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平成20年(2008年) 第 4回 沖縄県議会(定例会)
第 7号 12月11日
福祉保健部長(伊波輝美)
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医療問題についての御質問の中の、成人T細胞白血病の感染防止対策のホームページ掲載についてに一括してお答えいたします。
成人T細胞白血病(ATL)は、血液のがんである白血病の一種で、全国的にも沖縄県を含む九州地方で多く発症しております。
ATLは、HTLV-1というウイルスに感染している場合にのみ発症しますが、このウイルスは感染力が弱く、40歳以上のウイルス保持者から年間1000人に1人の割合で発症すると言われており、発症後の治療法については確立されておりません。
沖縄県における献血者のHTLV-1抗体陽性率は、昭和63年度の8.3%から徐々に低下し、平成19年度には0.5%となっており、このウイルスの保有率は減少してきております。
ATLの感染防止対策としてホームページへ掲載しているのは、宮崎県、長崎県、鹿児島県となっております。
県といたしましては、ホームページへの掲載について、医療機関など関係機関と調整するなど慎重に検討してまいりたいと考えております。
続きまして、妊婦のHTLV-1の検査の実施と母子感染防止について一括してお答えいたします。
HTLV-1の感染経路は主に母乳を介した母子感染で、HTLV-1を保有している母親から感染します。
妊婦への抗体検査の実施について、国の保健指導マニュアルでは、抗体検査を実施する際には検査前に十分な説明を行い、希望する妊婦への実施が妥当な方法とされており、県においても、国のマニュアルに基づき対処しているところであります。
HTLV-1は任意での検査項目であり、妊婦健診の検査結果の集計には入っていないため、妊婦の抗体検査実施状況の把握は困難な状況であります。
母子感染防止策としては、希望して検査を実施した妊婦に対し、その結果について主治医より十分な説明が行われているところであります。
続きまして、無料診断実施と若い世代へ病気を認識させること及びその支援策について一括してお答えします。
HTLV-1の無料診断につきましては、一般的にその感染力が弱いこと、HTLV-1の保持者のATL発症率が低いことから、その実施は困難と考えます。
また、若い世代にこの病気を認識させることについては必要と思われますが、その方法については、慎重に検討してまいりたいと考えております。
病気への支援策については、この病気が特定疾患公費負担制度の対象となっていないことから、保険における高額療養費制度による支援となります。
続きまして、キャリア調査の実施とそれに伴うパニックの防止の方策について一括してお答えします。
HTLV-1の抗体検査は、現在、国の研究班による「母子感染予防保健指導マニュアル」に基づいて希望する妊婦に実施している状況です。
成人T細胞白血病は、40歳以上のウイルス保持者から年間1000人に1人の割合で発症すると言われておりますが、その治療法は確立しておりません。そのため、調査の結果、抗体が陽性であった場合の告知は、がんの告知と同様の問題を含んでおり、一般住民を対象にした調査の実施につきましては、慎重に検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
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