決算特別委員会

普通会計



本日の委員会に付した事件
 1 平成13年第6回議会認定第1号 平成12年度沖縄県一般会計決算の認定について

○宮城國男委員長 ただいまから決算特別委員会を開会いたします。
 平成13年第6回議会認定第1号を議題といたします。
 説明員として教育長の出席を求めております。教育長から教育委員会関係決算の概要の説明を求めます。津嘉山朝祥教育長。
○津嘉山朝祥教育長 それでは、教育委員会所管の平成12年度歳入歳出決算の概要について御説明を申し上げます。
 お手元に平成12年度一般会計歳入歳出決算概要をお配りしてございますので、それに基づいて御説明を申し上げます。
 説明資料の1ページをお開きください。まず歳入ですが、教育委員会につきましては、歳入予算現額550億8359万9000円のうち、調定額が532億2830万6097円であり、全額収入済みとなっております。
 次に、歳入の主なものについて御説明をいたします。まず、(款)使用料及び手数料の収入済額が52億9255万6917円でございます。その内訳を各項ごとに申し上げますと、(項)使用料(目)教育使用料の収入済額51億5475万8692円は、高等学校授業料51億281万5650円、奥武山総合運動場使用料3338万6865円、博物館使用料1084万8860円が主なものでございます。
 次に、(項)手数料(目)教育手数料の収入済額1億3779万8225円は、高等学校入学考査料3972万6725円、高等学校入学料9225万7700円が主なものでございます。
 続きまして、(款)国庫支出金の収入済額は473億6597万8725円でございます。
 この内訳を各項ごとに申し上げますと、(項)国庫負担金(目)教育費国庫負担金の収入済額429億6719万8725円は、公立学校の教職員給与費422億9153万3337円がその主なものとなっております。
 次に、(項)国庫補助金(目)教育費国庫補助金の収入済額41億4540万380円は、県立高等学校の校舎等の新増改築に係る学校建設費並びに特殊学校施設整備費が35億4891万2000円、学校職員の資質向上及び学校教育の充実に関する教育指導費1億8113万5000円、文化財保護費が1億5612万5000円がその主なものとなっております。
 次に、(項)委託金(目)教育費委託金は、収入済額2億5337万9620円で、首里城発掘調査等に係る文化財発掘調査費1億343万9000円、教育調査研究費1億4764万418円がその主なものでございます。
 続きまして、(款)財産収入の収入済額は1億2059万3096円でございます。
 この内訳を各項ごとに申し上げますと、(項)財産運用収入(目)財産貸付収入の収入済額が3081万5464円で、教職員住宅の建物貸付料3052万3324円が主なものでございます。
 次に、(項)財産売払収入は収入済額8977万7632円で、学校用地等の売払収入として(目)不動産売払収入690万5000円、農林高等学校や水産高等学校等の実習生産物の売払収入として(目)生産物売払収入8109万4735円が主なものでございます。
 説明資料の2ページをお開きください。続きまして、(款)寄附金でございます。(目)教育費寄附金の収入済額が1047万円でございますが、これは国立組踊劇場設立推進事業寄附金でございます。続きまして、(款)諸収入の収入済額は4億3870万7359円でございます。
 その内訳を各項ごとに申し上げますと、(項)貸付金元利収入(目)教育貸付金元利収入が1億8052万2000円で、財団法人沖縄県国際交流・人材育成財団への貸付金1億52万2000円並びに財団法人沖縄県学校給食会への貸付金8000万円の償還によるものでございます。
 次に、(項)雑入の収入済額は2億5818万4665円で、この内訳は平成11年度教職員給与費国庫負担金の額の確定による過年度収入が4825万7053円、雑入が2億798万5112円でございますが、これには基地周辺の県立学校施設への防音事業関連維持費助成金1億4819万5000円が含まれております。
 以上が平成12年度の教育委員会所管の歳入状況でございます。
 続きまして、歳出の概要について御説明を申し上げます。
 3ページをお開きください。教育委員会の歳出総額は、(款)教育費と(款)災害復旧費の合計で、予算現額1695億671万円、支出済額が1663億6644万1535円、翌年度繰越額19億1016万9000円、不用額12億3009万9465円でございます。
 以下、各款・項ごとに御説明をいたします。
 (款)教育費については、予算現額1694億3232万3000円、支出済額1662億9470万1137円、翌年度繰越額19億1016万9000円、不用額12億2745万2863円でございます。予算現額に対する支出済額の割合は98.2%、繰越額の割合は1.1%、不用額の割合は0.7%でございます。
 (項)教育総務費は予算現額64億8054万5000円、支出済額63億6842万24円、不用額1億1212万4976円でございます。不用額の内訳は、教育庁職員給与費の執行残や物件費等の経費節減によるものでございます。
 (項)小学校費は予算現額532億1255万6000円、支出済額530億3965万8385円で、不用額1億7289万7615円でございます。不用額は公立小学校の教職員給与費の執行残でございます。
 (項)中学校費は予算現額354億6108万4000円、支出済額353億2384万3748円、不用額1億3724万252円でございます。不用額は公立中学校の教職員給与費の執行残でございます。
 (項)高等学校費は予算現額570億3395万3000円、支出済額545億5350万7281円、翌年度繰越額19億1016万9000円、不用額5億7027万6719円でございます。繰越額については、国の経済対策に係る補正予算に伴うもので、関係機関との調整に時間を要したことなどにより、やむを得ず繰り越さざるを得なかったものでございます。不用額につきましては高等学校教職員給与費の執行残、学校建設費での国庫内示減によるもの及び執行残でございます。
 (項)特殊学校費は予算現額148億9736万9000円、支出済額147億3647万3170円、不用額1億6089万5830円でございます。不用額については盲ろう学校及び養護学校教職員給与費の執行残がその主なものでございます。
 (項)社会教育費は予算現額13億2133万1000円、支出済額12億7900万4696円、不用額4232万6304円でございます。不用額は、国庫内示減及び物件費の経費節減によるものが主なものでございます。
 4ページをお開きください。(項)保健体育費は予算現額10億2548万5000円、支出済額9億9379万3833円で、不用額3169万1167円でございます。不用額は国庫内示減及び物件費の経費節減によるものが主なものでございます。
 以上が(款)教育費の決算状況でございます。
 次に、(款)災害復旧費について御説明いたします。
 (款)災害復旧費(項)教育施設災害復旧費(目)公立学校施設等災害復旧費については、予算現額7438万7000円、支出済額7174万398円、不用額264万6602円でございます。不用額は執行残によるものでございます。
 以上が教育委員会所管の平成12年度歳入歳出決算の概要でございます。
 以上で説明を終わらせていただきます。よろしく御審議のほどお願いを申し上げます。
○宮城國男委員長 以上で説明は終わりました。
 これより質疑に入りますが、質疑の持ち時間を譲渡された委員は、譲渡を受けた委員の質疑中は在席する必要がありますので、あらかじめ御了承願います。
 この際、執行部に申し上げます。教育長の補助答弁に際しては職氏名を述べ、委員長の許可を得てから答弁するようお願いします。
 それでは、これより直ちに質疑を行います。
 小波津浩利委員。
○小波津浩利委員 1番手ですので、少しやわらかくさわやかに質疑いたしますので、さわやかに御答弁をお願いいたします。
 教育長、この本を前もってごらんになったでしょうか。高校生のための沖縄の歴史・教育委員会編、大変読みやすく、なかなか分量も厚く、郷土史を知るためにいい参考書をつくられております。
 気になるところが1つあります。この53ページに沖縄の歴史で大変重要な時点である薩摩の琉球侵略について、気になるのはただ1点です。琉球を侵略した人、相手側、これは島津氏という表現でずっとやられているんです、島津氏の琉球侵略ということで。私は、歴史認識は正しく把握するためにも、島津氏ではなくて薩摩藩と、つまり体制の名称を使うべきではないかと思っているわけです。これは前からどうもおかしい、おかしいと思って、一番最初に気がついたのは県民手帳なんですが、これの二、三枚目に琉球の歴史の略年表がありまして、これも御存じですよね。1609年島津氏琉球に侵入する。侵入か侵略かの違いはありますが、いずれも島津氏という表現を使っているんです。なぜこの表現になっているか、ちょっと御説明をお願いいたします。
○津嘉山朝祥教育長 なぜ島津かというごとについては、詳細を私は調べてございませんが、ただ、委員がおっしゃいました島津に氏がついているという指摘がございましたね。このことについては、これは決して敬称ではなくて、日本の教科書では戦国時代から江戸時代にかけてさまざまな大名等の呼称として、委員御承知のように、武田氏だとか今川氏だとか毛利氏だとか、氏をつけて呼称として呼んでございます。したがいまして、決して大名の呼称として使用しているのではなくて、家臣団や領地を含めて呼称される呼び方だと。したがって、委員が今お示しされました副読本の後段の方からはたしか島津義久という名で使っていると思いますので、ぜひ御承知おきをお願いしたい。51ページとか52ページ以降には島津義久、島津氏という言葉ではなくて、義久というそのままのフルネームで記述がなされてございます。
○小波津浩利委員 まず最初にぶつかるのは敬称じゃないかという点、私もそうは思っていません。しかし、これは誤解を生ずる。特に琉球においてこの氏(ウジ)という名称がなかっただけに。その次はすぐ歴史上の人物として敬称略の儀間真常とか察温が出てくるわけですね。ですから、第1のぶつかるところは敬称ではないかという点。そう思っていませんが。
 2番目に、教育長が説明している、これは氏であって、島津家、教育長は言っておりませんが、薩摩の藩主としての島津のことを指している。これは戦国時代の武将が全部固有名詞で語られてきたというのもありますが、しかし、そうであっても、島津義久とか家久というのは薩摩藩の藩主であって、例えば熊本における細川、それから博多における黒田とか、それぞれ藩主の名前でもって歴史がよく語られているのですが、正確には薩摩藩という薩摩の領土と薩摩の藩体制、それは幕府に対して薩摩藩、もっと言うならば、社会的背景は薩摩藩と江戸幕府の幕藩体制で琉球侵略が行われてきているわけですね。これは何も島津義久、家久の個人的な野望だけではなくて、豊臣秀吉の朝鮮侵略から琉球侵略へとつながっていくわけですね。そして、江戸幕府の開設に琉球王のお祝いの使者を派遣しなかった云々までこじつけて、江戸幕府の徳川家康、2代目、3代目の徳川の将軍の了解もとりながら薩摩は琉球に侵略軍を送っている。
 この歴史的過程があるわけです。もし固有名詞で行おうとするならば、兵を送った大将といいますか、将は、樺山権左衛門という人を指揮官として侵略軍を送りますね。しかしながら、そういう特定の大将とか、あるいは藩主の名前でもって琉球史が語られていくことは、適切な時代背景、要因をとらえることはできないではないかという点で、なぜ薩摩藩のというふうに限定せず、藩主名で、ここだけ島津氏、島津氏ということで全部。これは県史も実はそうなんです。県史の記述も大方はそうなっている。しかしながら、県史には島津氏という名称を一遍使いますけれども、括弧で薩摩藩という記述を展開してから島津というふうになっていくんですね。ここまでは私の意見。
 それで、皆さん方は内部でこのような議論をなさったことはありませんか。
○津嘉山朝祥教育長 議論はいたしております。ただ、薩摩藩という藩という名称につきましては、委員の御指摘がありましたように、徳川家康が征夷大将軍に命ぜられた1603年、要するに江戸幕府が開府をして、それ以降について幕藩体制が確立をして、藩という名称が使われますね。御承知のように、たしか島津義久が関白の命と称して、時の尚寧王、琉球にさまざまな要求を突きつけるというのが1591年でございます。したがって、そういうさまざまないきさつがあって、島津氏という名称と、それから幕藩体制に至った1603年以降の薩摩藩という名称が近世の琉球史の中で混在をしている状況があるだろうと思います。そこまでは私どもも議論をしておるのですが、詳細については今後検討させていただきたい。この記述がどうかということにつきましては検討をさせていただきたいと思います。
○小波津浩利委員 私も最後に、氏というのはその一族の家系をあらわす総称としてあると思うのですが、つまり、琉球侵略を単に島津家という、氏という個人とか小集団でやられたということでなくて、先ほどからるる言っている広い時代背景と体制で侵略が行われたとするならば、やっぱり薩摩藩に切りかえるべき。そして、その詳しい記述の中で島津氏とか島津家久とか義久とか、それを物事の展開によって使っていくのが適切な表現だと思いますので、ちょっと提起をしておきます。
 さて、あと時間が少ないですが、教育改革で父母、教員が今一番望んでいるのは少人数学級の編制だと思います。これはいろいろな教育改善のためにも。さて、この少人数学級の県内における実施状況、その前に全国的な実施状況とあわせて御説明をお願いします。
○津嘉山朝祥教育長 委員がおっしゃっております少人数学級というのは、現行の40人学級に対時した30人学級とか35人学級のことでございますか。
○小波津浩利委員 はい。
○津嘉山朝祥教育長 少人数学級については、学級編制の標準を定めた公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律、標準法というのが実はございまして、その標準法で国が標準を定めて、県がそれに基づいて基準を設ける。その基準に従って市町村が学級編制をするというのが通常の基本でございます。したがいまして、基本的には標準を国が定めて、県がその標準によって基準を設ける。ところが、今回の標準法の改正によって、国の標準をベース、基本にするけれども、特に必要があると認めた場合には県の裁量でこの標準に基づかないで学級編制を行うことができる旨の改正をされました。
 それを受けて、実は私どもの沖縄県でも、この国の標準と全く同じような編制基準を設けずに、特に必要があると認めた場合には必ずしも40人によらないことができるという旨の編制基準を打ってございます。そのことにつきましては他県の先例がございまして、既に今のような形で学級編制を県によって弾力化をしているところが秋田県、新潟県、広島県、愛媛県、鹿児島県、山形県、青森県、この7県につきましては特に小学校の1年生、低学年の学級について一定の数を超した場合、例えば35名とか36名とか超えた場合に学級編制を弾力化することができる旨の定めを設けてございます。それから、本県と同様なやり方で、千葉県、京都府、大阪府、兵庫県につきましては、特に必要がある場合にその弾力化を行う旨の定めをしてございます。これは本県も同様でございます。
 それを受けまして、平成13年度私どもの方は、その学級編制基準の弾力化に基づいて、極めて過酷というのですか、1学年につき40人の定員目いっぱいのクラスを抱えている学校4校につきまして編制基準の弾力化をさせていただきました。
○小波津浩利委員 学校名も。
○津嘉山朝祥教育長 学校名は石川市立伊波小学校、那覇市立久茂地小学校、豊見城村立座安小学校、平良市立東小学校でございます。ただ、途中の私どもの教職員の加配でございましたので、学校によっては、教員は加配をいただいて編制を弾力化できるようになっておりますが、都合によりどうしてもこの時期にもう学級を2つに分けたくないということもありまして、そういう学校につきましては少人数授業等、あるいは小さ
なグループに分けて授業ができる等々を認めて、柔軟な対応をさらにお願いをしてある。
○小波津浩利委員 全国的には、教育長が説明しているように、7県で30人ないし35人程度の学級編制を目指している。それから、沖縄県など数県においては弾力的な編制ということで、数での基準を示しているのではなくて、必要性に応じてやっているのでしょう。しかしながら、今沖縄県の4校を見てみますと、39人、40人ですよ。どうして30人、35人、このラインで編制をすることができないのでしょうか。つまり、私は、少人数編制であっても、沖縄県の場合はまだA、Bで言うならば、BのランクかCのランクだと思うんです。
○津嘉山朝祥教育長 この学級編制基準の弾力化につきましては、基本的に国からいただく教職員の数がございます。義務教育費国庫負担法による教職員の数というのは、さっき申し上げましたように、標準法に基づいて、40人学級を前提にして本県の教職員の数を算定されます。したがいまして、国からいただく教職員の定数、このことについては40人学級で編制するというのを前提にしてまず定数をいただきますから、県の事情
で40人以下、30人等で学級を編制するという場合にはどうしても教職員が足りなくなりますね。その場合に、それを補うために当然県の負担が必要になってくるわけです。したがって、それに見合う県単の措置がなければ十分な対応はできないという状況でございます。
 したがいまして、私どもの方としては財政当局等に、ぜひ30人学級等々、少人数のクラスが編制できるように、本県は特に必要があると認めた場合にはできるように編制基準は弾力化してございますので、それに見合う措置をぜひいただきたいということで要求しているところでございます。
○小波津浩利委員 他県でも同様でありまして、それぞれ教職員の定数計画を持っていて、したがって、次の質疑はそれになるわけです。では、ふえる分の教職員給与の財政負担はどうしますかということになります。それは、国でも県単もしくは市町村でやる場合は市町村単独での予算措置をしなさいという方針になっているでしょう。なぜ県教育委員会は、思い切って県単予算でも講じながらもっと学校数をふやす努力と編制数を35人程度まで落とす努力をする決意はないんですかということをお聞きしているんです。
○津嘉山朝祥教育長 今の件につきましては文教厚生委員の皆様方にもいろいろ御支援をいただいておりますし、私どもとしても、より少人数で個に応じたきめ細かな授業をしたいという思いはたくさん持ってございますし、それを踏まえて教職員の定数の確保にぜひ努めていきたい。
 ただ、きょうの新聞にもありますように、30人学級を実現するには1500人、約54億円の予算が必要ですという記事が出ておろうかと思うのですが、莫大な教職員と財政負担を伴います。したがいまして、私どもとしては当面のところ1年生に限ってぜひ少人数のクラス編制ができますように今最大努力をしているところでございます。
○小波津浩利委員 関連しますので、中・高教育一貫校の先行実施校、それから今後の設置計画を含めて御説明をお願いします。
○津嘉山朝祥教育長 中・高一貫教育については既に試験的に実施をいたしてございまして、平成12年、13年度、これは伊良部高校の地区、伊良部高校と伊良部中、佐良浜中学、これを中・高一貫教育推進校に指定をして、今研究をしていただいているところでございます。
○小波津浩利委員 嘉手納は。
○津嘉山朝祥教育長 嘉手納は既に終わりました。伊良部、それから平成13年、14年度は本部高校と上本部中学、本部中学を指定し、連携型の中・高一貫教育の研究を今しているところでございます。
○小波津浩利委員 その実験校を通して成果、課題があると思います。特に今後ふやしていく場合の課題について、それから、今ふやす計画はまだ説明がなかったんじゃないでしょうか。今後のふやす計画もお願いします。
○津嘉山朝祥教育長 委員の皆様御承知のように、中・高一貫教育というのはさまざまな形態がございます。大枠で3つ形態がございます。本県はこれから高等学校の編成整備計画を今策定中でございますが、それに向けて3つの形態を今後試行する予定でございますが、1つに、まさに中等教育学校、6年制中等学校も計画を予定してございます。6年間一体的に中・高一貫教育を行うもの。2つ目に併設型の中学校、これは代表的なのが私学が併設型でやってございますね。中学校と高校が隣接をした形で併設型の中・高一貫教育。この場合、入学者選抜がないというメリットもありますが、そういう同一の設置者による中学校と高等学校を接続する併設型。最後の3つ目に連携型という形ですが、現在やっているのが連携型でございます。
 私どもといたしましては、当然にいずれの場合も市町村との十分な調整が必要でございますから、それをしっかり踏まえて、来る14年度からスタートいたします編成整備計画の中で中・高一貫教育をさまざまな形で進めていきたいと考えております。
 今課題が手元に。特に伊良部高校の地域の課題というのが出てございますが、3校ございましたね。伊良部中と佐良浜中、伊良部高校と3校ございましたが、この3校の時程が現在のところ異なりますので、そのために教育課程の調整や教師の持ち時間数等の調整の問題、それから交流授業等をやっておりますが、交流授業等での学校間移動の方法だとか予算の問題、交流授業における講師の問題、あるいは仮に連携型で入試
がなくなった場合に生徒諸君がしっかり勉強してくれるだろうかという課題等も実は内部から出てございます。今ぱっと目につくところを挙げております。
○宮城國男委員長 伊波常洋委員。
○伊波常洋委員 やはりことしも全国各地で荒れた成人式の報道がされました。沖縄県の那覇市の方でも逮捕者を出すほどの荒れようでした。せっかくの人生の節目の門出を祝う場が、主役の一部が逮捕されたとなると、何のための式典なのか、何のための祝いなのか、この人たちがこれから人生をもっともっとやっていくのですけれども、今はわからないかもしれないけれども、さらに分別ある大人に成長したときに、自分のしでかした行動あるいは逮捕という汚点をいつまでも心の傷として持つのではないかと大変心配いたしました。
 そして、これから3月を迎えると卒業式のシーズンを迎えます。やはりこれもまた荒れる卒業式ということで、教育委員会としても大変心配する時期が来ます。そこで、1点目に高校の卒業式についてお伺いいたします。
 これは昨年度でよろしいですので、昨年の県立高校の卒業式において国旗掲揚、国歌斉唱の実施率をお聞かせください。
○津嘉山朝祥教育長 本県の高等学校の入学式、卒業式における国旗掲揚及び国歌斉唱の実施率につきましては、平成2年度の卒業式以来一応は100%となっています。ただ、100%でございますが、実際の掲揚のあり方、斉唱のさせ方等々については課題があると考えております。
○伊波常洋委員 私も一昨年、自分の母校である高校の卒業式に来賓として出席いたしました。そのとき、国旗の掲揚、国歌斉唱のときになりまして、生徒たちがだれ一人起立しませんでした。司会進行の方も「国旗掲揚、国歌斉唱です、起立してください」と言わないわけです。ところが、いざ歌が始まると参加している保護者のお1人の方が「生徒の皆様、国旗掲揚です、国歌斉唱です、起立しましょう」と言うと、生徒がぞろぞろ立ちましてみんな立ったわけです。ですから、生徒たちが一体国旗、国歌をどう思っているのか。
 そこでお伺いしますけれども、今国旗、国歌は法制化されました。そこで、小・中・高校も含めまして、学校教育のどの段階で教育のカリキュラムといいますか、国旗、国歌のことを授業の一環として教える段階がありますか。
○津嘉山朝祥教育長 国旗につきましては、当然に学校における学芸的な儀式的な行事がございます。学校における行事の際に国旗、国歌、例えば運動会で国旗を掲揚し、国歌を流す、あるいは国歌を斉唱するという形の場で、まず国旗は掲揚し、そのことについて望ましい態度を養うという形で、学校行事等を通して国旗、国歌に触れさせる、あるいはそれなりの国旗、国歌の意義を理解させる等々についてはやってございます。
 ただ、今委員からありました国旗、国歌について学校の通常の教育活動の場でとなりますと、国歌につきましては、音楽の時間で我が国の国歌について当然に必要最小限の指導はなされなければいけませんし、国旗につきましても、国旗掲揚の意だとか国旗の由来等々については、小学校においては社会科等を中心にして当然に指導されるべしだと考えております。
○伊波常洋委員 先ほどの成人式といい、そして卒業式といい、なぜ子供たちがこんなにも、一部ですけれども、荒れるのか、すさんでいるのか。私は自分の考え方としては、今の子供たちには心のよりどころがないんじゃないか、あるいは共通の価値観というのがないんじゃないか。それぞれの価値観は持っていても、それが集団となると別の意味の価値観に変わってしまう、そういうところがあるのではないかと思うんです。ですから、例えば私たち人間は、子供であるならば心のよりどころ、生活のよりどころも当然親なんですけれども、国民として私たちのよりどころは何なのかと考えたときに、当然国旗であり、国歌ではないかと私は思っております。
 昨年9月の米国におけるニューヨークのテロ事件以降、ニューヨーク市民初めアメリカ国民の、あの事件後の子供を含め、社会の国に対する哀悼、そして団結、それをどう表現したか。国旗を各家に掲げたり、あるいは毎日のように放送されていましたイチロー選手のいるマリナーズの試合のオープニングセレモニーでも必ず国旗が掲揚されていたし、見ている観客の小さな子供たちは本当にごく自然に起立して、胸に手を当て国の復興を願う。あの姿をなぜ日本でできないのか、本当に残念です。
 それから、高校ですけれども、昨年の卒業式の中で特にこういう問題がありましたという報告が県の方にあったかどうか、お伺いいたします。
○津嘉山朝祥教育長 今私の手元にありますのは、国旗掲揚及び国歌斉唱の実施状況というのは詳細に届いてございます。卒業式、入学式における国歌斉唱、国旗掲揚の状況等々についてはございますが、その卒業式の中でその他信頼を損ねるような行動だとか状況があったというのは今のところ報告は受けてございません。
 今のところそういう情報は入っていません。実は私も去年、赴任直前に北中城高校の卒業式にこっそりと参加をさせていただきました。ただ、委員がおっしゃるように、その卒業式に参加する態度等々については大いに課題があるということは十分認識をしてございますが、そのことについて学校側からこういう状況である、あるいはぜひ県全体でこうせねばというようなお話は今のところ伺ってございません。
○伊波常洋委員 次に移ります。これは小・中・高を問わずお伺いいたします。児童・生徒が学習だけに限らず、学生として、スポーツでもよろしいです。いろいろな方面での活躍があれば、顕著な成績があれば、それを大いに表彰し、さらなるやる気を起こさせることは大変大事なことだと思います。
 そこで、県教育長名で児童・生徒に対しての表彰なるものがあれば、どういうものがあるのか。そして、その表彰規程なるものもどういう規程なのか、お伺いいたします。
○津嘉山朝祥教育長 委員がおっしゃいます児童・生徒の表彰につきましては、実は県教育長が表彰いたしているものがございます。平成9年3月24日に沖縄県児童生徒等表彰実施要綱を策定いたしまして、平成9年度から表彰を行っております。表彰の基準といたしましては、文化活動及びスポーツ活動において全国中学校種目別競技大会だとか全国高等学校総合文化祭だとか国民大会など全国大会で顕著な成績をおさめた場合、国際大会に日本代表として出場してこれまた優秀な成績をおさめた場合だとか、あるいは高度な技能、資格を取得した場合だとか、ボランティア活動などを長期にわたり継続してその活動が高く評価された模範となる生徒等について、これを表彰する旨の規定がございます。実績として、平成9年度は19件でございましたが、平成12年度は56件の表彰を行っております。したがって、いかに本県の児童・生徒が著しく向上し、活躍しているかがうかがえるということでございます。
○伊波常洋委員 大変すばらしい表彰制度だと思います。どんどんどんどん表彰される生徒の数がふえることを期待いたします。
 そこで、提案ですけれども、今は全国レベルで文化やスポーツ面で活躍した生徒たちの表彰でした。先ほどの高校の卒業式にちょっと戻るのですけれども、小学、中学それぞれの卒業式を迎える段階で、いわゆる皆勤賞、無遅刻無欠席の生徒に対して校長名で表彰いたします。小学を終え、中学を終え、そして高校を卒業する際に、小学6年間、中学3年間、高校3年間、計12年間無遅刻無欠席の大変勤勉なる生徒に対して教育長名で新たに表彰の中に加えていただければ、もちろん高校は義務教育ではないのですけれども、今や高校の進学率も、中・高一貫もやるぐらいですからほぼ義務教育とみなせば、12年間にわたる生徒の勤勉さに対して教育長表彰を設けたらどうかなと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○津嘉山朝祥教育長 委員の御指摘がありますように、12年間無遅刻無欠席、そういうことを続けるというのは大変なことで、まさに評価に値するということは異存ございません。ただ、今の表彰規程実施要綱はあくまでも全国的、世界的、あるいは他の模範となる活動というふうな規定の仕方をいたしておりますので、持ち帰りまして、今の委員の御指摘の件がこの児童・生徒表彰として適当であるのか、あるいはまた、12年にわたる功をたたえるということで、高等学校できちんとした評価をして表彰を行うのか。これは校長先生方の意見も交換して、ぜひその頑張りに対するたたえをやれるように取り組んでいきたいと思っております。
○伊波常洋委員 きのうの委員会の特に県営住宅の家賃滞納とか、あるいは新規に空き室に入れる条件とかも、同僚の翁長政俊委員の質疑への答弁でも、やはり何とかの規程とか条例があるから簡単に入れられないとかいろいろあったのですけれども、今回の無遅刻無欠席の12年間皆勤賞についても、もちろん表彰規程はあるのですが、いいものであるならばどんどん規程を改定する。あるいは、行政も、この分野だけではないのですけれども、いいものと思えば速やかに条例なり規程を改定し、速やかに実行していただければいいなと思います。条例改正の必要があるならば、我々県議会で条例改正をするのですから、皆さん全員賛成していただけると思います。
 次に、特進クラスの設置状況についてお伺いします。今でこそ学校区が全県区もあります。球陽高校であるとか那覇西高校とか開邦高校とか、設立当初、不公平だとか言われた制度が今や定着し、それぞれの市町村にあります高校においても学校独自の判断で特進クラスなるものを設置しているところがあります。
 そこで、この高校における特進クラス設置についてはそれぞれの高校の裁量に任せられているのかどうか、お伺いいたします。
○津嘉山朝祥教育長 委員から今ありました特進クラスについては、現在普通高校36校ございますが、21校特進クラスを設けてございます。設けていない学校もそれに見合う精いっぱいの努力を、早朝講座だとか、あるいは放課後講座、休暇中の講座等で頑張ってございますが、今のところ36校のうち21校。なお、設置につきましては、校長や学校職員の思いというのでしょうか、校長の責任と判断で設置ができるとなってございます。
○伊波常洋委員 実は私の母校は石川高校ですけれども、私が在学しているときには特進クラスがありました。しかし、私が卒業した後しばらくしてから特進クラスがなくなりました。その後、もちろん復帰もありました。私の時代には我が母校から琉球大学に毎年20名ないし25名ぐらい合格していました。そして、特進クラスがなくなり、復帰後は当然琉大にも県内学生の入学合格が約半分に落ち込み、大変な競争のせいもありまして、我が母校から琉大合格はゼロという年が相当続きました。
 ところが、危機感を感じまして十数年前から我が母校に特進クラスが設置されまして、その子たちが1年からスタートしまして3年の卒業の時点で一気に、今までゼロが続いた琉大への合格は平均して5名ないし6名を生み出すという結果が出たものですから、しかもそれが学校の裁量に任されているのであれば、今聞きましたとおり、30数校の普通高校のうちまだ未設置の高校もあるようですので、ぜひ全普通高校で特進クラスが設置できればいいなと思っています。
 先ほど申しました12年皆勤の子も実は我が母校の特進クラスの中に1人いまして、正式にはともかく、この12年皆勤が大分評価されて琉大への推薦入学が決まったということも私は聞いたものですから、あわせて先ほどの検討をお願いいたします。
 それから、高校について最後の質疑です。体に障害を持つ児童・生徒、義務教育である小学、中学までは養護学校があるのですけれども、もちろんそれなりの設備がされて対応されています。ところが、その子たちが高校に進学となると、高校には普通科もありますように、そして商業あり、工業あり、水産あり、農業ありと、いろいろな専門分野があります。ですから、養護学校から高校に進学する子供、だれしもが普通高校に行くわけではない。自分の希望でいろいろな高校に行きます。
 昨年も泡瀬養護学校から美里工業高校に、どうしても設計家になるんだ、そして自分は卒業したら設計士になって身障者の利用しやすい、いい家をつくるんだという希望に燃えて入学いたしました。ところが、この高校はバリアフリー化が余り進んでいない。そして、この生徒は車いすですので、教室間の移動、特に1階から2階、2階から3階へ行くときに物すごい苦痛を伴うということで、結局は何らかの移動の手段が得られるまではということで1年間の休学を余儀なくされて、今自宅に待機している状況の子がいます。もちろん、たくさんの学校の中でたった1人や2人の生徒のためにエレベーターをつくるとかなんとか、それは予算上も無理なところはあろうかと思うのです。しかし、この子たちだって自分の進みたい学問があるのですから、既設の学校はともかく、今後新築、改築の際のそういうバリアフリー化、体の悪い子に対しての対応はどのようにしてやっていくのか、お伺いいたします。
○津嘉山朝祥教育長 特に県立高等学校における障害児の入学に際しては、御承知のように、これまでどちらかというと分離教育というのでしょうか、重い障害を持つ者につきましてはどうぞ高等部の方に行ってくださいというような基本的なスタンスで教育行政を進めてきた経緯もありまして、特殊諸学校に在籍する者が普通高校に入学する場合にはバリアフリー等の条件整備が今至っておりません。したがいまして、私どもとしては、まず障害を持つ者が入学を希望する場合には学校に体験入学をしていただいて、その学校でその者を受け入れる際にどんなさまざまな条件整備が必要か、それをしっかり見ていただいた上で、当面必要な例えば手すりだとかスロープだとかトイレだとか、こういう改修等は積極的にやってございます。ただ、大幅な改造改築に係るものにつきましては莫大な予算がかかりますので、当面、委員から御指摘がありました者につきましては階段等の昇降に課題がございますので、できますれば、車いす用の階段電動昇降機等がございますので、それをもって当面対応していきたい。その上で段階的に年次的にエレベーター等の設置に努力したいと考えております。
 今の件につきましては、そういうのを想定して、今後当然にノーマライゼーションというのですか、統合、そういう障害者も受け入れるのを前提にした施設のあり方に向けて努力したいと考えております。
○宮城委員 金城昌勝委員。
○金城昌勝委員 若干質疑したいと思います。
 最近「分数ができない大学生」とか、あるいは掛け算九九ができない高校生とかいうことで非常に基礎学力の低下が話題になっております。そしてまた、ある学者によりますと、教育で日本が滅びるというようなことまで書いた先生もいらっしゃいます。その内容といいますと、やはり基礎学力ができていない。昔は読み書きそろばんとありましたけれども、現在そういった基礎的な国語や算数、理科の問題に非常に低下していると言われております。
 そういったことを踏まえまして質疑いたしますけれども、昨今ゆとりのある教育ということで授業時間が減少しております。例えば1970年代の小学校6年間の算数の総時間数が1047時間ありましたけれども、来年度から869時間になり、そしてまた178時間減少するということになっております。また、中学校3年間の数学の授業時間が70年代には420時間ありましたけれども、来年度からは315時間となり、105時間減少するとなっております。これは小中学校で2学年分縮小されることになりますが、果たしてこれで将来を担う子供たちの学力は大丈夫か、大変疑問に思うところであります。
 心配していますけれども、このゆとりの教育ということを教育長はどういうふうにとらえていらっしゃるでしょうか、お伺いします。
○津嘉山朝祥教育長 委員が御指摘のように、平成14年度から新しい学習指導要領を全面実施いたします。当然に内容が厳選をされ、授業時数も縮減をいたします。ただ、御理解のように、確かに学ぶ量、盛り込まれた知識の量そのものは厳選で大分少なくなります。私どもが今回申し上げておりますのは、現在の学習指導要領による児童・生徒の学校教育活動の理解の状況等々を考えますれば、むしろ量を減少して基礎基本に限定をし、そのことについては徹底して周知させる、そういうことをゆとりを持って取り組めるようにしたいということで、まず基礎基本に限定をし、ゆとりを持って教育活動に当たれるようにしたいということでございます。そのときには、決して知識の量そのものではなくて、みずから考え判断る、あるいは行動する、そういうもろもろの総合的な力として学力というのをとらえたいということでございますので、委員が懸念いたしますように、今回の学習指導要領で授業時間数が削減されるから生徒の学力が一概に必ずしも落ちるとは私は考えておりません。
○金城昌勝委員 教育長の御答弁のとおり全然問題ないということでありますけれども、期待したいのですが、おっしゃるように授業時間が減少しますと、やはり量から質への転換が言われてくると思います。短い時間で子供たちが基礎的な学力と生きる力を身につけなければならないということであります。
 そこで、教師の教える力が十分必要だと思います。教師の教える力を向上させるためにどういうことを考えているか、お伺いします。また、沖縄の将来の子供たちにかかわることなので最優先にやるべきだと私は思いますが、所見を伺います。
○津嘉山朝祥教育長 おっしゃるとおりで、まさにゆとりの中で生きる力をという合い言葉でございますが、私どもは基礎基本を徹底し、その上に多様な個性を開花させる、というのが基本でございます。しかしながら、それを条件としてその指導を担う教職員の資質向上は避けて通れません。教育の問題は最終は教師の問題にたどり着くと言われていますように、私どもとしても教員の資質向上についてはさまざまな立場から努力を
したいということで、現在教員の資質向上のためにやっております手だてが当然に研修でございます。最初に行う初任者研修は1年間研修をいたします。続きまして、5年目にやる5年者研修、10年目にやる教職10年研修、そして20年目にやる20年経験者研修、これはすべからく全教職員に受けていただきます。その上で新たに職を命課された、主任等に命課された場合の各種主任研修などを通して教員の資質向上を図っていきたい。これがまず行政側がやる研修でございます。
 それから、今度は学校の校内においてそれぞれの先生方の持っている各種研修の成果を分かち合う、あるいは1つのテーマに全教職員が研修を深めるという校内研修がございますが、これも各学校で研修計画を立てて、ぜひ日常の教育実践の向上に資していただきたいということで校内研修の活性化に努めてございます。
 もう1つは自主研修でございます。教職員みずからが教師としての職命、使命に基づいてみずからが常に研さんを深める。これは教師としての使命でございます。この3本立てで教職員の資質向上を図りたいと思います。
 なお、今度はその逆でございますが、あわせてどうしても指導力が不足する、例えば教科に対する専門的な知識、力量が足りない、児童・生徒理解が足りない、あるいは指導技術が足りない、そういう指導力不足教員につきましては、現在、指導力向上等の検討委員会を設置して、ぜひ研修をすべからく実施しで指導力の向上に努めるよう、今整備に努めているところでございます。さっき申し上げましたように、どうしても教育の問題は教師の問題にたどり着きますので、教職員の各種研修の充実に努めていきたいと考えております。
○金城昌勝委員 立派な御答弁をいただきましたけれども、せんだって梶田先生、京都ノートルダム女子大学の学長をお呼びになっていろいろと研修会をやっております。その中でこう言っておられます。問われるのは教師の責任感と力量だ。受け身の支援でなく積極的に子供を指導してほしいということを強調されております。そして、ゆとりを強調した弊害として、学習を支援するという言葉が当然のように使われた。しかし、プロの教師は子供がやる気を出すように具体的に導くのが仕事だ。これが指導であり、ゆとりの名のもとで子供のやる気が出るまで待っている支援は無意味というふうに結論づけていらっしゃいます。そういうことになりますので、今後、教師の質の向上は第1の条件になってくると思いますので、頑張っていただきたいと思います。
 それから、週休2日制が実施されますけれども、私立の学校は従来どおりであると。隔週2日休むということでありますけれども、そうしますと、公立学校と私立学校の学力がますます開いてくるんじゃないかと思いますが、これについての御所見はどうでしょうか。
○津嘉山朝祥教育長 私立あるいは公立の週休2日制完全実施に伴う学校の対応については、まだ詳細に私どもは資料を得てございません。いずれにしても、基本的には学校週5日制を実施し、子供を地域に帰してさまざまな生活体験や自然体験等々を深める、高めるということが趣旨でございますから、私どもが所管する県立学校にありましては基本的にはその趣旨に沿って土曜日を活用していただく。ただ、生徒諸君が進路意欲に燃えて、さまざまな思いや願いが学校側に寄せられるだろうと思います。そのことについては、校長、職員、父母としっかり意見を交換してさまざまな対応策が出てくるだろうと思いますので、それはそれでまたその際に私どもの方から指導、助言をしたいというふうに考えております。今のところ公立にあっては週休2日制の趣旨に沿って対応していただくというのが基本でございます。
 ただ、委員がおっしゃいましたように、私立はすべからく出て、公立は出ないから、一概に学力の差が出る、そういうことにならないように私どもは対応を考えたいと思います。
○金城昌勝委員 次は30人学級についてお伺いします。先ほども質疑がありましたけれども、昨年12月議会で私ども県議会は30人以下の学級の早期実現を求める意見書を出しておりまして、今後の少子化現象で学生数が減少するということもありますが、それに対して職員も減少するのか、まずこの点についてお伺いします。
○津嘉山朝祥教育長 現在、児童・生徒数は減少の傾向にございます。したがいまして、児童・生徒数が減少すれば、現在の学級編制基準で編制をしますれば、当然に学級の数が減り、教職員の数は減少します。ただ、今現在、国の方で第7次の教職員配置改善計画をやってございまして、その計画ではその減少に見合う数を少人数加配、さまざまな小さな習熟の程度に応じた学習などを支援するための少人数加配に充ててその減を補おうという動きがございます。したがいまして、委員がおっしゃいますように、生徒数の減少に伴って教職員の数も基本的には減少いたしますが、7次の配置改善計画でその分を少人数加配でまた県にフォローしてくるというのが基本でございます。
○金城昌勝委員 先ほどの質疑に対して、30人以下の学級にした場合、50億円程度の人件費が必要だとおっしゃっていましたけれども、1月7日付のある新聞の社説にこういうことが書いてあります。「山形県の決意に注目」ということでありますけれども、いわゆる田舎になっている山形県ですか、中央から離れたああいった無名の地域ほど人材育成が必要だということで、人材育成については何よりも優先したいという知事の決意が述べられております。私は、本県におきましても離島県でありますので、そういった問題については一生懸命取り組んでもらいたいと思いますけれども、いつからこういったことが実施されるかどうか、お伺いします。
○津嘉山朝祥教育長 まず、情報として提供いたしますが、現在の私どもの1学級当たりの本県の児童・生徒の数というのは実は平均30名前後でございます。委員の皆さん方に御承知おきいただきたいのですが、小学校は現在1学級当たりの児童数は28.8人でございます。それから中学校が317人でございます。したがいまして、現在の状況でも半分、50%前後は実は30人学級が実現しているのでございます。まずこれを御理解いただきたい。
 その上で、13年度の在籍ですべからく30人学級を実現するにはトータルで約1500名の教職員が必要でございます。これを現在の初任給に換算しますと54億円程度の財源が必要と。したがいまして、どの県でも県独自でこれだけの財源を賄えませんので、編制基準を見直しているところでも、1年生の多人数の学級について特段の配慮をして、財政措置をしてやってございます。したがいまして、私どもとしても、議会の御支援もありますので、財政当局に低学年の多人数の学級についてぜひ少人数学級の実現を実施したいということで今努力をしているところでございます。御支援をお願い申し上げます。
○金城昌勝委員 次は、角度を変えた学力向上対策についてお伺いします。教育長は、各市町村の教育委員会に対して学力向上をやりなさいということで指導をしておりますけれども、その事業内容と効果、成果についてお伺いします。
○津嘉山朝祥教育長 学力向上対策につきましては、私ども平成3年から3次9年、そして推進期間5年を入れまして14年の長きにわたる学力向上対策を県の最重要施策として推進をしてまいりました。御承知のように、その成果として如実に出ておりますのがまず達成度テストでございます。基礎基本の状況を学力向上対策の成果を見るということで、達成度テストの得点の着実な伸び、この伸びに裏づけられて、例えば全県的な読書の取り組みだとか、琉球大学の合格者数、国公立大学への現役合格者の数の増加、あるいは大学入試センター試験の結果等々に大きな成果が数字として出てございます。したがいまして、学力向上対策、本県の児童・生徒にひとしく基礎基本を徹底し、学力の向上を図るというのがデータ上から出てございます。もしよろしければデータの方は後ほどご提示したいと思います。
○金城昌勝委員 大変立派な事業です。ただ、その達成度はかなりいっているとおっしゃっていますけれども、目標はどこにあるのか。例えば本県の学力が全国レベルでいった場合どの位置にあるのか。どこを目標にして向上対策をやっているのかについてお伺いします。
○津嘉山朝祥教育長 学力向上対策につきましては、委員御承知のように、当初はまさに他県と余りにも学力の格差があって、どうにか他県に追いつきたいということが1次の学力向上対策の大きな柱でございました。今日はそういう他県を意識したものではなくて、例えば知・徳・体の調和のとれた児童・生徒の育成ということで、他県ということではなくて、まさに基礎基本の徹底を図るということで、このことを柱にし、学力向上対策を進めてございます。
 あと、数値は、到達目標はどこに置くのかということでございましたが、このことについては、例えば達成度テストの目標がございますので、その達成度テスト50点でひとしく40点を目標にして、皆さんに基礎基本を徹底する等々の目標は持ってございます。したがいまして、全国の学力テストを実施して、全国の中でどの水準にあるかということについては今日調査はいたしておりません。
 なお、余談ですが、文部省の方もそういう調査をするということはやってございません。
○金城昌勝委員 かなり達成度はあるとおっしゃっていますけれども、それから大学の合格率、センター試験の問題もありましたが、それは1つの目標、結果としてあるかもしれませんけれども、いわゆる県内だけの勝負じゃない。全国レベルで勝負しなければ今後やっていけないと思っています。特に今度3次振計、新しい沖縄の振興計画の中でも実は経済運営しなくてはいけない。そこでかなりの知識と技能が必要だと思います。ですから、私はこの教育問題というのは大変大きな今後の課題だと思っております。かつて質問しましたときに、司法試験に通る本県出身の若者は何名かといったら、大体二、三名と御答弁いただきました。じゃ、人口からいって全国平均でどういった数字が出るかとお聞きしましたら、8名から10名は人口比例でいったら当然合格してしかるべきだということを答弁いただいております。
 ですから、1つの現象、例えばセンター試験を受ける1つのグループ単位だけで物を判断したら困ると私は思っています。特に高等学校の生徒が今5万人前後おると思います。この人たちの全国レベルはどうなのか、中学校の全国レベルはどうなのかということを比較して、そういったことを目標に立てて、当然学力向上対策も立てて、事業も達成してしかるべきだと考えますが、教育長の御所見を伺います。
○津嘉山朝祥教育長 確かに本県の児童・生徒の学力の状況を他県と比してそういう位置を知るというのは大切なことだと思います。そこで、私どもの方としては、むしろ今沖縄県オンリーでやっております達成度テストについて他県に実施をしていただいて、その結果を比較する等々のことについても現在予算要求して、できれば九州各県と達成度の状況を比較するデータをとりたいということで予算要求してございます。
○金城昌勝委員 文部省はそのデータを持っていないかどうか、お伺いします。
○津嘉山朝祥教育長 文部省は来る年度に全国の基礎基本の定着の度合いを調査する予定でございます。
○金城昌勝委員 澤田さんという先生が琉球新報で連載をやっておりましたけれども、1955、56年から10年間いろいろと全国レベルのテストをしてきたということでデータを持っているようであります。しかし、それに対して教職員あるいはまたある大学の先生たちから、そういったテストをするのは学校や教師の評価がされる、あるいはまたよい成績をとるための競争心が起こり、正常な学校の授業が乱されるとか、教育の国家統制というような異論があって、やっていないというようなことが書かれております。しかしながら、文部省で1994年から96年にかけても同じような調査でもって、中学校については結果報告をしていないけれども、あえて義務教育についてデータを持っているということを書いてありますが、これについてはどうでしょうか。
○津嘉山朝祥教育長 今のデータはちょっと私の手元にございません。なお、全国的な学力調査の実施ということで文部省が考えている資料がございますが、平成13年度中に50万人の小・中学生を対象に全国的な学力調査を実施する。小学校4教科、中学校5教科についてやるというのが資料としてございます。
○金城昌勝委員 次は教育指導主事についてお伺いいたします。
 各市町村へ教育指導主事が派遣されていると思いますけれども、53市町村で何名派遣しているか、お伺いします。
○津嘉山朝祥教育長 平成13年度の派遣状況でございますが、市町村に104名の指導主事を配置しております。
○金城昌勝委員 その目的と成果はどうなっていますでしょうか。
○津嘉山朝祥教育長 まず、御理解いただきたいのですが、指導主事というのは、県においては地教行法、地方教育行政の組織及び運営に関する法律で、県においては必置の職として置くことが義務づけられております。ところが、市町村においては、都道府県に準じて所要の職員を置くことができると法律で規定されております。したがいまして、置かない市町村も当然にある。
 なお、当然に市町村は指導主事等の教育に関する専門の職員を県に準じて置く。ただし、市町村にそういう人材がいない場合は県に派遣を求めることができる。その際は、これは市町村の仕事ですから、当然に給与等の費用は市町村に持っていただきますということで、現在は市町村から派遣の要望があって、私どもの方からしかるべき者を派遣しているというのが現状でございます。この数が104名でございます。
○金城昌勝委員 104名派遣があるということを御答弁いただきました。また、市町村から要望ということもあるようでありますけれども、本当にそうだろうかということを若干疑問に持つわけであります。これはこの場で質疑していいかどうか知りませんけれども、ただ、私が聞いた範囲では、教頭試験に受かった、校長試験に受かった、そのポストがあいていない。その間、市町村にお預けするというようなことだと聞いたこともあります。そしてまた、市町村におきましては、財政が大変厳しい現状ですから、管理職の先生方ですからかなりの予算の負担があると聞いております。もしそうであるならば、派遣するならば、県費でもって給与等を持っていただくような制度、方法はないのかどうか、お伺いします。
○津嘉山朝祥教育長 まず、今の件につきましては、私どもの方から管理職選考試験の任用がない者を派遣するということは基本的にございません。また、あってはいけない。先ほど申し上げましたように、市町村から派遣の要望があって、それならば派遣をしましょうというやりとりでございます。
 ただ、指導主事の仕事が主としてその学校における教職員の指導、特に校長、教頭先生も含めて指導に当たるものですから、教諭の職では少し荷が重たいということで、今日では教頭格、校長格の先生が現に行かれる。ただ、その場合に、市町村の職員等、当然に現給を保障していく職員と給与上のアンバランスが生ずるということはあって、市町村からいろいろな御意見が寄せられているというのはそのとおりでございます。
 なお、現在の制度、市町村の要請に応じて職員を派遣している。これは地方自治法に基づいての派遣でございますから、派遣指導主事の給料、手当、旅費はこの法律に基づいて派遣を受ける市町村の負担とするとなってございます。
○金城昌勝委員 教育の問題は我が県にとって非常に重要な問題だと思います。立派な成果が出るような教育をするならば、幾ら投資しても私は惜しまないというふうな立場に立っております。特に、先ほどの歴史観もいろいろとありましたけれども、我が沖縄の琉球の歴史というのはかなりいろいろなものがありました。大交易時代という大いに華やかな時代もありました。ですけれども、21世紀はどうしても人材育成がなければ、沖縄振興新法を立てても、これは絵にかいたもちになりかねないということになったら非常に困ると思っております。
 特に国際化時代です。高度情報化時代へ入ってまいります。その情報を適切に処理して、あるいはまた沖縄でもうけがなければロンドンヘ行けばいい、あるいは中国でやっていこうか、カナダヘ行って仕事をしていこうかというようなレベルの非常に高い国際人をつくらなければいけないと思っています。したがいまして、学力の向上等、当然必要でありますし、幾ら投資しても、その成果が出れば、惜しんではいけないという立場であります。
 特に本県は資源がありません。おるのは人間だけであります。かつて復帰のときに、いろいろなシミュレーションがありましたけれども、人口も減っていくだろうということがありましたが、人口だけは達成しております。予想以上に伸びております。ですから、人しかいませんので、10万円をとる人間をつくれば、20万円とる人間を育成していかなければいけないと私は思っております。そしてまた、これは県だけじゃないですけれども、国に対してもそういうことを申し上げたいことはあります。新聞の社説によりますと、中等教育、各国のGNP、国民総生産の割合からいきますと、日本は少ないんだというふうに言われております。アメリカが3.5%、イギリスが3.8%という現状のようでありますけれども、日本はそれよりもまだ低いとい
うことでありますので、もっともっと国も県も教育に対しては一生懸命やっていただければと思っています。
 ということで、最後ですけれども、教育長の所見をお伺いして終わります。
○津嘉山朝祥教育長 委員の熱い思いは十分に伺いました。人材の育成、特に所管する私どもとして不退転の決意で努力したいと思います。
○宮城國男委員長 池間淳委員。
○池間淳委員 決算特別委員会審査の最後の日でありますが、委員の皆さん方を見ると大分疲れているような気がします。一生懸命やっていきたいと思いますから、どうぞよろしくお願いします。
 まず、教育行政、悩みはたくさんあると思うんですが、先ほど来出ております少人数学級、30人学級はもう50%は達成できているということですが、30人を達成すれば、また20人と出てこようかと思うのですが、ひとつその悩みを解決しながら、立派な教育行政をやっていただきたいと思っています。
 まず、昨今でありますが、この不登校の問題も教育行政の大きな悩みではないかと思っております。なぜ学校に行きたくないのか、そのあたりの原因もう皆さん調査されていると思っておりますが、その調査、そして不登校になられた生徒をどういう指導をされているのか、まずそれからお聞かせ願いたいと思います。
○津嘉山朝祥教育長 おっしゃいますように、本県の生徒指導上の大きな課題が不登校児童・生徒の問題でございます。平成12年度の不登校の状況でございますが、小学校で408名の数が出てございます。中学校で1722名の数でございます。在籍に占める比率が小学校では0.38%ですが、中学校では2.90%になっております。平成11年度と比較をいたしますと、小学校では50名、中学校では36人の減少でございますから、やや減少、落ちついたかなという程度でございます。特に不登校問題については、児童・生徒の内面の理解が難しいところもございますが、不登校に陥った直接のきっかけがございまして、この大きなもの、小学校から中学校、若干差がございますが、小学校で一番不登校の原因として挙げておりますのが本人の問題、病気による欠席だとか、その他本人に係る問題として32%、親子関係をめぐる問題が17%、あるいは友人関係をめぐる問題等々が挙げられております。その直接のきっかけでございます。それから、中学校にありましては、これもその他本人に係る問題が主でございますが、友人関係をめぐる問題、あるいは学業の不振、非常に原因が複合してございますが、そういうものが直接のきっかけになって不登校に至る。その不登校の児童・生徒に対する指導でございますが、当然に学級担任を中心とした個別指導、家庭訪問、これがまず原則でございます。学級担任あるいは学校を挙げて、個別あるいは家庭訪問を実施し、児童・生徒を理解し、支援し、学校に復帰させる。
 もう1つは、心身のより理解を深めるために、中学校へ現在30校にスクールカウンセラーの配置をいたしておりますし、あるいはまた事務所単位で18名の巡回教育相談員を委嘱して、そういう学校復帰に向けての支援等を図っているところでございます。また、あわせて県内11カ所に適応指導教室を設けまして、学校に復帰することを目指して、この適応指導教室でさまざまな指導、助言等を行っております。また、青少年センター等関係機関と連携した相談体制等を実施して、一刻も早く学校に復帰できるよう、全面的に支援をしているところでございます。
○池問委員 教育長から指導の方法を答弁していただきましたが、その成果、そのような方法で従来やってきたのか、成果はどうなっているのか、今後の指導方法についてお聞かせ願いたいと思います。
○津嘉山朝祥教育長 今日とっている指導のかかわり方はやはり基本だと理解しております。ただ、絶対数が足りませんので、例えばスクールカウンセラーの配置等々については、どの学校にもそういう者が置けるように今後充実をしていきたいと思います。指導結果の状況として平成12年度の状況が手元にございますが、指導の結果、登校するまたはできるようになった児童・生徒が小学校で107名、26%、中学校で521名、30%、全体で628名で、総計で約30%の生徒については先ほど御紹介しましたような成果が上がりまして、学業に復帰をした、学校に登校するようになったという結果が出てございます。
 なお、依然として指導中の児童・生徒が大半、70%残っておるというのが状況でございます。
○池間淳委員 不登校している生徒は、学校に何日以上出なければ卒業できないとか、あるいは進学できないとか、そういう規定があろうかと思うのですが、進学できない不登校生はこれまでにどれぐらいおりますか。
○津嘉山朝祥教育長 義務教育段階につきましては、基本的に授業時数が足りないから進級を認めないとか、学校に来ないから進級を認めないということは基本的にやってございません。
○池間淳委員 出席日数、そのあたりも進級には考慮されるのではないかなと思っていたんですが、6カ月あるいはそれ以上不登校になっている方もおろうかと思うのですが、そのあたりもみんな進級できるということで認識してよいですか。
○津嘉山朝祥教育長 これは最初に念ずべきは、その児童・生徒にとって何がよろしいのかをベースに、御父母の皆さん、そして学校としっかり御相談をいただいて、何が将来この子にとっていいのか、それを考えて基本的には判断をしていただきたい。なお、15歳を過ぎますと、当然義務教育段階以降ですから除籍というのがありますから、したがって、基本的には進級していくという形ですが、保護者の思い、生徒の状況等々を十分に踏まえて御相談をいただきたい。基本は今のような理解で結構だと思います。
○池間淳委員 これは10日か2週間ぐらい前の新聞だったでしょうか、私の記憶に間違いがなければ、埼玉県のある市において不登校に対して訪問指導をやっていこうという報道がされております。これは日本全国で初めてだそうです。その指導によって幾らかの単元をとれば出席とみなすということが報道されております。ですから、私は出席日数が足りなければ進級ができないのかなという思いでこの質疑をしておりますが、私は、非常にすばらしい指導方法を思い切って、しかも市単独でそういう事業展開をするということですから、思い切った事業を展開するんだという思いをしております。
 沖縄県としてこの件についてどういう御認識であるのかどうか、お伺いいたします。
○津嘉山朝祥教育長 委員の御指摘がありましたように、家庭に先生を派遣するというのは、現在私どもの方では特殊諸学校にはございますが、公立の小・中学校にはございません。この件については、学校に行かずとも出席と認めるという制度は実は先ほど御紹介しました適応指導教室、学校に行っていませんが、出席日数としてカウントをいたしてございます。あるいはまた、民間の教育施設へ行っても学校に行ったとみなして授業時数にカウントをしてございます。
 なお、県で家庭に引きこもって学校に出られない者に訪問教育のような形で教師を派遣する等々については、まだそこまで踏み込んで検討しておりませんので、とりあえず御意見として伺って、こういう対応が果たして本県にとって望ましいのかどうか。これはホームスクール等々の絡みがございまして、さまざまな波紋をもたらしますので、いろいろな面から先進県等の状況も掌握してみたいと思っております。
○池間淳委員 まず、全国で1市しかないそうですから、そのあたり、いいか悪いか、向こうの結果も出てこようと思うのですが、できれば不登校になられた子が学業に意欲を燃やしながら学校に行きたいとさせるのが大きな目標ではないかと思っておりますから、そのあたりの指導方法も、従来小学校で26%、30%の効果が出ているようですが、それをぜひ100%に近いような指導方法に変えていければなという思いでもってこの質疑をさせていただいております。
 次に質疑を移りますが、平成14年度から週5日制に変わります。従来、隔週土曜日、第2、第4は休みですが、来年度からは週5日制になるわけです。おのずと指導要領が変わっていくのじゃないかなと思うんですが、従来の指導要領と14年度以降の指導要領の内容について御説明願いたいと思います。
○津嘉山朝祥教育長 御承知のように、新学習指導要領が14年度小・中学校において全面実施をいたします。
 学校週5日制のもとで、ゆとりの中で1人1人の子供たちに生きる力を育成するというのを基本的ねらいとして改正されました。ただ、さっきから指摘がありましたように、ゆとりは緩みではありませんよ、やるべきことはきちんとやった上でゆとりが生ずるのですよという基本的なスタンスは持ってございますが、今回の改定で授業時数を縮減する以上に各教科の教育内容も厳選され、そこから生じるゆとりの中で子供たちがじっくり学習をし、基礎基本を確実に身につけさせるようにいたします。
 それから、学習の理解が進んでいる子に対しても、従来は理解がおくれている子だけの対応の支援でございましたが、今回はしっかり学習を理解し、進んでいる子供にもさまざまな積極的な学習支援、発展的な学習が取り組めるよう支援をしていきたい。それから、授業の展開に当たりましては、当然にそれぞれ個々の生徒の理解の状況、習熟の程度、興味関心などに応じて個別指導をより一層展開し、グループ別の学習だとかチームティーチングだとか、個に応じた指導の充実、あるいは選択学習の一層の拡大等々を通して、個性の伸長、わかる教育が進められていくというふうに御理解いただきたいと思います。
○池間淳委員 従来の指導は、理解度の一番低い方に合わせて指導をやっているという指導方法が、来年度からは、できる方はできるなりの指導をやっていくというふうに変わっていくということですが、これは1人の先生が結局スイッチを切りかえていかぬといけないことになるわけです。従来の指導方法から教職員の方がスイッチをすぐ切りかえていくことは非常に難しいのかなという思いをしているのですが、そのあたりの指導が14年度から本当にそのスイッチが切りかえられていることを見分ける方法、あるいはそういう先生方への指導といいますか、研修の機会はどう取り組んでいかれるのですか。
○津嘉山朝祥教育長 まさにそこは大きな教職員の意識の改革が大きな柱、重要な課題になります。ただ、14年度の実施に向けて、御承知のように、まさに少人数の授業ができるように、20人程度の授業ができるような加配を行って、そういう習熟の程度に応じた授業は実はもう既にやってございます。あるいは、委員御承知のように、総合的な学習の時間を実はもう既に取り組んでおりまして、そういう創設された総合的な学習の時間等々を通して、従来型の教育指導のあり方を少し視点を変えて教職員に取り組めるよう、これまではやってきたわけです。
 今後、先ほど申し上げましたように、先生方は職能、教職経験年数に応じた経年研を実施していますし、校内研あるいは自主研等を奨励して、先生方の新しい学習指導要領に対応した指導のあり方の向上に努めていきたいと考えております。
○池間淳委員 これから土曜日2日の時間がなくなるわけですが、それでもってゆとりある教育を進めていくということであります。ただ、基礎学力はきちっとこれからやっていくという答弁がこれまでされております。ただ、2日休みに入るわけですが、これまでの2日間の補完といいますか、そのあたり余裕があっての指導をしながら、そして基礎はもちろんきちっとやっていくような指導方法になると思いますが、このゆとりある中で子供たちがどういう教育を、あるいはこれまで月6日あったものが月8日になるわけですから、この8日においてどういう教育をしていきたいのか。県独自の指導方法は決められているのかどうかについてお伺いいたします。
○津嘉山朝祥教育長 話が十分意が通じませんけれども、学校週5日制を完全実施いたします。そのために、内容を厳選し、授業時数を削減いたしました。したがいまして、その分をゆとりの中で生きる力をはぐくむ教育を実践するということで、児童・生徒諸君は地域に帰って、地域の中で社会体験、自然体験、さまざまな体験をし、ゆとりと潤いのある時間を過ごしていただきたいということで完全実施をいたします。
 なお、その際、従来休んでいなかった土曜日の分が欠けたのだという御理解はぜひ持っていただきたくない。これは当初から厳選をし、その分については時間を削減するという基本に立ってございますので、そこは御理解をぜひいただきたい。
 しかながら、先ほど申し上げましたように、基礎基本は徹底させるが、かつまた、発展的な学習も今後奨励していきたいということでございますから、当然進路意欲に燃えた生徒諸君から、あるいは父母からさまざまな二ーズが出るだろうと思います。そのことについては当然に学校長の裁量で、その裁量がまた実現できるように私どもとしても支援をしていきたいと考えております。
○池間淳委員 やはり月8日休むということになるわけですから、体験学習だとか、あるいは校外活動、そのあたりを強化していかなければいけないのではないかと私は思っておりますが、子供たちが楽しく体験学習ができるようなことも県は考えていらっしゃるのかなと思っておりますが、そのあたりはいかがですか。
○津嘉山朝祥教育長 そのとおりでございます。学校週5日制実施に関する県の方針を改めまして、ぜひ地域に戻した児童・生徒諸君が豊かな活動ができますように、今申し上げた学校施設の開放、青少年教育施設あるいは社会教育施設等々、事業の充実を徹底せねばなりませんし、市町村としっかり連携をして、あるいはさまざまな団体等々連携をして、地域に戻した子供たちが地域から徘回するということではなくて、まさに充実した活動なり体験ができるように精いっぱい私どもとしても指導していきたいと思っております。
○池間淳委員 授業の一環として、これまでオリンピックで競技として取り入れなかったゴルフがオリンピックでも取り入れられるようになっております。ゴルフの教科といいますか、ゴルフを体育の授業の一環として取り入れて、そして週2日の休みの中で練習するなり、あるいは部活動としてなり、そういう取り組み等ができないのかなと思うのですが、そのあたりはいかがですか。
○津嘉山朝祥教育長 委員御承知のように、現在、西原高等学校で教科の一部として体育の中でゴルフを正課の活動の中で取り組んでおります。これはもちろん学校の校長先生とも十分に相談せねばなりませんけれども、もし学校あるいは地域、父母、教師を含めて、取り組んでぜひやりたい、かつまた条件が整えば、私どもとしても決して否定するものではございません。
○池間淳委員 否定するものではないということですが、支援についていかがですか。
○津嘉山朝祥教育長 これは学校長の思い、あるいは父母、生徒等のそういう教科に対する1つの姿勢等々を見て、もしそういうことがあれば支援をしていきたいと思います。
○池間淳委員 体罰の間題は非常に大きな問題、教職員についても体罰、体罰と言われると思い切った指導ができないんじゃないかなという思いをしております。ですから、私もげんこつを食わされたり、あるいはびんたを上げられたりして教育を受けてきたわけですが、今そういうことをするものだったら暴力だということになって、大変な社会問題になってしまうということで教職員が萎縮してしまっているのではないかなと思っているのですが、そのあたりの問題について、教師が思い切って指導できるようにやってもらいたいなと思うのです。この教職員の悩み、そのあたりをどういう場を設けて皆さん方が吸収をして解決していっているのか、そのあたりもお聞きかせ願いたいと思います。
○津嘉山朝祥教育長 まず、教員の悩みに関する調査については委員の皆さん方御承知だと思うのですが、さまざまな悩みを教職員が抱えているという実態はよくわかりました。悉皆調査でやってございますので、ほぼ正確に悩み等を掌握することができました。2月、来月すぐですが、私どもとしてはこの悩み等に出た結果を踏まえて、検討委員会を大急ぎで、どういう対応をすればいいのか、早急に持つ予定でございます。主として委員の構成には当然カウンセリングの専門家だとか医者だとか、そういう学識経験者等々を予定して、こういう悩みについてどのような対応を行政としてすべきか、それを大急ぎで検討したいと考えております。
 なお、体罰につきましては、いろいろ御意見があると思うのですが、少なくとも教師と児童・生徒が強い信頼関係、きずなをまず築いていただきたい。それがなくして指導というのは成果が上がりません。ただ、どうしても今の子供たちは、自己肯定観というのでしょうか、自分を高く評価することができないという弱みがございますので、たたかれることによって暴力を肯定するとか、あるいは自分が卑しいものであるとか、そういうかかわりにならないようにするには、教師と生徒がどういう人間関係にあるのか、信頼関係なのか、これをまず前提にしてその上で論じられるべきではなかろうか。したがいまして、体罰はと言われますと、やっぱりやってはいかぬというしかお答えできないことになります。
○池間淳委員 私は体罰には反対だということを12月の本会議でもやりました。愛のむちというのがあるんじゃないかと私は提言したのですが、やはり生徒と先生の信頼関係が一番大事なんです。ただ、その触れ合い、げんこつであろうが、どのぐらいの痛みを覚えるのかどうかわからないですが、そのあたりの信頼関係を持つということが一番大事だと思うのです。しかし、今手を上げるだけでも暴力になってしまうということがあって、教職員は非常に神経がぴりぴりになっていると思うんです。それは行政としてどういう指導、あるいは教職員との話し合いをやっていこうと思っている
のですか。
○津嘉山朝祥教育長 今委員がお話したのはとても大事なことでございますが、私どもとしては、教職員に対して私どもがじかに私どもの思いだとか考えを伝えるというのはやっぱり各種研修でございますから、この各種研修の中で行政としてのスタンス、決してびくびくしながら指導するという指導はあってはいかぬと私は思います。教師がみずからの信念、思いに基づいて、使命感や情熱を持って児童・生徒に当たる。そして、しっかりと生徒諸君を抱きしめて懐に抱える。その分がしっかりしておれば、さまざまなトラブルは生じない。今欠けているのは、むしろそういう教職員の熱い思い、あるいは強い信念に基づいた不退転の決意で児童に当たる、そういう思いのある教員を採用し、現場に送り出したいと考えております。
○池間淳委員 頑張ってください。
○宮城國男委員長 休憩いたします。
 午後0時6分休憩
 午後1時22分再開
○宮城國男委員長 再開いたします。
 午前に引き続き質疑を行います。
 具志孝助委員。
○具志孝助委員 10分間ですから、大変短い時間ですけれども、質疑を行いたいと思っております。
 きょうは教育委員会でありますが、教育がいかに大事であるかということを特にこのごろ感じているわけであります。私たちの日本が戦後の荒廃の中からああいうような短時間の中に世界に冠たる経済大国になった。これも資源のない日本でありながら、人材、知恵があって今日の繁栄をもたらしたと思っているわけです。また、最近身近では、けさの質疑にもありましたように、成人式というような厳粛な式典、昔で言えば元服、いよいよ大人の仲間入りだというような式典の中であれだけ荒れてしまうということは一体全体どうなんだ。成人式ですから二十歳になって義務教育を既に終わった--子供なのか大人なのかわかりませんが--人たちの式典なわけですが、これも教育のもたらすところに大きな要因があるのではないだろうかと昨今言われております。したがいまして、人間の人生の中で一時期こうして公的な教育がこれほどまでに大事なものであるし、国家の形成、姿に大きな影響をもたらすと思っております。
 そこで、鋭意皆さん方一生懸命になっていらっしゃることに敬意を表しますが、私も幾つか挙げて、けさの質疑にもあったことですが、中・高一貫教育、これは国の方が推進をしていこう、こういうことですが、改めて中・高一貫教育の必要性、私は教育の原点はもっともっと、三つ子の魂百までとかいうので、中学校、高校に行ってからではなくて、小学校、中学校の地域における教育がむしろ連携した方がいいのかな、こういうぐあいに素人で思ったりするのですが、小・中一貫でなくて中・高一貫というところは何なのか、改めてお伺いします。
○津嘉山朝祥教育長 中・高一貫教育にどんな利点があるのかという観点からお答えをさせていただきます。
 まず、中・高一貫教育につきまして、これまでの中学校、高等学校に加えて、生徒や保護者が6年間の一貫教育も選択できる。そういう多様な選択肢をまず国民に提供しようというのが大きな柱で、そのことによりまして中等教育の一層の多様化を推進し、生徒1人1人の個性をより重視した教育の実現を目指そうというものでございます。
 なお、中・高一貫教育のメリット、利点といたしましては、今日入試の児童・生徒に及ぼすさまざまな弊害が叫ばれておりますけれども、まず1つには、高等学校入学者選抜の影響を受けずにゆとりのある安定的な学校生活が送れます。2つ目に、6年間のスパンでそういう教育課程を考えることができます。要するに、6年間の計画的、継続的な教育指導が展開でき、生徒の個性を伸長したすぐれた才能の発見にもつながります。3つ目に、これは中学校の教員と高等学校の教員との交流が促進されることによりまして、学校の活性化が期待できる等々、ぜひ本県も中・高一貫教育を今回の編成整備計画の中で実現を強力に押し進めたいと思っておりますので、御協力をお願い申し上げます。
○具志孝助委員 中・高受験地獄から解放したい、確かにそれも大きなメリットがあろうかと思っています。私は小学校と中学校が一緒になってやっていくというのも大事ではないかと思うのですが、この議論はおいておきます。
 そこで、本県でも実験校として、けさの答弁の中で、嘉手納地域だとか伊良部地域だとか本部地域でやってきたというのですが、それの成果についてお伺いすると同時に、時間がありませんから、3つの形態があると。本県は連携型を研究中だというようなことでありましたが、この実験校の成果と3つの形態について、特に連携型を研究しているというわけ、この件についてあわせてお尋ねをします。
○津嘉山朝祥教育長 まず1点でございますが、なぜ連携型かと申しますと、6年制中等学校だとか、あるいは一体併設型となりますと、設置者が同一ということが基本でございます。現在は市町村立の小・中学校、県立の高等学校というような形をとってございますので、一体型あるいは併設型をつくるには制度の壁がまずあります。したがって、当面私どもは連携型をまず試行させていただきました。したがって、今後本格的な実施をするには、どうしても6年制中等学校の一体型、併設型をぜひ実施したいということで編成整備計画に盛り込ませていただいておるわけでございます。
 もう1つは成果というのがございましたけれども、これはまだ本格実施をいたしておりませんので多くの成果というのは申し上げることができませんが、少なくとも高校と中学、現在連携型でやっておりますので、中学側と高校側との交流の授業、それぞれがお互い高校は中学校に、中学校は高校に出ての交流授業の実践、生徒会交流、部活交流、あるいは地域行事へめ参加等々にこの成果が上げられてございます。
 課題は、先ほど申し上げましたが、特に伊良部地域につきましては3校の時程の問題、教師の持ち時間の問題、学校に距離がありますので教師の移動の問題、あるいは交流授業における講師の問題等々を挙げてございます。いずれにしましても、まだ試行の段階で、本格的に教育課程あるいは併設型、一体型を実施しておりませんので、これから取り組むべき大きな課題があるということでございます。
○具志孝助委員 これらの間題は制度そのものがすぐれて立派だ、ぜひそういう方向に持っていきたいというのであれば、タイムスケジュール、どこの地域で、できるところから導入していくのだというような計画を具体的に立てることからその実現が促進されると思うんです。そういった意味合いでは具体的にどこいらからいつごろにはそれを実現していきたい、実施していきたい、こういう計画があればお聞かせ願いたい。
○津嘉山朝祥教育長 委員のおっしゃるとおりでございまして、実現に至るには計画の中に位置づける必要がございます。したがって、私どもとしては編成整備計画のスタートの年が14年度でございますので、まず編成整備計画の中で最初にスタートするのが連携型の中・高一貫教育、これは伊良部地域で本格的にまずスタートをさせていただきます。
○具志孝助委員 14年から、来年からですか。
○津嘉山朝祥教育長 はい。14年度からですね。これは連携型でございますが、いずれにしても、管理規則等々の改正も伴いまして、市町村、県それぞれの担うべき課題等々がありますので、本格的に連携型を実施したい。それから、15年度以降につきましては、本格的な一体型を目指しておりますので、県の財政当局ともきちんと詰めてしか年度は申し上げられませんが、本部地区、久米島地区、与勝地区、那覇地区の中で一体型、要するに6年制中等教育、あるいは併設型をこの10年の中で今挙げました地域に実現をしたいということで今調整中でございます。
○具志孝助委員 そうしますと、3つの形態があって、伊良部地域は連携型を14年度から実施していきたいとおっしゃるし、もう2つの中・高6年制型と併設型、これも同時に並行してやっていく。時期は若干ずれるわけですが、この3つの形態をそれぞれの特性に合った形で取り入れていく。沖縄県は連携型で全部いくというようなことではないということですね。
○津嘉山朝祥教育長 そのとおりでございます。ただ、御承知のとおり、現在の公立小・中学校、要するに市町村が設置しております小・中学校等の兼ね合いがございますので、この実現には市町村の教育委員会、市町村と県の綿密な打ち合わせ、連携が必要でございますので、どちらにするのか、我が方としては編成整備計画の中でぜひ中・高一貫教育をしたいということで思っておりますが、今後そういう整備計画を設けて、それにのっとって市町村ときちんと詰める必要がございます。したがって、今の段階で決して市町村の全面的な理解、了解を得ているということではございませんので、お許しをいただきたい。
○具志孝助委員 教育の機会均等というのか、あるいは統一性というのか、適切な言葉を知りません。いずれにしても、公平公正とも言わないね、機会均等と言うのかわかりませんが、やるとしたら統一した形の方が望ましいのかなと思ったりもするわけですが、それは間題ないわけですか。将来は1つに統一するという考え方ですか。
○津嘉山朝祥教育長 これはさっき3つの型があるということがありましたが、それぞれ皆意図するところがございます。あくまでも今まだ成案になっておりませんので、中・高一貫教育、要するに、6年制の一体型については国際インターナショナルスクール(仮称)、そういう学校と掛け合わせて6年制中等学校を今考えていますということですので、どういう趣旨、意図を持って6年制中等学校を設置するかによってもその形態が若干変わってくるだろうと思います。例えば入試の制度をなくして、そして個性的、非常に豊かな特色ある教育活動を展開するという思いからの連携型だとか併設型、あるいは今言ったように、本当に将来の有為な人材を全県的な視野から集めて養成するのだと、さまざまないろいろな形態がありますので、決して絶対的にこの形態でなければならないということではなくて、その設置の趣旨に沿って今の形態は考えられるべきだろうと考えております。したがって、どの形態も我が方としては広く意見を求めて実現できるようにやっていきたいと考えております。
○具志孝助委員 当面試行錯誤の中でいろいろな形を試行してみたい、こういうことでそれぞれの特性を生かしながらやっていくということなのか、あるいは、それぞれの考え方に基づいて、それぞれが選ぶもので、中・高一貫型の3つの形態を自由に選ばすのだ、こういうような方針と、違うの。
○津嘉山朝祥教育長 編成整備計画を委員の皆さんのお手元にも届けてございますが、私どものコンセプトというのはしっかりしてございます。私ども県の編成整備計画に盛り込まれている中・高一貫教育の形態というのは、委員の皆さん方にも御承知だと思うのですが、手元に届けてございますが、その実現に至るまでに当然に現在中学校をお持ちになっております市町村の意向も聞かなければなりません。したがって、私どもの編制整備、例えば中部地区に沖縄インターナショナル高等学校を予定している。これは6年制中等学校の形態ですということで、私どもとしてはきちんとしたコンセプトを持って推進したい。ただし、実現に至るまでにはいろいろ市町村とも調整せねばなりませんので、この辺は御理解いただきたい。コンセプトや先進県のさまざまなデータもございますので、決して試行ではありません、本格実施をいたしたいということでございます。
○具志孝助委員 ぜひ全国に先駆けていいことは積極的に取り入れていく、こういうような姿勢で頑張っていただきたいと思っております。
 次に進みます。学校週5日制移行への件についてお伺いします。
 14年度から実施される、こういうようなことでありますが、これもゆとりの中で生きる力をはぐくむという観点からそういうようなことを言われているんです。学校のカリキュラムは先生方でやれば問題なくやっていけると思うのですが、問題は休みが多くなることによってこのゆとりが悪い方向に行ってしまってはいけない。これまでの傾向から、子供たちの事件事故が夏休みだとか春休みだとか、休暇の中で悪いところのきっかけをつくって、そこに落ち込んでいく、あるいは事件事故の発生率が高いとか言われるのですが、よほど休業日、学校の休みの時間の持ち方というのはしっかりした受け皿をつくる必要があると思っているんですが、この受け皿がいよいよことしから実施されるという割には十分ではないのではなかろうか、このように危倶をするわけですが、この辺についてはいかがお考えでしょうか。
○津嘉山朝祥教育長 委員が御指摘のとおり、さまざまな教育施設、社会教育施設等々、あるいは児童・生徒を地域に帰した場合、果たしてもろもろの施設、児童・生徒を収容し、使っていただけるような十分な施設があるかと言われますと、十分ではないと言わざるを得ない。したがって、十分でないから学校週5日制をおくらすということではなくて、その中で県としてあるいは市町村として何ができるのか、これを私どもとしても精いっぱいやっていきたいと考えております。
○具志孝助委員 教育はよく家庭教育、学校教育、それから地域社会における社会教育というのでしょうか、三位一体になって初めてしっかりした成果を上げられると言われるわけですが、子供さん方にもっとゆとりの時間を与えて地域社会との連携を図っていくのだ、こういうことですが、今受け皿の話を申し上げました。私は、社会施設の中には教育施設と体育施設があると思うんです。図書館だとか公民館だとかというのは比較的整っていると思うのですが、体育施設が十分ではないのではないだろうかと思うんです。
 時間がありませんから取り急ぎますが、もっともっと地域の成人と子供たちが一緒になって汗を流すような健康増進センター的な体育館施設、もちろん学校の体育館を開放するということも身近で大変いいわけですが、それとは違う社会体育施設を地域ブロック別に計画的に配置していくというのが最も肝要ではないかな。このごろお互いの関心事はみんな健康増進なんですよ。衣食住足りたら、あとはどう健康で長生きできるかということにみんな腐心しているんです。そうすると、歩け歩けといろいろなことをやるわけですが、私たちの公的機関でしか整えられないような体育施設がその需要の割には絶対数が足りないのではないかな。そういった意味合いで、皆さんの方で地域ブロック別にもっともっと社会体育施設というようなものを整えていったらどうだろうかと思うのですが。
○津嘉山朝祥教育長 確かに社会体育施設については十分でないということも承知しておりますし、また同時に、県と市町村がそれぞれどういう責任を果たすのかというのもまだ十分でないような気がしております。私どもとしては、社会体育施設整備の基本構想をまとめてございますので、それにのっとって県として、社会体育施設について、地道ではございますが、こつこつとぜひ急ぎ整備をしたいということで構想を持っておりますので、今財政当局とも調整をし、理解を得ているところでございます。
 なお、現在の県内の社会体育施設の状況というのが手持ちにありますが、陸上競技場が36カ所、野球場が35面、庭球場が55カ所等の施設が現在国立、県立、市町村立を含めて約404カ所設置されております。これで十分ということではございません。現在ある施設を最大開放して児童・生徒の便宜を図りたい。かつまた、入場料等、使用料等を無料化なり軽減をして広く便宜を図りながら、あわせて本格実施が入りますので、並行してそういう社会体育施設の充実等々にぜひ努力したい。
 なお、学校等の施設設備等につきましても広く開放できるように努力したいと考えております。
○具志孝助委員 時間がありませんので多くは言えませんが、私が提言したかったことは、もともと社会施設を整えるべきだ。これが間に合うまでは学校開放運動の中で体育館をそのままただ開放するだけでなくて、地域社会の人たちが入ってきても使えるようなものを整えるとか、そういうようなものを追加して整える。地域社会の人たちが入ってこられるような、大人が使えるような健康器具の設置を検討していくというのも1つだと思う。また、子供たちを地域社会に戻すというのであれば、子供たちが地域社会に関心を持つように、学校教育現場にいる教職員の方々が、広く言えば公務員の方々が地域社会ともっとかかわりを深く持つ。それの範を示すということが生きた教育になるのではないか。学校ではそういう教育をしていても、実際に学校の先生方は地域社会とのかかわりをほとんど疎遠にしている人たちが多いです。
 私はいつかの機会でもそういうことを申し上げたのですが、もう時間で終わりますけれども、意外とエリートと言われる公務員が地域社会に背を向けている。地域とのかかわりを持ちたがらない。自治会とのかかわりを持ちたがらないというような傾向にあるのではないだろうかと思っておりますので、それはそれぞれが考えてみればわかることだと思っておりますから、特に教育の衝にある先生方は、子供さん方には地域との関係をよくしなさいと言っておきながら、みずからはどうだろうかという反省もあわせてやっていただきたい。これが生きたものじゃないだろうかと思っておりますので、よろしくお願いいたして、終わります。
○津嘉山朝祥教育長 委員の御指摘がありましたが、これからの時代は開かれた学校というのが大きな命でございます。そのためには、学校の先生方がいかに地域から信望、信頼を得るのかという意味で、率先してそういう地域に先生方が参加をし、支えていくという姿勢がなければ開かれた学校は実現しませんので、そのことについてはしっかりと私ども指導していきたいと思っております。
○宮城國男委員長 高嶺善伸委員。
○高嶺善伸委員 ノーマライゼーションの推進と教育委員会行政の関連ということでお聞きしたいと思います。
 先日ある障害を持っている生徒の親御さんが来て、いろいろな悩みを話しておられました。健常者と一緒に高等教育を受けたいということで、たまたま定時制高校でしたが、階段の多い教室の移動を、お父さんがお昼の仕事を済ませて、その子の授業が終わるのを待っておんぶして教室間の移動をしているというお話を承りました。学校施設というのは、特定の生徒だけでなくて、地域に開放された不特定多数の県民が出入りする施設でもあり、また施設開放事業もあります。そういうことで、どのように障害を持っている生徒たちにも教育をひとしく与えることができるかというのは大きな課題だと思っております。午前中、伊波委員からも同趣旨の質疑がありましたので、改めてお聞きしたいと思います。
 まず、沖縄県福祉のまちづくり条例もあります。既に建築してある施設もあります。平成12年度は61億円の学校建設も実施しております。そういうことで、まず最初に、既設の県立高等学校の施設で障害者に対応したバリアフリーの施設改善がどのような状況になっているのか、それからお聞きしたいと思います。
○津嘉山朝祥教育長 平成13年5月1日現在の公立学校施設、県立学校におけるバリアフリー対策等の整備状況でございますが、まず、エレベーターは県内の県立普通高校では2校でございます。それから、スロープは16校、25.8%、それから障害者のトイレは21校で33.9%、重立ったものはこういう状況でございます。
○高嶺善伸委員 条例施行後の新しく計画する施設、新しく建築する施設でどのような配慮をするかについては、当然条例に基づく対象施設となっておりますので、民間工事の場合は一定規模以上は30日前に届け出て、県の協議を経て着手するわけですが、県の工事の場合は、条例では「県は、自ら設置し、又は管理する生活関連施設を高齢者、障害者等が安全かつ快適に利用できるよう率先してその整備を進めるものとする」ということで、当然公共施設の場合は配慮がなされるものだと考えております。
 平成12年度の実績でその辺の施設配慮についてはどのようになさっているのか、お聞きします。
○津嘉山朝祥教育長 平成12年度の身障者就学における主な施策、対策として、南部工業高校に松葉づえ等々を利用する者がおりまして、階段手すりの工事を実施しております。それから、小禄高校につきましては洋式便器の変更、これは肢体の障害があってそういうふうにやってございます。それから、与勝高校につきましてはクーラーの取りつけ、遮光カーテン等々、特殊体質の者がおるということで、平成12年度にはその3校
について身障者就学に係る対策をいたしております。
○高嶺善伸委員 床面積が2000平方メートル以上の施設については昇降機、つまりエレベーターを設置しないといけないことになっています。それに該当する施設は12年及び13年度事業の中にはなかったのか、その実態はどうなっているか、お聞かせ願いたいと思います。
○津嘉山朝祥教育長 エレベーターにつきましては現在必置ではないということで、今委員がおっしゃるような事業というのはやっておりません。
○高嶺善伸委員 施設を開放し、学校教育施設であっても不特定多数の県民が出入りする。それは在籍する生徒だけでなくて、その父兄や地域の方々も含めてですが、そういう意味で、福祉のまちづくり条例があり、その拠点となるような施設を整備するときに、必置じゃないからやらないということでは条例の趣旨が生きてこないと思うんですよ。
○津嘉山朝祥教育長 大変失礼いたしました、私の説明が十分でございませんで。
 ただ、私どもとしては、委員がおっしゃいましたように、昨今はよりノーマライゼーションの進展に伴いまして普通高校にもエレベーター設置の声が高まっておりますので、14年度の当初予算において所要額を要求しております。それから、あわせて当面の対策として、車いす用階段電動昇降機等、その他の機器も含めて設置したい。なお、福祉のまちづくりに基づく整備計画として、平成14年度は特殊教育諸学校、平成15年度は普通高校、平成16年度に専門高校のバリアフリー対策を進めていく予定でございます。
○高嶺善伸委員 平成14、15年度に向けて整備を進めていくということです。いろいろな障害者対策の施設改善も必要ですが、今回エレベーターだけに限ってもう少し突っ込んでお聞きしたいと思います。
 これから新設する場合の校舎であるとか体育館、これは構造や他の教室との関連もあるのですが、できるだけ条例の趣旨を踏まえて、そういう施設整備は、新設の場合は特にその建築工事と抱き合わせて実施することによって経費の節減もできるし、そういう意味では、既設の建物に新しく付設するよりも新築、改築のときにエレベーターなどを設置するというのは非常に有効ではないかと思っているんです。そういう意味で、13年度事業以降、エレベーター設置の必要性、計画についてどのようにお考えになっているか、お聞かせ願いたいと思います。
○津嘉山朝祥教育長 委員がおっしゃいますように、新設、大規模改造等々に至る時点でそういうエレベーター等の設置を前提にした予算の要求等々をやって実現したいと考えております。
○高嶺善伸委員 教育の現場でもありますし、社会教育施設あるいは学校教育施設を含めて、地域の模範となるような、障害者に優しい施設の配慮があるなと地域に感動を与えるような施設整備計画を推進してもらいたいと思います。
 それから、騒音対策で学校を限定してお聞きしたいと思いますけれども、県立八重山商工高等学校、先日そこへ行きましたら、生徒の皆さんからうるさくて授業どころでないという話をお聞きしました。確かに航空機の離着陸時真上を通っているような状況で、そこでよくもこれまで頑張ってきてもらったな、したがって、我々は新空港を早くつくるからもう少し待ってくれと。いや、あれまでに僕たちは卒業するよということで、なるほど、これから10年我慢するのは大変だなと思いながら来たんです。
 まず、航空機の騒音ということで、教育委員会としては、同校の騒音の実態、うるささ指数等についてどのように把握しておられるのか、お聞かせ願いたいと思います。
○津嘉山朝祥教育長 八重山商工高校周辺の航空機による騒音調査につきましては、文化環境部が平成11年度に実施した調査がございます。これによりますと、一般的な航空機騒音に係る環境基準値を超える結果が出ており、学校周辺における航空機騒音は厳しいものがあるという認識をいたしてございます。データ等も十分承知をいたしております。
○高嶺善伸委員 安心しました。現場の騒音についてはきちっと把握しておられるのではないかと思いましたが、あえてお聞きしました。
 そこで、お聞きしますと、教室によっては窓を閉めると暑くて夏場の授業を受けられない、そういうことでぜひクーラーを設置したいが、まだ設置されていない教室もたくさんあるとお聞きしたんです。同校の騒音対策というのは、県営空港ですので、航空機燃料譲与税等、離着陸に伴って徴収している税源もあって、そういったものを活用すればそれなりの騒音対策ができるのではないかと思っておりますが、現在の整備状況、それから今後の整備計画についてお聞きしたいと思います。
○津嘉山朝祥教育長 御指摘の八重山商工高校の空調設備整備につきましては、平成12年度までに生徒が利用する普通教室を初め特別教室等々のクーラー設置は完了している。生徒が通常の授業を受けたり活動する上で必要な室等については、おおむね整備が終了しておると考えております。委員御承知のように、八重山商工高校には普通教室が15室ございますが、15室とも整備してございますし、特別教室が10室、これも全部10室とも空調は済んでございます。それから、事務室、図書室等8つの室がございますが、これもすべて終えてございます。
 なお、その他実習室等小さな部屋がございます。そこにつきましては大多数はやってございますが、一部未設置の状況が残っております。
 したがいまして、八重山商工高校については92部屋ございまして、空調の対象が65、実際に整備が済んでおるのが5甚で、83%の整備が完了していると理解をいたしております。
○高嶺善伸委員 そうすると、あと11教室については近々計画しているということですか。
○津嘉山朝祥教育長 残りの未設置の11室につきましては、教育庁サイドの予算を確保して対応するということではございません。他部局との調整が必要でございますから、いつというスケジュールは今のところお示しできませんので、御理解ください。精いっぱい努力したいと思います。
○高嶺善伸委員 教育施設は別に遊んでいるわけではないですので、その授業の目的によって使用されております。どこで勉強するにしても、1日40回以上の航空機の離着陸、騒音に大変悩んでいる実態は、私も行って参加したのでわかります。ぜひ財政当局と協議して早いうちに対策をお願いしておきたいと思います。
 何もこの八重山商工高等学校だけでなくて、県立高校の中で騒音対策で現場の高等学校と協議している学校は他に何校ぐらいあるのか、そこはどういう状況になっているか、お聞きしたいと思います。
○津嘉山朝祥教育長 今御指摘、お話のとおり、宮古工業高校にも同様な事例がございます。
○高嶺善伸委員 離島の声がなかなか本島に届かないので、あえて宮古と八重山に絞ってお聞きしたのですが、宮古工業高校の例からすると、そこの対策はどれぐらい進捗しておられますか。
○津嘉山朝祥教育長 現在、宮古工業高校の空調の整備状況等の詳細について手持ちの資料はございませんので、ちょっと時間をかしていただきたい。よろしくお願いいたします。
○高嶺善伸委員 いずれにしても、県営の3種空港で一番影響のあるのは八重山商工高校と宮古工業高校だと思っております。子供たちの快適な教育環境を一日でも早く改善するように、ひとつ取り組んでもらいたいと要望して、質疑を終わります。
○宮城國男委員長 友寄信助委員。
○友寄信助委員 最初に、ことしの春の新卒者の就職内定はどの程度決まっているのかなと思っているのですが、雇用情勢は極めて厳しい状況のようですが、最近例年のように高校新卒者の就職難ということが大変深刻な問題になっているわけです。ことし予定の就職内定が決まった数はどの程度なのか、まず説明をいただきたいと思います。
○津嘉山朝祥教育長本県の平成13年10月末現在が最新の資料でございます。平成13年10月末現在の就職内定率でございますが、16.3%でございます。これは、去年でございますが、前年度同期の19.8%に比べて3.5ポイント下回っております。したがって、昨年度より大変厳しい状況に置かれておるということでございます。
○友寄信助委員 これは人数にするとどの程度になりますか。
○津嘉山朝祥教育長 まず、内定者だけでよろしゅうございますか。それとも希望者も合わせてですか。
○友寄信助委員 はい、希望者も。
○津嘉山朝祥教育長 県内外の就職者合わせて3444名希望者がございます。就職の内定者が561名でございます。したがって、就職内定率が16.3%でございます。
○友寄信助委員 3444名の希望者に対して561名、本当に厳しい就職内定の状況だなと思っているわけです。新聞によると、全国的に厳しい深刻な状況ではあるのですが、全国で就職内定率が昨年11月末現在63%ということがあるんです。その中でも九州地域は非常に悪い。九州地域は悪いと言われても、これによると、福岡は48%、佐賀が57%、長崎57%、大分が60%、こういうふうに沖縄と比べると格段の差があるわけなんです。そういう状況を見ても大変厳しい状況ですが、そういうことで、新卒者の就職指導をされている先生方も大変苦労しているのではないかと思うんです。こういう中で、県外県内の希望者がいると思うのですが、就職指導に当たってどのような方針で取り組んでおられるのか、このあたりもう少しお聞きしたいのです。
○津嘉山朝祥教育長 まず、どうしてこれだけ16.3%、対前年度に比して3.5ポイントも下回っているのかという原因の分析を若干紹介して、取り組みを御紹介したいと思うのですが、1つには、当然に景気の低迷による採用の落ち込み、2つ目に、企業が即戦力を求めておる。3つ目に、データからも出ておりますように、県内の求人数が少ないにもかかわらず県内に集中する。県外に出向くのが少ないという生徒の意向、向きでございますが、県内求人数が少ないにもかかわらず県内希望者が多い。もう1つ、本県の場合、進路の決定が極めて遅い。他県の場合は、もう3年次になりますと同時に就職等について極めて高い意識を持って就職活動するわけですが、我が県の生徒につきましてはそういう活動に取り組むのが遅い、非常に進路決定が遅い、そういうのが背景になってこういう就職内定率の低さを示しているのでほなかろうかと思います。
 そこで、1つに、先ほども申し上げました県内就職希望者が多い割には県内求人数が少なく、県内就職は厳しい状況であります。そこで、就職率を高めるために、各高等学校においてどのようなことをしているのかというのを若干紹介したいと思うのですが、1つに、まず各学校においては年間指導計画作成の段階で数値目標を設定いただいております。就職の内定率についてそれぞれの学校ごとに数値目標を持って努力せよということの取り組みをお願いしてございます。
 それから、さっき進路決定が遅いということがございましたが、進路指導体制を確立していただいて、進路適性テストだとか、各種レディネステストの実施をして、みずからの適性だとか能力を知らしめて進路決定を早めようということもやってございます。3つ目に、体験入学あるいはインターンシップ、職場見学等々を実施して、子供たちの職場に対する識見を広めて、就職意欲、決定を早めたい。それから、卒業生や企業人、文化人、学生、職業情報センター等の相談員等を招いて職業講話だとか講演会を実施いたしております。また、5つ目に、県の校長会による求人開拓のための県内企業訪問、あるいはその他進路指導に関することを精いっぱい学校現場で取り組んでおりますし、あわせて沖縄労働局、県商工労働部と連携し、県外求人開拓と卒業生の定着指導、それから県外就職を希望する生徒を県外企業へ派遣し実習させるとか、あるいは県外県内企業の合同説明会、面接会の開催だとか、もろもろ精いっぱいできることを今取り組んでございます。
○友寄信助委員 学校としても大変な努力をしているわけですが、確かに就職相談、話し合いになっていくのが非常に遅いと言われているんです。こういう問題もこれからもっとスムーズにできる方法を考えていかなければいかぬのじゃないかと思うんです。それと、本土の場合はそれだけ労働市場が広いわけですからあれなんですが、今言われている企業側が求めている職種、よくミスマッチと言われるのですが、そういうものとなかなかうまくかみ合わないのではないかと思うんです。就職を希望している者と求人側が求む職種とマッチしない。そういう面を考えてみると、学校教育の中身の問題を含めて、特に職業高校の科目も新しい時代に対応できるような、大きく変動する社会経済の中でそれに対応するようなものをこれから考えていかんといかぬのじゃないかと思っているんです。そういう面でどう考えておられるのか。
○津嘉山朝祥教育長 おっしゃるとおりでございまして、現在私ども県立学校の編成整備計画の中で、今新しいタイプの学校だけが前面に出て県民の関心を呼んでございますが、当然に社会や時代の二ーズに対応した人材の育成を考えて、まさに委員がおっしゃいました時代のニーズに対応した人材の育成ということで、学科の配置とあり方についても編成整備計画に盛り込んで、将来を見越した人材の育成に努力したいと今考え
ているところでございます。
○友寄信助委員 実態も含めて、これからぜひ取り組んでいただきたいと思います。
 次に、美術館、博物館の建設についてです。
 先ほどもありましたきょうの新聞で予算内示、採択がまだなされていない、先送りされているということですが、この県立美術館、博物館の建設については、かなり前から県民の強い要望として早期実現が求められているわけです。県立現代美術館と博物館の新館の建設概要について、簡単でいいですから説明してもらえませんか。要点だけでいいです。
○津嘉山朝祥教育長 それでは、美術館、博物館建設の進捗状況というふうにとって御説明申し上げますが、御承知のように、県立博物館新館、平成7年度に私どもは基本計画を策定いたしました。ただし、8年度に美術館と複合施設として建設するということで基本設計を行っております。当初の計画では9年度に実施設計、10年度に着工し、12年度に開館を目指しておりました。しかし、総事業費がその段階で約390億円と多大
な額となっておりましたことから、県の財政事情等により平成9年度以降実施設計費の計上が見送られている状況にございます。
 現在でございますが、莫大な総事業費が計上されているこの事業費について抜本的な見直し等の検討を行って、関係部局で今調整を行っているところでございます。私どもの方では早急にぜひ建設したいという思いで実現に向けて努力していきたいと考えております。
○友寄信助委員 そうしますと、今度計画している事業予算の総枠はまだ確定していないということですか。
○津嘉山朝祥教育長 そのとおりでございます。
○友寄信助委員 こういう厳しい中での美術館の建設ですから、美術館というのはかなり金がかかるということですが、建設する方法として最近よく言われているのはPFI、いわゆる民間活力を導入した形で建設しようと。ですから、今国の財政は非常に厳しいし、公共事業もどんどんカットしていこうという中で、国としても、今の政府の方針としても、そういう財政の厳しい中では、PFI事業導入による公共事業の推進を方針としてかなり強く打ち出してきているわけです。他県でもこのPFIを利用した施設建設が始まっているわけですが、美術館を建設するに当たって、こういう方式を少し研究、検討してみたらどうか。いわゆる財政が厳しいのであれば、民間の活力を導入していくという方法ですよね。こういう面も含めて検討していく必要がないのかどうか、御見解をお聞きしたいと思うんです。
○津嘉山朝祥教育長 今の件も実は私ども内々いろいろな意見の交換をさせていただいております。御承知のように、PFI方式の導入につきましては、公共施設等の設計、建設、維持管理、運営等に民間の資金と経営技術的な能力を活用し、効率的、質の高い公共サービスの提供を目的としているもので、他県でも導入事例があると聞いております。
 しかしながら、博物館においてそれの持つ特殊性、対応可能な企業の有無及び総合的なメリット等幾つかの問題があると聞いております。したがいまして、現在いろいろな勉強をしながら、この対応が可能かどうか検討を進めている段階でございます。
○友寄信助委員 他県でも美術館についてPFIを利用してできないかということをかなり検討、研究されていることもよく聞いているのですが、確かにこれから県がこの美術館を建設する場合においても、どうしても起債を起こさんとならぬと思うのですね。どうせ起債を起こすのであれば、民間の資金、活力を利用していくという方法ですよね。だから、民間から言うと、果たしてそれをつくって採算が合うかどうかということもいろいろ出てくるだろうが、非常に可能性のあるものではないかと思うので、これあたりはもう少し検討をしていく必要もあるのではないかなと思う。
 そうすると、これは今回内示で採択が見送られているわけです。まだ最終決定ではないと思うのですが、今後の取り組みをお聞きしたいと思います。
○津嘉山朝祥教育長 当然に私どもとしては、現在の博物館の置かれている状況等からして、早急に建設を期して今努力をしている最中でございます。また、県においても同様な博物館、美術館等々の施設を視察する等々して、どのような形ならば実現が可能であるのか等々、今精力的に資料の収集を行っておりますので、ぜひ実現に至るよう努力したいと考えております。
○友寄信助委員 次に、先ほど来議論されております少人数学級、教育長からの説明によりますと、今回4校で30人以下の少人数学級ができるという説明です。今後、確かに少子・高齢化社会の中でだんだん生徒数も減ってくると思うのですが、自然減少によって少人数学級も幾つかできてくるのかなと思うのです。これからの動向はどうなっていくのかあれなんですが、新しい振興新法ができるこの10年の期間、これからの振興開発計画の中で30人以下の少人数学級がこれから見通しとしてはどの程度進展していくのか、このあたりをちょっとお聞きしたいと思うんです。
○津嘉山朝祥教育長 まず、現在の状況でございますが、現在は第7次の教職員配置改善計画というのがスタートいたしております。13年度から向こう5カ年間の配置改善計画で、児童・生徒の減少に伴う教職員の数を、そのまま少人数の学習指導ができるようにということで、今現在県が75名ほどいただいてございますが、75名を県に加配して、それでもって習熟の程度に応じた学習の指導だとか、そういう授業の充実に努めておる
と。したがいまして、生徒数が減っても、確かに教員の数も減りますが、その減った教員の数は30人学級、35人学級に回るのではなくて、現在の第7次教職員配置改善計画では、今言った少人数のグループ等々による習熟の程度に応じたそういう指導に回りますと。
 したがいまして、今回の標準法の改正によりまして、県の判断でその編制基準を柔軟に対応することができる旨の特例がありますので、それを受けてほかの県では1年生や小学校2年生、県独自の財源で定数を措置して、そういう低学年等に35人だとか30人学級の実現をしているところでございます。したがって、私どもが4名やったのは、現行の定数の枠内でやりくりをして、配当していない教員の数を回して実は学級編制基準を弾力化したという状況でございますので、今後これが拡大するためには、県の財政当局の理解を得て県単の措置でもって教員の数を確保せねばいけませんということでございますので、現在、定数要求の段階でぜひ県単でやりたいということで要求をしているところでございます。
○友寄信助委員 この40人以下の少人数学級についても長年の課題として求められてきたわけなんですが、ここでようやく国の方も、緩和措置という形で出てきているんです。問題は、結局こういう緩和措置をやりましょう。しかし、財政の裏づけについてはそれぞれの自治体で考えてくださいというやり方ですよね。だから、そこが非常に問題だと思うんです。やっぱり財政を伴わないと、幾ら少人数学級をつくろうと思ってもなかなか難しいわけです。これからは財政の確保が求められていると思うのですが、ここは少し問題ではないかなと思っております。
 時間がないので、あと1点お聞きしたいのですが、今回の緊急雇用創出特別事業で教育庁関係が義務教育課として学校教育補助者配置事業で87名、そして小学校低学年支援事業として58名、かなりの数をこれで雇用していこうと。これは中身として、補助者配置事業というものは臨時雇用の補充のような形のものですか。
○津嘉山朝祥教育長 これは委員の話がありましたように、緊急地域雇用創出特別事業を活用しての小学校低学年支援事業あるいは学校教育補助者配置事業でございますので、期間が限られてございます。16年までの措置でございます。したがいまして、雇用する者については当然非常勤となります。
○友寄信助委員 私が聞いているのは、これまでも補助教員ですか、補充、そういう形で人為的に1年1年雇っている経過がありましたよね。そういうものも含まれての内容なのですかと聞いているわけです。
○津嘉山朝祥教育長 この制度は、補助教員あるいはサポートワーカーでございますから、支援者でございますから、基本的には教員の免許を別に持たなくても任用可能でございますから、従来の補充教員とは全くスタンスが違うというふうに御理解いただきたいと思います。したがって、この者が入ったから学級を2つに分けて小さくして少人数学級を実施するということではなくて、あくまでもその学級に入って主たる教師を支援する、サポートするという形でございます。
○友寄信助委員 あと1点だけ。予算の執行状況です。高等学校費の中での不用額は非常に大きいです。特に学校建設費の3億8600万円余り、これは先ほどの説明で、補正予算との関係でなかなか調整がつかなかったために繰り越したというのですが、事前に十分対応ができていない面もあったと思うのですが、これからどんどんそういう補正予算がついてくる場合があるわけです。ですから、執行体制の問題なのかなと思ったり
するのですが、やっぱり補正が来た場合に十分それに対応できるような体制を含めてやらないと、どんどん不用額になってしまうのではないかなと思うんですが、そのあたりはどうですか。
○津嘉山朝祥教育長 学校建設費の不用額につきましては、主な原因として、緊急に改築事業を執行する必要が生じたので、県分の国庫支出金から市町村分の国庫支出金へ流用したことや、防衛防音事業で陽明高校の事業計画が変更になったこと、あるいは入札残等により不用額が生じていること等の理由によるものでございます。
○宮城國男委員長 当山全弘委員。
○当山全弘委員 文化振興の立場で組踊劇場から質疑をいたします。21世紀は人間と環境、それから文化を大切にする時代ではないかという立場で質疑をしたいと思っております。
 まず、組踊劇場の誘致につきましては、各市町村で誘致合戦をしまして、組踊の創始者であります玉城朝薫の生誕の地の浦添市の方に誘致決定されまして、それが着々と進捗していると思いますけれども、この組踊劇場の進捗状況についてお伺いいたします。
○津嘉山朝祥教育長 まず、国立組踊劇場(仮称)の建設につきましては、沖縄開発庁、内閣府の直轄事業として、平成12年度におきましては建設工事費初年度分として24億円が計上され、去る平成12年12月12日に起工式が行われました。平成13年度の建設工事につきましては39億円計上され、工事が順調に進められております。また、平成14年度は劇場建設費の最終年次分として46億7000万円が計上されており、平成15年の開場を目指して当初計画どおり劇場の建設が順調に進んでおります。
○当山全弘委員 市町村の保存会とか無形文化財の保持者等に対する伝承者の養成事業について説明願いたいと思います。
○津嘉山朝祥教育長 国指定の重要無形文化財組踊につきましては、将来の組踊の担い手となる人材を育成するために、組踊伝承者養成事業を実施いたしております。昭和47年に13名が認定されました。以来、組踊の保持者は伝承者養成事業の受講生の中から、昭和61年に32名、平成9年に19名、平成13年に14名の追加認定が行われまして、現在62名の保持者がございます。
 組踊の保持者養成につきましては、重要無形文化財組踊の保持者の団体がございます。伝統組踊保存会を事業主体といたしまして、国、県補助による研修会及び研修発表会等を実施し、後継者の養成に努めているところでございます。
 また、あわせて国立組踊劇場の管理運営は財団法人国立組踊劇場支援財団が今後担うことになりますが、同財団に調査養成課を設置して、劇場の主要な事業の1つとして後継者養成事業を実施する計画となってございます。その具体的な内容につきましては、平成14年4月以降同財団において検討が進められ、16年度から養成事業が実施される予定となっております。御承知おきいただきたいと思います。
○当山全弘委員 この組踊劇場につきましては、教育長の説明のように、財団法人に委託ということであるけれども、管理運営については、それ相当に基金とか国の援助とか、いろいろなことでないと賄い切れないと思うんです、人件費の維持を初めとする管理費用等についても。これは県側の担保として支援していくという約束があるわけですね。
○津嘉山朝祥教育長 先ほどのお話の中にも若干ありましたが、平成14年度の既に予算内示で、さっき建設費の最終年次分として47億円というのがございましたが、合わせて文化庁は開設準備費として約3億1400万円が措置をされてございます。これは管理運営に係る財団の開場準備費として措置されておりますので、それに基づきまして財団の平成14年度以降の専従職員の人事等の措置が行われる予定となってございます。
○当山全弘委員 この劇場は、日本本土とかアジアとか太平洋地域の交流を掲げて、多目的な芸能の殿堂を目指すということになっていまして、私も東町会館で組踊等を見ましたけれども、外国の方とか本土の方には言葉そのものがわかりづらいわけです。ですから、問題は観客を呼べる組踊劇場にしていかなければいけませんけれども、外国の皆さんに対する解説とか、また本土の方々に対する解説等についてはどのような形で劇場に施すわけでしょうか。
○津嘉山朝祥教育長 これは今後財団の方で、当然に言葉の壁というのはございますから、現在でも私ども県外で公演する場合に字幕スーパー等で十分に理解いただけるように努力をしております。県内だけで公開、公演をするということではございませんから、当然にそういう言葉の十分に理解できない者というのを想定した上でこの公演を広く実施したいということで、財団の方もその旨そういう準備をいたしてございます。
○当山全弘委員 それでは、伝統芸能の組踊劇場につきましては2003年の開館に向けて万全であると理解してよろしいですね。
○津嘉山朝祥教育長 万全になりますように皆さんの御協力をお願いしたい。私どもも精いっぱい頑張りますので、よろしくお願いします。
○当山全弘委員 次に、主要成果の中の250ページですけれども、新学習指導要領とか、そういったことで子供たちの授業等が削減される中で、完全学校週5日制の実施までに地域で子供を育てる環境を整備し、親と子供たちのさまざまな活動を振興するための事業、これは267ページにあります。これはそれ相当に予算が執行されておりますが、5日制の問題とのかかわりについて御説明を願いたいと思います。
○津嘉山朝祥教育長 これは、委員、全国子どもプランの推進についてということでのお考えで結構ですか。
○当山全弘委員 はい。
○津嘉山朝祥教育長 これは平成14年度からの完全学校週5日制の実施に当たりまして、平成11年度より13年度までの3カ年間に文部省、現在の文部科学省で、地域で子どもを育てる環境整備を目指した全国子どもプラン緊急3カ年戦略として、子供たちのさまざまな体験活動を支援してきております。県教育委員会では市町村が取り組む次の事業を支援いたしてございますが、1つに代表的なのを挙げますと、体験活動の情報提供などの体制整備として子ども放送局の整備、地域での親や子供たちの活動の情報を提供する子どもセンターの設置、子供たちの活動の機会と場の拡大、ボランティアや触れ合いの体験活動を促進する子ども地域活動促進事業、子供や親の悩みについていつでも対応できるような相談体制の整備、これは子どもホットラインだとか子育てホットラインとか、あるいは家庭教育への支援として家庭教育手帳の作成あるいは家庭教育ノートの作成をいたしまして、資料を配付する等々の事業を実施いたしております。
○当山全弘委員 次に、これは250ページですけれども、平成15年度から実施される高等学校め指導要領において、新設される情報と福祉の円滑な実施を図るため、教員の方にそれぞれの免許を交付したということがあります。将来において少子・高齢化という立場でそういう情報・福祉の教育というのはぜひ必要だと思うのですが、それぞれの学校にこういった資格を持った先生方の配置が必要だと私は思うのですけれども、これから見ると、情報を担当する教員に対しては40名、あるいはまた福祉を担当する教員に対しては3というふうなことがございますけれども、これは余りにも少な過ぎるんじゃないかと思うのですが、いかがでしょう。
○津嘉山朝祥教育長 委員の御指摘のございました新教科情報に係る現職教員の講習等について、まずお答えをいたします。これは委員御承知のように、新しい高等学校学習指導要領において新設された教科情報の円滑な実施を図るために、担当する教員に免許を付与するということで緊急避難的な基本的講習でございます。したがって、当面必要最小限の講習となってございます。福祉も同様でございます。
 したがいまして、これで全部必要な枠を満たしたということではございません。県としても、現状で情報に限ってでも140名は必要だと考えておりますので、今のところ緊急な措置として当面これを養成したということでございますので、今後、情報だとか福祉というのは重要な教科となりますので、養成が急がれるということになります。
○当山全弘委員 次に、これは教師の悩みに関する調査と体罰と暴力、これから、まず1番に生徒指導、2番に学級経営、3番に不登校、4番に茶髪関係、5番に非行対策、6番目に進路指導、7番目にいじめ、8番目に保護者との関係、こういった事柄が教員の悩みとしてベストエイトに今挙がっているわけです。これは何らかの格好で解決する必要があると私は思うんですよね。教育委員会が実態調査をやっていただいた冊子の
中身は、教員の本当の姿だと私は思っているわけです。なぜこのようなことが起こるかということは、詰め込み教育、余りにも学校の子供たちが多いのか、環境が悪いのか、とても深刻な聞題だと私は受けとめておりますけれども、早急に何らかの対策が必要かと思うのですが、教育長の見解をお伺いいたします。
○津嘉山朝祥教育長 委員からございましたように、教職員の悩みに関する調査をこれだけ悉皆で大がかりにやったということは今日までございませんでした。したがいまして、私どもにとっても新しいさまざまな教員の悩みがこのアンケートに出ておりますので、私どもとしては単に行政の中だけでその分析をするのではなくて、広く専門家等々に意見を求めて、専門家をお招きして委員会を開催し、どういう教員の悩みに対する支援ができるのか早急に検討して、行政としてできる対応を早目に見つけ出して支援をしていきたいと考えております。
○当山全弘委員 これは深刻な問題だと受けとめていただきたいと私は思うんです。まず、教育の沖縄県、100の指標から見た沖縄県のすがたというのがございます。この中で、特に沖縄県の幼稚園の就園率については全国一でありますけれども、高等学校の進学率につきましては下から2番目なんです。そして大学については一番最下位というふうなことがありますので、これは真剣に、教育は百年の計と申しまして、先生方に課せられた責任もあろうかと思うのですけれども、沖縄県の教育の最高責任者として教育長、この姿そのものというのは文部科学省の方から調べられているわけですから、一概に喜ぶわけにはいかないと思うんです。教員の悩みの中からもあるように、生徒一人一人の個性を伸ばしていこうという姿そのものに対しては、先生方に対して敬意を私は表しているわけですけれども、しかし、こんなに実態調査の中から悩み等そういったものが出てきている以上は、これは異常であるというふうにしか私はとらえていないわけです。
 だから、全国ワーストワン、これは一番悪いということですよね。結局そういう解釈が成り立ちますけれども、教育長としての見解はいかがでしょうか。
○津嘉山朝祥教育長 今全国の指数で幾つか御指摘の件につきましては、ですから、私どもは県の最重要課題として児童・生徒のどの子にも基礎基本を徹底し、わかる授業を保障し、夢をはぐくませて、存分にみずからの人生に果敢にチャレンジをしていく若者をつくりたいということで、学力向上対策等々を今推進している最中でございます。
 なお、高校の進学率等につきましては、現在の児童・生徒の状況あるいは高校の定員等々からして、実態はまだまだ。要するに、もっともっと入学のできる状況にあります。かつまた、課題としまして、大学等の進学率、これは専修学校等々の課題もございますが、この件につきましては進学を希望する者の思いがかなうような高等学校、中学校の先生方を信頼し、叱咤激励して、ぜひ児童・生徒の自己実現に資するよう、私どもも内部調査等を踏まえて支援をしていきたいと考えております。
○当山全弘委員 子供たちの未来は無限であるという気持ちで取り組んでいただきたいと思っております。
 大阪の池田小学校の事件からはや6カ月が過ぎてまいりましたけれども、災害とか災いというのは忘れたころにやってくるということわざあるように、そろそろまた緩みが出てきているのではないかと思う立場で質疑いたします。
 今学校関係のこういった安全対策についてはどのような取り組みがなされておりますでしょうか。
○津嘉山朝祥教育長 委員からございました池田小学校事件の後の対策については、私どもはこれを対岸の火とせずに、ぜひ教訓にして、学校の危機管理のマニュアル等々をつくりまして、ここにちょっとございますが、これを危機管理マニュアル、従来のマニュアルにつきましては天災だとか地変、そういう自然災害等だとか地震だとか火事だとかを前提にしてございましたが、今回のマニュアルにつきましては当然に不審者の学校内への侵入も想定した対応マニュアルをつくりまして全教職員に配布いたしました。そして、その上でぜひこの管理マニュアルを活用し、それぞれの学校に合ったマニュアルをつくって対策を徹底していただきたいということの指導を今行っているところでございます。
 あわせて、それと呼応するかのように独自のいろいろな対策を市町村でもとるようになっております。多少温度差はございますけれども、市町村でも携帯のブザーを配布してみたり、あるいは保護者による巡回、看板の設置、門扉等の整備だとか、それぞれ独自の学校の事情に合った危機管理に取り組むように今なっております。県立の方でも特殊諸学校を中心に監視カメラなども実は多額の金をかけて設置してございまして、そういう危機管理に対応した安全対策の徹底を現在やっているところでございます。ぜひ緩むことのないように頑張りたいと思っております。
○当山全弘委員 最後に、これは友寄信助委員も質疑しましたけれども、美術館と博物館については、悲しいかな、全国47都道府県のうち美術館がないのは我が県です。これは子供たちの情操教育の面からも大変マイナスになっているのは事実。私は、1年1年おくれることによって、集める美術品の価値が、優秀な美術品を集めることができないと解釈しているわけです。そういったことからしても、一日も早いこういった博物館を含めての美術館の建設が必要だと思うのですけれども、今新都心にある土地の状況等について説明願えませんか。
○津嘉山朝祥教育長 土地の面積等は今手持ちにございませんが、県の土地開発公社が既に先行取得をしておりまして、県が美術館、博物館新館を建設する以降について購入していくという段取りでございます。
○当山全弘委員 現状はどうなっていますか。
○津嘉山朝祥教育長 現状と申しますと、敷地が更地になっているのかどうかということですか。
○当山全弘委員 はい。
○津嘉山朝祥教育長 今の情報によりますと、現在はその地は他に貸してあるようでございます。
○当山全弘委員 またこれは後でやります。
○宮城國男委員長 大城一馬委員。
○大城一馬委員 幾つか質疑が重複しますけれども、お許しを願いたいと思います。
 まず、今さっき当山全弘委員からも質疑がありました教員の悩みに関する調査についてでございますけれども、非常に中身が多岐にわたりまして、私も一読してこれほどかなということがまず実感でございました。1万3216名の教員を対象にして8つの項目が調査項目になっております。その中で、特に学校指導上の悩みについて、指導技術に対する悩みが実に60.3%、そして生徒指導、学級経営上の悩みについて、生徒の理解度に対する悩みが51.6%、そして学級経営に対する悩みが43.3%、さらにまた個人的悩み、教師としての適性についてですけれども、実に教師としてのみずからの適性の悩みが38.9%、そしてまた自分の性格の悩み34.6%というような調査結果が出ています。
 特に若い世代の教師の皆さん方がこの問題を多く抱えていると指摘されておりますけれども、これからの学校の生徒に対する指導の問題、指導力の問題、極めて大変だなという気がします。これは教育長の答弁で、2月に専門的な立場から検討委員会を立ち上げて、その解消に努めたいとなっておりますが、この検討委員会というのはどういうことなのか。要するに、一時的に時期を設定しての検討委員会なのか、それとも恒常的な検討委員会なのか、その辺のところを説明してほしいんです。
○津嘉山朝祥教育長 現在考えておりますのは、教員の悩み、体罰に関する検討委員会は期間を限定して、施策に直接反映させたいという思いがあります。かつまた、ゆっくりとした対応と抜本的な対応といろいろあると思うので、当面対応すべき問題と中長期的に対応する問題を分けて先生方から検討いただいて、期間を切って、今のところ素案として2月あたりから6月あたりまで先生方に検討をいただいて、施策にぜひ反映させ
たいということで、特に分析等につきましては臨床心理士だとかカウンセリングの堪能な先生、それから精神科医だとか人権擁護の関係者だとか弁護士だとか、あるいは教育関係者等々、今の悩み等々に広く分析にかかわれるような者を検討委員会に入れて、どう我々が行政として支援ができるのか、そういうのを広く検討してみたいと考えております。
○大城一馬委員 教育長、これはいろいろなそういう精神的な問題等々が散在しているんですね。箱物をつくるとか、条例をつくるとか、そういうものと違うと思うのですよ。恒常的な検討委員会を設置していかなくては、どうも根本的な解決はできないのじゃないかと思っております。それにつきまして御答弁を願いたいと思います。
 そして、学校カウンセラー、いわゆる専門的な臨床心理士の各学校への配置も必要じゃないかと思っていますけれども、それにつきましてはどうでしょうか。
○津嘉山朝祥教育長 今の検討委員会については、まず期限を切って検討をいただいて、その上でこの問題はとてもその間では十分に尽くせないということであれば、これを延長することも決して私は否定することではありませんから、積極的にその検討の趣旨に沿って延長するか否か判断をしたい。当然検討委員の先生方に御意見を賜って、この悩みをせっかくこれだけ広く多岐にわたって調査をしているわけですから、ぜひ一歩でも二歩でも解消できるような検討委員会にしたいと考えています。
 スクールカウンセラーの配置については、年次的に努力したいと考えて、今国の方からそういう定数の措置もいただいておりますから、年次的に増員の方向で今努力しています。
○大城一馬委員 平成12年度まで何校で何名配置されていますか。
○津嘉山朝祥教育長 平成13年度のスクールカウンセラー配置校が現在30校でございます。県立が6校でございます。
○大城一馬委員 まだまだ極端に少ないですね。大いに努力してください。
 同じ調査結果、体罰に関する調査結果、このことにつきましても質疑がありましたけれども、体罰の問題、基準の問題はさておいて、7割が体罰をしないと聞かない児童・生徒がいると答えているんですね。どうですか、県内の体罰の実態というのはどうなっていますか。
○津嘉山朝祥教育長 体罰の実態というのは、現在私の手元にはございませんが、体罰は指導の手段としてやっていないと。ただし、体罰をして教育委員会から懲戒等々の内申というのは時としてございますが、実態として基本的に体罰は指導の一環としてやっていないと。
 ただ、委員からありましたように、体罰をしないと聞かない児童・生徒がいるだとか、あるいは体罰を容認する風潮があるということについては、私ども基本的にこれは教師の意識を抜本的に変える、児童観、生徒観を今日の教育の流れに沿って意識を変容させねばこの解決は至らないだろうと私は思っております。そのために各種研修等で十分にこのことについてはるる説明をしていきたいと思っております。
○大城一馬委員 次に、小・中・高生の暴力行為の問題ですけれども、文部科学省が平成13年度に報告していますね。全国で4万374件が発生している。特に中学校が全国で3万1300名、これは年々増加している、平成12年度、前年度対比で10.4%増加しているとなっていますけれども、本県の実情はどうですか。
○津嘉山朝祥教育長 本県における暴力行為、対教師暴力、生徒間暴力、対人暴力、器物損壊まで入れて発生の状況でございますけれども、平成12年度、小・中・高全体で537件発生をいたしております。これは平成11年度に比べ34件減少しております。校種別では、小学校が25件で15件の減少、中学校が446件で25件の減少、高等学校が逆に66件で6件の増加となっております。
○大城一馬委員 この小・中`高生の暴力の対象の問題は、教員対教員の問題とか、あるいはまた子供同士の問題とか、器物破損、今おっしゃったとおりありますけれども、やはり多いというのが実感でございます。私、なぜこの質疑をしたかといいますと、昨年11月の新聞で、南部で中学生による集団暴行事件、残念ながら教育長、私の関係する学校で極めて遺憾だと心悩んでおりますけれども、これは大変なことでありまして、こういうことをなくすためにもぜひ最大の努力をしてほしいと思っております。
 次に、週休2日制の問題も取り上げられておりますけれども、いよいよ4月から県教育庁の方針としては完全週休2日制に移行するという方針でありますが、いろいろお話を承りますと、どうも県立学校も完全じゃない。例えば開邦高校あたりは現在の隔週で検討している。球陽高校もまだまだ前向きでないというような話が出ております。さらにまた、私立と県立と違いますけれども、私立の方もどうも完全週休2日には移行できないような状況だという資料がありますが、県立、私立ともその辺のところの実態はどうなっていますか。
○津嘉山朝祥教育長 学校週5日制の実施に伴いまして、公私立含めて個々の学校がどのような対応をするのかということについては、特に私立については私どもの所管から離れていますのでちょっとお許しいただきたいのですが、公立高等学校については基本的に学校週5日制の趣旨に沿って本格実施、週5日制の全面実施をいただくというのを基本スタイルといたしております。したがいまして、学校週5日制、現在第2と第4、その他の土曜日について、要するに、生徒を登校させて正規の授業を行うことについては適当だとは考えておりません。
 なお、いろいろな学校の事情で正規の教育活動以外の対応のあり方も模索するだろうと思いますので、そのことについては学校の取り組みの状況等を見て指導していきたいと考えています。
○大城一馬委員 いろいろと問題が内在しているんですね。父母から学力低下の問題とか、地域における問題とかあって大変だろうと思いますけれども、週休2日制を完全実施しようとしている私立は小学校のたった1校なんですね。この辺のことも含めて、ますます私立と県立の学力格差、これもまた出てくるのかなという懸念がいたしますので、その辺のところはひとつぜひしっかりとした調整を行ってほしいと思っております。
 次に、最後になりますけれども、これも先ほど出ました統合教育の問題です。私は、小・中学校の問題について若干質疑させてもらいたいと思っております。これは去年6月の定例議会の一般質問の中で取り上げさせてもらいましたけれども、平成13年度、重度の障害を持っている児童・生徒が小学校で23人、中学で8人就学しているというような報告でございました。その中で私は、それでは、この学校のバリアフリーはどうなっているか、そしてヘルパーはどうなっているか、加配教員の配置はどうなっているかということで質問させてもらっておりますけれども、この加配教員については法制度がないので、助成制度がないので、国の動向を見ながら検討したいというようなことでありました。
 次年度、新しい年度に入りますけれども、各地域の皆さん方、このバリアフリー、ノーマライゼーションの普及によって、どうしても普通学級に入れたいという父母の要望が各地域でふえているわけです。現に南風原町の北丘小学校、教育長の校長時代のときです。校長も経験しましたよね。その学校の父兄から、入れたいんだが、教育委員会に一応申し込みしたのだけれども、この返事がまだ来ないと非常に心配しているという相談がございました。私も心配しているのですけれども、現在、平成14年度に向けて県内の小・中・高校への入学を希望する生徒、重度の障害を持っている実情を把握していますか。
○津嘉山朝祥教育長 御承知のように、ノーマライゼーション、統合教育というお話が出ましたが、現在の我が国の教育制度のスタンダードというのは、基本的に重度の障害を持つ者は特殊教育諸学校にという分離の教育を前提にして、施設設備あるいは教員の配置や定数等の措置がなされているわけです。したがって、障害の非常にある子供が通常の学級でぜひ健常者とともに教育を受けたいといった場合には、当然にその者については適正就学指導委員会、あるいは県の適正就学指導委員会を経て判定をいただいて、その判定に基づいて市町村が指導するわけです。その指導に、父母がどうしても普通学校に行きたいという者が今課題になっているだろう。
 ただ、このことについては、方向として実は平成13年1月に21世紀の特殊教育のあり方に関する最終報告が出まして、その中で国としても今後小・中学校で適正に教育を行うことができる合理的な理由がある特別な場合は小・中学校に就学させることができるよう、就学手続を今後見直していく。今そういう方向に改正の動きが向かってございます。このことについて今県民の意見を広く求めているところでございますので、しかしながら、現在はそういう重い障害を持つ者については特殊教育諸学校にということで指導、助言が父母に行っているという状況でございます。
 なお、それを超えてなおかつ普通学校に行きたいという者の数は、私のところでは今手持ちに持ってございません。
○大城一馬委員 私の知る限りでは、いろいろな地域のそういう会がありまして、少々その実情を把握していると思うのですけれども、結構多いんですよね。しかし、現場の対応の問題、適正就学指導検討委員会の問題があって、本当に普通の子たちと一緒に学習をさせたいんだがという父母の思いはなかなか通じないということが実情です。
 ちなみに、教育長、実は普通学級に入った子なんですけれども、ある意味では先駆け的な児童・生徒なんです。この間本が出版されまして、「地域を拓く統合教育を実践する母と娘の記録」というので、日記的な本なんです。見たことがありますか、大城逸子さん。この子はちなみちゃんといいます。今は小学校6年生です。ようやく中学校に上がります。南星中学校に入学が決定しております。この子はそれこそ重度な障害を持っている。当時の義務教育課長、今の津嘉山教育長です。津嘉山朝祥教育長が相当頑張って、南風原町とかの教育委員会にいろいろ根回しして実現した子なんです。教育長は実績がありますから、私はそういう思いについては教育長は非常に持っていると思っておりますので、こういうことも含めてひとつぜひ頑張ってほしいと思っております。
○宮城國男委員長 宮里政秋委員。
○宮里政秋委員 最後の決算特別委員会の質疑になりました。きょう15ないし16名の同僚委員からの教育長に対する集中質疑が行われました。そこで、重複しない立場でやりたいのですが、何しろ30人学級の問題は非常に関心を持っておられて、皆さん質疑を行われました。そこで、1番目の教育費の財源の繰越額及び不用額については同僚委員からいろいろありましたから、これは質疑を取り下げます。
 それでは、30人学級に入りますが、まず、ヨーロッパやアメリカ、いわゆる先進諸国における学級定数の実態を調査されていると思いますが、御報告いただけますか。
○津嘉山朝祥教育長 ヨーロッパやアメリカにおける学級定数の実態についてでございますが、これは文部科学省の資料によらせていただきましたが、各国の学級編制基準につきましては、必ずしも正確に掌握しているかどうかというのは若干疑問が残ります。というのは、場合によっては州によって編制基準に柔軟に対応する場所がありますので、一応今手持ちの資料によりますと、アメリカにつきましては御承知のように州によっ
て基準が違っておりますが、おおむね25人から32名程度の基準、それからイギリスが30名、フランスが35名、ドイツが24名から28名程度、ロシアが25名、中国が45名から50名。ちなみに、私どものすぐ近くにあります基地内の小学校につきましては、低学年が20名程度、中学校が30名以内というような情報を今持ってございます。
○宮里政秋委員 教育長が今おっしゃったように、これは国立教育研究所の国際的な調査ですが、各州によって若干違いますが、アメリカ・オハイオ州が25人、これが平均だ。ドイツ24人、ロシア25人、このように先進諸国では学級定数はずうっと昔から定着している。今、津嘉山朝祥教育長からありましたように、我が沖縄県の米軍基地内は20人学級、私は長い間教育行政をやりましたが、那覇市の小学校、中学校の校長、教育委員
会の指導主事を全部集めて基地内調査をしたんです。基地内の学校へ行きましたら、体育館、プール、これは全部立派にできておる。それで20人学級ですよ。障害学級は2人の障害者にヘルパーを含めて3人の教員です。非常に行き届いている。体育館、プール全部立派なものですから、視察させていただいて大変ありがとうと私が言ったら、いや、実はこれは皆さんの政府がつくってくださった。いわゆる思いやり予算なんですね。だから、自国の国民は40人学級にして、外国の定数は20人と、これは至れり尽くせり。
 そこで、午前中からずっと30人学級の問題をやっていましたが、実は2001年4月から標準法の一部改正が行われて実施ということになっています。そこで、津嘉山朝祥教育長もよく御存じのとおり、実は私たち日本共産党と社民党と自由党が一緒になって40人学級の定数改正を国会に提出したんです。そうしたら、与党の反対があったんです。ところが、これもう理屈は成り立たないんです。いわゆる与党としても政府としても、30人学級の教育効果が高まることははっきりしているわけだから完全に否定できないんです。できないが、一部改正によって、これまで学級定員は一律40人とされていたが、40人を学級標準としながら、設置者において生徒の実態を考慮して特に必要であると認める場合に、40人を下回る学級編制にするというのでしょう。これは国の義務教育費国庫負担法の立場からすれば、いいですよと。法律では40人にしますが、首長が認めると言って皆さんが考えるようになったらどうぞやってください。ただし、この費用は負担しません。こうなっているんですよ。これは、憲法で保障する義務教育の国庫負担の立場からすれば、政府の責任逃れです。
 40人という法律はそのままにしておいて、皆さん各都道府県で下回る学級をやりたいというのだったら、どうぞいいですよ、しかし、お金は出しませんよ。ここに抜け穴があるんです。ところが、そういう政府の法改正を30人にせよという国民的な運動があって、30人だったら皆さんが独自にやりたいんだ、40人を下回ってもいいですよということになったんです。本来ならば負担まで国がやるべきだ。法律でやるべきなんです。なぜ法律でやらぬかといったら、40人を30人に法律をつくったら国が負担しなければならないからなんですよね。義務教育の国庫負担の憲法違反逃れの施
策だというふうによく言われています。ところが、各都道府県ではそんなこと待っておれないから、よし、30人学級やりましょうと出ているでしょう。ここで私の調査によると、秋田県、新潟県、青森県、山形県、長野県、埼玉県、宮崎県、若干違いますが、これ全部、30人学級をスタートしましょう。県で負担しましょうということになっている。
 そこで、津嘉山朝祥教育長も十分に認識は一致していますので、ひとつ30人学級に一挙に、仮に小学校だったら6学年まであるわけです。1回でやるのはちょっと難しい。中学3学年、3年だ。年次計画でやると、今年は1年生、来年は2年生、こうやって6カ年計画で我が沖縄県の小学校の定数を全部30人にする。これは何も30人にするといったって、大体30人学級以下が圧倒的に今多いですよ。離島僻地へ行ったら30人の学級はいないんですから。都心部の我が那覇市、そういった周辺ですよ。限られている。だから、財源的にも思い切った措置をすることができると私は思う。
 そこで、資料をつくるのに大変だったんだと思うのですが、1年生からスタートして6カ年計画した場合、教員定数及び学級数はどうなるのか。また、学級がふえるのですから、教室数をどれだけ増築するのか、これはいかがでしょう。
○津嘉山朝祥教育長 委員からご指摘がありましたように、標準法改正をし、県として柔軟な対応ができるにもかかわらず、国庫負担等の予算が伴っていないということはそのとおりでございます。したがって、30人学級等を県独自で実施する場合にはその財源の裏打ちが必要だということも御指摘のとおりでございます。
 なお、委員から今御質疑がありましたように、小学校1年生から実施して6カ年で計画した場合につきまして、およそ県内の小学校で856学級が増になります。要するに、13年度の今現在ある児童・生徒を踏まえて編制替えをした場合に856学級、教員が918名の増となり、小学校の学級数は4478学級に、教職員定数は5310名となるというような試算になってございます。
○宮里政秋委員 お聞きのとおり、30人学級にすると856学級の増になって、学校の教員が918名ふえる。これは我が沖縄県における子供の教育のためにも絶対必要だし、今の深刻な雇用の問題に照らした場合でも、我が沖縄の中で一番教育にお金をかけなければいけないのですから、津嘉山朝祥教育長、あなたが大きな声を上げたら私も大きな声を上げて、一緒にこれを実現しようではありませんか。
 それから、もう1つは教室の増築がありますよね。これ、額を出せましたか。費用です。普通30人と言うと大変だと思うのでしょう。午前中もありましたよ。28人、現にそのぐらいが定数なんですから。だから、30人学級の実現といったって、我が県政の財源としてそんなに無理ではない。一番メリットはこれだけの教員の増ができるのですから、ぜひ実現する必要があると思います。
 さて、時間が過ぎていますから、元ハンセン病患者に対する差別偏見をしない取り組みのことについて、私は本会議でも津嘉山朝祥教育長に質問いたしました。極めて積極的で前向きな御答弁をいただきました。十分な対策をこれまでとっていなかったという反省を述べられ、これからもこういう患者に対する差別偏見をしない教育を実施していきたい、こういう御答弁でしたが、その後どのような取り組みをなさっておられますか。
○津嘉山朝祥教育長 御指摘のとおり、これまで十分とは言えない指導ということで至極反省をし、学校現場にぜひ急ぎ取り組むように指導してまいりました。平成13年11月にあわせて調査をいたしました。学校におけるハンセン病指導の状況調査をいたしまして、その結果、指導済みの学校が38.5%、それから12月の人権週間等において指導する予定が46.8%、合わせて85.3%の学校において指導をしておる。
 なお、指導の際の参考にするために、私どもの県としては、指導の際の手がかりになります指導案等を添えて、参考資料も添えて学校に送付をし、周知の徹底方、理解の徹底方を願って、今日に至ってございます。
○宮里政秋委員 非常に前向きだと思います。85.3%、この間私は福祉保健部長に質問いたしました。極めて積極的にやっておられます。特に愛楽園の中にあいた施設があって、そこを改築して、屋我地の地域住民の幼稚園を入れているんですね。これは先見の運動が実って、地域の子供たちがそこの幼稚園に通う。私は感涙しましたよ。各学校にもいろいろな差別偏見をしない宣伝物をつくってやっている。今教育長からもいろいろありましたが、その資料がありましたら後でいただきたいと思います。引き続き頑張ってください。
 最後ですが、学校給食に県内牛肉の使用を促進したい、これは農林水産部長も申し上げましたが、これについては、教育長、いかがでしょう。
○津嘉山朝祥教育長 今委員の御指摘がありました県内牛肉の学校給食への使用奨励でございます。県産の牛肉を学校給食に使用するのは幾つかの課題が残されてございます。私どもとしても、しかしながら、地場産業への理解も深まり、大変有意義だと考えていろいろ模索をしているところでございますが、現在学校給食で使用している牛肉についてはほとんどが外国産でございます。
 このことは県産牛が外国産牛に比べて値段が極めて高いということが大きな原因でございます。教育委員会といたしましては、もし仮にこれを我々が推進する場合に、これは当然大量な牛肉の供給が必要でございますから、県の生産供給体制が可能であるかとか、また値段はどうかとか、買い入れ価格等の問題もございますので、関係部局と意見を交換してみたいと考えております。
○宮里政秋委員 これも非常に大事なことで、今県内牛が狂牛病問題で深刻なとき、今教育長がおっしゃるように、外国産よりも沖縄の県内牛は非常に高い、質もいい、しかもうまい、病気にもかかっていないという点で非常に重宝がられているでしょう。外国牛と県内牛との差額を我が県が補助して各市町村にやってもらう。小・中学校の学校給食の主体者は各市町村教育委員会ですから。高校は県でやるわけです。例えば1週間に1回肉牛のメニューを入れるとかすれば大変な量だと思う。ぜひこれを実現するために頑張ってほしい。
○津嘉山朝祥教育長 再答弁で申しわけございません。高嶺委員の質疑に対して私の答弁漏れがございましたので、宮古工業高校の騒音対策についてのデータが委員にお示しできませんでしたので、後ほど委員の部屋の方に提供させていただきますので、御理解ください。
○宮城國男委員長 以上で教育長に対する質疑を終結いたします。
 説明員の皆様、御苦労さんでした。
 次回は、明1月24日、午前10時から委員会を開きます。
 本日の委員会は、これにて散会いたします。
 午後3時30分散会