委員会記録・調査報告等

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子どもの未来応援特別委員会記録
 
平成30年 第 8定例会

2
 



開会の日時

年月日平成30年12月17日 曜日
開会午前 10 時 0
散会午後 0 時 29

場所


第2委員会室


議題


1 子どもの貧困問題並びにこれに関連する諸問題の調査及び対策の樹立(平成30年度沖縄県小中学生調査の中間報告について)
2 陳情平成28年第140号及び陳情第44号の6
3 閉会中継続審査・調査について


出席委員

委 員 長  仲 村 未 央 さん
副委員長  上 原 正 次 君
委  員  新 垣   新 君
委  員  又 吉 清 義 君
委  員  仲 田 弘 毅 君
委  員  亀 濱 玲 子 さん
委  員  比 嘉 京 子 さん
委  員  瑞慶覧   功 君
委  員  西 銘 純 恵 さん
委  員  嘉 陽 宗 儀 君
委  員  金 城 泰 邦 君


欠席委員

委  員  島 袋   大 君
委  員  次呂久 成 崇 君


説明のため出席した者の職・氏名

子ども生活福祉部長   大 城 玲 子 さん
福祉政策課長 金 城   賢 君
 子ども未来政策課長   喜舎場 健 太 君
 子育て支援課長   久 貝   仁 君
 商工労働部産業雇用統括監 伊 集 直 哉 君
 教育庁教育指導統括監 與那嶺 善 道 君
 教育庁教育支援課長   佐次田   薫 君
 教育庁義務教育課班長   天 願 直 光 君
 教育庁保健体育課長   平 良 朝 治 君



○仲村未央委員長 ただいまから、子どもの未来応援特別委員会を開会いたします。

 陳情平成28年第140号、陳情第44号の6、本委員会付議事件子どもの貧困問題並びにこれに関連する諸問題の調査及び対策の樹立に係る平成30年度沖縄県小中学生調査の中間報告について及び閉会中継続審査・調査についてを一括して議題といたします。

 本日の説明員として、子ども生活福祉部長、商工労働部長及び教育長の出席を求めております。

 まず、本委員会付議事件子どもの貧困問題並びにこれに関連する諸問題の調査及び対策の樹立に係る平成30年度沖縄県小中学生調査の中間報告についての審査を行います。

 ただいまの議題について、子ども生活福祉部子ども未来政策課長の説明を求めます。

 喜舎場健太子ども未来政策課長。


○喜舎場健太子ども未来政策課長 それでは、A4横の資料に基づき御説明いたします。

 平成30年度沖縄県小中学生調査中間報告の2ページをごらんください。

 調査概要でございます。

 まず、記者会見を行った発表の趣旨でございます。本年度は、平成27年度に引き続き2回目となる小中学生調査を実施しており、単純集計を終え、3年間の施策推進による効果について、傾向を把握するとともに、本年度内に予定している沖縄県子どもの貧困対策計画の改定に反映するため、調査の中間の取りまとめを行ったことから、今回、その結果の一部を発表するものです。

 調査の目的でございます。沖縄県の子供たちを取り巻く家庭環境や経済状況が、子供や保護者の日常生活に及ぼす影響を把握し、子供や子育て家庭への支援策に役立てることを目的とする。

 調査票の種別ですが、保護者票につきましては、小学校1年生、小学校5年生、中学校2年生の保護者を対象としております。子供票としては、小学校5年生、中学校2年生を対象にして調査を行い、小学校1年生については、他県もそうですが、まだ学歴が低いということでアンケート調査は直接実施しておりません。

 調査実施日ですが、平成30年8月27日から9月14日までアンケート調査を記入していただいたところです。

 3ページをごらんください。

 調査の方法です。調査については、市町村や圏域ごとで均衡を図った上で、県内公立学校129校に調査票を送付し、学校を通して対象者に調査票を配付・回収していただき、各教育事務所を通じて受託者へ送付しております。今回は大阪府立大学が受託者となっております。米印にありますように、宜野湾市、久米島町においては独自の子供実態調査を行っている観点から、保護者の回答の負担を避けるため今回の調査対象から除いており、41市町村のうち39の市町村で今回調査を行ったところです。

 回収状況についてはごらんのとおりですが、計のところ、子供票については配付枚数6038件、有効回収数が4386件、有効回収率が72.6%。保護者票につきましては9054件、有効回収数6745件、有効回収率74.5%ということで、前回の調査よりも回収数をふやして精度を高めた調査としております。

 次に、4ページをごらんください。

 タイトルに「子どもの貧困とは」とありますが、今回、記者会見の中で大阪府立大学山野則子教授から前提条件の確認をしたいということで作成していただいた資料です。内容を見ていただくとわかりますが、真ん中に大きい青い枠で物質資源の欠如が最重要な視点だということで、いわゆる困窮世帯の割合や所得の欠如が①です。次に、②ソーシャルキャピタルの欠如とは、つながりの欠如、近隣、友人との関係性が非常に不足しているといった視点です。③ヒューマンキャピタルの欠如とは、自分の能力を労働力に転換する能力が欠如している状態です。こういったものを複合的に見ることが重要であるということで、真ん中の赤いところが最も困難な状態を抱えていると。これを実態調査の中で把握していくことが今回の調査の前提となっております。

 5ページをごらんください。

 調査概要①として、保護者票、子供の学年については、小学校1年生、小学校5年生、中学校2年生でほぼバランスよく回収が行われたところです。子供票については、小学校5年生と中学校2年生ということで、割合が51.6%と48.4%という内容です。

 6ページをごらんください。

 調査概要②として、回答をいただいた保護者の続柄を記載しております。全体6745件のうち87.8%はお母さんで、圧倒的にお母さんの記入が多かったということです。

 7ページをごらんください。

 保護者票をもとにした世帯の類型です。一番上の全体をごらんください。81.5%は二親世帯、続いて母子世帯が15.1%、父子世帯が2.0%、その他、不明世帯が1.4%ということで、学年を追うごとに母子世帯が増加しており、中学校2年生では18.5%となっております。

 8ページをごらんください。

 調査概要④として、保護者票の中から世帯の手取り収入を聞き取り、その割合を記載しております。見方としては、表が2つありますが、左側の全体をごらんください。例えば、世帯の収入がゼロと記入した者として、上の0.9%は前回の平成27年度の調査です。今回の調査が下の黒い棒で0.6%ということなので、前回と比べると0.3ポイント減少しているという見方になります。同様に、1万円以上50万円未満の世帯収入と記載した方が1.6%から1.2%という形で、赤い枠で囲んでいる300万円未満までの低所得層では割合が低下しているところです。それを記載したのが下の文章です。最も割合が高いのは300万円から400万円未満です。また、平成27年度調査と比較すると、300万円未満を合計した割合は全体で38.4%から31.3%に減少しており、小学校1年生では36.9%から29.4%に減少していることが把握されております。

 9ページをごらんください。

 等価可処分所得ということで、1人当たりで試算した数値ですが、左側が平成30年度調査、右側が平成27年度調査となっております。平成30年度をごらんいただくと、全体で25.0%は122万円未満のいわゆる困窮層に当たる割合です。右側の前回調査をごらんいただくと、全体の29.9%ということで、2つを比較すると4.9%減少していることになります。下の文書にありますように、等価可処分所得―手取りを算出し、122万円未満の世帯を困窮層、それ以外を非困窮層とする割合が示されたということを記載しております。

 10ページをごらんください。

 ここからは制度として、幾つか重要な施策を取り上げております。保護者表をもとにした就学援助制度の利用の有無です。左側が平成30年度調査、右側が平成27年度調査となっております。見方としましては、小学校1年生の困窮層で就学援助制度を利用している割合が平成30年度調査では49.8%、一方、前回調査では34.4%ということでしたので、今年度調査では利用者が大きくふえているという内容となっております。

 11ページをごらんください。

 就学援助制度の認知経路として、利用者が就学援助制度をどういう形で知ったかという調査です。今年度、新規の調査項目として入れたところですが、例えば、小学校1年生をごらんください。上が困窮層、下が非困窮層の比較ですが、いずれも認知経路として圧倒的に多いのは学校からの通知となっております。ただ、特徴的なのは、小学校1年生のテレビやラジオのCMという割合が困窮層では25.9%、非困窮層でも33.1%ということで、ほかの学年よりテレビやラジオを聞いて知った世帯が多かったというところです。

 12ページをごらんください。

 就学援助を利用していない理由として、利用していない方に聞いた質問です。下のリード文に、困窮層では、非困窮層に比べて手続の仕方がわからなかったため申請しなかった、申請したが認定されなかったためという割合が高くなっていると記載しておりますが、ここでは次の13ページとの比較をしていただきたいと思います。12ページの小学校5年生の困窮層のところに、赤い丸で6.3%と記載しています。これは今回、就学援助制度を知らなかったという回答でございます。13ページは平成27年度の調査でありまして、同様に就学援助を知らなかったという回答が19.8%ということで、これについては大きく減少していることから、認知が広がっていると考えているところです。

 14ページをごらんください。

 もう一つの調査項目、自己肯定感です。小学校5年生に自己肯定感をお聞きし、今回は、そう思わないという回答を抽出したものです。左側の平成30年度調査をごらんください。例えば、一番上の頑張れば報われるというものに対して、この結果はそう思わないという回答を抜き出しております。上の困窮層では3.6%、下の非困窮層では4.4%ということで、困窮層と非困窮層では有意差はないと言われております。これを右に移していただきますと、平成27年度の前回調査では、頑張れば報われるという項目に対してそう思わないという回答が困窮層では8.2%、非困窮層では3.7%ということで、前回調査では有意な差があり、困窮層ではよりそう思わないという割合が多いとされましたが、今回の調査では差がなくなってきていると。また、全体的にそう思わないという割合が減ってきているということで、以下の項目についてもほとんどで減少している、または有意な差がないということが把握されております。

 15ページをごらんください。

 一方、中学校2年生については、例えば、頑張れば報われるという項目で、困窮層では今回調査の12.3%に対して前回調査が8.5%ということで、数値的には少しふえているところです。同じように非困窮層も今回9.4%、前回3.6%なので、そういう意味では、中学校2年生では前回調査より少し数字が悪くなっているところです。

 16ページをごらんください。

 子育て支援の利用状況ということで、今回、新規に調査をした内容として、放課後児童クラブ―学童の利用状況です。子どもの未来応援特別委員会の委員の皆様には南原小学校の隣にある学童クラブを見ていただきましたが、その利用などと思っていただければと思います。小学生の保護者に聞いております。全体で利用している割合が25.2%、赤い枠の小学校1年生で利用している困窮層が32.1%、非困窮層が46.9%ということで、困窮層のほうが利用が少ないと言われています。小学校5年生においては、御存じのように学童の利用は低学年に集中しておりますので、サンプルが少なく、回答はいただきましたが、参考程度に見ていくということで、主に小学校1年生を見ていきたいと思います。

 17ページをごらんください。

 これも新規の質問で、放課後児童クラブの1カ月当たりの利用料を利用者にお聞きしました。全体に赤い枠で書いていますが、下の文章にありますように、全体では1万円から1万2000円未満の割合が31.2%と最も高く、次いで1万2000円以上1万4000円未満の割合が17.7%となっていたということで、利用料が把握されております。

 18ページをごらんください。

 利用料に対する負担感を利用している方々に聞いております。小学校1年生の困窮層をごらんください。31.8%は利用料がとても負担に感じているという回答で、31.2%は少し負担に感じているというものであります。下の文章をごらんください。利用料に対する負担感を見ると、いずれの学年もとても負担に感じていると回答した割合が困窮層では約30%を占めています。また、小学校1年生では、困窮層、非困窮層ともにとても負担に感じている、少し負担に感じていると回答した割合が6割を超えているところです。

 19ページをごらんください。

 放課後児童クラブを利用しない理由を利用していない方にお聞きしたものです。左側の小学校1年生をごらんください。最も大きいのは、子供の面倒を見る大人がいるので必要ないという回答ですが、その下の利用したかったが利用料が高くて諦めたという割合が、困窮層が28.6%、非困窮層は13.4%ということで、これについては有意な差があると言われております。さらに、塾や習い事などをさせているからという割合は、非困窮層では24%ですが、困窮層では8.6%ということで、これも有意な差が出てきたというところです。

 最後に、20ページをごらんください。

 子育て支援の利用状況の中で、利用したかったが利用料が高くて諦めたと回答した人に、利用料が幾らだったらいいのかという質問を投げかけたところです。下の文章をごらんください。利用したかったが利用料が高く諦めたという保護者に利用できる金額を尋ねたところ、困窮層ではいずれの学年も2000円未満とする割合が最も高く、全体でも6000円未満と答えた割合は87.3%となっているというものです。ちなみに、このアンケートを書いていただく際に、参考として沖縄県の月額平均利用料9199円を明示した上で回答をいただいたところです。

 以上、中間報告の内容を御説明しましたが、これについては今年度内の調査なので、3月に集計をし、公表は4月以降を想定していますが、大阪の調査などと比較しながら、この後、より細かい分析をかけてしっかり施策に反映していきたいと思っております。

 説明は以上です。


○仲村未央委員長 子ども未来政策課長の説明は終わりました。
 これより、平成30年度沖縄県小中学生調査の中間報告についての質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないよう簡潔にお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 新垣新委員。

○新垣新委員 放課後児童クラブの件ですが、これはお父さん、お母さんの所得によって変わりますよね。今、平均が9199円で、2000円未満のほうがいいという回答があったとお聞きしたのですが、これは具体的に母子家庭、父子家庭の方の回答が多かったのでしょうか。

○喜舎場健太子ども未来政策課長 恐縮ですが、中間報告では世帯ごとの結果は得られておりません。この後、最終的な調査報告でその視点も少し分析したいと思いますが、現在、まだ分析ができていないところです。

○久貝仁子育て支援課長 世帯の収入によって料金が違うのではないかということですが、保育園の場合は世帯の収入に応じて利用料金が変わりますが、放課後児童クラブについては、こういった条件はなくて、一律の金額になっております。

○新垣新委員 理解しました。二親世帯、母子世帯、父子世帯については、全国で沖縄県の位置づけはどういう形になっていますか。たしか離婚率は沖縄県が高く、生活保護率は大阪府が一番高いと。そういった統計はどのように分析していますか。

○喜舎場健太子ども未来政策課長 ひとり親世帯の割合ですが、約5.4%だったと思います。全国が2%台なので、ひとり親世帯の割合も全国の2倍以上と言われております。今回の調査結果でも、7ページに記載していますように、全体で母子家庭が15.1%ということで高い数字になっております。

○新垣新委員 答弁になっていません。生活保護なども分析した結果、どう見ていますかと。大阪府は全国で1位の生活保護率ですが、沖縄県も10位以内に入ります。そこをどう見ていますか。連動しているのではないかということも聞いているつもりなのです。

○喜舎場健太子ども未来政策課長 今、手元にある資料では、保護率は平成26年度で全国が1.71%、沖縄県が2.40%で全国5位ということなので、やはり沖縄県は生活保護率は高い状況であると考えております。

○新垣新委員 その数字はわかっています。それをどう分析していますかということです。連動しますよね。その連動する中で、どういうケアと対策を打ってきたかということを聞いているのです。

○久貝仁子育て支援課長 先ほど利用料金は一律と申しましたが、利用者によっては困窮世帯もあるということで、今、子どもの貧困対策基金を活用して、市町村において生活保護世帯やひとり親世帯などの方々に個別に利用料の軽減をしております。現在、19市町村が行っております。例えば、那覇市では低所得世帯の児童については上限5000円、宜野湾市は3000円、浦添市は5000円と。また、宮古島市ではネグレクト、通報ケースなど、深刻な場合については全額免除であるとか、金武町の場合は保育料全額免除という形で、市町村によって対応は違いますが、それぞれ困窮世帯に応じて利用料の軽減を行っているところでございます。

○新垣新委員 平成30年度の中間報告でわかる範囲内でいいのですが、子供たちのクラブにおいて、例えば、サッカーのスパイクや野球のグローブなど、そういった支援を活用した実績はわかりますか。

○喜舎場健太子ども未来政策課長 今回は、御説明した範囲ですが、別途調査票の中にクラブの活動利用状況を聞いております。まだ集計が間に合っておりませんが、これを見ると困窮世帯と非困窮世帯がどのように違うかということがわかってくると思いますので、しっかり御説明していきたいと思っております。

○新垣新委員 4月ぐらいに公表ができるとお聞きしたので―まだ認知、周知されていない部分があるので、学校から親に教えることも大事ですが、少年野球クラブやバスケットクラブ等まで市町村と連携して、市町村からそういうものの活用もあるという形で非行の防止。また、非行が防止されると負のスパイラルもとめられると。そういうクラブ活動は子供たちと心のコミュニケーションができますので、再度市町村と連携して周知徹底をお願いしたいのですが、そこら辺の対策はどうなっていますか。

○喜舎場健太子ども未来政策課長 まさに委員のおっしゃるように、恐らく子供たちのクラブ活動などの活動が困窮層では少ないというデータが出てくるだろうと思っております。残念ながら、今すぐこういう取り組みはないのですが、まず1つやれることとしては、青少年の家で困窮層を中心にして体験活動の事業を教育委員会で始めさせていただいております。また、次年度に向けて、スポーツ少年団のようなところで困窮層に対してスパイクを貸与する形で何か事業ができないかということを検討しているところです。そういった学校を中心に、もしくはクラブ活動を中心にして困窮世帯の子供たちに何ができるかということを検討しているところなので、もう少しお時間をいただければ事業として芽が出てくるのではないかと思っております。

○新垣新委員 その努力もわかりますし、周知徹底、浸透させるには時間がかかって苦労もあることは理解しております。その中で、親が貧乏だからといって、中にはいじめになって、引きこもりになって、非行の始まりになっていくと。そういう負のスパイラルには、クラブ等をさせることが大事だと思っているのです。そうすることによって友達ができて学校が好きになりますので、ここが一番大事なポイントで、誰ひとり残さないという知事の公約の中で、これは誰が知事であろうとこれはしっかりやると。今、国からいただいている13億円をもっと使ってほしいのです。足りなければ国に要請すべきです。もっと国からお金をとってきてもいいと思っています。ですから、誰ひとり残さないように市町村と連携してクラブ活動等まで広げてほしいのです。そういった問題提起をして、連携を図る意欲はありますか。糸満市だけではなく、他の市町村も調べて物を言っているのです。やる気はありますかということです。

○喜舎場健太子ども未来政策課長 まさに今、内閣府の支援を受けた緊急対策事業を来年度増額要求している中で、新規事業として、居場所を中心にした体験型の事業ができるようなメニューもふやそうということで、今月、最終確定をしますが、そういった体験を強化していく事業も折り込んでいるところです。

○新垣新委員 全然かみ合っていません。私は一般の子供たちと同じ目線で言っているのです。こういった体験型にも、親が貧乏だから来ないのです。身近なものから行くのです。体験型といいますが、これでは引きこもっている子供たちは出てきません。ですから、市町村に主体を置いて、しっかり市町村と連携をとって施策を打ってほしいのです。お金はいっぱい余っているでしょう。

○大城玲子子ども生活福祉部長 先ほどから御説明申し上げておりますが、内閣府からも10億円の10分の10の事業をいただいて、これが1億円ずつふえて、来年度に向けては13億円を要求していただいているところです。これにつきましては、私どもも市町村とかなり連携をとって居場所もふえてまいりましたので、そういった取り組みは市町村と国も一緒に調整しているところです。先ほど子ども未来政策課長から話がありました体験というのは、居場所の中で、さらに外に向けて子供たちが出て行けるような事業も来年度は組み込みたいという意識でございますので、市町村と一緒に、教育委員会や国とも連携をとりながらしっかり取り組んでいきたいと考えております。

○新垣新委員 体験型はいいことだと評価しています。ただ、引きこもっている子供たちを出すためには、周りの友達やクラブ活動から始めないと解決に向かわないのです。心が引きこもっているのです。そこら辺の大事なことを沖縄県と教育委員会が理解しないと改善できません。ですから、子供たちにグローブやスパイク、ボール、太鼓などを支援して、そこから心の自立をさせていくということが大事なので、ぜひそういった問題等に頑張っていただきたいと。目線をもっと落として、こういったクラブ活動の指導者からも周知徹底をして、みんなでスポーツをしようという感じから進めない限り解決できませんので、強く申し上げて質疑を終わります。

○仲村未央委員長 ほかに質疑はありませんか。

 金城泰邦委員。

○金城泰邦委員 資料の12ページ、13ページに就学援助制度を利用していない理由が書いてありますが、平成30年度も平成27年度も、困窮層と言われる所得層の中で、申請したが申請要件を満たしていなかったため利用していないという方が2割近く存在するのですが、困窮層で要件を満たしていない方が2割いるということを皆さんとしてはどのように分析していますか。

○喜舎場健太子ども未来政策課長 どのように分析しているかということですが、まだ学識経験者ももう少し時間をかけないと細かいものが見えてこないということで、今の質疑も含めて、最終報告の中で学識経験者の考察も入れて分析していきたいと思っております。ただ、困窮している層は就学援助が必要だという認識に立つべきだと考えておりますので、今以上に教育委員会と連携して、これをしっかり使っていただくという取り組みをしていきたいと考えております。

○金城泰邦委員 前も言いましたが、県の施策として就学援助制度を周知して使ってもらうようにしていると言われますが、市町村ごとにどういう条件があるのかなど、その就学援助制度自体がどのように使われているかを掘り下げていかないといけないと思っているのです。この中を見ても、困窮層の中で2割近くが受けたいという意思を持っていても満たしていなくてできていなかったという部分は、皆さんとしては具体的に手を打って、分析をして、より受けられるようにするというところまで持っていっていただきたいと思うのですが、どうでしょうか。

○佐次田薫教育支援課長 困窮層で認定されていないケースについては、平成28年度から基金を活用して、市町村において認定基準の緩和等を行っているところです。通常でやっていた部分を基金を活用して枠を広げていくということで、認定する家庭対象を広げていこうという取り組みもしていますので、今回の結果等も踏まえて、また最終報告が出たら各市町村に周知していきたいと考えております。

○金城泰邦委員 就学援助制度が市町村でどれだけ申し込みされていて、どれだけが利用されていて、どれだけが利用できなくて、その理由がこうだったというところまで現状は分析できていないということになっているのですか。

○佐次田薫教育支援課長 市町村ごとの利用率については、文部科学省が調査しておりまして、これについては平成27年度が公表されていますが、これから平成28年度についても公表されていくと思いますので、各地域の利用率も見ながら中身についても把握していきたいと思っております。

○金城泰邦委員 今のやりとりを聞きますと、市町村と国の連携はあるようですが、県がそこに入ってどのように分析しているのかが全く見えてきていませんので、県として市町村とのかかわり方がもう少しわかるような状況にしてほしいと思います。これまでも就学援助制度については、中身、実態を皆さんも把握してほしいと要望しております。それはきちんとやっていただかないといけないと思っています。

○佐次田薫教育支援課長 県教育委員会では、市町村の就学援助制度の担当者会議を毎年開いていまして、その中で優良事例なども紹介して、行っていない市町村には促すようなこともしています。また、各市町村の状況など、文部科学省が公表したものを各市町村に配っていますので、これについてまた各市町村に対応していただくということで、毎年、周知を図っているところでございます。

○金城泰邦委員 そうであるならば、皆さんのデータから困窮世帯で受けたいが受けられない方も2割弱いるという状況をぜひ分析して、また後日にでも公表できればしていただきたいと思います。これは要望として伝えておきます。

○仲村未央委員長 ほかに質疑はありませんか。

 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 最初に、小学校1年生、5年生、中学校2年生で2回目の調査を行ったと。調査をすると判断された理由と、現時点で調査の中間報告について部長の見解をいただきたいと思います。

○喜舎場健太子ども未来政策課長 2回目の調査となることにつきましては、沖縄県の計画の中にしっかり実態を把握していくということが盛り込まれていますので、定期調査といいますが、1回だけの調査ではなく継続して生活実態を追っていくというところを最重要視して、計画に基づいて行ったという認識でございます。

○大城玲子子ども生活福祉部長 調査に関しましては子ども未来政策課長が答弁したとおりですが、この調査を踏まえまして、これまでも学習施策に生かしてきたところではございますが、今回、計画が2年を経て見直しの時期にございますので、2巡目となる小中学生調査を計画にどう盛り込んで見直しをしていくかという視点で、中間発表という形で今回させていただいたところでございます。

○西銘純恵委員 8ページ、9ページですが、3年前の調査よりも収入が改善していると。1年生でも7ポイント世帯収入がよくなっているという結果や、9ページでも前回29.9%の困窮率が今回は25%ということが見られると思います。それについては雇用問題だと思うのですが、この調査結果を受けて、実態はどのような改善があったのかということはつかんでいますか。

○喜舎場健太子ども未来政策課長 あくまでも中間ということで、なぜ29.9%が25%に改善したかということについては学識経験者も即答しかねるということなので、もう少し詳細な分析が必要ですが、推察されることとしては県内の景気の浮揚などがあるのではないかというところです。完全失業率、有効求人倍率等が改善してきておりますので、そういったものが影響しているのではないかと。もう少し引いて見ますと、沖縄県では総合的な振興対策が功を奏しているという考え方もいただいているところですが、これについてはもう少しお時間をいただいて分析をしていきたいと思っているところです。

○仲村未央委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、委員長から執行部に対し商工労働部の雇用関係の担当者も出席するよう調整していただきたいとの要望があった。)

○仲村未央委員長 再開いたします。

 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 委員長が要望してくれて、私も担当がいると思って質疑しましたので、次に移ります。

 就学援助制度についてですが、30億円の基金事業として、就学援助の支援と学童クラブの利用料の支援ということで、皆さんがやっている効果が一定程度の改善としてあらわれてきていることが見えて、施策としてよかったと思っています。ただ、まだ知らないというところが多いですし、学校からの通知でも8割ということなので、今後、教育との関係でも100%周知できるような取り組みをどうするのかというところがあるかと。それから、この結果を見るとテレビやラジオのCMもとても効果があると感じています。ただ、知人からの紹介が小学校1年生でも25%と大きいので、例えば、母子やひとり親の何らかのつながりも知っていくという大事な場面になっていると思います。そこら辺は母子会とのかかわりが出てくると思うのですが、周知について、もう一度お願いします。

○與那嶺善道教育指導統括監 委員からあったように、沖縄県子どもの貧困対策計画における指標にもなっております就学援助制度を知らなかったという方が、小学校5年生で平成27年度は約20%もいたのですが、平成30年度は6.3%と激減しております。これは基金を活用した広報事業や、各学校からの通知、周知を徹底してほしいということで教育委員会は進めております。広報事業に関しては、各学年ともテレビやラジオのCMが、特に1年生の場合はかなり高い割合で出ております。今後とも、知らなかったという方がゼロになるように周知徹底を進めていきたいと考えております。

○西銘純恵委員 就学援助を受給しても入学準備金の借り入れをしている状況があるということで、入学準備金を前倒しで入学前の2月、3月に支給するところは、次年度、とても進んでいると思っているのですが、いかがですか。

○佐次田薫教育支援課長 入学前に支給する新入学用品等の新入学児童学用品費については、平成29年度まではしていなかったのですが、平成30年度から16市町村が実施しているところでございます。また、9月の研修会等でも周知を呼びかけたところ、さらに9市町村が平成31年度入学者分から入学前支給を予定しているということなので、これについても拡充している状況でございます。

○西銘純恵委員 41市町村ありますので、全ての市町村が入学準備金についてきちんと支給できるという立場で、それも大きな県の姿勢で前進できると思いますので、取り組んでいただきたいと思います。

 次に、学童クラブの件ですが、学童クラブの利用料で公費負担がないということについて説明をお願いできますか。先ほど国からの利用料の話がありましたが、これについては学童クラブも国が法整備ということでやっていると思います。ただ、利用料に補助がないということは確かに負担が大きいと思うのですが、利用料の公費補助について何か国の動きはありますか。また、要望などは全国から出ていますか。

○久貝仁子育て支援課長 放課後児童クラブの運営費等については、放課後健全育成事業がございます。職員の処遇改善等については国から支出がございます。利用料については、確かに保育所のように公定価格のような制度はございませんが、知事会では小1の壁をなくして切れ目なく子育て家庭を支援するようにということで、利用料の無償化等を国に提言しております。

本県でも、県内の利用料金が高いのは民設民営が多く家賃や送迎費などが利用料に上乗せされているということもあり、運営費そのものを軽減するようにということで、子ども生活福祉部長も7月に国に行って要望等をしているところでございます。

○西銘純恵委員 県の基金を出して利用料の負担軽減ということでやっていますが、それに応えて41市町村で利用料―先ほど3カ所ぐらいしか言われていなかったのですが、この基金を41市町村が今活用していない理由な何なのでしょうか。

○久貝仁子育て支援課長 先ほど基金を使って、特に困窮世帯に対して利用料の軽減を図っているという3市の例を挙げましたが、実際には19市町村がやっています。放課後児童クラブのない市町村もございますので全市町村という形ではないと思いますが、担当課としても今回の調査結果についてはきちんと周知を図りたいと。特に小学校1年生では、利用していると回答した割合が困窮世帯のほうが低いとか、利用したかったが利用料が高くて諦めたなど、そういった声は我々も市町村に対して通知をして、周知をさせたいと思っています。

○西銘純恵委員 それから、子供を2人、3人学童クラブに入れている家庭もあるわけです。例えば、2人目は半額とか、3人目はゼロにするとか、そこら辺もネックになってくるということもありますし、市町村が利用料補助をしても5000円はまだ高いと。困窮層では2000円未満にしてほしいという割合が高いので、その子たちが放課後同じように学童クラブに行けるようにするために、これから皆さんが新たな手だてを考えていくと思うのですが、保育料の低減のための支援についてはどう考えていますか。

○久貝仁子育て支援課長 2000円未満の希望が多いということで、大変厳しい数字だと思います。全国的にも2000円未満はたしか数%だったと思いますが、利用者としてはできるだけ低額な金額でということだと思います。確かに、放課後児童クラブだけではこれに対応できない部分がありまして、例えば、児童センターは無料で18歳まで使えますので、こういったものを活用しながら何とか子供の居場所を確保していくように市町村とも連携してまいります。

○西銘純恵委員 全国の学童の利用料の平均は幾らですか。

○久貝仁子育て支援課長 きちんとした平均額はないのですが、全国では8000円以下の割合が82.8%、沖縄県では45.9%ということで、この辺は差があります。ただ、県としては公的施設を活用した沖縄県放課後児童クラブ支援事業も進めております。これは学校の敷地内にクラブをつくって、子供の安心、安全だけではなく利用料の軽減も図る事業です。こういったことを展開しながら、利用料の軽減を図っていきたいと考えています。

○西銘純恵委員 公設公営の全国の学童クラブでは3000円、4000円が当たり前ということをずっと聞いていて、そういう運動をしてきたつもりです。今、8000円未満が82%と言われていますが、沖縄県の利用料は1万2000円などと高いということもあるし、子供たちが同じく行けるように、我が委員会で審議しているような子供の未来をきちんと保障するという立場であれば、要求する2000円未満―そこまではということであれば、4000円、3000円まで頑張ろうという議論が必要になってくると思いますが、いかがでしょうか。

○久貝仁子育て支援課長 全国と比較して公的施設の割合が沖縄県は低いと。全国では85%が公的施設になっていますが、沖縄県は37.2%ということで民設民営が多い。委員からも提言があったように、特に困窮世帯に対してはまだまだ利用料は高いと実感しています。いろいろな基金を使って支援、もしくは賃借料を払っているクラブに対する賃借料の補助など、市町村と連携して利用料の低減に努めていきたいと思います。

○仲村未央委員長 ほかに質疑はありませんか。

 比嘉京子委員。

○比嘉京子委員 まず、就学援助制度についてですが、市町村によって基準が違うのか、県が大きな基準を示した上で市町村がそれを拡大するようにしているのか、そのことが市町村によって差があるのかどうか、そこら辺がよく見えないので、質疑をさせていただきたいと思います。

○佐次田薫教育支援課長 就学援助制度は市町村事業ということで、三位一体改革のときに交付税化されて、準要保護については各市町村の実情に応じて行っているところでございます。

○比嘉京子委員 認定されなかったところについて少しお聞きしたいのですが、本人たちは該当すると思って申請するが、市町村の基準に合わないという理解でよろしいですか。

○佐次田薫教育支援課長 これまで事業自体が周知されていないということもございまして、利用しない方が多かった状況です。今は周知が図られてきて、この制度の基準を把握していなくてもまずは申請してみようという世帯がかなりふえてきていると思いますので、そういう方が認定されなかったケースもあると思います。ほかにもあるとは思いますが、今回の中間報告ではそういう具体的な事例までは聞いていませんので、ただ、周知されてきたことによって申請がかなりふえてきたということも一因かと思っています。

○比嘉京子委員 資料の9ページの枠から見ると、結局、市町村によって支出する限度額があるのか、それとも、県が一律に122万円未満を対象とするならば、その人たちはどの市町村でも申請すれば受けられると認識していいのですか。この枠の中で、申請して認められないのはどういう部分の人なのかと。

○喜舎場健太子ども未来政策課長 今回、25%は困窮しているということですが、これは本人たちのアンケートをもとにしておりまして、困窮層として122万円未満ということに整理をされております。一方で、就学援助制度は全く別の制度で、生活保護世帯や、それに準ずる世帯が市町村の定める非課税世帯などの要件に照らして利用すると。要するに今回の調査が、恐らくほぼ入るのですが、厳密に比較がしづらいというところです。ただ、我々としては、今回の調査で困窮層は当然利用していくべき世帯だという認識は持っているところです。

○比嘉京子委員 まだ理解ができていないのですが、困窮層では申請しても認められないと書いてあるので引っかかりを持ってしまっているのです。今、就学援助制度は生活保護世帯云々とは別個だというお話があったのですが、例えば、全県で凹凸なくというか、公平に困窮層の人は申請したら就学援助制度は受けられるのですか。

○佐次田薫教育支援課長 12ページを見ていただきたいのですが、困窮層でもいずれの学年も就学援助制度を必要としていないためという家庭はございます。それから、今言っているような方もおります。今回、調査している中にはさまざまな状態で困窮層に―例えば、従来の就学援助の非課税世帯だけが入っているだけではなく、今回の困窮層にはそれも含めて広範囲で入っているかと。必要としない家庭もあることから見ると、全くイコールではないと思っております。ただ、今回は中間報告なので、最終報告等が出れば、申請しなかった理由として手続が不便だったのか、申請に行く時間がなかったのかなど、こういうことも調べた中で検討していきたいと思っております。

○仲村未央委員長 休憩いたします。

  (休憩中に、比嘉委員から質疑内容について補足説明があった。)

○仲村未央委員長 再開いたします。

 佐次田薫教育支援課長。

○佐次田薫教育支援課長 就学援助制度については各市町村の事業となっておりますので、認定基準自体が各市町村によって違っております。ですから、一方の市町村では申請したら認定されるかもしれませんが、引っ越しなどでほかの市町村に行った場合にはそこの基準がございますので、その中で認定されないというケースもございます。これは市町村事業なので、就学援助制度については各市町村が独自に自分たちの基準を持っているということでございます。

○比嘉京子委員 県としては放置はできない、看過できないのではないかと思うのですが、どこの市町村に住んでいようと困窮層の子供たちが就学援助制度を受けられるようにするために、県はどのような施策を考えておられるのですか。

○佐次田薫教育支援課長 全市町村でも生活保護世帯であれば確実にもらえるという制度でございます。加えて、平成28年度から子どもの貧困対策推進基金を活用して、この認定基準を緩和している市町村もございますので、そういうところを研修会などでも周知しております。この基金を活用して認定基準を緩和していくようにということで、県としては周知活動をしているところでございます。

○比嘉京子委員 それぞれの市町村で認定基準を拡大する割合も違うとなると、公平性という点からも問題があると思うのです。ですから、県としては拡大の枠の基準について示すことが必要ではないかと思うのですが、いかがですか。

○佐次田薫教育支援課長 要保護の場合は、国の基準がございます。県としては、準要保護についても要保護の基準に合わせてやっていただくようにということで、周知をしているところでございます。

○比嘉京子委員 ぜひ市町村に凹凸がないように、機会の均等をお願いしたいと思います。

 次に、14ページ、15ページの自己肯定感についてです。今回新たに追加された、自分に自信がある、自分の考えをはっきり相手に伝えることができる、大人は信用できるという3つの点で、小学生では差がないとみなされているようですが、中学2年生では有意差があると。そのことについての認識をお伺いしたいと思います。

○喜舎場健太子ども未来政策課長 今回、小学校5年生と中学校2年生の自己肯定感が出てきました。貧困対策を担当している課長としては、ここはなかなかすぐには改善は難しいのではないかと思っていましたが、小学校5年生では一定程度の改善が見られました。ただ、委員の御発言のように、中学校2年生については数値が悪くなっています。学識経験者と短い時間で意見交換をしている中ですぐに要因は上がってこないところでしたが、これについては非常に重く受けとめております。この数値を前にして、貧困対策はどうしても息の長い対策になると感じましたので、中学生に対する教育と福祉の連携がもっと必要だと考えているところです。

○比嘉京子委員 対策についても、今の御答弁のように理解していいですか。

○喜舎場健太子ども未来政策課長 対策については、当然着手をさせていただいております。具体的には学校訪問ということで、教育委員会と私どもの職員が各学校に子供の貧困の理解と、外部に福祉の職員がいるという取り組みをさせていただいていることが1点。もう一点は、御存じのように緊急対策事業で子供貧困対策支援員という114名ほどの市町村採用の皆さんが、困窮している家庭としっかりつながっていろいろな支援をしていると。この緊急対策事業は全国にない取り組みということなので、もっと効果的になるようにしっかり取り組みをしていきたいと考えております。

○比嘉京子委員 すぐの対処も大事ですが、ここは立ちどまってどの時期に自己肯定感を育てるかということをもっと深く、エビデンスをもっと活用して、これまでたくさんのデータが出ていますので、自己肯定感をどこで育てるかということをしっかりと認識した上で行っていただきたい。そこを集中的にケアする、大事にするということをぜひお願いしたいと思いますが、いかがですか。

○與那嶺善道教育指導統括監 まず、小学校においてはかなり改善傾向が見られます。中学校においては若干自己肯定感で層に差があるのですが、先ほど子ども未来政策課長からもあったように、今回の調査は中間報告でございまして、詳細な分析がされているものではございません。例えば、自分は価値のある人間だと思うという項目では、平成27年度調査では小学校5年生で20.1%であり、それが今回は中学校2年生で14.2%と。同じ母集団ではそういうことが言えます。一方、自分は価値のある人間だと思うという類似項目として、全国学力・学習状況調査の質問紙に「自分はよいところがあると思いますか」という調査がございまして、そこで、「当てはまらない」と回答したのが5.3%と、かなり低い調査結果もございます。これは中学校3年生ではございますが、平成19年度調査時の12.8%と比べると改善しているという部分がございます。自己肯定感を育む取り組みということで、県教育委員会としては、国から平成29年6月に出された教育再生実行会議第十次提言にも自己肯定感の大切さがございます。子供たちがかけがえのない価値を認識しながら協同し、さまざまな分野に積極的に挑戦し、自分の可能性を高めることが必要であると。それは今般、改定された学習指導要領の趣旨にもございます。その理念を進めて自己肯定感を育むような取り組み、まずは授業改善です。子供たちが学校教育の中で多くを過ごすのは授業でありますので、授業の改善を行い、わかる授業をして達成感をしっかり育むことが大切であり、さらに体験学習等もさせて自己肯定感を育むような指導、または教育を推進していきたいと思います。

○比嘉京子委員 少し突っ込みますが、平成27年度調査の自分は価値のある人間だと思うという項目で、困窮層で価値があると言った人たちが、今、自分に自信があるということとどうリンクしていると御理解されていますか。

○天願直光義務教育課班長 自分は価値のある人間だと思うという項目につきましては、15ページに平成27年度調査と平成30年度調査がございますが、困窮層につきましては同様のデータという形になっております。ただ、14ページの平成27年度調査の小学校5年生の時点で、必ずしも集団は同じではございませんが、自分は価値のある人間だと思うという項目にそう思わないと答えた困窮層の割合が20.1%であったということでは、改善しているという見方もあるのではないかと認識しているところです。

○比嘉京子委員 学校教育で認知力はあると思いますが、自己肯定感は非認知能力なので、その自己肯定感という非認知能力をどこで育てるかということをしっかりと皆さんが把握して、その箇所を重点的に補強するということをぜひお願いしたいと思っています。

 最後に、学童クラブの問題について、先ほど8000円以下が82%という答弁があったのですが、そもそも本土の公設公営と沖縄県の学童クラブの成り立ちには大きな差があると思うのです。運営ももちろんですが、少なくとも困窮層の人に関してはまず無償化をすると。よく学童クラブでは、ここに来られている人たちは恵まれている人たちだと。遠巻きに見ている人たちがいるというお話を聞きます。いわゆる入りたくても入れない層の子供たち―私は、ここで一番大事にしなくてはいけないのは小学1年生だと思うのです。まずは小学1年生の困窮層の子供たちを優先的に無償化していくという手だてができないだろうかと思うのですが、いかがでしょうか。

○久貝仁子育て支援課長 今回の調査結果でも、利用したかったが利用料が高くて諦めたと。これは困窮層だけに限らず、全体的にそういう回答になっております。委員のおっしゃるとおり、特に困窮層については何らかの形で低減をする―先ほど基金を使った市町村の取り組みも紹介しましたが、全国的な流れとして、知事会においても無償化をしていただきたいということを要望しておりますので、県もどういった形でできるのか、今後も市町村と連携しながら、他の都道府県の対応も踏まえて検討していきたいと考えております。

○比嘉京子委員 子供たちは待ったなしです。いろいろなことをしている間にとても大事な時期が逸していきます。そのこともあって、まず何をしなければいけないかという優先課題から考えると、私は結論だけ申し上げたのですが、小学1年生で行きたくても行けない子供をどうカバーするかということが早急の課題ではないかと思っていますので、ぜひその実現をどうするかという議論をしていただきたいと思いますが、どうですか。

○大城玲子子ども生活福祉部長 今回の調査結果からもかなり厳しい状況が見えてまいりました。絶対数としての放課後児童クラブの数は、まだまだ足りないと考えております。県としましても、もちろん利用料の件もございますが、まずは数をふやさないといけないということで、公的施設を活用した施設をふやしていくということは最重要課題だと思っております。特に困窮層の部分については、基金を活用した事例等もございますので、まずはそこを拡充する方法を検討すべきではないかと。数の部分と利用料の低減の部分を、計画を見直すに当たってどうにか施策として組み入れていければと考えております。

○比嘉京子委員 来年、国は規制緩和を打ち出そうとしています。ですから、今、児童支援員が1教室2名以上配置が必要であったのを1人でも容認するということや、最低基準面積等についても緩和しようという動きがあると思うのです。そういうことにあっても、沖縄県がしっかりと大事な環境を守っていくという姿勢を全うしてほしいと思いますので、その点もぜひよろしくお願いいたします。

○仲村未央委員長 ほかに質疑はありませんか。

 仲田弘毅委員。

○仲田弘毅委員 まず、子ども生活福祉部長には感謝をしたいと思います。台風により中止された保育士試験が結果的には実施されたということに関して、うるま市の当該者からぜひお礼を言っていただきたいというお話がありました。

 代表質問で質問させていただいた中から、今回、いろいろな意見が出ましたが、その大まかな事業を実際に実施していく上で一番肝心な財源に関してです。子どもの貧困緊急対策事業等を含めて、国が次年度から見直しをしていくと。そのことに対して県はどういう対応、対策をとるかという質問をしましたら、きょうも子ども生活福祉部長から答弁がありましたが、事業に関しては12億円に1億円を上乗せして13億円にすると。これはあくまでも概算要求ですから、多分、今月の25日前後にしか正式には決定しないと思います。12億円から13億円になることが決定であれば構わないのですが、平成27年度まで継続事業になる事業が次年度から10割補助を見直していくという中で、実際に既存の事業は10分の9になるという答弁だったと思うのです。ですから、この事業が国からの補助事業として減額されていくということになると、今、我々がかんかんがくがく、こうしてもらいたい、ああしてもらいたいと言っても、予算がなければできる事業ではないと思います。新規事業に関しては、10分の10で従来どおりやりますという答弁だったのですが、額面どおり理解してよろしいでしょうか。

○喜舎場健太子ども未来政策課長 委員のおっしゃるとおり新規事業は10分の10ということで、内閣府も当初から市町村、県には説明しておりました。これについて市町村と一緒になって丁寧に聴取した結果、既存事業は10分の9ですが、新規事業については10分の10で多くのメニューをつくっていただいております。1週間後には確定していきますが、引き続き県としても満額確保できるよう頑張っていきたいと思います。

○仲田弘毅委員 これからの沖縄県の将来を担っていく子供たちのことですから、ぜひ体を張ってでも、教育予算、子育て予算については沖縄県の誇りと高い意識を持って頑張っていただきたいと思います。新規事業に関しては10分の10ということですが、新規事業として、具体的にはどのような事業を考えていらっしゃいますか。

○喜舎場健太子ども未来政策課長 1つは拠点型子供の居場所ということで、委員にも南風原町の認定NPO法人侍学園などが運営するキッズクラブ・カナカナを見ていただきましたが、ああいう手厚い支援、具体的にいいますと家庭が困窮に陥っていて、家庭の中では自立が難しい子供たちを夜の9時まで、夕食とお風呂まで提供するという形で、家庭を支援しながら、そのうち家庭が緩やかに改善していくということで非常に実績が出ております。これを内閣府で拠点型と命名して、来年は10カ所程度、県内に展開していこうということが一番大きな新規事業となっております。それ以外にも、小規模離島では人手不足などがありまして、子供の貧困対策で支援員や居場所の支援が難しいところでした。これについては、来年度の内閣府の新規事業ということで、県の事業と調整しておりますが、専門性の高い支援員がモデル的な小規模離島に頻繁に赴いて、個別に家庭を支援していくということを予定しているところです。

○仲田弘毅委員 今、我々の委員会で審議している中では、そういった子供たちや保護者も支援しながら、事業をどんどん拡大していくべきだという考えにもかかわらず、国が補助率を落としていくということは、我々からすると若干矛盾していると思うのです。ですから、我々自民党の勉強会の中でも閣僚の皆さんにもっと手厚くやっていただきたいという要請はしましたが、執行部の担当の皆さんがもっとじかにお願いをすべきだと考えていますので、部長を中心に頑張っていただきたいと思います。

 あと1件は、これは平敷教育長がおっしゃっていたのでお聞きしたいのですが、我々は今、貧困家庭の話をしているのですが、知事の公約の中では貧困云々の経済的なことは関係なく、中高生の通学バス料金を無償化するということをおっしゃったわけです。地域の皆さんにもそういった話が届いていまして、特に貧困家庭、生活保護家庭の中には高校もやっとこさ行っているという家庭もあるのです。これが地域の学校ではなく地域外の学校に通学しているので、大変朗報だということで喜ばれているのですが、中高生のバス通学無料化を含めて、県は給付金事業の中で実際にバス賃を支援している事例はありますか。

○與那嶺善道教育指導統括監 委員からありましたように、県教育委員会では低所得世帯の高校生に対して奨学のための給付金事業を行っております。それでは通学費を含めた教育費負担軽減の支援を行っております。また、今年度、児童扶養手当、または母子、父子家庭医療費助成受給世帯の高校生等を対象に、沖縄県ひとり親家庭高校生等通学サポート実証事業を知事部局において行っております。教育長も答弁したように、今後、当該事業の結果も踏まえながら中高生のバス通学の負担軽減の実現に向けて必要な調査等に着手していきたいと考えております。

○仲田弘毅委員 教育委員会で高校生を対象として援助しているということですが、この援助の対象になっている子供たちは何名ぐらいですか。

○佐次田薫教育支援課長 奨学のための給付金事業については、平成29年度の実績で全体の約29.63%ということで、1万2900人余りを対象に通学費を含めた教育費の負担軽減ということで行っております。

○仲田弘毅委員 これはあくまで低所得や生活保護世帯のひとり親家庭ということですよね。しかし、知事が我々にアピールしたのは、経済的な環境は関係なく、中高生でバス通学している子供たちは全て面倒を見るべきだと。それが現在、知事部局で考えていることだと我々は認識しているのですが、どうでしょうか。県教育委員会はこれを実際にやっているわけですよね。問題は知事部局のほうです。

○大城玲子子ども生活福祉部長 現在、知事部局で行っているのはあくまでもひとり親世帯の支援ということで、ひとり親世帯の高校生で一定所得以下のところに定期券の半額という形で、ことしから支援を始めたところでございます。

○仲田弘毅委員 これはまだ実施していませんよね。

○大城玲子子ども生活福祉部長 ことしの10月から始めております。

○仲田弘毅委員 知事が早急に、喫緊に中高生のバス通学は全て無料化すべきだとおっしゃることについて、今、実施調査をしているということですが、調査をして実施するには何年かかるのか、それとも、すぐに対応できるのか。

○佐次田薫教育支援課長 全員というお話でしたが、知事の公約には、家庭の経済環境にかかわらず子供たちが安心して学業に励むための支援が早急に必要なことから、中高生のバス通学無料化に取り組みますということがありまして、次の項目に、教育振興と国際交流の推進の中で子ども貧困対策として中高生のバス無料化に向けて取り組みますということなので、全員ということではないと―公約にはこう書かれているということです。

○仲田弘毅委員 知事部局も県教育委員会も一緒になってやるからには、もっと拡大して、今まで漏れていたところをフォローできる体制ができれば、その家庭の保護者、子供たちにとっても大いに前進していくことになります。100%ということは多分あり得ないと思いますが、ぜひその点をカバーできるように、間違いなく沖縄県の将来を担っていく子供たちですから、県はそれぐらいの努力をしてほしいという要望なので、よろしくお願いします。

○仲村未央委員長 ほかに質疑はありませんか。

 亀濱玲子委員。

○亀濱玲子委員 まず、12ページで先ほど来、金城委員、比嘉委員が質疑されておりますが、県が困窮層ではという主語にうたっているということと、申請したら認定されなかったためというところで聞きたいことが聞けていないと思うのです。制度の周知を図っていると当局は答えているのですが、41市町村が窓口ということであれば、41市町村でどういう違いがあって何が課題かを明確に調べて、これをクリアにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○佐次田薫教育支援課長 就学援助制度については、文部科学省が毎年調査をしておりまして、今、公表されているのは平成27年度です。平成28年度についてもこれから各市町村の状況が出ると思いますので、それも踏まえて担当者会議等で周知を図っていきたいと思っております。

○亀濱玲子委員 県の役割としては周知を図るということですが、この調査で何に課題があるかを判明し、生かしていくためには、申請を受け付けたが認定されなかった理由について各市町村で差があるのかどうかも含めて、その違いを調べていかないと課題は見えてこないと思うのです。周知は徹底したが、認定されていない人たちがずっと出続けてはいけないので、これについて何が課題なのかをクリアにしてほしいのです。これは調べていただければできることだと思うのですが、いかがですか。

○佐次田薫教育支援課長 市町村の基準が違うということで先ほどから答弁しておりますが、これについては県も課題意識がございまして、今、基金を活用して各市町村の実情に応じて拡充を図っているところでございます。それを県で取りまとめまして、担当者の説明会で状況を報告して、優良事例等も公表していますので、なるべく同じような基準でいいような形で仕上げるようにということで対応しているところでございます。

○亀濱玲子委員 これは質疑ではなく要望ですが、一覧表で各市町村の実態と、なぜこういうことかということがわかるようにするほうが次の施策にも生かしていけると思うので、ぜひ調査していただきたいと思います。

 続いて、15ページですが、自己肯定感が小学校ではよくなっていますが、中学生では、頑張れば報われる、あるいは自分の将来が楽しみだという項目でそうではないという数値が出てくるということについては、例えば、貧困という状態が続いていくこと、歳を重ねていくごとに自分の将来に対して希望が持てないということが見えてきているのか、中学生の中でそういうことを現実として受けとめてしまう状況が調査の中から見えるのかということを―中間報告ですから結論ということにはならないのですが、現段階で考察できることは何ですか。

○喜舎場健太子ども未来政策課長 例えば、中学2年生で自分に自信があるという新しい項目に関して、困窮層と非困窮層で有意な差があると言われています。これについて受託をしているのは大阪府立大学で、大阪調査という大規模な調査で同じ質問をしておりますので、大阪の子供たちと比べてどうかということは、最終報告できちんと比較していきたいと思っておりますので、今の質疑については、最終報告の中で大阪の子供とどういうところが違って、そこをさらに深めて原因は何かというところまで探れればと思っております。

○亀濱玲子委員 ぜひ比較していただきたいと思います。こうして困窮率が29.9%から25%まで改善してきてはいるのですが、中学生が自分の未来に夢を持てないという状況で沖縄の特徴として何が原因かということを探っていただきたいので、それは注視して調査していただきたいと思います。

 最後に、20ページの学童クラブの利用料ですが、ぜひ重点施策として取り組んで―はっきりと2000円未満にしてほしいという希望が出ているのですから、中間報告ではあるにしても、県に重点施策をつくる必要があるとまさに言っている調査内容だと私には映るのです。例えば、宮古島市では1万円や1万2000円はとんでもなくて、実は五、六千円なのですが、それでも学童クラブの周辺では学童クラブに行く子と行かない子が一緒に遊んでいて、おやつのときだけ来る子に指導員が帰ってとは言えない苦しさがあって、これこそまさに行政が分け隔てなく支援していかなければいけないと。来られない子こそ課題を抱えているのです。学童クラブに来られない子供たちにこそ、むしろ光を当てないといけないということは、特に地域に行けば行くほどです。友達は学童クラブに行っているが、遊びたいという理由で園庭に入って遊んでおやつを食べていくと。そこで、あなたたちはお金を払っていないから帰ってとはなかなか言えないということが現実にあったりするのです。宮古島市は支援をしている19市町村の中に入っているので安価ではあるのですが、このように考えると、やはり一律に県が目標を持って、例えば、2000円までこだわって政策としてやっていこうとか、公設公営が全国に比べてかなりの差があるということは沖縄の抱える課題として見えているわけですから、県としてここは重点施策として力を入れていくということが中間報告からも見えていると認識して事業に取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○大城玲子子ども生活福祉部長 委員のおっしゃるように、放課後児童クラブに関しまして、利用したい子たちがなかなか利用できないという状況は県としても非常に重く受けとめないといけないと思っております。今回の計画の改定に当たっても、施策としてできるだけそういう子たちが利用できるような事業を考えていきたいと思います。

○仲村未央委員長 先ほど西銘委員の質疑に対する答弁で、子育て支援課長から答弁を訂正したいとの申し出がありますので、発言を許可します。

 久貝仁子育て支援課長。

○久貝仁子育て支援課長 先ほど西銘委員から質疑のあった利用料の全国平均について、具体的な数字は持っていないが8000円以下の割合が全国平均は82.8%と答弁しましたが、72.8%に訂正させていただきます。もう一つ、基金を使った市町村の数を19と答弁いたしました。実際は19のうち基金を使った市町村は14で、残りの5市町村は市町村独自で利用料の軽減を図っているということで、訂正したいと思います。

○仲村未央委員長 ほかに質疑はありませんか。

 瑞慶覧功委員。

○瑞慶覧功委員 放課後児童クラブの支援事業について、利用料の低減を図る目的として公的施設を活用するというお話でしたが、全国では公設公営が多いわけですよね。全国と沖縄を比べるとどういう比率なのですか。

○久貝仁子育て支援課長 公設施設の割合ですが、全国は85%、沖縄県は37.2%となっております。

○瑞慶覧功委員 施設整備補助事業は平成24年度から平成33年度までの期間になっていると思いますが、実績はどうなっていますか。

○久貝仁子育て支援課長 事業の実績ですが、平成24年度から平成29年度までは18カ所を整備しました。当初は学校の中にクラブを設置することに対して市町村においても理解が難しいところがあったのですが、最近は実績がふえまして、平成30年度は22カ所の施設を整備しているところでございます。

○瑞慶覧功委員 この事業はこれからだと思うのです。これからやっと市町村も、そういうものが必要だとわかってくると思うのですが、これも平成33年度までと。今後、いろいろ検討していかれるとは思いますが、県の目標としては何カ所を設定しているのでしょうか。

○久貝仁子育て支援課長 具体的な数字は市町村の事業計画を見ながらでないと答えられませんが、この事業は学校の敷地内だけではなく、空き教室や児童館、公民館なども活用できますので、いろいろな場面で事業を活用したいと。例えば、南城市では9つの小学校がございますが、既に8つの小学校で施設を整備しました。このように積極的に取り組んでいる市町村もございますし、実績がどんどんふえて、市町村もこれであればうちでもできるかもしれないという感触も得ていますので、どんどん拡充していきたいと思います。

○瑞慶覧功委員 市町村によって違いがあって、全然そういう事業をしていないところはこれからだと思うのですが、聞くところによると1施設当たり4000万円という上限がありますよね。ただ、今は工事費も高騰していますし、消費税の問題も出てきたりして、事業を要望するにしても市町村からもっと引き上げできないかという声も当然出てきていると思うのですが、そこら辺はどう考えていますか。

○久貝仁子育て支援課長 やはり市町村では財源が厳しいということで、補助単価の見直しということで、平成30年度は単体の施設については3000万円から4000万円に拡充したばかりですが、まだまだ足りないという声は実際にございます。市町村によっては、例えば、浦添市の沢岻小学校などは、補助費が余り高騰しないような軽量の建物でできないかとか、そのように工夫しながらやっていますので、こういったものも市町村とどんどん情報共有を図りながら進めていきたいと考えております。

○仲村未央委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○仲村未央委員長 質疑なしと認めます。

 以上で、平成30年度沖縄県小中学生調査の中間報告についての質疑を終結いたします。

 休憩いたします。

   (休憩中に、説明員等の入れかえ)

○仲村未央委員長 再開いたします。

 次に、子ども生活福祉部、商工労働部及び教育委員会関係の陳情平成28年第140号、教育委員会関係の陳情第44号の6の審査を行います。

 ただいまの陳情について、子ども生活福祉部長の説明を求めます。

 なお、継続の陳情については、前定例会以降の新しい事実についてのみ説明をお願いいたします。

 大城玲子子ども生活福祉部長。

○大城玲子子ども生活福祉部長 それでは、陳情の処理方針について、お手元に配付しています陳情に関する説明資料で御説明申し上げます。

 表紙をめくりまして、陳情一覧をごらんください。

 本委員会に付託されている陳情については、継続が2件となっています。

 子ども生活福祉部所管に係る1件につきましては、処理方針に変更がありませんので、説明を省略させていただきます。

 以上で、陳情の処理方針についての説明を終わります。

○仲村未央委員長 子ども生活福祉部長の説明は終わりました。

 次に、商工労働部産業雇用統括監の説明を求めます。

 伊集直哉産業雇用統括監。

○伊集直哉産業雇用統括監 続きまして、商工労働部所管に係る陳情処理方針について、御説明申し上げます。

 継続審議となっております陳情1件につきましては、処理方針に変更がありませんので、説明を省略させていただきます。

 以上で、陳情の処理方針についての説明を終わります。

○仲村未央委員長 商工労働部産業雇用統括監の説明は終わりました。

 次に、教育庁教育指導統括監の説明を求めます。

 與那嶺善道教育指導統括監。

○與那嶺善道教育指導統括監 続きまして、教育委員会所管に係る陳情処理方針について御説明申し上げます。

 継続審議となっております陳情2件につきましては、処理方針に変更がありませんので、説明を省略させていただきます。

 以上で、陳情の処理方針についての説明を終わります。

○仲村未央委員長 教育庁教育指導統括監の説明は終わりました。

 これより各陳情に対する質疑を行います。

 質疑に当たっては、陳情番号を申し述べてから重複することがないよう簡潔にお願いいたします。

 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行うようお願いいたします。

 質疑はありませんか。

 新垣新委員。

○新垣新委員 陳情平成28年第140号貧困をなくし、子供の未来を保障する対策を求める陳情で、親の貧困解消のため、最低賃金の大幅な引き上げ、非正規雇用の規制、申請しやすい生活保護行政による生活保護率の向上及び最低保障年金制度の創設などということですが、現状において、沖縄県の生活保護世帯は何世帯ですか。

○金城賢福祉政策課長 沖縄県における生活保護の現状ですが、平成30年8月末現在で被保護世帯が2万8749世帯、被保護人数が3万7181人で、いずれも過去最高となっております。

○新垣新委員 現状において、るる難しいところがあると思うのですが、生活保護者をいかに自立させていくかというサポートとして、県は市町村との連携をどのような形で行っているかをお聞きします。

○金城賢福祉政策課長 生活保護世帯における就労支援事業という形でお答えしたいと思いますが、就労支援につきましては、保護を受給されている方の稼働能力として、1つは就労の意欲等がございますので、現時点で3つの事業を実施しております。1点目に、生活保護受給者等の就労自立促進事業でございます。これはハローワークと連携して職業紹介を行うということで、最も一般の就労に近い方に対する支援でございます。もう一つは、被保護者就労支援事業ということで、生活保護法第55条の規定に基づいて福祉事務所に就労促進指導員を配置いたしまして、就労指導促進を行うといった事業です。それから、被保護者の就労準備支援事業ということで、長期間仕事をしていない方や引きこもり等、なかなか就労に結びつくことが難しい方に対する支援がございます。この3つの事業を持ちまして支援を行っているところですが、1点目のハローワークと連携した支援事業につきましては、平成29年度の実績で423名の方に対して支援を行い、301名の方が就職をしております。結果、25名の方が自立をして保護の廃止という形の実績が出ております。それから、福祉事務所に就労促進指導員を配置して、例えば、求人情報を提供したり、面接の際の心得やハローワークへの同行訪問、また、就職後の定着支援という形で支援を行っておりまして、これによって872名の方に支援を行って、約388名の方が就職をしております。結果、57名の方が自立をしているという実績がございます。もう一つ、なかなか就労に結びつきにくいような引きこもりや長期間離職をしているといった方に対する支援につきましては、まずは日常生活、例えば、規則正しい起床、就寝や食生活、さらに、それを踏まえて職場見学やボランティア活動、農作業体験などといった形で、日常生活の自立に向けた支援と社会生活ということで就労に向けた支援を行っている状況でございます。

○新垣新委員 これは国から定められた一定のルール文のような形になっているとは思いますが、先ほどの2万8749世帯の中で那覇市が1万世帯を超えていると。その問題において、特に高いところからウエートを置いた形で力を注入していくことが大事だと思うのです。那覇市、沖縄市、浦添市など、高いところに対する県の指導、助言等はどうなっていますか。

○金城賢福祉政策課長 委員の御指摘のとおり、那覇市が最も保護世帯が多く約9700世帯、次いで沖縄市が約4000世帯ということでございます。以下、うるま市等々が続きますが、ここについては非常に重要なところでございますので、県は毎年度監査を行っておりますし、新任のワーカーや査察指導員等を対象とした職員研修等も行っておりますので、そういった研修あるいは監査等を通じて助言、指導等を行っているという状況でございます。

○新垣新委員 この問題において、市町村の財源は―やはり補助費がふえて市町村の一般会計は苦しくなっていくので、新規事業ができないのです。そういった問題もあるので、市町村との連携も高いところから行って、ハローワークを中心として、また、福祉事務所等を通した形で自立をさせていくなど、さまざまな施策も―今、人手不足と言われている時代なのです。パートのような形で頑張らないかとか、そのような形で特に引きこもりでニートのような方々に対して、ぜひ精力を注入していただきたいと思います。

 次に、就学金制度ですが、先ほど御説明のあった中高生のバス通学などについて、現状を教えていただきたいと思います。

○佐次田薫教育支援課長 就学のための給付金事業については、通学費を含む教育費負担ということで給付型で各家庭に給付しておりますが、使用については家庭に応じて行うものですから、そこまでは把握しておりません。

○新垣新委員 給食費においては給付型で負担しているということですが、実績はどうなっていますか。

○平良朝治保健体育課長 就学援助制度によって、41の市町村で助成が行われております。

○新垣新委員 実績はどうなっているかと聞いているのです。

○平良朝治保健体育課長 今、お答えしたとおり、就学援助制度で41の市町村で実施されております。ただ、全てが助成されているかどうかは……。

○仲村未央委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、新垣委員から質疑の補足説明があった。)

○仲村未央委員長 再開いたします。

 平良朝治保健体育課長。

○平良朝治保健体育課長 平成29年度の実績で申し上げますと、受給者数が3万1407名、率にしますと21.7%となっております。

○新垣新委員 3万1407名の方が利用しているということですか。

○平良朝治保健体育課長 市町村の準要保護児童生徒への給食費助成でございまして、3万1407名が助成を受けたということでございます。

○新垣新委員 3万1407名の方が受給していると。これは年々ふえてくる状況だと理解しているので、それに今後どう対応していくかという課題があると思うのですが、そこはどう見ていますか。

○平良朝治保健体育課長 委員からございましたとおり、平成27年度の受給率が18.6%、平成28年度が19.7%、平成29年度が先ほど申し上げたとおり、年々受給率が高くなってきておりますので、真に必要な児童生徒の方々にそういった制度が届くように周知などを行っていきたいと考えております。

○新垣新委員 低所得者世帯、または生活保護世帯が、特に国の制度として高校や大学、そういった等々の活用の奨学金を創設するということですが、実績はどうなっていますか。

○佐次田薫教育支援課長 県では県外大学生への給付型奨学金を創設しておりますが、平成29年度については内定者25名が決定しております。平成30年度、平成31年度の入学者についても25名内定する予定で事業を進めているところでございます。

○新垣新委員 25名から35名の枠しかないと理解していいですか。

○佐次田薫教育支援課長 枠としては25名で、学年進行で拡充しているところでございます。

○新垣新委員 特に沖縄は県外の専門学校、大学に行く子供たちが多いのです。やはり負担率は必要なもので、もっと拡充、拡大はできないのでしょうか。私は1000名ぐらいの枠を置いたほうがいいと思っているのです。1000名ぐらい置かないと、沖縄の発展として元が取れないのです。子供たちの教育に投資は惜しまないという気持ちを持ってほしいのです。誰ひとり残さないというのであれば、このくらい大きな気持ちを持たないと、ここに投資したら必ず返ってきます。

○與那嶺善道教育指導統括監 保健体育課長から説明があったように、教育委員会で県外の大学生への支援を奨学金で行っております。また、国においても、平成29年度から県内の大学や専門学校等への進学者を対象とする給付型奨学金が開始しております。また、平成30年度から専門学校への進学者を対象とする沖縄独自の給付型奨学金も創設されております。その辺の周知も図っていきたいと思います。

○新垣新委員 国ができることは国が、県ができることは県が、そこを聞いているのです。結局、現実問題として県は国に頼る以外ないのですか。県独自のものはずっと25名だと理解していいですか。

○與那嶺善道教育指導統括監 我々も創設した給付型奨学金がまだ4年たっていませんので、そういう部分をしっかりやっていきたいと。それから、現在、国においては高等教育の無償化に関する検討が進められておりますので、そういう部分を踏まえて、現在実施している事業の実施状況や、国の制度の支援状況などを注視して取り組んでまいりたいと思っております。

○新垣新委員 他の都道府県の給付型奨学金はどういう状況になっていますか。

○佐次田薫教育支援課長 給付型奨学金は沖縄県と、数字は把握しておりませんが、高知県でも給付型奨学金制度を実施していると聞いております。

○新垣新委員 ほとんどで行われています。もう一度、調べてください。

○佐次田薫教育支援課長 資料を持ち合わせておりませんので、調べてみます。

○新垣新委員 この制度には期待しているのです。25名ではなく1000名の枠に広げていただいて、国からも県からも二重三重で投資をしていけば沖縄の発展に大きく寄与しますので、ぜひ教育委員会にはダイナミックな形で子供たちを育ててほしい。そうすることで沖縄がもっとよくなります。必ず返ってきますので、教育には投資を惜しまず、もっと広げて頑張っていただきたいと思います。

○仲村未央委員長 ほかに質疑はありませんか。

 嘉陽宗儀委員。

○嘉陽宗儀委員 生活困窮者がふえる中で、生活保護申請者が多くなっていますよね。申請したが受給できなかったという人は何名ぐらいいますか。

○金城賢福祉政策課長 平成29年度の実績で申し上げたいと思いますが、申請件数4358件に対して、開始件数が3594件ということで、率で申し上げますと82.5%の開始率となっております。

○嘉陽宗儀委員 受給にはいろいろな条件がありますよね。受給できなかった人の中で特に私が心を痛めているのは、生活保護法第14条で、適用されない、保護基準に満たないと。資産の有効活用が不十分だということで断られている人が結構いるのです。こういう人は把握していますか。

○金城賢福祉政策課長 先ほど申し上げた申請件数に対して、取り下げや却下という形がありますが、取り下げが309件、却下が435件となっております。主な要因としては、他方他施策の活用です。例えば、年金の活用が可能であったり、資産の活用が不十分であったという方がいらっしゃいますので、御質疑の資産活用が不十分であるということで申請に至らなかったというケースはあると考えております。

○嘉陽宗儀委員 特に私が問題にしているのは資産の有効活用で、もっと具体的に対応していいのではないかと思うのです。例えば、沖縄市で爆音訴訟があって、補償金が出ました。ところが、生活保護を受けていた人たちに対して補償金が入った人は生活保護費を全部カットするということになって、その分がカットされたら生活できないということで私の事務所に訴えてきた人がいるのです。そういう予期せぬ収入のために生活保護がカットされるということがあるのですか。

○金城賢福祉政策課長 御質疑の内容は承知していないのですが、生活保護については、国が日本国憲法第25条に基づいて生活に困窮する国民に最低限の生活を保障するという一方で、保護の補足性の原理がございまして、利用し得る資産や能力、その他あらゆる活用できるものを活用することを要件として開始することになっております。したがいまして、資産の活用等も含めて指導、助言等を行った上で、場合によっては結果として保護の開始に至らないケースもあるということでございます。

○嘉陽宗儀委員 爆音の損害賠償ですから、微々たるものです。それが入るからといって生活保護を支給しないということは問題だと思います。これも国の制度だからといって泣き寝入りしている人がいますので、そういう意味では、もっと温かい目で見てほしいと思います。それから、相続問題で、親が亡くなって行方不明の人もいますが、南米にしかいないという人もいたりして、相続がうまくいなかい。しかし、帳簿上は相続財産があるので、これを解決してからだと。生活は困っているので保護してほしいと申請したが、あなたには潜在的財産があるといって支給しないという例もあるのですが、何か具体的解決策はないですか。

○金城賢福祉政策課長 個別の事案なので、先ほど申し上げたとおり、まずは保護の補足性の原理があるというところ。もう一つは、生活保護法第63条において、例えば、利用し得る資産等があって急迫等において急に処分できない場合については保護を実施することも可能なので、そういったところも踏まえながら、個々の生活保護世帯の実態に即して適切に対応する必要があるだろうと考えております。

○嘉陽宗儀委員 最近は少し減りましたが、ホームレスで住宅要件がないといって、申請してもなかなか認められないことがあるのですが、やはり具体的にはありますか。

○金城賢福祉政策課長 保護の申請については、基本的には要保護者あるいは扶養義務者という方から行うのですが、一方で、要保護者が急迫した状況にあると。ホームレス等も該当するかは個々の案件によるかと思うのですが、そういった場合においては福祉事務所の職権によって保護を実施することは可能です。

○嘉陽宗儀委員 個々のケースでいろいろありますが、人情味のある保護行政としてしっかり頑張ってほしいと思いますので、お願いをして質疑を終わります。

○仲村未央委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○仲村未央委員長 質疑なしと認めます。

 以上で、子ども生活福祉部、商工労働部及び教育委員会関係の陳情に対する質疑を終結いたします。

 休憩いたします。

   (休憩中に、執行部退席)

○仲村未央委員長 再開いたします。

 陳情の質疑については全て終結し、採決を残すのみとなっております。

 これより、陳情の採決を行います。

 陳情の採決に入ります前に、その取り扱いについて御協議をお願いいたします。

 休憩いたします。

   (休憩中に、陳情の取り扱いについて議案等採決区分表により協議)

○仲村未央委員長 再開いたします。

 お諮りいたします。

 陳情については、休憩中に御協議いたしました議案等採決区分表のとおり決することに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○仲村未央委員長 御異議なしと認めます。

 よって、さよう決定いたしました。

 次に、閉会中継続審査・調査事件の申し出の件についてお諮りいたします。

 先ほど、閉会中継続審査・調査すべきものとして決定した陳情2件とお手元に配付してあります本委員会付議事件を閉会中継続審査及び調査事件として、議長に申し出たいと思いますが、これに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○仲村未央委員長 御異議なしと認めます。

 よってさよう決定いたしました。

 以上で、予定の議題は全て終了いたしました。

 委員の皆さん、大変御苦労さまでした。

 本日の委員会は、これをもって散会いたします。









沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。

   委 員 長  仲 村 未 央