委員会記録・調査報告等

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土木環境委員会記録
 
令和5年 第 1定例会閉会中

1
 



開会の日時

年月日令和5年4月12日 曜日
開会午前 10 時 2
閉会午後 3 時 0

場所


第2委員会室


議題


1 参考人からの意見聴取「陳情第35号大棟龍頭棟飾りの復元に当たって、壺屋陶器事業協同組合への発注を求める陳情について」(陳情者壺屋陶器事業協同組合外)
2 参考人からの意見聴取「陳情第35号大棟龍頭棟飾りの復元に当たって、壺屋陶器事業協同組合への発注を求める陳情について」(首里城復興基金事業監修会議)


出席委員

委 員 長  呉 屋   宏 君
副委員長  下 地 康 教 君
委  員  仲 里 全 孝 君
委  員  座 波   一 君
委  員  玉 城 健一郎 君
委  員  瑞慶覧   功 君
委  員  島 袋 恵 祐 君
委  員  比 嘉 瑞 己 君
委  員  崎 山 嗣 幸 君
委  員  新 垣 光 栄 君
委  員  金 城   勉 君
委  員  照 屋 守 之 君


欠席委員


説明のため出席した者の職・氏名


(参考人)
 壺屋陶器事業協同組合理事長    島 袋 常 秀 君
 首里城再興研究会共同代表     比 嘉 豊 光 君
 首里城正殿大龍柱を考える会代表  大 田 朝 章 君
 絵図から考える首里城の会顧問   永 津 禎 三 君
(補助者)
 壺屋陶器事業協同組合専務理事   玉 城   望 君

(参考人)
 首里城復興基金事業監修会議委員長 田 名 真 之 君
 首里城復興基金事業監修会議委員  波多野   泉 君



○呉屋宏委員長 ただいまから、土木環境委員会を開会いたします。
 陳情第35号に係る参考人からの意見聴取についてを議題といたします。
 なお、ただいまの議題につきましては、去る3月23日の本委員会での決定に基づき、陳情第35号の審査の参考とするため、陳情者及び関係者を参考人として招致し、説明を求めるものであります。
 本日午前の参考人として、壺屋陶器事業協同組合理事長島袋常秀氏、首里城再興研究会共同代表比嘉豊光氏、首里城正殿大龍柱を考える会代表大田朝章氏、
絵図から考える首里城の会顧問永津禎三氏の出席をお願いしております。
また、島袋常秀参考人から、補助者として壺屋陶器事業協同組合専務理事 玉城望氏を同席させたいとの申出があり、委員長として適当であると判断し、出席を許可したことを御報告いたします。
 参考人及び補助者におかれましては、本日は御多忙のところ御出席いただきまして誠にありがとうございます。
 参考人から説明を求める前に、委員会の審査の進め方について御説明申し上げます。
 まず、参考人から御説明をいただいた後、委員から参考人に対し質疑を行うことにしております。
 なお、参考人が発言しようとするときは、あらかじめ委員長の許可を得なければならず、発言は陳情の趣旨の範囲内で行うこととなっております。
 また、本日は委員会が参考人の説明を聞く場でありますので、参考人が委員に対して質疑することはできませんので、御承知おきください。
 それでは参考人から、陳情第35号大棟龍頭棟飾りの復元に当たって、壺屋陶器事業協同組合への発注を求める陳情について、提出に至る背景及び目的等について、簡潔に御説明をお願いいたします。
 島袋常秀参考人。

○島袋常秀参考人 首里城正殿の棟飾りについては、2020年10月末に焼失しまして、その後再建という話になりました。
 私たち組合は2021年2月、すぐにこういう龍頭棟飾り製作を望むということで、沖縄タイムスに投稿をいたしました。
 その内容を少しかいつまんで説明いたします。
 なぜ壺屋が龍頭棟飾りをやるかということですけれども、やっぱり壺屋と首里王府との関係がより密接なつながりがありました。というのは、1682年に壺屋がその当時あった湧田焼、宝口焼、知花焼この3つを琉球王府が壺屋に統合したわけです、約340年前くらいの話ですけれども。これがまず一つ、壺屋が関わりがあるという証拠です。その中に、なぜそういうのがいろいろつながりがあるかというと、首里王府の管理下にある番所跡も壺屋にあったわけですね。今残っているのはバンジュガーという井戸が残っています。それがしっかりとした番所があった証拠になるわけですけど。
 壺屋はそういうつながりから始まって、首里王府に焼き物も納めていますし、それから首里の丁子風炉とかそういうのも首里王府に納めていますし、それから大水がめ、防火用の水がめとかそういうのも納めております。
 そういうことで、首里王府に物も納めているということになります。
 それから、壺屋がなぜやれるかという話ですけど、蔡温橋にある大獅子を御覧になったと思いますけれども、それから壺屋の通りにある大獅子、あれは全部壺屋の陶工たちが造ったものなのです。どこで造ったかといいますと、読谷の陶眞窯という窯に、そこにそういう製作場所設けてそこで大きな2体を造ったわけですけれども、焼成するのもその造った場所に窯がありますので、その窯で造りました。ですから、造る技術とか場所、それから窯も十分あるわけです。そういう条件、今すぐに造れと言われても造る場所はあるわけです。窯もあります。
 土は、実は組合は製土工場という土を作る工場を兼箇段に持っています。そこでも土は作れますということなのです。だから、土も作れる、作る場所もある、窯もある。そういう条件が非常にそろっているという状況ですから、私たちにとっては龍頭棟飾りを造るいい機会だなと思って手を挙げたわけです。
 そういうことでやっているのですが、実は私たちが手を挙げているにもかかわらず別の形で話は進んでいまして、私たちが2021年2月12日に書いているにもかかわらず、それ以前から裏で動いている状態がありまして、これが何かと言いますと、2022年12月13日に私の工房へ県と国建の皆さん4名ほど来まして、この龍頭棟飾りの製作はもう既に内々決まっているのがあるという話になりまして、これはどういう意味ですかと言ったら、もう既に私たちが手を挙げる前から話は進んでいるんだみたいなことを言われまして。これはおかしいでしょう、私たちが手を挙げたにもかかわらず、壺屋に話もなくて裏で進めているというのはおかしい話でしょうと反発しました。でも何かそう言ってもあまり反応がなくて、帰っていかれたんですけれども。
 その後2023年1月19日にまたうちの工房へ来るというものですから、専務の玉城さんと理事の金城吉彦さんの2人を呼んで、3名で対応したわけです。そのときもやはり内容的にはもう既に決まっているような内容で話されていまして、一切これはおかしいねと、何で壺屋が手を挙げているにもかかわらず、前任者の人にさせるようなニュアンスで言ってくるものですから、私たちはこれは全然受け入れられないということで、理事でも話合いますし、私たちのバックでいろいろ運動をしてくれる皆さんがいるものですから、その人たちにも声かけをして、これはおかしいですよねと内容をお話ししたところです。
 これは本当に皆さんで動かないと駄目だなということで、今我々は皆さんがいろいろバックアップしてくれている状態であります。
 実は、最近になって壺屋にも機会を与えようということで、土のテストピースを作ってくださいというような話が来ました。ちょっと柔軟な形になってきましたけれども。そういうようにして仕事の分割を狙ったのか何か知りませんけど、ピースを作るということで、工業技術センターと一緒になって、今土の試験をしている最中ですけれども、これがどういう具合に採用されるのか分かりませんが、動きとしてはちょっとだけ柔軟になってきている状態があります。
 ですから、私たちとしてはこれからもっともっと自分たちにもできるんだよというところを推し進めていってこの棟飾りを製作していきたいと今思っています。
 
○呉屋宏委員長 それでは、共同で出されている陳情ですので、次に首里城正殿大龍柱を考える会の大田朝章さん。今説明したもののほかのもの、重ならないように説明をいただければ。

○大田朝章参考人 ただこの龍頭棟飾りについては、国と県の覚書がございます。それが基本的に大事なことになっておりますので、私は一般的な意見を述べさせていただいて、龍頭棟飾りについては具体的には今島袋参考人がおっしゃったとおりです。
 もう85歳になってちょっと記憶力が弱いですので、書面に基づいて意見を述べさせていただきます。
 首里城は琉球文化の伝統的な象徴であり、沖縄県民の誇りであります。その首里城はできる限り史実に基づいて沖縄の伝統的な美術・技量及び県民の意向によって再建されるべきであります。ところが現在首里城はこれに反し、国の意向に従って再建されております。その根拠は内閣府沖縄総合事務局長と沖縄県知事の間で締結された制作物、赤瓦及び木材の譲渡に関する3通の覚書――いずれも令和3年7月30日付ですが、これによることは明らかであります。これらの覚書は同事務局長と知事によって内密に締結されたものであり、前記覚書は当参考人らの仲間が公文書の開示請求により入手して明らかになったものであり、県民には公表はされておりません。
 前記覚書によれば、首里城正殿復元工事に用いる制作物、赤瓦及び木材を譲渡するに関しましては、全てにおいて前記事務局長、すなわち国が発注者となり、同知事、すなわち沖縄県が受注者の各立場にあり、各当事者は対等ではなく主従の関係にあって、前記事項について全て県は国の意向に従わなければならないことになっております。
 本来契約関係は各当事者が対等の立場で締結されるものでありますが、前記各覚書はこれに反するもので、不平等な覚書であり、撤回ないし取り消さなければならないものと考えております。
 ところで、壺屋陶器事業協同組合は総力を結集し、ウチナーの窯で龍頭棟飾りを造り上げたいと願望し、同協同組合の歴史的な経験、評価や首里王府との関係を考慮すれば、同協同組合にこれを製作させるべきであると考えます。
 そのほかにつきましては、島袋参考人が述べたとおりであります。
 平成の龍頭棟飾りの製作者である山守さんについては次の参考人である永津禎三さんが述べますので、そこに譲ります。
 本土のお城はほとんど例外なく城の所在地の市あるいは都道府県が責任を持って建築工事をしております。ところが沖縄に関しましては、首里城は市や県ではなく国が全て取り仕切るようになっております。これは不可解でございます。県議会でもその点は審議していただきたいと思います。
 以上です。

○呉屋宏委員長 続きまして、絵図から考える首里城の会、永津禎三さん。

○永津禎三参考人 私は琉球大学にしばらく勤めておりましたので、西村貞雄先生と同僚でした。
 そして平成の復元のときに特に龍頭棟飾りについて、大変不満足な結果で終わってしまったということをずっとおっしゃっていました。そのことはこの2つの論文に御本人も書かれていまして、そういうことがありましたので、今回壺屋のほうでこういうことが起きているという話を伺いまして、私は2月14日の緊急集会の打合せのところから参加をさせていただきました。
 そのときに初めて伺ったのがこのように県のほうからこういった書類が配られてきて、これによると結局壺屋の関与というのは若手技術者を出してほしいという、たったそれだけのことということで、いわゆる前に造られた山守氏が主体になって造ることが既にもう決定しているかのような、そういう動きをしていました。
 私はその辺、先ほども申しましたけれども、平成の復元のときに山守さんが行われた仕事が大変に問題があるということを知っておりましたので、これではいけないということで、14日以降お付き合いさせていただいております。
 私としては、集会に一緒に参加したり、あるいは知事に要請をしたり、あるいは県議会に陳情書を出したりということのお手伝いもさせていただきました。
 具体的に今日私が申し上げたいことは、山守氏の平成のときの仕事について、いまだに反省をしていない、それがまず第一であります。
 今日は資料を配る時間がないと伺っていましたので、先にこの資料を各会派のほうにお渡ししてお持ちだと思いますので、それを見ていただくと一番分かると思うんですけれども。
 私から出しました参考人としての意見というたくさんの資料ですけれども、そのうちの最初の2ページ分だけをちょっと読ませていただきます。
 今日私が意見を言いたいところは、3つあります。今言ったように山守氏がとんでもない発言をその後もしているということで、これは3月14日に行われた県の担当部局と壺屋との話合いの中でなぜかそこに山守氏が同席していまして、彼は西村先生とは技術の問題ではなくて、造形家としての感性の対立ですからなどと発言しました。これは本当に由々しき問題だと私は思っています。
 この論文にも書かれているように、復元に当たっては史料に基づいて正確な形を西村先生ができる限り割り出して、原型を造られました。その原型どおりに造るのが当然製作者の務めです。ところが彼は全く、ある意味むちゃくちゃな形を造りました。簡単に言えば、頭がでか過ぎてバランスが崩れてしまっている。それを西村先生は非常に嘆いて、一生懸命直してくれるように説得するんですけれども応じないと。しまいには体の部分のボリュームを加えることで
そのバランスを何とか取ろうと御本人がされたと。ところがそれによって大きくなってしまった。バランスが崩れた。本当にそういうことを痛切に語っていらっしゃるのがこの論文です。
 そういう人が西村先生とは技術の問題ではなくて、造形家としての感性の対立と、いっぱしの芸術家風情のような話をしている。許せないです。これは、いわゆる復元に関わる担当者としては、絶対にあってはならない。資質が不適格だというふうに思います。
 今回のものについていろいろな――前回平成の復元で造られたという経験はもちろんありますけれども、この1点をもっても今回は参加させるべきではないと、私は思っています。
 それから2番目のほうです。まだ発注業者の候補にすぎない――まだこれは監修会議で決定していませんので、候補にすぎません。
 山守さんに工場を提供している、既に。これは癒着じゃないかと。これはどこが癒着しているかということはここでは私は判断は控えますけれども、少なくともこれを担当している国建と山守氏は癒着関係にあると思います。
 それに加えて、もしかすると国建に業務委託をしている県の担当局、ここにも問題があるんじゃないかというふうに思います。なぜならば、この工場、これはいわゆる山守氏の工場とみんなが呼んでいる場所ですけれども、そこで首里城復興基金事業監修会議の焼き物ワーキングが開かれてしまったと。公の会議を山守氏の工場で開くのかと。
 おまけにそこの場所にはそこに運ぶことを了承されていなかった西村先生が造られた5分の1の石膏原型が本人の了解もなく置かれていた。そういう状態です。
 プラス、この工場に山守氏が居続けてワーキングが行われたということが情報としてあります。
 これは島袋理事長はこの場にいらっしゃって――これは西村先生に誘われて、行ったのですが、そこでは本当に短い時間の意見表明しか許されなかった。そしてすぐ退出させられた、関係者以外は出てくださいと。そういう場所でなぜ、まだ候補者にすぎない山守さんがずっと居続けることができたのか。こういうところで私は非常に県の担当局に対しても疑問を覚えています。
 最後ですけれども、これは土の話になりますけれども、これはたくさんの資料を最後に載せました。
 さっきの工場はこの写真です。ここの中に入っていると思います。
 こういう工場で、県の会議というんですか、ワーキングが開かれている。異常な光景だと思います。
 その最後のところですけれども、土の話になりますけれども、このことについては3月31日の県の担当局と壺屋との話合いの中で、山守氏は自主的に陶土の基礎研究を進めているのであって、県は依頼していませんという発言がありました。これは私は非常に疑わしい発言だと思っています。というのは、ここに書き起こしましたように、3月14日――この前の会議ですけれども、そこでの関係者の発言を総合して考えると、どう考えてもこれは山守氏が依頼している二俣氏の場所にドレーン機を運び込んだと。その資金は山守さんは自分が貸したと言っていますけれども、カカズさんという県の担当部局の方ですけれども、我々が寄附金を活用して、配合計画を立ててからやったという技術は寄附金でやりますと書いてあるんですね。これは明らかに使っているなというふうに思います。
 追いかけるように、県の工業技術センターのハナシロさん、私は最初の頃はもう配合試験も進めているという話だったので、ではそれは組合の製土工場で作ることはできるんじゃないのかと言って、実際そこの設備も見てきたらどうですかという話もしていたんです。そんな話をしていたら、もう設備は入れたという話を聞いているので、というふうにおっしゃっていたんです。
 これははっきり言って、やはり行政の監督機関といいますか、監視機関である議会としてしっかりとした調査、これは本当にうやむやにせずにしっかりと関係の部局から証拠書類を出すぐらいの覚悟で調べていただきたいと思っております。
 以上です。

○呉屋宏委員長 参考人に申し上げますが、今日は2時間しか取られていません。ですから、説明が長くなってしまうと当然質問の時間が制限されていきますので、そこのところは事前に考慮願いたいと思います。
 4人目、首里城再興研究会、比嘉豊光さん。

○比嘉豊光参考人 ウチナーグチデイシガシマビーガヤーサイ。ワッター首里城ヤ、最初、国ヌムンヤイビータシガ、ヤッパシ、クヌメーヤキティ、ワッターウチナーンチュが、ムルリカマジュンシチュクラーヤールシガル、アタイメールヤイビータシガ。

○呉屋宏委員長 休憩いたします。

○呉屋宏委員長 再開いたします。
 比嘉豊光参考人。

○比嘉豊光参考人 アンシェーナー、日本語スサビーガヤー。
 すみませんでした、下地さん。
 皆さん沖縄県議会議員はほとんどウチナーンチュだと思います。なぜ、ワッター首里城の龍頭棟飾りがヤマトゥの山守さんが前回――これは国の事業でしたので、造られたということですけれども、それを改めて今回焼けてその基金、寄附金を使っての県が再建するということで、どうしてもウチナーンチュがウチナーの首里城をみんなで協力して造ろうというのが県議会もそうだし、県もそういう趣旨で寄附金の使い方にちゃんと書いてあります。書いているにもかかわらず、先ほど理事長からも話したとおり、いつの間にか前回の陶芸家に造らせるということを言っていたので、これは絶対あってはいけないことで、我々は首里城再興研究会も含めて、皆さんと一緒になってどうしても龍頭棟飾りは先ほど知念さん側には歴史もありますのでということでおっしゃったので、そういう形で行動を起こそうということで我々は一緒にやっています。
 そういう趣旨を御理解の上、今回土木環境委員会全会一致で壺屋に製作を依頼するよう、沖縄県に申告してくださいということで、よろしくお願いします。
 以上です。

○呉屋宏委員長 参考人の説明は終わりました。
 これより、陳情第35号に係る参考人に対する質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないよう簡潔にお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 照屋守之委員。

○照屋守之委員 この壺屋陶器事業協同組合がそれに関わっていない……。今いろいろ話しを聞いてあれですけど、これ平成4年の復元のときはどうだったんですか。

○島袋常秀参考人 実はそのときは予算が全部国の予算になっていまして、沖縄県は、特に壺屋の組合というのはお声はかからないし、ノータッチですね。ですから、沖縄県自体も国の予算ということで、あまり関わっていない部分があるんです。
 特に龍頭棟飾りとかいろんなものがあるんですけれども、それは全部国主導でやられているものですから、私たちはまさにこんな仕事があったんだなと後で知りました。そういうことで、そのときは関わっておりません。

○照屋守之委員 壺屋の歴史は何年になりますか。

○島袋常秀参考人 1682年ですので、341年ぐらいです。

○照屋守之委員 幾ら何でも、これ先ほどの説明にもありましたように、沖縄の雑器、器、生活そのもの、あるいは首里城との関わりも含めて340年の歴史がある。
 窯元は幾つあるのですか。

○島袋常秀参考人 今は組合員が24名おりまして、立ち上げたときから今は6窯元ぐらい増えております。

○照屋守之委員 金城次郎さんが人間国宝になり、そこの議会の入り口に高江洲育男さんのシーサーがあるんですよ。そのパレットくもじ前には島常賀さんのシーサー、新垣栄用さんの榮用窯を含めて、やっぱり沖縄の焼き物、生活、あるいは首里城との関わりも含めて考えていくと、どう考えても壺屋が関わっていない再復元はあり得ないのではないかと思うのだけど。
 この平成4年の復元のときに国主導でやった。結局今回の復興もそれに倣って進められているという、そういう理解しかできないのかなと思いますけれども、実際はどうなんですか。

○島袋常秀参考人 寄附金54億円の中で24億が今言った龍頭棟飾りとか赤瓦、木彫とか漆とかに使いなさいと資金が充てられているわけですよ。ですから、これは沖縄県民がしっかり使えるお金かなと僕は思っていますので、それで壺屋も手を挙げたということでございます。

○照屋守之委員 やっぱりどう考えても平成4年の復元と今は違うわけですよね。あれは全て国がお金を出してやった、それは戦後復興を含めてのことなんですけれども。今回は一般県民も含めて54億ですか、それ24億をそういう形でやるという県民の思いがあるので、やっぱり県民としてもそういうふうな事業に対して沖縄県の関わり、あるいは壺屋の事業協同組合、あるいは沖縄県の特産品とかそういうふうな物の関わりというのは当然思いがあるわけですよね。
 だから根本的に違うのではないですか。だからそこは行政の認識が……。
 さっき内密に提携しているとかというのがあるんだけど、こういう事実もあるのですか。これはやっぱり平成4年の復元との関係でこうなっているんですかね。どうなんですか、そこは。

○島袋常秀参考人 多分、前例主義といいますか、要するに前にその人が造ったからすぐできるだろうという考え方なんですよね。ですから、安易に国建さんが早く進めるためには前にやった人がすぐできるだろうということで、どんどん進めていったのではないかと思っています。
 僕らが手を挙げているにもかかわらず全然話も来なくて、蓋を開けたら前任者がやるというニュアンスできているものですから、これはおかしいでしょうという話を皆さんに言ったら、皆さんの同調を得まして、これはやっぱり動かないといけないんだと、このままでは全部前任者がやることになるぞということで、やっぱりこれは壺屋がやるべきだという皆さんの御意見が強かったものですから、私たちも――焼き物屋は集会とか抗議とかそんなこと一度も今までやったことはなかったのですが、ここの県民広場で集会もやりました。私たちにさせてくださいと、壺屋の組合にさせてくださいという集会をやりました。それから県議会の議長さんにもお会いして、何とかこういう話ができませんかということで、仲介もしていただきました。
 最終的にはこういう委員会まで話がくるということで、非常にある意味では前向きな県の姿勢に感謝はしております。そういう意味では。
 そういう意味で壺屋としては一生懸命動いて動いて、今までやったこともないこともどんどんやって、何とかこの龍頭棟飾りの仕事を勝ち取ろうというように今思っているわけで。そういうことで土木環境委員の皆さんにもいろいろ協力をお願いしたいなというように思っている次第です。

○照屋守之委員 多分行政、特に国所有の、国がお金を出すということもあって、平成4年のそういう復元があり、今の復興ということもあると、やっぱり県の立場としても国にお願いしているという関係もあって、やっぱり過去の事例に沿った形で対応せざるを得ないということだろうと思っているのですね。ところが、県民からこれだけの多大な寄附があって、首里城に対する期待、やっぱり沖縄そのもの自体のプライドというか、そういうことも含めて何とか自分たちの手で復興したいという、今回は根本的に違うわけですよね。だから、そこの中でやっぱり壺屋がこの沖縄をつくってきた歴史、あるいは首里城との関わりも含めて、壺屋に何とかしてもらいたいという思いは新たに共有できると思うんですよ。だから、そこはこれまでの県の対応を批判するとか、あるいは国の対応を批判するとかということではなくて、これだけ時代が変わって県民も意識があって、これだけの予算を投じてやっているわけですから、やっぱりそこの中で自分たちの沖縄がどう復興に関わっていくか。壺屋がどう関わっていくかという、そういう視点が必要だろうなと思うんですよね。
 これは先ほどからいろいろ具体的な名前とか出ておりますけど、県はどこにさせるという形で表面的に決まっているわけじゃないでしょう。それはどういうふうに捉えていますか。

○島袋常秀参考人 最終的には監修会議の人たちの了承を得ないとそれは前に進まないという話は聞いていますので、まだ今は止まっています。
 その段階ですから私たちもどんどん動いていってアピールしているわけですけれども、もし契約されていたら本当に私たちの動きというのは完全に無視された形になりますので、これはその前に止めて私たちの意見をどんどんアピールしていこうということで、私たちは動いているわけです。
 そういう意味ではまだ可能性があるという具合に見ています。

○照屋守之委員 分かりました。
 今回いい機会に我々も――具体的なそういう復興とかの中身というのはなかなか立ち入ることができておりませんでしたので、今の県の進め方ももう一回確認させてもらって、やっぱり壺屋の関わり、あるいは首里城の復興はどうあるべきだ、やっぱりこれまで国が担ってきた分は当然認めざるを得ませんから。そこと県民がこれだけの多額の寄附を出して県民の思いも含めて首里城を復元させていく。壺屋の伝統がどうそこに関わっていくかというのは非常に大きな関心事だと思うんですよね。ですから、そこは国建の考え方ももう一回確認して、いろんな時代が変わって県民の意識も変わっていく中で、地元沖縄はどう関わらせるかというのは非常に大きなテーマがあると思いますから。これから委員会も含めてしっかり議論をして県当局にも対応していきたいと思っています。
 今日はどうもありがとうございました。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 比嘉瑞己委員。

○比嘉瑞己委員 今日は本当にありがとうございます。
 確認をしたいのですが、この陳情が出てから私も当局を呼んで状況を確認しています。
 改めて確認なのですが、当局の説明ですけれども、今理事長がおっしゃったように龍頭棟飾りの契約自体はまだされていなくて、今後監修会議で製作体制が決まった後に――時期的には6月頃と言っていたんですけれども、正式な契約になるというふうに聞いているのですが、それは皆さんも認識は一緒ですか。

○島袋常秀参考人 僕らが聞いているのは、監修会議の評価を得てからでないと契約はしないと聞いていますが、何月というのはちょっとはっきり聞いておりません。

○比嘉瑞己委員 当局も前の復元のときに棟飾りの形についてもいろいろ意見のそごがあったというのは認めていて、そういったものも含めて今回の復元の特徴として監修会議を置いたんだというところは言っていました。
 西村先生も委員の1人であって、皆さんで議論をした結果をちゃんと尊重するんだと言っていたので、その仕組み自体は僕はいいと思うんですけど、皆さんから見て監修会議というのはどのように評価されていますか。

○島袋常秀参考人 監修会議が置かれているということは非常にいいことで、一方的に決めて終わるのではなくて、やはり第三者が目を通してしっかりこれでいいんだというような評価を得て進めるというのは、非常にいい流れだと思うんです。
 ただ、監修会議は県とか国建の流れに沿った形で動いているものですから、今私たちが動いていることをもっと理解してもらわないと、どうもその流れでいきそうなんですね。それはやっぱり阻止していきたいし、私たちの意見も理解していただきたいということで、動いているわけですね。

○比嘉瑞己委員 おっしゃるとおりで、僕もそこだなと思って。
 先ほど大田先生がおっしゃったように、国が発注元であって、ある程度の枠組みというのは決められている。
 今回の棟飾りの件でネックになっているのが、上の龍頭棟飾りだけを考えたいのに発注方法としてはGRC一体型ということで、建築の構造計算と一緒になって造りなさいというような発注の仕方になっていると思うのですね。何でこういうことをやったのかと聞いたら、県としては、いやこれは国が発注しているので、私たちが決めたことではないと言っているんですよ。
 ただ、この構造計算というのは建築分野から見たら大切な要素なので、致し方ないのかなと素人的には思うんですけれども。
 今回のこの国の発注のGRC、棟飾りと一体型というものを皆さんとしてはどのように感じていらっしゃいますか。

○島袋常秀参考人 そのGRCの工法は確かに私たち素人ですから、それについては建築家がそういう専門家がいるので、私たちはその建築家から話を聞きながら一緒に製作をしていくという方法を取れば十分できると。一応ゼロではないですよね、一緒に話してやっていくから。そのアドバイスに従って製作していこうということですので、全然できない話ではないわけです。だから前任者の意見ではなくて実際に建築される人たちの意見を重視して私たちは製作していこうと思うので、それについては今の流れで造っていけるのではないかと思っております。

○比嘉瑞己委員 それで県のこれまでの対応は遅いものがあったと思うのですけど、ただ最近はテストピースを作ってくださいとか、この陳情とか運動が後押ししたと思うのですけれども、少しそういう姿勢も見えてきたのですけど。
 意見交換会が3月にあったと聞いたのですが、今後壺屋の皆さんとの交換会のスケジュールというのは示されていますか。

○島袋常秀参考人 3月14日です。またあさってに意見交換会をする予定です。
 それについては、ピースを作りなさいと言ってきていますので、私たちは試作品を今作っています。それを提示して、こういう感じでこういう配合でやりますということで提示しようと思うんですけど。
 ただ前の人たちのものは一切何も来ていなくて、どっちがいいかどうかというのも分からない、判断もできないわけですよ。
 これは最終的には監修会議が見て決定することなのかなと思うんですけれども。今のところ一方的にこっちだけ出せと言われているので、一応頑張って作ってあさって提示しようと思っています。

○比嘉瑞己委員 最後ですけれども、歴史との関わりを改めて聞きたいんですけれども。私自身も寄宮に住んでいて、神原小学校、神原中学校出身です。なので、壺屋も遊び場だったので、ぜひという思いなんです。
 今の国の方針、県の方針は、やっぱり平成の復元の復元みたいなところを感じてしまいます。
 先ほど、照屋委員もおっしゃっていたように、今回の復元はみんなのカンパも基金もつくってやっていて、県民の手による今回の復元だと思うので、もちろん史実的な壺屋との関わりもあると思うんですけれども、この戦後の歩み、復帰50年もたって壺屋が果たしてきた沖縄県民との思いというものもあると思うんですよね。そこら辺ちょっと強調していたほうがいいと思うので、ぜひ理事長からいま一度関わりについて、お願いします。

○島袋常秀参考人 この話が出てきて周辺の人たちから壺屋がやるべきだよという話を聞いているんです。沖縄の首里城でしょうと。それはもう壺屋が絶対やるべきだという意見をいっぱい今聞いて励まされていますので、ぜひ私たちも頑張って造っていきたいというように思っております。

○比嘉瑞己委員 ありがとうございました。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか
 金城勉委員。

○金城勉委員 今日は御出席大変ありがとうございます。
 二、三ちょっと教えていただきたいのですが。
 後ろのほうにもパネルを展示されているんですけれども、この平成の龍頭棟飾り、いろいろと西村先生も指摘があるとか、違うとかというようなお話があったんですけれども、この平成の棟飾りは何が問題ですか。

○島袋常秀参考人 これが10センチくらい上に浮いているということらしいです。もうちょっと下がるべきものが、実際の現物とこれが浮いているというお話だった。下げなさいという指摘をしたけれども下げなかったと、そのままにしてしまったというのがありまして、この問題は冊子にも書かれているのですが、何度やってもこれは感覚の問題だという具合に言って、下げなかったという問題があるわけです。
 それと私たちが主張したいのは、これは全部ヤマトグスイであって、土も全部ウチナームンではないんですよ。だからそういう意味でも私たちはウチナーの土でウチナーの薬でという意味合いがありまして、ただ全く釉薬も壺屋だけで駄目なら少しは入れますけれども、ただこれは全部ヤマトグスイ、土もヤマトのものが入っている。これをやっぱり島のウチナーの土でウチナーの薬でという思いがあるわけです。
 そういうことで問題はこういうことだったようです。

○金城勉委員 先ほど永津先生がおっしゃったように、西村論文に照らして違うということもおっしゃっていたのですが、何が問題ですか。

○永津禎三参考人 今理事長がおっしゃったのはもちろんなんですけれども、基本的に最初に造られた形が――今浮いていると言いましたけれども、頭部がでか過ぎたんですね、まず。なので、ここがすごく貧弱だったらしいです。バランスが崩れてしまって、この胴体部が。それをずっと注意してもなかなか直らないので、最後のチェックのときに西村先生がこのボリュームを加えた。だけどそれによってこのもの自体は大きくなってしまった。なので、よくお年寄りの方がおっしゃるんですけれども、首里城の上に載っている物として、大き過ぎてバランスが取れていませんと言うことが一番大きな問題じゃないかなと思います。

○金城勉委員 これは平成の復元の前の、いわゆる戦前の物の資料などはあるのですか。

○永津禎三参考人 これは、鎌倉芳太郎さんが撮影された首里城の写真の――もちろんこれだけを特別に写しているということではなくて、建物全体のほうの写真の中で確認するしかないのですけれども、このように写真としては一応写っています。
 ただし、細かいことを言いますと、一度これは外されているんですね。いわゆる首里城は解体して、沖縄神社拝殿としてもう一回整備し直そうというときに、一番最初にこれがまず外されたという経緯があるので、残っている写真自体をどこまで信用するのかということについては、やっぱり史実としてはいろいろな問題は多分残っていると思います。
 ただし、少なくとも一番古い実際の白黒の写真としてこういう物が残っていてそういう物を参考にされて西村先生が形を厳密に造られたというふうに伺っています。

○金城勉委員 西村先生も監修委員のメンバーのお一人だと伺ったのですけれども、その監修会議の中ではそういう問題についての議論はどういうふうになされていますか。

○島袋常秀参考人 この問題は提起しているみたいですけれども、さすがに皆さん専門家ではないので、大きく話が進んでいないんですかね、どうですか、永津先生。

○永津禎三参考人 先ほどの比嘉委員の御質問とも重なると思うんですけれども、監修会議があって、それがチェックするという機能を持っているということについては、私はもちろんいいと思っています。ただし、監修会議の構成というのが――この事業というのは実は手わざという琉球王国文化遺産集積・再興事業と同じような形で、専門家に投げて造ってもらうという形、いわゆる通常の入札形式とかそういうものではなくて、専門家の技量を確認してそれに発注するという、そういう形式をどうも取るらしいんですね。その場合に、例えば手わざ展では、県の博物館がまず母体になってそこから発注をするという形を取っています。ところがここは首里城復興課という専門家ではない人がまず発注をするという、そういう形を取っているようですね。ここがまず大きな問題。プラス、監修会議――もちろん手わざのほうにもそういうものがあるんですけれども、かなりそれぞれの分野に複数の3名以上の専門家がついてそこが監修体制を取っている。ところが今ある県の監修会議というのは、実は陶芸の専門家――実製作の方は誰もいない。一応、お一人だけがいわゆる陶芸史の研究家であるというだけで、そういう意味で言ったら監修会議としてそういう専門性を知見として指導できる立場かというと、必ずしも残念ながらそうはなっていない、そういう弱みがあるがある中で、先ほど私が申し上げたようにやや国建主導の形で動いてしまっているように思います。

○金城勉委員 どうもありがとうございます。
 それと、この製作と設置の技術的な問題。これについてはどうですか。

○島袋常秀参考人 製作については先ほども言いましたように、設置が絶対ですので、どうしても建築家のアドバイスをいただかないと造ることも、特に型の内面については指導の下でやると。ただ、原型が実は彫刻家が原型を造るんですね。その原型に石膏像で型を取って、それに土をはめ込むんですけど、その原型を造るまでは彫刻家がやられる。私たちは土の世界ですので、その型に土を3センチ厚みぐらいではめ込んでそれを抜いていくという形を取ります。ですから、原型をそのまま私たちは造るものですから、私たちが造形がどうのこうのということはないです。既に型というものがあるので、それに土をはめ込んでいくという作業をするわけです。
 ただ内面が今言ったようにGRCの工法で、ここに何か突起をつけるのか、穴を開けるのかというのはやはり建築家のアドバイスをいただかないとできませんけど。そういう作業は、私たちは土を扱うのには手慣れていますので、製作は十分可能だということです。

○金城勉委員 製作は当然専門家ですから、それは可能だと思います。それで懸念されるのはその強度の問題とか、設置の技術の問題とかその辺のところはどのように考えていらっしゃいますか。

○島袋常秀参考人 工業技術センターで窯業の専門のところがありますので、工業技術センターとタイアップして強度の試験も全部やります。どのくらい耐え得るかとか、そういうのもやりながら土の調合というのをやっていきますので、ただ土はこれでいいですかではなくて、やっぱり強度の問題、それから重さの問題、それから収縮の問題――焼いたら縮みますのでその縮みが10%以内でないといけないとかいろいろ制限もあるわけです。それもクリアしていかないとできませんので、そういうような土の調合自体も今一生懸命頑張っているところです。
 今試作しているのも10%以内でとどまっていまして、強度も結構あるんですね。これでいけるかなというふうに思っていますが、これは強度試験はまた工業技術センターで圧力をかけてやったりしますので――それはまだやっていませんので、そういうことも踏まえて全部クリアした上で製作に入るというようにやっていこうと思っています。

○金城勉委員 ということは、それだけの強度もちゃんと出せる、そして当然これは風当たりが一番強い場所ですから、その設置したときの軀体本体とのかみ合わせとか、その辺のところも大丈夫という判断ですか。

○島袋常秀参考人 はい、そうです。
 これはやはり上に載せるので、風当たり、台風とかあるので、そういう部分も考えると、やはり土の問題、焼成の問題というのは非常に大事だと思います。
 温度もどの温度で焼くのかとかということも私たちは課題として重ねていますので。そういう土が焼いてどのくらい収縮するか、何度の温度で焼いたほうが一番いいのかとか、そういうのも含めて私たちが試作しながらやっていこうというふうに思っております。

○金城勉委員 以上です。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 崎山嗣幸委員。

○崎山嗣幸委員 御苦労さまです。
 今まで製作が決まっている、決まっていないということについて県ともずっと議論があって、最終的には製作については監修会議の中で議論をして令和5年度にするということになっていると思うんですが。
 県の方針の中で、令和4年3月まで、その分については芸術的な造形部分とか石膏の原型とか3Dスキャンとかデータとかを基に作業をしてきたと。それから令和5年4月からは陶土――土の配合をはじめとして、焼き物部分の製作体制を決定して製作にかかるということの県の方針なのですが、この経過について皆さんは疑問というか問題についてどう考えていますか、それを話してください。

○島袋常秀参考人 土の問題が解決すれば、仕事はスピーディーにできると思うんです。ただ今の一番最初の原点、土をどういう調合をして、さっきも言いましたようにどのくらい縮むか、どのくらいの温度で焼くかとかそういう基本的な基礎的なものをしっかりクリアしないといけないものですから、それを今やっている最中なものですから、それができたらうちの組合は若い人が10名ぐらいいますので、その人数でやれば結構スピーディーに製作できるのではないかと思っております。

○崎山嗣幸委員 皆さんの陳情の中に、この4年度の経緯の中において、既に土づくりとか窯づくりについては発注元を決めて進んでいるのではないかという不信感があった陳情になっているのですが、これはさっき言った令和4年の中の造形部分を含めて作業工程されていることに対する皆さんの不信感なんですか。

○島袋常秀参考人 これは私たちが今聞いていない部分が裏でどんどん進められている可能性があるんです。実はそれを専務の玉城にその場所へ行って見てもらって話を聞いたりしているのですけれども……。
 よろしいですか、ちょっと話をさせて。

○呉屋宏委員長 はい、玉城望補助者。

○玉城望補助者 土を取るところは今度提供するよと言われている方のところに会議などでずっと名前が上がってくるものですから、又聞きはよくないなと思いまして、本人に確認したくてうちの理事と2人で行きました。そうすると、1年半くらい前から前任者が訪ねてきて土を見て、この土は使えそうなのでほかには出さないでねということになったらしいです。
 もし、いい土がある程度できているのであれば――うちの壺屋は製土工場もありますので、それは製土工場は県の工業試験場とかもずっとタイアップしてやってきていますので、あるのであれば預かってうちで製土しますよと。そうすればデータも残るし、今後何対何で配合したかというのがはっきりすれば何十年か後には補修とか改修とかあるはずなので、その時に次の世代がちゃんとしっかり受け継ぐことができる。組合など伝統はずっと続いていきますので、僕たちがいなくても次の世代が必ず手助けしてくれると思っています。
 それで土を提供される方に、協力し合っていけるのではないですかと、話合えばちゃんとお互いできるのではないですかということは提案しました。
ですが、前回製作者が先に約束しているから壺屋さんには出せないよという話は聞いています。

○崎山嗣幸委員 我々も県から聞いたときなのですが、前回踏襲というのか、踏襲するものの前回のものが難易度が高くて強度があってそれから焼き物に見えるが、今回は100枚以上の陶片を組み合わせてGRCと一体化させるということを県は説明をしたのですが、この中については当然こういう難易度が高いから壺屋の皆さんにはできないのではないかというような聞こえ方がしたのですが、これが決めつけられて走ってしまっている感じもするのですが、それは県が決める前に皆さんの意見も取り入れて、先ほど聞いたように沖縄の土で造って、沖縄で造る物という議論というのはなされないまま進行してきたということが、皆さんの考えなんですか。

○島袋常秀参考人 そういうところは、国建さんともう1人の方が一方的にこういう形だと決めつけて進めているものですから、私たちにはごく最近から壺屋も土のことをやってくださいときたばかりなんですよ。だからやっているんですけど、それ以前は前の人のものを前提にして全部進めてきているものだから、これはおかしいでしょう、壺屋もできるのに壺屋のものは最初から駄目だみたいな感覚で言っていますが、これ自体がウチナームン、ウチナーの土では駄目だという考え方がどこかにあるんですよね。そうじゃなくて、ウチナームンでもいろんな耐火度の強い土とか収縮度を抑える土とかそういういろんな強度の強い土ができるわけですよ。それを壺屋は駄目だと決めつけた形で進められてきた、それは一番問題が多いんじゃないかなと思います。

○崎山嗣幸委員 令和4年、令和5年にかけての事業計画が出ているのですが、一応は元に対する計画はあるんだけれども、今おっしゃるのは県の計画の中で皆さんとしては十分やっていけるということの考え方なんですよね。経過は別にしてね。そこはそういう考えなんですよね。

○島袋常秀参考人 少しずれてはきていますけれど、しっかり土さえできれば仕事はスムーズにできると見ています。

○崎山嗣幸委員 委員長、終わります。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 仲里全孝委員。

○仲里全孝委員 皆さん大変お疲れさまでございます。
 何点かちょっと確認させてください。
 平成元年時の断面図だとか設計図だとか、これまで委員会を通して確認させてもらったんですけれども、その仕様書だとか工法、設計に対して県は皆さんと調整していくという旨の答弁が何回かあったんですよ。その内容をちょっと教えてください。

○島袋常秀参考人 図面はある程度見ているのですけれども、細かい部分までは今立ち入っていない部分がありまして、ピースの場合は焼いて3センチ厚みのものが必要ですと。それと強度がないといけないということ、収縮率が10%以内にしてくださいと。そういう大まかな仕様というかそういう形で土は作ってくださいという指示は受けています。
 ですから、実際には型にはめてやらないとゆがみが出たりとかそういうのもあるので、土だけでは分からない。1回焼いてみないといけないものですから。そういうこともこれからやろうというふうには思っています。

○仲里全孝委員 私も個人的に3週間前くらいに現場へ行っていろいろ自分なりにちょっと確認してきたんですけれども、この龍頭棟飾りそのものが以前のものとこれ平成復元時のものと大分大きくなっていますよね。そこでなぜ専門家の皆さんの意見が反映されていないのかというのが、私は前からちょっと疑問だったんですよ。
 それともう一点、今県が――監修会議が6月までに発注計画をして受注者を決めると、そういうふうな動きになっているんですけれども、この仕様、設計もろもろ見ていると皆さんは棟飾りそのものの専門家、土の専門家というは我々も理解しているんですよ。これは全体的に勘案した場合に皆さんが全て受注するということもできるのですか。仮に皆さんが全て受注するということ。

○島袋常秀参考人 設置とかそういうものについては建築家の力がないと駄目なので、その建築家の御意見をいただきながら製作に当たろうと思うんですね。ですから、建築家はこうなのに造ったら違うじゃないかと言われないような仕事の進め方をしていこうと思って、常に彫刻家もそうですし建築家もそうですし、やっぱり一緒になって製作をしていかないと、後になってこれは違うよと言われ方をされたくない、そういうような製作をしないと思っています。ですから、製作の途中でも何でもやはり建設をやる人たちの御意見もしっかり取り入れて製作に臨んでいきたいという具合に思っております。

○仲里全孝委員 私が見たときに、やっぱりメインは棟飾りがメインだと思うんですよ。それをいかにして構造的に設置をするかというのが今回の棟飾りの仕様だと思うんですけれども。
 そこでちょっと確認したいのは、今回の仕様の中で壺屋組合でなければできないというふうな工法はありますか。

○島袋常秀参考人 やっぱりウチナーの土を使うということとウチナーの釉薬を使うこと、それは沖縄では壺屋じゃないとできないことですので、それを進めていきたいという具合には思っていますけれども、ただ今あるこの写真の色とは違うんですよ、例えばウチナーの緑の色でもこの色とちょっと違うんですね。それから肌の色もあめ釉と言うんですけど、このあめ釉も色がちょっとあせているような感じなんですね。そういうもろもろちょっと色が違うものですから、それを壺屋のものでいいかというのを監修委員に認めてもらわないと進められませんね。これと全く同じものにしろと言われたらちょっと待ってくれと……。

○仲里全孝委員 私は最初から疑問があるんですよ。以前ももっと小柄な物だったんですよね。これはもともと沖縄の土で造ったものだと思うんですよ、小柄な物ね。私もちょっと勉強不足だったんですけれども、いつの間にか大きくなってこういう形になって、それが本当に復興に当たるのかと、疑問があります。その辺ちょっと我々もまた勉強して、検討させて、議論に入っていきたいと思っております。
 ありがとうございます。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 玉城健一郎委員。

○玉城健一郎委員 よろしくお願いします。
 ちょっと確認なんですけれども、壺屋組合は今大体何年くらい組合として活動しているのかということと、窯元はどれぐらいあるのか、改めて御説明お願いします。

○島袋常秀参考人 組合が設置されて約50年ぐらいですね。

○玉城健一郎委員 やっぱり首里城というのはずっと残っていくものだと思うので、やはり永続性という意味でも私自身も組合やそういったところが造ったほうがいいというふうに思っているんですよ。一個人とか、そういった窯元が造るのではなくて、地元のそういったところが造ることが私はふさわしいと思っています。
 先ほどの議論の中で前任者を充てたほうがいい理由について執行部の説明の中では、30年余り上に残っていたということを一番おっしゃっているんですね。これは、先ほどの説明の中では自分たちでもできるということを御説明していますよね。ちなみにこの壺屋が今まで造ったもの、県議会のシーサーだったりとかこっちも造っていると思うんですけれども、これも全部壺屋が造っていますよね。大体何十年ぐらいそのままの原型で残っているとか分かりますか。

○島袋常秀参考人 今シーサーは、ここができたときに設置していますので、その設置のとき以来だと思います。それから、蔡温橋の大獅子とか壺屋の大獅子が12年くらいなるかな、そのぐらいになります。
 私たちは、シーサーだけじゃなくて、例えば龍も作っているんですよ。識名宮の龍頭――小さいんですけれども、それも西村先生と一緒になって焼き物で作っています。それから壺屋の通りにポケットパークという小さな、そこのタイルも壺屋の組合が手作りでやったりしていまして、意外と器だけではなくて、やっぱりそういう龍を作ったりシーサーを作ったりタイルを作ったりと、結構幅広く制作しているんですよ。壺屋のイメージというのは器だけだろうというイメージだけど、そうじゃなくて幅広くいろんなことも実際に制作していまして、実際にあるわけですよね。そういう意味では、壺屋の仕事の可能性はどんどん広がっていますし、また制作もできます。

○玉城健一郎委員 ではこれまで様々な物を作っている中で、先ほども話にありましたけれども、龍頭棟飾りの部分――分けてパーツごとで作るという話なんですけれども、それに関して土だったりとか収縮率、そういったものも規定に合わせて作れる技術があるという理解でよろしいのでしょうか。

○島袋常秀参考人 全体を作るのも可能ですけれども、パーツ、パーツだと仕事はもっとやりやすいんですよ。部分、部分を切り取ってうろことかそういうのをやるものですから、仕事としてはやりやすいことになります。
 だからこれは十分可能です。

○玉城健一郎委員 前任者の方が前回造ったということで、様々なところで少し協力をしたいというところが前任者のほうも出てきていると思うんですけれども、壺屋の組合としては、前任者と協力して造ることというのはどのようにお考えですか。

○玉城望補助者 前任者の方のアドバイスとかそういう知見、経験とかが必要であれば、建築会社の国建さんがやられると思うので、国建さんと話合ってもらって、私たちは受ければ、国建さんからこういう物を作ってくれという図面を多分もらうはずなので、裏面はこうなっています、大きさはこうですというパーツ、パーツの図面とかを頂くはずなので、そういうちゃんと設計者の意見をちゃんと聞きながら、まずいところは手直しもするし、試行錯誤する点もあるとは思いますが、しっかりやっていきます。
 なので、前任者の意見というのは、建築会社さんと一緒になってやっていただければいいなと思っています。

○玉城健一郎委員 分かりました。ありがとうございます。
 これまで話の中で、組合が造れるし、しっかり仕様書さえ出していただければ壺屋として壺屋の名に恥じない棟飾りが造れるということが理解できました。ぜひ、引き続きやっていただきたいと思いますし、県としても技術を継承ということをすごく今回の首里城復興の中でおっしゃっていますので、そういう意味でも私はそういった若手の職人さんもいるところがふさわしいと思っているので、ぜひよろしくお願いします。
 ありがとうございます。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 下地康教委員。

○下地康教委員 参考人の皆様方本当にお疲れさまです。
 今日はありがとうございます。
 まず、この作業と言いますか、工事と言いますか、それはまだ発注はされていないという理解でよろしいですか。

○島袋常秀参考人 監修会議の審議を経ないと発注しないという具合に聞いておりますので、されていないと思います。

○下地康教委員 もし発注をされて仕上がるまでの工期というのは、今首里城が完成を目指している工期に間に合うというふうに考えていますか。

○島袋常秀参考人 先ほども申し上げましたとおり、陶土――土さえしっかり決まれば作業は先ほども言いましたとおり組合員としては10名ほどの若い人たちがいますので、それで取り組めば十分工期に間に合うと思います。

○下地康教委員 それとこの龍頭棟飾りの構造ですよね、つまりこの龍頭棟飾りを造る構造は、分かりやすく、我々素人が見た場合、どういう構造に分かれるというふうに考えていますか。作業工程と言いますか、構造は。

○島袋常秀参考人 工程表がありますので工程表に従ってやるんですけど、龍頭棟飾りの構造は全部分割なんですよね。ですからそれぞれのパーツ、パーツを作って後で組み立てるという形ですので、それぞれの部分にしっかりした収縮とかそういうのも合わせてかっちりはめられるように作るというのが前提にありますので、それは土が決まれば仕事も早いというふうに思っています。

○下地康教委員 例えば素人的な考え方なんですけれども、例えばこれだけの造形を造るのであれば、まずはその形と言いますか、イメージする形を――これ彫刻家の方が造るのかどうかはよく分からないのですけれども、その形を造ると、イメージをですね、それで何分の1かの形を造ってそれでバランスが取れるのかどうか、それで実際の形を石膏か何かで造ると。それでその形が決まると。しかしそれを実際組み立てる場合はその石膏をそこに固めて大きな固まりをそこに設置するということではなくて、骨組みを作ってその中に土台を作ってそれで表面を作っていくというように大きく分けて3つくらいの作業があるかなというふうに思うんですけれども、壺屋の組合の皆様方はこの全てを担当するということですか。それともどういう部分を担当するということなんですか。

○島袋常秀参考人 この龍頭棟飾りの原型は西村貞雄先生が作ります。それは5分の1縮小の原型なんですね。それを3Dプリンターで5倍に拡張したものをある程度作る。その拡張したものは彫刻家が細かくは成型していって、それから型取りまでやるんですけれども、ここまでは彫刻家と石膏を取る人たちにお任せします。私たちはその取った型に土をはめ込んで、これを型取りして乾燥させて焼くと、焼成するというところまでやります。それから設置する場合もこれは建築家とタイアップしないといけないので、一緒になってやるという形になります。土の状態と焼成して――設置はあくまでも建築家がやるんですけれども、私たちももちろん一緒になってやるという形になります。
 だから、原型を拡張したりするのは全部彫刻家にお任せするということになろうかと思います。

○下地康教委員 壺屋協同組合が担当する作業というのを具体的に分かりやすく教えていただけますか。

○玉城望補助者 まず土づくりですね。土をつくって型にはめる、成型に入ります。成型した後に乾燥させます。乾燥させた後に素焼きをします。素焼きをして釉薬をかけます。その後に本焼き焼成というのに入ります。これが焼き物の仕事です。
 その後設置は建築屋さんと一緒に調整して一緒にやっていく。焼く前にもここに突起物が必要だとか穴が必要だとかというのは、ちゃんと図面をもらったり指導を受けながら、厚みはここは絶対この厚さが必要ですよとか、そういうことは調整しながらやっていきたいと思っています。
 だから勝手に自分たちが作って、はいこれをくっつけてくださいというわけではないです。ちゃんと指示に従いながら、土づくりもちゃんと工業試験場やワーキンググループの先生や監修委員の先生と相談しながら土づくりもしますし、焼成温度にしても工業試験場の試験を経てしっかり検証してもらって、オーケーをもらったらその温度で何時間で焼くかとか、そういうことも含めて全部相談しながらやっていきます。

○下地康教委員 私は最初考えたのは、土台から全て発注者が一括で発注をして、その受けた業者が全て土台から最後まで造り上げていくと、そういうイメージだったんですね。それを壺屋協同組合の皆さん方が受注するというふうに私は今まで思っていました。つまり、皆様方の作業というのが、具体的にどういったものなのかというのがやはり県民の皆様方も含め、私もそうなんですけれども、あまり理解がされていなかったというのが1つあると思います。なので、皆様方がやろうとしているものを今の段階で私が理解するのは、要するに土台とか造形とかそういったものは別の方々が造って、それで皆様方がその形を形づくる陶器というんですか、それをはめ込んでいく、作成する、はめ込み、それが皆様方の作業だという理解でよろしいのでしょうか。

○島袋常秀参考人 そのとおりでございます。

○下地康教委員 それではやはりこれは建築物ですから、その瓦も含めて陶器も含めて土台も含めて、やはり設計の構造計算等々あると思います。なので、やはり棟飾りの土台を造るまでは建築屋さんがいろいろ構造計算をしながら、造っていく。最後の仕上げでその陶器をはめ込むという理解でよろしいでしょうか。

○島袋常秀参考人 そのために収縮率とかいろいろありますよね、強度の問題とか。それを前段階で全部やっておかないと後になっておかしいねということになりますので、それが起こらないようにするために土の問題はやっぱり強度の問題、収縮率の問題、そんな問題をやっぱりクリアしていって初めて製作に入るということになりますので、今はあくまでもテストピースの段階でやっています。本格的にこれでいいですよということになるまでは何回も作っていかないといけないかなというように思っております。

○下地康教委員 私が理解するには、例えばこれだけ大きな構造物というのはいろいろな職人さん、例えば壺屋の皆さん方も含めた職人さんが最初から関わりながら最終的な仕上げまで関係する人が一から関わってくるべきだと思うんですね。しかしながら作業をするそれぞれの分担があると思います。それを壺屋協同組合さんのほうは最初から関わりながら焼き物に関する物を分担をして造り上げていくというふうになると思うんです。なので、陶器を作成する役割に関してはやはり沖縄の土を使う、また沖縄の技術を使う。そういったふうにやっていくと。だから龍頭棟飾りを造るという大きなプロジェクトの中でその陶器の部分を分担していくというほうが私自身はいいと思っています。
 なので、これは龍頭棟飾り全体を壺屋協同組合さんが担当するという理解をする県民の皆さん方も一部いらっしゃると思うんです。その辺りをやはり十分に説明をしながら沖縄の陶器をしっかりと使っていく、そういったことを理解をさせていかないと、なかなか中身が整理ができないなというふうに思うところでありますので、その辺りをしっかりと分担、分担はこういう分担がありますよと、その部分を陶器の部分は壺屋焼でいきたいんですよということを説明してあげれば非常にいいと思います。
 以上です。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 島袋恵祐委員。

○島袋恵祐委員 今日はお忙しい中、ありがとうございます。
 僕からも幾つか確認させていただきたいのですが。
 先ほど話の中でやっぱりこの土だったりまた釉薬だったり、そういった物をやっぱり沖縄県のものを使うんだというような話で県民が主体となってこの首里城を再現させるという動きというのはもちろん僕もそれを皆さんと一緒にやっていきたいという立場ではあるんですけれども、先ほど土も県のものを使うということで話があったのですけど、例えばちょっと細かく言えばどこの地域の土を皆さんは使っているとかというものがありますか。今回、棟飾りはここの土を使いたいとかというような計画とかもあれば……。

○島袋常秀参考人 実は、もともと壺屋が使っていた土というのがあるんですけれども、その土の中には非常に耐火度の強いという土があります。前兼久という土なんですけど。これは地名です、前兼久というところから取れた土で、これは火に強い土なんですね。収縮率が小さい、あまり縮まない。だからそういう前兼久の土。
 それから石川のところから取れる土があります。これは粘りのある土で、色はグレーです。
 それからキブシというのは、実はこれだけは取れないので、若干ヤマトから入れます。これはすごく粘りのある土なんです。なぜこれを入れるかというと、やっぱりただ作ればいいのではなくて、粘りがあって作りやすいものをやらないといけないので、それを入れます。
 それからシャモットと言って、焼いた焼き物を粉砕した、粉にした物でシャモット、焼き粉とも言うんですけれども、この4種類が今僕たちが作っているピースの土なんです。
 一回焼いてきたものを皆さんにお見せしますけれども。
 だから基本になるのは石川の土が一番大きくてですね、それに前兼久の土、キブシはちょっと粘りを入れますから、これは調合したのがこういう色合で白っぽい土なんですけど、これは収縮率が10%以内なんですね。色もこの色ですから、色が乗ります。釉薬も十分乗ります。そういうことで、これは今試作の段階で3種類ぐらい作っています。
 こうして強度の問題もあります。強度の試験、収縮の試験、焼いたときの焼成温度が何度かとか、そういうのもありますので、もろもろの調合方法によって私たちは作って、これはオープンにします。いつどこで割れて何してもまた再現ができますよということです。
 前任者はこれを秘密と言っているわけです。全然発表しませんよと。私たちは違います。これは全部発表しますよ。オープンにしますよと。
 なぜかというと、将来何かが壊れたときに土は何を使っていたのか分からないと困るじゃないですか。ですから、その調合方法も焼成温度も全部オープンにして残していきますので、将来何かあっても大丈夫ということになります。
 今言いましたように、沖縄の土が大半です。そういう土が沖縄にあるのです。

○島袋恵祐委員 先ほどの組合の中で陶工の皆さんがたしか24名の方がいると。この方の出身もやっぱり全県各地からとか、もしかして県外の方もいるかもしれないけど、大ざっぱでいいんですけど……。

○島袋常秀参考人 組合員はウチナーンチュがほとんどです。

○島袋恵祐委員 出身もそれぞれいろんな地域から来られているという理解でいいんですか。壺屋以外からも、別の地域からもという理解……。

○島袋常秀参考人 陶工は壺屋の組合員の中で修行してそれで独立した方がほとんどなんですね。ですから、壺屋の伝統の技術を持った人たちが組合員ほとんどなんですよ。全く本土に行って修行してきた人もいますけど、大半は壺屋の親方たちがいて、そこから独立した人たちが組合員の大半です。

○島袋恵祐委員 ありがとうございます。
 やっぱりこの壺屋の伝統だったりとか、そういったものというのは理事長のお話も聞いてとても大事だなと思うし、これをどんどん継承していかなければいけないという思いもあると同時にこういった首里城の再建はきちんと壺屋の皆さんが携わるということが大事だということもとても分かりました。
 それで僕が思うに、先ほど土も皆さんはオープンにするとかそういった話もしていたと思うのですが、今回この首里城の再建というのが、県民の皆さんにどういう工程だったりとか作業内容だったりとか、そういったものも分かってもらう上で、どこの土を使っていますよということとか、陶工の皆さんが例えばここの出身の人ですよとか、そういったものをどんどん見える化というか、そういった取組というのも物すごく大事ではないかと僕は思うんですけれども。これはもちろん県民の皆さんとかちゃんとタイアップしてやっていく必要があると思うんですけど、そういうのはどうでしょうか。僕はそこはすごく大事だなと思っているけど。

○島袋常秀参考人 この調合方法も、本当はこれは6種類ぐらいのピースを作ってその中から3種類ぐらいを選んでこういうピースにしたんですけど。6種類ぐらいの土の調合が何対何対何と全部書かれているわけですね。この比率がある限り次にやるときにこの比率でやればこの土ができるんだなというのが分かる。これは当然残していきます。報告書もつくらないといけないですから。
 そんな感じで、壺屋がやる場合は作り方も含めて釉薬の作り方にしても全部オープンにして発表していきたいと思うので、後継者を育てるという意味でも絶対こういうのは必要ですので、私たちは大事に作業していきたいなというように思っています。

○島袋恵祐委員 ぜひやってもらいたいと思いますし、やっぱり首里城の棟飾りは私の地域の土を使っているんだよということで、とても親近感も湧くこともあると思いますし、そういったものを隠したというのは、いけないことだと僕も思うし、皆さんがきちんと公開してやっていくというのはすごく大事だなと思って、ぜひ頑張って後押ししていきたいと思いますので、共に頑張っていけたらと思います。
 以上です。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 座波一委員。

○座波一委員 御苦労さまです。
 我々、この土木環境委員会は陳情に沿って、意見をいろいろ聞いてこの陳情を採択するのかどうか、あるいは採択に至らないのか、という立場でありまして、どこの工法を取り入れる、どこの団体を使うというところまでは権限は及ばないわけであって、どうしてそういうような陳情が出ているのか、県の進め方に何が問題があるのかということをやるのが仕事だと思っております。
 ですから、行政の進め方に問題があればそれは問題。
 先ほどからのお話にもあります非難とも取れる問題もありますけれども、果たしてこれが行政のやり方が本当に駄目だったのかというのも検証しなければならない。午後には監修会議委員の参考人招致もありますから、それも含めてやらなければいけないと思っております。
 先ほど、いろいろ意見の中で、令和3年7月に局長と知事の覚書が密約されたというような話もありました。これが果たしてどういうことなのかということでありますが、不平等な契約が交わされたという表現もあったわけですけれども、こういうふうな考え方で我々はこの問題の検討に最初から入るのか、という非常に疑問も出てくるわけですけれども。
 それで、この首里城が平成4年に平成の復興ということで完成したわけですね。県民こぞって祝福したわけです。そして、沖縄県民が全ての県民が首里城を誇りに思って愛してきたという経緯がある。その方々が造ってきたものが今、否定されているところもあるわけです。ここが、どうも不可解であるし、さらにその当初からそういった議論があったのかどうか、なぜ直前になって決定して予算が決まったときから、こんな問題が起こっているのかが分からないというのも実はあるんですね。
 だから、以前に関わった方々をかなり否定する意見もありましたが、何とかそこを理解していかないと、これはあっちがいいかこっちがいいかがこういった問題になってきたら、収拾がつかないんですね。
 我々は先ほど申し上げたとおり、議会としては行政の機能のチェックをするというのがまず1つです。そこで、妥当であればそれは行政の判断でやってくださいと言うしかないんですね、最終的には。
 ですので、技術論もいろいろありますが、まず私が申し上げたいのは安全第一、この年間何千万人と訪れる何百万人と訪れる、この首里城のウナーの上にあるわけですから。 
 しかも、勾配のきつい斜面にこれだけの重量物が載っかるわけですね。これは瓦1枚たりとも落としてはいけないという非常に重要な安全性が求められている。地震にも耐え得る構造じゃなければいけないということです。
 だからそういうこともあって、前回の技術というのは非常に貴重だと言われているところもあるんです。技術、設置の方法ですよ。
 だから、そういうことも含めて総合的にこの問題を捉えないと、もちろん組合さんの歴史は非常にすばらしいものがあって、沖縄の文化伝統を守ってきた。それをこの棟飾りにどのように生かすか、どの部分で貢献できるかという、そういった議論をしなければならないと私は思います。先に造ったものが悪い、今のものが合っているとか、そんなレベルじゃないんです。ヤマトのものが入っているから駄目とか。首里城は過去に4回も焼けているんですね。そのたびに材料があちこちから入ってきているんですよ。進化してきているのも事実なんですね。昔から本当に原型というのは何だったのか、どんな構造をしていたのかという、もともとの原型すら分かりかねる。その中で技術論とかそういったもので意見が対立するようなことになっては、非常に残念だなと思っておりますので、午後の監修会議の意見も聞きながら、本当に願わくばこの技術的な問題もあります、安全確保の問題もありますから、そこはそこで役割分担として、その分野分野で協力できる方法を県が模索すべきだと私は思っておりますので、質疑応答は十分聞きましたから、私の考えとしてそういう所見を述べて終わりたいと思います。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 新垣光栄委員。

○新垣光栄委員 島袋理事長はじめ、壺屋の皆さんお疲れさまです。
 それでは、皆さんが質問したので、改めて確認の質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 まず初めに、2021年から皆さんは龍頭に関して壺屋のほうでやりたいということで新聞の投稿とか訴えをしてきたわけですね。その中で龍頭棟飾りの話合いを県と国建から、何月何日に最初に皆さんのほうにお話があったでしょうか。

○島袋常秀参考人 一番最初に国建と県が来たのが2022年12月13日に来ました。その後、2023年1月19日には同じくうちの工房ですけれども、私と玉城と金城さん3人で対応しまして、これが工房でやった2回目の県、国建との話合いなんですね。
 その後、もろもろいっぱいあります。

○新垣光栄委員 そういう事実のなかで、解決に向けてというか、話合いがもたれたということは大変いいことだと思っております。そして、また私たち県民のほうからしてもやっぱり、壺屋のほうで沖縄の伝統技術を継承できるように、また若者も育成できるように、また壺屋の振興にもなるようにやっていければ、一番いいのかなという思いがあります。
 そういった中で今回のこの契約、入札が――皆さん入札が6月に行われると思っているんですけれども、私はこれは入札ではないと。先ほど言われたように、手わざの手法で、これは県が発注するのではなくて、その委託を受けた国建が発注するということになると思うのですけれども、そういう理解でよろしいですか。

○島袋常秀参考人 やはり請け負った国建がやっぱり全部進めていますので、多分そうなると思います。

○新垣光栄委員 そうしたら、発注は県ではなく、手わざの手法だと委託を受けた国建がお金を出して発注するということでよろしいでしょうか。

○島袋常秀参考人 仕組みは分からないのですが、そうなるかなと思っています。

○新垣光栄委員 そうすると、この監修会議のこのメンバー、費用負担も国建のほうからそういう設置されて、その監修会議のメンバーに費用が支払われているということで考えてよろしいでしょうか。

○島袋常秀参考人 はい、そうだと思います。

○新垣光栄委員 はい、そういう中でこの監修会議のメンバーの中に、本来造形であれば西村先生とか専門家の方がいて、また木造であれば木の専門家がいるべきだと思っています、その委員会のメンバーとして。今回の焼き物の監修会議の中に壺屋の専門家を皆さんから出しているのかどうか、お聞きしたいんですけど。

○島袋常秀参考人 壺屋からは監修会議には出ておりませんし、ワーキンググループにも出ておりません。ただ、ワーキンググループに森先生という芸大の先生が――この方は一応、陶磁器の専門の先生と言っていいかなと思います。お一人だけ専門と言えば専門かもしれませんが、後は彫刻の方、西村先生と波多野先生と彫刻の先生とね。後はいろんな歴史の先生とかいろいろ入っています。

○新垣光栄委員 森先生は実際焼き物をしている専門家なのか、芸術家なのかですね。

○島袋常秀参考人 森先生は、実際製作者ではなくて陶磁器歴史の研究をされていて、特に中国陶磁が専門ですけど全般に大体知見がある方ですね。

○新垣光栄委員 そういった中ですね、先ほども下地委員から本当に細かくすばらしい質問をいただいたんですけれども、私もそういう建築に関して構造とかGRCという部分は技術・設計がやることであって、壺屋の皆さんの技術というのは焼く技術だと思っていて、それは先ほどから意見をお聞きしている中では、できるということを私は確信をしました。
 そういった全部――構造も防水もGRCも壺屋さんでできるかと言われるからできないのであって、焼くことに関しては自信を持ってプライドを持っていただいて、本当にまた今までの実績もありますので、しっかりとしたものができると思っていますけれども、そういうことに関してはどうでしょうか。

○島袋常秀参考人 おっしゃるとおりで、やっぱり焼き物の全般に関しては壺屋焼の歴史もありますし、それから経験もあります。ですから、その辺も生かして十分対応できるという具合には思っております。

○新垣光栄委員 前回の龍頭棟飾りを見ると私も何か違和感があるんですよ。さっき写真からもあるようにですね。本来、私たちのシーサーとか屋根の上に載るとやっぱり瓦とマッチしているんですよ。この焼き物は何かピカピカ光り過ぎて、あまり瓦にマッチしていない。そういうふうにやっぱり内地仕様なのかと思うような面も感じられるんですけれども、それはどういうふうに考えていますか。

○島袋常秀参考人 そういうように何か違和感を感じます。

○新垣光栄委員 最後になりますけれども、先ほど皆さんがテストピースを作っていただいております。本当にすばらしいのがこの短期間にできたと思っています。すごく苦労をされたんだなという思いがあります。そういったものが、龍頭に使用されてこれが現実的に壺屋の皆さんが製作したんだよということになれば、技術的な継承もしっかりできるし、配合資料も残ってくる。また、これが首里城の龍頭に使われている土ですよとか、焼き物ですよというふうに、これをやることによって壺屋の振興にも発展にもつながっていくと思いますので、ぜひ皆さんのほうで頑張っていただきたいと思います。
 その辺も含めて、振興・発展のためにも私はぜひ必要だと思うんですけれども、最後に御意見を聞かせてください。

○島袋常秀参考人 こういう龍頭棟飾りという仕事を通して、沖縄の伝統工芸の仕事の幅の広さはアピールできますし、もしこれが実現するならば首里城の中で壺屋焼でできているんだというようなアピールができるわけでして、非常にそういう面では誇りに思うような仕事になると思うんです。そういう意味ではぜひこの仕事を私たちに壺屋のほうでやらせていただいて、龍頭棟飾り――壺屋ドーというような誇りを持って見ていただけるというようなものにしていきたいというように思いますので、皆さんどうぞよろしくお願いします。
 ありがとうございます。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。

○呉屋宏委員長 質疑なしと認めます。
以上で陳情第35号に係る参考人に対しての質疑を終結いたします。
 この際参考人及び補助者に対し、委員会を代表して一言御礼申し上げます。
 本日は御忙しい中にもかかわらず、長時間にわたって貴重な御説明をいただき心から感謝を申し上げます。
 本日、拝聴いたしました内容等につきましては、今後の委員会審査に十分生かしてまいりたいと思います。
 島袋常秀参考人、比嘉豊光参考人、大田朝章参考人、永津禎三参考人、玉城望補助者、誠にありがとうございました。

○呉屋宏委員長 休憩いたします。

   午前11時59分休憩
○呉屋宏委員長 再開いたします。
 午前に引き続き、陳情第35号に係る参考人からの意見聴取を行います。
 本日午後の参考人として、首里城復興基金事業監修会議委員長田名真之氏、同監修会議委員波多野泉氏の出席をお願いしております。
 参考人におかれましては、本日は御多忙のところ御出席いただきまして誠にありがとうございます。
 参考人から説明を求める前に、委員会の審査の進め方について御説明申し上げます。
 まず、参考人から御説明をいただいた後、委員から参考人に対し質疑を行うことにしております。
 なお、参考人が発言しようとするときは、あらかじめ委員長の許可を得なければならず、発言は陳情の趣旨の範囲内で行うこととなっております。
 また、本日は委員会が参考人の説明を聞く場でありますので、参考人が委員に対して質疑することはできませんので、御承知おきください。       それでは参考人から、陳情第35号大棟龍頭棟飾りの復元に当たって、壺屋陶器事業協同組合への発注を求める陳情について、簡潔に御説明をお願いいたします。
 田名真之参考人。

○田名真之参考人 今回の陳情に関してですけれども、監修会議のほうではまだどこに発注するとかという話を決めているわけではありませんが、一応、前回平成の復元のときに造られた龍頭棟飾りが三十数年も、ちゃんと無事に保たれたというようなこともあって、ちゃんとしっかりした造りであったということを踏まえて、そういう前回のものを踏襲しながらできるだけ――今回全体的なことですけれども、多くの方々の浄財を使ってやる事業なので、そういうことも踏まえて県民の方々にも納得いただけるようなということもありまして、できるだけ技術を継承していくために若い人たちといいますか、技術を継承するような取組を行いたいということもあって、県内の技術者たちもできるだけ積極的に活用したいというようなこともありまして、前回のものを踏まえながらもその技術をちゃんと踏襲していけるような形での県のほうの壺屋なり、何なりですけれども、そういう方々の協力も得ながら進めていきたいというような形で一応監修会議のほうに話をしているところであります。
 以上です。

○呉屋宏委員長 参考人の説明は終わりました。
 これより、陳情第35号に係る参考人に対する質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないよう簡潔にお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 座波一委員。

○座波一委員 御苦労さまです。
 この監修会議という組織はあまりなじみがないのですが、どのような構成でしょうか。委員の構成内容が分かれば。

○田名真之参考人 監修会議の委員は7人で構成をしておりまして、私を含めて歴史の人間が2人おります。沖縄の歴史ですね。漆工史というか漆芸が専門の方もいますけれども、歴史の人間が2人いて、彫刻とか焼き物とかそういうものに関する方がお二人、それから染色――染め織りの世界ですけれどもその方がお一人、それから瓦類の方がお一人ということでトータルで7人ということになっています。
 歴史は3人ですね。すみません。
 歴史が3人で彫刻・焼き物が2人で染め織りが1人瓦類が1人という形になっています。

○座波一委員 その中には国建設計はどのような位置づけをされているのですか。

○田名真之参考人 国建はいわゆる県から委託を受けた形になっているので、監修会議そのものに誰かがいるというわけではありません。
 監修会議の事務局という形になろうかと、取りまとめですね。

○座波一委員 午前中、壺屋の組合のほうからいろいろ聞き取りをしました。
 その中で彼らのお話の中でこの陳情に沿っていろいろあったんですが、非常に監修会議の在り方について疑問を呈しているようなところもあって、ちょっと理解ができないところもあったのですが。
 県と監修会議とはどのような契約というか、どういう約束事、状況で今進めているかを教えてもらえますか。

○田名真之参考人 国のほうの技術検討委員会のほうでいろんなものが検討されていて、そして大枠を――今回の龍頭棟飾りにしてもそうですけれども、それから御差床まわりとか、そういうものの装飾的な部分、彫刻もあるし――石彫とか木彫とか、染め織りもありますけれども、そういうものについて県のほうに製作についてはお任せしますという、ただ大枠のところについては国のほうからこういう形で造ってほしいというのがあるんですけれども、それを県のほうが受けて監修会議を組織をして、そこで具体的に造るとなったら、監修会議の世界とそれから実作者というか、そことのやり取りをしないと実際に物が作れませんので、一応大枠の話は国から来たけれども、それを受けた形で細かな仕様については県のほうの監修会議が主導しながら――実作者などについても――監修会議は全体的な組織なので、実際には瓦を焼くときにはさらに監修委員をプラスアルファで加えた形で議論をしてもらって、実作者とやり取りをしながら作っていくというような形になっています。

○座波一委員 監修会議というのは、国の依頼での委員会なのですか。

○田名真之参考人 これは県のほうで組織した委員会です。

○座波一委員 県と監修会議の間で取り交わされた役割の契約というのはどんな内容ですか。

○田名真之参考人 国のほうから大枠を示されたものを踏まえて、監修会議のほうで詰めていくという形になりますので、それぞれの個々の実際に作る物に関して言うと、もっと専門の監修ができる方を加えるような形で作りますので、そういう人たちを決めていくという作業になります。

○座波一委員 県は委託という言葉を使っていたんですね。委託関係にあるということでいいんですか。

○波多野泉参考人 先ほど国建との関係の中で事務局という御発言がありましたが、実はこの監修会議は県の会議ではございますので事務局は県でございます。
 ですので、それぞれ個別には委員として委託を受けていますが、会議そのものは県の会議でございます。
 加えて申し上げますと、我々はこの監修会議の委員ですが、先ほど委員長からもありましたようにそれだけでは細かな話はできませんので、それぞれ4つのワーキングがございます。彫刻ワーキング、焼き物ワーキング、瓦類ワーキング、染色ワーキング。そこにこの監修会議の委員がそれぞれ入り、そこに監修委員として専門家を入れています。
 特にこの龍頭棟飾りについては焼き物になりますので、お一人陶芸史、あるいは考古学陶芸史御専門の、あるいは釉薬等々、特に中国との焼き物の交易、交流について日本でも第一人者だと思いますが、そういう方を入れています。

○座波一委員 午前からの話を整理しますと、寄附で受けた50何億の金額から24億相当分がこの棟飾りの部分での業務となるという――棟飾りかどうか分かりませんが、その装飾的な地元の文化継承の部分はこの24億で決まっているというような説明だったんですけれども、その24億の範囲内の仕事を沖縄県が国から受けた形で、その県が監修会議をつくって、その監修会議で検討して、その結果を発注者は県となって、県が発注するわけですか。
 その考え方でいいんですか。

○田名真之参考人 今おっしゃられたように、国のほうから大枠のことが来ますので、それを県のほうで受けて、監修会議で議論をしながら下のワーキングのほうでもっと議論をして、そして実作者ともやり取りしながら作っていって成果物を国に納めるという形で、設置は国がやる、という形になっています。

○座波一委員 では国の予算もあるわけですから、当然国の工程に沿ってやっていくことが一番大事だろうと思いますけれども、最終的にどこに発注するかというのは、監修会議の検討によって県が最終的に判断して決めるということでよろしいですね。
 大体流れは整理できましたけれども、いろいろ午前中の聞き取りの中でも、組合はできるというふうなことを主張はしておりまして、沖縄の材料を使い、沖縄の技術でもって十分可能だというふうなことでありましたが、我々はそれを認めて、じゃぜひやってください、というようなそんな意味ではなくて、この委員会はそういう委員会ではありませんから、今、県のこの事務が適正に進んでいるかというものを今審査しているわけです。ですから、今日はこういうふうに御足労をいただいているわけですけれども。
 組合さんはこの業務内容は、十分対応できるということを主張しているんですが、これはもっと早い段階から、組合さん側からのアプローチはあったのですか。いつ頃からそういう組合の動きを掴んだんですか。

○田名真之参考人 監修会議に対して要請がどうのという話はないです。それは県のほうにあって、県のほうから我々のほうにあったという、そういう情報は流れておりますけれども。

○座波一委員 監修会議に直接はないんですよね。監修会議のメンバーが組合の理事長のほうに報告に来たということもあったんですよ。何日だったかな。2022年12月に県と国建が組合に来たんです。既に決まっているという旨の話があったということなんですが。

○田名真之参考人 多分それはないと思います。監修会議で決めたことはありませんので。どちらに発注するというような話をしているわけではないので。
 決めました、ということは多分それはないです。

○座波一委員 今でも決まってはないということで我々は捉えていいんですか。

○田名真之参考人 そうですね。

○座波一委員 その中でなんですが、私として一番気を付けないといけないのは、やっぱり観光地ですので、この建物の上に載せるこの棟飾りが、本当に安全でなければいけない。これは第一だと思うんですね。それに据付ける技術も必要だろうし、組合は焼き物のその道のプロですから、文化・伝統も持ってますから、それはあったにしても、設置を組合に全て任せるということもありえますか。こんな聞き方をしたらちょっとあれですけれど、技術的な問題として、組合として、適切かどうかということも判断しなければいけないと思いますけれども、そこはどう思いますか。

○波多野泉参考人 二者択一のような議論がここから聞こえるんですが、そうではなくて、監修会議においては、壺屋の組合の構成員――特に若手を中心にした、これは焼き物ワーキングだけではないんですよ。ほかの木彫はかなりの部分を占めますけれども、あるいは石彫も含めて。県内、あるいは県ゆかりの方々がそういう技術者が今回参画するということが出発点でございます。ですので、この龍頭棟飾りについては、前回の業者も参入してくるということは当然ですし、国建が受注していますので――その受注というのは全部ではないんですよ、この設計部分含めてだと思いますが――ここは監修会議において我々が審議するところではないです。要するに、県として、こういう国からの大まかな仕様にのっとって、それも前回から新たな知見がない限りはそれをおおむね踏襲するということで県は受けているわけですから、その技術についても継承していくということになりますよね。それをいかにして、壺屋の――あるいは県内の陶芸に関わる方々に継承していくかという場になる、ということが前提でございます。ですから、監修会議においては、当初からこの分野にかかわらず、共同してやっていくということが前提なんです。
 しかし、一方でそれぞれの物件を受注する、しないという話に――当然今後そういう話になるかどうかは別でございますが、そうしないと責任体制が取れませんので、県としても発注はできないでしょうけれども――そこにどうやって壺屋が関わるかということが一番の肝だと思っているわけですね。だから、現段階でそこなんです。
 長くて恐縮ですが、先ほど、結論のような形で、壺屋さんが最後までできますかという御発言がありましたが、実はそれほど簡単な工程ではなくて、まず原型を作らなくてはいけない。5分の1原型はもう午前中で御存じかと思いますが、前回の監修者でありました西村貞雄先生が5分の1原型を前回の物を修正し、それを5倍強にしてやっていくという工程の中にありますが、まず、原寸大の原型を作る必要があると。その部分についてはもう急がないと間に合わないわけですね。ですから、そういう部分はもう一定程度進行するだろうと思ってます。これは今年度のまず最初のものですが。問題はその後、型になりますが、そこに陶土を込めて乾燥し焼いて、それを設置、施工するというところがどこが参画するかということで――監修会議においてはこの場面でやはり焼き物の部分でありますので、壺屋焼き物の組合さんの、特に若手が参画すべきであるということは、国の検討委員会でもそういう話が出ているわけです。今、その段階でございます。

○座波一委員 まさに午前中のそういった意見の中でも壺屋組合の専門である焼きの部分で、陶器の部分でその技術力を発揮していく方法。
 そして、また、設置するという観点から言うと、前回の技術も生かさなければいけないというのが分かってきたわけですよ。だから、そういうふうな話の中でこの話が収れんされればいいかなとは思っているわけですけれどもね。
 ただ、今回の陳情の内容が、一方的な感じもしないでもないものですから、ちょっと残念な主張のほうになっているかなという気がしないでもないのです。ですから、我々県議会としては、先ほど冒頭から聞いて失礼な話だったかもしれませんが、監修会議の位置づけと役割と今どのような形の中でこの仕事に関わっているのかというのを検証しなければいけないと思って聞いた次第なんです。だから、沖縄県が国との約束の中で適正に、適切に事務を進めているのであれば、そういった技術論も含めて、やっぱり地元の企業も使うと、使いたいと県が言っているわけですから、県知事も表明しているわけですから、そこら辺をうまく情報を開示してやっていくことになればいいかなと思ってますけど、工程的には間に合いますか。

○田名真之参考人 この6月辺りまでには、何とか決めたいという、発注をしないと、本体工事との関係になりますので、屋根瓦をふいているときには当然載せなければいけないということになっていきますので、その辺りでタイムリミットはあるということにはなると思います。

○座波一委員 私からは以上です。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 照屋守之委員。

○照屋守之委員 この監修会議、我々も理解していなかったのですが、今はっきり分かったのは、県が監修会議を設置したわけですね。県のほうから委員のほうに報酬が払われて、逆に客観的に見られる立場にあるわけですよね。間違いないですか、それは。

○田名真之参考人 そうです。

○照屋守之委員 それで、これまだ発注もされていない。
 ところが先ほど壺屋の方々に聞いてみると、もう既に県から受託した業者というかそれがもうあたかも決まっているかのような表現で壺屋の理事長に直接そういう話があったみたいなんです。だからこれは、もちろん監修会議はあずかり知らないところでしょう。
 これはどうなんですか。

○田名真之参考人 その方と壺屋のほうでやり取りをしているというのを我々は知っているわけではありません。

○照屋守之委員 我々も専門的には分からないからいろんな話を聞きながら今やっているのだけど、実際監修会議ではまだ棟飾りのあれをどこがするか決めていない。6月ぐらいにならないと、ということなんだけど。既に現場は動いていると、そういう認識で壺屋事業協同組合は、首里城と関わりがあって、何とか自分たちも関わりたいということをやっているわけですよね。
 監修会議の皆様方の認識と現状はちょっと違うような感じがしますよ。
 それは皆さん分かっていますか。

○田名真之参考人 石膏原型とかそういう形の話については、既に進めないとやれないわけですから、それは進んでいるんですよ。どういうふうにして造りますという物については5分の1の原型を作ったりとか、それを3Dで伸ばしたりというところまでいっているんですけど、その後に工程で焼きの話が出てくるわけです。だからそれについては壺屋は壺屋なりにこうやって造りたいというような形で今ピースか何かを焼いたりするようなことをやっていると思うんですけれども、それを踏まえて我々のほうで決めていくこととなります。

○照屋守之委員 ですからそこをはっきりさせないと、今は監修会議ではまだ決まっていませんよということなんだけど、実際もう現場は動いているというふうな認識だから、我々も客観的に考えてもこれはどうなんだろうなということを今考えているわけですよね。
 それと私が先ほど説明で気になったのは、前回のものを踏襲する、多くの財源、寄附を使ってできるだけ技術的な継承をするということですよね。前回を踏襲するというのは、分からないでもないですよ。平成4年にそういうふうな再建ができて、それを基にこうやっていくという、分からないでもないけど。
 今回は一般の県民からも50何億円も集めて、そういう県民ぐるみでやろう、そうすると地元の沖縄の歴史文化そういうふうなものも関わりを持たせよう。それからすると、壺屋は前回も声がかからない。今回も最初から関わっていないような雰囲気があるから、やっぱり前回は前回としていいんだけど、それを踏襲するだけでは駄目なんじゃないですか。変わっていますよ、時代は。時代というか、県民がこれだけ機運を出して県民の力で再建をしようという、そういう機運がありますよね。だから私は前回の踏襲はしても、やっぱり変えるべきところは変えていく、今のように壺屋は340年の歴史があって、これだけ沖縄の焼き物を作ってきて、首里城とも関わりがあって、というところが、もう少し監修会議にもメンバーとして入れるなりとかして、一緒に造っていくということをやらないと、踏襲だけでは駄目なんじゃないですか。どうですか。

○田名真之参考人 その辺のこともよく分かるんですけれども、実際に言うと壺屋は基本的には赤土を中心にして焼き物を焼いてきているという事実があるわけですね。歴史的に見ると、かつて壺屋が持っていた様々な技術的なレベルというか、やり方というのも含めてですけれども、全てをちゃんと踏襲してきたかということになると、若干疑問があると。失われた技術もたくさんあるわけですね。これは壺屋だけではありません。焼き物だけではなくて、織物にしても、金工品にしても……。私は博物館のほうで手わざなんかもやりましたけれども、ああいうところでなぜヤマトの人間というか、ヤマトの技術者にさせたかというと、県内ではそういう技術は既に失われている。だから、その技術を失われた技術を復元するためにヤマトの力を使うけれども、その際に県内の若い人たちも手伝ってもらって、技術の継承をすると。絵画などもそうですけれども、前に東京芸大の先生にお願いしてやったんですけれども、そのときに県立芸術大学の若い人たちも付き合ってもらってどういうふうにしてやってきたんだというのを勉強した。そういうことが、ビーズ玉なんかも――玉飾りなんかもありますけれども、ああいう玉も沖縄では焼けない、作れない。そういうものをもう一度復元をしながら、王国文化というものを検証しながら、沖縄でできなければヤマトの人間にお願いするけれども、その技術を継承してもらうために若い人たちに一緒に加わってもらう、補助をしてもらうというような形でやってきたわけですね。
 今回もそういう場面が幾つかあります。県内だけで全てができるわけではないです。釉薬なんかにしてもそうです。前回もこの龍頭棟飾りに関して言うと、陶土などはヤマトから持ってきたりしているわけですよね。だけれども、今回はどうも県内で何とか調達できそうだという話まで来ていた。だから県内でできるものについてはなるべく県内にしましょうというようなことはもちろん常々それを優先して考えるんですけれども、技術的な問題から言っても、壺屋が焼き物とかをやってきた事実は分かりますけれども、こういう一種龍頭棟飾りみたいなのはタイルっぽい世界ですよね。ピースを焼いてはめていくというような作業なので、これは壺屋がこれまでやってきていない世界になるんですね。だから壺屋もちょっと研究してほしいというのがあるんです。前回のものを踏まえながら一緒にやってもらって、今後は壺屋だけでも十分やれるという体制をつくってもらうためにも今回協力もしながら、前回の知見も踏まえながらやってほしいなというふうに思ってはいるわけですね。

○照屋守之委員 そういう言い方をされると、我々は沖縄で壺屋もそう、伝統文化、沖縄のプライドを持ってみんな生きてますよ。やってますよ。そこの技術が伴わないから向こうの技術を借りてそれを学ぶとかって今言われてもですね、何を今更そんなこと言っているんですかと。
 ではもともとの首里城のこれは、そのときに全部ヤマトから持ってきたんですか。そうじゃないでしょ。ここのもので作ったんでしょ。写真見ました古いのも。見ましたよ。全部ヤマトから来たんでしょう、平成4年の物は。専門家の彫刻家が枠を作ってそれにはめて焼くって聞いてますよ。前回のものは監修の西村先生もおかしいって言って、あれちょっと違っているというんでしょう。

○田名真之参考人 造形が若干……。

○照屋守之委員 それも全部踏襲をするんですか。そういうのも含めてね、今のような言い方をすると、そういう壺屋に任せながら、そういうふうな技術も足りないものを入れるということだったら分かるんだけど、この技術がないから、向こうのものを入れてこっちが学ぶ。これでは県民納得しませんよ。

○田名真之参考人 1660年代に、平田典通が最初に棟飾りとか造るんですけれども。彼は中国に行って勉強してきて、学んできてここで造っているわけですよね。そういうふうにして彼は向こうの技術を持ってきて造った。こういう形で、平成の龍頭棟飾りは現代建築的な側面がたくさんあって、落ちないようにとかいろんなことがあるので、今の技術もたくさん応用してますけれども。
 平田典通なり、1800年代に田名宗経がやった時なんかの場合には、そういう焼き様と言いますか、壺屋にそういう技術があったと思うんです。今の壺屋にはその技術が伝わってないというふうに我々としては考えているんです。かつては持っていたんですよ。中国で学んできて、それを造れた。そういう技術。だからほかのものでもみんなそうですけれども、作ることができた古い物がたくさん残っていて、これは琉球で作ったものだということが分かるのですが、その技術が今継承されていないという。そういうのが幾つもあります。だからこれを復元させるために、博物館や首里城でもそうですけれども、いろんな復元事業というのをやって、かつての技術がどうだったかというのを継承している。継承して伝えていくというような作業をずっとやっているということですよ。だから沖縄だけでとか、みんなヤマトから持ってきているとかいう話ではないというふうに私たちは思っています。

○照屋守之委員 我々、首里城がこれだけ平成4年にやってまた今再建する。前回こうやりました。それは否定はしてませんよ。先ほどの話を聞いてみると西村先生のそういうふうな形がなっていないというふうなことがあって、ああいうふうな作品になっているということも含めて考えていくと、今指摘のような、壺屋に技術がないというようなことを言われると、我々は壺屋340年、首里城との関わりも含めて、この沖縄の中でこの陶芸という、あるいは陶器そのような器については、非常に大きな歴史をつくってきて人間国宝も生み出してという、そういうふうに壺屋に対してそう思っているわけですよね。ところがその専門家からすると技術的なものが蓄積されてないと言われるとね。さっき話したら、これは間違いなくできると言っているんですよ。これは型で造るからそれに沿って造っていく。もちろん設置とかそういうものについてはいろんな技術的なものもあるから建築の関係も含めてやらないといけませんけれども。造る物については何の問題もないと壺屋組合は言っているわけですよね。監修会議のメンバーが技術的に備わってないと言われたら我々何と言えばいいんですか。

○田名真之参考人 そういうこともあって実際に壺屋のほうで造れるのかどうかということもありますので。多分にピースと言いますか、100くらいのピースを作って貼り付けるという話をしてますので、そのピースを幾つか作って伸縮性なり何なりというのも含めて、壺屋のほうで本当に技術的に大丈夫なのかという検証もしていくという形になると思います。それも踏まえた形で今後決めていくことになると思います。

○照屋守之委員 お願いですけど、我々この沖縄ですよね。琉球の歴史、壺屋は340年の歴史がある、首里城との関わりもある。ずっとそういう焼き物作ってきてプライドを持っている。そういうものについても型にはめてやればできる。じゃあ何とか壺屋頑張ってもらうようにしないといかんねと俺は思う。
 前回のものには壺屋陶器事業協同組合は関われてなかった。今回も新しく造る。そうすると踏襲をしてそういう形で、前のような形で造っていく。これは分かりますよ。分かりますけど、前回のものと今回のものは違うんだから、県民がこれだけ期待をして寄附もする。そうすると県民の思いというのも含めて――首里城はシンボルですよ。これは壺屋がやった、県民の寄附で造った、やっぱり首里城はすごいね。沖縄県民でよかったねと我々は思いたいわけですよね。ですからそういう壺屋が今まで持ってきた技術はありますから、そこを主体にしてそこから足りなければ別のものを足していいんだけど、あくまで彼らを主体にして足りないものをくっつけていくということをぜひやってもらいたいんですよ。できないからあっちのものを入れてここを直すではなくて、ここを主体にして足りないもの自分たちで考えながら学びながらくっつけていくということをしないと、沖縄の主体性ってなくなるんじゃないですか。

○田名真之参考人 かつて壺屋が持っていたそういう技術を取り戻してほしいわけですよ。今後については壺屋がちゃんと自分たちだけで造れるようなそういう技術力を身につけてほしいというのがあるわけですよね。
 だから今回についてはというのもあるんですけれども、ぜひ壺屋についてはこれまで赤土を圧倒的に中心とした焼き物の世界だったんだけど、それだけではない壺屋の世界があったということも含めて頑張ってほしいと我々も思ってますよ。だからどういう形で協力体制をつくってやれるかというようなところの話だと思いますけど。

○照屋守之委員 今、先生がおっしゃるようなことを壺屋陶器事業協同組合は理解してますか。かつての皆さん方の技術というものが今継承されてませんねって彼ら理解してますか。分かってますか。

○田名真之参考人 今頑張ってそれをピースを作ってですね、仕様に合うようなレベルの物が作れるかどうかということをこれから検証するんだと思います。焼くために努力をするという話をしたりすると思います。

○照屋守之委員 我々の思いが、壺屋陶器事業協同組合という思いがあってですね。ウチナーンチュで、何とかしたいという思いがありますから。
 これは前回を踏襲するということでしたけれども、先ほど少し言いましたように、龍の――少し下に落ちているとか、少し形が西村先生のこれに合ってなかったという、そういうふうな検証は今回どういうふうにやっているんですか。

○波多野泉参考人 前回、西村先生の5分の1原型は、鎌倉芳太郎の古写真を基に、まあそれだけではありませんが、造っております。
 これは建築としてかつての首里城の構造では、基準を満たさないわけですので、棟幅が実際の往時のものから見ても10センチ大きくしないと構造的に持たないということが前回だったようでございます。ですので、そこの10センチがあるがために、この原型は実際には5分の1ですから2センチ狭いところで造っているわけですね。ですから西村先生がおっしゃる、棟を噛む、噛む構造が非常に重要だと。棟の中心がほぼ上にありますよね。これは噛んだことにならないというのが1番大きな造形的な違いだと私も思います。これをいかにして下げるかというところがこの原型の重要なところになるんですね。原型というのは原寸大の原型ですよ。5分の1原型ではなくて。そうしますとこの辺のバランスも若干変わってきます。急がなくてはいけない原型のところが一番重要です。そこから型を取りますから、取ってしまったら後は込めていって――これも大変な技術なんですけどね。
 ですからこれは今どうやって吸収するか、これは国建も含めて図面だけでは駄目なんで、これからやるところですね。
 全然違うというところは少し違ったふうに伝わっていると私は思っていますが。棟を噛むことが必要なんです。

○照屋守之委員 監修会議にお願いしたいことは、実はこの件は我々は壺屋から陳情が出て、専門的にどうかといろいろ聞いているから、この今の問題も分かるんですよね。これそういう話がなければ分かりませんよ、一般の県民は。こういうふうに西村先生がやったのに形が違っていたというのも分かりませんよ。
 ですから分からないから、先ほどの壺屋の技術の件も今の件も含めて、分からないから専門の方々にお願いしたいんですよ、客観的に。これ県民の立場でやってください。分からないんですよ。だからそういうことを初めてこう言われて、じゃあそのままやっているの、普通だったら直すでしょう。直さないけど、じゃあそのままやったんでしょうという、普通だったらそういうふうになるんだけど、それでもうずっと何十年も来ているから。今改めてそれが分かって、じゃそれは直さないといけませんねという話ですからね。分からないから専門に客観的にやってほしいという非常にそういう思いがありますよ。
 ぜひよろしくお願いします。
 以上です。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 比嘉瑞己委員。

○比嘉瑞己委員 今日はよろしくお願いします。
 陳情者の意見も聞いて、当局の説明も聞いて、皆さんの意見を聞いていると、ちょっと意思疎通が足りなかったんじゃないかなという感じを受けています。落ち着いて聞くと納得できるところもお互いあるんじゃないかなと思うのでちょっと確認をしたいんですけれども、そもそもこの龍頭棟飾りの委託先はどこが決めるのか。午前中の陳情者の思いでは、もう既にプロポーザル委託を受けている建設事業者が決めてしまうんじゃないか、実際はそうなっているんじゃないかというのを強く懸念しているんですね。そういったことはあり得るのか、この監修会議の役割というのはどういう位置づけなんですか。

○田名真之参考人 我々のほうでワーキングのメンバーも決めていますし、そしてそのワーキングも含めて監修会議のほうで発注者というか、誰に造らせるかというのは決めていきますので、今言ったように既に決まっているということはありません。

○比嘉瑞己委員 県当局もそういう説明をしていました。ただ、その委託の仕組み上、実際そうなっているんじゃないか、前回の手わざのときの仕組みが用いられているがためにもうずっとそうなっていくんじゃないかという懸念があるみたいなんですけど、皆さんから見てどこら辺で誤解が生じていると思っていますか。

○田名真之参考人 やはり造るための結構な難しさみたいなところも含めて、壺屋陶器事業協同組合のほうとの話合いをもっと早い段階で詰めておくべきだったかなというふうには思います。だから、国の技術検討委員会でもそうでしたけれども、今回、人材育成みたいなことが相当大きく言われていて、そして県を中心にして、県の職人も使ってみたいなところを随分言われていましたので、早めに壺屋の組合のほうとの協力関係というのも当然意識はされていたんですけれども、なかなかその辺で壺屋のほうとのうまい具合な感じの話合いはできていなかったのかなというふうには思っています。

○比嘉瑞己委員 そこはぜひ改善していただきたいと思うんですけれども。
 一方でそういう説明を受けていてもそれでも陳情者が疑念を持っているのが――ちょっと私もこれはどうしてだろうと思ったのが、前回製作技術者の方が、その前回製作者の持っている工場でワーキンググループ会議が開かれていた。その会議にはその製作者はずっと参加しているというところで、ほら見ろ、もう決まっているじゃないかというお話なんです。今、委託はこれからですし、前回製作者が今どういう位置にいるのかがよく分らないんですけれども、なぜその人の工場で会議とかを開いているんですか。

○田名真之参考人 南部のほうで石膏原形といいますか、そういうものを作って――いわゆるそれは焼き物を作る以前のお話ですよね。形の、フォルムの話なので、それは先に決めておかないといけないので、その辺りの作業は進んでいるわけです。確かに南部のほうの工場でというのはありましたけれども、そこが委託というか、申し上げるような形でその方の工場なのかどうかというのは我々監修委員は知らないと思います。

○比嘉瑞己委員 監修会議の下にあるワーキンググループの会議がそこで行われているんですけど、これをあそこでやろうとか決めるのはどこが決めているんですか。

○波多野泉参考人 県から契約を受けている国建――国建も先ほどちょっと遡って恐縮ですが、事務局は県だと申し上げましたが、その委託を受けている国建も事務局の一員になります。これはちょっと訂正させていただきます。なぜかと申しますと、我々のいただく報酬、これは県から直接ではなくて当然委託先の国建からでございます。ちょっとここは修正させていただきます。
 今のことでございますが、ここは原形を作る場所なんですね。原形を作る場所にワーキング会議を持っていくということは、これは当初の了承された案件でございます。つまり、原形を作る場所でないと、物を見て審議ができないということで、その場所に我々は来るように言われて行ったということになります。

○比嘉瑞己委員 そういう作業が必要かもしれないけれども、それが何で前回製作者のところでやっているのかということが疑問だと思うんですよね。そこは事務局の決めたことだというお話かもしれませんけれども、県当局も事務局は県だと。そして、委託事業者の事業者は事務局の補佐をしているという説明でした。この補佐をしている事業者がそこを決めているとしたら、やっぱり陳情者から見たら、ほれ見ろ、やっぱりそこに行くんじゃないかとなるのは何となく分かるんですけれども、その点、皆さんと関係ないところで事務局が決めたことであるということでいいんですか。

○波多野泉参考人 先ほどの質問の中にもありましたように、この工程は焼くことだけではなくて、その原形が一番最も重要な造形部分です。特に棟の厚みをどう吸収するかというところに私――私は専門が彫刻ですので、そこに焦点があると思っています。ここが決まらなければ後々また違う造形だと言われかねません。ですので、ここが一番重要で、ここは前回やられた事業者というよりもそこからその人の推薦を受けたと聞いておりますが、その方を含めて私のほうからも推薦をしておりますが、造形のできる――焼き物関係ではなく彫刻をする県内の若手――三十代前後だと思いますが、その方を紹介し、そのチームでそこで作るという前提で、まだあのときは作ってませんでしたが、今後、そこで6月までに焼くところから設置までの業者が決まるまでにそれは先行しなければ絶対に間に合いませんので、そこに関わる。しかしながら、この設置をするということを前提で作らない限りこれはあり得ないんですね。ですから、ここは急ぎ壺屋の組合さんがどういうふうに参画するか、ここが重要なんです。ただ焼けばいいだけでは困るんですね、それは。この仕様があって穴が開いていればいいとか、それはもちろんそうなんですが、それだけではなくて、そのバックアップになるものに何があるかとか、ちょっと専門的なこと――施工まで行きますと私だって100%専門ではありませんが、しかしながら造る人間が設置をするのが前提です、これは。もちろん1人でやるわけではありません。何かしら焼いたものを、あるいは作ったものを誰かに――置くだけならいいんですが、置くだけのものではございませんので、ですから最後まで一定程度関わっていく、そこに壺屋の組合さんにどうやって入っていただくかということを当初から苦心しているわけでありまして――これは可能だと思っているんですが、しかし既にどういうわけか様々なところでも発注、受注しなくてはいけないとかありますと、これはやりようはあると思いますけれども、今の段階で私が答えることではございませんが――その場所は原形を作る場所だから行ったということでございます。

○比嘉瑞己委員 ボタンの掛け違いであったと思いたいんですけど、確認したいのは私たち委員会がどこにやりなさいと決めるところではありません。皆さんの専門的な意見で最終的に決めていくものだと思うんですけれども、ただ、決めるに当たっても当初おっしゃったように継承という面でも、陳情者も最初からありきじゃないかというところで疑念を持っている。だけれども、皆さんはそうではないということを確認したいんですね。きちんと専門的な見地からちゃんと公平に見てこれから決めていくんだというところを確認したいんですけれども、改めて最後にその点をお聞かせください。

○田名真之参考人 我々としても基本的には壺屋もちゃんと関わってほしいというのはずっと思っていますので、どういう形で関わってもらえるのかというところの話だと思うんですよね。先ほどの繰り返しにはなりますけれども、今後は本当に壺屋の技術だけできちんと作れるような、そういう技術を継承してほしい、獲得してほしいというのがあるので、今回、1名が関わったとしても壺屋が関わらなかったということにはならないと思うので、将来のためにもぜひ――これは陶土の問題から始まるんですよね。土作りから始まって、窯の問題とか様々なところで作っていくためにはいろんなハードルがたくさんありますので、そういうものを踏まえて確認をしながら壺屋が技術をちゃんと培ってほしいなというふうには思っています。

○比嘉瑞己委員 ありがとうございました。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 仲里全孝委員。

○仲里全孝委員 お疲れさんでございます。
 今回、発注予定を計画している棟飾りの件なんですけれども。
 この龍頭棟飾りの仕様内容はどういうふうに計画をされているのですか。例えば、私ちょっと県のホームページからもらってこういう仕様とか簡単な設計図とかをちょっと見ているんですけど。
 平成の復元時のものと今回皆さんが予定しているものはちょっと変わっているところがあるのか、それを確認したいと思います。

○波多野泉参考人 これは契約を受けている国建――もちろん専門でございますので、そこの設計によるところが大きいのですが、前回と違うという説明の中では、前回もそうですが、GRC――これは要するにグラスファイバーをセメントにチップにしてあるいは一定程度の繊維にして、今回は多分3センチから5センチになると思いますね。そういった物を混ぜ込んだバックアップですね、焼き物は今回は陶板の分野だとお考えいただければいいと思います。これは壺屋さんも実はできるんですよ。もちろん陶板は作れますので。問題は土とか釉薬が違ってくるのですが。この技法が前回は――これは詳細に調べないと分かりませんが、まずGRCがあって下地があって、その上につけていっているわけです。で、その隙間を接着剤で充塡しているんです。これは30年以上もっているわけですね。当然それだけでは駄目なので、ステンのなまし番線で縛っていって隠れる部分でこうやっていくという。瓦に銅線を使うとかステンを使うのと同じでございますが。
 今回は発泡スチロール等――これはそこまで何が違うかという御質問ですので、それを説明させていただきますが、ある程度の原型を発泡スチロールで作って、そこに型を取って――発泡スチロールといっても少し固い物だと思いますけど、型を取ってそこに貼り付けるわけですね。3センチから4センチ弱になると思いますが、その陶土の厚みがあります。以前であればそれを焼いて造った物のところにあるのですが、そこに直接裏から――これ逆に言うと陶土の外側に型を取っておかないといけませんけれども、その型の厚みがある部分、焼き物の厚み分のちょうど内側にGRCをじかにやって、密着させる。ここは前回と全く違うところですね。密着させればさせるほど、これは強いに決まっている。当然接着剤は入れますが。そういう仕様になっているという説明を受けております。
 それはかなり合理的な方法でございます。
 ですから、こういう技法は当然往事の首里城にあったはずはありません。あるわけがないんです。それは近代、現代の建築ではそうでなくちゃいけませんし、何よりも王府だけの往来ではなくて、観光客が来る場所ですので、絶対に1枚たりとも落としてはいけない、まさにそのとおりでございますので、そういう工法を取っております。
 ですから、そこが大きく違うというふうに認識をしております。

○仲里全孝委員 そういう技術的なことも含めてなんですけれども、これ壺屋もそうなんですが、先ほどの説明で言うと壺屋も中身は関わっていることがありますよというふうな話があったものだから、これの設計段階から、平成の復元のときも龍頭のサイズとかデザインも変わっているんですよ。大きさだとか変わっているんですよね。
 そこで今回もどういう経緯でこの設計図が出来上がっているのか、そこに参画されているのはどういったメンバーですか。

○田名真之参考人 原型を造っているのは名前がずっと出ています西村先生のほうで造形はしていますので、その際に先ほど説明がありましたように鎌倉芳太郎の戦前の写真とかそういうのを踏まえながら造っているわけですよね。前回造ったのはいいんですけれども、前回造ったときには、そのとおりの仕様になっていない部分があるので、それの手直しという部分なんですね。ですから全く変わっているわけではなくて、基本的な部分は一緒なんだけれども、全くそのとおり造るとなったら前回の上に載っけたような形になっているものですから、棟をちゃんと噛んでいるというふうにするとなると、高くなっているやつを下げなきゃいけないとかですね、いろいろその辺の技術が、そういうことで形が若干前回と違うところがありますよという言い方をしているのであって、全く違う物になっているわけではありません。

○仲里全孝委員 分かりました。ありがとうございます。
 今回、これから皆さんは発注していくんですけれども、どういう業者が受注するのですか。
 受注する業者って、どういう業者なんですかね。

○田名真之参考人 1つには前回やられた業者というのが大きな候補になるだろうというふうに思います。それと壺屋のほうも名乗りを上げているわけですから、壺屋がどこまでできるのかという、やはり陶板なんかを作るんですけれども、陶板などが仕様に合ったような形で吸収率とか収縮率とか、その辺も踏まえて壺屋のほうでどこまでできるかという問題が出てくると思います。

○仲里全孝委員 そういうのは何か基準がありますか。

○田名真之参考人 一応、吸収率とか――いわゆる雨風に当たって、太陽の光も強いし風も強いところになるので、その辺りの強度の問題とかも含めてですけれども、ある程度の基準はできるとは思いますけれども、大体この辺りという形でしかできないと思います。それはこっちで造っていくことになると思います。

○仲里全孝委員 私は専門家ではありませんから、ちょっと確認したいのは、これは一般の建設会社でも受注できますか。一般論から言っての建設会社が受注できますか。皆さんが発注しようと思ったら。

○波多野泉参考人 一定程度の実績がないところには怖くて発注できませんよね。
 ただし、じゃあ壺屋さんが前回やっていないから、経験がないから駄目だとは全く言っていません。これは先ほどからありますように受注する、つまり発注先をそこにするということを何をもって言うかですね。設置までを含めてこれは受けてもらう必要があるというのが県の考え方ですので。
 そうしますと、壺屋さんが参画するのはこねて焼く、そして基準を満たす。そこの部分が一番有力ですよね。つまりこれは協力体制なしにはあり得ないんですよ、設置をするという。ここを監修会議は目指すべきだと――これは個人の意見なのであまり申し上げたくないですが、それしかないですね。

○仲里全孝委員 この方法とかは別として、私が言わんとすることは、こういった特殊なものは設計とか受注、パッケージで設計も使用する業者も一つになったところが一番いいのでないのかなと思いますね。
 それともう一つ、公募するわけですから内容的に皆さんは発注方法は別としていろんな公募をして発注していくわけですから、そこの基準とか、先ほど壺屋のことは実績がないとかそんなことは別にしての話がありましたけれども、そういうのがあってもいいのではないのかなと思いますけれども、いかがでしょうか。

○波多野泉参考人 首里城は唯一無二です。そして龍頭棟飾りも当然唯一無二なので、これをやった実績といったら前回の業者しかいないんですよ。そうではなくて、野外における陶板の施工の実績とかそういうものは必要ですし、何よりも陶板が焼けなければ駄目ですよね。単に室内に置くような器ではなくて、そういう技術は――これは壺屋さんでも当然何人かもやっていますし、組合としてやっているかどうかは私は把握していません。しかし、ここまで巨大な物、大きくなる物というのは収縮もありますし、それから先ほど基準は何かとおっしゃいましたが、収縮率10%なおかつ土が切れない。つまり先ほど田名委員長からもありましたように、陶土が一番重要になってきますよね。ですから今回はどこが受けようと沖縄の土を中心とする。前回は入っていますが比率は低いのですが、今回は沖縄の白い土を中心にすると。なぜ白にするかというと、これは白い部分があるわけです。先ほどから壺屋のということがございますが、現代の壺屋の雰囲気のものを御想像かもしれませんが、これは制度上は文化財ではないんですけど、文化財保護上の文化財ではないんだけれども、しかしながら、いろんな部分で文化財復元の考え方を導入しているわけですから。近いところでは田名宗経が中国で学んで――田名宗経というのは彫刻家です。その方がこの型を造って焼きも含めて、あるいは釉薬も含めて中国に学んでいる。それ以前に平田氏がやっているわけですけれども、そういうこれは瑠璃瓦の一種と言われていますので、以前は壺屋に残っていて、今小さなものではあるんでしょうけど、こういう技術は外から学んで持ってきているわけですよね。これが現代の壺屋らしくないとか、あるとかないとかという問題ではなくて、やっぱり文化財に匹敵まではいきませんが、これは100年たてば文化財と私は思いますが、そういう技術が高いレベルにあれば、こういうものは考え方としては文化財復元にのっとって、古文書を開き――これは歴史家がやりますけれども、それにのっとって復元をするというのは筋なものですから、これは当然、もう少し発色がいいとされているわけですね。ですから、これはこういう技術が壺屋に、なおかつ今主流とされている赤土ではなくて、沖縄県産の県内の白い土を用いたもので発色のいい釉薬をかけてやるとなれば、これは新たなタイル産業も含めて壺屋の事業拡大とは言いませんけれども、そういうところに比するものだと思っています。
 ですから、伝統というのは守るだけではなくて、その時代時代に多くのものを取り入れて受容してきたわけですから。
 そういう意味では今がチャンスだと思っています。

○仲里全孝委員 あと1点教えてください。
 皆さん6月までに発注していくという話なのですが、これは委託契約をしていくのですか。どういう方法で契約していきますか。

○田名真之参考人 我々のほうとしては、いろんな情報も踏まえながら、どこに発注したほうがいいという話をやることになると思います。
 契約関係はどうなるかというのは、事務局のほうで……。

○仲里全孝委員 はい、分かりました。
 以上です。
 ありがとうございます。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 新垣光栄委員。

○新垣光栄委員 田名さん、それから波田野さん、ありがとうございます。
 先ほどから、質問をしていただたいた部分に関して、ダブるかもしれないんですけれども、お願いいたします。
 先ほどから聞いていると、壺屋には今そういう技術というのは伝わっていない。そして壺屋がどこまでできるかも分からないっていうふうに、本当に発言を聞いていると、壺屋は何かできないような前提で言っているような気がしてですね。それを私は少しないのではないかなと、そういう意識があるから早いので前回やった人にさせたらどうかという発想になると思います。しっかり壺屋の技術も皆さん御覧になってやったほうがいいと思います。
 そこで、今波多野さんはどういう専門でいらっしゃいますか。

○波多野泉参考人 彫刻でございます。

○新垣光栄委員 田名先生はどういう専門でありますか。

○田名真之参考人 歴史です。

○新垣光栄委員 そういう歴史の方がこの焼き物に関して、そこまで言われるっていうことは、相当の自信があってだと思っておりますけれども。壺屋の技術はないとかですね。また、壺屋がどこまでできるかっていうと、本当に壺屋の皆さんが聞いたら頭にくると思いますよ。その認識を改めてもらわないとこれは絶対進まないと思います。
 そこでお聞きしますけれども、その中で皆さんは監修会議っていうことで7名の皆さんがいます。そして焼き物はやっぱり焼き物、造形から関わりながら焼いていくわけですから、その焼き物のワーキングメンバーはどういうメンバーがいらっしゃいますか。

○波多野泉参考人 これは冒頭に申し上げたとおりです。監修委員とつまり彫刻の西村、波多野。そして個人名をいう必要がないですね、分野。公開されているとおりでございます――中国陶磁の専門家です。

○新垣光栄委員 それで今、彫刻、焼き物、染織、瓦類ということで、やっていかれるということでお聞きしてて、そのワーキングチームをこの監修会議としてどういう位置づけになっているか。監修会議が上にあるわけですよね。その下に各専門分野があると思いますけれども、どういう位置づけになっているか。
 このワーキングチームで決定していくことが、また監修会議の意思になるのか、全く違うのか、その辺も含めて。

○波多野泉参考人 監修会議の下にワーキングがあります。当然、ここでの議論――親会議になるんでしょうが、その下にあるワーキングでそれぞれの内容について議論をし検証していくわけですね。ですから歴史、そして実務的な彫刻あるいは様々な分野も入っているわけですが、そういうところに決定したものが上に上がっていくってことですよね。
 ですから、監修会議が最終決定機関ということになると思いますね。

○新垣光栄委員 その最終決定は監修会議がするけど、その焼き物のワーキングチームの意見も尊重しながら決定していくっていうことで理解しております。
 そういう中でこの監修会議、先ほどは県と一緒にやっていくっていうことなんですけれども、この監修会議の設置は県の委託先である業者からの委託ではないですか。今名前出しますけれど、県が国建さんに委託したと。委託業務を公募で委託したと。公募っていうとそういう公募型で契約して、そこで委託の国建さんの委託の中で監修会議をつくるっていう業務があって、皆さんは監修会議ができたと私は思っているんですけれども、どうでしょうか。

○波多野泉参考人 県から監修会議の委員の依頼がございました。国建ではございません。

○新垣光栄委員 この辺が整理できないから、ちょっと今迷っていると思いますよ。私の認識では委託先に全部今監修会議の設置、そして龍頭棟飾りの発注権限、全て任されているわけですよ。そういう認識の下にこの事業が手わざの手法で進んでいるということになると思います。
 それは認識はどうですか。

○田名真之参考人 いわゆる手わざにしてもそうですけれども、あくまでも発注しているのは県なので、県のほうが委託先というか国建が受けたりはしますけれども、そこと相談しながらやっているのであって、全部丸投げをしているわけではありません。

○新垣光栄委員 そして、その場合に工期的なものもあると思いますけれども、工期的なものに関しては監修会議はどのような工期が必要だということを、県のほうに国建なりに指導というか、そういう提案をしているのか。先ほどから工期が大切だ、工期が大切だと言っているんですけれども。

○田名真之参考人 首里城棟飾りなんか特に正殿に載っける話なので、そことのその工期に合わせるような形で動いているわけですよね。いつまでに納めてくださいという国からは来てますので、それから逆算してどこの時点でどれを決めなきゃいけないという形で動いている。

○新垣光栄委員 その工期はいつまでが、リミットになっているか監修会議の皆さんではどういうふうに把握しているか。

○田名真之参考人 令和7年末に引渡しかなんかだったか。8年には完成することになりましたよね。

○新垣光栄委員 令和7年末には完成して引き渡すっていうことの中で、今回そこの間に折り合いをつけながら完成させていくわけなんですけれども、そういう中で今から業者を決めていくというんですけれども、私はこれ発注ではないと思っているんですよ。入札でもないと。手わざの手法だとですね。皆さんがその業者がいいっていうことが決まれば、そのまま流れていくと思っていて、重要な位置づけにあると思うんですけれども、その場合に先ほどから聞いていると、GRCとか近代的な方法、確かにそれを求められたら焼き物のほうでは無理ですよ。
 しかし、皆さんの言い方をすると、そういうのも一緒にやってもらわないと困りますよと。当たり前に無理だと思いますよ。建築の場合に建築屋さんに構造計算を求めるのと一緒だと私は思っていて、その辺は監修会議のほうで、この仕事は先ほど下地委員からあったように、皆さんがこの事業はどこまでがどの――GRCだったらGRCの部分はどこが責任を持つ、そして造形の部分は造形の部分で責任を持つ、そして設置の部分は設置の部分で責任を持つというふうに分けないと、それをトータルで壺屋にできますかと言われたら、委員長が言われているように、確かに技術ないと思いますよ。私は。果たして壺屋さんできますかって言ったら、やっぱりできませんよ。
 そういったことをしっかり進めるのが監修会議であって、そういうことを皆さんは仕事として託されていると思いますので、その辺はどうお考えですか。

○田名真之参考人 壺屋ができるのがどの部分なのかというところなんですよね。だから本来ならば一体的に全体の工事も含めてですけれども、そういうのを受注者がやるべきだというふうな大前提はあるんですけれども、もし壺屋に協力してもらってやるとなったら、壺屋が何ができるかというところになるので、そのためにも壺屋のこれまであまりやってこなかった陶土を焼いて、ピースを100作って貼り付けるって形になりますので、その辺りの壺屋がどこまでできるのかってところも我々確認しなきゃいけないことになるんですね。それは壺屋のほうでいろいろ焼いているというふうに聞いていますので、その辺の成果を踏まえながら我々もう一回考えたいというふうに考えてます。

○新垣光栄委員 やはり、そういうところの細かい打合せが、お互いのそういう誤解を解いていくと思いますので、しっかりそれが私は技術的な監修と、そういう技術を組み合わせる監修の部分もあってもいいんではないか、そうするとお互いの技術の向上にもつながるし技術の継承にも、そして先ほど波多野さんが言っていたように、今後の壺屋の産業発展にもつながると思います。それをぜひやらないとせっかくのチャンスを逃がしてしまうと思ってますので、その線を含めて皆さんの監修会議で審議をしていただかないとこれはまとまらないと思いますので、しっかりそういったこともやっていただきたい。
 そして、若者の技術の継承と言っても、今の方針からすると壺屋から2、3名の若手を出して1万8000円から1万5000円のアルバイト的な人員を派遣してくださいという若手の育成では、私はないと思います。しっかりそういうことを、残しながら継承させるのが技術の発展であって、ある程度できていますので壺屋から二、三名若手を出してくださいと。それは金額はいくらですよと。1万8000円だとか1万5000円か分からないんですけれども。そういう提示をされると、誰がやりますか。技術の発展もないし、技術の継承もないですよ。そういう打合せがあったからこそ、しっかり議論があったからこそ、先ほど土も見せていただきまして、新しい焼き物も持ってきていただいたんですけれども、そういうのが生まれると思いますんで、そういうのをしっかりとやっていただきたいと思います。
 よろしくお願いします。

○田名真之参考人 前回のあれでいくと、100ピースくらいに分けて焼くという話をしてますので、それをどこでどういう窯で焼けるのか、窯の問題もあるんですけれども、やはり品質的にも均一の物を作らないといけないですよね。
 だから、結構分散して焼くことができるのかどうかとか、そういうことも含めて検証しないと、どこでさせるにしても。
 だから、ちょっとだけアルバイト的にどうのこうのというのは多分、そういうのは全くできない世界になっていきますので、ちゃんと技術継承ということになってくると時間もかけて、手わざなんかもそうですけれども、何度も試作品を作って、監修会議の監修を受けて、これで駄目だよとこうしろああだよ、その作り手と監修会議といろいろやり取りもしながら完成させていくというような手順も踏みますので、結構時間もかかるということがあるんですけれども。
 だから、そういう意味では関わる若手の方々にはちゃんとした技術の継承ができるという、そういう前提で組み立てていくということになると思います。

○新垣光栄委員 最後にすみません。
 今意見をお聞きして、まさにそのとおりだと思ってますんで、よろしくお願いします。
 そして、令和7年末ですので、造形もできていて、原型もできていますので、そういうのは皆さんのアドバイスで、本来今年やるべきものだったものを前倒しでやってきたわけですよね、工期がないっていうことで。
 本来は今年発注なのを前倒しで進めてきたわけですから、工期的にはしっかり時間を取られていると思いますし、造形も全てできていますので、あとは焼き物を今のようにしっかり細心の注意を払いながら、しっかり時間をかけてもっていく時間は、私はこの工期からするとあると思いますので、しっかりやっていただきたいと思います。
 よろしくお願いします。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 金城勉委員。

○金城勉委員 今日はどうもありがとうございます。
 多くの委員の皆さん方から質疑が出たんですけれども、そういう中で私の認識としては、前回平成の復元も踏襲しながら、また新たなものを造っていくというお話ですから、そういう意味では前回携わった山守さん、それと壺屋の組合の皆さん方の技術というもののコラボが出てくるのかなというふうに思うんですけれども、ただ現実はこのお二方は非常に不信感が先立っておりまして、そういう意味では何か敵対視しているような感がするものですから、その辺の調整をやる必要があると思うんですね。そこは監修会議の役割なのか、県なのかよく分からないんですけれども、その辺の認識はいかがですか。

○田名真之参考人 我々のほうとして壺屋の組合との話合いがどうのとか、山守さんがという話は一切監修会議のところではやっていないわけです。一切それはないわけです。情報として今言ったようなお話のようなことは聞いてはいるんですけれども、ただ、両方の力は絶対必要だと思っているので、どうにかして我々ができる、どういう形で囲えるかというのはありますが、やっぱり協力してもらってやらなきゃいけないというのはありますから、その辺はできることはちゃんと県とも相談しながらやれたらいいかなというふうに思っています。

○金城勉委員 おっしゃるとおり、やはり非常に重要な役割がそれぞれあると思いますので、その辺の調整役を県とも連携しながらぜひ担っていただけたらなという思いであります。何しろ令和の復元、非常に県民も期待しておりますし、その期待に応えるためにも良いものを造っていただきたいなという思いですから、よろしくお願いします。
 以上です。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 島袋恵祐委員。

○島袋恵祐委員 今日はお忙しい中ありがとうございます。
 改めてこの首里城の復興基金事業ということで、このような監修会議を設置をされたということで、その意義というか意味するもの、この監修会議をどう考えるかをお聞かせください。

○田名真之参考人 平成の復元の時には、皆さん御存じだと思いますけれども、途中経過がほとんど分からなかったわけですよね。出来上がったものを見てもらうという状況でしたけれども、この龍頭棟飾りにしても西村先生が原型を作って、山守さんが焼くみたいなことであったんですけれども、今回はこの監修会議の中で、西村先生が作った原型みたいなのについてもチェックが入るわけですよね。監修をして、ああだこうだといろんな話が出て、西村さんが前回やった時の反省も踏まえて議論をして形を作ると。出来上がった原型、西村さんが作った石膏原型にしても、監修会議の委員の人たちが見て、どうだこうだと西村さんの説明を聞きながらやっていくと。だから、西村先生も前回1人でやった事業を今回いろんな立場の人たちも含めて、いろんな意見をいただけるというのは本当にありがたい、自信を持って造形ができるよ、というようなことをおっしゃっていて、そこにまた監修会議の意味があったんだろうというふうに思います。
 ほかの面に関して言いましても、結構発注して終わったというのがたくさんあるんですね。それをもう一度実際に監修会議にかけて、そしてワーキング会議にもかけて、これからまた発注者と相談しますけれども、そういう体制をつくっていくということは前回やっていないわけですよね。今回は新たな知見も含めて、そういうのを生かしていくというふうに思います。
 そして、ベンガラの話などはお聞きになっていると思いますけれども、久志ベンガラというので、赤っぽい塗料のことですけれども、前回は市販のベンガラを使って塗っているわけですよね。それなんですけれども、資料で見ると、久志から出たベンガラだと書いてあるので、久志ベンガラを頑張って探しましょうと。それで久志ベンガラを使って塗りましょうというようなことで、前回多分無理だと言ってやめちゃった話が、今回できる限りやれるのだったらやりましょう、という話で取り組んでいるということがありますので、この辺は監修会議ができて、県のほうでそういうのを踏まえて造っていくという意義はとても大きいんだというふうに思います。

○島袋恵祐委員 前回の復元の際はこのような形でもう国が主体で、なかなか関わりができなかった。こういった監修会議もやっぱり中で造られて本当にああいう火災が起きて再建しなければいけないという状況の中で、多くの県民の皆さん、全国、全世界の皆さんがまた悲しんで、たくさんの寄附を寄せていただいたという状況で、みんなで再建していこうというような機運の中でこのような監修会議が持たれたことを、監修会議ができたこと自体はすごく評価をするものだと思うし、そうなれば、いろんな人たちが関わりだしてくる中で意見、いろいろな意思疎通が合う、合わないとかでちょっと問題が出たりするということもやっぱりそれは出てくることだろうなと思うんですよね。それをやっぱりいろいろ話合いを持っていく中で、調整をして、納得させていくというところも、やはり監修会議の中の役割になるのかなと思いますし、僕がすごく大事だなと思うのは継承――ちゃんと人材を育てて、それをまた次の世代にきちんと渡していくというところの観点がすごく大事だと思うんですよね。でも、そうなればまたいろんな人たちに関わることが大事だと思うんですけれども、それを継承させていくというところの思いというのを改めてどういう思いでやっているのか聞かせてください。

○田名真之参考人 本当にあの木彫にしても石彫なんかもそうですけれども、いわゆるその中心になる人間というのが必ずしも気が合う人間じゃない場合もあったりはするんですが、やっぱりその人に補助的なというか、若い人たちについてもらって、そういう技術をちゃんと学んでもらうということを全てにおいてやっているわけですよね。人材育成というのは大きな柱の一つにしていますので、今回単なる復元ではなくて、それも多くの場合には見てもらえるというか、見学なんかもそうですけれども、途中経過、製作している途中経過についても見てもらうような形で、そして若手も使いながらという形でやっていきますので、これはもう本当にこれだけ50何億という寄附金を使ってやる事業ですので、皆さんに本当に自分たちが関わっているというようなことも含めてやってもらいたい。首里城の瓦もシャモットにして新しく混ぜたりとか、それからその壁なんかに塗る赤いベンガラなんかも使いますけれどもそういうの中にも砕いた瓦の灰を混ぜたりですね、いろいろな形で――それも砕いたりしているのも皆さん、ボランティアで協力してやってもらったりとかいう形で、できるだけこれは国がやっていることもありますけれども、多くの県民にお金の問題だけではなくて、いろいろな形で関わってもらって、そしてその技術を継承してもらうような形でやっていくことになると思いますので、まだその辺のことはちゃんと自覚しながらぜひやっていきたいというふうに思っています。

○島袋恵祐委員 最後なんですけれども、前回の復元の時は本当に一方的な形で、今御説明があったように県民が関わる機会がなかなかなかったということで、今回は監修会議が持たれて、多くの人たちがやっぱり関わっていくと。今回やっぱりこの再建・復元というのは、本当に一部の人たちだけに関わらせるのではなくて、多くの人たちにちゃんと県民に関わってもらうというところが、きちんと継承していくという観点で、今まで議論したとおりなんですけど、大事だと思うので、そこを踏み外さずにきちんと監修会議としてやってもらいたいという思いなんですけれども、最後どうですか。

○田名真之参考人 監修会議を含めてですけれども、復元の県のほうで引き受けている部分についても、どういう形で進めてきたというようなことで、多分にどこかで報告会なんかもやらないといけないのかなと思ったりもしてますけれども、沖縄の首里城というのがどういう形で造られてきたのか、やはり県民主体と言うけれども、昔から結構いろいろなところ――中国からやってきたり、ヤマトから入ってきたりしながら、そういうのを昇華して自分たちで造ってきたという部分もたくさんあるわけですよね。先ほどちょっと私が触れたように失った技術もたくさんあるわけなんです。漆芸にしても彫刻にしても何にしてもですね、やっぱりそれは取り戻したい。そのためには、人材育成というのはとても大事で、首里城で様々な――首里城っていうのは本当にもう建築だけではなくて装飾的な部分はいろんなものが入っているわけですよ。織物から何からいっぱい入っているので、そういうところでこの首里城の復元を通じて多くの王国が持っていた技術やら何なりを取り戻す。その上で現代的な首里城を造るんですよと防災とか何とかいろいろあります。その辺りの情報みたいなやつは、ちゃんと県民に知ってもらうような取組をですね、県はぜひやりたいと、我々もぜひそういうふうに県と組んでやっていきたいなと思っています。

○島袋恵祐委員 分かりました。
 終わります。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 玉城健一郎委員。

○玉城健一郎委員 よろしくお願いします。
 多くの質問が出ていたので簡潔に質問したいんですけれども、焼き物のワーキンググループの会議というのはこれまで何回行われましたか。

○波多野泉参考人 正確さを欠くと問題があろうかと思いますけれども、ワーキングとしては3回で、そのほかに監修会議が2回です。ただ、その間に個別に監修委員と原形の確認をしております。

○玉城健一郎委員 監修会議は年2回程度行われるということで、その下でワーキンググループが行われると。先ほど午前中の話の中で、前任者がワーキンググループのところに入ってきたということで――会議の中に入っているというところでお話があったんですけれども、その辺りについては……。

○田名真之参考人 それはありません。前回、これは誰ですか――山守さんの話をしているのかどうか分からないですけれども、監修会議とかワーキングに山守さんが来たことはないです。

○玉城健一郎委員 ワーキンググループ自体は、西村先生、波多野先生、森先生で、歴史系委員が1名、製作技術者の代表が1名ということなんですけれども、今会議で話されているのはこの3人と歴史系はあと一人どなたですか。

○波多野泉参考人 1名以上ですので、多いときで全員参加していらっしゃいますし、1名のときもあります。

○玉城健一郎委員 どなたとかは……。

○波多野泉参考人 これは監修会議の委員です。監修会議の歴史の3名です。田名先生、安里先生、波照間先生です。そしてワーキングには、陶磁史も含めて森先生は――御本人は実務化、あるいは実技ではないんですが、非常に見識をお持ちですので歴史の部分もございます。

○玉城健一郎委員 じゃあ、その中で製作技術者の代表者というのは、ワーキンググループの中には入っていないんですか。製作技術者の代表者というのがワーキンググループの案の中に入っているんですね。発表しますか。

○波多野泉参考人 現段階では入っていません。

○玉城健一郎委員 じゃ、こちらは完全に実際にどこが造るのかというのが決まってからそういった人たちが入ってくるという理解ですね、分かりました。
 各委員がお話しされているんですけれども、やっぱり今回、前回と違うものというのはやっぱり県民だったりとか、世界からの寄附が入っているというところ。また、前回急に造られたものと、今回は造る工程から皆さんも見せている状況の中でいろんなところで注目を浴びていると思うんですよ。それが龍頭だったり、龍柱だったりとか、そういったところに出てきていると思います。
 それで県民性というか、私たち県民の意識として、例えば何ですかね、これは例で言うとあれですけど、先日ボクシングの大会があったんですけれども、かの有名なキックボクシングの選手と沖縄から出てきた選手が戦っていたんですけれども、実際、県出身の方が負けたんですが、やっぱりウチナーンチュの感情としてはどうしても沖縄県出身者というのは応援したくなる気持ちってあると思うんですよ。そういった中でこの首里城というのは象徴的なものですので、そこで造られるものに関してやっぱり沖縄の技術だったりとか、沖縄の製作者が造るということは非常に大切なことだと思うので、ぜひその辺りは考慮していただきたいなというのが思いです。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 下地康教委員。

○下地康教委員 今日はお疲れさまです。
 ありがとうございます。
 まず、監修会議の目的ですよね。首里城の正殿の復元工程に合わせて、国から提供された仕様に基づいて円滑に製作ができるようにという形になっているのですけれども。
 この復興基金、今現在幾ら集まっているのでしょうか。分かりますか。

○田名真之参考人 我々のほうでは把握していないです。

○下地康教委員 そうですか、分かりました。
 その復興基金があるのですが、その復興基金の使い道は全て監修会議で決めるということになるのでしょうか。
 その辺りはどのように捉えていますか。

○田名真之参考人 既に監修会議とは別に首里城再建のための木材とかがこの基金から使われていますので、監修会議で全てというわけではないです。多分監修会議で内部のほうのやつは24億かなんかだったと思います。

○下地康教委員 例えば復興基金を使用するに当たって、県がいろいろな文化的な要素を含んだ造形物を製作するというふうになった場合、やはりその監修会議の意見を聞くというふうになるのでしょうね。
 その辺りはどうなんですか。

○波多野泉参考人 監修会議のほうで寄附金の使い道を云々という話にはなっていません。我々のほうは国のほうからこれこれを作ってくださいというような形で県のほうで受けたものについての中身の話をしているので、お金の話をしているわけではありません。

○下地康教委員 そうしますとその監修会議で検討される事項というのはこれは県知事からの委嘱というか、そういった形になるのでしょうか。

○田名真之参考人 首里城復興課のほうで我々は委員としてお願いされているので、結果的にはそういうことになると思います。

○下地康教委員 この監修会議は知事がつくっていますよね。なのでやはり知事の依頼の下で動くという理解でよろしいんですよね。

○田名真之参考人 はい、そうだと思います。

○下地康教委員 分かりました。
 それと監修会議のほうでは、龍頭棟飾りの復元事業はまだ発注されていないという理解なのでしょうか。

○田名真之参考人 はい、そうです。

○下地康教委員 それでよく国建さんの話が出るんですけれども、この国建さんはどういう業務を委託されているのでしょうか。御存じですか。

○田名真之参考人 いわゆる監修会議の運営なり何なりというのを県と一緒になってやるといった形になると思いますけれども。

○呉屋宏委員長 休憩いたします。

○呉屋宏委員長 再開いたします。
 田名真之参考人。

○田名真之参考人 ちょっとその辺は分からないです。
 国建の話ですよね。

○下地康教委員 監修会議の皆さんとお話しする場合は、その国建さんの業務が云々という確実な話はできないという理解でよろしいですか。

○田名真之参考人 国建は平成の復元に相当関わっているので、そういう意味では情報は様々持っているということもありますから、話合いをしないというわけではありません。
 それぞれ造っていく中でも国建のほうで持っている情報もちゃんと提供してもらってという形になります。

○下地康教委員 ここなんですよ。要するに前回の話は分かるんですけれども、今回その業務を進めるに当たって、国建さんと正式に、例えば国建さんが委員に助言をするような立場にあるのかどうかですね、私はそれをはっきり確認したいんですよ。

○波多野泉参考人 事務局は当然県でございますので、その補佐的な立場で国建は契約を結んでいると思いますけれども、つまり我々がこういう情報が欲しいと言ったときに、県の職員では難しい部分が多数ございます。つまり専門的な――要するに国建の中には研究者もおりますし、研究チームがあるでしょうから、そういうところが資料を集めてくるとか、そういった補助的な、要するに監修会議の事務・業務の重要な補助をしているという認識をしております。

○下地康教委員 これは監修会議の事務局はたしか土木建築部ですね。土木建築部は例えば監修会議をまとめて報告をする委託業務みたいなのを国建さんに任せているのですか。
 御存じなければ分からないと答えてよろしいですよ。

○田名真之参考人 今はっきりしないです。

○下地康教委員 それでは質問を変えます。
 龍頭棟飾りの発注業務に関して、監修会議としてどういう発注体系がいいというふうに考えていますか。もし考えがあればお聞かせいただけますか。

○田名真之参考人 前回の関わりというのもあるんですけれども、そういう方と壺屋の組合とで協力をしてやれるような体制でできないかなというふうには思っております。

○下地康教委員 午前中壺屋陶器事業協同組合の方々の参考人の意見を聞かせていただいたんですけれども、私はこの龍頭棟飾りについては専門的な方々が一つのチームとして仕上げていくんだなというふうな理解だったんです。それでその一部を壺屋陶器事業協同組合の皆さん方が担当するというように私は捉えたんです。そういう中で監修会議の皆さん方は、この龍頭棟飾りの製作の業務を一つの壺屋陶器事業協同組合の皆さん方に全てをお任せして発注するというような形態は適切だというお考えはありますか。
 もし御意見があればお聞かせください。

○波多野泉参考人 会議で決定はしておりませんので、今の御質問は個人的な見解を申し上げればよろしいのでしょうか。
 会議としてはそれは何も適切かどうかも結論を出していませんので。
 ただし、先ほどからありますように全てを発注するということは施工までやるということですので、単独では難しいでしょう。だから、共同する形を見いだす必要があるというふうに監修委員は思っていると思いますが。
 まだ会議がこれからもありますので。

○下地康教委員 分かりました。
 以上です。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
 崎山嗣幸委員。

○崎山嗣幸委員 知事もそうなんですが、監修会議も伝統的技術を活用すると――継承するということはお話しをしていて、壺屋陶器事業協同組合も参画させていくということについては同じことを言っているんですよね。しかし、同じことをずっと一貫しているけれども、何でこんなに食い違っているのかについての疑問なんですが、どこに――裏の話はあちこち飛び込んでくるんだけれども、そうではなくて公にそういうふうに議論をして琉球の伝統技術を活用していくということを言っているし、全部請負をするということではないということも言っているし、何でかみ合わないのかについてが疑問なんですが、これは監修会議の中での議論としてすみ分けというのか、役割分担というのを明確にすればそんなに混乱はないと思うんですが、この辺いかがですか。今も決められる範囲かどうか分からないんだけど、どこでそんなに食い違っているのかどうかについてはどんなお考えをしていらっしゃいますか。

○波多野泉参考人 むしろ同じ意見でございまして、なぜこうなっているのか、私どもも不明です。この間に飛び交う情報は入ってきます。そして、どちらかにつくというわけでもございませんし、言っていることも言った、言わないという内容でしょうから、公にそういう議題としても上がっていませんので。しかし、壺屋陶器事業協同組合さんは、参画するという、参画すべきであるということは国の検討委員会からも出ているわけですし、当初から一体的にやっていくと。ただし、そこは主体的な契約なのかとか、どこが受注すべきなのかとか、そういう話に飛んでしまうわけですね。ですから、これは会議ではその話は一切出ておりませんので、これは県も調整してしっかりと参画できるようなところに調整してくれということは発言しております。

○崎山嗣幸委員 午前中、下地委員も分かりやすく質問していましたけれども、この壺屋陶器事業協同組合は一括して全部自分たちにさせろということを言っているわけではないと。焼き物の部分について、設計士もそうなんですが、協同してやっていくということを言っていたんですよね。そうであるならば、折り合いがつく話ではないかと私は思ったんですが、ここの交通整理みたいなものをやればそんなにトラブルはないのではないかと今日の議論で思ったんですが、今日、数を聞いてまた何か後ろにバックしていくような感じがするものだから、どうも何か分からなくなってくるのですが、ここは監修会議の中で役割分担というのか――ただこの段階で聞いていると、単なるというか、若手職人を壺屋から出してもらって、手伝ってもらうという感じに受け止めているんじゃないかと思うんですよね。だからそこの若手職人に何か物を作らせるというのか――そうではなくて、土づくりから含めて壺屋組合が言っている焼き物に関して自分たちにさせてくれということと、皆さんが言っている若手に手伝ってもらうということとはわけが違うんじゃないかと思うんですが、この辺はいかがですか。

○波多野泉参考人 アルバイト的に手伝ってもらうことを我々是とはしておりません。そんな話はどこにもありません。

○崎山嗣幸委員 じゃ、焼き物の部分については壺屋陶器事業協同組合に任すということは今言えるのか。

○波多野泉参考人 今の段階では申し上げる立場にないです。

○崎山嗣幸委員 分かりました。
 終わります。

○呉屋宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
    

(「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○呉屋宏委員長 質疑なしと認めます。
 以上で陳情第35号に係る参考人に対する質疑を終結いたします。
 この際、参考人に対し、委員会を代表して一言お礼を申し上げます。
 本日はお忙しい中にもかかわらず、長時間にわたり貴重な御説明をいただき心から感謝いたします。
 本日拝聴いたしました内容等につきましては、今後の委員会審査に十分生かしてまいりたいと思います。
 田名真之参考人及び波多野泉参考人、誠にありがとうございました。
 休憩いたします。

   (休憩中に、参考人等退室)
                         
○呉屋宏委員長 再開いたします。
 以上で、本日の日程は終了いたしました。
 次回は、明4月13日木曜日午後1時10分から委員会を開きます。
 委員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 本日の委員会は、これをもって散会いたします。






沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。

 委 員 長  呉 屋   宏