決算特別委員会

企業会計



本日の委員会に付した事件
 1 平成14年第6回議会認定第1号 平成13年度沖縄県病院事業会計決算の認定について
           
○上原吉二委員長 ただいまから決算特別委員会を開会いたします。
 平成14年第6回議会認定第1号平成13年度沖縄県病院事業会計決算の認定についてを議題といたします。
 説明員として、 病院管理局長の出席を求めております。
 ただいま議題となっております平成14年第6回議会認定第1号については既に説明は終わっておりますので、 これより病院管理局長に対する質疑を行いますが、 質疑及び答弁に際しては委員長の許可を得てから自席で起立の上行うよう御協力のほどお願いをいたします。
 なお、 質疑に当たっては、 重複することがないよう簡潔にお願いいたします。
 それでは、 これより直ちに質疑を行います。
 質疑はありませんか。
 玉城義和委員。
○玉城義和委員 きのう、 この平成13年度公営企業会計定期監査の結果報告書という、 5月から8月までの定期監査についての4ページの部分でございます。 二、 三質疑申し上げます。
 まず、 この平成13年度において社会保険診療報酬支払基金と国民健康保険団体連合会、 これから請求をして入るわけですが、 この監査報告によりますと、 平成13年度において件数で73万8000件余のうち、 書類不備等で返されたものが6000件あるという指摘があるわけですね。 これは0.81%と、 1000件のうち8件は書類が不備であったということですが、 やっぱりこれは約100分の1、 100件に1件は不備である。 私ども内部を知らない者にとっては、 ちょっとにわかに信じがたいところがありますので、 まずこれらの不備があるということの指摘ですので、 この不備というのは、 中身はどういうところが欠けていて不備になっているのか、 その説明からまずお聞きをしたい。
○新田宗一病院管理局長 おっしゃるように、 病院は患者を診て、 その診療の成果を診療報酬として請求いたします。 それはレセプトの請求ということになって、 国民健康保険団体連合会、 あるいは社会保険診療報酬支払基金に出すわけですけれども、 各患者さんは保険に加入しているわけですけれども、 保険証を来院されたときに確認し、 保険番号等を確認して特定してやるわけですけれども、 その確認時に番号をミスしたりとか、 あるいは診療の結果、 ドクターが、 要するに診療報酬で対応できる範囲と、 その病名と若干変動があったり、 あるいは病名を書き漏らしたり、 2つか3つぐらいあって、 全部書くべきのを代表的なものを書いたりということで、 請求した分と中身が若干違うということで不備という返戻になってくるわけですけれども、 これは後日、 担当ドクターの方に回して付記してもらうとか、 あるいは本人確認をして保険証番号の修正をして再度請求するとか、 そういう形で後日修正をして請求するというふうになっております。
 数字としましては、 年間73万件余りの中で、 指摘がありますように、 年間でおよそ6000件ほどそういう不備で返戻され、 再度また請求をいたしますけれども、 返戻があるという事実はございます。
○玉城義和委員 保険証番号を間違うとか、 病名を書き落とすなんていうのは、 私は、 こういうことは極めて基本的な作業であって、 それが0.8%、 100件のうち8件もあるというのは極めて異常じゃないかと。 どういう事務体制になっているかということを改めて考えざるを得ないわけですが、 保険証の番号を書き写すなんていうのは難しいことじゃないわけですから、 どうしてこういうことが起こるのか、 職場の環境も含めて、 考えられることをちょっと教えていただきたい。
○新田宗一病院管理局長 100件のうち8件じゃなくして、 1000件のうち0.8%ですから。 トータルで73万件ありますので。
 おっしゃるように、 確かに注意深くきちっとやればそういうミスは防げるわけですが、 例えば私が今思いつくところで、 そういう番号の確認ミスとかそういうものがあるということを申し上げましたけれども、 それ以外にも理由は幾つかあるわけです。 そういう面では、 事務の強化、 あるいはきちっとした対応を窓口でやるという体制づくりをしていくということをしなくちゃならぬだろうと思います。
○玉城義和委員 実際にこういうことによって、 その損失といいますか、 収益か何かに影響は出ているんでしょうか。
○新田宗一病院管理局長 後日また再請求という手続をとってありますので、 返戻された分が丸々もらえないということではありません。 確かに基金の場合、 あるいは連合会の場合、 請求してから2カ月ほど後にしか支払いがありませんので、 返戻があって、 それから再度手続をしてやるとなってくると、 現金の収入が相当おくれていくということでの資金繰りへの影響というのは十分考えられると思います。
○玉城義和委員 これは去年も相当数あるわけでありまして、 恐らく職場環境が相当多忙で、 どれぐらいの人数でどういう事務をさばいているかというのはちょっとわからないわけでありますが、 そういう状況もあるのかなと考えたりもいたします。 いずれにしても、 二重手間になっていくわけでありますから、 新しい年度からはきちっと減らす、 なくすということをお約束をしていただきたい。
○新田宗一病院管理局長 まさに御指摘のとおりだと思います。 我々としては日常的にも業務の適正化、 きちっと業務を処理するということを常々心がけているところでございますが、 なかなかそれが周知されない。 非常に残念でございますけれども、 おっしゃるようにきちっと対応するように、 いま1度注意喚起をしていきたいと考えております。
○玉城義和委員 続いて、 医療費の未収金の件も指摘されておりますので、 お聞きをします。
 まず、 入院診療計画書というのが出ています。 それから退院指導計画書というのがありますね。 これについてちょっと御説明いただきたい。
○新田宗一病院管理局長 これは初診でおいでになった方が入院する際に、 どの程度入院し、 どういう治療をしという、 ドクターが計画書を立ててその患者に示すというものと、 それから退院のときにそういうものを表示して、 ドクターが患者に示すという書類ですが、 なかなかそれが、 退院される方や入院される方すべてに対してきちっと書かれていない。 それは書けば加算がもらえるというものがありますので、 それも徹底していきたいと考えております。
○玉城義和委員 この指摘によりますと、 この両計画書、 あるいは医師のコメント等がおくれていることから、 診療報酬が減算され、 あるいは請求できないというのがありますね。 実際にこれだと、 金額は出ていないわけですが、 これらの計画書やあるいは指導書、 コメントがない上に、 入るべくして入らなかった診療報酬というのは平成13年度で幾らになっているのでしょうか。
○新田宗一病院管理局長 平成13年度じゅうに入院計画書を作成し、 加算料が徴収できる対象患者が4万828人、 そのうち2400人について作成がなされてなくて、 そのため774万3033円が減算されている状況がございます。 それと、 退院指導計画書につきましては、 これは総数がちょっとわかりませんが、 2060人について作成されてなくて、 616万3200円が減算されている状況がございます。
○玉城義和委員 先ほどの計画書をつくる責任、 入院並びに退院の計画書をつくる責任というのは、 これは病院側にあるわけですね。
○新田宗一病院管理局長 病院現場において主治医が作成するということでございます。
○玉城義和委員 恐らく平成13年度だけで1400万円ぐらいが入るべきものが入っていない。 これは累計でいいますとどれぐらいになるんでしょうか。 この10年ぐらいの合計ですぐわかりますか。
 後でこの10年分ぐらいの累計をちょっと教えていただきたいと思います。
 医療というのは金ではないということかもしれませんが、 実際問題、 きのうも、 きょうもこれから出るわけですが、 赤字の問題は非常に皆さん心配をしている問題であるにもかかわらず、 こういう事務的な責任で1000万円以上の金が入らない。 私は、 これは経営意識といいますか、 その辺にかかる問題ではないかと思ってお聞きをしているわけですが、 非常に問題だと思います。
 それで、 こういうことが毎年繰り返されているわけですから、 実際の病院経営にかかわって、 経営感覚といいますか、 コスト感覚といいますか、 そういうものが病院管理局を含めてどれぐらいの決意で徹底をしているかということをはかる1つのバロメーターにもなるんじゃないかと思っております。 先ほど申し上げた点と含めて、 事務的なことですから、 やはり今後、 こういうことを一切なくすということでひとつぜひ取り組んでいただきませんと、 結局、 議論をしてもこういうことが起こるようではどうにもならないと私は思います。 後で10年分ぐらいのこれまでの累計をちょっと教えてください。
 それから、 次に進みますが、 同じく医療未収金の発生という問題でございます。 これは非常に大きいなと思っておりまして、 これによりますと、 平成13年度末における県立病院全体の医療未収金は、 個人負担分で14億5000万円以上あるわけですね。 これは大変な額だと思います。 結局、 このような県立病院の個人負担分の未収金がこんなにあるということについて、 どういうお考えかというのを聞いてまいります。 この14億円の未収金というのは、 医業収益の全体のどれぐらいに当たるんでしょうか。
○新田宗一病院管理局長 おっしゃられるように、 平成13年度末の未収金が14億5141万6000円ということで、 これはもう徴収の強化をどんどんやっているわけでございますけれども、 次から次から徴収する後からまた出てくるということで、 大変困っているところでございますけれども、 ぜひそれは回収し、 現金の回収を図りたいということです。 医業収益が370億円ほどありますので、 そのパーセンテージをまだ出しておりませんけれども、 それのうちの14億円が未収金としてあるという状況でございます。
○玉城義和委員 高いですよね。 これはよく県営の住宅供給公社並びに県の土木建築部の問題でも出てくることでありますが、 県営住宅の家賃の未収が非常に高い。 民間のアパートに比べて非常に高いということもたびたび問題になっているわけでありまして、 県立病院の個人負担分が14億円もあるということは、 これは本当に看過できない問題だと私は考えております。 実際どういう実態でこういうことになっていくのか、 退院されるときにどういう状況でこういう未払い分が出てくるのか、 その辺の実態をちょっと話していただけませんか。
○新田宗一病院管理局長 少し補足いたしますと、 平成13年度末で14億円ありました未収金が、 この9月末までに5億4998万8000円回収されております。 その後、 平成14年4月に新しくまた未収金が発生しましたのが3億2858万6000円ということで、 9月末で12億3001万4000円の未収金になっております。
 おっしゃるように、 未収金は病院事業に非常に大きな影響を与えるということで、 私どもも看過できないこととして一生懸命取り組んでいるわけですが、 長期入院によって退院時に医療費が相当、 何十万円ということになって、 それが現金として用意できないということで、 退院時に精算できない方がいらっしゃる。 それを分割納付をしてもらう約束等、 いろいろ相談しながらやりますけれども、 一番大きいのは経済的な理由で負担できないということで、 お約束をいたしますけれども、 なかなか約束どおり払っていただけないということがございます。
 それと、 ぎりぎりのところで生活しておられた方が病気になって入院し、 現金収入が断たれた。 そのために医療費を払う余力がないという方々もいらっしゃいます。 そして退院後、 生活保護の対象になる方もいらっしゃるし、 いろんなそういう要素があって、 また外来のときには非常に悪質なのもいますけれども、 診療に来て精算をしないでそのまま帰っちゃう患者もいるものですから、 これはなかなか、 窓口に来て精算手続をとってもらわないと、 入り口で見張っているわけにはまいらないし、 いろんなそういうことで、 額的には入院が圧倒的に金額としても大きいわけですけれども、 そういうことで一番退院時に精算できない、 あるいは外来については手持ちの金が不足していた。 後日払いますという約束をいたしますけれども、 残念ながら、 その約束を果たしてもいただけないということがあって最終的に未収になって、 それはまた我々としては電話督促、 あるいは直接おうちまで出向いて回収に当たる。 そういう無用の労力も使いながらできるだけ回収したいという努力をずうっとやってきているわけですけれども、 残念ながら、 常時10億円程度の未収金があるという現状がございます。
○玉城義和委員 これは社会的な要因だとか、 個人的な要因等々いろいろと絡んで、 それなりの事情がおありだとは思うんですが。 例えば退院時に支払いができないというときに、 病院側としてはどういう対応をなさるのか。 それは払えないからそのまま病院にいなさいということにはならぬでしょうけれども、 退院時の患者さん、 退院される方との支払いについての約束だとか、 どういう拘束力のある、 そういうことがあるのか、 その辺をもうちょっと。
○新田宗一病院管理局長 退院される方につきましては、 何日か前にある程度の概算をお知らせして、 現金を用意するようにお願いをいたして、 退院時には精算できるようにお願いをするわけですけれども、 なかなかまとまった金が用意できないという状況がございます。 そういうことで、 病院には中部病院3名、 宮古病院、 精和病院に2人、 あとほかの病院にお1人、 ケースワーカーを置いておりまして、 そういう場合の例えば市町村の高額医療費貸付制度の問題であるとか、 場合によっては、 入院の患者については1カ月精算をいたしますので、 途中での精算ができないというときに、 生活状況等をお聞きしながら、 場合によっては福祉事務所と相談しながら生活保護の手続をとっていただくとか。 生活保護になれば、 保護費から医療費としてもらえますので未収になることはございませんけれども、 そういうことで生活保護の指導、 あるいは福祉事務所との連携、 あるいは民生委員との調整、 面談をさせるとか、 そういうことをしながら、 どういう形でお支払いいただけるのか、 そういう相談をして退院していただくということをやっておりますが、 なかなか履行していただけないのが現状でございます。
○玉城義和委員 これで終わりますけれども、 市町村の制度だとか、 あるいは国の制度だとか、 今おっしゃるような制度があるわけですから、 それをやっぱり県としても細かく指導いただいて、 高額医療費の支払いが滞っているということもあるようでありますので、 その辺は個人の実情にも十分配慮しながら、 しかしながら、 これは平等な立場からはやっぱり払っていただかなきゃ困るわけですから、 これは法的には5年間で時効消滅するわけですから、 その辺も相当―これは時間があれば後で聞きたいわけですが、 どれぐらい実際に時効で損失をしたかというのも相当あると思うんですね。  だから、 その辺も含めて細かい指導をして、 この未収金の回収については、 来年度のこの決算特別委員会ではもうちょっとすっきりした答弁ができるようにしていただきたいということと、 全体的に言えることは、 事務的なところでやはり採算性、 経済性の概念をもうちょっと取り入れていただいて、 医師も職員も病院管理局長も含めて一丸となって、 この事態のかなり深刻な赤字の状況を認識していただいて、 取り組みをしていただきたいということを要望申し上げて、 終わります。
○上原吉二委員長 ほかに質疑はございませんか。
 前島明男委員。
○前島明男委員 玉城義和委員の質疑と関連いたしますけれども、 重複しないような点をお聞きしたいと思います。
 主な経営指標、 監査委員の意見書17ページを見てみますと、 非常に病院管理局の皆さん方の努力の跡がうかがえます。 その努力に対しては高く評価をするものであります。 そこで、 未収金の件なんですが、 過去5年間の不納欠損額がどうなっているのか、 その辺を教えていただきたいのですが、 資料があればコピーでもいただけるとありがたいのですが。 不納欠損額が年々ふえてきているのかですね。
○新田宗一病院管理局長 過去5年間の不納欠損、 平成13年度で不納欠損処理しました金額が4873万円、 それから平成12年度が5216万3000円、 平成11年度が6526万1000円、 平成10年度が3450万8000円、 平成9年度が3852万3000円、 5年間の状況は以上でございます。
○前島明男委員 平成9年度から少し増加傾向にありますね。 平成13年度は12年度に比べて400万円ちょっとふえていますけれども、 四、 五千万円の不納欠損を出していることはかなりの額なんですね。 厳しい病院運営の中で大きな額と言えると思うんですが、 この不納欠損額をもっともっと減らしていく御努力が必要だと思うんですが、 これは何か抜本的な対策はないですか。 先ほど来、 いろいろ質疑応答の中である程度理解はしているんですが、 その辺をちょっとお伺いしたいんですが。
○新田宗一病院管理局長 確かに大きな金額でございますし、 ぜひ不納欠損にならないように、 時効中断の手続等もとらなくちゃならないということで、 みんな頑張っているわけですが、 臨戸訪問して徴収をする、 現場へ行きますけれども、 なかなか経済的に苦しい、 生活保護になっておられるということで、 払っていただけないという状況がございます。 それと場合によっては、 御本人はもう亡くなってしまったとか、 あるいは住所が移転してしまってなかなか御本人を追及できないという事情もございまして、 どうしても徴収がかなわないということで、 御存じのように、 5カ年経過すれば消滅時効にかかって徴収できない、 結果として5年間徴収できないために、 あとの会計上の処理で不納欠損処理をするということになるわけですけれども、 それまでの間に一部でもいいから納付していただきたい、 あるいは、 そのほか督促状を出すとか、 いろんな形での時効中断の手続もとりますけれども、 いかんせん相手がいなくて返戻されたりとか、 徴収に非常に手間取っている状況がございまして、 そういう結果、 最終的にこういう形で不納欠損で処理せざるを得ないという状況が生じているという状況でございます。
○前島明男委員 これまでの事例で、 皆さん方の徴収嘱託員が家庭訪問して、 相談を受けたりいろいろしていると思うんですが、 また直接、 恐らく皆さん方、 病院管理局の職員も家庭訪問されてその辺の指導等もやっておられると思うんですが、 過去の事例の中で、 皆さん方が訪問して、 ここは住宅の構えから、 あるいは持っている車なんかを見ても、 ああ、 これはどうも払えそうな家庭だけれども、 払わないという事例があるかどうか。 そういった場合に法的な手段をとった事例があるかどうか、 まずその辺を伺いたいと思います。
○新田宗一病院管理局長 大方は、 訪ねていってもなかなか厳しいだろうなという状況の家庭の方々が多かったですけれども、 おっしゃるような方も中には当然いるわけでして、 そういう悪質な滞納者については、 それは許せないということで、 法的措置も辞さないという構えで相手と相談をするわけですけれども、 おっしゃる強制手続につきましては、 四、 五年ぐらい前、 あのときは4名の方に支払い命令を出しまして、 その後、 支払いの約束をし、 この4名の方については大方1年以内には納めていただいております。 ですから、 今後ともそういう悪質な、 資力がありながら払わないという方については、 強くそういう支払いを求める、 法的措置もとるという姿勢で臨みたいと考えております。
○前島明男委員 財政状況、 経済状況が厳しくて払えない方が大方だと思うんですけれども、 中にはそういう悪質な方もいるんじゃなかろうか、 または県営住宅に入っている方々でもそういう方がおられるということも聞いておりますし、 そういった場合の法的手段もとっているという話も聞いていますので、 ぜひ皆さん方の方でも、 そういった悪質な未納者に対しては厳しく対処してもらいたい、 そのように思います。
 それと同時に、 厳しい家庭に対しては、 先ほど生活保護の話も出ていますけれども、 ぜひ嘱託徴収員―今何名おられますかね、 その方々が何年の勤務をしておられて、 ベテランなのか、 あるいは毎年嘱託員を変えていっているのか、 その辺、 ちょっと教えていただけませんか。
○新田宗一病院管理局長 嘱託員は、 各病院、 3名ないし4名ほど配置いたしております。 それから、 中部病院におきましては、 今年度から、 そういう徴収をしていただける業者がいるということもありまして、 そこと契約し、 徴収を専門にやっていただくという方策を今とっております。 そしてその嘱託につきましては、 何年か更新をしながら、 3年ないし4年ぐらいはやっていただけると思います。 そういうことで徴収に専念をしていただくという手だてはとっております。
○前島明男委員 やっぱり県立病院というのは地域の拠点病院ですから、 ある程度の赤字はやむを得ない面もあるかもしれません。 いわゆる小さな病院等でできない、 そういうものをやっぱり県立病院が引き受けてやっていくわけですから、 そういった面である程度の赤字はやむを得ない面もあるとは思うんですけれども、 これを極力抑えていく努力をしなければいけないと思うわけであります。
 嘱託員の件なんですが、 期間は1年契約だろうと思うんですが、 できるだけベテランの嘱託員を使っていただいて、 未納している困った方々に生活保護を受ける指導ですとか、 いろんな生活指導もやっぱりやっていただいて、 未納金を納めていただく、 そういう方法を講じていただきたいと要望いたします。
 それと、 最後にお聞きしますけれども、 各病院の事務部長、 事務の責任者、 これは県の職員なのか、 あるいはプロパーなのか、 その辺、 どういう割合状況になっているのか。 すべての病院の事務部長が県の職員なのか、 あるいはプロパーもおられるのか、 その辺をちょっとお聞きしたいんですが。
○新田宗一病院管理局長 県立病院は今直営で経営しておりますので、 職員は原則として県の職員でございまして、 おっしゃる事務部長につきましても、 県の身分を持った県職員が業務をやっております。 ただし、 できるだけ病院事業に精通した方をということで、 病院で業務をやった方を配置するようには心がけております。
○前島明男委員 これは提案なんですが、 県の職員だと3年ないし5年ぐらいのローテーションで恐らく異動があろうかと思うんですけれども、 やはり病院経営となりますと、 これは企業経営と一緒だと私は思うんですよ。 ですから、 現在でさえも厳しい経営状況を強いられているわけですから、 1つの提案なんですが、 事務部長は外部から導入することも考えていいんじゃないか、 そういう専門の医療に精通した方を事務部長として迎える。 そして1年契約ではちょっと短いでしょうから、 契約期間を3年なら3年、 5年なら5年と決めて、 実績が上がらなければやめてもらう。 そのぐらいのことも病院の経営上は必要じゃないかと個人的には思っておりますので、 その辺もこれからの検討課題として御考慮いただければと思います。
○上原吉二委員長 ほかに質疑はございませんか。
 玉城ノブ子委員。
○玉城ノブ子委員 未収金の問題については、 ほかの皆さん方が細かく聞いていらっしゃいますので、 私は1点だけ要望しておきたいんですけれども、 先ほども医療費を払えない多くの方々が生活上の問題を抱えていらっしゃるということをおっしゃっておられました。 私もそのとおりなんじゃないかと思うんですよね。 例えば病院の方に救急で運ばれて来る皆さん方なども、 医療費がないからこれは診療しないというわけには、 もちろん病院側としてはいけないわけですから、 そういう意味では、 県民の健康や命がやっぱりかかっている現場ですので、 そういう点では、 そういう生活上の理由で医療費が払えないというところに対するフォロー、 さっきケースワーカーの話がございましたけれども、 ケースワーカーとの連携というのが具体的にはどうなっているのかなということについてちょっとお伺いしたいんです。
○新田宗一病院管理局長 確かにおっしゃるように、 救急で来られたときに所持金が不足する等いろいろありますし、 また救急に限らず、 病院を利用する方で経済的に厳しい方もいらっしゃいます。 そういうことでなかなかお支払いできないということも当然ございますし、 そういう方々が未収になっているということもございます。 しかしながら、 やっぱりこれは県の医療機関、 あるいは医療を受けたわけですから、 それはきちっとお支払いいただく。
 そのほかのいわゆる生活上の問題は生活保護であるとか、 あるいは高額になれば高額医療費の市町村貸付制度もございますので、 そういうのを御利用いただいて、 病院事業についてはきちっと精算していただくという視点で、 ケースワーカーを各病院に置いておりまして、 そういうお支払いできない事情が、 本人から申し出等があって請求をし、 そういう申し入れ等があった場合には御相談しながら、 経済状況、 収入の状況を見ながら、 高額医療制度の貸付制度があるので市町村と相談する、 あるいは福祉事務所と連携をとる、 あるいは地域の民生委員と連携をとって本人と面談してもらうということを、 当然ケースワーカーが今病院内で相談室を設けてやっております。
 ただし、 生活保護につきましても、 長期入院の場合、 途中での生活保護認定であれば、 その認定以後については生活保護費でいただけるんですけれども、 認定以前についてはどうしても個人負担ということになりますので、 その分が滞ってしまうこともありますし、 そういう社会保障制度、 あるいはいろんな制度がございますので、 できるだけそれを活用していただいて、 医療費についてはきちっと精算していただく方針で今対応をいたしております。
○玉城ノブ子委員 この未収金の問題について、 これはもちろん病院側の努力ということも必要だと思うんですけれども、 どうしても医療費を負担することができない、 ぎりぎりのところで生活していらっしゃる皆さん方に対する病院側のフォローというのは私は非常に大事だと思います。 ですから、 そういう意味では、 ケースワーカーとの綿密な連携をとっていただいて、 ケースワーカーがそういう具体的な相談にも応じて解決策を図っていくという努力を病院側としてもぜひやっていただきたいということを要望申し上げて、 次の質疑に移らせていただきます。
 沖縄県の場合、 県立病院事業施設に占める割合、 施設数で病院が7.4%、 診療所が2.7%、 病床数で病院が13.5%となっておりますけれども、 全国平均は施設数が3.3%、 病床数で5.3%となっているわけですね。 全国に比べてやっぱり県立病院への依存度が高くなっているということなんですけれども、 その歴史的な経緯についてちょっと御説明をお願いいたします。
○新田宗一病院管理局長 本県の中で県立病院が占める割合は、 まさに今おっしゃったとおりでございまして、 いろんな面で県立病院が大きなウエートを占めている。 少しつけ加えて申し上げますと、 ほかの県も含めまして、 全国的に民間医療機関と公的医療機関の割合というのは7対3ぐらいで、 公的医療機関が30%という状況があるわけですが、 これは本県も大体そのような状況でございます。 その中で、 公的医療機関の中で県立病院が占める割合、 まさにおっしゃったとおりで、 本県の場合、 圧倒的に県立病院の占める割合が大きい。 その分、 いろんな形で、 こんな小さい財政事情の沖縄県が7つの大きな病院を抱え、 そして2664床を持って経営している、 こういうのがいろんな形で影響を与えているわけですが、 復帰の時点で申し上げますと、 政府立病院というのがございまして、 5つございました。 北部、 中部、 那覇、 宮古、 八重山、 その当時は病床数も800床程度でございましたが、 その後、 精和病院を財団法人から引き取り、 そして南部病院を昭和57年に整備いたしております。 それで7つの病院になっております。
 そして病床数につきましても今2664床、 これは平成元年の病床増をしたとき以来、 増床はしておりませんが、 これはやっぱり復帰に伴って国民皆保険制度の中に、 医療保険、 国民保険、 あるいは健保保険、 政府管掌、 あるいは組合管掌等、 国民皆保険の中に移行していった。 当然保険を皆さん負担し、 医療を受けるということで、 受けやすくなったということもございまして、 ところが、 需要は旺盛になった割には供給ができない。 例えばドクターの人口10万人対比でしましても、 全国の四十二、 三%程度、 病院につきましても30何%という状況がございました。 それを急速に補っていくためには県立病院を拡大していく以外にない、 民間病院も当然徐々に多くなってきておりますけれども、 そういう中で増床に増床を重ねて2664床まで来ております。 当然その間、 民間病院も充実はしてきております。 ですから、 今、 人口10万人当たりのドクターの数は89.78%ぐらいでありますので、 9割程度は充足してきております。 しかし、 それも医療機関、 あるいは医者の数につきましても中南部に集中しておりまして、 北部地域、 宮古地域、 依然として厳しい状況がございます。
 そういうことで、 沿革的にも県立病院主導でやってきた。 それぞれまたは北部、 中部、 南部、 宮古、 八重山と5つの医療圏がありますけれども、 その中心的な役割を依然として県立病院が担っているという状況がございまして、 沿革的にはそういう病床もどんどん3倍程度にふえてきている。 当然職員も700人程度が今二千二、 三百人程度までふえてきております。 そういうことで、 県民の医療の確保について県立病院が果たしてきた役割というのは大きいものがあろうかと思います。
○玉城ノブ子委員 今、 病院管理局長がおっしゃっておられるように、 沖縄県の県立病院の病床数が他の県と比べて多いのは、 やっぱりその歴史的な背景というのがあると思うんですよね。 離島を抱えているというその特殊事情があると考えるわけなんですよ。 ですから、 やっぱり沖縄県においては、 公的医療の大部分を県立病院が担ってきたということがあると思うんです。 これは地方自治法第2条の6項においても、 病院機能は基本的には都道府県の地元となっているわけですから、 現在の県立病院の医療供給体制というのは、 県民に医療を供給するという点では非常に有効な機能を発揮してきたと思うんですが、 そういう点では。
○新田宗一病院管理局長 結果としてこれだけの医療を県立病院が担っているわけですから、 多くの中心的な役割を担っている、 これは事実ございます。 確かに病院医療については県の責任とおっしゃったんですけれども、 私どもとしては市町村がもうちょっと負担すべきじゃなかろうかと。 それは当然市町村においても地域住民の健康保持については責任を負うわけですから、 他県の場合は、 先ほど言いましたその30%の公的医療機関の中で市町村立の病院というのが大きな割合を占めておりまして、 その分、 沖縄県の場合は那覇市立病院がある程度で、 あと離島に伊江島とか与那国診療所、 小さい診療所があります。 それと県と久米島の関係で久米島病院がありますけれども、 そういう市町村の負担というのが、 他県に比べて沖縄県の場合は少ないという状況もあって、 県立病院が沿革的にこういう形でやってきたという状況がそのまま今現在あるという状況であると思います。
○玉城ノブ子委員 しかし、 今の沖縄県も財政事情は大変厳しいですけれども、 市町村はもっと財政事情は厳しい状況になっているわけですよ。 ですから、 ほかの都道府県と同じように、 沖縄県の場合に市町村にもある程度の負担をさせるということになると、 今の脆弱な市町村の財政事情からすると、 とてもじゃないけれども、 今その責任をすぐ担えるかというと、 担える状況じゃないと私は思うんですよ。 そういう点からすると、 今、 県立病院が他の都道府県と比較しても、 病院数も病床数も多い。 しかし、 その歴史的な経緯からして、 県立病院が沖縄県の医療供給体制の中で、 県民の健康や医療を守るために非常に大きな役割を果たしてきたことは、 これはだれもが認めることだし、 また、 今、 第2次医療圏としての県立病院の果たしている役割、 そして民間病院との連携。 これは沖縄県にとっては非常に有効な機能を発揮しているんじゃないかと私は思うんですよ。 そういう点では、 もう1度、 病院管理局長に。
○新田宗一病院管理局長 現実的には、 おっしゃるとおり、 県立病院が大きな役割を果たしている、 これは間違いないんですけれども、 市町村もそれなりの負担が必要ではなかろうかという気はします。 一体県民がどれだけ―県立病院ですべてやれというのか、 あるいは市町村も応分の負担をすべきという認識を持っているのか。 これだけの病院を、 正直言いましてこれだけの沖縄県の財政状況の中で持つというのは大変厳しいです。 そういう中で繰入金の問題等も他県に比べて少ない、 結果的に県立病院事業として相当な赤字を出すという現状があるわけですから。 根本的に市町村がどういう役割をこの医療に対して持つべきかという議論も当然必要じゃなかろうかと思います。 どういう形で負担させるか、 負担するかというのは議論の結果だと思います。 それは市町村も財政は厳しいでしょうけれども、 沖縄県も相当厳しいわけですから、 それはどこが、 沖縄県の中で公的医療機関として県が持つか、 市町村が持つか。 県民の医療を確保するためにはいずれ持たなくちゃならぬわけですから、 じゃ、 それを将来にわたって県立病院がすべて持つんですかという議論は当然やってよろしいんじゃないかと私は思うんです。
○玉城ノブ子委員 これについては私はちょっと異論があるんですけれども、 これは今後、 皆さん方が県立病院のあり方を考えるときに多分議論がされるでしょうけれども、 私はむしろ、 沖縄県の置かれている事情からして、 沖縄県についての医療供給体制の中で、 国がその責任を果たすことができなかった中で県立病院が沖縄県全体の医療供給体制の確立を図ってきたということがあるわけですから、 私は、 そういう点では、 復帰特別措置の中でも、 国がそういう意味での沖縄県に対する果たしていくべき責任というのはもっとあるんじゃないかなと思うわけなんですよね。 ですから、 これは市町村にということよりも、 今の沖縄県が置かれている事情の中においては、 むしろ国と県が責任をもっと持っていくべきじゃないかと考えます。 そういう点は病院管理局長の方に一応要望はしておきたいと思います。
 もう1つ、 平成13年度を最終年度とするこの第3次経営健全化計画がございますけれども、 要するに計画どおりにいかなかった原因について、 ちょっと具体的に御説明をお願いいたします。
○新田宗一病院管理局長 大変申しわけないんですけれども、 確かに計画どおりにいっていない面がございます。 これは数字であらわしたときに、 要するに3次計画の中で最終年次、 経費的には単年度黒字を目標とする。 それは当然患者数もふえていくし、 それに伴う収益も確保しながら改善を図っていくという目標を掲げたわけですけれども、 その目標に達成できなかったということで、 患者数が平成9年をピークにしまして10万人ほど減少しております。 結果として、 それに伴う医業収益も減ってきておりまして、 計画と比較しましておよそ30億円ほどの乖離がございます。
 ただし、 経費については、 それだけの患者減に伴いまして減少すべきはずでしょうけれども、 それなりの増もございますので、 計画目標の額と大体とんとんぐらいの数字になっておりますけれども、 いかんせん収入がそれだけ確保できなかったということで、 計画目標と相当乖離が出てきております。 しかし、 収入の面が経営健全化の目標の一番大きいものですけれども、 それを補う形でいろんな小さい改善、 改革というのもその計画の中にあるわけです。 そういうものを徐々に改善はしながらやってはおりますが、 病院事業の収入の9割以上を占める診療報酬が、 どうしても医業収益が確保できなかったということですけれども、 それはいろんな要因があろうかと思いますが、 外的要因もあろうし、 内的要因もあろうかと思いますけれども、 そういういろいろの理由で達成できなかった。 大変残念ではありますけれども、 そういう状況が今出てきております。
○玉城ノブ子委員 これまでの累積欠損金について、 すべて経営健全化計画の中で解決していこうという、 そういうお考えですか。
○新田宗一病院管理局長 そういうことではございませんで、 単年度現金収支で、 単年度黒字を想定する。 ですから、 それぞれ累積赤字は、 今、 平成13年度末で328億円ありますけれども、 それを一気に解決するというのは到底無理な話で、 少なくとも単年度ずつ改善をして黒字にしながら、 その黒字の分で解消できるのであれば解消できて、 長期間かかろうが、 対応していきたいということです。 目標としては、 その年度、 年度の黒字に近づける努力をするという目標を掲げているわけで、 累積赤字を一気にこの5年間の計画期間中で解消するのはとても無理な話で、 そういう目標ではございません。
○玉城ノブ子委員 沖縄県の病院事業は、 先ほどから私は何度も強調しているんですけれども、 国の責任がやっぱり果たされない中で、 その病院機能を沖縄県が担ってきたという、 そういう歴史的な経過があるわけですよね。 そういう点からすると、 今の県立病院が2次医療圏の中核病院として地域医療の中でも大変すぐれた機能を発揮していると私は考えるわけなんですよ。 ですから、 そういう点からすると、 沖縄県の場合には、 県立病院の病床数も他の都道府県と比較しても高くなっている。 そういう歴史的な経緯からして、 累積欠損金をすべてこの経営健全化計画の中で解決しようというのは、 これは本当にどだい無理なことだと思うんですよね。 そういう点からすると、 累積欠損金が今相当強調されているんですけれども、 これについての解決については、 先ほども私は言っておりますけれども、 やっぱり国と県がもっとそれについての責任を負うべきじゃないかと考えるんですけれども、 病院管理局長としてはちょっと答弁しにくいかなと思うんですけれども、 どうお考えですか。
○新田宗一病院管理局長 県の事業としてこれだけの累積があって、 まさに県が責任を負っているわけですけれども、 国に負わせるということがどういう形でできるのか、 今、 病院事業に対する補助金というのが、 ルーチン的な補助金は施設整備を含めて結構あるわけですけれども、 そういう欠損金に対する国の支援というのが特段あるわけじゃありませんし、 どういう形でそれに対して国の支援が求められるのか、 今のところ制度的には非常に厳しいことだろうと思います。 それは私どもとして、 欠損金をどう処理するのか、 今後大きな課題として考えなくちゃならぬ課題ではあろうかと思います。
○玉城ノブ子委員 患者数が減少してきているということの原因の1つに、 国の医療保険法の改悪によって、 医療受診の抑制が起こっているということが監査委員に対する質疑の中にも出たんですけれども、 これについてはどうお考えですか。
○新田宗一病院管理局長 それはまさにそういう医療制度の中で個人負担の増が出てきておりますし、 健康保険の平成9年の1割から2割、 それで平成14年度から2割から3割と個人負担がふえておりますし、 老人医療においても、 ちょうど平成8年か9年ごろは1000円ぐらいだったのが、 今回1割負担で上限1万2000円と随分変わってきておりますし、 それが結果として患者抑制につながっている、 大きな流れとしては全国的な流れの中ではそれはあろうかと思います。
 それはそれとして、 各病院個別的な要因も当然ありますし、 例えば中部病院は、 去年はいろんな新築移転等の関係があって抑制した分がありますし、 一番大きいのは、 ほかの病院はさほどそうでもございませんが、 八重山病院における医者の配置ができなかったという、 お1人の医者の欠員が患者の二、 三千名ぐらいの減につながるということがあるわけですから、 やっぱり我々としては医者の確保をきちっとやりながら、 患者の確保も図っていきたい。 幸いといいますか、 平成13年度は少し患者が回復してきておりますので、 入院は若干、 8000名ほど減っておりますけれども、 外来が2万人以上ふえていますので、 最終的に1万二、 三千名ぐらいの患者が回復しておりますので、 医療の充実を図りながら、 患者の信頼を得て確保を図っていきたいと考えております。
○玉城ノブ子委員 やっぱり医療保険法の改正によって、 要するに国の方針としては医療抑制をやるということで、 この医療保険法の改正をやっているわけですよね。 ですから、 全国の医師会も、 沖縄県の医師会も全部反対の姿勢を表明しているわけですよ。 それはやっぱり医療保険法の改正によって医療抑制が起こるということに対する厳しい指摘をしているわけですよ。 ですから、 そういう点からすると、 私は、 予防医療が充実して、 病気の早期発見や早期予防で、 医療で患者が減ったというのであれば、 それはそれで非常に評価をしていかなくちゃいけないと思うんですよね。
 ただ、 病気になっても窓口負担がふえて、 今度10月から、 お年寄りの場合には定額制から定率制になっていますよね。 それによって、 窓口ではもう6倍に医療費がはね上がったという方もいらっしゃるわけですよ。 そのことによっても、 病気で病院に行きたくても行かない、 我慢して病気が悪化してから、 結局、 救急で運び込まれて長期入院になってしまうという、 やっぱりそういう事態になっているという、 社会的、 ある意味では政治的な要因でこういう事態になっているということを、 私たちはきちんと見ていかなくちゃいけないと思うんですよね。 だから、 そこに対して、 患者をふやそうということで病院側が努力をしても、 そういう医療保険法の改正によって、 病院に行きたくても行けない患者さんがふえてくるという事態については、 私は憂慮すべき事態じゃないかと考えるんですよ。 いかがでしょうか。
○新田宗一病院管理局長 確かにお年寄りの負担がこの四、 五年で大分、 1割定率負担になったことによって、 上限も1万2000円にこの10月からなっております。 その五、 六年前ぐらいは1000円、 それが500円の4回に変わって2000円上限、 今その直前までは5000円、 大きい病院で私ども県立病院は上限が5000円だったんですけれども、 そういうことで自己負担がふえてくることによって診療抑制につながっている、 そういう一面もあろうかと思います。
 ですから、 そういうことで医療を受けるべき人が受けられないというのは残念ですけれども、 また一面、 余りにも医療費の負担の公平さといいますか、 そういうものによって、 こう言っては失礼ですけれども、 お年寄りの方がはしごであっちに行ったり、 こっちに行ったりするということがあって、 これがかえって本来必要な医療費をそれで圧迫しているんじゃないかという指摘も当然あるわけです。 そういうものの改善につながるのであれば、 本来医療を受けるべき方々に対して適切な医療を提供するという意味では、 いろんな形で改善につながる面もあろうかと思いますが、 確かに必要な医療を受けるべき人にはきちっと対応しなくちゃならぬだろうと思います。
 病院経営からしますと、 そういう形で患者の増に抑制がかかるという、 当然そういう問題もあろうかと思いますが、 もう1点、 お話ししますと、 診療報酬の改正がマイナス改正がつながっていて、 患者はそのままであっても医業収益の減につながっているということで経営的には非常に苦しい状況に、 現場を預かるものとしてはそういう状況にあるということもあろうかと思います。
○玉城ノブ子委員 私は病院管理局長に、 今の答弁で少し気になるんですけれども、 お年寄りの皆さん方が病院をはしごしてということをおっしゃりますけれども、 これはお年寄りだけじゃなくて県民にとって、 病気になったら、 どうしたら自分の病気を治すか。 一番信頼できる病院はどこなのかということを考えるのは当然のことだと思うんですよね。 それを、 はしごをしてということで解消すべきものではないと私は思うんですよ。 ですから、 病院事業を預かる病院管理局長がそういうことをおっしゃるというのは、 私は適切な姿勢では絶対ないと思うんですよ。
○新田宗一病院管理局長 そういうことで申し上げたんじゃなくして、 医療は診察をしてここできちっと対応する、 それは当然であると思いますけれども、 そういう方もいらっしゃるんじゃないかといううわさ、 話も聞く場合があるもんですから、 そういうことでなければいいと、 そう思うわけでございます。
○玉城ノブ子委員 私は、 病院管理局長がそういううわさ話を聞いて、 それを議会で答弁するということそのものが、 病院局長の姿勢としてはこれはもう……。 事実に基づいてやっぱり答弁していただかないと、 うわさ話をここでやるというのは、 これは答弁としてはちょっとどうなのかと思います。
○新田宗一病院管理局長 失礼しました。 その件については取り消していただきたいと思います。
○玉城ノブ子委員 私はその点で病院管理局長の姿勢を追及しようと思っているわけじゃないんですけれども、 その点についてはきちんと現場の実態を、 ちゃんと病院管理局長としてもやっぱり見ていただいて、 そこに見合った対応が必要じゃないかということを言いたいわけであります。
 もう1つ、 地方公営企業法の第17条の2で経費の負担の原則というのを明確に規定しておりますけれども、 第17条の2及び政令が定める一般会計が負担すべき経費は、 平成13年度決算では幾らになっておりますでしょうか。 それに対応して一般会計での負担額は幾らになっておりますでしょうか。 また、 負担する金額に対する比率、 負担率は何%ですか、 お答え願います。
○新田宗一病院管理局長 地方公営企業法第17条の2というのは、 病院事業で幾らやっても、 病院事業で負担するのは適切でないとか、 あるいは一般会計、 他の会計の支援を求めるべきとか、 あるいは補助金等、 そういう繰り入れの基準について定めた規定でございますけれども、 平成13年度決算で一般会計繰入額が総額で60億7700万円、 そのうち収益事業に入っているのが39億1508万6000円、 資本的収支のところに入っているのが21億6191万4000円ということで、 60億円余りの一般会計からの資金が入っております。
 これにつきましては、 当然根拠としては地方公営企業法があるわけですけれども、 総務省が公営企業に対する一般会計からの繰入基準というのを毎年出してきますけれども、 その中で病院事業に対しても繰り入れをしているわけですけれども、 その具体的な基準というのが示されているのと示されていないのがありまして、 病院事業につきましては、 企業債の元利償還については3分の2を基準とする。 それから、 施設整備については2分の1。 それから、 そのほかについては特段そういう繰り入れの基準等については示してなくて、 状況に応じて判断するということになっているわけでして、 それは各県とも、 それぞれの財政事情等によって企業会計への繰入額を決めているという状況がございます。
 私どもとしては、 そういう赤字経営、 厳しいわけですから、 できるだけ繰り入れをお願いしたいということで、 最大限の見積もりをしながら要求するわけですけれども、 最終的には繰入基準をベースにしながら査定をされますので、 必ずしも我々が要求した額が認められているという状況ではございません。
○玉城ノブ子委員 地方公営企業法にのっとって病院事業を運営しているわけですよね。 その地方公営企業法の第17条の2で経費の負担の原則が明確になっているわけです。 「地方公共団体の一般会計又は他の特別会計において、 出資、 長期の貸付け、 負担金の支出その他の方法により負担するものとする。」 となっているわけです。 この第17条の2はその性質上当該地方公営企業の経営に伴う収入をもつて充てることが適当でない経費、 当該地方公営企業の性質上、 能率的な経営を行ってもなおその経営に伴う収入のみをもって充てることが客観的に困難であると認められる経費ということで、 施行令において、 第8条の5は1号、 2号の経費を具体的に明記をしているわけなんですよね。 ところが、 法第17条の2の第1項、 第2号は、 平成12年度と比較しても1億1482万8000円も減額になっているわけです。 その根拠についてお聞きしたいんですが。
○新田宗一病院管理局長 第17条の2第1項の1号予算につきましては、 本県においては救急医療について入っております。 その額については、 平成12年度が7億6500万円でしたのが、 平成13年度は8億3500万円ということで、 救急医療に関する一般会計が負担すべきと言われている予算については負担をいたしております。 それから第2号予算につきましても、 企業会計で負担するには困難なものということがあるわけですけれども、 確かにそれについては若干減少しておりますけれども、 これはその基準を切っているということじゃなくして、 基準の中で一応予算計上はされてはおります。 トータルの中で、 3分の2の企業債の元利償還というのがあるわけですけれども、 3分の1は病院事業で持たなくちゃならぬですけれども、 この3分の1が病院事業で持てないものですから、 その3分の1に相当する額、 いわゆる3分の3を繰入金で回すものですから、 最終的に配分をするということの中で3条予算の分で若干減少を来しております。 査定の段階では、 総務省基準については一応財政課はそれを満たしていると言うし、 私の方はもうちょっと欲しいという見解の相違はありますけれども、 できるだけ確保していきたいということで財政課と調整はしております。
○玉城ノブ子委員 私がなぜこの第17条の2にこだわるかといいますと、 これは義務規定になっているわけです。 きのう監査委員とのやりとりでもお話ししましたけれども、 義務規定になっているわけですよ。 こういう具体的に政令で項目も挙げて、 これについては全部一般会計が保障しなくてはならないとなっているわけですよ。 ところが、 それについて病院管理局長としては、 これに必要な予算については要求しているけれども、 ところが、 一般会計の方での査定で必ずしも病院側が要求した額が補てんされていないということだと思うんですけれども、 そういうことですか。
○新田宗一病院管理局長 第17条の2の2号経費につきまして、 3条予算では確かにこれは1億円程度減っておりますけれども、 4条予算の方で、 17億9000万円だったのが20億6000万円という形でシフトした分があって、 2号予算で計上した分は結果的にはプラスになっているというところがございます。 あと3号予算については補助金ですから、 いろんなやりとりの中で最終的に決まってくる。 しかし、 総額においては一億円ほど、 59億円何がしかであったのが60億円になっておりまして、 若干は増をしていただいているという状況がございます。
○玉城ノブ子委員 私が質疑しているのは、 第12条の件を質疑しているわけなんですよ。 皆さん方、 この第12条の法令で定められている繰出金について、 本当にそのとおりにちゃんと繰り入れられているかどうかということを私は聞いているわけです。
○新田宗一病院管理局長 一般会計繰り入れについては、 そういうふうに当然一般会計が持たなくちゃならぬもの、 あるいは企業会計で持つのは困難だから一般会計で補てんすべきものと、 いろいろ性質上3つぐらいに分けられて、 最終的には余裕があれば補助金という形になるわけですから、 それが具体的にこれだけ繰り入れなくちゃならないという決まった定額があるわけじゃないので、 ですから、 先ほど言いましたように、 基準が決まったものとそうでないものがあるもんですから、 それは一般会計の財政状況、 あるいは病院事業の状況等を勘案しながら最終的に決めていく。
 ですから、 他県の例から申し上げましても、 それぞれ財政事情がいいところは相当な繰り入れがあるし、 一般会計が厳しいところはなかなか、 最低基準の部分で繰り入れているという状況があって、 各県まちまちという状況であって、 我々としては、 確かにおっしゃるように、 もっと繰り入れてほしいという要望は常に出して交渉はしております。
○玉城ノブ子委員 何か話が全然かみ合っていないと思うんですけれども。 私が言っているのは、 第12条が、 これは繰り入れてもいい、 入れなくてもいいという規定ではないですよ、 義務規定ですよということを言っているわけです。 しかも、 政令でこれこれについては一般会計から繰り入れなければならないとなっている項目であるわけですよ。 他の予算との関係ではないわけですよ。 これについては病院側が要求したけれども、 財政の都合で、 最低―きのう監査委員もちょっと言っておりましたけれども、 高度医療について5名の職員が病院側が必要だということを要求しても、 算定の段階で、 財政当局の方ではこれは3名で、 給与については、 人件費については3名でいいんじゃないかということで、 算定の段階で切られていくということがあるということがありました。
 多分現実にそうだろうと思うんですよね。 しかし、 第12条のこれについては、 当然一般会計から義務規定として全額繰り入れるべきだと。 これをやっていないということであれば、 これは法令違反ということになるわけですよ。 そのことを私は指摘しているわけです。 これは他の予算との関係で操作できるものではないということなんですよ。 しかし、 病院側が、 この法令に基づいて要求したけれども、 一般会計がそのとおりに繰り入れをしていない、 算定の段階で操作をして、 結局、 繰り入れしていないということであれば、 それが現実だということであれば、 それはそれでいいと思うんですが。
○新田宗一病院管理局長 義務的に一般会計が負担しなくちゃならぬものは当然負担すべきだと私も思います。 ですから、 第12条に関する部分については、 義務的に負担すべきものについては負担してもらっている。 ただし、 プラスアルファの分の裁量の余地のある部分について相当削られている面があろうかと思います。 当然要求すべきことは要求し、 負担してもらうべきことは負担させたいと考えております。
○玉城ノブ子委員 これは一般会計の方の財政当局に私は質疑しなくちゃいけないことだろうと思うんですけれども、 ただ、 第12条の法令で定められているこの項目については、 すべて一般会計からやっぱり当然の義務規定として繰り入れなければならないものだということを私は申し上げておきたいと思います。 そういう意味では、 お医者さんも看護師も職員も、 1人当たりの患者数を見ても、 他府県と比較しても非常に努力をしているわけなんですよ。 そういう状況の中でもこれだけの赤字を抱えているというこの問題については、 やっぱり県がちゃんと法令に基づいて繰り入れるべきものも繰り入れていないという、 こういうこともあるんじゃないかということを私は指摘をしているわけなんです。 ですから、 これはあと財政当局にも引き続き質疑したいと思います。
 先ほど医師の確保の問題、 患者数が減になった原因として、 離島における医師がなかなか確保できないということがありましたけれども、 離島においての医師確保について、 具体的に一体どのような事業を実施しているのか、 そして今後の計画としてはどういうことを計画していらっしゃるのか、 ちょっとお聞きしたいと思います。
○新田宗一病院管理局長 離島に限らず県立病院の医師の確保については、 御案内のとおり、 中部病院で臨床研修を毎年20名ずつ養成しておりますので、 彼らが卒業していったときに、 彼らを優先的に県において勤務してもらう。 特に三年次、 四年次で研修した医者については1年間の義務がありますので。 それと、 自治医科大から毎年2人ずつ卒業して来ますので、 逆にまた2人ずつ臨床研修を修了しますので、 彼らを中心に離島診療所、 18の診療所に配置をします。 それと、 プライマリーケアで臨床研修を終えた皆さんで、 プライマリーケアを専攻したのは離島診療所に行っていただきますけれども、 ほかの内科、 外科、 小児科等の場合は八重山病院、 宮古病院等にも配置いたして、 そこの欠員補充に充てております。
 それと同時に、 琉球大学も大分期間がたって医者のストックも出てきておりますので、 琉球大学から卒業して来る皆さんも県立病院に配置してもらう。 これは医局の人事で、 琉球大学側が私どもと調整しながら配置をしてきますけれども、 その琉球大学からの方の採用も考えながら、 また琉球大学だけでも配置できないという診療科もありますので、 他県の大学の医局と調整しながら医者を確保していくということで。 それとまた、 厚生労働省の予算で厚生労働省派遣医師の制度がまだ継続しておりますので、 そういう予算も使いながら医師の確保を今やっているという状況でございます。
○玉城ノブ子委員 厚生労働省の医師派遣事業というのは、 これは何か期限つきなんですか。
○新田宗一病院管理局長 復帰の際に知事と衛生局長との覚書がありまして、 沖縄県の医師不足を補うということで、 厚生労働省予算で派遣するということがあって、 特に期限は今付されておりません。 ただし、 毎年度予算で措置しますので、 その範囲内で私どもが配置をするということになっております。
○玉城ノブ子委員 現場の方では、 ぜひ厚生労働省のこの医師派遣事業を毎年継続的にやってほしいという要望があるわけですよね。 ですから、 やっぱり県としても、 この厚生労働省の医師派遣事業をずっと継続的にやってほしいとの要望を国にする必要があるんじゃないかと思うんですが。
○新田宗一病院管理局長 これは定数外で配置して応援体制という形でやっておりますので、 地域の医療にとってはプラスアルファの分がありますし、 またドクターの繁忙さを解消する面でも大変重要な事業でございますので、 継続して配置できるように努力をしていきたいと考えております。
○玉城ノブ子委員 県立宮古病院なんですけれども、 具体的に環境改善の問題で、 例えば病室が6人部屋で大多数を占めているということだとか、 排水施設が非常に悪くて大変環境が悪化しているという訴えもございますけれども、 これについてはやっぱり早急な改善が必要なんじゃないかと思うんですけれども、 いかがでしょうか。
○新田宗一病院管理局長 宮古病院も大分老朽化が進んでおりまして、 先ほど言いましたように、 復帰以来、 病床数をふやしてきたものですから、 建物も増築、 増築ということで3回に分けて建てておりまして、 患者はおりませんけれども、 管理棟の部分が21年ぐらいたっておりますし、 病棟はまだ16年か17年ぐらいですので、 その後、 次に建てたのがまだ16年ぐらいということで、 前の整備したときの基準でやっているものですから6人病床が結構ございまして、 確かにそういう面では、 今中部病院にしましても4人病床が基準になっておりますので、 相当厳しいんだろうと思いますけれども、 それはもう今の時点で改修、 改善というのはなかなか厳しい状況がありますので、 次の宮古病院の改築期にそういう病床等の改善を図っていく。
 今おっしゃる施設設備については、 きのうも御説明しましたように、 病院事業の工事、 あるいは改良工事、 改修工事等で毎年数十億円の予算を投入して改修を順次やってきております。 中部病院が新しくなって、 北部病院が平成3年ですから、 それ以外はもう十数年の病院ですので、 水道施設であるとか、 空調施設であるとか、 電気回りであるとか、 いろんな形で改修を必要とする状況になってきておりますので、 相当の予算を投入しながら改修をやっておりまして、 これは一気にはできませんので、 各病院それぞれ順次何年か計画で、 冷房の取りかえをやる、 水道の取りかえをやる、 あるいはトイレ等の改修をやるということで順次改善をしてきております。 そうやっていきたいと考えております。
○玉城ノブ子委員 最後に、 今後の県立病院のあり方について、 検討委員会を立ち上げて議論していくということですけれども、 いつ検討委員会を立ち上げるんでしょうか。 それと検討委員会の基本的な課題についてお伺いいたします。
○新田宗一病院管理局長 今基礎資料等を調整している段階ですけれども、 もう復帰30年、 そろそろ民間病院も大分充実してきている中で、 一体県立病院はどういう役割を今後担うべきか。 今これだけ毎年赤字を出しながら、 累積も相当ある中で、 今後継続して県立病院が県民の医療を担うには、 どういう方向で、 どういう検討を、 どういう改善をすべきか、 これは当然今やらなくちゃならぬだろうと思います。 ですから、 ことしから来年にかけて検討委員会を立ち上げて、 検討委員会は年内に立ち上げたいと思っておりますけれども、 県立病院のあり方について根本的に議論をしていただく。 これは当然医療を受ける県民の側の代表、 あるいは医療を提供する側、 あるいは第三者、 学者等いろいろメンバーに加わっていただいて、 県立病院の今後のあり方について議論していただく。 そして民間病院と県立病院のあり方についての役割分担についても議論していただく。
 今は県立病院も、 専門的な高度医療もやりながら、 地域において一般医療も当然やっておりますし、 1次医療、 2次医療、 3次医療までやっております。 そういう中で充実してきた民間の病院をどう活用し、 どう連携するのか。 基本的には民間ができない部分についてを中心に今後やっていきたい。 ですから、 民間ができる分についてはきちっと民間でやっていただく。 そういう方向も当然考えなくちゃならぬでしょうし。 ですから、 何から何まで全部引き受けてやるわけにはまいらぬという面もありますので、 しかし、 それは県民がどういう形で議論し、 どういう期待をするのかも当然聞かなくちゃならぬでしょうから、 そういうためにも検討委員会を年内には立ち上げていきたいと今考えております。
○玉城ノブ子委員 私は、 検討委員会で検討するときに一番大切なことは、 もちろん経済性や効率性のそこの側面からの検討も必要でしょうけれども、 一番大事な観点は、 やっぱり病院事業そのものが県民の生存権そのものを保障することなんだと。 ですから、 県民は、 だれもが、 いつでも、 どこでも安心して医療を受けられる、 そういうことを望んでいるわけですよ。 これは憲法第25条が保障している国民の健康権であり、 生存権であるわけですね。 これはやっぱり国、 県が責任を負わなければならないということになっているわけですから、 そういう意味では、 県立病院はそういう点での具体的な具現化だと私は思うんですよ。 そういう視点からの検討をやっぱりすべきだと考えていますし、 県民はそのことを求めていると思います。 その点での病院管理局長の判断。
○新田宗一病院管理局長 今おっしゃるような形で、 県立病院はいろんな形で地域の医療の中核を中心的な役割を担って各医療圏で頑張っているわけですけれども、 しかし、 ここ10年の間に民間医療機関も随分出てきましたし、 特に中南部においては病床過剰地域になっておりますので、 そういう中でどこまで県立病院が担うべきか。 すべてを県立病院がやるというわけにはまいらぬというところがありますので、 やっぱり民間も県も、 琉球大学も国も日赤も市立も、 みんなで県民の医療を確保する責任を応分に負担しようじゃないかという部分も当然あるでしょうし、 その中で県立病院が果たす役割は一体どういうことなんだろうというものを今の現状に対処した形で検討を進めていきたい。 当然おっしゃった点も含めながら議論をしなくちゃならぬだろうと思いますが、 今、 必ずしもこういう形でという限定された形で議論するつもりはありませんし、 自由にいろんな意見を出していただいて、 最終的に県立病院はこうあるべきという提言をいただければよろしいかと思います。
○上原吉二委員長 ほかに質疑はございませんか。
 坂井民二委員。
○坂井民二委員 県内7つの県立病院があるわけですけれども、 宮古病院を例に挙げながら質疑をしたいと思いますので、 よろしくお願いします。
 きのうの説明でもありましたけれども、 病院経営の中で収益増につながる要因として、 医師の欠員の補充だとか、 あるいは医療機器の充実という話があったわけですけれども、 宮古病院は総収益46億円余り、 そして収益の増加が3億9000万円ということだったんですけれども、 この大きな3億9000万円の増加の大きな要因は何かというのが1点。
 それと、 今玉城ノブ子委員からも話がありましたけれども、 宮古の医師の確保の今の状況、 十分なのか、 不足なのか、 その辺を含めてですね。
 そして、 昨年の何月でしたか、 歯科口腔外科、 そしてMRIが導入されたわけですけれども、 それによっての収益増というのが影響があったのかどうか。 MRIの導入によってどれだけ患者がふえて、 収益がふえたのか。 そして歯科口腔外科を入れることによって、 同じように患者がどの程度ふえて、 収益がどうやって上がっていったのかというのを聞かせてください。
○新田宗一病院管理局長 確かにおっしゃるように、 平成13年、 奇跡的に非常に経営がよくなっておりまして、 それまでは3億円、 4億円、 5億円という赤字を出しておりましたが、 平成13年度、 1億6600万円ということで、 相当な努力をしていただいて改善につながってきております。 その理由は、 去年、 幸いといいますか、 医者の欠員がなくてフル回転をしたということも当然ありますし、 また、 おっしゃるようにMRIを入れたことによって、 検査のために那覇に出てきた皆さんが地元で検査を受ける。 その結果、 治療を要する患者はそのままとどまって病院で治療を受ける。 そういう形になったことも大きな影響があるんだろうと思います。 特に整形外科などにおきましては、 医者が定着したことによって相当な患者が回復してきておりまして、 当然MRIのそういう検査体制の充実もそれに伴っているわけです。 そういうことで、 整形外科について見ますと4800人ほど患者がふえてきております。 それと内科についても相当の増がありますし、 それと同時に、 去年は精神科のデイケアを始めたものですから、 そこの充実も精神科患者の増につながってきております。
 それと、 先ほどありました口腔外科につきましても、 地域住民の強い要望がございまして、 今、 歯科の先生方は十数軒ございますけれども、 歯科を超えて手術とか口腔外科の分野が地域になくて、 琉球大学から先生がおいでになって検査をしたり、 治療をしたりしておられたんですけれども、 平成13年11月、 口腔外科を開設いたしましたところ、 去年度の中では、 5カ月間、 11月から3月までですが、 205名の方が口腔外科の治療を受けております。 そしてことしに入りまして少しずつ患者がふえておりまして、 去年は月41名程度でしたが、 ことしに入りまして半年で323人、 月に54人程度治療を受けております。
 月といいましても、 毎日やっていないものですから、 1週間に1回、 琉球大学から派遣してもらうということで、 琉球大学から先生を派遣していただいて、 午前中は外来の診察をし、 午後を手術の時間に充てるという形で、 週1回の口腔外科診療を行っておりますが、 そういう中でも月に41人、 1日当たり13名ぐらいずつ治療を受けております。 そういうことで、 収益の面でも、 平成13年度で67万円余、 それから平成14年度は半年で130万円余、 増収につながってきております。 そういうことで地域に大変喜ばれて、 那覇まで出てこなくて口腔外科の治療ができるという状況が、 今、 宮古病院に出てきておりまして、 大変地域の皆さんにプラスになっているんじゃなかろうかと思います。
○坂井民二委員 今病院管理局長の話もあったように、 やはり離島医療にとっての最終目標というのは、 地域完結型の診療体制だと思うんですね。 よっぽどの難病でない限り地元で治療してもらうことが、 本当に精神的にも経済的にも非常に安心感も強いものだと思いますので、 ぜひふやしてほしいんですけれども、 今歯科口腔外科の話を聞きますと、 患者数が結構多いということなんですけれども、 週1回じゃなくて2回にふやしても、 これは十分じゃないのかなと思うんです。 医者の事情というのもあるかもしれませんけれども、 ぜひ離島医療というのも考慮していただいて、 2回ぐらいにはふやせないものかなと思うんですけれども、 その辺はどうなんですか。
○新田宗一病院管理局長 開設以来、 地域の歯科医師の皆さん方にも協力いただきながら、 歯科治療をし、 そして口腔外科の治療が必要なものは宮古病院に紹介してもらうという体制ができておりまして、 徐々に患者もふえております。 そういう中で、 週1回で対応が厳しいという状況が出てきましたら、 今13名程度を診ていただいておりますけれども、 一体1日に何名程度診ていただけるのか。 もうお1人では、 あるいは1回では無理ということであれば週2回を開設する。 これは当然、 今琉球大学から派遣してもらっておりますので、 向こうの医局のスタッフの問題等もあろうかと思いますけれども、 できるだけ地域のニーズにこたえていきたいと考えておりまして、 現場と調整をして、 ふやすことができるんであればふやしていきたいと考えております。
○坂井民二委員 奇跡的に3億9000万円増加したということなんですけれども、 やはり医療機器の充実と、 そしてまた診療科目をふやすということがそういう要因にもつながっているだろうと思うんですけれども、 離島にとっても願ってもないことですので、 やはり医療機器の充実、 あるいは診療科目をふやしてほしい。 そして、 それがまたいわゆる収益増にもつながっていくということになるわけですから、 ぜひその辺、 また今後ともよろしくお願いしたいなと思います。
 それで、 前年度5億7000万円の赤字が、 今年度、 平成13年度は1億6000万円の純損失になった、 いわゆる前年に比べて4億1000万円の損失減ということであるんですけれども、 そういう意味では非常に聞こえがいいわけですけれども、 きのうの説明を聞きますと、 人件費等が減ることによってということもあったんですね。 その人件費は平成13年度、 12年度と比べてどの程度変わったのか、 その辺を聞かせていただきたいと思います。
○新田宗一病院管理局長 人件費の方は、 一番大きいのは退職金の減、 平成12年度が34名いたのが平成13年度は22名ということで、 お1人2000万円ないし3000万円ぐらいの資金が退職金は必要になりますので、 ですから、 そういう退職金が大幅に減ったことが1億942万円の減になっておりまして、 人件費が減ったというのは主にこういう部分と、 それから、 材料費については、 これは薬品とか診療材料になりますけれども、 逆に患者がふえた分1億2974万円ふえておりますので、 ですから、 医療サービスの低下を来す形での経費の減ということじゃありませんし、 人件費についてもそういう分と、 それから、 人事委員会勧告を履行したことによる期末手当の支給率が減になったことによって、 相当額の人件費の減につながっているということが、 経費が最終的に若干減っておりますけれども、 そういうことでございます。
○坂井民二委員 ちょっと角度を変えますけれども、 宮古病院の今の病床数というのはどれだけですか。
○新田宗一病院管理局長 トータルで390床で、 そのうち一般病床が、 精神科が100床ございますので290床。 ただし、 平成12年の病床利用率が70何%ということで、 非常に効率が悪かった関係があって、 33床休床をして病床のフル回転をしようということでやっておりまして、 病院そのものは390床持っておりますけれども、 33床は今休床をしている状況です。
○坂井民二委員 33床はよそに振り分けるということじゃなくて、 いわゆる休床の状態ということですか。
○新田宗一病院管理局長 そのとおりです。
○坂井民二委員 33床休床状態ということなんですけれども、 当然それによって職員に変動が出てくると思うんですけれども、 何名減になってと、 その辺はどうなんですか。
○新田宗一病院管理局長 最終的には、 看護師の定数14名の減になっております。
○坂井民二委員 なぜ私がそういうことを聞くかというと、 かなり人間を削ったんじゃないかというお話があって、 先月の9月の下旬から10月の初めごろ、 今月の初めごろまで入院した患者がいたんですけれども、 個室なんですけれども、 部屋の掃除を全くしない。 ですけれども、 玉城ノブ子委員からも話があったんですけれども、 いろんな環境改善の問題なんですけれども、 本当に治る病気も治らないという風評はまだ宮古病院にはたくさんあるんですよ。 その辺の部分で、 きちっとした形でメンテの部分をやっているのかどうか、 それをちょっとお聞きしたいんです。
○新田宗一病院管理局長 看護師につきましては、 1看護単位縮小した関係で、 20名前後の看護師が対応していたんですが、 そのうち6名はそのまま残しまして、 ドクターの増員であるとか、 看護の厳しいところに看護師を増員するとかということで、 最終的に14名になったわけですけれども、 今の部屋の清掃については、 そういう状況であったのには大変申しわけございませんけれども、 これは看護師がやるといいますよりは、 清掃等については業務委託をしておりまして、 民間業者がやっていただくということで清掃等をやっておりますので、 どういうことでそこまでやって、 手落ちがあったのか、 早速調べまして対処させたいと思います。
○坂井民二委員 そういう声が幾つかありましたので、 ぜひその辺を指導もしていただきたいなと思います。
 平成13年度の未収額というのはどの程度なのか、 そしてトータルで、 累積で宮古病院はどれだけの未収があるのかお聞かせください。
○新田宗一病院管理局長 宮古病院、 平成13年度3月末の未収金が2億4601万9458円でございます。
○坂井民二委員 ぜひその辺もどうやって集めるかというのを指導していただいて、 頑張っていただきたいなと思います。
 次に、 去る平成13年度に500万円の医療需要動向調査費をつけていただいたわけですけれども、 ことしの7月ごろでしたか、 それの結果が出たわけですけれども、 その結果を踏まえた形で、 宮古における医療に関してどのような認識をお持ちなのか、 病院管理局長にお伺いいたします。
○新田宗一病院管理局長 おっしゃるように、 平成13年度において、 宮古地域における医療動向調査を実施いたしました。 これは地域の皆さんからぜひ病院の改築等の要望がございまして、 それに向けて、 宮古圏域において人口が一体どういう状況にあるのか、 疾病構造はどうなっているのか、 患者の医療受療動向、 圏域内で受けているのか、 あるいはほかの圏域、 那覇市等に出てきているのか、 そういうのも含めてアンケート調査と、 それから、 国民健康保険のデータを分析しながら調査をいたしております。 大方宮古病院をそれなりに評価していただいておりますけれども、 やっぱり入院の状況を見ますと、 20%ないし25%の皆さんが圏域外、 恐らく那覇市だろうと思いますが、 そこで治療を受けているという状況も出てきておりますので、 そういうものも含めながら、 その調査を次の病院整備に生かしていきたい。
 それは確かに家族お1人で、 お父さん、 お母さんが宮古に住んでおられて、 子供さんたちが那覇市にいるから入院はこっちがいい等、 いろんな理由はあるだろうと思います。 必ずしも医療事情、 医療施設、 整備、 あるいは医療レベルの問題だけじゃなくして、 いろんなほかの要因もあって来ていると思いますが、 もし医療の状況によってここに来ざるを得ないということであれば、 いろんな負担がやっぱりあるわけですから、 できるだけ地域で対応ができる整備をしなくちゃならぬだろうと思いますので、 そういうもっと詳細な分析をしながら、 新病院に向けた検討、 対応をしてまいりたいと考えております。
○坂井民二委員 今病院管理局長の話の中にもありましたように、 次の宮古病院の建設にも向けてという話が出たんですけれども、 もう本当に汚いんですよね、 そして老朽化。 駐車のスペースももちろん不足しているし、 もちろん機能の拡充というのも十分求められております。 ですから、 今、 那覇病院、 高度病院ができることによって、 次は宮古病院ですよということで認識をしているんですけれども、 どんなものですか。
○新田宗一病院管理局長 今、 中部病院は今年度いっぱいで、 平成9年度から14年度までかかって、 ことしでやっと整備が終わります。 同時に、 これだけの病院を南部で整備することで設計に入っておりまして、 平成17年度には終了するという作業を今やっておりまして、 その次、 どこをやるかというのはこれから最終的に詰めますけれども、 今の全体の病院の建設年度からしたときに、 宮古病院が大分早い時期に建設されて老朽化も進んでいるなという状況は認識しておりますので、 那覇病院の新病院の改築、 新築の進捗状況を見ながら、 次の病院整備についてまた具体的に作業に入ってまいりたいと考えております。
○坂井民二委員 9月の定例会で時間がなくてできなかったんですけれども、 今の医療需要動向調査、 結果が出た。 それによって規模、 あるいは用地の問題、 あるいは機能拡充の問題等々、 いろいろやっていかなくちゃいけないと思うんですよ。 ですから、 ぜひ那覇病院、 高度多機能病院の次は宮古病院を手がけていただきたいと私は思うんですけれども、 この調査結果を踏まえて、 ぜひ用地も早目に、 やはり今の3倍ぐらいのスペースがないとなかなかいい医療環境というのはできないと思うんですよ。 ですから、 検討委員会を立ち上げていただきたい。
 そして、 一般質問の中では、 今後の県立病院のあり方の中で検討していきたいということであったんですけれども、 もちろんその中でも必要でしょうけれども、 いわゆる独立した形で、 もう調査結果も出て、 その次はということで三、 四年後になるかと思うんですけれども、 ぜひ検討委員会を早目に立ち上げていただきたい。 今後の県立病院のあり方は来年もということなんですけれども、 並行して立ち上げていただきたいなと思うんですけれども、 そういう考えはどうですか。
○新田宗一病院管理局長 具体的に整備するとなりますと、 今の宮古病院の現状も分析しながら、 地域の皆さんの意向もお伺いしながら、 その中で規模も含めて、 どの程度の規模にするのか、 あるいは場所も、 おっしゃるように今のところは駐車場も相当狭いし、 今のところでは整備できないだろうと思いますので、 場所についての検討もしないといけませんし、 そういう面では、 整備に向けた検討委員会の立ち上げというのは当然必要であろうと思います。 その時期も含めまして今後検討していきたいと思います。
○坂井民二委員 ぜひ、 離島医療の深刻さも考え、 考慮に入れて早目にやっていただきたいなと思います。
○上原吉二委員長 休憩いたします。
   午前11時46分休憩
   午後1時20分再開
○上原吉二委員長 再開いたします。
 午前に引き続き質疑を行います。
 質疑はありませんか。
 大城一馬委員。
○大城一馬委員 3点か4点ばかりお聞きしたいと思っております。
 まず、 ちょっと確認しておきたいんですけれども、 この執行部の席には、 各県立の病院長、 事務部長は御出席はしていませんか。
○新田宗一病院管理局長 しておりません。
○大城一馬委員 はい、 わかりました。 午前中も未収金の問題、 あるいはまた不納欠損金、 赤字の問題等々いろいろと指摘されておりますけれども、 そして前島明男委員から、 事務部長の役割の問題もありました。 それからしますと、 これはたしか平成11年度の決算のときにも私は質疑をして要望した覚えがありますけれども、 病院経営というのは、 県立の場合には公共性と経済性があるということで、 そういう意味では、 例えば職務の二面性、 いわゆる病院医師と事務職、 この2つの職務の位置づけの問題ですね、 やはりもう少し明確にすべきじゃないかなと思っているんですよ。 事務部長は行政職から派遣されているわけですね。 院長の補佐をやるという形で位置づけされておりますけれども、 やはり病院長はあくまでもそういう公共性、 いわゆる医師として医療を見る、 あるいはまた事務部長はそのような権限を与えて、 そういった病院の効率、 経済性、 これをしっかりと権限を持たせてさせる。 そういう方向性を何とかとれぬものかなということでここにも提起したことがありますけれども、 病院管理局長、 その点につきましてどうですか。
○新田宗一病院管理局長 県立病院、 医療法上の病院として、 その院長は医師でなくちゃならないということで、 院長は医師が配置されているわけですけれども、 おっしゃるように、 医療の分野、 あるいは病院経営の面で事務部長という職が配置されておりまして、 その果たす役割は大変大きいものがあろうかと思います。 県立病院の場合、 病院であると同時に、 また県の出先機関としての位置づけもあるものですから、 一方で行政の長として、 院長は病院の職員の服務管理その他についての最高責任者でもあるわけですね。 医療法上の院長としての職責、 職務も当然ながら、 そういう組織の長としての院長の職責があるものですから、 やっぱり経営その他についても責任を持つといいますか、 対応しなくちゃならないということであるわけでして、 おっしゃるように、 確かに事務部長はやっぱり専門の職員を配置し、 病院経営に熟知した人材を確保する。 これは大変重要なことだと思います。
 いかんせん、 今、 沖縄県の病院事業の場合、 公営企業法の一部適用という形で、 財務的な面は公営企業法で運営していきますけれども、 人事服務、 その他経営上の問題について、 服務管理、 あるいは人事管理については一般会計の職員、 いわゆる知事部局の職員と同じ形でやるものですから、 人事異動についても、 ほかの部局と人事交流が、 通常の状態で部局間交流という形でやってまいります。 そういうことで、 なかなか企業会計に、 あるいは病院事業に、 公営企業にふなれなといいますか、 一般の行政と若干違う部分もあるものですから、 そういう戸惑いもありますけれども、 やっぱり将来的には、 企業を管理運営していく専門家を育てていかなくちゃならないだろうと思います。
 そういうためにはどうすればいいのか、 あるいは今言われている、 実際やっております3年ローテーションで人事異動しておりますものを、 やっぱり専門職を育てる意味から、 もうちょっと長い期間、 そういう事業に定着してもらうということも当然考えなくちゃならぬでしょうし、 プロを育てるという人事管理上のことも当然検討しなくちゃならぬだろうと思います。 そういう事務部門の強化という点において私も大変頭を痛めているところでありまして、 そこを何とか専門家を育てる手だてはないものかと、 今、 内部的にも、 あるいは人事課とも相談をしているところでございます。
○大城一馬委員 この第3次の病院経営健全化計画の中でも、 しっかりと専門職の育成がうたわれております。 ところが、 そういうことがなかなか充実できないということで、 やはりこういう経営健全化も進んでいないというのが実態ではないかなと思っております。 この件につきましては、 ひとつ鋭意努力していただきたいと思っております。
 次に、 未収金ですけれども、 これも先ほども指摘がいろいろありました。 これは例えば、 私ども土木委員会でも県営団地の家賃滞納問題が出ます。 出ますけれども、 やはりどうもこれはどういうことかなという疑問が出てくるんですね。 要するに沖縄県民の姿勢なのかどうかね。 この中でも、 結局、 沖縄県は未収金が他府県と比べると比較的高いという指摘が出されておりますけれども、 一体どういう要因なのか、 他府県より未収件が高いということ、 その辺につきましてどうですか。
○新田宗一病院管理局長 いろんな意見交換をほかの県の皆さんともやるんですけれども、 確かに他県に比べて多いということは事実でございます。 ですから、 県立病院は常時10億円前後の未収金、 徴収に一生懸命頑張るわけですが、 先ほど申し上げましたように、 年度末で14億円あったのが、 5億円ほど四、 五カ月で回収して、 平成13年度以前のものとして9億円ほどに減ったかと思うと、 当該年度、 4月以降の未収金が3億円余りまた追加していくという、 そういう常時回収とまた未収金が加わるという状況を繰り返しているわけです。
 おっしゃるような形で、 そういう公金に対する県民性とは思いたくないんですけれども、 やっぱり我々のまだ努力の足りない点もあろうかと思います。 未収金が出ない努力をまずやらなくちゃならぬだろうと思いますが、 また出たものについては何とか回収を努力する。 そういうことで、 先ほど申し上げましたように、 一番大きな今の病院の診療費の未収については、 経済的な理由が大きいように私は報告を受けております。 ですから、 それをどう回収するのか、 一気に回収できなければ分割でやってもらう、 そういう方法も当然ありますし、 また、 現に退院時にいろんな相談をしたりしますし、 また、 経済的に厳しい方々が入ってきて医療費が払えないという状況もありますし、 だからといって診療をやらないというわけにもまいりませんし、 そこが非常に厳しいところでございまして、 できるだけ徴収を強化していきたい、 そういうふうに今やっております。
 職員等でなかなか難しい面もございますので、 ことし中部病院におきましては、 回収を専門にやっている会社があるということもありまして、 そちらの方に委託をして回収業務、 既に過去の未収金については回収業務を依頼するという方法も今考えて、 いろんな方法を模索しながらできるだけ回収に努力する。 と同時に、 発生防止もやらなくちゃならぬということで、 その努力を今やっている最中でございます。
○大城一馬委員 この件も経営健全化の具体的方策としてしっかりと未収金の発生防止と、 回収対策についても3次計画の中でうたわれておりますけれども、 やはりこれも長年の懸念する1つの病院経営の圧迫につながっているということで、 積極的な強化、 対策をぜひやってほしいと思います。
 ちなみに、 これは大変恐縮でありますけれども、 こういう未収金の例えば民間の総合病院あたりのデータは持っていますか。 要するに県管理ではなかなか悪いんだけれども、 民間ではみんな払っているとか、 そういうデータは何かお持ちですか。
○新田宗一病院管理局長 これはそれぞれの病院の経営に関することですので、 入手するのはなかなか難しいことで、 正直言いまして、 民間の未収金の状況がデータとしては持ち合わせておりませんけれども、 聞くところによりますと、 そんなに未収金はないと伺っております。
○大城一馬委員 ですから、 未払いが経済的理由だと言っておりますよね。 しかし、 民間ではちゃんと払ってくれるという形で、 それからすると、 県営住宅やあるいは県立病院を含めて考えてみますと、 比較してみますとその辺のところはどうも甘いのかなと。 もちろんそれは例えば強行手段で訴えて取るとか、 そういうことは、 やはりこれは医療にかかわる、 命にかかわることですから、 なかなかそこまでは踏み込めぬだろう、 県営住宅のケースとは別の立場だろうと思いますけれども、 その辺のところはやはりしっかりとした追跡調査、 そして、 できたらはっきりと本当に民間と比較して、 一体どの程度県立病院がこの徴収について取り組んでいるか、 その辺のところもしっかりとらえておきたいもんですから、 ひとつまたそういう機会がありましたら、 ぜひ、 しっかりとしたデータを分析しながら提示していただきたいと思っております。
 次に、 最近、 社会不安、 いろんなそういう社会情勢の問題で、 児童虐待、 あるいはDV、 ドメスチック・バイオレンス問題、 これが社会問題として浮き彫りにされております。 実は私はなぜこの質疑をしますかといいますと、 さきの9月定例議会の中の一般質問で、 南風原町内で起きた障害を持っている児童への教諭による体罰、 暴力問題、 その問題を取り上げまして、 その中でいろいろと保護者、 関係者のお話をお伺いしましたところ、 まず、 この子供が、 暴力を受けた翌日に県立那覇病院に診療に行っているわけですね。 そのときに、 医師の診断でこれは虐待だという話がありまして、 そして那覇病院からそれぞれの機関、 例えば県の児童相談所にもいろいろ通報したようでございます。 これが9月13日に通報されております。
 その後、 約4日後に、 県立那覇病院で担当医師とか、 あるいはまた小児科の婦長さんとか、 あるいは、 これは児童相談所の専門の職員を呼んで、 そして保護者を呼んで、 その中で会議をしているわけですね。 やはりこういう障害を持った子に対する体罰、 暴力ですから、 当然いろんなことが想定されるわけね。 単なる治療だけじゃなくて、 ケアの問題とか、 今後の学校での問題、 この子は登校拒否はその日からでありますけれども、 こういう問題も、 トータル的なそういう支援策というんですか、 ケア策というんですか、 これが必要だと思うんですよ。 これはいわゆるDVの問題でも全くそのとおり、 大体そういうことだと私は思っておりますけれども、 これもこういった機関がしっかりとした体制を整えて支援策を確立するのが当然のことだと私は思っておりましたけれども、 ところが、 今いろいろ話を聞きますと、 こういった支援体制というのは常時あるわけじゃない。
 その都度、 起こればあちこちに連絡して寄せ集めてやるとか、 こういうことで処理をなされているということで、 これはちょっとおかしいんじゃないかと思っているものですから、 やはりこういったのはしっかりと、 まず第一に真っ先に駆けつけるのが病院ですから、 それはもちろん民間の病院、 あるいはまた虐待とかDVの場合は児童相談所、 あるいは女性相談所に駆けつけて、 みんな駆け込んでいきますけれども、 せめて県立那覇病院内でこういう体制の確立というのは急務じゃないかなと思っているんですよ。 専門職でいろいろ多岐にわたると思いますけれどもね。 その辺のところがないとこの調査の中から出てきたものですから、 県立病院に限ってそういうところの実態は一体どうなっているか。
○新田宗一病院管理局長 DVと児童虐待につきましては深刻な問題でありまして、 おっしゃるように、 一義的に身体的なそういう被害、 加害を加えられたときに来るところが病院ですので、 病院の方でまずそれを察知し適切に対処する、 それが大切だろうと思います。 そういうことで、 児童虐待につきましては、 県においても児童虐待対応マニュアルをつくっておりまして、 その中で各県立病院が、 基幹病院といいますか、 対処する病院として指定されておりまして、 それぞれ各病院において、 今委員は対応策はないとおっしゃったわけですけれども、 今、 各病院において、 そのマニュアルに従って子供虐待対策委員会というのを設置いたしておりまして、 小児科のドクターであるとか、 婦長であるとか、 いろんなそういう関係者を集めて、 疑わしい子供さんが病院に来たときには、 そういう状況を聞き、 虐待、 あるいは何らかのそういうおそれがあるという場合には委員会を開いて対応し、 そして児童相談所に通報し、 その対応策を求めるという体制はできております。
 那覇病院におきましても、 患者さんは9月13日に病院に来て診察を受けております。 その結果、 身体的な治療としましては、 顔の両方に打撲の跡があるということで、 全治3ないし4日という診断をしております。 しかし、 お母さんと一緒に来ておりますので、 これは学校においてそういう虐待があったという申し立てがあったようです。 そういうことで院内でも子供虐待対策委員会を開きまして、 それを受けまして、 児童相談所にも通報いたしましたし、 そして児童相談所の職員も参加して対策委員会を開いております。 そういう中で今後どう対応するのかを協議しておりまして、 まず病院でずっと対応するわけにはまいりませんので、 治療その他については一義的に対応いたしますけれども、 相談の結果につきましては、 学校への指導については児童相談所内で検討して、 何ができるのか対応を検討する。 それと同時に、 児童相談所からその経過について両親に説明をするという申し合わせをして解散したようです。
 子供さんについては、 特段入院をする必要はない。 しかも、 それはいわゆる一般的に言われる両親なり、 家族からの虐待ではないという、 加害じゃないということですので、 家庭の方にそのまま返しておりますけれども、 そういうことで、 病院内でも、 そういう疑わしいことについてはまず一義的に察知する部分ですから、 児童相談所へ通知する、 そして相談する。 場合によっては、 それが刑事事件に該当しそうな事案と判断されれば警察に通報することもありますし、 またDVについては、 女性相談所と連携を密にしながら対処しているという状況が、 病院の今のDV、 児童虐待に対する対応の状況でございます。
○大城一馬委員 しっかりとした検討委員会が病院内につくられているということですか。 これは医師だけじゃなくて、 例えば専門的なケースワーカーも含めての話ですか。
○新田宗一病院管理局長 病院内において、 小児科の医長、 それから小児外科部長、 この前参加した9月17日に開かれたときのメンバーを見ますと、 小児科病棟の婦長、 中央児童相談所の職員、 それから虐待対策協力員、 これはちょっと確認しておりませんので、 職員なのか、 あるいは部外の方なのか承知しておりませんが、 そういう方々が参加してこの事案についてどう対応するのかという協議をしております。
○大城一馬委員 わかりました。 この17日の会議に出席した人からそういう話が伝わってきたものですから、 ちょっと質疑したわけであります。
 実は福祉保健部からこの経過の報告が私の手元に来たんですけれども、 いろいろとこの文章から見ると、 どうも児童相談所と、 あるいはこういう医療機関内での会議のあり方、 結論となかなか行動がちょっとかみ合っていないものですから、 やはりこういったのは、 先ほど申し上げましたように、 ただここで事件が起きた、 そして病院で診療した、 その結果だけで終わるんでなくて、 やはり今後のケアの問題、 これは教育現場の問題、 児童相談所の問題、 医師もそこで診療したから役目は終わりじゃなくて、 今後のそういう長期的な、 ある意味では中長期的なそういうことまで含めたこういうケアをやっておかぬと、 とりわけ児童・生徒の場合は、 そういう暴力、 虐待の対応策といった場合にはいろんな意味で心理的に相当引きずるわけね。 ましてや今回の事件の場合には知的障害を持った子ですから、 そういうところで引きずると思っているんですよ。 ですから、 そういうことを含めてしっかりとしたことができるようにケアができる体制づくり、 その辺のところを医療機関として各関係機関と連携しながら体制をつくるべきじゃないかなということの提言ですから、 ひとつその辺のところをしっかりとやっていただきたいと思っております。
 DVの問題も同じです。 DV防止法が施行されて1カ年経過しましたよね。 非常にふえているという話もあります。 それで、 ちなみに平成13年度、 DV被害、 あるいは児童虐待、 これは県全体にわたりますと部署が違うと思うんですね、 福祉保健部ですか。 県立病院でそういったものを扱った件数、 平成13年度と、 できたら平成14年度現時点の数について実態がおわかりでしたら、 ちょっと教えてもらえませんか。
○新田宗一病院管理局長 おっしゃるように、 肉体的、 精神的被害を受けて来る病院が一番最初に当事者と接する場所ですから、 それは敏感に察知し、 見逃さないように適切に対応するという面では大変重要なことでありまして、 県立病院も常にそういうことで児童虐待あるいはDVに対して対応しております。 そういうことで、 御質疑の、 これは平成13年度じゅうの病院で察知した、 あるいは病院が対応した件数ですが、 児童虐待ということで15件、 それからDV被害ということで35件、 合計50件の対応をいたしております。 平成14年度は手元に資料は今ないようです。
○大城一馬委員 その件につきましては終わりたいと思います。
 次に、 第3次経営健全化計画ですけれども、 これは監査委員からも指摘がされておりますね。 こういう指摘が監査委員からあるんです。 いろいろと監査委員の指摘事項がありますけれども、 とにかく第3次の経営健全化計画も達成まで至っていないということで指摘がされております。 これは先ほど玉城ノブ子委員からも質疑がありまして、 その中で患者数の減という話もありました。
 さっきも指摘したんですけれども、 この第3次の計画書の中で、 具体的方策としてまず収益の確保、 これがずっと一般会計からのたくさんの繰り出しとか、 あるいはまた患者の確保とか、 あるいは診療報酬請求漏れの防止とか、 未収金の発生防止等、 約5点。 そして費用の縮減、 これも約7点ぐらい、 この計画の中にしっかりとした、 これさえちゃんとやれば病院の経営は健全化するという形で、 目的が、 具体的な対策が出されているんです。 ところが、 しかし、 残念ながら総体的にこの問題が解決に至らないということでありますけれども、 第1次、 第2次、 第3次まで来たわけですよ。 今回第3次で本当にもうどういったことが、 先ほど1例だけとって説明してありましたけれども、 総体的に達成できなかった要因というのは、 大体大まかな項目でよろしいですから、 挙げてもらいたいと思います。
○新田宗一病院管理局長 経営健全化計画、 平成9年度から平成13年度までの第3次ですけれども、 平成9年度に目標を策定しましたときに、 病院の運営においては患者数の確保、 患者数の動向というのが大きな要素を占めますので、 それを1つのベースにしまして、 患者数の伸び、 あるいはそれに伴って診療報酬の伸び等を、 平成13年度の目標年度においては単年度黒字という目標を掲げて努力をしてまいりました。 ところが、 最終的に患者の数においては、 トータルで9万人ちょっとの目標に達しておりませんし、 診療報酬におきましては30億円ほどの乖離差が出ております。
 これは平成9年までの状況と大分急激に医療環境が変わってきたということもございまして、 まず外的な要因としまして、 民間病院の充実ということを調べたときに、 今、 病院が平成9年、 89カ所県内でございましたのが、 94カ所に5病院ふえております。 それから、 いわゆる診療所が平成9年に612カ所あったのが668カ所、 56カ所ふえております。 病院あるいは診療所がふえるということは、 沖縄県内で患者がそう極端にふえるわけじゃありませんので、 これまでの患者さんが一番近くにある診療所に、 あるいは今まで県立病院の先生が独立したときには、 県立病院で診てもらっていたこの先生が開業したときには、 そちらに移動するという患者の移動が出てまいります。 そういう外的要因も当然あったかと思います。
 それと同時に、 患者のトータルでの抑制という面では、 いろんなそういう個人負担が大きくなってきたということもあって、 トータルでそういう減につながった面もあろうかと思います。 同時にまた診療報酬の面においては、 これまで平成9年まで少しずつ、 2年に一遍の診療報酬改定がございますけれども、 増額改定がなされていたのが、 平成10年にマイナス1.3%の改定があります。 そして12年に0.2%の伸びしかございません。 それから、 御案内のとおり、 平成14年の4月からマイナス2.7%の改定。 初めて診療報酬の本体に切り込んだマイナス1.3%の診療報酬の改定があります。 ということは、 患者がもし例えば同数であっても、 診療報酬の伸びというのが極端に抑えられてきます。 そういうことで、 想定した医業収益の伸びがなかったということも、 平成9年策定当時、 想定できなかった状況があろうかと思います。 そういうことがあって、 結果として患者の減、 そして診療報酬の減ということで目標が達成できなかったという大きな要素があろうかと思います。
 もちろんそれは私どもの内部的な努力も不十分だったということであれば、 それも当然そうだろうと思いますけれども、 我々としては最大限努力してきたつもりですが、 そういう要因もありまして、 また内部的には、 先ほども言いましたように、 どうしてもドクターが1人欠員になりますと、 2000名、 3000名の患者の減につながっていくということもございますし、 また、 これまで県立病院で頑張ったお医者さんがおやめになって近くで開業したときには、 やっぱりなじみの患者さんがそこに移る。 その後任で新しい若い医師が来ても、 そこにいきなり患者がふえてくるということもなかなか難しい。 1度こういうベテランの先生がおやめになって患者が動いたときには、 それを回復するまでに二、 三年はかかるという要素もございます。 それに中部病院の状況とか、 あるいは平成12年のサミットの影響とかいろんなものが重なって、 最終的に患者の確保が思うようにいかなかったというのがございます。
 しかし、 個別的にはいろんなことを計画の中で挙げられております具体的なもので、 病院管理局での機能強化、 これは、 副参事を配置して診療報酬のきめ細かい病院指導を今実施いたしております。 そういうものであるとか、 あるいは医薬分業の推進ということで、 経費を節減していくために、 平成9年、 30%満たなかったのが、 20何%だったのが、 今、 平成14年、 現在もう50何%かに伸びてきております。 そういうこと。 あるいは薬品の一括購入、 診療材料の一括購入、 そういうことをしながら経費の節減等を図ってきております。 細かいのはありますけれども、 いろんな努力をしながら、 一番大きいのはそういう患者の、 病院事業の収入の90%以上を占める診療報酬が思うように伸びなかったというのが、 目標達成できなかった一番大きいものだろうと思います。
○大城一馬委員 いろいろと達成できなかった要因等について説明してもらいましたが、 それで、 そういうことを踏まえて、 もうこれは第3次は平成13年度で終了ですね。 今後、 第4次もこういった結果を踏まえてあり得るのかどうか。 具体的にこの件につきましてどう動いていますか。
○新田宗一病院管理局長 今のそういう経営状況においては、 そのままでいいという状況はございませんので、 ますます経営的には厳しい状況が来ております。 そういう状況の中で、 さらにどういう視点で経営の健全化を図るのか、 どこをどう改善していけば今よりよくなっていくのか。 これは当然次の健全化計画を策定しなくちゃならぬだろうと思います。 現在は第3次の全体の見直し、 あるいは問題点の洗い出しをしながら、 第4次策定に向けて検討しております。 そして、 近々そういう委員会を立ち上げて、 いろんな医療を受ける側、 あるいは医療提供する側、 あるいは第三者の学識経験者等も入れて、 県立病院事業をどうすれば健全化に持っていけるか、 その知恵をかりながら、 第4次の健全化計画を策定してまいりたいと考えております。
○大城一馬委員 いつですか。
○新田宗一病院管理局長 年内には検討委員会をつくって、 来年の4月以降、 新計画に基づいてきちっとした健全化を進めてまいりたいと考えております。
○大城一馬委員 最後になりますが、 実は平成11年度から、 一般会計の決算においては外部監査人の制度の導入をやっているわけですね。 これも県の監査委員からも非常に評価されているんですよ。 さきの平成13年度の決算特別委員会の中で相当な評価があるわけですね、 同じ監査委員の中からもね。 それで、 この企業会計、 病院企業にも外部監査委員の導入を取り入れて、 やはりある意味では県の監査委員とは違った立場から、 それなりの専門的なそういう立場から外部監査を導入することは考えられませんか。
○新田宗一病院管理局長 ごもっともな御指摘だと思います。 平成11年度から包括外部監査制度ができておりますので、 私どもとしてもぜひそれを受けたいということで、 11、 12年度まで外郭団体を中心にやってきておりましたので、 私どもとしてもぜひお願いしたいということで今調整を進めているところでございまして、 できればことし、 できなければもうせめて来年、 ぜひお願いしたいというふうに今調整を進めているところでございます。
○上原吉二委員長 ほかに質疑はございませんか。
 伊波常洋委員。
○伊波常洋委員 まず初めに、 きのうの監査意見、 そしてきょうの病院管理局長の答弁を聞いていますと、 どうも本末転倒でないかという考えをしています。 といいますのは、 平成13年度の収入見込みが悪い、 よそよりも収入が悪い。 その理由が患者数が見込みより3万8000人落ちている。 だから収入が悪かった。 あげくの果て、 そのために患者数をふやす努力が必要であると、 県民の皆さん、 みんな県立病院に来てくださいと言わんばかりの表現なんですけれども、 私はこの表現は全く本末転倒だと思います。
 そして、 仮にこの当初予想していた3万8000人が本当に病院を必要としていたという数であれば、 いみじくも今病院管理局長が答弁したんですけれども、 これがそのままそっくり民間に行っているわけですよ。 これは喜ばしいことなんですよ。 私はいつも病院管理局の質疑のたびに言っておりますけれども、 県立の病院は赤字で構わない、 黒字で民間でやるのであればこれは民間に任せなさいと。 赤字で民間がやり得ないものを、 逆に県が積極的にやるべきだと思っていますので、 今回、 平成13年度は、 当初予定した患者が3万8000名の減だ、 これがそっくり民間に行っていたとしたら、 やはり日ごろ指摘していますとおり、 民間でもできるということです。 これはひとつ嘆くのではなくて、 そういう方法に持っていくべきだとぜひ積極的に考えていただきたいと思います。 問題は、 患者数が減ったにもかかわらず支出の方は当初よりも上回るという、 これが問題でありまして、 その辺をよく考えていただければ。
 そういうことで、 健全化計画についての具体的な収入増の策、 その効果、 一方の支出削減策と5年間の効果、 大城一馬委員の方にも若干御回答がありましたので全部の事例でなくてよろしいですので、 数字で示せるものは数字でも表示をお願いします。
○新田宗一病院管理局長 まさにおっしゃる部分につきましては、 私どもこれから病院事業を検討していく上で、 民間病院と県立病院の役割というのをしっかり踏まえて対応してまいりたいと考えております。 診療報酬ではやっぱり目標を達成できませんでしたけれども、 そのほかも内部的に、 いろんな改善を御指摘のように改善すべきことが結構ありますし、 余り金額的には大きくありませんけれども、 内部改善をしていくということで少しずつ改善を進めておりまして、 若干なりとも収入の増につながったものといたしましては、 県立病院においてのリハビリ機能の強化、 あるいは精神科、 デイケア、 宮古病院を平成12年度から、 八重山病院は平成13年度から―平成14年度でしたか、 やっております。 そういうことによる収入の増等がございまして、 それが2500万円ほどを見込まれております。
 それから、 那覇病院において、 ああいう都市の中で駐車場が不足している、 非常に混雑ということもございましたが、 それを有効に、 あるいはきちっと整理していくという意味からも有料化を進めたことによって4500万円ほどの収入が入っております。
 それから、 これは患者サービスの改善にもつながってまいりますけれども、 今まで特定メニューだったのを給食の選択メニューを導入することによって、 それによる収入増が530万円ほどあります。
 それから、 自主料金の改正、 例えば人間ドックであるとか、 お産であるとか、 あるいは初診料加算の制度を導入するとか、 そういう医療制度の中でいろんな認められているものを実施することによる収益の増というのが7000万円ほど出てきております。
 それから、 支出の削減の努力といたしましては、 いろいろドクターの方から相当厳しい御批判をいただいたんですが、 医師暫定手当というのがございまして、 年間2億6600万円ほど出しておりましたが、 これは復帰に当たって、 沖縄県は医師が少ない、 医師確保の目的で特別措置法の中で特別に手当を出すという制度でございましたが、 それを毎年25%カットして、 平成14年度からもう廃止いたしましたが、 その制度改正に伴って2億6000万円の経費節減。
 それから、 医療機器の一括購入、 大きい機械、 あるいは小さな診療材料等もございますけれども、 そういうものの一括購入することによるメリットを生かしたものとして8700万円ほど。
 それから、 去年から実施いたしておりますけれども、 医薬品の共同購入、 これはスタートしたばかりで、 まだ150種ほどのものしかやっておりませんが、 それの一括購入することによるスケールメリットを生かした費用、 購入価格の低減ということで4250万円ほどの効果が出てきております。
 そういうふうに小さいものもどんどん積み重ねていきながら、 収入の増、 経費の節減に努力していきたいということで、 健全化のごく一部ですけれども、 進めてきております。
○伊波常洋委員 次に、 ひところ、 県立病院の医師や看護師らの過重勤務が大変社会問題化したときもありました。 死亡事例もありましたし、 耐えられずにやめざるを得ないという医師もおりましたし、 あったんですけれども、 特に小児科の医師の皆さんが大変な勤務を強いられていたということもあったんですけれども、 事例を1つとりますと、 中部病院の新築移転に伴って、 その際、 小児科医もふやしたりして努力の跡は見られます。 現在、 ひところのそういう医師や看護師らの勤務体制の改善、 どのような改善策をとられたのか、 お伺いします。
○新田宗一病院管理局長 ちょうど2年ほど前、 小児科が大変厳しい状況に置かれて、 たくさんの方々から御批判をいただいたわけですけれども、 そういう中で改善すべく、 今、 平成13年度、 それから平成14年度、 今年度の初めですけれども、 その2カ年度にかけて、 平成12年度で起こったそういうものを改善すべく、 平成13年度に18名、 平成14年度に11名、 29名の医師の増員を図ってきております。 これはやっぱり定数の増が認められない中で、 総定数を調整しながらやってまいったわけですけれども、 御指摘のように、 小児科、 産婦人科、 脳神経外科、 麻酔科と大変厳しい状況がございました。
 そういう中で小児科に8名、 産婦人科に4名、 麻酔科5名、 脳神経外科4名、 循環器1名、 耳鼻科2名、 整形2名、 精神1名、 病理1名、 内科1名ということで、 29名を増員しております。 それと、 御指摘の中部病院におきましては、 周産期センターを今年度からフルオープンしておりますので、 その関係で、 中部病院において小児科6名、 産婦人科4名、 トータルで中部病院は15名の増員をして機能の強化を図ってきております。 それでもなかなか厳しい勤務状況というのは、 そうすぐ一朝一夕に改善できるものではありませんけれども、 徐々に改善は進めてまいってきております。
○伊波常洋委員 次に、 新那覇病院建設についてお伺いします。
 2年ほど前、 私は文教厚生委員でしたので、 よくこの問題も取り上げたんですけれども、 病床数、 1病床当たりの面積、 これは一般の方も、 俗に言う子ども病院の方ももう決まったんですか。 当初病院管理局では、 総体は、 器は変えることはできないけれども、 病床面積というものは内部改善で変更、 拡大の余地はあるという答弁でしたけれども、 今日現在では、 病床数、 あるいは1病床当たりの面積、 もう決定しているんですか。
○新田宗一病院管理局長 おかげさまで、 今、 高度多機能病院、 基本設計の最終段階に参っております。 そして総病床数につきましては、 第三者の先生方も入れた検討委員会で434床という提言を受けて私どもに伝えられておりますので、 総病床数434床、 そして同時に、 母子総合医療センター120床ということでございましたので、 それを私どもは実現すべく、 今、 配置に努力をいたしているところでございます。
 そういう中で、 病院総面積が3万6400平米、 これを434床で見ますと1床当たり84平米、 そういうことで今配置をし、 大方その中で対応できるという段階まで来ております。 それと、 工夫したものとしましては、 委員会等で御指摘もありましたし、 また御提言、 あるいはアドバイスもありまして、 臨床研修のスペースについて、 今、 新しい病院では44名を想定しておりますが、 その半分の22名の研修の宿泊施設については院内で配置し、 残りについては後日また別途検討するということで、 その部分をきちっとそれぞれの診療科のスペースに配置をするということで、 大体おさまりはつきそうな状況でございます。
○伊波常洋委員 次に、 同じく新那覇病院の計画で、 精神科専用の病床ができる。 ところが、 県内の精神科医の皆様からは、 当初の県の予定している数では少ない、 併用にするとか、 あいているときには一般も使うとかということで、 県内の精神科医の皆様から県に対して要望があったと思います。 我々与党県議団も実は精神科医の皆様からそういう要望は一括して受けたんですけれども、 その後、 精神科、 そしてほかの科目の病床数についても内部調整はもうついたんですか。 ついておれば精神科専用の病床数をお願いします。
○新田宗一病院管理局長 精神科の精神保健協議会の皆さん方からも御要望がございまして、 どうしても沖縄県内、 本島内において精神科の患者さんが身体合併症を起こしたときには治療が十分でないということがありまして、 新しい病院においてはぜひと、 20床ないし30床の要望がございましたけれども、 それを鋭意私どもも調整をしながら、 ほかの診療科の先生方と調整を進めた結果、 最終的に、 医療法上の精神科病床として5床、 それに引き続く一般病床として14床、 合わせて19床の混合病棟をつくる。
 これについては、 5床を、 措置入院をした患者たちがそこで身体合併症を治療できるということでやりますけれども、 もしその5床で足りなければ、 引き続く混合病棟のスペースにおいて精神科を患った方々の身体合併症の治療ができる。 これは厚生労働省との調整も済んでおりますので、 新病院では最大限19名の精神科の合併症の治療は可能であるということで調整をいたしまして、 そうであれば、 精神科の皆さんも、 20床ないし30床ということでしたが、 19床確保できるんであればよろしいということで御納得いただいて、 そして一般科の皆さんにおいても、 これはそれぞれ一般科の皆さんの主張と精神科の主張、 精神科はもっと患者はいる、 一般科は5床もあれば十分と、 そのかみ合わない部分がございまして、 そういうことで、 実際運用してみて5床でおさまれば精神科の5床で十分対応しますし、 その残りの14床については混合病棟ですから一般科で使えばよろしいわけですから、 そういうようなことで、 少なくとも最大限精神科の皆さんが御要望している20床には足りませんけれども、 19床までは使える状態を今設計上つくるということで対応いたしておりまして、 関係者、 一応御理解を示しております。
○伊波常洋委員 5ないし最大で19病床ができるんですけれども、 そうなると、 その分だけ精和病院との病床数に変動が、 減が出てくるんですか。
○新田宗一病院管理局長 保健医療計画の中で、 一般病床、 あるいは精神科病床、 それぞれ決められております。 今、 沖縄県の場合、 精神科病床が相当な過剰な状態でございますので、 新規に精神科の病床をつくることは厳しい状況だろうと思います。 そういうことで、 たまたま近くに精和病院が300床の病院がありますので、 そこと調整しながらその5床については確保する。 ですから、 新規というよりは、 場合によっては精和病院を5床縮小するということも検討することになろうかと思います。
○伊波常洋委員 新那覇病院で当然母子医療とか高度多機能が強化されますので、 スタッフは飛躍的にふえると思われます。 予定している医師数、 看護師数の増はどのくらいなのか、 その確保のめどはどのように立てておられるのか、 お聞きします。
○新田宗一病院管理局長 これはまだ最終的な詰めはしておりませんが、 今、 ハード面の整備で手いっぱいということですが、 並行してソフト面の整備もそれぞれ調整しなくちゃならぬということで、 今、 大まかなシミュレーションですけれども、 新病院においては、 病床は一緒であっても、 恐らく母子総合医療の強化、 その他高度医療の強化に伴って職員増は当然想定されるということで、 70名ないし80名ぐらいの増が必要であろう。 その中でドクターの方は20名ないし25名の増が必要であろうという大まかな試算はしておりますけれども、 それは具体的にどの科に何名ずつという細かい配置については、 これから詰めていきたいと考えております。
○伊波常洋委員 ですから、 見込まれている増の確保のめど。
○新田宗一病院管理局長 定数内の増ですので、 基本的に今いらっしゃるドクターを配置がえするとかということも考えなくちゃならぬだろうと思います。 しかし、 ほかの職種振りかえでドクターを増員することになろうかと思いますので、 やっぱりそれはそれなりの専門の医師を確保するのがおっしゃるように一番重要だと思いますし、 今考えておりますのは、 中部病院で当然若い医師をどんどん養成しておりますので、 それも平成18年以降に向けて何とか確保していくこと、 それから、 中部病院で臨床を終えた皆さんが県内の病院で勤務したいんだけれども、 定数がないということで県外に出かけているのが随分いますので、 彼らに声をかけて戻ってくることを要請する。 当然地元にまた琉球大学があるわけですから、 琉球大学と提携しながら専門医を確保するということで、 あらゆる方法を講じながら必要な医師を確保してまいりたいと考えておりますが、 今具体的にどの診療科に何名の医師で、 そしてだれをというところまではまだ詰めておりません。
○伊波常洋委員 最後です。 ことしの7月に県立那覇病院で手術を受けた男性が、 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、 MRSAに感染し死亡した事故といいますか、 問題が起こりました。 その後、 この事故といいますか、 この問題の後、 どのような感染防止対策をとられたのか。 同時に、 遺族、 家族との話し合いは今どうなっているのか、 お聞きします。
○新田宗一病院管理局長 おっしゃるように、 ことしの7月、 MRSAで感染してお亡くなりになられた方がいます。 それは手術は成功したんですけれども、 結果的にMRSAの感染ということで残念な結果に終わったんですけれども。
 MRSA、 院内感染というのは、 県立病院に限らず病院において非常に重要なことで、 その対策をいろんな形で講じているわけですけれども、 今、 感染症対策委員会を各県立病院の専門医を集めて病院管理局内に設けておりまして、 それにマニュアルを整備して、 どういう手順で菌の発生を防ぐ、 あるいは防止をするという手だてを、 今、 マニュアルをつくって通知をいたしております。 たまたまその時点でいろいろ協議をしておりまして、 ちょうどそのころには完成しておりましたので、 早速各病院に指示し、 その対策を講じております。
 専門の方に言わせますと、 MRSA、 これは病院に常在菌で、 常にどこかにはいるという、 それが病気等で体力的に消耗したときに感染し、 急激に発症するという状況があるようで、 あらゆる手だてを尽くしてやっているわけですけれども、 なかなか防ぎ切れない場合があって、 せんだってのような状況が起こっているわけです。 これも厚生労働省マニュアル等に従ってきちっと対応しておれば、 それ以上はなかなか対応が難しいということもございまして、 今最終的にこれが県立病院において、 我々としては最大限尽くしたつもりが医学的に見てどういう状況になるのか、 警察の方でもそういう調査をしておりますので、 そういう刑事的な補償的なものについてはその判断待ちという状況があります。
 それと、 今後の対策については、 発生対策についてはマニュアルを制定しておりまして、 それぞれ各病院においてMRSA、 院内感染の防止についてきちっと対応してほしいということで通達を出しております。
 家族の皆さんとはまだ具体的なそれは進めておりません。 先ほど言いましたように、 病院側にどの程度のマイナスがあるのか、 今警察の方でも調べている状況でございますので、 その結果も待ちながら、 刑事責任、 あるいは民事上の責任等いろいろあると思いますので、 そういう結果をまって対応したいということで、 具体的なそういうお話はまだいたしておりません。
○伊波常洋委員 遺族側からはこうしてほしいとか、 何ら県に対して要望というものはないんですか。
○新田宗一病院管理局長 御遺族の方からは、 具体的な要望、 要求はまだ出ておりません。 そこの方も警察の動き等を判断しながら対応するということのようでございまして、 特段こうしてほしいというものは出てまいっておりません。
○伊波常洋委員 私が今これをお聞きしていますのは、 家族サイドの側からぜひ伺ってほしいということで、 急遽、 事前の報告なく私は今出しているわけです。 家族側の感触は、 少なくとも経過報告、 今どのようになっているかということぐらいは知りたい、 知らせてほしいという節があるんですけれども、 そうじゃないですか。
○新田宗一病院管理局長 そういう細かいことは今承知しておりませんが、 最初のころ、 証拠保全の要望であるとか、 あるいは質問事項であるとか、 いろんな文書でいただいたのがあります。 それには病院側でお答えしていると思いますけれども、 その後の状況について、 おっしゃるようなことであれば病院にも連絡して、 御遺族の皆さんに経過を説明するように指示したいと思います。
○上原吉二委員長 ほかに質疑はございませんか。
 糸数慶子委員。
○糸数慶子委員 きのうも代表監査委員の指摘もいろいろありましたし、 きょうも各委員からいろいろ質疑も出ておりまして、 かなり問題点も出されておりますけれども、 あえてお伺いしたいと思います。
 県立病院事業における単年度の損失の解消を目標にして、 先ほども質疑がありました、 平成13年度を最終年次とする沖縄県の病院事業経営健全化計画、 これを平成10年3月に策定して経営の健全化に取り組んできて、 結果としては、 やはり皆さんの資料にありますように入院や外来患者の延べ数、 計画値を下回ったこと、 それから、 薬の院外処方の進展に伴う診療報酬単価が減少したことで外来収入が大幅に減少して、 平成13年度での単年度の純損失を解消することができなかったわけですが、 当該計画の中で計画策定時において見込むことができなかった診療報酬の低率改定や医療保険制度の改正の影響などを受けて、 収益において大幅な乖離を生じさせる原因になっているということで、 これは社会状況の変化、 それから地域の医療状況に対応しながら計画を見直して、 実効性のあるものにする必要があったという指摘がありますよね。
 先ほど病院管理局長もお答えになっておりましたけれども、 その要因として幾つか挙げられてはおります。 そうはいっても、 やっぱり県民の福祉向上を図る一方で、 経済性も見ながら進めないといけないという状況の中で、 大変努力をしていることはわかるわけなんですが、 きのうも代表監査委員にも伺ったんですけれども、 やはりこの業務予定量は結果として計画とかなり乖離があるわけです。 その中に公営企業における業務予定量の設定ということで、 その評価方式なんですが、 患者数を業務予定量とする評価方式を従来ずっとやってきているんですが、 それは病院管理局長としては妥当だとお考えでしょうか。
○新田宗一病院管理局長 公営企業の予算編成のときに、 予算書にございますように、 業務予定量として患者数を表示しております。 それは御質疑の患者数につきましては、 その予算編成のもとになっております地方公営企業法の施行細則第12条というのがありまして、 その中で、 県議会に企業予算を出すときには、 特に病院事業については病床数あるいは年間入院患者数、 外来患者数、 それと1日平均患者数を記載して予算書を編成して出すようにということがございまして、 その地方公営企業法の中でも、 病院事業をはかるときには患者数をベースにして予算を編成するということがございます。 やっぱり病院の動きあるいは事業の量をはかるには、 入院患者が年間何名いるのか、 あるいは外来患者が年間何名いるのか、 これが一番比較しやすい、 あるいは判断しやすい大きな要素だと思いますので、 その患者数を業務量とすることについては、 病院事業においてはやっぱり妥当なものだと理解しております。
○糸数慶子委員 今、 患者数をちゃんと計画を立てて報告するのは妥当だとおっしゃったんですが、 ただ、 先ほどの病院管理局長の答弁の中に、 この四、 五年来の社会状況といいますか、 民間病院の充実、 あるいは診療所がふえたりした中で、 やはり患者が3万8000人減になっているという状況の中で、 過去のこのデータをもとにして計画を立てたのと、 実質的な結果としての患者の減の乖離ということを現に目の前にしながらそういう計画を立てるということが、 かなりその計画に無理があるんじゃないかということでお伺いしたんですけれども、 いかがですか。
○新田宗一病院管理局長 やっぱり患者数にしましても、 あるいは医業収益にしましても、 計画目標設定が大きい、 過大だったということになれば、 結果としては実績と相当な乖離がございますので、 そうなるんですが、 やっぱりその時点で判断できなかった要素があって、 そういう患者の増につきましても、 あるいは医業収益の確保につきましても、 若干ではありますが、 その時点まで右肩上がりで来ている。 それはこの向こう5年間についても、 そんなに急激な伸びはないでしょうけれども、 右肩上がりで行くであろうと想定して計画を策定したのが、 ものの見事に外れたということになっているわけです。 やっぱりその時点、 時点での判断がなかなかつきにくかったということで、 結果として大きな乖離につながっていると反省をしているところであります。
○糸数慶子委員 先ほどの大城一馬委員の質疑の中の答弁で、 第4次経営健全化計画を来年4月以降に策定するという答弁がございましたよね。 その中で、 今、 病院管理局長がおっしゃったように、 やはり乖離のないような想定といいますか、 それをぜひしっかりやっていただきたいなと思います。 それについて答弁をお願いします。
○新田宗一病院管理局長 第3次経営健全化計画を反省し、 分析しながら、 今まさにことしいっぱいかけて第4次経営健全化計画に向けて計画を策定中であります。 年内には検討委員会をつくりましてお諮りし、 提言を受けて、 来年4月から実施できる計画を策定するという予定にいたしております。 それについては、 業務予定はやっぱりそういう患者の動き、 あるいは医業収益の動き等を判断していかなくてはならぬだろうと思いますので、 的確に判断できるようにしてまいりたいと考えております。
○糸数慶子委員 それで、 今3万8000人の患者減に対して、 やはり変動経費といいますか、 つまり、 診療の材料であるとか、 医薬品であるとか、 給食の材料費、 そういうことはこれだけ患者が減少すればもちろん減るわけですけれども、 この減額の対応はその途中でできるのか、 こういう患者数の減少によって変動経費に正確に反映されていますか。
○新田宗一病院管理局長 患者が減れば、 薬剤その他診療材料の減につながることは当然だろうと思います。 それが正確に正比例するかというと、 必ずしもそうでない面もありまして、 診療報酬、 医業収益が減った分、 そっくりこの費用がそのとおり減るということにはならぬだろうと思います。 現実に薬品にしましても、 あるいは診療材料にしましても、 人件費につきましても、 いろんな諸経費については収入以上に伸びてきている状況がありまして、 必ずしも収入ほどは減っておりませんが、 結果としては予定額を超えていない形でおさまっている面は、 若干そういう患者数の減が影響している面もあろうかとは思いますけれども、 少なくとも患者が減った分はそれなりに減っていると理解をしております。
○糸数慶子委員 それは正確に計量できるものですか。
○新田宗一病院管理局長 正確といいますより、 結果的には毎年度の予算の中で、 あるいは決算の中で、 実績を評価する以外になかろうと思いますけれども、 そういうふうに患者が減った分、 そっくり経費の分も正確にこれだけ減らすということはなかなか困難なことだろうと思います。
○糸数慶子委員 それからまた、 代表監査委員の指摘の中に、 医者の欠員及びその補充のための短期異動が患者数減少の要因となっていますが、 それは本当の原因なのかどうかということでお伺いしたいと思います。
○新田宗一病院管理局長 確かに一番その影響があるところが、 去年、 平成13年度は八重山病院、 平成12年度も八重山病院でしたけれども、 医者の欠員があって、 あとの補充がなかなかうまくいかないというときには、 どうしても患者さんに迷惑をかけますし、 あるいは対応ができないという状況がありますので、 その影響は大きいだろうと思います。 ですから、 我々としてはどうしてもその欠員は置かない、 欠員が出たときには直ちに配置したいということですけれども、 年度途中でおやめになって開業するとか、 あるいはほかの方に移られるとかいうときに、 その後任がなかなか配置できないという厳しい状況がございまして、 やむを得ず欠員で置かざるを得ないという結果であります。
 それでも、 特に去年、 八重山病院におきましては、 その間、 特に耳鼻科につきましては半年ほど欠員があったんですが、 せめて1週間に1日だけの外来を診ようということで、 県立病院各病院2人ぐらいで10名ほどおりますけれども、 沖縄本島から週に1日ずつ交代で行って外来を診る。 あるいは、 小児科についても、 県内の本島内の小児科の医師が1週間交代で行くということでつなぎながら、 医者の確保ができるまでを何とかしのいでいく、 その協力体制をとりながらやっておりますけれども、 いかんせん、 そういうふうに短期的にドクターがかわったりしますと、 やっぱり患者さんに影響を与えるということで、 患者の減少というものはどうしても避けられないという状況でございます。
○糸数慶子委員 今お答えがありましたように、 八重山病院では大変だったということで答弁いただいたんですが、 この過去5年間の医師補充のための短期異動日数みたいなものの統計がありますでしょうか。
○新田宗一病院管理局長 平成11年度から平成13年度までの3カ年間ですが、 6カ月未満で交代した医者が3名、 6カ月から1年未満で交代した医者が16名、 1年以上2年以内で交代した医者が38名、 2年以上在職してやめられた方が18名、 75名の異動がございます。 やっぱり圧倒的に宮古病院と八重山病院の方で、 75名のうち23名が宮古病院、 26名が八重山病院、 そして、 いずれも8割方は2年以内で交代しております。 これはどうしても宮古病院、 八重山病院は琉球大学の医局からのドクターが交代で行っているものですから、 若い医者は1年交代あるいは2年交代で、 医局ローテーションで回っているものですから、 短期間の勤務になっております。 我々としては、 ずっと県立病院に勤めてほしい、 プロパーになってほしいと思うんですが、 医者の世界はなかなか非常に厳しいものがあるようで、 医局ローテーションのポストになってきますと、 どうしても短期間で異動がなされるということで、 我々としてはどうしようもない状況がございます。
 できるだけ長期間いて、 地域の皆さんとなじみができる期間いていただければ助かるんですが、 大学医局の都合で非常に短期で回転せざるを得ない、 配置がえをせざるを得ないという状況が、 現に宮古病院、 八重山病院にはございます。
○糸数慶子委員 宮古病院に関しては、 先ほど坂井民二委員からもありましたけれども、 途中でそれがうまくいって、 実際にはかなりいい状況に改善されたということを伺っておりますが、 八重山病院の場合に関しては、 今お答えがあったように随分短期でかわって、 本島から医師がかわりばんこに出かけていく状況だということでした。 現在、 一、 二年間の中で大体75名の異動があったということなんですが、 これは要因は大学側にあるんですか、 それとも今おっしゃったように  若い医師の皆さんが異動していく大きな要因は何でしょうか。
○新田宗一病院管理局長 大学側といいますより、 大学医局のローテーションで医局派遣のドクターについてはどうしても医局の意向というのがありますので、 ドクター当事者の判断、 意向というよりは医局の人事ローテーションの中で動いていきますので、 そういう医局人事になりますと、 1年ないし2年ぐらいで交代する状況があります。 それが今の75名がすべて医局のローテーションなのか、 あるいはその中にはやっぱり個人的な都合でおやめになられた方もおりますので、 大方はそういう医局人事の中で短期勤務にならざるを得ない状況だと御理解いただいて結構だと思います。
○糸数慶子委員 やっぱり離島の県立病院に関しては、 本島と違って救急で患者が運ばれてきたり、 あるいは耳鼻科であるとか産婦人科であるとか、 特になり手が少ない状況の中で緊急を要する診療科目にもなりますので、 できるだけそういうあきがない状況で御配慮いただきたいなと思います。
 それから、 先ほど高度・多機能病院は伊波常洋委員からも大分質疑はありましたけれども、 私も文教厚生委員ではないものですから、 現在の高度・多機能病院の中で細かい子ども病院に関して改めてちょっとお伺いをしたいことがありますので、 お聞かせいただきたいと思います。
 今、 県立高度・多機能病院対象の中のこの母子総合医療センター、 子ども病院に関することなんですけれども、 これは基本設計に向けて今ヒアリングが行われて、 具体的な工程に入っているわけですよね。 そして、 これは病院管理局、 JV設計者あるいはプロジェクトチーム、 そして母子総合医療センター設立推進協議会の方からも、 この病院の延べ床面積は1床当たり84平方メートルということで、 厳しい制限の中で、 やっぱり新病院の3本柱の1つである母子総合医療センターとして機能を発揮するために、 いろんな要望が出ていると思うんです。 その中で、 母子総合医療センター (仮称) の整備についての答申書をもとに、 ぜひ設計JVの担当者が答申書の内容を十分に把握して、 バリアフリーと将来の発展性を考慮した設計になるようにしていただきたいという要請があったと思うんですけれども、 そのことに関して今どのような状況になっているのか伺います。
○新田宗一病院管理局長 新病院はおかげさまで基本設計の最終段階に入っております。 総面積におきましては3万6400平米の中で1床84平米、 関係者の努力も得まして、 ある程度対応できる状況まで来ております。 その設計業者も我々の意向を十分承知しておりますので、 十分連携を密にしながら設計作業に当たってもらっております。
 バリアフリーにつきましては、 具体的な実施設計の段階できちんとそういう対応をするということになると思います。 今は、 それぞれのセクションのレイアウトの連携、 緊密性等、 どのフロアに配置した方がどの診療科はスムーズにいくか、 そういうものをやりながら、 各診療科のスペースをきちんと配置するという作業をやっておりますので、 そういう面でバリアフリーについても当然それは対応しなくちゃなりませんし、 また、 設計についても、 その報告書の趣旨を生かしながら対応を進めている状況でございます。
○糸数慶子委員 私、 去年、 ことし、 2度にわたってカリフォルニアの2つの子ども病院を見てまいりました。 この子ども病院に関しましては、 2年前でしたら、 子ども病院といったら小児科があるんじゃないのという県民の認識の中から、 20万人という多くの皆さんが、 出生率全国1位、 2位を誇る沖縄県で、 やはり死亡率の高い乳幼児のためにぜひ沖縄県に子ども病院をということで、 その運動が盛り上がって、 実際に知事も政策医療の1つとして取り上げられて今回ここまで進んだことは、 本当に皆さんの努力にも感謝いたしますし、 また、 県民がそれだけ要望しているということを実際に県としても掌握をされてここまで来たということなんですけれども。
 ただ、 アメリカの子ども病院を2つ見てきたんですけれども、 カリフォルニアにあるロサンゼルス子ども病院とオレンジカウンティにある子ども病院、 どちらもしっかりバリアフリーということを想定した設計の中身でありますし、 それから、 まずその病院に入っていくときから、 やはりそこの地域の学生たち、 特に大学生や地域の子供たち、 高校生も参加させて、 病院という威圧的な感覚じゃなくて、 本当に子供たちが気軽に診療を受けられる状態をスピルバーグ監督のもとに、 ちゃんと子供たちの要請をしっかり受けたという形でデザインをして、 そして壁面にも子供たちが、 あるいは高校生や大学生が一緒になって壁画をかいている状況。 あるいはまた、 地域の人たちから寄附を受けたら、 その寄附を受けた方々の名前が全部その建物の中に組み込まれて、 だれがどういう状況で協力をしたというのがわかる、 すばらしい病院ができていたんですね。
 ですから、 そこを見てきて沖縄の子ども病院といったときに、 今、 沖縄県の方から本土の多くの子ども病院に、 御両親もその子供たちも実際に診療のために出かけていくんですけれども、 その精神的な負担とか経済的な負担を取り除く意味でも、 沖縄県に欲しいということで今設計が進んでいるわけですが、 その状況の中に、 さっき申し上げました、 バリアフリーもそうですけれども、 1床当たりの病床面積が本当にかなり広くとられていまして、 やっぱり家族が横に付き添っていられる状況も、 実際に患者も参加させた中での設計のあり方をしっかりとってきたということを向こうの関係者が話をしていらっしゃいました。 ですから、 それを考えたときに、 今、 皆さんは母子総合医療センター設立推進協議会の要望に基づいてきっちりやっていきたいとおっしゃっていますので、 ぜひそれが反映される子ども病院にしていただきたいなということを要望いたします。
 それからもう1つ、 先ほど研修医のことが伊波常洋委員の答弁の中に出ておりましたけれども、 その研修医の宿舎なんですが、 これは延べ床面積が1床84平米の制限の中で、 この母子総合医療センターの機能を十分に発揮するにはかなり無理があるんじゃないかという設立委員からの要望もあると思うんですね。 ですから、 研修医宿舎を別の敷地へ建築することによって、 必要なスペースを確保していただきたいという要望があると思うんですが、 それについてはどのように考えていらっしゃいますか。
○新田宗一病院管理局長 せんだっての関係者、 母子総合医療センター推進協議会からの陳情がございます。 やっぱり研修医の院内宿舎というのは研修医協議会の中でも提言されておりまして、 どうしても院内でやってほしいということと、 それから、 長年の中部病院での臨床研修の実績等の経験もありますし、 どうしても院内で確保しなくちゃならないという提言もあります。 そういうことで、 今、 最大44名を想定して提言を受けておりますけれども、 他の診療科その他そういうところとの調整の結果、 22はきちんと確保しようよと。 残りについては、 後日、 またそれなりの対応をするということで、 今22を想定して院内で宿舎を確保するということでやっておりますが、 すべての研修医の宿舎を院外にというわけにはまいりませんので、 半分の22は確保して整備をしていきたいと考えております。
 それと、 1床当たり84平米、 トータルで3万6400平米の病院の中で、 母子総合医療センターのスペースが果たしてそんなに狭いものなのかどうか。 ただ観念的に狭い狭いと言われても非常に困るので、 今、 設計で外来診療部、 NICU、 手術場、 分娩室、 あるいは病棟、 そういうものを配置した中では、 さほど私どもとしては不都合を与える状況はない。 ただし、 プラスアルファのもので、 いろんな親の会の事務連絡事務所をつくってほしいとか、 そういうところまでなってくると、 なかなか対応できない面もありますけれども、 少なくともボランティアの皆さんが控えるお部屋とか、 患者の控え室とか、 院内学級とか、 あるいは遊ぶスペース、 プレールームの確保とか、 そういうものはきちんと各階に確保しておりますので、 ある程度の充足はできているんだろうと理解しております。
 この部分のスペースを全部積み上げて幾らになりましたよということはなかなか出しにくいし、 手術場、 あるいは事務部門、 検査部門、 薬剤部門、 それぞれ共用の部分がありますのでなかなか出しにくいんですけれども、 それなりに配置した結果、 さほど厳しいと私どもは受けとめておりませんし、 それなりに御理解をいただけると考えております。
○糸数慶子委員 今、 1床当たりの84平米というのは、 これは感情的にそう言っているということではなくて、 専門医を含めて、 この推進協議会も一緒になって何度もしっかり検討した結果、 90平米以上を要求したにもかかわらず、 この辺で財政的な面もあるのでということで出されていることですから、 これはきっちりいろんな調査をした結果、 最低限これだけ必要だろうということで出された部分というのはありますので、 その辺は逆に理解していただきたいなと思います。
 ちなみに、 病院管理局長は、 他の都道府県あるいは海外の小児病院を実際に視察された経験、 あるいはまたされたら、 今、 沖縄県がつくろうとしているものに対して、 それをその中にどう反映させていける部門があるかということがありましたら、 お伺いしたいと思います。
○新田宗一病院管理局長 県外の子ども病院については、 兵庫県のいろんな検討をしている最初の段階に出かけて見ておりますけれども、 私はあそこしか見ておりませんが、 その後、 宮城県、 あるいはナショナルセンターである、 東京都にある昔の国立小児病院とか、 神奈川県とか、 長野県とか、 あちこち職員を行かせて資料収集はしております。 それは十分反映できると思います。
 それと、 94平米といいますのは、 確かに議論をしていただいたんですけれども、 それは関係部局が事業を立ち上げるときに、 一体どれだけの面積、 どれだけの予算を財政当局に要求してつくるんだという計画策定に当たって御議論いただいたものであって、 それを受けて最終的に県として判断したのが84平米ということであって、 ですから、 その94平米というのがすべてそうでなくちゃならないということにはならぬだろうと思います。 それは総合的に判断し、 あるいは県として、 これだけの財政上、 その他を検討した結果、 この面積。 それと、 各県の中央病院的な病院を見たときに、 どうしても確保しなくちゃならぬ面積というのは、 大体その84平米の中では対応できるという判断で了解し、 計画を進めておりますので、 そこら辺の94平米のいきさつ等についても、 また御理解をいただきたいと思います。
○糸数慶子委員 大体84平米という形で落ちつくということなんですが、 実は海外に見に行ったときに、 今、 病院管理局長の答弁もありましたけれども、 アメリカの方ではやっぱり絵本や図書コーナー、 院内の学校、 それからプレールーム、 そういうところもしっかり設計の中に入れて、 そして取り入れられていたという状況を目の当たりにしたんですが、 もう1つは、 やっぱりそこで出入りする家族もそうなんですが、 きっちりとした支援体制がなされていて、 とても感心しました。
 これは医者のマンパワーの確保もさることながら、 子ども病院の運営のためにボランティアを随分募って、 私たちが行ったときにも、 院内の説明は担当の職員とボランティアが一緒について回っていましたけれども、 病院の中の医師も、 ここに定数枠で常駐している医師と、 あとは大学病院と提携をした、 登録をされたボランティアの医師も随分いらっしゃいまして、 それで24時間体制、 緊急体制もしっかりとられて、 私たちが視察している間にも屋上にヘリが離発着をしている状況の中で、 やはりこれからこの病院が設計されて具体的に動き出すまでには、 一般の人たちに呼びかけて、 ボランティアももうこの時期から確保して啓発をしていくべきだなということを感じましたので、 その辺もこの病院ができてからということではなくて、 ぜひしっかり啓発もやっていただきたいなということを要望いたします。
 それから、 最後になりますけれども、 今の設計の段階でレストランを移すとか縮小するとかということがあるんですけれども、 それはどういう状況になっているんでしょうか。
○新田宗一病院管理局長 いろんな配置の中で、 医局の皆さんであるとか診療科の皆さんであるとか、 相当具体的なそういうものを示しつつ、 観念的といいますか、 そういう形で狭いということが先にあって、 医局が狭いから何とかスペースを確保せいというお話があって、 実際、 設計図を拡大し、 必要な人数分のスペースを配置して、 机の配置、 ロッカーの配置をしていくと、 何かおさまっているじゃないかという状況もあります。 最初は、 そういうふうにあったときに、 最終的には大きな食堂というよりはラウンジ程度で十分じゃないかということで、 改善することについてやぶさかじゃないというお話を申し上げたんですが、 最終的に、 さほど食堂を縮小しなくても対応できるという状況に今来ております。 今、 具体的な入れ込み作業をしておりますので、 そんなに食堂をすべて撤去してという状況にはならぬだろうと理解しております。 ですから、 何とかおさまりはつくんだろうと考えております。
○糸数慶子委員 ありがとうございました。 この新病院、 母子総合医療センターは、 本当に20万人近くの署名が集められて、 本当に県民が期待する大きな事業でもあります。 今、 基本設計はまだ終了していないわけですよね。 ですから、 この基本設計が終了すると同時に、 やっぱり県民への説明会を行って、 ぜひ情報の公開を行っていただきたいんですが、 いかがでしょうか。
○新田宗一病院管理局長 今もう最終の調整に入っております。 一番難しいのは、 今言うように陣取り合戦みたいな感じでスペースの配置が非常に困難で、 それぞれのセクションとの調整が難渋しておりましたけれども、 大方まとまりつつありますので、 でき上がりましたら、 基本設計の段階の状況を公表してまいりたいと考えております。
○糸数慶子委員 基本設計はいつできますか。
○知念建次病院管理局次長 私の方からスケジュール、 概略的な御説明をいたします。
 今、 基本設計の最終段階でありまして、 さっき病院管理局長が答弁しましたように、 もう各セクション、 セクションの医療機器等を入れ込んでいる作業をしているところです。 この医療機器等を入れ込んだレイアウト図面が今週から来週にかけてほぼ固まると思います。 それが固まった後で、 それに基づいて積算が出てきます。 その積算が約1カ月ぐらいかかります。 ですから、 今の状況でいきますと、 11月の中旬から下旬ぐらいにかけてはまとまるんじゃないかと考えています。
○糸数慶子委員 ことしの11月中旬には基本設計が大体終了してまとまるということですね。 そうしたら、 それに関連しまして、 先ほども要望いたしましたけれども、 県民への説明会、 具体的な情報の公開をぜひ行っていただきたいんですが、 それについてはいかがですか。
○新田宗一病院管理局長 できるだけ皆さんにお示しいたしたいと考えております。
○上原吉二委員長 ほかに質疑はありませんか。
 平敷昌一委員。
○平敷昌一委員 病院管理局長が一手に引き受けて、 やっと知念病院管理局次長に答弁の機会を与えてほっとしている……。 病院管理局次長でもいいです、 担当課長でもいいですから、 気軽に答えてください。
 実は私、 最近、 物語シリーズの本ですけれども、 「医療過誤ものがたり」 という本を読んだんです。 そうしたら、 医療過誤問題は大変深刻なんですね。 裁判に持ち込まれてくるケースが年々大変ふえているんです。 ところが、 専門性が高くて、 密室性があるものですから、 弁護士もなかなか引き受け手が少ないんだそうですね。 そして、 裁判に持ち込まれても、 裁判所が判決文を書きたくない、 書くのが大変だということで、 結局、 医療ミス事件というのはほとんどすべて和解に持ち込まれているという状況。 それで、 この本に書いてあるものですから、 これを読んで、 ああ、 これはいろいろ問題があるなと思って、 私なりに資料をとってみたんですよ。
 それで、 全国自治体病院協議会というんですか、 沖縄県も加入していますけれども、 そこの資料によりますと、 全国自治体病院で例えば平成5年で337件あったのが、 平成7年にいきますと410件にふえております。 それから、 平成9年にいきますと510件、 そして平成11年を見てみますと617件、 平成12年度が718件と、 もう年々医療過誤問題、 医療ミス事件が裁判に持ち込まるケースが大変ふえているという状況がわかりました。 病院に行くのは健康を維持するために行くんですよね。 そうしたら、 身体障害者にされてしまったとか、 命を守るために病院に行ったら殺されてしまったとか、 こういう事件があるんですね。
 そして、 つい最近ですけれども、 大きな病院でカルテの改ざんが行われたとかいう事件等がありまして、 これは大変な問題だなと思っているんですが、 そこで、 我が方の県立病院はどうなっているかなと。 平成5年あたりからでいいんですけれども、 その件数と損害賠償として支払いをした額、 これを説明してください。
○新田宗一病院管理局長 復帰以後申し上げますと、 トータルで46件ございますが、 過去10年で13件で、 損害賠償額が1億2597万3413円、 これが県側に責任があるということで損害賠償としてお支払いした金額でございます。 これは13件分です。 あと、 今現在いろんなクレームがついて調整中とか、 まだ裁判になっていないものとか、 相談をしているものであるとか、 あるいは我々の説明をしているものであるとか、 いろんなものがございます。
○平敷昌一委員 今の説明では、 13件で1億2500万円の損害賠償の支払いをしましたと。 これは実績ですね。 件数としては39件ですか。
○新田宗一病院管理局長 復帰以来、 全体としては46件ございます。 そして、 これは過去10年の概括分ですけれども、 過去10年では39件起こっておりまして、 13件が解決し、 これだけお支払いしたという意味です。
○平敷昌一委員 これもほとんど和解ですね。
 さて、 そこで、 全国自治体病院協議会共済会といいますか、 保険に入っておられるわけですよね。 県が毎年保険料を支払って  これは保険料というか、 加入金を支払いしておられるわけですね。 その額は年間幾らですか。
○新田宗一病院管理局長 おっしゃるように、 沖縄県の場合、 やっぱり現場で安心して医師が治療行為ができるようにということで、 沖縄県が保険に加入いたしております。 その総額が4546万9283円、 これは7つの病院、 そして当然18の附属診療所を含めて、 沖縄県の経営している病院の年間の保険料でございます。
○平敷昌一委員 そうしますと、 全国自治体病院の共済会に対して沖縄県が年間4500万円余の保険掛金、 保険料を支払っておられるわけですね。 そうすると、 10カ年では4億5000万円になりますよね。 そして、 先ほどの説明によりますと、 まだ係争中なのもあるんですけれども、 過去10カ年13件が決着して、 保険料を受け取ったのが1億2500万円、 こうなるわけですね。 保険ですから、 支払った額が戻ってくることはないわけで、 それは別にしまして、 さてそこで、 病院ごとの資料をいただいてみましたが、 北部病院は年間に1000万円余り保険金を支払っておられますね。 中部病院は870万円ですね。 それから、 南部病院が390万円、 八重山病院がまた960万円と病院ごとに保険料が違っていますよね。 これはどういうことなんですか。
○新田宗一病院管理局長 保険ですから、 そういう医療事故があって、 保険会社が負担した場合の負担率との関係があって、 端的に言いますと、 医療事故が多いところは掛金も高くなるという計算になるものですから、 ここ最近、 北部病院あるいは八重山病院での事故が相次いだ関係がありまして、 保険料率が割高になっている。 逆に、 中部病院、 南部病院あたりはさほどそういう医療事故がないために、 掛金は基準の金額で契約をしている状況でございます。
○平敷昌一委員 そうしましたら、 大体損害保険というのはそうだと思いますけれども、 危険率が高いのは掛金も高くするんですよね。 それはそうなると思いますね。 それで、 例えば北部病院は、 これは平成13年度ですか、 1000万円余り払っているわけですね。 そうすると、 北部病院はこの保険掛金が1000万円より安くなることもあるんですか。 もうこの額は大体それでずっといくんですか。 あるいは何か取り決めがあるんですか。
○新田宗一病院管理局長 医療事故がなくなって、 損害賠償保険に余り厄介にならない状態が何年か続けば、 またもとの状態に戻ると理解しております。
○平敷昌一委員 これはペナルティー、 やっぱり危険率ということでしょうね。 危険率が高いと、 掛金、 保険料も高くなると。
 さてそこで、 過去10カ年で39件の事故が発生をして、 13件が、 調停もありますけれども、 ほとんど和解で決着をして、 1億2500万円の保険料が支払いをされた。 これは県に入ってきて、 県が原告に支払うと思いますけれども、 そういう事件が起きた場合には、 この損害補償だけではないんですよね。 いろんな費用がかかるんですよね。 例えば裁判所の訴訟費とか弁護士の報酬とか、 いろいろあるんですよね。 これはどこから出ているんですか。
○新田宗一病院管理局長 当然、 弁護士に依頼をして、 調整あるいは裁判を行わせるわけですが、 その弁護料についても保険から補てんされるということでございます。
○平敷昌一委員 そうしますと、 先ほどの1億2597万円というのは、 原告側に支払いをした補償金プラス訴訟費用や弁護士報酬も入っていると理解していいわけですね。
○新田宗一病院管理局長 そのとおりでございます。
○平敷昌一委員 さてそこで、 これは先ほども申し上げたんですが、 こういう形というのは、 全国的にも年々ふえてきているし、 県内の県立病院でも相当な件数にふえてきております。 平成14年度8件、 平成13年度9件ですから、 ふえてきております。 医療過誤が起きないように、 それに対する防止対策というのは当然あると思いますけれども、 具体的にどういう形の防止対策を講じておられるか、 あるいは講じようとしておられるか、 それを説明願います。
○新田宗一病院管理局長 医療事故を起こしますと、 病院に対する県民の信頼、 患者の信頼を失わせる大きな要因でありますし、 そういうことを起こさないように常々心がけなくちゃならぬということは私もずっと申し上げておりまして、 各病院においても、 医療事故対策委員会、 医療安全委員会を組織させております。 そして、 同時に、 今、 各病院から委員に参加していただいて、 病院管理局においても県立病院全体の医療安全委員会を設置しております。 その中でここ最近ありましたことは、 いろんな形でそういうヒヤリ・ハット、 あるいは事故等が起こりますので、 そのヒヤリ・ハットの問題としてインシデント報告を出してもらう。 何かそういうミスあるいは事件につながりそうなものについては、 無記名で結構ですから、 きちんと報告してもらう。 それを院内の安全委員会で検討して、 職員に注意喚起をする。 そして、 事故を起こしたことについても、 病院を通して病院管理局に報告してもらって、 安全委員会で検討し、 そして、 それをほかの病院に対してもこういうことについて注意を喚起するということで、 組織的に常にそういう医療事故に対する注意喚起をするというシステムづくりを今しております。
○平敷昌一委員 病院というのは患者の命を守るために、 病気を治すためにあるわけですから、 逆に、 そのために病院に行ったら殺されてしまったとか、 障害者になった、 これは大変な問題だと思いますね。 ですから、 医療過誤、 医療ミスというのは絶対に起こしてはならないと思います。
 さてそこで、 先ほどの説明によりますと、 年間四、 五千万円の保険料を県が負担して掛けているわけですから、 これまで10カ年で39件医療ミスが起きたわけですが、 それに対して、 保険として1億2000万円もらった。 これは県が保険料として毎年四、 五千万円支払いをしておられる。
 そこで、 こういう事例はありませんか。 これは県が支払うわけですから、 損害賠償するわけですから、 当然これは国家賠償法に基づく補償じゃないですよね。 民法第715条の使用者責任として、 これを患者に対して支払うわけですよね。 そうすると、 その使用者たる県は、 その原因者、 責任者に対して求償権利というのが行使できますよね。 これはやったこと、 行使したことはありますか。 やっていないとすれば、 どういう理由でやっていないか。
○新田宗一病院管理局長 おっしゃるとおり、 現場においてドクター初め職員、 医療要員が起こした事故については、 使用者責任として県が賠償いたしております。 それにつきましては、 民法第715条で求償権が行使できるということにはなっております。 しかし、 国家賠償法におきましても、 求償する場合は故意または重大なる過失という枠をはめております。 ですから、 基本的にはそういう民法の使用者責任で補償しますけれども、 その考え方としましては、 国家賠償法の故意または重大なる過失ということを想定しながら、 もしやるとすれば、 そういう運用をせざるを得ないということがありますので、 結果的に沖縄県において求償権を行使したことはございません。
そういうことで、 現場における医療事故の判断ですけれども、 なかなか難しい分野がございまして、 そういう故意または重大な過失に相当する事案としてはなかったと我々は認識しております。 現場において医療行為を一生懸命やっている中で起こった不幸なそういう事態と認識している中で、 求償権を行使するということはしておりませんし、 また、 職務の特殊性からしましても、 その事故が起こったこと、 即、 責任追及あるいは求償権というわけにはまいらぬというところもありましょうし、 また、 手術するにしましても、 あるいは投薬をするにしましても、 医療行為の中では生身の人間に対して行う行為ということで常に危険をはらんでいる。 そういう状況があるものですから、 そこに本当に故意であるとか、 重大なる過失があるということが認定できれば、 当然そういう対応はいたしますけれども、 今までの沖縄県における事故については、 そういう判断はいたしておりません。 そういうことで求償権を行使したことはございません。
○平敷昌一委員 県立病院においては、 今後、 そういう医療過誤、 医療ミスというのは絶対に防止しなければならないと思います。 いろんな対策を講じているという説明はありましたけれども、 こういうことは考えられませんか。 本当に単純ミスで重大な事故につながったというケースが私はあると思います。 回復処置をしてメスを置き忘れるとか、 ガーゼを体の中にそのままにしてしまったとか、 これは実に単純ミスですよね。 それから、 患者を取り違えて投薬を間違えた、 これも実に単純なミスですよね。 ですから、 故意ではないかもしらぬけれども、 実に単純なミスで重大な事故を起こしたということは言えると思うんですよ。
 そこで、 防止策として、 そういう実に単純なミス  これは僕はこう思うんですよ。 地方公務員法の職務専念義務に当たるんじゃないかなと思うんですよ。 職務上の義務に違反または職務を怠った。 そこで、 医療ミスを今後徹底してなくするために、 ある戒めも必要じゃないかなと思うんですね。 つまり、 これは懲戒処分ですよ。 懲戒処分にもいろいろあって、 戒告でもいいし、 訓告でもいいし、 何も免職というところまでいかないにしても、 そういう戒めは必要ではないかなと。 実に単純なミスで人間の生命を奪ったり、 あるいは身体障害者にしてしまうわけですから、 そういうことは考えられないか。 病院管理局長、 これは専門家なはずですから、 どう考えているか。
○新田宗一病院管理局長 確かにおっしゃるように単純なミスで患者に重大な影響を与えるということもあろうかと思います。 ガーゼの残置については残念ながら本県でも1件ございましたが、 それは命に別状はなかったわけですけれども、 患者の取り違え等、 そういう他県のほかの病院で例があるような、 マスコミで伝えられる状況は県内ではございません。
 しかしながら、 おっしゃるように、 医療事故については、 場合によっては刑事事件の訴追を受けるものもあります。 そういうものになった場合には、 それなりの行政罰としての対応も当然必要かとは思いますけれども、 ミスあるいは事故の原因が本人のどの程度の認識のもとになされているかという問題も当然ありましょうし、 やっぱり故意であるのはもってのほかですので、 当然対象になりますけれども、 過失の度合いも、 そういう通常の注意義務で対応しているものについてまで処罰するというのはいかがなものかということで、 おっしゃるような懲戒についても、 これまで特にやった事例はございません。 それと、 刑事罰でドクターが処分されたということもございませんので、 今のところそういう懲戒処分ということはやった事例はございませんけれども、 やっぱり刑事罰で業務上過失傷害あるいは業務上過失致死等が出た場合には、 それなりの対応をせざるを得ないということもあろうかと思います。
○平敷昌一委員 刑事事件になれば当然の話で、 これはもう当然やらなきゃいかぬ。 しかし、 私が言っていることは、 そういう単純ミスを防止するために、 注意義務違反、 職務を怠った場合、 懲戒事由の中の全体の奉仕者たるにふさわしくないに当たるかもしれませんね。 それもあり得るということをやっぱり十分認識させる必要があるんじゃないかなと思うんですよ。 特に医療機関というのは、 本当に密室性が高いですよ。 それで専門性が高いですよ。 封建制がありますね。 封建制というのは何かというと、 先輩後輩、 学閥、 つまり、 人脈によってある組織を構成する、 象牙の塔ですよね。 そういう機関の中にあるので、 この本の中にも書いてありますけれども、 その原因、 責任というのは解明するのは大変難しい。 これはなぜ難しいかというと、 そういうことなんですよ。 密室性が高い、 専門性が高い、 封建制が高い、 こういう中で、 ですから弁護士もなかなか引き受け手がない。 裁判官もできるだけ和解に回してしまって、 判決文を書きたくないということがあるんですよね。 病院職員にだって地方公務員法の適用を受けるわけですから、 仮にそういう単純なミスを犯した場合、 職務怠慢という形にすれば、 訓告なり戒告なりのその程度の懲戒処分もあり得るということを医療過誤防止対策の中で明確にすべきではないかなと私は考えておりますので、 御検討のほどをよろしくお願いいたしまして、 終わります。
○上原吉二委員長 ほかに質疑はありませんか。
 新里米吉委員。
○新里米吉委員 できるだけ短く終わるために、 通告してある1、 2、 3をまとめて質疑したいと思います。 いずれも審査意見書の4ページの病院別当初予定量と実績の比較にかかわることです。
 1つ目に、 入院患者数がすべての病院で実績が予定量を下回っています。 その、 すべての病院で予定量よりも実績が下回った理由を伺いたい。
 2つ目に、 この表の中で、 入院患者数が中部病院、 南部病院、 八重山病院で、 予定量と実績の乖離が非常に大きいです。 中部病院、 八重山病院については、 審査意見書の24ページで説明がされております。 それで、 南部病院について、 入院患者数が予定量と実績で4.5%という差がありますが、 それについて説明をしてください。
 それから3点目に、 外来の方を見ますと、 北部病院と八重山病院の実績が予定量を著しく下回っています。 その理由を伺いたい。
○新田宗一病院管理局長 予定量につきましては、 次年度予算を編成するに当たって、 来年度、 どれだけの患者と医業収入を見込むかということは非常に重要なことでございまして、 常時、 調整、 分析をしながらやっているわけでございますけれども、 平成13年度につきましては平成12年度中に要求するものですから、 また、 その前年の平成11年度の状況を見て、 11年度の実績にやや近い形で、 今の状況の中では厳しいだろうということで、 平成11年度の実績より少し下目の88万6000人を見込んでおります。 そういうことで、 あながち実現できない数字ではないという認識でやったんですが、 結果としては御指摘の2万8000人の患者減につながってきております。
 それは、 いろんなそれぞれ個別の病院の要因がございましてそうなっているわけですけれども、 御指摘の南部病院についてでございますが、 中部病院は移転の関係がございましたし、 八重山病院もドクターの欠員等、 いろいろ理由がございました。 南部病院については、 平成14年4月から50床を休床しております。 これはやっぱり病床利用率が8割を切っておりましたので、 それだけ各看護単位に何床ずつかあきがありますので、 それは効率が悪いということで、 集約することによって1病棟休床できる。 それと、 300床の病院としては、 それでは効率が悪いし、 250床で十分対応できるということもあって、 50床休床しましたが、 その休床に際して、 いきなりすぐ50人を縮小するわけにはまいりませんので、 休床に向けて少しずつ患者制限をしてきた。 最終的に4月1日に250人以内になるような形で病床を運用した関係で、 結果的に入院患者がフル回転する300床を常時想定して入院をやる状況じゃなかったものですから、 それも大きな影響があるんだろうと思います。 それと、 南部病院におきましてもそういう脳神経外科あるいは小児科の欠員等がございましたので、 その影響もあろうかと思います。 そういうことで、 当初予定を4000人ほど割り込んでおります。 そういう状況がございます。
○新里米吉委員 それから、 4ページの下の表、 年度別当初予定量と実績の動向を見ますと、 平成10年から13年まで毎年実績が予定量より低くなっているんですね。 それについても理由を伺いたいと思います。
○新田宗一病院管理局長 残念ながら、 当初予算予定量より毎年実績が下回っているという結果になっております。 我々としては、 先ほど申し上げましたように、 次年度の患者数を見込むときに、 現年度の患者の上半期の動向、 あるいはその前の年の患者実績等を参考にいたしますが、 例えば入院について見ますと、 平成13年度88万6440人を見込みました。 これは平成12年度の途中で次年度の編成をしますので、 その前の年の平成11年度の実績が88万8495人あったものですから、 その程度は回復できるであろう、 可能であろうということで想定して設定しているわけですけれども、 その中には各病院もしっかり患者確保の努力もしてほしい、 そして、 あながち実現できない数字ではなかろうということで業務予定量を設定しているわけですが、 結果として、 残念ながらそういう数字になっていないということです。
 それは、 個別的にはいろんな各病院の医師の欠員であるとか、 あるいは県立病院で働いたドクターが、 その年じゃなくても、 前の年におやめになって近くで開業したときに、 患者さんが移動してなかなか回復し切れない、 新しいお医者さんを配置しましたけれども、 回復し切れない、 いろんなそういう要素があって、 結果的にこれだけの減になっております。 そういうことで、 なかなか達成できなかったことは非常に残念であります。
○新里米吉委員 7ページの定数と現員を見てみますと、 医師の定数現員は平成12年度より平成13年度は大きくふえてきておりまして、 その点は評価をしたいと思いますが、 欠員が6名もあるんですね。 その6名の内訳と理由を伺いたいと思います。
○新田宗一病院管理局長 3月31日現在で6名欠員となっております。 これは北部病院でお1人、 整形外科の医者が平成12年3月31日におやめになって、 その補充がつかなかったと。 ただし、 平成13年度いっぱいは厚生労働省派遣医師でカバーしております。 それは定数外になるものですから定数カウントはしておりませんけれども、 実質的にはカバーされております。 そして、 ことしの5月1日に採用して、 回復しております。
 それから、 那覇病院が2名欠員になっております。 それは小児科お1人で、 その前の年の10月におやめになっております。 そして、 もう1人は産婦人科の医師で、 それも前年の3月31日でおやめになって補充がついておりませんけれども、 お一方はことしの4月1日、 そしてもう1人はことしの6月1日に補充されております。
 それから、 南部病院でお2人欠員が出ております。 小児科と耳鼻咽喉科の欠員があります。 これについては1年じゅう欠員になっております。 小児科については、 現在も欠員でありますけれども、 南部圏域の小児医療は救急輪番制をとっておりまして、 昼間の診療は2人で十分なんですが、 夜の救急の当直が2人では大変ということがあって、 南部圏域で輪番制で救急対応しておる。 月に三、 四回ぐらいの当直で対応できるということで、 2人で十分という状況がございます。 耳鼻咽喉科についても、 今1人おりますので、 この1人で十分対応できているという状況があります。
 それから、 もう1人は宮古病院、 これも小児科です。 1年間欠員がありましたが、 ことしの4月1日には琉球大学から派遣して補充をいたしております。
 以上の6名の欠員状況でございます。
○新里米吉委員 審査意見書では、 八重山病院の欠員が指摘されておるんですが、 今の報告では八重山病院がなかったんですけれども、 これはどうなっていますか。
○新田宗一病院管理局長 八重山病院は、 小児科と耳鼻科でしたけれども、 上半期に欠員があって、 小児科につきましては、 琉球大学から平成14年1月に増員派遣をいたしております。
○新里米吉委員 調査時点ではその人はたまたま退職されていたということですか。
○新田宗一病院管理局長 3月末時点で調べたものですからカウントされておりませんが、 その3カ月前の琉球大学から派遣し、 その前の1カ月は東京女子医大、 その前の11月は日赤岡山センターから1カ月応援を求めております。 その前は県立病院、 本島から4月以降応援をしながらしのいできて、 11月、 12月はそういうふうに1カ月ずつ他県の病院の応援がいて、 1月からやっと琉球大学が派遣しているということで、 上半期の分で八重山病院に欠員が出てきております。
 それと、 耳鼻科についても上半期欠員があって……。
○新里米吉委員 じゃ、 八重山病院は現時点でどうなんですか。
○新田宗一病院管理局長 現時点ではすべて配置済みであります。 特に小児科については、 中部病院の小児研修を修了した若い医師を派遣して、 今4名体制でやっております。 そのほか、 耳鼻科の医師もかわりましたが、 派遣しております。 小児科も派遣しております。 それから、 放射線科も派遣しておりまして、 今はすべて配置をいたしております。
○新里米吉委員 八重山病院については、 実は、 去年の審査意見書でもことしの審査意見書でも、 いつも八重山病院の名前が出て、 欠員ということが常に問題になっているんですね。 欠員でない場合でも、 わずか何カ月ぐらいでぐるぐるかわっているとか、 八重山病院の医師確保というのが非常に大きな問題になっている気がします。 これは要望ですけれども、 こういう恒常化していく状況の理由が何なのか、 これはちょっと言葉で言いにくいんですが、 ある意味での僻地性、 離島性というのもあるんだろうと思いますけれども、 それ以外に何かそういう欠員解消の施策を行政的にやれないものなのか、 そこら辺をぜひ検討していただきたいなと思います。
 それから、 次の質疑に移ります。
 9ページの資本的収入及び支出のところですが、 そこの国庫補助金2億8500万円も減になっておりますね。 別のところで、 これは国からの内示減だったことが書かれている箇所がありましたけれども、 その内示減になった理由を説明してください。
○新田宗一病院管理局長 資本的収支の中で、 収入、 国庫補助金のところで、 決算ベースで2億8549万9000円の減になっております。 その大きな理由の1点は、 国庫補助金の中で中部病院の新南病棟の改築工事がありまして、 翌年度繰り越しをやったものですから、 その工事の中に国庫補助金が入っておりまして、 まだ終了していないということもあって、 年度内に工事金受け入れができなかったんですけれども、 年を越してことしの初めごろ受け入れております。 その中で1億7819万4000円、 約半分強ぐらい、 2億8000万円のうち1億7000万円余りは繰越分で、 年を越えてずれましたけれども、 受け入れております。
 そして、 残りの中で、 1億4234万円ほどの内示減がありますけれども、 これは新病院に向けて院内情報システム、 オーダリングシステムというのを導入しました。 それは、 総予算額は最終的には7億七、 八千万円ぐらいかかっておりますけれども、 これは当初8億円ぐらいの事業でやろうということで、 そして、 国もIT宣言をして補正予算を組んだときがございまして、 そのときに厚生労働省からのそういう通知があって、 整備計画があるところは申し入れよということがあって、 私どもは新病院に向けて当然そういう情報化をしなくちゃならぬという状況もありましたので、 手を挙げて補助金申請をしたわけですけれども、 意外とそういう補助金を申請した病院がたくさんありまして、 予算の範囲内で配分したものですから、 最終的に情報システムの国庫補助として受けたのが2億5765万7000円と。 当初4億円程度見込んだんですけれども、 それが、 結局、 国が予算の範囲内で手を挙げたところに全部均等に配分しちゃったものですから、 最終的に国庫補助が減額になったということで、 その減分が1億4200万円余りということで、 これはそういうことで国庫補助が減になって入らなかったという分の予算でございます。
○新里米吉委員 16ページの精和病院についてなんですが、 下の方の行に医業収支比率74.9%となっています。 ほかの病院は大体八十七、 八%とか89%とか90%を超えるとか、 そういう状況なんですが、 ほかの総合病院、 県立の病院と比べて精和病院の医業収支比率が極端に低い理由を説明してください。
○新田宗一病院管理局長 精和病院は精神科病院ということで、 どうしてもほかの病院と違って医業収益が少ない。 要するに、 入院にしましても、 手術等がないものですから、 1人当たりの単価が非常に安いといいますか、 少ないという精神科病院特有の状況がありまして、 歳入がそのときは16億3695万円、 費用が21億8500万円と。 人件費その他についてはほかの病院と同じような形でかかるものですから、 やっぱり精神科は全国的にも医業収支の比率は非常に悪いという状況がうかがえます。
 ちなみに、 全国的に見ますと、 平均65.1%が医業収支比率でございます。 精和病院は74.9%ありますので、 少しいいかなということですね。 ただし、 精神科については国庫補助がございますので、 最終的にこの一般会計を通して補助金が入ってきますので、 それを入れた最終的な収支比率は99.3%の状況になりますので、 やっぱり精神科、 結核、 感染症、 そういうものについては政策医療ということで、 ほかで補てんされる仕組みができております。
○新里米吉委員 17ページの主な経営指標の職員1人当たり患者数です。 全国と比較して平成12年度はどちらも数値が高くて、 沖縄県の医療従事者が非常に過重労働であったわけですが、 平成13年度は、 全国平均と比べますと、 医師も看護部門も入院の方は沖縄県が少し高いけれども、 外来の方では低くなるということで、 総合的に見たら大体全国並みになったと理解していいのかなと思っています。 そういう意味では、 皆さんの改善の努力があったと評価をしたいと思いますし、 また、 先ほど伊波常洋委員からの質疑に対する答弁にもありましたように、 とりわけ中部病院では、 市町村会、 私たち中部選出の議員も一緒に集まっていろいろ話もありまして、 先ほど説明がありました小児科とか麻酔科とか脳神経外科とか、 これはもう大変な忙しさだということで、 先ほどの平敷昌一委員からの話もありましたけれども、 これじゃ余りに忙し過ぎて、 医療過誤や医療ミスが起きたら、 それこそ県民の命にかかわることじゃないのかということでいろいろ要請もしまして、 皆さんも前向きに対応していただきました。 そういうことも反映しているのかなと思ってはおります。
 しかし、 これは非常に表に出にくい話で、 記者もオフレコにしていただきたいんですが、 そういう一部の診療科の問題とはさらに別にして、 優秀な医者と言った方がいいんですかね、 有名な医者と言った方がいいんですかね、 そこの忙しさがあると私は聞いているんですよ。 医者の中でも特に超多忙な人がいる。 そうすると、 これはもうやめて、 自分で開業したり、 民間に移った方がいいと。 給与は変わらぬわけですから。 そういう場合、 手当がどうなっているかわかりませんけれども。 そこら辺を今後どうしていくべきかという問題があるんじゃないのかなと思うんですね。
 そうしたら、 それだけ有名で超多忙な医者ですから、 ほかに移れば、 当然この人についていきますよね。 だから、 先ほどもありました民間と、 公立の病院、 県立の病院との今後のあり方ということも当然それは検討していかんといかぬけれども、 もう1つ、 そういう医師に対する県としての考え方も整理していかないと、 優秀な医者であるがゆえに超多忙で、 県立にもうおれぬということが出てくるようでは困るなと思っています。 これはそういう話ですから、 表で聞いた話じゃなくて、 別の角度で聞いた話なんですけれども、 そういうことではやっぱり県としてもそこら辺を今後どう対応していくべきなのか、 何かの方策があるのか、 ぜひここら辺の検討もお願いしたいなと思います。
 記者さん、 オフレコでお願いします。 こういうのは新聞に書かれても余りいい話ではありませんので。 これはそういうことで要望ということにしたいと思います。
 次に、 先ほどからきょう何回も質疑がありましたが、 平成13年度を最終年次とする沖縄県病院事業経営健全化計画、 審査意見書の26ページに出ておりますが、 平成13年3月に策定をして、 単年度の純損失の解消を目標にして取り組んだ。 ところが、 実績はむしろ悪化してしまったという状況です。 それについて代表監査委員の審査意見の中で、 「計画を見直し実効性のあるものとする必要があったと思われる」 という指摘をしております。 その審査意見書の計画の見直しをして、 実効性のあるものとする必要があったということに対して、 病院管理局としての所見を伺いたいと思います。
○新田宗一病院管理局長 確かにもっともな御指摘だと思いますし、 謙虚に受けとめたいと思いますけれども、 しかし、 それは過ぎたことになってしまいましたが、 確かに計画当初から翌年度、 平成10年度、 平成11年度と乖離がどんどん膨れてきております。 どういう形でそれを見直すか、 課内でも病院管理局内でも話はしたんですけれども、 結局、 私どものそういう計画策定の時間的なそれがあって、 平成9年度が初年度と言いながら実質的には平成10年3月にできているものですから、 平成9年の1年はその計画策定期間ということになってしまって、 実質的には平成10年から平成13年までの4年間の計画になってしまったということで、 その計画に基づく施策が展開できたのが平成10年度予算、 平成11年度と。 そうするうちに、 すぐあっという間に平成12年度、 平成13年度になってしまったということもあって。
 ただし、 その乖離についてはやっぱり謙虚に受けとめながら、 私は先ほど御質疑がありましたように、 病院事業については毎年度の予算の中で業務量、 患者数、 そしてそれに伴う医業収益の見積もりをしていくものですから、 それは手前勝手な話になりますけれども、 それを私どもがその予算の中で軌道修正をしながら、 実現可能性のある数字をそういう予算の中で示していって、 現場の目標数値にする、 そして実現してもらうという形でできる部分があったものですから、 計画は計画として目標と掲げながらも、 なかなか実現できないけれども、 毎年度の中で見直しをし、 きちんと実現に近い形の目標、 予算予定額を定めていこうということでやったために、 途中でのローリングをしなかったという結果になっております。 それは、 患者数と医業収益についてはそうですけれども、 残りの計画の細目については、 計画に沿ってそれなりに改善の努力をしてきたということで、 患者数と医業収益の目標数値についてローリングできなかったのは残念ですけれども、 そういうこともあってやっておりませんが、 今後、 新しい計画にはおっしゃるような御指摘の部分について十分反省しながら、 やっぱり実現可能性のある目標をきちんと定めて、 それに向かって努力をするという体制づくりをしていきたいと考えております。
○前島明男副委員長 ほかに質疑はありませんか。
 嘉陽宗吉委員。
○嘉陽宗吉委員 それでは、 この審査意見書に沿って質疑をさせていただきたいと思いますけれども、 まず、 今年度の純損失が25億2000万円という計上になっております。 これは、 ある面では過去の最高の損失の金額だと思うわけでございますけれども、 特に平成13年度、 なぜこのような大きな損失額になったのか、 具体的に御説明を願いたいと思います。
○新田宗一病院管理局長 御指摘のように復帰後過去30年の間に22億円余りはありましたのですが、 25億円になったのは初めてでございます。 考えますと、 私どももどうしてこれだけの欠損金が出たのか分析しましたけれども、 一番大きいのは中部病院の影響なんです。
 御案内のとおり、 移転をするために、 あの大きい病院が、 550床の病院ですから、 県内病院の中でも重症度の高い患者がおります。 この患者さんを1人1人ベッドごと移動するのは大変な作業になるものですから、 10月に移転がございましたが、 8月下旬、 9月あたりから退院できない患者さんを近くの入院ベッドを持っている病院に振り分けをしまして、 各病院に転院をしまして、 点滴している患者もいますので、 できるだけ移転に際して医療事故を防ぐためにも患者を減らしてきたという経過がございます。 これは一気に減らせませんので、 随分時間をかけて減らしてきておりまして、 新しい入院患者は入れない、 今いらっしゃる患者はできるだけ近くに転院させるということで、 最終的に百五、 六十名まで減らしました。
 そういうことで、 その間の病床の回転が非常に悪いということもあって、 中部病院は入院患者1人当たり1日4万2000円ないし4万3000円の収入がございます。 その分が相当影響しております。 それと、 改築中ということもあって、 また、 一部新南病棟の改修もございましたので、 その関係で34床ほど稼働しない病床がありまして、 そういうものを合わせますと、 550床フル回転するときに比べまして、 現実にトータルで4億5000万円ほどの収入減につながっております。 そういうことで、 4億5000万円の収入減が生じた。
 同時にまた、 あれだけの病院を移転するために、 運送会社といいましょうか、 そういう移転に際して業者に移転作業の委託をいたしますが、 その費用が1億7500万円ほどかかっております。
 それと、 その年度において新病院建設と同時に、 内部医療機器も相当入れかえております。 古いところにある間は動かしませんから稼働しますけれども、 実際移すとなると、 なかなかふぐあいが出てきて使えないということもあって、 例えば手術場の施設設備とか、 新病院を整備するに当たって、 全体で20億円ほどの備品、 医療機器を購入いたしております。 その関係で、 古いところにあった、 もう耐用年数を超えた機器については、 除却処分をしております。 そのものが費用として計上されておりますので、 これもトータルで1億円近い償却残がありましたので、 それが計上されております。
 そういうことがあって、 中部病院移転に伴って、 収入がない、 逆に費用がかさんだ。 この差し引きで8億円ぐらいの経費が―たまたまそういう前年度の17億円との比較で8億円ぐらいになっておりますけれども、 そういうことで、 移転に伴う費用が単年度で相当かさんだということが大きな影響が出た結果だろうと分析しております。
 もちろん、 何千万円単位の出入りは各病院ともありますけれども、 大きく影響したのは中部病院の移転関連の経費と理解しております。
○嘉陽宗吉委員 今、 御説明をいただいた内容につきましては、 私どもも承知をしているわけでございますけれども、 ほかの要因といたしまして、 今、 監査委員が指摘しておりますのは、 いわゆる患者数の変動の要因を見ると、 これは医師の欠員、 あるいは欠員補充のための短期的な異動が患者数減少の大きな要因になっている、 こう指摘をしているわけでございます。 当然にそれは県立の病院でございますから、 患者の方からしますと、 ある面ではよその病院よりは、 これは琉球大学も含めて、 やはりそこの病院に行きますと、 非常に安心して行けるんだという一般県民の考え方があるわけなんですね。
 しかしながら、 この患者数の減少傾向ということは、 先ほど御説明がございましたけれども、 いわゆる専門的な医者がやはり中部病院には、 あるいはほかの県立病院にもいらっしゃるということはほとんどがわかっておりまして、 この先生にかかるならば安心して行けるんだという状況があったわけなんですが、 たまたま先ほど話がありましたように、 いわゆる専門、 権威があるゆえに患者数が多い。 多いということは、 医者個人にとってみれば大変なシビアな仕事を抱えているという状況で、 場合によっては、 それは他の病院に移っていく。 あるいは、 自分がこれだけの権威の医者でありますから、 開業するならば、 これは場合によってはいい仕事もできると自信を持って独立をされる先生方もいらっしゃると思うんです。 その際に、 県民が安心をして県立病院を利用できるということからしますと、 やはり専門の権威のある先生方に病院に定着してもらう対策というものを考えないと、 今の仕事のシビアな状況で移っていかれる先生方、 あるいは独立をする先生方、 いろいろいらっしゃると思うんですね。 そういうことで、 今後の対応として、 その医者の十分な確保、 専門の先生方の確保ということも大事になってくると思うんですね。
 ここにもありますように、 医師の安定的な確保という観点からしまして、 これまで議論がありました医師の欠員という問題をとらえて、 いわゆる現在の状況の中で医師の安定的な確保という状況は、 今どうごらんになっておりますか。
○新田宗一病院管理局長 まさに御指摘のとおりで、 私どももそういう優秀な医者を県立病院でいかに定着させるか、 その医者の信頼感、 そして、 当然それは結果として県民の県立病院に対する信頼を確保する意味で非常に重要な要素でございます。 ですから、 その定着を図るための努力をいたすわけでございますが、 いかんせん公務員の場合、 給与上の特別処遇をするわけにもまいりませんし、 できますことは、 ハードな部分を幾らかでも緩和できる方法はないものかということでございまして、 そういうことがあって、 特に一番厳しい中部病院について、 ことし、 そして去年と増員をしてまいってきております。 そういうことで、 小児科が副院長を入れて7名だったところを今12名まで増員しております。 これは当然周産期の分も含めて、 そして、 小児科の緩和も含めて増員いたしているわけでございまして、 そういうことで、 若干でもそういうゆとりを持たせることによって定着をお願いしたいということを努力をいたしているわけでございます。
 それと、 医師の確保につきましては、 どうしても欠員が出た場合、 すぐに補充できないという非常に難しいものがございまして、 特殊な専門的な職業の人ですので、 年度途中で欠員ができましたら、 募集してもなかなかおいでいただけない。 どうしても出入りは3月から4月、 そういう通常の異動期にじゃないと補充がきかないという非常に難しいものもありますし、 そういうことで、 年度途中でおやめになった場合の欠員補充はなかなか困難な状況でございますけれども、 できるだけ充足していきたいということで努力しておりますし、 大方、 中部病院の毎年臨床研修を終える若い優秀なドクターがおりますので、 彼らを配置することである程度カバーすること、 それから離島診療所は、 先ほど言いましたプライマリーケアの卒業生、 それと自治医科大の卒業生でカバーしていきます。 それと同時に、 地元大学の琉球大学からの派遣要請ということで、 琉球大学でカバーできない部分につきましては県外の大学の医局と相談して配置していただくということで、 割合最近は、 特別なところ以外は大体補充はされていると理解はいたしております。 しかし、 いかんせん飛び込みでそういう欠員があるところも生じてまいりますので、 それはできるだけ解消していきたい、 その努力は続けてまいりたいと思います。
○嘉陽宗吉委員 次は、 この資金運営の状況ということで指摘をされてございまして、 当年度で支払うべき債務を翌年度に繰り延べる状況が続いている、 こういう状況があるわけなんですね。 これは具体的に数字的にどのような状況にありますか、 この辺の御説明をお願いしたいと思います。
○新田宗一病院管理局長 今年度は特にそういう欠損金も多額に上ったことと、 もう1点は、 資金繰りが非常に逼迫してきたという御指摘のとおりでございまして、 年度末に精算すべき資金が精算できなかったという状況がございました。 そういう中で四十数億円の精算すべき金額が確保できなくて、 そのうち20億円については銀行一時借入金の借りかえをしまして翌年度に繰り越しております。 あと、 22億円余りですけれども、 これにつきましては、 未払い金という形で決算はしておりますが、 その内訳は、 薬品費が11億928万2000円、 診療材料費が4億8430万7000円、 それと時間外手当等職員に払うべきものを未払いとして翌年度へ繰り越したのが6億8000万円等々、 合計で22億8700万円余りは3月31日で資金的余裕があれば払うべき金額ですけれども、 払えなくて翌年度に繰り越して、 4月から5月にかけて支払いをしている状況でございます。
 そういうことで、 先ほども説明しましたように、 今、 流動負債、 流動資産との関係で、 10億円の現金不足、 不良債務が生ずる結果になってきて、 資金繰りが相当厳しい状況にございます。
○嘉陽宗吉委員 非常に厳しい状況にあるわけなんですね、 病院管理局長。
○新田宗一病院管理局長 はい。
○嘉陽宗吉委員 そうしますと、 おっしゃったように、 今仮に40億円支払いしなければならないという債務がある中で、 半分ぐらいの20億円しか支払いをしていない。 しかも、 それは余裕があっての支払いじゃなくて、 短期あるいは一時借り入れをしての支払いということになっているわけなんですね。 そうしますと、 この40億円というものは、 おおよそ毎年30億円か40億円ぐらいの支払いは出てくる状況にありますか。 また、 それ以上になりますか。
○新田宗一病院管理局長 現金収支について、 未収金の回収等できるだけいろいろ努力をしながら、 資金繰りを好転すべく努力をいたしておりますけれども、 なかなか厳しい状況がございまして、 今未払い金になりましたものにつきましては、 新年度になり、 一般会計からの繰入金がございましたので、 それで一時精算をしております。 そして、 今、 病院事業は90億円の一時借り入れの枠をつくっていただいておりますので、 そこで精算をする。 同時に、 未収金につきましても、 2月、 3月の診療報酬が新年度になって入ってきますので、 1カ月約30億円ぐらいの診療報酬が2カ月おくれで入ってきますけれども、 そういう収入をうまく回転させながら資金繰りをやっておりますが、 依然として現在厳しい状況が続いているのはさほど前年度と変わっておりません。 何らかの対策を講じなくちゃならないということで、 今、 病院管理局内で鋭意検討を進めているところでございます。
○嘉陽宗吉委員 今の御答弁の中で、 借入金の枠は90億円とおっしゃいましたね。 今の状況をクリアしていくためには、 この監査委員も指摘をしておりますように、 これは長期借り入れをしなくちゃいかぬような対応も検討すべきだと指摘をされておりますけれども、 現在の90億円の枠の中で現在の借り入れ額はどのくらいの余裕があるのか、 そして、 この指摘内容に借り入れで対応しなくちゃいかぬだろうと。 しかも、 長期ということを踏まえてのことですから、 この辺についての今後の方針についてお聞かせいただきたいと思います。
○新田宗一病院管理局長 去年の不良債務10億円、 それを今年度どうしても解消していかなくちゃならない。 これは監査委員御指摘のとおり、 今の医業収益の状況では、 とてもそれだけの余力は出てくる予定はございません。 さらに、 一般会計にさらに通常の今年度の60億円プラス10億円の追加補助ということもなかなか厳しい。 一般会計の状況からすると、 多くは望めないという状況からしますと、 おっしゃるように、 固定負債として長期借り入れをすることによって、 当面の資金繰りの部分についてのマイナス部分を補てんする手立てを講じなくちゃならぬだろうと思います。
 過去30年間の病院事業を運営する中で、 どうしてもその間に今年度のようなそういう現金不足、 不良債務が生じております。 そういう中で、 病院事業としてトータルで40億円余りの長期借り入れをして、 これを資金手当てにする。 その長期借り入れ分は後日毎年定額ずつ返していくということで精算をしてきた歴史がございます。 ですから、 今回も長期借り入れをもって、 長期固定負債は4条、 資本的収支の中に入ってまいりますので、 3条の収益部分についての10億円のマイナスを長期借り入れで補てんして、 3条収支の均衡を図る努力をしなくちゃならぬだろうと思います。 今、 目下借り入れ先の調整を一般会計が貸してくれればありがたいんですけれども、 それがなかなか厳しければ、 ほかの手だてを考えなくちゃならないというより、 融資先を探さなくちゃならぬという状況がございます。 そういうことで何とか固定負債、 長期借り入れをすることで、 今、 流動負債の部分をカバーしていきたいと考えております。
○嘉陽宗吉委員 そして、 今年度の決算の中で、 約5億円、 4億9000万円の不用額になっているわけでございますけれども、 この不用額のいわゆる有効活用を考えられたかどうか。 そっくり不用額として約5億円計上されているわけでございますから、 数字上出ているわけでございますから、 この額はほかに流用、 あるいはほかに充当するということは不可能なんですか。 この辺についてお伺いします。
○新田宗一病院管理局長 この不用額、 確かに現金で不用額が出ている部分については、 それをカバーすることは可能ですけれども、 翌年度へ繰り越しをして、 翌年度の予算の資金財源にするということで繰り越しております。 そういうことで支払いを猶予してもらう、 あるいは一時借入金を借りかえるということでカバーしていた面がございますので、 不用額はそのまま処理したということですけれども、 やっぱりそういう現金の繰り越しであれば活用は可能だったと思いますが、 現実的にはそのまま繰り越して、 現金のまま活用しているという状況でございます。
○嘉陽宗吉委員 皆さんは資金繰りで非常に困っておられる。 借り入れもしなくちゃいかぬ状況の中で、 翌年度に繰り越しをするということも、 翌年の経費は経費としてあるかもしれませんけれども、 単年度における予算というものはその年度内における不用額だとするならば、 全体を見回して、 有効活用できるような流用、 充当というものは僕は必要だと思うんですね。 それを、 余裕があるなら別なんですよ、 余裕もない中で不用額を出していくのはどうかなという思いもしております。 その辺についての今後の不用額に対する考え方をお聞きしたいと思います。
○新田宗一病院管理局長 御指摘のとおりだと思います。 その部分は重々心して資金運用をしてまいりたいと考えております。
○嘉陽宗吉委員 次は、 中部病院の件でございますけれども、 新しい病棟が新築の分で350床ですか、 新南病棟の方が整備をいたしまして200床ということで、 550床がきちんと整備をされまして、 今、 入院患者あるいは一般市民、 地域の皆さんは大変喜んでいるわけでございまして、 私も地域の一員として心から感謝申し上げたい、 こう思うわけでございます。
そして、 旧病棟のいわゆる解体作業、 これが今まさに始まっている状況にあるわけでございます。 そして、 これまでの駐車場と旧病棟をぶち壊した後の駐車場の整備ということになるわけでございますが、 この駐車場の整備につきまして、 いわゆる平面駐車場にするのか、 あるいは階を設けての駐車場にするのか。 今、 中部病院周辺は個人有地を借りまして駐車場を確保しておりますけれども、 この個人有地の駐車場についてのいわゆる今後の考え方、 そして新しい駐車場を整備する段階におけるその計画等についてお伺いしたいと思います。
○新田宗一病院管理局長 おかげさまで中部病院ももう整備の最終段階に至っております。 御指摘のように、 新館は去年の10月からオープンしておりまして、 旧館の200床の改修部分が去る8月からオープンして、 患者さんはもう新しい建物にみんな入っております。 旧病棟の撤去と駐車場整備が今年度の最後の事業になりますけれども、 撤去工事につきましては、 9月14日からもう入っておりまして、 12月12日までには撤去をすべて終了するというふうに計画しております。 そして、 同時に、 駐車場整備が終わり次第、 12月の中旬から3月、 今年度いっぱいかけて駐車場整備をします。 この駐車場も、 基本的には今平面駐車場四百四、 五十台ぐらいは確保できそうですので、 そこで整備をいたしたいと考えております。
 それと、 現在、 奥の方に仮設の駐車場がございますけれども、 どうしてもあれだけの病院ですし、 職員も相当おりますので、 職員駐車場等で確保しなくてはならぬだろうと中部病院とお話をしておりまして、 最終的に2つありますが、 両方使うのか、 一番奥の方のアスファルト整備をした部分だけを残すのか、 そこの最終詰めをしてまいりたいと思います。
 同時に、 玄関先の方の具志川市道が通っておりますけれども、 ロータリー式にしますので、 そこの工事が来月の11月下旬あたりから―あそこは市の伝染病隔離病棟がございまして、 それを撤去して、 その後、 そこのロータリー整備、 玄関前の整備をいたしますので、 それも今年度で終了するという計画で今作業を進めております。
○嘉陽宗吉委員 今お話しいただきましたように、 旧病棟を含めての駐車場、 これは平面駐車場とおっしゃっておりますけれども、 いわゆる駐車場は常に非常に厳しい状況にあるんですね。 現在でもあれだけの駐車場を確保されておりますけれども、 なかなか駐車できないという状況があるんです。 ですから、 せっかくある駐車場を、 平面じゃなくして、 2階、 3階と、 予算のかかることではあるんですが、 できることならばそういう形で有効活用できる駐車場のあり方、 これをこれから考えていかないと、 平面ではもったいないんです。 足りないから皆さんは2カ所も借りなくちゃいかぬという状況にあるんですから、 その辺の有効活用については、 これはある面では御検討いただいた方がベターじゃないかなという感じもするんです。
 そしてさらには、 これはもう病院管理局長にお願いを申し上げてあったんですが、 いわゆるその駐車場の入り口における公衆トイレの問題、 これもあの状況を見ますと、 距離的な問題もあるわけですから、 それはどうしても地域の利用する方々の要望として、 あるいは市の方もそれを十分踏まえて、 県の方にこれまで要請をしてきた経緯があるわけなんですね。 だから、 その辺の公衆トイレの方もどう考えていらっしゃるのか、 ひとつお願いしたいと思います。
○新田宗一病院管理局長 トイレにつきましては、 具志川市からも、 あるいは病院前の通り会の皆さんからも強い要望がございまして、 ぜひ整備してほしいということがございましたので、 整備することといたしております。 ただし、 整備をして、 その後の維持管理については具志川市と相談しまして、 具志川市が引き受けていただけるという話になっておりますので、 そのような整備を進めてまいりたいと思います。 今、 設計、 入札に向けて近々実施をして、 入札をしたいと思っております。 それが終わり次第、 設計をし、 すぐ着工してまいりたい、 年内には完成させたいと考えております。
○嘉陽宗吉委員 駐車場は2階は考えておりませんか。
○新田宗一病院管理局長 2階、 3階につきましては、 確かに資金的な計画もございますので、 今後の検討課題とさせていただきたいと思います。
○上原吉二委員長 ほかに質疑はありませんか。
 具志孝助委員。
○具志孝助委員 もう時間も少なくなりましたので、 なるたけ簡潔に行いたいと思っています。
 この病院会計の場合は、 毎年決算でこれだけの赤字を出していって、 県立病院の必要性は十分に承知をするけれども、 このままの状態で経営が成り立っていくのかなと、 こういうことを常に心配しながら、 この審査に当たっているわけであります。 経営健全化計画ということで、 赤字の解消、 単年度の収支の確保ということを目標にするわけですが、 ことし、 平成13年度は25億2400万円というまた膨大な赤字を出してしまった。 それは理由は中部病院だとか説明を受けたわけですが、 いずれにしても、 恒常的に20億円前後の赤字がずっと出てきているわけですね。
 こんな状況の中で改善策が見えてこない。 我々がこうして見ていても、 将来はいい方向に行くだろうという感じはしない。 こういうことであるわけですが、 さらに、 今、 高度・多機能病院ということで、 離島県の沖縄県で、 ある程度医療の確保という中から、 どうしても必要に迫られて高度・多機能病院もやる。 これも従来にない子ども病院を設置していくんだといって、 先ほどからの十分なる施設の確保をやるべきだと、 こういうことでせめぎ合いをして、 よくわかるけれども、 一体全体、 じゃ、 そのお金はだれが負担するんだ、 後は何とかなるさというわけにはいかぬじゃないかなと、 こう思っているわけなんですよ。
 そこでまず、 結論を先にお聞きをしたいと思っているんですが、 このように恒常的に20億円という膨大な赤字を出している県立病院ですが、 さらにこれから高度・多機能病院の建設をやっていくときに、 あるいは中部病院のこの間の改築による際の償還金の増嵩等々を考えると、 悪くなってもよくはならないんじゃないかなと心配を私はするわけですが、 その点どう考えるのか、 今後、 その対策というのはあるのかどうか、 端的にひとつお答えをいただきたい。 どういう展望を持っているのかということで。
○新田宗一病院管理局長 今、 本当に重要な、 根本に係る御指摘だと思います。 私どももそれは懸念しないわけではございませんで、 一体、 今後県立病院はどうするんだという心配は重々しながら、 今の置かれた県立病院の状況からしますと、 あるいは県民の県立病院に対する期待、 医療の充実、 それを考えますと、 どうしても北部、 中部、 南部、 宮古、 八重山、 そういう地域における県立病院の役割というのは放棄するわけにはいかないということがあって、 今南部医療圏で不足している救命救急、 母子医療、 それを重点的に整備するということで新病院に着手をしております。 北部においては中部病院を中心に体制を整えていきたいと思います。
 それと同時に、 宮古、 八重山、 それぞれあれだけの人口を抱えて、 民間病院が余り充実をしていない状況の中で、 県立病院が中心になって動いている。 これはどちらも放棄できないという非常に厳しい状況に置かれております。 ですが、 やっぱり御指摘のように、 今のままで本当にいいのかという疑問は当然ありますし、 ですから、 私どもとしましては、 今この状況の中で、 医療事情もドクターの数でいきますと、 やっと約9割ほど充足してきております。 それと病床数にしましても、 もう100%を超えております。 そういうことがあって、 もう民間病院と県立病院の役割、 それをきちんと見直して、 それぞれの果たす役割というのを決めて、 それに見合う対応をすべきじゃないかという問題が当然あるわけです。 ですから、 ことしから来年にかけて今いろんな形で資料収集をしておりますし、 本来の県立病院のあり方、 当然、 健全化計画も並行して策定し、 病院を日常的に経営するための健全化計画は一方で立てながら、 本来的な県立病院のあり方を、 いろんな方々の意見を聞きながら、 県民の意見も聞きながら、 見直すべき時期に来ているんじゃなかろうか。 そういうことで、 根本的な問題を議論していただく場をつくっていこうと考えております。
 ですから、 県立病院のあり方についてきちんと整理をして、 今後どうするんだ。 その際の経費の負担はどうするんだと。 正直言いまして、 沖縄県の県立病院は医業収支が90%を超えております。 全国平均は83%程度ですから、 400億円の事業をやれば、 90%賄えば、 10億円はどうしても不足するわけですね。 ですから、 そういうことで、 現場としては非常に頑張っているし、 努力しているつもりですけれども、 どうしてもそれで100%カバーできないという状況がある以上、 その負担分をだれがやるのか、 だれが負担するのかというのは当然議論していただかなくちゃいかぬし、 そうしないことには病院事業は成り立たないという状況に置かれているわけですから、 そういう根本的な問題の議論をする、 もう緒についてこれから検討を進めていこうと考えているところでございます。
○具志孝助委員 そのようなことで、 不採算部門を公立病院が担っていく。 あるいは、 高度医療、 民間で設備投資できない、 民間でどうしてもやっていけないという部分を公立病院がやっていく。 公立病院の使命というのは、 おのずから限定されているんですね。 それで、 これは医療確保という意味合いで、 不採算部門であってもどうしてもだれかがやらなくちゃいかぬということで公的な病院が担っていくわけですが、 これは採算がとれないというのはわかる。 そのために、 いわゆる公営企業法の中から、 あと他会計からの繰出金、 あるいは病院に繰り入れていくということが認められているわけですが、 これは無条件じゃないんですね。 赤字は全部補てんしなさいじゃなくて、 例えば救急救命医療だとか、 特別な部分に関して言われているわけであって、 全部が全部見るわけにいかないのは当然なわけですよね。
 けさ方の審査の中で、 繰入金をもっと積極的にやるべきじゃないか、 こういう御意見もあったと思っております。 たしか皆さんの決算資料の中にも、 監査委員の資料の中でも、 全国平均からしてみても繰入金の比率が沖縄県は少ないですね。 3分の1弱ぐらいになっているかなと。 資料が出ていますよね。 このことについてはどう考えますか。 我が県の他会計からの1床当たりの繰入金が幾らでしたかね。 これは審査意見書の17ページにあるわけですが、 1床当たりの繰入金が全国平均で363万8000円、 沖縄県は147万3000円ですから、 3分の1強の負担になっているということですが、 これは、 じゃ、 本来であれば、 全国平均でいくと、 もっと一般会計からの繰入金をふやすべきと理解していいんですか。
○新田宗一病院管理局長 なかなかそう言い切るには厳しい一般財源の状況がございます。 しかし、 病院会計を預かる者として、 常時これだけの赤字を出して、 すべての責任を病院事業で負うんですかという問いかけもまた私としてはやりたい部分があります。
 これだけの県民が期待する病院、 あるいはある面でこんな小さい沖縄県が病床数でいいますと全国で6番目ぐらいで、 人口10万人当たりでしますと、 岩手県に次いで2番目の病床を抱えて県民医療を提供しているわけですから、 それはある面では県民医療を確保するための政策的な面も当然あって、 これだけの病院と病床を抱えていると思います。 ですから、 そういう面では県民全体がそれを支えていってほしいという面がありますけれども、 いかんせん、 今、 沖縄県の一般会計の状況からすると、 60億円の繰り出しというのは、 全国平均で見ますと上位から数えて13位ぐらいの負担を一般会計もしているわけです。 結果としては沖縄県はそれだけの大きな病院を抱えているということで、 そういう意味からすると、 一般会計も相応の負担はしているけれども、 結果としてこれだけの病院を経営する以上、 それを2600床余りに割り振りしていくと、 これだけの147万円にしかならないと。 全国平均は300万円を超えております。 これだけの繰り入れがもしあれば、 赤字はたちどころに解消されるということではあるわけですけれども、 しかし、 いかんせん今の一般会計の状況からすると、 なかなかそれも望めない。
 じゃ、 そういう中でどうするんだという問題が当然出てくるでしょうし、 今、 検討委員会を立ち上げて、 病院のあり方についてどうするんだという議論をして、 提言を受けたいと今考えて、 先ほど説明しました病院のあり方を見直すべき時期じゃなかろうかという考えを持っているわけで、 できれば何がしかプラスをして、 病院事業を支援していただければ、 赤字の問題についてもそんなに苦しまなくても済むということは、 現実の問題としてはあろうと思います。
○具志孝助委員 この1床当たりの繰入金、 先ほどから説明がありましたとおり、 本県は147万円、 全国平均が363万円ですか、 3分の1強ということですよね。 これは全国並みにやれば3倍取らなきゃいけないので、 ことしは60億円ですが、 180億円、 赤字が25億円ですから、 何にも問題ないわけなんです。 しかし、 いわゆる一般会計はこれ以上負担できないというところかと思うんですね。 この辺が離島医療の特殊な部分なのかなと。 これは離島の中のさらに離島を抱えるところがいわゆる経営の特殊事情かなと思うわけですが、 そうであるとすれば、 この地方交付金の方で病院事業に対するいわゆる繰入金の分をどれぐらい地方交付税で見ているかということはわかりますか。 要するに、 我々はまだまだ負担金が少ないんだよと。 地方交付税はどれに幾らかというのはわからぬそうですね。
○新田宗一病院管理局長 まさに御指摘のように、 交付税で見ている部分もございます。 ですから、 毎年、 全国地方自治体病院協議会という全国の自治体病院の集まりがあるんですけれども、 そちらの方では厚生労働省に対して自治体病院の支援。 正直に言いまして全国で6割ほど赤字でございます。 あとの4割ほど、 これは繰入金を入れての黒字ということで、 ほかの6割ほどは赤字ということで非常に経営に窮しております。 そういうことで、 自治体病院に対する支援を国の方でもやってほしいということで、 全国地方自治体病院協議会は毎年厚生労働省を初め財務省に要請をいたしますけれども、 そして、 厚生労働省から交付税措置がこうなされておりますよと来るんですが、 それが具体的に中身が見えないものですから、 沖縄県の県立病院のために一体どれだけの交付税が来ているのかはなかなかわかりにくいし、 この分ですよという形で来ないものですから、 何がしか入っていることは承知しておりますが、 一体幾ら入っているかはなかなかつかんでいないというのが現状でございます。
○具志孝助委員 心配することは、 公立病院であっても、 これだけ資金繰りが厳しくなっていくと立ち行かなくなってしまうんじゃないかと。 例えば先ほども嘉陽宗吉委員の質疑に対して、 人件費に対してもいわゆる遅配をしているということですよね。 今日現在でも人件費関係で未払い金としてありますか。
○新田宗一病院管理局長 現時点ではございません。 これは基本給、 本給について遅配をしたことはございません。 時間外勤務手当、 御案内のとおり救急医療その他等で相当額の時間外の仕事をしてもらっております。 年間で十四、 五億円ぐらいの時間外勤務手当がございます。 そういうことで、 この分については年度末になって資金繰りが厳しくなったときに、 しばらく待ってほしいということでやりますけれども、 現時点でそうであっても、 基本給を遅配する、 あるいはボーナスを遅配するということはしておりません。 時間外勤務手当については大変申しわけないんですけれども、 しばらく待ってほしいということでやっておりますけれども、 現時点ではそれも一応支払いはいたしております。
○具志孝助委員 この県立病院、 公立病院が立ち行かなくなった、 倒産した、 あるいは閉鎖に追い込まれたという事例は全国でありますか。
○新田宗一病院管理局長 具体的に自治体が見ている以上、 そういうみっともないことはさせないと思いますけれども、 そのかわり整理統合をして民間に移管する、 医療法人に移管する等、 そういう事例は聞いておりますし、 例えば福岡県あたりは、 まさに向こうも県立病院の経営が非常に厳しいという中で、 再建計画といいますか、 そういう県立病院のあり方について検討し、 民間に対する移譲、 移管を進めるべきだ、 これ以上赤字を負担すべきでないという厳しい答申も福岡県あたりは出されておりますし、 そういうことで整理に入っている県もございますし、 各県とも苦慮しているということがうかがえます。
○具志孝助委員 私はこういう病院経営の責任というんですか、 公立病院の使命というのを十分に理解するわけですが、 これだけ厳しい状況であるということをしっかりと県民に知らしめる必要性があると思うんですね。 審査意見書の中で職員費の問題ですが、 100床当たりのいわゆる職員数については少ないと。 要するに、 職員の数は全国基準でいって決して多くはない。 そう言われながら、 職員給料比率では高い。 それはなぜかとなると、 結局は1人1人の給与費、 これは基本給だけじゃなくて手当ですとか、 その他だと思っているんですが、 きのうも監査委員にちょっと指摘したんですが、 明確ないわゆる説明がいただけなかったんです。 これは人件費1人当たりの費用が、 全国レベルから比較すると高くついている、 こう私は受けとめるわけですが、 その辺のところはどうなっているんですか。 基本給が高いのか、 あるいは手当が多過ぎるのか、 何がそうさせているのか。 職員数は少ないにもかかわらず、 人件費率は高いというのがどういうことなのか、 もう少しわかりやすく説明いただけませんか。
○新田宗一病院管理局長 地方公務員は国家公務員準拠で人事委員会勧告でもって給与を設定していきますので、 基本給について特別に沖縄県が高いということはございません。 その中で1つお考えいただきたい。 私どもが分析した中では、 今、 宮古病院、 八重山病院、 診療所18、 そういう中で宮古病院に264人、 医者が39名、 それから八重山病院に263人、 医者40名、 離島診療所30人ということで離島に勤務をしてもらっております。 その中で、 やっぱり特地勤務、 離島勤務手当、 へき地手当がありまして、 年間で2億9600万円ほどその特地手当を支給している金額があります。 それから、 準特地手当というのが7000万円あります。 それと、 医師手当も沖縄本島は月額2万5000円ですが、 宮古、 八重山は月額15万円、 診療所は20万円、 そういうことで、 どうしても離島等に勤務している職員に対する手当の支給がトータルで七、 八億円ぐらいになってきております。
 そういうことを加味しますと、 今、 沖縄県は給与比率が66.1%、 全国は63.9%です。 2ポイント近くぐらいの差はありますけれども、 これはこれだけの金額を給与費から差し引きますと、 大体全国並みの63%程度になりますので、 やっぱりそういう特地勤務手当と、 あるいは医師手当が若干多い。 初任給調整手当もせんだって沖縄本島と離島を3段階に分けていたのを、 最終的には離島並みの1つの等級にまとめまして増額いたしておりますので、 そういうもろもろの諸手当の分でやっぱり給与費が増嵩している状況がございます。
○具志孝助委員 そうしますと、 監査委員の意見は給与比率が高いことに引き続き配慮すべきだと。 確かに前年度からすれば、 前年の給与比率が66.1%に対して、 平成13年度、 今回の決算では65.7%ですから、 低くなっているんですね。 それをさらに努力すべきだという指摘ですが、 皆さんはもうこれ以上は改善できない、 給与比率についてはこれはもうこれ以上はできないんだ。 むしろ、 この数字が全国レベルと同じぐらいなんだよと、 今の説明では聞こえるわけですが、 この部分についてはもうこれ以上の改善の必要はなしと、 こう皆さんは考えていらっしゃるということですか。
○新田宗一病院管理局長 平成13年度改善しましたのは、 医師暫定手当が最終的になくなったということ、 それと人事委員会勧告で期末手当の減等いろいろ給与改善がなされております。 そういうことの影響で、 トータルで給与比率が1ポイントぐらい減っていると思いますけれども、 改善の余地がないかというと、 なかなか厳しい御質疑で、 離島のドクターあるいは要員を確保するために、 それだけの優遇をしながら配置をいたしているわけでございまして、 それをどれだけ改善できるのか、 なかなか難しいことだと思います。 これは何も病院事業の職員だけじゃなくして、 一般職の出先の職員も同じような手当はあげておりますし、 学校の先生方もそうですし、 そういう全体の中で検討しなくちゃならぬことだと思いますし、 病院事業だけ経営的に厳しいので、 その分を改善する、 削減するということはなかなか難しいことだろうと思います。
○具志孝助委員 今は職員給与について監査意見書の件についてただしたわけですが、 これは一般職員も含めての民間レベルとの給与差額を見直した結果であって、 医療職員に関して特に圧縮したということではないと、 こういう説明なわけですが、 要するに、 審査意見書で言っている職員給与比率をもっと改善すべきだ、 全国レベルに近いように努力すべきだという指摘は当たらない。 これはこれ以上できませんよということであるのか。 そうであるとすれば、 どこを改善するのか。 この沖縄県の県立病院においては、 こういう決算内容というのは、 これはこれ以上努力の余地がないんだと、 こういうことになるのか。
 例えば、 私は後で未収金の問題をもう少し聞こうと思っているんです。 内部努力で改善できる部分がないのかどうか。 特に60%以上を超しているわけですから、 65.7%、 採算の分岐点が60%だろうと。 確かに黒字病院の数値が59.3%と出ているわけですね。 60%が限度だろうというのが65%ですから、 採算ベースに持っていくと、 職員給与の基準は60%に抑えるべきだという実績が出ているなと思うんですね。 だからといって、 公立病院が採算ベースに乗るとは思いませんから、 そこまではいかないんだろうけれども、 これも改善目標の1つかなと思うんですが、 そうではないということですか。 ほかにやっぱりやるべきだということですか。
○新田宗一病院管理局長 なかなか難しい御質疑でございまして、 今の県立病院の事業といいますか、 人件費について申し上げますと、 地方公営企業といいながら、 企業といいながら、 現実的には診療収入の大方、 90%以上を占める診療報酬は東京サイドで決まってきますし、 それから、 支出の65.7%を占める給与費は人事委員会というところで公平に判断をして、 これだけの給与を公務員に支払えという勧告が出てまいります。 それに経営の視点から削減しますということはできない仕組みに今なっております。
 ですから、 給与の面で病院事業を見ている病院管理局あるいは知事にしても、 赤字だから病院事業に従事する職員の給与を若干下げましょうと。 給与費が65.7%あるじゃないか、 高いじゃないかということで下げるわけにはまいらぬという、 病院事業の中で裁量の余地がある分野が非常に狭まっている。 収入においても、 水道事業であれば、 経費がかさんで収入が足りなくなれば、 1リッター1円上げましょう、 2円上げましょうで収入の確保ができますけれども、 その経営者の判断で議会の同意を得て改善できますが、 診療報酬に関する限りは東京サイドで、 国で全国一律に決まってきますし、 確かに自主料金という何がしかの分はありますけれども、 大方はそういうことで決まるし、 歳出の費用の65.7%は人件費で、 それも第三者が決めてしまうと。 じゃ、 一体、 病院事業の改善を努力しなさいと言われて、 どこでどう努力するのか。 おっしゃるように監査委員の指摘ももっともだとは思いますが、 給与比率を下げろと言われたって、 個々の給与を下げるわけにはまいらぬ。 さりとて、 じゃ、 職員を減らすかということになりますと、 今の病院事業の中では相当厳しい患者を抱えていて、 現場でも労働過重だと言われている中で、 職員定数を削ることもできないという中で、 じゃ、 どこをどう改善すべきか、 本当に厳しいところがございまして、 その中でどう改善するか、 今、 職員一丸となって模索しているのが現状でございます。
○具志孝助委員 そうであるとすれば、 もっと監査委員にしっかりした説明をやりませんと、 議会に出された審査意見書の中では、 どう読んでも職員給与比率が高い実態に引き続き配慮することが望まれると言っているわけですから、 この比率を下げろ、 そういう努力をしなさいとしか映らない。 それはしっかりと皆さんが説明をやる必要があると思うんです。 私はきのうも申し上げました、 公務員医師会からああいう陳情が出てまいりまして、 我々はこれじゃとてもじゃないけれども、 やっていけないよ、 実態として優秀な先生方がどんどんやめていくじゃないか、 このまま放置するのかという陳情を受けていて、 我々もその意見を聞いたら、 ああ、 それじゃいかぬと、 こういう意見を申し上げたところで、 職員給与比率が高い、 何とか減らしなさいと言ってくると、 一体全体何だと、 こういうぐあいなことなわけです。 これは県民にもそのように映りますから、 しっかりした理解を求める必要があると思っています。
 いずれにしましても、 必要な経費、 支払うべきお金も支払い切れないで繰り延べする。 一時借入金も長期借入金もやらなくちゃいかぬ、 人件費も先送りしなくちゃいかぬという実態は、 これはもう大変な状況であるので、 そうは言いながら、 じゃ、 どこにメスを入れるかということを探さんといかぬわけです。
 そこで、 未収金が77億円、 これは累積ですね。 未収金についてもう少し説明願えませんか。
○新田宗一病院管理局長 今、 未収金はトータルで77億円あります。 そのうちで、 これはどうしても未収金と計上しなくちゃならない、 診療報酬が2カ月おくれで来ますので、 2月、 3月分は、 請求はしますけれども、 新年度に入ってしか入ってきません。 これが県立病院は1カ月30億円ぐらいの収入がありますので、 77億円のうち60億円程度は国民健康保険団体連合会支払基金、 そこに請求しているものですから、 時間がたてば、 2カ月経過すれば、 確実に入ります。
 一番厳しいのは、 個人負担分の診療報酬の2割とか1割とか負担がございますね。 その分の未収金、 個人が自前で払わなくちゃならぬ。 この分が未収になっている。 これがトータルで決算期で14億円ありました。 それを四、 五カ月かかって、 8月末あたりまでに5億円余りを回収いたしております。 それと、 また同時に、 新年度になって4月以降3億円余りの未収金が発生しております。 ですから、 毎月9月に徴収月間を設けて3分の1ぐらは回収しようと努力しておりますが、 その8月末で差し引き12億円ぐらいの未収金がございました。 それをせめて3分の1の4億円ぐらいは1カ月間で回収しようと努力をして、 設定をして、 全病院挙げて対応しておりますが、 結果としましては、 その時点での未収金額は12億2300万円、 それから目標額を4億2900万円に設定しまして、 現実に収納できましたのが3億392万1000円、 70.8%は回収できております。 そういうことで、 月間を設けて、 担当職員だけじゃなくして、 全病院挙げてできるだけ回収に努力をしておりますし、 また、 これは月間を設けておりますが、 各病院それぞれ地域の事情がありますので、 それぞれの病院で独自に徴収強化週間なり月間なりを設けて回収努力をしてほしいということで、 ここ数年対応いたしております。 それが今の自己負担分の未収金の現状でございます。
○具志孝助委員 なるだけ短時間に済まそうと思っているんですが、 どうもそうもいかないので申しわけないんですが、 決算で77億円の未収金が計上されていますね。 このうちで保険から入ってくるのが相当ありますよと。 これは問題なく入ってくる。 問題は、 個人負担の分が心配だと。 決算でいうと、 この77億円のうち14億円は個人負担分ということですか。 この部分についても、 今、 鋭意回収努力をしていて、 12億円ですか、 簡単に言うと、 幾らが取れて、 幾ら残っているということですか。
○新田宗一病院管理局長 決算期に14億5141万6000円の自己負担未収金があります。 先ほどは失礼しました、 8月末じゃなくて9月末でございますけれども、 そのうち5億4998万8000円は回収いたしております。 ところが、 新年度に入ってからまた発生したのが3億2858万6000円、 そして、 そのトータルで12億2368万円、 これは徴収月間に入る8月末の未収金の残高です。 これをできるだけ回収しようと、 せめて3分の1ぐらいは回収しよう、 4億2900万円は目標設定して、 各病院に割り振りをして回収する。 結果、 3億392万1000円は回収できました。 目標額の70%は回収しております。 ということで、 9億1975万9000円が残っておりますが、 また日に日に何がしかずつ未収金はふえていると思いますので、 常時10億円前後は未収金であるだろうと考えております。 ○具志孝助委員 未収金計上して、 いわゆる取れない、 不納欠損額というんですか、 決算で毎年出しますよね。 あれは平成13年度で大体幾らで、 平均でどんな状況ですか。 ○新田宗一病院管理局長 平成13年度4300万円だったと思いますけれども、 先ほど御説明しましたように、 大体3年前が6000万円ぐらいありましたが、 その前が5000万円、 そして去年が4000万円台ということで、 少しは減ってきております。 さらに、 その前は3500万円程度でしたので、 大体4000万円前後ぐらい不納欠損で回収できなくて、 5年の時効が完成して取れないという処理をしている状況がございます。
○具志孝助委員 これだけ厳しい経営をしているわけですから、 みんな苦しい中、 治療費を払っているし、 もし払う能力がない、 また、 どうにもならないという人は福祉という部分でこれは手当てをすべきであって、 皆様方がそこまで考えるようなことじゃないと思いますので、 きっちりやらなくちゃいかぬと思っています。 できないのであれば、 先ほど説明もありましたが、 民間に委託をして、 きっちりやるということが公平であるわけですから、 その責任はしっかり果たさなくちゃならない、 こう思っております。
 私は、 最終的にはこの公立病院が健全経営を努めていくためには、 どうしても地域医療機関とのすみ分けというのをしっかりとやらなくちゃいかぬ。 公的医療機関がやらなくちゃならぬという部分はしっかり峻別をして、 これは県立病院がやりますよ。 それ以外のものについては民間でやるべきなんだと。 そうすれば、 私は今いるスタッフの中でしっかりした医療ができるし、 もっと効率のいい医療ができると思うんですよ。 このことが最も大事ではないだろうかと思っているんですが、 この民間地域医療機関と公立病院のきちんとした責任分担ということを一日も早く完結することが何よりも優先すべき課題だと思っているんですが、 そのことについて今どういう作業をやっているのか、 これはいつごろどういう形になっていくのか、 その説明をお願いしたいと思います。
○新田宗一病院管理局長 まさにおっしゃる御指摘はごもっともなことだと思います。 中部地域においては、 中部病院を中心に、 中部地区医師会を中心に連携をしながら、 中部地区の各病院と中部病院との連携をやって、 2年前に地域連携室というのをつくりまして、 中部病院の中に置いて各病院と連携を進めております。 完全じゃないんですけれども、 少しずつ緒についたばかりです。
 それと、 新病院が今大きな6つの柱の中で地域連携室を設けて、 地域連携機能を強化するというふうに掲げましたのもまさに御指摘のその分で、 県立病院が担うべきこと、 あるいは民間病院がやるべきこと、 これを峻別してきちんと対応しようじゃないかと。 そのためのデータの蓄積であるとか、 情報の蓄積、 交換、 そういう連携を密にする場所を新病院において設置する。 そうすることによって、 県立病院の役割をきちんと分けて明確にしていこうじゃないかということで、 今、 新病院において大きな役割の一つに地域連携機能の強化ということで、 そういうことを今目指してやっておりますし、 現在もいろんな形で連携は進めようということではあるんですが、 現実には十分なるそういうことはできていないのが現状でございます。
○具志孝助委員 もうこれを最後にしたいと思っていますが、 今、 具体的に民間と公立のすみ分けの作業を進める協議機関だとか、 スケジュールだとか、 どういう話をしているんだとか、 いつまでにこうしたいとかというものは出てまいりませんか。 これから先も病院の改築だとか、 新しい建築計画もあるわけですが、 民間で担っていく部分、 こういうことをきっちりと峻別することによって民間が生きていけると思うんですよ。 公立なのか民間かわけのわからぬ、 民間がやるべきことも公立がやるから、 民間が育たないという部分があるんじゃないかなと思うんですね。 民間ができることは民間に任せていく。 そうすると、 そこに民間が育っていって、 いいものが生まれていくと思うんですよね。 これが一番経営健全化に資する大きな課題じゃないかなと思うんですが、 もう少し具体的な計画がないですか。 なければ、 これを早急にやるべきだというように思います。
○新田宗一病院管理局長 まさにおっしゃるとおりなんですけれども、 現実的に、 じゃ、 今の県立病院がそれを受けるだけの体制づくりができているかというと、 必ずしもそうじゃない。 例えば那覇病院にしたって、 いわゆる専門病院としてのそういう2次医療、 3次医療だけを担って対応できるかというと、 必ずしもそうじゃありませんし、 それはこれまでやってきた県立病院の役割が1次医療、 2次医療、 3次医療という形で高度医療もやってまいりますけれども、 まずは県民の医療ニーズを満たすというところが大きな役割があってここまで来ている関係で、 より専門化された、 特化された形の病院形成になっていないものですから、 それも順次これから検討しながら、 その体制づくりも受け入れ側としての体制づくりをしなくちゃならぬでしょうし、 また、 現実に診療所が毎年十数カ所ずつ独立しておりますから、 外来機能はそういうところで発揮できますでしょうし、 それと、 かかりつけ医の制度を進めていくという一番近いところの診療所で見てもらって、 その後、 2次医療、 3次医療は県立病院で紹介をしてもらうとか、 いろんなそういう方法が今後出てくるんだと思います。 また、 そうしなくちゃならぬでしょうし、 県立病院はまたそれにこたえるだけの専門医を確保、 養成しながら、 専門的な分野を担うという方向に行かなくちゃならぬだろうと思います。 しかし、 現実にはまだそこまで体制が整っていないというところがありますので、 そういうみずからの体制づくりもしながら、 医師会とも相談をしなくちゃならぬでしょうし、 そういうことを今やっていかなくちゃならぬと。
 正直言いまして、 じゃ、 いつそういう話をするんだという、 そのところまで議論をする状況には至っていないのが現状でございます。
○上原吉二委員長 ほかに質疑はございませんか。
    (「質疑なし」 と呼ぶ者あり)
○上原吉二委員長 質疑なしと認めます。
 よって、 病院管理局長に対する質疑は終結いたします。
 説明員の皆さん、 御苦労さまでございました。
 次回は、 明10月24日、 午前10時から委員会を開き、 平成13年度沖縄県水道事業会計決算及び工業用水道事業会計決算の審査を行います。
 本日の委員会は、 これにて散会いたします。
   午後4時56分散会