委員会記録・調査報告等

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経済労働委員会記録
 
令和3年 第 1臨時会

1
 



開会の日時

年月日令和3年8月18日 曜日
開会午後 2 時 46
散会午後 4 時 38

場所


第1委員会室


議題


1 議員提出議案第1号 新型コロナウイルス感染症の影響を受けている観光産業の再興に関する条例


出席委員

委 員 長 西 銘 啓史郎 君
副委員長 大 城 憲 幸 君
委  員 新 垣   新 君
委  員 大 浜 一 郎 君
委  員 島 袋   大 君
委  員 中 川 京 貴 君
委  員 上 里 善 清 君
委  員 山 内 末 子 さん
委  員 玉 城 武 光 君
委  員 仲 村 未 央 さん
委  員 赤 嶺   昇 君
委  員 翁 長 雄 治 君

委員外議員  座 波   一 君


欠席委員


説明のため出席した者の職・氏名



○西銘啓史郎委員長 ただいまから、経済労働委員会を開会いたします。
 議員提出議案第1号新型コロナウイルス感染症の影響を受けている観光産業の再興に関する条例を議題といたします。
 休憩いたします。

○西銘啓史郎委員長 再開いたします。
 議題の審査の方法については、休憩中に御協議いたしましたとおり決することに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○西銘啓史郎委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 なお、審査に当たっては、大城憲幸副委員長に委員長の職務を代行していただきますので、よろしくお願いいたします。
 休憩いたします。

○大城憲幸副委員長 再開いたします。
 議員提出議案第1号新型コロナウイルス感染症の影響を受けている観光産業の再興に関する条例の審査を行います。
 先ほど決定いただいたとおり、提案理由の説明は省略し、直ちに質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないよう簡潔にお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 翁長雄治委員。

○翁長雄治委員 お願いします。
 前提として、今回の条例の皆様のおっしゃるところの趣旨は理解をしていて、我々としても観光をどうすべきかというところについての認識は一緒であるというということをまずは話しながら、ただ、やはりこの条例案が提出されるということが新聞に載ったところから、いろいろと県民から我々も御意見いただいておりますので、その辺りの懸念をただしていきながら議論ができればなと思いますので、よろしくお願いします。
 まず最初に、これは前々から申し上げている部分でもあるんですけれども、公式の場が今日初めてということで、今日の本会議でも少し出ていたかなと思うんですけれども、今感染状況が大変厳しい中で県議会がこの条例を出すことによる県民へのメッセージ性が非常に気になるところです。県民には自粛を求めている中で、他者が県外から―県民からこの条例がそうではないとしたとしても、すぐじゃないよという話であっても、県民からすると県議会はすぐにでも県外から人を呼び込もうとしているんじゃないかというようなことに受け取られかねないと。その辺りの県民が受け取りかねないこのメッセージ性、我々が誤ったメッセージを出してしまうんじゃないかというところの懸念についての見解をお願いします。

○座波一議員 先ほどの本会議でも答弁しましたとおり、沖縄県も本臨時会において地域観光振興支援事業を補正で計上しております。ここでも改めて事前の準備だと明言しています。我々も提案理由の中でも再三、安定期を見越した提案であるということは何ら変わりはございません。
 さらにこの時期かということについては、それでは提案していい時期というのは見えるのかと。逆にこれが非常に見えてこないわけです。ですので、実は昨日、この議案提案をするという報告も兼ねて観光業界に改めて声をかけて、リモート会議もいたしました。その中で、なぜこのタイミングかという質問すら、そのものに対して非常に違和感を訴えておりました。いわゆる今でしょうというような話であります。ですので、時期においては私どもはジャストだと考えておりまして、県民に説明をするにおいても、今いきなり観光客を呼び込むのではない、ちゃんと準備をして、それなりのいわゆる施策が―本会議では言いませんでしたが、いろんな呼び込む中でも来訪者に対する取組をした中で安全に来てもらおうということを考えているところでございます。

○翁長雄治委員 私もいろんなところで説明を求められたときには、皆様から先日いただいた言葉を申し上げながら、いろいろとこういうふうに自民党さんも考えているんだよということで説明しているんですけれども、公式の場でしっかりいただきたいなということもありましたのでやりました。
 皆さんの中で、県が取れていない補助メニュー等々取れていない予算がある、これをバックボーンにしながら取りにいきたいというような御説明があったかと思います。その辺を具体的に教えていただけないかなと。県は総合相談窓口などを設置しながら、この事業者に合った必要な補助メニューを政府のほうから取っているのではないかなというような私たちの今の認識ではあるんですけれども、その辺の見解をお願いします。

○座波一議員 最初にざっくりではありますけど、取れていない予算というよりは、今やっている予算の多くはコロナ臨時交付金からの分でございます。その中で、いわゆる対処療法的な部分が一番多いわけです―言葉は適切かどうか分かりませんが、止血に多くの予算をかけている状況です。我々はそれだけでよしとせず、このコロナ対策を取ることによって観光再興に対する効果も相まった政策にするということで、その部分の予算が取れていないと認識しております。ですので、先ほど申し上げましたデジタル技術を使って来訪者にコードが触れるような、QRコードが取れるようなシステムの導入、あるいは認証プロジェクトの強化をすることによって来訪者に対するインセンティブを与えたり、クーポン券を与えるというようなことも考えているわけでございます。そしてワクチン接種に対する促進についても、そういった施策を持って考えておりますが、ワクチン接種状況の登録者を基にAIで分析して、接種の状況や残存数をリアルタイムで把握し、可視化するような方法を取ってワクチン接種を進めていくという方法。そして自宅療養者情報を一元管理するという、これも新たなデジタル技術があります。そういったものも考えております。さらに、AIを活用して重症度のアセスメントを遠隔医療システムによってそういうものを把握して、登録情報として管理していくということなど、この辺が事業といえば事業なんですが、ほかもあります。ほかにもありますが、そういったものに対する事業の取組に対するメニュー、補助が今はないというのが現状だと思っています。

○大浜一郎委員 委員会のほうで話したほうがいいだろうと思っておりましたが、私たちが今説明したとおり、各省庁が今やろうとしていることでまだ沖縄で実施されていないことがいっぱいあります。特に我々は沖縄新バブル方式を実現して、経済対策につなげる施策展開と予算請求策の事例として、こういった既に省庁が打ち出しているようなことがまだ沖縄で実施していないこともあるので、それを積極的に取り入れたいというのを県とプラスアルファ―新条例が求める施策で沖縄県で実施予定の緊急的な施策の一覧ということで、これは短期的なものです。これが中長期的。これが感染者対策事業です。これが経済対策事業、そしてこれは沖縄県が今やっているような、これがやらなきゃいけないことですね。今感染症事業として沖縄県がやっているのはこの分野です。
 要するに、まだまだやることがいっぱいあると。短期的にやらなければいけないこと、今手だてを講じておかなければいけないこと、そういった問題を今我々は精査をしておりまして、今手を打たないと中長期的につながっていかない施策、そういったものが明らかに浮き出てきたなということによって、これを実施するためにやはり条例というものを一つの後ろ盾にして、そこから施策を展開して―今県のほうにお伺いすると、どうしても臨時交付金の件のみの予算措置、あるいは全国知事会といいますが、全国知事会でいくと沖縄独自の施策に対して特別な配慮を求めることが非常に難しいと我々は認識しているんです。ですので、そうではないもう一個の予備費というものがあります。そういったものに関してしっかりとアクセスして、私たちがこの条例をもって施策を展開するに当たっての必要ないろいろな予算規模を考えておりますけれども、こういった具体的に持っていくと。これはあくまでも沖縄自民党としても動きますけど、これは県の施策として県がまた頑張ってもらわなければいけない話なので、一緒に動いていきたいというように思います。そういったことを考えています。

○翁長雄治委員 今の御説明でいろいろと理解できたところなんですけれども、僕の認識違いじゃなかったらいけないということなので根本的なことの確認なんですけれども、要はこの条例を通した場合に取りにいく予算というのは、予算というか、そこから想定されるものというのは、観光客を受け入れて、その先のインセンティブとかそういったところだけではなくて、受け入れるための要は抑え込んでいかなきゃいけないと。そういった施策を打つための予算にも充てる予算を取りにいくというような認識でよろしいですか。

○大浜一郎委員 ですので、今回の条例になぜ感染対策が入っているかという疑問点があったからというふうに思います。なぜ特化しないんだというような話もあったと思いますが、これは両輪です。両輪でいかないとうまくいくはずがないので、両輪でやることによって効果が発揮できると我々は今までのいろんな人からの知見でもってそう確信しました。ですので、今回は今までの条例や国の施策、法律、今沖縄県がやっているインフルエンザ特措法の問題に対する県の行動計画ももちろん知っておりますが、それも否定するものではないです。それを取り入れつつ、この2つを一緒に両輪で回していかないとうまくいくものではないということははっきりしたので、これを条例に盛り込んでここから施策を展開していこうと。そういったことを思っています。

○翁長雄治委員 あと2つくらいなんですけれども、この予算を可決して皆さんの思惑どおり予算が取れたとした場合なんですけれども、感染症対策についての予算については、誰が見ても今すぐでも回すべきでしょうと。ただ、感染症がある程度収まっていよいよ観光客を呼び込んでいこうというタイミングがどこかで来ると思うんです。その準備をするための予算ということなんですけれども、一つここで気になるのが、沖縄県がこれからワクチンが非常にうまくいって、感染症対策もうまくいって、新しい政策も含めて回って、ただ、この年度内にそれが実行できない場合というのはまだゼロじゃないと思うんです。年度をまたいで来年のゴールデンウイークぐらいからやっとお客さんを呼び込めるという場合に、この中で経済対策に充てようとしていた予算というのはどういうふうな取扱いになっていくのか。要は取ったのはいいけれども、この予算を使わずに終わった場合、未執行で終わった場合に、これは例えば財調に入れることができるのか、国に返さなきゃいけないのかというところ、これを少しだけ、もし分かれば。

○座波一議員 我々がこの条例をもって予算を要求するというのは、先ほど申し上げた事業を伴っていくわけですけど、そのときに県としっかりとした打合せをします。県の認識が一致していなければ、これはまだ予算要求がしづらいわけです。これは当然です。ですので、県の考えている事業を取り入れることによって、経済対策がどの分野が足りない、あるいはどの分野に力を入れるべきだという方向が見えてきます。その時点で決まるものでありまして、余った予算をどうするか。しかし、これは予算の関係上、繰越しができるかどうか、どこまでできるか、そこも今後研究しないといけないことではあります。

○西銘啓史郎委員 まず一つ確認しておきたいことは、我々は条例を今提案しています。これがこの委員会の中で議論されて、委員会で採択されるかはこの後ありますけれども、この条例と予算、施策というのは、ある意味施策を決めるのは我々じゃないんですよ。予算を要求するのも、編成権は議員側は持っていませんから。執行部がこういった条例を基に何をやっていこうと。実はこの間、与党への説明のときにも、条例制定の理由、目的、想定している主な施策というものを一覧表でお渡ししたと思います。その中には観光産業の再興、防疫体制の強化と、我々としては今案を持っています。これをこの間、謝花副知事とも話をする中で、条例が制定された後には各部局ともいろんな話をしながら詰めていって、我々が持っている予算の総額、今想定している、この場では御披露できませんけれども、その額と県との話によってこれが幾らになって国と調整をするということですから、最後にやはり予算の要求元は我々議員ではなくて県であること。だから我々はバックアップとして動くということをまず御理解、御認識していただければと思います。その後の予算がどうなるかも我々には決定権はありませんから、繰越しできるできないもですね。そういうことでお願いしたいと思います。

○翁長雄治委員 分かりました。
 これから聞こうと思ったことも今先行して教えていただいたので、最後に1つだけ確認したいと思います。前回、会派で説明を受けた際にも、対象の範囲がある程度絞れていないと、逆に僕らとして県民の中で混乱が生じないかなと。当然、今いろんな分野の方が影響を受けている中で、当然皆さん、私たちはこれはどうなっているのかというのが出てくると思うんですけれども、ある程度対象を絞っていかないと自分たちがそれに当てはまるのかはまらないのかみたいなものが、県民の中で混乱が起きないかなという懸念が最後にあるんですけれども、これをどのように考えているのかお願いします。

○大城憲幸副委員長 これは観光以外の産業で対象ということですか。

○翁長雄治委員 観光の関連事業者は広くなってくるので。

○西銘啓史郎委員 この件は昨日の観光産業との意見交換、その前の7月に行った意見交換の場でも具体的に観光産業というのは明確にすべきではないかと。例えばバスとかタクシーとか。これを列挙すると非常に範囲が広いことと、その中で私どもが説明したのは、例えばバスに対する事業であれば、バス協会からは修学旅行の支援策としてバス2台を用意してくれるとか、いろいろ具体的なもの来ています。これを実現するに当たっては対象がバス会社だったりいろんな業界ということで、その施策の中で対象業者を明確にするべきではないかというふうに私たちは今考えています。最初からこの条例でABCDEFGと裾野を全部広げるよりは、施策を実行するときにこの施策についてはどこどこ、どの業界ということを明確にすることで、その産業が再興できるということになるのではないかというふうに考えております。

○座波一議員 支援策の中に大別すると直接給付する支援金と、あるいは政策を支援する支援金があるわけですね、政策をつくる。ですので、観光業というふうにくくった中で支援策をする場合には、これは細かく特定する必要はないんです。というのは、先ほど申し上げたとおり安心・安全に観光客が渡航できるシステムをつくるのであれば、広域連携システムをしっかり取って、県と県をまたぐ関係研究機関とそういう情報を相互に交代して、安全な観光客を迎え入れるシステムを取るには、これは別に業界・業種を特定する必要はないと。
 ですが、やはり特定が気になるのは支援金、直接給付金には非常に、先ほど西銘委員が言ったような内容であります。これについても、県と打合せしていく中で、支援金が本当に足りないのはどこか、あるいは国はその部分まで認めることはできるかというのがあります。我々が取りにいく予算の中に、それには使えませんよというのもあるかもしれません。ただ、そこはこれからの交渉次第だなと思っています。

○翁長雄治委員 最後に確認で、この条例を通して様々な施策を、直接給付のものも含めて取りにいくと。それで直接のところは当然、業者はある程度固めていく必要があるかと思うんですけれども、それは県と今後どこの分野に支援をしていくのかということを、この条例で―あくまでもバックボーンであるので、国に沖縄県の中で今どういった業種が苦労しているかということを訴えるためのもの。施策、政策については様々な一つのあれがいろんな分野にまたがるので、その中でどの業種も当てはまるようにしていくという、それが多分第6条かな、そこに係るという認識でいいんですね。
 はい、以上です。

○大城憲幸副委員長 ほかに質疑はありませんか。
 上里善清委員。

○上里善清委員 今回の条例、観光産業をメインに一応銘打っておりますよね。今コロナで全ての産業に影響が出ていると私は考えているんですよ。どうして観光を前面に出したのか。3割ほど沖縄の経済を支えているという理屈は聞きましたけど、裾野が広いですよね、生産業からいろいろ農業まで含めて。観光という名を打つ理由を教えてください。 

○西銘啓史郎委員 上里委員の今御質問ですけれども、先ほどの本会議で比嘉瑞己議員からあったように、私たちはもちろんほかの産業も再興すべきであると思っています。ただ、私が説明した中でも、観光産業がリーディング産業だと、基幹産業だということがなかなか県民の皆さんに伝わってない可能性もあるような気がするわけです。振り返ってみると2年前のこの時期は、もうオーバーツーリズムでしたよ。クルーズで5000名が来て、観光バス100台で首里城に行って渋滞になるとか。オーバーツーリズム、観光公害をどうするかという時代から、もう大逆転になって壊滅的な状況であると。観光産業も県民なんですよね、働いている方々は。先ほど言いました間接雇用を入れると14万何千人の方々が働いていらっしゃるので、県民の生活を守ることイコール観光だと。私は観光と県民の生活は別だと思ってないです、観光産業とですね。ですから、今の御質問に関しては観光産業は裾野が広い、ひいては農業、漁業、生産業まで関わってくる中で、そういう観光産業の再興イコール県民の生活、生命にも寄与するというふうに理解していますので、そういう観点で今回特に観光に焦点を当てていこうと。決してほかの産業を無視するということではないということだけは、第6条に明記していますので、御理解いただければと思います。

○大浜一郎委員 私は離島の観点から申し上げますと、やはり離島に行くと要するに観光産業が全ての産業の中心。そこが外貨を稼いでくるという産業になっているわけです。観光が比較優位性があると。比較優位性がある産業は、離島にとってメインは何かといったら観光産業なんです。やはり観光産業が稼ぐ力を持って、そして誘因することによって一次産業と農林水産業とかいろんなお土産品とかいろんな流通関係、もう全てに―これが今再興してもらわらないと非常に厳しい状況というのは、離島にはもう顕著なんです。ですので、できるだけこのコロナ対策と観光再興―とにかく時が来たときにすぐにでも動き出せるような仕組みづくりをしておこうというような、特に離島にとってはとても大事な考え方だというふうに思っているんですね。ですので、ほかの産業はどうだというふうに―観光という名前がつくからそこだけじゃないか、というようにある意味誤解されているかも分かりませんが、これ全部に引っかかってくる施策のための条例だということを、ぜひ御理解いただければなというふうに思います。

○上里善清委員 これは本委員会でも出たんですが、財源の根拠といいますか、先ほどいろんなメニューがあるということをおっしゃっておりましたが、私たちはそれが十分に分からないんですよ。その根拠になるものを示していただきたいなと思います。

○座波一議員 根拠になるものを示すというよりも、ここで示すということはちょっとどうかとは思いますけれども―まず、このコロナ対策については、あるいは観光振興についての補助メニューというのは、今あるものの中から臨時交付金等も含めてあるわけですけれども、補助メニューにないものを取りにいくわけです。これがいわゆる国庫予算の予備費、コロナ交付金の予備費じゃないんです。総額でいうと5兆円の予備費があるわけですね、今年度。その残額があります。その部分に絞って取りにいく。これは沖縄県の現状を踏まえて緊急かつ危機的な状況を訴えて、沖縄県の意思として条例を根拠に基づいて取りにいくと。いわばそれが根拠に―これは示すことになればそこなんです。だからそれに向けて、ではどこに行ってどうすればいいというものを今研究中です。手応えも感じているわけでございます。

○大城憲幸副委員長 ほかに質疑はありませんか。
 山内末子委員。

○山内末子委員 ありがとうございます。
 だんだん見えてきました。でもその中でやっぱり幾つか確認をしたいことがありますのでお聞きいたしますけれど、まずこのコロナ感染拡大、これをまず予防していく。そしてもちろん経済を動かしていく。この両輪だということも私たちもみんながやっぱり県民が今望んでいるところだとは思っております。その中で、今は予算の件ですけれども、この新しいメニューの中で今いろいろ研究をしていると。そういうことがあるので、どうしてもこの条例がなければこの予算を取りにいけない。そういうことがあるので、一刻も早くこの条例を制定をしたいというのが皆さんの目的の中で今見えてきた大きなものが、一番の目的がこれなのかなというふうに思っておりますけど、どうですかその辺。この感覚でよろしいですか。

○西銘啓史郎委員 山内委員、ありがとうございます。
 与党の説明会の中で、意見書でもいいんじゃないかという御意見もありました。意見書というものは法的な拘束力も含めて、例えば我々が政府や自民党に行くときに重さがないわけですね。ですから、条例を本当は全会一致で―本当は全議員で提案してほしかったんですが、我々の説明不足で申し訳なかったんですけども、いずれにしても、提案をしてこれを通すことの重みというのはあると思います。これが通ったらできるとかというより、通ることの重みは全然違うと思います。それを我々政府の主な人から、または自民党の主な人からも言われていますので、この条例を通すことには、どうしても通した後にまた次のステップがあるということで、これはぜひ御理解いただきたいと思います。意見書とは全然違うということをまず御理解いただければと思います。

○山内末子委員 その意見書と条例の違いというのはもちろん理解はしているところですけれど、ただ、条例の重みというのはつくるときの過程が大事だと思うんですね。今回私たち初めてこの条例の提案を受けまして、議員の提案で条例を制定する際に、やっぱりここにはどうしても関係者の意見であったり、普通いろんな条例を制定するときにパブリックコメントであったり、関係者の意見の聴取であったり、そういうものを踏まえた上で盛り込んでいくというのが普通の条例のつくり方だというふうに理解をしております。今回はとにかく緊急的な対策だということがまず大きな皆さんの目的ではあると思っていますので、それといっても、その予算を取りにいくにしても、県の責任をすごい明確化しておりますし、それを訴えるにしても入れるにしても、やっぱり県との調整、県が幾ら頑張って―今とにかく頑張ってはいますよ、いろんな意味で。新しいメニューもたくさん今日の議会の中でも説明がありました。新しいメニューのことも相当研究はしておりますし、今後もそういう対策は出てくると思うんですけれど、それではないまた新たな予算を取りにいくときの作業の過程であったり、そういうことを考えていくと、どうしても県との調整は十分やっていかないといけないんじゃないかというふうに思いますけど、その辺の調整についてはいかがでしょうか。

○座波一議員 まず、4月後半でしたかね、5月でしたかね。我々が自民党の沖縄振興調査会に行ったときに、その沖縄振興計画以外に―実は中川委員も一緒でしたが、沖縄振興審議会のメンバーの元閣僚から、沖縄県の対応策、非常に歯がゆいんだと。この海に囲まれた島国沖縄が対策を打てば効果が出るはずなんだということを考えてくれないかと。そのためには条例案もつくっていいんじゃないのかというような、本当に叱咤がありました。激励がありました。それからこのお話が始まったと考えています。その後も何度か上京して、その分野についていろいろできる角度から交渉してみた結果、やはり沖縄側の強い意思が必要なんだということがありました。そうなると、やはりそれを示すには意見書、決議書ではまだまだ弱いということで条例案に踏み切ったわけですけれども、それを始めたのが6月の初めで、丸々3か月かかりました。ただ、当初から執行部との調整となると、これは想像してみても御存じだと思いますが、執行部とそういったものを調整しても、恐らく真正面から組み合ってもらえないだろうというふうに―今の政治状況も含めて、政争にはしたくないんですけど、そうなるだろうと思っていて、ある程度完成形を持って交渉しなければならないと思って、精度を高めるために取り組んでまいりました。ですから、議会事務局の法制班のアドバイスも含めてやってきている中で、ある程度精度が高まった後に副知事にも説明を申し上げて、最近では総務部長あるいは財政課長の質問にも答えました。その中で副知事も申し上げていることは、それはありがたい話なんだと、本音で言えば。このようなものができてくればそれはありがたいと。あとは本当に予算が取れるかどうかですよと。特に財政課長は言っていました。だから、この文言、6条項しかない文言で否定できるものはないはずなんです。ですので、あとはこれを示して、一緒に沖縄県の意思として取りにいこうではないかということのほうが大切じゃないかなということです。

○山内末子委員 もちろん、この問題はどんなことがあっても政争にしてはいけないと思っています。我々も別に皆さん方から出したからといって、それを否定するとかそういうことで今質疑をしているわけでもありませんし、沖縄県のために本当に観光協会あるいは観光産業、それからその他の経済をどうやって早く回していかないといけないかということは、同時にやっぱり皆さんと一緒に考えていかなければならないという観点から議論をしていかなければならないと思っています。今座波議員がおっしゃっていたように、やっぱりこれは先ほどの国のほうの皆さんたちの話の中でも、沖縄県の強い意志を示してもらいたいという意味ですよね。だから意見書ではなくて条例だと。だからこそ私は一緒に、もう県のほうとも一緒にやっぱりここは作業を進めていかないとけないんじゃないかというふうに思っています。強い意志を示した上で、皆さんがそれを受け取ってきました。そして、こうやって提案を今しております。でも、この中でやっぱり我々がもっと、この中で実は具体的に条文の文言とかかなり気になるところが出てきておりますので、これももう一度皆さんたちと協議をしながら、その作業を一緒に、執行部の皆さんたちにもこの条例について意見もこの場所でも聞きながらそれをつくり上げていくという、こういう作業が大事じゃないかなというふうに思うんですね。先ほど来、やっぱり知事の強い意志を県民にも見せていくんだと。そのためには、やっぱりつくったものを、はいどうぞ、やってくださいではなくて、つくる過程からやっぱり一緒に考えていって、その中でもしかするとこの条例以上に強い意志を示す場所が出てくるかもしれないということも考えられるんですね。ですから、そういう意味では、例えば今日ここで全てのことを終結ではなくて、執行部の意見も聞きながら、その中でこの中にあるその条文の文言とかの修正とかも考えながら、改めて、私はもっと、例えばタイトルとかも県民がすぐに分かりやすいように―条例の中にはほかの産業も入っていますよ。でも、県民はタイトルしか見ないと思うんですね、ほとんど。観光産業という条例ができましたよと。じゃあほかの産業はって、先ほどもありましたけど、こういうタイトルから一つ一つ、もっと条文の中にも気になる文言とかがありますので、そういうところでの皆さん方との改めての議論の場の設定というのは考えられないのかなというふうに思いますけど、その辺はいかがでしょうか。

○座波一議員 まず、当然執行部の意見を聞くことも大切だろうという指摘は、十分、当然だと思っています。ただ、時期も考えていく必要があるわけですね。この予算を取るという時期が9月までずれ込んでしまうと、国の政治情勢が非常に混沌としてくるということもあります。ですので、時期的にどうしてもこの8月では何とかしたい。本当は8月のXデーというのがあったんですが、それも非常にこれを目標にしてきたわけですけども、これも今微妙なところになっているぐらいであります。文言についても、これは当然指摘することはしていただきたい。直せるものなら直してやっていきたいということは否定するものではありません。タイトルについても、これはさんざん議論しました。やはり観光だけに見えないかというふうに、それを懸念するところも当然ありました。ですけど、これを全産業、全経済というふうに逆に枠を広げてしまうと、こんな条例では収まらなくなってくる可能性だってあるわけですね。さらに一歩、もう一歩進んでいくと、完全に理念化してしまう可能性だってあるということで、やはりGDPの4分の1を占める裾野の広い観光産業こそ今壊滅的な被害を受けているというのは明らかですから、まずはそれにフォーカスしていって、実効性を高める事業をつくっていくことこそが、本当にこれが効果的なんだということで、やはり観光再興という言葉を入れようというふうに決まった経緯があります。我々は、そこら辺は当初からそれはもう議論して決めたということは御了解願いたいと思っています。

○山内末子委員 ほかの方もたくさんあるでしょうから、最後ですけれど、やっぱり実効性のある条例にしていかなければならないという観点からは、今のままだと私はこの皆さんがおっしゃっていました新しいメニュー、新たなメニューを取っていくためには、どうしても時期的にも今じゃなければならないということではあるんですけど、じゃあその本当にこの条例をつくったときにこのメニューが取れる担保、そういった担保がないと、実効性のあるものにも仕立て上がっていかないんですよね。そういうことを踏まえると、もう少し議論もしないといけないでしょうし、もう少し具体的な実現性に向けての作業が必要かなというふうに思うんですけれど、スケジュール的にはそれでは8月いっぱいぐらいまでにはこの条例は制定をしたいというふうに考えておりますか。それでいいですか。
 それともう一点、最後に。この条例については4月―来年の3月までということでの時限的な条例ということになっておりますけど、これからこの条例を実行していくには、どうしても時間が必要だと思っているんですね。今の状況だとまだまだこの観光が順調にいける状況じゃないですから、あと半年でそういった観光の再興につながっていくような、そういう条例になるかといったら、またこの時期的なものを考えないといけないんじゃないかというふうに思っていますので、そういったことを踏まえて、一つ一つもう少し皆さんと一緒に再考していかなければならないかなというふうなことも申し上げて、終わります。

○座波一議員 この条例案は時限法ということでありますが、その時限法はまた条例改正案によって延長するということになってますから、会計年度終了時の直前の議会で、この条例案についての効果とあるいはその成果を検証して、次に延長すべきかを判断して、またそれを取りかかるというふうな繰り返しになるかと思います。同時にコロナ自体が来年4月までに収まっているかどうかも、それも分かりません。ですので、これが成立したら我々は全力でそれに取り組まなければいけないとまず思っています。年度末で獲得できたら、繰越しをできるものはさせるようなやり方も含めて、取り組んでいくということも当然考えて動かなければいけないと思っています。

○大城憲幸副委員長 ほかに質疑はありませんか。
 仲村未央委員。

○仲村未央委員 ありがとうございます。
 本会議で座波議員が提案理由で述べていらっしゃいましたけれども、観光産業を主体とする部分の経済波及の大きさを見れば、本当にこの産業を頑張っていただかない限り、本当に沖縄経済そのものが潰れてしまうということの危機感、それから不安、この中に県民全体が置かれているという、このことは非常に共有をするものです。そういう意味では、こういった条例を提案することによってこの議論を深めるという形で、今その機会を得たことに非常に敬意を表します。
 ただ、条文上、幾つか確認をしておきたいし、またできれば提案も含めて次につなげていかなきゃいけないところもあるので、まず御意見を一つ一つ伺いたいと思うんですけれども、まず2条の定義の関係です。2条で皆さん定義を規定されていて、新型インフルエンザの感染症の定義、これがこのような表現―皆さんのものは「令和2年1月に、中華人民共和国から」ということで、そのような書きぶりになっていますけれども、この定義はどこから出てきているのか。私としては、やっぱりこれは法の定義にそろえることが必要ではないかと思っていて、新型コロナウイルス感染症が定義されている法律がありまして、これは感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の中で明確に定義があります。ここにそろえる必要があるんじゃないかなというふうに思うんですけれども、そこはどのようなことになっていましたか。

○座波一議員 御指摘ありがとうございます。定義については、まずこれを定義すべきだろうというのから始まりました。というのは、感染症はコロナだけではないと。すなわち、コロナというのに限ってこの条例はつくるものであるだろうということを先に考えております。ですのでこの定義を入れたわけですが、これは令和2年の新型コロナウイルス感染症が今、日本国内では位置づけられておりますので、それが現在まさに県民に影響を与えているということで、それを対象とすると明記するものです。

○仲村未央委員 では、そこをちょっと検討いただきたいんですけれども、私が先ほど申し上げました、感染症法と呼ばれている感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律、その中に新型コロナウイルス感染症の定義が載っていまして、ここの定義では「新たに人から人に伝染する能力を有することとなったコロナウイルスを病原体とする感染症であって、一般に国民が当該感染症に対する免疫を獲得していないことから、当該感染症の全国的かつ急速なまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるものをいう。」というふうに規定されていますので、ちょっとそこを参考にされて、この法にそろえるほうがいいのではないかという、これは後でまた御検討いただければと思いますが、いかがでしょうか。

○座波一議員 ありがとうございます。これは参考にさせてもらいます。

○仲村未央委員 それから、先ほど来議論されている肝腎なところで、この条例の実効性をどう上げるかというところでの財源との結びつき、それから事業との結びつきですよね。今条文上で、皆さんが先ほど来ここでちょっと言いづらい部分もあるとか、全部をつまびらかにしにくいというところも含めて、その条文から直接読み取れないような事業も含めて出てきているわけです、想定の中に。ただ、もちろん国に大きくは求めていくという前提があると思いますけれども、やはり県の責務とうたう以上、県の執行も伴うという意味ではやはり県との十分な調整も必要というのは、先ほど来皆さん答えていらっしゃるところです。
 それから、想定する施策というのが一体何であるかということも含めて、これを条例にしていく以上、今は自民党さんの中での検討として深めていらっしゃると思いますけれども、やはり条例にしてそれを議会として共有をして、ひいては沖縄県の要求として上げていくということであれば、この事業に関してもここで条例制定に当たって、やはり一定の共通認識―目標とする、何を獲得するかというところを持っておかないと、なかなか審査としては、つくった後はお任せしますということにもならないんだろうというふうに思いますので、そこら辺の進め方としてはどのように考えていらっしゃるのか。

○西銘啓史郎委員 仲村委員の今の御質問ですけれども、以前も御説明したとおり、我々が想定している観光関連の施策を―先ほど大浜委員が説明したように緊急を要するもの、あるいは短期的なものと長期的なもので区分けをしています。この一つ一つを、例えば県でいえば文化観光スポーツ部だったり保健医療部だったり、おのおのの部署と情報交換して決定しなきゃいけない部分もいっぱいあるわけですね。そのときに、まず僕らが何度も言っているのは、まず条例を通した後の次の施策―要は今すぐ施策を実行しなきゃならないものもあるわけですよ。まだできていないもので、例えばというのもあれですけど、今自宅療養が増えている中で保健所が電話でなかなかコールもできないような状況があると。沖縄県も増えています。これをロボットでコールするような、東京でも既に実施している事業があったり、そういったものの予算化をしたり導入したり。それから今も言いました積極的疫学調査、保健所がなかなかできないものを、これも人の記憶に頼るものではなくてシステム化したものでできないかとか、そういったいろいろなものがあるので、この一つ一つをこの中で議論するより、まずは条例を通してもらって、それから次のステップとして一個一個の施策をいつまでにどうやるかというのは、国との交渉も必要だと思いますし、県ともやりたいというふうには常々考えているところです。

○仲村未央委員 進め方については、この委員会を中心にもちろん議論を重ねていくことになると思うんですけれども、やはり条例を制定する以上、想定する施策、事業、そして予算の規模、対象の範囲等々やっぱりあらかじめ共有できる範疇というのは、もう少し具体的に共有しておかなければいけないのかなという感じもしていますが。

○大浜一郎委員 実はこれをつくっている最中に、例えば企画部の部長に今後必要となるであろう予算の項目と、何に予算が必要になってくるかということは一応お聞きはしています。あと商工労働部に関しても、やっぱりこういう予算が今後必要になるだろうというのは一応お聞きはしています。この分野にこれだけ必要だろうというのはお聞きしているので、多分にそういったことも含めて、やはりこの分野に関しては予算を集めておかないと―沖縄独自の問題もあろうかと思います。他府県とは違うところもあるかと思います。ですので、そういったことをより具現化していくためにも、この条例があることによって策定ができたり、今もって予算が欲しいんだけどなかなかその予算が生み出せない、要するにゴールがちょっと見えないとか、どうしたらいいのか迷っているというようなところがあるのであれば、そういったところで施策をつくってそこに一緒に動けるのではないかなと今思ったりもしているものですから、何をするから皆さんが議論できないというのではなくて、これはどっちが先かという議論ではなくて、まず今後必要だということは明確に多分部局のほうが分かっているんですよ。ですので、我々はそこから聴取をして、この条例をもって施策を展開していくという形のほうがはるかに生産性があるかなというふうには今思っています。ブリーフィング的にはいろいろ聞いています。それを具現化していくためにも、この条例が必要かなというふうに我々は感じています。

○仲村未央委員 委員長、お願いですけど、後でこの進め方について継続中の審査においてどの範囲まで我々が共有できるかというペースの取り方も、後で恐らく今日の審査が終わってから調整すると思うんですが、その日程の取扱いについても後ほど検討をぜひしていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

○大城憲幸副委員長 はい。預かります。

○仲村未央委員 あと、影響を受ける産業というところで、恐らく皆さんタイトルに観光産業というふうにタイトルを取って、先ほどまさに西銘委員が説明されたようなことだと思うんですけれども、ただ、6条で影響を受ける全ての産業というところも想定して、例えば1次産業もそうでしょう、流通もあるでしょうと。そういう意味では非常に関連し合う裾野の広い部分をどう扱うかというところが非常に課題だなと思っていて―ただ、この条文の立てつけとして1条、いわゆるタイトルと1条、そして6条がある意味整合を取らないと、タイトルと1条では観光産業というふうに明確にしながら、6条でその他の産業というふうに打ってくるとなると、やっぱり全体の立てつけが少し整理が必要かなというふうに見えます。ですので、例えばタイトルの観光産業に等を入れるとかいう形で、その影響を受ける範囲の広さというのをあらかじめやっぱり想定しておく必要があるのかなというふうに思いましたが、そこは何か議論があったのか、どのように考えていますか。

○座波一議員 この定義づけで観光産業というふうになっているといっても、今仲村委員がおっしゃったように裾野が広くて、漁業、農業、非常にその辺は線を引くことができないことも出てくると予想して、それを補完すべく6条を考えたということなんですけど、等を入れるということも一つの案かなと考えておりますので、それもまた参考にさせてください。

○仲村未央委員 それから、これは本会議の中でも指摘があったので、私も非常にそこが気になっているんですが、特別措置法との重複ですね。これは皆さんが提案者ですので十分に分かっていらっしゃると思うが、1条の目的は特措法の1条にもあるし、3条の県の責務についても特措法の3条あるいは7条に含まれてくると。それから4条についても同じように特措法の4条。5条については事業者に対する支援ということで、63条の2ということで、それぞれ法律の中の重複規定になっているという部分がこの条例の特徴になっているわけですよね。だから、なかなかこういう条例を県がつくるということは、普通は法で規定されたら、あえてこれは条例で確認することなく法の下で執行するというのが通常の行政の仕組みになっていると思うんですよ。だから、これを重ねてやるということの必要性について、やはり先ほど来説明はしていらっしゃるので、例えば感染症法の予算獲得も含めてこれをあえて入れ込んでいるのかなとかという思いはありますが、そこも正直少し気にはなっています。このような、そもそも条例全体が法との重複規定になってくるようなものというのは従来あまり経験がないので、そこの問題はないかなとかというのは気にしていますけど、そこをもう少し議論の経過とかがあれば教えてください。

○座波一議員 重複があるということは前提としてやっているわけですけれども、その重複がまた否定されるものじゃなくて、禁止されているものでもなくて、あくまでも補完としてやる中で我々は沖縄県の姿勢と方向性を明確にするということが一番の目的なんです。ですから、理念、条例というふうなことになっているわけですが、それがあるのとないのとではその根拠づけが違いますよというのが本当のところです。

○仲村未央委員 分かりました。
 それから最後にもう一つ確認ですけれども、国の責務、これをどう呼び込んでくるか。要は県の責務は皆さん3条で明確に規定されていると。ところが、今お話を、提案の背景を聞いていると、よっぽどこれは国本来が持つ責務をどう引き出せるかというところがこの条例の肝というか、かかっている部分になっているわけですよね。ですので、なかなか地方自治体がつくる条例の中で、国はということをこちらが打つことが難しいというのが多分経過の中であったんでしょうと思います。ただ、県の責務を通じて国の支度を引っ張ってくるというような、求めることができるとか―できるというのはちょっと弱いかな。求めるとか、そういう何らか国の責任、責務を背景にして県の責務を打ち込むということは必要なのかなと思います。そうでないと、先ほど来言うように今想定している呼び込もうとする予算であり、その事業支度ということの展開に、やっぱりこれは明らかに感染症対策に関する国の責務を通じて県のよりよい経済環境をつくっていくというところにつなげるためには、そこの表現も少し工夫をしたいなというふうに思うんですけれども、その理解でよろしいでしょうか。

○座波一議員 やはり国の責務を引っ張り出すというようなのも大きな狙いですので、ただ、今この災害が非常に多い日本の41都道府県で、全国知事会も含めてこの予算を取りにくるところも結構あろうかと予想しています。ですので、私たち沖縄県としても、このコロナにおいては災害級だというような認識の下で、この予算の根拠づけにするためにもやっぱり国の責務は条例に入れることはできないけれども、それを視野にして県の政策を補完していくものにしたいと考えているんです。

○仲村未央委員 その認識は私もそう思っていて、国のインフルエンザ特措法の3条で、国は責務として自ら新型インフルエンザ等対策を的確かつ迅速に実施し、地方公共団体を的確かつ迅速に支援することによりと。国全体としての万全の体制を整理する責務を有するというふうに明記されているので、これをどうにか国はというふうには打ち込めなくても、県の責務を通じながらどう表現できるかというところをもう少し工夫をする意味で提案をさせていただきたいなと。今すぐは持っていないですけど、また継続の中でぜひ研究を一緒にさせていただければというふうに思います。

○西銘啓史郎委員 もしじゃないですけど、この条例なかりせばという話をしたときに、この条例がないとして、皆さんもいろんな観光団体からいろんな御意見を聞いて、経済労働委員会で参考人招致も以前しました。第12期のときでしたかね。それともう一つ、いろんな方々から個人的な要請もいろいろ受けていますけれども、昨日の打合せでも言っていることは、県に幾ら要請しても予算がないという一言で片づけられてしまうという声がありました。それは予算がないのは事実だと思います。これを我々は今回この条例を制定して予算を取りにいくための裏づけに、強いバックボーンにしたいということもあって、ですから取れるか取れないかは実際にやってみなきゃ分からないんですけれども、取りにいくんだという強い意志を持たないと、取れないからやらないじゃなくて、そこを僕らは今回非常に強いポイントにしたいと思っているんです。ですから、観光産業の方々も国がこういうことをつくっていても県が取りにいかない限りは予算はつかないですよねということを何度も言われるので、予算を取りにいくということを県と一緒になってやりたい。これは与党も含めてですけど。そこら辺はぜひ御理解いただいて、御協力いただければというふうに思っていますので、よろしくお願いします。

○仲村未央委員 まさにその趣旨だからこそ、どうやってそこを表現していくかというところで少し一緒にまた引き続きの提案を通じて調整させていただければというふうに思います。

○大城憲幸副委員長 ほかに質疑はありませんか。
 玉城武光委員。

○玉城武光委員 本会議で今の条例と特措法との重複の規定をどう承知するか―これ承知するということで、この条例がなければ実現できない施策はあるのかという問いに対して答弁がなかったんですが、これはどうなんですか。

○大浜一郎委員 ある意味で、この条例があるから特別にできるものがあるかと言われれば、そうでないのかも分かりません。しかしながら、今議論の中でもありましたように、じゃあ予算化ができますかと。予算化ができますかという議論のほうがはるかに大事で、いろんな施策を今これからやっていく間に、予算化するために、今までのいろんな沖縄県の特措法の中に、例えば観光に対する方針みたいなのが見いだせるかというと、我々見いだせないから今回このようなことをつくっているわけです。ですので、これが中の条例がないと新しい施策展開ができないかというのではなくて、予算化ができる手だては今まであるのかと。だから我々があるいは今度条例を制定して予算化していこうというものにしていこうというのも、我々の大きな目的の一つでもあるわけですね。それの御理解もいただければなというふうに思いますけど。

○玉城武光委員 提案者の皆さんは、予算を取るために条例化するという趣旨ですね。それで、この条例に基づいて予備費を取りにいくと先ほどから説明があったんですが、予備費というのは国の予備費ですか。

○座波一議員 そうです。

○玉城武光委員 これは県とも含めて、いろいろな議論をしてやらないで、これ私たちが条例をつくってすぐ予備費を取りにと、取りにいくという確証があるということですか。

○座波一議員 恐らく、我々が言う予備費。これまで県はやったことはないと思います。ですから、次の第4次補正もあるということではありますけれども、その第4次補正の中でも、それは恐らく見いだすことはできないでしょうということで、この予備費を取るというためのこの根拠づくりに、この条例がつくられているということでもあることは確かですが、県がその想定があったかというとなかったわけです。ですから、副知事、あるいはその他の職員も含めた意見交換の中では、それを確かめたいという意見はありました。おっしゃるとおりです。ですので、それを冒頭に申し上げましたとおり、今それをするために取り組んで研究している。しかしながら、これ取りたいという要望だけではないです。根拠と、その目途をつけながら進めているということです。

○玉城武光委員 根拠となるのがこの条例という意味ですか。この根拠の中に、どの条文がこの根拠となるんですか。

○西銘啓史郎委員 玉城委員。先ほど条例の中に根拠があるんじゃなくて、条例を制定することに県の意思として、あるいは議会の意思としてこの条例を制定しましたと。で先ほど言いましたように意見書でいいんじゃないかということに対しても、意見書でもできるかもしれせんけれども、意見書よりも重たいものにしたいという声が1つ。それともう一つ、先ほどの予算が取れるのかというと、予算に100%なんて僕はないと思っています。県の振興予算について、県は要求しますけど、回答がどうなるか分からない中で、これは交渉ですよ、ここから先は、我々も。ですからこの先ほど特措法の中にこういうのがあるけれども、法律があっても今県の観光産業に対する支援ができていないという実態の中で、じゃあこれをどうするんですかというのは皆さん同じ共通の声を聞いていると思います。観光産業の苦しみを。それを我々も1年前からもうずっと聞いているけど、なかなかできない。今回条例をつくってそれで観光産業をどうにか救おうという、そのために汗をかこうという思いがまず、そのための条例だというふうに理解してほしいのと、これのどこに根拠があるのですかと言われると、これを通すことによって我々の意思を出すわけです。そして次に交渉していこうと。何も県を抜きにして交渉するということではなくて、県にも説明しなければならないと思いますよ。ある時期にきたらこの中身をですね。ですから、何かもうこれが通ったら予算が100%取れるってみたいなのはちょっと違うと思います。ただ、これを基に交渉していくということをまず御理解いただきたいと思います。

○玉城武光委員 先ほどから、もう一つね。観光産業に特化してという感じの捉え方がされたら、今この感染が拡大しているときにということが、皆から懸念の声としてありますよね。だから、もう少しこの文言も含めて、それから観光産業だけじゃなくて、沖縄県の経済の振興のためにという分も含めて検討する必要があると思います。

○西銘啓史郎委員 今玉城委員のおっしゃるとおりだと思います。先ほど比嘉瑞己議員に僕が答えましたけれども、観光産業のリーディング産業としての効果とか、逆に壊滅状態になっている今の現状を、我々議員も共通認識を持たなきゃいかん、県民にもその辺を理解してもらわなきゃいけない。だから観光産業だけということが、それ以外はやらないのかといえば、確かにタイトル自体に先ほど仲村委員から等を入れたらどうかという御指摘もありましたし、そういったことも含めて、県民の方々に理解をしていただくための条例にするために、足りない分は表現を変えたり、または今後の議論の中で修正したり加筆したり削除したりということはやぶさかではないというふうに考えております。

○玉城武光委員 じゃあ議論しましょうよ。

○大城憲幸副委員長 ほかに質疑はありませんか。
 赤嶺昇委員。

○赤嶺昇委員 まずこの条例、先ほど座波議員の答弁でもあったんですけど、予算の話も出ているので、皆さんとしては8月中というか、早く制定させたいというのが皆さんの目標ということで理解していいですか。

○大浜一郎委員 おっしゃるとおりです。8月中には制定させていただければなというふうに思っています。

○赤嶺昇委員 私も今臨時議会で、確かに条例を制定するというのは正直に言ってやっぱり異例だと思うんですね。ただ、これは緊急事態ですよね。まさに緊急事態ということを理解していて、この間、沖縄県が緊急事態宣言をずっと延長して出口が見えていない状況の中で、一方で去年から陳情がたくさん来て、議会は全部コロナ対策の議論と各委員会も全部それに追われていて、コロナが早く終息して経済を再開したいということもあるんですけど、片ややっぱり厳しいんですよね。厳しい中で、コロナとは別でやっぱり生活が成り立たないということで、補償されている事業者とそうではないところがやっぱりあって、非常にまずい状況だなという、これも緊急事態なんですよね。ですから、その辺りも含めて、一方でこの条例が観光客を誘客するんじゃないかということの意見もあるんですけど、県は特段観光客を止めていませんからね。たくさん来ていますし、県が具体的に観光客を止めているかというと、経済を回しながら県も回しているんですよ、というのが私の認識です。だから、知事も広告で出しましたよね。議会でも議論されているように。そういうことも、やっぱりコロナは収めたい、だけど観光も守らないといけないというすごい難しいハンドリングで来ている中で、今観光客いますよ。だから、そこを僕らが現実に直面している中でこのタイミングで条例制定して、しかも何でこの時期に出さないといけないのか。冒頭で言ったように、何で早くこれを制定しないといけないのかということの議論は僕は大事だと思っています。先ほど答弁があったように、結局最後は予算がないと言われているんですよ。県にいろいろ要請、いろんなことがあっても最後は予算がないんですよ。予算がないといって何回も同じような要請が来ていて、でも皆さん要請するしかないので、だからこの予算については、もちろんさっき言ったようにこの条例が全部担保するわけじゃないので、やっぱりこれからは交渉なので、そこは議論して県も県民も、あと経済界もみんな一丸となって―これは他府県も、さっき言った予備費、国の予備費が5兆円あるんだったら他府県もやっぱり狙ってくるのは当然じゃないですか。そこの認識は私はより具体的にこれを県民のために、県民の命と暮らしのために求めていくということは大いに議論したほうがいいと思っています。その中で、先ほどもあったんですけど、委員長には今回、今日は提案されたばかりなので、ただ後ろも含めて、せかすわけじゃないんですけど、このことも含めて委員会としてどう扱うかという議論はやっぱりしないといけないと思っています。慎重にするのは僕は大事だと思っているんですよ。パブリックコメントを取ったりとかいろんな県民の意見を聞くのは僕は大事だと思うんですよ。これが平時だったら絶対やったほうがいいと思っているんですよ。ところが、これだけ疲弊している状況の中で、それも考慮した中での議論はこの委員会でちょっと議論してもらいたいなと思っています。
 もう一点、今県も国もワクチン接種が一つのコロナ対策のポイントだと言っていますよね。この認識は提案者も一緒ですか。

○座波一議員 このワクチン接種に関しましても、接種の加速化、これは当然県の施策も相まって取り組んでいくべきものと考えておりますので、この条例案に明記はされていないんですが、その対象に十分なり得ると考えています。

○赤嶺昇委員 そうですね。だから県も知事も、議会でも議論されているのは何月までにはこれを進めようという話があるので、その議論はやっぱりやったほうがいいと思うし、ここで言うと第4条、さっき言いましたように県民、来訪者、観光客は来てはいるんですよね。そうなると、具体的に止められないんだったらワクチン接種が一つのポイントだと思っているんですね。だからそこは義務はできないにしても、今日も質疑があったんですけれども、ワクチン接種証明書、パスポート。ここで言うと例えば3条の3の中に情報通信技術等の活用とか、そういったものもやっぱり国のシステムと合わせて、ワクチンパスポートをはじめPCRの検査もちゃんとスマホとかで提示できるようにするとか、いろんな工夫はやっぱり示していくということは議論の余地があると思っていますので、それも含めて積極的に抑えながら、経済も完全に止めるわけにいかないので、どうするかということはやっぱり議論したほうがいいと思いますけど、いかがですか。

○座波一議員 先ほども申し上げましたが、例えば想定している事業として抗原検査・PCR検査の強化、あるいは空港における検査体制の強化も含めたインバウンド再開に向けるための実証もやっていこうではないかという施策もあります。そしてまた空港内でのクリニックの設置の検討、これは感染症対策であります。さらに感染症対策としては、感染者対策QRコードの発行、コールセンターなど。そしてまた、コロナ感染対策アプリによるワクチン接種の効率化、お知らせサービス、それから感染防止対策沖縄県認証制度の実効性強化も考えています。これは具体的に言うと滅菌、殺菌に係る器具、装置があります。それを積極的に飲食店、あるいは娯楽施設に導入をさせるための施策、これからはこれも非常に重要だろうと、国会でも議論が始まっております。さらに自宅療養者の一元管理というふうな―メニューはまだまだありますが、そういったものが全てできるかといったらそれは100%とは言えませんが、県とそういった中からどのようなものができるかというものを精査していきながら、国との交渉に備えるというふうに考えております。

○赤嶺昇委員 今、座波議員からありましたように、多分那覇空港のクリニックは去年から議会でも取り上げられているんですけど、なかなか動かないんですね。コロナが収まってきたときに―LCCの皆さんからも要請が来ているんですけれども、万が一これが外国の行き来が始まると、クリニックがないと沖縄に飛んでこないと言われているんですよ。今福岡とか北海道など、だから主要空港はもうみんな置いていっているんですけれども、この条件が満たされないとなると沖縄ははじかれるんですよ。だから、コロナ後の対策を今から打っておかないといけないということは、LCCの関連団体がはっきり言っているんですよ。去年からです。今言うアプリを使いながらということも含めて、結果的にこれがやっぱり証明書になるということは、ワクチンを打った方々がやっぱり来れるような体制も含めて積極的にいろいろ提案をするということは非常に大事じゃないかなと思っていますので、総合的にそういったことも含めながらみんなで議論してやっていただければありがたいなと思っています。これが結果的に、この条例がすぐに予算云々じゃなくて、県民が一緒になって確保に向けてやるということが大事だと思っていますので、一緒になって県民全体で取り組んだほうがいいんじゃないかなというのは私の意見です。
 以上です。

○西銘啓史郎委員 赤嶺委員、ありがとうございます。
 実はこの定義の中の3に旅客施設設置者といって、この中に空港ビルディングも入っていまして、この間観光産業との意見交換のときに、本来は事業部長がお見えになる予定が急遽来られないというので代理の方ということで、実は社長自らお越しいただきました。社長のいろんな話を聞く中で、抗原検査であったりクリニックのことも含めて、ともかく空港ビルとしてできることも、いろんな県の管理の空港になっている部分もあったり国の管理だったり、とにかく自分たちができないことの歯がゆさも感じているようです、いろんな意見交換をすると。それからすると、やはり私はいろんな意味で今回の条例を通すことで、沖縄のいろんなことを感染症の防疫対策も強化することで、ひいては安心・安全な沖縄をつくって沖縄モデルというぐらいのものにしたいんですよ。いろいろ何とかモデルと言われていますよね。ああ沖縄はさすがだと。条例も通してこういうこともやってこういうことをやったと。これがひいては日本全国の防疫体制の強化につながるぐらいのものまで持っていけないかなというのは個人的に強い思いがありますので、ぜひ委員会の皆さんの御理解をいただく中で条例の制定からまずは始めてもらえればなというふうに思っています。

○大城憲幸副委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○大城憲幸副委員長 質疑なしと認めます。
 以上で、議員提出議案第1号に対する質疑を終結いたします。
 それでは、西銘委員長と交代いたします。
 休憩いたします。

○西銘啓史郎委員長 再開いたします。
 議案に対する質疑については終結し、採決を残すのみとなっております。
 休憩いたします。

○西銘啓史郎委員長 再開いたします。
 お諮りいたします。
 議員提出議案第1号新型コロナウイルス感染症の影響を受けている観光産業の再興に関する条例については、閉会中継続審査として議長に申し出たいと思いますが、これに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○西銘啓史郎委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 以上で、本日の議題は終了いたしました。
 次回は、8月25日 水曜日 午前10時から委員会を開きます。
 委員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 本日の委員会は、これをもって散会いたします。






沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。


  委 員 長  西 銘 啓史郎