決算特別委員会

普通会計



本日の委員会に付した事件
 1 平成15年第4回議会認定第22号 平成14年度沖縄県病院事業会計決算の認定について  

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○安次富修委員長 ただいまから決算特別委員会を開会いたします。
 平成15年第4回議会認定第22号を議題といたします。
 本日の説明員として、病院管理局長の出席を求めております。
ただいま議題となっております平成15年第4回議会認定第22号については既に説明は終わっておりますので、これより直ちに病院管理局長に対する質疑を行います。
 なお、質疑、答弁に当たっては、その都度、委員長の許可を得てから自席で起立の上、重複することがないように簡潔に発言するよう御協力をお願いいたします。
 それでは、これより質疑を行います。
 高嶺善伸委員。
○高嶺善伸委員 それでは、監査委員からの審査意見書及び皆さんの決算調書を中心に質疑したいと思いますが、まず代表監査委員もきのう出資比率、そしていろいろ質疑する中でこのようなことを言っております。「経営状況は年々厳しさを増している。県立病院が引き続き公的医療機関としての役割を果たすためには安定した経営基盤の確立がますます重要になってきている」ということで、概況をお話ししておりました。
 そこで、平成14年度決算における病院事業会計における現状、特に赤字の発生状況について、まず概要をお聞かせください。
○平井哲夫病院管理局長 平成14年度の単年度の純損失額は38億6474万1389円で、これは平成13年度の純損失額25億2404万337円に比べますと13億4070万1052円増加しております。この増加の要因ですけれども、まず収益面では、院外処方の推進によってその外来収益が落ち込んだことと平成14年度の診療報酬のマイナス改定がありました。そして、費用面では、県立中部病院の旧病棟の撤去による資産減耗費の大幅な増加と、同じく県立中部病院の減価償却費の増加がありました。今年度、特に費用面においては、院外処方によって薬品費とか委託料等は減少しているのですけれども、県立中部病院の旧病棟の撤去に伴う資産減耗費等の大きな増加によって赤字が大きくふえている状況でございます。
○高嶺善伸委員 赤字の中身について、監査委員の報告書は、366億円のうち現金の支出を伴わない減価償却と区別して、今回あえて赤字の中身を指摘しているんですね。その意味について御説明ください。
○平井哲夫病院管理局長 今、累積欠損金、平成14年度末では366億6584万2154円となっていますけれども、その現金を伴わない減価償却費が274億6549万1826円、資産減耗費の中で現金を伴わないものが30億7936万5261円、繰り延べ勘定の償却費が4億5166万4289円と、合計しますと309億9652万1376円となります。今までの累積欠損金の366億6584万2154円から今の現金を伴わない309億9652万1376円を差し引きますと56億6932万778円が現金ベースの累積の赤字になっております。
○高嶺善伸委員 そこで、私は前にも指摘したんですが、地方公営企業法第17条の2第1項第1号の予算関係は「その性質上当該地方公営企業の経営に伴う収入をもつて充てることが適当でない経費」については一般会計から補てんすべきであるという趣旨で、我々も一般会計からの繰り入れをもっとふやすことによって病院経営の健全化はもっと進むものではないかということを指摘してきました。
 ちなみに、1床当たりの繰入額というのは、監査意見書の19ページを見てみてますと145万円、医業収益に対する比率としては10.8%なんですね。これは全国と比較すると低いと前から指摘しているんですけれども、全然改善されない。例えば全国の平均が1床当たり366万円、医業収益に対する比率は31.5%もあるんですよ。だから、財政当局に、本来負担すべき一般会計からの予算を確保しなさいと再三指摘してきたにもかかわらず改善されていない。一方では、現場に予算のしわ寄せを押しつけるということでは本来の経営の健全化とは言えないと思いますよ。一般会計からの繰り入れの実態について全国との比較で御説明ください。
○平井哲夫病院管理局長 一般会計からの繰り入れでございますけれども、これは全国ベースでは平成13年度しか出ておりませんので、それで比較いたしますと、まず繰り入れの合計でいいますと、全国が平均して71億円、沖縄県が約60億円で大体全国の15位となっております。それから、1床当たりの全国平均が457万円で、沖縄県が228万5000円と全国の44位となっております。標準財政規模で申し上げますと、全国が1.312%、沖縄県が2.008%ということで、これは全国の7位となっております。先ほど指摘がございましたように1床当たりでは確かに下位の方に占めております。そして、繰り入れの全体としては15位あたりと。標準財政規模からすると7位ということで健闘はしておりますけれども、いずれにしても適正な繰入額の確保にこれからも全力を尽くしていきたいと考えております。
○高嶺善伸委員 ちなみに、平成14年度決算ですので、皆さんが地方公営企業法第17条の予算要求したものと決算で一般会計から措置された額の比較をお願いします。
○具志堅全助経営課長 平成14年度の予算要求は、地方公営企業法第17条の2第1項第1号の救急関係につきましては14億8450万7000円要求しておりまして、それに対して査定は8億4437万7000円ということになっております。
○高嶺善伸委員 私は言っているんですよ。このように地方公営企業法上、一般会計から繰り入れるのが当然適当な経費であるにもかかわらず、一般会計から入ってこない。皆さんは14億円要求した。しかし、それを8億円しか繰り入れないんですよ。そうすると、経営が行き詰まるのは当たり前。どれぐらい行き詰まるのかという比較をしたのが監査意見書の23ページ。1床当たり繰入額は、平成13年度ベースでは、全国は366万円に対して本県は147万円しか繰り入れていないんですよ。だから、監査委員も指摘している。適切な経費の区分をして一般会計から繰り入れなさい。この差額を単純に病床数2664床に全国平均を掛けると、一般会計からの繰り入れは97億6000万円になるんですよ。単年度でさえもこんなに差がある。したがって、これまでの累計で減価償却等を引いた実質的な赤字が56億円だったら、適切な予算管理をすれば赤字は出てこない。そうではないんですか。
○平井哲夫病院管理局長 委員からもいろいろ指摘がございましたけれども、先ほど申し上げましたときに、確かに繰入額としては15位ぐらいですけれども、今の指摘は1床当たりということだったんですが、それは確かに44位となっております。ただ、財政規模から申し上げますとまだ7位ぐらいとなっておりまして、繰り入れの場合、財政課とこちらとの認識の違いも特にあるんですけれども、これから財政課との交渉の中で適正な繰り入れができるように、確保するように我々も努めていきたいと考えております。
○高嶺善伸委員 過去、決算するたびに赤字がどうのこうのということで、人件費、他の経費も含めて現場の病院にはしわ寄せが物すごく強いんですよ。それは、離島を抱え、本県の医療状況というのは病院経営が楽でないのはわかる。しかし、本来、地方公営企業法上、一般会計から繰り入れるべき経費でさえも十分手当てがされていない。そこは棚に上げておいて、現場にだけ責任を押しつけるということはやらないこと。そして、次年度からきちんと繰り入れの予算を確保してください。法律上できるんだから、1床当たりの繰入額の差はこれだけありますよということから攻めてください。数字を出して、監査委員がそのように指摘しているんだから、そのように要望しておきたいと思います。
 では、現場の皆さんにどんなしわ寄せがあるのかということを調べてみました。まず、県立南部病院の病床を削減しました。その理由と削減に伴う効果はどのように考えておられるのか、御説明ください。
○平井哲夫病院管理局長 県立南部病院については、確かに300床から50床休床して、250床で運営をしておりますけれども、これは平成8年度の病床利用率が94%、平成11年度から平成13年度の3カ年平均で88.1%ということで、特に産婦人科病棟の病床率がかなり低下しておりまして62%というようなことで、この辺の状況を踏まえながら、産婦人科の病棟を今休床しております。それに伴って、また県立南部病院では人工透析などのニーズが高いこともあって人工透析を強化したということと、県立中部病院においては、これは医療課題でございましたけれども、周産期医療を新たに課題にしたという形で対応をしてきております。
 収益面ですけれども、まず、休床をすることによって産婦人科分が落ちております。これまでの平均単価、これまでの患者数等からとり、また産婦人科の方での3600万円ぐらいの減少が収益面で出ております。ただし、そのかわり費用の面、人件費でいきますと、これは給与とか薬剤、材料等いろいろなもの含めますと1億6000万円ぐらいの減少となっておりますので、単純に引きますと1億3000万円ぐらいの収益が出たということでございます。
○高嶺善伸委員 休床に伴う人員を県立中部病院に異動させたのは何名中の何名ですか。
○平井哲夫病院管理局長 県立南部病院は今、休床に伴って22名を産婦人科病棟から一応減にしたんですけれども、そのうち4名は県立南部病院、県立中部病院に15名、これは周産期ということでやっております。あとは県立那覇病院と県立北部病院。県立那覇病院が手術室、NICU等、県立北部病院の循環器系の方に一応再配置をしております。
○高嶺善伸委員 そのように南部圏域の中核病院である県立南部病院の休床をすることによってどんな数字が出てきたかというと、この監査委員から出た病院別経営指標。まず、病床利用率は平成13年度の87.8%から76.7%に落ちているんです。それから、職員1人当たりの外来、まず医師でいうと11.1名だったのが15.9名にふえているんです。看護師は今まで1人当たりの外来が2.4名だったのが3.3名にふえている。このように現場では、皆さんの意向とは裏腹に、本来の健全な病院経営とは思えないような一方的な休床ではないですか。どうですか。
○平井哲夫病院管理局長 県立南部病院については先ほども申し上げましたように、産婦人科病棟のベッド利用率が62%ということでかなり低いことから周囲の産婦人科で対応できる。62%の利用率でしたらですね。それと、県立南部病院にもやっぱり人工透析などを強化する必要もいろいろあったものですから、そういうのも含めて再配置をしたということでございます。
○高嶺善伸委員 次に、県立宮古病院ですが、県立宮古病院もまた内科を休床しているんですね。その時期と目的、効果について御説明ください。
○平井哲夫病院管理局長 県立宮古病院につきましては、平成12年度までの5カ年の平均病床利用率を見ますと79.7%と低い状況で推移しておりますけれども、特に小児科、外科等の病床利用率が著しく低下をしております。これも60%から65%になっております。そういう理由で、平成13年度に393床から33床休床して360床で今運用しているところでございます。それについては、これも宮古の医療ニーズにこたえるための診療体制の見直しということで、小児科とか循環器系の充実と、これも県立中部病院に周産期医療病院としての再配置をしております。これの効果といいますと、収益面では、もともとここの内科は遊休病床でありましたので患者は入っておりません。そういうことで、収益面では増減がないんですけれども、そこに配置をされておりましたので、費用面では給与費とかいうもので約6900万円。そういうことで、6900万円ぐらいが今効果といいますか、節減できたという状況でございます。
 県立宮古病院の病棟に配置した18名の職員については、県立宮古病院の業務に従事するための7名を充実するということで、県立宮古病院に7名を配置しております。県立中部病院も周産期との関係で10名、県立那覇病院に1人というような再配置をしております。
○高嶺善伸委員 この一連の休床を見ていると、県立中部病院を強化すると人が不足する。そうしたら、県立南部病院と県立宮古病院から連れてくる。県立那覇病院を機能強化すると職員が不足する。次はどこからとってくるか。そういうことで、地域医療、離島医療を切り捨てる方向で医療の方針を考えられては困る。
 そこで、今、課題となっている県立八重山病院の休床関係についての現在の取り組み状況といいますか、方針をお聞かせください。
○平井哲夫病院管理局長 県立八重山病院の一般病床の利用率については平成12年度、平成13年度に80%と低い状況にありましたけれども、平成14年度になって91.4%と改善傾向にあります。そういうことで、一般病床の規模の検討に当たっては今後の病床利用率の推移を見るとともに、現在整備中の民間病院の周辺の医療環境の状況も踏まえながら、現地とも十分に調整しながら対応していきたいと考えております。
○高嶺善伸委員 県立八重山病院が一時低かったのは、皆さんの医師の配置で欠員が出たからなんですよ。医者がいないと患者は沖縄本島に行くんです。きちんと配置されると、病床の稼働率も高くなる。住民の信頼も、そして利便性も促進できる。そういうのが数字に必ず出てくるんですね。そういう意味では適切な医師の配置をしながら、やっぱり地域における公的な病院の役割というのをむしろ強化するような取り組みをお願いしたいと思います。
 そこで、沖縄県病院事業経営健全化計画の推進もあります。また県立病院の今後のあり方検討委員会の動向もあります。新沖縄県行政システム改革大綱の中で、これからの病院については、地方公営企業法の全面適用事業にするのか、あるいは独立行政法人にするのか、一部事務組合にするのか、そういう役割を検討することになっているんですが、私は離島を抱えた公的病院の役割を考えたときに、現場、地域の実情をよく配慮した検討が必要だと思うんですね。そのような地域性、離島医療、地域医療を配慮した検討がなされるのかどうか、お聞かせください。
○知念建次病院管理局次長 今県立病院の今後のあり方検討委員会の中で幹事会報告が出ていまして、それにおける離島、僻地医療の部分については、ちょっと主要な部分を読ませていただきます。
 「離島・へき地医療(支援を含む)」という形で「地域医療確保の観点から、採算面で厳しい状況にある離島・へき地医療は公的部門が中心になって担うべきである。」「離島地域においては、手当、旅費、輸送コスト等本島では生じない経費があり、これら離島であるが故の経費については、政策的に配慮をする必要がある。」「離島・へき地医療を支援するシステムを県が中心となり(関係市町村も含めて)構築すべきである。」というような方向性で幹事会での議論がなされています。
○高嶺善伸委員 大変いい検討の方向性です。新沖縄県行政システム改革大綱を見たら、この内容については、今後、運営のあり方、一般会計からの財政の支援や市町村の役割のあり方等について検討を行うということになっていて、平成15年度の中途でその方向を県立病院の今後のあり方検討委員会でまとめて、平成16年度で実施方法を検討する。平成17年度では実施準備に入るということで、方向性が決まるとそのままぱっぱっぱっといってしまうんです。だから、地域医療、離島医療のことを懸念して、県立病院の今後のあり方検討委員会では、その地域の実情、離島医療の実情を十分勘案した検討の方向性が出てこないと、まとまった後では大変だなという懸念をしておりましたけれども、今ほどの幹事会の報告を聞いて、そのような方向で、離島の住民も同じ命ですので、そういうことを配慮した医療を続けて実施してもらいたいと強く要望しておきたいと思います。
 僻地、離島医療についてお聞きしたいと思います。
 先日の代表質問でも私が申し上げました。例えば義務教育は、児童・生徒が5名、10名であってもやっぱりきちんとした教育が行われるように、校長先生を初め教員の配置をし、体育館をつくり、校舎を改築して教育条件の整備をしている。教育は国の基本だからです。医療は地球より重い命を支えるわけでありますので、無医地区あるいはまた離島というハンディーを負った地域の皆さんが急病を起こしたとき、あるいは事故に遭ったとき、どのような医療を行うかということで、県は離島医療については、これまで沖縄県へき地医療支援機構ができ上がれば離島医療の問題については大幅な条件整備が行われるでしょうということで、おととしの決算特別委員会で当時の病院管理局長は答弁しておられました。
 そこで、沖縄県へき地医療支援機構が立ち上がりました。福祉保健部で主要成果の施策の中にも報告書が出ております。現段階で離島に、県立病院あるいは診療所を抱えた病院管理局として沖縄県へき地医療支援機構の効果をどのように考えておられるか、お聞かせください。
○當眞正和管理課長 沖縄県へき地医療支援機構、おっしゃるとおり福祉保健部で所管している事業でございますけれども、昨年度から立ち上がっております。同機構につきましては離島、僻地の診療所に対する代診の医者の派遣などの総合調整をするということで設置されております。その関係でいきますと、県立八重山病院はその機構の中で僻地医療拠点病院と位置づけをされております。その位置づけに基づきまして、竹富町にございますけれども、同病院附属診療所に対しての代診医の派遣等支援を行っております。これにつきましては、昨年度実績ですけれども、診療所派遣日数53日の代診派遣をしております。これにつきまして所要の補助金が出るという形になっております。
○高嶺善伸委員 4月、5月、6月ごろでしたか。県立八重山病院附属大原診療所の医師が急遽おやめになったときは、県立病院から交代、交代で医師を派遣して、そこの診療所業務が停滞しないように手当てしていただいたんですよね。大変助かりました。県立病院関連、県立の診療所であれば、医師がいなくなると、すぐ近隣の中核病院、あるいは今の沖縄県へき地医療支援機構からそういう応援のあり方について検討してもらえる。ところが、今一番困っているのは竹富町立の診療所。竹富島と黒島の医介輔が高齢により退職しました。今、無医地区になっているんです。診療所の建物はあるんです。今その無医地区となった診療所というのは、皆さんのこれまで休止及び廃止になった診療所の名前を見ていると、町村立であっても何がしかの配慮ができないだろうかというのが地域の悩みなんですね。そういう意味では、沖縄県へき地医療支援機構の中で後任の医師が見つからない町立の診療所に対して何がしかの支援ができないのか。同じ八重山の中ですので、西表島の大原で医者がいなくなったから県立八重山病院からすぐ応援に行く。黒島でいなくなったら、あちらは町立だから行かない。県立病院の役割を考えたら、そういう何がしかの役割を果たすことができないのだろうか。そういう意味で病院管理局にあえてお聞きするわけですが、今の不在となった両診療所の医師の確保について病院管理局として何らかの支援策を考えることができないのか、お聞かせください。
○當眞正和管理課長 確かに町立診療所の問題はございますけれども、同じ地域医療を見る立場におきまして非常に気にしているところでございます。ただ、町立診療所の場合、沖縄県へき地医療支援機構そのものが福祉保健部の所管事業でございまして、そして、県立も市町村立も含めた離島医療全体のいわゆる総合的な、政策的な立場といいますか、そこら辺は福祉保健部が窓口となってやることになっております。したがいまして、町立診療所につきましても一義的には福祉保健部が窓口となって対応することになりますが、県立病院事業は御案内のとおり独立採算の独立した事業でございます。そこの中でどういうことができるかということにつきましては、必要に応じまして福祉保健部と調整をし、医師の紹介など必要な対応を図っていきたいと考えております。
○高嶺善伸委員 ぜひそのような御配慮をお願いしたいと思います。また、この辺については福祉保健部の質疑の中で深めたいと思いますので、病院を抱え、医師を抱えている県立病院側としても、かかわり方についてぜひ助言なり、積極的に御支援をお願いしておきたいと思います。
 個別の病院のことになるんですが、県立八重山病院の産婦人科病棟の浴室が一部使いにくいと現場の職員から要求がありました。先日施設を見てきたんですが、例えば県立八重山病院への予算が限られているのならば、その限られた予算でどこを優先するかという問題が出てくるわけです。そういうことで、一向にそこの改善が進まなかったんだろうなと思っております。そういう意味では、張りついた予算をこちらに持ってこいということではなくて、新たに病院管理局から県立八重山病院の予算をふやすような形で対応してもらいたいという要望も含めての質疑になりますけれども、病床というのは、こちらは産婦人科病棟だから、産婦人科の患者だけだというわけにはいかぬのです。内科の患者がふえたときは産婦人科病棟に内科の患者を入れるんです。現場はそんなやりくりをしているわけです。内科の入院患者というのは寝たきりの方、重症の方が多いわけで、では、浴室に行こうと思ってストレッチャーで行くと入らない。3階の方は入らない浴室の入り口をきちんと改造してありました。同じつくりなんですね。そこを産婦人科病棟で内科の患者が入院したときも、産婦人科の病棟としてはやっぱり病棟の責任で患者の利便を図ってあげたいという看護師たちの強い要望があるんです。それで、今の場合はどうするかというと、内科病棟の浴室のあいた時間を予約して、そこにストレッチャーを押していって入浴させているけれども、患者にとってはこれだけの距離をストレッチャーで押されて浴室へ行くわけですので、これはもうかわいそうだなと私は思いました。そういう意味で、施設改善については当該病院から要望が出るのではないかと私は思うんですが、実際に行ってみて、ああ、これは改善すべきだなと感じましたので、今、病院管理局の方で状況をどのように把握しておられるのか、お聞かせください。
○具志堅全助経営課長 産婦人科病棟につきましては、委員御指摘の産婦人科病棟と内科病棟が東と西に両方に分かれておりまして、産婦人科病棟はもともとそういう重症とか重篤な患者さんというものは想定していない病棟で、ふだんは特段問題はないということです。ただ、最近病床利用率が若干落ちている関係もありまして、一般の内科の患者さんの病床の効率的利用という観点から受け入れをしているという状況がございまして、そういうことで多分こういう問題も出てきたんだろうと思うわけです。現場に聞いてみますと、ストレッチャーを使用する患者さんは週に3名から4名程度だということもありまして、委員の皆さん方もごらんになったと思いますが、同階の近いところに浴室がございまして、そこを利用する形で対応しているということで、特段私どもに対しては問題ということはございませんという返事をしているわけですけれども、仮にやるとすれば当然修繕対応ということになるわけですが、この修繕費については病院長の判断でできる部分がありまして、本当に困っていて、そういう対応をせざるを得ないということであれば院長対応でそういうことも可能であります。
 これまで特に予算要求というのはございませんでしたので、私どもも委員の御指摘を受けて、ああ、こういう状況もあったのかなということを確認したんですけれども、特に急を要する患者さんが相当いるわけでもないわけですから、特段問題はない、支障はないと聞いております。そういう状況です。
○高嶺善伸委員 管理職は限られた予算でやるので、現場の声よりも自分の予算配分が優先。現場の看護師の皆さんは患者の立場になるから、現場の声が優先。そういう声を私は現場優先にした方がいいと思う。やっぱり患者の立場、看護師の皆さんの立場を考えたら、その辺の配慮をお願いしたいと思います。
○安次富修委員長 渡嘉敷喜代子委員。
○渡嘉敷喜代子委員 きのうも366億円の累積赤字に対して代表監査の方に質疑しましたけれども、その内容について大雑把に説明をしていただきました。きょうは病院管理局長に詳しく説明をいただきましたけれども、今、高嶺委員が言いますように一般会計から繰り入れられる部分に対してはしっかりと確保する努力も必要ではないかという指摘がありましたけれども、また別な角度で病院の健全化に向けての基本的な考え方などもお聞かせいただきたいと思います。別の角度での努力も必要ではないか、監査委員からも抜本的な改革というのが必要ではないかという指摘もありますので、そのあたりのことをお聞かせいただきたいと思います。
○平井哲夫病院管理局長 今、監査委員から、これまでの恒常的といいますか、指摘については、大きくは診療報酬請求事務の管理と未収入の発生防止と回収についてでございますけれども、診療報酬の請求事務についても確かに今我々の方でも強化をしておりまして、平成11年度から診療報酬のチェックマンということで病院に配置しておりますし、さらに平成14年度から病院管理局内にも適正な収益確保チームということで3人体制で配置をしております。そういうことで、その人たちを中心に各県立病院への業務指導、請求事務の精度の向上、院内の連携の強化、各種医療情報の共有化に努めておりまして、病院事業全体としての審査管理の改善、強化を図っているところでございます。
 医業未収金の発生防止と回収についても、今、診療報酬の未納整理月間ということで毎年9月にやっておりまして、未収金の発生防止、早期回収に努めているところでございます。それと今回、上半期においても、1カ月では強化月間にならないということで、それを継続という形で1月以降も発生防止の強化。これは特に今まで回収を中心にやっていたものを発生防止という観点からの強化月間を設けているところでございます。中には悪質な方といいますか、金はあるけれども、払ってくれないという方々もおりますので、こういう方々には法的措置をやるということで、今準備をしているところでございます。
 徴収については外部委託の効果も、那覇市立病院でいろいろ効果があったということで話がありましたので、我々の方でも去年から外部への回収委託を県立中部病院で実施をしております。そういう動向を見ながら、いずれにしてもこれは経営に係る大きな課題でございますので、我々としても強化していきたいと考えております。
○渡嘉敷喜代子委員 県立病院と民間病院との役割分担ですね。そういう意味での病病体制の強化ですか、そのあたりも取り組んでいると聞いておりますけれども、詳しく説明していただきたいと思います。
○平井哲夫病院管理局長 県立病院と民間病院の役割ですけれども、現在本県には95の病院がございます。このうちの78が医療法人で民間でございます。残り17の病院が国立だったり、県立だったり、市立だったりという形になっておりますけれども、最近民間医療も機能がかなり進展をしておりまして、県立病院と比較しても遜色のない機能を持つ民間病院も多くなっております。ただ、先ほど高嶺善伸委員からも指摘がありましたとおり、中南部、本島と離島との差はいずれにしても出てきてはおりますけれども、県立病院と民間病院の役割については、地域の医療事情とか民間の医療機関の持つ機能を踏まえた方向で検討をする必要があると考えております。
 そういうことで今、その役割については県立病院の今後のあり方検討委員会でもやっていますけれども、その一つとして我々県立病院が担うべきものはやっぱり急性期医療ということで、病診連携、病病連携ということで民間病院との連携を強化したい。そういう意味で、今各病院で地域医療連携室というのを設けてございます。そういうところを強化しながら、民間病院との連携を図っていきたいと考えております。
○渡嘉敷喜代子委員 ただいまのお話を聞いて、きのうの説明では県立中部病院だけに地域医療連携室をつくっていると聞きましたけれども、各病院にそういう地域医療連携室が設置されているということですね。そうですか。
○平井哲夫病院管理局長 今、各病院に地域医療連携室は全部できております。これから強化していきたいと思っております。
○渡嘉敷喜代子委員 実際に稼働しているというのは県立中部病院だけに限られているわけでしょうか。
○知念建次病院管理局次長 地域医療連携室をスタートしたのは県立中部病院が最初でして、今年度に入って各病院にそれぞれ地域医療連携室を設置するようにということで、それがやっと全病院に設置を開始したところです。中の機能につきましてはそれぞれ各病院によってまだ温度差がございまして、やっぱり強化する部分も多々残っています。それを今後、先ほどの経営対策チームを中心に地域医療連携室の強化も図っていきたいと考えております。
○渡嘉敷喜代子委員 私がお尋ねしたいのは、今現在、県立中部病院で民間とどのような連携をやられているのか。そのあたりはどうなんでしょうか。
○知念建次病院管理局次長 地域医療連携室が中心になりまして、県立中部病院と周辺の―基本的には中部の医療圏域の中の民間医療との紹介、逆紹介を行っていこうということで、主に外来部門については各民間の医療機関から紹介を受けて、いわゆる急性期対応というか、難しい病気については県立中部病院で引き続き診療します。軽くなりましたら、逆に民間で逆紹介でお願いしますと。ある意味では、中部のドクターが目指しているというのは、要するに主治医の2人制。いわゆる県立病院と民間病院とでそれぞれ主治医の役割を持って連携をしていったら診療行為が非常にスムーズになるだろうというような発想で地域医療連携室を活用しています。
○渡嘉敷喜代子委員 やはり県立病院としての果たす役割というのは大きいわけですから、それでは、しっかりとその機能を発揮していくために、そして県民のニーズにこたえられるような医療体制をぜひつくっていただきたいと思います。
 先ほど高嶺委員からも指摘がありましたように、休床の者をほかの病院に人員を移していくということで、現場としては大変締めつけがあるのではないかというような指摘がありましたけれども、そういう意味で、医師を初め医療従事者の確保が本当に十分であるのかどうか、もう1度お尋ねしたいと思います。
○平井哲夫病院管理局長 医師数についてでございますけれども、平成12年の12月末現在で2165人になっております。人口10万単位数は全国平均の約92.8%ということで、年々全国水準並みに近づいております。ちなみに県立病院の医師の配置は医療法上の最低標準があるんですけれども、これは満たしております。したがって、本県の医療体制はおおむね確保されているものと考えております。その中で、人口が集中する南部保健医療圏の救命救急医療、総合、周産期、母子医療並びに離島に勤務する医師の養成、確保等については課題があることも承知しております。
○渡嘉敷喜代子委員 やはり1床当たりに対する人員というのは九州とか全国に比べて少ないということの指摘もあるわけですから、そのあたりの努力をぜひしていただきたいと思います。
 きょうの新聞に出ております危険感染症対応についてですけれども、これは5日から新型肝炎、SARSなどの輸入感染症に対する危険管理強化を柱として走り出すということですけれども、沖縄では琉球大学医学部附属病院が受け入れ病院として指定をされたけれども、辞退したという経緯があります。冬場になると、またSARSが流行するのではないかという危険性はあるわけです。では、県としてどうそれに取り組んでいくのか、そのあたりを聞かせていただきたいと思います。
○知念建次病院管理局次長 SARSにつきましては基本的に窓口になっていますのは福祉保健部ですので、詳しいことはぜひそちらでお聞きになっていただきたいのですが、県立病院が中核を担っていますので、琉球大学医学部附属病院とも連携をして福祉保健部の方で専門委員会を設置しまして、前回SARSの問題があったときに行動計画をつくってございます。その行動計画によりますと、琉球大学医学部附属病院が第1次の受け入れ先であると。疑い例がある分については、各県立病院で診断をして琉球大学医学部附属病院に搬送するというような仕組みになってございます。そのときに各県立病院にも患者移送用陰圧装置はもう既に設置してございます。今おっしゃっている分は、1類の感染症室については現在琉球大学医学部附属病院の方に設置してございます。
○渡嘉敷喜代子委員 今のこととも関連するわけですけれども、昨年、県立那覇病院で男性がMRSAの院内感染によって死亡したという事故がありました。それに対して、その後、県立中部病院で31人の院内感染があったという報告がありましたけれども、その後、院内感染があったかどうか、聞かせていただきたいと思います。
○當眞正和管理課長 その後、院内感染で事故といいますか、トラブルがあったという報告は受けてございません。
○渡嘉敷喜代子委員 院内感染を防ぐためには、病院内の換気をよくするとか、そういうことでしっかりとやっていただきたいという気がするんです。実はちょっと体調が悪いときには、私も病院へなるべく行かないようにしているんです。お見舞いにしてもですね。何となく病院で別の病気がうつってくるような気がしまして、病院内の換気が余りよくないのではないかなという気がしますので、病院内での換気とか、それからMRSAに対しての処置というのもやっぱりお金のかかることだと聞いていますけれども、しっかりとそのあたりの対策も考えていただきたいと思います。
 前後しますけれども、監査委員からの報告の23ページで病院事業損失が全国に比べて約4倍ぐらいあります。それから、医業収支比率にしましては全国よりも高い。これは、事業主体部門としては経営は全国的に比較してよいと判断しておりますけれども、では、全国との1床当たりの病院事業損失でどうしてこういう差が出てくるのか、このあたりの因果関係を教えていただきたいと思います。
○平井哲夫病院管理局長 1床当たりについては確かに沖縄県は繰り入れについては低いわけですけれども、ただ、地方公営企業法の繰り出し基準の中には第17条の2第1項第1号経費、第2号経費、あと第17条の3というのもありますけれども、それによりますと、例えば第1号経費だと救急医療の確保に要する経費とか、あるいは第2号経費だったら病院建設に要する経費、僻地医療確保に要する経費というような形で分かれておりまして、その経費ごとに一応算定をしております。結果として、1病床当たり沖縄県は低いという形になっております。ただ、1病床当たりからすると確かに全国よりかなり低いわけですけれども、今後そういうものの適正な確保に努めていきたいとは考えております。
○渡嘉敷喜代子委員 それでは、あと1点お尋ねします。
 決算書の中の42ページでの経費の部分で委託料が経費全体の2分の1ぐらいを占めていますね。21億円ですか、これについての内容を教えてください。
○具志堅全助経営課長 委託料の内容でございますが、委託料の中には病院の医事算定の医事業務でありますとか、あとは調理関係の給食業務、清掃、警備、保安員、洗濯、検査等々十数種類の委託契約がありまして、20億円を超えております。
○渡嘉敷喜代子委員 この中で一番高額な委託料というのはどの分野が占めているか、知っていますか。
○具志堅全助経営課長 平成14年度決算における委託料の一番大きなものは医事業務です。入院と外来の算定業務に係る部分が一番大きいです。約6億円近くあります。
○渡嘉敷喜代子委員 医事業務というのを詳しく教えてほしいんですけれども。
○具志堅全助経営課長 窓口に行きますと、受け付けして、そしてそれぞれの診療科に移って治療、診断を受けますよね。その結果、診療報酬の算定という形でそれぞれごとに伝票が回されてきます。業務課というところなんですけれども、そこで診療報酬制度に基づいて入院1回当たり幾らとか、あるいは外来1回当たり幾らとか、点数はそれぞれの診療行為ごとに算定されておりまして、こういう業務を行う仕事でございます。
○渡嘉敷喜代子委員 この窓口業務の委託というのは、救急診療の方では生かされていますでしょうか。救急診療の方では職員というのは1日じゅう、四六時中立って対応するという状況にありますので、そのあたりをうまく委託をしてほしいなという気がしますけれども、どういう配置をされていますでしょうか。
○具志堅全助経営課長 救急業務についても委託職員は配置しているんですけれども、県立中部病院の救命救急とか、それぞれ病院の違いもあって、数についてはそれぞれの病院の事情に応じて配置をしているということです。
○渡嘉敷喜代子委員 救急医療の方にこそこういう委託業務をもっと活用していただきたいなという気がいたします。よろしくお願いします。
○安次富修委員長 友寄信助委員。
○友寄信助委員 まず最初に、沖縄県立高度・多機能病院と沖縄県病院事業経営健全化計画の関連でお聞きします。
 まず第1点目ですが、県内の医療事業が一体どうなっているかということです。先ほど答弁があったんですが、いわゆる県内の医療供給に対して、これは今の説明によると人口10万単位数は全国平均の約92.8%ですか。今の答弁からすると。ほぼ全国水準に近づいているという説明があるんですが、この新しい県立高度・多機能病院が建設されると、この供給面でどういう変化が出てくるのか、かなりそれが充実されてくるのか。まず、このあたりから1点お聞きしたいと思います。
○知念建次病院管理局次長 南風原町に今建設中の高度・多機能病院(仮称)、新病院なんですけれども、病床数は現在の県立那覇病院の434床がそのまま移行します。ただ、機能面では、現在県立那覇病院で持っていない救命救急機能、母子総合医療機能というような機能面での充実はあります。
そういう意味では434床の病床数は変わりませんので、例えば母子総合医療という形で小児の部分については、ある面、今度の新病院が中心的な役割になって全県をカバーするような状態になろうかと思いますし、救命救急の状態については県立中部病院と新病院の方で、いわゆる圏域を分けた形で24時間体制の救命救急体制がとれるような状態にはなろうかと思います。
○友寄信助委員 そうしますと、高度・多機能病院の基本計画の中で、この病院が建設されると県立病院事業全体のあり方について検討する必要があると言われているわけです。そうすると、今の県立那覇病院というのはこれともう全く統合、機能がすべて統合されるということですか。まだある那覇の県立病院。
○平井哲夫病院管理局長 今の新病院は県立那覇病院の移転だけでなくて、先ほども言ったように、その中に今の救命救急とか小児とかいうようなものの機能が新しく出てくるということです。
○友寄信助委員 そうしますと、この新しい高度・多機能病院、今の県立病院はそのまま置いて、今言った救急診療とかそういう機能の部分は切っていくと。現在の県立那覇病院そのものはどうするんですか。その関係を聞いているわけです。
○平井哲夫病院管理局長 今の県立那覇病院はなくなります。
○友寄信助委員 なくなるわけでしょう。
○平井哲夫病院管理局長 はい、そういうことです。
○友寄信助委員 この高度・多機能病院の計画があるわけですが、これは建設ですね。規模的には、今の県立那覇病院と計画病床数も434床で特別な機能が新たに加わってくるわけですが、建設事業費全体で幾らになりますか。そして、この病院を建設する場合には財政措置はどうなるんですか。国庫負担の割合等はどういう形になるのか。
○具志堅全助経営課長 高度・多機能病院の建設費につきましては、工事の設計事務全部を含めてですけれども、今の試算でおよそ総額190億円程度を考えておりまして、そのうち国庫補助金につきましては、これはまだ確定ではございませんけれども、内閣府と詰めている数字は38億円程度です。
○友寄信助委員 かなり期待されているわけですが、この病院が建設されると医療供給体制というのが随分充足されて強化されてくると思うんですが、これまで指摘されておりますように病院の累積赤字をどう解消するかということなんですが、先ほど来説明がありました、この沖縄県病院事業経営健全化計画ですね、平成15年度から平成19年度。ここに改善するための基本方針というものがあるわけですが、そこにもどうするべきか、いろいろ理由は書かれているんですね。経営健全化のために何をすべきかと。
 ただ、ここで感じるのは、これから赤字を解消するというのは医薬分業とか、平均在院日数をふやすとか、いろいろありますよね。しかし、もっと基本的な問題でまだやるべきことがあるのではないかなと思うんですが、これは全国で見ても公的病院、県立病院というのは赤字ですよね。全国的に見ても96%赤字と非常に多いわけですが、その中でも重要なのはやっぱり患者サービスの向上、この辺で具体的にどのように対応しようとしているのか。この結果から見ると、書かれているのは病院医療機能評価ということで若干触れられているんですが、病院に携わっている職員の意識改革ということも一つではないかなと思うんですね。そうすると、今の職員体制ですよ。職員は大体2カ年から3カ年ぐらいで異動していってしまうわけですね。どちらかというと、病院事業というのはやっぱり専門職ですよ。そういう面で、職員の体制、人事異動というものは現在どういう形にされているのかという点をお聞きしたいと思います。
○平井哲夫病院管理局長 経営健全化は短期的、中期的といいますか、改善の中で我々としては位置づけておりますが、これはあくまでも減価償却とか金の伴わないものを差し引いた、要するにキャッシュフローといいますけれども、そういう形の黒字を目指しております。抜本的には県立病院の今後のあり方検討委員会の方で見直しを行っています。経営健全化は一つ一つ数値目標を設けながら、今の体制の中でできる部分をやっていこうというような形の計画になっております。それと今ありました職員の意識改革ですけれども、これはいつもよく言われておりますけれども、病院の経営の意識が弱いのではないかとかいう話があります。これについても今、経営健全化の中で各病院にいろんな意識を高めることもそうなんですけれども、やっぱり経営という面からのいろんなチームをつくって、グループをつくって、自分の仕事の中でこうしたら収益が上がるのではないか、こうしたらという議論もしているところでございます。そういうものを含めまして意識改革を図っておりますし、また他都道府県の公立病院で成功した方々をお招きして研修会を開いたりして意識改革を図っているところでございます。
 また、人事異動については今は確かに言われておりますけれども、事務方については通常の人事異動の中でやっているような状況でございますので、これについてもやっぱり専門家という形の者が必要ということが言われておりますので、この辺も配慮しながらやっていきたいと考えております。
○友寄信助委員 時間がないので、最後にあと1点。最近やはり医療経営の中で医療事故が非常に多いですよね。これは県立、民間含めてなんですが、これまで県立、民間を含めての医療事故はどの程度、これまで何件ぐらい起きているのか。そして、裁判などで訴えられているわけですが、損害額を請求された場合の額等を含め、医療事故を防止するために今後どう対応するのかをお聞きしたいと思います。
○平井哲夫病院管理局長 医療事故については、県立病院で昭和47年の復帰以来、今日まで56件発生をしております。その内容は、死亡事故16件、殺人2件、脳障害等8件、骨折4件、その他26件と計56件になっております。その処理状況ですけれども、解決済みが31件、判決によって解決が7件、和解で23件、不提訴が1件となっております。裁判係争中が4件で、協議中が21件となっております。それに係る賠償金といいますか、支払い金額は4億827万円となっておりますけれども、それについては我々も保険に入っておりますので、損害保険会社から補てんされているのが大部分でございます。
○友寄信助委員 今のは県立病院だけですか。
○平井哲夫病院管理局長 はい、そうです。
○安次富修委員長 吉田勝廣委員。
○吉田勝廣委員 恒常的に県立病院は赤字になっているわけですけれども、いろんな対策はしていると思いますが、復帰後からもう30年たっているわけです。復帰以前もそうでしょう。赤字経営をしているわけですけれども、どうなんでしょうか。なぜ赤字なんですかという単純な質疑ですけれども、お答えできますか。
○平井哲夫病院管理局長 今の県立病院は7つの病院と18の診療所を運営しておりまして、地域の中核病院としての地域医療の確保、医療水準の向上に努めているところでございますけれども、県内には県立以外の公的医療機関が全国に比べて少ないことや島嶼県であるということから、民間医療機関では行うことが困難な救命救急とか高度、特殊医療、離島医療、僻地医療等などの公的医療の果たす役割が大きいと。これがほとんど県立病院で担っていると。しかし、この業務については不採算が多いと言われておりますので、経営上の赤字の大きな要因となっているところでございます。
○吉田勝廣委員 そうしますと、赤字を解消するのは無理ですね。いかがですか。
○平井哲夫病院管理局長 今の質疑でございますけれども、確かに今言った不採算の部門については、高度医療とか特殊医療については繰り入れ部分、政策医療という形になりますけれども、一般医療については努力しなければならない。これはもう赤字を出してはいけませんので、その辺も含めまして今短期的な沖縄県病院事業経営健全化計画を実施していると同時に、またこれからの県立病院をどうするかということで県立病院の今後のあり方検討委員会に入っているところでございます。
○吉田勝廣委員 私も本土に住んでおりましたから、本土ではたくさんの公立の病院があるわけですね。大学病院だったり、また各地域に病院があって、沖縄は歴史的な過程があるわけだから、琉球大学に医学部ができたのも復帰後ということですか。そういう感じであって。だから、かなり県の方が即応できるようになってきたと。そういう意味で赤字なんだろうなと思います。
 国立病院は最近独立行政法人といいますか、独立をして経営を任すと。ですから、今、何が行われているかというと、合理化で職員が減らされるとか、いろんな形の運営をしているわけです。そして、これは長期的な入院の患者さんを社会復帰させるという意味で出しているわけです。したがって、県立精和病院が黒字になったという報告は受けているんですが、どうして県立精和病院が黒字になったか、この辺の理由を説明できますか。
○平井哲夫病院管理局長 県立精和病院の平成14年度の決算を見ますと、総収益が22億5752万円、総費用が22億4967万円で785万円という黒字が出ております。この病院事業の収益は、対前年度比で見ますと費用において給与改定の減額4790万円というのが大きく影響して785万円の黒字となったということでございます。
○吉田勝廣委員 人件費の削減に伴う黒字ということですか。
○平井哲夫病院管理局長 給与のマイナス改定分がかなり大きかった。黒字分といっても785万円なものですから。
○吉田勝廣委員 経営努力というのは僕も8年間やりましたから、自分たちの診療所も委託をして、基本的には赤字なんですね。しかし、我々が出す分については、前は3000万円か4000万円ぐらい出してやっていましたけれども、今は民間委託したものですから1000万円程度で済んでいるわけですけれども、かなり好評を得ています。そういう意味で自治体と県立病院との連携というか、さっきの救急救命士の育成だとか、これは消防が担うわけですけれども、県立病院には救急車は何台ぐらいありますか。消防の関係で―後でも結構ですから。
○安次富修委員長 資料をそろえておいてください。
○吉田勝廣委員 後でいいです。言いたいのは、救急救命士、そして消防関係は全部地方自治体、市町村が担っているわけですよね。そうしますと、先ほどの僻地医療であれ、離島医療であれ、北部だと国頭村のあるところで事件が発生すると、県立病院の救急車がないと、すぐ派遣したり、また消防が1台ぐらいしかありませんから、そういう救急救命士の育成と連携をどのようにやっておられるかということをお聞きしたいなと思っているんですけれども、いかがですか。それで、県立病院に救急車は何台ですかと聞いているわけです。
○知念建次病院管理局次長 救急の連絡体制については、おっしゃるように市町村の消防との連絡体制ですので、病院はむしろ受け入れる側で、そういう面での連絡体制を消防側とはとっています。ただ、申しわけないんですけれども、詳しくどういう体制であるかというのはそれぞれ各病院ごとにいろいろ体制が違うようで、それぞれに消防側との連絡がとれるような状態になっているということは聞いています。
○吉田勝廣委員 いや、僕は現場におりましたから、皆さんにお聞きしたかったのは、病院管理局に今、現場の看護師さんだとかお医者さんがいらっしゃいますか。
○平井哲夫病院管理局長 おります。医者もおりますし、看護師もおります。
○吉田勝廣委員 事務職員にですか。私が言っているのは、いわゆる経営主体にお医者さんがいたり、現場をやった経験者の方がいらっしゃいますかということです。
○平井哲夫病院管理局長 今、現場の病院から病院管理局の方に、医師を1人、看護師を2人配置しております。
○吉田勝廣委員 やっぱり現場との連携が非常に大事だなと私は思っていますけれども、さっきの救急の関係ですと、我々も県立中部病院と無線とかデータをとって、その患者さんのデータをすぐ送れるようにやっていますよ。それは、いわゆる高度な救急車を持っているからなんです。極端にいいますと、金武町の消防地区組合が県立病院に救急車を寄附したんですよ。私が言っているのは、僻地医療だとか救急救命士、救急体制は非常に大事だと思っているわけです。要するに県立北部病院でできないものが県立中部病院へ行くわけですから。またやっぱり国頭村で起きた事件とか、例えばおぼれたときにはこれは大変なことになるんですね。では、国頭消防がこれをできるかというとなかなか難しい。だから、私が言っているのはそういうことなんです。救急救命士と病院との連携、いわゆる地区消防で対応できないときには皆さんが飛んでいけるかどうかということなんです。私がさっきから説明している救急救命士というか、救急体制がとれるかどうかというのは。だから、先ほど県立北部病院には救急車が幾らあって、他の県立病院に幾らありますかと。都市部は具体的にはなかなかいいわけですね。国頭村とかそういうところで観光客がふえてくると、こういう事件が起きるわけです。その体制はどうするか。これは消防だけに任す、地域だけに任すとなかなか連携がとれないものですから、この辺はやっぱり将来考えていくべきではないのかなという思いがあります。
○松本廣嗣管理課副参事 今、お尋ねになっていらっしゃるのはドクターカーのことに関してなんでしょうか。
○吉田勝廣委員 救急車。
○松本廣嗣管理課副参事 私ども事故とかなんかがありまして、実際救急隊員では対応ができないと。生き埋めになっているけれども、生きているという状態で上半身が出ているとか、意識を失いつつあるとか、そういう場合は現場に出かけていって挿管をするというようなことをやったりとか、そういうことは実際やります。そういうすべての状況に対応しているかと言われると、そこまでの充実は図られておりません。いろいろ救急関連の中で言われていることは、ドクターカーをつくるべきだとか医師を病院の持っている救急車に配置する、あるいは消防と連携して救急車に乗せる医師をつくるべきだとか、そういう声はありますけれども、現実の問題としてはなかなか実行はできないというのが今の状態です。
○吉田勝廣委員 地域で診療所を持っていますよね。先ほど高嶺委員も例えば町立の診療所があって、医師が来ないということもあるわけです。同じ診療所はあるけれども、夜間はやっておりませんから。だからこそ、私は赤字になってもやむを得ないのではないかというのがあるわけですね。僻地医療というのは金がかかりますから。医者を確保したりするのも金がかかりますよ。だから、それは金がかかるんです。ですから、私が言っているのは、そういう救急体制に敏速に行動ができるということが大事なのではないかということです。病人が救急車を待っても来てくれない。来たけれども、県立北部病院に行ったら、対処できない。そうすると、県立中部病院に行くという状況になる。
 そうすると、では救急車がありますか。地区消防は持っていますよ、それは。でも、こういう高度な救急車はないところがあるわけです。だから、そういうところは、県立病院が持っていれば飛び出していけるわけではないですか。医者もいらっしゃるわけだから、確保で。そういう連係プレーは非常に大事だなと思うわけです。もちろん僻地医療も大事だし、医者がいることも大事。だけれども、救急に対処するためには、やっぱりそういう状況把握といいますか、処理は大変ですけれども、適切な行動ができる、これが非常に必要ではないのかな。ですから、さっきの県立病院には救急車を何台配置していますかというのは、そういうことなんです。あるかないかでも結構ですよ。
○知念建次病院管理局次長 県立病院に1台以上の救急車は備えてございます。例えばそれが県立北部病院で何台、県立中部病院で何台かという数字の把握は今できていませんけれども、少なくとも救急車は設置してございます。
○吉田勝廣委員 ですから、その体制をきちんとすることが望ましいと私は思うんですね。診療所というのは基本的にみんな赤字なんです。我々も赤字ですから、基本的には。それを委託したり、また自分で経営すると、医者の派遣の問題とか、招聘の問題とか、私たちも非常に苦労しました。だから、私は病院が赤字であることはやむを得ないだろうと。やむを得ないけれども、赤字を解消するために努力はする。しかし、お医者さんはぜひ必要であるわけですから、ある意味では高いお金を払ってもこの診療は続けなくてはいけないと思います。そういう努力をぜひしていただきたいということと、今、国立病院では、基本的には、精神科とかを中心にしてそういう長期入院の患者さんを退院させているわけです。いわゆるグループホームをつくって、患者さんを退院させて、そこで面倒を見るというケアハウスみたいな感じでですね。だから、こういうことを県立精和病院でやっているかいないか、県立病院を独立行政法人化させて、そういう運営の方向もあるのかないのかをお答えください。
○平井哲夫病院管理局長 今、県立精和病院においての長期入院患者ですけれども、1年以上2年未満滞在している者が25名、2年以上が168名となっております。精神障害者の社会復帰につきましては、障害者基本法とか精神保健法において国及び地方公共団体は社会復帰促進の施策を講じることとされております。そういうことで、県立精和病院においてもこれらの趣旨を踏まえまして、精神障害者の社会復帰促進を図ることとしておりまして、平成2年度から通院患者の日常生活訓練として精神科のデイケアを実施しておりますし、また平成7年度には民間での生活訓練を行う生活療法棟を設置しております。病院管理局としては、県立精和病院において治療している精神障害者が社会の一員として生活できるよう訓練機能の充実を図るなど、今後とも社会復帰促進に努めていきたいと考えております。
 なお、精神障害者の社会復帰に際しましては地域住民の理解が必要でありますから、県立精和病院においても病院サイドを通じて地域住民の啓発活動を行っており、今後ともあらゆる機会を通して地域住民の理解を得ていきたいと考えております。
○吉田勝廣委員 要するに国においても病院は赤字なんですよね。その赤字を少なくさせるために経営努力をやっているわけです。私はまた琉球病院が金武町にあるわけですから、その精神障害者、固定した患者さんを全部地域で面倒を見るというか、病院に近いですから。そうすると、大体100名の患者さんを退院させる方向でやっているわけですね。そうしますと、地域で100名受けるというのはなかなか難しいですよ。グループホームについて地域でのいろんな考え方がありますから。だから、私は、地域で受け入れることは結構だけれども、グループホームとか地域住民の理解というのはなかなか難しい。そうすると、今度は国民健康保険になって、医療費がまた難しくなってくるわけですよ。高くなってくるわけです。基本的には我々が面倒を見ないといかぬわけです。だから、県立精和病院の将来の病院の健全経営化をやる場合にどうなのかとか、国もそういう方向で病院の赤字解消に努力はしているけれども、沖縄県はそういう県立病院のまたいろんな仕組みを考える方向があるのかどうか。僕は沖縄県病院事業経営健全化計画は読んでいませんけれども、その方向性はどうなるのかということだけ聞きたいですね。救急医療、県立病院との連携、最後にこの2つだけお答えください。
○知念建次病院管理局次長 救急の連絡体制につきましては松本管理課副参事が県立中部病院の医者で4月から病院管理局の副参事に来ていますので、それは松本管理課副参事から説明をしていただきます。
 先ほどの県立精和病院の件なんですけれども、いわゆる経営、運営形態のあり方ということで、今県立病院の今後のあり方検討委員会において、役割、機能の視点と運営、経営の視点との両方の視点で県立病院全体の検討をしていただいています。その中でいわゆる運営形態のあり方として今幹事会報告の中で議論なされていますのは、いわゆる地方公営企業法の全部適用。今の状態は一部適用、いわゆる財政面だけの適用ですので、それを全部適用にして、人事面あるいは予算調整権等についても全部病院事業管理者に付与したという方法があります。
 それと、先ほど申しました独立行政法人化ということがあります。独立行政法人化につきましては、今、国の方では独立行政法人化に向けた動きがかなり活発化していますけれども、地方独立行政法人の考え方につきましては、たしか法が施行されて間もないこともありまして、まだ詳細についてきちんと掌握されていない部分もあるものですから、今の状態は、地方独立行政法人化については将来の検討課題という形で議論されています。地方公営企業法の全部適用については、移行について検討が必要という形で幹事会で議論がなされています。
○松本廣嗣管理課副参事 救急医療体制につきましては非常に長い歴史、沖縄県は県立病院で24時間救急医療をやると。県立那覇病院と県立精和病院は別ですけれども、ほかの病院では全部、24時間救急を受け入れるという体制はとっております。ですから、その連絡体制に関してはもちろん消防組織との連絡体制ということで、既に一通りの完成は見ているんだと理解しておりますが。
○安次富修委員長 宮里政秋委員。
○宮里政秋委員 まず最初に質疑だけ。第1番目に、ケースワーカーを各病院に配置していると思うが、相談室を設けてケースワーカーを配置していない病院があるのか、ケースワーカーは全部で何名か。
○具志堅全助経営課長 御質疑のケースワーカーの件ですけれども、ケースワーカーは全病院に一応配置をしております。内訳としましては、これはあくまでも現時点の数字ですけれども、県立北部病院で1名、県立中部病院で5名、県立那覇病院で2名、県立南部病院で2名、県立宮古病院で3名、県立八重山病院で1名、県立精和病院で3名、合計17名でございます。
○宮里政秋委員 2番目に地方公営企業法第17条の2第1項第1号経費及び第2号経費について説明してください。
○平井哲夫病院管理局長 地方公営企業法第17条の2第1項第1号は「その性質上当該地方公営企業の経営に伴う収入をもつて充てることが適当でない経費」と規定されております。第2号の方は「当該公営企業の性質上能率的な経営を行ってもなおその経営に伴う収入のみをもつて充てることが客観的に困難であると認められる経費」と規定されております。具体的に沖縄県で該当するのは、まず第1号経費では救急医療の確保に要する経費です。第2号経費では病院の建設改良に要する経費、僻地医療の確保に要する経費、結核病院の運営に要する経費、精神病院の運営に要する経費、周産期医療に要する経費、公立病院附属診療所の運営に要する経費、高度医療に要する経費となっております。
○宮里政秋委員 非常に多岐にわたっています。そこで、総額は幾らですか。
○平井哲夫病院管理局長 平成14年度の決算の総額は60億8638万7000円となっております。
○宮里政秋委員 これは当然一般会計から繰り入れるべきだということで書かれています。これをどう認識していますか。
○平井哲夫病院管理局長 この部分については不採算部門として繰り入れ基準にもございます。そういうことで、この60億円は繰り入れ基準に基づいて繰り入れたものと認識をしております。
○宮里政秋委員 企業会計で、病院関係で、一般会計に対して権利として要求することができるということになっていて、しかも、一般会計から企業会計に持ち出しますと、その経費は普通交付税でちゃんと算定されるんだと。ですから、病院管理局長、これは一般会計に対して権利として強く要求してもらいたい。総額は60億円ですけれども、その資料も後でいただきたい。
 最後に、県立宮古病院について。去る台風で、私、県立宮古病院を調査しましたけれども、あれだけの病院で何回も改築を要求しているけれども、全然改築してくれない。本島のいろんな病院が優先されて、離島病院が後回しだと言っています。私が向こうへ行って非常に感じたことは、ああいう県立病院というのは、離島住民にとっては、いざ、災害時の場合には避難場所ですよ、心のよりどころです。だから、そういう点では、県立宮古病院に対する改築計画について病院管理局長の御見解をお聞きしたい。
○平井哲夫病院管理局長 県立宮古病院につきましては先ほどの台風の際に、宮古地域における医療確保について非常に大きな役割を果たしているということでございます。一方、県立宮古病院については県立那覇病院を除く県立病院の中でも最も古いということもございます。今後の県立宮古病院の機能、役割を判断するための基礎資料を作成するため、平成13年度に宮古圏域医療事情動向調査も実施しております。また、県立病院の今後のあり方検討委員会でも検討が進められておりますので、同委員会からの提言後、これらの状況を踏まえて県立宮古病院の整備の方向性について検討していきたい。県立宮古病院の改築につきましては地元からもかなり強い要望がございますので、検討等の作業についてはできるだけ早く進めていきたいと思っております。
○宮里政秋委員 病院管理局長、これは知事にも私の質問に答弁していただきました。これは積極的にやるということをあなたの口から聞きたいですな。どうですか。
○平井哲夫病院管理局長 繰り返しになるかもしれませんけれども、地元からも確かにかなり要望がございますし、今回の台風でもかなり大きな役割を果たしたということは私も認識しております。ただいま高度・多機能病院を建築中でございます。今県立病院の今後のあり方検討委員会も検討をしている段階でございます。そういうものを踏まえながら、この検討作業についてはできるだけ早目にやりたいということでございます。
○安次富修委員長 休憩いたします。
   午前11時47分休憩
   午後1時20分再開
○安次富修委員長 再開いたします。
 午前に引き続き質疑を行います。
 新垣米子委員。
○新垣米子委員 まず最初に、平成11年度から初めて患者が目標値に見合わなかった、減少したということがあって、この間ずっと患者の減少が続いておりますが、その原因について、これをどう見るかですね。そして、今後の見通しについて、まず最初にお聞きしたいと思います。
○平井哲夫病院管理局長 ただいまの患者数については平成9年度をピークにいたしまして、今、減少傾向にありますけれども、平成14年度は外来患者数が前年度より若干増加したものの、入院患者数は引き続き減少を続けている状況であります。患者の確保につきましては医師の安定的な確保を図るなどが重要であると認識していますけれども、医療費の抑制の観点から、被保険者本人の負担増あるいは県内の医療機関の進展など、県立病院を取り巻く環境を踏まえると患者の伸びは期待ができない状況にあります。これらの状況を踏まえまして、県立病院においては急性期を担う病院として民間医療機関との病病連携、病診連携による機能分担を図ることにより良質な医療を効果的に提供し、患者1人当たりの診療収益の増加に力点を置いて収益増に努めていきたいと考えております。
○新垣米子委員 今後の見通しについて。
○平井哲夫病院管理局長 見通しについてですけれども、病病連携とか病診連携などの役割分担、あるいは被保険者の負担増とか県内の医療機関の進展等を踏まえると、今後の県立病院の患者数については大きな伸びは期待できないという状況です。
○新垣米子委員 今、病院管理局長がおっしゃったように、私はかなり厳しい部分があると思っています。一番の原因は、私は今の政府の医療の改悪が国民負担増、そして病院に対する診療報酬そのものの痛みが伴ったという部分だと思うんです。だから、それは県立病院だけでなくて、民間も含めて全国的に今深刻な受診抑制が起こっています。こういう状況の中でどう県民の医療や命を守るか、健康を守るかということでの県立病院の県政としての役目というのが、今すごく正念場というか、問われているだろうと思うんですよ。県民の実態というのは私が申すまでもないんですが、本当に失業の問題、そして暮らしの問題でも、なかなか国民健康保険も納められない、年金も納められない。この間、61%滞納しているというような状況がありましたけれども、お年寄りも今は医療費の負担に加えて介護保険料が物すごい上がって、全国のお年寄りの4割しかない沖縄のお年寄りの皆さんの年金から全国平たく介護保険料を引かれていると。だから、これは今後10月の2カ月分を引かれて本当に生活できるのかという怒りの声が出されているわけですよ。そういうときに県立病院でも行けないという状況の中で、県立の病院が果たすべき役割というのは何なのかということが私は今本当に問われていると思うんです。もちろん改善すべきこういう問題はやっていかなければならない。経営努力を含めてあるんだけれども、基本的なところでのこの問題を放棄するということは絶対あってはならないと思います。その立場から次の質疑をします。
 次に、主な経営指標があります。これは医師1人1日当たりの患者数、入院、外来。それと、医師と看護部門。1人1日当たりの診療収入について、平成9年度から平成13年度までの5年間の推移を説明ください。そしてあと、引き続き平成9年度から平成13年度の単年度の赤字の推移についてもお聞かせください。
○平井哲夫病院管理局長 今の経営指標についてでございますけれども、まず医師1人当たりの患者数は、平成9年度でいきますと、入院が12.6人、外来が16.1人、全国の入院が8.0人、外来が全国11.5人。平成10年度が、本県の入院が12.6人、外来が15.7人、全国の入院が7.9人、外来が11.5人。平成11年度が本県の入院が12.4人、外来が15.6人、全国の入院が7.6人、外来が11.2人。平成12年度が本県の入院がが11.9人、外来が14.9人、全国の入院が7.5人、外来が11.1人。平成13年度が入院が7.9人、外来が10.2人、全国は入院が7.0人、外来が10.5人。
 職員1人当たりの診療収入でございますけれども、医師は平成9年度が49万2570円、看護部門が9万458円、全国の医師が33万7032円、看護部門が6万2543円。平成10年度になりますけれども、本県の医師が48万8493円、看護部門が8万8947円、全国ですけれども医師が33万6166円、看護部門が6万2360円。平成11年度ですが、医師が48万7927円、看護部門が8万8633円、全国は医師が33万1410円、看護部門が6万2150円。平成12年度が医師が48万6077円、看護部門が8万9516円、全国は医師が32万9060円、看護部門が6万2397円。平成13年度ですけれども、本県の医師が32万8026円、看護部門が6万3523円、全国は医師の方が31万2815円、看護部門が5万9826円。
 単年度赤字ですけれども、平成9年度が12億9668万9981円、平成10年度が22億5534万6577円、平成11年度が19億4009万4439円、平成12年度が17億81万4144円、平成13年度が25億2404万337円となっております。
○新垣米子委員 今5年間の指標、推移を示してもらいました。平成9年度から平成13年度というのは第3次沖縄県病院事業健全化計画の年度です。そこの中でこの推移を見て、私も改めて思ったのは、例えば医師の1人当たりの診療収入が平成10年度から平成12年度までは49万円ですね。全国平均より約15万円多いんですよ。そして、看護部門についても2万6000円多い。そしてあと、平成13年度から全国並みになっています。同時に単年度の赤字も、平成11年度、平成12年度はかなり下がって、平成13年度からかなり上がって今年度来ているということなんですが、私はそういう実態から何が読み取れるかと思ったんですね。
 例えば平成11年度、平成12年度までの医者の働き方の問題。これは第3次沖縄県病院事業経営健全化計画が本当に遂行されたかどうかとかいう論議の中に、全国の医者よりも物すごく給料が高いという問題が一つの論議になって攻撃の的になってきました。私は本当に身を削って過労死する、あるいは過労退職せざるを得ないような状況での県立病院の医者の働き方の問題を考えたときに、一概にそういう形のことは当たらないという問題で言ってきたんですが、ここでも全国の平均よりも15万円も働いていると。それが平成13年度、がばっと下がってきた原因は何なのかということを私は説明していただきたいんですが。それをどう見るのかという見解をお伺いしたいと思うんですが。
 そこでわかるのは、平成11年度、平成12年度、赤字の幅が抑えられたのは、人件費の削減で抑えられたということが監査委員のコメントでも出ておりました。そういう意味で、ほかの県にはないドクターを含めた沖縄の医療の現場の皆さんの働き。本当に働き過ぎというのか、それを抑えてきたということがこの数字から読み取れるのではないかなと思いますが、その認識についての所見をお伺いします。
○平井哲夫病院管理局長 今のお話ですけれども、まず医師1人当たりの患者数なんですが、先ほど休憩中に説明があったんですけれども、平成13年度においては医師1日当たりの患者数は大体全国並みという形になっております。ですから、県立病院の医師の数についても、100床当たりにしますと、平成12年度が沖縄県が12.8人、全国が12.7人ということで、その後も平成13年度にまた31名の医師の増員などもしているところでございます。先ほどおっしゃいましたように、単年度赤字については給与改定等のものも大分ございます。
 それと、医師の過重労働についてでございますけれども、県立病院におきましては地域の中核病院として24時間の救急医療体制を担っておりまして、特に医師については急患に備えて、夜間等の当直あるいはオンコール等で対応しておりますが、さらに夜間に及ぶ長時間の検査とか、あるいは手術、患者の急変等にも対応しなければならないような状況があり、この際に医師の労働がある程度過重になることがあると考えております。このようなことから病院管理局といたしましては、これらの過重労働の軽減を図るため、平成13年度以降、医師31名の増員を行ってきたところであります。また、医師増員だけでの対応には限界があるため、地域医療連携室を活用した民間病院との役割分担、連携等を推進するほか、県立病院の担う医療機能、急性期医療を中心としていく方向で医師の業務についても適正化を進めていきたいと考えております。
 なお、現場の職員で構成する職員団体、医師組合がありますけれども、労働条件改善の推進に向けて検討会等を開催しておるところでございます。
○新垣米子委員 ちょうどこの時期というのは、私は先生方の過重労働の問題がすごく大きな問題になって沖縄タイムスの連載でも取り上げられて、山城さんの本が出版されました。私はあの中で、県立病院の沖縄県の医師として、離島を含めて本当に県民の命を守る、健康を守るという使命感に燃えた先生方のこの思いというのは、そのときすごく大きな問題として出されました。だから、そのことに対してもきちんとこたえる。さっき言った優秀な医療スタッフを育てることが今後の皆さんの医療の内容をきちんと確保し、そして体制を確保していくということの絶対条件だと思うんですよ。その立場からも、これまで医師の問題については私は重要な問題になってくるだろうと思いますので、次に質疑をいたします。
 医療スタッフの確保は高度急性期医療を支えるための絶対条件である。一方で、人件費比率の高さが指摘され―これは監査委員の意見です―第4次沖縄県病院事業経営健全化計画で特殊勤務手当等の見直しを打ち出しているが、この方向で優秀なスタッフ、医療体制の確保ができるのかと。また、離島を抱える本県の医療体制は全国と同列とすることはできない使命、役割があるということをどのように考えているか、お聞かせください。
○平井哲夫病院管理局長 今の第4次沖縄県病院事業経営健全化計画では構造的な問題、あるいは経営努力により改善可能な問題を区別して、中期的なスパンで経営改善を迅速かつ効果がある視点から取り組んでいるところでございます。沖縄県の医業収益に占める給与費の比率を見ると、平成13年度で65.7%、全国の21位となっており、全国平均より高くなっております。人件費の縮減は県立病院の経営状況を踏まえると、費用縮減の項目として取り組まざるを得ない事項であります。沖縄県病院事業経営健全化計画における具体的な改善としては、業務の効率化によって時間外勤務手当の縮減を取り上げているほか、特殊勤務手当の見直しの検討につきましても、医療スタッフの確保あるいは経営面等を踏まえながら検討をしていきたいと考えております。
○新垣米子委員 実はきのう代表監査委員へのやりとりの中でもあったんですが、そして午前中、高嶺委員からも一般会計の繰り入れの問題がありました。これは私、代表監査委員のこれまでの監査意見は全国に比べても低い、だから適切に行うようにという意見がこれまで盛り込まれていたんですね。ところが、今回、それはありませんでした。ですから、これはさっき言ったように第4次沖縄県病院事業経営健全化計画や新沖縄県行政システム改革大綱だとか、今県立病院の今後のあり方検討委員会の中で議論されているこういう中身がかなり監査委員への意見の中にも反映されたものだと私は思うんですよね。実はこの問題について監査委員は、人件費の構成比率が高いから縮減をという指摘はしたけれども、手当等の削減をすべきということは自分は言っていないというような言い方をされたんですよ。こういう弁解をされました。だけれども、現実にこの問題が何を意味するかということは、結局さっき病院管理局長がおっしゃったように手当等を含めたこういう削減の問題が出ているわけですよ。
 そこで、私は第4次沖縄県病院事業経営健全化計画を見ていましたら、7つの病院の数値目標がかなり出ていますね。そして、その数値目標に対して明確にして、それができなかった病院については、機能や規模も縮小や廃止する問題が今回明確に打ち出されているわけですよ。そして手当ての廃止の問題も出ていると。医師の確保ができなかったために患者が減って、そしてベッドの削減という県立八重山病院の問題が出ているように、もう既に皆さんは本当に容赦なく進めようとしているという問題がここへ出ているわけですよ。だから、本当に県立病院の果たす役割は何なのか。離島医療、僻地を抱えていて、これはどんなことがあってもほかには担い得ない。県が役割を担わなければならない問題ということは、午前中知念病院管理局次長も今度の県立病院の今後のあり方検討委員会のまとめの中でこの問題を盛り込まれているんだということをおっしゃっていましたけれども、実際に私、ホームページを出されていますから、県立病院の今後のあり方検討委員会の議事録をみんな読ませていただいていますけれども、どこを削るか、どうしてここが問題か、ここが中心課題になっていますよ。それでもなお委員の中からは、お金がないからどうという問題ではなくて、議論では済ませたくない。県立病院の果たす役割、沖縄に関していえば離島ということを本当に軽々しく扱うわけにいかない、県立病院の沖縄の役割は何なのかというこの辺の問題はきちんとしっかり逃げないで話すべきではないかという問題は出されているんですよ。
 ところが、言葉じりでは、私はこういう報告は出されていると思うんですよ。だけれども、現実に皆さんが具体的な数値目標として挙げて推進しようという中身というのは容赦ない―例えば目標達成しなかったら、ベッド数が動かなかったら縮小していくということが現に県立八重山病院を含めて、県立南部病院も含めて出ているわけですよ。だから、そういう中で一番医療を担う医者に対する評価の問題を含めて、支えるものに対して容赦なく削減の方向が出されていて、本当に県立病院の役割を担えるのかという問題を私は指摘せざるを得ないと思うんです。県民の医療要求にこたえる―この医療要求は何なのかという問題は、さっき言ったように幅広くいろいろありますけれども、そこでの役割分担はいろいろあるでしょうけれども、基本的には県立病院の果たす役割を明確にした上で本当に必要な体制、スタッフを確保していく。そして、患者の確保、健全な経営も考えていくという方向ですね。基本的なところでの問題を私は手放すべきではないと。今やっていらっしゃることは、うたっていることとやっていることが本当に違うと。県立病院の役割をみずから切り崩して放棄しているということを言わざるを得ないと思うんですよ。
 これについては時間がありませんから、次の議会の中でもやっていきますが、この辺の問題について、本当に今進めようとしている皆さんの計画と目指そうとしている医療スタッフを含めて役割を担えるのかどうかという問題の認識を改めてお聞かせください。
○平井哲夫病院管理局長 今、新病院を建設中ですけれども、新病院については、人口の集中する南部保健医療圏における救命救急医療、あるいは南部、宮古、八重山の保健医療圏における周産期医療、全県を対象とした小児医療等の機能の必要性から、今整備計画をしたものでございます。あわせて、県立那覇病院の老朽化が進行し、改築の必要性が生じていたことから、同病院の改築を機に新病院の整備を行うこととなったものであります。また、県立病院のあり方の検討につきましては、民間医療機関の進展によりまして、これから民間医療機関と県立病院の機能、役割分担の明確化が求められていること。あるいは平成14年度決算における累積欠損金が366億円余りとなるなど、厳しい経営状況が続いていること。一方、救命救急医療、あるいは離島医療支援など、公的医療機関に対する医療ニーズも引き続き対応していく必要があること。今後も県立病院の担う医療を提供していくためには、事業のあり方を見直すなど抜本的な取り組みが必要であることなどから、県立病院の今後のあり方検討委員会を設置して、役割機能及び経営運営の面から見直しの検討を行っているところであります。
○新垣米子委員 今、県立病院の今後のあり方検討委員会の議論がされています。やっぱりこの高度・多機能病院がひとつ、県立病院の今後のあり方検討委員会を立ち上げて議論することの大きなてこになってきたことは事実ですよね。私、高度・多機能病院の構想が打ち出されたときにも議論しましたが、その当時も約300億円の累積赤字を抱えていて、これはどうなんだということでずっとありました。これをどう回収するのかという議論はずっと沸騰していたわけですよ。
 そういう中で、この高度・多機能病院の新たな、莫大な予算を伴う、そしてこれは単なる県立那覇病院とは違う高度・多機能病院である。当然運営の問題を含めて莫大な予算が必要と。こういう面では新たなこの病院の問題ももちろんその機能の中に入っていますが、新たな莫大な赤字を抱え込むことは、そういう意味では予想されているわけですよ。だけれども、この財政的な問題がほとんど議論はされませんでした。そして、構想と事業だけがとにかく決定をされ、県立病院の今後のあり方検討委員会が立ち上げられたわけですね。そして今、こういう方向が出されてきている。
 私は、基幹病院構想の問題のときもこういう議論をしました。あのときは県立中部病院の老朽化に伴ってどうするかという問題で、あのときは県立中部病院をつぶして県立中部病院と県立那覇病院を1つにした基幹病院構想が出されたんですね。あのときも、例えば700ベッドくらいの大規模な基幹病院構想というのは、本当に県が引っ提げなくてはならないものなのか、そのときも当然赤字の問題が言われていましたし、赤字を抱えている県立病院でこれだけの莫大な規模の基幹病院を担わなければならないのかと。当然、本来だったらこれだけの規模の機能を持つ病院というのは国が持たなくてはならないという立場からも、なぜあえて県がやらなくてはならないのかという問題の議論の中で、この問題は、それを一つのてこにした県立病院のリストラの問題がそこにあった。だけれども、県立中部病院の果たしている役割というのは本当になくすわけにはいかないという、中部圏域の皆さんのコンセンサスを当然得なかったわけですから。ですから、私はこの基幹病院構想のときに皆さんが打ち出そうとしていた県立病院のリストラ計画というのは、今度の問題でも、一つの底流としてなっているんですよ。だから、建設の是非の問題について、今さらそういう問題はありません。だけれども、必要な病院については、例えば子ども病院の問題でも政策医療として当然やらなくてはならないということに、住民のコンセンサスのもとにこれは進められてきましたから。だけれども、この問題が本当に議論を後先にして、今こういうことでどうにもならないんだと。だから、リストラが必要なんだという議論を進めてきたという、この進め方の問題ですよ。これは、行政の手続もそうなんですけれども、県民のコンセンサスを得るという立場からも、これは大きな、今後また皆さんがまとめられて明らかにした時点でこの問題は当然大きな問題になってくるので、これは進め方の問題ですごく大きな問題を持ち込んでしまったのではないかと私は認識をしております。そのことについていかがですか。
○平井哲夫病院管理局長 今のお話ですけれども、その背景といたしましては、本県の医療事情というのは地理的条件とか歴史的背景によって全国に比べてかなり立ちおくれたという状況があります。そういうことで、過去においては県立病院主導の医療体制が形成されたと。しかし、近年は民間医療がかなり整備をされてきておりまして、そういう意味からも民間医療機関と県立病院の機能、役割分担を明確にしていくことが求められてきているわけです。それに加えて、経営面においても、3次にわたる沖縄県病院事業経営健全化計画を経てきたんですけれども、平成14年度の決算でも38億円余りの純損失を出している。そういうことから、一般会計からの繰り出しも61億円ということで、財政負担も多くなっております。
 また一方、民間で実施困難な高度あるいは特殊医療、救命救急医療、離島医療支援など、公的医療機関に対する医療ニーズも引き続き存在していることから、高度・多機能病院の建設等新たな投資の必要が生じてきたわけでございます。
○新垣米子委員 今度の高度・多機能病院の建設の必要性の中でも、老朽化の建てかえの問題もあるんだけれども、南部圏域の救命救急。あと、19万人の署名に代表された母子医療センター施設の要求、これに対してこたえなくてはならないという問題がある。だけれども、子ども病院を推進をしてきた皆さんから毎回のような陳情が出されています。だから、本当に要求にどうこたえるかということよりも、今の議論が先になっているというのは否めないんですよ。だけれども、本当に子ども病院を求めてきた皆さんの努力がどういう形で生かされるのか、今後、ぜひ私たちは見ていきたいと思うんですが、最後に、県立南部病院の問題です。地元の糸満市議会は全会一致で反対の決議をしています。地域医療を支援する高度で多機能な病院検討委員会は、県立南部病院の医療機能の質を落とさないことを約束して、この病院機能を120床から150床を含む450床程度とまとめて提案して了承された。これは2年前の1月16日です。そういうことで、こういう経過がありながら今回の方向が出されています。地元の意見を今後聞くというわけなんですけれども、一体どこでこの辺の地元の意見が反映されるのかどうか、お聞かせください。
○平井哲夫病院管理局長 今回の糸満市議会からの意見書を含めまして、地域からの要望や意見が出されていることについては、県立病院の今後のあり方検討委員会の方にきちんと伝えてあります。その上で地域からの意見を県立病院の今後のあり方検討委員会が直接聴取するかどうかについては、県立病院の今後のあり方検討委員会において判断がなされるものと考えております。
 また、県立病院の今後のあり方検討委員会からの提言後は、県としても対応を検討することとしておりますので、その際には関係する地域の意見を伺う必要があると考えております。
○安次富修委員長 糸数慶子委員。
○糸数慶子委員 午前中も随分出ましたけれども、今、県立病院、一般診療を行うことはもとよりとして、救急救命医療、それから高度・特殊医療、離島僻地医療などの役割を担っていて、質の高い医療を提供して県民の健康の増進を図ってきたということは私たち評価いたしますけれども、実際に今、監査の審査意見書の報告の中にも出ておりますけれども、先ほどもありましたが、この平成14年度の決算の経営成績を見ますと、38億6474万円という純損失を生じていますし、また単年度の損失額が前年度の25億2404万円よりさらに13億4070万円という増加をしていることもあるわけですが、実際に午前中も出ておりましたけれども、こういう病院の赤字を具体的に黒字に転ずるために、いろいろ努力をしていることは認めますけれども、今後、本当にこれを具体的にどういうスケジュールを立てて改善をしていくかということから、まずお伺いしたいと思います。
○平井哲夫病院管理局長 赤字の発生の原因は国の総医療費抑制策による診療報酬の改定率が低いということと、それから沖縄県は離島僻地が多いですから離島僻地で勤務する給与費が高いということ。あるいは法的医療機関の使命として離島、僻地医療、救急医療、高度・特殊医療、いわゆる不採算部門への移動があるということ。それと、復帰後短期間に県立病院の施設整備を実施したことによる減価償却費の増嵩などが考えられております。
 そういうことから、4次にわたって沖縄県病院事業経営健全化計画も実施もしてきておりますし、今回また、経営健全化を計画して数値目標を立てて、そして、計画の管理もしながら進めていきたいと思っておりますし、また長期的には今やっている県立病院の今後のあり方検討会でいろんな機能の見直し、役割の見直しもやっていきながら、黒字への転換も図っていきたいと考えております。
○糸数慶子委員 今、その県立病院の今後のあり方検討委員会の中でも具体的な提言もされているわけですけれども、県立病院の今後のあり方検討委員会の中でも医療環境の変化を踏まえた県立病院の今後の役割、それから機能のあり方、それから機能が適切に提供されるための病院事業の経営や運営のあり方についても検討を行って、実際に県立病院の見直しについて一定の方向性を示したということになっているわけなんですけれども、この報告書の中にも実際に提示されていますけれども、ただ、実際にこういうふうに提示され、それから3次にわたる沖縄県病院事業経営健全化計画を設定して、具体的に計画が実行されたにもかかわらず、実際にはこれだけの赤字を抱えているというのが実態であるわけですね。そこでお伺いしたいんですけれども、今県立病院の患者数が随分減少傾向にあるわけで、平成14年度も外来患者数が前年度より若干増加している趨勢はあることはあるんですけれども、入院患者は引き続き減少しているわけですね。患者を確保するために、医療施設の充実や医師の安定的な確保など診療体制の確立はもとより、その患者の立場に立った診療行為や待ち時間の短縮、診療サービスなどの向上に引き続き努力をするとおっしゃっていらっしゃいますけれども、実際には患者数の増加が見込める中で、現に民間医療機関への役割を明確化する、そして高度医療、緊急医療と収益性の高い診療体制、診療部門への移行というのが病院経営に便益を及ぼすと言われているんですけれども、具体的に今どういうふうに民間医療とすみ分けを実施されていますでしょうか。
○知念建次病院管理局次長 民間医療とのすみ分けということですけれども、基本的に県立病院は公的な部門を担う、いわゆる政策医療を担うということが一つの大きな役割だと思っています。ただ、民間でできる医療については基本的に民間でやっていただく。民間で実施困難な分がいわゆる高度・特殊医療、あるいは難病等と言われている部門ですね。そういう政策的な医療部門、あるいは離島僻地にかかわる、いわゆる不採算部門に係る部分、地域的な事情による部分ですね、そういう分については県立病院で担うべきだと考えています。
○糸数慶子委員 今まさにおっしゃったとおりなんですけれども、実際には、先ほど新垣委員の質疑の中にもございましたけれども、これから実際につくられていく高度・多機能病院なんですが、やはりこの高度・多機能病院の体制、先ほどの答弁にもございましたが、病床数が434床で変化はないけれども、この病院の機能であるとか、それから救急救命医療、その24時間体制ができるようにするという計画はあります。それで、実際にはそういうことをおっしゃっていますけれども、具体的に今、医療を受ける側が実際に要望している状態が本当に今計画している高度・多機能病院の中の子ども病院の部門で実施されていくのかどうかというのが大変不安であります。
といいますのは、実は今、病院管理局の方から県立高度・多機能病院の計画概要が公表されて、そして現在、実際にも着工が始まっているわけですけれども、この中で、全国心臓病の子供を守る会、真栄田篤彦先生以下、実際に子ども病院の高度医療を受ける側からの要請が、まず全県を対象とする小児の高度医療を実施する母子医療センター、子ども病院の機能を充実させるための県立病院の小児科を中心にいろいろ話し合いをしていただきたいということがあるんですが、具体的には今、平成18年度の開院に向けて、子ども病院の小児科医と医療を受ける側との公平な話し合いが実際になされているでしょうか。
○知念建次病院管理局次長 新病院の今現在の状況なんですけれども、ハード部門については着工されています。ソフト部門については、平成15年1月からいわゆる診療体制をまず検討しないといけないということで、本島の各県立病院のそれぞれ診療科の先生、もちろん県立那覇病院の小児科の先生も県立中部病院の小児科の先生も入っておられますけれども、そういう現場の各診療科の先生と病院管理局とワーキングチームを組みまして、診療体制を検討してもらっているところです。これはおおむね、診療体制についてはほぼ案ができ上がっている状態だと聞いていますので、その診療体制の案ができましたら、福祉保健部長、あるいは病院管理局長、各県立病院長等を中心に、委員会で診療体制の検討をしていただこうかと思っています。
 前にもお答えしたと思うんですけれども、この検討委員会の中でいわゆる子供推進協議会の皆さんの意見を聞く場を設けることについては検討をいたしたいと考えています。
○糸数慶子委員 今、実際に検討委員会の中にこのメンバーも入れていただくということをおっしゃっていらっしゃいますが、この病院を着工するに当たって、ここまで進むまでに、具体的にこういう子ども病院を実際につくっていただきたいというメンバーの、つまり母子総合医療センター設立協議会の実際のメンバーの計画案に対する県の対応に対しましては、具体的に申し上げましたら、あらかじめこの検討委員会の中で大方検討されたものを実際に追認としてこういうふうにできたから了承してくれというようないきさつもあるように聞いているんですね。ですから、具体的にこういう検討委員会が立ち上がって、あらゆる面で検討していく段階から、ぜひ皆さんの意見を聞いていただきたいと思うんです。
 皆さん、この中に具体的に検討委員会の中に入れていくとおっしゃっていらっしゃいますけれども、実はその検討委員会の中で話されたことと、あるいはまた今までの病床数、あるいは子ども病院の病床の面積、病院のお部屋の面積数に関しましても、ぜひしっかりとした皆さんの意見が反映できるようにということなんですが、具体的にはそれが予算の関係でできないという状況に来ている実態もあるわけです。やはり20万人の県民の署名が集まって、こういう病院をつくっていただきたいという背景には、離島県として本当に少子化の中で、子供たちが高度な医療を受けられたら、本当に一命取りとめるような状況にありながら、それができなくて他都道府県に行くまでに、実際には医療を受ける年齢に達するまでに亡くなっていくという実態もあるものですから、ぜひ具体的な医師の確保から含めて、それから実際に子ども病院ができるときの病院長の権限の問題から含めて、ぜひ徹底的な議論をしていただきたいという思いがあるものですから、具体的な立ち上げからきちんと受益者側の意見も聞いて、それを反映させていただきたいということなんです。なぜかといいますと、やはりこの多機能病院の中で、特に子ども病院の果たす役割といいますのは、先ほど申し上げましたが、各地域に小児科があります。これは民間病院もありますけれども、実際に県立病院が担う役割として、今、県立中部病院の方にももちろん充実した小児科がありますけれども、実際にはそれこそ医師が過労で倒れて亡くなっていくという実態もありますし、現に要求されている側と実際に医療現場の体制とのかなりの乖離があるものですから、そういう需要に応じた対応の仕方を徹底してやっていただきたいと思うから、そういうことを聞いております。
 先ほど医療ミスのことで質疑がございましたけれども、これに関しまして、今回、県立病院の方で56件の医療事故があって、4億8000万円の補償があったということなんですが、それを細かくお伺いしたいと思います。
○當眞正和管理課長 昭和47年からこれまでに発生した医療事故56件の内訳でございますけれども、死亡事故が16件、殺人が2件、脳性麻痺、脳障害が8件、骨折が4件、その他26件、合計56件となっております。その処理状況ですけれども、解決済みが31件、判決による解決が7件、和解23件、不提訴1件、現在係争中の事件が4件ございます。それから協議中が21件ございます。
○糸数慶子委員 今、具体的に挙げていただいたんですけれども、やはり先ほどから申しておりますように、医療スタッフの体制がきちんと整っていれば防げるようなものもこの中には随分あると思います。やはり医師の現場での過重負担が小さなミスを見過ごして、それが大きな事件、医療事故につながることも多いかと思います。そういうことを踏まえまして、今後の県の政策医療として、これから行っていく高度・多機能病院に関しましても、十分な医師の確保、そして未然にこういう事故が防げるような、沖縄県の医療の全体像の中でしっかり確立をしていただきたいということを申し上げたいのですが、そのことに関しての御決意をお伺いしたいと思います。
○平井哲夫病院管理局長 これから、今着工中であります高度・多機能病院、これは仮称ではございますけれども、これまでに沖縄県でなかった母子保健医療センター、子ども病院と言われているものですが、これが沖縄的なものとしてでき上がっていきます。そういう意味で、これからの子供たちが本当に安心して医療が受けられるような体制を整えられるのではないかと考えております。
 今回の高度・多機能医療については、これだけの病院でございますので、これから診療体制を検討しますけれども、医師の数もかなりふえてくると思います。そういうことで、病院もかなり高度な病院でございますので、そういう医師、それから人数においても質においても、医師確保には全力を挙げていきたいと考えております。
○糸数慶子委員 最後になりますけれども、それではその子ども病院の小児専門医の確保は具体的にどこが行うのか明確にしていただきたいのですが、いかがですか。
○知念建次病院管理局次長 医師確保の方策につきましては、現在、県立那覇病院の副院長を中心としてチームを組んで、病院管理局と連携をとりながら、琉球大学初め県外のそれぞれの機関等にも、そういういろんな機関を通して医師の確保を図ろうということで、チームを組んで取り組んでいるところです。
○安次富修委員長 大城一馬委員。
○大城一馬委員 県立南部病院の問題についてお尋ねしたいと思います。平井病院管理局長も新しい高度・多機能病院の建設の中、一方ではまた県立南部病院の廃止問題、非常にある意味では矛盾した立場に立って苦悩していると私は理解しております。そしてまた、病院管理局長自身も南部の佐敷町出身ですから、南部地域住民として県立南部病院の廃止については、少なくとも遺憾に思っているのではないかなと理解しながら、質疑をさせてもらいたいと思います。
 まず、先ほどから何名かの委員からも、この件につきまして話がありました。最初に教えてほしいと思います。県立病院の存在の意義は何ですか。
○平井哲夫病院管理局長 県立病院の役割といいますか、基本方針といたしましては、民間医療機関で対応できない困難な医療の分野を中心にして、保険医療圏の地域特性、あるいは医療費用に配慮しながら公的医療機関としての役割を担う。また、医療の提供に当たっては、民間医療機関等との適切な役割分担を図りながら、地域の医療機関との機能連携を推進しながら、医療の確保と質の向上に努めていきたいと考えております。
○大城一馬委員 県立病院の今後のあり方検討委員会の幹事会報告の中で、この県立南部病院の廃止の方向づけがなされております。そうしますと、今病院管理局長がおっしゃった県立病院の存在意義等について、県立南部病院は一切該当しなくなったという認識に病院管理局も立っているんですか。
○平井哲夫病院管理局長 県立南部病院の件で県立病院の今後のあり方検討委員会の幹事会で検討されている分につきましては、いわゆる民間医療機関の整備状況や各保健医療圏における医療提供の実態等も踏まえ、県立病院の役割として民間医療機関では対応の困難な医療分野を中心に保険医療圏の地域特性や医療機能に配慮しながら、公的医療機関としての役割を担うこととする方向で検討されています。県立病院の担う医療の範囲は2次から3次医療における急性期医療と位置づける方向という形になっています。こういう観点から、県立南部病院が現在提供している医療機能等を検討した結果、県立南部病院の機能は圏域の民間医療機関で代替可能との理由から、県立南部病院の県立病院としての役割は終えたと判断したものと理解しております。
○大城一馬委員 私がお聞きしているのは、県立病院の今後のあり方検討委員会はそういう形で方向性を出されました。経営主体の病院管理局はそういった認識を全く同じように持っているんですかと。いわゆる、すべての県立病院の存在意義がもうなくなったという認識の立場なのかどうか。病院管理局側の、経営者側の認識を私は今問うていますから、お聞かせ願えませんか。
○平井哲夫病院管理局長 今の県立南部病院の件につきましては、あくまでも幹事会の報告ということになっております。これをこれから県立病院の今後のあり方検討委員会を先日開きまして、県立病院の今後のあり方検討委員会の方で説明をしております。県立病院の今後のあり方検討委員会からの結論が大体今週の終わりから来週の初めくらいに出てきます。そうして、この県立病院の今後のあり方検討委員会の報告書が知事に出てきます。その後県としてどうするかというのについては、県立病院の今後のあり方検討委員会からの提言を受けた後に検討することということになっております。
○大城一馬委員 私は違うと思うんですよ。これはもう既に幹事会から報告が出た。県の立場、病院管理局の立場で今歯どめをかけておかないと、この方向で進める以外にないと認識しているわけです。ですから、私は先ほどからくどく病院管理局の立場はどうですかと。そのまま県立南部病院を存続して地域の医療に貢献させる、そういう立場ですか。そのことをしっかりと病院管理局は明確に打ち出しておかないと、県立病院の今後のあり方検討委員会で方向性が決まりました、意見を言いますという段階では既にこの話は終わってしまうんです。ですから、地元の糸満市議会も10月17日に全会一致で存続の決議をしているわけですね。県立南部病院については、平成12年度も、当時機能低下、いわゆる規模を縮小されて、そのときにも強く県の方に意見を具申しているわけですね。そして、3カ年後に今度、県立病院の今後のあり方検討委員会で廃止の話が出てしまった。そういうことで、地元糸満市も相当の危機感をもって決議しているんですよ。ですから、私は県立病院を預かる病院管理局の主体性、考え方は明確に示していただきたいという質疑を先ほどからしていますので、もう1度お答えを願いたいと思います。
○平井哲夫病院管理局長 県立病院の今後のあり方検討委員会の方で検討しているところでございますけれども、同委員会の検討結果につきましては、本県行政に対する提言として尊重すべきであるだろうと私は考えております。県といたしましては、県立病院の今後のあり方検討委員会からの提言を受けて実施計画を策定し、個々の見直しについても判断し、決定をしていくこととしております。
○大城一馬委員 今の答弁の中で、県立病院の今後のあり方検討委員会の方向を尊重していきたい、尊重するというような言葉が出ましたけれども、これは病院管理局としても廃止の方向でもいいというような考え方なんですか。
○平井哲夫病院管理局長 まだ県立病院の今後のあり方検討委員会の結論は出ておりません。ですから、県立病院の今後のあり方検討委員会から出てきた後、やはり県立病院の今後のあり方検討委員会を設置して検討している以上、県立病院の今後のあり方検討委員会からの意見というのは尊重しなければならないというのは申し上げるまでもないと私は思っております。
 今回の検討についても、検討の方法は2つあると思いますけれども、行政側からこうした方がいいのではないかという案と、それから県立病院の今後のあり方検討委員会自体が自分らでいろいろ研究して、検討してやる方法があると思いますが、今度の幹事会においても、幹事会みずから各県立病院での意見交換、各地区の医師会との意見交換をしながら積み上げたものでございます。ですから私たちの方は、行政でやったのは、あくまでも裏資料といいますか、数字の資料とか、そういうデータなどは提供してきておりますけれども、どういう方向にするかというのは、幹事会の中でいろいろ議論しながらやってきているものでございます。
○大城一馬委員 要するに、県としてはすべて幹事会にげたを預けるというようなことですか。私は、先ほど申し上げましたように、県立病院の存在意義、地域に貢献している医療体制、これを考えれば、やはり明確に病院管理局側の姿勢を示していただきたいと思うんです。なぜならば、ここに第4次、平成15年度から平成19年度までの沖縄県病院事業経営健全化計画がありますね。この中で、県立南部病院のことに関して、ちゃんと将来、平成19年までの経営の数値目標、こうすれば経営がうまくいくという数値を出しているわけです。例えばこの中で、経営健全化の具体的方策、基本数値目標として、病床利用率も平成14年10月現在の92.5%から平成19年度には97%まで引き上げますと。その他いろいろと数値目標は書いてありますけれども、すべて現在の数値を十分にクリアするわけです。そして、その数値目標に達して、県立南部病院の経営健全化がちゃんと図られると。皆さんがみずからつくったのではないですか。ですから私は、たとえ県立病院の今後のあり方検討委員会がどういう報告をしようとも、病院管理局の立場というのは、この沖縄県病院事業経営健全化計画の中で明確にしてあるわけです。ですから、病院管理局長も自信を持って、存続ですと言えると思うんですよ。ちゃんとたくさんの項目があって、いろんな平均在日数とか、あるいは収益の確保とか、あるいはまた未収金の再発防止の数値とか、そういう数値目標も立てながら、一方ではこういう形で廃止の方向へ進んでいく。一体その矛盾は何ですか。
○平井哲夫病院管理局長 もう既に決まったような感じでいらっしゃいますけれども、要するに沖縄県病院事業経営健全化計画は平成15年度から平成19年までの計画です。ですから、平成15年時点では県立南部病院はなくなっているわけではありませんので。この県立病院の今後のあり方検討委員会の方でも病院をどうするかというのは、まだ委員会段階のものでございますので、この経営健全化の中で県立南部病院を落とすということはできないと思います。
○大城一馬委員 時間もありませんから、突っ込んだ話はやめますけれども、やはりここで私は再三申し上げますように、経営主体の病院管理局の立場というのはしっかりと明確に提示してほしいと思っております。そして、この県立病院の今後のあり方検討委員会の幹事会の報告の中にもあります。病院事業のトータル的な7つの県立病院の問題ですけれども、病院事業の今後の経営、運営のあり方。要するに、経営面から、あるいは運営面、施設面、こういうのを具体的に執行すべきだと。今までそういう県立病院の経営が悪化しているのを、こういう経営運営の課題、これに手をつけていなかったために現在の経営状況に至っている。これが大きな要因である。原因をしっかりと県立病院の今後のあり方検討委員会は報告しているわけね。そういう意味では、今日まで県立病院の経営状況の悪化、このことは、私はきっちりと責任の明確化、経営責任の明確化、これはやっぱり問わなければいけないと思うんです。こうすれば、ちゃんと現在の経営状況は脱却できますよということでいろんな項目があるわけですよ。ですから、今日まで何度も何度も言われてきた。そして、健全化計画も第1次から第3次まで進んでいると。まさに私は経営者の経営責任の明確化、これは非常に重要だと。今までそういう責任がしっかりしていない。責任がどこにあるのか。これがなされていなかったために今日までこういう状況に置かれている。ちゃんと県立病院の今後のあり方検討委員会はそういうことで言っているわけです。ですから、今後そういうちゃんとした責任の所在はしっかりと認識してやるべきだと私は思っております。いかがですか、病院管理局長。
○平井哲夫病院管理局長 県立病院は復帰時において本県の医療事情がおくれたことに対処するために、急激に整備を進めてまいりました。しかし、近年は医療ニーズの高度化に対応するために病床の調整を行いながら、その質の充実を図ってきているところでございます。この間、県立病院というのは一般医療を初めといたしまして、救急医療、高度、特殊、そういう特殊医療を提供している一方、赤字も恒常化といいますか、大変厳しい状況が続いております。また、県立7病院の改築等の設備投資に伴う借入金の償還も大きな負担となっておりまして、経営の圧迫をしているのが現状でございます。経営健全化を図るために、ちょうど第4次の沖縄県病院事業経営健全化計画を策定しているところでございます。そういうことで、病院事業機能を現在の機能、規模、運営等を継続しながら、経営を抜本的に改善することは非常に困難かと思います。そういうことで、県立病院の今後のあり方検討委員会を通じて、事業の抜本的な見直しを図っていくというのがその見直しの理由でございます。
○安次富修委員長 前島明男委員。
○前島明男委員 単年度赤字が38億円以上に上っているわけですが、これも大変多額の赤字を出しているわけですけれども、会社であれば当然これは倒産しているわけですよね。これは県立の病院ですから、ある程度の赤字はやむを得ないかもしれませんけれども、やはり38億円余となりますと、これは放ってはおけない。抜本的な対策が必要であるということから、沖縄県病院事業経営健全化計画というのも立てているわけなんですが、私が聞くところでは、中部にある民間の病院なんですが、この病院が倒産というんですか、つぶれたということで、同じ病院を別の経営体が引き取って、それをしっかりと運営して、黒字を出しているというような話も聞くわけなんですが、そこで質疑いたしますけれども、公設民営という言葉がよく聞かれるわけですが、この県立病院においてもいわゆる経営する側と医療部門、それを切り離したそういう病院管理方式が考えられないか。その辺、病院管理局長いかがですか。公設民営で経営と医療部門を切り離す。
○知念建次病院管理局次長 今、県立病院の今後のあり方検討委員会の幹事会でもそういう運営形態、経営形態について議論されていまして、午前中にも少しお話ししましたけれども、いわゆる地方公営企業法の全部適用、それから地方独立行政法人化、それと今委員がおっしゃった公設民営化について、それと今現在やっています一部適用の継続という4つの視点での検討が幹事会の方でも議論がなされています。
 その幹事会の報告の中では、午前中にも申し上げましたが、地方公営企業法の全部適用が望ましいという形になっています。公設民営については、ほかの県、例えば福岡県などでは行政改革として県立の5病院のうち4病院を民営移譲、1病院を公設民営化という形にしてございます。これは何かといいますと、いわゆる精神病院は県で公的な部分が非常に重要だということで、公設民営化の方向で福岡県の行政改革の中で病院改革はやっています。そういうのも参考にしながらというんですか、他都道府県の状況も参考にしながら議論がなされている結果として、公設民営については沖縄県が県立病院主導で来た歴史を踏まえると、方法論は議論としてはいいんだけれども、現実的にはなかなか難しい部分があるのではないかというような報告の内容になってございます。
○前島明男委員 そういう難しい面もあるかもしれませんけれども、これは十分検討に値することだと思っておりますので、今後の検討課題として十分なる研究もしていただきたいなと思います。
 そこで次に、沖縄県病院事業経営健全化計画、それは立派なものができているわけですけれども、数値目標も掲げておりますが、やはりこれをチェックする機関、チェック機能が重要だと思うんですよ。我々のところでよくすばらしい計画は立てるんですが、それをチェックする機能が弱いために目標を達成できないということが間々あるわけですが、病院管理局の場合、このチェック機能をどこがやるのか、あるいはどういうメンバーでやるのか、その辺が決まっておれば教えていただきたいんですが。
○平井哲夫病院管理局長 今回の経営健全化は、前回と違いまして、数値目標を設定したということと、それから進行管理を徹底してやっていくというような基本目標があります。そういうことで、今、病院管理局において経営対策班ということで3名を配置いたしまして、その人たちが病院との連携をしながらチェックをしていく。また病院は病院内でチェックをしていくという方向で、今進行管理のチェックも厳しくやっているところでございます。
○前島明男委員 いわば内部監査みたいなものですよね。そこに、外部から医療事務の専門家を入れたチェック班、そういうことを考えてもいいんのではないかなと思うんですが、ちょっと内部だけでは弱い面があるのではないかと思うんですが、その辺はいかがですか、病院管理局長。
○具志堅全助経営課長 沖縄県病院事業経営健全化計画の進行管理については病院管理局長からお答えをしたんですが、この計画をつくるときに、外部の有識者といいますか、医療を受療する側、提供する側、あるいは病院を経営している経営者、そして学識経験者ということで10名の委員にお願いをしまして、いろんな角度からこの沖縄県病院事業経営健全化計画をたたいていただきました。その結果につきましては、日常の進行管理は先ほど病院管理局長から説明したとおりに毎月チェックをしているんですが、1年たった時点で、目標数値というのは1年の実績ですから、それについては沖縄県立病院経営健全化対策検討委員会を開催いたしまして、そこで検証し、チェックをしていただくということを考えております。
○前島明男委員 わかりました。そこで質疑を変えますが、具体的な運用の中身に入ってまいります。薬品の購入に関しては、共同購入ということでかなり成果を上げているようですが、医療機器及び備品の購入状況というのを見ますと、7つの病院で合計6億7352万5704円という、かなり額の大きいものになっているんですが、それも薬品の購入と同様に、共同購入というわけにはいかないでしょうけれども、病院管理局の中にそういうものを担当する部署、専門官といいますか、そういうものを置いて統一した、これを見ますと、多分各病院それぞれに、おのおのでいろいろな器材を買っていると思うんですね。交渉のうまいところは、金額のかさむものについては五、六十万円も安いところもありますし、値段がまちまちなので、それを一括して、病院管理局の中にそういう専門の担当する部署を設置して専門官をそこに配置したらどうかと思うんです。そういうことをすると、もっともっと値段が下げられるのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○知念建次病院管理局次長 確かに今、薬品、診療材料については一括購入を取り組んでいるところであります。また医療機器につきましても、一部につきましては、例えば各病院共通の機器がその年度に3台、4台ありましたら、そういう分については病院管理局の方で一括購入しているという事例もあります。ただ、委員がおっしゃったように、そうして全部をということになりますと、医療機器というのはやっぱり医療の知識等も必要です。医療機器の役割、用途をきちんと認識しなきゃいけない部分もあろうかと思いますので、一括購入できるということになりますと、確かにかなりスケールメリットは出てくると思います。できる限りその方向で取り組んでまいりたいと考えていますので、各病院、現場とも一緒になって検討していきたいと考えております。
○前島明男委員 病院の管理運営というのは会社の経営と同じだと僕は思うんですよね。ですから、やはり経営手腕によって随分変わってくると思うんですよ。特に、医療事務部門の責任者の果たす役割は非常に大きいと思っておりますけれども、その医療事務部門の中にプロパーですね、県の職員の場合ですと、たしか2年か3年のローテーションで異動があると思うんですが、やはり各病院に事務局長なりなんなり、ある程度地位の高いポストにプロパーを充てて、少なくとも5年ぐらいは1カ所の病院でしっかりと経営を見させるというようなことも大事じゃないかと思うんですが、その点、病院管理局長いかがですか。
○平井哲夫病院管理局長 今おっしゃったことは確かに、病院事業というのは公営とは言われておりましても、独立の採算という事業でございますから、ある意味で企業体と見てもいいと思いますが、この経営の専門家については、そういうことでは大変重要だと私は認識をしております。まず今、内部でできるものについては内部職員を対象とした各種の研修会等を通じて、経営の管理能力の向上を図っているところでありますけれども、さらに民間のノウハウもそろえた人材の確保が必要ということで考えております。現在、経営に係る新たな専門職種の設置、あるいは確保等について病院管理局内でも検討を進めているところでございます。
○安次富修委員長 砂川佳一委員。
○砂川佳一委員 特に県立宮古病院に絞って質疑をさせていただきます。
 最初に、去る台風14号のときに県立宮古病院では、まさに真夜中の1時ごろから夜明けまで、院長初め看護婦、職員、自分の身の危険も顧みず、まさに中核病院の役割を担って、いろいろな対応をいたしました。その中で、まず質疑をいたしますが、当時の県立宮古病院に外来患者が台風被害で何名か見えられておりますけれども、その内訳を説明できますか。救急患者が何名見えたかどうか。聞くところによると、二百数十名という話は聞いていますが、詳しい資料については後で届けていただきたいと思います。
 それで、まさに県立宮古病院の重要性というのがなお一層認識されたものと理解をしておりますけれども、その中でも、ここに報告書がメモ程度にあるんですが、本館ベランダの排水口が詰まって雨水が食堂や廊下に浸水をした。302号室の廊下にもあふれ出た。あるいは、ベランダの排水口もすべて浸水をしたりして、とても病院の機能が果たせなかったという報告もあります。特に、人間ドックあるいは緊急患者を廊下に移動したり、あるいは割れたガラスを捨てるためにベニヤ板を張りつけたり、真夜中にそういう作業をして、ようやく緊急時を乗り越えたという報告が書かれていますが、この本館、築何年たっているんでしょうか。
○平井哲夫病院管理局長 県立宮古病院の一番古い管理棟が昭和49年なので築後29年です。本館が築後27年、新館が築後19年、精神病棟が19年となっております。
○砂川佳一委員 まさにこれははっきり申し上げて、いつまでも新築移転をしない人的被害だと言っても過言ではないと思うんですよ。これだけの中核病院の役割を担っている県立宮古病院にもかかわらず、築29年、あるいは19年になっているということがはっきりしているにもかかわらず、これまで何回も宮古島民を挙げて要請をしている。沖縄本島と宮古離島は全然違うわけです。国立病院も民間医療機関も少ない。まさに県立病院の重要性というのは認識しているはずです。この辺の認識度はどうなんでしょう。人的被害であるということの認識はあるんですか。
○平井哲夫病院管理局長 県立宮古病院につきましては、先ほどございましたように、先日の台風のときには最大拠点病院として、また地域の中核病院として大きな役割を果たしているということも、私も現場に行きましたことで認識をしております。そのときに窓ガラスが割れて浸水したということも聞いております。そういうことで、今我々の方としては、多機能病院、新しい病院を新築中でございますし、県立宮古病院が県立那覇病院の次に古いこともございますので、そういうのも含めまして、我々の方としても、この改築の検討作業についてはできるだけ早くしたいということで思っております。
○砂川佳一委員 できるだけ早くというあいまいな返事ではなくて、ぜひ年数も表示していただきたいと思うんですが。ところで、新館、旧館の被害状況、被害金額等について、どの程度かかっているんでしょうか。
○平井哲夫病院管理局長 台風14号による県立宮古病院の建物の被害なんですけれども、病棟の窓ガラスの破損が15枚、それからドアの破損が2カ所、冷却等の破損1カ所、エレベーター用の換気扇の破損1カ所、それから医師看護住宅の門扉の破損、合わせて80カ所の被害が出ております。被害金額にすると1065万円程度と今挙がっております。その被害箇所については大分修復をしておりますけれども、防水工事については、今、工事の発注の手続を進めているところでございます。
○砂川佳一委員 その修復費1065万円程度かかっているということですが、これの対応はどういう形でなされたんですか。県の単独の予算ですか。
○平井哲夫病院管理局長 復旧については、今既決予算で対応しておりますけれども、これについては、うちの方では建物共済に加入しておりますので、そこに被害物件についての保険の請求をやっているところでございます。
○砂川佳一委員 ところで、県立宮古病院は国から敷地を借りているという報告を受けているんですが、これの敷地の契約の内容、敷地面積はどの程度か、そして年間の借地料は幾らなのか説明してください。
○平井哲夫病院管理局長 国有財産を県が借りていますけれども、今、減額の賃貸契約を締結しておりまして、これは平成13年度から今までは年間1099万5623円となっております。平成6年度までは沖縄振興特別措置法によって無償でございましたけれども、平成7年度より有償という形が出ております。借地面積は2万2464.58平米となっております。
○砂川佳一委員 こういう固定経費をそのまま置いておくことによって、健全な経営に混乱を来すというのはわかっているわけですから、ぜひ国の方にももっともっと強く要請して、国から譲り受けて、県の管理下において、まさに健全経営に向けて努力すべきだと思うんですけれども、その進捗状況についてもう1度説明してください。
○平井哲夫病院管理局長 今の賃貸料については、減額の賃貸契約という形で、かなり安くはなっております。
○砂川佳一委員 台風被害についてはその程度にとめておきますけれども……。
○安次富修委員長 ちょっと答弁漏れがあるそうです。
○平井哲夫病院管理局長 県立宮古病院における台風14号の救急患者の状況につきましては、9月10日と11日の両日で142名の患者が来院しております。そのうち台風被害に伴う救急患者は68名であり、うち10名が入院等をしておりました。
○砂川佳一委員 県立宮古病院も例に漏れず赤字体質ということになってはいるんですけれども、普通、安定した経営基盤達成のために赤字がすべて悪だと決めつけられないところが公立病院の性格上あるんですが、ただ、今のまま赤字のたれ流しというわけにはいきませんから、何とかしなければならないと考えます。例えば、一般の民間会社だと、赤字解消策の一つは売り上げを伸ばして経費を節減すること。もう一つは稼働率を上げるということです。つまり、人、物、金、時間を回転率を上げることによって赤字が解消されて健全な経営ができるということですけれども、つまり分母を強くするということが肝心だと思います。ついては質疑いたします。県立宮古病院にMRIを設置しましたね。その設置前と設置後の経営体質といいますか、内容について数字的な説明ができれば、説明をお願いします。
○具志堅全助経営課長 MRI、平成13年度に県立宮古病院に設置をしておりまして、MRIを導入した関係でその収支がどう改善されたかということについては、現在、手元に資料を持ち合わせていないんですけれども、ただ、脳神経外科の患者数が前年に比べまして1500名程度ふえておりますから、その効果は十分あっただろうというように認識しております。
○砂川佳一委員 MRIと同じだと思うんですけれども、口腔外科についてもそれなりの患者の対応ができて、稼働率は上がったものだと思っております。このように、つまり必要とされているからこそ、患者のために果たしている役割が大きいんですよ。つまり、私が言いたいのは、早急に県立宮古病院を老朽化から脱却させ、新築移転を早めることが健全な経営につながっていくものだと確信をするわけであります。ぜひ、県立病院の今後のあり方検討委員会でどうのこうのというふうにもたもたするのではなくて、早急に進めていただきたいと強く要求をしておきます。
 関連しますけれども、その県立病院の今後のあり方検討委員会の理念というか趣旨を伺っておきます。その中で特に離島医療の実情を踏まえての県立病院の今後のあり方検討委員会になっているのかどうか。そこら辺の考え方をぜひ行政の単なる財政的な立場だけじゃなくして、まさに県立病院の今後のあり方検討委員会というのは患者の立場で考えているのかどうか、説明をお願いいたします。
○知念建次病院管理局次長 県立病院の今後のあり方検討委員会の中で、要するに県立病院が担う機能の基本方向ということで、全体的には役割の基本方針として、いわゆる民間医療機関では対応の困難な医療、圏域の地域特性や医療機能への配慮、公的医療機関としての役割というのを基本方針としてございまして、その部分で、離島僻地医療については、午前中もお答えしましたけれども、地域医療確保の観点から採算面で厳しい状況にある離島僻地医療は公的病院が中心になって担うべきであるということと、離島であるがゆえの経費については政策的な配慮をする必要がある。それから、離島僻地においては総合的かつ高度な医療機能を整備することは困難なため、中核的な病院を中心に地域の医療機関との密接な連携による医療機能の整備を進めるとともに、本島の基幹的な病院からの支援体制を整備すべきであるというような方向性で幹事会の中では論議されています。
 幹事会からの報告につきましては、県立宮古病院は宮古保険医療機関における2次医療を提供する地域病院と位置づける。初期救急については宮古救急センターを中心とした診療体制を確立した対応をする必要がある。施設の共同利用の推進を図る等、良好な状態にある地区医師会との連携をさらに進める。それから、当面は県が提供主体となるべきだが、将来の課題としては地元自治体の経営の参画も考えられるというようなことが県立宮古病院の中で論議されています。
○砂川佳一委員 まさにそのとおりだと考えますけれども、ただ、この県立病院の今後のあり方委員会の検討を踏まえた上で、県立宮古病院の新築移転についてもそのスケジュールにのっとらなければならないという答弁をいただいているんですが、もう1度伺います。県立宮古病院の新築移転についての明確なスケジュールを、できれば遅くても何年度までには新築できるという説明がいただければ幸いです。
○平井哲夫病院管理局長 明確に答えられるかどうかわかりませんけれども、いずれにしても、今の病院の進捗状況がどうしても出てきますし、県立病院の今後のあり方検討委員会の状況も出てきますし、そういうことで平成13年度に宮古圏域の需要動向調査は実施されておりますので、そういうものを踏まえながら、この検討作業は早目にやっていきたいなと考えております。
○砂川佳一委員 いつ聞いても同じような話にしかならないんですが、ただ、この台風を契機に県立病院の重要性は十分認識が高まったものだと、ともに理解をしたいと思います。ついては、災い転じて福となすとは言いませんけれども、早急に県立宮古病院の新築移転計画を立ち上げて、先ほど説明がありましたように、MRIでも実践されているように、まさにこの対応いかんによって健全な県立病院が確立されるわけですから、ぜひ早急に進めていただきたいことを強く要求します。
○安次富修委員長 嘉陽宗吉委員。
○嘉陽宗吉委員 会社経営は確かに適正な人事ということは当然でございまして、それがなければ倒産するということになるわけでございます。この病院経営でございますが、これまでも多くの委員から御質疑がございました。これは平成14年度の損金が38億円余、さらにこれまでの累積赤字が366億円となっておりまして、この累積赤字は単年度の損金が積み重なって、今日こういう大きな額になっていると思います。
 そこで、この損金の今後の改善、あるいは累積赤字の解消ということにつきまして、監査委員が指摘をしております。まず1点目の前文を途中まで読ませていただきます。これは5ページの(1)でございますが、「近年、県立病院の患者数は減少傾向にある。平成14年度は、外来患者数は前年度より若干増加したものの趨勢としては減少しており、入院患者数は引き続き減少を続けている。患者を確保するためには、医療施設の充実、医師の安定的な確保など診療体制の確立はもとより、患者の立場に立った診療行為や待ち時間の短縮など診療サービスの向上に引き続き努力する必要がある。」と、このように指摘をされております。
 そこで、この赤字を解消するための方法として、この文章の中で3点ほど指摘をされていると思います。まず1点目にお尋ねします。医療施設の充実につきまして、やはり民間病院と比較をしまして、確かに県立病院はいろんな面で充実をされていると思うんですが、現在の状況の中で、この施設の充実ということについてどのようにお考えでしょうか。
○平井哲夫病院管理局長 医療施設の充実についてでございますけれども、最近、確かに民間病院もかなり充実はしてきておりますけれども、高度医療、あるいは救急医療等については、まだ県立病院の 役割も大きいことがうかがえます。施設についてもそういうことではかなり充実はしていると思っております。
○嘉陽宗吉委員 次は、2点目に医療体制の確立が指摘をされております。これについてはいかがでしょうか。
○平井哲夫病院管理局長 医療体制についてでございますけれども、県立病院への医師の配置も平成13年度で18名の増、平成14年度11名の増ということで増員をしてきておりますし、看護体制についても24時間の救急医療体制等も含めまして、今、患者2人に対して看護師1人の体制で、厚味のある体制で組んでおります。
○嘉陽宗吉委員 次は、医療サービスの向上、この点についてはいかがでしょうか。
○平井哲夫病院管理局長 今の医療サービスの向上でございますけれども、それについては、現在、各県立病院に地域医療連携室というのを設置いたしまして、各病院との病病連携、病診連携をやっているところでございます。そういう面では、患者の待ち時間については短くなっているのではないかと思っております。
○嘉陽宗吉委員 今、3点についてお聞きしましたけれども、いわゆる患者数が減っていく傾向にある。これはある面では医師に対する待遇の問題、あるいは勤務状況の問題等々、中身はいろいろあると思うんですが、県立病院をやめまして、よその病院に勤務を変える、あるいは独立をするという先生方もいらっしゃるわけですね。そうしますと、これまで優秀な先生方が、仮の話として県立病院に勤務されておった。そのときに患者さんはずっと主治医として診ていただいているというのが普通の状態だと思うんですが、この先生の異動に伴って、患者の方も先生についていくという状況があると思うんですね。そういうことで患者数も減っていくような状況が強いような感じがするんですが、その辺はいかかでしょうか。
○松本廣嗣管理課副参事 確かに特別な技術、能力を持った医師の異動に伴っては、その医師にしかできない場合がありまして、患者の異動も医師の異動と一緒に起こり得ると思いますが、実態の数的なものはとらえているわけではありません。
○嘉陽宗吉委員 今の御答弁でございますが、確かに全体的には減っていくような傾向にあるとするならば、皆さんは具体的になぜ減ったのか、あるいはある専門の先生が異動することによって、患者さんが回っていった。今現在専門の先生がいらっしゃるわけです。その中で十分対応できないというのか、あるいは医師個人に対する患者の信頼度と申しますか、そういうものがあって患者がついていくということ。これがふえれば問題がないんですが、減少傾向にあるという現実があるわけですから、その辺は皆さんもしっかりと把握をしていく必要があると思うんです。
 時間がありませんからやめさせていただきますけれども、次は未収金の回収の問題ですが、これは個人分でこれまで約14億円。そして、平成14年度で6億円ということなんですね。かなり大きな数字だと思うんです。個人分についてはこれは医療収入ということになると思うんですが、いわゆる個人で支払いできない方々に対して、どのような未収金に対する病院サイドとしての催促、あるいは徴収方法を展開しているのか。御説明をいただきたいと思います。
○平井哲夫病院管理局長 未収金の回収の方法でございますけれども、今、診療費の未納整理月間ということで、9月に1カ月間実施しておりまして、また今後1月から、未然防止するために、今度は12月から来年3月まで診療費の未納発生防止月間ということで位置づけて今やっております。そういうことで、発生してからでは遅いということがありますので、発生する前にその人の家庭の状況とか払えない場合には、例えば生活保護に該当するのであれば、それを市町村に紹介して、各病院にケースワーカーを置いておりますので、あるいは高額医療が適用すると思われるものについては、市町村と相談をしたりして、そういう法的に適用できるものは適用するような形を今とっております。
 だた、それでもなお払わない人がいますので、その中にはなくて払えないという人もたくさんおります。あるけれども、悪質という方々もおりますので、今回、この方々について法的措置をとるということで、今準備を進めているところでございます。
○嘉陽宗吉委員 この未収金の徴収につきましても、非常に難しい状況にあり得る場合もあるんです。例えば、それは所得がないと支払いが難しい。だからといって、それは黙っておくというわけにはいかない部分もあるわけなんです。御承知のように、今リストラに伴って失業が高い。したがって、家庭の収入が入らないということもあるわけですが、やはり病院としては、その人たちがどのような立場にあるのか、これをしかと調査をしていく中で、やはりやるべきところはしっかり押さえて徴収をしていただく。また、内部事情によってどうしても支払いが厳しいということについては、それぞれの対処の方法があるかと思います。そういうことも一つ仕分けをしながら、この未収金の徴収に対する内部努力、しかとやっていただきたいとお願いを申したいと思います。
 それから、次は助産師のニーズと養成についてでございますが、当然、助産師を必要とするのは産婦人科の病院でございますけれども、この助産師、現在の状況はどうなんですか。需給関係のバランス、あるいはその必要度というのが県内の産婦人科病院の方ではどのような状況になっておりますか。
○平井哲夫病院管理局長 我々の方は県立病院しかわかりませんので県立病院で申し上げますと、今、看護師全体で134名が助産師の資格を持っております。その方々は、そのうち76名が産婦人科病棟に配置をされております。
○嘉陽宗吉委員 今、御答弁いただきましたけれども、134名中76名が配置をされているということでございますけれども、この134名は現在どういう位置にあるんですか。実際は76名が現場についているということなんですね。そうしますと、この残りの皆さんはどういう形で勤務をされていますか。
○平井哲夫病院管理局長 ほかの助産師の資格を持った方々は、産婦人科病棟以外の一般の病棟の方に配置をしております。
○嘉陽宗吉委員 そうしますと、それは専門的な立場からすると、かなり有資格者は十分いらっしゃるということなんですね。そうしますと、現在、これだけの134名の資格を持っておられる方がいらっしゃるわけですが、この方々が年齢的に、いわゆる年を重ねて定年になっていく中で、年齢的なものを勘案すると、今の陣容であと何年ぐらい十分対応できますか。
○平井哲夫病院管理局長 年齢的に助産師を見てみますと、134名のうち20代が27名で20.1%、30代が43名で32.1%、40代が39名で29.1%、50代が25名で18.7%ということで、30代が一番多い状況にあります。
○嘉陽宗吉委員 そうしますと、しばらくは心配はない数字かと思います。そして今、琉球大学で助産師の資格を取って卒業していく方は、恐らく毎年3名から4名程度だと思うんですが、今は県立病院のお話でございますから、いわゆる一般病院、こういう助産師の必置条件といいますか、こういう全体的なものになりますと、今県立病院の内容しかおわかりにならないということですが、この一般病院も含めて考えた場合にどうなるかということも一応は見ていただきませんか。調査していただけませんか。そして、この辺も将来に向けてどうなっていくのか、いわゆる行政の必要性ということについても改めてまた触れていきたいと考えております。
○安次富修委員長 金城昌勝委員。
○金城昌勝委員 まず基本的なことをお伺いします。監査委員の審査意見を要約しますと、公的医療機関としての役割を果たすためには安定した経営基盤の確立がますます重要である。平成14年度は38億6474万円の赤字で、平成13年度の25億2404万円より13億4070万円増加している。県立精和病院以外の6病院では引き続き赤字になっている。平成14年度末の累積赤字は366億6584万円余と増大している。現在の医療体制の抜本的な見直しが必要である。民間医療機関の医療提供の状況、医療ニーズの動向及び国の医療制度改革の今後を見通しながら、地域医療機関との病病連携等診療体制の改革を積極的に進めるとともに、公営企業としての病院事業の経済性、効率性をより一層高める必要があると要約されます。そしてまた監査委員の要望として、1番から9番まであります。この点について病院管理局長の御所見を賜りたいと思います。
○平井哲夫病院管理局長 今の監査委員からの指摘ですけれども、これが9点ほどございます。これについては、監査委員からは、「病院運営に当たっては次の事項に留意し、また適切な措置を講ずるよう要望する」ということでございますので、我々の方も指摘されたものについて一つ一つ改善を図っていきたいと考えております。
○金城昌勝委員 大変簡潔な答弁をいただきました。この件については、一応調べてみますと、毎年の監査のたびに、大体同じような指摘、同じような答弁をいただいております。改善すると言いながら、一つも改善されていない。逆に累積赤字で増加していっております。そして、議会の質問も大体同じ。また歴代の病院管理局長の答弁も、発生防止を徹底的に直すとか、いろいろことですべて改修すると言っていますけれども、なおかつ改善の跡は絶対に見えません。これについて病院管理局長さん、どう御判断ですか。私は改善されていないと言いたいんですが。
○平井哲夫病院管理局長 確かに今まで4次にわたる沖縄県病院事業経営健全化計画が計画どおりいっていないという部分がございます。今度新しく平成15年からスタートします沖縄県病院事業経営健全化計画、それまでの反省を踏まえまして、一つ一つ病床利用率等についても数値目標を設定をして、その管理に努めているところでございます。そういうことで、また病院管理局におきましても、経営対策班という形で3名を配置いたしまして、健全化に向けて病院と病院管理局側が相連携しながら今やっているところでございます。それと同時に、今の県立病院の今後のあり方検討委員会の中で全体的な長期的な視点に立った機能、役割の面からの検討も進められているところでございます。
 累積赤字の366億円のうち、現金を伴わない減価償却等がございます。それが300億円余りありますので、現金ベースでいくと、今56億6000万円の赤字となっております。
○金城昌勝委員 数字は分析すればいろいろとあると思いますけれども、私は、この件については県立病院の組織ないしシステム上に何らかの構造的な欠陥があるのではないかなと思っています。もはや組織として事務能力がなくなった、限界に来ているのではないかと思っております。したがいまして、この問題解決については、例えば民間の経験、発想等を入れて、債権回収に努めるべき時期に来ていると私は考えています。病院管理局長の決断と実行、これが県民の公平の負担につながると私は思っております。そういうお考えはないか、お伺いします。
○平井哲夫病院管理局長 病院管理局といたしましては、先ほど申し上げました沖縄県病院事業経営健全化計画を着実に実行していくということと、先ほど言いました未収金については、確かに未収金の回収の月間も設けておりますけれども、悪質なものに対しては法律的な措置もとっていく。そして、金のない人については分割払いを実施していくというような方法も考えてやっているところでございます。それと同時に、確かに病院内での経営の専門家がいないのではないかという話もございますので、こういうものについての専門家をどういう位置づけで置けるかということも検討しながら、全体的な経営健全化に努めていきたいと思っております。
○金城昌勝委員 この累積赤字は、いずれはちゃんと処理しなくてはいけないと思います。だれが負担して、どうしますか。答えてください。この赤字は永遠に続いていくんですか。ある一定の時期で処理しないといけないと思うんですよ。この処理経過についてはどうお考えですか。
○平井哲夫病院管理局長 今の御質疑ですけれども、基本的には経営健全化に向けて抜本的な見直しを行っていくということも一つでございますけれども、やっぱり県立病院としての大きな役割も果たしているということも、それが一面あります。そういう意味で、その役割と機能、それから経営と運営、この2つの視点から運営をしていきたいと考えております。そういうことで、今の県立病院の今後のあり方検討委員会において幹事会から報告がありますけれども、これについては、役割、機能については各医療圏の医療事情を踏まえながらでありますけれども、その県立病院の機能再編とスリム化ということがうたわれております。これも着実に実施をしていかなければならないし、経営運営面についても地方公営企業法の全部適用ということが望ましいということ。こういうのも含めて、これから幹事会から出されたものを県立病院の今後のあり方検討委員会で検討して、知事に提案されたときにはこの辺も検討しながら経営健全化に努めていきたいと思っております。
○金城昌勝委員 よくわかりませんけれども、とにかく提案みたいになりますけれども、やっぱりプロジェクトチームをつくったり、あるいは沖縄県病院事業経営健全化計画等もあるようでありますけれども、そういったところで抜本的な検討をしたり、あるいは進行管理するプロジェクトチームをつくるとか、そこにはやっぱりメンバーは民間からも出ていただいて、民間の考え方、経営の理念を、しっかりしたものを入れないと、私は大変心配であります。だれが責任をとりますか。そういうふうに私は思います。
 そこで、赤字になるいろいろと原因がありますけれども、民間経営の医者と県立病院の医者と1日に診察する患者はおおよそ何名ですか。またその差を教えてください。
○松本廣嗣管理課副参事 民間で1人の医師がどれだけの患者を診るかということはわかりません。正確な数字を述べることはできないということです。ただ、数の上からは、民間で診ている患者は比較的多いかもしれません。それは、患者の質にもよると思うんです。手間暇の余計かかる患者、余計気をつけなければいけない重篤な疾患をたくさん重ねている患者さん、そういうものをたくさん県立病院の医師というのは診ているわけで、それだけ1人の医師が診る患者の数というのは少ないということになるかもしれませんが、実際、数字を比較しているわけではございませんので、その点に関してはわかりません。状況としては先ほど申し上げましたように、手のかかる患者さんを余計診ているということは言えると思います。
○金城昌勝委員 私、それは非常に残念な御答弁だと思っています。これまで沖縄県病院事業経営健全化改善計画をやると言っていながら、民間と比較しない、まだデーターをとっていませんと。それは事例もいろいろ変わっていくでしょう。そうやって経営感覚を持たないから私はこういう赤字が出るものと理解します。
 それでは次の質疑ですけれども、民間病院の赤字経営の病院が何カ所ありますか。あるいはまた民間病院が払っている税金、これはどうなっていますか。
○知念建次病院管理局次長 大変申しわけございませんけれども、民間の状況のデータは持ち合わせていません。
○金城昌勝委員 先ほどの御答弁と同じように、非常に残念な御答弁と私は受けとめています。改善しないといけない。民間経営の病院は税金も払っています。私は知っています。私の同期生に何名か医者もおります。しかし、県立病院だけは改善と言いながら、どんどん赤字が多くなっている。これは何かということですよ。そこがネックだと思いますよ。そういった比較とかなさらないで、じゃ、何を改善するんですか。それを申し上げたいわけであります。
 それから、県立南部病院のことですけれども、閉鎖するとかいろいろとありますけれども、ただ単に短絡的に閉鎖するということではいけないと思います。地域医療にこれまで貢献してきました。地域住民は非常に不安がっています。ですから、何らかの方法で規模を縮小するとか、あるいはまた余った施設を病院じゃなくして老人保健施設等に使うとか、そういった方法を検討なされるのかどうか。あるいはまた公設民営ということもあります。そういったふうにして県立南部病院を残す方法を検討なさっていないかどうかについてお伺いします。
○知念建次病院管理局次長 幹事会の論議の中ですけれども、県立病院としては急性期を担うという方向性でなされていまして、その急性期を担うという意味では県立南部病院については県立病院としての役割は終えているのではないかと。そういうことで廃止、または経営移譲というような方向性で検討すべきということの報告です。
 その意味はといいますと、御存じだと思いますけれども、病院の方は一般病床と療養病床に病床区分がございます。県立で急性期を担うということになりますと、当然一般病床の病床区分になろうかと思います。今おっしゃっている療養型ということになりますと、いわゆる県立病院でやるべきかそうじゃないかという論議は幹事会の方ではなされまして、療養型については県立病院としては担う必要はないのではないかというようなこともありました。ただ、それは、ある面では経営移譲という分では、委員がおっしゃっているいろいろな方法については、これからの課題はあろうかと思います。
○金城昌勝委員 こういった問題に対して真剣に考えていただいて、地域の皆さん方の不安をなくすようにしていただきたい。あるいは複合的な施設をつくって経営することもできると思います。何も県営とは言っていません。公設民営というのもあります。あるいは民間に売ってもいいのではないですか。これで赤字が幾らか解消しますよ。
 次に、沖縄県病院事業経営健全化計画についてですけれども、これまでの健全化計画と今回の健全化計画との抜本的な違いはどこにありますか。
○具志堅全助経営課長 これまでの健全化計画、昭和57年度から3回ほどつくっておりますけれども、中身的には大体経営改善すべき項目というのはそんなに変わらないと思います。ただ、今回の特徴は、数値目標を立てまして、それを検証可能にしたことというのが大きな1点目の違いです。それからもう1つは、これまでは事業総収支で赤字の解消を図るという計画を立てておりましたが、今回はキャッシュフローベースで黒字を計上していくということで、資金繰り面を強く打ち出しをしております。そして3点目は、国の医療制度化改革の方向に沿った改革ということで、急性期医療を目指すという基本的なスタンスを明確にしたということが違うと思います。
○金城昌勝委員 最後になりますけれども、最近、三位一体という事業がいろいろ出てきております。いわゆる国と地方の税財政改革、いわゆる三位一体の改革がありますけれども、これが県立病院に及ぼす影響はどうなるのか。経営が大変難しくなると思うけれども、病院管理局長、これはどういう御判断でしょうか。何ら影響はないですか。
○知念建次病院管理局次長 三位一体の論議では、総括的な論議については承知しているつもりでございますけれども、今のところ、実態的に病院事業運営がどういう影響が出てくるかということまでは、まだ推計されていないというか、推測されていない状態でありまして、確かに三位一体の状況でいわゆる税財源移譲の分になると地方がどれだけ影響を受けるかということの計算もこれからだと思いますので、この影響の度合いによって、例えば病院事業ですから、県財政の状況によって病院事業の運営もある程度の影響を受けるというような状況での関連はございますので、そういう意味で三位一体がどういう影響を受けるかということは、県財政の影響も推しはかりながら推計していくしかないのではないかと考えています。
○金城昌勝委員 最後になりますけれども、これは病院管理局長の所見をお伺いしたいと思います。福岡県では、県立病院に関する改革計画を行っております。平成17年度までに民間経営に移行するという大胆な政策を据えています。それで全国の注目を浴びているようであります。福岡県と我が県の病院事業を比較した場合、県立病院の規模の差はどの程度でしょうか。収益性や累積赤字の比率、差はどうなりますか。これは所見を賜りたいと思っています。福岡県の改革計画の視点は、やはりこれは県民であると思いますけれども、一方、離島を抱える我々沖縄県の医療供給というのは、大変配慮しなくてはいけない問題だと思いますけれども、いわゆる福岡県を研究して、県立病院を民間に移行するということについて、これは将来と思いますけれども、最後に病院管理局長の御所見を賜りたいと思っています。
○平井哲夫病院管理局長 この経営のあり方については、今、幹事会の中でもいろいろ論議がなされていますけれども、この中では公設民営の話とか、あるいは今の地方公営企業法の全部適用の話とか、そういうような形で論議されていますけれども、今の方向性としては、公設民営より、地方公営企業法を全部適用したらどうかという論議がなされているところでございます。
○安次富修委員長 以上で、病院管理局長に対する質疑を終結いたします。
 説明員の皆さん、御苦労さまでした。
 次回は、明 11月6日 木曜日 午前10時から委員会を開きます。
 本日の委員会はこれをもって散会いたします。
   午後3時46分散会