平成18年(2006年) 第 3回 沖縄県議会(定例会)
第 3号 6月30日
 


○議長(仲里利信) これより本日の会議を開きます。
 日程に入ります前に報告いたします。
 説明員として出席を求めた労働委員会会長比嘉正幸君は、所用のため本日及び7月3日から6日までの会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として、本日の会議に労働委員会会長代理大城光代君、7月3日の会議に同委員会公益委員新木順子君、4日の会議に同委員会事務局長山田義人君、5日の会議に同委員会公益委員春島美也富君、6日の会議に同委員会公益委員矢野昌浩君の出席を求めました。
   ――――――――――――――
○議長(仲里利信) 日程第1 代表質問を行います。
 質問の通告がありますので、順次発言を許します。
 金城 勉君。
   〔金城 勉君登壇〕
○金城  勉 おはようございます。
 公明党・県民会議を代表して質問をさせていただきます。質問の前に一言ごあいさつを申し上げます。
 昨日、稲嶺知事は、来る11月の県知事選挙に立候補をしない、後継者に道を譲りたいという勇退の表明をされました。心ひそかに稲嶺3選を期待していた者の一人として残念でございます。しかし、御本人の決断ですから尊重をしたいと思います。
 この2期8年間、稲嶺県政は沖縄振興計画をつくり、経済振興を初め各分野において多くの実績を残してまいりました。このことは与党はもちろん、野党の皆さん方も高く評価していることと思います。
 また、稲嶺3選という多くの県民の声がある中で勇退を決断をし、その潔さに大変感銘も受けております。権力の座に恋々としないその潔さ、本当に見事でございます。この11月の県知事選挙まで残された数カ月間まだございます。健康にはくれぐれも留意しながら、県民のために一生懸命頑張っていただきたいと思います。本当にお疲れさまでございました。ありがとうございました。
 では、質問に入ります。
 1996年4月12日の橋本・モンデール会談で劇的に発表された普天間飛行場の返還問題ですが、その後、幾多の変遷をたどりながらもいまだ解決を見ておりません。代替施設が県内移設という条件つきであることに加え、苦渋の選択として受け入れた名護市辺野古の海上基地は反対派の抵抗に遭い、移設が実現しないまま今日に至っているわけであります。
 99年12月28日の「普天間飛行場の移設に係る政府方針」には、キャンプ・シュワブ辺野古沿岸域に移設し、基地の固定化を防ぎ将来的には県民の財産にするという意味で、使用期限を定めた軍民共用空港という位置づけにしたのであります。その間、2回の県知事選挙、3回の名護市長選挙があり、県民はそのたびに世論を二分する形で対立を余儀なくされてきました。選挙の結果は、米軍基地が沖縄に過重な負担を強いていることに対して強い反発を示しつつも、日米同盟の必要性を認め、漸進的な基地の整理縮小を望む県民の民意を示したと言えるでしょう。
 そうした中で、米軍の世界的再編が検討されるというときに合わせ、在沖米軍基地の負担軽減を実効性あるものにするために知事も県民も期待してきたのであります。小泉総理も沖縄の負担軽減に取り組む姿勢を示していました。しかし、米軍再編の最終報告は必ずしも県民の意向に沿うものとはなっておりません。
 辺野古沿岸へのV字型滑走路の建設は、安全性、騒音、環境問題など厳しい課題が伴っております。ただ一方で、海兵隊の8000人削減や未確定ながら嘉手納以南の最大1500ヘクタールにも及ぶ基地返還は大きな成果として評価していいでしょう。今後はその跡地利用計画をどうするか、新たな法律が必要なのか、財政的にはどうなるのか、基地従業員の雇用問題をどうするか等々さまざまな課題が山積しております。
 一方、稲嶺知事の政府との対応については一時厳しい意見も出されました。5月11日の額賀防衛庁長官との「在沖米軍再編に係る基本確認書」は最終報告を認めたのではないか、従来の姿勢からぶれているのではないかという指摘であります。
 しかし、私は違う評価をしております。知事は、日米同盟がしっかり機能するためには沖縄の政治的・社会的・経済的安定が不可欠であると厳しく政府に対して注文をつけ、在沖米軍基地の整理縮小を訴え続けてまいりました。在沖米軍基地を再編するにしても県民の意向に沿わなければ実現性は極めて厳しいと一貫して主張してきたのであります。
 具体的には、従来案は苦渋の選択として受け入れるものの、それ以外の案であれば県外移設しかないという主張であります。日本政府はそのメッセージを読み取れてないようであります。
 また、現在の状況を大田前県政に例えて、政府との信頼関係が崩れているのではないかとの懸念も出されております。防衛庁首脳が最終報告を受け入れなければ振興策にも影響するという趣旨の発言が背景になっているのでしょうか。しかし、内閣府の主管する事業になぜ防衛庁が口を挟むのか不可解であります。稲嶺県政は、防衛庁と緊張関係にあるとしても、政府全体的には決して信頼関係が崩れているとは言えないと思っております。
 ただ、気になるのは、名護市長とのスタンスの違いについてであります。V字型滑走路についての評価、政府との協議機関への対応の仕方などニュアンスの違いがあります。
 そこで、以下質問いたします。
 ア、米軍再編最終報告の閣議決定についてどのように評価しているか。
 イ、辺野古沿岸V字型滑走路建設を認めるのか。
 ウ、辺野古沿岸V字型滑走路建設について、名護市と県との間にスタンスの違いがあるように思いますが、双方でどのように合意形成を図るのか。
 エ、辺野古沿岸V字型滑走路建設に関し、国との協議機関への対応をどうするか。
 オ、99年閣議決定した普天間移設に係る政府方針が廃止され、そのことをどのように受けとめているか。
 カ、普天間移設に係る政府方針が廃止されたことによって北部振興策にどう影響するか。
 キ、普天間移設と海兵隊削減、嘉手納以南返還はパッケージになっている。実効性をどう評価しているか。
 ク、嘉手納以南の返還跡地利用計画の策定、雇用問題への対応をどうするか。
 ケ、対政府との関係について、大田県政と稲嶺県政との違いはどうか。
 コ、政府との信頼関係が崩れているとの指摘に対してどうか。
 (2)は取り下げます。
 (3)、米軍基地周辺の電波障害への対応について。
 嘉手納基地周辺や普天間基地周辺において、テレビの電波障害による受信妨害があることは以前から生活レベルで確認されていることですが、最近、他府県において米軍基地や自衛隊基地による電波障害に対しては、ケーブルテレビの敷設という形で国が対処しているということがわかりました。20年以上も前から実施されてきた施策が最も過重な負担を受けている沖縄において、全く話題にもならなかったということは残念であります。
 以下質問します。
 ア、嘉手納基地周辺や普天間基地周辺における航空機離発着時の電波障害について実態を把握しているか。
 イ、他府県における電波障害解消のための施策の事例はどうか。
 ウ、県内における米軍基地の影響による電波障害に対してどのように取り組むか。
 (4)、防音工事地域の太陽光発電設置の本格事業化について。
 平成15年度から実施されている嘉手納基地周辺での防音工事に係る太陽光発電設置のモニタリング事業は毎年度170件から180件の実施がされております。本格事業への見通しはどうか。
 (5)、第3回沖縄平和賞の取り組みについて御説明ください。
 2、行財政改革について。
 (1)、行財政改革の進捗状況はどうか。
 (2)、三位一体改革の中で、次年度の歳入の予想値は今年度と比べてどうか。
 (3)、新型地方交付税に対する考え方と今後の対応はどうか。
 3、各種振興策について。
 (1)、沖縄科学技術大学院大学について、進捗状況、開学までのスケジュールはどうか。
 (2)、策定から5年目を迎えた沖縄振興計画の進捗状況はどうか。後期の課題についてはどうか。
 (3)、北部振興策について。
 ア、平成12年度から実施されている振興策の執行状況はどうか。
 イ、公共部門の執行率の低さの原因とその取り扱いについてはどうか。
 ウは取り下げます。
 (4)、国連機関、国際機関誘致の進捗状況について。
 これまで公明党として国連機関、国際機関誘致について一貫して訴えてまいりました。平和の発信拠点として国連機関、国際機関を誘致・集積することによって国連アジア本部を目指すものであります。費用負担の問題もあり、なかなか進んでおりませんけれども、国連大学誘致などを皮切りに進めてはどうかとの提言もさせていただきました。国の協力も求めながらあきらめることなくぜひ進めていただきたいと願っております。
 ア、沖縄振興計画にも明記し、平和の発信拠点としての沖縄をつくるため取り組んできておりますが、進捗状況はどうか。
 イ、国連機関、国際機関誘致にもつながる国際会議の沖縄開催については、2000年サミット以降、毎年40件前後で推移しているとのことですが、今後の見通し、推進計画についてはどうか。
 4、福祉・医療関係について。
 (1)、少子化対策について。
 少子化傾向が強まり、人口減少社会に入ってきた今日、少子化対策は国を挙げて取り組むべき極めて重要な課題であります。特に、県内における待機児童問題や認可外保育園の児童への対策は喫緊の課題であります。
 ア、待機児童対策について、今年度の取り組みはどうか。
 イ、認可外保育園の子供たちへの給食費の助成について今後検討する考えはどうか。
 ウ、幼稚園と保育所の機能を一体化させた「認定こども園」がことし10月からスタートすることになりました。保育に欠ける子も欠けない子も受け入れることになる新しい事業であります。時代の要請に見合った施策として高く評価したいと思います。県としてどのように対応するか。
 以下質問します。
 1、「認定こども園」設置に関する条例制定が必要になってくるが、県方針はどうか。
 2、「認定こども園」の創設は待機児童問題の改善を初め、親の子育て支援にもなると思うがどうか。
 3、市町村との連携をどのように考えるか。
 エ、放課後児童対策について伺います。
 児童生徒にまつわる事件・事故が頻発する中で、働く親の安心と子供たちの安全を確保するために児童の放課後対策は非常に重要になっております。
 従来、厚生労働省の学童保育事業と文部科学省の地域子ども教室推進事業が別々に実施されてまいりました。このたび省庁の壁を超えて放課後の子供たちを対象にした事業が推進されることになりました。これまでの事業の趣旨を踏まえながら、子供たちへのより厚い施策が実施されることを期待しております。
 以下質問します。
 1、文科省と厚労省は連携して「放課後子どもプラン」(仮称)を創設する方向性を発表しております。県としてどのように受けとめ、推進していくか。
 2、放課後児童クラブと地域子ども教室の県内における運営状況はどうか。
 3は取り下げます。
 オ、特定不妊治療費助成事業について。
 平成16年度からスタートした事業ですが、体外受精や顕微授精などを対象に助成してきました。18年度からは少子化対策の強化・充実の観点からこれまでの年間10万円、通算2年という規定が通算5年に拡大されることになりました。
 そこで質問します。
 1、16年度、17年度の実績はどうか。
 2、指定病院は何箇所か。
 3、国において18年度予算から通算5年に拡大されましたが、県としてどのように取り組むか。
 (2)、児童虐待問題について。
 ア、相談業務や問題児童への対応など、人員や体制整備はどうか。
 イ、一時保護所などハード面の整備はどうか。
 ウ、県と各市町村との児童虐待防止ネットワークの構築はどうか。
 (3)は取り下げます。
 (4)、医療制度改革について。
 去る6月14日、参院本会議において医療制度改革関連法が可決・成立しました。人口の急速な高齢化や人口減少社会の訪れによって医療費の増大が避けられない中、だれもがいざというときに安心して医療が受けられる国民皆保険の医療制度を将来にわたって維持するために、制度の構造改革を実現し、国民が負担可能な範囲で医療費の適正化を図ることが今回の改革の目的とされております。
 世界保健機関(WHO)による医療制度の総合評価ランキングで高い評価を受けている日本の国民皆保険制度ですが、急速な高齢化や人口減少社会の訪れによって負担と給付のバランスが崩れてきているといいます。特に、医療給付費はこのままでいくと現在の28兆5000億円から毎年1兆円以上の増加になり、2025年には56兆円まで膨らむと推計されております。その意味で、将来の変化を見据えた改革は政治の責任として果たさなければならないでしょう。
 以下質問します。
 ア、このたびの医療制度改革の重要ポイントを御説明ください。
 イ、今回の患者負担の見直しは、高齢者に負担増を強いるものとの指摘があるがどうか。
 ウ、療養病床に長期入院している70歳以上の高齢者の食費・居住費の負担見直しをする理由は何か。
 エ、患者負担を引き上げる前に医療費のむだをなくし、効率化を徹底すべきとの指摘があるがどうか。
 オ、少子化対策の観点からの見直しもされているが、内容はどうか。
 カ、なぜ、新しく後期高齢者保険制度がつくられたのか。
 キ、診療報酬改定が3.16%の引き下げとなっているが、小児科、産科など医療の質の確保や医師確保の点への配慮はどうか。
 ク、都道府県単位で保険者を再編・統合とあるが、具体的内容はどうか。
 ケ、療養病床の廃止により入院患者の受け皿が懸念されておりますが、どう変わっていくのか。
 (5)、食育について。
 ア、食育基本法を踏まえ、県として食育推進会議を設置し、食育推進計画を策定することになっておりますが、取り組み状況はどうか。
 イ、国の食育推進基本計画では、全国の各学校に栄養教諭の早期の配置を求めております。県内の栄養教諭の育成確保、また配置計画について御説明ください。
 (6)、自殺防止対策について。
 去る6月15日、自殺防止対策法が成立しました。警察庁の統計で、年間自殺者が8年連続で3万人を超える深刻な実態が報告されております。自殺未遂は30万人に上ると推測されております。自殺は個人の問題としてとらえられがちですが、その原因をたどっていくと社会的要因が大きな要素として横たわっていると言われております。
 法律の基本理念には、自殺対策は、「社会的な取組として実施されなければならない。」とされております。基本的施策としては、国や自治体に対して効果的な予防策のために自殺の実態調査や、職場や学校、地域における心の健康を保つ体制の整備を要求し、政府に対しては、自殺対策大綱の策定と国会への年次報告を求めております。
 そこで伺います。
 ア、全国との比較で県内の実態と要因を把握しておりますか。
 イ、自殺対策基本法の成立を受けて今後の取り組みを御説明ください。
 ウ、イギリスにおいては、自殺予防の活動を幼稚園児及び小学校一、二年生を対象に実験的に行っているとの話もありますが、どう考えますか。
 エ、「沖縄いのちの電話」の皆さんがボランティアで相談活動を頑張っております。県との連携はどうか。
 5、環境保護について。
 (1)、公共関与の産廃処分場建設の進捗状況はどうか。
 (2)、産廃税の活用及び市町村への還元について検討する考えはないか。
 (3)は取り下げます。
 (4)、取り下げます。
 6の(1)取り下げます。
 (2)、特別支援教育について。
 これまで障害種別になされてきた特殊教育から障害の重複化・多様化が進む現実に照らして、児童生徒一人一人のニーズに合わせた特別支援教育へと大きく方向転換が図られようとしております。県教育委員会もことし3月に「沖縄県における特別支援教育体制整備の基本方針」としてまとめ、課題解決と体制整備への基本方針を発表されました。
 以下伺います。
 ア、特殊教育から特別支援教育への移行、取り組み状況はどうか。
 イ、従来、障害種別に運営されてきた学校形態を再編成して特別支援学校への移行の方針であります。養護学校においては生徒数の増加により非常に狭隘の状況で運営されており、ハード面の整備も期待されております。平成19年度開設に向け取り組んでいるとされております特別支援学校の進捗状況はどうか。
 ウ、特別支援教育に関する市町村教育委員会への人的・財政的支援はどうか。
 エ、特別支援教育にかかわる教師の特殊教育教諭免許状の取得状況はどうか。
 (3)、就学援助を受ける児童生徒の数が増加しております。国は準用保護世帯の児童生徒への補助金を廃止し一般財源化しており、今後、各市町村教育委員会は認定基準を厳しくせざるを得ないとの報道がなされております。教育の機会均等の原則が崩れるのではないかとしておりますが、県としての考え方をお聞かせください。
 (4)、中高校生への職業教育及び成果について御説明ください。
 (5)、青少年の非行防止対策について、夜回り先生こと水谷修氏の投稿が地元マスコミに連載されておりますが、水谷氏は沖縄の子供たちの状況を憂え、厳しい指摘をされております。沖縄社会全体の問題でもある課題がいっぱいあるようです。
 そこで、県教育委員会として青少年の健全育成に対してどのように認識し、取り組むのかお聞かせください。
 (6)、語学教育の取り組みについて。
 5月22日から文教厚生委員会でシンガポールなど海外視察を行ってまいりました。日本人学校における語学教育の現場も視察いたしました。東南アジアの状況は基本的に英語教育をベースにしながら語学教育がなされている印象を受けました。国際社会でも通用する人材育成の第一歩でありましょう。翻って、我が沖縄県も国際交流拠点形成を目指しておりますが、それを担う人材育成はできているのか。その第一歩としての英語教育は従来の机上の英語教育から脱皮できているのか。
 以下伺います。
 ア、英語のイマージョン教育の取り組みについてどういう方針を持ち、実施していくのか。
 イ、小学校からの英語教育について今後どう発展させていくのか。
 ウ、インターナショナル中等教育学校について、どのように導入していくのか。
 (7)、IT教育の取り組みについて御説明ください。
 (8)、少人数学級編制の取り組みについて、3年生以上の学年についても改善が求められておりますが、どうか。
 (9)、美術館・博物館の進捗状況はどうか。
 ア、建設スケジュール、イ、館長、副館長など人事のことについての考え方、ウ、管理運営の仕方についてどうか。
 7、観光商工関連について。
 (1)、観光・経済振興について。
 ア、565万人観光客誘致目標の取り組みと見通し。
 イ、観光収入の実績。
 ウ、中高校生の修学旅行の推移と見通しについて。
 エ、国際映画祭の沖縄開催について。
 県は、17年度に沖縄国際映画祭調査事業を実施し、報告書をまとめました。そのことがきっかけになり、きょうから北谷町で「おきなわシネマ&ミュージックフェスタ2006」が開催されます。来年からの沖縄国際映画祭開催のプレイベントとして内外の注目を集めております。沖縄県も後援しております。観光振興や経済振興にも連動する大きな期待が寄せられております。民間主導で計画されているこの事業が大きく発展するよう、ぜひ県も強力にバックアップしていただきたいと思います。
 今後の展開や国際映画祭沖縄開催への考え方をお聞かせください。
 オ、過去10年間の経済成長率が全国トップと報道されております。内容について御説明ください。
 (2)、コールセンターなどIT企業への就職状況、定着率について。
 (3)は取り下げます。
 (4)、特別自由貿易地域の企業誘致状況はどうか。
 8、土木関連。
 (1)、大雨被害への対応について。
 ア、那覇市鳥堀や中城の大雨被災者支援策はどうか。
 イ、地すべり地帯の復旧対策はどうか。
 (2)、東部海浜開発事業について進捗状況はどうか。市長選の結果による影響があるかどうか。
 よろしくお願いします。
○知事(稲嶺惠一) 金城勉議員の御質問にお答えする前に、大変温かいお言葉をいただきましてありがとうございました。残る任期、全力を尽くすということがそれに報いることだと思っています。あと半年頑張ります。
 それでは御質問にお答えしたいと思います。
 最初は、閣議決定の評価についてお答えいたします。
 閣議決定に関して、5月11日に額賀防衛庁長官と交わした「在沖米軍再編に係る基本確認書」では、「政府は、在日米軍再編の日米合意を実施するための閣議決定を行う際には、平成11年12月28日の「普天間飛行場の移設に係る政府方針」(閣議決定)を踏まえ、沖縄県、名護市及び関係地方公共団体と事前にその内容について、協議することに合意する」こととなっております。
 しかしながら、米軍再編最終報告の閣議決定については、このように政府と沖縄県及び関係地方公共団体とで事前の協議が確約されているにもかかわらず、それが十分になされないまま平成11年の閣議決定が廃止されたものであります。
 次に、政府との関係における前県政との違い及び信頼関係についての御質問にお答えいたします。一括してお答えを申し上げます。
 政府は、平成8年12月のSACO最終報告を踏まえ、県や名護市の同意を得てボーリング調査等を実施し、平成9年11月に海上ヘリポート基本案を提示しました。
 前県政においては、最終段階に至ったこの政府案の受け入れ拒否を表明したことから、政府との信頼関係が損なわれ、これ以降、基地問題が混迷するとともに、沖縄政策協議会が中断されるなど沖縄振興策も停滞することとなりました。その後、県政を担当することとなった私は実現可能なものから一つ一つ解決していくことが基地の整理縮小を促進する現実的で実現可能な方法であるとの認識から、総合的に判断し、苦渋の選択としてキャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域を普天間飛行場の移設候補地として選定し、軍民共用、15年使用期限等の県民が納得できる条件を提示いたしました。そして平成11年12月には「普天間飛行場の移設に係る政府方針」が閣議決定され、この政府方針に基づき、国、県、名護市等の関係機関で2年にわたり協議を重ね、従来案の基本計画が決定されました。さらに、県は公共用財産使用協議に同意し、政府は平成16年にはボーリング調査等を開始し、環境影響評価調査などの作業が進められていたのであります。
 このような経緯で従来案が進められていた中で、地元に事前の説明もなく、平成17年10月に米軍再編協議の中間報告として新たな移設案が発表され、さらに5月1日に修正を加えた案で最終合意したのであります。この合意案については、これまでの経緯を踏まえれば容認することはできないことから、政府に対し、県の立場を主張してきたところであります。
 このように、従来案については政府と協力しながら進めてきた経緯があり、前県政の状況とは異なっており、政府との信頼関係は損なわれていないと考えております。
 次に、行財政改革の進捗状況についての御質問にお答えいたします。
 本県では、昨年度まで「新沖縄県行政システム改革大綱」により、本庁組織の見直し、職員数の適正化、指定管理者制度の導入や民間委託の推進、公社等外郭団体の見直しなどに取り組んでまいりました。この大綱期間中に事務事業の見直しにより約31億円、県単補助金の整理・合理化により約8億円の経費節減など、一定の成果を上げております。
 しかしながら、少子・高齢化の進行や厳しい財政状況など、急速に変化する社会経済情勢に的確に対応するためにはこれまで以上に大胆な改革に取り組む必要があり、今年度から「沖縄県行財政改革プラン」をスタートさせたところであります。現在、同プランに明示した数値目標や具体的方策の達成とともに、推進項目の前倒しなど、改革のスピードアップに向けて取り組んでいるところであります。
 次に、沖縄科学技術大学院大学の開学までの進捗状況及びスケジュールについてお答えいたします。
 沖縄科学技術大学院大学につきましては、昨年9月に独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構が設立され、開学に向けた準備が着々と進められております。
 施設整備については本年度末にキャンパスの建設工事に着手し、2009年度中には一部の施設で供用が開始される予定となっております。また、整備機構の事務局等に活用される旧白雲荘については3月末に改修工事が完成し、4月から供用が開始されております。
 先行的研究事業については、本年度でこれまでの7グループから12グループとなり、開学までには50グループに拡大される予定となっております。
 県としては、今後ともこれらの事業が円滑に実施されるよう国及び整備機構と連携しながら取り組んでいきたいと考えております。
 次に、今年度の待機児童解消に向けた取り組みについてお答えいたします。
 平成18年度における待機児童解消に向けた取り組みとしましては、保育所の創設や増改築、認可外保育所からの移行等34カ所の保育所を整備する予定としており、これらの整備により平成19年4月1日までに定員が989人増加する見込みとなっております。
 平成18年4月1日現在の待機児童数は前年度より364人減少し1520人となっており、平成17年度に引き続き2年連続で減少しております。
 待機児童数は、社会情勢等複合的な要因で増減するものと考えており、今後とも注視する必要がありますが、これまでの待機児童解消に向けた取り組みの効果があらわれてきているものと考えております。
 県では、待機児童の解消に向けて今後とも保育の実施主体である市町村と連携しながら諸施策を推進してまいります。
 次に、食育の取り組み状況についてお答えいたします。
 食育基本法では、国民が生涯にわたって健全な心身を培い豊かな人間性をはぐくむため食育推進計画の策定や食育推進会議を設置することができることとされております。同法に基づき、県においては沖縄県食育推進計画を策定し、食育の施策を検討・推進するための沖縄県食育推進協議会を設置してまいります。現在、食育推進協議会の委員の選定を進めており、その構成は保健・医療、農林水産、教育・保育等の分野の有識者を予定しております。
 また、食育推進計画については現在策定作業を進めており、今後、パブリックコメントの実施や沖縄県食育推進協議会の開催など、県民の意見を十分に反映させ、本年度内の策定を予定しております。この計画の策定により食育を総合的・計画的に推進してまいります。
 次に、自殺対策基本法の成立に係る今後の取り組みについてお答えいたします。
 自殺対策基本法が本年6月21日に公布されたところであります。
 同法では、自殺防止に関する調査研究の推進や自殺防止に関する国民の理解の増進、自殺の防止に関する人材の育成、自殺のおそれがある人への必要な医療提供体制や自殺発生回避のための体制の整備並びに自殺未遂者や自殺者の遺族への支援などを基本施策として掲げております。
 また、その基本理念として、自殺はその背景にさまざまな社会的要因があることを踏まえ、自殺対策は社会的な取り組みとして行わなければならないこと、及び関係者相互の密接な連携のもとに実施されなければならないことなどが示されております。
 県では、従来から行われている相談事業や研修事業等の充実を図るとともに、行政機関、医療機関、教育関係機関、労働関係団体、事業主及び民間活動団体等で構成する「自殺対策連絡協議会」を設置し、関係機関と連携した総合的な自殺対策を推進していくこととしております。
 次に、那覇市及び中城村の被災者支援策についてお答えいたします。
 県は、災害救助法の適用を決定した那覇市及び中城村について、これまで避難所の設置や炊き出しその他の食品の給与など、応急的な救助事務の一部を直ちに市及び村に委任し、被災者の保護を行ってきたところであります。
 中城村においては、避難指示を受けたのは9世帯でありますが、現在、避難所にいる1世帯を除く8世帯は実家や親戚宅等に移っております。
 応急仮設住宅については、9世帯中3世帯は御自分で対応されるとのことであり、その他の6世帯について、4世帯は応急仮設住宅へ、2世帯については民間賃貸住宅の借り上げにより県が供与することとしております。応急仮設住宅は中城小学校北上原分校敷地内へ設置することとしており、7月4日を目途に着工する予定です。手続を進めている民間賃貸住宅の借り上げも含めて早期に供与いたします。
 那覇市においては、避難指示を受けたのは12世帯でありますが、市営住宅への入居決定が5世帯、民間賃貸住宅への入居が6世帯、実家に1世帯となっております。
 なお、那覇市については、被災マンションの全壊被害認定を受け、被災者生活再建支援法に基づく支援制度を適用し、該当する被災世帯については被災者生活再建支援法人から支援金の支給が行われることになっております。現在、同制度の活用とあわせて応急仮設住宅の供与についても要望や実情等をお聞きしているところです。被災者の皆様が災害前の平穏な環境を一日でも早く取り戻せるよう市及び村と連携し、支援に取り組んでいるところであります。
 その他の御質問については、関係部長等より答弁させます。
○知事公室長(花城順孝) 新たな合意案への対応についての御質問にお答えします。
 県は、普天間飛行場の移設に係る新たな合意案については、海兵隊の県外移転という県の基本的な考え方とも異なることや、これまでの経緯を踏まえれば容認することはできないことは既に明らかにしたとおりであり、この考え方が変わることはありません。
 次に、名護市との合意形成及び協議機関への対応について一括してお答えします。
 普天間飛行場の移設に係る政府案に対して、名護市は、その位置については基本的に防衛庁と合意しているものの、滑走路の長さでは防衛庁と考え方は異なっております。
 一方、県は政府案そのものが容認できないとの立場であります。
 また、代替施設の建設計画、安全・環境対策及び地域振興については、名護市長と防衛庁長官が交わした「普天間飛行場代替施設の建設に係る基本合意書」の中で、防衛庁と沖縄県、名護市及び関係地方公共団体が協議することになっておりますが、同基本合意書の前文では、「政府は、沖縄県及び関係地方公共団体のすべての了解を得ることとする。」とされております。しかし、県は、代替施設の建設計画について政府案のみを前提とした協議には応じる考えはないとの立場であります。
 県としては、県が求める暫定ヘリポート案の検討を含めた協議がなされる必要があり、そのような場が設けられなければならないと考えております。
 次に、普天間飛行場の移設に係る政府方針の廃止と北部振興策への影響についての御質問に一括してお答えいたします。
 今回の閣議決定により平成11年の閣議決定が廃止されたことから、移設先及び周辺地域振興協議会、北部振興協議会等の協議機関の設置根拠がなくなり、北部振興に関する枠組みを失うことになり、平成19年度以降の北部振興事業に対する影響が考えられます。
 しかしながら、北部振興策については普天間飛行場代替施設という基地の受け入れを契機としているものの、平成11年12月17日の第14回沖縄政策協議会の了解を踏まえ、内閣府が沖縄の振興の枠組みという観点から事業を実施しているものであり、代替施設の進捗など基地とリンクさせる性格のものではありません。
 県としては、北部振興策の継続は必要と考えており、政府案の建設とは別問題として、平成11年の閣議決定により設置されてきた北部振興策などに関する協議機関の復活を政府に対して求める考えであります。
 次に、パッケージについての御質問にお答えします。
 パッケージについて、北原防衛施設庁長官は、一つ一つ可能なものについて、それぞれの案件について実施しないというものではない。実施できるものは実施していくという形になるとの説明をしており、負担軽減と抑止力全体のバランスを図って米軍再編を進めることを示したものと理解しております。
 県としては、米軍再編が実施できるものから進展していくものであると考えております。
 次に、嘉手納以南の駐留軍用地返還への対応についての御質問にお答えします。
跡地利用計画の策定については、これまでも沖縄振興特別措置法等の枠組みを踏まえ、国、県、跡地関係市町村が密接に連携して取り組んでおり、今後の跡利用計画の策定についても同様に取り組む考えであります。
嘉手納飛行場より南の施設・区域の返還については、大規模であり、跡地利用計画策定後の事業実施について財源の確保や実施体制をどうするか等の課題があります。また、雇用についても職業訓練対策の強化などの枠組みが整備されておりますが、大規模な返還であることを踏まえ、より一層の支援を図る必要があります。
そのため、県としては、現行の枠組みの継続はもちろんのこと、新たな制度の検討も含めてきめ細かな対応を政府へ求めていく考えであります。
 次に、嘉手納基地周辺等の電波障害等について一括してお答えします。
 電波障害解消のための事業については、防衛施設庁の補助により実施されているものであります。
 本県においては当該事業の実施例はありません。
 他県における事例としましては、北海道、青森県、宮城県、埼玉県、神奈川県及び石川県において、主に自衛隊基地の周辺市町村が主体となって共同受信施設が設置されております。
 本県における電波障害対策については、基本的には市町村において実態を把握した上で、地域住民等の要望について検討し対応することになると考えております。
 次に、太陽光発電装置の本格事業化についての御質問にお答えします。
 防衛施設庁は、住宅防音工事で設置した空調機器の電気料金の負担を軽減するための施策として、住宅防音事業の一環として太陽光発電システムの設置助成を実施することについての検討を行うため、モニタリング事業を平成15年度から実施しております。那覇防衛施設局によりますと、現段階では本格事業化の見通しは立っていないとのことであります。
 以上でございます。
○文化環境部長(伊佐嘉一郎) 第3回沖縄平和賞の取り組み状況についてお答えいたします。
 沖縄平和賞選考委員として、森田孟進琉球大学学長ほか6名に対して去る5月30日に委嘱状の交付を行い、引き続き第1回選考委員会を開催いたしました。委員長に財団法人日本科学技術振興財団会長の有馬朗人氏、副委員長には尚弘子氏が選任されました。
 第1回選考委員会では、推薦人から挙がってきた国内44名、国外15名、合計59名の候補者から15名の候補者に絞り込みました。第2回選考委員会は7月下旬に予定しており、その後、選考委員長から沖縄平和賞委員会会長に選考結果の報告を行い、会長から受賞者を発表することになります。授賞式は10月13日に万国津梁館で行う予定であります。
 また、平和賞への理解を深めるため、7月から9月にかけて「平和の折り鶴キャンペーン」を行うことにしております。
 次に、公共関与による産業廃棄物処分場整備の進捗状況についてお答えいたします。
 県では、平成17年6月に「公共関与事業推進会議」を設置し、処分場立地候補地の選定と事業主体の設立に向けて調査検討を進めているところです。
 処分場の立地候補地の選定に当たっては、基本ルールを定め、情報公開による透明性を確保しつつ、第1次から第3次スクリーニングまでの段階的な絞り込みを行うこととしており、去る6月8日の第6回推進会議では第2次スクリーニングの結果として38カ所の立地候補地を選定したところです。
 今後の第3次スクリーニングにおいては、現地調査を含めた詳細な土地情報の収集や地域の意向把握等に取り組んでいくこととしており、去る6月20日には立地候補地が所在する13市町村を対象に説明会を開催したところであります。
 また、事業主体については、公共と民間の適切な役割分担のもとで株式会社方式による官民協調の第三セクターを設立することとし、今後、立地候補地の選定に対応しながら検討を進めることとしております。
 県としましては、同推進会議における検討の進捗を踏まえつつ、県民の理解と協力を得ながら公共関与による産業廃棄物管理型最終処分場の整備に取り組んでまいります。
 次に、産業廃棄物税の活用及び市町村への還元についてお答えいたします。
 産業廃棄物税は、循環型社会の形成に向け環境負荷の低減と物質循環を基調とする産業廃棄物の排出抑制、再使用・再生利用及び適正処理の促進を図ることを目的とした法定外目的税であります。
 そのため、税収の活用については、事業者等による排出抑制・リサイクルに関する設備整備や技術開発への支援、公共関与による産業廃棄物管理型最終処分場の整備促進に向けた基金の積み立てなどがあります。
 また、排出事業者が産業廃棄物の処理を委託する際に、優良業者を選択できるための処理業者の優良化促進事業及び廃棄物の不法投棄の未然防止に向けた廃棄物監視指導員としての警察官OBの増員、市町村職員の併任による産業廃棄物処理施設への立ち入りの強化など、廃棄物不法投棄等対策事業にも税収を活用するなど、市町村と連携し、監視指導体制を強化していくこととしております。
 なお、市町村への直接的な財政支援については、今後の検討課題であると考えております。
 以上でございます。
○総務部長(上原 昭) 行財政改革についての、次年度歳入の予想額についての御質問にお答えいたします。
 三位一体の改革については、昨年11月の政府・与党合意において4兆7000億円程度の国庫補助負担金改革、3兆円規模の税源移譲が決定されたところであります。平成18年の1月からは地方交付税等の削減を含めた見直しの議論が始まり、7月上旬に取りまとめられる「骨太の方針」に向けて関係機関において検討が進められているところであります。
 三位一体の改革により平成19年度には所得税から個人県民税への税源移譲が行われることとなっておりますが、地方交付税を含めた次年度の歳入全体の予想額については、現時点において詳細が明らかでないことから、その算出は困難であります。
 次に、新型地方交付税に対する考え方と今後の対応についてお答えします。
 5月10日の経済財政諮問会議において、総務大臣から、人口、面積を基本に配分される新型交付税の導入について提案されたものと承知しております。しかし、地方交付税を単に人口と面積のみで配分した場合には、自治体間の財政力格差を一層拡大させるおそれがあり、極めて問題があると考えております。したがって、地方交付税の算定の簡素化に当たっては、地域の実態や影響を見きわめながら行うことが重要であると考えております。
 総務省によれば、人口規模や土地の利用形態等による行政コスト差を適切に反映し、十分な経過措置も講じるとともに、離島・過疎などに対して配慮するとされております。
 県としては、今後の動きを注視しつつ、本県の財政運営に支障が生じないよう、地方交付税の財源保障機能及び財源調整機能の堅持について地方六団体とともに関係機関に働きかけてまいります。
 以上でございます。
○企画部長(上原良幸) 沖縄振興計画の進捗状況と後期の課題についてお答えいたします。
 県においては、沖縄振興計画及び分野別計画に基づき、自立型経済の構築に向けた産業の振興などさまざまな施策を展開しております。
 これまでの成果として、沖縄型特定免税店の空港外展開や新たな観光メニューの創出などにより、観光客が昨年550万人に達し、過去最高を更新しました。
 また、積極的な企業誘致活動の展開とあわせて、通信コストの低減化や賃貸工場の整備などにより平成14年度以降、情報通信関連産業を中心に約80社の企業立地と約5900人の新たな雇用創出を実現しております。
 泡盛や健康食品も年間出荷額がそれぞれ200億円を超えるなど着実に伸びております。さらに、大学院大学についてもその開学に向けて大きく前進しております。
 振興計画後期においては、観光の質の向上、情報通信関連産業の高度化、食品・保養・医療等から成る健康産業クラスターの形成など、発展可能性の高い産業分野の振興と多様な人材育成に取り組み、全国に比較して高い水準にある失業率や財政依存度の改善に努めてまいりたいと考えております。
 また、今後予想される基地跡地対策については、沖縄振興のための貴重な空間として、県土構造の再編を視野に入れた計画的な都市づくり、交通体系の整備、良好な生活環境の確保等に向けた取り組みを進めてまいります。
 次に、北部振興事業費の執行状況についてお答えいたします。
 平成12年度から平成17年度までの北部振興事業費の実績は、公共事業118件、125億3000万円、非公共事業119件、329億2000万円となっており、執行率は、公共事業が35.6%、非公共事業が98.8%となっております。
 同じく北部振興事業の次年度の見通しについてお答えいたします。
 北部振興事業の次年度の見通しについては、5月30日の閣議において小池沖縄担当大臣から、北部地域などの振興策については、平成19年度概算要求など適切に対応するとの発言があったところであります。
 北部振興事業は、これまで県土の均衡ある発展という観点から実施されてきたものと認識しており、次年度以降の事業についても北部12市町村の要望を踏まえ、着実に実施されるよう国と調整していきたいと考えております。
 同じく公共事業の執行率及び不用額についての御質問にお答えいたします。
 公共事業の執行率の低さについては、平成16年度までは事業の翌年度への繰り越しが認められなかったことが大きな要因となっておりました。なお、平成17年度からは繰り越しが可能となっております。
 また、これまでの不用額の扱いについては、北部12市町村の今後の要望を踏まえて検討されていくものと考えております。
 国際機関等誘致に向けた取り組みの進捗状況についてお答えいたします。
 県では、平成13年度から国際機関等の誘致可能性の調査検討を行っており、国の政策的位置づけの必要性、地元負担、国際航空ネットワークの拡充等、受け入れに向けた環境整備や人材育成などの課題を整理してきたところであります。
 しかしながら、現時点では政府が国連機関を誘致する方針を持っていないこと、財政的な問題があることなど多くの課題があり、今後、国の動向等を注視しつつ誘致の可能性を検討してまいりたいと考えております。
 次に、経済成長率トップの要因についての御質問にお答えいたします。
 法政大学大学院と経営コンサルティング会社のアタックスの共同研究によると、本県の経済成長力が過去10年間において第1位であるとされました。本調査報告は経済社会指標を20項目選定し、これを都道府県別に順位づけたものであります。
 本県は、人口の増加と好調な観光に支えられて個人消費部門が拡大を続けており、若年人口増加率や小売商業販売額増加率などの、これに関連する指標が多く選定されたことが経済成長力第1位という評価に結びついたものと考えております。
 以上であります。
○観光商工部長(宜名真盛男) 各種振興策についての中で、国際会議の沖縄開催についての御質問にお答えをいたします。
 沖縄で開催される国際会議等の開催予定件数は、現時点の集計では平成18年度が29件、平成19年度が23件となっております。
 県では、「沖縄県国際会議等の誘致・支援に関する基本方針」を策定し、会議の誘致や受け入れ体制を構築し、国、国際観光振興機構等と連携を図りながら計画的に取り組んでいくこととしております。
 今後誘致する会議については、国等が関与する会議に加え、経済効果の大きい民間企業のインセンティブツアー、沖縄の特性・優位性を生かした学術会議、宣伝効果の大きい会議等を優先的・重点的に取り組んでまいります。
 なお、ことしから沖縄コンベンションセンター及び万国津梁館においては、指定管理者である沖縄観光コンベンションビューローが営業・企画担当職員を新たに配置し、コンベンションの誘致体制の強化が図られております。
 次に、経済振興についての中の、観光客誘致目標の取り組みと見通しについてお答えをいたします。
平成18年の入域観光客数の目標は、新空港の開港に伴う新規路線の開設や新規ホテルの開業による受け入れ体制の拡充が図られていることから、前年比2.7%増の565万人と設定しております。
 平成18年5月末の状況としましては、累計226万3100人、前年同期比3.7%増と順調に推移しております。
 今後とも、リゾートウエディングや修学旅行の誘致強化など、官民一体となって誘客プロモーションを展開し、目標達成に向けて取り組んでいきたいと考えております。
 次に、観光収入の実績についてお答えをいたします。
 平成17年の観光収入は、入域観光客数が550万100人と過去最高となったことなどから、前年比9.7%増の3983億6700万円となり、過去最高を記録しております。
 平成17年の観光客1人当たりの県内消費額は前年比2.7%増の7万2421円となっており、そのうち土産・買い物費が対前年比17.2%と増加しております。
 土産・買い物費の増加要因としましては、沖縄型特定免税店空港外店舗の開店などによりリゾートショッピングが進展したものと考えております。
 次に、中高校生の修学旅行の推移と見通しについてお答えをいたします。
 沖縄修学旅行は、琉球王朝の歴史と文化、亜熱帯の豊かな自然の中での体験学習、国内唯一の地上戦が行われた地での平和学習など、沖縄の特性を生かした体験学習が高い評価を受けております。平成17年実績の合計は2484校、人数で42万6536名となり、人数で前年比8.5%の増となっております。
 その一方で、少子化による生徒数の減、全国的な誘致競争の激化、公立学校における旅行費用上限額の引き下げなど、周囲の状況は楽観できるものではありません。
 県といたしましては、修学旅行の大半を占めている高等学校に加え、新たなマーケットである中学校を対象とした誘致説明会や現地視察研修会等の取り組みを強化するとともに、体験学習の拡充と受け入れ体制の整備を図るなど、沖縄修学旅行の魅力向上に努めてまいりたいと考えております。
 次に、国際映画祭の沖縄開催についてお答えをいたします。
 北谷町美浜において、本日より開催される「おきなわシネマ&ミュージックフェスタ2006」は、平成16年度に県で実施した沖縄国際映画祭調査事業を契機として、民間が主体となって沖縄での国際映画祭の実現に向けたプレイベントとして行われます。
 同イベントに対しては県が後援を行うとともに、沖縄フィルムオフィスにおいても、フィルムコミッションシンポジウムへの参加や経費の一部負担、海外からのゲストに対する沖縄の観光地・ロケ地の案内の支援等を行っております。
 今後とも、こうした民間の活動に対して可能な支援を行い、将来的には沖縄の風土にふさわしい国際映画祭の実現につなげていきたいと考えております。
 次に、IT企業への就職状況や定着率についてお答えをいたします。
県では、コールセンターに就職を希望する求職者を対象としたコールセンター人材育成事業や、高度な人材を早期かつ大量に育成するIT高度人材育成事業を実施しております。特に昨年度は新たな取り組みとして、コールセンターに就職を希望する者を対象にその具体的な業務内容を紹介し、就職につなげる合同説明会を開催するなど、就業機会の拡大に取り組んでおります。
 その結果として、平成18年5月1日現在、県外からの情報通信関連企業の立地数は105社、新規の雇用者数は1万306人となっております。
 定着率については、雇用開発推進機構が実施したコールセンター各社へのヒアリング調査によりますと、各社の状況にもよりますが、全体としては比較的良好となっております。
 次に、特別自由貿易地域の企業誘致についてお答えをいたします。
特別自由貿易地域への企業誘致については、賃貸工場の計画的な整備や使用料の軽減、用地賃貸方式の導入など、投資環境の改善に努めつつ企業訪問や企業誘致セミナーの開催など積極的に取り組んでおります。その結果、平成18年6月現在、分譲用地に4社、賃貸工場に13社の合計17社が立地しているほか、分譲用地1社、賃貸工場に1社が内定し、立地に向けて準備を進めております。
 また、現在10数社が賃貸工場や分譲用地に関心を示しており、立地に向け折衝しているところですが、そのうち賃貸工場については7月から8月にかけて2社を内定する見込みとなっております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(喜友名朝春) 認可外保育施設への給食費助成についてお答えします。
 県では、認可外保育施設に入所している児童の処遇向上を図るため新すこやか保育事業を実施し、児童の健康診断費、牛乳代、調理員の検便費に対する助成を行っております。
 当事業は平成12年度から実施しており、当初、健康診断費のみの助成から、平成14年度には牛乳代、調理員の検便費まで助成対象を広げ、その後も牛乳代の支給年齢を段階的に引き上げ、平成17年度には1歳以上6歳未満児まで拡充したところであります。
 認可外保育施設に対し給食費を新たに助成することは現状では厳しいものがあると考えておりますが、県としては引き続き新すこやか保育事業の拡充や各種研修の実施により、入所児童の処遇向上を図ってまいりたいと考えております。
 次に、「認定こども園」に関する条例制定についてお答えします。
 「認定こども園」に関する法律がことし6月9日に国会で可決・成立しました。これは就学前の子供に対する教育・保育及び地域における子育て支援を総合的に提供する機能を備えた施設を「認定こども園」として認定する制度であります。
 この法律は、平成18年10月1日に施行されますが、職員配置や施設・設備、教育や保育の内容といった具体的な認定基準は国が定める指針を参酌して都道府県の条例で定めることとなっております。
 県としましては、関係部局及び市町村と連携を図りながら、県条例で認定基準を定めるなど制度の適切、円滑な施行に向け準備を進めているところであります。
 次に、「認定こども園」が待機児童解消や子育て支援につながることについてお答えします。
 「認定こども園」においては、子育て相談や親子の集いの場の提供などの事業の実施が必須とされており、在宅の子育て家庭を含む地域の子育て支援の充実が図られるものと考えております。また、既存の幼稚園の空きスペースを活用して「認定こども園」を設置することなどにより待機児童の解消につながるものと考えております。
 次に、市町村との連携についてお答えします。
 「認定こども園」の認定は県が行うこととなっております。
 私立保育所が「認定こども園」の認定を受けた場合、保育料の設定などについて市町村が指導できることとなっており、条例制定に際しては市町村の意向を踏まえる必要があります。また、制度の実施においても市町村との連携・協力は不可欠なものと考えております。
 次に、「放課後子どもプラン」(仮称)についてお答えいたします。
 「放課後子どもプラン」(仮称)は、各市町村の教育委員会が主導して福祉部局との連携のもとに文部科学省の地域子ども教室推進事業と厚生労働省の放課後児童健全育成事業を一体的あるいは連携して実施することとされています。
 同プランは、教育部局との連携により総合的な放課後児童対策になるものと考えております。
 なお、具体的な連携方策、予算措置及び推進体制等については、平成19年度概算要求時までに両省間において検討することになっており、県としましては国の動向を見守っていきたいと考えております。
 次に、放課後児童クラブの運営状況についてお答えいたします。
 放課後児童クラブは、児童福祉法に基づき、保護者が労働等により昼間家庭にいない小学校に就学している児童に対し、授業の終了後に児童館等を利用して適切な遊びや生活の場を与えてその健全な育成を図るものであります。平成17年度は県内22市町村、157カ所で実施され、平成18年度は22市町村、171カ所で実施される予定になっております。
 また、運営については運営委員会や父母会等が主体となり、実施場所は保育所、民家やアパート、児童館などであり、指導に当たる職員は保育士や教諭の資格等を有する者となっております。
 次に、特定不妊治療費助成事業の実績及び今後の取り組みについてお答えします。一括してお答えします。
 県では平成17年6月から特定不妊治療費助成事業を開始しており、平成17年度の受給者は193人となっております。また、指定医療機関につきましては国の実施要綱に基づいて6カ所を指定しております。
 なお、助成期間につきましては、治療効果を高めるため平成18年度に従来の通算2年から5年へ延長いたしました。
 事業の広報につきましては、改正内容も含めて今後市町村及び関係機関にポスター、パンフレットを送付し周知を図ってまいります。
 次に、児童相談所の体制整備についてお答えします。
 児童相談所においては、年々増加する児童虐待等の相談に適切に対応するため、平成17年度の9名の増員に引き続き、平成18年度も児童福祉司を3名増員しております。これとあわせて、嘱託職員については平成18年度に児童虐待対応協力員を2名、心理判定嘱託員を1名、里親対応専門員を1名増員しており、児童福祉司の増と合わせると計7名の増員となっております。
 また、平成17年度からは休日、夜間を含め24時間対応の「子ども虐待ホットライン」を開設しており、今後とも児童相談体制の整備に努めてまいりたいと考えております。
 次に、一時保護所の整備についてお答えします。
 本県の一時保護所については、児童1人当たりの保護日数が全国平均の約2倍になっていることから、児童の保護から措置、あるいは家庭復帰までのケースワークをより円滑に行うことにより、一時保護日数の短縮を図ってまいりたいと考えております。現在、他県の調査結果を踏まえ、児童相談所において行動観察のための期間を現行より短縮するプログラムづくりに取り組んでおります。今後、当該プログラムの実施等によりケースワークの円滑化を図り、一時保護所の満床状態の緩和を図ってまいりたいと考えております。
 このほか、一時保護の運用に当たっては、必要に応じ児童養護施設や里親等への一時保護委託などの対応を行っております。
 児童相談所における一時保護につきましては、これらを効果的に行うことにより適切に対応してまいりたいと考えております。
 県と市町村の児童虐待防止ネットワークの構築についてお答えします。
 児童福祉法の改正に伴い、平成17年4月から市町村業務として児童家庭相談が位置づけられ、住民に身近な市町村において虐待の未然防止・早期発見に積極的に取り組むこととされております。
 また、児童相談所の役割は、専門的な知識及び技術を必要とするケースへの対応や市町村の後方支援に重点化されております。
 このようなことから、県では児童相談所の児童虐待防止支援チームが中心となり、市町村との連携を図っているところであり、平成18年6月1日現在、要保護児童対策地域協議会が8市町村に設置されております。また、「児童虐待防止市町村ネットワーク」が11市町村に設置されておりますが、これらの市町村についても当該協議会への移行を促進しております。
 当該協議会等には児童相談所の児童虐待防止支援チームが積極的にかかわり、実務者会議、ケース検討会議等で児童虐待ケースに対する助言等を行っております。
 今後とも、市町村に対し、要保護児童対策地域協議会の設置等を働きかけるとともに、必要な援助や助言を行い、児童虐待防止に努めてまいりたいと考えております。
 次に、医療制度改革の重要ポイントについてお答えします。
 我が国は世界最高の保健医療水準を達成しており、国民皆保険制度を確立するなど、安定した医療制度が図られております。しかしながら、急速な高齢化、経済の低迷、医療技術の進歩、国民の医療に対する意識の変化など、医療制度を取り巻く環境は大きく変化しており、将来にわたり医療制度を持続可能な制度へ再構築することが求められております。
 今回の医療制度改革は、この趣旨を踏まえ、医療法や健康保険法等を改正し、医療の安心・信頼の確保を図りつつ、急性期から回復期、慢性期を経て在宅医療へ切れ目のない医療が提供できる体制づくりを推進することとしております。
 また、療養病床等に係る診療報酬の見直し、健康づくりや疾病予防対策を進める等で医療費の適正化を図ることとしております。
 さらに、新たな高齢者医療制度の創設等も図ることとされており、これら総合的な対策を推進し、持続可能な医療制度の構築を図っていくこととしております。
 次に、患者負担の見直しにおける高齢者の負担増についてお答えします。
 高齢者に対する患者負担の見直しにおいては、平成18年10月から現役並み所得者の70歳以上の高齢者の一部負担金を現行の2割から3割へ引き上げ、また平成20年度から現役並み所得者以外の70歳から74歳までの高齢者については、現行の1割から2割へ引き上げることとなっております。
 一方、制度の見直しに当たっては、新たに現役並み所得者となる高齢者については、2年間、自己負担限度額を一般並みに据え置くことや低所得者の自己負担限度額を据え置くなどの措置がなされております。
 なお、75歳以上の1割負担については現行どおりとなっております。
 次に、療養病床に入院する高齢者の食費・居住費の負担の見直しの理由についてお答えします。
 今回の改正においては、患者負担における介護保険との負担の均衡を図るため、平成18年10月から、療養病床に入院する高齢者については、低所得者に配慮しつつ食費・居住費を介護保険と同様な水準で見直しを図っております。
 なお、難病や脊髄損傷の患者等の入院医療の必要性の高い患者については、現行どおり食材料費相当のみを負担することとしております。
 次に、医療費のむだや効率化の徹底についてお答えいたします。
 今回の医療制度改革は、国民皆保険制度を堅持しつつ、制度の持続可能性を維持するため、予防を重視し、医療の質の向上・効率化などによって医療費の適正化を実現し、医療費を国民が負担可能な範囲に抑制することを基本的な方針としております。
 今回の制度改革においては、中長期的には生活習慣病対策や長期入院の是正を図り、医療そのものを効率化し、計画的な医療費適正化に取り組むこととしております。
 また、短期的には、診療報酬改定等により慢性期の入院医療を見直し、在宅医療を重点評価するなどの改定が行われたところであります。
 次に、少子化対策の観点からの見直しについてお答えします。
 今回の医療制度改革の中では、出産育児一時金の支給基準額が平成18年10月から現行の30万円から35万円に引き上げられます。また、3歳未満乳幼児の療養費の負担は、平成14年10月に3割から2割に軽減されておりますが、平成20年4月からは対象年齢を義務教育就学前まで拡大することとしております。
 次に、後期高齢者医療制度の創設についてお答えします。
 急速な高齢化の進展に伴い老人医療費が増大する中で、現役世代への影響が大きくなっていること等から、現役世代と高齢者世代の負担の不公平が指摘されております。このため、新たな高齢者医療制度を創設し、高齢者世代と現役世代の負担の明確化を図り、公平でわかりやすい制度とするため、75歳以上の独立した後期高齢者医療制度を創設することとしております。 制度の内容としては、患者負担を除き、公費を5割、現役世代からの支援を4割、高齢者の保険料を1割として財源構成がされております。
 また、運営については、保険料徴収は市町村が行い、財政運営は都道府県単位で全市町村が加入する広域連合が行うこととしております。
 次に、診療報酬改定に係る小児科、産科など医療の質の確保と医師確保についてお答えします。
 小児科や産科等の特定の診療科においては、全国的に病院における勤務環境の問題等により、これら診療科医師の偏在が起こり、大きな課題となっております。
 本年4月に改定された診療報酬の見直しにおいては、小児医療や産科医療に係る質の確保や医師確保を推進することとしており、小児医療における手術や処置等の医療技術や24時間の小児救急診療体制における評価等の引き上げが行われ、産科医療については、ハイリスク分娩に対する加算を新たに設けるなど、医療の中で重点的に対応すべき領域について充実が図られてきております。
 次に、都道府県単位で行う保険者の再編・統合についてお答えします。
 市町村国保においては、小規模保険者が多数存在し、市町村間の保険税・保険料の平準化と保険財政の安定化を図るため、1件80万円を超える医療費を対象とした高額医療費共同事業を継続するとともに、新たに30万円以上の医療費についても、市町村が共同で医療費を賄う保険財政共同安定化事業を平成18年10月から実施する予定です。これにより都道府県単位で高額医療費の発生リスクの分散を行い、保険財政運営の広域化を進めることとしております。
 また、政府管掌健康保険においては、全国単位の公法人を設立し、都道府県単位で財政運営を行うとしております。
 さらに、組合管掌健康保険においては、企業・業種を超えた地域型健保組合の設立を認めるとしております。
 次に、療養病床の再編についてお答えします。
 療養病床については、医療の必要度の高い患者を受け入れるものに限定し、医療保険で対応するとともに、医療の必要性の低い患者については、病院ではなく在宅、居住系サービス、または老健施設などで対応することとしております。
 そのため、国は、現在38万床ある療養病床を平成24年度には医療保険適用の療養病床の15万床に集約し、残る23万床については老人保健施設、ケアハウス等居住系サービスに転換することとしております。
 県としては、平成23年度までに病床転換が円滑に実施できるよう、それまでの間、医師、看護職員の配置等が緩和される等の病床転換事業などの経過措置の適正な運用に取り組んでいきたいと考えております。
 次に、自殺者の実態と要因についてお答えします。
 本県における自殺者は、警察統計によりますと平成17年は359人となっており、男性287人、女性72人と男性が多く占めております。全国においても男性が2万3540人、女性9012人と男性が多い状況であります。
 年齢別では、県内が40歳代で最も多く26.2%、次に60歳以上が23.4%、50歳代が20%となっておりますが、全国では69歳以上が多く33.5%、次に50歳代23.3%、40歳代16%であります。
 自殺の原因は、全国の状況をまとめている警察庁と県警察本部の原因区分が異なるので単純に比較はできませんが、県内では病苦が31.2%と最も多く、次に経済問題が25%、精神障害が10.3%となっており、全国においては健康問題が46.1%と多く、次に経済・生活問題が23.8%、家庭問題9.3%となっております。
 次に、児童生徒に対する自殺予防活動についてお答えいたします。
 イギリスにおける取り組みについては把握しておりませんが、昨年12月に行われた国の自殺対策関係省庁連絡会議の中で、学校において児童生徒が命の大切さを実感できる教育を推進することとしております。
 また、スクールカウンセラーや子供と親の相談員の配置を行い相談体制の強化を図ること、児童生徒の自殺の特徴や傾向などを分析しながら、自殺予防の取り組みのあり方について調査研究を行うこと、子供の心の問題に対応できる医師等の養成を推進することなどの対策が示されたところであります。県ではこうした国の動向を踏まえ、対応していきたいと考えております。
 次に、「沖縄いのちの電話」との連携についてお答えします。
 県では、「沖縄いのちの電話」を県民に周知させるため、広報誌の配布について協力するとともに、毎年12月に実施しているフリーダイヤル電話相談の関係機関への文書周知やポスターの配布等、活動への支援を行っているところであります。
 以上でございます。
○教育長(仲宗根用英) それでは「放課後子どもプラン」(仮称)についてお答えします。
 「放課後子どもプラン」(仮称)は、文部科学省の地域の教育力を高める地域子ども教室推進事業と、厚生労働省の共働き家庭の子供たちの放課後対策である放課後児童健全育成事業を子供放課後対策として平成19年度から両省が連携して創設する事業であります。
 事業の具体化については、平成19年度概算要求時までに両省間において検討することとなっており、県教育委員会としては国の動向を見守っていきたいと考えております。
 次に、地域子ども教室についてお答えします。
 地域子ども教室は、文部科学省の委託を受け、県に運営協議会、市町村には実行委員会を設置し、学校や公民館等で地域の多くの大人の協力を得て、子供たちが安全で安心な体験活動等を行う事業であります。
 具体的には、保護者、地域の自治会、ボランティア等多くの大人が活動にかかわっており、地域の子は地域で育てるという機運も高まってきております。
 実施状況としましては、平成17年度は34の市町村等で321の教室が開かれ、それぞれの地域に応じた文化活動、スポ-ツ活動等さまざまな体験活動が行われ、延べ約84万人の大人と子供のかかわり合いが見られます。
 なお、平成18年度は31市町村と、県の教育施設で328教室が実施されることとなっております。
 次に、栄養教諭についてお答えします。
 平成17年度から学校教育法等が改正され、子供たちの望ましい食習慣の形成を図るため栄養教諭制度が創設されました。県教育委員会では、栄養教諭免許取得のため認定講習を平成17年度から実施し、これまでに114名の学校栄養職員が受講し、平成18年3月31日現在34名が免許状を取得しております。
 栄養教諭の配置については、平成19年度からの任用に向け現在配置検討委員会を設置し、職務内容や任用方法等について検討しているところであります。
 次に、特別支援教育の取り組みについてお答えします。
 文部科学省は、平成19年度を目途に障害の種類や程度に応じた特別な場における特殊教育から、一人一人の教育的ニーズに応じた特別支援教育への転換を図ることとしております。
 本県においては、特殊教育から特別支援教育へのスムーズな転換が図られるよう平成15年度から文部科学省の委嘱事業を実施するなど、その体制整備に努めてきたところであります。
 具体的な取り組みとしては、地域における特別支援教育推進事業、コーディネーター養成研修、巡回アドバイザーの配置等を実施し、小中学校への支援を行っております。また、平成18年3月には、「沖縄県における特別支援教育体制整備の基本方針」を策定し、円滑な移行が行われるよう努めていきたいと考えております。
 次に、特別支援学校の開設等についてお答えします。
 特殊教育諸学校は単一の障害に対応する学校ですが、特別支援学校は複数の障害種に対応できる学校となります。
 県教育委員会では、特別支援学校の体制整備に向けて現在児童生徒や保護者、地域のニーズ等を踏まえながら、開設スケジュールについて検討を重ねているところであります。
 また、特別支援学校への円滑な移行が図られるよう、施設の整備や養護学校の適正規模化等に努めてまいりたいと考えております。
 市町村への支援についてお答えします。
 公立小中学校への障害のある児童生徒の受け入れ等については、設置主体である市町村教育委員会が行うこととなっております。
 県教育委員会の支援策としては、通級指導教室の担当者を平成18年度において小学校16校に16名配置しております。また、各教育事務所に専門家チームや特別支援教育アドバイザーを配置し、児童生徒や保護者、教職員への相談活動等を行っております。
 次に、免許状の取得状況についてお答えします。
 平成17年度の特殊教育諸学校における特殊教育教諭免許状の保有率は56.8%で、前年度より9.6ポイント向上しております。
 県教育委員会では、今年度から「教育職員免許法認定講習」の拡充等を図るため、地元大学の協力を得て、従来3年を要した免許取得を1年に短縮して実施することとしております。平成19年度は保有率を80%にすることを目標に取り組んでまいりたいと思います。
 次に、就学援助を受ける児童生徒についてお答えします。
 要保護及び準要保護の就学援助事業は各市町村において実施されております。就学援助を受けている児童生徒の数は平成17年度実績で2万93人となっており、近年増加傾向にあります。
 県教育委員会としましては、全国都道府県教育委員長協議会及び全国都道府県教育長協議会を通じ、毎年、就学援助の充実について関係省庁へ要請しているところであります。
 今後とも、市町村において必要な就学援助を行えるよう十分な財源措置について国に働きかけていきたいと考えております。
 次に、職業教育についてお答えします。
 県教育委員会では、望ましい職業観・勤労観を育成するため、現在、発達段階に応じたキャリア教育を推進しております。
 小学校では、大人の働く姿を見て学ぶシャドー学習、中学校では職場体験、高等学校においてはインターンシップを実施しております。その成果として、児童生徒一人一人の職業意識の高揚が図られ、高校卒業者の就職内定率の向上につながっているものと考えております。
 なお、ことし3月末の県立高等学校卒業者の就職内定率は84.1%で、昨年度より6.3ポイント上昇し改善が見られます。
 今後とも、児童生徒の望ましい職業観・勤労観を育成するため、発達段階に応じたキャリア教育を強力に推進してまいります。
 次に、青少年の非行防止についてお答えします。
 児童生徒の非行等問題行動については、平成17年県警の資料によりますと、深夜徘回等の不良行為による補導件数の割合は全国平均に比べ約2倍と高く、憂慮される状況にあります。その背景には夜型社会の弊害、規範意識の低下、基本的な生活習慣の未確立等が挙げられます。
 対策として、家庭においては、教育の原点は家庭にあるとの観点から、規則正しい生活やしつけ等の基本的な生活習慣の確立を図っていく必要があると考えます。
 学校においては、指導体制の総点検を行い、全教師が生徒指導について共通理解と共同歩調により教育活動全体を通して取り組みを強化していく必要があります。
 地域においては、青年会や地域ボランティア等が青少年と一体となって地域行事等への取り組みを行うことが緊要であると考えます。
 県教育委員会としては、問題行動のある生徒を立ち直らせるための生徒のやる気支援事業や、警察と連携した安全学習支援隊事業、夜間街頭指導等を実施しております。
 今後とも、地域の子は地域で守り育てるという機運を高め、「ちゅらさん運動」など県民総ぐるみの運動を展開していく必要があると考えております。
 次に、インターナショナル中等教育学校の取り組み等について一括してお答えします。
 県立高等学校編成整備計画では、中部地区に沖縄インターナショナル中等教育学校(仮称)を設置し、英語による授業を取り入れるイマージョン教育を推進することとなっております。それに向けて現在県立総合教育センターにおいて、現職の教員を対象にイマージョン教育研修が進められております。
 なお、沖縄インターナショナル中等教育学校(仮称)の設置につきましては、財政面や設置場所等の諸課題があることから、現在、有識者の委員で構成される懇話会を開催して検討しているところであります。
 次に、小学校からの英語教育についてお答えします。
 現在、宜野湾市や浦添市において英語教育特区、那覇市における研究開発学校など、教科としての英語教育の研究が進められております。また、県内すべての小学校においても、「総合的な学習の時間」の中で英語活動に取り組んでおります。
 小学校の英語活動においては、関係市町村が県在住の外国人をネイティブスピーカーとして雇用しているのを初め、中頭地区においては米人ボランティアを学級担任のアシスタントとして活用し、生の英語や異文化に触れる活動を行っております。
 活動の成果としては、児童の9割以上が英語の時間が楽しい、英語が話せるようになりたいなど、英語に対する興味・関心が高まっているとの報告を受けております。
 今後とも英語教育の充実を図り、国際性豊かな人材の育成に努めてまいりたいと思います。
 次に、IT教育の取り組みについてお答えします。
 現在、各学校において児童生徒のわかる授業の実現及び確かな学力を身につけさせることをねらいとして、計画的にITを活用した授業の取り組みがなされております。
 具体的な活用事例としては、インターネットを活用した調べ学習、プレゼンテーションソフトを活用した発表会、遠隔地の学校同士のテレビ会議等があります。また、IT教育センターが提供する教育情報共有システムのデジタル教材等を活用し、効果的な学習に役立てております。
 次に、少人数学級編制についてお答えします。
 現在、本県では、小学校1・2年生について少人数学級編制を行っております。また、小学校3年生以上については、少人数指導のための指導方法工夫改善加配教員を配置し、指導の充実を図っているところであります。
 少人数学級編制を3年生以上に拡大することについては、国の動向等を踏まえ、本県の財政状況等も考慮し検討してまいりたいと考えております。
 次に、建設スケジュールについてお答えします。
 沖縄県立博物館・美術館の建設は、平成16年10月に着工し、6月現在で約76%進捗しており、予定どおりことしの12月に建物は完成する見込みであります。その後に展示物等の設置工事を行い、平成19年8月に終えることになっています。
 なお、開館は平成19年11月ごろを予定しております。
 館長・副館長についてお答えします。
 沖縄県立博物館・美術館の管理運営については、学識経験者や経営者等から構成される沖縄県立博物館・美術館のあり方を語る会の意見等を聞いて検討してきました。その結果、館長については、組織を効率的に運営できる経営能力にすぐれた人材を充てることが適当と考えています。また、博物館・美術館にはそれぞれの業務に通じた副館長を充てたいと考えています。
 次に、管理運営についてお答えします。
 沖縄県立博物館・美術館の管理運営については、貴重な博物館資料、美術品の収集、保管、展示、調査研究及び教育普及を行う学芸部門は専門性、継続性が重要であり、県が責任を持って当たることとします。
 施設管理や入館料徴収、広報・宣伝等を行う管理部門については、指定管理者制度を導入することを考えております。
 なお、指定管理者は博物館・美術館の施設を利用して独自企画の展示を行うことができるようにしたいと考えています。
 以上であります。
○土木建築部長(首里勇治) 地すべり地帯の復旧対策についてお答えいたします。
 中城村の土砂災害における今後の対策としては、地すべりした箇所を災害関連緊急地すべり対策事業により、また県道35号線、村道坂田線を公共土木施設災害復旧事業により復旧対策を図る考えであります。
 続きまして、中城湾港泡瀬地区埋立事業の進捗状況と市長選挙の結果による影響はあるかどうかについてお答えいたします。
 本事業は、平成12年12月に公有水面埋立免許及び承認を取得し、平成14年度に埋立面積約186ヘクタールのうち、第Ⅰ区域約95ヘクタールの埋立工事に着手しております。
 国においては、平成17年度末までに埋立護岸約600メートル、余水吐護岸約600メートル、仮設桟橋約130メートル、仮設橋梁約810メートルを整備するとともに、仮設航路の一部しゅんせつ及び当該しゅんせつ土砂による埋め立てに着手しております。県においても平成17年度に海上工事に着手し、人工海浜護岸36メートルを整備したところであります。
 海上工事については、毎年4月から7月までの4カ月間はトカゲハゼの繁殖期に当たることから、その生育保全に配慮し中断をしております。
 また、県としては、同事業の必要性、合理性、環境への配慮などについて沖縄市長と十分に意思疎通を図ってまいりたいと考えており、市長就任後の市長による現地視察にも国とともに県も同行し、事業の進捗状況等を説明したところであります。
 今後とも、広く県民全般に一層の情報公開を行いながら、環境保全に配慮しつつ事業を進めていく考えであります。
○金城  勉 最後に要望を申し上げて終わります。
 まず、米軍基地周辺の電波障害の件についてでございますけれども、先ほどの答弁では、市町村が実態を把握してその後の連携にしたいということのようでありますけれども、嘉手納基地周辺において――私も沖縄市ですからわかりますけれども――これはもう以前から指摘されたことであります。しかし、こういう国の支援策があるということを知らずに今日まで来ておりまして、最近になってそういう北海道や青森などの各飛行場周辺において、こういう施策が実施されているということがわかった以上、しっかり市町村と連携をとった上で対処策を考えていただきたいと思います。
 それから認可外の子供たちへの支援策についてですけれども、予算の面が一番大きなネックになっておりますけれども、沖縄振興調整費の枠をこじあけた実績もあります。そういう意味では今後もそういう財源というものを活用した形で施策を展開していただきたい。保育に欠ける子も欠けない子も同じような条件でそういう対応ができるようにぜひ頑張っていただきたいと思います。
○議長(仲里利信) 休憩いたします。
   午前11時50分休憩
   午後1時23分再開
○議長(仲里利信) 再開いたします。
 午前に引き続き代表質問を行います。
 瑞慶覧朝義君。
   〔瑞慶覧朝義君登壇〕
○瑞慶覧 朝義 社大・結連合を代表して質問を行います。
 まず1点目に、知事の政治姿勢について伺います。
 (1)、米軍再編の最終報告に関して。
 ア、5月11日の「在沖米軍再編に係る基本確認書」へ合意した真意を伺います。
 イ、最終報告に対して日米両政府の説明の経過について伺います。
 ウ、最終報告に対する県の賛否を伺います。
 エ、嘉手納基地以南の返還規模、返還時期について、関係自治体には何の情報も入ってこないので対策の立てようがないのが現状であります。県は状況の把握はできているかどうかについて伺います。
 オ、基地を返還される自治体は、跡地利用問題など課題も多いことから、情報が全く入らないことにある種の不安を抱いております。その不安を払拭するのは県の役目ではないか。早急に不安を解消するために関係自治体と連携をとらなければならないと考えますがどうか、見解を伺います。
 カ、海兵隊8000人をグアムへ移転させることになっておりますが、海兵隊は現在県内に何人いて、移転後は何人残ることになるか、またその確認はしっかりできる体制にあるかどうかについて伺います。
 キ、県民の総意として日米地位協定の抜本的な改定を求め続けてきましたが、今回の米軍再編において何ら触れられておりません。知事はそのことをどう解釈しておられるか、見解を伺います。
 (2)、米軍再編に関する政府閣議決定に関して。
 ア、閣議決定の経過について、事前に何らかの説明があったかどうかについて伺います。
 イ、閣議決定の評価について、県の意向は生かされているかどうかについて伺います。
 ウ、閣議決定を受けて県の対応はどうするかについて伺います。
 エ、閣議決定は県民の意向が反映されていないと思うが、撤回を求める意思があるかどうかについて伺います。
 (3)、米軍再編について、県のヘリポート案に関して。
 ア、稲嶺知事は5月4日、名護市のキャンプ・シュワブ内陸上部に暫定ヘリポート建設を求める考えを発信しましたが、その背景と真意を伺いたい。
 イ、知事は、沿岸案は絶対に容認できないとしながら、その陸上部にヘリポート建設を求めるのは全く矛盾するものである。また、ヘリポート案の提案は時期を失するもので、逆にどうあれ県が辺野古沿岸案を容認する受け入れのシグナルと日米両政府に受け取られたと考えるがどうか、知事の見解を伺います。
 ウ、稲嶺知事の暫定ヘリポート案は今現在も生きているか。県が納得しない内容の閣議決定が強行された今日、沿岸案の第1期工事につながるこの案は全くの県民だましであり、撤回すべきと考えるがどうか、知事の見解を伺います。
 (4)、米軍再編と振興策について。
 ア、基地の再編と振興策はリンクすると政府は言っておりますが、知事はどう思われるか、所見を伺います。
 イ、5月30日の新しい閣議決定で、平成11年12月28日の「普天間飛行場の移設に係る政府方針」は廃止するとされたが、その中で求められた10年間の北部振興策は今後どうなるのか、県の対応と所見を伺います。
 ウ、基地問題とリンクしない北部振興策を今後とも求めていくことが重要と考えるがどうか、県の所見を伺います。
 (5)、教育基本法の改正に関して。
 ア、戦後民主主義と日本の平和及び国際的な貢献の面で、現行の教育基本法は平和憲法とともに大きくその役割を果たしてきていると我が会派は考えているが、知事及び教育長の所見を伺いたい。
 イ、我が会派は、政府・自民党の提案した教育基本法の改正問題については、思想、良心の自由をかつての軍国主義国家の暴走、侵略戦争によるアジア諸国民への犯罪をすべての国民が認識し、反省してつくってきた平和憲法に抵触し違反する危険なものと考え反対の立場であるが、知事や教育長は今国会での小泉政権のこの提案と論議をどう認識しているか伺いたい。また、政府・自民党案についてそれぞれの御見解を伺いたい。
 ウ、教育基本法の改正の最大のねらいは、かつての愛国心教育の復活にあり、愛国心教育を法律で規制すべきではないと我が会派は考えているが、知事及び教育長はどう考えるか、所見を伺いたい。
 エ、愛国心について、現行法のもとでも評価の対象にしている県があると言われ、現場で混乱が起きているとされておりますが、県教育委員会はこのことをどう把握し、現行法のもとでのこの問題をどう考えておられるか、所見を伺いたい。
 オ、法改正による愛国心の評価を関心、意欲、態度の観点から推し進めていこうとする小泉政権の考え方、やり方に対する知事及び教育長の見解を伺いたい。
 2点目に、長雨土砂災害について。
 (1)、中城村北上原の災害について。
 ア、災害の状況と県の対策について伺います。
 イ、被災者の救済について、県はどう対応するかについて伺います。
 ウ、今後の復旧について、中城村との連携をどうとるかについて伺います。
 エ、被災者に対する健康診断の実施や心的外傷後ストレス障害への対応など、心身にわたるケアの実施はできているかどうかについて伺います。
 オ、被災者は速やかに仮設住宅の設置を望まれております。県としても早急にその体制を整えてもらいたいと考えますがどうか。
 カ、県は、6月15日の時点で災害救助法の適用をされました。諸施策の早急な実施が望まれますが、その対応はどうかについて伺います。
 キ、災害救助法で、被害を受けた農作物や重機類などは補償の対象になるかどうかについて伺いたい。
 (2)、首里鳥堀のマンション亀裂被害に関して。
 ア、災害の状況と対策について伺います。
 イ、被災者の救済について、県はどう対応するかについて伺います。
 ウ、今後の復旧と那覇市との連携をどうとるかについて伺います。
 エ、被災者に対する健康診断の実施や心的外傷後ストレス障害への対応など、心身にわたるケアの実施はできているかどうかについて伺いたい。
 オ、被災者に対する仮設住宅の速やかな設置が必要と考えるがどうかについて伺いたい。
 (3)、大雨等による危険地域の調査について。
 ア、これまでの施策について伺います。
 イ、今後の対策について伺います。
 ウ、市町村とのタイアップと調査を徹底して行うべきと考えるがどうかについて伺います。
 3点目に、嘉手納基地の爆音被害についてであります。
 ア、知事はこの間、嘉手納基地の運用改善を求め続けてきましたが、運用改善はできていると考えるかどうかについて伺いたい。
 イ、三連協は嘉手納基地のF-15部隊の早期撤去を決議したが、県のバックアップが重要であります。年間6000回以上もあると言われる深夜・早朝の離陸は耐えがたい殺人的な騒音被害である。知事は基地周辺住民の苦しみを理解し、解決するために一緒になって嘉手納基地からのF-15部隊の早期撤去を日米両政府に訴えていただきたいと考えますがどうか、知事の見解を伺います。
 ウ、嘉手納基地の騒音防止協定は守られていると思うかについて知事の見解を伺いたい。
 エ、嘉手納飛行場の基地使用協定の締結に向けて、政府に対して県はこれまでどのような対応をしてきたかについて伺いたい。
 オ、米軍の最新鋭地対空誘導弾パトリオットの嘉手納基地への年内配備については、米軍再編に名をかりた基地機能の強化を図ろうとするものである。パトリオットの配備によって住民が危険にさらされる基地機能の強化は到底容認できるものではない。
 また、パトリオットの嘉手納基地への6月中にも一部配備がなされると報道されておりますが、地元自治体としては絶対に受け入れることはできません。パトリオットの配備は米軍による軍事戦略上の問題で、沖縄県民の生命が危険にさらされることになる。北朝鮮のテポドン2号に対応するものとされておりますが、もしもテポドン2号に核弾頭も搭載して発射されたら、それを大気圏内で撃墜するわけだから、その結果、県民が放射能を浴びることになりかねない。このような恐ろしい兵器を嘉手納基地に配備することは、嘉手納基地が新たな攻撃目標にされるのは火を見るよりも明らかであります。パトリオットを嘉手納基地へ配備することは、周辺アジア諸国に戦争の準備を整えていると受け取られ、戦争を誘発しかねない。
 知事は、県民の生命と暮らしを守るために早急に日米両政府に対して明確にパトリオットの配備に反対の意思を表明すべきだと考えるがどうか、知事の見解を伺いたい。
 4点目に、公契約条例(公共工事における賃金等確保条例)の制定についての質問です。
 (1)、公共工事の現場で働くすべての労働者に対して、賃金の最低基準額が保証されなければならないと考えるがどうか。
 (2)、現在、公共工事の発注・受注に際しては、総価方式に基づいた契約が行われております。重層下請構造になっている現在の建設産業は、現場で働く労働者の賃金を確保するには至っていないのが現状である。そのためにも総価方式を改めるべきだと考えるがどうか。
 (3)、公契約条例は、今、東京、大阪を初め30都道府県252自治体で公契約条例の制定に向けた意見書の採択がなされております。建設労働者の標準的賃金が確保され、ダンピング受注防止で公共事業費が適正に使われ、建築物の品質の保証をするためにも公契約条例の制定が必要だと考えるがどうかについて伺いたい。
 5点目に、西海岸道路ついて。
 北谷ルートの進捗状況を伺いたい。
 6点目に、街路整備事業について。
 県道24号バイパスについての進捗状況を伺いたい。
 7点目に、周辺事態法改正の動きに関して。
 ア、周辺事態が発生した場合、地方の空港や港湾の提供を地方自治体に義務づけ、自治体の責務とする周辺事態法改正の動きを県はどう把握しているかについて伺いたい。
 イ、現行法の自治体首長への要請を責務に変えていこうとする法改悪の動きの背景を県はどう考えているかについて伺いたい。
 ウ、現行法でも自治体に協力を求められる可能性のある空港や港湾は県内に幾つあるか。また、この要請に対して県民の生命と暮らしを守り、戦争に県民を巻き込まない責務のある県はどう対処していくかについて見解を求めます。
 エ、国策によって再び沖縄県民が戦争に巻き込まれていくことにつながる周辺事態法の改悪をもくろむ政府の動きには明確に反対を表明すべきと考えるがどうか、知事の見解を伺いたい。
 8点目に、県職員の自殺・休職者の実態に関して。
 ア、県職員の自殺・休職者の実態と原因に対する認識を知事に伺いたい。
 ことしに入って既に県職員が3名も自殺しているということを認識の上、御答弁いただきたいと思います。
 イ、自殺・休職者の急増する異常事態の原因を早急に調査し、具体的な再発防止策を実行することが今求められております。そのことに対する知事の所見を伺いたい。
 ウ、国による自殺対策法が設立されたが、その認識を伺いたい。
 エ、行政改革推進に伴い、悪化した職場環境の回復を図ることが今求められておりますが、最高責任者としての知事の所見を伺いたい。
 よろしくお願いします。
○知事(稲嶺惠一) 瑞慶覧議員の御質問にお答えをいたします。
 最初は、基本確認書への合意の真意についてお答えをいたします。
 普天間飛行場の移設に係る従来案については、国、県、地元自治体が2年間に及ぶ協議を踏まえ、基本計画が決定された経緯があります。
 一方、今回の再編協議はSACOを超えて在日米軍全体のあり方を検討する観点から、県としては普天間飛行場を含む海兵隊の県外移転等を再編についての県の基本的考え方として示し、県民に理解を求めてきた経緯があります。
 平成17年10月29日の米軍再編の中間報告及び平成18年5月1日の最終報告が示され、普天間飛行場代替施設について新たな案が合意されました。しかしながら、普天間飛行場の移設に係る新たな合意案については県の基本的な考え方と異なり、これまでの経緯等を踏まえれば容認できないことを既に明らかにしております。
 そのため、県は、普天間飛行場の危険性の除去のための緊急的措置として、キャンプ・シュワブ陸上部分に暫定ヘリポートの建設を検討することを対応の一つとして政府に求めているところであります。
 今回の確認書では、防衛庁と沖縄県は5月1日に日米で承認された政府案を基本として、普天間飛行場の危険性の除去、周辺住民の生活の安全、自然環境の保全、同事業の実行可能性に留意して対応すること、今後、防衛庁と沖縄県、名護市等とは普天間飛行場の代替施設建設計画についても誠意を持って継続的に協議すること、政府は閣議決定を行う際には、平成11年12月28日の「普天間飛行場の移設に係る政府方針」(閣議決定)を踏まえ、沖縄県、名護市等と事前にその内容について協議することなどの事項について、県と政府の立場の違いをお互いが踏まえた上で継続して協議を行うことを確認したものであります。
 次に、米軍再編と日米地位協定の抜本的な見直しについての御質問にお答えいたします。
 県は渉外知事会とともに、二、三年以内等できるだけ短い期限を設けて日米地位協定の抜本的な見直しを行うことを求めているところであり、米軍再編の最終合意の中で何ら触れられなかったことは残念であります。
 県としては、米軍基地をめぐる諸問題の解決を図るためには日米地位協定を抜本的に見直す必要があると考えており、これまでも機会あるごとに日米両政府に対し、同協定の抜本的な見直しを強く求めてきたところであります。
 今般の米軍再編協議で、米軍と自衛隊の役割・任務・能力に係る合意が行われ、相互の協力関係が進んでいく中、締結後46年も見直しが行われていない日米地位協定についても見直す時期に来ていると考えております。
 平成18年5月11日の「在沖米軍再編に係る基本確認書」においても、防衛庁は県や渉外知事会が日米地位協定の見直しを要求していることを踏まえ対応を検討することを確認しております。
 県としては、引き続き渉外知事会と連携して、日米地位協定の抜本的見直しに早期に着手されるよう政府に対し粘り強く求めていく考えであります。
 次に、教育基本法の役割と改正問題についての御質問にお答えいたします。一括してお答えを申し上げます。
 教育基本法は、制定後50年余にわたり我が国の教育に重要な役割を果たし、教育の機会均等や量的拡大及び教育水準の向上並びに経済社会の発展に大きく寄与してきたものと考えております。しかしながら、同法の制定当時と社会状況や教育を取り巻く環境は大きく変化し、子供のモラルや学ぶ意欲の低下、家庭や地域の教育力の低下などが指摘されております。
 政府においては、これらの課題を解決するためにさきの国会に教育基本法改正案を提出し、継続審議となっているところであります。
 教育基本法の改正については、各方面からの多様な意見を集約するなど幅広い論議を期待しており、今後とも国民的な論議の推移を見守っていきたいと考えております。
 次に、教育基本法改正のねらいについての御質問にお答えをいたします。
 今回の教育基本法の改正は、現在及び将来の我が国の教育をめぐる諸情勢の変化にかんがみ、改めて教育の基本を確立し、その振興を図るため現行法の普遍的な理念は大切にしながら、将来に向かって新しい時代の教育の基本理念を明確にすることが趣旨であると認識をしております。
 次に、愛国心の評価についての御質問にお答えいたします。
 国を愛する心についてはさまざまな受けとめ方がありますが、みずからの国や伝統・文化について理解し、日本人であることの自覚を持ち、他の国や異文化に対して敬意を払い、国際社会の一員としての意識を培うことは重要であると考えております。
 次に、中城村の被災者に対する救済及び応急仮設住宅の設置を含む諸施策の実施について一括して御答弁を申し上げます。
 県は、災害救助法の適用を決定した中城村について、これまで避難所の設置や炊き出しその他の食品の給与など、応急的な救助事務の一部を直ちに村に委任し、被災者の保護を行ってきたところであります。
 中城村においては、避難指示を受けたのは9世帯でありますが、現在、避難所にいる1世帯を除く8世帯は実家や親戚宅等に移っております。
 応急仮設住宅については、9世帯中3世帯は御自分で対応されるとのことであり、その他の6世帯について、4世帯は応急仮設住宅へ、2世帯については民間賃貸住宅の借り上げにより県が供与することとしております。応急仮設住宅は中城小学校北上原分校敷地内へ設置することとしており、7月4日を目途に着工する予定です。手続を進めている民間賃貸住宅の借り上げも含めて早期に供与いたします。
 次に、那覇市首里のマンションの被災者に対する救済と仮設住宅の設置についての御質問にお答えをいたします。一括してお答えを申し上げます。
 県は、災害救助法の適用を決定した那覇市について、これまで避難所の設置や食品の給与など応急的な救助事務の一部を直ちに市に委任し、被災者の保護を行ってきたところであります。
 那覇市における避難の状況は、避難指示を受けたのは12世帯でありますが、現在、市営住宅への入居決定が5世帯、民間賃貸住宅への入居が6世帯、実家に1世帯となっております。
 なお、那覇市については、被災マンションの全壊被害認定を受け、被災者生活再建支援法に基づく支援制度を適用し、該当する被災世帯については被災者生活再建支援法人から支援金の支給が行われることになっております。現在、同制度の活用とあわせて応急仮設住宅の供与についても要望や実情等をお聞きしているところであります。被災者の皆様が災害前の平穏な環境を一日でも早く取り戻せるよう市及び村と連携し、支援に取り組んでいるところであります。
 その他の御質問につきましては、関係部長等より答弁させます。
○知事公室長(花城順孝) 最終報告に関する政府説明の経過についての御質問にお答えします。
 県は、昨年10月31日に北原防衛施設庁長官、11月8日に額賀防衛庁長官から中間報告についての説明があった後、ことし2月3日に戸田防衛施設庁次長等から日米協議の進捗状況、普天間飛行場の代替施設の飛行コース、騒音コンターの範囲等の説明を受けております。
 今年の3月4日と21日には北原防衛施設庁長官から、海兵隊の削減、嘉手納飛行場以南の基地の返還、嘉手納飛行場における一部訓練の移転、嘉手納飛行場とキャンプ・ハンセンの自衛隊との共同使用について日米間で協議中であるとの説明がありました。4月26日には佐藤那覇防衛施設局長からキャンプ・ハンセンの自衛隊との共同使用についての説明がありました。5月1日には佐藤那覇防衛施設局長から最終合意についての事前の説明があり、翌2日には同局長から最終合意がなされたとの報告がありました。5月4日には北原防衛施設庁長官から最終合意の内容についての説明を受けたところであります。
 最終報告に対する県の賛否についての御質問にお答えします。
 県は、米軍再編に対する基本的な考え方として、在沖米海兵隊の県外移転や嘉手納飛行場の運用改善等を求めてきたところであります。
 米軍再編の合意内容全体については、県民の基地負担の軽減の面で兵力や訓練の移転、施設の返還・整理・統合が盛り込まれるなど、米軍基地の整理縮小に向けた方策が示された内容となっております。
 したがって、県は、今回の米軍再編協議の最終合意の方向性については、全体として見れば、県民の目に見える形での基地負担の軽減につながるものと考えております。しかしながら、普天間飛行場移設に係る新たな合意案については、海兵隊の県外移転という県の基本的な考え方とも異なることや、これまでの経緯を踏まえれば沖縄県として容認することはできません。
 また、キャンプ・ハンセンや嘉手納飛行場等の自衛隊との共同使用については、負担軽減になるかどうか十分に見きわめる必要があると考えております。
 次に、嘉手納飛行場より南の施設・区域の返還についての情報と関係自治体との連携についての御質問に一括してお答えします。
 日米両政府は、最終報告において2007年3月までに沖縄に残る施設・区域の統合のための詳細な計画を作成するとしております。
 5月4日の北原防衛施設庁長官の説明によりますと、統合に関する計画作成について、どういう協議の形になるか現時点では明らかではないが、適宜・適切に県に説明していきたいと考えているとのことでありました。県は、嘉手納飛行場より南の施設・区域の返還について、現時点でその規模や時期等について国からの具体的な説明を受けてはおりません。
 県としては、今後、引き続き情報の収集を図りながら関係市町村に提供するとともに、連携をしながら適切に対応していきたいと考えております。
 次に、現在の在沖米海兵隊員数とグアム移転後の人数についての御質問にお答えします。
 米軍によりますと、平成17年9月末現在の在沖海兵隊員数は1万2520人とのことであります。
 去る5月4日、防衛施設庁長官から、在沖海兵隊の人数は1万8000人を前提にしており、グアムへの移転に伴い、沖縄に残る部隊はおおむね1万人程度の規模ということが考えられるとの説明が県にありました。
 次に、閣議決定についての事前説明と評価について一括してお答えします。
 閣議決定に関して5月11日に額賀防衛庁長官と交わした「在沖米軍再編に係る基本確認書」では、「政府は、在日米軍再編の日米合意を実施するための閣議決定を行う際には、平成11年12月28日の「普天間飛行場の移設に係る政府方針」(閣議決定)を踏まえ、沖縄県、名護市及び関係地方公共団体と事前にその内容について、協議することに合意する。」こととなっております。
 しかしながら、閣議決定について、県は防衛庁の考え方についての説明を受けた際に県としての考え方を示しましたが、県と防衛庁の間で交わした基本確認書にあるような事前協議であるとは考えておりません。
 米軍再編最終報告の閣議決定については、このように政府と沖縄県及び関係地方公共団体とで事前の協議が確約されているにもかかわらず、それが十分になされないまま平成11年の閣議決定が廃止されたものであります。
 次に、閣議決定に対する県の対応についての御質問にお答えします。
 日米間で合意された沿岸案については、普天間飛行場を含む在沖米海兵隊の県外移転という県の基本的な考え方と異なることや、これまでの経緯を踏まえれば県は容認できるものではありません。
 このため、県としては、政府案のみを前提とした協議には参加しない考えであります。
 また、県外へ移設する間の危険性の除去のための緊急的措置として、暫定ヘリポートの建設を対応の一つとして政府に対して求めていく考えであります。
 今回の閣議決定により平成11年の閣議決定が廃止されたことから、移設先及び周辺地域振興協議会、北部振興協議会等の協議機関の設置根拠がなくなり、北部振興に関する枠組みを失うことになり、平成19年度以降の北部振興事業に対する影響が考えられます。
 県は、北部振興策の継続は必要と考えており、政府案の建設とは別問題として平成11年の閣議決定により設置されてきた北部振興策などに関する協議機関の復活を政府に対して求める考えであります。
 さらに、「米軍再編に関する沖縄県の考え方」を踏まえ、普天間飛行場移設問題の早期解決に向けて全力を尽くす考えであります。
 次に、閣議決定の撤回についての御質問にお答えします。
 閣議決定については政府の行政行為でありますが、その内容については、県や地元関係市町村と事前に十分な協議はなされていないまま閣議決定がなされたものであり、遺憾なことであります。
 先ほども申し上げましたが、閣議決定に対する県の対応としては、日米間で合意された沿岸案については容認できず、政府案を前提とした協議には参加しないこと、また暫定ヘリポートの建設を求めていくこと、さらに北部振興策などに関する協議機関の復活などを政府に対して求めていく考えであります。
 次に、暫定ヘリポート案を提案した背景についての御質問にお答えします。
 普天間飛行場移設問題の原点は、市街地の中心部にあることによる同飛行場の危険性の除去であり、移設問題とは別にその危険性を除去するための緊急的措置が講じられることが今日的な課題であります。
 県としては、普天間飛行場の機能のうち、空中給油機能、緊急時の航空機の受け入れ機能は本土へ移設されることになっているため、普天間飛行場からヘリコプターを移設できれば小型固定翼機が残ることになり、危険性が大幅に除去されるものと考えております。
 そのため、県は、今回の日米間の合意を踏まえ、普天間飛行場の危険性を除去するための緊急的措置として、キャンプ・シュワブ基地内に暫定ヘリポート建設を検討することを対応の一つとして政府に求めたものであります。これはあくまでも県外移設が実現するまでの間の緊急的措置の実施であります。そのためには、国際情勢の変化に合わせて、在日米軍とりわけ在沖米海兵隊のあり方を常に検証し、日本全体での抑止力の維持を図っていく中で、普天間飛行場のヘリ部隊の県内外への分散移転を検討していくことが必要であり、当面、県内に移転する機能は新たな基地建設にならないよう既存の基地内の建設であることをその対応の範囲内とするものであります。
 次に、暫定ヘリポート案の提案時期についての御質問にお答えします。
 今回の日米合意により、キャンプ・シュワブ基地内兵舎地区も代替施設の一部に含まれることになり、その陸上部分を使って普天間飛行場の機能の一部を移転することが可能となったことから、県としては暫定ヘリポートの建設を政府に求めているものであります。
 同じく暫定ヘリポート案についての御質問にお答えします。
 県が求める暫定ヘリポート建設は、普天間飛行場代替施設としての新たな移設案を県として追認するものではなく、あくまでも県外移設が実現するまでの間の緊急的措置の実施であります。そのためには、国際情勢の変化に合わせて、在日米軍とりわけ在沖米海兵隊のあり方を常に検証し、日本全体で抑止力の維持を図っていく中で、普天間飛行場のヘリ部隊の県内外への分散移転を検討していくことが必要であり、当面、県内に移転する機能は新たな基地建設にならないよう既存の基地内での建設であることをその対応の範囲内とするものであります。したがって、県の求めるキャンプ・シュワブ基地内へのヘリポート建設は、あくまで緊急的・暫定的に使用されるものであり、滑走路の建設を伴わないものであります。
 次に、基地と振興策についての御質問にお答えします。
 移設先及び周辺地域の振興策と基地問題はリンクしているとの認識ではありますが、それ以外の振興策と基地問題は別であると考えております。
 北部振興策を含む沖縄の振興策については、沖縄振興計画に位置づけられて進められているものであると認識をしております。
 次に、北部振興策の今後についての御質問にお答えします。
 今回の閣議決定により、平成11年の閣議決定が廃止されたことから、移設先及び周辺地域振興協議会、北部振興協議会等の協議機関の設置根拠がなくなり、北部振興に関する枠組みを失うことになり、平成19年度以降の北部振興事業に対する影響が考えられます。
 しかしながら、北部振興策については普天間飛行場代替施設という基地の受け入れを契機としているものの、平成11年12月17日の第14回沖縄政策協議会の了解を踏まえ、内閣府が沖縄の振興の枠組みという観点から事業を実施しているものであり、代替施設の進捗など基地とリンクさせる性格のものではありません。
 県としては、北部振興策の継続は必要と考えており、政府案の建設とは別問題として、平成11年の閣議決定により設置されてきた北部振興策などに関する協議機関の復活を政府に対して求める考えであります。
 同じく基地問題とリンクしない北部振興策についての御質問にお答えします。
 北部振興策に係る平成11年閣議決定の「沖縄県北部地域の振興に関する方針」については、平成11年12月17日の第14回沖縄政策協議会において、北部振興事業が確実に実現されることを担保するため、法制、予算、制度の各観点から枠組みを確保することなどを政府が確約していたものであります。
 このように、政府としてその実施を確約した北部振興の枠組みを一方的に廃止するような閣議決定がなされたことについてはまことに遺憾であり、北部振興事業に影響があってはならないと考えております。
 県は、代替施設の建設とは別問題として、新たな振興策や北部振興策の継続のための協議は必要であるとの考えであり、平成11年の閣議決定により設置されてきた北部振興策などに関する協議機関の復活を政府に対して求める考えであります。
 次に、中城村における災害の状況についての御質問にお答えします。
 平成18年6月10日から19日にかけての長雨及び大雨による中城村内での被害状況は、人的被害はありませんが、避難指示に基づく住民避難は最大時に北上原地区で9世帯26名、安里地区で40世帯148名、避難勧告に基づく住民避難は最大時に北上原地区で8世帯18名、安里地区で25世帯90名となっております。その後一部が解除され、6月26日現在、北上原地区においては9世帯26名への避難指示、2世帯5名への避難勧告が継続して発令されており、安里地区においては、避難指示、勧告はすべて解除されております。
 そのほか、中城村内における道路損壊は3件となっており、このうち2件については北上原地区及び安里地区の地すべりに伴うものであります。
 次に、首里鳥堀町における災害状況についての御質問にお答えします。
 平成18年6月10日から19日にかけての長雨及び大雨による那覇市首里鳥堀町のマンション等に関する被害状況は、人的な被害はありませんが、6月26日現在、避難指示に基づく住民避難は、マンションの住人12世帯31名で、現在もこれは継続をしております。
 また、避難勧告に基づく住民避難は、最大時には同マンション周辺住民の13世帯40名でありましたが、6月24日をもってすべて解除されております。
 なお、那覇市は6月21日に同マンションを全壊と認定をしております。
 次に、嘉手納飛行場の運用改善についての御質問にお答えします。
 嘉手納飛行場周辺における騒音問題は大きな課題であります。
 嘉手納飛行場の運用改善については、米軍再編の日米合意において、これまで嘉手納基地で実施されてきた訓練の一部が本土の6基地に移転されることが合意され、早ければ平成18年度から実施するとされております。これら一部訓練の移転は、嘉手納飛行場の運用改善を求める県の方針に合致するものであります。
 次に、F-15戦闘機の早期撤去についての御質問にお答えします。
 三連協がF-15部隊の撤去を求めていることについては、F-15戦闘機による騒音被害や相次ぐ事故等の日常的にこうむっている被害の改善要求がなかなか実現しないことへの周辺住民の不満のあらわれであると考えております。
 県は、米軍再編協議に当たり、嘉手納飛行場の運用改善を要請してきたところでありますが、最終報告において嘉手納飛行場における一部訓練の移転が示されており、そのことは県の意向と合致しております。
 県としては、引き続き県民の目に見える形で基地負担が軽減されるよう粘り強く働きかけていく考えであります。
 次に、同じく嘉手納基地の騒音防止協定についての御質問にお答えします。
 米軍は、航空機騒音規制措置を遵守しているとしておりますが、県は、嘉手納飛行場の周辺地域においては依然として環境基準を超える騒音が発生し、また早朝・夜間における航空機の離着陸は周辺住民へ影響を与えており、騒音防止効果が明確にあらわれていない状況にあると考えております。
 県としては、引き続きあらゆる機会を通じ、日米両政府に対し、騒音の軽減を粘り強く働きかけていきたいと考えております。
 次に、嘉手納飛行場の基地使用協定締結に係る県の対応についての御質問にお答えします。
 騒音等嘉手納飛行場から派生する諸問題の解決を図るためには、同飛行場の周辺地域の住民や自治体の理解と協力を得ることが不可欠であり、政府は地元の要望等を受けて日米間で協議し、その実現に努めるべきであります。
 県としては、三連協の対応も見守りながら、日米両政府が使用協定締結に努めるよう地元市町村と連携をしていきたいと考えております。
 県は従来より、地位協定の抜本的見直しを求める中で、「個々の施設及び区域に関する協定の内容について、関係地方公共団体から、住民生活の安全確保及び福祉の向上を図るため要請があった場合は、これを検討する旨を明記すること。」、また、その「検討に際しては、関係地方公共団体の意見を聴取し、その意向を尊重する旨を明記すること。」等を求めてきたところであります。
 次に、パトリオットの配備についての御質問にお答えします。
 外務省によりますと、米軍のパトリオットPAC3の具体的な展開のあり方については、配備場所を含め日米間で検討を行っているところであり、現時点では固まっていないとのことであります。
 パトリオットの配備については日本の防衛にかかわることであり、政府はそのあり方について国民に説明をした上で協議を進めるべきであると考えております。
 県としては、地域住民の生活に及ぼす影響などを総合的に判断し対応していきたいと考えております。
 次に、周辺事態法改正の動き、背景及び県の対応について一括してお答えします。
 周辺事態法改正の検討報道につきましては、防衛庁に事実関係を確認したところ、そのような検討はされていないとのことであります。
 県としては、周辺事態に際して県民の生活と安全を確保する観点から適切に対応していく考えであります。
 いずれにしても、政府においては周辺諸国との友好関係を築くとともん、不断の外交努力を行うことが重要であると考えております。
 次に、周辺事態法で協力を求められる施設と県の対処についての御質問にお答えします。
 周辺事態安全確保法第9条は、関係行政機関の長は、地方公共団体の長に対し、その有する権限の行使について必要な協力を求めることができる旨規定をしており、地方公共団体の管理する空港や港湾の利用が想定されます。
 沖縄県において県管理空港は12施設、県管理港湾は42施設、その他那覇港管理組合管理の那覇港、宮古島市管理の平良港、石垣市管理の石垣港があります。
 県としては、周辺事態安全確保法により国から協力を求められた場合、本県の経済活動及び県民の生命財産への影響等総合的に勘案し、適切に対応する考えであります。
 県は、渉外知事会や軍転協を通して政府に対し、同法に基づく協力要請の際には適時・的確に情報提供するとともに、地方公共団体の意向を十分尊重することを求めております。
 以上でございます。
○教育長(仲宗根用英) それでは教育基本法の役割についてお答えします。
 教育基本法は、我が国の教育及び教育制度全体の基本理念と基本原理を定めることを目的として昭和22年に制定されたもので、すべての教育法令の根本法であると認識しております。
 戦後、同法のもとで教育の機会均等や量的拡大及び教育水準の向上に大きく寄与してきたものと考えております。
 次に、教育基本法改正問題についてお答えします。
 教育基本法については、同法の制定当時と社会状況は大きく変化し、いじめ、不登校、中途退学などのさまざまな問題が教育現場で指摘されております。現在、国会において同法の改正案が継続審議中であり、今後、国会の審議の推移を見守っていきたいと考えております。
 なお、公党の政策について述べることは差し控えたいと思います。
 教育基本法改正のねらいについてお答えします。
 今日、都市化や少子・高齢化、子供のモラルの低下、家庭や地域の教育力の低下など、教育を取り巻く環境が大きく変化してきております。
 今回の教育基本法の改正は、このような社会の変化に応じて改めて教育の基本を確立し、その振興を図るため現行法の普遍的な理念は大切にしながら、将来に向かって新しい時代の教育の基本理念を明確にすることが趣旨であると理解しております。
 愛国心と評価について一括してお答えします。
 評価については、各学校の校長の裁量にゆだねられていますが、本県においては、「国を愛する心」に対する評価をしているとの報告は受けておりません。
 学習指導要領では、道徳の指導内容として「郷土や我が国の文化と伝統を大切にし、先人の努力を知り、郷土や国を愛する心をもつ。」と定めており、国語、社会においても「国を愛する心」に関する表記がされております。
 評価に当たっては、個々の生徒の内心に立ち入って評価するものではないと考えております。
 以上であります。
○土木建築部長(首里勇治) それでは県の対策と中城村との連携についての御質問に一括してお答えいたします。
 中城村の土砂災害における今後の対策としては、地すべりした箇所を災害関連緊急地すべり対策事業により、また県道35号線、村道坂田線を公共土木施設災害復旧事業により復旧対策を図る考えであります。
 村道の復旧については、災害関連緊急地すべり対策事業と公共土木施設災害復旧事業は密接に関連することから、中城村と十分調整を図りながら進めてまいります。
 次に、マンション災害の対策及び今後の復旧と那覇市との連携についての御質問に一括してお答えいたします。
 被災建築物への対応は、建築行政の所管特定行政庁である那覇市において行っております。県においても現場調査をするとともに、那覇市と連携し、現場の安全確保について対応しているところであり、今後とも引き続き状況把握に努め、適切な指導助言を行っていく考えであります。
 次に、これまでの施策と今後の対策についての御質問に一括してお答えいたします。
 県内における土砂災害危険箇所は、平成9年度と平成12年度に県において調査を行い、地形的・地質的な観点から把握し、地すべり危険箇所、急傾斜地崩壊危険箇所、土石流危険箇所に分けております。そのうち、地すべり危険箇所は88カ所、急傾斜地崩壊危険箇所は708カ所、土石流危険箇所は236カ所あります。
 土砂災害を防止するためには、対策工事のほか関係住民が土砂災害危険箇所を熟知し、地震や集中豪雨の際には状況に応じて避難することが肝要であることから、現地に土砂災害危険箇所を知らせるための標識の設置及び土砂災害ハザードマップを33市町村に配布するとともに、県のホームページにおいても危険箇所を閲覧できる等の施策を行っております。
 県は、これまで土砂災害を防止するための事業として地すべり対策事業、急傾斜地崩壊対策事業、砂防事業等を実施しており、今後とも土砂災害の危険度を考慮した上で優先度の高い箇所から地域住民、市町村の協力のもとにそれぞれの事業を行っていく考えであります。
 次に、市町村とのタイアップについてお答えいたします。
 県は、市町村に対して公共土木施設災害復旧事業や災害関連緊急地すべり対策事業等の砂防事業説明会を定期的に行っております。
 一方、県が土砂災害対策事業を行う場合、市町村からの要望に基づき実施してきておりますが、その区域指定に当たっては地すべり防止法等により関係地権者の同意が必要であることから、同意の取りつけは関係市町村の協力のもとに行っているところであります。
 また、関係住民に土砂災害危険箇所を周知させるための標識設置場所の確保や土砂災害ハザードマップによる土砂災害危険箇所の周知等、市町村の協力のもとに行っております。
 今後とも市町村と連携し、土砂災害防止のためのハード及びソフト対策を進めてまいります。
 次に、公共工事における賃金の最低基準額の保証についてお答えいたします。
 県の公共工事の設計における労務単価は、国が毎年実施している公共事業労務費調査に基づいて設定しております。
 この労務単価は、農林水産省、国土交通省所管の直轄・補助事業等のうち1件当たり1000万円以上の工事を無作為に抽出し、労働基準法により使用者に調整・保存が義務づけられている賃金台帳から支払い実態を調査する方法により、所定内労働8時間当たりの労務単価を決定しており、市場の実勢を反映しているものと考えております。
 次に、総価方式を改めることについての御質問にお答えいたします。
 県の公共工事の積算は、工事代金の総価格を契約代金とする国土交通省の公共工事積算基準に基づいて行っており、この中で、労務費については公共事業労務費調査に基づく労務単価によって積算しております。
 また、下請代金の支払いについては、「下請契約における代金支払の適正化等について」国の通知や毎年実施している「下請代金支払状況等実態調査」等に基づいて建設業者等に対する周知や指導を行っております。
 下請における建設労働者の賃金確保については、今後ともこれらの通知等を踏まえて対応していきたいと考えております。
 次に、公契約条例の制定についての御質問にお答えいたします。
 県の公共工事については、「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律」及び建設業法等の関係法令並びに労働者保護のための法制度等に基づき、建設労働者の賃金や労働条件が確保されるよう努めてきております。
 公契約条例の制定については、国においては現行の法制度の枠内で十分であるとの考えから、ILOの「公契約における労働条項に関する条約」について批准していないことを踏まえますと、労働者の保護は、現在整備されている労働基準法等関係法令の運用等により対応可能であると考えております。
 県としては、建設労働者の賃金確保は重要な問題であると認識しており、今後とも現行法制度の運用等により建設労働者の賃金や労働条件が適正に確保されるよう建設業者に対し引き続き法令遵守等の徹底を図っていく考えであります。
 次に、北谷ルートの進捗についてお答えいたします。
 沖縄西海岸道路のうち、宜野湾バイパスの伊佐交差点から沖縄北谷線交差点までの約5キロメートルの区間が北谷ルートとして位置づけられております。
 当該ルートにつきましては、国道58号が将来的にボトルネックになることが懸念されることから、国は現道部を基地側に20メートル拡幅し、幅員50メートルの道路とする基本方針で取り組むとのことであります。
 なお、北谷町においては、現在、桑江伊平地区土地区画整理事業を進めており、当該事業との整合を図る必要があることから、国は各関係機関と調整を図り、都市計画決定に向けて調査を進めていく予定であると聞いております。
 次に、県道24号バイパスの進捗についての御質問にお答えいたします。
 県道24号線バイパスは、国道58号の北谷町役場入り口交差点から沖縄市山里の沖縄環状線へ至る延長約3.1キロメートル、幅員32メートルの幹線道路であります。国道58号の北谷町役場入り口交差点から北谷町役場前までの550メートルは土地区画整理事業で取り組んでおり、北谷町役場前から沖縄市との境界付近までの1450メートルは、街路事業により平成15年度から総事業費127億円で事業を行っております。
 街路事業の事業費ベースでの進捗率は、平成17年度末で約2%となっております。また、土地区画整理事業については、現在、埋蔵文化財発掘調査及び換地計画作成等を実施しており、平成17年度末の進捗率は約9%となっております。
 以上であります。
○福祉保健部長(喜友名朝春) 中城村北上原及び那覇市首里鳥堀の被災者に対する健康診断の実施や心的外傷後ストレス障害の対応について一括してお答えします。
 被災者の健康面等への対応については、中城村及び那覇市が中心となって住民の心的外傷後ストレス障害等も想定した健康相談等を実施しており、県においては両市村からの依頼に基づき所管の中部福祉保健所及び中央保健所による保健師の派遣や健康面での専門的助言等の支援を行っております。また、日本赤十字社沖縄県支部においては、心のケア要員の派遣等を行っております。
 県といたしましては、今後とも引き続き必要な支援等を行っていく考えであります。
 以上でございます。
○文化環境部長(伊佐嘉一郎) 災害救助法で農作物や重機などは補償の対象になるかという点にお答えいたします。
 災害救助法による救助は、災害に際して食品その他生活必需品の欠乏、住居の喪失、傷病等により生活の維持が困難な被災者に対する応急的・一時的な救助であります。また、災害が一応終わった後に行われるいわゆる災害復旧対策とも性格を異にするものであります。
 このように災害救助法は災害被害の補償を目的とするものではありません。
 以上でございます。
○総務部長(上原 昭) 県職員の自殺・休職の実態と予防策についての御質問に一括してお答えいたします。
 過去5年間で死亡により退職した職員は、平成13年度4人、14年度3人、15年度7人、16年度7人、17年度が6人となっています。
 これらの職員の中には自殺であると推定される事例もありますが、そのすべてについて死亡原因を正確に把握してはおりません。
 また、休職した職員は、平成13年度32人、14年度42人、15年度36人、16年度44人、17年度が44人となっています。
 自殺等の問題については、仕事上の悩み、人間関係の悩み、家庭内の悩み、健康上の問題などさまざまな原因が考えられ、正確な把握は容易ではありませんが、今後は、死亡により退職した職員について調査等を実施し、その原因の把握に努めたいと思います。
 県としては、平成17年2月に策定した「沖縄県職員心の健康づくり計画」に基づき、職員が心身ともに健康で安心して働けるよう取り組んでいるところです。
 今後とも、庁内における統括安全衛生委員会などの場も活用し、相談しやすい職場環境づくり、管理者による職員状況の把握、職員健康管理センターの利活用などにより、職員の心身の健康管理に努めていきたいと思います。
 次に、自殺対策基本法の認識についてお答えします。
 自殺対策基本法が制定されたことにより、社会全体の問題として自殺対策を実施していかなければならないと認識しております。県も事業主として自殺対策の重要性を十分に認識しており、庁内における統括安全衛生委員会の場なども活用し、職員の心身の健康保持に努めていきたいと思います。
○瑞慶覧 朝義 まず、知事の政治姿勢について再度質問いたします。
 海兵隊の8000人をグアムへ移転させることについて、現地米軍は平成17年度現在で1万2522人しかいないということですが、なぜ防衛庁は1万8000人を訴えているんですか。1万2000引く8000人は1万になるんですか。こんな算数は私たちは習ったこともないですね。それを明確にしてください。
 それと日米地位協定の問題なんですが、知事はこれまで渉外知事会などに訴えてきたとおっしゃいますが、日米両政府の協議のテーブルにどうこの問題を取り上げていくかということについて再度質問します。
 それから、嘉手納基地からのF-15部隊の早期撤去を求めてほしいということを私は提案しました。それについての明確な答弁をもう一度お願いします。
 それとパトリオットの件なんですが、パトリオットを嘉手納基地に配備することは周辺アジア諸国に戦争の準備を整えていると受け取られかねないと、戦争を誘発しかねないということが危惧されます。
 先ほどの公室長の答弁でも、自衛隊との共同使用については負担増になるかどうか見きわめて対応するということですが、明らかに負担増になるのは当たり前じゃないですか。自衛隊の共同使用も負担増であるし、パトリオットも1500人の部隊がまた来るわけですから負担増になるというのはもう明らかです。いつも後手後手の行政をとってはいけないじゃないですか。そのことについても再度明確な答弁を求めます。
 また、県職員の自殺の問題なんですが、私は最高責任者の知事にちょっと伺いたかったんですよね。ことしに入ってもう既に3人の自殺者が出ているということは、職員は大変憂慮している部分があるんですよ。だから最高責任者として知事はどうしたらそれを減らすことができるかと。行政改革推進に伴って職場環境の悪化を回復するために今何が求められているかということについて、最高責任者としての知事の見解をもう一度伺いたいと思います。
 それと、知事はあえて閣議決定後にヘリポート案の提案をしました。それには何かわけがあってのことなんですか。
 また、政府の言う沿岸案の陸上部に位置するところにヘリポート案を提示することは、沿岸案の第1期工事になるのは明白であります。これでは沿岸案を認めることになるのではないですか。知事がこれまで言ってこられたことと明らかに矛盾すると思われますが、再度知事の見解を伺います。
 また、知事のヘリポート案については任期中に実現の可能性はあるんですか。そのことについて伺います。
 もし任期中に実現しない場合はどう責任をとられるか。知事は、基地問題は解釈ではなく解決するとおっしゃってきました。任期中に解決できない場合は3選出馬をなさるつもりですか。
 また、県政最大与党の自民党県連の政策では、普天間飛行場代替施設の早期建設の推進であり、沿岸案の受け入れであります。明らかに知事のスタンスとのずれがあるが、知事は後継者へはヘリポート案を推進する人なのか、あるいはまた最大与党の政策である沿岸案を推進する人を選ぶのか、明確に御答弁を願いたい。
 後継者がヘリポート案を受け継がない場合は後継者として認めるわけにいかないと考えるんですが、これはどうですか知事。見解を伺います。
 また、西海岸道路についての北谷ルートについて再度質問いたしますが、返還されているキャンプ桑江北側は既に区画整理の図面もできております。現国道の拡幅をするということですが、現国道の拡幅をするとそこに位置するところに北谷城山の聖地があります。北谷城山は聖地なんですよ。だから決して削ってはならない山なんです。国の事業でありますが、県も当然絡みがあることから、地元自治体としっかりと調整をして城山を削らない方法での検討をしてもらわなければいけないと考えますが、どうでしょうか。担当部局の再度の答弁を求めます。
○議長(仲里利信) 休憩いたします。
   午後2時38分休憩
   午後2時43分再開
○議長(仲里利信) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 1つは地位協定の問題についてお答えをいたします。
 地位協定の問題というのは今まで県としても全力を尽くしてまいりました。特に昨年から渉外知事会もそれをしっかりととらえて進んでいるわけですけれども、まだまだ渉外知事会としても、これは多くの国会議員の皆様にもいろいろとお話を進めているわけですけれども、なかなかまだ全般的に多くの皆様のお力を得るということにはならないわけです。
 私どもとしては、従来進めていた各種団体というのは、これはほとんど各県についても終わったわけですが、やはりこれから非常に重要なのは、いかに多くの国会議員に地位協定について十分御理解いただき、それの改正というものをすべきだという認識をいただき、そして動いていただくということが大変重要なポイントだと思っております。
 今後とも渉外知事会と一緒になって全力を尽くして、日米間の交渉の中にしっかりと乗るように努力していきたいと思っております。
○総務部長(上原 昭) 職場環境の悪化について何が求められているかという再質問についてお答えいたします。
 行政改革においては事務事業の見直しを行い、平成17年度末までに341件の事務事業の見直しを実施するとともに、フラット制を導入するなど職員の業務量の負担の軽減を図ったところであります。
 県としては、今後とも事務事業の見直し及び組織の効率化を行い、あわせて職員が心身ともに健康な状態で勤務を遂行できる職場環境の形成に努めていきたいと考えております。
○土木建築部長(首里勇治) では、聖地を削らないようにとのことについてお答えいたします。
 同ルートにつきましては、去る4月に国道事業者から国道58号拡幅計画が提起されておりますが、施行者である北谷町は同拡幅計画を受けまして土地区画整理事業の見直し作業に入る予定とのことであります。
 御指摘の聖地の保存につきましては、地元と十分調整を図るよう県としましても国に申し入れをしていきたいと思います。
 以上です。
○知事公室長(花城順孝) 再質問にお答えします。
 まず、海兵隊のグアム移転の御質問でございますが、防衛庁の説明では、在沖海兵隊員の定数は1万8000人であると。この中から8000人がグアムに移転をするということで、1万8000人引く8000人で、沖縄に残る部隊はおおむね1万人程度と、こういう説明でありました。
 我々の認識といいますか、我々の持っている数字は平成11年9月末現在で、これは在沖米海兵隊が示した数字でございますが、海兵隊員は1万2520人でありまして、軍属は490人、家族が7910人であります。これらを合計すると2万920人ということであります。
 そういった意味で、いわゆる在沖米海兵隊の平成17年9月時点での数字と防衛庁が説明している、いわゆる定数としての1万8000人という数字には確かにずれはございます。
 次に、F-15の撤去についてでありますが、今回の米軍再編協議の中で、嘉手納飛行場からF-15の訓練を含む一部訓練の移転が示されておりまして、県としてはこれまで嘉手納飛行場の運用改善を求めてまいりましたので、その方法に合致するものであると考えております。当然、嘉手納飛行場には自衛隊との共同使用ということも示されておりますことから、今後、全体として嘉手納な飛行場に関する基地負担が軽減されていくのかどうか、これについては十分注視をしていく必要があると思っております。
 次に、パトリオットの配備についてでありますが、これについては先ほども申しましたように、確かにそういういろんな動向については東アジアにおける緊張状態というものが助長されるという意味では危惧はしております。
 今回のパトリオット配備について十分な政府からの説明も現在ありませんので、今後説明を求めていく必要があると思います。その上で県として地域住民の生活に及ぼす影響などを総合的に判断をして対応していきたいと考えております。
 それから次に、ヘリポート提案の時期あるいはヘリポート提案そのものが沿岸案を認めることになるのではないかという御質問でありますが、これはこれまでの答弁で再三申し上げておりますように、県として暫定ヘリポート案を提案しているのは、あくまで普天間飛行場の県外移設が実現されるまでの間の緊急的な措置の実施ということであります。かつ、ヘリポート建設というのは新たな基地建設にならないように、既存のキャンプ・シュワブ兵舎地区の中の陸上部分に建設するということを対応の範囲内としているということであります。
 それから実現可能性についてでありますが、これは県としてヘリポート暫定案という具体的な提案を示したのは、あくまでもことしの5月1日に日米の最終合意がされたと、その中でキャンプ・シュワブの兵舎地区の一部を含めて沿岸案というものが合意されたと。我々はその場所的なことを踏まえて、その陸上の中に暫定ヘリポートを建設するということをその時点で、つまりこれから県としては主張していくということであります。そういう方向に県としては取り組んで努力してまいりたいと、こういうことでございます。
 以上であります。
○瑞慶覧 朝義 まず、海兵隊の移転問題に関しては定数をとらえるんではなくて、現在いる数をとらえるべきじゃないですか。1万2000引く8000が1万になるというのがどうしても納得できない。4000になるべきです。
 それとまた嘉数副知事にお尋ねしますが、知事選の最有力候補の一人であります。稲嶺知事のヘリポート案の提案を受け継ぐ考えなのか、明確に御答弁いただきたいと思います。
○議長(仲里利信) 休憩いたします。
   午後2時53分休憩
   午後2時55分再開
○議長(仲里利信) 再開いたします。
 知事公室長。
   〔知事公室長 花城順孝君登壇〕
○知事公室長(花城順孝) 在沖米海兵隊の駐留をしている人数の問題でありますが、政府が説明しておりますのは、いわゆる定数として1万8000人という説明であります。しかし、海兵隊の沖縄への駐留の人数というのは非常に実態的には流動的なものでありまして、その時点時点でとらえるごとに数は相当動きます。ですから1万8000人というのはいわゆる定数としての最大値であるというふうに我々は認識しております。
 先ほど申しましたように、平成17年の9月時点では1万2520人と定数を大幅に下回る隊員数ということであります。しかしながら、司令部要員をメーンにした8000人の海兵隊員がグアムに移転するということ、それ自体は非常に大きな削減でありまして、実態的には相当な負担軽減になるというふうに県は考えております。
○議長(仲里利信) 休憩いたします。
   午後2時57分休憩
   午後2時57分再開
○議長(仲里利信) 再開いたします。
 仲田弘毅君。
   〔仲田弘毅君登壇〕
○仲田 弘毅 こんにちは。
 いよいよ代表質問も最後になりましたが、県民の会を代表して質問を行います。
 その前に、昨日の稲嶺知事勇退表明を受けて、2期7カ年有余にわたり県民のために精励された知事に対し心から敬意を表し、労をねぎらいたいと思います。知事、長年御苦労さまでございました。まだこれから在任半年間もありますが、これまで同様、一生懸命県民のために頑張っていただきたいと思います。
 それでは知事の政治姿勢について伺います。
 知事は、長引く経済不況と普天間飛行場の移設問題など、県内の社会経済情勢が厳しい中、実行型県政の実現を目指して平成10年11月に沖縄県知事に就任をいたしました。その間、2期7カ年有余にわたり着実に県政運営に努められたものと評価をしております。
 裏づけといたしまして、この10年間で経済成長力が最も高かったのは沖縄県、このような調査結果が法政大学大学院と経営コンサルティング会社アタックスによる共同研究で報告されました。会社数の増加、小売販売額や卸販売額等の増加率など、調査20項目のうち12項目で全国1位であります。総合評価でもトップであり、特に地方交付税額が実数で全国40位、国税納付額は32番目に多いという評価であります。産業基盤の弱い、しかも島嶼県のハンディを抱えながら頑張ってこられた稲嶺県政の努力のたまものだと考えております。
 質問の(1)の資料にミスがありますので、訂正をして質問を行います。
 去る5月30日に在日米軍再編の最終報告が閣議決定され、平成11年12月のSACOの閣議決定が廃止されたことに対して本県にどのような影響があるのか、知事の御所見を伺います。
 日米安全保障体制の中で全国都道府県知事として一番関連が深いのが沖縄県知事であると考えます。知事の心構えと県民への要望は何かお聞かせください。
 法政大学大学院と株式会社アタックスの過去10年間における経済成長力の調査によりますと、沖縄が全国で第1位であるとの報告でありますが、それに対して知事の御所見を伺います。
 この10年間の調査報告と知事就任の約8カ年がオーバーラップいたしますが、当局の実態調査との比較はどうなりますか。
 (5)は取り下げます。
 次に、米軍基地問題についてであります。
 戦後61年、復帰34年目を迎え、在日米軍専用施設の75%をいまだに抱える私たち沖縄県民は、再び米軍再編という大きな転換期に差しかかろうとしております。外交と防衛問題は国の専管事項であるにしても地域住民の声にもっと耳を傾けるべきであり、残念でなりません。在日米軍再編の最終報告では新たに嘉手納基地以南の6基地の全面・一部返還や海兵隊司令部及び兵員8000人のグアム移転等が打ち出されております。今後、実施方針の閣議決定を受け実施計画等の策定に入るとしております。
 そこで質問します。
 米軍基地の整理縮小について。
 SACO合意案がすべて実現された場合、本県には在日米軍専用施設面積はどの程度残る予定であったか伺います。
 平成8年12月SACO最終報告において返還が合意された施設のうち、いまだ返還されない施設は幾らありますか。また、SACO合意案以外の施設返還の取り組みはどうなっておりますか。
 東村高江区がヘリパッド移設に反対を表明しているが、県はどう対応いたしますか。
 次に、米軍兵力の削減と再編について伺います。
 今回の削減と再編は、将来の沖縄における米軍基地のあり方に大きな影響を与えるものと考えますが、県の基本的な考え方はどうなっておりますか。
 この削減と再編は、県民の目に見える負担軽減につながると思いますか。
 施設返還が完全実施されたときの駐留軍従業員の失業者はどの程度予想されますか。
 施設返還は地元市町村の意向を十分に配慮しながら計画的・段階的に実施されるべきものであります。その跡地利用対策や駐留軍従業員の処遇、雇用対策、地主への返還等のあり方についてお伺いをします。
 次に、日米地位協定の見直しについて。
 日米地位協定についてはSACO最終報告により運用改善が示され、これまで全国33都道府県議会において同協定見直しの意見書が採択されました。全国知事会を初め全国主要団体等で論議、決議が行われる中で、米軍基地に起因する事件・事故等は後を絶ちません。その処理方法をめぐりまだまだ地位協定が大きな障害になっております。
 そこで伺います。
 渉外知事会として関係大臣、各国会議員への見直し要請がなされました。その後の対応はどうなっておりますか。
 県民からの負託を受けた沖縄県知事として強力に抜本的見直しを訴えていただきたいと考えるが、知事の所見を伺います。
 次に、普天間飛行場の代替施設について質問します。
 知事は新たな合意案は容認できない旨の意思表示をしており、島袋名護市長は滑走路2本建設で基本合意をしております。知事の御所見を伺います。
 知事は、額賀防衛庁長官と「在日米軍再編に係る基本確認書」を取り交わしたということは、新たな合意案を認めたというとらえ方もあるが、どうですか。
 普天間飛行場の緊急的課題は危険除去であり、早期移設返還の実現のためには最も何が必要だと考えますか。
 次に、陸軍複合射撃訓練場について伺います。
 政府はレンジ16への移設が完了するまでレンジ4で訓練を行うとしているが、現状を説明してください。
 暫定使用に反対する県民の意向に反するものと思いますが、どうですか。
 地域の安全を第一に早期移設が必要であると考えますが、進捗状況はどうなっておりますか。
 ことしの4月、5月にも同施設が使用されているが、事故等の有無はどうなっておりますか。
 次は、行財政改革についてであります。
 三位一体改革について。
 昨年11月の政府・与党の合意において国庫補助負担金改革と税源移譲については一応の決着がついたと言われております。ことしは1月から地方交付税改革が焦点になっており、一方的な地方交付税の大幅な削減や法定率の引き下げなどに対して県や市町村では厳しい議論が展開されております。
 このような現状の中で、7月上旬にも策定される「骨太の方針」に地方の主張を反映させるため、去る17日「地方自治危機突破沖縄県総決起大会」が開催されました。同大会では、離島や合併市町村から財政的な窮状が訴えられ、地方交付税の削減や新型交付税の導入反対が表明され、同交付税の財源保障機能及び財源調整機能を堅持する決議が満場一致で採択されました。
 そこで伺います。
 本県及び各市町村の財政状況には厳しいものがあります。税等や自主財源の割合について他府県との比較はどうなっておりますか。
 県内各市町村の過半数が歳入の30%以上を地方交付税に依存しております。この地方交付税の今まで果たしてきた役割をどのように認識しておりますか。
 地方税や地方交付税等の一般財源確保が最も重要であります。これ以上、地方交付税が削減された場合、県の財政運営にどのような影響があるか伺います。
 新型交付税については、人口、面積を基本に配分される見込みであり、財政力格差の拡大が懸念されるところであります。導入の影響について当局の見解をお伺いします。
 市町村合併について。
 市町村合併の背景と動向について説明してください。
 合併の現状と将来の見通しはどうですか。
 合併の基本的な考え方と推進のための措置があるか伺います。
 合併対象の組み合わせが9ブロック報道されておりますが、進捗状況の説明をお願いいたします。
 次に、自然災害についてであります。
 梅雨入り以降、長雨の影響で全県的に土砂崩れなどの大きな災害が発生をいたしました。特に那覇市や中城村では村道、県道が陥没崩落し、マンションや民家倒壊等のおそれから地域住民が避難するなど、被害が各地で相次いでおります。被害をこうむられた皆様方に対し心からお見舞いを申し上げます。本県において例年、梅雨明けの後にやってくる台風シーズンの自然災害を危惧するものであります。
 そこで伺います。
 県全体における被災状況を説明してください。
 緊急時における医療機関の患者受け入れ体制と避難住民の健康相談等について伺います。
 避難住民からの応急仮設住宅の整備や公営住宅等の確保要請に対する対応策はどうなっておりますか。
 危険箇所が報告されており、これから台風シーズンを迎える中で被害が拡大しないような対策が重要でありますが、今後の対応策を伺います。
 災害復旧に要する期間はどの程度と見込んでおりますか。
 災害救助法が適用されましたが、その内容について伺います。
 被災地の地元負担と個人負担はどの程度になりますか。
 次に、公立学校施設の耐震対策についてお伺いします。
 学校施設は児童生徒が一日の大半を過ごす活動の場であります。また、地域住民の緊急避難場所としての役割も担っており、その耐震性の確保が急がれております。
 このような中で、新耐震基準に基づく公立小中学校の校舎、体育館などの耐震診断、耐震化率に関する調査結果が文部科学省から発表されました。新聞報道等によりますと、本県の学校施設の厳しい状況が伝えられております。
 そこで、このことについてお伺いします。
 県内の公立小中学校で耐震診断が必要な校舎等は何棟で、全体に占める割合はどうなっておりますか。
 耐震診断実施率が全国最下位との報道ですが、その理由と今後の対応策はどうなっているか伺います。
 学校施設の新耐震基準による耐震化はどうなっているか。また、今後の取り組みはどうなっておりますか。
 最後に、青少年健全育成についてであります。
 県内で強盗などの刑法犯で摘発・補導された中学生が増加傾向にあるとのショッキングなニュースがありました。最近も中部出身の窃盗グループ21人が検挙されたとの報道もあり、大変憂慮される状況であると同時に、県全体で真剣に取り組む必要があると考えております。
 そこで、次のことについて県警本部長と教育長に質問をいたします。
 県内の少年非行の実態と特徴について伺います。
 本島中南部で窃盗を繰り返していた窃盗グループが県警によって検挙されておりますが、その事案の概要の説明をお願いいたします。
 同少年グループは、同じ小中学校の同級生や先輩・後輩のかかわりで中学校時代から非行を繰り返してきており、保護者や学校現場がしっかりと根本的に青少年健全育成の立場から取り組む必要があると思うがどうか。また、今後どのような対策を考えておりますか。
 以上で質問を終わります。
○知事(稲嶺惠一) 仲田弘毅議員の御質問にお答えする前に、大変温かいお言葉をいただきましてありがとうございました。残る任期、精いっぱい頑張りたいと思っております。
 それでは御質問にお答えをしたいと思います。
 日米安全保障体制についての御質問にお答えします。
 日米安全保障体制を含む日米同盟関係は、我が国及び東アジアにおける国際の平和と安定の維持に寄与していると理解しており、我が国に所在する米軍基地が重要な役割を果たしていると認識しております。
 しかしながら、日米安全保障体制が安定的に維持されるためには、その根幹をなす沖縄の社会的・政治的・経済的安定が必要であり、そのためには県民の目に見える形での基地負担の軽減が図られなければならないと考えております。
 このような県の認識は多くの県民の理解を得ているものと考えており、引き続き県民の理解と協力を得ながら基地問題の解決に取り組んでいきたいと考えております。
 次に、米軍再編に対する基本的な考え方と負担軽減についての御質問に一括してお答えいたします。
 県は、米軍再編に対する基本的な考え方として、在沖米海兵隊の県外移転や嘉手納飛行場の運用改善等を求めてきたところであります。
 米軍再編の合意内容全体については、県民の基地負担の軽減の面で兵力や訓練の移転、施設の返還・整理・統合が盛り込まれるなど、米軍基地の整理縮小に向けた方策が示された内容となっております。したがって、県は今回の米軍再編協議の最終合意の方向性については、全体として見れば県民の目に見える形での基地負担の軽減につながるものと考えております。
 しかしながら、普天間飛行場移設に係る新たな合意案については、海兵隊の県外移転という県の基本的な考え方とも異なることや、これまでの経緯を踏まえれば沖縄県として容認することはできません。
 また、キャンプ・ハンセンや嘉手納飛行場等の自衛隊との共同使用については、負担軽減になるかどうか十分に見きわめる必要があると考えております。
 次に、日米地位協定の抜本的な見直しについてお答えいたします。
 県は、今般の米軍再編協議で米軍と自衛隊の役割・任務・能力に係る合意が行われ、相互の協力関係が進んでいく中、締結後46年も見直しが行われていない日米地位協定についても見直す時期に来ていると考えております。
 平成18年5月11日の「在沖米軍再編に係る基本確認書」においても、防衛庁は県や渉外知事会が日米地位協定の見直しを要求していることを踏まえ対応を検討することを確認しております。
 県としては、引き続き渉外知事会と連携して日米地位協定の抜本的見直しに早期に着手されるよう政府に対して粘り強く求めていく考えであります。
 次に、県と名護市との対応についてお答えいたします。
 名護市及び宜野座村と防衛庁との間の合意については、名護市及び宜野座村の主体的な判断でなされたことと考えております。しかしながら、県には県の立場があり、これまでの経緯を踏まえれば政府案を容認することができないことは既に明らかにしたところであります。
 代替施設の建設計画、安全・環境対策及び地域振興については、名護市長と防衛庁長官が交わした「普天間飛行場代替施設の建設に係る基本合意書」の中で、防衛庁と沖縄県、名護市及び関係地方公共団体が協議することになっておりますが、同基本合意書の前文では、「政府は、沖縄県及び関係地方公共団体のすべての了解を得ることとする。」とされております。しかし、県は代替施設の建設計画について政府案のみを前提とした協議には応じる考えはないとの立場であります。
 県としては、県が求める暫定ヘリポート案の検討を含めた協議がなされる必要があり、そのような場が設けられなければならないと考えております。
 次に、基本確認書についての御質問にお答えいたします。
 これまでの県の考え方は、5月4日に「米軍再編に関する沖縄県の考え方」として表明したところであり、その中に普天間飛行場の危険性除去の緊急的措置として、暫定ヘリポートを検討することを対応の一つとして政府に求めたところであります。
 基本確認書では、県と政府の立場の違いをお互いが踏まえた上で継続して協議を行うことを確認したものであります。県と政府との間で協議する場合は、この考え方が基本であります。したがって、政府案のみを前提とする協議には応じることはできません。
 次に、普天間飛行場の早期返還についての御質問にお答えします。
 普天間飛行場の早期移設・返還のために最も必要なことは、県外移転が実現することであると考えております。
 このため、県としては、米軍再編に対する県の基本的考え方として、普天間飛行場の県外移転を求めるとともに、県外へ移設する間の危険性の除去のための緊急的措置として、暫定ヘリポートの建設を対応の一つとして政府に対して求めているところであります。
 次に、地方交付税の役割及びその削減に伴う影響についての御質問にお答えを申し上げます。一括してお答え申し上げます。
 地方交付税は地方の固有財源であり、いわば国が地方にかわって徴収する地方税であるという性格を有しているものと考えております。
 また、地方公共団体間の財源の不均衡を調整し、一定の行政サービスを提供できるよう財源を保障するものであり、本県及び県内市町村のような財政力の弱い団体にとって極めて重要な役割を果たしているものと認識しております。
 厳しい財政状況の中、県や市町村においてはこれまで職員定数の削減や事務事業の見直しなど、歳出削減に懸命に努めてきたところであり、これ以上地方交付税が削減された場合には、教育、福祉などの基本的な住民サービスの提供に大きな影響を及ぼすことが懸念されます。
 今後とも、引き続き地方六団体とともに地方交付税総額の確保を関係機関に働きかけてまいります。
 次に、応急仮設住宅の整備についての御質問にお答えいたします。
 中城村においては、避難指示を受けたのは9世帯でありますが、現在、避難所にいる1世帯を除く8世帯は実家や親戚宅等に移っております。
 応急仮設住宅については、9世帯中3世帯は御自分で対応されるとのことであり、その他の6世帯について、4世帯は応急仮設住宅へ、2世帯については民間賃貸住宅の借り上げにより県が供与することとしております。応急仮設住宅は中城小学校北上原分校敷地内へ設置することとしており、7月4日を目途に着工する予定です。手続を進めている民間賃貸住宅の借り上げも含めて早期に供与いたします。
 那覇市においては、避難指示を受けたのは12世帯でありますが、市営住宅への入居決定が5世帯、民間賃貸住宅への入居が6世帯、実家に1世帯となっております。
 那覇市については、被災マンションの全壊被害認定を受け、被災者生活再建支援法に基づく支援制度を適用し、該当する被災世帯については被災者生活再建支援法人から支援金の支給が行われることになっております。現在、同制度の活用とあわせて、応急仮設住宅の供与についても要望や実情等をお聞きしているところであります。被災者の皆様が災害前の平穏な環境を一日でも早く取り戻せるよう市及び村と連携し、支援に取り組んでいるところであります。
 その他の御質問につきましては、関係部長等より答弁させます。
○知事公室長(花城順孝) 平成11年閣議決定の廃止による影響についての御質問にお答えします。
 今回の閣議決定により平成11年の閣議決定が廃止されたことから、移設先及び周辺地域振興協議会、北部振興協議会等の協議機関の設置根拠がなくなり、北部振興に関する枠組みを失うことになり、平成19年度以降の北部振興事業に対する影響が考えられます。
 しかしながら、北部振興策については普天間飛行場代替施設という基地の受け入れを契機としているものの、平成11年12月17日の第14回沖縄政策協議会の了解を踏まえ、内閣府が沖縄の振興の枠組みという観点から事業を実施しているものであり、代替施設の進捗など基地とリンクさせる性格のものではありません。
 県としては、北部振興策の継続は必要と考えており、政府案の建設とは別問題として、平成11年の閣議決定により設置されてきた北部振興策などに関する協議機関の復活を政府に対して求める考えであります。
 次に、SACO事案の完全実施後の沖縄県の在日米軍専用施設面積についての御質問にお答えします。
 平成8年12月のSACO合意においては、沖縄の米軍専用施設約5002ヘクタールの返還が合意されております。
 一方、平成8年3月31日時点での沖縄の米軍専用施設面積は約2万3519ヘクタールであり、SACO事案すべてが実施された場合、約1万8517ヘクタールの米軍専用施設が本県に残る予定であったと認識しております。
 次に、SACO事案で返還されていない施設数とSACO以外の施設返還の取り組みについての御質問にお答えします。
 SACO最終報告は、沖縄県民の基地負担の軽減を図る観点から、普天間飛行場や安波訓練場、楚辺通信所など11施設の返還等について日米両政府が協議を行い合意に達したものであります。
 これまでに安波訓練場とキャンプ桑江の北側部分が返還されており、その他の10施設についても読谷飛行場や楚辺通信所等については移設に向けた作業が、瀬名波通信施設については返還手続が進められていることから、県としてはSACOの合意事案は着実に実施されていると考えております。
 SACO合意事案以外では、平成2年6月19日の日米合同委員会において返還に向け調整・手続を進めていくことが確認されたいわゆる23事案があります。そのうち、工兵隊事務所や北部訓練場の一部、牧港補給地区補助施設等の17事案については既に返還済みであり、泡瀬ゴルフ場、旧東恩納弾薬庫等6事案については現在返還に向けた作業が進行中であります。
 次に、北部訓練場のヘリパッド移設についての御質問にお答えします。
 ヘリパッドの移設について、県はこれまで国に対し、移設場所の決定に際しては県及び関係市町村に十分説明するよう申し入れてきたところであります。
 県としては、国による環境調査の結果や関係する市町村の意向等も踏まえながら、当該地域の自然環境等に十分配慮した移設場所の選定がなされるよう適切に対応したいと考えております。
 次に、跡地利用対策、駐留軍従業員の処遇、雇用対策、地主への返還等についての御質問にお答えします。
嘉手納飛行場より南の施設・区域の返還については、計画的・段階的に実施されることが必要であると考えております。また、その返還は大規模であり、跡地利用にあっては事業実施に係る財源の確保や実施体制等の課題があります。
 駐留軍従業員や地主への支援についても、職業訓練対策の強化や沖縄振興特別措置法等に基づく給付金制度などの枠組みが整備されておりますが、今回の返還が大規模な返還であることを踏まえ、より一層の支援を図る必要があります。
 そのため、県としては、現行の枠組みの継続はもちろんのこと、新たな制度の検討も含めてきめ細かな対応を政府へ求めていく考えであります。
 次に、日米地位協定見直しへの取り組みについての御質問にお答えします。
 県は、平成17年2月1日に渉外知事会として関係大臣等に対し、日米地位協定の見直し作業に入るよう要請したほか、多くの国会議員に働きかける観点から、自民党、公明党、民主党に対しても協力を要請しております。その後、米軍再編に対応する県の基本的な考え方においても対処方針の一つに日米地位協定の抜本的見直しを掲げ、平成17年3月の訪米の際に米国務省等関係機関に対し、日米地位協定の抜本的見直しを申し入れております。
 さらに、渉外知事会では平成17年度から日米地位協定の見直しに重点を置き、平成17年7月29日に外務副大臣や防衛庁長官等に対し地位協定見直し等の要望を行い、11月11日には、二、三年以内等できるだけ短い期限を設けて見直しを行うことを米軍再編の最終報告へ盛り込むよう外務大臣等へ要請しております。
 また、平成17年12月には渉外知事会主催による政党関係者や有識者を交えたシンポジウムを開催し、日米地位協定の見直しを訴えたところであります。
 次に、レンジ4での訓練の現状及び事故等の有無について一括してお答えします。
 陸軍複合射撃訓練場においては、平成17年7月12日から実弾を使用した射撃訓練、11月2日には突破訓練施設を使用しての訓練、11月5日には訓練塔からの降下訓練、12月6日には射撃用建物を使用しての訓練が開始されております。那覇防衛施設局や金武町によりますと、これまで事故等は確認されていないとのことであります。
 次に、レンジ4の使用についての御質問にお答えします。
 県としては、レンジ4の陸軍複合射撃訓練場における実弾射撃訓練は容認できるものではなく、その中止を求めてきたところであります。
 今後とも引き続き金武町と密接に連携して、日米両政府に対し、地域住民に危害が及ばないよう早期の移設と地元の懸念に対するさらなる配慮を求めていきたいと考えております。
 次に、陸軍複合射撃訓練場移設の進捗状況についての御質問にお答えします。
 那覇防衛施設局によりますと、平成18年1月末には移設先の測量調査を完了し、同年3月には地質調査及び実施設計業務等について契約をし、現在、米側と鋭意調整しつつ作業を進めているとのことであります。今後、米側と調整を進めながら調査及び設計の結果を踏まえた上で、できる限り早期に代替施設を完成させるべく努力をしていくとのことであります。
 最後に長雨被害ですが、県全体の被災状況についての御質問にお答えします。
 平成18年6月10日から19日にかけての長雨及び大雨による離島を含む県内の被害状況は、人的被害はありませんが、6月26日現在で避難指示に基づく住民避難は最大3市村で62世帯208名、避難勧告に基づく住民避難は最大で3市村で53世帯169名、自主避難は2世帯4名、住家被害は、住宅全壊が2棟、床下浸水が3件、土砂崩れは離島を含む9市町村で14カ所、道路損壊は本島4市町村で6件となっております。
 被害額については、土木関係の被害総額が6億5300万円で、その主なものは道路損壊が6億300万円となっております。
 以上でございます。
○企画部長(上原良幸) 本県の経済成長力を全国1位とする調査報告への所見についてお答えいたします。
 本調査報告は経済社会指標を20項目選定し、これを都道府県別に順位づけたものであります。
 本県は、人口の増加と好調な観光に支えられて個人消費部門が拡大を続けており、若年人口増加率や小売商業販売額増加率など、これに関連する指標が多く選定されたことが経済成長力第1位という評価に結びついたものと考えております。
 調査報告と県の実態調査との比較についてお答えいたします。
 県は、自立型経済の構築に向けてさまざまな施策・事業を展開してまいりました。知事就任時に比べると人口は4.8%、6万3000人、就業者数は6.6%、3万7000人とそれぞれ増加し、年間の観光客数も137万人増加して過去最高を更新し続けているほか、情報通信産業等の立地企業数も120社を超えております。このような実績が本調査報告においても反映されたものと考えております。
 次に、新型交付税導入の市町村財政への影響についてお答えいたします。
県では、新型交付税について、移行する行政項目の補正係数は事業費補正を除きすべて廃止され、人口、面積のみで配分されることを前提に試算を行いました。
 人口、面積を8対2とするケースでは需要額総額で約106億円の減少、うち、増加は那覇市などの都市部8団体で約35億円、減少は、離島町村や合併市町村など33団体で約141億円という結果になっています。
 試算のような新型交付税が導入された場合、財政力が脆弱な本県市町村、特に離島町村に重大な影響を及ぼすことになります。
県としては、去る6月17日開催した「地方自治危機突破沖縄県総決起大会」を踏まえ、地方交付税の算定の簡素化に当たっては離島・過疎等地域の実態や影響等を勘案するなど、地方の意見を十分反映させるよう国に要請したところであります。
 次に、市町村合併の背景と動向及び基本的な考え方と推進措置について一括してお答えいたします。
少子・高齢化の進行、地方交付税改革等市町村を取り巻く行財政環境が厳しさを増す中、行政サービスの維持向上を図るためには行財政基盤の充実強化が大きな課題となっております。 また、地方分権の進展に伴い、市町村は福祉やまちづくりなど、住民に身近な事務を処理する基礎自治体としての体制の整備が求められております。市町村合併はこのような課題を解決するための有効な手段であり、正面から取り組むべき重要な課題であると認識しており、引き続き人的・財政的支援措置を講じるとともに、住民意識の啓発等を図りながら自主的な市町村合併を推進していきたいと考えております。
 同じく合併の現状と将来見通し及び組み合わせの進捗状況について一括してお答えいたします。
 旧合併特例法下における全国の市町村数は、平成11年3月末の3232から平成18年3月末には1822となり、減少率にしますと43.6%となっております。
 一方、本県の市町村数は53から41となり、減少率にしますと22.6%で、全国に比べ半分程度となっております。
 このため、県では、合併新法下においても引き続き自主的な市町村合併を推進する必要があるとの認識のもと、去る3月に沖縄県市町村合併推進構想を策定し、9つの構想対象市町村の組み合わせを示しました。その後、当構想について市町村の理解と地域における市町村合併の機運の醸成を図るため、5月には広報テレビ番組「うまんちゅ広場」を活用して県民に周知・広報を行うとともに、6月には県内5地区において市町村長及び議会議長等を対象に説明会を行ったところであります。
 以上であります。
○観光商工部長(宜名真盛男) 駐留軍従業員の失業者の予想についての御質問にお答えをいたします。
 日米政府の最終合意で返還が予定されている施設に勤務する従業員は約4400人であります。
 在日米軍再編に関する最終報告においては、施設ごとの具体的な移転、再配置、削減等の人員計画は不明であります。また、日本政府と米国政府が締結した駐留軍従業員に関する基本労務契約では、人員整理が予想される場合には、その人員整理を最小限度にするために、できるときは必ず調整を行うものとするとしております。したがって、事前の雇用調整措置がどの程度行われるかによっても人員整理の人数は変化しますので、現時点での失業者数の予想は困難であります。
 以上でございます。
○総務部長(上原 昭) 行財政改革についてのうち、自主財源等の他県との比較についてお答えいたします。
 本県の平成16年度普通会計歳入決算における地方税等の自主財源比率は27.3%となっており、全国平均の42.6%に対し15.3ポイント、九州平均の34.1%に対し6.8ポイント低くなっております。
 また、地方税収入の歳入総額に占める割合は16.3%となっており、全国平均の25.8%に対し9.5ポイント、九州平均の19.9%に対し3.6ポイント低くなっております。
 次に、新型交付税導入の影響についてお答えいたします。
 5月10日の経済財政諮問会議において、総務大臣から、人口、面積を基本に配分される新型交付税の導入について提案されたものと承知しております。しかし、新型交付税については現在総務省で検討中であり、その具体的な内容についてはまだ明らかにされておりません。そのため、導入された場合の本県に対する影響額について現時点で詳細に試算することは困難でありますが、仮に基準財政需要額の3分の1が新型交付税の対象となり、人口と面積を8対2として配分することとなった場合は約271億円減少するものと考えられます。
 なお、総務省によれば、新型交付税の導入に当たっては離島・過疎などに対して配慮するとされております。県としては今後の動きを注視してまいりたいと思います。
○福祉保健部長(喜友名朝春) 緊急時の医療機関の患者受け入れ体制と避難住民の健康相談等についてお答えします。
 災害時の病院における緊急患者の受け入れ体制については、県内5医療圏の県立病院を災害拠点病院に指定し、対応することとしております。
 今回の長雨による土砂災害においては、本島内の県立病院に加え、被災地域における民間病院の一部にも協力を依頼するなど、被災者受け入れ体制を整えております。
 また、避難住民に対する健康相談等への対応については市町村が中心となって実施し、県においては市町村の求めに応じた技術的支援を行うこととしております。
 今回の被災者への対応といたしましては、中城村及び那覇市が中心となって健康相談等を実施しておりますが、県においては所管の中部福祉保健所及び中央保健所が保健師の派遣による健康相談の対応や避難所での衛生教育などを実施してきたところであり、今後とも引き続き必要な支援を行っていく考えであります。
 以上でございます。
○土木建築部長(首里勇治) では、公営住宅の確保要請についてお答えいたします。
 公営住宅については現在23戸の県営住宅を被災者用に確保しており、関係自治体の災害対策本部あて情報提供を行っております。その結果、豊見城市の被災者1世帯から入居希望があり、現在入居に向けて準備を進めているところであります。
 なお、入居期間中の費用負担については、敷金及び家賃6カ月間を全額免除することとしております。
 また、那覇市においては、避難指示を受けた5世帯、避難勧告を受けた1世帯の合計6世帯が市営住宅に入居したと聞いております。
 次に、自然災害に対する今後の対策と対応についてお答えいたします。
 地すべり防止対策については地すべり対策事業により行っており、現在88カ所の危険箇所のうち23カ所が地すべり防止区域に指定され、18カ所が対策済み、5カ所で対策中であります。 今後とも、土砂災害の危険度を考慮した上で優先度の高い箇所から地域住民、市町村の協力のもとにそれぞれの事業を行っていく考えであります。
 次に、復旧に要する期間についてお答えいたします。
 中城村の土砂災害における今後の対策としては、地すべりした箇所を災害関連緊急地すべり対策事業により、また県道35号線村道坂田線を公共土木施設災害復旧事業により復旧対策を図っていく考えであります。
 今後の手続としては、現地での調査設計等を進め、国庫負担申請、災害査定等の手続を経て年内を目途に工事に着手し、復旧するまでにはおおむね2年程度の期間を要するものと見込んでおります。
 以上であります。
○文化環境部長(伊佐嘉一郎) 災害救助法の内容についてお答えいたします。
 災害救助法による救助は、災害に際して食品その他生活必需品の欠乏、住居の喪失、傷病等により生活の維持が困難な被災者に対する応急的・一時的な救助であります。
 同法に基づいて実施される救助の種類には、避難所・応急仮設住宅の設置、食品・飲料水の給与、被服・寝具等の給与、学用品の給与などがあります。県は、災害救助法の適用決定後、これらの救助の一部を直ちに那覇市及び中城村に委任し、避難所の設置、炊き出しその他の食品の給与、被服・寝具等の給与など応急的に必要な援助を行い、被災者の保護を行ってきたところであります。
 次に、災害救助法による救助に要する費用の負担についてお答えいたします。
 災害救助法に基づいて実施される避難所の設置や食品・飲料水の給与等各種の救助に要する費用についてはまず地元市町村が支出を行いますが、その後、都道府県がその費用を支弁いたします。また、国は都道府県が支弁した費用について、定められた方法により一定額――本県の場合、今回2分の1になります――を負担することになります。
 なお、災害救助法による救助は、被災者が現に応急的な救助を必要とする場合に実施するものであることから、被災者個人の負担を求めるものではありません。
 以上でございます。
○教育長(仲宗根用英) それでは耐震診断が必要な校舎等についてお答えします。
 平成18年4月現在、県内の公立小中学校の校舎等は1876棟あり、そのうち耐震診断が必要とされる昭和56年以前の校舎等は621棟で、その割合は33%となっており、全国平均の約半分であります。
 次に、耐震診断実施率と今後の対応等についてお答えします。
 本県の耐震診断率は18.2%で、全国平均に比べ大幅に低い状況であります。その背景には、沖縄振興特別措置法に基づく高率補助を活用して老朽校舎の改築を優先したため、耐震改修を前提とした耐震診断を行わなかったことによるものであります。
 なお、平成18年度から国土交通省の補助制度が活用できることから、県教育委員会では市町村に耐震診断の早期実施を呼びかけているところであり、今年中に95%が実施される見込みであります。
 次に、公立学校施設の耐震化の状況についてお答えします。
 公立小中学校における平成18年4月現在、新基準による耐震化率は67.2%で、全国平均54.7%を上回っており、全国6位となっております。
 今後とも市町村との連携を図りながら、沖縄振興特別措置法に基づく高率補助を活用して、安全・安心な学校づくりに努めていきたいと考えております。
 次に、青少年の健全育成等についてお答えします。
 青少年の健全育成については、学校、家庭、地域が日ごろから緊密な連携を図り、青少年の社会参加や社会的自立に向け取り組む必要があります。
 家庭においては、幼少のころからの規則正しい生活やしつけ等の基本的生活習慣の確立、学校においては思いやりの心や規範意識の徹底、地域においては自治会や青年会、PTA等が一体となり、地域行事等への参加を通して体験的な活動の取り組みが必要であります。
 県教育委員会では、問題行動のある生徒を立ち直らせるための生徒のやる気支援事業や地域と連携した地域連携推進事業、大人と子供が一緒になって活動する地域子ども教室等を推進しております。
 今後とも、地域の子は地域で守り育てるという機運を高め、クリーン・グリーン・グレイシャス運動や愛の一声運動など、県民総ぐるみの運動を展開して青少年の健全育成に努めていきたいと思います。
 以上であります。
○警察本部長(大平 修) 最初に、県内の少年非行の実態と特徴等についてお答えします。
 窃盗、傷害等で検挙・補導された刑法犯少年は全国的には減少傾向にありますが、本県では平成17年中2313人と前年に比べて651人、39.2%増加しております。本年も5月末現在で816人と前年同期比18人、2.3%増加をしております。
 県内の刑法犯少年の特徴としては、第1は、低年齢化しているということです。
 刑法犯少年のうち中学生の比率が57.9%で、全国平均の34.6%の1.7倍、全国で最も高い比率となっており、また小学生の比率も7.3%で、これも全国平均の3.4%の2.1倍と低年齢化が顕著であります。その要因としては、少年自身の規範意識の低さと少年の行動に対する親の関心の低さなどが考えられます。
 第2は、刑法犯少年の大半が窃盗犯であるということです。
 刑法犯少年に占める窃盗犯の比率は78.5%で、全国平均の58.6%を大幅に上回り、全国で最も高い比率となっており、その動機の6割が欲しくなったから盗んだという安易なもので、規範意識の低下がうかがわれる状態であります。
 また、窃盗犯に占める侵入盗犯の比率も12.1%と全国で2番目に高く、これは強盗に発展する可能性もあることから、本県の少年による窃盗犯は悪質であると言えます。
 第3は、共犯事件が多いということです。
 少年犯罪のうち53.8%が2人以上によるもので、全国で最も高い比率となっており、グループによる非行が顕著な状況にあります。グループ化の要因としては、出身中学校単位の先輩・後輩のつながりが強いということなどがあると考えられます。
 第4は、再犯者率が高いということです。
 犯罪少年の再犯者率は35.8%で全国で2番目に高くなっております。その要因としては、関係機関による立ち直り支援が不十分であることと、親の監護能力の低下等が考えられます。
 次に、不良行為について説明いたします。
 飲酒や深夜徘回等の不良行為で補導された不良行為少年は、平成17年中、全国では前年比3.6%の減少、本県でも9.6%減少しております。しかしながら、本年は1万4844人で、前年同期比で2588人、21.2%の増加となっております。
 県内の不良行為少年の特徴は、第1は、深夜の不良行為が多いということです。深夜徘回を初め不良行為の71.9%が深夜に補導されており、少年の生活の乱れが顕著であります。
 第2は、飲酒、家出等の不良行為が多いということです。
 少年人口比では飲酒が全国平均の約9倍で全国ワーストワン、無断外泊や家出は全国平均の約5倍で全国ワーストツーという不名誉な状況にあります。
 この特徴の第1、第2とも保護者の家庭での監護教育が不十分であることや、地域による健全育成活動が不十分であること等が要因と考えられます。
 当県の少年非行対策は、検挙・補導活動を強化して早期に非行少年等を発見し、必要な保護処分を行うこと、学校、市町村、地域住民がそれぞれの立場でそれぞれができる指導や支援を効果的に行うこと、保護者による幼児期からのしつけや規範意識等の家庭教育をきちんと行うこと等、県民総ぐるみで取り組むべき重要な課題であると認識しております。
 警察としては、この実態及び要因を踏まえ、検挙及び補導活動、非行少年の立ち直り支援活動、非行防止教室による少年の規範意識高揚活動、幼児期の家庭教育の指導支援活動等を強化・推進しているところであります。
 次に、窃盗事件の概要についてお答えします。
 本件は、暴力団組合1名を含むいずれも本島中部に居住する18歳から27歳までの友人・知人関係にある21名の者が、主に本島中南部を中心に空き巣ねらいやオートバイ盗を繰り返していた事案であります。
 本件につきましては、昨年11月、県警安全なまちづくり推進課と沖縄警察署が3名の者を空き巣ねらいで現行犯逮捕したことが端緒となっております。
 逮捕後の取り調べにより窃盗グループが判明したことから、関連する被疑者を順次検挙したところ、同グループの犯行は平成11年から検挙されるまでの7年間に犯行件数約300件、被害総額約2800万円に及んでおります。
 21名の者はほとんどが同じ中学校の先輩・後輩等の関係にあり、先輩が後輩を誘って犯行を繰り返していた者や、暴走行為をするために犯行に及んだケースもありました。
 以上です。
○議長(仲里利信) 以上をもって代表質問は終わりました。
 本日の日程はこれで終了いたしました。
 次会は、7月3日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後4時0分散会

 
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