平成23年(2011年) 第 5回 沖縄県議会(定例会)
第 2号 6月29日
 


○議長(髙嶺善伸) これより本日の会議を開きます。
 日程に入ります前に報告いたします。
 6月21日、渡嘉敷喜代子さん外12人から、議員提出議案第1号「嘉手納飛行場における米軍のパラシュート降下訓練中止及び日米地位協定改定に関する意見書」及び議員提出議案第2号「嘉手納飛行場における米軍のパラシュート降下訓練中止及び日米地位協定改定に関する抗議決議」の提出がありました。
 次に、説明員として出席を求めた警察本部長村田隆君は、体調不良のため本日から7月1日まで及び7月4日から6日までの会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として警察本部警務部長磯丈男君の出席を求めました。
 また、人事委員会委員長仲吉朝信君は、所用のため本日から7月1日まで及び7月4日から6日までの会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として人事委員会事務局長岩井健一君の出席を求めました。
 また、労働委員会会長比嘉正幸君は、所用のため本日から7月1日まで及び7月4日から6日までの会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として労働委員会事務局長平良宗秀君の出席を求めました。
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○議長(髙嶺善伸) この際、日程第1 議員提出議案第1号 嘉手納飛行場における米軍のパラシュート降下訓練中止及び日米地位協定改定に関する意見書及び日程第2 議員提出議案第2号 嘉手納飛行場における米軍のパラシュート降下訓練中止及び日米地位協定改定に関する抗議決議を一括議題といたします。
 提出者から提案理由の説明を求めます。
 渡嘉敷喜代子さん。
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   〔議員提出議案第1号及び第2号 巻末に掲載〕
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   〔渡嘉敷喜代子さん登壇〕
○渡嘉敷喜代子 おはようございます。
 ただいま議題となりました議員提出議案第1号及び同第2号の2件につきましては、6月21日に開催した米軍基地関係特別委員会の委員等により協議した結果、議員提出議案として提出することに意見の一致を見ましたので、提出者を代表して提案理由を御説明申し上げます。
 提案理由は、嘉手納飛行場における米軍のパラシュート降下訓練中止及び日米地位協定改定について関係要路に要請するためであります。
 次に、議員提出議案第1号を朗読いたします。
   〔嘉手納飛行場における米軍のパラシュート降下訓練中止及び日米地位協定改定に関する意見書朗読〕
 次に、抗議決議につきましては、内容が意見書と同じでありますので、あて先だけを申し上げます。
   〔嘉手納飛行場における米軍のパラシュート降下訓練中止及び日米地位協定改定に関する抗議決議のあて先朗読〕
 以上で提案理由の説明は終わりますが、慎重に御審議の上、よろしく御賛同賜りますようお願い申し上げます。
なお、抗議決議のあて先で在日米軍沖縄地域調整官、在沖米国総領事及び第18航空団司令官につきましては、その趣旨を要請するために米軍基地関係特別委員会委員を派遣する必要があるとの意見の一致を見ておりますので、議長におかれましてはしかるべく取り計らっていただきますようよろしくお願いいたします。
○議長(髙嶺善伸) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。
   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 質疑なしと認めます。
 これをもって質疑を終結いたします。
 この際、お諮りいたします。
 ただいま議題となっております議員提出議案第1号及び第2号については、会議規則第37条第3項の規定により委員会の付託を省略いたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 御異議なしと認めます。
 よって、両案については、委員会の付託を省略することに決定いたしました。
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○議長(髙嶺善伸) これより議員提出議案第1号「嘉手納飛行場における米軍のパラシュート降下訓練中止及び日米地位協定改定に関する意見書」及び議員提出議案第2号「嘉手納飛行場における米軍のパラシュート降下訓練中止及び日米地位協定改定に関する抗議決議」の2件を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 ただいまの議案2件は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 御異議なしと認めます。
 よって、議員提出議案第1号及び第2号は、原案のとおり可決されました。
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○議長(髙嶺善伸) ただいま可決されました議員提出議案第2号に関し、提案理由説明の際提出者から、在日米軍沖縄地域調整官、在沖米国総領事及び第18航空団司令官については、その趣旨を要請するため米軍基地関係特別委員会委員を派遣してもらいたいとの要望がありました。
 よって、お諮りいたします。
 議員提出議案第2号の趣旨を在日米軍沖縄地域調整官、在沖米国総領事及び第18航空団司令官に要請するため、米軍基地関係特別委員会委員を派遣することとし、その期間及び人選については議長に一任することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
   ―――――◆・・◆―――――
○議長(髙嶺善伸) この際、念のため申し上げます。
 本日から7月1日まで及び7月4日から6日までの6日間にわたって行われます代表質問並びに一般質問及び議案に対する質疑につきましては、議会運営委員会において決定されました質問要綱に従って行うことにいたします。
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○議長(髙嶺善伸) 日程第3 代表質問を行います。
 質問の通告がありますので、順次発言を許します。
 具志孝助君。
   〔具志孝助君登壇〕
○具志 孝助 皆さん、おはようございます。
 仲井眞知事――今や総理より偉いんじゃないかなと思ったりしているんですけれども――毎日暑い中、御苦労さんであります。
 また、先日は総理官邸に赴かれまして、早速菅総理に2プラス2後の早速沖縄県民の意思を伝えていただきました。新聞報道でしか我々は知ることができないんですが、まさに今日、普天間基地問題、私は喫緊の課題だと思っているんです。閉塞感、まさに行き詰まって、これをどう打開するのか深刻な課題だなと思っております。
 さて、3月11日の東日本大震災から早くも3カ月半がたちました。大震災は、死者、行方不明者合わせて2万5000名近くに上るという大災害でありました。謹んでここに哀悼の誠をささげたいと思います。
 東日本大震災は、想定外だったと繰り返し言われております。しかし、国民は、たとえ想定外であっても許されるものではないと、こういうようなことであります。一方、震災と同時に起こった、いまだ終息のめどの立たない福島第一原発事故、これはまさに人災ではないか、こういうようなことであります。
 普天間の飛行場が世界一危険である、一刻も早くあの危険性を除去しなきゃならぬということは日米両政府が認めているところなんです。このままの状態で万が一にも事故が起きたときには、一体全体だれが責任をとるのか、まさに人為的な事故だったと、こういうようなことであります。私たちはこの人為的になりかねない事故――事故なんていうのはいつ何どき起こるかわからない――まさに一刻の猶予も許さない普天間の基地問題だと思っております。
 そこで代表質問を行いたいと思っております。
 質問の第1点目は、普天間飛行場移設問題についてであります。
 去る6月21日、4年ぶりに開かれた日米安全保障協議委員会(2プラス2)は、沖縄県民の声を黙殺し、普天間飛行場の代替施設を名護市辺野古崎にV字案でつくることを決定しました。これまで2014年としていた完成時期もめどが立てられない中で断念することも決定されております。ますます普天間飛行場の移設返還の行き先は不透明になり、現状固定化が現実味を増してきたと思います。
 一方、米国議会の上院軍事委員長は、日米両政府が合意した名護市辺野古沿岸への移設を実現不可能とし、嘉手納飛行場への統合を中心とする新たな移設案の検討を米国防総省に提案いたしました。米軍事費の予算決定権を持つ上院軍事委員長の影響力や、次期米国国防長官が米議会の公聴会で普天間移設の見直しに言及しており、日米合意どおりに進展するか疑問であります。
 米国内で普天間飛行場移設問題が混迷する中、県内から不穏な動きが表面化してまいりました。報道によれば、菅政権と連立を組む党の幹部で県選出国会議員がワシントンで、レビン上院軍事委員長に本島北部の陸上部を念頭に普天間飛行場の代替案を説明したほか、自身が普天間の移設先として提唱している嘉手納統合案とキャンプ・シュワブ陸上案について、辺野古は県の認可がないとできないが、両案は――すなわち統合案とシュワブ陸上案ですね――日米両政府が合意をすれば地元の合意は必要ない、知事認可は要らないと、こういうようなことを述べるなど、まさに県民に対する背信行為を行っていると思っております。新たな混乱を持ち込むだけじゃなく、米側に基地問題での誤ったメッセージを送るおそれがあり、絶対に許してはならないと考えております。
 そこで伺います。
 (1)、日米両政府は、6月21日に開かれた2プラス2において、普天間飛行場の辺野古への移設をV字型とすることを決定した。知事は、北澤防衛相から事前に伝達されたが、完全な辺野古回帰となったことにこれまでの経緯を含め知事の見解を伺いたい。
 (2)、米軍事費の予算決定権を持つ米上院軍事委員長が、日米両政府が合意した名護市辺野古沿岸への移設を実行不可能とし、嘉手納への統合を提案していることについて知事の見解を伺いたい。
 (3)、報道によれば、県選出国会議員が本島北部陸上への移設代替案を米側に提案し、また、自身が提唱する移設案は日米両政府が合意すればよく、地元の合意は必要ないと述べていることについての知事の見解を伺いたい。
 (4)、老朽化で事故の危険性が最も高いと言われているCH56ヘリの後継機種MV22オスプレイの配備に対する県の見解について伺いたい。
 (5)、日米合意の再定義から1年が経過し、2014年の移設完了の先送りも確実となり、普天間飛行場の現状固定化が現実のものとなりつつあるが、県の現状認識と今後の見通しについて伺いたい。
 (6)、報道によれば、北澤防衛相は2プラス2の意義について、民主党政権下で行われ、日本の政治勢力の8割以上が日米同盟にコミットした歴史的な分岐点だとの発言について知事の見解を伺いたい。
 (7)、宮古の下地島空港を災害救援拠点空港に使用する構想をしていることについて知事の見解を伺いたい。
 (8)番目の質問、これはぜひ後ほど質問状をまとめた与世田副知事から御答弁をお願いいたしたいと希望を申し上げますが、(8)番目の質問は、防衛省がまとめた「在日米軍・海兵隊の意義及び役割について」の冊子に対し県が質問状を提出した。その理由と政府の反応を伺いたいと思います。
 2、返還軍用地の跡地利用について。
 沖縄政策協議会の第3回米軍基地負担軽減部会が約4カ月ぶりに開かれました。しかし、協議の中身については、県が期待した内容の回答ではなかったようであります。今回の協議では、県軍用地転用促進基地問題協議会、すなわち軍転協が提出した本県における米軍基地から派生する諸問題の解決と県民の負担軽減を図るため、普天間飛行場の県外移設を求めるなどの25項目にわたる要請書に対する政府の回答が注目されていたのであります。特に、本県が経済の自立を図る上での柱とする嘉手納以南の大規模基地の返還について、普天間移設と切り離し返還を先行させるようパッケージ外しを強く要請していたのでありますが、政府は拒否姿勢を示したということであります。
 このような中、県は、2011年度に期限切れとなる軍転特措法などにかわる新たな制度として駐留軍用地跡地利用促進法(仮称)の要綱検討案をまとめ政府に提出をしております。要綱案は、関係市町村や地主会等の意見も集約して策定されたもので、オール沖縄の要求とも言えるものでありますが、恒久法とすることには、これまでの跡地利用計画の策定経緯や基地立ち入りに対する米側の姿勢などを考えれば、政府の壁は厚いと言わねばなりません。
 また、日米両政府の2プラス2は、普天間飛行場の2014年までの移設を事実上断念したことを受けて、沖縄の海兵隊のグアムへの移転や嘉手納飛行場以南の米軍基地の返還がおくれることは十分にあり得ると述べております。返還のおくれは、国における駐留軍用地跡地利用促進法(仮称)要綱案の検討作業にも影響を与えることが考えられます。現在は返還に向けて跡地利用の計画段階であり、具体的計画も見えない中で、新たな法制度の制定は厳しいとして現行の軍転法の単純延長の動きも見られるようであり、県の強い姿勢と理論武装が求められます。
 そこで伺います。
 (1)、駐留軍用地跡地利用推進法(仮称)案の要綱の概要と今後の政府との協議や各政党との意見交換など県の戦略を伺いたい。
 (2)、駐留軍用地跡地利用推進法(仮称)案の要綱について、関係市町村や地主会の意見はどのように反映されているのか。
 (3)、軍転法で返還合意された土地への立ち入りを県や関係自治体が国にあっせん申請できるとした取り決めについて、政府は、申請窓口は明確に決まっていないと述べたと言われるが、県の見解を伺いたい。
 (4)、2014年までの普天間の代替施設の移設を断念したことで嘉手納以南の大規模基地返還も事実上おくれる見通しとなったが、政府はリンク論を変えていない。県は戦略を練り直す必要があるのではないか。
 質問の3点目は、新エネルギー対策についてであります。
 3月11日、三陸沖で起きた大地震・大津波は、東日本一帯に深刻な被害を与える大震災となりました。しかし、これからの我が国のあり方や産業経済の方向に決定的な影響を与えたのが福島第一原発の事故であります。発生から3カ月半経過した現在においても一向に終息の兆しは見えず、避難を余儀なくされた被災者や国民の不安は、政府、東電の対応のまずさもあり、いつ解消されるか見通し得ない状況にあります。
 福島の原発事故は、技術力の高い日本の原子力に対する安全神話を崩壊させ、国民に原発に対する大きな不安を与えたのであります。そのことは、今回の事故が未曾有の大地震・大津波という想定外の事故では片づけられない衝撃を国内外に与え、同じ原発事故が起こり得ることの不安を拡大したのであります。
 一方では、原発なくして我が国国民生活のすべての電力を賄うことは不可能な状況にあり、現に原発使用が抑えられたことで国全体が節電を強いられているのが現状であります。しかし、もはや脱原発への流れはとめられず、国民の間にも原発にかわる新たなエネルギーの開発を求める声が高くなりつつあり、太陽光、地熱、風力、再生可能なエネルギーへの転換がこれからの課題であります。その意味では、本県は我が国で唯一の亜熱帯性気候であり、太陽光発電や風力発電などさまざまな新エネルギー利用の可能性について有利な条件が備わっており、県においてはその有利性を生かした新エネルギーの開発に取り組んでいると思います。
 そこで伺います。
 (1)、県は、エネルギービジョンで、2020年までに風力や太陽光などの新エネルギー導入により石油依存度の低減やエネルギー自給率向上を図るとしているが、目標達成を図る上での課題や問題点となるものは何か。
 (2)、本県における風力発電への拡大を図るには台風常襲地帯としての台風対策が重要である。その対策と風力発電目標数値を伺いたい。
 (3)、バイオマス燃料について、目標達成に必要な固体・液体燃料の生産供給体制の整備をどのように図っていくか。
 (4)、県は、代替エネルギーや温泉施設などの利用促進を図るため天然ガスの埋蔵量調査を行っているが、調査箇所と今後の事業展開について伺いたい。
 4点目は、離島・過疎地域の振興についてであります。
 離島県である本県は、離島の振興は県政の重要な課題であり、そのため県においては、沖縄振興を図る新たな制度となる「沖縄21世紀ビジョン基本計画」において、克服すべき沖縄の固有の課題として離島振興を掲げております。
 本県離島の抱える課題は、地域活力や集落機能の低下、若年者の流出等による人口減少や高齢化の進展など慢性化・構造化していることでありますが、常襲的な台風の襲来という気候的な条件も住民生活や産業面へ大きな影響を与えております。台風は、離島交通を遮断し、生活物資の不足、さらに農林水産業へ深刻な影響を及ぼし、住民生活を直撃します。復帰後、国による4次40年にわたる離島振興の各種施策を実施したにもかかわらず、本県離島の抱える課題の解決には至っていないのであります。
 そこで伺います。
 (1)、小規模離島への生活物資の輸送は割高の状況にあり、離島住民の生活コストの軽減を図ることは若者の定住にもつながると考えるが、県の取り組みを伺いたい。
 (2)、離島航路・航空路の運賃の低減化は離島振興を図る上で大きな課題であるが、県の小規模離島の航路・航空路支援の取り組み状況と宮古、石垣への拡大について伺いたい。
 本県における地産地消を定着させるため最も効果が大きく、先導的な役割を担う学校給食での県産食材の利用率の向上を図るほか、直売店や飲食店などと提携した取り組みが求められます。そのためには、県が主体となり県内の地産地消運動の体系化を図ることが必要であると考えます。
 そこで伺います。
 ア、東日本大震災や原発事故の影響で食品関係工場等の操業停止など本県からの農産物出荷への影響が心配されているが、現状と対策について伺いたい。
 イ、地産地消を推進する上で、学校給食は県産食材の利用拡大や食育教育に大きな効果があると考えられるが、県産食材の利用率の状況と今後の取り組みについて伺いたい。
 ウ、新しい農業振興の方策として農商工が連携した第1次産業を振興する、すなわち6次産業が提唱されているが、本県における可能性について伺いたい。
 エ、2012年に開催される全国海づくり大会の開催地に糸満市が決定されたが、開催に向けての準備作業と事業内容、経済効果等について伺いたい。
 (2)、遺伝子組み換えパパイヤ問題についてであります。
 昨年10月、厚生労働省がパパイヤを使った加工食品から遺伝子組み換えを発見したことを受けて、去る4月、農林水産省は県内の流通元を調査し、「台農5号」の種子で遺伝子組み換えが確認されたと発表しました。県内におけるパパイヤ栽培面積21ヘクタールのうち、「台農5号」は約2割を占めているということであります。
 国・県は、遺伝子組み換えパパイヤと同じ品種のパパイヤの伐採に向け各地域でパパイヤ農家への説明会を開き、8月下旬までには伐採を完了させる計画のようであります。生産農家からは、国が水際での防止対策を怠ったとして補償を求める強い意見も多く出されたようでありますが、国は、国内法の規定がないとして補償義務を負わないというような姿勢をとっております。
 パパイヤは、沖縄の食文化として一般家庭に普及しており、農家だけでなく県民生活にも大きな影響を与えるものと考えます。県内で栽培されて数十年以上もたった今、伐採と言われては、県内農家や種苗店の精神的負担は大きく、また、経済的な打撃もはかり知れないことから、国や県においては、パパイヤ栽培農家や種苗店の実情を考慮し、補償を含めた支援のあり方を考えていただきたいと願うものであります。
 そこで伺います。
 ア、県内で販売されたパパイヤから遺伝子組み換えが確認された問題について、県内における販売・栽培状況と風評被害に対する国・県の対応を伺いたい。
 イ、国と県は、遺伝子組み換えパパイヤと同じ品種のパパイヤの伐採に向け各地で農家に対する説明会を行っているが、説明会の目的と農家の反応について伺いたい。
 ウ、国は、台湾で遺伝子組み換えパパイヤが研究されていることを認識していながら検査法を整備せず放置していた。生産農家に対する損失補償に応ずるべきではないかと考えます。県の考えを伺います。
 質問6、教育・文化の振興についてであります。
 (1)、教育環境の改善について。
 教育庁は、2012年度から10年間の県立高校の現状や課題を盛り込んだ県立高校編成整備計画の基本方向の素案をまとめております。その中で、義務教育段階の学習が定着していない生徒に対し学び直しができる新しい性格の県立高校の設置や中途退学などで一度学校を離れた者に再度学習の機会を与えるという新しいタイプの学校の設置を検討しているようであります。
 今、教育現場で対応に苦慮しているのが、不登校などで学習支援が必要とされる生徒や発達障害のある子への対応であると言われております。基礎学習から進学まで、多様な学習ニーズに対応できる新たな教育の場が必要であります。さらに、県教育庁は、小学校進学前の3年間を準義務教育化する幼稚園教育を検討しているようであります。
 このように、県教育庁は、学び直し学校や準義務教育化の導入など大胆で戦略的な教育制度の導入を図るなど、精力的に取り組んでおり、大いに期待をするものであります。
 そこで伺います。
 ア、教育庁が検討している小学校に進学する前の3年間を準義務教育化する制度の創設について、そのねらいと国が進める幼保一体化との関係について伺いたい。
 イ、義務教育段階の学習が定着していない生徒が学び直しができる高校の設置について、その基本方向と対象となる範囲をどのように想定しているか。
 ウ、学習が定着していない生徒には、小学校レベルの基礎学力不足や発達障害のある子など多様な学習が必要とされる場合が多いが、どのような学習を考えているか。
 エ、障害のある子に対する教育支援として実施する特別支援教育実践推進事業について、事業を推進する上での基本方向と教員の専門性の向上をどのように図っていくか伺います。
 質問7点目、県発注工事の入札契約制度についてであります。
 県土木建築部が2010年度に発注した工事で、複数の業者が県の最低制限価格と同額で入札していた事例が発覚しました。県によりますと、同額入札した51件のうち複数業者が最低制限価格と同額入札しており、その数は18件もあったということであります。
 現在、国・県が発注する公共工事費は減少する一方であり、最盛期の半分近くまで減っているということであります。その上、今回の問題の行方によっては、県内建設業界の受けるダメージははかり知れません。その意味で、今回の県の調査結果について調査の客観性や信憑性が十分あることを県民に対し説明し、理解や信頼を得ることが必要であると考えます。
 そこで伺います。
 (1)、県発注工事で最低制限価格と同額入札が発覚した問題について、県は調査結果を発表した。どのような調査をし、どのような結果が判明したか。また、改善策はどうなっているか伺いたい。
 (2)、県の入札制度は、大きく分けて一般競争入札、指名競争入札、総合評価方式の3つの方式で行っているが、それぞれの特徴と実施状況はどうなっているのか。また、今後政策的に入札方式を検討するつもりはないか伺いたい。
 (3)、県は、新たな振興計画の策定に当たって、建設業界の振興・育成を図るための方策をどのように盛り込んでいるか伺いたい。
 8点目、尖閣諸島問題についてであります。
 中国や台湾の漁船が尖閣諸島周辺近海において違法操業を繰り返し、本県の漁業に脅威を与えている中、去る9日、中国海軍のフリゲート艦3隻が沖縄本島と宮古島の間の公海上を東シナ海から太平洋に向け通過したということであります。国際法上は公海航行のため問題は生じないようでありますが、中国海軍が沖縄近海で活動を活発化していることに間違いありません。
 2010年9月7日に起きた尖閣諸島付近での中国漁船による海上保安庁の巡視船2隻に対する追突事件の記憶が新しいこのときにこのような行動に出ること自体、日本政府が甘く見られている証左であります。尖閣諸島は、歴史的にも国際法上も我が国の固有の領土であり、尖閣諸島に関しては領土問題は存在しないというのが我が国の立場でありますが、中国の漁船を使った領海侵犯、違法操業による挑発行為は露骨であります。この問題に対しては、国は一貫して中国を刺激しないことだけを優先しており、尖閣諸島の実効支配に向けた具体的な取り組みを放棄したままであります。
 石垣市は、1969年に魚釣島に慰霊碑を建立して以降、開催していない慰霊祭の開催を希望しており、政府に対し同島への上陸許可を要請しております。また、仲井眞知事は、尖閣諸島周辺海域での本県漁業者の安全確保を図るため、外務省や国交省に対し、政府としての対応を要請しております。
 このように、政府は固有の領土である尖閣諸島に関し、内外に対し毅然とした姿勢を示すべきであると考えます。
 そこで伺います。
 (1)、石垣市は、尖閣諸島の固定資産税や環境調査、慰霊祭を行うため早い時期の上陸許可を求めているが、政府の対応と県の認識を伺いたい。
 (2)、仲井眞知事は、尖閣諸島周辺海域での県内漁業者の安全操業の確保を政府に対し要請したが、外務省の反応について伺いたい。
 以上が代表質問であります。よろしく御答弁をお願いいたします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午前10時40分休憩
   午前10時42分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
○具志 孝助 失礼いたしました。
 4項目めの離島・過疎地域の振興についての質問の中で、質問漏れがありますので、追加して質問させていただきます。
 (3)点目、離島の廃棄物処理について、現在の処理状況と廃棄物処理に要する運搬等の経費に対する支援のあり方等、県の取り組みを伺いたい。
 (4)、離島等の病院における産婦人科医師の確保に向けた県の取り組みはどうなっているのか。また、離島勤務医師の待遇の改善や診療報酬の加算等財政的な支援について県の考えを伺いたい。
 (5)、伊平屋空港建設事業について、環境影響評価知事意見書が提出されたが、その内容と今後の作業スケジュールについて伺いたい。
 以上であります。よろしくお願いをいたします。
○知事(仲井眞弘多) おはようございます。
 具志孝助議員の御質問に答弁いたします。
 まず第1に、普天間飛行場移設問題についての御質問の中で、代替施設滑走路のV字型決定とこれまでの経緯を含めた知事の見解いかんという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 去る6月21日、日米安全保障協議委員会におきまして、沖縄における再編などを含む共同発表があり、普天間飛行場の代替施設について、位置、配置及び工法の検証及び確認を完了したとのことでございます。
 昨年5月の日米共同発表は、県外移設の実現に期待する声が高まっている中で唐突に行われたものであり、県民の間に大きな失望を招きました。その後、政府に対し、県民の納得のいく説明と解決策を求めてまいりましたが、それらは依然として示されておりません。これまで日米両政府に対し、「地元の理解を得られない移設案を実現することは、事実上不可能である」と機会あるごとに申し上げてきたにもかかわらず、今回、このような決定がなされたことはまことに遺憾であります。
 県としましては、日米両政府は、普天間飛行場の県外移設の実現に向け、真摯に取り組むべきであると考えております。
 次に、同じく普天間飛行場移設問題に係る御質問の中で、米国上院軍事委員長が提案する嘉手納統合案についての御質問にお答えいたします。
 レビン米上院軍事委員長らが沖縄の現状を踏まえて、辺野古移設を実行不可能と判断したのは、米議会の中で現行の辺野古移設案に対する疑問が生じてきたものと受けとめております。しかしながら、嘉手納飛行場周辺市町村は現在でも過重な基地負担を強いられており、さらに負担が増加するような案は断じて受け入れることはできません。
 県といたしましては、日米両政府に対し、引き続き普天間飛行場の県外移設に真摯に取り組むよう強く求めてまいりたいと考えております。
 同じく普天間飛行場移設問題についての御質問の中で、普天間の固定化に対する認識と今後の見通しについてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 普天間飛行場移設問題の原点は、一日も早い同飛行場の危険性の除去であります。早期に解決を図る必要があることから、固定化は決してあってはならないと考えております。
 県といたしましては、今後とも総理を初め各大臣との面談などあらゆる機会を通して普天間飛行場の県外移設及び早期返還の実現を強く求めてまいりたいと考えております。また、その実現を図るためには、日本全体で米軍基地の負担を分かち合うべきであるということを広く国民に理解してもらう必要があると考えており、日米両政府などへの働きかけを積極的に推し進めてまいる所存でございます。
 次に、返還軍用地の跡地利用に係る御質問の中で、「駐留軍用地跡地利用推進法(仮称)要綱県案」の概要と今後の戦略についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 この要綱県案の概要といたしまして主なものは、第1に、基本理念として跡地利用に関する国の責務と跡地利用による自立的発展について明記したこと、第2は、SACO、そしてSCCでの返還合意施設についても法律の対象としたこと、第3が、土壌汚染の除去など原状回復措置の徹底の制度化、そして4点目が、給付金制度の拡充、5点目に、返還前の基地内立入調査に対する国の行う所要の措置、第6点目に、中南部都市圏広域跡地の国による早期の事業主体の確立及び用地の先行取得、第7点目が自衛隊施設用地にも準用する規定を明記したことなどであります。
 県におきましては、6月15日から17日にかけまして本要綱県案を踏まえました「駐留軍用地跡地利用推進法」の制定につきまして国へ要請を行ったところでございます。各政党への説明も随時行っておりますが、今後とも意見交換等を行いながら、新たな法制度の制定に向けた取り組みを推進してまいる所存でございます。
 次に、尖閣諸島問題に係る御質問の中で、石垣市の尖閣諸島への上陸許可に関する政府と県の認識いかんという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 石垣市が求めております固定資産税や環境調査における尖閣諸島への上陸要請に対し、これまでの日本政府の見解では、「尖閣諸島の上陸要請に関連し、平穏かつ安定的な維持及び管理のためという所有者との賃借の目的に照らし、原則として政府関係者を除き何人も尖閣諸島への上陸を認めない」という旨の方針が示されております。また、尖閣諸島で慰霊祭を行うための上陸につきましては、石垣市長が本年6月に菅総理大臣を初め関係省庁等へ要請したところですが、現段階において回答が示されておりません。
 県といたしましては、固定資産税の実地調査や環境調査及び慰霊祭を行いたいという地元の意向に配慮した上で、政府として適切に判断されるべきものであると考えております。
 同じく尖閣諸島問題に係る御質問の中で、尖閣諸島周辺海域での県内漁業者の安全操業の確保についての御質問にお答えいたします。
 沖縄県は、尖閣諸島周辺海域における漁業者の安全操業の確保の観点から、外務省や国土交通省などに対し、去る6月15日から17日にかけまして、安全操業に対する適切な対策や取締船等の強化など抜本的な措置を講ずることにつきまして強く要請したところでございます。要請に際し、外務省からは、第1に、漁業秩序の回復など相手国に対し必要な申し入れをしっかり行う、第2に、関係省庁とよく連携をし、要望内容については政府内で共有するとのコメントがありました。また、国土交通省からは、巡視船及び保安要員の増強を行うとのコメントをもらっております。
 その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁させていただきます。
○副知事(与世田兼稔) 副知事の与世田でございます。
 4月1日より公務についております。なれないことばかりではございますが、仲井眞知事の補佐役として、知事公約実現へ向け、また県民のため職務に精励する所存でございます。県政の課題にスピーディーに取り組む副知事を目指したいと存じます。きょうが初めての答弁でございます。今後ともよろしくお願いいたします。
 それでは具志孝助議員の、防衛省がまとめた「在日米軍・海兵隊の意義及び役割について」、県が質問状を出した理由と政府の反応についての御質問にお答えいたします。
 去る5月7日、北澤防衛大臣から示された「在日米軍・海兵隊の意義及び役割について」、在沖海兵隊の作戦・任務や沖縄にまとまって所在する理由などその内容を検討したところ、県民の納得のいく説明ではなかったため、疑義を取りまとめ6月1日に防衛大臣あて質問書を提出したものであります。防衛省としては、省内で精査した上で回答するとのことでありましたが、現時点まで回答はありません。
 県としては、政府に対し、速やかに回答するよう強く求めてまいりたいと考えております。
 以上です。
○知事公室長(又吉 進) 普天間飛行場移設問題について、国頭村安波地区への移設案についての御質問にお答えいたします。
 国頭村安波区への移設案については、報道等により承知しておりますが、宮城国頭村長は、「いかなる条件があっても受け入れる考えはない」とのことであります。また、日米両政府においても、正式に取り上げられたことはないと承知しており、県としての見解は差し控えたいと考えております。
 次に、MV22オスプレイの配備についての御質問にお答えいたします。
 MV22オスプレイの配備について、去る6月6日、沖縄防衛局より口頭にて「地元へのお知らせ」がありました。
 沖縄県としては、当該機種が過去の開発段階において死亡事故を起こしていること等から、県民が不安を抱いており、十分な情報が示されない現状では、配備について反対であります。去る6月24日、沖縄県は、オスプレイの具体的な運用上の問題等についての質問文書を防衛省へ提出し、速やかな回答と説明を求めたところであります。
 次に、北澤防衛大臣の発言における2プラス2の意義についてお答えいたします。
 北澤防衛大臣の発言については、国内の政治勢力の大多数が日米同盟を支持したとの見解を示したものと考えております。しかしながら、沖縄は在日米軍専用施設の約74%の過重な基地負担があることから、県としましては、日米両政府において、普天間飛行場の県外移設を含む基地負担の軽減に向けて、真摯に取り組むべきであると考えております。
 次に、下地島空港の災害救援拠点空港としての使用についてお答えいたします。
 県においては、新たな沖縄振興計画に盛り込む制度要望として、国際緊急援助隊や援助物資の備蓄基地などを誘致し、県内に災害援助拠点を形成できないか検討しているところであり、その場所等も含めた具体的内容につきましては、現在、調査研究を行っているところであります。
 北澤防衛大臣が南西諸島に災害拠点を整備する旨の発言をされたことは承知しておりますが、その具体的な内容等については現時点では把握しておりません。
 次に、返還軍用地の跡地利用について、大規模基地返還の戦略の練り直しについてお答えいたします。
 今回の日米安全保障協議委員会文書において、嘉手納飛行場より南の施設・区域等の返還は、ロードマップに記されたように着実に実施されることを再確認したとしており、いわゆるパッケージ論が改めて示されております。
 「再編実施のための日米のロードマップ」で返還等が示されている嘉手納飛行場より南の施設・区域等については、沖縄の振興・発展のための貴重な空間であり、確実に実施される必要があります。そのため、県としては、パッケージ論にとらわれることなく、実現可能なものから一つ一つ確実に実施されるよう、去る6月27日にも菅総理を初め官房長官、外務大臣、防衛大臣に対し強く求めたところであります。
 以上でございます。
○企画部長(川上好久) 返還軍用地の跡地利用についての御質問の中で、「駐留軍用地跡地利用推進法(仮称)要綱県案」への関係市町村等の意見の反映についてお答えいたします。
 本要綱県案は、県及び跡地関係11市町村で構成する「跡地関係市町村連絡・調整会議」において、県軍用地等地主会連合会の意見等も踏まえて取りまとめたものであり、関係市町村及び県軍用地等地主会連合会の意見が十分反映されたものとなっております。
 次に、基地内立ち入りの国のあっせん申請窓口が決まっていないことについてお答えいたします。
 返還前の基地内立入調査のあっせん申請については、軍転特措法第9条に定められておりますが、5月18日の参議院決算委員会において、国の申請窓口が明確でないことが明らかになっております。
 県としましては、国によりあっせん申請窓口を明確にした上で、当該申請があった場合に、基地内立入調査が着実に実施できる制度が必要であると考えており、「駐留軍用地跡地利用推進法(仮称)要綱県案」においても、あっせん申請に対して国が行う所要の措置について規定しているところであります。
 次に、離島・過疎地域の振興についての御質問の中で、離島住民の生活コストの軽減についてお答えいたします。
 離島地域の定住条件を整備する上で、沖縄本島に比べて割高な生活コストを軽減することは、重要な課題であると認識しております。このため、県においては、沖縄本島から小規模離島を中心とする県内有人離島へ輸送される生活必需品等の輸送費を措置し、価格を低減することにより、離島住民の割高な生活コストを軽減するため、現在、国に対する制度提言の中で、「離島の生活コスト低減支援制度」の創設を要望しているところであります。
 次に、小規模離島の航路、航空路支援の取り組みと宮古・石垣への拡大についてお答えいたします。
 県は、国及び市町村と協調し、離島住民の生活に必要な路線について、運航事業者の欠損額を補助し、その確保に努めております。また、航空運賃については、県管理空港の着陸料の軽減措置により離島割引運賃制度が実施されているほか、中核病院や高校のない小規模離島を対象に運賃を低減する実証実験を実施しているところであります。
 離島の定住条件を改善しその振興を図るためには、交通コストの軽減は重要な課題であると認識しており、現在、宮古・石垣路線も含めた運賃低減のための新たな制度創設を国に求めているところであります。
 以上でございます。
○商工労働部長(平良敏昭) おはようございます。
 去る4月1日付で新生、商工労働部を率いることになりました商工労働部長の平良でございます。21世紀ビジョンの実現に向けて本県産業の振興、とりわけ島嶼地域沖縄の持続的な発展を図っていくためには、まずそれぞれの地域地場産業をしっかり支えていくことが非常に重要だと思っております。これらの中小零細企業のイノベーションの促進、加えて新産業あるいは新事業の創出、あるいはこれらを経営する戦略産業の育成を図りながら、国内外からの企業誘致、こういう取り組みをしっかりやっていきたい、そして各部局とも連携しながら県民の雇用確保に邁進してまいりたいと考えております。先生方の御指導と叱咤激励のほどをよろしくお願いいたします。
 それでは長くなりましたけれども、具志先生の新エネルギー対策の中で、エネルギービジョン目標達成のための課題や問題点についてお答えいたします。
 平成22年度に策定した「沖縄県エネルギービジョン」において、2020年までに新エネルギー導入割合4%、エネルギー自給率1.5%、石油依存割合50%以下、省エネルギー10%効率改善という4つの目標数値を設定いたしました。この目標を達成するためには、新エネルギーのうち、風力や太陽光発電は、発電量が天候に左右されるなど不安定な電源であること、導入コストが高いこと、また、電力系統に大量に接続するには、安定的な出力を確保し、電圧や周波数を一定に保つ系統安定化対策を実施する必要があることなどの課題があります。そのため、沖縄県では沖縄電力と連携し、平成23年度から実施している「スマートエネルギーアイランド基盤構築事業」において、4メガワットの風力発電、1メガワットの太陽光発電を整備し、系統安定化のための実証事業に取り組んでおります。
 続きまして、風力発電の台風対策と目標数値についてお答えいたします。
 沖縄県においては、平成15年に宮古島に襲来した猛烈な台風により、3基の風力発電設備が倒壊する被害が発生しました。このため、沖縄電力では、風力発電設備を設置する場合、設計風速を高めに設定することによる基礎の強化等の台風対策を実施しており、平成21年度には県と連携を図り、沖縄特別振興対策調整費を活用し、強風を避ける可倒式風力発電設備を国内で初めて波照間島に設置しております。
 風力発電目標数値については、平成22年度に策定した「沖縄県エネルギービジョン」において、平成32年度までに現行の2万キロワットから14万キロワットまで拡大する目標を掲げております。
 続きまして、バイオマス燃料の目標達成に向けた固体・液体燃料の生産供給体制の整備についてお答えいたします。
 固体バイオマス燃料の生産供給については、うるま市の株式会社バイオマス再資源化センターが建設廃材等を原料とする木質ペレットを年間約2万トン生産できる設備を有しております。沖縄電力では、具志川石炭火力発電所においてこの木質ペレットを最大3%混合し、使用しております。また、液体燃料については、宮古島市において、年間約400キロリットル生産されるE3燃料普及のための一貫した製造・流通システムを整備するなど取り組みが進められております。 
 県としては、ビジョンの実現に向けて今後ともバイオマス燃料を初めとする新エネルギーの導入促進に努めてまいります。
 続きまして、天然ガス埋蔵量調査の調査箇所と今後の事業展開についてお答えいたします。
 沖縄県は、有望な地産エネルギーとして期待される水溶性天然ガスの賦存量の把握や有効活用を目的として、本島中南部及び宮古島市において「天然ガス資源緊急開発調査事業」を実施しているところであります。調査は、本島中南部の17市町村にまたがる7本、宮古島市で9本の測線を設定し、その測線に沿って実施しております。また、有識者らで構成する「天然ガス資源有効活用検討委員会」において有効な利活用方法を検討しております。
 県としては、民間事業者の参入を促進するため、調査結果を広く公表するとともに、有望な場所について次年度以降、試掘を検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○環境生活部長(下地 寛) 離島・過疎地域の振興についての質問の中で、離島の廃棄物処理状況及び運搬などの支援策についてお答えいたします。
 平成21年度に離島において排出された一般廃棄物は約4万8000トンで、そのうち約8000トン、17%が再生利用されており、残りは焼却などの中間処理を経て約7000トンが最終処分されております。産業廃棄物については、平成20年度の実績によりますと、宮古・八重山地域において約12万トンが排出され、そのうち約8万8000トン、73%が再生利用されており、残りは中間処理を経て約5000トンが最終処分されております。
 離島における運搬などの支援策については、財団法人自動車リサイクル促進センターなどが海上輸送費の8割を上限として補助する制度があり、離島市町村が活用しているところであります。また、県では、離島における産業廃棄物の有効利用を促進する観点から、平成22年度より海上輸送費の低減化等を図るため2年間の実証事業を行っているところであります。
 県としましては、その結果を踏まえ、今後の離島における支援策等について検討していきたいと考えております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(宮里達也) おはようございます。
 4月1日付で福祉保健部長を拝命しました宮里達也でございます。本日、若夏の空青く澄み渡っておりますが、初議会に臨む私の心は必ずしも穏やかではございません。
 さて、私は緒方洪庵を学祖とする大学に学びました。現在、県医師会の宮城会長、県産婦人科医会の佐久本会長、また県立病院に勤める医師で構成する県公務員医師会の元武会長は大学が同窓であり、学生時代からのよきつき合いがあります。その方々とも協力し、関係団体との連携を進め、その分野での課題解決に特に力を尽くすよう求められているのではと考えております。この時期に部長の要職を担うことに大変緊張しておりますが、本県の福祉・保健・医療の課題解決に向けて誠心誠意取り組んでまいる所存でございます。今後とも県民の代表者たる議員各位の御指導、御助言よろしくお願いします。
 それでは具志議員の離島・過疎地域の振興についての、離島における産婦人科医師の確保についてお答えいたします。
 沖縄県では、離島の産婦人科医師を確保するため、県立病院の後期臨床研修事業を活用し、専門医を養成しているところであります。また、平成19年度からは「離島・へき地ドクターバンク等支援事業」を実施し、県内外から産婦人科医師等、専門医の確保を図っております。さらに、琉球大学附属病院と連携して「医師修学資金等貸与事業」を実施し、離島病院等の産婦人科医師の確保に努めております。
 続きまして、離島勤務医師の待遇改善と財政的支援についてお答えします。
 県立病院の離島勤務医師につきましては、生活が著しく不便な地域に勤務する職員に支給する特地勤務手当や準特地勤務手当等のほかに、特殊勤務手当として医師手当が支給されております。また、福祉保健部においては、離島診療所に勤務する医師の休暇や研修機会を確保するなど、勤務環境を改善するためドクタープール事業等により代診医を派遣しております。
 なお、診療報酬においては入院について離島加算があり、また離島に特化した制度ではありませんが、救急、外科、産科、小児科等の勤務医の負担軽減を図るため、入院基本料の加算、産科医療に対するハイリスク分娩の管理加算等が措置されているところであります。
 以上であります。
○土木建築部長(当間清勝) おはようございます。
 4月1日付で土木建築部長を拝命いたしました当間清勝でございます。
 沖縄の特性を最大限に生かした効果的な社会資本整備と安全・安心な県土づくりに向けまして、常に県民のニーズをしっかり把握しまして土木建築部の職員一丸となってスピード感を持って取り組んでまいりたいと考えております。議員の皆様の御指導、御鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
 それでは離島・過疎地域の振興についての御質問で、伊平屋空港環境影響評価に対する知事意見の内容と今後のスケジュールについてお答えいたします。
 伊平屋空港の環境影響評価手続を進める中で、知事意見として、事業実施区域の周辺沿岸域は、豊かな自然環境を形成しており、サンゴの保全や海ガメ類の産卵地の保全等の観点から「埋立を回避すること」との意見が出されております。そのため、滑走路再配置の検討や就航機材の見直し等について伊平屋村、伊是名村、航空会社と協議を行い、環境影響評価書の補正を行うことにしております。なお、新規事業の要望に当たっては、定期便就航の見通しと路線維持のための枠組みづくりが必要であり、航空会社、関係機関等と調整を図り、定期便就航の要件を整えた上で早期の事業化に向け取り組んでいく考えでありございます。
 続きまして、県発注工事の入札契約制度についての御質問で、同額入札問題の調査内容や結果及び改善策についてお答えいたします。
 最低制限価格と同額入札の調査は、積算及び予算執行にかかわった職員と最低制限価格と同額で入札した事業者を対象に、面談による聞き取り調査を実施しました。
 職員に対しましては、同額事業者への知人の有無や入札前の知人との接触、最低制限価格等の情報漏えいなどについて調査しました。また、事業者に対しては、入札前の担当職員との接触、最低制限価格の事前入手の有無、積算方法などを調査しました。その結果、情報漏えい等の不正と認められる状況は確認されませんでした。
 同額入札の要因としては、最低制限価格がほぼ予定価格の90%であること、積算ソフトの高度化と積算技術の向上等が考えられます。
 改善策としましては、最低制限価格に1%の幅を設けることや総合評価方式の改善・拡充及び公共工事入札契約適正化委員会でのフォローアップ等を実施することとしております
 同じく県発注工事の入札契約制度についてで、入札制度の特徴と実施状況及び今後の対応についてお答えいたします。
 平成22年度における土木建築部の入札方式別実施状況について、随意契約を除く全工事883件の内訳は、指名競争は682件、一般競争入札は55件、総合評価方式は146件となっております。
 各入札方式の特徴として、指名競争入札は、設計金額による等級、地域性等を考慮し業者を選定します。また、一般競争入札は、広く参加者を募るため公告を行うことから、入札・契約手続の透明性及び高い競争性が確保できます。さらに、総合評価方式については、価格以外の施工方法や技術的な要素を加え、総合的に評価し最もすぐれた企業を落札者とする方式であります。
 今後の対応については、一般競争入札や総合評価方式の拡大を図ることとしており、さらなる入札契約の健全性を高め、沖縄県の建設業界の特性を踏まえたよりよい入札契約制度の改善に努めていく考えであります。
 同じく県発注工事の入札契約制度について、建設業界の振興・育成を図るための方策についてお答えいたします。
 建設産業の活性化に向けて、現在、策定中の新たな計画の基本的考え方においては、社会資本整備への貢献に加え、新技術の開発や新分野進出等による経営の多角化、経営基盤の強化を促進することとしております。また、県内建設業者の工事受注の拡大や米軍発注工事への参入促進を図るとともに、多様化・高度化する市場ニーズに対応できる人材の育成に取り組んでまいります。
 以上でございます。
○農林水産部長(比嘉俊昭) それでは農林水産業の振興の中で、東日本大震災や原発事故による農産物出荷への影響についてお答えします。
 本県からの農産物出荷については、震災直後、物流の混乱や停電などで一時的に関東以北の市場機能がストップするなどの影響が見られました。特に菊については、関東以南の市場へ出荷が集中したこと、計画停電による冷蔵庫の使用制限で花卉卸売業者や花屋において買い控えが生じたこと、ガソリンなどの燃料不足によりお彼岸の需要が減少したことなどから、3月に単価が下落するなどの影響が生じました。そのため、県としては、生産者への支援対策として、借入金の利子補給や再生産に伴う肥料及び農薬の費用の一部助成を行っているところでございます。4月以降は、青果物・花卉ともに東京都中央卸売市場への出荷状況が昨年並みとなっており、回復傾向にあるものと考えております。
 今後、首都圏での計画停電の影響などが懸念されることから、県内外の卸売市場や出荷団体と連携し、販売対策等の強化に取り組んでいきたいと考えております。
 次に、6次産業化の取り組みについてお答えします。
 県では、農林漁業の振興を図るため、食品メーカー等と連携し商品開発に取り組む農商工連携や、農業者がみずから農産物の加工・販売などに取り組む農林水産業の6次産業化を推進しているところでございます。
 具体的には、平成22年度から地域資源に着目して、「県産農産物付加価値向上推進事業」により、地域内生産者や加工グループ等と連携した加工品開発、県内食品メーカー等と連携した加工品開発、大手食品メーカー等と連携した加工品開発による全国展開など3つの加工品開発モデルの構築を実施しているところでございます。
 さらに、平成23年度からは、「アグリチャレンジ6次産業化支援事業」により、地域資源を生かした加工品の試作開発、食品加工基礎講座や企業派遣研修など加工技術習得、商品化に必要な加工機材の整備に取り組んでいるところでございます。
 さらに、6次産業化のための各種事業の実施を通じて、モンドセレクションなど世界商品評価基準を満たすようなブランドを構築するとともに、新たな産業の創出に向けて展開することとしております。
 次に、「全国豊かな海づくり大会」の準備作業、事業内容及び経済効果についてお答えします。
 「全国豊かな海づくり大会」は、水産資源の維持培養と海の環境保全に対する県民の意識の高揚を図るとともに、水産業に対する認識を深めることを目的として開催される国民的行事で、平成24年秋ごろに糸満市において開催され予定となっております。
 県では、去る4月26日に県内各界各層等で構成する沖縄県実行委員会を立ち上げ準備を進めているところでございます。
 本大会の内容は、功績団体の表彰や大会決議などを行う「式典行事」、稚魚の放流や漁船パレードなどを行う「海上歓迎・放流行事」、水産業や環境保全等の企画展示、県産農林水産物等の紹介及び試食販売などを行う「関連行事」などとなっており、2日間で県内外から約5万人の来場者を見込んでおります。
 経済効果につきましては、来場者数や関連行事での販売状況等をもとに、先催県の状況も踏まえ、今後試算してまいりたいと考えております。
 次に、パパイヤの販売、栽培状況と風評被害の対応及び未承認遺伝子組み換えパパイヤに関する説明会について一括してお答えいたします。
 平成20年度のパパイヤの生産状況は、栽培面積が31ヘクタール、生産量が965トンとなっております。また、平成23年4月21日に国から公表のありました遺伝子組み換えパパイヤ「台農5号」の面積は、平成23年5月末現在3.6ヘクタールで、過去5年間の中央卸売市場の平均単価を用いて推計すると、被害額は約1500万円を見込んでおります。
 さらに、パパイヤの販売価格は、公表後、県中央卸売市場の市況によると低下傾向で推移しておりましたが、5月中旬には公表前の水準に回復している状況でございます。
 県は、風評被害の防止とパパイヤの生産振興を図る観点から、国と連携して生産農家を初め市町村、農業協同組合及び青果物流通業者等を対象に、遺伝子組み換えパパイヤについて説明会を開催したところでございます。説明会においては、生産者等から原因究明や伐採に伴う損失補償を求める意見が出されております。
 次に、国の損失補償に対する県の考え方についてお答えします。
 国は、「カルタヘナ法」に基づく未承認遺伝子組み換えパパイヤの伐採処理に伴う損失については、補償の規定はないとの説明をしております。しかしながら、生産農家からは、平成15年に同法が制定されてから約8年間、遺伝子組み換えパパイヤの検査方法が確立されていないことから、国内侵入防止対策の強化や伐採に伴う補償を求める意見があります。このため、県は、5月と6月に農林水産省や関係省庁等に対し、早急な原因究明、検査技術の確立と技術移転、国内侵入防止対策の強化、伐採処理等に伴う補償など「カルタヘナ法」の運用の見直しを含め抜本的な対策を講じるよう国に強く要請したところでございます。
 県といたしましては、パパイヤ生産農家に対する補償については国が行う必要があると考えておりますが、パパイヤの生産振興を図る観点から、緊急的に伐採作業と苗の配布支援を行うなど関係機関等と連携しパパイヤ生産農家の経営安定に取り組んでまいります。
 以上でございます。
○教育長(大城 浩) おはようございます。
 4月1日付で県議会の同意を得まして沖縄県教育長に就任いたしました大城でございます。何分、浅学の身ではございますが、学校、家庭、地域社会の役割をしっかりと明確にしながら、本県の児童生徒約20万人の夢実現、そして教職員の先生方約1万2000名の能力を引き出すために、誠心誠意頑張る所存でございます。引き続き御指導、御鞭撻をよろしくお願いいたします。
 それでは農林水産業の振興についての御質問で、県産食材の利用率等についてお答えいたします。
 平成21年度の学校給食における県産農水産物の利用状況調査によると、県産食材の利用率は32.3%となっております。
 県教育委員会といたしましては、引き続き学校給食において県産食材を活用したゴーヤーチャンプルー等の郷土食を提供するとともに、県農林水産部等関係機関と連携し県産食材の積極的な活用を促進してまいります。
 次に、教育・文化の振興についての御質問で、幼保一体化との関係についてお答えいたします。
 県教育委員会では、幼稚園教育につきまして保護者の負担軽減、幼児教育の充実、小学校との円滑な接続などを目指して、現在、国に対しまして新たな制度設計を提案しております。
 国の目指す幼保一体化は、幼稚園が保育所機能を拡充し、保育所が幼稚園機能を拡充することで双方が子育て世帯のニーズに積極的に対応していこうとするものでございます。県教育委員会の制度設計のねらいは、国の方向性に沿うものでございます。
 続きまして、学び直しの学校についてお答えいたします。
 現在、平成24年度からの次期県立高等学校編成整備計画を策定中であり、その計画の中で学び直しができる高校の基本方向についても検討しているところでございます。
 なお、対象としては、何らかの理由で不登校など学校への不適応等を起こしている生徒を考えております。
 次に、学習指導についてお答えいたします。
 県教育委員会におきましては、「確かな学力」を育成するため、生徒一人一人の特性等を十分把握し、基礎的・基本的事項の指導徹底や個に応じた学習指導の工夫改善に努めているところでございます。学習のおくれがちな生徒や障害のある生徒につきましては、義務教育段階の学習内容定着を図るため個々の生徒の学習状態に応じた指導内容や指導方法を計画的・組織的に行うことが重要であると考えております。
 次に、特別支援教育実践推進事業についてお答えいたします。
県教育委員会では、すべての学校におけるより実践的な支援体制推進のため、今年度より「特別支援教育実践推進研修」、特別支援教育コーディネーターの資質向上を図るための「人材育成研修」、巡回アドバイザー等が教員に対して具体的な助言等を行うための「学校支援事業」の3つの柱で特別支援教育実践推進事業を進めております。特に、全教職員の特別支援教育に係る指導力の改善・充実を図るため「コーディネーター養成研修」、「スキルアップ研修」、さらに、関係機関との連携による「地域支援力強化研修」等を実施し、専門性の向上を図っております。
 以上でございます。
○中川 京貴 去る3月11日の東日本大震災による犠牲者に対して深く哀悼の意をささげ、被災されたすべての方々に心よりお見舞いを申し上げたいと思います。
 自由民主党の中川京貴でございます。自由民主党会派を代表いたしまして、代表質問を行います。
 その前に所見を少し述べたいと思います。
 自由民主党会派、新垣哲司会長を初め14名は、6月6日から6月9日までの日程で、東日本大震災の被災地である宮城県の現況視察と、また、今年度期限切れとなる沖縄振興特別措置法や沖縄振興計画の新たな振興策について、政府や党本部に要請を行いました。
 被災地では、テレビマスコミ報道よりも想像を絶する状況を目の当たりにし、つめ跡の深さや津波の恐ろしさを改めて痛感した。なお、自由民主党会派は、今後も被災地、被災地域の皆様のために義援金を初め物資支援継続を呼びかけ行動していきたいと思います。
 また、沖縄振興計画におきましては、自由民主党の谷垣禎一総裁初め大島理森副総裁、二階俊博元経済産業大臣、林・岸田文雄元両沖縄担当大臣、また沖縄振興に関する特別委員会川口順子参議院議員、島尻安伊子参議院議員、磯崎仁彦参議院議員へ本県の事情に沿った経済自立に向けた新たな振興策について要請を行いました。
 また、基地問題では日米地位協定の改定、普天間飛行場の危険性の早期除去と沖縄県の基地の整理縮小や過重な基地負担軽減のため、嘉手納以南の基地返還をロードマップから外すよう要請をしてまいりました。
 1、災害等危機管理体制について。
 去る3月11日午後、三陸沖を震源とする巨大地震が東北を中心に東日本の広い地域で発生し、同時に押し寄せた大津波により宮城県、岩手県、福島県などの沿岸地域を中心に壊滅的な被害を受け、6月9日現在で死者数は1万5401人、不明者は8146人に達し、想像を絶する惨状であります。この未曾有の地震・大津波による被災に追い打ちをかけたのが福島第一原発事故であります。
 今回の大災害は、役場そのものや職員にも被害をもたらしたことで、役場や町が指令塔的機能を果たすという大前提が崩れ、住民の安否確認という災害発生時の初歩的作業を初め、一時避難場所や救援物資の確保、避難所への必要な情報が把握できないなどの事態となったのであります。
 このように多くの自治体で役場の機能不全という想定外の事態が起きたことで、我が国における地震・津波対策と災害防止のあり方を根本から問い直すものとなりました。
 去年2月27日、那覇の東50キロ付近の太平洋海底を震源とするマグニチュード6.9の地震で、沖縄本島で震度5弱の揺れが観測されたことは、沖縄での大きな地震が起こり得ることを示しております。県においては、今回の東日本大震災の教訓を生かし、離島県であることを念頭に、万全な防災計画を講じることが必要であると考えます。
 そこで伺います。
 (1)、東日本大震災支援について。
 ア、東日本大震災支援について、本県として被災地に対する救援隊派遣等人的支援を含めた支援はどのように行われたか伺います。
 イ、本県に避難してきた被災者に対する県の一時緊急避難支援について、支援の内容と期間、また、宮城、岩手、福島3県の被災者と3県以外の対象者の受け入れ状況を伺いたい。
 ウ、震災で親を失った子供たちの受け入れについて、難しい事情もあるようだが、県としてどのような対応を考えているか伺いたい。
 (2)、本県における地震・津波対策について。
 ア、本県は、30年以内に震度6弱の地震が起きる確率が全国で18番目に高いと言われているが、地震・津波に対する対策はどうなっているか。県の防災計画に基づく危機管理体制と市町村を含めた連絡体制について伺いたい。
 イ、東日本大震災は、住民避難を主導すべき市町村役所や職員も被災し、機能不全に陥った地域もある。県の対策はそのような事態も想定されたものとなっているのか。
 ウ、本県は多くの離島を抱えた島嶼県であり、空港や港が被害を受けると完全に孤立する。そのような想定を含め国の災害対策基本法の見直しが必要ではないか。
 エ、災害時における高齢者や障害者等の避難支援のための県内市町村災害時要援護者支援計画の策定状況について伺いたい。
 2、新たな沖縄振興策について。
 県は、2030年の沖縄のあるべき姿、長期的な視点で将来を展望した「沖縄21世紀ビジョン」を策定しております。4次にわたる国による振興策は、観光業の伸びや情報通信関連産業の集積などに成果を上げておりますが、離島経済圏の不利性を克服するには至らず、90%超の中小零細企業の存在に全国最下位の県民所得や依然厳しい雇用情勢など、大きな課題を抱えているのであります。このため、「沖縄21世紀ビジョン基本計画」は、これまでの国の計画であった沖縄振興計画から抜本的な発想の転換を図り、県が主体性を持った県計画として策定し、これを国が支援する仕組みと国の責務において全国一律とは異なる新たな法制度を構築するものであります。しかし、政府が打ち出した総合特区制度に対し全国の自治体が導入を目指し働きかけを強めている中、沖縄唯一の一国二制度の創設を図るのは容易ではありません。特に大震災で壊滅的な打撃を受けた東北地方に特区の創設との声が政府内部から出ていることは、沖縄の優先度の後退につながりかねません。県は、国との調整において沖縄の優先度や県主体の計画にすることが県経済の自立につながることで理論武装が重要となってくると考えます。県民所得全国中位の目標を達成する上で経済の自立は不可欠であり、県の取り組みが注目されております。
 そこで伺います。
 (1)、県は、沖縄振興計画にかわる新たな計画である「沖縄21世紀ビジョン基本計画(素案)」を公表した。計画の基本的な考え方と計画実現のため克服すべき課題の解決について伺いたい。
 (2)、県は、「沖縄21世紀ビジョン」の策定や一国二制度の恒久法の制定を目指しているが、全国的に総合特区制度導入の動きや大震災に伴う復興特区構想がある中、沖縄は特別との理由づけは可能であるか。
 (3)、沖縄政策協議会が開かれたが、新たな沖縄振興に向けた県の要望に対しほとんどゼロ回答に近いということだが、国と県との認識の乖離はどこにあると考えているか伺いたい。
 (4)、新たな沖縄振興に係る法制度の策定に向けた政府との調整がおくれている中で、現行制度の単純延長やつなぎ法案の考え方が出ていることについて県の見解を伺いたい。
 (5)、国際物流拠点としての那覇空港と沈埋トンネルで結ばれる那覇港国際コンテナターミナルとの航空輸送と海上輸送を連結させた国際物流経済特区の創設について県の考えを伺いたい。
 3、県財政の健全化について。
 去る5月24日、沖縄政策協議会第3回沖縄振興部会が開かれ、県は平成23年で期限が切れる沖縄振興特別措置法にかわる「新たな沖縄振興のための制度提言」を国に対し行い、重点事項として沖縄振興一括交付金の創設などを要望しております。自己財源に乏しい本県においては、効率的かつ効果的に新たな沖縄振興に係る各種施策を総合的に展開するため、財源の確保が必要であり、使途が限定されず県の責任で使い道が決められる沖縄振興一括交付金の創設が不可欠であります。しかし、国は県の要望する沖縄振興一括交付金の額3000億円について、その根拠にこだわっているようであり、使い勝手のよい制度の要求と使い道の責任の所在の明確化との関係など明確な説明が求められます。
 県の要望は、現下の全国一律の制度に風穴をあけるものであるだけに、実現には多くのハードルを乗り越えなければならないと考えます。その上、本県にとって不可欠なのは高率補助制度の存在であります。一括交付金が認められれば高率補助制度はどうなるのか、県は基本的な考えを明確に示しておくべきであります。仲井眞知事は、新たな制度の実現は事務段階でできるものではなく、政治レベルで方向性を示す必要性を述べております。まさに沖縄振興の実現は一にかかって政治の力が必要になってまいります。県は、政府を初め各党に対しても制度実現の要望を行っておりますが、今後は県の考えをいかに政党に浸透させ国に実現を迫れるか、県の真価が問われております。
 そこで伺います。
 (1)、県が求める沖縄振興一括交付金の範囲や対象と額3000億円の積算根拠、また、高率補助との関係について伺いたい。
 (2)、県が求める一括交付金について、県と国との認識との乖離が指摘されるが、歴史的・地理的・自然的・社会的な4つの特殊事情で国の理解を得ることが可能であるか、県の基本的な考え方を伺いたい。
 (3)、「沖縄21世紀ビジョン基本計画」で新たな財源措置が必要とされるが、県はどのような事務・事業経費を想定しているか。また、これらの事業費は一括交付金の範囲におさまるか伺いたい。
 (4)、社会保障と税との一体改革を検討している政府は、消費税を2015年度までに10%へ段階的に引き上げるとしているが、県財政へどのような影響を与えるか伺いたい。
 (5)、平成23年度に創設された沖縄振興自主戦略交付金の今後の取り扱いについて、県はどのように考えているか伺いたい。
 4、基地問題について。
 米空軍は、嘉手納飛行場でのパラシュート訓練を県や関係市町村に事前に通告することなく強行しております。そもそも米軍のパラシュート訓練は、1996年、SACOの最終報告で伊江島で実施することで日米が合意していたにもかかわらず、米軍の一方的な都合で守られていないのが実情であります。今回の訓練はこれまでの訓練とは違い、事前の通告もなく、地元の市や町の抗議に対し、米軍はすべての訓練を日本側に通告するわけではないとし、基地の運用上の安全を確保するため、特定の日時を通告することは今後はない。無通告で訓練を行うと明言をしております。日本政府は、地位協定で米軍の運用に任されていることを理由に、事前通告義務はないとの姿勢であります。
 それにしても昨今、米軍の地元無視や高圧的な姿勢は目に余ります。トリイ通信施設内の海岸に勝手に工作物を造成したり、北谷町キャンプ桑江から出たアスベストや鉛などの有害物質を含む土、汚染土問題でも米軍の責任は問われないのであります。民主党政権のもと、外交関係がぎくしゃくしている中、日米関係の重要性が再認識され、その分、米国に頼る姿勢が米国への援助となり、県民の安全を守る責任を放棄していると言われても仕方ないと考えるのであります。政府に対しては、国民・県民の安全を守るという使命に立ち返り、毅然とした姿勢で米軍に対処してほしいと願うものであります。
 そこで伺います。
 (1)、政府は、鳥島射爆撃場の移転先として硫黄鳥島を検討しているということだが、事実関係はどうか。
 (2)、嘉手納基地でのパラシュート訓練について、米軍は運用上の安全を確保するため、今後とも無通告で訓練を行うとしているようだが、県は確認しているか。
 (3)、基地返還後の米軍汚染土の保管問題について、日米地位協定における米軍の原状回復義務に関し、ドイツや韓国との違いを伺いたい。
 (4)、那覇検察審査会は、1月に米軍属男性が起こした沖縄市の交通死亡事故について、那覇地検が公務中を理由に不起訴処分としたことに対し、起訴相当と議決した。県の見解を伺いたい。
 (5)、米軍がトリイ通信施設内の海岸に造成した工作物について、県は原状回復を求めているが、政府の対応はどうか。
 5、県内企業の振興について。
 東日本大震災の影響は、多くの県や地域に及んでおりますが、本県においても県中小企業中央会が実施した大震災の影響調査によりますと、回答した会員93団体のうち57%に当たる53団体が影響ありと回答しているようであります。影響は観光だけでなく食品業界など多方面に及んでおり、このような状況においては企業は守勢に回らざるを得ず、今後さらなる被害が表面化してくることが懸念されます。
 このように日米経済の先行きが不安視されている状況のもとで、自立した競争力のある県内中小企業としていかに育成し支援をしていくか、今後の大きな課題となってくるものと思われます。そのためには県内中小企業の意識改革が重要であることは当然であります。しかし、本県における地場産業の中心的位置を占める沖縄泡盛は、近年、県外出荷量の減少に歯どめをかけられず、6年連続減少し続けている状況にあります。沖縄泡盛は、本県を代表するブランドであり、その歴史も500年以上前にタイから酒とともに製法が伝わり、沖縄の風土を生かした日本最古の蒸留酒と言われており、そこに本土のしょうちゅうとの違いがあります。このような沖縄の泡盛の特性を前面に出し、しょうちゅうとは違った飲み方の提案や用途に合った多様な利用法、次世代の消費者を対象とした普及宣伝、さらに少子・高齢化に対応した販売戦略などが必要ではないかと考えます。
 そこで伺います。
 (1)、東日本大震災で県内企業も製品の入荷減など影響を受けているようだが、影響を受けている業種と県の対策について伺いたい。
 (2)、中小零細経営が多い本県の企業は、今後予想される大震災の影響による景気の低迷に大きな不安を抱いているが、県の認識と支援のあり方について伺いたい。
 (3)、県は、第3のリーディング産業として、臨空・臨港型産業の立地・集積を進めているが、実現に向けた県の基本方針と具体的取り組みを伺いたい。
 (4)、近年、我が国製造業を下支えしてきた金型産業の海外移転が進み空洞化が懸念されている。製造業の立地を推進している本県への立地集積を積極的に進めるべきと考えるが、県の取り組み状況を伺いたい。
 (5)、本県泡盛の県外への出荷量が6年連続で減少している。その要因を県はどのように分析しているか。今後に向けた県の対策を伺いたい。
 (6)、県内市町村などで構成する3協議会の企業誘致計画に対し、国は、企業立地促進法に基づき同意したが、それぞれの計画の概要と認められる特典について伺いたい。
 6、那覇空港滑走路の拡張整備について。
 那覇空港滑走路の拡張整備については、これまでの構想段階から施設計画段階を経て今年度から事業化に向けた環境アセスメント等の手続が着手されております。県の説明によりますと、事業着手までに実施される環境アセスメント等の関係手続はおおむね3年程度を要するとされ、滑走路の増設の概算工事は約7年と見込まれているようであります。完成目標は2020年度とされておりますが、東日本大震災の影響による公共事業の抑制や復興財源確保のため、地方への予算減額も懸念されることから、計画どおりのスケジュールで作業が進められるか心配であります。
 一方、現在実施されている環境アセスメントについては、滑走路の長さが2700メートル、埋立面積が160から170ヘクタールとされていることから、滑走路の増設部分や増設滑走路と瀬長島、大嶺崎に囲まれる部分等のサンゴ類や海藻類などへの影響をいかに減少させるかが重要になると考えます。
 そこで伺います。
 (1)、国は環境影響評価を進めているが、滑走路増設による埋め立てで環境保全措置が必要とされるものや、直接・間接的に影響を受けると想定しているもの、これらに対する対策について伺いたい。
 (2)、2020年度完成に向け、環境アセスメント等の関係手続はおおむね3年程度要するとされ、滑走路増設の概算工事は約7年と見込まれているようだが、東日本大震災の影響はないか伺いたい。
 (3)、沖縄国際航空物流ハブ活用推進事業について、事業の目的と内容、ターゲットとする海外の主要都市はどこを想定しているか。
 (4)、那覇空港における航空貨物取扱量は、国際航空物流拠点事業の開始後急増しているが、沖縄県産の割合はどうなっているか。また、県経済への波及効果について伺いたい。
 (5)、国内線ビルと新国際線ビルとを連結する旅客ターミナルビル全体整備構想について、その概要と完成目標を伺いたい。
 7、地域振興対策について。
 我が国経済は、戦後の復興とともに驚異的な発展を遂げ、経済大国の地位を確立し国民生活も大きく変化してまいりました。国が豊かになり、国民の所得の向上に伴い消費財の普及や交通手段が自動車へと変化、いわゆるモータリゼーションが進展したことにより、消費者の購買行動に大きな変化をもたらしたのであります。このような消費者の嗜好の変化やニーズの多様化は、品ぞろえの豊富な郊外への量販店や大型店舗へと向かい、地域の商店街に大きな影響を与えるとともに、商店街が競争にさらされ、その結果、商店街は衰退の一途をたどっているのであります。その上、90年代の失われた10年間と言われる経済の停滞から世界金融危機に伴う経済の低迷で景気悪化が続いており、今では失われた20年と言われるほど我が国経済の活力を奪っており、特に地方の経済力の衰退を招いております。
 本県においても中心市街地や商店街の衰退が大きな問題となっており、特に中北部において深刻の度を増しております。こうした商店街の衰退に対し、商店街自身や行政も手をこまねいているわけではなく、危機感を抱いてさまざまな対策を講じてきたのでありますが、思うような効果を上げ得ないというのが現状であります。中心市街地の衰退に歯どめをかけ活性化を図るには当該市町村の行政力は重要であることは当然でありますが、市町村だけの力では多くの課題が山積しており、県の積極的な参加・関与が必要であると考えます。
 そこで伺います。
 (1)、全国的に地方の中心市街地の衰退が進み地域商店街は空き店舗がふえ、地域経済に影響を与えているようであるが、本県は全国と比べてどのような状況にあるか。
 (2)、地域商店街の活性化を図る上で民間活力と行政の協働は重要と考えるが、空き店舗解消に向けた県の基本的な考えを伺いたい。
 (3)、内閣府が認定する中心市街地活性化基本計画の認定要件と計画策定における県のかかわりについて伺いたい。
 (4)、市町村における中心市街地活性化基本計画の認定に向けた取り組み状況と県の指導について伺いたい。
 8、台風2号による被害について。
 去る5月28日に発生した台風2号は、本島各地や先島地方の農作物を中心に大きな被害をもたらしました。特に県内各地で61人の負傷者を出したほか、さとうきびやマンゴーなど農作物への被害は莫大な額に達すると言われ、さらにライフラインの影響もあり、県民生活に大きな打撃を与えております。
 県の調査によれば、ゴーヤーなどの野菜類やさとうきび、そして葉たばこなどに甚大な被害を与えたほか、マンゴーなどの果樹類にも大きな被害を出しており、被害総額は70億円を超えるようであります。我が党も被害現場の視察を行いましたが、農作物の被害は深刻であり、住民生活への影響も含め今後調査が進むに従い被害がふえることが予想されます。
 このような中、去る24日から25日にかけ台風5号が発生し農作物に大きな被害が出ております。県においては、台風2号、台風5号の各地における被害の状況のさらなる綿密な調査を行うとともに迅速な支援体制を構築し、農家等の不安解消に努めていただきたいと願い、次の質問を行います。
 (1)、台風2号による県内の被害状況について、その概要と最も被害を受けた農林水産業の状況を伺いたい。
 (2)、農作物等への影響は甚大であるが、県の支援はどうなっているか伺いたい。
 9、第5回世界のウチナーンチュ大会について。
 来る10月13日から16日にかけて、第5回世界のウチナーンチュ大会が開催されます。大会は、12日の前夜祭パレードを皮切りに16日のグランドフィナーレまで、世界からウチナーンチュが一堂に会し交流が行われることになっております。
 ウチナーンチュ大会は、海外に雄飛した沖縄県人の子孫が母国沖縄に5年に一度集結し、県民との交流を図る中から、ウチナーンチュとは何かを改めて問い直す貴重な大会であります。南米のペルーやブラジル、ボリビア、アルゼンチンに行くと、三線や琉舞が盛んで、何より昔の沖縄の方言、それも地域の方言が残っており、また、若者は日常的にお年寄りを敬い大事にしていることが実感されるのであります。この意味で世界のウチナーンチュ大会は、100年以上の移民の歴史を持つ沖縄の再認識と先人の子孫たちが世界各国から集結する唯一の機会であり、我々は温かく迎えなければなりません。しかし、東日本大震災による福島第一原発事故の影響で南米からの大会申し込みは激減しているということであります。
 県は、原発事故の影響は特定地域に限定されており、沖縄は安全であることを世界の県系人に向け情報を的確に発信する必要があると考えます。
 そこで伺います。
 (1)、第5回世界のウチナーンチュ大会が来る10月13日から16日にかけて開かれるが、大会の意義と位置づけ、前夜祭からフィナーレまでの主要行事、そしてこれまでの大会との違い、特徴について伺いたい。
 (2)、世界のウチナーンチュ大会は、単に県系人が旧交を温めるだけの大会であってはならないと言われるが、これまでの4回の大会の交流を通して、ウチナーンチュとして何を受け継ぎ、何が根づいたか伺いたい。
 (3)、報道によれば、東日本大震災による福島第一原発事故の影響で南米県系人の参加申し込みが激減していると言われるが、県はどのような対策を講じているか伺いたい。
 答弁を聞いて再質問したいと思います。
○議長(髙嶺善伸) ただいまの中川京貴君の質問に対する答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
 休憩いたします。
   午後0時5分休憩
   午後1時21分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 午前の中川京貴君の質問に対する答弁を願います。
 仲井眞知事。
   〔知事 仲井眞弘多君登壇〕
○知事(仲井眞弘多) 中川議員の御質問に答弁させていただきます。
 まず第1に、災害等危機管理体制に係る御質問の中で、災害対策基本法の見直しなどなどの御質問に答弁させていただきます。
 御案内のとおり、3月11日に発生いたしました東日本大震災は、東北地方を中心として死者・行方不明者が約2万5000人と言われる未曾有の災害であります。今なお約13万人の方々が避難生活を余儀なくされておられます。お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、被災された皆様方に対し、心からお見舞いを申し上げます。
 私も実際に被災地を訪問をし、被害の甚大さなどを目の当たりにし、議会を初め県民の皆様の御理解と御協力のもと、東日本大震災の被災者支援に全力を挙げますとともに、県内の防災対策の強化を強力に推し進めることを決意いたしております。
 沖縄県の災害対策につきまして、沖縄県は本土から遠く離れ、そして39の有人離島が広域に散在いたしていることから、第1に、大規模災害時には本土からの応援到着までに相当の時間を要するため、県内の防災力で持ちこたえる必要があります。第2に、県内の離島に対する同時の応援派遣が難しいこと。第3に、人口規模が小さく財政力が弱い市町村においては、単独での防災体制の強化が難しいことなどの課題があります。
 国は、今回の東日本大震災を受け、災害対策基本法に基づく防災基本計画の見直しを進めていることから、沖縄県の島嶼県としての特殊性等も勘案した対策が今後講じられるよう、国に対し強く求めていくことといたしております。同時に、県といたしましても早急に地域防災計画の見直しに取り組んでまいる所存でございます。
 次に、新たな沖縄振興策に係る御質問の中で、新たな計画の基本的考え方についてという御質問にお答えいたします。
 「沖縄21世紀ビジョン基本計画」では、「強くしなやかな経済の構築」と「沖縄らしい優しい社会の構築」を施策展開の基軸として、「沖縄21世紀ビジョン」で示された県民が描く将来像の実現に向け、取り組むことといたしております。
 「強くしなやかな経済の構築」では、観光・リゾート産業や情報通信関連産業に加え、沖縄の特性を踏まえました臨空・臨港型産業の集積などにより第3、第4のリーディング産業を育てていきますととともに、域内産業を活性化させ、経済社会の変動にも柔軟に対応できる経済を構築いたしてまいります。また「沖縄らしい優しい社会の構築」では、子供が健やかに生まれ育つ環境づくり、そして豊かな自然環境のもと、医療や福祉、保健、教育などが充実をし、安全で安心できる社会の構築、離島の定住条件の向上などに取り組んでまいります。また、「沖縄21世紀ビジョン」で示されました県民が描く将来像実現のためには、沖縄の特殊事情から派生する固有課題であります「基地問題の解決と駐留軍用地跡地利用」、そして「離島の条件不利性の克服と国益貢献」、「海洋島しょ圏沖縄を結ぶ交通ネットワークの構築」、「地方自治拡大への対応」を克服することが必要でございます。
 新たな沖縄振興策に係る御質問の中で、沖縄振興の理由づけについてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 東日本大震災に係る復興支援につきましては、国民全体の負担により優先的に取り組むべき重要課題であります。沖縄県といたしましても被災地の支援に努めているところであります。
 一方、こうした状況にあっても、沖縄が戦後26年余り国の施政権の外にあった歴史的事情や米軍施設・区域の集中しているいわば社会的事情などの地域特性に起因する県民所得の向上への課題や、雇用の確保という課題、そして離島振興、さらには戦後処理問題解決への課題、基地跡地利用などの課題などはいまだ解決されておらず、引き続き国の責任による沖縄振興が必要だと考えております。
 私どもは、この約40年間にわたり4回の沖縄振興の法律と計画をつくってまいりましたが、この中でその必要性につきましては、今申し上げた4つの特性、1つは、我々が日本国の施政権下の外に置かれていたこと、日本復帰が20年おくれていること、こういう歴史的な事情、そして自然の面では我が国でもめずらしい亜熱帯地域であり、台風常襲地帯であるという特性、さらには地理的には本土から遠く離れた広大な海域に散在する39の有人離島から成るという県の特性、そして社会的な特性として、米軍の施設・区域が集中し過ぎているという特性、この特性がかなり改善されたものも無論ありますが、基本的には特に米軍基地の集中などなど、26年の米軍の施政権下に置かれたことから発生してくる課題についてはほとんど改善がされていないという部分もございます。そういうことを踏まえて、私たちはきちっと沖縄振興の重要性、沖縄振興の必要性を要求し、国の責任において課題の解決に努める理由にはしっかりしたものがあると考えて取り組んでいるところでございます。
 次に、新たな沖縄振興策に係る御質問の中で、国と県との認識の乖離、違いについてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 沖縄振興に向けました沖縄県の制度提言や沖縄振興一括交付金の創設などに対して、全国一律とは異なる新たな仕組みの構築を求めるものでございます。
 去る5月24日に開催されました沖縄政策協議会の振興部会におきまして、官房長官から、そろそろ実務レベルから政務レベルへ上げてさらに踏み込んだ検討をしたいという旨の発言がありました。また、去る6月23日の全戦没者追悼式におきましては、菅総理のごあいさつの中で、一括交付金とか、県が主体となる計画への支援、そして跡地利用に関する法律の制定、出先機関の見直しなど、地元の方々の声に耳を傾けながら実現してまいりますというごあいさつがございました。これなどを含め、沖縄県の考えを可能な限り取り入れた検討がなされていくものと期待をいたしております。
 沖縄県としましては、新たな沖縄振興を実現するため、県民各界各層、そして議会は無論ですが、市町村の御協力を得ながら、引き続き国に対し働きかけると同時に、意見交換を進めまとめてまいりたいと考えております。
 次に、同じく新たな沖縄振興策に係る御質問の中で、現行制度の単純な延長やつなぎ法案に対する県の考えいかんという御趣旨の御質問にお答えいたします。 
 沖縄県が新たな沖縄振興のために提言しております諸制度は、県民が求める将来像実現のため、そして離島県ゆえの不利性を克服するとともに、魅力ある自然環境や独特の文化、豊富な若年労働力、そして東アジアの中心に位置する地理的優位性等を最大限発揮できる施策の展開を目指すものであります。
 県の要望につきましては、現在関係府省との間で調整を進めており、また、去る23日の全戦没者追悼式における総理大臣のあいさつ及び24日の官房長官の沖縄振興開発金融公庫の存続などに関連する発言に見られますように、来年4月以降には県が求める諸制度を盛り込んだ新たな法律がスタートするものと認識をいたしております。
 県としましては、単純延長やつなぎ法案はないものと考えております。
 次に、県財政の健全化についての柱の中で、沖縄振興一括交付金の県の基本的考え方いかんという御質問にお答えいたします。
 これまでの沖縄振興は、沖縄の置かれた4つの特殊事情にかんがみ、さまざまな施策がとられてきましたが、県民所得の向上や雇用の確保、そして離島の振興、戦後処理問題、基地跡地などの課題及びまだ残された社会資本の整備、そして産業基盤の整備等はいまだ完全には解決されておりません。引き続き国の責任による全国一律の制度に基づかない沖縄振興が必要だと考えております。また、一方では、復帰後40年にわたります時代の流れの中で、県民ニーズの変化や地方分権の進展などから、沖縄振興も新たな段階を迎えているとも考えております。
 今後の沖縄振興につきましては、沖縄が今なお抱える固有課題の解決を図りますとともに、沖縄の魅力ある自然環境や東アジアの中心に位置するという地理的な優位性などを活用することにより県民が求める将来像の実現を図ると同時に、我が国の経済社会にも寄与する施策を展開することといたしております。
 沖縄県といたしましては、これらの沖縄独自の施策を展開するために必要な財源として、使途の自由度が高い沖縄振興一括交付金の創設を求めているところであり、国の理解を得られるものと考えております。
 次に、那覇空港滑走路の拡張に係る御質問の中で、国際航空物流ハブ活用推進事業の目的等に係る御質問にお答えいたします。
 この事業は、那覇空港を拠点に国内及びアジアの主要都市を結ぶ全日空さんの国際航空物流ハブを活用し、第1に、県産品の販路の拡大、第2に、臨空型企業の誘致、第3に、海外航空会社の路線誘致、第4に、外国人観光客の誘客、これらを一体的に進め、アジアの成長と活力を取り込み、県内産業の振興を図ることを目的といたしております。
 主な事業内容といたしましては、全日空貨物ハブの就航都市を中心とした海外アンテナショップの開設、そして国内外主要都市での企業誘致セミナーの開催及び知名度向上のためのプロモーション事業などを実施いたしております。県産品の販路拡大及び外国人観光客の誘客につきましては、特に、観光や物産の売り上げが伸びております香港、上海、台北、北京を中心に展開いたしております。今後は、これらの都市を基点に中国を初めとする他のアジア主要都市に拡大展開してまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 災害等危機管理体制の御質問の中で、東日本被災地に対する県の人的支援等についての御質問にお答えいたします。
 沖縄県においては、東日本大震災発生後、直ちに東日本大地震沖縄県支援対策本部を設置し、被災地への人的・物的支援を実施してきたところであります。
 被災地への人的支援といたしましては、県職員を中心に市町村や民間医療機関等の協力を得て派遣チームを構成し、6月24日現在で、緊急消防援助隊、県警広域緊急援助隊、保健師チーム、医療チーム、心のケアチーム及び建築・漁港・港湾技師等を494人(うち県職員が165人)を派遣したところであります。また、被災地への物的支援といたしましては、毛布、おむつなどの生活物資を計6回送付したところであります。
 次に、県内避難者に対する支援内容と受け入れ状況についてお答えいたします。
 県内への被災者支援といたしましては、まず「県内への一時的緊急避難に係る旅費・宿泊費の支援」として、4月から6月までの3カ月間、往復の航空運賃及び3食つきの宿泊費用を6月24日現在で計260世帯、576名に対して支援を行いました。同支援策は、岩手、宮城、福島の3県を対象としており、その内訳は岩手県が7世帯18人、宮城県が144世帯321人、福島県が109世帯237人となっております。なお、6月以降は、中長期的な避難をされる方への支援策に移行しており、住宅・宿泊支援として、民間賃貸住宅と付随する旅費・宿泊費の支援を実施するとともに、東日本大震災支援協力会議において「ニライ・カナイカード」を6月24日現在で計480枚発行し、県内流通業界や交通機関等において割引等を実施しております。そのほか、避難者の生活費の支援として、受入被災者支援見舞金として1世帯20万円(単身者は10万円)を計155世帯に対して給付しております。
 次に、県の地震・津波対策と危機管理体制及び市町村との連絡体制についてお答えいたします。
 今回の東日本大震災を踏まえ、6月16日に琉球大学教授等の専門家で構成される「沖縄県地震・津波想定検討委員会」を設置するとともに、6月21日には市町村防災担当課長会議を開催し、県及び市町村の地域防災計画の見直し作業等を進めているところであります。現行の沖縄県地域防災計画においては、地震や津波などの災害が発生した場合、県では情報収集を中心とした準備体制から全職員が対応に当たる非常体制までの4段階の体制で対応することとしております。また、県と市町村との連絡体制につきましては、沖縄県防災情報システム等により、各種防災情報や気象情報を県内の市町村や消防本部へ伝達するとともに、市町村から災害情報を収集するなど、緊密な連携を図っているところであります。
 今後とも県内における危機管理体制及び災害時における連絡体制の強化について、市町村等関係機関と連携の上、見直しも含め進めてまいりたいと考えております。
 次に、市町村役場が被災した場合の県の対策についてお答えいたします。
 今回の東日本大震災では、市町村役場や職員等が被災し、災害対応を行う市町村機能の喪失または著しい低下等が生じたところであります。現行の沖縄県地域防災計画においては、市町村が被災した場合において、住民への避難勧告や避難指示を県が代行することについて取り決めております。
 今後、防災計画の見直しにおいて、県や市町村の災害対策本部機能の維持確保や、県から市町村への迅速な支援のあり方などについてさらに検討してまいりたいと考えております。
 次に、各市町村の災害時要援護者支援計画の策定状況についてお答えいたします。
 県内の市町村における災害時要援護者の避難支援の取り組み方針、全体計画の策定状況は、平成23年4月1日現在で15団体(36.6%)が策定済みとなっており、今年度中に策定予定の団体を合わせると36団体(87.8%)となっております。また、災害時要援護者の名簿の整備状況は、平成23年4月1日現在で9団体(22.0%)が策定済み、策定中の団体を合わせると30団体(73.2%)となっております。さらに、個々の要援護者ごとの避難経路や避難支援者などを記載する個別計画は、平成23年4月1日現在で6団体(14.6%)が策定済みとなっており、策定中の団体を合わせると22団体(53.7%)となっております。
 県としましては、今後とも市町村と連携し、災害時要援護者の避難支援対策を支援してまいりたいと考えております。
 次に、基地問題についての御質問の中の、鳥島射爆撃場の移転先として硫黄鳥島を検討していることにつきましてお答えいたします。
 去る5月に開催された沖縄政策協議会のもとに設置された米軍基地負担軽減部会で、北澤防衛大臣から、鳥島射爆撃場を硫黄鳥島に移転することを検討しているとの発言がありましたが、沖縄防衛局に確認したところ、具体的な内容はまだ決まっていないとのことであります。
 県としましては、引き続き情報収集を続けているところであります。
 次に、嘉手納飛行場におけるパラシュート降下訓練についてお答えいたします。
 嘉手納飛行場でのパラシュート降下訓練について、政府は、「日米両政府は、嘉手納飛行場は、あくまでも、例外的な場合に限って使用するとの認識で一致している」としております。
 県は、パラシュート降下訓練は、例外なくSACO最終報告の趣旨に沿って実施されるべきであると考えており、通告のあるなしにかかわらず、今後とも引き続き嘉手納飛行場において実施されることがないよう、日米両政府に対し、強く求めてまいりたいと考えております。
 次に、基地返還後の原状回復について、日米地位協定とドイツ、韓国との違いについてお答えいたします。
 ドイツがNATO加盟諸国と締結しているボン補足協定においては、原則、ドイツの国内法が適用される結果、原因者であるNATO軍に汚染除去等の回復義務があるとされております。また、返還に際してNATO軍により残される建物等については、ドイツでは、NATO軍、派遣国に対し、ドイツが補償を行うこととされております。他方、米韓の地位協定においては、日米地位協定と同様、米軍に原状回復義務はなく、返還に際して米軍により残される建物等については、米国に対していかなる補償義務も負わないとされております。 
 次に、検察審査会の議決に対する県の見解についてお答えいたします。
 米軍属男性が沖縄市で起こした交通死亡事故に関し、去る5月27日、那覇検察審査会は「起訴相当」と議決しております。現在、那覇地方検察庁において検討されていると承知しており、同議決に対するコメントは差し控えたいと思います。
 今回の事故は米軍属が勤務先からの帰宅途中に発生したことから公務中扱いとされたとのことであります。公務中であれば、加害者側に過失があっても我が国が第1次裁判権を行使して刑事責任を問うことができないことから、公務中か否かの判断は厳格に行うべきであり、今回の事案が公務中であるとの判断に至った理由等について県民に対して十分な説明がなされるべきであると考えております。
 次に、台風2号による被害についての御質問の中で、台風2号による県内の被害状況についてお答えいたします。農作物被害以外の被害状況についてお答えいたします。
 台風2号による県内の主な被害状況は、人的被害が68名、住家被害のうち全壊が4棟、半壊が6棟、一部破損が27棟、床上浸水が3件、床下浸水が5件、船舶被害が4隻、車両被害が74台、停電が最大で27万8400戸となっております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(宮里達也) 震災で親を失った子供たちの受け入れの対策についてお答えいたします。
 東日本大震災で親を失った子供を含む要援護者の受け入れにつきましては、被災県の要望を受け、厚生労働省を通して行われることとなっております。
 沖縄県におきましては、児童養護施設や里親での受け入れを想定した上で、児童相談所等を相談窓口としての対応体制をとっております。なお、本県では、50人程度の受け入れが可能と厚生労働省に報告しておりますが、現時点で震災に係る要援護児童等の調整、相談はございません。
 以上です。
○企画部長(川上好久) 新たな沖縄振興策についての御質問の中で、航空輸送と海上輸送を連結させた国際物流経済特区の創設についてお答えいたします。
 国際物流経済特区については、空港・港湾の物流機能の向上や臨空・臨港型産業の集積に資する税制優遇及び規制緩和等に加えて、空港と港湾の機能を連結するロジスティクスセンターの整備に係る財政措置等を求めております。このような特区制度の創設により、航空輸送と海上輸送の近接性を生かした国際物流拠点の形成及び産業の集積を促進し、本県の経済発展を図ってまいります。
 そのような中、沈埋トンネルによる空港と港湾の連結は、より優位なシー・アンド・エアの物流環境を構築するものと考えております。
 次に、県財政の健全化についての御質問の中で、沖縄振興一括交付金の対象範囲と額の積算、高率補助との関係についてお答えいたします。
 沖縄県は、現行の国直轄経費及び市町村の事業費を含めた内閣府沖縄担当部局予算の全額に加え、「沖縄21世紀ビジョン基本計画」に盛り込まれた施策の展開に必要な財源を沖縄振興一括交付金の対象とすることを国へ求めているところであります。また、その額については、これまで高率補助制度に基づき措置されてきた予算額と同等程度を措置することを国へ求めているところであります。
 沖縄県としては、現行の事業等に係る経費として国直轄事業分1000億円程度、県・市町村の補助事業分1300億円程度に、那覇空港の整備や交通物流コストの低減、待機児童の解消、離島の定住支援などの新たな沖縄振興に係る事業分700億円を加えたおおむね3000億円程度が必要であると考えております。
 次に、新たな計画で想定している事務・事業経費等についてお答えいたします。
 「沖縄21世紀ビジョン基本計画(素案)」では、県民が描く将来像の実現に向け取り組むこととしており、那覇空港の滑走路増設や交通・物流コストの低減、待機児童の解消、離島の定住支援など、沖縄の地域特性を踏まえたハード・ソフトのさまざまなプロジェクトを実施していきたいと考えております。このため、国に対し、地域の創意工夫が発揮でき、沖縄の裁量が大幅に拡充された一括交付金の創設を求めているところであります。
 県民の福利向上のために必要な財政需要に対応するためにも一括交付金は重要な財源であり、プライオリティーをつけ、優先度の高い事業から取り組んでいきたいと考えております。
 次に、沖縄振興自主戦略交付金の今後の取り扱いについてお答えいたします。
 平成23年度から全国とは別枠で沖縄振興自主戦略交付金が創設されましたが、その規模と使途の自由度については、不十分なものとなっております。沖縄県としては、今年度創設された沖縄振興自主戦略交付金を廃止した上で、平成24年度からの新たな沖縄振興に係る施策の展開に必要な財源として、より自由度の高い沖縄振興一括交付金(仮称)の創設を政府に求めているところであります。
 次に、県内企業の振興についての御質問の中で、臨空・臨港型産業の集積に向けた県の方針と取り組みについてお答えします。
 沖縄県では、臨空・臨港型産業を本県の新たなリーディング産業として位置づけ、人流・物流を支えるネットワーク・機能の強化及び国内外の物流関連企業誘致等を推進することとしております。その実現に向けて、県では、那覇空港を離発着する航空機に係る航空機燃料税等の低減に取り組み、昨年実現いたしました。現在は、国際物流機能の向上及び企業の立地促進に係る税制及び財政措置等の優遇制度を盛り込んだ国際物流経済特区の創設に取り組んでいるところであります。また、臨空・臨港型産業の立地・集積に向けて、既に国内及びアジアの主要都市での企業誘致セミナーなどを実施しております。
 次に、那覇空港滑走路の拡張整備についての御質問の中で、那覇空港滑走路拡張整備における環境保全対策についてお答えします。
 国は、昨年度から環境影響評価法の手続に着手しており、今年度は、昨年度に引き続き現地調査を実施する予定です。滑走路の増設では、約160ヘクタールの埋め立てを伴うことから、海域環境の変化による生態系への影響が予想されています。直接的には海域、底生生物などの生物群への影響、間接的には潮流や波浪、底質への影響が予想されております。これらの環境保全措置については、現地調査等の結果をもとに来年度に作成される準備書において示されるものと考えております。
 県としては、環境アセスメントを進める中で、可能な限り環境への影響を低減するよう努める必要があると考えており、その旨国へ申し入れております。
 次に、那覇空港滑走路拡張整備における東日本大震災の影響についてお答えします。
 国では、東日本大震災以降、被災地の復旧・復興に向けて、予算の確保は大きな課題となってくることが想定されます。県としては、一日も早い供用開始を目指し、環境アセスの手続終了後に早期事業着手ができるよう、国と連携・協力して必要な予算の確保に努めていきたいと考えております。
 次に、航空貨物取り扱い量及び県経済への波及効果についてお答えします。
 現在、県では、全日空の高速物流ネットワークを活用して、アジアに向けた県産品の販路拡大を図っております。那覇空港の貨物ハブを利用した沖縄県産品の平成22年度の輸出量は112トンで、国際貨物量全体の約0.1%ではありますが、事業開始前に比べると月平均0.4トンから9.4トンへと約23倍に増加しております。また、輸出額については、現在把握している範囲で、月約1700万円程度となっております。
 今後、貨物ハブの活用により、県内産業の市場がアジアの巨大マーケットに広がるとともに、海外とのビジネス交流の活発化等により、県経済の発展に大きく寄与することが期待されます。
 次に、旅客ターミナルビル全体整備構想の概要と完成目標についてお答えいたします。
 那覇空港の旅客ターミナルビルについては、国の「那覇空港ターミナル地域整備基本計画」に基づき、那覇空港ビルディング株式会社が新たなターミナルビルの整備を進めているところであります。
 同社の事業計画では、第1段階として、現国際線ターミナルビルを使用しながら平成25年度末の供用を目途に、旧貨物ターミナル敷地に現在の約3.7倍となる地上4階建て、延べ床面積約2万4000平方メートルの新国際線ターミナルビルが整備されることとなっております。また、新規航空会社等が利用できるチェックインカウンターを確保するため、現国内線ターミナルビル北側へ平成24年度末供用を目途に増築を行うこととなっております。第2段階としては、新国際線ターミナルビル完成後、引き続き連結部の整備を行っていくこととしており、平成28年度末の供用を予定しております。
 以上であります。
○総務部長(兼島  規) 県財政の健全化に関する質問のうち、消費税率の引き上げと県財政の影響についてお答えいたします。
 消費税は、商品の販売やサービスの提供などに税を課すもので、他の税と比べ景気変動による影響を受けにくいことから、少子・高齢化がますます進展する中で安定的な歳入確保のため、その役割は重要と考えております。
 現在、国において検討されている「社会保障と税との一体改革最終案」は、増税の幅や時期、国と地方の配分等が定まっていないことから、現時点において税収など県財政に及ぼす影響については不明であります。
 今後も引き続き国の動向を見守っていきたいと考えております。
 以上です。
○農林水産部長(比嘉俊昭) 基地問題の中で、トリイ通信施設内の海岸工作物の原状回復についてお答えいたします。
 県は、トリイ通信施設内の海岸工作物の原状回復について、沖縄防衛局、外務省沖縄事務所、在日米陸軍基地管理本部に対し、去る4月26日から27日にかけて基地内工事の事前の情報提供、工作物の漁業活動に影響がないよう撤去を含めた対応などについて要請してきたところでございます。
 要請に際し沖縄防衛局からは、基地内の工事について事前に説明するよう働きかける、読谷村、漁協、地元関係者から意見を聞き、撤去を含めた解決方法を米陸軍側と相談するとのコメントがありました。また、外務省沖縄事務所からは、要請内容を外務大臣へ報告する、要請内容について米陸軍側へ申し入れるとのコメントがありました。なお、在日米陸軍基地管理本部からは、今後、工事を行う場合は事前に地元に連絡する、ビーチ施設の一環として整備しており、漁業活動に影響があった場合は対応するとのコメントがありました。
 県としては、今後とも関係機関と連携し、漁業活動に影響を及ぼさないよう対応していきたいと考えております。
 台風2号による被害の中で、農林水産業の被害状況について御説明いたします。
 台風2号による農林水産業関係の被害総額は、6月10日現在で約70億6000万円と見込んでおります。
 今回の被害は、特に農作物の収穫時期に当たる5月に台風が発生したため、葉たばこ、さとうきび、ゴーヤー、マンゴーなどの農作物が被害全体の約8割を占めております。被害の内訳は、葉たばこ等農作物が58億3000万円、ハウス等農業用施設関係が4億7900万円、家畜等畜産関係が3200万円、林道等林業関係が4000万円、水産業関係が6億7900万円となっております。
 次に、農作物等の被害に対する支援についてお答えいたします。
 農作物等の被害対策としては、農業改良普及センターに営農相談窓口を設置するとともに、被災農家に対し病害防除の徹底や樹勢等の回復のための肥培管理などの指導を行っております。
 台風等の被害に対する補償としては、さとうきびについては畑作物共済、水稲については農作物共済、野菜等については園芸施設共済等があり、加入農家に対して損害評価後に農業共済金が支払われることになっております。葉たばこについては、JTから災害援助金が支払われると聞いております。漁船については、漁船保険制度により保険金が支払われることになっております。
 国の災害復旧事業の対象となる農業用施設や林道・漁港施設等については、国への災害復旧申請を早期に行うための準備を進めているところでございます。
 また、農家の経営安定を図るため農業制度資金等の償還猶予を行うとともに、6月補正において、農林漁業セーフティネット資金借り入れに係る利子助成を計上しているところであります。
 今後とも台風2号の影響による農家支援については、農家の要望等を踏まえ関係機関と連携し対応を検討していきたいと考えております。
 以上でございます。
○商工労働部長(平良敏昭) 県内企業の振興についての中の、(1)番目と(2)番目の東日本大震災による県内企業への影響と対策及び景気低迷に対する県の認識と支援のあり方についてにお答えいたします。
 沖縄県では、東日本大震災後の4月下旬に県内商工分野における震災後の実態を把握するため、県内企業を対象にアンケート調査を実施しております。その結果によりますと、回答のあった1221社のうち56.7%――692社でございますが――の企業が「影響があった」と回答しております。
 業種別で見た場合、旅行業や宿泊業において宿泊予約のキャンセルが大量に発生するなど、観光関連分野への影響が大きく出ております。また、建設業における建築資材等の納期おくれや小売業における飲料水等の商品納期おくれがあるなど、県外との商品取引に関連する企業において影響が出ております。
 沖縄県では、今回の震災等の影響を踏まえて、観光対策として国内外の誘客プロモーション等を強化するため、約18億7000万円の補正予算案を今議会に提案をしております。
 また、今後の景気低迷に対する中小企業支援策としては、沖縄公庫の資金繰り支援策や県制度融資の拡充強化、沖縄県産業振興公社における窓口相談等を活用した経営基盤の強化に取り組んでいくほか、今後の県内の景気動向、あるいは景気低迷の状況に応じた適切かつ迅速な対応策を講じてまいりたいと考えております。
 続きまして、金型等製造業の立地集積に関する県の取り組み状況についてお答えいたします。
 沖縄県では、雇用の創出と新たな産業の振興という観点から、企業誘致に積極的に取り組んでおります。この中で情報通信関連産業につきましては、この10年間で約200社が立地するなど大きな成果が上がっておりますが、製造業の立地につきましては現状としては厳しい状況にあります。その要因として、製造業を下支えする関連産業の集積がないことや割高な物流コストなどが挙げられます。
 このため、県では製造業を下支えする金型等の素形材産業の集積が不可欠との認識から、平成22年7月に金型企業向け長屋型の素形材産業・賃貸工場を整備したところであります。同工場には現在3社が入居しております。また、同工場に併設する金型技術研究センターにおいては、金型技術の人材育成、技術支援、研究開発等を実施しております。
 沖縄県では、今後ともこれらの取り組みにより県内製造業及び素形材産業の振興のため、金型企業の立地促進を図りたいと考えております。
 続きまして、5つ目の泡盛出荷数量の減少要因と県の対応策について。
 泡盛の県外出荷数量は、平成16年度の6400キロリットルから平成22年度は3500キロリットルまで減少しております。その主な要因は、長期化する景気低迷や国内酒類市場の縮小傾向、消費者嗜好の多様化等が考えられますが、加えて泡盛業界の県外への販路拡大の取り組みが他県業界に比べて弱いことなども考えられます。
 このような状況を受け、沖縄県においては、県外大規模都市圏における飲食店等を中心とした泡盛セミナーや試飲会など販路拡大事業を業界と連携して行っております。
 また、泡盛業界は、県外出荷数量の回復を図るため、泡盛の商品特性や多様な飲み方を引き続きPRしていくほか、新たな取り組みとして古酒を県外出荷の戦略商品に位置づけ、本年4月にその増産化のため「古酒の郷」整備に着工しております。
 県としても、県外における市場調査を業界とともに実施し、泡盛の販路拡大を支援してまいります。
 同じく企業立地促進法に基づく基本計画概要と特典についてお答えいたします。
 国の同意を受けた基本計画は、うるま市・金武町企業立地促進基本計画、沖縄中南圏域産業活性化基本計画、沖縄北部地域産業活性化基本計画の3つとなっております。
 まず、うるま市・金武町の基本計画概要は、製造業関連産業、情報通信産業及び観光・リゾート関連産業の立地集積を目指しております。次に、那覇市など11市町村から成る沖縄中南圏域の基本計画では、観光関連産業、地域資源活用関連産業、情報通信関連産業及び物流関連産業を有機的に結びつけ、さらなる集積を図ることとなっております。また、名護市など4市町村から成る沖縄北部地域の基本計画では、地域資源・製造業関連産業、観光・リゾート関連産業、情報通信・金融関連産業の集積を図ることとなっております。
 これらの計画が目指す産業集積や雇用創出に必要な支援策として人材育成や産業ネットワーク形成の補助事業、低利融資制度及び課税の特例などがあります。具体的には、うるま市・金武町企業立地促進協議会では「ものづくり製造業高度人材育成事業」が採択され、また、沖縄中南圏域産業活性化協議会では「沖縄地域国際医療交流ネットワーク活動事業」が採択されております。
 次に、地域振興対策の中の(1)番目、本県と全国の空き店舗の状況の比較についてという御質問にお答えいたします。
 平成21年度に県が実施した商店街実態調査によると、本県の空き店舗率は11.0%となっており、地域商店街の経営環境は厳しい状況にあります。また、中小企業庁が調査した「平成21年度商店街実態調査報告書」によりますと、全国平均の空き店舗率は10.8%となっており、本県の空き店舗率とほぼ同水準となっております。
 続きまして、空き店舗解消に向けた県の基本計画についてお答えいたします。
 空き店舗解消に向け地域商店街を活性化していくためには、地元自治体のイニシアチブのもと、商店主や商店街振興組合などの自発的・主体的な取り組みが重要であると考えております。
 平成22年3月に中心市街地活性化基本計画が認定された沖縄市では、NPO法人が各種イベントの実施や空き店舗を改修し、その活用促進を図るという民間活力と行政による協働事業を実施しております。
 地域商店街の活性化のためには、このような民間活力の活用が重要であると考えており、県としては、商店街の活性化に向けた商店街等の主体的な取り組みに対し支援や指導を行ってまいりたいと考えております。
 続きまして、中心市街地活性化基本計画の認定要件と計画策定における県のかかわりについてお答えいたします。
 中心市街地の活性化に関する法律第9条第6項に定める計画の認定基準は、政府が定める中心市街地活性化を図るための「基本方針に適合するものであること」、「当該基本計画の実施が当該市町村における中心市街地の活性化の実現に相当程度寄与するものであると認められること」及び「当該基本計画が円滑かつ確実に実施されると見込まれるものであること」となっております。
 また、改正前の中心市街地活性化法では、市町村の中心市街地活性化基本計画の作成に対して県は助言を行うこととなっておりましたが、平成18年の改正後は、市町村が基本計画を作成し、直接内閣総理大臣へ認定を申請することとなっております。したがいまして、現在、法的には県のかかわりはなくなっておりますが、県としては、中心市街地活性化の観点から、平成22年3月に認定された沖縄市の中心市街地活性化基本計画の策定に当たっては、県もその策定経費の一部を補助しております。
 続きまして、市町村の中心市街地活性化基本計画の認定に向けた取り組み状況と県の指導についての御質問にお答えいたします。
 昨年度、県においては、商店街が形成されている20市町村に対し中心市街地活性化基本計画の策定に関する意向等についてアンケート調査を実施したところ、3市から今後検討していきたいとの回答がありました。
 県としては、策定を検討している自治体と意見交換を行いながら、その策定を支援していきたいと考えております。
 以上でございます。
○文化観光スポーツ部長(平田大一) 4月1日付で文化観光スポーツ部長を拝命いたしました平田大一でございます。
 大学を卒業してから21年間、「南島詩人」という名前で文化を基調とした島おこし、地域づくりを徹底的に展開してまいりました。
 このたび、新たな部の新たな沖縄づくりのスタートの節目に当たり、大変大きな役割を担うことになりました。我が島沖縄が主体的にみずからの足で歩くために、文化が、観光が、スポーツが何をなし得るのかその可能性に挑み、あらゆる分野との連携を図りながら精いっぱい頑張っていきたいと思います。御指導、御鞭撻よろしくお願い申し上げます。
 それでは中川京貴議員御質問の第5回世界のウチナーンチュ大会について、本大会の意義と位置づけ、大会期間中の主要行事、これまでの大会との違いについてお答え申し上げます。
 第5回世界のウチナーンチュ大会は、本年10月12日の前夜祭パレードを皮切りに16日までの5日間、セルラースタジアム那覇をメーン会場に開催されます。
 大会の意義と位置づけとしましては、世界各地で活躍する県系人とのネットワークを拡充強化し、経済、文化、教育のあらゆる分野の持続的な交流を図り、「沖縄21世紀ビジョン」にうたわれる「世界に開かれた交流と共生の島」の実現を目指すものであります。
 主要行事としましては、前夜祭パレード、開閉会式、チャンプルー交流祭や世界の物産と各国の料理が楽しめるワールドバザール、首里城正殿における琉舞と空手の奉納、現代版組踊「翔べ!尚巴志」の上演、連携イベントとして「世界エイサー大会2011」のほか、海外で生中継される「NHKのど自慢」などのイベントを実施することとしております。
 今大会の特徴としましては、約3万人を収容できるセルラースタジアム那覇をメーン会場にすることでより多くの県民が参加できるようにするとともに、ウチナーネットワークの次世代への継承を図るため、これまで以上に小・中・高・大学生がより多くかかわる大会にしたいと考えております。
 なお、大会キャッチフレーズ「ちゅら島の 魂響け 未来まで」は、中学校3年生仲島未来さんの作品、大会テーマソング「ニライの彼方」を歌っている山田七海さんも中学2年生であることから、次世代が大きくクローズアップされた大会となっていることの具体的な事例の一つとしてつけ加えて御紹介いたします。
 次に、これまで4回の大会を通してウチナーンチュとして何を受け継ぎ、何が根づいたかについてお答え申し上げます。
 世界のウチナーンチュ大会は、移住者の御労苦をねぎらうのみならず、ウチナーアイデンティティー、海外雄飛の精神、世界に広がるウチナーネットワークなどを確認、継承する場と認識しております。
 過去4回の大会において、ウチナーネットワークの充実・発展に向け、ウチナー民間大使制度やWUB(ワールドワイド・ウチナーンチュ・ビジネス・アソシエーション)の設立、ジュニアスタディツアー、ホストファミリーバンク事業などを創設し、これらの事業は現在も継続して実施しております。今大会においても多くの県民の参加のもと、さまざまな交流を通してウチナーンチュとしてのアイデンティティーを確認し、ウチナーネットワークを次世代に継承していく大会にしたいと考えております。
 続きまして、東日本大震災による福島第一原発事故の影響で南米県系人の参加者が激減しているとの報道に対し県が講じている対策についてお答え申し上げます。
 大会事務局で現地に事実確認をしたところ、参加予定者数は前回大会を大きく超える780人が参加するとのことです。
 県としましては、正しい情報を海外に向け発信していくことが重要であると考えており、海外県人会等へメールや文書での呼びかけを行うほか、6月1日から10日にかけて知事を団長とする北米キャラバンを実施いたしました。8月の南米キャラバン(ブラジル、ペルー、アルゼンチン、ボリビア)においても広く大会への参加を呼びかける予定であります。
 今後とも、中川議員初め多くの方の御支援をいただきながら、大会の大成功に向けて準備を進めてまいりたいと思います。応援よろしくお願いします。
 以上です。
○中川 京貴 再質問をしたいと思います。
 知事、先ほど参考資料としてテーブルに置いたものをぜひ見ていただきたいと思います。
 皆さん、自由民主党の「自由民主党会派 活動ニュース」、ここに「がんばろう日本」「負けるな東日本」。この資料の中にもありますように、自由民主党県議会会派は沖縄県民と心を一つにしてということで、3月11日に東日本の大震災が発生しました。ちょうど2月定例会の予算特別委員会の最中だったと思います。その中で、早速自民党会派は知事に対して沖縄県からその支援要請をできないかということで、会派の池間幹事長初め役員の皆さんで要請行動をしてまいりました。その要請行動の主な要請項目が、県内各市町村と早急に連携を図り支援体制を迅速に立ち上げ、物心両面からの支援をしていただきたい。そして2番目が、県営住宅や市町村営住宅を被災者受け入れとして最大限開放すること、3つ目が、被災者へ救助専門スタッフ(医療・消防等)を派遣すること、そして4つ目が、民間企業へ協力要請をし、沖縄県に避難される被災者の交通費・宿泊・生活・教育等の支援体制の構築に全力で取り組んでいただきたい、そういったことを要請しました。
 知事はそのときに、私の思いも一緒であり、沖縄県として被災地、被災者の方々のために最大限の協力に全力で取り組むとその場で約束をしていただきました。その結果、我々自民党会派で宮城県に現状視察に行ったときに、向こうの市長を初め県議会の皆さんが、全国に先駆けて沖縄のほうがそういった支援対策をしていただいたことに心から感謝をしたいという連絡もありました。そういった意味では、やはりこのウチナーチムグクル、イチャリバチョーデーという気持ちで沖縄からそれが全国に発信されたものだと思っております。
 東日本大震災の支援については再質問はしませんが、自民党の会派を代表して、新垣会長にかわってお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。
 再質問に入ります。
 新たな沖縄振興基本計画の施策の策定において、税制の優遇措置として沖縄県産酒類に対する酒税の軽減措置について、県の考え方と、政府と交渉を踏まえた見通しについて伺いたい。景気低迷などで泡盛関係が大変困っておりますので、その酒税について県の対応をお伺いしたいと思います。
 そして2番目が、基地問題で嘉手納飛行場の騒音被害が増す中、嘉手納統合案が出てきておりますが、嘉手納町など地元は、嘉手納統合案が日米間で地元の頭越しに決められることを不安視しております。県は、地元と連携し、沖縄の声を日米両政府に強く訴える必要があると思います。なぜならば、知事、午前中の代表質問でもありましたように、嘉手納飛行場を中心とするタッチ・アンド・ゴー、また騒音被害、年間6万5000から7万回の米軍機の離発着があると言われております。これ以上の沖縄に対する、特に嘉手納飛行場を中心とする地域に基地の強化をすることがあってはいけないと、沖縄県のすべての基地の運用・使用に差し支えますよということで、アメリカ政府に知事がそれを要請していただきたいと思います。
 そして3つ目が、台風2号による被害状況について。自由民主党会派もこれまで沖縄での台風被害について調査した結果、また、6月15日に経済労働委員会で伊江島、今帰仁の農家の現場視察をした結果、本土と沖縄での台風被害状況が異なります。これまで農家が共済に入るため負担も大きく、現行の共済制度では掛金が高く、そのため加入率が少なく、農家の支援ができない。農家支援のため、沖縄独自の沖縄型の農業共済制度の確立をすべきではないかお伺いします。
 今帰仁に行ったときに農家の方々から、県議会の皆さんがそこに視察しに来て報告で終わらないでくれと。本当に農家が苦しんでいる状況を調査していただいて、結果を出していただきたいという要望がありました。
 御承知のように、本土と違って沖縄県は台風が多いところであります。沖縄型の共済制度を確立していただきたい。これはもし知事も答弁できましたら、よろしくお願いしたいと思います。
 以上で終わります。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後2時33分休憩
   午後2時36分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
   〔知事 仲井眞弘多君登壇〕
○知事(仲井眞弘多) 中川議員の再質問に答弁をさせていただきます。
 まず第1に、沖縄型の農業共済についてですが、これは現在の新しい沖縄振興法の創設、制定であるとか、振興計画といいますか、振興施策の中でもぜひともこれは実現したいということで、来年度からでも何とか形を整えられるように既に政府とも実務的にも話は始めております。ですから、我々も何とかこれは実現いたしたいと思っております。ぜひ議会の先生方とも一緒に取り組んでまいれればと思っております。
 それから嘉手納飛行場の件は、無論県といたしましても、特にアメリカ政府に対してこれ以上の基地負担、今でも物すごい過重な基地負担を嘉手納飛行場周辺市町村の人々は負っている中で、これがさらに厳しくなる可能性があるというものは、一切これは受け付けられない、断じて受け入れられないということで、これからもアメリカ政府に対して我々のほうでしっかりと申し入れをしていきたいと考えております。
 それから第1番目、酒税についてですが、これも事実上4回、つまり40年にわたって延長をしてきて、一般的には泡盛やオリオンビールさんとかの県内ビールについての酒税を軽減するというのは、実はそう易しくはありません。ありませんけれども、今既に我々は内閣府を通じていろんな議論をしている中で、にべもなくノーという段階ではなくて、少し前へ進みつつあります。しかし、これもすぐれて最後は地域振興に係る政治的な判断というような要素がかなり強く入ってまいりますので、基本的にはぜひ県議会の皆様のお力を得て、一緒になってこれはぜひ実現してまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○当銘 勝雄 社民・護憲会派の代表質問を行います。
 その前に、去る3月11日の東日本大震災において亡くなられた皆様の御冥福を祈るとともに、被災された皆様には一日も早くもとの生活に戻れることを祈念申し上げます。
 さて、慰霊の日は、例年総理やあるいは衆参両院議長の追悼の言葉があります。菅総理の追悼の言葉は県民をばかにした言葉であったというふうに思います。県民の基地負担の軽減が進まないことをざんきに思うと言いながら、帰任の際には、普天間の辺野古移設を何としても進めようとしております。
 辺野古への移設ができなければ普天間は固定化され、パッケージの米軍基地も動かないとするやり方は、これこそ県民の心を踏みにじるものであるというふうに思います。断じて許せるものではありません。
 私は、前知事に県民の意を体して県外移設を明確にすれば、歴史に残る知事になりますよと提言しましたが、できなかったのであります。仲井眞知事は、県外移設を明確にしましたが、それを貫き通すことを提案したいというふうに思います。そうすれば歴史に残る知事になるというふうに明確に申し上げます。
 そこで質問します。
 1、知事の政治姿勢について。
 (1)、21世紀ビジョン及び新たな沖縄振興計画の策定について伺います。
 復帰後、4次にわたる沖縄振興計画が策定され総合的な施策が講じられてきたが、道路、港湾、土地改良事業、学校等社会資本の整備は一定の進展はあったものの、本土との所得格差は依然として縮まらず、県民所得は他県の約7割程度と最下位を脱出できません。さらに、失業率は7%台と全国の2倍近い状態が続いております。このため、昨年度は「沖縄21世紀ビジョン」を策定し、独自の新たな振興計画の策定を進めております。この計画のかなめとなるのが自由度の高い振興一括交付金制度等諸制度の創設であるというふうに考えます。
 ところで、本県にとってこの計画策定のときに東日本大震災や福島原発災害対応に加え菅総理の退陣論など政権運営が急迫しております。新たな計画づくりや交付金確保が懸念されるものであります。
 私たち社民・護憲会派もせんだって内閣府、厚労省あるいは文科省に対してヒアリングを行って、いかにして沖縄振興対策をするか、こういうことでやってきたところでございます。
 そこで質問いたします。
 ア、21世紀ビジョンの推進に当たって、多くの制度の創設や振興一括交付金による予算の裏づけが必要であるが、政府の変転する普天間飛行場の移設とリンクさせ、受け入れを強要する懸念がありますが、知事は明確にリンクを否定できますか問います。
 イ、知事は、普天間の県外移設を言いながら、辺野古への移設反対を言わないのは振興計画との引きかえに辺野古移設を容認するとの見方がありますが、否定できますか問います。
 ウ、21世紀ビジョンにおいて、2030年の本県の姿として基地のない平和な沖縄を目指すとしているが、基地返還アクションプログラムなどを策定する考えはないか問います。
 エ、米軍基地返還後の跡地利用ができるまでに数十年を必要とし、返還地主は多大な損失を受けた。どう改善していくか問います。
 オ、不発弾は沖縄県がつくったものではなく、明確に戦争によってできたものであります。国の責任において処理されるべきものであり、50年ないし70年も要するとされる不発弾処理を振興計画に入れるのは適当でないと考えるが、知事の認識を問います。
 2、沖縄振興計画の策定について。
 (1)、沖縄振興計画が目指す本県の振興方向について問います。
 ア、計画の性格及び本県の目指す方向について。
 イ、これまでの4次にわたる計画との違いは何か。
 ウ、これまでの制度で、魚よりさおが必要であると主張した。これまでの制度、計画の何が問題で、どう変えていくか問います。
 (2)、沖縄振興計画、振興一括交付金制度について。
 ア、民主党政権が主張している一括交付金と県が要求している振興一括交付金の違いは何か問います。
 イ、全国とは別の一括交付金制度の実現が可能と考えるのか。また、東日本大震災、福島原発事故処理対応に迫られ、新たな沖縄振興の対応ができなくなるとの見方もあるがどうか。
 ウ、一括交付金制度に対し官僚の壁が厳しいとの見方もあるが、これまでの感触はどうか、どう克服するか、クリアできなければこれまでの制度の延長になるのか、つなぎ法案で対応するのか問います。
 エ、振興一括交付金が制度化された場合、高率補助制度は不要となるのか問います。
 次に大きな3、エネルギー対策について問います。
 福島原発の事故は、住みなれた自宅で住むことができず、生産の現場を奪われ、あすをどう生きるか途方に暮れる姿が映し出されております。このような現実をだれが想定したであろうか。我が国の原発の安全神話がもたらした人災であるというふうに考えます。日本の原発事故を教訓として、ドイツやスイス、イタリアなど脱原発で自然再生エネルギーヘの転換が進められております。
 そこで問います。
 (1)、自然エネルギーヘの転換が見込まれるが、県の主力エネルギーは何か問います。
 (2)、沖縄電力の原発研究体制及び予算について聞きます。
 (3)、今後、原発導入の計画があるのか問います。
 (4)、世界的に自然エネルギーヘの転換が進められる中で、原発研究を続ける理由は何か問います。
 大きな4、地震・津波対策についてであります。
 本県において明和の津波をよく耳にしたが、現実に世界最大級の地震・津波に遭遇して自然の力の大きさに驚愕したものであります。
 本県は島国、多くの離島から成っており、地震・津波によって大きな被害を受ける地域であります。国土交通省の調査で、海岸から10キロメートル、標高30メートル以内に住んでいる人口は53%で、全国でも断トツに多いということが言われております。地震・津波対策はおろそかにできない課題であるというふうに考えます。
 そこで地震対策について問います。
 ア、東日本の震災を教訓に地震対策の見直しが必要であると考えるが、県の方針はどうなっているか問います。
 イ、学校など公的施設、アパートや大規模集会施設、民間住宅の耐震構造の基準の見直し及び耐震構造対策について問います。
 (2)、津波対策について。
 東日本大震災の津波は、30メートルの波高となって襲っております。リアス式海岸のため被害を大きくしたとも言われるが、本県は、低地帯住宅への海浜埋め立てがそれを加速しております。津波被害が懸念されます。
 そこで問います。
 ア、これまでの津波の高さ想定基準は幾らで、どう見直すか。
 イ、東日本と同規模の地震が起きると津波被害を受ける面積は幾らになるか問います。
 ウ、津波対策をどう進めるか。
 エ、公有水面の埋立基準を変える必要はないか問います。
 (3)、津波発生時の誘導体制について問います。
 ア、市町村における誘導体制。
 イ、海浜利用者や一般通行人への通報体制。
 ウ、避難場所の設定及び誘導はどうされているか問います。
 (4)、震災時の食糧備蓄は確保されているか問います。
 大きな5番、農業問題についてであります。
 台風2号による被害は農漁業に大きな被害をもたらした。1つには、台風襲来が5月という早い時期で対策が不足であった。2つには、雨が少なく潮害を受け、被害を大きくしたことである。しかし、いずれも今後も起きることであり、そのまま放置することはできない。農家が再生産を確保し、安定した経営をするための県の対応を求めるものであります。
 そこで問います。
 (1)、台風2号による農林水産業の被害状況及び被害補償制度について。
 ア、台風2号による被害状況について問います。
 イ、被害作物の作物共済制度及び加入状況について問います。
 ウ、補償制度を補完するための県独自の制度創設について聞きます。
 エ、農家の経営安定のためには、補償制度とあわせて台風に強い施設農業が必要であります。施設の普及状況及び今後の推進について聞きます。
 (2)、遺伝子組み換えパパイヤの栽培中止問題について問います。
 ア、遺伝子組み換えパパイヤはどのような経路と検査で輸入され、栽培されたか。
 イ、輸入業者は国の安全性審査を受ける義務はないか。また、国の検査体制に問題はないか。
 ウ、遺伝子組み換え作物の安全性評価はどのようになされるか。
 エ、栽培面積は幾らで、今後の農家補償はどうなされるか問います。
 (3)、政府の環太平洋経済連携協定(TPP)推進にどう対応するか問います。
 ア、菅総理は、公約にもない環太平洋経済連携協定を我が国の開国と称して取り組むことを打ち出したが、これまでも自動車産業を守るため、農林水産業政策をおろそかにしてきた。これ以上農漁業を見捨てると農漁村の崩壊と食料自給率の確保が懸念されます。
 そこで県の対応を聞きます。
 ア、菅総理は「平成の開国」と銘打ってTPPを推進しようとしているが、何を開国と位置づけているか問います。
 イ、推進に当たってそのままでなく、対策を講ずるとしているが、どのような対策か問います。
 ウ、県は、政府のTPP推進をどう評価し、対策を講ずるか問います。
 大きな6、県職員の欠員について。
 新年度早々に多くの欠員が報告されている。それぞれの職員ポストの採用試験は、年間の中途退職者に3月31日の退職者数を勘案して実施される。したがって、特別の事情がない限り年度初めに欠員が生じることはないはずであります。定数削減にさらに欠員不補充では、職場環境を悪くし、病気休職者の増加を招く。さらには私たち会派で出先機関などの調査を行ったが、研究員不足で生かせる研究課題が生かされていない。削減ありきでなく産業振興のための研究体制、研究成果づくりを指摘したいというふうに思います。現場主義の知事はぜひ出先の視察をやってはどうかと提案いたします。
 そこで質問します。
 (1)、行財政改革による知事部局の定数削減の状況。
 (2)、現定数に対する欠員の状況。
 (3)、平成23年4月の新年度における欠員が現業部門と出先機関の技術職に偏っている。前年度で不足する職種を調査の上、人事委員会において採用試験が実施される。なぜ、新年度に多くの欠員を生ずるのか問います。
 7、鉄軌道導入調査についてであります。
 ア、南北縦貫鉄道の調査費が計上されたが進捗状況を伺いたい。
 イ、モノレールや鉄軌道に比べLRTは敷設費が安く、本県の公共交通システムとして期待されているが、県はこれをどう進める考えか問います。
 答弁によって再質問を行います。
○知事(仲井眞弘多) 当銘勝雄議員の御質問に答弁させていただきます。
 まず第1に、知事の政治姿勢についての中で、21世紀ビジョンの推進と普天間飛行場移設とのリンクについての御質問に答弁させていただきます。
 沖縄の振興は、まず第1に、26年余りにわたり我が国の施政権の外に置かれた歴史的な事情、第2に、広大な海域に多数の離島が存在し本土から遠隔にある地理的な事情、第3に、我が国でもまれな亜熱帯地域にあることなどの自然的な事情、第4に、米軍施設・区域が集中して存在していることなどの社会的な事情といった沖縄の置かれております特殊事情にかんがみ、さまざまな施策が図られてきたものと考えております。そしてこの4つの事情は、40年前、30年前、20年前、10年前もほとんど変わらずに、部分的には無論改善・解決も進んでおりますが、特に4番目の米軍基地が集中している事情というのはほとんど改善されていないなどなど、改善が進んでいないものもたくさんございます。
 そういうことで、沖縄振興の継続ということを我々は――無論これだけではありません――新しい最近の事情を踏まえて、むしろアジアと競争し共存していく新しい産業システムの導入であるとか、産業の展開であるとか、新しい内容も含めますが、こういうことを理由として私たちは振興の必要性と延長を要求し、そういうもので要求すべきものと考えております。
 ですから、確かに同時に、普天間飛行場の移設の話が今も6月22日に2プラス2で日米両政府が確認をしたようなことがついこの間発表されております。したがって、このリンク論がいろいろささやかれたり、リンクさせられるのではないか、しているのではないかという推定といいますか、想像といいますか、こういうことが言われかねないタイミングが合っている部分がありますけれども、私はこれは当然リンクするものではなく、今申し上げた沖縄の置かれている特別な措置を必要とする特殊な事情ということで延長継続をすべきものであると考えております。
 同じく次に、知事の政治姿勢の中で、振興計画と引きかえに辺野古を容認するとの見方、これは今の答弁と似ておりますが、文字どおり普天間飛行場の県外移設及び早期返還に取り組むようにということを我々は日米両政府に強く申し入れをしておりますし、この一種辺野古容認論、先ほどのリンク論に似ておりますが、そういうことはそれぞれ理由と事情が全く違うというふうに考えておりますし、振興計画と引きかえに容認するのではないかという見方があるとすれば、今申し上げた事情でそういうことはないと断言させていただきます。
 そして次に同じく沖縄振興計画の策定に係る御質問の中で、計画の性格及び目指す方向いかんという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 これまでの沖縄振興計画などは、国の計画として位置づけられ、本土との格差の是正などを目標として掲げ、社会資本の整備など総体として沖縄県は着実に発展してまいりました。復帰40年を経た現在、沖縄を取り巻く環境は、国と地方の役割の見直し、そして一括交付金化などの地方分権改革等の進展に加え、グローバル経済の進展など大きな時代の節目にあります。
 今回の新たな計画は、県計画として策定をし、「沖縄21世紀ビジョン」の5つの将来像を実現し、そして4つの固有課題の解決を図るものであります。このため、国に求めております一括交付金や各種制度を実現をし、強くしなやかな地域経済を構築するとともに、沖縄らしい優しい社会を築いていく考えでございます。
 沖縄県といたしまして新たな計画に基づき、沖縄の持つ潜在的魅力などを最大限発揮し、次代を担う子供たちが沖縄に生まれてよかったと誇りに思う沖縄の実現のため、県民と一体となって新たな時代にふさわしい沖縄をつくってまいりたいと考えております。
 同じく沖縄振興計画に係る御質問の中で、沖縄振興一括交付金の実現についての御質問にお答えいたします。
 確かに、東日本大震災に係る復興支援につきましては、国民全体の負担により優先的に取り組むべき重要課題であります。沖縄県といたしましても被災地の支援に努めているところであります。一方、こうした状況にあっても、沖縄が戦後26年余りにわたり国の施政権外にあった歴史的事情や米軍施設・区域が集中している社会的事情などの地域特性に起因する県民所得の向上や、雇用の確保、そして離島振興、戦後処理問題、さらには基地跡地などの課題はいまだに解決されておらず、引き続き国の責任による沖縄振興が必要であると考えております。
 これらのことから、沖縄県といたしましては、現行の内閣府沖縄担当部局予算に加え、従来の補助金等では対象とされていない「交通・物流コスト対策」、そしてまた「待機児童の解消」、そうして「離島の定住支援」などの新たな沖縄振興のための予算を含めた沖縄振興一括交付金の創設を国へ求めているところでございます。
 同じく沖縄振興計画に係る御質問の中で、沖縄振興一括交付金の今後の見通しいかんという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 東日本大震災の対応に追われていた4月、官房長官兼沖縄担当大臣から県に対し、新たな沖縄振興について、来年の期限におくれることのないよう取り組みたい旨の発言があったところでございます。また、今月23日の沖縄全戦没者追悼式においても、菅総理大臣から、一括交付金や県が主体となる計画への支援などの実現につきましての発言がなされたところであります。
 沖縄県としましては、これらの発言も踏まえ、政府に対し沖縄県の提言する制度を盛り込んだ新たな法律の策定と新たな沖縄振興に必要な財源として沖縄振興一括交付金の創設を引き続き強く求めてまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 知事の政治姿勢につきまして、基地返還アクションプログラムについての御質問にお答えいたします。
 沖縄県としましては、将来的に国際社会の相互依存関係が進展し、より安定した安全保障環境が構築されることを期待しつつ、過重な基地負担の軽減や米軍基地の整理縮小に向けた努力を積み重ねることで基地のない平和で豊かな沖縄を目指していきたいと考えております。そのため、県の基本的な方針を示す必要があると考えており、基地の整理縮小に向けた具体的な道筋について現在検討を行っているところであります。
 次に、不発弾処理を振興計画に盛り込むことについての御質問にお答えいたします。
 不発弾処理については、戦後処理の一環として国が責任を持って取り組むべきものと考えております。
 県におきましては、今後とも国や市町村との連携のもと、不発弾処理の一層の加速化を図っていくため、新たな振興計画においても、国の責任を明確にしつつ、位置づけが必要であると考えております。
 次に、地震・津波対策の御質問の中で、県の地震対策の見直し方針についてお答えいたします。
 東日本大震災を踏まえ、6月16日に琉球大学教授等の専門家で構成される「沖縄県地震・津波想定検討委員会」を設置するとともに、6月21日には市町村防災担当課長会議を開催し、県及び市町村の地域防災計画の見直し作業等を進めているところであります。今後、国の防災基本計画の見直し状況等も勘案しつつ、市町村等関係機関と連携の上、県内の地震防災対策の強化を図るべく検討を進めてまいりたいと考えております。
 次に、県の津波対策についてお答えいたします。
 現在、「沖縄県地震・津波想定検討委員会」において、東日本大震災の教訓を踏まえた津波対策の強化等を含め、沖縄県地域防災計画の見直しに向けた作業を進めているところであります。
 東日本大震災においては、それまでの想定を超える津波が発生し、大きな被害が発生したことから、今後、専門家の委員の皆様の知見を踏まえて、島嶼県としての津波対策のあり方等について検討を進めてまいりたいと考えております。
 次に、市町村における誘導体制、海浜利用者や一般通行人への通報体制、避難場所の設定誘導につきまして一括してお答えいたします。
 地震・津波発生時の誘導体制については、主に市町村の地域防災計画等に規定されており、津波警報等が発表された場合、防災行政無線や広報車の利用及び放送機関等の協力を得て、住民や観光客等に対し、避難の勧告・指示や警戒区域等について周知を図ることとなっております。
 海浜利用者や一般通行人への通報体制につきましては、市町村での誘導体制に加え、消防、警察及び海上保安庁等関係機関の相互連携による避難誘導やパトロールが行われることになります。
 避難場所への誘導につきましては、避難看板や標識、防災行政無線の避難誘導広報などにより行うこととされております。
 次に、震災時における県内の食糧備蓄状況についてお答えいたします。
 沖縄県地域防災計画において「食糧等備蓄計画」を定めており、県は災害対策用食糧として「市町村の備蓄量を補完するため必要相当量を備蓄する」こととしており、東日本大震災直前まで約7000食を備蓄しておりました。今回、東日本大震災の被災県に大部分を提供したため、今後、早急に必要量を補てんすることとしております。また、コンビニ等流通企業との協定による流通備蓄についてもより多くの企業と協定を結ぶこと等により、多面的な備蓄食糧の確保に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○企画部長(川上好久) 知事の政治姿勢についての御質問の中で、返還地主の損失改善についてお答えします。
 これまでの跡地整備の事例では、返還から整備完了までおおむね10年以上要しているものに対し、給付金の支給期間は最大でも4年半と短く、地権者は多大な負担をこうむっているものと考えております。
 県におきましては、「駐留軍用地跡地利用推進法(仮称)要綱県案」を策定し、新たな法律の制定を国に求めているところですが、本要綱県案では給付金制度について、基本的に土地の引き渡しから3年間の支給とし、さらに事業期間が長期に及ぶ土地区画整理事業等を実施する跡地については、地権者の不利益とならぬよう使用収益開始までの支給とすることを規定しているところです。
 次に、沖縄振興計画の策定についての御質問の中で、4次にわたる計画との違いについてお答えいたします。
 沖縄県では、昨年、時代変革を踏まえ、「沖縄21世紀ビジョン」を策定し、県民が望む将来像を描くとともに、克服すべき沖縄の固有課題を確認、整理いたしました。今後の沖縄振興は、鉄道網、鉄軌道で結節している本土各県とは経済発展の道筋が異なることや、発展著しい東アジアの中心に位置すること、さらには日本全体が人口減となる中、しばらく人口増が続くことなど、全国一律ではない沖縄独自の施策が必要であると考えております。このため、新たな計画は、県民が望む将来像の実現と固有課題の克服に向けて、これまでの国の計画としての位置づけではなく、主体的な施策を盛り込んだ県独自の計画として策定することとしております。
 次に、これまでの制度、計画の問題と改善についてお答えします。
 「沖縄21世紀ビジョン」における議論や沖縄振興計画総点検の結果により、離島県ゆえの不利性の克服や各地域指定制度において期待された効果が得られていないことなどの課題とともに、沖縄の潜在力や地域特性を生かす制度が十分でないことなどが明らかになったところであります。このことを踏まえ、新たな沖縄振興においては、離島定住を支援する制度の充実や、交通・物流コストの抜本的な軽減を図るとともに、魅力ある自然環境や独自の文化、若年者の比率が高い潜在力、成長著しい東アジアの中心に位置する優位性を最大限発揮できる競争力の高い税制優遇による経済特区の制度の導入などを国に要望しております。これらの制度を基本に新たな基本計画を策定し、新時代にふさわしい施策を展開することにより、21世紀ビジョンで県民とともに描いた将来像の実現を目指してまいりたいと考えております。
 次に、民主党の一括交付金と沖縄振興一括交付金との違いについてお答えします。
 今年度創設された地域自主戦略交付金は、9種類の補助金を統合し、その範囲に使途を限定したことから、使途の自由度が極めて不十分となっております。沖縄県としては、平成24年度から従来の補助金では対象とされていない「交通・物流コスト対策」、「待機児童の解消」、「離島の定住支援」なども活用できる自由度の高い沖縄振興一括交付金の創設を国へ求めているところであります。 
 次に、高率補助制度についてお答えします。
 沖縄県は、これまで高率補助制度に基づき措置されてきた予算額と同等程度の予算額を沖縄振興一括交付金として措置することを国へ求めてきたところであります。このことから、現行一括計上予算に関し、新たな沖縄振興に係る予算額を含めた総額が確保されるのであれば、現行の高率補助制度のかさ上げ等の効果は沖縄振興一括交付金にすべて包含されるものであると考えております。
 次に、農業問題についての御質問の中で、政府のTPP推進における開国の位置づけについてお答えします。
 菅総理大臣は、ことし1月の施政方針演説において、国づくりの理念の一つとして「明治の開国」、「戦後の開国」に続く「平成の開国」に取り組むことを表明しております。「平成の開国」については、同演説の中で、勢いを増すアジアの成長を我が国に取り込み、国際社会と繁栄をともにするため、貿易・投資の自由化、人材交流の円滑化により経済を開き成長と雇用につなげることと位置づけられております。
 次に、TPP推進に際して政府の講ずる対策についてお答えします。
 政府においては、昨年11月に閣議決定した「包括的経済連携に関する基本方針」の中で、TPP協定については情報収集を進めながら対応していく必要があり、国内の対策を早急に進めるとしております。
 具体的な国内の対策としては、農業分野、人の移動分野及び規制制度改革分野において適切な国内改革を先行的に実施することとされております。しかしながら、東日本大震災の発生を受けことし5月に閣議決定された「政策推進指針」においては、TPPへの交渉参加の判断時期が当初の6月から先送りされており、具体的な対策は決定されておりません。 
 県としては、TPP交渉の動向や政府の対応を踏まえ適切に対応してまいりたいと考えております。
 次に、県のTPPについての評価と対策についてお答えします。
 貿易の自由化については、世界経済のグローバル化が進む中で避けては通れない課題であると認識しております。また、資源の乏しい我が国は、通商貿易国家として成り立っている面もあります。一方で、農林水産業は、重要な産業という側面だけでなく、文化等の多面的な機能の保持という面でも極めて大切な産業であります。したがって、どちらか一方だけをとるということでは、我が国の持続的発展は困難であり、両立を図る道を探ることが極めて重要であると考えております。
 このような状況において、沖縄県としては、農業分野等の懸念について今後とも国に対して強く訴えるとともに、国民の合意が得られるまで丁寧に議論を尽くし、的確に判断することを求めていきたいと考えております。
 次に、鉄軌道導入についての御質問の中で、鉄軌道導入調査の進捗状況についてお答えします。
 国は、平成22年度において需要予測モデルの構築を行うとともに、鉄道やLRTの需要及びその特性等について調査しており、平成23年度には、整備効果、総事業費、事業採算性等の調査及び新たな公共交通システム導入の実現化に向けた課題の整理等を行う予定であります。2年間の調査結果を踏まえ、国は、新たな公共交通システムについて、平成24年度以降の沖縄振興策への位置づけなどを検討していくものと考えております。
 次に、LRTについてお答えします。
 県民及び観光客の利便性の向上、中南部都市圏の交通渋滞緩和、県土の均衡ある発展を支える観点から、沖縄本島を縦断し、広域移動を支える新たな公共交通システムの導入が必要であると考えております。
 路面を走行するLRTについては、所要時間から計算した表定速度が時速10キロから15キロ程度とバスと同等以下であるとされ、長距離の公共交通基幹軸としては、厳しい面があると考えられており、公共交通基幹軸の主要拠点に結節するフィーダー交通として位置づけることが望ましいとも言われております。
 以上であります。
○議長(髙嶺善伸) 答弁の途中ではありますが、ただいまの当銘勝雄君の質問に対する残りの答弁は、時間の都合もありますので休憩後に回したいと思います。
 20分間休憩いたします。
   午後3時21分休憩
   午後3時43分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 休憩前の当銘勝雄君の質問に対する答弁を続行いたします。
 商工労働部長。
   〔商工労働部長 平良敏昭君登壇〕
○商工労働部長(平良敏昭) エネルギー対策の中で、県の主力エネルギーについてお答えいたします。
 沖縄県における電気エネルギーは、平成22年度実績では石炭が約77%、石油が約21%、その他が約2%となっており、そのほとんどが石油や石炭を燃料とする火力発電により供給されております。
 このように、現状としては沖縄県は化石燃料に頼らざるを得ない状況にありますが、今後は新エネルギーの導入を強力に推進し、可能な限り新エネルギーの比率を高めていきたいと考えております。
 続きまして、沖縄電力の原発研究体制、それから導入計画について、これらは関連いたしますので一括してお答えいたします。
 ことし5月に沖縄電力と県庁において意見交換会を行い、その中で確認したところ、社内で原子力発電の研究に係る専門組織や研究予算は措置してないとのことでありました。また、原子力発電を導入する計画も有しているものではないということでございます。
 続きまして、沖縄電力が原発研究を続ける理由についてお答えいたします。
 沖縄県としては、沖縄電力が県民に対し電力の安定供給の責務を負う電気事業者の立場として、エネルギーの安定確保や低炭素化等の観点からさまざまな発電技術について常に研究あるいは情報収集することは極めて重要であると考えており、原子力発電に関する情報収集もその一つであると理解しております。
 以上でございます。
○土木建築部長(当間清勝) 地震・津波対策についての御質問で、建築物の耐震基準の見直し及び耐震対策についてお答えいたします。
 建築物の耐震基準の見直しや耐震対策については、建築基準法を所管する国において地震被害の学術調査を実施しており、県としては、今後、その調査結果や基準改正等の動向を踏まえて対応していく考えであります。
 同じく地震・津波対策についてで、これまでの津波の高さ想定基準と見直しについてお答えいたします。
 沖縄県では、平成18年度から19年度に「沖縄県津波・高潮被害想定調査」を行っており、その際の想定津波高さは、沖縄本島沿岸で1メートルから14メートル、宮古島沿岸で3メートルから13メートル、石垣島沿岸で2メートルから27メートルとなっております。しかしながら、今回、東日本大震災を引き起こした想定外の津波が押し寄せたことから、津波被害の想定を見直さなければならないと考えております。そのため、去る6月16日に「沖縄県地震・津波想定検討委員会」を設置し、その中でこれまで想定してきた地震・津波の状況等を専門家及び関係機関の意見を聞いた上で検証することとしております。
 同じく地震・津波対策についてで、津波被害の面積についてお答えいたします。
 今回の東日本と同規模の地震が発生した場合の津波被害を受ける面積については、今後、「沖縄県地震・津波想定検討委員会」において、想定地震の規模、想定津波高さを決定した上でシミュレーションを行い算定されるものであることから、現在把握できておりません。
 同じく地震・津波対策についてで、公有水面の埋立基準の変更についてお答えいたします。
 公有水面埋立法による埋立免許の基準は、国土利用上適正かつ合理的なこと、環境保全及び災害防止につき十分配慮していること、埋立地の用途に照らし公共施設の配置及び規模が適正なこと等の6つの項目があります。埋立免許に当たっては、これらの基準すべてに適合しているか否かについて審査するものであります。この中で、埋立免許申請者に対し「設計の概要」及び「設計の概要を表示したる図書」の提出を義務づけ、これを審査することになっております。そのため、「設計の概要」等の審査について、今後、国の基準改正の動向を注視したいと考えております。
 以上でございます。
○農林水産部長(比嘉俊昭) 農業問題の中で、台風2号による被害状況についてお答えいたします。
 台風2号による農林水産業関係の被害総額は、6月10日現在で約70億6000万円と見込んでおります。今回の被害は、特に農作物の収穫時期に当たる5月に台風が発生したため、葉たばこ、さとうきび、ゴーヤー、マンゴーなどの農作物が被害全体の約8割を占めております。
 被害の内訳は、葉たばこ等農作物が58億3000万円、ハウス等農業用施設関係が4億7900万円、家畜等畜産関係が3200万円、林道等林業関係が4000万円、水産業関係が6億7900万円となっております。
 次に、農業共済対象作物と加入状況についてお答えします。
 台風2号による被害を受けた農業共済の対象作物は、さとうきびや水稲、園芸施設内で栽培されているマンゴー、ゴーヤーなどの作物となっております。
 平成22年度の農業共済の加入状況は、水稲が約95%、さとうきびが約40%、園芸施設が約16%となっております。
 次に、農業共済制度を補完する制度創設についてお答えいたします。
 本県は、台風接近数が年平均7.4個と国内平均の約2倍発生し自然災害が多いことから、農業共済掛金率が高くなっております。特に、園芸施設共済の共済掛金率では全国平均と比べて約3倍高いことなどから、共済加入率が低い状況となっております。そのため、園芸施設共済における農家負担軽減策として、共済掛金の一部助成事業を行っているところであります。しかしながら、依然として共済掛金率が高いなど、共済加入率は低い状況にあります。このため、県としては、新たな沖縄振興に向けた制度提言の中で、農家負担共済掛金を全国平均並みに軽減する沖縄型農業共済制度の創設を国に対し要望しているところでございます。
 次に、台風に強い農業施設の普及と今後の推進についてお答えします。
 本県の農業振興を図るためには、台風等の気象条件に左右されない施設等の整備が重要でございます。そのため、台風に強い鉄骨ハウスの整備に加え、平成11年度から農作物被害防止施設等の整備事業を導入し、平成22年度までに約360ヘクタールを整備しております。また、既存パイプハウスを補強するため、平成20年度においては「自然災害に強い園芸産地育成事業」により4.4ヘクタールの園芸施設を整備しております。
 県としては、今後とも台風に強い園芸施設の導入とあわせて防風林の整備を推進してまいります。
 次に、遺伝子組み換えパパイヤの輸入経路と検査についてお答えします。
 国は、未承認遺伝子組み換えパパイヤ「台農5号」の種子の輸入について、2つの経路があると公表しております。1つ目は、台湾の種苗会社から国内の種苗会社が輸入し県内の種苗会社へ販売された経路、2つ目は、台湾の種苗会社から県内の種苗会社が直接輸入した経路があるとしております。今回の2つの経路で導入されたパパイヤ種子については、国においてパパイヤの種子の検査法が確立されてなかったことから検査を実施してないと聞いております。
 次に、輸入業者の安全性審査を受ける義務と検査体制についてお答えします。
 未承認遺伝子組み換えパパイヤを輸入する業者は、「カルタヘナ法」と「食品衛生法」により主務大臣の承認を受ける必要があります。国は、今般の未承認遺伝子組み換えパパイヤについて、種子の検査法が確立されてなかったことから実施していないと聞いております。現在、平成23年2月にパパイヤ種子を用いた検査法を確立したことから、その検査法を用いて水際での検査を実施していると聞いております。
 次に、遺伝子組み換え作物の安全性評価についてお答えします。
 遺伝子組み換え作物の安全性評価については、「カルタヘナ法」と「食品衛生法」に基づいて行われます。「カルタヘナ法」では、「生物多用性影響評価検討会」で、野生植物との競合性、野生植物に対する有害物質の産出性、野生植物との交雑性等について安全性が評価されます。「食品衛生法」では、「食品安全委員会」で、遺伝子組み換え遺伝子が安全か、導入された遺伝子によりつくられるたんぱく質の有害性、つくられたたんぱく質のアレルギーの誘発性、導入遺伝子により食品成分の変化等の項目について、食品としての安全性が評価されます。これらの安全性が評価され、主務大臣による承認を得て輸入が許可されます。
 次に、パパイヤの栽培面積と農家補償についてお答えします。
 平成20年度のパパイヤの生産状況は、栽培面積が31ヘクタール、生産量が965トンとなっております。国は、「カルタヘナ法」に基づく未承認遺伝子組み換えパパイヤの伐採処理に伴う損失については、補償の規定はないとの説明をしております。しかしながら、生産農家からは、平成15年に同法が制定されてから約8年の間、遺伝子組み換えパパイヤの検査方法が確立されていないことから、国内侵入防止対策の強化や伐採に伴う補償を求める意見があります。このため、県は、5月と6月に農林水産省や関係省庁等に対し早急な原因究明、検査技術の確立と技術移転、国内侵入防止対策の強化、伐採処理等に伴う補償など、「カルタヘナ法」の運用の見直しを含め抜本的な対策を講じるよう国に強く要請したところでございます。
 県としては、パパイヤ生産農家に対する補償については国が行う必要があると考えておりますが、パパイヤの生産振興を図る観点から、緊急的に伐採作業と苗の配布支援を行うなど、関係機関等と連携してパパイヤ生産農家の経営安定に取り組んでまいります。
 以上でございます。
○総務部長(兼島  規) 県職員の欠員に関する質問のうち、知事部局の定数削減の状況についてお答えいたします。
 県では、簡素で効率的な行政運営のため、定員適正化の基本計画である「新沖縄県定員適正化計画」に基づき、職員定数の適正化に取り組んでいるところであります。これまで民間委託、公社等外郭団体に対する人的支援の見直しなどにより、平成15年からの8年間で596名を減じております。
 次に、現定数に対する欠員の状況と欠員が発生する理由については、関連しますので一括してお答えいたします。
 知事部局では、各部署の業務状況や個々の職員の事情等により、各部署ごとに定めた配置定数を超えて122名を配置している一方、98名が欠員となっております。
 欠員が発生している理由としまして、多くの採用辞退者が出たこと、国や市町村等への職員の派遣を行ったことや、病気休職職員等が発生したこと、技術系の職種については、大型事業終了に伴う業務量の減少が当面見込まれ、採用予定者数を見直さざるを得なかったことなどが挙げられます。
 なお、欠員につきましては、臨時的任用職員や次年度採用予定職員の年度中途での採用により対応し、業務に支障が出ないよう取り組んでまいります。
 以上でございます。
○当銘 勝雄 再質問を行います。
 総務部長、今、次の年度で早目にということなんですけれども、今現在、欠員があるんですよね。ですからこれは基本的にこういう欠員が出たらいけないんですよと、年度初めですよと、こういうことを言っているわけです。それで、市町村とか国家公務員とかに合格してそこに行ったということの説明もありましたが、これはやっぱり基本的に県の職場が非常にまずいということがあると思うし、あるいは環境問題、それから早目に採用しようとしないから逃げていく、こういうことだと思うんです。それで、追加試験をやってでも埋める必要はないのか問います。
 それから、一括交付金制度についてですけれども、知事も一生懸命やっているのはわかるんですが、しかし、今の状況では本当に8月の予算概算要求に間に合わないというふうに思うんですね。やはりこれは官僚でがちゃがちゃやっていてはどうにもならない。基本的には政治主導で実現するという考え方はないのか問います。
 それから、遺伝子組み換えパパイヤについて、農林水産部長は国に要求していると、そのとおりなんです。これは私も資料を取り寄せましたが、結局検査をしていない。検査体制が確立したのはことしの2月なんです、「カルタヘナ法」というものが確立されたのは、ことし。そういう検査体制をつくらないで上から今度は伐採しなさいと、補償はできませんと、違反している者には補償はありますよ。こんなおかしな話はないです。これは国の問題ですよ。ですから絶対農家のためにも引かないで頑張ってもらいたいというふうに思います。
 それから、振興計画と辺野古移設のリンク問題で私、懸念するというのは、前にV字型滑走路を沖合に移動すればというようなことを言ってきたわけです。ですから、今度の2プラス2についても、知事がああいうような考えを持っていたものだから、じゃ、移動させてもいいですよというようなところまで言ってきているわけです。ですから、それが一つに辺野古回帰であるこういうふうに思うので、これについて、さっき断固としてそういうことはないと言ったんですが、もう一度これは確認したいと思いますが、これをお願いします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後4時3分休憩
   午後4時5分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
   〔知事 仲井眞弘多君登壇〕
○知事(仲井眞弘多) 当銘議員の再質問にお答えいたします。
 4つございますが、2つ私のほうで答弁させていただきます。
 まず第1に、この一括交付金、なかなか大変そうだし、これは事務レベルではなくて政治主導というか、政治レベルで扱うべきものではないかというお考えですが、私も全くそのとおりだと思いますし、この一括交付金につきましては、事務レベルではほとんど議論ができません。そして、沖縄担当大臣でもある枝野官房長官も先日、やっぱりぼちぼちこれは政治レベルでの決着といいますか、議論をし決めていこうというような趣旨のことをおっしゃっていますし、今、政策協議会を枝野さんが議長になって運営しているわけですが、その中で振興部会というものは、これは総理を除く全大臣が入っておられます。そういう中で決めていただければと我々思いますし、そしてまた、政府では無論早目に閣議決定というようなきちっとした形を早く出してもらいたいというふうな要求・要望もしておりますし、一方でまた政党では民主党の沖縄県連ともいろいろ協議会というのをつくっていただいて、その場でも実はこの一括交付金を中心に議論をしていただいています。自由民主党、そしてその他の政党・会派でも我々はお願いをし議論をしていただいていますが、主としてこの一括交付金がおっしゃるようになかなか事務レベルでは前へ進まぬという性格のものだと思って、我々ももうぼちぼち基本的な考えは決めていただきたいということを申し上げている最中でございます。社民党の福島さんに対しても先日、お願いに行って参っております。今、全政党へもお願いをしているところです。
 それから4番目の、普天間の辺野古のVの話というのを2プラス2で決めておりますけれども、これは前に私は可能な限り沖合へというような表現で言っておりました。それに対する信号ではないかというような趣旨のことを言っておられたと理解しますけれども、しかし、これはいずれにしても現在の普天間の危険性は早く除去し、返還するということのための問題であって、一方で振興法とか振興計画、今取り組んでおりますのは来年の3月31日で切れる法律及び計画をどう充実して新しい制度をつくるか、法律をつくるかということですから、これはもともと問題の性格が違うと思っております。したがいまして、これはこれ、あれはあれでリンクすることなく進められるものだと考えております。
 以上でございます。
○総務部長(兼島  規) 再質問で、欠員の関係で追加採用試験を実施してはどうかという御質問にお答えいたします。
 追加試験となりますと、実は、欠員につきましては、既に多くの臨時的任用職員を配置して今、手当てしているところでございます。その臨時的任用職員の業務の継続との関係が一つございます。
 もう一点は、今年度実施する職員採用試験は、既に3月で実施計画が策定され、先般、第1次試験が実施されたところであります。その試験の終了するのが9月、10月ごろまでかかりますので、その後の試験ということになろうかと思います。そうすると、やはり今年度の実施になりますので、採用時期が年度末ということになることから、実効性がないという観点から適当ではないかと思っています。臨時的任用職員の採用、それから今年度の採用試験の早目の採用という形で手当てしていきたいと考えております。
 以上でございます。
○農林水産部長(比嘉俊昭) 遺伝子組み換えパパイヤ関連の国への要請の再質問についてお答えいたします。
 県は、5月と6月に農林水産省や関係省庁に対し、未承認遺伝子組み換え農産物等の国内侵入防止策の強化に関する要請をしたところでありますが、今後とも要請内容が実現できるよう、関係機関と連携し強力に要請してまいります。
 以上でございます。
○照屋 大河 社民・護憲ネット、照屋大河です。
 会派を代表して代表質問を行いますが、質問の前に所見を述べたいと思います。
 ちょっと会派の当銘さんと内容がかぶってしまいました、ざんきにたえないということです。ざんきにたえない(パート2)ということでよろしくお願いします。
 「負担軽減が遅れていることは慚愧に堪えません」、去る6月23日の慰霊の日に来県した菅総理大臣はそういうメッセージを発せられました。私が辞書で調べると、「ざんきにたえない」とは、恥ずかしくてしようがないということです。
 昨年の慰霊祭には菅総理はこのようなことを言っておりました。沖縄の負担がアジア・太平洋地域の平和と安定につながってきたことに対してお礼を申し上げる。そして、そのわずか数日前の就任最初の所信表明演説には、過重な基地負担に対する感謝の念を申し上げると。感謝の言葉もお礼も沖縄県民にとってはそういう言葉は要らないんだと感じております。
 この1年間、感謝とお礼を述べて負担軽減をしていくという言葉も発しておりましたが、1年たって今、このような状態であります。この1年間の政府の対応は、陸にも海にも基地をつくらせないという名護市長に対して、交付金の不交付をする、この2プラス2後の知事の要請についても、基地の固定化を示唆したり、負担という言葉を2プラス2の表現においては影響という形で変えてきております。慰霊の日にこの言葉を聞かされた県民の気持ちを思うと、私自身がざんきにたえないという思いであります。
 ところで、この菅総理大臣はやがてやめるようであります。このきっかけになった6月2日、内閣不信任案が提出された日、私は東北被災地の現場におりました。瓦れきが山積みであります。手がつけられないままにありましたが、その地元の人たち、復興に力強く必死な思いで立ち向かう地域の人たちにとって、国政におけるあの内閣不信任案の騒動については、多くの怒りの声を聞いてまいりました。東北の人たちは津波や地震については天災だし、何とか復興に立ち向かおうという気持ちになれるが、福島の原発については人災であると。国会は内閣不信任案というような騒動をしている場合じゃないというふうなことをおっしゃっておりましたが、社民党はこれまで一貫して脱原発を訴えてまいりました。
 国策として進められる原発政策、そして同じように沖縄にある基地の集中、この解決に全力を尽くしていきたいという決意を申し上げて、会派の代表質問を行いたいと思います。
 1番、米軍基地問題について。
 (1)、6月21日開催の日米安全保障協議委員会(2プラス2)について。
 ア、県が求める普天間飛行場の県外移設や嘉手納以南6施設のパッケージと切り離した早期返還が完全に無視された合意内容となっているが、知事の評価を伺う。
 イ、日米両政府は、合意文書で、自治体実施の防災訓練への米軍参加が、米軍と基地を受け入れているコミュニティーの関係強化に資するとの認識を示した。沖縄においても該当すると考えるか、知事の所見を伺う。
 ウ、県は、防衛省に対し在沖米海兵隊の意義や役割をまとめた冊子について質問状を提出しているが、回答はあったか。回答を得ているならば内容を明らかにされたい。
 (2)、普天間飛行場の嘉手納統合案など県内移設関連について。
 ア、嘉手納統合案に対する知事の見解を伺う。賛否を明確にした上で態度を示されたい。
 イ、国頭村安波案に対する知事の見解を伺う。賛否を明確にした上で態度を示されたい。
 ウ、辺野古移設に関する環境現況調査について、沖縄防衛局より野生生物捕獲などの許可申請が出ているようだが、県はいかなる対応をとるつもりか伺う。
 エ、5月23日開催の沖縄政策協議会で、北澤防衛大臣は県に対し鳥島射爆撃場の移設先として硫黄鳥島を検討していることを明らかにした。その際の知事の回答について伺う。
 (3)、嘉手納基地、普天間基地における訓練激化について。
 ア、外来機飛来による被害の実態について伺う。
 イ、県は、外来機飛来激増の原因についてどのように分析しているか伺う。
 ウ、嘉手納基地におけるパラシュート降下訓練について、SACO合意に反する降下訓練を繰り返す米軍の実態がある。嘉手納基地はもちろん、伊江島における訓練も許さないという強い決意で臨むべき。知事の見解を伺う。
 (4)、嘉手納基地における電波障害について。
 ア、ケーブルテレビや地デジ放送などに関する被害実態を明らかにされたい。
 イ、県は、国に嘉手納基地における電波障害の実態調査を実施するよう求めたことがあるか伺います。
 (5)、MV22オスプレイの沖縄配備と東村高江のヘリパッド建設について。
 ア、県はしきりに安全性に関するデータを求め、今の状況では配備反対に変わりはないと含みを残した言い回しに終始している。いかなる理由があれ、配備には明確に反対とこの場で断言すべきである。見解について伺います。
 イ、配備の伝達先には東村など北部の基地所在市町村が含まれています。高江のヘリパッドで運用されるのも確実と考えますが、知事の見解について伺う。
 ウ、東村高江のヘリパッド建設に関し沖縄防衛局から県に、7月から工事を始めたいので現場に重機を搬入したいとの連絡があったのは間違いないか。事実関係と県の回答を明らかにされたい。
 (6)、自衛隊艦船の民間港利用について。
 ア、知事は6月12日に自衛隊艦船を視察したようだが事実ですか。公務日程に反映されていないのはなぜですか。
 イ、知事公室長は、地元の那覇市が問題視していない以上、県も入港自体に反対する立場にないとの見解を述べている。県の姿勢は地元自治体の意向に左右されるということか伺う。
 ウ、自衛隊や米軍艦船の民間港入港に対する県民のアレルギーは相当に強いものがあると考えるが、知事の見解について伺う。
 エ、関連して、陸上自衛隊の音楽隊が6月10日宮古島市の小学校で開いた演奏会で、来場者に「自衛隊採用試験案内」などが配布された。学校現場で自衛隊の広報活動がなされたことに対する県の見解について伺う。
 (7)、基地跡地から民有地へ搬入された汚染土の問題について。
 沖縄防衛局がキャンプ桑江北側の返還跡地内に埋まっていた汚染土を沖縄市の民有地に搬入、保管していたことが判明した。
 ア、返還跡地で見つかった汚染土と知りながら、なぜ県は民有地への搬入を容認したのか理由を示されたい。このような事態となった経緯とあわせて答弁を求めます。
 イ、沖縄防衛局は、8月以降12月までに撤去との考えを示しているようだが、即刻、撤去を求めていくべきではないか伺います。
 (8)、日米地位協定の改定問題について。
 ことしはいつにも増して日米地位協定が障害となっている事件・事故が発生し社会問題化している。去る6月25日に北中城村で開催された抗議集会がその象徴であります。
 ア、長年にわたって地位協定改定を訴えているが一向に進まない。県として戦略の見直しを迫られているのではないか。
 イ、5月22日からの知事公室長の訪米出張について、成果と課題を具体的に示されたい。
 2、同額入札問題について。
 (1)、土木建築部と農林水産部が発表した2010年度発注工事に絡む同額入札調査の結果に対する知事の評価を伺う。
 (2)、県として再調査を実施させる考えはあるか、知事の見解を伺う。
 (3)、県警発注工事の同額入札に関する調査結果を明らかにされたい。
 3、教育・医療・福祉について。
 (1)、6月15日に起こった少年らによる集団暴行事件について。
 ア、事件発生後、現在までの県の対応及び県警の対応について伺う。
 イ、同様の事件が起こるたびに、二度と事件が起きぬよう再発防止に全力を尽くすとの答弁が繰り返されるが、教訓が生かされているか伺う。
 (2)、県立病院改革について。
 ア、独立行政法人化について、平成22年度、県立病院の経営再建検証委員会の検証結果に対する知事の見解について伺う。
 イ、去る2月議会の附帯決議を踏まえ、今年度中に定数条例を改正し適正な人員配置を行うべきと考えるが、知事の見解について伺う。
 (3)、高齢者医療制度改革について。
 ア、後期高齢者医療制度の廃止は政権交代の大きな目玉の一つでもある。廃止が進まない理由は何か。
 イ、医療保険制度がうまくいってなかったことも医療制度の改悪につながったと思うが、保険制度の立て直しはどう進むか。
 ウ、医療保険制度と後期高齢者医療制度の方向について。
 (4)、急性出血性結膜炎の流行について。
 県は去る6月15日、急性出血性結膜炎の患者が急増しているとして流行警報を発令した。現状と対策について伺う。
 (5)、ハンセン病問題について。
 ハンセン病療養所退所者50人への実態調査で、半数近くが健康・医療面に不安を抱えていることが明らかになった。
 ア、実態調査に対する県の所見を伺う。
 イ、退所者が何に困っていて、どんな支援を求めているのか、県はきちんと把握しているのか。具体例を挙げて説明されたい。
 ウ、沖縄愛楽園のベッド4床がことし4月より「保険入院医療機関」に指定された。利用率を明らかにされたい。同様に外来診療の利用率についても伺う。
 エ、沖縄愛楽園及び宮古南静園の「将来構想」策定における課題を示した上で、解決に向けた方策を明らかにされたい。
 (6)、県障害者権利条例について。
 ア、条例制定に向けた取り組みの進捗状況について伺う。
 イ、障害のある人もない人も輝く条例づくりの会から、県障害者権利条例制定に向け県が設置を予定している県民会議(仮称)の構成委員に障害者の権利・保障などの知識を持つ法律の専門家を含めるよう申し出を受けたようだが、県の対応について伺う。
 以上です。
○知事(仲井眞弘多) 照屋議員の御質問に答弁をさせていただきます。
 まず第1に、米軍基地問題に係る御質問の中で、在沖米海兵隊の意義や役割をまとめた冊子への質問に対する回答についての御質問にお答えいたします。
 去る5月7日に北澤防衛大臣から示されました「在日米軍・海兵隊の意義及び役割について」、在沖海兵隊の作戦・任務や沖縄にまとまって所在する理由など、その内容を検討したところ、県民の納得のいく説明ではなかったため、疑義を取りまとめ、6月1日に防衛大臣あて質問書を提出したものであります。防衛省としては、省内で精査した上で回答するとのことでありましたが、現時点で回答はありません。
 県としましては、政府に対し、速やかに回答するよう求めてまいりたいと考えております。
 同じく米軍基地問題に係る御質問の中で、嘉手納統合案に対する知事の見解についての御質問にお答えをいたします。
 嘉手納飛行場周辺市町村は現在でも過重な基地負担を強いられており、さらに負担が増加するような案は、断じて受け入れることはできないと考えております。
 次に、米軍基地問題に係る御質問の中で、知事の自衛隊艦船視察に係る御質問にお答えいたします。
 去る6月12日、私は自衛隊沖縄地方協力本部が主催する特別公開において、海上自衛隊艦船2隻を視察いたしました。同日程について、他の日程の関係から前日まで確定できなかったため、公務日程に反映されていなかったものと思いますが、私は何も逃げ隠れして、公表しないで見に行く、見に行かないなどというようなことはやりません。
 そして次に、教育・医療・福祉に係る御質問の中で、県立病院の独立行政法人化及び経営再建検証委員会の検証結果についての御質問にお答えいたします。
 病院事業の経営再建の取り組みは、検証結果報告のとおり、経営改善の実現に向けて第一歩を踏み出したものと評価しております。一方で、持続的な経営の健全化を図るためには、引き続き、経営全般にわたる改革に取り組む必要があると考えております。
 なお、病院事業の経営形態につきましては、「県立病院のあり方に関する基本構想」に基づき、経営再建検証委員会による平成23年度決算の検証結果も参考にし、最終的に判断することといたしております。
 次に、教育・医療・福祉に係る御質問の中で、後期高齢者医療制度の廃止が進まない理由についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 国が平成22年12月に示しました高齢者医療制度改革案につきましては、多くの高齢者が加入することとなる国民健康保険の構造的な課題について抜本的な解決策が示されていないことから、全国知事会において、財源論を含めた本質的な検討を行うよう求めたところであります。これを受けて国は、「国民健康保険制度の基盤強化に関する国と地方の協議」の場を設け、現在、国と全国知事会等の関係団体との間で、持続可能な医療保険制度の構築に向け検討が進められているところでございます。
 その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 米軍基地問題についての御質問の中で、2プラス2日米合意の評価についての御質問にお答えいたします。
 今回の日米安全保障協議委員会文書において、嘉手納飛行場より南の施設・区域等の返還は、ロードマップに記されたように着実に実施されることを再確認したとしており、いわゆるパッケージ論が改めて示されております。
 「再編実施のための日米のロードマップ」で返還等が示されている嘉手納飛行場より南の施設・区域等については、沖縄の振興・発展のための貴重な空間であり、確実に実施される必要があります。そのため、県としましては、パッケージ論にとらわれることなく、実現可能なものから一つ一つ確実に実施されるよう、去る6月27日にも菅総理を初め、官房長官、外務大臣、防衛大臣に対し、強く求めたところであります。
 次に、防災訓練への米軍参加についての御質問にお答えいたします。
 今回の日米安全保障協議会委員会文書の内容について、沖縄防衛局に確認したところ、防災訓練へ米軍が参加することにより、日米の関係がより良好な関係になるという認識を双方で確認したものである。その地域等について、特に本土とか沖縄とか限定するものではなく、沖縄も関連し得るものであるとの説明がありました。
 次に、国頭村安波案に対する知事の見解についてお答えいたします。
 国頭村安波区への移設案については、報道等により承知しておりますが、宮城国頭村長は、いかなる条件があっても受け入れる考えはないとのことであります。また、日米両政府においても正式に取り上げられたことはないと承知しており、県としての見解は差し控えたいと思います。
 次に、沖縄防衛局からの現況調査の許可等申請についてお答えいたします。
 沖縄防衛局から、平成23年5月23日付の文書で、現況調査に係る許可等の申請がありました。当該調査については、現在、関係法令にのっとり各部局で審査中でありますが、県としましては、地元の理解が得られない移設案の実現は事実上不可能と考え、普天間飛行場の県外移設を求めているところであり、その方針も踏まえつつ、適切に対応したいと考えております。
 次に、鳥島射爆撃場の移設先として硫黄鳥島を検討していくことにつきましてお答えいたします。
 去る5月に開催された沖縄政策協議会のもとに設置された米軍基地負担軽減部会で、北澤防衛大臣から、鳥島射爆撃場を硫黄鳥島へ移転することを検討しているとの発言がありましたが、沖縄防衛局に確認したところ、具体的な内容は決まっていないとのことであります。
 県としましては、引き続き情報収集を行っているところであります。
 次に、外来機飛来による被害実態についてお答えいたします。
 県が実施した平成21年度の航空機騒音測定結果によると、嘉手納飛行場周辺の15測定地点中9地点で、普天間飛行場周辺の9測定地点中3地点で、W値(うるささ指数)が国が定める環境基準値を超過しております。一方、沖縄防衛局は、平成22年4月1日から平成23年3月31日まで、嘉手納飛行場における航空機の運用実態調査を実施しております。同調査によると、外来機と考えられる航空機の離着陸(タッチ・アンド・ゴー)等の回数は、年間約1万4000回で、嘉手納飛行場全体の約31%とされております。
 次に、外来機飛来の原因についてお答えいたします。 
 嘉手納飛行場への外来機の飛来状況について、米軍から公表された情報によれば、岩国、三沢、韓国オサン、グアム、アラスカ及び米本土の基地から多数飛来しており、これらは、戦闘部隊の育成、部隊派遣の一環、訓練や給油等が目的とされております。これらの運用の増加が外来機飛来増の原因であると考えております。
 次に、嘉手納飛行場におけるパラシュート降下訓練についてお答えいたします。
 県は、これまで米軍を初め関係機関に対し、嘉手納飛行場でのパラシュート降下訓練の中止を強く要請してきましたが、それにもかかわらず米軍は今回、事前通告なしに同訓練を実施しました。嘉手納飛行場でのパラシュート降下訓練は、周辺住民を初め県民に多大な不安を与えるものであり、まことに遺憾であります。
 県は、パラシュート降下訓練は、例外なくSACO最終報告の趣旨に沿って実施されるべきであると考えており、通告のあるなしにかかわらず、今後も引き続き嘉手納飛行場において実施することがないよう、日米両政府に対し、強く求めてまいりたいと考えております。
 次に、嘉手納飛行場の電波障害調査についてお答えいたします。
 電波障害に関しては、従来から軍転協を通じて、国に対して要請を行っているところであります。去る2月の軍転協要請においても「米軍の基地運用に起因するテレビ放送等の受信障害について、地上デジタル放送への移行を踏まえ早急に調査を実施し、影響が認められた場合は、適切な措置を講じること」を国に求めたところであります。
 次に、MV22オスプレイと高江ヘリパッドについての御質問、1の(5)のアと1の(5)のイは関連いたしますので、一括してお答えいたします。
 MV22オスプレイの配備について、去る6月6日、沖縄防衛局より口頭にて「地元へのお知らせ」がありました。沖縄県としては、当該機種が過去の開発段階において死亡事故を起こしていること等から、県民が不安を抱いており、十分な情報が示されない現状では、当該配備について反対であります。去る6月24日、沖縄県は、北部訓練場への影響を含む、オスプレイの具体的な運用上の問題等についての質問文書を防衛省へ提出し、速やかな回答と説明を求めたところであります。
 次に、高江ヘリパッドの工事に関連して、沖縄防衛局からの連絡についてお答えいたします。
 去る6月15日、県は報道機関等から、同日夜、重機が搬入されるとの情報を得ましたが、沖縄防衛局から、重機を搬入するとの連絡を受けておりません。
 次に、自衛隊艦船の入港に関する県の姿勢についてお答えいたします。
 自衛隊艦船の民間港の利用については、国内法に基づき、港湾管理者によって判断されるものであり、県としましては、民間船舶の運航等に支障を来すことがない場合は、特に反対するものではないとの見解を示したものであります。
 次に、同じく自衛隊や米軍艦船の民間港入港に対する見解についてお答えいたします。
 自衛隊艦船の民間港の利用につきましては、先ほど答弁したとおり、国内法に基づき港湾管理者によって判断されるものであり、県としましては、民間船舶の運航等に支障を来すことがない場合は、特に反対するものではありません。しかしながら、米軍については、米軍基地が集中する本県においては、緊急時以外の米軍艦船による民間港湾の使用は自粛すべきであるというのが県の一貫した方針であり、ホワイト・ビーチ地区等の米軍施設を使用すべきであると考えております。
 次に、日米地位協定の見直しについてお答えいたします。
 日米地位協定について、県は、平成12年から11項目にわたる抜本的な見直し要請を行っているところであります。現在、民主党政権では、「日米地位協定の改定を提起する」としておりますが、政府からはいまだに日米地位協定改定の方針等が示されていないことから、本年2月8日には軍転協を通じて、5月7日には防衛大臣、5月28日には外務大臣に対して知事が直接、早急に見直し作業に着手するよう求めたところであります。
 県としましては、引き続き、軍転協や渉外知事会等とも連携しながら、沖縄政策協議会のもとに設置された米軍基地負担軽減部会等を通して、粘り強く日米地位協定の見直しを求めてまいりたいと考えております。
 次に、知事公室長の米国出張についてお答えいたします。
 私は、去る5月23日から6月1日までの間、米国に出張し、米国政府、連邦議会関係者、シンクタンク、マスコミ関係者らと面談し、この中で沖縄の基地負担の軽減、とりわけ普天間飛行場の県外移設を求める沖縄県の考え方に対する受けとめ方や、米上院軍事委員長らが提示した辺野古移設の見直しについて情報収集いたしました。
 出張で得た課題といたしましては、米側に基地負担の軽減を求める沖縄の実情をこれまで以上に強く訴える必要があること、米国の情報を的確に収集する仕組みの必要があること等がございます。
 今回の出張で得た成果を踏まえ、今後の知事訪米や米国に直接沖縄の実情を訴え、米国側の理解と協力を得る方策を検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○企画部長(川上好久) 米軍基地問題についての御質問の中で、嘉手納基地における電波障害の被害実態についてお答えします。
 沖縄防衛局が嘉手納飛行場及び普天間飛行場周辺の市町村を対象にして平成22年度に実施した「航空機による地上デジタル放送の受信障害に関する調査」によると、宜野湾市の一部及び沖縄市の一部については受信障害が発生する可能性があるとされており、うるま市、嘉手納町及び北谷町においては障害は確認されなかったとされております。宜野湾市については、国の補助によるケーブルテレビへの加入対策とアンテナ調整による対策、沖縄市についてはアンテナ調整による対策が講じられていると聞いております。
 以上でございます。
○教育長(大城 浩) 米軍基地問題についての御質問で、学校における自衛隊の広報活動についてお答えいたします。
 宮古島市の小学校で開かれた陸上自衛隊音楽隊の演奏会においては、参加者へ広報用のうちわが配布されたと宮古島市教育委員会から聞いております。
 学校における自衛隊の広報活動については、他の官公庁や事業所の広報活動と同様に、学校長の判断と責任のもと適切に行われているものと考えております。
 次に、教育・医療・福祉についての御質問で、事件発生後の県の対応等についてお答えいたします。
 3の(1)アと3の(1)イは関連しますので一括してお答えいたします。
 八重瀬町で発生いたしました集団暴行事件につきましては、大きな衝撃を受けるとともに、強い憤りを感じております。このような人権を踏みにじるような行為は、絶対に許されるものではありません。
 県教育委員会では、これまで学校、家庭、地域、関係機関等と連携し、児童生徒の健全育成に努めてまいりましたが、結果として、事件の防止ができなかったことは、まことに残念でなりません。なお、本事件が県警察においては捜査中であることや、被害者の一人が現在もなお意識不明の重体であることにかんがみ、被害者の御家族の精神的苦痛、心ない詮索や風評が広がらないよう配慮しているところでございます。
 今後は、事件の捜査状況を見守りながら、これまでの取り組みを振り返り、いま一度すべての大人が子供を見守り育てる社会の構築に向け、再発防止の取り組みを県民総ぐるみで粘り強く推進してまいります。
 以上でございます。
○環境生活部長(下地 寛) 米軍基地問題についての御質問の中で、汚染土壌の搬入経緯についてお答えいたします。
 キャンプ桑江北側返還跡地で見つかった汚染土壌については、アスベストや鉛などの有害物質を含んだ建築廃材などであることから、県はこれまで処理方法について沖縄防衛局と調整を行ってきております。3月14日に沖縄防衛局からは、3月中に汚染土壌等を地区外へ搬出したい旨の相談があり、県としましては、土壌汚染対策法及び廃棄物処理法の基準に沿った地区外への搬出方法及び保管方法について指導助言を行っております。その後、4月21日に沖縄防衛局から沖縄市登川へ搬出し、保管しているとの事後報告を受けたことから、県としては、保管場所での状況等について現場確認を行うとともに、関係機関への報告・確認、適切な管理及び早期の搬出・処理を行うよう指導を行っているところであります。
 同じく汚染土壌等の撤去についてお答えいたします。
 汚染土壌の撤去につきましては、沖縄防衛局から、7月中に搬出・処理を行うと聞いております。また、アスベスト含有廃棄物については、県外への搬出を検討していることから、12月までに搬出・処理を行う方針であるとのことです。
 県としましては、沖縄防衛局に対し、引き続き適正な管理と保管場所からの早期撤去を求めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○土木建築部長(当間清勝) 同額入札問題についての御質問で、調査結果の評価についてお答えいたします。
 今回の同額入札問題で、県民に疑念を抱かせるような状況が発生したことは、まことに遺憾であります。
 県では、設計積算から予算執行にかかわった職員及び同額で入札した事業者に対して厳正な調査を実施しました。その結果、情報漏えい等の不正と認められる事実は確認されませんでした。
 同額入札の要因としては、最低制限価格がほぼ予定価格の90%であること、積算ソフトの高度化と積算技術の向上等が考えられます。
 同じく同額入札問題についてで、再調査の実施についてお答えいたします。
 今回の調査結果については、第三者機関である公共工事入札契約適正化委員会に報告し、同委員会から調査内容はおおむね適正であるとの意見をいただいており、再調査の実施は考えておりません。
 県では、今後二度と同様な事例が発生しないよう、改善策の実施にしっかりと取り組んでいく考えであります。
 以上でございます。
○警察本部警務部長(磯 丈男) 県警発注工事の同額入札に関する調査結果についてお答えいたします。
 県警発注工事の同額入札に関しては、2件あり、1件目については、第14回道路標識・標示設置工事、2件目については、宜野湾警察署大謝名交番新築工事設計業務であります。
 それぞれの調査結果でありますが、第14回道路標識・標示設置工事については、入札参加申し込み業者が18社、うち2社が入札辞退となったため、実際に入札に参加した業者は16社となっております。16社中、最低制限価格2万で入札した業者が12社、有効入札となった業者が4社あり、その4社のうち落札した業者1社の入札金額が最低制限価格と同額となったものであります。
 今回、最低制限価格と同額で落札した業者の平成22年度中の入札参加状況を調査したところ、入札参加が14回、辞退が1回、落札が2回となっており、そのうち1回だけが最低制限価格と同額となっております。
 次に、宜野湾警察署大謝名交番新築工事設計業務についてでありますが、入札に参加した業者は18社、最低制限価格2万で入札をした業者が3社、有効入札のあった業者が15社であり、その15社のうち落札した業者1社の入札金額が最低制限価格と同額となったものであります。
 設計業務において、最低制限価格と同額で落札した業者の平成22年度中の入札参加状況を調査したところ、入札参加は3回あり、落札したのは宜野湾警察署大謝名交番新築工事設計業務の1回だけとなっております。
 これらの調査結果を踏まえ、県警におきましては、複数の業者が最低制限価格と同額となっていないこと、特定の者などからの談合情報等も一切ないことなどから、この2件の入札については地方自治法、沖縄県財務規則等関係諸法令に基づき適正に実施されたものと認識をしております。
 次に、6月15日に起こった少年らによる集団暴行事件について、発生後から現在に至るまでの県警の対応についてお答えをいたします。
 本件は、本年6月15日午後11時ごろから翌16日午前4時ごろまでの間、八重瀬町東風平在の運動公園内において被害少年2名が少年等10数名に取り囲まれて集団で暴行を受け、うち1名が脳及び肺挫傷、全身打撲等の傷害を負わされた事件であります。
 県警察においては、事件覚知後直ちに糸満警察署に署長以下67名体制の捜査班を設置し、現場における鑑識活動、被害者や関係者からの事情聴取等所要の捜査を行い、これまで沖縄本島南部に居住する被疑少年7名を逮捕したところであります。
 なお、逮捕した7名の少年以外にも犯行に関与した者がいることから、今後も被疑少年の取り調べや裏づけ捜査等を推進し、事件を解明したいと考えております。
 次に、集団暴行事件の再発防止についてお答えをいたします。
 県警察といたしましては、集団暴行事件等の重大な少年犯罪につきましては、捜査力を集中運用するなどし、厳正かつ迅速な捜査を行い、早期処理を図っているところであります。
 集団暴行事件は、中学生間の事件が最も多く見られることから、学校等の関係機関・団体及び地域と連携した特定の中学校区をエリアに指定し、過卒非行集団の解体等を含むスクールエリア対策でありますとか、警察官OB等のスクールサポーターを非行グループ等の問題を抱えた中学校に派遣し、非行防止や健全育成の活動を行っているところであります。また、重大な少年犯罪については、大半が深夜徘回や酒絡みで発生している実態を踏まえ、深夜の時間帯の警ら活動の強化、少年ボランティアと連携した街頭補導活動の強化を初め、公園、空き家等少年がたむろする場所の管理者に対する防犯指導、地域の非行防止や健全育成機運の醸成に資する総決起大会の開催、合同パトロールの実施、少年の立ち直りに資する居場所づくりとして地域のボランティア等と連携したエイサーやハーリー行事等への参加、環境美化活動、農業体験等もあわせて行っているところであります。このような取り組みなどにより、県内における刑法犯少年は平成17年をピークに減少傾向となり、集団暴行についても平成21年以降減少するなど改善が見られる中、関係者等の地道な取り組みをないがしろにするような重大な集団暴行事件が発生したことは、まことに遺憾に思うところであります。
 警察においては、少年非行の背景にある少年自身の規範意識の低下、家庭や社会の教育機能の低下など、社会全体で取り組むべき諸問題の解決に向け、引き続き学校、関係団体・機関、地域社会、ボランティア等との連携を図り、各種取り組みの強化に努めてまいる所存であります。
 以上でございます。
○病院事業局長(伊江朝次) 教育・医療・福祉についての御質問の中で、附帯決議を踏まえた人員配置についてお答えいたします。
 人員配置については、医療提供体制の充実と経営への影響等を考慮する必要があることから、今年度、病院事業局内に人員体制検討チームを設置し、検討を進めているところであります。
 以上でございます。
○福祉保健部長(宮里達也) 教育・医療・福祉についての(3)のイとウ、保険制度の見直し及び後期高齢者医療制度を含む医療保険制度の方向について一括してお答えいたします。
 我が国の国民皆保険制度は、これまで国民生活に欠くことのできない重要な制度として必要な医療の提供を支えてまいりました。しかしながら、高齢化の進行等に伴い、伸び続ける医療費や長引く不況等により各保険者の財政が悪化する中、財源等を含めた制度の抜本的な改革が求められております。このため、国は、今般の社会保障・税一体改革案の中で給付の重点化と制度運営の効率化を同時に行い、中長期的に持続可能な医療保険制度を実現すること、給付・負担の両面で世代間及び世代内の公平を重視した改革等を行うこと、さらなる低所得者対策を実施するなど、セーフティネット機能の強化を図ることとしております。
 急性出血性結膜炎の現状と対策についてお答えします。
 急性出血性結膜炎については、去る5月30日の週に南部福祉保健所管内において、医療機関からの患者報告数が急増しました。県としては、県全体の一定点医療機関当たりの患者報告数が3.40人と警報レベルを超えたため、6月15日にマスコミを通じて広く県民に注意喚起を行ったところです。直近(6月13日から6月19日)の報告では、一定点医療機関当たり11.50と患者報告数はさらに増加が続いており、引き続きその動向を注視するとともに、予防法等について県民への情報提供に努めているところであります。
 なお、県においては、発生の多い医療機関からの検体を検査し、エンテロウイルスを原因とする急性出血性結膜炎と確認しております。
 ハンセン病療養所の退所者への実態調査に対する県の所見についてお答えします。
 ハンセン病療養所退所者50人への実態調査は、去る5月の「ハンセン病市民学会総会・交流集会in名護・宮古島」の開催に合わせて、宮古島実行委員会聞き取り調査班により調査が実施されたものであります。その調査結果は76%の方が社会復帰したことをよかった、64%の方が差別は現在もある、医療機関に必要なことは病気への理解であると44%の方が回答しております。今回の調査は、退所者の方々の置かれている状況に照らせば大方、思いが反映しているものと思われます。
 退所者がどんな支援を求めているかについてお答えします。
 将来構想策定の過程における意識調査では、ハンセン病特有の後遺症に対する専門の医療体制の維持確保をすること、また老化に伴い医療や介護が必要となった際の療養所での対応、さらには入所者への終生在園保障と同様に、退所者が老後も安心して暮らせるようにしてほしいなどの要望があることを確認しております。
 続きまして、沖縄愛楽園の「保険入院医療機関」の指定された病床及び外来診療の利用率についてお答えします。
 沖縄愛楽園の「保険入院医療機関」に指定された4床については、現時点で利用実績はありません。また、地域住民の外来診療利用割合は、48.5%となっており、地域住民の外来診療に役立っているものと考えております。
 続きまして、将来構想における課題及び解決に向けた方策についてお答えします。
 沖縄愛楽園の将来構想は平成21年3月に、宮古南静園は同年5月に策定されております。
 構想策定時における両園の課題は、入所者の減少に伴う施設機能の低下への適切な対応を前提として、医療・介護水準の維持確保、ハンセン病への理解向上、地域交流の充実に向けた取り組みの推進、入所者の意向を踏まえた園の有効活用とされております。
 今後とも、入所者の意向を最優先かつ最大限に考慮した上で、名護市、宮古島市等関係機関と連携し、将来構想の実現に向け協力していくとともに、具体的な取り組みを国に要望していきたいと考えております。
 続きまして、障害者権利条例の制定に向けた取り組みの進捗状況についてお答えします。
 障害者の権利条例の制定に向けては、国における障害者基本法等の動向を踏まえつつ、当事者団体等との意見交換を行い、取り組んでおります。今年度においては、条例制定を求める団体等と意見交換を数回行うとともに、障害当事者等による障害者権利擁護のための会議に参加し、情報収集等を行っております。
 続きまして、障害者県民会議(仮称)の構成員についてお答えします。
 県では、障害者への差別事例に関すること、差別をなくすための取り組み方策に関すること、その他、障害者の権利擁護の推進及び方策に関することを目的とする障害者県民会議(仮称)の設置を予定しております。
 当該県民会議の構成員に法律の専門家を含めることにつきましては、当事者団体等との意見交換を踏まえ、調整を行ってまいります。
 以上です。
○照屋 大河 最初に、集団暴行事件についてでありますが、教育長、きょうの午前中ですか、子供たちの夢を実現する手助けを、夢の実現に向けて約束をしていきたいというようなことがありましたが、いまだ被害少年は意識不明の状態のようでありますので回復を祈りますが、その被害に遭われた家族についても含めてケアをしていただきたいというふうに要望を申し上げます。そして、加害者となる少年においても、加害者であっても少年ではあるんです。彼らにもやっぱりその夢があって、それに向かう時期もあったと思うんですね。そういうことも含めて命を大切にする教育というんですか、改めてやっていただきたい。つい先日もうるま市で同じような事件が起きて、まだわずかな時期だというふうな僕は認識があるんですね。そういう意味では、いま一度決意を新たに取り組んでいただきたい。これは要望を申し上げます。
 それから今回の事件に対する県警のほうの対応ですが、早期な事件解決に努力をしていただきたい。
 それから再発防止に向けて、さまざまなお話がありましたが、ことしの地元うるま市平安座のハーリー大会なんですが、深夜徘回や喫煙などを繰り返す沖縄市やうるま市の少年たちとうるま署の生活安全課、そういう人たちが中心になってハーリー大会に出場したんですね。平安座の大会とそれから屋慶名のハーリー大会に出場して、周りの地域の皆さんと練習をしながら、そういう取り組みに参加していった。地域の皆さんの評価も非常に高かったんですね。これを個別・具体的に全県的にあるのか、それをぜひやってほしい。子供たちももう悪いことはできないとか、地域に支えられているということを実感したというふうな子供たちの感想もありますので、こういうことがきっと再発防止につながると思います。ぜひそういうことにも全県的に力を尽くしていただきたいなというふうに思います。
 それから、障害者の権利条例について、障害者当事者団体と意見調整をしながら県民会議にその団体の皆さんが要請をする、入れていくかどうかを検討するということでありますが、実際、団体の皆さんは県が後ろ向きではないかというような感想もお持ちです。先日、条例案制定のときにも県福祉保健部は大変な評価をしておりました。フォーラムを繰り返し、意見交換を繰り返し、署名活動などを展開されてきた当事者団体ですので、ぜひしっかりとその意見を聞いた上で、県民会議への参加人数を確保する。実際、中身を聞いたら、枠があってもうできないんだと、皆さんの意見は反映できないんだというようなことを言われたということで、苦しい胸のうちの告白もありました。そういう報告もありましたので、そういうことがないようにお願いを申し上げます。
 これは答弁をお願いしたいと思います。
○福祉保健部長(宮里達也) 当事者団体から要望のある法律の専門家を入れるべきではないかという再質問にお答えいたします。
 県といたしましては、当事者団体等の意見交換を踏まえ、障害者県民会議を設置することとしております。その構成員については、当該当事者を半数程度とすること、民間事業者や障害福祉の関係者等を検討しております。
 当事者団体から要望のある法律の専門家については、現在検討をしております。
 休憩お願いいたします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後5時10分休憩
   午後5時11分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 以上で本日の代表質問は終わりました。
 本日の日程はこれで全部終了いたしました。
 次会は、明30日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後5時11分散会

 
20110502000000