委員会記録・調査報告等

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経済労働委員会記録
 
令和4年 第 1定例会

5
 



開会の日時

年月日令和4年3月22日 曜日
開会午前 10 時 1
散会午後 4 時 14

場所


第1委員会室


議題


1 参考人からの意見聴取について(陳情令和4年第27号等関連)
2 参考人からの意見聴取について(陳情令和4年第37号関連)
3 乙第15号議案 沖縄県農作物種苗生産条例
4 乙第16号議案 沖縄県県民の森の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例
5 乙第36号議案 車両損傷事故に関する和解等について
6 乙第37号議案 車両損傷事故に関する和解等について
7 陳情令和2年第53号、同第54号の2、同第107号、同第147号、同第155号、同第185号、同第188号の2、陳情令和3年第4号、同第32号、同第49号、同第84号の2、同第103号、同第109号、同第123号、同第160号、同第174号の2、同第188号、同第192号、同第209号、同第217号、同第226号、同第229号の2、同第233号、同第236号、陳情第24号、第27号、第37号及び第41号


出席委員

委 員 長 西 銘 啓史郎 君
副委員長 大 城 憲 幸 君
委  員 新 垣   新 君
委  員 大 浜 一 郎 君
委  員 島 袋   大 君
委  員 中 川 京 貴 君
委  員 上 里 善 清 君
委  員 山 内 末 子 さん
委  員 玉 城 武 光 君
委  員 次呂久 成 崇 君
委  員 仲 村 未 央 さん


欠席委員

赤 嶺   昇 君


説明のため出席した者の職・氏名

(陳情第27号等関連)
(参考人)
 沖縄県酪農農業協同組合   代表理事組合長 神 谷 翔 平 君
(補助者)
 沖縄県酪農農業協同組合   参事兼総務課長 香 村   直 君
 沖縄県酪農農業協同組合   組織統括官   馬 場 祐 生 君

(陳情第37号関連)
(参考人)
 沖縄県養豚振興協議会    会     長 金 城   栄 君
 沖縄県養豚振興協議会    理     事 我那覇   崇 君
 沖縄県養豚経営者協会    会     長 嘉 数 雅 人 君
 株式会社沖縄県食肉センター 代表取締役社長 崎 原   勲 君
 沖縄県北部食肉協業組合   専 務 理 事 金 城 辰 美 君

 保健医療部衛生薬務課班長  上 原 寛 明 君
農林水産部長         崎 原 盛 光 君
 農林水産総務課研究企画監  安 田 宗 伸 君
 流通・加工推進課長     久保田   圭 君
 園芸振興課長        久保田 一 史 君
 糖業農産課長        嘉 陽   稔 君
 畜産課長          金 城   靖 君
 農地農村整備課長      島 袋   進 君
 森林管理課長        近 藤 博 夫 君
 漁港漁場課長        森   英 勇 君



○西銘啓史郎委員長 ただいまから、経済労働委員会を開会いたします。
 乙第15号議案、乙第16号議案、乙第36号議案、乙第37号議案の議案4件、陳情令和2年第53号外27件、陳情第27号新型コロナウイルス感染拡大に伴う県内酪農家への経済的補塡に関する陳情及び陳情令和3年第103号新型コロナウイルス感染拡大に伴う県内酪農家への経済的補塡に関する陳情に係る参考人からの意見聴取並びに陳情第37号養豚経営及び食肉センターにおける緊急支援対策に関する陳情に係る参考人からの意見聴取についてを一括して議題といたします。
 なお、ただいまの参考人からの意見聴取につきましては、去る3月7日の本委員会での決定に基づき、関係者を参考人として招致し、説明を求めるものであります。
 本日の説明員として農林水産部長、環境部長及び土木建築部長の出席を求めております。
 また、本日の参考人として、酪農関係者から、沖縄県酪農農業協同組合代表理事組合長神谷翔平氏、さらに、養豚関係者から、沖縄県養豚振興協議会会長金城栄氏、沖縄県養豚経営者協会会長嘉数雅人氏、株式会社沖縄県食肉センター代表取締役社長崎原勲氏、沖縄県養豚振興協議会理事我那覇崇氏、沖縄県北部食肉協業組合専務理事金城辰美氏の出席をお願いしております。
 なお、各参考人から、補助者として、お手元の一覧表に記載の関係者を同席させたいとの申出があり、委員長として適当であると判断し、これを許可いたしました。
 この後、2件の参考人聴取を行いますが、1件当たりおおむね1時間をめどとし、参考人聴取は午前中で終了できるよう各委員の御協力をよろしくお願いいたします。
 まず初めに、陳情第27号及び陳情令和3年第103号に係る参考人からの意見聴取を行います。
 各参考人には、本日は御多忙のところ御出席いただきまして誠にありがとうございます。
 参考人から説明を求める前に、委員会の審査の進め方について御説明申し上げます。
 まず、参考人から御説明をいただいた後、委員から参考人に対し質疑を行うことにしております。
 なお、参考人が発言しようとするときは、あらかじめ委員長の許可を得なければならず、発言は、陳情の趣旨の範囲内で行うこととなっております。
 また、本日は委員会が参考人の説明を聞く場であり、参考人が委員に対して質疑することはできませんので、御承知おきください。
 それでは、参考人から、陳情の提出に至る背景及び目的等について、15分程度で簡潔に御説明をお願いいたします。
 神谷参考人、お願いいたします。

○神谷翔平参考人 沖縄県酪農農業組合の神谷と申します。本日は御多忙の中、貴重な時間をいただき、組合員、組合役職員一同、心より感謝申し上げます。
 まず、当組合関連の概要ですが、酪農家戸数は昭和58年203戸、生産乳量は平成12年の3万8857トンをピークに減少が続いており、本日時点で酪農家戸数は55戸、生産乳量は令和2年度実績で1万9279トンと、酪農家戸数はピークの約4分の1、生乳生産量はピークの約半分となっております。
 本日は、主に新型コロナウイルスによる影響について御説明させていただきたいと思います。
 新型コロナウイルス感染者拡大に伴い、令和2年3月から5月の全国一斉臨時休校に続き、令和3年6月に県独自で臨時休校措置が取られました。その後、大多数の学校において夏休みの短縮が行われる予定でしたが、感染者数の状況から夏休み短縮が取りやめられ、夏休み延長措置、分散登校、オンライン授業の実施が行われました。また、令和4年1月にはオミクロン株の影響による感染者数の急拡大を受け、再び県独自で臨時休校、分散登校、オンライン授業の実施などの措置が取られました。
 これらの影響により、学乳に向けられるはずだった生乳が突如として行き場を失い、多くの余剰乳が発生しました。製品への生乳使用率の引上げや、県外移出による加工処理、脱脂粉乳、バターに加工などの余剰対応により、酪農家の収入が大きく減少しました。
 当組合は、沖縄県指定生乳生産者団体として、酪農家の経営や生活を守り、県民に安全・安心な県産牛乳、乳製品を安定的に供給し続けていくために、生産コストの増加に伴い、平成31年より県内各乳業メーカーに対し生乳取引価格の引上げを要請、協議しておりますが、生産量の減少を理由に値上げに一向に応じていただけません。酪農家もコスト削減の努力を重ねておりますが、飼料価格や輸送運賃などをはじめとした生産コストの大幅な増加など、酪農業界を取り巻く環境は厳しさを増しており、超過コストを吸収することが困難な状況にあります。
 このような状況下に幾度となる緊急事態宣言、まん延防止等重点措置の発表に伴い、臨時休校、分散登校、オンライン授業の実施などにより、学校給食牛乳の供給停止という異例の事態が発生しています。また、新型コロナウイルスの影響で入域観光客数が減少し、外食、業務用の需要の衰退により、牛乳、乳製品のみならず、酪農家が生産した肉用子牛の相場も暴落しており、酪農家の経営が危ぶまれる状況となっています。
 酪農家は、生き物である乳牛を生産し、生き物ゆえ、当然のことながら学校が休みになったからといって生乳生産をストップすることはできません。また、一度生産基盤が毀損されると、生産再開による投資は莫大で、現在の情勢下から毀損された生産基盤の回復は容易なことではなく、困難を極めます。令和3年度には既に4戸が経営難を理由に廃業しております。さらなる廃業の連鎖による生産減少、ひいては県民への県産牛乳、乳製品の供給がままならなくなる状況となっております。コスト割れで経営を継続している酪農家も多数いる状況です。
 県農林水産部畜産課への資料提出などを行い、新型コロナウイルス感染症対策地方創生臨時交付金等で予算確保を進めておりましたが、県総務部財政課との調整がつかず、補塡事業の実施可否について進展がありませんでした。その後、県総務部財政課から県農林水産部畜産課に対し、沖縄振興一括交付金に切り替えて進めるように通達があったと聞いております。
 県農林水産部畜産課からは、補塡ではなく酪農振興のために支援事業の実施を提案されていますが、その提案内容は主に増頭・増産に取り組んだ酪農家に対する支援内容となっております。酪農情勢は非常に厳しい状況が続いており、酪農生産振興のために支援事業についても行政、関係機関のお力添えをいただきながら取り組む課題だと考えています。しかしながら、酪農生産振興は中長期的な視点での取組が求められ、短期的で対症療法的な政策では根本的な解決にはなり得ないと考えています。酪農家及び当組合としましては、酪農生産振興どころか、今をどう食いつなぐかという非常に切迫した状況に置かれています。
 当組合といたしましては、学校給食用牛乳の供給停止による補塡と酪農生産振興を併せて考えていただきたいこと、取り組んだ農家のみが対象の支援事業や、支援金額に不公平が生じることはあってはならないと考えており、原則は酪農家個々の学乳停止に関わる損失の全額補塡が可能な内容であることを要望しております。
 全国で31年度に取引価格が値上げされているにもかかわらず、全国よりも生産コストが高い沖縄のみ乳業メーカーに値上げを受け入れてもらえず、その後もコストが上昇し続けていますが、一向に値上げを受け入れてもらえない状況です。生乳は保存が利かず、毎日生産されるため、供給を止めるという選択を取れず、また乳業メーカーが少なく離島県であることからもほかの取引先を見つけるのは困難です。当組合といたしても、値上げが必要な根拠について、各乳業メーカーにとどまらず県農林水産部畜産課、県教育庁、沖縄総合事務局、沖縄県学校給食会などの関係機関にも丁寧に説明し、理解を求めているところであります。引き続き生乳の適正価格での取引、すなわち生乳取引価格の引上げを行い、生産基盤の維持、強化を図るべく、現状の打開策を酪農関係団体とともに模索しているところです。
 生産コストの増加を適正に価格転嫁できる取引環境の整備は喫緊の課題であり、県内酪農乳業界の健全な発展、ひいては県民、とりわけ学校給食で牛乳を飲む子供たちの健康や成長に関わる非常に重要な課題だと認識しています。
 このたびの陳情と別の課題ではありますが、取引価格、取引乳価の適正化についても、県行政、関係者皆様のお力添えを承りますよう、よろしくお願いします。

○西銘啓史郎委員長 参考人の説明は終わりました。
 これより、陳情第27号及び陳情令和3年第103号に係る参考人に対する質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないよう簡潔にお願いいたします。
 休憩いたします。

   (休憩中に、島袋委員から県へ要請した内容について詳しく説明いただきたい旨の要望があった。)

○西銘啓史郎委員長 再開いたします。
 馬場祐生補助者。

○馬場祐生補助者 先ほど神谷が4ページの部分を読ませていただいたんですけれども、3ページの部分が今回の陳情のメインの部分になりますので、こちらを補足で説明させていただきます。
 今回陳情させていただいていますのが、(1)、(2)、(3)とそれぞれの期間の学校給食用牛乳の停止に係る部分です。まず、令和3年6月、それから令和3年8月から9月、それから今年、令和4年の1月になります。
 それぞれ令和3年6月に関しては、緊急事態宣言が発出されまして、沖縄県独自で約2週間程度の臨時休校が取られました。その後、8月から9月に夏休みの短縮の措置が取られるはずだったんですけれども、感染者数の急拡大を受けて、夏休みが逆に延長という措置を取られました。そして、今年の1月にはオミクロン株の影響によってまん延防止等重点措置が取られまして、これは市町村によってなんですけれども、臨時休校だったり分散登校だったり、それぞれ措置が取られました。このことによって余剰乳がかなりの量、発生いたしました。
 その部分を余剰乳処理量ということで、(1)から(3)でお示ししておりますけれども、県内で余剰乳が発生した際に、主に2つ余剰乳の処理対応が取られます。
 まず1つ目が(1)加工乳・乳飲料等への生乳配合率増ということで、量販店なんかで売られている加工乳だとか乳飲料というものに、もともと生乳が多少配合されているんですけれども、これを県内の乳業メーカーの御協力の下、生乳の配合率を最大限高めてもらって、処理量の増加を図ると。そういった処理になります。
 そして(2)、それでも処理し切れない分というのを県外、熊本の加工処理工場に移出を行いまして、脱脂粉乳、バターという日持ちのする製品に加工処理をいたします。それが(2)になります。
 そして今回特別に(3)ということで、(1)、(2)だけでも処理し切れない緊急的なものが出ましたので、これをさらに追加で特売を入れ込めるという乳業メーカーがありましたので、これを追加で実施しております。
 これらを合わせて合計の金額、黄色く塗りつぶしておりますけれども、余剰処理による影響額、これが酪農家の損失額になります。これが約2300万程度の損失となりました。
 そして、その内訳を(1)から次の4ページにわたって(3)までお示ししております。
 (1)の部分が、県内処理によるもので約1300万。(2)が県外移出による加工処理ということで約1000万、そして特売の追加分、(3)が16万5000円ということになります。これが合計で約2300万ということになります。
 先ほど参考人の神谷から御説明のあった県の畜産課だとか財政課とのやり取りの部分に関しては、当初これを昨年の6月にまず陳情を出させていただきまして、県の畜産課のほうに資料の提出だとかを行って、説明を行っておりました。当初はコロナの臨時交付金から予算確保を進めるというような方針で聞いていたんですけれども、県の財政課のほうから、やはり臨時交付金では補塡という部分がこの補助金の性質になじまないということで、一括交付金に切り替えて進めるように財政課から指示があったというふうに我々聞いております。そして、その後県の畜産課から、補塡ではなくて酪農生産振興に関する支援という部分に頭を切り替えていろいろ取り組んでいきたいんだという御説明があったんですけれども、我々組合としては、今本当に酪農生産振興どころの話ではなくて、本当に今をどう食いつなぐかという非常に切迫した状況におります。
 ですので、組合としては4ページの一番下の部分ですね。この2点を要望させていただいております。1つ目が、学校給食用牛乳の供給停止による補塡、そして酪農生産振興、これを併せて考えていただきたいということです。そして2つ目が、増頭だったり増産のような、取り組むことができた酪農家のみが対象の支援事業や、支援金額に不公平が生じる内容であってはならないと考えており、原則は酪農家個々の学乳停止に係る損失を全額補塡可能な内容であること。この2点を要望しております。
 具体的には、例えば初妊牛、もう妊娠した牛を北海道から入れてきたりして、もう一度生産を振興したらいいのではないかというような御意見だとかがあったりはするんですけれども、やはり一部補助があっても、酪農家が本当に3年間ぐらい借金をしてようやく乳牛を導入できる状況ですので、今目先の経営を考えると、さらに先の借金というのはできない状況が続いていますので、まず、そういった振興の部分と過去に起こった損失の部分というのをそれぞれ考えていただきたいというところです。
 以上になります。

○西銘啓史郎委員長 ありがとうございます。
 では、質疑はありませんか。
 新垣新委員。

○新垣新委員 まずはお見舞い申し上げます。本当に大変な苦労をなされているという状況と、またお答えできる範囲で構いませんけど、酪農生産団体、全国ともつながっていると思いますけど、他の都道府県で損失補塡に対して単独予算で支援している都道府県の状況等があればお聞かせ願いたいと思います。

○神谷翔平参考人 そこはまだ分からないです。

○新垣新委員 もし業界団体通して分かり次第でいいので、連絡いただければなとひとつお願いを申し上げます。

○馬場祐生補助者 今御質問にあった他都道府県のお話ですけれども、基本的には令和2年の3月から5月に全国で一斉臨時休校が取られて、その後は県単独で臨時休校を行ったという情報をまず聞いていません。やはり学校給食を止めると、牛乳以外も非常に影響が大きかったので、やはり感染者数が増えても学校給食だけは止めない方針で他都道府県は動いていたというふうに聞いています。
 そういった中で沖縄だけ2週間、単独で臨時休校が取られたので、当然学校給食を止めていないのでそういう補塡も他都道府県はないといった状況で把握しています。

○新垣新委員 今御説明聞いて、コロナの感染状況次第でばらつきがあると思うので、やっている都道府県、やっていない都道府県、再度また調べていただければなという指摘だけ、お願いを申し上げます。
 続いてもう一点ですけど、これ生産団体として担当、副知事あるいは知事に直談判、要請なされたことはありますか。

○神谷翔平参考人 直談判のほうはまだしていなくて、陳情書で上げています。

○新垣新委員 なるべくならば早急に知事に、マスコミ、メディアも通して、こういう苦しい状況、また酪農生産団体が危機的状況になっていると。そこを誰一人取り残さないという県知事ですので、ぜひまた要請、お願いをしていただきたいんです、早期にですね。いかがでしょうか。

○神谷翔平参考人 ありがとうございます。そのように進めていきたいと思います。

○新垣新委員 頑張っていただきたいと思います。
 最後になんですけど、ちょっとお聞かせ願いたいんですが、先ほど今もう55の酪農農家になっていると。最大で200余りいた時代でお聞きしているんですが、全国の状況と沖縄の状況が違うんだという、この酪農業界がこれだけ倒産なされていると。閉鎖なされてきていると。そういう何か差異みたいな、沖縄は特別に違うんだという御意見があれば伺いたいなと。分かる範囲で構いませんので、お願いします。

○神谷翔平参考人 全国とまず一つ違うのは、沖縄の場合、小さな島国で自給飼料が難しいということで、購入飼料に頼らざるを得ない。その中で資材が高騰してきて、結局生産性が合わなくなってきてやめていくという農家と、一番多く減ったのは、ちょっと手元に資料がないんですけど、生産調整が昔、牛乳が多く生産されたときにあったときに多く離農したと聞いております。

○新垣新委員 分かりました。ぜひ一日も早く知事に要請ですね、頑張っていただきますよう力強くお願い申し上げます。
 以上です。頑張ってください。

○西銘啓史郎委員長 ほかに質疑はありませんか。
 山内末子委員。

○山内末子委員 お疲れさまです。本当に大変な状況をうかがえまして、本当に皆さんにはお見舞い申し上げたいと思います。
 二、三点確認させてください。余剰乳処理による影響額ということで、先ほど2300万の損失だというふうにおっしゃっております。今皆さんが要望している学校給食への補塡ということですけど、これは総額的にはどれぐらいの補填額というか、金額的にはどれぐらいになるのか、それをちょっと教えてください。

○神谷翔平参考人 学校給食の供給停止に伴う金額、もうこの金額そのまま、全ての数量と金額です。

○山内末子委員 それはこれまで3回ほど学校給食が停止になって、その間の3回分というように理解してよろしいですか。

○神谷翔平参考人 はい。

○山内末子委員 その金額が大体2300万ということと、あと先ほどもありましたその要請をする中で、何度か補塡が一括交付金のほうがいいんじゃないかとか、あるいはまた今は酪農生産振興費のほうからとかということで、ということは、これまで1円もどこにも何も支援金がないということで、それも理解してよろしいですか。

○神谷翔平参考人 令和2年度の全国一斉休校の場合は、国も含めて県、国のほうで補塡してもらいました。令和3年度の分についてがまだ一切何も補塡されていないという状況です。

○山内末子委員 今検討しているのが、酪農生産振興費のほうでということで、今皆さんが心配しているのはやはり一律に、力のあるところとそうじゃないところの格差があってはいけないというような、そのことを今皆さんが申し上げていると思っていますけど、この辺のことについてもう少し具体的にお聞かせ願えますでしょうか。

○馬場祐生補助者 今主に県の畜産課から提案されている内容としては、先ほど言ったように牛を導入するときの助成だとか、後は生乳の生産量が前年に比べて伸びた人だとかに対してそういう支援金を出そうとかという案が示されてはいるんですけれども、やはり牛を導入するにしても、生産量をさらにアップするにしても、やはりいま一度何かしら投資をして今までより多く餌も与えて、コストをかけないとそういった生産増というのはできない状況なので、今経営が困窮している酪農家というのは、そういった取組さえ行えないという状況にあります。ですので、取り組んだ農家だけが支援の対象になるということになってしまうと、今本当に困窮している酪農家を救えないという状況になってしまいますので、そういった内容ではなくて、この二千数百万、約2300万の金額は組合の合計の金額ですけれども、これを出荷乳量に応じて組合員ごと、それぞれの損失というのが出ていますので、これをまず確実に補塡していただくというのが酪農家の経営を底支えしていく取組になるというふうに考えています。
 以上です。

○山内末子委員 そういう意味では、その振興というところでの支援金というか、その金額的なものはどれぐらいを予定というか想定しているのでしょうか。

○馬場祐生補助者 まず補塡という部分では、この2277万6077円、もうこれが全てになりまして、今後酪農生産振興の支援という部分については、今当組合としても酪農をさらに生産振興させていくために酪農家がどのような施策が必要だろうかということを、理事会だとか各地域の支部会だとかで積極的に話合いを設けております。その中で、酪農家がこういうことをもしできたら頑張れるということを組合として取りまとめて、これはまた別の形で県畜産課だとかに御相談したいと思っています。
 今案として例えば上がっているのは、やはり参考人の神谷からもあったとおり、沖縄県は土地が少なくて家畜から出た糞尿処理が非常に困っているだとか、牧草が自給飼料、自分たちで賄うことがなかなかできないだとかという問題があったりしますので、そういった酪農家が今非常に労力、コストをかけて処理している部分というのを何とか解消して、酪農家がしっかり牛の世話に専念できる環境を整えられる施策だとかというのが、やはり中長期的な視点で酪農振興につながるのではないかというふうに考えています。

○山内末子委員 大体理解をいたしました。
 あと1点だけ、今ウクライナの影響もあったりで飼料の高騰であったり燃料費の高騰とかもありますけれど、その辺の影響については今どのような状況なのかも再度にお聞かせください。

○馬場祐生補助者 今御指摘ありましたとおり、ロシア、ウクライナ情勢で、牛というのも非常に配合飼料の中に穀類が入っていまして、ロシア、ウクライナで小麦の世界の輸出のシェアというのが非常に大きなものを占めております。まず、この小麦を中心に穀類が非常に値上がりしてくるだろうということで、配合飼料というのが四半期ごとに価格改定がありまして、次の改定が4月を予定しております。まだ具体的な価格の改定の幅というのは発表されてないんですけれども、このような非常に有事の事態を受けて穀類の価格が上がるということで、配合飼料も大幅な値上がりが予定されているというふうには聞いています。
 それから、原油価格も非常に上がっていますので、また原油が上がっていることによって、例えばトウモロコシだとかの穀類をエタノールを生産するのに向くということで、もうこういったいろんな様々な状況から配合飼料の価格が高騰するのは間違いなく、生産者と農協だとかも含めて、安定基金の積立金、安定基金の価格を安定させるために積立てというのも実施しているんですけれども、これの一部に国からも異常補塡金ということで追加の積立てがされています。
 ただ、この基金の財源はほぼ枯渇する状況になっておりまして、国もこの異常に価格が上がったときの異常積立金を追加で予算を取って積立てを行うかどうかというのが今議論が行われているというふうに聞いています。
 以上です。

○山内末子委員 さらにまた厳しい状況が待ち構えているんだなということを推察いたします。しっかりまた私たちも頑張っていきたいと思っておりますので、頑張ってください。ありがとうございました。

○西銘啓史郎委員長 ほかに質疑はありませんか。
 中川京貴委員。

○中川京貴委員 今日に至るまで、やっぱり状況を陳情者からしっかり把握していこう、経済労働委員会はたくさんの陳情があるんですけれども、皆さん方の要望はあくまでも補塡なんですよね。要するに補塡と、やっぱり今組織統括官のほうから説明があったとおり、酪農生産振興予算でやるというのと全く別だと思っております。だからこれも進めてほしいというのは―これはやめてほしいじゃなくて、これも進めなきゃいけないんです。皆さんがちょっと誤解しているのかなと思うのは、国庫補助が出たときは県はスムーズに予算を出しました。今回は県の単費になるんですよ。県の単費であっても実際は単費じゃないんですよ。コロナ臨時交付金があるのにもかかわらず、農林としてはこれを使おうとしたと思うんですよ、皆さんの立場をよく理解しているからね。
 しかし、総務のほうでたくさんこの予算が出るもんだから、この予算じゃなくて別の一括交付金に切り替えようという話があったと思うんですよね。そういった意味では今日は大事な説明会ですから、間違いなく補塡と生産振興の違いをはっきり言わないと誤解を与えるんですよ。生産振興は当然やらないといけない。これは酪農だけじゃない。これは和牛もそうだし、各水産業もそうなんです。補塡と違うということを説明しないと、今の酪農組合全員の声なんですよね。
 これははっきり言ったら予備費でもう対応してもらって、後は県の知恵ですよ。これを出すか出さないかなんですよ、問題は。だから全国で例がないのは、沖縄県が学校を休みにしたんですよ。学校を止めたんですよ。責任があるからやらないといけないんです。これは委員会でもこの話が出ているんですけれども、どういった取組をするのかということでの皆さんの説明を聞いているつもりなんですよね。だからこれに対していろんな方法がないかなという、もう知恵の出し方だと思っているんです。そういった意味では、やはりこの時間帯に言いたいことがあったら委員長に申し出て説明をしていいんじゃないかなと思っております。どうですか。

○香村直補助者 参事の香村と申します。今日はお忙しい中、呼んでいただきありがとうございます。
 先ほども御質問があったんですけれども、他県の状況と比べると沖縄の状況は生乳生産量、この学校の臨時休校等で学校給食用の牛乳が提供されない影響というのは、私たちが―日々酪農家さんが生産している生産量の約半分が学校給食用となっています。府県と違うのはその大きな影響がありまして、酪農家というのは日々生産していますので、急に学校が明日、あさってからストップというふうになると、離島県でもありますから、その牛乳の廃棄を避けるべくどのようにしようかということで、各乳業メーカーさんの協力を得て、統括官からもあったように加工乳への混乳、県外に送る。ただ、県外に送ると輸送費がかかってしまう。酪農家さんというのは日々生き物を飼って生産していますので、それをストップすることができない。私たちは学校がコロナの影響でストップになって、その生産した牛乳を―本来であれば酪農家さんというのは乳業メーカーさんに出荷をして、その分、学校給食に提供されればそれが収入となっていたものなんですよね。
 それで今回コロナの影響で、その収入分が2000万余りなんですけれども、それが酪農家さんの―飼料代は同じように燃料代も使う。本来は学校給食に提供されていればもらうべき入っていた収入のほうが落ち込んでしまった。これが私たちはスタートとして考えていまして、やっぱり本来はこれが入っていても、先ほどウクライナ情勢、世界情勢の影響もありますけれども、かなり酪農の経営としては逼迫した状況となっております。それで沖縄県畜産課とも調整はしているんですけれども、本来は学校が通常どおり行ったり学校給食があれば入っていた収入を確保しまして、今後の酪農生産の基盤、振興のほうに取り組みたいと思っております。
 以上です。

○中川京貴委員 やはり皆さん方からの要望は補塡ですよね。これをまずはっきりさせたほうがいいと思います。
 それともう一つは今説明があったとおり、なぜミルクを止めることができないかという理由をしっかり言ったほうがいいと思う。僕が知っている範囲では、この酪農の牛の牛乳を搾るのを止めたら病気になるんです。だから止めることができない。乳房炎になって死ぬ。悪循環が起きるということなんです。だから絶対に止めることができないし、廃棄することもできない。今そういう状態で、これで酪農家を辞めるか辞めないかという状況の人もいるかもしれないんです。ですから我々としてはやっぱり県の知恵を絞って、僕は農林は歯がゆい気持ちで、皆さん方を何とかしたい気持ちで精いっぱいだと思っています。問題は全体的な予算の配置の組替えをどうするかが鍵だと思っていますので、私はこれだけ要望を申し上げて終わります。
 以上です。

○西銘啓史郎委員長 ほかに質疑はありませんか。
 島袋大委員。

○島袋大委員 中川委員、参考人のところに座ったほうが早かったかなと思ったんだけどね。
 確認事項ですけど、今お話が出たとおり全国一律で要するに緊急事態宣言した場合は国が補塡した。これは県がそういう対応をしたから補塡ができない。全国にはその事例がないわけですよ。その理解でいいですよね。

○神谷翔平参考人 そのとおりです。

○島袋大委員 だから、県としたら財政課あるいは農林水産一括交付金、補塡とかどうたらこうたら言うわけですよ。皆さんは酪農家を守る意味。それも全部酪農家の代表で組合長は来ているんだけれども、この2300万余りが補塡されなければやってられないということですよね。廃業につながるということになるんですよね。ここを明確に言わないと、我々は委員会として県の執行部に対して物を言えますので、そこを確認したいんですよ。この2300万を補塡しない限り、学校の子供たちの給食の牛乳もなくなりますよの理解でいいですよね。

○神谷翔平参考人 この学校給食が止まった際に、組合としても飼料代はやっぱりかかっている、農家さんの。そこは組合のほうで一時立替えということで、餌代の回収をストップしたりという対策を取っており、それがないとやっぱり農家さんは厳しいという認識です。

○島袋大委員 だからこそ、ぜひともこの2300万に対しての補塡を早急にお願いしたいということの皆さん方の思いの陳情で理解していいですよね。

○神谷翔平参考人 はい、そうです。よろしくお願いします。

○西銘啓史郎委員長 ほかに質疑はありませんか。
 玉城武光委員。

○玉城武光委員 今島袋大委員からも話がありましたように、一斉のときには補塡があって、今回まだそういう案を出されていないというと同時に、学校に生乳をやっているのは100%生乳ですよね。これは沖縄県の酪農の振興と同時に、学校の子供たちへの栄養補給という形で生乳を勧めた経緯があるんですよね。そういう状況ですから、今そういうことが農林水産部のほうで理解がいまいち低いんじゃないかなと思っているんですが、そういう関係で皆さんが言っている学校の生乳の使用、提供は、学校の教育と同時に酪農振興の面からも非常に大事なことで、私たちもこの補塡の関係でひとつ一押しをしたいと思います。
 それともう一点ばかり。今、生乳の取引価格が、値上げをやっているんだけどそこがなかなかできないということなんですが、全国に比較して乳業メーカーの取引が沖縄県は低いんですか。

○神谷翔平参考人 取引価格の面では、決して全国で見ても安くはないんですけど、地域柄、沖縄の場合島国ということで、小さい島国ですので餌、草をやっぱり外国からの輸入に頼った酪農経営になっている。その点で生産費がかかってしまうということで、乳価のほうは全国よりは一応高いは高いです。でも、全国が平成31年に一律4円上がった際も、沖縄の乳業メーカーさんはそれをのんでくれなかったという背景もあります。

○玉城武光委員 全国は4円上げたのに、沖縄県の乳業メーカーは実施しなかったという経緯があるということですね。
 今現在、その交渉は何回ぐらいやりましたか。

○馬場祐生補助者 今、神谷からあったとおり、平成31年度から今現在にかけてずっと継続して交渉をさせていただいています。今年度、令和3年度に関しては10月に正式な要請文書を各乳業メーカーに出して、本当にもう月数回程度、各乳業メーカーに足を運んで、酪農家の現状だとか生産コストがこういうふうに年々上がっているんですということを丁寧に説明しています。
 ただ、県内の乳業メーカーはやはり生産量が年々減少して、自分たちが欲しい要望量というのが手に入らないと。足りない部分を県外から生乳を持ってくることによってコストアップになっていると。やはりそのコストアップによって自社も非常に大変な状況であることから、値上げが受け入れられないというような理屈でずっと値上げに応じていただけないという現状です。
 以上です。

○玉城武光委員 これも含めて、私たちも乳業メーカーの皆さんに単価を、取引価格を上げなさいと。そういうこともやらないといけないと思う。これは県にも皆さんのほうから要望して入っていますよね。そこまで含めてやるべきじゃないかなということを思っています。頑張ってください。

○西銘啓史郎委員長 ほかに質疑はありませんか。
 仲村未央委員。

○仲村未央委員 今日はありがとうございます。
 今までの説明で、皆さんの本当にまた分かりやすい現状の報告も含めていただいたので、あと少しだけ教えていただきたいんですけど、先ほど生産の半分が学校給食というような御説明をいただいたと思うんですけど、沖縄県の要は子供たちが飲む学校給食の牛乳というのは100%県産牛ですか。

○馬場祐生補助者 基本的には牛乳100%供給なんですけれども、生乳生産量が年々減少していることに伴って一部乳業メーカーが、最需要期の夏に関しては加工乳だとか乳飲料というのを一部供給する取組がこの二、三年以内ぐらいから始まって、この乳業メーカーの学校地区内だけ加工乳が供給されてしまうということが頻発しております。

○仲村未央委員 年間の中でもそういう時期があったりするけれども、基本は生産される生乳で学校給食は足りるという理解でよろしいですか。今現状の生産量として。

○馬場祐生補助者 いえ、もう足りる状況ではなくて、毎月毎月九州のほうから生乳として大きい17トンのタンクローリーで県内の乳業メーカーに搬入をして、これを県内の乳業メーカーで殺菌処理をして量販店向けだったり学校給食用牛乳向けに出しておりまして、お隣、九州の数字なんですけれども、生産量に占める学校給食の割合というのが九州は僅か7%程度なんですけれども、沖縄は年間ですと3割、学校がやっている平日ですともう6割を超えています。ですので、学校給食がやっている間は量販店向け、スーパーの売場だとかというのは県産牛乳がほぼない、がらがらな状況。ただ、学校給食が休みになるとたちまち余剰が発生してくるという、非常に需給が激しく変動する状況になっております。

○仲村未央委員 あと、3ページ目に学校向け乳価が本来135円ということで、ところが実績の単価というのが84円で、その差額が51円ということが出ていますよね。これは学校向け給食であっても、その供給単価の実績のような50円以上の差で取引されるということですか、学校給食用も。

○神谷翔平参考人 いや、学校向けに行けば学乳向けの単価の135円です。これが県外に送ったり加工処理をやって、差額が約51円、平均で。

○仲村未央委員 では学校向け乳価というのは単価を落としてはいないけれども、加工乳として余剰が出た場合、いろいろ総合的に見ると実績としては50円以上の差が出ちゃうということですね。分かりました。
 ぜひまたみんなでこの後の陳情の審査等も通じながら、しっかり生産が滞りなく続けられるように頑張っていきたいと思いますので、今日は本当にありがとうございます。

○西銘啓史郎委員長 ほかに質疑はありませんか。
 大浜一郎委員。

○大浜一郎委員 お伺いしますけれども、先ほど島袋大委員からもありましたように、これは沖縄県が止めたゆえに発生した損失ですから、県でしっかり対応すべきだと我々も認識をしましたので、それでしっかり対応を我々もしていきたいというふうに思いますけれども、私石垣なんですよね。石垣には大きい牧場があります。マリヤさん、ゲンキさん、もう一つは伊盛さんのところがあるんだけれども、彼らから今のような悲惨な状況をちょっと私聞いていなかったもんだから、離島でも宮古でもありますかね。どうなんですか、離島の状況は。本島のほうは大変、全体なんだろうけど、特に離島は大変なんだろうけれども、その辺の状況は把握されていますか。ちょっと教えてください。

○馬場祐生補助者 今お話にあったように、石垣島にも酪農家、乳業メーカーがおります。ここは我々の組合員でもなく、我々が生乳を出荷している地域でもないんですけれども、本島でコロナが非常に感染が急拡大しているときに離島だとかというのは比較的、場所にもよりますけれども、学校を止めるほどではなくそのまま動いていた離島も数多くあったというふうに聞いています。
 そして離島、石垣島は基本的には学校給食に牛乳が100%供給されて、機械トラブルだとか季節的にどうしても足りないときは、本島から加工乳が行っているというふうに聞きます。沖縄県内で、例えば宮古島ですとかこういったところは、もう既に九州、熊本から、ロングライフ牛乳といって常温で賞味期限が約3か月程度ある牛乳というのが、無菌状態でパック詰めしたような牛乳なんですけれども、九州から直接このLL牛乳が学校給食に供給されているというふうにもう移り変わってきています。
 ですので、我々としてはやはり本島は今のところ基本的に牛乳100%供給ですけれども、やっぱり離島も含めて沖縄県内、こういった地理的なことで健康的な、栄養的な偏りが出てはいけないと思っていますので、やはり生乳生産量を増産して、離島も含めて全て牛乳100%供給を本当はしたいというのが我々の思いです。
 以上です。

○大浜一郎委員 もう一点ですね。これから生産拡大も含めて考えていかなきゃいけないんだけど、やはり生乳を使った製造業が少ないがゆえに、そこでプラスアルファの利益が取れないとか、出荷がたまってしまって右往左往してしまうということがやはり起きてしまう。これもある意味生産拡大していっても今みたいなことが仮に起きたら、またこういう同じような問題が出てくるわけです。
 例えば製造業に生乳を生かした供給先というのが、今の段階では限りなく少ないと。要するに移出したらそれだけ輸送費、コストがかかりますから、そういった問題が、要するに製造業がないがゆえに出荷がおぼつくような、常々そういう状況にあると認識されているというのもありますか。

○馬場祐生補助者 おっしゃるとおり、県内の乳業メーカー、本島だと主要なところが大手3社になりますけれども、やはり正直少ないというのはあるんですけれども、やはり生産量から見た工場の数でいうと、決して少ないわけではないです。ただ、量販店だとかに基本的に生産量が足りない時期に沖縄県産の牛乳というのがほとんど売場から縮小されてしまって、今北海道だとか熊本からそのまま産地でパックされた産地パック牛乳というものが大量に移入してきてしまっています。
 この影響によって、逆に学校給食が止まって沖縄県産牛乳が余ると分かっているんですけれども、他県から牛乳が入ってきてしまっている。もう年間契約みたいな形になってしまっているというふうに聞きますので、やはりここは行政のお力添えもいただきながら、沖縄で確実に牛乳が余るという時期だけでも量販店の御協力もいただきながら県外産の牛乳の仕入れを少し抑制していただくだとか、そういった我々生産者団体だとか処理する乳業メーカー、それから販売する量販店、こういったところが垣根を越えて一体となって取り組んでいく必要性を感じています。

○西銘啓史郎委員長 ほかに質疑はありませんか。
 大城憲幸委員。

○大城憲幸委員 もう少し時間ありますので、少しお願いします。
 学乳の補塡については議論があったとおりだと思いますのでいいですけれども、やっぱり同時に求めている生産振興どころじゃなくて、組合としてはどう廃業を食い止めるかという段階ですよという話がございました。それで先ほどの乳価のところと生産費のところを少し把握させてもらえればありがたいなと思うんですけれども、皆さんの5ページの資料で、下にグラフで分かりやすくこの一、二年下がっているんですけれども、上には令和3年の月ごとのものはあるんですけれども、令和2年が130円で、令和3年というのはこれまたさらに下がるというような状況になるんですか。その辺の見通しって分かりますか、今。

○馬場祐生補助者 ごめんなさい。令和3年度がまだ累計の計算を出していないんですけれども、令和2年度の4月、5月というのが全国で一斉臨時休校があったところになりますので、数字、具体的に表を見ていただきますと、令和2年度の4月で108円、5月で120.8円と、過去にないぐらい乳価が下落しています。令和3年度も6月、8月、1月と影響はあったんですけれども、3月から5月と全国で一斉臨時休校したときには約3か月にわたって学校が止まりましたので、このときと比べると下がり幅としては小さく済んでいるという状況です。

○大城憲幸委員 後は生産費のほうなんですけれども、今日は資料は出ていないんですけれども、皆さん1キロ当たり150円かかるよとかというような議論を常にしているはずなんですけれども、先ほど来あったようにただでさえ配合飼料の高騰が続く中で、今後という意味ではもう下がる要因がないわけですよね。そういう中では、我々県民に分かりやすく皆さんが伝えるんであれば、今言った1キロ当たりの乳価は130円ちょっとぐらいで、なかなかいろんな事情で今値上げができない状況だよと。ただ一方で、1キロ当たりの生産費というのは直近で今幾らぐらいになっているよというような数字は持ち合わせていますか。お願いします。

○馬場祐生補助者 今回の資料には生乳生産費はつけていなかったんですけれども、酪農家が毎年確定申告をしていまして、今酪農家が約50件いるうちの約33件の組合員が、組合が委託している税理士を使って青色申告をしています。この50件中の33件の青色申告書のデータを直近5年ぐらいを蓄積して、生乳1キロを生産するのにかかっているコストというのを一応まとめております。直近令和2年度の数字ですと生産費で約144円、キロ当たりかかっています。一方、販売する価格というのは年間通すと約130円程度ですので、もう生乳の生産だけですと十数円赤字という状況で、では酪農家はどういうふうに食いつないでいるかというと、やはり乳を出す前に子牛を産んで、これでようやく乳が出ます。この子牛というのを毎月1回競り市場に出品して、これを販売したもので何とか食いつないでいたと。ただしかし、外食だとか観光客だとかというのも非常にコロナで落ち込んで、この肉用子牛の相場というのも暴落した。これによって酪農家は今まで何とか子牛の販売で食いしのいでいたところももう今当てにできないということで、こんななら本当に廃業してパートしたほうが儲かるよというような酪農家が非常に増えているという現状です。

○西銘啓史郎委員長 ほかに質疑はありませんか。
 次呂久成崇委員。

○次呂久成崇委員 今日はどうもありがとうございます。
 私のほうからもちょっと確認ですけれども、今酪農家、県内約50件ということなんですが、これは全ての農家さんのほうがこの酪農農業協同組合のほうに加入しているということなんでしょうか。

○神谷翔平参考人 うちの酪農組合に所属している農家数です。それと別に大浜委員から先ほどあった離島のマリヤ乳業さんだとか、全部であと3件か4件くらい酪農組合外の独自で生乳生産からパック詰め、生産販売までする農家さんがいます。

○次呂久成崇委員 この学校給食との契約の関連なんですけれども、これは組合に入っているから確実にというか、学校給食との契約があるということではなくて、その地域のほうで、例えば私も石垣なんですけれども、それぞれで契約と。この単価というのは組合に加入している皆さんの単価ということでよろしいんでしょうか。

○馬場祐生補助者 この135円というのは、我々が乳業メーカーに学校給食用向け牛乳として卸している取引価格ということになりまして、学校給食が県畜産課が主体となって入札が実施されます。本島ですと沖縄明治乳業、沖縄森永乳業、宮平乳業、この3社が入札を経て学校給食用牛乳の供給事業者ということで県が認めるという形になるので、本島ですとこの3社が学校給食会とさらに契約をして供給をすると。我々はその対乳業メーカーへの供給まで担います。

○次呂久成崇委員 ということは、例えば沖縄独自で休校措置をやった2週間の補塡というのがこの金額だというふうに思うんですけれども、その際には例えば組合の皆さんのほうには教育委員会とか、今ずっと畜産課とのやり取りの中ではあるんですが、やはり教育委員会のほうから皆さんのほうにはこういう措置をしますというような何らかの、そうなった場合にやっぱり影響というのはいろいろあるもんですから、そういう通達というか、そういうのは全くないということなんですよね。

○馬場祐生補助者 残念ながら県教育庁のほうから通達はなくて、我々も報道で知るという日々が続きました。前の週の週末金曜日あたりに、来週から学校が止まるというのを報道で知って、ネットで調べて畜産課、教育庁にこちらから確認してということで、非常に余剰乳が即座に発生してしまうという状況が続きましたので、県畜産課に申入れをして県畜産課と県教育庁のほうと何度か打合せを持って、もう少しこの発表を可能な限り早めることができないかだとか、分散登校が発生したときに学校によってできる、できないはあると思うんですけれども、製造した牛乳を例えば持ち帰ってもらうとか、その場で給食がない午前中とかだけでも学校に帰る前に飲んでいただくことができないかだとか、学校へのアンケートだとかも実施してもらって、今後何かあったときに少しでも余剰をこうやって処理できる対応を模索していきましょうということで打ち合わせました。

○次呂久成崇委員 最後にいま一度ちょっと確認なんですけれども、例えば今コロナの影響で給食センターに勤務している方が感染した場合に、給食もストップになったりとかという場合もあって、その際もやはり給食が急にストップになった場合というのも牛乳の提供がストップになるわけですよね。そういった場合なども含めて、全て学校、教育委員会のほうから事前にそういった、その場合はどうするというようなお話とかということも全くないということですよね。私はやはりこの学校給食を停止するということであれば、これは食育の観点からもやはりもう少し畜産課の皆さんとか酪農家の皆さんとかというような連携、行政も含めての連携というのは必要じゃないかなというふうにはずっとお話を聞いて思っていたんですけれども、そういうのはもう全く今ないということでよろしいんでしょうか。

○馬場祐生補助者 はい。今現在はないんですけれども、おっしゃられたように学校給食がやむを得ず止めるときはこういうふうにしようだとかというのを、常日頃、平時のときから議論していく必要性は感じています。

○西銘啓史郎委員長 ほかに質疑はありませんか。
 上里善清委員。

○上里善清委員 お話を聞いて、大変な状況であります。大委員からあったように県の方針でこれだけの赤字が出ていますので、僕らもこれは県のほうで責任を持って処理するという方向に、私もそう思っております。
 1つ聞きたいんですけど、EM牛乳というのがありますね。あと玉城牛乳と宮平さんですかね。店頭に行ったら先ほど沖縄の牛乳は全然ないという話をしておりましたが、切れたことはないんですよ。ずっとあります。この組合に入っていない農家さん、幾らぐらいいらっしゃいますかね。

○馬場祐生補助者 沖縄本島ですと今名前が挙がったようにEM玉城牧場牛乳というところのみかと思います。

○上里善清委員 それで店頭で大体280円ぐらいかな、長いやつが売っているんですよ。単価的に組合の単価とどれぐらい違うんですか。

○神谷翔平参考人 EM玉城さんは自社で生産して自社で売るということなので、自分で言わば値段はつけたい放題というか。なので幾らで卸しているとかではなくて売値が手取りという形なので、メーカーとの取引価格というのはなくて、もう自社が取引価格なので。

○上里善清委員 店頭で加工乳と比較してもかなり高い値段なんですよ。自分なりにやっぱりこういった流通までも含めて生産していると思うんですけど、そういった取組というのも各農家はできないものかですね。それはどうですか。

○馬場祐生補助者 今やはり乳業メーカーとの取引価格の交渉が膠着している状態で、やはり生産者からも、では自分たちで生産したものを自分たちで製造、販売していくことも本格的に考えないといけないんじゃないかという声は非常に上がります。ただやはり設備投資だとかも本当に十数億レベルで恐らくかかりますし、県内の乳業メーカーとこれまで信頼関係、それから取引関係を基に戦後からずっと歩み続けてきたことも考慮すると、やはりそこにかじを切るというのは相当な決断にはなると思います。

○西銘啓史郎委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○西銘啓史郎委員長 質疑なしと認めます。
 以上で、陳情第27号及び陳情令和3年第103号に係る参考人に対する質疑を終結いたします。
 この際、委員会を代表して、参考人に一言お礼を申し上げます。
 本日はお忙しい中にもかかわらず、貴重な御説明をいただきましたことを心から感謝申し上げます。
 本日拝聴いたしました内容等につきましては、今後の委員会審査に十分生かしてまいりたいと思います。
 神谷参考人並びに補助答弁者の皆様、大変ありがとうございました。
 休憩いたします。

   (休憩中に、参考人等入替え)

○西銘啓史郎委員長 次に、陳情第37号に係る参考人からの意見聴取を行います。
 各参考人には、本日は御多忙のところ御出席いただきまして誠にありがとうございます。
 参考人から説明を求める前に、委員会の審査の進め方について御説明申し上げます。
 まず、参考人から御説明をいただいた後、委員から参考人に対し質疑を行うことにしております。
 なお、参考人が発言しようとするときは、あらかじめ委員長の許可を得なければならず、発言は、陳情の趣旨の範囲内で行うこととなっております。
 また、本日は委員会が参考人の説明を聞く場であり、参考人が委員に対して質疑することはできませんので、御承知おきください。
 それでは、参考人の側から、陳情の提出に至る背景及び目的等について、15分程度で簡潔に御説明をお願いいたします。
 金城参考人、お願いいたします。

○金城栄参考人 皆さん、どうもこんにちは。養豚振興協議会の会長の金城です。どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 本日は、去る3月2日に提出しました陳情書についてこのような機会を設けていただき、深く感謝申し上げたいと思います。大変ありがとうございます。
 早速ではございますが、私のほうから養豚業界における概要をお話しさせていただきます。少し遡りますが、昭和60年頃、本県における農家戸数は三千数百戸ありましたが、昨年の調査では二百数十戸と著しく減少をしております。
 その背景としましては、牛肉の輸入自由化があり、そのあおりを受け長期的にトン価の低迷が続き、廃業する農家が増えてきます。さらにその頃から農村部における都市化が進み、住居と畜舎が混在するようになり地域住民とのトラブルも多くなり、移転を余儀なくされ、移転できない人は廃業してしまっていきます。屠畜頭数においても平成9年頃の49万頭をピークに、食肉センターの廃業も相まって昨年で31万頭と、こちらも激減をしております。稼働率からすると大変危機的な状況に置かれていると思われます。平成16年には家畜排泄物の規制が強まり、処理施設の設置が義務づけられました。多額の費用を要するため、できない人はここでも廃業に追い込まれていくのです。
 その後、しばらくは安定した状態が続いていきます。ところが皆さん御存じのとおり、2020年に業界を震撼させる出来事が起こってしまいました。豚熱の発生であります。30年ぶりぐらいの発生で、感染の拡大が起こらないか毎日不安な状態が続きます。発生農場においては、本来食肉として供される豚が1万数千頭もの数で殺処分ということになってしまいました。生産者にとっては痛恨の極みであります。
 ワクチンの接種が早々に決まり、3月末頃から始まり約17万頭の豚に接種が行われました。その後は毎月40日以降の子豚に接種があり、作業の増大、さらにワクチン代と経済的な負担も増えることになっていきます。家畜保健所においても業務が増え、衛生管理指導といった本来の業務に支障が出ているのではないかと大変危惧するものであります。
 2020年第3四半期から飼料の値上がりが始まり、毎四半期はとどまるところを知らないのが現状であります。この4月以降の飼料の値上がりも決定しております。TPP問題も抱えることになって、今後ますます厳しい局面を迎えることになります。このような状況下で何の策も講じなければ、養豚業が壊滅的なダメージを受けることは間違いありません。大変裾野の広い産業でございます。どうか何らかの策を講じていただき、検討をよろしくお願いしたいと思います。
 私からは以上でございます。
 この後、養豚経営者協会のほうと理事であります参考人から意見を述べさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○嘉数雅人参考人 皆さんこんにちは。養豚経営者協会の嘉数雅人と申します。
 今日は農家の代表としてこちらにまいりました。今、私たち養豚農家に飼料価格の高騰がとても重くのしかかっています。これまで私の農場では、この飼料高に備えるため、外部から病気が侵入しないよう消毒を徹底し、朝一番、子豚たちが寒そうにしていないか、餌をこぼして一粒でも無駄にしていないかなど、地道ですが飼料コスト削減を頑張ってきました。
 しかし、それ以上のスピードで飼料価格が上がっていきました。私の農場では、1年前は子豚1頭を出荷するまでに飼料費が7000円くらいでしたが、今はもう8500円を超えました。毎月の飼料費も100万円ほどの値上がりと、それに加え豚熱ワクチンの十数万円の費用でかなりの負担になっています。自分の休みを減らして人件費を抑えたり、農場の設備投資はやらないようにして何とか経営を維持していますが、また来月から飼料価格が上がると聞きました。
 最近、若い後継者と話すとき、将来の夢を語るのではなく、みんなあしたの資金繰りの話で頭がいっぱいになっています。養豚業は製造業、観光サービスなどのあらゆる部門に対したくさんの関連を持っている裾野の広い産業です。今どうにかしなければ、生産者がいなくなり、ほかの産業にも影響があるでしょう。今、愛知県では畜産農家を緊急的に支援するため、1トン当たり7900円の支援が決まりました。先日、静岡県のほうでも支援のほうが決まったようです。私たちも今まで以上、真剣に様々な改善を行っていきますが、沖縄県としても対策を講じていただきますようどうかお願いいたします。
 以上です。

○我那覇崇参考人 我那覇と申します。よろしくお願いします。
 沖縄の養豚業界は、ここ数年非常に厳しい状況にあります。東京オリンピックの縮小開催、また、新型コロナウイルス流行で観光客が激減し、沖縄の在来豚でもあるアグー豚の消費が非常に落ち込み、大量の在庫を抱えた時期もありましたが、県畜産課、沖縄県畜産振興公社の協力支援により何とか乗り越えられました。しかし、現在世界的な飼料高騰が続く中、豚は農耕飼料100%と生産に占める飼料経費の割合が高く、ほかの家畜のように粗飼料でカバーすることができません。また、沖縄は他府県に比べ遠隔地のため、各種経費も高騰していますが、販売価格への転用は困難な状況にあります。
 私たち我那覇畜産では、現在1万頭の豚を飼育しておりますが、昨年に比べ1月当たり餌代のみで750万円の経費増と経営は非常に厳しく、4月からさらなる飼料の高騰で今後経営が困難になるのは間違いありません。現に数か月間の間に廃業した農家や、廃業予定という話をよく耳にすることが増えてきました。今後県内で農家が減るということは、県産豚肉が県内からなくなるというふうに等しいので、県の緊急支援、よろしくお願いいたします。

○崎原勲参考人 皆さんこんにちは。紹介いただきました沖縄県食肉センターの崎原といいます。よろしくお願いします。
 沖縄県内の家畜屠畜場は、現在本島に2か所、宮古・八重山で各1か所の4か所の屠畜場、食肉センターが稼働しております。豚、牛、ヤギ等を中心とした家畜の屠畜を行い、県内食肉流通の出発点、拠点として公共性の高い役割を担っております。特に沖縄食肉料理の伝統文化である豚肉流通においては、県内食肉センターの機能は非常に重要であり、食肉センターなくして県民の皆様へ安全・安心で良質な豚肉の供給はできないという自負の下で業務を行っているところでございます。
 このような中で、各食肉センターの経営状況は電気、燃料、資材等の工場経費の高騰が続き、厳しい経営を余儀なくされております。これまで省エネ対策、合理化対策等の企業努力により、コスト吸収を図ってきましたが、昨年途中からの急激な電気料、燃料費、資材等の高騰は企業努力の限界を超えており、屠畜業務の継続に支障を生じかねない大変厳しい状況が続いております。
 県内各流通センターの規模の違いはありますが、例えば各社とも前年に比べ、工場経費は約20%アップし、電気代や重油代だけで沖縄県食肉センターで約4000万、沖縄県北部食肉協業組合で2000万、宮古・八重山も同様であり、県内屠畜場全体で約7000万の増加をしております。
 このような厳しい経営環境にある中、各種の経営改善委員会や役員会等においては屠畜料の値上げもやむを得ないという意見が上がっておりますが、先ほど来養豚農家の御意見もありますように、一昨年に発生した豚熱による衛生費や防疫体制の強化を図るためのコストアップに加え、飼料価格の大幅な高騰により経営の存続が危ぶまれる状況にあり、そこで屠畜料の値上げを提案し、生産農家にさらなる負担をかけさせることはできる状況にありません。
 生産者と食肉センターは車の両輪であり、生産者が採算の取れる経営を行い、生産頭数を維持、増加し、食肉センターの衛生基準の高い処理を行い、消費者に安全・安心な食肉を供給できる体制を持って運営していくことが必要であります。食肉センターに関連しては、単に屠畜業務だけではなく、家畜生体、製品の運搬・流通、各種資材、レンダリング、汚水処理、食肉業者などの関連する業界は多く、沖縄県内の大きな産業となっており、多くの雇用の場所になっております。
 将来にわたり、沖縄県民並びに観光客の皆様へ安全・安心・良質な食肉を供給していくためには、食肉センターの現状を御理解いただき、養豚経営者共々御支援をいただきますようお願い申し上げます。

○金城辰美参考人 皆さん、こんにちは。沖縄県北部食肉協業組合の金城といいます。よろしくお願いします。
 私からは名護市食肉センターについて説明したいと思います。名護市食肉センターは、近年豚肉の影響等により屠畜頭数の減少や施設の経年劣化による修繕費がかさみ、運営が厳しくなってきました。そこで、食肉センター全体の照明をLEDに替えたり、入居企業の施設使用料を2.5倍の値上げをして努力してきました。
 今年は原油の高騰により、電気料が令和2年度7000万円から令和3年度は8000万円と、1000万円の負担増となっております。また、重油に関しても令和2年度よりリッター当たり40円以上の単価の大幅増により、令和2年度3700万円から今年度は4700万円と、またこれについても1000万円の負担増となっております。
 説明は以上です。

○西銘啓史郎委員長 参考人の説明は終わりました。
 これより、陳情第37号に係る参考人に対する質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないよう簡潔にお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 新垣新委員。

○新垣新委員 先ほどの御説明、本当にありがとうございます。
 御説明をお聞きしまして、記の1の養豚経営者の緊急支援について、屠畜料金及び豚熱ワクチン接種経費に対する助成措置を講ずることということについて、実際どのくらいの費用がかかるのかということを伺いたいと思います。

○金城栄参考人 これは私のほうからお答えさせていただきます。
 豚熱ワクチンの1頭当たりの費用は160円になります。これは全国的に見てもかなり安いほうではあるんですけど、30年ぐらい前に発生した、その当時の価格がそのまま反映されているようで、これに関しては条例で決められているということになっております。それと屠畜料に関しては、県内4屠場多少の差はありますけど、2700円ぐらいが1頭当たりの相場になっております。

○新垣新委員 それを受けて、例えば他の都道府県において県単、都道府県が単独で出した例とか、またその団体等における負担金を軽減させたりとか、そういった分かる範囲で他の都道府県はどうなっているかということを伺いたいと思います。

○金城栄参考人 他の都道府県に関しては、実際に今のところは調査はないです。屠畜料に関しては食肉連のほうでおおまかなというか、その辺の料金のほうを持っていると思いますので、食肉連のほうからお答えさせていただきたいと思います。

○崎原勲参考人 屠畜料については、大体全国平均で豚、牛、ヤギ等ございますけど、豚でいいますと大体2700円から3000円と。平均で3000円前後と見ていいと思います。その中で屠畜料というのは、屠場利用料あるいは解体料というのが実は県の認可事項になっておりまして、これはほぼほぼ全国1700円から2000円近いということですね。先ほど申し上げた2700円から3000円というのは、他の冷蔵庫保管料とか、そういうのを含めての金額でございます。純粋な屠畜利用料というのは、大体1700円から2000円ということであります。
 県内の場合は国内平均よりは若干低いのかなという感じであります。大体東京を見ていますと大体2000円前後でございますので、今県内においてはほぼ1800円前後で農家の皆さんから屠畜料を頂いております。

○新垣新委員 分かりました。
 この屠畜料において沖縄が一番安いということで、農家に与える負担等は考えて理解してよろしいんですか。

○崎原勲参考人 一番安いというよりは、非常に安いほうになっているということです。実は食肉センターによっては公社機能を持って、いわゆる県と一緒になっている公設民営だとかいろんなところもございますので、そこら辺は県が考慮してまだ安くしているというようなところもあると聞いております。

○新垣新委員 昨今、コロナに与える影響というのを鑑みて、この屠畜料においても打撃とかあるんですか。それともたまり過ぎているということになるんですか。物が売れないとかいろんな他の団体もあるんですけど、その状況等はどうなっているんですか。

○崎原勲参考人 コロナにおいては、やはり当初は御案内のとおりに非常に観光客が来なかったということもあって、先ほど我那覇さんのほうからも意見がございましたが、相当な、特にアグーなんかはブランド豚ということで、そういう食肉専門店に出しているもんですから、飲食店にですね。相当な在庫を抱えて大変な時期がございました。幸い少しずつ直ってきてはいるものの、特にブランド豚のアグーについてはまだまだ消費が、今回もまん延防止は解除になりましたけど、まだまだ厳しい状況にあることは間違いありません。

○新垣新委員 理解いたしました。
 重ねて2に移りますが、食肉センターの運営維持に係る緊急支援について、愛知県で実施されている食肉流通センター等燃油価格高騰対策支援金を参考に、燃油高騰の差額を補塡するなど屠畜料金値上げに見合う緊急支援を早急に実施することと。この具体的な金額はどのくらいと見込んでいるのか伺いたいと思います。

○崎原勲参考人 今の御質問は屠畜料金のお話ですか。屠畜料金は、我々も5年も10年も前から資料も作っていろいろ準備しているところですけど、今1頭大体200円前後、200円は上げていきたいというふうに考えております。しかし、当然一挙に200円ということが妥当かどうかというのは、先ほどもお話ししたように県の認可事項でもありますので、相談をしながらやっていきたいなと思っています。先ほどあったように、大体県内で30万頭の豚が屠畜されておりますので、掛ける200円で単純計算でいうと6000万以上になるのかなと思っております。

○新垣新委員 分かりました。6000万近く。
 もう一点、この要請について県知事や担当副知事に要請活動を行っていますか。まず確認いたしたいと思います。

○金城栄参考人 今回は直接県議会のほうに陳情を上げてもらいましたけど、以前から振興協議会と食肉センター等を含めて、いろんな面で要請活動というのは行ってきております。ただ、今回に関してはタイムリミットが迫っているという件もあって、その辺では知事のほうには今行っておりません。

○新垣新委員 早急に知事に要請すべきだと思うんですが、先ほども言ったように県産豚がなくなる可能性が高いというこの危機感、非常に知事に対して早期に要請すべきだと思うんですけど、いかがですか。

○金城栄参考人 私のほうから言いますけど、早期で要請すべきであるがゆえに、今回はぜひ3月までにやりたいと。これを4月以降まで待つというのが、非常に我々にとっては逆にその厳しさを増すような状況に陥っていくだろうという考えで、3月2日のリミットをもってやりたいということで今回の陳情になっております。

○新垣新委員 重ねて伺いたいと思うんですけど、今原油の高騰も含めて配合飼料の高騰も重ねて、非常に生産団体等で経営を行う、また農家も非常に経営等において大打撃な状況だと推察いたしますが、この件において改善策という、団体等における知恵とか何かないのかとか、例えば他の都道府県で単費でやっている事例とか、そういう交付金も活用している都道府県があるのか、そういう状況等の情報があればお聞かせ願いたいなと。改善策に向けたですね、そういうのはありますか。

○金城栄参考人 先ほど嘉数参考人からもお話ありましたように、今回の飼料高騰に関しては静岡であるとか、静岡が先日決定をしているみたいです。愛知のほうは昨年12月頃から飼料高騰に対する補塡という形で、トン当たり幾らという感じでそういった支援をやってはいるみたいです。ただ、私ども団体としてはなかなかそういった支援をするような財力もありませんから、ただ、生産性を向上させるための何らかの方法、そういったものに関しては中央会さんともいろいろ相談をしながら、優良種豚の導入であるとか、その導入をどういうふうにやるか、そういった相談はしながら進めております。ただし、なかなか進行はしていないのが現状であります。

○新垣新委員 すみません。もう一度、静岡の支援等という具体的な中身を教えていただければなと。

○崎原勲参考人 実は愛知県がもう実施しておりまして、これは食肉センター等に対する燃料等の高騰に対する支援でございます。これについては、今月の標準価格というのを決めまして、これは当然全国から出てくる資料を基にして国のほうで決めて、これに対してオーバーした分に対する2分の1、例えばA重油が100円であれば、今月120円になりましたと。20円オーバーした分の2分の1、10円は補塡しますというような、実際愛知県のほうでは実施されております。

○新垣新委員 分かりました。
 そういう形でぜひ知事にも要請を、こういった痛んでいる状況等においてしっかりとまた支援して頑張っていきたいと思いますので、苦しい状況となりますが、頑張ってください。
 以上です。

○西銘啓史郎委員長 ほかに質疑はありませんか。
 中川京貴委員。

○中川京貴委員 では一、二点、聞かせてください。今現状は、私ももともと養豚をやっていまして、先ほど3000農家から200農家に変わったというときも養豚から牛に変わった経験もあって、今実際に沖縄県では豚の競りもない状態ですよね。食肉センターの先ほどの説明では、那覇と南部と北部。前は中部にもありました、40年前はですね。あの頃、僕らも養豚していましたので一番感じるんですが、今皆さん方がやっぱり餌、またそういった現場の何とか赤字補塡をしっかりやっていただきたいという考えは十分理解していますので、これまでもこの経済労働委員会で、過去10年間の中でもいろんな陳情が上がっていましたけれども、なかなか現実になっていないのも事実であります。
 ただ問題は、先ほど酪農関係の組合から要請を受けて、きちんとした数字で出されてきて、きちんとした理論武装がなされていましたけれども、皆さん方の陳情には数字は出ていないんですが、数字は入れたほうがいいんじゃないですか、逆に。そうしないと分かりにくいというのは、どういう部分で―先ほど高騰では豚の値段の話が出ていましたけれども、ただ、これを上げれば一番農家に影響、農家の取り分が少なくなるというのがあって、我々数字できちんと示して要請したほうが解決策に早いと思いますが、いかがでしょうか。

○金城栄参考人 おっしゃるとおりだと思います。
 今回はこういった時間の制約がありまして準備できなかったんですけど、ある程度のものに関してはデータとしては持っております。この資料に関しては、後日お届けしたいなと思っております。大変細かい数字もありますので、ぜひそれはさせていただきたいなと思います。

○中川京貴委員 沖縄県も畜産振興には大分予算を投入していまして、中城港湾でしたか、この工場もサイロもできて準備はできたんですよ。問題は現場で養豚、酪農、畜産関係の仕事をする環境は整えても、その農家数が減ってしまったら何の意味もなくなると。悪循環になるものだと思っていますので、我々としても何とかこのコロナ危機を乗り越えて、この養豚関係者、またセンターの皆さん方がちゃんとした給料を払って仕事ができる環境づくりが大切だと思っています。
 そこで1つ聞きたいんですが、南部の食肉センター、たしか南部は50億近くかけて改造しましたよね、豚、屠畜等。北部のセンターの予算が多分違っていたと思うんですよね。北部はたしか北部振興で造らなかったですか。もし、知っている方がいたら。

○金城栄参考人 これに関しては、20年ぐらい前に北部食肉センターができていますが、北部の場合には公営の屠畜場になっていますので、それと沖縄県食肉センターに関してはJAさんも含めて第3セクターの屠畜があると。その辺の差もいろいろあると思いますが、もう少し詳しい話を金城理事から。

○金城辰美参考人 名護市食肉センターは、平成10年に沖縄北部特別振興対策事業として事業を行いました。事業主体は名護市でありまして、予算としましては30億5262万3000円となっております。

○中川京貴委員 南部は50億ぐらいかかってないか。

○崎原勲参考人 沖縄県食肉センターは約60億でやっております。これに関しては、しかし当然屠畜頭数の規模とか、1日のですね。そういうものが関連しております。

○中川京貴委員 ぜひ、やはりこういった食肉センターが―1度、牛のBSEで南部と北部が、一時的ですが、両方で屠畜ができない状態になって、わざわざ石垣まで運んで屠畜をしたという経験も沖縄にはあります。そして例のヤギのTSE問題もあって、沖縄では、まだ日本ではTSE症状が一頭も出ていないにもかかわらず、ヤギにTSEが導入されてヤギ農家は大変苦しんだこともあって、県議会から要請してこのヤギのTSE問題もクリアして、今はもう内臓も全部取れるようになっているはずですが、現場の声をしっかり聞いて、我々も県と交渉しながら予算措置に全力で取り組んでいきたいと思っています。頑張ってください。
 以上です。

○西銘啓史郎委員長 ほかに質疑はありませんか。
 大浜一郎委員。

○大浜一郎委員 各食肉センターについての問題なんですけれども、私は今石垣なんですけど、石垣の食肉センターも相当な赤字を抱えておりますよ。各食肉センターが具体的に今累積も含めてどれぐらいの推移でやっているかというのが、ちょっと見える化してほしいんですよね。これが見えないと具体的にどうするかというのがちょっと分かりにくくなると思います。累積も含めて、もう今こういう状態だからどれぐらいのものが必要だというような、ちょっと具体性を持ったほうが分かりやすいのかなというように思います。
 それともう一点、この豚熱のおかげで正常地域になるのにどれぐらいの時間がかかるかと、県に問い合わせたことがあるんですけれども、当時ワクチンを打ち始めてですね。これはまだ分からないというのが県の見解だったんですよ。だからこれが5年かかるのか、何年かかるのか、そうなってくると正常地域にならないと海外出荷もできないわけですよ、幾らHACCPがあってもですね。そういった問題もあります。石垣はワクチンを打っていないので、子豚も母豚も沖縄本島から取れないんですよ。なので本土から母豚も子豚も持ってきているという状況がありまして、石垣の食肉センターも赤字なんですよ。でも一応HACCPを取って、海外展開までやりたいというふうにしているわけです。ですのでちょっと具体的なことを、正常地域になるのに皆さんどれぐらいの見立てにしているのか、県との話合いの中でですね。
 それともう一点は、各食肉センターがどれぐらい具体的に累積も含めて状況にあるかというのと、具体的な支援内容でどれぐらいの予算が必要だというようなことも書いてくれると非常に具体的で分かりやすいと思うんですけど、その点はどうですか。

○金城栄参考人 正常化についての質問にお答えしたいと思います。正常化については、具体的には正常化プログラムというのが発足しない限りはできないことになっております。それをやるにはどういう手だてをやるかというのは、実際には畜産課あたりがそのプログラムをつくって、それに沿って生産側のほうが行っていくという形になっております。話の中では、例えばこれに向けてやりましょうという流れになった場合に、3年ぐらいを想定して、それからワクチンを接種するのをやめる。それから2年ぐらい発生がないとか、いろんな規定がありまして、そういったものもクリアした時点で正常化ということになるというふうになっております。
 それから、今正常地域と非正常地域があって、国内においては26県でワクチンの接種がされています。ですから、もう半分の県でそういった接種地域になっていて、正常県というのはかなり少なくなっています。九州と山口、四国もここ最近また豚熱が発生しましたので、その地域だけが今正常地域となっています。非正常地域から正常地域への豚の移動というのは禁止されていますので、今委員がおっしゃった八重山に送る豚に関しては本土を経由して、本土の正常地域から経由をすると。八重山のほうでアグーなんかをなさっている方もいらして、アグーというのは沖縄にしかないですから、八重山に送るアグーに関しては久米島で避難させているアグー、そちらのほうを八重山、宮古辺りに移出をしようという考えでもってなされていく予定であります。
 ですから早い時期の正常化というのは、種豚ということが非常に大きなネックになってきます。種豚をどこから入れるか、それが非常に問題になって、今現在沖縄においては非正常地域でありますので、岩手であるとか宮城であるとか、もともと種豚の生産地から入れることができていて、沖縄本島はそちらのほうから移入をしております。宮古、八重山に関しては九州のほうから入れると。そういった面でも大変費用のかかることを沖縄県にはやらざるを得ないというような環境に置かれてはおります。
 以上でよろしいでしょうか。

○大浜一郎委員 あと食肉センターの経営の履歴。

○西銘啓史郎委員長 各食肉センターの経営状況とか、何かまとまったものはありませんか。

○金城栄参考人 具体的な数字はそれぞれ精査中と……。

○西銘啓史郎委員長 JAは。

○崎原勲参考人 沖縄県食肉センターのほうでは、昨年までで約1億6000万の累損がございます。

○金城辰美参考人 名護市の食肉センターでは、平成29年度の屠畜頭数が12万頭あったんですけれども、それが年々下がってきまして、令和2年では11万頭。1万頭ぐらい減っている感じでありまして、それで今年で4期連続の赤字になっております。

○西銘啓史郎委員長 ほかに質疑はありませんか。
 山内末子委員。

○山内末子委員 ありがとうございます。お疲れさまです。
 もう豚肉が沖縄の食文化の柱だということで誰もが認めているところなんですけど、お話を聞く限りは本当に厳しい状況、危機的状況だということを確認をしながら、何とかしっかりと私たちも頑張らないといけないなと、今そういう強い思いを持っています。実は私も養豚農家で、ずっと餌をあげたりやってきました。そういう意味では、大変養豚の皆さんたちの今の現状というのをすごい受け止めておりますけど、先ほど農家のほうが3900から200戸ぐらいまで減少とありましたけど、生産量についてはどれぐらい減少しているのか。豚の生産量、それを持っていれば教えていただけますか。

○金城栄参考人 ちゃんとしたデータは手元にはございませんが、先ほど私の概要の中でも述べたとおり、平成9年前後、その頃が一番のピークになります。当時は食肉センターが南部にももう一か所、中部にももう一か所、6か屠場と言われている時代がありまして、食肉センター自体も非常に今に比べると多かった時代があります。そのときで約49万頭。これが昨年の実績で31万頭というふうに落ち込んでいる状態ではあります。現在は2か屠場ということですね。

○山内末子委員 49万頭から約31万頭。それで豚熱が発生をしてから、先ほどありましたけど非接種の地域とかも含めて、今現在まだワクチンも打ってますけれど、この接種地域は沖縄県全体ワクチンを打っているのか。それとも豚熱の発生したあの地域だけで今とどまっているのか。その辺もちょっとお聞かせください。

○金城栄参考人 接種は本島内全域です、接種地域は。離島に関しては全て非接種地域となっております。それがあって、アグーはやっぱり希少種ですので、久米島のほうの25頭ほど種豚を久米島のほうに避難をさせております。そちらはもちろん非接種です。宮古、八重山も非接種地域です。そういうことがあって、本島から宮古、八重山にも送れないという状況ですので、本土の九州辺り、正常地域からの移入という形を取っております。

○山内末子委員 今、沖縄県全体的に豚肉、かなり外国からも入ってきていると思うんですけど、沖縄県全体で流通している豚肉の県産品のシェアというんですかね、率はどれぐらいありますか。

○金城栄参考人 県内で生産される豚肉のおよそ6割が本土のほうに移出をされております。その中で私ども非常に困るものが、沖縄県の琉球料理に使われる肉ですね。特にソーキとか、そういったバラであるとか、非常に偏った嗜好が強いのがあって、その辺に関しては輸入物がかなり該当していると。こちらからは本土のほうにモモであったり、あまり県内で売れないようなもので加工用にも仕向けられるやつ、そういったものを本土のほうに送っている形を取っています。その送り賃のほうも大変費用がかかってきて、そういった意味では流通にもかなり重いことになっていっているのが現状であります。

○山内末子委員 やっぱり沖縄県は沖縄県で豚肉を本当に好んでいる県民性があるのにもかかわらず、その沖縄県産の6割が県内で消費されずに本土のほうに移出をしていく。その沖縄県はまた世界から豚肉を輸入してくるという、何というんですかね。やっぱり自分たちの地域の豚を自分たちの県内で消費をしていくという、それが一番望ましいと思うんですけど、なぜ今そういうようなちょっといびつというんですかね、そういうふうになっているのか。その辺のちょっと仕組みについて、お聞かせ願えますか。

○金城栄参考人 実は沖縄県のこの流れというのは今に始まったことではなくて、基本的には復帰以前からそういった流れではあります。というのは、やっぱり嗜好性が非常に沖縄というのは偏りがあって、ソーキであるとかバラ肉はよく食べるけど、モモ、ウデ、ロースは食べないとか、そういった中で復帰後畜産公社等ができた後に、本土に移出助成というのをやっていったわけです。これは積極的な移出、戦略として移出を位置づけてやってきたものですから、県内の消費だけを考えたんではなくて、沖縄県は豚の産地としての位置づけを確立しようという計画もあって、移出助成というのを積極的に行ってきております。県内においては、その移出助成のおかげで逆に移入物が入ってくると。必要なものは入れる、そうでないものは出すという、復帰以前ぐらいからそういった流れはあって、それを助成を受けてやってきたのかやらなかったのかで大きく違っているんだと思います。
 その当時は県外移出というのもあるんですけど、直接補塡と移出の場合には間接補塡という考え方でやっておりましたが、この直接補塡というのは、先ほども話しました牛肉の自由化によってトン価というのは長期間非常に低迷するわけです。そのときに価格補塡を直接、基準価格割れに関しては直接農家に補塡をするという時期は数年続いておりました。そういった流れの中で、移出自体が戦略になっている時代がありますので、県内を中心にそういった流れになったのではないかなと思われます。

○山内末子委員 複雑な状況が、歴史があるということで、でも今皆さん方が要望しております、やっぱりワクチンの支援であったり、その辺についてはまだプログラムがつくられてないので、いつまでワクチンを打つのかとかっていうこともめどがついていない以上は、これから先もまだまだ必要だということも確認をしながら、できれば生産高をどこまで上げていくのか。今31万頭に減っている中で、やっぱり将来的には生産高を上げていく目標値をつくっていただいて、それに向けていろんな支援であったり対策を打っているかとは思いますけど、そういったことについても持っているんでしたらちょっとお聞かせ願いたいんですけど、お願いいたします。

○金城栄参考人 これは私のほうからお答えさせていただきます。
 実は、豚はずっと43万頭を沖縄の生産頭数にするということで、沖縄振興計画の中でずっと言われ続けてきております。今回も43万頭を将来の目標値においてやるということは、今度の振興計画の中にも織り込まれてはおります。
 その中で、やっぱり43万頭というのは今の31万頭からするとかなりの数のアップになりますので、具体的にどういうことが行われるかという、これが生産農家として一番困っているのは、やっぱり種豚の確保。今現在、日本全国で行われているのは非常に優良な種豚と言われています、多産系のですね。そういった種豚が本土のほうはかなり普及しておりまして、その辺では沖縄はかなり後れを取っております。そういった優良な種豚を入れていくことで、現在200件しかいないような農家でも、かなりその辺に向けては進んでいけるかなという考えはあります。

○山内末子委員 課題がたくさんありまして本当に厳しいかとは思いますけど、今回出されている陳情につきましては、皆さんからもありましたように私たちもしっかりまた県のほうにも訴えながら、ぜひ支援をしていきたいなというふうに思います。ありがとうございました。

○西銘啓史郎委員長 ほかに質疑はありませんか。
 玉城武光委員。

○玉城武光委員 先ほど食肉センターの崎原さんから、燃油の高騰に対する支援策が愛知県にあるとおっしゃっていましたね。それから養豚生産者の嘉数さんが、愛知県は1頭当たり1万円の支援という飼料高騰に対する支援策が愛知県で実施されているということは、これはそういうことですか、嘉数さん。

○嘉数雅人参考人 1トン当たり7900円が今出ています。1頭じゃなくて、1トン。

○玉城武光委員 そういう愛知県のあれがあれば、ぜひ県のほうに、愛知県では1トン当たり1万円の支援をしていると。要するに飼料の高騰に対するですよね、そういうのは。資料があればまた頂きたいんですが。

○嘉数雅人参考人 分かりました。

○西銘啓史郎委員長 ほかに質疑はありませんか。
 大城憲幸委員。

○大城憲幸委員 お疲れさまです。
 養豚事業の厳しさについては、先ほど来県酪さんとの話も含めて、今畜産事業の厳しさというのは共通認識を持っているところであります。
 1点だけ、食肉センターの部分ですけれども、県食も含めて株式会社ですから、本来は経営が厳しければ屠畜料を上げるという話になるわけです。ただ、冒頭からあるように畜産経営がこれだけ厳しい中で、農家が厳しい中でなかなか上げられないという事情は理解しますけれども、それ以外にも上げられない事情というのがあるんですか。その辺、さっき言った協議会の中での議論というのはどうなっているのか、今分かればお願いします。

○崎原勲参考人 協議会の中あるいはそういう委員会の中では、当然屠畜料を上げざるを得ないんじゃないのという状況ではございます。正直言うとやはり我々としては、文章にも書いてあるように養豚農家とはもうとにかく車の両輪でございますので、厳しいのが分かっている中で上げるというのは、本当にタイミング的に非常にちゅうちょしているところでございまして、基本的には理由というか、そういうものはそれ以外にはありません。あくまで今我々としてはこういう状況にあるというふうに考えます。

○大城憲幸委員 そういう意味では、今社長がおっしゃるように車の両輪ですから、どちらかが倒れてしまっても成り立たないという前提になります。ただ、ほかの県は平均的に純然たる屠畜料だけで2000円ぐらいのところを、やっぱり300円ぐらい平均より沖縄は安いという話もありましたけれども、その辺で向こうの事情と沖縄の屠畜料の事情の違いというのは、例えば向こうは公営が多いとか、そういう助成があるとか、あるいは生産農家が体力があるとか、その辺の事情って何か沖縄独特の事情というのもありますかね。お願いします。

○崎原勲参考人 これに関しては私もお話ししたように、実は国内の屠畜場というのはやはり公営でやっていると。そして何らかの行政あたりから1頭幾らの支援があるとか―1頭幾らというよりは、食肉センターの経営自体に対して支援があるというのも聞いております。沖縄の場合は、また先ほど大城委員からもありましたようにどうしても規模の問題とか、本土には小さいと。零細が多いと。やはり1頭に占める飼料問題を含めて、コストが非常に高いんだということもありまして、我々としてはそこら辺も勘案してなかなか踏み出せないというのが状況です。

○大城憲幸委員 ありがとうございます。
 以上です。

○西銘啓史郎委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○西銘啓史郎委員長 質疑なしと認めます。
 以上で、陳情第37号に係る参考人に対する質疑を終結いたします。
 この際、委員会を代表して、参考人に一言お礼を申し上げます。
 本日はお忙しい中にもかかわりませず、貴重な御説明をいただきまして心から感謝申し上げます。
 本日拝聴いたしました内容等につきましては、今後の委員会の審査にも十分生かしてまいりたいと思います。
 金城参考人、嘉数参考人、崎原参考人、我那覇参考人、それからまた補助答弁者の皆さん、今日は御出席誠にありがとうございました。
 休憩いたします。

   午後0時3分休憩
   午後1時20分再開

○西銘啓史郎委員長 再開いたします。
 次に、乙第15号議案沖縄県農作物種苗生産条例の審査を行います。
 ただいまの議案について、農林水産部長の説明を求めます。
 崎原盛光農林水産部長。

○崎原盛光農林水産部長 それでは、農林水産部の乙号議案について説明いたします。
 本日は、サイドブックスに掲載されております乙号議案説明資料により説明いたします。
 今回農林水産部から提案いたしました乙号議案については、条例議案2件、議決議案2件となっております。
 それでは、ただいま青いメッセージで通知しました乙号議案説明資料をタップし、説明資料の1ページをよろしくお願いいたします。
 乙第15号議案沖縄県農作物種苗生産条例について説明いたします。
 この議案は、本県の農業の持続的な発展に寄与するため、農作物の良質な種苗の生産の推進に関する基本理念等を明らかにするとともに、県が施策の実施により得た知見等の提供に関し調査審議を行う附属機関を設置する必要があるものであります。
 議案の概要といたしましては、(1)新品種の育成、良質な種苗の安定的な生産及び県の育成品種や伝統的農作物等の保存・活用に関し、基本理念及び県が講ずる基本的な施策を示すこと。(2)県が有する知見等を民間事業者等へ提供することについて、調査審議を行うための附属機関を設置することとなっております。
 以上で、乙第15号議案の説明を終わります。
 御審査のほど、よろしくお願い申し上げます。

○西銘啓史郎委員長 農林水産部長の説明は終わりました。
 これより、乙第15号議案に対する質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないよう簡潔にお願いいたします。
 この際、執行部の皆様に申し上げます。
 答弁に際しては要点をまとめ、要領よく行い、円滑な委員会運営が図られるよう御協力をお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 仲村未央委員。

○仲村未央委員 まず、この条例の目的のところですね。第1条になりますか。その中にも目的が書かれているんですが、そもそもこのことを定める必要がある、今回の条例に至る経緯とか、それから必要性、なぜ今この条例が必要なのかというところをお尋ねいたします。

○嘉陽稔糖業農産課長 先ほどの資料の提出議案の概要のところを見ていただければと思いますけど、1ページ目の中段あたりから、条例の必要となる背景及び条例の概要ということであります。
 まず、これまでの条例制定に至る背景ということで、まず農業競争力強化支援法の施行がありました。これは29年8月1日ですけど、これは都道府県の力以外にも民間事業者の力も活用して種子の供給体制の構築を図っていこうということで、都道府県が持っている種苗の知見などを民間事業者へ提供を促進していこうということで、これが出てきています。
 続いて種子法の廃止ということで、これは農業競争力強化支援法で民間と協力して種子、種苗生産などを図っていこうということで、種子法というのは都道府県に一律に課していた稲、麦、大豆の種子の供給を都道府県に課していたんですけど、これがあると民間事業者の促進がならないということで、これをまず廃止している。平成30年4月に廃止しています。
 その後、種苗法の一部改正ということがありまして、これは種苗を登録した方への力を強力にしているということで、これはまず登録した方へ栽培地域などを指定したり、許諾料の請求とか許諾手続とか、自家増殖の禁止とか、そういうことが一部改正でありました。
 それと農業競争力強化支援法の中で、知見の提供ということで、これについては民間事業者に渡す前に県のほうでその使い方をしっかり確認して、それが本県の農業の振興に資する場合は渡していいという形になっていると。そういう状況がありまして、法律の施行、廃止などがあったということです。なぜ必要かとなると、今種子の種苗の供給というのは県の要綱だけでやっています。それと島野菜など伝統的農作物については何ら規定がないと。それと農業競争力強化支援法で県の知見の提供があった場合に、これをどうやって出すかということに関して審議する場がない。民間から要求がありますので、やっぱり内部で決定してしまうと第三者というのかな、民間事業者に対する説明が十分できるかというところで、審議会を設けてその中で第三者に議論していただくということで、今回条例制定に至ったということです。

○仲村未央委員 ありがとうございます。
 今説明の中であった農業競争力強化支援法でしたっけ、それではかなり民間のほうに、むしろ開放というか、その規制が緩和される。民間の活力を導入しようということになるのかなというふうに今聞こえるんですね。それで、むしろそこから今第1条にもあるように、沖縄ブランドの確立とか地域の農業をどう守るかという意味で、今種苗を守っていくということにこの条例が必要になるのかなというふうに思うんですけれども、そういう理解でよろしいんでしょうか。

○嘉陽稔糖業農産課長 考え方としてはそういう考え方ですけど、この審議会を設けているというのは、民間に積極的に県の知見を出していこうということではなくて、本県の農業の振興に資するか、それが明らかかということを議論するということになります。例えば民間事業者に提供して新しい品種ができた場合に、それが県内で今までと同じように自家増殖できるかとか、そういう形で民間事業者とはそういう契約を結んで栽培地域を指定してもらうとか、契約の中にですね。そういうことを盛り込むことで、県内の農家さんが今後もしっかり栽培できるような形を取るということですね。

○仲村未央委員 この条例の中で、許可手続なしにこれをやった場合、これは法律のほうにあるのかな。罰則とか罰金とかというのがありますか。許可手続なしの種苗の増殖をやった場合ですね。

○嘉陽稔糖業農産課長 県が今登録している品種については、許諾手続、自家増殖は、手続しなくて自家増殖していいとなっています。ただ、やはり今回の種苗法の一部改正では県に登録しているところに権限があるもんですから、ものによっては許諾手続をしないといけないということになっていれば、当然それを分かっている中で自家増殖する場合というのは、法的に相手に訴えられると罰せられるという形になります。

○仲村未央委員 今課長がおっしゃるような、県が持っている県の知見によって開発された種苗とか、これまで県が作ってきた、育ててきたそういう品種などは、これからも自家増殖していいですよという範囲で、許可は要らないよというような説明になっていると思うんですけど、それは条文の中に入っていますか。

○嘉陽稔糖業農産課長 今おっしゃられたとおり、条文の中には入れておりません。ただ、我々としてはこれまでも自家増殖を続けて、種子、種苗の供給を行い、自家増殖をこれまでもずっと続けてきているわけです。それと今年の4月1日からそれが適用されるということになって、昨年の10月に県のホームページのほうで種苗改正に伴う沖縄県登録品種の自家増殖についてということで、これを公表しまして、県内、例えばサトウキビなどは許諾手続は不要ですよとか、自家増殖はいいですよと、そういうのは告知しています。さらに公文書のほうで市町村、関係団体、JAなど、そこへも通知して自家増殖をやっていいです、許諾手続は今までどおり必要ないですということは通知しております。
 我々としては十分周知されていると思いますけど、農家のほうがまだ地域で必要、まだ周知がされていないということならば、ちょっと今コロナ禍なもんですから難しいですけど、時期が合えば現地に行って農家を集めての説明会などを行って、そこで今までどおり使えますということの周知はやっていきたいと考えております。

○仲村未央委員 ここすごく大事なところで、これまで県が開発してきた種苗というのは、まさに県民の財産なので、これをこれまでと継続的に自家増殖してよいんですよと。そして承諾の手続は必要ないですよというところを、もちろん周知していくことは今おっしゃるように大事なんだけれども、それを条例できちんとうたうこと、条文化することというのは必要ではないのかなというふうに思うんですよね。そこは今、県の方針がそれだけ明解であれば、きちんと条文の中に位置づけて、そこはこれからも農家の皆さん、生産者の皆さんが不安なく種苗の自家増殖に当たれるということをきちんと条例で担保していく必要があるのかなと思うんですけど、そこはいかがでしょうか。

○嘉陽稔糖業農産課長 今回の条例の中では、種子、種苗の供給を今後も将来にわたって県のほうで責任を持って行っていくということを明記しております。それと島野菜などの伝統的農作物についての収集・保存を行いまして、それがなくなった地域へまた種苗を供給する、種子を供給するなど。それと今回の審議会の―まあそれがメインになっておりまして、自家増殖については種苗法の中で示されておりまして、国もですけど、各都道府県も全てホームページで自家増殖、許諾は必要ないとかそういった情報はホームページでやっておりまして、沖縄県も同じようにホームページのほうでやってきたということです。それで我々としては今この条例の中には入れ込まないで、しっかり農家のほうには周知はしていきたいというふうに考えております。

○仲村未央委員 あと審議会のほうですけど、審議会の構成メンバーというのはどのようになりますでしょうか。

○嘉陽稔糖業農産課長 審議会のメンバーについては、ここに書かれている関係団体の長とか、あるいは大学の専門的な先生とか農家の代表者、あと消費者の代表者、できましたら法律に詳しい方を入れて、契約する場合のアドバイスをもらうためにですね。そういったことを想定しています。

○仲村未央委員 農家の代表者、それから消費者の代表者を入れることは非常に大事だなと思っていますので、そこはしっかりと構成メンバーに委員として位置づけていただきたいというふうに思います。
 それで特に沖縄も、島野菜も含めてサトウキビはもちろんですけど、この地域で守るべき種苗というのが非常に自然環境に帰依してある場所だし、そういうブランドに特化していく。もしこの条文にうたわれるような、1条の目的に沿うような沖縄の農業行政として戦略的にやっていこうとすればするほど、今のような生産者や消費者の関与というのは非常に大きいのかなというふうに思うんですよね。
 それで、例えば北海道なども非常に農業県というか、もう日本の食料庫みたいなところで、取組がかなり先行している部分もあるのかなと。そこの条例の中等では、例えば遺伝子組換えとかそういったゲノムの編集が入り込まないような、そういう地域の本当に農業を守る、特に沖縄もこの場所でしか、この亜熱帯の気候やここでしか育たないというかな。そういうのもあるから、やっぱり多様性を確保していくという意味では、こういうゲノムとか遺伝子組換えを持ち込ませないというのは非常に重要かなと思うんですよね。それもまた条文では特にうたわれていないような感じがするんですけれども、その辺りはどのようにこの条例との関わりでは出てきますか。

○嘉陽稔糖業農産課長 委員おっしゃるとおり、北海道では遺伝子組換えを規定した条例があります。遺伝子組換えの農作物の栽培については国のカルタヘナ法という法律がありまして、国の審査で承認するような形になっています。北海道も同じようにちょっとお聞きしたところ、この国の法律の範囲での規定だということでした。それと北海道も種子条例をつくっていますけど、北海道のほうもこの中には規定は一切していなくて、別立てという形でやっております。国のカルタヘナ法についても、農林水産省だけじゃなくていろいろな省が関わっていると。県においても考えるんであれば、農林水産部だけじゃなくてほかの部との連携があるというふうに考えておりまして、今回の条例の中には、遺伝子組換えについてはちょっとこれについては別物というふうに考えておりますので、記載していないということです。

○仲村未央委員 今の点は、この条例が真っ当に動き出して、その審査会が必要な機能をきちんと果たせば、こういったものが入り込む余地がないというふうにおのずとなるということを今おっしゃったんでしょうか。それははじかれていくよということか。審査会などで審査をしたりすれば、こういった沖縄の農業、特に沖縄の品種というのはしっかり守られていくということですか。それとも別立てで、さらに今のゲノムとかそういう遺伝子組換えなどは、もう一つ何か条例なりを必要とするということでしょうか。

○嘉陽稔糖業農産課長 先ほど申しましたのは、この審議会というのは農業競争力強化支援法に基づいて、県に対して知見の提供があった場合に審議するということを想定しております。遺伝子組換えにつきましては、先ほど申し上げたように農林水産部だけで議論する問題じゃないというふうに考えていることから、これは別にまた考えて検討する必要があるのかなというふうに考えています。

○仲村未央委員 ちょっと部長に、先ほどのやり取りの中でやはりちょっと不安が残るところがあって、先ほど聞きましたけれども、許可手続なしの仕様になると、種苗法そのものの施行で10年以下の懲役とか1000万円以下の罰金とか、こういったこともかなり厳格に許可手続というのは本来の法の中で決められているのかなというふうに理解をしているんですけれども、こういった中で沖縄の県が開発した種苗に関しては手続は要りませんよというのは皆さん方針で明確に周知をしているということでしたけれども、であれば、やっぱりその条文の中にしっかりと打ち込んでいくということが必要じゃないかなと。それが継続的に、要は条文等で確認されないと、何となく時間がたったり、あるいはその方針ですから、それは特に議会の確認も必要ないわけで、そういう中で揺らいでいかないかなとか、そういう不安が寄せられているんですよね。そこら辺は条文にうたう必要があると思うんですけれども、どのような判断で入れないのか。

○崎原盛光農林水産部長 委員から御指摘の種苗法の許諾のことにつきましては、我がほうもこれまでつくるまでに大分勉強しておりまして、他府県の状況というのは大分参考にさせていただきました。他府県の状況を見ますと、条文の中に直接落とし込むんじゃなくて、県のホームページ等で広報しているところが全国でしたので、我がほうも同じようなことでしております。
 ちょっと重複いたしますけれども、自家増殖の許諾については県内の生産の手続を不要とすることについて、昨年の10月から県のホームページにも入れておりまして、このことを市町村、農業団体等に十分に周知をどんどんしているところです。含めて、我がほうは各出先、農業改良普及所というのがあるんですけれども、それに加えてさらに農家等の不安がある場合には、そこでまた相談もするようにしているので、極力農家に対する負担はないようにしていきたい。それから重ねて、県が育成した品種につきましては、農家の不利益になるような、そういうことはしないことを当然したいと思います。
 以上です。

○仲村未央委員 ほかの県もそうであるということであれば、恐らくそれは法との整合性が取れないということになるんですかね、条文にうたうと。その法が、先ほどの競争力の強化をうたう法と手続が要らないということを条文に明記してしまうと、法との整合性が取れないということで各県入れられないということですか。

○崎原盛光農林水産部長 この辺りはかなり中のほうにも入るんですけれども、恐らく法律で打たれていることをさらに条例で追い打ちをかける、これを追加するのかしないか、その判断かと思いますので、法に多分反しているということではないというふうに考えてはいます。

○仲村未央委員 そうなると余計ちょっとよく分からないんですけど、なぜうたわないのかなというのはまだ疑問が解けないんですが、いずれにしても生産者を守り、また消費者を声をしっかりと反映していって、この審議会をしっかりつくり上げて、沖縄の―先ほども生産者、あれは養豚と酪農さんでしたけれども、生産者の本当に今危機的な沖縄の農業の状況にあるということを見れば、やっぱり非常にこの条例、持つ意味が大きいのかなというふうに思いますので、ちょっと先ほどの疑問をまだ解消できていないので、ぜひ引き続き注目をしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○西銘啓史郎委員長 ほかに質疑はありませんか。
 新垣新委員。

○新垣新委員 お疲れさまです。
 この種苗の条例なんですけど、種苗法、国の改正が令和3年4月からスタートしますけど、その兼ね合いで条例を築いたと理解していいんですか。

○嘉陽稔糖業農産課長 今回の種苗法の施行が4月から始まるということで条例を制定したということじゃなくて、一番大きいのは農業競争力強化支援法、これの県の知見の提供ということで、これに対してどうやって県が判断して相手に渡さないとか渡すとか、そういうことの何ら規定する場がないんですよね、今県の中に。そういうことで今回審議会を置いて、県だけで判断するとなると、民間事業者から要求される場合はやはり公でないところで議論をしてそういう判断になったのかという形で、明らかじゃないもんですから、やはり第三者の人が含まれている審議会のほうの意見を聞いて、県が判断して民間事業者に返すというふうなことで、ここが一番大きな点であります。
 それと、種苗法改正の附帯決議の中で伝統的島野菜とか、そういったものについては重要な遺伝資源ということで収集・保存をしなさいという附帯決議がありましたので、県のほうも島野菜などは種子を保存してはいるんですけど、これは何かに基づいてやったわけじゃないものですから、今回この条例の中に入れ込むことで、県としても伝統的農作物をしっかり保存していけるということ。
 それと種子・種苗の供給ということで、これまでもずっと要綱でやっていましたけど、条例ができるということは今までの単体の要綱がその条例にひもづけされるということになって、この中に予算のことも書かれていますけど、その条例に基づいて我々は種子、種苗の供給を農家にやっているんだということで、予算の要求も明確にできるということで今回条例をつくったということです。

○新垣新委員 種苗法の改正は関係ないという形で理解していいですか、今の説明を聞くと。

○嘉陽稔糖業農産課長 関係ないといいますか、この中でも先ほど言いましたように島野菜とかそういった種子を保存しなさいという、衆参の附帯決議があるもんですから、そういうのも含めて取り込んでいるということで、この3つの農業競争力強化支援法、種子法の廃止、種苗法の一部改正という、そういう状況があって今回できたという形で考えています。

○新垣新委員 ちょっと僕もまだ理解が、お互いかみ合っていないなと。
 それはいいとして7条の1、特定農作物の新種の育成に向けた取組、これを具体的にお聞かせください。

○久保田一史園芸振興課長 第7条に関わります種苗の活用という部分ですけれども、まず収集・保存ということで、先ほど糖農課長からありましたけれども、農研センターにおいて現在、種苗、島野菜等々、薬用作物、その種のほうを保存しております。それは引き続き強化していこうという部分と、あと集めるだけではなくて、実際地域から分けてほしい、地域の活性化に資するということで、種のほうを欲しいといった場合に供給していくと。さらに、ただ供給するだけではなくて、生産振興に資する部分ということでいろいろ使用したり助言等を仕組むこととなっております。

○新垣新委員 種苗法において、特許とかそういう特許制度、そういった番号と、それの兼ね合いはどうなっていますか。条例との兼ね合いですよ。

○安田宗伸農林水産総務課研究企画監 品種登録につきましては、現種苗法に基づき、県が開発したものまた民間が開発したものにつきましては、国のほうで登録制度が設けられております。

○新垣新委員 登録している中で、正直申し上げますとサクランボとかイチゴとか、都道府県の登録した特許が、正直に言います。海外に盗まれていっていると。こういういい条例をつくったとしても、肝腎要の空港とか港湾の強化の条例の設備もないもんですから、それで聞いているんですね。人の物を盗んでいくって、国の名前は言いませんけど、非常にひどいんですね。正直サクランボとかイチゴとか、マンゴーもという情報もあるもんですから、だから本当に、沖縄のマンゴーですよ。だからそういう形も、ぜひ空港との連携、港湾、そういう罰則等はどうなっていますか。

○安田宗伸農林水産総務課研究企画監 今委員御指摘のとおり、他府県におきましては非常にブランド力の高い果樹において、そのような事態が発生している事例もございます。それに基づきまして、今回種苗法の一部改正というところにつきましては、先ほど説明がありましたように育成権者、いわゆる品種を開発したものの権利を強化しましょうということで改正が行われたところでございまして、ただ、海外への持ち出しにつきましては、当然種苗法は日本国内の法律になりますので、国内での規制につきましては非常に効力がありますが、海外につきましては育成権者が海外のほうで品種を登録して、その辺の使われているものにつきまして摘発するというような仕組みを取っていかざるを得ないというふうになっております。

○新垣新委員 私が今言いたいのは、県も条例に港湾、飛行機と船の港湾に対する強化ですね。はっきり言ってポケットの中に持っていかれたら元も子もないとかいろんな話が、専門家から話も聞いて、そういうこともやはり空港や船でも強化すべきじゃないかという指摘。この関係団体からですね。だからこうやって今質疑をやっているもんですから、その問題において条例に付け加えるということを、部長、今後早急に検討すべきじゃないかと強く指摘したいんですが、部長の見解をいただきたいと思います。やはりこれは部長ですよ。県益、国益が危ぶまれているんですね。

○崎原盛光農林水産部長 先ほどうちの担当監からちょっと話があったように、やはり国内法なので適用がどうしても国内。外国のところというのが少し弱みがございます。これをどのように防ぐかというところは、国ともいろいろと勉強しているところなんですけれども、やはり法律で今なかなか適用できないところを条例で制定することは非常に難しいかと思っておりますので、外国への持ち出し等につきましては、例えば国内の国民が持ち出した場合にはその罰則が適用できるんですけれども、外国の方が何らかの状況で持ち出した場合等についてはなかなか難しいことがあるので、ここは少し国の農水省のところと勉強して、国と県とでどのようにして防ぐかは今後ちょっと勉強していきたいなと思います。

○新垣新委員 一番大事なことは、専門家から聞くと空港なんですよ。船なんですよ。そこに罰則の強化ということをきれいにすれば、空港と船で事前に捕まえ切れるんですよ。県益、国益、守れるんですよ。それを私は種苗法の強化も、国益、県益を守る観点から頑張っていただきたいという意味なんですね、私が言いたいのは。この関係団体から聞くとですね。だからその辺に関して部長、いかがですか、再度。空港そして船、港湾の強化、いかがですか。そこで未然に捕まえ切れるんですよ。国内法が適用できるんですよ、これ調べたら。

○崎原盛光農林水産部長 委員から御指摘の海外の持ち出しの件につきましては、他府県も同じような状況を今抱えておりますので、今回の条例とはまた別途、少し検討してまいります。

○新垣新委員 種苗法の改正を見ると、そういう形で国益を守るという法律の下で令和3年4月からスタートしているんですね。国としても沖縄は離島県ですから、特別な地域ですから違うものがあるということも理解していると思うんですね。この関係団体、生産団体もですね。だから県益を守る、国益を守る、一緒の観点から―部長、やはりこれは同じような種苗ですから、種苗法改正も。この県の条例と国の、先ほど僕が言った答弁が全く違うもんですからね。農作物、全く一緒なんですけど、条例も。だからそこら辺、部長もう一度、これはこれ、別は別でつくるとか、そういう形の考え方、在り方、強化も含めてぜひ再度検討いただきたいんですけど、いかがですか。そういう協議会をつくってほしいんですよ、僕は、まずは。

○崎原盛光農林水産部長 先ほどの今回の条例制定の背景をいま一度ちょっと整理いたしますので、1つには公的研究機関が民間事業者等に知見を提供する場合、海外や外国企業への知見流出を防ぐため、適切な契約等を提携する農業競争力強化法というのが平成29年5月にありました。それと地域農業振興のために公的資金研究機関による新品種の開発並びに在来種の収集・保存を促進するため、これらの改正種苗法が令和2年2月に改正されております。これらのことを受けて、県では種苗法生産条例を今回提案しているところであります。
 先ほどありました海外流出につきましては、登録がされていない品種や在来種などの知的財産のない一般品種などについては、条例制定の有無にかかわらず県外、海外への輸出は止められないというのが現状でございますので、それらも含めた上で関係者、専門家の方々を含めて今後検討してまいりたいと思います。

○新垣新委員 最後に伺いますが、農業競争力強化支援法とかいろいろ分かるんですが、あくまでも私が聞いているのは、種苗法の改正について聞いているもんですから、そこら辺に関して兼ね合いが一緒じゃないかという僕の認識と考えがあったもんですから、今県の考えはそれはそれで尊重しますけど、問題は先ほど言ったように、ぜひ空港、港湾において早急な沖縄の県益を守るような体制も違う角度で取り締まっていただきますよう強くお願いしたい。国は種苗法改正で行っていますので、検討課題に入っていますので、ぜひこれを指摘して終わらせていただきます。ありがとうございました。

○西銘啓史郎委員長 ほかに質疑はありませんか。
 次呂久成崇委員。

○次呂久成崇委員 私もちょっと確認させてください。今回、この利用条件を遵守することで、自己の栽培・養殖に用いるための増殖の許諾手続は不要ということなんですよね。私の実家もサトウキビとパイナップルを耕作しているもんですから、ちょっと確認したいんですけれども、よく農家の皆さんは、例えば自分のところで苗が余ったパインとか、例えばサトウキビなんかもそうなんですけど、苗が余ったときによく分けてやっていたんですけれども、それが第三者に提供するということで、これができなくなるということなんですよね。ちょっとこれ確認なんですけど。

○安田宗伸農林水産総務課研究企画監 委員御指摘のとおり、譲渡を目的として自家増殖をされる場合については許諾を一旦挟まないと、いわゆる自家増殖の違反という形になってしまいます。今御指摘のサトウキビ、パイナップルにつきましては、県のほうで自家増殖、自分の経営に用いる、栽培に用いるための増殖というのは認めるという形を取っておりまして、第三者に渡るという優良種苗の配付の流れの中で、一定増殖をベースにつくられてきた仕組みでございますので、その部分は許諾の手続なしにできるように、今関係団体等々と話をしているところでございます。
 これはいわゆる国、県が、元の品種を増殖して新たな品種を普及させる場合に、自家増殖を一旦間に挟んで他者にも渡す流れを従来から取ってきておりますので、特にそこの段階でこれを止めてしまうと、やはり地域への普及性などが損なわれてしまう可能性がございますので、自家増殖の第三者への譲渡という形でとらえずに、自家増殖ができるような形でとらえている。県としては手続不要という流れでいく措置をしている、考えているというところでございます。

○次呂久成崇委員 すみません、あまりよく分からなかったんですけど、この委員会が始まる前にイノシシの被害の話とかはやっていたんですけれども、自家養殖が目的で、また譲渡することが目的じゃなくても、そういう鳥獣被害とか思わぬところで例えば苗が消失してしまったとかいう場合がありますよね。そういう場合というのは、これまで農家同士もやはり協力して、どこどこから苗をもらったりとかやっていたわけなんですよ。ところが、それが譲渡目的じゃなくて栽培していた。パインとかだったら、よくえい芽、横から出てくる芽とかというのを、あるかということで分けたりしていたということが、本来そういう目的じゃなくても、今回この条例制定によって、これで言えば利用条件には反して来るのかなと私は読んでいて思ったんですよ。そこら辺をもう少し分かりやすくお願いしたいんですけど。

○安田宗伸農林水産総務課研究企画監 今回の自家増殖の利用条件の中に、確かに第三者から増殖をした苗を譲り受けた場合は県に相談をしてくださいと。今言うように譲渡目的ではなく、もともと栽培のために作っていたんですが、緊急的に隣の方、もしくは近場の方に苗が足りない、もしくは災害のために苗が足りないといった場合には譲渡ができるように県としては措置をしたいということで、利用条件としましては県に一旦相談をしていただきたいというふうに通知をしているところでございます。

○次呂久成崇委員 先ほど来からこの周知方法についてなんですけれども、他府県等でもホームページで掲載していますよということなんですけれども、やはり私たち離島のほうでも、なかなか高齢者の皆さんというのはホームページを見たりとか、やはり周知方法がホームページばかりだと、やった感だけ、失礼ですけれども出してですね、実際に農家の皆さんは分からないと思うんですよね。なので、先ほどから農業改良普及所とかを通じて各農家の皆さんに周知はしていきたいということなんですけれども、こういう制定をするのであればそこら辺は徹底しないと、結局これも本当に生きた条例にはならないと思うんですよ。ただの理念条例だけで、制定して終わりというような形になるんじゃないかなと思うので、この周知方法というのをいま一度しっかりと、ホームページだけじゃなくて地域ごとに、例えばしっかりと説明会をやっていくとかいうような計画を立てて実施していかないと、農家の皆さんにはしっかりこれが周知できないと思うんですが、いかがでしょうか。

○崎原盛光農林水産部長 委員が御指摘の農家の周知につきましては大変重要な概念なので、当然ホームページを見られない方々もたくさんおりますので、日頃の講習会もしくはいろんな部会の活動、ありとあらゆるところで市町村、農協、農業改良普及機関とか全機関を通して地域の方々に周知を図っていきたいというふうに考えます。これからもどんどん周知は図ってまいります。

○次呂久成崇委員 最後に、この利用条件のところで遵守事項ということであるんですけれども、この取扱いに追加または修正等がありましたら随時更新しますというふうにあるんですけれども、この辺もやはりホームページだけでは周知というのは不十分だというふうに思いますので、そこら辺の担保というのはどのようにお考えでしょうか。ぜひ農家の皆さんにも、各地域ごとに例えば説明会なりやってほしいということを今お話ししたんですけれども、これが随時追加、修正等があったときに、この内容等については更新するわけですよね。それを更新したときの周知方法というのはどのようにやるのかという、この担保というのは皆さんはどのようにお考えでしょうか。

○嘉陽稔糖業農産課長 先ほど委員がおっしゃるとおり、新たな品種などが追加してくると、ホームページにまずは載せるということだと思います。これがまず最初だと思いますけど、確かにおっしゃるとおり農家の方はホームページなんか見ないと思いますので、やはり直接そういう説明をする必要はあると思います。やはり一番は普及センターの方が農家はずっと回りますので、そこで例えばサトウキビの新たな品種が出て、これについては自家増殖できますよ、許諾手続必要ないですよということを、普及センターのほうでもいろいろ冊子を作っていますので、そういう中でもやるし、必要に応じて事業の説明会、その中でも新たな情報を周知する。地域、市町村とかから要望があれば県も行って農家を集めての説明会などもやってもいいのかなと思っていますので、委員が心配していることについては、農家が違反することがないように、その辺は県のほうでしっかり周知はしていきたいと思っています。

○次呂久成崇委員 最後に要望なんですけれども、今課長もおっしゃいました。農家の方は多分見ないと思うと、ホームページですね。おっしゃっていますので、やはりこの周知方法というのをしっかりどのようにやっていくかというのを考えて実施していかないと、農家の皆さんは気がついたら結局違反をしていたということになってしまいますので、そこら辺の周知方法というのはやはり徹底してやっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。

○西銘啓史郎委員長 ほかに質疑はありませんか。
 玉城武光委員。

○玉城武光委員 種苗法は、全ての農水産物の種苗について、よい種苗を育てた人、育成者の権利と農家の自家増殖の権利を保護するためにつくられていました。今回の2020年4月1日から施行される改定は、この育成者権が一層強化され、全ての自家増殖を許諾制にしましたね。農家は育成権者の許諾なしには自家増殖ができなくなりました。この自家増殖の農家の権利が奪われましたね。その影響はどういうところに出ますか。

○安田宗伸農林水産総務課研究企画監 御説明いたします。
 今回の種苗法の一部改正につきましては、基本的に育成権者の権利の及ぶ範囲が強化されたという形になっておりまして、先ほどから議論があります海外への持ち出しの禁止など、そういった利用の範囲をきちんと規定することが明確になったというところでございまして、農業者等々の権利を奪った形にはなっていないという理解でございます。

○玉城武光委員 農家の権利を奪っていないという認識というんですが、自家増殖が原則禁止になったでしょう。それで沖縄県は種苗条例をつくるんじゃないですか。

○安田宗伸農林水産総務課研究企画監 先ほどから御説明がありますように、今回の条例につきましては農作物種子法の廃止、また農業競争力強化支援法の制定に基づきまして、本県での重要な農作物の種子、種苗の配付に支障をきたすおそれがあるということを未然に防ぐために、この種苗条例が制定されたというふうに考えておりまして、種苗法の一部改正に基づいて、この種苗条例を制定した形。背景にはございますが、この趣旨を捉まえた条例の制定という形を取ってはございません。

○玉城武光委員 背景にあると今おっしゃって、部長もおっしゃっていましたよ、背景。だからそういう背景があって、提案の理由の中に良質な種苗の安定的な供給を図らなければならないという、その基本理念等を明確にしたということですよね。それで今さっきからお話の中で、沖縄県が農産物種苗審議会というのを設置して、そういう知見を知事が判断するということなんですよね。農産物種苗審議会を設置する。これは全国的には沖縄県だけですか、こういう条例に入っているのは。

○嘉陽稔糖業農産課長 全国28道県で条例制定されております。審議会が設置されているのは2道県、北海道と宮城県になっておりまして、その2道県についての審議会の審議事項というのが、農業競争力強化支援法の県の知見の提供ではないんですよね。優良品種の選定。県も優良品種選定というのがありますけど、それは横でやっていますけど、それを審議することになっていまして、全国で初めて沖縄県のほうはこの農業競争力強化支援法で知見の提供を求められた場合に審議するということで、これは沖縄県独自の審議会となっております。

○玉城武光委員 これは全国的にも、沖縄県の知見を求められた場合には審議会で判断するということは、非常にいい条例になっていますよね。その審議委員の中にいろいろな方が懸念されているのは、この条文の中には委員は学識経験者を有する者、それから関係団体の役員または職員、関係行政機関の職員、その他知事が認める者のうちから知事が任命するとあるんですよね。そのことは非常に条文としていいんですが、ちょっと懸念する声としては、ここに農民とかという文言が明示されていないということがちょっと懸念されているという声もあるんですが、これは私の考えですよ。知事が適当と認める者のうちから知事が任命するという、こういう文言の包含されると思いますが、どうなんですか。

○嘉陽稔糖業農産課長 第10条のほうに学識経験を有する者、関係団体の役員または職員、関係行政機関の職員、その他知事が適当と認める者から知事が任命するとなっております。農林水産部のほうで所管している審議会関係、農政審議会などもありますけど、その中にも農家の代表だったり消費者代表などを入れております。農林水産部の審議会ということになりますので、これはちょっと書き方で、ほかの審議会もこういうふうな、ずらずらと書くんじゃなくて、後はその他知事が認める者となっておりまして、これは委員がおっしゃられる具体的に農家の代表などが入っていないということだと思うんですけど、確かに入ってはないんですけど、我々としては当初からそういう代表も出し、消費者代表など、あともしかしたら婦人会の代表とか、そういった方も幅広いメンバーを入れて意見を聞くと。それを参考に知事のほうで知見を渡すかどうかを判断するということですので、ここにはちょっと記載はしていませんけど、先ほども申し上げたとおり農家の代表というのは入れる予定には当初からしているということです。

○玉城武光委員 もう一、二点ですね。先ほどの中で、この許諾制は明文化されていない。許諾ね、ホームページでやるという話の中で、いろいろ別立てでつくらないとできないという話なのか、それともこれは条文として逐条解釈としてできないのか、ここら辺はどうですか。

○嘉陽稔糖業農産課長 繰り返しになるかもしれませんけど、我々が今回条例を制定した理由というのが、まずは第1に農業競争力強化支援法で県の知見を求められた場合、これをどうやって提供するかという、密室で決まったということがないように審議会がまず必要だということ。それと種子法が廃止になりまして、そのときに都道府県に種子、種苗の供給というのを義務づけていたものが、それがなくなるということで、我々も当初要綱でやっていますけど、それを心配する声は確かにありました。県の要綱なので、皆さんたちが要綱を廃止すればやらなくてもいいんでしょうという話がありました。次に、島野菜などの伝統的農作物をやっぱり収集・保存、またこれが遺伝資源になるということで、これらを含めたのが今回の条例ということになっていまして、自家増殖については、これは今回の種苗条例ではなくて種苗法の範疇だというふうに考えておりますので、ちょっと担当課は違いますけど、今回の自家増殖については各県同じように、ホームページであったり、国からも周知しなさいという形になっていますから、我々としては自家増殖はどうぞやってください、許諾は必要ないですということを農家のほうには今後もしっかり周知していくということで、今回の条例の中には入れていないということです。

○玉城武光委員 この周知を先ほどからも懸念の声がありますから、ぜひ頑張っていただきたい。
 最後に1点ですね。作物を作る場合には種と苗ですよね。これは改正された種苗法改定後、家庭菜園で作る場合はどうなんでしょうか。大丈夫でしょうかね。

○安田宗伸農林水産総務課研究企画監 先ほど来から議論がございます許諾につきましては、県が育成した登録品種となっておりまして、民間または登録品種以外の一般品種につきましては、特に増殖等々については規制はしておりませんので、そこの理解をお願いいたします。ですので、家庭菜園等々で作る場合において、登録品種以外の基本的に一般品種を使われていると思いますので、その場合については特に規制はございません。
 失礼しました。家庭菜園につきましては、すみません、答弁を修正いたします。登録品種につきましても、家庭菜園程度につきましては特に許諾等の必要はございません。訂正いたします。

○西銘啓史郎委員長 ほかに質疑はありませんか。
 山内末子委員。

○山内末子委員 お疲れさまです。
 種子法の廃止それから種苗法の一部改正ということで、もう4月からは実際に罰則規定が始まってきます。施行されるということで、それに合わせて農家を守るために、あるいはまた沖縄県の特色ある農作物を守るという意味で、相当執行部の皆さん方は、先ほど部長からもありましたように先見事例をしっかり検証もしながら間に合わせているかと思っております。そういう観点からするとかなり盛り込んでいるのかなと思いますけど、沖縄県の条例の他県との違い、その特徴というんですか、違いのあるところというのは一番―まあ特徴について、まずお願いいたします。

○崎原盛光農林水産部長 他府県の条例との内容の異なる点をちょっと御紹介いたします。他県の多くの条例は、稲、麦、大豆ということになっております。我が県は多くの品目を対象としておりまして、特に島野菜等の在来種の収集・保存、それらを活用した優良な品種の育成についてもまず盛り込んだことが、異なる点1つ。さらには、先ほど来もちょっと説明がありますけれども、民間事業者等への種苗等の知見を提供する場合には、審議会を設けて厳正に審議をする。これが2つ目の違う点。このようなことが全国の条例とは異なっている点かなというふうに考えております。
 以上です。

○山内末子委員 沖縄県の場合には、この種子法が廃止になったときに県民の皆さんたちが大変注目されまして、その食と農を守る会ですとか、そういった形で全国の種苗法や種子法についても検証しながら、相当皆さん方とも議論を重ねながら今に至っていると思うんですけど、そういった意味ではパブリックコメントもかなりいろんな意見が出てきたかと思います。そのパブリックコメントがどのような形で出されて、それをいかにこの条例に盛り込んでいるのか。その辺について少しかいつまんでお願いいたします。

○嘉陽稔糖業農産課長 今回の条例制定にあたりまして、県民意見を聞いております。昨年の10月15日から11月30日までの47日間に行ったパブリックコメントでは、80の個人・団体から意見が寄せられております。主な意見としましては、1つ目に伝統的農作物の保存・活用。2つ目に生産者の役割や消費者の視点。3つ目に生産者が行う自家増殖。4つ目に遺伝子組換え作物等の取扱いの規制などの意見があったところです。
 今回の条例の中には、まず伝統的農作物の保存・活用については、当初からこれは盛り込んでおります。生産者の役割については、パブリックコメント時は入っていませんでしたが、それを追加して入れているということです。生産者が行う自家増殖については、先ほどから述べていますとおり、これについては種苗法の中で規定していますので、今言った県のホームページ、文書なり、後はしっかり農家に周知していくということで、農家がこれまでどおり許諾手続なしに自家増殖が行えるようにしていきたいということであります。
 あと、遺伝子組換えの意見もありましたが、これについては先ほど申し上げたとおり、今回の条例の趣旨がちょっと違うのかなということで、またほかの部局にも多分これは関係してくるということで、今回の条例の中には入れ込んでいない。これは別物というふうに我々は考えていますし、遺伝子組換えを条例化している北海道においても分けてありますので、これはまたちょっと違う、別かなというふうに考えております。

○山内末子委員 今ありましたように4つの視点から考えながらということで、心配しているのがやっぱり遺伝子組換えの件と、先ほど来ありますように自家増殖の件。この件につきましてはもう議論がありましたので、あまり私のほうからは言いませんけれど、やはり県民が心配していること、懸念していることというのは、これを払拭できるような形での説明をしっかりと県民向けにやっていかないと、せっかく今本当に食と農について特に若い皆さんたちが、例えばですけどPFOSの問題であったり、いろんな問題でこの沖縄の中での食について、口から入るものについて大変危機感を持っているんですよ、全てにおいて。ですから、この食と農ということで、この条例についてもとても今皆さんが注目をしているところだということですので、そういった観点から、今朝の新聞にもございましたように、先ほどもあった自家増殖についてなぜ入れていないのかということは今説明がありましたのであれですけど、結局これを今入れなくても、その後にいろんな問題があったときに対応できるということをしっかり示していかなければ、その担保をこの中で示していかないと、私たちもちょっと県民に向けて説明ができない状況が今ありますので、もう少ししっかりとした形で、条例にこの一文を入れなくてもその次の問題が起こらない、起きたときには対応ができるというような、そのことについてもう一度部長のほうからしっかりとその思いを伝えていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○崎原盛光農林水産部長 沖縄県の種苗条例につきましては、県の責務において、将来にわたって生産者へ良質な種苗を安定的に供給して、生産者が安心して農業に取り組めるようにしております。あわせて、品質の高い農作物を安定的な生産によって、本県の農業の持続的な発展に寄与するというふうに考えています。先ほどの条例を見ますと、他県と異なりまして島野菜等のところも多品目をまず条例の中に含めたこと。それから審議会の中には、先ほどからありますとおり農業者の代表、学識経験者それから関係機関と全部含めることによって、県民に、農業者の方々に不利益にならないところはしっかり審議できるようにしております。
 それらをすることによって、これが農業振興につながっておりまして、それから先ほどからありますとおり遺伝子組換え作物等につきましては、確かに県民の口にすることで非常に大切な概念になりますので、この種苗の生産条例とは別途、消費部局ともいろんな方々が関わりますので、方々を含めてどのようなことが必要なのかを検討してまいりたいなと考えます。
 先ほどからありますとおり自家増殖等につきましても、農家の方々に不利益にならぬように配慮したつもりでございますけれども、周知それからまた仮に何か変更があった場合には、県民とまた議会等にもやっぱり御報告をしたいなというふうに考えます。
 以上であります。

○山内末子委員 ぜひその2点については、しっかりとした対応をお願いしたいと思います。皆さん本当に相当頑張ってこれを仕立て上げたと思っていますので、そういう意味ではお疲れさまでしたという労をねぎらいながらも、ただやっぱり課題がまだまだあるということ、この課題についてはしっかりとまた部長を中心に今後も対応をしっかりとやっていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 以上です。

○西銘啓史郎委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○西銘啓史郎委員長 質疑なしと認めます。
 よって、乙第15号議案に対する質疑を終結いたします。
 次に、乙第16号議案沖縄県県民の森の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例の審査を行います。
 ただいまの議案について、農林水産部長の説明を求めます。
 崎原盛光農林水産部長。

○崎原盛光農林水産部長 説明資料の2ページをお願いいたします。
 乙第16号議案沖縄県県民の森の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例について、説明いたします。
 この議案は、沖縄県県民の森の森林学習展示館及び森林科学館を改修したことに伴いまして、施設の利用に係る料金の基準額を改める等の必要があるものであります。
 議案の概要といたしましては、研修室の利用料金基準額を備品のコストを勘案し410円から430円に改めるとともに、木工室の利用料金基準額を床面積及び備品コストを勘案し730円に設定し、冷房設備の料金基準額を電気料金等を勘案し、400円以内で規則で定めることとなっております。
 以上で、乙第16号議案の説明を終わります。
 御審査のほど、よろしくお願い申し上げます。

○西銘啓史郎委員長 農林水産部長の説明は終わりました。
 これより、乙第16号議案に対する質疑を行います。
 質疑はありませんか。
 大城憲幸委員。

○大城憲幸委員 この改正については、施設を充実させて、内容的にも様々なものを充実させていきたいというのはそのとおりでいいと思います。関連して、基本的にこれは指定管理でやってもらっていると思うんですけれども、ほかの今全国で公園の活用という意味では多様な視点が増えてきていて、都市公園なんかはいろんな喫茶店を入れたりどうこうというのもあります。それでこの同県民の森についても、これまで非常に大きな自然に囲まれた部分を森林組合等の力を借りながら活用するというのもいいけれども、今後は民間の新たな知恵も借りながらの活用というのを議論してもいいのかなと個人的には思っているんですけれども、現在の指定管理者との関係、活用の関係、そしてこういう老朽化した施設は県がお金をかけてまた改修していくわけですけれども、その辺を今後は民間の力も借りながら改修するとか、そういう議論が内部のほうであるのか、状況をまず説明願います。

○近藤博夫森林管理課長 先ほど話のありました民間の活力を借りてということで、我々としましては今回森林科学館と森林学習館のほうをリニューアルしまして、森林学習館の2階におきましては、今後できれば地元の業者の方に飲食ができるような、そういったことで来館者の増加につなげていきたいというふうなことも考えておりますし、あと指定管理者を指定する際には委員会を我々のほうも設置しておりますので、その中で委員会の方々のそれぞれの御意見をいただいて、その意見を踏まえた上でまた指定管理の在り方について検討していきたいというふうに考えております。

○大城憲幸委員 今現状は森林組合さんでしたか。現状はどこが指定管理していますか。

○近藤博夫森林管理課長 今現在、沖縄北部森林組合さんのほうが指定管理者となっております。

○大城憲幸委員 やっぱり我々も含めてなかなか事例がないものというのは取り組むのに少しハードルがあるんですけれども、やっぱり自分なんかも非常に子供が小さい頃にはよくこの県民の森を利用させてもらったんですけれども、やっぱり年月がたって面積も大きいと、やはり税金だけで管理するというのは限界がある。森林組合さんには頑張ってもらっているんですけれども、また今言った飲食も含めて新たな可能性もいろいろあると思いますので、今後その辺の議論をぜひ進めていただきたいなと。これは要望でいいですので、お願いします。
 以上です。

○西銘啓史郎委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○西銘啓史郎委員長 質疑なしと認めます。
 よって、乙第16号議案に対する質疑を終結いたします。
 次に、乙第36号議案車両損傷事故に関する和解等についての審査を行います。
 ただいまの議案について、農林水産部長の説明を求めます。
 崎原盛光農林水産部長。

○崎原盛光農林水産部長 次に、説明資料の3ページをお願いいたします。
 乙第36号議案車両損傷事故に関する和解等について説明いたします。
 この議案は、車両損傷事故について和解をし、及び損害賠償の額を定めるためには、地方自治法第96条第1項の規定により議会の議決を必要とするものであります。
 議案の概要といたしましては、(1)令和3年11月7日午後0時30分頃、名護漁港内において、相手方の車両が多目的広場に駐車するため、臨港道路の側溝の上を通過したところ、当該側溝の一部に蓋がなく、段差が生じ、及び鉄筋等が露出していたため、当該段差等により相手方の車両の前部の左タイヤを損傷させた。(2)県は、本件事故について、臨港道路の側溝に係る県の設置または管理に瑕疵があったことを認め、本件事故による一切の損害賠償金として、相手方に総額1万3376円を支払うことを内容とする和解をする必要がある、となっております。
 以上で、乙第36号議案の説明を終わります。
 御審査のほど、よろしくお願い申し上げます。

○西銘啓史郎委員長 農林水産部長の説明は終わりました。
 これより、乙第36号議案に対する質疑を行います。
 質疑はありませんか。
 大城憲幸委員。

○大城憲幸委員 37号も同じような議案で、最近は、まあここだけじゃないんだけれども、ほかのところもそういう公共施設なりの管理不十分で損害賠償ということがやっぱり年々増えている気がするんですよね。そういう意味で、今回みたいに1万円、2万円、ちょっとした車の破損で済んだからいいけれども、10対0ですよ。もう県の責任ですよ。万が一、子供とか人身に万が一のことがあったら、これはお金で済むだけの問題であればいいけど、なかなかそういうことも考えると今こういう管理状況がどうなっているのかなと非常に気になるんですよね。やっぱり財政も厳しい中では、現場から細かい故障とか気になるところというのは、上げてもなかなかすぐには対応できないというところはあるけれども、こういう事故が起こってしまったらすぐ何千万、場合によっては人の命であったら何千万出しても取り返しつかないわけですから、ちょっと根本的にこの管理体制というのはみんなで考えないといけないんじゃないかなと思うんですけれども、その辺について管理状況あるいは根本的な対策についての議論というのは内部でなされているんですか。お願いします。

○森英勇漁港漁場課長 管理については、まず定期的な巡回点検を管理者、県職員のほうで年に1回行っております。またあわせて、業務委託を行っている漁業協同組合によって月に1回程度点検をしていると。目視ですけれども、目視で点検しているという状況です。今回、名護漁港も海野漁港についても、名護漁港については側溝のほうに段差があったものですから、応急的に土のうのほうで対応しておりました。対応していたんですけれども、土のうのほうが少し砂が抜けて段差が大きくなって、それで段差が生じてパンクしたという状況です。あと海野漁港についても、グレーチングをコンクリート蓋の代わりに設置して、ちょっと厚さが違うもんですから下に角パイプをひいて段差を合わせるような形にしたんですけれども、この角パイプのほうが振動でずれて今回のような事故が起こってしまったということで、ちょっと目視で確認できなかったというのが今回の状況です。
 以上です。

○大城憲幸委員 部長、もう言いたいのは冒頭言ったとおりなんですよ。今の話は事情としては分からんでもないけれども、言い訳にしかならないし、これが人命に関わるようなことであればどうしようもない、県の責任は免れないわけですよね。ただ一方で、財源も限られている中で、毎日使っているのは漁組員さんですよと。管理は県ですよという中で、県が全部毎月チェックするかと、それは無理なわけですから、今あったように。ちょっとこれは何とかしないと、今後大きい事故があってからではまた取り返しがつかないなと思うんですけれども、その辺について部長、考えはどう持っていますか。お願いします。

○崎原盛光農林水産部長 県施設の管理につきましては、今回は言い方は悪いんですが、軽い車両の事故であったからいいものの、人身事故に及んだときにはやはり身震いがする思いがあります。そのために漁組員等への委託管理のやり方とか、もしくは中を点検するときの頻度だとか、この辺りは内部でもってどのようにすればより合理的にできるかをちょっと検討は始めたところでありますので、全ての一番大きな問題は漁港なんでしょうね。漁港等の管理等につきましては、事故がないように管理の委託それから点検の頻度等を中でもっと検討してまいりたいというふうに考えます。

○大城憲幸委員 よろしくお願いします。
 以上です。

○西銘啓史郎委員長 ほかに質疑はありませんか。
 中川京貴委員。

○中川京貴委員 部長、例えば今回の件は農林水産部の中の保険に入っていて、保険で対応するんですか。支払いはどういった対応をしていますか。

○森英勇漁港漁場課長 今回名護漁港のほうは、臨港道路の側溝のほうで事故が起きたということで、臨港道路については保険を入れております。保険で支払いのほうを対応したという状況です。海野漁港については、係留施設、物揚げ場の側溝ということで、そこは保険に入っていなかったので、今回議決後に支払いするということになります。

○中川京貴委員 これは農林水産部全体、ここだけあっちだけじゃなくて、全体的な保険対応に入ることは不可能なんですか。

○森英勇漁港漁場課長 今現在は臨港道路のほうだけを掛けているという状況です。

○中川京貴委員 やはり部長、今質疑が出ましたけど、そもそもこの地域は土のう袋で路面が変化していたと。そういった意味では、事故が起きる前に県としてはこっちがへこんでいると知っているわけなんですよね。応急処置をした後に事故が起きたということは、僕は今後あってはいけないと思っています。今部長の答弁では、相手の車は金額が少なかったからということでありますけれども、これが今後は人命に関わる事故につながる可能性もありますので、やはり部長が指揮を執ってその対策をしっかりしていただきたいと思いますが、部長、いかがでしょうか。

○崎原盛光農林水産部長 再度の答弁になりますけれども、委託の方法それから見回りの頻度等を今後どのようにしていくか、部内でよく議論していきたいというふうに思います。

○中川京貴委員 実は土木のほうで、県道沿いでグレーチングの段差でオートバイ事故が発生して、何千万という損害賠償を請求されたことがありましたので、あれは人身事故でした。でもそれは被害者にとってはあってはいけないと思っていますので、そういった事故が起きる前に対策をしていただきたいと要望申し上げます。
 以上です。

○西銘啓史郎委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○西銘啓史郎委員長 質疑なしと認めます。
 よって、乙第36号議案に対する質疑を終結いたします。
 次に、乙第37号議案車両損傷事故に関する和解等についての審査を行います。
 ただいまの議案について、農林水産部長の説明を求めます。
 崎原盛光農林水産部長。

○崎原盛光農林水産部長 先ほどのと同様な説明になりますが、説明資料の4ページをお願いいたします。
 乙第37号議案車両損傷事故に関する和解等について説明いたします。
 この議案は、車両損傷事故について和解をし、及び損害賠償の額を定めるためには、地方自治法第96条第1項の規定により議会の議決を必要とするものであります。
 議案の概要といたしましては、(1)令和3年11月15日午前6時頃、相手方の車両が海野漁港の物揚げ場に設置されたグレーチングの上を通過したところ、当該グレーチングの下の高さ調整のためにひかれた角パイプの位置がずれていたため、グレーチングが跳ね上がり、相手方の車両の底面のオイルタンクを損傷させた。(2)本件事故に係るグレーチングの設置または管理に瑕疵があったことを認め、本件事故による一切の損害賠償金として、相手方に総額2万7742円を支払うことを内容とする和解をする必要がある、となっております。
 以上で、乙第37号議案の説明を終わります。
 御審査のほど、よろしくお願い申し上げます。

○西銘啓史郎委員長 農林水産部長の説明は終わりました。
 これより、乙第37号議案に対する質疑を行います。
 質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○西銘啓史郎委員長 質疑なしと認めます。
 よって、乙第37号議案に対する質疑を終結いたします。
 次に、農林水産部関係の陳情令和2年第53号外27件の審査を行います。
 ただいまの陳情について、農林水産部長等の説明を求めます。
 なお、継続の陳情等については、前定例会以降の新しい事実についてのみ説明をお願いいたします。
 崎原盛光農林水産部長。

○崎原盛光農林水産部長 それでは、農林水産部関係の請願・陳情案件について説明いたします。
 ただいま通知しました請願・陳情説明資料(処理概要)の目次を御覧ください。
 農林水産部関係の請願・陳情は、請願0件、継続陳情24件、新規陳情4件となっております。
 継続審査となっております陳情のうち、陳情1、3から11まで、14及び15、17から24までにつきましては、処理概要の変更はございませんので説明を省略させていただき、処理概要の変更がありました陳情2、12、13及び16の継続案件4件と、陳情25から28までの新規案件4件について、説明いたします。
 初めに、継続陳情4件について説明いたします。
 5ページをお願いいたします。
 陳情令和2年第54号の2、令和2年度「離島・過疎地域振興に関する要望事項」に関する陳情につきましては、処理概要に変更がございます。
 7ページを御覧ください。
 変更した箇所は、下線に示したとおりであります。「現行事業において、南北大東島から県外出荷する際の本島までの輸送費につきましては、これまで補助してきた船舶輸送に加え、平成29年度より航空輸送キロ当たり50円を追加したところであります。令和4年度からの新たな不利性解消事業では、引き続き県外出荷にかかる輸送費支援を行うとともに、北部・離島地域振興対策として、市町村が選定する県産農林水産物及び一次加工品に対する離島から本島及び県外への出荷コストの負担軽減について、市町村への補助事業を実施してまいります。」に修正しております。
 次に、35ページをお願いいたします。
 陳情令和3年第103号新型コロナウイルス感染拡大に伴う県内酪農家への経済的補塡に関する陳情につきましては、処理概要に変更がございます。
 36ページをお願いいたします。
 変更した箇所は、下線に示したとおりです。「1、新型コロナウイルスの感染防止対策により、令和3年6月7日から20日まで県内の小中学校等において実施された休校措置及び令和3年8月に県内の小中学校等において実施された夏休みの延長、令和4年1月のまん延防止等重点措置に伴う分散登校等に伴い、学校給食用牛乳の供給が停止され、余剰乳が発生しております。このため、余剰乳については価格の安い加工乳配合用乳及び脱脂粉乳等の原料として販売され、経済的損失が発生しており、県は令和4年3月7日に沖縄県酪農農業協同組合と余剰乳の発生状況、酪農家の経営状況、必要とされる支援策等について意見交換を行っております。県としましては、学校給食用牛乳の安定供給を図るためには、酪農家の経営の安定につながる生産性の向上やコスト削減などの支援策が必要であると考えており、引き続き沖縄県酪農農業協同組合と意見交換を行いながら今後の支援策について検討を進めてまいります。」に修正しております。
 次に、37ページをお願いいたします。
 陳情令和3年第109号農林水産物流通条件不利性解消事業費に関する陳情につきましては、処理概要に変更がございます。
 38ページをお願いいたします。
 変更した箇所は、下線に示したとおりです。「令和4年度からの農林水産物条件不利性解消事業では、現行事業の発展的な承継を図りつつ、持続可能な県外出荷等の物流ネットワークの構築に取り組んでまいります。補助単価については、本県の特殊事情である地理的不利性への対応として、集配送料を除いた県外出荷に関する鹿児島県との差額相当分を設定してまいりたいと考えており
ます。あわせて、出荷事業者においてスケールメリットを追求し、物流コストの低減に取り組むことができるよう、鮮度保持技術を活用したコールドチェーン体制による船舶輸送の促進など、総合的な支援を行ってまいりたいと考えております。対象品目については、これまでの戦略品目から、サトウキビ・米を除く県産農林水産物に拡大し、さらなる販路拡大に向けた支援を行ってまいります。」に修正しております。
 次に、44ページをお願いいたします。
 陳情令和3年第174号の2、令和3年度美ぎ島美しゃ(宮古・八重山)圏域の振興発展に関する陳情につきましては、処理概要に変更がございます。
 45ページをお願いいたします。
 変更した箇所は、下線に示したとおりです。「4、令和4年度からの農林水産物条件不利性解消事業では、現行事業の発展的な承継を図りつつ、持続可能な県外出荷等の物流ネットワークの構築に取り組んでまいります。対象品目については、これまでの戦略品目から、サトウキビ・米を除く県産農林水産物に拡大し、さらなる販路拡大に向けた支援を行ってまいります。また、北部・離島地域振興対策として、市町村が選定する県産農林水産物及び一次加工品に対する離島から本島及び県外への出荷コストの負担軽減について、市町村への補助事業を実施してまいります。」に修正しております。
 それでは次に、新規の陳情4件について説明いたします。
 68ページをお願いいたします。
 陳情令和4年第24号沖縄県中央卸売市場への支援に関する陳情につきまして、処理方針を読み上げて説明いたします。
 69ページを御覧ください。
 1、新型コロナウイルス感染拡大により観光需要等が減少したため、中央卸売市場の取扱高も影響を受けております。新型コロナウイルス感染症の影響により売上げが一定程度減少した事業者については、国の事業復活支援金等の活用が可能となっていることから、関係機関と連携し、制度の周知等に努めているところです。県においては、市場取扱高の増につながるような市場の活性化に向けた取組を行うとともに、令和4年度に競り場の定温化施設の拡張など市場施設の機能強化に取り組むことで、新型コロナウイルス感染症の影響からの回復に向け支援してまいりたいと考えております。
 2、中央卸売市場における新型コロナウイルス感染拡大の影響については、随時状況把握に努めており、事業の継続等が困難なおそれがある事業者に対し、施設使用料等の納付猶予を実施しております。市場施設使用料の免除については、他の県有施設における対応状況も踏まえ、検討していく必要があると考え
ております。県としては、中央卸売市場が担う市場機能の維持・確保の観点から、引き続き市場関係者と意見交換を行い、状況の把握に努めるとともに、どのような取組が可能か検討してまいります。
 次に、70ページをお願いいたします。
 陳情令和4年第27号新型コロナウイルス感染拡大に伴う県内酪農家への経済的補塡に関する陳情につきまして、処理方針を読み上げて説明いたします。
 71ページを御覧ください。
 記の1につきましては、36ページの陳情令和3年第103号記の1に同じとなっております。
 次に、72ページをお願いいたします。
 陳情令和4年第37号養豚経営及び食肉センターにおける緊急支援対策に関する陳情につきまして、処理方針を読み上げて説明いたします。
 73ページをお願いいたします。
 1、食肉センターにおける屠畜料金については、と畜場法に基づき食肉センターが所要経費から算定を行い設定され、利用者である養豚農家が負担しており、県内の屠畜料金は長い間据え置かれた状況となっております。また、豚熱ワクチンの接種手数料については、他府県の平均が1頭1回当たり292円に対し、本県では160円となっており、肉豚の生産費に占める屠畜関連経費とワクチン接種手数料の割合が約6%となっております。しかしながら、今般の飼料及び生産資材の高騰により、養豚経営は厳しい状況に置かれていると認識しております。県としましては、養豚農家の経営改善を図るには、生産コストの低減対策のほか、生産性の向上を図ることが必要であると考えております。そのため県では、養豚農家で構成される関係団体と意見交換を行いながら、養豚農家の経営体質の強化と収益性の改善を図る支援策について検討を行っていきたいと考えております。
 2、電気料金や燃油、その他資材価格等の高騰を受け、県内の食肉センターでは運営コストの上昇に伴う経営状況の悪化が懸念されております。一方で、食肉センターにおける屠畜頭数は目標頭数に達していない状況が続いており、このことが食肉センターの経営上の課題となっていると考えております。このため、県ではこれまで屠畜頭数確保にもつながる養豚の生産対策に取り組んできたところですが、今般の食肉センターの運営コストの上昇を受け、早急にどのような支援策が可能か、関係団体等と意見交換を行っていきたいと考えております。
 次に、75ページを御覧ください。
 陳情令和4年第41号令和4年度宮古島に係る予算の確保並びに受注機会の拡大確保に関する陳情につきまして、処理方針を読み上げて説明いたします。
 76ページをお願いいたします。
 1及び2、県では、公共工事の発注に当たっては、県内企業への優先発注及び県産品の優先使用基本方針に基づき、宮古管内や八重山管内などの地域要件を設定する方法により、地元企業への受注の確保に取り組んでおります。なお、県が発注する工事については、建設工事入札参加資格審査及び業者選定等に関する規程により発注金額に対する等級格づけを行っており、1億5000万円以上の土木工事は特Aランクの業者が選定対象となっております。県としましては、工事内容や現場条件等を勘案し、可能な限り、分離・分割発注を行うとともに、大規模な工事についても共同企業体方式により、地元企業の受注機会の確保に努めているところです。
 3、宮古圏域の農業農村整備事業を担う宮古農林水産振興センター農林水産整備課には、同事業を所管する出先事務所の中で最も多い職員数が配置されております。県としましては、今後とも各出先事務所の予算、事業内容、圏域の課題等を勘案し、円滑な業務遂行に努めてまいります。
 以上、農林水産部所管の請願・陳情について説明いたしました。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

○西銘啓史郎委員長 農林水産部長の説明は終わりました。
 これより、各陳情に対する質疑を行います。
 質疑に当たっては、陳情番号を申し述べてから、説明資料の該当ページをタブレットの通知機能により委員自ら通知し、重複することがないよう簡潔にお願いいたします。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行うようお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 島袋大委員。

○島袋大委員 酪農の皆さん方から出ているのは、今日参考人を呼びました。確認事項をしましたけれども、要は補塡するかしないかの問題だと思っているんですよ。要するに全国、オールジャパンでいえば、緊急事態宣言が全国一律だった場合には国が補塡したけれども、沖縄県がそういった形で緊急事態宣言している中で止まったというのは、やはり県が補塡するべきだろうというふうに、誰もが我々は今日の説明を聞いて理解しているんですよ。だから農林水産部としても頑張っていただいて、総務部とも議論している中で一括交付金がいいんじゃないかということであるけれども、これは一括交付金ではなくても県が予備費で、要するに単費で補塡するしかないと思っているんですけれども、一般質問でもやったけれども、部長の答弁を聞いてもそれ以上踏み込んではなかなか厳しいんじゃないかなと思うんだけれども、これは総務部財政課も含めてだけれども、要は知事の判断でしかできないと思っていますよ。全国でそういう判断の中で、都道府県で沖縄がそういう問題になったら、全国を見ますと言っても全国はないんだからさ。その辺はどう考えていますか。

○金城靖畜産課長 補塡については、委員おっしゃるように国の制度が使えないということで、県独自の支援として本年度の9月補正から調整してきておりましたが、おっしゃるとおりちょっと難航しておりまして、補塡ではなく生産支援の方向で予算化に向けて今まで調整を行ってきました。県としてはできるだけ早急な対応をできるようにということで、生産支援のほうが早急に対応できるのかなと思って調整を進めてきておりました。
 今日の参考人招致で県酪さんが補塡を希望するということでありましたので、新たに事業スキーム等を構築して、ちょっと時間はかかるかもしれませんけれども、早急な対応が難しかったら事業構築までの間、ちょっとセーフティーネット資金等でつないでもらって、そのため県酪と調整して沖縄振興開発金融公庫とかとの調整も同時にすぐ始めないといけないかなと思っております。
 今日の参考人招致でもありましたけれども、県内の酪農は非常に厳しい状況でありますので、今後も生産維持及び拡大のための支援について関係団体と検討して行っていきたいと思っております。
 以上です。

○島袋大委員 課長もそこまでしか僕は答弁できないと思っていますよ。要するに補塡と言ったのは、我々議員が補塡という形に聞いたんであって、酪農会の皆さん方は2300万をしっかりと積んでいただければ仕事ができるわけですよ。要するにゼロベースになって今までの酪農の仕事ができるわけですよね。だから補塡だろうが地域の生産性の何とかの支援金でもどっちでもいいわけですよ、酪農家にとっては。2300万がペイできればいいという話だから、我々はそういうものを使われたら補塡にしかならないでしょうというのが今日の議論であって、何も酪農家の皆さん方が補塡でということではないと思っております。
 今ずっと聞いていたら、最終的には借入れできやすいように協力しますよ、金借りれという話だとこれ通らんでしょうということだから、これは何が何でも―我々は陳情者にそう答えることもできないけれども、部長のところはそこまでだと思っていますよ。だからもう委員会としては知事に対して直談判、我々委員会としての意思表示をするしかないと思っているんだけれども、部長が最後に引き取っていただいて、我々経労での判断の下で県側、知事側がどう判断するかということを、もう部長としてもこれに我々は委ねてもらうということしかないと思っているんだけど、部長がそれ以上、僕が答弁してくださいということは何だなと思っているんですけど、どうですか。

○崎原盛光農林水産部長 一般質問でも質問いただいて、酪農家の支援につきましては我がほうとしても大変本当に重く感じています。
 いま一度整理をしますと、休校に伴う損失額を検討して、今年度の9月補正それから12月補正、2回実は事務的にはトライしておりまして、9月補正の折には休校措置の日数等を全部勘案すると全体に占める損失額の割合があまりに少なくて、ちょっと難しい状況がございました。12月につきましては、生産振興対策も全部含めるために、ソフト交付金等を含めてまた違う財源を考えてちょっと検討していたんですけれども、残念ながらこれもうまくいかずに、時期的にちょっと遅れて大変苦しい思いをしていると思います。
 ただし、今日も参考人招致のところの意見もずっと見てまいりましたけれども、我がほうが考えている以上に酪農家の方々の経営状況が厳しいということは十分感じましたので、我がほうからできること、そしてまた知事のところからは何とか酪農家に関する、できれば補塡のところも含めた支援と生産振興の両面からの支援等をしなければ、今酪農家の方々というのはなかなか厳しい状況になっていると考えているところであります。ひとつまた経労委の委員の方々のお力もお願いしたいと思います。
 以上であります。

○島袋大委員 僕からはもうこの点は締めますけれども、やっぱり国は国でしっかりとした補塡しているわけよね。全国一律の緊急事態宣言をしたから責任を持ってやっている。沖縄県は沖縄県でやったんだけど、今執行部の答弁は、要するに知事側から聞いてみれば、学校の休校というのは市町村に任せたんだからって逃げるんだよ。そうじゃないんですよね。県が求めて緊急事態宣言したんであれば、県が最終的に責任を持たないといけないわけですよ。ここは我々経労委の中で議論しますけれども、農林水産部がこれだけいろいろ議論したけれどもなかなかハードルが高いということじゃなくて、もっと知事も含めて議論したいと思いますので、ひとつまた部長からも後押しお願いします。
 次もう一点、76ページ、宮古島の予算確保並びに受注機会ですね。要は令和3年以降、この事業が多過ぎて、うれしいことに地元が回し切れない状態で、JVを組んで宮古以外からも取っているという状況になっているんじゃないかなと思うんだけど、実際どうですか。

○島袋進農地農村整備課長 予算的には令和2年度、令和3年度、ほとんど変わらず、工事発注額として約63億になっています。
 以上です。

○島袋大委員 であれば、今言う陳情は出てこないでしょう。だから事業者は、これだけの企業がある中で仕事が手広く回っているかというと、今回っていないような状況で陳情が出ているんだけど、今言うように分離・分割を頑張ると言っているけれども、要するに宮古以外も、まあなかなか宮古以外でも入ってくることはあるかもしれないけれども、全体でみんなできるんだから、そこで回していただけませんかという離島の皆さん方の声なんだけれども、これは別に本島が雇ってもその分単価は高くなるんだから、離島の業界の皆さん方がしっかり一律仕事が取れるようなシステムを求めていると思うんだけれども、実際どうなるんですか。

○島袋進農地農村整備課長 もともと工事の規模を決める際には、やはり現地の事業者との調整とか、あと進捗、繰越しとか、いろいろ進捗状況を確認しながら事業を進めております。実際令和2年は分離・分割し過ぎというか、75件ほど実は出ておりまして、そのためもありまして結構繰越しもあったりとかいろいろあったものですから、やはり出先機関としましては大きくまとめて発注したいということでお話を聞いております。
 以上です。

○島袋大委員 これはこっちの本庁側ではなくて、宮古庁舎も含めてですよ。部長、この辺は業界から陳情が出ているんだから、実際の宮古庁舎も含めて担当部署も含めて、意見交換という場は取れないですかね。要するにいいような形で仕事が取れればいいことじゃないですか。だから今言う声も聞いて、できるならこれはやりましょう。だけど皆さん方が努力が足りないのはそこだよという意見交換ができれば、いいような形で行くと思うんだけれども、あまりにも一方的に我々がこうですよと言うんじゃなくて、その辺は意見を聞くというのも僕は大事だと思うんですけど、まずどうですか、そういう場をつくれるか。

○崎原盛光農林水産部長 地元発注のことにつきましては、夏頃にもちょっと宮古の関係者の方から要請を受けておりまして、実際意見交換をしているところであります。先ほど担当課からありましたとおり、極力地元発注を高めるために分離・分割ですね。A級の方々に業者請負するような工夫もしておりまして、残念ながらコロナ禍の状況で地権者の方々との調整というのに難航しておりまして、そのために業務の執行が少し難しかったということが重なりまして、地元発注がちょっとなかなか難しくございました。
 先ほどからありますとおり、この辺はコロナ対策も大分徹底してまいりましたし、ちょっと改善もしてまいりましたので、地元の請負の力とか、このやる方法をまた戻して、できるだけ地元発注を高めていきたいということであります。

○島袋大委員 ぜひともよろしくお願いします。
 以上です。

○西銘啓史郎委員長 ほかに質疑はありませんか。
 新垣新委員。

○新垣新委員 68ページ、沖縄県中央卸市場への支援に関する陳情。この件に関して、減少した売上げ(給食・外食関連・ホテル関連)に対する支援措置を行うこと。これ具体的にどういうふうに今見ていますか。非常にコロナの影響でこの中央卸売市場の経営等がもう厳しいと報道等でも載っていましたが、その件に関して改めて説明を伺います。

○久保田圭流通・加工推進課長 コロナの影響を受けてということではなくて、まず青果卸売業者の直近の売上高の状況ですけれども、令和2年度につきましては111億4600万円ということで、令和元年度と比べますと5.6%、平成30年度と比べると11.1%の減ということになっております。今年度はまだ4月から1月までの10か月間になるんですけれども、88億8300万円ということで、令和元年度同時期10か月間の比較でいいますと10.9%の減、平成30年度でいいますと16.6%の減という状況になっております。
 以上です。

○新垣新委員 もちろんこれはコロナの前に要因があると思うんですね。コロナはもちろんですけど、コロナ以外でもあると。去年、委員会で視察をして、卸売市場を通さないで野菜や果物、もうじかに市場に売買できるという法律がたしかできたと。まずこの法律の説明をお願いしたいんですけど、いかがですか。

○久保田圭流通・加工推進課長 市場法の改正につきましては、令和2年に改正されまして、それを受けまして市場の条例のほうが令和3年6月から施行されている状況になっております。施行のポイントといたしましては、まず卸のほうなんですけれども、第三者販売、それと商物分離の取引、あと仲卸が時価値引き、こういった3点につきまして事前の申請の手続は不要となりまして、事後に実績報告を行うといったところを勘案されることが主な内容となっております。

○新垣新委員 コロナが明けたとしても、この法律の改正によって今まで従来得たマックスでの売上高が今後下がっていく見通しだと、現場の経営関係者からはっきり御説明があったんですね。今後自分たちも考え方を変えないといけないという、経営スタイルをという説明を受けたんですよ、実は委員会で。その件に関して県の支援は今後どう考えていくのか伺いたいと思います。

○久保田圭流通・加工推進課長 令和4年の市場の在り方については調査事業を行う予定をしておりまして、その中ではまず市場の果たすべき機能といったところでハードの将来的な再整備に向けた検討を行うとともに、それに併せて市場の活性化についてどのような取組ができるかといったところについても、次年度の調査事業の中で併せて検討していくといったところを考えております。

○新垣新委員 実はこの関係者、私の質問をよく見ていただいて、高度冷凍保存と瞬間冷凍、先ほど言ったハード面の見直しにおいて、やはりこうやって物が売れない、回らないというときはため込んで置いときたいということも私に伺ってきていたんですね、実は。あの箱物が老朽化して、県にも荷さばき等を含めて高度冷凍保存と瞬間冷凍等も考えてほしいと。そういう要請も現場で伺ったんですが、県としてあの市場、外に出てこうやって状況等を見ると、やはり改善の策はもっといっぱいあるんじゃないかなと、箱物を含めてですね。また経済を回すために高度冷凍保存と瞬間冷凍等も検討すべきじゃないかと思っているんですが、いかがですか。市場を活性化させるためにも。

○久保田圭流通・加工推進課長 その市場に必要とされる機能ですね、現在の商流に合った機能の充実といったところにつきまして、令和元年に調査を行いまして、令和2年に市場の関係者の方々を含めて改修計画というのをまず作成しております。その中で今何点か改修すべき優先事項といったところがあるんですけれども、それにつきまして今年度調査を行いまして、次年度はまず低温施設ですね。一定の温度管理ができる施設の、従来もあるんですけど、それらを拡張するといったところを次年度、1億ほどだったと思うんですけれども、それを計上させていただきまして、その機能の向上に取り組むといったところを予定しております。

○新垣新委員 この69ページで、減少した売上げ、給食・外食関連・ホテル、物は置いてあるけど、実際観光客も来ない、外食もなかなかできない、給食にも回すことができないという悪循環な状況だと理解しておりますが、県としては回復に向けて支援してまいりたいと言っているんだけど、どういう支援があるんですか、逆に。

○久保田圭流通・加工推進課長 先ほど申し上げたみたいに、まず市場の活性化といったところ、活性化といいますか、その機能向上のために低温化施設を拡充していくといったものですとか、またソフト的な取組といったところでは、ここ数年ちょっとコロナの影響で中断しているんですけど、市場祭りといったところで県民の方々への認知度の向上を図っていくといったところの取組、また市場の関係者と流通事業者とのマッチングといったものが考えられるのかなというふうに考えております。
 以上です。

○新垣新委員 では部長、指摘だけ検討伺いで持ち帰ってほしいんですが、現場の方々も高度冷凍保存と瞬間冷凍を、県としては導入に向けた形を検討してほしいという声も実はありました。現場の声は一番現場が分かるし、市場活性化をさせたいと。再度、農家関係者もこの団体も含めて今後上がってくると思いますので、ぜひ前向きに市場活性化のために検討していただきたいなと思うんですけど、いかがでしょうか。

○崎原盛光農林水産部長 市場の青果等を中心とした流通につきましては、やはり近年、大分以前とは変わりまして多角化しているというふうに感じております。そのためには一定程度の施設整備は必要かと考えているんですが、やはり市場流通がどのように機能回復できるかというところが大切ですので、一つにはまず関係する団体の方々と協議する場所をちょっと検討しております。これは農業団体からもちょっと提案がありましたので、今現在、2回ほどたしか関係者のほうは打合せ会議をしたと聞いておりますが、我がほうの県のほうにも後々ちょっと入っていただいて検討してくれんかという打診がありますので、中で関係者の方々とはどのようなことが必要なのかを十分に一緒に検討していきたいという思いです。
 以上です。

○新垣新委員 ぜひ現場の関係者と向き合って、前向きによくなるように期待をしています。
 続いて38ページ、不利性解消事業なんですけど、代表質問でも質問しましたが改めて伺います。この鮮度保持技術を活用したコールドチェーン体制に対する船舶輸送の促進などの説明、あれから代表質問が終わった後に農家と何回、生産団体、漁業組合関係者とも何度意見交換をなされましたか、伺います。

○久保田圭流通・加工推進課長 代表質問が終わってからは、すみません、現在のところ行っておりません。

○新垣新委員 代表質問でも申し上げましたが、早急に、現場が混乱していますよと。例えばカジキとか高級魚において、この鮮度保持に対するコールドチェーンという、得体が知れないと。従来だったら飛行機で運んで、豊洲とかそういうところですぐさばけるものが、今回船でといったら鮮度が落ちないかという誤解と懸念もウミンチュの方々、生産団体の方々も持っているんですよ。高級魚、カジキとかアカジンミーバイとかいろいろありますよね。そういう懸念があるから早く向き合ってほしいと言っているんですけど、その件に関してもう一度、もう議会が終わってからでも構わないので早急に向き合っていただきたい。どうですか。

○久保田圭流通・加工推進課長 すみません、前回予算委員会のときにもお答えしたかと思うんですけれども、2月にいろいろ県内の生産者の方々ですとか物流事業者の方々とも意見交換をしまして、その中でもいろいろ御意見を頂戴したところになります。それを持ち帰って、2月に説明したときよりは若干、激変緩和のための制度といったところを今検討しておりまして、それを今ちょっと検討中といったことで、まだ改めて御説明するような状況にはないんですけれども、改めて説明できる段階になりましたら早急にまた生産者の方々へ丁寧な説明を心がけたいというふうに思っております。
 以上です。

○新垣新委員 農家において、令和3年度のときは飛行機で運んでいる部分もあったと。令和4年度から新たな不利性解消というのは船で運んでいくんだと。それで理解してよろしいでしょうか。農家の農作物がありますよね。これを今の現状は飛行機で運んでいる部分もあると。令和4年度、新年度からは船で全て運ぶんですかと。飛行機から船に変わるんですか、全て。

○久保田圭流通・加工推進課長 次年度からは、輸送単価については空路、海路を問わず一本化するというふうには考えてはいるんですけれども、飛行機の使用は禁止するというわけではなくて、その単価の中でそれぞれ生産者の方々が空路なり海路なりを選択していただくということを想定しております。

○新垣新委員 その件に関しても、今沖縄の農家が一つにまとまるというのを―ちょっと乱暴過ぎるんですよ、県の説明が。一つに簡単にまとまらないですよ、農家というのも。僕は現場から聞いてきて、今現場の声を届けているんですけど、その説明が事前にあれば理解できるんですけど、徐々にやっていこうねとか、そういうことも何も聞いていない。逆に県が混乱させているよと農家の皆さんがこうやって言ってくるもんですから、その説明というものもこの議会が終わり次第、ぜひ説明していただきたいんですけど、正直に申し上げますけど、今年はちょっと緩くして来年からという形でやったほうがいいんじゃないですか、伺います。令和5年度からですね、船舶に切り替えるというんだったら。

○久保田圭流通・加工推進課長 具体的には完全に船舶に切り替えるというところも、将来的には別に空路も否定するわけじゃありませんので、そこら辺については別に令和4年度、5年度限らずに、空路でも海路でも選択していただければ結構かと思うんですけれども、先ほど来申し上げていますけれども、いろいろ出荷規模の要件ですとか空路・海路の比率ですね、それごとに単価を設定するんですけれども、そういったところについては経過措置を考えておりまして、それについても決まり次第早々にアナウンスしていきたいというふうに考えております。

○新垣新委員 最後にまとめたいと思いますけど、県は国から船で運びなさいと言われて、関係団体にそういった指導を、そういった発言をして現場が混乱したと私は理解しているんですね。国から言われてきていると私は説明も入れているんですけど、これが1点目。2点目に、このコールドチェーン体制の得体が知れないと。どういう商品なのかと。どういうメーカーが作っているのかと。我々真心込めて野菜も作っているよと。命がけで魚捕っているよと。このコールドチェーンって得体が知れないと現場の関係者はよく言うんですよ。この説明を再度、県がこれからやっていくという、ちゃんとしたメーカー、どういう形で運びます、物流体制もこういう形でやりますと。そういう説明がない限り、非常に今現場が混乱して、チャーナトーガとか、もうこんなことしかないんですよ。私は地元糸満ですから、海の街。また農作物もたくさんありますから、そこは本当に今命がけなんですよ、彼らも。これがなくなったらもう経営が厳しいんですね、農家も漁民も。だから本当に早急に向き合ってほしいと。説明も入れてほしいんですよ。その件に関して改めて伺います。

○久保田圭流通・加工推進課長 次年度からの事業の枠組みをちょっと御説明いたしますけれども、まずコールドチェーンの構築といいますのは、物流を担うフォアーダーとか事業者の方々に対して、実証的なモデル事業を支援することによってコールドチェーンの構築をしていきたいというふうに考えております。その中でどういった機器を使うのか、その鮮度保持といったところについてもいろいろな技術があるかと思いますし、メーカーも多様かと思うんですけれども、その中でどういった品目を事業者が扱うのかによって、その設定する温度ですとか使用するものの適正といったものがあると思いますので、そこは事業者の選択がなされていくものというふうに考えております。

○新垣新委員 ですから、最初に商品を作って送る側に説明があるべきでしょうと。得体が知れないと言っているじゃないですか。
 ちょっと休憩。

○西銘啓史郎委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、新垣委員から説明会の開催等、現場の生産者に対して分かりやすい説明をすべきとの発言があった。)

○西銘啓史郎委員長 再開いたします。
 久保田圭流通・加工推進課長。

○久保田圭流通・加工推進課長 まず、生産者の方々への丁寧な説明といったところにつきましては、先ほど来申し上げているんですけれども、説明できる内容が調い次第、早急に説明をしていきたいというふうに思っております。また、特に離島ですとかが中心になってくると思うんですけれども、県のほうの出先機関、普及センター等がございますので、そういったところを通じてでもより丁寧な説明といったところを心がけていきたいというふうに考えております。そういったところを踏まえてなんですけど、ではどういったものになるのかといったところにつきましても、物流事業者からの申請に基づいて県のほうのコールドチェーンの構築に向けた実証モデルの支援といったところにも取り組んでいくんですけれども、そういったところにつきましても随時アナウンスのほうはしていきたいというふうに思います。
 以上です。

○新垣新委員 最後に、丁寧な説明をちゃんと向き合って分かりやすく、このコールドチェーンという得体とか、どういう行程でとか、なるべくは来年から船で、令和5年度から船で一本化にできればなと思っています。令和4年度からいきなりやるとさらに混乱を招くということを指摘して、私の質疑を終わりたいと思います。ありがとうございました。

○西銘啓史郎委員長 ほかに質疑はありませんか。
 大城憲幸委員。

○大城憲幸委員 今のところからやりましょうね、不利性解消事業の38ページ。2番についてはもう4年から始まりますからいいんですけれども、1番のところが今も議論があったように少し気になるところで、農家は今燃油高騰で非常に運賃も上がっていく中で、今までは航空機を選べば航空機用の単価が設定されていた。船を選べば船用の安い単価でできている。皆さんはそれを船に統一することによってトータルの予算をできるだけ軽くして、集中的に離島とか品目を広げようという方向性は分かりますけれども、やっぱりなかなか現場の皆さんがまだしっくり来ていないんですよね。
 それで今聞きたいのは、先ほど来ある激変緩和が必要かなという議論は前にも説明がありましたけれども、対象品目は広げます。離島・北部も始めます。ただ、この激変緩和については、今まで2本だった単価を4月から一本化するのか。その辺はどうですか。

○久保田圭流通・加工推進課長 単価については一本化をしていきたいというふうに考えております。
 以上です。

○大城憲幸委員 これがどうしても、やっぱり努力はするけれどもどうしてもエアを使わないといけないというのは出てくるじゃないですか。そういう皆さんからすると、この陳情にある部分、燃油高騰で運賃は上がっていますよと。そういう中で、しっかり不利性解消でその分を何とか支えてくださいという陳情になっているわけですよ。それが今まで船とエアの価格設定には3倍ぐらいの差があって、それを一本化するということは単純に考えてもその真ん中ぐらいになる。航空、エアを使う場合には運賃も上がっているし、補助単価もこれまでよりも極端に下がっていくということになるわけですよ、普通に考えたら。その辺についてはどうなんですか、考え方。

○久保田圭流通・加工推進課長 今委員おっしゃったみたいに、ちょっと正確なところを申し上げますと、今現在、船便での単価と空路での単価といった2つあるんですけれども、その低いほう、船便の単価に合わせて一本化するというわけではなくて、それぞれ船便の出荷割合とクールでの出荷割合を加重平均した単価に一本化していきたいというふうに考えております。その中でどうしても空路で運ばないといけないといったところもあるというふうにおっしゃってはいるんですけれども、ただやはり船便で送れるものもあるだろうということで、私どものこれまで3年間やってきた実証実験の中では、その船便の中でも鮮度を維持できるといったところの結果を得ておりますので、ですからそこは船便のほうにシフトしていっても、青果物になるんですけれども、おおむね問題ないのではないかなというふうに考えております。
 以上です。

○大城憲幸委員 この辺はまだ明確なものが固まっていないという部分もあって、もう要望にとどめますけれども、やっぱりどう考えても予算が6億、7億減った。そういう中で品目も増やした。離島も北部も対象を広げていった。予算はそこにも割かないといけないわけです。そうするとこれまでもらっていた皆さんが、さらに今燃油高騰で運賃が上がっていく中で、やはり厳しい思いをする中でこの不利性解消の単価が思った以上に出てくるかというと、なかなか普通に考えても厳しくなるわけですよ。そういう意味では大本の予算の部分というのは、本当に冒頭言った激変緩和をもう2年、3年ぐらい現場の声を聞きながら、徐々に今言った船に変えていきますよと。農家を支えながら、漁業者を支えながらやっていきますよと言うんであれば、やっぱりちょっともう補正なんかも想定しながら予算を確保しないといけないんじゃないかなというふうに考えているんですよね。その辺というのはやっぱり、まあこれから仕組みも激変緩和策もきちんと決めてからになるかもしれませんけれども、そういうものも想定しないと、なかなか現場の混乱というのはちょっと怖いなと思っているんですけれども、その辺について考えはどうですか。

○崎原盛光農林水産部長 委員からの意見の中で少しだけ補足等を加えますと、まず輸送費の補助の考え方ですね。新たな補助単価というのは、これまでの輸送実績として10年間の蓄積がありますので、これらを踏まえて、これまでは航空輸送の単価と船舶輸送の単価は別途でやっていたんですけれども、これを作物ごとに、地域ごとに一本ということになって、船と飛行機で運んだときのちょうど中間ぐらいですかね、この単価を設定してあるんです。必ず船を使いなさいではなくて、その単価に設定してあるので、補助事業者の方が船を使っても飛行機を使っても補助単価は一つだけだということなんですよ。その中間を取られているので、特にこれで引かれているわけではございません。
 変わったのは、この不利性解消事業のそもそもの目的というのが、鹿児島県の生産者と同じ要件で競争するというお題目がありました。これらを踏まえた上で、これまでは集めて、運んで、また相手に運ぶ、この3つに分けたときに、一緒くたにすぐ計算をしていたんですけれども、集と配のところというのは鹿児島も沖縄も一緒でしょうと、条件が。離島だからといって集配のところは変わらないんですよ。運ぶ間が変わるだけであって、集配系を除いたところの算定にしたから今実は減っているんであって、補助単価は船と飛行機との加重平均されている単価だし、特に減らしたわけではないけれども、集配、集めるところと、それから遠くへ運んでそこからまた運ぶときのここ、ここを外したら今そうなって、結果的にちょっと総額の補助金が落ちたという状況であります。
 それから2つ目の激変緩和につきましては、我がほうもやはりこの事業は非常に皆様大変期待していたのを十分感じていて、大きく動くとやはり現場が混乱するというのを一番心配しておりまして、まず1つには、離島等において流通事業者をまず一本にしようかという話もあったんですが、急にやると非常に難しい条件が分かりましたので、これは数年の激変緩和等で国と今調整しているところであります。これをこれまでの条件の、船と飛行機で運ぶというものをゆっくりするかどうかについては、国等とも十分に検討が必要なので、地元から強い要望があったということは知ってはいるんですけれども、やはり制度の変わり目であるので、非常に今言っている先ほどの理屈からすると難易度の高い交渉にはなるだろうなと感じております。

○大城憲幸委員 非常に仕組み自体も複雑ですのでこれ以上の議論はしませんけれども、言いたいのはさっき言ったこと。この制度を何とかもう少しスリム化して予算を圧縮しないといけないという事情も私は理解します。それを船に移行する、あるいはスケールメリットを出していくという部分でやらざるを得ないという事情も理解はします。ただやっぱり今圧倒的に、先ほどもあったように生産者への理解が進んでいない。蓋開けてみて、去年は200万あったのに今度は80万しかないよみたいなことになっちゃいけない。経営に直結する問題なもんですから、そこを非常に危惧する声が多いものですから、そこは不十分であれば当然さっき言った激変緩和の数年かけてやっていくことをやっていかないといけない。そこでもしかしたらさらに予算が必要になるかもしれないというのが先ほど言ったところですので、ぜひその辺は丁寧に、何とか部長、頑張っていただきたいなと。ここはもう要望に変えますので、よろしくお願いします。

○崎原盛光農林水産部長 分かりました。

○大城憲幸委員 次は、これもさっきやった市場の件。陳情24号、68ページに市場からの要望があります。その中で69ページのほうに具体的な部分がありますけれども、この中で市場使用料、先ほど状況も説明してもらいましたので、減少したのは10%ぐらいですよというところもあるけれども、ちょっと我々が聞く、まあ10%でも様々な努力をする中で要は10%ぐらいに抑えているのかなとか、様々な状況も聞こえるんですけれども、県の所有だからほかの施設とのバランスがとかって皆さんが言うんじゃなくて、やっぱりしっかり支えてあげたほうがいいんじゃないかなと思うんですけれども、その辺について今後しっかり意見交換して検討していきますということですけれども、これどんなですか。皆さんから提案をしてみたんですか、こういう声を聞いて当局に。この使用料の減免については真剣に検討したことはあるのか。お願いします。

○久保田圭流通・加工推進課長 すみません、令和2年度、昨年度の話になるんですけれども、昨年度は要請を受けまして2回ほど猶予について調整を行ったところになっております。

○大城憲幸委員 この陳情の処理方針を聞いても先ほどの答弁を聞いても、まあ取扱量が10%の減ぐらいだから、そこまでやる状況じゃないよみたいなものに聞こえたもんですから、私なんかは非常にこの売買参加者、仲卸なんかも非常に厳しいよという話を聞いているもんですから、ここはもうほかの業界も含めて厳しいのは当然ですけれども、そういう中でもやっぱりこういう現場から上がってきた声に対して、市場のほうそして担当課としては、真摯に声を聞いて取り組んでほしいなと思っているんですよね。その辺は今後しっかり取り組んでもらいたいという要望にします。
 それとあわせて、今度予算をかけて調査事業をしますと。その説明の中で、少し一部冷凍・冷蔵施設の増設みたいな説明だったんですけれども、これまでも数千万単位で調査費をかけてやっていますけれども、ちょっと基本的な方向をある程度決めてからやったほうがいいのかなとも思うんですよ。というのは、私は個人的には施設は建て替えが必要じゃないかと思っていて、あの古い施設にさらに増設とか新たな附帯設備をつけるというのはどうなのかな。慎重に行うべきなのかなと思うんですけれども、その辺についてどうですか、考え方は。

○久保田圭流通・加工推進課長 すみません、ちょっと私の説明がまずくて混乱させてしまったかもしれませんけど、来年度、実は主要関連で2つの新規事業がございまして、まず1つは低温設備の拡張といったところで、1億392万3000円を使って低温設備の拡張を行っていくというハード整備のほうが1つございます。
 もう一つは、市場の在り方ですね。市場の再整備に関する調査研究事業についてといったところを2250万計上させていただいて、その市場の再整備に当たってどのような項目が必要なのかといったところですね。具体的にはその市場の関係者の方々とお話する上では、その市場の規模ですとか整備に当たる費用、またそれから歳出される使用料、そういったものをある程度明らかにしていかないとなかなか議論が進まないというところがありますので、その調査事業の中で市場の規模ですとか整備費用といったところを出していきたいな、明らかにしていきたいというふうに考えております。
 以上です。

○大城憲幸委員 これも提言で締めますけれども、本会議でも議論したように、やっぱり不利性解消事業のところでもあった総合の物流体系の見直しが必要だという中では、その拠点となるのはどうしても中央卸売市場ですので、その市場をどうするかという部分については様々な中で関係している皆さんによっても意見は違ってくるでしょう。そして、いろんな立場が変われば様々な意見があると思いますけれども、調査事業等についてもやっぱりある程度県がPFIでいくとか、全面建て替えでいくとか、ある程度の基本的な考えも早めに出さないと、どんどんどんどん後ろにずれてしまうのかなという心配がありますので、その辺は改めてちょっと取組の強化をお願いしたいなと要望して、次に進みます。
 畜産、お願いします。さっき酪農の話がありました。72ページの37号の養豚の部分から2点ほどお願いしましょうね。言いたい部分は先ほど議論があったとおりで、酪農関係も、もう皆さんは生産振興という部分では予算はつけやすいと思うんですよ、様々な意味でね。ただ、酪農家の声としてあったのは、もう生産振興という状況じゃなくて、何とか廃業をこれ以上増やさないために支えないといけない状況ですよというようなところなんですよ。だからもう直接的に牛乳代の補塡とか餌代の補塡とか、とにかく早急にそういうのをやらないとどんどんどんどん辞めてしまいますよという状況は、この養豚でも同じような話を伺っているんですね。だから、こういう直接的に生産費を補塡するという仕組みは難しいかもしれませんけれども、それはさっきもあったように委員の知恵も様々な皆さんの知恵も借りて、そして何よりも県民の理解を得て、この畜産の生産基盤というのを守らないといけないと思うんですよ。その辺について、きちんと現場の声を聞いて取り組んでいきますとはあるんだけれども、その辺については愛知の取組とか静岡の取組とかっていう議論も出ましたけれども、内部では議論を始めていますか、その辺。お願いします。

○金城靖畜産課長 本県の畜産業につきましては、令和2年度の産出額が910億円のうち397億円の43.6%で、非常に大きな分野です。委員おっしゃるように昨今の配合飼料価格の高騰で非常に困っておりますけれども、価格安定制度からの補塡金により現在のところは影響は一定程度緩和されております。しかしながら、現在のような状況が続いた場合、配合飼料価格安定制度の基準となる直前1年間の基準輸入原料価格が高止まりして、それにより補塡金額の縮小や原資の枯渇、生産者積立金の増額が懸念されます。
 県としましては、飼料価格の今後の動向を注視するとともに、価格高騰が続いた場合の状況に対応できるよう、関係団体と意見交換しながら対策について検討を進めてまいります。先週も配合飼料の各メーカーを回りまして、今の現況とかどういう見通しかとか意見聴取しながら、どのような対応が可能か調整を進めているところです。
 以上です。

○大城憲幸委員 もう答弁はそれぐらいしかできないかもしれないけど、でもそんな話はもう前から議論していて、基金はずっとあるわけじゃないし、今後の配合飼料の価格の推移は誰がどう考えても今下がる要素はないわけです。4月以降は一気に厳しくなるというのは皆さんは重々承知しているわけですよ。それに対して今朝の新聞もあったように、県外では飼料用米の活用なんかもどんどんできるけれども、沖縄では同じような取組というのはなかなかできない。一部向こうから持ってきたとしても、それも割高になるわけですから、やっぱりそこは沖縄の特殊事情というのは皆さんが一番よく知っているはずだし、農家の声というのは誰よりも皆さんが一番聞いているはずなんですよ。だからそこはもう少し突っ込んだ内部での議論をどんどん進めていただきたいと思うんですよね。その辺について部長、どうですか。お願いします。

○崎原盛光農林水産部長 飼料高騰につきましては、先ほどありましたとおり国の基金制度もあるんですけれども、やはり大変厳しい状況に追い込まれているなという認識があります。ただし、やはり直接補塡も含めて、飼料の支援につきましては多額の多分予算を要しますので、大分検討が必要だなと思います。
 含めて、今回ちょっと養豚と食肉のほうから要請はあるんですけれども、従来であれば、我がほうも相談ありながら要請が上がればと思うんですけれども、急に来ましてなかなか検討する時間はなかったなというのはちょっと思っております。やはりこれだけの支援をするんであれば我々もちょっと勉強せんといけないので、業界としても十分に話をして要請していただけると非常にやりやすいなと感じていて、今後多分業界とどのように支援するかは検討することになると思います。特に畜産飼料につきましては全畜種にまたがることになりますので、養豚、酪農、どの順番、一斉になるかはちょっとまだいろいろと議論せんといけないんですが、今のところまだ検討するとしか言いようがないのかなと思っています。

○大城憲幸委員 今これをもって議論しているかという聞き方も悪かったかもしれませんけれども、ただ部長の今の、いやいや、前もって相談してくれよというのは、逆にちょっと上から目線に聞こえるよ。これはだって、酪農組合でもそうですよ。これまでずっと皆さんと相談してきたけれども、どうしようもなくて陳情になっているんですよ。養豚関係も皆さんとは厳しい状況なんかは共有していると、やっぱりそういう信頼関係はあったはずなんだけれども、なかなかこれまで具体的な悲鳴を上げても策がないから、どうしようもなくて陳情になっているはずなんですよ。だからその辺というのはやっぱりしっかり、まあこれからでもいいけれども、これを機に具体的な対策を練っていただきたいし、やっぱりもう少し信頼関係が必要であれば、もっともっとお互いを含めて養豚農家も酪農家の声も聞くような努力をしないといけないと思うんですよ。その辺お願いしたいと思う。
 ごめんなさい、長くなりました。あと1点だけ確認したい。食肉センターの件ですけれども、なかなか長い間屠畜料が上げられないという事情があった。そして、基本的には養豚農家と屠畜場というのは車の両輪だから、どこが潰れても成り立たない。だから養豚農家は厳しい中で屠畜料が上げられないという状況がある。ただ、これだけ経費が高くなる中で、もうずっと慢性的な赤字が続いている。この辺については屠畜料の改定というのは、畜産課ですか、保健医療部ですか、お願いします。

○上原寛明衛生薬務課班長 今の屠畜にかかる費用につきましては、屠畜場を使用するときにかかる費用が屠畜場の使用料、あと屠畜解体料、屠畜検査料、内蔵処理料、冷蔵保管料、残渣処理料などがあり、これらは屠畜場ごと、あと獣畜の種類ごとに異なっております。これらの費用のうち、屠畜場使用料及び屠殺解体料につきましては、屠畜場法の第12条に基づき、屠畜場の設置者などがあらかじめその額を定めまして、都道府県知事の許可を受けなければならないと規定されております。
 これらの料金につきましては、屠畜料の設置者などが料金を算出の上、認可の申請を管轄の食肉衛生検査所と保健所に申請していただくんですが、その後保健医療部の衛生薬務課において、申請理由であったり金額の設定根拠などの審査を行いまして、衛生薬務課長と畜産課長で認可の可否などを協議した後、保健医療部長と農林水産部長の両決裁により認可される流れとなっております。

○大城憲幸委員 朝の参考人のときに、全国の経費に比べても沖縄は様々な費用もかかっているんだけれども、屠畜料というのは全国的にも低い都道府県なんだという意味では、さっき言ったとおりでなかなか上げられないんですけれども、皆さんとしてはこの食肉センター等から上げたいという声は出ていて、皆さんが認可していないんですか。それとも、上げたいという声も皆さんのところには届いていないという理解ですか。認識をお願いします、簡潔にね。

○上原寛明衛生薬務課班長 今の屠畜場の使用料と屠殺解体用の変更認可の相談につきましては、ここ最近では消費税の改定に係るものについての相談はございましたが、それ以外については設置者のほうからは相談等は今のところございません。

○大城憲幸委員 まあそれはいいですけれども、ちょっとやっぱりその辺は農林水産部との連携が必要だと思うんですよ。やっぱり我々限りではなかなかこの県内の4つの屠畜場の経営というのは非常に厳しいし、客観的に状況を見ても今の屠畜料ではなかなか限界なんだろうなというのは感じています。ただ一方で、生産者がこういう状況ですから、やっぱりこれは屠畜場の運営についてはやっぱり屠畜料でしっかり調整をして、そして農家負担が増える部分については生産者支援という感じで、この陳情にあるように、しっかりと農林水産部のほうで支えてあげると。そういうような仕組みが必要なんじゃないかなと思うんですけれども、その辺の考えについてはどう考えていますか。どこが答弁したほうがいいですか。畜産課長がいいですか。

○金城靖畜産課長 委員がおっしゃるとおり、屠畜場の運営はやっぱり屠畜料金で賄うのが本来の姿かと思いますので、その辺は適正な料金設定で頑張っていただきたいと思います。今朝も参考人招致であったと思うんですけれども、屠畜頭数が減っているというのもありまして、これも屠畜場の運営に支障を来しているのかなと思います。農林水産部としましては、生産頭数を目標頭数、食肉合理化計画では40万となっていますけれども、各屠畜場から適正目標屠畜料を聞いたところ、県で35万頭いればどうにか経営もあるのかなという試算もありましたので、取りあえずはその辺を目指して、どのような支援で生産頭数をそこまで持っていけるかということで今検討しているところです。
 以上です。

○大城憲幸委員 しっかり支援をお願いします。
 以上です。

○西銘啓史郎委員長 ほかに質疑はありませんか。
 玉城武光委員。

○玉城武光委員 36ページかな。35から36なんですが、学校給食用の生乳の差額の分について、島袋大委員からも話がありましたけど、支援策についていろいろと意見交換を行っているという処理方針があるんですが、それと支援策について検討を進めているという処理方針ですが、参考人から朝の段階で聞いたときには約2000万近くの差額が出て大変厳しいんだと。先ほどこれはいろいろ部長が答えにくいという話もあるんだけど、やはりそこは部長としてもこの2000万の補塡をやるという方向で進めないと、今大変厳しい状況、これ乗り越えられないですよ。部長、どう思いますか。

○崎原盛光農林水産部長 9月補正、12月補正ともにこれまで検討してまいりましたけれども、やはりまだ準備がちょっと我々も足りなかったと思っておりますので、総務部と連携をして県酪から要望のある2100万でしょうか。若干支援がある額なので少し差があるんですけれども、この2000万、今日の支援につきましては直接の補塡なのか生産なのかも全部含めて、これは一番に対応してまいりたいと思います。

○玉城武光委員 先ほどもお話がありましたでしょう。生産振興じゃなくて、これは県酪の皆さんは補塡だと。補塡していただかないと、もう今の経営状況ではどんどん酪農農家が減少していくということを止められないよと。こういうことを参考人の中で述べていましたから、そこはしっかりと受け止めて頑張っていただきたいと思います。
 それから74ページ、先ほどもありましたけど、食肉センターの陳情の中で愛知県で実施されている食肉流通センター等燃油価格高騰対策支援金、この制度は皆さん御存じですか。

○金城靖畜産課長 愛知県がこの事業をしているのは存じております。事業名がおっしゃったとおり食肉流通センター等燃油価格高騰対策事業ですね。令和3年10月から令和4年3月までの実施となっております。愛知県内で食肉流通センター等が購入したA重油と灯油の代金の補助となっておりまして、それが直近7年間の平均月の取引単価を越えた差額分のうち、2分の1について補助をするということになっております。財源が地方創生臨時交付金で予算額が632万2000円予算化されているということで聞いております。

○玉城武光委員 では沖縄県はどうなんですか。沖縄県はそういう方向でこれから支援策を考えていくということで理解していいですか。

○金城靖畜産課長 この臨時交付金はコロナ関係の臨時交付金でして、今年度で終わりということでやっております。沖縄県につきましては、今年度は給食に向けたアグーの提供事業で行っておりまして、これは9393万7000円で、沖縄県は別の事業メニューでこの交付金を使って事業はしております。

○玉城武光委員 別の事業でやると。要するに食肉センターの皆さんが燃油の高騰で大変だと、これからね。だからこの燃油高騰対策支援金として考えて支援していただきたいという陳情なんです。別じゃなくて、そういうところの支援策を考えられないかと。支援をしてもらいたいという陳情なんですよ。どうなんですか。

○金城靖畜産課長 委員おっしゃるとおり、今回陳情が上がっておりますけれども、県としましてはちばりよ~!わった~農林水産業応援プロジェクト事業で、コロナの影響で豚肉が滞ったのを給食に回して、それを流通促進して、そういう生産者支援ということでですね。ひいては食肉センターのそういう支援にもつながっていて、沖縄県は結構広い範囲で支援したという形になっております。限定的じゃなくてですね。
 以上です。

○玉城武光委員 後でまたもう一回議論します。
 もう一点最後に、中央卸売市場の支援についてです。先ほどもありましたけど、家賃の免除はできないということですか。

○久保田圭流通・加工推進課長 市場の施設使用料の免除につきましては、他の県有施設における対応状況も踏まえて検討していく必要があるというふうに考えております。県としましては、中央卸売市場が担う市場機能の維持・確保の観点から、引き続き市場関係者と意見交換を行いまして状況の把握に努めるとともに、どのような取組が可能か検討していきたいというふうに考えております。
 以上です。

○玉城武光委員 もうこれ今までずっと検討してまいりますということで、具体的な支援策が出ていないんですよ。
 それともう一点、その売上げが減少したところの支援に対して、その市場の関係者、協会はそういう支援が私たちのところには届いていないと、そう言う。ここにあるようにいろいろな国の関係とか事業復活支援金とか、活用が必要でしょうということは言っているんだけど、そういうものがそこの団体のところには届いていないという現場の声があるんです。それは皆さんのところにも来ていると思いますよ。だからそういう事情も聞いて、早くその具体的な支援策を―もう前から検討しているじゃないですか。だからもう具体的に支援のメニューを出すべきだと思うんですが、どうですか、部長。

○崎原盛光農林水産部長 市場関連者への支援につきましては、我がほうも要請を受けて担当課から、関係者の方々のヒアリングという格好で聞かせてもらっております。経営状況が分かるのが仲卸だったために、その辺をちょっと見ますと、確かに仲卸の売上げの方々を見ますと、令和2年度の事業年度で見ると3%は落ちているのはあったんですけれども、中でも売上げを伸ばしている方と下げている方、多様性の方々がいて、どのように見ていくか非常に困惑している状況があります。しかしながら、売買参加者からもしくは関連する事業者の方々もいて、数字は見ていないんですが、話を聞くと非常に売上げが落ちているという話は聞いているので、一律に多分支援することは難しいので、施設の減免なのかもしくは支払いの長期の猶予なのか、この辺りはちょっと検討してみたいなというふうに担当課には指示をしているところです。

○西銘啓史郎委員長 ほかに質疑はありませんか。
 山内末子委員。

○山内末子委員 1点だけお願いします。養豚経営についてなんですけど、午前中に関係者からお話を伺った中で、3900戸あったところが今は200戸の養豚農家、それから生産高が49万頭から31万頭という厳しい状況が示されておりました。その中で県の生産目標頭数というのが43万頭ぐらいだというふうにも、それも伺いました。
 そうなってくるとすごい課題が本当に大きいということを伺っている中で、その中で今回出ている2点というのは、本当に目の前のカンフル剤というような状況だと思うんですよ。ですから皆さんたちからありましたけど、課題はもうたくさんあって、その一つ一つをしっかりと解消に向けて頑張らないといけないということを踏まえて、今回のワクチン接種支援であったり屠畜料であったりとかというのは、本当に何度も言いますけどカンフル剤的、でも、実際に皆さん方からするとこれからまた意見を交換するというような状況の中では、もう本当に厳しいと思うんですね。
 その中で、豚熱の中で今正常化プログラムもまだできていないのか、ワクチン接種がいつまで続くのかとか、そういうことも関係者も分からない状況があるということは、やっぱりちゃんとしっかりそういうところも決めて、いつまで、あと3年であったり、あと2年であったり、あと5年なのかといったら、農家さんのほうも計画できるじゃないですか。160円であったとしても計画もできるということもありますので、そういうこともしっかりとやっていただきたいんですが、その辺についてはどうなっていますでしょうか。

○金城靖畜産課長 今日午前中の参考人招致でもあったと思いますけれども、ワクチン接種終了についてプログラムが全然できていないかというと、そういうわけではないんですよ。いろいろありましたけど、国内での豚熱の発生状況、県内の主要衛生管理状況とかを見ながら、こういう衛生面での終了に向けてのプログラムもありますけれども、今一番ちょっと問題なのが、ワクチン接種終了後の種豚導入なんですよ。今も本州はほぼワクチン接種推奨地域になっておりまして、今北海道とほぼ九州からしか種豚が入れられないんです、ワクチン終了するとですね。そうなると、種豚の供給がどうするかがまだ全然議論されていないものですから、この辺も今日いらしていた金城会長とかとお話ししながら、今後この種豚導入、県外から無理だったら海外に行くのかとか、海外から行くにしたらどのルートを取るのかとか、そういうのも踏まえながらになるので、具体的にすぐ何年かというのは言えないので、この辺は本当に今関係者と検討してやっていく状況になっております。

○山内末子委員 それにつきましては、やっぱり沖縄県だけで決めることができないということ。それを捉えて、そういうふうに今度は種豚を導入するに当たっては、次なる課題として今度は輸送量のそういったコストが出てくるとか、1つのことを解消するとまた1つ大きな課題が出てくるという、そういう状況がどんどんどんどん雪だるまのように大きくなっていく。だからこそ養豚農家の厳しい状況の皆さんたちがやめていく。そうなってくると、もう目標の頭数は確保できない。沖縄の食文化である豚肉が生産ができない状況になっていくということ、これは絶対に避けていかなければならないと思っています。1つのことをしっかりとやっていかないとそれのための作業がどんどん大きく膨れ上がっていきますので、根本的に総合的にいろいろと考えながらやっていかないといけないということも、先ほどの関係者の方からもお話がありましたので、ただ、私たちはやっぱり沖縄で豚肉はどんなことがあっても消費をしっかりと、沖縄県内でも消費していただきたい。でも、この沖縄県内の中で消費が4割、6割は県外に行ってしまうと。何かすごい複雑な状況というのがありますので、この辺は根本的な課題がたくさんあると思っていますので、どうか皆さんしっかり一緒になって、養豚農家も守る。豚肉も守る。そして沖縄県民の豚肉文化というのも守っていくということを、総合的な考え方でぜひ取り組んでいただきたいなということを申し上げて終わりたいと思いますけど、部長の御意見だけ聞いて終わりたいと思います。

○崎原盛光農林水産部長 本県の養豚につきましては、畜産業界における位置づけ並びに食文化についても非常に貢献しているので、大変これも大切な分野です。生産費、経費を見ますと、非常に収益性が下がっている現状を確認しておりますので、これにつきましても先ほどからありますように優良種豚の導入だとか、生産振興対策でもってまずは農家の所得を確保する。それから食肉センターの件につきましては屠畜頭数がやっぱり一番大きく影響を与えるので、生産をまず確保する。それを中心に支援をしてまいりたいと思います。いろんなところにちょっと関係はしておりますけれども、一歩一歩進めてまいりますので、ひとつよろしくお願いいたします。

○西銘啓史郎委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○西銘啓史郎委員長 質疑なしと認めます。
 以上で、農林水産部関係の陳情に対する質疑を終結いたします。
 説明員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 休憩いたします。

   (休憩中に、執行部退席)

○西銘啓史郎委員長 再開いたします。
 以上で、予定の議題は全て終了いたしました。
 次回は、明日3月23日 水曜日 午前10時に委員会を開きます。
 委員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 本日の委員会は、これをもって散会いたします。






沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。


  委 員 長  西 銘 啓史郎