決算特別委員会

普通会計



開会の日時、場所
 平成18年10月25日(水曜日)
 午前10時1分開会
 第7委員会室
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出席委員
 委 員 長  小 渡   亨君
 副委員長 新 垣 良 俊君
 委   員 嶺 井    光君  岸 本 恵 光君
       親 川 盛 一君  具 志 孝 助君
       狩 俣 信 子君 当 銘 勝 雄君
         渡嘉敷喜代子君 上 原    章君
        前 島 明 男君 奥 平 一 夫君
     当 山 全 弘君  吉 田 勝 廣君
     當 間 盛 夫君  嘉 陽 宗 儀君
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欠席委員
砂 川 佳 一君
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説明のため出席した者の職、氏名
 教育長          仲宗根 用 英君
 総務課長        瑞慶覧 長 行君
 財務課長   小橋川 健 二君
 施設課長   山 根 義 治君
 福利課長   名 嘉 政 修君
 県立学校教育課長  大 嶺 和 男君
 義務教育課長   比 嘉 源 勇君
 保健体育課長   白 金 広 正君
 文化課長   千木良 芳 範君
 文化施設建設室長  新 垣 隆 雄君
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本日の委員会に付した事件
 1 平成18年   平成17年度沖縄県一般会計決算
第4回議会 の認定について
認定第1号
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小渡亨委員長 ただいまから決算特別委員会を開会します。
 平成18年第4回議会認定第1号を議題といたします。
 本日の説明員として教育長の出席を求めております。
 まず初めに、教育長から教育委員会関係決算の概要の説明を求めます。
 仲宗根用英教育長。
仲宗根用英教育長 教育委員会所管の平成17年度歳入歳出決算の概要について御説明申し上げます。
 お手元に平成17年度一般会計歳入歳出決算概要をお配りしてありますので、それに基づいて御説明申し上げます。
 初めに、歳入決算について御説明申し上げます。
 説明資料の1ページをお開きください。
 平成17年度一般会計歳入決算状況ですが、教育委員会所管の歳入決算総額は予算現額379億7002万5000円に対し調定額が371億9748万7702円、収入済額が371億7423万8702円、収入未済額は2324万9000円となっております。
 歳入の主なものについて御説明いたします。
 (款)使用料及び手数料の収入済額は52億4126万7669円であります。
 (項)使用料(目)教育使用料の収入済額は51億1282万3069円で、その主なものは、備考にありますように、全日制高等学校授業料50億899万9450円、定時制高等学校授業料4684万4029円、社会体育施設使用料3852万3201円となっております。
 次に、(項)手数料(目)教育手数料の収入済額は1億2844万4600円で、その主なものは、高等学校入学料8659万6000円、高等学校入学考査料3701万6800円となっております。
 続きまして、(款)国庫支出金の収入済額は312億8761万4515円であります。
 (項)国庫負担金(目)教育費国庫負担金の収入済額は275億9361万9692円で、その主なものは、義務教育給与費252億6423万811円、養護学校給与費19億9431万4467円となっております。
 次に、(項)国庫補助金(目)教育費国庫補助金の収入済額は34億5465万9272円で、その主なものは、学校建設費23億2749万6000円、産業教育施設整備費4億7604万円となっております。
 次に、(項)委託金(目)教育費委託金の収入済額は2億3933万5551円で、その主なものは、在外教育施設派遣教育委託費9506万6550円、文化財発掘調査費1億249万7020円、教育調査研究費4151万9981円となっております。
 説明資料の2ページをお開きください。
 続きまして、(款)財産収入の収入済額は1億1962万9134円であります。
 (項)財産運用収入(目)財産貸付収入の収入済額は3187万3674円で、その主なものは教職員住宅の建物貸付料3102万2100円となっております。
 次に、(項)財産売払収入の収入済額は8774万8538円で、その主なものは、1つ目に(目)不動産売払収入の収入済額は1472万9872円で、北部農林高校用地の名護市への売り払い代などであります。
 2つ目に(目)生産物売払収入の収入済額は7283万6195円で、農林高等学校や水産高等学校等の実習生産物の売り払い収入であります。
 続きまして、(款)諸収入は調定額5億4897万6384円に対して収入済額が5億2572万7384円、収入未済額が2324万9000円となっております。
 主なものとして、(項)貸付金元利収入(目)教育貸付金元利収入は1億1360万1000円で、備考にありますように財団法人沖縄県国際交流・人材育成財団からの貸付金元利収入であります。
 次に、(項)受託事業収入(目)教育受託事業収入は調定額3341万3000円に対して収入済額が1016万4000円で、収入未済額は2324万9000円となっております。収入未済額の内容及び理由は、那覇港管理組合から受託した那覇港臨港道路那覇1号線整備に伴う埋蔵文化財発掘調査で、予期していた以上の遺構の検出などにより繰り越ししたことによるものであります。なお、収入未済額は、事業の完了に伴い平成18年7月25日に収納済みとなっております。
 次に、(項)雑入の収入済額は4億196万2380円で、その主なものは、(目)雑入の備考にありますように、高等学校等育英奨学金事業交付金2億440万1000円、雑入のうち県立学校の災害共済給付に係る日本スポーツ振興センターへ支払う共済掛金の保護者負担分及び給付金1億846万8315円となっております。
 以上が平成17年度の教育委員会所管の歳入状況であります。
 続きまして、歳出の概要について御説明いたします。
 3ページをお開きください。
 平成17年度一般会計歳出決算状況ですが、(款)教育費は予算現額1584億773万5367円で、支出済額1557億7213万2690円、翌年度繰越額15億2229万4091円、不用額11億1330万8586円であります。
 (項)教育総務費は予算現額64億608万2000円で、支出済額62億6966万1331円、不用額1億3642万669円であります。不用額の内訳は、(目)教育指導費及び(目)教育振興費における執行残等であります。
 (項)小学校費は予算現額502億3268万4000円で、支出済額499億9437万8522円、不用額2億3830万5478円であります。不用額は(目)教職員費の公立小学校の教職員給与費の執行残等であります。
 (項)中学校費は予算現額306億9575万9000円で、支出済額305億8402万3687円、不用額1億1173万5313円であります。不用額は(目)教職員費の公立中学校の教職員給与費の執行残等であります。
 (項)高等学校費は予算現額503億7396万8422円で、支出済額491億1370万3363円、翌年度繰越額9億4420万6141円、不用額3億1605万8918円であります。翌年度繰越額は(目)学校建設費に係るもので、関係機関との調整に時間を要したことなどにより、やむを得ず繰り越したものであります。また、不用額の主なものは、(目)高等学校総務費の高等学校教職員給与費の執行残、(目)学校建設費での執行残等であります。
 4ページをお開きください。
 (項)特殊学校費は予算現額148億8449万2000円で、支出済額141億1302万3889円、翌年度繰越額5億5483万8950円、不用額2億1662万9161円であります。翌年度繰越額は(目)養護学校費に係るもので、関係機関との調整に時間を要したことなどにより、やむを得ず繰り越したものであります。不用額は(目)盲ろう学校費及び(目)養護学校費の教職員給与費の執行残等であります。
 (項)社会教育費は予算現額49億8224万6945円で、支出済額48億9367万1700円、翌年度繰越額2324万9000円、不用額6532万6245円であります。翌年度繰越額は(目)文化財保護費に係る受託事業で、那覇港臨港道路那覇1号線建設予定地内での埋蔵文化財発掘調査において、予期していた以上の遺構の検出などにより、やむを得ず繰り越したことによるものであります。不用額は(目)文化財保護費における執行残等によるものであります。
 (項)保健体育費は予算現額8億3250万3000円で、支出済額8億367万198円、不用額2883万2802円であります。不用額は、(目)保健体育総務費の教職員の定期健康診断事業の減、(目)体育振興費の国体等への派遣費の減等によるものであります。
 以上が(款)教育費の決算状況でございます。
 次に、(款)災害復旧費について御説明します。
 (款)災害復旧費(項)教育施設災害復旧費は予算現額6637万4000円で、支出済額34万3007円、不用額6603万993円であります。
 以上が教育委員会所管の平成17年度歳入歳出決算の概要であります。
 御審議のほどよろしくお願いいたします。
小渡亨委員長 これより質疑を行いますが、質疑並びに答弁に当たっては、その都度委員長の許可を得てから、起立の上、簡潔に発言するようお願いいたします。
 それでは、これより発言順序に従って質疑を行います。
 嶺井光委員。
嶺井光委員 仲宗根用英教育長を先頭に、日夜教育の振興にかかわっていることに関し敬意を表します。特に多様な人材の育成と文化の振興に取り組んでおられます。きょうは学校教育の充実を図るべきという視点から質疑をしていきたいと思っております。
 学校は生きる力をはぐくむことを目指し、児童・生徒の基礎学力を身につけさせることが大きな目標であると考えております。そういう意味では、子供たちの教育にしっかり取り組める環境の整備が重要であると思います。そういうことで、生徒指導の視点から伺ってまいります。
 最近、いじめから自殺につながるという大変不幸な実態が全国で見受けられます。本当に心の痛い問題であります。このことについて本県の対策あるいは対応はどうなっておりますか、まず伺いたいと思います。
仲宗根用英教育長 福岡県等でいじめを苦にして自殺するという痛ましい事件が起きていますが、本県では、対岸の火事とせず、いじめは心身に大きな影響を及ぼす深刻な問題ととらえまして、いじめに対する基本的な考え方としまして、1つにいじめは絶対に許さない、2つにいじめはどの子にも起こり得るということ、3つ目に子供の発するシグナルに敏感に反応するということ等であります。
 いじめ対策としては、各学校において早期発見を第一として、生徒指導の要諦である、見逃さず、見落とさず、見放さないという生徒指導体制の確立、家庭や地域の関係機関、団体等との緊密な連携、そしてスクールカウンセラー等を活用した教育相談体制づくりを日ごろから確立しておく必要があると考えております。県教育委員会としましての対策として、スクールカウンセラー配置事業、家庭訪問による巡回教育相談事業、生徒一人一人の指導支援カルテを活用した子供居場所づくり推進事業等を行っております。なお、人権ガイドブックや人権を考える日の設定による人権教育の推進にも努めているところでございます。
嶺井光委員 子供たちの問題行動あるいはいじめ等なんですけれども、未然防止、あるいは早期発見、早期の対応によって重大な事故、事件につながらないようしっかり取り組んでいただきたいと思っております。やはり子供たちは何らかの形でサインを発しているということがよく言われます。そういうのを見逃さないで、しっかり取り組むというのが大事であろうと考えております。そういう意味では、子供たちが学ぶ環境の整備という面で人的な環境というのは一番大事だと考えております。そういう面で、現場における先生方の負担の問題、スクールカウンセラーとか、あるいは生徒指導担当の教諭の適切な配置等々、こういう人的な面でしっかり取り組むべきだと思うんですが、そこら辺についてお願いいたします。
仲宗根用英教育長 おっしゃるとおり、スクールカウンセラーは不登校だとかいじめなど問題行動の未然防止、そして、早期発見、早期解決のために配置されております。そのほかにも保護者や教職員に対しての指導、助言、児童・生徒の多様な悩み等にも対応して配置がなされておりますけれども、平成18年度のスクールカウンセラー配置は、小学校54名、中学校91名、高等学校15名となっております。本県としましては、国に対しましてスクールカウンセラーの増について引き続き要求していきたいと考えております。
嶺井光委員 環境としてやっぱり人的なものを大事にしていただきたいと思っております。生徒指導あるいは教育相談とかというのはまだまだ十分に時間がとれていない、学校現場からはそういう声が聞かれます。不登校に至る、あるいはいじめの問題からこういう不幸なことにつながっていくことがないようにしっかり取り組んでいただきたいと希望を申し上げておきます。
 次に、青少年あるいは児童・生徒等へのスポーツ支援という立場から二、三伺います。
 スポーツの振興については、生涯スポーツあるいは競技スポーツというような、ある意味で二本柱として進められていると理解をしております。この生涯スポーツについては比較的、市町村あるいは地域においても取り組まれているなという認識を持っております。小・中、あるいは青少年、さらには高齢者に及ぶスポーツ行事等は盛んに行われているなととらえております。ところが、競技スポーツということを考えた場合、いろいろな競技団体があって、競技団体の方でしっかり取り組んでいるという一面はあるわけでありますけれども、行政が運動能力の高い子供たちをしっかりと育てていく、将来のトップアスリートとして、沖縄の名声を高める上でも運動にたけた人材をつくっていくということも考えていくべきではないかなと思うわけであります。そういう意味で、県がある意味、誘導、主導するような形で、市町村とタイアップして、何らかの事業展開をして将来のオリンピック選手を出すとか、世界的なトップアスリートを生み出すとか、こういうことに取り組む考えはないかというところでお願いいたします。
仲宗根用英教育長 本県ではいよいよ平成22年度の全国高校総合体育大会に向けて現在、小学生、中学生のスポーツ教室等を実施しておりまして、選手の発掘、育成に取り組んでいるところであります。今後は財団法人沖縄県体育協会だとか競技団体と連携をしまして優秀競技者の発掘と育成強化に努めるとともに、国際競技大会で活躍できるトップアスリートの育成も図っていかなければならないと考えております。そのためには、市町村と新たな連携のあり方について今後検討していく必要があるのではないかなと考えているところでございます。
嶺井光委員 ぜひ取り組んでいただきたいなと思っています。他都道府県の事例をちょっと目にしたんですけれども、小学生の比較的低年齢の子供たち、いろいろな種目にかかわっている運動能力にすぐれた子供たちを集めて、市町村の方で運動能力に磨きをかける、こういうものを都道府県が支援する、将来この地域の立派なトップアスリートをつくるんだというふうな情報がありました。そういう視点から質疑したんですけれども、やはり今もうこういう時期に来ているのかなと。既に沖縄県のスポーツにかかわる若い方々が頑張っております。小・中・高等学校生、あるいはゴルフの宮里兄弟とか、こういうものがいっぱい出てほしいなという意味からのものであります。ぜひ取り組んでいただきたいと思っています。
 次に、教育研究所における研修のことについて伺います。
 各地区に教育事務所があって、さらにそこを起点にして教育研究所が置かれております。この研究所においては、各学校の先生方が幼稚園、小・中学校の割りで研修を進めている。最近、行財政改革のあおりだと思うんですけれども、研修に派遣する教員の数を減らす傾向にあるという情報があって心配しておりますが、そこら辺のことはいかがでしょうか。
仲宗根用英教育長 各教育研究所の研修員に係る研修補助教員については、国の研修と定数によって措置されることとなっております。平成12年度において確かに県の定数改善等によって研修と定数の減となったいきさつがございます。今後はそういうことのないように、研修と定数の確保に努めてまいりたいと考えております。
 なお、平成18年度に開設された宮古島市立教育研究所における研修員は、研修と定数の枠内で新たに確保してございます。今後とも研修と定数については国の動向を踏まえながら適正に対応していきたいと考えております。
嶺井光委員 教員の資質、能力の向上というのは大事な部分であると思っています。先生方も現場でしっかり頑張っているわけですから、研修の機会をしっかりつくって研さんさせていただきたいと思っております。日ごろは学校の業務に追われて、なかなか研究する時間がつくれないという現場の声もあるようであります。しっかり長期研修に派遣して、こういう教育をしっかり考える機会を与えて、また力にさせてほしいと思っております。
 次に、文化財の保護整備事業のことについて伺います。
 国指定史跡がいっぱいあると思うんですが、南城市の糸数城跡は長年にわたって整備保存事業を進めてきております。前にも一般質問等でも取り上げたんですけれども、なかなか事業費枠がふえていかない、延々として年数がかかっているという現実。さらに、最近になって補助率が減ってきた。国の補助率は80%であります。残りの20%を県と地元市町村で10%と10%の負担をしてきた。これが最近になって県の負担が減り、市町村に転嫁されているという実態はどういうことなのか、ここら辺の説明をお願いいたします。
千木良芳範文化課長 ただいま御質疑にありました国指定史跡の整備事業の補助につきまして、確かにこれまで国の補助が80%、事業主体である市町村と県とで残りの20%を持っていたんですけれども、最近の県の財政事情が厳しくなったというようなことで、県の持ち出すお金の増額がなかなか厳しくなっております。だからといって、県の額に市町村の額を合わせてしまうと全体の事業量が小さくなってしまう、全体の事業量が小さくなってしまうとその事業期間がまたさらに延びてしまうというようなことで、そこらあたりを市町村とも十分相談をしながら、なるだけ全体の事業量、つまり事業の進捗ペースを落とさないようにして、お互いにどういうような形でその事業をやっていくかということを相談しながら、残りの20%の負担について市町村と決めているような状態になっております。
嶺井光委員 総事業費をふやせということではないんですよ、あるいは県の10%をふやせということではない。減らして市町村がカバーしているという実態に問題があるんですよ。市町村と相談するという話ですが、市町村は納得できないと思います。当初予算では10%と10%で予算計上して、途中で補正減にして財源を肩がわりしている状況なんです。これはぜひ改善してほしい。いろいろな補助金の削減とかという流れはわかります。育成団体とかそういうものは、もう育成が十分できたから減らしましょうという理屈はわかりますよ。こういう整備保存というのは、しっかり終わるまでやれば、終わったらなくなるんですよ、ゼロになる。だから、終わるまでしっかりやるべきだと考えておりますので、これは財政当局との問題でしょうから、しっかりやっていただきたい。
 次に、県指定の史跡管理について。
 ミントングスクは皆さん御案内のとおり、沖縄民族発祥の地と言われております。ニライカナイからヤハラヅカサにおり立って、浜川御嶽で仮住まいをして、ミントングスクに住みついて人が繁栄したというところです。いろいろな沖縄県民の方々が拝みに来ます。ここは個人所有であって、個人が生活の場として使っている一角なんですね。つまりプライバシーの面で問題がある。そのようなことで、いろいろな管理の面で負担がかかっているんですけれども、この負担もわずか10万円。10万円の負担の割合も、県が3万円、市が7万円、こんな状況なんですが、これはどういうことであるのか、お願いします。
千木良芳範文化課長 今の指定地の管理についてお答えします。
 文化財の指定地のいわゆる日常的な管理、つまり草刈りとか、清掃とかいうような程度の管理については所有者の義務というような形で位置づけられております。それではありますけれども、指定地のあり方と言うんですか、所有のあり方というのは、大きく分けますと、個人の所有という形と市町村等が所有をしている、つまり公有地というスタイルがあります。県としましては、指定地ではあるけれども、個人有地である部分については、今お話があったようにさまざまな管理上のことが生じますので、なるだけ個人の負担を軽減したいというようなことで、額は非常に小さいんですけれども、その補助をやっております。とりあえず全体的な予算の状況も勘案しながら、県内の指定地の個人有地については一律3万円という補助を出しております。基本的にはこれに市町村等が3万円を足して、50%と50%の割合で個人の所有者に補助をしていることになりますけれども、市町村でゆとりがあると言うんですか、そのような思いやりをつけて、県よりも増額をした形で所有者に補助するということは大変いいことだろうとは思っていますけれども、先ほどもお話ししたように何分県の財政事情が非常に厳しいものですから、なかなか一人一人の所有者に対する補助金の増額は今、難しい状況にあるということです。
 もう1つ、公有地については、性格上、補助はやっておりません。
嶺井光委員 県指定史跡はあと1つあります。垣花城跡、ここは全く補助がありません。こういうところも含めて管理の充実をお願いして、終わります。
小渡亨委員長 岸本恵光委員。
岸本恵光委員 私は生徒の基本的生活習慣の視点からお伺いをさせていただきたいと思っております。
 手塩にかけて育てた我が子が親の期待に背いて非行に走っている昨今の現実を見て非常に憂慮している1人なんですが、当然そこにはいろいろと親の家庭における教育の問題ですね。自分は一生懸命頑張っているけれども、家庭での子供のしつけの面がどうなのか、大いに反省すべき面と、教師、そして親、大人も同じなんですが、信頼関係をこれからじっくり考えなければ、この問題は本当に解決できるのかなと思っているところでございます。
 そこで、まず初めに、予算の面から申し上げますが、平成17年度の学習対策費は585万1000円出ておりますが、決算では466万5000円というようなことで、不用額が118万円。これは額が少ないようでありますが、このような事業は非常に重要な事業だと思いまして、不用額を出すことで質疑をするわけでございますが、この中で6つの事業がありますけれども、その事業について十分予算が足りてこのような結果になったのかについてお尋ねしたいと思います。
仲宗根用英教育長 ただいま事業名も挙げられたんですけれども、学習対策費は、達成度テストの実施、学対ニュースというのを発行しております。それに、学力向上推進地域連絡協議会、学力向上対策委員会等に要する経費となっております。平成17年度にこのような不用額が出たというのは連絡協議会等の合同開催のための旅費だとか謝金が、回数が計画どおり調整ができなくて、開催できない面もありまして、そういったところが不用となっておりまして、非常に反省をしております。今後とも適正な予算執行に努めていきたいと思っております。
岸本恵光委員 私はそういう面に対しては予算要求をして、力を入れてもらいたいという意味から質疑をしておるところでございます。
 2点目の小・中・高等学校の部活動の状況についてお聞かせ願いたいと思います。
仲宗根用英教育長 部活動は、おわかりのとおり学校教育活動の一環として行われておりまして、これは同好の者が組織をしまして、豊かな学校生活を送るためになされていることから非常に重要な活動だなと受けとめております。平成17年度の調査によりますと、中学校の全生徒数は5万2779人おります。そのうちの加入者数は3万6898人で、加入率69.9%であります。また、全日制高等学校の全生徒数5万504人のうち加入者数は2万8641人で、加入率56.7%となっております。県教育委員会としましては、部活動の教育的意義を踏まえまして、生徒が充実した学校生活を送れるよう部活動の活性化を図っていきたいと考えております。
岸本恵光委員 実は夕方あたりに見ていますと、ぶらぶらする生徒もふえているものですから、そこで、部活動がどうかなと思っているんですが、お伺いしますと、69%、56%からいくとかなりやっているなとは思っていますけれども、その辺も積極的に部活動をして、また後ほど申し上げたいんですが、しない子供はしっかりと真っすぐうちに帰ってもらうようなことを希望するわけです。
 そこで、次の630運動とも関連があるんですけれども、どのように学校で指導されているか、お聞きしたいと思います。
仲宗根用英教育長 県の学力向上対策の中で、市町村教育委員会の具体的取り組み事項として630運動を提示しております。この630運動は、生活リズムの確立、青少年の健全育成の上から大変重要な取り組みだと考えておりまして、本運動は起床や帰宅時間を6時30分として、地域によっては字単位で公民館等から、朝の起床、夕方の帰宅時間を促す放送等が実施されております。県教育委員会としましては、子供の生活リズムの確立、青少年健全育成の上からも、各地域の実態に応じた取り組みができるように促進を図っていきたいと考えております。当初は非常に盛んだったんですけれども、どんどん630運動が下火になってきている感がいたしますので、いま一度そういった面をPTA、または地域懇談会等においても一定促進を図っていきたいと考えております。
岸本恵光委員 次に、最近かばんを持参しない生徒が大変増加しているようでありますけれども、それについて調査されたことがあるのかどうか。できれば、これはどのような状況か、別々にわかるように聞きたいんですが。
大嶺和男県立学校教育課長 お尋ねの件につきましてですが、小・中・高等学校においてかばんを持参しないままに登校する生徒がおりますが、何%ほどなのかとか、そういった実態について調査したことはございません。しかし、現実的に、特に高等学校ではいわゆる手ぶら登校、かばんを持参しないままに、教科書等も学校に置いたままに登校する生徒たちがいるということで、これは生徒の学習上、非常に問題があるということで、各学校におきまして教科書の持ち帰りや教具の持ち帰り等、指導を行うとともに、かばんを持参して登校するようにという指導を行っているところであります。
 そして、対応策としましては、このことは生徒の学力向上対策とも不離一体な取り組みでありますので、学力向上対策の学校訪問指導等におきまして、生徒の基本的生活習慣の確立とか、あるいは家庭学習習慣の定着指導でありますとか、そういったものを通しまして、生徒の教科書、教具等の持ち帰り、そしてかばんを持参して登校するようにといった指導、助言等も行いながら、全県的に各学校において取り組んでいる状況にございます。
 なお、このことは家庭教育に関しても非常に大切なことでありますので、学校におきましては、PTA総会やクラス保護者会、あるいは地域懇談会等を通しましても、やはり生徒の現状を訴えながら、家庭における指導も日ごろからお願いしているところであります。
岸本恵光委員 学力を向上させるためには、私どもも耳にしてきたんですが、やはり予習、復習が大事であると。予習、復習ということを考えた場合には、かばんを持たずして、うちへ帰って勉強しているかということも言えますし、これは自然の状態ではないことですよね。これは親も親だと思うし、親がその子供の姿を見過ごしていることも問題でありますし、今の問題点は学校と一体になってぜひとも解決させるよう努力していただきたいと思います。
 そこで、小・中・高等学校の学力が全国あるいは九州でどの位置にあるのか、お聞きしたいと思います。
仲宗根用英教育長 小・中学校においては全国との学力を比較するという調査がなされていませんので、比較することができないという状況でございます。ただし、高等学校につきましては大学入試センター試験の得点の推移を見てみますと、全国平均と本県とでは大きな開きはもうなくなってきている。国公立大学への現役高等学校生の合格者は、平成2年度と比べまして、平成17年度は1062名と約4倍の伸びを見せております。次年度は、文部科学省において全国学力・学習状況調査が実施されることとなっております。ただし、この結果につきましては県には公表するということでありますが、各市町村は各市町村の判断に任せての取り扱いということになるかと思われます。
岸本恵光委員 学力については本県も大分高くなってきたということで大変心強く思うわけでありますが、その中においてもまだまだ学力差があるというような面で、やはり先生方も頑張っていただきたいと思います。
 社会教育活動の中でPTAとどのように連携を図っておられるかですね。年に1回は総会あたりもあろうかと思いますけれども、やはり学校の実情を知ってもらい、連携をとることは大事かと思いましてお尋ねします。
仲宗根用英教育長 PTAというのは、おわかりのとおり、私は地域と学校を結びつける大事な働きをなしているのではないかと思っておりまして、本県の青少年の健全育成の上からPTAは重要な社会教育団体の1つとされております。今年度、児童・生徒の健全育成だとか安全確保を目的に、県内の小・中・高等学校の3PTA団体が主催をいたしまして100万人「愛の一声」県民運動を全県的に取り組みまして、県教育委員会としましてもその支援を積極的に行ったところであります。また、地域の子は地域で守り育てるという共通認識のもとに大人と子供が触れ合う機会をつくろうということで一昨年から、万人すりてぃクリーン・グリーン・グレイシャス、CGG運動が全県的に展開されるに至っております。今後とも、学校、家庭、地域がおのおのの役割を果たしながら、特にPTAの果たす役割が非常に大きいですので、そういった面から健全育成にぜひ努めていきたいと考えております。
岸本恵光委員 そこで、これまでお聞きした点と関連もしますけれども、よくヤーナレーフカナレーということで、私どもは非常に大事な言葉だということで肝に銘じておるんですが、教育長は八重山ですよね。八重山でもそういうことがよく親の方から聞かされていますか。
仲宗根用英教育長 八重山の言葉では、八重山の方言もいろいろとありまして、私は白保でありまして、白保ではヤーナレードゥフカナレーと呼んでおります。ですから、家庭の教育がいかに大事かを意味しているということで聞かされてまいりました。
岸本恵光委員 そこで、今、親は子供の教育のために、自分の家庭生活のために一生懸命なんですよね。共働きをしながら。そうでありながらも、やはり家庭での子供のしつけ、そこに私は一番問題があると思うんです。私がきょうお聞きしたい中では。そこで、社会教育の中でどのようにしてこれを徹底するか。親が一生懸命やっていても、結果として子供が非行に走ってしまったりして、何のために親は頑張っているか。これはそのときに反省しても始まらないわけですよね。それが起こらない前にやるためには、私が今の630運動あるいは部活動と申し上げておりますのは、部活動をしない者はさっさと帰って親のお手伝いですよ。私は家事手伝いが一番欠けていると、日常いつも考えているんです。子供は子供として、家庭生活の中においてやれることがあるわけですから、それを分担させること。これは親の後ろ姿を見て育つということと親の苦労というものを子供のころから、学生時代からさせながら勉強させれば、やはりおのずから勉強も身についてくると思うんですが、今は教育レベルも上がっているから勉強しなさいと。こういうことは親がするからと言っているんですが、私はその面はもう少し親の方を反省させることが大事かなと思って、このような子供の時間的なけじめの面あたりをみんなで、基本的な習慣の中で身につけさせてはどうかなということで申し上げておるんですが、それについてもう一度お伺いしたいと思います。
仲宗根用英教育長 私は教育の原点は家庭教育にあるのではないかなと。ある学者が言うには、この子の人生の方向づけは幼児期までに決まるというぐらい非常に大事な時期だと話しております。それが家庭教育で行われるわけですから、私は、家庭は教育の場であり、家族は教育の親であると考えております。そして、最近の家庭で欠けているものは何かなと思うのは、家庭でまずしつけがちゃんとされているのか。そしてまた、もう1つは役割を持って手伝いをきちんとさせているのか。もう1つは、いろいろな遊びを含めて、遊び方というようなことなども行いとして、家庭が行う―よく三行と言いますけれども、そのものがややもすると最近は薄らいでいるような状況にあるのではないかと思うとき、家庭教育の大事さを改めて強く認識しているところでございます。
岸本恵光委員 生徒の服装問題なんですが、特に最近学生らしくない服装などが非常に目立っているのではないかと思うんですよね。洋服は親が買ってつけさせるわけでありますし、また、そのまま学校に登校してくるわけですから、どちらかでも厳しく注意をして、学生は学生らしいような服装を、これは子供として、生徒として大事な姿勢だと思うんですが、それについてはどのように御指導なさっているか。
仲宗根用英教育長 中学校の服装につきましては定期的に服装指導を行ったり、またPTAと協力して朝の登校時における指導だとか、夜間街頭指導が地域において行われていることなどが功を奏しまして、多くの中学生は服装等においてそんなに大きな問題はないのではないかなととらえております。
 服装指導についてなんですけれども、地域力の差があるのかなとも考えております。早い話が宮古地域の3高等学校の女生徒の制服などは本当にきちんとされております。沖縄本島で見られるようなミニスカートの状況がなくて、宮古地域の地域力の高さにいろいろと見習いたいということで、PTAあたりにもそのように、いろいろと機会を見て宮古地域におけるPTAまたは保護者の皆さんとの語らい、何とかする必要があるのではないかなと考えております。
 ところで、高等学校の服装指導について、本県では約35%の生徒が服装指導において指導を要するという調査結果が出ております。それで、県教育委員会としましては、平成18年3月に服装容儀を含めた生徒指導の徹底という通知を出しまして、その中で新入生や保護者に対してオリエンテーションだとか集会において服装指導の周知徹底を通知し、行うようにしたところでございます。また、同じくことしの5月に服装指導の徹底についてという通知をまた再度出しております。6月には通知とかそういうものだけでなくて、ちゅらマナーアップ強化月間というものを設定いたしまして、PTAと連携して、服装指導、あいさつ運動を各学校において取り組むようにという月間を設けました。そしてなお、7月には親と子のシンポジウムを沖縄県高等学校PTA連合会と共催いたしまして、4000名の参加のもとに決議等を行っております。そしてまた、10月にはちゅらマナーアップフォーラムも開催することになっております。いろいろな取り組みをしておりまして、取り組んだ結果、よくなったという学校が約7割、いや、まだまだだというのが3割という状況にありますので、今後とも引き続き緩めることなく、連携を図りながら指導の徹底を図っていきたいと思っております。
岸本恵光委員 子供たちも厳しい中で育っていくと思います。社会の職場においても厳しい上司のもとでは成長しますが、厳しくない上司の下では職員も育たないということがよくあるんですよね。ですから、今の教育の中では先生方も大変やりにくい面もあろうかと思うんです。やはりそれは、まずは基本的な生活習慣、家庭でこういうふうなしつけしかしないものだから、学校でもああいうふうな行動をするし、私はまずは原点、家庭でしっかりと今おっしゃいますように幼児のころから……。聞いたことがあると思うんですが、二、三歳の子供であっても自分が使ったお茶わんでも何でも片づけなさいといって、その場でできることは褒めてあげて、それからだと思うんですよね。ですから、幼少のころから、あるいはまた小学校は小学校、中学校なら中学校、帰った場合には、家庭の掃除をするとか、あるいはまた洗濯物を畳むとか、そのような基本的なものをさせることで必ず親に対する信頼関係が出てくると思うんですね。ですから、その辺が最近は、親が忙しいせいかもしれませんが、まず基本を忘れていないかと思っているわけでございます。私はもっと学校の方でも―ちょっと先生方が厳しくすると親の物言いもあるということなんですが、過去の例として、PTAのときに、私は自分の学年で先生方は少々たたいてもいいのではないか、皆さんはどう思いますかということで、クラスの中で出したこともございます。ですから、ちょっとすれば親の物言いもありますけれども、やはりそういう面につきまして厳しい教師を育てていただきたいと御苦言申し上げて、質疑を終わりたいと思います。
小渡亨委員長 親川盛一委員。
親川盛一委員 私がお聞きしようと思っていたのは岸本恵光委員が先に御質疑されておりますけれども、教育は百年の大計で行うとよく言われております。先ほどからお話がありますとおり、教育というのはまず家庭から、そして学校から、社会からと。子供たちは、家庭、社会の宝でありますから、その大半、これを専門的に教育していくのは学校教育であり、その任に当たる先生方の任務は大変重要であり、大切だと思っております。
 まず、予算関係から質疑をさせていただきますが、平成17年度の教育費の決算状況を見てみますと、一般会計歳入決算では予算現額379億7002万5000円に対し、調定額は371億9748万7702円、収入済額が371億7423万8702円、そして収入未済額が2324万9000円となっておりまして、歳出決算では予算現額1584億7410万9367円に対し、支出済額は1557億7247万5697円、そして翌年度繰越額が15億2229万4091円、不用額が11億7933万9579円、執行率は98.3%ということで大変頑張っているわけでございますが、先ほど収入未済額の諸収入の中で教育受託事業収入となっているわけですけれども、これはもう既に教育長が説明され、そして収入済みということで割愛したいと思いますが、翌年度繰越額が15億余円と非常に多額に上っているわけでございますけれども、平成16年度に比較しますと約2倍となっている。その内容等について御説明願いたいと思います。
小橋川健二財務課長 まず繰越額の内訳でございますが、高等学校の学校建設費に係るものが9億4420万6141円、養護学校の建設費でございますが、5億5483万8950円、文化財保護費が2324万9000円となっております。
 その内容につきましては、まず学校建設費が北谷高等学校ほか3校の校舎等の建設に係るもの、養護学校につきましては宮古養護学校の校舎等の建設に係る経費、文化財保護費は先ほど来御説明しております那覇港臨港道路那覇1号線予定地内の発掘調査に係る受託事業でございます。昨年度に比較いたしまして増加しております理由は主に学校建設に係るものでございまして、事業の基本計画あるいは実施設計の策定など関係機関との調整に不測の日数を要したことなどの理由によりまして、例えば北谷高等学校、宮古養護学校の全面改築などの大規模な工事がございました。それが繰り越しとなったことで、平成16年度に比較いたしまして増加をしたということが主な理由でございます。
親川盛一委員 やはり校舎等、今お答えがありましたとおり非常に老朽化しつつあると。そういうことで、平成17年度においては平成16年度の2倍になっているということでございます。それはよくわかりました。
 次に、不用額についても多額に上っているわけですけれども、先ほど教育長からも説明がありましたけれども、もう少し詳しく御説明願いたいと思います。
小橋川健二財務課長 平成17年度の不用額は11億7933万9579円ということで、前年度に比較いたしますと金額で5859万2233円、率にいたしまして4.7%の減と、昨年度よりは不用額は圧縮している状況にはございます。今回の不用額の主な内容でございますが、公立学校の教職員の退職手当などの給与費の執行残が約6億円ほどございます。そのほかに、高等学校の学校建設費に係る入札の執行残が約1億4000万円、その他節減による不用等となってございます。
親川盛一委員 次に、空き教室を活用した学童保育の実態等についてお聞かせ願いたいと思います。
仲宗根用英教育長 福祉保健部のまとめによりますと、平成18年度放課後児童健全育成事業として申請のあった学童保育を含めた放課後児童クラブにおいて、学校の余裕教室を活用しているのは10カ所であります。平成19年度以降は文部科学省と厚生労働省の両省によって放課後子どもプランというものが創設されることとなっております。その場合、小学校の余裕教室を活用した総合的な放課後対策としての実施ということになるかと思います。県教育委員会としましては、福祉保健部と連携を図りながら放課後子どもプランを実施する中において、学童保育を含めた余裕教室等の活用が図られるよう促進をしていきたいと考えております。
親川盛一委員 私がなぜこれを質疑するかと言いますと、やはり子供たちは、あるいは子供たちを持つ両親というのは、最近核家族化が進んで、そして共働きが多くなっている。そうなってくると、子供はどこかに預けなければいけない。その場合、確かに民間にも学童保育はありますけれども、学校の余裕教室を活用してやることによって、この子供たちはふだん住みなれた学校で保育されますから、大変伸び伸びとした保育ができるだろうと思います。そういう意味ではそういう空きを、いわゆる余裕教室を使ってどんどん子供の人格形成に必要なゆとりのある指導、監督ができるようなものが必要ではないかということでお聞きしました。
 次に進みます。先ほど岸本恵光委員からも質疑がありましたけれども、小・中・高等学校生の制服制帽の着用の徹底、指導はどうなっているか。服装ということでありますが、私は制服制帽。これは他都道府県に行きますと、小学生の子供たちから制服制帽を着て、きちんとランドセルを背負っている感じをよく見受けられます。これは非常に大切なものだと思うんですが、いかがでしょうか。
大嶺和男県立学校教育課長 まず制帽の件につきましてですが、帽子の着帽につきましては現在、それを義務づけているような学校はほとんど見られませんので、制帽の着用指導というものは現在学校ではほとんどやられていないという状況でございます。
 ただ、服装の件につきましては各学校とも、小学校につきましては制服のあるところは数少ないので、小学校においてはほとんど問題がございません。中学につきましても、やはり多くの生徒はきちんとした制服を着用しているという状況がございます。
 ただ、高等学校にまいりますと、制服はつけているんですが、その制服の着用の仕方がどうも問題である。スカート丈が短かったり、生徒のズボンがだぼだぼであったり、あるいはシャツを外に出してだらだらしているというような好ましくない状況があります。私たちはまず、学校教育は基本的な生活習慣が確立して、きちんとしていないと学習面でも効果が上がらないということで、やはり基本的な生活指導事項としましてちゃんとした制服をつけようということで、今、全県的にマナーアップ運動というものを展開して取り組んでいるところであります。
 中学校におきましては、やはり一部の生徒に少し服装の乱れがあるものですから、定期的な服装指導、あるいは朝の登校時に全職員で指導するとか、PTAと協力して指導するとか、そういうことをやっております。
 高等学校におきましてはやはり全県的に、学校を中心として、朝の登校指導とか、あるいは学校内におきましても服装に問題のある生徒に関しましては、すぐその場で声をかけて、その場指導を徹底しております。そして、PTAとも連携しながら、PTAの全体総会でありますとか、学年の保護者会を通しまして家庭教育での指導を行うように協力方お願いしております。そして、県教育委員会としましても、全県的に音頭をとりまして高等学校生ちゅらマナーアップ運動月間を設定しまして取り組んでおります。去る6月にそれを行ったところでございます。平成17年度も6月いっぱい、服装指導あるいはマナーといったものの指導を徹底したところであります。そして、小・中・高等学校のPTAとも連携しながら、4000名規模の参加者のもとに親と子のシンポジウムを開催して、子供たちの制服指導、そして公的な場面におけるマナーについていろいろとシンポジウムを開きながら、その理解を求めながら全県的に取り組もうと決議したところであります。10月にはまた、教師、保護者、そして生徒も参加して、約300名規模のマナーアップフォーラムを開催しております。
 こういった取り組みの結果、先ほど教育長答弁にございましたとおり、高等学校におきまして約7割の学校において改善が見られましたが、まだ一部には指導を要する生徒たちもいるということで、引き続き計画的な取り組みをPTA、そして地域と連携しながら取り組んでまいりたいと思っております。
親川盛一委員 やはり沖縄は日本本土に比較しても非常に暑い地域でございますから、そういう意味では何らかの形で帽子をかぶらないといけないだろうと。私は古い人間かもしれませんけれども、これは社会的に大変重要だろうと僕は思うんです。特に高等学校生の場合、帽子もかぶらないで去っていく、校章もわからない、どこの高等学校生かもわからない、そこら辺でたばこを吸う、酒を飲む、こういったものが見られる。ちゃんと帽子をかぶって校章をやっていると、ああ、どこの高等学校生だなとはっきりしていく。やはり社会からそういう目で見られているという面も含めて、そういうのが大事だろうと思うんです。制服については今お話がありましたが、私は制帽についてもやはり何らかの指導をしながらやっていただきたいと思うんです。
 それに関連して長髪についてはどういう形で指導しておりますか、頭髪。
大嶺和男県立学校教育課長 この件につきましても、やはり学校では基本的生活習慣をきちんとさせるということから、制服をきちんとつける、ちゃんとした制服をつけていく。同時に身だしなみの指導ですね。これは長髪の件も入っております。余りにも見苦しい髪形をしているような生徒に対しましては指導を行っております。やはり見た目にも生徒らしい、品格あるちゃんとした身なりをすることが教育の基本原則ということで、各学校では徹底した指導を行っているところであります。
親川盛一委員 今、学校教育課長がおっしゃるとおり、やはり身だしなみ。まずそういうことからきちんとすることによって、学生は学生らしくということが最も大事だろうと思うんですね。周囲からも、学生であるのか、働く者であるのかわからない。ズボンもラッパ服をつけたり、あるいはミニスカートはひざ上15センチもあったり、こういうことでは観光立県としても問題であろうと。また、沖縄県というのは米軍基地の多いところで、米軍あるいはその家族がたくさんいるところでございますので、身だしなみをきちんとしておくことによって、高等学校生は高等学校生らしさ、中学生は中学生らしさということが出てくるだろうと思うので、これは今後ともよき指導をお願いいたしたいと思います。
 小・中・高等学校生の自殺のことについては先ほど嶺井光委員から質疑がありましたので割愛させていただきます。
 次に、専門高等学校卒業生の就職率、就職状況等についてお聞きしたいと思います。
 商業、工業、農林高等学校とそれぞれの専門学校においてすばらしいノウハウを育てていただいておりますので、それをぜひ活用していっていただきたいんですが、そういう面からお聞きしたいと思います。
大嶺和男県立学校教育課長 ことし、平成18年3月末に卒業しました工業、商業、水産、農業といった、委員は実業高等学校と呼ばれておられますが、私ども最近では用語を変えまして、専門高等学校と呼んでおります。この専門高等学校の卒業生の就職率は全体で85.5%となっておりまして、かなりいい就職率となっております。学科ごとの就職率を申し上げますと、工業は90.2%、水産が89.7%、商業が81.8%、農業が81.6%となっております。
親川盛一委員 それぞれの専門高等学校で授かった専門性のある部署に就職をしておられると思うんですが、農林高等学校などの81.6%というのも農業部門での就職ということなんでしょうか。
大嶺和男県立学校教育課長 ただいまの御質疑、特に農業学校に関しての御質疑がございますが、農業学校に関しましては、やはり専門性を生かした就業ということにつきましては、現状では必ずしも十分というような状況にはございません。農業高等学校の平成18年3月の卒業生756名のうち、卒業後、直ちに就農した生徒、あるいは農業大学校等に進学した就農が可能な生徒たちは756名中19名でありまして、約2.5%となっております。これは全国平均で見ますと6.7%となっており、それまでには至っておりませんので、今後の農業教育の大きな課題であるとは思っております。しかし、農林高校は現在、生徒たちの研究活動でありますとか、いろいろなプロジェクト研究活動が非常に活発でありまして、例えば南部農林高等学校におきましては産学共同でパッション乳酸飲料の開発に成功いたしまして、それを商品化いたしまして商品登録しております。そして、めざせスペシャリスト事業におきましても沖縄に適した芝の開発研究に取り組んでおりまして、近いうちそれが実用化されるのではないかという見通しを持っております。各農林高等学校におきましても、例えば豚チャグーの開発でありますとか、ナゴランの栽培に成功したりとか、いろいろな技術系、あるいは将来の沖縄産業を育てるような研究が非常に活発に行われておりまして、その技術、ノウハウを生かした就職が今後見込まれるものと思っております。
親川盛一委員 農業従事者は割と高齢化しているという中において今、御説明がありましたとおりすばらしいことなんです。私も南部農林高等学校の催し物のときに行きましたけれども、本当にそれを農家に還元して、よき指導者となって、あるいは従事者となって、どんどん頑張っていただきたいなと思っているわけでございます。
 では、次に進みます。定時制高等学校の実態と泊高等学校の卒業の状況等についてお聞かせ願いたいと思います。
大嶺県立学校教育課長 現在定時制が設置されております学校につきましては、北部地区に1校、中部地区に2校、那覇地区に4校、八重山地区に1校、計8校ございます。特に農業、工業、商業など専門高等学校7校に設置されておりまして、普通高等学校は泊高等学校の1校という状況であります。
 定時制の生徒の状況でありますが、ここ数年、微減傾向にございまして、平成18年度は全体で479名の生徒たちが在籍しているという状況でございます。
 次に、泊高等学校の運営状況、卒業状況等についてお答えいたしますが、泊高等学校には定時制の午前部と夜間部がありまして、それから通信制の3部制の高等学校となっておりまして、特に単位制高等学校というふうになっております。在籍は、定時制が1047名、通信制が1843名となっております。
 なお、通信制の生徒の状況でございます。在籍は1843名でありますが、この方々は仕事を持ちながら勉学に励んでおられる方々でありますので、いわゆる社会人であります。仕事の関係で休学をなさったり、そしてまた、復学をしたりの繰り返しということがございます。そして、現在高等学校に通って実際に学習活動に励んでおられる方々が780名という状況であります。そして、卒業する生徒の数は、毎学年大体250名から300名程度で推移しているという状況でございます。
 スクールにつきましては、毎週日曜日に9クラス、月曜日に3クラス実施しているということであります。生徒の平均年齢は24.2歳で、いわゆる戦後、高等学校で学べなかった方々が生涯学習の一つとして泊高等学校に入学して、あるいは編入したりして、学び直しを希望しておられる方々が多いという状況でございます。
親川盛一委員 働きながら学ぶということのすばらしさが感じられました。
 教育長にお伺いしますけれども、人は生まれてから死ぬまで教育の連続であるとよく言われておりますけれども、特に子供たちを指導するに当たっては、1つしかって、7つを褒めよと。そして、言ってみて、させてみて、やってみせねば人は動かずということわざがあります。そして、子供のころから働く喜びを学ばせ、そして体験させることによってすばらしい人格形成が図れると思いますが、幼児教育、学校教育の重要性について教育長の率直な考え方をお聞かせください。
仲宗根用英教育長 幼児教育の専門家であられるロバート・フルガムという方は、人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだと述べております。幼児期というのは、信条、意欲、態度、基本的生活習慣など生涯にわたる人間形成の基礎が培われる重要な時期だと考えております。この時期は社会性が発達し、人間理解にもつながる大事な時期ではないかなととらえておりまして、県教育委員会におきましては現在、幼稚園教育要領というものに従って幼稚園教育の充実が図られているところでございます。
親川盛一委員 確かに小学校においても低学年までの間にしっかり教え込むことによって、その子はすくすく育つとよく言われておりますので頑張っていただきたいと思います。
 次に、学力向上対策の推進についてでありますけれども、基礎学力向上推進地域に2地域を指定し、重点的に取り組んでいるとなっておりますけれども、この2地域というのはどことどこなのか、御説明願いたいと思います。
比嘉源勇義務教育課長 学力向上推進事業といたしましては、現在指定推進地域といたしまして、南城市、石垣市でやっていただいております。
親川盛一委員 時間がありませんので、この次に継続して質疑したいと思うんですが、これはこれで一応とめておきます。
 最後に、小学校、中学校への英語教育、ネーティブスピーカーを活用した英語教育の実施状況、あるいはその効果等について御説明願いたいと思います。
比嘉源勇義務教育課長 小・中学校の英語教育につきましては平成15年度からレッツ・トライ・イングリッシュ推進事業ということで、英語が聞ける、話せる人材の育成ということで取り組んでいるところであります。小学校においては英語になれ親しみ、中学校においては英語を使う能力を育成することに重点を置いて取り組んでいるところであります。
 成果といたしましては、小学校児童の9割以上が、英語の時間は楽しい、英語が話せるようになりたいと答えており、中学校においては、小学校の英語学習が役に立っている、リスニング力が向上しているというような成果の報告を受けております。
親川盛一委員 これはぜひ全県下、それができる体制をつくっていただき、子供たちの世界に通用する言葉、英語力の向上に努めていただきますようお願いを申し上げまして、終わりたいと思います。
小渡亨委員長 渡嘉敷喜代子委員。
渡嘉敷喜代子委員 先ほどいじめの話が出ておりましたので、ちょっと私からも所見を述べたいと思いますけれども、福岡県の中学生の自殺の中で教師の言動があったということを聞いたときに、私たちは日常生活の中でも気がつかないところで人を傷つけたりすることがあるわけですから、やはり教師のそういう言動というものは気をつけていかなければいけないことだなという思いがします。
 先ほど教育長の答弁の中でいじめのカウンセリングとか、そういうことがありましたけれども、やはりいじめというのは入り口の部分でシグナルを送っているわけですから、担当の教師がそれを受けとめて、早期に対応していくことがとても大切かと思いますので、私の長男が中学1年生になったときにいじめに遭って、女性教師でしたけれども、それに即対応して、クラス全体のいじめをなくしたという例もありますので、そのあたり、しっかりと入り口で対応していただきたいと思います。これは御答弁は求めません。
 平成18年度から準要保護の国庫補助がすべてなくなりまして、それが市町村に移されました。それで、過去3年間の準要保護を受けた児童数、世帯数を教えていただきたいと思います。
仲宗根用英教育長 平成17年度までの過去3年間の準要保護児童・生徒数なんですけれども、平成15年度が1万7405人、平成16年度が1万7825人、平成17年度が1万7991人となっております。なお、世帯数については市町村において当該世帯数の集計がなされていないため、把握しておりません。
渡嘉敷喜代子委員 国庫補助がなくなったことによって、市町村でも厳しい財政の中で見直しもされているわけですけれども、その市町村の見直しをしたところ、検討しているところなどを教えていただきたいと思います。
小橋川健二財務課長 ことしの5月に文部科学省が補助金廃止後の準要保護児童・生徒の認定基準に関しての調査を行っております。その結果、平成17年度から認定基準の改正を行ったとする市町村が糸満市ほか5市町村ございました。糸満市、宜野湾市、石垣市、与那原町、与那国町、恩納村でございます。
渡嘉敷喜代子委員 この見直しによって申請が却下された件数などがわかりましたら教えてください。
小橋川健二財務課長 これにつきましても当該市町村に確認をいたしましたけれども、そのような再計算はやっていないということでございましたので、把握してございません。
渡嘉敷喜代子委員 この基準が見直されることによって却下される可能性は出てくるわけですよね。今、保護世帯が1万3200名のうち却下されたのが214名という報告が福祉保健部の方でありました。ですから、この214名の却下された子供たちがそっくりその中に入ってくるという可能性も出てくるわけですから、大変厳しい状況にあると思うんですね。
 そこで、教育長にお尋ねしたいんですけれども、このような状況に今後どう対応していくのか、所見をお伺いしたいと思います。
小橋川健二財務課長 確かにおっしゃるように平成17年度から国庫補助金はなくなっておりますが、実は人数を調査いたしますと、先ほど答弁いたしましたようにふえてはおります。ただ、一部の市町村におきましてはやっぱりいろいろな基準の見直しがある。それは、確かにそういう補助金がなくなったことが契機かもしれませんが、理由としては、補助金がなくなったからなのか、それとも以前からいわゆる適正化ということでの改正なのか、そこら辺はよくわかりません。
 いずれにいたしましても、やはりそういう経済的理由で就学ができないということにつきましてはあってはならないことでございますので、それはまた、市町村もそういう支援をするということは義務でございます。ただ、これも市町村がそれぞれの実情に応じまして、それぞれの基準に従って認定をし、実施していくものでございますので、基本的には市町村の方で頑張っていただくということでございます。ただ、県教育委員会としましても、例えば就学支援の経費に係る地方財政措置というものにつきましては、適切に実施をお願いいたしますというような文書でのお願いもしてございますし、全国の団体を通じましても関係する省庁につきまして、市町村が十分にこういう措置ができますようにということの要請も引き続き行っているところでございます。
渡嘉敷喜代子委員 市町村で頑張ってもらうしかないということですけれども、やはり義務教育といえども、給食費とか、諸経費とか、出ていくのはかなり大きいんですね。それが1人ならまだしも、生活困窮な家庭において2人、3人となったら大変な負担になると思いますので、そのあたりをしっかりと把握して一緒に考えていってほしいと思います。
 それでは、次に行きます。高校の授業料の減免についてですけれども、県はこれまで7.8%の枠内でやっておりましたけれども、これから8%の枠を外して考えていきたいというとても前向きな答弁がありました。そのことによって、7.8%の枠内で却下された件数などがわかりましたら教えてください。それから、その8%が上限なのかですね。対応によってはまたそれ以上のものも考えているのか、あわせてお尋ねします。
小橋川健二財務課長 6月の時点でございますが、平成18年度の一括申請での減免率は7.83%ございました。それを申請者で申しますと5310名の申請、そのうち減免の承認者が3720名、承認にならなかった者が1590名となっております。これらの率が先ほど言いました7.83%です。
 8%が枠なのか、それ以上なのかというお尋ねですが、今回8%の枠というものを撤廃いたしました。それにつきましては、これまでの申請状況でありますとか、これまでの減免率の推移等々を勘案して撤廃したものでございまして、今後一定の枠を設けるとか、そのようなことは考えておりませんで、あくまでも家計の状況でありますとか、申請状況等々によりまして、結果として減免率が出てくる、そのような認識をしております。
渡嘉敷喜代子委員 枠を取っ払ってこれから困窮者の授業料の減免をしていきたいということですので、大変勇気づけられる思いがいたしました。
 それでは、次にまいります。高等学校の退学者が
1.1%とふえているということですけれども、このことで平成15年度に単位保留制をなくして全員が進級するようなことをやりましたね。そのときに、平成
14年度の3.0%が平成15年度になって2.0%、そして
1.9%と退学者が減っていったということで、このことについて私が山内彰前教育長に質疑したときに、そういうことを含めてあるということですけれども、このことについてどう分析していらっしゃるのか、お尋ねします。
大嶺和男県立学校教育課長 高等学校の中途退学者の状況でございますが、確かに平成16年度980名、平成17年度1037名と57名増加しておりまして、率にしまして1.9%から2.1%と0.2ポイント増加しております。2.1%と申しますのは全国平均と同率でありまして、沖縄県におきましては57名増ということには間違いございません。
 ただ、このふえた理由につきましては、退学した子供たちの状況をいろいろと調べました結果、ほとんどの生徒が長期にわたる休学者でありました。そして、学校におきましてもこの休学している生徒たちは、学校を休んではいるんですが、定期的に電話をしたり、家庭訪問したり、いろいろと接触しておりまして、そういった中で進路ガイダンス等をやる中におきまして、やはり自分は仕事に向いているということで、就職による積極的な進路指導を希望した生徒たちがかなりおりまして、それからその他の道へと進んだ生徒たちもいまして、合わせて大体77%ほどがそういう生徒たちであります。
 そして、他の高等学校、あるいは専修、専門学校等へ再受験して、別の学校へ進路を変更したという子供たちが11.3%であります。そういうことで約88%の生徒たちがふえた要因であります。
渡嘉敷喜代子委員 長期にわたる休学者、その長期がどれぐらいの長期なのか、よくわかりませんけれども、この進級制を進めていった、保留をなくしたということについて、現場の教師は当初から子供たちのやる気をなくしてしまったということを指摘しているんですね。もうちょっと頑張れば進級できるものを、全員進級できるんだからとやらない、単位保留でも構わないということでどんどん進級していく。そのツケが3年になったときに、1科目だったものが3科目にも4科目にもふえていったときに、本当にそれができるのかということで現場の教師は指摘しているわけですね。そのあたりのことはどうお考えですか。可能性としては卒業期―もうそろそろ卒業期ですよね。その子たちがたくさんの保留の科目を抱えていて卒業できないという状況にあるのか、ないのか、お尋ねします。
大嶺和男県立学校教育課長 確かに中途退学率の変化を見てみますと、平成15年度に単位修得に関する規定を見直しまして、例えば12単位、4科目以上単位保留であれば進級できないという状況を見直しまして、学校に来てちゃんと授業を受けていたら、1科目でも履修していれば進級できるような形で、子供たちが勉学する機会に恵まれるようにというような配慮のもとで改正したつもりであります。しかし、その結果、学校現場では、やはり歯どめがきかなくなったのではないかという懸念がたくさんございました。しかし、同時にこういうふうにして単位を修得できない、単位未修得者と私たちは呼んでいるんですが、この子供たちがそのまま進級していきますと、やっぱり1年で単位保留する、2年で単位保留する、3年で単位保留すると単位保留を積み重ねていった場合には卒業できなくなるのではないかという懸念もありましたが、この子供たちに関しましては追認講座、単位を追認していく試験でございますが、その試験前での個別指導あるいはまた夏季休業中での補修授業とか、そういった個別指導を徹底してまいっております。そして、その結果、単位未修得者の子供たちの大体60%以上は、その翌年には単位未修得だった科目を修得していっている。そういった積み重ねによる卒業懸念者がふえるのではないかというふうな状況を私たちも懸念はしていましたが、やはり学校の取り組みが非常に好調でありまして、現在単位未修得者の生徒たちはかなりの率でそれぞれ単位を修得して卒業していけるという見込みを持っております。
渡嘉敷喜代子委員 学校現場で心配していたことが、そうでなくなったということはとても心強いんですけれども、やはり一つ一つ単位を取って履修して進級していくことはとても大切だと思いますので、そのあたりは現場の先生方と連携しながら、本当にその子供たちに今、何が大切なのか、どういう手だてをしていけばいいのかということをしっかりとやっていただきたいと思います。
 それでは、次にまいります。地域支援で学校において読み聞かせなどをやっておると聞いておりますが、授業前にやるということですと、受け入れ体制がどうなっているのか、どういう時間帯でやっているのか、そのあたりをお尋ねしたいと思います。それから、取り組んできた件数などがわかりましたら教えてください。
比嘉源勇義務教育課長 まず、取り組んでいる件数ということでは、学校数でございますが、平成17年度の実績といたしましては小学校で251校です。これは全学校数の90.3%になっております。中学校では71校で45.8%になっております。朝の時間帯ということでございましたけれども、読み聞かせの朝の時間は教職員の勤務時間内のほぼ8時15分から8時25分に開始されており、それによって登校時間を早めたりすることはないと理解しております。
 子供たちの朝の読書活動の時間帯についても大体8時15分から25分の間に開始されておりますので、先ほどの教員の勤務時間についてもそう支障を来すものではないと理解しております。
渡嘉敷喜代子委員 小学校では90%ですか、かなり進んでいるということですが、このことによる教育効果というのは出てきていますか。まだ早い段階だと思うんですけれども、いかがでしょうか。
比嘉源勇義務教育課長 教育効果については、地域、保護者の方による読み聞かせで、読書に、興味、関心を持つ児童・生徒がふえた、落ちついた雰囲気の中で1日のスタートを切ることができた等の意見が寄せられております。
渡嘉敷喜代子委員 私の友だちがこの読み聞かせにかかわっておりまして、その報告を聞いたときに、どうも話を聞いてくれない、隣の子にちょっかいばかりして聞いてくれないので、この子に何としても聞かせたい、自分に注意を払ってほしいということでいろいろ工夫しまして、あるとき唐草模様のふろしきを担いで、ほおかむりをして泥棒の話をするために教室に入ってきたときに子供たちが大変喜んで、その子は障害があるのかなと思っていたらそうではなくて、本当に真剣なまなざしで話を聞き、それ以後、とても話に興味を覚えて聞くようになったというお話も聞きまして、こういう子供たちの注意を引くためにどうすればいいのかということを学校現場の教師がどれだけの余裕を持ってやっているのかなということを私はそのときに感じたんですね。たまたまこの人はボランティアでやっているんだけれども、では、学校現場ではどうしているんだろうかと。いじめの問題にしても同じことですね。この子を授業に取り込みたい、注意を向けさせるようにして、教師が本当に一人一人の子供に目配りできるような学校の環境に今なっているのかどうか。そのあたりをお尋ねしたいんですけれども、今、教師の多忙化というのが言われていますね。そういう中で本当にそれができる背景になっているのか、教育環境になっているのか、そのあたりを教育長にお尋ねしたいと思います。
仲宗根用英教育長 教職員の職務というのは非常に複雑で、はかれない面もございますけれども、おっしゃるとおり、私が思うに、教員も非常に忙しい状況の中にあるなと理解しております。そういうこともありまして、文部科学省におきまして、先ほどもお話ししたとおり教職員の勤務実態調査が行われて、改善が図られていくことになるのではないかなと。ですから、県教育委員会でもその実態調査を踏まえて、今後対策等に取り組んでみたいと考えております。
渡嘉敷喜代子委員 このことは今さら実態調査するまでもなく、以前から言われていることで、例えば提出物が多過ぎるとか、授業の週案とかを出すとかって、本当にその週案を出してどうなのという思いがするんですね。その週案とかを出すのではなくて、1年間でこの教師がどういう授業を進めていくか、その教師の主体で任せてもいいのではないかと。こんなに提出物が多過ぎるということは以前から指摘されているわけですから、このあたりもしっかりと教育長、考えていただきたいと思います。
 最後に、これは通告をしておりませんでしたけれども、先ほど準要保護のことも出てきましたので、国は給食費を払わない人が本当に払えないのか、払えるけれども、払っていないのか、そういう調査に入るということを言っていますよね。その目的は何なのか、そのことによって払えない児童の救済も考えているのか、視野に入れているのか。
 もう一点、教育に関して皆さんは本当に渾身の努力をなさっています。不登校の問題とか生徒指導の問題、学力向上とか、一生懸命頑張っていらっしゃいますよね。そういう頑張っていらっしゃるのに、安倍首相は教育の再生ということを言っていますよね。教育の再生ということは、皆さんが今までやってきたことを否定することにつながらないのかということが私は気になるんですね。教育長の所見をお尋ねします。
仲宗根用英教育長 今、安倍首相の教育再生についての話が出ている状況の中にあって、その状況、推移を見守っていきたいなという気持ちでございます。
 渡嘉敷喜代子委員の文部科学省の給食に関する調査とかと言っておりました件ですが、新聞ではあったらしいんだけれども、正式に来ていないので、どういう内容なのか、承知しかねるところでございます。
渡嘉敷喜代子委員 教育長は、教育の再生とはどういうものであるかということは経緯を見守っていきたいと言うんですけれども、私は娘を嫁に出したときに、同居するのでよろしくね、何も教えていませんと言ったときに、そのしゅうとめが、いや、軌道修正していきますよと言われたんですよ。私もびっくりして娘にそう言っているよと言ったら、娘が、とんでもない、お母さんが今まで教育してきたことを全部間違っていたんだよと、それを修正していくなんてとんでもない、私は修正されませんと言っていたんですよ。それと同じことで、皆さん本当に自信を持って、今までやってきたことに対して何が再生なんですかということで頑張っていただきたいと思います。
小渡亨委員長 休憩いたします。
   午前11時50分休憩
   午後1時22分再開
新垣良俊副委員長 再開いたします。
 委員長の指名により、副委員長の私が暫時委員長の職務を代行いたしますので、よろしくお願いいたします
 休憩前に引き続き質疑を行います。
 狩俣信子委員。
狩俣信子委員 それではまず、私はいじめ問題からいきたいんですが、先ほど教育長は、どの子にも起こり得る、そして見逃さず、見落とさず、見放さずという言葉も言いました。県内におけるいじめの実態なんですが、小・中・高等学校それぞれで数なんかを含めてお願いします。
仲宗根用英教育長 平成17年度のいじめは、小学校71件、中学校257件、高等学校32件、合計で360件報告されており、前年度に比べ40件の増となっております。また、いじめを理由とする自殺の報告はございません。
狩俣信子委員 いじめによる自殺は文部科学省でもゼロとなっているものですからね。ただ、県内における小・中・高等学校生で、ここ四、五年の中で自殺した子はいますか。
仲宗根用英教育長 1人おりますが、これはいじめが理由ではございません。
狩俣信子委員 いじめによる自殺がないということは大変救いだと私は思っています。
 校内暴力についてもお聞きしておきたいんですが、これについてお願いします。
比嘉源勇義務教育課長 平成17年度の校内暴力の件数といたしましては、小学校で59件、中学校で326件、高等学校で52件、合計437件の報告を受けております。
狩俣信子委員 いじめ、暴力、あってはならないことだと思うんですが、その暴力の内容。生徒間同士あるいは生徒と教師、どういうのがあるんでしょうか。
比嘉源勇義務教育課長 暴力行為の内容といたしましては、対教師暴力、生徒間暴力、対人暴力等が一応カウントとして報告されてきております。数につきましては、対教師暴力が、小学校においては2件、中学校においては25件、高等学校においては6件、生徒間暴力につきましては、小学校32件、中学校182件、高等学校24件ということで、対人暴力ということについては、小学校、中学校はゼロ件で、高等学校が1件となっております。
狩俣信子委員 ということは、やはり中学校時代が、生徒間も、あるいは教師に対しても大きい数になっておりますね。中学校は反抗期も重なるのか、そこらあたりでまた、教師の配置ですね。生活指導の配置、生徒指導の配置はたくさんふえなくてはいけない部分だろうと私は思います。
 実は私が現場にいるときに体験したこと、いじめの助長というのがあるんですよ、教育長。これは気をつけてほしいんですが、高等学校のときにいじめられていた子は、卒業した後もこの延長ですよ。二十五、六歳ぐらいになってもこれがあって、結局はいじめっ子がいじめられっ子にいろいろ命令する、結婚した後も家に呼ぶ。そうしたら、この妻たる者は夫とこの子は仲がいいんだと思ったんですよね。実際はそうではなくて、命令されていて、ある日、交通事故、死亡事故を起こしたんですよ。いじめっ子が死んでしまったわけですよ。裁判になりました。元担任が呼ばれて高等学校時代の様子を聞かれたりしたんですが。
 なぜ事故が起こったかというと、スピードをもっと上げろ、上げろ。いじめっ子の方が飲んで酔っぱらっているものですから、スピードをもっと上げろということで100キロメートル以上出したみたいですね。そして事故を起こしたという。だから、私は、いじめの怖さは小・中・高等学校の在学中だけでなくて、社会に出た後もこれが尾を引くという危険性があるものですから非常に気になって、いじめの問題については本当に細心の注意をやっていただきたい。これだけ申し上げておきます。
 次に、中途退学については先ほど渡嘉敷喜代子委員からもありましたのでよろしいです。
 次に、2学期制の導入についてなんですが、その実態について、全県で何校あって、何校やっているのか、パーセンテージ。そして今後の課題ということまで含めてお願いします。
比嘉源勇義務教育課長 平成18年度に2学期制を実施している学校につきましては、小学校では280校中109校ということで、38.9%でございます。中学校では157校中55校ということで、35.0%となっております。県立高等学校につきましては、全日制61校中9校ということで14.7%、定時制高等学校につきましては8校中8校ということで100%の実施率となっております。
 次に、課題ということで、2学期制については現在、各実施校において、そのよさを生かしながら取り組みを推進しているところでございますが、アンケートの結果等から、近隣の小中学校で授業開始日が異なって計画が立てにくいとか、長いスパンでもあり、計画的な学習の進め方を工夫する必要があるなどのこともありますので、今後はその状況を見ながら対応する必要があると考えております。
狩俣信子委員 私は首里に住んでいます。首里の保護者からまだこれに対する不満があるんですね。デメリットをどう克服するのかわからないという部分があって、そしてその部分でのまた改善がきっと必要でしょう。長いスパンと言うけれども、1年365日は変わりませんので、どれが長いスパンなのかと、ちょっと疑問にも思うんですが。
 次に、あと1つこの部分で聞きたいのは、高等学校入試で親が心配しているのは、2学制になると1学期の成績は9月に出ますよね。2学期の成績は翌年の3月にしか出ませんね。そうすると、高等学校入試に使うのは何が使われるのかと。要するに12月の成績なんていうのは2学期の中間の成績しか使われない。とりわけその中で男の子というのは、2学期、3学期からスパートをかけるんだと。男の子に不利ではないかという保護者の相談があるんですが、それはどうですか。
比嘉源勇義務教育課長 2学期制を導入している中学校の状況といたしまして、10月あたりに総合テストを実施して、そういう対応等も工夫しているということでございます。
○狩俣信子委員 総合テストというと、これは中間テストではないんですか。
比嘉源勇義務教育課長 これは1月に実施するということでございます。
狩俣信子委員 だから、3学期制よりはテストの回数が少ないわけですよ。それで、この成績が男の子にとって、1学期はのんのんとしていて、2学期ぐらいからスパートをかけていた子供たちだから、ちょっと男の子にとって不利ではないかという保護者の心配なんですね。そこらあたりはどうなんですか。
仲宗根用英教育長 今いろいろと、2学期の課題があるというようなこと等もありますだけに、やはり試験の回数が少なくなるということがございますので、そういったものが入試とかに不都合にならないように形成的評価だとか、また、中間に日ごろからの評価をして、総合的に入試に対応していくような状況で対応しているとも聞いております。
 確かに中間考査とか、期末考査とかというような考査名につきましては減ってはおりますだけに、そういうことが予想されるので、学校では対応しているということでございます。
狩俣信子委員 教育長、2学期制で教師のゆとりも出ると言ったよね。同じように試験もまた不都合がないようにやると言うのだったら、これはもうつじつまが合わなくなります。それで、私が言いたいのは改善、しっかりしてくださいよ。私、また聞きますからね。どうですか。
仲宗根用英教育長 生徒の学習権を保障していくという意味においては、やはり成績等はしっかりと把握しなければいけないということでの評価でございますので、やたらと評価ばかりして、教師が手間暇をかけるような状況にあってはならないと思いますので、そういったところも改善しながら対応していきたいと考えております。
狩俣信子委員 期待していますよ。そういうことでしたら、私も2学期制についてしっかりとこれから見ていきたいと思います。
 次、男女混合名簿の実態についてですが、前年度と比較したもの、実数、今後の取り組みをお願いいたします。
比嘉源勇義務教育課長 男女混合名簿の作成につきましての本県の状況でございますが、小学校では平成17年度32校で11.4%の導入率ですね。平成18年度は34校で実施されておりまして、12.1%となっております。中学校につきましては、平成17年度が17校で10.8%、平成18年度は13校で8.3%となっております。高等学校につきましては、平成17年度、平成18年度とも19校となっておりまして、27.5%となっております。
狩俣信子委員 それにしても、沖縄県は一向に進まないんですね。その理由は何だと思っていますか。
比嘉源勇義務教育課長 男女混合名簿については各学校長の判断で取り組んでいただいておりますので、私たちもそのことは学校長の判断のもとに行われているということで理解をしております。
狩俣信子委員 都合の悪いのはいつでも学校長の判断なんですよ。そういうことがあってはいけないと言っているんです。要するにほかの県は、50%、60%、70%もいくところがあるわけで、そういう中で何で沖縄県が30%台ですか。しかも、中学校に至っては8.3%でしょう。去年よりも少なくなっている。教育庁としての努力はやったんですか。
比嘉源勇義務教育課長 県教育委員会といたしましては、性別によって社会的な不平等が生じてはならないという立場に立っております。そして、男女混合名簿につきましては男女平等の面から取り組んでいる学校もあれば、また学級経営上課題があるということで導入していない学校もあります。そういうことでは、従来どおり学校長の判断に任せていきたいと思っております。
狩俣信子委員 だから、私はそれでは弱いと言っているんですよ。教育委員会としてどう取り組むかと聞いているんです。
仲宗根用英教育長 男女混合名簿につきましてはいろいろと人権教育とのかかわりもございますので、人権ガイドブックの作成だとか、いろいろと人権教育を図る中で意識を高めない限りは、そのものはすぐにはふえないのかなと。狩俣信子委員がおっしゃるとおり、やはり学校長あたりの意識の問題に係る部分があるのかなと考えておりますので、そういった面を今後、我々は考えて対応していきたいと思っております。
狩俣信子委員 人権意識が足りないというお答えは、教育長、大変なことですよ。学校長たる者が人権意識がなかったら、これは大変です。
 それから、さっきクラスのことで、クラスそれぞれで課題を持っているとおっしゃいましたか。それについてクラスはどういう課題を持っているんですか。これができない課題というのは何ですか。
比嘉源勇義務教育課長 男女混合名簿について、効果として男女の平等意識が高まったとの意見がある一方、課題として、男女別の調査、統計に時間がかかる、男女別の授業の際に支障を来す場合があるという報告等も受けております。
狩俣信子委員 いや、悪いけれども、そういうのは理由にならないですよ。他都道府県はなぜ高いんですか。そこが問題ですよ。人権意識の問題とか、調査とかなんとか、そういうのがあるけれども、それは理由にならない。これは次年度、私、もう1回聞きますので、必ず改善が図られますようにお願いしますね。これについてやるかどうか、教育長に聞きましょう。今後改善の努力をやるかどうか。
仲宗根用英教育長 男女混合名簿は最終的に学校長の判断で行うものでありますけれども、県教育委員会としましては男女平等、また男女共同参画社会という中にあって、その教育的な意義等も踏まえて研修会等でいろいろと話し合いを図る中で、県教育委員会としての男女平等という意味からの教育を進める上においても進めていきたいと考えております。
狩俣信子委員 では、次は45分休憩について聞きます。労働基準法でいろいろ言っていますよね、保障をやると。その後、きちんとこれが保障できているのかどうか、伺います。
仲宗根用英教育長 市町村立学校教職員の勤務時間の割り振りにつきましては、もう既におわかりのとおり服務監督権が市町村教育委員会にあることから、去る8月に、沖縄県市町村教育委員会連合会、そして沖縄県市町村教育長協会と休憩時間の配置について意見交換を早速持ちまして、その結果、教育長または教育委員長の皆さんがこれはもうほぼ全県的に定着しているということで、現行どおり運用していくというようなことを確認いたしたところです。それでまた、課題等が生じた場合には、みずからの責任でやりますということをはっきりと言明しておられました。それで、私は、休憩時間などについて、教職員の勤務条件等でいろいろな不都合、不利な状況が出ないような配慮方をお願いしますということだけは添えてあります。
狩俣信子委員 定着しているというのはどなたが言ったんですか。
仲宗根用英教育長 沖縄県市町村教育委員会連合会の役員の皆さんがです。
狩俣信子委員 学校長ですか、だれですか、これは。
仲宗根用英教育長 これは沖縄県市町村教育委員会連合会の皆さんです。そしてまた、沖縄県市町村教育長協会の皆さんです。
狩俣信子委員 今の答弁は大変な答弁。実態と本当にかけ離れている。皆さんがこれを定着していると見るんだったら、大きな問題ですよ。45分をやりますよだけの定着であって、保障されているかどうかというのとは全然別でしょう。どう思いますか。
仲宗根用英教育長 私は話し合いの中でこういった長にある立場の者が、自分たちの沖縄県市町村教育長協会、沖縄県市町村教育委員会連合会の中にあって、責任ある立場の人が定着していると言うものをしていませんとは言える立場にありませんので、ああ、そうですかということで受けとめております。
狩俣信子委員 教育長、こんな答弁をやってはだめですよ。実態を、学校現場を調査してください。できますか。それをやらないとだめですよ。
仲宗根用英教育長 定着しているという状況の中にあって、やはりそのことにつきましても沖縄県市町村教育委員会連合会または沖縄県市町村教育長協会の皆さんとも話し合った上で、私がやりますとも言えない。話をした上で今後、実態調査すべきかどうかについて検討させていただきたいと思います。
狩俣信子委員 いやいや、私は教育長として学校現場を調査できるかと聞いているんです。
仲宗根用英教育長 服務監督権者は各市町村教育委員会でございますので、地方分権でも、かつての文部省、県教育委員会、市町村教育委員会というような上意下達の状況ではなくなっておりますので、地方分権においてそこまで私がやるという権限はないと思います。また、地方分権法の考え方として、市町村教育全体の調査等をする場合には、こういった各市町村教育長の合意などを得ながらしかできないような状況下にあります。
狩俣信子委員 では、県の教育委員会って何をするんですか。こんなのをやらないで。
仲宗根用英教育長 権限がありますので、私の方からこれをやりますと言うことでは、法的にもできなくなっておりますし、地方分権におきましてどうしてもやる場合には、こういうことがありますが、皆さんの要望、合意を得た上で全県的な調査などはやるようにしましょうねとか、常に市町村教育長連絡協議会との合議をしながら諮っていかなければならないような状況下に現在はあります。
狩俣信子委員 ということは、実態と乖離していても、教育長としては、調査もやらない、権限もないということですね。
仲宗根用英教育長 明らかにそのものが離れている、法的に間違っているとかというような状況のときには、指導、助言だとか、アドバイスとか、そのようなことはどうしてもやっていかなければならない立場にはあると思います。
狩俣信子委員 これは実効性がないから言っているんですよ。そうしたら、例えば現場の教職員がこれについてやってほしいという陳情書、要望書を出したらやりますか。
仲宗根用英教育長 ですから、私の前にいきなり持ってくる前に、沖縄県市町村教育委員会連合会、沖縄県市町村教育長協会、そういう方たちが把握した上で、私はまた私なりの対応という段階があると思います。
狩俣信子委員 いやいや、私が言うのは県の教育委員会にこれが出されたらどうしますかということなんです。
仲宗根用英教育長 県教育委員会でそのものを受けて、すぐ、はい、やりますということにはならないと思います。
狩俣信子委員 オーケー。では、県議会にこれが出されてきたらどうしますか。
仲宗根用英教育長 県議会に出されても、やはりやるべき順序というものがありますので、法的に私がこういうことをすぐできるような状況でない限りは、やれないと思います。
狩俣信子委員 教職員の労働実態を、全然実効性がないにもかかわらず、それもやらないということは、ある意味では教職員の権利すら守れない教育委員会となりますが、どうですか。
仲宗根用英教育長 明らかに権利などを逸脱した状況下にあって、そのものが沖縄県市町村教育委員会連合会または沖縄県市町村教育長協会の管轄内の状況で相談などがあったときには相談に応じて対応していきたいと思います。
狩俣信子委員 こういう対応では沖縄県の教育界の教職員の待遇はなかなかよくなりません。教育長、今の考え方は時間があったらもっと議論します。次に回しましょう。
 次、幼・保一元化でお尋ねします。公立幼稚園でこれを取り入れることによってどう変化するのか、お願いします。
比嘉源勇義務教育課長 幼・保一元化の問題につきましては、これから条例改正等の条件整備も必要になってくるかと思いますので、今後は設置者である市町村教育委員会とも十分連携を図りながら対応する必要があると考えております。
狩俣信子委員 今、私の住む那覇市首里では、幼稚園の中に既に預かり保育というのが入っているんですね。そういうことで、預かり保育の実態とかを考えますと、子供たちが一番中心にならなくてはいけないわけですが、そこに勤める皆さんたちも考えなくてはいけないんですよね。でも、今見ていたら非常勤なんですよ、非常勤が多いんですよ。そこらあたりで本当にどうなのかなという心配があって、公立幼稚園が成り立っていくためのそういう部分についてはどうお考えですか。
比嘉源勇義務教育課長 幼・保一元化につきましては、やっぱり2つの視点があると思っております。というのは、幼稚園と保育所との連携ということと、もう一方は、地域の保護者に対する子育て支援と申しますか、今、委員の御指摘の預かり保育の件については、そういう面では地域の方々への支援ということになると思います。
 ただ、対応する場合において、そういう御指摘等もあることについては、先ほど申し上げました市町村の教育委員会とも連携をしながら対応していく必要があるかなと思っております。
狩俣信子委員 それでは、教育長にお尋ねします。今、日本の教育の問題が大きいですね。教育再生会議なんかがつくられて、教育基本法も変えるというのが出てきたりしていますけれども、日本の教育の方向性と言うんですか、そこらあたりは、先ほど教育長は推移を見守っていきたいと言っていたけれども、こんな抽象的でなくて、しっかり答えてもらいたい。こういう記事も読んでいますでしょう。そこらあたりでよろしくお答えください。
仲宗根用英教育長 現在教育を取り巻く状況としましては、家庭や地域の教育力の低下、青少年の凶悪犯罪の増加、いじめや不登校等生徒指導上の問題が指摘されております。現在政府においては、これらの課題を解決するための内閣直属の教育再生会議を―10月10日だったでしょうか―に発足させて、学力向上や規範意識の向上等を課題として論議が進められているところであります。
 いずれにしましても、教育再生会議での審議内容等についていろいろな意見がありまして、各方面からの幅広い論議をしていくことが不可欠ではないかなと考えております。したがいまして、正直なところ、教育行政を担う者として、教育再生会議での論議の推移、国の動向を注意深く見守っていくという状況でしかない、そういう立場であります。
狩俣信子委員 では、聞きましょう。少なくも今までゆとり教育をやってきましたよね。そのゆとり教育の見直し、回答者の校長の85%が早過ぎて現場がついていけないと。これに対してどう思いますか。
仲宗根用英教育長 ゆとり教育につきましての考え方は、まだ賛否両論ある中にございます。また、学校現場の今回の新聞での調査は、いち東京大学の調査でありまして―これは調査の結果がこういうふうに出たんだなという形で今のところ受けとめております。
狩俣信子委員 次に、教員免許の更新制について59%の学校長は後ろ向きだという回答ですが、教育長としてはどう思いますか。
仲宗根用英教育長 教育職員の免許更新制度につきましても、これから論議がなされていく状況にあるのではないかなと受けとめております。
狩俣信子委員 教育長の答えは余りよろしくないね。
 学校選択制についてはどうですか。
仲宗根用英教育長 学校選択制等につきましても、これからいろいろな論議となっていくのかなと受けとめております。
狩俣信子委員 教育長、ひところ那覇市で8位にランクづけられましたよね。学校間格差か、学校内格差か、もめましたよね。記憶にありますか。
仲宗根用英教育長 記憶にはかすかに残っております。
狩俣信子委員 教育長たる者、かすかでは困るんですが、その学校間格差をどう思いますか。
仲宗根用英教育長 かつての教育の中で画一的に教育がなされている場合においては学校間格差というものが出たりしたわけなんですけれども、最近は児童・生徒も多様化しておりまして、学校の学力についてのとらえ方もいろいろとさまざまでございます。早い話、学力とは何かといったときに、知識や技能といったものは偏差値学力なんです。しかし、興味、関心、意欲、態度というものは個性値学力と言っております。ですから、学校内においては、学校はそもそも生徒の実態と地域の実情に応じて教育を行わなければならないとされておりますので、ある学校によっては、高等学校の場合を申し上げますと、どうしても偏差値学力を高めたいとする保護者のニーズがあったら、そういう学校づくりもなされているし、また、それでなくて、いろいろと興味、関心ある児童・生徒の多様化した実態に応じた教育をしようとしたときに、いろいろなコース制をしいたりすることによって学校づくりが行われます。しかし、中には、大学入試に係るような状況の生徒がいたら、これはどうしても特別進学コースというような教育課程の組み方等をすること等、そういう状況下にありますので、いきなり学校間格差とは言えない部分が出てきているような状況と私はとらえております。
狩俣信子委員 この調査では学校間格差が大きくなるということで、89%の学校長が心配していますね。かつてフランスで10カ年間、この実験をしたことがあるんですよ。要するに、同質集団でやるのか、異質集団でやるのか、結果的に異質集団が伸びたという結果が出ているんですね。そこらあたりも非常に大きな議論があると思います。
 この問題は置いて、次に、教職員の不祥事が続いています。これで非常に心を痛めています。本当はすばらしい教職員がたくさんいるのに、一部の人たちのために非常に萎縮している。これについてどう対応しますか。
仲宗根用英教育長 おわかりのとおり、本県の児童・生徒の文化面、スポーツ面における活躍は非常にすばらしいものがあります。その裏には指導に当たった教職員の頑張りがあったのではないかなと思っております。県教育委員会としましては、毎年こういう児童・生徒の指導に実績のあった教職員に対しまして教育長表彰を行っております。また、今年度からになるかと思いますが、文部科学大臣賞による表彰制度が創設されることとなっております。それは、35歳以上で、現場で部活動や教科、生徒指導等に実績のあった職員、教員を表彰するというものでありますので、本県でもそういう先生方がおられますので、大いに推進していきたいなと思っております。
狩俣信子委員 教育庁内だけでやるのではなくて、マスコミにも大々的にやって、教職員に自信を持たせてください。お願いします。
新垣良俊副委員長 当銘勝雄委員。
当銘勝雄委員 まず初めに、中・高等学校一貫教育を進めておられるのですが、その状況について教えてください。
仲宗根用英教育長 現在、本県では、伊良部地区、本部地区、久米島地区で連携型中・高等学校一貫教育が行われております。そして、併設型の中・高等学校一貫校として、来年度、平成19年度開校予定となっているのがうるま市の与勝緑が丘中学校でございます。高等学校と中学校でございます。そして、計画としましては、中部地区と那覇に編成整備計画で中・高等学校一貫校も予定されております。そういうような状況下にあります。
 中・高等学校一貫校のいい面につきましては、ゆとりを持って学校生活ができるということです。6年間という状況ですので、その間の子供たちの発達が目覚ましい状況下の中で、子供たちの個性だとか、特性だとか、そういうものをうんと伸ばせる状況の教育課程が組めるのではないかなということ。それからまた、異年齢間、中学校から高等学校間の生徒たちの交流等が図られるので、社会性だとか、人間性だとか、そういうものもまた培われる状況となるのかなと思っております。
 しかし、また、問題点を強いて挙げるとするならば、連携型の場合には授業交流をしようとしたときに、ちょっと離れているものですから、その時間の調整がうまくいかないとかという状況もございます。また、交流授業をしようと思っても、中学校と高等学校で事前に時間割りをうまく調整しておかないとスムーズにいかないといったようなことがありますので、そういった場合にはあらかじめ計画を立てていくことが非常に重要なのかなと。しかし、私が思うに、問題点というよりも、よい面が大きいのが中・高等学校一貫教育なのかなと考えております。
当銘勝雄委員 進めていくからには、いいということで進められていると思うんですが、これについては他都道府県の事例調査などはやられたわけですか。
仲宗根用英教育長 他都道府県の状況では、中等教育学校が全国で今27校設置されております。本県では今のところこれはございません。それから、併設型の中・高等学校一貫校は全国で94校設置しております。本県では1校ですね。連携型の中・高等学校一貫校は全国で76校設置されております。そして、中・高等学校一貫校は、行く行くは文部科学省としては500校ぐらいを想定していると伺っております。
当銘勝雄委員 最終的に全国的に500校ふやしていくということなんですが、これはそういうふうにできるところとできないところが出てくるわけですか。
仲宗根用英教育長 やはり予算も伴うし、また、地域のコンセンサスを得ながら、理解をした上でのことでない限りはやれない面がございますので、時間もかかるだけに、まず計画を立てて、沖縄県では何校ぐらい、まずは当面持っていこうかという計画を立てて進めようという形で今行っております。
当銘勝雄委員 もちろん計画を立ててやらないといけないのでしょうが、私が聞きたいのはそうではなくて、要するにこれをできない地域が出てくるのか。地域でコンセンサスを得るのは当然でしょう。だから、コンセンサスを得られる、得られないというものは何か問題があるんですかということなんですよ。
仲宗根用英教育長 地域からどうしても要望が出ましたら、自分のところではこういう学校をつくりたいということなどが盛り上がって、また、多くの方々が、沖縄県でもそういう学校が必要ではないかといったときなどは、沖縄県立高等学校編成整備計画の中に入れ込んで計画を立てたらできるかと思います。早い話が、例えば南城市あたりでは今高等学校がありませんね。今のところ10年間の沖縄県立高等学校編成整備計画の中では計画がありませんが、その後にこういうこともつくるべきではないかといった県民の声が出てくると、これも可能だと私は考えております。
当銘勝雄委員 教育の機会均等という立場からも、地域の皆さんが要望すればやるとか、あるいはやらないとか、そういうのはおかしいのではないですか。必要があればやらないといけないのではないですか。
仲宗根用英教育長 確かに地域の要望等があれば、その要望にこたえ得るような学校づくりをしないといけないと思います。この場合、県立なものですから、県民の要望がどういう形で出るかによって形となって出ていきますので、それをしていくためには、やはり沖縄県立高等学校編成整備計画というものを県教育委員会でつくり、それに乗っけて計画を立てて進めなければいけないと考えております。
当銘勝雄委員 では、次に移ります。
 中途退学については先ほどもありましたが、少し視点を変えまして、先ほど中途退学は平成17年には0.2%増加したという報告がありました。しかし、増加しても全国並みだということなんですが、いずれにしても、これまでは減る傾向にあったものが平成17年度についてはぐっと上がったということはどういう理由ですか。
仲宗根用英教育長 おわかりのとおり本県の中途退学は、本県教育の最重要課題として我々は取り組んでまいりました。もう断トツでした。そういうことがありまして、いろいろと学校現場、PTA、教育関係者、そういう方々の意見も聞きながら、中途退学対策委員会ということなども踏まえて鋭意取り組んでまいりまして、現在は全国平均並みとなっております。確かに昨年度よりは57名増した形で0.2ポイントふえておりますけれども、これはまだまだ休学して―定時制あたりでは長期にわたって休学している生徒がいまして、この休学している生徒がもう自分はやめますという退学届を出してやめていくという状況が、一昨年より去年などは多くなっているのかなというふうにもとらえることができます。また、学校にはおるけれども、中途退学する者の中には、積極的に自分はもうやめます、進路変更しますと。例えば沖縄産業開発青年協会あたりに、私は向こうで学びますから退学しますというような生徒たちが出てきた場合には、これも退学のカウントになりますので、そういうこと等が総合的に出て、57名は昨年度よりはふえたのかなと思います。我々としては、0.2ポイント上がりはしたけれども、1度学校に入ったからには卒業するべきだという考え方に立っていますので、また今後、引き続き中途退学対策には鋭意努力していきたいと考えております。
当銘勝雄委員 それでは、中途退学の主な理由は先ほど言いましたのでいいとして、普通高等学校と専門高等学校別の対比でどうなっているか。今の中途退学者の数を教えてください。
仲宗根用英教育長 高等学校種別で見ますと、普通高等学校の中途退学率は1.01%です。専門高等学校は2.53%です。人数で申しましょうか。
当銘勝雄委員 人数はいいですから、農業、商業、工業、水産という形でありますか。だから、今、専門高等学校別にということを言いましたが、なければいいですよ。
仲宗根用英教育長 今、私のデータでは、普通高等学校と専門高等学校別で申し上げますと、高等学校種別に見ますとというと、普通高等学校か、専門高等学校かということで話したつもりでございます。
当銘勝雄委員 よろしいです。私が想定したのは、要するに普通高等学校が高いかと想定したんです。しかし、専門高等学校がはるかに高いという状況になっております。
 そこで、中途退学する皆さんに対する進路指導をどのように行っているのか、少し聞かせてください。中途退学する人たち。要するに学校へ来なさいということで、やるわけでしょう。しかし、最終的にはもうやめますという場合、やめますと言ったら、そのまま終わりかというような感じです。
仲宗根用英教育長 学校で、退学しようか、どうしようか、非常に悩んでいる生徒がいて、これまでは本人からもう退学しますというと、そうですかと。努力はしたけれども、こんなに考えているんだったら、もうやめるんだなという形で退学するというケースが多かったんです。最近は、こういう生徒にも、これであなたをすぐ退学させるわけにはいかないよな、あなた自身、もう少し考える必要があるのではないかという猶予を与えようということで、新しく就学支援センターというものを泊高校に……。迷って、本来ならばもうすぐ中途退学した生徒に声かけをし、またカウンセリングを図るなどして、いましばらく待てと、あなたの人生にとって今が大事なんだと、ひとまず先生の言うことを聞いて、向こうで就労支援センターというところに行くとあなたの悩みを聞いてくれるし、支援もするし、いろいろなことができるはずだからと言って、受け入れてもらっております。そして、ここで、今、僕のところには、後でデータがあると思いますが、そういう生徒たちが入ってきて、本来ならば全部中途退学していますが、入ってきた子供たちが、その後、では、もう一度ほかの高等学校に行きたい、または専門高等学校に行きたい、工業高等学校に行きたい、そしてまた、もう一度高等学校からやり直したいというようなデータも出ております。非常に効果が上がっているなということがここ二、三年の間に見えてまいりました。非常にいいことではないかなと私は思っております。
 平成15年から平成17年度までに505名を受け入れました。そうしたら、128名が転学しております。そして、再受験や就職等で積極的に進路変更しているのがおりまして、162名ですね。そういう形での進路変更がなされております。そして、平成18年3月31日現在215名が在籍しているという状況にあります。
当銘勝雄委員 今のは、要するに4年間で505人あったのが、250人在籍していると。
仲宗根用英教育長 学校から、いや、もう先生方がどう言おうが、自分は退学しますという生徒は退学しております。しかし、悩んでいる、先生方がそんなに言うならば、まずは行ってみようかと。親御さんとも話をして、泊高等学校の就学支援センターに行かせている子がこれまでに505名おりましたということです。平成15年度、平成16年度、平成17年度でおりましたと。そうしたら、そのうちの128名がよその高等学校に転学しております。そして、いや、もう自分は思い切って就職するとか、またはもう一度高等学校受験をし直すとかいうような積極的な進路変更とでも申しましょうか、そういう生徒が162名おります。そして、結果として現在215名が在籍していますよということです。
当銘勝雄委員 教育庁としても頑張っておられるということはわかりました。ただ、進路を変更するというのはある意味では非常にかわいそうであるし、また、教育庁においてもこれは大変な問題だと思います。
 そこで、これは中学校における進路指導のあり方も私は非常に大事ではないかなと。さっき三つ子の魂百までという形の議論がなされておりましたが、ある意味では高等学校に行く前にそれがきちんとなされればいいわけなんだが、しかしながら、中学生にとっても、ある意味では社会がよくわからないんですよね。そういうことから、なかなか自分の進路がどういう方向にあるべきかというのがよくわからない。わからないわけだから、そこに対して懇切丁寧に進路指導するということが大事だと思います。それがこういう形で中途退学が1.9%も出るという状況であるわけですから、全国並みといっても、やはりこれは不幸ではあるわけです。
 では、その問題は別にしまして、さらに今度は、転学をしたとか、あるいは今、就学支援センターで215名残っているということもありますけれども、先ほど教育長も言っておりましたが、沖縄産業開発青年協会の教育訓練ですね。私もかつていろいろと相談に乗ったことがありますし、また、そこをお勧めしたこともあるんです。その事例ですけれども、これまで高等学校でどうもおもしろくない、行かないと言っていた子が、そこに行って、きちんと生活習慣を変えて、そしてまた向学心も出てきて、高等学校まで出てということですね。その後はさらにたくさんの資格を持っていますから、建設業界で働いて立派な青年になっているという事例があるわけでありますが、そういう意味で、さっき沖縄産業開発青年協会の紹介もしているということでしたけれども、私はこういう沖縄産業開発青年協会の教育訓練というのは評価されると思いますけれども、教育長はどの程度評価していますか。
仲宗根用英教育長 実は私も沖縄産業開発青年協会の方に実際に行ってまいりました。行ってまいりましたら、きびきびとして、きちんとやっているのを見まして、また理事長が高等学校の元校長でありましたので、じっくりとお話をしてきました。また、状況も聞いてまいりました。
 そうしましたら、向こうは毎年50名から100名ぐらいの入隊者がいるらしいです。何とその中の3割は高等学校中途退学者だよと話されておりました。また、後で調べたらそうだということもわかりまして、ああ、これが積極的な進路変更なのかなとも思いまして、その成果ということも聞きましたら、入隊したときはだらだらして、いろいろな問題含みだなと思っていた生徒が、何と6カ月の修業期間を終えた後は、もう基本的生活、態度もきちんとできているし、人間が変容して変わったぐらいにいいようになっていると。そして、もう一度自分は就職もしたいし、資格も取得したと。しかし、思い残している高等学校にまた受験をしたいというような状況もあると聞いて、非常に喜んでおります。ですから、我々県教育委員会としましても中途退学等々を考える中で、もしそういったところの希望者がいるならば、積極的にそういう方向に持っていけるようなことをしたいなと感じております。
当銘勝雄委員 今、教育長がおっしゃるとおり、私も身近にそれを見たわけでありますし、実は私も向こうに行ったことがあるんですけれども、朝6時にはもう身支度をして、マラソンに行って、帰ってきて掃除をして、それから朝御飯をやりますよね。そして、10時には消灯ですね。こういう形できちんとした訓練がなされていまして、私はそのときは誘われなかったので起きませんでした。起きてはいましたが、マラソンをしないで済みましたけれども、非常にすばらしい訓練だなと。特にああいう若い人たちにとっては精神面から訓練されていくという、そしてもう1つは働く喜び。やっぱりなし遂げたという、これが出てくるんですね。だから、これはすばらしいなと思いましたし、そしてまた、汗水流して働きながら資格も取っていく、すばらしいことであると感じました。
 そこで、就学支援センターの問題もありますが、ぜひともこういう沖縄産業開発青年協会もあるんだということをぜひ教育庁の方でもお勧めしていただければと思います。
 さて、次に移ります。市町村立の小・中学校のクーラーの設置についてですが、これは最終的にはやっぱり市町村の教育委員会の判断で設置されるのか。それと、職員室、あるいは教室、図書室のクーラーの設置率は今どうなっているのか。
山根義治施設課長 小・中学校のクーラーの設置については、ただいまお話しになったとおり設置者である市町村の判断であります。
 次に、教室、これは普通教室ととらえておりますが、平成18年10月現在で普通教室への整備率、小学校41.4%、中学校44.6%。また、職員室、図書室は、ちょっとデータが古いんですが、平成16年5月現在で、職員室、小学校85.5%、中学校88.4%、図書室は、小学校93.5%、中学校95%となっております。
当銘勝雄委員 小学校で41%、中学校で44%、普通教室ですね。これはやっぱり財政上の問題ですか。
山根義治施設課長 現在小学校、中学校のクーラーの整備については、防衛施設庁の防音関連、文部科学省の補助事業、あるいは空港関連施設という形で整備は進められておるんですが、基本的には、先ほど委員のお話しのありました財政的問題が非常に大きいのではないかと理解しております。
当銘勝雄委員 職員室が意外と低いのかなと。小学校で85.5%、中学校で88.4%ということですが、設置していない職員室はどういうところが挙げられるんですか。各学校名を言う必要はないですよ。何で設置されないかということです。
山根義治施設課長 ただいまの御質疑ですが、平成16年5月1日現在、当時の数字は手元に持っておるんですが、なぜその学校が、市町村が設置をしていないのか、済みません、承知しておりません。
当銘勝雄委員 恐らく財政難かもしれませんね。しかし、それも大変だと思います。
 図書室もやっぱり100%あってもいいかなと思うんですが、93%と95%。これも理由は同じでしょうか。
山根義治施設課長 先ほど申し上げたとおり財政的な面が大きな要因になっているのではないかと。それと改築との関連、改築まで待とうというような形での未整備というのも中にはございます。
当銘勝雄委員 クーラーの設置について父母の間において賛否両論が聞こえるんですが、教育庁としてはどういうふうな調査とか、あるいはこういうものを調査したことがありますか。要するに、賛成も反対もいろいろと出てくるんですね。私も今は何とも言えませんが、教育庁で調査したことがあればお答えください。
山根義治施設課長 クーラーの整備に関しましては、過去に平成8年でございますが、市長会、町村会等の連名で、冷房施設の整備について国の関係省庁への要請を行っております。それが起点となった形で平成10年度から、沖縄県のみでございますが、普通教室に対する空調の整備事業の補助制度がスタートしております。そういった経緯、それと、去る議会での、小中高等学校普通教室へのクーラー設置と維持管理費に係る亜熱帯補正の創設を求める意見書の中にも、やはり流れとしては我々も共通に理解をしていると考えております。
当銘勝雄委員 もうどこでもクーラーはあるんですよね。どんな施設でも、あるいは家庭でもあるわけで、やはり子供たちが勉強しやすいような環境条件を整えた方がいいだろうと思います。賛否両論あるというのは、ある意味では古い体質というか、自分たちの小さいころ、子供のころの、我々はこういう環境で勉強してきたんだぞという言い分かもしれませんが、ぜひこれは進めてもらいたいという要望をして、終わります。
新垣良俊副委員長 上原章委員。
上原章委員 まず、未来ある子供たちを育て、守る使命、責任があるのが教育委員会であり、学校現場だと思います。
 そこでまず、私もいじめに対することで教育長の見解をお聞かせください。
仲宗根用英教育長 いじめというのは、自分よりも弱い者に対して一方的に、身体的、心理的な攻撃を継続的に加えて、相手が深刻な苦痛を感じているというものをいじめと言っております。児童・生徒の心身に大きな影響を及ぼすということから、これは深刻な問題でありまして、この原因も根深いものがあるのかなと受けとめております。
上原章委員 いじめが起こる理由というのはどうとらえていますか。
仲宗根用英教育長 いろいろなものがありますが、いじめている側がいじめられている側の状況もわからないとか、また、いじめられている子の年ごろの発達段階におけるところの状況で非常に難しい面がありますけれども、義務教育課長の方でいじめの分析をしたものが、要因のようなものはないですか。―では、義務教育課長の方にありますので、よろしくお願いします。
比嘉源勇義務教育課長 私たちが調査とかをやるときに、いじめの実態調査の場合、いじめの対応ということで分類と申しますか、やっているのは、冷やかし、からかい、言葉でのおどし、暴力を振るう、そのような形でいじめというような形の調査もやっていただいております。
上原章委員 今回、北海道と福岡県で起きたいじめによる子供たちの自殺。私は今回の子供の自殺は現代社会全体に対する警告ではないかなと思っております。確かにいじめはほとんど子供同士の間で、表面上見える部分と見えない部分があるわけで、その取り扱いが難しいところがありますけれども、いじめの問題というのはきのうきょうの問題ではなくて、これまで学校現場では日常の中で課題として取り上げられたことが多いわけですけれども、子供たちがシグナルを送ったときにどれだけ周りの現場を預かっている先生、また大人がそれをしっかりキャッチして手を打っていくかというのが非常に重要だと思うんですが、今回の福岡県では本来いじめの解決に当たるべき教師の言動が発端になった。一方、北海道では、教育委員会、学校はいじめはないと断言していたのが、1年後に遺書内容が報道されて、いじめはあったと。こういった2件の自殺というのは、学校、また教育委員会にも考えるべき部分があるのではないかと。1つの例かなと思っております。
 私は、いじめというのはいじめた方が100%悪いと思っています。その考え方を現場で、例えばいじめというのはもう昔からあるものだとか、こんな時代だから少しぐらいはあるのではないかとか、また、いじめられる側にも問題があったのではないかとか、そういうのが少しでも風潮的にあればこの問題は解決しないと私は思います。そういう意味では、沖縄県教育委員会を初め学校現場、PTAともしっかり連携をとっていじめを根絶していく。100%いじめる側が悪いという認識をどう大人が子供たちに伝えていくか、この辺はどうでしょうか。
仲宗根用英教育長 おっしゃるとおり今回の福岡県等でのいじめによる自殺の件につきましては、児童・生徒の命を守るべき教育委員会が長い間その事実を公表せず、しかも、指導すべき教師がいじめの引き金となっていたことを聞いて、正直なところびっくりし、驚いております。本県では今回の事件を対岸の火事とせず、やはりいじめは心身に及ぼす影響が大きいということから、先ほど上原章委員からもありましたようにいじめた方が悪い、いじめは絶対に許さない。そして、いじめはどの子にも起こり得る。そして、こういった児童・生徒のちょっとしたシグナルにも敏感に反応するということを基本的な考え方としまして、やはり学校内においては、見逃さない、見放さない、見落とさないといった考え方で迅速に対応していく必要があると思います。そしてまた、家庭や地域の関係機関、団体等との連携、それにカウンセラーなどを活用した教育相談体制づくりを日ごろからしていく必要があると考えております。
上原章委員 どの親御さんも皆、自分の子供が学校で伸び伸びと健全に学校生活をやっているという思いなんですね。そういう意味では、私も子供が3名おりますが、日ごろ子供に学校生活を聞くようにしていますけれども、月に1度程度は時間をかけて学校生活はどうかと話すわけです。特にいじめが身近にないかが親としては心配で、毎回よく聞きます。その都度子供は答える中で、最初はなかなか答えないときもあるんですけれども、よくよく聞いてみると、身近にもあると。そんな中で、当事者ではないけれども、助けてあげられない自分に心が痛むと子供心に聞かされることもあるわけですけれども、いじめる側といじめられる側、また、それを取り巻く子供たちにとっても、いじめ問題というのは心の中に大変残るものかなと思います。
 そういう意味ではぜひ学校現場。私は今、先生方が現場でいろいろなやるべき役割、雑務等に追われているというのも聞いております。そんな中で教師が100%生徒に向き合える体制をつくることが大事かなと思うんですが、どうでしょうか。
仲宗根用英教育長 まさしくそうだと思います。やはり私は教育にも心があると受けとめております。教育者が一人一人の児童生徒の心に正面からいかに向き合い切れるかということが、今まさしく教師に求められていることではないかなと受けとめております。
上原章委員 今、時代は虐待問題とかいろいろあるんですけれども、子供たちを取り巻く環境というのは大分以前と変わっているな、孤立化している、そういう中で学校の先生が水際で守っていくというのが非常に大きくなって大事だなと思いますので、よろしくお願いします。
 次に、現在の不登校の数、また、登校はしているが、授業に出ていない数の現状をお聞かせください。
比嘉源勇義務教育課長 これは平成17年度の実績ということで、不登校児童・生徒につきましては、小学校で305人、中学校で1259人、高等学校で1317人が報告されております。
 それから、上原委員からありました、学校には来ているけれども、教室に行けないということで、いわゆる保健室あたりでお勉強したりということは、これは平成15年度の報告ということでございますが、小学校で120人、中学校で142人、それから高等学校で84人の報告を受けております。
上原章委員 この理由と対策はどうなっていますか。
比嘉源勇義務教育課長 不登校の理由の主なものといたしましては、小学校では心理的、情緒的な要因、それから中学校、高等学校におきましては、本県の場合には遊び・非行型や心理的、情緒的な要因が主となっております。それから、先ほどの保健室の場合の子供さんにつきましては、友人、先輩との関係、それから家族の問題ということが結構背景にあるようであります。
 私たちはその対策といたしまして、県教育委員会としては、カウンセラーによるスクールカウンセラー配置事業、家庭訪問による巡回教育相談事業などで児童・生徒一人一人へのきめ細かな対応の充実に努めるとともに、特に遊び・非行傾向の不登校生徒につきましては、問題行動のある生徒を立ち直らせるための生徒のやる気支援事業や警察と連携した安全学習支援隊事業などに取り組んでいるところであります。今後とも、諸事業の充実強化により不登校対策に努めてまいりたいと思っています。
上原章委員 今の数字も少なくないなと思います。不登校だけで小・中・高等学校3000人弱ぐらいですけれども、スクールカウンセラーの配置状況と効果はどうでしょうか。
比嘉源勇義務教育課長 スクールカウンセラーにつきましては、不登校やいじめ、その他問題行動の未然防止、早期発見及び早期解決の充実に努めております。また、保護者、学校、職員等への助言、援助を行うとともに、児童・生徒の多様な悩み等にも対応するようにしております。
 スクールカウンセラーの配置状況につきましては、平成17年度につきましては小学校24校、中学校90校、高等学校13校で対応できるように配置してございます。
 スクールカウンセラーの効果につきましては、スクールカウンセラーの配置校においては、暴力行為、いじめ、不登校の未然防止等にその効果性が認められているところであります。
上原章委員 ますますスクールカウンセラーの事業というのは非常に重要かなと思っておりますけれども、今の配置状況というのは十分なんですか、それともまだまだ不十分なんですか。
比嘉源勇義務教育課長 特に今回、いじめに係る重大事件等の発生もあることから、やはりますますこういうスクールカウンセラー事業というのは重要なものととらえておりますので、今後とも国あたりにそういうことでの話しかけはしていきたいと思っているところでございます。
上原章委員 国も今回の問題で、いじめ根絶の対策を設けていくというのは報道でもされていますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 もう1つ、生徒のやる気支援事業の取り組みと効果もお聞かせ願えますか。
比嘉源勇義務教育課長 生徒のやる気支援事業につきましては、不登校生徒の社会的自立をねらいとし、大人との心のつながりを深め、生徒のやる気を起こさせるための事業であります。平成17年度は、やる気支援コーディネーターといたしまして9名を配置しておりまして、支援を行った生徒さんの数は60名となっております。そのうち登校など改善の見られた生徒数が25名となっております。
 生徒のやる気支援事業の具体的な取り組み内容といたしましては、児童委員、民生委員等の関係機関と連携した家庭教育支援、それから企業等における職場体験などが主な活動として行われております。そして成果といたしまして、不登校生徒と地域の大人との人間関係づくりや親子関係の改善が行われ、生徒に明るさや積極性が見られ、高校進学を果たした者も出てきたこと、それから学校と保護者との連携が進められ、保護者の中にやる気支援コーディネーターを支援するボランティアも出てきたというような報告を受けてございます。
上原章委員 県内は児童・生徒の補導率、深夜徘回等が全国と比べたら大変な数字なんですけれども、子供たちの居場所づくりというのは非常に重要だと思います。生徒のやる気支援事業も今後後退させることなく予算を確保して、先ほどのスクールカウンセラーとともに充実させていただきたいと思います。
 次に移ります。特別支援教育の目的をお聞かせ願います。
大嶺和男県立学校教育課長 特別支援教育のねらいといたしますところは、平成19年度から特殊教育というものから特別支援教育というものへと移行してまいるということになるわけですが、今までの特殊教育につきましては、障害種別にそれぞれ学校を設けまして、そこで適切な教育的処遇を行っていたということでありますが、特別支援教育になりますと、LDとかADHDとか高機能自閉症などの軽度の発達障害の子供たちも含めまして、そして特殊教育におきましては、特別支援という形で障害種を超えた教育を行うということで、軽度発達障害、あるいは身体的、知的障害の子供たちも一緒になって、一人一人のニーズに合った教育を施していくというのがねらいであります。
上原章委員 今具体的に県としてその取り組みはどうなっていますか。
大嶺和男県立学校教育課長 平成19年度から特別支援教育に移行することからしまして、平成15年度、平成16年度、あるいはまた本格的には平成17年度、平成18年度から推進していますが、特別支援教育整備推進事業というのがございまして、いろいろな事業を推進しているところであります。例えば特別支援教育、特殊教育に関します研修を行ったり、校内の体制整備づくりをいたします特別支援教育コーディネーターの配置でありますとか、専門的に巡回しながら特別支援教育に関するアドバイスをやる巡回アドバイザーの設置でありますとか、あるいは専門家チームを結成しまして、専門家チームによる学校訪問、あるいはまた教育相談に当たるといったような事業を今推進しているところであります。
上原章委員 コーディネーター及びアドバイザーというのは何名ぐらいいますか、その効果もお聞かせください。
大嶺和男県立学校教育課長 特別支援教育コーディネーターと申しますのは、各学校におきまして特別な教育的支援を必要とする子供たち、要するに特別支援教育のための保護者からの相談を対応したり、あるいは校内における特別支援教育に関する指導体制を整備したりとか、あるいはまた外部の関係機関との調整を行ったりという役割を果たしております。
 特殊教育諸学校におきますコーディネーターは、特殊教育諸学校が特別支援教育に関するセンター的機能というのを有しますことから、地域の小・中学校の要請に応じましてその学校に赴きまして、障害を持つ子供たちの指導のあり方とか指導計画書の作成とか、あるいはまた先生方の相談に乗ったりといったことをしているわけでございます。
 それから、コーディネーターの数は、平成18年度には小・中学校に410名、高等学校に86名、特殊教育諸学校に55名、計551名が配置されております。配置と申しますか、要するに指名されて、その役割を果たしている先生方がおられます。
 続きまして、巡回アドバイザーは各教育事務所単位に配置されておりまして、各地域の学校からの要請に応じまして巡回し、その学校の軽度発達障害の子供たちの指導とか、あるいはまた指導の内容とかに関する指導、助言等を行っております。アドバイザーは、医師とか臨床心理士、学識経験者、あるいは特殊教育関係の指導主事など専門家から成る方々であります。
上原章委員 LD、ADHDの関係者の方々からも県に支援要望が出されているわけですけれども、今、学校の中で、支援を必要とする子供たちにまだまだ不十分な今の体制だという声が多いんですね。子供たちに支援が必要な、本来は毎日来てほしいわけですけれども、実際は週3回ぐらいしか来てもらえない。また、なかなか時間的にも制約がある。そういった現状があるわけですね。それに対して県としてどうとらえてどう取り組むか、お聞かせください。
仲宗根用英教育長 ただいま県立学校教育課長からもありましたけれども、平成19年度から特殊教育から特別支援教育に変わっていく中にあって、特別支援学級ということが設置されていくことになるかと思います。そうなってきますと、そこにかかわった先生が、普通学級にいるADHDの方にもチーム・ティーチングのような形でかかわることができるというような状況になっていくものと考えております。
上原章委員 第2次沖縄県教育推進計画の中にも、特別支援教育では、障害のある幼児・児童・生徒の教育的ニーズに応じた教育支援を行うとともに、障害のない幼児・児童・生徒と共に学習する機会の拡充に努めると明言しているわけですから、この点もよろしくお願いします。今後注目していきたいと思います。
 次に、自動体外式除細動器、AED、これは一般質問でも取り上げたんですけれども、学校現場での設置状況をお聞かせください。
白金広正保健体育課長 AEDの設置状況ですけれども、学校における自動体外式除細動器、AEDの設置状況は、平成18年9月現在、県立学校で2台、公立小・中学校では13台となっております。また、平成18年度じゅうに県立学校で2台、小・中学校に4台設置される予定であります。
上原章委員 学校全体の数を教えてもらえますか。
白金広正保健体育課長 小学校は284校、中学校が163校、高等学校が62校、特殊教育諸学校が16校、計525校です。
上原章委員 今、525校のうち約15台という現状ですね。また年内にあと6台ということですけれども、余りにも学校現場でのAEDに対する認識は低いのかなと思います。特に高等学校、スポーツ系のクラブの中で体を限りなく動かす部活の中で、今、AEDは多くの方々が利用する公共施設、またいろんな民間の中でも取り入れてきているわけです。8月に残念なことに、県内の高等学校の部活の中で心肺停止で亡くなった学生がいたわけですけれども、私は、ぜひ各学校現場にも今後このAEDはしっかり設置していただきたいと思っているわけですが、教育長、どうでしょうか。
仲宗根用英教育長 県教育委員会としましても、AEDの効果というものはよく熟知しておりますので、救急救命講習会等も実施することによって多くの先生方にもそれを認知してもらって、多くの学校に設置されるような働きかけをしていきたいと思っております。
上原章委員 その次に聞こうと思ったら、もう教育長が救急救命講習会もやるとおっしゃいましたので、学校で特に先生方は当然ですが、子供たちにも救急救命講習会がぜひ必要だと。ある意味では人の命を大事にするという教育にもつながりますので、よろしくお願いします。
 次に、英語教育についてお尋ねします。先ほど他の委員の方から英語教育の実態のお話がありました。第2次沖縄県教育推進計画の中で、小学校における英語教育導入、来年、平成19年度までに英語教育を実施する小学校の数を55校を目指すとありますが、これは現状はどうですか。
比嘉源勇義務教育課長 本県の小学校におきましては、那覇市の方においては、現在、文部科学省の研究開発校の指定を受けて取り組んでおりますし、それから宜野湾市と浦添市の方では教育特区ということで小学校の英語教育が実施されておりますので、そういうことでその目標値ということになっていて、今、正確な数字はないのですが、55校をクリアしていると思っているところであります。
上原章委員 今、県で取り組んでいる英語教育の中で、いわゆる総合的な学習の時間としてとらえている英語教育と、英語が本当に日常的に会話ができるような英語教育と大きく分けられると思うんですけれども、私としては、県内の子供たちが日常の中で英会話が身につくような環境が必要だと。あいさつ程度とか、英語が好きになるとか、そういうことも大事でありますけれども、一歩踏み込んで、沖縄県の国際的人材を育てる意味では、英語教育というのが本腰を入れてやるべきではないかなと、去年も質疑させてもらいました。
 去る第4回世界のウチナーンチュ大会で、世界から沖縄にウチナーンチュの関係の人たちが4000人余りいらして、3世、4世、5世の時代に入って、私も本当にその大会に参加して、世界共通語の英語が話せれば、もっともっとこの方々と交流ができたなと。いわんや、これから未来ある子供たちがどう英語を身につけて世界に雄飛していけるかなと思った次第です。
 それで、皆さんの取り組みの中で、沖縄インターナショナル中等教育学校(仮称)の設置及びイマージョンプログラム導入の推進がありますけれども、この状況はどうでしょうか。
仲宗根用英教育長 県立高等学校編成整備計画の中で、中部地区にインターナショナル中等教育学校(仮称)を設置して、英語による授業を取り入れるイマージョン教育を推進していきたいという計画となっております。現在、このインターナショナル中等教育学校(仮称)の設置につきましては、財政面だとか設置場所等の諸課題があることから、有識者の委員で構成される懇話会を開催して検討いただいているところであります。近々に御提言をしていただくことになっております。その後、庁内では、設置場所だとか設置内容等について検討していきたいと考えております。
上原章委員 財政が非常に厳しい、それはもうわかります。ただ、目指すものが、本当に沖縄の子供たち、また、今後の沖縄の海外へのネットワークを広げる意味で、ぜひ子供の英語教育の環境を強い姿勢でつくっていくと決意をいただきたいなと思います。
仲宗根用英教育長 今、上原委員からもありますように、本県においてはやはり国際性豊かな創造性に富んだ人材の育成と言われておりまして、幼稚園のころには英語に触れて、小学校ではなれ親しませて、中学校ではそれを生かして、高等学校はそれを活用してというような形で、小さいときからずっと英語教育に対する取り組みが必要ではないかなと。そのことがインターナショナル中等教育学校(仮称)につないでいくのではないかということで、現在、先ほど来ありますように、那覇市においては研究開発校として、浦添市と宜野湾市においては教育特区として、幸いなことにやっておりますので、他市町村地区にもその成果を生かしていくような形がとれないかなと考えております。
上原章委員 よろしくお願いします。
 最後に、県内にある公立小・中学校の耐震診断の実施状況をお聞かせください。
山根義治施設課長 平成18年9月1日現在の診断状況でございます。小・中学校は22.9%、高等学校は55%、特殊教育諸学校100%でございます。なお、平成18年度中に公立の小・中学校、高等学校はすべて100%実施をするという予定で、現在各市町村、県も作業を進めているという状況でございます。
上原章委員 これを聞いて安心しました。これまで全国一低い現状が問われていましたので、ぜひ100%を目指して頑張っていただきたいと思います。
 最後に、これは通告していませんが、教育長、沖縄県の子供たちは、学力向上とともに、第2次沖縄県教育推進計画の中にこういう部分がございます。基本方向というところで、学力向上とともに、先ほど教育長がおっしゃった、他人を思いやる心、自他の生命や平和・人権を尊重する心、美しいものや自然に感動する心などの豊かな人間性や社会性の育成を図るという部分がございます。ぜひ、私は先ほど来言いました、特にいじめについては今回のことを最大限にいいきっかけにして、いじめはいじめた方が100%悪いということを、教育長が先頭を切って学校現場としっかり、またPTAにその考えを浸透させて子供たちを守っていただきたいのですが、どうでしょうか。
仲宗根用英教育長 今回のいじめ問題につきまして、いじめはいじめた側が悪いというしっかりとした基本的な考え方に基づいて、関係機関等、学校におきましてもそういう考え方で生徒指導等を含めてしっかりと指導するなりやっていきたいと思っております。
上原章委員 お願いします。
新垣良俊副委員長 前島明男委員。
前島明男委員 先生方の大変な御尽力によって、沖縄県の児童・生徒は、文化面、あるいはスポーツ面でも全国レベルに達していると思います。科目によっては、全国のトップのレベルにあるというものも多々あります。先生方の御努力にまずは敬意を表したいと思います。
 しかしながら、その中で海洋県、四方八方が海に囲まれている海洋県でありながら、水泳の面では全国のレベルに比べると少し弱いような気がいたしますが、その辺の感想から。これは通告していませんけれども、教育長、お答えできる範囲内で結構ですので、お答えいただければと思いますが。沖縄県は水泳レベルは全国に劣っているのか。
仲宗根用英教育長 まず本県のプールの設置状況なんですけれども、小学校が20%、中学校が17%、全国比較より低いんです。高等学校では34%と高くなっているんです。そういう状況にありまして、じゃ、なぜ小学校が低いのかというと、離島や僻地などの小規模校が多いということで、どうしても僻地校は、学校にあるのではなくて、近隣校でプールを1つ持つとかというようなことがあるものですから、小学校の泳力もやはりちょっと劣っているというような状況にございます。他都道府県は小学校の泳力は上がっているが、沖縄県は下がっているということからすると、そういうことが影響しているのかなと理解しております。
前島明男委員 施設は大変大事なことだと思うんですよ。ですから、まだ設置されていない学校が結構あるようですが、設置に向けてまた努力をしていただきたいと思います。
 私はどうしてそういうことを申し上げるかといいますと、毎年そう多くはないんですけれども、川や海での児童・生徒の水難事故が起こっているんですが、本当に水泳が上手であれば、助かる子供さんたちも何名かいると思うんですよ。そういう意味で、プールの設置、あるいは水泳訓練が必要ではないかということを申し上げたいのですが、保健体育課長、この数年、水難事故で亡くなった児童・生徒の数がわかれば。
白金広正保健体育課長 水難事故、あるいは海辺の事故等についての件数は現在掌握しておりません。申しわけありません。
前島明男委員 施設は大事だと思うんですよ。例えば県営の野球場、あるいは各市営の野球場、立派なのがたくさんありますよね。それから、サッカー場とか陸上競技場もいっぱい施設が各市町村ごとに大方ございます。やはり体力を鍛える、あるいはわざを磨くという意味では、施設プラス、また立派な指導者、コーチが必要だと思うわけであります。
 そこで、奥武山の県営プールは、2010年の全国高校総合体育大会に向けて改築が予定されていますが、どうも天井がない、青天のプールだということなんですが、これは今回改築いたしますと、耐用年数は何十年かわかりませんけれども、たしか三、四十年はまたもつでありましょう。その間、ずうっと青天のプールで過ごさなければいけないわけですよね。ですから、後で後悔することのないように、今回せっかく改築をするわけですから、ぜひとも天井をつけるべきだと思うんですが、教育長はどのようにお考えでしょうか。
白金広正保健体育課長 屋内プールに変更できないかという質疑だと思うんですが、平成17年に沖縄県水泳連盟を含めた有識者等により構成されました奥武山水泳プール検討委員会で検討した結果、屋外水泳プールとして整備するということで決めて基本設計を策定してございます。また、平成22年度に開催の全国高校総合体育大会に間に合うように、今年度、国庫要請をしている途中であります。このことから、屋内水泳プールへの変更はもうできないという状況であります。
前島明男委員 これは後悔しますよ。検討委員会はどういうメンバーかわかりませんけれども、この検討委員会、これはもういいかげんな、そう言ってはなんですけれども、ちょっと言い過ぎかもしれませんけれども、財政的なことがあってそういう結論になったんだろうと思うのですが、何十年も使う施設です。野球場だとか陸上競技場だとか、その他の施設は、金を何億、何十億もかけて立派なものをつくっているんですよ。たった1つの県営プールさえ天井をつけられないというのは、これはおかしな話であって、僕は数億円かけても屋根をつけるべきだと思うんですよ。これは今からでも検討委員会を持ち直して、検討し直して設計変更をすべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
仲宗根用英教育長 今の進捗状況からしますと、今後、財政当局とも話をする中でこれから変更ができるのかどうかということも含めて話をしてみたいと思っております。
前島明男委員 ぜひこのことだけは、本当に後で後悔することに―教育長、何か答えますか。追加をどうぞ。
仲宗根用英教育長 今、この状況も大分進んでいるということで、財政当局とも既に話し合いも進んで実施設計の状況の中にあるということで、今さら検討が難しいということであります。
前島明男委員 教育長、これは人がやることですから、変更がきかないということは絶対あり得ないです。今からでも、基本設計で金がかかるんだったら、その金をかけても別にやってもいいじゃないですか。それぐらいのことをやらないと、あと30年、40年青天で、雨の日なんかはどうするんですか。正式な大会でもし雨なんかが降った場合、どうするんですか。
仲宗根用英教育長 インターハイに向けて間に合うように、そしてまた県民の親しみの持てる施設にしていきたいなと思っておりますが、今ここで大分進んでいる状況でございますので、財政当局との検討というのは非常に難しい、厳しい状況にあるなという状況を感じます。
前島明男委員 私はそこまで言うつもりはなかったんですけれども、本当にあと三、四十年そのまま青天でやらないといけないと思うと、これは絶対に後悔しますよ。後悔をしないように、委員から強い指摘があったということを財政当局にもお伝えください。
新垣良俊副委員長 当山全弘委員。
当山全弘委員 今回の教育予算が1500億円余り、それから県の予算が7000億円余りですから、24%の、約4分の1の予算で、子供たちのいろいろな教育面とかで頑張っておられる教育長に対してまず敬意を表したいけれども、小学校、中学校、高等学校、この予算の影響を受ける生徒数、それと先生方がおわかりでしたら、御答弁願えますか。
瑞慶覧長行総務課長 まず在学者数、いわゆる生徒数でございますけれども、国公立を含めて小学校が合計で10万2409人、中学校が5万2875人、高等学校が5万986人、通信制高等学校が2653人、特殊教育諸学校が1758人。総計が出ておりませんけれども、これが小・中・高等学校、通信制、特殊教育でございます。
 本務教員数でございますけれども、小学校が合計で5654人、中学校が3725人、高等学校が3926人、通信制高等学校が44人、特殊教育諸学校が1175人でございます。この合計の中には国立も含まれていることを御了解ください。
当山全弘委員 合計は幾らですか。
瑞慶覧長行総務課長 済みません、この表に総計がないものですから、すぐ単純に合計できないんですけれども、生徒数が約20万人、教職員数が約1万2000人前後だと思います。
当山全弘委員 生徒数を教員数で割れば、何名に1人というのがわかりますけれども、それはわかりますか。
瑞慶覧長行総務課長 小学校で1教員当たりの児童数が18.1人、中学校が14.0人です。恐れ入りますが、この統計資料では高等学校は出ておりませんので、御了解ください。
当山全弘委員 委員の皆さんが通告したものでほとんど終わりましたので、私は通告以外のものをやるつもりで今皆さん方の方に数字を聞き出したわけです。問題は、これだけの児童・生徒が20万人余りいるわけですよね。一番大きな問題というのは、やっぱり学力向上の問題ではないかなと私は思うんですよ。学力向上の問題においても、基礎学力がないと、中途退学、不登校、全部これにつながっていくのではないかなと思うんですけれども、教育長の見解はどうなんですか。
仲宗根用英教育長 個性豊かな教育とか、個性の伸長とかいろいろと言いますけれども、そういう場合にでも、やはり基礎的、基本的なことがきちっと身についていないと、個性も出てこないのではないかなと思っております。それで、基礎的、基本的な事項の徹底を学力向上の中でも取り入れております。
当山全弘委員 基礎学力等については、今30人学級で1人の先生、40名クラスの学校がほとんどなのではないかなと思うんですよね。マンツーマン教育が本当は必要なんだけれども、それができないということについては、やっぱり家庭教育も塾も大事じゃないかなと思うんですよね。基礎学力は、学級においてできる子とできない子はもう全部分かれていますよね。これに対する先生方の指導というのはどうなっておりますでしょうか。国語であれば、授業を通していって、はい終わり、次の子が追いつけない状況にあっても進むのであるのか、わからない子がわかるまでやってくれるのか、その辺はどうですか。
仲宗根用英教育長 本県の学力向上対策におきましては、やはり基礎的、基本的な事項をきちっと身につけさせようということで、授業の中にあっても、もしこういう生徒が身についていない場合には、補習的な手だてをしております。それからまた、進んでいる子の場合には、発展的な学習と言いまして、そういった面も行っているといった状況にあります。いずれにしましても、全生徒が基礎的、基本的なことがきちっと身につく工夫をしているという状況でございます。
当山全弘委員 もうこの子たちがかわいそうで。高学年にいきますと、親ではもう教えることはできないんですよ。だから、自然にわからなくなっていく子がいる。家庭的な事情がありまして、生活に困窮している子供たちなんかというのは、すぐ学力が追いつけない状況が現実としてあるわけですよ。このことについて学校現場、教育長を初めどのような認識でこのような子供たちの基礎学力、教育の平等性というのですか、その辺についてはどのような方法で教えていらっしゃるわけですか。
仲宗根用英教育長 いろいろな子供が教室内におりますので、例えば数学のような教科の場合は、前がわからなければ、後ろにつながらないということがございますので、こういう手だてを、学校で一斉授業をするときもありますが、また個別化授業ということの展開もしております。ですから、先生方の授業に対する工夫改善、これが一番求められるのではないかなと。そして、生徒にわかる授業が今いろいろな形で行われておりまして、正直申し上げますと、小学校はあの手この手、創意工夫を働かせて、指導方法の工夫が非常になされております。それよりは中学校がやや劣る。中学校よりは高等学校が劣るということからして、高等学校も小学校の先生方から見習う面があるんだなということがございますので、高等学校はただ知識を切り売りじゃなくて、生徒たちの学力の状況に応じた手だてをした授業の工夫を図るようにというようなことで指導をしているところでございます。
当山全弘委員 学校間の学力の差というのはあるわけですよね。ですから、中学校の段階で、例えばあなたはどこの学校に行きなさい、あなたはどこですよということで、全部選別されるわけですよね。これに対してはどのようなお考えで、学問の平等という原則からしまして、ちょっと問題ではないかなと私は思うんですけれども、教育長はどんな見解ですか。
仲宗根用英教育長 私は、ややもするとこれまで画一的な教育がなされてきたことが、学校を選択するとき、高等学校を選択するときも、あなたは向こうに行きなさい、あなたのレベルは向こうだというようなことがなされてきたのではないかなと。しかし、もう時代も変わりまして、生徒も多様化しております。価値観も多様化しております。そして、子供たちの中には、例えば普通科に行く子供たちの中にも、大学に行く子供が入っているかというと、僕は必ずしも全員は入っていないと思います。また、専門高等学校の中にも、じゃ、この子供たちは高等学校を卒業すると就職するのかというと、中には進学を試みる子供がおります。ですから、我々は、いかに子供たちのニーズにこたえ得る教育を施すかということが今大きな課題となっております。それで、教育課程の編成いかんによって、いろいろな特色を持った学校づくりがなされます。かつてはナンバーワン学校を目指していたけれども、今は多様化した子供の実態からして、特色ある学校をつくるということは、オンリーワン学校づくりをいかにつくるかということではないかなと思っております。何も知識的に学力が高いからこの子が優秀という時代ではありません。そういうふうに考えております。
当山全弘委員 そうしますと、これは1988年、学力向上に取り組んだ教育委員会の指針がございますよね。学力向上対策事業というのがあって、新しく2002年度からスタートする、にぬふぁ星プランというのがあるとマスコミが報道しております。これの取り組みと成果についてはどのようになっていますか。
比嘉源勇義務教育課長 本県の学力向上対策については、今、当山委員からお話がありましたように以前から取り組んでまいりましたけれども、その成果を見る1つのものとして、私たちは達成度テストというのを実施してございますが、これまで取り組んできた18年間におきまして、小学校におきましては11.2ポイント上がっております。中学校におきましては、今5ポイントの上昇ということであります。
当山全弘委員 学力向上については、子供たちの将来を担う人材育成のためにもつながっていくんですけれども、ここで沖縄振興計画に基づく2次分野計画の第2次沖縄県教育推進計画、平成17年度から平成19年度に策定作業があるんですけれども、ここに多様な人材の育成と文化の振興ということで表があります。ここに英語の問題、特区の問題とかがいろいろありますけれども、高等学校生の海外留学生派遣事業の動向について、そして、子供たちが終わってきた段階での動向調査についてはどのようになっているかをお答え願いたいと思います。
仲宗根用英教育長 高等学校生の海外留学派遣事業として大きく4つございます。1つは高等学校生の国外留学派遣事業、これは県費でございます。それからもう1つは高等学校生米国派遣事業、これは国費でございます。そして、もう1つの事業として専門高等学校生の国外研修事業というのがございます。もう1つは、沖縄県・ハワイ州高校生交流事業というのがございます。順を追ってかいつまんで申し上げますと、高等学校生の国外留学派遣事業につきましては、平成2年度からスタートしまして、派遣先は欧州、アジアということになっております。毎年10名ずつで、これまでに160名が派遣されております。平成17年度の状況ですが、この子供たちの進路状況ですけれども、大学に進学した者が73名、就職した者が54名、進学浪人している者が33名いるという状況です。また、高等学校生米国派遣事業につきましては年間20数名の派遣となっておりまして、これまでに278名を派遣しております。そして、平成17年の278名の米国派遣事業に行った子供たちの状況なんですけれども、進学浪人している者が119名、国内進学146名、国外留学5名、英語関係への就職8名となっております。
 専門高等学校生の国外研修事業は、専門高等学校の子供たちを専門分野の人材育成ということで、主に台湾とか東南アジアに派遣しておりまして、毎年
30名ずつ派遣をいたしております。これまでに393名派遣しておりまして、その内訳は、平成17年度に限って申し上げますと、今回3年生が21名おりまして、大学進学8名、専門高等学校に進学4名、就職9名となっております。なお、沖縄県・ハワイ州高等学校生交流事業につきましては、ハワイの高等学校生と本県の高等学校生の交流事業でございまして、本県からは毎年25名、ハワイからも25名の子供たちが交流をしておりまして、現在までに447名の事業がなされていて、大学に進学したり、専門高等学校で、就職なり、進学なりをしております。
当山全弘委員 この子供たちに対する旅費とかそういったものは全部、教育委員会が負担ですか。
仲宗根用英教育長 国外留学派遣事業というのは県がすべて持っておりまして、また、米国派遣事業は国の方からのものでございます。なお、専門高等学校生の国外研修事業は県でやっておりまして、沖縄県・ハワイ州高等学校生交流事業につきましては、これは自己負担というような状況となっております。ただし、引率者等につきましては旅費等が支給されます。
当山全弘委員 こういったできる子供たちについてはどんどんどんどん伸ばしていっていただきたいなと希望いたしたいと思います。
 次に、今はパソコンとかコンピューターの時代ですよね。指導できる教員の確保について大事かなと思うんですけれども、これは平成13年度の目標年次が53%ということでありますけれども、今はどれぐらいの数字で達成されておりますか。
瑞慶覧長行総務課長 コンピューターを活用した指導ができる教員の状況でございますけれども、平成18年3月1日現在で、本県小学校は95.4%、中学校が94.3%、高等学校が95.3%、全体が95.1%となっておりまして、全国平均の76.8%を大幅に上回っておりまして、全国3位というような状況でございます。
当山全弘委員 次に、昔は育英事業だったんですけれども、今は育英奨学事業ですか。これは教育年報の110ページ等がありますけれども、高等学校、専修学校、大学の貸与費は幾らなのか、貸与してから就職しての返済方法についてお答え願えますか。
仲宗根用英教育長 高等学校生対象の奨学事業として大きく2つございます。1つは高等学校奨学事業というもので、これは年間約50名ぐらいに貸与いたします。その場合に、貸与の額なんですけれども、自宅の場合には1万8000円、自宅外の場合には2万3000円、そして、私立の自宅の場合3万円、私立の自宅外は3万5000円というような貸与となっております。なお、この場合には、あくまでも経済的な状況で、普通はこれまで奨学資金というと、成績がどうのこうのというのがありましたが、これは全くないです。これが高等学校奨学事業です。
 もう1つは高等学校育英奨学事業と申しまして、旧日本育英会の事業が独立法人化して各県で受けてやることになっております。このものも貸与金額につきましては一緒となっております。
当山全弘委員 これは貸与ですから、貸すわけですから、返済しないといけないわけですね。じゃ、返済の状況についてどうなっているわけですか。
仲宗根用英教育長 確かに大学を卒業して就職するということになってくると、返済しないといけなくなります。
当山全弘委員 返済できない。
仲宗根用英教育長 返済しないといけない。しかし、100%間違いなく返済しているか。するという約束ですけれども、いろんな事情がある場合には猶予願いもありますが、沖縄県の場合、返済が非常に厳しいかなというような状況も見られます。中には公務員、いろいろな状況で事情があって、まだ借りたものを納めていないとかというような状況もございますので、そういったところが今いろいろな面で、何とか借りたものは返してもらおうというようなことでやっているところでございます。
当山全弘委員 これは高等学校生以外に大学生の貸与とかもあるわけですか。
仲宗根用英教育長 これは、大学も専門学校もすべてが対象となっております。
当山全弘委員 この奨学金の原資はどうなっているわけですか。
仲宗根用英教育長 日本育英会の奨学事業の場合には、国の方から来まして、日本育英会からの事業が委託されてやっていますので、それを活用しております。それから、高等学校奨学事業につきましては、これは国からの2分の1の補助という形ですので、2分の1は県持ちというようなことになります。
当山全弘委員 これは国の補助があって原資があるけれども、やっぱり貸与してしまうと、返済がないと悪循環が生じてくるわけですよね。そこら辺でお金がなくなってしまう。今から借りようとする大学生とか高等学校生がもう借りることができない。返済されないわけですからね。悪循環が生じてきますけれども、その辺はどのような対策をやっていらっしゃいますか。
仲宗根用英教育長 繰り返すようなんですけれども、このものは、大学あたりを出るときに、経済的にその奨学金を借りて、大学を出て就職をしたときには払ってもらうということの条件ですので、借りたからには、給与じゃありませんから、またそのほかのいろいろな方々も借りたいけれども、借りられない状況もございます。そういうこともございますので、借りたものが返さないで済まされるというような状況下にはない、返してもらうというようなことで指導しているところであります。
当山全弘委員 滞納処分もできるわけですか。例えば差し押さえとか、そういうことも可能ですか。
仲宗根用英教育長 最終的にはそういうことも可能かもしれないけれども、今のところそういうような状況まではしていない、あくまでも指導をしながら返済をしてもらっているという状況です。
当山全弘委員 そうしますと、幾ら貸与して、貸与金額があって、返済率はおわかりですか。
仲宗根用英教育長 それで、詳しい資料がございませんがというお断りをしたわけですけれども、後で調べたらわかりますが、後ほどまた資料を提供したいと思います。いずれにしましても、貸与ですので、これを返してもらわないと、これから借りていく子供たちへの運用ができませんので、そういうようなことで、借りたものは返してもらうということで指導しているということです。
当山全弘委員 これは福祉関係の母子寡婦福祉資金貸付金という貸し付けがありますけれども、あれについても物すごく返済率が悪いんですよ。あれとは全く違うと思うんですよね。学生さんの場合は、優秀な学校へ行って、留学とかに行って職業を見つけて、ちゃんと就職して働いて、稼ぎも出てきていると思うんですよ。その辺の動向調査についてはしっかりとやっていただいて、やっぱりぴしっとやっていただきたいと思うんですが、教育委員会の主管課はどこですか。
仲宗根用英教育長 県立学校教育課が窓口なんですが、実際にやっているのは、沖縄県国際交流・人材育成財団というところで事務だとかすべてが行われております。
当山全弘委員 教育長、後でこの関係の資料を全委員に配っていただけますか。
仲宗根用英教育長 わかりました。
新垣良俊副委員長 20分間休憩いたします。
   午後3時42分休憩
   午後4時2分再開
新垣良俊副委員長 再開いたします。
 休憩前に引き続き、質疑を行います。
 奥平一夫委員。
奥平一夫委員 ちょっと関連質疑になりますけれども、先ほどの奨学金貸与の問題、どうも聞き捨てならなくて、つい関連質疑ということになりますけれども、この累積はどれくらいか、資料はございますでしょうか。
新垣良俊副委員長 今、資料を持ってくるそうです。
奥平一夫委員 先ほどの質疑を聞いていまして、せっかくこれだけ奨学金の貸与があるにもかかわらず、大学、高等学校、そして短期大学と、なかなか生活に困窮するところで、県側がこういう奨学金を貸与するという善意の貸与に対して、このようにちゃんと仕事をしてからでも滞納するという事態は非常にゆゆしき問題だと思いますね。借りたものは返す、これは学校教育でもきちんと教えられているはずなんですけれども、残念ながらこういう優秀な方々が借りたものを返さないという事態については、非常に憤りを覚えますが、教育長の見解をお伺いいたします。
仲宗根用英教育長 奨学資金の事業のねらいもやはり貸与ということで、貸与の状況でお金を借りたならば、返すということの条件で貸し付けておりますので、ぜひ返してもらわないといけないというように考えております。
奥平一夫委員 どうぞ今後しっかりと滞納分についても、貸与されたものの回収についても、しっかり教育委員会の方で体制を整えて、それを回収するというきちんとした積極的な態度でぜひ取り組んでいただきたいと思っています。
 それでは、質疑を進めていきます。教員の休職についてお伺いしたいと思います。その実態について御報告をお願いできませんか。平成15年までは私は資料として持っているんですけれども、平成16年、平成17年あたりの資料をお願いします。
仲宗根用英教育長 病気休職者につきまして、平成15年は300人、平成16年286人、平成17年293人となっております。うち精神疾患者もついでに申し上げますが、平成15年に99人、平成16年は94人、平成17年は119人となっております。
奥平一夫委員 かなりの数字が上がっているようで非常に驚きました。119人は大変な事態と言わなければなりません。教育長、精神疾患による先生方の休職について、あるいは健康問題が、教職員の現場における多忙化と密接に関係していると認識はされていませんか。
仲宗根用英教育長 関連があるのかなということは感じております。
奥平一夫委員 それぐらいの感じですか。
仲宗根用英教育長 しっかりとそのものがこうだと言い切れない面がございますので、関連があるのではないかというふうな今のところの認識ですが、これといってそうですと。いろいろな複合的な状況のもとにそういった要因がありますので、特定して言い切れない面がございますので、そういう感じだということで御理解いただきたいと思います。
奥平一夫委員 これは明らかに、多忙化によるものがかなりのウエートを占めるのではないかと私は思いますけれども、この辺の背景なり、調査をされたことはないということですか。
仲宗根用英教育長 個々人に対してのしっかりとした調査はないんですが、いろいろな疾患の要因として分析を我々なりに考えてみましたところ、おっしゃるとおり生徒指導や保護者への対応だとか、それにまた職場環境に対してうまく適応し切れていないとか、または生活習慣病が併発している状況にあるとか、病気が繰り返されているといった複合的な要因によって精神疾患の要因がありますので、これは特定しがたいのかなと感じ取っております。
奥平一夫委員 それでは、話は少し変わりますけれども、学校現場における多忙化の実態の調査について、私はこの2年間、ずっと教育長にお願いしているわけですけれども、この辺の調査については着手する考えはありませんか。
仲宗根用英教育長 ことしはもう既に教員の勤務実態調査が実際に行われておりまして、7月から12月において実施されております。沖縄県においてどの程度なされているかというと、対象校は小学校が15校、中学校17校、これは抽出なんですが、高等学校7校、計39校において行われておりまして、小・中学校は入っていて、高等学校ももう入っております。そういう状況にございますので、勤務実態の項目等をいろいろと知りたいけれども、これは我々にも知られないままに直接学校で行われているという状況にありまして、そういったものが我々も知りたいなという状況にございます。後で入手できるのかなと考えております。
奥平一夫委員 どこが調査をしているんですか。
仲宗根用英教育長 文部科学省です。
奥平一夫委員 文部科学省の調査をまつのではなくて、スポット的に沖縄県だけに問題の焦点を当てて、教育長としてそれができないかなということなんですよ。やる工夫はありませんか。
仲宗根用英教育長 これは服務規律のことでございますので、私の権限で県全体をするというのは非常に厳しいのかなと考えております。各市町村教育委員会の服務監督権者は市町村の教育委員会でございますので、向こうの方でやってもらうということで、また、私の場合、地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律でおわかりのとおり、そういったことについては対等な立場に立たされていまして、全県的なことをやる場合にも合意を得た上でしかできないというような状況にあるので、私からこれをやりますという状況にはございません。
奥平一夫委員 では、相談をされたらどうですか。
仲宗根用英教育長 各市町村教育長、または教育委員の皆さんがこぞってやりましょうということの合意が得られるならば、私が主体というのではなくて、じゃ、みんなでやりましょうということならば、できるかもしれないんです。
奥平一夫委員 教育長の話は、僕にはちょっと理解できないんですね。実はきょうの県紙にも載っていましたね。自殺で公務災害申請。過労、ストレスが原因で自殺をしたという。それも23歳の女教諭が自殺されていますね。その問題について教育長はどう考えられますか。
仲宗根用英教育長 非常に深刻な状況だなということは理解できますけれども、それをもって私は、じゃ、実態調査をすぐやりますとは言い切れない状況にございます。
奥平一夫委員 これだけの精神疾患で病んでいる先生方が現実にいらっしゃる。しかも、ふえているんですね。その中で、なぜもっと積極的にその辺のことについて対応していかないかと非常に不思議であります。これははっきり言ったら、言葉は悪いんですけれども、予備軍になる可能性があるわけですよ。このような事例を出さないためにもしっかりと現場の実態を調査し、それを対応していくというのが教育委員会の務めではないかと僕は思います。
 それでは、質疑を変えます。ことしの1月16日付、これは教育長の名前で各市町村の教育委員会教育長に送られている教職員のメンタルヘルスの保持等についてという通達みたいなのが出ていますけれども、そうしてくださいという4項目が出ていますね。これの対応についてちょっとお伺いします。
仲宗根用英教育長 このことにつきましては、私も先ほどこの話を申し上げましたように、いろいろと多忙な状況があるのではないかということを感じていましたので、学校においては、やはり校務分掌の整理だとか、または事務処理の効率化だとか、そしてまた県自身は、県からの通知、通達などの精選だとか、そういうことを我々がまずやれることはやりましょうということでの通知です。
奥平一夫委員 だから、どう対応したかということです。4つの、いろいろこうしなさいというのがあるんですね。その4つについて具体的にどういう対応をしているかということでちょっとお聞きしたいということです。4項目について。
仲宗根用英教育長 今のところ、このものは平成18年に、今学校でそのような取り組みを学校長のもとで行っておりまして、その結果等につきましては、これからどういう状況になったかということなどを研究してみたいと思っております。
奥平一夫委員 それはその結果として、いつごろ出てくるんですか。
仲宗根用英教育長 学校現場の進捗状況等、そのものも含めていろいろと学校の状況等もございますので、意見を聞きながら対応していきたいなと思っております。
奥平一夫委員 先ほどの先生方の多忙化の実態についての調査はやらないという、どうも消極的な御意見ですけれども、もう一度確認をしたいと思います。
仲宗根用英教育長 繰り返すようなんですけれども、文部科学省の方で専門的な方々の調査のもとに実施されますので、いろいろな角度から検討されての調査事項だと考えておりまして、本県からも抽出ではありますけれども、139校がされているということもございますので、そういった状況のものも取り入れて、今後の対策に生かしていきたいと考えております。
奥平一夫委員 本来ならば、教育長が積極的にこういう実態を解明していって、対策を立てていくということがリーダーたる教育長の姿勢だと僕は思うんですけれども、残念ですね。
 それでは、次に移ります。高等学校中途退学の問題については、もう何名かの委員の方がされていますけれども、例えば平成14年に入学した子供さんが平成17年に卒業しますよね。平成15年に入学した子の数と卒業していった子供の数を資料として報告してもらえませんか。
新垣良俊副委員長 休憩いたします。
新垣良俊副委員長 再開いたします。 
(休憩中に教育長から資料を持ち合わせていない旨の説明があった。)
奥平一夫委員 どうも済みません、突然なものですから、本当に申しわけありません。中途退学の問題は義務教育との関連が非常に大事かなと思っているんですね。義務教育における進路指導というものがどういうふうにしてされているのかということについてと、それから義務教育の学校が高等学校とどのように連携をしているか、あるいは逆に高等学校が中学とどういうふうに連携しているかということについて、それぞれ少し御答弁をいただきたいのですが。
大嶺和男県立学校教育課長 高等学校における中途退学と申しますのは、進路面での指導が非常に重要かと思います。したがいまして、高等学校におきましては、中学校と連携いたしまして、例えば、中学から希望する各学校へ来てもらって、その学校の実情を見てもらうという体験入学を実施しております。それから、高等学校からは、各学校の状況を、進学を控えています中学3年生を対象にしまして学校説明会を持っております。
 そしてもう1つは、生徒、そして保護者がいつでも見られるように、各高等学校におきましてはホームページをセッティングしまして、その中で、例えば各学校においてはどういう特徴を持ちながら教育に当たっているのか、どういう教育方針を持っているのかといったのを、躍進というページを設けまして各学校の紹介をしております。これは保護者もアクセスできるようになっております。
 それから、各教育事務所単位で中学校、高等学校の進路指導担当者、あるいは生徒指導担当者が参加しまして、中高連携の進路担当者地区協議会というのを持っております。それから、中高の進路指導担当の教師、そして生徒たちも参加します進路フォーラムを設けまして、中学校と高等学校が連携いたしまして相互に理解を深めて、そして進路選択をしてもらう。それで、自分の合った高等学校を選んで進学してもらう。そういう体制をとっております。
奥平一夫委員 通告していたのが幾つかあるんですけれども、時間がないので、済みません、割愛する部分がたくさん出てくると思います。
 特別支援教育の推進について、教育委員会における支援体制はどうなっているか、少しお伺いします。
仲宗根用英教育長 いよいよ平成19年度から特殊教育から特別支援教育になっていくということがございますので、学校長研修会はもちろんのこと、経年研修会、各種研修会、校内研修等を行うことで、特別支援教育の理解啓発に取り組んでいるところでございます。
奥平一夫委員 実際の委員会における職務の体制みたいなものについても教えていただけませんか。
仲宗根用英教育長 いろんな研修会において、特別支援教育というものがこう変わりますよ、そして、現在特別支援コーディネーターが、その役割はこういうものを持ちながら今配置していますよ。行く行くは、特別支援教育ですから、全職員が特別支援に対しての理解が得られないと今後は教育をやっていけませんよというような内容等について研修を深めているということでございます。
奥平一夫委員 それでは、沖縄県内における特殊教育の現状、児童数も含めて御報告いただけますか。
大嶺和男県立学校教育課長 平成18年5月1日現在で、特殊教育諸学校に在籍している生徒数は1758名であります。
奥平一夫委員 県内の普通学校における軽度障害を持つ児童・生徒は何名くらいでありますか。
大嶺和男県立学校教育課長 先ほど申し上げましたとおり、平成18年5月1日現在で特殊学級で学んだ生徒たちが990名、通級による指導を受けている生徒数は239名となっております。
奥平一夫委員 ほかのLD、ADHD、自閉症の子供たちというのは県内に何名くらいいらっしゃるんでしょうか。
仲宗根用英教育長 この実態は、第1次に調査をしようと試みたんです。そうしましたら、非常に難しい面がございまして、親御さんがそのものを認めたがらないとか、そしてまたいろいろとございまして、しかし、何とか第1次の調査はしてはみたものの、これだけではしっかりとした実態ではないなと。どうしてかというと、文部科学省では、普通児の6%はLD、ADHDではないかと言われている割には、ほんのわずかなものだったものですから、今後、専門家等の意見を聞きながらチームをつくって、それの調査をしようかというような状況下にあります。
奥平一夫委員 新しい制度に移行するについての子供たちの調査についてもしっかりやっていかなければならないと思いますので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 次に、養護、聾、盲学校の特別支援学校の移行について、結局、学校現場というのは、従来と違ってどのような体制になっていくんでしょうか。制度が変わって、どういう体制になるのかということです。
仲宗根用英教育長 平成19年度になったから、即特殊教育諸学校が特別支援教育の趣旨を生かされたような形になるとは限らないです。これは県の財政状況を見ながら、ただし、これから特別支援学校となってくると、これまでは程度だとか、盲学校は盲学校、それから養護学校は養護学校というような状況であったけれども、今後は統合教育的に、学校には肢体不自由児、聾、LD、ADHD、そういったたぐいのいろいろな形での学校づくりがこれからは求められてくるのではないかなととらえております。
奥平一夫委員 今一番心配しているのは、現場の先生方と思います。現場の先生方の要求とか要望とかという声はどういうものがありますか。
仲宗根用英教育長 特殊教育から特別支援教育に変わりますので、どういう形で変わるのかなというのに非常に関心事がございますので、我々としましては、特別支援教育コーディネーターというものを養成しております。そして現に特殊教育関係の先生方はほとんどそういうような専門性を身につけてもらいたいし、また、各普通学校にコーディネーターとして配置することにしている、かかわっている方の研修も現在行っているところでございます。多くの先生方に理解をしてもらわないことにはこれがスムーズにいきませんので、そういう方向で研修事業に取り組んでいるところでございます。
奥平一夫委員 県内には養護学校、盲学校、聾学校が16校でしたかね。それが、この制度が変わることによってどういう設置形態になっていくのかについて、いかがでしょうか。
仲宗根用英教育長 このことにつきましては、当初に県立特殊教育諸学校編成整備計画でスタートして、その流れの中でやっておりますけれども、今、見直しを10年スパンの編成整備計画で行っておりますが、特別支援教育と変わってきますので、このものへの対応ということも含めて、早急にそういうことに対応できるようなことを計画していかなければいけないのではないかなと。早い話、今のところ老朽校舎のある学校を建てかえようとするときには、これを意識してつくろうかなというような考え方には立っております。
奥平一夫委員 でも、もう来年の4月からは、結局、制度が移行するわけですね。そういう意味では、設置形態というのを、前もってどうするというふうにしてきちんと議論しておかなければ、少し間に合わないのではないですか、どうでしょうか。
仲宗根用英教育長 平成19年度から制度はスタートしますけれども、これは県の状況ですぐできるところ、またはそのものをソフトの面からやって、ハードの面などもこれからということで、制度が平成19年度からスタートするということでありますので、そういうスタートを意識しながら、じゃ、県ではどういう形でそのものに移行していくためにできるのかということなどが今求められていますので、そういうことでの取り組みということになっております。
奥平一夫委員 平成19年度からの制度の移行によって、今述べた16の養護、聾、盲学校に対する比重が物すごく大きくなりますね。その辺に対する職員の加配みたいなことについて、基本的な考え方をちょっと教えてください。
仲宗根用英教育長 例えば特別支援教育関係、学校がもしつくられたとしたならば、もちろんその中には多様な、生徒一人一人のニーズにかなうような教育体制を組まなければいけませんので、それに対応し得るような教員の配置が行われなければいけないと考えております。
奥平一夫委員 それは現場の要望をしっかりと聞いて対応すると理解していいですか。
仲宗根用英教育長 生徒数がどういう程度の生徒数なのかによっても、例えば重度の場合には3人に1人とか、普通ならば8人に1人とかという実態に応じてしか公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律では認めておりませんので、その実態を把握しないことにはわかりませんので、そういうことも含めて適正に配置などは考えていきたいなと思っております。
奥平一夫委員 次は障害児学級について、いわゆる今までの特殊学級が障害児学級になるということについて、専門職員というものが非常に大事になってくる。専門家のレベルを上げていくということについての取り組みはどのようになさっているんでしょうか。
仲宗根用英教育長 これまでの特殊学級というのが、名称が特別支援学級と変わっていくことによって、そこに携わる先生が、LD、ADHDのいる普通の学級にも行ってチーム・ティーチングができるような状況となっていきますので、そういったところも加配が措置されるように、我々は国の方に働きかけていきたいなと。現在のところ、平成18年度には1人置かれている状況に加配してもらったんですけれども、今後、状況がそういう状況になってくると、国の方に働きかけていきたいと思っております。
奥平一夫委員 そうですよね。大事なことは、障害を持つ児童・生徒の基本的な人権がきちんと守られて、それぞれの障害に応じて適切な指導や教育が確保されること。そういう意味では、教育委員会の責任は非常に重大と言わなければなりませんので、教育長を先頭にぜひ頑張っていただきたいと思います。
 次に美術館の問題について、開館に向けて管理運営の方向と方針は既に決まっていなければならなかったんですが、おくれと、方針変更とも思える県の対応についてどこに原因があるのか、少しお伺いします。
新垣隆雄文化施設建設室長 おくれた理由ということなんですが、博物館新館、美術館について、組織のあり方とか、あるいは管理運営の方式等、いろいろ関係部局と調整する期間を要したということでございます。しかし、現段階では管理方針等もほぼ決まっております。組織も、先日、博物館11名、美術館6名という形で内示を受けておりますので、これから開館に向けて関係団体ともいろいろ調整しまして、急ぎ調整していきたいなと思います。
奥平一夫委員 基本計画を変更したという新聞報道があったように記憶しておりますが、そうでしょうか。
新垣隆雄文化施設建設室長 基本計画等については、基本的には平成6年度、平成7年度に策定された構想とか、あるいは基本計画案にはほとんど変更はございません。ただ、管理面、例えば機械警備とか館内の委託業務関係については、指定管理者にお願いしたいという方式で、展示のあり方とか、あるいは学芸員が展示とか資料収集とかを行わないですべて指定管理者に任せようというわけではございません。基本的には学芸員が資料収集、それから展示、あるいは学芸部門を県の学芸員が担うことになっています。
 一部を指定管理者に持っていったというのが、平成7年当時の基本計画案にはちょっと違う面がありますけれども、しかし、平成7年度の案の中にも、県の財団等に委託をするという面もありましたので、その点はそれほど基本計画に違わないと思っております。
奥平一夫委員 現代美術館という、名称が変更されています。なぜ、いつ、だれが指示して、どういう場で変更したのか、ちょっとお伺いします。
新垣隆雄文化施設建設室長 まず、博物館と美術館は複合施設として建設しますので、そしてその管理運営も一元して、統一的、効率的な運営を図ることにしております。そういうことで、名称については、現代美術館とすると、ほかにも県立の美術館があるかのような誤解を与えるおそれがあるということで、教育庁内で管理運営方針案を作成する中で検討してきたところでございます。そして、今後は、県民からわかりやすく、親しみのある館名として、沖縄県立博物館・美術館とすることにしております。 いつ現代美術館に変更したかというと、今のところ沖縄県立博物館・美術館という段階でありますけれども、正式には、条例を提出するときに提案しますので、その段階を踏まえて正式に決まるかと思います。
奥平一夫委員 この美術館については、本当に後々議論したいと思います。
 最後に、運営体制や館長採用に関しては、人員、方向性を明確にし、決定までのプロセスをオープンにすることをお約束できませんか。
仲宗根用英教育長 オープンにしていきたいと考えております。
新垣良俊副委員長 吉田勝廣委員。
吉田勝廣委員 沖縄の少年非行の特徴と実態について説明をお願いしたいと思います。
比嘉源勇義務教育課長 私たち義務教育課の方で、児童・生徒の問題行動ということでとらえておりますのは、やはりいじめの状況、子供たちの暴力問題、それから不登校の問題、そういったものが学校において、特に現在、小・中学校、高等学校も含めて、生徒指導上の課題としてとらえております。
吉田勝廣委員 少年非行等の概況をお読みになりましたか。
比嘉源勇義務教育課長 このことにつきましては、県警察本部との連携の話し合いなんかもありますので、県警察本部の方の資料としていただいて、私たちとしても実態の把握に参考にしているところであります。
吉田勝廣委員 それをどのように分析していますか。そこに特徴が書いてあるでしょう。
比嘉源勇義務教育課長 特に本県の場合に、小・中学校、高等学校も含めて、児童・生徒の深夜徘回の状況、現在、中学校における万引き等の問題、それから、残念なことながら飲酒の問題とか、そういうのも私たちは県警察本部の情報から、生徒指導上の課題としてとらえております。
吉田勝廣委員 それをもとにしてどういう教育、どういう指導をしていますか。
比嘉源勇義務教育課長 私たちの場合には、市町村立の学校を抱えておりますけれども、教育事務所単位の生徒指導担当者会とか、そういうことを通して市町村の担当の皆さん、学校現場の先生方にも集まっていただいて、そういう情報を伝えながら対応策ということで今やっているところでございます。
吉田勝廣委員 義務教育課長、触法少年というのは大体何歳だかわかりますか。
比嘉源勇義務教育課長 14歳に満たない少年ということで理解をしております。
吉田勝廣委員 その触法少年が非常にふえている、小学校の子供たちが。それに対してどういう対策をとるかというのは、データで明らかになっている以上は、その対策をどうするかということですよ。これは予備軍ですから、成長していきますから。この辺は今どういうふうにやっていますか。
仲宗根用英教育長 児童・生徒の問題行動に走る背景としまして、基本的な生活習慣がきちっと確立されていないとか、規範意識が弱いとか、また思いやる心がなくて、こういった状況がございますので、そういった子供に対しての取り組みとしては、やはり保護者と地域と家庭、学校がきちっと連携し合わないといけないなということもございまして、県教育委員会では、やる気支援事業、先ほど来お話し申し上げておりますが、このような不登校ぎみ、非行と問題行動がちな子供に、大人が専門的にかかわることによってやる気を持たせるような事業だとか、最近は地域を挙げての地域子ども教室というものが300カ所余りでいろいろと行われております。
 非行に走らせないために、この子供たちのいいところを引き込んで、エイサーにたけている子は、エイサーの地域行事に引き入れたり、スポーツや文化活動等々、そういったいろいろな事業をすることによって問題行動に走る生徒への対応を考えております。また、カウンセラー、教育相談員というものが家庭訪問することによって、この子への対応等も考えております。
吉田勝廣委員 一生懸命努力しているということはわかります。しかし、刑法犯で全国の2倍、飲酒で全国の9倍、数字はうそをつかないんです。これの対策を、やっぱり研究課題としてどうするかということをきちっとしておかないと。
 そこで、県立学校教育課長、飲酒問題をどう取り組んでいるか、ちょっとお聞かせください。教育長より県立学校教育課長の方がいいんじゃない。実際、県立学校教育課長が取り組んでいるでしょうから。
大嶺和男県立学校教育課長 県警察本部の資料によりますと、高校生の飲酒の件数が増加傾向にあるということは認識しております。これにつきましては、ずっと以前から飲酒問題につきましては取り組んでおりまして、要するに薬物乱用防止教室の一環としても取り組んでおりまして、県警察本部との連携によりまして、県警察本部の学習支援隊という方々と一緒に連携を組みながら、学校に来ていただいて、飲酒の危険性につきまして授業等で取り入れて、実際にそういった学習をしております。
 それから、そのほかには生徒指導担当者の連絡会議、あるいは地区連絡会議等を持ちまして、それぞれ地区の状況とかを話し合いながら、その話し合いのことにつきまして、具体的に学校でいろいろな対応策をとっている。そういういろんな対策をとっているところであります。
吉田勝廣委員 こうした問題行動を起こす子供たちは、警察から学校に報告が来るんでしょうか。
大嶺和男県立学校教育課長 私たちは、学校で把握した分についていろいろ指導の対象にしているということであります。
吉田勝廣委員 警察からは学校には連絡が来ないということですか。
大嶺和男県立学校教育課長 こういった問題を起こした生徒たちにつきましては、いろいろと学校も知るところがございますので、そういうときには警察等に行きまして情報を把握したり、いろいろなことをやっております。連携をしております。
仲宗根用英教育長 警察からは学校には原則として来ないんです。ただし、大きな社会的な問題等、反社会的な行為を起こした者をどうしても知りたい、学校側にこの生徒について知りたいというようなときには、警察の方から情報収集には来ます。
吉田勝廣委員 そうすると、学校が把握した人たちだけは掌握できるけれども、警察が取り締まりをしてやったときはわからない。そうすると、学校の処分される側は、学校で把握した生徒が処分される。そう理解してよろしいですか。
仲宗根用英教育長 はい、そうです。
吉田勝廣委員 それはわかりました。
 もう1つ、再犯が非常に多い。指導しても再犯が多い。この辺はどういう形で学校は掌握していますか。
仲宗根用英教育長 まず、再犯なのかどうかも把握しがたい面がございます。私たちはあくまでも生徒指導ということからして、警察側は取り締まり、補導というようなことかもしれないけれども、学校教育においては、そういう目で生徒を見てはいけないし、努めて教育において、こういったことが明るみに出たりしたときには、生徒の人権、またその他に及ぼす影響等もございますので、我々はあくまでも生徒指導の立場から取り組みをしていると御理解いただきたいと思います。
吉田勝廣委員 私もそれは賛成ですよ。だけれども、これだけ犯罪が多くなってくると、どうするかということだけはしっかり把握をして、プライバシーを守りながら指導体制を強化するというのは必要だろうと私は思っています。
 それで、今度は逆に子供たちから先生に対する暴力、いわゆる学校崩壊とかの実態はどうなっているでしょうか。
比嘉源勇義務教育課長 平成17年度、対教師暴力ということで報告を受けているのは、小学校で2件、それから中学校で25件、高等学校で6件、計33件でございます。
吉田勝廣委員 先ほどの刑法犯、触法少年、飲酒、それから今の子供たちの先生に対する暴力と言いますか。これは、教育長、今の子供たちの状況を総合的に見てどう判断しますか。
仲宗根用英教育長 私は、問題児は、問題の子ではないと思っております。やはり問題を提起している子じゃないかなと考えております。ただし、この子供たちを見たときに、みずからに甘くて、それから家族にも甘えて問題を起こすという心の病と言いましょうか、そういうような状況にあるのではないかなと思っております。
吉田勝廣委員 その辺は同感します。だけれども、両親に対しては警察は報告するわけですから、その両親が家庭でどういう教育をしているかということを、教育長は親御さんに対して今どういう気持ちになっていますか、ぴしゃっと言うべきところは言った方がいいのではないかと思いますけれども、いかがですか。
仲宗根用英教育長 最近の児童・生徒の心というものは、画一的に、この子にはこう言ったから、すぐこの子が理解するとは限らないです。カウンセリングマインドで、この子に応じた対応の仕方をしないと、大変な結果を招きかねないということから、成育歴だとか、この生徒の精神的な状況だとか、そういったところを踏まえながら慎重に対応しておるところでございます。
吉田勝廣委員 だからこそ、一人一人の成育歴に基づいて指導する。そうすると、学校の先生方は非常に大変なんですね。家庭も見る、それからそういう子供たちを見なくてはいけない。1人の子供が問題行動を起こすと、学校全体がみんなそれに集中していく。だから、大変だなと。
 ところで、先生方になりたい希望者はたくさんいると思いますけれども、今、競争率は幾らですか。
比嘉源勇義務教育課長 ことしの教員候補者選考試験の応募者の数が5581名となっております。
吉田勝廣委員 採用は何名ですか。
比嘉源勇義務教育課長 採用と言いますか、合格者の数が317名となっておりまして、合格率の方が6.0%となっております。
吉田勝廣委員 途中で退職される先生方は何名ぐらいですか。
比嘉源勇義務教育課長 普通、退職の場合に普通退職と勧奨退職がありまして、それでやっていますが、途中での退職という場合には、そんなに数的にはございませんが、御本人の病気とかあるいは家族の関係でおやめになる先生ということであります。
仲宗根用英教育長 状況だけお伝えしたいと思います。本県では50歳から勧奨退職ができることになっております。それで、50歳に勧奨退職するようになったのは、団塊の世代が来年度から出てくるということもございまして、平準化するために、もう早いうちからやめたい方はやめてもよろしいですよ、やめたいという意思のある方はというようなこともございまして、ですから、50歳になってくるとみずから、勧奨退職でなくても、もう普通退職でもいいというような形の人がございますので、そういう数で一緒くたに、いろいろな事情でやめている状況にあるということを御理解いただきたいと思います。
瑞慶覧長行総務課長 これは退職手当の支給額でしか推計ができませんけれども、普通退職が小中高、特殊も合わせていますが、30名でございます。これは平成17年度決算ベースでございます。
吉田勝廣委員 数字は後で正確に報告していただきたいと思います。
 私は、先ほどの休職者がたくさんいる。そして、そういう意味で、今、先生方の子供たちの指導というのは非常に厳しいなと。そういう意味で、先生方に対する懲罰がありますね。その規定、どういうことだったら停職、どういうことだったら諭旨解雇、解雇ですよと。この辺はさっきお話ししましたので、ちょっと言ってくれませんか。
瑞慶覧長行総務課長 非常にジャンルが広くて、全体をお答えするというのは……。
吉田勝廣委員 簡単でいいですよ、これだと。出勤停止。ぱっぱっと言えば、大体頭に描いていますから。
瑞慶覧長行総務課長 懲戒等々の基準につきましては、最近の事案でございますが、交通事故関係、死亡事故関係ですと……。
吉田勝廣委員 そうじゃなくて、基準だけですよ。
瑞慶覧長行総務課長 基準は、大体重さといたしましては、免職、停職、停職につきましては条例で6カ月以内となっております。
吉田勝廣委員 免職の場合はどう該当するというやつ。
瑞慶覧長行総務課長 免職の場合には、例えば服務関係でいきますと、欠勤が11日以上20日以内、それから違法な職員団体等のあおり、そそのかし行為、秘密漏えい、20項目以上ありますが、ずっと挙げます。それから強制わいせつ、公務外非行でありますと、放火、殺人等々の反社会的行為、犯罪です。それから交通事故でありますと、死亡事故または重篤な傷害、物損事故、それに加えまして酒気帯びも免職等々となっております。
吉田勝廣委員 そこで、刑法には執行猶予もいろいろありますね。私は、1回酒を飲んで酒気帯びをやったから、すぐ首、解雇ということは、今の社会情勢の中に本当に適応するか、適応しないかについてちょっと論争したいと思いますけれども、これはいかがですか。
仲宗根用英教育長 私は、飲酒運転は犯罪であるととらえております。そういう状況もあって、また時代の変化によって最近の状況からしますと、これが10年前ならばいざ知らず、もう今や飲酒運転という状況は全国的に歯どめがかからないような状況にあります。ましてや生徒を指導すべき立場の教員がこういうことをしたときには示しがつかないし、生徒に飲酒はだめだよといった指導をしておきながら飲酒運転をするとかはもう絶対に許せないものだと受けとめておりますし、それから、今の社会の状況からして、撲滅運動がこんなに叫ばれていて、しかも、厳罰とかという今の状況の中に、意識し切れない状況の方が本当に教師として人の前に立って指導ができるかということを思ったときに、これはもう今の状況の中ではやむを得ない措置なのかなと理解しております。
吉田勝廣委員 もちろん自己コントロール、自己統制能力、これは教師だって必要だと思います。我々もそれは必要です。現に僕も酒気運転で捕まったことがあります。それはそれとして、もう1つ、高校生も、今、飲酒が多い。これもたくさんあります。一般的な社会常識として、飲酒でこれほどの競争率でかち取ってきた自分の職場、そして、今、沖縄県におけるさまざまな自己規範、規範能力がない。そういう中でお酒をちょっと飲んでいろいろ起こした。もちろん大きな事件、事故の場合、やむを得ないかもしれない。だけれども、再チャレンジとか、再び起こさないということをしっかりすれば、僕はある程度そういうところは、お互いの理解の上ですぐ解雇、免職ということは、今の社会情勢の中でひど過ぎるのではないのかなと。
 もちろん今の世論はそういう動きかもしれません。しかし、その動きがあるから私たちはそうするんだというのではなくて、そこですよ。ちょっとぶったんだけれども。10年前だったらよかったかもしれない、これは犯罪だから。今は、なぜなのかということね。僕が言っているのはそういう議論じゃないんですよ。要するに、お酒を飲んで、酒気帯びだからすぐ解雇ということは、これまでのこの人の人格を否定するものではないのかなと。
 僕はきょうの琉球新報を読んで非常に共鳴したんですよ。一発主義ですよ。酒を飲んだら、一発解雇。この人は再生の意思がない。じゃ、議員もそうですか。指導者はすべての人たちがそうなりますか。その辺を僕はもう一度、規定の中ではすべてが免職になるとは思いませんけれども、公務員であり、リーダーであり、やっぱり血税を我々はいただいて仕事をしているわけだから、それなりの覚悟は必要です。覚悟は必要だけれども、一発ですぐ首ということは、僕はちょっとひどいんじゃないのかなと。刑法的にも、今の社会常識からいって、よけいだめじゃないのかなと。いわゆる世論に流されているんじゃないかなという雰囲気があるものですから、もう一度答弁をお願いします。
仲宗根用英教育長 私は、教員という職種柄、または警察官とか、そういう立場の者は、やはり一般の状況とは違うのではないかなと。生徒を教えるという立場です。ですから、本来なら、みずからやめる。やめさせられるより、みずからやめるという姿勢の方が僕は教育者としてあるべき姿ではないかなと思っております。
吉田勝廣委員 我々はそこに、教育者にそんな期待をしていいのでしょうかね。僕はそう思わないね。やっぱり教育者といえども人間ですよね。僕は、やっぱり教育は、学校の先生はすべて聖人じゃないわけですよ。やっぱり酒も飲む、たばこも吸う、おつき合いもする。地域とおつき合いする先生方というのは、お酒を飲みますよ。もちろん飲んだら乗るな、それは結構なこと。だけれども、地域に触れ合うということは、地域に溶け込むということなんです。溶け込む先生ほど、またすばらしい先生なんですよね。だからこそ、例えばこういう意見、いっぱいありますよ。僕も何回もいろいろ議論します。だけれども、一発ですぐこれをやるのは、僕はちょっと愛情がないのかなと。しかし、子供に信頼ある先生が酒気帯びをやったときは、この子供は、かえってこの先生を、先生やめないでくれ、おかしいじゃないか。信頼があればあるほど、この指導者は子供がある意味では救ってくれると思う。嘆願もするかもしれない。いいかげんな先生だったら、これはしようがない。だけれども、みんなオール、一つの線で区切ってしまうから、僕はその話をしているんですよ。やっぱり信頼する先生だったら、子供たちから、先生、やめないでくれ、行かないでくれ、しっかりしてくれというはずなんですよ。そこをもう一度聞きたい。
仲宗根用英教育長 人から信頼されるからこそ、襟を正した生き方が望まれるのではないかなと。私は何も地域に、教師だから酒を飲みに行くなということは行っていないんです。飲んだら乗るななんです。飲むなら乗るななんです。ただそれだけの話です。
吉田勝廣委員 それは今から議論するとして、それで、ゼロ校時の先生方が一生懸命頑張っているのもある。それから、もう1つ戻して、宿舎、学校現場に先生方が休む場所があるかどうか、ちょっとお聞きしたい。宿泊できる場所とか、休憩場所。
山根義治施設課長 県立高等学校、これは小・中も一緒ですが、いわゆる職員の休憩室については、ほとんどの学校は整備されていると理解しております。
吉田勝廣委員 平米として大体幾らぐらいですか。
山根義治施設課長 休憩室については、6畳から8畳程度、基本的には男女別に整備されております。
吉田勝廣委員 やろうと思えば、ここは宿泊も可能なんですか。
山根義治施設課長 休憩室については、基本的には和室になっておりますが、宿泊していいという形の部屋ではございません。
吉田勝廣委員 宿泊は可能なのか。
大嶺和男県立学校教育課長 ほとんどの学校で設置されております部屋は、途中で休憩をとるための休憩室として整備されておりまして、例えば、宿泊できるための設備とかそういったものは整備されておりません。したがいまして、宿泊を前提とした部屋ではございません。
吉田勝廣委員 そうすると、学校長とか教頭が赴任するときには、宿泊施設はあるんですか。
名嘉政修福利課長 宿泊施設ではなくて、学校長住宅というのが教職員住宅の中にございます。
吉田勝廣委員 そうすると、先生方も教職員住宅に入ろうと思えばできるわけですか。もうそれは十分に……。
名嘉政修福利課長 基本的には教職員住宅というのがございまして、その中に今話しました学校長住宅なんですけれども、教職員住宅というのがもちろんあります。
吉田勝廣委員 大体わかりました。
 ゼロ校時の実態について、ちょっと報告をお願いします。
仲宗根用英教育長 ゼロ校時につきましては、学校を挙げてゼロ校時という設定をしているところもございます。また、学校によっては、特別進学クラスという生徒を対象にした子供たちを教えるためのゼロ校時というものもございます。また、必ずしも大学進学ではない、農業高校あたりでも、研修または実習とかというようなことのために、ゼロ校時的な形でやる場合もございます。ですから、一概に、いろいろな形でゼロ校時というのがありますよと。学校全体でもってのゼロ校時というところもございます。
吉田勝廣委員 いいことなんですけれども、この人たちの労働条件、何か不慮の事故があった場合は、就業規則からしてどういうことになりますか。
仲宗根用英教育長 朝のゼロ校時から勤務をお願いしたときには、この先生には、この週の早いうちに帰ってもらうとか、その分を週の方に教育課程の中で割り振りをして、労働基準法に違反しないような形でやっている学校もございます。
吉田勝廣委員 そうすると、やっている学校もあるけれども、やってない学校もあるということよ。
仲宗根用英教育長 やってない学校もあるかもしれないですね。
吉田勝廣委員 私が言っているのは、朝、就業規則より早く行くものだから、そのときに事件、事故が起きたときに、出勤時間とみなすか、みなされないかということを僕は基本的に聞いているわけです。
仲宗根用英教育長 これは出勤時間としてみなします。
吉田勝廣委員 先ほど私が少年非行の現状についてお話ししました。これは規範意識の欠如と教育長はお話しなさいましたが、規範意識をもっと強化するためにどうすればいいですか。
仲宗根用英教育長 私は、児童・生徒はいずれ社会に出て、社会の方の決まりの中で生きていくということがございますので、学校にも校内規則というものがございますし、生徒会規則もございます。そういったものをみんなで決めたからには、それに従ってもらおうということで指導しております。しかし、あに図らんや、全生徒がその規則をきちっと守ってくれたら、教育も指導もしやすいんですけれども、中にはその規則どおりにいかない生徒もいて、そういったところで今悩ましく生徒を指導しているのが現状でございます。
吉田勝廣委員 そこで、服育教育と言うか、服装の問題ですね、ミニスカートの問題。それが一向に改善されないのは、そういう教育が徹底しているのか、徹底していないのか。家族がそういうことをしっかりさせないのか、その辺はどういう分析をしていらっしゃいますか。
仲宗根用英教育長 生徒というのは非常におもしろいもので、校内ではきちっとやるんですね。出ていったら、またはだけるんですね。そういったものがまた地域社会からいろいろと苦情となって出てきている。ですから、心の中に、自分が規範意識をいかにきちっと植えつけるかとなってくると、やはり学校の先生方でも大変だなと。父母、地域の協力を得ないことには、この問題は難しい問題だなと受けております。学校だけでやれといっても難しい面もありますけれども、小さいときからのこういったしつけ等がきちっと身についている子は、おのずと学校でも身についているわけですね。ついていない子が入ってきたときの指導が非常に悩ましいです。
吉田勝廣委員 しかし、これは服装違反になるわけでしょう、服務規定違反となりますか。
仲宗根用英教育長 一応は服装違反ということにはなりますが、違反だからといって、すぐ罰則でどうするということではございません。あくまでも我々は指導をし続ける。そして改めてもらうということで、もう本当に気長に、そしてこの生徒がわかるまでということで、イタチごっこかもしれないけれども、教育は難しいというのは、そんなところではないかなと思っております。
吉田勝廣委員 だから、さっき言った万引きも酒も、触法少年も、全部規範意識の欠如というのだったら、学校ができることをきちっとしないとだめじゃないかと私は言いたいわけですよ。
仲宗根用英教育長 学校できちっとさせるように努めております。更生して、反省をして素直に聞く子もいます。子供というのは、本当に同じ言葉で言ってもわかる子と、この子に応じたやり方をしないとわからない子がいるんです。ですから、教師なるもの、一人一人の子に正面からどのように当たるか。私はよく親指教育と言うんですけれども、親指だけは、正面からこうして当たることができるんです。この親指にならなければ、教師は生徒を理解するのは難しいのではないかなと思っております。
吉田勝廣委員 私もそのことは大賛成ですけれども、もう1つは、今、かばんを持っていない子供たちがいっぱいいるわけですね。僕は校門に立ってずっとになりますけれども、かばんを持ってないんですよ。これは学習意欲がないからと思いますか、いかがですか。
仲宗根用英教育長 これは非常に難しい問題でありまして、本来なら、かばんもきちっと持って帰って復習もし、予習もすべきだと考えております。しかし、中にはかばんを学校に置いたり、また、友達に本を貸したりするような状況もあって、そういった指導でも悩ましく指導しているところでございます。
吉田勝廣委員 ほとんど同じ人がかばんを持ってこない。
 それから最後に、精神疾患とかこういう人たちがたくさんいるということは、今の教育行政の世界は難しい。そのことを教育長はぜひ理解していただいて、今後の教育行政に頑張っていただきたいと思います。
新垣良俊副委員長 嘉陽宗儀委員。
嘉陽宗儀委員 ラストバッターですけれども、教育長の答弁を聞いていると、改めて情熱家だなというのがよくわかります。そこで、私は私の立場なりに、今の沖縄の県教育の問題点はどこにあるかということをぜひ一緒になって考えてみたいと思って、そういう立場から質疑をします。
 それで、まず最初に基本的なことで、教育長、学校教育の役割、任務というのは何ですか。
仲宗根用英教育長 やはり学校というところは、生徒がみずからの存在が認められて、そして役割が与えられて、それでいて日々自分が成長しているなということが実感できるような学校でなければいけないと考えております。
嘉陽宗儀委員 やはり教育政策は、人間を成長させる仕事であるだけに、その誤りはその人の一生に深くかかわる、いわば取り返しのつかない問題であり、絶対に許されてはならない、そういうことだと思うんですね。そこで私なりに、なぜ沖縄が全国一少年犯罪、今2番目、増加率が非常に多い。なぜそういう事態になったかということを考える場合にまず真っ先に指摘したいのは、高等学校教育の崩壊があると思うんです。
 戦後出発の高等学校教育の3原則というのはどういうものだったんですか。
仲宗根用英教育長 高等学校教育の3原則とは、昭和23年の新制高等学校の発足に伴い、民主的な教育制度の樹立のために定められたものであります。小学区制、男女共学制、総合制の3つを基本原則としております。小学区制の意義は、学校間格差を防ぐということ、男女共学制は、憲法や教育基本法に則った性別による差別の禁止、総合制は、一つの学校に複数の学科を併置し、生徒に自由な学習の選択を保障するとされておりました。
 しかし、その後、時代や社会の変化に伴いまして、進学率の上昇、価値観の多様化等によりまして、一人一人の個性を尊重するという観点から、総合学科等の特色ある学校づくりと学校の選択幅の拡大等が重視されまして、学区制においても弾力的な運用が図られている状況で今日に至っております。現在の実態としましては、小学区制を実施している都道府県はなく、総合制も見られなくなっております。ただし、男女共学制については、ほとんどの学校で行われているという状況だと認識しております。
嘉陽宗儀委員 この問題は全国的に大問題になっているんですけれども、問題は総合制、高等学校教育を見たら、その立場を今でも欠いているんですね。ところが、それがなし崩しにされた。これは、いつ、どれを契機にして、今の高校教育の3原則がなし崩しにされたんですか。
仲宗根用英教育長 私は思うに、高度経済成長のさなかで、特に46答申、昭和46年の答申が出たころに量的拡大が図られる中で小学区制などが、そして、最終的には京都に1校残っているかなという状況のもとで、今はもうなくなっている状況になっていると思っております。
嘉陽宗儀委員 教育長は、「教育の森」という本がありまして、どういう中身かを覚えていますか。
仲宗根用英教育長 はい。「教育の森」は何巻かありまして、みんなは読み切れなかったんですけれども、それなりの形で読んだんですが、そんなに記憶には余り残っていませんが、教育のありようをしっかりと書かれた本だなと受けとめております。
嘉陽宗儀委員 あれは富山県の3・7体制、この告発ですよ。普通教育をやめて、ほとんど職業教育、今までは専門学校が中心だったために学校が荒れたということの告発だったんですよ。今、沖縄県の場合に、専門科と普通科の学科別の比率はどうなっていますか。
仲宗根用英教育長 本県の状況では、普通科が7割、専門高等学校が3割という状況にございます。もちろんこの3割の中には、総合学科も入っております。
嘉陽宗儀委員 今、専門分化されて、中途退学を見た場合には専門科の方が多いですよ。それはどうしてですか。専門学科の方が2倍ぐらい。
仲宗根用英教育長 22校中、89学科ですね、そのようになっております。
 私が思うに、ややもすると、普通高等学校に行けないから専門高等学校に行きなさいといった状況下があって、自分の希望する学校じゃなくて、希望もしなかったんだが、えり分けられて入れられたということから、やる気を失うという面も、普通高等学校よりは専門高等学校の生徒にあるのかなと。そういうようなことが普通高等学校より専門高等学校に中途退学率が多くなっていやしないかなと、私なりにちょっと見ております。
嘉陽宗儀委員 これはいろいろ議論はありますけれども、多様化というのは、さっき言った中央教育審議会の後期中等教育の拡充整備に関する答申というのがあるんですよ。そのときの中身は、子供たちの能力が多様化しているので、子供たちに合った立場で学校を編成すべきだと言っているんですけれども、子供たちの多様化というのはどういう中身ですか。
仲宗根用英教育長 時代も変化して、価値観が大分多様化したかなと……。
嘉陽宗儀委員 価値観の多様化ですか。
仲宗根用英教育長 価値観の多様化だと受けとめております。
嘉陽宗儀委員 実際は価値観の多様化ではなくて、文部科学省はこう言っていますよ。「そもそも人間は、遺伝によって出生時から能力が決まっているのだから、子供たちは天才、秀才、偉才、凡才、非才と分けて、教師は早い段階でのこの能力の差を発見すべきである。これに合わせて学校教育を再編すべきだ」と言っているんですけれども、これはどう思いますか。これが多様化ですよ。
仲宗根用英教育長 もしそういうことが事実なら、これは大変なことだなと考えます。
嘉陽宗儀委員 それでそう驚くんですから、改めて「教育の森」を読み返してもらって、それから中央教育審議会答申の中身を改めて勉強すべきですよ。どうですか。
仲宗根用英教育長 勉強不足で申しわけないんですが、努めて本県教育の長にあるものとして、いろいろな立場から教育ということについて勉強してみたいと思っております。
嘉陽宗儀委員 多様化の中身で、先ほどから出ていますけれども、私も学校現場におりましたけれども、どういう具合に進路を決めているかというと、あなたの成績はこのぐらいだから商業高校へ行きなさい、あなたの成績ではちょっとだめだから農林高校へ行きなさいという、これが多様化で振り分けられている子供たちの実態であって、価値観の違いではないんですよ。だから、自分は行きたくないけれども、そこに行かざるを得ない輪切りの進路指導ということになっているんです。
 今、輪切りの進路指導になっている実態については掌握していますか。成績によって、価値によってじゃないよ。
仲宗根用英教育長 私は、繰り返すようなんですけれども、最近の児童・生徒は非常に多様化した生徒の実態があることから、学校においては、生徒たちの興味関心、意欲、そういう面に目を向けて、この子がどういう興味、関心を持っている子なのかということがはっきりとわかれば、それに合ったような学校づくりをしないといけないのではないかなと思っております。
 それで、県民の親たちにも申し上げたいんですけれども、こんなにも多様化した児童・生徒がいるならば、専門高等学校とて、農業高等学校でも、工業高等学校でも、水産高等学校でも、その道に自分が行きたい、こういう仕事につきたいとみずから選んで行けるような学校づくりが今求められているのではないかなと。そういう意味において、かつてのような画一的にえり分けしたような教育ということがあってはいけない。やはり生徒の思いだとか父母のニーズ、そういうものにできるだけどのような形で対応し得る学校づくりができるのかということから、先ほど来言っているように、ナンバーワン学校づくりじゃない、オンリーワン学校づくりをしなければいけないと考えて、学校でも取り組んでまいりました。
嘉陽宗儀委員 教育長の答弁を聞いていると、文部科学省が言う多様化の中身が理解されていない。多様化の中身は何ですか、改めて聞きますけれども。
仲宗根用英教育長 児童・生徒というのは、一つの興味、関心、一人一人が全部顔形が違うように、いろいろな面で変わった状況を持って生きていかなければいけないし、みずからの個性を持って、これから社会に出て自己実現をしていかなければならないということから考えたときに、みんなそれぞれ違うんだなということでの多様化だと考えております。
嘉陽宗儀委員 今教育長の使った言葉だけを聞きますけれども、いろいろな個性を持っていると言いましたね。その個性とは何ですか。
仲宗根用英教育長 やはりその人ならではの生き方であり、特性であり、そういうようなものではないかなと考えております。
嘉陽宗儀委員 それについていろいろ議論はありますけれども、それでは、中学校を卒業した段階で、その生徒が自分の個性、特性を見抜いて、自分の進路を決定できると思いますか。
仲宗根用英教育長 その時期においては非常に難しいと思いますが、だからこそ教育の中で、この生徒がどういう面に向いているのかなということを先生なり、親なりが見抜いて、そういう方向に感じ取っていくべきではないかなと。ですから、教師なるものは易者でもないといけない、また、医者でもなければいけない、学者でもなければいけない、役者でもなければいけないというような言葉があるとおり、いろいろな形で生徒に対応していかなければいけないのではないかなと思っております。
嘉陽宗儀委員 改めて教育長、今でも富山県を含めて総合制で、子供たちの能力を全面的に伸ばす教育の実現が進んでいるところはたくさんありますから、今の答弁では話にならない。改めて全国的なすぐれた到達点を学習して、沖縄県でも取り入れる努力をすべきだと思いますけれども、どうですか。
仲宗根用英教育長 いろいろな他都道府県の状況等もぜひ勉強していきたいと思います。
嘉陽宗儀委員 それで、お聞きしますけれども、ノーベル賞の受賞者は日本は世界で何番になっていますか。
仲宗根用英教育長 1901年から2004年の間のものですが、日本は12名おりまして、11番目となっております。
嘉陽宗儀委員 今はちょっと進んでいるようですけれども、その前までは日本は世界で32番だったんですね。スウェーデン、スイス、デンマーク、オーストラリア、ノルウェー、イギリス、こういったところがやっぱり進んでいるんですけれども、日本は高等教育の国だと言われながら、ノーベル賞受賞については非常に後進国になっているんですね。それはなぜですか。
仲宗根用英教育長 御指摘のように、日本のノーベル賞受賞者の数は、これは今でもなんですが、アメリカ、イギリスなどと比較してはるかに及ばない数であります。その原因として思うに、日本の教育システムが画一的であるとの議論などもあり、文部科学省においては、初等・中等教育段階から、大学、大学院、社会人に至るまで連続性を持った取り組みを総合的に推進していかなければならないと、最近になってそういう状況となっております。我が国の児童・生徒の学力は、OECD/PISAの調査によりますと、一応は知識、理解の面については上位にランクされておりますけれども、読解力だとか問題解決能力、そういったものが低くて、今後の教育の大きな課題になっているのではないかなと思っております。
嘉陽宗儀委員 これは日本の教育制度そのものに大きな問題があるわけで、皆さん方の現場だけで頑張っても難しい面がある。これは国の政治全体として、今、教育基本法改悪問題がありますけれども、この問題をやっぱり深めていかないとだめというのがありますから、これについてはこのぐらいにしておきます。
 それで2番目に、沖縄県の教育をゆがめた問題について、今三原則に出された問題、もう1つは、学力向上推進運動を盛んに評価するものでありますけれども、私はそれだと思うんです。それで、皆さん方は、先ほど学力向上推進運動の成果を言っていましたけれども、この達成度テストの平成6年と平成
17年を比べてみたら、皆さん方の資料はよくなっていますかね。
比嘉源勇義務教育課長 御質疑の平成6年度の小学校の総合点の状況でございますが、39.1です。平成17年度の方が43.1ですので、4ポイントぐらい。それから中学校の場合が、平成6年度が33.9で、平成17年度が33.8となっております。中学校におきましては、平成6年度と平成17年度では、マイナス0.1ポイントということになっております。
嘉陽宗儀委員 皆さん方は沖縄の学校向上推進運動を全県的に取り組んで、PTAを巻き込んでやってきましたけれども、結果は、10年間やっても、小学校はちょっとだけ改善があった、中学校は落ち込んでいる。これは原因は何ですか。これは何の効果もなかったということでしょう。かえってマイナスになっている。
比嘉源勇義務教育課長 作問の状況とか内容とかもあると思いますが、先ほど大変申しわけないんですけれども、トータルで見た場合に、平成元年度と平成17年度を比べた場合に、わずかではあるが、中学校においても5.0ポイントは伸びているということで私たちはとらえております。
嘉陽宗儀委員 いや、答弁になってないよ。
比嘉源勇義務教育課長 特に中学校の場合には、平成15年度に数学の方の内容的な見直しも行いまして、そこの方で少し落ち込みが出ておりますが、そこから平成16年度、平成17年度とまた子供たちが伸びてきているということであります。
 それからもう1つは、私たちは、一応これはあくまでも達成状況ということをとらえておりますので、平成16年度、中学校の平均を40点以上の割合とした場合には10.6%の達成状況でありますが、平成17年度におきましては13.0%の達成状況という分析もしております。
嘉陽宗儀委員 皆さん方は達成度テストをやりますね。その取り扱いはどうなっていますか。どういう取り扱いをしておりますか。教育現場でどのように生かしていますか。
比嘉源勇義務教育課長 このことにつきましては、小学校も中学校も教科別に達成度テストの分析結果ということをまとめまして、どの学年ではどの領域での落ち込みがあるのか、本県の子供たち、そこはちょっと頑張らないといけないかなとか、そういうのを分析いたしまして各学校に情報を提供していただいて、それぞれの学校の方で指導の改善に役立てていただきたいという趣旨で取り組んでいるところであります。
嘉陽宗儀委員 実際、達成度テストをするときに、この結果は、各教育事務所だったらどこどこの地区が悪い、その地区はどこどこの学校が悪い、その学校はどこどこのクラスが悪い、全部ランクづけですよ。一番悪いところのクラスは、一番ディキヤーからディキランヌーと全部席を決めて、もう座る場所が決まっている。こういう実態になっている。皆さん方の達成度テスト、学力向上推進運動は、これが目的ですか。
比嘉源勇義務教育課長 達成度テストの作成の趣旨といたしましては、子供たちの基礎的、基本的事項の確実な定着を図るということで、それぞれの教科の基本的な部分等をとらえて作問をしております。そういうことでは、その学年までに達成すべき状況ということで、先ほど申しました大体40%をめどに頑張ってほしいということでつくってあります。そして、その結果を分析して、もしそこの落ち込みがあるならば指導の改善を図る、あるいは領域の改善を図る。そういうふうに、先ほど申し上げました達成度テストの分析結果のまとめということをつくっているところであります。
嘉陽宗儀委員 実態は、私がさっき言ったようなのが出ている。それで、そう言われた親は何をしているかというと、一生懸命塾に行かせる。学校教育だけでは、どうも点数が上がらないから塾に行かせるいうことになっているんですね。今、塾に行っている率は幾らですか、全国に比べてどうなっていますか。
比嘉源勇義務教育課長 子供たちの通塾の状況等について、現在、データ等は私たちは持っておりませんので、申しわけありませんが。
嘉陽宗儀委員 これは文部科学省がちゃんと調べています。それで、大体半分ぐらいが塾に行っているんですよ。そうすると、経済的格差が、子供の学力の場で大きな差が出てきているという実態が出ていますけれども、それはつかんでいますか。格差社会が子供たちをさらにひどい目に遭わせている。塾に行けない子供たちは成績が上がらない。学校でいつもディキランヌーの席に座らされる。
比嘉源勇義務教育課長 ただいまの御質疑の件につきましては、私たちとしては現在そういう実態等については把握してございません。
嘉陽宗儀委員 沖縄県の教育の基本をゆがめる問題だと私は指摘しているわけですから、ぜひ実態を調べて、県議会にも報告してください。
 さらに今、問題になっているのは、学校の先生方に皆さん方は学校の自己評価、それから教職員評価マニュアルを出していますね。この効果はどうなっていますか。
大嶺和男県立学校教育課長 学校評価につきましては、学校におきます教育活動の開示性を高めるということで、学校におきます教育活動について、それぞれ保護者の目、あるいはまた教職員内部の目、生徒のいろいろな視点から評価するということでありまして、学校評価におけます自己評価というものにつきましては、教師個々を評価するものではございません。
 自己評価というものにつきましては、学校の職員、あるいは管理職、皆一人一人が自主的に、自分たちの教育活動はどういう状況になっているかということを、その設定された項目につきまして自分たちで評価しまして、それを集計してまとめたものが学校評価というものであります。現在ほとんどの学校で行われておりますが、その結果につきましては、学校のホームページに掲載したり、あるいはまた学校評議員会等におきまして開示したり、開示性を非常に高めております。
嘉陽宗儀委員 学校現場で教職員が自己評価をする。それからPTAなども含めて外部評価もある。それでかなりノイローゼになる人が多いんですけれども、特に教育長、自己評価は教育長としてどのくらいですか。
仲宗根用英教育長 学校評価における自己評価というのは、自分で自分を評価するものではなくて、生徒指導、教育課程、進路指導という項目がいろいろあって、このものに教員が評価をしていくものを自己評価と言っているんです。それがトータルとなって学校評価ということになる仕組みとなっておりますので、自己評価に対して、自分に対する評価ではありませんよということでございます。
嘉陽宗儀委員 それでは改めて、各現場で今やられている中身をちょっと調べてから言ってくださいね。
 それで今、問題は、生徒たちは自分の居場所がない、おまえはディキランヌーだと言われている。学校の成績はこれだから、ここしかない。中学校の段階から、達成度テストでディキランヌーと言われて、本当に学校に行きたくない。実態としてこういうのがたくさんいるわけですよ。あんたはディキランヌーと言われたら、生徒は勇気を持って勉強に励むと思いますか、どうですか、教育長。
仲宗根用英教育長 先ほど来、嘉陽委員の学力対策というのは、こういうのが実態なんだよというようなことを聞かされたときに、我々のねらいとしていた学力対策が、こういう状況だったら大変だなと、そういう状況では困るという思いを強くいたしましたし、そういったところの弊害の中で、今、ディキランヌーというような状況の生徒がもしいるならば、これはゆゆしき問題ですので、そういうようなことにならないような学校教育でなければいけませんので、学校は楽しいところ、いろいろなところを学び、そしてみずからが自己成長するところ。この先生がいるから自分もあの学校に行くんだ。朝この学校に来て帰るときに、きょう1日何とか自分が成長したような気がするというような学校づくりをぜひしてもらう方向で、いろいろと本県教育に精を出して努めてまいりたいと思っております。
嘉陽宗儀委員 何となく質疑ができなくなってしまった。教育というのは、沖縄県の行政の中で一番難しい分野ですよ。どういう生徒を目指すかという、ここでも立場が全然違います。今私が一番痛感しているのは、子供たちが学校でディキヤーとディキランヌーに振り分けられて、そうすると、おまえの将来はこれしかないよと、夢が持てない。自分の人生、将来仕事もない、夢も持てない。夢があれば学業に励んで、こういう人間になりたいというので力も出るけれども、夢がないから深夜徘回。こういうことになっているんじゃないですか。そういった意味で、本当に子供たちにどうすれば夢が与えられるのか、希望を持てるのか、将来設計まで持てるか。ここは教育の重要な点だと思うんですよね。教育長、どう思いますか。
仲宗根用英教育長 よくマザー・テレサが、病気や貧乏は薬や金で解決できるけれども、しかし、世の中であなたはこういう人間だと、役に立たないと言われたときほど人生において悲しいものはないと言っております。ですから、そういう状況のないような学校づくり、教育でなければいけないと考えております。
嘉陽宗儀委員 いみじくも教育長が決意した中身が、今、沖縄の教育には問われているんです。
 それと3番目、もう1つ、改めてやっぱり教育諸条件の整備をきちっと努めないといけない。ところで、今問題は、学校現場で病気休暇で休んだときに補充が来ないのではないかというのがいろいろとあると思うんですね。今、病気補充についてはどうなっていますか。
大嶺和男県立学校教育課長 病気休暇等で休む職員が出ました場合には、早速学校長から補充の申請がまいります。私たちは、そういった状況につきましては、申請が出次第、すぐ速やかに対処しております。
嘉陽宗儀委員 そうすると、今は病気休暇とか産前産後休暇とかというのは、即直ちにつける。前は臨時的任用基準というのがあって、1カ月以内はつけないとかというのがありましたけれども、これはもうなくなったんですな。
大嶺和男県立学校教育課長 補充教諭をつけるという場合につきましては、臨時的任用基準というのがございまして、それに基づいて補充を組んだりしております。病気休暇の補充の場合につきましては、その病気休暇が30日以上の場合に補充をつけるという基準になっております。
嘉陽宗儀委員 ちょっと待ってよ、今、直ちにつけていると言ったんじゃない。
大嶺和男県立学校教育課長 30日以上の病気休職ということで職員から申請が出まして、医師の診断書が添付されまして、学校長は30日経過以後につけるという意味ではなくて、前もって申請します。そういった申請が出た場合には、もう直ちにつけるようにする。ですから、基準に基づきまして所定の手続を経ましたものにつきましては、直ちに対応しているという意味であります。
嘉陽宗儀委員 学校現場が困らないように、それから、協議会の受任のあれこれを聞こうと思ったけれども、時間がありませんのでやめますけれども、教育長、これは議論しませんけれども、ぜひしっかり沖縄県の教育の問題点を洗って、沖縄県の子供た
ちのために頑張ってください。
新垣良俊副委員長 以上で教育長に対する質疑を
終結いたします。
 説明員の皆さん、御苦労さまでした。
 次回は、明 10月26日 木曜日 午前10時から委会を開きます。員会を開きます。
 本日の委員会は、これをもって散会いたします。
    午後5時57分散会
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