決算特別委員会

企業会計



開会の日時、場所
 平成19年10月18日(木曜日)
 午前10時3分開会
 第7委員会室
────────────────────────────────────────
出席委員
 委 員 長 伊 波 常 洋君
 副委員長 内 間 清 六君
 委  員 佐喜真   淳君  嶺 井   光君
      國 場 幸之助君  池 間   淳君
      新 垣 哲 司君 外 間 盛 善君
      渡嘉敷 喜代子君  髙 嶺 善 伸君
      上 原   章君 比 嘉 京 子君
       奥 平 一 夫君 前 田 政 明君
      赤 嶺   昇君  玉 城 義 和君
────────────────────────────────────────
欠席委員
      当 銘 勝 雄君
────────────────────────────────────────
説明のため出席した者の職、氏名
 病院事業局長        知 念   清君
 病院事業局次長       當 眞 正 和君
 県立病院課長        大 嶺 良 則君
 県立病院課病院経営管理監  桃 原 幹 雄君
 県立病院課病院企画監    安慶田 英 樹君
 県立北部病院長       大久保 和 明君
 県立中部病院長       平安山 英 盛君
 県立南部医療センター
 ・こども医療センター院長  安次嶺   馨君
 県立精和病院長       新 垣 米 子君
 県立宮古病院長       安谷屋 正 明君
 県立八重山病院長      伊 江 朝 次君
 企業局長          花 城 順 孝君
 企業局次長         宮 里   章君
 参事兼経営計画課長     大 城 康 信君
 配水管理課長        比 嘉 博 樹君
 水質管理事務所長      赤 嶺 永 正君
────────────────────────────────────────
本日の委員会に付託された事件
 1 認定第21号 平成18年度沖縄県病院事業会計決算の認定について
   
 2 認定第22号 平成18年度沖縄県水道事業会計決算の認定について

 3 認定第23号 平成18年度沖縄県工業用水道事業会計決算の認定について
────────────────────────────────────────

○伊波常洋委員長 ただいまから決算特別委員会を開会いたします。
 平成19年第3回議会認定第21号から同認定第23号までの決算3件を一括して議題といたします。
 本日の説明員として、病院事業局長及び企業局長の出席を求めております。
 ただいま議題となっております平成19年第3回議会認定第21号から同認定第23号までの決算3件については、既に説明は終わっておりますので、これより直ちに病院事業局長及び企業局長に対する質疑を行います。
 なお、質疑及び答弁に当たっては、その都度委員長の許可を得てから、自席で起立の上、重複することがないように簡潔に発言するよう御協力をお願いいたします。
 また、質疑に際しては、あらかじめ引用する決算資料の名称、ページ及び事業名等を告げた上で質疑を行うよう御協力をお願いいたします。
 執行部も、答弁は簡潔明瞭にお願いをいたします。
 それでは、これより質疑を行います。
 髙嶺善伸委員。
○髙嶺善伸委員 特に、病院事業局長におかれましては、公的医療の果たすべき役割、特に離島を抱えておりまして、日々御苦労しておられることの労をねぎらいたいと思います。そういう意味では、追及というよりは、いかにして地方公営企業法に基づく健全な経営ができるかという視点から質疑をしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 まず、不良債務率がもう10%を超して17.4%と、かなり資金繰りが悪化しているようであります。それで、沖縄県病院事業経営健全化計画をいつも添付して事業を行うようになっておりますが、現在行われている沖縄県病院事業経営健全化計画の進状況、達成年度が平成19年度ですので、平成18年度における達成度等について、あわせて御報告をお願いします。
○知念清病院事業局長 それでは、ただいま御質疑がありました沖縄県病院事業経営健全化計画について、その進状況を御説明いたします。
 第4次沖縄県病院事業経営健全化計画というのは、平成15年度から平成19年度にかけての計画でございました。それで、その結果を見てみますと、平成18年度については減価償却前の当年度純利益は382万1000円を見込んでおりましたけれども、決算見込みでは約15億2785万円の当年度純損失となっております。平成18年度においては、その沖縄県病院事業経営健全化計画においては数値目標をつくっておりまして、それが延べ72項目に及んでおりました。その平成18年度末現在では、その中で21項目を90%以上達成しております。また、100%以上のものも15項目ございましたけれども、残念ながら損失部分では15億2785万円という結果を生じております。
○髙嶺善伸委員 沖縄県病院事業経営健全化計画での減価償却前の収支というのを、資金収支のバランスから見て一定の目標にしてきたわけであります。だから、我々は赤字の額を圧迫感を持って評価するのではなくて、減価償却前でいいんだという気持ちで資金の評価、財政を評価する必要があるんです。それについて、病院事業局長、なぜそういうふうに沖縄県病院事業経営健全化計画の中で減価償却前でいいんだという形での評価をしているのか、改めて御説明をお願いします。
○知念清病院事業局長 減価償却を計上するということにつきましては、正しい資金確保という、投資のための資金確保というほかに、正しい損益計算書をつくって、経営成績を明らかにすることに意義があるということであります。おっしゃるとおり、実際の経営に当たりましては、減価償却費とか資産減耗費、あるいは繰り延べ勘定償却のような、実際には現金の支出を伴わない項目の方が実際の経営にはかかわっているわけでありまして、これがいわゆる現金ベースの赤字ということであります。それが実際の経営の運営に当たっての資金の目安になるということです。正しい損益計算を行って経営成績を明らかにするという帳簿上の中だけで、どうしてもそういうふうにしなくてはいけないということであります。
○髙嶺善伸委員 監査の審査意見の中にも、経営改善の取り組みは減価償却前の収支均衡に向けた単年
度の赤字の解消ということを言っていますので、監査委員もそう言っていますので、皆さんも減価償却
前の収支でひとつ事業体制を目安にしてやってもらいたいと思いますので、赤字額については余り気にしないでください。
 それから、私は収益面での努力もやっぱり必要だなということで、きのうの質疑でもありました、レセプト未請求金額及びレセプトの返戻率、これを改善しないことには申し開きができないんです。
 そこで、平成14年度のレセプト未請求金額の3億6000万円余り、それからレセプトの返戻率が0.8%でした。それを、平成19年度には解消目標が数値化されていますよね。皆さんの72項目の中にあるわけですけれども、実際、平成18年度実績ではその数字はどのように達成されているか、お聞かせください。
○桃原幹雄病院経営管理監 計画におきます目標の数値でございますが、レセプトの返戻率は、病院の計、合計の目標値としましては0.2%を想定してございますけれども、平成19年度、今年度4月から8月の部分でございますが、その部分の8月の時点で申し上げますと0.85%となってございます。
 レセプトの未請求金額は、今年度の目標値は1億1910万円でございます。それに対しまして8月時点でございますが、8億4766万6000円となってございます。
○髙嶺善伸委員 我々が第4次沖縄県病院事業経営健全化計画を評価するときに、努力すべきものは努力する、この辺の数字を出さないといけないのです。平成14年度に3億6000万円のレセプト未請求額が基準となって、平成18年度の目標が1億1900万円なのに結果は8億円も余る未請求額というのは、逆に悪くなっていっているじゃないですか。
 それから、レセプトの返戻率も、基準が0.8%で、目標が0.2%なのに、数字は0.85%、かえって悪くなっているじゃないですか。収益の改善をどうやるかというのが大事なんですよ。目標年度はもう今年度です。大きく沖縄県病院事業経営健全化計画とかけ離れているという実態は、決算上は大変我々は厳しく評価しないといけないですね。どういう形ならこの改善が可能ですか。
○知念清病院事業局長 この問題は、申し上げるまでもなく、各病院が、そこで現場に働いている者たち、あるいは病院事業局の者が一体となって沖縄県病院事業経営健全化計画、そういうことがいかに病院事業の運営に大事なものであるかということを認識して、それに取り組んでいくことが必要だと思います。
 そういう面では、平成18年度から地方公営企業法の全部適用になりました。それで、いろいろ組織的にも改善に向けて鋭意取り組んでいると。未請求、あるいは未収金、そういうことに特に力を入れて対策を練っているところです。経営改革会議、全県立病院の医師、病院事業局がほぼ毎月集まって検討会をやっておりますし、その結果をまた病院に持ち帰って、それぞれの病院で対策委員会を開いていると。また、今までやっておりませんでしたけれども、医師、看護師、研修生にも、そういうお金、経営上の財政問題というのは非常に逼迫している、非常に大事なんだと、単に学問的な技術、知識だけではなくて、経営の面についても教えるようにしております。去年からそういうのを集中的にやっておりまして、その成果がことしあたりから少しずつ見えてきている、そう私は感じております。
○髙嶺善伸委員 前の答弁で、40億円の経費節減を目標にしていくという話を聞いて、私はびっくりしましたよ。むしろ医療を強化すべきであって、人件費を含めて経費削減という方向で経営の立て直しを考えるというのは、ぜひ避けてもらいたい。そういうことで、まず収益の改善をぜひお願いしたい。
 もう1つは繰入金の方。これは、きのう代表監査委員は、適切な積算による要求があれば査定は一致すべきだと言っておりました。そこで、一般会計からの繰り入れについて、我々は絶えず全国の1床当たりの繰入額を念頭に置いて請求しなさいと言ってきているんです。そこで、なかなか皆さんも本音で言ってくれない。きょうは総務部はおりませんので本音で言ってもらいたいのは、やっぱり地方公営企業法第17条の2及び地方公営企業法施行令第8条の5、きちっと皆さんが積算して財政に言っている繰り入れの要望額は幾らなのか、これをまず聞かせてもらいたい。
○知念清病院事業局長 平成18年度の当初予算における繰入金については、収益的収支、地方公営企業法施行規則別表第5号予算様式第3条予算が、要求額が51億5213万円であり、査定額が41億7473万円、その結果の査定減額が9億7740万円でございました。また、資本的収支に関しまして、これは地方公営企業法施行規則別表第5号予算様式第4条予算ですけれども、その要求額が27億6997万円でありまして、査定額が20億8912万円で、結局、査定減額が6億8085万円となっております。
 その結果ですけれども、繰入要求総額79億2211万円に対しまして、査定額が62億6385万円、その結果、査定減額は16億5825万円となっております。
○髙嶺善伸委員 法的に、一般会計の行政経費として負担すべきだと法律は決めてあるんですよ。包括外部監査で公認会計士も、積算の数字と査定が合わないのはおかしいと。財政が査定しているものの根拠は見当たらないと厳しく指摘しているんですよ。私は、皆さんがきょう正直に報告してもらった積算の請求というのは、財政側はきちんと法的に、これは病院会計が持つべき経費ではないということで、私は査定すべきだと思います。きょうのような決算審査が大事なんです。本音で言って、財政とはどうあるべきかということでやっていきたいと思っております。
 それで、例えばこの差額なんですけれども、代表監査委員はこうおっしゃっていました。きちっとした根拠のある積算であれば、当然これは繰り入れすべきだと。財政側に押し切られるような積算の数字を示したらだめですよ。だから、地方公営企業法第17条の2第1項第1号の、当該経費にかかわる特定の収入がある場合ということではなく、当然これは一般会計から繰り入れるべきだという、例えば救命救急関係、これは特定の収益は除いて、それにかかわる経費についてはすべて一般会計から繰り入れすべきだと包括外部監査でも出ているんですよ。だから、医師の待機、空き床確保に関する経費、これも含めて、今の査定基準はおかしい。だから、その地方公営企業法第17条の2第1項第1号については明確に、こういう理由で、これはもう病院会計は持ちません、一般会計でみんなやりなさいと明確に示す必要があると思うんです。
 その部分はわざと地方公営企業法第17条の2第1項第1号と第2号は分けてありますので、第1号についての積算と査定の差はどうなっていますか。
○知念清病院事業局長 地方公営企業法第17条の2第1項第1号経費ですけれども、いわゆる他会計負担金と言われる部分ですが、この当初要求額が6億4266万8000円に対しまして、実際には査定額が5億3010万3000円となっておりまして、その結果、査定減額として1億1256万5000円となっております。
○髙嶺善伸委員 このように一つ一つ法律に基づく経費を積算していくと、皆さんも財政側に強くその査定との差額については言えると思いますので、次年度に向けて取り組んでもらいたいと思います。
 それから、せっかくICUを整備する、いろんな施設整備、人的整備によって加算が得られる状況にあるにもかかわらず、これまでの答弁はトータルとしてメリットがないというようなことで、専任医師、看護師の配置等がなされていないというのもあるんですけれども、それについての加算を正式に要求すると、財政的にも潤う経費がたくさんありますよね。それらについての今後の取り組みをお聞かせください。
○知念清病院事業局長 そういうICU加算、あるいはMF-ICU加算、そういう加算のとれるような医療に関しましてはできるだけ、収支決算の問題ももちろんございますけれども、地域に対していい医療を提供するという意味からも取り組んでいるところであります。
 それで、宮古病院にもICU、あるいは八重山病院にもICUをつくりまして、今そのICU加算をとっているところであります。それから、もちろん中部病院救命救急センターでも加算がついております。できるだけそういう、高度の医療をして、それで診療報酬点数の高いものに対しましては、良質な医療ということにつながることもありますので、できるだけやるように、とれるように、加算をつけるように、人と、看護師とそれから機器を配置して努力しているところであります。八重山病院において、この間からICUをオープンして始めました。
○髙嶺善伸委員 ぜひ、病棟から医者や看護師を連れてくるのではなくて、専任の医師、マンパワーの確保についてはやってください。
 それから、私は離島にいて、離島の病院というのは普通の陸続きの病院よりも、離島であるがゆえの予算、経費等の増嵩費があるんですよ。だから、みんな病院を並べて、病院ごとに成績はどうかというときに、離島は不利なんです。離島の増嵩費を皆さんとしては認めてもらいたいし、これを一般会計の繰り入れの対象とできるように理論武装し直す、そういうことをしないと、いつも宮古病院と八重山病院は赤字だけということでは、現場はかわいそうですよ。その離島増嵩費について、病院事業局長、ちょっと考え方と取り組みを聞かせてください。
○知念清病院事業局長 今お話のあった離島医療の増嵩費の件でありますけれども、特地手当とか準特地手当というのがございます。それにつきましては、もう数年来、私たちは毎回査定されて、査定ゼロということで返ってきておりますけれども、毎回、その要求は出しております。それから、それ以外に、沖縄本島に勤めている職員の給与費に対しての、その分を繰り入れをしてくれと。それから、企業債の元金償還金に関しても、これは基準外の、いわゆる総務省通知による基準ではございませんけれども、政策医療、不採算部門の医療をするためにはどうしても必要なお金であるということから、数年来、私たちとしてはずうっと主張し続けておりますが、全部査定されているというのが現状であります。決してやっていないわけではございません。
○髙嶺善伸委員 不採算の政策医療というものは、離島を抱えているだけに、公的病院の役割も大変大きいものがございます。財政側には、県議会もバックアップしますので、ぜひ措置をしてもらうように今後配慮をお願いしたいと思います。
 八重山病院の改築問題については、これまで何度も取り上げてきたんですけれども、現状と今後の見通しについてお聞かせください。
○知念清病院事業局長 八重山病院につきましては、老朽化が進んでおりまして、建てかえについて配慮していかなければならないと思っております。ただ、築年から言いますと、八重山病院は平均的に言って築27年であります。それに比べて宮古病院が30年から33年というふうな、一応順序と言いますか、建物の古さの点からいって、まず最初は宮古病院、その後で八重山病院も当然やっていかなくてはいけない。私も、八重山病院に院長で赴任していたことがありますので、その老朽化については知っておるつもりです。ですから、できるだけ早目に、宮古病院だけではなくて、八重山病院も改築を考えていかなくてはいけない。
 ただ、御存じと思うんですけれども、非常に県立病院は赤字財政でありまして、自分の力でこれを建てかえるだけの力がないと。それで、一般会計の方にも十分な支援をお願いするということになると思うんですが、その一般会計の方も今や大変な財政難である。そういうことで、今なかなか思うように計画が進行していないという状況がございます。
 ただ、老朽化という問題は、ほっておくと大変な問題に発展する可能性があるので、どうにかしてできるだけ早くめどが立てられるように、関係各部署との相談を重ねながら、その問題に取り組んでいるところであります。当然、考えの中に入っております。
○髙嶺善伸委員 やっぱり地方公営企業法施行規則別表第5号予算様式第4条予算関係、建設改良費及び企業債の元利償還の繰り入れについても、これまで全額やっていた年度もあるわけです。そういう意味では、この前の答弁では、財政が厳しくなってきたので、果たして病院の改築ができるかどうかわからないような後退した答弁があったものですから、そうではない。
 災害拠点病院というのは、国土交通省は耐震基準を満たさなければ災害拠点病院の指定を取り消すと言っておるんです。そうなると大変なんです。我々は、そういう離島医療中核病院として、災害の拠点病院ですので、そこしか公的病院としても頼れないわけです。こういう意味では、財政の問題は二の次で、命が先だということで、地方公営企業法施行規則別表第5号予算様式第4条予算、資本的な収入の部分でも一般会計からの繰り入れは可能ですので、その辺を我々はもうちょっと、宮古病院も八重山病院も含めてぜひ改築に大きく踏み込んで取り組んでもらいたい。これについてもう一度決意を聞かせてください。
○知念清病院事業局長 ただいまお話がありました元金償還金についての繰り入れの分は、確かに今2分の1ほどの繰り入れがなされております。だけれども、以前は全額繰り入れてもらっていたんです。それが今2分の1に減ったということもあって、これも実はずうっと財政当局の方には全額繰り入れてくれと、毎年私たちはそういうお願いをしているところであります。ただ、それが査定ゼロと返ってきているという事実はございます。こういうことは言いたくないんですけれども。努力はしております。
 もちろんおっしゃるとおり、改築に向けて頑張っていく、努力していく、今のところそれくらいしか明確にできないという非常に厳しい立場をぜひ御理解ください。
○伊波常洋委員長 当銘勝雄委員。
○当銘勝雄委員 病院事業局長には後ほどということで、企業局長、水問題についてお聞きをしたいんですけれども、新聞、マスコミ等報道で、沖縄県の最も大きな水源地、ダム近くでいろいろと枯れ葉剤の問題が出ているわけですね。そこで、水というのは、ここにいらっしゃる職員もおわかりだと思うんですが、かつて沖縄は干ばつで水がなくなって、九州から船で運んだことがあるんです。そういうふうに、水というのは簡単に持ち運びができるものではないということで、大変なことだったんです。ですから、私たちの生活にとりまして、これほど大事なものはないんじゃないかと僕は思うんです。
 そこで、米軍が北部訓練場で枯れ葉剤を使用したということがいろいろと報道されておりまして、この訓練というのが今どう行われているのか。企業局長は、前回、知事公室長でもあったわけだから、そこの流れもよくわかると思うんですが、ぜひそこら辺について北部訓練場で米軍はどのような訓練をしているのか、それについてお伺いいたします。
○花城順孝企業局長 これは知事公室の所管でございますので、照会を改めていたしましたが、まず北部訓練場は海兵隊の管理下にあります。したがって、海兵隊の訓練がメインでありますが、そのほかに陸軍、海軍、空軍の各部隊がゲリラ訓練などを実施しているという状況でございます。
○当銘勝雄委員 知事公室かもしらんですが、知事公室でもこれは当然聞きます。聞きますが、水を担当する企業局長に僕はいろいろと聞きたいと思うんです。そういう意味ですから。例えば、今ゲリラ訓練と言うんですが、これは、そこまでは答えられないと言うかもしらんが、前知事公室長ですから、このゲリラ訓練の規模とか、どういう頻度とか、そういうものについてどう掌握しているんですか。
○花城順孝企業局長 海兵隊等からは、事前に訓練の通知はございます。ただ、大ざっぱな期間程度が通知されるだけで、その規模、あるいは具体的にどういう時期にやるのかということについては、一切県の方には通告されていない現状でありますので、なかなか実態的にはとらえられない、そういう現状でございます。
○当銘勝雄委員 アメリカ軍というのは、ある意味では、私たち県民の生活は全然顧みない、これが実態ではないかと僕は思うんです。すべてのアメリカ軍の行動というのが、例えば学校施設にGMCですか、車を入れてみたり、幾ら注意しても、二度とやりませんと言うんだが、教育訓練をやりますと言うんだが、これが改善されない、これが実態じゃないかと思うんです。
 ですから、アメリカ軍の水源地あたりでの訓練については、ダム管理は国かもしらんですが、飲むのは私たちですから、きちっと企業局長は知事公室とも連携しながら、その辺は絶えず掌握していくという体制が必要だと思います。
 それでは、企業局が取水しているダムの水質調査についてはどうなされているか、これについてお答えください。
○花城順孝企業局長 企業局が取水しております国管理の福地ダム、県管理の倉敷ダム、企業局管理の山城ダム、金武ダムにつきましては、水質基準項目、あるいは水質基準を補完する水質管理目標設定項目、それからダイオキシン等企業局の水質検査計画に基づいて、合計139項目の水質を週1回ないし年1回の頻度で検査をしております。
○当銘勝雄委員 この水質調査というのは今139項目ですが、例えば湖底の調査、こういうものも含んでいるんですか。
○花城順孝企業局長 企業局としては、湖底調査は行っておりません。
○当銘勝雄委員 先ほどの調査の中に、ダイオキシンの話もありましたが、ダイオキシンというのは、私はよくわかりませんが水に溶けない、こういうことが言われているわけですよね。そうすると、溶けなければ、結果として湖底に沈むことになるんじゃないですか。どう考えますか。
○花城順孝企業局長 まず、水に関する土壌検査でございますが、環境基本法に基づいて設定された土壌環境基準のうち、土壌から水に溶け出した物質について水質検査を行うということでございます。これは、土壌に含まれる有害物質が水に溶け出して、その水を摂取することで人に暴露するという趣旨で設定されたものでございます。現在、企業局で実施しております水質検査につきましても、結果として土壌検査と同様の趣旨の検査であると考えておりまして、これらの水が水質基準を満足するということは、土壌由来の汚染を含めて安全であると考えております。
○当銘勝雄委員 そうすると、湖底に沈んだものも基本的には水に溶けないわけだから、そういう意味では安全だと、こういうような答弁だと理解します。
 それでは次に、水源地域の調査、これは水質、ダムの湖底、それ以外に水が取水される取水地域、そこら辺の調査というのが大事だと思うんです。そこで、動物の奇形も見られるというようなことも報道されております。その調査というのは、動物調査、あるいは植生調査、そこの土壌、この調査についてはどうなっていますか。
○花城順孝企業局長 企業局としては、水源林地域における御指摘の動物調査、植生調査、あるいは土壌調査等は行っておりません。
○当銘勝雄委員 それは行うとすれば、どこが行うと考えますか。
○花城順孝企業局長 基本的には文化環境部であると思っておりますが、文化環境部の方で、米軍の北部訓練場下流域の新川川などで実施した水質及び底質の、ダイオキシンに限って言えば、ダイオキシン類の濃度についてはいずれも環境基準を下回っている、こういう結果を文化環境部として出したということを聞いております。
○当銘勝雄委員 これについては、改めて文化環境部にも聞こうと思いますが、基準を下回っているということであるわけですが、この調査結果は基準を下回っているかもしらんが、例えば、人体に入る場合は蓄積していくという、例えば農薬なんかも、基本的にその場では大丈夫なんですが、摂取によってだんだんと蓄積していく、こういう問題があるわけです。そのものが調査結果では大丈夫であっても、今後の問題として出てくるわけなんです。ですから、これは追いかけて調査をせんといけないと思うんです。
 それから次に、那覇防衛施設局は、水質調査が県で行われているので、それをもって大丈夫だと、こう今言われているわけです。そこら辺も、ある意味では私は非常に疑問を持つわけです。これは、県が大丈夫だと言うのと、向こうは米軍に対しても追試に当たらない、こういうことになると思うんです。ですから、それは資料を提供するのはやむを得ないかもしれないですが、そういうようなことでこの訓練がそのまま行われていくということでは非常に問題だと考えます。
 さて、ペイント弾、これについても投棄があったということですが、これは水質には影響しないんですか。
○花城順孝企業局長 これにつきましては、前の議会等でいろいろと御説明はしておるわけでありますが、御指摘の平成19年1月5日のペイント弾が発見された事案でございますけれども、これについては、企業局としての対応は、まず福地ダムから原水を受水しております久志、石川、西原、北谷の各浄水場におきまして、臭気、色度及び魚水槽による水質監視を強化して、水質異常はないということを確認しておりますし、翌1月6日には、福地ダム、それからそれを水源としている久志浄水場の原水、それから処理水を採水しまして、水質基準項目を中心に水質検査を実施いたしました。その結果、カドミウムなどの重金属は検出されませんでしたし、その他の項目についても異常な値は検出されておりません。
 それ以降も、現在まで月1回の頻度でクロム、シアンなどの34項目の水質検査を継続して実施しておりますが、特に異常は認められておりません。
○当銘勝雄委員 異常を認められなければ幸いであるわけですが、いずれにしても、あの大事な我々の水がめに対してこういうものを投げ込むということ自体が、非常に非常識きわまる問題だと僕は思うんですね。これは本当に犯罪とやってもいいんじゃないかと思うぐらいなんですよ。これが結果として水質に影響するようなものがなかったからいいものの、水質に影響したならば、沖縄県民が本当に餓死するようなことになりかねないわけです。ですから、これに対しては、知事公室長にもまたやりますが、こういうのを許してはならないんです。後で何をするかわからない。ある意味で沖縄県民を非常に無視している、こう僕は指摘せざるを得ません。
 それから、ベトナムで使用された枯れ葉剤、これについて企業局長はどう認識されていますか。
○花城順孝企業局長 企業局としては、ベトナムで使用された枯れ葉剤の詳細について把握しておりませんけれども、新聞等の報道に依拠すれば、ダイオキシン類を含んだ除草剤であると考えております。ただ、実際に沖縄において枯れ葉剤を使用したかどうかについては、これは沖縄防衛局、外務省の回答でございますが、それを裏づける資料はないという回答があったということを知事公室から聞いております。
○当銘勝雄委員 これについては、ややもすると日米両政府は非常に隠したがる。隠さないとここの軍隊の維持ができないから、そうなっちゃうんですよ。ですから、新聞報道でも、元米兵が前立腺のがんにかかって、それについてはアメリカの退役軍人省の公文書でも明確にされたと、こういうことが言われているわけです。ですから、こういうことがあるにもかかわらず、日米両政府は、そういうものはなかったというようなことでは困るわけです。これは、うそをつくはずがありません。しかも、公文書だと言っているわけですから、これはただ単に日米両政府がこう言ったから、それでよろしいというような考え方を持ったら大変危険です。ですから、企業局長は、大事な水を、私たちの命の水を守るという視点から、強く監視してもらいたいと思います。
 もう時間がなくなりましたので、病院事業局長、先ほど髙嶺委員から累積赤字の解消についてもいろいろとありましたが、本会議でも年次ごとの未収金の回収についても一生懸命取り組んでいるということで、民間委託によってもかなり改善されたということがありましたよね。ここら辺についてお答えください。
○知念清病院事業局長 未収金の回収ということでありますけれども、本来は一番大事なことは、発生防止のために現場が一生懸命努力することだと思います。一たん発生してから回収するということは大変困難を伴うことですので、まずそれを私たちとしては、現在、各病院とも話し合いながらその努力をしているわけでありますけれども、こういう職員の回収以外に、やはりどうしてもうまくいかないというときには、債権回収サービス業者の方にも平成18年度末から行っているところであります。まず職員が頑張るということが大事だと思います。それでも職員だけではどうしてもだめだという場合にお願いするということで、現在、未収金担当の職員が各病院におりまして、それ以外に病院によって違いますけれども、少ないところで1人、多いところでは4人の嘱託職員をつけて、その回収業務に励んでおるところです。
 現在のところ、始めたばかり、平成18年度に始めまして、大体サービス業者のお願いは、まず平成18年度は沖縄本島内病院のみであります。平成19年度、全県立病院に広げていって、この業績を上げていきたいと。今までの回収額としては214万7239円となっております。平成19年8月末の実績では214万7239円。まだ1%以下と。要請した委託債権の0.9%ということで、まだ実績は十分上がっておりません。これから少しずつよくなっていくであろうと思います。
 それから、今回から単に債権回収業者にお願いするだけではなくて、一定の条件を満たす債務者に対しましては、支払い督促の申し立てを裁判所にお願いして、裁判所の方から支払い督促を受けたにもかかわらず、なお支払いに応じない、しかし支払い能力はあるという、悪質と言いましょうか、そういう例に関しましては、強制執行、いわゆる債権差し押さえ、命令申し立てなどを行いまして債権回収を行うこととしておりまして、現時点でまだ実績はありませんけれども、北部病院と八重山病院に各1人ずつ強制執行を実施することを決定して、手続中であります。ちゃんと払えるにもかかわらず払わないということがちゃんと成立しまして、やっぱりそれをしないという人には、今回からは強制執行もやっていこうと。現時点では2人、そして、まだ手続中で実際にはやっておりません。その確定額は2人で約240万円であります。
○当銘勝雄委員 通告を出してあったので随分答えていただいておりますが、債権回収業者はどういうようなものですか。
○桃原幹雄病院経営管理監 未収金回収の民間委託の状況でございます。民間業者、これは回収の豊富な経験とノウハウを有しているということで、効率的な回収手段を期待しているわけでございます。それで、この部分につきましては、未収の事案の、私どもの方でなかなか困難と思われるもの。病院事業局長の方からもありましたが、未収金額が5万円以上で納付期限から3年以上経過し、なかなか収納に至っていないという債権をお願いしているんですが、これは県内の方に1社のみが法的に資格を取っている業者がございまして、そちらの方に委託をして現在取り組んでいるところでございます。
○当銘勝雄委員 先ほども病院事業局長が、ちゃんとした条件を満たさないと裁判にも訴えないということでしたが、その業者によって無理な取り立てをやられたのでは大変ですので、そこら辺はひとつ気をつけて、どうしても払えるが払わないというような人に限ってやるという方向が僕は望ましいと思いますので、そういうのを頭の中に入れてやっていただきたいということで終わります。
○伊波常洋委員長 渡嘉敷喜代子委員。
○渡嘉敷喜代子委員 話の流れ上、企業局長から最初に質疑させていただきます。
 私が通告しましたのはほとんど当銘委員がやりましたので、重複しないように質疑したいと思います。
 まず最初に、企業局長の経営理念をお聞かせください。
○花城順孝企業局長 御質疑は企業局の経営理念ということでお答えをいたします。企業局は地方公営企業でございまして、地方公営企業法の第3条で、地方公営企業は常に企業の経済性を発揮するとともに、その本来の目的である公共の福祉を増進するように運営されなければならないという経営原則が定められております。企業局としましては、この経営原則にのっとって、安全でおいしい水を低廉な価格で安定的に供給し、もって県民福祉の向上に寄与する、そういう経営理念で運営をしております。
○渡嘉敷喜代子委員 県民の水の安全を守っていく、これが企業局の経営理念になるわけですよね。それでは、本当に水が安全なのか、先ほど当銘委員からの話がありましたように、せんだって嘉手納基地でのジェット機の燃料が4日間も20キロリットル垂れ流していたと。それが地下に浸透していくということは、もう目に見えているわけです。
 その中で土壌の採取もできなかったということですけれども、それ以外に、基地内の井戸水を取水しているわけですよね。その件については本当に土壌の調査をやらなければいけないんじゃないかという思いがするんですけれども、そのあたりはどうお考えでしょうか。
○花城順孝企業局長 嘉手納井戸群について企業局の対応でございますが、水質につきまして、水質基準項目、それから水質基準を補完する水質管理目標設定項目等、企業局としての水質検査計画に基づいて週1回から年1回の頻度で検査をしております。さらに、嘉手納井戸群を水源としている北谷浄水場におきまして、これは毎日でございますが、原水の臭気、pH、濁度、色度及び魚水槽による水質管理を行っております。
 企業局としては、御指摘の嘉手納井戸群周辺の土壌検査は行っておりませんが、水質検査を引き続き行って、安全な水を供給していきたいと考えております。
○渡嘉敷喜代子委員 県民の水の安全を守る立場から、やはり企業局の責任で、企業局長の責任で日米両政府に対して水源地内の訓練等、そういうことの実態調査も求めていかなければいけないということですけれども、そのことについて実態調査をしていくお考えがあるのかどうか、お尋ねしたいと思います。
○花城順孝企業局長 基地問題は、基本的には知事公室が窓口となって対応することになっております。当然、知事公室としても嘉手納基地内の環境調査等については常に求めているわけでありますが、現実にはなかなか実現しない、そういう状況であります。
もちろん企業局としても、基地内に水源があるということでございますから、そういうことが当然行われてしかるべきだと思っておりますし、そこは知事公室で頑張っていただきたいと思っております。
○渡嘉敷喜代子委員 花城企業局長は知事公室長だっただけに、立場が違ってくるわけですね。今回は水事情として、安全な水を県民に与えていかなければいけないという立場から、やはりもっと積極的に知事公室長とも連携をとりながらそういうことをやっていただきたいと思います。
 そして、基地の汚染について、日米地位協定によって基地の中の調査はできないということになっておりますよね。ところが、ドイツや韓国においては、汚染されたということがわかると即調査をしていっているわけです。そういうことでも、これから本当に水を守るという立場から、企業局長はこれからもしっかりと頑張っていただきたいと思います。
 それから、検査体制は整っているという先ほどからの答弁ですけれども、139項目についての検査の内容、週1回とか、あるいは毎日とか年1回とかやっていらっしゃるようですけれども、その内容について教えていただきたいと思います。
○赤嶺永正水質管理事務所長 企業局においては、毎年度、開始前に水質検査計画というのを策定しまして、それに基づいて検査をするわけですが、水源についても福地ダムを初め検査計画にのっとってやるわけですが、まず水質基準項目50項目についてやります。これを年1回です。そしてまた、水質基準項目を補完する項目として、水質管理目標設定項目27項目ありますけれども、それについても、これは水質基準項目と重複するところがあります。それを除いて12項目についてやっているということであります。
 それから、水質管理目標設定項目の中に農薬項目というのがありまして、その農薬項目が101項目ありますけれども、ダムについては、沖縄で流通している農薬という中で66項目についてやっていると。さらに、水質管理の必要項目としまして、企業局独自で行う水質項目というのがありまして、それについて設定をしまして、21項目、そうしますと合計139項目ということになります。
○渡嘉敷喜代子委員 質疑通告の中で、私は検査体制の強化をしていくために、やっぱりサンプリングの回数をふやしていくべきじゃないかということを質疑しましたけれども、では、この必要はないということでしょうか、企業局長。もうこれ以上のサンプリング調査などは必要ないということでしょうか。
○赤嶺永正水質管理事務所長 水質検査の頻度についてですが、ペイント弾発見後のダム関連の検査、それから嘉手納基地内のジェット燃料流出事故に伴う水質検査、これについては従来の年1回の頻度を強化しまして、詳しい試験としまして月1回、現在続けてやっているという状況であります。
○渡嘉敷喜代子委員 ペイント弾が投棄されて以降、頻度を上げて検査をしているということですが、やはり気になるのは、比謝川とか、基地の中のも含めてですけれども、比謝川の水も汚いと言われていますよね。そういう汚染された地域の水と、それからダムから取る水を浄化していくための薬品、その比率はどういうものでしょうかね。普通のダムから取水するものと、あるいは比謝川の水への薬品の状況、比率をお願いします。
○比嘉博樹配水管理課長 ただいまの委員の質疑ですけれども、比謝川及び嘉手納井戸群の水源と他の水源、その薬品の違いということが御質疑かと思いますが、それについてお答えいたします。
 まず、比謝川等の中部河川につきましては、北谷浄水場において浄水処理をしておりますが、通常処理に加え、高度浄水処理、これは中身としましては生物処理、オゾン処理、粒状活性炭処理を行うことで対応しておりますが、北谷浄水場での浄水処理にかかる1立米当たりの、これは費用にしまして薬品の比較をしておりますが、北谷浄水場での処理費用が1立米当たり2.15円になっております。
 次に、主に北部ダム水を処理するうるま市の石川浄水場の処理の費用が2.16円と、ほぼ同じ費用となっております。
 次に、嘉手納井戸群につきましては、水質的には非常に良質でございますが、地形的な影響によりまして、石灰岩の影響によりまして硬度が高くなっておりますことから、この硬度の低減化、おいしい水の供給という観点から、硬度低減化施設によりまして硬度の低減を図っております。硬度低減化にかかる薬品の1立米当たりの費用が18.15円ということになっております。
○渡嘉敷喜代子委員 ちゃんと検査していて支障はないよとおっしゃいますけれども、やはり私たちは、水の安全性に異常はない、基準以下であるからということですけれども、それが体内に蓄積されていったときにどうなるんだろうか、ダイオキシンの問題もそうなんですけれども、それが心配でならないわけです。皆さんは専門家だから、こういうことをやっていますよ、ああそうですかとしか私たちも言えないけれども、そのあたり、県民の水を守っているという意味で、これからもちゃんと頑張っていただきたい、基地内の実態調査も含めてお願いしたいと思います。
 それでは、病院事業局長にお尋ねします。
 けさの新聞に、精神合併治療に関しての記事が載っておりました。私は、去年の決算特別委員会でもこの件について、何で開設できないのかという質疑をいたしました。そして、ことしの4月から開設されたということですけれども、県内で精神合併症の治療をする場所というのは、今回の県立南部医療センター・こども医療センターができた時点で、やはり多くの県民の願いで病院が開設されたという大きな意味もそこにあると思うんです。
 せっかく開設されたにもかかわらず、看護師の不足で閉鎖するということになるわけですけれども、どうなんでしょうか。看護師が産休とかで休んで、あと代替要員として入ってくる。新聞報道によると、待遇面が問題じゃないかということが出ております。それと、精神合併症の治療に当たって今後どうやっていくのか、そのあたりをお聞かせください。
○知念清病院事業局長 今回、精神科病床を11月から、19床あって、そのうちの重症患者を収容している5床は残しますけれども、割と軽症な身体合併症を持っている14床の方は、看護師の数が確保できるまで閉鎖する、休床すると。休床でありまして、人が、看護師が4月から新しい人が来るわけですけれども、その前にでも人が見つかれば再開、いつでもやろうとは心がけております。
 今回のことにつきましては、南部医療センター・こども医療センターの場合には、看護師の退職者が非常に出たり、産休、育児休業、そういう方がおりまして、かなりの数が休みまして、どうしても病棟業務が過重労働で、看護師がどうしても対応できないというふうな問題があります。それで、どうにかしてくださいと病院事業局にやってまいったわけでありまして、私たちとしては、どうしても看護師不足で過重労働で、1人休むとまたそれが原因でまたもう1人休むというふうな悪い状態にならないように、日常業務がスムーズにできないというのであれば、休床するのもやむを得ないなとなって、その折には、私たちとしては、一番よく知っているのは現場の方であるから、現場の方から休床したいと言ってきたときには、現場を知っているのは現場であるから、現場の方でどの病床を休床に持っていくかということを十分検討して、その中で適切な措置をしてくださいということでお答えしたわけです。
 その結果、14床に関しまして11名の看護師さんがあそこに勤務しておったんですけれども、それくらいがちょうど合うというふうなこともあったのかと思います。詳しいことに関しましては、南部医療センター・こども医療センターの安次嶺院長がきょう出席しておりますので、よろしくお願いします。
○安次嶺馨県立南部医療センター・こども医療センター院長 ただいま知念病院事業局長の話されたことに対して補足いたします。
 実は、ことしの4月にこの病棟をオープンしたときにも、私どもの病院は看護師が12人欠員でございました。ですから、あのときでも看護スタッフが十分いてこの病棟をオープンしたわけではないんです。
 では、なぜオープンしたかということになりますが、実は1年間休床していまして、特に重症な身体合併症を持つ精神科の患者さんの入院については、精神病関係者から大変要望が強かったことがございました。そういうことで、私たちもできるだけ早く病棟をオープンしたいと思っていました。それで、私たちも4月の時点では本当に欠員のままオープンできるかどうか大変悩みました。しかし、その12人も、ほかの病棟からある程度応援を求めれば何とかやれるのではないかということで、ある意味では欠員を抱えたまま、それだけ私どもの病院の役割として求められている政策医療を担うということで、ある意味では無理をしてオープンしたという状況がございます。
 そして、オープンしますと、ほとんど満杯という状況が続いていました。それで、私たちは看護師が足りない分を採用してまいりました。ところが、残念ながら、労働過重のために、採用する看護師よりやめる人が多いということでございまして、当初12人だった看護師がだんだん欠員がふえてまいりまして、ついに10人ということになりました。これで私たちも、もうやむを得ず、本当に涙をのんで休床ということに至ったわけです。
 そういう意味で、大変無理をしてオープンしたというのが、結果として、それが継続できなかったということでございます。ですから、人によっては、あのときに簡単にオープンして、また簡単にやめて、全然一貫性がないと言われるかもしれませんが、私どもは、先ほど申し上げましたように、県民からの要望があると、無理をしてオープンした、しかもそれが非常にニーズが高かったというところで、これまで無理に無理を重ねてやってきたところでございます。しかしながら、看護師の業務過多のために、今回このような結果になりました。
 しかしながら、また新たに今度、県も看護師を採用しましたし、一日も早く看護師を採用して、そしてこの貴重な病床をオープンしたいと考えております。
○渡嘉敷喜代子委員 ありがとうございます。それだけ求められて開設したということにもつながるわけですよね。そういう合併症の方が県内にどれぐらいいると推測されますか。
○安次嶺馨県立南部医療センター・こども医療センター院長 実は、従来も私どもの病院だけでなく、県立中部病院も、それから那覇市立病院も、その他多くの病院が、精神科の患者さんで体の病気を持った方々を実は診ているんです。ですから、この病棟が閉鎖されたから、全くそういう合併症を持った精神科の患者さんが診られなくなったというわけではありません。従来は無理して診ていました。
 ただ、この病棟は、特に5床の病棟は、1看護単位として非常に厚い看護体制のもとに十分な合併症の患者さんを診るという体制です。それで、県の精神医療関係者でも、いつでも急患として合併症を持った患者さんを受け入れるには最低5床は必要だと言われておりました。もちろん、中等度の患者さんがまだたくさんおられます。これは何十人、何百人とおられると思います。この5床というのは、今回も私どもは閉じないであけておくと。そして、ほかの一般病棟でやはり精神科の患者さんで合併症を持った患者さんを診ていくということでございます。
○渡嘉敷喜代子委員 精神合併症を持った人を救急で運んでこられたときに、一般の病院とか精神科では診られないという状況で、これは本当に求められていることなんですよね。ですから、一日も早くまた開設していただきたいという思いでお願いしたいと思います。
 それから、このことにもつながるのかなと思いますけれども、北部病院の産婦人科が休診したことによって中部病院にかなり異常出産とかの人たちが流れ込んできたと。そして、北部病院の産婦人科が休診したことによって、それ以降、妊婦が定期健診を受けられなかった状況にあったのかどうか、そのあたりをお聞かせください。
○安慶田英樹病院企画監 妊婦の健診ということですけれども、従来、北部地域では1000人から1100人ぐらいの出生がありまして、民間の診療所で800人ぐらい出産を診ておられます。現在も2つの診療所で主に妊婦の健診をしておられると思います。それから、医療上必要な患者さんは中部地区の産婦人科病院に紹介してもらって、そちらで健診を持続しているという形になっております。
○渡嘉敷喜代子委員 それを聞いて安心しました。全国的に見たときに、経済的な問題とか、いろいろその人の意識の問題とかがあって、妊婦が健診を受けないで、そういう人たちに限って早産とか異常分娩が言われておりますね。この間、県外でもありました20件の病院をたらい回しにされたという状況で、そういう異常の分娩をする人をなるべく受けたくないというような思いがあるんですよね。今、北部地区でしっかりと健診を受けているということで安心いたしました。
 そして、医療不足で、その確保のためにそれぞれ努力していると思うんですけれども、医師確保のため、研修医の段階からスカウトするのに人員を専門的に配置しているのか、そのあたりをお聞かせください。
○安慶田英樹病院企画監 研修医の確保に関する御質疑と理解しますけれども、実際、研修医の確保は、各病院に研修委員会というのがございまして、研修委員会が各病院のホームページに研修プログラムの紹介とか研修医の募集案内を出しております。それが1つです。
 それから、学生が夏休みに病院見学に来るというようなことで、オープンにして病院見学をしておりますし、中部病院などは、県外各地で病院説明会等をして研修医の募集をしております。したがって、専任の職員、スカウトのような職員は配置しておりません。
○渡嘉敷喜代子委員 やはり県立病院に限らず、ほかの民間病院についても、全国医者不足のために研修医の確保のために、専門の人を置いているという状況なんです。そういう意味からも、もっと積極的な働きかけも必要かなと思います。
 そして、この研修医を確保したときに、地方で働くという義務づけの施策もとられているのかどうか、お尋ねしたいと思います。
○安慶田英樹病院企画監 県立病院の後期研修医、卒後3、4年目の医者ですけれども、研修終了後、原則として1年間県内の医療機関の勤務を義務づけられております。離島診療所であるとか、離島の宮古、八重山の県立病院、北部病院等に義務づけが出ておりますし、それからまた、プライマリーケアコースというコースの研修がありまして、この研修医には原則1年間、こちらは離島・僻地診療所の勤務が義務づけられております。
○渡嘉敷喜代子委員 平成19年度から新設されました5年から7年の研修生、そのことによって医者不足解決までどれぐらい見込まれるのか。
○知念清病院事業局長 今までは4年間の臨床研修生を採用しておったわけですけれども、やはり4年間では足りない、専門医の資格を取ってもらうには5年から7年かかると。そういたしますと、専門医の資格が取れれば、そのまま定着してもらえる確率が高くなるのではないかと。4年ですと、専門医の資格を取るために足りませんので県外に出ていきます。その人たちは帰ってこない。その確率が高い。それで、5年から7年までと延ばしたわけでありまして、ついでに、その間には離島医療の経験を義務としてやっていただくということにしております。
 その5年から7年の制度が始まったのが平成19年度、今年度からなので、今のところ、4名しかおりません。それで、今後こういう人たちが5年目以降の医師となりますと、かなり力もつきますし、若さもばりばりの医師ということで、大変日常診療の力になってくれると期待しております。これからそういう人たちがどんどんふえていけば、医師不足の解消にもつながるだろうと思って期待しているところでありますけれども、まだ始まった時期でありまして、今後どれだけの方がこの5年の人たち、あるいは6年、7年という数がまだはっきりわかりません。それで、今のところ、明確にこれだけの医師不足の解消につながるとは言えませんけれども、間違いなく力になって沖縄の医療のために尽くしてくれると思っております。
○渡嘉敷喜代子委員 やはり定着させるということも手当の問題も出てくると思うんです。今回、医師の手当が削除されましたけれども、この医師の手当の暫定手当がこれまでありました。それがなくなって見直された以降、急激に公務員医師が民間病院に流れていったということもはっきりしているわけです。そういうことで、本当に専門職としての処遇、それから労働改善、そういうことを解決していかなければ解決につながらないんじゃないか、医師も定着していかないんじゃないかという思いですけれども、病院事業局長の思いを聞かせてください。
○知念清病院事業局長 県立病院の医師を適切に、かつ安定的に確保していくためには、医師確保は極めて重要な課題でありまして、私たちも常にそれを心がけているわけです。ただ、その医師手当につきましては大変大きな問題で、医師不足につながりかねないということもありますので、他の公立病院の給与制度や県立病院の経営状況も見ながら、医師不足にならないように慎重に検討していきたいと考えております。
○渡嘉敷喜代子委員 平成18年度から債権について私法上の債権が施行されることになるわけですけれども、これまで5年で時効になったものが私法上3年で時効になると。それも、本人から申し出がなければ時効にならない、ずっと続いていくということですよね。そうすると、今までの未収額がまたどんどんふえていくという可能性もあるのではないかということをきのうも質疑しましたけれども、そのあたりを病院事業局長はどうお考えでしょうか。
○知念清病院事業局長 おっしゃるように、平成17年11月21日に、最高裁判所で従来の公法上の債権とされていた消滅時効期間5年間というのが3年になりました。民法と同じように3年と解すべきであり、かつ援用がなされないと債権の消滅はしないということになりまして、というと、患者の側から援用すると言うか、そういう申し立てがないと不良債権の処理ができないということになって、当然、平成17年度以降は債権を取り立てることができなくなっても、そのまま残っていくということで、不納欠損処理が大変やりがたくなりました。援用しないと、いつまでも残ります。
 そういうことで、過去、平成17年度以降、不納欠損額が、平成14年度が4800万円、平成15年度が7900万円、平成16年度が7700万円と、4000万円から7000万円台で不納欠損処理をしておったわけですけれども、平成17年度になって268万円、350万円と、10分の1以下に不納欠損額が減ってまいりまして、それだけ債務が増してきた、未収金が増してきたということになっております。
○渡嘉敷喜代子委員 これまで5年間で時効になった件数と金額をトータルでお願いします。
○當眞正和病院事業局次長 平成17年度から、病院事業局長が答弁したとおり、私法上の債権ということになっているので、平成16年度まで公法上の不納欠損処理した、平成16年度以前の5年間のデータがございますので、平成12年度から平成16年度までの間、公法上の処理で不納欠損した額はトータルで3億621万円余りでございます。件数は8335件でございます。
○渡嘉敷喜代子委員 先ほどの病院事業局長の説明にもありましたように、私法上になったときに債権取り立てができないということで、結局は未収額として処理されていく、その分ふえていくということが出てくるわけですよね。そうすると、私法上の債権というのは、施行後、どの時点で効力が発生するのか。さかのぼってということはありませんね。
○知念清病院事業局長 私法上の債権としての効力については、最高裁判所判決後の債権から適用されるのではなくて、最高裁判所判決以前のすべての債権についても適用されるということであります。
○伊波常洋委員長 内間清六委員。
○内間清六委員 病院事業局長にお聞きをしたいと思います。
 県立病院の厳しい運営状況につきましては、県民は大変心配をされております。私ども議員も、それを代弁して議場でいろいろと質問をしているわけでございます。そこで、県病院事業局におきましてもいろいろと解決策についての努力をしてきておられるわけですが、その1つの解決策として経営形態を地方公営企業法の一部適用から全部適用に移行したことにより、運営の状況がどう変わったか、また、適用年度の初年度の総括と今後の見通しについてお聞きをしたいと思います。
○知念清病院事業局長 少し長くなりますけれども、今後のことにもかかわってまいりますので、ちょっと長目ですけれども述べさせていただきたいと思います。
 県立病院事業が県民の医療ニーズに適切にこたえていくために、平成18年4月1日より地方公営企業法の全部適用に移行いたしました。地方公営企業法の全部適用に移行したことによりまして、特別職の管理者、私でございますが、管理者を設置できて、人事権や組織改編の権限、知事からの広範囲な権限の移譲を受けて、医療環境の変化や経営状況に対して迅速かつ柔軟な対応が可能となっております。
 まず、地方公営企業法の全部適用をして行ったことは、組織的なものですけれども、本庁2課あったものを1課体制にして、組織の統合化、一体化を図ったということであります。それから、病院収入と支出を同一部門でチェックするため、各病院に経営課を設置したということであります。経営課を設置することによって収入、支出を同時に一遍に見れるということです。それから、各病院における経営面の強化を図るために、経営分析担当職員を配置した。また、今年度、即戦力の看護師を確保するために、看護師の受験の上限年齢を28歳から35歳に引き上げたところであります。もう1つは、病院事業専用職員を確保育成するために、平成20年度からになりますけれども、新規職員4名を病院事業局で採用して、4名なので各病院ではありませんが、病院に配置していきたい、そしてそれをふやしていきたいと考えております。
 また、職員ですけれども、職員が地方公営企業法の企業職員として位置づけされたことにより、企業意識、経営意識の高まりが見えてきた。要するに、地方公営企業法の全部適用ということで、一生懸命みんなで力を合わせて経営改革にも病院運営にも乗り出しているわけでありまして、それが少しずつ明るい未来が見えてきたということであります。各病院の職員が自主的に経営改善にかかわる院内法を作成したり、経営の数値目標、成果などを院内掲示板へ掲示して全職員に周知を図るなどの取り組みが見られております。
 一番大きかった変わり方は、病院事業局長を中心に、各病院の院長、事務部長、看護部長で構成する経営改革会議というものを平成18年度から設置しておりまして、その各病院の経営状況をリアルタイムで把握するとともに、共通問題の解決方法を協議することにより経営の改善を図っているということでありまして、平成18年度に6回、平成19年度これまでに4回開催しております。
 平成18年度、大変な赤字が出ましたけれども、これはいろいろな悪い条件が重なってそうなったのでありまして、それから、ことしに入ってどうやらその成果が見られてきていると私は考えております。
 今後の見通しですけれども、ただ、今後の国の総医療費の抑制傾向、民間医療機関の進展、それらに伴う患者数の減少傾向及び県財政全体の逼迫を念頭に置くと、県立病院事業の今後の経営状態は厳しい状況が続くと考えております。
 このような状況を踏まえまして、病院事業局としては、県の財政負担能力の範囲内で県民に必要な医療を将来にわたって適切に、安定して提供していくためには、さらなる改革が必要と考えております。そのために、既に発表いたしましたけれども、庁内関係部局による検討体制を敷きまして、県立病院の今後の経営形態及び運営体制、その変更も含めた、地方公営企業法の全部適用だけでいいのかということも含めまして、抜本的な改革を検討していきたいと考えております。
○内間清六委員 丁寧な答弁がありましたので、この件につきましてはこれ以上聞くことはございませんが、健全経営にぜひとも頑張っていただきたいとお願いします。
 次に、県立南部医療センター・こども医療センターの開院により、離島医療診療応援に大きな期待が寄せられております。平成18年度の実績について具体的な説明をお願いしたいと思います。
○安次嶺馨県立南部医療センター・こども医療センター院長 それでは、南部医療センター・こども医療センターの平成18年度の離島医療支援について、実績についてお答えいたします。
 まず、県立八重山病院でございますが、産婦人科を中心に延べ20人の医師が194日間応援をいたしました。そのほかに、小児科は4人、延べ8日間、外科は1人2日間の応援をしております。
 次に、県立宮古病院でございますが、脳神経外科を中心に1人の医師が隔週ごとに火曜日に派遣されて、外来診療で延べ24日間行っております。そのほかに、小児科の2人の医師が3日間の診療を行っております。
 次に、公立久米島病院でございますが、延べ139人の医師が延べ235日の応援を行っております。その内訳ですが、内科医師延べ57人で延べ133時間、外科医師18人で延べ30日間、整形外科を含むその他の診療科の医師54人が延べ55日間行っていますし、それ以外に薬局の薬剤師、放射線科の技士というコメディカルが10人、延べ18日間応援をしております。
 また、そのほかに、北大東診療所、渡名喜診療所、阿嘉診療所、座間味診療所、粟国診療所は附属診療所でございますが、そこには62人の医師が延べ82日間の代診を行っております。
○内間清六委員 どうもありがとうございました。
 次に、一般会計から病院事業会計への繰り入れにつきましてはいろいろと基準があるわけでございますが、その中で、離島医療への繰り入れの状況について伺いたいと思います。
○當眞正和病院事業局次長 離島医療への繰り入れの状況なんですが、いわゆる離島診療所ではなく、宮古、八重山などの離島医療なんですけれども、そこに係る繰り入れにつきましては、総務省基準に乗っかっておりません。該当しない状況になっています。しかし、病院事業局としましては、これも間違いなく1つの政策医療ということで実施しておりますので、それに伴う医師手当等の増嵩費、経費については当然繰り入れるべき経費であるという考えのもとに、財政当局と調整を行っております。しかしながら、これまでのところ、予算措置には至っておりません。今後とも、引き続きその要求をして調整していきたいと考えております。
○内間清六委員 病院事業全体として、一般会計から基準に基づいて繰り入れされるわけですが、それ以外に基準外に繰り入れされているのがありましたら、その状況について伺いたいと思います。
○桃原幹雄病院経営管理監 平成18年度におきまして、財政当局の方で基準外の繰入額として予算措置をしたものでございますが、まず1つには、週40時間実施に伴います経費が3935万1000円でございます。2つ目に、退職手当に係る経費が4857万9000円、合わせまして8793万円となっております。
○内間清六委員 この件については理解いたしました。
 次に、ジェネリック医薬品の使用状況について伺いたいと思います。
○桃原幹雄病院経営管理監 いわゆる後発医薬品の使用状況でございます。県立病院全体におきます後発医薬品の採用の状況でございますが、平成17年度末から御説明いたします。平成17年度末が670品目で、これは採用率としましては6.3%でございます。平成18年度末では891品目の8.5%でございます。891品目が全体の8.5%に相当するという意味でございます。
 ちなみに、平成19年度上半期現在では819品目になってございます。これは9.3%に相当いたします。
○内間清六委員 病院としては、ジェネリック医薬品の使用を進めているわけですが、こういう進める理由についてちょっと聞きたいと思います。
○桃原幹雄病院経営管理監 後発医薬品につきましては、まず医薬品としての材料費の節減という観点、それから患者負担の軽減を図る、この観点からもその採用の促進に当たるべきと考えております。
○内間清六委員 この件、理解いたしました。
 次に、未収金の回収の方法等についてでございますが、翌年度繰越欠損金、累積赤字なんですが、204億4902万2518円ございまして、そして平成18年度の個人負担の医薬未収残高が18億6000万円、これは前年度に比較しまして約1億4000万円の増加となっておりますが、未収金の今後の回収方法について伺いたいと思います。
○知念清病院事業局長 先ほどもお答えしたとは思いますけれども、まず、院内の未収金の回収に対する認識を非常に高めまして、これが経営に大きくつながるものだという認識を高めることによって、まず予防策を図るべきであるし、図っているというところであります。各医師、看護師、事務職、一致協力して未収金回収対策委員会のようなものをやっておるわけでありますけれども、それ以外に、病院側で自力で回収が困難と判断された未収金には、平成18年度から債権回収サービス業者にも委託をしているというところでありまして、これは民間債権回収業者でありますけれども、やっておるということであります。
 さらに、一定の条件を満たす、支払い能力があると思われる人たちには、支払い督促の申し立てを行っていると。その支払い督促に対してもまだ応じない、そして支払い能力があるにもかかわらず支払わないという悪質な者は、ちゃんとその前後の状況を調べまして、場合によっては強制執行ということで債権の回収を行うことを考えております。
 先ほど申しましたが、平成19年9月末現在では、2人の債務者について強制執行を実施することを決定しておりまして、現在手続中であります。
○内間清六委員 この件につきましては、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 次に、病院の収益性に大きな影響を及ぼす要素といたしまして病床利用率があると思われます。そこで、県立病院の利用状況につきましてお聞きをしたいと思います。
○知念清病院事業局長 県立病院全体の病床利用率の状況について、許可病床と稼働病床というのがございますけれども、許可病床、許可された病床の中で病床利用率が悪いところ、入院している患者の非常に少ないところは、それを休床と言いますか、病棟を閉じて、実際にはそこはオープンしておりません。
 それで、稼働病床、実際に動いている病床で言いますと、平成17年度が、そのときは7つでしたけれども86.9%、平成18年度が90%、平成19年度、これは4月から8月の累計になりますけれども、それでは94.7%となっておりまして、平成17年度、平成18年度、平成19年度というふうな形で少しずつ延びていっているという状況がございます。
 平成19年度の4月から8月までの累計の病床利用率を平成18年度と比較しますと、前年度と同率である八重山病院を除き、その他の病院においてはすべて高くなっております。病床利用率の向上のためには、地域医療機関との連携が不可欠であることから、今後も引き続き地域医療機関との連携体制をより強化して、効率的な病床利用に努めてまいりたいと思っております。
○内間清六委員 ぜひ利用率向上のために頑張っていただきたいと思います。
 次に、医師の偏在について、都会に多くなって、離島に行きたがらない傾向があると聞いておりますが、その解決策としてどのようなことが考えられますか、伺いたいと思います。
○知念清病院事業局長 離島勤務に関してですけれども、医師の偏在、なぜ都会に多くて離島に行きたがらない傾向があるか。これは実際、既に各報道機関でも伝えられているところでございます。今のところ、全国の医師の離島勤務に関する意向については把握しておりませんけれども、沖縄県医師会が沖縄県の勤務医にアンケート調査をことしの4月に行ったところによりますと、県内勤務医の場合は離島勤務に約3割は興味がある、そして行ってみたいと希望もしているということであります。20代に限れば、約5割の医師が離島勤務に興味があって、希望もするという結果が出ております。その理由は、プライマリーケアを中心に勉強することができると回答をした医者が多かったということであります。
 病院事業局においては、以下のような、離島の県立病院及び附属診療所に勤務する医師を確保しております。
 まず、後期臨床研修を行った4年次終了後の離島勤務の義務づけということであります。それから、後期臨床研修5年から7年次を着実に実施するということ、自治医科大学卒業生を離島診療所に配置する、プライマリーケアコース医の活用、離島医療勤務を希望する医師の募集、ホームページなどを通して募集して、それにまた応じてくるドクターもおられます。それから、専門医派遣事業、そういうものを通して離島医師の確保に努めております。
○内間清六委員 これから後は管轄外になるかと思いますので、質疑というよりは私の方からお願いをしたいと思います。公立久米島病院は今、一部事務組合になっているんですが、当初どうしても県立病院としてお願いしたいと強く要請をいたしたわけでございますが、島としてなぜ県立病院かといったときに、離島の市町村では医師の確保はなかなか難しい。離島の市町村長が診療所の医師の確保に大変苦労された経緯等がありまして、どうしても県立病院でお願いしたいということで要請はしたわけです。いろいろと話し合いの結果において、今、県と久米島町の一部事務組合ということで運営されてきているわけですが、そこでも医師の確保というのは非常に難しいことでございます。
 当初、この医師の確保については県が責任を持つということで、一部事務組合として設立をしてきたわけですが、今、医師の確保となりますと、離島医療組合が一生懸命やってはいるわけですが、どうしても県の協力なくしてなかなか解決できる問題ではございません。どうかそこらあたり、福祉保健部の管轄にもなろうかと思いますが、病院事業局も一緒になって、ぜひ離島医療のために医師の派遣等につきましては協力をお願いしたいということを申し上げまして、私の質疑を終わりたいと思います。
○伊波常洋委員長 休憩します。
   午後0時4分休憩
   午後1時24分再開
○伊波常洋委員長 再開します。
 午前に引き続き質疑を行います。
 上原章委員。
○上原章委員 重複することがないようにということでございます。午前中で、私が質疑したい部分で何点かありますので、それは省きたいと思います。
 まず、病院事業局長にお尋ねします。
 今回の決算、前年度が47億円の赤字、今回が50億円の赤字と。病院事業がこれからもこの赤字というのがずっと続くのか、非常に心配しているわけでございます。県立病院、公立病院の役割、使命というのは、公共の医療を提供する責任の一方で、また経営の健全化もしっかり図っていかなくてはならないという思いがしますが、この赤字経営の原因、先ほど午前中の答弁では、ここ平成18年度、また昨年も特殊なそういう要因があったというようなお話もありました。平成19年度から大分改善していくというような見通しもありましたが、原因及び対策、今後の見通しをいま一度お聞かせ願えますか。
○知念清病院事業局長 それでは、赤字経営の原因と、それから私たちが考えております対策、今後の見通し等について、これもまた少し長くなりますが、答弁させていただきたいと思います。
 まず、赤字経営の原因でありますけれども、何といっても一番大きいのは、近年の国の総医療費抑制政策の1つであります診療報酬の改定が低率で推移しているというのが一番大きいかと思います。平成
14年度に2.7%の診療報酬カット、平成16年度に1.05%のカット、平成18年度には3.16%という大幅なカットがございまして、診療報酬がどんどん切り詰められていくということが大きいと思います。
 また、同じ総医療費抑制政策によりまして、診療費の個人負担増、そして、そのために患者が病院に行かなくなる傾向が出てきた。いわゆる患者数の減少傾向であります。これは、沖縄だけではなくて、本土全体で患者数の減少が見られているということがございます。
 また、もう1つは民間医療機関の機能が充実してきたことにより、患者がそちらの方に流れていくと言いますか、分散していきまして、県立病院の患者数が減少傾向にあるということがあろうかと思います。
 それから、これは沖縄県特有の問題ですけれども、復帰後短期間に県立病院施設の整備を図ったことに伴い、減価償却費が増嵩したこと。平成18年度末の減価償却累計額で353億4361万円というふうな値が出ております。それから、最近になりまして、脳神経外科や産婦人科など特定の診療科が、医師が確保できずに、そのために収益に影響が出ている。特に、新臨床研修制度ができた平成16年度あたりから急激に、特に離島・僻地の医師がいなくなりまして、その分、赤字の原因になっているということであります。それから、これも沖縄県独特ではありますけれども、給与費において離島・僻地に勤務する場合の特地勤務手当などが出ておりまして、それが他都道府県に比べて一般的に医療職者の給与の支給額が高くなる。これらの全体がマイナス要因になって赤字に結びついているかと思います。
 なお、平成17年度におきましての都道府県立病院の217病院のうち141病院、65%が赤字になっているということでございます。
 次に、その対策、今後の見通しということについてお話ししたいと思います。
 まず、赤字対策でございますけれども、これは収益と費用の両面からその対策を考えていく、対策を立てねばならないと考えております。
 まず、収益面での取り組みでありますけれども、沖縄県の県立病院に限って言わせていただきますが、収益面での取り組みとしては、これまで以上に地域医療連携室の強化を図り、民間医療機関との役割分担を進めて、できるだけ急性期患者、それも重症患者の確保に努める。それは、重症患者の場合、診療報酬も高くなりますので、もちろん県立病院の役割からいっても当然ではありますけれども、急性期患者をできるだけ入院させるようにする。
 それから、診療報酬請求上の基準や条件を満たすことにより、診療報酬の増収を図る。例えば、先ほど申し上げました宮古病院、八重山病院のICU設置、それからセカンドオピニオン外来、そういうふうな診療報酬上の利点のあるような条件を満たして収益を上げるということであります。
 それから、診療報酬請求漏れ防止を徹底して、診療報酬の請求を適正化することにより、診療単価の向上を図る、取り漏れを防止するということであります。これは現在やっておりますのは、診療報酬適正化チームによる算定の点検をやっておりまして、さらには、その結果を勉強会で医師、看護師、研修医も含めた者に、その内容を、取り漏れ防止の徹底について図っているということであります。
 それから、先ほども申し上げました地域医療連携室の強化、急性期の患者さんを入れると同時に、今度は地域医療連携室を通して長期入院患者さんの転院や退院を促進することによって病床を効率的に運用するということが、1つ収益の増につながる部分であります。
 次に、費用面でどういうことかと言いますと、費用面では医薬品診療材料の一括購入による廉価購入の推進、これはより一層強力に進めていきたいと思っております。それから、業務の効率化による時間外勤務の縮減、競争入札の促進、その他委託契約などの見直しによる経費の縮減、それから院内で働いている職員の経営に対する意識を強化していく。また、光熱水費、燃料費においては、療養で使用している自家発電機の稼働を抑えて、沖縄電力株式会社からの電力購入を進めたり、沖縄電力株式会社との契約内容を見直すことによる経費の削減、こういうふうな収益と費用面両方からアプローチして、その経営の改善を図っていきたいと思っております。
 県民に対して必要なサービスの提供を、医療サービスの提供をしていくためにも、徹底した経営改善策を実施していく、あらゆる面から抜本的な見直しを検討し、その対策の強化を図っていきたいと考えております。その一環でありますけれども、平成20年度当初予算編成において、経費の縮減に重きを置いた改善をしたいと考えております。
 最後になりますけれども、県立病院の今後のあり方検討委員会の提言において、将来の検討課題とされていた運営体制の変更も含めた抜本的な見直しについての庁内関係部局による検討体制を立ち上げ、議論を深めていきたいと考えております。
○上原章委員 今、答弁で、収益及び費用両面からしっかり取り組んでいく、大事なことだと思います。この一つ一つが赤字改善に向けて重要な取り組みだと思いますが、先ほど65%が全国の中でも赤字だとおっしゃっていましたけれども、沖縄の50億円という赤字は全国比でどのぐらいか、もし数字があれば教えてください。
 それと、皆さんが今これだけの取り組みをやろうとする中で、赤字の改善目標値というのがあるのかどうか、お聞かせください。
○桃原幹雄病院経営管理監 各都道府県の病院事業の損益の状況でございます。いわゆる赤字事業ということで、40億円を超える赤字を計上しているのは、平成18年度はまだ出ておりませんので、平成17年度の決算でただいまお話をしてございますけれども、それでいきますと、沖縄県が平成17年度決算で47億2500万円という数字になってございます。
 申し上げましたように、沖縄県は47億2500万円でございまして、兵庫県が49億8200万円。兵庫県が単年度赤字額としては一番大きい形になりまして、沖縄県が2番目という形になっております。
 赤字の解消の目標でございますけれども、まず、計画の方にもございますが、現金ベースでの黒字を目指すということにしてございます。まず、その部分が目標ということになります。
○上原章委員 非常に厳しい数字、これが何年で黒字を目指すかということもあると思うんですが、その中で、不良債務比率、前年度一気に35.6%悪化している要因をお聞かせ願えますか。
○知念清病院事業局長 不良債務が増加している要因とその改善策ということでございますけれども、この不良債務というものは、現金ベースの資金不足をあらわす状態でございます。まず言えますことは、病院事業は、先ほど申しました診療報酬の低率改定や患者数の減少及び離島医療費の増嵩等によって、毎年赤字を計上する状況にあります。平成18年度は現金ベースで赤字額15億2000万円余となっています。
 その平成18年度は、先ほどから特殊な事情の年と申し上げましたけれども、南部病院の民間移譲や南部医療センター・こども医療センターが開院後間もなかったことなどによる患者数の減が著しかった年でありまして、この患者数が少なかったというのが一番大きな原因でございますけれども、それ以外に、原油高騰による燃料費の増加、それから南部医療センター・こども医療センターに係る検体検査業務や統合情報システム保守業務などの委託費増加、そういうものが重なって特に不良債務が大きく出たということと理解しております。
 また、病院事業としては、不良債務を解消するには、先ほどから申し上げましたように、急性期患者の確保、未収金対策の強化、診療報酬請求漏れ防止、そういう経費の節減及び収益の増などを目指して、みんなで力を合わせてその改善をしていかなくてはいけない。それからまた、長期借入金の活用等も検討していかねばならないと考えております。
○上原章委員 平成17年度は44億円の不良債務が一気に15億円ふえて、約60億円の不良債務と。今後また不良債務予備軍とかもあるのかなとちょっと懸念していますけれども、いずれにしても、流動比率も低下して資金繰りが非常に厳しい数字が監査委員からの報告書にも出ているんです。この経営体系、本当に先ほど来ずっと、病院事業局長は抜本的な改革を目指すということでありますので、ぜひ今後注目していきたいんですが、地方公営企業法の全部適用は先ほど詳しく答弁がありましたので省きますが、その中で、病院事業局長は病院事業には詳しいということで全体の指揮をとっていただいているわけですけれども、先ほど経営改善のための改革会議も行っていると聞いています。経営に関する専門家というのは病院事業局にいらっしゃるんですか。
○知念清病院事業局長 そういう方は入れておりません。
○上原章委員 皆さんが今必死に県立病院を維持し、守っていこうとする中で、経営の健全化、これだけのいろいろな一つ一つの取り組み、ましてや社会の今の変化の中で、的確な経営戦略を組まないと、これだけの赤字経営を立て直すにはぜひ専門家が必要じゃないかなと私自身は思うんですが、いかがですか。
○知念清病院事業局長 常駐しているというわけではないんですけれども、今までにもそういう経営診断と申しましょうか、そういう経営についてのいろいろ専門にやっているコンサルタントをお願いしてやったことがございます。そして、いろいろな指摘を受けまして、それに沿った改革と言いましょうか、経営健全化計画をやってはおります。決してずっと、だれにも相談せずに自分たちだけで、局内だけでやっているというわけではございません。
○上原章委員 それは本当に大事なことだと思いますけれども、私としては、常駐の、県内の県立病院、診療所を含めた全体をしっかり見て、一つ一つの対策、政策をしっかり進めていく方が必要じゃないかなと、これは要望として伝えたいと思います。
 それから、特に未収金が今大きな課題になっているわけですけれども、先ほど病院事業局長は、その中で発生をしない防止策が大事だという部分を強調していましたけれども、具体的な取り組みはありますか。
○知念清病院事業局長 発生防止ということで、一番大事なことは、先ほど申し上げました予防であります。まず、一たん発生してしまうと、どうしても後から追いかけるというのはなかなかうまくいかないことが多いのであります。それで、まず予防をしっかりとするということが大事かと思います。そのためには、入院時の手続において保証人がちゃんといるのか、保険証をちゃんと持っているのか、ちゃんとした住所を確かめておく、そういうことが大事だと思います。
 それからまた、未収金担当者がおりますけれども、そういう保険証がなかったり金銭面で困っているというふうな方には、納付相談してもらう。それから、いわゆるメディカルソーシャルワーカーというのがありますけれども、MSWと言っているんですが、そういう方たちが相談に乗って、そういうお金のない人たちが、お金を出してもらうような福祉制度の活用とか、あるいは場合によっては分割納入などの細かい手続を踏むということです。それから、先ほど言いました未収金対策会議というのを院内で開きまして、医師、看護師を含めた関係職員がお互いに情報交換し合う。未収の患者さんがいると、それを事務、あるいは看護師、その人たちが積極的に、MSWという納付相談に当たる方たちに連絡を入れるとか、それから、現金ベースでのお金の出入りが未収金に大きなつながりを持っておりますので、そういう意識を院内にいる医療関係者に植えつけていく、そういう教育も十分するということが大事かと思います。
 それから、一たん未収金が発生しましたときには、ちゃんと早目早目に督促業務をやると。現在、未収金台帳システムというのをつくりまして、それを電子化した形で記録しておりまして、発生をできるだけ早く見つけて督促に当たるということもやっております。
 それから、先ほど言いましたように、支払い督促をできないものには、場合によっては強制執行もする、そういういろいろなことをこれから強力に進めていきたいと思っております。
○上原章委員 わかりました。
 次に、これは全国的な傾向ということで、医師不足の問題なんですが、県内でもここ数年、特に産婦人科医、小児科医、救急医が不足しているということを報道されていますが、現状と対策はどうなっていますか。
○知念清病院事業局長 平成19年9月1日現在でありますけれども、医師の配置予定数が302人に対して294人が配置されておりまして、これは正職員のみでありましたけれども、臨時的任用職員、嘱託職員を合わせると、予定数が365人に対しまして344人で、
23人の欠員が生じております。その主たるものは、北部病院産婦人科の3人、宮古病院脳神経外科の3人、宮古病院産婦人科2人、八重山病院脳神経外科2人ということであります。
 この主たる原因は、平成16年度の臨床研修の義務化が起こりましたが、それに伴って大学医局等が医師を引き揚げたということが一番大きい。特に、僻地ではございませんけれども離島、それから中央から離れた病院は特にその影響を受けているということであります。
 それから、今言いましたように、医師の偏在です。やっぱり都会に医師が偏在して地域に行かなくなったということもその原因の1つであります。それから、医師の過重労働の問題であるとか、そういうことも言われるようになりまして、勤務医が開業医へ移行したり、民間病院へ転院するというふうなことが起こっておりまして、これが全国的な医師不足の1つの背景になっているかと思います。いろんな要素が重なったと思います。医療政策及び新しい臨床研修制度がこの引き金になったのではないかと思います。
 今後の対策としては、今やっておりますけれども、それを引き続き強力に今後とも取り組んでいきたいということでありまして、いわゆる大学や国の関係省庁その他に働きかけると同時に、各病院、民間病院その他も含めまして働きかける。それから、人的ネットワークも利用し、あるいはホームページなどを利用した求人をするとともに、研修制度を充実して臨床研修医をたくさん自分で育てていくことが大事かと思います。
 最後になりますけれども、専門医派遣事業、それからまた福祉保健部の所管でありますが沖縄県離島・へき地ドクターバンク等支援事業、そういうのを活用して医師の確保をしていきたいと思っております。
○上原章委員 特に、北部と離島の産婦人科医がずっといないというような現状がありますけれども、奈良県でも妊婦が多数の病院を断られたと。特に、産婦人科医の救急の体制というのが今県内もどういう形の実態、そして課題、対策がもしございましたら、お聞かせ願えますか。
○知念清病院事業局長 今、一生懸命医師確保の対策で取り組んでいると申し上げましたけれども、沖縄はある意味では大変条件的には恵まれていると思います。本土の東北地方、北陸地方、あの辺に行きますと本当に医師がいないと。どんなに血眼になって探しても見つからないというのが生じているわけですけれども、沖縄の場合は、臨床研修医にしてもそうですけれども、医師にしても、環境がいいと言うんでしょうか、そういうことも1つの要因かと思いますけれども、こういう取り組みに結構反応して、専門医派遣事業であるとか、離島・へき地ドクターバンク等支援事業などに反応して、応募者が結構いるわけなんです。それで、議会答弁でも申し上げましたけれども、北部病院の産婦人科に対しましてはかなり明るい希望が今持てておるところであります。
 それから、宮古病院、八重山病院の脳神経外科に関しましても、接触するドクターがいると。そういう方たちにこちらの事情も話をして、ぜひ残ってほしいという形でとどまってもらうようなことに努力をしていきたいと思っております。
 産婦人科に関しましても、北部の方には大変御迷惑をかけていますけれども、本土の本当に過疎地と言われているところに比べると、私がこういうことを申し上げるのは何ですけれども、まだ恵まれている方だと考えております。それで、沖縄県ではたらい回しもありません。これは私は誇ってもいいことだと思うし、ぜひ県立病院も頑張っているんだということを議員の方々にも御認識いただきたい、そう思います。
○上原章委員 もっと苦しいところと比較すればまだいいんだよと、そういうお話がありますけれども、事は命にかかわるものですから、あえて質疑します。たらい回しはない、それは沖縄県にないという病院事業局長の言葉も大変よしと思うんですけれども、今、産婦人科医が不足する中で、県内病院事業の中で産科救急の患者というのはふえているんですか。それとも、そんなにはいないんですか。実態はわかりますか。
○安慶田英樹病院企画監 先ほどの産科救急の問題ですけれども、現場ベースで沖縄周産期ネットワークというシステムができまして、小児科のNICUがある施設で、その日にベッドが何ベッドあいているとか、人口呼吸器がどれぐらいあるかというのを集約しまして、それを小児科、産科がある病院に情報を流して、そういうネットワークをつくっておりますので、救急に関してはたらい回しはないということが言えます。
 それから、ふえているということに関しては、全般的に未熟児、低出生体重児と言いますけれども、
2500グラム未満の赤ん坊のふえる傾向が全国でもありまして、沖縄の方が少しその率が高いので、救急に関しては全般的には少しふえていると認識しております。
○上原章委員 具体的な数字はわかりますか。件数はないんですか。
○安慶田英樹病院企画監 件数としては把握しておりません。未熟児出生率はふえております。
○上原章委員 今、国全体も広域的に救急のシステムづくりしかり、ネットワークを充実させることがいち早く対応できる、どの病院があいているといった情報を常にネットワークでやるというのが非常に今後大事ではないかと思います。今、県がこうやっているということで安心したわけですけれども、今後もしっかりお願いしたいと思います。
 それから、先ほど病院事業局長は健全化に向けて地域医療連携室を充実強化しているということでありました。これは私は去年も質疑したわけですけれども、今、その成果がもしありましたら、お聞かせ願えますか。
○知念清病院事業局長 それでは、地域医療連携室の目的と成果ということで。目的なんですけれども、地域の診療所、病院とのネットワークの強化と連携体制の構築を図って、患者さんの紹介率を高めて、そして病院の平均在院日数の短縮、それから能率的な病床の利用に努める。限りある医療資源を有効に、そして地域の中で利用していこうという大変大事な役割を持っているわけでありまして、地域の医療の充実につながる仕事をやっているわけであります。
 取り組みはどういうことをやっているかと言いますと、紹介患者の予約及びその調整、他医療機関からの診療情報提供依頼の対応、それからまた、地域医療機関と情報交換を行って、長期入院患者の転院あるいは退院を促進する。それから、患者及び家族との医療相談、骨子機関との連絡調整義務、そういうことを行いまして、スムーズな患者の入院、支払い、それから退院後の療養ということをやろうとしているわけであります。
 成果なんですけれども、紹介患者がふえておりまして、1カ月当たりの紹介患者の件数は、平成17年度が1599件、平成18年度が1737件、平成19年度は4月から8月までですが、1857件、紹介率は現在のところ30%台を推移しているところであります。平均在院日数も、そういう意味ではだんだん入院期間が短くなっております。地域医療連携室が地域の医療と他の病院との連携をしたおかげで、平均在院日数が平成17年度では14.4日、平成18年度では13.3日、平成19年度では12.9日と、これは大変いい成績でございます。14日以下に在院日数をするというのが1つの目標なんですけれども、それをはるかに超して短い在院日数で済んでいる。
 それから、開放型病床の導入ということにもかかわっております。要するに、民間の医療機関あるいは医師が自分の患者を病院に送り込んで、そこで患者を診るということができるようになりました。それも地域医療連携室を通してやっているわけでありまして、中部病院でありますと5床、開放型病床を設置しております。
○上原章委員 わかりました。この地域医療連携室、非常に大事な部分だと思います。ただ、急性期、また慢性期という中で限られた医療資源をしっかり使っていこうということですけれども、その中で患者が、そういう仕組みの中ではざまに置かれないように、その辺は十分に配慮してもらいたいと思います。
 それから、南部医療センター・こども医療センター、1年終えて2年目に入っているわけですけれども、先ほど何名かの方からも質疑がありましたが、この1年、スタートして総括と課題対策があれば、お聞かせ願えますか。
○安次嶺馨県立南部医療センター・こども医療センター院長 それでは、南部医療センター・こども医療センターの昨年開院以来の状況について御説明いたします。
 昨年の4月6日、平成18年4月6日、もう1年半になりますが、開院して以来、幸い患者数、それから収益につきましても着実に伸びております。昨年は最初、病院の機能がフルに機能はしていないんですが、それでも昨年の4月から8月とことしの4月-8月をまず比較した数字を申し上げますと、昨年は医業収益の累計は26億5699万円でございました。本年は42億6978万円でございますから、昨年より今年度は16億1279万円の増収になっております。
 一方、医業費用に関して申し上げますと、昨年度は39億6912万円、本年度は45億6万円、前年より5億3000万円余増加になっています。そういたしますと、収益と費用の差である損益を見てみますと、前年度が13億5186万円の損失でございましたが、今年度は3億6705万円の損失ですから、その差は10億
4000万円余の改善が見られております。
 このように、病院の機能としては、かなり地域に求められて、たくさん紹介患者もいただいていますし、病床利用率で言いますと、昨年スタートの時点では、昨年の4月は低いんですが、8月ごろからは大体90%台になっています。本年の1月からは95%を超える。ことしの4月以降の新年度は、平均しますと99%という状況でございますから、ベッドの利用率もフルに稼動しているところでございます。
 しかしながら、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、6階病床の一部を閉鎖せざるを得ないというのは、あくまでも看護師の数が足りないということで閉鎖せざるを得ないんですが、大変ニーズは高いですので、看護師の数さえそろえれば、今後ともさらに上向きの業績を上げることができるであろうと考えます。
○上原章委員 南部医療センター・こども医療センター、24時間の救急医療ということでは、沖縄県全体の医療の拠点になるわけですけれども、スタートして特に外来が当初目標の19万人を16万人と3万人、1年目、外来の患者が目標に行っていないわけですけれども、この辺の要因というのはございますか。
○安次嶺馨県立南部医療センター・こども医療センター院長 昨年の外来ですね。
○上原章委員 3万人、目標に達していないんですけれども、その辺の要因。
○安次嶺馨県立南部医療センター・こども医療センター院長 オープンして最初の数カ月間は、すべての点で診療が縮小しております。ですから、入院も少ないですし、外来も少ない。昨年に比べて、ことしの4月以降は外来患者も、我々の想定している以上にふえています。ですから、本年度の平成19年度の想定した入院患者数、それから月々の収益も現在までのところ、すべてそれをオーバーした成績を上げております。
○上原章委員 ありがとうございました。これからの南部医療センター・こども医療センターの活躍を見守りたいなと思います。
 時間もありませんけれども、水道企業、監査委員の意見書を見ますと、水道事業に関してはほぼ満点に近いような評価でございます。その中で工業用水の施設利用、これは毎回その改善が求められるんですが、全国と比較しても施設利用率が非常に低い中での取組状況、今後の見通しを企業局長、お聞かせ願えますか。
○花城順孝企業局長 工業用水道の施設能力につきましては日量3万トンございますが、平成18年度の実績では、実際の給水量は日量1万4000トンで、50%に満たないという状況であります。これは2つの要素がありまして、1つは、産業構造の変化等によりまして、用水多消費型の企業立地が進まなかったということ、それから企業の水利用の合理化が進んでいるということで需要が低迷している、これが1点でございまして、もう1点は、政策的なテーマなんですが、今後の企業立地のインセンティブとして、ある程度の余剰能力が必要でございます。
 そういったことで、これからの取り組みでございますが、観光商工部においての企業誘致を進めていただくということが1点、あとは企業局として、現在、布設されている管路沿線の企業等への戸別訪問等のPR活動を進めて、需要開拓を進めていきたいと考えてございます。
○上原章委員 この需要拡大は非常に大事なポイントだと思いますが、名護市の西海岸地区工業用水道整備事業、目的、そして今の推進状況をお聞かせ願えますか。
○花城順孝企業局長 名護市の西海岸地区工業用水道整備事業、正式にはこういう長い名前なのでございますが、これは名護市の久志から許田、幸地を経て、屋部地区工場適地に至るまでの約18キロメートルの工業用水の専用配水管を整備する事業でありまして、これによって配水管沿線と屋部地区の工場適地の企業を給水対象として、1日当たり約4100立方メートルの用水を供給する。これを平成22年度に給水開始をしたいということを予定しております。
 平成18年度までの進率でございますが、施工延長で77.5%でございます。これが整備されますと、オリオンビール株式会社の名護工場、その他の食品加工業の企業に対して安定、低廉な工業用水の供給が可能になる。ひいては産業の振興につながると考えております。
○上原章委員 では、しっかり工業用水の取り組みも順調に進んでいるときょうは受けとめて、今後注目していきたいと思います。
○伊波常洋委員長 奥平一夫委員。
○奥平一夫委員 皆さん、こんにちは。大変お疲れさまでございます。それから、答弁に当たっている局長外すべての職員の皆様に、常々県民の医療あるいは水道事業について御協力いただいていることに感謝申し上げて、質疑をさせていただきますけれども、昨年のちょうど今の時期の決算特別委員会で、実はきょうもそうなんですけれども、県立病院の院長の先生方がお見えになっています。
 昨年は先生方から現場の病院が抱えているいろんな問題を提起していただいて、要望等ということで先生方からも御答弁をいただいたわけですけれども、私も後ほど先生方に少しお聞きしたいこともございます。
 まず最初に、離島、僻地における医師確保についてということで、県の施策と取り組みをお聞きする予定でありましたけれども、さきの答弁で十分でございますので、少し形を変えまして、離島医療、いわゆる離島、僻地における専門医の数が少ないというふうな形で、今、専門医の養成を各大学にしても、あるいは行政にしてもなさっているというお話をよ
く伺います。
 今、沖縄県では人口に対する必要専門医の数が非常に少ないという現状があるんだそうで、さらに離島人口も観光客数を考慮に入れますと、人口当たりのプライマリーケアや産婦人科、それから脳神経外科、麻酔科の専門医師の減少が非常に深刻である。そういうことを受けて、そういう形で専門医の養成に今当たっているということを聞いておりますけれども、その辺のお話を伺えたら、病院事業局長、お願いできますか。
○知念清病院事業局長 今、特に若い医師ですけれども、専門医志向でありまして、専門医の資格を取って、そういう資格のもとに医療をしたいという傾向が非常に強いのであります。昔は―昔というのは何ですけれども、以前はそれほどでもなかったんですけれども、今の若い人は専門医の資格を持つ。昔は博士号というような、そういう箔をつけていましたけれども、今はそうではなくて、むしろ実技を中心とした、いわゆる臨床面で、博士号というのはペーパーでもらうわけですけれども、実技、臨床医としての仕事を中心にしてもらえる専門医の資格というのが若い医師の中では広がっておりまして、それが大学を離れてより熱心に臨床医を育ててくれる民間、あるいは大学以外の医療機関に流れていく1つの傾向ではないかと思います。
 そういう中で、専門医というのが十分に育てられればいいんですけれども、今のシステムではどうも育てられない。それで中部病院が特に中心になって臨床医を育てておったわけですけれども、先ほど申し上げましたように、前期研修2カ年、後期研修2カ年という4カ年では、ほとんどの科が専門医の資格を取れないのでありまして、どの科も5年から、長いところでは7カ年ぐらいの臨床研修を積まないと、専門医を受験する資格が出てこないんですね。
 ですから、そういう専門医を育てる、大学に任せてばかりはいられない。自分たちで育てて、そしてふやしていき、かつ沖縄に定着してもらうには、独自の専門医養成システムが必要であろうということから今年度から始めたわけでありまして、幸い沖縄に残って専門医の資格が取れるまで頑張りたいというのも4名ほどおりましたので、この人たちを残して6年目、7年目。それからまた、今、4年で後期研修を受けている者が5年、6年という形でふやしていけたらと考えているところであります。
○奥平一夫委員 御答弁いただきましたけれども、次は、離島、僻地の医師の確保についてもう少し伺いたいと思います。
 その前に、県立病院の現状について少しお伺いをしたいと思いますが、先ほどの答弁で各県立病院の医師の不足が何名だと御答弁がありましたけれども、特に宮古病院、八重山病院、北部病院について、医師不足がどれくらいなのか、もう一度お聞かせください。
○安慶田英樹病院企画監 北部病院は、配置枠47人に対して配置数37人で10人欠員しております。宮古病院は、42人の配置枠に対して配置数36人で6人欠員しております。八重山病院は45人の配置枠ですが、配置数は現在46人で1人過員となっております。
○奥平一夫委員 それでは、もう1つお伺いします。
 各診療科がありますけれども、その診療科の中で1人体制で行っている科というのはどれくらいあるんでしょうか。これもそれぞれもしよかったら各病院別に、今の3つの病院別に。1人体制、お医者さん1人で診療しているという。
○伊波常洋委員長 休憩いたします。
    (休憩中に、奥平委員の質疑に対する答弁に    時間を要するため、一たん保留し次の質疑を 行うことになった。)
○伊波常洋委員長 再開いたします。
 奥平一夫委員。
○奥平一夫委員 もう1つ、その3つの病院のうちで休止している診療科というのはありますか。ありましたら、幾つの病院で―休止している診療科。
○安慶田英樹病院企画監 北部病院の産婦人科、宮古病院の脳神経外科、八重山病院の脳神経外科の3カ所です。
○奥平一夫委員 医師の不足もさることながら、閉鎖している診療科もあるというふうなことでございますので、これは医師が非常に不足することによって勤務が過重になっているのではないかというのが毎回指摘をされていることでございますけれども、病院事業局長、今指摘をした各病院の勤務状況、現状を御報告いただけますか。どのような体制で医療診療が行われているのかということについてです―勤務状況。
○知念清病院事業局長 沖縄県の場合は6つの病院がありまして、それを一まとめに言うというのは非常に難しゅうございます。それぞれの病院がそれぞれ問題を抱えておりまして、おっしゃるとおり、どの病院もそれぞれ大なり小なり過重労働の状況にあることは間違いないのでありまして、特に1人体制の、あるいは24時間救急というのをうたい文句にしている関係上、1人2人という場合ですとかなりのプレッシャーがかかってくる。私たちとしては、現場の者もそうですけれども、今の時代、それからみんなの要望もあって、どうにか過重労働を少しでも減らしたい、気持ちよく働ける現場をつくりたいと思って努力をしております。
 ただ、それを言うはやすく行うはがたしということでありまして、なかなか思っている状況が実現できないというのがあります。それを具体的にどれだけというのはなかなか出しにくくて、ちょっと御理解をいただきたいと思います。
○奥平一夫委員 病院事業局長にしても、やっぱり相当つらい思いをしているかと思うんですけれども、ただ、これは解決していかなければならない、本当に超えなければならない大きな壁だと思うんです。病院事業局長、この課題解決のための病院事業局長が考えていらっしゃるような何か秘策は―秘策といったらちょっと失礼になりますけれども、考えていることはありますか。
○知念清病院事業局長 秘策というものがあればもうすぐやっているわけでありますけれども、なかなか見つからないから大変苦労しているわけであります。おっしゃるとおり、それをどうにかしたいと思って、ただ、今のとおりのままの状況を続けていくと、これは全然先は見込みがございません。
 ですから、前にも申し上げましたけれども、1つの考え方として、全庁的なレベルで福祉保健部、総務部あるいは私たちが集まって、経営形態であるとか運営形態であるとか経営主体であるとか、そういうことも含めて、果たしてこれでいいのだろうか、あるいはもっと抜本的な何かができないか、そういうことも含めて検討する時期が来ているのではないか。今まで改善、改善、どうにかなるだろうというふうなことでずるずるとやってきてここまで来てしまったと。
 何かやらなくてはいけない。では、どうすればいいんだということはありますけれども、それは先ほどありましたように、専門家の方にも相談をしながら、全庁的な形で取り組んでいって、そして最終的な目標である過重労働の問題も含めて、適正な仕事量でみんなが気持ちよく働けるような職場を求めて、そしてもちろん当然でありますけれども、公営企業でありますから、医療の質を落とさないということを大前提にしまして、どこか先ほどおっしゃったように秘策がないか、何か出てこないかということを検討していきたいと思っております。
○奥平一夫委員 ですから、このような現状をずっと甘んじて受けなければならないという縛りは何なのか。この縛りをなくせば問題は解決するわけですけれども、地方公営企業法の全部適用に移行してかなりぎゅうぎゅう詰めでということもあるだろうし、あるいは政策的な医療における一般会計からの繰り出しについても、相当財政の方から制約を受けているということなども、午前中の質疑の中でもわかりましたし、こういうことを解決していかなければ、やっぱりどんどん医師の過重負担が出てくるし、医師がずっと退職していくのではないかと考えられるんですね。
 そこで、この5年間における県立病院からの医師の退職の推移、5年間ぐらいの推移がありましたら、教えていただけますか。
○安慶田英樹病院企画監 先ほどの答弁を保留した1人診療科がどれぐらいあるかという質疑にお答えいたします。実際にグループで診療している面もありますので、確実に1人と言えるのは眼科とか耳鼻科とか、そういう科に大体限定されます。ということで、今ちょっと数えましたら、北部病院は5診療科、泌尿器科、眼科、病理科、放射線科、耳鼻科ということになります。中部病院は外科系がありますけれども、実質的には1人ではなくて、これはグループ診療をしておりますので、1人というのはありません。南部医療センター・こども医療センターに関しては5診療科です。口腔外科、病理科、精神科、小児精神科、小児神経科という5診療科です。宮古病院に関しては、泌尿器科と眼科の2診療科です。八重山病院に関しては、泌尿器科、眼科、放射線科の3診療科ということになります。
○大嶺良則県立病院課長 医師の退職の推移についてお答えいたします。平成15年度が今ちょっと手元にありませんので、平成16年度からお答えをさせてもらいたいと思います。平成16年度の医師の退職が
47名、平成17年度60名、平成18年度が47名です。
○奥平一夫委員 その中で離島医療勤務の方というのは何名かわかりますか。わからなかったらいいです。後で答えてください。
 このように非常にたくさんの先生方が毎年やめていかれる。それにはいろいろ理由があるかと思いますけれども、ここでは理由についてはお伺いはいたしません。いずれにしても、非常に過重な労働があったということも背景の1つだと僕は思いますので、ぜひともこの辺を解決していっていただきたいと思います。
 次に、宮古病院の脳神経外科の問題なんですけれども、医者がほとんど不在、八重山病院もそうですけれども、議会で私は提案をいたしました。南部医療センター・こども医療センターの方で脳神経外科医を集中させて、それから離島へ派遣をするということはどうだろうかと、この辺についてもう少しお伺いしたいと思います。
○知念清病院事業局長 去る6月議会でこのお話がございました。県内の脳神経外科医を集中的にプールする。そして、その中で宮古病院に脳神経外科医を配置したらどうか、ローテーションで回したらどうか。私も、それはすばらしい御意見として伺いましたけれども、その後も実は南部医療センター・こども医療センターの方で、その動きをしております。実際に6月以降、数名の医師が接触してきたようでございます。ぜひとも来てくれと交渉をしたんですけれども、やはりこういう時代、なかなか条件が合わなかったということもありまして、まだ現状は医師確保には至っていない。ただ、引き続きこのことはやっていく。そして、それを粘り強く取り組んで継続していく予定であります。
○奥平一夫委員 離島、僻地へ赴任をするということは、やはり家族を伴うとか、あるいは背景、家族という子供の教育の問題がありますので、なかなか離島へ行って行きっ放しというのが非常に心配をすることでありますので、この辺についてはしっかりと1年でもいい、あるいはいたいだけいいんですけれども、それでもいいというふうなもう少し余裕を持って、そういう形でぜひ進めていただきたいと思っております。
 次に、災害拠点病院についてお伺いをしたいと思っておりますけれども、災害拠点病院が設立できた背景について、御存じでしたらお伺いいたします。
○大嶺良則県立病院課長 災害拠点病院につきましては、以前に阪神・淡路大震災がありまして、それを契機に各地にそのための病院を設置しようということがありまして、平成7年4月に阪神・淡路大震災を契機とした災害医療体制のあり方に関する研究会が設置されております。それに基づきまして、平成8年4月に報告書が提出されました。
○奥平一夫委員 それでは、災害拠点病院の指定について、その役割と要件、どういうことが整備されなければ指定されないのかされるのか、その辺についても少しお伺いしたいと思います。手短で結構です。
○大嶺良則県立病院課長 災害拠点病院の指定要件でございますけれども、1、災害拠点病院においては24時間緊急対応し、災害発生時に被災地内の傷病者の受け入れ及び搬出を行うことが可能な体制を有すること、2、災害拠点病院は災害発生時に被災地からの傷病者の受け入れ拠点になること、3、災害発生時における消防機関、これは緊急消防援助隊等と連携した医療救護班の派遣体制があること、4、ヘリコプター搬送の際に同乗する医師を派遣できることが望ましいこと、以上になっています。
○奥平一夫委員 そのほかに施設については耐震構造を有するとともに、水、電気等のライフラインの維持機能を有することとあります。
 そこで、宮古病院と八重山病院についてお伺いいたしますが、耐震性はどうなっているのか、調査したのはいつなのか、その辺も少しお伺いいたします。
○大嶺良則県立病院課長 今御質疑の耐震基準につきましては、昭和56年に建築基準法が改正されて、それに基づいて設計してつくられたものだと思います。宮古病院、八重山病院につきましては、昭和56年以前に建築されておりますので、その基準には合致しておりません。
○奥平一夫委員 病院事業局長、このことについてどうお考えですか。
○知念清病院事業局長 こういうことで災害拠点病院を取り消されるのではないか、そういうことをお考えなわけですか。基準を満たしていないから、災害拠点病院を取り消すと。
○奥平一夫委員 そうそう。いやいや、それを後で聞こうと思っているんですよ。
○知念清病院事業局長 申し上げますけれども、そういう事例はございません。
○奥平一夫委員 事例がないじゃなくて、きちんとここに書いていますよ。
○知念清病院事業局長 大体お考えのことはわかりますけれども、もちろんそういう古い建物は、27年前、それも新しい耐震基準に合わない建物であるということについては承知しておりますので、先ほど言った老朽化も含めて、早目に改築ということを考えていかなくてはいけないと思っております。
○奥平一夫委員 病院事業局長、今、台風だって60メートル、70メートル吹きますよ。4年前の宮古島の14号の台風では、宮古病院もかなりの被害を受けました。新生児の病棟に水が漏れてくるというような事態もあったそうです。そういう事態が起こっているんです。ましてや耐震性の問題、それではこれから早急に宮古病院、八重山病院の耐震度テストを行う予定はありませんか。やらなければいけないと思いますけれども。
○知念清病院事業局長 宮古病院については、以前に平成12年ですか、やっておりますけれども、八重山病院はやっておりません。しかしながら、明らかに今おっしゃったような老朽化が進んでおりまして、やるやらないということよりも、改築をするんだという方向でとにかく早目にできるという形で計画を進めていくべきではないかと考えております。
○奥平一夫委員 新築をする以前の問題として、では、あす、あさって、大きな地震が襲ったらどうなるんですか。そうではなくて、きちんと耐震性を綿密に調査して、その対策を立てていく、これが行政の一番の責任じゃないですか。一般質問では新築はいつになるかわからないとおっしゃっているでしょう。
○知念清病院事業局長 今の点につきましては、私たちですぐ判断できない部分があるので、専門家の意見も聞いて、どうするかについては決めていきたいと思います。
○奥平一夫委員 専門家は先生の方が専門家じゃありませんか。どの専門家にお聞きになるんですか。
○知念清病院事業局長 私は建築の専門家ではありません。
○奥平一夫委員 建築の専門家というよりも、あの病院をどうしようかということなんですよ。長い期間、耐震性の問題も取り上げてこなかったし、調査もしていませんでしょう。八重山病院なんか全然やっていないというんじゃないですか。それをどうするかということです。あす、あさってにも大きな地震が来たらどうするかということなんです。それらがつぶれて事故が起こったらどうするんですか。では、責任はだれがとりますか。おかしな話ではないですか。
○知念清病院事業局長 今のお話ですと、八重山病院がいつ崩れるかもわからない、今にも崩れるだろう、あなたの責任だとはおっしゃっていないですよね。今、耐震度はどうかというお話だと思います。そして、実際にそれが起こったら困るじゃないかということなので、先ほど申し上げましたけれども、耐震度については、やはり専門家にも相談をして、どんなものであろうかと相談をするのがまず先ではないかと。その結果について、また私たちが判断をしていくということになろうかと思います。
○奥平一夫委員 私は先生を責めているんじゃないですよ。この耐震度をきちんとして、その上で財政当局をと思っているものですから、決して先生を責めているわけではありませんから誤解のないように。
 それではもう1つ、宮古病院の基本構想の検討委員会、4回の予定が2回でとまっていますけれども、これはどういうわけでしょうか。
○當眞正和病院事業局次長 今年度に入って2回開催いたしまして、あとかなりの部分、内容的には整理がされてきております。恐らくあと1回、場合によってはあと2回ぐらいの中では、委員会の意見のまとめとして、まとめを書くぐらいに作業が進んでおりますが、ただ、平成18年度決算の状況がございます。また、今後の経営に向けてのいろいろ危惧される面も現実問題として出てきておりまして、まずそこら辺の整理をきちんとやらないと、今のところ、正直申し上げまして、財源のめどづけができていない状況でございますので、まずは今置かれている経営の厳しい状況のその先をどうするんだというところの見通しを立てないと、少し進まないかなということで、先ほど局長が何度も答弁していますけれども、年度内に全庁的なレベルでの検討、これは病院事業全体の話ですが、それを検討しなければいけない。できれば年度内に大まかな方向づけはしていきたい。
 ただ、その中で宮古病院、八重山病院を検討しなければいけないわけですけれども、宮古病院につきましては、先ほどから指摘されています老朽化の問題、余り間を置かずに一日も早い方がいいというのは我々も同じ思いでございますので、その検討をする中でも、宮古病院については早目に改築に向けての取り組みが進められるように、全体の検討をする中でも、これを特に取り上げてやっていくという方向で考えております。
○奥平一夫委員 やはり今度の基本構想は、具体的な提示をしていくという形でしっかりやっていかなければ、財政の問題がどうのこうのではない。上げれば知事がやりますよ。ぜひお願いをしたいと思っております。
 それでは次に、冒頭申しましたように、昨年も来ていただいた県立病院の先生方、病院長の方からも、昨年述べた課題が本当にこの1年間で解決をしたのか、あるいはまだしていないのか、あるいはまた新たな問題が起こってきたのか、医師不足の問題も含めて、過重労働の問題も含めて、ぜひ先生方から御意見をお伺いしたいと思いますので、これで私の質疑を終わらせていただきます。
○大久保和明県立北部病院長 北部病院の第一の問題は産婦人科の休止問題で、そのドクターをどういうふうにして呼び寄せるかということでございました。1年かけていろいろあちこち声かけしたり、募集したりして、今現在、2名のドクターと実際に交渉に入っている段階でございます。2名の先生方に来ていただくために、病院内の産婦人科医療を再開するための医療体制の整備をどうするかというところの話まで行っております。ただ、これは相手方がいることなので、この先どうなるかわかりませんが、そういう段階まで来ております。
 それから、放射線の専門の先生がいらっしゃらなかったので、この方も人選いたしまして、11月からお1人来ていただくことになっております。
○平安山英盛中部病院長 昨年、中部病院として課題を挙げたのは看護師の不足の問題だったと思います。相変わらず看護師の不足は解決していません。ですから、今、33床休床をしたままです。救急室も24時間365日フルオープンにしておりますけれども、非常に頻回に患者をほかの病院に搬送しなければならないような状況は続いております。
 看護師をふやしてもらえば、一応ふやしてはもらったんですけれども、10対1の看護師の配置をするだけでも、現在17人欠なんですね。10対1をとるためには457人必要なんですけれども、正規職員が389人なんですね。あと育児休業補充も、枠を借りても404人が正規職員ですけれども、残りは臨時的任用、嘱託という形になります。臨時的任用枠はふやしてもらいました。36人になっております。嘱託枠は29人ですけれども、その嘱託枠はほかの民間の病院が7対1の看護師配置でたくさん採用していますので、嘱託枠で来られるナースはほとんどおりません。
 ですから、ナースの枠を、ナースの過重労働を解消するために看護補助員を入れております。この枠がもし臨時的任用枠に置きかえられますと、臨時的任用というのはほぼ正職の身分で働けますので、ボーナスももらえますので、応募してくる看護師も多いと思います。そうすると、例えばNICUは今30床ですけれども、30床の中で重症加算を取れているのは12床です。あと18床は後方病床ですけれども、6人の看護師をふやすと、その後方病床でも収入をふやすことができるんです。小児病棟でも、小児入院医療管理科2をとっていますけれども、看護師をふやすと収入が2000万円ぐらいふえるんですね。
 そういうことで、人と看護師をふやすことで、厚生労働省もある程度は診療報酬上、優遇しようということの動きがありますので、しかも今後は人が十分手当てされていない病院は淘汰されていくような傾向にありますので、ぜひとも中部病院も今後さらに看護師を確保していきたいと思います。そして、
33床をあけて地域の要請にこたえたいと思います。
○安次嶺馨県立南部医療センター・こども医療センター院長 私どもの病院の問題点は先ほど幾つか述べました。まとめますと、やはり看護師が足りないということで、かなり病院の機能が阻害されている点がございます。昨年に比べてことしはそれほど看護師さんの状況が改善したとは言いがたいと思います。
 ですから、看護力が足りないために求められている診療能力を発揮できないという点がございます。特に小児部門、新生児とか、さらに小児の心臓部門とか、どんどん仕事量がふえております。そういう点で、今後は医師に関しても、もっと医師のマンパワーが必要になってくると思われます。そういう点で、ほかの病院よりは新しい病院でいろいろ器械に関しても大変恵まれていることは感謝いたします。しかし、まだまだこの病院の機能をフルに発揮していないと我々は考えていますので、そのためには看護師、医師、その他のほかの職種も含めてマンパワーが足りません。
 さらに、医療の業務量がふえますと、事務の仕事量も物すごくふえるんですね。そういう点で、今、事務系もすごく過重労働になっているところがありますので、今後の課題としては、やはり病院の機能がアップすれば、その分だけいろんな人たちの力が要るということでございます。
○安谷屋正明県立宮古病院長 昨年度は多分3点ほど問題点を挙げたかと思います。まず1点目は医師確保の問題、脳神経外科に関しては、先ほど病院事業局長からも話がありましたように、ことしに入ってから3人の医師が宮古病院を見学に来ています。その中で1人の医師が可能性として非常に高くて、これから給与面とか条件について交渉しようと考えているところです。ですから、待遇面が非常に悪いと、またこの話もだめになることがありますので、その辺はしっかりやっていきたいと考えております。
 それから、産婦人科に関しては、今、中部病院から短期ローテーションで2人体制でやっているんですけれども、また来年度に向けていろいろ話しながら、もう少し機能をアップしていきたいと考えております。
 2点目の宮古病院の老朽化の問題ですけれども、先ほどかなり突っ込まれて話をしましたけれども、病院事業局が財政課を何とか説き伏せてくれるだろうと期待しております。
 3点目は、離島増嵩費の問題を言ったかと思うんですね。宮古病院は2億3000万円ほどの離島増嵩費があります。それは一応病院事業局として財政課と掛け合っていると思うんですけれども、なされておりません。
○伊江朝次県立八重山病院長 昨年は年度初めといいますか、1月ぐらいから産婦人科の件、それから一昨年の8月以来休診している脳神経外科の件でいろいろ世間をお騒がせいたしました。それにつきましてですけれども、昨年5月に九州大学の派遣医師が引き揚げましてから、6月から医師3人体制で中部病院、それから南部医療センター・こども医療センターの産婦人科の支援を仰いで何とかやりくりしてきました。ことしに至りまして、川崎市の協同病院からも業務応援という形で2週間、支援していただく先生がおりまして、何とかやりくりしてきた状況でございます。
 ことしの7月に6人体制になりまして、ほかの病院にも出そうかと思うぐらいに産婦人科医はふえたんですが、9月いっぱいで1人は研修義務と言うか、いわゆる離島勤務の義務が終わったので沖縄本島へ返しまして、今は5人体制でやっております。その中でも、5人いる中で女医が2人なものですから、この辺がいわゆる妊娠とか、あるいは出産という形になるということもありまして、この辺は今後も考えていかなきゃいけない、いわゆる女性医師の雇用の問題としてとらえなきゃいけないと思います。
 それから、脳神経外科に関しましては、一昨年の8月以来休診しておりまして、石垣市では民間の医療機関が手術をやっておりますので、沖縄本島に搬送するということは今のところございません。しかしながら、民間の方も単科の病院でございますから、いろんな合併症を持った患者が出た場合には、やはり心もとないというところもございまして、私どもの八重山病院にも、脳神経外科の医師は1人はいないといかんだろうというふうなことで、昨年の1月から本土の病院に勤めている脳神経外科の医師がコンタクトをとってきましたので、約1年かけて何とか折り合いがつけられて、来年の1月から八重山に赴任してくれるような話になっております。
○新垣米子県立精和病院長 昨年、精神保健福祉士の職制を県に制定していただくようにお願いいたしました。しかし、まだ制定されておりません。精神保健福祉士は、地域連携室ですとか、急性期病棟を開設するに当たってとか、あるいは医療搬送にぜひ必要な職種です。それから、デイケア、長期化した患者の退院、いろいろに必要です。そういうことで、民間では各病棟に1人とか、また病院では全体で10人ぐらいはいるんですけれども、うちはたまたまケースワーカーの職で行政職の人が精神保健福祉士の資格を持っているということと、それから臨時的任用と嘱託で計3人ということであります。精神保健福祉士の確保では、やっぱり正職でないとなかなか確保できないということがありますので、ぜひ職制をつくっていただきたいと思います。
 それから、パラメディカルのスタッフなんですけれども、作業療法士にしろ心理士にしろ非常に人数が少ないということはございます。去年もそれを要請しましたけれども、少しはふえましたけれども、まだまだ必要であるということで、OTも4人いますけれども、最低5人は必要だと。それから、心理士もまだ1人しかいないということでして、そういうふうなところの拡充をぜひお願いしたいところであります。
○伊波常洋委員長 比嘉京子委員。
○比嘉京子委員 こんにちは。全県から県立病院の院長先生初め事務の方、本当に御苦労さまでございます。島嶼県であります沖縄県の医療体制、公的医療と言いますのは、自己完結型でなければいけない。近隣の県に車で行くわけにもいかない。こういうような状況の中で、365日24時間、質の高い医療を維持するために頑張っておられる先生方に本当に感謝を申し上げたいと思います。
 今、この決算特別委員会もそうですが、これまでの議会も、それから委員会もですけれども、どうも話があらぬ方向に行っているのではないか。県民の命の最前線に今皆さんはおられるわけでして、そういう方々が今、経営だの財政だのというところで、非常にどこに重きを置いて物事を考えるのかというくらいに議論がどうも逆転しつつあるのではないかと危惧をしている者でございます。
 さて、皆さんに質疑をお出ししてあるわけですけれども、去年の4月から地方公営企業法の全部適用を受けられた。やっと1年がたってどうかというようなお話ですけれども、まず初めに、それを受けた目的があると思うんですね。目的をまずお話していただけますでしょうか。
○知念清病院事業局長 県は、県立病院事業が今後とも県民の医療ニーズに適切にこたえていくためには、事業の運営形態を一部見直して、経営体質の強化を図る必要があると判断して、平成18年4月1日、地方公営企業法の全部適用に移行したと考えております。
 そのメリットなんですけれども、特別職の管理者を設置できること、それから知事から人事や組織改変等、広範な権限が移譲され、医療環境の変化や経営状況に対応した迅速かつ柔軟な対応が可能になること。企業としての自主独立性の確立により、病院経営面での企業性が発揮できること。職員が地方公営企業法の企業職員として位置づけされることにより、企業意識、経営意識の向上が期待できることというふうな一応のメリットがありまして、それを使って現在までやった、いわゆる人事権、組織改変の権限で行ったこととしましては、本庁2課を1課体制にして組織の統合化、一体化を図ったというのが1つ。
 それから、病院の収入と支出を同一部署でチェックするために、各病院に経営課を設置したということ。それから、各病院における経営面の強化を図るため、経営分析担当職員を配置した。それから、今年度、即戦力の看護師を確保するために、看護師試験の受験上限年齢を28歳から35歳に引き上げたということ。また、病院事業専門職員の確保育成を図るために、来年度、新規職員の4名を病院事業局で採用して病院に配置する予定にしておるということであります。また、職員の経営意識の向上が見られるということも1つ挙げられます。自主的に経営改善に係る院内法を作成したり、数値目標、成果などを掲示して全職員への周知を図るなど取り組みが見られる。
 それから、現在やっていることでありますけれども、各病院の院長、事務部長、看護部長で構成する経営改革会議を設置して、その経営状況をリアルタイムで把握して、共通課題の解決方策を協議すること、そういうことであります。
○比嘉京子委員 今、地方公営企業法の一部適用から全部適用を受けた理由の大きなところに、いわゆる病院の自主性と言いますか、主体性と言いますか、人も、物も、金も、皆さんの責任と権限においてやってくださいという権限を与えられているわけですけれども、先ほどの南部医療センター・こども医療センターの院長のお話を伺いましても、このことを本当に与えられているかどうかを解決すれば、皆さんは赤字などと言わない状況になるのではないかと私は思うんです。
 それから、今までの各病院の院長のお話を伺いましても、これは全部人の問題でございます。人をどうにかできない問題を解決することが就労環境がよくなること、就労環境がよくなることが人が来たくなる環境になるということ、そういうことを考えますと、今、地方公営企業法の全部適用を受けた意義が本当に現場で生かされているかどうかをぜひ権限をしっかりと振るわれるということが私は一番重要なことではないかと。ですから、赤字がどうということは、きょう髙嶺委員が午前中におっしゃったことそのままだと思うんです。
 しっかりと要求すべきはして、本当の赤字なのかどうなのかを、私は前回の議会で本当に公的医療として政策医療の仕様なのか、独自に本当に自分たちで自助努力をすべき独立性のある収益に対してどうなのかというお話を伺いました。そのときにはっきりと分けられていないということもありますけれども、そういうことを言いますと、今、人の問題を解決するということを中心に質疑していきたいと思います。
 まず、なぜほかの病院が次々に7対1看護を即反応して、今、いわゆる社会的な状況に応じて動きやすくするということが意義の中にあったわけです。それも動いていないわけですね、先生。そうしますと、どうして看護師がいないのか、ほかの病院に行っちゃってどうして県立にいないのかということなんですね。そういうことをやれば、持っている機能をフル稼働すれば、私は赤字解消は無理ではないと思います。
 一例ですけれども、この平成18年度沖縄県病院事業会計決算審査意見書の22ページ、主な経営指標というのがありまして、職員1人1日当たり診療収入というのがございまして、全国比がありますが、この全国比を一概に私はしてほしくないなと。なぜかと言えば、先ほどからあるように、先生方が南部地区の方から、それから中部地区の方から、久米島に行かれたり、八重山地区に行かれたりというふうな不採算医療のところにどんどん回るわけです。じっとしていてどんどん患者を診るわけではないわけですから、一概にこれをコストで割る、収益で割るということは比較はしていけないのではないかなということを、ぜひ後で監査の方にも申し上げたいと思いますが、病院事業局の方からも御指摘をよろしくお願いしたいと思います。
 これは置いておきましても、医師が21万5101円、それが1日当たりですよ。それから、看護部門が5万7939円。実はこの間の委員会の方で、今、実働数は何名ですかとお聞きしましたら、先生は医師が23名不足で、看護師が88名不足だとおっしゃいました。単純ではございますが、その実働数をこの金額に掛けますと、それぞれ約15億円ずつになるんです。30億円、いわゆる実際に動いている方々が定数に足りないわけですね。中部病院でも足りない。ですから、33床がちゃんとあけられないというようなことを1つずつ考えていければ、私は、赤字云々のことを考えるよりも、むしろ機能をどうフル稼働させるかというところで、人の問題に集中的に問題解決をかけていく。そういうことを申し上げたいわけでありますけれども、ではちょっと質疑をいたしたいと思います。
 今、人がこれだけ少ないというところで、実働数がこれだけ足りない。そして、早期退職者が定年ではないけれども、医者で46名、それから看護師で92名、ことし退職をした。そうしますと、どうやったら今いる人たちをとどめておけるのか。その上で足りない人数をどうやったら確保できるのかというときに、定数が今ネックになっていると思うんですけれども、その人数のところを病院事業局長はどのようにお考えでしょうか。
○知念清病院事業局長 先ほどから各病院の院長が話しておりましたように、また、私自身も現場におったのでわかりますけれども、やはり医師不足、看護師不足、過重労働というのは現実に感じております。どうにかしなくはいかんとは感じております。1つの今までとってきた方策はどういうことかと言うと、前にも何度も申し上げておりましたけれども、役割分担であるとか連携、そういうことで業務量を減らしていく、あるいはスリム化することによって地域医療と連携しながら病院の規模を縮小していく。あるいは委託で定数枠と違う職種の人をふやす、また、研修生を育て上げて、そういう人たちを有効に、5年目、6年目といった人たちは十分な力がありますので、やるということで1つの解決策を考えておったわけであります。地方公営企業法の全部適用の中でぜひそれも進めていこうと。実際それもやってまいりました。
 だけれども、最近の特に看護師不足というのは、7対1看護というのができてから急激に看護師の奪い合いが起こっておりまして、一たんそれが起こるとなかなかとめられない。県立病院の看護師不足は、いろんな手段を講じているわけではありますけれども、解決できないという問題が生じております。それはもう既に御存じかと思います。私たちは、これでいいと思っているわけではなくて、いろいろ業務の内容も勘案しながら、みんなが働きやすい環境づくりをと思っておるんですけれども、うまくいかない。
 では、どうするか。結果的には数をふやせということになるわけなんですけれども、まず人がいないということと、それから定数条例で縛られているということがございまして、現時点での地方公営企業法の全部適用の場合、それが一番大きなネックになっている。そうすると、そういう縛りがきつい中でどうすればいいかというのが、先ほどから私が言っている全庁的なレベルで考える時期に来ているのではないか、収益、経済的にも問題が起きている中で、かつこういう人間の業務過剰の問題も起きている。では、これをどうすればいいんだということになったときに、病院事業局だけでできる問題ではないと思います。
 私たちは、ただ人をふやせと、ふやしましょう、ふやしたいと言ってふやせるものではない。これは、やっぱり全庁的なレベルで問題を提起して、そして必要なものは必要なりに十分な地域医療をする。公的医療をするためには、これだけは必要であるとか、お金はこれだけは入れましょうとか、もし公設公営でできないのであれば、どういう形ならできるか、そういうことも含めて考える時期が来ているのではないか。今まで地方公営企業法の全部適用であれば少しはよくなるだろう、よくしたいと努力してきたわけでありますけれども、それだけではどうも今の過剰労働の問題はうまく解決できないのではないかと私は思っております。ですから、全庁的なレベルで一緒に考えていきたい、それが1つの解決策になろうかとは考えております。
○比嘉京子委員 病院事業局長、どうも迷い道に入っているような議論になりかけているのでございますけれども、私は、この際、これまで申し上げなかったんですが、医療従事者をふやすために、やはり事務事業をどうにかしないといけない。皆さんが検体検査を委託しました。なぜかと言ったときに、大きなところで言えないけれども、定数の問題があるということがありました。医療従事者がまずいて、そこに事務事業があるわけですから、そこら辺も手がけていかないと、この問題は解決しないと私の中では結論があります。そこら辺を解決していかないと、先生方のモチベーションとストレスというのはなかなか解決できないだろうと。
 ちなみに、看護の採用試験で不合格者は出しておりませんか。これは福祉の方かどうかわかりませんが、看護の採用試験で全員合格なんですかね。
○知念清病院事業局長 もちろん、全員合格というわけにはまいりません。試験をする以上、落ちる人はおります。今のところ、幸い必要数よりも志望者と言うんでしょうか、希望者数の方が多くて、筆記試験であるとか口頭試問、適性検査、それから面接、そういうことをやっておりますが、とにかく必要数を超える、今回は60名か70名ぐらい超えていたんじゃないかな、必要数以上の方が来ておりますので、その中から試験をして採用しているという状況であります。
○大嶺良則県立病院課長 平成18年度の看護師選考採用試験の状況ですけれども、採用予定数が119名に対しまして、応募者が247名、合格者と繰り上げ候補者を入れまして143名の名簿登載をやっております。しかしながら、その中で民間の病院とか大学病院、あるいは大学への進学といったもので37名が辞退しました。ということで、119名の採用予定に対しまして106名しか採用できず、欠員が少し出ております。
 平成19年度の状況ですけれども、今のところ、採用予定が100名をちょっと超えている予定です。応募者が285名おりました。先ほど言いました合格者と繰り上げの予定を入れまして、188名を合格者名簿に載せております。現在、10月1日に2名前倒しで採用いたしました。そういう状況です。
○比嘉京子委員 途中でこれだけ欠があるということは、途中採用しようとすると、みんな余っている。そうして、過重労働を強いられていくという現場があるわけですね、先生。途中採用というのも、もちろん人探しはしておられると思うんですけれども、私の結論は、今たくさんの質疑をしようと思っていたんですけれども、1点だけ、地方公営企業法の全部適用にして人のところをもっと柔軟的にと言いますか、そういう権限を与えられているわけですから、もっとこうでなければ公的医療は成り立たないという主張を、お金の面の繰り入れに関してもそうですけれども、しっかりとおっしゃっていく。
 私たち県民は、ここにお金が投入されることに異議のある県民はいないだろうと思うんです。第一番目のところ、一番守らなければいけないところにお金を投入するわけですから、サービスの向上を願うわけですから、365日守ってもらうわけですから、どうぞそれ以降のさまざまな問題は、みんなその次の次なんですよ。ですから、皆さんのところこそ、手厚く、そしてもちろんむだは皆さんが徹底的に努力していただく。けれども、守るところの最低基準は守っていくという努力をぜひお願いしたいと思います。
○知念清病院事業局長 大変ありがとうございます。頑張ります。
○伊波常洋委員長 20分間休憩します。
   午後3時34分休憩
   午後3時55分再開
○伊波常洋委員長 再開いたします。
 休憩前に引き続き質疑を行います。
 前田政明委員。
○前田政明委員 他の委員からもありましたけれども、水がめのヤンバルにおいてダイオキシンを含むものがまかれた。私は、専門家の勉強会にたまたま参加しまして、ダイオキシンというのは水に浸透しない。だから、ベトナムの場合でも、枯れ葉作戦でやったところはほとんど流されていて、ただ、泥に付着をする。そして、体内に蓄積されるということで、そういう面では情報公開の中で、その米兵と会ったら、どこにドラム缶があったか、そしてどこにそういう大きなためるものがあったかというのがわかれば、その地点を掘り下げることが大事だとありましたけれども、これは本来、きょうはもういいですけれども、刑法や水道法、その他でいわゆる水源地に対して毒を入れたりその他をすれば重刑に処されるわけですね。そういう面で、ぜひここは県民の水がめを守るという立場で、地質調査を含めてあらゆる検討をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○花城順孝企業局長 先ほどの当銘委員の御質疑に対する答弁でも申し上げましたけれども、企業局としてダイオキシン絡みの水質調査については、平成
14年度から福地ダムにおいて実施をしておりまして、その結果、基準値と言いますか、環境の基準値を大幅に下回る結果が出ております。福地ダムにおいては、水源で基準値の50分の1、浄水場で浄化した後、500分の1程度ということで、基本的には水質上、問題がないという結果が出ております。
 土壌検査をするかどうかについては、基本的には土壌から水に溶け出した物質の水質検査を行うということで、人が暴露するということは、水を摂取することで暴露されるわけでありますから、そういった意味で企業局としては水質検査の結果として問題はない、こういう判断をしておるわけであります。したがって、土壌検査をするということについては特に考えておりません。
○前田政明委員 これはぜひ慎重に考えていただきたい。
 あと、病院事業局の方に質疑します。午前中も他の委員からもありましたけれども、私もずっと一般会計の繰り入れについてふやすべきだという立場で反対議論、質疑をしてまいりましたけれども、それはなぜかと言いますか、公設公営を捨ててはならないということですね。そういう面で、公設公営で地方公営企業法の全部適用になって限界かなということではなくて、地方公営企業法の全部適用になっても公設公営であるわけですから、そこはぜひ守ってほしいという立場から質疑をします。
 そういう面で、一般会計からの繰り入れに対して、皆さんが要請をした。それに対する査定額の差額について、さっきありましたけれども、少しさかのぼって可能な限り5年分ぐらい、答弁できましたらよろしく。
○伊波常洋委員長 休憩いたします。
    (休憩中に、執行部から繰入額の差額につい    ては取りまとめ中であり、まとまり次第答弁    したいとの申し出があり、了承された。)
○伊波常洋委員長 再開いたします。
○前田政明委員 私は、先ほど他の委員からもありましたけれども、一生懸命頑張っている医者、看護師を含めて医療関係者、この職員1人当たりの診療収入がどんどん減ってきているんですね。これはなぜなのか。平成14年、平成13年を含めて、県立病院のあり方検討委員会のこの意見に私は賛成ではありませんけれども、その中でも、私も本会議で質問しましたけれども、医業収益は全国以上だと。足りないのは医業外収益で、一般会計の繰り入れが少ないんだという論だったんです。
 ところが、最近は、これがなかなか成り立たなくなっている。すなわち、医師1人当たり、看護師1人当たりの収入額がなぜこのように減ってきているのか。これは現場の頑張りとは少し違うのではないかと思いますけれども、ここについてまずお答えをお願いします。
○知念清病院事業局長 医師及び看護師の1人1日当たりの収入というのは、毎年、総務省の中央公営企業決算状況調査の結果に基づき、地方公営企業年鑑に記載されて公表されております。県立病院における研修医については、平成15年度までの医師の数に計上されていなかったんですけれども、医師法の改正により、平成16年度から嘱託初期専門研修医師及び嘱託医師研修医として非常勤職員の扱いを受けるようになりました。そのために、平成16年度以降、研修医の在籍数に応じて年延べ医師数が増加し、医師1人当たりの収入の減少につながったと考えております。
 また、患者数の減少により外来収益が減となったことも、医師及び看護師1人当たりの収入の減少につながっております。医師及び看護師の1人1日当たりの収入は、年度の入院収益と外来収益の合計額を年延べ医師数及び看護部門職員数で割ったものであるが、同調査の作成要領では、年延べ医師数は臨時、パート職員を含む延べ人数を計上することになっております。
 このように、県立病院における研修医については、平成15年度までの医師の数には計上されていませんでしたが、医師法の改正により平成16年度から嘱託初期専門研修医師及び嘱託専門研修医として非常勤職員の扱いを受けるようになり、平成16年度から98人の研修医が年延べ医師数の中に含まれるようになった。そのために医師の1人1日当たりの収入も減少していると考えております。特に沖縄の場合には、研修医の数が全国に比べて非常に多いので、研修医の数を医師数に加えますと、大幅な医師の収益のダウンにつながると考えております。
○前田政明委員 平成13年度は医師で言えば32万8026円、平成14年度は32万1459円ですけれども、今度、21万5101円、研修医というのは卵でしょう。育てることに大きな意味があるんですよね。だけれども、実際上、沖縄の場合は民間も含めて非常に評判がいい、頑張っている。それに対しては、この評価の仕方は非常に矛盾していると思うんですけれども、どうなんですか。
○知念清病院事業局長 全くおっしゃるとおりでございます。大変間違った評価の仕方だと感じております。
○前田政明委員 これにつきまして、今、関連して僕は現場の院長さんで、やはりこれは実情と合わない、自分たちは頑張っているのになかなか報われない、こんな指標で出されたら、これは働く意欲もなくなると思われているか、どなたか御答弁できるなら、全員でもいいですけれども、これに関しては私は大変大事なところだと思うので、お聞きしたい。
○平安山英盛県立中部病院長 このことにつきましては、私は平成8年ぐらいからずっと調べてグラフにしてきています。そのころは医師1人約50万円ぐらいの収入だったんですね。きょうはグラフを持っていないのですけれども、平成13年から急に落ちてきたんですね。ことし、琉球新報でこういう報道がなされて、そこに新聞記者の方もおりますけれども、そういうことがあったものですから、僕はずっと病院年報を調べてきたら、そういうことだったので、これはひょっとしたら研修医もその中に入れて計算しているのではないかと。
 前も研修医もいたわけですけれども、それを加えていなくて、平成13年あたりからが急激に減ってきて、全国平均よりはるかに上だったのが今度は全国平均よりもはるかに下になってきているということで、今は21万円ぐらいに減っているということで、現場では自分たちはこんなに働いているのに、こういう評価のされ方をしたのでは、モチベーションが落ちるということで、その当時非常に怒りが渦巻いたんですね。だから、総務省が悪いのか、提出の仕方のどこがか悪いのか、僕はわかりませんけれども、ちゃんとした前の評価と同じような基準で評価していただきたいなと思います。
○前田政明委員 私も、大変やりがいのある大変貴重な仕事をしているわけで、それが正しく評価されるべきだと思います。今後の医療抑制というのは大変だなと、世界の中でもOECD加盟国の中で一番医師が少ない。そして、医師をふやしたら医療費が上がるということで抑制してきている。これは自由民主党もいますけれども、長年の失政だと思うんですね。そういう面で、本当に国民の命そのものが危なくなってきている、これはもう明らかなんですね。その中で私たちはお互い苦しみながら、こういう議論をしているわけです。だから、そのためには、私は、やはり一般会計からの繰り入れについては後でお話があると思うんですけれども、そこは大事なところだと思います。
 運営のあり方として、公設公営、地方公営企業法の全部適用に行ったけれども、これではだめだとお話がありましたけれども、今、全国で地方公営企業法の全部適用になってやられていることは何かといったら、一般会計からの繰り入れが減らされる。今度の行財政改革プランの中でも、最初に出てきたものは、いわゆる一般会計からの繰り入れを減少することができるというのがここの最初の、いわゆる独立採算が原則である。よって、経営健全化に努め、一般会計繰入金の減少に努めますというのが行財政改革の案だったんです。それをやられて、あとは適切にとなっていますけれども、私は、こういうやり方は絶対だめだと思うんですね。だから、皆さんは地方公営企業法の全部適用になって、一般会計からの繰り入れを減らしてほしいためにやっているわけじゃないですね。それは公的な医療を、人事権を含めて、もっともっと公的に県民に返していけると思ってやられているんですよね。答えてください。
○知念清病院事業局長 おっしゃるとおりでございます。先ほどから言っておりますけれども、病院事業が地方公営企業法の全部適用になって業績が上がっていないということで、根本的な抜本的な見直しをせないかんというふうなことを言いました。ただ、これは公設公営を否定するというものでは決してないのでありまして、全体的な視野からもう一度見直す、必要であれば繰り入れもふやしましょう、そういうふうな形を考えての議論になると私は思っております。公設民営化とすぐ結びつくものではない。
 もちろん、先ほどから申し上げておりますけれども、査定は毎年されておりますけれども、必要な繰入額、政策医療の部分というのをちゃんと出して、それは現在の医療を守っていくためには必要であるからということをしっかりと関係部局の方にはお伝えして、医療の質を保っていきたいと思っております。地方公営企業法によると、常に福祉の増進を図る。企業性を保ちながら、そして常に本来の目的である福祉の増進を図るというふうなことを言っていますので、やっぱり経営も大事ですけれども、常に福祉の増進を図る、これを忘れてはいけない、そういう気持ちでおります。
○前田政明委員 私は、一般会計については平成10年度から平成16年度までの1病床当たりの差額について、本会議で質問をして答弁してもらったことがあります。約400億円、一般的な話で足りない。そうすれば、そのときの赤字の額と一緒ですねと言いました。
 それで、先ほどお願いしておりました繰入額の皆さんが求めている本庁に対する差額、今わかっている範囲でお答えください。
○桃原幹雄病院経営管理監 平成16年度、平成17年度、平成18年度の3年につきまして御説明を申し上げます。
 時間の都合がありましたので、収益的収支予算の部分で御説明をいたしますけれども、病院事業収益、平成16年度でございます。この部分を、長くなりますので、当初予算の要求といわゆる査定の差額ということで単純化して御説明を申し上げますと、平成
16年度は収益的収支予算の部分につきましては約10億9900万円でございます。そして、平成17年度につきましては13億3700万円でございます。平成18年度は9億7700万円となっておりまして、これが当初予算の病院事業局の要求と査定の差額ということでございます。
○前田政明委員 先ほども他の委員からありましたけれども、一般会計の繰り入れの基準等いろいろあって、当然建設改良費なども病院の改善なども全部入っているということですけれども、それが認められていないとか、いろいろありました。この3年間で皆さんが求めたのが全額認められていたら、私は、不良債権の問題を含めて現金的な運営などについても、かなり今の状況を脱することができているのではないかなと思いますけれども、そこについてお答え願えませんか。
○當眞正和病院事業局次長 今、桃原病院経営管理監が答えました3年間の差額、トータルしますと34億1300万円になりますので、これはしかも収益的収支の分だけですね。これに資本的収支、今、計算されていませんけれども、それが加わるということになりますと、現在掲げております資金繰りの問題自体はなくなっていたかと思っております。
○前田政明委員 資金繰りの困難はなくなっていたというところで大事ですね。すなわち、銀行から借り入れをしなくてもいい、当面の回転はできるという意味では余裕が出てくるわけですね。そういう面では、私は、やはり地方公営企業法の全部適用というのは公設公営の原則が当てはまるわけです。だから、そこで今、迷路と申しますか、法人化または民間譲渡、こういう方向に行く流れもあります。
 しかし、それでは私は、沖縄の県立病院が果たしてきた役割、私も団塊の世代ですけれども、院長の皆さんも団塊の世代だと思いますけれども、やはり復帰前に病院でずっとたらい回しになって亡くなる人たちがたくさんいる。そういう面で、本土で学ぶ医学生の皆さんも、沖縄に返って沖縄県民の命を守るんだという思いでみんな勉強して帰ってきたと思うんですよ。そして、一つ一ついろんな技術、技能を上げて頑張ってきたと思うんです。
 その初心というのが、この島嶼県の沖縄の中にあるんですね。それは市町村の自治は神話という中で、那覇市以外の市立病院、自治体病院はなかなかつくれない。そういう中で県立病院が負ってきた役割というのはかけがえのないものだと思うんです。だから、それはお金がかかるんだと。この今の体制を崩したら、もう県民が安心して住めなくなる。すなわち、無人島がふえる。そういう意味でも、私は、きょうは病院事業局長を支援する立場で全面的に議論しておりますが、そういう誇りを持って、これだけ足りないんだ、何で県民の命を守るために、これだけのとうとい歴史のある県立病院を守るのに何が問題なのか、もっとお金を入れるべきだというような形での明確な位置づけが必要だと思いますけれども、改めて決意と申しますか、お考えをお願いします。
○知念清病院事業局長 大変大きな声ではっきりと聞こえました。よくわかりました。
○前田政明委員 それでは足りないので、病院事業局長、沖縄の県立病院のそもそも論になりますけれども、議事録に残さんといけないので、県立病院の経過は他都道府県と違うと思うんですよ。そういう面では、それなりの位置づけに対して、もっと皆さんがこれまでの経過を含めて、私たちは沖縄県民の命を守るかなめなんだ。それは、こういうふうに他都道府県と違って歴史があるんだよということをもっと知らせていくというのか、そういう流れの中で離島地域の加算とか、そういうものもある。これは当然採算が合わないわけだから、一般会計からの繰り入れの対象なんですよ、そういうことをもっともっとアピールしていただきたいなということで、わかりましたではなくて、もっと考え方を述べてください。
○知念清病院事業局長 先ほどから何度も申し上げておりますけれども、不採算部門、私たちは繰り入れてくれと。厚生労働省、総務省の基準外ではありますけれども、そして出すたびごとに査定されてずっときておりますが、引き続きずっと必要な分、政策医療、政策部門での赤字の部分については、引き続きこれを続けて要求してまいりたい、そのつもりでおります、考え方は。声は小さいですけれども。
○前田政明委員 ついつい声が大きくなりましたけれども、思いは同じだと思いますね。これは知事も、やはり保革を超えて県民の命を守るのが知事の仕事ですから、それよりも優先するものはないということを私はしっかり示していく必要があるんじゃないかなと思います。だから、そういう面で一人一人の医師、看護師の問題でも、やはりそれは高いだとか、他都道府県と比べて人件費が高いと言っても、沖縄の場合は当然離島、僻地も含めて、学校の先生方もそうです。自治体の職員もそうです。そういう面では、平準化して全国と比べて、いわゆる支出の中で人件費が多いから、沖縄はもっとリストラすべきだとか、行財政改革すべきだというような形にはならないと思います。そういう面で、私はぜひとも命のかなめであります県立病院の体制を崩してはいけない、公設公営のこの道は断固譲らないで頑張っていただきたいということを述べて終わります。
○伊波常洋委員長 赤嶺昇委員。
○赤嶺昇委員 まず初めに、企業局長に対して、沖縄振興計画の計画指標における、これは各部署みんな連携しないといけないと思っているんですけれども、皆さんの所管で今の達成状況をお聞かせ願えますか。
○大城康信企業局参事兼経営計画課長 沖縄振興計画の中で私どものかかわりがあります多目的ダムの開発の実績についてお答えしたいと思います。
 沖縄振興策のあらましにおける多目的ダムの開発は、平成16年度実績が1日当たり31万1370立方メートル、平成19年度目標が1日当たり39万9170立方メートル、平成23年度目標が1日当たり44万370立方メートルとなっています。そのうち、企業局開発分にとりましては、平成16年度実績が辺野喜ダム、普久川ダム、安波ダム、新川ダム、福地ダム、漢那ダム及び倉敷ダムの7ダムでして、1日当たり29万300立方メートルであります。平成19年度目標は、羽地ダムを加えまして1日当たり31万1300立方メートルでありますが、平成17年度において羽地ダムが供用開始しており、既に目標を達成しております。
○赤嶺昇委員 企業局が関連するのは、この多目的ダム1点で理解していいんですか。工業用水とか、そのあたりも載っているんですけれども、それは皆さんの所管とは別と理解していいんですか。
○大城康信企業局参事兼経営計画課長 工業用水も工業振興の点でありまして、その計画が先ほど説明がありました西海岸地区工業用水道整備事業がありまして、平成18年度まで約78%の進でしたと思います。今、平成22年供用の見通しですので、計画期間内の完成の予定でございます。
○赤嶺昇委員 ありがとうございます。できればこういった決算特別委員会とか、沖縄振興計画をそれぞれの部署が各年度で実績の分はちゃんと目標が上げられていますので、それもやっぱり報告してもらった方がいいんじゃないかなと思っております。
 そこで、私は今、文教厚生委員会に入っているんですけれども、その中で倉敷ダムでごみ処理施設の問題が大分陳情が来ております。企業局の立場から見て、我々、実は倉敷ダムの水は安全かという話がよく出るものですから、株式会社倉敷環境の廃棄物の山が約190メートルぐらになっているんですけれども、皆さんとしてその状況をどのように理解しているのか、お聞かせください。
○赤嶺永正水質管理事務所長 倉敷ダム周辺を環境調査した場合に、おっしゃるとおり、ごみ焼却場もありまして、それからの影響もあるんじゃないかという質疑かと思いますけれども、その焼却場自体、倉敷ダム流域外なものですから、直接的な影響はないと考えております。
○赤嶺昇委員 わかりました。実は皆さん、大分これは懸念しておりまして、本当に大丈夫なのかなと。許容量を超えていまして、約100メートルぐらい山積みになって、これは大きな課題ですから、皆さんは皆さんの立場でしっかりそこは安全性を確保するようにお願いしたいと思いますけれども、企業局長、どうですか。
○花城順孝企業局長 今、赤嶺水質管理事務所長からお答えしたように、流域外の堆積場でございますから、直接的には影響はないと思いますが、水だけの問題ではなくて、全体の周辺の環境に及ぼす影響というものは懸念されるものがありますので、これは早目に解決していただいた方が水を預かる我々としても安心できると。景観上もありますし、ダムの入り口にあるものですから、何か一般の県民にダムの水質にも影響を与えるのではないかというような
誤解を与えかねないところもありますので、その問題は直接水には関係ないであろうとは思いますけれども、環境一般の問題として早目に解決していただきたいと思います。
○赤嶺昇委員 わかりました。
 病院事業局にお聞きいたします。先ほどあったんですけれども、県立宮古病院の改築について、実は文教厚生委員会でも視察をさせていただきました。そのときも安谷屋宮古病院長も見えて、本当に非常に厳しい状況であったんですけれども、ですから、計画を立てるということだったんですけれども、今、凍結しているという理解をしていいんですか。もう進んでいないということですか。
○當眞正和病院事業局次長 基本構想の策定作業を進めておりまして、その委員会を2回やっております。内容的にはもうほぼ完成に近い状態まで内容はまとまってきておりますが、病院事業全体の見直し、それも全庁的なレベルでという話が今出ておりまして、凍結というのではなくて、今ちょっと作業を休止しているという状況でございます。
○赤嶺昇委員 作業休止というのは、どのようにとったらいいんですか。これはいつまでそのような状態が続くのか。
○當眞正和病院事業局次長 全庁レベルの検討というのも、年度内にはある程度方向性が見える形で進めたいと考えておりますので、しかもその中で宮古病院については老朽化の問題もあるので、特に取り上げて早目に進めていきたいと思っていますので、年度内にはまたその話が再開できると私は考えております。
○赤嶺昇委員 要は私が聞きたいのは、財政的なことはわかるんですね。しかし、皆さんの構想として、あれは建てかえないといけないという考えは持っているはずなんですよ。ですから、その構想をとめる理由は私はないと思うんですね。あとは財政的にどうなるのかということの話になってきますから、その構想でどうあるべきかということは進めていって、いつまでに終わるということの結論を出すべきじゃないのかと思いますけれども、どうですか。
○當眞正和病院事業局次長 おっしゃることはよく私もわかるつもりではございますけれども、実際中身としてはかなり完成に近い状況なんですよ。その結論、これは先に出すタイミングなのかどうかも含めて、全庁レベルの中で、これは今の状態を脱していきたいと思っていますので、そういうことでございます。
○赤嶺昇委員 それでは、県立八重山病院の改築について、構想といったものは今進んでいるんですか。
○當眞正和病院事業局次長 八重山病院については、まだ構想の作業には入っておりません。
○赤嶺昇委員 八重山病院も大分老朽化していますので、必要な病院であることは間違いありませんから、皆さんは皆さんとして老朽化、先ほども耐震の問題もありましたから、しっかりそこは、おくれてしまいますから、皆さんの考え方としてまとめていくべきだろうと思うんですよ。その後、財政の部分でどうやるのかということは大事かと思うんですけれども、病院事業局長、どうですか。
○知念清病院事業局長 宮古病院の改築が出る中で、当然八重山病院の話も出ていくと思います。また、そうしなければいかんと思っております。
○赤嶺昇委員 ぜひともそれもしっかり進めていただきたいと思っております。
 続いて、平成17年度及び平成18年度の県立病院全体の診療未請求状況というのを説明いただけますか。
○桃原幹雄病院経営管理監 全体の数字で御説明したいと思いますけれども、平成17年度でございます。未請求の状況、合計で5億7242万8000円となっております。そして、平成18年度でございますが、合計額7億7190万円となっております。
○赤嶺昇委員 これは合わせると、大体13億円以上になると思うんですけれども、その以前、平成16年度とか、その前も未請求があるのか、まずお聞かせください。
○桃原幹雄病院経営管理監 未請求と申しますのは、レセプトの請求時までに記載事項等がまだ満たしておらずとか、保険者の方へ請求できないというレセプトを指しているものでございまして、この部分は請求時期がおくれるものの必ず請求にはつながるという性格を持つものでございます。ですから、御質疑のそれ以前の年度もあったかということになりますと、これはその部分の金額として一定の金額が発生しておりますが、今手元の方にはちょっと準備はしてございません。
○赤嶺昇委員 実質的に13億円まで入っていないわけですから、ぜひしっかり取り組んでいただきたいと思っております。
 あと、請求漏れの現状をお聞かせください。
○桃原幹雄病院経営管理監 診療報酬請求漏れでございます。これはカルテへの記載漏れ、あるいは伝票の起票漏れ等々によりまして、具体的に内容を特定できない場合があるとかもございまして、具体的な請求漏れ金額を算出するというのはちょっと困難な面もございまして、いわゆる推計値として算出をしてございます。これにつきましては、平成18年度におきます、私どもでやっています診療報酬チェックの委託業者の調査報告に基づきまして、診療報酬請求漏れ金額を推計いたしました。これは年間約1億900万円と試算をしております。
○赤嶺昇委員 なかなか把握が難しいということではあるんですけれども、今わかっている部分だけで大体累積というのは皆さん把握していますか。
○桃原幹雄病院経営管理監 実は、これは経年的に推計をやってきたということは私どもはやっておりませんでした。以前、平成12年度に調査をしたことがありますということで、委員会等で御報告をしたことがございますけれども、その際には年間約2億円程度という以前の御報告をしたことがあると思います。
 そうしますと、委員の方からもいろいろお話をいただいたところでございますけれども、単純に計算をしますと、平成12年度に例えば2億円といたします。私、先ほど今度の額を約1億900万円と申し上げましたので、そうしますと、例えば平成13年度から平成18年度にかけて1億900万円請求漏れがあったと、仮にそう単純に推定をいたしますと、この6年間で約6億5400万円ですので、2億円と6億5400万円を足しましたトータルで約8億5400万円ほどになるかと推計をいたしております。
○赤嶺昇委員 これは平成16年度の一般会計、特別会計の決算特別委員会の中でこれが出て2億円、これは皆さん、3カ月の調査で出たんですね。そのときの答弁が「今後、毎月進行管理しているんですけれども、結果は大分改善されております。その最後に、今後はそういうことをきちんとチェックができるような状態にしていくことが肝要だと思いますので、その辺、御理解を願いたいと思っています。」という答弁があるんですよ。病院事業局長、それに対して御答弁をお願いします。
○知念清病院事業局長 先ほど私がお話したかと思いますけれども、請求漏れというのは大変実態のつかみにくい数であります。しかしながら、現金ベースのお金が非常に大きい。これは収入減につながる大変大事なことでありますので、要は頻回にチェックをして、そしてお互いに勉強して請求漏れ、こうこうこういうところが請求漏れがあったんだから、次からはこういうことはやらないようにしようと、お互いに勉強会をするということが非常に大事かと思います。地方公営企業法の全部適用を機により一層強化して、先ほど申し上げましたけれども、医師、それから看護師、研修医も単に医療の技術、知識だけではなくて、経営ということについてもちゃんとこれからはやっていかなければいかんのだということから、研修医にも請求漏れがないように指導しているところであります。
○赤嶺昇委員 これは皆さんがチェックをする、いろいろやるというお話をされているんですけれども、先ほど各病院の院長の話を聞きますと、マンパワーが足りないという話をするんですね。ですから、地方公営企業法の全部適用に移行して、我々が文教厚生委員会でも再三言っているのは、皆さんは定数を縛っている以上は、我々は各病院を全部回ってきました。回っている中で、私は、この病院の先生方もしくは現場の皆さんが怠けて請求漏れがあってやっている、そうは見えないんですね。必死でやっていて、患者が次から来るわけですから、それに追われていると思うんですね。
 ですから、そこの現状をやっぱり皆さん改善していかないと、さっき言いました請求、例えば概算でも8億円ぐらいの請求漏れですよ。これは県民に対する損失でもあるし、結果的にそこにいる現場が悪いと思われがちなんですけれども、しかし、現場は必死になっていますから、ですから、私はこちらと現場では温度差を非常に感じます。それは我々、少なくとも文教厚生委員会のメンバーはみんな知っているんですね。
 ですから、あえて定数についてお聞きしますけれども、県が定めている職員の定数は適正だと病院事業局長は考えているのか、お聞かせください。
○知念清病院事業局長 毎年とまではいきませんけれども、現場の方にどれだけの医師が欲しいのか、看護師が欲しいのか、事務職が欲しいのかというふうなアンケートはもちろん出しております。その中では、常に100名以上の欠というんですか、超過が出ております。これくらいはふやしてくれという要求は出ております。
○赤嶺昇委員 平成19年度の現場からの要求に対しての数、それに対して皆さんがどれだけ措置したのか、お聞かせください。
○大嶺良則県立病院課長 平成19年度の定数要求ですけれども、全病院で187名の要求がありました。その中で定数化したのは5名でございます。
○赤嶺昇委員 病院事業局長、これは大きな温度差ではありませんか。
○知念清病院事業局長 おっしゃるとおり、大変大きな温度差でございます。
○赤嶺昇委員 ちょっと現場の声を聞かせていただきたいと思うんですけれども、中部病院の方から、院長、現場の皆さんが出している要求数、いたずらに要求しているとは私には思えないんですね。現場にも何度も行っていますので、皆さんが57名要求していてゼロなんですよ。それに対するコメントがあればお聞かせください。
○平安山英盛県立中部病院長 57名というと、看護師も含めていろんな職種がありますから、たくさんの職種を含めて57名出していると思いますけれども、現場では実際こういう職種が必要だということがあっても認められないような職種もございます。例えば臨床工学技師、これはずっと前から必要だということで職種の制定をしていただきたいということを要望してきましたけれども、どうして要望してきたかと言うと、実際の医療では必要だし、しかも臨床工学技師がいなければ、心臓手術とか風船治療の加算も取れなくなるわけですね。財政的にも非常に損をするんですね。そういう職種も含めて要望してきているんですけれども、ほとんど認められないということで、ですから、非常に残念としか僕は言えませんね。
○赤嶺昇委員 平安山院長はかなり遠慮しながら答弁していると私は思いますけれども、病院ではもっと気合が入っていますよ。私は、臨床工学技師も含めて聞きましたよ。あれは結果的に赤字になる。要するに請求できないものですから、ですから、その現場の声もありますから、平安山先生、本当に臨床工学技師だけで大丈夫なんですか。
○平安山英盛県立中部病院長 いえ、ほかにもたくさんあります。ですから、遠慮がちに言っているんですけれども。
○赤嶺昇委員 きょう、総務部から財政統括監がいれば、やっぱりこの現状を知っていないと、結果的に利用者が減っていく。悪循環になって、もっと赤字になっていく。病院の現場の皆さんは、とにかくフル回転をして、そこにある程度の職員の配置も求めると思うんですよ。職員の定数については、もうそれは絶対さわれないよと皆さんが言ってしまうと、もうどうしようもないと思うんですね。そのあたり、病院事業局長、どうですか。
○知念清病院事業局長 私は、これは絶対にさわれないよと言ったことはございません。
○赤嶺昇委員 そうしますと、定数は今後柔軟に対応できるということですか。
○知念清病院事業局長 前から申し上げておりますけれども、まず定数をふやすということは条例の改正が必要でございまして、条例の改正というのは、議会に対する条例の提出は知事の権限となってまいります。そういうこともあって、なかなか簡単に変えられるものではございません。まず、私たちが前から申し上げているのは、どうにかして定数枠をほかの形でも広げられないだろうかということを申し上げているわけです。ですから、例えば医療の地域との連携とか、分担とか、そういうふうな形でできる分野はよそに譲ることによって、自分たちのところをスリム化していくということが1つですね。
 それから、委託できるものは委託していく。それから、現業業種というのがありますけれども、そういう方たちをほかの職種に移して、その分の定数増を図るとか、そういう形で、それから今言ったようなドクターですと、臨床研修の後期研修生がおりますから、そういう人たちも有効に利用する。そういうふうな形も考えながら、すぐ定数をふやす、定数をふやすという形に持っていくのではなくて、その辺も考えながら数の調整をできないかと今やっておるわけなんです。苦しい中から少しでも定数枠をつくり出していく、そういった点を考えながらやっております。
○赤嶺昇委員 それでは、現場の声をもう1つ聞かせてください。南部医療センター・こども医療センターの安次嶺院長ですね。皆さんは69名要求しているんですね。それに対してマイナス2なんですよ。それに対して、そういういろいろな配置のあり方によって皆さん改善できますか。現場の声を聞かせてください。
○安次嶺馨県立南部医療センター・こども医療センター院長 実は私どもも、病院の各部署にどれだけの人が必要かということ、これは中部病院の平安山院長が言われたことと同じですけれども、それはこの病院の機能をより高めて、より機能を発揮するために、これだけの人が必要ということを私たちは考えているわけですね。現在やっている分であれば、ある程度の人数でできるんですが、しかしながら、例えば先ほど申し上げましたように、子供の心臓の手術は現在は全部この病院でやっております。年間150例やっています。それでもまだ待ち患者がたくさんいる。どうしても県民のニーズにこたえるためには、これだけの人が必要だということになるんですね。もちろん、大人の方もそうですね。
 ですから、そのようなこの病院の役割に合わせて、私たちはまだ患者が残っているので、そのためには手術をこのくらいこなさなくちゃいけない。そのためには、どのくらいの人が要るか、こういう形で出てきております。ですから、ここに出た数字は医師、看護師、それからさっき平安山中部病院長が言ったように、臨床工学技師とか、まだまだいろんな職種があります。子供病院には児童の臨床心理士とか、いろんな職種があって、それによってよりいい医療をしたいという私たちの希望がありまして、実を言えば、これだけの人数を私たちにいただければ、もっといい医療ができる、そういう願いを込めたつもりでございます。ですから、もちろんそのような機会を与えていただければ、我々はそういう医療をするつもりであるということでございます。
○赤嶺昇委員 病院事業局長、ここの187名で、結果的に措置が5名なんですね。これは定数は全く変えられない、条例ということだったんですけれども、病院事業局長の方から知事の方にこれは申し出たことはありますか。
○當眞正和病院事業局次長 地方公営企業法の全部適用になる前は、まず条例ですけれども、定数条例そのものは総務部の所管で、その中に病院事業の数も含まれております。ですから、その条例自体の改正は、知事部局の方でやっていただかなければならないんですが、地方公営企業法の全部適用以前は総務部の方と毎年、条例改正の中でということで、ほぼ毎年だったと思いますけれども、要求しておりました。今度、地方公営企業法の全部適用になる際に定数を、今ちょっと手元に数字は持っていませんけれども、その年は2294名でしたけれども、それをたしか、ちょっと今記憶がないんですが、もし間違えたら後で訂正させていただきますが、50名余りふやす要求をしたつもりがございます。
 その結果、地方公営企業法の全部適用ということで、企業性を発揮するために2294名では難しいということでやったんですが、その結果、20名増員しましょうということです。しかし、期限つきで、それは4年間でもとに戻すという条件つきでありますが、20名ふやした経緯がございます。今、その条件つきの範囲内でございますので、その以後要求はしておりませんけれども、内部努力が必要ということで、それもやりながらです。要求の状況というのは、今そういうところですね。地方公営企業法の全部適用の段階で20名ふやしたということでございます。
○赤嶺昇委員 187名で、それに対して5名というのは、これは調整ではなくて、本当に内部努力でできるかどうかですね。これは現場側の声なんですよ。それは過大な要求なのか、どうとっているのか、まず病院事業局長の御見解をお聞かせ願えますか。
○知念清病院事業局長 数の問題、直接過重労働にもつながるので、それはできればふやしたいというのが私たちの偽らぬ心境でございます。ただ、今、県が行財政改革というのがありまして、それでこの4年間ぐらいで約5%カットするというふうな中で、平成18年度に病院事業局は特別ということで、新しく地方公営企業法の全部適用になるし、新病院ができるから、南部医療センター・こども医療センターができるからということで20名つけてもらったわけでございます。
 それから、前にも何度も言っておりますけれども、そのときに県立南部病院が、約250床ぐらいの病院が民間移譲しまして、そのときにいた219名の職員がすべてそのまま残っております。病院が移譲したら、そこにいた定数は、それをカットしてしまったのではなくて、そのものを全部残したんですね。ですから、病床数が250減った割には看護師、医師の数は減らなかったんです。それも全部今までの病院の方に上乗せになった、そういうふうな事情があったものですから、なかなか定数をもっとふやせというふうなことは言えない状況にあったと。言えないといったらおかしいけれども、なかなかそれ以上の要求はできないということがあったということは御理解いただきたいと思います。
○赤嶺昇委員 ぜひこの職員数に対して、以前からありますので、またしっかり現場の声を聞いていただきたいと思っております。
 平成18年度の赤字決算を含めて、今後、次年度に向けて40億円の削減、これは2年間ぐらい続けるという方針を持っているのか、お聞かせください。
○知念清病院事業局長 それでは、40億円削減というふうな平成20年度の予算編成について、20億円の削減ということが出ておりますけれども、そのことについてコメントさせてください。
 いろんな経過、そういう話が出ていった、アイデアが出ていった経過ですけれども、申し上げますと、病院事業の厳しい経営状況から、ここ数年は年度末に多額の資金不足が生じている。その資金不足については、金融機関からの一時借入金で運用しているという状況がございます。一時借入金については、本来であれば年度内に返済すべきものであるけれども、返済財源がないため、翌年度へ借りかえを行い、新年度予算の繰入金等で返済しているところであります。平成20年度末においても、今のままでいきますと約100億円の資金不足を生ずる見込みでありますけれども、平成21年度に同様に借りかえを行っても、その年度の繰入金が例年どおりの60億円、現在67億円いただいていますけれども、60億円余と想定した場合でも、資金不足が100億円ですから、約40億円の資金不足が生じまして、病院事業が立ち行かなくなる。単純計算ですけれども、そういうことになります。
 そのことから、平成20年度においては、年度内の一時借入金の額を圧縮して、翌年度借りかえを行っても、繰入金額の範囲内で返済できるようにするために、現医療制度のもとでは、どんどん診療報酬制度で診療報酬は減っていく傾向にありますので、どうしても収益面では高望みはできない。ですから、そういう面であれば、経費の縮減に重きを置いて、そして単純計算でございますけれども、60億円入ってきた、そして40億円削減すれば、それで資金不足をどうにか乗り切れるのではないか、そういうことでございます。
 実際にそれができるかどうかというのはまた別の話でございます。これだけの大きな費用削減をまずは頭の中において、40億円足りないんだ、どうにかしなくてはいかんのだ、そういうことをみんなに、現場の人にも、また私たちもそれを強く認識して、そういう経費縮減を図るということを一つの決意とするために出した数字でございまして、これがそのまますぐ単純にその数を当てはめるような予算をつくるということではございません。これを一つの、そういう気持ちでやろうということでございます。
○赤嶺昇委員 わかりました。繰入金の件について大分質疑があったんですけれども、そうしますと、今の説明によると、繰入金は少なくとも前年度並みじゃないと、それでも厳しいという認識でいいんですか。
○知念清病院事業局長 前年度並みの繰り入れ、そういうことです。
○赤嶺昇委員 繰入金を今年度並み入れても40億円足りないということで理解していいんですね。ですから、皆さんは、現状のままでも最低これより切られるとまずいということで理解していいですか。もう一度ちゃんと答弁願います。
○知念清病院事業局長 説明が拙劣で大変申しわけございません。繰り入れ所要額については、事業及び経費ごとに所要額を算定するために、額は各年度変動することになりますけれども、現在のような病院事業の規模あるいはその運営方法を継続する限り、少なくとも従来の繰入金相当額は今後も必要となると考えます。また、病院事業としては、地方公営企業法に定める経営の基本原則である経済性を発揮しつつ、引き続きその所要額を確保していきたい。今のままであると、やっぱり40億円の縮減を目指して頑張らないと乗り切れないということであります。それを1つの目的としてですね。
○赤嶺昇委員 民間病院とよく比較されたりするところなんですけれども、沖縄県にとって政策医療の観点から見ると、県立病院の役割というのはどのように認識していますか。
○知念清病院事業局長 県立病院の役割というのは、県立病院の今後のあり方検討委員会、県立病院の今後のあり方に関する実施方策にも書いてありますけれども、地域の中核病院となって、その地域の医療の中心的な形で民間医療ともお互いに連携をとりながら、良質な医療を提供するというのが本質であります。ですから、地域に必要な医療を当然やる。その中には高度な医療であるとか、救命救急であるとか、あるいは離島医療というものも含まれますけれども、そういう不採算部門も含めて必要であればやると。私がわざわざ言わなくても御存じかと思います。
○赤嶺昇委員 それを政策医療という理解でいいんですか。そこだけ確認させてください。
○知念清病院事業局長 必要であればやらなくてはいけないと考えるのが政策医療と考えております。
○赤嶺昇委員 したがって、例えば南部医療センター・こども医療センターをつくられた。その中でいろんな財政も厳しくなってきたということですが、これは病院側からの要望と言うよりも、政策医療の一環で南部医療センター・こども医療センターをつくったと思うんですね。それは間違いないですか、どうですか。
○知念清病院事業局長 おっしゃるとおり、今、確かめましたところが、そういう政策医療部門として南部医療センター・こども医療センターはつくられたと聞いております。
○赤嶺昇委員 ぜひこの政策医療の観点を忘れないで頑張っていただきたい。
 最後に、八重山病院の伊江先生にお聞きしたいんですけれども、もし40億円の削減がいった場合に、皆さん、圧縮して予算を組んで、病院が休止するという事態にならないかどうか、そうなる可能性はありませんか。
○伊江朝次八重山病院長 それでは、代表してお答えします。私どもの方では、約3億五、六千万円ぐらいの削減をしなきゃいけないだろうというふうな話になってきておりますが、それをまずやれば、委託費とか診療材料、あるいは薬剤費といったところを削らなきゃいけないということで、現状の予想からしましたら、まず来年4月には病院を休診しなきゃいけないだろう。委託のいわゆる医事会計も、まず入札でおりない、落ちないだろうというふうな形になると思います。
 したがって、この40億円を全体でやるには、材料費、それから委託費、今、県立病院事業で約135億円ぐらいですか、毎年使っていると思いますけれども、全体を一括してスケールメリットを生かしたような業者との削減ができるかどうか。これは病院単独だけではできないですから、ぜひ病院事業局にそういうところを考えてやっていただきたいと思っております。
○伊波常洋委員長 玉城義和委員。
○玉城義和委員 大分お疲れでありますが、きょうお話を聞いていて、病院の現状が非常によくわかってまいりました。せんだって、和歌山県でしたか、どこかで妊産婦が10カ所ぐらいたらい回しをされることがありまして、幸いなことに我が県ではまだそういうことは起こってないんですね。これは、県立病院が24時間体制で頑張っておられることが私は大変大きいだろうと思います。一方では県立病院頑張れ、頑張れと言っていて、きょうの話を聞いていて、一方では知事部局を含めて手足を全部縛ってしまって、飛べなくなるようにしていて頑張れと言われても、とてもじゃないけれども、これは大変だなというのが実感であります。
 まず企業局長に、皆さんの御努力で、この10年、
20年、断水という経験はないように思いますが、今のダムの現状で賄える県の人口というのはどれぐらいあるんですか。
○花城順孝企業局長 直接の答えにはならないかもしれませんが、現在の余力と言いますか、それで申し上げると、最大給水能力の85%程度の対応でできるわけでございます。15%の余裕はあるということでよろしいでしょうか。
○玉城義和委員 これは前もって言っていなかったのでちょっと申しわけないです。15%というのは、人口にするとどれぐらいになりますか。
○宮里章企業局次長 今現在の企業局の給水人口、それと給水能力等について申し上げますと、統計上は平成17年度までしかやっておりませんけれども、給水人口が121万7000人でございます。それに対しまして、今現在の平均の給水量が41万8000トン程度、最大で申し上げますと46万トンということでございます。
○玉城義和委員 人口、人数が出てこないんだよね。それからあと、どれぐらいの余裕があるかということを聞きたいんだけれども、それはわかりませんか。
○宮里章企業局次長 今正確な数字を覚えておりませんけれども、海水淡水化施設を含めまして、最大給水能力が約54万トン程度ということでございます。
○玉城義和委員 人口が出ていないので、後でちゃんと調べて教えてください。
 それから、観光客の数が非常にふえているわけで、仲井眞知事の方針は1000万人ということでありますから、それを前提とした場合、県内の給水能力はどうなんでしょうか。
○宮里章企業局次長 計画水量のうち観光用水量につきましては、入域観光客数を今の沖縄振興計画の目標であります650万人に設定をしますと、観光用水が日量約3万4900立方メートルということでございますが、入域観光客数が仮に1000万人となった場合には、それに必要な観光用水量が日量約5万3700立方メートルになるものと想定をしておりまして、現在の水量よりは、日量で申し上げますと、約1万
8800立方メートル程度ふえるということでございます。
 それに対しまして、先ほども申し上げたわけでございますが、今現在の最大給水量で申し上げますと、1日当たり46万トン程度でございます。それに対しまして水源水量が54万6000立方メートルということで、現状でも余裕がございますということでございます。
 1日当たり現状で使っておりますのが、想定でございますが、650万人に対しまして日量3万4900立方メートルでございます。それに対しまして、入域観光客が1000万人となった場合には、日量5万3700立方メートルということでございます。そうしますと、現計画水量よりも日量で約1万8800立方メートルふえるということでございます。このような状況でございまして、現在は水需要の見直し作業をやっているところでございますが、節水機器等の普及等によりまして、生活用水は減少傾向にあります。そういうことからしますと、観光客1000万人体制に対しましても、現計画の範囲内で十分対応できると考えております。
○玉城義和委員 時間がないので、なるべく簡単に言ってください。
 量的にはいけると。いけるんだけれども、今度は質の問題ですね。企業局長、お宅ではミネラルウォーターは御使用ですか。
○花城順孝企業局長 水道水を浄水器にかけて使っております。ミネラルウォーターは基本的には使っておりません。
○玉城義和委員 非常に微妙なところでございましたが、水道の元締めの方がミネラルウォーターだけを使っていくのではなかなか大変でありますから。
 最近、ミネラルウォーターの需要が伸びていまして、普通の家庭でも非常に普及をしてきているということがあります。これは裏返せば、普通の水道水がうまい水という感じになっていないということだと思うんですね。そこのところはひとつどうお考えか、どういう対応をしているか、その辺をお聞かせください。
○花城順孝企業局長 水道水の安全という観点からすれば、いわゆる蛇口のところである程度の残留塩素は必要だと言われておりまして、その残留塩素が多少水のおいしさを損ねているという側面はあるかと思います。ですから、安全な水とおいしい水というものは若干相反するところはありますけれども、飲料に供する場合とおふろでシャワーを浴びる場合と用途がいろいろ違いますけれども、そこは消費者の方がいろいろ工夫をして使い分けるというようなことではないかと思います。
○玉城義和委員 量的にも、安全も含めて、おいしい水を県民に供給していただきたいと思います。
 県立病院の件についてでございますが、北部病院の産婦人科、産科医の問題であります。これは本会議でも何回も私は指摘をしてまいりましたが、来年の3月で丸々3年になるわけですね。その間に、平成17年に92件、平成18年に81件、平成19年に30件ですね。これは中部病院や琉球大学病院に搬送された数で、200件以上ある。そのうち四、五人が救急車の車内で出産しているんですね。私はこれは大変ゆゆしき問題だと思っているんですね。この状態を病院事業局は把握していますか。
○知念清病院事業局長 救急車内における出産のことについて把握しているかという御質疑ですか。はい、しております。
○玉城義和委員 これは私も名護消防署に直接聞いてみているんですが、車中には看護師も医師も乗ってないんですよね。病院間の搬送は乗っていますが、生まれた人たちというのは大体病院を経由していないで、直接行くわけですね。これは救急救命士が乗っているだけなんですよね。特に若い男の人が多い。これは大変なパニックですよ。それで、物すごいプレッシャーがかかっているんですよね。今の状態、今の段階で幸いに大事には至っていないわけで、もし車中で何かあった場合、だれが責任をとるのか。こういう問題は県としては深刻に受けとめなければならないと思うんですね。
 まず1つは、大久保県立北部病院長がお見えですので、この辺の現状も含めて認識をお聞きしたいと思います。
○大久保和明北部病院長 玉城委員から今御指摘があったように、患者と言いますか、妊婦の方に御不安とかをかけているのは十分認識しております。我々としては、一日も早く北部病院での産婦人科の再開をめがけて一生懸命頑張っているという状況でございます。先ほどもお話しましたとおりでございまして、何とか早急に再開をしたいと考えております。
○玉城義和委員 大久保北部病院長はそのままでお座りください。
 新聞報道などによると、北部地域の妊産婦の方が中部病院に行って、そこに流れることによって、中部地域の人が玉突き的に押し出されていく。もはや北部地域の産婦人科の閉鎖は北部地域だけの問題ではなくなってきている。全県的に波及しているわけですね。これはもう大変なことでありまして、北部地域ももちろんそうでありますが、経済的にも心理的にも政治的にも大変負担でありますが、中部地域も含めて、南部地域も含めて全体的な問題になってきている。こういう現状にあるわけで、非常に厳しいということは私どもも認識をしておりますが、先ほど大久保院長は、お二方と交渉しているということであります。そういう話は何回もあるのですが、来年で3年間たちますので、来年の4月からは北部病院の産婦人科は再開できるという見通しがありますか。
○大久保和明北部病院長 努力いたします。
○玉城義和委員 病院事業局もひとつ一体になっていただいて、ぜひとも退路を断って御努力していただきたいと思っていますので、来年の4月からの再開を私ども強く期待しておりますので、全力で御努力ください。これもぜひお願いをしておきたいと思っております。ありがとうございました。
 何人の方からも出ているわけでありますが、恒常的に医師の確保ができるように対応しなければなりません。そういう意味で、国も国立大学等の枠組みを広げて、財政的支援も行うということですが、琉球大学の医学部との関係とか自治医科大学との関係なども含めて、病院事業局独自でそういう対応は考えられないかということですが、いかがでしょうか。
○知念清病院事業局長 この問題は、県立病院を越えて実は福祉保健部の所轄になっております。それで、ことしの6月に地域医療対策協議会というのが発足しまして、その問題を対応することになっております。
○玉城義和委員 たしかせんだっての報道では、国が各国立大学の医学部の枠を5名以上広げる。岩手県の遠野市というのがありますが、市立の助産院を開設するという動きがあって、今は検診だけだけれども、将来的には産科もやるというのもあるんですね。かつてはあちこちに助産院がありましたね。そういうものの活用みたいなものは考えられないのでしょうか。
○知念清病院事業局長 この問題に関しましては、病院事業局ではなくて、福祉保健部の所轄になっております。
○玉城義和委員 先ほど赤嶺委員からもありましたが、診療報酬の未請求についてです。
 本会議で1億900万円という答弁がございましたが、過年度分を含めると8億円ぐらいになると。これは大変重要な問題で、これだけ長い間引っ張っているわけですから、どこかにちゃんとした取れない理由があって起こっているのか、その理由をやっぱりきちんと解決をしていかなければならないと思うんですね。
 1つ、この未請求問題が起こっている理由は、基本的な原因はどこにあるのか、それを改めてちょっとお聞かせください。
○知念清病院事業局長 まず念のために未請求と請求漏れは違うのですが、請求漏れとそれから未請求どちらでしょうか。
○玉城義和委員 請求漏れの方です。
○知念清病院事業局長 では、請求漏れの原因を申し上げますけれども、診療報酬点数表の解釈の誤りや伝票の記載漏れ、または記載のミスによって、本来よりも診療報酬が算定されなくなってしまう。それから、算定担当者が伝票の情報をコンピューターに入力を誤って、それで請求がうまくいかないケース、それから診療行為はしたけれども、患者対応に追われ、いわゆる多忙ということでカルテ及び伝票などの未記載が起こって、そしてそのために診療行為の記録がないために請求が不可能になるケースということで、要するにちゃんとした診療報酬請求書が出ていないという原因はいろいろとございます。
 それで、実際に診療行為をやったにもかかわらず記録がないというのが一体幾らあるのかというのは、実はこれはとても探し出すのは難しいので、ある程度推定するしかないんですけれども、これは小まめにチェックしていって、そして、こういう事例ではこれが書けますよというようなものを専門の人がちゃんとチェックして、そしてそれを取り上げて、勉強会を持ってみんなに教えていく。そういうことをもうしつこく小まめにやっていくしかないと思います。
 今までそれに対する取り組みが悪かったということは事実あったわけでして、これからはそれに重きを置いて、今後十分やっていきたいと。診療報酬請求の専門の方が今は委託でおりますけれども、各病院を回って歩いて、請求漏れをなくすために努力しております。今後、できればそういう方の数をふやして、取り漏れの防止を図ることを考えております。
○玉城義和委員 現在の算定点検をやっている人数と、平成18年度で何カ所やったかを教えてください。
○桃原幹雄病院経営管理監 平成18年度の実績でお答えいたしますが、専門の算定の委託職員、極めて高度な算定能力を持っているのですが、2人委託をしておりまして、彼らがすべての県立病院を回っております。それが延べにしまして21回、病院を訪問したという形になってございます。
○玉城義和委員 その算定で明らかになった金額は幾らですか。
○桃原幹雄病院経営管理監 平成18年度の実績で、この2人の専門委託職員が請求漏れを防止したということの金額が約2300万円でございます。
○玉城義和委員 そうですね、2280万円ということで。この2人の委託職員にかかった費用は幾らですか。
○桃原幹雄病院経営管理監 これは平成19年度の委託金額で申し上げますと、2人分で927万6000円でございます。
○玉城義和委員 私は、もう少し安ければ、人数をふやして全部をやれる。要するに6病院で、6掛ける12だから72カ所ですよね。そのうちの21カ所はやったということですね。これをふやして72カ所を全部やれば、取りっぱぐれはないわけですね。
○桃原幹雄病院経営管理監 先ほど御説明いたしましたように、診療報酬の取り漏れ防止部分、例えば伝票の起票漏れとか、非常にチェックの難しい部分もございまして、全体としてなかなか推計が難しいところがあると御説明申し上げましたけれども、その部分でまず人数をふやして、量的にふえるであろうと想定される部分、しかし、やはりどうしてもひょっとして見つけることができないであろうという部分、それはやはり存在すると思います。
 実際の点検を例示的に御説明いたしますと、例えば診療報酬点数の高い手術のレセプトとか、そういった意味ではプライオリティーの高いところからまずやっていく。まず時間的な制約、それから期間的な制約がございますので、例えばすべてのレセプトをくまなくチェックするということは、やはり物理的に不可能でございます。その意味では、人をふやすというところのまず1つの方策、そして、なるべく数をふやしながらチェックの回数を高めていくというところで、検討するところはあると考えております。
○玉城義和委員 総括表をもらっておりますが、これでいくと、例えば4月だと、北部病院と中部病院と八重山病院しか行っていないわけですね。これをもう少し改善すればできるのではないですか。
○桃原幹雄病院経営管理監 今回、推計で診療報酬漏れの金額が幾らぐらいになるかというところを出した部分がございますので、その部分から、例えばあと何人ふやしたら、今行けていないところ、回数を埋めることができるかという作業の方は現在やっておりまして、その部分を踏まえてどういうことができるかは検討していきたいと考えております。
○玉城義和委員 これも、これまで恐らく全くないのもある。年金みたいなもので全く宙に浮いていると言うか、そういう意味では非常に困る話で、恐らく8億円という話も、これでいくともう少しあるのかなという感じがするわけですよね。
 だから、本来入るべきものが漏れているというのは、ぜひともこの辺はきっちりやらなければならない話で、できるだけ外部に委託しなくても、内部で緊張感を持ってやればできるという面もあるかと思うんですよね。その辺のところはプロフェッショナルをきちんと養成して、過剰な請求をすることは違法だけれども、取るべきものを取らないというのは県民の利益を損ねているわけですから、これはやっぱりどうしてもやってもらわなければいけないと思うんですよね。病院事業局長、最後にもう1回決意を。
○知念清病院事業局長 今、桃原病院経営管理監がお話しましたように、この件については既に話し合いをしまして、回数をふやす、あるいは人をふやすというふうな感じで対応策を考えているところであります。
○玉城義和委員 最後に、例えば北部病院とか八重山病院とか宮古病院の小さい方、田舎の方が赤字幅が少なくて、都市部の大きな病院の方が赤字が大きいというのは、これは県民的にはわかりにくいのですが、どうしてですか。
○當眞正和病院事業局次長 確かに純損益の額を比較しますと、中部病院と南部医療センター・こども医療センターの額は、例えば北部病院や宮古病院、八重山病院よりも赤字額は数字の上では大きくなっておりますけれども、まず中部病院の場合は、先ほど平安山中部病院長も答弁していましたけれども、33床の休床があっての収益減があった要因があります。それと、南部医療センター・こども医療センターにつきましては減価償却費が入ってきたということで。それと、平成18年度は特に上半期は開院当初ということで、軌道に乗らなかったというものが大きいですね。それとあと、単純に金額で比較できないのは、運営規模が違います。中部病院も南部医療センター・こども医療センターも病床数が大きいです。そこから出ているもので、運営規模に対する割合といった比較をしないと、単純には出ないかと思います。
○玉城義和委員 結構です。そういう答弁でいいと思います。
 それで、僕は会計学上難しいことはよくわかりませんけれども、減価償却費の費用を入れていくというのは、やっぱり県民から見れば、物すごい赤字が膨大になっていくというイメージがあるんですよね。ここのところは切り離して基金にするとか、何かもっとわかりやすい方法はないんでしょうかね。これは新しい病院なんかは特にそうで、そうしないと、県民的には、県立病院はもう本当に大変だとなってしまって、何となく自信がなくなるんですよね。
○當眞正和病院事業局次長 御質疑の趣旨はよくわかります。我々も、複式簿記でやっていく関係上、その仕組みの関係でどうしても減価償却費というのは取り込まなければいけない法律の仕組みがございますが、ただ、民間とは純粋な意味で違うところがあります。ですから、我々が実際の損益の状況というのを県民の皆さんに説明するときには、やはり減価償却前の数字と、それから減価償却を含めた両方の数字を常に出しながらやっていくという我々の工夫が必要かと思っています。
○伊波常洋委員長 外間盛善委員。
○外間盛善委員 もう後半戦に入って、あと自由民主党の4名だけですかね―あとたくさんいますか。もう大分お疲れのことと思いますが、しばらくの間、淡々と進めたいと思いますので、丁寧、簡潔な御答弁をお願いしたいと思っております。
 病院事業局長にお尋ねいたしますが、産婦人科医で始まった本県の医師不足は、最近、他の診療科目まで波及し、深刻な社会問題となってきておりますが、そこについて全般的なことをお聞きしようと思いましたら、病院事業局ではなく、ほとんどが福祉保健部の所管であるとのことでございまして、私は、きょうは幾つかに絞って病院事業局長にお尋ねしたいと思っております。
 しかしながら、医師不足問題は県政全般にまたがる大事なことだけに、縦割り式の局内だけに閉じ込めず、医師不足問題は病院経営の安定と安心を維持し、同時に健全な経営を図る立場からもっと幅を広げ、福祉保健部と一体的に努力して、医師不足問題は解決に臨まなければならないものだと思っておりますが、連携体制はいかなる形でとられているのか、まずこのあたりを御説明いただきたいと思います。
○知念清病院事業局長 病院事業局というのは、あくまでも県立病院を主体にした、それと附属診療所も含めた医師の件について動いているわけなんですが、当然、沖縄県の医療全体にかかわるのは福祉保健部なんですけれども、病院事業局もその全体の中の1つでございますから、医師確保に当たっては、診療所であるとか、あるいは県立病院にあっては特にそうですし、それ以外の医師確保についても、どちらが主体になってやるかは別ですけれども、一緒に相談しながらやっております。決して別々に動いているわけではありません。連絡をとり合いながらやっております。
○外間盛善委員 そのとおりしっかり頑張っていただきたいと思います。
 次に質疑いたしますが、県立病院の数と、それぞれの病院ごとの診療科目別の医師の配置状況の御説明をお願いいたします。
○伊波常洋委員長 休憩いたします。
    (休憩中に、執行部から病院ごとの診療科目    別の医師の配置状況は資料を提供したいとの 申し出があり、了承された。)
○伊波常洋委員長 再開いたします。
○外間盛善委員 それでは、現在、県立病院における医師不足の状況についてお聞かせください。 
○知念清病院事業局長 細かい数字は今ちょっと出すのは大変なので、主要なものだけを申し上げたいと思います。
 まず欠員を生じている診療科というのは、正職員を含めまして、北部病院で産婦人科が3人、それから北部病院の放射線科が1人、宮古病院の脳神経外科が3人、それから宮古病院の産婦人科が2人、八重山病院の脳神経外科が2人というところであります。
○外間盛善委員 説明のありました現在の医師不足を確保していける見通しはどうなってございますか。
○知念清病院事業局長 今申し上げました診療科なんですけれども、今のところ、それぞれについて数名のそれなりの希望者がおりまして、ぜひともその方たちを確保したいと努力しているところであります。
○外間盛善委員 結局、努力はよくわかりますが、いつまでに解決するという見通しは立たないんですか。
○知念清病院事業局長 これは大変難しい。今は医師不足で、特に産婦人科であるとか脳神経外科というのは非常に引く手あまたで、それで、申し上げにくいんですけれども、契約した後でないと数は出せないということで。話がずっと続いていてもう大丈夫だと思ったら、契約の二、三日前に、いや、私は別に行きますというような人が出たりするものですから。ついこの間、そういう例がございまして御迷惑をおかけしましたが、そういうことがあって、明確にいつまでに確保できるということはちょっと申し上げにくい状況であります。
○外間盛善委員 医師不足の原因はどういう理由にあるのか、そしてその原因と対策、今後こうしなければ、やはり医師不足は解決できないという、ある意味では県民に安心と安全をもたらすようなお話はいただけませんか。
○知念清病院事業局長 今、医師不足の問題ですけれども、これはいろんな要因がございます。それを全部申し上げるのはちょっと大変なので、メインのところだけいきたいと思いますが、一番大きな引き金になったのは、平成16年度から始まった新臨床研修制度だと思います。それで、それをやりまして研修生が大学に行かなくなった、市中病院の方に行く人が多くなったということで、大学から人を回していた離島・僻地、特に田舎の方に回していた人たちが大学での研修を望む人が少なくなったもので、大学が手薄になってしまったわけですね。それで回せなくなったというそういうシステムが一番大きな問題かと思います。それ以外に、やはり医師の偏在と言いますか、医師の数そのものはそんなに減っていないんだけれども、都会にどうしても集中する。田舎は嫌だという人がふえてきたというのがあるということです。
 それから、職業的な関係から、病院勤務というのはどうしても仕事がきつい、当直もある、それから給与も思ったほど今はよくないというふうなことも含めまして、若い人たちの考え方は変わってきたかと思うんですけれども、県立病院勤めをやめて、より快適な生活の暮らせる開業をするとか、あるいは民間病院に勤めるという、医療に対する考え方というのも大きく変わってきたのかなと思います。
 それから、数も実は女性の医師がふえてまいりました。女性の医師がふえてきますと、どうしても若いうちは結婚して、またお産をして、その後、育児休暇というようなことをしますので、男性と違ってある意味で半人前の使いでしかないというような、これは大変失礼な表現で申しわけございません。要するに、男性ほど十分使えないというふうなことも人手不足につながっているのかなと思います。
 それらの全体の形の中で生じてきたことなので、ただ1つのことを取り上げて、これが医師不足の原因だと断定するには、余りにも大きな要因が重なっているのかなと思います。もっといろいろあるとは思いますが、今ちょっと思いついた主要なところでございます。
 大変申しわけありません。いつも失言ばかりしておりますが。半人前と言いましたけれども、労働力として、どうしても男性に比べて労働力の喪失ということがしばしば起こるというふうな意味でございまして、反省しております。
○外間盛善委員 医師不足の要因はさまざまたくさんあると思いますが、ただいまの御説明で納得ですけれども、対策はこれからしっかり構築していかなければならないと思っております。
 最近、東北、北陸地方におきましても、医師不足が大変だと報道の中で言われてきまして、やはり全国的に医師不足が起こっているとお聞きしましたときに、これまで医科大学とかあるいは本土からある意味では補助を求めてきた沖縄県にとりましては、さらに医師不足に拍車がかかってきて、さらに追い込まれていきはせんかなという心配もございますが、病院事業局長はどのようにとらえておられるか。
○知念清病院事業局長 おっしゃるとおりでありまして、復帰前後の沖縄の状態を見ますと、医師の数で全国の40%以下、それから病床数でも30%台というふうな時代がございまして、医師が足りないと大騒ぎしたことがございます。それで、国費制を出して医師不足を解消しようというふうな時代がございました。おわかりのことと思います。どうやらそういう制度のおかげもあって、それからまた琉球大学という医学部ができたせいもあって、医師の数はふえておりますけれども、今のような全国的な医師不足の状況になってまいりますと、またいつ復帰前の、あるいは復帰前後のような、鐘をたたいて回らないと医師が来ないという時期が来ないとも限らない。
 そのことも踏まえて、幸い、今、沖縄の臨床研修制度というのは全国的にも非常に評価されておりまして、人口割にすると、多分全国で一番研修生の数が多いのではないかと思っております。そういうのもそれなりのちゃんとした対応を考えていかないと、どんどん流出してしまう可能性があると考えておりまして、医師不足にならないように私たちは努力していきたいと思っております。
○外間盛善委員 この問題については、残りについては福祉保健部で質疑させていただこうと思っておりますが、いずれにしても、国として医師の数をしっかりもっとふやして養成すべきであろうと。そして、県立病院のいろんな医師不足の問題は、民間に比較して待遇的に劣っている部分があるのではないかと私なりに思慮しております。そこら辺の改善策もしっかり進めていかれれば、何とか救済策があると認識をしておりますので、頑張ってください。
 それから次に、病院事業の累積赤字に関して現状を簡潔に御説明をお願いしたいと思います。
○知念清病院事業局長 平成18年度末の未処理欠損金、いわゆる累積赤字は510億7342万141円であります。この累積赤字がなぜ改善されないのか、原因は何なのかということなのでありますけれども、これもまたいろいろな原因でそうなっていると。
○外間盛善委員 現状まででいいです。
○知念清病院事業局長 現状まででよろしいですか。
○伊波常洋委員長 今のところ原因は聞いておりませんが、ついでにどうぞ。
○知念清病院事業局長 続けさせていただきます。
 先ほど来申し上げておりますけれども、近年、診療報酬改定が低率で推移している。診療報酬、収益がどんどん減ってきているということがございます。それでまた病院の収益が落ちているということですね。
 それから、国の総医療費抑制策によって個人負担がふえてきた。それで、特にお年寄りの負担がふえておりまして、そのために患者が病院に行かなくなって、外来の減少傾向が出てきた。
 それから、民間医療機関が大変機能的に充実してまいりまして、患者が分散してそちらの方に、前は県立病院がより高度な病院だということでたくさん来ておりましたが、それが民間にも流れていく傾向が出てきたということですね。
 それから、脳神経外科、産婦人科といった医師が確保できないために、その分だけ外来患者、入院患者が減ったということも大きいことかと思います。赤字の原因になっているのではないかと。
 それから、先ほど来申し上げております離島・僻地をたくさん抱えていて、医師、看護師、その他の医療技術職をたくさん抱えておりますが、その人たちの特地勤務手当、それは政策医療と特定されないものですから、それが大きく影響している。いろいろ幾つか申し上げましたけれども、そういうことが重なって赤字になっているということであります。
○伊波常洋委員長 外間委員、今、現状と原因までお答えいただきました。
○知念清病院事業局長 先ほどの累積赤字を私は510億7342万円と言ったということなんですが、実際ここに書いてあるのは518億円なので、訂正いたします。
○外間盛善委員 状況と原因について説明がございましたけれども、今後の健全経営に向けて、これのための改善策はどのような認識をお持ちか、お願いします。
○知念清病院事業局長 それでは、改善策についてお答えします。
 まず収益面とそれから費用の両方がございますけれども、いずれにも取り組んでいかなくてはいけないということであります。まず収益面での取り組みなんですけれども、地域医療連携室をうんと利用したいと。それを強化することによって、民間医療機関との役割分担、そして急性期患者をたくさん確保して、長期入院患者の転院や退院の促進による病床の効率的な運用をしたいということであります。
 それから、先ほど申し上げましたけれども、診療報酬請求上の基準や条件を満たすことで診療報酬の増加を図る。例えば高度特殊医療でありますと、高い診療報酬がもらえます。ICU、CCUとかMF-ICUとか周産期医療とかがいろいろございます。そういうのをできるだけやる。
 それから、診療報酬請求漏れの防止を徹底する。取り漏れ防止を徹底して行うということですね。もう1つは、費用面での取り組みでありますけれども、薬品や診療材料の一括購入による廉価購入の推進、業務の効率化による時間外勤務の縮減、競争入札の促進などの契約の見直しによる経費の縮減、節減に対する職員の意識を強化して徹底を図っていく、それから、電力、光熱水費、燃料費についての削減を図るというふうなことでございます。
○外間盛善委員 ただいまの御説明の中で、診療報酬も上げるという言葉がございましたけれども、診療報酬そのものは全国一律の体系で、沖縄だけちょっと考えて上げるとか、こういう方法をとれますか。
○知念清病院事業局長 診療報酬というのはちゃんと国で決まっておりまして、沖縄だけというわけにはまいりません。今、診療報酬を上げると言ったのは、これは全国的なものでして、高度医療をするためのある一定条件を備えますと、医師の数、看護師の数、そこで取り扱っている患者、使っている医療機器とかそういうのを全部そろえますと、それに応じて高い診療報酬がもらえるということでありまして、沖縄だけに限ってもらえるというシステムはございません。
○外間盛善委員 赤字問題は、古くても新しい問題であると認識しております。また、これは一朝一夕にして解決できる代物ではないものと私は思っております。病院事業は20数年前までは当時の環境保健部がたしか所管しておったわけでございますが、当時から、県が幾ら努力を払ってもなかなか改善することができず、結果として病院管理局を経て今日の病院事業局に至っておりますが、今日でも病院事業局が独立したのは、流れとして地方公営企業法、いわゆる企業会計法による経営の独立的な色彩を強めて、合理化と抜本的な経営改善を進めるべく、当時、たしか環境保健部から独立していきましたが、その後、あの手、この手で幾ら努力をしてきましても、結果として成果が全く上がらず、20年後の今日に至りましても、全く同じ議論が議会内外で論議が展開されておることを思うときに、この問題はやはりいつまでたっても解決できないのかなと思っております。
 長年同じことを聞いてきました私からすると、赤字解消策のいわゆる答弁や説明も、何かその場逃れにしか聞こえてこない。こんなことすら感じるようになってございます。結論から申しますと、やはり病院事業は、島嶼県沖縄においては、不採算性の高い分野が数多く見られ、全国一律の診療報酬体系では、なかなか改善できないのかなと。そのあたりに一義的にはメスを入れていかない限り、立派な解決策は生まれないのかなと私は考えておりますが、病院事業局長の所見をお聞かせください。
○知念清病院事業局長 私たちは現在、赤字対策のために地方公営企業法の全部適用という体制をとっております。しかしながら、病院事業を公的な医療をどのようにちゃんとした形でこれからも続けていけるようにするかということは大変大きな問題でありまして、いろんな方がいろいろな案を出しておられます。そういう意味では、外間委員の御意見も1つの参考になるかと考えております。
○外間盛善委員 一方、民間病院においては、同じ診療報酬体系の中で、私の周りの豊見城市の豊見城中央病院とかあるいは徳洲会病院あたり、近隣にある関係上、出入りもいろいろございますが、毎年増築、拡張を図るなど、本当にすばらしい勢いで発展を遂げている。いつ行きましても、やはり外来客とか入院客、待合室なども足の踏み場もないぐらい、なぜか病院がにぎわっている。こんなことすら考えさせられる印象を受けております。
 なぜ民間病院と県立病院がこうも違うのかと我ながら強く感じておりまして、そのあたりはやはりいろんな意味で待遇の違いもあるのかなと思ったりしておりますが、民間ではしっかり運営されているのに、県立病院はこんなに苦しい経営を強いられているのはいかなる理由なのかなと思っておりますが、病院事業局長の御所感をお聞かせください。
○知念清病院事業局長 それでは、私なりの所感ということでお受け取りください。そうじゃないという方もおられるかもしれないので、私なりの所感で言わせていただきますと、民間病院というのは、いわゆる政策医療部門、赤字部門というのをやらないから収益が上がると考えております。私たちの政策医療部門、赤字部門と、必要でも赤字でもやらなくてはいけないと思っている部分はたくさんありまして、それが大きな要因になっている。
 こういうことを申し上げるのは何ですけれども、民間医療機関、例えば産婦人科の病院があったとします。ところが、何かいろいろな状況があって、それで患者が来ない。そのために収支決算が合わないから、では、もう閉めますよと。医者を抱えて、看護師を抱えても患者が来ないから切りますといって切っても、だれも文句は言いません。と言うのは、赤字では病院がつぶれてしまうからというふうな感覚ですね。ところが、赤字部門だからということで県立病院が、利用者は数名いるけれども、赤字部門だから切りましょうといって切って、そこに医者がいなくなったらどういうことになるか。それは許せないと、みんなが言うわけです。私はそういうところが大きな問題ではないかと。
 と言うのは、宮古病院、八重山病院あたりで、今のままでいきますと、どうしても赤字運営せざるを得ません。しかし、赤字だからといって切ることができるか。そういう問題ですね。ですから、民間で切ったら、ああ、これは経営が成り立たないのだからしようがないよというふうなことで済ます。税金からの繰り入れがあるからいいだろうというふうな感じで一般の方も考えておられるところがあるのではないか。それで、当然のごとく、不採算部門も当然やるべきだという感じでとらえておられます。その辺のところが私は一番大きな収支の分かれ目、収益を上げるか、上げないか、黒字になるか、赤字になるかの分岐点だと考えております。これは私の所感であります。
○伊波常洋委員長 30分間休憩します。
   午後6時22分休憩
   午後6時54分再開
○伊波常洋委員長 再開します。
 休憩前に引き続き質疑を行います。
 池間淳委員。
○池間淳委員 委員の皆さんも、執行部の皆さんも、どうも御苦労さんでございます。やはりこのきょうの決算特別委員会、沖縄県民がいかに快適に暮らせるかというふうなことを大きく担っている2つの局でありますね。
 まず命の根源といえば水なんです。健康でなければ快適な生活はできないというふうなことで、健康をきちっと守ってくれる病院事業局の皆さん、本当に御苦労さんでございます。この2つの局に対しましては、沖縄県民は幾ら金をかけても、だれも文句は言わないんじゃないかなというふうな思いをしております。片や黒字で笑顔いっぱいでやっていますが、片や赤字で大変渋い顔もなされながらきょうの委員会をやっておりますが、どうぞひとつ沖縄県民の快適な暮らしを得るために、両局長に頑張っていただきたいと思っております。
 それではまず、企業局長に質疑いたします。
 沖縄県民の健康を維持するためには、やっぱり良質な水をつくっていく。これが一番大事ではないかなと思っております。良質な水をつくって、今、138万県民の皆さんに提供していると思うんですが、以前は、私が県議会議員になってからもそうなんですが、西系列と東系列の水がありまして、東系列は非常に良質な水があった、西系列はかたい水を飲んでいたけれども、硬度低減装置をつくったおかげで、西系列の方もよりおいしい水を飲まされているというふうなことであります。しかし、まだ差はありますよね。浦添市においても、東と西は違うんです。東の方は非常にいい水を飲んでいます。僕は西側の方なんですが、赤嶺委員も西側なんですが、東側よりちょっとかたい水を飲んでいる。
 黒字経営をなさっている企業局長、ぜひ、硬度低減装置でもっともっと硬度低減をして、県民に平等な良質な水を飲ませるような装置をつくっていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○花城順孝企業局長 技術的に細かいところは、またもし再度御質疑あれば技術担当次長がお答えしますけれども、確かに北谷浄水場の水につきましては、嘉手納井戸群の硬度の高い地下水を一部使っているということで、総体的に硬度が高い水になっております。これについては、いろいろ工夫をしながら硬度をさらにもっと下げられないかということを工夫しながら取り組んでいるところでございます。
○池間淳委員 まず先ほど玉城委員からも質疑があったのですが、沖縄の水、水道水はおいしいですよね。健康な人であれば1日どのぐらいの水を摂取すればいいのか。病院事業局長、1日どのぐらい摂取すればいいのかお聞かせ願いたいと思います。
○知念清病院事業局長 最近、勉強しておりませんで。特に沖縄みたいに暑いところは時期によって全然違うわけでありまして、2リットルとか3リットルとか。寒いときと暑いときとも違うし、非常に言いにくいんですけれども、大体尿量が1日に普通に
1.5リットルは出ますので、それを超えるような量を飲まないといけないだろう。あとはその人の体調とか気候とかに合わせて。最近は県議会が忙しくて勉強不足で。
○池間淳委員 病院事業局長から、1.5リットルの排出がありますから、それ以上ということで、平均して2リットルぐらいを取れというふうなことを言われているのですが、まず、きょう、企業局長は水道水を飲んでいるらしいのですが、病院事業局長以下皆さんは、水道水を飲んでいる方は手を挙げてもらえますか。はい、ありがとうございます。
 やっぱり沖縄県は観光県でもありますし、沖縄県の水を飲めばますます健康になるというふうなこともPRになるように、ぜひ水づくりには頑張っていただきたいと思います。まずは備えあれば憂いなしというふうなことで、これでしているうちに、おいしい水、先ほど話したように硬度の低い水をつくってどんどん県民に与えれば、県民はミネラルウォーターは買わずに水道水をどんどん飲むというふうなことで、これが健康の秘訣にもなっているよと言えるように、ぜひ硬度低減には努めていただきたいとお願いをいたします。その決意のほどをもう一度よろしくお願いします。
○花城順孝企業局長 企業局の大事な役割は、安全でおいしい水を安定的に供給するということでございまして、次の課題はいかにおいしい水を提供するか。特に硬度低減化については、先ほども申しましたように、工夫をしながらさらに低減化できるように努力をしたいと思っております。
○池間淳委員 今手を挙げられた、ミネラルウォーターを余り飲んでいないというふうなことなんですが、水道水を18度前後に冷やして飲めば、ミネラルウォーターと水道水を分けることはできないそうです。私もまた分けることはできません。これは経験して、私はいつも水道水を飲んでおりますから。そのあたりはぜひ皆さんも経験なされて、宣伝をしていただきたいと思っております。
 次に、病院事業局長にお願いしたいと思います。私はわかりませんので、教えていただきたいと思います。
 これまで累積赤字は518億7342万141円、これから欠損処理を314億2439万7623円やっておりまして、繰越累積赤字が、204億4902万2518円の累積赤字の繰り越しというふうなことになるらしいのですが、私は、このところがちょっとわかりづらくて質疑するのですが、現金の支出を伴わない経費と、ならば現金の支出を伴う経費もあるわけですね。
○當眞正和病院事業局次長 企業会計の経理の処理、いわゆる複式簿記の処理の中では、どうしても経理状況を明らかにするために、現金を伴わないものについても費用を計上し、それから、同じように現金を伴わない部分でも資本の計上をしていくという形がございますので、それは経営状況を明らかにするための作業でございます。当然基本的には現金を伴うものが通常の感覚でいうプラス・マイナスの感覚になりますので、両方ございます。
○池間淳委員 皆さんが一生懸命頑張って黒字を出していくというふうなことは、それは企業ですから頑張らないといけないけれども、先ほど病院事業局長が、自分の考えであるのですがというふうなことで、やっぱり県営病院は赤字になる部署もどうしてもやらんといけない。これはやっぱりやらんといけないのです。ですから、この件について、この部分についてはどうしても県がやらなければいけないという部署もあるでしょうし、あるいは、それでは民間にすみ分けすることもできるのかというふうなことも時には考えるのですが、そういうあたりは病院事業局長はどういうお考えですか。
○知念清病院事業局長 民間と県立病院とのすみ分けということになろうかと思いますけれども、これはやはりこれから先の病院事業を継続していくに当たっては、どうしても限りある医療資源を効率的に使うという観点からも、役割分担と機能連携を図る必要があるというのが私たちの考えであります。県立病院の今後のあり方に関する実施方策というのを平成18年3月に出したわけですけれども、そのときに既にそれに記載してございます。県立病院は急性期の医療を中心に、民間では対応の困難な高度・特殊医療や離島・僻地医療等を提供することとする。そして、民間で提供可能な医療については、基本的に民間に担ってもらうこととすることにしておりますというのが基本的な考え方であります。
○池間淳委員 今さっき、翌年度への繰越累積赤字
204億円のうちで、117億円と分ければ、86億円が支出を伴わない経費というふうなことになると私は思うのですが、そういう計算でよろしいでしょうか。
○當眞正和病院事業局次長 平成18年度末の未処理欠損金のいわゆる累積の額ですが、まず現金を伴わない額も含めました未処理欠損金は518億円ございます。そのうち減価償却費等の現金の支出を伴わない額が401億円余りございまして、現金の支出を伴う実質欠損金、現金ベースの欠損金は117億円余りでございます。
○池間淳委員 皆さん病院が一生懸命頑張って努力をして、病院事業局長を初め病院経営に頑張っていらっしゃるけれども、赤字がなくなるというふうなことは私はあり得ないと思うんですね。ましてや病院事業局長から話がありましたように、民間の病院でできないものは、どうしても採算が合わなくてもやらんといけない、またやってもらいたいんです。これは採算性のとれないのは民間ではできないというふうなことで、いろんな高度な機械を買ったり、高度なものについては、民間の場合は、もう採算がとれなかったからやめたというふうなことになろうかと思うのですが、これはないと思うんです。それならば、どの部分を縮小すれば、皆さんの努力が認められるんですか。
○知念清病院事業局長 病院を運営するに当たっては、いわゆる政策医療部門、不良採算部門だけを選んで医療をするというわけにはいきません。と言うのは、そういう医療はなかなかできないわけでありまして、やっぱり一般医療もしながら、その中でまた不良採算部門と言うか、収支の合わないような部分も入ってくるわけです。ですから、自助努力によって民間並みに努力をして、そして改善できる部分というのと、それから、一生懸命やってもどうしてもそれができない、赤字が出てしまうという部分があるわけでして、それを実はきれいにすみ分ける必要があると思うんです。
 この部分は私たちが頑張る部分です、ここは頑張って。例えば未収金の部分とか取り漏れの部分とかというのは、これは明らかに自助努力の部分だと私は思います。けれども、例えば離島医療であるとか救急医療でお金をたくさん使うという場合、高度医療をするために非常に値段の高い機械を買ったりすると、患者は余り来ないのに、機械だけは立派なのが入ったというと、これは赤字になります。そういうような部分ですね。ですから、それをちゃんとすみ分ける政策医療部門は、自助努力部門と分けるのが一番大事だと。
 ところが、ある医療をしていて大変困るのは、これが政策医療部門なのか、それとも自助努力でやる一般医療部門なのかというすみ分けと言うか、それを区分することがとても難しいという部分が実はありまして、それでいつもここで何が何だとかというような形で、すみ分けがなかなかつけられない部分があると。ある薬を使ったときに、これは政策医療部分で使った薬なのか、あるいは一般医療で使った部分なのか。あるナースがある診療行為をしたときに、この人は政策医療部門の方で給与を支払うべきなのか、あるいは一般診療部門で支払うべきなのかという、ちゃんと区画をせんといけないわけですね。これがとても簡単ではないものですから、なかなか出てこないという部分はございます。
 ですけれども、幾ら県立病院だからといって、赤字部門だけをやるというわけには私はいかないと思います。地方公営企業法も言っていますけれども、常に企業性を発揮して、かつ、本来の目的である住民の福祉の増進を図るというふうなのがございますので、やはり経済性を発揮する。それでまた同時にいい医療をするという両方のことをうまくかみ合わせてやらなくてはいけないと、そう考えております。
○池間淳委員 ですから、それを分けることができるのかなと思って。今、例えば117億6742万6447円、この部分の方で縮小されていくのか、それが皆さん方の努力として認められていくのかどうか。私は素人なりに、ここが縮小されていけば努力が認められるのかなと。そのほかのものは政策的な費用で、ここはもうどうしようもないというふうなことになるのかなという思いで今質疑をさせていただいているんです。分けられないのですか。
○知念清病院事業局長 今お話にあった部分は、減価償却費を抜くという話ですよね。減価償却費とか資産減耗費であるとか、繰り延べ勘定償却、そういうふうなお金を伴わない部分を除くということで、これは現金ベースのプラス・マイナスとはまた全然別の次元の話で、帳簿上にどうしても、次の事業をするときに必要なお金を蓄えるという、そういう帳簿上の処理のために必要なのがいわゆる減価償却費であると私は理解しています。
 ですから、赤字問題を考えるときに、現金ベースで考えるのであれば、この数字というのは余り気にしなくていいのではないかとは思いますが。でも、いろんな年鑑に載りますときには必ず純損益という形で減価償却を含めた形で出るものですから、そうしますと、現金ベースで赤字がなくても、いかにも経営状況が悪い印象を与えてしまうということはあると思います。
○池間淳委員 今、病院事業局長、赤字だからと責めるわけにはいかないのですが、責めてないのですが、やはり県民の健康を維持していく。これはどうしても予算は必要であるし、個人でできないのは公でやっていくというふうなことに対しては、私は賛成でありますし、県議の皆さん方もそれは反対する方はいないのではないかなと思っております。
 ですから、努力すべきは努力する。先ほど請求漏れだとか、あるいはまた個人負担が請求できない、取れないとかというあたりは、やっぱり自助努力をしないといけないのではないかなと思っているのですが、その努力は、民間とはちょっと違うのではないかなと。民間は取れるまで取るんです。皆さんがこういうふうに長い間取れなかったというのは、もうちょっと努力が必要になるのではないかなとの思いをしておりますので、ぜひ頑張って、顔がほころびながら次の決算では頑張っていただきたいと思っております。
○伊波常洋委員長 佐喜真淳委員。
○佐喜真淳委員 皆さん、こんばんは。午前中より長時間にわたり御苦労さまでございます。昨年の11月に県議会へとまいりました。今回が初めての決算特別委員会でございますので、どうか御丁寧なる御答弁、そして御説明のほどもよろしくお願いいたしたいと思います。
 今回の決算書を見たときに、いささか驚きもございました。と言いますのも、企業局におかれましては、昨年同様、健全な経営をされているということでございましたが、病院事業局におかれましては、単年度で50億円の赤字を出したということで、県民の生命を守る県立病院の事業からすると、経営もしっかりとやらなければいけない。そういう中で138万人の県民の中でやはりちゃんとした経営をしながら、ちゃんとした病院業務をなされるようお願いしたいということをまずもってお伝えしていきたいと思います。
 多くの委員の方々から多岐にわたり御質疑がなされました。私が聞きたいこともかなりの部分が確認されましたので、病院事業局長に対して、1点ばかり御説明並びに御答弁をいただきたいと思います。
 先ほど50億円のお話もさせていただきました。確かに赤字が出ることは大変厳しい経営だということも理解いたしました。しかしながら、その中で未収金対策をどのようにしていくかが、これからの経営の中においても大切なことだと報告書、あるいは計画書の中にも反映されております。その中で今回、累積の未収金が18億6000万円余り。本来であれば年々減っていくべきものが、このように1億4000万円余りふえているということに対して、民間の債務回収サービス業者を入れながら、この取り組みに対しても皆様方の御努力に対して敬意を表するものでございますが、まずもって今後の取り組みとして、未収金部門の対策として、どのようなことで未収金部門18億6000万円余りの回収をなされていくのか、決意のほどをお願いします。
○知念清病院事業局長 未収金問題は、おっしゃるとおり大変大きな問題だと思います。特にこれが現金ベースの赤字と直接結びついている部分があって、資金繰りという問題になってまいりますと、18億円の赤字というのはこれは膨大な金額でありまして、私たちは常にまた病院改革会議の席でも、この対策と言いますか、未収金を少しでも減らす方向でみんなで話し合いを持ち、いろいろなアイデアを出し合って改善に努めているところです。
 病院が地方公営企業法の全部適用になりましてから、特にこの問題を大きく取り上げてやっているわけであります。ですから、要は未収金というのは、一たん生じてしまうと、なかなか払わないんですね。一たん払わずに出ていってしまってから取ろうとしても、なかなか取れない。ですから、予防するのが大事なことでありまして、そういう方面に今まで十分な力を尽くしていなかったのかなというふうな気がいたしまして、そこを一生懸命やっている。それから、各部署で未収金というのが非常に経営を圧迫しているんだというふうな意識をみんなが持って、やはりその防止に向かわなくてはいけないのではないかということで、まずは職員の意識改革と言いますか、常に未収金の枠を話し合って、そして減らす方向で頑張ろうというふうなものを病院経営改革会議で取り上げ、また、その問題を各病院に持ち帰って、病院経営対策会議のような病院の会議の中でそれを減らす方向でもお願いしているところです。
 ところが、一たん生じてしまった未収金というのは、なかなか。長過ぎますか。それでは短く。そういうことで、今やり出したのは、ことしの2月から業者による債権回収サービスをやっているということと、それからもう1つは、いわゆる督促状を出します。それで、督促状でさらに患者を調べて、その中で支払い能力はあるのに支払わないという人には強制執行する、法的手段に訴えても。そういうところまで今進めていこうと思っております。
○佐喜真淳委員 御丁寧な御説明ありがとうございます。
 確かに、職員皆様方の意識改革というのがまず第一に挙げられるのかなと思います。皆様方からいただきました沖縄県病院事業経営健全化計画、平成15年度から平成19年度の中でも、未収金の回収業務について、費用対効果を検証しながら、民間専門機関への委託とも書かれております。そして、未納対策マニュアルに基づいて、関係機関と連携を図りながらこの対策に取り組んでいくというお話でございました。しかしながら、今日まで改善策というものが数字的にはあらわれてきていない。だからこそ、改めて職員の皆様方の意識改革であり、あるいは組織体制そのものも考えていかなければならないのかなと思います。
 そこで、18億6000万円余りの未収金の累積赤字が出ております。これは件数にすると、一体全体どれぐらいの数なのか。人数でもよろしいですし、そのあたりの御説明をお願いできますか。
○桃原幹雄病院経営管理監 診療費の個人負担分に係る未収金でございまして、平成18年度18億6013万
7000円、これは件数が3万3731件でございます。それぞれ1件1件、個人で何件も持っていたりするケースがございますので、件数ということです。
○佐喜真淳委員 先ほど来、マンパワーの話もございました。病院の職員の定数のお話もございますし、ある意味、これから改革するに当たり、民間の活力も利用しなければいけないということを踏まえて、今、件数的に3万3700件余りと。それが年々減っていく分に関しては、これは皆様の御努力が実を結んでいるのかなという思いもいたします。しかし、資料をいただいておりますので、年々減っているというよりも、むしろ金額と同様、件数もふえているんですね。その件数がふえていることに対して、今日までどのような対策をしたのかというのを、やはり総括というか、検証しなければならない。
 そういう中で、次年度以降、どのように未収金を全庁的に対策として検討していきながら未収金対策をしていくのかが僕は問われると思うんですよ。だからこそ、大変厳しい病院経営の中、ある意味赤字をわかりながらも、やっぱり県民の病院行政からすると、継続的に各分野において持続していかなければならない。しかし、職員の皆様方、あるいは嘱託でもよろしいと思うんですけれども、意識改革をするためには、やはり何らかの形で対策をマニュアル化する、あるいは対策を長期的に計画性を持ってやっていく。そういうものが必要だと思うんですね。
 であるならば、次年度以降の未収金対策というものを目標数値を定めてやっていかなければならない。そのために皆様方の意識改革をどのように反映していきながら、組織の中で改革していくかが問われると思うのですが、今言ったように18億6000万円余り、件数にして3万3700件余り。そういう中で、来年度以降、未収金の削減に向けて目標値というものを部内で検討されて、そしてその目標値そのものがあるのかどうか、御説明をお願いいたします。
○桃原幹雄病院経営管理監 病院事業に係る行財政改革推進項目の中に健全化の部分がございます。その中に未収金の縮減という項目が設けられてございますけれども、平成18年度に係る目標の部分が1.56%ということが目標値になってございます。その分、ただいまのところ実績が4.18%です。ただいま説明しましたこの数字は、医業収益に占めます未収金の割合という形で目標を設定しているのでございます。
 この部分、やはり実績のところが高目になっております。ということで、例えば来る11月を未収金の縮減月間にとらえて、新たな対策に取り組むとかということもしてございますけれども、まず発生防止に力を尽くす形で取り組みながら、その中で、今御指摘のありましたように、職員が一丸となって取り組める環境の中で一層強化してまいりたいと考えております。
○佐喜真淳委員 御指摘のような質疑をさせていただいておりますが、逆にこういう問題から意識改革をしていただきながら、全体的な病院経営を健全にしていただきたいということで質疑もさせていただいております。
 皆様方からいただいた個人負担の未収金の現状について、平成9年度から平成18年度まで約10年間の資料がございます。その中で過年度分の回収の額があるのですが、平成9年度に10億円余りの未収金額の回収金額が5億4000万円余り。それが回収率にすると、平成9年度は51.9%が回収された年なんですね。軒並み毎年毎年回収率が落ちてまいりまして、今年度平成18年度は、先ほど言ったように18億6000万円に対しての過年度回収金額が5億9800万円、回収率にすると34.8%です。これから見ると、約20%近くのダウンになっていることからすると、この10年間というものを、未収金の対策そのものというものが病院経営の中での全体的な特徴なのかなと言わざるを得ない。
 むしろ、マンパワーのお話もございました、皆様方の御努力も理解をしていますが、努力の割には数字的なものが反映されていないというジレンマもあると思います。しかしながら、先ほど多くの委員の方々が言ったように、定数の問題にしても、あるいは予算の問題にしても、改善するべきところは積極的に改善していただきたい。そのために、やっぱり予算を預かる部署、あるいは知事部局のところにも、ぜひそのあたりの要望事項もやっていただきたい。こういうことを一つ一つ解決することによって新たな展開ができるだろうし、新たな展開の中、意識改革もさらなる公式になると思います。
 そういうことからして、もう時間もなくなってまいりましたけれども、私自身、このように決算特別委員会が初めてなものですから、この1点だけに絞りながら、やはり病院というものは、今言ったように県民の生命を預かる場所でございますし、赤字だからといってやめることもできない。しかし、内部努力をしながら、138万人県民が安心できるような病院経営をしていただきたいというように思います。
 最後になりますけれども、病院事業局長には、答弁も含めてぜひとも元気に、個人的には嫌いではございませんし、多くの委員の方々もそのような思いもしていると思います。しかしながら、やはり長であるからには、数字的に実績、あるいは目標値、計画そのものも考えていただきながら、健全なる病院経営をしていただきたいという思いがございますので、最後になりますけれども、その決意のほどをいま一度お願いいたします。
○知念清病院事業局長 全くおっしゃるとおりでございまして、頑張るしかないと思っております。
○伊波常洋委員長 國場幸之助委員。
○國場幸之助委員 済みません、遅い時間までありがとうございます。佐喜真淳委員からも今質疑がありましたが、未収金の件について1点だけ確認をしたいのですが、支払わない患者と支払えない患者の両方の未収金の性質があると思います。その中身というものを把握されているのですか。
○桃原幹雄病院経営管理監 県立病院の未収金の部分でございます。払えないケースとそうでないケースをどのように分けていくかという部分になるわけですけれども、医療費が払えない、すなわち回収が困難につながると見込まれるケースとしましては、まず1つ目に生活困窮のため分割払い、あるいは支払いの延期を申し出るケース、2つ目に国民健康保険未加入とか未更新、診療費自己負担額が高額になって支払いを行えないケース等々が挙げられますが、これらをいわゆる回収困難な債権と内部的には位置づけております。
 払えないケースの割合は、実は私ども、先ほど言いました経営改革会議という経営をリアルタイムにチェックする会議の場におきまして、未収金が30万円以上ある債務者につきまして、支払い能力別に回収の状況等のチェックを行っております。その中で、これは7月末のデータで御説明申し上げますと、払えないケースを推計いたしますと、未収金全体の中で約3割程度が払えないケースという部分になるのかなと考えられます。
 そうしますと、いわゆる払えると言うか、回収が可能と見込まれる部分を引き算をすることになるわけでございまして、7月末現在の未収金の方で推計をいたしますと、7月末の未収金総額は15億4550万円でございますので、3分の1が払えないケースとしますと約5億700万円、それを引きますと、残りの約10億3900万円が払えるケースに相当するものと考えております。
○國場幸之助委員 私は問題の本質はそこの部分だと思うんですが、10億3900万円、支払い能力があるにもかかわらず支払わない。この部分を徹底して対策を強化していきながら、午前中から繰り返し答弁がされているんですけれども、発生しないように最大限の知恵を絞っての取り組みをお願いしたいと思います。
 きょうのいろんな方々の議論、質疑がある中におきまして、県立病院の果たすべき役割、これは経済性と公共の福祉を追求していきながら、公的医療サービスの提供と健全な病院経営というこの2つの難しい課題をいかに同時追求していくのか、ここに県立病院の大変難しい使命があるかと思います。そしてもう1つ、やはり県立病院の医師を含めて皆様方は沖縄県の職員でもあるわけです。
 ですから、株式会社沖縄県の医療部門という観点から考えてみますと、仲井眞知事が昨年誕生しまして、世界一の長寿県をつくっていきたいんだというようなことを公約として掲げております。具体的に言いますと、治療中心から予防中心の医療、さらにはうつ病とか精神的な患者を徹底して減らしていきたい、またメタボリックシンドローム対策等、そういった理念を掲げられているのですが、沖縄県の県立病院の優位性というものを考えてみますと、これだけ価値観がばらばらな、民間がもうからない部分は切り捨てるという部分じゃなくて、やはりしっかりと沖縄県の理念にのっとった病院経営ができるということは、私はすばらしいメリットであると考えております。
 今の知事の理念というものが、現場の医療の最前線で働いている皆様方にどのように浸透しているのか、この点をお聞かせください。
○知念清病院事業局長 これは私見でございますけれども、数字化するとかなんとかということは、これは私はできないと思います。ただ、私も現場におりまして、中部病院の研修生を経て、ずっと現場で
30年以上いて、つい最近、本庁に上がってきたのでありまして、その経験から言わせていただきますと、沖縄県の県立病院の現場の医師というのは、非常に強い使命感を持っている方が多いと。いろいろなよその県の県立病院の医師の書いた文書がございますけれども、それを見たときに、私は沖縄県の医師は優秀であるというだけではなくて、本当に自分の仕事に生きがい、やりがいを持って頑張っている人が多いなと。それがいわゆる過重労働という過酷な状況にありながらも、まだよくこんな状況でこんなに働くなという状況にあっても、仕事をちゃんと遂行しているということにつながっているのかなと思います。
 また、先ほど来の救急でたらい回しは絶対にしないというのも、私は沖縄県ならではと。東京都に長い間住んでいた人たちからいつも聞くことは、東京都で救急をやったら、たらい回しで助からないよと。沖縄県だったら助かると。そういうふうなお話をよく聞きます。それぐらい沖縄の県立病院の医師は非常にモチベーションが高い。そして自分の仕事を熱心にやっていると、自分で言うのもなんですけれども、考えております。
○國場幸之助委員 私が聞いた質疑は、長寿の沖縄をつくっていきたいという知事の理念が、医療の最先端の県立病院でどのように共有されているのかという趣旨の質疑でありました。きょうの琉球新報の夕刊にも、アメリカのロサンゼルスタイム紙の方で、長寿県沖縄という特集がされているとありますから、長寿ブランドを発展させていくためにも、県立病院の皆様方の御検討を本当に心から期待したいと思っております。
 そして、去年の決算特別委員会の議事録を読んですごく興味深かったのは、去年から県立病院の各院長が出席しているんですよね。具志委員の質疑の中で、県立病院の院長先生はそれぞれいろんな要望とか、医療に関する考え方を、哲学も含めて述べているところは非常に読みごたえがありました。その中でも、安次嶺南部医療センター・こども医療センター病院長の赤ちゃんから生活習慣病を始めるとか、そしてまた大人がたばこを吸う場面を子供たちに見せない。県立病院がやって、むしろ民間病院は、県立病院のそういう理念に学ばなければいけないと。やはり財政的に厳しいのは、不採算部門があれば当然でありますが、そういう部分ではなく、理念の高さの部分で、私は、県立病院がいい思想的な影響を与えていく社会的な使命があると考えております。
 どうかこういった部分を今後とも推進していただきたいなと要望しまして、そしてまた平安山中部病院長が、知念病院事業局長を推したのは病院長会議でありますと言っておりまして、その中で5つの約束を知念病院事業局長に突きつけております。これを守らなければ、もうやめた方がいいんじゃないかと、そういうようなのが議事録として残っているんですけれども、5つの約束といったものを、今振り返ってみてどうでありましょうか。
○知念清病院事業局長 今、私も全然関係ないお答えを先ほど幾つかしたようですが、國場委員も間違った解釈をされているところがあるんじゃないかと。
 私が病院事業局長に来たときに、みんながやってくれということでみんなから推薦されて来たわけですけれども、そのときには、これだけのことをあなたができるようにするためにみんなでサポートしてあげるよと。私がこれをやるから、どうぞ私を推してくださいと言ったわけではないんです。それを間違えないでください。
○國場幸之助委員 それでは、中部病院長の平安山先生、去年の答弁を振り返ってみて、再び一言お願いします。
○平安山英盛中部病院長 あのとき院長会議を開きまして、知念先生を推すことを決めたんですけれども、ただ、知念先生を推す際には、そのときにプロジェクトチームというのがありまして、プロジェクトXじゃないですよ、プロジェクトチームがありまして、だれか推薦してくれと院長会議に投げられたんですよ。我々は、院長会議で推薦するかわりに、プロジェクトチームとその当時の最高責任者である知事とか副知事に対して5つの要求を出したんです。僕らは5つの要求を知念先生に出したわけじゃないです。だから、その5つの要求を認めてくれないと困るよということを要求して、知念先生が、そういう要求を遂行できないのでしたら、もうやめた方がいいんじゃないのということを申し上げただけで、知念先生にやめなさいということを僕は申し上げたわけじゃないです。
○國場幸之助委員 県立病院は、もちろん病院の健全経営というものが大事でありますが、大前提としては、適切な地域医療の提供というものがあると思います。この中でほかの医療機関とのネットワーク、連携といったものが大事でありますが、県立病院の今後のあり方に関する実施方策の中にも、民間医療機関との診療機能についての情報把握が不十分であって、役割分担がなかなかうまくいっていないという指摘があるのですが、今の現状というものをどのようにとらえておりますか。
○知念清病院事業局長 これもまた数量的にどれぐらいうまくいっているとか、いっていないとかというのはなかなかあらわしにくいのでありますけれども、そういうことを踏まえて、やはり地域のすみ分けをする。限りある医療資源を有効に使うためには、民間は民間、あるいは県立病院は県立病院とすみ向けた方ができるのではなかろうかと。そのためには、これからはやはり地域医療連携が何よりも大事になるという認識のもとに立って、地方公営企業法の全部適用に当たっては、平成18年度になりますけれども、去年から地域医療連携室をちゃんと整備して、民間との医療連携がとれるようにしようということで特別に配慮しておりまして、それまでは非常に不十分な形の連携だったんですけれども、格段によくなっていると思います。これがこれから先の医療を支えていく大きな力になるだろうと。これからもどんどんまたこの面を強化していきたいと思っているところです。
○國場幸之助委員 地域医療における県と市町村との関係というものをどのように考えておりますか。特に沖縄県の場合は、市町村立病院の病床というものが、全国が10.2%に比べまして、本県は2.4%という極端に低い実態があります。その中で県立病院と市町村との役割をどう連携をとっておりますか。
○知念清病院事業局長 沖縄県というところは、御存じのように貧乏県でございます。そういうことから、しかし、医者がいない、病院もないということで、日本復帰をした後、急速に病院、あるいは医師をふやし、病院を建設してまいりました。そのときに市町村にそういう財源がないということから、県主導の公的な機関をどんどんつくっていった。それに比べまして本土の場合ですと、もう市町村が応分の負担をしながら、そして自分たちの医療は自分たちで守っていくんだというふうな意識で市町村立の施設をつくっておりまして、私の計算したところでは、病床数で見ると、10倍近く、市町村立の方が本土では多いんですね。
 ですから、市町村の方が負担をされながら、市町村立の病院を運営している。その点、沖縄県の場合には、すべて県立病院が負担してやっております。そういうこともあってこういう財政的な負担というのが全部県にかかってきているということがあるので、その辺は、今回、根本的に県立病院を見直すと申し上げましたけれども、その中で負担の問題も考えていきたいなと。公的医療をするときの負担、どこがどれだけ持つかということも踏まえてやっぱり考えていくべき問題ではないかとは考えております。
○國場幸之助委員 病床利用率の件について何点かお尋ねしたいと思います。
 平成18年度は80.9%ということになっておりますが、黒字を維持するためには、病床利用率というものは大体95%ぐらいが目安であると過去の答弁書には書いてありました。病床利用率が向上しない現状、もしくは80%で適切と見ているのか、その辺の判断の基準を教えてください。
○知念清病院事業局長 一般的に全国の都道府県の公的病院の統計を見てみますと、黒字病院になっているところと赤字病院になっているところがあるんですけれども、大体のすみ分け、赤字か黒字かのラインが、患者の数、入院患者の数、病床利用率に反映されるわけですけれども、それと外来患者の数というのが非常に大事になってまいります。患者が来るから収益が上がるわけですから。
 そうしますと、全国的なもので見ると、大体80%前後、八十二、三%ぐらいまでいきますと大体黒字になっているところが多いんです。ところが、90%ぐらいでも赤字になるところもあるんですね。それはどこから来るかというと、それは幾ら政策医療費として繰り入れているかということによって違ってくるわけです。沖縄の場合には今委員は80.9%とおっしゃって、本土並みの繰り入れがあれば、当然黒字に属するところにおるわけです。ところが、やっぱり1床当たりの繰り入れが少ないということもあって、その1床当たりの繰り入れが少ない理由というのは、市町村立がほとんどなくて、県立病院だけというふうな背景にあるわけですけれども、そういうことも含めると、そういう結果になっておるということですね。沖縄の県立病院の繰り入れレベルでいくと、病床利用率が95%以上ないと黒字にはできないというふうな考え方であります。
○國場幸之助委員 今、繰入率の話がありましたが、沖縄県は人口10万人当たりの病床数が全国で第2番目である。そして南部保健医療圏では基準病床数を
702床上回っている状況にあります。それを見てみますと、病床の適正規模というものが過剰ぎみではないかと、そういう判断はできないのですか。
○知念清病院事業局長 今数字が出てまいりましたけれども、それと県立病院との関係はどういうことをお考えなんでしょうか。
○伊波常洋委員長 休憩いたします。
    (休憩中に、執行部から700床余りの過剰は 県立病院、民間病院を含めた数字であるとの 補足説明があった。)
○伊波常洋委員長 再開いたします。
○國場幸之助委員 済みません、失礼しました。
 医薬分業の現状というものをお聞きしたいのですが、平成18年度の医薬分業の目標値というものがありましたら、それと達成の結果、成果というものを教えてください。
○當眞正和病院事業局次長 県立病院における医薬分業というのは、院外処方の率で普通考えております。今手元に細かいデータは持っておりませんが、
70%から80%ぐらいの院外処方の実施率だと記憶しております。
○國場幸之助委員 続きまして、水道に関してお尋ねしたいと思います。
 離島の水道料金というものが、もちろん市町村によってそれはすべて異なっております。特に海水淡水化等を行っております南大東村は3354円、これは
10トン当たりの水道使用料金なんですけれども、ほかにまた粟国村とか渡名喜村とか与那国町波照間とか、海水淡水化をしているところは非常に高い。その一方で、東村とか水の豊富なところは630円ということであります。やはり沖縄県のどこに住んでも、電気とか水とかはユニバーサルサービスということで、これは知事の公約でもありますし、特に離島の多くの首長の方からは要請もあると思います。何らかの措置というものを企業局長として考えられないのか、この点についてお尋ねしたいと思います。
○花城順孝企業局長 まず前提として、企業局は市町村へ水道用水を供給する事業を行っております。市町村が一般の家庭に水を送る水道事業については福祉保健部の所管でございまして、そういう前提でお答えをいたします。
 水道事業につきましては、水道法で市町村営が原則とされておりまして、本県においてもそのように運営をされております。水道料金については、能率的な経営のもとにおける適正な原価を基礎としているということで、各市町村によって当然異なってまいります。今から申し上げる以下の考え方は、基本的には福祉保健部の考え方をなぞって申し上げているようなものでありますが、仮に、県内水道事業体の水道料金を同一料金とするためには、県内水道事業の一元化も1つの方策として考えられますけれども、現実には水道事業体の組織統合については、地域住民の理解とそれぞれの各市町村の水道事業体の合意のもとに実施されるべきものでありまして、合意形成に向けた各水道事業体の主体的な取り組みが必要であるとされております。これは福祉保健部の見解であります。
○國場幸之助委員 今、改正水道法というものがありまして、第24条の3第1項の方では、水道の管理に関する技術上の業務を、その一部、すべてを委託することができるという規定がされておりますが、市町村の業務といったものを県が一部引き取るということはできないのでしょうか。
○大城康信企業局参事兼経営計画課長 今おっしゃいましたことは、水道法で事実的に管理が困難という中小規模の水道事業者に対して、衛生的面とか管理が十分できますよということで、水道技術管理者の全責任を移管するような形の第三者委託ということで、これは水道施設の技術的な管理の委託ということです。全部運営を任すということではなくて、委託を水道事業者か、私どもの用水供給事業者か、あるいはまた民間会社でも、それらの資質がありますと委託ができますよということでございます。
○國場幸之助委員 最後に、第7次企業局経営健全化実施計画というものがあります。4ページの方に、トリハロメタン低減化対策というものがありまして、受水市町村の中では、基準値の70%を超過するところが散見されると記述がありますが、それはどこの地域であったのでしょうか。
○赤嶺永正水質管理事務所長 今取り組んでいるところのモニタリング調査をしているところは、うるま市の浜比嘉とか伊計、水道水の到達時間が長い地域となっております。
○國場幸之助委員 その浜比嘉の地域でトリハロメタンという、これは発がん性の可能性があると指摘をされているという記述がありましたが、それが70%を超えていることが見られたのでしょうか。
○赤嶺永正水質管理事務所長 トリハロメタンの基準というのが0.1ミリグラムパーリッターとなっておりまして、その7割、ですから、0.07ミリグラムパーリッターを超えた事例があったということであります。
○國場幸之助委員 安全な、そういった水質を維持していくためには、抜本的対策として新石川浄水場への高度浄水処理の導入が必要であると。その時期はいつごろを考えているのでしょうか。
○花城順孝企業局長 新石川浄水場の建設につきましては、当初計画より建設がおくれておりまして、平成25年度竣工ということに現在は変更されております。これは全体の公共事業費が削減されるという中でおくれておりますけれども、まず平成25年度までに通常の浄水処理設備を設置して稼働させる。御指摘の高度浄水処理装置につきましては、その後検討していきたいと考えております。
 通常処理の完成は平成24年度でございます。失礼しました。
○國場幸之助委員 そのときまでの暫定措置というのがどういう取り組みがなされていくのでしょうか。
○赤嶺永正水質管理事務所長 根本的、抜本的な対策としましては、委員おっしゃるとおり高度浄水処理を導入するということを考えておりますけれども、その間は中間塩素処理と言いまして、塩素の注入場所を後の方にずらすというような方法とか、あるいは配水末端での浄水の切り回しとか、そういう手段をもちまして暫定的対策をしていきたいということであります。
○伊波常洋委員長 以上で病院事業局長及び企業局長に対する質疑を終結いたします。
 説明員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 次回は、明 10月19日 金曜日 午前10時から委員会を開きます。
 本日の委員会は、これをもって散会いたします。
   午後8時6分散会