決算特別委員会



開会の日時、場所
 平成18年10月17日 (火曜日)
 午前10時1分開会
 第7委員会室
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出席委員
 委 員 長  小 渡    亨君
 副委員長 新 垣 良 俊君
 委   員 嶺 井    光君  岸 本 恵 光君
       親 川 盛 一君  砂 川 佳 一君
        具 志 孝 助君 狩 俣 信 子君
        当 銘 勝 雄君 渡嘉敷喜代子君
        上 原    章君 前 島 明 男君
        奥 平 一 夫君  当 山 全 弘君
        吉 田 勝 廣君 當 間 盛 夫君
        嘉 陽 宗 儀君  
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説明のため出席した者の職、氏名
 病院事業局長         知 念    清君
  病院事業局次長       當 眞 正 和君
  県立病院課長        大 嶺 良 則君
  県立病院課病院経営管理監 久 田    裕君
  県立病院課病院企画監   砂 川    亨君
  県立病院課看護企画監   石 川 幸 代君
  県立病院課副参事   志 村 恵一郎君
  県立北部病院長   大久保 和 明君
  県立中部病院長   平安山 英 盛君
  県立南部医療センター・ 安次嶺   馨君
こども医療センター    
  県立宮古病院長        安谷屋 正 明君
  県立八重山病院長   伊  江 朝 次君
  県立精和病院長   新  垣 米 子君
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本日の委員会に付託された事件
 1 平 成 18 年 平成17年度沖縄県病院事業会計
   第4回議会 決算の認定について
   認定第22号
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小渡亨委員長 ただいまから決算特別委員会を開会いたします。
 平成18年第4回議会認定第22号を議題といたします。
 本日の説明員として、病院事業局長の出席を求めております。
 ただいま議題となっております平成18年第4回議会認定第22号については、昨日既に説明は終わっておりますので、これより直ちに病院事業局長に対する質疑を行います。
 当銘勝雄委員。
当銘勝雄委員 この決算書の3ページということで示しておりますが、病院事業損益計算書を見ますと、平成17年度の場合は59億円の赤字が生ずる、こういうふうになっております。それで、私も過去、県職員としてこの場にいたわけですから、当時、10年ぐらい前ですか、10年足らずだと思うんですが、180億円程度でした。記憶があります。それが、今やもうトータルで450億円になっているんですが、これに対する赤字解消、これを解消する見通しと言うのか、これはどういうふうに病院事業局長は考えておりますか。
知念清病院事業局長 59億円余りの赤字が生じ、累積赤字も468億円余りになっている、今後も赤字はふえ続けるのかという御質疑ですが、今後も、実を申しますと診療報酬のマイナス改定、それから患者数の減少、診療費収入の大幅な増収が見込めないという状況にありまして、団塊の世代の影響がありまして、退職者の増などもございます。それで費用が増加することが考えられておりまして、さらに県立南部医療センター・こども医療センターの整備に伴う減価償却費の増嵩、そういうこともあって、今後の経営状況は非常に厳しいと予想しております。ただ、これから私たちもそういう危機感を持って一生懸命努力して、少しでもいろいろなことを努力して、経営健全化につなげていきたいなと思っております。
 その方法ですが、病院事業としては、幾つかの対策を申し上げますが、その1つとしては、地域医療連携室を強化して急性期患者の確保に努めるとともに、また適切な施設基準の取得、診療報酬の取り漏れ防止、長期入院患者の転院や退院の促進などによる診療報酬の増収を図るとともに、材料費の一括購入を推進したり、業務の効率化による時間外手当の縮減、契約の見直し等による経費の縮減に努めるとともに、職員の意識を高めることによって経営改善に努めていきたい、厳しいながらも、そのような努力によって少しでもいい方向に持っていきたいと考えております。
当銘勝雄委員 一応、病院事業の健全化も図っていくということでありますが、しかしながら、今の答弁では余り期待できる感じがしないんですよ。そこで、それについてもう少しお聞きしたいんです。今、病院における物品の一括購入も推進するということがありましたが、皆さんの損益計算書の医業費用というものの中で93億円の材料費があるんですよね。この材料費というのは、大まかに言ってどのようなものですか。
久田裕病院経営管理監 材料費としては、薬品費、診療材料費、給食材料費、これらが材料費の内訳になっております。
当銘勝雄委員 確かに医薬品を含めて、この材料費93億円、単年度でかかるわけでありますから、それに対する一括購入を進めることは大変いいことだと思います。そこで、これは進めるという話なのか。これまでもこの一括購入、例えば病院事業局以外の部局は、物品調達基金の中で全部調達しているわけですよね。皆さんの医薬品などについては、例えば県立病院は11ですか―今は6。これはその中でまとめて、そういうようなやり方、実際の医薬品等、この材料費の一括購入は今どういうふうになされているか、ちょっと説明してもらえますか。
久田裕病院経営管理監 この一括購入につきましては、現在、薬品、診療材料、給食材料、県立病院で使う燃料、A重油ですね、そういったものを実施しております。これは入札によってやっておりますので、競争を働かすことによって、それからまたスケールメリットを生かすことによって、それなりの効果を上げていると考えております。
当銘勝雄委員 これは、さっき言った6つの県立病院は全部、そういうふうに一括でやっておりますか。もう一度確認したいんです。
久田裕病院経営管理監 A重油につきましては供給する業者がかなり制限されますので、沖縄本島の県立病院だけ。その他の部分については全病院一括してやっております。ただ、これは一括購入と言いましても、すべてがやっているというんじゃなくて、例えば薬品であれば、各県立病院で共通して使っている薬品を購入する、複数の県立病院で活用している材料について一括購入するという形をとっております。
当銘勝雄委員 僕が特に問題にしたいのは医薬品ですね。過去にも、例えば医師によって使いたい薬品が違うということを聞いたことがあるんですよ。例えば、ある医師が使っていた医薬品が、この方が転勤すると、この薬品は、また新しい医者が来た場合には使わなくなる、こういうようなケースもあると聞いたんですが、どういう実態ですか。
知念清病院事業局長 それにつきましては、各病院で薬事委員会というのを開いておりまして必要物品を購入しているわけですが、そういう中で、各県立病院で共通している部分というのがありまして、それをできるだけ一緒に購入するということになろうかと思います。平成13年度の薬品50品目から、平成18年度においては836品目と、次第に薬品の量もお互いの話し合いの中でまとめながら共通のものに変えていきつつ、品目をふやしているといった状況でございます。
当銘勝雄委員 そうすると、そういう意味では、まだ医師によってはこの薬品を使いたいというケースはあるんだということなんですよね。だから、やっぱりそれをなくしていかないと。もちろん医者が単独でこれがいいということもあるかもしれない。やっぱりこうして共通して使えるようにしていかないと、むだが出てくるわけですよ。そのむだを、薬事委員会の委員の皆さんが、もう10年前から改善すべきだということを言われていたわけです。そういうことで、これはぜひ徹底してやらないと非常に困る。また、皆さんの病院費用だって、これは毎年こういう形で上がっていったのでは、経営改善の一番大きな問題でもあるんじゃないかなという気がするわけです。
 次の問題です。例えば検査機器。自分の病院にありながら、この機器は使い勝手が悪い、あるいは自分はこの機器の精度を信用していないと言うそういうようなこともあって、他の病院のものを使用する。これは実にMRIは億単位の機器ですよね。こういうものがそのまま置かれて、ほかのものを使用するというケースがあるとも聞いているんですが、それはどうですか。
久田裕病院経営管理監 平成17年度には2件ほど、ほかの病院で検査の実施をお願いしたということがございます。
当銘勝雄委員 必要で他の病院にお願いするというのはいいのでしょうが、じゃ、それはどういうケースの場合ですか。それを説明してもらえますか。
知念清病院事業局長 そういう機器に関しましては、ある検査をするにしても、自分の病院にはその機械がなかったり、精度が十分高機能でない、非常に高機能な検査を要する場合にお願いするということがございます。
当銘勝雄委員 そういう形で、どうしても精密な検査と言うか、これを必要とするというものについては僕は否定はしません。ただ、好み好みで、自分の機器をこれではだめだとか、絶えずいいものを求めて使うとなると、せっかくある機器も、これは宝の―宝じゃないかもしれないが、持ちぐされとなるわけですよね。そういうことがあってはいけないと僕は思うんです。だから、そういう機器の使い方についても、やはりちゃんとした管理委員会みたいなものの中で、わがままで行っているのか、むだが出ているのか、きちっとそこら辺をチェックしながらやっていくという形でやらないと県立病院の健全化もできない、僕はこう考えるわけです。
 それでもう一度、今度は病院事業の健全化計画というか、先ほども病院事業局長の方からありましたが、もう少しこの健全化計画をこうするんだということをひとつお答えください。
知念清病院事業局長 各県立病院で経営対策委員会というのをやっておりまして、その中で、今おっしゃったようなことも含めまして検討している、そういうことのないように努力しているところであります。また、ことしの4月から地方公営企業法が全部適用になりまして、私が病院事業局長としてやったことでございますけれども、特に今までのそういう方面に自助努力を求めた経営改善と言うんですか、そういうことに重点を置きまして、今おっしゃったようなことを徹底させて、少しでも改善に結びつけていきたい。そして、現在そういう作業を進めているところでございます。
当銘勝雄委員 最後に、私は県立病院が置かれている状況、例えば民間でできない診療科目とか、あるいはもうからない診療科目、それも含めて一生懸命努力していることは、これは認めます。
 それで、赤字が出ること自体が問題ではなくて、やはりそこにむだが生ずるのが問題だということを指摘しますので、そういう意味での健全化計画の推進については、職員の皆さんともきちっと相談しながら進めてもらうことを期待して、質疑を終わります。
小渡亨委員長 狩俣信子委員。
狩俣信子委員 知念清病院事業局長とは那覇高等学校の花の13期で同期生でございまして、あのころから秀才タイプで通っておりましたので、本当に物静かに構える先生でいらっしゃいましたが、これからまた頑張ってくださいね。
 まず最初に質疑させていただきます。1点目、先ほど当銘委員からも出ましたけれども、7県立病院すべてが赤字であったという御報告がありますね。累積赤字が468億円余りとなっております。大変厳しい経営状況ということでありますけれども、他都道府県、とりわけ九州あたりと比べて、沖縄県が飛び抜けて赤字が多いのかどうか、そこらあたりがわかりましたら、お願いいたします。
知念清病院事業局長 ただいまの御質疑にお答えします。同じ13期の同級生として、よろしくお願いいたします。
 他都道府県との比較はどうなのかというふうなことでございますけれども、この累積赤字は、平成16年度の数値をもとに、一番新しく得られるデータが平成16年度ですので、平成17年度はまだありません。それで平成16年度で比較させていただきますけれども、それによりますと、都道府県で比較しますと、最も多いのが大阪府で、累積赤字が767億8000万円余であります。次いで兵庫県の610億1000万円余、北海道が561億1000万円、そして、平成16年度の時点で、本県は421億3000万円でございました。ですから、ある意味では非常に不名誉な数字でございますけれども、全国でもかなり高い位置にあります。
狩俣信子委員 要するにそういう中でも、沖縄県は離島県ということもあって、恐らくそこらあたりの費用もかさんでくるかと思うし、やはり一般病院とは違って、救急救命医療とか高度多機能医療とか、僻地を抱えた医療、そこらあたりで大変な状況かと思います。
 それで、実は一般会計からの繰り入れなんですが、それについて全国との比較、何か法律的にいろいろあるとは聞いていますけれども、どうなっているんでしょうか。
知念清病院事業局長 これも、やはり平成16年のデータが一番新しいデータなので、それをもとに全国都道府県と比較させていただきますと、総繰入額で全国平均が52億円、本県が37億1000万円で、全国47都道府県の中の24位の位置にあります。
狩俣信子委員 全国平均が52億円ということになりますと、これは都道府県によって差がある。法律的に何か、人口どのぐらいではどうとか、いろんなのがあるんでしょうか。
久田裕病院経営管理監 繰入金につきましては、地方公営企業法第17条の2で、要するに政策医療の分野については一般会計で負担するという原則が定められております。それを受けまして、総務省から繰出基準というのが出されておりまして、それに基づいて所要額が計算されて算出しておりますので、基本的には、そういった基準に基づいて、各県、繰出金を出しているということになります。
狩俣信子委員 わかりました。と言うことは、沖縄県独特の状況があって赤字累積がふえているのかなという感じもしないでもないですね。
 次を伺います。病院事業収益とその他の医業収益についてなんですが、前年が平成16年に比べて34.5%減となっていますね。その理由はどういうことでしょうか。
知念清病院事業局長 病院事業収益、その他の医業収益が前年に比べて4億8160万円の減となっている理由でございますが、その他の医業収益の減少というのは、主として救急医療経費に係る一般会計からの繰入金が、救急患者の増による対象医療の収支改善や、一部繰入基準の見直し等により減少したことが主となっております。入院・外来収益は増加したものの、その他の医業収益が減少したことによって、病院事業収益は平成16年度に比べまして、結果的に2億4000万円余の減少となっております。
狩俣信子委員 今のお話の中で、繰入基準の見直しというのがあったんですが、やっぱりこういう中でも繰入基準の見直しというのが出てくるんですか。
久田裕病院経営管理監 今回変更になりましたのは、救急の中で空床確保のための経費ということで、それに対する減収分の補てんという形で繰り入れがされていたんですが、これについて病床利用率100%が対象ということで、100%に満たない病院については空床確保のための繰り入れはなくなったということで、その分でちょっと落ちたという部分があります。
 それから、先ほど病院事業局長からも説明があったんですけれども、救急の方、これは救命救急の方ですが、その方で患者数が多くなって収支が改善されたということで、その分繰り入れが減った、そういったことであります。
狩俣信子委員 次に、これがちょっとわからないものですから、教えていただきたいんですが、病院事業収益の中の特別利益というのがあるんですね。これがふえていますよね。この特別利益というのはどういうことなんでしょうか。
久田裕病院経営管理監 平成17年度にこの特別利益がふえたというのは、土地を処分したということでふえています。これは何かと言いますと、県立南部医療センター・こども医療センターの用地の一部が国道の与那原バイパスにかかりまして、その分を処分して国の方に売却しまして、その売却益が3700万円ほどありますけれども、それが計上されたということでございます。
狩俣信子委員 次に、4ページの方なんですけれども、減価償却前純損失の目標額が約1億8000万円というのに対して、実績は約26億5000万円となっておりますよね。その格差、乖離が大きいとなっておりますけれども、その格差が大きい、乖離が大きい理由というのはどういうことなんでしょうか。
久田裕病院経営管理監 その理由としましては、まず収益面におきまして、平成10年以降、毎年患者の減少傾向が続いているんですが、そういった中で、平成17年度は県立那覇病院の廃止、移転、それから県立南部病院の経営移譲による患者数の調整がございまして、患者数が大幅に落ち込むことによって収益も落ちて、計画との乖離が出たということでございます。
 また、費用の面におきましては、平成17年度は退職給与金等の増がありまして、その面で給与費が増加したということ。それからまた、急性期患者がふえて材料費が増嵩した。さらに県立那覇病院の移転関係の経費がありました。そういった特殊な要因がありまして、平成17年度は費用の面でも計画よりも大幅に増加した。そういったことで、結果的に損益でも乖離が出たということでございます。
狩俣信子委員 次に、同じく4ページなんですが、病床利用率、それから未収金割合、レセプト返戻率、それから材料費比較などの達成度が低いとなっていますよね。先ほど病院事業局長からは、医薬分業、診療報酬査定減額など、そういう話はありましたけれども、この達成度が低いということに対してどのように努力し対応してきたのかなということと、まだ努力の足りないところがあるんだったら、今後どういうふうにするのかなという、そこらあたりを伺えたらと思います。
知念清病院事業局長 先ほどから御指摘がありましたように、やはりこういう面に対する努力がまだ十分ではなかったと理解しております。それで経営健全化のための計画を、なお一層強力に推し進めていきたいという考えでございます。
 具体的には、毎月、各県立病院から目標管理をしている項目について目標達成率の報告を受けて、県立病院課内で計画の進捗状況をチェックして、問題があればその要因の分析を行い、そして改善に必要な措置をとるという、そういうことをまず徹底させるべきだと思っております。
 それから、各県立病院内で経営対策進委員会を開催しておりますが、院内でもみずからの進捗状況をチェックしてもらう、そして改善に結びつける対策をとるということであります。さらには、定期的に県立病院課から病院現場に赴き、計画の進行ぐあいや問題点について調整を行って、病院現場と本庁との間で連携して進行管理を行っております。
 それから、やはり目標が達成できなかったという部分がこれまでありましたし、現在もまだございます。それで、一人一人は、自分の病院を自分で、いい医療というのはいい経営の経済状態のもとで達成できるということを浸透、徹底させて、一人一人の職員の意識の改善という面を強く追求していきたいと考えております。
狩俣信子委員 経営健全化委員会などをつくっていろいろ御努力しているというのはよくわかります。病院事業局長が今言った、一人一人の意識の改善もしながらということで、これはとても大切なことだとは思うんですが、ただ、私が県立北部病院、県立中部病院を視察したときに思いましたのは、余りにも仕事が重労働というんですかね。モチベーションも上がらないよという話も聞いているものですから、大変な中で御努力があるなとは思いますが、やっぱり努力が少々足りないというところも認められておりますので、これからまたそこらあたりの御努力をお願いしたいなと思います。
 次に、経費の縮減の部分なんですが、同じ4ページでございますけれども、後発医薬品の採用拡大で、そこらあたりは経費の縮減ができるんじゃないかという監査委員からの指摘がございますよね。後発医薬品の採用について、これについてはどうなんでしょうか。
知念清病院事業局長 経営健全化の1つの手段といたしまして後発医薬品、いわゆるジェネリック医薬品と言っておりますけれども、それを推し進めていきたいと考えております。平成17年度時点におきましては、品目数で670品目、全体の6.3%、購入金額が約2億7000万円で、全体の5.2%は後発医薬品を使用しております。平成18年9月末現在の採用状況では、薬品品目数は721品目で全体の8.5%、購入金額は約1億4000万円で、全体の5.9%となっております。
狩俣信子委員 1億4000万円というのは値段が下がったということか。
久田裕病院経営管理監 品目数はふえているが、金額が少ないんじゃないかというお話なんですが、これは実績に基づいているものです。ですから、要するに9月末現在ですので、単純に現時点での品目数ということですので、今後毎月、さらに購入をしていきますので、金額、数はどんどんふえていくという形になります。
狩俣信子委員 これは品目数がだんだんふえてきていますよね。そういう意味では、またこれからもふえていく可能性があるのかなと期待もできると思いますし、品目数の中で今8.5%使っている。そして、これがまた費用をさらに縮減できる方向に行けば、これもまたひとつ赤字解消の手だてになるのかなということであります。
 ちょっとつかぬことをお尋ねしますけれども、後発医薬品というのは、効能と言うんですか、効果と言うんですか、それについてはもう全く同じと考えていいんですか。
知念清病院事業局長 後発医薬品は、これは低価であるということが一番大きいわけなんですけれども、値段が安いにもかかわらず、やはりこれが全部100%ということにならないということについては、一部の人たちにおいて、医薬品の効果が先発品に対してまだ十分に信用が置けないと評価されている方がおりまして、それが使用の制限につながっていると思います。しかしながら、現在は国でもジェネリックの、いわゆる後発医薬品の使用を進めておりまして、後発医薬品の性能を十分に調べるという作業が進んでおりますので、今後、後発医薬品に対しての性能面でのアップと言うんでしょうか、信用度の置ける医薬品が出てくると考えております。
狩俣信子委員 やっぱり病気を治すために使う薬ですから、安心して使える薬じゃないといけない、そう思います。しかし、今ずっとやっていらっしゃるようですから、わかりました。
 次に、同じく4ページなんですけれども、未収金対策についてなんですが、医業収益の中の未収金残高が約17億1900万円ですよね。対前年度比で約1億1400万円増加しています。未収金についての回収方法とその改善策について、何か病院側で持っていらっしゃるかどうか、伺いたいと思います。
久田裕病院経営管理監 現在、未収金徴収業務につきましては、各県立病院に担当職員を1人配置しております。そしてそれ以外に未収金担当の嘱託員を1人から4人配置して、未収金の督促あるいは回収業務等に当たっているという状況であります。その未収金の回収の方法としましては、例えば生活困窮者につきましてはケースワーカーによる支払い相談、あるいは各種医療支援制度の説明をし、その手続のお手伝いをすることとか、それから、全額納付できないものについては納付相談を行いまして、分割の支払い方法についても相談を受けるとか、それから納付期限、あるいは納付の約束を過ぎても支払わない、要するに未収金となったものに対しては電話督促や督促状の送付、場合によっては戸別訪問を行いながら未収金回収の業務に努めているという状況であります。
 その対策でございますが、未収金の縮減というのは、やっぱり一番大きいのは発生防止が最も大事だろうということで、職員に対しては診察費未納対策マニュアルというのを周知徹底し、また、各部門の医事業務をやっている担当、それから、看護部、ドクター、それらの連携がうまくいかないと、なかなか発生防止をすることもできない、対策もとれないということで、そういった連携を日常的に取り組むように仕組みをつくって、発生防止と早期回収に努めるとやっておりますし、今後もそれを強化していきたいと考えています。
 それから、悪質なものとか一定の条件を満たすものについては、裁判の力をかりまして支払い命令を出すというようなことを現在やっておりますし、これからもそういったことを強化して縮減に努めていきたいと考えております。
狩俣信子委員 やっぱりこれはとても大事なことだとは思うんですが、ただ、沖縄県の経済状況とか、失業とか、リストラクチュアリングとか、そういう中で職を失って、本当は払いたくても払えないという人たちもいると思いますし、そういう中で、悪質なものについては徹底的にやっていらっしゃるということなんですよね。大変難しい部分もあるかと思いますけれども、担当を1人置いて、嘱託も配置しながらやっていらっしゃるということですから、今後の御努力を期待したいと思います。
 それから次に、同じ4ページなんですけれども、看護師の2交代制について、これは監査委員の方から出ておりますよね。これをもし実施したらどんなメリットがあるのか、また逆に看護師への影響はどういうことが考えられるのか、そこらあたりについてお伺いしたいと思います。
石川幸代看護企画監 2交代制につきましては、まず患者サービスの視点で、夜間、看護師がかわりませんので、連続して同じ看護師に患者さんを診てもらえるということで、患者さんのお話もよく聞けるとか、それから、お休みになるときと朝起きたときに同じ看護師が対応できるとか、そういうメリットがございます。
 次に、看護師にとってなんですが、今現在の勤務の中では、休みが連続とれないという現状がありますので、それがまとめてとれるということで、それによって生活にゆとりが出るんじゃないかなと思っております。
 それともう1点は、3交代の場合は零時に交代いたしますので、どうしても夜中の通勤があります。本当に夜中の通勤というあたりが一番不安な点もありまして、そういう面では安全の確保ができるのかなと思っております。
 もう1点は、3交代から2交代にいたしますと、交代、引き継ぎ、それが1回ずつ減りますので、その分は患者さんのベッドサイドの方に当たれるのかなと思っております。
狩俣信子委員 メリットの方が結構あるということで聞いて、ああ、そうなのかと思いますが、要するに看護師の皆さんの御意見と言うんですか、そういうのは聞いたことはございますか。
石川幸代看護企画監 全体ではまだ具体的に聞いておりませんが、試行したいとか、そういう希望があるところは聞いておりますけれども、やはり賛否両論ありまして、本当にやりたいというところ、2交代をしたいと希望している方、それから、ちょっと時間が長いので気になるという部分と、まだやってみないとわからないというところの意見があります。
狩俣信子委員 監査委員の方からこういう提言があるという中で、どうなんですか。今いろいろ賛否両論あると言うんですが、病院事業局としては、これは前向きに受けとめて検討していく方なんですか。
知念清病院事業局長 現在のいわゆる業務過多を解消するための1つの考え方として、やっぱり考えていい制度ではないかと考えておりまして、まだ実施には至っておりませんけれども、いろいろ検討会を重ねまして、試行に向けた検討会を持っているのが現状であります。
狩俣信子委員 では、この2交代制につきましては、今、看護師長からのお話で、夜中の通勤についても緩和される、それから同一の看護師さんが診るから、患者さんにとってもいいというお話があるし、1つは連続して休暇がとれる、メリットがたくさんあるような感じもするものですから。しかし、これは現場の看護師さんたちとのお話が十分必要だと思っておりますので、病院事業局長、よろしくお願いいたしますね。続けていきますけれども、経費の縮減の問題であと1つお聞きしたいのがありまして、そのための業務の見直し、それから外部委託の拡大が、監査委員の方から提言がありますよね。私が気にしているのは、この外部委託について、これを病院事業局としてはどのように考えていらっしゃるか。これは拡大していくというのがあるんでしょうか。
當眞正和病院事業局次長 病院事業、病院の運営の中にはいろんな業務、非常に複雑な業務がございまして、これをすべて職員でやるということの効率性の問題、それから定数のこともございますし、いろいろございます。またノウハウも、外部の方にもそれぞれ専門がいらっしゃいます。ですから、そういったことを総合的に考えまして、外部委託で対応した方がいいとか、あるいは可能なものだというものについては、可能な限り外部のノウハウを生かしてやっていきたい。そして、そこで余剰と言っては変ですけれども、ゆとりが出たものについては、外部委託をすることによって職員の方にゆとりが出ましたら、それをいわゆる患者さんのケアだとか、あるいは職員の過重労働の緩和とかいった改善につなげていきたいということで、外部委託できるものについては、可能な限り積極的に進めていきたいと考えております。
狩俣信子委員 外部委託することによって職員にゆとりができるという、それはいい部分だろうなとは思います。だから今も、食事とか清掃とか、その他のものをやっていますよね。私は、ここで何でこれを聞いたかというと、新しい病院ができたときに、県立南部医療センター・こども医療センターができたときに、検体検査のブランチラボというのがございましたね。そのときに現場からは、それはやってくれるなという声が大分あって、いや、やるんだというすごいせめぎ合いがあったものですから、やっぱりこれをやるときは現場の意見をしっかり聞いてやってほしい、この意見があるんですが、病院事業局長、いかがですか。
知念清病院事業局長 おっしゃるとおりでありまして、メリット、それからデメリット、両方ございます。委託の1つのメリットは、そういうことをすることによって、組織定数をその分ふやすことができる、医師の定数の増加、看護師定数の増加というものに向けることができるというのが1つありまして、また経営効果も得られるというのがありますが、やはり仕事をする内部においては、お互いに連携をとって、そしてちゃんとした良質な仕事をするためには、やっぱりお互いの仲間意識というのは非常に大事でございますから、よそから入ってくるよりは、お互いの中で協力し合いながらやった方がいいんじゃないかという御意見もございまして、その費用対効果とか、そういう医療の内容というものを勘案した中で、もちろん現場との調整も行った上で、ただもう何でもかんでもやるということじゃなくて、それを念頭に置きながら、現場とも調整を図っていくということであります。
狩俣信子委員 最後になります。今の病院事業局長のお話を聞いて、やっぱり費用対効果の面もあるだろうし、現場の意見も大事にしたいということ、その姿勢でしっかり、よろしくお願いいたします。
小渡亨委員長 渡嘉敷喜代子委員。
渡嘉敷喜代子委員 今、県立南部医療センター・こども医療センターの話が出てきましたけれども、4月にオープンして、その設立の目的がすべて達成されたのかどうかについて、病院事業局長の意見をお聞かせください。
知念清病院事業局長 県立南部医療センター・こども医療センターというのは、多様化、高度化する県民の医療ニーズに対応するために、24時間の救命救急医療、母子総合医療、両方の機能を持つ病院として平成18年4月に開院いたしました。以来、高度多機能病院といたしまして、救命救急医療、母子総合医療はもとより、離島医療の診療応援を行う、それから大学卒業生の医師を養成する卒後臨床研修機能などを擁して地域医療を支えております。
 4月に開院したばかりでございまして、病床利用率が低いのを大変心配しておりましたけれども、最近徐々に上昇しておりまして、9月の病床利用率は90%を超えております。ただし、現在は、同病院は離島医療支援に伴う産婦人科の診療制限、看護師不足による精神科病床の休床等の問題を抱えておりまして、これはまだ機能を十分に発揮していないと理解しておりまして、今後も継続して医療スタッフの確保に努めて、本来の目的を達成し、県民のニーズに十分にこたえられるように努力していきたいと思っております。
渡嘉敷喜代子委員 病院事業局長の今の説明では、まだ開設していない診療科もあるかと思いますけれども、その件について、幾つの診療科が開設されていないか、それをお聞かせください。
知念清病院事業局長 県立南部医療センター・こども医療センターにおいて、その開院時から精神科医師2名が配置されておりますけれども、精神科病床、重症精神科疾患を持った患者を特別入所させるための病床が5床ございます。これについては、看護師の確保が困難であるために、まだ稼働するに至っておりません。そのために、現在、精神科の入院患者は一括して一般病棟で診ているところであります。できるだけ早期に開設できるように、看護師の確保に検討を進めてまいりたいと思います。
渡嘉敷喜代子委員 この県立南部医療センター・こども医療センターを開設するに当たって、やはり精神科の合併症を診る病院をつくってほしいということが、これは県民の意見でしたよね。それには、この設立に向けて3万5000人の署名が集まっているわけです。当初の目的は、それが大きかったわけですね。ところが開設もされていない。そして、こども病院が主であったと思うんですけれども、県民のそういう意見が出てきたということは、優先順位としてはかなり高いかと思うんです。今、病院事業局長は2名の医師が配置されていると言うけれども、2名ですか、私は1名と聞いているんですけれども。
知念清病院事業局長 2名でございます。
渡嘉敷喜代子委員 そうですか。それで、今その中で看護師が足りないということですけれども、診療科目が開設できないときには、看護師というのはその科目ごとに配置されるものですか、それともプールで配置、採用されるものかどうか、そのあたりをお聞かせください。
石川幸代看護企画監 看護師につきましては、病棟の方が開設できておりませんので、病棟としてプールとしての採用になっております。
渡嘉敷喜代子委員 病棟全体としての看護師の採用になっているわけですよね。ですから、今、精神科の合併症を診る精神科が開設していないから、看護師がそこへ配置されないということなんですよね。だから、今の病院事業局長の看護師が採用できないからということはちょっとおかしいんじゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
當眞正和病院事業局次長 病棟単位、看護単位もございますけれども、看護単位をつくるのにおいては、その病棟単位というのが基本でございます。病棟が設置されないから看護師が配置できないというよりも、その病棟をオープンするために必要なトータルの看護師数が確保できていないということでございますので、その精神科病棟を開設するのに必要な看護師数がトータルとしてあれば開設できるということでございます。ですから、やっぱり看護師数が足りないから開設できないということでございます。
渡嘉敷喜代子委員 医者の確保は最低3名必要だと聞いていますけれども、今2名の医師が配置されている状況で、本当に開設ができないのかどうか。そういう意味では、本当に精神科を開設しなきゃいけないということであれば、もっと積極的に看護師の採用を頑張ればいいのかなという思いがするんですけれども、どうなんですか。医師が2名確保できているのであれば開設できるわけですか、それとも3名いなくちゃいけないことなのか、そのあたりを聞かせてください。
砂川亨病院企画監 精神科に関しては、小児の精神科の医師と成人の精神科の医師が1名ずつおります。基本的には2名いれば病棟は開設できると思います。あと、県立精和病院の方もある程度協力をしていただけるというお話を聞いておりますので、医師に関しては、3名いなくては開設できないということではないと考えております。
渡嘉敷喜代子委員 今2名確保しているということですけれども、そのうちの1名は小児病棟の方を診ているということなんですよね。そういうことで、この精神科を開設するに当たっては、やっぱり入院患者の3割が精神も患っている、合併症を持っているというような状況ですよね。これからどんどん高齢化が進む中で、そういう人たちに対応していくということもとても大切かと思います。そして、この病院が開設するという大きな目的だったわけですから、看護師が採用できないからということではなくて、もっと積極的に充てていただきたいなという思いがします。
 そして、2名のうち1名は小児科の方を診ているということですけれども、監査の方で監査意見として、県立病院の今後のあり方などについて、総合的に病棟の再編とかそういうものも検討の余地があると指摘されておりますけれども、今、合併症患者を収容できるところは琉球大学附属病院しかないわけですよね。それ以外の県立病院では、県立精和病院では精神科がありますけれども、そちらの方でも合併症の患者を診る場所ではないということで、これは大変ゆゆしきことだなと思うんですね。
 それで、病院の今後のあり方などを検討していく中で、県立精和病院のことについても考えていらっしゃるのかどうか。私は、この合併症の医者というのはすごく高度な医者でなくちゃ対応できないということも聞いておりますので、そのあたりで県立精和病院の医者をやるとかというようなことも考えているのかどうか。
 それからもう1つ、県立精和病院で今やっていることは、民間病院でもやっているような精神科ですよね。そういうことで、外来も減ってきている、そういう状況もありますし、民間でできることは民間の病院に任すということで、やっぱり県で診なきゃいけないということであるわけですから、この病院にしっかりと早目に精神科を開設するということがとても大切なことかと思いますけれども、病院事業局長の意見を聞かせてください。
知念清病院事業局長 全くおっしゃるとおりでありまして、そういうことは現在いろいろ要請もございます。そして幸い、県立精和病院も新病院のすぐ近くにありますので、そういう県立精和病院の御協力も得ながら、できるだけ早目に。医師の方は問題はないと思います。ですから、あとは看護師の確保というだけの問題でありますので、先ほどからお答えしておりますけれども、早期に稼働できるように、看護師の確保について今後検討を進めていきたいと考えております。
渡嘉敷喜代子委員 ぜひとも開設に向けて積極的な動きをしていただきたいなと思います。
 それから、先ほどの経費縮減について、うちの会派の2人から質疑がありましたけれども、私、後発医療品の採用拡大について、先ほど、平成18年には721種について88.5%取り入れているということですが、これは受ける患者側にとっても、医薬品が安いということですごくメリットが大きいんですね。そして、また購入する病院側にとっても安いわけですから、そういう負担もかからないということで、もっとどんどん拡大していってほしいなと思うんですよ。
 それで、病院事業局長が先ほど効能について、ないという意見も多いというけれども、これはまた新しく開発するということではなくて、特許が切れた段階で、それで医療費が安いということになるわけですよね。そのあたりを確認したいと思います。
砂川亨病院企画監 後発医薬品、ジェネリックというのは、例えばある薬の特許が切れて、その薬と全く同じ薬をつくるというわけではないんですね。薬の中には基剤だとかいろんなものがまざっていますね。ですから、いわゆる効能部分は共通なんです。しかし、その基剤とか、ほかのまざっている部分が違う薬なんですね。ですから、全く同じじゃないんです。そのために、ドクターによっては、どうも副作用が強く出るんじゃないかとか、そういう印象を持つドクターがいるわけですね。ただ、これは基本的には、ある程度の精査をしていくと余り差がないんだということが言われていますけれども、最近は、これは大丈夫、これはちょっとという二極化がどうもあるらしいということがだんだん言われてきています。ただ、それは当然、明らかに先発の薬と差がないというものに収れんされていくと思いますので、これはジェネリックの方向に向いていくことは確かだと思います。
渡嘉敷喜代子委員 この後発医薬品についての使用するかどうかというのも、やっぱり患者の了解を得て使っていくわけですから、そのあたりはもっと積極的に、やっぱり患者側の負担も3分の1ですか、2分の1ぐらい、随分負担が減るということを聞いていますので、そういうことで進めていっていただきたいと思います。
 それから、不良債務の解消についてですけれども、平成17年度の決算では約44億1000万円の不良債務が出ております。これは前年の22億3000万円に対して、2倍以上の不良債務が出ているということは、これは何によるものか、説明していただきたいと思います。
久田裕病院経営管理監 不良債務と言いますのは資金の不足状態を示すということなんですが、平成17年度に大幅にふえたといいますのは、先ほどから話が出ておりますとおり、平成17年度は47億2000万円の赤字を出しております。その中の現金ベースでの赤字が28億2000万円です。その28億2000万円が4.4%から12.3%の不良債務の増加につながったということでございます。
渡嘉敷喜代子委員 わかりました。
 先ほど狩俣委員からも話がありました看護師の勤務体制なんですけれども、今まで3交代制勤務が施行されていたわけですね。そのことによって、今度は2交代制勤務に移行していく段階で、看護師の休日のぐあいは、今までとこれからとどう変わるのか。それから、今まで3交代制度でしたので、夜勤明けということがありますね。そのことで、夜勤明けの翌日は休みになっていたのかどうか。そして、週にあるいは月に何回の夜勤があったのかどうか、そのあたりをお聞かせください。
石川幸代看護企画監 現在は複数の3交代制勤務をとっておりまして、例えば、もしゆうべの零時から8時まで勤務したとしたときには、きょうはそのままあきますが、あしたは休みにならない場合もございますということですね。そして夜勤回数は月に8.8回です。平成17年度は8.2回ぐらいでしたけれども、平成18年度は少し上がっているという状況があります。
 それから、2交代制になりました場合には、夜勤明けになりますと、そのまま翌日休みというスケジュールを計画できると思っております。
渡嘉敷喜代子委員 これまでの勤務体制で3交代の場合には、夜勤明けになっても、そのまま継続して勤務するという状況も続いていたわけですね。そうすると、3交代だったら3掛ける8は24、違いますか。夜勤明けでそのまま連続して勤務していた状況ですか。
石川幸代看護企画監 いえ、夜勤はそのまま連続ではなくて、明けの日は、朝9時に終わりますと、きょうは休みです。翌日はまた勤務という形です。
渡嘉敷喜代子委員 わかりました。
 現在の3交代制度を持っていて、月に8.8回の夜勤というのはとても厳しい状況にあると思うんですよね。どうなんでしょうか、月に8.8回といったら、週に平均2回あるということになるわけですよね。それで、夜勤明けは休みはどうなんですか、とれるということですか。
石川幸代看護企画監 現在の場合は、全夜勤3交代ですので、日勤、準夜勤、深夜勤とありますので、準夜勤の翌日は零時交代ですので帰りますから、その翌日は勤務できません、お休みになります。深夜勤の場合は零時から勤務ですので、深夜に入る前に休みということで、3交代制勤務の中では、今、私たちは土日休みですが、それが勤務に関与する休みがほとんどということで、勤務計画を組む中で、できるだけ連休をとらせる努力はしておりますけれども、全員がそうではないという状況があります。
小渡亨委員長 次に、前島明男委員。
前島明男委員 県立病院の使命というのもありますので、赤字を出している云々のことについて追及するつもりはありませんが、これまでの皆様方の努力に対しては敬意をあらわしたいと思います。
 それでは、22ページ、主な経営指標からちょっとお聞きしたいと思うんですが、まず全国平均と沖縄県の平均が出ております。その辺についてのいろいろな比較分析をしてこられたと思うんですが、その辺のコメントからちょっとお尋ねしたいと思います。
知念清病院事業局長 先ほどから申し上げておりますように、平成17年度はまだ出ておりませんので、平成16年度における経営指標を全国都道府県平均と比較いたしますと、事業収支比率は、全国平均の97%に対しまして本県は92.8%で、4.2ポイント下回っております。医業収支比率は、全国平均の83.8%に対して本県は89.2%で、5.4ポイント上回っており、本業である医業収支では健闘していると言えると思います。
 病床利用率は、全国平均が79.9%に対し本県は85.3%で、5.4ポイント上回っております。医師1人1日当たりの診療収入は、全国平均の28万9733円に対しまして本県は25万8344円で、3万1389円下回っております。看護師1人1日当たり診療収入は、全国平均の5万8489円に対し本県は6万2331円で、3842円上回っております。医師は低いけれども、看護師は少し多目であるということです。患者1人1日当たり入院収入及び外来収入は、全国の3万4335円と9321円に対しまして本県は3万2613円と8641円で、入院収入で1722円、外来収入で680円、ともに下回っております。給与費の医業収益に対する割合は、全国平均の63.5%に対しまして本県では67.8%で、4.3ポイント高くなっております。
 以上が主なる指標でございます。
前島明男委員 その中で、1床当たりの繰入額、これは全国平均と県を比較しますと約3倍なんですよね。これは大きい病院、小さい病院、いろいろあると思うんですが、類似県との比較はどうなっていますか。
久田裕病院経営管理監 類似県として、例えば四国の徳島県の場合は359万円、それから、九州では類似県として佐賀県が挙げられますけれども、佐賀県の場合は199万8000円となっております。
前島明男委員 佐賀県と比べてみても、かなり額が少ないんですよね。先ほど国の繰入基準があるというような話でしたけれども、我が県ではその基準枠いっぱい使っていますか。繰入額の基準があるというお話ですけれども、目いっぱい、基準枠いっぱい使っていますか。
久田裕病院経営管理監 総務省の方から示されている繰出基準というのは、医療に関して言えば対象医療があります。例えば救急医療であるとか、周産期医療、小児医療、精神科とか結核とか、そういった対象医療があります。これについて、その収支差について繰り入れをするという基準がございます。この対象医療につきましては、全対象医療がおおむね適正に繰り入れられていると考えております。
前島明男委員 適正はいいんですけれども、これは類似県と比べてやっぱり少ないので、もっと一般会計から繰り入れるべきだということを私は主張したわけです。
 次に移ります。決算審査意見書の4ページからなんですが、経営改善の取り組み強化について、沖縄県病院事業経営健全化計画の推進についてなんですが、減価償却前純損失の目標額が余りにも乖離が大きいというような指摘がありますけれども、その理由、原因。
知念清病院事業局長 目標額との乖離ということでございますけれども、収益の方においては、患者減少が続く中で、県立那覇病院の廃止、移転、それからまた、県立南部病院の経営移譲等による影響で患者さんが大幅に減少したということが一番大きな収益の減につながっていると思います。
 それから、費用面に関しましては、退職給与金の増加による給与費の増、これは団塊の世代の退職者が始まっているということがこれにかかわっております。
 それから、急性期患者の増加に伴う材料費の増嵩、県立那覇病院の廃止、移転に伴う経費の増、そのような費用が大変多く、実績が計画していたよりも上回ったということでありまして、その結果、目標額の損益と実績との間に大きな乖離が生じたと考えています。
前島明男委員 次に、5ページの未収金対策についてなんですが、公立病院の診療費債権が公法上の債権から私法上の債権になったということなんですが、その理由、また、それによってどのように変わっていくのか、その辺の説明をお願いしたいと思います。
久田裕病院経営管理監 これまで公立病院における診療に関する債権につきましては、地方自治法第236条で公法上の債権ということで、時効消滅期間が5年、そしてこの場合は時効の援用を要しないとなっておりました。ところが、昨年の11月に最高裁判所の判決が出まして、公立病院における診療に関する時効消滅期間は、民法第170条に規定する短期消滅時効の3年だという判決が出ました。それを受けまして未収金の対策の処理の仕方も変わってきたということでございますが、この場合、公法上、5年から3年ということで消滅時効期間が短くなったんですが、もう1つ大きな違いは、民法上の債権というのは時効の援用が必要だと。要するに債務者が時効を成立させるためには、時効になったということを主張しないと、時効は3年過ぎてもずっと残るということなんです。そういった大きな違いがあります。
前島明男委員 次に移ります。5ページの(2)医師等医療スタッフの確保等について伺います。
 臨床研修を修了した医師が県内に定着する対策をいろいろとったらと思うんですが、どのような対策をとっておられるか、それをお聞きしたいと思います。
知念清病院事業局長 医師の臨床研修については、現在、国の制度である卒後1・2年次の研修、県独自の制度である3・4年次の後期研修がありますが、より実効性のある医師確保を図る観点から、3・4年次研修に続く、卒後5から7年次研修を平成19年度から新設いたします。これまで医師が後期研修、いわゆる3・4年次においての離島病院等での1年間の義務の期間終了後に、本島の県立病院に戻りたくても職員定数枠等の関連から戻れず、やむなく県外、他の民間医療機関等へ流出していく事例が多々ありました。また、学会が認める専門医の資格取得に5から7年間要する診療科もかなりあることから、4年次までしかない県立病院の研修ではその資格が取れないということで魅力に欠け、研修医の募集上も効果的ではありませんでした。また、このことが3・4年次修了後の医師流出の原因の1つでもありました。
 このようなことから、県としては3・4年次の後期研修に続く新たな5から7年次研修を次年度より新設し、離島等における義務期間終了後の研修医師の受け入れを可能とするとともに、県立病院在籍中に専門医が取得できるというインセンティブを高め、医師確保の実効性を強化したいと考えております。
 今後、5から7年次研修については、現在の初期研修1・2年目、後期研修3・4年目との有機的な関連づけを行いまして、医師の安定確保、定着につながるような仕組みにしたいと考えております。
前島明男委員 研修修了後の定着率、県内にとどまる率、それはどうなっていますか。
砂川亨病院企画監 昭和42年から県立中部病院で臨床研修が始まっています。それは平成16年度から始まった臨床研修の原形になった、いわゆるスーパーローテーション型です。大体700人ぐらい卒業生が出ていますけれども、これはかなり早い時期に調査したもので、その後ずっと残っているかは別なんですが、そのうちで6割から7割ぐらいの定着率があるという数字が出ています。
前島明男委員 定着率はかなりいいようですが、もっと定着率が高められるように努力をしてもらいたいと思います。
 それと、看護師の定着率、いわゆる県立病院に入って大体5年ぐらいの定着率がわかれば教えてください。
石川幸代看護企画監 看護師の場合、過去、1年未満の退職に当たる部分が、平成13年から平成17年までの間に300人採用したんですが、そのうちの退職が7人で、2.3%となっております。あと、5年未満の退職はトータルで54人で、18%となっております。
○前島明男委員 定着率は割といいようですね。もう看護師の件はいいです。
 今、本庁の病院事業局、知念病院事業局長以下、医師が何人かいらっしゃると思うんですが、本庁の皆さんの中でお医者さんは何人いらっしゃいますか。
砂川亨病院企画監 病院事業局長と僕の2人です。
前島明男委員 これは私の持論なんですが、知念病院事業局長は医者ですよね。この病院の経営について、病院経営というのは非常に難しいものだと私は思っておりますけれども、やはり医者は医者として、現場で御自分の持っている技術、力を発揮されるのがいいんじゃないかなと僕は思うんです。各病院、県立病院は7つあるんですから、7県立病院ですか、県立精和病院とかそういうのを含めて―6つですか、その院長先生が経営を全部見ておられるんですが、いわゆる技術の部分と、それから病院管理の部分、それを分けて、病院の経営管理に関しては病院の管理のエキスパートを全国から公募して、そして各病院にいてもらってもいいんじゃないかなと。
 確かに本庁に医者は1人は必要だろうと私は思うんですが、そういう形で、今、医師不足ですから、そういう面でのこともこれから考えていく必要があるんじゃないかなと思うんです。その点に関して、各病院、いわゆる病院の経営管理に関しては、全国方々で各病院の管理者が応募してくるんじゃないかなと思うんですが、これについて、病院事業局長はどうお考えですか。
知念清病院事業局長 おっしゃるとおり、私は、医療行為という、よい医療をすると言うか、医療そのものと病院経営というのは異なっていると考えております。ただ、これまでの経過からいたしますと、院長がそのまま経営者として残って病院経営に当たるという形がずっととられております。ただ、前島委員がおっしゃるように、これからの医療においては、もっと病院経営のエキスパート、それから、仮に医師がなるにいたしましても、病院経営というものについて十分な知識と、そういうことを断行できるような技量を持った人が、やはりこれからは経営管理に当たる時代になったのではないかと。特に医療財政の厳しくなった昨今におきましては、そういうことが必要ではないかと思います。
 きょうは、そういう前島委員の御意見もお聞かせしたいと思いまして、こちらの後ろの方には各県立病院の院長に来ていただいております。そういう意見があるんだと。単に院長として医療だけを図るのではなくて、経営の専門家としての心構えと、それから、それなりの経営に対する勉強も十分に積んでいただきたい、そういう御意見がいっぱい出ているんだということをお聞かせしたいということで出席していただきました。
前島明男委員 これは、これからの課題として受け取っていただきたいと思います。よく昔から、プロ野球に例えると、名選手、必ずしも名監督にあらずという言葉もございますし、それにすべて当てはまるとは言いませんけれども、せっかく先生方は医者の資格を持って医療に従事しておられるわけですから、その技術を存分に生かしていく。また、今の医師不足の点からしましても、そのようなことはこれから十分検討していただきたい、このように思います。
 それでは、質疑を変えます。県立病院の今後のあり方に関する実施方策の推進についての項からちょっとお尋ねいたしますが、運営形態を地方公営企業法の一部適用から全部適用に移行されたということになっているんですが、そのことによってどのように運営がしやすくなっているのか、その辺をお尋ねしたいと思います。
知念清病院事業局長 今回、病院事業が地方公営企業法の一部適用から全部適用ということに変わりまして、経営健全化を目指した施策が行われているわけでありますけれども、この全部適用ということに関しまして、私の考えも含めて、今後どのような形でこの全部適用というものを利用していくのかということについて、ちょっと長くなりますけれども、お話しさせていただきたいと思います。
 地方公営企業法の全部適用によりまして、財務権限のみの一部適用から、人事の配置、組織編成、給与等についても権利が拡大されまして、地域医療のニーズや地域環境の変化に臨機応変に対応できることが容易となりまして、いわゆる地方公営企業法でうたわれている企業としての経済性を発揮するという施策が一部適用よりもとりやすくなりました。しかしながら、民間医療機関の機能や規模が急速に伸び、国の医療費抑制政策による医業収益の縮減、医療費個人負担の増加等に伴う患者数の減少などに加えまして、今後数年にわたる団塊の世代の定年に伴う退職金の増嵩など経営面でのマイナス要因が多く、単に全部適用制度だけでは、とても病院事業経営の健全化を乗り越えることは容易なことではないと考えております。
 病院事業局といたしましては、今回の地方公営企業法全部適用を機に、病院の経営改善の基本は職員の意識改革にあるという認識のもとに、経営の安定なくしては良質な医療なしという意識を全職員に徹底的に浸透させ、一致団結した緊密な連携活動のもとに経営改革に臨むことにいたしました。それを踏まえまして、今年度からは全県立病院管理者が一堂に会した政策改革会議を年8回行っているところであります。また、診療事務部門の強化を図るために、各病院に経営対策担当者を配置するとともに、病院事業局には診療報酬請求事務に精通した職員を委託採用して、各病院をローテーションで指導に当たらせているところであります。
 以上のような体制のもとに、診療報酬請求漏れ防止を強力に推し進めてまいります。また、未収金の発生防止と回収方法の改善強化、薬品、診療材料、医療器材、給食材料の一括購入、後発医薬品の採用拡大のほか、種々の病院経費に対しても、これまで以上に努力をしていくつもりであります。
 昨今の厳しい行財政改革の状況を考えると、私は、病院事業は、まず自助努力に努めなければならないと考えております。そのような中で、県立病院の政策医療に基づく赤字部分を明確にいたしまして、知事部局にはその分について応分の配慮をお願いしていきたいという考えでございます。自助努力をしつつ、政策医療に基づく赤字分は、病院事業局として知事部局に応分の配慮をお願いするということでございます。
前島明男委員 最後に、知念病院事業局長、県立宮古病院と県立八重山病院、現地視察に行かれましたか。
知念清病院事業局長 はい、まいりました。
前島明男委員 文教厚生委員会で県立宮古病院と県立八重山病院を視察してまいりました。病院事業局からもお二人、県立病院課長と病院企画監が行かれましたけれども、特に県立宮古病院、病院のさまをなしていますか。
知念清病院事業局長 さまをなしているかという御質疑は、とても難しくて、私にはちょっと答えにくいのでございますけれども、一応、病院として機能していると考えております。
前島明男委員 余りにもひど過ぎるんです。廊下にいろんな資料が置かれたり、中ももう古くさくて、本当は倉庫じゃないかなと思うぐらい、いや、本当ですよ。ああいう状況じゃ患者が病院に来られても、かえって病気になるかもしれないし、あるいは先生方に対する信頼度をなくしますよ。僕は視察して、まずそれを痛感しました。外来の患者が来て病院に入っていって、だれでもそうですけれども、中も、廊下も狭いし、古汚いし、これでは、先生方に対する、あるいは看護師に対する信頼も失いかねませんよ。ですから、一日も早く県立宮古病院を改築してもらいたいし、それから県立八重山病院も大体似たようなものですよ。ですから、そういうのを一刻も早く改築して、患者さんが快適ないい気持ちで、いい気分で診察に来られるような、そういう対策を一日も早くとっていただきたいこと、これはもう要望です。要望して、終わります。
小渡亨委員長 上原章委員。
上原章委員 赤字経営、先ほど来、多くの委員が取り上げているわけですけれども、県立病院がスタートして30有余年、その中で1度だけ黒字の年があったと聞いております。それ以外ずっと赤字なんですけれども、公共の医療を提供する使命と責任がある中で、また経営の健全化も実現していく、この難しさというのは本当に大変なのかなと思うわけです。
 その中で、県立病院の役割として、去年、知念病院事業局長は、急性期医療を目指すという県立病院の使命を確認する一方で、地域の医療機関との連携によって、いわゆる慢性期と言われる方々の地域の医療とのスムーズな連携というのをしっかりやっていきたいとおっしゃっていました。その辺の取り組みはどうでしょうか。
知念清病院事業局長 前に急性期医療を目指すと言いましたけれども、もちろんその考え方は変わっておりません。全県立病院が急性期医療という、そういう医療を目指して、その充実を目指して頑張っておるところであります。
 現在、各病院が数十名の慢性期患者を抱えておりまして、それが急性期医療病床としての利用を非常に阻害していると申しましょうか、障害になっております。その対策といたしましては、やはり大事なことは、慢性期の患者さんを、どうにか療養施設であるとか、あるいはリハビリ病院であるとか、在宅とかそういう形で退院していただくという形に持っていかなければならないと考えております。
 そのためには、病院事業としては地域医療連携室の強化、そういうことで急性期患者をふやしていく。そういう各施設、リハビリセンター、在宅というものにかけては、やはり地域医療連携室を通してその地域との結びつきを強力にいたしまして、やはり急性期のための病床の確保に努めていかなくちゃいけない。それで、現在、地域医療連携室に非常に力を入れておりまして、6つの県立病院がございますけれども、病院によって異なりますが、1人のところから、機能に応じまして9人の地域医療連携室の職員を擁しまして、今その充実を図っているところであります。
上原章委員 ぜひこの仕組みを築いていただきたいと思います。
 それと、これは去年、私も決算特別委員会の質疑で経費の節減というところで、診療材料等の一括購入という話が先ほどもありましたけれども、すべての病院で共通して使っている、そういったものを一括して購入する、それで少しでも経費を節減していく、非常にいい考え方だと思いますが、具体的にそういった事例がありましたらお聞かせください。
久田裕病院経営管理監 診療材料につきましては、平成13年度から一括購入を始めているんですが、当初は55品目でスタートしました。それで、現在は264品目にふえております。さらに材料の統一化を進めて品目数を拡大しようということで、現在、各県立病院の診療材料の担当の責任者のドクター、看護師、副看護部長、それから診療材料担当、県立病院課で、その統一化に向けて委員会を設置しております。その中でさらに統一化して、一括共同購入できる品目をふやすという努力をしているところです。
上原章委員 それは先ほど聞きました。私が聞いているのは、きょうは決算特別委員会ですので、具体的に数字で、金額でお聞かせ願えればと思っているんです。
久田裕病院経営管理監 平成17年度で申し上げますと、平成17年度はその節減効果としては、診療材料分だけで250万円程度の節減効果があったと考えております。医薬品につきましては約3000万円、給食材料で約400万円ということでございます。給食材料の中でも食材の方で400万円、それから食器の方では、ちょっと金額が小さくて約100万円ということになっております。
上原章委員 こういう一つ一つの積み重ねで大きな改革にもつながると思いますので、しっかり取り組んでいただきたい。
 それから、今、国は医療改革を本当に真剣に推し進めていかなくてはいけないという時期、治療医療、予防医療という時代に入る。ましてや高齢化社会がこれから加速していく中で、病院経営も、よほどの決意と本当の大改革が必要かなと思います。
 次に、医師不足の現状と対策をお聞かせください。
知念清病院事業局長 県立病院には、県立北部病院産婦人科、県立宮古病院産婦人科及び脳神経外科、さらに県立八重山病院産婦人科及び脳神経外科等の医師確保に課題があります。県立病院の医師確保については、これまで何度も申し上げておりますけれども、三役を初め各病院長及び関係職員などにより、県内外の大学や民間医療機関、国等へ医師派遣を働きかけてまいりました。さらに人的ネットワークも活用して医師の確保に取り組んでいるところであります。さらにまた、国、県、大学、医師会等の専門家で構成する沖縄県医師確保対策検討委員会において、福祉保健部とともに、協力して医師の県内定着を図るための方策について協議しているところであります。
 以上の取り組みに加えまして、先ほども申し上げましたけれども、病院事業といたしましては、臨床研修を修了した医師の定着を図るために、現在4年次までとしております臨床研修を平成19年度より7年次まで拡大することとしております。
上原章委員 対策はそういうことだということで認識しますけれども、医師不足の具体的な現状、数字でわかりますか。
砂川亨病院企画監 現在欠員が生じている主なものは県立北部病院の産婦人科2名。一応3名の定員があるんですけれども、防衛医科大学校の教官がローテーションで1名見えています。あと、県立宮古病院の脳神経外科が3名、県立宮古病院の産婦人科医2名。県立宮古病院は、現在、県立中部病院から2名のローテーションで応援しております。あと、県立八重山病院の脳神経外科が2名、県立八重山病院の産婦人科1名、この1名は県立南部医療センター・こども医療センターからの応援でカバーしているということです。
上原章委員 私は、この現場、待ったなしの、特に産婦人科等は最重要だと思いますので、しっかりと取り組んでください。
 それと、医学臨床研修事業、先ほど前島委員が質疑していました。私もこれは昭和42年から40年近く県が独自で取り組んでいる、医師確保について非常に重要な事業だと思います。これは今後もしっかり続けていただきたいなと要望します。
 あと、先ほどの老朽化した県立病院、県立宮古病院、県立八重山病院の具体的な建てかえ実施計画があったら教えてください。
當眞正和病院事業局次長 県立病院の中では、県立宮古病院が築32年、県立八重山病院が築26年を経過し、老朽化が進んでおります。平成12年度に実施しました老朽度の調査におきましては、県立宮古病院につきましては、県立那覇病院の改築整備事業の進展状況を踏まえながら、改築に向けた検討作業を行うということにしておりました。改築の時期につきましては、本年度中には関係機関とも調整してまいりたいと考えております。
 病院事業としましては、これから県立宮古病院と県立八重山病院がありますが、より老朽化が進んでいる県立宮古病院の改築にまず取り組み、その次に県立八重山病院の改築を検討していきたいと考えております。
上原章委員 最後に、旧県立那覇病院の跡地計画がありましたらお聞かせください。売却というような話も聞いていますけれども、よろしくお願いします。
知念清病院事業局長 旧県立那覇病院の跡地につきましては、当病院事業において今後の利用計画がないことから、当病院事業の厳しい経営状況も踏まえて、時価評価額による売り払い処分を考えております。処分先につきましては、公共目的での優先利用に配慮しながら、次の順により手続を進めております。まず最初に、県が行う事業、次いで、国や地方公共団体が行う事業、3番目に、その他民間が行う事業という順にいたしました。
 これまでの経過を申しますと、昨年11月に県の各部局へ取得希望の有無を照会したところ、希望がなく、次に本年2月に、沖縄総合事務局、那覇市及び日本赤十字社沖縄県支部へ同様に照会したところ、日本赤十字社沖縄県支部より取得希望の回答がありました。ほかに取得希望する者がなかったことから、同社を優先交渉先として選定し、現在、同社との間で本件土地の譲渡に係る条文等について協議しているところであります。
小渡亨委員長 休憩します。
   午後0時2分休憩
   午後1時22分再開
小渡亨委員長 再開いたします。
 午前に引き続き、質疑を行います。
 当山全弘委員。
当山全弘委員 私、医療行政は沖縄本島も離島も一緒じゃないといけないという立場で、持ち時間を割いて、あえてうちの奥平委員の方に5分を譲っていますので、向こうの方で、離島苦に苦しむ医療行政等について、後でじっくり質疑があろうかと思いますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 まず1点目に、病院事業の財政状況を見る限りにおいて、大変厳しい状況が決算審査意見書の中で指摘をされております。特にこの監査委員意見書の16ページ、経営成績で47億2463万9014円の純損失を出している。この原因については、病院事業収益の393億1887万3433円に対し、病院事業費用が440億4351万2447円と多額となっていることによるというようなことがありまして、これは医業収益より医業費用が確かに多くなったということで、差し引き59億6986万円の医業損失となっているというようなことが言われております。そして、この26、27ページの貸借対照表を見る限りにおいて、流動資産と流動負債を見た場合に、これはもう明らかに当年度末処理欠損金が出ているわけですね。ですから、これは一般会計で言う企業債そのものが一時借入金、流動負債の額になっているのか、本当の病院経営の赤字というのは数字的にどのぐらいなのか、答弁願えますか。
久田裕病院経営管理監 損益勘定の平成17年度の赤字額は47億2400万円ということなんですが、このうち実質的な赤字、現金ベースでの赤字は28億2800万円でございます。
当山全弘委員 これは現在、例えば一般会計で言う起債残高というのがありますでしょう。これに値するのは病院会計でどこで、どれぐらいの金額になって、県民1人当たりの借金はどれぐらいあるのか、おわかりですか。
久田裕病院経営管理監 お手元に病院事業会計決算書というのがございますけれども、この中の59ページから67ページにかけまして起債の明細がございます。そして、67ページの合計の欄、67ページの一番下の方に未償還残高というのがございます。421億5000万円、これが現在の起債残高ということになります。
当山全弘委員 そうしますと、実際上の起債残高の負債額というのは、この67ページにある421億5060万2377円ということですね。
久田裕病院経営管理監 そうです。
当山全弘委員 それは1人当たりで計算しますと、どれぐらいになるの。
久田裕病院経営管理監 136万人で割りますと、約3万円ということになります。
当山全弘委員 一般会計の負債額に比べて、この病院事業局は約3倍あるわけです。ですから、償還計画についてはどのようにお考えですか。
久田裕病院経営管理監 償還につきましては、当然、起債借り入れした場合は償還表がありますので、その借り入れ年度から大体30年でやりますけれども、ただ、この償還につきましては一般会計からの繰り入れがございます。平成14年度までの着手事業については、その起債の元利償還金の3分の2が一般会計から繰り入れられることになっております。平成15年度以降の事業につきましては2分の1の繰り入れということなんですが、それを勘案しますと、実質的に負担する分は、その残った金額が純粋な意味で病院事業で負担するという金額になりますので、これは当然、償還表に基づいて毎年予算措置をして支払いしないと、今後の起債の借り入れにも影響するということであります。
当山全弘委員 質疑を変えますけれども、ことしの出生率、新生児数、これはおわかりですか。例えば全国的には64万5000人と向上しているけれども、沖縄県内の出生率についてはどうなっていますか。
砂川亨病院企画監 正確な数字は今、手元にないのでわからないんですけれども、日本全国は恐らく1.4ぐらいで、沖縄は1.7ぐらいあったかと記憶しています。
当山全弘委員 これは産める環境がよくなったと解釈していいですか。
砂川亨病院企画監 当然、若い人たちが結婚して子供をつくる環境がなかなかできないということも1つあると思います。
当山全弘委員 私がここで指摘したいのは、産婦人科医がいないということを指摘したいわけですよ。たらい回しにされまして、産める環境が十分整ったかという質疑に対しては、産婦人科医の不足でこういった環境が整っていない。そうしますと、産婦人科医の充足とか医師の研修制度についてはしっかりやらなくてはいけないということが出てくると思うんですけれども、病院事業局長、どんな見解をお持ちですか。
知念清病院事業局長 おっしゃるとおりでございまして、産婦人科の医師をとにかくどうにか確保したいということで、私たちができるだけの努力をしているということは御承知かと思います。ただ、全国的に産婦人科医がどうしても少ないということ、それから産婦人科の医師というものが女性が多くなったということもありまして、数がおっても働きがどうしても、ただ数だけということにはできない。そういうこともありまして非常に難渋しているということは御承知のことと思います。確保に全力を挙げて努力していることは、ぜひ御承知いただきたい。
当山全弘委員 産婦人科のなり手が少ないということは、これは診療報酬とか、そういったものに影響してきますか。それとも、お産というのは、いつどこで発生するかわからないし、定期的にいつどこで発生するかわからないのに、その立場で産婦人科の医師が少ないということなんですか。どういうふうな対策を考えていらっしゃいますか。
知念清病院事業局長 先ほど来お話ししておりますように、産婦人科医師の希望者が少ないというのが一番多いことだと思っております。その理由の1つは、どうしても産婦人科というのは非常に体力を要する。要するにお産というのは、夜も昼もいつ起こるかわからないということで、大変体力を要するところでございます。
 それから、産婦人科をめぐる訴訟問題というのが非常に多い。少子化ということもあって、子供がうまくいかないと、すぐ医師のせいにするというふうな傾向が、訴訟社会になりまして、そういう傾向があるということ。
 それから、女性医師がふえたということで、自分の結婚、それから育児、保育とか、そういうことにあって、どうしてもそういうことで手をとられて、数だけの働きができない、そういうことがすべて重なって、なり手が少ないということだと思います。そういう影響がもろに、特に離島の方にしわ寄せが来ている、そういうのが全部、総合的な形で出たのが今の姿じゃないかと理解しております。
小渡亨委員長 奥平一夫委員。
奥平一夫委員 昨年から引き続き、医療の問題が新聞紙面で非常にクローズアップされたりもしておりますけれども、この資料にもありますように、産婦人科の問題、特に北部の問題については、救命士がお産を介助したり、あるいは車の助手席で出産をしたりというような事例が新聞等でも紹介をされております。今、本当に沖縄県の医療行政は非常に厳しい段階に来ているかなと思いますので、ぜひその辺のところを、きょうは各県立病院の先生方がお見えになっているという話を聞きまして、特にこの産婦人科、そして脳外科医師の不在の県立北部病院、そして県立宮古病院、県立八重山病院の先生方がいらっしゃいますので、その辺の現状と問題点をぜひ御指摘していただきたい。県立北部病院の先生には、もちろん産婦人科の医師不足の問題、それから県立宮古病院と県立八重山病院の先生方については、産婦人科、そして脳外科医師の不在の問題と施設の老朽化の問題について、もし指摘したい点がありましたら、御指摘をお願いしたいと思います。
大久保和明県立北部病院長 まず、現状から御説明することでよろしいでしょうか。平成17年4月から当院の産婦人科医師がいなくなって、休診ということで1年半たちました。ことしの5月から防衛医科大学の教官が1名ずつ、向こうには6名の医師がいるんですけれども、短期と言うか、向こうの業務のこともありまして、大体1週間から2週間単位のローテーションで1名ずつ来ていただいております。県立北部病院の産婦人科の業務というのは、一般分娩をするのは当然なんですが、本来の業務は、一般業務、分娩をするというよりも、異常分娩、合併症のある分娩、そういうものに対する開業医の先生たちのバックアップ、それから緊急の体制をとるのが公的病院の役目だと思っております。そういうことで、住民の方には大変申しわけないんですが、1名体制ということで、その体制はまだとれておりません。現状は、内科、外科、他科の女性患者の産科、婦人科の合併症と言いますか、そういうもののコンサルトを受けていただいているという状況でございます。そういう面でも、病院としてはかなり助かっております。
 それから、今、搬送中の分娩の話が出ましたけれども、この1年半の間で、自宅分娩、車内分娩の件数はトータルで北部地区で7件ございました。ただ、この自宅分娩、車内分娩というのは、厳密な意味で言えば、産婦人科医が病院にいるいないにかかわらず起こり得る現象でございます。その辺は御理解いただきたいと思います。そういうことが現状でございます。
 防衛医科大学の医師1人は、来年の5月まで1年間の予定でございます。残念ながら、その後の継続に関しては、今のところ、まだはっきりとした方針と言うか、どうなるかは決まっておりません。今後、病院事業局とも一緒になって何とか確保したいとは思っているんですが、全国的な状況を見ますと、我々は最低3名欲しいと思っているんですが、正直、あちらこちらからドクターが集まるかどうかは今不明のところでございます。先ほど話がありました後期研修医の数をふやすということもありまして、そういうことで、将来的には、県内で自前で産婦人科医を育てて、ある程度できるようになったら、その上の中堅の医師を動かして離島や北部に回すような体制がとれないかなと、我々としては考えております。
安谷屋正明県立宮古病院長 まず1点、医師の問題で、まず脳外科医師からです。県立宮古病院は、昨年の3月で、これまで派遣していた脳外科の医師が中止になりまして、その後は臨時的任用の医師、それから、8、9月は県立病院の脳外科の医師の1週間のローテーションで何とかつないでいたんですけれども、10月以降は脳外科の常勤はいません。それで週2回の外来を継続していったんですけれども、今年の4月から県立南部医療センター・こども医療センター、それから県立中部病院の脳外科の医師を週1回派遣してもらいまして、外来だけを継続しています。手術の適用の患者に関しては、昨年の10月1日からことしの9月30日時点で32名の患者を、主に県立南部医療センター・こども医療センターに搬送して手術をしていただいています。そういうような現状です。脳外科の医師が不在ということは、地域住民の健康を守るという意味では非常に問題と考えて、医師確保に向けて努力をしているところであります。
 それから、産婦人科の問題なんですけれども、県立宮古病院は産婦人科の定数は2人なんですが、昨年から1人体制で、県立中部病院からの医師で一、二カ月のローテーションで継続してきました。周産期部門を中心に診療を行ってきています。婦人科に関しては、手術の適用のある患者は沖縄本島に搬送するという形、紹介するという形をとってまいりました。しかし、ことし、この10月1日から、県立中部病院から後期研修医の3人から1人を送ってもらうということで、一応2人体制になって、ちょっとは楽になっております。
 それから、2点目の老朽化の問題なんですけれども、県立宮古病院の老朽化はかなり進んでいまして、雨漏りの問題とか、管理棟のコンクリートが落下する問題とか、冷却装置の配管から水が漏れるというのが、特にことしになってからひどくなっております。そういうことをしっかりと改善していくということがありますけれども、やっぱり病院の新しい改築の期間、それとの兼ね合いで、修繕なんかをどうするかという問題があると考えております。
伊江朝次県立八重山病院長 脳外科の医師の欠員の問題でございますが、昨年の8月から、本院にとって脳外科医師が欠員になっております。八重山地域におきましては、8月から地域の開業医の下地先生が第二下地脳神経外科をつくりまして、有床の診療所で手術を行っております。その月から今年の7月までの本院から下地脳神経外科への搬送の件数は42名でございます。大体月1人から、多いときで6人。まず急患が来ましたら、県立八重山病院でトリアージして、県立八重山病院で診られるのは診る、手術が必要になったのは下地脳神経外科に搬送するというふうな形で、今のところ病診連携がスムーズにいっておるという状況でございます。しかしながら、やはり緊急の場合、送れるような状況でないときにいろいろ問題が出てくる可能性がございます。そして、下地脳神経外科の場合は、脳外科の単科の病院でございますから、いろいろ合併症を持った患者、あるいは多発外傷、いろんな他科にわたる外傷とか疾患を持ったときに困るだろうということで、やはり本院にも最低1名の脳外科医は必要だと考えておりまして、現在、病院事業局とともに全国に公募している状況でありますが、まだ今のところはその確保のめどは立っておりません。
 それから、産婦人科の件でございますが、去る5月いっぱいで九州大学からの派遣が終わりまして、5月の段階で県立南部医療センター・こども医療センターからの応援の医師に来ていただいて、4名体制で産婦人科の診療を継続しております。それから、6月の中旬から、ことし初めてと言うか、改正労働者派遣法の適用による民間の医療機関からの医師1人の派遣をいただいて、現在、県立南部医療センター・こども医療センターからの応援医師の1人と、あと、私どもの常勤の医師2人、4人で産婦人科の医療をやっております。これが来年以降どうなるかというのはまだはっきりしない状況がございます。今後とも、この最低4人体制は続けなきゃいけないと。ただ、分娩の数からいきますともう1人、やっぱり5人は必要だろうと考えておりまして、全国に働きかけておりますが、県外から複数の産婦人科医からの問い合わせがあって、今その交渉をしているような段階でございます。
 それから、病院の老朽化についてでございますが、県立八重山病院は、昭和55年4月に東側の半分、それから昭和59年に西側の半分が建設されております。よって、東側が27年目、西側が23年目という状況でございますが、県立宮古病院に比べますと若干期間は少ないわけでありますが、何せ周りが海に囲まれております点からして、やはり塩害によるさびが非常に大きいですね。天井裏にいろんなライフラインがあるわけですが、その天井裏の部分が異常に狭いものですから、そこを定期的に改修していくというのが非常に困難である、なかなか中に入っていけない。これは病院を建設する際に、各階を寸詰まりの状況でつくりますと、やはりこういったライフラインを置いたところがなかなか維持できないというような状況がございますが、こういった問題で思い切った修理ができないという状況で、毎年のように空調を使う段階になるとダクトが結露して、まるで雨漏りをしたかのような、どっと水が出てきて、患者に不便をかけている状況があります。
 それから、病院の老朽化というのは、先ほど午前中の委員からも御指摘がありましたけれども、やはりそこに療養する患者だけじゃなくて、県立八重山病院で働きたいと見学に来る医師の皆さんからも、こういうふうな劣悪な環境では、これは働くには非常に困るなという苦情があります。現在、来られた方々からも再三再四言われておりまして、これはやはり県立宮古病院同様、県立八重山病院にとっても大きな課題だと思っております。
奥平一夫委員 こういった決算特別委員会でなかなか発言の機会がないだろうということ等を含めて、やっぱり現場の声を直接聞きたいということでお願いいたしました。どうもありがとうございます。
 病院事業局長、この3名の院長の報告を聞いていかがですか、御意見をお伺いします。
知念清病院事業局長 今、各病院の院長がお話ししましたことにつきましては、これまでの会議の中で何度も訴えられておりまして、よく承知しているところでございます。それも踏まえまして、どうにか改善、医師の確保及び病院の改築ということについて、できるだけ早く、医師の確保を含めて、両方とも早目に改善の方向に持っていこうと思って努力しているところであります。
奥平一夫委員 この問題は財政的な問題が大きなネックになっていると私は思っているんですね。ですから、病院事業局長に質疑するのも非常に酷かなというところもありまして、非常に申しわけない気持ちもありますけれども、これは、ぜひ財政の方に本当は聞いてもらいたい報告でもありました。
 それで、県立宮古病院の脳外科の問題について、実は去る視察で資料を見せてもらっておりまして、一般質問もさせていただきました。今、安谷屋県立宮古病院長の報告にもありまして、34件という報告がありましたが、あれは多分、ことしの9月時点での搬送事例だと思うんですけれども、その後、そういう搬送件数はふえておりますでしょうか。
砂川亨病院企画監 本会議の答弁以降はふえておりません。
奥平一夫委員 それでは、一般質問の質問の中で搬送された患者さんの予後の状態をお聞きしましたところ、14名が歩行退院をし、8名が転院、1名は死亡、2名は入院中、1名は不明となっていると御答弁をいただきましたけれども、これらの患者の入院期間というのは何日と言いますか、何カ月と言いますか、どれくらいでしょうか。それで、最長でどれぐらいでしょうか。
砂川亨病院企画監 済みません、細かい入院期間のデータはありませんけれども、今、脳外科の術後に関しては、ことしからリハビリの改定で回復期リハビリというのがあったので、割合早目に転院はできていると聞いております。ただ、やっぱり術後の入院が少し長くなっている方もいるということです。
奥平一夫委員 実は術後の入院期間の長さによって、家族が付き添ってまいりますのでそれらの経済的な負担、心理的負担というのは非常に大きいかなということで、その辺の経済的な負担もお聞きしようと思ったんです。
 それじゃ、話を少し変えますけれども、救急搬送の際に、県立宮古病院には脳外科医の先生がいらっしゃいませんので、航空機輸送になると思うんですけれども、その際の医師とか看護師の付き添いが、これは義務づけられているんでしょうか、どうでしょうか。
砂川亨病院企画監 義務づけられているということではないと思いますけれども、基本的にはドクター等が添乗していると聞いています。
奥平一夫委員 先ほど34名の方が搬送されたという報告がありましたけれども、じゃ、その34名の方が搬送された際に、医師や看護師の付き添いが何件で、その付き添いがなかったのは何件なのか、御報告いただけますか。
砂川亨病院企画監 済みません、全体の細かい数は把握しておりません。少なくともドクターは全例に付き添いしていると思います。ただ、最初のころは県立宮古病院のドクターが当然一緒に添乗してきていたわけですけれども、最近は琉球大学医学部附属病院の救急部のドクターが好意で乗ってくれて、その辺は、県立宮古病院のドクターの過労の軽減に少し役立っていると聞いております。
奥平一夫委員 県立宮古病院の方からいただいた資料の中でいろいろ事例があって、読ませていただいたら、多良間村で発症した方が、午前7時ごろ発症したけれども、県立宮古病院へ来て、それから県立那覇病院へ搬送されるという中で、かなりの時間を要したと。その中には、医師を確保するのに相当手間取ったということなどがあるものですから、その辺のことをお伺いしているんですね。重複するかもしれませんけれども、これは例えば医師が同乗しない事例というのもあったんですか。
安谷屋正明県立宮古病院院長 搬送する脳外科の患者というのは非常に重症ですので、基本的には医師1人、看護師1人付き添っていくというのが原則で、一応病院からはついていっています。それで、2カ月ほど前から琉球大学医学部附属病院の救急部の御協力がありまして、ある部分は搬送を手伝ってもらっているという状況です。ですから、搬送に関しては、しっかりと病院なり琉球大学医学部附属病院の救急部が添乗するという形をとっております。
奥平一夫委員 わかりました。やっぱりそういう重症の患者ですので、いつ病変していくかわからないという事態が予想されますので、これについてはしっかりやっていただいているというふうなことを聞いて非常に安心いたしました。
 それから、同じ搬送に係る件なんですけれども、実は、これは病院からいただいた資料なんですが、さっきの多良間村在の方のことで、平成17年10月、午前4時ごろに発症して、7時30分ごろに多良間診療所に運ばれて、それが午前9時に県立宮古病院に到着して、それから検査をして県立那覇病院に搬送するということなんですが、これが午後1時40分ごろ。これで問題点を指摘しているんですけれども、脳血管障害が発症してから県立那覇病院に搬送するまでにかなりの時間が経過しているというのが問題点。それから2つ目に、搬送につく内科医師を選択するのに時間を要した。内科の医師不足が要因である。つまり、休暇交代時期が重なって連絡がとれなかったという事態があったというようなこと。それから、この先生の指摘では、搬送が始まってから、待機中に急変した際の対応をどうするんだろうかというような問題点も指摘をしております。
 もう1つは、こういう事例があります。小児科の患者、これは2歳で転落事故を起こして、宮古島徳洲会病院に搬送された。宮古島徳洲会病院の担当医からは、当院には小児科医がいないし、小児科のCT検査になれていなく、寝かせるためには小児科医のいる当院で診た方がいいのではと、患者を紹介したいという連絡が県立宮古病院に入ったが、病院では当直医師からの連絡が入って、どうしますかということでしたので、頭部外傷で脳外科の医師の治療が必要と小児科医が判断されたら、そちらの方針で脳外科医のいる病院に紹介するのが妥当ではないでしょうかと答えさせたということがあります。つまり、民間病院から患者を紹介すると言われたけれども、受け入れられなかったという事態もあったと。病院事業局長、その辺についてどういう御見解をお持ちですか。
砂川亨病院企画監 やはり今の小児のケースも、恐らく宮古島徳洲会病院から直接紹介されて搬送されたと聞いております。当然、県立宮古病院に脳外科の医師がいないということで、脳血管系の疾患は外傷を含めて大体170例ぐらいあるんですけれども、その中には、当然、現場に脳外科医がいないために機能的な予後が悪かったり、場合によってはその生命予後が悪かったりした患者は当然考えられると思うんですね。そのための県立宮古病院に脳外科医が必要であることは当然ですし、その確保に一生懸命努力をしていきたいと考えております。
奥平一夫委員 それでは、もう1つだけ。先ほどは搬送された患者について質疑をいたしましたけれども、宮古島でもかなりの方が脳外傷を発症されたという事例がたくさんあると聞いていますが、搬送されていない患者さんについては何名ぐらいでしょうか。
砂川亨病院企画監 これは県立宮古病院の医療部長の資料ですので、少し数字が変わったりしているところもあるんですけれども、9月の半ばごろで大体170例ぐらい、脳に関するいろんな病気、疾患、外傷がありました。そのうち脳外科が全然関与しないのは、大体脳梗塞とTIAといって一過性の脳虚血発作というのと2種類あるんですね。これが合わせて大体74例、あと残りが脳出血とか外傷を含めたものです。搬送が34例で、脳出血が大体50名ぐらいなんですね。全体で亡くなった方が約10名いらっしゃいます。その10名のうちに、病院に運び込まれた時点でもう瞳孔が散大しているとか、かなりな昏睡状態で、ある意味、どうしても手がつけられなかったというのが大体5名で、大体残りの5名が、場合によっては予後的なものが少しよくなっていた可能性がある患者がいるということを聞いております。
奥平一夫委員 病院事業局長、宮古島も結構そういう脳血管障害、脳障害の皆さんが出る地域柄でもあるかなと思うんですね。そういう意味では、脳外科の再開設を本当に強く要望するものです。このように、5名はひょっとするという事例もあったという、今、砂川病院企画監からの御報告を聞いて、本当に脳外科医の充実と言いますか、再開設はどうしても必要と考えられますけれども、もう少し病院事業局長の強い決意を聞かせてください。
知念清病院事業局長 おっしゃるとおりと言いますか、議会の答弁でも答えましたけれども、患者さんは、特に重症な患者、脳外科の患者をヘリコプターで搬送するということは、これは一番最後の最後にとるべき手段でありまして、これは単に普通の患者を搬送するというのとは全然意味が違うと私は思います。ですから、これは非常に大きな問題としてとらえて、当然のことでありますけれども、一刻も早く解決する方向で努力すべきであると。
 現時点において私たちができるのは、とにかく一刻も早く脳外科の医師を探すということでありまして、あらゆる手段を通して医師との接触を図って、そしてそういう不在の状態をなくしていきたいということでありまして、何度もお話ししておりますけれども、これは非常に大きな、重大な、一刻も早く解決すべき問題であると常々思っているところであります。
奥平一夫委員 どうもありがとうございます。ぜひそういう強い決意で、本当にできるだけ早く医師不足の問題を解決していただきたいと思います。もちろん、これは今述べた県立宮古病院の医師不足の問題だけではなくて、先ほどの県立北部病院、それから県立八重山病院を含めて、県立中部病院もそうなんですけれども、沖縄県内の病院、医師、看護師、ほかスタッフの充実というものをしっかりとさせて、本当に沖縄県の医療をしっかり担い、信頼されるような、そういった体制を整えていただきたいと思います。
 それでは続きまして、県立宮古病院の病院新築の問題について伺います。去る一般質問でも質問させていただいたんですけれども、これは平成12年の10月に資料として出されております県立病院の施設設備の老朽度調査の結果及び今後の整備に関する基本的考え、その中で県立宮古病院の増改築について記されております。この根拠は、やはり施設にかなりの劣化が見られるというふうなことで、県立那覇病院の次は、県立宮古病院だ、その次は県立八重山病院ということで、こういう県立病院の改築工程案というのも出ております。これは平成12年ですから、もう6年も前につくり上げたものですね。これは本当は財政の方に聞かなきゃならないと思うんですけれども、そういう工程表ができていながら、これがなぜ実行できなかったかというその理由を詳しくお聞かせいただけますか。
當眞正和病院事業局次長 確かに平成12年度に調査をしまして、そのときの調査の目的が県立宮古病院、特に県立那覇病院の整備に関してどういう方向づけでやっていくかということの調査、それを目的とした調査でございまして、そのときの調査結果をもとに、今後の整備に関する基本的考え方ということで当時まとめられております。その中では、県立那覇病院の次は県立宮古病院で、時期的にも県立宮古病院は平成17年度あたりという形という話も当時ありますけれども、まず先に整備をすると決めた県立那覇病院の方に新たな機能、要するに単なる建てかえじゃなく、こども病院機能、それから救命救急機能といったものをこの機会に整備していくんだということもある。それと、あとは国庫の関係とかいろいろなことも総合的にやって、県立那覇病院の整備時期も少しずれ込んでいるということでございます。県立那覇病院が県立南部医療センター・こども医療センターとしてオープンしたのがことしの4月でございまして、そういうことで、全体的なスケジュールが少しずれ込んできているという状況にございます。
奥平一夫委員 確かに財政に係る問題ですから、いろいろあるかもしれませんね。しかし、県立宮古病院のあの施設、県立八重山病院もしっかり報告を受けていますけれども、ああいう施設下での医療というのは非常に危険だと思うんですね。県立宮古病院に行きましたら、施設が狭くて、レントゲンフィルム、それから個人のいわゆるプライバシーにかかわる資料が、実は廊下にそのまま置かれているんですね。雨漏りをしたり、大事な機器も時によっては場所を変えたりというようなことなどで、非常に大変な状態になっているわけですね。そういう意味で、診療する先生方にとっても非常に劣悪な条件で患者を診ている。これは万が一事故が起こったらどうするんだろうということですよね。あるいは雨漏りで機器がだめになったりと。高額な機器がたくさんありますので、そういう心配をするわけです。
 それともう1つは、やっぱりもう30数年前にでき上がった施設ですので、バリアフリー化されていない非常に不便な施設、あるいは地下の食堂と言いますか、料理をつくるところなんですけれども、そこは蒸気が廊下に漏れたりしている、そういう非常に不衛生なところがある。そういうことからすると、本当に早急に整備をしていかなきゃならないと考えますけれども、もう一度、当局の考え方をお聞かせください。
當眞正和病院事業局次長 御指摘のとおり、老朽化が進んでおりまして、一日も早くという考え方は私どもも一緒でございます。病院現場のみならず、地元の市町村、住民の方々からも早期の改築をという声を聞いておりますし、この辺は重々わかっております。そういうことで、いろいろな財政面も、当然、財政的にきついからつくらないでいいという話になるものじゃありませんので、これはつくらなければいけない。ただし、全くこういう状況の中でいろいろやっているわけですけれども、病院をつくるには、やはり箱をつくる以前に、その箱の中にソフト面をきちっとやるということで、今はワーキングチームでそういうのを詰めておりますが、今年度中には基本構想の素案を策定いたします。この間、本会議でも病院事業局長の答弁がございましたけれども、それと並行しながら、その着工の時期については、今年度中に関係機関と調整を図っていきたいと考えております。こちらの一存でできる部分もございますので、今年度中には何とか時期を固めていきたい。
奥平一夫委員 ワーキングチームで検討して、ちょうどもう2年余りになりますね。これは余りにも長過ぎますね。これは恐らくいろいろあるでしょうけれども、時期的な問題もあって、少し延ばしておこうかというようなことなどもあるのかなというように勝手な思いをしたりしています。
 それでは、平成12年に老朽度調査を入れています。あれから6年たっています。6年前も、これは非常に厳しい老朽度だと指摘をされていますけれども、あれから6年たちました。じゃ、聞きますけれども、この県立宮古病院を含めて、県立八重山病院の施設の老朽度調査あるいは耐震調査、それを調査するお考えはありませんか。
當眞正和病院事業局次長 平成12年度に行った耐力度調査、老朽度調査というのは、改築の必要性、それから優先順位等を決めるためにやっております。それで1つ、その当時、県立那覇病院のお話もありまして、それも少し進みましたので、県立宮古病院もその順序ということで、県立那覇病院の次ということで決めております。そのときに改築の必要性があるという診断が出ております。必要性についての結果が出ておりますので、改めてその必要性について調査するということの考えは今ありません。実際改築する方向で動いていますけれども、そういうことで、必要かどうかのための調査というのは今後やる必要性はないかと思います。
奥平一夫委員 私は改築しようという気持ちがあるかというふうなことをお聞きしたんですけれども、あれから6年たっているんです。その6年前には―何年前でしょうか、コンクリート片が2カ所で落下しているんですよ。6年前でしたか、落下しているんですよ。あれから6年たちました。これは新しくつくろうとか何とかの問題じゃなくて、非常に危険性がある、そういう意味で調査を入れたらどうかという意見ですけれども、いかがですか。
當眞正和病院事業局次長 改築の方向で進めていて、時期の調整を今年度やる予定でございます。その方向で動いていますので、改築のための調査ということではなく、要するに、その間の安全性の確保という意味であれば、日ごろのメンテナンスの中で修繕も含めて対応していきたいと考えております。
奥平一夫委員 メンテナンスを含めてということじゃなくて、6年前にもあれだけのコンクリート片が落ちてきているわけですから、そろそろ落ちる時期でもあるし、これが万が一診察室とか入院室でこういう事故が起こったらどうするんですか。緊急性の問題を言っているんですよ。耐震度調査、老朽度調査、万が一、震度五、六の地震があったときに、この病院は本当に災害拠点病院として成り立つんですか、もう一度お聞きします。とんでもない話ですよ。
當眞正和病院事業局次長 繰り返しになるかもしれませんが、平成12年度にやった調査は、改築の必要性、改築する時期に来ているかどうかというチェックのためにやって、その結論は出ておりますので、改築に向けての調査ということでは今は考えておりません。ただ、剥離の危険性とかいったものについてのものは、やっぱり日ごろのメンテナンスをする中で、その危険性を予測できるところについては、あらかじめ防護策をとるとかいう形の対応になるかと思います。
奥平一夫委員 かなり劣化しているんですね。この前調査に行きましたけれども、屋上もみんなそうだし、天井もみんな水漏れをして、これは相当劣化しているんですね。だから、耐震度調査を少なくとも入れなきゃならないと思うんですけれども、もう一度お聞きします。
當眞正和病院事業局次長 今、耐震度調査を入れて、改築をするしないという判断とのつながりという関係ではないわけでございまして、もう改築をするという方向でやっていますので、調査そのものというよりも、改築に向けての取り組みに努力していきたいと考えています。
奥平一夫委員 それじゃ、この改築までの間に事故が起こったときは、だれが責任をとるんですか、最後にお伺いします。
當眞正和病院事業局次長 特に老朽化もしていることですので、日ごろのメンテナンスにより力を入れて、事故が発生しないように努力していきたいと思います。
小渡亨委員長 新垣良俊委員。
新垣良俊委員 まず、県立病院事業、これは地方公営企業法の全部適用を生かし、より企業性を発揮した運営で経営の健全化を図るということで、本年度から取り組んだわけでありますが、最初にして累積赤字が468億6000万円余、それから当該年度の赤字が47億2463万円余になっている、その要因についてちょっと説明をお願いしたい。
久田裕病院経営管理監 平成17年度に赤字が増加した要因としましては、まず、県立南部病院の経営移譲や県立那覇病院の移転などの特殊要因がございまして、患者数が対前年度6万8000人と減少し、それが収益に影響したということです。それから、費用の面につきましては、勧奨退職者が増加したことによりまして給与費が増加したということ、薬品費や診療材料など材料費が増加したこと、石油高騰による燃料費であるとか、県立那覇病院の移転業務の委託料の増等によりまして費用が増加しまして、大きい赤字を出したということでございます。
新垣良俊委員 ことし、平成18年度についてはまたよくなるということで注目していきたいと思います。
 監査委員の意見書の方ですが、8ページの当初業務予定量、これと人数の実績が約7万7038人ということになっているんですが、この予定量、例えば平成16年度の入院の実績が81万3429人の実績ですが、平成17年度は81万3308人ということでやっているんですが、予定量の立て方というのはどういうふうにやっていますか。
久田裕病院経営管理監 翌年度の予算作業というのは大体10月ごろから始まります。その時点におきましては、1年間の実績というのは、例えば平成17年度予算をつくる場合でしたら平成15年度の実績がございます。それから平成16年度につきましては、上期の実績はわかりますけれども、下期、10月以降の分についてははっきりしないと。それで、この患者数の予定量を立てる場合は、その平成15年度の実績であるとか、平成17年度の場合、平成16年度の上期の実績、下期の予測、それから平成17年度の病院の運営方針、そういったものを総合的に加味して患者数を予測しております。ちなみに、例えば平成17年度の患者予定数を見てみますと、平成15年度の実績にしますと7万9000人、患者数を約8万人減少して予定数を立てております。ただ、当年度は平成16年度の実績とは1万6000人ぐらいふえておりますけれども、その辺は、病院事業は公営企業でもありますので、経営努力という方も加味しまして、そういった形で予定数を設定しております。
新垣良俊委員 この中で、県立那覇病院の方では予定量と実績の乖離が大きいということであるんですが、これはどういうことが言えますか。
久田裕病院経営管理監 既に御承知のとおり、旧県立那覇病院は、新しい県立南部医療センター・こども医療センターに移転するために、その作業もございますし、それからまた、特に入院患者については新しい病院に搬送するというものについてもちょっと限界がございますので、その移転のために年度の後半から徐々に患者数を落としていったということで、外来、入院とも減少していったということでございます。
新垣良俊委員 この予定量と実績が、例えば近くて100人ぐらいの差しかなかった場合は、じゃ、医療関係の医業収益が高くなるわけですね。
久田裕病院経営管理監 病院の収入と言いますのは、結局、患者さんが来て、それを診察して診療報酬を得るということでありますので、患者数が少なくなれば、当然収益も落ちるということになります。
新垣良俊委員 次に、職員数ですが、医師の欠員が12名ということであったんですが、これは各病院ごとに、さっき県立北部病院は産婦人科医がいないということだったんですが、これは診療科目ごとに、産婦人科が何名とか、脳外科医が何名とか、それをちょっと説明できますか。
砂川亨病院企画監 これは現在いる数でしょうか。例えば県立北部病院は、脳外科医が今現在2人いまして、産婦人科は一応1人ということなんです。
新垣良俊委員 欠員が12人出ていますよね。これはページ数は11ページ、平成17年度は12人ですが、この12人は産婦人科が何人ですか、それから脳外科が何人か。
砂川亨病院企画監 これは常勤ですので、脳外科は県立宮古病院の2人と県立八重山病院の1人ですね。
新垣良俊委員 3人……。
砂川亨病院企画監 はい。県立北部病院の産婦人科が平成17年度はゼロでしたから3人ということですね。それと県立宮古病院の2人ということになります。平成17年度は県立八重山病院は充足していたということになりますから、産婦人科、脳外科に関しては欠員になります。
新垣良俊委員 ということは今何人ですか、3、3、2、2人か。
砂川亨病院企画監 あと、ほかの科の欠員ということになると思います。
新垣良俊委員 ですから、外科か内科か、これは12人の担当医というのでいいんですかね。
砂川亨病院企画監 済みません、一部訂正があります。県立北部病院の産婦人科の3人と内科が1人の4人です。あと、旧県立南部病院、平成17年度は県立南部病院がありましたから、内科と外科で合計が5人、県立宮古病院の脳神経外科、消化器科の3名の12人ということになります。平成17年度の話です。
新垣良俊委員 県立病院は、基幹病院、それから一般医療を初め救命救急医療ですか、それが高度特殊医療ということでその役割を担っていますが、若い医師が県立病院に行かないと言うんですか。普通だったら出ると思うんですけれども、これは激務、仕事の関係ですか、それとも給与の関係ですか、やめていく理由というのはどんなものですかね。
砂川亨病院企画監 県立病院をやめていく理由の一番大きなのは、大学の医局のローテーションで回っている医師は大体1年とか2年のスパンでローテーションしていますから、その方が戻るというのがやめる理由で一番多いということになります。あと、個人的な理由でやめるというのはそれほど多くないと考えておりますけれども、やっぱり開業するとか、あるいは民間の病院に行くとか、そういう先生の中には、やっぱり労働条件、過重労働の問題とかというのはあると認識しております。
新垣良俊委員 実はこの新聞、これは平成18年9月1日に厚生労働省の新制度調査ということで、研修医の満足度に格差ということで、これは大学病院となっているんですが、市中病院が人気があるということなんです。その満足の理由は、職場の雰囲気がよいとか、症例が十分とか、それから指導が熱心であるんです。環境整備が一番必要だと思うんですが、今、県立南部医療センター・こども医療センターに手術とかで疲れているときに疲れをいやすところがあるかどうか、それから、24時間やっていますので、24時間の小さいコンビニエンスストア等があるかどうか。
砂川亨病院企画監 私は、おととしの3月まで旧県立那覇病院にいました。最近、やっぱり県立南部医療センター・こども医療センターに行くこともあるんですけれども、もうアメニティーの違いは明らかですね。1つには、気分をいやしたりするというのは、そういう美術を常設しているコーナーとか、あるいは全体の明るさとか、廊下の広さとか、そういう意味でのアメニティーはもう非常にいいと思います。恐らく術前の患者、術後動けるようになった患者も、例えば中3階、4階の中庭とか、そういう意味では、新しい病院はアメニティーが非常によくできていると考えます。
新垣良俊委員 患者のいやしは必要だと思うんですけれども、私が言っているのは、例えば手術関係で長時間やっていますので、医者のそういう、疲れがあると思います。そこでちょっとコーヒーを1杯飲むとか、そういう場所があるかどうかということです。ですから、環境整備はぜひ必要だと僕は思うので、そういう場所もどうかなと思うんですが。
安次嶺馨県立南部医療センター・こども医療センター院長 新しい病院の医者にとってのアメニティーということの御質疑だと思うんですが、結論を言いますと、全県立病院の中で一番いいと思います。例えば医局の広さと言いますか、そこで弁当を食べたり、テレビを見たりというスペースもありますし、研修医は研修医でゆっくりするスペースもありますし、それから、例えば当直室というのが12室もあります。だから、昼間そこへ行って休もうと思えば休めます。ですから、県立南部医療センター・こども医療センターを基準にすれば、ほかの県立病院の施設が随分見劣りするということは言えると思うんですね。県立中部病院ですら、研修医がゆっくり休むような場所がない。それから、医局員でもゆっくり昼御飯を食べたり横になったりする場所がないという非常に劣悪な状況にあるのが、県立病院の職員にとってのアメニティーの悪さだと思います。ですから、県立南部医療センター・こども医療センタークラスの病院ができれば、本当に、今よりははるかに職員にとってのアメニティーはよくなるだろうと思います。ただ、あの病院がほかの病院に比べて十分かと言われると、またいろいろ議論はあるかもしれません。でも、従来の病院に比べれば、職員にとっての環境としてはかなりよくなっていると思います。
新垣良俊委員 今、県立宮古病院の改築とか県立八重山病院の改築等があったんですが、病院を見て、若い医者が行って、この病院では働きたくないというあれもあろうかと思いますので、奥平委員の話もあったように、財政的には苦しいかもしれないんですが、そういう環境整備をぜひやってほしいと思います。少子化とかよく言われていますが、産婦人科の医者がいないで少子化の問題を話すのもちょっとあれですが、ぜひ環境整備、ドクターの休むところ、それを各病院とももっとつくってほしいと思います。それについて、病院事業局長、どういうふうに考えていますか。
知念清病院事業局長 全くおっしゃるとおりでございます。
新垣良俊委員 それから、平成4年度から義務化されています医師の臨床研修新制度と言うんですか、この制度で県立病院で研修された医師と言いますか、その数は何人ですか。
砂川亨病院企画監 平成16年に新しい臨床研修制度ができて、平成16年度は県立中部病院が34人、県立南部医療センター・こども医療センターが5人、県立北部病院が5人、その翌年も県立中部病院は34人、県立南部医療センター・こども医療センターが5人、県立北部病院が5人です。ことしが県立中部病院が27人、(県立南部医療センター・こども医療センター)が10人、県立北部病院が5人ということになります。
新垣良俊委員 これは研修制度は何年ですか、2カ年ですか。
砂川亨病院企画監 いわゆる国が義務化している新臨床研修制度は2年です。沖縄県は後期臨床制度ということで3年目、4年目があったんですけれども、来年度から5年目から7年目の新しい研修制度を含めて、沖縄県の県立病院は7年ということになります。
新垣良俊委員 入院関係ですが、入院単価の決め方と言うんですか、決定というのは、これは各県とも違うと思うんですが、沖縄県の入院単価の決め方はどういうふうに決めていますか。
砂川亨病院企画監 入院単価というのは、病院とか県とかで決められるものではないんですね。これは当然、診療報酬という、国で大きく診療報酬が決まっていて、この病気に対するこういう処置は幾ら、こういう手術は幾ら、こういう手技は幾らとみんな決まっていて、ですから、自動的にこの病院の診療報酬のトータルを入院患者の数で割ったのが診療単価になってくるわけです。ですから、慢性期の患者をいっぱい診るよりは急性期の患者を診た方が、あるいは手術をいっぱいやった方が、あるいは難しい手術をいっぱいやった方が、患者の診療単価が上がっていくということになるわけです。ですから、決められる単価ということではありません。
新垣良俊委員 九州の平均単価というのは大体わかりますか。沖縄県の入院単価というよりは、平成17年度でいいんですが、幾らかどうか。平均でいいです。
久田裕病院経営管理監 全国の統計は平成16年度までしか公表されていないんですが、平成16年度の本県の入院単価は3万2613円です。ただ、これは平成17年度はちょっと上がっておりますけれども、九州各県はわかりませんが、全国平均で申し上げますと、全国平均は3万4335円です。その差は大体1700円程度、本県の方が全国より低いということになっております。
新垣良俊委員 病院の収益性に大きな影響を及ぼす要素というのはどういうものが考えられますか。
久田裕病院経営管理監 基本的に収益と言いますのは、患者数と、先ほどから申し上げております入院単価あるいは外来単価によって決まるわけなんですが、患者数がふえるためには、入院患者であれば、当然病床率が高いということが前提になります。それから、入院単価が高くなれば、それだけの重症患者、要するに県立病院の医療設備、医療体制に見合ったような重症な患者が入って、その回転がいいと。要するに平均在院日数が短いということ。この2つが一番大きい要素ではないかと考えております。
新垣良俊委員 最後になりますが、病床利用率が合計で80.2%になっていますよね。今話があったんですが、これも収益性に大きな影響を及ぼす1つと言うんですが、80.2%というのは、これは高い方ですか、低い方ですか。
知念清病院事業局長 低い数字でございます。ただ、これは6つの病院を平均した値でありまして、黒字病院というのを見てみますと、大体90から95%ぐらいが黒字病院を維持するための一つの目安と言われております。80%以下になると大体赤字になる。ただ、県の場合は、例えば県立中部病院でありますと、去年、平成17年度は102%ぐらい行っておりました。102%というのは、これはとても忙し過ぎの病院でありまして、患者を追い出しているというふうなところがあって、これは御迷惑をかけたりしております。低いところはどこかと言いますと、例えば宮古、八重山、やっぱり離島の方は病床利用率が悪いと。それで80%を切ったりもしております。6つの病院がありますので、そういう100%を超す病院と90%台と、あるいは80%ぎりぎり、切るか切らないかという病院、全部を合わせますと、今の値の―全国の病院の平均を見ると、やはり90%近くになると、
90%以上であれば、黒字病院になっているところが多いようです。80%を切るようであれば、もう間違いなく赤字病院になります。
小渡亨委員長 吉田勝廣委員。
吉田勝廣員 今、同僚の新垣委員からも、なぜ医者がやめるかとか、そういう議論がありました。私、こっちに「ガバナンス」という雑誌を持っていますけれども、その中で、「地域医療が危ない―医師不足をどう克服するか」という題がありまして、この方は、全国公立病院連盟会長をしている邉見さんという方がこの医師不足に対して提言をされているわけです。その中で、最後のところをちょっと読んでみますけれども、「私は、医師は地域偏在や診療科偏在だけではなく、数そのものが足りないと思っている。まず入り口論で、全国80の医療機関が金太郎あめのような状況を改めることだ。工学部がそうであるように、医学教育機関の何校かは医学部小児科学科や麻酔学科であってもいいのではないか」、そういう提言をしております。また、「これが無理なら出口論で、国家試験合格者の上位半分は自由に診療科や勤務地を選んでも結構だけれども、下位半分は国などの定める診療科と勤務地に10年間は勤めるようにするのでもいいのではないかとか、そういうことをやって、何とか地域医療の再生のために各部署部署の皆さんが頑張るべきだ」、そういうことを提言しているわけです。
 ちょうど先ほどの話と通じますので、現職で、これまで医者だった知念病院事業局長は、この提言を聞いてどう思われますか、お話を聞きたいと思います。
知念清病院事業局長 「ガバナンス」は、実は私も読ませていただきました。それで、とにかく現時点におきまして、今のままじゃ、とにかく今のままのスピードではこの医師の偏在、医師不足というのは解決できない。どうにかしないと、このまま走っていくだけじゃ、この状況はどんどん悪化していくんじゃないかというのが根底にございます。ですから、それを改善するためにはどうしたらいいんだというふうな議論百出と言いますか、いろんな議論が出ておりまして、その中で、例えば特別奨学金を出すとか、離島の医師をふやすために離島枠を設けて、そしてそのための医師を育てるとか、あるいは離島医師を経験することによって何らかの恩典をつけるとか、いろいろな案が出ておりました。その中で、離島偏在をなくすよう医師の条件緩和を図ろう、特に女性医師がふえてまいりましたので、女性医師に対する優遇措置をとろうとか、いろいろな案が出ている、そのうちの1つだと思います。それがいい、悪いという前に、とにかく今はあらゆる可能性、そういうものを考えながら現時点を、どうにか目の前にある、一時期は、今のままでいくと医師が余ってしまって困るんじゃないかというふうなことを言っておりましたけれども、実際に最近になってみると、医師そのものの数の問題というよりは医師偏在ですね。都会に多くなってきて離島に行きたがらない、あるいは医師の場合ですと、産婦人科、小児科、脳外科、麻酔科といったような科は希望者が少ないといった、今までにないような医療状況が生じてきている。そして、その1つには、やはり地域の人たちの医療に対するニーズというのが変わってきたというのがあると思うんですけれども、いろいろな社会の変化に伴った医療のあり方と言うか、そういうのも考えていかなくちゃいけないという、そういう中での1つの考えだと理解しております。まだそれがいいとか悪いとか結論づけられたわけではありません。
吉田勝廣委員 お医者さんはある目的を持って学校に行かれるわけですから、1970年の前は国費生があったり、それから自治医科大学がありました。そしてその方々が沖縄県に帰ってこられて、離島だとか地域医療に貢献したと思います。そういう意味では、これからの地域医療を再生していくためには、やっぱりこうした制度は導入すべきではないかと私は思います。
 それから、夕張市で総合病院を今後どうするかということについても、私たちも夕張市へ行きましたので、きょうのテレビのニュースは、医者がやめて当然だと。今のこういう労働条件の中ではだれも引きとめることはできない。そしてまた、より高度な病院へ行ってこの方々が学んで、また地域の医療について勉強すればいいのではないかという副院長の提言もありました。そういうことからしますと、沖縄県のこれからの医療と言うか、日本全体が医師不足、あるいは、さっき言ったように24時間体制で診療を行う。常に自分の存在を明確にしておかないと、例えば産婦人科だったり、さっき言った麻酔科だったり、小児科だったり、そういうところの医者が不足だと。さっき言った、また都市型に集中しているんだと。そしてまた、医者が30代でもいわゆる開業になっていく、そういうことが指摘されているわけです。そういう意味で、知念病院事業局長は医者上がりだし、先ほどまた県立南部医療センター・こども医療センターの院長先生も見えてお話がありました。そういう意味では、今後、みずから若い医者を育てていくために、皆さん方の提言と言いますか、率直なる御意見を聞かせていただけたらと思います。県立南部医療センター・こども医療センターの先生も見えていましたので、ぜひお聞かせください。
安次嶺馨県立南部医療センター・こども医療センター院長 大変よい御意見と言いますか、よい御提言をいただきました。ただ、一言で答えるのは難しいんですが、医者もやっぱり理念だけで仕事ができるわけじゃなくて、それぞれ自分のやりたいことがいっぱいありまして、残念ながら、みんながみんな国民の望むような形で医者の仕事をしているわけじゃないんですね。ですから、やっぱり若い方々が都会の方に行く、あるいは面倒な専門科を避けて、できるだけ楽なところに行くというのは、もうこれは間違いない現在の若者の状況ですね。でも、私は思うんですが、沖縄県で長いこと医療をやってきました。私自身は県立中部病院で研修を受けて、もうほとんど40年近くになります。かつて沖縄県は全国の中で一番貧しい県で、そして医療資源にも恵まれない、医者もいない、病院もないという、そういう日本で最も貧しいところだったんですね。研修する場所もないというような時代もありました。あれから40年近くたって、現在、沖縄県は日本じゅうから若い医者が勉強に来るところになってまいりました。これは一体どうしてなのかと考えてみますと、要するに医療に対する、あるいは教育に対する姿勢だと思うんですね。
 昭和42年に県立、当時は琉球政府立ですが、県立中部病院で医者の教育を始めたときの目標ですけれども、どのような医者をつくるかというのは非常に簡単なんですよ。まず2年間で目の前にいる救急患者、非常に重症な患者を蘇生して生き返らせることができる、蘇生ですね。挿管をして、そしてそれを専門医につなぐということができること。それから正常なお産ができること。これは産婦人科じゃなくても、だれでもできる。それから、プライマリーケアと言いますが、非常に基本的なことをすべての科においてできる、この3つなんです。こういうことのできる医者を2年間で育てる、そのような教育をして、それを宮古、八重山、沖縄全土に送り出しました。この考え方は、今現在でも日本じゅうに通じることなんですね。つまり、プライマリーケアと言いますか、救急患者を診て、しっかりと初期の治療ができる医者をつくらなくてはいけない、これが現在、日本じゅうで行われている卒後研修なんですよ。ですから、言いかえれば、国民が何を求めているか。だから、国民に一番求められている医者をつくるということこそ大事だと私は思うんですね。ですから、プライマリーケアがしっかりできて、急患も診れて、そしてしっかりした臨床の基礎をつくった上で専門性を持つ。ですから、私たちは沖縄県の医療というのは、今、委員の方々は、医者がいないとか、救急はどうなっているか、産婦人科がいないとおっしゃるんですけれども、本当に全国的に見たら、私は沖縄は非常に医療としては恵まれているところだと思います。急患だって、たらい回しというのはなく診てもらえますし、産婦人科がいないといっても、だれかがちゃんと応援で診に行きますし、そういう点で、私は常に国民の視点で、住民の視点で医療を考え、それを実践する、そのような教育をしていくということこそ求められています。ですから、もし本当に日本でどのような医者が求められるかということ、そういう理念のもとにしっかり医学教育をすれば、私は、恐らくそれは日本じゅうに、いずれ医者が充足する状況もできるんじゃないかと思います。そういう点で、これは我々教育する側の医者の方の問題にもなると思うんですけれども、どのような理念でどのような医者をつくろうとしているかという我々の姿勢でもありますが、国民がどのような医者を求めているか、しっかり発信していただかないといけない。さらに、それにはお金が要ります。教育には十分お金がかかります。ですから、初期教育のためにしっかりしたお金を出す。それから、当然、先ほどアメニティーのことをお話しなさいましたけれども、ちゃんと医者がしっかり―医者に限りません、医療従事者が十分なアメニティーのいいところで仕事ができるという環境をつくっていただければ、人々はまた医療の現場にきっと戻ってくるであろうと思います。そのようなつもりで、私たちは新しい病院で医療を行っていきたいですし、もちろんこれはほかの県立病院でやっていることも同じことだろうと思います。長くなりましたけれども、これが私の考えでございます。
吉田勝廣委員 今後の医療制度と言いますか、医者を育てるということの先生方の熱意が伝わってきます。私も精神科に勤めたことがありまして、沖縄県は精神障害者が多いと。それから、最近の現代病でうつ病の方々が多くなって、各診療所、心療内科と言いますか、そういうところでいろんな形でケアをしているということも聞いております。そういう意味で、県立精和病院の財政的な中身を読みますと、前年度よりもいろんな形で収益がかなり減少している。また、外来の患者も少ないということで報告書にありますけれども、私からすれば、現代病があって、外来患者がもっとふえているんじゃないかなというのが1つ。それから、国立療養所があって、国立病院があって、その国立病院の中で固定した患者、今は分裂病と言わないでしょうけれども、その固定した患者がグループホームへ一たん退院をして、グループホームの中で、いろんな意味で世間になれるようというか、自立するような形で、グループホームでも治療を含めていろんな教育しています。そういうことで、どうして県立精和病院が今の状況になったのか、ちょっと説明をお願いしたいなと思います。
新垣米子県立精和病院長 今の御質疑は、県立精和病院において入院、外来の患者が減少している、それはなぜかということだったと思います。
 実は、現在、精神保健福祉医療の動向が、病院医療から地域へというような動向がございます。そして県の県立病院の今後のあり方検討委員会の提言からも、県立精和病院のあり方としてスリム化と、それから精神科におけるセンター的機能をするようにということがありました。そういうことがありまして、県立精和病院はそれに向けて策定しておりまして、急性期病棟をつくって、救急だとかそういうところを強化していこうとやっております。
 そういうことがありまして、昨年度から1病棟を狭小化して、急性期病棟の改築に向けて動き出しています。そのために1病棟の患者を転院だとか、退院だとか、社会復帰だとか、そういうふうなことをさせております。ということで、1病棟分が減少したというようなことですね。そういうことがありまして、入院患者さんがこれまで310床でしたのを可動病床が255と減少しております。それから、退院を促進した患者さんたちは、ほかの病院だとか、あるいは社会復帰施設にお願いするわけですから、当然当院には戻ってこないと言うか、これまで当院の外来につながるとか、それから再入院につながるとか、そういうことはなくなりました。そういうこともありまして外来も減少しております。それだけではなくて、現在、クリニックというのが非常にふえております。この10年間ぐらいで、例えば1けたから40幾つというふうにしてふえております。そういうことがありまして、外来の患者がクリニックに行っているというようなことがあります。そういうようなことで減少しております。
吉田勝廣委員 院長に説明を求めるのも経営的には大変だなと思いますね。やっぱり院長先生は医療で頑張ってもらった方がいいんじゃないかなと思ったりしますけれども。
知念清病院事業局長 一言だけ申し上げますと、県立精和病院はいわゆる慢性期の患者をたくさん抱えておりましたけれども、民間病院と同じようなことをしていると。それで、そういうことじゃなくて、急性期のそういうケアをもっと必要とするような、公的病院として本当に必要な患者を受け入れる形に持っていこうということで、去年から1病棟をつぶしまして、それを急性期病棟に変えておる最中でございます。300床の中から55床を急性期病床に変えるために今閉鎖しているわけですね。そういうことで患者さんが非常に減った、それが大きな原因だというのが簡単な説明でございます。
吉田勝廣委員 わかりました。
 もう1つは、その急性期ですけれども、よく精神医療は早期発見というか、早期治療、そして早期退院と言われておりますので、この辺の現在の状況といいますか、うつの皆さんはなかなか病院にも行きたがらないし、それを見つけて、また県立精和病院の門をくぐるのは、僕は非常に苦痛ではないかなという感じがします。そういう意味では、心療内科みたいな行きやすい場所ですかね、だれでもフリーで行けるような、こういうのがいいような感じがしますけれども、県立精和病院長、この辺はどうお考えですかね。
新垣米子県立精和病院長 県立精和病院は県における精神科の中核病院になっております。先ほど民間病院との違いというのがありましたけれども、県立精和病院の理念は大きく3つ、急性期の精神科救急を受け入れるということと、民間で対応困難な患者を受け入れるということ、それから全県下を見渡す、視野に入れると。ですから、離島・僻地だとか、そこら辺を応援するというのが県立精和病院の使命です。そういうことで、うちはある意味で重い患者たちを診ているということになります。それで、県立精和病院に行けば最終的な砦だということで、何でも診てくれるということになっているんですけれども、ただ、うちはいわゆる軽い患者たちが来にくいということがあるわけですね。ですから、精神科クリニックの患者たち、クリニックは非常に敷居が低いと。そして現在、行かれるとわかると思いますけれども、クリニックのアメニティーはとてもいいです。とてもきれいなクリニック、まるで病院じゃないような、そういうのがふえております。いやしとか安らぎの場所というか、そういうところがふえていますので、やっぱりそういうところへ足を向けやすいと思います。県立精和病院は歴史が長いですので、向こうに行けば、いわゆる昔の偏見ですね。精神科に対する偏見がまだこびりついていて、県立精和病院は頭が狂った人が行く、そういう感情のことがあるわけですね。ですから、もう重くなった患者たちを診ているというようなことがやっぱり大きな要因ですよねと思います。
吉田勝廣委員 そういう意味では、やっぱり古い感覚ですね。精神障害者に対する偏見と言いますか、そういうことがやっぱりずっと根づいている。だから、例えば病院の名称を変えてみたり、さっき言ったように、アメニティーと言うか、そういう雰囲気づくりが今非常に必要じゃないのかなと思ったりします。頑張ってください。
 それから、現実的なものにちょっと戻りますけれども、医業費用と言いますか、皆さんが言う医業収支比率、これもちょっと悪くなってきているんですが、この報告書は、勧奨退職者の増加に伴う退職給付金の増というので、これが悪くなったということが書いてあります。将来の見通しでも、来年の退職者は何名なのか、その次は何名なのかと計算してくると、とてもではないけれども、この収支バランスはもっと下がるか現状維持かということで予測はしているんですが、この辺、病院管理者としてどういう予測をされているか、お聞きしたいと思います。
知念清病院事業局長 おっしゃるとおり、そういうふうな考え方でいきますとお先真っ暗でございます。いいところは1つもない、簡単に申し上げますと、そういうところでございます。じゃ、それでいいのかというのが私たちの立場でありまして、そのままそれを容認していきますと、公設公営化という状況は当然できなくなりまして、次は公設民営化、あるいはPFI方式、場合によりましては民間移譲、そういうところまで話がそのまま進んでいってしまう可能性があるわけですね。ですから、私たちとしては、そういうことも見据えて、どんなことがあっても公設公営化を守っていくんだという形、そのためには各病院は各病院で頑張れるところは頑張ろうじゃないかと。そして病院事業局は病院事業局でできること、みんなが働きやすいような条件づくり、あるいは人もふやす、医療機器も買えるような状況にするというふうな条件づくりに向けて、お互いに協力していこうということでありまして、周囲の状況だけを見ていると、本当に将来真っ暗であります。いいところはほとんどないんですね。診療報酬はどんどん下がっていきます。そして患者は個人負担がふえてきたので、外来はどんどん減っていきます。そういう中で、診療費を上げていく、収益を上げろというのは。そしてまた団塊の世代ということで、平成17年度から急に退職者がふえました。勧奨退職者がふえたんですね。それで普通の定年退職と勧奨退職者、両方ふえたせいで、物すごい量の支出があったわけです。これが今度から本当に団塊の世代の退職者が続きまして、四、五年ぐらいは従来の二倍以上の退職者が出てくる。そういう中で、では、これでいいのかというのが私たちの考えでありまして、とにかくできるだけのことをやろう、またやらなくてはいけない、ある意味では、そういう非常に追い詰められた状況であることは皆さん御承知と思いますが、私たち、またみんな感じているところであります。
吉田勝廣委員 冗談ではなく、お先真っ暗の病院経営のところに、よく知念病院事業局長はみえたな、そう思います。これは経営者として、これから本当に大変だと思いますよ。だから、そういう意味で、ぜひ先ほどのお二人の院長の提言も踏まえて、金も出そうじゃないか、病院もきれいにしようじゃないか、そしてまた、沖縄県民がこぞって公営病院を守ろうじゃないかということをお互いに確認して、終わります。
小渡亨委員長 當間盛夫委員。
當間盛夫委員 知念病院事業局長はお先真っ暗の病院事業ということであったんですが、安次嶺県立南部医療センター・こども医療センター院長からも大変力強いお話がありましたので、その分は病院事業局の皆さんも救われたんじゃないかなと思っております。そして医師の確保、先ほどからもありますように、県立宮古病院や県立八重山病院の改築等々を含めると、どうしてもお金の話になってくるんですよね。それからすると、やはり現在の470億円近くの病院の赤字を、じゃ、これからどうしていくんだという話になってくると、全県立病院を黒字化にすればというような担当のお話もあるんですが、果たして、それで簡単にいくのかなと。医業収益の70%はもう人件費だと言われる中でどのような形で進めていくのかなと、皆さんも大変頭が痛いところだとは思うんです。病院事業局長、その中で、地方公営企業と繰入金についての感想をちょっと聞かせてもらいたい。
知念清病院事業局長 先ほどから繰入金については少し説明がございました。それで、今度は地方公営企業法の全部適用ということになったわけなんですけれども、その地方公営企業法の第3条に経営の基本原則というのがありまして、それを見てみますと、地方公営企業法は、常に企業の経済性を発揮するとともに、その本来の目的である公共の福祉を増進するよう運営されなければならないというのがあります。一方で公共の福祉、一方で企業の経済性というのは車の両輪でありまして、お金だけをやるというのであれば、これは公共になりませんし、それでは、公共の福祉だといって医療ばかりやっていて経済性を無視すると、これは当然倒産するわけでありまして、この辺のバランスがとても大事だと思います。ところで、この地方公営企業法の今言われている公共の福祉といった場合に、これは県立病院の今後のあり方実施方策というのがありまして、それにも載っておりますけれども、要するに民間と競合しないような、地域の中核となるような医療とともに、病院によっては広域基幹病院として全県の中核となるような医療をしなさいということがあります。そうしますと、民間ができないような医療、中核となるような医療となりますと、率直に申し上げますと、民間は収益性のある企業しかやりません。収益性のない企業というのが当然、公共企業の方に回ってくる、県立病院に回ってくるわけでありまして、それの特異的な例が救命救急医療であるとか、僻地医療であるとか特殊な医療、精神科の身体合併症を持った患者とか、エイズの患者であるとか、あるいは特殊な感染症であるとか、それから今大きくなっているのは離島医療ですね。離島医療はどんなに頑張っても、今のままだと黒字にはできません、赤字になるんですね。そういうのを踏まえた中で、公営企業としての県立病院を維持していくわけでありますから、当然頑張っても足りない部分というのは、一生懸命医療と経済性を結びつけても足りない部分、不足分が出てくるわけでありまして、それは私は当然、県の一般会計の方から、病院事業会計へ繰り入れをしてもらうべきであると考えております。
 ですから、その繰入額を幾らにするか、どれだけが適正であるかという問題と、そうは言いながらも、私たち自身がこの地方公営企業法の原則にのっとった経済性と公共性の両輪となって働くというのをどう考えて努力していくのか、この両方。ですから、それぞれの病院は病院で、自分たちの病院がちゃんと収支がとれるように当然頑張るべきであるし、そして県はその病院が頑張っても足りない分、頑張っても、どうしても赤字になる部分というのをちゃんと見きわめて、それを繰り入れていただくということでやれば、私はこんなに大きな累積赤字にはならなかったと理解しております。
 じゃ、繰り入れというのは何なんだと。そういうことについては、実は簡単じゃないんです。ただ金をたくさん入れれば、繰り入れればいいんじゃないかと言われても困るのです。実は繰り入れには総務省の繰入基準というのがあって、その基準の中でしか繰り入れられないんですね。その辺、繰入基準について、もしもっと詳しい御説明が欲しいのであれば、うちの方の病院経営管理監にさせますけれども、とにかく繰り入れというのは、もう足りない分だから、足りない分はただ繰り入れればいいだろうという簡単なものではない。ちゃんと法律である程度決まっていて、そしてその法律内でしか繰り入れられないという部分と、それを通り越して基準外の繰り入れというのがあって、法律で繰入額というのはこれだけだけれども、そういう基準をさらに外して、それ以上の分を繰り入れるという、そういう考え方も実はあるわけなんでして、その辺の理解と言いますか、その辺を考えた上でこの問題は追求していかないと、ただ金を繰り入れろ繰り入れろというだけでは解決がつかない問題でございます。
當間盛夫委員 まさに病院事業局長が言われるように、繰り入れするという分は簡単なものじゃないんですね。これをやっぱり細かく見ていかないといけないはずでしょうから、一般会計繰り入れの部分で他会計からの負担金、そして負担交付金、他会計からの補助金ということで、3つに分かれてくると思うんですよね。この分の平成11年度からのこれまでの推移をちょっとお聞かせ願えますか。
久田裕病院経営管理監 一般会計からの繰入金でありますが、平成11年度が59億1100万円、平成12年度が59億2000万円、平成13年度が60億7700万円、平成14年度が60億8638万7000円、平成15年度が62億1793万4000円、平成16年度が60億8560万6000円、平成17年度が59億2349万7000円でございます。
當間盛夫委員 平成11年度で59億円、平成17年度でも同じ59億円という形であるんですが、実際には中を見ると他会計負担金、これは第17条第2項の部分なんですが、救急医療の経費の7億円あったものが4億円まで減ってきている分、そして負担交付金の中でも僻地医療に対する経費が、平成17年度でもたった1300万円しか僻地医療の部分で予算がおりてこないという分。附属診療所、沖縄の部分でも多いわけですけれども、その附属診療所の経費だけを見ても2500万円だという大変少ない金額があるわけですね。他会計の補助金を見ても、研究研修費に関する費用、これは平成11年度の部分からすると、7000万円あった研修費がたった16万円に減額されている。7000万円あった研究費用が16万円まで落とされているという現実の部分だとか、この辺は、救急だとか、僻地の部分だとか、附属診療に対する減額、その研修費に対する減額が、どうしてこのように減ってきているかという理由はおわかりでしょうか。
久田裕病院経営管理監 一般会計からの繰り入れは大きく2つに分かれます。1つは損益勘定、運営費の方の繰り入れです。それからもう1つは資本投資、要するに建設であるとか、機器を買うとか、この2つがございます。通常繰り入れという場合は第3条の運営費の方を言っておりますけれども、先ほど申し上げた59億円、60億円という話は、これは全体のトータルの数字ですね。それで問題は、何で僻地医療とか研究研修の数字が減ったりするかという話なんですが、要するに資本勘定の分、これは主に企業債、要するに施設を整備したり、それから医療機器を買ったりする場合は、当然、病院事業というのは赤字ですので、ほとんど借金で、起債で買っています。起債をやった場合に、この借金については、午前中も申し上げましたけれども、繰入金でその元利償還金の3分の2であるとか2分の1が繰り入れられます。残った分は病院事業負担、自己負担になります。要するに残った分は、本来企業努力で稼いで、その分は病院事業で負担しなさい、これが趣旨なんですが、赤字ですので、当然その負担分がない。そうなると第4条分の機器を、その返済のためには、第3条に措置された繰入金から第4条の方に、これは組みかえという表現をしているんですが、そういった形で予算措置をしているということです。だから、そういったことでどの経費を第4条の方に持っていくかによって動いたりしますので、これが減ったから研究研修費がいきなり減らされたということではございません。トータルで見ればそう大きい変動はないということであります。
當間盛夫委員 予算面で研究費が減ってもいないです。でも、こういう形で繰り入れされている分は減っているという現実のものがあるわけですよね。皆さんが再三言われている離島医療実施に伴う費用、経費、この方はもう全くついていない状態で、皆さんも財政当局に要望しているということがあるんですが、沖縄県が抱えているこの離島の状態からすると、これを全く繰り入れない状況というのはどうなのかなと思うんですが、この辺についてはどうなんでしょうか。
當眞正和病院事業局次長 御指摘のとおり。ただ、先ほどから久田病院経営管理監の方からも答弁していますが、総務省の繰出基準、地方公営企業法の第17条に基づく総務省の基準がありまして、その基準額には、特に離島の方に関する明記されたものがないということがございます。しかしながら、地方公営企業法の第17条の法律の趣旨からこれを解釈しますと、やはり採算がとれない医療、政策的に担うべき医療というのを公立病院の役割として持たなければいけないということを考えれば、当然、その離島医療が客観的に見て不採算であれば対処すべきじゃないかという解釈を我々は持っています。ただ、総務省基準に明記されていないことは事実です。それで、私どもとしましては、これを繰出基準外の、いわゆる都道府県レベルでの政策的な判断でもって繰り入れの対象にすべきじゃないかという考えを持っていまして、これは従来からずっと当局の方とは調整している、今後とも続けてやっていくつもりでございます。と申しますのは、那覇市、中部や南部では採算医療である。例えば一般内科、一般外科といったものは、現人口の中で、これは採算医療ですが、人口規模の小さい離島で同じ医療をやっても、これは同じ医療行為でありながら採算がとれないこともあるわけです。ですから、この科目は採算とか、この科目は不採算とかということで単純に分けられない。ですから、それをどこでやるか、そのニーズがどうなるかというところで政策的に判断すべきであるということを我々は主張しております。そういうことで、今後とも努力していきたいと考えています。
當間盛夫委員 しっかり頑張ってもらいたいんですよね。やはり沖縄県の県立病院の歴史的なあり方、離島県沖縄だというあり方からすると、この繰り入れも含めながら、沖縄振興計画の中でしっかり予算づけをどうできるかということを、皆さん、このことでまた頑張ってもらいたいと思います。
 あと、不良債務についてなんですが、その不良債務の未払金が多くあるんですが、この未払金の内容をお教え願えますか。
久田裕病院経営管理監 未払金が112億円ということで多額発生しているんですが、これは2つの大きい理由があります。
 1つは、病院事業は公営企業ですので、一般会計と違いまして、要するに3月31日、年度末時点で帳簿を締めます。一般会計であれば出納整理期間というのが5月いっぱいありまして、その期間に前年度の、当年度のいろんな支払いであるとか、その出納整理期間に支払いを全部精算するという仕組みですが、公営企業の場合は、要するに3月31日時点で帳簿を締めますので、その時点で支払いのないものはすべて未払金になります。例えばいろんな委託業務がたくさんあります。こういったのは当然実績払いですので、4月以降の支払い、あるいは5月の支払いということになりますので、当然その分は未払いということで計上されます。
 それともう1つは、経営上の問題ですけれども、御承知のとおり不良債務が44億円ということで、資金繰りが非常に厳しいということで、毎年度、一時借入金で運営資金を調達しているんですが、結局、毎年毎年赤字を計上するので、その資金繰りは毎年悪化する一方。そうなると、結局、年度末には一時借入金の支払いも非常に厳しいということで、その支払えない分については、例えば支払い繰り延べであるとか、あるいは一時借入金の借りかえということで対応しておりまして、そういったもので未払金が112億円になっているということでございます。
當間盛夫委員 会計上のということで、これだけ不良債務比率を12.3%にするということは、結果的に、これから借り入れもできないような状態を皆さん自身でつくってきているというのもあるわけですよね。結果的に医業収益の10%を超えた場合には、総務大臣の許可を受けなければならないという部分がある中で、会計年度がそうだから、こういう繰り越しができないんだということ、これは何かほかに手はないんでしょうか。
久田裕病院経営管理監 一番最善の方法は、経営を改善して利益剰余金を出して資金繰りをよくする、これが本来のやり方なんですが、10%という問題をどうクリアするかという話であれば、例えば資金繰りを長期借り入れで手当てすれば、要するに流動負債を固定負債にすれば、当然その負債の部分が減りますので、10%をクリアできるという話ではありますけれども、ただ、そういったことをやっても、結局、経営が厳しい状況から抜け出せるということではないんですよね。安易にそういうことを繰り返してやると、ますます経営は悪くなる一方、気がついたらもう取り返しのつかない状態になっていたということにもなりかねないので、やっぱりちゃんとした状況では打つべき手はしっかり打って、今後にちゃんとつなげていくような対策をやる必要があると思います。
當間盛夫委員 いや、未払金の内容、最初のものが4月、5月に払うべきもの云々というお話をするから、そういうお話をしているのであって、現実にはもう12%という不良債務があるわけですから、やっぱりこのことの内容を、皆さんはもっとちゃんとお知らせしておかないと、何か隠れて処理ができるんです、この帳簿上のもので未払金が云々ということでの話でごまかされると、これは違う話になってくるはずでしょうから、この不良債務の件もしっかりやってもらいたいと思います。
 あと、県立南部病院についてなんですが、県立南部病院は、昭和57年に完成しまして、昨年、民間の方に譲渡されたんですが、民間に譲渡されたその譲渡先の方で、民間の方ではどのような設備を新たに加えて、どれぐらいの金額だとかいうものは把握されているんでしょうか。
當眞正和病院事業局次長 把握しておりません。
當間盛夫委員 昭和57年にということになると、もう約25年たつわけですよね。25年の間にはそれだけの老朽化、いろんな循環施設、貯水にしても今の規定に合わないという中で、譲渡されて全く使えないということで、その民間が新たに10億円近くかけて受水設備も変えたという現実がある。皆さんは、この県立南部病院の事業の赤字自体も、平成16年で7億円、平成17年度で9億円も出す中で譲渡した。その中で、今度の移譲の方にも、地域の医療、そして救急医療をしっかり担ってくれ、地域の医療機関の方を担ってもらいたいという中で、私は一般質問でも質問させてもらったんですが、その中での補助的なものは全く考えていないのか。協定に入っていないから云々というお話ではなくて、やっぱり県立病院のかわりに民間に地域医療をそういう形で任すわけですので、その辺のお考えをもう一度お聞かせ願えますか。
當眞正和病院事業局次長 県立南部病院を民間に経営移譲する際には、一定の条件、同じ条件を付して公募をかけたわけです。6団体が応募しております。その条件は、6団体について全く同じ条件を付しておりますし、建物が老朽化していることも踏まえて、そして建物の評価も、その時点での不動産鑑定評価も出した上での同じ条件で公募をし、そして企画競争の形で移譲先を選定しております。したがいまして、譲渡を受けたところも、そのことを十分承知の上、応募されたと理解しておりますし、その後、救急医療をやる、その後を引き継ぐということも全く同じ条件で公募をかけておりますので、決まった後に、よほどそのとき想定しなかったことが出てきた場合はともかくとしまして、通常の範囲の中であったものについては、それは承知の上で応募されたものと理解しておりますので、そこについて補助的なことを考えるということは今ございません。それはまた公募したということの公平性も考えれば、結構難しいものがあるかと思います。
當間盛夫委員 これは移譲したところが云々ではなくて、移譲した先、どこでもその問題が後々出てきたはずだと思うんですね。そのことの赤字が出たら、やっぱりその赤字の半分をしっかり負担しようかと。今、福岡県でも民間の病院に移るときにはそういうやり方をしているはずでしょうから、皆さん、はい、譲渡しましたので、どうぞもう勝手にやってくださいということではなくて、やっぱり地域医療を担わせてということであれば、赤字のそのことへの半分負担だとか、また市町村との役割のあり方等々もいろいろと検討する部分があると思うんですけれども、市町村との役割はどのようにしていくんでしょうか。
當眞正和病院事業局次長 福岡県の話が出ましたけれども、福岡県の場合と本県の場合の違いは、福岡県の場合には、持っているすべての病院を、精神科病院を公設民営にして、あとの一般病院はすべて、県としてはもう廃止をすると。職員がおります。そこに勤めている県職員、その職員も引き取っていただくという条件でやっています。本県とはその条件が根本的に違いますので、そういうことで、最初から補助といったものを公募の条件の中に出してやっておるという違いがございます。
 それから地域医療、確かにこれまでやっていた地域医療を引き継ぐという条件も付してやっていますが、その条件のもとに応募していただいておりますし、それから、地元と言いましても、糸満市に実際所在していますので、糸満市の方が一番多く利用しております。そこについては、糸満市の地域ニーズにこたえる形も含めて、今後考えるということも最初から条件がございます。糸満市のかかわりとしましては、移譲を受けた医療法人友愛会、それから糸満市、県との3者の間で、今後の医療についての意見交換する場を設けるということの双方の合意が一応できておりまして、まだその組織の設置はできておりませんが、基本的にはその方向でかかわっていくということを考えております。
當間盛夫委員 民間医療病院との連携というのは、私は県立病院は大変大事な部分があると思うんですね。その辺では、やはり今度のことは、皆さんもっと真摯に受けとめて、話し合いを持っていくというその姿勢は大事な部分があると私は思いますので、これはどうぞ提言として聞いてもらいたいと思います。
 次に、高度多機能病院についてなんですが、建築工事の全体概要をお教え願えますか。
志村恵一郎県立病院課副参事 全体の概要と申しますと、敷地面積5万7278平米、延べ面積が3万6571平米、鉄骨鉄筋コンクリート造、免震構造で、地上6階でございます。高さとしては43メートル、病床数として434床ございます。ちなみに駐車場の台数として595台でございます。
 全体の工事費をちょっと申し上げます。本体工事として設計、工事、それから監理費等ございますが、本体工事にかかわっている分は149億1631万3000円、それから外構工事が、これは設計工事、それから監理費も含めまして7億3787万2000円となっています。それと、あと用地取得が29億5202万4000円、情報関連工事として7875万円、トータルで186億8495万9000円となっております。
當間盛夫委員 県立病院の470億円の赤字からすると、今度の建築工事の効率化とか、事業の節約と言うんですか、その辺はどうこの工事に見られるんでしょうか。
志村恵一郎県立病院課副参事 経費がかからないように設計していくのは当然でありますが、コストの縮減に努めていくという方針を持ってやっておりまして、これは具体的に、幾ら縮減されたのかということは今資料がございませんので答えられませんけれども、なるべく材料とか資材のその辺で調整をして縮減に努めるようにしております。
當間盛夫委員 縮減で、節約の分で、全体的なものは出せないということのものは理解するんです。外構工事で、私は以前にも志村県立病院課副参事に指摘したんですが、歩道のタイルを、皆さんリサイクル商品を使ったということがあったんですが、じゃ、そのリサイクル商品を使う部分と通常にかかる普通のタイルであれば、その比較をちょっとお教えください。
志村恵一郎県立病院課副参事 委員が今おっしゃっているのは外構工事で使った平板舗装の件だと思いますけれども、これは商品名をエコプレートと言っておりまして、全体で約4000平米使っております。これは単価が3種類ございまして、それぞれ厚みによって違うんですけれども、主に使われている枚数からいきますと、厚さ6センチのが1万円でございます。あと3センチのが9582円、8センチのが1万3385円で、これを総面積と単価を掛けてやりますと、エコプレートの工事費として、これは直接工事でございますが、約4094万7000円かかっております。
 それから、同等の製品で比較した場合どうなのかということでございますけれども、これは直接比較するのは大変難しいので、どのような材料を使うかということなんですが、大きく考えると、インターロッキングブロックというのがございますけれども、それは平米大体6000円ぐらいですので、仮にそれを使って試算いたしますと2493万1000円、差額として1601万6000円の差額となります。
當間盛夫委員 私は一つ一つのものを見てもこれだけの差額、今見ると約1600万円近くの差額になってくるわけですよね。これじゃ、全体に節約のものを考えていくと、私は県立宮古病院だとか県立八重山病院であれだけもう雨漏りするんだとかいろんなことで、今この委員会でも問題になっているのに、高度多機能病院でこの一つ一つを、どうして建築工事で執行しているものが、これだけの金額を見ても節約効果が全く出ていない。出ていない中でそのことがあるんだというような言い方は、これはもう到底納得できない部分があります。皆さん、これは病院事業局長も、このことは十分気をつけてやってこないと、皆さん節約節約と言いながら、実際、内部はこういうような形で全く網状態で、もう流れている状態でありますので、気をつけてください。
小渡亨委員長 20分間休憩します。
   午後3時49分休憩
   午後4時10分再開
小渡亨委員長 休憩前に引き続き質疑を行います。
 嘉陽宗儀委員。
嘉陽宗儀委員 私は主に病院の経営健全化はどうすればいいかという観点から質疑をやります。
 まず最初に、先ほどの質疑の中で、病院の各院長の資質の問題で、医者であると同時に、経営者としてもエキスパートが必要だという答弁がありました。病院事業局長に聞きますけれども、立派な医者で、立派な経営者で各院長を占めれば、今の赤字問題というのは解決できるという確信があるんですか。
知念清病院事業局長 私は、先ほど御質疑がありましたけれども、やはり院長、最高責任者はドクターにやっていただきたいという気持ちはございます。しかしながら、そのドクターは医療を中心にというのではなくて、管理経営の方にも十分な知識と技術を持った、そういう人でなくては、これからの医療はやっていけない。要するに公共のための医療と福祉の増進ということと、それから経営という経済性を発揮するという、地方公営企業法全部適用の目的にかなった人でないとやっていけないのではないかと。今まで、どちらかというと、院長というのは大変優秀な医療技術者がだんだん年功とともに上の方に行きまして、そして医療関係で名をなした人がそのまま院長になっているという傾向がございました。そういうことではなくて、これからの厳しい状況を考えたときに、地方公営企業法の全部適用を全うしていくという形にするためには、両方に目が向いた形でないといけない。民間の人が来て上に据えるという考え方もございますけれども、そうしますと、どうしても経営が中心になるという傾向があろうかと私は思います。本質は、やはりいい医療、良質の医療、高度な医療、それのできるような、そういう考え方のもとに、そして経営を健全化していくという形にした方が公設公営化はうまくいくんじゃないか。公設民営化になった場合には話は別でございます。そういうふうにしてドクターが主になって経営をしたら赤字は解消できるか、経営健全化が達成できるかというお話だったと思いますが、はっきり言って、私はよくわかりません。そうであってほしい、そうなりたい、そういうことでございます。
嘉陽宗儀委員 私が聞いたのは、今、確かに民間病院の院長じゃなくて、あくまで公営企業ですから利益中心じゃないですから、全然違いますよね。そういう面で立派なドクターが立派な経営者になり得るということは十分理解できるし、もし経営者が経営手腕を発揮できれば赤字解消するのであれば、さっき言いましたように、短期間で病院の院長を呼んで、経営学を特訓すればいいんですよ。言いたいのは、それじゃ解消しないでしょうと。
 それで、じゃ、どこに原因があるかということをやっぱり明らかにする必要があると思うんですね。病院が医業収益を上げるためには、まず最初に、一番重要なのは患者がいないといけないですよね。病院に来る患者がいないといけないですね、どうですか。人が、患者が来なかったら、もうからないですよ。
知念清病院事業局長 今のは質疑ですか。
嘉陽宗儀委員 そのとおりです。質疑です。
知念清病院事業局長 もちろん患者さんが来なければ何もできません。
嘉陽宗儀委員 立派な答弁です。
 それで、今皆さん方が監査で指摘されているところで見ると、100床当たりの患者数が、入院は全国平均を上回っているし、外来患者の比率もいろいろ出ていますね。ところが、はっきりしているのは患者数がどんどん減っている、これがありますね。だから、患者がいないといけないのに、患者は減っている。減っている理由は何ですか、原因は。
知念清病院事業局長 これについては、今まで何度か述べたように思いますけれども、一番大きなのは、やはり近年における医療負担の増加というのが大きいと私は思います。個人に対する医療費抑制政策と言うんでしょうか、そういうことに対する締めつけが非常に厳しくなりまして、診療が容易に、簡単に病院に行けなくなったというのが1つであります。
 それから、これは余り言いたくないんですが、民間病院が非常に機能を増強いたしまして、機能がよくなりました。サービスもよくなりました。そして病院そのものが大きくなって、たくさんの優秀な医者をヘッドハンティングして雇って、競争相手として非常に強力な形になってきたわけでございまして、そちらの方に流れていくという傾向もございます。それから、病診連携と言いますか、地域に戻れる患者さんは地域に戻そうという病診連携というのがありまして、逆紹介という形で、自分で全部抱えるんじゃなくて、できるだけ地域との連携をとる、流す、そういうこともございます。これは地域医療を進めるという意味では、それも1つ大きな非常に大事なシステムでありますけれども、患者減少につながっているというふうなこともありまして、そういうもろもろのことですね。
 それから、今回の平成16年度から平成17年度にかけての大幅な入院患者、それから外来患者の減少に関して言えば、これは旧県立南部病院の民間移譲、それから旧県立那覇病院の県立南部医療センター・こども医療センターへの移設に伴う患者の制限ですね。外来患者、入院患者の制限ということが非常に大きな役割を果たしまして―役割を果たしたと言うよりは、それがふえるものの阻害要因と言うんですか、そういうのがもろもろ重なったと。
 それから、離島におきましては、例えば県立宮古病院ですと脳外科の医者がいなくなって、そしてそこに診療に来る患者の数が減った。あるいは県立北部病院ですと小児科の医師がいなくなったら、当然外来患者、入院患者が減ります。だから、そういうもろもろのことが全部重なった結果が外来患者の減少につながったであろうと考えております。
嘉陽宗儀委員 やはり一番核心的なものは、医療費が無料であればどんどん診療を受けるかもしれないけれども、今は患者負担がどんどんふえ続けた。10月からは結局お年寄りの3割負担まで出てきて、かつて老人医療は無料だったのが、3割ないとできない。病院の入院の仕方とか、僕から言えばいろいろ改悪されたために、本当に病気の実態に合った現場の診療体制が組めない。これは今の政治が医療費を抑制するという一貫した政策をとっているためにどうしてもそうなっていると。だから、これは患者が減ったのでは病院経営はうまくいかないという基本的なことを考えたら、結局、皆さん方がどんなに頑張っても、こういう制度、仕組みに対してメスを入れて、病気にかかったら金の心配がなくても医療にかかれる、こういう状況をもっとつくらないといけないと思うんですよね。それについてどう思いますか、所見を伺います。
知念清病院事業局長 御存じのとおりでありますけれども、これは私たちがやったことではございません。少なくとも県立病院の医師がやっていることではありません。国の政策としてやっていることでありまして、それを私たちは守っていると。その中で、聖域なき構造改革というのがありまして、診療費を含めたすべてのことに対する経済的な締めつけ型ということであると。私たちは、決してそれをいいと思って、私たちが決めているわけではございません。
嘉陽宗儀委員 病院事業局長は中身に大分詳しいようですから、それ以上突っ込んでいきませんけれども、やっぱり大きな流れとして医療費の抑制に歯どめをかけないと、今後、皆さん方がどんなに頑張っても、やはりお先真っ暗という事態は解決されないんですよ。ところが、私が気になっているのは、診療体制というのは全国的なものですけれども、とりわけ沖縄県の患者数が、全国的に減らないといけないのに、全国と比較すると減り方が多いという原因は何ですか。
知念清病院事業局長 全国で減っております。次第に減っておるわけでありまして、全国で患者が減っているという事実がございます。ただ、その中で、先ほど言いました沖縄県だけの原因がありまして県立病院が減っているのと、それからほかの全国の各自治体病院が減っているのとの比較が、減っていることはわかっておりますが、どちらがよりたくさん減っているかということについては今のところないんです。
 それから、もう1つだけお願いしたいのは、私、先ほどお先真っ暗という話をしましたら、それがしょっちゅう出てまいりますが訂正いたします。お先真っ暗と言うつもりは全くありませんでした。
小渡亨委員長 了解です。お先真っ暗は訂正されましたので、よろしくお願いします。
嘉陽宗儀委員 この沖縄自身の減り方というのは、やっぱり県民所得の中で医療費の占める割合が非常に重い。だから、全国平均の所得の7割しかない。ところが、病気は全国と同じように、いわゆる罹病と言うんですか、かかる。ところが、実際上は年金の問題にしろ、失業の問題にしろ、病院に行きたくてもお金がないために行けないという実態がやっぱりある、受診抑制がかなりあるわけですね。しかし、これは皆さん方のせいじゃありませんので、これは全部政府が悪いんですから、それは一応指摘しておきます。
 それで、やっぱり患者をふやすためには医療制度そのものをよくしていく、それから、今までのかなり改悪された中身についても直していかなくてはならないということがあると思うんですけれども、もう1つ重要なのは、やはり今は医者不足の問題がありますね。優秀な医者をどれだけ確保するかということが大事ですけれども、これはたしか復帰のときに民間の病院からでも県立病院にということで金を加えていたのは、やっぱり医者確保のために暫定手当というのが支給されていたんですよ。この中身は何ですか。
大嶺良則県立病院課長 医師暫定手当につきましては、昭和47年の復帰当時、医師不足の中、医師確保のために暫定的に制度化された手当で、給料プラスの定額の手当でございます。
嘉陽宗儀委員 一般の病院よりもより大きな責任があるし、どうしても医者の確保というのは困難な状況の中で、開業医をした方が収入があるという状況の中で、どうしても打開策として暫定手当が創設されたんです。ところが、この決算特別委員会でも、これはもう役割を終えたので廃止せよ、県立病院の医者を特別優遇する必要はないという議論が出されまして、それはカットすると。私はそういうことをやって、特に県立病院の医者をその役割にふさわしく処遇しないと、医師不足という時代が必ず出てくるぞということで、皆さんは議事録を見ればわかると思うんですけれども、やってくるぞと大分言ってきた。結果、廃止されて、こういうことになっているということがありますね。だから、今の場合に、優秀な医者確保のためには、一般的に普通の待遇だけじゃなくて、今、労働時間を見ても、医業収益の率を見ても、全国的に沖縄県の県立病院の医者は働き過ぎですよ。働けど働けど我が暮らし楽にならざりけりというのは、今の病院の皆さん方の中身じゃないですか。ところが、赤字になるたびごとに、まるで病院の医者の働きが悪いんじゃないかとか、看護師の働きが悪いんじゃないかというように印象を受ける。これはやっぱり抜本的に改善していかなきゃならないと思うんですね。そのためには、医師の暫定手当、改めて今の医者確保のために必要な対策をとるべきだと思うんです。復活も含めて、これは今後検討していくべきだと思うんですけれども、どうですか。これは自分たちでできるでしょう。
當眞正和病院事業局次長 医師不足の問題、特に診療科による偏在とかいった課題を抱えている中で、どうすればインセンティブを高めていけるかといったようなことが1つの課題であることは認識しております。ただ、医師暫定手当というものにつきましては、その名前がありますとおり暫定ということがあって、国の方も沖縄県にある国の機関にも適用されていたわけですが、それも県に先立って廃止されております。県の方もそれを廃止している。廃止すると同時に、また医師手当という別の特殊勤務手当の調整もその際になされておりますし、その復活といったことは困難かと思います。ただし、医師の偏在に係るものというような形でインセンティブを高めて、今後そういったものの解消を図っていくことについては、やっぱり今後の検討課題にはなるかと思います。
嘉陽宗儀委員 個人的なことになりますけれども、私の娘も民間の産婦人科、今注目の医者をしているんですが、あんた、県立病院に来ないかと言ったら、だめだと。じゃ、どうすれば来るかといったら、待遇改善しなさいと、これですよ。だから、民間の開業医では医者を確保できるのに、県立病院がなぜできないかという問題について、改めて医者の職員の処遇の問題についてはやっぱり検討してほしい。これは今後の課題にしておきます。
 それから、医業収益の問題で一般会計からの繰り入れの話がありましたけれども、これは沖縄県の場合には監査委員の意見書の23ページに繰入金の比率が9.1%、全国平均は24.6%となっていますね。今の9.1%の問題を全国平均に、全国並みに一般財源から繰り入れすると幾らの額になるんですか。
久田裕病院経営管理監 今その資料が手元にないんですが、かつて本会議で同様の質問がありましたけれども、そのときの試算では、年間に換算すると55億円と記憶していますが、それでほぼ間違いないと思います。
嘉陽宗儀委員 年間およそ55億円、今、年間の病院経営の赤字は幾らですか。
久田裕病院経営管理監 平成17年度で約47億円ということです。
嘉陽宗儀委員 そうすると、いろいろ基準があったにしても、少なくとも全国並みに一般会計からの繰り入れをすれば、むしろ黒字になるんでしょう。ここのところは、皆さん方の責任をしっかりと果たして言ってくださいよ、要求もする。それから、診療報酬についてちょっと聞きますけれども、病院経営を圧迫するのはやっぱり診療報酬の切り下げだと思うんですけれども、この推移と、それから収入に与えた影響はどうなっていますか。
久田裕病院経営管理監 診療報酬につきましては、平成10年度以降、低率改定、もしくはマイナス改定が続いておりまして、平成10年度にマイナス1.3%、平成12年度はほぼ同額の0.2%ですが、平成14年度でマイナス2.7%、平成16年度マイナス1.0%、そして平成18年度がマイナス3.6%と低率で改定しております。その影響額につきましては、平成16年度以前はちょっと計算しておりませんけれども、平成18年度、今度改定があったんですが、この3月時点で過去の実績に基づいて試算したところでは、病院事業全体で約1億9000万円のマイナスの影響があると試算しております。
嘉陽宗儀委員 結局、病院事業局長などを含めてスタッフがどんなに頑張っても、今の体制が続く限りは、お先真っ暗という言葉は撤回しましたけれども、なかなか見通しが出てこない。そういう意味で、制度的な改善についても、皆さん方なりに声を出さないと、これについてはこうしてほしい、医療法の改悪についても、これはこうしてほしいというのはやっぱりやらないとだめですよ。
 私は基本的には人の命は地球より重いと。だから、私の政治的立場はすべて、学校教育と医療をすべて無料にせよという立場です。それで金はあるかということになりますけれども、例えば具体的にどこから金を持ってくるかと言いますと、消費税が導入されてからこの間、消費税を導入されたのは135兆円、ただ、これは国の財政に入っていない。135兆円の消費税はどこに行ったかというと、大企業や大金持ちの減税に回されている。福祉目的税というのであれば、大企業減税、大金持ち減税をやめて、これを医療費に回せば、すべて医療費は無料化できるんじゃないですか。そういう意味では、基本的に医療の果たす役割、人の命は地球より重いというスローガンだけじゃなくて、やはり実践としてもっと取り組んでいかなきゃならないと。ぜひ皆さん方もそういう声を出してくださいということで、終わります。
小渡亨委員長 具志孝助委員。
具志孝助委員 きょうは特に県下の県立病院の先生方も御出席のところであります。後ほどまた先生方からの御意見も拝聴できればと、このように思っております。
 決算でありますので、どうしても病院の経営について議論が集中いたしております。平成17年度の決算において純損失で47億円を計上するに至ったと。これは大変な赤字の決算であります。その結果として累積赤字が、平成17年度末で468億円に及ぶというようなことでありますので、公営公立、県立病院の必要性は十分に承知をしているだけに、この先、経営の健全化を真剣に図らなければ、公的医療の使命の確保がいよいよ困難になってくるのではないだろうか、こういうような心配から、各委員からの質疑であると思っております。私も同様でありまして、同じことを考えておりまして、大抵私が聞きたいところも、これまでにほとんどただされてまいりました。重複は避けたいと思っているんですが、やはりこの収支の問題を考えますと、最終的に自然に絞られていくんですね。どうしても事業収益よりも経費の方が上回っていく、どう改善するかという言葉に尽きるわけですから、結局、収益の拡大を図る、経費の縮減を図る、これに尽きるわけなんです。どういうぐあいに収益の拡大を図るかというと、先ほどの嘉陽委員からのとおり、お客さんにまず来てもらわないといけないというようなことでございます。ところが、決算指標によりますとすべての数字が、前年度、いわゆる平成16年度との比較においてマイナスになっていると。知念病院事業局長はことしからの赴任ですから、その責任はまず問われませんけれども、大変厳しい状況の中に来られたなと同情の気持ちを禁じ得ません。
 沖縄県病院事業経営健全化計画は4次になりました。その計画の目標の数値はほとんどにおいて到達していない。これはみずから立てた目標であるわけですから、目標というのは、実際の120%ぐらいで立てたのかなというようなことも想定をするわけですが、やはり反省すべき点がたくさんあったかと思います。そういった意味合いで、今回の47億円余の赤字を出したということについて、いま一度、ここで知念病院事業局長から、それの総括、どうやっていかなくてはならないというようなことについてお話をいただきたいと思っています。
知念清病院事業局長 平成17年度の経営状態が平成16年度に比べて非常に悪化しました。特に1年間の赤字の部分というのが毎年20億円から30億円ぐらいだったのが、47億円という二倍以上の非常に大量の赤字発生となってしまいました。しかし、平成17年度というのは非常に特殊な年でありまして、それは何かと言いますと、前から申し上げておりますけれども、県立南部病院を閉鎖して民間へ移譲したということ、それからまた、旧県立那覇病院を閉鎖して新病院を開設したと、そのために入院・外来患者を制限したという非常に特殊な事情、それから新病院をつくるために大変な建設費、施設整備費というのがかかりまして、非常に特殊な状況がございました。それで飛び抜けて悪い経済状況、不良債務というのが発生したと私は理解しております。
 それで、先ほども申しましたけれども、不良債務も毎年毎年ふえていっておりますし、それから累積赤字もある一定の速度でふえてはおりますが、私は、今できること、現時点でできることは、経営健全化対策にもありましたけれども、まず単年度の減価償却を除いた部分での赤字をなくす、その部分の収支決算をゼロの方に持っていくという、そういうことから始めなくてはいけないなということであります。そのためには、先ほどから申し上げましたように、私はやはり基本的には経営の安定なくしては良質の医療なしと。要するに医療と経営というものは車の両輪のようなものであって、両方を考えながらやらないとうまくいかない。そして、これまで全部適用を採用して成功した、黒字に持っていった病院の例をいろいろと幾つか調べましたけれども、その病院事業局長の方々の考え方はみんな同じなんですね。それは何かというと、経営の安定なくして良質な医療なしと。決して良質の医療を落とすわけじゃないんです。しかしながら、経営の安定ということを常に考えながら、医療の質も落とさないようにしながらということを考えながらやらないと、公営企業としては成り立たないんだということであります。ですから、私は地方公営企業法の全部適用を採用して、そしてうまく赤字病院を黒字に、むしろ黒字に持っていった方々が何名もおられます。そういうことを参考にしながら取り組んでいきたいということでありまして、やはり意識の改善ですね。まずできることは、その方々が言っていることは、病院の経営改善の基本は職員の意識の改革にあるということを強く言っておられます。ですから、私たち自身がこれではいけないのだと。このままほうっておくと公設公営化はだめで、公設民営化あるいは民間移譲、そういう形にしか、今のままではこの病院の経営はなっていかないんだということを強く認識して、意識して、そして経営の安定と良質な医療ということ、両方を同じようなてんびんで、同じ重さで平衡させるような気持ちでいくという気持ちが大事じゃないか。沖縄県の医療というのは、全国的にも非常にすぐれているということは、もう皆さん御承知のことと思います。すばらしいシステムを持っております。私たちもそうでありましたけれども、私も県立中部病院の研修生でありますが、そこで教えられたのは、経営、お金のことを考えてはだめだ、いい医療をしなさい、そういうことばかり言われて頑張ってまいりました。けれども、今やそれではやっていけなくなった。いい医療をしなさい、同時にいい経営をしなさい、そういう時代になっておるわけでありまして、私はそういうことを踏まえた病院経営を考えていかなくちゃいけない。ですから、この地方公営企業法の全部適用を機に、各県立病院の院長を初めとする経営担当の方々には、自分の病院の自助努力と言うんですか、自分で自分の収支決算を合わせる、そういう方面に今まで目を向けなかった、やっぱり足りなかった部分を十分にやっていただきたい。要するに診療報酬漏れの防止を強力に推し進めていただきたい。それから未収金の回収をちゃんとやっていただきたい。薬品、診療材料、医療材料、給食材料とか、そういうものの一括購入を図るとか、後発医薬品の採用拡大であるとか、あるいは病病連携、病診連携、それから診療体制の厳格によって、より機能的な診療を進めるといったことも含めたものをやりながら、それでもまた足りない部分というものは、赤字負債部門に関しては政策医療によって、知事部局にその旨について応分の配慮をお願いする。病院事業局はそういう知事部局との対応、現場は現場で自分たちのできることを一生懸命にやる、そういう気持ちがあれば、私はこの特殊な年代だった平成17年度を切り抜けて、平成18年度、平成19年度には明るい方向に持っていけるんじゃないかと望んでおりますし、持っていきたいと努力するつもりであります。
具志孝助委員 静かながらも、知念病院事業局長の決意、情熱を感じさせるお話でありました。ぜひ頑張ってもらいたいと思っています。
 この公立病院の経営は全国的に大変大きな自治体テーマになっておりまして、先ほど吉田委員からもありました「ガバナンス」という月刊誌があって、9月に紙面の半分ぐらい使って特集を持っていますね。私もちょっと読ませていただきました。皆さん苦労されておりまして、ほとんどが赤字になっている。特に離島医療を抱える本県にとりましての公立病院の位置づけというのは大変大きいものがあると思っております。それだけに健全化に向けた努力が望まれるわけであります。
 そこで、経営改善をすると具体的にはということになるんですが、この専門誌なんかを読んでいても、やはり費用の縮減、とりわけ人件費あるいは材料費、これをどう圧縮していくか。公立病院の場合にはドクターの待遇よりも職員の待遇の方に比較的負担があるとかという具体的な指摘、数字も示しておりますが、この点について、人件費はもっと努力することによって圧縮が図れるのか。あるいは材料費、これはもう民間の医療機関と比較しても、明らかに公的病院の材料費は高くついている。これは仕入れ単価を公表するから、いわゆるメーカーの方が安くしない、こういうようなことも書かれているんですね、こういうような指摘。それで原因がわかるんだったら、それは問題解決できるんじゃないかなと単純に考えるわけでありますが、この人件費、材料費等の集計について、今回、ことしから地方公営企業法が全部適用になった。人事権も予算もすべて病院事業局長にゆだねられているわけですから、これから手腕を発揮するところだと思っておりますが、その点はいかがでしょうか。
當眞正和病院事業局次長 人件費と材料費ということでございますが、まず人件費についてでございます。人件費率、医業収益に占める人件費の割合というのは病院経営の大きな費用でございまして、比較によく使われる指標です。要するに医業収益に対して人件費が何%を占めるかといったものがありまして、本県は、昨年の決算では67%ぐらいでしたが、今現在は70%をちょっと超えている状況もございますので、結構厳しい状況です。ただ、人件費の率を下げるといったものに対しましては、人件費そのものを圧縮する方法、これは分子の方ですね。それと分母である医業収益を上げることによっても下がります。その両方の取り組みが同時に必要かもしれませんが、まず医業収益を上げて率を落とすということが一番望ましい形だと思います。だから、医業収益を上げていく。それと同時に、人件費を圧縮する方法につきましても、単に給与の水準を下げるとかいった方法は、必ずしもいい方法かどうかというのはいろんな疑問があります。というのは、職員のモチベーションの問題がありますし、それから知事部局との均衡問題があります。いろんなことがありますので、望ましいのは給与水準を下げることなく人件費を落とす。ということはどういうことかと言いますと、やはり外部委託できるものについては外部委託をし、その分、職員の労働条件の改善とかいったところに充てていくという形で、新たな職員の需要に対してはそういう形で対応していくということの努力。それから時間外勤務というのは、本来、時間内に終えるのが望ましいわけですから、時間外勤務があるということ自体が過重労働につながりますので、これも業務の改善その他によって時間外勤務の縮減を図っていくとかということになれば、労働条件の緩和と同時に人件費の縮減にもつながる、こういったことの組み合わせをやっていくことかなと思っております。
 材料費につきましては、先ほどから病院経営管理監の方でも答弁しておりますが、やはり共同購入の拡大とかですね。共同購入も、薬品、診療材料、それから重油、給食材料、それぞれいろいろやっていますが、やはり対象の品目をどんどん拡大していくことによって、今まで以上に進めていくということの努力、そういったことをやっていくことが肝要かと思っております。
具志孝助委員 先ほどから申し上げますように事は単純であります。いかに収益を上げて経費を縮減していくかということでありますから。経費だって、予算上もはっきりしているわけですが、人件費と材料費とその他の経費なわけでしょう。材料費が民間よりも明らかに高いというような御認識であれば、どうして民間ベースにできないのか。じゃ、民間に仕入れさせて、民間から流してもらう、そういうような大胆なことでもできるんじゃないかなと思うんですよね。それぐらいの大きな発想をやらないと、私はこれは打開できない、こう思います。
 先ほどの業務委託の問題、過重労働であると、先ほど嘉陽委員からもありましたように、我々もよく聞かされております。決して楽な仕事をやっていないという中においても、現実には今経営が大変なんだ、経営の実情を見たときにはやっていけないんだ、どうするんだと。それじゃ、効率のいい民間の方に委託をしていく、そういうような選択をしていくのかというようなことだと思うんです。わかっていながら、これだけ健全化計画ということで何十年もかけているにもかかわらず実現しない、何だろうということなんですね。やはり精神的な問題なのか、公というのと私との違いがここに出てくるのかな、こういうようなことがどうしても頭をよぎってしまいます。
 時間がなくなりました。同じことの繰り返し、毎年毎年同じことの決算審査の風景になっております。冒頭申し上げました、きょうは各県立病院から院長先生にも御出席をいただきましたので、なかなか得がたい機会だと思っております。我々は現場をよく承知しておりません。ただ単純に決算となると数字ばかり見て、これでいいのか、こういうような攻撃ばかりやっておりますが、現場には現場の大変苦しい実情、また我々に説明したい部分もあろうかと思っておりますので、この機会に、各院長先生方から我々に対しての御意見、御要望等ございましたら、それぞれお聞かせいただきたいと思います。
大久保和明県立北部病院長 こういった意見を述べさせてもらう時間をとっていただきましてありがとうございます。なかなか委員会というのは初めてで、答弁も聞かれたことに答えるだけということで来たんですけれども、ちょっと要望を聞かせてくれということで、ありがたく思っております。
 私はこの4月から県立北部病院にまいりまして、来た途端に、赤字の問題と産婦人科医の問題で頭を痛めて、かえって身の引き締まる思いで院長職を務めております。この機会ですので、委員の方に二、三お願いをしたいと思います。
 まず1つは、先ほどから公設民営化とか民間移譲の話が出ているんですが、県立北部病院は、私を初めとして職員としては公設民営化あるいは民間移譲に反対しております。というのは、なぜかと言えば、やっぱり公的病院でしかできない不採算部門の医療というのが必ずあります。今の北部地区の状況を見ますと、これは民間にお願いすると、どうしても採算部門に目がいって、そういうところの医療がおざなりにされる可能性があります。ということで、県立北部病院としては、現在の段階ではそういう方向は考えておりません。職員一同、ここ一、二年のうちには、黒字までいかなくても、何とかとんとんの状況にしたいということで、毎日、毎週、毎月、委員会を開いて、医局とか看護師に具体的な数字を示して経営改善に努力しております。それが1つ。
 それからもう1つは、公的病院のドクターの数が少ない、人がみんな出ていってしまうということで、その改善策なんですが、どうしてもその原因が、激務である、過剰労働であるということで、それを改善しない限り、ドクターは公的病院になかなか残ってくれないと思います。そのためには、やっぱり待遇改善、すなわち激務をいかに軽減して、余裕ある診療がとれるような体制をつくるかどうか。極論を言えば、もう人員をふやすしかないと思っています。地方公営公業法の全部適用になって、病院事業局長に予算とか人事権の権限がすべて来ているということなんですが、現実問題は、医師の数をふやそうとしても定数はふやせません。委員の方も御存じだと思うんですが、総定員の条例があって、その中でしか動けないんです。だから、そういった条例を変えるような方向で、委員の方のお力をおかりできれば非常にありがたいと思っております。
 それから、もう1つは負担金繰り入れの問題ですが、病院事業局の皆さんといつもお話ししていても、やっぱり沖縄県の繰入金というのは、総務省の決まりの最低限のところで動いているような状況です。同じ規模のほかの県を見ても、繰入金が沖縄県よりもずうっと多い県はたくさんございます。そういうところはどうしてそういうことが可能なのかということをもっともっと勉強して、財政課の方に交渉しないといけないと思うんですが、病院事業局だけでこの繰入金をふやすわけにはいきませんので、委員の皆様も県立病院をなくせということではなくて頑張れというようなことで、きょうの委員会を聞かせていただいていますので、そういう面からも財政課の方にプレッシャーをかけていただければありがたいと思います。
平安山英盛県立中部病院長 知念病院事業局長はお先真っ暗と申しました、訂正はしましたけれどもね。知念病院事業局長を推したのは病院長会議です。病院長会議では5つのことを守ってほしいという要求を病院事業全適移行プロジェクトチームに出したんです。病院事業全適移行プロジェクトチームに出したのは、1つは、知事が院長会議に出席すること、2番目に、病院事業局長を三役並みにすること、3番目に、一般会計からの繰入金を全国平均並みの100床当たりにすること。今46位です。下から2番目です。それから4番目に、小児病院は全国的にも1床当たり1000万円をつぎ込んでも、なおかつ赤字の病院だらけです。ですから、小児病院の会計はすべて一般会計から繰り入れるべきだと。それから5番目に、知事は各県立病院の現場に来られて職員を激励してほしい。こういう5点を要望して、私どもは知念先生を推したんですね。その後はどうなったかわかりませんが、病院事業全適移行プロジェクトチームと知念病院事業局長と話し合われて、この約束はどうなったかわかりませんけれども、今の現状はそういうことになっているんです。私は、病院事業局長になられるときに、ああいう約束を守れないんだったらやめなさい、やめる気持ちでいないといけないよ、退路を断ちなさいということをお話ししたんですよ。そういうふうにお先真っ暗でしたら、今もうやめて、知事に突きつけたらいいと思うんですね。
 それから、今本当にお先真っ暗かと言うと、僕はそうじゃないと思うわけです。今、不良債務が12.3%と言います。これの中身を見てみます。平成15年度から平成16年度、平成17年度の県立病院別不良債務があります。それは県立北部病院はずうっと不良債務はないです。県立中部病院もずうっと不良債務はないです。ことしなんか10億円ぐらいの不良債務を補う分があるんです。不良債務が一番大きいのは県立那覇病院だけなんです。これは県立那覇病院に悪いことを言うわけじゃないんですけれども、これは小児病院に向けての段階で生まれた不良債務で、例えば平成16年度で不良債務率が53.2%、去年が85.5%、去年の12.3%の中で県立那覇病院が―今は県立南部医療センター・こども医療センターですが―果たしている役割、貢献度と言うんですか、これは相当大きいものですよ。小児病院が赤字であるのは当然であるような病院が不良債務という名前でここに載せられてくるというのはおかしいと思うんですね。県立八重山病院にしろ、ずうっと不良債務は出していません。平成15年から平成16年、平成17年度は不良債務を出していません。県立精和病院、県立宮古病院は2回は出していますけれども、不良債務率は2.5%とか、あるいはない場合には2.4%のプラスとか、そういう状況なんですよ。全体を見てみますと不良債務は12.3%ではそんなに大きくないんです。これは解決できるはずなんです。それと、余り大きなことばかり言って済みませんが、そういうことで、1つは過大な投資によって起こった不良債務でもあると思うんです。これはできちゃったからしようがない結婚みたいなことですけれども、でも、私たちはこれは解決できるものだと思っています。
 県立中部病院は、去年、平成17年度は102.3%のベッドの利用率です。毎日100%以上のベッドが使われているわけです。それから在院日数が長いかというと、在院日数も13.3日です。それでも僕らは十分働かせているとは思っていません。十分稼がせているとは思っていないんです。と言うのは、うちにはMFICUというのがございます。これは県立北部病院から受け入れる母体、胎児をおなかに持ったお母さんの患者ですね。合併症のあるお母さんをそこで診る集中治療室です。1日当たり7000点、7日間に限り7万円もらえるんです。これが看護師がいないためにもらえないんです。ずうっともらえない。それから、ICUの話はこの前、新聞に出ていましたけれども、小児の加算というのもございます。この小児加算の2と1というのがございますけれども、小児加算の2は3000点です。それから1は3600点です。看護師を7名ぐらいふやしたら、小児加算の2が1に行くわけです。そうすると、収入が1人当たり毎日6000円ふえるわけですよね。そういうことで、私たちはそういう病床利用率から考えてみますと、十分働かせて、もうけさせてもらっているとは思わないんです。
 そういうことで、私たちは看護師の増員を病院事業局長にも要望したし、それから文教厚生委員会の前島委員長にも要求しました。今、看護師がふやせないのは何が原因があるかというと、1つは、看護師がもう全然いません。と言うのは、今1対4対1の看護加算というのが4月から新しくできまして、大規模な民間病院が大量の看護師狩りをやったんですね。魔女狩りみたいに看護師狩りをやったんですね。中頭病院が80名採用しました。浦添総合病院が60名採用しました。それから豊見城中央病院が100名採用しました。もう県内は看護師の砂漠ですよ。どこへ行ったってもういないんです。自分たちが教えた看護学生もうちに来ない、みんな民間に行っちゃっている、そういう状況なんです。そういうことで看護師がいないということもありますけれども、ちょっと時間が長いですか。それがありますけれども、もう1つは、看護師というのは特殊な技術ですよね。国家の免許を持っているわけです。これに全然意味のない公務員試験というのが課されているわけです。県立病院の看護師になるためには、国家試験を通って、さらに公務員試験を通らないといけないわけです。この公務員試験を通ったら、じゃ、医療的に非常に優秀かというと、そうではない。医療の技術がちゃんとしていれば、いや、面接をして倫理的にちゃんとしていれば、それでいいんじゃないですか。それだと思うんです。もう1つは、育児休暇・産前産後休暇のとらせ方です。これは県立中部病院なんかは育児休暇・産前産後休暇の半分もとれていません。なぜかというと制限があるんです。1カ年は無条件にとれます。2カ年目から任期つき採用というのがあります。任期つき採用はどういうふうにするかというと、看護師を必ず3人面接して、その中から1人を選びなさい、1人を面接してから1人を選んじゃだめだよという条件なんです。だって、今ではどこも砂漠ですから、3人もいるはずがないじゃないですか、1人もいないんですよ。ですから、こういうものを県議会で取り上げて、ぜひともあしき習慣は皆さんの力でやめさせてほしい。もう1つは、2234名という定数を打ち破らないと看護師さんをふやせませんから、そこも打ち破っていただきたいと思います。
安次嶺馨県立南部医療センター・こども医療センター院長 ただいま平安山県立中部病院長の大演説の後なので、ちょっと何を言おうかと思ったんですが、私は2点申し上げたいんです。
 平安山県立中部病院長の話にありました不良債務の県立南部医療センター・こども医療センターでございますが、これは実は短期的には不良債務の原因になりました。これはまさしく私は否定しません。しかし、この病院は長期的にはこれがプラスになって返ってくるんですよ。申し上げましょうか。私たちの病院の理念は、人々が安心して来院し満足して帰る、働く者にとって生きがいのある病院、これなんです。そのために行動目標というのがあるんです。どうぞうちのパンフレットをごらんになってください。委員の方にお送りします。
 1番、赤ちゃんから生活習慣病の予防を始めると書いてあるんです。こんな行動目標を書いた病院は日本じゅうにないと思います。その理由を申し上げます。それは委員の方も御存じのように、今、沖縄県はもう短命県になっているんですよ。委員の方の世代は、私も含めてですけれども、日本じゅうでこの世代は短命の方になるんです。私たちは100歳以上の長寿者がたくさんいますけれども、でも、中身は今非常に危険な状態になっている。ここにいる人はほとんどが短命集団なんです。それで、これは沖縄県にとってゆゆしきことだと私は思っています。我々はみんな将来生活習慣病になって、心筋梗塞、脳溢血、がんで倒れるんですね。もう既に我々はみんな1つや2つ生活習慣病を持っているかもしれません。実はこの生活習慣病というのは、赤ちゃんのときから、あるいは胎児のときから、もうその芽が出ているんです。例えば赤ちゃんにミルクをやるかおっぱいをやるかによって、将来、生活習慣病になる率が違うんです。将来ですよ、大人になってからですよ。わずか何カ月間か、おっぱいをやるかミルクをやるかによって違うんです。それは体がおっぱい用の自然食の体になるか、人工食のファストフードの体になるかが決まるんです。それで、私が今言っているのは、今後、沖縄県で産まれる赤ちゃんの9割をおっぱいで育てようという運動を提唱しています。
 それからもう1つ、生活習慣病で非常に大きな原因はたばこです。たばこのために、私たちは敷地内禁煙をやっています。委員の方は御存じですよね。私の病院でそれをもう発信しています。県立中部病院もやっています。敷地内です。それは、私たちたばこを吸う大人にとっても禁煙は大事ですけれども、一番大事なのはたばこを吸っている大人の姿が見えないことなんです。子供たちにたばこを吸っている大人を見せちゃいけないんです。県立南部医療センター・こども医療センターは、まずそういうことで、たばこを吸っている人が見えない病院にしたんです。実際、隠れて吸っている人はいますけれども、私の病院でたばこを吸っている人を見ることはまずありません。そういう状況になってきました。
 翻って県庁に来ますと、階段でたばこ臭いし、たばこを吸っていますよね。あれはぜひやめてほしいし、委員の方から真っ先に敷地内禁煙をまず実践してください、それをお願いします。そうすれば、30年後、沖縄県は日本一の長寿県に復活ですよ。そうすると、医療費が物すごく安くなりますよ。私たちが県立南部医療センター・こども医療センターでやることは、30年後、何十億円のプラスとなって返ってくるに違いないと思っています。ですから、現在の不良債務であるのは一時的にありますけれども、今後努力しますので、どうぞ御容赦ください。
 第2点、もう手短に申し上げます。それは、先ほどもう何遍も出ました繰入金の問題でございます。これは本当に繰入金をふやすには、嘉陽委員、お願いします。嘉陽委員先頭で、具志委員もおっしゃった。この次の知事がだれかわかりませんよ。でも、だれになっても、医療問題こそ沖縄にとって一番大事である、基地問題より医療問題の方が大事だということを、どなたが知事になられても、ぜひ知事に認識していただきたいんです。だから、医療費、医療に金をけちっちゃいけない。将来、それが沖縄の大きな財産になる、ぜひお願いします。
安谷屋正明県立宮古病院長 私は、この離島の病院、この県立宮古病院はその離島の病院なんですけれども、宮古圏域の中核病院として、やはり不採算部門というところを大きく抱えている病院です。ですから、やっぱりこれは公立の病院がやっていくべきだろうと一応考えています。やっぱり圏域の住民の健康を守るとか医療にかかわるということは、基本的には、まず定数の医師がいないと医療というのはできません。そういう意味で、今、脳神経外科、産婦人科の問題は非常に大きな問題となっております。あと、今後、医師確保に関しては、ほかの科でもいろいろな影響が出てくると思うんですね。ですから、医師確保に関して、病院事業局を中心にしてしっかりやっていけたらと思っていることが1点ですね。
 それから、2点目は、先ほどからもいろいろ質疑がありますように、県立宮古病院は本当に老朽化の問題が非常に問題になっております。これは本当に患者の安全、医師確保を含めていい医療を提供していくという意味では、やっぱり老朽化の問題は早急に解決しなければならないと思っております。
 それと3点目、僕はやっぱりいい医療を提供していくには、基本的には経営基盤の強化ということが絶対に必要だと考えております。ですから、今、病院一丸となって経営健全化に取り組んでいるところなんですけれども、ただ、離島の場合には、例えば特地勤務手当とか準特地勤務手当といったような離島の増嵩にかかわるような費用というのが、県立宮古病院の場合には本島の病院と比較して2億3000万円ぐらいあると思いますね。ですから、離島に係る経営健全化という意味では、委員の皆さんには、そういうことなども御理解の上、後押ししていただければ幸いだと思っています。
伊江朝次県立八重山病院長 本日は、初めての決算特別委員会ということで、何を話していいかというのはなかなか思いつかないんですけれども、先ほどから平安山先生もかなり我々が思っていることをおっしゃいましたし、我々、安谷屋先生、私と、一応離島の病院を預かる者として共通の課題というのがあります。これは県立宮古病院も県立八重山病院も同じようでありますけれども、人材の確保ですね、特に医師の確保。看護職、それから検査技師、事務官の場合は一定のローテーションで人事が確立しておりますので問題ないんですが、医師の確保に関しては、いまだもってできない、十分できていないというのが現状でございます。その中でも若い人、我々管理職の医師に関しては、我々が生きている間は、多分先輩方からの意向で赴任してやるとは思いますけれども、僕らの後からはどうなるか、これはわかりません。と言いますのも、中堅の医師たちが県立病院での仕事に疲れて、開業に走るという人たちが多くございます。こういう人たちをどのように引きとめるか、これは非常に大きな課題だと思いますね。先ほど暫定というふうな、暫定手当の問題がありましたけれども、あれは琉球政府のときに、医師の経験年数に応じた報酬を与えるということで、医師手当ということであったものですね。これが日本復帰とともに、国にはない手当だということで暫定という形で、時間が来れば廃止するというふうなことになったんだと思うんですね。これは公務員医師会の記録にもあります。我々はこれが切られてから、そういう意味では非常に大きな額でありましたから、かなり経験年数がいっている人たちはがくっときたというような状況がございます。
 それはさておき、国にないものは、特別にそれだけやってもしようがないと思いますけれども、沖縄県の場合は、やはり離島医療という特殊なものがあると思うんですね。これを他都道府県と比較しろということは、これは非常に限られてくると思うんですよ。と言いますのも、沖縄県の場合は市町村の病院がないんですよね。それから保険病院とか国保病院とかという各県にあるのがないんですよ。これはすべて県立病院が主力になって補っているという状況がございます。ですから、この辺のところは大きな違いがあるということは、やはり委員の皆さんに認識していただいて、県立病院の役割をしっかり踏まえていただきたい。
 そういう意味で、県立病院事業の中では離島医療という負担はかなり大きいと思うんですよ。そういうところを病院事業局も、僕が記録で見る限りは、少なくとも15年の記録からも離島医療の増嵩費ということでずっと申請しているけれども、なかなか財政当局が認めてくれないという問題がございます。ですから、これはやっぱり委員の皆さんがその辺のところをしっかり認識して、離島医療には金がかかるんだと。先ほど安谷屋先生からありました離島・へき地手当、県立八重山病院の場合、約1億9000万円ぐらいあります。これは固定費ですよね。私、よく言うんですけれども、離島医療をするためには、やっぱり患者が来ようと来まいが、こういったものが出ていくんだと。我々が今公務員の職員として採用している以上は、こういった離島・へき地手当をやっぱり支払わなきゃいけない。幾ら稼ごうがなんか、これは関係ないんですよ。やっぱり固定費というのがあるということをしっかり認識して、その辺の補てんをやっていただかないと、やっぱり我々にとっては物すごいハンディがある。ですから、病院会計の決算を見るときには、そういったハンディもしっかり踏まえて、委員の皆さんに検討していただきたいなと思います。
新垣米子県立精和病院長 精神科は全般的な医療の中でかなり特殊な領域だと思いますけれども、単に医療モデルだけじゃなくて、生活モデルもその中に入れつつ、見せつつやらなくちゃいけない領域です。病院医療だけで完結せずに、社会へ参加させていくというふうな、そういうところをやっていかなくてはいけない。そのためには、リハビリテーションというものをきちっとやり、それから、外来に行っても、訪問看護なり、そういう社会生活を援助していくという機能がございます。
 現在、医療以外のいろんなスタッフが必要なんですが、精神科はチーム医療と言われていますけれども、そのコメディカルと言われている領域なんですが、精神保健福祉士という職種がとても大切な領域です。ところが、沖縄県には精神保健福祉士という職制がございません。これをずっと前から要望し続けているんですけれども、なかなかその職制ができないわけです。その職制は民間ではもうずっと、例えば1つの病院で5人から10人も精神保健福祉士がいるという状況ですけれども、県立精和病院は今、臨時の職員、例えば兼任の職員が2人いるだけです。そういうことで、正採用の中に精神保健福祉士としての職制がないということは非常に大きな欠落部分になっております。
 それから、そのほかのコメディカルですね。作業療法士、それから心理士などについてももっと拡充していきたい。医療政策的にもそういうことが、例えばデイケアとかそういうところにぜひ必要なんです。それから急性期病棟を開くときにもそういう職制が必要です。そういうふうなところなんですけれども、そういう拡充がきちっとなされていないというようなことがありまして、ぜひ委員の方からも精神保健福祉士の職制をつくるように要望していただきたいと思います。
 ほかにも、うちにはいろいろ処遇困難な患者たちがいて、本来は病棟そのものをもっと拡充していきたい、改築していきたいという希望がありますけれども、今、県立宮古病院とか県立八重山病院とかの新築、改築がままならない状況で、県立精和病院はまだ20年というところで、そういうところの対応がまたできないという状況がありますので、そういう大きな政策的な意味で、県立精和病院も本当はリニューアルすべき病院だと思っております。そういうところからも、また応援をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
具志孝助委員 先生方、どうも貴重な御意見、大変ありがとうございました。いろいろと勉強になったところであります。知念病院事業局長も、これでまた随分と勇気が出てきたことと思っております。どうぞ先生方、現状に甘んずることなく、環境は大変三位一体の改革やらいろいろと、必ずしも状況は楽観できないというようなものだと思っております。今後ともますます改善、改革に御努力を賜りたいと思っております。長時間、ありがとうございました。
小渡亨委員長 岸本恵光委員。
岸本恵光委員 きょうは本当に勉強になりました。いろいろ材料が出尽くして、しかも、また各県立病院長も説明していて、特に繰り入れ関係は減らして経営ができないかということで言おうと思ったんですが、これも言えなくなってしまいまして、これはもう少し元気をなくしてしまいましたが、ある面の切実な面もございますので、少し質疑をさせていただきたいと思います。
 特に県立病院の各経営状況についてでございますけれども、県立北部病院の件なんですが、6県立病院の中で県立北部病院は、総収益、それから医業収益、医業外収益ともに対前年比増加しております。しかし、他の5県立病院は赤字になっておるものですから、それについて少しお伺いをさせていただきたいと思います。
久田裕病院経営管理監 昨年度、平成17年度実績で、決算で唯一、対前年度経営を改善しているという県立北部病院の状況でありますが、一番大きいのは、他の県立病院が大きく患者数を減らした中で、患者数がほぼ横ばいで来ているということですね。特に入院患者数は630人ふえておりますし、外来患者数の落ち込みも1000名近くありますけれども、トータルでは減少数は631人しか減っていないと。ただ、それ以上に、患者数は若干減っているんですが、入院単価であるとか外来単価、要するに1人当たりの診療報酬収入が入院単価で1410円、それから外来で431円ふえたということで、これが非常にいい結果を生んでいるということになります。
岸本恵光委員 そこで、先ほど県立北部病院は不良債権がないというふうなことでありまして、これに対して大変喜んでおりますけれども、しかし、経営状態がいい割には、この県立北部病院の中においては産婦人科医が不足して、これは正常な医療業務が行われていないわけであります。この医療行政の面については、これは福祉保健部が政策的な面では担当かもしれませんけれども、その不公平を私は大変残念にも思っておるんですが、その辺について、現場を預かる皆さんとしてはどういうふうなお考えなのか、お聞かせ願えますか。
知念清病院事業局長 県立北部病院の問題でございますけれども、確かに産婦人科という診療科におきましては医師不在のために―現在1人おりますけれども、その役割を十分果たしていないと感じております。やはり北部保健医療圏の中核病院として、地域の医療機関での対応困難な患者をその他の科においては十分に受け入れておりまして、その地域は特例といたしまして産婦人科がありますけれども、それ以外の分野におきましては中核病院として十分機能を果たしていると私たちは評価しております。
岸本恵光委員 ですから、中核病院としての機能を果たすということに対しては、産婦人科医が現在十分に機能を果たしていないわけでありますので、そこを指摘しているわけでございます。特に県立八重山病院については大変心配した時期もございましたが、現在、4名の産婦人科医が配置されて、地元は大変喜んで安心しているかと思います。
 しかし、沖縄本島の中でも北部地区は、今の県の振興策の中で人口をふやすという目的があるわけですが、今のままではその結果が出ないと思うんですね。これは定住環境が悪いわけですから、若い者が住んで、若い者には子供を産むなということですよね。本当に不安だと思うんですよ。ですから、この1年間の中で約7名も、結局は通常の状態で分娩がされていないというような面がございました。その面からして、産婦人科医の問題につきましては、現在、防衛医科大学校の方から医官が1人配置されておりますけれども、その中でもそのローテーション、私は3週間と聞いたんですが、先ほどの説明では一、二週間でかわっているんですよね。これも不自然だと思うんですよ。これは再診もあるわけでありまして、結局は、次に行った場合には医者がまたかわっているというような面で、カルテはあると思いますけれども、十分に診査結果について、やはりそこで再診を受ける皆さん方にしましては不安な状態があると思いますが、この実情は、病院事業局長、どういうふうになりますか。
知念清病院事業局長 先ほどから申し上げているつもりではございますけれども、これは望ましい状態ではない、そう理解しております。それで、議会でも答弁いたしましたけれども、あらゆる手段を用いて、そしてそういう状況を解消しようと努力しているわけであります。今、医師不足ということがあって、どうしてもそれがうまくいっていないというのが現状でありまして、私たちは現時点で防衛医科大学校の教官を1人確保して、それで満足している、それでよしとしているわけでは全くございません。これは一刻も早く正常な状態に戻して、3名体制にしなくてはいけない、そういう気持ちでおることは、私を初め県立北部病院の院長、その他医療関係者の皆さん、そう思っているところであります。決してこれでよしとしているのではないということだけは御理解いただきたいと思います。
岸本恵光委員 ですから、努力をして県立八重山病院の方はこのようにして4人配置されて、いわば5人も欲しいんだというような状況なんですが、県立北部病院は本当にもう1人なんですよね。しかも、それが1年後はめどがつかないということなんですが、現状、本当の計画はいつぐらいをめどにしてということは、めどはないんでしょうか。非常に不安な状態があるものですから、それは切実な問題として訴えているわけです。
知念清病院事業局長 今、県立八重山病院のお話が出ましたけれども、県立八重山病院と県立北部病院とは条件が全く違うと私は理解しております。県立八重山病院の場合には産婦人科の開業医が1人もおりません。ですから、すべてのお産は県立八重山病院に来るわけでありまして、年間に約600ぐらいと言われております。それに比べまして県立北部病院の場合は、離れてはおりますけれども、県立中部病院が陸続きであるということ、それから開業医が2人おります。さらに、今度、8月からですか、北部地区医師会病院へ1人来たと。そういう状況の中で、県立北部病院には1人しかおりませんけれども、そういう面では条件が全く違うと理解しております。
岸本恵光委員 離島と沖縄本島の違いはありますけれども、山原は本当に大変なんですよね。いろいろなハンディを背負うているわけですよ。そこで目的を持ってせっかく振興策事業があって、今人口をふやす面とかいろいろ努力している中において、今のままではその結果が出るかなというような不安があるものですから、早めるというような意味から、これは申し上げています。
 そこで、努力をしていないんじゃなくて、皆さんがやっていることは十分わかりますけれども、一刻も早く八重山のように解決してもらいたいという希望でありますので、ひとつよろしく申し上げたいと思います。
 経営の面なんかにおけるところの問題については、これは、先ほど各県立病院長の皆さん方は説明が大変うまくて、もう本当にその中で地方公営企業法の全部適用を受けて、今後、やはり県も厳しいものですから、本当に独立して、今度繰り出しがなくてもいけるかということあたりも、皆さん方にお聞きしようと思ったんですが、先ほどそういうことで受けておりますので、それは省きまして、一応質疑を終わりたいと思います。
小渡亨委員長 親川盛一委員。
親川盛一委員 まず最初に、病院事業局は、今年度から地方公営企業法の全部適用によって、より企業性を発揮した事業運営を期待して、病院管理局から経営形態を移行したわけでございますが、病院現場と管理部門である病院事業局、本庁とがやはり緊密に連携し合って、そして経営意識の高揚を図ることが最も大事であろうと、このように考えております。
 そこで、先ほど具志委員が先手を打って、各県立病院院長の皆さんにこの意見を述べていただいたわけです。大変申しわけないんですけれども、せっかく病院現場から忙しい中をお越しいただいておりますので、一言ずつ感想と決意をお願いしたいところでありますが、やはり何といっても本庁と病院現場とが経営意識を一つにして、一丸となってこの沖縄県病院事業経営健全化計画を着実に実施していく、これが最も大事だろうと思いますので、また頑張っていただきたいと思います。
 まず1点目に、医師確保対策でございます。これも各委員の方からもう既に説明されておりますけれども、私がここで一言お聞きしたいのは、民間病院におきましては、同じ医師の科目外と言いますか、そういったことをやっているところもあると聞いております。例えば外科から脳外科の方に変更する、そのためには、これまた大学の方で勉強していただく、こういう置きかえをしながら医師確保を図っているということも聞かされておりますけれども、病院事業局におきましては、この点についてはどういうぐあいにお考えでしょうか。
砂川亨病院企画監 いわゆる専門科を変えるということだと思うんですが、例えば外科で専門医をとってある程度やって、例えば10年とか15年とかやって、多分脳外科とか心臓外科に移るというのはもう極めて難しいと考えます。ただ、今幸いにも県立病院では臨床研修事業の中でかなりたくさんの研修医が入ってきて、出ていきます。その間に、やっぱり最初にある程度どの科に行くということを希望をとって入るわけですけれども、その間にも、例えば少ない科ですね、産婦人科とか、あるいは麻酔科、小児科とか、脳外科も含めてですが、そこに少しでも移りたいという希望がある人に関しては積極的に勧めたり、移るのを認めたりということはやっております。
親川盛一委員 先ほど研修医制度、平成16年度から新しい研修の制度が発足したわけでございますけれども、県立病院においては約50名前後の研修医の先生方が研修を受けながら頑張っている。その中からでも、やはりさっき言ったような方向性を見出して育てていく、これがもっとも大事だろうと思うんです。そうすることによって、離島・僻地における医師確保もかなえられてくるだろう、このように思っております。
 そこで今、研修医の皆さんは恐らく定数外ということで、研修ですから、そういう形で預かっているかと思うんですけれども、一般的にはこの新しい研修制度でも、先ほど話がありましたが、2カ年ほどやって、さらに皆さんのところにおいて3年ぐらいやってということです。県立病院においては、先ほど7年ということがありましたけれども、これはその間に専門医を決めていただいて頑張らせる、こういう考え方のもとでの話なのか、そこら辺をちょっとお聞かせ願いたいと思います。
知念清病院事業局長 実は、先ほど申し上げたかとは思うんですが、現在、平成16年に国から始まったのは初期臨床研修制度という2カ年の制度でございます。しかしながら、専門医の資格を取るというときに当たっては、実は各専門科によって、何年間の基礎的な修練をやった後で、初めて専門医の資格を取る試験を受けることができるという規定があります。これが一番長い年限を要するのが心臓血管外科と小児外科でありまして、7カ年の研修期間を経て、初めて専門医の資格が取れるわけであります。それから、内科、脳神経外科、消化器外科、眼科、耳鼻咽喉科、泌尿器科、そういう部門の専門科に至っては6カ年。卒業して内科に属して6カ年、専門医の資格の取れる研修施設で専門的に研修を受けないと専門医の資格を受けることができないということがありまして、それで初期の2カ年だけではだめだと。最初は4カ年まで、国で決めた最初の初期研修は、義務的に決められた2カ年をやって、県独特に2カ年間の後期研修というのをやっておったわけですけれども、そういたしますと、5年とか6年、あるいは7カ年を要する、専門医となることができないわけですね。ですから、4年たったら専門医の試験を受けられる県外に出ていかなくてはいけない。そうすると、そういう人たちは出ていったら帰ってこなくなる可能性が十分あるわけなんです。それでは非常に効率が悪い。そういうことで、ちゃんと専門医の資格が取れるまで県できたえてやれば、そのまま定着率が高くなるだろう。そういう考え方のもとに、この後期研修制度をより充実させる、延長させる、そういうことであります。
親川盛一委員 この後期研修の件でございますが、県立病院も一生懸命頑張っておられますし、また、琉球大学医学部附属病院とも連携をとりながら、そして多くの専門医を確保することによって、沖縄県全体としてそういう医師確保の体制ができてくるだろうと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
 そこで、この医師の不足ということで今、脳外科、それから産婦人科、小児科とあると聞いておりますけれども、これはやはり勤務条件にもよるだろうと思います。先ほど嘉陽委員や外の委員からもありましたけれども、地方公営企業法が全部適用されたわけですから、条例でもってこの給与の種類を掲げて、そして具体的な額については規定でもって規定できると思っております。そこら辺の体制あるいは考え方についてどのように考えておられますか、ちょっとお聞かせください。
當眞正和病院事業局次長 親川委員、今御指摘のとおり、基本的な事項は条例で決めて、そして実際の給料表については、額そのものは病院事業局内の規定でできます。それができるから自由にやれるかというと、それは必ずしもそうではなくて、やっぱり知事部局とのバランス、同じ職種が一般会計の医療機関、保健所とかにありますし、そこら辺とのバランスもございます。それと、やっぱり全国の自治体病院、そこら辺との比較、そういったことも勘案しながらやっていかなければいけないということでございます。
 それと、経営が苦しいから、自分で勝手に下げるとか、それもできませんし、そこら辺は職員のモチベーションを考慮しながら、他とのバランスも考慮しながら適正な額を確保しつつ、経営改善という、給与比率とかいった指標に関しましては、先ほども申し上げましたが、その分母である医業収益の確保によってそれを下げていくという努力もあわせてやっていきたいと考えております。
親川盛一委員 先ほど医師手当とか、医師暫定手当とか、あるいは初任給調整手当とかいろいろあるかと思いますけれども、これはやはり地方自治法とか、地方公務員法とかいろいろ制約はありますから、その辺を十分検討して、やはり勤務条件が整えられるように、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 次に、離島・僻地における診療所等の医師の配置状況等についてお伺いいたすわけでございますけれども、やはり離島医療の充実というのは最も大事であります。そういう意味におきましても、特に診療所がたくさんある本県にとってみれば、その医師の配置状況が非常に大事だと思いますけれども、現在の状況等についてお聞かせ願いたいと思います。いわゆる欠のところがあるか、あるいは県外、国外からのそういう医師の件もあるかどうか等です。
砂川亨病院企画監 病院事業局で18カ所の附属診療所を設置しております。そこは今、すべての診療所に医師1人、看護師1人が配置されております。
親川盛一委員 赤字解消につきましては、先ほども各委員から出ておりますので省略しますけれども、繰出金につきましても、ぜひ他県との比較を十分にやって、私の知るところでは、沖縄県は非常に少ない、それが累積赤字にもつながっているんじゃないか、こういう思いがありますので、そこら辺をきちっとして、今後の病院事業を公営事業として発展させるためにも、ぜひこれを検討していただきたいと要望しておきたいと思います。
 次に、収益的収入及び支出の中の収入の部でございますけれども、病院事業収益の決算額と損益計算額の事業収益との数字に違いがあるものですから、それを説明願いたいと思います。
久田裕病院経営管理監 親川委員が今おっしゃっているのは、12ページの決算報告書の決算額、例えば医業収益393億5546万1478円と、それから15ページの医業収益393億1887万3433円のその差ということなんですが、12ページの決算報告書の決算額は予算額に対する決算ということで、これは税込みの数値です。それで、15ページの損益計算書の医業収益は、これは経営成績をあらわすものですから、それからは税を抜いております。この税の差が数値の差ということになります。
親川盛一委員 これは医業外収益についても同じようなことですね。
久田裕病院経営管理監 そのとおりです。
親川盛一委員 その中に特別利益というのがありますね。これは補正増をしておりますけれども、その中身について御説明願いたい、このように思います。
久田裕病院経営管理監 この補正増の内訳は、これは2回に分けて補正しております。まず1回目は11月補正で、午前の方でも出ましたけれども、県立南部医療センター・こども医療センターの用地を、これは国道用地として国道事務所に売却したというときの補正、これが375万3000円、それから、これは例年やっておることなんですが、 2月補正で過年度損益修正益の補正ですね、その分が1298万円ございますので、その分の補正でございます。
親川盛一委員 最後にお聞きしますけれども、未収金の回収対策等もいろいろお聞きしたかったんですけれども、みんな質疑されておりますので、あと1つは、県立病院内における医薬分業、これについてどう考えているか。また、現実の状況はどうなっているか、これを説明願えますか。
久田裕病院経営管理監 医薬分業と言いますのは、院外の薬局で処方するということなんですが、これは第4次の沖縄県病院事業経営健全化計画でも一応目標として目標数値を掲げて取り組んでいるところであります。それで、平成17年度の目標83%に対しまして、医薬分業実施率、実績が82.1%ということで、ほぼ目標を90%以上達成しておりまして、これは確かなデータはございませんけれども、全国の都道府県立病院と比較しますと、本県は医薬分業はむしろ先進的に進んでいる方だと見ております。
親川盛一委員 午前中の質疑の中で、当銘勝雄委員からも材料費の質疑があったかと思いますけれども、今、医薬分業の質疑をさせていただいたのは、全部をそういう形でやるということはできないと思うんです。できる分から改善をしていくということでございますので、今後の勉強課題としていただきたいと思います。
小渡亨委員長 砂川佳一委員。
砂川佳一委員 質疑順番を具志委員に譲ったばかりに、大変自己反省もしておりますが、それにしても、各先生方の熱弁には心から敬意を表するとともに感動しております。さすがだなと思います。これは決して一朝一夕で考えて話す言葉ではなくて、まさに魂のこもった言葉だなということを敬服しているわけであります。私たちは間違いなく、当委員会は皆さんの応援団ですから、今後ともしっかりと連携して頑張っていくことを、当委員会を代表してお願い申し上げます。
 さて、せっかくですから質疑をさせてください。
 病院管理局から病院事業局へ移行されて、政策医療を進める上で大変新しい展開ができるものだと期待を申し上げるものであります。特に離島医療格差是正についてはしっかりと本腰を入れていただきたいとお願いしつつ、質疑を始めます。したがって、私が質疑するのは、県立病院と言えば県立宮古病院のことであります。これに特化して質疑させてください。
 まず1点、県立宮古病院の建物の当年度の修繕費は幾ら使っていますか。
大嶺良則県立病院課長 平成17年度の県立宮古病院の修繕費ですけれども、8883万円、税込みです。そのうち施設及び設備の修繕に関するものは2788万円となっております。引いてあるものはICUの改修工事、その分は引いてあります。
砂川佳一委員 次に、同じく建物の減価償却費、当年度は幾らかかっていますか。
久田裕病院経営管理監 平成17年度の県立宮古病院の建物に係る減価償却費は9262万3000円となっております。
砂川佳一委員 ついでに、国有地に支払う賃借料、これは幾らでしょう。
久田裕病院経営管理監 現在、県立宮古病院の敷地のほとんどは国有地になっておりまして、面積は2万2530平米で、年間の賃借料は1028万9691円となっております。
砂川佳一委員 ここで生意気な所見を少し申し上げますが、普通、事業経営は、特に決算書を分析するときに減価償却費と修繕費とは同じ経費ではあるんですが、御案内のように、性格が真っ正面に違うわけです。つまり、減価償却費というのは未来的な経費と言われておりますし、投資経費とも言われます。ところが、反面、修繕費というのは、まさに穴埋め的な経費でありまして、これは今数字を出しましたけれども、本来は減価償却費にもっとかけてもいいと、何も心配することはないと思うんですよ。減価償却費、つまり県立宮古病院を新築して修繕費がなくなって、そして減価償却があっても、何もそれは不安に思うことはないということを主張しながら、次へ進みます。
 そして今、県立宮古病院の新築移転については、ワーキングチームですか、検討委員会でいろいろ協議されていると聞きますけれども、その中で、特に今検討されているものの中に、現病院が行っている診療科、つまり脳神経外科とか外科とか、それは今後も新病院になっても続行される予定ですねということを確認しておきます。
當眞正和病院事業局次長 現在、ワーキングチームで検討しているのは、将来、県立宮古病院を新築したら、そのあるべき県立宮古病院の姿ということで、診療科目その他のことをやっておりますが、基本的には役割としましては宮古地域における中核病院であり、県立病院として民間医療機関で対応困難な医療を中心にやっていく、そして可能な限り地域で完結できるようやっていくということの基本は変わりません。そこら辺を踏まえながら、他の診療科の状況を見ながら細かい診療科目の検討をしていますが、委員が御質疑の診療科目につきましては、まだそのまとめはできていませんが、当然残るものだと考えております。
砂川佳一委員 ありがとうございました。
 ところで、その病床数とか、建物面積とか、病院の規模とかはまだできていないかもしれませんが、いつごろ公表できるんでしょうか。
當眞正和病院事業局次長 今年度内に基本構想の素案をつくる予定でございますので、それが固まった段階では明らかになってくると思います。
砂川佳一委員 いつまで待たせるつもりかと言いたいんですけれども、しっかりと実行していただきたいと思います。
 もう1点、駐車場スペースはどの程度とられているんですか、これもまだ検討中ですか。
當眞正和病院事業局次長 まだ具体的な数字を申し上げることはできませんが、ただ、現在の県立宮古病院の敷地がかなり狭隘であるということの反省を踏まえた検討をしておりますので、そういったことも頭に入れた上での検討結果が出るものだと考えております。数字については、現時点でまだ申し上げられません。
砂川佳一委員 よく言われるように、箱物だけではなくソフト面でも検討しているということですけれども、それは特徴ある病院、勤務医師あるいは職員からも誇りある、魅力ある病院をつくるというための考え方だと理解をしています。
 そこで新設科目、今までの科目以上に、例えばスポーツリハビリ科とか、あるいはがん治療をするための特殊機械を入れて、特殊機能を要する機械を入れて、東南アジアあるいは全国から評判の病院に来るということのためにも、やっぱり新しく設置する科目が必要だと思うんですけれども、それについては協議、検討はされていませんでしょうか。
○當眞正和病院事業局次長 まだ今検討の途中でございまして、具体的に申し上げられませんが、先ほど申し上げましたように、宮古地域における中核病院であり、できるだけ地域で完結できる医療体制をという基本的な考え方に沿って検討を進めておりますので、申しわけございませんが、まだそういった具体的な御返事を申し上げる段階にはございません。
砂川佳一委員 ぜひ魅力ある病院づくりのためにも、そこら辺も検討していただきたい、前向きに進めていただきたいとお願い申し上げる次第であります。さらに、やっぱり県立病院として政策医療を進める責任、使命がありますけれども、それと同時に、健全経営も両立するということも考えられていますが、特に政策医療ということに大きく観点を置いて進めていただくようにお願いいたします。
 続けます。先ほど宮古島市長が県立病院用地として市が土地を提供してもいいという発言がありました。恐らく1日でも早く県立宮古病院をつくってほしいという気持ちのあらわれだと思いますけれども、そのことに対して、県の見解を求めます。
知念清病院事業局長 新しい病院用地については、去る6月の県への要請の中で、宮古島市から提供の意向が伝えられております。そしてそのことに対しては、病院事業局としても大変感謝を申し上げ、今後の用地確保作業が具体化する中で、互いに調整を行っていく旨を伝えてございます。
砂川佳一委員 1点だけ。先ほど市が提供してもいいということですけれども、当然議会の承認も必要でしょうし、県としての手続も必要でしょうし、そこら辺の課題はどういうことが考えられますか、教えてください。
大嶺良則県立病院課長 本県の場合ですと、県立宮古病院を建設することを条件に、県への譲渡になりますので、この条件ですと、法的義務が生ずると考えられます。地方自治法の第96条第1項第9号に規定する負担つきの寄附又は贈与に当たると考えられます。しかし、今回、地方公営企業法の全部適用を受けまして、地方公営企業法第40条の規定が適用されることになりまして、先ほどの地方自治法の規定は適用除外となっております。したがいまして、当該土地の面積等はまだはっきりしませんけれども、当該土地の譲渡価格が7000万円以上であって、面積が2万平米を超える場合は、重要な資産の取得として予算に計上し、議会の承認を受ける必要が出てきます。
砂川佳一委員 言わんとしているところは、確かに赤字解消、健全経営もそれなりに、病院事業局長が言われているように重要なことですが、特に離島におきましては、中核病院としての使命、役割を担っているわけでありますし、医療政策としての観点から十分進めていっていただきたいとお願いするわけです。それを解消するためには、やはり新築移転が必要不可欠です。スピードアップしていただいて、医師確保のためにも魅力ある病院づくりが求められているわけです。そして政策実現のためにもしっかりと取り組んでいただきたいとお願い申し上げます。
 きょうは幸い各県立病院長も駆けつけていただきました。いろんな答弁を聞いておりまして、さすが医者になられる方というのは、能力的にも、知能的にも、当然普通の人以上でありますし、医者になるということは、総体的に人間の体を見ているわけですから、物事を考える基準というのが総体的にでき上がっているのかな、まさに経営感覚を持っているなと、私も喜んでいるところであります。しっかりと取り組んでいただきますように、高い席でありますけれども、伏してお願い申し上げて、終わります。
小渡亨委員長 以上で病院事業局長に対する質疑を終結します。
 説明員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 次回は、明 10月18日 水曜日 午前10時から委員会を開きます。
 本日の委員会は、これをもって散会します。
   午後6時12分散会
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