

〇照屋守之委員 6月に出されている陳情の中で、先ほど御説明がありましたけれども、県に対して「必要な人材である薬剤師確保のための方策を打ち出すように」ということですが、具体的にはどういうことを要望していますか。

〇亀谷浩昌参考人 具体的な薬剤師増加対策について言いますと、本土に在住している薬学生が卒業した後に、沖縄県内への帰還―UターンやIターンということを進めて県内の薬剤師数をふやしたいと思います。それから、休眠薬剤師―資格を持っていながら仕事をしていない薬剤師がかなりいると思います。この方たちを薬剤師会の薬局においてトレーニングを行って、現場に戻していくなどといった施策についても考えております。それから、今は門前薬局が大変流行しています。門前薬局は、クリニックの前に2軒や3軒といった複数の薬局が展開しますので、その分、薬剤師のニーズが多くなります。県民の意識の中で薬を正しく服用するという意識が少し薄いように思いますが、早急に薬をもらって帰りたいというニーズがありまして、なかなか地域に展開する薬局に置きにくい状況にあるのです。そのために県民のお薬に対する教育や指導といったことを進めていく中で、なるべく門前薬局の数が少なくなるようなことを期待して、地域にある薬局の薬剤師をふやすことも考えております。
 もう一つ、沖縄県内には薬剤師を育てる機関がありません。薬剤師になりたい子弟はみんな本土に行きます。そういったことで御父兄の負担もかなり高額となっております。それから、せっかく本土で卒業しても地元ではなく、大学の近くなど県外に定着してしまう例も多く、沖縄県になかなか帰ってきません。また、沖縄県出身者で優秀な人材もおりますが、県内では、その頭脳を生かす場所がありませんので、そういった施設も必要ではないのかと考えます。

〇照屋守之委員 薬剤師の数が全国平均170人に対して沖縄県が131人、離島がさらにまた全国の半分という説明でしたが、先ほどからありますように県に対して例えば医師や看護師の養成については、その人材育成や確保についての予算は組んでいるけれども、薬剤師については人材確保のための予算措置がないので、それを改善してほしいという内容になっているのですか。

〇亀谷浩昌参考人 大まかに言えば、そういうことになります。例えば、医師や看護師には奨学金制度がありますが、現在、薬剤師にはありません。長い歴史の中で医師や看護師の不足ということが社会的にあった背景があります。そこでかなり予算が割かれていったという伝統的なものがあるとは思います。でも、今は昔とは事情が変わっていますので、薬剤師についても力を入れていただきたいと思います。

〇照屋守之委員 今、沖縄県ではかなりの薬剤師の人数が不足していて、これから、県内の医療にも大きなに影響が出るという御指摘ですが、薬剤師が不足していくことによって県民にどういう影響を与えるのか、その辺の御説明をお願いします。

〇亀谷浩昌参考人 今、沖縄県薬剤師会には就職をあっせんする部門があります。そこに求人が来ますが、10年ぐらい前から80人から100人ぐらいずっとバックオーダーがたまっていて、人材を供給できない状態です。県立病院においても採用人員を確保できない状況です。唯一確保できているところは琉球大学医学部附属病院ぐらいです。現在、薬学生は6年制になりましたので、研究志向の強い学生はやはり琉球大学医学部附属病院への就職を希望しているので、琉球大学医学部附属病院は予定の人数を採用できますが、それ以外のところははなかなか採れない状況です。県衛生薬務課においても採れていないということです。ですから、そういったことで薬剤師が不足しておりますので、極端なことを申しますと、各委員にお渡ししている薬局ビジョンの中にこれからの薬剤師の仕事について書いてありますが、こういったことがまずできない、できにくいということです。それからこう言っては何ですが、質の悪い薬剤師でも今は仕事についてもらわないといけない状態ですので、県民の健康にも影響するようなこともあろうかと思います。それから、薬剤師が調剤以外の仕事に時間を割くことができにくいので、薬剤師自身が持っている能力を示すことができないのです。結果的に薬剤師の評価が下がると言うか、上がらないと言うようなことにも影響すると思います。

〇照屋守之委員 この薬剤師不足は、最近になって顕著になっていることなのか、それともこれは以前からそういう問題があったのか。私が勉強不足でよくわからなかったのは、大体医師とか看護師などが不足していることについてはチャーニガラセーということで当局にもいろいろやってきましたが、薬剤師についての私の認識というか、問題の認識そのものが不足していたということもありました。いつごろからそういう状況になっているのですか。

〇亀谷浩昌参考人 資料として調べた範囲では、先ほど申し上げたように10年ぐらい前から、バックオーダーについて80人から100人ぐらい抱えていると。それから、国が薬剤師調査というものを2年ごとに行います。この資料によると、平成8年の資料がありまして、そこでは全国が94.4人に対して沖縄県は83.2人だったと。そのころはそんなには不足ということではないのかと思いますが、ここ10年ぐらいは薬剤師の職能といいますか、働きが認められたこともあって、病院における働き場所など、どんどん拡大しています。そこに薬剤師がいることによって診療報酬がつくので、病院はどんどんそういった配置をしていきます。そのよう背景があって、薬剤師はかなり不足しております。平成12年あたりから足りないということになっているのではないかと思います。

〇照屋守之委員 県立病院も不足しているとしたら、これはただごとではないですね。それと、もともと県内では薬剤師を育成する仕組みはないのですか。

〇亀谷浩昌参考人 県内にはありません。薬剤師になるためには本土の大学に行かないといけません。

〇照屋守之委員 例えば、琉球大学とかその辺にも関連する学科等はありませんか。

〇亀谷浩昌参考人 ありません。

〇照屋守之委員 やはり県内で養成していく機関が必要だと思いますが、その辺はどのように考えていますか。

〇亀谷浩昌参考人 薬剤師会でも冒頭で申し上げましたように、薬剤師のレベルアップのためにも薬学部は必要だと認識しております。そして今、琉球大学の医学部は西普天間地区に移る計画があります。そのときに南方の特性を生かした創薬―薬をつくるということですが、そういった研究にも力を入れるということもあります。琉球大学のニーズにも合っていますし、医と薬が共同すればシナジー効果が発揮できると思います。そういったことで沖縄県にとってもプラスになりますし、薬剤師不足にも貢献できますし、御父兄の負担も減りますし、いいことずくめではないかと考えており、現在、薬学部の設置を要請する活動をしております。

〇照屋守之委員 私は素人なりに、この業界についてはよくわかりませんが、例えば病院があって、調剤薬局があって、そういうところに恐らく薬剤師が必要だと思います。これが本土からも薬局が来て、病院のそばにあるのもあちらこちらで見かけます。民間の薬局があって、大手がそういうものをどんどん設置するということになっていくと、御指摘のようにただでさえ少ないのにそういう部分でも薬剤師がばらついていくのかと。そして人材を確保するために、報酬や待遇面をもっとアップして人を引っ張ってくるとか、いろいろな部門で最近そういうことが起こっていますね。この世界でもそういうことはあるのですか。

〇亀谷浩昌参考人 やはりニーズがあると給与が上がるということで、薬剤師の給与は世間一般よりは高いと思います。薬剤師不足なので高い給与を弾まないと来てもらえないということがありまして、それでも人が足りないという状況があるときに、本土の紹介業者から紹介してもらいますが、そうなると年俸の30%を余分に払わないといけません。特に先ほど申し上げましたように、北部や離島などは本土の50%ぐらいですので、極端に800万円の年収を払うとかいったこともあるそうです。それでも、沖縄県ではなかなか確保できないといった状況があります。

〇照屋守之委員 例えば、薬剤師が不足していて、県が人材確保のための予算をつくるとします。そうすると、県内は不足しているので、もちろん県内から探すことができるのか。あるいは県外とか、全国的にもそういう人材確保の仕組みとかいうものがあるのですか。

〇亀谷浩昌参考人 そういったしっかりとしたものはありません。民間のチェーン薬局とか、大手の薬局などは自前で奨学金制度をつくったり、薬科大学に訪問して募集をかけております。

〇狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 比嘉京子委員。

〇比嘉京子委員 基本的な質疑をさせていただきたいと思います。
 将来においてニーズが高まると同時に、現状として沖縄県の人口1人当たりで見ると薬剤師の数が不足しているということですが、沖縄県で薬剤師の資格を持った方の中で、資格を持っているけれども休眠している薬剤師なども含めて何名ぐらいいらっしゃいますか。

〇亀谷浩昌参考人 沖縄県には平成26年12月末で2109人の薬剤師がいることになっております。そのうち、沖縄県薬剤師会の会員は1182名おりまして、全薬剤師のうち医療従事者、医療にかかわっている人を除いた薬剤師の数は、今申し上げた数です。沖縄県で医療にかかわっている薬剤師は1861人です。
 休眠薬剤師に関してはどれぐらいいるのか具体的な数はわかりません。県に聞いても個人情報ということで教えてもらえません。

〇比嘉京子委員 今、学生として本土で学んでいる方々が、卒業後に沖縄県に戻ってくる割合は御存じですか。年々どれぐらいふえているとかいうようなものはありますか。

〇大城喜仁補助者 今、薬学部に出向いてUターンのガイダンスを行っています。そこで薬学生向けにUターンをするように話をしていますが、その際、沖縄県に戻ってくるのかという話をすると、大体8割方が戻ってくると。あと、その大学のある地域で就職するという方が2割ほどおります。

〇比嘉京子委員 年々どれぐらいの人数がふえているものと考えればよいのですか。

〇大城喜仁補助者 一般社団法人日本私立薬科大学協会があります。そこで調べたものでは、5年前には大体60名だったのが、3年前から100名を超えるようになりました。去年とことしで120名台の入学者がいると聞いております。

〇比嘉京子委員 先ほどもありましたが、どのようにして薬剤師を確保していくのかということについて、何か具体的ビジョンと言いますか、県にこういうことをしてもらいたいという具体的な要望などはございませんか。

〇亀谷浩昌参考人 今、相談しながら考えているのは、奨学金の支払いを抱えた薬剤師について、仮に県内で就職したときに補助を出してもらいたいと。要するに、奨学金返済のためのお金を補助する制度がつくれたらどうかといったことを考えております。入学から卒業までの奨学金制度もあるようですが、それは国立大学に限られているようで、国立大学に入ることはなかなか難しいことから、余り実効性はないのかと思っております。

〇比嘉京子委員 在学中に奨学金をもらって学んでいる学生たちが、地元に戻ることによって返還金を免除する、助成するという具体的な案を持っておられるということですか。

〇亀谷浩昌参考人 今、大体月に2万数千円ぐらいの支払いが多いようです。その実現についてはまだ未知数ですが、例えば県が3万円ぐらいを出して、薬剤師会も3万円ぐらい出して、合計6万円ぐらいを補助できると、沖縄県に戻ってくる意欲が湧くのではないのかということを考えております。

〇比嘉京子委員 お話のアイデア以外にどういうことが―言ってみれば地元Uターンで今8割が戻っている状況についてはかなり高いのではないかと伺っていて思いました。ほかの職種やほかの資格よりも学んだ学生が8割地元に戻っているということは、それだけニーズを感じておられるし、収入面でも見込めるということがあって沖縄県に戻ってこられることに対して、さらに100%戻すことについて皆さんの中では望んでおり、そのための政策をお願いすることについて考えておられると理解してよいのか。あとどれぐらいの戻ってくる見込みについて、ニーズとして薬剤師会が持っておられるのか。そういう数字的なものはありますか。

〇亀谷浩昌参考人 正確な数は今のところ出せません。ただ、100人近くの求人を抱えておりますので、それにプラスして県立病院で採用し切れていない数や、もちろん民間の病院もそうです。そういったことを合わせると薬剤師が全然足りないということは言えると思います。

〇比嘉京子委員 それでは、やはりこれは地元出身の学生のみならず、本土から、他都道府県の学生たちも沖縄県に誘導できる、魅力ある誘致を行っていかなければいけないのかと思います。今、沖縄県が何をしたらいいのか。薬剤師が足りないことによって、おっしゃるよう重複投薬とか、薬の余剰とかで飲まないで放置されている薬があることが問題になっていますが、その一元化や継続的に管理していくことで、効果を上げた取り組みが図られると思います。それについてしっかり沖縄県でもやっていく必要があるのではないかということは認識しております。そのために、本当にあとどれぐらいの人数が足りないのか、毎年どれぐらい来てもらうことでそれを満たしていく人数なのかという具体的なことについてお伺いします。今、120人戻っているとおっしゃいましたか―120人が本土で学んでいるということですか。

〇亀谷浩昌参考人 この二、三年、入学者は年間120人ぐらいおります。

〇比嘉京子委員 今、沖縄では年間どれぐらいの人数を必要としているのか。そのために具体的にどのような政策を打てばいいのかということが、要請文だけではつかめないので、もう少し詳しく教えていただけますか。

〇亀谷浩昌参考人 これは1つの薬局でいろいろなサービスといいますか、残薬の管理や一元的管理とかいったことをしようとする方向に薬局は行きつつあります。国の政策でもそうなってきています。ただ、個人の薬局について何人ぐらいを想定しているのかということについてはよくわかりません。今、80人や100人のバックオーダーを抱えているというのは、本当にせっぱ詰まった状況の調剤するために欲しいという数です。望ましい業務をするためにはもっともっと薬剤師が必要であるということは言えると思いますが、正確な数について今ははっきりと申し上げられません。

〇比嘉京子委員 何年後に向けて、年間どれぐらいの人数をふやしていくというような計画であったり、それをするために沖縄県と薬剤師会としてどのような役割分担でやっていけばいいのかということをもう少し明確に提案していただけたらありがたいのですが。

〇亀谷浩昌参考人 今、そういった数までは出していませんけれども、これは今後、県保健医療部衛生薬務課などと相談しながら進めていって、より具体的な数字を出していきたいと考えております。

〇大城喜仁補助者 私は薬剤師の無料職業紹介所の責任者になっております。17年間責任者を務めております。薬剤師がずっと不足している状況については先ほどお話ししたとおりです。ここ10年ぐらいで急激に求人が不足してきました。特に調剤薬局の求人の登録が多くなっています。特にここ5年間では80名以上の薬剤師を必要としている状況であり、そのほとんどが調剤薬局です。ただ、先ほど県立病院の話をしましたが、今、ほとんどの病院においても薬剤師が不足しています。これは病棟業務などでも薬剤師を必要としているということです。新卒者のほとんどが総合病院を就職先として希望していますが、その総合病院でさえも不足している状況であるということは、薬局においてはなかなか薬剤師が満たされないという状況です。そういったバックグラウンドがありますが、どういった形で計画を持って、どれぐらいふやしていくのかということまではまだ考えておりません。先ほど120名台と言ったのは、ここ一、二年前からの入学者のことで、薬学部は6年制ですので卒業はまだ先のことです。それまでは毎年、大体50名、60名が私立薬科大学に入学しているという状況ですので、しばらくは満たされるような状況になるものとは考えられないと思っています。

〇比嘉京子委員 地元に戻ってくる、または県外の学生が沖縄県に行きたいと思うような、何らかのインセンティブを用いるプランといいますか。今、医師や看護師等も―久米島病院などであの手この手でインターネット上にこういうことができる島ですとか、勤務期間は1年でいいですよという感じで誘導といいますか、募集要項を工夫してつくっている現状があります。ですから、やはり薬剤師会としても、収入以外のものでも何らかの魅力的なことをいろいろと提示していくことも一つの方法ではないのかと思います。だから新卒者が沖縄県に行ったほうが自分自身たちのいい学び場ができるというような、何らかの土壌を―私の周りに薬剤師の学校に行っている子が結構いますが、ほとんどの子は沖縄県に帰ってくる予定になっているみたいです。ですから8割というのはうなずけますが、やはりこれだけでは足りない。またはその足りないという実態をずっと引きずっているということがあればもう少し何らかのビジョンを立てて、県としてももっと、800万円の補助的なものになっているという指摘もありますので、何かもっと具体的な数字も含めて今後出していただければ、私たちとしてもありがたいと思います。協力していきたいと思いますので、ぜひまた具体的な要望等をお出しください。

〇亀谷浩昌参考人 魅力的な方策ということについては、一例として、宮古島の薬局に就職した場合に、ダイビング手当を出しているところもあります。ダイビングで定着して、現地で結婚して居ついたということも聞いております。我々もダイビング雑誌の広告効果について期待して、その広告も出しました。これは県の補助をいただいた中から使っております。

〇狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 西銘純恵委員。

〇西銘純恵委員 この10年間は過去五、六十名の薬剤師の皆さんが育ったけれども、10年ぐらいは―去年、ことしと100名、120名入学されていると。6年後からその8割ぐらいが帰ってくるとしたら少しよくなっていくものと思われますが、今の期間が厳しいのではないのかということも受けとめました。ただ、全国平均と比べて差があるということはわかりますが、この薬剤師不足というものはもともとは沖縄県内に大学はないとおっしゃいましたが、全国で薬剤師養成そのものが制度として医薬分業ということも書いてありますが、薬剤師を多く使う制度に変わっていきながら、これがふやされていなかったというところで国策的なおくれがあったのかどうか教えていただけますか。

〇亀谷浩昌参考人 全国では今、薬剤師のニーズが高まったために、私立大学の薬学部が乱立気味でして、定員割れが生じている大学があることも事実です。しかし本土では大都会、東京、横浜、福岡などは給与面で満足しているようですが、郡部に行くと本土でもまだ薬剤師が足りていない状況があります。

〇西銘純恵委員 県内でも気になりますが、本土大手チェーンのドラッグストアがやたら急激にふえた感じもしています。そこに薬剤師が必置義務に基づいて配置されていると思いますが、そこら辺との関係でいかがでしょうか。

〇亀谷浩昌参考人 本土の大手チェーンは、薬剤師を派遣する力があります。これは、年限を切ったり、いろいろなインセンティブがあるのかもしれません。これに対して県内の薬局の経営者は、後継者がいない、人を雇えない、また高給を弾まないと来てもらえないなどという環境にあります。現状としては経営を諦めてM&Aで本土のチェーン店に譲るということも静かに侵攻しております。

〇西銘純恵委員 沖縄県内の薬剤師がそこに吸い上げられているということではないのですか。

〇亀谷浩昌参考人 それもあるかもしれません。大手チェーンはある程度仕事の環境の面で、やはり保証や安定性などがあります。それから社内において研修制度などもあることなどが魅力であるとか、人員がいるので年休をとりやすいということもあって、好まれているところもあります。

〇西銘純恵委員 そういう競争がある中で、病院や調剤薬局でも足りないということを確かにこれだけ深刻な状況をおっしゃっているので、県も計画を立てて、いつまでにどれぐらいをやるということをしていかなければ、皆さんの努力だけでは大変だと思います。県に対する要望をおっしゃっていました。先ほど本土の学生について、沖縄県内で勤めたら奨学金等の返済義務を免除するなど、こちらで考えることは幾らでもできると思います。先ほどお聞きした西普天間地区への琉球大学医学部及び付属病院の移転について、新たな病院に薬学科をつくっていくとなると県内で養成できるものと思っています。当面の不足に対してあと何名ぐらいをどこからふやせるのかという緊急的な要望等があると思います。何か具体策として、どのあたりから当面インセンティブをつけて沖縄県に呼び込むというような案や考えがありましたら―例えば、予算的な面から県が補助しましょうということになれば、それができるのかということも含めて何か提案などいただけたらと思います。

〇亀谷浩昌参考人 具体的な策については、どれがいいのかよくわかりません。ただし、県の医療政策の中では、人口10万人単位で見ると全国平均が170人であるのに対して沖縄県は131人です。それを埋めるための施策といいますか、そういったことに力を入れていただきたいと考えております。

〇狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 亀濱玲子委員。

〇亀濱玲子委員 幾つか教えていただきたいのですが、沖縄県が全国でも低い中でさらに沖縄本島北部・離島地域が厳しい状況ということが陳情の中にあります。これをもう少し具体的に、どういった問題がそのことによって生じているのかということについて教えていただけますか。

〇亀谷浩昌参考人 先ほど申し上げたように、十分なサービスが提供できていないと思います。極端に言うと、処方箋に基づいて薬を渡すだけで手いっぱいであると思います。薬剤師の職能というのは、薬剤師法が改正されたことによって、これまでは薬をつくって渡してそこで正しい飲み方を説明して終わりでしたが、現在は薬を渡した後も、薬学的管理をすることになっています。そういったことで恐らく余裕がないと思います。

〇亀濱玲子委員 宮古島市の事例を聞かせてください。宮古島で難病がん患者が、例えば県立病院の患者さんでも直接沖縄本島に出る体力がないと。沖縄本島でも治療を受けていた患者が医療を諦める現状が出たりしています。それはなぜかと言いますと、一番は医者ですが、血液がんの専門の医者あるいは難病の専門の医者がいないということで薬の処方ができないということ。あわせてそれだけではなくて、看護師でもただ看護師であればいいということではないそうです。注射ができる特定の資格を持った看護師にプラス特定の薬剤師がいないと薬の処方ができないと。そしてこの薬は厳重に管理されなければいけないので、管理看護師や薬剤師などの条件を全部整えなければ、この厳しい病気の方々が治療を受けられないという現実があります。例えば専門の先生が月に1回来ても、その間を薬剤師や看護師が埋めなければ注射をしてもらえない、治療をしてもらえないという現状があります。そしてこの人たちがどうするのかと言いますと、例えば県立宮古病院と徳洲会病院などで二重診療をするわけです。宮古病院で1回受診するけれども、徳洲会病院に注射をしに行くような。それでこの専門の資格を持った薬剤師が、がんや難病患者の治療に必要だということがわかったのです。それは県立である宮古病院ですら、これまで十分ではなかったのです。今ようやく配置されましたが、私たちの知らないところで、ただ単に薬剤師という枠の中だけではない、より質を高めていく、資格を持っていくことまで考えないと、沖縄県全域、北部や離島までの治療は十分に満たされないということがあるのかと思っています。このような薬剤師を育てる、資格をとっていただく工夫はどのようになされていますか。

〇亀谷浩昌参考人 今、委員がおっしゃったのは、がん専門薬剤師とがん認定薬剤師のことだと思います。実際にそういうものがあります。一番上位の資格は、がん専門薬剤師です。ただし沖縄県には私が知っている範囲で2人しかおりません。それも琉球大学医学部附属病院に2人おります。そして、認定薬剤師は県内の県立病院にもいると思います。今、育てる方策について質問がありましたが、そういった資格を取るためには本土で研修を受けるとか、試験を受けに行くとかといったことがあります。薬剤師に関しては、今まで自分たちは支援してもらえるということについて知らないという環境がありまして、全部自費で、年休をとって行っています。中には出張扱いもありますが、ほぼ自腹でやっています。ですから、そういった研修を受ける機会を援助する施策があればとてもありがたいと思います。

〇亀濱玲子委員 今、お薬を処方するだけではない薬剤師の役割を話されていましたが、医療機関における対応要領のようなものについて沖縄県独自で定めていたりするのですか。例えば、機能としてどういうものがあるべきかという中で、資料の一番最後にある薬局ビジョンの概要の、高度薬学管理機能というものがあります。そこに対応要領を定めることと書いてありますが、これは現在沖縄県には設置されていないということですか。

〇亀谷浩昌参考人 こういったことも大きな病院の中ではできていると思います。がんの薬物療法に関して医師にアドバイスをしたりといったことはやっていると思います。ここで受診などの対応と書かれているのは、患者の状態を薬剤師が判断して、これは受診したほうがいいですとアドバイスすることだと思います。

〇亀濱玲子委員 離島の医療機関の患者から相談を受けるというような薬剤師の質を高めることや数を確保することなど、かなりハードルが高いと思います。私たちが一口で言って、命の重さが平等ではないという状況が生まれていくことに直結しています。そして仕方なく治療を諦めるというところまで患者がたどり着くのです。やはり薬剤師をいかに沖縄県が育てていく必要があるのかということについてすごく痛感しているところです。したがって、この陳情の幾つかの点は、納得しながらお話を聞かせていただきました。ぜひまた考えていけたらと思います。

〇狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 金城泰邦委員。

〇金城泰邦委員 最初に照屋委員の質疑への答弁の中であったのが、薬剤師の育成・確保が必要であるということでした。今、資料にある国が今後取り組もうとしている患者のための薬局ビジョンからすると、地域包括ケアシステムを構築するに当たり、在宅の薬剤提供が求められていると。そのために必要な地域、薬局が大体これぐらい必要ということがあれば教えてください。

〇亀谷浩昌参考人 今、国が薬局の中で、健康サポート薬局というものを考えています。資料の中にありますが、国は中学校区に1つぐらいを考えていて、沖縄県ですと約100軒に相当するようです。とりあえずこれを目標にかかりつけ薬剤師を設置をしようと進めております。薬剤師会としても会員の薬局がそういう方向に行くようにということでやってはおりますが、やはりハードルが高く、現在県内には2軒しかありません。薬剤師が不足すると、どのような不便があるかのという質疑がありましたが、在宅医療というものは、十分マンパワーを割けないとできないという現状があります。そういったことで地域包括ケアも恐らくこの現状ではうまくいかないだろうと予測されるわけです。せっかくドクターが立派な処方、治療方針を立てても、それが正しく患者に適用されない。それから先ほども申し上げたように診察から次の診察までの間、誰がその患者の状態を見るのかといいますと、それは薬剤師が見ないといけないと考えておりますが、そういったこともできないと。アメリカでは薬を正しく指示どおりに飲んでも副作用で年間4万人死んでいるという推計があります。日本でも、日本人は薬好きですので、実はもっとあるのではないかと言われております。ですから、これまでは薬を渡して次の診察に来るまで患者自身の判断に委ねられているわけです。副作用なのか、病院に行ったほうがいいのか、我慢したほうがいいのか。こういったことについても薬剤師の職能を十分に発揮できれば、この辺の見きわめをして早く受診をしなさいとか、これはもう少しおさまりますとかいった適切なアドバイスができるのではないかと考えております。

〇金城泰邦委員 そういった意味でも薬剤師の立場はとても重要だと思います。医者が診察して薬を出します。しかし、その薬がやたら多いということも聞いたりしますが、やはりその辺について薬剤師の的確な指導といったものが必要だろうと思います。現状では包括ケアに必要な100軒を目安とした場合には2軒の2%しかないという状況がありますので、残りの98%をどうやって育成するかということが大事だと思います。県内には薬剤師の資格が取れる大学、学部がないと先ほどおっしゃっていました。西普天間地区に琉球大学医学部が移設された際には、薬学部の設置を要望しているのでしょうか。

〇亀谷浩昌参考人 要望をしております。琉球大学当局や学長、医学部長、病院長に要請をしておりますが、なかなかハードルは高いようです。それで本土の関係省庁の厚生労働省や内閣府などの副大臣以上にお会いして陳情したらよいのではというサジェスチョンがありましたので、それを実現すべく今、計画しているところであります。

〇金城泰邦委員 これについては、県保健医療部とのやりとりの中でも感じることですが、先ほどもあったように本土でも薬学部の定員割れがあったりしていて、実際にニーズがあるのかという疑問を持っているようです。ですけれども、現在、地域包括ケアに必要な100軒の地域薬局ということ、2%しかないという現状を見ますと、やはり学部を設けて薬剤師を育成する必要があると。これについてはどうしても西普天間地区に移設の際にやるべきであると。これは県も頑張らなくてはいけないと思っていますので、皆さんからももっと県に対してしっかりとアプローチする必要があるのではないかと思っています。同時に学部を設置し、学生が入学しました。その次の問題は学費だと思うのです。聞くところによると、私立大学は年間200万円ぐらいかかるみたいですね。そのあたりは非常に高いのではないですか。

〇亀谷浩昌参考人 今、国立大学は6年間で350万円ぐらいです。これに対して私立大学は平均1200万円ぐらいかかります。それに加えて生活費など、もろもろのものがかかりますので、保護者の負担額は相当なものだと思います。今、琉球大学の薬学部もしくは薬学科によって、薬剤師のニーズを埋めようということについて期待はしてはいません。自然に減少していくのを補う程度かなと考えております。ただ、薬剤師のレベルアップに非常に大きな役割を果たすのではないかということを期待しております。民間の私立大学ではなく、国立大学でお願いしますということを薬剤師会は申し上げています。

〇金城泰邦委員 そういった意味ではやはり琉球大学に薬学部をつくる必要性は非常に大きい意味があると思いますので、そこはぜひ頑張っていただきたいです。現在、私立大学の学費が非常に高いというお話ですが、それに対する奨学金については各大学等で行っているものに任されているのですか。沖縄県としてそのようなものはないということですか。

〇亀谷浩昌参考人 現在、沖縄県に公的制度としてあるものは、国立大学の薬学部に行く人に関しては奨学金がもらえるチャンスはあります。ただし、私立大学に関してはありません。幾つか個別の民間企業で出している奨学金があることは聞いております。

〇金城泰邦委員 やはり沖縄県出身者の薬剤師をどんどん輩出するためには、そういった奨学金を含めた制度を設ける必要があると思います。何より将来的には、地域包括ケアをやはり形にすること。今2%しかない現状をどうやって埋めていくのかという計画をしっかり立てながらやらないといけないと思います。ぜひ頑張ってほしいと思います。

〇狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。
 次呂久成崇委員。

〇次呂久成崇委員 先ほどからお話を聞いていまして、薬剤師が年間80名から100名ほど不足しているということで、いろいろ相談業務も行っているということなのですが、毎年どのくらいの確保が必要だという具体的な目標値というものをやはり立てて、それに基づいて確保対策にしっかりと取り組んでいったほうがいいと思っています。これまでのお話の中で、幾つか独自で薬剤師会で確保対策をやっているとあったのですが、ほかにも何かありますか。独自の取り組みとしてもし何かあれば教えてください。

〇亀谷浩昌参考人 独自の取り組みについては、先ほど申し上げたことぐらいしか思いつきません。Uターン、Iターンを進めることや休眠薬剤師の掘り起こしなど、それが直接的に効果がある方策だと思っております。

〇次呂久成崇委員 例えば、高校に行って、子供たちに進路を考える上で薬剤師の仕事はこういうことです。これからこういうニーズがあるのでこれだけの薬剤師が必要ですよというような活動なども私は大事なことであると思っているのですが。

〇亀谷浩昌参考人 その活動は行っております。学校に出向いて、薬剤師の職業の紹介や、それから県民健康フェアに医療団体で年に1回ブースをつくったりしています。また仕事ミュージアムというものもやっています。これは私自身も黒島に行ってやったことがあります。参加者は4人しかおりませんでしたが、薬剤師はこういった仕事です。こういったことをすればなれますとかいう活動を行っています。

〇次呂久成崇委員 薬剤師会としてもそのような取り組みをしっかり行っていただいて、県とも連携して、具体的にどれだけの薬剤師が不足しているのだということについてもう少し把握していく必要があるのでないかと思います。やはり、配付資料にあるように、この地域包括ケアの構築は各自治体でも取り組んでいるかと思うのですが、かかりつけ医師とかかりつけ薬剤師とは、その自治体における生活保護等でもそうですが、やはり医療費の抑制というものにつながっていくのです。それを県全体で考えたときに、自治体の医療の分を、生活保護費も半分は医療費ですので、その抑制につながるということでの働きかけを県と一緒になって、どうやったらできるのかという観点から取り組みを考えていくことが大切だと思います。その次に、例えば修学資金貸付制度をこのように構築していきましょうとか、具体的な確保策というものがいろいろな方面から出てくるのではないかと思います。ぜひ県保健医療部とも具体的な数字をつかめるような何らかの調査などを一緒にできないかということを検討していただきたい。我々もこれについてはやっていきたいと思います。

〇亀谷浩昌参考人 この取り組みについて、薬剤師会としても、うかつではありました。県と協力して予算を獲得し、こういったことができるということになかなか気づかなかったという負い目もあります。最近から積極的に取り組んでいるので、このような連携についても今後ますます緊密になり、より協力体制を組みながら進むのかなと思っております。

〇次呂久成崇委員 この地域包括ケアの構築、また長寿県日本一というものを取り戻すためにも、沖縄県にもやはり大きくかかわってくるのではないかと思います。ぜひその辺は積極的に県と、また、我々も一緒にそういう方策を考えていきたいと思っています。よろしくお願いします。

〇狩俣信子委員長 ほかに質疑はありませんか。

    (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

〇狩俣信子委員長 質疑なしと認めます。
 以上で、亀谷浩昌参考人に対する質疑を終結いたします。
 この際、参考人及び補助者各位に対し、委員会を代表して、一言お礼を申し上げます。
 本日はお忙しい中にもかかわらず、長時間にわたり貴重な御説明をいただき心から感謝いたします。
 本日拝聴いたしました内容等につきましては、今後の委員会審査に十分生かしてまいりたいと思います。
 亀谷浩昌参考人及び補助者の山城英人さん、大城善仁さん大変ありがとうございました。
 休憩いたします。

 (休憩中に、参考人等退室)

〇狩俣信子委員長 再開いたします。
 以上で、本日の日程は全て終了いたしました。
 委員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 本日の委員会は、これをもって散会いたします。






沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。

  委 員 長  狩 俣 信 子