平成18年(2006年) 第 3回 沖縄県議会(定例会)
第 5号 7月 4日
 


○議長(仲里利信) これより本日の会議を開きます。
 日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、乙第1号議案から乙第4号議案まで及び乙第6号議案から乙第22号議案までを議題とし、質疑に入ります。
 質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
 髙嶺善伸君。
   〔髙嶺善伸君登壇〕
○髙嶺 善伸 おはようございます。
 6月の長雨で土砂崩れによる被害をこうむった皆さんに心からお見舞いを申し上げるとともに、災害救助、本当に温かみのあるきめ細かな気配り、心配りをお願いしたいと、こう思います。
 狭い県土で膨大な米軍基地があるために県民の住宅事情は大変厳しい中にあります。危険箇所等々を早目に調査をし、人災と言われないような対策を講じてもらうよう、そしてまた一日も早い災害復旧、それからまた恒久的な今後の災害に強い県土づくりを心からお願いを申し上げて質問に入りたいと思います。
 まず、基地問題についてであります。
 稲嶺知事は、米軍再編の中間報告の際、容認できるものではない、最終報告に反映されるよう全力を尽くしたいと答弁しておりました。その最終報告でも、普天間飛行場の県外移転は日米両政府の最終合意で完全に無視されました。その後、知事は、額賀長官と政府案を基本として合意すると基本確認書に署名いたしました。このことについて真意を確認する質問がこの議会で相次いでおります。それに対して、政府と沖縄県の立場の相違を踏まえ、今後も協議を進めていくという説明をしております。
 知事は、地元自治体や住民の理解と協力が得られなければ政府案の実効性は担保できないと解釈し、外交・防衛は国の専管事項といいながら、基地の負担軽減を国へ要求することは当然の権利と主張しております。つまり、国の決定が強いのか、それから地元住民の要求が強いのか、これがこれから県政に大きく問われると思います。もし、日米合意が上位法で拘束力があるとすれば協議は茶番劇になります。
 代表質問で新川秀清議員が環境条例制定についての取り組みをただすと、米軍に国内法は適応できないと敗北宣言を既にやっております。例えば、Yナンバーの自動車税の特例に関する条例の軽減税率を県民と同等課税することは日米合同委員会合意に違反するからできないという姿勢をこれまで堅持しております。
 これから公有水面埋立免許権者の是非が問われますが、それは知事に与えられた権限であっても、最終的に辺野古沿岸埋め立ては押し切られる危険性は大ではないでしょうか。知事の認識をお聞きしておきたいと思います。
 さて、東アジア共同体を目指して東南アジア平和友好条約が締結される中で、武力攻撃事態を想定したパトリオットミサイルを嘉手納基地に配備させ、在沖米軍基地を強化させることは余計なあつれきを招きます。
 また、基地のない離島や地域でも無差別攻撃を受けることを想定して、住民が戦争の巻き添えになった場合の国民保護計画策定が進められております。また、先島侵攻を想定した準備が防災という大義名分を隠れみのとして進められていることを看過することはできません。
 そこで稲嶺知事にお伺いします。
 1、普天間飛行場移設について、米軍再編最終報告の結果は県民の意向や稲嶺知事の考えと相反しています。今後どのように対応するかお聞かせください。
 2、日米合意事項は国内法の上位法か否か、県の認識を確認しておきたい。
 ア、課税自主権と「地方税法の臨時特例に関する法律」、県税条例の特例との関連をどのように認識しておられるのか。
 イ、辺野古沿岸における公有水面埋立法における知事の権限との関連をどのように認識し、今後どのように対応するかお聞かせください。
 3、武力攻撃事態で沖縄が受ける被害をどのように想定して保護計画を策定しているのか。
 ア、ジュネーブ条約追加議定書では民間地域や民間人を攻撃できないが、無差別攻撃を想定しているのではないか。米国は批准しない立場であるが、どのような影響があるのか。
 イ、無防備地域宣言すべき地域や離島住民の避難等、県計画の取り組みや市町村計画の自主性はどのように確保されるかお伺いします。
 ウ、与那国町で計画されている自衛隊防災展示会でパラシュート降下が行われるという報道がございました。先島侵攻を想定した演習の一環という指摘もあり、中止させるべきではないかと思いますが、6月29日の新聞で中止報道記事がありました。県当局は事実関係を確認したのかどうか御所見をお聞かせください。
 次に、行財政問題について。
 私は、国土保全コストを離島振興財源や離島振興交付金として国に要求することをこれまでたびたび提言してきましたが、平成15年9月定例会での知事答弁は、「今後、可能性について調査・研究してまいりたい」と答弁しております。また、平成17年2月定例会の地域・離島振興局長答弁は、困難だと。毎年度の予算措置で所要額が確保できるよう努めるということでありました。その年の6月定例会では企画部長から「地方交付税の遠隔地補正の特例で13億円余の割り増し措置がある」と、こういうような悠長な姿勢に終始してきました。
 国の三位一体改革でいよいよ地方交付税の大幅な削減が発表され、新型交付税算定方式では財源調整機能や財源保障機能が失われることになるため、去る6月17日には地方自治危機突破総決起大会が開催されるに至りました。国土の0.6%という面積が東西1000キロ、南北400キロに点在する島嶼県沖縄は新型交付税がまともに実施されると地方財政は破綻いたします。
 そこでお伺いします。
 1、新型交付税への対応。
 ア、県、市町村へ与える影響はどのように予測しているのか。今後どう対応するのかお聞かせください。
 イ、国土面積の要件として領海法等関連法に言ういわゆる基線・領海・排他的経済水域、あるいは国立公園法における海中公園との関連要件についてお聞かせください。
 ウ、島を隔てる海域やサンゴ礁等海洋資源面積を交付税算定の対象として国に要求すべきと思うが、取り組みについてお聞かせください。
 2、行財政改革についてであります。
 離島等遠隔地にある市町村は行政事務等のヒアリングに要する旅費や時間は膨大で財政を圧迫しております。可能な限り、本庁に来なくても済むように改正することも今後行財政の効率化や改善につながるとの観点から、以下お聞きします。
 ア、市町村への権限移管と財源移譲はどのように計画しておられるのか。
 イ、地域完結型の八重山・宮古両支庁への事務委任や決裁規程の拡充についてどのように取り組むのか、お考えをお示しください。
 次に、離島振興についてであります。
 医療問題への取り組み、まず琉大医学部が文部科学省の補助を受け、離島医療に極度に少ない専門医を緊急養成するため離島医療人養成教育プログラム(RITOプロ)がスタートしました。自治医科大学の受け入れ増は望めない中で琉大の取り組みは画期的であり、離島医療に従事する専門医を養成するものであり、県としても積極的に連携して支援措置を講ずるべきであります。
 新聞報道によると、地域医療対策協議会発足について琉大医学部部長は、「このような場に琉大が呼ばれるのはほとんどなかった。もっと早く設定してもよかった」との指摘があり、今後の地域医療協議会の成果に期待したいと思います。
 また、離島医師確保対策検討委員会でも、3年間の期限つき特化教育プログラムの当面の支援、さらに期限後も継続するための中長期的支援策を早急に取り上げて取りまとめていただきたい。できるだけ来年度の医師確保関連事業等の予算要求や琉大医学部への推薦入学枠の新設要求に間に合わせていただきたいと思います。
 そこでお伺いします。
 ア、琉大のRITOプロについての認識や対応はどうなっているか。
 イ、離島医師確保対策検討委員会、地域医療対策協議会の取り組みはどうなっているのか。
 ウ、県立八重山病院の医師の確保はどのように対応しているかお聞かせください。
 次に、海岸漂着ごみヘの対応について。
 海岸漂着ごみについてのこれまでの答弁は、海岸漂着物についての撤去・回収・清掃の責任は、所有者不明の漂着物によって海岸管理上支障を来す場合は海岸管理者が対応する、つまり県が対応するということであります。しかし、漂着物は後を絶ちません。そこで、漂着ごみの玄関とも言われている離島海岸を中心に、問題解決のために行った内閣府の離島地域廃棄物対策基本調査が終わったと思いますので、その調査結果をどのように施策に反映するのかお聞きします。
 ア、離島地域廃棄物対策基本調査の進捗状況及び結果への取り組みはどうなっているのか。
 イ、海岸管理者の責任を明確にして海岸漂着ごみ等への対応マニュアルを策定すべきと思うが、取り組みはどうでしょうか。
 次に、輸送経費の負担軽減への取り組みについてお伺いします。
 沖縄本島から県内離島へ輸送される石油製品の輸送経費に対する補助金は、法定外目的税の石油価格調整税が財源となっており、その原資は揮発油税の復帰特別措置による軽減措置であります。復帰特別措置期限は来年5月に到来します。輸送補助継続・拡充を求められておりますが、当局の取り組みをお聞きしたい。
 ア、石油製品輸送等補助事業の継続・拡充への取り組みはどうなっているか。
 イ、石油価格調整税の原資を確保するためにも復帰特別措置である揮発油税軽減措置の延長を国へ要請すべきではないのか、その取り組みをお聞かせください。
 次に、空港建設であります。
 離島振興の生命線である空港整備事業が着々と進んでいることに対して感謝いたします。稲嶺県政の実績でもあり、引き続き強力な取り組みをお願いしつつお伺いしておきます。
 ア、新石垣空港建設着工に向けた進捗状況と今後の取り組みについてお示しください。
 イ、与那国空港建設の進捗状況と供用開始への取り組みはどうなっているのか、お聞かせください。
 次に、ビジット・ジャパンに関連する離島観光振興についてでありますが、台湾、香港等を視察してまいりましたが、離島が玄関となるビジット・ジャパンの誘客が可能であることがわかりました。ぜひ離島振興や平和交流の推進のために離島の観光振興を支援していただきたい。
 そこでお伺いします。
 ア、与那国空港・祖納港を活用した支援策についてどう取り組むのか。
 イ、石垣空港のCIQ施設の活用についてどう取り組むのかお聞かせください。
 最後に、我が会派の新里米吉議員の代表質問との関連でありますが、日米合意をした最終報告をこれからの日本政府との協議で変更することができるのかどうか。そのことについて県の協議の仕方、その見通し、そして稲嶺知事の日米合意を変更させる戦略についてお聞かせください。
○知事(稲嶺惠一) おはようございます。
 髙嶺善伸議員の御質問にお答えをいたします。
 最初は、普天間飛行場に係る米軍再編最終報告の結果と今後の対応についてでございます。
 普天間飛行場の移設に係る新たな合意案については、県は容認できないことは既に明らかにしたところであります。
 県は、普天間飛行場を県外へ移設する間の危険性の除去のための緊急的措置として、暫定ヘリポートの建設を対応の一つとして政府に対して求めております。
 このため、政府案のみを前提とした協議には対応できませんが、県が求める暫定ヘリポート案を含めた協議には参加する考えであります。
 今後とも、これまでの経緯や「米軍再編に関する県の基本的な考え方」を踏まえ、普天間飛行場移設問題の早期解決に向けて全力を尽くす考えであります。
 次に、離島・へき地医師確保対策検討委員会と地域医療対策協議会の取り組みについてお答えいたします。
 島嶼県である本県において、離島・僻地における医師の確保は重要な政策課題であります。
 県は、医師確保対策として自治医科大学への学生送り出しや県立病院の後期臨床研修事業の中でこれら地域における専門医等を養成しております。
 また、離島・へき地医師確保対策検討委員会を設置し、地元自治体の長や離島病院長等から意見聴取を行うなど、調査検討を進めているところであり、その検討結果を踏まえ必要な施策に反映していきたいと考えております。
 さらに、琉球大学医学部、医師会、市長会、町村会等との協力のもとに医師の養成確保及び地域医療提供体制の諸課題への対応策を協議するため、去る6月13日に「沖縄県地域医療対策協議会」を設置したところであります。
 県としては、これらの事業等を通じて琉球大学医学部等とより密接な連携を図りながら、中長期的な視点に立った医師確保システムの確立に努めていきたいと考えております。
 次に、与那国空港建設の進捗状況と供用開始への取り組みについて申し上げます。
 与那国空港については、本格的なジェット化空港として航空輸送の安全性・安定性の向上を図るため、滑走路を現行の1500メートルから2000メートルに拡張するとともに、計器着陸装置等の整備を進めているところであります。
 整備状況については、平成13年度に着手し、平成17年度までに護岸、埋め立て及び用地造成工事等を推進してきたところであり、本年度には滑走路、進入灯、無線施設等すべての工事を完了する予定であります。工事完了後は航空法に基づく飛行場検査等を経て、平成19年3月15日に供用開始を行う予定であります。
 その他の御質問につきましては、関係部長等より答弁させます。
○総務部長(上原 昭) 日米合意事項は国内法の上位法か、県税条例の特例についての御質問にお答えいたします。
 米軍人等の所有する自動車に対する自動車税の特例税率については、日米地位協定に基づき設置されている日米合同委員会で合意された事項であり、それを受け、県においては「アメリカ合衆国軍隊の構成員等の所有する自動車に対する自動車税の特例に関する条例」を制定し、自動車税を課税しております。
 日米地位協定に基づき設置されている日米合同委員会の合意事項については、原則として国内法に優先するものであると考えております。
 次に、新型交付税導入の県への影響と今後の対応についてお答えします。
 新型交付税については現在総務省で検討中であり、その具体的な内容についてはまだ明らかにされておりません。
 そのため、導入された場合の本県に対する影響額について現時点で詳細に試算することは困難でありますが、仮に基準財政需要額の3分の1が新型交付税の対象となり、人口と面積を8対2として配分することとなった場合は約271億円減少するものと考えられます。
 なお、総務省によれば、人口規模や土地の利用形態等による行政コスト差を適切に反映し、十分な経過措置を講じるとともに、離島・過疎などに対して配慮するとされております。
 県としては、今後の動きを注視しつつ、本県の財政運営に支障が生じないよう地方交付税の財源保障機能及び財源調整機能の堅持について地方六団体とともに関係機関に働きかけてまいります。
 次に、新型交付税の要件と交付税算定の対象について一括してお答えいたします。
 新型交付税の具体的な内容についてはまだ明らかにされておりませんが、地方交付税を単に人口と面積のみで配分した場合には、自治体間の財政力格差を一層拡大させるおそれがあり、極めて問題があると考えております。
 去る6月17日に「地方自治危機突破沖縄県総決起大会」を開催し、地方交付税のあり方を考える際には、地方、特に沖縄は東西1000キロメートル、南北400キロメートルの広大な海域に尖閣諸島等160の島々が点在する国境の離島・島嶼県であり、我が国における貴重な経済水域や海洋資源を確保する重要な役割を果たすなど、本県を初め地方全体が一体となって国を形成していることも踏まえることなどについて決議したところであります。6月19日には、知事を初め沖縄県地方六団体の関係者が安倍内閣官房長官や中川自民党政調会長に決議文を手交し、その趣旨を説明し、県及び県内市町村の財政運営に支障を来さないよう、必要な措置が講じられるよう要請したところであります。
 市町村への権限移管と財源移譲についての御質問にお答えします。
 県としては、知事の権限に属する事務のうち、市町村で行うことが望ましいとされる事務については、積極的に市町村へ権限を移譲し、市町村が自主的・自立的に地域づくりに取り組むことができるよう支援していきたいと考えております。
 平成18年4月現在、電子証明書の発行手数料の徴収に関する事務、鳥獣の捕獲の許可に関する事務、母子寡婦福祉関係各種書類の送付に関する事務など、175の事務について権限移譲しているところですが、その事務の数は全国に比べて低い状況にあります。
 県としては、今年度中には市町村への権限移譲が具体化できる項目の選定を行い、権限移譲の推進に関する指針を策定することとしています。
 当該指針には、市町村での事務処理に必要な経費を権限移譲交付金として交付することを定めるほか、移譲される事務について、研修が必要な場合、計画的に研修を実施するなどの財政的・人的支援措置を盛り込むこととしております。
 次に、支庁への事務委任や決裁規程の拡充についてお答えします。
 平成8年度に現在の支庁組織体制が構築された後、平成12年度に地方分権推進一括法が施行されました。
 地方分権の時代にあっては、地域完結型の行政とは基礎自治体である市町村が中心となって担うものであると理解しております。県は、市町村の地域づくりを支援し補完する立場にあり、県と市町村の緊密な連携及び役割分担により地域振興を図っていく必要があると考えています。
 宮古・八重山両支庁については、当該地域における施策課題に対する即応性を高めるため、平成20年4月1日に組織を改編し、本庁各部と直結し、迅速かつ効率的な組織体制を確立する予定であり、組織改編に必要となる決裁規程等についても見直したいと考えております。
 以上でございます。
○知事公室長(花城順孝) 公有水面埋立法における知事の権限についての御質問にお答えします。
 公有水面埋立法では、国が埋め立てを行う場合、県知事の承認を受けることが必要であります。
 県は、日米間で合意された沿岸案について容認できないということを既に明らかにしており、日米間の合意を踏まえ、普天間飛行場の危険性を除去するための緊急的措置として、キャンプ・シュワブ兵舎地区の陸上部分に暫定ヘリポートの建設を検討することを対応の一つとして政府に求めているところであります。県は、この暫定ヘリポートについて埋め立てを想定しておりません。
 次に、国民保護法で、県計画におけるジュネーブ条約追加議定書との関係等についての御質問にお答えします。
 沖縄県国民保護計画は、武力攻撃や大規模テロなどの不測の事態に対応するための行動計画であります。
 一方、ジュネーブ諸条約追加議定書は、武力紛争の犠牲者を保護することを目的とし、文民等の保護や戦闘の方法などについて規定するものであります。したがって、国民保護計画は、ジュネーブ諸条約追加議定書を批准しているか否かにより影響を受けるものではありません。
 なお、武力攻撃は使用される兵器や方法、時間、規模等、条件によって多様な組み合わせがあることから、県計画で想定する武力攻撃事態は国の基本指針に基づく4類型であり、攻撃してくる国や組織も含め、個別・具体的な想定はしておりません。
 次に、同じく国民保護計画で、県計画の取り組みと市町村計画の自主性確保についての御質問にお答えします。
 県国民保護計画は、米軍基地が集中し、島嶼県である本県の特殊性を踏まえて作成していますが、特に離島については独立した項目とし、避難や救援に関する必要な措置について記載しております。
 市町村国民保護計画は、市町村の特性等を踏まえた上で市町村が自主的に作成しますが、その内容については県や国の計画等と整合性のとれたものでなければなりません。
 国民保護計画は、武力攻撃事態等に備えた避難や救援などの行動計画であります。したがって、当該計画の趣旨に沿わない事項については記載できないと考えております。
 次に、自衛隊防災展示会におけるパラシュート降下についての御質問にお答えします。
 与那国町で計画されている自衛隊防災展示会については、与那国町と自衛隊との間で調整されて行われるものであり、パラシュート降下の展示についても同様であります。
 なお、自衛隊は、6月28日にパラシュート降下の展示は行わないことを決定しております。
 次に、代表質問との関連で、日米合意についての御質問にお答えします。
 米軍再編に関して米国と協議、合意することは外交・防衛に関することであり、政府の権限でありますが、過重な基地の負担を受けている県民が国に対して基地負担の軽減や生活環境等の改善を求めることは当然の権利であると考えております。
 県としては、県民の目に見える形での負担軽減になるよう、政府に対して強く求めてまいります。
 以上でございます。
○企画部長(上原良幸) 新型交付税の市町村へ与える影響及び今後の対応についてお答えいたします。
 県では、新型交付税について移行する行政項目の補正係数は事業費補正を除きすべて廃止され、人口、面積のみで配分されることを前提に試算を行いました。
 人口、面積を8対2とするケースでは、需要額総額で約106億円の減少、うち、増加は那覇市などの都市部8団体で約35億円、減少は離島町村や合併市町村など33団体で約141億円という結果になっています。
 試算のような新型交付税が導入された場合、財政力が脆弱な本県市町村、特に離島町村に重大な影響を及ぼすことになります。
 県としては、去る6月17日に開催した「地方自治危機突破沖縄県総決起大会」を踏まえ、地方交付税の算定の簡素化に当たっては、離島・過疎等地域の実態や影響等を勘案するなど、地方の意見を十分反映させるよう国に要請したところであります。
 今後とも国の動向に注視し、適時・適切に対応していきたいと考えています。
 次に離島振興で、石油製品輸送等補助事業の継続及び復帰特別措置の延長要請について一括してお答えします。
 石油製品輸送等補助事業は、今日まで離島における石油製品の価格の安定と円滑な供給を図ることを目的に実施し、離島住民の生活と産業の振興・発展に寄与してまいりました。
 しかしながら、当該補助事業の根拠となっております復帰に伴う特別措置に関する法律の揮発油税及び地方道路税の軽減措置が平成19年5月14日で失効することから、現在、関係部とも連携を図りながら、国に対し、復帰特別措置の延長に向けて調整を行っているところであります。
 以上であります。
○福祉保健部長(喜友名朝春) 琉球大学医学部の離島医療人養成プログラムについての認識と対応についてお答えいたします。
 琉球大学医学部では、平成17年度から3カ年事業として、医学生に対して離島医療人養成教育プログラムを実施し、離島における産婦人科、脳神経外科、麻酔科、プライマリーケアを専攻する医師の養成を推進することとしております。
 県は、同プログラムの実施に当たって、県立宮古・八重山病院や公立久米島病院で実習生の受け入れを行うなど、琉球大学との連携を推進しているところであります。
 離島地域の医師確保については、琉球大学医学部との密接な連携が重要であることから、県としては、同プログラムの実施について引き続き同医学部との調整を図りつつ必要な対応を行っていきたいと考えております。
 以上でございます。
○病院事業局長(知念 清) 離島振興についての御質問のうち、八重山病院の医師確保への対応についてお答えします。
 八重山病院の医師確保については、これまで三役を初め病院事業局長や各病院長及び関係職員などにより、県内外の大学や民間医療機関、国等へ医師派遣を働きかけてまいりました。さらに、人的ネットワークも活用して医師の確保に取り組んできたところであります。その結果、6月には八重山病院に医師1人の確保が実現しております。しかし、いまだ必要な医師数は確保されておらず、県としては今後も引き続きあらゆる手段を講じて必要な医師の確保に努めていきたいと考えております。
○文化環境部長(伊佐嘉一郎) 離島地域廃棄物対策基本調査についてお答えいたします。
 離島地域廃棄物対策基本調査は、漂着ごみを含めた離島地域の廃棄物の実態を明らかにし、適正な処理方法を検討することを目的に内閣府が平成16年度から17年度にかけて行ったものであります。
 海岸漂着ごみの実態については、平成16年度に本県の有人離島38島の漂着ごみについての冬季調査を実施し、17年度には夏季調査を実施しております。
 調査結果によりますと、漂着ごみの量は気象要因や海岸地形等によって異なること、廃プラスチック類であるペットボトル、漁業用の浮きなどが多いこと及び中国、台湾、韓国などの外国からの漂着ごみや流木等が確認されております。
 また、漂着ごみの処理のあり方に関する調査検討を行うため、平成17年度に国、県、離島町村の関係課長等で構成する「離島地域廃棄物対策基本調査検討会」を設置し、検討を行ってきました。その検討会の中で海浜清掃については、主に市町村や地域住民が行っておりますが、その負担が大きいことから、労力の確保及び漂着ごみの収集・運搬のあり方、処理の方法が課題となっております。
 これらの対応策として、労力確保については地元ボランティア組織やNPOの育成が必要と考えられており、処理については漂着ごみの量や性状が多岐にわたり困難なことから、市町村が漂着ごみを含めた廃棄物の処理を行うために必要な処理施設を整備する際においても、国の交付金制度を活用した焼却施設等の整備や流木等をチップ化するための破砕施設の設置の必要性等が話し合われたところであります。
 同調査報告書については、現在、内閣府において取りまとめの作業を行っていると聞いております。
 なお、国においても漂流・漂着ごみの収集から処理に至るまでの総合的な観点から、関係省庁が連携し、早期に実現できるよう局長級の会議を4月に開催し、来年3月をめどに当面の対策をまとめることとしております。
 県としては、これらの動向を踏まえつつ、漂着ごみの課題解決に向けて国や市町村と連携を図りながら取り組んでいきたいと考えております。
 以上でございます。
○土木建築部長(首里勇治) では、海岸漂着ごみ等への対応マニュアルについてお答えいたします。
本県の海岸漂着ごみは、ペットボトル等のプラスチック類、発砲スチロール、医療廃棄物や流木など雑多なものが確認されております。
 県は、これらを除去するため海浜地域浄化対策費等を計上し、地域と共同して海浜の清掃に努めておりますが、外国を発生源とする多量の漂着ごみや離島地域における廃棄物処理施設の整備の問題等のため、海岸管理者だけでは十分な対応はできないのが現状であります。
 内閣府の離島地域廃棄物対策基本調査とは別に、国においては漂流・漂着ごみ問題について、関係省庁による局長級の対策会議を去る4月に設置したところであります。その会議において中長期的な課題として、国際的な対応も含めた発生源対策の検討を行うとともに、漂流・漂着ごみによる被害が著しい地域への対策を早期に実施できるよう検討し、当面の取りまとめを今年度末までに行うと聞いております。
 県としましては、これらの動向を踏まえつつ、今後とも関係機関や地元市町村との連携を図りながら海岸漂着ごみへの対応を行う考えであります。
 次に、新石垣空港の進捗状況と今後の取り組みについてお答えいたします。
 新石垣空港整備事業は、平成17年度に空港本体及びつけかえ国道等の実施設計調査を終えており、平成18年度は用地取得を開始するとともに、用地取得の状況を踏まえ試験盛り土工事等を実施する予定であります。
 用地取得については、空港予定地に土地を所有する法人関係者とは去る4月から、また共有地権者を除く一般地権者とは去る5月から用地交渉を開始しており、現在、県及び沖縄県土地開発公社、石垣市が連携・協力しながら用地取得を鋭意進めているところであります。
 共有地権者については全国各地に分散していることから、ことし8月ごろから用地交渉を開始する予定であります。
 現時点の進捗状況は、石垣全日空リゾート株式会社が所有するゴルフ場用地約78万平方メートルについて去る5月11日に仮契約を締結したところであります。その後、契約した地権者8名の分を合わせますと、面積で約80万6000平方メートル、取得率で空港事業全体面積の約41.3%となっており、おおむね順調に進捗していると考えております。
 今後の取り組みとしましては、平成19年度を目途に全用地を取得し、用地造成等の建設工事を推進していく計画となっております。
 以上でございます。
○観光商工部長(宜名真盛男) 離島振興についての中の、ビジット・ジャパンに関連する与那国空港・祖納港を活用した支援策についてお答えをいたします。
与那国町では、「与那国・自立へのビジョン」を作成し、観光交流の推進を基本方針の一つとしているものと承知しております。
 与那国空港の新滑走路が平成19年3月に供用開始予定であり、与那国町の観光基盤が充実することから、観光誘客活動が必要と考えております。特に、台湾から近距離にある地理的条件や自然・文化的観光資源を生かし、台湾に対する観光キャンペーンを実施する必要があると考えております。
 このため、国と地方が連携して実施している「ビジット・ジャパン・キャンペーン」において、台湾での観光展に与那国町が出展できるよう支援するとともに、台湾のマスコミやエージェント招聘を行うなど、できるだけの支援を行ってまいりたいと考えております。
 次に、石垣空港のCIQ活用についてお答えいたします。
 石垣空港における台湾からのチャーター便による外国人観光客は、平成17年が7往復、約1000人、平成18年は6月現在で11往復、約1000人となっております。
 県では、石垣空港に今年度新たにCIQ施設を整備するとともに、需要の拡大を促進してまいりたいと思います。
 具体的には、地元自治体や観光関連団体などと連携し、現地旅行社との商談会の開催、旅行商品の造成、航空会社・旅行社とタイアップしての広報・宣伝、空港における歓迎式の開催などチャーター便運航の支援を図り、八重山圏域の国際観光の推進に取り組んでまいります。
 以上でございます。
○髙嶺 善伸 議長、休憩お願いします。
○議長(仲里利信) 休憩いたします。
   午前10時47分休憩
   午前10時50分再開
○議長(仲里利信) 再開いたします。
 髙嶺善伸君。
   〔髙嶺善伸君登壇〕
○髙嶺 善伸 離島振興にかかわる輸送費補助の件ですが、石垣市、竹富町、与那国町の3議長会からも要請があって、ぜひ継続してもらいたいということですが、先ほどの答弁によりますと、復帰特別措置の延長をお願いしているが、延長ができない場合でも継続するのかしないのか、それについてお聞かせください。
 次に、離島・僻地医師の確保に関してですが、自治医科大学には年間1億2700万ぐくらい負担金を払っているんです。しかし、年に2人しかできない。琉大は4名から8名は毎年離島の専門医を出そうという計画なんです。ところが、補助事業は17・18・19年の3年で終わり。ところが専門医を誕生させるには最低6年以上かかるわけですね。したがって、文部科学省の補助が切れたときにこの事業を継続するために県は何らかの支援をしなければ、このRITOプロ、つまり特化事業というのは継続できないんです。
 我々は、ぜひ医師確保のための画期的な琉大の取り組みについて、地財特別法等の制約もありますが、事前に、今、内閣府が行っている対策事業の中で検討して、あらかじめ総務大臣の許可を得れば何がしかのプロジェクトチームができると私は思っているんですね。だから、この事業がある間に、果たして県が国立大学法人に何がしかの関与ができるのかどうかを明確にしておくこと、これは今の補助事業でやっている検討事業だからできるんですよ。それを含めて、当面できる支援、それから文科省の補助事業が切れた3年以降の支援についてぜひ今度の検討委員会で結論を出してもらいたい。それもできるだけ中間報告的なようなもので早目にまとめて医師確保の見通しをつくるべきだと思うんですよ。その辺のタイムスケジュールと取り組みを確認しておきたいと思います。
 そして、できるだけ平成19学年度の入学生からぜひこの離島医療に意欲のある学生を優先して入れるために、やはり本県も合格者のうち4割しか県内の学生の合格者はいないんですね。だからぜひ推薦枠をつくってもらいたいと思いますので、その取り組みをお聞かせください。
 それから新型交付税関連ですが、私はここに領海の概念図を持ってきましたが、排他的経済水域まで含めないと、国内であっても公海を挟んだ外海離島になってしまう、沖縄県は。ところが、国道58号は鹿児島から国頭を通って那覇までつないでいます。いわゆる海中道路なんです。国道390号は、沖縄本島から宮古島、それから八重山と、石垣まで来ているんですね。これも海中道路なんです。したがって、今、台湾や中国、韓国の調査船が尖閣・竹島に来ていますが、これらに対する領土というもの、領海、排他的経済水域を理論武装するためにも地方交付税の中にきちんと国内法を適用させるということが必要ではないかと思いますので、それについてもぜひ県として理論武装の中に入れていただきたいと思いますが、取り組みをお聞かせいただきたいと思います。
 それから国に対するメッセージですが、強力に取り組むだけでは通らない。したがって、暫定ヘリポートは埋め立てを前提としないじゃなくて、今、政府案は埋め立てでありますので、今、政府案に移って、その調整が来たときには公有水面埋立法で断ることができるのか、断るつもりなのか。これがいわゆる地元県民の理解が得られなければ実効性の担保がないという意味だと思うんですね。その辺を明確にしていただきたい。そして、機関訴訟もあり得るという強い姿勢を示してもらいたいと思いますので、御答弁よろしくお願いします。
○議長(仲里利信) 休憩いたします。
   午前10時55分休憩
   午前10時57分再開
○議長(仲里利信) 再開いたします。
 企画部長。
   〔企画部長 上原良幸君登壇〕
○企画部長(上原良幸) 復帰特別措置法が延長されなかった場合でも石油製品輸送等補助事業は継続するのかという再質問にお答えいたします。
 この事業の廃止は、離島の産業経済に与える影響が大きいと、今後も継続して実施していくことが必要であるという認識があります。
 しかしながら、同補助事業の根拠であります復帰特別措置法の延長が仮に認められなかった場合、廃止された場合でありますけれども、それを存続するためには、1つには、新たな法定外普通税を創設するということが考えられます。その場合、県民の負担をお願いするということになります。
 それから、国庫による財源を確保していく、これにつきましても国の厳しい財政状況、その中で沖縄の離島だけということができるかどうかという課題もあります。
 それから、県単予算による財源確保ということもありますが、これにつきましても極めて厳しい財政状況の中で、毎年約9億ぐらい確保しなければならないわけですけれども、その辺の県の財政状況との関係が出てきます。
 それから、基金を創設して財源を確保するということも考えられますけれども、低金利時代にあってその運用益での事業実施はかなり厳しいのかなということが考えられます。
 いずれの案も多くの課題等があるということでございますので、したがって、その現行スキームと復帰特別措置を根拠とした石油価格調整税による財源確保が適当であり、当該事業の継続実施に向けて復帰特別措置の延長に全力で取り組んでまいります。
 以上であります。
○総務部長(上原 昭) 海洋の面積を交付税算定の対象にすべきじゃないかという再質問についてお答えいたします。
 本県を取り囲む海洋については、我が国における経済水域や海洋資源を確保する上で非常に重要な役割を果たしておりまして、交付税算定の上でもその基礎とすることが必要じゃないかというふうには考えているところであります。
 しかしながら、新たに海洋面積を算定基準として要望するには、現実に海洋面積を測定単位とするような財政需要があるということ、そして全国的に見ても標準的な財政需要であると認められることが必要であります。しかしながら、課題の重要性については認識しておりまして、今後はどのような形で要望ができるのか研究してまいりたいと考えております。
○知事公室長(花城順孝) 沿岸案についての公有水面埋立法上の県の今後の対応についてという再質問にお答えします。
 先ほども答弁をいたしましたが、公有水面埋立法では国が埋め立てを行う場合には県知事の承認を受けることが必要であります。
 県としては、今回の合意案、沿岸案については容認できないということは既に明確に表明をしているところでありまして、普天間飛行場の危険性の除去のために暫定ヘリポートを建設していくと、そういうことを求めていきたいということもあわせて県はこれから求めていこうということであります。
 暫定ヘリポートの建設は当然埋め立てを伴うものではありません。
 そもそも沿岸案について県が従来から言っていることは、地元の理解が得られないものについては実効性はないというふうに考えております。そういった観点から、県としては今後対応していきたいと考えております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(喜友名朝春) 離島振興の医師確保策についての再質問にお答えいたします。
 本県におきましては、今年度実施している離島・へき地医師確保対策検討調査事業において、地域枠、それから琉大の離島医療法人養成プログラム事業等についても今後検討していきたいと考えております。早急な対応が必要なものについては、9月ごろ予定しております中間報告に盛り込んでいきたいと考えております。
 なお、自治医科大学につきましては、去る4月26日に嘉数副知事が定員枠の要請をしております。
 以上でございます。
○髙嶺 善伸 ちょっと休憩してください。
○議長(仲里利信) 休憩いたします。
   午前11時3分休憩
   午前11時6分再開
○議長(仲里利信) 再開いたします。
 喜納昌春君。
   〔喜納昌春君登壇〕
○喜納 昌春 おはようございます。
 平成18年第3回沖縄県議会に際しまして一般質問を行います。
 その前に、7月1日に元総理の橋本龍太郎氏が享年68歳で亡くなられたことに関しまして、大田前県知事と20数回にわたって真剣に米軍基地問題を何とか解決の方向に動かしていきたいと努力されてまいりました。目の当たりに審議のほどを見てきた議員の一人でありますが、中身の是非とか評価の高低はともかく、大きな努力をされ、今日の状況に至る日米両政府の論議に門戸を開かれた御功績をしのび、評価をし、心からの哀悼をささげたいと思います。
 9月には総理の座を後継に明け渡していくことになっております小泉政権の沖縄の米軍基地問題の処理の仕方を橋本元総理は、小泉総理は人間のしがらみを知らないからと表し、みずからは人間のしがらみの中で汚辱を甘受し、政界から去っていった状況の中で、まだまだ波乱と曲折を迎えさせねばならない沖縄の米軍基地問題の解決の行く末の中で苦悩と責任を分担し、見きわめていただきたかった。沖縄の痛みを痛みとして真っ正面から今後とも受けとめていただきたかっただけに、橋本元総理の御逝去を立場を超えて残念の思いを禁じ得ません。
 県民党を標榜し、8年前に基地問題の解決と雇用問題の解決に多大な県民の期待を受けて登場し、今日まで2期8年の県政運営に日夜奮闘されている稲嶺知事の勇退表明も、行政や政治に就任があれば退任のときが訪れるのは必然とはいえ、時と歴史の重さを痛感し、感慨無量なるものがあります。
 言いたいことは山ほどありますけれども、あと半年に近い日々の任期の任務は限られた日々であればこそその重さも重大です。
 野党の私は、稲嶺知事がみずから招いてきた政府との逆風の中で、基地問題や雇用問題、さまざまな振興策の課題に両副知事以下スタッフ全員の力を結集しながら、稲嶺知事のけれんみのない行政手法での奮闘を期待しつつ、以下、通告に従って質問いたします。
 まず初めに、知事の政治姿勢に関して3つの柱の質問をいたします。
 1点目に、平成18年5月1日に日米両政府で合意された米軍再編報告に関して以下の質問をいたします。
 ア、この最終合意案に県や県民の目に見える形での米軍基地の負担軽減の強い要求は反映されていると考えますか。
 イ 県はこの案をどう評価し、どう日本政府に対応してきましたか。
 2つ目の質問は、5月11日の県と日本政府と交わした「在沖米軍再編に係る基本確認書」に関して、以下、5つの質問をいたします。
 ア、何のためにこの確認書を交わしたのですか。
 イ、この確認書はそれぞれの捺印もなく、本来考えられる公式のていをなしていないと私は考えますが、この確認書の話を持ち出したのはどこですか。
 ウ、国は、この確認書で米軍再編最終報告に対する沖縄県の合意を得たと判断していると公言しているようですが、県はどう考えていますか。
 エは削除いたします。
 オ、この確認書が県の合意していない立場を弱くする原因になっていると私は考えますが、今後、県はどう基地の負担軽減の新たな要求、闘いを展開していく考えですか。
 3つ目の大きな柱の質問は、5月30日の政府の米軍再編閣議決定に関して、以下、6点の質問をいたします。
 ア、閣議決定前の国から県への説明等の対応はどうでしたか。
 イ、これに対し、県はどう沖縄の立場を主張してきましたか。
 ウ、この新たな閣議決定をどう評価していますか。
 エ、この決定によって平成11年12月の閣議決定は廃棄された形となりました。知事は、米軍基地問題で事あるたびに国の責任と誠意ある対応の期待をこの閣議決定の重さに置いた発言が6年余にわたりますので、実際には何百回と繰り返してきたと思います。廃棄に関して国からの責任ある説明はあったのですか。国の平成11年の閣議決定の廃棄を県はどう評価するのですか。
 オ、新たな閣議決定は、まさしく肝心な基地についてはすべてリンクさせ、沖縄県内移設の許しがたいものでありながら、具体的な中身については地元沖縄県に配慮して協議会を設置し、その中で決定していくとの考え方のようです。県はこの協議会へは参加しないとの立場を表明しましたが、その真意は何ですか。また、参加しない考え方は今も変わりはないですか。答弁を求めます。
 カ、私は、閣議決定に対する稲嶺知事の不満と立場は理解し評価しますが、今後、県が望むような米軍基地の負担軽減を日米両政府にどのような場で訴え実現を迫っていく考えですか。答弁を求めます。
 2番目の米軍基地問題に関しては我が会派の代表質問で瑞慶覧議員がやりましたので、今回は削除いたします。
 次に、国民年金の不正免除手続問題に関しまして3点の質問をいたします。
 沖縄の国民年金事業の状況は、無年金者の多さ、また年金を納めずに無年金者予備軍の異常な多さの中で国民年金事業そのものに対する信頼が損なわれ、国民年金が老後の支え、糧として存続し得ているのかどうかが問われている深刻さをまず認識する必要があると考えます。余りの深刻さに社会保険庁沖縄事務所も最近ではその数字さえなかなか教えない傾向にあると言われています。
 そこで質問いたします。
 ア、沖縄でのこの問題を県はどう把握されていますか。
 イ、この問題を県は認識していますか。
 ウ、国民年金事業は国の事業ですが、県民の理解と協力、年金事業に対する信頼は改善されつつあるものの、他県に比べてまだ弱く格差が大きいと思われます。県や市町村も高齢化社会の中で老後の糧としての県民利益の立場からもっと関心を持って何らかの国及び県民との強い協力体制が求められていると考えますが、県の所見と決意を伺います。
 次に、就学援助制度に関しまして3点質問いたします。
 ア、この制度の背景と現状はどうなっていますか。
 イ、三位一体改革の中で市町村財政との絡みで厳格化、援助切り捨ての方向の動きが懸念されていますが、どう考えますか。
 ウ、増長され、野放しにされてきた格差社会の貧富の拡大の中、とりわけ所得の低い本県にあって、子供たちの就学を援助してきたこの制度の果たしている役割は大きいと考えますが、各市町村における公平な制度維持に向けての県、市町村の努力及び国への財政的措置を求めていく対応はどうしてきましたか。答弁を求めます。
 次に、さきの国会で成立した自殺対策法の成立に関しまして6点の質問をいたします。
 ア、この法の成立の背景と意義についてどう考えますか。
 イ、自殺者の国、県の実態は、年齢、原因等どうなっていますか。
 ウ、自殺問題へのこれまでの県、市町村の対応はどうなっていましたか。
 エ、自殺対策法の制定で今後の県、市町村の役割はどうなっていきますか。
 オ、命の重さ、とうとさの本来当たり前の教育、人生観をどう再確立していくべきと考えますか。御答弁願います。
 カ、この問題で公的機関のみならず、民間諸団体の役割をどう考えていますか。また、官民連携、地域ぐるみでの連携・協力体制はこれまで模索されてきたのですか。こうした連携、地域ぐるみの協力は不可欠だと考えますが、今後どう連携を深めていくのか、所見と決意を求めます。
 次に、「放課後子どもプラン」(仮称)の実施に関しまして4点の質問をいたします。
 本県における保育事業の実態は、少子・高齢化社会の中で、認可保育所の少なさ、無認可保育所の多さと待機児童の多さなど、大切な幼児期の公平な保育、人間づくりの公的・社会的制度、体制のおくれが浮き彫りにされてきました。
 一方、少子・高齢化社会の中でますますその役割と期待が大きい中で関係者の努力は多とするも大幅におくれているのが学童保育の実態であります。私も今回、沖縄県学童保育連絡協議会からの要請と説明を受ける中で、学童保育の大切さと同事業に対する敬意の念を強くいたしました。同時に、本県のおくれの実態が他県に比べ異常と言えるのに驚きを新たにいたしました。
 こうした中での今回の国の「放課後子どもプラン」(仮称)の事業については、まさにこれまでの学童保育の実績を正しく評価しながら、学童保育と新たな事業がそれぞれの事業役割を果たし、子供のはぐくまれる環境の整備の前進を目指して、両事業が協力・連携をし、学童保育の拡充につながるように願いながら、またそういう方向で取り組んでいってもらいたい視点から、以下4点の質問をいたします。
 ア、「放課後子どもプラン」(仮称)の行政的取り組みの背景と意義について伺います。
 イ、本県における学童保育の実態はどうなっておりますか。他県に比べてどうなっていますか。
 ウ、学童保育の実態と「放課後子どもプラン」の実施の関係で重視すべき課題、問題点は何だと考えますか。
 エ、「放課後子どもプラン」(仮称)の具体化に関して、全国学童保育連絡協議会及び傘下の沖縄県学童保育連絡協議会から7点にわたる要望が出されていることに関しまして、どう理解し、どう対応していく考えですか、所見を求めます。
 最後に、大雨災害による被災者の救済措置に関しまして質問いたします。
 (2)は削除いたしますので、よろしくお願いします。
 梅雨明け前の大雨で被災されました中城村、それから那覇市地域の被災者の皆さんに心からお見舞い申し上げます。また、被災にめげずに地域、県民ぐるみで復興に立ち上がった姿に心から敬意と賛意を送ります。こうした努力に国、県、自治体の行政のおくれがないよう以下の質問をいたします。
 1点目ですが、中城村内北上原及び安里地域での被災の実態と、県及び村当局の対応と今後の被災者救援措置に関してどう協議され対応していく考えか、御答弁を求めます。
 答弁によりまして再質問いたします。
○知事(稲嶺惠一) 喜納昌春議員の御質問にお答えをいたします。
 最終報告への県の考え方の反映と評価及び対応について一括してお答えいたします。
 県は、米軍再編に対する基本的な考え方として、在沖米海兵隊の県外移転や嘉手納飛行場の運用改善等をあらゆる機会を通じて日米両政府に求めてきたところであります。
 米軍再編の合意内容全体については、県民の基地負担の軽減の面で、兵力や訓練の移転、施設の返還・整理・統合が盛り込まれるなど、米軍基地の整理縮小に向けた方策が示された内容となっております。したがって、県は、今回の米軍再編協議の最終合意の方向性については、全体として見れば県民の目に見える形での基地負担の軽減につながるものと考えております。
 しかしながら、普天間飛行場移設に係る新たな合意案については、海兵隊の県外移転という県の基本的な考え方とも異なることや、これまでの経緯を踏まえれば沖縄県として容認することはできません。
 また、キャンプ・ハンセンや嘉手納飛行場等の自衛隊との共同使用については、負担軽減になるかどうか十分に見きわめる必要があると考えております。
 県は、政府と沖縄県の立場に相違があることにかんがみ、最終報告を起点に継続的に協議を進めていくため、去る5月11日、額賀防衛庁長官と「在沖米軍再編に係る基本確認書」を交わしたものであります。
 確認書を交わした目的、確認書の話の出どころについての御質問に一括してお答えいたします。
 政府は沿岸案での建設を主張し、県はキャンプ・シュワブ兵舎地区の陸上部分に暫定ヘリポートの建設を検討することを提案しているため、お互いの意見が異なっていることを踏まえ、双方が協議の継続の必要性を認識した上で基本確認書を交わしたものであります。
 次に、中城村の被災者救済についての御質問にお答えいたします。
 県は、災害救助法の適用を決定した那覇市及び中城村について、これまで避難所の設置や炊き出しその他の食品の給与など、応急的な救助事務の一部を直ちに市及び村に委任し、被災者の保護を行ってきたところであります。
 中城村においては、避難指示を受けたのは9世帯でありますが、現在、避難所にいる1世帯を除く8世帯は実家や親戚宅等に移っております。
 応急仮設住宅については、9世帯中3世帯は御自分で対応されるとのことであり、その他の6世帯について、4世帯は応急仮設住宅へ、2世帯については民間賃貸住宅の借り上げにより県が供与することとしております。応急仮設住宅は中城小学校北上原分校敷地内に設置することとしており、昨日、着工したところであります。被災者の皆様が災害前の平穏な環境を一日でも早く取り戻せるよう村と連携し、支援に取り組んでいるところであります。
 その他の御質問につきましては、関係部長等より答弁させます。
○知事公室長(花城順孝) 確認書に対する国の主張についてお答えします。
 県は、最終報告による沿岸案については容認できないということを既に明らかにしております。
 去る5月11日の基本確認書を交わした直後の合同記者会見で、V字型滑走路の建設に合意したのかと問われた際に、知事は、「いいえ、全く違います。」と額賀防衛庁長官の前で明確に申しております。
 次に、基地負担軽減の新たな要求等についての御質問にお答えします。
 先ほども申し上げましたように、基本確認書は県と政府の立場の違いをお互いが踏まえた上で継続して協議を行うことを確認したものであります。
 県としましては、日米間で合意された沿岸案には容認できず、政府案のみを前提とした協議には参加する考えはありません。県が求める暫定ヘリポート案の検討を含めた協議がなされる必要があると考えております。
 次に、閣議決定に対する事前説明と県の主張及び評価について一括してお答えします。
 閣議決定に関しては、防衛庁から県に対して防衛庁の考え方についての事前の説明はありましたが、県と防衛庁の間で交わした基本確認書にあるような事前協議はありませんでした。  閣議決定に関する防衛庁の考え方の説明を受けた際に、県としては基本確認書の趣旨を踏まえて県は沿岸案には反対であり、普天間飛行場の危険性の除去のため、キャンプ・シュワブ陸上部分を使った暫定ヘリポートの建設を提案すること、基本確認書の趣旨を踏まえて、閣議決定前に十分な協議を行うこと、平成11年12月28日の政府方針を廃止することは認められないということを主張しました。
 しかしながら、政府と沖縄県及び関係地方公共団体とで事前の協議がなされないまま今回の閣議決定が行われたのであり、極めて遺憾なことであります。
 次に、平成11年12月の閣議決定を廃止することの説明と評価についての御質問にお答えします。
 今回の閣議決定を行う際には、政府と沖縄県及び関係地方公共団体とで事前の協議を行うことが確約されているにもかかわらず、それがなされないまま一方的に平成11年の閣議決定が廃止されたものであり、極めて遺憾であります。
 次に、協議機関への参加についての御質問にお答えします。
 普天間飛行場の移設に係る新たな合意案については、県は容認できないことを既に明らかにしたところであります。
 県は、普天間飛行場を県外へ移設する間の危険性の除去のための緊急的措置として、暫定ヘリポートの建設を対応の一つとして政府に対して求めております。
 政府が提案している協議機関については、政府案のみを前提としていることから県は参加することはできません。しかしながら、県が求める暫定ヘリポート案の検討を含めた協議が必要であると考えております。
 米軍基地の負担軽減の実現についての御質問にお答えします。
 基地問題は県政の重要課題であり、今後も本県の過重な基地負担軽減に向けた取り組みが必要であると考えております。
 県としては、これまでの経緯や「米軍再編に関する県の考え方」を踏まえ、普天間飛行場移設問題の早期解決と県民の目に見える形での基地負担の軽減に向けて、あらゆる機会をとらえて政府に対して訴えていく考えであります。
 以上であります。
○福祉保健部長(喜友名朝春) 国民年金の不正免除手続の本県の状況及び県の認識について一括してお答えします。
 今回の国民年金保険料の免除等に係る不適正処理について社会保険庁が公表した報告書によりますと、全国312の社会保険事務所のうち110事務所で19万3163件の不適正処理があったとされております。このうち沖縄県内については、6つの社会保険事務所のうち不適正処理のあった事務所は5事務所で、不適正処理件数は1万2101件となっております。
 その内容は、個々人の意思を確認しないまま国民年金納付の免除の承認手続を行った事務所が2事務所、9098件、電話等により個々人の意思を確認して職員が申請書を代筆し免除の承認手続を行った事務所が4事務所、3003件となっております。
 国民年金納付の免除については、本人の申請に基づいて行うのが原則であり、今回の不適正事務処理手続は国民年金制度に対する不信感を県民に抱かせたという点で遺憾に思っております。
 次に、国民年金制度についての県及び市町村の協力体制についてお答えします。
 国民年金制度は、高齢になったときや障害に陥ったときの生活の基本的な部分を支えるものであり、県民生活に不可欠な制度であると認識しております。
 このため、県としても県民の福祉の増進を図る立場から、国民年金制度の周知について今後とも制度の実施主体である国及び市町村と連携しながら広報活動に取り組んでまいります。
 次に、自殺対策基本法の成立の背景と意義についてお答えします。
 日本における自殺者数は平成9年まで2万5000人前後で推移していましたが、平成10年に3万人を超え、以後その水準で推移している状況であります。
 自殺者数の増加の背景には、健康問題、経済・生活問題、家庭問題のほか、人生観、価値観や地域、職場のあり方の変化などさまざまな社会的要因が複雑に関係しているとされており、自殺予防対策を推進していくに当たっては、多角的な検討と包括的な対策が必要となっております。
 こうした状況の中で、本年6月に制定された自殺対策基本法は、自殺対策に関し、基本理念を定めるとともに、国、地方公共団体等の責務や基本的施策を示したところであります。
 同法には、自殺対策は社会的な取り組みとして実施されなければならないこと、単に精神保健的観点からのみならず、自殺の実態に即して実施されるようにしなければならないこと、行政機関、医療機関、事業主及び自殺防止活動を行っている民間団体などとの相互の連携のもとに実施されなければならないことなどが規定されており、総合的な自殺対策の推進が図られるものと考えます。
 次に、自殺者の実態についてお答えします。
 本県における自殺者は、警察統計によりますと平成17年は359人となっており、男性287人、女性72人と男性が多く占めております。全国でも男性が2万3540人、女性9012人と男性が多い状況であります。
 年齢別では、県内で40歳代が26.2%、次に60歳以上が23.4%、50歳代が20%となっておりますが、全国では60歳以上が多く33.5%、次に50歳代23.3%、40歳代16%であります。
 自殺の原因は、全国の状況をまとめている警察庁と県警察本部の原因区分が異なるので単純に比較はできませんが、県内は病気苦が31.2%と最も多く、次に経済問題が25.6%、精神障害が10.3%となっており、全国においては健康問題が46.1%と多く、次に経済・生活問題が23.8%、家庭問題9.3%となっております。
 自殺問題への県及び市町村の対応についてお答えします。
 自殺に至るにはさまざまな要因が考えられますが、その大きな要因としてうつ病や抑うつ状態が背景にあることが言われており、県では自殺対策の一環としてうつ対策を行っているところであります。
 うつ対策としては、うつ病等に対する適切な対応についての普及啓発を図るため、講演会の実施やパンフレットの配布を行うとともに、県立総合精神保健福祉センターや各福祉保健所での相談事業並びに市町村等関係機関の相談担当者に対する研修を実施しております。
 平成16年度には、自殺防止を図るため医療現場で利用できるパンフレットや医師向けの活用マニュアルを作成・配布し、活用していただいております。
 なお、市町村においては、通常の相談業務の中での対応のほか、うつ病等に関する講演会等の普及啓発を行っています。
 次に、自殺対策基本法に係る県及び市町村の役割についてお答えします。
 自殺対策基本法が本年6月21日に公布されたところであります。
 同法では、国や都道府県、市町村等の地方公共団体が行う基本施策として、自殺防止等に関する調査研究の推進や自殺防止に関する国民の理解の増進、自殺の防止に関する人材の育成、自殺のおそれがある人への必要な医療提供体制や自殺発生回避のための体制の整備並びに自殺未遂者や遺族への支援などが掲げられております。
 県では、従来から行われている相談事業や研修事業等の充実を図るとともに、行政機関、医療機関、教育関係機関、労働関係団体、事業主及び民間活動団体等で構成する自殺対策連絡協議会を設置し、総合的な自殺対策を推進していくこととしております。
 また、市町村においても関係機関の連携体制を構築するとともに、住民に身近な行政機関であることから、広報誌等を利用したメンタルヘルスに関する普及啓発や健康相談及び住民検診など、地域住民を対象とする各種事業を活用した自殺対策を展開していくことが求められております。
 次に、命のとうとさの教育、人生観の再確認についてお答えします。
 国の自殺防止対策有識者懇談会報告の「自殺予防に向けての提言」では、命のとうとさや生きることの積極的な意味を考え、生きる誇りと自信を育てるなどの心の形成については、家庭、学校、職場及び地域社会とのかかわりの中で培われるものであり、さまざまな機会や手段を通じて教育の充実を図ることが必要であるとされています。このことから、各関係機関がその認識を持って普及啓発に取り組んでいくことが大切だと考えております。
 次に、自殺対策における官民の役割及び連携についてお答えします。
 本年6月に公布された自殺対策基本法においては、「自殺対策は、国、地方公共団体、医療機関、事業主、学校、自殺の防止等に関する活動を行う民間の団体その他の関係する者の相互の密接な連携の下に実施されなければならない。」とされております。
 県では、これまで「沖縄いのちの電話」等の民間団体、臨床心理士会、産業カウンセラー協会及び精神科病院協会等の民間機関並びに県立病院や警察本部等の公的機関を構成委員とする「こころの健康づくり検討委員会」において自殺予防の啓発に関する検討を行うとともに、講演会やパンフレットによる普及啓発について関係機関と連携し、実施してきたところであります。
 今後は、自殺対策連絡協議会を設置し、公的機関と民間機関の連携をさらに深め、総合的な自殺対策の推進に努めていきたいと考えております。
 次に、「放課後子どもプラン」の背景と意義についてお答えします。
 近年の急速な少子化や核家族化の進行及び夫婦共働きの増加に伴い、児童生徒の安全の確保など放課後における対策が求められています。
 このような中、厚生労働省においては、保護者が労働等により昼間家庭にいない児童に対して適切な遊びや生活の場を提供する放課後児童健全育成事業を、文部科学省においては地域住民の協力のもと、希望する子供たちにさまざまな体験活動や交流活動を提供する地域子ども教室推進事業を実施しています。
 「放課後子どもプラン」(仮称)は、両事業を一体的あるいは連携して実施することとされており、教育部局との連携により、総合的な放課後児童対策になるものと考えております。
 次に、放課後児童クラブの実態と他県の比較についてお答えします。
 本県における放課後児童クラブは、平成17年度は県内22市町村157カ所で実施され、平成18年度は22市町村171カ所で実施されることになっています。
 平成17年の国の調査によりますと、設置運営主体について、全国では公立公営や公立民営が多く、本県では運営委員会方式や父母会による民立民営が多くなっています。
 また、実施場所については、全国の場合、学校の余裕教室等が多く、本県の場合は保育所や民家・アパートで多く実施されています。
 次に、「放課後子どもプラン」の課題と問題点についてお答えします。
 「放課後子どもプラン」(仮称)については、具体的な連携方策、予算措置及び推進体制等について平成19年度概算要求時までに厚生労働省と文部科学省の両省間において検討することになっており、詳細については明らかにされておりません。
 県としましては、同プランの実施に関して、児童に対し適切な遊びや生活の場を与えて、その健全な育成を図るという放課後児童クラブの趣旨が損なわれないようにすべきだと考えております。
 次に、学童保育連絡協議会からの要望についてお答えします。
 学童保育連絡協議会から、「放課後子どもプラン」(仮称)の具体化に関し、県や市町村の次世代育成支援地域行動計画との整合を図ることなどの要望があります。
 同プランについては、現時点ではその内容が明らかになっておりませんが、県としては、基本的に放課後児童クラブの役割・機能が損なわれることがないよう対応していきたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(仲里利信) 答弁漏れがあるようでございますので、発言を許します。
 知事公室長。
   〔知事公室長 花城順孝君登壇〕
○知事公室長(花城順孝) どうも失礼しました。
 中城村北上原及び安里地域での被災の実態についての御質問にお答えします。
 平成18年6月10日から19日にかけての長雨及び大雨による中城村内での被害状況は、人的被害はありませんが、避難指示に基づく住民避難は、最大時に北上原地区で9世帯26名、安里地区で40世帯148名、避難勧告に基づく住民避難は、最大時に北上原地区で8世帯18名、安里地区で25世帯90名となっております。
 その後、一部が解除され、6月26日現在、北上原地区においては9世帯26名への避難指示、2世帯5名への避難勧告が継続して発令されており、安里地区においては避難指示、勧告はすべて解除されております。その他、中城村内における道路損壊は3件となっており、このうち2件については北上原地区及び安里地区の地すべりに伴うものであります。
 以上でございます。
○教育長(仲宗根用英) それでは就学援助制度に関する対応について一括してお答えします。
 就学援助制度は、経済的理由により就学困難と認められる児童生徒の保護者に対して市町村が学用品、医療費等を援助し、義務教育の円滑な実施を図るものであります。
 平成17年度の就学援助を受けている児童生徒は2万93人で、近年増加傾向にあります。
 準要保護児童生徒に係る就学援助事業については、平成17年度から市町村の単独事業となっており、それぞれの市町村の状況に応じてなされています。
 県教育委員会としては、市町村教育委員会へ通知をし、就学援助事業の適切な実施を促しているところであります。
 また、全国都道府県教育委員長協議会及び全国都道府県教育長協議会を通じ、就学援助の充実について関係省庁へ要請しているところであります。
 今後とも、市町村において必要な就学援助が行えるよう十分な財源措置を国に働きかけていきたいと考えております。
 次に、「放課後子どもプラン」(仮称)の背景と意義についてお答えします。
 「放課後子どもプラン」(仮称)については、子供に対する重大事件が相次ぐ中、子供が安全に放課後を過ごすための対策として、文部科学省と厚生労働省が連携して来年度から創設する予定の事業であります。
 本事業のねらいは、現在、両省でそれぞれ実施している地域子ども教室推進事業と放課後児童健全育成事業を連携して実施するとなっており、子供たちがより安全で安心して過ごせるよう放課後対策として実施されます。
 具体的な実施内容については、平成19年度の概算要求に向け両省が検討を進めているところであり、県教育委員会としましては国の動向を見守っていきたいと考えております。
 以上でございます。
○土木建築部長(首里勇治) それでは県及び村当局の対応についてお答えいたします。
 中城村の土砂災害における今後の対策としては、地すべりした箇所を災害関連緊急地すべり対策事業により、また県道35号線、村道坂田線を公共土木施設災害復旧事業により復旧対策を図る考えであります。
 村道の復旧については、災害関連緊急地すべり対策事業と公共土木施設災害復旧事業は密接に関連することから、中城村と十分調整を図りながら進めてまいります。
 以上でございます。
○喜納 昌春 休憩してください。
○議長(仲里利信) 休憩いたします。
   午前11時49分休憩
   午前11時50分再開
○議長(仲里利信) 再開いたします。
 喜納昌春君。
   〔喜納昌春君登壇〕
○喜納 昌春 3点ほど質問いたします。
 最初に、知事、米軍再編報告に関してですけれども、5月1日に再編報告が出されまして、2プラス2で、特に5月4日に私は県が「県民の皆様へ」ということでまとめたこの冊子は評価しますよ。これはある意味では腰を据えて国とやりとりしたいという県の決意だと見ているんですが、ただ、この要望書を5月4日に出すんですがね。これがある意味では私は閣議決定の中にほとんど生かされてない。11日にある意味では、その前にやるんですが、知事は確かに額賀長官とのこの合意書(資料を掲示) 締結しましたよね。私も20年近く県議をやっているんですが、こういう文書は見たことないですね。例外的にあるならば、福建の問題で吉元元副知事が中国と交わしたあれぐらいですよ。ただ、この場合は捺印もされてないので、そういう意味では用意周到のものだったのかなという疑問があるんです。ただ、5月4日のものについては極めて建設的ですよ。腰を据えている。ところが、こういったものが5月11日には、こういったことを受けて11日にはこうしましょうということがそれぞれの立場の違いを明確にしながら合意して、今後の協議ということなんだが、県の考え方はわかるけれども、県の決意を国はしっかり受けとめてない、そういう思いなんですよ。ですから、これはいっぱい書いてあるんですが、実際的には知事がコメントの中であるように、沖縄県として容認することができないという9ページのくだりですよ。
 それから、考え方の中で言われている、11ページ、12ページですよ。「しかしながら」というくだりで、「普天間飛行場の移設に係る合意案については、海兵隊の県外移転という県の基本的な考え方とも異なることや、これまでの経緯を踏まえれば、既に明らかにしたように、沖縄県として容認することはできません。」ということが命だったと思うんだが、このことがやはり生かされてないということで、ひっくるめて問うておきますけれども、知事、協議会には参加しないという決意もわかりました。であるならば、新たな協議会をつくらぬといけないんですよ。要求せぬといけない。しかも、大田県政の場合は嫌がらせを受けながら、9ページの中にあるように、沖縄政策協議会を中断されて閉塞状態をつくられたんですよ。協議会があって閉塞されたんです。ところが、閣議決定に基づく協議会に行かないわけだから、知事はこの県の考え方をどういう場で、どういう協議会でやるかということをつくらさぬといけないんですよ。ですから自信満々言うものだから、どういった格好で政府を引っ張り出す決意なのか、協議会に参加しなければ、どういう協議会をつくっていくのか、求めていくのか、明確な決意と答弁をお願いします。
 それから学童保育の実態については、私は学童保育の皆さんの今の努力はわかりますよ。ただ、形態の問題を含めて公立民営は少ないんですよ。だから、民営の部分での努力が圧倒的です。ですからこの部分がむしろ新しいプランの中でも協力できながら、学童保育も実施できるというやつのプランをつくっていかぬといけないんです。ですから文部科学省と厚生労働省ですから、県においては福祉保健部とそれから教育委員会が連携しながら、今からのことですから、委員会で審議しますので細かいことは言いませんけれども、ぜひこの協議会の要望をしっかり受けとめていただきたい。
 もう一度、福祉保健部長と教育長の決意を、新たなプランだからまだ出てないけれども、この考え方に対する決意をもう一度聞かせてください、あとは委員会に譲りますので。
 それから、あとは中城村の件ですけれども、いつまでに調査をして、対策の方法をどうするんだということをめどづけもされているのか。調査が要ると思います、大規模であるしね。ぜひその辺のことを部長、答弁できればお願いいたします。
○議長(仲里利信) ただいまの喜納昌春君の再質問に対する答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
 休憩いたします。
   午前11時58分休憩
   午後1時23分再開
○議長(仲里利信) 再開いたします。
 午前の喜納昌春君の再質問に対する答弁を願います。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 喜納昌春議員の再質問にお答えいたします。
 新たな協議機関の要求と決意についてでございます。
 基本確認書は県と政府の立場の違いをお互いが踏まえた上で継続して協議を行うことを確認したものであります。
 県は、日米間で合意された沿岸案には容認できず、政府案のみを前提とした協議には参加する考えはありません。県が求める暫定ヘリポート案の検討を含めた協議がなされる場が必要であると考えております。
 県としては、去る5月4日に示した米軍再編に関する沖縄県の考え方を踏まえ、県民の目に見える形での負担軽減になるよう今後もあらゆる機会をとらえて政府に強く求めてまいります。
○福祉保健部長(喜友名朝春) 再質問の「放課後子どもプラン」(仮称)についての御質問にお答えをいたします。
 県としましては、同プランの実施に関しては児童に対し適切な遊びや生活の場を与えて、その健全な育成を図るという放課後児童クラブの趣旨が損なわれないよう教育委員会と連携を図り対応してまいります。
 以上でございます。
○教育長(仲宗根用英) 再質問の「放課後子どもプラン」(仮称)についてお答えします。
 「放課後子どもプラン」(仮称)については、国の動向を見守りながら、地域子ども教室推進事業の趣旨が生かされるよう関係部局と連携し、適切に対応していきたいと思います。
 以上です。
○土木建築部長(首里勇治) それでは災害復旧調査についての再質問にお答えいたします。
 今回の被災による災害復旧に向けては今後調査・設計を行うことになります。
 調査の主な内容といたしましては、最初に現場踏査により地すべり現象を推定し、これに基づき、最も最適な地すべり調査計画を立てることになります。そしてこの計画により順次ボーリング調査、土質調査、ひずみ計によるすべり面調査、地盤変動調査、地下水調査等を行います。
 これらの調査結果につきましては、10月末を目途に取りまとめを行う予定であります。その後、国庫負担申請、災害査定等の手続を経て年内を目途に工事着手し、復旧するまでにはおおむね2年程度の期間を要するものと見込んでおります。
 以上です。
○外間 久子 一般質問を行います。
 まず最初に、特別支援教育のあり方について質問いたします。
 1つ、特別支援教育が平成19年度完全施行に当たって、支援教室や通級制度が具体化されますが、実情はどうなっておりますか。対象児童の増加による教師への負担もふえ、手厚い支援が必要とされますが、どの程度教員の増加がなされたのか。
 2つ、昨年度より沖縄県では発達障害児を対象とした教育サポーター制度が実施されておりますが、実態はどうか。また、ハード面での支援はなされているか。
 3つ、各小中学校に特別支援コーディネーターが置かれましたが、校務分掌の一つとして位置づけられ、専門的な研修を行っても短期間で配置がえになり、子供たちの持つ多様なニーズにこたえ切れてない現状があります。他の校務分掌と兼務しない体制を12月議会でも求めましたが、実態はどうか。
 4つ、軽度発達障害を持つ子供たちによるトラブルの多くは、周囲の無理解に起因するものが多く、適切な対応一つで防げるものがあります。特に管理職においては学校運営の方針を左右する立場であり、その姿勢は学校全体の方向性を決定するため理解の有無は重要であります。職員に対する発達障害理解の研修はどの程度徹底されているのか。
 5つ、発達障害児の健やかな成長のためには、学校を含む教育行政、医療、福祉、保健、就労等の分野において、専門知識を有する人材の確保はどの程度できておりますか。
 6つ、発達障害児への適切な支援のための各機関との連携、相互ネットワークの構築、発達障害児の早期発見・早期支援に必要な体制の整備及び発達障害児に対して行われる専門性を確保するための必要な措置を講ずるよう法はうたっております。具体的措置とはどんなものか、沖縄県の実施状況はどの程度進んでおりますか。
 7つ、発達障害者の支援等の施策に当たっては、当事者及び現に児童を養育する保護者等の意思が尊重されなければなりません。発達障害者支援センターの設立検討委員会に当事者、保護者代表も構成メンバーに入っておりますか。また、支援センターの委託先についてはどのような基準で決められているのか。軽度発達障害者への専門性はどの程度考慮されておりますか。
 2つ目に、沖縄県男女共同参画計画の見直しについての提言を行います。
 この間、女性運動の前身や国際的な流れを受けて県内でも一定の法の整備、社会意識や行動の変化は出てまいりましたが、なお差別撤廃のおくれの背景には財界戦略と一体となった構造改革路線や雇用、賃金、社会保障破壊政策がそのまま女性施策に持ち込まれていることが要因となっていることを指摘をし、県の計画改定に当たって我が党の提言をもぜひとも反映していただきたい。
 以下、提言を行い、所見を求めます。
 1つ、この間の男は仕事、女は家庭という固定的な性別役割の分担意識に変化は見られますが、依然として世論の半数近くが肯定しています。その背景には、男性の長時間過密労働と結びついた極端に少ない家事労働、女性に多い補助的労働、男女賃金格差など労働の実態が深く横たわっています。根本的な原因を究明し、それにふさわしい解決策を明らかにすること。
 2つ、売買春問題を人権の立場から理解し、売買春を拒否できる人間になれるよう子供の成長段階に応じた人権教育と性教育を強めること。
 3つ、若い世代の望まない妊娠、HIV、性感染症の増加は見過ごすことができません。早急な対応が求められます。性に関する正しい知識と科学的な避妊方法を取り上げた教材を取り入れること。
 4つ、男女の賃金格差は、労使の自主的な取り組みでは解決されない。労働基準法第3条には「性別」を理由とする差別の禁止が、労働基準法第4条では、男女同一賃金を同一労働同一賃金とし、「使用者は同一労働同一賃金を原則とし、労働者の差別をしてはならない」ことをちゃんと明記すること。
 5つ、派遣労働者が妊娠・出産、育児にかかわることを想定さえしていない企業の実態がある。県は正規・非正規にかかわらず、これらの母性保護についての権利の周知徹底と権利行使の保障を行うことを明記すること。
 6つ、妊産婦検診、出産、小児医療への財政的措置を拡充し、産婦人科医、小児科医の減少への対策を講ずること。
 7つ、自営業者や起業家などの女性たちの要求でもある、無担保・無保証人融資の枠拡大、各種貸付金の金額の引き上げなどの対策をとること。
 8つ、DEIGOプランに提起された個々の課題、問題への対応、進捗状況と課題、何が障害となっているかなど具体的に報告すること。あわせて、その成果や影響についての情報を明示すること。
 議長、ちょっと休憩を求めたいと思います。
○議長(仲里利信) 休憩いたします。
   午後1時34分休憩
   午後1時35分再開
○議長(仲里利信) 再開いたします。
○外間 久子 次に、教育基本法改正の問題点について。
 1つ、国民の願いは現在の学校の荒廃やいじめ、校内暴力、不登校、学級崩壊、さらには学力低下の問題、高い学費、子供と教育をめぐるさまざまな問題、とりわけ一連の少年事件の特徴は、勉強ができ、おとなしく、まじめな子供、さらに被害者が両親であったり、弟や妹などの身内であることです。これらのことに国民は心を痛め、その解決を求めています。今回の教育基本法を改正することで国民の切実な教育要求が解決しますか。
 また、自民党、公明党は、教育の荒廃、子供のモラル、学ぶ意欲の低下、家庭や地域の教育力の低下、若者の雇用問題が生じているので、教育の根本にさかのぼって改革をするのだと提案しておりますが、現場を預かる教育庁としてこれらのさまざまな問題を引き起こしているのは、現行の教育基本法のどこが問題でこれらの問題が生じていると思いますか。
 2つ、今回の自民党、公明党の政府・与党の改定案は、新たに第2条として「教育の目標」を設け、そこに「国を愛する態度」など20に及ぶ徳目を列挙して、その目標の達成を国民全体に義務づけをしています。特に学校と教職員、子供たちに対しては、改定案の第6条に「学校教育」などで、「学校においては、教育の目標が達成されるように体系的な教育が組織的に行われなければならない」と義務づけが明記されています。
 徳目を法律に目標として書き込み、達成が義務づけられれば、時の政府の意思によって特定の価値観を子供たちに事実上、強制することになります。このことは憲法19条が保障した思想、良心、内心の自由を侵すものではないでしょうか。戦前・戦中、教育勅語によって12の徳目を上から子供たちにたたき込み、軍国主義を支える人間をつくったやり方、国策に従う人間づくりと同じではありませんか。
 県内でも愛国心評価を実施している学校がありますか。今後、愛国心の評価を実施するのか、県の方針を伺いたい。
 3つ目に、現行法第10条(教育行政)は、政府などによる教育への不当な支配を厳しく禁じたものです。戦前の国家権力が教育を統制したことが軍国主義教育をもたらしたことへの反省から生まれた原則です。また、正しい教育理念を幾ら掲げても、政府の横やりが入れば絵にかいたもちになりかねません。その横やりにくぎを刺したという点で第10条は基本法全体のかなめとも言えます。第1項の「不当な支配に屈することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われる」というのは、教育はたとえ民主主義下においても、そのときの政府、議会、政党などのような、現実的な力によって左右されないという意味だということをこの教育基本法の解説では述べております。
 第2項の「諸条件の整備確立」という意味は、教育内容に介入すべきではなく、教育の外にあって、教育を守り育てるための諸条件を整えることにその目標を置くべきだという解説です。
 今回の法案は、第1項の「国民全体に対し直接に責任を負って」と第2項の諸条件の整備という肝心の2つを削除しています。さらに問題なのは、第1項に加えられ「教育はこの法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきもの」という文言です。
 これまでも政府が教育介入を正当化するときによく使っていたのが、政府の行為は法律の定めによっているから不当な支配には当たらないということで介入してきました。この理屈を許せば、政府は法律を盾にして幾らでも教育現場に介入できるようになります。
 入学式や卒業式での日の丸・君が代の強制でも、学習指導要領は法律に基づくものだから逸脱することは許されないと強制を正当化しています。このこと自体が教育基本法違反であります。だから強制に対して多くの教職員、保護者、国民が反対の声を上げてきました。
 政府のねらいというのは、こうした声を上げる法的な根拠を根こそぎにして、政府の教育支配を本格的に進めようとすることになりませんか。見解を伺います。
 次、第8次職業能力開発計画の策定について伺います。
 1つ、第8次計画は第7次計画を総括して策定するものだと考えます。7次計画の成果と反省点、課題について伺います。
 2つ、今後5年間の計画を進める第8次計画で、7次計画と異なる重要な項目、目玉は何でしょうか。
 3つ、県立具志川職業能力開発校が建設されて30年、浦添の学校が建設されて25年が経過しています。施設や機材・器具等の老朽化も進んでおり、その対応が必要と思われます。今8次計画で両校の建てかえ計画はどうなっておりますか。
 4つ、適正な訓練指導員の基準についてお伺いします。
 次に、モノレールの延長についてお伺いします。
 県は具体的な延長ルートを検討するための委員会を8月に立ち上げ、コース選定作業を急ぎ、来年中には延長に向けたスケジュールなどを盛り込んだ事業計画の策定を目指していると伺っています。延長コースは、長期的な視野に立った場合、那覇や沖縄県のまちづくり、さらには都市計画の立場からも都市計画道路、石嶺線の活用がベストだと思います。浦添市も方針を明らかにしています。延長検討委員会における事業計画の方針をお伺いします。
 次に、米軍再編及び実施のための日米のロードマップについて伺います。
 1つ、米軍再編ロードマップは実施計画合意ではないかと思いますが、知事の見解を伺います。
 2つ、ジュゴンのえさ場、藻場に配慮すると述べていたのが、140ヘクタールが埋め立てになるが、藻場の埋立面積は何ヘクタールになりますか。
 3つ、滑走路を2本つくったら機能強化になりませんか。村の上空は飛ばない、離着陸で滑走路を使い分けると言っておりますが、アメリカは使用条件を守ったためしはありませんが、知事はどう思いますか。
 4つ、オスプレイの配備は決まっていない、戦闘機は配備しないといううそをついて、滑走路が中間報告のときよりも延長しているのはなぜでしょうか。
 5つ、県環境審議会が米軍基地から発生する航空機騒音や土壌汚染などの環境問題対策を答申に盛り込んだことに対して、報道によりますと、牧野副知事は、日米地位協定上、米軍に国内法の適用はなく、条例に盛り込むことは難しいと否定的な見解を示しておりますが、現状を変えなければ沖縄の自然環境も保持できませんし、よもや地位協定の改定や運用改善も困難ではありませんか。見解を伺います。
 6つ、世界遺産の候補地であるヤンバルの森は米軍のヘリコプターの着陸帯を建設する計画が進んでおりますが、ヤンバルの森のどこをとっても環境への影響は避けられない。移設計画を白紙撤回して無条件で北部訓練場を返還するよう国に求めるべきではありませんか。
 答弁によって再質問を行います。
○知事(稲嶺惠一) 外間久子議員の御質問にお答えいたします。
 米軍再編ロードマップについてのお答えでございます。
 去る5月1日の日米安全保障協議委員会(2プラス2)において合意された最終報告は、中間報告を踏まえた、在日米軍の兵力構成見直し等についての米海兵隊の再編や訓練の移転等の具体的措置を含む最終的な取りまとめであるとされております。
 しかしながら、嘉手納飛行場より南の施設・区域の整理・統合・縮小や、嘉手納飛行場の一部訓練の移転等についてはその計画等を今後協議・検討していくとされております。
 その他の御質問につきましては、関係部長等より答弁させます。
○教育長(仲宗根用英) それでは支援教室等の実情についてお答えします。
公立小中学校における特殊学級から特別支援教室への移行については、現在、国において検討中であります。
 本県の通級による指導は平成6年度から言語障害等を対象に15校で実施してきました。本年度は学校教育法施行規則が改正されたことにより、学習障害(LD)等を含む軽度発達障害児も対象に16校で実施しております。
 なお、平成18年度から国の特別支援教育体制推進事業により、通級指導担当教員1人、特別支援教育コーディネーター1人、計2人が配置されております。
 次に、教育サポーターについてお答えします。
 平成17年度から学力向上グレードアップ事業の中で、学習障害(LD)等軽度発達障害児への教育支援として教育サポーターを配置しております。平成18年度は小学校10校、中学校2校に12名を配置しております。
 教育サポーターには教職免許を有する者を配置していますが、より専門性が求められることから、教育サポーターを対象に研修の充実に努めていきたいと考えております。
 なお、施設・設備等の整備については、個々の教育的ニーズに対応できるよう、設置者である市町村に働きかけていきたいと思います。
 次に、コーディネーターの校務分掌についてお答えします。
 平成18年度小中学校で特別支援教育コーディネーターに指名された者は410名で、うち211名が昨年度より継続して担当しております。
 県教育委員会では、特別支援教育に関する研修を受け、専門性を身につけた者をコーディネーターとして充てるよう指導しております。また、コーディネーターの果たす役割が大きいことから、可能な限り他の分掌と兼務させないよう校長研修会等を通して指導しているところであります。
 次に、発達障害理解の研修についてお答えします。
 特殊教育から特別支援教育への移行に当たっては、全教職員による学習障害(LD)など軽度発達障害に関する理解と支援体制の整備充実を図ることが重要であります。
 県教育委員会では、校長研修会や経年研修会などを通して特別支援教育の理解を図っております。平成18年度は、新たに小・中・高等学校の教職員を対象に軽度発達障害研修を実施しております。
 今後とも、特別支援教育への円滑な移行が図られるよう、各種研修会等を通して教職員の資質向上に努めてまいります。
 次に、教育基本法の改正についてお答えします。
 教育基本法については、同法の制定当時と社会状況は大きく変化し、いじめ、不登校、中途退学などのさまざまな問題が教育現場で指摘されております。
 今回の教育基本法の改正は、このような社会の変化に応じて改めて教育の基本を確立し、その振興を図るため、現行法の普遍的な理念は大切にしながら、将来に向かって新しい時代の教育の基本理念を明確にすることが趣旨であると理解しております。現在、国会において同法の改正案が継続審議中であり、今後、国会の審議の推移を見守っていきたいと考えております。
 次に、愛国心の評価についてお答えします。
 評価については、各学校の校長の裁量にゆだねられていますが、本県においては「国を愛する心」に対する評価をしているとの報告は受けておりません。
 学習指導要領では、「道徳」の指導内容として「郷土や我が国の文化と伝統を大切にし、先人の努力を知り、郷土や国を愛する心をもつ。」と定めており、国語、社会においても「国を愛する心」に関する表記がされております。評価に当たっては、個々の生徒の内心に立ち入って評価するものではないと考えております。
 次に、現行法第10条教育行政の改正についてお答えします。
 教育は不当な支配に服することなく行われなければならないと理解しております。
 しかしながら、教育行政のあり方をどう規定するかについては各界各層でさまざまな意見があり、国民的な議論や国会の動向を注意深く見守っていく必要があると考えております。
 以上であります。
○福祉保健部長(喜友名朝春) 発達障害に関する専門知識を有する人材の確保についてお答えします。
 発達障害者の支援については、平成17年4月1日に発達障害者支援法が施行されましたが、発達障害の問題が浮き彫りにされてきたのがここ数年であり、まだ十分な支援策がなされていないのが実情であります。
 発達障害に関する専門知識を有する人材についても全国的に少ない状況であり、その確保は重要な課題となっています。
 本県においても、発達障害に関する専門的知識を有する人材は少ない状況であり、本年10月設置予定の発達障害者支援センターで教育、医療、福祉、保健及び就労等の専門職員の養成研修等を実施していくこととしております。
 次に、発達障害者の支援体制の整備及び専門性の確保についてお答えします。
 発達障害者支援法において、都道府県等は、医療、保健、福祉、教育及び労働の関係機関等の連携を確保すること、早期発見・早期支援のために発達障害者支援センターの設置ができること、専門性を確保するために人材及び医療機関を確保することとされています。
 県においては、学識経験者、関係部局、親の会等から構成する「発達障害者支援体制整備検討委員会」を設置し、支援計画を作成する等、今後の支援のあり方について検討することにしています。
 また、発達障害者支援センターについては平成18年10月を目途に設置することとしております。
 さらに、発達障害に関する専門的知識を有する人材の養成に努めるとともに、専門的な医療機関については既存の医療機関の中から適切な機関を確保することにしております。
 次に、発達障害者支援体制整備検討委員会の構成メンバー及び発達障害者支援センターの委託先の選定基準並びに専門性についてお答えします。
 発達障害者支援体制整備検討委員会は、大学教授等の学識経験者、医療関係者、労働関係者、教育関係者及び親の会の代表者等を構成メンバーとして設置に向けて準備をしているところであります。
 発達障害者支援センターについては社会福祉法人等に委託することができることになっており、選定方法及び選定につきましては、発達障害者支援体制整備検討委員会の中で検討していくことになります。
 選定に当たっては、社会福祉法人等法人格を有していること、夜間及び緊急時への対応並びに一時保護等の体制が確保できること、その他発達障害者のニーズや利用者の利便性等を考慮して決定していきます。
 また、発達障害者支援センターの職員には、自閉症、アスペルガー症候群及び学習障害等に対応できるよう発達障害者の相談支援、発達支援及び就労支援に相当の経験・知識を有する者を配置してまいります。
 以上でございます。
○文化環境部長(伊佐嘉一郎) まず、沖縄県男女共同参画計画の見直しについての提言にお答えいたします。一括してお答えいたします。
 本県においては、男女が性別にかかわりなくその個性と能力を十分に発揮し、お互いの人権を尊重し、喜びと責任を分かち合いながら多様な生き方を選択することができる男女共同参画社会の実現を目指して諸施策を推進しています。
 平成11年6月に公布・施行された男女共同参画社会基本法第14条の規定により、都道府県は国の定めた男女共同参画基本計画を勘案した男女共同参画計画を定めることが義務づけられています。その規定に基づいて平成14年3月に沖縄県男女共同参画計画、いわゆるDEIGOプランを策定いたしました。
 国においては、平成17年12月に第2次男女共同参画基本計画が策定されたことから、本県においても今年度中に沖縄県男女共同参画審議会に諮り、DEIGOプランの見直しを行うこととしております。
 外間議員から御提言のあります固定的性別役割分担意識の是正、売買春の対策の推進、HIV・性感染症対策、男女間の賃金格差の解消、母性保護等に関する法律及び指針の周知徹底、妊娠・出産期における女性の健康支援、女性の起業支援策の充実、計画の進捗状況の把握等を含めまして、本県の現状等を勘案しながらDEIGOプランの見直しを行ってまいります。
 次に、答申に対する所見と米軍基地環境問題対策についてお答えいたします。
 県環境審議会の答申では、基地環境問題に対応するため、米軍に関する規定を沖縄県環境保全条例――仮称でございますが――これに盛り込むことが必要であるとの内容であり、大変貴重な御意見であると受けとめておりますが、国際法上、米軍に対しては国内法が適用されないこと等もあり、米軍に関しては条例に規定するのは困難であると考えております。
 県としては、今回の審議会答申の趣旨を踏まえ、米軍に関する規定を条例に盛り込むことが可能かどうか検討していきたいと考えております。
 なお、県では米軍基地から派生する環境問題の解決には日米地位協定の抜本的な見直しが必要であると認識しており、今後ともあらゆる機会を通じて日米両政府に訴えてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○観光商工部長(宜名真盛男) 第8次職業能力開発計画の策定についてに関して、第7次計画の成果と課題及び8次計画の重要な項目、目玉について一括してお答えをいたします。
 職業能力開発計画につきましては、職業能力開発促進法において、「厚生労働大臣は職業能力の開発に関する基本となるべき計画を策定するものとする」と定められ、都道府県は国の計画に基づき、都道府県の区域内において行われる職業能力に関する基本となるべき計画を策定するよう定められております。
 国の第7次職業能力開発計画に基づき策定した第7次沖縄県職業能力開発計画では、自発的な職業能力開発の促進、雇用の安定・拡大、産業振興に必要な人材の育成、技能の振興、能力開発施策の推進体制の整備を実施目標に掲げて職業能力開発に取り組んでまいりました。
 その成果といたしまして、5年間の計画期間中に2万5175人の職業訓練を修了し、うち1万1560人が就職しております。
 就職率につきましても、平成13年度に37.3%であったものが、平成17年度には66.8%と年々向上しております。特に雇用の安定・拡大のために女性や障害者に対する職業訓練を、産業振興に必要な人材を育成するためにIT関連事業に対応した職業訓練を創設し、訓練後の就職に結びつけるなどの成果がありました。
 課題といたしましては、若年者の就労意識・勤労意欲の醸成、雇用側のニーズに対応した訓練内容の検討、福祉や教育部門と連携した障害者や若年者に対する訓練の強化が必要であると考えております。
 国の8次計画は7月中に策定されることになっており、県の8次基本計画は国の基本計画を受けて計画(案)を作成し、審議会、パブリックコメント等の手続を経て年内に策定する予定であります。
 次に、県立具志川職業能力開発校、それから浦添職業能力開発校の校舎の建てかえ計画についての御質問にお答えをいたします。
 県立職業能力開発校の施設整備につきましては、職業能力開発校施設整備等事業費を活用し、必要に応じて施設の補修・新設を行うとともに、機械・器具についても計画的に整備し、訓練施設として良好な状態が保てるように努めてまいりました。現段階で両能力開発校とも訓練の実施に支障はなく、今後も必要な補修等を行ってまいりたいと考えております。
 次に、県立職業能力開発校の訓練指導員の基準についてお答えをいたします。
 公共職業訓練施設の訓練指導員の数につきましては、職業能力開発促進法施行規則第10条において、「訓練生の数、訓練の実施に伴う危険の程度及び指導の難易に応じた適切な数であること。」と規定されております。さらに、厚生労働省が監修した実務手引において、訓練科ごとに1単位の訓練生につき3人、1単位の訓練生が30人を超える場合には4人を標準とするとされております。
 沖縄県においては、両能力開発校ともこの基準を満たした職業訓練指導員の配置がなされております。
 以上でございます。
○土木建築部長(首里勇治) それでは検討委員会における事業計画の方針についてお答えいたします。
 県は、今年度から沖縄本島の定時・定速の公共交通基幹軸の形成を目指し、首里駅から沖縄自動車道までのモノレール延長検討調査を実施しております。
 調査に当たっては、延長検討委員会を発足し、まちづくりを含めた多角的な視点で需要動向や沿線開発の状況等を踏まえ、望ましい延長ルートや整備方策及び効果等を総合的に検討する考えであります。
 以上でございます。
○知事公室長(花城順孝) 沿岸案に関連して、藻場の埋立面積についての御質問にお答えします。
 新たな移設案の埋立面積については、去る5月30日の衆議院安全保障委員会において、北原防衛施設庁長官が、陸上は大体40ヘクタールくらい、海は大体140ヘクタール、トータルで180ヘクタールくらいになるがまだ確たる数字ではないとの趣旨の発言をしております。
 藻場の埋め立て等については具体的なことは明らかにされておりません。
 次に、V字滑走路についての御質問にお答えします。
 県は、普天間飛行場の移設に係る新たな合意案については、容認することはできないことは既に明らかにしたところであります。
 次に、オスプレイ及び戦闘機の配備、滑走路の延長についての御質問にお答えします。
 現時点では、日本政府からオスプレイの配備計画について何らの説明もありません。最終報告では、普天間飛行場代替施設において「米国政府は、この施設から戦闘機を運用する計画を有していない。」としております。
 滑走路の長さについては、平成18年2月に防衛施設庁から、普天間飛行場の空中給油機は県外移転するが、小型固定翼機が残ることや米軍の運用の所要を勘案したものとの説明を受けております。
 次に、北部訓練場の返還についての御質問にお答えします。
 県は、これまで国に対し、北部訓練場の返還に伴うヘリパッドの移設場所の決定に際しては、ヤンバルの貴重な自然への配慮を求めるとともに、当該移設場所の自然環境への影響やその対策等について県及び関係市町村に十分に説明するよう申し入れてきました。
 県としては、国による環境調査の結果や関係する市町村の意向等も踏まえながら、当該地域の自然環境や地域住民の生活に十分配慮した移設場所の選定がなされるよう適切に対応したいと考えております。
 以上でございます。
○外間 久子 休憩願います。
○議長(仲里利信) 休憩いたします。
   午後2時6分休憩
   午後2時8分再開
○議長(仲里利信) 再開いたします。
 教育長。
   〔教育長 仲宗根用英君登壇〕
○教育長(仲宗根用英) 教育基本法の改正について。
 教育基本法の改正についてはいろいろな意見があり、各方面からの幅広い論議が不可欠であります。現在、国会で審議されているところであり、教育行政を執行する者としては、国民的論議や国会の審議の動向を注意深く見守っていく必要があると考えております。
○議長(仲里利信) 休憩いたします。
   午後2時9分休憩
   午後2時10分再開
○議長(仲里利信) 再開いたします。
 教育長。
   〔教育長 仲宗根用英君登壇〕
○教育長(仲宗根用英) 教育基本法の改正については先ほどもお答えしております。
 教育基本法については、同法の制定当時と社会状況は大きく変更しておりまして、いじめ、不登校、中途退学などさまざまな問題が学校現場で指摘されております。
 今回の教育基本法の改正は、このような社会の変化に応じて改めて教育の基本を確立し、その振興を図るために現行法の普遍的な理念は大切にしながら、将来に向かって新しい時代の教育の基本理念を明確にすることが趣旨であると私は理解しております。
 現在、国会において同法の改正案が継続審議中であり、今後、国会の審議の推移を見守っていきたいと考えております。
○議長(仲里利信) 外間久子君。(発言する者あり)
 静粛に願います。
 休憩いたします。
   午後2時13分休憩
   午後2時13分再開
○議長(仲里利信) 再開いたします。
 外間久子君。(発言する者多し)
 議事整理権を尊重してください。
 休憩いたします。
   午後2時14分休憩
   午後2時15分再開
○議長(仲里利信) 再開いたします。
 外間久子君。
   〔外間久子君登壇〕
○外間 久子 私は、具体的に教育基本法の第1点で、今、国民が抱えている問題、校内暴力、不登校、学級崩壊、学力低下、さらに自民党が今起きている問題、公明党が言っている今起きている問題は、やはり根幹から変えなきゃならないと言っているわけです。それを問題を解決するためにどこが問題で今の問題が起きているかというのを聞いているんですから、これにちゃんと答えてください。
 次に、発達障害の支援の問題ですけれども、やはり発達障害者の支援の必要性については法でもうたわれています。ところが制度的な救済措置が一つもない。療育手帳の対象外になっている。私は、この発達障害の子供たちというのは、療育手帳の対象の子供たちだと思うんです。その点について県はどのような考えを持っているのか、そしてそれについて今後の取り組みはどうなさるのか。
 それからあと一つ、支援センターを立ち上げるということですが、委託先は恐らく知的と重度心身と、それから肢体の3つの施設を検討されていると思うんですけれども、この3つの施設の障害と発達障害の専門性は同一のものではないと思うんです。この点は、委託をするにしてもどのように考慮しているのか、ひとつお伺いします。
 次に、米軍再編の問題で環境問題ですけれども、県はやはり人権の観点とか、あるいは基地環境問題から日米地位協定の改定を求めています。この要求というのはうんと貫いてほしいと。そのためにもやはり日米地位協定の第3条の3項、「合衆国軍隊が使用している施設及び区域における作業は、公共の安全に妥当な考慮を払って行なわなければならない。」というこの状況に依拠して、やはり今の問題というものは条例に盛り込むことがこの環境を保持することができるし、日米地位協定の運用も改善させることができるんじゃないかと、そういう意味からこの条例に盛り込むことは、この3条の3項を一挙にしてやるべきじゃないかと思うんですが、見解をお伺いしたいと思います。
 次に、先ほどの知事の答弁では、やはりロードマップの実施は計画の合意ではないかという質問ですが、これについて、実施合意計画じゃないかということについてまともにちゃんと答えていただきたい。知事が言っているのは、意味が私は頭が弱いのか理解ができないので、きちっと、合意計画ではないですかと、そうです、そうでありませんと、イエスかノーかで答えていただきたいと思います。
 それからえさ場の問題ですけれども、もっとこれは調べていただきたいと思うんです。ちゃんとつかんでいるはずですから、もう一回問いただしたいと思います。
○議長(仲里利信) 休憩いたします。
   午後2時18分休憩
   午後2時21分再開
○議長(仲里利信) 再開いたします。
 知事公室長。
   〔知事公室長 花城順孝君登壇〕
○知事公室長(花城順孝) 再質問にお答えします。
 ロードマップは実施合意計画ではないかという御質問でありますが、これは先ほど知事が答弁しておりましたけれども、まず今回のロードマップについては、在日米軍の兵力構成見直し等についての米海兵隊の再編や訓練の移転等の具体的な措置を含む最終的な取りまとめであるとされております。したがって、その実施に向けた合意をしたものではあります。ただ、その中で具体的なものがまだ確定していない分野も幾つかあります。
 例えば、嘉手納より南の施設の返還にしても、詳細については来年の3月までに計画を策定するということとされているものもありますし、嘉手納飛行場での自衛隊との共同使用についても、その詳細な計画というのはまだ具体化されておりません。ですから、基本的には実施のための合意計画とされておりますけれども、部分的にまだ確定していないものがあると、そういう認識であります。
 それから藻場についての御質問でありますが、先ほども申しましたように、新しいV字型案については政府の国会での答弁等でおおよその面積は先ほども申しましたように180ヘクタールと、埋め立てが140ヘクタールというふうに言われておりまして、さらにその詳しい個別の環境への影響等については具体的に明らかにされておりません。
 ただ、当初、いわゆるV字型案の前のいわゆる合意案、当初の合意案、L字型案と言われているものについては、藻場は約10ヘクタールに影響するという数字は確かに出ております。しかし、このV字型案ということでその計画の概要が変わりましたので、しかし、それについての藻場への影響がどの程度かということはまだ明らかにされていないと、こういうことでございます。
○文化環境部長(伊佐嘉一郎) 今回の環境審議会の諮問、答申について条例に盛り込めるかどうかということが基本になるかと思いますけれども、これは最初に答弁したように、いわゆるこれが国際法上、外国に駐留している軍隊に対しその国の国内法の適用はないとか、あるいは地位協定に特別の定めのない限り我が国の国内法令に基づき米軍を規制したり定年義務を課すことができないというふうに外務省の見解はありますけれども、法制上の面あるいはこういう実効性の面とか、いろいろございますが、答申に対する条例の今予定としては18年度中に検討して、19年の9月議会に提案し、20年3月には施行というスケジュールを考えておりまして、その間にこれが可能なのかどうかを私どもは検討させていただきたいというふうに思います。
○議長(仲里利信) 休憩いたします。
   午後2時26分休憩
   午後2時27分再開
○議長(仲里利信) 再開いたします。
 文化環境部長。
○文化環境部長(伊佐嘉一郎) 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力、いわゆる地位協定、これの3条3項、この面も可能なのかどうか検討させていただきたいと思います。
○教育長(仲宗根用英) 教育基本法の何が問題かについてお答えします。
 教育基本法制定当時との社会状況の変化の特徴としましては、経済社会のグローバル化の進展、少子・高齢化、家庭や地域の教育力の低下などが挙げられます。
 また、教育を取り巻く問題としましては、青少年の凶悪犯罪の増加や規範意識の低下、いじめや不登校、中途退学などが指摘されております。
 政府においては、これらの課題を解決するためにさきの国会に教育基本法改正を提出し、継続審議となっているところであります。
 いずれにしましても、教育基本法についてはいろいろな意見があり、各方面からの幅広い論議が不可欠であります。したがいまして、教育行政を担う者としては、国会で審議中の法案の是非についてはコメントを差し控えるべきだと考えております。
○福祉保健部長(喜友名朝春) 発達障害は療育手帳の対象の方だという御質問に対してお答えいたします。
 発達障害の対象となる方々は療育手帳の交付の対象と一部重なりますが、自閉症やアスペルガー症候群と呼ばれる知的に高い人も療育手帳の対象とならない方もおられます。
 次に、発達障害支援センターの委託先についてお答えいたします。
 発達障害者支援センターの委託先については、社会福祉法人発達障害者の福祉の増進を目的として設立された財団法人、社団法人及びNPO法人に委託することを考えております。
 なお、選定に当たっては、夜間及び緊急時への対応並びに一時保護等の体制が確保できること、そのほか発達障害者のニーズや利用者の利便性等を考慮して決定していきます。
 以上でございます。
○外間 久子 議長。
○議長(仲里利信) 休憩いたします。
   午後2時30分休憩
   午後2時33分再開
○議長(仲里利信) 再開いたします。
 福祉保健部長。
   〔福祉保健部長 喜友名朝春君登壇〕
○福祉保健部長(喜友名朝春) 発達障害者から対象になる人がございましたら、療育手帳の申請によりまして県としても対応していきたいと考えております。
 以上でございます。
○外間 久子 教育長、教育基本法の10条は今何が問題だとお思いですか。それについて答えていただきたいと思います。
 それから教育基本法の問題点は、教育長が今現行の教育基本法で問題になっている点はどこだというふうに思いますか。それぞれの教育基本法の中の条項を挙げてみてください。
○議長(仲里利信) 休憩いたします。
   午後2時35分休憩
   午後2時38分再開
○議長(仲里利信) 再開いたします。
 教育長。
   〔教育長 仲宗根用英君登壇〕
○教育長(仲宗根用英) 現行教育基本法の第10条の評価を含め教育行政のあり方をどう規定するかについては各界各層でさまざまな意見があり、教育行政を担う者としては国民的な論議や国会の動向を注意深く見守っていく必要があると考えております。
○外間 久子 私は、きょうの執行部の答弁を聞きまして、知事に最後訴えたいと思うんです。
 やはり私は、県政史上に残る知事になってもらうためには、今回の日本政府との合意文書を撤回すべきだと思うんです。県政で名が残るのは知事だと思いますから、自分の土地を売るようなこと、基地を提供するようなことをやめていただきたい。そういうことを申し上げて終わります。
○奥平 一夫 皆さん、こんにちは。
 それでは一般質問をいたします。
 まず、離島振興についてお伺いをしたいと思います。
 格差是正を基調とした振興策だけではなくて、沖縄の地域特性を十分に発揮した振興策への転換を進めるとして離島の自立的発展のための基礎条件を整備するとともに、個性豊かで潤いのある地域社会を実現することを目標として新沖縄県離島振興計画が策定をされました。平成14年から23年までの計画期間のちょうど中間点がことしであります。
 ア、これまでの取り組みの経過とそれから実績を伺い、計画達成への意気込みをお聞きしたいと思います。
 イ、本土・沖縄間にあるように、県内においても本島・離島間の地域格差は依然として存在していると私は考えます。教育、医療、交通・運輸、情報通信の各分野における格差についての県の認識をお伺いいたします。
 ウ、目まぐるしく変化する国内情勢、とりわけ三位一体改革に伴う地方や離島への厳しい財源措置。このような社会情勢の変化において今後の離島振興への取り組みと課題についてお伺いをいたします。
 エ、稲嶺知事は選挙公約の柱に離島振興を挙げておられます。在任8年になるが、離島振興への取り組みと成果は十分であったのか。そしてできましたら、これだけはもう少し力を入れてやりたかったというのがありましたら御紹介をいただきたいと思います。
 オ、今議会でも議論をされている新型交付税導入となれば、離島地域ははかり知れないダメージを受け、離島振興への影響は必至の情勢と考えるが、知事の見解を伺います。
 2番目に、環境行政について伺います。
 (1)、廃棄物処理行政について伺う。
 ア、県内において2つの廃棄物処理施設をめぐって住民、自治体、事業者を巻き込んだ大きな騒動が起こっている。原因の根っこにあるのは県内の一部処理事業者のたび重なる違法操業による廃棄物処理事業そのものへの不信感と監督官庁であります県の取り締まりへの失墜感があるのではないかと考えるが、県の見解を伺います。
 イ、公共関与による産廃処分場事業の用地の絞り込み、そして事業主体等の課題はどうなっているのか。また、さきに指摘をした処分場事業――ただいま指摘をしましたが――処分場事業そのものに対する県民の不信感を払拭していく努力なしにこの事業も厳しい住民の指弾を受けることになると思うが、その取り組みを伺う。
 ウ、さきの議会で平成16年度の産廃処分事業所への行政処分等の実績が示されました。勧告が23件、改善命令が3件、措置命令2件、告発2件、合計30件、どのような違法行為があったのか、そしてまたその後の経緯はどうなったのかを伺います。
 エ、巧妙化する不法投棄・違法操業の未然防止は県民を巻き込んだ強力な啓発と広範なネットワークづくりが早急に必要であると考えるが、当局の見解を伺います。
 オ、産廃処分場への市町村職員の立入調査併任制で委託を希望する市町村が少ないと聞くが、なぜか。
 カ、違法操業や不法投棄はさせないとする強い姿勢を示すためにも、各市町村に対し受諾への理解を求めていく必要があると考えるが、県の姿勢を伺います。
 キ、大浦産廃処分場火災事故はもうすぐ5年目を迎えます。しかしながらいまだに解決のめどすら立っておりません。処分場現場は事故当時のまま放置された状態が続いています。高濃度のダイオキシンが測定された倒壊した焼却炉、そして処分場から海へ絶え間なく流れ出る汚水、山と積まれたコンクリート殻。この産廃事故は沖縄県産廃行政のあり方をずっと問い続ける原点であると私は考えております。
 稲嶺知事、この事故はあなたの在任中に起こった産廃事故であります。それにもかかわらず、知事、あなたは解決への道筋すらつけずに、現場も見ないで、住民の声すら聞かないで本当に職務を終えようというんですか。県政のトップとして本当にこれでいいのか。せめて職務を終える前に現場を見ることができないのか、知事の生の答弁を聞きたいと思います。
 写真をちょっと提示いたします。(資料を掲示) 知事、この写真御存じでしょうか。これがちょうどもう4年半になりますけれども、これが火災事故の起きた直後の写真ですね。ごらんください。これです。これは私の心の傷にもなっておりますけれども、これが実は事故から3カ月半過ぎたころの上空からの撮影、サーモでとらえた写真ですね。3カ月たってまだ地熱が残っているわけです。こういうことがあった大浦産廃事故、なかなか忘れようと思っても忘れられません。ぜひとも知事の視察をお願いをしたいというふうに思います。
 (2)、県環境保全条例(案)の答申について伺います。
 ア、県が県環境審議会に対して環境保全条例(仮称)の制定へ向けた諮問をした理由について伺います。
 イ、条例(案)答申に際して、基地環境問題に係る措置について、県は日米地位協定上、条例を盛り込むことは難しいとしているが、法律論的解釈ではなくて答申に述べているように、県民世論を背景に問題提議をしていく意味からもきちんと基地環境問題に係る協定締結申し入れを条文化すべきだと考えるが、見解を伺う。
 (3)、県地下水保全条例(案)制定へ向けてお伺いいたします。
 ア、県民の暮らしと地下水とのかかわりについて認識を伺う。
 イ、地下水水質保全、水量確保、地下水涵養のための現行条例の実効性について伺います。
 ウ、今後、需要増大が予想されるが、安心・安全な地下水確保へ向けた仕組みづくりが必要と考えるがどうか、見解を伺います。
 3、農業・水産業について伺います。
 (1)、「ポジティブリスト制度」施行について伺います。
 ア、取り組みの現状、そして生産農家への対応について伺う。
 イ、制度施行に伴って予想される生産現場と販売現場への影響はどうか。
 ウ、今後の行政課題は何か、取り組みを伺う。
 (2)、海ぶどう生産事業について伺う。
 養殖海ぶどう事業は、久米島の海洋深層水を利用した事業を初めとして、恩納村、石垣島、そしてせんだって浦添・宜野湾漁協の事業などが取り組まれるようになってきました。
 そこで伺います。
 ア、県内における海ぶどう事業の現状と実績について伺う。
 イ、今後の事業の課題と将来展望について。
 ウ、海ぶどう事業後発地域であります宮古島における県の支援について伺います。
 5番目、ハンセン病問題について伺います。
 ア、らい予防法廃止10年、そして国の隔離政策の過ちを認め、違憲を認定した国家賠償法熊本訴訟判決から5年を迎えました。知事は5年前、そして2年前に沖縄愛楽園やハンセン病予防協会を訪れ、謝罪と入園者と退所者への支援に取り組むことを約束されました。知事の所見を伺います。
 イ、2つの療養施設に入園されている方、あるいは退所者の平均年齢は既にもう80歳が目前となっております。熊本訴訟判決が出た後でもまだ依然として差別と偏見は消えておりません。沖縄におけるハンセン病問題の現状と行政の今日的課題は何か伺います。
 ウ、県ハンセン病証言集の編集作業の経緯を伺います。
 エ、この歴史を再び繰り返してはならないという強い思いを多くの方々と共有したいと編集に加わった方々とともに、ハンセン病への差別・偏見をなくしていくためにこの証言集をどう生かしていくのか、県の決意を伺います。
 オ、県内2つのハンセン病療養施設の将来構想について、県は具体的かつ積極的な取り組みを国へ求めるべきだと考えるがどうか伺う。
 6番目に、自殺対策法成立を受けてお伺いいたします。
 ア、昨年、359人の自殺者を出した沖縄県として、この対策法成立を受けて見解を伺います。
 イ、成立を受けて、県としてこの自殺防止に向けた施策づくりが早急に必要と考えるがどうか。
 ウ、県内における自殺者数の10年の推移を伺います。性別、年齢別、原因別で御答弁ください。
 エ、自殺予防についてこれまでの県の対策と実績について伺う。
 オ、県職員のここ10年間の自殺者とうつ病による休職者の推移について伺う。
 カ、労働安全衛生法に基づく県の取り組みはどうか。
 キ、長時間労働とメンタルヘルスの関係について県の認識を伺う。
 ク、県職労の要請にありました「職員の自殺・病気急増」及び「現状は異常事態」という文言についての当局の認識について伺います。
 ケ、対策なくば告発も辞さずとの強い姿勢ですが、県の対応を伺います。
 以上、答弁を聞いて再質問いたします。
○知事(稲嶺惠一) 奥平議員の御質問にお答えをいたします。
 離島振興の取り組みと成果についてでございます。
 離島地域の振興については県政の重要課題と位置づけ、各分野にわたる施策・事業に取り組んでまいりました。
 具体的には、新多良間空港や古宇利大橋の整備、新石垣空港や伊良部大橋の整備着手などの交通体系の整備、土地改良や漁港整備による農林水産事業の振興、観光振興地域等整備事業等による観光・リゾート産業の振興などがあります。
 さらに、「美ら島会議」を設置した内閣府と連携を図り、地域活性化を担う人材の育成、専門家の派遣、観光情報の発信など、地域特性を生かすための事業や離島地域のブロードバンド環境の整備を実施するなど着実に成果を上げております。
 次に、海ブドウ養殖について一括してお答えいたします。
 本県の海ブドウ養殖は、平成6年に恩納村において本格的に開始され、現在では県下各地域で営まれ、平成16年における生産量は115トン、生産額は3億5600万円となっております。  海ブドウ養殖の課題として、夏場の高水温時における生産量の減少やフィリピン等海外からの安価な輸入品との競合があります。県では、高水温時の対策として、母藻の活性化技術の開発を進めているところであります。
 また、輸入品との競合については、県産品の安全・安心のイメージの拡大を図り、差別化を図ることが重要と考えております。このため、品質表示の指導を強化するとともに、海ブドウの衛生管理に関する調査、試験を実施しているところであります。今後、生産者及び流通関係者の連携を推進し、海ブドウ養殖の安定的な生産拡大を図りたいと考えております。
 宮古地域における海ブドウ養殖については、これまで養殖実験施設を整備するとともに、技術改良試験の指導を実施しており、引き続き生産の拡大を図るため市町村、漁協等関係団体と連携し、各種施策を実施してまいります。
 次に、ハンセン病問題に関する見解についてお答えいたします。
 らい予防法が廃止され、さらにハンセン病国家賠償訴訟の判決によって国の法的責任が明確にされました。この間、国の隔離政策により、多くの患者や回復者の方々が人間としての尊厳を奪われ、偏見や差別により、はかり知れない苦痛や苦難を強いられてきました。これらの長年の大変な御労苦に対し、平成13年7月に沖縄愛楽園、宮古南静園、退所者の会である沖縄楓の友の会を、同年9月に多摩全生園を訪問して、入所者並びに退所者の方々に心から深くおわびを申し上げ、また多くの苦しみと無念の中で亡くなられた方々に哀悼の念をささげました。判決を受けて、国においては、患者・回復者の名誉回復や社会生活を支援し、回復者等の福祉の向上に努めているところでありますが、残念ながらハンセン病に対する偏見や差別が完全に解消されているとは言いがたい状況にあります。
 このような中で、沖縄愛楽園、宮古南静園両自治会が主体となって編さんを進めてまいりました患者等の名誉回復を目的とした「沖縄県ハンセン病証言集」が刊行され、この編集をきっかけとして、これまでの120名に加えて262名が新たに「平和の礎」に刻銘されましたことは大変意義深いものだと考えております。
 県においては、ハンセン病に関する正しい知識の普及啓発により一層努め、県民一人一人がハンセン病を正しく理解し、ハンセン病に対する偏見や差別のない社会の実現を目指して今後とも全力を挙げて取り組んでいく所存であります。
 その他の御質問につきましては、関係部長等より答弁させます。
○企画部長(上原良幸) 離島振興計画の経緯及び実績についての御質問にお答えいたします。
 本県の離島振興については、平成14年度に策定した新沖縄県離島振興計画に基づき、離島地域の自立的発展のための基礎的条件の整備や本島地域との格差の是正に向けた交通・通信体系の整備、生活環境施設の整備等の推進のほか、地域の優位性を生かした産業の振興、多様な人材の育成、離島観光の振興等を図っております。
 同計画に基づき、離島地域の振興のために投じられた事業費は、平成14年度から平成16年度までの3年間で約2576億円となっております。この結果、新多良間空港の供用開始、古宇利大橋の開通、我喜屋ダムの完成、宮古地域の中波ラジオ放送受信障害の解消、竹富町等における体験滞在交流促進事業の実施等の成果がありました。
 同じく本島・離島間における交通の格差についてお答えいたします。
 本島と離島、各離島間を結ぶ交通手段は、海を隔てた地理的不利性により専ら船舶または航空機の利用に限定されております。
 また、離島交通機関は、荒天による欠航や遅延が生ずるなど天候の影響を受けやすく、交通サービス水準の面で本島に比べ低い状況にあります。そのほか、離島からの移動に伴う旅客運賃、貨物運賃など、離島住民の日常生活における経済的な負担は大きなものがあります。
 離島交通は、旅客需要の規模が小さく、利用率が低いなどの不採算要素を構造的に抱えていることから、離島住民の生活の安定や福祉の向上を図るため、国や地方自治体の補助により維持する必要があります。
 県では、これらの課題に対応するため、赤字の航路、航空路線及び生活バス路線に対する運航費補助並びに船舶、航空機及びバス車両の購入に対する補助を行うとともに、県管理空港の着陸料の減免措置により航空運賃の低減化を図るなど、離島交通網の維持確保に努めております。
 同じく本島・離島間における情報通信の格差についてお答えいたします。
 本島・離島間の情報通信については、採算性の面から民間通信事業者による基盤整備が進展しないため格差が生じております。
 県では、離島における情報格差を是正し離島振興を図るため、平成17年度から19年度までの3カ年計画で高速通信インフラを整備する離島地区ブロードバンド環境整備促進事業を実施しています。平成17年度は久米島を含む8離島で事業を実施し、18年度は渡嘉敷島を含む8離島で実施する予定であります。平成19年度は南北大東及びその他離島において技術的課題、運用面等を関係市町村と十分に検討しながら順次整備を進めてまいります。
 同じく離島振興の課題と取り組みについてお答えいたします。
 離島地域は生活環境面等で依然として格差があるほか、若年者の慢性的な流出や高齢化の進行などの多くの課題を抱えております。
 また、一方で、離島は豊かな自然環境や文化を有しております。このため、離島地域の振興に向けては、社会情勢の変化にも的確に対応しながら、新沖縄県離島振興計画に基づき、引き続き離島地域の不利性の軽減に努めるとともに、離島の優位性を伸ばしていくなどの取り組みが重要であると考えております。
 次、新型交付税の導入の離島振興への影響についてお答えいたします。
 県では、人口と面積のみを基本とする新型交付税が導入された場合の県内市町村に与える影響について試算を行いました。その結果、人口と面積を8対2とするケースでは、特に離島市町村については、段階補正や隔遠地補正の影響により、竹富町を除く14離島市町村で約79億円、28%の減となっています。
 去る6月17日に開催した「地方自治危機突破沖縄県総決起大会」を踏まえ、地方交付税の算定の簡素化に当たっては、離島・過疎等地域の実態や影響等を勘案するなど、地方の意見を十分反映させるよう国に要請したところであります。
 今後とも、本県の離島振興に支障が生じないよう国の動向を注視し、適時・適切に対応していきたいと考えています。
 以上であります。
○教育長(仲宗根用英) それでは離島出身者の高校進学への対応についてお答えします。
 離島から親元を離れて進学する生徒が安心して学習や生活ができるように支援することは大切なことであります。
 県教育委員会としましては、県立高等学校11校に寄宿舎を設置しており、北部広域市町村圏事務組合により運営されている寄宿舎には舎監を派遣するなど支援を行っております。
 また、離島出身の自宅外通学者の授業料減免については、家賃や帰省費等を考慮して審査を行っております。さらに、奨学金制度として、高等学校育英奨学事業や高等学校奨学事業などがあり、その積極的活用を指導しているところであります。
 以上であります。
○福祉保健部長(喜友名朝春) 本島・離島間における医療の格差についてお答えします。
 本県の医療提供体制については、各圏域に地域医療の中核を担う県立病院が設置されており、圏域ごとの病床についても沖縄県保健医療計画に定める基準病床を満たしているなど、一定レベルの医療提供体制が整備されております。
 医師確保については、離島等における産婦人科や脳神経外科等の医師の確保が厳しい状況にあり、県では「離島・へき地医師確保対策検討委員会」を設置し、これら地域における安定した医師確保システムの確立に努めているところであります。
 また、平成12年度から「沖縄県離島・へき地遠隔医療支援情報システム」を、平成13年度から「多地点テレビ会議システム」を運用し、診療相談や遠隔講義を行っているところであります。引き続きこれらの事業を実施し、離島医療の充実に努めていきたいと考えております。
 次に、ハンセン病問題の現状と課題についてお答えします。
 ハンセン病療養所入所者の多くは70歳を超え、平均年齢は沖縄愛楽園で75.5歳、宮古南静園で80歳と高齢となっております。
 ハンセン病自体は治癒しておりますが、ハンセン病特有の後遺症や高齢化に伴う生活習慣病等の合併症を抱えており、社会復帰への大きな障害となっています。
 また、長年の隔離政策によってもたらされたハンセン病に対する偏見や差別が完全に解消されているとは言いがたい状況にあります。
 国は、法的責任を踏まえて、入所者に対する終生の在園保証、社会復帰支援並びに入所者及び退所者に対する医療及び福祉の整備・拡充等に最大限の努力をするとしております。
 県としましても、ハンセン病に関する正しい知識の普及に努め、偏見や差別の解消により一層努めてまいります。
 次に、県ハンセン病証言集の編集作業経過及び活用について一括してお答えします。
 「沖縄県ハンセン病証言集」のうち「資料編」が去る6月に刊行されました。また、「資料編」の編さん作業と並行して、証言集に関し入所者や関係者からの聞き取り調査も行っており、おおよその記録作成は完了しております。今後、編集委員会の編集作業を経て来年3月には沖縄愛楽園、宮古南静園それぞれの証言集が刊行できる見込みとなっております。
 今般刊行された「資料編」は、沖縄のハンセン病を多角的にとらえまとめられた第一級の資料であると高い評価を受けており、今後のハンセン病の歴史研究や人権教育に活用していただくため、県内すべての教育機関及び図書館並びに各都道府県及び国立国会図書館等へ配布を行っているところであります。
 来年3月刊行予定の証言集についても、同様に配布を行うこととしております。
 次に、ハンセン病療養所の将来構想についてお答えします。
 ハンセン病療養所の将来構想につきましては、入所者の減少による規模の縮小や統廃合の課題等が考えられます。
 厚生労働省においては、全国ハンセン病療養所入所者協議会と同省との交渉の中でそれぞれの療養所の成り立ち、状況等も異なるので各園で論議を深めてもらい、それらを踏まえて協議していきたいとしています。
 ハンセン病療養所の将来構想は全国的なことであり、県としましては、国の動向を見守りながら今後対応していきたいと考えています。
 次に、自殺者359人に対する県の見解と自殺対策について一括してお答えします。
 本県における自殺者数は、平成17年は359人となり、県では大きな課題であると考えております。
 本年6月21日には自殺対策基本法が公布され、自殺対策の強化が求められているところであります。同法では、自殺防止等に関する調査研究の推進や自殺防止に関する国民の理解の増進、自殺の防止に関する人材の育成、自殺のおそれがある人への必要な医療提供体制や自殺発生回避のための体制の整備並びに自殺未遂者や遺族への支援などを基本施策として掲げております。
 また、その基本理念として、自殺はその背景にさまざまな社会的要因があることを踏まえ、自殺対策は社会的な取り組みとして行わなければならないこと及び関係者相互の密接な連携のもとに実施されなければならないことなどが示されております。
 県では、従来から行われている相談事業や研修事業等の充実を図るとともに、行政機関、医療機関、教育関係機関、労働関係団体、事業主及び民間活動団体等で構成する「自殺対策連絡協議会」を設置し、関係機関と連携した総合的な自殺対策を推進していくこととしております。
 次に、県内の自殺者数の推移についてお答えいたします。
 平成7年から平成16年の10年間の人口動態統計資料によりますと、県内の自殺者数は平成7年247人でしたが、平成10年に315人と初めて300人を超え、その後、横ばい状態が続き、平成16年は318人となっております。
 性別で見ますと、男性は平成7年208人でしたが、平成10年は246人と増加しており、その後、横ばい状態が続き、平成16年は259人となっております。
 女性は平成7年39人でしたが、平成10年69人と30人増加し、その後は横ばい状態となり、平成16年は59人となっております。
 男性自殺者の年代別の状況は、各年とも40代、50代が多くなっておりますが、女性は男性ほどの特徴は見られず、20代から60代までほぼ同様の状況となっております。
 次に、原因・動機別ですが、県警察本部の公表した平成10年からの状況では、平成14年を除き毎年病気苦が最も多くなっており、次に多いのが経済・生活問題、精神障害となっております。
 特徴としましては、経済・生活問題は増加傾向で推移しており、精神障害は平成16年、平成17年と大きく減少しております。
 次に、県の自殺対策と実績についてお答えいたします。
 自殺に至るにはさまざまな要因が考えられますが、その大きな要因として、うつ病や抑うつ状態が背景にあることが言われており、県では自殺対策の一環としてうつ対策を行っているところです。
 うつ対策としては、うつ病に対する適切な対応等についての普及啓発を図るための講演会の実施やパンフレットの配布を行うとともに、相談支援のため県立総合精神保健福祉センターや各福祉保健所での相談事業を実施しているところであります。
 また、市町村等の関係機関の相談担当者に対する研修を実施するなど、相談体制の強化にも取り組んでいるところであります。
 平成16年度には、自殺防止を図るため、医療現場で利用できるパンフレットや医師向けの活用マニュアルを作成・配布し、活用していただいております。
 県では、引き続き県民に対する普及啓発や相談事業及び相談担当者への研修に取り組むとともに、自殺対策連絡協議会を設置し、総合的な自殺対策推進を図っていきたいと考えております。
 以上でございます。
○病院事業局長(知念 清) 医療格差に関連しての宮古病院改築についてお答えいたします。
 宮古病院改築については、平成16年9月にワーキングチームを設置し、これまでに計7回の会議を開催しております。
 これまでの会議では、新しい宮古病院が担うべき役割として、地域医療支援病院に向けての整備や救急医療、精神医療の提供など、地域に求められる医療機能について検討してきております。
 先月の会議では、これら医療機能を提供していくために必要な診療体制等について、宮古保健医療圏域における人口動態や疾病別の入院、外来患者数の受診状況などを確認したところであります。
 今後は、引き続き他の医療機関との医療連携の状況や医療制度改革の動向などを踏まえながら作業を進め、今年度じゅうに基本構想の素案を策定することを目途に作業を進めてまいりたいと考えております。
○農林水産部長(国吉秀治) それでは本島・離島間における格差の中の、農産物の輸送に対する課題と対応策についてお答えいたします。
 本県は多くの離島を抱える島嶼県であることから、農産物の流通コストや品質保持対策等が課題となっております。このため、航空輸送及び船舶輸送の効率的な利用拡大に向けて低コスト・高鮮度保持流通の促進や流通効率化に向けて取り組んでいるところであります。
 特に、宮古・八重山地域におけるマンゴーやパイナップルなどの円滑な輸送対策として、1、出荷予想量や貨物搭載予定量等の事前情報に基づく出荷調整、2、輸送余力のある早朝便の活用、3、パイナップルの出荷時期の平準化による輸送能力の向上、4、冷蔵コンテナを活用した船舶によるパイナップルの高鮮度輸送の促進等について関係者、団体等との連携を図り、流通の効率化等に取り組んできたところであります。
 県としては、引き続き可能な輸送手段を活用した効率的な輸送対策に努めてまいります。
 続きまして、「ポジティブリスト制度」に対する県の取り組み状況、生産現場等への影響及び今後の課題について、関連しますので一括してお答えいたします。
 食品衛生法の一部改正に基づき、平成18年5月29日からポジティブリスト制度が施行されております。
 この制度は、原則すべての農薬等について一律基準を含む残留基準を設定し、基準を超えて食品中に農薬が残留する場合は販売が規制されるものであります。制度の施行に伴い、生産現場においては農薬の適正使用及び飛散防止対策等が求められております。
 このため、県においては、去る4月から5月を普及啓発強化月間と定め、講習会の開催、普及啓発用パンフレット、リーフレットの配布、広報誌等への掲載、相談窓口の設置など、市町村、JA等と一体となり取り組んできたところであります。
 また、流通関係業者に対しても、同制度及び生産現場における取り組み状況を説明しております。今後、引き続き生産者等に対する農薬使用基準遵守の啓蒙、農薬散布時の飛散防止対策等の研修会、農薬使用履歴の記帳等について、関係機関と連携し指導を強化してまいります。
 以上でございます。
○文化環境部長(伊佐嘉一郎) まず初めに、環境行政の中の、産廃処理施設に係る業者への不信感、県への失墜感についてお答えいたします。
 廃棄物処理施設の建設に対し地域住民が反対する理由としては、一部の事業者の不適正処理により悪臭、騒音等が発生した事例があることや、住民の環境問題に対する意識の高まりに相まって、将来、新たな環境汚染を招くのではないかという不安などから地域住民に不信感が生じていると考えております。そのため、廃棄物処理施設の設置について地域の合意形成が厳しい状況になっているものと考えております。
 しかしながら、廃棄物処理施設は健全な社会経済活動を支える必要不可欠な施設であることから、事業者は、廃棄物処理施設の整備に当たり情報公開による透明性を確保しつつ、地域に受け入れられる安全・安心な処理施設として地域住民の理解と協力を得ながら整備を図っていく必要があると考えております。
 県としては、処理施設に係る構造基準及び維持管理基準が遵守されるよう事業者に対する監視指導を行っており、通常の監視指導に加えて毎年度、県内の産業廃棄物最終処分場に対し総点検を実施してきているところです。
 また、広域的な産業廃棄物対策を推進するため各保健所の職員を増員するとともに、警察本部からの警部の配置、廃棄物監視指導員としての警察OBの増員配置等、組織体制の強化を図っております。
 県としては、今後とも産業廃棄物処理業者等に対する監視指導の充実強化を図りつつ、県民の信頼にこたえていきたいと考えております。
 次に、公共関与による産業廃棄物処分場整備の課題と取り組みについてお答えいたします。
 県では、昨年6月に公共関与事業推進会議を設置し、立地候補地の選定と事業主体の設立について調査検討を進めております。
 立地候補地については、選定に係る基本ルールを示した上で情報公開による高い透明性を確保しつつ、段階的な絞り込みを行っているところであります。
 去る6月8日の第6回会議では、地すべり防止区域や地形上搬入道路の整備が困難であるなど、立地の可能性が低いものを除き、第2次スクリーニングの結果として38カ所の立地候補地を選定したところであり、6月20日には関係13市町村へ説明会を実施いたしました。
 第3次スクリーニングにおいては、現地調査を含めた詳細な土地情報の収集や地域の意向把握等を行うとともに、より早い段階から地域との対話に努め理解と協力の得られる立地候補地を選定することとしております。
 事業主体については、公共と民間の適切な役割分担のもとで官民協調の第三セクターの設立に向けた検討を進めており、国から廃棄物処理センターの指定を受けて県内のモデルとなる安全・安心な施設の整備、運営を図ることとしております。
 県としましては、同推進会議における検討の進捗を踏まえつつ、県民の理解と協力を得ながら公共関与による産業廃棄物最終処分場の整備に取り組んでまいります。
 次に、行政処分に係る違法行為の内容とその後の経緯についてお答えいたします。
 平成16年度の行政処分のうち、告発2件については廃棄物処理法の措置命令違反と自動車リサイクル法の無許可営業となっております。
 廃棄物処理法違反の事業者は、自動車解体残渣や廃タイヤ等を大量保管したため、その撤去を命ずる措置命令を受けたにもかかわらず、命令の期限内に原状回復を履行しなかった者であります。
 自動車リサイクル法違反の事業者は、使用済み自動車の圧縮・破砕を無許可で行った者であります。両事業者とも保健所による再三の指導に従わず違反行為を続けたことから告発に至りました。
 その後の経緯として、不適正に処理・保管されていた廃棄物は、告発された事業者によって撤去を完了しております。
 その他の行政処分等の事案についても、勧告、改善命令、措置命令により事業者による撤去を指導しており、履行を完了した事案28件、現在履行中の事案2件となっております。
 県としましては、今後とも不適正な事案につきましては厳正に対応してまいります。
 次に、広範なネットワークづくりについてお答えいたします。
 不法投棄等の不適正処理の未然防止については、早期発見・早期対応が効果的であることから、県、市町村、警察及び地域が一体となったネットワークは重要であると考えております。 そのため、県は、平成6年度に県警、第11管区海上保安本部、産業廃棄物協会等関係機関を網羅した「沖縄県産業廃棄物不法処理防止連絡協議会」を設置し、情報の共有化を図りながら毎年度、同協議会と市町村が連携して産業廃棄物不法投棄県下一斉パトロールを実施し、県民へ不法投棄防止の普及啓発を推進しております。
 また、平成14年度には地域ボランティア団体、各種業界団体、市町村及び県の130団体のネットワークとして「ちゅら島環境美化推進県民連絡会議」を立ち上げ、県全域での環境美化運動を推進しているところであります。
 さらに、今年度においては、不適正処理の防止及びこれらの事犯に迅速かつ的確に対応するため、警察署、市町村及び保健所の主管課長等で構成する「廃棄物不法処理防止ネットワーク会議」の設置を進めているところであります。6月末現在で八重山、北部及び中部保健所で設置を終え、第1回会議を開催したところであります。残る3保健所についても早急に設置して不法投棄等の未然防止に取り組んでいきたいと考えております。
 次に、立入調査併任制の受託希望市町村が少ないことと受託の理解を求めていくことについてお答えいたします。一括して答弁いたします。
 市町村職員への産業廃棄物処理施設等への立入権の付与については、県と市町村の協働により監視指導が一層強化でき、地域住民の要望にこたえる有効な手法だと考えております。
 そのため、県としては、平成18年5月18日付で実施要綱を策定し、市町村長へ周知のための文書を発出するとともに、平成18年5月25日には市町村主管課長会議において同要綱の趣旨説明を行い、市町村における積極的な取り組みを求めたところであります。現在、宮古島市など4市町村が希望しており、発令の手続を進めているところであります。
 なお、希望する市町村が少ない理由につきましては、平成17年7月に全市町村の意向調査をしたところ、人的対応ができないが圧倒的に多く、次いで管内に産廃施設がない、県の所管事務であるなどでありました。
 県としましては、今後とも市町村に対して同要綱の趣旨説明を十分に行いながら、随時、併任発令の拡充に努めていきたいと考えております。 
 次に、大浦産廃処分場の知事の現場視察についてでございます。お答えいたします。
 大浦産廃処分場については、知事の命を受けて担当部長としてこれまで現場視察を行っております。
 また、現場の状況については、担当課及び宮古保健所が行った立入検査等についても随時報告を受けております。こうした現場視察の結果や、県がこれまで実施してきた各種調査等については知事へ報告しております。
 なお、県としては当該事業者に対し、当該処分場の閉鎖後の適切な管理を行うよう指導するとともに、処分場やその周辺の環境モニタリングを実施し、状況の把握に努めております。
 次に、県環境審議会の答申、環境保全条例(仮称)の制定に係る諮問理由についてまずお答えいたします。
 県では、昭和51年に沖縄県公害防止条例を制定し、工場及び事業場から発生する産業型公害の防止に取り組んでまいりました。ところが、近年は環境問題がこれまでの産業型公害から、都市化の進展や生活様式の多様化などに伴い、生活排水による河川の汚濁、自動車排出ガス等による大気汚染、化学物質による環境汚染、騒音、振動など、いわゆる都市・生活型公害へと大きく変化し、また新たに地球温暖化等の地球環境問題も深刻化してきているところです。
 これらの環境問題に適切に対応するため、平成12年に環境の保全及び創造に関する基本理念等を定めた沖縄県環境基本条例を制定し、その基本理念に基づき、平成15年4月に沖縄県環境基本計画を策定したところであります。
 今後は、同計画に定める環境保全に関する各種環境保全施策を具体的に展開する上で、その実効性を確保するために公害防止条例を見直し、新たに環境保全条例を制定する必要があることから、その方向性や基本的な枠組みについて県環境審議会に対し諮問を行ったものであります。
 次に、同じく環境審議会の関連で、基地問題に係る措置を条例に盛り込むことについてお答えいたします。
 県環境審議会の答申では、基地環境問題に対応するため米軍に関する規定を沖縄県環境保全条例に盛り込む必要があるとの内容であり、大変貴重な御指摘であると受けとめております。
 しかしながら、国際法上、米軍に対しては国内法が適用されないことなどから、米軍に関しては条例に規定するのは困難であると考えております。
 県としては、今回の審議会答申の趣旨を踏まえ、米軍に関する規定を条例に盛り込むことが可能かどうか検討するとともに、基地環境問題の解決に向けて今後とも行政行為としてあらゆる機会をとらえて米軍に対し強く働きかけていきたいと考えております。
 次に、同じく環境行政の中の、県民の暮らしと地下水についての認識についてお答えいたします。 
 地下水は、水道水、生活用水、農業・工業用水等の水源として利用されており、また古来から井戸や湧水等が拝所として地域住民の信仰の対象となっているなど、県民の生活に密接なかかわりを持っている必要不可欠な資源であると考えております。
 地下水に係る既成条例の実効性についてお答えいたします。
 地下水の水質保全、水量確保、地下水涵養を目的とする県条例は制定されておりませんが、県では地下水の水質保全につきましては水質汚濁防止法に基づく事業場の監視や地下水の常時監視としてカドミウム等の有害物質調査を行っております。
 これまでの調査結果では、自然由来の砒素、水銀による環境基準値の超過事例を除けば各地点とも環境基準値以下となっております。
 なお、すべての水需要を地下水に頼っている宮古島では、独自の条例に基づく取り組みにより硝酸性窒素の低減を図るなど、地下水の保全に一定の効果を上げているものと認識しております。
 安全・安心な地下水確保の仕組みづくりについてお答えいたします。
 地下水は水源として利用されており、その水質を保全することは重要であると考えております。
 県では、水質汚濁防止法に基づき有害物質による地下水の汚染防止、地下水の水質常時監視を行っており、現在までに県全域的な地下水汚染は確認されておりません。そのため、これまでのところ文化環境部では全県的な地下水保全条例の制定について検討はいたしておりません。
 しかしながら、生活用水のほとんどを地下水に依存している宮古島市においては、本島と異なる状況であることから、宮古島市地下水保護管理条例等により地下水の保全が図られるよう地元市町村と連携して適切に対応していきたいと考えております。
 以上でございます。
○総務部長(上原 昭) 自殺者と休職者の推移についての御質問にお答えいたします。
 職員が死亡した場合は、関係機関から人事当局に速やかに死亡報告がなされ、中には自殺であると推定される事例もありますが、そのすべての死亡原因について正確に把握しているわけではありません。今後は、死亡により退職した職員について調査等を実施し、その原因の把握に努めたいと思います。
 また、過去10年間の精神疾患による休職者の推移については、平成8年度7人、9年度11人、10年度10人、11年度15人、12年度22人、13年度18人、14年度26人、15年度18人、16年度30人、17年度が30人となっております。
 次に、労働安全衛生法に基づく県の取り組み及び長時間労働とメンタルヘルスの関係について一括してお答えいたします。
 今般、労働安全衛生法の改正により、一定時間を超える長時間労働を行った労働者に対する医師による面接指導制度が導入され、過重労働・メンタルヘルス対策の充実が図られることとなりました。
 長時間労働がメンタルヘルスに影響を与えることがあると言われていることから、県としては「長時間勤務者に対する健康障害防止対策要領」を定め、長時間勤務者に対し、産業医による面接指導を行い、職員が心身ともに健康で安心して働けるよう努めていきたいと考えております。
 職員団体等の申し入れ内容の認識等について一括してお答えいたします。
 職員が心身ともに健康な状態で職務を遂行でき、県民サービスの向上を図っていくことは県としても大変重要なことであると考えています。
 精神疾患による休職者については増加する傾向にあると認識しており、職員団体等の申し入れの内容については、重要な問題として県としても重く受けとめているところであります。
 県としては、職員団体等の代表とともに構成する統括安全衛生委員会などの場も活用し、相談しやすい職場環境づくり、管理者による職員状況の把握、職員健康管理センターの利活用などにより、職員の心身の健康の保持に努めていきたいと思います。
 以上でございます。
○奥平 一夫 それでは再質問を行います。
 知事、大浦の処分場の現場にぜひとも知事をお招きしたいと思って、この2年間何度かお誘いしているんですけれども、なかなか本人の口からも答弁してもらえないし、事務方でだめだというふうな話になりますけれども、知事、これは汚染が起こって1年ぐらい後の新聞記事なんですね。(資料を掲示) 処分場からずっと汚水が海に流れているんですけれども、ここの汚染水の水温が30度もある。それぐらいまだ熱を持っているんじゃないかという疑いがあります、1年たってからですね。そういう異常な事故を起こした処分場なんです。(資料を掲示) 知事、何とか現場を見ていただいて、住民の皆さんの声を一声聞くだけでも結構ですからお願いしたいと思います。知事の答弁を求めます。
 次に、新型交付税の導入によりますと、大変なダメージを受けるとの部長の話もありましたし、そして宮古の市議会の方でもそれが大分議論をされまして、宮古島市の方でもそれが導入された後の財政指標の試算が示されましたけれども、経常収支比率が何と114%にも上るし、公債費負担比率が23.7%と試算をしている。議員の間からは、もう死に絶えると、沈没をするんじゃないかというぐらいなうめき声も聞こえたというぐらいに非常に厳しい状況が予測をされております。知事に、ぜひともこの新型交付税に対する離島あるいは沖縄県地域を何とか守っていくという意味で、強いリーダーシップを持って国に当たっていくという決意を少しお聞かせいただけませんか。
 それから再質問いたします。
 環境行政についてお伺いをいたします。
 公共関与に関することなんですけれども、第2次スクリーニングも終わりましたし、今度第3次がある。今後ずっと予定がありまして、いつごろ処分場に着手していくのかというなどを少しお伺いしたいと思います。今後のスケジュールについて少しお伺いをしたいと思います。
 それから、第三セクター方式になるだろうというふうなことで、このことへの経営参画への関心を示している企業があると思うんですが、大体幾つぐらいの企業がそういう関心を示しているのかお伺いをしたいと思います。
 もう一つ、県がどこまでそれに関与していくのか、具体的な説明をいただきたいと思います。
 それから、公共関与推進会議では米軍基地からの排出も想定をして施設規模を拡大をするということを新聞紙上で見ましたけれども、36万立方から44万立方メートルとすると変更しているんですが、その理由を説明してください。まさか米軍だけからの廃棄物残渣だけでこれぐらいの変更が必要とは思えませんけれども、ぜひ説明してください。
 そして、米軍からの廃棄物の残渣の量は年間どれぐらいを予想しているのか、お伺いをしたいと思います。
 むしろこういう処分場を広げるということよりも、企業によるむだな生産の抑制をしたり、あるいは製品の寿命を延ばしていく、あるいは素材の再利用促進をしていくなど、企業の発生抑制への取り組みを強く求めるべきだと思いますが、県内の現状はどうでしょうか。県の見解も求めていきたいと思います。
 それから、最終処分場には破砕、中和、焼却などで中間処理された廃棄物が埋め立てられるわけですけれども、破砕によって減容されたり、あるいは焼却によって重金属などが濃縮をする、塩素及び臭気系ダイオキシンなどが新たに生成をされて添加をされていくわけですが、この最終処分場は高濃度に凝縮された有害物質を埋め立てる施設であるわけですから、むしろ場所の選定も含めてなんですけれども、同時に安全性確保のための方策についてむしろ積極的に取り組んでいくという姿勢を示すべきだと考えるんですが、県はなぜそういうことに、今度のことについて触れられていないのか、これをお伺いをしたいと思います。
 それから環境保全条例(案)についてなんですが、米国軍隊が県内の幾つもの環境汚染や環境破壊に関与しているということを踏まえた上で、むしろ予防と改善を求めていくべき、条例を規制すべきというふうに僕は考えるんですが、再度県の見解を伺います。
 それから自殺防止法を受けての質問の中で、福祉保健部長、自殺対策協議会を検討しているということですが、それはいつごろ設置をする予定をしているのかお聞かせください。
 それから総務部長にお聞きしましょう。
 心の健康づくり計画に基づく具体的な基本対策の実践について、あなた方は平成17年2月にこういうすばらしい計画を出しておりますけれども、(資料を掲示) これをどれほど実践できたのか。まず4つの基本方針がありますね。基本対策、それについてどれぐらい実行しているのかお伺いいたします。
 それから2つ目に、職員健康管理センターにおけるメンタルヘルス相談者の推移、どれぐらい相談者がいたのかということをお聞きしたいと思います。
○議長(仲里利信) ただいまの奥平一夫君の再質問に対する答弁は、時間の都合上、休憩後に回したいと思います。
 休憩いたします。
   午後3時43分休憩
   午後4時15分再開
○議長(仲里利信) 再開いたします。
 休憩前の奥平一夫君の再質問に対する答弁を願います。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 奥平一夫議員の再質問にお答えいたします。
 最初は、知事の現場視察についてでございます。
 本件については、知事として地域住民への配慮や事業者への指導について適切に対応するよう担当部署に指示しているところであり、状況に応じて対応してまいりたいと考えております。
 次に、地方交付税の対応についての御質問にお答えします。
 歳出歳入一体改革をめぐる経済財政諮問会議等の検討の中で、地方交付税の削減や新型交付税の導入などが議論されており、財政力の弱い県を初め県内自治体にこれまでにない危機感を与えております。
 「地方自治危機突破沖縄県総決起大会」の決議については、県議会及び市町村代表者とともにその実現に向け、去る6月19日に安倍内閣官房長官、竹中総務大臣、谷垣財務大臣、与謝野金融経済財政政策担当大臣及び中川自由民主党政調会長、片山参議院自由民主党幹事長、神崎公明党代表などの関係大臣や与党関係者に要請したところであります。
 この中で私からは、新型交付税は国土面積の0.6%しかない本県にとって非常に厳しいものであること、本県は広大な海域を有しており、国防、経済水域、海洋資源の面から重要な役割を果たしていること、離島・過疎地域は割高な行政コストになっていることなど、本県の実情を訴えました。
 要請に対する反応は、一部に歳出削減額の積み上げが必要であるなどの厳しい意見もありましたが、おおむね本県の特殊事情を真摯に受けとめていただいたものと考えております。
○文化環境部長(伊佐嘉一郎) 再質問にお答えいたします。8点ほどだったと思います。
 まず1点目、公共関与に関する点で今後のスケジュールなどですが、スケジュールとしては公共関与のスケジュールはいわゆる用地確保として県が用地決定までは19年度に行います。用地の決定した後、用地の取得は第三セクターの業務となります。供用開始は今のところ平成23年ごろというように考えております。
 次に、第三セクターとしてどの程度の企業が参加するかという点ですけれども、事業主体については今推進会議で有識者や経済団体等の事務局長から成る事業主体設立検討部会の中で具体的な検討を進めているところです。その中間報告がありましたけれども、中間報告の中で、事業主体の設立に当たっては国からの廃棄物処理センターの指定を受けるため、県において3分の1以上の出資を確保する、経営の中核を担う事業者の募集、選定を行う、その際には公共性を確保しつつ民間活力による効果的な事業運営を図る、あわせて株主の信用に依存しない自立的な資金調達が可能となるよう適切な役割分担による株主間協定を締結し、立地候補地が明らかになった段階において中核事業者の募集を行うこととしております。昨年のアンケート調査では県内企業6社から参加希望がありました。
 次に、米軍基地からの廃棄物のふえた理由、あるいは量はどのぐらいかという点に関してお答えいたします。
 米軍基地から排出される廃棄物の実情でございますけれども、在沖米軍基地から排出される廃棄物については処理業者の聞き取りによる調査がございますけれども、約5万人の軍人・軍属の家庭等から排出される生活系の廃棄物が年間約3万5000トン、産業系の廃棄物は年間5000トンというふうになっております。
 公共関与の処分場では米軍基地から出る廃棄物も一応受け入れるという前提で――というのは、公共関与基本構想の中でも米軍基地から排出された廃棄物の受け入れについては、民間処理施設で処理されているという現状を考えまして、廃棄物の適正処理を確保し、県土の環境保全を図る観点から米軍のごみも廃棄物もあわせて考えております。その際には40万立米を今考えておるところです。これについてもまだ量は大まかになりますけれども、大体40万立米ぐらいになるのかなというふうに考えております。
 次に、排出抑制をむしろ県は進めるべきではないかという御質問ですけれども、廃棄物の処理については企業など事業者、市町村、県の行政、県民が連携して持続発展可能ないわゆる循環型社会を形成するというのが基本です。
 生活環境の保全と県内産業の健全な発展を確保するためにも、廃棄物の排出抑制あるいは減量化、適正処理、これについては当然県としてもあるいは県内企業としても取り組んでいくべきものであると考えております。
 次に、最終処分場の安全性については触れてないのではないのかという御質問でございますが、これについてはまず公共が関与して産業廃棄物処分場を整備するわけですけれども、公共関与事業推進会議では「立地候補地の選定に係る基本ルール」というのを一応選定しておりまして、その基本的な考え方を明らかにしております。
 公共の関与により安全・安心な産業廃棄物最終処分場を確保する。そのためにはまず4点ございまして、「(1)共通理解の醸成と信頼性の確保」、「(2)公共性・安定性を有する事業主体」とする、そして「(3)周辺環境に配慮した立地場所の選定」、そして「(4)循環型社会の形成と環境負荷の低減に配慮した施設」、この4項目を一応示して、県では推進会議などの検討を踏まえて産業廃棄物の適正処理を確保し、生活環境の保全と健全な経済産業活動を支えるために地域に安心して受け入れられる処分場の整備に取り組むと、いわゆる透明性も高めていくということでございます。
 最後に、環境保全条例の中に基地問題も組み込むべきではないかということですが、これについては先ほど答弁したように国際法上、米軍には国内法が適用されないと。いわゆる条例あるいは法令の限界というんですか、こういうものも一応疑義として挙がっておりまして、今回、本県の条例に組み込むことが可能かどうか、これは今後の検討課題としていただきたいということでございます。
 以上でございます。
○福祉保健部長(喜友名朝春) 自殺対策連絡協議会の設置時期についての再質問にお答えいたします。
 自殺対策連絡協議会につきましては、本年の8月中の設置に向けて取り組んでいるところであります。
 以上でございます。
○総務部長(上原 昭) 沖縄県職員の心の健康づくり計画の実績についてお答えいたします。
 まず、教育情報提供の分野でございますが、全職員への教育研修、情報提供を行っております。
 メンタルヘルス関連の講話を新採用職員の研修に3回、一般職員の2部研修が4回、一般職員の3部研修4回、それぞれ講話を行っております。それから管理監督者への研修時にもメンタルヘルス研修を行っておりまして、所属長研修、課長クラス研修時に実施しております。
 それから2番目に、職場環境改善、実態把握等発生予防でございますが、職場一斉点検、健康相談時にその実態把握等を行っておりますし、また個別相談の中での対応を行っております。
 3番目に、相談体制の充実、これは早目の気づき・早期対応でございますが、相談しやすい雰囲気づくりということで管理監督者を対象にメンタルヘルスの研修会を行っております。
 それから4番目に、療養及び復職支援でございます。これは職場復帰と再発防止ということでございますが、健康管理審査会を――これはすべて平成17年度の実績でございます――11回開催いたしておりまして、審査件数が16件となっております。
 次に、メンタルヘルスの相談件数でございますが、平成15年度が170件、16年度が279件、17年度が360件となっております。
 以上でございます。
○奥平 一夫 知事、状況の変化を見て検討するというお話ですが、状況が変化してないから知事が来て状況を変化させようということでありますので、もう一度しっかりと現場を見て状況を変化させてください。再度お伺いいたします。
 それから今の部長の答弁にもありましたけれども、職員の健康管理センターにおけるメンタルヘルスの相談の推移、170、279、360という相談件数が増加をしているという状態は、やはりかなり潜在的な相談をしたい職員の方がいると思うわけですね。その辺もやはり適宜検討しながら、職員のそういうことについてもしっかりと取り組んでいただきたいと考えております。
 よろしくお願いいたします。
 以上で終わります。
○議長(仲里利信) 休憩いたします。
   午後4時29分休憩
   午後4時30分再開
○議長(仲里利信) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 奥平一夫議員の再質問にお答えいたします。
 本件については、地域住民への配慮や事業者への指導について適切に対応するよう担当部署へ指示しているところであり、状況に応じて対応してまいりたいと考えております。
○当銘 勝雄 こんにちは。
 護憲ネットワーク会派の当銘勝雄でございます。
 一般質問を行います。
 1番目に、知事の政治姿勢についてお聞きいたします。
 私たち県民は、何十年に一度行われると言われる世界規模の米軍施設の再編に大きな期待を持って知事に提言をしてまいりました。特に、一刻も猶予できない危険な普天間基地の早期撤去を明確に日米政府に伝えるよう要求してまいりました。しかしながら、知事はみずからの選挙公約である辺野古移設に固執し、日米政府から新たな移設案が示されない段階では辺野古案が早期返還につながるとして辺野古の見直しを明言せず、米軍施設の再編に際し、県民の総意であります県外移設を明確に伝えることができなかったというふうに思います。このことはアメリカ政府の高官も指摘をしております。
 そこで質問に移りますが、(1)、普天間基地の移設問題について。
 ア、普天間飛行場の辺野古移設は認めないとする大田前県政に対し、選挙公約として15年問題を掲げ当選を果たしました。しかし、危険な普天間基地は一歩も動かず、軍民共用空港も幻に終わっております。知事の心境を聞かせてください。
 イ、普天間基地の辺野古沖移設の破綻の理由は何だと考えますか。
 ウ、知事の選挙公約の最大は、1つに県政不況の解決、2つに普天間基地の辺野古への移設、15年使用後は軍民共用空港を県民の財産として残すことでありました。大きな公約の2つが解決しないことになりますが、県民にどう説明をしますか。
 エ、ラムズフェルド米国防長官も指摘する危険な普天間基地の返還が、知事のベターな選択によってますます返還がおくれ、地域に住む住民の生命財産が危険な状況に置かれております。どう説明責任を果たしますか。
 (2)、新たな沿岸案について。
 ア、県民の頭越しの普天間基地の移設先・沿岸案に知事は反対をしておりますが、しかし知事は外交・防衛は国の専管事項と発言をしております。政府に対し、どうぞ国で決めてくださいと指南しているようなことにはならないか。
 イ、知事は普天間基地の危険性を除去するとして、辺野古陸上部に暫定ヘリ基地の建設を要求しておりますが、V字型飛行場建設にリンクし、沿岸移設を容認することにしかならないと考えます。知事の所見を聞かせてください。
 ウ、暫定ヘリ基地要求に対し、識者からは、かつて1966年に米軍が策定したと言われる大浦湾を含む辺野古基地建設マスタープランの現実化に手を貸すことになり、本島北部が半永久的に基地化し、海兵隊基地、空軍基地、艦隊基地として沖縄の軍事的価値はさらに高まると指摘しております。どう認識しておりますか。
 次に、基地と振興策についてお聞きします。
 政府は沖縄の基地の負担軽減を図るといいながら、現実はあめとむちによる基地の押しつけを行っております。ことし5月16日付地元紙の社説は、「従来「アメとムチ」に例えられてきた経済振興策は、もはやアメを通り越し、県民の基地負担の重圧感をマヒさせるための「モルヒネ」に等しい。」と指摘しております。さらに、「「アメ・ムチ」を盾に圧力を強める一方、モルヒネを打ったり、やめたり、投与量を調整し、結果的に基地経済への依存症を生むやり方に見える。」とまで指摘しております。
 それでは質問に移ります。
 (3)、本県並びに北部振興策について。
 ア、県はこれまで振興策と基地問題はリンクしないと一貫して答弁してきましたが、そのように受けとめていいかお聞きします。
 イ、北部市町村会は一枚岩ではないが、島袋名護市長を支持し、政府に歩み寄ることによって新たな北部振興策を引き出そうとするねらいがあったとされ、宮城会長は、リンクしていると指摘されれば仕方ないと、暗に認めたと言われております。御所見を聞きたい。
 ウ、基地の整理縮小は県民の総意であり、また基地があっては本県の振興発展はできないことは実証されております。全国最下位の県民所得は、いかに振興策を講じても縮まらない。前の議員の説明でもありましたが、2005年からずっと県民所得は下がる格好に来ております。そこら辺も踏まえてぜひ答弁してもらいたいと思います。産業も進展せず雇用失業情勢も依然として改善されない。振興策と引きかえの基地の受け入れに対する知事の所見を伺いたい。
 エ、本県の振興策をどのような視点、考え方で進めるべきか、知事の所見を聞きたい。
 次に、農業問題についてお聞きします。
 我が国の食料自給率は、さきの議会でも指摘しましたが、先進国の中で最も低く40%台に低迷しております。政府は、45%に引き上げるとしておりますが、WTOなどの輸入自由化の外圧は強く、農産物の輸入はふえ続けております。
 本県は、観光産業を基幹産業として振興しているが、観光にとって、見る、遊ぶに加え食が大切であります。農林水産業の振興が観光産業のよりよい発展に相乗効果を果たすものと考えております。
 以下お聞きします。
 (1)、さとうきびの生産者価格並びに生産対策について。
 ア、2007年―2008年産さとうきびの生産者価格の制度が変わっていくが、どのような対策を講じているか。
 イ、さとうきびは70%の農家が栽培しており、経営安定対策費の対象となる面積は1ヘクタール以上とされております。栽培面積は平均1ヘクタールに満たない状況にあり、多くの農家が該当しなくなります。どう救済するか。
 ウ、1ヘクタールに満たない農家には生産組織化を図るとしておりますが、高齢農業者の組織化は困難と思われますが、どうしますか。
 エ、生産者価格は生産費を割っており、安い労賃の上に成り立っております。これ以上手取り額を下げると耕作放棄がふえ、さとうきびの生産量減につながるおそれはないか。2005年産の収穫面積は8%も減っていると報じております。
 オ、農業が基幹産業である離島地域は、過疎化や高齢化がとまらない。市場価格化や規模拡大した農家だけに生産助成金を与えるやり方はますます農業離れや過疎化を助長し、農村の崩壊につながるが、どう対策するか。
 (2)、農林水産物の製造加工について。
 ア、農林水産物の付加価値を高め、消費を拡大するためにも必要であるが、製造加工の実態はどうなっているか。
 イ、農林水産物の豊作貧乏や出荷時期の調整などを解消し、また出荷できない2級品などの利用価値を高め、製造加工による雇用の場を確保することも期待されるが、原材料の乾燥機導入による粉末化を進める考えはないか、お聞きします。
 (3)、薬草の試験研究及び普及について。
 ア、薬草の試験研究をしている品目はどのようなものがあるか。
 イ、普及に移している品目は何か。また、栽培面積と生産量は幾らかお尋ねします。
 (4)、2005年度農業白書について。
 ア、政府は、団塊世代の定年後の就農を支援する方針を打ち出しましたが、農業の担い手育成策としてどう考えるかお尋ねします。
 イ、定年後ではせいぜい10年から15年しか就農できない。技術習得の問題や規模の拡大など新しい担い手になり得るか。
 ウ、本県においては台風対策や周年栽培を進める観点から施設農業を図る必要があり、新規学卒者の就農対策に力を入れるべきと思うがどうか。
 大きな3、観光振興地域指定について。
 観光は本県のリーディング産業として入域観光客は年々増加し、550万人が本県を訪れております。海や空に象徴される亜熱帯の自然特性に加え、本県の食文化や芸能などは観光客を魅了してくれます。しかし、観光産業の大切さは、いかにリピーターをつくるかであると言われております。素材の切り売りではなく、新たな観光地づくりとエンターテインメントの推進であります。
 県は、県内18地域を観光振興地域に指定して整備を進めているようでありますが、次の点を伺いたい。
 (1)、県は、豊見城市の豊崎、与根、瀬長島地域を指定しているが、整備の進捗状況はどうなっているかお尋ねします。
 (2)、豊見城市は、この地域に場外発券場の誘致を検討する特別委員会を設置しております。観光振興地域指定との整合性はとれるか、県はどう対応するか。
 次に、饒波川及び漫湖周辺の利活用についてお聞きします。
 都市化の進展に伴って、県民・市民の遊び場が減ってきております。那覇市と豊見城市の間に存する広大な水辺空間が余り利用されておりません。河川事業として外構整備が行われておりますが、さらに河川底のしゅんせつや施設整備を行えば県民の憩いの場として、また新たな観光資源にも利用可能と考えます。
 そこでお尋ねします。
 大きな4、饒波川及び漫湖周辺の整備について。
 (1)、豊見城城址公園のそばを流れる饒波川は、ハーリーの発祥地として知られ、那覇ハーリーの際にも「豊見城ヌブイ」が行われます。ラムサール条約指定の湿地帯とのすみ分けを行い、ハーリーができるように整備する考えはないか。
 (2)、饒波川の支流漫湖は、外構整備が行われておりますが、湿地帯を残してしゅんせつすることにより遊覧船やシーカヤックなどの利用が可能で、県民の憩いの場として、また新たな観光資源として利用する考えはないかお尋ねします。
 次に、災害は忘れたころにやってくると言われるように、予期せぬところで起きます。中城村の地すべりや那覇市のマンションの被害など、幸い人身の被害がないものの、財産及び精神的苦痛ははかり知れないものがあります。一日も早くもとの生活に戻れるよう関係者の御尽力をお願いするものであります。
 そこでお聞きします。
 5、地震・津波対策について。
 (1)、インドネシア・ジャワ島における地震・津波は、一瞬にして生命財産に大きな被害をもたらしました。本県の津波対策はどうなっているか。また、通報体制は整備されているか。
 (2)、低地帯とあわせて、海浜埋め立てによって津波対策の必要な箇所がふえていると考えるが、どう把握しているか。
 (3)、本県は海洋レジャーや海浜利用が盛んでありますが、避難や通報体制はとれているか。
 大きな6、自動車解体場の撤去について。
 (1)、豊見城市渡嘉敷の優良農地における自動車解体について、2月議会において行政代執行を求めたことに対し文化環境部長は、業者は原状回復をする意思があると答弁しております。いつ、だれが、どう確認したか。
 (2)、その後の撤去作業は進んでいるか。また、いつまでに終了するかお聞きしたい。
 (3)、産廃施設の受け入れは可能か。
 以上お聞きして、また再質問をいたします。
○知事(稲嶺惠一) 当銘勝雄議員の御質問にお答えいたします。
 15年使用期限と軍民共用空港及び県政不況の解決についての御質問に一括してお答えいたします。
 私は、就任当時の県経済の閉塞状況を打破するため、産業振興と雇用の創出に全力で取り組んでまいりました。その結果、120社の企業立地と約1万人の新たな雇用を創出し、就業者数は全体として8年間で3万7000人増加しております。さらに、年間観光客数は過去最高を更新し続けております。
 このように、県政不況の解決については成果を上げてきております。
 また、普天間飛行場の移設については、これまで政府と協力しながら一歩一歩進めてきたところであります。
 15年使用期限及び軍民共用は、移設に当たって整備すべき条件として提示したものであり、従来案に対するものであります。しかし、去る5月1日の日米安全保障協議委員会において、新たな移設案が承認されたことにより従来案がなくなり、15年使用期限及び軍民共用も政府により一方的に解消されたと認識しております。
 新たな合意案については、県として容認できないことは既に明らかにしたところであります。
 その他の御質問につきましては、関係部長等より答弁させます。
○知事公室長(花城順孝) 普天間飛行場代替施設の辺野古沖移設についての御質問にお答えします。
 防衛施設庁の説明によりますと、従来案が工期で12年から13年要するのに比べ、沿岸案では環境影響評価に3年、建設に5年の合計8年で完成でき、工期の短縮が図られることや、埋立面積が少なく自然環境に与える影響も少ないこと、さらに工事が陸地から着手できるので作業が容易であるとのことでありました。
 次に、普天間飛行場の早期返還についての御質問にお答えします。
 普天間飛行場の移設については、これまで政府と協力しながら一歩一歩進めてきたところであります。しかし、去る5月1日の日米安全保障協議委員会において、新たな移設案が承認されたことにより、従来案が政府により一方的に解消されたところであります。
 県としては、沿岸案は容認できないことから、県外へ移設するまでの間の危険性を除去するための緊急的措置として、暫定ヘリポートの建設を対応の一つとして政府に対し求めているところであります。
 次に、国の専管事項についての御質問にお答えします。
 知事は、外交・防衛に関しては国の専管事項であるという事実を述べたものであります。しかし、合意されたものを県が容認するかどうかは別の問題であります。日米間で合意された普天間飛行場代替施設に係る新たな移設案については、県は容認できないとの考えであります。
 また、過重な基地の負担を受けている県民が、国に対して基地負担の軽減や生活環境等の改善を求めることは当然の権利であると考えております。
 暫定ヘリポート案についての御質問にお答えします。
 県としては、普天間飛行場の移設に係る新たな合意案については容認することはできないことは既に明らかにしたところであります。
 そのため、県は、今回の日米間の合意を踏まえ、普天間飛行場の危険性を除去するための緊急的措置として、キャンプ・シュワブ基地内に暫定ヘリポート建設を検討することを対応の一つとして政府に求めたものであります。
 県が求める暫定ヘリポート建設は、普天間飛行場代替施設としての新たな移設案を県として追認するものではなく、県外移設が実現するまでの間の緊急的措置の実施であります。
 そのため、当面、県内に移転する機能は新たな基地建設にならないよう、既存の基地内での建設であることをその対応の範囲内とし、滑走路の建設を伴わないものであります。
 次に、辺野古基地建設マスタープランと暫定ヘリポートについての御質問にお答えします。
 県が求める暫定ヘリポート建設は、御指摘のマスタープランとは全く別のものであります。
 暫定ヘリポート建設は、県外移設が実現するまでの間の緊急的措置の実施であり、既存の基地内での建設であることをその対応の範囲内とし、滑走路の建設を伴わないものであります。
 振興策と基地問題についての御質問にお答えします。
 移設先及び周辺地域の振興策と基地問題はリンクしているとの認識でありますが、それ以外の振興策と基地問題は別であると考えております。
 北部振興策を含む沖縄の振興策については、沖縄振興計画に位置づけられて進められるものであると認識をしております。
 次に、北部市町村会長の発言についての御質問にお答えします。
 今回の閣議決定により平成11年の閣議決定が廃止されたことから、移設先及び周辺地域振興協議会、北部振興協議会等の協議機関の設置根拠がなくなり、北部振興に関する枠組みを失うことになり、平成19年度以降の北部振興事業に対する影響が考えられます。
 しかしながら、北部振興策については、普天間飛行場代替施設という基地の受け入れを契機としているものの、平成11年12月17日の第14回沖縄政策協議会の了解を踏まえ、内閣府が沖縄の振興の枠組みという観点から事業を実施しているものであり、代替施設の進捗など基地とリンクさせる性格のものではありません。
 県としては、北部振興策の継続は必要と考えており、政府案の建設とは別問題として、平成11年の閣議決定により設置されてきた北部振興策などに関する協議機関の復活を政府に対して求める考えであります。
 振興策と引きかえの基地の受け入れについてお答えします。
 先ほども申し上げましたが、沖縄の振興策については、沖縄振興特別措置法に基づく沖縄振興計画に位置づけられて進められるものであります。振興策と基地がリンクするものとは考えておりません。
 次に、本県における津波対策と通報体制等についての御質問に一括してお答えします。
 県では、地震・津波等の防災対策として、平成15年度に県防災情報システムを構築し、地震や津波警報等の情報を瞬時に各市町村及び消防本部等へ伝達することが可能となりました。津波警報等の情報を受けた市町村や消防本部は、市町村地域防災計画の定めるところにより防災行政無線や広報車等により住民等への避難勧告等を行うこととなります。
 しかしながら、市町村から住民への通報体制及び避難体制については、防災行政無線の整備や津波対応の避難地、避難経路の整備が不十分であること、観光客や海水浴客等への津波警報等の迅速・確実な伝達に問題があること等さまざまな課題があります。
 県としては、これら課題に市町村が積極的に取り組むよう、市町村防災担当者会議の開催や講演会の開催等を通して指導及び啓発を行っているところであります。
 また、平成17年度に恩納村を中心に開催した沖縄県総合防災訓練においては、スマトラ沖地震・津波災害を教訓にビーチを有する10のリゾートホテルにおいて津波避難訓練を実施いたしました。
 今後とも市町村への指導・連携を図るとともに、総合防災訓練等を通して住民や民間企業等にも防災知識の普及啓発等を行っております。
 以上でございます。
○企画部長(上原良幸) 本県振興策の視点、考え方についての御質問についてお答えいたします。
 本県の振興に当たっては、本県の持つ優位性を最大限に発揮するとともに、島嶼性や市場からの遠隔性など、不利性の克服を図る観点から進めることが重要だと考えております。
 このため、県においては、地域特性を生かし、観光・リゾート産業や健康食品産業、情報通信関連産業など、発展可能性の高い産業分野の振興に努めているところであります。
 また、離島の活性化など本県の均衡ある発展を目指すとともに、情報通信ネットワークや国内外航空路線網の拡充に努めているところであります。
 県としては、今後とも沖縄の魅力や優位性を高める方向性を見定めつつ、食品、保養、医療等から成る健康産業クラスターの形成など、自立的発展を目指すさまざまな取り組みを積極的に進めてまいります。
 以上であります。
○農林水産部長(国吉秀治) それでは新たなさとうきび価格対策と小規模農家への対応につきましては、関連しますので一括してお答えいたします。
 国は、さとうきびの新たな政策を進めるに当たって、農家の所得確保や製糖企業の経営安定を図るため、砂糖の取引価格と経営安定対策による政策支援を行うこととしております。
 経営安定対策の対象要件としては、認定農業者を初め基幹作業を委託する者、共同利用組織に参加する者に加え、生産組織に参加する小規模農家などとなっております。
 県としましては、全農家が対象要件を充たすよう市町村、JA等の関係機関と連携を図りながら、地域の実態に即した生産組織の育成などに取り組んでいるところであります。
 続きまして、生産の組織化、生産者価格の確保及び離島地域における生産振興については、関連しますので一括してお答えいたします。
 さとうきびの生産組織の育成は、高齢農業者を含めたすべての生産農家が経営安定対策の支援対象となるよう条件整備を図るために進めているものであります。
 そのため、現在、市町村単位に認定農業者や生産法人及び共同利用組織等の担い手の育成に向けた生産組織の立ち上げを市町村、JA、製糖企業等関係者が連携して取り組んでいるところであります。今後は、この生産組織の中で高齢者や小規模生産農家でも持続的・安定的な農作業の受託組織等の活用などにより、安定的な生産が図られるような取り組みを進めていく考えであります。
 また、生産者価格については、生産農家が意欲を持って生産に取り組めるように再生産が可能な水準の設定になるよう、農業団体等の関係機関と連携しながら引き続き国に強く要望していく考えであります。
 続きまして、農林水産物の粉末化を含めた製造加工については、関連しますので一括してお答えいたします。
 県では、ゴーヤー、シークヮーサー、アロエ、ウコンなどについて、カット、スライス、ペースト、乾燥などの加工施設の整備を進めております。その結果、ゴーヤー茶、グヮバ茶、シークヮーサージュース、カット野菜などが特産品として製品化されるなど、多様な消費者ニーズにこたえるとともに、農家所得の向上や地域経済の活性化に寄与しております。
 特に粉末化については加工利用が容易になり、パン、ケーキ、飲料用への用途が拡大するなどの利点があります。しかしながら、粉末化の施設整備に当たっては殺菌、長期的保存などの衛生管理技術、多額の機械設置経費など、技術的・経済的課題があります。
 県としても、引き続き多様な加工品開発の検討を進め、農林水産物の消費拡大を図ってまいります。
 続きまして、薬草の試験研究品目と普及品目については、関連しますので一括してお答えします。
 薬用作物については、近年、消費者の健康志向の高まりからその生産拡大が期待されております。
 これまで普及に移した品目は、ウコン、アロエベラ、クミスクチンなど7品目であります。 平成16年における主な薬用作物の栽培面積と生産量は、ウコンが42ヘクタールで622トン、アロエベラが38ヘクタールで605トン、クミスクチンが3ヘクタールで132トンとなっております。また、現在試験研究中の品目はヤエヤマアオキで、栽培試験を実施しております。
 続きまして、担い手としての団塊の世代については、関連しますので一括してお答えいたします。
 我が国は本格的な少子・高齢社会を迎え、これまで経済社会の中核を担ってきた団塊世代が定年退職の年齢に達し、これらの世代の高齢世代への移行が経済社会全体に与える影響が懸念されております。
 農業分野においても、就農者の高齢化に伴い、担い手の育成確保や意欲ある多様な人々の農業への参入促進が重要となっております。団塊世代は、これまでに培った知識や経験もあることから、有望な担い手としての可能性を秘めていると考えられております。
 このようなことから、本県においても団塊の世代を農業の担い手として誘導することは必要な対策であると考えております。そのため、今後、多様な就農経路に応じた支援体制を整備していくこととしております。
 続きまして、新規学卒者の就農対策についてお答えします。
 本県の農林水産業の持続的な発展を図るためには、魅力ある農業経営の確立と、それを担う多様な担い手の育成確保が重要な課題であります。
 県としましては、新規学卒者の就農促進を図るため、1、高校生を対象とした「みどりの学園」の開催、2、農業大学校における実践的な研修教育、3、農業改良普及センターにおける農業青年講座の開催、またUターン青年等の新たな就農希望者に対しましては、1、新規就農相談センター等での就農相談、研修先あっせん活動、2、就農サポート事業による農業基礎講座の開催等、さらに農業研修や施設・機械等の導入等に資金が必要な場合、就農支援資金の貸し付けなど、新規就農者の育成確保対策を推進しているところであります。
 今後とも、市町村、農業団体、学校関係機関との連携を強化し、新規就農者の育成確保に努めてまいります。
 以上でございます。
○観光商工部長(宜名真盛男) 観光振興地域指定についての中で、まず「エアウェイリゾート豊見城地域」の整備の進捗状況にお答えをいたします。
 観光振興地域に指定されている「エアウェイリゾート豊見城地域」においては、既存のアウトレットモールやゴルフ場等に加えて、沖縄西海岸道路の一部供用や豊崎総合公園、豊崎人工ビーチ、物産センター等の施設整備が行われております。
 今後は、県の玄関口である那覇空港に隣接する立地条件を生かし、レンタカーステーション、道の駅、ショッピングセンター、温泉保養施設、スポーツ・レクリエーション施設を初め、民間投資を中心とした観光関連施設が集積し、南部地域の観光・リゾート拠点として整備が進んでいくことが見込まれております。
 次に、観光振興地域と場外発券場の整合及び県の対応についてお答えをいたします。
 豊見城市議会においては、「エアウェイリゾート豊見城地域」を含む西海岸地域の発展を図る観点から、瀬長島活性化調査特別委員会が設置されており、公営競技の誘致については、当該委員会の調査事項の一つとしてその可能性が検討されているものと聞いております。
 市においては、今後、特別委員会の報告や市民の意見を聞きながら、瀬長島の活性化に向けた方向性を検討していくとのことであり、県としては、市における議論の推移を見守ってまいりたいと考えております。
○土木建築部長(首里勇治) では、饒波川でのハーリー実施のための整備や漫湖のしゅんせつによる遊覧船及びシーカヤックなどの利用について一括してお答えいたします。
 饒波川石比矢橋から漫湖にかけてはラムサール条約に登録された湿地であること及び国設鳥獣特別保護地区に指定されていることから、河川整備に当たっては関係機関との調整を図りながら、川沿いの散策路や水辺に親しむ階段護岸等、親水性の向上に努めてきたところであります。
 饒波川でのハーリー実施のための河川整備や漫湖のしゅんせつによる遊覧船及びシーカヤックなどによる利用については、水鳥の保護やマングローブ保全等の課題もあることから、関係機関との調整を諮りながら可能性について検討していく考えであります。
 次に、低地帯等における津波対策についてお答えいたします。
 県においては、現在、津波や高潮の規模等を想定し、浸水区域や浸水の時間、その程度を予測し、建築物、護岸等の想定被害情報を網羅した図面を作成するため、沖縄県津波・高潮被害想定調査を進めているところであります。
 今後、県としてはこの図面を利用して関係機関と連携し、防護施設整備等の検討及び沿岸域住民等の防災意識の啓発を図るとともに、あわせて地元市町村が作成する住民避難用津波・高潮ハザードマップに活用できるよう図面を提供していく考えであります。
 以上であります。
○文化環境部長(伊佐嘉一郎) 豊見城市の自動車解体に係る業者の意思確認や撤去作業、産廃施設への受け入れについて一括してお答えいたします。
 去る2月議会当時は事業者本人と直接面談等ができない状況にありましたので、実弟を通じてその意思確認をしたところありますが、平成18年6月14日には南部保健所に事業者本人を呼び出して、保健所及び環境整備課の担当職員がこれまでの経緯と今後の対応方について事情聴取を行いました。その際、撤去する意思を直接本人に確認しましたので、県としては、具体的な作業期間、撤去方法、撤去資金、解体残渣等の搬出先など、処理方法等を示した事業計画書の提出を求めているところであります。
 今後とも、地域の環境保全を図りながら、撤去作業が早期に終了するよう監視指導を強化していきたいと考えております。
 以上でございます。
○当銘 勝雄 文化環境部長の今の自動車解体についてのことなんですが、接見できなかったということで6月14日に話し合いを持ったということですが、その間、2月議会からもう4カ月にもなるんですよね。
 そして、もともとこれは平成10年に廃車が行われたと。そして平成12年に業者を告発して有罪判決を受けていると。その後は皆さんは措置命令は平成14年に出していると。これがずっと延び延びなんですよ。ですから本当にそういう形で行政として逃れている、こういう印象を受けるわけです。
 そこで、もう少し細かく具体的にどうするということを説明をしてください。
 ちょっと休憩してください。
○議長(仲里利信) 休憩いたします。
   午後5時12分休憩
   午後5時12分再開
○議長(仲里利信) 再開いたします。
○当銘 勝雄 公室長、北部振興策の基地とのリンクの問題なんですけれども、もうあちらこちらで、内閣においてもリンクしているんだと、こういうこともはっきり言っているし、先ほどの北部の市町村会長もそう言っているし、新聞にもこういうふうに取り上げられている。これはもうリンクしていると、防衛庁首脳もこういう形で述べているということで言っているわけですよ。(資料を掲示)
 そして、今後のまた北部の振興についても実績主義で行きましょうと、こういうようなことまで言われているわけですよ。それでもリンクしないというのか、もう一度答えてもらいたいと思います。
 それから知事、確かに県経済の不況を克服すると、こういうことで知事も県政不況を言ってきたと思うんですね。そして、知事になってから確かに120社、1万人の雇用を生んだと、こういうことでありますが、しかしながら、けさの、あるいはきのうかの質問にもありましたように、県民所得というのが一切ふえません、むしろ減ってきているんですよ、この5年間。そういう状況が現実です。
 ですから、ただこういう面的なものはあるかもしれませんが、県経済全体を見ると決してふえてもいません。県政不況というのはずっと続いているんだと、こういうふうに思います。
 これについてもう一度お答えください。
 ちょっとタイム。
○議長(仲里利信) 休憩いたします。
   午後5時14分休憩
   午後5時14分再開
○議長(仲里利信) 再開いたします。
○当銘 勝雄 農林水産部長、さとうきびの市場価格に近づけるということで農林水産省の考え方が進められているわけですが、これは決して私はいい施策ではないというふうに思うんです。要するに、今、全体的に我が国の政策というのが都市と農村の格差をつくるような方向に動いていると、これもその一つであるというふうに思うわけです。ですからそこら辺を、農家が落ちこぼれがないようにぜひこれは頑張ってもらいたいと、農林水産部についてはそういう形でお願いを申し上げておきます。
 以上です。
○議長(仲里利信) 休憩いたします。
   午後5時18分休憩
   午後5時19分再開
○議長(仲里利信) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 県政不況で確かに企業も誘致した、そして新たな雇用も生んだけれども、所得が下がっていて、その意味では県政不況が続いているということのお話なんですが、確かに1人当たりの所得は減っております。しかし一番大きな原因というのは、過去5年間の本県の経済成長率というのは全国平均を大きく上回っております。都道府県の県内総生産と増減率で言いますと、沖縄は実は全国の3位に入っております。つまり、人口増加率が県民所得の伸びを上回ったということが影響しているわけです。
 そして先般の御質問の中でのお話の中にも出たんですけれども、「アタックス」という調査研究事業室が法政大学の大学院と一緒になりまして、この経済がいかにどう伸びているかということで20項目で採点をいたしましたところ、沖縄が第1位ということで高成長県ということの評価を受けております。
 これは、人口がなぜ伸びているかというと、今、沖縄ブームと言われております。この前テレビでも言っていましたように、日本じゅうから2万人以上の人がどんどんどんどん沖縄に――今いろんな海に近いところの住宅はウェイティングリスト待ちの人がもうずらりと何百人も何千人もいるというふうに聞いております。
 それからもう一つ大変大きなことは、8年間で3万7000人の就業者数というのがふえております。
 それからもう一つ大きな問題は、私がよく言いますように、徹底的に種を植えたわけです。その種が現実には出てきています。その種というのは何かといいますと、先ほど言いましたように、先般申し上げましたように、その振興法の中でいろいろな制度というものをきっちりつくったわけです、これが今着実に動いているわけです。
 その意味で、この経済というのが、全国で沖縄が一番ブームであると言われて、経済も沖縄が一番伸びているというのは、着実に人口が伸びている中でそれにも負けずになお頑張って経済の方が着実に成長しているということです。
○知事公室長(花城順孝) 北部振興策が基地とリンクをしているのではないかという御質問でありますが、そもそもこの北部振興策の実施が決定したのは平成11年12月の沖縄政策協議会でありまして、それを受けて平成11年の12月の末に閣議決定がなされたわけであります。 その沖縄政策協議会の議題は3つありまして、まず1つが北部振興策、これは沖縄の新しい振興計画の中で位置づけて実施をしていくと、こういうことが決定されたわけであります。
 それから2番目の議題が移設先及び周辺地域の振興策、これはまさに基地とリンクをした名護市と宜野座村、東村という周辺地域を含めた振興策として基地とリンクしたものとして決定をされました。
 3つ目の議題が跡地利用の円滑化の方針でございます。
 このように北部振興策は従来から答弁しておりますように、普天間飛行場の移設問題に係る閣議決定を契機として決定をされたものでありますが、基地問題とは別のものとして沖縄振興計画の中に位置づけられて実施をされているものであります。
 一方、いわゆる基地とリンクをしている出来高払いの振興策と言われているものは、これは平成18年5月30日の閣議決定の中に、地元地方公共団体において新たな負担を伴うものについては、係る負担を担う地元地方公共団体の要望に配慮して地域振興策等の措置を実施すると。これはいわば沖縄だけではなくて、今回の米軍再編に係る全国の基地を受け入れるであろう地元市町村に対する振興策でありまして、言われている北部地域においての出来高払いの振興策というのはまさにこれでございます。
 そういった意味で、北部振興策と周辺地域の振興策は全く別であると、こういうことでございます。
○文化環境部長(伊佐嘉一郎) 豊見城市の不適正処理事業者の件で再質問にお答えします。
 こういう不適正処理の廃棄物等は、基本的にはこの事業者本人が片づけるのが我々の指導監督としても代執行よりは非常にいいと思います。できれば本人に片づけさせると。
 そういう観点から、去る6月14日にこの不適正事業者である事業者を南部福祉保健所に呼びまして、環境整備課、保健所あるいは廃棄物課の指導員等含めて事情聴取を行いました。その際に、その不適正事業者からは一応廃棄物処理計画書を出したいという意思を確認しております。廃棄物処理計画書の中では、具体的にいつから、あるいはどのようにして、どこにというふうな形で我々は必要ですので、このあたりを今調整しているところでございまして、具体的にこの不適正事業者が資金的にはどのぐらいあるのかないのか、こういうものも確認しながら廃棄物処理計画書を提出させたいというふうに思っています。
 今回、その意思も確認されたし、自動車殻についても金属くず等については有価物として販売ができますので、この部分はまたこういう処理ができます。
 そういう形で計画的にこのシュレッダーダストあるいは金属くず等をこの不適正事業者に処理計画書をつくらせて実施をしていきたい、早急にこれをやりたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○議長(仲里利信) 休憩いたします。
   午後5時28分休憩
   午後5時28分再開
○議長(仲里利信) 再開いたします。
 比嘉京子君。
   〔比嘉京子君登壇〕
○比嘉 京子 皆さん、お疲れのところだと思いますが、社大・結から一般質問いたします。
 さて、健康推進行政について。
 まず第1番目に、県民の健康増進計画である「健康おきなわ2010」は昨年折り返しを迎え、中間評価のための調査が行われました。
 「健康おきなわ2010」は、栄養・食生活、身体活動・運動、たばこ、アルコール、休養・心の健康づくり、歯の健康、糖尿病、循環器病、がんの9項目について数値目標を掲げ取り組んでまいりました。県民の健康状態とこれらの中間評価について次の質問をいたします。
 (1)、男性の平均寿命26位ショックやそれから肥満全国一が報道されましたけれども、県民の健康への危機感及び健康への意識は高揚したか。
 (2)、市町村の健康増進計画の策定状況はどうか。
 (3)、検診率はどうか。
 (4)、「健康おきなわ2010」の中核をなす県民の栄養・食生活と身体活動・運動の状況はどう変化したか。
 (5)、糖尿病罹患率はどう変化したか。また、糖尿病患者1人当たりの生涯医療費を概算するとどれぐらいになるか。
 (6)、メタボリックシンドロームに起因する疾病患者の動向と関連医療費を伺う。
 (7)、男性の健康状態を改善するための第一に提案したいことは何か。
 (8)、生活習慣が定着した成人が習慣を見直すことは容易ではない。生活習慣の芽生え、定着時期である乳幼児期、学童期に家庭、学校、地域が子供の成育環境をどう守るかが問われています。その対策はどのようになされているか。
 (9)、「健康おきなわ2010」の中間評価を踏まえ、推進体制母体である県民推進会議の今後の課題は何か。
 2、少子化対策・子育て支援について。
 本県では、平成14年から5カ年計画で「新おきなわ子どもプラン」――現在17年にまた新たなプランが策定されておりますが――本計画は子供の健全育成と子育てに関する各種の取り組みについて具体的な数値目標を掲げ、推進・検討していく指針となっております。
 (1)、本県の出生率はどのように推移しているか。少子化に歯どめはかかっているか。
 (2)、男女の未婚率はどのように推移しているか。
 (3)、母子・父子家庭の現状と各種支援はどうなっているか。
 (4)、父親の育児参加及び育児休暇の実態はどのようになっているか。
 (5)、就学援助受給率増加の背景、認識、対策を伺う。
 (6)、乳幼児健診の受診率は向上しているか。
 (7)、母乳育児は推進されているか。向上するための課題は何か。
 (8)、本県の幼児の虫歯率が全国最下位と言われるが、どのような対策がなされているか。改善されない理由は何か。また、児童生徒の状況はどうか。
 (9)、幼児期、学童期の肥満率はどのように推移しているか。
 (10)、10代の性感染症の罹患率はどのようになっているか。
 (11)、思春期の子供の喫煙率は改善されているか。
 (12)、本県の子供たちの心身の健康状態を向上させるために早急に取り組むべきことは何か。
 (13)、「健康おきなわ2010」と「新おきなわ子ども・子育て応援プラン」との関連はどのようになされているか。
 3、県立病院行政について。
 (1)、ことしの4月から県立病院に地方公営企業法の全部適用がなされましたが、現状はどうですか。
 (2)、医師、看護師を初め病院関係者の就労環境はどうですか。
 (3)、医療制度改革関連法による病院経営への影響をどのように考えていますか。
 我が会派の代表質問と関連いたしまして、知事の政治姿勢と米軍再編について2点伺います。
 最優先課題は普天間飛行場の閉鎖ではなかったか。辺野古沖案以外は県外移設ではなかったのか。暫定とはいえ、県内に移設場所を提案することは公約違反である。その説明を県民にしてほしい。また、建設期間の危険性はどうするおつもりなんですか。
 2、3は省きまして4に行きます。
 政府は、再編の進捗状況により段階的に地域振興策になる――先ほどおっしゃっていました出来高払いの振興策になる資金を出すと言いますが、これはあめではなくモルヒネであるとやゆされても仕方がありません。
 一方、県民総支出に占める軍関係収入の割合、いわゆる基地依存度は復帰時の15.6%から2002年度5.2%と低くなっています。今こそお金は要らない、基地も要らないという拒否権を行使して、県民の自立への確保を求めることが知事の役割ではないか。
 2、公契約条例の制定について。
 (1)、今なぜ公契約条例の制定が全国的に高まっているのか認識を伺います。
 (2)、民間・公共事業を問わず人件費の最低賃金法違反、賃金不払い等への現行法による対応はどうなっているか。
 以上です。再質問をいたします。
○知事(稲嶺惠一) 比嘉京子議員の御質問にお答えいたします。
 県民の健康への危機感及び意識についてのお答えでございます。
 県では、平成14年に「健康おきなわ2010」を策定し、保健医療関係団体、経済団体、労働団体、行政等による「健康おきなわ2010推進県民会議」を設立し、連携を図りながら健康づくりのための施策を展開してまいりました。
 男性の平均寿命の順位が大きく後退したいわゆる「26ショック」や、男女ともに肥満全国一という事態は非常に憂慮すべきことではありますが、県民が健康づくりに取り組む契機にしていく必要があると考えます。
 「健康おきなわ2010推進県民会議」においては、長寿危機緊急アピールや肥満対策緊急アピールを行い、運動や食事などの生活習慣の改善を呼びかけたところであります。
 また、市町村においては「3キログラム減量市民大運動」などの特色ある活動が実施されるほか、医師会、栄養士会、食生活改善推進協議会などによる地域でのさまざまな健康づくりの活動の浸透が図られてきております。
 健康で生きがいに満ちた一生を送ることは県民すべての願いであり、県としましては、健康福祉立県の実現に向けてより積極的に健康づくりの諸施策を推進していきたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部長等より答弁させます。
○福祉保健部長(喜友名朝春) 中間評価での市町村健康増進計画の策定状況等の目標値の状況について一括してお答えします。
 「健康おきなわ2010」の中間評価で、市町村の健康増進計画については平成17年度末までに県内41市町村中21市町村で策定され、策定率は51.2%となっております。
 市町村の住民健康診査の受診率は横ばいの30.2%にとまっておりますが、政府管掌保険の一般検診は44.5%から54.9%へと上昇しております。
 栄養・食生活の分野では、全年齢の脂肪エネルギーの摂取比率は、計画策定時の31%から28.4%まで改善され、目標値に近づいておりますが、15歳から19歳の年代では改善しておりません。全年齢のカルシウムや緑黄色野菜の摂取量についても減少や横ばいとなっております。
 身体活動・運動の分野では、1日当たりの歩行数を男性で9000歩、女性で8000歩とする目標を設定しておりますが、男女ともに計画策定時より減少しております。
 次に、糖尿病罹患率の変化と糖尿病患者1人当たりの生涯医療費についてお答えします。
 糖尿病について、市町村の住民健診で糖尿病の可能性が高く医療機関での受診が必要とされる要医療の割合を平成11年度と平成15年度で比較すると、男性が5.8%から7.6%、女性が2.9%から3.3%とともに増加しております。
 また、糖尿病患者1人当たりの医療費については、研究事例ではありますが、ある町を対象にした試算では、月に2回の通院内服治療中、患者の1年間の医療費は約26万7600円と試算されており、週3回の透析治療中、患者の1年間の医療費は約575万8000円と試算されております。
 次に、メタボリックシンドロームと関連医療費の状況についてお答えします。
 メタボリックシンドロームは内臓脂肪症候群と訳され、腹囲が男性85センチ以上、女性90センチ以上であることに加え、高血圧や高血糖、血液中の脂質が高いなどの危険因子を2つ以上あわせ持つこととされています。
 糖尿病や心筋梗塞、脳卒中などの生活習慣病となる危険性が高く、平成20年度からの医療制度改革で市町村国保などの医療保険者に義務づけられる検診の診断基準に用いられることになっております。
 平成16年度の市町村住民検診のデータをもとに、腹囲ではなく体格指数のBMIが25以上の肥満者で、危険因子が2つ以上重なるメタボリックシンドロームが推定される人の割合は、男性が21.9%、女性が15.6%となっております。
 なお、メタボリックシンドロームに関連する疾患としては、糖尿病や高血圧症などがありますが、これらの疾患に関する医療費について平成16年の5月の診療月について見ると、国民健康保険では高血圧などの循環器系疾患は約9億9800万円で、糖尿病は約2億1800万円となっております。また、老人医療では循環器系疾患は約22億7700万円で、糖尿病は約2億7500万円となっております。
 次に、男性の健康状態の改善についてお答えします。
 中間評価の結果から、男性については特に30歳代以降に肥満傾向が顕著になり、体格指数のBMIが25以上の肥満者は約4割となっており、運動や食事を含めた生活習慣の改善が必要であると考えております。
 糖尿病が疑われる人も40歳代以降で増加傾向にあり、定期的に検診を受けて日ごろの健康管理に取り組む必要があると考えております。
 喫煙については男性も減少傾向にありますが、なお4割近くが喫煙をしており、多量飲酒も増加傾向にあることから、喫煙を減少させ多量飲酒を避けることが働き盛りの年代層に多い肝疾患、心疾患などの生活習慣病の予防・改善につながるものと考えております。
 次に、乳幼児期からの健康的な生活習慣の定着化に向けての対策についてお答えします。
 県では、平成13年度に親と子が健やかでたくましく成長することを基本理念に「健やか親子おきなわ2010」を策定しております。
 主要目標の一つに、好ましい生活習慣の獲得が挙げられております。乳幼児期では、市町村において離乳食実習、おやつづくり、乳幼児健診等を通してのバランスのとれた食生活指導や、親と子の遊び教室、齲蝕予防事業などに取り組んでおります。
 県では、市町村、母子保健推進員等の関係者を対象に市町村母子保健事業の推進に関する研修会等を実施しております。
 また、学童期においてはバランスのとれた食事、適切な運動、十分な休養・睡眠の健康3原則と「早寝早起き朝ごはん」をキーワードに児童生徒の生活習慣改善に向けた指導を行っております。
 次に、中間評価を踏まえた県民推進会議の課題についてお答えします。
 「健康おきなわ2010」の中間評価を踏まえ、「健康おきなわ2010推進県民会議」では肥満対策、たばこ対策などを平成18年度の重点課題と位置づけております。
 具体的な取り組みとして、肥満対策については4月に県民会議で肥満対策緊急アピールを行ったほか、関係団体と県の協力による肥満予防の啓発のためのテレビスポット広告や、医師会初め各団体での県民公開講座などの開催が予定されております。
 また、市町村、栄養士会、食生活改善推進協議会の連携による「沖縄版食生活バランスガイド」の普及や、外食店における栄養成分表示推進事業などが計画されております。
 たばこ対策については、県で、ことしの世界禁煙デーの5月31日に合わせて「沖縄県禁煙・分煙施設認定制度」を創設したほか、医師会初め各団体での喫煙防止に向けた研修会等の啓発事業を実施することにしております。「健康おきなわ2010」の推進母体として、県民会議では引き続き各団体が協力して計画の推進に取り組んでいくこととしております。
 次に、本県の合計特殊出生率の推移についてお答えします。
 本県の合計特殊出生率は、25年前の昭和55年度の2.31が、平成2年度には2を割り、その後も低下を続け、平成17年度には過去最低の1.71となっております。
 全国平均の1.25や他都道府県に比べると相対的に高く、全国1位を維持しているものの、県内においても少子化が進行しております。
 少子化対策としては、社会全体で子供を産み育てる環境づくりが重要であると考えており、昨年3月に策定した「おきなわ子ども・子育て応援プラン」に基づき各種子育て支援事業の数値目標を掲げ、その達成に努めているところであります。
 次に、男女の未婚率の推移についてお答えします。
 本県の20歳から34歳までの未婚率は、国勢調査によりますと、女性では昭和60年の38.6%が平成12年度には54.3%となっており、男性では昭和60年の55.8%が平成12年度には66.0%となり、それぞれ上昇しております。
 また、本県の生涯未婚率は、女性では昭和60年の4.94%が平成12年度には8.48%となっており、男性では昭和60年の7.59%が平成12年度には17.86%とそれぞれ大きく上昇しております。
 次に、母子家庭等の現状と各種支援についてお答えします。
 平成15年度に実施した「沖縄県ひとり親世帯等実態調査」によると、同年8月現在の母子世帯数は2万5604世帯、父子世帯数は4265世帯となっております。
 母子世帯の不安・悩みとしましては、生活費、子育て・教育、仕事の確保などが、父子世帯では子育て・教育や生活費などが挙げられております。
 県では、この調査の結果を踏まえて、「おきなわ子ども・子育て応援プラン」にひとり親家庭等の自立支援策を掲げ推進しているところであります。
 具体的には、母子家庭等就業自立センター事業、母子自立支援プログラム策定事業、母子家庭等医療費助成事業等を実施しております。
 次に、父親の育児参加及び育児休暇の実態についてお答えします。
 平成17年度沖縄県労働条件実態調査によりますと、平成17年度の男性の育児休業取得率は0.8%となっております。また、沖縄労働局職業安定課によりますと、平成17年度の男性の育児休業給付受給者は21名となっております。出産後も仕事を続けたい女性が安心して子供を産める環境を整えるためには、男性の家庭生活への参画が重要な課題となっております。
 このため、県では、広報誌や男のライフセミナーなどにより、男性の子育てや家庭生活への参画を促すための広報啓発に取り組んでおります。
 次に、乳幼児健診受診率の年次推移と母乳育児の推進について一括してお答えします。
 乳幼児健診の受診率は、平成16年度に乳児健診84.8%、1歳6カ月児健診84.1%、3歳児健診77.5%で、平成13年度から横ばい状態で推移しています。
 また、母乳育児については、3カ月児で平成13年度31.7%から平成17年度37.5%と増加しております。市町村では、母子健康手帳の交付時や母親学級、新生児訪問により母乳育児を推進し、医療機関においては妊産婦健診等により指導を強化しております。県は、医療関係者を対象に母乳育児支援の研修会等を実施しております。
 母乳育児を普及するためには、妊娠中から母乳育児の大切さについて関係機関と連携して啓発することが重要だと考えます。
 次に、幼児や児童生徒の虫歯率の状況と対策についてお答えします。
 本県は、虫歯を持っている者の割合である齲蝕有病者率が、3歳児の場合、平成13年度の53.3%から平成16年には48.6%に減少しておりますが、全国平均より20ポイント高く、全国最下位となっております。
 児童生徒の齲蝕有病者率も年々減少しておりますが、平成16年度では小中学生の男女ともに85%余りとなっており、小学生が全国平均より約15ポイント、中学生が約20ポイント余り高い状況にあります。
 齲蝕有病者率が高い要因として、甘いものの摂取が多いことや偏食、歯みがきの習慣化が十分でないことが挙げられます。
 県では、齲蝕予防対策として、幼児については歯みがき、甘味の制限、弗化物の応用を掲げ、「歯の衛生週間」における県歯科医師会と連携した広報イベントの開催や「母子歯科保健指導マニュアル」の作成など、市町村への技術的な支援を行っております。
 また、今年度は保育所での弗素を利用した齲蝕予防モデル事業を計画しております。
 学校においても、「歯の衛生週間」に保健学習、「総合的な学習の時間」、学級活動等で一斉指導及び個別指導を行うなど、発達段階に応じた啓発活動を図っております。
 次に、幼児期、学童期の肥満率の推移についてお答えします。
 幼児期の肥満の割合を3歳児健診で見ますと、平成17年度男児・女児とも1.5%で、平成15年度からほぼ横ばい状態で推移しております。
 学童期の肥満の割合を小学5年生で見ますと、平成4年度の男子8.1%、女子5.1%がその後徐々に増加し、男子が平成12年度10.3%、女子は平成13年度7.0%でピークとなり、平成17年度男子7.8%、女子5.5%と減少しております。
 次に、10代の性感染症罹患率についてお答えします。
 感染症発生動向調査事業によると、過去5年間の県内12カ所の定点医療機関からの性感染症患者報告数は、年間600人から900人程度で推移しております。そのうち10代の患者報告数は120人前後で推移し、女性が約90%を占め、その75%が性器クラミジア感染症となっております。
 10代の性感染症の罹患率についての県内の調査はありませんが、県外の高校生におけるクラミジア感染の調査結果によると、性経験のある女子生徒は43.3%で、そのうちの13.1%が感染し、また男子生徒は30.1%で、そのうち6.7%が感染していたと報告されております。
 次に、思春期の喫煙率についてお答えします。
 思春期の喫煙率について県民健康栄養調査によると、15歳から19歳の喫煙率は、平成10年度男子28.7%、女子8.7%で、平成15年度男子9.2%、女子1.6%となっております。
 厚生労働省が実施した全国調査を中学3年生で見ますと、平成8年度の男子38.7%、女子22.7%が、平成16年度で男子23.1%、女子16.6%となっており、減少傾向が見られます。
 次に、子供たちの健康状態を向上させるための取り組みについてお答えします。
 子供たちの健康の課題として、乳幼児期は齲蝕の有病率が高く、学童期は朝食を食べる子の割合が減少、思春期は飲酒・喫煙の問題があります。そのため、市町村では乳幼児健診や育児学級、歯科検診、弗素塗布等を通して齲蝕予防を推進しており、学校では食育の推進、喫煙防止や飲酒等の健康教育を推進しております。
 県においては、乳幼児期から健康的な食習慣や生活リズムの獲得に向けての取り組みが強化すべきことと考えており、市町村、関係者等を対象にした研修会や情報提供などを実施し、母子保健事業の強化に努めます。
 子供たちの健康状態を向上させるためには家庭や地域が連携した活動が重要であり、関係団体等で構成された「健やか親子おきなわ2010推進協議会」を中心に、今後も家庭、学校、地域、関係機関との連携を強化していきたいと考えております。
 次に、「健康おきなわ2010」と「新おきなわ子どもプラン」との連携についてお答えします。
 県では、平成14年の「新おきなわ子どもプラン」の策定後も少子化の進行に歯どめがかからない状況を踏まえ、平成17年3月に福祉、保健、医療など、関連するあらゆる分野が密接に連携して子育てを支援し、子供たちが健やかに生まれ育つ環境づくりを総合的に推進することを目的に「おきなわ子ども・子育て応援プラン」を策定しております。
 本プランの策定に当たっては、県民の健康づくりをライフステージに合わせて支援するために策定した「健康おきなわ2010」と、同計画の母子保健分野のビジョンを定めた「健やか親子おきなわ2010」との整合を図っております。
 具体的には、子ども・子育て応援プランでは、母性と乳幼児の健康の保持増進のため周産期保健医療体制の整備、乳幼児健診や予防接種対策の強化、乳幼児期からの食育の推進、思春期の性教育や薬物乱用の防止など、子供の健康的な生育や成長にかかわる諸施策を位置づけ、これらの計画との連携を図っております。
 以上でございます。
○教育長(仲宗根用英) それでは就学援助受給率増加の背景とその対策等についてお答えします。
 就学援助を受けている児童生徒数とその割合は、平成16年度は1万9856人で13.04%、平成17年度は2万93人で13.28%となっており、増加の傾向にあります。
 背景としては、平成18年の文部科学省調査によると、企業倒産やリストラ等による経済的理由や児童扶養手当受給者の増加などが挙げられております。
 就学援助事業は市町村において実施されており、それぞれの実情に応じてなされているものと認識しております。
 県教育委員会としましては、市町村において必要な就学援助が行えるよう十分な財源措置を国に働きかけていきたいと考えております。
 以上です。
○病院事業局長(知念 清) 県立病院行政についての御質問のうち、全部適用後の現状についてお答えいたします。
県立病院事業は、県民への適切かつ安定的な医療の提供を維持するため、平成18年4月1日より公営企業法の一部適用から全部適用に移行しました。
 全部適用により、これまでの業務のあり方を見直すとともに、種々の改善策・強化策を実施し、単年度赤字の解消を図るなど経営の抜本的な改善を目指しております。
 そのため、本年度より新たに病院事業局長を中心に各病院の院長、事務部長、看護部長で構成する「経営改革会議」を設置いたしました。その場で毎月の各病院の経営状況を把握し、情報の共有を図るとともに、適時・適切な対応を協議するなど体制を整備したところであります。
 また、全部適用により管理者が医療環境の変化に対応した組織の構築や、病院経営の専門職員の採用などを独自に行えるようになったことから、これらのメリットを生かしながら種々の改善策に積極的に取り組んでまいります。
 次に、病院関係者の就労環境についてお答えします。
 県立病院は地域の中核病院として高度・特殊医療や救急医療などにも対応しなければなりません。また、医師、看護師を含めた職員の勤務体制も交代制勤務や当直勤務、オンコール体制など多様であることから、その労働環境には厳しいものがあると認識しております。
 このような状況を踏まえ、平成18年度については4年間の暫定的な措置ではありますが、職員定数2294人を20人増員し2314人としたところであります。
 昨今の厳しい行財政改革の折ではありますが、今後とも職員の労働環境の課題や県立病院の機能・役割を踏まえ、民間医療機関等との役割分担と医療機能連携を進めるとともに、既存業務の見直しや委託化の推進、病棟の再編整備などを積極的に行い、引き続き職員配置の適正化に努めていきたいと考えております。
 次に、医療制度改革による病院経営への影響についてお答えします。
 今回の医療制度改革は、安心・信頼の医療の確保と疾病予防の重視、医療費適正化の総合的な推進、超高齢化社会を展望した新たな医療保険制度体系の実現という基本的な考え方のもと、医療法や健康保険法等の関連する法律を改正し、総合的な施策を推進することにより持続可能な医療制度の構築を図っていくこととしております。
 この改革に伴う県立病院経営への影響につきましては、診療報酬改定において小児科、産科、救急医療等の分野では報酬が引き上げられる一方で、紹介患者加算や急性期特定入院加算の廃止などで報酬が引き下げられ、全体としては3.16%の引き下げとなることから、収益面ではマイナスの影響があるものと考えております。
 また、本年10月から実施される高齢者の診療費の負担割合増に伴う影響については、対象者が限定されていることから、患者減少等による経営上の大きな影響はないものと考えています。
 県立病院は厳しい経営状況にありますが、今後とも公的医療機関としての役割を果たしていくことができるよう、なお一層経営の改善に努めてまいります。
 以上です。
○知事公室長(花城順孝) 県内に移設場所を提案することについての御質問にお答えします。
 従来案でなければ県外移転を求めるという県の基本的考え方は何ら変わっておりません。
 普天間飛行場移設問題の原点は、市街地の中心部にあることによる同飛行場の危険性の除去であり、移設問題とは別にその危険性を除去するための緊急的措置が講じられることが今日的な最重要課題であります。
 そのため、今回の日米合意を契機とし、キャンプ・シュワブ基地内兵舎地区も代替施設の一部に含まれることになり、その陸上部分を使って普天間飛行場の機能の一部を移転することが可能となったことから、県としては、県外移設するまでの当面の対策として暫定ヘリポートの建設を政府に求めたものであります。
 次に、再編の進捗による地域振興策と自立への覚悟についての御質問にお答えします。
 米軍再編に伴い、新たに基地負担を抱えることになる地域に対して、政府が負担の緩和策の措置を実施することは当然のことと考えております。
 一方、県としましては、沖縄振興計画に基づいて民間主導の自立型経済の構築に向け、観光・リゾート産業、情報通信関連産業、健康バイオ関連産業など、沖縄の特性を生かした発展可能性の高い産業分野に重点的・戦略的に取り組んでまいります。
 以上であります。
○土木建築部長(首里勇治) それでは公契約条例についてお答えいたします。
 公契約条例の制定を求める動きについては、最近の建設投資の低迷による公共工事の減少等、建設業界の厳しい経営環境を背景として元請と下請の関係の中において、低い労務単価の設定が行われているとの指摘等もあります。こうしたことが公契約法の制定を求める動きにつながっているのではないかと考えております。
 以上であります。
○観光商工部長(宜名真盛男) 代表質問との関連で、最低賃金法違反、賃金不払い等への現行法による対応についてお答えをいたします。
 最低賃金法違反、賃金不払い等がある場合で、沖縄労働局に労働者等から申告がある場合、または定期監督等で違反があった場合は労働基準監督署が是正指導を行うことになります。是正指導に従わない、あるいは繰り返しの違反が認められる等、重大悪質な事案に対しては送検等も含め厳正に対処することになります。
 沖縄労働局によりますと、全業種が対象となった数字になりますが、2005年の定期監督での最低賃金法の違反率が9.7%、また賃金不払い等についての労働者等からの申告は355件となっております。
 以上でございます。
○比嘉 京子 こんなに多くの質問をさせていただいたのは、2000年以降から今日までの稲嶺県政における少子化対策、子育て支援、健康行政、県立病院問題等県民の命、健康、子育てを検証するための質疑であります。県民の健康状態を皆さんに明らかにするという意図も含まれておりました。
 さて再質問をいたします。
 まず1番目に、「健康おきなわ2010」の折り返し地点における市町村の健康増進計画が51.2%と、半分たってもそのレベルであるということに対して県はどのように認識をしておられるんでしょうか。
 2番目に、高血圧と糖尿病の1カ月の医療費の例を挙げていただきました。高齢者も合算いたしますと、高血圧で約33億円、糖尿病で約5億円の医療費がかかっております。このことはどちらにも載っていないのですけれども、医療費の削減目標などということを考えて数値目標を上げていくおつもりがありますか。
 3番目に、先ほど子供たちの集中的な行動計画として「早寝早起き朝ごはん」という運動を全県的に広めていくということは、沖縄県の夜型社会についてとても大事なことだろうと思います。
 御存じかもしれませんが、私もネットでちょっと調べてみますと、部長、こういう言ってみれば全国協議会(資料を掲示) いわゆる夜になったら寝ましょう。月とともに寝て、太陽とともに起きて朝御飯を食べましょうという全国的な協議会がことし立ち上がっております。ですから、今、部長がおっしゃったことをもっと全県的に徹底させる。そして早寝とは何時のことを言うのか、早寝するとどういうことがいいのか。
 今、子供たちの夜更かしが大変問題になっています。日本が一番夜更かしの子供の多い国になっています。そして小学校4年生から6年生の成績上位者の50%は9時30分以内に寝ている。夜更かしの子供は脳内ホルモンに異常を来して性的に早熟になる。夜更かしは糖代謝や脂質代謝、免疫機能を低下させ、将来、発がんや老化を促進する、そういうさまざまな小児神経部門からの提案がございます。たくさんのメニューを広げなくて、何か1つでもいいですから徹底して浸透させていく、そういうことが今求められているのではないかというふうに思います。
 次に、男性の育休が21名ということがありましたけれども、私は県庁が何事も率先して取り組んでその施策づくりの基礎をつくっていく、こういうことが大事ではないかなと。ノウハウをここで生み出していく、こういうことが大事じゃないでしょうか。そういうことについて検討するおつもりがあるかお聞かせください。
 それから母乳栄養について余りにも低いですね。3カ月で37%、5カ月で80―90%台を行ってもらわなくてはならない。少なくともこれをもっと徹底していく。これはやはり病気にならない体づくり、アレルギーにならない体づくり、あごの発達、歯並び、そして肥満防止、それから母性の育ちなど、非常に重要なことがたくさん込められています。これをどのようにして実現させていくか、就労環境の中で実現させていくか、このことを具体的にどういうように連携をとっていくか、考えがあれば伺います。
 もう一点、現在の組織体制で今後の「2010」の5年間を推進していくおつもりなのか。私はこの政策については非常に提案的にはいいと思いますが、具体的に実行する施策のすぽっと抜けた、すべてにおいてそうですね、ですから5年たって横ばいか上昇かです。ですから減少したことの方がむしろ少ない、9項目のうちでですね。そのことを今立ちどまって、本当に効果があったのかなかったのか、なぜなのか、じゃどうすればいいのか、そういうことをもう一度ここで立ちどまって、本気になって仕事をしていただきたい、そのように思います。
 次に、政治姿勢と米軍再編についてですけれども、私たちがずっと議論しておりますのは、なぜ納得できない確認書にサインをなさったのか、その理由。
 2番目に、国に対してサインしたことで国はどのようにそれを解釈しているのか。
 3番目に、なぜ普天間のヘリ部隊をグアムへと言えなかったのか、その3点をお聞きいたします。
 それから県立病院についての再質問です。
 全適によって何が変わりましたか。
 それから2番目に、全適によってメリットとデメリットを挙げていただきたい。
 それから3番目に、もっと具体的なことですが、4月から診療報酬が改定になりました。県内の民間病院は大幅な看護師の採用が行われました。40名とか70名とか、大手病院がやりました。県立病院は対応してこなかったですね。その理由は何でしょうか。また、そのことによって医療の質とサービス、それから経営にどのような影響を及ぼすのか、そのお考えを伺います。
 以上でございます。
○議長(仲里利信) 休憩いたします。
   午後6時17分休憩
   午後6時19分再開
○議長(仲里利信) 再開いたします。
 ただいまの比嘉京子君の再質問に対する答弁は、時間の都合上、休憩後に回したいと思います。
 休憩いたします。
   午後6時19分休憩
   午後6時47分再開
○議長(仲里利信) 再開いたします。
 休憩前の比嘉京子君の再質問に対する答弁を願います。
 福祉保健部長。
   〔福祉保健部長 喜友名朝春君登壇〕
○福祉保健部長(喜友名朝春) 再質問にお答えいたします。
 まず、市町村の健康増進計画の策定が低いということについてお答えをいたします。
 健康増進法第8条に基づきまして、市町村の健康増進計画については策定をされておりますが、努力義務ということでございます。しかしながら、地域の健康課題を踏まえて市町村で健康づくりが推進されることが望ましいことから、県におきましては市町村での計画策定の促進に向けて保健所で市町村への技術支援を行っているということでございます。引き続き積極的に取り組んでいきたいと考えております。
 次に、医療費の数値目標を上げて削減していく計画があるかについてお答えします。
 新たな医療費の適正化計画につきましては、平成20年度から国の責任のもとに国及び都道府県が協力をして生活習慣病対策や長期入院の是正などの計画的な医療費適正化に取り組むこととしております。
 具体的には、国が中長期的な医療費適正化のための基本方針を策定いたします。その内容として、糖尿病等の患者・予備軍の減少率や平均在院日数短縮に関する政策目標の標準設定をすることになっております。
 また、都道府県の適正化計画は、国の基本方針に基づきまして当該都道府県の糖尿病等の患者・予備軍の減少率や平均在院日数短縮に関する政策目標を定めます。また、政策目標の実現効果として達成される医療費の見通しを定めることとしております。
 次に、母乳育児についてもっと徹底する必要があるのではないかにお答えいたします。
 妊娠中から母乳育児の大切さを医療機関、助産師会、市町村など、かかわりのある関係機関と連携をしてさらに指導を強化していきたいと考えております。
 次に、今後の「健康おきなわ2010」の推進についてお答えをいたします。
 平成17年に実施しました中間評価を踏まえまして、県におきましては「健康おきなわ2010推進県民会議」の関係団体の連携を一層強化して、計画目標達成に向けてさらに努力をしていきたいと考えております。
 以上でございます。
○教育長(仲宗根用英) 再質問の「早寝早起き朝ごはん」運動についてお答えします。
 「早寝早起き朝ごはん」は、望ましい基本的生活習慣を育成する上で最も基本となるものであります。学校だけではなく、家庭、地域社会が一体となって国民運動として取り組む必要があることから、「健康おきなわ2010」と連携して推進してまいりたいと思います。
 以上でございます。
○総務部長(上原 昭) 男性職員の育児参加を促進するために県としても率先して取り組むべきではないかという御質問にお答えいたします。
 ことしの4月に策定いたしました県の次世代育成支援対策推進プログラムにおきましては、働き方の見直しと男性の育児参加の促進を基本的な課題の一つとして位置づけており、プログラムの目標として男性職員の出産補助休暇や育児休業の取得促進を掲げています。
 そのため、男性職員も育児休暇が取得できることの周知や意識改革、育児休暇を取得しやすい職場の雰囲気づくり等を行うことにより目標の達成を目指すこととしています。
 なお、同プログラムでは期間中――これは3年間でありますが――の男性の育児休業取得率の目標を5%としております。
○知事公室長(花城順孝) 再質問にお答えします。
 なぜ普天間のヘリ部隊をグアムへと当初より言えなかったのかという御質問にお答えします。
 県は今回の米軍再編の中で、普天間飛行場を含む在沖海兵隊の県外移転等の基本的な考え方を示して、この方向を踏まえて日米間で協議することを明確に求めておりました。このことは昨年10月の中間報告の中に次のような文言があります。
 このことを受けて中間報告の中に「沖縄の住民が米海兵隊普天間飛行場の早期返還を強く要望し、いかなる普天間飛行場代替施設であっても沖縄県外での設置を希望していることを念頭に置きつつ、」検討したという文言が入っております。
 そういった意味で、県の基本的な考え方については、日米間で認識はされていたというふうに考えております。
 以上でございます。
○病院事業局長(知念 清) 再質問の全適のメリットとデメリットを挙げよという御質問にお答えします。
 全適によるメリットは次のとおりであります。
 1、全適によって医療分野に精通し、病院事業の経営感覚にすぐれた病院事業管理者の登用が可能となること、2、病院事業管理者を支える補佐スタッフの職員についても民間を含めた幅広い人材の中から採用ができるようになること、3、病院事業を専門とする職員の採用・育成が可能となること、4、個々の職員に企業精神が芽生え、コスト意識から業務の効率化が図られるようになること、5、経営環境の変化に対応する組織体制の構築が管理者の権限のもとに迅速に行えるようになること等であります。
 デメリットという表現に該当する事項はありませんが、あえて挙げるならば、予想される留意事項は次のとおりであります。1、病院事業管理者を頂点とする企業組織を整える以上、これまでより経営成績に対する責任の追及が厳しくなるということ、2、企業としての自主性・独立性が確立されることから、政策医療の分野を除き独立採算の経営原則が一層厳しく求められること、3、人事管理、給与管理、法令管理などの事務が発生すること、以上でございます。
 次に、診療報酬の改定で民間病院は看護師を増加したのにどうして県は増員しなかったのか、またそのことによってサービスが低下しないか、こういう御質問にお答えします。
 看護師の増員に関しては、県の定数条例の関係で早急には対応できなかったものであります。
 また、この増員に関してですが、病院事業局で試算したところ、今回の診療報酬改定で2対1体制から1.4対1の看護体制にすれば入院患者1人当たり2860円の収益増となります。
 しかし一方で、看護師の増員による費用が生じ、これをトータルしますと必ずしもプラスということにはなりません。
 なお、現看護体制において従来どおりの医療サービスが特に変化するとは考えておりません。
 以上です。
○比嘉 京子 今、病院事業局長の答弁、そこから1番目にお話をしたいと思うんですけれども、私は中部病院に行ってちょっと調べさせていただきました。そうしますと、今2860円入院患者1人から1日当たりプラスになる。これは看護師をふやすこと、いわゆる患者と看護師の人数の割合を高めてサービスをよくして危険性を除去するということで医療報酬単価が上がると。そうしますと、試算してみますと、今50人ふやしたとして1人給与600万、年間をやりますと、従来の稼働率からすると2億円アップする。でも、いわゆる定数の枠の中でこれを動かそうという発想がない。この病院の全適を受けても権限も何も移譲されないで、手足を縛られたまま独立採算で頑張りなさいと言われているのが現在の県立病院ではないかなと私は思います。
 知事、県立病院に在任中、何回ぐらいいらして現場の方々から声を聞かれたのか、お聞かせください。
 それから、先ほどの早寝早起きもいいんですが、今、本当に子供たちが生物学的に見て、人という動物から見て非常に弱まっている。特に日本の子供たちが弱まっている。体力的にも沖縄の子は全国平均より以下である、こういうことは非常に夜型社会の影響をもろに受けている。昔も今も人が育つ環境というのはそんなに大差はないはずです、人が育つ環境。ですから、何時間眠ればいいかということではなくて、夜になったら眠って、朝になったら起きて、朝の光を浴びるということが今いかに大事かということを、きょう理論づけてお話しする気はないのですけれども、そういうような当たり前のだれでもできること、お金もかかりません、そのことで学力も体力も、そして精神面もアップすると、そういうことは私たちが予算なくしてみんなが健康になれる大きな秘訣ではないかなと。これだけを徹底していくことでも私は沖縄県は非常に変わるのではないかとさえ思っているんですね。
 それから沖縄県の長寿、去年全国的に調べられていると思います。ことしの暮れか来年あたり出てくると思いますが、私は今までの健康行政ではもう沖縄県は歯どめがかからない。今のやり方では悪化よりも政策が物すごくおくれている。そのために歯どめがかからない。余りにも手を広げ過ぎて集中的な政策をきちんと丁寧におろしていかなかった、このことのつけはもはやとめられない。これが稲嶺県政における私は健康行政の大きなマイナスではないかなというふうに思っています。
 もう一点、もう公契約についてはやめますけれども、最後に知事の政治姿勢について一言お話したいと思いますが、NHKの元ジャーナリストでワシントン支局にいらっしゃったという外交ジャーナリストの手嶋さん、この間いらしたようで、7月1日のタイムスに載っておりました。彼の話を載せてあるわけですけれども、稲嶺知事が米軍再編に関して要請をして訪米した際のその対応の仕方、「「沖縄方式」だとしても、与野党を問わず手法を改めなければ県民は多くのものを失う」という指摘があります。これは、沖縄はどこよりも多くのカードを持っていた。だけれどもそれを使う能力のなさ、このことが彼によって指摘されていました。
 ある識者は、子供のお使いにも劣ると、確認したときの話をしておりましたが、私は最後に、この何十年に一遍の米軍再編のチャンスに知事は一体どれだけの情報を集めてカードを用意して臨まれたのか。今議会の質疑を通して見えてきました。普天間の危険性の除去は知事の最大の公約ではなかったですか。辺野古沿岸案以外なら県外であると。今それを認められたと言いましたけれども、結果なくしてすべてはないです。結果がなくては何にも成果はありません。
 私はそういうことを考えますと、知事の発言と公約の重さ、それを考えた場合に、残された期間一生懸命頑張りますと、そういう言い方でいいのだろうか。政府はあからさまに11月の知事選以降に交渉を先送りしています。空白を先送りしていることが知事として許されるんでしょうか。このような重大な時期に、知事の公約の結果としてこういう責任のとり方で果たして県民が納得できるでしょうか。最後に知事の答弁を求めます。
○議長(仲里利信) 休憩いたします。
   午後7時7分休憩
   午後7時13分再開
○議長(仲里利信) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 県立病院に行っているかというお話ですが、これは、私はいろいろな行事がございますから、そのたびに行っておりますから、全部の病院に出ております。その際にいろんな方と意見を交換しておりますが、ただ今回、地方公営企業法の全部適用を受けまして、来る7月21日の院長会議に出席が予定されておりまして、その場でじっくりと意見交換をしたいと考えております。
○比嘉 京子 知事、何度行かれましたかと聞いているんです。
○知事(稲嶺惠一) それはみんな、全部、最低1回は行っています。
○福祉保健部長(喜友名朝春) 再々質問にお答えします。
 子供の夜型社会の中で弱っている健康の問題、それから長寿についての危機的な状況がある、県としてどう取り組むのかにお答えをいたします。
 平成17年に実施した中間評価を踏まえまして、県では「健康おきなわ2010推進県民会議」の関係団体がさらに連携をいたしまして、県民の健康づくりの指針である「健康おきなわ2010」の計画目標の達成と健康福祉立県の構築に向けてさらに努力していきたいと考えております。
 以上でございます。
○嘉陽 宗儀 早く終わってほしいという声がありますので、執行部の方はひとつ御協力お願いします。
 通告に基づき質問を行います。
 初めは、米軍再編問題についてであります。
 米軍再編のための日米合意は、日がたつにつれてその危険性がいよいよはっきりしてきました。去る29日、小泉首相とブッシュ大統領は首脳会談を行い、21世紀の地球規模での協力のための日米同盟を宣言した共同文書で新世紀の日米同盟を発表しました。これは文字どおり日米軍事同盟体制を地球規模に拡大強化するものです。これによって海外での武力行使を禁じた憲法の集団的自衛権行使のくびきを取り払うために、日本をアメリカ帝国主義の世界の憲兵戦略に深く組み込み、平和憲法を改悪し、軍国主義復活を急速に突き進める危険性が強まってきました。私は、改めてアメリカとはどういう国かを考えてみるべきだと痛感しました。
 私は、ここに「テロリストは誰?」というビデオ――3000円です――を持ってまいりました。(資料を掲示) これには元CIA長官のジョン・ストックウェル氏のアメリカ議会での証言を初め、元政府高官たちが第二次世界大戦以降のCIAによる秘密工作と米軍の軍事介入の実態を当事者として暴露し、ドキュメントとしておさめられています。
 ジョン・ストックウェル氏は、CIAは地球上のあらゆる場所で活動しているが、この間、合衆国の法律枠をはるかに超える権限まで保持していた。必要なら殺人を行う権限、麻薬を密輸する権限、米国以外の社会や人々には何をしてもいい権限、その多くが想像を絶するような血なまぐさい活動だ。我々は、さまざまな方法で工作し、十分に機能していた他国の立憲民主主義を転覆させた。世界じゅうで秘密の軍隊を組織し戦闘に向かわせた。そして900の大規模作戦と3000の小規模作戦があった。我々は世界じゅうで暗殺団を組織し、いまだに資金援助をしている。彼は、国家安全保障の名のもとに秘密・極秘作戦という陰に守られながら、今もテロ戦争が行われていると指摘しています。
 このビデオは、アメリカこそ最大のテロ国家だと、ドキュメントで告発しています。これを見ると、今回の日米同盟の再編強化がいかに我が国を危険な道に引きずり込むことになるか憂慮すべき事態だということを痛感させられました。
 そこで質問します。
 1、米軍再編の日米合意を受けての知事コメントに関してお聞きします。
 イ、アジア諸国からは日米同盟が緊張の震源地と批判が大きい。それをなぜ評価するのですか。その批判をどう受けとめますか。
 ロ、沖縄の基地負担軽減の方向性が示されており、高く評価するとコメントしていますが、その評価の具体的内容は何か示してください。
 ハ、日米合意を受けて軍民共用、15年使用期限、北部振興策は廃止されました。これで選挙公約は完全に破綻したと考えますが、どうですか。
 ニ、この知事の公約が県民の運動を分断し、普天間基地の問題解決をおくらせた大きな要因になっていると考えますが、その事実を認めますか。
 2、米軍再編では辺野古沿岸に2本の滑走路を建設することで合意しています。基本確認書はそれを基本にするとなっています。それでも沿岸案に反対するという意味はどういうことですか。
 3、暫定ヘリポート建設の提案をしていますが、それは日米両政府が反対し、実現性がないのにあえてそれを主張するのは、またしても県民運動を分断させる意図があるのではないかと思いますが、どうですか。
 4、知事の新沿岸案について、反対の理由を具体的に説明してください。
 5、米軍再編は県民負担の軽減ではなく、新たな危険な軍事同盟の強化で大きな負担を強いるものであることがますます明らかになってきました。それでも知事は米軍再編が国民の負担を軽減することになると考えているのですか。そうであればその根拠を示してください。
 2番目は、地対空ミサイル・パトリオットPAC3の嘉手納配備についての質問です。
 1、その配備計画の具体的内容について県民に明らかにしてください。
 2、パトリオットPAC3の配備は完全に住民が標的にされます。これは新たな危険と負担を強いるものであります。外務省沖縄事務所は県民の負担増はやむを得ないと許しがたい発言をしています。知事も負担増はやむを得ないと考えるのですか。
 3、パトリオットPAC3配備の撤回を求めるべきです。その意思はありますか。
 3番目に、沖縄市の返還軍用地の予約契約に基づく自衛隊基地への提供についてお聞きします。
 新市長は、沖縄市の北部地域はアグリビジネス構想を再考させ、農業振興を中心としたまちづくりを進める計画を持っています。ところが施設局は、市長選挙前の駆け込み予約契約を行いました。
 この市長選挙前の駆け込み予約契約は、契約内容が不明確、原状回復がなされないなど、不当なものになっています。市民の負担軽減を図るためにも契約解除をすべきだと考えます。県はこの施設局の態度をどう思いますか。
 4番目に、北部訓練場ヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)の移設についてお聞きします。
 北部訓練場へのヘリパッド建設問題に対して地域住民から、1、ヘリコプター墜落による生命財産が脅かされる危険性がある。2、騒音による精神的ストレス及び日常生活に及ぼす影響がある。3、ヤンバルに生息する希少動植物の保護の内容がこの臨時総会で決議されています。県はそれに対してどのような対応をしていますか。ヘリパッドの建設に明確に反対すべきですが、決意を伺います。
 5番目に、「認定こども園」について質問します。
 児童福祉法が憲法の精神に基づいて制定されたのは昭和22年です。厚生省の法の趣旨説明では、児童福祉法はそれまでの児童政策を一貫して支配してきた要保護児童のみを問題とする思想に終止符を打ち、それを超えて次代の社会の担い手たる児童一般の健全な育成、福祉の積極的増進を基本精神とすると児童についての根本的・総合的法律であると誇示していました。
 ところが国の財政負担が大きくなったために要保育児童だけを入所させる施設にしてしまいました。それ以後一貫して「保育に欠ける」という条件を厳しくして、保育所から子供を締め出してきました。まさに今回の「認定こども園」制度は、行財政改革の方針に沿って、子供には金をかけない、保育の質を低下させる保育制度の実施にほかなりません。
 そこで質問です。
 1、「認定こども園」の内容について具体的に説明してください。
 2、認定基準はどうなりますか。専門家の意見を反映させる機会はありますか。
 3、保育料の設定はどこがやるのですか。
 4、入所はどこが決定しますか。
 5、保育に市場原理を持ち込むことになりませんか。
 6、これまで確保されてきた保育水準の切り下げになりませんか。
 7、幼稚園、保育所がこれまで果たしてきた役割や機能を踏まえ、それらの条件や内容、制度をさらに発展させるものにすべきではありませんか。
 6番目に、泡瀬干潟問題について質問します。
 これまで泡瀬干潟の埋立事業は、沖縄市の東部海浜開発計画に基づいて進めていると説明をしてきました。今度の市長選挙で埋立事業推進を最大の目玉業務に掲げた自公の推す候補者が敗北しました。市民は、泡瀬の貴重な海を残すべきだという明確な審判を下しました。
 それでお聞きしますが、1、市長選挙で示された市民の意思をどのように受けとめていますか。
 2、開発事業が失敗し、埋立地の購入費を沖縄市の一般会計で負担することになったら、市は財政再建団体になる可能性が高いと専門家は指摘しています。それをどう考えますか。
 3、新市長は泡瀬干潟をラムサール条約に登録する意思を市議会で表明しています。県はその立場を尊重する意思はありますか。
 4、市長選挙の結果を尊重して泡瀬干潟の埋立問題を見直すべきだと思いますが、所見を伺います。市長が埋め立て見直しの結論を出したら尊重しますか。
 7番目は、漁業振興についてです。
 1、海洋県である沖縄での漁業振興は特別に重視すべきです。そのかなめが養殖漁業だと考えますが、県の取り組みはどうなっていますか。
 2、稚魚の生産と漁業従事者の技術の向上は決定的に重要になっていますが、その強化策はどうなっていますか。
 3、栽培漁業センター廃止の方針が行革プランで出されていますが、今後どうされるのか。また、今後の漁業振興の決意を伺います。
 8番目の質問は、教育問題についてです。
 初めは教職員の多忙化問題です。
 1、教職員の定年退職者より中途退職者が多い原因は何ですか。その対策の必要性はありませんか。
 2、教職員の多忙化の実態を掌握していますか。
 3、その解決策はありますか。
 次は、PTA総会についてです。
 1、高等学校PTA会長から、各PTAに「PTA総会・学校経営方針説明・教育講演会のご案内」の通知が送られていますが、その事実を掌握していますか。
 2、その通知に「本総会への欠席者に対しては欠席者総会を欠席者がゼロになるまで、学校長のもと、別の日程で行います。」とありますが、どう考えますか。
 3、PTAはあくまで任意団体なのに、この越権行為は許されません。これは教育内容にPTAが干渉するものです。教育長はどう対処されますか。
 最後に、知事の政治姿勢について伺います。
 初めは憲法改正についてです。
 憲法9条を改正することが正面から取り上げられています。9条はあの沖縄戦などの教訓から生み出されたものであります。絶対に改正を許してはならないと考えますが、知事の決意を伺います。
 次に、教育基本法の改正問題についてです。
 「教育は、人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたつとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。」と教育基本法はその目的を高らかにうたっています。知事はこのすばらしい教育基本法を変える必要があると思いますか。
○知事(稲嶺惠一) 嘉陽宗儀議員の御質問にお答えをいたします。
 最初は、日米同盟についてでございます。
 日米安全保障体制を含む日米同盟関係については、我が国及び東アジアにおける国際の平和と安定の維持に寄与していると理解しており、我が国に所在する米軍基地が重要な役割を果たしていると認識しております。
 また、各地域の国と国との間には、国連憲章の趣旨に基づき、地域の平和と安定を維持するためにさまざまな安全保障条約や同盟が結ばれており、これは今日の国際政治の現実であります。
 日米安全保障体制を含む日米同盟関係は、我が国の平和と安全を守るため、現在の東アジア情勢を踏まえ、国際社会のルールにのっとって構築された現実的な安全保障体制であると理解をしております。
 次に、選挙公約と普天間基地の問題解決について一括してお答え申し上げます。
 普天間飛行場の移設については、これまで政府と協力しながら一歩一歩進めてきたところであります。
 15年使用期限及び軍民共用は、移設に当たって整備すべき条件として提示したものであり、従来案に対するものであります。しかし、去る5月1日の日米安全保障協議委員会において、新たな移設案が承認されたことにより従来案がなくなり、15年使用期限及び軍民共用も政府により一方的に解消されたと認識しております。
 県としては、新たな移設案については容認できないことから、今回の日米間の合意を踏まえ緊急的措置として暫定ヘリポートの建設を求めており、今後とも普天間飛行場移設問題の早期解決に向けて全力を尽くす考えであります。
 なお、軍民共用、15年使用期限問題が普天間飛行場の問題解決をおくらせた要因になっているとは認識しておりません。
 次に、憲法9条改正についてお答えいたします。
 さきの大戦で悲惨な地上戦を体験した沖縄県民は、命と平和のとうとさを肌身で感じており、世界の恒久平和は沖縄県民が心から望んでいるものと承知しております。平和を脅かすさまざまな問題を解決し、平和共存の世界を実現するためには、国連を中心とした不断の外交努力により問題の平和的解決に努めることが望ましいと考えております。
 憲法9条については、平和主義の理念が将来にわたって堅持されるよう十分に議論が尽くされるべきであると思います。
 次に、教育基本法の改正についてお答えいたします。
 今回の教育基本法の改正は、現在及び将来の我が国の教育をめぐる諸情勢の変化にかんがみ、改めて教育の基本を確立し、その振興を図るため現行法の普遍的な理念は大切にしながら、将来に向かって新しい時代の教育の基本理念を明確にすることが趣旨であると認識しております。
 いずれにしましても、教育基本法の改正については各方面からの多様な意見を集約するなど、国民的な論議の推移を見守っていきたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁させます。
○知事公室長(花城順孝) 最終合意の評価についての御質問にお答えします。
 最終報告においては、海兵隊司令部等の2014年までの県外移転や、それに伴う嘉手納飛行場より南の米軍施設・区域の整理・統合・縮小、嘉手納飛行場における一部訓練の県外移転等が示されております。
 したがって、県は、今回の米軍再編協議の最終合意の方向性については、全体として見れば県民の目に見える形での基地負担の軽減につながるものと考えております。
 次に、沿岸案を反対することについての御質問にお答えします。
 県は、日米間で合意された沿岸案については容認できないということを既に明らかにしており、日米間の合意を踏まえ、普天間飛行場の危険性を除去するための緊急的措置として、キャンプ・シュワブ陸上部分に暫定ヘリポートの建設を検討することを対応の一つとして政府に求めているところであります。
 基本確認書では県と政府の立場の違いをお互いが踏まえた上で継続して協議を行うことを確認したものであります。
 暫定ヘリポート案についてお答えします。
 県としては、日米両政府が反対であるとしても、県民の負担軽減のためには沖縄の立場を主張することは必要であると考えております。
 県は、今回の日米間の合意を踏まえ、普天間飛行場の危険性を除去するための緊急的措置として、キャンプ・シュワブ基地内に暫定ヘリポートの建設を検討することを対応の一つとして政府に求めたものであります。
 したがって、この考え方を実現するため、基本確認書において県と政府の立場の違いをお互いが踏まえた上で継続して協議を行うことを確認したものであり、県の求める暫定ヘリポート案も含めた協議が必要であります。
 県としては、引き続きこれまでの経緯や県の基本的な考え方を踏まえ、普天間飛行場移設問題の早期解決に向けて全力を尽くす考えであります。
 新沿岸案反対の具体的な理由についての御質問にお答えします。
 県としては、これまでの国、県、名護市等の関係機関による基本計画策定等の経緯を踏まえれば、新沿岸案はより民間地域に近づくことから生活環境に影響を及ぼすことなど、課題解決のための実効性のあるものではないことから容認できるものではありません。
 また、県が米軍再編に際し、機会あるごとに求めてきた普天間飛行場を含む海兵隊の県外移転など、県民の目に見える形での負担軽減という基本的な考え方とも相入れないものであります。
 米軍再編と負担軽減についての御質問にお答えします。
 米軍再編については、日本全体の抑止力の維持と沖縄を含む地元の基地負担の軽減を目的に協議が進められてきたところであり、全体として、県民の基地負担の軽減の面で兵力や訓練の移転、施設の返還・整理・統合が盛り込まれるなど、米軍基地の整理縮小に向けた具体的な方策が示された内容となっております。
 したがって、県は、今回の米軍再編協議の最終合意の方向性については、全体として見れば県民の目に見える形での基地負担の軽減につながるものと考えております。
 次に、パトリオット配備計画の具体的内容等について一括してお答えします。
 外務省によりますと、米軍のパトリオットPAC3の具体的な展開のあり方については、配備場所を含め、日米間で検討を行っているところであり、現時点では固まっていないとのことであります。
 パトリオットの配備については日本の防衛にかかわることであり、政府はそのあり方について国民に説明をした上で協議を進めるべきであると考えております。
 県としては、地域住民の生活に及ぼす影響などを総合的に判断し対応していきたいと考えております。
 パトリオット配備による県民の負担についての御質問にお答えします。
 先ほども申しましたが、パトリオットの配備については日本の防衛にかかわることであり、政府はそのあり方について国民に説明した上で協議を進めるべきであると考えております。  県としては、地域住民の生活に及ぼす影響などを総合的に判断し対応していきたいと考えております。
 次に、沖縄市の予約契約についての御質問にお答えします。
 嘉手納弾薬庫地区の返還については、当該地域が嘉手納飛行場の飛行コース下に当たり騒音の問題があること、また原野が多く跡地利用が厳しいことなどから、沖縄市と地主が自衛隊による継続使用を求めていたと聞いております。
 那覇防衛施設局によりますと、防衛庁において、このような地元の要望を踏まえ検討した結果、自衛隊による継続使用が可能であると判断し、去る3月31日、駐留軍用地の返還後、当該土地は自衛隊施設として継続使用する旨、沖縄市長から、民法第556条に基づく契約の予約の同意を得たとのことであります。
 県としては、契約に係る問題については当事者間の協議により解決されるべきものと考えております。
 次に、北部訓練場ヘリパッドの移設についての御質問にお答えします。
 北部訓練場のヘリパッドの移設問題については、県はこれまで国に対し、移設場所の決定に際しては県及び関係市町村に十分説明するよう申し入れてきたところであります。
 県としては、国による環境調査の結果や関係する市町村の意向等も踏まえながら、当該地域の自然環境や地域住民の生活に十分配慮した移設場所の選定がなされるよう適切に対応したいと考えております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(喜友名朝春) 「認定こども園」の内容についてお答えします。
 「認定こども園」に関する法律は、ことし6月に成立し、10月1日に施行されます。
 「認定こども園」は、就学前の子供に対する教育・保育及び地域における子育て支援を総合的に提供する機能を備えた施設であります。
 「認定こども園」は、就労形態、核家族化等地域を取り巻く環境の変化に伴い、幼児期の多様化する教育・保育のニーズに対応するため、従来の保育所や幼稚園に加えて利用者のための新たな選択肢を提供しようとするものです。
 「認定こども園」には、幼稚園と保育所が一体的に運営される幼保連携型、幼稚園が保育所的機能を備えた幼稚園型、保育所が幼稚園的機能を備えた保育所型、幼稚園、保育所のいずれの認可も有しないが両方の機能を備える地方裁量型のタイプがあります。
 「認定こども園」は、保育に欠ける子供だけではなく、保育に欠けない子供も利用することができ、施設と保護者が直接利用契約を行うことや、幼保連携型においては10名以上で保育所認可を受けることも可能となることが特色であります。
 次に、認定基準への専門家の意見反映についてお答えします。
 「認定こども園」については、一定の質を確保した上で地域の実情に応じた対応が可能となるように、職員配置や施設設備、教育・保育の内容といった具体的な認定基準は、国が定める指針を参酌して都道府県の条例で定めることとなっております。県としては、条例制定に際して市町村や保育・幼稚園関係団体、学識経験者などと意見交換を行っていくこととしております。
 次に、保育料の設定と入所決定について一括してお答えします。
 現在、保育所は保護者と市町村との契約により利用され、保育料も市町村が決定する仕組みとなっております。
 「認定こども園」の認定を受けた私立保育所については、保護者と施設との契約となっており、入所及び保育料は基本的に施設で決めることになります。この場合においても、保育に欠けるかどうかの判定や保育料の設定について必要に応じて市町村が指導を行うこととなっております。
 次に、保育に市場原理を持ち込むことについてお答えします。
 「認定こども園」である保育所の保育料を施設が定めるに際しては、一般の保育所と同様に保育サービスの提供に要した費用を勘案するとともに、保護者の家計に与える影響を考慮し、年齢等に応じて定めることとされています。保育料がこの要件に適合しない場合、市町村が変更を命ずることができ、従わない場合には都道府県知事が認定を取り消すことができます。
 また、施設は、市町村が保育に欠ける児童と認めた場合、入所を拒んではならないことになっております。このことから適切な入所及び保育料の設定が図られるものと考えております。
 次に、保育水準の切り下げとならないかについてお答えします。
 「認定こども園」については、幼稚園、保育所の基準を基本としつつ、認定基準に関する国の指針が示されております。この指針の中では、既存の施設から「認定こども園」への転換を促す観点から、調理室や屋外遊戯場などにつきましては一定の弾力的な取り扱いを可能とすることとされております。この場合であっても、認定基準については子供の育ちの視点に立って、悪影響を与えない合理的な範囲内で地域のニーズに応じた対応が可能となるよう検討していきたいと考えております。
 次に、幼稚園、保育所をさらに発展させるものにすべきではないかについてお答えします。
 これまでは保護者が働いていれば保育所、働いていなければ幼稚園等となり、就労の有無で利用施設が限定されたり、就労を中断した場合は保育所を継続して利用できないことなどが指摘されておりました。今般の「認定こども園」はこういった課題の解決が図られるとともに、子育て支援事業が必須となっていることから、とりわけ家庭で育児をしている保護者への支援が充実していくものと考えております。
 以上でございます。
○土木建築部長(首里勇治) それでは市長選挙の結果についてお答えいたします。
 沖縄市長は、泡瀬地区埋立事業について選挙期間を通じて事業に係る情報公開を図る等の主張のもと、当選されたと承知しております。
 県としては、事業の必要性、合理性、環境への配慮などについて沖縄市長と十分な意思疎通を図ってまいりたいと考えており、市長就任後の去る6月4日の現地視察に国とともに県も同行し、事業の進捗状況等を説明したところであります。
 今後とも、広く県民全般に一層の情報公開を行いながら、環境保全に配慮しつつ事業を進めていく考えであります。
 次に、沖縄市の用地購入についてお答えいたします。
 本事業は、埋立材料として新港地区のしゅんせつ土砂を受け入れることにより、187ヘクタールの人工島が安価に造成されます。沖縄市が取得する約90ヘクタールの土地は、緑地や臨港道路等が除かれておりますので、市の負担軽減が図られております。
 また、沖縄市が実施する上下水道、道路等のインフラ整備についても極力補助事業を導入するとともに、段階的な整備を図ることにより、市の財政負担が軽減されるように計画されております。
 なお、最終的な土地の売却計画についても平成14年3月に県と沖縄市が実施した土地需要確認作業において現計画の実現性があることを確認しております。
 次に、ラムサール条約に登録することについてお答えいたします。
 沖縄市長は去る6月市議会において、泡瀬地区埋立事業については、仮称東部海浜開発事業検討委員会等の内容や市民の意見も聞きながら判断していきたい旨の答弁をされたとのことであり、県としては、今後とも事業の必要性、合理性、環境への配慮などについて沖縄市長と十分な意思疎通を図っていく考えであります。
 次に、事業を見直すべきについてお答えいたします。
 本事業は、本島中部東海岸地域の活性化を図るための経済振興策として、地元からの強い要請に基づき埠頭や交流施設、展示施設、ホテル等の誘客施設を一体的に整備し、地域特性を生かした国際交流拠点等の形成を図るものであります。
 さらに、本事業は、県の主要施策でもある特別自由貿易地域を支援する新港地区の港湾整備とも密接な関連を有しており、新港地区への企業誘致を促進し、本県経済の振興を図る上でも早急な整備が必要であります。
 県としては、事業の必要性、合理性、環境への配慮などについて沖縄市長と十分な意思疎通を図り、また広く県民全般に一層の情報公開を行いながら、環境保全に配慮しつつ事業を進めていく考えであります。
 以上であります。
○農林水産部長(国吉秀治) それでは養殖業に対する県の取り組みについてお答えいたします。
 県では、熱帯性の温暖な海域に囲まれた立地条件を生かし、養殖業の振興を図るため、種苗生産技術の開発、養殖技術の開発及び普及指導、魚病対策並びに養殖漁場造成等の施策を推進しております。その結果、これまでにクルマエビ、モズク、シャコガイ及び魚類等の養殖が県下各地域で営まれております。
 県としては、今後の養殖業の振興を図るため、引き続きこれらの施策を推進するとともに、市町村、水産関係団体及び流通関係者等と連携し、生産、流通対策を強化してまいります。
 続きまして、種苗生産及び養殖技術向上のための施策についてお答えいたします。
 県では、栽培漁業センター及び水産海洋研究センターにおいて、スギやヤイトハタ等の魚類並びにシャコガイの種苗生産を行い、養殖業者へ配布しております。
 種苗の配布に当たっては、養殖業者の要望に沿うよう種苗の量産に努め、養殖業の安定的な生産の確保を図っております。
 また、養殖業者に対して水産業改良普及センターと水産海洋研究センターが連携し、養殖技術の向上や魚病対策の徹底のための指導を実施するなど、養殖漁家の経営安定に取り組んでいるところであります。
 続きまして、栽培漁業センターに係る行財政改革プランの方針及び今後の漁業振興についてお答えいたします。
 栽培漁業センターは、昭和58年の開所以来、魚類、甲殻類及び貝類の種苗生産業務や栽培漁業技術開発業務などを実施し、水産資源の維持培養、養殖業の振興に大きく貢献してきております。
 県では、本年3月に行財政改革プランを策定し、簡素で効率的な組織機構を確立する観点や、選択と集中により限られた行政資源の再配分を行うため、組織の見直しを進めているところであります。このことから同センターについても、平成21年度末までに種苗生産・供給業務については民間にゆだねるほか、県が引き続き実施すべき技術開発、改良試験などの試験研究業務については、水産海洋研究センターへ移管することについて検討を進めているところであります。
 また、今後の漁業振興につきましては、第2次沖縄県農林水産業振興計画に基づいて、1、つくり育てる漁業の推進、2、資源管理型漁業の推進、3、漁港・漁場及び流通関連施設の整備、4、漁協合併や事業統合の推進など各種施策を総合的に実施し、水産物の安定供給並びに漁家経営の安定に努めてまいります。
 以上でございます。
○教育長(仲宗根用英) それでは中途退職の原因等についてお答えします。
 平成17年度の教職員の退職者の内訳は、定年退職者が205人、勧奨退職者198人、普通退職者46人となっております。
 中途退職者の主な理由には、後進に道を譲る、新たな人生設計、親などの介護等があります。また、体調不良等を理由に退職する者もおります。
 県教育委員会では、教職員の定期検診の徹底、スクールカウンセラーや産業医による健康相談、メンタルヘルス相談事業等を実施しております。
 今後とも、教職員が健康のうちに職務遂行ができるようメンタルヘルス事業等の充実を図り、教職員の健康管理と保持増進に努めてまいりたいと思います。
 次に、教職員の多忙化と解決策について一括してお答えします。
 教職員の多忙化については、多様な人間関係、数量化しにくい業務、倫理観が求められるなど、職務の特殊性も大きく影響していると思われます。
 勤務実態については、今年度、文部科学省において「教員勤務実態調査」が実施されることになっており、県教育委員会ではその結果を踏まえ、対応策等を検討していきたいと考えております。
 次に、PTA総会について一括してお答えします。
 PTAは、子供たちの健やかな成長を図ることをねらいとして、父母と教師が民主的な運営のもとに教育活動を行う任意の団体であります。
 御質問のPTA総会の案内文については承知しております。
 このことは、PTA総会により多くの会員が参加し、学校とPTAの協力関係の充実を図るために案内したものと理解しております。
 いずれにしましても、任意団体のPTAにおいては、会員一人一人の意思を尊重し、自主的に参加を促すことが望ましいと考えております。
 県教育委員会としましては、本県のPTA活動が会員の相互理解のもと、民主的かつ活発に展開されるよう支援していきたいと思います。
 以上であります。
○嘉陽 宗儀 休憩してください。
○議長(仲里利信) 休憩いたします。
   午後7時56分休憩
   午後8時1分再開
○議長(仲里利信) 再開いたします。
 知事公室長。
   〔知事公室長 花城順孝君登壇〕
○知事公室長(花城順孝) 負担軽減の具体的な内容について申し上げますと、まず、約8000名の第3海兵機動展開部隊の要員とその家族約9000名が2014年までに沖縄からグアムへ移転するということが一つであります。
 もう一つは、嘉手納より南の施設の返還として6つの候補施設が示されております。キャンプ桑江が全面返還、キャンプ瑞慶覧が部分返還、普天間飛行場、牧港補給地区、那覇港湾施設が全面返還、それから陸軍貯油施設、これも全面返還と。これについての詳細は来年3月までに詳細の計画は作成をするということで示されております。このことを県としては負担の軽減につながるものと評価をしていると、こういうことであります。
 次に、選挙公約は破綻したか破綻してないかと、明確に答えろということでありますが、これは先ほど知事も答弁をしましたけれども、15年使用期限、それから軍民共用の条件は、いわゆる従来案を受け入れるための苦渋の選択としてつけた条件であります。
 しかしながら、去る5月1日の日米安全保障協議委員会で新たな移設案が承認をされたと。そのことによって従来案がなくなって、それに伴う15年使用期限、軍民共用という条件も政府により一方的に解消されたものと認識をしていると、こういうふうに答弁をしております。
 以上であります。
○議長(仲里利信) 休憩いたします。
   午後8時4分休憩
   午後8時7分再開
○議長(仲里利信) 再開いたします。
 土木建築部長。
   〔土木建築部長 首里勇治君登壇〕
○土木建築部長(首里勇治) 先ほどの答弁の中で、ラムサール条約に登録することについてという御質問でございますけれども、県としましては、沖縄市長と十分な意思疎通を図っていくということで答弁をしておりますので、ひとつよろしくお願いいたします。
○嘉陽 宗儀 よろしくお願いされたので、じゃ、前に進みましょう。
 再質問をします。
 1つは、グアムへの海兵隊の移転についてですけれども、先ほど8000名、家族9000名と言っていました。県の発表している、米軍が発表した人数というのは1万2000人余り。ところがその1万8000人というのは、これは今までの答弁では防衛庁の定数上の人数が1万8000人ということですね。ロードマップでは8000人の移動となっていますけれども、一方では1万人体制を維持するとも言っている。そうすると数字がわけがわからぬ。結局、実質的に、この負担軽減のために実質何名が移動するのか。8000名は実態のない人数、これが県民をだます手口であることは明らかになっていると思うんですけれども、本当に何名移動するのか。定数がこんなにたくさんあって、実際いない人間を減らしたといって宣伝するというまやかしは許されない。だから実態は何名本当に減るのかということを明らかにしてもらいたい。
 それから、普天間基地が県外移転できる間の暫定的な措置として暫定ヘリポートを提案していますけれども、暫定的にと言っているけれども、その実現性はあるのか。知事として明確にその実現性について明らかにする責務がありますので、皆さん方が提案している暫定ヘリポートの実現性があるのかどうかはっきりすべき。であるのであれば、実現性があるというのであればどのような作業が必要か、具体的にどういう作業を進めるのか、これも明らかにしてください。
 それから確認書について。
 確認書では、政府は沿岸案で県は暫定ヘリポートということで解釈していると説明しているが、立場の違いをそれぞれ認めたということか。法律上は、確認書というのは内容をお互いに合意してなければ認められない、成り立たない。全然別なものをお互い解釈していると。解釈では確認書は無効だと。これは法律的にも全くお粗末な議論ですよ。明確に沿岸案で同意して署名しているのにもかかわらず、その確認した内容が違うのであれば確認書は無効だと思うんですけれども、どうですか。
 それから、11月の知事の任期中に、今までの議論では、知事は後継にはそれは引き継がないと言っています。そうすると、この確認書というのはあと4カ月しかない知事の任期、この間で本当にできるのかどうか、これもはっきりさせていただきたい。そうでなければ、これは確認書を含めて知事がこの問題の処理をどうするかというのを決着をつけなければならないと思うんですよ。それについて知事の責任でどうするか、はっきりさせてほしい。
 それから土建部長、民意は今までいろんな作業があって、尾身大臣も8万人も署名しましたと言っていたけれども、インチキなあれをやっていたんですよ。子供までサインさせてきた。実際上は今度の市長選挙で相手の自公の候補は、泡瀬埋め立てを最大の公約目玉にしたけれども、市民はノーという審判を下した。当然これを尊重すべきだと思うんです。これについて改めて市民の意思を尊重する意思があるかどうか、明確にお答えいただきたいと思います。
○議長(仲里利信) 休憩いたします。
   午後8時12分休憩
   午後8時14分再開
○議長(仲里利信) 再開いたします。
 知事公室長。
   〔知事公室長 花城順孝君登壇〕
○知事公室長(花城順孝) 再質問にお答えします。
 まず、グアムへの海兵隊の移転の兵員の数等についてでありますが、防衛施設庁長官の国会等での答弁あるいは我々に対する説明では、在沖米海兵隊の1万8000人というのは、これは定数であるというふうに説明をしております。そのうち8000人がグアムへ移転すると、残る兵員数は1万人であるということであります。
 ただ、これにつきまして米軍の発表する在沖の海兵隊員の数というのは、時点によって相当増減があります。1万8000人が最大値であるとしても、増減が非常にあるということでありまして、じゃ、実際にグアムへ実数としてどれだけ移転するのかということでありますが、我々がこれについて非常に意味があると思っておりますのは、移転する要員が司令部要員であるということであります。いわゆる実戦部隊についてはローテーション配備ということで非常に流動性が高い部隊でありますが、それに比較して司令部要員というものはそういうものではなくて、かなり実数に近い8000人というものが移転するのではないかというふうに考えております。したがって、残留する部隊というのは実戦部隊を中心にした1万人の枠の中におさまる、かなり状況によっては増減はありますけれども、相当な負担軽減になるであろうと考えております。
 それから、暫定ヘリポートの実現性はあるのか、そのためにどのように進めていくのかという質問でありますが、ただいまのグアムへの海兵隊司令部の移転というものは、今後の沖縄での海兵隊の駐留の形態、性格を大きく変えるものと考えております。そういった意味で海兵隊の県外移転といいますか、普天間飛行場の県外への移設というものが従来よりもより現実的なものになったということに対して、我々は非常に重要な要素だというふうに見ているわけでございます。そういった意味で実現性は高まったと。
 暫定ヘリポートについては、それまでの危険性の除去のために必要であるという認識から提案をしていくわけでありますが、これについては、政府に対して政府案のみを前提とした協議ではなくて、暫定ヘリポートについて沖縄県が提案をしていく、そういうことが協議をできる場を設けるべきであるということを考えております。そういうことで具体化を進めていきたいというふうに考えております。
 それから確認書について、どういう意味合いがあったのかという御質問でありますが、この確認書はこれから普天間飛行場代替施設の建設計画について、防衛庁、沖縄県、名護市、関係地方公共団体が今後継続的に協議をするということと、新しい閣議決定を行う際には平成11年の閣議決定を踏まえて事前に沖縄県、名護市、関係地方公共団体と協議をすると、この2つを合意したわけであります。
 その前に防衛庁と沖縄県の沿岸案に対する考え方というのは基本的に違うわけでありまして、沖縄県は基本確認書を交わす前に、5月4日に沿岸案は認められないと、暫定ヘリポートを提案するという基本的な考え方を示した上で、この5月11日の確認書を交わしたわけであります。そういった意味で、政府、沖縄県双方にそれぞれの立場が違うということは当然認識をされたものとして交わしたものがこの確認書であります。
 4番目に、4カ月の残りの知事の任期でそれが実現できるのかどうかということでありますが、県としては5月4日の沖縄県の考え方を踏まえて、今後の負担軽減、米軍基地の整理縮小に全力を持って取り組んでいくということでございます。
 以上であります。
○土木建築部長(首里勇治) それでは市長の意思尊重についての再質問についてお答えいたします。
 市長は、泡瀬干潟事業については検討委員会等の内容や市民の判断も聞きながら判断していきたいとこれまで発言をしてきております。
 県としては、これからも事業の必要性、環境への配慮などについて市長と十分な意思疎通を図っていく考えであります。
 なお、去る6月30日付で沖縄市議会において本事業の早期完成に向けた意見書が賛成多数で可決されたと聞いており、県としましては、引き続き沖縄市の動向の把握に努めてまいりたいと考えております。
○嘉陽 宗儀 議長、休憩。
○議長(仲里利信) 休憩いたします。
   午後8時21分休憩
   午後8時23分再開
○議長(仲里利信) 再開いたします。
 嘉陽宗儀君。
   〔嘉陽宗儀君登壇〕
○嘉陽 宗儀 確認書についても法律的にいえば内容が同一じゃなければ確認の意味がないし、あの確認書そのものが法的には無効なんですよね。それをあたかも生きているかのように県民説得に使おうというのはこれはまさに欺瞞ですよ。
 それから、知事の、ヘリポートをつくるにしても、あれは米軍が今コンクリート建てをやっているけれども、そこにプレハブをつくりたいけれどもと。勝手につくれるわけじゃない。安保条約、地位協定第3条は何書いているか。勝手に県があれこれ言えるようなものじゃないでしょう。
 そういった意味でも、知事のこの政策もヘリポート案も完全に破綻しています。知事はあと任期は4カ月ですけれども、最後の悪あがきですよ、私から見たら。与党の皆さん方はこのことについて沿岸案V字型推進と言っているでしょう。政府も、ヘリポート案はだめですよ、沿岸案ですよと言っている。今、与党からも政府からも見放されてしまっている。知事のそういう姿勢ではもう知事は務まらない。急いで退陣をすべきですよ。
 ――――――――――――――――――――――――
 知事、少なくともあと4カ月間、歴史に残る知事になるかどうかは別にしても、少なくとも県民の基地負担軽減を一生懸命頑張ってきた知事というのであれば、こういうごまかしの手を使わずに、正面から、本当に県民の立場から日米両政府に物を言うべきのは言う、そしてこのような再編は許さないと、改めて決意をきちっとして臨まないと。やめる前にみっともない悪あがきをして、県民だましの手口を使ってきた知事で終わるんですか、知事。それであればやはり知事は知事として誇りを持って、もうちょっと県民にも納得できるような誠意をとってほしい。
 もう質問はしませんけれども、知事、最後にやはりはっきり日米両政府に物を言ってから幕は閉めてください。
○議長(仲里利信) 以上で本日の一般質問及び議案に対する質疑を終わります。
 本日の日程はこれで全部終了いたしました。
 次会は、明5日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後8時26分散会

 
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